プリキュア戦記 正義のプリキュアvs終界 (MIXEVOL)
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序章 絶望より生まれし少女

ヒーローやヒロインは人々を守る為に存在する。一般的にはそういうヒーローやヒロインが多い。だが、中にはヒーローやヒロインらしかぬヒーローやヒロイン、ダークヒーローやダークヒロインような者も存在する。しかし、中にはヒーローやヒロインで有りながら人々に迫害される者や、ヒーローやヒロインで有りながら人々から嫌われる者も居る。そして、そして、ヒーローやヒロインで有りながら不幸な出来事に遭い、全てを失い、悪に堕ちたヒーローやヒロインもまた存在する。そして、物語はある異世界から始まる


 

某世界 廃墟

 

 

???「私は何の為に戦って来たの………私は人々を守るために、大切な物を守るために戦ってきたのに………なんで私達がこんな惨めな目に遭わなければならないの………」

 

 

其処にはボロを纏ったウルフカットの少女が居た。少女は何の為に戦ってきたのか分からなくなり、立つ気力すらも失っていた。そんな時少女は有るものを見つけた

 

 

???「何、この黒い水晶は?」

 

 

それは巨大な黒い水晶である。そして少女は黒い水晶に近づいた。すると

 

 

???「汝は復讐を望むか?」

 

 

???「えっ?」

 

 

少女は背後から見知らぬ声を聞いて戸惑いを抱いた。

 

 

???「我には分かる。我は嘗て全てを失い、邪悪に墜ちてしまった者を見ているからだ」

 

 

???「私と同じように全てを失った者が居るの?」

 

 

???「居た。だがその者は心ある者に救われた。だが、救われた事でその者が望む願いはかなえられなかった」

 

 

???「その願いとは?」

 

 

???「全ての世界の破壊と全ての人間の虐殺と英雄の根絶だ」

 

 

???「世界の破壊と人間の虐殺と英雄の根絶?」

 

 

???「そうだ。嘗て我が会った者に世界の破壊を望む者、人間の……いや、全生命体の虐殺を望む者、英雄を憎み、英雄を滅ぼそうと目論む者も居た。だが、お前はそれを全て満たしている」

 

 

???「どういう事?」

 

 

少女は戸惑った。何故自分が全てを憎んでいると感じたのか分からずにいた

 

 

???「お前もまた不幸な人生を歩んだようだな」

 

 

???「ええ、私達も力を手にして、人々を守る為に戦ってきた。けど実際は違った。その力は世界にとってはあってはいけない力。人々は力を恐れ、力を手にした私達を排除した」

 

 

???「なるほど、力を手にし、世界を守る為に戦ってきたが、人々は逆に力を手にしたお前達を排除したのか」

 

 

???「そうよ。そして人々は私達を信じてきた人達を殺し、私達を世界から排除された。そして、居場所を失った私達は当てもなく彷徨った」

 

 

少女は黒い水晶に自身が受けた仕打ちの事を話した

 

 

???「そうか。ならば我に触れるがいい」

 

 

???「えっ?」

 

 

少女は黒い水晶から放つ声に戸惑った

 

 

???「無理も無いか、何の説明も無く触れろと言ったら戸惑うのは当然か。ならわかりやすく言おう。我の意思が宿る水晶、ダーククリスタルに触れろ。さすればお前達を絶望に落とした者に復讐する力を得る事が出来る」

 

 

水晶から放つ声は少女に水晶に触れれば力を手にする事が出来ると告げた。すると

 

 

???「此に触れれば私達は全てに復讐出来る力を得んだね。なら」

 

 

少女は黒い水晶を触った。すると黒い水晶から光が放たれた

 

 

???「全てを復讐する為なら私は全てを捨ててやる!そして、全てを破壊してやる!」

 

 

そして少女は黒い光に包まれた。だが少女からは小さい光が出たの知らない。そして黒い光が収まると少女は漆黒の衣装を纏った姿になった

 

 

???「此が全てを破壊する力を持った姿か」

 

 

少女はこの姿を見て此なら全てに復讐出来ると感じた。すると

 

 

???「何やら面白いのが見れたな」

 

 

少女の近くに金色の衣装を纏った女性が現れた

 

 

???「誰か居るの!?」

 

 

それに気づいた少女は金色の衣装を纏う女性に視線を向けた。すると

 

 

???「警戒しないで欲しい。私は君の敵では無い」

 

 

女性は少女に敵では無いと告げる

 

 

???「敵じゃないの?」

 

 

???「ああ、もし私が敵なら君は既に死んでるよ」

 

 

???「確かに貴女には敵意を感じないね。それより、貴女は何者なの?」

 

 

少女は女性に質問した

 

 

???「そう言えば自己紹介がまだだったな。ならば教えよう。我はプリキュアを超えし究極生命体、キュアタルタロス」

 

 

???「キュアタルタロス?」

 

 

タルタロス「そう、ウルトラマンの世界にてウルトラ一族に対立する者、究極生命体アブソリューティアンの戦士、アブソリュートタルタロスの名を冠するプリキュアだ。さて、私も聞こう。君の名前は?」

 

 

デスバイア「………キュアデスバイアよ」

 

 

タルタロス「デスバイアか………(偶然だな………嘗て世界の破壊を目論む者の名も確かデスバイアだったな………確か心ある者に倒されたかと聞いているが)」

 

 

タルタロスはデスバイアの名を聞いて何かを感じた

 

 

タルタロス「デスバイアと言ったな。君は何を望んでいる?」

 

 

デスバイア「言うまでもないよ。私の望みは全ての世界の破滅と全生命体の根絶よ」

 

 

タルタロス「世界の破滅と全生命体の根絶か………」

 

 

(死してなおまだ全てに対する憎悪を抱くか………)

 

 

「そうか………ならば私も手を貸そう」

 

 

デスバイア「手を貸す?どういう事だ?」

 

 

タルタロス「私の目的も同じだからだ」

 

 

デスバイア「お前も私と同じ目的なのか?」

 

 

タルタロス「近いな。私の目的の一つに世界の破壊がある。だが私は此だけでは終わらせないよ」

 

 

デスバイア「更なる目的があるのか?」

 

 

タルタロス「ああ、プリキュアの為の国、プリキュアキングダムの建国がそれだ」

 

 

タルタロスはデスバイアにプリキュアの国、プリキュアキングダムの建国と言う目的を話した

 

 

デスバイア「プリキュアキングダム?」

 

 

タルタロス「ああ、プリキュアにとっては理想郷とも言える国だ。この国ならばお前のようなプリキュアが不幸にならずに済む。それにお前の目的である全ての世界の破滅と全生命体の根絶を達成してもお前は心が晴れないだろ」

 

 

デスバイア「全てを破壊しても心が晴れないのか?」

 

 

タルタロス「よく言うだろ。復讐を果たしても残るのは虚しさだと………ならば、私が作る国、プリキュアキングダムの女王にならないか」

 

 

デスバイア「女王になる………つまり、私を全世界の支配者になれと言うことか?」

 

 

タルタロス「そうだ」

 

 

タルタロスはデスバイアにタルタロスが創る国、プリキュアキングダムの女王になれと言った

 

 

デスバイア「女王か………そうだな、全生命体を根絶やしにし、全ての世界を滅ぼした後、新たなる世界の支配者になるのも悪くないな。良いだろう。その話、乗ってやろう」

 

 

タルタロス(憎しみしか無いと思ったがそうではないか)

 

 

「理解する頭があって助かる。さて一つ提案があるが良いか?」

 

 

デスバイア「提案?」

 

 

タルタロス「プリキュアキングダムの名前をこのまま出すわけにはいかない。こう言うのは別のプリキュアが出しゃばって来るからだ」

 

 

デスバイア「別のプリキュア?」

 

 

タルタロス「所謂正義のプリキュアだ。折角の企みを正義のプリキュアに潰されたくないだろ。ならば別の組織の名前を付けてはどうだ?」

 

 

デスバイア「別の組織の名か………そうだな。ならば一つ良い名がある」

 

 

デスバイアはタルタロスにある組織の名があると言った。それは

 

 

デスバイア「その組織の名は………終界………全ての世界を終わらせると言う意味を込めた名だ」

 

 

終界と言う組織名である

 

 

タルタロス「ほう、いい名前だな」

 

 

デスバイア「当然だ。この名前なら生半可な相手も下手に攻撃出来ない」

 

 

タルタロス「そうか………ならば次は仲間と拠点だな。それについては私が何とかしよう」

 

 

タルタロスはデスバイアに仲間と拠点の方は何とかすると言う

 

 

デスバイア「宛はあるのか?」

 

 

タルタロス「ある。だから、まずは私が用意した隠れ場所に案内しよう」

 

 

タルタロスが言うと、何もないところから異空間の穴を開いた。そして、タルタロスとデスバイアは空間の穴に入り、空間の穴を閉じた。そしてこの世界は誰も居なくなったかと思われた。ところが

 

 

???「ギギギッ」

 

 

誰も居なくなった廃墟の街から声がした。すると其処には黒い衣装を纏った少女に似た怪人が姿を現した。そして、その怪人は何れあらゆる世界に災いをもたらすことをタルタロスは知るよしも無かった

 

 

────

 

 

タルタロスとデスバイアが良からぬ企みを企てる頃、ある世界では一人の少女がうなされながら居眠りをしていた

 

 

???「うーん」

 

 

その少女は何かにうなされていた。それを見た教師は少女に呼びかけた

 

 

???「美墨さん、美墨さん」

 

 

教師の声に気づいた少女、なぎさは起きようとした。すると

 

 

なぎさ「プリキュア、マーブルスクリュー、マックスゥゥゥゥゥ!!」

 

 

少女は大声を言いながら起きた。其を見た生徒達は呆れていた

 

 

志穂「マックス?」

 

 

生徒が言うと教室に沈黙が広がった

 

 

なぎさ「あ………れ?」

 

 

先生「美墨さん、そんなに私の授業がつまらないのですか?」

 

 

なぎさ「いえ、そんな筈はありません………幾らなんでも居眠りするくらいのつまらない話じゃありませんので………」

 

 

なぎさと少女は居眠りする程話がつまらない訳が無いと答えた。それを聞いた生徒の一部はずっこけた

 

 

────

 

 

そして放課後、なぎさは部活を終えて、帰宅しようとしていた

 

 

なぎさ「何かここのところ調子が悪いよわたし。変な夢を見てはうなされるし、訳の分からないイメージが急に浮かべてくるし………どうなってるのかな…………」

 

 

なぎさが言うと一人の少女が近づいてくる

 

 

???「美墨さん、どんなイメージかしら?」

 

 

なぎさ「雪城さん?何か用でも………あれ?」

 

 

雪城ほのかを見てなぎさはある光景を見た。それはフリルとリボンをあしらった衣装を纏いほのかと一緒に怪人に立ち向かう光景であった。そして、なぎさの様子がおかしいのを見てほのかはなぎさに声をかけた

 

 

ほのか「美墨さん、どうかしたの?美墨さん?」

 

 

声をかけても反応しないのを見たほのかは大声でなぎさに呼び掛けた

 

 

ほのか「美墨なぎさ!!」

 

 

なぎさ「うわっ!?」

 

 

(またなの!今のはイメージのフラッシュバックなの!?)

 

 

なぎさはほのかの声を聞いて驚いた。それと同時になぎさはまたフラッシュバックを見てしまう。するとなぎさはほのかにある質問を言った

 

 

なぎさ「ねえ、雪城さん。わたし、雪城さんと一緒に何かと戦ったの?」

 

 

それはほのかと一緒に戦ったのかと言う質問である。するとほのかは

 

 

ほのか「え、美墨さん?私は一緒に何か戦った覚えは無いわ」

 

 

戦ってないと答えた

 

 

なぎさ「そっか、わたしの記憶違いか………ねえ、こういうのを何ていうんだっけ?」

 

 

なぎさはほのかにこう言うの何て言うのか質問した

 

 

ほのか「デジャヴュよ」

 

 

なぎさ「デジャヴュ?」

 

 

ほのか「既視感の事よ。ようは体験してないのに体験したことの様に感じることよ」

 

 

なぎさ「そうなんだ………」

 

 

(蘊蓄女王の名は伊達じゃないんだ………)

 

 

ほのかははなぎさが見たのはデジャヴュだと答え、説明を言った

 

 

ほのか「多分、どっかのアニメを見た影響があるかも知れないわ。美墨さんは魔法少女は信じるの?」

 

 

なぎさ「いや、もう魔法少女のアニメを見るような歳じゃないから知らないよ」

 

 

ほのか「そう?ごめんなさいね美墨さん。変な質問をしちゃって」

 

 

なぎさ「良いよ。此方こそ雪城さんに変な事を言っちゃって」

 

 

なぎさが言うとこのままマンションへ帰宅した。そして、残されたほのかは

 

 

ほのか「私も他人事じゃないよ。私、何処かで美墨さんと一緒に怪物と戦った気がするの………」

 

 

ほのかもまた、何処かでなぎさと一緒に戦った気がすると言った。そしてほのかの近くには

 

 

???「良かった。この世界にはプリキュアが生まれてない」

 

 

ピンクの衣装を纏った金髪の少女が居た。少女はプリキュアが生まれてないことに安堵していた。そして少女はある事を言う

 

 

トゥモロー「プリキュアが生まれる時、その瞬間から世界は破滅への道を歩んでしまう。そう、プリキュアは邪悪な怪物であると。だから私は二度とプリキュアと言う名の怪物を生ませる訳にはいかない。どんな手を使ってもプリキュアの誕生は阻止する。其が最後のプリキュア、キュアトゥモローの使命よ」

 

 

そう、それはプリキュアと言う怪物の誕生を阻止する事である。そしてキュアトゥモローはプリキュアの誕生を阻止すべく行動する

 

 

────

 

 

そして場面はある墓場に移る。其処は

 

 

 

???「プリキュア墓場、此処ならプリキュアを殺す者が来ることは無い」

 

 

 

無数の鏡の墓がある場所、そう嘗て幻影帝国が作ったプリキュアを封印する地、プリキュア墓場である。そしてその墓場には

 

 

なぎさ「………」

 

 

 

ほのか「………」

 

 

 

ひかり「………」

 

 

 

咲「………」

 

 

 

舞「………」

 

 

 

のぞみ「………」

 

 

 

りん「………」

 

 

 

うらら「………」

 

 

 

こまち「………」

 

 

 

かれん「………」

 

 

 

ラブ「………」

 

 

 

美希「………」

 

 

 

祈里「………」

 

 

 

せつな「………」

 

 

 

つぼみ「………」

 

 

 

えりか「………」

 

 

 

いつき「………」

 

 

 

ゆり「………」

 

 

 

響「………」

 

 

 

奏「………」

 

 

 

アコ「………」

 

 

 

みゆき「………」

 

 

 

あかね「………」

 

 

 

やよい「………」

 

 

 

なお「………」

 

 

 

れいか「………」

 

  

 

マナ「………」

 

 

 

六花「………」

 

 

 

ありす「………」

 

 

 

真琴「………」

 

 

 

亜久里「………」

 

 

 

めぐみ「………」

 

 

 

ひめ「………」

 

 

 

ゆうこ「………」

 

 

 

いおな「………」

 

 

 

はるか「………」

 

 

 

みなみ「………」

 

 

 

きらら「………」

 

 

 

トワ「………」

 

 

みらい「………」

 

 

リコ「……」

 

 

いちか「………」

 

 

ひまり「………」

 

 

 

あおい「………」

 

 

 

ゆかり「………」

 

 

 

あきら「………」

 

 

 

シエル「………」

 

 

 

はな「………」

 

 

 

さあや「………」

 

 

 

ほまれ「………」

 

 

 

ルールー「………」

 

 

 

えみる「………」

 

 

 

ひかる「………」

 

 

 

ララ「………」

 

 

 

えれな「………」

 

 

 

まどか「………」

 

 

 

ユニ「………」

 

 

 

のどか「………」

 

 

 

ちゆ「………」

 

 

 

ひなた「………」

 

 

 

アスミ「………」

 

 

 

まなつ「………」

 

 

 

さんご「………」

 

 

 

みのり「………」

 

 

 

あすか「………」

 

 

 

ローラ「…………」

 

 

 

かつてプリキュアだった少女達と

 

 

メップル「………」

 

 

 

ミップル「………」

 

 

 

ポルン「………」

 

 

 

ルルン「………」

 

 

 

フラッピ「………」

 

 

 

チョッピ「………」

 

 

 

ムープ「………」

 

 

 

フープ「………」

 

 

 

ココ「………」

 

 

 

ナッツ「………」

 

 

 

ミルク「………」

 

 

 

シロップ「………」

 

 

 

タルト「………」

 

 

 

シフォン「………」

 

 

 

アズキーナ「………」

 

 

 

シフレ「………」

 

 

 

コフレ「………」

 

 

 

ポプリ「………」

 

 

 

ハミィ「………」

 

 

 

フェアリートーン「「「「「「「「………」」」」」」」」

 

 

 

セイレーン「………」

 

 

 

キャンディ「………」

 

 

 

ポップ「………」

 

 

 

シャルル「………」

 

 

 

ラケル「………」

 

 

 

ランス「………」

 

 

 

ダビィ「………」

 

 

 

アイちゃん「………」

 

 

 

リボン「………」

 

 

 

グラさん「………」

 

 

 

パフ「………」

 

 

 

アロマ「………」

 

 

 

ミス・シャムール「………」

 

 

 

モフルン「………」

 

 

 

はーちゃん「………」

 

 

 

ペコリン「………」

 

 

 

キラリン「………」

 

 

 

長老「………」

 

 

 

フワ「………」

 

 

 

プルンス「………」

 

 

 

ラビリン「………」

 

 

 

ペギタン「………」

 

 

 

ニャトラン「………」

 

 

 

ラテ「………」

 

 

 

くるるん「………」

 

 

 

グレル「………」

 

 

 

エンエン「………」

 

 

 

プリキュアに関わる妖精達が居た。そして其処には

 

 

ハリハム・ハリー「そうや、このプリキュア墓場は簡単には見つからへんわう強力な結界がある。それ故にプリキュアを見つかる事が出来なんだ。ほんで皮肉にも此処がプリキュアにとっては終の棲家になってしもた」

 

 

トゥモロー「そうですハリー。何処へ行っても迫害される以上、プリキュアに残されたのはエターナルゲージによるプリキュア封印しかありません。そして私がやる事は」

 

 

トゥモローとハリーの姿があった

 

 

ハリー「所謂墓守かいなトゥモロー」

 

 

トゥモロー「そうです。私は二度とプリキュアを生まれないようこのプリキュア墓場で見張るのです。二度とプリキュアを生まない為に」

 

 

トゥモローは決意する。二度とプリキュアを生まないよう見張る事を

 

そして、プリキュア墓場に封印された者でなければ、最悪の事態を止める事が出来ないと

 

────

 

プリキュアと妖精達が封印されたプリキュア墓場の外を見ている者が居た。一人は

 

 

ウルトラマンゼロ「諸悪の根源として迫害を受け、辛い現実に耐えきれなくなり、都合の良い夢の世界に逃げたプリキュア達……だが、夢の世界に逃げても何の解決にならないぜ……夢はいつか覚めるもの、そして辛い現実だろうと生きなきゃ駄目だ……それに生きてる限り、お前達の物語は簡単には終わらない。そして、間違いを犯しても、人は過ちに気づいてやり直す事が出来る。例え時間がかかろうと必ずな。それにお前達は孤独じゃない。必ずお前達を救おうとする人間が現れてお前達を救う者が現れる。だから、都合の良い世界に逃げないでもう一度立ち上がれ。それがプリキュアだろ」

 

ウルトラセブンの息子、ウルトラマンゼロ。そしてゼロが居る方向の反対側では

 

アークゼロ「邪悪なる者によって人生を狂わせ、人々から諸悪の根源として迫害され、全てを失った元プリキュア達……そして、その果てに自らプリキュア墓場に行きプリキュア封印を選んだ……大罪を犯し、全てから逃げたお前達の物語は自ら封印を選ぶ事で終わった。そして、愚かな人間共は何度も間違いを犯し、過ちを繰り返す。そして人間の本性は悪意で出来た醜悪な怪物だ。現に人々を平気に危害を与える邪悪な心しか持たない人間の屑が居る。そしてああ言う輩が居る限り、世界は必ず私のような者によって破滅される。罪人であるお前達は破滅する者に気づかずに自身にとって都合の良い世界、プリキュアが存在しない夢の世界に行き、永遠に目覚める事は無いだろう」

 

仮面ライダーゼロワンの世界に置ける悪意を象徴する仮面ライダーアークゼロが居た

 

 



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消滅された物語と動き出すタルタロス

タルタロスの案内で隠れ処にやって来たデスバイアは悲惨な死を迎えた少女を目撃する。そしてタルタロスはある世界に向かうが其処にはアニメや特撮が何故か消えていた


荒廃世界にてデスバイアをスカウトしたタルタロス。そしてタルタロスはデスバイアと共に隠れ処に居た

 

タルタロス「デスバイアよ。此処が我の隠れ処だ」

 

タルタロスはデスバイアに自身の隠れ処を見せた。そしてデスバイアを自身の隠れ処の中を案内した。そしてある部屋に入った。すると其処には

 

デスバイア「兵器開発の為の研究室があるな」

 

兵器開発の為の部屋があった

 

タルタロス「プリキュアキングダムの防衛戦力や侵略兵器の開発の為の施設だ。そしてこの先にお前に見せたいものがある」

 

デスバイア「見せたいもの?」

 

デスバイアが言うとタルタロスの案内である部屋に移動した。其処にあるのは

 

デスバイア「人がたくさんいるな」

 

タルタロス「ああ、これもまたプリキュアキングダムの為の戦力の一つだ」

 

少女達がたくさん居る部屋である。そしてデスバイアは少女の手を触るが

 

デスバイア「なんだこれは?体が冷たいのでは無いか?」

 

その少女の手は何故か冷たかった

 

タルタロス「冷たいのは当然だ。何故なら」

 

デスバイア「何故なら?」

 

タルタロス「これは死体だからだ」

 

デスバイア「死体?どう言う事だ?」

 

デスバイアは何故死体なのかをタルタロスに問うた

 

タルタロス「理由は簡単だ。私が見つけた時は既にのたれ死んだからだ。生き地獄に耐えきれなくなって自殺でもしただろう」

 

デスバイア「生き地獄か………あいつらも私と同じ地獄を味わったのか……」

 

デスバイアは非業の死を迎えてしまった元プリキュアの遺体を見て憐れみを抱いた。すると

 

デスバイア「ならば私の手で蘇生してやろう」

 

タルタロス「出来るのか?」

 

デスバイア「今の私なら出来る」

 

デスバイアは手をプリキュアの遺体に向けた。そして、手から黒い光が放たれた。そして黒い光を浴びたプリキュアの遺体は立ち上がり、同時にある姿に変わった。その姿はグラビアアイドル並みのプロポーションをし、黒いビキニアーマーを着た姿である

 

???「私達、何でこんな所に居るの?」

 

プリキュアだった少女は何故生き返ったのか理解出来なかった

 

デスバイア「無理も無いだろう。お前達は死んだからだ」

 

???「私達が死んだ?」

 

デスバイア「そうだ。それを私の力で蘇生したのだ」

 

デスバイアは自らの闇の力で生き返らせた事を説明した

 

???「そう。それより一つ聞いて良いかしら?」

 

デスバイア「なんだ?」

 

元プリキュアだった少女はデスバイアに質問した。その内容は

 

???「何故私達のプロポーションがグラビアアイドル並みの体型でビキニアーマーを着せてるの?」

 

自分の身体がグラビアアイドル体型であり、何故ビキニアーマーの格好なのか?

 

デスバイア「私の願望だろう。何せある意味私は大人になれずに死んだ……その影響だろう」

 

???「ではビキニアーマーなのは?」

 

デスバイア「悪の女戦士が着そうな衣装だからだ。これも私の願望だろう………」

 

???「願望ですか……貴女はエロいですね……」

 

デスバイア「言い返せないな………だが、暫くは我慢してくれないか……何れ違う衣装を用意するから」

 

???「分かりました」

 

デスバイアは自分の願望だと答えた。それを聞いた元プリキュアの少女達は暫くはビキニアーマーの格好になるのを我慢すると答えた。すると

 

タルタロス「終わったかデスバイア」

 

デスバイアの様子を見ていたタルタロスが声をかけた

 

デスバイア「ええ、元プリキュア達を生き返らせたわ」

 

タルタロス「そうか。だが一つ突っ込ませても良いか?」

 

デスバイア「何かしら?」

 

タルタロス「何故生き返らせた人間の格好がビキニアーマーなんだ?当たらなければダメージは受けないとは言え理解が出来ない」

 

何故ビキニアーマーの格好で生き返ったのかと言う突っ込みである

 

デスバイア「私の願望だろう………恐らく私はビキニアーマーと言う格好が気に入っているかも知れない」

 

タルタロス「そうか………せめて実戦で戦える格好にしてくれないか………」

 

デスバイア「分かった……それよりタルタロス、お前はどうする?」

 

デスバイアはタルタロスに対しこれからどうするのか質問した

 

タルタロス「これからプリキュアキングダムを建てる予定の世界に向かう」

 

タルタロスはプリキュアキングダムを建国する世界に向かうとデスバイアに告げた

 

デスバイア「そんな世界あるのか?」

 

タルタロス「ある。色んな世界がある以上、プリキュアキングダムを建国するに相応しい世界が必ずある。デスバイア、その世界にプリキュアキングダムが建国するまでの間待ってくれないか。それと」

 

タルタロスはデスバイアにある本を渡した

 

タルタロス「お前はプリキュアキングダムの女王であり終界の支配者だ。キュアデスバイアの衣装だけでなく普段の衣装も必要になる。衣装の参考として此を読んでくれ」

 

それさファッション雑誌である。タルタロスはデスバイアに自分の服の参考としてファッション雑誌を渡したのだ

 

デスバイア「そうね。このキュアデスバイアの格好では一発でバレるな。偽装用にどういう衣装が良いか調べないと」

 

タルタロス「キュアデスバイアの衣装は目立ちやすいからな。では行ってくる。私が戻るまでに決めておけよ」

 

タルタロスが言うと、デスバイアが居る部屋から姿を消した。タルタロスは隠れ処の外に出た。其処には

 

???「遅いぞタルタロス」

 

???「どれだけ外に待たせたのですか」

 

二人の女性がタルタロスが来るのを待っていた

 

タルタロス「すまんなディアボロにティターン。デスバイアに我らの隠れ処を案内したのでな、それより何故私が来るのを待ってた?」

 

タルタロスはディアボロとティターンと名乗るプリキュアに話しかけた

 

ティターン「我々の調査をした結果、ある世界でプリキュアキングダムの建国に相応しい場所を見つけたのです」

 

ディアボロ「だが、この世界にはそれなりの軍事力を持ってることが分かった。此では私達だけでは無傷で手に入れるのは無理だろう」

 

ディアボロとティターンはプリキュアキングダムの建国に相応しい世界を見つけたが、軍事力がそれなりにあるため無傷で手に入れるのは難しいとタルタロスに告げた

 

タルタロス「それで私が来るのを待ってたのだな」

 

ティターン「はい、タルタロスがいれば世界は無傷で手には入れます」

 

タルタロス「そうか。ならその世界へ行くとしよう」

 

ディアボロ「分かりました。ですが留守はどうしますか」

 

タルタロス「留守なら彼女に任せるよ」

 

タルタロスが言うと其処には白銀色の魔法使いの少女が居た

 

タルタロス「ワイズマン、留守番を頼む」

 

ワイズマン「任せなさい。他の面子は不安だけど…………」

 

ワイズマンと名乗る少女が返事するとタルタロス達はプリキュアキングダムの建国予定地がある世界へ向かった

 

────

 

某世界

 

一見現実に存在する世界だが、その世界にはある異変があった

 

市民「おい!何でテレビはニュースしか流してないんだ!?この時間なら特撮やアニメをやってるはずだ!?」

 

市民「ゲームを起動したのに画面は真っ暗だ。どうなってやがる!?」

 

市民「雑誌が真っ白だ!?落丁本でも買わされたのか!?」

 

市民「小説も真っ白だ?作者は原稿でも落としたのか!?」

 

それは、何故か特撮やアニメが放映されず、全てのテレビがニュースしか映れなくなった光景、ゲームの画面が真っ暗になりプレイ出来なくなった光景、漫画や小説が全て真っ白な本になった光景が映っていた。その光景にタルタロス達が姿を現した

 

タルタロス「随分騒がしいな」

 

タルタロスは何故か人々が混乱しているのか理解出来なかった

 

ティターン「おかしいですね。前に来たときはこんな騒ぎは起きていませんが…………」

 

ディアボロ「そうだな。この世界は平和な筈だが………」

 

タルタロス「騒ぎの原因は彼処だな。聞き込みでもするか」

 

タルタロス達は騒ぎの原因であるデパートの中に入った。タルタロス達が違和感無く入れたのは、所謂コスプレイヤーと同じと見なされたからだ。そして、タルタロス達は最も騒ぎが大きいゲームショップエリアに来た

 

スタッフ「こんな所にコスプレイヤーが居るとは………それより何しに来たんだ」

 

ティターン「一つ聞きたい事がある。何故街で騒ぎが起きてる?」

 

ティターンはスタッフに何故街で騒ぎが起きたのか質問した

 

スタッフ「ああ、昨日まで放送していたアニメや特撮、先程までプレイ出来たゲーム、昨日まで発売した漫画や小説が突如無くなってしまった」

 

タルタロス「どんな風に無くなった?」

 

スタッフ「アニメや特撮は突如放映出来なくなり、アニメや特撮が収録したDVDは全て真っ暗になり、ゲームは突如プレイ出来なくなり、アニメや特撮同様画面は真っ暗になり、漫画や小説は全部真っ白な本になってしまった」

 

スタッフは昨日まであったアニメや特撮、漫画や小説が突如消えた事をタルタロス達に話した

 

ディアボロ「アニメや漫画が突然消える?有り得ないな」

 

ティターン「そうですね。何でアニメや特撮、漫画や小説が消えなければならないでしょうか………タルタロス?」

 

ディアボロとティターンは何故アニメや特撮などが消えたのか理解できずにいた。するとタルタロスは意外な行動に出た。それは

 

タルタロス「済まないが、アニメのDVDと特撮のDVDとDVDプレイヤー、ゲーム機とソフト、漫画雑誌と小説を買いたいが」

 

スタッフ「こんな使い物にならなくなったやつを買うのですか?」

 

タルタロス「そうだ?因みに代金は?」

 

スタッフ「金は良いです。真っ白な本に画面が映らないDVDに価値はありません。幾らでも持っていってください!」

 

買い物である。タルタロスは代金を払おうとするが、買ったものは不良品だと言う理由でただで良いと答えた。それを見てディアボロは苛立った

 

ディアボロ「タルタロス!?こんな状況で買い物とは何を考えている!!」

 

ディアボロはタルタロスに何を考えて買い物をするのかと問い詰めた

 

タルタロス「待てディアボロ。私は単に買い物をした訳ではない」

 

ディアボロ「どういう事だ?」

 

タルタロス「都合よくアニメや特撮、漫画や小説が消えると思うのか?」

 

タルタロスは都合よくアニメや特撮、漫画や小説が消えるのかをディアボロに言った

 

ディアボロ「いえ、普通はあり得ませんが………」

 

タルタロス「それこそご都合主義でなければ……」

 

ティターン「いえ、起きてます」

 

タルタロス「どういう事だティターン?」

 

ティターン「確か月光条例の世界でアニメや特撮、漫画や小説のキャラ達が皆殺しにされた話は聞いた事があります。しかしお伽話の住人は生き残りました。そして最終的には月光と月の民の王の殴り合いの際に強力な月の光を浴びた人達がアニメや特撮、漫画や小説の話を作った事で元に戻ったと聞きます」

 

ディアボロは普通はあり得ないと答えたが、ティターンはある世界では起きていたと答えた

 

タルタロス「そう言う世界もあるのか」

 

ティターン「はい、お伽話の住人が世界を守る世界があってもおかしくありません」

 

タルタロス「そうか。ではティターンよ。この世界で放映した作品は何があった?」

 

タルタロスはティターンにこの世界で放映していた作品は何か質問した

 

ティターン「はい、この世界では仮面ライダー、スーパー戦隊、ウルトラマンはありました。しかし、ある作品だけはありません」

 

タルタロス「何が無い?」

 

ティターン「プリキュアです。この世界はプリキュアが放映されておらず、変わりにおジャ魔女の新作が放映してます」

 

ティターンはこの世界はプリキュア以外は本していると答えた

 

タルタロス「プリキュアだけが放映されてないか……何かあるな……」

 

タルタロスは何故プリキュアだけが放映されてないか考えた

 

タルタロス「後で原因を調べよう」

 

タルタロスが言うと先程買ったDVDと本をタルタロス達の隠れ処に転送した。そして転送を済ますとタルタロス達はデパートから出た

 

タルタロス「さて、ディアボロにティターン。本来の目的を果たしに行くぞ」

 

ティターン「寄り道をしてしまいましたが、漸く本来の目的を果たせますね」

 

ディアボロ「では何処へ行きますか?」

 

ディアボロはタルタロスに何処へ行くのか尋ねた

 

タルタロス「目的地は東富士演習場だ。その前に行きたい所がある」

 

ディアボロ「行きたい所?それは何処だ?」

 

タルタロス「テレビ局と首相官邸だ。ちょっと挨拶に行かないとな」

 

タルタロスは東富士演習場に行く前にテレビ局と首相官邸に行くとディアボロとティターンに言った

 

ティターン「何故テレビ局と首相官邸なんだ?」

 

タルタロス「この世界は平和だ。それ故にヒーローの事を知らない。だからこそ我らの力を世界に見せるためにテレビ局と首相官邸に行くのだ」

 

ディアボロ「なる程、我らの実力を見せるためにわざわざテレビ局と首相官邸に行くのだな」

 

タルタロス「ああ、我らの実力はこの世界の人間に見せる必要がある。そして」

 

ディアボロ「そして?」

 

タルタロス「この世界をできる限り無傷で手に入れた後、この地にプリキュアキングダムを建国するのだ」

 

タルタロスが言うと先ずはテレビ局に向かった。そう、全てはこの世界をできる限り無傷で手に入れた後、この地にプリキュアキングダムを建国する為である。そして、タルタロス達の力を世界の住人達は思い知らされる

 




次回、タルタロス達は意外な行動をする


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タルタロス流殴り込み

テレビ局に殴り込むタルタロス達。タルタロス達の宣戦布告を聞いた人々は動き出す


ある世界にやって来たタルタロス達は何故かアニメや特撮、漫画や小説が消滅して混乱している人々を目撃した。この消滅には何かあると見たタルタロスはそのアニメや特撮のDVDを買った後、隠れ処に転送した。そしてタルタロスは東富士演習場に向かうが、その前にある場所へ向かった。それは

 

────

 

テレビ局 スタジオ

 

テレビ局にあるスタジオではコメンテーター達が謎のアニメや特撮、漫画や小説の消滅騒ぎの事を話していた

 

コメンテーター「妙とは思いませんか?少なく昨日まで特撮やアニメがやったのは確実。それが今日になったら何故か放映出来なくなった。スタッフがミスをしたのですか?」

 

コメンテーター「それはありません。倉庫やアニメスタジオには侵入者は居ません。それにその時、フィルムには弄った跡はありませんでした」

 

コメンテーター「スタッフに話をした所、昨日は倉庫やアニメスタジオには行ってないと答えました」

 

コメンテーター「ミスをした形跡が無いのに何故か放映出来なくなったアニメや特撮?あれは所謂怪奇現象でしょうか?」

 

ある者は何故か放映出来なくなったアニメや特撮の話をし

 

コメンテーター「そう言えば、今日発売するはずのゲームソフトが全て出来なくなりましたね」

 

コメンテーター「ゲームソフトの社員からはチェックも全て終わり後は発売するのを待つだけでした。なのにプレイしようとしたら何故か画面が真っ暗かつ無音でした。誰も触ってないのにソフトが壊れるなんておかしいですよ」

 

コメンテーター「おかしいと言えば、オンラインゲームのサーバーが全て落ちて、オンラインゲームが出来なくなりましたね。もしかして、ハッカーがサイバー攻撃でもしたでしょうか?」

 

コメンテーター「それはありませんよ。もしサイバー攻撃が起きたら運営から連絡が来ますよ。にも関わらず、ハッキングした形跡がまったく無いんですよ。サイバー攻撃が無いのにサーバーがダウンする。あんな事態はあり得ませんよ」

 

ある者は何故かゲームがプレイ出来なくなった事を話し

 

コメンテーター「そう言えば、今日単行本が発売するのがありましたが、実際に買ったら何故か真っ白な本になってましたね。書店の店長さんからは、昨日は単行本の漫画は全部載ってるのに、今日書店に来たら、漫画だけでなく小説までみんな真っ白になったんですよ。あり得ませんよ、全部の本が真っ白になるなんて………」

 

コメンテーター「漫画家の人に聞いたら、その時の原稿は全て出来てて後は出版するのを待つだけでした。なのに出版社からは原稿が真っ白になったと言う連絡が来ましたよ」

 

コメンテーター「それは小説もですね。原稿を書き、出版を待つだけの小説がみんな真っ白になると言う怪奇現象が起きましたね。原稿は出版社に預けている以上、原稿を消す事は無理ですよ」

 

ある者は何故か真っ白になった漫画や小説の話題を話していた

 

キャスター「人が弄った形跡が無いのに、何故かアニメや特撮、漫画や小説が消えたのか?あの怪奇現象の正体は果たして判明出来るのでしょうか?」

 

キャスターは謎の怪奇現象の正体は判明出来るのか不安を抱いた。すると

 

スタッフ「大変です!スタジオ内に妙な連中が現れました」

 

スタッフがスタジオ内に妙な連中が現れた事をキャスターに伝えた

 

キャスター「放送中に妙な連中?何処に居るの?」

 

スタジオに出演してる出演者達は何処に妙な連中が居るのか不安を抱いた。すると

 

タルタロス「放送中に乱入する事になって済まないな」

 

出演者達の前にタルタロスが現れた

 

コメンテーター「何だね君達は!?」

 

出演者達はタルタロス達がスタジオ内に現れたのを見て混乱した

 

タルタロス「何しに来た?決まっているだろ」

 

混乱している出演者を尻目にタルタロス達はカメラの前に立った

 

スタッフ「あんたら、何をする気だ?」

 

スタッフはタルタロス達の行動が理解出来なかった

 

タルタロス「ふむ、これがテレビカメラと言うものか」

 

タルタロスはテレビカメラに視線を向けた。そして

 

タルタロス「其処のスタッフ」

 

スタッフ「はい?」

 

タルタロス「私の方を映してくれ」

 

タルタロスはスタッフに自身を映すよう指示を出した。そして

 

タルタロス「さて、テレビを見ている諸君。放送中に乱入して済まない」

 

タルタロスはまずテレビを見ている人達に謝罪した。そして

 

タルタロス「さて、本題を言おう。この世界にいる人達に告げる。我らはプリキュアを超越せし者達だ。私の名はキュアタルタロス。私の横にいるのはプリキュア神拳の使い手、キュアディアボロとプリキュア武術の使い手、キュアティターンだ。そして我らの目的はただ一つ!」

 

タルタロスは自己紹介した後、目的をテレビを見ている人達に向けて言った。その目的は

 

タルタロス「この世界を手に入れ、この世界にプリキュアの楽園、プリキュアキングダムの建国を宣言する!」

 

世界を手に入れた後、この世界にプリキュアキングダムを建国すると言う宣言である

 

タルタロス「だが、この話を聞いて納得するのは無理だと考えるだろう。ならばそれを証明するため、我らは東富士演習場に向かう。そして、我らの力を披露する。納得が出来ないなら東富士演習場で、強者なり兵器なりを配備するが良い」

 

タルタロスは東富士演習場に襲撃することを言った後、自らの力を見せるとカメラの前に言った。そして言い終えると

 

タルタロス「さて、言いたいことは言った。済まんな、放送中の邪魔をして」

 

タルタロスが謝罪するとスタジオから立ち去った。そして、スタジオ内にいる出演者はと言うと

 

キャスター「今の一団の目的は何だったんでしょうか?」

 

コメンテーター「所謂放送ジャック何でしょうか……」

 

タルタロス達の行動が理解できずに呆然した

 

────

 

首相官邸

 

テレビ局のスタジオ内でタルタロス達が宣戦布告を言った頃、首相官邸では

 

首相「度々我らの居る国で好き勝手やった連中め。こんな大胆不敵な宣戦布告をするとは………」

 

官房長官「放送ジャックは想定していたが、奴等はそれ程自信があるでしょうか?」

 

タルタロス達の放送ジャックの話をしていた

 

首相「あるな。でなければわざわざ視聴者に謝罪する必要があるのか?」

 

補佐官「謝罪は必要無いと思いますが……と言うより何処の世界にわざわざ謝罪する人が居るのでしょうか?」

 

首相は何故タルタロス達は謝罪したのか疑問を抱いた

 

補佐官「無理もありませんよ。この時放送してたのはニュースだけですよ。ニュースしかやってないせいで人々は不満を抱いてます」

 

官房長官「昨日までやっていたアニメや特撮、漫画や小説、時代劇やドラマが突如消えたのです。この影響は甚大であり、他国にも影響が出てます」

 

官房長官と補佐官は首相にアニメや特撮、漫画や小説、時代劇やドラマの消滅による影響の深刻さを報告した

 

首相「そうか。この状況を放置すれば最悪戦争になるな」

 

官房長官「何故戦争ですか?」

 

首相「何処かの漫画だが退屈のあまり戦争を起こして世界が滅亡した話があった。今の世界もまた同じ状況になりつつある」

 

補佐官「確かに、楽しみが無ければ何らかの形で暴発が起きる可能性がありますね」

 

首相「そうだ。それを無くす為、先ずはそのタルタロス達の宣戦布告に乗ろう」

 

首相はこのままではいずれ戦争になると考え、現状打破の為タルタロス達の宣戦布告に乗ることを決めた

 

補佐官「ですが首相。タルタロス達に対抗出来るのはいますか?」

 

首相「奴等は強い奴と交戦していない。恐らく、実力を見せていないだろう。ならばこの国において強い実力を持った連中を呼んで返り討ちにしてやるのだ!」

 

首相はこの国に居る強者達を呼んでタルタロス達を返り討ちにすると補佐官達に告げた。すると

 

???「その話、乗ろう」

 

首相官邸にあるテレビから人の声がした

 

首相「大統領、貴方もタルタロス達の宣戦布告に乗るのですか?」

 

テレビに映ったのは他国の首脳達である

 

大統領「建国以来我々を挑発したタルタロス達の行為が許さないのは此方も同じだ」

 

大統領「人を嘗めた行為、許す訳にはいかないのでな」

 

首相「そうか……では貴方達にお願いがある。この国で最強の実力者達を東富士演習場に呼んで欲しい」

 

首相は他国の首脳達に他国の最強の実力者達を呼んで欲しいと伝えた

 

大統領「分かった。呼ぶのは最強の実力者だ期待して待ってくれ」

 

首脳達が最強の実力者を呼ぶと首相に伝えると、映像を消した。そして首相も行動を開始する

 

首相「さて、此方も最強の実力者を呼ぶとしよう」

 

(奴等は兵器も用意しろと言ったな。気付かない内に兵器を配備しよう)

 

────

 

宣戦布告を済ませたタルタロス達は一路東富士演習場に向かった。だがその道中では

 

 

 

ディアボロ「タルタロス、あんな事をして良かったのか?我々が前もって色んな国にある格闘技ジムや軍事基地、紛争地域で暴れた位で他国が我々の宣戦布告に乗ると思うのか?」

 

 

 

ディアボロはタルタロスに宣戦布告に乗るのか疑問を抱いた

 

 

 

タルタロス「乗るさ。何故なら今の状況を何とかしなければならない理由がある」

 

 

 

ティターン「それは何ですか?」

 

 

 

タルタロス「ディアボロとティターンが格闘技ジムや軍事基地の殴り込み、紛争地帯での乱入行為が効いているからだ」

 

 

 

ティターン「我々の乱入行為がですか?」

 

 

 

タルタロス「ああ、格闘技ジムや軍事基地でディアボロとティターンが殴り込みをした事で、格闘家や軍人が負傷した。その話を格闘技ジムや軍事基地が黙っていられるのか?」

 

 

 

ディアボロ「黙っていられんな。例えば、対戦相手が闇討ちに遭い、対戦相手の戦いを楽しみにした相手が怒り狂うとか、かなりの戦功を稼いだ兵士が、無名の兵士に倒され、歴戦の兵士が無名の兵士にやられた事を知った同僚の兵士が黙る筈が無い」

 

 

 

ティターン「こういうのはかなりの確率で仇討ちに走りますね」

 

 

 

タルタロス「その通りだ。そしてさっきの宣戦布告を聞いた事で、格闘家達や軍人は我らを倒すべく動くだろう」

 

 

 

タルタロスはまずディアボロやティターンが格闘技ジムや軍事基地の襲撃や紛争行為の介入をした事でやられた連中が黙って居られなくなると答えた

 

 

 

ティターン「なる程、どうやら我らの行動は無駄ではありませんね。最も此方はアフターケアを済ましてますよ。証拠を消すために倒された相手には、我々が交戦した記憶だけを消しました」

 

 

 

ディアボロ「記憶を消せば我々の犯行だと気づかないだろう。それに怪しい奴が来た時は亜空間に避難してやり過ごした。だが、この世界の連中は証拠を消したにも関わらず、我々の事がバレてしまったようだ」

 

 

 

タルタロス「記憶を消したにも関わらず我々の行為がバレた?どういう事だ?」

 

 

 

タルタロスは何故ディアボロ達の行為がバレたのか疑問を抱いた

 

 

 

ディアボロ「恐らく、我々と同じ連中が来たからだ。そしてその連中の一人が我々の事を教えたようだ」

 

 

 

ディアボロはこの世界にタルタロス達と同じ連中がいるのではないかと答えた

 

 

 

タルタロス「それは我々と同じプリキュアが居ると言う事か?」

 

 

 

ティターン「ああ、我々と同じプリキュアが居る可能性がある。でなければ、我々の行動が都合よくバレる筈が無い」

 

 

 

タルタロス「そうか。で、そのプリキュアは見てないのか?」

 

 

 

タルタロスはディアボロ達にそのプリキュアを見たのか質問した

 

 

 

ティターン「見てませんよ。証拠を消した後、追っ手が来ない場所に亜空間に避難してます。亜空間に居る以上外の様子は見れませんよ」

 

 

 

ディアボロ「それにやるときは建物内でやってる。其処なら目撃者等居ないからな」

 

 

 

ティターンとディアボロは亜空間に避難した状態で外の様子を見るのは不可能だと答えた

 

 

 

タルタロス「そうか。となるとそいつは恐らく気配を消す能力を持ってるかも知れんな」

 

 

 

ティターン「なる程、それだったらバレるのも納得できますね」

 

 

 

タルタロスは犯人は気配を消す能力持ちだと考えた

 

 

 

タルタロス「ああ、だが今はそのプリキュアは捨て置いておこう。さて、ディアボロとティターンの襲撃が皮肉にも世界を纏める事になった」

 

 

 

ティターン「何故ですか?」

 

 

 

タルタロス「人々の怒りの行き先を我らに向けたからだ。そして、我らを倒す事で人々に希望を与えるだけで無く我々によって虚仮にされた国家の威信を回復出来ると見て我らの宣戦布告に応じたのだ」

 

 

タルタロスはディアボロとティターンに怒りの矛先をタルタロス達に向ける事で世界が一つになったと答えた

 

 

 

タルタロス「それこそ我らの狙いだ。此で敵は我らを叩き潰そうと一気に戦力を投下するようになる」

 

 

 

そう、タルタロスは人々が一つになりタルタロス達に向けるのが目的である

 

 

 

ティターン「そして、そいつらを叩き潰して、世界の人間達に抵抗しても無意味だと思い知らさせた後、降伏させるのですね」

 

 

 

タルタロス「そうだ。それも最強に近い奴を叩き潰せば、大ダメージは必至だ」

 

 

 

ディアボロ「士気を挫くには、最強格の戦士を倒すのが効果的だな」

 

 

 

タルタロス「その通りだ。そして最強格の戦士が敗れる事で人々は勝てない事を思い知らされ、降伏をせざるを得なくなる。さすれば被害を抑えた状態で世界が手に入るのだ」

 

 

 

そしてタルタロス達はその戦士達を叩き潰した後、世界に降伏させて世界を手にするとディアボロ達に言った。だがタルタロス達は知らなかった。既にディアボロ達の行動を見た者が居る事を………

 

 

────

 

 

???「…………」

 

 

其処には忍者をモチーフとした衣装を纏い、顔をフードで隠した少女が居た

 

────

 

───

 

 

 

東富士演習場に向かうタルタロス達。その途上では

 

 

 

タルタロス「そろそろ東富士演習場に着くな」

 

 

 

タルタロス達は漸く東富士演習場に着こうとした。ところが

 

 

 

警察官「お前達だな!テレビ局に放送ジャックし、世界中の国に喧嘩を売った奴等は!」

 

 

 

タルタロス達の周りには警察官が包囲されていた

 

 

 

タルタロス「だったらどうする?我々を逮捕するのか?」

 

 

 

警察官に包囲されているにも関わらず、冷静さを崩さないタルタロスは警察官に自分達を逮捕するのか質問した

 

 

 

警察官「いや、逮捕する気は無い。逮捕などしたらお前達は困るだろう。それより聞きたい事がある」

 

 

 

タルタロス「聞きたい事?」

 

 

 

警察官「お前達はアニメや特撮、漫画や小説と言った物語が消えた現象は知ってるな」

 

 

 

警察官はタルタロス達に物語が消えた現象について質問した

 

 

 

ディアボロ「ゲームショップでその事を知ってるが、それがどうした?」

 

 

 

警察官「済まないが、ちょっと署に来てくれないか?話を聞いたら釈放してやる」

 

 

 

警察官はタルタロス達に署に来た後、事情聴取をするように言った

 

 

 

ティターン「タルタロス、そいつらの事情聴取に付き合うのか」

 

 

 

ティターンはタルタロスに事情聴取に応じるのか質問した

 

 

 

タルタロス「敢えて付き合おう。あの警察官は我々の宣戦布告を見ても納得してないだろう。ならば説明する必要がある」

 

 

 

タルタロスは事情聴取に応じると答えた

 

 

 

警察官「素直に応じたな……(普通なら抵抗するのに……)」

 

 

 

警察官はタルタロス達が素直に事情聴取に応じた事に違和感を感じた。そしてタルタロス達は警察官の指示で警察署の取調室に入った

 

 

 

────

 

 

 

警察署 取調室

 

 

 

警察官「さて、タルタロスと言ったな。お前達は何の目的で来た?」

 

 

 

警察官はまずタルタロス達は何故この世界に来たのか質問した

 

 

 

タルタロス「我々の目的は世界を手にし、プリキュアキングダムを建国する事だ。そのことはテレビで言ったぞ」

 

 

 

タルタロスは警察官に世界を手にした後、プリキュアキングダムを建国すると答えた

 

 

 

警察官「要するに世界征服でもしたいのか?」

 

 

 

ティターン「世界征服ね……まあ、間違ってないな」

 

 

 

警察官「そうか……だがおかしい。世界征服をしたいなら何故わざわざ回りくどい事をする?」

 

 

 

警察官はタルタロス達が回りくどい事をするのか質問した

 

 

 

タルタロス「回りくどい事か。理由は簡単だ。我々はこの世界をできる限り無傷で手に入れたいからだ」

 

 

 

ディアボロ「力ずくで世界を手に入れようとすれば、世界に対し大ダメージを与える事になる。そうなれば世界を手にしても、復興作業をしなければならなくなる。そうなれば抵抗勢力が現れ、そいつらの戦いで余計な被害を増やす事になる」

 

 

 

ディアボロ「我々は余計な争いなど望んでいない。だから、格闘家や軍人が居る場所や、争いが起きてる場所だけを絞って襲撃した。普通なら、商業施設なり発電所なり市街地などを襲撃するだろうが、我々は出来る限り無傷で世界を手に入れたい以上、市街地などを襲撃する訳にはいかないからな」

 

 

 

タルタロス達は出来る限り無傷で世界を手に入れる為、最初から攻撃対象を絞ってから襲撃したと答えた

 

 

 

警察官「なる程、予め攻撃対象を絞ってから襲撃したのだな」

 

 

 

タルタロス「そうだ。そして目論み通り戦力を我々の方に向けたのだ。そして」

 

 

 

警察官「そして?」

 

 

 

タルタロス「その戦力を叩き潰す事で、人々の戦意を砕かせ、そして世界に対し降伏するように告げる。強力な戦力を叩き潰せば士気が下がり、人々は抵抗する意志を失うだろう」

 

 

 

そして、タルタロス達に向けた戦力を叩き潰す事で、人々の士気を挫けさせた後、世界に降伏するよう警察官に答えた。すると

 

 

 

警察官「ふざけるな! お前達がやろうとしている事は世界全ての国々に対する侵略的な焚きつけ行為に他ならないだろ! 無傷で世界を手に入れたいだと? いずれにしろ世界征服行為など、世界全土への重大な国家侵略犯罪だ! 到底許されるなどとは思うな!!」

 

 

 

警察官はタルタロス達の言葉に怒った。だがタルタロス達は動じなかった

 

 

 

タルタロス「お前の言ってる事は正しい」

 

 

 

警察官「何!?」

 

 

 

タルタロス「世界征服など許さないのは普通の人間なら当たり前だろう」

 

 

 

警察官「どういう事だ?」

 

 

 

タルタロス達は警察官が怒るのは当然であるような反応をした

 

 

 

ディアボロ「侵略行為に対し怒りを抱くのは人として当然だろうな」

 

 

 

ティターン「実際に我々は無傷で世界を手に入れたいが此方からすれば歴とした侵略行為に見える。だから怒るのは当然だ」

 

 

 

タルタロス「だからこそ、敢えて攻撃対象を絞っての破壊活動をしたのだ」

 

 

 

警察官「その為に格闘家や軍人だけを狙ったのか!そして、我々を焚きつける為に物語を消したのか!」

 

 

 

警察官はタルタロス達に物語を消したのはお前達なのか質問した

 

 

 

タルタロス「物語を消す?そんな器用な事は出来んよ」

 

 

 

警察官「出来ないだと?」

 

 

 

タルタロス達は物語を消す事は出来ないと答えた

 

 

 

タルタロス「確かに我々は強い。だが、物語は少なくとも1000以上は存在する。今の時点で1000以上の物語を同時に消すことなど出来ない」

 

 

 

タルタロスは今の時点で10000以上ある物語を同時に消すことは出来ないと答えた

 

 

 

ディアボロ「そう言うのは手駒をたくさん用意しなければ、同時攻撃と言う器用な事は出来ない。もし出来るとすればチート能力持ちくらいだ」

 

 

 

ティターン「それにその物語の世界には下手をすれば我々と同じ強さを持ってる連中も居る。そいつらに手間取っていれば別のヒーローが駆けつけられて我々が壊滅することになる」

 

 

 

タルタロス「何よりも、物語の抹消と襲撃を同時に出来る程の余裕は無い。それにもし物語が抹消してるなら我々の痕跡がある。お前はその痕跡を見たのか」

 

 

 

タルタロスは警察官に自身の痕跡を見たのか質問した

 

 

 

警察官「見てない。もしそうなら此方に連絡が来るはずだ」

 

 

 

警察官はそれを見てないと答え、もしタルタロス達の痕跡があったなら連絡が来る筈だと答えた

 

 

 

タルタロス「そうだ。もしそうなら放送中で物語を消したのは我々だと話題を言うはずだ。それが無いのは我々はやってない事の証拠だ」

 

 

 

警察官「例えそうであっても信用出来るか!手駒が無くても妙な力があれば可能だろ!」

 

 

 

タルタロス「正直に言っても無駄か……まあ、この世界の人間は妙な力など信じないから仕方ないか。さて、話を変えよう。そこの警察官よ」

 

 

 

警察官「何だ?」

 

 

 

タルタロス「お前は警視総監、もしくは首相の命令で我々に事情聴衆を受けさせ、事情聴衆で足止めをしてる隙に出来る限り戦力を集めるための時間稼ぎをしたな」

 

 

 

タルタロスは警察官は警視総監か首相の命令で足止めの任務を受けたことに気づいた

 

 

 

警察官「……………………」

 

 

 

タルタロス「沈黙とは図星だな。まあ此方からすれば戦力はたくさん出した方が都合が良いのでな。そして、そろそろ戦力が集まるだろう」

 

 

 

するとタルタロスは手からある空間を開かせた

 

 

 

タルタロス「約束の時間がちかいのでそろそろ失礼しよう。我々の行動が納得できないなら東富士演習場に来るがいい。我々が口先では無いのを見せてやろう」

 

 

 

そしてタルタロス達は空間の穴に入った後、空間の穴を閉じさせた。そして一人残された警察官は

 

 

 

タルタロス「侵略者はお前達だろ。お前たちにそんな事が出来ると思っているのか!?」

 

 

 

苛立ちを抱いた。そしてカメラを手に東富士演習場に向かった。そして警察官はタルタロスの行為は口先ではないことを自らの眼で目撃する

 

 

 

各国の首脳達がタルタロス達の宣戦布告を受けて立つと言った頃、東富士演習場では

 

自衛隊隊員「こんな所に人が来るのかな?」

 

自衛隊隊員は演習場の外を見ていた。すると

 

自衛隊隊員「何だ?近くに黒い穴が見えるな」

 

演習場の近くに黒い穴が現れ、其処からタルタロス達が姿を現した

 

タルタロス「此処が東富士演習場か……」

 

ティターン「この国では規模が大きい演習場の一つであり、演習場にいる人間はかなり居ます」

 

ディアボロ「我らの力を示すには相応しいな。だがタルタロス、お前からすれば駄目なのか?」

 

ディアボロはタルタロスに此だけの人が居るにも関わらず物足りないのかと質問した

 

タルタロス「いや、そうではない。数は充分だが、此だけでは足らない」

 

タルタロスは数は充分だがまだ足りないと言う

 

ディアボロ「足りない?何故だ?」

 

タルタロス「この位の人数で倒す気が無いからだ。恐らく強い奴が来ると考えているからだ」

 

タルタロスは演習場に強者が来るのでは無いか考えていた

 

ティターン「なるほど、敵は数の暴力では我々を倒すのは無理だと判断してますね」

 

ディアボロ「事実、タルタロスが来る前に格闘技団体に乗り込み、格闘家達を返り討ちにしたからな」

 

タルタロス「そうだな、此だけ暴れてただでは済まないだろうな。だが、私はこの世界を出来れば無傷で手に入れたい。せっかく手に入れても損傷があっては余計な手間が増えるだろ」

 

タルタロスは出来たら無傷で世界を手に入れたいとディアボロ達に言う

 

ティターン「修復作業と言う面倒な事をしなければならなくなるからな」

 

タルタロス「せっかく手に入れても荒廃されたら面倒事が増えるからな」

 

ディアボロ「その面倒事を増やさないためにわざわざテレビ局に来たのか」

 

タルタロス「そうだ。そしてその結果がこれだ」

 

タルタロスはディアボロ達に演習場の方に視線を向けるよう言った。すると

 

ディアボロ「ほう、この世界では実力が高く、有名な格闘家達を呼んだか」

 

ティターン「ふむ、他国では有名な軍人達を呼んできたか」

 

其処には格闘家達や軍人達が待ち構えていた

 

タルタロス「まずは格闘家達や軍人達が相手か……前座には相応しいな」

 

ティターン「此で前座ですか?」

 

タルタロス「ああ、戦力は人だけではない。何らかの武器や兵器も持ち込んでいるだろう」

 

ディアボロ「敵も馬鹿では無いな。何か用意するくらいはするな」

 

タルタロス「そういう事だ。では、東富士演習場に乗り込むぞ」

 

タルタロスが言うと三人は東富士演習場に入った。そしてタルタロス達の力を人々は思い知る事になる

 

 

 

 

 

 

 




次回、タルタロス達の実力が判明する


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タルタロス対格闘家

東富士演習場に乗り込んだタルタロス達。其処にはあらゆる格闘家達が待ち構えていた


テレビ局で宣戦布告をした後、東富士演習場にやって来たタルタロス達。そこでタルタロス達は自らの力を披露する

 

────

 

東富士演習場 敷地内

 

ティターン「あっさり入れましたね。てっきり入って早々戦闘になるかと思いましたが………」

 

ディアボロ「この世界の人間は馬鹿では無いな。いきなり戦うなど愚か者がやる事だ」

 

タルタロス「そうだな。身の程知らずが無謀に戦いを挑めば酷い目に遭うからな」

 

タルタロス達は東富士演習場にあっさり入れた事に疑問を抱いた。すると

 

空手家「待っていたぞ!此処に来るのは想定内だ!」

 

ボクサー「ふざけた宣戦布告をした女共よ!お前達はここで叩き潰してやる!」

 

プロレスラー「俺達を嘗め腐るような挑発をするとはな!」

 

タルタロス達の周りには格闘家達が待ち構えていた

 

タルタロス「最初は格闘家達が相手か。それもチャンピオンと言った肩書き持ちと来たか」

 

ディアボロ「ちょうど良いな。色んな格闘技を使うのがいるな。ならば我がプリキュア神拳の糧にしてくれる!」

 

ティターン「個人的には武器使いが出て欲しいのですが仕方ありませんね。まずは無手でお相手しましょう」

 

ティターンが言うとタルタロス達は構えた。そしてそれを見た格闘家達はタルタロス達に攻撃を仕掛けた

 

ジークンドー使い「ほわたぁぁぁぁぁ!」

 

テコンドー使い「ちぇあ!」

 

まずジークンドー使いのドラゴンキックとテコンドー使いのネリチャギがタルタロス達に襲いかかった

 

タルタロス「早速来たか」

 

タルタロスは攻撃が来るのを感じるが何故かガードせずにくらった

 

ジークンドー使い「何だ?何故攻撃しない?」

 

ジークンドー使いはガードしないタルタロスに違和感を感じた。すると

 

タルタロス「ふむ、かなりの鍛錬をしてきたな」

 

今の攻撃を受けて感心していた

 

テコンドー使い「くらったにも関わらず賞賛するとは、何だか不気味だな………」

 

タルタロスの行動を見て恐れを抱く格闘家達。そして別の格闘家達はディアボロに攻撃した

 

ボクサー「俺のパンチはかなり強力だ!此を受けて無事で済む対戦相手は早々に居ないぞ!」

 

ムエタイ使い「俺の蹴りは大木を軽く倒す威力を持つ!悪く思うな姉ちゃん!」

 

ボクサーは左ストレートを、ムエタイ使いはテッカンコークワァーを放ち、それぞれ顔と脇腹に当てた

 

ボクサー「手応えはあったな」

 

ボクサーはディアボロにダメージを与えた事を感じた。だが

 

ディアボロ「それなりの鍛錬はしたが、私からすればひよっこレベルだな」

 

ムエタイ使い「何を言ってやがる!今の攻撃をくらった以上ダメージは受けた筈だ!」

 

お前達常人の格闘技など、自分達超人(プリキュア)の前には屁にも劣る。 そのような嘲笑と物言いをディアボロから向けられたムエタイ使いは煽りを受けて大層憤った。 自分達が幼い頃から必死に努力を重ねて鍛え抜いた格闘技を、ふざけた恰好をした相手に見下されて怒りを懐かない人間は少ない事だろう。

 

だがしかし、現実として、格闘家達の技をその身に受けたディアボロ達には僅かな掠り傷が出来ている程度であった。

 

ディアボロ「確かにダメージは受けた。だがこの程度でプリキュア神拳の使い手である私を倒せると思うな」

 

如何に相手が格闘技の達人であるとはいえ、何の力も無い只人(ただびと)程度に留まる常人風情が、自分達超人(プリキュア)に敵うなどと思い上がりも甚だしい。 ディアボロはそう心外に思って格闘家達へ向け、身の程を弁えろ痴れ者がという高圧的な態度で抗言した。

 

ボクサー「俺達を虚仮にするとは許さねえ!」

 

それを聞いた他の格闘家達もディアボロに向けて攻撃を仕掛けた。そして別の格闘家達はティターンに攻撃を仕掛けた

 

コマンドサンボ使い「あの女、武器が得意だが格闘は苦手そうだな」

 

柔術使い「ならば武器が使えないよう関節技で攻めるか」

 

コマンドサンボ使いと柔術使いはティターンに接近した後、両腕を関節技で極めた

 

ティターン「腕を極めて、骨折を目論みましたか。だがこの程度では通じない」

 

関節技で極められたティターンだが、ダメージはあまり無かった

 

コマンドサンボ使い「普通なら極まったのに……」

 

柔術使い「奴等の身体能力、どれくらいあるんだ……」

 

関節技を極めたにも関わらずダメージを与えてないティターンを見て、コマンドサンボ使いと柔術使いは恐れを抱いた。その後もあらゆる格闘家達がタルタロス達に挑むも誰一人タルタロス達に有効打を与える事は出来なかった

 

マステマ使い「数はこっちが優勢なのに何で苦戦しなければならない」

 

シラット使い「あいつら、戦い慣れしてるのか……」

 

プロレスラー「此処に居るのは世界大会優勝相当の実力者ばかりなのに……」

 

タルタロス達三人相手に対し100人は居る格闘家達。しかしタルタロス達には勝てずにいた

 

タルタロス「世界大会優勝相当の実力者言えど我々には勝てない。何故なら戦いの年季が違うからだ。さてそろそろ本気を出そう」

 

タルタロス達は全員構えた

 

空手家「まさか、あいつら手を抜いていたのか」

 

骨法使い「嘗めプとはふざけやがって」

 

タルタロス達が今まで手を抜いていた事に格闘家達は怒りだし、全員でタルタロス達に襲いかかった

 

ディアボロ「今までの戦いが手を抜いたことに怒ったか。ならば我がプリキュア神拳の力を見せてやろう」

 

ディアボロは片方の脚を前に出した後、腕を前に出した。すると

 

ディアボロ「吹き飛ぶが良い!プリキュア神拳、彗星拳!」

 

ディアボロの拳から彗星の闘気が放たれた

 

空手家「この闘気を喰らったら危険だ!散開しろ!」

 

ディアボロの攻撃を見た格闘家達は散開した。だが

 

ディアボロ「散開したくらいでは逃れられない!」

 

彗星の闘気は拡散し、散開した格闘家達に襲いかかった

 

ジークンドー使い「拡散だと!?」

 

そして拡散した彗星の闘気を喰らった格闘家達は吹き飛ばされた

 

ディアボロ「このぐらいの攻撃は読めなかったな!」

 

闘気を受けて吹き飛ばされた格闘家を見てディアボロはある構えをした

 

ディアボロ「受けろ!プリキュア神拳の拳を!はあああああああああああああああああ!」

 

ディアボロは浮かされた格闘家達に対し連続パンチを繰り出した

 

ムエタイ使い「この拳、速い上に強い!」

 

格闘家達はディアボロの拳を喰らい、そして

 

日本拳法使い「うわあああああああああああ!」

 

このまま地面に叩きつけた

 

ディアボロ「プリキュア神拳、閃迅百烈拳!お前達に1000年以上の歴史を持つプリキュア神拳を破る事は出来ない!」

 

ディアボロは地面にのされた格闘家達に自らの拳法を破る事は出来ないと強く言った。するとディアボロの背後には別の格闘家達が動いていた

 

ムエタイ使い「大技を放った反動で隙が出来たな」

 

カポエラ使い「最早手段は選ばん。反則に当たるが背後から攻撃するぞ」

 

ムエタイ使いはティカウを、カポエラ使いはフォーリャを放ち、ディアボロの背後に攻撃しようとした。だがその攻撃は

 

ティターン「お前達の攻撃は想定済みだ」

 

ティターンに読まれており、そして手刀を放ち、ムエタイ使いとカポエラ使いに当てた

 

ムエタイ使い「何だこの手刀は?」

 

ムエタイ使いはティターンの手刀を喰らうも何も起きてないのでは無いか疑問を抱いた。するとティターンはムエタイ使いにある事を言う

 

ティターン「私の手刀をただの手刀だと思いましたか?残念、違いますよ」

 

ティターンはただの手刀ではないと言った。そして

 

カポエラ使い「ぐはっ!」

 

カポエラ使いとムエタイ使いは身体に斬撃を受けた傷を受けた後、うつ伏せに倒れた

 

ティターン「私の手刀は下手な刃物より鋭い。ある世界では銃弾みたいな拳を放つ者が居ます。そして私の手足もまた武器そのものです。そう」

 

ティターンが言うと倒れたムエタイ使いとカポエラ使いに対し足払いを放った。すると

 

ムエタイ使い「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

足払いを食らったムエタイ使いとカポエラ使いは浮かされながら斬撃をくらい動けなくなった

 

ティターン「武器の戦いこそが本懐であるプリキュア武器術の使い手の私は素手の戦いも出来るのです」

 

ティターンは攻撃を受けて動けなくなったムエタイ使いとカポエラ使いに対し、武器だけでなく格闘も出来ると告げた。すると

 

プロレスラー「格闘だけでなく武器も使えるとは、だが投げ技や関節技なら通じる筈だ」

 

プロレスラーはティターンに組み付こうとした。だがその行為は

 

タルタロス「私を忘れては困る」

 

近くにいたタルタロスに阻止された。そして

 

タルタロス「叩きつけるが良い」

 

タルタロスはまずプロレスラーに対し、ダブルアームスープレックスを仕掛け、次に

 

タルタロス「へし折るがいい」

 

風車式バックブリーカーでプロレスラーの背骨にダメージを与え、最後に

 

タルタロス「真っ逆さまに落ちるが良い」

 

プロレスラーを上に放り投げた後、空中で掴んだ後、パイルドライバーでプロレスラーを地面に叩きつけた。そして叩きつけられたプロレスラーは

 

プロレスラー「奴等は投げ技でも強いのか……」

 

タルタロス「プリキュアは投げ技や関節技も強い。運が悪かったな」

 

このまま気絶した。そしてタルタロス達の周りにはたくさんの格闘家達が残っていたが、それも

 

ディアボロ「無駄だ!」

 

相撲取り「ぐはっ!」

 

あるものはディアボロの正拳突きを受けて吹き飛ばし

 

ティターン「貫くが良い」

 

中国拳法使い「がはっ!」

 

ある者はティターンの貫手にやられ

 

タルタロス「吹き飛ぶが良い」

 

ジークンドー使い「があっ!」

 

ある者はタルタロスのアッパーで吹き飛ばされた。そして、数分後

 

タルタロス「格闘家達のはこれで打ち止めだな」

 

格闘家達はタルタロス達三人によって全滅された。いくら強くても格闘家(凡人)ではプリキュア(超人)が相手では決して勝てないのだ

 

───

 

タルタロス達が格闘家達を倒した頃、演習場の近くでは

 

警察官「あの連中は何処に居るんだ」

 

先程、タルタロス達に職務質問させた警察官が居た。彼はテレポートで取調室から脱出したタルタロス達を追って東富士演習場にやって来た。すると近くで衝撃音が響いた

 

警察官「まさか、あいつらが居るのか」

 

警察官は衝撃音が発した場所に向かった。すると其処には

 

警察官「噓だろ……」

 

タルタロス達に倒された格闘家達が居た

 

警察官「世界大会の優勝相当の実力者が倒されるなんて……」

 

警察官はタルタロス達に倒された格闘家達を見て愕然した。だが警察官はある方向に視線を向ける。其処には

 

警察官「いやまだだ」

 

武器の使い手達や軍人、更に戦車と言った兵器があった

 

警察官「武器の使い手に銃を持った軍人、更に戦車等の兵器がある!格闘家達を倒したくらいで終わると思うな!」

 

だが警察官は愕然とする光景を見てしまう。そして世界は思い知らされてしまう事態が起きる事を

 

 

 




次回、第二陣がタルタロス達に襲いかかる


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タルタロス対武器使い

格闘家達を蹴散らしたタルタロス達に次なる敵が襲いかかる


格闘家達を一蹴したタルタロス達は周辺を見回していた

 

ディアボロ「先ずは格闘家達を返り討ちにしたな……どうしたタルタロス?」

 

タルタロス「まだ終わるには早いよディアボロ」

 

タルタロスはディアボロにまだ終わりではないと言う

 

ディアボロ「どういうことだ?」

 

ティターン「ディアボロ、全ての人間は武器を持たずに戦うと思うのか?」

 

ディアボロ「思わんさ!いくら鍛えても素手では限界はある」

 

ティターン「そう。素手だけでは戦えない。となれば次は何が来るかわかるかい?」

 

ティターンはディアボロに相手は素手だけで人間だけではないと答えた。すると

 

暗器使い「お喋りとは余裕だな!だが其が命取りになる!」

 

ディアボロの近くには暗器使いがおり、暗器使いはディアボロに向けて投げナイフを放った。だが

 

ティターン「気配を消し、隙が出来るのを待ち暗殺を試みようとしたが無意味ですね」

 

ティターンは暗器使いの投げナイフに気づいていた。そして手にした長剣で投げナイフを切り払った

 

暗器使い「今の攻撃があっさり無効化するなんて」

 

暗器使いは今の攻撃が無効化した事に唖然とした

 

ティターン「いくら気配を消そうとも、所詮は凡人(ただの人間)止まり。超人(プリキュア)では決して勝てない。そしてコソコソしないで出て貰おうか」

 

ティターンが言うと、周りには武器を持った連中が居た

 

タルタロス「次は武器持ちが相手か」

 

ディアボロ「素手で我々を倒そうとしたが無駄だと見て出てきたか」

 

ティターン「されど武器を持てば勝てると思っているようだが、無駄です。我らが武器を持っても勝てないことを教えて差し上げましょう」

 

ティターンが言うと長剣を手に武器を持った連中に挑発した

 

剣士「俺達をさっきの格闘家達と同じに見てるな」

 

槍使い「ふざけた格好の癖に、俺達を見下す態度気に入らないな!」

 

剣士「あいつらに様子見など効かない!最初から殺す気で行くぞ!」

 

ティターンの挑発を聞いた剣士達は一斉にティターンに襲いかかった

 

ティターン「最初から全員で襲うとは、余程我らの力を警戒してますね。ですが」

 

ティターンは剣を構えた後、一気に剣士達に接近した

 

ティターン「冷静さを欠けた状態で我々を挑むなど笑止千万!」

 

そして、剣で剣士を斬り裂いた

 

剣士「馬鹿な。奴の剣は速いのか……」

 

ティターンの剣を喰らい、剣士は呆気なく倒れた

 

ティターン「当然です。私はプリキュア武器術の使い手、その歴史は1000年以上はあります。本来なら貴方達もそれなりの腕はありますが、貴方達の力など大した事は無い。何よりも」

 

するとティターンは腕に光を纏わせた。その光る腕から光の刃が生成された。そして

 

薙刀使い「馬鹿な!今の攻撃が読めないなんて……」

 

武器の使い手達は光の刃の前に敗れた

 

ティターン「貴方達は冷静さを欠き、本来なら連携して倒そうとするはずが、格闘家達の大敗を見て、連携せずに数に任せて一斉に襲った。だが、冷静さが欠いてしまい、流れが読まなくなった時点で貴方達は負けたのです」

 

ティターンは冷静さを欠けた時点で負けたと剣士達に告げた。だが敵は剣士だけでは無かった

 

ハンマー使い「剣では通じなかったが打撃系ならどうだ!」

 

ランス使い「刺突武器なら通じる筈だ!」

 

ハンマー等の打撃武器の使い手やランス等の刺突武器の使い手が居た。だが

 

タルタロス「種類を増やした所で何とか出来ると思ったのか?」

 

タルタロスは動じなかった

 

ランス使い「速度や重さがバラバラなら対応するにも苦労するはずだ」

 

ハンマー使い「余裕ぶるのも其処までにしろ!」

 

ハンマー使いのハンマーとランス使いのランスがタルタロスに襲いかかった。だが

 

ハンマー使い「な、何故振り下ろせない!?」

 

ランス使い「何故進めない!?」

 

ハンマー使いとランス使いは動揺した。何故なら

 

タルタロス「そんな攻撃が通じると思ったのか?」

 

タルタロスはハンマーを片手に受け止め、もう片方は片手でランスを抑えたのだ。此により身動きが取れなくなった

 

タルタロス「さて、お前達が想像出来ないものをみせてやろう」

 

タルタロスはハンマーとランスを掴んだ後、相手を持ち上げた

 

ハンマー使い「何をする気だ!?」

 

ハンマー使いは自らを持ち上げて何をする気か質問した。すると

 

タルタロス「お約束を受けて貰うぞ」

 

ランス使い「お約束?」

 

タルタロス「そう」

 

タルタロスはハンマー使いとランス使いを空中に投げた。そして

 

タルタロス「身動きが取れない状態で倒されるがいい」

 

タルタロス本人も空中へ飛んだ。そして投げ飛ばしたハンマー使いとランス使いに近づくと

 

タルタロス「ふん!」

 

ランス使い「ぐはっ!」

 

ハンマー使いとランス使いに膝蹴りを当てた後、地面にたたき落とした

 

タルタロス「打撃武器や刺突武器で倒せるほど我々は甘くない」

 

タルタロスは膝蹴り一発でダウンされたハンマー使いとランス使いに向けて、自身達を倒せないと告げた。そのタルタロスの背後には

 

弓使い「お喋りとは余裕だな」

 

パチンコ使い「だが、その余裕もそこまでだ!」

 

弓使い等の飛び道具使いが待機していた。そして

 

弓使い「放て!」

 

弓使いの号令で一斉に飛び道具を放った。だがこの近くには

 

ディアボロ「近接攻撃が無理と見て遠距離攻撃に切り替えたか。無意味な事を……」

 

ディアボロが居た。そして飛び道具の射線にディアボロが立つと意外な行動に出た

 

パチンコ使い「自ら攻撃を食らいに来たのか!?」

 

ディアボロ「攻撃を食らう?私があんな鈍い攻撃を受けると思ったのか?」

 

パチンコ使いは自ら攻撃を受けるのか疑問を抱くがディアボロはそうではないと答えた。そしてディアボロは飛び道具に対し意外な行動に出た。それは

 

ディアボロ「そんな攻撃、造作も無い」

 

弓使い「噓だろ!?飛び道具を全て手で掴んだのか!?」

 

ディアボロは全ての飛び道具を全部掴んだのだ

 

ディアボロ「想像が足りなかったな。お前達の攻撃、そのまま返してやろう」

 

するとディアボロは先程掴んだ矢や球を全て弓使い等の遠距離攻撃の使い手にそのまま返した。それを食らった者達は

 

弓使い「うわあああああ!」

 

全員、ディアボロが投げ返した飛び道具を食らって倒れた

 

タルタロス「さて、武器の使い手の方もネタ切れだな。一気に片付けるとしよう」

 

武器の使い手の手の内を見たタルタロス達は一気に武器の使い手達を一掃すべく動いた。だが武器の使い手達もこのまま終わる気は無かった

 

鎖鎌使い「怯むな!数はこっちの方が上だ!」

 

武器の使い手達もタルタロス達に抵抗した。だが

 

タルタロス「鎖で私を止めると思ったが甘いな」

 

タルタロスは片腕を鎖で捕縛されるも怯まず鎖を掴んだ

 

タルタロス「鎖使いよ。お前達はこう言うお約束にやられるのだ!」

 

タルタロスは鎖を引っ張り、鎖使いをタルタロスの前に引きずりだした。そして手を鎖使いに向けた

 

鎖使い「何をする気だ?」

 

タルタロス「この距離ではガードなど出来ん!プリキュア・アブソリュート・エクスキューション!」

 

するとタルタロスの手から金色の電撃光線、プリキュア・アブソリュート・エクスキューションを放った。そして至近距離で電撃光線を食らった鎖使いは

 

鎖使い「うわあああああ!」

 

雷撃光線を食らった後、床に倒れた

 

タルタロス「それくらいの行動は読めなかったな」

 

雷撃光線を食らって倒れた鎖使いに対しタルタロスは憐れみを言った。その一方では

 

鉄球使い「ハンマーやランス程度の重さでは、さっきのように持ち上げられてしまうのがオチだ」

 

鉄球使いが鉄球を振り回していた。そして

 

鉄球使い「ならばそれより重いやつでぶっ飛ばしてやる!」

 

鉄球をディアボロに向けて投擲した。そして鉄球はディアボロに命中した

 

鉄球使い「よし!これなら流石の連中もただでは済まないな!」

 

鉄球使いは此だけの質量の攻撃を食らえば無事に済まないと思った。だが

 

ディアボロ「残念だったな」

 

鉄球使い「何!?」

 

鉄球を食らった筈のディアボロは無傷であり鉄球使いは唖然とした

 

ディアボロ「そんな攻撃で私を倒せると思ったのか?」

 

鉄球使い「何で効かないんだ!?」

 

鉄球使いは何故自身の攻撃が効かないのかディアボロに質問した

 

ディアボロ「言うまでもないだろ。プリキュア神拳の鍛錬により私の身体は鋼に等しい強度になってるからだ。そして」

 

ディアボロは自らの鍛錬で身体は鋼そのものになったと答えた。そして

 

ディアボロ「このまま返すぞ」

 

ディアボロは鉄球を軽く触った。すると鉄球は豪速球の速さで鉄球使いに襲いかかり

 

鉄球使い「ぐわあああああ!」

 

鉄球を食らった鉄球使いは吹き飛ばされた

 

ディアボロ「プリキュア神拳は武器相手でも通じる。相手を嘗めた時点で貴様らの負けは決まったのだ」

 

ディアボロは鉄球使いに対し、自分達を敵にした時点で負けたと強く言った。そしてティターンの周りには別の武器使いがいた

 

戦輪使い「先程は直線的な攻撃だから負けた。だが俺達なら負けない」

 

ブーメラン使い「変幻自在の軌道、読めるものなら読んでみろ!」

 

戦輪使いやブーメラン使いはそれぞれの飛び道具を放った

 

ティターン「直線的が駄目なら軌道がランダムの攻撃ですか……無駄な事だ」

 

しかし、ティターンに向けた攻撃は悉く回避された

 

ティターン「そういう攻撃も慣れてます。では此方も攻撃しましょう」

 

するとティターンの手には円盤のような物が生成した

 

ティターン「受けなさい!プリキュア武器術!斬光輪!」

 

そして飛び道具使いに向けて、無数の光の円盤が放たれた

 

ブーメラン使い「こっちも飛び道具で来たか!?迎撃してやる!」

 

ブーメラン使いを初めとする飛び道具使いはティターンが放った円盤を撃ち落とそうとするが

 

ティターン「無駄ですよ」

 

しかし、飛び道具は全てすり抜けられてしまった。そして

 

戦輪使い「うわあああああ!」

 

飛び道具使い達は全てティターンの円盤にやられて全て倒された

 

ティターン「優れた能力を持っても、凡人では超人には勝てませんよ」

 

ティターンは飛び道具使いに対し、凡人では超人に勝てないと告げた。その後も武器使い達はタルタロス達に抵抗するも全て返り討ちにされた。すると上空から信号弾の光が現れた

 

刀使い「武器を使っても勝てないとは……後はあいつらに託すしかないか……」

 

信号弾を見た武器使いは一斉に撤退した。そう、今のは所謂撤退信号である

 

タルタロス「それなりに抵抗したが、所詮は凡人止まりだな」

 

ティターン「武器を使えば勝てると思いましたが、無駄でしたね」

 

ディアボロ「だが、このタイミングで撤退とは…………何があったんだ?」

 

ディアボロは武器使い達の撤退に対し疑問を抱いた。すると

 

タルタロス「なるほど、こういう訳か」

 

タルタロス達の周りには軍人達が居た

 

ディアボロ「戦場のプロなら勝てると思っているのか?」

 

ティターン「しかも戦車や自走砲まで用意するとは……」

 

タルタロス「奴等は軍人達等でケリをつける気だろうな。だが、逆に言えば奴等に後は無い。これまで負ければ、この世界は敗北したも当然だろうな」

 

タルタロスは軍人達はここで負ければ世界は終わると思い、一気呵成にケリをつけようと感じた。そして、タルタロス達の戦いもいよいよケリがつけようとした

 

────

 

警察官「格闘家に続いて、武器の使い手までやられるなんて……」

 

高台に居た警察官はタルタロス達の戦いを見ていた。警察官は武器の使い手達を破ったタルタロス達を見て唖然としていた。すると

 

自衛官「其処の警察官。こんな所で何をしている!?」

 

自衛官が警察官の近くに現れた

 

警察官「俺は、妙な連中の戦いを見ていた。あいつらは格闘家や武器の使い手達をあっさり倒したんだ」

 

自衛官「そうか。あの妙な連中を放置したくないのは分かる。だが此処に居るのは危険だ!」

 

自衛官は警察官に此処に居るのは危険だと伝えた

 

警察官「どうしてだ?」

 

自衛官「これから軍人達が戦闘に入る。しかも戦車など軍事兵器も出てくる。此処に居たら砲弾を受ける危険がある。気になるのも分かるが此処に居たら君は間違いなく死ぬ」

 

警察官「分かっている。だが、俺はあの妙な連中の戦いを見届けなければならない」

 

警察官はタルタロス達の戦いを見届けなければならないと自衛官に告げた

 

自衛官「そうか……だが君を死なす訳には行かない。ならばある場所に案内しよう」

 

警察官「何かあるのか?」

 

自衛官「戦いを見届けるのに向いた物があるんだ」

 

警察官を死なせたくない自衛官は警察官にある場所に案内した。そして、警察官は高台から離れて自衛隊のある施設に移動した。そう、この場所はある兵器の範囲内であり、警察官は奇跡的に生還する事になると

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回、戦場のプロがタルタロス達に襲いかかる


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タルタロス対軍人集団

格闘家達を一蹴したタルタロス達の前に今度は軍人達が牙を剥く


格闘家に続いて、武器使いを破ったタルタロス達の前に軍人達が姿を現した。その頃、タルタロス達の戦いを視ていた警察官は巡回している自衛官の案内である場所に居た

 

警察官「この部屋は?」

 

自衛官「ドローン等を保管する部屋だ」

 

警察官「ドローン?」

 

自衛官「小型の無人航空機だ。此にはカメラが付いている。その為かお前が来る前にTV局のスタッフやマスコミの人間がドローンを受け取りに来たんだ。何せこの戦いは、世界にとっては重要な戦いになる。それをドローンで記録するのが目的なんだ」

 

警察官「ドローンじゃないと駄目なのか?」

 

自衛官「ああ、何せ撮る場所が銃弾が飛び交う所だ。近づけば大怪我どころか即死だ」

 

警察官「そうか……その事は既に承知済か?」

 

自衛官「もちろんだ。既に総理大臣の認可も下りてある」

 

警察官「そうか……(それくらい切迫しているのか……)なら、俺にもドローンの操縦方法を教えて欲しいが」

 

警察官は自衛官にドローンの操縦方法を教えて欲しいと頼んだ

 

自衛官「本来、操縦方法の指導は上官の許可が無ければ教えられないが、緊急事態の為特別に指導している」

 

警察官「余程切迫してるのか……」

 

自衛官「それくらいドローンが必要なんだ。緊急事態なので一緒に指導するぞ」

 

警察官は自衛官からドローンの操縦方法の指導を受けた。なお習得したのは25分後であり、短時間でやれたのは自衛官の指導の丁寧さと自衛官がこんな事かと思い、指導マニュアルを活用したためである

 

────

 

警察官が自衛官から操縦方法の指導を受けた頃、首相官邸では

 

秘書官「TV局のスタッフに同行した議員からの報告です。格闘家達と武器使い達はタルタロス達3人によって全員倒されました」

 

首相「世界大会優勝相当の経歴持ちが100人以上居たにも関わらずにか………」

 

秘書官「はい」

 

首相「タルタロス達の言った事は口先ではなかったか………」

 

首相は秘書官の報告を聞いて動揺した

 

首相「だが、自衛隊員や軍人達はまだ残っているな」

 

秘書官「はい、これからタルタロス達に攻撃すると防衛庁長官から聞いてます」

 

首相「そうか……軍人達が敗れたら、この世界は終わるな……それより他の国はどうなっている?」

 

首相は秘書官に他国の動きの事を尋ねた

 

秘書官「それについてですが、他国の首脳陣もまた格闘家や武器使いが敗れた事にショックを受けており、その結果一部の国がある暴挙に走っています」

 

首相「ある暴挙?」

 

秘書官「はい、一部の国の首脳陣は格闘家達が倒されたのを見た事で、タルタロス達に対し大陸間弾道ミサイルを放ったようです」

 

秘書官は首相に対し一部の国の首脳陣がタルタロス達が居る東富士演習場に向けて大陸間弾道ミサイルを放った事を報告した

 

首相「大陸間弾道ミサイルを放っただと!?」

 

秘書官「はい、首脳陣もタルタロス達の戦いを見て、このままでは敗北するとみてミサイルを発射」

 

首相「他の国には報告したのか?」

 

秘書官「いえ、報告すれば間に合わないと判断し、独断で放ったようです」

 

首相「くっ……あんな大敗を見てまともにはいられんか……」

 

(おそらく、負けたら自らの国が滅ぶと言う恐怖に呑まれたんだ)

 

 

「それに既に発射済か……これでは間に合わないな」

 

首相は既にミサイルを放ってしまった事に焦りを抱いた

 

首相「それより、着弾する時刻は?」

 

秘書官「近い場所から放ったものは30分後で東富士演習場に着弾します」

 

首相「そうか……ならば軍人達に伝えよ。ミサイルが着弾する30分の間、タルタロス達を何とか足止めしろ。それと同時に東富士演習場周辺の半径50kmに居る住人を避難するよう伝えろ!」

 

秘書官「分かりました。すぐに伝えます」

 

首相に命令された秘書官は、軍人達に時間稼ぎするよう大臣や長官に伝えた。そして人が居なくなると

 

首相「世界の命運はこの30分後で決まる。どうか無事で居てくれ」

 

首相は軍人達が無事で居て欲しいと祈った

 

────

 

ミサイルが来ることを知らない中、東富士演習場では特殊部隊や軍人達がタルタロス達を包囲していた

 

SAT隊員「格闘家達や武器使いではあの妙な連中には勝てなかったか」

 

SAT隊員「あいつらを格闘家と同じに見なしたのが大きな誤りなんだ」

 

SAT隊員「こいつらには交渉は通じない。それどころか交渉しても、話を聞きそうに無い」

 

SAT隊長「だったら今度は軍人が相手になる。特殊部隊のメンバーも今回は軍の武器を使用している。あいつらに様子見は許されない。一気に攻めるぞ」

 

SAT隊長(それに首相からの連絡で東富士演習場にミサイルが飛来すると言う連絡が来た。あの妙な連中達にやられた光景を見ればそんな事を仕出かす輩が居るのは分かっていたが………俺達は知らない内に追いつめられたんだ……)

 

ミサイルが飛来すると言う不安を抱くも隊長はそれを押し殺した後自らの命令で、軍人達は一斉に銃器を構えた

 

SAT隊長「先ずは拳銃やマグナム系の銃で撃て!」

 

まず、最初に拳銃系の弾丸がタルタロス達に向けて放たれた。だが

 

タルタロス「その程度の弾丸など避けるまでもない」

 

タルタロスは拳銃の弾丸を避けずに何故か受けた

 

SAT隊員「隊長、攻撃は当たってます!これならいけます!」

 

SAT隊長「攻撃は当たっている。だが、マグナムがあるとは言え拳銃系の弾丸ぐらいでは効果が無いだろう」

 

SAT隊員「ならどうしますか?」

 

SAT隊長「次は機関銃系やアサルトライフル系の銃器で攻撃するんだ。単発が駄目なら連射だ!」

 

SAT隊長は拳銃系の弾丸は当たっているが、大して効果が無いと見て、今度は隊員に機関銃系やアサルトライフルで攻撃するよう告げた

 

SAT隊員「了解しました」

 

隊長の命令を受けた隊員達は機関銃やアサルトライフルでタルタロス達に攻撃した。更に

 

SAT隊員「機関銃やアサルトライフルの銃器で動きを封じている隙に更なる攻撃を仕掛けるんだ!」

 

隊員達は更に散弾銃、狙撃銃、対戦車ライフルでタルタロス達に攻撃した。そして数分後

 

SAT隊長「此だけの弾丸を食らえばいくら何でも生きてないだろう」

 

SAT隊長は此だけの弾丸が当たれば流石のタルタロス達も無事ではいられないと思った。だが

 

SAT隊員「駄目です。銃器程度では通じません!」

 

タルタロス達は無数の銃弾を受けたにも関わらず無傷であった

 

SAT隊長「くっ、此だけの弾丸を受けても倒せないとは……」

 

SAT隊長は特殊部隊が持てる銃器では倒せないと悔しさを抱いた。

 

タルタロス「全く、我々の身体が頑丈とは言えそれなりに痛かったぞ」

 

するとタルタロス達の前に更なる人物が現れた

 

米軍兵士「特殊部隊程度の武器では通用しないなら、今度は我々が行こう」

 

それは米軍兵士を初めとする軍人達が姿を現した

 

米軍兵士「そこの妙な連中!次は我々が相手だ!」

 

兵士達はタルタロス達に向けて銃口を向けた

 

ディアボロ「今度は軍人共が相手か」

 

ティターン「テロリスト鎮圧を専門とする特殊部隊と違い、奴等は戦場で戦う連中だ」

 

タルタロス「となると奴等が出す武器はそれなりに強力なのが来るな」

 

タルタロスが言うと周りからロケット弾やバズーカの砲弾がタルタロス達に襲いかかった

 

ディアボロ「いきなり砲弾で来るとは、ふざけた真似を」

 

ディアボロとティターンは砲弾を迎撃しに向かうが

 

タルタロス「まて二人共、攻撃は砲弾だけでは無い!」

 

タルタロスは二人に突出するなと言った。すると

 

ティターン「この銃弾はまさか」

 

無数の銃弾がタルタロス達に襲いかかった。そう

 

米軍軍人「ガトリング砲で蜂の巣になれ!」

 

ガトリング砲から放つ無数の銃弾がタルタロス達に襲いかかった。

 

タルタロス「四方からガトリング砲で蜂の巣にする気か」

 

タルタロス達はガトリング砲の銃弾の前に動けなくなった。そして銃弾や砲弾による煙が消えると

 

米軍兵士「よし、今の攻撃は効いたな」

 

ガトリング砲とバズーカなどの砲弾によっては動けなくなったタルタロス達が居た

 

自衛隊隊員「流石にロケット弾などの爆発物まで耐えれなかったな」

 

自衛隊隊長「そうだな。ならば念をいれよう」

 

隊長が言うと無線である連絡を告げた

 

自衛隊隊長「戦車部隊、戦闘機部隊、発進せよ」

 

それは戦車や戦闘機の発進の連絡である

 

自衛隊隊長「後は、戦車が来るまで攻撃を続けるぞ」

 

自衛隊隊長は兵士達に対し更なる攻撃をするよう指示した。そして銃撃による煙が収まると

 

自衛隊隊員「バズーカやロケット弾を受けてもかすり傷しか負わないとは」

 

バズーカやロケット弾を受けてなおかすり傷程度の傷しか負ってないタルタロス達が居た

 

自衛隊隊員「だが、ダメージは受けてる。さらに攻撃を浴びせてやるんだ!」

 

自衛隊隊員達は更に攻撃を続けた。そして数分後

 

戦車乗り「お待たせしました」

 

隊員達の近くに戦車や戦闘機がやって来た

 

自衛隊隊長「戦車や戦闘機が来たな。一時撤退!同時に此を食らわせろ!」

 

隊長は隊員達に撤退命令を下した後、撤退と同時にスタングレネードや手榴弾を投擲した。スタングレネードや手榴弾を受けたタルタロス達は身動きが取れなくなった

 

タルタロス「幾ら我らの身体が頑丈とは言え、それなりに痛いな」

 

ティターン「敵は必死なんですよ。彼等には負けてはいけない理由がありますから」

 

ディアボロ「とは言え予想より早く戦車や戦闘機が投下するのは想定外だな。どう思うタルタロス?」

 

ディアボロはタルタロスに戦車や戦闘機が来てる状況をどうやって打破するのか尋ねた

 

タルタロス「慌てるな。敵はどういう事か焦っている」

 

ディアボロ「この状況で焦っている?何故言い切れる?」

 

ディアボロはタルタロスに何故敵が焦っているのか質問した。

 

タルタロス「理由は簡単だ。普通なら敵はすぐには仕掛けて来ない。そう、まず最初に敵が交渉するからだ。その交渉をしてる間に敵の情報を手に入れようとしているのだ」

 

ティターン「そうですね。此方からすれば我々はどういう輩か分からない未知の存在。警戒するのは当然です。しかし、さっきまでの攻撃を見ると交渉や情報収集をする暇が無いように見えますね」

 

ディアボロ「敵は我々を倒す為に一丸になっているがどうやら一枚岩ではないな」

 

敵は本来なら攻撃を始める前に交渉や情報収集をする筈が、それをせずに最初から攻撃を仕掛けていた。それを見てタルタロス達は敵は一枚岩では無いと見ていた

 

ティターン「となると此処はどうしますかタルタロス」

 

タルタロス「敵は我々にダメージを与えているのを見て更なる攻勢を仕掛けるだろう。ならば、此処は攻めずに守りに徹しよう」

 

ディアボロ「何故守りに徹する?」

 

タルタロス「敵はこれなら倒せると見て攻勢を仕掛けるからだ。だが、もしそれすら凌いだらどうなる?」

 

ディアボロ「愚問だな。敵の士気は確実に落ちるな」

 

タルタロス「その通りだ。通用するはずの攻撃が通じないのを見れば敵はショックを受けるからだ」

 

ティターン「なるほど、此処は此方が押されてるように見せかけ、時間がたったら此処で反撃をするのですね」

 

タルタロス「そうだ、敢えて押されてるように見せる事で敵が優勢に見せかける。そしてこの状況をひっくり返す事で敵の士気を挫けさせるのだ」

 

タルタロスは二人に敢えて押されてるように見せる事で敵が優勢に見せるようにし、其処から逆転することで敵の士気を挫けさせると告げた

 

ディアボロ「なるほど、ではここは敢えて押されてるように見せるか」

 

ディアボロが言うとタルタロス達は軍事兵器の攻撃に備えた

 

────

 

タルタロス達が軍事兵器の攻撃に備える頃、東富士演習場の上空では大陸間弾道ミサイルが来ていた。それが敵の士気を挫く事を知らない

 

 




次回、最後の攻撃がタルタロス達に襲いかかる


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タルタロス対破壊兵器。そして決着の時

タルタロス達は破壊兵器に対しどう戦うのか?そして戦いが終わった時世界の命運は?


タルタロス達は軍人達の攻撃を凌いだ。だが今度は戦車や戦闘機が牙を剥こうとした

 

戦車乗り「敵はダメージを受けている。此処で一気に叩き潰してやる!」

 

戦車乗りは戦車の砲塔をタルタロス達に向けた。そして戦車の砲弾を放った

 

タルタロス「砲弾が来たか。此処は防御するぞ!」

 

砲弾を見たタルタロス達はすぐさま防御態勢を取った(その序でにオーラを纏っていた)。その砲弾はタルタロス達に命中した

 

戦車乗り「砲弾を食らって無事で済むはずは無い。だが、こう言うのは高確率で無傷オチになる」

 

戦車乗りは今の攻撃を受けても無事では済まないと言うものの警戒を解かなかった

 

戦車乗り「ならば無傷では済まない攻撃を更に浴びせてやるんだ!」

 

別の戦車乗りは砲塔にあるロケット弾をこれでもかというくらいに放った。更に

 

ジープ乗り「爆発物だけでは足りないぞ!」

 

ジープに搭載したガトリング砲の弾丸を放った。さっきより大型の為、威力も増している

 

ティターン「流石に痛いですね。反撃はしなくても良いのですか?」

 

タルタロス「慌てるな。まだ守勢に徹しろ」

 

ディアボロ「此を受けてまだ守勢に徹しなければならないのかタルタロス?」

 

ディアボロはタルタロスにまだ守勢に徹しなければならないのか疑問を抱いた。すると

 

タルタロス「後五分我慢しろ」

 

ディアボロ「後五分?どういう事だ?」

 

タルタロス「五分たてば状況が変わる事態が起きるからだ」

 

ティターン「何かありますね」

 

タルタロス「ああ、こう言うのは耐えれば必ず逆転する事態が必ず訪れるからだ」

 

タルタロスはディアボロ達に後五分我慢しろと告げた。その一方では

 

戦闘機乗り「戦車乗り達の援護に入るぞ!」

 

戦闘ヘリ乗り「攻撃は地上だけだと思うな」

 

タルタロス達の上空には戦闘ヘリや戦闘機が待ち構えており、地上にいる戦車乗りやジープ乗り達の援護を始めた

 

戦闘機乗り「機関銃とミサイルの雨あられだ!」

 

戦闘機と戦闘ヘリからミサイルや機関銃が放たれた。更に外では

 

軍人「迫撃砲、放て!」

 

迫撃砲を用意した軍人が迫撃砲から放つ弾丸を射出した。その砲弾は既に100発くらいは放たれた

 

────

 

戦車や戦闘機がタルタロス達に向けて砲弾を放つ頃、タルタロス達が居る場所の近くには一つのドローンが居た。そしてドローンのカメラを見ているのが居た。それは

 

警察官(カメラ)「あの妙な連中は砲弾が飛び交う場所に居るのか」

 

先程、取調室でタルタロス達を尋問した警察官である。彼は自衛官からドローンの操縦を教えられており、その操縦をもってドローンをタルタロス達が居る場所に移動したのだ。そして警察官はカメラをタルタロス達に向けた。すると其処には

 

警察官(カメラ)「あの連中、砲弾を食らってダメージを受けてるな」

 

砲弾を食らってダメージを受けたタルタロス達が居た

 

(最も格闘家達や軍人達を一蹴したタルタロス達がこれくらいの攻撃を食らってダメージを受けるなど、明らかにおかしい)

 

警察官(カメラ)「まあ、流石にロケット弾100発以上、ガトリング砲の弾が10000発以上食らえばいくら何でもダメージは受けるはずだ。それより何故奴等は反撃しない?」

 

警察官は何故タルタロス達が反撃しないか疑問を抱いた。すると戦場にある音が聞こえてきた

 

警察官(カメラ)「何だこの音は?」

 

カメラ越しに戦場を見ていた警察官はカメラを音がした方向に向けた。すると其処には

 

警察官(カメラ)「何で上空からミサイルが降ってくる!?」

 

(妙だ。普通ミサイルが来たらJアラートに引っかかるはず。なのに何故引っかからない?)

 

上空から無数のミサイルが飛来してきた。それを見た警察官はドローンをミサイルの着弾場所の範囲外に移動した

 

────

 

警察官が上空からのミサイルを目撃した同時刻、タルタロス達はロケット弾等の兵器を防御していた。そして

 

タルタロス「漸く来たな」

 

ディアボロ「何が来たのだタルタロス?」

 

タルタロスはある物が来たことを確信した。それは

 

タルタロス「ミサイルだ。予想ではすぐには来ないが、どうやら最初の格闘家達の全滅を見て、一部の首脳陣が早まった事をしたようだ」

 

ミサイルである。そしてそれを放ったのは一部の首脳陣である

 

タルタロス「愚かな奴等だ。自ら敗北フラグを立たせるとは」

 

ティターン「ならばどうしますかタルタロス?」

 

タルタロス「言うまでも無い」

 

タルタロスは視線をミサイルの方に向けた後、手をかざした

 

タルタロス「ミサイルを全て落としてやる」

 

するとタルタロスの手に光が集まりだした。そして

 

タルタロス「先ずはこれだ!プリキュア・アブソリュート・デストラクション!」

 

手から金色の破壊光線、プリキュア・アブソリュート・デストラクションを放った。そして破壊光線を受けたミサイルは全て撃墜された。それを見た戦闘機乗りや戦闘ヘリ乗りは

 

戦闘機乗り「此だけの砲弾を受けたにも関わらず、ミサイルを撃墜するくらいの余裕があるのか……」

 

ダメージを受けたにも関わらず、ミサイルを撃ち落としたタルタロス達を見て、唖然とした。

 

戦闘ヘリ乗り「ぼけっとするな。止まっているとミサイルの射線に入るぞ」

 

戦闘機乗り「そうだった。此処に居たらミサイルにあたってしまう。離れるぞ」

 

戦闘ヘリ乗りに言われた戦闘機乗りは直ぐさまミサイルの射線に入らないよう離れた。そして更なるミサイルが飛来した

 

ディアボロ「次のミサイルが来たぞタルタロス。此処はどうする?」

 

タルタロス「ならばディアボロにティターン。先ずは目眩ましをするんだ」

 

ディアボロ「目眩まし?」

 

タルタロス「ああ、ディアボロは烈震衝で周囲に土砂を噴出し、ティターンは周りに魔光壁を張って砲弾を防ぐのだ」

 

タルタロスはディアボロ達に目眩ましをするよう指示した

 

ディアボロ「なるほど、土砂を巻き上げれば爆発したように見せかける事が出来るな」

 

ティターン「ですが、ミサイルはどうしますかタルタロス?」

 

タルタロス「それについては一つある方法を使う」

 

ディアボロ「それは何だ?」

 

タルタロスはディアボロとティターンにミサイルはある方法で対処すると言う

 

タルタロス「相手の心をへし折らせる手だ。さて質問だ。ミサイルが来たときに心をへし折るにはどういう手が効く?」

 

ティターン「そうですね。ミサイルを食らっても無傷で済むと言うオチでしょうか?」

 

ディアボロ「ぬるいなティターン。こんなありきたりなオチでは簡単には心をへし折らせる事はできんぞ」

 

タルタロス「その通りだ。無傷で済むだけでは簡単には心をへし折らせんよ」

 

ディアボロ「ならばどうするタルタロス?」

 

タルタロス「答えは決まっている。先ずは目眩ましをするんだ」

 

ディアボロ「分かった。では行くぞティターン」

 

ティターン「任せてください」

 

ティターンが言うとまずディアボロは地面に拳を打ち付けた

 

ディアボロ「まずはこれだ!プリキュア神拳、烈震衝!」

 

すると地面から大量の土砂が噴出された。その規模は凄まじく一見みれば大爆発したように見えるほどである。更に

 

ティターン「次は此です。プリキュア武器術、魔光壁&斬光刃!」

 

ティターンは光の盾、魔光壁を張り、ミサイルの着弾場所の軌道に壁を張り、もう一方では光の短剣、斬光刃を戦車や戦闘機がいる方に投げた。土砂の噴出によって敵は斬光刃に気づかなかった。そしてミサイルはタルタロス達のいる場所に着弾し、大爆発が起きた

 

戦車乗り「此だけのミサイルが当たればいくら何でも生きては居ないな」

 

戦闘機乗り「だが、油断は出来ないな。恐らく無傷で現れる可能性もあるぞ」

 

戦闘ヘリ乗り「そうだな……(それにしても今のミサイルは誰が放ったんだ?)」

 

戦車乗り達は此だけの爆発が起きたもののある不安を抱いていた。その爆発の最中にミサイルの一部が上空に行った事を戦車乗り達は気づいてなかった。そしてミサイルの着弾による爆発が収まったその時

 

戦車乗り「嘘だろ!」

 

爆発が収まった場所からタルタロス達が姿を現した。ある程度の傷はあるもののほぼ無傷である

 

戦闘機乗り「ミサイルを食らってなお無事でいられるなんて……」

 

戦闘ヘリ乗り「奴等の耐久力は化け物か……」

 

タルタロス達が此だけの攻撃を食らって軽傷すら負わせなかった事に絶望する戦闘機乗り達。そして戦車乗り達は絶望を思い知らされることになる

 

────

 

戦車の砲撃だけでなくミサイルすらも耐えたタルタロス達を見て絶望する戦車乗り達が居る戦場の近くには先程飛んでいたドローンが居た。ドローンのカメラ越しに見ていた警察官はと言うと

 

警察官(カメラ)「あれだけの攻撃を受けて軽傷すらならないとは……」

 

ミサイルすらも耐えたタルタロス達を見て唖然とした。するとカメラはあるものを捉えた

 

警察官(カメラ)「あいつら、こんなことがあろうかと思ってバリアを張ったのか」

 

それはタルタロス達の頭上と周りに展開した光の盾である。そう、ミサイルはティターンが用意した光の盾で防いだのだ。するとタルタロス達の頭上に再度ミサイルが飛来してきた

 

タルタロス「来たか。では、此処に居る者達に心を折らせるものをお見せしよう」

 

するとタルタロスはミサイルの着弾場所に移動した

 

戦車乗り「何を考えているんだ?ミサイルの前で何をする気だ?」

 

戦車乗り達はタルタロスの行動が理解できずにいた。そしてミサイルがタルタロスに近づいたその時

 

戦闘機乗り「噓だろ!」

 

何とタルタロスは12発のミサイルを両手で掴み取った

 

タルタロス「ミサイルを両手で掴むなど想定しなかったな」

 

そして、ミサイルをそのまま投げ返し、残りのミサイルを全て撃墜した。それを見た戦闘機乗り達は

 

戦闘機乗り「ミサイルを掴み、それを投げ返すとは……」

 

戦闘ヘリ乗り「ミサイルすらも通じない相手に勝てるのか……」

 

タルタロスの行為を見て唖然とした。そして、戦場に居る者達は戦意を喪失した

 

タルタロス「どうやら心が折れたな。ではディアボロにティターンよ。そろそろトドメと行こうではないか」

 

ディアボロ「そうだな。今まで我慢した分此処で晴らすとしよう」

 

タルタロス達は戦意喪失状態の戦車乗り達に対し構えた

 

戦車乗り「くそ、あんな妙な格好の連中の好きにしてたまるか!」

 

戦車乗り達はタルタロス達に向けて砲撃した。ところが

 

ティターン「砲撃しようとしても無駄ですよ。何故なら」

 

ティターンは戦車乗りや戦闘機乗りに対しある事を告げた

 

ティターン「機関部には斬光刃が既に当たり、爆発してますので」

 

そう、ティターンは斬光刃を機関部に当てたのだ。それによって戦車や戦闘機の機関部が爆発した

 

戦闘機乗り「既に機関部に火災が起きたか!脱出!」

 

戦車乗り「引火したらまずい!」

 

戦車乗りや戦闘機乗りは機関部の爆発に巻き込まれる前に脱出した

 

ディアボロ「脱出したか……まあ、これから起こる事を考えるなら逃げて正解だろうな」

 

ディアボロが言うと手を上に挙げた後、光を収束した

 

ディアボロ「これから此処が焦土になるからな。受けろ、プリキュア神拳流星乱舞!」

 

そして光を上空に放った後、空から無数の光が降り注いだ。その着弾場所の一つには

 

SAT隊員「さっきミサイルが飛来したな。この国にはJアラートがあったのに何で反応しなかったんだ?」

 

自衛隊隊員「あのミサイルは、いきなり来たんだ。だからすぐに対応出来なかったんだ。二度目はJアラートに反応したから着弾場所の近辺にいる人達の避難は済んだが」

 

自衛隊隊員(いや、一度目のミサイルが来た時にもJアラートが反応したはずだ。何か来てるのか……)

 

SAT隊員「まあ、流石にミサイルが着弾したならあの妙な連中も死ぬだろうな」

 

先程タルタロス達と交戦した軍人がいた。すると上空に光らしきものが見えた

 

自衛隊隊員「なんだ?この光は?」

 

軍人は何故光らしきものが見えたのか疑問を抱いた

 

スワット隊員「あの光、俺達の方に来てるぞ」

 

SAT隊員「当たったらマズい!逃げるぞ!」

 

光弾を見た軍人達は着弾場所から離脱するが、光弾の速度は予想より速かった。そして

 

自衛隊隊員「うわあああああああああああああ!」

 

軍人達は光弾をくらい、吹き飛ばされた。流星乱舞を食らった軍人達は動けなくなった。そして流星乱舞は戦車や戦闘機に牙を剥いた

 

戦闘機乗り「あの光弾は危険だ!回避しろ!」

 

光弾を見た戦闘機乗りや戦車乗りは光弾を回避しようとするが、ティターンの斬光刃によるエンジンのダメージで機動力が落ちており、光弾は命中し、戦闘機や戦闘ヘリは次々と撃墜した。それを見てタルタロスは構えた

 

タルタロス「最後の仕上げだ」

 

するとタルタロスの手に光が収束する

 

タルタロス「プリキュア・アブソリュートデストラクション!」

 

そしてタルタロスの手からは金色の破壊光線が放たれ、光線は撤退中の戦車やティターンの斬光刃のダメージで動けなくなった戦車に命中した後、次々と爆発した。更に

 

タルタロス「光線は直線的とは限らんぞ」

 

アブソリュートデストラクションを回転しながらタルタロスの周辺に放ち、タルタロス達の周りに居た戦車や戦闘機を全て撃ち落とした。だがティターンはある事に気づく

 

ティターン「二人とも全力攻撃したにも関わらず手加減してますね。何故ですか?」

 

それは全力攻撃したにも関わらず手加減した事である。それを見てティターンはタルタロス達に質問したすると

 

タルタロス「確かに完膚なきまでに叩きのめせば相手は戦意を喪失さ。だがこれでは我々の恐ろしさを理解する事が出来ない」

 

ディアボロ「そう、敢えて生き残らせ、生き残った人間が我らの恐ろしさを思い知らせる為だ」

 

タルタロス達は敢えて生き残りを出すことで自らの恐ろしさを見せつけたのだ

 

タルタロス「そして、さっきから飛び回っているドローンで我らを見てるものに言っておく」

 

タルタロスは周りに居るドローンに対しある事を言う(更にドローンの操縦者の頭の中に直接言う)

 

タルタロス「我らの戦いを見てたなら今の様子をテレビ局に見せるがいい。そして、無益な事などせずに無条件降伏するよう首脳達に伝えるがいい」

 

タルタロスはドローンカメラで撮影したものをテレビ局に送り、その映像を全世界の人々に見せた後無条件降伏するよう伝えた。そしてタルタロス達の周りに居たドローンはほとんど居なくなった

 

タルタロス「此だけやれば敵も戦う気も失うだろう。此方も一度退くとしよう」

 

タルタロス達はテレポート能力で戦場から離脱した。そしてタルタロス達が居た場所には

 

警察官(カメラ)「此だけの銃弾や砲弾を受けたにも関わらず、平然とするとは俺達人間では勝てないのか…………」

 

警察官が操縦したドローンがおり、ドローンのカメラ越しでタルタロス達の様子を見ていた警察官は、この世界の人間では勝てないのか不安を抱いた

 

警察官(カメラ)「そんな筈は無い。今は居なくてもいつかは対抗出来る存在は居るはずだ」

 

だが警察官は今は居なくてもいつかはタルタロス達に対抗出来る存在は出るはずだと言い、ドローンを帰還した後、このまま食堂に行った

 

────

 

自衛隊 食堂

 

ドローンを帰還した警察官は食堂へ向かった。するとタルタロス達の戦いに参加してない自衛隊隊員は食堂のテレビを見ていた。なお警察官等の部外者が居るのは自衛隊士官の特例措置のおかげである

 

警察官「ちょうど休憩時間を取っているためか人が居るな。テレビを見てるな」

 

警察官は食堂にあるテレビに視線を向けた。すると其処には

 

自衛隊隊員「噓だろ……」

 

自衛隊隊員「格闘家はおろか、軍人すらもかなわないとは……」

 

自衛隊隊員「ミサイルを受けたにも関わらず、ほぼ無傷で済むとは……」

 

タルタロス達を止めに来た者達が敗北したことにショックを受けた自衛隊隊員達が居た

 

警察官「あんな大敗を見てはショックを受けるのは仕方ないか……」

 

自衛隊隊員がショックを受けているその時、テレビの画面は切り替わった。そこには

 

警察官「何故首相が居る?」

 

総理官邸の一室に居る首相が居た。そしてテレビを見ている人達にメッセージを言う

 

首相「テレビを見ている皆様に対し辛い事を言って申し訳ない」

 

警察官「何故一国の首脳が申し訳ないと言うんだ?」

 

警察官は何故首相が謝罪するのか疑問を抱いた。すると

 

首相「国民の人達に言います。我が国はタルタロス達に対し全面降伏する」

 

首相はテレビを見ている者達に対しタルタロス達に全面降伏すると言った

 

自衛隊隊員「何だって!?一国の首脳が何故妙な連中に降伏しなければならないんだ!?」

 

自衛隊隊員「俺達はまだ戦える!なのに何故降伏しなければならない!」

 

警察官「そうだ!被害があったとは言えまだ戦える者がいるのに……」

 

自衛隊隊員や警察官は何故タルタロス達に降伏しなければならない事に苛立った

 

首相「国民の皆さんはまだ戦いたいと抱く者は居ます。ですが我らはあの戦いを見て降伏を決断せざるを得なくなってしまった」

 

そう、首相達政治家達もタルタロス達の戦いの映像を見たのだ

 

警察官(首相達も連中の戦いを見たのか……そして敗北を見て降伏を決断したのか……まだ対抗出来るものがあると言うのに……)

 

首相「そして降伏を決断したのは我が国だけではありません」

 

すると場面は他国の首脳陣が居る場面に変わった

 

大統領「我が国の軍が呆気なく倒された以上これ以上の抵抗は無駄と判断しました。この戦い、我々の負けと言わざるを得ない」

 

何と他国の首脳陣まで降伏を宣言したのだ

 

警察官「そんな、俺達は負けたのか……」

 

警察官は首相を初めとする首脳陣達ががタルタロス達の戦いを見て降伏宣言を言った事に人類はタルタロス達に完全敗北したことを痛感してしまった。だが彼は知らない。そのタルタロス達に対抗する戦士が近い内に現れることを

 

────

 

某国 大統領府

 

世界がタルタロス達に敗北した頃、何者かに破壊された大統領府では見知らぬ二人の少女か居た

 

???「ふん、自分達が消されるのを恐れてミサイルを放つとは浅はかだな」

 

(もっともミサイルが無事に放たれたのは我が警報装置らしきものを破壊し、警報が一時的に無力化しただけに過ぎない)

 

???「そして、自慢のミサイルが呆気なく破壊されたせいでこの国の首脳陣共は混乱したな。まあ、自慢の兵器が呆気なく破壊されるなどあり得ないからな。それにしても何でこんな回りくどい事をするんだ?あんな世界などぱぱっと破壊すりゃ良いのに…………」

 

その妙な少女は回りくどい手を使う事に苛ついていた。すると

 

???「恐らく世界を破壊するのでは無く、世界をできる限り無傷で手に入れる為に回りくどい事をしたいだろう」

 

別の妙な少女は世界征服するためにわざわざ面倒な事をしたと推測した

 

???「要するに世界征服とでもしたいのか?世界征服等面倒くさいだろ!世界等ぶっ壊せば良いのに………」

 

???「そうだな。世界征服と言うものは色々面倒な事をしなければならないからな」

 

???「ならどうする?」

 

妙な少女の質問に対し別の妙な少女はある返答をした

 

???「その回りくどい事をした連中と一度会いに行くぞ」

 

それはその回りくどい連中に会いに行くことである

 

???「良いのか?あいつら話を聞いてくれるのか?」

 

???「行けば分かるさ。行くぞゾンマー。日本に居るヴィンター達と合流するぞ」

 

???「そうだなエンド。そいつらがあたしの目に叶うような連中かどうか見に行かないと」

 

謎の連中エンドとゾンマーはタルタロス達に会うべく日本に向かった。そして彼女達は終焉の使者と出会う事になる

 

 




次回、世界を手にしたタルタロス達はデスバイアを迎える。そして新たな出会いと物語を消した者達の正体が明かされる


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プリキュアキングダムに集う者達

プリキュアキングダムが建国する世界にてデスバイア達は新手のプリキュアと出会う


タルタロス達の圧倒的な力の前に、格闘家や軍人はおろか、兵器すらも破壊されたのを見て、この世界の国々は降伏した。そして世界を手にしたタルタロス達はある人物が来るのを待っていた

 

タルタロス「これでプリキュアキングダムの土地は手に入れたな」

 

ディアボロ「戦力もほぼ無傷で手に入れたおかげで、プリキュアキングダムの防衛能力は確保したな」

 

ティターン「後は彼女を待つのみですね」

 

ティターンが言うとタルタロス達はデスバイアが来るのを待った。すると見知らぬ連中が姿を現した

 

???「この世界をほぼ無傷で手にしたのはお前達だな」

 

タルタロス「見知らぬ連中だな。お前達は何者だ」

 

タルタロスは謎の一団に対して何者なのか尋ねた

 

???「あのアマ、あいつを見てなお冷静でいられやがって!」

 

???「落ち着け!あいつはただ者ではない」

 

タルタロスの態度を見て苛立つ少女を見て別の少女は苛立つ少女を宥めた

 

ディアボロ「ほう、私達を見て恐れずに近づこうとするのが居るとは大した胆力だな」

 

ティターン「貴方達、ただの人間ではありませんね」

 

ディアボロとティターンは妙な連中に対し

 

???「その余裕ぶった態度気に入らねえな!お前らのような奴等なんかに教えられるか!」

 

ディアボロとティターンの態度に苛立った少女はタルタロス達に近づこうとした。すると

 

???「そのくらいにしろゾンマー」

 

ゾンマー「しかしエンド様、あいつらの余裕綽々な態度があまりにも許せなくて」

 

エンドと名乗る少女がゾンマーと名乗る少女を宥めた。それを見たタルタロスは

 

タルタロス「済まなかったな。我々を見て平然としてる事に苛立つような真似をしてしまった」

 

エンドと名乗る少女とその仲間に謝罪した

 

 

エンド「そうか……此方こそ済まなかった。我々を見て冷静でいられた事に苛立ってしまって」

 

 

 

タルタロス「そうだな。我々のような連中は都合良く現れないからな。さて我々に近づこうとした連中よ。君達は誰なんだ?」

 

 

 

エンド「そうだな。ならば教えるとしよう。我はキュアエンドだ」

 

 

 

タルタロス「キュアエンド?(彼女もまた我々の知らないプリキュアだな)」

 

 

 

エンド「知らぬのも無理は無いか。我は別の世界においては虚無の王の異名を持つプリキュアだからな。そして私の配下には彼女達が居る。お前達、自己紹介しろ」

 

 

 

するとエンドはタルタロス達に自らの配下を紹介した

 

 

 

ゾンマー「分かった。あたしはキュアゾンマーだ」

 

 

 

フリューリンク「私はキュアフリューリンクよ」

 

 

 

キュアヘルブスト「私はキュアヘルブストだ」

 

 

 

ヴィンター「キュアヴィンターだよ、よろしくねタルタロスさん」

 

 

 

エンド「彼女達はある理由で封印されたが我の手で封印を解かせた。そして我等はディザスタープリキュアと名乗って暴れ回っている。」

 

タルタロス「ディザスタープリキュアか……なるほど、我らの知らぬプリキュアでありながらこれだけの力を持つとはな……ならば我らも自己紹介するとしよう」

 

エンド「我らと言う事はお前達にも仲間がいるのか?」

 

タルタロス「ああ、せっかくだから自己紹介しよう」

 

タルタロスはエンド達に自身の仲間を紹介した

 

ディアボロ「私はキュアディアボロ。タルタロスの仲間であり、プリキュア神拳の使い手だ。無論武器も使える」

 

ティターン「私はキュアティターン。タルタロスの仲間でプリキュア武器術の使い手です。武器戦闘が得意ですが、無手の戦いも出来ます」

 

タルタロス「そして私がプリキュアを越えし究極生命体、キュアタルタロスだ。ディザスタープリキュアよ。よろしく頼む」

 

エンド「なるほど、お前達の力はディザスタープリキュアと互角。そしてタルタロスの実力は我と同等と見るべきだな」

 

タルタロス「此方こそお前達の力は我らと同じと見た」

 

タルタロス達とエンド達は互いの自己紹介を済ませた。そして

 

タルタロス「そろそろ彼女が来るな」

 

エンド「彼女?」

 

タルタロス「我らが創りし国、プリキュアキングダムの女王だ」

 

タルタロスが言うと突如黒い穴が現れた。そして穴から二人の女性が姿を現した

 

タルタロス「彼女がプリキュアキングダムの女王、キュアデスバイアだ」

 

そうタルタロス達が言っていた女王、キュアデスバイアである

 

デスバイア「見知らぬプリキュアが居るようだな。なら自己紹介しよう、私はプリキュアキングダムの女王にして終界の女帝、キュアデスバイアだ」

 

エンド「奴がキュアデスバイアか。なるほど、強大な力を感じるな」

 

(だが、そのデスバイアの衣装。微妙にアダルトさが目立つ以外はあるプリキュアに似てるな)

 

デスバイア「タルタロス、あのプリキュア達はお前達がスカウトしたのか?」

 

デスバイアはタルタロスにエンド達はタルタロスによってスカウトしたのか質問した

 

タルタロス「いや、私はスカウトしてない。自ら加わってきたのだ」

 

タルタロスはスカウトではなく自ら加わったと答えた

 

デスバイア「タルタロスに目的を与えてくれたからな。そしてエンドと言ったがお前達の力は強いのか?」

 

 

エンド「その心配はない。我は虚無の王の異名を持つ者。その力は強大。そして我の配下もそれなりの強者なのだからな。」

 

デスバイア「そうか。ならばわがプリキュアキングダムの為、力を貸してくれないか?」

 

エンド「良かろう。我らの力、存分に使うがよい」

 

デスバイアによってエンド達はプリキュアキングダムの一員に加わった。そんな時

 

ヴィンター「あのデスバイアさん。隣に居る人は誰ですか?」

 

ヴィンターはデスバイアの隣に居る人物を見てデスバイアに話しかけた。するとタルタロスがヴィンターの疑問に答えた

 

タルタロス「あの人物が気になるのか?ならば答えよう。彼女はキュアワイズマン」

 

ヴィンター「ワイズマン?如何にも頭が良さそうな名前ですね」

 

タルタロス「事実、彼女はあらゆる知識に長けており、特に宝石魔法を得意としているのだ。そしてワイズマンよ。頼まれた事は済ませたか?」

 

タルタロスはワイズマンに頼まれた事は済んだのか尋ねた。すると

 

ワイズマン「はい、既に済ませました」

 

ヘルブスト「頼まれた事?何のことか説明しろよ」

 

ヘルブストがワイズマンになにをしたのか質問した。すると

 

ディアボロ「タルタロスが頼んだ事か?それは、この世界に存在するはずの物語が存在しなくなったのか。その原因を調べるためにワイズマンに頼んだのだ」

 

ディアボロが答えた。それはこの世界に存在した物語が消えた原因の調査をワイズマンに頼んだ事である

 

ヘルブスト「存在する物語が存在しない?何だか分からないが……」

 

ティターン「此処で指す存在する物語は所謂アニメや特撮、漫画やライトノベルやゲーム等の物語を指すんです」

 

エンド「ようは仮面ライダーやゴレンジャー、ウルトラマンやガンダム等の物語を指すのか?」

 

タルタロス「そうだ。だがこの世界にはその物語は何故か無くなってしまっている。そこでこの世界のDVDやゲームを手にした後、ワイズマンにその原因を調べたのだ」

 

ワイズマン「そして私の魔法で調べた結果、とんでもないものを見ました」

 

するとワイズマンはDVDを地面に置き、更に側に宝石を置いた。そして宝石から光が放たれた後、光のビジョンが現れた

 

フリューリンク「このビジョンには何が映ってますか?」

 

ワイズマン「これはONE PIECEの世界の映像です」

 

其処にはONE PIECEの世界にある国の一つ、ワノ国の風景が映っていた。だがこの風景にはあるおかしな点があった

 

ゾンマー「何だこりゃ?国中が焼かれた上に彼方此方に火が出てるぞ」

 

フリューリンク「其れ処かワノ国の住民達が皆殺しにされてますね」

 

それはワノ国の建物が焼き尽くされた上に火の手が上がっている光景である。更に

 

フリューリンク「彼方此方に岩の破片がある。しかも岩に角やら鬼の面がありますね」

 

岩らしきものがいろんな所に散乱していた

 

ワイズマン「先ほどまで鬼ヶ島でルフィ達とカイドウ達が戦闘した光景ですね。ですが本来は鬼ヶ島そのものは破壊される筈がない。確かモモの助が鬼ヶ島の破壊を阻止したのですが、何者かがモモの助を始末し、鬼ヶ島を破壊したでしょう」

 

その岩は鬼ヶ島の岩だったが何者かによって破壊されたとワイズマンは推測した。すると

 

ヘルブスト「おい、岩の近くに誰か居るぞ」

 

ヘルブストは岩に倒れた人に気づいた。そして倒れた人を見ると

 

ヘルブスト「噓だろ!何であいつらが倒されているんだ!?」

 

ヘルブストが見たのは

 

ルフィ「…………」

 

ロー「…………」

 

錦えもん「…………」

 

ヤマト「…………」

 

ONE PIECEの主人公であるモンキー・D・ルフィとルフィと戦った者達が何者かによって殺害された後動けなくなった光景であ

 

ディアボロ「ONE PIECEの世界の主人公、ルフィを始めとする者達が呆気なく倒されたのか!?」

 

ティターン「そのようだな。だか倒されたのはルフィ達だけではありません。よく見てください。別の方にも倒された者達が居ますよ!」

 

ティターンに言われたディアボロはルフィとは違う方向の光景に視線を向けた。其処には

 

カイドウ「…………」

 

黒炭オロチ「…………」

 

シャーロット・リンリン「…………」

 

ディアボロ「カイドウとリンリンが呆気なく倒されただと……奴等は四皇と呼ばれる程の力を持つぞ…………」

 

カイドウ達ルフィ達と交戦した敵達もルフィ達同様呆気なく倒された様子が映っていた

 

ゾンマー「カイドウ達すら瞬殺した敵が居るのか?」

 

ワイズマン「はい、しかも別の場所では海軍本部が壊滅し、海軍の人間も瞬殺しました。しかもサカヅキ元帥すらも呆気なく殺されるくらいです。更にあの怪物達は五老星や天上人を粛清したようです」

 

エンド「サカヅキ元帥すら殺されるとは………今の光景からしてONE PIECEの世界の人間は殲滅されたのか?」

 

ワイズマン「間違いありません。この光景からして生きているのはほぼ居ません」

 

ワイズマンはONE PIECEの世界に居る人々は既に皆殺しされた事を告げた。すると

 

ヴィンター「あのワイズマンさん。岩の近くに誰か居ます」

 

ヴィンターは破戒された鬼ヶ島の岩の近くに人が居る事に気づいた。だがその人は

 

ワイズマン「人?ヴィンターさん!あれは人ではありません」

 

ヴィンター「人ではない?では何ですか」

 

ワイズマン「所謂怪人です」

 

まるで怪物のような姿をしていた。怪物の身体には錠前に似た装飾が付いていた。更に怪物には似合わないフリルとリボンが付いた可愛らしいドレスのようなものを着ていた。そしてドレスには

 

2015 FROLA

 

2015 MERMAID

 

2015 TWINKLE

 

2015 SCARLET

 

仮面ライダージオウの敵、アナザーライダー同様数字と英語の名前が刻まれていた

 

ヴィンター「あの怪人が、鬼ヶ島を破壊した犯人でしょうか?」

 

ワイズマン「間違いありません。その証拠に他のアニメや特撮、ゲームや漫画の世界を見せます」

 

ワイズマンは更に他の作品の世界の映像をタルタロス達に見せた。其処には

 

タルタロス「仮面ライダーも、スーパー戦隊も、ウルトラマンも、ガンダムも全てあの怪物達に殺されたのか」

 

ディアボロ「それだけじゃないな。色んな作品の人間達もあの怪物達に殺されたようだ」

 

ティターン「酷いですね。戦闘とは無縁な作品まで殺戮行為を働くとは…………ドラえもんやクレヨンしんちゃんも世界を救った事があるとは言え殺戮対象として消し去るとは」

 

先程ルフィ達を殺害した怪物と同じような怪物によってあらゆる人々達が殺害された光景があった

 

タルタロス「坊主憎けりゃ袈裟までの諺があるとは言え酷いな」

 

エンド「まるで自分以外は全て敵しか見てないのか…………デスバイア?」

 

人々が皆殺しにされた光景を見て唖然とする中、デスバイアはその光景を見てある事を呟いた

 

デスバイア(あの怪物達……どうやら自らプリキュアの力を棄てた後、その力は本来の姿である怪物の姿に戻ってしまったのか……本来はプリキュアとして活躍するはずが世界を滅ぼす怪物と化し、あらゆる人間達を殺し、あらゆる世界を破壊した。そしてプリキュアの力が消滅した後、プリキュアだった少女達は人々から迫害され、世界から追放されてほとんどが野垂れ死んだ……その際に自らプリキュアの力を手放したな)

 

そう、プリキュアは世界の敵にされて、非業の死を遂げた後、自らの力を手放したと……

 

エンド「それよりあの怪物達は何者なんだ?」

 

タルタロス「そうだな。アナザーライダーと同じく数字と英語が付いており、その姿は……アナザープリキュアと言う名がふさわしい」

 

エンド「そのまんまだな…………」

 

タルタロスはあの怪物はアナザープリキュアだと答えるがエンドはそのまんまだなと呆れていた

 

ディアボロ「そのアナザープリキュアはこっちにも牙を剥くかもしれん」

 

ティターン「奴等の行動からして、自分以外の存在は許さないようだな。警戒はするべきだな」

 

タルタロス「そうだな。そのアナザープリキュアの対策はこれから考えよう。ではデスバイア。今から居城に案内しよう」

 

デスバイア「居城?となると玉座はあるのか?」

 

タルタロス「当然ある。王国の城には玉座は付きものだ。後で他の仲間を呼んでおく」

 

エンド「仲間?まだ居るのか?」

 

タルタロス「別の任務に就いてて今は居ないが、そろそろ戻ってくる。その時に紹介しよう。エンド達もついて来てくれ」

 

エンド「分かった。それにしてもこれだけの戦力を集めるとはな」

 

エンドが言うとデスバイア達はプリキュアキングダムの居城に移動した。だが、そのタルタロス達が居た場所には黒い穴らしきものがあった。そしてデスバイア達が居なくなり、周りには人が居ないかと思われた。ところが

 

???「世界の殺戮者(プリキュア)を生み出した元凶なりし者がこんな所に生きているとは……例え禍々しいとは言え、原型は留まっているよね」

 

突如一人の魔女が姿を現した

 

???「お父様が作り上げた軍勢によって世界の殺戮者達(プリキュア)は全て根絶やしにしたのに、生き残りが居るとは……まあ、世界の殺戮者(プリキュア)が根絶やしにした歴史線があれば世界の殺戮者(プリキュア)が生き残った歴史線があるのはおかしくないね。けど私はそんな怪物達を放置する訳にはいかない。世界の殺戮者(プリキュア)が存在する限り、全ての世界は必ず破滅する。それを止めるため私は世界の殺戮者(プリキュア)を根絶し、今度こそ全世界を救わなければならない」

 

その魔女はまだ会ってないデスバイアを見て諸悪の根源が生きていることを感じた。そして魔女は今度こそ元凶を抹殺しようと目論んでいた。

 

???「その為には戦力を集めなければならない。私はその戦力と力を集めるとして、世界の殺戮者(プリキュア)には」

 

魔女はある方向に視線を向けた。其処には

 

???「貴方達に任せるわ。幸い世界の殺戮者(プリキュア)の居場所は分かっているから」

 

鎧を纏った一組の男女が居た

 

???「分かっています○○○様。必ずやあなたの期待に応えて見せます」

 

???「そして私達の全てを奪った化け物(プリキュア)を抹殺してみせましょう」

 

???「ではお願いね○○○○、○○○○○。必ず化け物(プリキュア)を始末しなさい。ただ」

 

???「ただ?」

 

???「始末する時、必ず邪魔者が現れる。警戒はして起きなさい」

 

???「分かりました」

 

女性が了承すると謎の連中は姿を消した。そう彼女達はプリキュアキングダムの打倒を目論む敵であることをデスバイア達は知らない。そして、先程デスバイア達が居た場所には、見知らぬ黒い穴があったが、それもすぐに消えた

 

────

 

謎の領域。其処には見知らぬエネルギー生命体が居た

 

???「プリキュアを頂点とするプリキュアキングダム………そしてプリキュアを滅ぼし世界を救った軍勢の後継組織○○○○○○○……そして我が生み出したプリキュアの本来の姿たるアナザープリキュア……奴等の存在によって世界は争いに包まれようとしている」

 

そのエネルギー生命体は先程タルタロス達の様子を見ていた

 

???「ある世界にて英雄を騙る愚者による邪な欲望の為に全てを失い、醜悪な怪物に成り果て、世界を滅ぼした者も居た。そして、この世界にもまた英雄や邪悪なる創造主によって全てを失い非業の死を遂げた哀れな少女達が復讐の為、世界の破滅を目論んでいる」

 

エネルギー生命体は身勝手な理由で全てを失い、怪物に成り果てた者が世界に復讐を目論んでいる事を知っていた

 

???「我の目的の為、世界に災厄を与えてやるのだ我の力を与えしプリキュア、キュアデスバイア……いや」

 

「プリキュアを生み出した元凶なりし者○○○○○!」

 

エネルギー生命体はデスバイアに世界に災厄をもたらす事に気づいた。だが、エネルギー生命体は知らない。デスバイア達を止める戦士が居ることを………

 

 




次回、遂に姿を現す正義のプリキュア


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多元世界防衛組織『テイルズディフェンド』前編

プリキュアキングダムの悪しき企みを止めるため、多元世界を守りし者が立ち上がる。最後にプリキュアを救いし少女が姿を現す


全ての世界を我が物にしようと目論むプリキュアキングダム。そしてデスバイアの指示で全世界の侵攻を開始しようとした。そんな時、別の世界では

 

────

 

???

 

とある世界に存在する巨大な建造物。その建造物の内部にある一室にて、1人の男が座って誰かを待っている様子で、少ししてノックと共に1人の青年が入って来る。

 

???「グリムス長官、お呼びでしょうか?」

 

グリムス「来ましたね東堂博士。貴方にある事を伝えたくて呼びました」

 

東堂と呼ばれた青年は、目の前の人物、上司であるグリムスから言われた事にある事とは何ですか?と問う。

 

グリムス「別の次元におけるプリキュア、通称『世界の殺戮者』についてです。彼女達は様々な世界で暴れていくつもの世界を破滅させたのは知ってますよね?」

 

東堂「はい、ですが異世界の英雄によってプリキュアを『世界の殺戮者』に変えた存在は倒されたんですよね?」

 

確認する様に聞くグリムスに東堂は頷いて付け加える。

 

グリムス「その通り……ですが、『世界の殺戮者』にされたプリキュアは救われなかった」

 

東堂「救われなかった?どうしてですか?確か、世界の殺戮者を生み出した存在がいなくなった事でプリキュア達は力とその時の記憶をを失い、普通の女の子に戻って平和になったんですよね?キングオブファイターズの世界のアッシュの先祖の斎祀が消えた事でアッシュが消滅したのと同じ感じに……」

 

哀しい顔で言うグリムスに東堂は思いだしながらそう付け加える。

 

グリムス「もっとも、そのアッシュはバースに吸収されて、後に救出されてますけどね……話を戻しましょう。あなたが言った様にプリキュアの力を失った少女達はプリキュアになって以降の記憶も失いました。その後に問題が起きたのですよ」

 

東堂「どんな問題ですか?」

 

立ち上がり、歩きながら話すグリムスに東堂は慎重に問う

 

グリムス「……人々からの迫害です」

 

東堂「なっ!?どうして迫害されるんだ!?」

 

まさかの展開に東堂は思わず叫び、慌ててすいませんとグリムスに謝る。

 

グリムス「あなたが怒るのも当然の事だ。私も聞いた時は憤慨しました」

 

東堂「それで、どうして迫害が起きたんですか?」

 

真剣な顔で聞く東堂にグリムスは眉間を揉んでから言う。

 

グリムス「プリキュアが邪悪なる者によって『世界の殺戮者』(プリキュア)に変えられた後、あらゆる世界で罪無き人々を殺し、いくつもの世界を破壊して行ったのは先ほど言った通りです。それにより、『世界の殺戮者』(プリキュア)によって一度全てを奪われた者達は、元プリキュア達を非難し、誰一人許しませんでした」

 

東堂「そんな……ウルトラマンから分離し、ウルトラマンになって以降の記憶を失ったハヤタ・シンと同じ状態とも言える普通の女の子に戻った者達を責め立てても当人達には困惑物でしかない……」

 

グリムスの言葉に東堂は愕然とする。

 

グリムス「失った命は普通は二度と復活できない……ですが、ドラゴンボールの世界のような場合は復活できる方法がある様に、正しき心を持った者達の活躍で破滅した世界が再生された事で『世界の殺戮者』プリキュアに殺されたものは復活できた」

 

東堂「なら!?奪った者は許すなと言わんばかりの非難を言うのはお門違いでないでしょうか!」

 

叫ぶ東堂に気持ちは分かるとグリムスは沈痛な顔で頷く。

 

グリムス「どうやらプリキュアは周りを見ずに建造物を破壊したり、緊張感も無くヘラヘラ笑いながら自分達が力に呑まれている事に気づかないまま戦っていたのもあって、生き返ったとは言え、一度はプリキュアに命を奪われたのと合わさって、自分達を殺したプリキュアを許せない人々は元プリキュア達を非難した。」

 

東堂「プリキュアが力に呑まれる…………その行動は、まるでザ・ボーイズの世界のヒーローや秘密結社鷹の爪の世界のデラックスファイターやウルトラ・スーパー・デラックスマンの世界の句楽兼人と同じじゃないか!」

 

告げられた事に東堂は苛立って顔を歪める。

 

グリムス「そうです。本来、ヒーローはいとも簡単に力に呑まれる筈がありません。ですが『世界の殺戮者』にされたプリキュア達は、邪悪なる者によってプリキュアの力が邪悪な力に変えられ、それを知らないプリキュア達はその邪悪な力に呑み込まれ、無自覚に破壊行為をしたり、戦いの緊張感を知らずに遊び気分で戦ってしまった」

 

ホントに悲しい事ですとグリムスは呟く。

 

東堂はそれを聞きながらなぜプリキュア達はその力を手にしたのだろうかと思う。

 

東堂「それで、その迫害を受けた元プリキュア達はどうなりましたか?」

 

ふと、東堂はプリキュア達がどうなったか気になってグリムスに聞く。

 

グリムス「元プリキュア達は人々からの迫害から逃れるために、自分が生まれた世界から追い出される形で去り、迫害から逃れる為にあらゆる世界を放浪したそうです」

 

東堂「自分の生まれた世界から追い出される………まだ少女と言う身で酷い事を……!」

 

グッと手を握り締めてから東堂はある事が頭を過ってグリムスに顔を向ける。

 

東堂「まさか、家族からも迫害されたのですか?」

 

グリムス「そうです。家族からは犯罪者の娘を生んでしまったという事で家族が迫害され、学校では生徒に犯罪者を生み出した事で同級生や教師から非難され、孤立無援となった元プリキュアは辛い迫害から逃げるように世界から居なくなりました」

 

なぜだ!?と東堂はとうとう壁を力強く叩く。

 

東堂「これじゃあザンボット3の神ファミリーやメガレンジャーの伊達健太達みたいじゃないか!(神ファミリーや伊達健太達に救いはあったのに、元プリキュアを助けようとした者は居なかったのか……)」

 

気持ちは分かると肩を上下させる東堂の肩をグリムスは優しく手を置く。

 

東堂「……それからどうなりましたか?」

 

グリムス「彼女達は別の世界でひっそり暮らそうとしましたが、悪事千里に走ると言う諺があるように、プリキュアの悪事を知ってる者達によって悉く迫害され、また世界から追い出されるように逃げました……そして」

 

東堂「そして?」

 

息をのむ東堂にグリムスは残酷な事を告げる。

 

グリムス「居場所を失った元プリキュア達は自ら自害しました……話によると彼女達の魂はどこかに存在するプリキュア墓場に封印されたという事です」

 

東堂「自害するしか道が無いくらいまで追いつめられてしまったのか……元プリキュア達の遺体はどうなりました?こちらで回収したんですか?」

 

やるせない気持ちで遺体に関して東堂は聞くとグリムスは首を横に振る。

 

グリムス「元プリキュア達の遺体……肉体ですが、あるプリキュア達によって回収されました」

 

あるプリキュア?と疑問を持つ東堂にグリムスはこれがそのプリキュア達の映像を見せる。

 

その映像映し出されたプリキュアの肉体を回収している者達を見て東堂は訝しむ。

 

東堂「あのプリキュア、何となくですが、ウルトラ一族に敵対するアブソリューティアンに似てませんか?」

 

自分の知る限りの知識から、目の前のプリキュアの見た目に関して東堂はウルトラ一族に敵対するアブソリューティアンの戦士を思い浮かばせながら聞く。

 

グリムス「はい、その連中はプリキュアの世界を創造すべくあらゆる世界で暗躍しているプリキュア、タルタロス一味です。彼女達を放置すればいずれ全世界に災いをもたらすでしょう」

 

全世界に災いを引き起こすと言うグリムスの言葉に東堂は息をのんでから映像ので違和感を持つ。

 

東堂「む?長官、タルタロス達がプリキュアの肉体を回収する映像で何か違和感がありませんか?」

 

グリムス「む?違和感?」

 

はいと返してから東堂はグリムスに確認を取る。

 

東堂「グリムス長官、プリキュアは何人居ました?」

 

グリムス「確か……知られているプリキュアは70人でしたね」

 

それがどうしましたか?とグリムスは問うと少しお待ちをとグリムスの座っていた机のパソコンを操作してファイルを呼び出して中身を見てからやはり……と呟く。

 

東堂「映像に比べて2人少ない……いないのは○○○○○と●●●●●だ。特に●●●●●は、『世界の殺戮者』を生み出した元凶なりし者だと聞いてます。●●●●●に対する憎悪は他の元プリキュアと違ってかなり激しいと聞きますが……」

 

グリムス「言われてみれば、確かにその2人がいない!?」

 

指摘されてグリムスは気づいた後になぜいないのだろうか……と東堂と共に唸る。

 

そこに1人の隊員が慌てて入って来る。

 

隊員「グリムス長官、別世界でまたあれが現れました!」

 

なんだと!?驚いてからグリムスは確認する。

 

グリムス「またアナザープリキュアが現れたと言うのですか!?」

 

隊員「はい!今、追跡しております」

 

なんて事だとグリムスは呻く中、東堂はアナザープリキュアに関して思いだす

 

東堂(突如現れ、あらゆる創作物の世界に破壊と殺戮をもたらす怪人、プリキュアのコスチュームを身に纏い、その身に年号と名前を刻んでいる事からアナザーライダーに倣ってアナザープリキュアと付けられた。そのアナザープリキュアがまた現れるとは……)

 

隊員「確認したアナザープリキュアはアナザーブラックで、進行ルートからある世界を目指してるのが分かりました」

 

隊員の言った事にどこなんですか?とグリムスは問う。

 

隊員「確か、墨村市と言う街が存在する一部を除いてあらゆる創作物が存在してる世界です」

 

東堂「墨村市だと!?俺がこれから向かおうとしていた世界じゃないか!?」

 

まさかの行き先に東堂は驚く。

 

隊員「あの、不躾な質問になると思いますが……何故、東堂博士は墨村市がある世界へ行こうと?」

 

東堂「その世界であるメンバーをスカウトするためだ。スカウトを受けてくれたそのメンバーにこれも与えるつもりでな」

 

隊員の問いに東堂はそう返して入って来た際に一緒に持っていたアタッシュケースを開いて中身を見せる。

 

それは、ゼンカイジャーのギアトリンガーに付属するハンドルの様なのが付いた5つのブレスレットと5枚のメダルで、メダルにはそれぞれ仮面ライダー一号、アカレンジャー、ウルトラマン、ガンダム、ギャバンの意匠を持った少女の図柄が描いてあった。

 

隊員「ブレスレットと5枚のメダルですか?」

 

東堂「ああ、アナザープリキュアに対抗する為のアイテムで、これをつかうことでプリキュアに変身出来る。奴等アナザープリキュアに対抗できるのはプリキュアだけだ」

 

見せられたのに聞く隊員に東堂はそう返す。

 

隊員「それは、アナザーライダーに対抗できるのは仮面ライダーだけと同じ意味ですか?」

 

東堂「正確にはプリキュアの力だな。ある次元でプリキュアの力を再現したアイテムがあるくらいだ」

 

疑問を浮かべる隊員に東堂はそう返す中、グリムスは真剣な顔で指示する。

 

東堂「グリムス長官、予定より早いですが、墨村市が存在する世界に向かいます。アナザーブラックがその世界に辿り着く前に、スカウトしようと思っているそいつ等の保護に向かいます」

 

グリムス「東堂博士、急ぎたいのは分かりますが焦りは禁物です。此方にエージェントを派遣をしますので無理をせずに己の使命を全うしてください。貴方も多元世界防衛組織『テイルズディフェンド』の一員です。だから必ず生きて戻って下さい」

 

いますぐ向かおうと部屋を出ようとした東堂へグリムスはそう注意してからお願いする。

 

東堂「分かってます。必ずしも生還して見せます」

 

ではとグリムスにお辞儀をして東堂は、墨村市が存在してる世界に向かう。

 

これから先、プリキュアを救いし者と出会うことになることを東堂は後に知る事となる。

 

───

 

場所が代わり、墨村市の大通りにて、其処には部活を終えたであろう黒髪の少女が公園のベンチに座ってスマホを手にあるものを見ていた

 

???(今年の戦隊であるドンブラザーズは桃太郎モチーフは知ってるけど、体型はバラバラね。サルブラザーはニホンザルだと言ってるけど、どうみてもゴリラしかみえないわね……まあ、尻が赤いからニホンザルの特徴はあるけど。仮面ライダーの方は自身の中にいる悪魔と共に戦う一人で二人の仮面ライダー、リバイとバイス。そのバイスの宿主であり、仮面ライダーリバイの変身者の五十嵐一輝とその縁者である五十嵐大二、五十嵐さくら、五十嵐元太もまた自身に悪魔を宿しており、それぞれイビルかライブ、ジャンヌ、ベイルに変身する。そして新世代のダイナであるデッカーは新世代のティガに当たるトリガーと同じく三つの力を使い分けるウルトラマンと言われる……)

 

それはこの世界に放映されている作品の情報の様で、それを見ている少女はどことなく不満げであった。

 

???(どの作品ではヒロインも活躍するけどメインになるのはヒーロー。つまり男主人公が主役が多いわね……とは言え、女主人公が主役の作品は存在するけども、この3作品の対象は男性よね……

 

一部を除いて男主人公が活躍するものしか無いことに少女は嘆息しながら少女向けの作品の情報を映す。

 

???(それに比べて、少女向けの作品は所謂恋愛物、アイドル物、ファッション物が殆どね……変身ヒロインものはあるけど一部を除いて、所謂戦わない変身ヒロイン物で占めてて、希少な変身ヒロイン物であるガールズ×戦士シリーズは二桁台の作品が作られる人気シリーズだけど、どうも物足りないのよね……)

 

並べられた作品を見ながら少女は物足りなさを感じていた

 

???(変身する敵が洗脳された一般人、治すのが彼女達の戦闘スタイルとは言え、魔法やダンスで戦う、カブタックやロボタックみたく直接的な戦闘シーンは存在しないとは言え、敵が仕掛けるパズルやゲームに挑戦する……これが相手が怪人だったら間違いなく敗北する………ガールズ×戦士シリーズは私が求めてる物が無くて物足りなさ過ぎるわ……)

 

そう彼女はバトルヒロイン物が好きな子である

 

???(派手なアクションをする戦闘美少女物が私の好みなんだけど……あーあ、どこかで可愛い衣装を着て、仮面ライダーやスーパー戦隊みたいな派手なアクションをして、ドラゴンボールみたいな雰囲気を持った女性が主人公の作品は無いのかしら………)

 

どこかで派手なアクションをするヒロイン物は無いか心の中でぼやいた後に立ち上がる。

 

???「まあ、ぼやいても仕方ないし……帰りますか……」

 

ん-と背伸びした後にカバンを手に取って少女は家に帰路をついた。

その少女のカバンのタグには『月影愛香』と刻まれていた。

 

???『仮面ライダー、スーパー戦隊、ウルトラマン、ガンダム、メタルヒーローを始めとするあらゆる創作物が存在する世界。だが、この世界にはあれが、プリキュアが存在しないのだ』

 

そんな少女、愛香がいた公園の近くで、身に合わない女物の黒い衣装を身に纏った怪人がプリキュアが存在しないことに苛立ちを抱いていた

 

???『この世界は、アイカツ!シリーズ、プリパラシリーズ、ガールズ×戦士シリーズ等が少女向けの人気作扱い、最近では児童向けの作品であるリズスタ-TopofArtists!-が放映している。なのに、なぜプリキュアは存在しない……私達の物語そのものを消し去った偽善者達どもの仕業か!許さない、存在が許されている創作物を私達は許さない!』

 

怒りを抱きながら怪人は拳を握り締める。

 

???『私達を、プリキュアを黒歴史として抹消した人間達を許さない。必ずこの世界に存在する創作物を全てを消し去り、私達の苦しみを全ての人間共に味わらせてやる!』

 

怨嗟の言葉を漏らしながら怪人は姿を消す。

 

2004 BLACK

 

その怪人の身に纏っていたドレスには上記の数字と文字が刻まれていた。姿を消した怪人が別の世界、ONE PIECEを始めとするあらゆる創作物の人間達を殺した元凶である事を知らされるのは暫くしてからであった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回、プリキュアの記憶を無くした少女が現れる


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多元世界防衛組織『テイルズディフェンド』後編

ある平穏な街小泉町にテイルズディフェンドのエージェントが現れる。そして小泉町に暮らすプリキュアの記憶を無くした少女達と共にいる少年がエージェントに出会う


東堂が墨村市が存在する世界に向かう頃、別の世界にある街では

 

───

 

小泉町 大通り

 

小泉町は平穏な街である。しかし、その小泉町にはある物が暴れていた。それは

 

ウバウゾー「ウバウゾー!」

 

調理器具を模した怪物、ウバウゾーである。そのウバウゾーを見て近くに居る警官達はウバウゾーに向けて銃弾を放った。しかし

 

警官「くそっ!拳銃程度じゃ足止めにならない!」

 

ウバウゾーの硬い身体の前にダメージを与える事は出来なかった。そして

 

ウバウゾー「ウバー!」

 

警官「うわああああああああ!」

 

フライパンで出来た腕から放つ風圧で警官達を追い払った

 

警官「怪物が相手では勝てないのか……」

 

そしてそのウバウゾーの近くには

 

ゆい「やっぱり怪物相手じゃ勝てないの……」

 

ここね「相手は戦闘車両の攻撃すらも通じないのよ」

 

らん「何やってんの。市民を護る警察が怪物に押されてどうすんの」

 

ゆい達が居た。そのゆい達はウバウゾーに見つからないよう隠れていた。そしてウバウゾーは周りを見渡す。すると

 

???「待ちやがれ化け物!」

 

ウバウゾー「ウバ?」

 

大通りの近くにある建物の屋上から人の声が聞こえた。それを聞いたウバウゾーは声の主を探した。すると

 

???「小泉町を荒らす怪物め。俺が来たからには好きにはさせないぜ!」

 

屋上から虹色に輝くメタルヒーローモチーフのヒーローが現れた。それを見たゆい達は

 

ゆい「これが噂のヒーロー、プリズムセイバーだ。初めてみるね(・・・・・・)

 

ここね「小泉町に悪が現れる時、必ず現れる正義の味方プリズムセイバー。今回(・・)も来てくれたね」

 

らん「強くて、かっこ良くて、声もイケメン。まさに女の子の憧れだよ」

 

プリズムセイバーと名乗るヒーローの登場に喜んだ。だが

 

拓海(プリズムセイバー、街を護るヒーローなのは俺も知ってる。だが、ゆい達は初めて見ると言ってるが、俺からすればゆい達に危機が迫ると必ず現れるあいつは何か何処か信用出来ない……それにゆい達はプリズムセイバーは信用出来るからと言ってるが、それだけの理由で信用するのか……まるでゆい達はプリズムセイバーと言う白馬の王子様に盲信してるようにしか見えない………)

 

拓海と言う少年はプリズムセイバーに対する不信感を抱いていた。それを尻目にプリズムセイバーは

 

プリズムセイバー「食らいやがれ!」

 

フライパンのウバウゾーに向けて飛び蹴りを放った。それを見たウバウゾーは

 

ウバウゾー「ウバ!」

 

咄嗟にプリズムセイバーの蹴りをガードした

 

プリズムセイバー「くそ~、相手も学習しやがる」

 

自身の攻撃を防がれたプリズムセイバー。そしてウバウゾーはプリズムセイバーに攻撃をしかける

 

ウバウゾー「ウバウバウバー!」

 

ウバウゾーはフライパンで出来た腕をプリズムセイバーを殴りに行った。その攻撃は

 

プリズムセイバー「怪人がオラオララッシュするかよ!」

 

ジョジョのキャラが使う連続パンチ、通称『オラオララッシュ』である

 

プリズムセイバー「フライパンに殴られたら痛い目に遭うな!回避してやる!」

 

プリズムセイバーはダッキングと言う回避テクニックでウバウゾーのオラオララッシュを回避する。そして

 

プリズムセイバー「隙ができたな!こいつでぶっ飛びやがれ!」

 

プリズムセイバーはウバウゾーの顎に向けてアッパーを放った。それに対し

 

ウバウゾー「ウバー!」

 

ウバウゾーはフライパンの腕でプリズムセイバーをはたき落とすべく殴りつけたが

 

プリズムセイバー「普通に当たれば痛いな。だが、この程度の攻撃で怯むと思うな!」

 

プリズムセイバーの鎧による高い防御力の前に仰け反るくらいの反応はするもののダメージは受けなかった。そしてプリズムセイバーのアッパーがウバウゾーの顎に当たった後、上空に吹き飛ばされた

 

プリズムセイバー「上空に吹き飛ばされちゃ、身動きとれないだろ」

 

吹き飛ばされたウバウゾーを見て、プリズムセイバーは掌に虹色の光を集束させた

 

プリズムセイバー「こいつでとどめだ!プリズムスマッシュ!」

 

そして集束した虹色の光球をウバウゾーに向けて放った。そしてプリズムスマッシュを食らったウバウゾーは

 

ウバウゾー「オナカイッパーイ」

 

浄化して消滅した

 

プリズムセイバー「お腹一杯って、俺はお前に対して何も食わせてねえぞ」

 

プリズムセイバーは何も食わせてないのにお腹一杯を言うウバウゾーを見て呆れていた。そして

 

プリズムセイバー「大丈夫か」

 

プリズムセイバーはゆい達に話しかけた

 

ゆい「助かりました。私達を助けてくれて」

 

プリズムセイバー「気にするな。人々が助けを求める声が聞こえたら必ず駆け付ける。ヒーローなら当たり前だろ」

 

(それにしても女の子達の反応ありきたりだな……まるで白馬の王子様に会えた的な目で見やがって……俺は白馬の王子様的なキャラじゃねえのに……)

 

プリズムセイバーはゆい達が自分の事を白馬の王子様とみている事に戸惑っていた

 

プリズムセイバー「とにかく、あんまり俺に頼るなよ。ピンチになっても必ず白馬の王子様が助けると言う考えは捨てた方が良い。俺だって毎回すぐに助けに駆け付けるとは限らないぞ」

 

プリズムセイバーはゆい達にあまり自分に頼りすぎるなと忠告するが

 

ゆい「けど、必ず助けるんでしょ」

 

プリズムセイバー「そりゃできる限り早く駆け付ける努力はしてるぞ。それとあんたらには護ろうとする人間が身近に居るんだ。俺が居なくても自分の身は自分で守らないと駄目だぞ」

 

ここね「けどこの街にはヒーローが居るから大丈夫でしょ」

 

らん「うん、ヒーローが居る限り私達に危害を与える敵はみんなやっつけるから大丈夫よ」

 

プリズムセイバー「まあ、俺はその為の力を持っているが……」

 

(あいつら、自分達は格好いいイケメンヒーローに護られているだけで何もしないのか……女は男に護られているだけで何もせずに男に縋るだけで良いのか……)

 

肝心のゆい達はヒーローに縋っている態度を崩していなかった

 

プリズムセイバー「とにかくよ、ヒーローに縋るだけじゃなく、自分達も何か行動するくらいの努力はしろよ。後は警察官や救急隊員がやってくれるからお前らは早く家に帰るんだ」

 

プリズムセイバーが言うと後の事を警察や救急隊員に任せてゆい達の前から姿を消した。それを見ていた拓海は

 

拓海「プリズムセイバーの言ってる事は正しい。俺もプリズムセイバーみたく戦える力があれば」

 

拓海は自身の無力さを感じていた。そして先ほどプリズムセイバーが居る場所の近くには

 

???「よくやりましたわプリズムセイバー。貴方達(・・・)の活躍で少女達(プリキュア達)は戦いに関わらずに済みました」

 

プリズムセイバーの活躍で少女達が無事で済んだことに安堵する少女が居た

 

???「貴方達は私の手で生み出されし英雄。貴方達が居る限り少女(プリキュア)達は戦いに巻き込まれることは無い。少女が怪物(プリキュア)になる事はなく、ごく普通の女の子として生きる為、これからもこの街(・・・)を守ってあげて」

 

(そして、少女(プリキュア)達には二度とプリキュアを復活することも誕生する事も無くプリキュアなど忘れて普通の女の子として生きて欲しい)

 

少女はプリズムセイバーと言うヒーローにこれからも街の平和を護るよう告げた。そして

 

???「これで少女(プリキュア)達は戦いに関わった事を忘れて普通の日常に戻る」

 

少女は手に光を集めた後、光を放つと街は破壊する前の状態に戻った

 

トゥモロー「少女(プリキュア)達にはもう二度と戦わせない。それが最後のプリキュア、キュアトゥモローの役目だから」

 

トゥモローが言うと、ビルの屋上から立ち去った。だが彼女は知らない。トゥモローの力に影響しない人間がいる事を

 

───

 

そして次の日。拓海は昨日プリズムセイバーが戦っていた場所に居た

 

拓海「破壊した痕跡を見事に無くすとは、この街はアフターケアもバッチリだな」

 

(プリズムセイバーが居なくなった後に復興作業をしたのは知ってたが、たった一日で終わるものか?あれだけ暴れた規模を考えると三日は必要なのに……)

 

拓海はプリズムセイバーが戦っていた場所が一日で直った事に戸惑った。すると

 

ゆい「拓海、何で此処に居るの?」

 

ゆい達がやって来た

 

拓海「ああ、昨日戦闘が起きていた場所がたった一日で元に戻った事に驚いててな」

 

拓海はゆい達に昨日戦闘が起きた場所が一日で元に戻った事を話した。ところが

 

らん「何言ってんの?昨日ここで戦闘が起きてたの(・・・・・・・・・・・・・)?」

 

拓海「起きてたよ。俺はその様子を見てたし、ゆい達だって見ただろ」

 

ここね「戦闘が起きてた?私達、そんなの見てないわ。昨日はまっすぐ家に帰ったから」

 

ゆい「そうだよ。私達昨日は何のトラブルに遭ってないよ」

 

ゆい達は昨日戦闘が起きていた事を知らなかった

 

拓海「どうしてだ?俺は見ていたのに何故ゆい達は戦闘の事を知らないんだ?」

 

拓海は昨日戦闘が起きた様子を見ていたゆい達が戦闘が起きていた事を知らない事に戸惑っていた

 

ゆい「それより早く学校に行かないと遅刻になるよ」

 

拓海「ああ、分かった」

 

(あの戦いを覚えているのは俺だけなのか?)

 

拓海は違和感を感じながらもゆい達と一緒に学校に向かった。その近くには

 

トゥモロー「私の力で記憶を消して、戦いを無かった事にしたのに記憶を保つ人がいるなんて」

 

昨日の戦闘を無かった事にした張本人の少女であるトゥモローが居た

 

トゥモロー「放置すればせっかく平穏な生活を送る少女(プリキュア)に悪影響が出る。何とかしないと」

 

トゥモローが言うと、目の前に黒服の連中が現れた

 

トゥモロー「貴方達、あの少年を捕らえて、プリキュアの事を忘れさせてあげて」

 

トゥモローの命令を聞いた黒服達はすぐさま拓海を追跡した。トゥモローはその様子を見ていた者を知らなかった

 

???「プリズムセイバーの戦いを忘却したにも関わらず記憶を保った少年、品田拓海。彼ならプリキュアを復活できる鍵かも知れない。早く保護しないと」

 

そして黒服達の様子を見た人物は拓海の方へ向かった

 

────

 

トゥモローが呼んだ黒服達を知らない拓海は学校で授業を受けていた。そして放課後拓海達は校門の前に居た

 

ゆい「拓海、今からまっすぐ帰るの?」

 

拓海「ああ、何か授業中に妙な視線を感じたんだ。もしかしたら何処かに敵が居るかも知れない。それに」

 

ゆい「それに?」

 

拓海「その敵はゆい達に襲いかかるかも知れないんだ。だから敵に襲われない意味でも今日は別れて下校した方がいい」

 

拓海はゆい達に別れて帰った方が良いと言った

 

ここね「別れて下校する……そうね。もしもの事で敵に襲撃するかも知れないし、此処は別れて帰りましょ」

 

らん「ここぴーの言うとおりだね。けど拓海、何か隠してない?」

 

拓海「隠してないよ。ただ今日は一緒に帰るのは何かまずいだけだ」

 

ゆい「そうなんだ。じゃあ拓海。私達はここね達と一緒に帰るよ」

 

拓海「ああ、寄り道せずにまっすぐ帰るんだ」

 

ゆいが拓海にここね達と一緒に帰ると言うと、一緒に帰路に向かった。そして一人残った拓海は周りを見回した

 

拓海「ゆい達は行ったか。さて、さっきからオレを見てる連中、姿を現して貰おうか」

 

拓海が言うと周りには黒服達が姿を現した

 

拓海「授業中で妙な視線を感じたが、一体何の用だ?」

 

黒服「………」

 

拓海「お前達はゆい達に危害を与える連中なのか?」

 

黒服「………」

 

拓海「何の反応も無いのは不気味だな」

 

拓海は黒服達に質問するが黒服達は答えなかった

 

拓海「あいつらをゆい達に近づかせる訳にはいかない。できる限りオレが抑えないと」

 

拓海は黒服達を何とか足止めしようと試みた。すると黒服達は意外な事を言う

 

黒服「品田拓海、お前に質問したいことがある?」

 

拓海「喋らないんじゃなかったのか!?それより何だよ質問は?」

 

黒服達は拓海に質問した。拓海は黒服達は喋らないかと思ったが喋った事に戸惑った

 

黒服「品田拓海、お前はプリズムセイバーの戦いを見たのか?」

 

黒服は拓海にプリズムセイバーの戦いを見たのか質問した

 

拓海「オレはゆい達と一緒にプリズムセイバーが怪物に戦いを挑んだ様子を見たがそれがどうした?」

 

拓海はプリズムセイバーの戦いを見たと答えた。

 

黒服「本来(・・)なら有り得ない。あの戦いは既に無かった事にしている。この街の人間は戦いの事を忘却している。なのに何故覚えている?」

 

拓海「何を言ってるんだ?知るとまずいのか?」

 

拓海は戸惑った。何故プリズムセイバーの戦いを覚えているだけで黒服達が敵視するのか分からずにいた。すると

 

黒服「この街にプリキュアを連想するものは出してはならない。そしてお前はプリキュアを連想するようなものを所持している。よって品田拓海、お前を捕縛する。そしてプリキュアを連想するものの記憶を消去し、普通の一般人(・・・・・・)に戻して貰う」

 

黒服達は一斉に拓海に襲いかかった

 

拓海「いきなり一斉に襲いかかるなんて。オレを襲って何のメリットがある?」

 

拓海は黒服達の襲撃を回避した。黒服達は回避など想定してないか互いに激突した後動けなくなった

 

拓海「気絶とは助かったな。とは言えオレじゃ黒服達に勝てないな。何とか警察署に行って警官達を呼ばないと」

 

拓海は状況を打開すべく黒服達が気絶してる隙に警察署に向かって走った。そして拓海は警察署に着いた後、中に入った

 

拓海「すいません。外に如何にも怪しい黒服が現れた。今すぐ怪しい黒服達を止めて欲しい」

 

拓海は警察署に居る警察官に怪しい黒服達を止めるよう呼びかけた。ところが

 

拓海「妙だ。なぜ反応しない?」

 

拓海は何故か動かない人達を見て不信感を抱いた。すると警察官や警察署に居る人達が姿を変えた。そう

 

拓海「お前らは何処かの映画のエージェントかよ!!」

 

さっき気絶した黒服達と同じ姿に変身した。さっきとは違い、拓海は逃げれなかった。そして拓海は黒服達によって行き止まりに追いつめられた

 

拓海「まずい、このままでは逃げられない」

 

黒服「観念するのだな。そして全てを忘れて平穏な日常(・・・・・)に戻るのだ」

 

黒服達は拓海に向けて銃口を向けた。たが撃とうとしたその時

 

???「駄目よ。そんな事しても解決しないわ」

 

黒服「何だ?」

 

黒服達の背後から無数の光弾が現れた。そして

 

黒服「ぐあああああああああああ!」

 

光弾を食らい、黒服達は元の姿に戻った後気を失った

 

拓海「今の攻撃はいったい?」

 

拓海は誰が黒服達を気絶させたのか戸惑っていた。すると

 

???「大丈夫かしら?」

 

拓海の前に一人の人物が現れた

 

拓海「オレを助けたのはあんたなのか?」

 

???「その通りよ、品田拓海」

 

拓海「オレの名前を知ってる?誰なんだ?」

 

拓海は何故か自分の名前を知っている人物に対し質問した

 

???「ワタシは誰かって?教えるわ。ワタシはローズマリー。本来はクッキングダムに所属する者で、今は多元世界防衛組織『テイルズディフェンド』のエージェントよ」

 

拓海「ローズマリー?それにテイルズディフェンドとは何だ?」

 

ローズマリー「わかりやすく言うならあらゆる世界を護る組織よ。そしてワタシは貴方を保護しに来たの?」

 

拓海「保護?どういう事だ?」

 

拓海はローズマリーと言う人物に何故自分を保護しに来たのか質問した

 

ローズマリー「話したいけど、此処だとまた敵が襲ってくるわ。とりあえず人の居ない所に移動しましょ」

 

拓海(如何にも怪しいな。しかし、あの人は何かオレの事を知ってるな。話くらいは聞いた方がいいな……)

 

  「分かった。何故オレの事を知ってるのか理由を聞きたい」

 

拓海が返事するとローズマリーと言う人物と一緒に警察署から離れた。その外では

 

黒服「異世界の人間がこの街に潜入するとは、早く応援を呼ばないと」

 

警察署の中に居た連中とは違う黒服達が居た。そして黒服達は応援を呼ぶべく動き出した。ところが

 

?????「応援など呼ばせないよ」

 

黒服「誰だ?」

 

突如現れた緑の鎧を纏った少年が背後から現れた。その鎧には時計の針のような装飾がついており、胸には0を模した装飾があった。そして

 

?????「名乗るものでは無い。何故ならお前達は死ぬからだ」

 

黒服に向けて槍を突き刺した

 

黒服「がはっ!?」

 

槍に貫かれた黒服達は呆気なく殺された

 

?????「此処が罪の意識に潰され、ご都合主義みたく悪い事が起きない罪人の終着点の世界、そうネガの世界同様の世界である小泉町。そこに俺達が抹殺すべき者達がいる」

 

「全ての元凶にして諸悪の根源、プリキュア!お前達の命運は俺が終わらせてやる!」

 

そして黒服達を始末した鎧の青年は少女(元プリキュア)を始末すべく姿を消した

 

────

 

ローズマリーと言う人物によって救われた拓海は路地裏に移動した

 

ローズマリー「此処なら大丈夫ね。けど黒服達が出ない保障は無いわ」

 

拓海「路地裏でも駄目なのか?」

 

ローズマリー「ええ、この街にはある者達の監視下にある以上すぐに見つかるわ」

 

ローズマリーは路地裏でも敵が出る可能性があると拓海に話した

 

拓海「監視下に居てはすぐにバレるのか。何か対策はあるのか?」

 

ローズマリー「あるわ。見てなさい」

 

するとローズマリーは手に光を纏った後、光を放出した。すると拓海とローズマリーは姿を消した。そして拓海はと言うと

 

拓海「あれ?さっきまで路地裏に居たのに風景が変わっている?どうなっているんだ?」

 

ローズマリー「これはワタシがもつ能力、デリシャスフィールドを展開したの。此処なら盗聴の心配は無いわ」

 

ローズマリーが展開したデリシャスフィールドの中に居た。そして

 

ローズマリー「さて品田拓海。何故ワタシが貴方に接触したのか理由を言うわ」

 

拓海「理由?」

 

ローズマリー「そうよ」

 

ローズマリーは拓海に接触した理由を話し始めた

 

ローズマリー「ワタシが貴方に接触したのは、貴方がプリキュアに関わりを持つだけで無く、プリキュアと共に戦ったからよ」

 

それは拓海がプリキュアに関わりがある他にプリキュアと一緒に戦った人間だから接触したと言った

 

拓海「オレがプリキュアと一緒に戦った?と言うよりプリキュアって何だ?」

 

ローズマリー「貴方、プリキュアと言うの知らないの?」

 

拓海「ああ、そんな話聞いたことないからな」

 

拓海はローズマリーに会うまでプリキュアの名前すら知らなかったと答えた

 

ローズマリー「この様子からしてプリキュアの名前すら知らないようね……なら説明するわ」

 

ローズマリーは拓海にプリキュアの事を説明した

 

ローズマリー「わかりやすく言うとプリキュアは妖精の国に伝わる伝説の戦士よ」

 

拓海「ようはプリキュアもヒーローに当たる存在なんだな」

 

ローズマリー「そうよ。そしてプリキュアの衣装は、リボンやフリルをあしらったドレスを纏い、戦うときは格闘で戦い、敵にトドメを刺すときは光線系の技を使うわ」

 

拓海「あんな可愛い衣装を纏って格闘するのか……変わってるな」

 

ローズマリー「ああ言う戦闘ヒロインは珍しいからね。さて拓海、貴方はヒーローやヒロインは一人で戦うと思っているのかしら?」

 

ローズマリーは拓海にヒーローやヒロインは一人で戦うものなのか質問した。それに対し拓海は

 

拓海「ヒーローには一人で戦うのが居るが、いくら何でもヒーローやヒロインが一人で戦うのは無謀だろ」

 

一人で戦うには無理があると答えた。すると

 

ローズマリー「その通りよ。幾らヒーローやヒロインが強くても一人で出来る事は限られるわ」

 

ローズマリーは幾ら強くても一人では限界があると答えた。更に

 

ローズマリー「事実、仮面ライダー1号にはおやっさんの愛称で知られる立花籐兵衛や滝和也と言う協力者が居て、ウルトラマンには科学特捜隊のメンバーが居て、ガンダムのパイロットのアムロ・レイにはブライト・ノアやセイラ・マスと言った共に戦う仲間が居るの。それは力があろうが無かろうが関係なくてよ」

 

ヒーローには共に戦う仲間が居ることを説明した。更に

 

ローズマリー「そしてそれは戦闘ヒロインにも当てはまる。セーラームーンにはタキシード仮面、東京ミュウミュウには蒼の騎士、神風怪盗ジャンヌには怪盗シンドバッドと言った共に戦うヒーローが居る。そして今までプリキュアには共に戦うヒーローは今まで居なかった」

 

拓海「プリキュアには共に戦うヒーローが居なかったのか?」

 

ローズマリー「居ないわ。けど別の世界にはプリキュアと共に戦うヒーローは居るわ」

 

拓海「別の世界には居るのか……」

 

ローズマリーは戦うヒロインには共に戦うヒーローが居ることを説明した。そして

 

ローズマリー「そのプリキュアと共に戦うヒーローが居ないからこそ、別の世界のプリキュアは悪しき者になり、世界を滅ぼす怪物になってしまった」

 

拓海「プリキュアが怪物?なんだそりゃ?」

 

拓海は何故プリキュアが怪物になるのか理解出来なかった

 

ローズマリー「無理も無いわ。プリキュアは本来怪物にはならないわ。けど別の世界のプリキュアはそうじゃないの」

 

拓海「どういう事だ?」

 

ローズマリー「ヒーローやヒロインの中には悪の組織によって生み出された者が居る。仮面ライダー1号はショッカーによって生みだされ、ウルトラマンジードはウルトラマンベリアルの遺伝子を元に生み出された人工生命体、サイボーグ009のゼロゼロナンバーズは黒い幽霊(ブラック・ゴースト)によって造られたサイボーグよ」

 

拓海「悪の組織によって生み出されたヒーローも中には居るのか」

 

ローズマリー「そうよ。そして別の世界のプリキュアは邪悪なる創造主によって生みだされた。その力を手にしたプリキュアはいとも簡単に力に溺れて、自ら怪物に変貌した。そしてあらゆる生命体を殺し、あらゆる世界を破壊したの。しかしそのプリキュア達は正しき心を持った英雄達に倒され、プリキュアを生みだした邪悪なる創造主は倒され、世界は救われたの」

 

ローズマリーはプリキュア達は力に溺れて怪物になって世界を破壊するような行為をしたが正しき心を持った英雄達によって止められた後、プリキュアを生みだした邪悪なる創造主は倒されて世界は救われたと拓海に言った

 

拓海「そのプリキュア達はどうしたんだ?」

 

ローズマリー「プリキュア達は邪悪なる創造主によって生みだされた力から解放されて元の普通の女の子に戻ったの。けどそれが大きな間違いを引き起こすの」

 

ローズマリーは力から解放されて普通の女の子に戻ったがそれが大きな間違いを引き起こすと言う

 

拓海「何だその間違いは?」

 

ローズマリー「それは、プリキュアそのものが最初から存在しなかったものにされた事よ」

 

拓海「プリキュアが無かった事にされる?あり得るのか?」

 

拓海はプリキュアそのものがなくなるのか疑問を抱いた。それに対しローズマリーは返答する

 

ローズマリー「あり得るの。事実ゴッドサイダーセカンドの世界の人間、八百万の神鬼哭は祖先である天使長ルシファーを消した事で鬼哭霊輝や霊麒を含む鬼哭一族が存在しなくなり、キングオブファイターズのアッシュ・クリムゾンは祖先の斎祀を消した事でアッシュが存在しなくなった。そしてプリキュアは邪悪なる創造主を消した事でプリキュアそのものが無かった事にされたの。それによってプリキュアはプリキュアの記憶や力を失い、普通の女の子に戻った。けど普通の女の子に戻ったプリキュアに待っていたのは生き地獄よ」

 

拓海「生き地獄?」

 

ローズマリー「そう、彼女たちに待っていたのは人々からの迫害よ。邪悪なる創造主が倒された事で世界は救われて人々は生き返った。けど人々はプリキュアによる非道を許せなかった。生き返ったとは言え人々はプリキュアに殺された者がおり、再生したとは言え世界をプリキュアによって破壊された。その時の怒りは酷いものだったわ」

 

拓海「確かに、あんな非道な事をして怒らないのはおかしいな」

 

ローズマリー「そして人々はプリキュアの力を失った少女達に対し、徹底的に迫害したわ。人々からは石等を投げつけられ、友人や家族は掌を返して非難を浴びせられた。そして迫害に耐えきれなくなった少女達は生まれた世界からも追い出され、様々な世界に放浪した。その様々な世界でも少女達は迫害を受けた。そして心身共にボロボロになった少女達は自ら自害し、魂はプリキュア墓場に封印されたわ。そして封印されたプリキュアの魂は『テイルズディフェンド』の調査によってある街に流れついた後、普通の女の子に転生された事が分かったの」

 

ローズマリーは創造主が倒された事でプリキュアそのものが無かった事にされた事やプリキュアの力を失った少女達は迫害を受けた後自害した事を拓海に話した

 

拓海「その街は?」

 

ローズマリー「そう、貴方達が住む街、小泉町よ」

 

拓海「小泉町……ゆい達が暮らしている街じゃないか!」

 

拓海はプリキュアが普通の女の子として暮らしている街が小泉町だと言うことに動揺した

 

ローズマリー「そうよ。そして本来はゆいちゃん達はおいしーなタウンがある街、しんせん市に住んでるけど、プリキュアそのものが無かった事にされた結果、おいしーなタウンやしんせん市、そしてデリシャスパーティプリキュアの物語が無かった事にされ、今は小泉町の住人として記憶が改竄されたわ。そして、品田拓海が何故、記憶が保っていられたのかの理由を見せるわ」

 

するとローズマリーは拓海にあるものを見せた。それは

 

拓海「これは、父さんが持っていた小箱じゃないか!」

 

紋章が入った白い小箱である

 

ローズマリー「そう、これこそデリシャスパーティプリキュアと共に戦った戦士、クックファイター・ブラックペッパーの力が込められたアイテムが入ってるの。そして品田拓海、このアイテムを手にすれば貴方は死ぬかも知れない戦いに巻き込まれる事になる。それを聞いてなお質問したい事があるわ」

 

拓海「質問?」

 

ローズマリー「そうよ。品田拓海、貴方はクックファイター・ブラックペッパーとして戦う事よ。そして貴方は戦うの?」

 

ローズマリーは拓海にブラックペッパーとして戦うのか質問した。それに対し拓海は返事をするがその際には

 

───

 

プリズムセイバー(とにかく、あんまり俺に頼るなよ。ピンチになっても必ず白馬の王子様が助けると言う考えは捨てた方が良い。俺だって毎回すぐに助けに駆け付けるとは限らないぞ)

 

拓海(そうだ。この街にヒーローが居るとは言え、そいつらに頼りすぎては駄目だ。もしそいつらが居なかったら誰が護る……そういう意味ではオレがゆい達を護らなければならない)

 

───

 

拓海はプリズムセイバーの言葉を思い出した。そして

 

拓海「戦うよ。それがゆい達の平穏に繋がるなら」

 

拓海はローズマリーにクックファイター・ブラックペッパーとして戦うと決意した

 

ローズマリー「品田拓海、貴方の決意は分かったわ。なら案内するわよ」

 

拓海「何処へ行くんだ?」

 

戦う事を決意した拓海に対しローズマリーはある事を言う

 

ローズマリー「私が所属する組織『テイルズディフェンド』の施設よ。其処に案内するわ。それと此処には何故拓海がクックファイター・ブラックペッパーである理由のものもあるわ。それも見せるわ」

 

ローズマリーは拓海に『テイルズディフェンド』の施設内に案内すると言う。そしてローズマリーはデリシャスフィールドを解除した

 

ローズマリー「それじゃ行くわよ」

 

(妙ね。てっきり敵が出ると思ったけど居なかったわね………)

 

デリシャスフィールドを解除したローズマリーは、敵が出てくると警戒するものの現れなかった事に違和感を感じた。そして、ローズマリーは拓海を連れて『テイルズディフェンド』の施設内に転移した。そして何故敵が現れなかったのか?その理由はと言うと

 

???「ご都合主義的な連中等私達の敵では無い」

 

ローズマリーと拓海に襲いかかろうとした黒服達は赤い鎧を纏った少女と紫の鎧を纏った少年によって倒されたのだ

 

???「其処に俺達が粛清すべき元凶達が、記憶を無くしただの女の子として暮らしているが、そんな平穏を俺達が許せると思うな」

 

???「一度犯した大罪は簡単には消えない。テイルズオブエターニアの世界の人間であるリッド、ファラ、キールは幼い頃、レグルスの丘でネレイドの封印に近づいたせいで故郷のラシュアンに惨劇を引き起こした。テイルズオブアビスの世界の人間であるルーク・フォン・ファヴレはヴァン・グランツに利用されたとは言えアグゼリュスの街を滅ぼすと言う愚行を犯した。そしてプリキュアは、邪悪なる創造主によって操られてあらゆる世界を滅ぼした」

 

???「だが奴等は知らない。滅ぼされた人間が生き残り、元凶達(プリキュア達)に復讐を目論んでいる事を」

 

???「それを私達が教えてやるわ。そして自ら犯した罪を貴女達の死を持って償わせてやるわ」

 

赤い鎧の少女が言うと、紫の鎧の少年と共に元凶(プリキュア)達を始末すべく街に向かった。そして

 

───

 

らん「結局何も起きなかったね」

 

ここね「敵が出ると思ったけど、杞憂で済んだみたいね」

 

ゆい「そうだね。もう少ししたら家に着くし、その時は拓海も居るかも知れないね」

 

ゆい達は敵がくるのを想定して、別のルートに帰っていたが杞憂で済んだと思い、そのまま家に帰った。だがその近くには

 

???「普通の女の子として平穏に暮らしているようね。けど過ちを無かった事にして普通の女の子として生きようとしても貴女達の罪は決して無くならない」

 

ピンクの鎧を纏った少女がおり、手には拳銃を手にしていた

 

???「私達の全てを奪い、私達の世界を破壊した『世界の殺戮者』(プリキュア)。私達は貴女達を許さない。必ず粛清してやるわ。全ては私達を救った○○○様の為に」

 

そう、小泉町に元プリキュアの抹殺を目論む敵が居ることを

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回、プリキュアを救いし少女達の物語が始まる


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月影愛香と関係者の設定

愛香「次回から登場する私と私に関わる者達の設定よ」


月影愛香/キュアメサイア 18

 

 

 

 

 

イメージCV:早見沙織

 

 

 

 

 

スーパー戦隊や仮面ライダー、ウルトラマンやガンダムと言った作品の活躍がテレビに放映されてる世界の出身。東京近郊の街、墨城市にあるネーベル学院高等部に通う学生。しかし何故かプリキュアの活躍が放映されてない(大まかに言うと、前期は明日のナージャのような世界名作劇場路線のアニメ、中期はおジャ魔女どれみや東映魔法っ子路線のアニメ、後期はしゅごキャラやふたご姫路線のアニメ、終期が所謂アイカツ路線のアニメが放映されていた。ただし、まどか☆マギカやシンフォギアのような作品も放映している。なおこの世界ではガールズ×戦士シリーズ(原典と違い10作品は放映している)が放映している)蒼交じりの背中まで来る長髪に茶色の瞳、身長が175cmと男子成人と同じ身長のせいで社会人と間違われてしまう程の身長とGカップはある大きい胸を持つ。知的でクールな性格だが、少女ヒーローなどが好きで幼い頃から良く見ていた所謂戦闘美少女系の作品が好きな少女。ただし学校ではバレると色々まずいのでアイドル系のアニメを見ていた。所謂可愛い衣装で戦うヒロイン作品がテレビに放映されないことに疑問を抱いている。知的だがアニメなどの作品が詳しいのが仇になり、恋愛の縁の無さに悩んでいる(オタク並みの知識があるせいでモテない)平穏に過ごしていた時、テレビの世界しか存在しない怪人が現れ、愛香の世界が荒らされてしまう。愛香の世界の警察や自衛隊は怪人を撃退しに行くが返り討ちにあい、怪人が愛香が居る街に近づいており、怪人から避難してる最中に妖精セッビィからメサイアの変身アイテム、メサイアレンスを手にいれキュアメサイアに変身し、怪人を撃退した。そしてセッビィから、世界を滅ぼしプリキュアの世界を創ろうと目論む終界の野望を阻止すべく立ち上がる(なお、プリキュアに選ばれた理由は後で判明する)

 

制服

 

 

 

セーラータイプの制服で色は茶色

 

 

 

私服

 

 

 

長袖のジャケットにブラウスと長ズボン。スニーカーを履いている

 

 

 

キュアメサイア

 

 

 

愛香が変身するプリキュア。名乗りは魔を祓いし救世主、キュアメサイア

 

 

 

 

専用武器 メサイアブレード 

 

 

 

キュアメサイアの主要武器。ピンクの宝石の装飾がついた長剣でその効果は邪悪な力を断ち切る効果を持つ。出現時に柄を伸ばして槍のように変形する機能がある。

 

 

サブ武器

 

 

メサイアダガー

 

 

 

光の刃で出来た短剣。投擲や刺突に使用する。

 

 

 

メサイアレイガン

 

 

 

キュアメサイアのサブ武器。ウルトラマンティガに出たガッツハイパーガンに似た短銃。腰のホルスターに収納されている。

 

 

 

メサイアウィップ

 

 

 

腕にあるキュアブレスレットに格納している光の鞭

 

 

 

専用装備

 

 

 

キュアブレスレット

 

 

 

様々な道具を召喚、またはヒーローの力を発動する機能を持つブレスレット。ヒーローの力を発動するコードはセット・ヒーローパワー

 

 

 

ヒーローメダル

 

 

 

ヒーローの力を宿したメダル。ブレスレットに装填するとヒーローの技を使用する事ができる。普段はバックル内に格納している

 

 

 

 

クロスライザー

 

 

 

東堂が開発したジードライザーをベースにした特殊アイテム。スキャナーとナックルの二つで構成している。使用アイテムはヒーローメダルで、ナックルに装填し、スキャナーにスキャンすることで派生形態に変身する。オリジナルの違いはジードライザーの遺伝子をイメージした所を紋章が浮かぶ様な感じに変化させて、赤い所を右側が白、左側が黒に変更されている。

プリキュアに変身しなくても使用可能。

 

 

 

発動ワードは交われ戦士の力!→クロスライザーを召喚→2つの力!→メダルをナックルに装填→今一つに!→もう片方のメダルを装填→ライザーをナックルにスキャン→クロスフュージョン!→○○、○○、キュアメサイア!、○○

 

 

 

所要スタイルはバランス型、スピード型、パワー型の基本スタイルがあり、空戦、水中戦、特殊空間戦闘等の地形スタイル、剣士、銃士、忍者、ストライカー、グラップラー、ガーディアン、盗賊、海賊、僧侶、魔法使い、薬師、錬金術師、弓使い、踊り子、吟遊詩人と言ったジョブスタイルを持つ

 

特殊フォーム使用時の制限としてに特殊フォームを使うと対応する力が使えなくなる

 

 

 

例としてセレネスキューティー使用時はセーラームーン系とキューティーハニー系の力が使えない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メサイアのフォームチェンジ

 

 

 

 

 

セレネスキューティー 

 

組み合わせ:キューティーハニー(キューティーハニー)+セーラームーン(美少女戦士セーラームーン)

名乗り:煌めけ!月光!

 

キューティーハニーのキューティーハニーと美少女戦士セーラームーンのセーラームーンの力を宿したクロスライザー使用時の基本形態 

姿が前が赤髪、後ろは金髪。セーラームーン同様のツインテールを結んでいる。

衣装が上半身がセーラー服、下半身がキューティーハニー同様のロングパンツになっている。ブーツ部分には反重力装置が組み込まれている

武器はムーンレイピアでフルーレタイプの剣の下にハートブーメランが装備し、取り外しが出来る。もう一つの武器として銀色のハートの装飾を持つ杖、ムーンスタッフを所持しており、普段はブーツ内に収納状態で格納している

 

 

 

所有技

 

 

 

ハニーイリュージョン

 

 

 

歴代キューティーハニーの分身を作り、相手を翻弄する

 

 

 

クレッセントブーメラン

 

 

 

月の光の力を帯びたハートブーメランを放つ。かなりの切断力を持つ

 

 

 

ローリングクレッセントブーメラン

 

 

 

全方位に無数のクレッセントブーメランを放つ

 

 

 

ムーンライトフレッシュ

 

 

 

月の光を帯びたムーンソードで連続突きを放つ

 

 

 

ムーンライトハリケーン

 

 

 

ムーンソードから銀色の旋風を放つ

 

 

 

ルナティックレイ

 

 

 

ムーンソードの刀身から月の光で出来た光線を放つ

 

 

 

必殺技

 

 

 

プリキュア・ハニームーン

 

 

 

音速の剣撃で敵を切り裂いた後、三日月のマークを描いて浄化するプリキュア・ハニームーン。

 

 

 

プリキュア・ムーンライトプリフィケーション

 

 

 

ムーンソードロッドモードのハート部分から月の光で出来たハート状のエネルギー弾を放ち、相手を浄化する

 

 

 

 

 

オーラタイタン

 

 

組み合わせ:春野サクラ(NARUTO)+ティアンヌ(七つの大罪)

名乗り:揺るがせ!剛力!

 

NARUTOの春野サクラと七つの大罪のティアンヌの特徴を持つパワー形態。かなりの怪力を持ち、大地の力を操る

後期ティアンヌの衣装をベースに春野サクラ(疾風伝)の衣装の特徴が入っている。髪はティアンヌと同じツインテールになり、髪色はピンクに変化する。チャクラを込める事で力を増すタイタンハンマーを武器とする

 

 

所有技

 

 

 

剛金属の術

 

 

 

自らの身体を鋼にして防御力を上げる

 

 

 

剛烈乱舞

 

 

 

大地の力を込めた乱舞攻撃

 

 

 

流砂縛

 

 

 

自身の周りを流砂のように変化して相手の機動力を奪う

 

 

 

巨神乱撃

 

 

 

メサイアに巨大なオーラを纏った後、オーラから無数の岩の拳を飛ばす

 

 

 

激震剣斬破

 

 

 

タイタンハンマーを叩きつけた後、叩きつけた範囲から無数の岩の剣を隆起させる

 

 

 

 

 

必殺技

 

 

 

プリキュア・礫岩桜花掌

 

 

 

メサイアの拳にチャクラエネルギーを込めて、相手を殴り付ける。命中時に岩礫の衝撃が桜の花びら見たく放たれる

 

 

 

プリキュア・剛力双拳

 

 

 

メサイアの腕に岩を纏い相手を殴り付ける。礫岩桜花掌の違いは外部破壊を重点的に力を振っている

 

 

 

プリキュア・地母神圧殺

 

 

 

メサイアの拳を大地に叩きつけた後、地走りを起こし、相手に当てた後大地に呑み込ませた後、相手を圧殺する

 

 

 

プリキュア・地烈流星

 

 

 

タイタンハンマーを降り下ろすと同時に無数のチャクラの光と岩を大量に降り注いだ後、巨大な岩を召喚して相手を叩き潰す

 

 

ストリームウィング

組み合わせ:不知火舞(餓狼伝説、キングオブファイターズ)×鷲座のユナ(聖闘士星矢Ω)

名乗り:飛び立て!疾風!

概要

KOF、餓狼伝説の不知火舞と聖闘士星矢Ωの鷲座のユナの特徴を持ったスピード形態

餓狼伝説3時の不知火舞の胸元を覆ったレオタードの上からベストと巻きスカート、鷲座のユナのヘッドギアに手甲とブーツにを纏っており、腰の後ろに帯のパーツがつき、髪は亜麻色のポニーテールに変化する。

 

専用武器は扇型の武器、ストリームファン

 

 

 

 

 

龍迅舞 腰に付いている帯を回して相手に攻撃する。オリジナルの違いは帯に真空の刃を纏っている

 

 

 

風鷲扇 鷲の羽根の意匠を入れた扇を投げつける

 

 

 

疾空忍蜂 側転後風を纏った肘打ちを放つ

 

 

 

疾走忍蜂 側転後風を纏った飛び蹴りを放つ

 

 

 

空翔の舞 飛び上がった後鷲のオーラを纏って上空から奇襲する

 

 

 

必殺技

 

 

 

プリキュア・龍迅旋風 龍迅舞を連続で振り回して攻撃する

 

 

 

プリキュア・風鷲乱舞 風鷲扇を連続で放つ

 

 

 

プリキュア・疾翔忍蜂 疾空忍蜂の強化技で、突撃時に鷲の闘気を纏う

 

 

以下が基本フォームにあたる

 

 

 

メサイアの衣装

 

 

 

メサイアのインナー

 

 

 

白いリボンがついたピンクのビキニショーツとフルカップブラ。胸のサイズはGカップ。花を模した刺繍がある

 

 

 

 

 

 

フリル付きのニーソ、リボン付きのブーツ。足首に金属パーツと羽根の装飾がつく。

 

 

 

 

 

 

リボン付きのフリルが付いたフレアスカート。スカートの中がスパッツ。ホルスター付きのベルトが付き、ベルトの左側に、変身アイテム、メサイアレンスを収納するレンスキャリーがつく。バックルにヒーローメダルが格納している

 

 

 

 

 

 

フリルが付いたロンググローブ、腕輪、アームバングル。右手にキュアブレスレットを装備しており、キュアブレスレットにヒーローメダルをセットする事でヒーローメダルの力を発動する機構がある

 

 

 

 

 

 

襟立てのワンピースにフリルが付いたベスト。肩はパフスリープ状、背部に翼に変化するマントを装備。胸の谷間が見える。胸部にはハートの水晶の周りにに花びらをもした装飾がついたリボンがつく。

 

 

 

 

 

 

髪型は金髪のロング、化粧を施しており、真ん中にハートの水晶が付いたバイザーマスクをつけている。耳に水晶のイヤリングが付く。顔にピンクの化粧を施している

 

 

 

 

 

 

 

 

プリキュア・メサイアナックル

 

 

 

浄化の光を纏った鉄拳

 

 

 

プリキュア・メサイアクラッシュ

 

 

 

浄化の光を纏ったジャンプキック

 

 

 

プリキュア・メサイアレイシュート

 

 

 

メサイアレイガンの銃口から放つ浄化効果を持つレーザー光線

 

 

 

プリキュア・メサイアサークル

 

 

 

キュアブレスレットから放つ光の戦輪を投げる。切断力が高い。

 

 

 

プリキュア・メサイアスパーク

 

 

 

敵にメサイアウィップを縛り付け、高圧電流を流してダメージを与える。

 

 

 

 

 

必殺技

 

 

 

プリキュア・メサイア・レイブラスト

 

 

 

メサイアコズミューズ習得前までの必殺技。一度交差し、手に光を集めた後、前をつきだすポーズで強力なピンクの光線を放つ。威力は並みのプリキュアの技をも越える。

 

 

 

プリキュア・メサイア・ゴズミューズ

 

 

 

一度交差し、手に光を集めた後、両手を前に付き出すモーションで、虹色の光を持った光線を放つ。元になったゴズミューズ光線同様、邪悪な力のみを消し去り、邪悪に染まったものを浄化する。

 

 

 

プリキュア・メサイア・フィクサーレイ

 

 

 

メサイア・ゴズミューズ同様、一度交差し、手に光を集めた後、両手を前に付き出すモーションで、白い光線を放つ。違いは実は回復技で、相手の心や傷を癒し、破壊された建造物を再生する効果を持つ。モチーフはグリッドマンのグリッドフィクサービーム

 

 

 

 

 

 

 

決め台詞

 

 

 

メサイア「ここからの私は本気MAXよ!」

 

 

 

メサイア「私の力は誰かを絶望させるための力じゃない!」

 

 

セッビィ

 

 

 

愛香にプリキュアの力を与えた鳥型の妖精。愛香にプリキュアの存在が無いのはプリキュアそのものを無かった事にされたせいだと言い、プリキュアの復活の為に愛香の世界からやって来た。普段は鳥の縫いぐるみとして擬態している。モチーフはゼンカイジャーのセッちゃん

 

 

 

月影勇介 40

 

 

 

愛香の父。イラストレーターで学生時代では美術大学に通っていた。時折テレビアニメの仕事を受ける事があり、キャラクターデザインの仕事をやっている。彼が書く絵が時に勝利の鍵になる事も

 

 

 

イメージCV・田中秀幸

 

 

 

月影希美 38

 

 

 

愛香の母。専業主婦で学生時代では体操部の主将を経験。母性的な性格。元は特撮の役者でアクション作品を経験した。愛香の高い運動神経とプロポーションは母譲り

 

 

 

イメージCV・喜多村英梨

 

 

 

月影友美 14

 

 

 

愛香の妹。アイドルやファッションに興味を抱く姉思いで心優しい性格。読者モデルになるのを夢を見ており、その為に読者モデルになる為に研鑽する努力家。

 

姉は特撮好きなのは知っているが、姉が見たいのは可愛い衣装を纏って戦うバトルヒロインものであると気づいている

 

 

 

イメージCV・井口裕香

 

 

 

東堂大介 28

 

 

 

ネーベル学園に赴任してきた教授。墨城市の郊外にある東堂研究所の所長を勤める。その正体は多元次元防衛隊『テイルズディフェンド』に所属する研究者で平行世界の存在を知り、その際にとある平行世界でプリキュアそのものが消滅され、無かったことにされた結果、人々から迫害され、居場所を失った元プリキュアが全ての世界に復讐するため、最凶最悪の戦士になり世界を滅ぼした光景を目撃し、邪悪に堕ちたプリキュアのような輩を止めるため、HSPウォッチやクロスライザー、ヒーローメダルを開発した。

 

 

 

イメージCV・うえだゆうじ

 

 

 

由来はプリキュアの原作者東堂いずみと初代プリキュアの監督、西尾大介

 

ゼンカイジャーの五色田ヤツデの立ち位置に当たる  

 

 

 

 

 




愛香「追加フォームと追加技あるわよ」


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月影愛香は奇妙な夢を見る(前編)

愛香はあるおかしな夢を見る。それはプリキュアが悪しき者になった夢を


その日、私はあるおかしな夢を見ていた

 

愛香「平穏な街ね……ここは確か、若葉台駅だっけ?」

 

愛香は若葉台と言う街に居た

 

愛香「休日を機に遠くの街に出かけてみたけど、この街は平穏ね」

 

愛香は若葉台の街を散策していた。すると

 

ザケンナー「ザケンナー!」

 

愛香「今の声は一体?」

 

愛香は大声がした場所に視線を向けた。そこにはザケンナーと言う怪物が現れた

 

愛香「こんな所に怪物が出てくるなんて……私じゃ戦うのは無謀ね」

 

愛香はザケンナーを相手にするのは無謀と見なし、ザケンナーから離れた。しかし

 

ザケンナー「ザケンナー!」

 

ザケンナーは愛香の存在に気づき、追跡した

 

愛香「お約束とは言えキツいわ」

 

愛香はザケンナーから逃げるがザケンナーの身体能力の前に追いつかれてしまう。すると

 

???「其処までよ!」

 

ザケンナー 「ザケンナ!?」

 

ザケンナーの前に黒いゴシックドレスモチーフの少女と白いツーピースの少女が現れた

 

???「貴女、大丈夫?」

 

愛香「ええ」

 

???「あの怪物はあたしが倒すから、早く逃げて」

 

愛香「分かったわ」

 

少女は愛香に早く逃げるよう言った。そして少女の言うとおりにザケンナーから逃げげようとした。だが愛香は少女達を見てあるものを見てしまう

 

愛香「何かしら?少女の身体から黒いオーラが見える」

 

それは黒いオーラである。それを見て愛香はある不安を抱いた

 

愛香「普通なら少女達の言うとおり逃げるのが正しいけど、何か嫌な予感がする」

 

愛香は少女達に気づかないよう、こっそり追跡した。そしてザケンナーと少女達は駅前に移動した

 

愛香(何で駅前に居るの?此処には通勤帰りの人が居るのに)

 

愛香は人がたくさん居る駅前に移動した少女達の行動に疑問を抱いた。そんな愛香の不安を尻目にザケンナーと少女達は激しい戦いを繰り広げていた

 

???「ブラック、相手はかなりのタフネスよ」

 

ブラック「分かってる。あのザケンナー、並大抵の攻撃ではビクともしないみたいよ」

 

ブラックとホワイトと名乗る少女はザケンナーの耐久力が高いせいで普通の攻撃ではビクともしないと感じた。するとザケンナーはブラック達に向けて拳を振り下ろした

 

ホワイト「私達を倒すために本気の攻撃を出してきたようね。回避するよ」

 

ブラック達はザケンナーの振り下ろしを回避した。そして

 

ブラック「隙だらけだ!吹っ飛べ!」

 

振り下ろしの隙を突いてブラックはザケンナーに強烈なパンチを繰り出し、硬直しているザケンナーをぶっ飛ばした。だがそれを見て愛香は気づいた

 

愛香(何やってるの!貴女がぶっ飛ばした先には建物があるのよ!)

 

それはブラックによってぶっ飛ばされたザケンナーが向かう先に建物があることである。間が悪い事に建物の中には人がたくさん居た。そして建物にザケンナーが激突した時

 

「うわあああああああああ!」

 

建物から悲鳴が聞こえた

 

愛香「何をしてるの!?近くの建物には人が居るのよ!」

 

人が居るにも関わらず建物を破壊したブラック達に対し愛香は怒った。だがブラック達は愛香の言葉を無視して戦いを続けた

 

ザケンナー「ザケンナー!」

 

ザケンナーはダッシュからのパンチを繰り出した。しかしホワイトは

 

ホワイト「こういうのは足元がお留守よ!」

 

ザケンナーの足元に攻撃して、ザケンナーを転倒した。だが転倒した先には

 

市民「まずい!何かが倒れてくるぞ!」

 

駅前に向かう車が居た。そして

 

市民「うわあああああああああ!」

 

車はザケンナーの下敷きにされた。ザケンナーは巨体なので潰れたらひとたまりも無い

 

愛香「あいつら、周りを見ていないの!」

 

車が近くに居たにも関わらず、車がある場所に転倒させたホワイトを見て愛香は怒った。そして

 

ブラック「これで決めるよ!」

 

ブラックとホワイトはレインボーブレスを装着した後、ザケンナーに向けて必殺技を放った。周りに建物や人が居るにも関わらずにだ

 

ブラック「希望の力よ! 光の意志よ!」

 

ホワイト「未来へ向かって、突き進め!」

 

「「プリキュア・レインボー・ストーム!!」」

 

そして虹色の光線を食らったザケンナーは爆発した。だがその爆発は

 

市民「うわあああああああああ!」

 

市民を巻き込み、駅前の建物が破壊される事態を招いてしまった

 

愛香「何てことするの。人が居る所で戦うなんて有り得ない……」

 

愛香はブラックとホワイトの戦いを見て唖然とした。そんなブラックとホワイトは

 

ホワイト「私達プリキュアを相手に喧嘩を売るなんて無謀にも程があるわ」

 

ブラック「プリキュアは最強にして無敵のヒロイン。あたし達が負けるなんて有り得ないよ」

 

まるで他人事のようにヘラヘラ笑っていた。それを見て愛香は怒った

 

愛香「あんな風にヘラヘラ笑って何考えているの!建物が破壊されて廃墟化し、更に死傷者が出ているのよ」

 

愛香はブラックとホワイトに説教に向かった。ところが

 

愛香「何が起きるの!?」

 

愛香の周りの空間が歪みだした。そして空間の歪みが直ると愛香はある場所に転移された。

 

────

 

愛香「いきなり空間が歪むなんて……此処は一体?」

 

愛香は突如別の場所に飛ばされた。そして周りを見渡した。そこは

 

愛香「街が廃墟にされてる!?さっきのブラックとホワイトが暴れたせいなの!?」

 

建物が破壊され、廃墟と化した街の光景が広がっていた。愛香はブラックとホワイトが街で暴れたせいなのか疑問を抱いた。すると

 

軍人「そこの君、こんな所で何をしている」

 

愛香の前に軍人が現れた

 

愛香「何で軍人が出てくるの!?」

 

軍人「今街中には怪物が暴れているんだ。だから早く避難場所に行くんだ」

 

愛香は軍人にいわれて、避難場所である学校の体育館へ移動した。そして愛香が避難したのを確認すると

 

軍人「俺の家族を殺した怪物め!お前らは此処で終わらせてやる!」

 

アサルトライフルを手にしてある場所に移動した。そして体育館に着いた愛香は

 

愛香「体育館の近くに軍用ジープや戦車が配備しているのかしら」

 

体育館の近くに軍用ジープや戦車が配備している事が気になっていた。そして体育館に入ろうとしたその時

 

愛香「あの軍人、通信機片手に何を話しているのかしら?」

 

一人の軍人が通信機を手に何かを話していた。その内容は

 

軍人(通信)「防衛ラインが突破された!大至急増援を………うわあああああああああ!」

 

軍人「防衛ラインが突破されただと……レーダーによると怪物はこっちに向かっているのか……」

 

防衛ラインが突破され、怪物が体育館に向かっていると言う会話である

 

愛香「妙に焦っている……時間はあまり経っていないのに……」

 

愛香は軍人が焦っている事に違和感を感じた。すると

 

軍人「大変です!例の怪物が体育館に近づいてます!」

 

体育館の外から二つの人影らしきものが来ていた

 

軍人「くっ、動きが早すぎる!」

 

軍人「直ぐさま迎撃態勢をとるんだ!」

 

軍人達は怪物達を迎え撃つ準備をした。そして別の軍人は愛香に話しかけた

 

軍人「此処は俺達が何とかする。あんたは体育館の中に居る避難民達を安全な場所に移動させて欲しい」

 

軍人は愛香に避難民達を安全な場所に避難して欲しいと言う

 

愛香「けど私は一般人よ。私の言うこと聞けるの?」

 

軍人「それなら大丈夫だ。このファイルを体育館に居る責任者に渡せば、応じてくれる」

 

愛香「ファイルを渡せば何とかなるのね。分かったわ」

 

軍人は愛香に連絡用のファイルを渡した。そして愛香はファイルを手に体育館に入った

 

愛香(軍人さん、無事で居てね)

 

愛香は軍人達が無事で居られるよう願ったそして軍人達の前に怪物が現れた

 

軍人「此が俺達の街で暴れている怪物達だな」

 

其処に現れたのは二人の少女である

 

軍人「だが怪物達の勢いも其処までだ!お前達には鉛玉をプレゼントしてやる!」

 

すると軍人の背後からガトリング砲を持った軍人が現れた

 

軍人「先手必勝!蜂の巣になれ!」

 

軍人の号令でガトリング砲から無数の弾丸が放たれた。その弾丸は怪物達に当たった。その攻撃の激しさに怪物達の周りには噴煙が発生した

 

軍人「避ける気は無いのか?」

 

軍人はガトリング砲の弾丸を避けようとしない怪物達の行動に違和感を感じた。すると

 

軍人「噴煙が収まるぞ」

 

ガトリング砲の弾丸による攻撃で発生した噴煙が収まってきた。すると怪物達の姿が現れた。其処には

 

軍人「馬鹿な!あれだけの弾丸を食らって無事で居られるのか!?」

 

軍人「10000発くらいの攻撃を食らったにも関わらず、原形が留まるなんて……普通ならミンチにされてる筈なのに?」

 

ガトリング砲の弾丸をまともに食らったにも関わらず無傷になっている怪物達が居た

 

????「その程度か?」

 

????「私達は無敵の存在。何人たりとも傷つけることは出来ない」

 

そして怪物達は目に見えない早さで、軍人達に襲いかかった

 

軍人「くそ!ガトリング砲程度では通じないのか!」

 

軍人達はアサルトライフルやショットガンを手に怪物達に抵抗するが

 

????「無駄だ。お前達の攻撃など通じない」

 

怪物達は軍人達の攻撃を受けたにも関わらず、怯まずに軍人達に攻撃した。その軍人達は

 

軍人「ぐわああああああああああああ!」

 

怪物達の攻撃によって次々と殺害された。その様子を見ていた戦車乗り達は

 

砲手「怪物め!図に乗るな!」

 

怪物達に向けて砲弾を放った。更に体育館の上空に待機していた戦闘ヘリからミサイルが放たれた

 

戦闘ヘリ操縦士「怪物言えどもミサイルを食らえばひとたまりも無い!」

 

そして砲弾とミサイルは怪物達に当たり、爆発が発生した

 

砲手「此だけの爆発ならひとたまりも無いな」

 

戦車乗りは大爆発が起きたのを見て怪物達も無事では居られないだろと思われた。だが

 

戦闘ヘリ操縦士「何だ?爆発が起きた場所から何か飛び出してきたぞ!」

 

爆発した場所から何かが現れたのを戦闘ヘリ操縦士が目撃した。戦闘ヘリ操縦士は迎撃に向かうが

 

戦闘ヘリ操縦士「早い!……うわあああああああああ!」

 

迎撃より先に戦闘ヘリが攻撃された後、そのまま墜落された

 

砲手「おのれ!調子に乗りやがって!」

 

戦闘ヘリが撃墜されたのを見た砲手は直ぐさま怪物達に向けて砲弾を放った。だが砲弾が怪物達の近くに来たその時

 

????「無駄な事だ」

 

何と怪物は砲弾を弾き返した。その弾き返した砲弾は

 

砲手「戦車の砲弾が弾き返すなんて……うわあああああああああ!」

 

このまま戦車の方に返され、砲弾を受けた戦車は破壊された。そして数分後

 

愛香「何なのこの惨状は?」

 

軍人にファイルを渡した後、外の様子を見に来た愛香が現れた

 

(なお、愛香は軍人にファイルを渡した後、外の様子を見に現れた。そしてファイルを渡した軍人は体育館にいる避難民を別の場所に行かせるべく行動していた)

 

愛香「酷い。人々が殺されるなんて」

 

愛香は怪物達に殺された軍人や怪物達によって破壊された兵器を見て唖然とした。すると愛香はある者に気づいた

 

愛香「あれはブラックにホワイト!?どうして此処に?」

 

それは先程街に暴れたブラックとホワイトである。だが愛香はある違和感に気づいた

 

愛香「あのブラックとホワイト。さっきとは衣装が違う」

 

それはブラックとホワイトの衣装である

 

愛香「衣装が黒く、ハートが骸骨の装飾になってて、髪も黒くなってる。まるで悪魔を連想するわ」

 

そう、ブラックとホワイトの衣装は黒く、まるで邪悪さを連想するデザインをしていた。髪も黒くなっていた

 

愛香(見つかったらまずい。気づかない内に逃げないと)

 

愛香はブラック達に気づかないよう、避難した。だがブラック達は何故か愛香を見ていなかった。そうブラック達は相手を見ていないのだ。そして体育館の近くに来たその時

 

????「逃げても無駄よ」

 

軍人「何だあれは?」

 

愛香「今の声は、避難民を誘導する軍人の声ね。何が起きたの」

 

体育館の外から軍人の声が聞こえた。その軍人はと言うと

 

軍人「こんな所にも怪物達の仲間が居るなんて……」

 

其処にはエプロンが付いた衣装を纏う四人の少女が軍人と避難民を包囲していた。その少女もまた衣装や髪の色が黒く、悪魔を連想する衣装を着ていた

 

軍人「くっ、包囲の穴が見つからない」

 

軍人はたった四人しか居ないにも関わらず包囲が抜けられないと感じていた。そして軍人の危機を察した愛香はある行動をする

 

愛香「相手の気を逸らさないと」

 

愛香は近くにあった石を拾った

 

愛香「離れなさい化物!」

 

愛香は石をエプロンが付いた怪物に向けて放った。だが愛香は知らなかった。自身に白いオーラが纏っていた事を。そして石が怪物の一体に当たったその時

 

????「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」

 

怪物の一体が悲鳴を挙げながらのたうち回った

 

愛香「軍人さん、今の内に逃げて」

 

軍人「ああ……(それにしても何故石をぶつけただけでのたうち回るんだ?)」

 

愛香に言われた軍人は怪物の一体が倒れた事で包囲に穴が空いた場所から離脱した

 

愛香「軍人さんが逃げたみたいね。私も離脱しよう」

 

愛香もブラック達から離脱しようとした。だがブラック達は愛香に視線を向けた

 

ホワイト「ブラック、石をぶつけただけでプレシャスが苦しむと思う?」

 

ブラック「有り得ないわ。プリキュアは何人たりとも倒す事が出来ない存在よ」

 

ホワイト「にも関わらず、最強にして無敵の存在であるプリキュアにダメージを与えた人間が居る」

 

ブラック「放置すれば私達を駆逐しかねないな」

 

ホワイト「災いになる前に始末しましょ」

 

ホワイトはプリキュアに傷をつけた愛香の存在がプリキュアを滅ぼすと見なした。そしてブラックと共に愛香に襲いかかった

 

ブラック「私達を滅ぼす者よ。此処で死ぬがいい!プリキュア・レインボーストーム!」

 

愛香「くっ、襲撃が早すぎる」

 

そしてブラックとホワイトが放ったレインボーストームは愛香に向けられた。だがその時

 

軍人「危ない!」

 

先程愛香に体育館に避難するように言った軍人が愛香とブラック達の間に割り込んだ

 

愛香「あの時の軍人さん!」

 

軍人「君はこんな所で死んではいけない」

 

そして軍人は愛香を庇った。そしてレインボーストームは軍人に当たり

 

軍人「うわあああああああああ!」

 

レインボーストームによる爆発が起きた。爆発に巻き込まれた軍人は無事では済まない。そして

 

愛香「きゃあ!?」

 

爆発による衝撃波が愛香に襲いかかった。愛香は衝撃波によって吹き飛ばされた後気絶をした

 

だが愛香は知らなかった。知らない内に白いオーラに護られた事で無事にいられた事を

 

────

 

ブラック達のレインボーストームで発生した衝撃波によって気絶された愛香だったが

 

愛香「うっ、うーん」

 

愛香は目を覚ました

 

愛香「此処は一体?さっきブラック達のレインボーストームの衝撃波で気絶してから私はどうなったのかしら?」

 

愛香は自分が居る部屋を見回した

 

愛香「外にいた筈が何で部屋に居るのかしら?」

 

愛香は外にいた筈が部屋に居ることに疑問を抱いた。すると

 

レジスタンス「気がついたか」

 

部屋の中にレジスタンスが入ってきた。レジスタンスが入ったのを見て愛香はレジスタンスに話しかけた

 

愛香「ねえ、此処は何処なの?」

 

レジスタンス「此処か?此処は『世界の殺戮者』(プリキュア)に反抗するレジスタンスのアジトの部屋だ」

 

愛香「レジスタンス?それに『世界の殺戮者』って何なの?」

 

愛香はレジスタンスに『世界の殺戮者』は何か質問した

 

レジスタンス「『世界の殺戮者』。それはプリキュアの事だ」

 

レジスタンスは『世界の殺戮者』とはプリキュアの事だと答えた

 

愛香「プリキュアが『世界の殺戮者』?どういう事なの?」

 

それに対し愛香は何故プリキュアを『世界の殺戮者』と言うのか疑問を抱いた

 

レジスタンス「知らないのも無理ないか。なら理由を話そう」

 

レジスタンスは愛香にプリキュアが『世界の殺戮者』になったのかを話した

 

レジスタンス「本来プリキュアは、妖精の国に伝わる『光の使者』だった。だが実際は邪悪なる創造主によって生みだされた『暗黒の使者』なんだ」

 

愛香「プリキュアが『暗黒の使者』?」

 

レジスタンス「ああ。そして創造主に利用されてる事を知らない妖精達は、少女達に邪悪なる力を与えてしまった。そして邪悪なる力に気づかない少女達はプリキュアとして悪に立ち向かった。そして」

 

愛香「そして?」

 

レジスタンス「プリキュアとして活躍する少女達は、創造主の邪悪なる力に気づかないまま力を振るい、やがて少女達は邪悪な力に呑まれていった。そして悪を倒したプリキュア達は創造主の邪悪なる力によって『光の使者』は本来の姿である『暗黒の使者』に変わってしまったんだ」

 

愛香「もしかしてプリキュアが黒い衣装になったのは?」

 

レジスタンス「そう。プリキュアは黒い衣装を纏った姿こそが本来の姿なんだ。そして本来の姿に戻ったプリキュアはその力で街を破壊し、市民を殺し、世界を破壊したんだ。そしてその行為によってプリキュアは『世界の殺戮者』に変わってしまったんだ」

 

愛香(それじゃ私が見たプリキュアは力に呑まれて、『世界の殺戮者』に墜ちた存在……人々を護る存在が怪物と同じになるなんて可哀想にも程がある)

 

愛香はプリキュアは邪悪なる力のせいで怪物になってしまった事に心を痛めた

 

愛香「それじゃその『世界の殺戮者』を止めようとした者は居なかったの?」

 

愛香はレジスタンスにプリキュアを止める者は居なかったのか質問した

 

レジスタンス「居たよ。だが、警察や軍は『世界の殺戮者』(プリキュア)に呆気なく敗れた。そして『世界の殺戮者』(プリキュア)を止めるべく、仮面ライダーもスーパー戦隊もウルトラマンと言ったあらゆるヒーローやヒロイン戦ったが『世界の殺戮者』(プリキュア)の圧倒的な力の前に敗れ去ってしまった」

 

レジスタンスは愛香にあらゆるヒーローやヒロインや軍や警察等は『世界の殺戮者』(プリキュア)を止めようとしたが逆に強大な力の前に敗れたと言う

 

愛香「あらゆるヒーローやヒロインすらも敗れるなんて、それじゃ打つ手は無いの?」

 

レジスタンス「打つ手は無かった……事実、人々は『世界の殺戮者』(プリキュア)には勝てないと絶望した。だが」

 

愛香「だが?」

 

レジスタンス「そんな人々の絶望の声を聞いたのか、異世界から光の勇者とその一行が俺達の前に降臨した」

 

レジスタンスは人々が絶望したその時、異世界から勇者とその一行が現れた事を話した

 

愛香「やはり、世界の危機にはヒーローが現れるのね」

 

レジスタンス「ああ。そして勇者一行が現れた事をきっかけに『世界の殺戮者』(プリキュア)は窮地に立たされた。勇者が振るう技や武器には俺達の武器では傷つけ無かった『世界の殺戮者』(プリキュア)にダメージを与えた。それによって『世界の殺戮者』(プリキュア)は敗走し、世界は勇者一行の活躍で救われたんだ」

 

愛香「その勇者一行のおかげで『世界の殺戮者』(プリキュア)は潰走したのね」

 

レジスタンス「ああ。その際に勇者一行のメンバーの一人が、『世界の殺戮者』(プリキュア)にダメージを与える武器を俺達レジスタンスを始めとするあらゆる組織に提供したのが大きい。そして勇者一行は今、『世界の殺戮者』(プリキュア)を生みだした創造主が居る城に居る。今の状況だと創造主と勇者が一騎打ちをしているんだ」

 

レジスタンスは勇者一行のおかげで『世界の殺戮者』(プリキュア)は壊滅状態になった事を愛香に話した

 

愛香「その話からして、創造主との決着も近いの?」

 

レジスタンス「そろそろ決着も近い。創造主も相当追い詰められているからな……」

 

レジスタンスがそろそろ決着が着くと言ったその時

 

レジスタンス「大変です!アジトの近くに『世界の殺戮者』(プリキュア)が現れました」

 

一人のレジスタンスが慌てた様子で愛香が居る部屋に入ってきた。そして『世界の殺戮者』(プリキュア)が現れた事を知らせた。それを聞いたレジスタンスは

 

レジスタンス「最早完全敗北が決まったにも関わらず、まだ抵抗するか……分かった、他のレジスタンスにも知らせておく」

 

直ぐさま他のレジスタンスに連絡した。そしてレジスタンスは愛香に話しかけた

 

レジスタンス「休んでいるところ済まないが、今アジトの近くに『世界の殺戮者』(プリキュア)が来ている。『世界の殺戮者』(プリキュア)を撃退するため協力をお願いしたいがいいか?」

 

レジスタンスは愛香に『世界の殺戮者』(プリキュア)の撃退に協力しないかと話した

 

愛香(プリキュアが怪物と同じ扱いになるなんて見ていられないわ……)

 

愛香「協力するわ。これ以上怪物を好きにするわけにはいかないから」

 

愛香はレジスタンスの協力要請に了承した

 

レジスタンス「ありがとう。幸い此方には勇者一行の一人が開発した対『世界の殺戮者』(プリキュア)武器がある。協力すれば撃退出来る。その武器庫に案内しよう」

 

レジスタンスが言うと、愛香は武器庫へ向かい対『世界の殺戮者』(プリキュア)用武器を手にした。そして武器を持った状態で外に出ると

 

プレシャス「此処に我らを刃向かう連中が居る。此処を壊滅し、勇者共の士気を挫いてやる!」

 

プレシャスがレジスタンスのアジトの外に待ち構えていた

 

レジスタンス「勇者一行の士気を挫くためにアジトに強襲してきたか!だが、簡単にやられる訳にはいかない」

 

レジスタンス達は長銃の銃口をプレシャスに向けた

 

レジスタンス「放て!」

 

レジスタンスの号令で銃口から銃弾が放たれた

 

プレシャス「そんな攻撃でプリキュアを倒せるか!」

 

プレシャスは銃弾を回避し、直ぐさまレジスタンスに攻撃をするが

 

プレシャス「くっ、あの銃弾は勇者一行が作った武器か。回避しても当たるか」

 

レジスタンスが持つ銃は勇者一行が作った武器である為、プレシャスに命中した。回避したとは言えそれでも当たる以上、ダメージを受けてしまう

 

レジスタンス「よし、通用してるぞ!」

 

レジスタンス「あの怪物を自由にするな!」

 

ダメージを受けてるプレシャスを見て、レジスタンス達は包囲陣形をとり、一斉射した。そして遅れて愛香もプレシャスの前に現れた

 

愛香「怪物にダメージを与えている。レジスタンスに与えた武器には怪物に有効な力があるのね。なら私も怪物を止めないと」

 

愛香は長銃の引き金に指をかけ、プレシャスに向けて銃口を向けた。その時、愛香に白いオーラが纏っていた。そしてそのプレシャスは

 

プレシャス「プリキュアは何人たりとも倒すことなど出来ない無敵にして最強の存在。人間如きに倒されてたまるか!」

 

デリシャスパーティプリキュアの変身アイテム、ハートキュアウォッチに手をかざした後、ピンク色の三角形を無数に作り出し

 

プレシャス「此で一掃だ!プリキュア・プレシャストライアングル!」

 

両手からプレシャスの技であるプレシャストライアングルを放つ。だが放つ直前に愛香が放った銃弾が当たった。すると

 

プレシャス「ぐあっ!」

 

銃弾のダメージで体勢が崩された。そして一斉射がプレシャスに当たった

 

プレシャス「おのれ、ふざけた真似を!」

 

プレシャスは一斉射によるダメージを受けながらも何とか立ち上がった。そしてハートジューシーミキサーを召喚し、ミキサーの銃口からプリキュア・デリシャスプレシャスビートを放とうとした。だが

 

───

 

プレシャスがレジスタンスの攻撃を受けてる頃、城の中では

 

勇者「『世界の殺戮者』(プリキュア)の創造主よ。そろそろ終わりにしてやるぜ」

 

聖剣を持った勇者が『世界の殺戮者』(プリキュア)の創造主と対峙していた

 

創造主「終わりとは戯けた事を言うな。終わらせんよ。全ての世界はプリキュアのものになるのだ」

 

勇者「いいや終わらせる!お前を倒し、創造主に利用された少女達を解放し、全てを救ってみせる!」

 

勇者が言うと聖剣の刀身に光が纏った

 

勇者「此が最後の一撃だ!!」

 

そして勇者は跳躍し、創造主に向けて斬りつけようとした。それに対し創造主は

 

創造主「最後になるのはお前だ!」

 

掌から暗黒の光を放った。その暗黒の光は勇者に当たっているが

 

勇者「そんな攻撃!人々の苦しみに比べれば大した事は無い!」

 

勇者が持つ聖剣の光によって暗黒の光は受け流されていた。そして

 

勇者「覚悟!」

 

勇者は聖剣で創造主を袈裟斬りで斬り裂いた。すると

 

創造主「グアアアアアアアア!我は此処で滅びるのか…………」

 

聖剣の一撃で創造主の身体から大量の血が噴出した

 

勇者「ああ、お前は滅びる。そしてお前に弄ばれた少女達はこれで解放される。地獄でお前に弄ばれた者達に詫びるがいい!」

 

創造主「グアアアアアアアア!」

 

勇者が言うと創造主は黒い粒子になって霧散した。そう『世界の殺戮者』(プリキュア)の創造主は消滅したのだ

 

勇者「これで世界は救われる」

 

勇者は創造主を倒した事で全て救われると思った。だが

 

────

 

勇者が創造主を倒した同時刻、レジスタンスのアジトの外ではプレシャスがレジスタンス達に向けて、ハートジューシーミキサーを手にプリキュア・デリシャスプレシャスビートを放とうとしていた

 

プレシャス「人間共よ。この一撃で葬るがいい!デリシャスプレシャスビート!」

 

そして、ハートジューシーミキサーの引き金を引こうとしたその時

 

プレシャス「うわっ!」

 

突如、ハートジューシーミキサーが爆発し、ハートジューシーミキサーが粉々になった

 

プレシャス「ハートジューシーミキサーが壊れるなんて……」

 

プレシャスはハートジューシーミキサーが前触れも無く破壊された事に唖然とした

 

愛香「アイテムが前触れも無く壊れるなんて、何が起きたの」

 

愛香もまた突如アイテムが壊れた事に戸惑っていた。すると

 

プレシャス「何だ!力が抜けていく!」

 

プレシャスは突如へたり込んだ。そしてプレシャスの衣装が黒く光りだし

 

プレシャス「あっ!」

 

プレシャスの衣装が光になって霧散した。さらにプレシャスの頭の装飾も光になって霧散し、プレシャスの髪は少し短くなった後、髪の色はピンクから小豆色に変化した

 

愛香「まさか、こんな所で変身が解除されるシーンを見るなんて……」

 

愛香はこんな所でプリキュアの変身解除シーンを見た事に戸惑っていた。すると

 

????「コ、コメ~~~」

 

愛香「あれって白い子狐?何でこんな所に居るの?」

 

愛香の前に白い子狐が居た。子狐はプレシャスの近くに居た。そして、愛香は子狐に近寄ろうとするが

 

????「コメ~~~~」

 

近づく前に白い子狐は白い粒子になって消滅した

 

愛香「子狐が消えるなんて……あっ、プレシャスに付いていた腕時計が黒く変色している」

 

子狐が消えた事に戸惑う愛香。すると愛香はプレシャスの腕時計が黒く変色した様子を見た。そして

 

愛香「腕時計が砂のように崩れた!?」

 

プレシャスの腕時計が砂のように崩れていった。するとレジスタンスの一人は少女の正体に気づく

 

レジスタンス「あれは和実ゆい!?何でこんな所に居る?」

 

そう、先程レジスタンスのアジトに襲撃したプレシャスの正体は和実ゆいと言う少女である。そしてゆいは立ち上がるが、そのゆいの様子は少しおかしかった

 

ゆい「わたし、確か洋食屋に向かったのに何で山の中に居るの?道を間違えたの?」

 

そうゆいは洋食屋に行くはずが何故か山の中に居る事に戸惑っていた。すると愛香はある事に気づく

 

愛香(今の様子からして、ゆいはプレシャスに変身した事を忘れたのかしら?まるでゼットンに敗北した後、ゾフィーによって蘇生された後、ウルトラマンから分離した事で、ウルトラマンに融合されて以降の記憶を無くしたハヤタ・シンと同じ状態になったのかしら?)

 

そう、愛香はゆいはキュアプレシャスに変身して以降の記憶を無くした事を

 

 




次回、愛香は目撃する。プリキュアが受けた地獄を


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月影愛香は奇妙な夢を見る(後編)

愛香は目撃する。プリキュアが受けた地獄を。そして愛香はプリキュアの終わりの地で哀しみの墓守に出会う


愛香はおかしな夢を見た。プリキュアが周りを見ずに暴れた光景やプリキュアが邪悪な存在になり、殺戮や破壊行為をする光景を見た。そして愛香は、レジスタンスのアジトへ襲撃したプレシャスをレジスタンス達と共に戦った。その最中にプレシャスは突如変身が解除された。そして変身を解除されたゆいは何故かプレシャスに変身した事を忘れていた

 

────

 

愛香「ねえ、何かあったの」

 

愛香はゆいになぜあんな事をしたのかも問いただす為にも話しかけるのだが……

 

ゆい「わからない……それにあたしは、洋食屋に行った筈なのに、どうして山の中にいるの?」

 

愛香「えっ?」

 

返された事に愛香は呆気に取られているとゆいは戸惑う様に周りを見る。

 

まるで自分に何が起きたのかわからないと言うゆいに愛香はどういう事と思っていると

 

レジスタンス「何を言ってるんだ!お前はキュアプレシャスになって、俺達のアジトを襲ったじゃないか!!」

 

激昂したレジスタンスの1人がゆいはキュアプレシャスとしてレジスタンスのアジトを襲撃した事を指摘する。

 

ゆい「あたしが誰かを襲った?それにキュアプレシャス?そんなの知らないよ!」

 

だが、ゆいは先ほどまで自身がやっていた事を覚えてないのか凄く驚いた様子で反論する。

 

レジスタンス「知らない訳ないだろ!お前はさっきまでキュアプレシャスとなって俺達を襲撃したんだ!それを知らないなんておかしいだろ!!」

 

レジスタンス「お前がついさっきキュアプレシャスから戻る所もみたんだ!しらばっくれるのも大概にしろ!!」

 

そんなゆいの態度に苛立ってレジスタンス達はゆいにキュアプレシャスとしてアジトを襲ったと言いながら詰め寄る。

 

ゆい「嘘じゃないもん!あたし、そんなの覚えてないもん!」

 

ゆいはレジスタンス達に対して知らないと叫ぶ。

 

愛香(このままでは埒があかないわ……)

 

このままでは押し問答だと愛香はちょっとごめんなさいねとレジスタンス達とゆいの間に割って入り、ゆいに近づき、優しく話しかける。

 

愛香「ゆい、少しは落ち着いて、このまま混乱していても話が進まないわ」

 

ゆい「は、はい……」

 

愛香に優しく声をかけられてゆいは頷いた後に深呼吸してひとまず落ち着く。

 

愛香「これから色々質問するけどいい?」

 

ゆい「はい」

 

落ち着いたのを見計らって愛香はゆいに様々な質問して良いかと聞いて、ゆいは頷く。それを見てレジスタンス達も無言で見ている。

 

愛香「最初の質問よ。貴女の名前は?」

 

ゆい「あたしは和実ゆい。しんせん中学校に通う中学二年生よ」

 

愛香「貴女の実家は?」

 

ゆい「なごみ亭と言う定食屋よ」

 

愛香「貴女のクラスメイトは?」

 

ゆい「二年になって同じクラスになった芙羽さん(・・・・)と1年生の時に同じクラスに居た華満さん(・・・・)。後はクラスメイトじゃないけどしんせん中学校の生徒会長さん(・・・・)くらいよ」

 

愛香「貴女の知っているのはこれくらいなの?」

 

ゆい「うん」

 

愛香「それで貴女が最後に覚えている記憶は?」

 

ゆい「お母さんに言われて洋食屋に行く所まで。後は覚えてない」

 

愛香「そう……」

 

ゆいの返答を聞きながら愛香は情報を整理する。

 

愛香(今の様子からしてゆいはキュアプレシャスに変身して以降の記憶を無くしてる……今のゆいは例えるならアニメ版ONE PIECEでゾロ、ナミ、ウソップ、サンジ、チョッパーがノコと言う少年のせいでルフィと出会って以降の記憶を無くした状態の様になっている感じなのかしら……)

 

今のゆいはキュアプレシャスに変身している以降の記憶を失っていると言うより、キュアプレシャスに初めて変身した以降の記憶を失っている感じの様だ。

 

愛香「レジスタンスのみんな、今のゆいはキュアプレシャスに変身して以降の記憶を失ってるわ。責めるのは止めた方が良い」

 

レジスタンス「記憶喪失だから許せと言うのか?」

 

愛香はレジスタンス達にゆいは一部の記憶を失った事を伝える。

 

そう言う訳じゃない、刺激するのは良くないと愛香が言おうとする前にゆいが自身の掌にかすり傷がある事に気づく

 

ゆい「あれ?あたしの肌に傷がある」

 

愛香「あ、それは……」

 

レジスタンス「それは人々に危害を加えようとしたお前に俺達が抵抗してる時に放った攻撃で付いたのだ」

 

そんなゆいに愛香はどう言おうか悩んでいるとレジスタンスは言ってしまう。

 

ゆい「え…………?」

 

レジスタンスの指摘した事にゆいは目を見開いた後に恐る恐る掌を覗いてみるとその手に赤い液体が付いていた。

 

ゆい「え、まさかこれ……血?ホントにあたし、罪の無い人を……」

 

レジスタンス「そうだ!お前は人を殺したんだ!」

 

止めなさい!と愛香は叫ぶが、手遅れで、ゆいは告げられた事で顔が真っ青になり……

 

ゆい「いやあああああああああ!」

 

悲鳴を挙げた

 

ゆい「違う、これは夢、夢だよね……」

 

レジスタンス「いや、これは現実だ!出なければ都合よく傷などつかないし、手に血がつくこともない!!」

 

これは悪夢だと思い込もうとするゆいにレジスタンスたちは叫ぶ。

 

レジスタンス「事実、お前の身体には細かな傷がついているんだ!」

 

『記憶を無くしても、身体には覚えている!人を殺し、世界を破壊した痕跡がな!』

 

レジスタンスはこれは現実だとゆいに叩きつける。

 

ゆい「嘘だ!あたし信じないよ!嘘だぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

残酷な事を告げられたゆいは、辛い事実に耐えきれなくなり、愛香やレジスタンス達から背を向けて逃げだす

 

愛香「ちょっとゆい!?待ちさない!!」

 

慌てて愛香は何も覚えていないと言う少女に心もとない言葉をかけたレジスタンス達を睨んでからゆいを追い駆ける。

 

レジスタンス「それにしてもホントにさっきの子の言う通りに元に戻ったら急に記憶を失ったんでしょうか?」

 

レジスタンス「だからなんだって言うんだ。操られていたからと言ってどうであろうと奴が人々を殺したのには変わらない」

 

ゆいがプリキュアの記憶を無くしたのかレジスタンスの1人が疑問を抱く中、それに対し、先輩でろうレジスタンスは気分悪そうに返す。

 

レジスタンス「みんな、スマホのニュース動画をみるんだ」

 

するとレジスタンスの一人が他のレジスタンス達にスマホに映っているニュース動画を見るよう言った

 

レジスタンス「一体、何が起きたんだ?」

 

言われた通りにレジスタンス達はニュース動画を見て、そこに流されているニュースの内容に喜びの声をあげる。

 

レジスタンス「勇者達、やってくれたな」

 

レジスタンス「人々を殺し、全ての世界を破滅させた『世界の殺戮者』(プリキュア)の創造主が倒されたんだな」

 

レジスタンス「その創造主が倒された影響で『世界の殺戮者』(プリキュア)に殺された人々は生き返り、『世界の殺戮者』(プリキュア)によって滅ぼされた世界は全て再生した」

 

それは『世界の殺戮者』(プリキュア)の創造主が勇者一行に倒されたと言うニュースが流れており、その画面には創造主が倒された事に喜ぶ人々や、『世界の殺戮者』(プリキュア)に殺された人々が生き返り、生き残った人達が再会を喜ぶ場面があり、レジスタンスたちも急いで知人の元へと向かう。

 

みゆき「七色が丘中学校に行ってる筈なのに、なんで大都会に居るの!?あたしはどうなってるの!?」

 

だが人々は知らなかった……『世界の殺戮者』(プリキュア)の創造主を倒した事で、プリキュアは力や記憶を失い、普通の女の子に戻されてしまった事を……

 

────

 

愛香「ゆい。何処に居るの!!」

 

愛香は姿を消したゆいを追って山中に居た

 

愛香「ゆい、返事をして!!こんな所に居たら危険だわ!!」

 

ホントにどこに……と愛香は周りを見渡しながらゆいを探していると……奇妙な光を見つける。

 

愛香「あの光は?」

 

山中の近くで光っているのになんだろうかと訝しむ。

 

愛香「……もしかすると焚火かしら?ゆいが付けたのかしら……」

 

愛香は光を放っている場所へ向かって走り……辿り着くとそこには場違いな光の扉が置かれていた。

 

愛香「なんでこんな所に扉が!?」

 

戸惑いながら愛香は近づいて調べ、何もないのを感じて扉を開けると扉の先は何も見えない。

 

愛香「もしもゆいがこの扉でおいしーなタウンに帰ったなら良いけど……」

 

とりあえずゆいを追い駆けようと愛香は光の扉の中へと飛び込み、暫くして見える様になった光景に驚きの声をあげる。

 

愛香「ここは……若葉台?私は帰ってきたの?」

 

そう、そこは若葉台で、おいしーなタウンじゃない事からもしかしたらゆいは迷子になっているかもしれないと愛香は若葉台の街中を散策する。

 

愛香「ブラックやホワイトによって破壊された街が元に戻るなんて、何があったのかしら?」

 

歩いて行く中で自分がプレシャスもといゆいと出会う前に見たブラックとホワイトの戦いの場所となった所が修復されているのに戸惑いながら街頭のテレビがある場所に行くと、ある画面が映っていた

 

キャスター(TV)「次のニュースです。勇者達の活躍により『世界の殺戮者』(プリキュア)の創造主は倒され、『世界の殺戮者』(プリキュア)によって破壊された世界は再生し、『世界の殺戮者』(プリキュア)によって殺された人々は生き返りました」

 

それは勇者達によって『世界の殺戮者』(プリキュア)の創造主が倒されたと言うニュースである

 

愛香「勇者達が元凶を倒したのね」

 

(そして、プリキュアが変身を解除されたのは元凶が死んだせいね)

 

ニュースの内容を見て愛香はプリキュアが力を失ったのは勇者達によって元凶が倒されたと推測する。

 

???「見つけたぞ化け物!」

 

突如怒鳴り声が聞こえた

 

愛香「この怒鳴り声。何かありそうね」

 

まさかゆいがと先ほどまでのを思い出して愛香は怒鳴り声が聞こえた場所に向かう。

 

なぎさ「…………」

 

そこではゆいはおらず、代わりにキュアブラックの変身者である美墨なぎさが周りを人々に囲まれて睨まれていた。

 

愛香(あれは、キュアブラック?いえ、元凶が倒された事で、キュアブラックの力を失って、元の女の子に戻ったのね……ボロボロになっているのって、まさか迫害されている!?)

 

怯えているなぎさの顔を見てキュアブラックに変身していた子だと気づいた後に身体中に痣が出来ているのを見て愛香は先ほどのレジスタンスたちのを思い出していると人々が次々と罵詈雑言の言葉をなぎさへとぶつける。

 

市民A「俺の親父を殺した屑が図々しく街に居座りやがって!お前が暴れたせいで、親父はビルの崩落に巻き込まれて帰らぬ人になり、俺の家族は一家離散されたんだ!お前には罪悪感は無いのか!」

 

市民B「お前が周りを見ずに暴れたせいで大量の車が巻き込まれる事故を引き起こしたんだ!あんた、あの車には、子供を迎えに行った両親が乗って居たんだぞ!それを見境なく暴れたせいで両親は事故に巻き込まれて死んだんだぞ!残された子供達が突然親を亡くして悲しんでいる事に罪悪感を感じないのか!」

 

市民C「貴女の必殺技の爆発による引火で工場が爆発する惨事を起こした。あの工場には働いている労働者が居たのよ。それに気づかずに工場地帯で爆発事故を起こす真似をして恥ずかしくないの!」

 

市民D「あんた、社会見学に来ていた生徒達に危害を与えたようだな!警察が避難指示をしている最中に避難ルートの進路上の近くの建物に向けて怪物をぶっ飛ばしたようだな!その建物の崩落の余波で避難している生徒が大怪我したぞ!しかも打ち所がわるい生徒は現在植物状態で入院している!あんたは人の命を何だと考えている!」

 

なぎさへと非難を言って怒りをぶつける人々のになぎさは怯えたまま言葉を絞りだす。

 

なぎさ「何の事?あたし、そんな事した覚え無いよ!」

 

なぜ自分が非難されているのか分からないなぎさへと人々は叫ぶ。

 

市民E「とぼけるな!あんた、美墨なぎさは俺達市民に対し非道な行為をした!()()()、あんたが雪城ほのかと九条ひかりと一緒に非道な行動を見てたぞ」

 

なぎさ「そんなの知らないよ!そもそも()()()()()()()()の名前が出るの!?あたし、その二人とはせいぜい同じ学校に通う生徒くらいしか全く知らないよ!」

 

市民はなぎさ達の非道は見てると言うが、そのなぎさは知らないと繰り返す。

 

市民A「証拠があるのに知らないだと?馬鹿な事を言うな!」

 

市民B「お前らが好き勝手暴れている様子はカメラで撮影済だ!」

 

市民C「あんたらの戦いで被害が出る以上、俺達は安心して暮らせないんだ!毎日見回りに行く俺達の気持ちを考えろ!」

 

市民D「何なら証拠を見せてやる!」

 

何も知らないと繰り返すなぎさに対し、人々は嘘は言わせないと次々となぎさ達が好き勝手暴れて街に被害を出した光景が映し出された映像や写真をを見せつける。

 

なぎさ「これがあたし達なの?そんなの信じられないよ!」

 

だがなぎさは映像を見ても、信じられないと答えた

 

市民E「これだけ証拠を見せたのにまだ信じないのか!ふざけやがって!」

 

苛立った市民はなぎさに向けて金属バットを振り降ろそうとする。

 

愛香「止めなさい!」

 

すんでの所を愛香が割り込んで、暴力を振るおうとした市民を止める。

 

市民E「何だよあんた!いきなり俺達の前に現れやがって!」

 

愛香に止められ苛立つ人々を愛香は睨んで叫ぶ。

 

愛香「寄ってたかって、暴言だの暴行だの人格否定に繋がりかねない事をして恥ずかしくないの!」

 

市民A「恥ずかしいだと?何を言ってるんだ。俺達は『世界の殺戮者』(プリキュア)のせいで全てを失ったんだぞ!」

 

市民B「あの怪物に対抗出来るのはあの連中しか居ないとは言え、市民を巻き込む戦いをする連中に対し、警察や軍は何もしてくれないんだぞ!」

 

愛香の指摘に対し、人々は俺達は悪くないとばかりに叫ぶ。

 

愛香「確かに『世界の殺戮者』(プリキュア)のせいで全てを失った者は居た。けど『世界の殺戮者』(プリキュア)は勇者によって創造主は倒され、創造主が倒された事で『世界の殺戮者』(プリキュア)は力を喪い、普通の女の子に戻ったわ」

 

愛香は市民に『世界の殺戮者』(プリキュア)の創造主は勇者によって倒された事、創造主が倒された事で『世界の殺戮者』(プリキュア)は元の女の子に戻ったのならばここまでする必要はないと反論する。

 

市民C「確かにあの少女が創造主に操られたか洗脳されたか、騙された可能性はある。少女達は被害者だから許して欲しいと言うだろうな」

 

市民D「それに『世界の殺戮者』(プリキュア)によって破壊された世界が元に戻り『世界の殺戮者』(プリキュア)によって殺された人間が生き返った事はテレビで見たな」

 

愛香「その事は知ってるんだったらこの子に対する暴行は止めなさい!」

 

愛香は理解出来たならなぎさに暴行するのは止めて欲しいと人々に訴える。

 

市民A「普通ならそうするだろうな!だが、俺達はその少女達に被害を受けた!その元凶が倒されたからと言って少女達が犯した罪を帳消し出来ると思っているのか!」

 

市民B「前科を持った人間がまた悪事を働く可能性だってあるし、何より創造主が現れる前の関係に戻れると思うのか!?寧ろ信用出来ないと距離を取るぜ!」

 

市民C「その少女達が元に戻ったからと言って化け物になる前の頃と同じように平穏に暮らせるのか?寧ろ白眼視したり、恐怖に恐れた人に攻撃するぜ」

 

市民D「もし少女達が化け物に戻ったらどうなる!?そうなれば人々は恐怖する。少女達が化け物に戻る前にここで叩き潰さなければならない!」

 

所が、人々はなぎさ達が街に被害を齎した行為と人々を巻き込んで傷付けた事でなぎさを許せないと叫ぶ。

 

市民A「やっちまえ!此処で化け物を殺さなければ平穏はやってこない!」

 

うおぉぉぉぉ!!と叫びながら人々は一斉になぎさへ暴行を働こうとする。

 

愛香「そんな事させない!」

 

それに対し、なぎさへと愛香は覆い被さって彼女庇い、人々からの攻撃を自ら受ける。

 

なぎさ「何でなの?どうしてあたしを護るの?」

 

愛香「誰かを助けるのに理由は要るの?困ったり苦しんでいる人が居るなら迷わず手を差し伸べる。人として当たり前じゃない!」

 

関係ない筈なのに自分を庇う愛香になぎさは戸惑う中で愛香は助けるのに理由なんて無いと返す中、人々はこれで終わりだと市民の一人が愛香の頭に向けてバッドを振り下ろそうとし……

 

???「あんたら何をしている!」

 

市民A「まずい、警察が現れたか!」

 

市民B「逮捕されたらまずい。一旦逃げるぞ」

 

間一髪の所で警官が現れ、警官を見た市民達は一目散に退散する。

 

警官「大丈夫か!」

 

逃げていく人々を一瞥した後に傷ついている愛香が優先だと警官は愛香に近づく。

 

愛香「なんとか……っ!?」

 

警官「無茶をして……ん?君は、もしや自衛隊に助けられた女の子かい?」

 

愛香「私の事を知ってるのですか?」

 

呻いた愛香に警官は自分の上着を着せながら愛香の顔を見て思いだした様に言い、愛香は戸惑いながら聞く。

 

警官「私の大学の同期で今は自衛隊の隊員をしてるのが居てな、彼からあの『世界の殺戮者』(プリキュア)から人々を護ってくれた女性が居たと言う話を聞いたんだ」

 

あの時の軍人さんの事かと愛香は警官の言った隊員に思い当って安堵する。

 

愛香「あの時の軍人さん。無事で居られたのね」

 

警官「まぁ、勇者の仲間が駆け付けなかったら死んでいたと言ってたからギリギリだったそうだよ。それより君は何をしてるんだ?」

 

愛香「実は……」

 

愛香は警官にレジスタンスたちの心もない事で傷ついて逃げ出したゆいを探している事を説明している中、なぎさがもういない事に気づく。

 

警官「和実ゆいか……確か数分前にパトロール中に同期が見たと聞いたが、何やら身体中に痣があるほどの暴行を受けていたようだ」

 

愛香「そう、ゆいが……(なぎさの様に暴行されたのね……どうしてそんな酷い事を出来るの……)」

 

告げられた事に愛香はゆいが人々に迫害された事に心を痛める。

 

警官「無理も無いさ。人々は『世界の殺戮者』(プリキュア)のせいで被害を受けたんだ。プリキュアから普通の女の子に戻ったくらいでは怒りは収まらないからな」

 

愛香「……けれど、敵に操られたかもしれないのに有無も言わさず迫害するなんて良くないわ」

 

慰めた警官は愛香の言葉に居心地悪そうに顔を反らす。

 

愛香「(何も知らない人からすればプリキュアは自分の意思で破壊行為をしてるように見えていたけども、だからって迫害して良い訳ないじゃない……)それでそのゆいは何処に行ったの?」

 

とりあえず当初の目的であるゆいがどこに向かったかを愛香は聞く。

 

聞かれた事に警官はんーと顎を摩ってから思いだした様に言う。

 

警官「別の警官が和実ゆいを見つける前にパトロール中に堤防から妙な光が放たれているのを見かけたそうだ。その後に和実ゆいを見つけて、彼女が堤防の方へ逃げていると言ってたな」

 

愛香「堤防……ありがとうございます。私はそこに行って見ようと思います」

 

警官からゆいが行ったと思われる場所を聞いて愛香は直ぐさま行動に移ろうとして止められる。

 

警官「君、さっきの市民から攻撃を受けて怪我をしてるだろ。無茶をするな!」

 

愛香「無茶は承知です。けど、急がないとゆいがなぎさの様に迫害されてそれで死んでしまう可能性があると考えたら時間が惜しいんです!」

 

怪我を心配して言う警官へと愛香はそう返してから痛む体を動かして急いで堤防へと向かう

 

暫くして件の堤防へと辿り着き、ゆいを探しながら歩いていると山の中で見た光の扉を発見する。

 

愛香「此処にも光の扉が……誰かが開けた感じもあると言う事はゆいが使った可能性があるわね……待ってなさいゆい」

 

光の扉が少し開いているのを見て、愛香はゆいを探しに光の扉を足を踏み入れる。

 

────

 

 

若葉台の堤防に現れた光の扉に入った愛香。

 

扉を潜り抜けた彼女の目に沢山の木々が目に入る。

 

愛香「……特撮ワープみたく変な所に飛ばされたようね。しかも雰囲気的に森っぽいけど、何故森の中?」

 

愛香は何故森なのか疑問を抱いた後にゆいの状況を思い出し、最悪の展開を想像する。

 

愛香「私の思い違いであって欲しいが……もしそうなら、この先に彼女がいるかもしれない……想像通りの事をしそうなら、何とか見つけて辞めさせないと」

 

そう考えた後に愛香は先程なぎさを市民から護る際に負った傷があるにも関わらず、もしかするといるかもしれないゆいを探しに森の中を歩き始める。

 

暫く歩くがゆいは愚か、人の姿を見かけないので困った顔をした後に開けた場所に辿り着いたのでここで一度休もうと手頃な座れる岩を見つけて岩に座り、自分が今どこにいるかを確認する為にスマホのGPS機能で現在位置と方角を確認する為にスマホを取り……機能を開いて表示された事に顔を顰める。

 

愛香「方向が定まらない上に現在場所が分からない?スマホのGPS機能が故障しているのか?」

 

なぜと思った後に愛香は自分が今いる場所と状況を照らし合わせて考える。

 

愛香「まさか、私はかの自殺の名所である青木ヶ原樹海に迷ってしまったのか!?確か青木ヶ原樹海の地層は溶岩で出来ていて、その地層の影響で方向を狂わせるのではないかと言われているが…………」

 

そう考えて顔を青ざめた後に顔を激しく振って振り払う。

 

愛香「いや、磁場が狂うのは一部の場所だ。それに青木ヶ原樹海は自衛隊の訓練場所として使われ、訓練を受けた自衛隊員は無事生還した話もある。光の扉で着いた先だ。何かある筈……むっ?」

 

考えようとした 愛香はかなり小さい音だが足音を聞いた。

 

誰か他にもいると愛香は足音がしたと思われる場所に向けて歩く。

 

変な奴でない事を祈りながら歩いて数分後、愛香はある開けた場所が目に入り、そこに数人の少女が集まっているのにも気づく。

 

なぜこんな所にと少女達を見ていた愛香は観察していて気づく。

 

どの少女も腕や足、顔に傷や痣を持っているのだ。

 

なぜあんな傷を……と考えた愛香は虐待されていたなぎさを思い出す。

 

愛香「(まさか、あの少女達もなぎさと同じく虐待されて迫害されたのか……)」

 

自分が近づけば少女達は怯えて逃げる可能性もあると考え、愛香は少女達に気づかないよう木に隠れて様子を伺う。

 

近づいたおかげで愛香の耳に少女達の会話が聞こえ始め、早速愛香は耳を傾ける。

 

その内容に愛香は胸糞悪くなった。

 

みゆき「私、学校から一日で退学させられた。日野さん達……も同じ理由で退学させられた」

 

はるか「あたしはノーベル学園の入学を一方的に取り消された。学園でトラブル起こした覚えが無いにも関わらずだよ……」

 

咲「外に出かけて帰ってきたら何故かお父さんとお母さんから一方的にお前とは絶縁だ!って言われて家から追い出された。外に出かけただけなのに何で追い出されなければならないの!?」

 

ラブ「学校で授業を受けていたら何故か先生や皆から冷たい目で見られたよ。わたし、学校に迷惑した覚えが無いのに!」

 

マナ「登校したら何故か生徒会長を解任された。街を破壊したり殺傷行為をしたせいで学校に対するイメージを悪くしたからと言ったけど、私そんなことした覚えが無いのに!」

 

いちか「学校に行こうとしたら何故か色んな人から殴られたり蹴られた。街を壊したり、人々を怪我させたと言ったけど、私そんなの知らないのに…………」

 

誰もが身に覚えの無いことで学校から退学させれたり、家族から勘当されたり、色んな人から冷たくされたなど話しており、愛香はなぎさやゆいを思い出し、彼女達も元々はプリキュアだったのだと理解する。

 

少女達も記憶を失ったなぎさと同じく人々から自分が見た光景により迫害させられたのだと察する中で少女達は涙を流しながら口々に呟く。

 

みらい「そんな人達に迫害されるのが嫌になって私達の事を知らない場所でひっそり暮らそうとしたのに……」

 

のどか「どうして私達は指名手配にされるの……どうして……!」

 

まなつ「自分の生まれた世界だけでなくあらゆる世界で酷い事をしたで指名手配だなんて……」

 

のぞみ「見つかったらすぐに通報されて賞金稼ぎと言った人達が追いかけて来る……こんな生活、いやだよ……!」

 

ひかる「罪人だと、皆が言ってる……どうして……」

 

つぼみ「私は変わりたいと思っていた。なのに、なんで……」

 

みゆき「私達はプリキュアになってはいけなかった!その力は最初から私達を不幸にする呪われた力である事を……妖精に会わなければ私達は今も平穏に暮らしていた……」

 

響「一緒に迫害されるのを恐れ、あたし達は、美墨さん(・・・・)野乃さん(・・・・)と別れてバラバラになって逃げた。でも、逃げても逃げても人々はあたし達を抹殺すべく追跡してきた(その時あたしは一つの後悔を抱いた……南野さん(・・・・)と仲直りすることも無く永遠に離れ離れになってしまった事を……)」

 

めぐみ「何処へ逃げて迫害される誰もが私達を怨むのなら。私達が死ねば、人々は幸せに暮らせるから……」

 

聞いていた愛香は出てきた言葉に驚く。 

 

愛香(自ら死んで罪を償う?何を考えているの!早まった真似なんてさせない!)

 

少女達の会話を聞いた愛香は少女達に自害を止めるべく森の中から飛び出した。

 

パキン!

 

愛香が飛び出す際に足元にあった木の枝が折れた音を立てたことを知らなかった。

 

そして木の枝が折れた音を聞いた少女達はひっと悲鳴を上げる。

 

咲「まさか、追っ手が来てるの!?」

 

のぞみ「此処なら人が居ないと思ったのに」 

 

ラブ「どうしよう、軍人さんがいたら!」

 

つぼみ「話を聞いてくれなければ私達は……」

 

響「鍛えた相手にあたし達じゃ勝てない。逃げるしか無い……!」

 

マナ「今の私達は逃げる以外の方法が無い」

 

みゆき「別れて逃げよう。纏まっては敵に捕まるよ」

 

自身達を抹殺しようと目論む敵が現れたと恐怖して各々に別れて逃げて行く。

 

そんな逃げた一部の前に愛香は自殺させない為に現れる。

 

愛香「早まっちゃダメだ!お前達が死ねば解決するのか!?お前達が死んだら悲しむ人がまだいる筈だ!自殺なんてするな!」

 

必死に少女達に自害を辞めるよう言葉をかける愛香であったが、それは逆効果であった。

 

めぐみ「いや、来ないでよ!」

 

みらい「私達に関わらないで!」

 

はるか「あたし達は静かに暮らしたいの」

 

いちか「私達の事はほっといてください!」

 

ひかる「私達、もう迫害されるのは嫌!」

 

のどか「もうやだぁぁ!!」

 

数々の虐待や迫害を受けていた事もあり、疑心暗鬼に陥っていた少女達には愛香もまた自分達を害する存在だと恐怖して怯え、方向を変えて愛香から逃げようと走る。

 

愛香「待ちなさい!逃げた所で貴女達の状況が改善するなんて確証はないのよ!」

 

逃げようとする少女達に愛香は慌てて止めようと走る。

 

少女たちは逃げ続けていたのもあるからか、疲れにより速く走れておらず、このペースなら追い付けると愛香が確信した時、走っていた先の地面に穴が出現する。

 

愛香「嘘でしょ!?」

 

突然出現した穴に慌てて止まろうとする愛香だが、少女たちを止めようと勢いをつけていたのもあって急に止まれずに、突如出現した穴に落ちてしまう

 

愛香「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

落ちて行く愛香の絶叫を背に少女達は逃げ去って行き、少女達が逃げ去った後には静寂だけが残った

 

 

────

 

青木ヶ原樹海のような森に来た愛香はゆいを探しに森の中に歩いている中、なぎさと同じく迫害された少女達を目撃する。

 

少女達に見つからないよう、森の中に隠れていたが耐え切れずに自害しようとする話を聞いて、愛香は少女達に自害を辞めさせようと思わず少女達の前に出てしまった。

 

それにより疑心暗鬼に陥っていた少女達は愛香から逃げ出してしまい、説得しようと追いかけようとした愛香だったが、現れた穴に転落してしまう。

 

 

 

 

愛香「うっ…………」

 

呻き声をあげて愛香は目を覚ます。

 

その後に頭を振りながら意識を失う前に思い出して呻く。

 

愛香「なんでいきなり落とし穴が出来るのよ……此処は一体何処なの?」

 

ぼやいた後に愛香はまず自分が居る場所を確認しようと見回した。

 

そこは所謂廃屋であり、愛香は奇跡的に布団の上に落ちた事で軽傷に済んだ様だ。

 

愛香「……落とし穴に落ちたら、何故か廃屋の布団に落下って……不可思議過ぎでしょ……」

 

呆れながら、愛香はここがどこなのかを知る為に廃屋から外に出た。

 

出て見えた外の光景に愛香は絶句する。

 

そしてやっと言葉を搾り出す。

 

愛香「……あらゆる建物が破壊されている……」

 

彼女の目の前に広がるのは何かによって破壊された都市部であった廃墟の群であった。

 

愛香「これ……もしかして戦争の跡?これじゃあどこの国か分からないわね……」

 

呻いた後に愛香は上空に視線を向けた。

 

其処に広がるのは空を覆う雲であった。

 

愛香「この廃墟の街がどこか、散策すれば何か分かるかしら……」

 

出来れば食料が見つかれば良いんだけどと呟いた後に愛香は廃墟の街を捜索する。

 

暫くして食糧を見つけた物の、それ以外に街にはもう何もないと分かり、ならばと街の外にも出たが廃墟になった街と同じく荒廃している光景しかなかった。

 

暫く歩いた後、愛香は公園らしき場所を見つけ、まだ使える状態のベンチに座ってため息を吐く。

 

愛香「暫く歩いたけど、あったのは廃墟になった建物だけで人の住んでる感じもなし。食堂らしき建物には何故か食べ物が無く、あるのは錠剤やカプセル、ジュースのようなものしか売っていなくて、花屋らしき店の中には枯れた花がたくさんあるだけ。分かったのはこの近くに人はいない」

 

これでは自分が死ぬ可能性しかないと不安を抱いていた愛香はふと、光る何かを見つける。

 

もしかしたら何かあるかもしれないと愛香はその光を放つ元へと向かう。

 

近づいてみて、愛香は絶句する。

 

光を放っていた場所が墓地なのだ。

 

愛香「……とりあえず、あの光がなんなのか行動しないと」

 

少し怖さがあるが意を決して愛香は墓場へと足を踏み入れる。

 

墓地の敷地内を探索しながらお化けじゃありませんようにと祈りながら光る物を探していると愛香は奇妙な光景を目にする。

 

なんと、鏡の様に輝く墓標が立ち並んでいるのだ。

 

愛香「何この墓標!?どうしてこんなものがここに……」

 

場違いな様に見える墓標に愛香は戸惑いながら気になって鏡の部分を覗いてみる。

 

???「…………」

 

そこには、愛香がプレシャスが変身を解除された際に目撃した、ゆいの近くに居た白い狐の妖精、コメコメがいた。

 

まるで眠っている様に目を瞑っている。

 

愛香「あれは、プレシャスが変身を解除された際に近くに居た白い狐!?何でこの墓標の中に居るの!?」

 

戸惑いながら愛香はまさかと思い、コメコメが封印された墓標の周りを見回した。

 

 

 

メップル「………」

 

 

 

 

ミップル「………」

 

 

 

 

ポルン「………」

 

 

 

ルルン「………」

 

 

 

 

フラッピ「………」

 

 

 

 

チョッピ「………」

 

 

 

 

ムープ「………」

 

 

 

 

フープ「………」

 

 

 

 

ココ「………」

 

 

 

 

ナッツ「………」

 

 

 

 

ミルク「………」

 

 

 

 

シロップ「………」

 

 

 

 

タルト「………」

 

 

 

 

 

シフォン「………」

 

 

 

 

 

アズキーナ「………」

 

 

 

 

 

シフレ「………」

 

 

 

 

 

コフレ「………」

 

 

 

 

 

ポプリ「………」

 

 

 

 

 

ハミィ「………」

 

 

 

 

 

フェアリートーン「「「「「「「「………」」」」」」」」

 

 

 

 

 

セイレーン「………」

 

 

 

 

 

キャンディ「………」

 

 

 

 

 

ポップ「………」

 

 

 

 

 

シャルル「………」

 

 

 

 

 

ラケル「………」

 

 

 

 

 

ランス「………」

 

 

 

 

 

ダビィ「………」

 

 

 

 

 

アイちゃん「………」

 

 

 

 

リボン「………」

 

 

 

 

グラさん「………」

 

 

 

 

パフ「………」

 

 

 

 

アロマ「………」

 

 

 

 

ミス・シャムール「………」

 

 

 

 

モフルン「………」

 

 

 

はーちゃん「………」

 

 

ペコリン「………」

 

 

 

キラリン「………」

 

 

 

長老「………」

 

 

 

フワ「………」

 

 

 

プルンス「………」

 

 

 

ラビリン「………」

 

 

 

ペギタン「………」

 

 

 

ニャトラン「………」

 

 

 

ラテ「………」

 

 

 

くるるん「………」

 

 

 

パムパム「…………」

 

 

 

メンメン「…………」

 

 

 

グレル「………」

 

 

 

エンエン「………」

 

 

 

周りの墓標の中にはコメコメと同じ妖精達がおり、彼らもまた同じ様に眠っている様に見えた。

 

 

周りの墓標の中にはコメコメと同じ妖精達がおり、彼らもまた同じ様に眠っている様に見えた。

 

愛香「なんなのこれ……どうしてこんな……」

 

不気味な光景に愛香が困惑する中で気づいた、否、気づいてしまった。

 

妖精たち以外にも人と同じ高さの墓標が沢山並んでいる事に……

 

愛香「あの墓標、人と同じ高さを持ってる…………まさか…………」

 

当たって欲しくない、自分の考え過ぎであって欲しいと願いながら愛香は意を決して1つの墓標を覗き込む。

 

そして、自分の最悪な予感が当たってしまった事に愛香は絶望した

 

ゆい「…………」

 

愛香「そんな……ゆい、どうして?」

 

さっきのコメコメ達と同じように鏡の墓標の中にいるゆいに口を押さえる。

 

見たくもないが愛香は震えながら墓標を見て行く。

 

 

なぎさ「………」

 

 

ほのか「………」

 

 

ひかり「………」

 

 

咲「………」

 

 

舞「………」

 

 

のぞみ「………」

 

 

りん「………」

 

 

うらら「………」

 

 

こまち「………」

 

 

かれん「………」

 

 

ラブ「………」

 

 

美希「………」

 

 

祈里「………」

 

 

せつな「………」

 

 

つぼみ「………」

 

 

えりか「………」

 

 

いつき「………」

 

 

ゆり「………」

 

 

響「………」

 

 

奏「………」

 

 

アコ「………」

 

 

みゆき「………」

 

 

あかね「………」

 

 

やよい「………」

 

 

なお「………」

 

 

れいか「………」

 

 

マナ「………」

 

 

六花「………」

 

 

ありす「………」

 

 

真琴「………」

 

 

亜久里「………」

 

 

めぐみ「………」

 

 

ひめ「………」

 

 

ゆうこ「………」

 

 

いおな「………」

 

 

はるか「………」

 

 

みなみ「………」

 

 

きらら「………」

 

 

トワ「………」

 

 

みらい「………」

 

 

リコ「……」

 

 

いちか「………」

 

 

ひまり「………」

 

 

あおい「………」

 

 

ゆかり「………」

 

 

あきら「…………」

 

 

はな「………」

 

 

さあや「………」

 

 

ほまれ「………」

 

 

ルールー「………」

 

 

えみる「………」

 

 

ひかる「………」

 

 

ララ「………」

 

 

えれな「………」

 

 

まどか「………」

 

 

ユニ「………」

 

 

のどか「………」

 

 

ちゆ「………」

 

 

ひなた「………」

 

 

アスミ「………」

 

 

まなつ「………」

 

 

さんご「………」

 

 

みのり「………」

 

 

あすか「………」

 

 

ローラ「…………」

 

 

ここね「…………」

 

 

らん「…………」

 

 

あまね「…………」

 

 

どの墓標にもゆいと同じく、目を瞑った少女達がおり、しかも、一部はつい先ほど、自分が見かけた少女たちである事に愛香は力を無くして座り込む。

 

愛香「そんな…………どうして、どうしてこうなってしまったの……」

 

もう何がなんだか分からないと頭を押さえて愛香は涙を流す。

 

暫く愛香のすすり泣く音が響いていた時だった。

 

???(助けて…………)

 

愛香「えっ?」

 

脳内に声が響いた声に愛香は戸惑う。

 

誰がと辺りを見渡し、愛香はなぎさを見る。

 

先程の声は確か彼女だったとなぎさが封印されてる墓標に近づき、墓標に触れながら愛香はなぎさに恐る恐る問う。

 

愛香「ねえ、どうして私に助けを求めるの?」

 

なぎさ(貴女が私達を救う救世主だから……)

 

突然救世主と言われて愛香は戸惑う。

 

愛香「私が貴女達を救う救世主?何言ってるの?私にはそんな力は無いわ」

 

なぎさ(ううん、貴女は私達を救う力を持っている。今は無いけど、近い内に必ず目覚めるよ)

 

否定する愛香だが、なぎさは確信した様に言う。

 

愛香「どうして私に言うの?私でなければならない理由があるの?」

 

信じられないと鏡の墓標に封印されてるなぎさに愛香は声をかけるが言い終えたのかなぎさからの返事は返ってこなかった。

 

教えてよ!!と愛香は叫ぶがやはり返って来ない事と自分がどうして救世主と言われたのかに困惑していると……

 

???「貴女、何をしてるの?」

 

愛香「えっ?誰か居るの?」

 

背後からの自分以外の声に愛香は振り返るとピンクの衣装を着た金髪の少女が居た。

 

 

愛香「(誰このこ?なんでこんな墓場に?)貴女は誰?もしこの墓場に関して知っているなら教えて欲しい。この辺りの墓標が鏡になっていて、その墓標の中に妖精達や少女達が封印されているの?」

 

愛香は自分の前に現れた少女に戸惑いながら話しかけた。

 

今までの事もあって愛香はここがどこなのかを早く知りたかったのもあるし、今まで1人でいたのもあって不安だったこともあり、少女へと矢継ぎ早に問う。

 

普通なら質問に対し返答が来る筈だが、少女の返事は何か違っていた

 

???「何故、こんな所に人が居るの?」

 

愛香「えっ?」

 

先程と同じ問いを返して来た少女に愛香は戸惑っていると少女は愛香へ近づく。

 

???「此処はプリキュアにとっては最後の安息の地であるプリキュア墓場。こんな所に人が居るなんて有り得ないわ!?」

 

先程まで坦々だったのが最後は驚いた様に問う。

 

プリキュア墓場とは何以外に色々と聞きたい事があった愛香はひとまず深呼吸して口を開く。

 

愛香「それはこっちが聞きたいわ。街に居たはずが色んな所に飛ばされ、森の中に移動していたら穴に落ちて、気付いたら廃墟の街の中で目覚めた。そして街の中に散策していたら光る何かを見つけて、近づいたらこの墓標だったの。私も何故こんな所に来たのか分かってないわ」

 

???「そう、貴女はたまたま此処に来ただけなのね」

 

そうよと頷いてから愛香は改めて少女に問う。

 

愛香「それより何故鏡のような墓標の中に妖精達や少女達が封印されてるの?」 

 

???「答えは決まっている。彼女達にとってこの地は最も安全な地だからよ。そしてあらゆる世界で迫害された少女達は自ら自害した後、魂はプリキュア墓場に自ら封印した。自害された後の肉体についてはどうなったかは知らない」

 

告げられた事に愛香は一瞬理解できなかった。

 

自ら自害して鏡の墓標に封印した。

 

自害した本人の肉体がどうなったかは知らない。

 

それをなんとか頭に叩き込んだ後に愛香は続いて気になった事を問う。

 

愛香「なら封印された魂はどうなってるの?」

 

???「忌まわしき記憶を捨て、平穏な世界の人間に生まれ変わり、普通の女の子として平穏に暮らしている」

 

淡々として返された言葉に愛香は納得できなかった。

 

愛香「記憶を捨てて、別人として生きる……それが幸せなのか……私だったらそう思わない…………自分を偽り、普通の女の子として生きる。そんなつまらない生き方で幸せになるのは了承できない」

 

???「どうして?普通の女の子として生きる事に何か間違いがあるの?」

 

否定的な言葉で反論した愛香に少女は不思議そうに返す。

 

愛香「……普通の女の子として生きたいと言うのは間違いじゃないわ」

 

けど……と愛香はなぎさを見てから少女へ向き直る。

 

愛香「私はこの子から助けを求められた。もしかするとここにいる皆は偽りの世界に閉じ籠るんじゃなくてちゃんとした世界で生きたいから助けて欲しいんじゃないかなと私は思う。推論になっちゃうけども、それを踏まえて私はあなたの言う封印を正しいとは思えない」

 

なぎさ達を閉ざされた世界に封印する事は正しいとは思えないと否定した愛香に……

 

???「私のしてる事に何か間違いがあるの?」

 

愛香「えっ?」

 

少女は怒気を向ける。

 

先程と違い感情を見せた少女に愛香は驚いていると少女はなぎさ達を見渡しながら呟く

 

???「貴女には分からないようね。何故少女達を封印してるかを」

 

愛香「どういう事?」

 

そんな少女に愛香は理解出来なかった。

 

何故彼女達を封印してるのが正しいと思っている少女に……

 

そんな愛香へと少女はみつめる。

 

???「彼女達は取りかえしのつかない大罪を犯した」

 

愛香「取りかえしのつかない過ち?(私が見たなぎさの迫害や私を見て怯えて逃げた皆が犯した大罪って……)何か知っているの?」

 

出てきた言葉に愛香は気になって問う。

 

???「貴女が知る事は無い」

 

が、少女は答えずに愛香に対し敵意を抱くような目をみせて睨む。

 

愛香「な、なんでそんな目で見るの?私はただ……」

 

???「貴女の存在は何れ、プリキュア墓場に封印された少女達に影響を与える。けど私はそれを許さない!」

 

なぜ敵意を持たれたのか戸惑う愛香へ少女は手を愛香に向けるとその掌へと光が集束し……

 

 

???「帰れ!そして少女達に関わるな!」

 

 

 

愛香に向けて光球にして放った。

 

思わず自分を守ろうと愛香は顔の前で腕を組んで防御態勢を取るがあっけなく吹き飛ぶ、 

 

愛香「きゃあああぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

悲鳴を上げながら愛香はどこかへと飛ばされて消える。

 

愛香を追放した少女はグッと手を握り締めて憎々しげに愛香が消えた方を見る。

 

???「プリキュアは二度と復活してはいけない。プリキュアは二度と生まれてはいけない。もしプリキュアが現れたら世界は必ず破滅する。だからこそ私は二度とプリキュアを存在させてはいけない。それが……

 

最後のプリキュア、キュアトゥモローの使命だから!」

 

 

 

トゥモローと名乗る少女は二度とプリキュアを生みださないと強く宣言する

 

しかしトゥモローは知らなかった。その愛香がトゥモローを立ちはだかる存在になる事を……

 

余談だが、愛香が目覚めた地は滅ぼされたある王国である。

 

そう、プレシャス達を生み出した国……

 

 

 

クッキングダムであると

 

 




次回、目覚めた愛香に運命の刻が来たる


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月影愛香は奇妙な夢を話す

奇妙な夢を見た愛香は家族に奇妙な夢の事を話す

なお、前半はセクシーなシーンあります


プリキュア墓場に迷い込んだ愛香は、墓場の墓守と思われる少女と出会う。

愛香は何故墓場になぎさ達や妖精達が封印されたのかを少女へ問うが、少女の返答は愛香の望む答えが出る処か少女は愛香に激昂し、愛香を墓場から無理やり追い出す。

攻撃として放たれた光球を受けてプリキュア墓場から追い出された愛香は、そのまま意識を失うのであった……

 

 

────

 

愛香「はっ!?」

 

愛香は目を覚ました。

 

慌てて起き上がって周りを見ると、そこは勝手知ったる自身の部屋であり、愛香はベッドの中で寝ていた。

 

愛香「今までのは夢だったの………」

 

ベッドの縁に腰かけて愛香は今まで見た事が頭を過ってから顔を横に振る。

 

愛香「いや……夢にしてはリアル過ぎだった……感触も、あの時の肌で感じた事も……」

 

自身の手や体にへばり付いた汗に愛香は顔を顰める。

 

愛香「季節は春なのに汗をかくなんて……とりあえずシャワーを浴びて、頭を冷やそう」

 

ふうと息を吐いてから愛香は制服と下着を手に風呂場に向かう。

 

────

 

制服と下着を手に洗面所に向かった愛香は、寝間着、ナイトブラ、ショーツの順に脱ぎ、洗面所の鏡で自らの裸身を見せた

 

ちなみに鏡で見えてる範囲は上半身のみで見えるとまずい部分は手で隠している

 

愛香(また大きくなったかな……中学生の時も身長も男子高生なみに高かったから大人だと勘違いされそうになったし、胸も周囲よりGカップあるからって同性から羨ましがられて体育の時に揉まれたりしたな……ホント高校生離れしちゃってるよな……お母さんもかなりのプロポーション持ちだから遺伝したのかしら?)

 

自身の隠し切れない胸の大きさにうーむと悩んだ後にそれは今は良いかと思った後に二の腕や足を見る。

 

愛香「うわぁ、汗だらけだわ……へばり付いて気持ち悪くなるのは当然ね……」

 

ふうと息を吐いた後に愛香は風呂場に入り、早速シャワーを浴びて汗を流して行く。

 

そのシャワーを浴びてる最中に愛香は奇妙な夢の事を整理した

 

思い返すのはプリキュア達の戦いのであった。

 

愛香(どうしてプリキュアは周りを見ないで戦っていたのかしら?ヒーローの中には仮面ライダー王蛇のように人を巻き込むような戦いをする者も居るけど、私が見たプリキュアは明らかにおかしい)

 

自分の知る特撮の中の人物を思い浮かべながら愛香は一旦シャワーを止めて体を洗い始める。

 

愛香(私が最初に会ったプリキュアは敵を倒す事しか考えて無くて、周りを見ないで建物を破壊し、敵を倒す際にも街に被害を出る様な戦いをした)

 

体を洗いながら最初に見たキュアブラックとキュアホワイトの戦い方を思い返す。

 

愛香(次に会った時のプリキュアは、皆が黒の衣装と黒い髪になっていて、市民に危害を与えて罪の無い人達を殺して、街を破壊した。キュアブラックは確かに黒い衣装を着ていたけど、何で他のプリキュアもみんなが黒い衣装になっていたのかが気になる……)

 

次に愛香はあの時のプリキュアは周りを見ない戦いをした事やプリキュア達の衣装が黒くなっていた事に疑問を抱く。

 

愛香(そんなプリキュア達はなぜか自らを最強にして無敵の戦士だと言ってたけど、皆の雰囲気や喋り方からして、無理やり喋らされてる感じがして違和感しかなかったわね……そりゃあヒーローの中には慢心したり力に溺れていた者も居たけど、大体はヒーローに関わる者達によって止められた後、ヒーローは反省して心を改めている事が多いけど、あの時の皆にはそんな様子は無かった……まるで最初から力に飲み込まれてる感じで気味が悪いわね……)

 

その次にプリキュア達の言動の違和感を感じながら髪を洗う。

 

愛香(黒い衣装になったプリキュア達は罪の無い人々を襲い、街を破壊した。そしてプリキュアはあらゆる兵器を受けてなおダメージを受けなかった。ただ、私が投げた石を受けたプリキュアは何故か苦しみだした。どうして兵器の攻撃は利かなかったのに一般人の私の、それもその場に落ちていた石が当たったら苦しんだのか分からない……)

 

プリキュアの破壊行為の事や自分の攻撃でプリキュアが苦しみだした事が気にしながらシャワーを再び動かして泡を洗い流す。

 

愛香(そんなプリキュアに襲われた後、気絶しちゃった私はレジスタンスのアジトで目覚め、目覚めたのも束の間。今度はブラック達とは違うプリキュア、プレシャスに襲撃された。私も銃を手に迎え撃った。そしてプレシャスが技を放とうとした時に思いも寄らぬことが起きた……プレシャスの変身が勝手に溶けて、プレシャスの近くに居たコメコメが消滅して、プレシャスの腕にあった変身アイテムが壊れた。そして、変身を解けたゆいは何故かプレシャスに変身した時の記憶だけでなく、プレシャスに変身して以降の記憶を失っていた)

 

アジトに襲撃してきたプレシャスの事、変身を解除されたゆいのことを脳裏に思い浮かべる。

 

愛香(聞いてみたらゆいは洋食屋に行こうとしたその後の記憶が無いと言った。レジスタンスからアジトを襲ってきたのはゆいだと告げられるとゆいは自分はやった覚えは無いと言って逃げた。そして逃げたゆいを追って、街に戻った私は嫌なものを見てしまった)

 

街に戻った時に見た不快なものに愛香は顔を顰める。

 

愛香(プリキュアに被害を受けたからと言う理由でなぎさが迫害されていた。被害を受けたから怒るのは分かるけど、だからと言って記憶を無くした彼女を傷付けていた彼等に罪悪感がないように見えて怖さを感じずにはいられなかった。暫くして森の中を彷徨っていた私はなぎさと同じく迫害された少女達を目撃し、自ら死を選ぼうとした話を聞いて愕然とした)

 

なぎさを迫害した人達の事やなぎさと同じく迫害された少女達の事を思いだし気分がさらに悪くなる。

 

愛香(思わず飛び出しちゃったせいで逃げてしまった皆を追いかけようとした所でいきなり現れた穴に落ちゃったのよね……ホントあの穴はなんだったのかしら……そんな穴に落ちてる間に意識を失った私は目が覚めたら廃都で、どうしようか途方にくれていた私は光る物が気になって向かったら墓場で、そこで私とんでもないものを見てしまった)

 

墓場の事を思い出し、愛香は手を握り締める。

 

愛香(プリキュアだった皆や妖精達が鏡の墓標に封印された光景。そして墓守を務める少女にプリキュアが封印された理由を聞こうとしたけど、墓守の少女は質問に答える処かなぜか怒って私を墓場から追い出した。墓場から追い出された所で私は意識を失い……いや、夢から目が覚めたって所ね)

 

夢の出来事を整理し、シャワーを浴びて一息ついた愛香は、バスタオルで濡れた身体を拭いて行く。

 

身体を拭き終えると愛香は下着に手を出した

 

愛香「さてと……」

 

白のショーツを足首から通して履いていく

 

ショーツのデザインは前がノーマルで後ろがフルバックのビキニショーツで前にはリボンが付いているのだ。

 

ショーツを履いた愛香は、ショーツの後ろの上を掴んで上に引っ張って尻をショーツに収め、最後にショーツのフルバック部分の裾部分を掴んで調整する。

 

鏡でショーツのみの格好の姿を見た愛香は次に白いブラを取る。

 

ブラのデザインは愛香の豊満な胸を包むのに適したフルカップブラでストラップが付いていてホックは後ろにあり、カップの真ん中にはリボンが付いている。

 

???「お姉ちゃん、入るよ~」

 

そうして愛香がブラを着けようとした時に洗面所の戸が開き、少女が入って来る。

 

思わず固まる愛香に入って来た少女は……

 

???「お姉ちゃん、また大きくなった?」

 

愛香の曝け出されたままのお胸を見てそう述べる。

 

(なお、見えるとまずい部分はシャワーを浴びた時に出た湯気で隠れている)

 

それに固まっていた愛香の顔が真っ赤になり……

 

愛香「きゃあああああああああああああああああああああああ!何で此処で入るのよ友美////」

 

悲鳴と同時に思わずブラを放り投げて愛香は手で自身の胸を隠す。

 

それによりふにょりと変形する胸にホント同姓も見惚れる事をする……と友美と呼ばれた少女は内心そう思いながら答える。

 

友美「何って、洗面所なんだから洗顔や歯を磨きに来たに決まってるじゃん……それより、お姉ちゃんは何で朝早くから洗面所に居るの?」

 

愛香「あー……実は………」

 

自分が来た理由を答えてから友美は愛香が洗面所に居たのか問い返し、それに愛香は困った顔をしてから友美に変な夢を見てしまい、その際に全身に汗をかいてしまったので汗を流すために先ほどまでシャワーを浴びていて、それをつい先ほど終えて洗面所で着替えていた事を説明した

 

友美「それで洗面所に居たときのお姉ちゃんの格好がパンイチなんだ……」

 

愛香「身体を拭いて、着替えをしてたからね。というかあなたもなんでこんな朝早く洗面所に?」

 

納得する友美に愛香は問う。

 

友美「私、基本的に早起きだよ。読者モデルの仕事をしてる都合上、健康に気を遣ってるから」

 

忘れた?と聞き返す友美にそう言えばそうだったと愛香は思い出す。

 

愛香「友美が早起きなのは忘れてたわ……まあ、普段なら私はこの時間は自分の部屋で着替えをして、身だしなみを整えているからね。それより友美、私がいつまでもパンイチ姿にいるのは恥ずかしいから着替えが終わるまで外に出て////」

 

友美「別に同姓で姉妹なんだから気にしなくても良いのに、お姉ちゃんは恥ずかしがり屋さんだよね」

 

愛香にお願いされた友美はやれやれと肩を竦めながら素直に洗面所の外に出て行く。

 

愛香(同性なら良いけど、異性だったら確実にパンイチの格好でビンタしてた……)

 

それを見送った愛香は洗面所の戸を閉めた後、放り投げてしまったブラを拾い、鏡の前で前屈みになって肩にストラップをかけ、次に手にブラのサイドベルトを掴み、自分の胸をブラのカップに合わせ、背中のホックを留め、ストラップを調整しながら身体をさらに前に倒した。

 

それにより愛香の巨乳の谷間が目立つ中でストラップの付け根を少し浮かせた後、自身の胸をカップの中におさめて調整し、最後に身体を起こしてストラップを調整する。

 

鏡に映し出された下着姿の愛香は豊満な胸やくびれや尻が目立っており、グラビアアイドルの様な綺麗さを伺える。

 

愛香「これで良し……と」

 

ブラのストラップがずれてない事を確認した愛香はドライヤーで髪を乾かし、乾かし忘れがないのを確認して服を着始める。

 

最初に愛香は脚に靴下を履いて行く。

 

ちなみに妹の友美からすれば愛香の脚もグラビアアイドル並みに細長く、同性でも魅了してしまう程の美脚との事。

 

次に愛香はスリップに手を出し、下からスリップを通し、次に胸に通した後、スリップの肩紐を肩に通した。

 

スリップの肩紐の近くで愛香のブラのストラップが見えており、スリップの裾部分は屈めば愛香のショーツが見える程の短さがあった。

 

スリップを着終えた愛香はセーラー服を手に取り、頭から通してセーラー服の袖を腕に通す。

 

次にスカートを手に持って、スリップの上からスカートを履き、スカートの留め具を留めた後、ファスナーを上げる。

 

最後にセーラー服にリボンを通し、リボンを結んで着替えを終える。

 

愛香「友美、着替え終わったから入っても良いわ」

 

着替えを終えたので外に居る友美を呼んだ後、一緒に洗面所で他愛のない話をしながら愛香は身だしなみを整えるのであった。

 

 

────

 

着替えを終わらせると、友美と一緒にリビングへ向かうと其処には一組の男女が居た

 

愛香「おはよう、お父さん。お母さん」

 

友美「お父さん。お母さん、おはよう」

 

そんな男女へと愛香と友美は挨拶する。

 

愛香と友美が挨拶したこの2人こそ、愛香と友美の両親で、父の勇介と母の希美である。

 

希美「おはよう、愛香。友美」

 

勇介「おはよう、愛香、友美」

 

勇介は学生時代では美術大学に通ったイラストレーターで、漫画やアニメのキャラクターデザインの仕事を受けており、希美は専業主婦で、学生時代は体操部に所属し、アクションスター顔負けの身体能力を持つ女性で何よりも30代に関わらず、グラビアアイドル並みのプロポーションを持っていた

 

勇介「それにしても珍しいな。愛香と友美が一緒に来るとは」

 

希美「そうね、いつもはリビングに来てから合流するのに、何かあったのかしら?」

 

いつもと違う光景だったからかそう言う勇介に希美も同意だったのか愛香にそう聞く。

 

愛香「実は…………」

 

それに愛香は勇介と希美にどうしていつもと違ったかを説明する。

 

勇介「おかしな夢を見た?」

 

希美「それで体中に汗を掻いちゃったから、その汗を流すために洗面所に行ったの?」

 

うん……と愛香は頷く。

 

勇介「そうか……」

 

希美「愛香は普段、自分の部屋で身だしなみを整えてるもんね」

 

ううむと腕を組む勇介の隣で希美は呟く。

 

友美「普段はお姉ちゃんは朝にシャワーを浴びに行かないもんね」

 

希美「じゃあ、私が朝食の準備中に愛香の悲鳴が響いたのは?」

 

勇介「ああ、あれか、突然だったからビックリしたなホント」

 

思い出して聞く希美に勇介も思い出して呟いたのに愛香は恥ずかしそうに縮こまる。

 

愛香「そ、それはその……着替え中に、友美が入って来たからよ……普段来てるとは思いもしなかったもんで……」

 

友美「同性なら気にしなくても良いのに……」

 

勇介「そういう問題じゃないだろ友美。着がえ中にいきなり人が入って来たら異性でも悲鳴を上げちゃうもんだぞ」

 

あっけらかんにしている友美に勇介は注意する。

 

友美「はーい以後気を付けます」

 

勇介「全く、それで愛香。おかしな夢を見たそうだが、どんな夢を見たんだ?」

 

軽い感じに返す友美に勇介は息を吐いた後に愛香にどんな夢を見たのか質問する。

 

それに対し愛香は少し悩んだ後にその夢の事を3人に語りだす。

 

愛香「私が見たのは、プリキュアと言う女の子が変身した存在が人々に危害を与えたり、プリキュアの変身が突然解けて、人々がプリキュアだった女の子達を迫害する夢だったの」

 

勇介「プリキュア?女の子が変身すると言う事は変身ヒロイン系列か?」

 

告げられた中にあったので引っ掛かった単語に勇介は問う。

 

愛香「ええ、大体そんな感じよ」

 

勇介「ふうむプリキュアか……私が請け負った作品でプリキュアと言うのは聞いた事がないな……」

 

希美「そうね……仮面ライダーやスーパー戦隊やウルトラマンやガンダム等の作品はテレビで放映されてるけど、変身ヒロイン系の作品って最近だと深夜帯じゃないと見れない感じよね」

 

首を傾げる勇介の希美も不思議そうに呟く。

 

友美「確か、知ってる少女向けだとアイカツ!シリーズやプリパラシリーズやガールズ×戦士シリーズが放映してるけど、お姉ちゃんはそういう作品に対しては物足りないと言ってるね」

 

愛香「ええ、私は仮面ライダーやスーパー戦隊みたくアクションをする作品が好きだしね。だから、ガールズ×戦士シリーズのだと物足りなく感じるのよね……だって変身してもやってるのはパズルみたいなやつやダンスのだから……それにあの作品は実際は戦わない変身ヒロインものに近いし……」

 

思い出して言う友美に愛香は思い出してか物足りなさそうに言う。

 

勇介「まあ、ガールズ×戦士シリーズは小さい子なども見ている事を配慮してるからな……(愛香は幼稚園の頃からアクション系の作品が好きだったからな……)。ただ、愛香の反応から見て、プリキュアはアクションをする変身ヒロインのようなものかい?」

 

愛香「そうよ」

 

確認した勇介はふうむと顎を摩る。

 

勇介「愛香、嫌な気分になるだろうが、その女の子達はその後はどうなったのか覚えているか?」

 

勇介はプリキュアだった少女が迫害された後はどうなったのか質問する。

 

愛香「……自ら死を選ぼうとしていたわ。みんな体中に傷や痣がついていて、とても痛々しかったわ……さらに言えば自分の家族を始めとする人々からも迫害された可能性があるわ……」

 

苦々しい顔で告げた愛香のに勇介は呻き、想像した友美と希美は顔を青ざめる。

 

勇介「信じられん……自分の子供に対して酷い事をするとは……」

 

希美「自分のお腹を痛めて産んだ子に対して何て事するの……」

 

友美「酷いよ。最も身近にいる家族すら、掌返して迫害するなんて……」

 

強張った顔で腕を組む勇介は良いが、希美と友美は青ざめた顔で口を押さえる。

 

愛香「ええ、実際家族すら迫害されたと言ったわ……けどそれだけじゃない……」

 

希美「それだけじゃない?まさか家族だけじゃないの?」

 

悲痛な顔で言った愛香のに希美は驚いた顔で問う。

 

愛香「ええ、同じ学校に通う生徒や先生、更に少女達が住む住人も少女達の迫害に関与していたの」

 

勇介「学校の先生や生徒を始めとする街の住人が迫害に加担とは……異常が過ぎるな……」

 

告げられた事に勇介は渋い顔で呟く。

 

愛香「ホントにあの光景は異常よ。分かり易く当て嵌めるならザンボット3の神ファミリーやメガレンジャーの伊達健太達が受けた迫害より酷いわ……それどころか帰ってきたウルトラマンの世界の市民が佐久間良とメイツ星人である金山を迫害した行為に匹敵するくらいよ(その伊達健太達は恵理奈やジロウや大岩先生が助けてくれた。神ファミリーは香月真吾やブスペアに助けてくれた。Z-BLUEの世界では破嵐万丈に助けられ、地球艦隊天駆の世界ではテンカワ・アキトが所属するナデシコ隊に助けられたからまだいい……佐久間良は助けられたけど金山は誰も助けてくれずに射殺された事でムルチを呼び寄せられ、迫害した市民は因果応報を受けた。その迫害はウルトラマンジャックこと郷史郎が市民を見捨てる事を決断するくらいの酷さよ。けど、プリキュアに変身した少女達には助けようとした人はいなかったの?)

 

そんな勇介に同意しながら愛香はプリキュアを助けようとした者は居なかったのか疑問を抱く。

 

こうやって話していると改めて様々な疑問が沸き上がる。 

 

友美「それでお姉ちゃん、そのプリキュアだった少女達は悪いことしてないよね?」

 

愛香「本来はしてないわ……けど」

 

不安そうに友美は愛香に質問するが、問われた本人は困った様に返す。

 

友美「けど?」

 

愛香「……人々からはプリキュアは悪いことをしたと言った。しかも実際にやったのを見ている人も居たわ。けど本人はそんな事した覚えは無いと言ったの」

 

希美「どういう事?食い違いが起こるなんておかしくないかしら?」

 

勇介「……!まさか愛香、そのプリキュアになっていた少女たちは……」

 

疑問を浮かべる母と妹だが察した様子の勇介に愛香は頷く。

 

愛香「お父さんの想像している通りよ。プリキュアだった少女は、プリキュアに変身した時の記憶が無いの」

 

希美「それってプリキュアに変身していた皆はその時の記憶が無くなっているって事?」

 

肯定されたので唸る勇介を横目に希美は確認する。

 

愛香「うん。変身を解除された後、あの子はプリキュアに変身していたと言うのを覚えていなかった」

 

友美「ええ!?それじゃあ理不尽じゃん!迫害した人達はホントかどうか調べないでその子達に暴力を振るったの!?」

 

告げられた事に友美は驚いて叫ぶ。

 

愛香「さらに言えばね……記憶が無いのはプリキュアに変身してる時の記憶だけじゃない。プリキュアに変身して以降の記憶が無くなっているの」

 

友美「それって、プリキュアに変身していた女の子皆、プリキュアに変身するようになってからの記憶も無くしちゃったって事?」

 

疲れた顔で言う愛香に友美は驚いて問うと頷かれて友美は唸る。

 

愛香「一般の記憶喪失と違って、所轄部分健忘状態になっている。どれ位なっていたか分からないけども、期間によっては質の悪い部分健忘状態よ」

 

勇介「……なんとも気味の悪い部分的な記憶喪失だな……それで愛香、お前の事だから黙って見ているなんて出来なかったんだろ?」

 

勇介は愛香に少女達を見てそれからどうしたのかを問う。

 

愛香「勿論よ。そんな状況を放置するわけにはいかなかった。私は飛び出して女の子達に自害を止めるように説得しようとしたわ。けど、誰一人私の話を聞いてくれなかった」

 

勇介「……成程、それはちょっと悪手だったな」

 

友美「?なんで説得しようとしたのが悪手なの?」

 

話を聞いて困った顔をする勇介に友美は首を傾げて聞く。

 

勇介「言う前にもう少し詳しく聞かせてくれないか愛香」

 

愛香「……その女の子達は、家族を始めとする人々に迫害されて、居場所を失ってしまった後は生まれた世界から逃げて、いろんな世界に放浪したみたい。けど、逃げた先でも生まれた世界だけでなくあらゆる世界で酷い事をされたの」

 

希美「生まれた世界まで追い出され、別の世界でも迫害されたのね」

 

話を振られて言った愛香のに希美は痛々しく顔を歪める。

 

勇介「そうなると重度の人間不信になって初対面相手には疑心暗鬼になっても仕方ないな……実際そうだったんだな?」

 

愛香「うん。私も傷付ける存在だと思っちゃって皆は恐怖に怯えて逃げ出しちゃったの」

 

希美「無理も無いわ。酷い目に遭わされたらそうなっても仕方ないわね」

 

早計だったと落ち込む愛香に希美はそう言う。

 

愛香「逃げ出した皆を止めようと走り出そうとした所で私は突如現れた落とし穴に落ちちゃって、気がついたら私はある廃都に目覚めたの」

 

勇介「廃都とは、先ほどまでのと合わせてさらに穏やかじゃないな……」

 

友美「それでお姉ちゃんはどうしたの?」

 

呻く勇介の後に友美は聞く。

 

愛香「とりあえず私は廃都周辺を探索してたんだけど、途中で私は奇妙な墓場を見つけてしまったの」

 

友美「奇妙な墓場?どんなものなの?」

 

友美は愛香に奇妙な墓場は何か質問した

 

愛香「わかりやすく言うなら、墓標が鏡で出来ていた。そして、気になって墓標を覗き込んだらとんでもないものを見ちゃったわ」

 

希美「愛香、その墓標で何を見たの?」

 

恐る恐る聞く希美に愛香は深く呼吸してから口を開く。

 

愛香「私が見たのは……鏡の墓標に封印されたプリキュアだった女の子達と関係のある妖精達だった」

 

勇介「なんだって?」

 

告げられた事に勇介は驚く。

 

愛香「話を聞く限り、数日後に自害したそうなの」

 

勇介「酷いな……」

 

希美「そんなの悲し過ぎるわ……待って、愛香、あなたは誰に聞いたの?」

 

哀しい顔で言う愛香に勇介と希美も顔を伏せかけて気づいて問う。

 

愛香「それは後で言うわ。打ちひしがれていた時、私の頭に鏡の墓標の一つに封印された女の子の声が響いたの」

 

希美「女の子の声が?どんな感じだったの?」

 

希美は愛香にその時に何が聞こえたのか質問した

 

愛香「私に助けてと言ってから戸惑うような事を言ったのよ」

 

希美「戸惑う事?」

 

うんと愛香はなんとも言えない顔で頷く。

 

愛香「その子は、私をプリキュアを救う救世主と言ったの」

 

勇介「愛香が救世主?」

 

友美「お姉ちゃんって運動神経はそこらのアスリートに匹敵するレベルだけど、救世主ってそう言うピンチヒッターな感じので言ったのかな?」

 

希美「そうじゃないと思うわよ友美;」

 

困った様に言う愛香に勇介は訝しみ、友美のに希美はツッコミを入れる。

 

勇介「まあ、俺からすればいきなりヒーローに選ばれたと言われてすぐには理解できないからな。だけど、何故、その女の子は愛香が救世主と言ったんだろうな?」

 

愛香「私も分からないわ。けど何らかの理由があると思うけど……話を聞こうとしたら何の反応も来なくなったのよ。そんな戸惑っていた私は奇妙な女の子に出会ったの」

 

ふうむと腕を組んで唸る勇介は愛香の最後の言葉に反応する

 

勇介「奇妙な女の子?まさか先ほどの愛香に女の子達が自害したと伝えた女の子か?どんな特徴があった?」

 

愛香「その女の子は魔法少女の作品に出そうな衣装を着ていたわ。それで髪は金髪だったわ」

 

友美「お姉ちゃん、本物の魔法少女に会ったんだ」

 

目を輝かせて言う友美にそんな良い感じじゃなかったわよと愛香は渋い顔で返す。

 

友美「あれ?魔法少女に会えたのになんで渋い顔するの?」

 

愛香「渋い顔にはそうなるわよ。なんたってその魔法少女は訳分からない事を聞いて来たんだもの。こっちの質問に最初は答えずにね」

 

首を傾げる友美に愛香は魔法少女の事を思い出しながらげんなりしてそう返す。

 

友美「分からない事?」

 

愛香「そ、なんで人がここにいるんだ?とか人がいるなんてありえないってね」

 

勇介「ふむ、話を聞く限り、愛香が着いた場所は普通の人は立ち入れない場所と言う事なのだろうか?」

 

顎を摩って呟く勇介にこっちが知りたいわよと愛香は返してから続ける。

 

愛香「それでね。私はもう1回その魔法少女に対して、何故鏡の墓標にプリキュアだった女の子達や妖精達が封印されたのか質問したら、期待するような返事じゃなかったわ」

 

希美「どういう事?」

 

勇介「!もしかしてさっきの自害したと言う話云々か?」

 

うんと勇介の問いに愛香は頷く。

 

愛香「プリキュアだった女の子達は自害したって彼女は言ったの」

 

勇介「そう……か……」

 

希美「その、その女の子達の遺体はその墓地にはあったの?」

 

渋い顔をする勇介の後に希美は恐る恐る聞く。

 

愛香「その遺体についてはどうなったのかは分からない……魔法少女もそう言ってたわ」

 

勇介「ふうむ……そこは気がかりだな……墓標なら何かがあってもおかしくないのだがな……」

 

そこんとこはどうなんだ?と目で聞く勇介は愛香に頷く。

 

愛香「うん、私が見た鏡の墓標には女の子達の魂が自ら封印したって彼女は言った。そして、封印された魂は記憶を消されて普通の女の子として生まれ変わったとも言ってたわ」

 

勇介「……それは記憶を消して普通の女の子に変えたと言うことか?」

 

問う勇介に愛香はええと頷く。

 

愛香「そして墓場の女の子はその墓場をこう言ったの。プリキュアにとっては最後の安息の地だとね」

 

友美「墓場が安息の地?どういう事なの?」

 

えぇ……と凄い微妙な顔をする友美にそうよねと愛香は頷く。

 

愛香「魔法少女の話だと、その墓場の墓標に封印された女の子達は、邪悪な者達が現れない世界に封印されたと言ってたわ。そうね……例えるならグレンラガンの世界に出て来た多元宇宙迷宮みたいな世界かワンピースの世界でウタによって作られたウタワールドのような世界に閉じ込められた感じって言ったら分かる?」

 

勇介「多元世界や夢の世界?つまり色んな世界があってその世界の一つに女の子達が封印されたって事か……」

 

話を聞いて呟きながら勇介はスッキリしていない顔だ。

 

その気持ちは分かりつつ、愛香は続ける。

 

愛香「墓場の女の子はプリキュアを夢の世界に封印する事は正しいと言った。けど私は元プリキュアの女の子達が夢の世界に封印されて、夢の世界で普通の女の子として暮らすのは正しくないと墓場の女の子に言ったの」

 

勇介「ふむ、普通に考えれば戦いを終えて普通の女の子として暮らすと言うのなら分かるが……これはな……」

 

眉間に皴を寄せる勇介に愛香は頷く。

 

愛香「私も同じ気持ちよお父さん。辛い現実を背けて、夢の世界に逃げる事が許さないの。確かに辛い現実から逃げたいのは分かるわ」

 

そう言ってからけど……と愛香は真剣な顔で言う。

 

愛香「私はこんな都合の良い夢の世界に引きこもってそれで良いのか?って思う。私だったら夢の世界に引きこもったら寧ろ駄目になる」

 

希美「駄目になる?愛香は鏡の墓標に封印された魂が閉じ籠もった世界に居てはいけないと感じてるの?」

 

希美は愛香に鏡の墓標に封印された元プリキュアの女の子達が夢の世界に引きこもるのはいけない事なのかと質問する。

 

愛香「お母さん、私は記憶を捨てて、別人として閉ざされた世界で生きて引きこもるのはいけないと感じるの。皆は偽りの世界に閉じ籠るんじゃなくてちゃんとした世界で生きたいから私に助けを求めたんじゃないかってその事を魔法少女に言ったら、魔法少女は怒りの目で私を見てあることを言ったの」

 

希美「ある事?」

 

うんと愛香は頷いて言う。

 

愛香「『彼女達は取り返しのつかない大罪を犯した』と言って、私はそれがどんな大罪なのか知りたかったけど答えて貰えずに『貴女の存在は何れ、少女達に影響を与える。けど私はそれを許さない!』と言われて『帰れ!そして少女達に関わるな!』で魔法少女が光弾を放って来て、それを受けた私は墓地から吹き飛ばされてる途中で意識を失い……」

 

勇介「目が覚めたら家の中だった……と言う事か……しかし大罪か……情報が少なすぎて検討が付かないな……」

 

ううむと唸る勇介に愛香も思い出してホントになんだろうかとぼやくのであった。

 

愛香「……以上が私が見た奇妙な夢よ……夢の中でプリキュアの皆が酷い仕打ちを受けた原因は魔法少女が言った大罪にあると私は思う」

 

話を締め括る愛香に聴いていた3人は暫し無言になる。

 

それを破ったのは頭を掻いて息を吐いた勇介だ。

 

勇介「愛香の話を最後まで聞いたが、自分の娘でなければ出来過ぎた夢だなと言う感想しか出なかっただろうな……」

 

友美「普通なら夢の事は覚えてないのが普通だもんね……」

 

希美「逆に言えば、それだけ愛香からすれば現実に起きているように見えるのね」

 

愛香「ええ。そう言えば……今何時かしら?」

 

各々に述べた家族に愛香は頷いてから思い出して希美に質問した

 

希美「今は6時50分だけど」

 

ほらと時計を指さした希美のを追ってみると、確かに6時50分を指していた。

 

それに愛香は慌てる。

 

愛香「いけない!長話し過ぎた!このままでは遅刻になりかねない!」

 

友美「何言ってるのお姉ちゃん。今日は始業式だよ……何で慌てる必要あるの」

 

朝練の事をすっかり抜けていた事にやば!?と慌てて準備しようと部屋に戻ろうとした愛香に友美がそう指摘する。

 

希美「愛香、慌てる必要ないでしょ。普段は朝練の為に早く出る必要があるけど、始業式の日は朝練無いから早く出る必要無いじゃない」

 

え?となった愛香は続いての希美のに 言われてみればそうだったとはぁ~と安堵の息を吐く。

 

勇介「まぁ、先ほど聞いた夢をみたんだ。すっぽ抜けても仕方ないな。愛香、友美。今日は始業式だから慌てる必要は無い。今は落ち着いて朝食を食べておきなさい。朝食抜くと調子が悪くなるのはいうまでも無いぞ」

 

そんな愛香に苦笑しながら勇介はそう言う。

 

愛香「分かったわお父さん」

 

希美「さて、それじゃあ朝ごはん用意するわね」

 

勇介と希美に言われて愛香は落ち着いた後、友美と共に朝食を食べてからしっかり準備をした後、愛香と友美は玄関に向かう。

 

愛香「お父さん、お母さん。行ってきます」

 

友美「お父さん、お母さん、行ってきます」

 

希美「行ってらっしゃい愛香、友美。今日は始業式なら寄り道せずに早く帰ってね」

 

勇介「愛香、友美。近頃、この街に妙な生物が彷徨いているらしい。あんまりないかもしれないが、気をつけて行くんだぞ二人共」

 

礼儀良く言う愛香と元気良く言う友美に希美はそう言い、勇介が注意する。

 

愛香「分かったわ」

 

友美「大丈夫だって!お姉ちゃんがいるからね!」

 

そう言って愛香と友美は玄関から家を出て学校に向かった。

 

見送った勇介と希美はリビングに戻って一息ついてから勇介は真剣な顔をする。

 

勇介「さて、愛香から聞いた奇妙な夢だが……信じられないが現実に起きた可能性があるな……」

 

希美「あまりにも現実味があったから?」

 

夫の口から出た言葉に希美は問うと勇介はああ……と頷く。

 

勇介「そんな夢を愛香が見たと言う事は、様々なアニメや特撮を元に考えると近々、愛香に何かが起きる……」

 

希美「貴方、それって?」

 

不安げな希美に勇介は憂鬱な顔で顔の前で腕を組む。

 

勇介「もしかしたら愛香は、何らかの戦いに巻き込まれるかもしれない……それが夢で言われた救世主に繋がるんだと思う」

 

希美「そんな……」

 

口を押さえる希美に勇介はただの杞憂であって欲しいよと呟く。

 

だが、そんな2人の不安は的中する事となる。

 

────

 

勇介と希美が不安を抱く頃、愛香達が住む街の近くには複数の黒服を連れた一人の青年が居た

 

彼は東堂、とある目的の為、墨村市を訪れた男だ。

 

東堂「此処が墨村市か。雰囲気からして平和な街だな。だが、あの事を考えるといつ平穏が崩れるかわからないな……とりあえずここ最近の確認だな」

 

墨村市の風景を見てそう述べた後にスマホを取り出して、ある画面を出す。

 

それはニュースの記事であり、スライドしながら見て行き、あるニュースの記事が目に入ってスライドが止まる。

 

東堂「立川駐屯地に突如現れた黒い怪物による襲撃か………」

 

其処には立川駐屯地の敷地で暴れる黒い怪物の記事があった

 

東堂「黒い怪物の襲撃……何かあるな」

 

詳しく載ってないかさらに見ると東堂は最新情報の1つにあった映像を見て驚きの声をあげる。

 

先程よりもハッキリ映し出されたそれの外見に出てる特徴に見覚えがあったからだ

 

東堂「あの怪物、アナザープリキュアか!」

 

それはあらゆる創作物の世界を破壊する怪物、アナザープリキュアが映っていた。

 

そしてアナザープリキュアの身体に刻んでいるのは2004の数字とBLACKの文字があった

 

東堂「よりによってキュアブラックモチーフのアナザープリキュアか……。それにしてもアナザープリキュアは何故この世界に現れたんだ?」

 

呻いた後に東堂は疑問を抱く。

 

何故平穏な世界にアナザープリキュアが現れたのか、それがわからないのだ。

 

情報も少ないのもあって暫くニュースを見ながら更新していると……

 

東堂「?ニュースの最新情報に新しいのが追加されている」

 

なんだろうかと東堂はニュースの最新情報の記事の内容を見て……目を見開く。

 

東堂「黒い怪物、墨村市に向けて移動……!?」

 

アナザーブラックが墨村市に向けて移動している情報であった。

 

東堂「まさか、あの怪物。墨村市を破壊する気か!?くそぉ、墨村市は俺にとってはこれからの活動拠点にするつもりの場所だってのに……破壊させる訳にはいかないな」

 

墨村市の破壊を阻止すべく、東堂は自分ついて来たエージェント達に指示を言う

 

東堂「お前達、一部は俺に付いて来て、他はアナザープリキュアの進軍を何とか阻止するんだ!幾らテイルズディフェンドの装備が高性能とは言え、アナザープリキュアを倒すのは不可能に近い。せめてアナザープリキュアを追い払うんだ」

 

エージェント「了解しました東堂博士。博士はどうしますか?」

 

指示に了解してからエージェントの1人が問う。

 

東堂「俺はこれから活動拠点の設置場所に向かい、拠点の建設に向かう。拠点の建設が済んだら、お前達の様子を見に行く」 

 

エージェント「分かりました。もしアナザープリキュアが現れたら、何とか追い払って見せます。それより東堂博士は何故、墨村市に活動拠点を作るのですか?」

 

返してから先ほど返事をしたエージェントは東堂に何故墨村市に拠点を作るのか質問する。

 

東堂「その墨村市に俺がスカウトすべき少女達が居るからだ。彼女達にはアナザープリキュアに対抗出来る戦士として参加したい」

 

エージェント「それが東堂博士の言うアナザープリキュアの対抗策ですか」

 

そうだと東堂は頷いて続ける。

 

東堂「対抗策は出来ている以上、後は素質を持った人間をスカウトするだけだ」

 

エージェント「そうですか……分かりました。我々も微力ながら協力します」

 

気合を入れるエージェント達にありがとうと感謝を述べてから

 

東堂「まずは活動拠点の予定地に移動する」

 

はっ!と東堂に返した後、一部のエージェント達をアナザープリキュアの進軍阻止に向かい、東堂達は活動拠点の予定地に向けて移動を開始する。

 

この時の彼らは知らない。

 

この世界には既にアナザープリキュアに対抗出来るプリキュアが存在した事を……

 

 

 

────

 

 

 

東堂達が活動拠点の予定地に移動する頃、その予定地にある丘の洞窟。

 

???「…………」

 

そこには一匹の鳥が目を閉じた状態で眠っていた。

 

眠りに付いている鳥の首には三つのアクセサリーが入った袋が掛けられていた。

 

この眠れる鳥が愛香の道に変化を起こす事を今は誰も知らない……

 

 

 

 




次回、愛香に目覚めの時が……


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覚醒の予兆

愛香に関わる者達が次々と登場する話


奇妙な夢の事を家族に話し終えた愛香は学校に向かっていた。

 

愛香と友美が通う学校は所謂小中高一貫の学校である。

 

友美はさっきまで一緒に居たが、中等部の生徒に会ったので中等部の生徒と一緒に向かうと言う事で別れた。

 

愛香(なぎさから私は救世主と言われた。どうして彼女は私を救世主と言ったのか分からない……)

 

???「愛香先輩、おはようございます」

 

???「珍しいな。愛香が悩んでいるとは」

 

歩きながら夢の事で悩んでいた愛香は挨拶されて二人の少女が近づいて来るのに気づく。

 

片方は活発な雰囲気を持つ少女、もう1人は黒髪の少女だ。

 

愛香に挨拶した活発な雰囲気を持つ少女は陽川勇佳(ひかわゆうか)、黒髪の少女は星守瑞希(ほしもりみずき)で、二人は愛香に関わりがあり、初等部の頃から一緒に行動することが多かった。

 

ちなみに勇佳は1つ下の後輩である。

 

愛香「おはよう勇佳に瑞希。珍しく一緒に来てるのね」

 

瑞希「行く途中で勇佳と合流したんだ」

 

勇佳「瑞希先輩には昨日の高等部の入学式でお世話になりましたから」

 

挨拶してからそう述べた愛香に瑞希はそう返し、勇佳は笑って返してから訝し気に愛香を見る。

 

勇佳「それより愛香先輩?朝から悩んでような顔で登校してますけど何かありました?」

 

愛香「あー……実はね……夢見の悪い事があって……」

 

そう前置きしてから愛香は勇佳と瑞希に奇妙な夢の事を話す。

 

瑞希「プリキュアと名乗る連中が暴れた夢を見た?」

 

愛香「そう、プリキュア達は人々を襲い、世界を破壊しまくっていた」

 

勇佳「そのプリキュアって何ですか?」

 

眉を顰める瑞希に愛香は頷いた後に勇佳の質問に対して少し考えて言う。

 

愛香「一言で言うなら、可愛い衣装を着て悪に立ち向かう変身ヒロインよ。そんな名前聞いた事ある?」

 

勇佳「ありませんよ。それに女児向けので有名なのはアイカツ!シリーズやプリパラシリーズやガールズ×戦士シリーズであってプリキュアと言う作品なんて見たことありませんよ!」

 

確認した愛香は勇佳の言葉になんとも言えない顔をする。

 

愛香「そうよね…………それが普通の反応よね……」

 

瑞希「……それで愛香。プリキュアと言う奴が暴れた事以外に何を見たんだ」

 

そんな愛香へと瑞希は真剣な顔で問う。

 

愛香「そうね……プリキュアが暴れた以外には……そのプリキュアが突然変身を解かれて普通の女の子に戻ってしまった事、普通の女の子に戻ってしまったプリキュアが人々に迫害された事、そしてプリキュアが自害されて墓場に封印されたくらいよ」

 

勇佳「うわぁ、迫害ってホントに夢見悪すぎじゃないですか……」

 

瑞希「愛香……今の話、実際に起きた事なのか?」

 

告げられた事にうげぇとなる勇佳とは反対に瑞希は鋭い目で続けて問う。

 

そんな瑞希の言葉にうえ?と勇佳は戸惑う。

 

勇佳自身としてはただの夢だと思っていたからホントに先ほど述べた様に夢見悪いとしか思っていなかったので瑞希の実際に起こったのかと言う問いが出たのは予想していなかった。

 

愛香「ええ、実際に見たから……流石にあんなおかしな夢なんて普通は見ないわ」

 

瑞希「そうだな……逆に言えば、そんなアニメや特撮などでしかありえない現象を体験したと言う事はとんでもない事の前触れかもしれないな……」

 

勇佳「前触れって流石に極端過ぎません?」

 

瑞希の告げた事に勇佳は先ほど愛香から聞いたのも合わせて思わず想像して尻込みすする

 

そんな勇佳にすまんすまんと瑞希は謝る。

 

瑞希「例えばの話だ」

 

愛香「そうよね………とりあえず話題はここで終わり!所で勇佳に瑞希、今日の始業式で気になる人は居るかしら?」

 

勇佳「いやぁ、昨日の入学式でのはともかく、流石に始まってもないのに気になる相手と言われましても……」

 

そう言って話題を変える愛香に聞かれて考える瑞希とは別に勇佳はそう返す。

 

瑞希「愛香。その事だが、気になる人物は居るぞ」

 

愛香「へえ、瑞希が気になったので誰が居るの?」

 

無理かと思っていた所での瑞希のに愛香は問う。

 

瑞希「そうだな。一人目は風森翔子(かざもりしょうこ)だな」

 

勇佳「風森翔子って確か実業団にスカウトされてもおかしくない実力を持つ陸上選手でしたね!」

 

人差し指を立てながら愛香の気になる人はいるか?の質問に対して答えた瑞希のに勇佳は思い出して興奮する。

 

瑞希「そうだ、翔子については勇佳も知ってるな」

 

勇佳「もちろんですよ。中等部では陸上部の主将を務めた人物でしたよ!」

 

ふんすふんすと興奮気味な勇佳に瑞希と愛香は苦笑する。

 

愛香「陸上部の風森翔子ね。私も彼女の事は聞いてるわ。そう言えば、風森翔子には幼馴染みが居たよね?」

 

瑞希「ええ、その一人が赤城六華(あかぎりっか)。ネーベル学園高等部の生徒会長であり、女子サッカー部の主将を務めてるわ」

 

確認する愛香に頷いて瑞希は返す。

 

愛香「赤城六華、なでしこジャパンに選ばれる可能性を持つエースストライカーね。しかも文武両道でも知られているわね……言い方からだと他にもいるんでしょ?」

 

瑞希「ああ、早光英美(はやみつえいみ)。女子プロレス部の部員で沖縄空手の使い手。父親の影響で褐色肌の持ち主ね」

 

勇佳「うわ~~中等部でも名を残した六華先輩達が高等部に進学しているとは…………」

 

続いて解説する瑞希に勇佳は目を輝かせる。

 

瑞希「おいおい、これでも私は剣道大会で優勝した経歴の持ち主だぞ。それに愛香は新体操の大会で入賞した経歴があるからな」

 

愛香「瑞希、勇佳だってラクロス部で全国優勝した経歴があるでしょ」

 

そんな勇佳に苦笑して言う瑞希だったが愛香の指摘におっとそうだった……と頭を掻く。

 

勇佳「瑞希先輩、そう言えば六華先輩を1人目って言ったからまだ他にも気になる人がいるんですか?」

 

瑞希「ああ、まだ居るぞ。さっき六華の事を話したが、2人目はそんな六華を補佐する人物だ」

 

先程の瑞希の言葉を思い出して質問する勇佳に瑞希は頷いて中指を立てる。

 

勇佳「補佐する人物?」

 

瑞希「ああ、その人物の名は銀条明輝(ぎんじょうあき)。六華が所属する生徒会のメンバーで、書記を任されている。彼女はスポーツの方は目立たないが、文化部の方では有名な人物だ」

 

愛香「確か、彼女の父親が探偵事務所の所長だったわね?」

 

上げられた名前の人物に愛香は思い出して聞く。

 

瑞希「そう!序でに言うとその父親は元は刑事で、母親は婦警として活動してるな」

 

勇佳「銀条先輩は両親が警察関連についてて凄いですよね……後は推理小説好きとして有名ですね」

 

捕捉した瑞希は勇佳のに頷く。

 

愛香「それで全員?」

 

瑞希「いや後2人、内1人は去年に隣町の富橋市出身から高校入学と共に墨村市に来た人間だ」

 

勇佳「ええ!?墨村市以外から来た人ですか!?」

 

確認した愛香のに薬指を立てながら返した瑞希のに驚く勇佳に問われた本人は頷く。

 

瑞希「ああ、その人物は勝矢レイ(かつやれい)。中学までは富橋市の学校に通っていて、卒業後にネーベル学園高等部を受験し、合格後にネーベル学園高等部に通っている」

 

愛香「勝矢レイ、聞いたことあるわ!ガンダムEXVS2XBの大会で初出場ながら準決勝まで進んだゲーマーだったわね!」

 

その通りと愛香のに瑞希は楽し気に語る。

 

瑞希「勝矢レイはゲーマー少女だけではなくプログラミング等のコンピュータに長けた人物でもある」

 

勇佳「女子なのにゲーム好きとは意外ですね……」

 

それは偏見だなと勇佳の呟きに瑞希は肩を竦める。

 

瑞希「ゲームをする女子やアニメに夢中な女子くらい居てもおかしくない。そもそも女子はピアノ等の習い事しかやらない者だと思うか?女子でもいろいろ居ても良いんだ……って愛香?何故私をジト目で見る?」

 

愛香「そのアニメに夢中な女子が私ですけど……」

 

説明していて愛香がジト目で見ている事に気づいた瑞希は返された事にすまんと謝罪する。 

 

瑞希「ま、まぁ、最後に気になる人物は愛香。お前が知ってる人物だ」

 

愛香「知ってるって事は……詩嶋先輩の事?」

 

小指を立てながら告げられた事に愛香は自分が思い当たる人物で瑞希が気になりそうな人をあげる。

 

正解と瑞希は笑って頷く。

 

瑞希「愛香ならすぐに気づくか」

 

愛香「知るも何も、詩嶋先輩は初等部から優秀な生徒として学校中で有名でしょ。しかも全国模試1位の成績を誇ってて、女子力が高い名家出身の令嬢でもあるし」

 

瑞希「さらに言えば料理や裁縫等のスキルが高く、周りに気を遣う人物でもあるな」

 

す、すごぉと瑞希と愛香の言ったのに勇佳は驚嘆してから恐る恐る問う。

 

勇佳「愛香先輩も全国模試ではそれなりに高いと聞きましたが?」

 

愛香「私は全国模試だとせいぜい50位前後よ。流石に毎回テストで100点取れないからね……まぁ、少なくとも80点以上は取ってるつもりだけど」

 

瑞希「それに比べて詩嶋は常に満点を取ってるからな……ま、これで私が気になる人は全員だな」

 

肩を竦めて言った愛香の後にそう言ってから瑞希は締め括る。

 

規模が違うと勇佳はぽぺぇとしているとネーベル学園高等部の校門が目に入る。

 

瑞希「おっと、話してる合間に学園に到着だな」

 

話してるとあっと言う間だなと漏らす瑞希にそうねと返しながら愛香は惚けている勇佳に着いたわよと肩を揺らす。

 

 

愛香「勇佳、着いたよ」

 

勇佳「はっ!?すいません愛香先輩!」

 

揺すられて愛香に声を聴いて勇佳は我に返った後に謝罪する。

 

愛香「始まるまでの時間はまだあるから良いわよ。さ、早く教室に移動するよ」

 

そう言って学園の入り口へと歩いて行く愛香を勇佳も後を追う様に続こうとし……

 

瑞希「まて勇佳」

 

瑞希に呼び止められる。 

 

勇佳「どうしたんですか瑞希先輩?」

 

なぜ自分を呼び止めたかに疑問を持つ勇佳に瑞希は周りを確認して誰も聞いていないのを確認して真剣な顔で勇佳を見る。

 

瑞希「さっきは愛香が居たので言えなかったが勇佳に聞きたい事がある」

 

勇佳「何でしょうか?」

 

愛香に聞かせられない事で自分に聞きたい事と言うのに首を傾げる勇佳に瑞希は口を開く。

 

瑞希「勇佳、お前も奇妙な夢を見ただろう?それも愛香が見たプリキュアの夢を……あいつが夢の事を話していてその時のを思い出して気づいていなかったが、お前、驚いていただろ?」

 

そう指摘してどうだ?と問う瑞希に勇佳は困った様に頬をポリポリ掻いてから肯定する。

 

勇佳「はい、見ました……あんな胸糞悪い夢は忘れていたかったですよ……それで、どうして確認したんですか?わざわざ愛香先輩が離れたタイミングで?」

 

逆に聞き返す勇佳に瑞希は髪をかき上げ……

 

瑞希「実は、私もさっき愛香が言った奇妙な夢を見たんだ」

 

勇佳「瑞希先輩も見たのですか!?」

 

告げられた事に勇佳は驚きの声をあげる。

 

瑞希「ああ。その時はただの夢だと思ったが、愛香の話を聞いてあれが夢ではなく、現実であったことだと確信した」

 

勇佳「瑞希先輩も見ていたなんて……瑞希先輩も愛香先輩と同じ夢を見たんですか?」

 

少し違うなと瑞希はそう返して続ける。

 

瑞希「大体の流れは愛香が見たのと同じだが、違いがあるとすれば私が見た変身が解除されたプリキュアが華満らんと言う女の子で墓場で私に話しかけて来たのが九条ひかりと言う金髪の女の子だ。勇佳は?」

 

勇佳「こっちも大体は瑞希先輩のと同じです。こっちじゃあ変身が解除されたプリキュアが芙羽ここねって言う女の子で、墓場で話しかけて来たのは瑞希先輩と同じ黒髪の女の子で名前は雪城ほのか……だったかな?」

 

確認した瑞希はふうむと顎を撫でる。

 

瑞希「変身が解除されたプリキュアと話しかけて来た奴以外は大体同じとは、ここまで夢が似たのを見たのが3人いるなんて偶然とは思えんな……」

 

勇佳「どういう事ですか?」

 

不安そうに聞く勇佳に瑞希は息を吐く。

 

瑞希「恐らく私やお前も愛香と同じ事態に巻き込まれる可能性があるって事だ」

 

勇佳「うえ!?」

 

半信半疑のだけどな……驚いている勇佳に瑞希は遠くを歩いている愛香へ目を向ける。

 

瑞希「まぁ、杞憂であってくれれば良いがな……」

 

勇佳「んー--……もうなにがなんだか……」

 

色々と話をされて頭がパンパンで理解できないと目をグルグルさせる勇佳を横目に瑞希は押して歩く

 

そんな愛香に関わる事での瑞希の懸念は当たるかなどは遠くない事で判明する事を2人は知らなかった

 

────

 

瑞希が勇佳に奇妙な夢の事を話した頃、墨村市の外れにある丘にて……そこに東堂と数人の部下がいた。

 

隊員「東堂博士、この場所が拠点になる場所ですか?」

 

東堂「ああ。この場所は高い丘だから街を一望して見える。何よりも、その丘からはあの建物が見れる」

 

確認する隊員に東堂は頷いてある建物を見る。

 

その建物はネーベル学園だ。

 

隊員「あの建物ですか?」

 

東堂「そう、俺がスカウトすべき人物が所属する学園、ネーベル学園だ」

 

同じ様に見た隊員に東堂はそう返す。

 

隊員「ネーベル学園?一見普通の小中高一貫の学園に見えませんが……」

 

東堂「一見みればそう思うだろう。だがあの学園には何かある。そんな気がするんだ」

 

何かですか?と曖昧な言葉に隊員は困惑する。 

 

部下「あそこに本当に東堂さんが言うと何かあるんでしょうか……」

 

東堂「まぁ、ネーベル学園に向かうのはまだ先だ。まずは拠点を造るぞ」

 

困惑する隊員へ東堂はそう言うと 懐へ手を入れてカプセルのような物を取り出す。

 

隊員「それって、ポイポイカプセルですか?」

 

東堂「そうだ。ドラゴンボールの世界で造られたポイポイカプセル。この中には建築に使う重機が入っている」

 

そう答えながら東堂はカプセルを地面に向けて投げるとカプセルが落ちた場所から煙があがり、収まれば、複数の重機が存在していた。

 

東堂「みんな、この重機達を使って、拠点を建設するんだ」

 

隊員「了解しました。ですが、何故わざわざ一から建てる必要があるんですか?」

 

返事をしてからポイポイカプセルがあるならそれに入れて先ほどの様に出せば良いのでは?と疑問を抱く隊員にそう思うよなと東堂は頬をポリポリ掻く。

 

東堂「いきなり建物が出来たら怪しまれる可能性があるからだ。幸いこの重機には一日で建物が建築出来る為のプログラムを入れている。これで建物を建築してくれ」

 

隊員「はぁ……了解しました」

 

それはそれで重機もいきなり出していたらどこから来たかで疑問を持たれるのでは?と思ったがアナザープリキュアの事もあるので隊員全員が重機に乗り、建物の建築を始める。

 

その様子を見守っていた東堂は辺りを見渡し、奇妙な洞窟を見つける。

 

東堂「何だあの洞窟は?」

 

下調べの際は確かなかった筈……と思いながら近づく東堂に部下も近寄る。

 

東堂「何もなかった場所に何時の間にか出来てた洞窟って何かありそうだな……」

 

部下「どうします?様子を見に行きますか?」

 

呟いた東堂にリーダー格の部下は確認を取る。

 

東堂「あの洞窟が気になるし、俺と少数のメンバーだけで中を見に行く。すまないが俺の代わりに建築現場の様子を見て貰えるか?」

 

部下「分かりました。東堂さんが戻る迄の間、現場の様子を見ておきます」

 

頼んだと自分の代わりに建築現場の様子を見るようリーダー格の部下に伝えた東堂は洞窟へと目を向ける。

 

東堂「さて、あの奇妙な洞窟には何があるか見に行きますか……お前等、十分気を付けていくぞ」

 

部下「「はっ!」」

 

そう言って東堂は少数の部下と一緒に洞窟内に入って行く。

 

其処にはある少女達の運命を変えるものが居ることを東堂は今はまだ知らなかった。

 

 

───

 

東堂とその部下達が洞窟を調べに向かう頃、その洞窟の最奥部には一匹の鳥が眠っていた。

 

深き眠りに付いている鳥は懐かしき昔の記憶を夢で見ていた。

 

───

 

???

 

宇宙の中を進む宇宙船の船内。其処である人物が鳥と外の景色を見ながら話していた。

 

???「母星を離れ、別の宇宙へ旅だってから数日、そろそろ移住に適した惑星が見つかると良いなセッビィ」

 

セッビィ「うん、オイラもどんな星に着くか楽しみビィ」

 

しみじみと呟くその人物にセッビィと呼ばれた鳥は頷く。

 

???「ああ。母星に起きた反乱によって崩壊寸前の母星を離れ、数多の世界に旅だった同胞達も、どんな星に着いたか気になるな……」

 

『まもなく、惑星に到達します。総員、シートベルトを着けて、着陸の衝撃に備えてください』

 

思い出してか悲し気に呟いた人物は船内放送におっと呟く。

 

???「惑星が見つかったか……セッビィ、お前も着陸の衝撃に備えて、足場を掴むんだぞ」

 

うんと答えて、セッビィはしっかりと足場を掴み、着陸の衝撃に備える。

 

暫くして惑星に降りる際の衝撃が起き、人物と共に耐えていると無事に着陸したと言うアナウンスが流れる。

 

セッビィ「何とか着いたビィ」

 

無事に着陸出来て安堵するセッビィにそうだなと人物も笑う。

 

暫くして、降り立った星が住める事が分かり、セッビィは乗員達と共に船を降りようとしたのだが、話していた人物とは別の乗員の一人がセッビィに待ったをかけた。

 

乗員「セッビィ、君はこの船に残って欲しい」

 

セッビィ「どういう事ビィか?」

 

どうして?と戸惑うセッビィを乗員は真剣な顔で見る。

 

乗員「君には大事な事を頼みたいんだ」

 

セッビィ「頼みビィ?」

 

ああと乗員は頷いて船の窓から見える景色を眺める。

 

乗員「俺達は住める事が分かったこの星でこの星の原住民と交わって暮らすと言うのを話した通りだ。全ては俺達、プリキュアの星の民の痕跡を残すため、セッビィは、何故母星であるプリキュアの星から離れて別の星へ来た理由は知ってるかい?」

 

セッビィ「それは、母星で起きたプリキュア同士の戦いが起きたからビィ?」

 

確認する乗員にセッビィは思い出して答える。

 

乗員「そうだ。本来、プリキュアは悪しき者から世界を護るために存在する戦士。プリキュアには悪に堕とされてしまった者達を救う事を使命としている。だがプリキュアの中には力を悪用し、世界に害を与えてしまう者が出てきてしまった。それを放置した結果がキュアタルタロス一派による反乱だ」

 

セッビィ「キュアタルタロス一派は、母星においても強大な力を持った連中なのは知ってるビィ」

 

哀し気に言う乗員は深い息を吐く。

 

乗員「奴等はプリキュアの力を持ってまずプリキュアの星を制圧し、そのプリキュアの星を起点に宇宙の支配を目論んだ。何せ彼女達はプリキュアの力を護るための力では無く、自らを最強である事を見せる為の力と言った」

 

セッビィ「プリキュアでもいろいろ居るビィね」

 

なんとも言えない顔で呟いた乗員のにセッビィは悲しい顔をする。

 

乗員「否定など出来んよ。プリキュアの星出身以外のプリキュアには、タルタロス一派のように力を誇示しようとする者や、プリキュアの力を持って銀河征服を目論む者が居るんだ……それに……」

 

セッビィ「それに?」

 

言葉を切った乗員にセッビィは首を傾げる。

 

乗員「……プリキュアの中には、力を制御出来なかった結果、怪物になった者も出て来た」

 

セッビィ「プリキュアが怪物になるなんてあり得ないビィ……!?」

 

告げられた事にセッビィは驚いた顔で羽ばたく。

 

乗員「無理も無い。プリキュアの力は正しい者が使えば人々を護れる力になるが悪しき者が使えば人々に災いを齎す力になる。だからこそ、我々はタルタロス一派の反乱を鎮圧した後、あるものを開発した」

 

懐を探った乗員は袋を取り出してセッビィに差し出す。

 

渡されたのをセッビィは中身を見ると三つのアイテムが入っていた。

 

セッビィ「このアイテムは何ビィ?」

 

乗員「これは、タルタロス一派の反乱を始めとする最悪の事態が起きたのを機に開発した邪悪な力に溺れたプリキュアへの抑止力となるメサイアレンス、セイヴァーレンス、マフティーレンスだ」

 

興味津々でアイテムを見ているセッビィに乗員は申し訳ない顔をする。

 

乗員「今は必要は無いが、遠い未来で邪悪な力に溺れたプリキュアやプリキュアでありながら悪に堕ちた者が現れた時に必要になる。それをセッビィ、君に預ける。時が来たら3つのアイテムを使うに相応しい子達に託してくれ……ホントにすまない」

 

そう言って1匹遺して行く事に対する謝罪をした乗員は他の乗員と共に船の外に出て行く。

 

そんな乗員にアイテムを託されたセッビィは彼らを見届けると彼から託された事を果たす為に深い眠りに付いた。

 

暫くして乗員達は降り立った星の住人と交わって生き、プリキュアの星の遺伝子を持った子孫がプリキュアの抑止力として闘う事になる。

 

────

 

セッビィ「うーん」

 

長い眠りについていたセッビィは目を覚ました

 

寝ぼけ眼で周りをキョロキョロした後に年号を確認する。

 

セッビィ「随分眠ったビィね。外はどうなっているビィか?」

 

ふわぁと欠伸をしてからセッビィはまず外の様子を見に行こうと窓から外を見る。

 

すると人影が目に入る。

 

セッビィ「あれは……誰か来たビィ?」

 

首を傾げた後にセッビィは誰かを確かめる為に様子を伺う。

 

 

────

 

 

セッビィが窓の外から人影を見ていた頃、東堂達は洞窟の中を捜索していた。

 

隊員A「随分奥に進みましたが、あれから怪しいものは見つかりませんね」

 

東堂「そうだな。洞窟である以上、何かあってくれるとこちらとしては助かるのか、助からないのか……」

 

歩きながら呟く隊員に東堂はぼやきながら周りを見回した。

 

同じ様に見渡していた隊員は壁の一部が光っているのに気づく。

 

隊員B「あれ?あそこの壁の一部が今光った様な……」

 

東堂「壁の一部が光った?……用心して近づくぞ」

 

隊員の見ていた壁を見てからの指示に隊員達は頷いたのを確認して東堂は光った場所に近づく。

 

東堂「これは……窓ぉ!?なんで洞窟に窓が!?」

 

其処にあった窓らしきものに東堂はすっとんきょんな声をあげる。

 

隊員A「東堂さん、この近くの壁はほとんどが岩なのに、一部が金属で出来ていますよ!」

 

東堂「何かあるな。あの窓の近くへ移動するぞ」

 

機械を手に周囲を分析した隊員の報告に東堂はそう言って怪しい窓へ警戒しながら近づく。

 

東堂は隊員達に待つ様に手で合図してから覗き込む。

 

そして目に入った光景に目を見開く。

 

東堂「これは……金属の通路!?」

 

驚きの声をあげる東堂に隊員達も覗いて驚く。 

 

隊員A「SFである様な宇宙船の様な構造をしてる!?」

 

隊員B「東堂博士、こんな人工物、調べておいた方が良いんじゃないですか?」

 

東堂「そうだな。何処かに入れる場所がある筈。まずは其処を捜すぞ」

 

指示を仰ぐ隊員に東堂は洞窟に似つかわしくない人工物の中に入る為の入り口を探す様に指示を出す。

 

その時だ。

 

隊員C「東堂博士!アナザープリキュアの進軍阻止に出ていた別行動中の隊員から連絡が来ました!」

 

隊員の一人が連絡が来たことを東堂に伝える。

 

それを聞いた東堂は通信機を手に通信して来た隊員へと応答する。

 

東堂「何があった!?」

 

隊員D(通信)『す、すいません!墨村市の外れにある大型ショッピングモールまでアナザーブラックの進軍を許してしまいました!現在、立川駐屯地の自衛隊員と近隣の警察官と共に応戦してます!』

 

アナザーブラックが暴れていると言う情報に東堂は苦い顔になる。

 

東堂「調査しようとしたらこのタイミングで、アナザーブラックが暴れるとは……!仕方ない、一度外に出てアナザーブラックの所にいる隊員達と合流するぞ!」

 

人工物の捜索を諦めて合流へと切り替える東堂に隊員達も了解と答えて外へと走る。

 

暫くしてアナザーブラックが居る場所へ東堂達は着いた時、あるものを目撃する。

 

 

────

 

東堂達がアナザーブラックが暴れていると言う連絡を受けて洞窟から出て行くのをセッビィは見ていた

 

セッビィ「あれ?さっきまで近くに居たのに何で居なくなったビィか?」

 

窓越しだったのもあり、会話の内容が聞こえていなかったセッビィは中に入ろうとしていた東堂達が急に外に出て行った事に戸惑っていた。

 

セッビィ「もしかしたら、外で何かあったビィね?」

 

慌てて出て行く感じに見えたのでセッビィも確かめようと外に出ようと羽ばたこうとし…… 

 

―助けて……―

 

セッビィ「うっ、何だビィ!?」

 

突如頭の中に助けを呼ぶ声が響き、セッビィはその際の少しの痛みに頭を抑える。

 

頭を振った後に今のは……とセッビィは戸惑う。

 

セッビィ「女の子の声が聞こえたビィ。でも、どうしておいらの頭の中に女の子の声が……ちょっと外の様子を見てみるビィ」

 

そう言ってセッビィは目を光らせる。

 

セッビィは特殊な能力を持っており、そのうちの一つである千里眼で外の様子を伺っているのだ。

 

すると千里眼によって映ったものの中に見えたある存在にセッビィは驚愕する。

 

それはキュアブラックを元にした怪物、アナザーブラックであった。

 

セッビィ「この化け物は何ビィ!?」

 

アナザーブラックに驚いていたセッビィは永い眠りに入る前に聞いた事を思い出す。

 

セッビィ(もしかしたら乗員が言っていた遠い未来で邪悪な力に溺れたプリキュアやプリキュアでありながら悪に堕ちた者ビィか……だったらほっとけないビィ)

 

暴れるアナザーブラックの姿を目撃したセッビィはアイテムの入った袋を見て決意する。

 

セッビィ「なら、今すぐこのメサイアレンス、セイヴァーレンス、マフティーレンスの適合者を見つけて、怪物を止めて貰うビィ!」

 

アナザーブラックを止めるべく、自分が託されたアイテムに適合する者を探しにセッビィは外へ飛び出した。

 

────

 

セッビィが適合者を探すべく行動を起こす前の時間に戻る。

 

墨村市の外れにあるショッピングモールの近くでアナザーブラックを警察官と自衛隊が応戦していたが抑えきれずに数名負傷し、ショッピングモールに侵入されてしまった

 

警察官A「くそぉ、なんて奴だ!」

 

警察官B「立川駐屯地で暴れて、まだ暴れ足りないのかよ!」

 

肩を上下させながら呻く警察官Aに警察官Bも呻く。

 

警察官B「応援は?」

 

警察官A「署に連絡したが時間はかかるそうだ。と言うか怪物を相手するなんて事がないからさらにかかるそうだ」

 

確認する警察官Bに警察官Aはくそったれと毒づく。

 

警察官B「となると俺達やここにいる自衛隊で怪物を止めなければならないって事ですか!?……俺達、パトロール中だったから、まともな装備をしてませんよ!?」

 

警察官C「と言うか怪物用の装備なんて早々用意できるのか!?」

 

分かってる!と弱気になっている警察官BとCに警察官Aは怒鳴る。 

 

自衛隊員A「あの怪物め……休暇明けにショッピングモールで暴れやがって」

 

自衛隊員B「どうする?俺達以外に立川駐屯地の復興作業でまだ他の隊員は来れないぞ」

 

苦い顔をして手元の装備がまだ使えるか確認する自衛隊員Aに自衛隊員Bは問う。

 

自衛隊員A「復興作業を終えるのを待ってたら被害が拡大しちまう!俺達だけでもやるぞ!」

 

自衛隊員B「俺達6人で足止めするって事なのか!?」

 

警察官C「だがあの怪物は、拳銃でも歯が立たないんだぞ!」

 

自衛隊員C「さっきだって対戦車ロケット弾を食らってもすぐに再生した相手を倒せるのか……」

 

警察官達と自衛隊員は通常の武器ではアナザーブラックを倒せるのか不安を抱いた。

 

???「あの怪物は普通の存在じゃない。そんなそこらの猛獣そいつと一緒に考えるのは止めといた方が良い」

 

警察官A「誰だ!?」

 

この場にいる誰でもない声に警察官と自衛隊員は銃を向ける。

 

駆け寄って来たのは、東堂の命令でアナザーブラックの進軍止める為に別行動をしていた隊員であった。

 

隊員E「待て、俺達は敵ではない!あんたらと似た職業の者だ!」

 

自衛隊員A「その出で立ち、あんたら、特殊部隊の人間か?」

 

手を前に出してそう言う隊員Eに自衛隊員は警戒しながら問う。

 

隊員E「まぁ、それに近いな。それよりもあの怪物をどうにかしないといけない」

 

自衛隊員A「どうにかって、残念だが、俺達の武装では奴を止めるのは不可能に近い。事実、立川駐屯地にいた俺達の同僚達はその怪物にやられて病院送りだ。他にいた同僚もあの通りだ」

 

そう言う隊員Eに自衛隊員Aは苦い顔で告げる

 

彼が顔を向けた先には来た救急隊員たちによって治療を受ける自衛隊の姿があった。

 

隊員E「だが、足止めしないと奴によって被害が増える」

 

警察官A「分かっているが……あんた等は足止め出来るのか?」

 

問う警察官Aに隊員Eは頷く。

 

隊員E「ああ、倒すのは出来ないがそれ位はな!だから此処は俺達に任せて、あんた等は市民の避難誘導を頼む。行くぞ皆!!」

 

力強く隊員が号令をかけると、一緒にいた仲間と共にアナザーブラックが侵入したショッピングモールの中に突撃する。

 

自衛隊員B「どこの所属かは分からないが、彼が言った様に周りを気にせず動けるように支援しよう!」

 

自衛隊員C「そうですね。市民の安全を守る事が俺達の使命だ!」

 

警察官B「俺達だって!市民の平和を守る警察官だ!」

 

警察官C「そうだな。市民を護るのが警察官の役目だ。避難を急ごう!」

 

お互いに頷きあった後に隊員達に続いて逃げ遅れた人達がいないか探してショッピングモールに突入する。

 

隊員D「これで良し、できる限り早く来て下さいよ東堂博士……」

 

連絡員として1人、外に残った隊員は先ほど連絡した東堂達が早く来る事を願う。

 

 

 

────

 

 

 

隊員達がショッピングモールへ突撃していた頃、ショッピングモール内ではアナザーブラックが辺りを破壊しながら暴れていた。

 

アナザーブラック「私達を黒歴史として消し去り、そして存在が許されている作品。私はそんな存在を許さない!」

 

アニメ作品などが置かれている場所を壊し、憎しみを言いながらアナザーブラックは暴れまくる。

 

???「こんな所で怪人が暴れているなんて……」

 

???「くそっ!これじゃあ外に出られないぞ!」

 

そんなアナザーブラックの様子を一組の男女が隠れながら見ていた。

 

避難し遅れた者達だろうか、そんな2人が新たな戦士の誕生を見届ける目撃者になる事を、誰も知らない。

 




次回、テイルズディフェンドはアナザーブラックに挑む


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脅威のアナザーブラック

愛香達に運命の時が迫るその裏では、災いをもたらす黒い怪物が暴れていた


奇妙な夢の事を、初等部の頃からの付き合いである勇佳と瑞希に話す愛香。

拠点を開発する東堂達が見つけた奇妙な洞窟。

奇妙な洞窟の中に眠っていたセッビィと言う名の妖精。

街外れにあるショッピングモールで暴れるアナザーブラック。

そして、それがこの街で覚醒するプリキュアの誕生の前触れになることを誰もが知る事となる。

 

────

 

セッビィ「むぅ……外に出たけど、肝心の資格者は中々見つからないビィ……」

 

セッビィは3つのアイテムに反応する人間が見つからずに居た。

 

託されたアイテムはプリキュアの星の民の遺伝子を持つ人間にしか扱えない物なのだが、なかなか見つからない。

 

セッビィにとってはアナザーブラックを早く止める為にも見つけたいので焦ってしまう。

 

セッビィ「何としても見つけないと……あの怪物をほっておいたらいけないビィ」

 

何とか資格者を探すべく、墨村市全域を見回して飛ぶセッビィ。

 

しばらくするとネーベル学園の近くまで飛んで来ており、上空から見た感じ、女の子が沢山いるのが見えたのでもしかしたらとセッビィは敷地内に入る。

 

敷地内にある木の枝の上に着地したセッビィは久々に長く飛んでいたのもあって一息つく。

 

セッビィ「この建物、女の子が沢山いたからこのアイテム達の資格者になってくれる子がいてくれると良いビィが……」

 

祈る思いでセッビィは、2つ目の特殊能力、ソナーを発動した。

 

セッビィ「お願いだビィ!見つかってビィ!」

 

必死の祈りで放ったソナーの音波だが、それに引っかかったのは意外にも多く居た

 

────

 

ネーベル学園の1つの教室

 

翔子「むぅ……なにこの頭の中に響く変なの……」

 

教室に居る生徒の一人である風森翔子は頭に響いた変な振動に顔を顰める。

 

周りを見ると他の生徒は普通にしていた。

 

英美「何なのあの振動?頭に響くんだけど」

 

レイ「今は先生の話を聞いてるから、少しは空気読めよ」

 

否、その振動を感じたのは他にも2人いた。

 

英美とレイで、顔を歪める英美にレイは注意するがそのレイ自身も顔を顰めている。

 

先生A「貴女達、先生の話聞いてるの?」

 

翔子「話は聞いてますよ先生」

 

指摘する教師に翔子は代表で返事する。

 

この時の3人は知らなかった。

 

自分達を含めた数人がある出来事に巻き込まれて行く事になる事を……

 

────

 

生徒会長室

 

六華「もう、何なの変な声は?」

 

仕事をしていた六華は頭に来る痛みに手を止めて呻く。

 

明輝「六華会長、大丈夫?」

 

六華「とりあえずはね……今日は始業式の日だから、仕事は少なめに済んだけど……そう言う明輝だってどこか辛そうじゃない」

 

声をかける明輝に六華はそう返しつつ彼女が渋い顔をしてる事を指摘する。

 

明輝「なんだか頭に変な音が来て……」

 

六華「あなたもなの?」

 

どういう事と2人は首を傾げる。

 

────

 

教室

 

愛香「さっき勇佳と瑞希に夢の事を話したけど、流石に2人とも夢の事は簡単には信じてくれなさそうね……」

 

席に座り、教師の声を聴きながら愛香は先ほどのを思い返してふうと息を吐く。

 

どうしようかなと悩んでいると……

 

愛香「痛っ!?」

 

頭の中に突如響いた奇妙な振動に愛香は頭を抑える。

 

愛香(な、なんなのこの痛み……)

 

思わず席から立ち上がった愛香は周りを見回す。

 

突然の愛香の行動に周りの生徒は驚いた顔で見る。

 

愛香「(何かしら……?なんだか皆とは違う視線を感じる……誰?)」

 

先生B「月影さん、貴女何をしてるのですか?」

 

突然の頭の痛みと視線で戸惑う愛香に教師が注意する。

 

愛香「すいません。教室の外から何か視線を感じたので」

 

先生B「馬鹿を言わないで。周りには木があるくらいで他はありませんわ」

 

授業の邪魔をしないで欲しいな教師に愛香は頭を下げる。

 

愛香「そうですね。すいません、変な事を言ってしまって」

 

先生に謝罪して愛香は席に座り直す。

 

先程のはなんだったのだろうかと考えていた愛香は知る事となる。

 

自身が文字通り変わる瞬間を……

 

────

 

セッビィがネーベル学園の敷地内に入る数時間前、街外れにあるショッピングモールの中では苛立ちながらアナザーブラックが暴れていた。

 

 

アナザーブラック「憎い!憎い!憎い!私達が許されずに他の作品は許されている世界が憎い!」

 

アナザーブラックが居るのはムシキングのグッズが置いてあるエリアで、アナザーブラックはまるで八つ当たりするかの如く破壊行為を行っていく。

 

???「其処までだ化け物!」

 

そんなアナザーブラックの前に東堂の部下達が現れ、手に握ったライフル銃を向ける

 

アナザーブラック「何者かと思えば虫けら共か。愚かな、私に傷を与える等不可能な事だ」

 

そんな隊員たちを見て、アナザーブラックは鼻で笑う。 

 

隊員E「完全に嘗めやがって!まずはこれを受けてから言って貰おうじゃないか!」

 

その言葉と共に隊員Eは 引き金を引くと銃口からレーザーが放たれた。

 

アナザーブラック「そんな攻撃、避けるまでも無い」

 

向かって来るレーザーにアナザーブラックは傷つくわけがないと避ける素振りを寄せずに余裕にしていたが、レーザーは炸裂して火花を散らすと共に痛みを齎した。 

 

アナザーブラック「馬鹿な!私の身体に傷が付くなど有り得ない」

 

隊員E「ただのレーザーだと思って侮ったな!撃て撃て!!」

 

レーザーが当たった所を抑えながら驚くアナザーブラックへと隊員Eの合図と共に複数のレーザーがアナザーブラックに向けて放たれる。

 

アナザーブラック「こんな攻撃で私に傷を付けるなど、許さん!!!」

 

その言葉と共にアナザーブラックは向かって来るレーザーを回避して行き、隊員Eへと殴りかかる。

 

アナザーブラック「死ね!虫けらが!」

 

隊員E「そうは行くか!」

 

向かって来るアナザーブラックのパンチを隊員Eは瞬時にレーザーサーベルを取り出して、斬り払いでアナザーブラックを追い払う。

 

隊員F「今度はこれを味わいやがれ!!」

 

今度はビームマシンガンを手にした隊員がアナザーブラックへと弾丸を浴びせる

 

アナザーブラック「虫けら共が!好き勝手やりやがって!」

 

隊員G「おっと、逃げると思うな!」

 

ビームマシンガンを浴びて動けないアナザーブラックに今度はビームショットガンを手にした隊員が散弾銃の弾丸でアナザーブラックの動きをさらに制限する。

 

アナザーブラック「姑息な小細工をしよって……!!吹っ飛ばしてくれる!!」 

 

隊員達の銃撃によって身動きがとれないアナザーブラックは苛立って隊員達を蹴散らすべく、地面に拳を叩きつけてそれによって起こるであろう衝撃で吹っ飛ばそうとしたが……

 

自衛隊員A「そうはさせん!こいつを喰らいやがれ!」

 

そこに避難を終えたのか自衛隊員達が現れ、アナザーブラックに向けてあるものを投げる。

 

カッ!! 

 

壊そうと振るおうとしたアナザーブラックの前でそれは破裂して強烈な光を撒き散らす。

 

アナザーブラック「くっ!?目眩ましか!?」

 

投げられたのはスタングレネードで、強烈な光をマトモに喰らったアナザーブラックは目を抑える。

 

自衛隊員B「人間を嘗めるな化け物!」

 

自衛隊員A「スタングレネードでしばらく敵は動かない。行くなら今だ!」

 

隊員E「ありがとう。一気に攻めるぞ!これを使え!」

 

アナザーブラックが動けなくなったのを見て隊員達に武器を渡された自衛隊員達も加勢して一気呵成に攻撃を仕掛ける。

 

アナザーブラック「人間共が、図に乗りやがって」

 

眼も見えない状態で動けないアナザーブラックはさらに怒りを纏う。

 

隊員F「ダメージはあるがやはり倒せないか!」

 

隊員G「だったら貫通弾を使おう。奴の心臓にダメージを与えれば、倒せなくても運が良ければアナザーブラックを暫くは動けなくさせることができるかもしれない!」

 

隊員E「よし!貫通弾を用意!!」

 

そんなアナザーブラックの様子に呻く隊員Fに隊員Gが提案し、隊員Eは貫通弾を用意する様に叫ぶ。そして隊員Eが貫通弾を装填している裏では先程隊員達を助けた自衛隊員達が時間稼ぎの為に銃撃していた

 

アナザーブラック「人間共が、図に乗りやがって」

 

隊員達の攻撃を受けてアナザーブラックは苛立っていた。それにより、アナザーブラックの胸は無防備になっていた

 

隊員F「苛立ちのあまりに、隙が出来たな」

 

隊員G「貫通弾を使えば心臓にダメージを与える事が出来て、運が良ければアナザーブラックは再起不能になるな」

 

隊員達は、今なら心臓に向けて貫通弾を当てるチャンスと感じた。だが事はそうはいかない

 

アナザーブラック「私を狙撃するだと……そんな事許すと思うな!」

 

アナザーブラックは掌に黒い光を纏わせた

 

アナザーブラック「消し炭になれ!ブラックサンダー!」

 

そして隊員達や自衛隊員達に向けて掌から黒い雷撃が放たれた。だが其処に

 

隊員H「待たせたな!」

 

ビームシールドを手にした隊員が現れた。そう、隊員Dが呼んだ隊員達が駆けつけのだ。更に

 

自衛隊員D「復興作業が終わり、急いで来たが無事だったな」

 

復興作業を済ませ、ショッピングモールに来た自衛隊員がやって来た

 

自衛隊員C「ちょうど良い時に来たな。済まない、あの怪物を取り押さえてくれ」

 

自衛隊員D「分かった」

 

自衛隊員Dはアナザーブラックを取り押さえに向かうが、アナザーブラックはその力で抵抗した

 

アナザーブラック「虫けら共め!目が見えない所に攻めやがって!」

 

自衛隊員達と隊員達に押さえられているアナザーブラック。そして取り出した貫通弾入りの銃を手にした隊員Dは銃口をアナザーブラックに向ける。

 

隊員D「怪物よ。こいつで暫くおねんねしときな!!」

 

隊員Dは引き金を引くと銃口から貫通弾を放たれ、アナザーブラックの心臓部分に寸法狂いなく命中する。

 

それによって貫通弾が当たった箇所からは血が噴出した。

 

隊員D「どんな怪物も心臓か頭を破壊すれば、死は免れない……が……」

 

不安そうに隊員Dが警戒する中、アナザーブラックはそのまま床に倒れた

 

隊員E「うまくいった……のか?」

 

隊員G「その筈だ……あの貫通弾はドラゴンすら即死になりかねないほどの威力があるんだ。流石のアナザーブラック言えど、倒せなくても暫くは立ち上がることは出来ない筈だ」

 

同じ様に警戒しながら呟く隊員に別の隊員がそう言う。

 

隊員F「とにかく貫通弾を当てる事が出来たのは助けに来た自衛隊や警官達のおかげだ。ありがとう」

 

自衛隊員D「いや、礼を言いたいのは此方の方だ。お前達が来なかったら警察の皆と一緒にアナザーブラックに殺されていただろう。助けに来てくれて感謝する」

 

お互いに感謝の言葉をかけた後に握手を交わす。

 

その間に隊員Eは貫通弾を喰らい倒れたアナザーブラックの様子を見ていた

 

隊員F「貫通弾を喰らって無事な生き物はまず居ないが……相手はあのアナザープリキュア。油断は出来んな……」

 

とにかく動けない今の内に拘束などをして身動き取れないようにしなければと隊員Fはアナザーブラックへと警戒しながら近づこうとし……

 

アナザーブラック「そんな攻撃で私を倒したつもりか?」

 

隊員F「何!?」

 

アナザーブラックが喋った事に誰もが驚いて距離を取る。

 

自衛隊員E「馬鹿な!?心臓に貫通弾を喰らったからには暫くは動けない故に喋る事もままならない筈なのに、普通に喋れるのか!?」

 

まさかの事態に混乱する隊員達と自衛隊や警官を尻目にアナザーブラックは起き上がる。

 

隊員G「慌てるな!貫通弾を喰らってただで済むはずが無い。奴が行動するまでに再度攻撃するんだ!」

 

自衛隊員D「そうだ。急所とも言えるのを受けたんだ!ダメージがある内に再攻撃だ!」

 

とにかくもう1度行動不能にしようと再びアナザーブラックに攻撃を開始し、放たれた銃弾は全て当たり、アナザーブラックの体を傷付けて行く。

 

だが、アナザーブラックはさっきとは打って変わって余裕そうだ

 

自衛隊員E「な、なんだあいつ!?さっきと違って傷ついているのに、堪えた様子でもないぞ!?」

 

隊員F「(こ、これがアナザープリキュアの強さか!?)」

 

アナザーブラック「学習能力の無い愚か者が。お前達では私を倒すことは出来ない」

 

余裕そうに動くアナザーブラックに自衛隊や警官、隊員達が戦慄するのにアナザーブラックはさらに笑う。

 

アナザーブラック「慄いたか人間共。そして更なる絶望を見るがいい」

 

その言葉の直後、アナザーブラックの体が瞬時に治って行き、心臓の部分も綺麗になる。

 

隊員F「くっ、自己再生までもあるか!」

 

隊員G「くそぉ!やっぱり俺達では無理なのか……!?」

 

アナザーブラック「私は不死身にして最強の存在!私を止めれるとしたらプリキュアの力のみ。だが、そのプリキュアの力は既に存在しない。そう、事実上私を倒すことは出来ない!」

 

愕然とする隊員達へ向けたその言葉と共にアナザーブラックの手に黒い光が集まり始める。

 

隊員E「万事休すか……!」

 

絶望的な状況に陥った隊員達の前にアナザーブラックの必殺技が放たれようとした時……

 

アナザーブラック「くっ!?」

 

何かを感じ取ったアナザーブラックは技を放つ寸前で動きを止める。

 

隊員D「?様子がおかしい?」

 

隊員F「どうしたんだ?」

 

攻撃を放とうとしたアナザーブラックが動きを止めた事に隊員達が戸惑っている中、アナザーブラックは不思議な気配を感じ取っていた。

 

アナザーブラック「何だこの気配は!?」

 

自身を止めた不思議な気配にアナザーブラックは嫌悪感を感じて戸惑っていたがある可能性に行き付く。

 

アナザーブラック「まさか……存在しない筈のプリキュアの力が存在するのか……」

 

ありえないとアナザーブラックは否定する。

 

この世界にプリキュアは存在しないと先ほどまでそう感じていたのだ。

 

だが、引っ掛かった懸念をそのままにはしていられなかった。

 

アナザーブラック「アナザープリキュアを倒せるプリキュアの力はあってはならない。プリキュアの力を消し去らなければ……!」

 

アナザーブラックはプリキュアの力を消し去るべく、隊員達や自衛隊員達から背を向ける。

 

隊員F「なんだか分からないが!」

 

離れようとするアナザーブラックにすぐさま隊員Fは懐からある物を取り出して投げ飛ばすとそれはアナザーブラックの背中に張り付く。

 

それに気づかぬまま、アナザーブラックはショッピングモールを後にする。

 

隊員F「奴に発信機を付けた。これでどこに向かうか分かる筈……」

 

先程の必殺技による威圧から解放されたからか、緊張の糸が切れたからか誰もがへたり込む。

 

アナザーブラックがショッピングモールを後にして数分後に東堂達が到着し、未だに座り込んでいた隊員達へと駆け寄る。

 

東堂「お前達、大丈夫か!?」

 

隊員D「大丈夫です。博士、残念ですが、我々の武装ではやはりアナザープリキュアを倒すは出来ず、足止めも効果が薄い事しか判明しませんでした……」

 

安否を問う東堂に隊員Dが苦い顔で告げる。

 

東堂「くっ、『テイルズディフェンド』の装備もアナザープリキュアには通じないのか……」

 

自分達の装備を持ってしてもアナザープリキュアに通じない事に東堂も苦い顔になる。

 

そんな東堂へと隊員Fが報告する。

 

隊員F「東堂博士、その事ですが、アナザーブラックは何かおかしな事を言いました」

 

東堂「おかしな事?」

 

隊員Fは東堂にアナザーブラックの事を話した

 

隊員F「はい、奴は自身にダメージを与える事が出来るのは、プリキュアの力のみと我々に勝ち誇って行った後、我々を駆逐しようとした瞬間、突然アナザーブラックは攻撃を中断して、ショッピングモールを後にしたんです」

 

東堂「なんだと?どういう事だ?」

 

戸惑う東堂に隊員Fは続ける。

 

隊員F「奴はここを後にする直前、ある事を言いました。『存在しない筈のプリキュアの力が存在するのか』、『プリキュアの力を消し去らなければ』と……東堂さん、もしかするとこの世界にはプリキュアがいるのではないでしょうか?」

 

東堂「そんな事を……だが、そうなると……」

 

隊員D「何か気になる事でも?」

 

何か考え込む東堂に隊員Dは問う。

 

東堂「当初はプリキュアが存在しないがプリキュアの素質を持った少女をスカウトするために俺はこの世界に来た。だが、本来現れる筈の無いアナザープリキュアを見てある確信を得た」

 

隊員E「それは何ですか?」

 

隊員Eの疑問に対し、東堂は返答する

 

東堂「この世界にアナザープリキュアに対抗できる力が……プリキュアは存在する!盲点だった。スター☆トゥインクルプリキュアの様に地球以外の所でプリキュアが誕生した事があったのに!俺はそれを抜かしていた!くそぉ、こうなると宇宙に跳び出して探しに行かざるおえなくなるぞ……」

 

途中から苦い顔をした東堂に隊員Fが慌てた様子で呼ぶ。

 

隊員F「東堂さん!発信機でアナザープリキュアの向かう先が分かりました!!」

 

東堂「何!?どこだ!」

 

急かす東堂にそ、それが……と戸惑う隊員Fに東堂は苛立ちながら問う。

 

東堂「何処に向かったんだ!」

 

隊員F「奴の向かった先は、ヌーベル学園です!」

 

告げられた場所に何!?と東堂は驚く。

 

東堂「ヌーベル学園だと!?……いかん!まさか奴はプリキュアになれる可能性のある者がそこにいると感じて向かったのか!……至急ヌーベル学園に向かう!怪我してない隊員は負傷した隊員達や自衛隊員達や警官達の治療を行い、もう一部隊はアナザーブラックの足止め!残りの隊員は俺と共に来い!負傷した隊員は治療が済み次第、俺達の方に合流してくれ!」

 

指示を出した後、東堂は自分と共に来た一部の隊員を負傷した隊員の治療に当て、別の一部の隊員はアナザーブラックの足止めに向かい、残りは自身と共にヌーベル学園に急行させる。

 

そんなヌーベル学園で、東堂達は未知の戦士が居ることを知る事となる……

 

────

 

アナザーブラックがヌーベル学園に来る1時間前。

 

ちなみにアナザーブラックの移動速度から1時間前かけるのはおかしいのではと思うだろうが、追い付いた者達による足止めを食らっているからなのを明記しておく。

 

 

閑話休題

 

 

午前中で授業を終えた愛香はと言うと自分を見ていた視線の主を探していた。

 

愛香「何処に居るのかしら?」

 

こっちらへんから感じたんだけどな……と愛香は周りを見回す。

 

セッビィ「あの女の子、オイラを探してるビィ?」

 

そんな愛香から少し離れた木の上にセッビィが居た。

 

見渡している愛香にセッビィはアイテムを見るとメサイアレンスと呼ばれたアイテムがほのかに光っているのに気づく。

 

セッビィ「メサイアレンスがかすかに反応してるビィ……もしかするとあの子が……

 

資格があるかどうか確かめる為、セッビィは愛香に近づくべく木から飛び出した。

 

が、焦っていたからか、セッビィは勢い良く飛び出してしまい、愛香へと突撃する様な形になってしまう。

 

ービィィィィィィィィィィ!?ー

 

愛香「?何かしら?」

 

聴こえてきた声に愛香は聞こえた方へ顔を向けた瞬間……

 

ゴチーン!

 

愛香「~~~~~~~っ!?」

 

顔に何かがぶつかり、何かが飛んで来たと認識すると共に仰向けに倒れた後に愛香は痛さに顔を押さえて悶える。

 

愛香「もー-なんなのよ!?」

 

痛さが引いてから愛香は体を起こし……なんか胸元がむずむずするので視線を下に下げて自分の胸元を見て思考が停止する。

 

セッビィ「苦しいビィ~~~~」

 

そこには、丁度自分の制服と首のスキマで肌が露出する部分で見える豊満な胸の谷間に、セッビィが頭から突っ込む形で挟まって藻掻いていた。

 

セッビィ「助けてビィ~~窒息しちゃうビィ~~」

 

愛香「……何……これ……?」

 

足をバタつかせて必死に助けを求めるセッビィに愛香はそう漏らすしかなかった。

 

これが、愛香とセッビィ、1人と1羽のファーストコンタクトであった。

 

突然の出来事に戸惑っている愛香の近くで勇佳と瑞希が歩いていて、勇佳は顔を顰めていた。

 

彼女達もまた、セッビィのソナーに引っかかった事で頭痛状態になっていたのだ。

 

勇佳「あ~~、頭が痛い~~」

 

瑞希「勇佳、大丈夫か?」

 

呻く勇佳に瑞希は問う。

 

勇佳「微妙に残ってますけど、今は痛みは収まってます……」

 

瑞希「無理はするなと言いたいが、私も妙な頭痛が残っていてな……」

 

そうですか……と妙な頭痛で調子が悪い勇佳は瑞希のになんだったんでしょうねと振ってから、愛香に気づき、彼女の胸元で暴れているセッビィに固まる。

 

瑞希「あれは、何なんだ……?」

 

勇佳「鳥……なんでしょうか?」

 

何あれ?と2人がセッビィに目を点にしてるのを知らない愛香は慌てる。 

 

愛香「(私の胸の中に変な生き物がいる。こんな光景を他の人には見せられない…………何処かに隠れよう)」

 

勇佳と瑞希に見られてるに気づかず、愛香は暴れているセッビィをギュっと自分の胸元にさらに押し込んで、自身の制服の胸部分を抑えながら校舎の裏へそそくさと移動する

 

それにより愛香は当然だが、押し込まれた事で身動きが取れなくなったセッビィも気づいて無かった。

 

セッビィが持つアイテム、セイヴァーレンスとマフティーレンスもまた、メサイアレンスと同じ反応していた事を……

 

 

────

 

 

愛香がセッビィと接触する一時間前、隊員達とアナザーブラックとの戦闘が起きたショッピングモールにある別の区間で、其処にはアナザーブラックに見つからないよう隠れていた一組の男女が居た

 

???「あの黒い怪物、俺が働いているゲームコーナーをぶっ壊しやがって!おかげでバイト先が潰されちまったじゃないか!」

 

???「拓也君、災難だったね。私もあのゲームセンターにあるダンスダンスレボリューションの筐体で練習してたし……」

 

憤慨している青年に女性も困った様にぼやく。

 

その一組の男女、男の方は井上拓也で女の方は小林律子と言う。

 

拓也はショッピングモールにあるゲームセンターの店員として働いており、律子はダンサーになる為にショッピングモールに来ていた。

 

拓也「そういや、律子は今日ショッピングモールで開催されるダンス大会に出場する予定だったんだよな……」

 

律子「ええ。そのダンス大会が開かれる場所もまた黒い怪物に襲撃されたわ」

 

警戒しながら思いだして呟く拓也に律子はなんとも言えない顔で言ってからふと、思いだす。

 

律子「そう言えば、何故かあの黒い怪物、あの場にあったガールズ×戦士のポスターを破いていたわね。何か意味はあるのかしら?」

 

拓也「分かんねえな。おかしいと言えば、あの黒い怪物、ゲームセンターにある筐体でアニメや漫画になった作品のを重点的に破壊していたな……どうしてなんだ?」

 

なぜだろうかと律子と拓也はアナザーブラックの行動に疑問を感じていると……

 

???「おーい!誰かいるか!!いたら返事をしてくれ!!」

 

響き渡る声に2人はビクッとした後に覗き込むとライトを手にした警察官が目に入る。

 

拓也「警察か!おーいこっちだ!!」

 

律子「良かった……」

 

歓喜の声をあげてから拓也が聞こえる様に叫び、律子は安堵する。

 

声に気づき、警察官は拓也と律子の傍に来て大丈夫かと声をかける。

 

拓也「何とか生きてますよ……怪我はしていません」

 

警察官「そうか、とにかく無事でよかった」

 

律子「あの、化け物はどうなったんでしょうか?」

 

安堵する警察官へと律子はアナザーブラックについて質問する。

 

警察官「ああ、黒い怪物は特殊部隊のような連中が相手をしているよ。その特殊部隊が相手してくれてるお陰で捜索に手を回せる事が出来たから、俺は取り残された人がいないか探しに此処に来たんだ」

 

拓也「そうなんだ。じゃあ、あの黒い怪物は今もその特殊部隊が?」

 

確認する拓也にああと警察官は頷く。

 

警察官「今も同僚と自衛隊が特殊部隊と協力して怪物を止めている。怪物が足止めされている内に早く此処から出よう。私が出口まで案内する」

 

律子「お願いします」

 

こっちだと言う警察官の誘導に拓也と律子は従い、何事もなく外に出れた。

 

警察官「君達は早くショッピングモールから離れてくれ、何時黒い怪物が凄い大暴れをして建物が崩れるなんて可能性もありえるからな」

 

律子「分かりました。後はお願いします!!」

 

安堵の息を吐く2人に警察官は矢継ぎ早に指示した後に援護に行くのか走って行き、その背に律子が声をかけた後に拓也と律子はショッピングモールから急いで離れた。

 

 

 

 

暫くして、卓也と律子は公園まで辿り着くと肩を上下させて一息を付く。

 

拓也「はあはあ……此処まで来れば大丈夫だろう」

 

律子「そうね……はぁ、災難な日だわ」

 

汗を拭う拓也に律子も同意してからため息を吐く。 

 

すると公園の近くで変わった服を着た集団がいる事に気づく。

 

なんだろうかと思拓也と律子は思わず集団に気づかないように隠れる。

 

その集団は東堂によって指示された隊員達であったが、2人は知らないので思わず警戒する。

 

拓也「もしかして、警察官が話してた特殊部隊か?けどなんでここに……?」

 

律子「何か話してるわね……」

 

耳を澄ませて2人は内容に耳を傾け……

 

隊員H「一応、足止め部隊がアナザーブラックを止めに行ってるが、果たして大丈夫だろうか?」

 

隊員J「さっきとは違って、協力者がいるから大丈夫だろう。それより早くヌーベル学園に行かないと」

 

隊員H「そうだな。アナザーブラックがヌーベル学園に到着してそこに学生達を襲撃しかねない!なんとしても阻止しないとな!」

 

聴こえて来た内容に驚愕する。 そして暫くして隊員達が離れた後、拓也と律子は隊員達の走って言った方を見ていた。

 

ダン!!

 

拓也「ヌーベル学園の生徒が襲われるだと……ふざけるんじゃねえ!なんで後輩たちが襲われなきゃあならねえんだよ!!」

 

律子「今は平日だから学生がまだ学校内にいる筈よ!大変な事になるわよ!!」

 

近くの遊具に拳をぶつけて怒りに震える拓也は律子のにああと答え……

 

拓也「学園に早く知らせて避難させるぞ!!」

 

律子「ええ!」

 

携帯電話で知らせたかったが2人とも運が悪く、ショッピングモールの騒ぎの際に壊れてしまったので急いで怪物がヌーベル学園を襲うことを知らせる為に拓也と律子はヌーベル学園に走る。

 

ヌーベル学園に着いた時、拓也と律子は怪物に立ち向かうヒーローを目撃する事となる。

 

 




次回、愛香とセッビィの出会いを引き金に様々な事が起きる


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愛香とセッビィの出会い

愛香は自らの運命を変える者に出会う。
後半、ひろがるスカイプリキュアのキャラが登場


 

メサイアレンス、セイヴァーレンス、マフティーレンスの資格者を探すべくヌーベル学園にやって来たセッビィ。

その裏では、アナザーブラックと言う怪物が暴れていた。

アナザーブラックの力は、東堂達『テイルズディフェンド』すらも抑えられなかった。

そんな中、アナザーブラックはいない筈のプリキュアの気配を感じ、ヌーベル学園へ向かう。

それによりアナザーブラックは知る事となる。

ヌーベル学園に自身の大敵が居る事を……

 

 

 

────

 

 

 

ヌーベル学園 校舎裏

 

校舎裏に急いで来た愛香は息を整えた後に誰もいないかを確認し、ふうと息を吐く。

 

愛香「此処なら大丈夫ね」

 

さて……と愛香は視線を制服の下の胸元に向けると、制服の中の胸元の奥に押し込んだ何かが足をビクンビクンとさせていた。

 

愛香「誰にも見つからない様に咄嗟に押し込んじゃったけど……ちょっと、大丈夫?」

 

自身の制服の首の所を緩めた後に胸元に埋めれた何か、セッビィを引き出す。

 

セッビィは愛香の胸元に挟まれたせいか痙攣していた。

 

よく見るとセッビィのくちばしの鼻部分に当たる所から何故か鼻血が出ていた。

 

愛香「うえ!?……ちょ、ちょっとしっかりして!?

 

そんなセッビィに愛香は慌てて声をかけながら指で揺する。

 

するとみじろきしてからセッビィは目を開け始める。

 

愛香「目を覚ました!良かった、無事でいてくれて……」

 

意識が戻った事に愛香が安堵する中、起き上がったセッビィは辺りを見渡し、愛香を見ると顔を近づけた愛香に対し……

 

セッビィ「何をするビィ!」

 

ピシッ!

 

翼でビンタをかます。

 

愛香「痛っ!?何をするの!?」

 

突然ビンタされた事に愛香は叩かれた所を抑えながら戸惑う中でセッビィはぷんすか怒る。

 

セッビィ「それはこっちの台詞ビィ!危うくオイラを殺す気ビィか!」

 

愛香「殺す?何でなの?私はただ胸元に入った貴方を他の人に見られないように隠しただけだけど……」

 

戸惑う愛香にそれだビィ!!とセッビィは愛香の豊満な胸元を翼で指す。

 

セッビィ「その胸元の間に挟まれたせいでオイラは窒息死するところだったビィ!」

 

愛香「そ、それは、確かに急だったとはいえ、押し込んだのはごめんだけど……」

 

ぷんすか怒っているセッビィに愛香はたじろいていたが、今更ながら気づく。

 

愛香「って、何で鳥が人の言葉をしゃべっているの!?」

 

セッビィ「今更ビィ!?」

 

驚きの声をあげる愛香にセッビィは思わずツッコミを入れる。

 

驚きから覚めた後に愛香は戸惑いながらセッビィに謝罪する。

 

愛香「えっと、ごめんなさい……まさかいきなり胸に入って来たのが喋るなんて思わなかったから……そう言うのってアニメや漫画にしか現れないと思ったのもあるし……」

 

セッビィ「アニメや漫画は分からないけど、そうだったビィか……」

 

弁解する愛香のにセッビィは首を傾げながらそう返す。

 

愛香「それで、あなたは何者なの?」

 

セッビィ「そう言えばあまりの事で忘れていたビィ……オイラはセッビィだビィ、妖精だビィ」

 

とりあえず愛香はセッビィに対して誰なのか訪ね、セッビィもツッコミのでし忘れていたので名乗る。

 

愛香「よ、妖精!?あなたはどこから来たのよ?」

 

セッビィ「どこからと言われると……長く眠っていたから場所の名前は知らないビィ」

 

驚いて質問してから返された事に愛香は疑問を感じて問う。

 

愛香「眠っていた?どうして?」

 

セッビィ「オイラはある理由でしばらく眠っていて先ほど目覚めたんだビィ。それで外の様子を千里眼で見たらオイラの眼にはある怪物が映ったんだビィ」

 

怪物?と眉を顰めて愛香は問う。

 

愛香「どんな特徴があるの?」

 

セッビィ「そうビィね……身体は怪物そのものなのに、凄く不釣り合いな女物の黒い衣装を着ていたビィ。後は……体に2004の数字とB()L()A()C()K()()()()があって、()()()()()()()()()()()()()をしてたビィ……」

 

特徴を聞いて愛香は嘘……と驚いた顔で呟く。

 

怪物が女物の黒い衣装を着ていると聞いて何それと微妙な顔になりかけたが、数字はともかく、文字と髪の部分を聞いてそれは吹っ飛んだ。

 

セッビィ「ん、どうしたビィ?」

 

愛香「ねぇ、その怪物って……キュアブラック、なんて名乗ってなかった?」

 

首を傾げるセッビィに愛香は恐る恐る問う。

 

セッビィ「キュアブラック?そんな名前聞いた事無いビィ。それにオイラはあくまで千里眼で見ただけであって音は拾えないビィ」

 

そんな愛香のにセッビィはそう返して付け加える。

 

あ、それもそっかと愛香は肩を落とす。

 

愛香「えっとね……キュアブラックはプリキュアと呼ばれる子達の1人なのよ」

 

セッビィ「!?プリキュアを知ってるビィ!?」

 

簡略に教えた愛香からプリキュアの名前が出たのが驚きだったのか、セッビィは慌てた様子で聞く。

 

愛香「うん。私もあるものを見るまではプリキュアなんて知らなかったから……」

 

セッビィ「あるもの?それは何ビィ?」

 

首を傾げるセッビィに愛香は苦い顔で告げる。 

 

愛香「それは、そのプリキュアが邪悪な存在に成り果てる悪夢よ……」

 

セッビィ「プリキュアが邪悪な存在に!?」

 

頷いた愛香はセッビィに語る。

 

夢の中でプリキュアが邪悪な存在になって人々に危害を加えていた事……

 

プリキュアの変身が急に解かれ、普通の女の子に戻ると共にプリキュアの記憶を失った事……

 

普通の女の子に戻った元プリキュアが人々に迫害され、自害した後プリキュア墓場に封印された事を……

 

話を聞いたセッビィは信じられないと言う顔で唖然とする。

 

セッビィ「そんな……プリキュアが悪い奴になって暴れた後、プリキュアの力を失い人々に迫害されて自害するなんて信じられないビィ……」

 

愛香「信じられないのも無理ないわ。私も、夢の中だったけど凄く現実味帯びていた事に胸が気持ち悪くなったわ……それと、あの夢は現実に起きた可能性があったかもしれない」

 

ええ!?とセッビィは告げられた事に驚く。

 

セッビィ「どういう事ビィ?」

 

愛香「私が見た悪夢は実感があったの……夢だけど、現実で起きたんだと言うのを感じさせるのが……」

 

慌てて聞くセッビィに愛香は思い出し、嫌悪する光景も思い返してそれをすぐさま頭を振って言う。

 

愛香「そんなプリキュア墓場に封印されたプリキュアの中の1人、キュアブラックのなぎさからある事を言われたの……『貴女が私達を救う救世主だから』って」

 

セッビィ「救世主?(……眠りにつく前に言われた遠い未来で邪悪な力に溺れたプリキュアやプリキュアでありながら悪に堕ちた者が現れる……あの乗員さんが予期していた事が起きたビィか!?)」

 

告げられた事にセッビィは思い返している中で愛香は困った顔をする。

 

愛香「どうして私がプリキュアを救う救世主って言われたのか分からない……私に不思議な力があるとは思えないし……」

 

セッビィ「不思議ビィ……あ、そう言えば、オイラは名前を言ったけど君の名前を聞いてないビィ!」

 

言われてみればと愛香はごめんと謝って改めて名乗る。

 

愛香「私は月影愛香、ここ、ヌーベル学園高等部3年で、新体操部の主将を務めてるわ。それでどうして私に激突したのか理由を教えて貰える?」

 

自己紹介してから先ほどのについて質問する愛香にセッビィはそうだったビィと思いだして袋を見せる。

 

セッビィ「オイラが此処に来たのは……このアイテム達を使うのに相応しい相手を探しに来たからビィ」

 

愛香「アイテム?もしかして所謂変身アイテムかしら?」

 

失礼と愛香はセッビィの首にかけられた袋の中を見せて貰う。

 

そこには3つのアクセサリーが入っていた。

 

愛香「このアイテム、と言うかアクセサリーって、ウルトラマンティガのスパークレンスに似てるわね……」

 

セッビィ「そのウルトラマンティガがなんなのか知らないビィが、これが邪悪な存在に対抗する為に創り出されたメサイアレンス、セイヴァーレンス、マフティーレンスだビィ。そしてオイラは託されて、このアイテムを使うに相応しい人間を探していたビィ」

 

興味深そうに見る愛香にセッビィはそう言う。

 

愛香「それじゃあここにいるのはその相応しい人間を探して?」

 

セッビィ「そうだビィ。最初は色んな所に飛び回ってたビィが、反応がなくて途方にくれていたビィ……飛び回っている内に近くに学園がある事に気づいてここでアイテムを使うに相応しい人間がいないかソナーの能力で探したビィ」

 

確認する愛香にセッビィは答える。

 

愛香「ソナーって、さっきは千里眼を持ってるのは聞いたけど、妖精なのに色んな能力を持ってるのね……」

 

セッビィ「うん。暫くしてソナーに引っかかった子が居る事に気づいたオイラは人が居ると思われるグラウンドの近くの樹で人を待ったビィ。そして……」

 

私と出会った訳か……と愛香は納得した後にあの頭の痛みはそれか……と眉間を揉む。

 

セッビィ「気になったオイラは慌てて飛び出したせいで愛香に追突しちゃって……」

 

愛香「私の胸元の谷間に落ちて挟まったと……ホントその時はごめんなさいね。緊急事態とは言え私の胸元にさらに押し込んじゃって;」

 

事情を聞いて納得した後に愛香はセッビィに謝罪した

 

セッビィ「まぁ、ちゃんと謝ってくれたのなら良いビィ」

 

愛香「それなら良かったわ……けど、この3つのアイテムに反応する子って誰なのかしら……」

 

どうせならもっと身近で見ようと愛香はちょっとごめんねとセッビィの首にかけている袋に入っている3つの中で試しにメサイアレンスを手に取ろうとする。

 

???「愛香せんぱ~い……んー先輩、何処へ行ったんでしょうか?」

 

???「この辺りに来ていると思うんだが……」

 

そこに自分を呼ぶ声が響いたのに愛香はビクッとなって慌てる。

 

愛香(今の声は勇佳に瑞希!?もしかして、私がセッビィを慌てて隠そうとした時のを見られてた!?)

 

段々と2人が近づいて来るのに気づいた愛香は周りを見て茂みを見つけてセッビィに言う。

 

愛香「セッビィ、今すぐあの茂みに隠れて」

 

セッビィ「ど、どうしたビィ?そんなに慌てて?」

 

いきなりの事に戸惑うセッビィに愛香は良いから!と急かし、セッビィは言われた通りに近くの茂みに隠れた。

 

丁度セッビィが隠れるのと同時に勇佳と瑞希が来て、愛香は内心安堵しながら不思議そうに聞く。

 

愛香「あら、勇佳、瑞希。何で此処に来たの?」

 

勇佳「何でって愛香先輩がおかしい行動をしてたので……」

 

う、見られていたと愛香は呻くと立て続けに瑞希が……

 

瑞希「その時、お前の胸の中で何かが暴れていたように見えてな……」

 

そう指摘し、愛香はさらにううと呻く。

 

瑞希「あれは何だったんだ?」 

 

愛香「あ、あれは……鳥、鳥だったのよ!」

 

鳥?と首を傾げる2人にそう鳥!と愛香はまくしたてる。

 

愛香「何か珍しい鳥を見つけたからもう少し近くで見ようと思って近づいたら、なぜか私の胸の谷間に深く入っちゃってね……流石に人前で胸元を大っぴらに曝け出すのは恥ずかしいから人に見られないよう校舎裏に来たのよ」

 

瑞希「……そうか……それで?その鳥はどうしたんだ?」

 

半信半疑の様子で瑞希は愛香の胸元を見てから問う。

 

愛香「ついさっき、何とか私の胸の谷間から出してあげて、放しちゃったわ」

 

ごめんねと謝る愛香に残念ですと勇佳は珍しい鳥を見たかったのか、残念そうに呟く。 

 

勇佳「それにしても、愛香先輩の胸元に深く入っちゃうなんて、愛香先輩は動物にも魅惑的に見られてるんですね……」

 

瑞希「これだけのプロポーションがあるにも関わらず、モテないのが不思議だからこそ勿体ないがな」

 

愛香「それは言わないで……」

 

しみじみと言う勇佳と呆れて言う瑞希に愛香は肩を落とす。

 

瑞希「そう言えば愛香、授業中、何か変な事はなかったか?」

 

愛香「変な事?」

 

何が?と首を傾げる愛香に瑞希は眉間を揉む。

 

瑞希「先ほどな、急に頭が痛くなってな……不思議な事に勇佳も授業中に急に頭が痛くなったそうでな」 

 

勇佳「ですです。瑞希先輩が言った様にあたしもさっきまで変な頭痛に悩まされてたんですよ……先輩?」

 

相槌を打ってから不思議そうに言った勇佳は愛香がなんとも言えない顔をしているのに気づく。

 

瑞希「どうした?そっちも頭が痛いのか?」

 

愛香「何でも無いわ……(二人まで妙な頭痛を受けていたなんて……セッビィのソナーに2人も反応したって事?それってつまり2人にも何かあるって事……?)」

 

心配そうに声をかける瑞希にそう返しながら愛香は内心頭を抱える。

 

なんとか話題を反らそうと愛香は慌てて言う。

 

愛香「そ、それじゃあもう鳥がいないんだし行きましょうよ!」

 

勇佳「ああ!?そうでした!!急いで避難しないと!!」

 

 

思いだした様に顔を青ざめて慌て出した勇佳にえ?となる愛香に瑞希は知らない様だなとスマホを操作し始める。

 

瑞希「やはり知らなかったようだな……つい先ほど急がなければならない事が起きた」

 

愛香「急がなければならない事?」

 

ああと頷きながら愛香へ瑞希は目的のを見つけて操作を止める。

 

瑞希「実は先ほどスマホのニュースで妙な怪物が暴れていると言うのがあったんだ」

 

妙な怪物と聞いて愛香は目を見開く。

 

先程セッビィの言っていた怪物の事かと思っていると瑞希は画面を愛香に見せる。

 

瑞希「しかも厄介な事態になっている。その妙な怪物が今ここ、ヌーベル学園に向かっている」

 

愛香「なんですって!?」

 

思わず瑞希のスマホをひったくって愛香は見ると怪物、アナザーブラックの姿が映っており、そのアナザーブラックが警察や自衛隊の抵抗を受けながらヌーベル学園に向かっていると瑞希の言った通りのが載せられていた。

 

愛香(怪物が学園に……学園の皆が危ない……!?)

 

勇佳「愛香先輩、大丈夫ですか?」

 

画像の怪物にゴクリと息をのむ愛香に勇佳は心配して声をかける。

 

愛香「大丈夫よ。それより避難は進んでいるの?」

 

そんな勇佳に愛香はそう返してから瑞希にスマホを返しつつ避難の方は進んでいるのか質問する。

 

瑞希「避難なら進んでいる。六華会長もスマホに出たニュースを見たのか、今も避難指示を出している」

 

愛香「これだけニュースになっている騒ぎに、見て見ぬ振りなんて出来る訳ないか」

 

ホッと安堵する愛香にまだ安心できないけどなと瑞希が付け加える

 

瑞希「幸い、まだ怪物は学園には来てないけど油断は出来ない。こっちもすぐに避難するよ」

 

愛香「ごめん。その前にやっておかないといけない事はあるから先に行ってて欲しいの」

 

勇佳「それは何ですか愛香先輩?」

 

瑞希のに対し、謝罪してからお願いする愛香に勇佳は気になって聞く。

 

愛香「友美に連絡する事よ。今頃中等部の方も避難指示に従って外に出てる筈よ」

 

勇佳「ああ……愛香先輩の妹さんの友美ちゃんもここの中等部に通ってましたね……」

 

成程と納得してから勇佳はそう言えば……と来る前に見た光景を思い出す。

 

勇佳(……中等部で思い出したけど、()()()()()()()()()と呼ばれてた子達、スマホのニュースを見て凄く怯えていたな……そりゃあニュースに出てたあの怪物は怖い見た目だけど、あの怯え方は尋常じゃなかったな……)

 

愛香「無事に避難してくれてると良いんだけど、念には念を入れて連絡をしておきたいのよ」

 

瑞希「まぁ、心配する気持ちは分かるが……別に一緒に行きながらでも出来るだろ?」

 

思い返している勇佳を知らず、愛香は理由を述べた後に指摘された事にうっと呻く。

 

愛香「そ、そうだけど、繋がらなかった場合を考えて中等部の方に見に行く必要があるから、そっちで友美を見つけて欲しいのよ」

 

瑞希「……まぁ、一理あるな。もし避難中に携帯を落として壊してしまっていたら連絡も出来ないだろうしな……(愛香の奴、どうも1人でいたいらしいが……なぜ1人でいたいのだ……?まぁ、ここは乗っておいてやるか……)……分かった。友美ちゃんを見つけたらお前に連絡をする。ちゃんと来るんだぞ」

 

まくしたてる愛香に瑞希は内心訝しみながら敢えて問わず、勇佳に行くぞと声をかけて走り、勇佳もあ、待ってください!と愛香に後ろ髪を引かれながらも後に続く。

 

2人がいなくなったのを確認して、愛香は茂みに隠れていたセッビィに話しかけた

 

愛香「セッビィ、もう人は居ないわ」

 

セッビィ「ほんとビィか?」

 

ひょこっと顔を出して確認するセッビィにええと返す。 

 

愛香「それよりセッビィ。此処にいるとあなたが見たと思う怪物が来るわ。一緒に避難しましょう」

 

セッビィ「避難?まさかまた豊満な胸の谷間に押し込めるビィか?」

 

そう言った愛香は顔を赤らめたセッビィにしないわよ!と胸元を抑えながら恥ずかしそうに叫ぶ。

 

愛香「それよりもセッビィ、あなたって千里眼やソナー以外に何か能力はあるの?」

 

セッビィ「あるビィ?少し待つビィ!」

 

興味本位で聞いたらまだあった事に愛香は驚く中でセッビィは目から光を放つと光の先から現れたのは愛香から見て動物を入れる為のバックであった。

 

愛香「所謂、アイテム召喚かしら?」

 

セッビィ「その通りビィ!もしもの為のアイテムを出す能力があるビィ」

 

呟いた愛香にセッビィはそう返す。 

 

愛香「もしもの為のアイテムって、例えばどんなのが出て来るの?」

 

セッビィ「そうビィね……例えば戦闘フィールドを作るアイテムが該当するビィ」

 

訝しみながら聞いた愛香はふうんと手に持ったバッグを見る。

 

愛香「まぁ、見た目はこれなら怪しまれずに済むわね。セッビィ、このバックの中に入って」

 

愛香に言われたセッビィはバックの中に入ったのを確認して背負った後、愛香は瑞希や勇佳に言った通りに中等部の方へと走る。

 

愛香(あの黒い怪物は、もしかするとプリキュアになれるかもしれない子を探して消すつもりかもしれない……もしも、友美や瑞希達に被害がいきそうなら止めなきゃいけない。それに、プリキュアの救世主になって欲しいと言うなぎさの言葉の意味を知るまで死ぬ訳には行かないわ……)

 

走りながら愛香は手を握り締める。 

 

 

 

────

 

 

 

アナザーブラックがヌーベル学園に向かっていると言うニュースを知り、学園の外に避難した瑞希達。

 

その学園の外の近くにアナザーブラックが迫っているを知らせに走って来た拓也と律子が居た

 

拓也「まだ怪物は来てないか……」

 

律子「怪物がヌーベル学園に来ると言うニュースを知ったおかげで生徒達を避難させてるようね」

 

肩を上下させながら安堵する拓也の隣で息を整えた律子は避難している生徒たちの会話を聞きながら言う。

 

拓也「どうやら今の会長達が怪物が来るニュースを知ったおかげみたいだな……とりあえず、まだ避難できてない生徒がいないか話を聞くか」

 

拓也のにそうねと律子は頷いた後、生徒達の点呼をしていた六華や明輝に話しかけた

 

律子「六華、明輝、ちょっと良いかしら」

 

六華「拓也先輩に律子先輩!?どうして此処に!?」

 

話しかけて来た律子に六華は驚いて聞く。

 

拓也「たまたま怪物と交戦した特殊部隊と同じ隊員が怪物がヌーベル学園に向かっているって事を偶然聞いて伝えに来たんだよ……まぁ、この様子じゃあ必要は無かったみたいだけどな……」

 

明輝「ええ、ちょうどこちらでも怪物がヌーベル学園へと向かっていると言うニュースを発見し、すぐに避難警報をしたところです」

 

先生達に誘導させられている生徒達を見て言う拓也に明輝はそう返す。

 

拓也「そうか……それで避難はどうなっている?」

 

六華「避難の方はほぼ終わってます。後は妹さんの事を確認しに月影さんが中等部に向かったそうですが、こちらで妹さんを確認出来たので少しすれば来るかと」

 

拓也は六華に避難はどうなって居るのか質問してそう返される。

 

律子「そっか愛香も無事だったんだ……安心したわ」

 

これなら大丈夫かと律子が安堵しかけた時……ある会話が耳に入る。

 

翔子「おかしい……詩嶋先輩がいない……」

 

英美「どうかしたの?」

 

翔子「詩嶋先輩が来てない。怪物が此処に来るかも知れないのに……」

 

レイ「はぁ!?詩嶋先輩は何やってるんだ……いつ怪物が此処に来るか分からないから避難してるのに……」

 

詩嶋と聞いて律子は何してるのあの子と呻く隣で卓也も呻きながら彼女の家の事を思いだす。

 

拓也「(確か詩嶋家は名家だと聞くが、詩嶋の両親の考えが前時代的だったな……所謂男尊女卑主義に染まっていて……女は男に従えと言うが今の世は女は男に従属するとは限らないだろ……寧ろ自ら行動するものだ……まあそれは男だろうが性別が一致しない奴だろうが変わらねぇけど……)詩嶋がまだ学園に留まっているのかよ……あいつ、スマホを持って居ないのか?」

 

律子「家のルールでスマホを持たせられてないそうよ。それどころか携帯電話すら持ってないわ」

 

マジかよと律子の言った事に拓也は驚く。

 

拓也「連絡手段を持たせて無いのかよ!?もしもの為に連絡する手段が無いと大変な事になるかもしれねえのに!と言うか今がそうだし!くそぉ、探しに行くぞ!」

 

律子「私も行くわ!」 

 

明輝「お待ちください!いつ怪物が来るか分からないのに学園に入るのは危険過ぎます!」

 

詩嶋を保護すべく学園に入ろうとする拓也と律子に明輝が慌てて止める。

 

律子「それくらいは分かってるわ。けど万が一誰かが怪物に襲われた際に保護する人が居なかったらどうするの?」

 

明輝「2人は学園のOBですが流石に任せるのは……」

 

拓也「生徒に任せたら問題は起こる。先生も離れたら不安になった生徒を落ち着かせるのは誰がするんだ?俺達は今は部外者とは言え元はこの学園の生徒だ。此処は俺達に任せてくれないか」

 

渋る明輝に拓也は詩嶋の保護は任せてくれないかと六華達に頼み込む。

 

六華「……分かったわ。私は生徒に避難を指示し、先生に報告する立場である以上動けません。二人とも詩嶋さんを保護をお願いします。ですが、無茶はしないでください」

 

律子「ええ、それに運が良ければ愛香に会うかも知れないから、もし会えたら彼女も保護するわ」

 

頭を下げる六華に律子はそう返して拓也と共に学園内に残っている詩嶋を保護する為に学園内へと駆け出す。

 

そんな2人に六華は見送ってから再び自分の役目を果たす為に動く。

 

────

 

拓也と律子が詩嶋を保護しに学園内に入った頃、愛香は中等部の校内に居た

 

愛香「さて、誤魔化しも兼ねて中等部に来たけど……避難して人は居ない感じね……友美も瑞希が無事だって連絡をしてくれて分かったから良しとして、この後をどうするか……」

 

中等部にいる生徒は友美も含んでみんな避難しているのを確認して愛香は安堵して外に出るべきかと考えていると……

 

???「あれ?何でお姉ちゃんが居るの?」

 

まさかの声にギョッとして愛香は振り返ると避難した筈の友美が二人の少女と一緒に現れた。

 

愛香「友美!?どうして此処に!?さっき瑞希から避難したって聞いていたんだけど……」

 

友美「ごめんなさいお姉ちゃん。私も避難はしてたんだけど、こっちの晴渡さんと虹ヶ丘さんがいない事に気づいて戻って探してたんだ……2人とも教室の片隅で怯えていて、理由を聞いたらニュースを見て動けなくなってたんだって。何とか落ち着いて今から一緒に外に出ようとしてる所だったの」

 

そう言う事だったの……愛香は納得してから2人を見る。

 

1人は頭頂部にアホ毛が1本ある青髪で前髪は斜めぱっつんで左側にのみもみあげがあり、後ろ髪は頭部黄色いリボンで右側にサイドテールにまとめており、もう1人はピンクがかった薄い小豆色のロングヘアーで、髪の一部を結い上げ後頭部辺りでシニヨンにしており白いリボンを結んでいる。

 

愛香「ところで友美。その、晴渡さんと虹ヶ丘さんって同級生?」

 

友美「うん。青い髪の子が晴渡空さんで、ピンクの髪の子は虹ヶ丘ましろさん。昔から墨村市にある豪邸に住む子達で、晴渡さんは虹ヶ丘さんの家に居候で暮らしている子だよ」

 

問う愛香に友美は紹介し、2人とも会釈する。

 

愛香「そうだったの。宜しくね2人とも……うっ」

 

それに愛香も会釈した直後、頭に少しの痛みが走る。

 

何?と思って改めて晴渡空と虹ヶ丘ましろに目を向けた瞬間、愛香は不可思議な光景が目に映る。

 

目の前の晴渡空と虹ヶ丘ましろの髪が変化しており、フリルやリボンをあしらった衣装を着てるのだ。

 

晴渡空は水色のツインテールにワンピースドレスだが、左肩から豪華で長いマントがたなびいており、まるで王子様の様な凛々しい印象も感じさせた出で立ちで水色のツインテールやドレスにはピンクのグラデが掛かっている。

 

虹ヶ丘ましろは一部を編み込みにした長いピンク色の髪の頭頂部にリボンを付けており、大きく広がった白いドレスが特徴的で手には白いロンググローブ、足元はピンクのフリルがついたシューズ風と言う出で立ちだ。

 

愛香(何、これ……晴渡さんと虹ヶ丘さんの姿が変化している……?)

 

友美「お姉ちゃん、大丈夫?」

 

どことなく既視感を感じながら戸惑っていると友美に声をかけられて我に返った愛香は再び2人を見ると姿は戻っていた。

 

愛香「(今のはいったい……?)大丈夫よ。それより晴渡さんと虹ヶ丘さんは動けるの?」

 

空「何とか動けます」 

 

ましろ「震えがまだ収まりませんが……」

 

確認する愛香に空とましろはそう返すがまだ恐怖が残っているのか、僅かだが震えている。

 

愛香「そう……なら無理はしないで……幸い、ここからなら避難場所まで5分くらいで着くから」

 

空「分かりました」

 

それに愛香は優しく声をかけた後に友美に関してので瑞希に連絡しようとスマホを取り出した所、丁度その本人から着信が来る。

 

瑞希『愛香か!友美ちゃんがいなくなった!!そっちで見てないか!?』

 

愛香「もしもし瑞希。友美は無事よ。どうやら同級生の晴渡さんと虹ヶ丘さんを探して中等部の校内に戻ってたようなの」

 

慌てた様子の瑞希に愛香は安心させる様に言うとそうか……と安堵の息が聞こえる。

 

瑞希『……友美ちゃんも無事で済んだか……ついさっき無事だと連絡して束の間にいなくなっていたから慌てたぞ……』

 

愛香「なんでも晴渡さんと虹ヶ丘さん、ニュースを見て怯えた事で動けなくなって避難しそびれたみたいなの。その子達とも一緒にいるわ」

 

心底安堵した様子の瑞希に愛香は3人を見てからそう述べる。

 

瑞希『そうだったのか……愛香、すぐに来れるか?』

 

愛香「大丈夫よ瑞希。2人とも何とか動けるようだから、今から避難場所に向かう。心配しないで」

 

確認する瑞希に愛香はそう返す。

 

瑞希『……分かった。その事は赤城会長に伝えて置く。後、高等部の校舎に詩嶋先輩を助けにOB生の拓也先輩と律子先輩が向かった。もし詩嶋先輩を保護した二人と出会ったらすぐに戻って来い。ニュースを見たが、怪物が何時学園に来てもおかしくない状態だ』

 

愛香「ええ、気を付けるわ」

 

瑞希の話を聞き、そう返して通話を終えた愛香は行くわよと、友美と晴渡空と虹ヶ丘ましろと共に避難場所に移動した。

 

 

 

 

 

 

「感じるぞ……私を消し去ろうと目論む者の気配が……」

 

 

 

 

 

 

そんな愛香達に、影は刻々と迫っていた……

 

 

 

───

 

愛香が友美達と合流し、瑞希に連絡を済ませた直後の避難場所

 

 

瑞希「ふう、友美ちゃん。いきなりいなくなったから焦ったが愛香と一緒にいてくれて助かった……後は何事もなければ良いんだが……」

 

通話の切れたスマホを見て息を吐き出しつつ、瑞希はそう愚痴る。

 

学園に入るまでの愛香から聞いたのや自分や勇佳が見た夢の事もあり、今回の怪物の出現も相まって瑞希はこれ以上何も起こらないでくれと願う。

 

しかしその願いは、悪い方向で裏切られる。

 

「感じるぞ……私を消し去ろうと目論む者の気配が……」

 

響き渡る声を聴いた瞬間、瑞希はゾクッと背筋に悪寒が走る。 

 

慌てて声がした方を見ると黒い怪物が自分達を見ているのが目に入る。

 

勇佳「み、瑞希先輩!?あ、あれって!?」

 

瑞希「ニュースに出ていた黒い怪物か!?警察や自衛隊を振り切ってもうここに来ていたのか!?」

 

怪物の出現に悲鳴が巻き起こる中で駆け寄った勇佳のを聞きながら瑞希は冷や汗を掻く。

 

勇佳「み、瑞希先輩……」

 

瑞希「お、落ち着け勇佳、いつでも逃げられるようにするんだ……!」

 

震える勇佳に自分にも言い聞かせる様に瑞希はそう返す。

 

怪物の出現でパニックに陥っている生徒や先生たちを一瞥した怪物は……

 

「この学園の中か…………放置は出来んな……」

 

そう呟いた後、その場にいた生徒や先生達を無視して、ヌーベル学園へと入って行く。

 

六華「!皆さん落ち着いて!冷静に!!」

 

自分達が狙われたなかった事で六華はすぐさま鎮圧に走る。

 

明輝もハッと我に返って六華に続いて安心させる為に奔放する。

 

勇佳「はあはあ……よ、良かった……」

 

そんな六華や明輝のを聞きながら勇佳はへたり込みそうになるのを堪えて安堵の息を吐く。

 

だが、瑞希だけは違った。

 

瑞希「勇佳、不味いぞ」

 

強張った顔で言われた事にえ?となる勇佳に瑞希はまくしたてる。

 

瑞希「まだ中には愛香や友美ちゃんに友美ちゃんの同級生の2人、さらには詩嶋先輩や救助に向かった拓也先輩と律子先輩もいるんだぞ!!もしあの怪物が暴れたら7人とも危険なんだぞ!!」

 

勇佳「っ!?」

 

告げられた事に勇佳はハッとなる中、瑞希はすぐさま愛香に連絡しようと電話をかけながら考える。

 

瑞希「(思い返してみればあの怪物の不釣り合いな女物の服装、キュアブラックと言ってたプリキュアが着てたのとほぼ同じのだった……まさか、あの怪物はプリキュアと何か関りがあるのか……!)」

 

早く出てくれと願うが、なかなか通話に出ない愛香にくそ!と瑞希が毒づいた時……

 

???「其処の君達!黒い怪物を見かけなかったか!!」

 

なんだ?と顔を向けると武装した集団が駆け寄ってくるのが目に入った。

 

その集団、東堂の部下である隊員達で六華が戸惑いながら話しかける。

 

六華「あ、あなた方は?」

 

隊員D「我々は黒い怪物を追いかけて来た特殊部隊です!」

 

特殊部隊と聞いて生徒達から良かったなどの声があがる

 

瑞希(このタイミングで人が来るなんて何かあるな……)

 

瑞希は何故このタイミングで特殊部隊が現れた事に疑問を抱く中、隊員Dは六華に怪物について訪ねていた。

 

隊員D「済まない。再度聞くが、あの黒い怪物は何処に行ったんだ?」

 

六華「あの黒い怪物でしたら、何故か私達を無視して学園内に入りました」

 

返された事にどういう事だ?と隊員Dは疑問を持つ。

 

隊員D「(ショッピングモールでは暴れていたアナザーブラックが、何故人々を無視して学園に?襲われなかったのは良かったが、謎過ぎる……)……とにかくあの黒い怪物は我々に任せてくれないか」

 

今はとりあえず怪物の方が先だと考え、隊員Dは六華達にそう申し出る。

 

六華「お願いします。今学園内にはまだ人が残ってます。私達は生徒達を安心させる立場である以上動けません。どうか学園内に残っている人達を助けてください」

 

隊員D「了解です。必ず助けます」

 

頭を下げてお願いする六華に隊員は直ぐさま了承して他の隊員達と共に学園内に入った。

 

其処へ東堂が丁度やって来る。

 

東堂(何とか学園に着いたが……先ほどアナザーブラックが来たと聞いて肝が冷えたが、誰も怪我もしていないし、混乱が落ち着いているな……あの二人のおかげか……)

 

生徒達の様子を見て東堂は六華と明輝を見てなかなかの手腕だと感心した後、生徒達の中で自分がスカウトしようと考えている翔子、英美、レイを見つける。

 

東堂「(風森翔子、早光英美、勝矢レイ……彼女達も大丈夫の様だな……)皆さん!私は先ほどここに来た部隊の関係者です!怪物の事もあるので建物の崩壊による瓦礫が飛んで来る危険性を考慮し、離れた場所に避難しておいてください!!」

 

全員に聞こえる様に東堂は注意を呼び掛けた後に、黒い怪物を追った隊員達に続いて学園内へと入って行く。

 

この時の東堂は知らなかった。

 

翔子達の近くに居た瑞希と勇佳もまた、この事態を切っ掛けに東堂に関わって行く事になる事を………

 




次回、プリキュアを救う者が登場


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降臨!プリキュアを救いし者!

遂に目覚める新たなプリキュア


愛香は資格者を探しに来たセッビィに出会った。

そんな出会いから数分後、学園から避難しようとした愛香達の前にアナザーブラックが襲来する。

アナザーブラックの襲来、それが新たな希望の誕生をもたらす事になる

 

────

 

アナザーブラックが学園内に侵入する数分前、愛香達は学園の外にある避難場所に向けて移動していた

 

愛香(嫌な気配は感じるわね……ニュースに出ていた怪物がまだ来てないと良いんだけど……)

 

先頭を歩きながら愛香は思案。

 

そんな姉の後ろで友美は晴渡空と虹ヶ丘ましろを気にかけていた。

 

友美「晴渡さんに虹ヶ丘さん、身体の方は大丈夫?」

 

空「大丈夫です」

 

ましろ「震えが残っているけど何とか」

 

確認する友美に晴渡は落ち着いたのかそう返し、ましろも少し震えてはいるものの頷く。

 

友美「けど無理しちゃ駄目だよ。もうすぐ避難場所に来るけど、最後まで気を抜かないで」

 

友美に言われた空とましろははいと返しながら愛香に続く。

 

セッビィ(ん?何か感じるビィ)

 

愛香が背負うバックの中に居るセッビィがある気配を感じ取る。

 

それと共に……

 

「感じるぞ……私を消し去ろうと目論む者の気配が……」

 

不気味な声が響き渡る。

 

愛香「っ!?」

 

突如響いた声に愛香達は立ち止まる。

 

友美「お、お姉ちゃん。さっきの声って一体……」

 

愛香「分からないけど、嫌な予感を感じるわ。ちょっと迂回するよ」

 

戸惑う友美に愛香はそう返し、ルートを迂回する事にしてその場を離れようとした時……

 

ドドーン!!

 

愛香達が進もうとしていた道の先でアナザーブラックが巨大な地響きと共に地面に降り立った

 

「この近くに居るのは確かだな……さて、何処に居るのやら」

 

アナザーブラックは周りを見回し始める。

 

幸い愛香達はアナザーブラックの視界に入る前に見えない場所へ隠れたので見つかっていない。

 

愛香(あれはニュースに映っていた怪物!?咄嗟に隠れたのは功を奏したわ……とにかく、ここから離れないと……)

 

アナザーブラックが自分達に気づく前に避難場所に行かないと……と思いながら友美達の方を見る。

 

友美は突如現れたアナザーブラックに驚いた顔で見ており、空は強張った顔で胸を抑えながらアナザーブラックを見ていた。

 

ましろ「…………」

 

一方、ましろはアナザーブラックを見て顔色が真っ青になっていた。

 

そんなましろの様子に愛香が大丈夫と声をかけようとした次の瞬間……

 

ましろ「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!

 

ましろは大きな声で悲鳴を挙げてしまう。

 

悲鳴をあげたましろに友美は慌てて落ち着かせようとする。

 

友美「虹ヶ丘さん、今大声上げちゃ駄目!」

 

ましろ「いや、いや!!!」

 

落ち着かせようとする友美だが、ましろは尋常でもない怯え方をしてなかなか落ち着かない。

 

「……そこに誰か居るな……」

 

さらに間が悪い事にアナザーブラックがましろの悲鳴に気づいてしまい、近づいて来る。

 

慌てて友美はまだ悲鳴を上げそうになるましろの口を塞ぐ。

 

愛香(まずいわ……虹ヶ丘さんの悲鳴で此方に向かおうとしている……このままじゃあ気づかれちゃう……)

 

段々と近づいて来るアナザーブラックに愛香は焦る。

 

愛香(何か、怪物を別の方に遠ざけないと……)

 

どうすれば……と愛香は悩んでいた時……空が飛び出していた。

 

空「こっちです化け物!」

 

「お前か!」

 

愛香が止める間もなく呼びかける空にアナザーブラックは拳を振るう。

 

それに空は軽快な動きで避けると愛香達とは別方向の、しかも避難場所から離れる様に走り、逃げる空をアナザーブラックは後を追う。

 

「逃がさんぞ!!」

 

電撃を放つアナザーブラックに空は飛び込み前転して電撃を避けると縦横無尽に動き回って逃げて行き、待て!とアナザーブラックは追いかける。

 

逃げている中、突然痛くなった頭に空は呻く。

 

空(頭が痛い……私の頭の中に女の子が浮かんで来る……これは一体……)

 

頭の中に少女のイメージが浮かんだ事と見えている手と足の服が変わっている事に空は違和感を感じながらもアナザーブラックから逃げる。

 

そのまま空を追う事で遠ざかって行くアナザーブラックを見ながら愛香は空の行動に呻く。

 

愛香「晴渡さんなんて無茶を……追いかけたいけど、こっちも心配だし……」

 

チラッと愛香は友美に介抱されているましろを見る。

 

未だにいや、いやぁと怯えているましろに愛香は呻く。

 

友美「虹ヶ丘さん、落ち着いて……」

 

ましろ「いや、死にたくない!誰か助けて……!!」

 

落ち着かせようとする友美だが尋常でもない怯え方に愛香はどうしてここまで怯えるのだろうかと疑問を抱く。

 

愛香(晴渡さんを早く助けにいかないといけないのに……どうにかして虹ヶ丘さんが落ち着かせないと……どうすれば……)

 

必死に考えている愛香の様子をバック越しに見ていたセッビィは愛香に聞こえる範囲の声で話しかけて来る。

 

セッビィ(愛香、此処はオイラに任せるビィ)

 

愛香(何かあるの?)

 

バッグを自分の前に持って行き、確認する愛香にセッビィはあるビィと返す。 

 

セッビィ(オイラの能力の1つに相手を沈静化する能力があるビィ。それを虹ヶ丘さんって言う興奮してる子に使うビィ)

 

愛香(それを使えば大丈夫なの?)

 

再度確認する愛香にセッビィは大丈夫ビィと力強く返す。

 

セッビィ(幸いバックには覗き穴があるビィ。覗き穴越し視界に虹ヶ丘さんを捉えれば何とかなるビィ)

 

愛香(分かったわ。ならセッビィ、お願いね)

 

セッビィに言われた愛香はお願いしてからセッビィが入っているバックをましろの方に向ける。

 

愛香「虹ヶ丘さん、こっちを見て?」

 

友美「虹ヶ丘さん、お姉ちゃんの方を見て」

 

愛香と友美にお願いされたましろは怯えた顔で愛香の方へと顔を向ける

 

こっちを見たとセッビィは体を輝かせてそれを目に収束して波動として放つ。

 

放たれた波動を受けたましろは怯えていた顔から段々と落ち着いて行く。

 

愛香「落ち着いた?」

 

ましろ「は、はい……」

 

確認する愛香にましろは戸惑いながらそう返す。

 

友美「お姉ちゃん、今、何したの?」

 

愛香「んー、ちょっとしたアロマセラピーに近いのかしら?」

 

不思議そうに聞く友美に愛香は曖昧に返す。

 

どういう事?と首を傾げる友美を後目に愛香はバッグを背負い直す。

 

愛香「とにかく2人は先に避難場所へ行って、私は晴渡さんを助けに向かうわ」

 

友美「え、お姉ちゃん無茶だよ」

 

無謀だと姉に対してそう言う友美に愛香はそれでもよと返す。

 

愛香「晴渡さんを1人にはしておけないわ。だから友美は虹ヶ丘さんを早く安全な場所へ連れて行くのよ」

 

そう言ってお姉ちゃん!と呼び止めようとする友美のを振り切って愛香は空とアナザーブラックの後を追う。残された友美とましろはどうしようかと途方に暮れていると愛香が見えなくなったと同時にある一団、東堂率いる『テイルズディフェンド』の部隊がやって来た。

 

隊員D「いました!女の子2人!」

 

東堂「君達、大丈夫か?」

 

友美「あ、私達は大丈夫です。でも私達を安全な場所に逃がすために、晴渡さんが囮となって怪物を誘導して、お姉ちゃんが追い駆けて行ってしまったんです。お願いです。お姉ちゃんと友達を助けてください!」

 

話しかけた東堂に友美は慌ててお願いして頭を下げる。

 

東堂「分かった。君のお姉さんと友達は必ず助ける。お前達、二人の護衛を頼む」

 

隊員E「了解しました」

 

隊員F「お二人は我々が護衛します」

 

すぐさま了承して、隊員2人を友美とましろの護衛に付けて避難させると東堂達は友美が指した方へと走る。

 

東堂(何故、こんな所に虹ヶ丘ましろが居るんだ?確か前の調査の時には彼女がいなかった筈だが……)

 

追跡を開始する中、東堂は友美と一緒にいたましろの事で違和感を感じていた。

 

先ほどの友美の様子を見て、聞こえて来た悲鳴は彼女ではないと判断し、さらに囮となったのと友美の姉が出したのではないと考えてからまた疑問を持つ。

 

東堂(本来、虹ヶ丘ましろはあんな悲鳴をあげる様な子には見えない……まるで一般市民と同じだ……一体何があったんだ?)

 

前の調査には居なかったのとましろが一般市民と同じ感性になっているのかの疑問により違和感を感じえずにはいられなかった。

 

そして東堂はアナザーブラックが居る場所でもう一人この世界に居なかった人間と接触する事になる事を知る事になる。

 

────

 

東堂達が空と愛香の救出に向かった数分前、拓也と律子は高等部の校舎の中を走っていた。

 

拓也「たくっ、詩嶋は後輩達に心配かけさせやがって……」

 

律子「詩嶋さんの行動が私達がヌーベル学園に通っている頃から変わってないのであれば……」

 

ぼやく拓也に律子はここだけども……と図書室の前で止まる。

 

拓也「ここだとバケモンが来たら逃げれねえからいてくれよぉ……」

 

願いながら拓也は図書室の扉を開けて2人は図書室の中に入る。

 

其処では、1人の少女が黙々と勉強を()()()()所であった。

 

律子「詩嶋さん、こんな所に居たのね。さあ、早く避難するよ!いつ怪物が来るか分からないから」

 

そんな少女、詩嶋喜楽女へ律子が駆け寄って声をかける。

 

声をかけられた詩嶋は律子を見て不思議そうに首を傾げる。

 

詩嶋「拓也先輩に律子先輩?どうしてここに?先輩達はもう卒業されてるでしょう?」

 

律子「いやそうだけど、今はそれ処じゃないの!避難よ、ひ・な・ん!!!」

 

強調する律子に詩嶋はまたも不思議そうに律子を見る。

 

詩嶋「避難?なぜ?どうしてする必要があるんですか?」

 

律子「どうしてって……あなた、避難誘導の気づいてないの!?」

 

拓也「今学校に怪物が来ようとしてるんだよ!それで皆は外に避難してるのにお前は何をしてるんだよ!?」

 

心底不思議そうに聞く詩嶋に2人は驚いて問う。

 

詩嶋「次の時間の授業に向けて勉強をしてるのですが?おかしいですか?」

 

詩嶋の口から出たトンチンカンな事に拓也と律子は唖然となる。

 

拓也「お前、騒動に気づかない程勉強に没頭してたのか!?」

 

詩嶋「おかしいですか?」

 

律子(確かに普通なら凄いけども……この状況じゃあおかし過ぎるわよ……改めてこの子、どういう環境で育ったの?)

 

とにかく避難だ!と不思議そうな詩嶋を引っ張って拓也と律子は外に出る。

 

 

「感じるぞ……私を消し去ろうと目論む者の気配が……」

 

 

瞬間、不気味な声が響き渡る。

 

聞こえてきた声に思わず3人は足が止まる。

 

詩嶋「な、なんですかこの声……」

 

律子「落ち着いて詩嶋さん。けど、さっきの声って……」

 

拓也「あの怪物だ!もう来やがったのか……早く外に出るぞ!!」

 

突然響き渡った声に怯える詩嶋を律子は落ち着かせながら拓也のに同意して急いで外へと向けて走る。

 

拓也「!?止まれ!何かが来てる!」

 

先頭を走っていた拓也は向かう先から音がしてるのに気づいて2人を止める。

 

律子「!あの木なら3人とも隠れられるからあそこに!!」

 

周りを見て律子に言われた拓也は詩嶋と一緒に指定した木の影に隠れて様子を伺う。

 

そこに、青髪の少女が後ろを気にしながら拓也達の通っていた所を通り過ぎる。

 

「逃がさんぞ!」

 

少しして黒い怪物が拓也達の前を通り過ぎて少女が向かった道を走って行く。

 

拓也「やっぱりショッピングモールで暴れやがった怪物だ!」

 

律子「もしかしてさっきの女の子、あの怪物から逃げてたの!?」

 

自分の働いていた場所で暴れた怪物に怒りが出た拓也は律子の言葉にハッとなる。

 

拓也「それってヤバくねえか!?さっきの女の子、見た感じ中等部の子か?」

 

詩嶋「さ、先ほどの少女は確か、晴渡空さんだったと思います……拓也先輩の言う通り中等部の子です」

 

逃げた方向を見ながら呟いた拓也に詩嶋が恐る恐る答える。

 

律子「晴渡さんって少し前にスポーツ関連のでニュースに出てた女の子よね。どうして黒い怪物に追われていたの?」

 

思いだしながら呟いた律子は何故、空が黒い怪物に追われている事に疑問を抱く。

 

すると再び足音がして、3人はまた誰か来たのかと見て、愛香が走って来るのを目にする。

 

律子「愛香!?なんであなたがここに!?」

 

拓也「お前は避難してなかったのか!?」

 

愛香「律子先輩!?どうして此処に!?それに拓也先輩に詩嶋先輩までいるの!?」

 

思わず出た律子に愛香は立ち止まり、続けて出て来た拓也と詩嶋に驚いて問う。

 

律子「私達がなんでいるかは、学園に残っていた詩嶋さんを助けに高等部の校舎に来たのよ」

 

愛香「そうでしたか……(そう言えば瑞希が言ってたわね……晴渡さんのですっかり抜けていたわ;)」

 

詩嶋を差して答えた律子のに愛香は納得しながら思い出す。

 

律子「それよりも愛香、そう言う貴女は何で此処に居るの?もしかしてさっきここを通った晴渡さんって子が関係してるの?」

 

愛香「はい。彼女、晴渡さんは私達を助ける為に怪物を引きつけて……」

 

拓也「私達?愛香、他に誰か居たのか!?」

 

律子のに頷いた愛香に対し、拓也は慌てて聞く。

 

愛香「私の他には、友美と虹ヶ丘さんが居ました。二人には先に避難場所に向かうように言ったので」

 

律子「友美ちゃんも居るのね……それに虹ヶ丘さんは確か晴渡さんが居候してる所の娘さんね……ってあなた追いかけてどうする気!?あんな怪物に立ち向かうなんて無謀よ!」

 

愛香「確かに、無謀かもしれません……けど、私達を逃がす為に動いた晴渡さんをほっとけない。何とか助けてお2人と合流しますから(それに何故晴渡さんの姿が変わると言う妙なデジャブが気になる……)」

 

そう言って愛香は止めようとする2人を無視して走り出す。

 

律子「愛香!?」

 

拓也「あいつ!ホントに無謀だろ!!」

 

詩嶋「?お2人とも、また誰か来るみたいです。それも複数」

 

叫ぶ律子と呻く拓也に静観していた詩嶋が報告する。

 

拓也「……確かに1人だけじゃない。今度は誰が来るんだ?」

 

思わず2人は警戒してると来たのは、『テイルズディフェンド』の兵士達と責任者に当たる東堂であった。

 

律子「あの服装!公園で見かけた特殊部隊の人達じゃない?」

 

拓也「ああ、あの服装は間違いないな」

 

まさかさっきの怪物のでここにと思っていると東堂が話しかける。

 

東堂「君たち、何故こんな所にいる?」

 

律子「あ、その、学園内にまだ残っていた生徒が居て、その生徒を保護するために此処に来たんです」

 

拓也「それがこいつで……さっきまで避難のにも気づいてなかったようで……」

 

詩嶋「……どうも」

 

問いに律子が慌てて答え、拓也が詩嶋の方を指し、詩嶋は少し警戒した様子で頭を下げる。

 

東堂「避難に気づかないって、何をしていたんだ?」

 

律子「ずっと勉強をしてたんです」

 

は?と東堂と兵士達は思わず呆気にとられる。

 

だって誰だって避難誘導に気づかず勉強をしていたなどと言われたら呆気に取られてしまうもんである。

 

その気持ちは分かると拓也と律子は内心頷く。

 

東堂「あーーその……その子は大物なのか?」

 

拓也「そうじゃありませんよ…………別の意味で大物に見えますけど」

 

なんとも言えない顔で問う東堂に拓也は疲れた顔でそう返す。

 

東堂「そ、そうか……(何か訳ありの様だな)……ここは危険だ。部下を護衛に付けるから早くここから避難するんだ」

 

律子「ご厚意に感謝しますが、そういう訳にはいかないんです。後輩が1人、怪物に追いかけられてる子を助けに行って……」

 

避難する様に言う東堂だが、律子の言葉に友美の言っていた事を思い出す。

 

東堂「そうか、先ほど避難させた女の子の言っていたお姉さんと同級生か……分かった。流石にいないと思うが怪物が他にもいたら厄介だから一緒に行動して貰う。ただし、ちゃんとこっちの指示に従って欲しい」

 

律子「分かりました」

 

拓也「お願いします」

 

念押ししてから同行を認める東堂に律子と拓也は頭を下げる。

 

東堂「良し、行くぞ!!」

 

号令と共に一同は向かう。

 

その移動先で東堂はあるものを目撃する事になる。

 

1つの伝説の誕生と1つの復活を……

 

────

 

律子達が東堂に接触した頃、高等部のグラウンドでは空がアナザーブラックと対峙していた

 

「散々手擦らせやがって」

 

アナザーブラックは苛立ち気に空を睨み付ける。

 

空(あの怪物をなんとかする手段は私にはない。逃げ回るにしてもその後をどうすれば良いか……)

 

そんなアナザーブラックに空は様子を窺いながら攻撃のを見逃さない様にみつえる。

 

(警戒か……それにこの小娘……恐怖を抱いているな)

 

そんな空を見て彼女の体が僅かだが震えている事に気づいたアナザーブラックは右腕に黒い雷を纏わせ……

 

「中学生にしてはそれなりにやったな。だが遊びは終わりだ!」

 

豪腕で空に向けて振り下ろす。

 

空はその豪腕を回避した後にある一定の動きを素早く取る。

 

なんだ?とアナザーブラックが思った後……

 

空「はっ!!」

 

剛腕を振るった事で硬直していたアナザーブラックの脇腹に正拳突きを叩き込む。

 

まさかの攻撃にぬっ!?と驚いた後にまたも動きが止まった所で空は距離を取る。

 

「ちょこざいな!!」

 

ダメージはないものの、たかが中学生の少女の攻撃が当たった事に苛立ちながら、アナザーブラックは今度は左手で殴り潰そうとするがその腕を足場代わりに使われて跳ばれ、ついでと後頭部に蹴りを入れられてたたら踏む。

 

「おちょくりおって!!」

 

怒りながら電撃を放ち、空は必死に走って避ける。

 

そんな所に愛香は追い付き、避けている空の運動神経と反射神経に思わず驚嘆する。

 

愛香(晴渡さん、凄い……いやいや!このままだと晴渡さんがあの怪物の攻撃を受けちゃう!)

 

どうする!?と逃げ回る空を見てから愛香は周りを見渡し……グラウンドに転がっていた野球ボールが目に入る。

 

愛香「これなら注意を引くぐらい!」

 

愛香は咄嗟に野球ボールを掴み、新体操で培った経験もあって見様見真似ながら綺麗なフォームでボールをアナザーブラックに向けて投げる。

 

その時、愛香はボールを投げた時、ある違和感を感じる。

 

愛香(何かしら?ボールを投げた時、一瞬だけど手から光りが……?)

 

ボールを投げた瞬間、愛香の手から光りが一瞬放たれたのを愛香は見た。

 

どういう事と思ってる間ボールは剛速球となってアナザーブラックへと飛んで行く。

 

「む?」

 

空を狙い続けていたアナザーブラックは風切り音に振り返り、野球ボールが迫っているのに気づく。

 

「たかが球1つ、無駄な事を……」

 

避けるまでもないとばかりに受け止めようと手を伸ばす。

 

投げられた野球ボールはそのままアナザーブラックの腕に……収まらず、途中で曲がる。

 

カーブして落ちた野球ボールは驚いているアナザーブラックの脇腹に炸裂した。

 

「がっ!?」

 

それによりアナザーブラックは今まで感じた事もない痛みに声を漏らす。

 

(何だこの痛みは……!?たかが野球ボール如きに私にダメージを与えただと……!?)

 

驚いた後に脇腹を見て、ボールが当たった箇所が焼かれた様に傷がついている事に気づく。

 

「虫ケラの癖に私の体に傷を付けるなど……許さんぞ!!」

 

たかが小娘と思っていた愛香に傷を付けられて怒りを抱くアナザーブラックを見ながら愛香は空と合流する。

 

愛香「晴渡さん、無茶し過ぎよ。何でこんな事をしたの!?」

 

空「あの怪物を見ていたらある感情を抱きました。あの怪物はほっといてはいけないと……」

 

怒った愛香は空の返答に戸惑う。

 

愛香「怪物をほっとけない………それってどういう事……」

 

戸惑いながら愛香は空と共に自分達を睨むアナザーブラックを見る。

 

(私に傷を与えたあの女の背負っているバッグ……何やら不快な気配を感じる……)

 

そんなアナザーブラックは愛香を、特に彼女が背負っているバッグを見ていた。

 

(もしもこの不快な気配が、私が感じ取った消し去る力ならば、あの女は始末する必要があるな)

 

眼を鋭くさせてアナザーブラックは殺気を強める。

 

先程よりも強く感じる殺気に問答してる時間はないと感じる。

 

愛香「ほっとけない理由を聞きたいけど、今はこの場から逃げるわよ!」

 

空「ですが、当てもなく逃げたら他の人を危険な目に遭わせてしまう可能性が!」

 

そうだけども!!と空に逃げようと言って返された事に愛香は呻きながら、アナザーブラックが放った黒い雷を一緒に避けながら走り回る。

 

「逃げるな!逃げるな!逃げるな!」

 

愛香「逃げる決まっているでしょう!!」

 

ブラックサンダーを悉く回避する愛香と空を見て苛立ち叫ぶアナザーブラックに愛香は怒鳴り返す。

 

空「どうします先輩!?」

 

愛香「いやホントにこれどうしよう!!」

 

聞く空に愛香も心底困り果てていると、アナザーブラックに向けて銃弾が飛んで来て、着弾した銃弾でアナザーブラックの体に火花が走る。

 

突然の事に愛香は誰がと思って銃弾が飛んで来た方を見ると自分達の方へ駆けて来る3人の男性を視認する。

 

その3人は愛香と空を助けに先行して来た『テイルズディフェンド』の兵士達であった。

 

兵士A「居たぞ!」

 

兵士B「怪物め、好き勝手するのは其処までだ!」

 

兵士C「要救助者を発見!こっちだ!」

 

呼びかけながらアナザーブラックへと攻撃を仕掛ける集団に愛香と空は走る。

 

「あの時の奴等の仲間か、そんなにやられたいのなら貴様等から葬ってやろう!!」

 

そんな『テイルズディフェンド』の兵士達にアナザーブラックは2人から3人の兵士達に標的を変えて黒い雷を放つ。

 

飛んで来た黒い雷を『テイルズディフェンド』の兵士達はビームシールドで防ぐ。

 

兵士A「?……あれは……」

 

防ぎながら兵士の1人は先程愛香が投げたボールを受けて焼け焦げたアナザーブラックの脇腹に気づく。

 

それにより他の兵士達も気づく。

 

兵士B「(誰かがあの怪物にダメージを与えたのか?)あの焦げている所を集中的に狙う!」

 

兵士A「了解!カバーは任せろ!」

 

すぐさま兵士達は防ぐ者と攻撃する者で別れ、攻撃する兵士はライフルを手に愛香が投げたボールを受けた箇所に集中攻撃を開始する。

 

アナザーブラックが兵士達の攻撃を受けてる隙に愛香と空は攻撃に参加していない兵士と合流する。

 

兵士C「君達、ケガはないか?」

 

愛香「あ、はい。私も彼女も、特に怪我はしていません」

 

良かったと安堵した後に兵士は続ける。

 

兵士C「後は我々が何とかする。君達は早くこの場から離れるんだ。なあに、もう少ししたら我々の本隊が合流する。心配はしないでくれ」

 

安心させる様に言う兵士だが、空と愛香は不安であった。

 

空(助かったのは良いけど、先ほどの怪物の発した言葉からしてこの人達でも対処できない可能性が高いと言う事では……)

 

愛香(ヤバいわね……嫌な感じが全然消えないわ……)

 

このまま大丈夫なのだろうかと思っていた時……

 

「ええい!鬱陶しいわ!」

 

銃撃を弾いてからアナザーブラックは兵士にさ、早くと促されて空と離れようとしてる愛香へ視線を向けて、掌に黒い光を帯びさせて……

 

「これでも食らえ!!」

 

黒い拳圧を放った。

 

兵士A「っ!」

 

黒い拳圧に兵士達はビームシールドで防ごうとするがその拳圧は『テイルズディフェンド』の兵士を通り過ぎる。

 

兵士B「?どこを攻撃してるんだ?」

 

兵士A「いかん!避けろ!!」

 

訝しんだ兵士は別の兵士の言葉に慌てて拳圧が飛んで行く方へ顔を向ける。

 

そう、アナザーブラックが放った攻撃が向かっているのは、愛香であった。

 

空「!?月影先輩危ない!!」

 

愛香「きゃあ!?」

 

セッビィ「ビッ!?」

 

それに気づいた空が慌てて愛香を横から押し倒して拳圧を避ける。

 

避難を促していた兵士が慌てて2人を守る為にビームシールドを構える。

 

空「だ、大丈夫ですか月影先輩?」

 

愛香「え、ええ、晴渡さんのお陰で無事よ」

 

良かった……空は安堵した後にふと、愛香の背負っているバッグに目を向ける。

 

空「うっ!?」

 

刹那、空は頭痛に襲われ、ある光景が脳内を過る。

 

紫髪の赤ん坊の女の子……

 

姿を変えるオレンジ色の衣装を着た少年とピンク色の衣装を着た成人女性……

 

そして……髪が変化し、白い衣装を纏うましろ……

 

空(こ、これは一体……あの赤ん坊の女の子……男の子と女性の人……なぜましろさんの姿が変わって……)

 

戸惑っている間、次に脳裏をよぎったのは……姿を変える自分であった。

 

空(どうして、私はこの光景を……知らない筈なのに知っている……)

 

何が起きているのか空が戸惑っている間、愛香のバッグの中にいるセッビィは慌てていた。

 

セッビィ(あわわわわ!?どうするビィどうするビィ!?このままだとヤバいビィ!?)

 

バッグ越しからでもアナザーブラックから向けられた殺気を感じ取ったセッビィはなぜ向けられてるのかに慌てて、気づいた。

 

自分の持つ袋が光っており、慌てて中を見るとメサイアレンスが輝いていた。

 

セッビィ(メサイアレンスが強く反応してるビィ!?これはもしかするビィ!!)

 

ならばとセッビィはテレパシーを放つ。

 

セッビィ(愛香!バッグを開けてオイラを出して欲しいビィ!!早く!!)

 

愛香(えぇ!?今の状況じゃあ危ないわよ!?)

 

戸惑う愛香に早く!!とセッビィは急かす。

 

愛香(そうする事で、この状況をなんとかできるのよね……分かったわ)

 

セッビィに言われた愛香はバッグを開け、セッビィを出す。

 

兵士A「なんだあの鳥は?」

 

兵士B「地球上の鳥ではないぞあれ……」

 

現れたセッビィに兵士達が戸惑う中、アナザーブラックはセッビィを睨む。

 

「あいつか!あの鳥から不快な気配を感じる!あの鳥を消し去らなければならん!」

 

不快な気配を感じたアナザーブラックはセッビィに向けて突撃する。

 

そんなアナザーブラックの進行をビームシールドを構えた兵士が立ち塞がって抑える。

 

兵士C「先には行かせないぞアナザープリキュア!」

 

「雑魚の癖に私を抑える気か!無駄な事を」

 

アナザーブラックは兵士Cが仕掛けたシールドバッシュを突破しようと力を籠める。

 

それにより兵士Cは踏ん張り切れずに押されそうになったが空が咄嗟に兵士Cのフォローに入る。

 

空「ぐっ!」

 

「邪魔をするな!!」

 

空もろとも兵士を吹っ飛ばそうとするアナザーブラックを見ながら愛香は慌ててセッビィに問う。

 

愛香「セッビィ、一体どうするの!?」

 

セッビィ「愛香、君にあの怪物を倒す力を与えるビィ」

 

そう言ってセッビィは首に掛けたバッグから輝いているメサイアレンスを取り出して愛香に渡す。

 

するとメサイアレンスはその輝きをさらに強める。

 

セッビィ「やったビィ!愛香がメサイアレンスの使い手だったビィ!」

 

愛香「私が……セッビィ、次はどうするの?」

 

喜んでいたセッビィはそうだったビィと愛香に言われて続ける。

 

セッビィ「次はメサイアレンスを掲げてプリキュア・メサイア・アドヴェントを言うんだビィ!そうすればアナザープリキュアと言う怪物に対抗出来るビィ!!」

 

愛香「此を掲げて変身コードを言えば良いのね!」

 

変身プロセスを聞いた愛香は目を閉じ、すうと深呼吸する。

 

そして目を見開き、メサイアレンスを掲げ、変身コードを叫ぶ。

 

「プリキュア・メサイア・アドヴェント!!」

 

掲げられたメサイアレンスから光りが溢れ出し、愛香を包み込む。

 

光りに包まれた愛香は不思議な空間へ誘われ、愛香の全身に光が包まれる。

 

愛香が腕を上げるとセーラー服の袖口のボタンが外れ、セーラー服は上から捲りあげり、首から抜かれて愛香から離れると消えて愛香の上は所謂スリップのみの格好になる。

 

両手で豊満な胸を寄せた後にスカートのファスナーが降ろされ、ホックが勝手に外れてスカートが下に落ちて霧散する。

 

スリップ姿の愛香が脚をY字バランス見たく伸ばすと靴と靴下が自動的に脱げ、腕を下ろすと、スリップのヒモが降ろされて下に落ちて、スリップも霧散し、愛香は白いブラとショーツだけの姿になる

 

前屈みになり谷間を寄せるポーズを取るとブラのホックが独りでに外れ、ストラップがずれてブラがずれ落ち、愛香の胸が晒されるが愛香は両手を交差して胸を隠して手ブラ状態になった後に愛香は後ろに向いて、尻を見せるポーズをするとショーツが勝手に下ろされる。

 

その際に尻が晒され、ショーツの下の股間が晒されかけたが愛香は片手で胸を隠し、もう片方を股間の方に伸ばして、股間を隠すとショーツが足首か抜かれて消え、愛香は全裸になる。

 

全裸状態の愛香は片膝を上げ、身体をイナバウアー風のポーズを取ると愛香の腰部分に光が集まりショーツが形成される。

 

ショーツは白いリボンがアクセントになってるピンクのフリル付きのフルバックのビキニショーツで、花の刺繍がしてある。

 

パンイチ姿で体勢を直し、腰に両手を当てるポーズをして、後ろに向いてショーツに包まれた尻を見せて食い込みを直してから前に振り向く。

 

両手で胸を触り、一回胸を揉んでから両手を後ろに回した状態でGカップの胸を露わになった胸を見せると胸に光が集まり、ブラが形成される。

 

ブラは白いリボンがアクセントになっており、ピンクのストラップありのフルカップブラで、フリルと花柄の刺繍がされている。

 

再び下着姿になった愛香は前屈みで胸を突き出した状態で投げキッスをしてから両手を頭に乗せ、胸を強調するポーズをとってから脚を交差するポーズをするとニーソが形成され、形成されたニーソを手で撫でるとニーソの上にブーツが形成され、愛香は体を一回転させると腰にスカートが形成され、前に翻してスカートの中のショーツを見せつける様に着地すると足首に金属パーツがつき、宙返りして再度ショーツを見せるとショーツの上にスパッツが形成され、そのスカートの上にホルスター付きのベルトが装着される。

 

腕を水平にするをとるとロンググローブが形成、その状態で腕を交差するとその上に腕輪が形成され、斜めに広げて手を広げるポーズを取ると腕にウルトラブレスレットに似たパーツが形成し、二の腕にアームバングルが形成される。

 

ブラだけの胸に胸元が開いた襟立てワンピースが形成され、見せブラをしたあとワンピースの前を閉じるとワンピースの上にベストが形成され、肩にパフスリーブを形成し、背中にマントが形成され、胸の真ん中に花びらをもした装飾がついた水晶付きのリボンがつく。

 

愛香のロングヘアは金髪に変化してかきあげると耳に水晶のイヤリングが付き、愛香の口に口紅、目にアイシャドウが施され、顔を隠す様に真ん中にハートの水晶、サイドに金属製の羽根が付いたバイザーマスクを装着される

 

最後に変身アイテムのメサイアレンスは腰に格納され、変身が完了する。

 

「邪魔だ!」

 

「「うわ!?/きゃあ!?」」

 

直後にアナザーブラックは兵士Cと空を吹き飛ばして愛香に拳を振り下ろそうとし……

 

「ぐはっ!」

 

愛香を包んでいた強い光が弾け飛んだ際の衝撃で吹き飛ばされる。

 

変身を終えて着地した愛香はアナザーブラックをみつめる。

 

「その姿は……貴様は、何者だ!?」

 

「なら教えるわ。我が名は……」

 

起き上がったアナザーブラックの問いに愛香は、新たなプリキュアは名を告げる。

 

「魔を祓う救世主!キュアメサイア!!」

 

自身を広く知れ渡らせる様に名を名乗ると共に決めポーズを取った。

 

威風堂々に佇むキュアメサイアを兵士や空は驚いた顔で見る。

 

兵士A「プリキュアがいない筈の世界で……!?」

 

兵士B「プリキュアが……!?」

 

兵士C「誕生した……!?」

 

空「キュア、メサイア……!?」

 

誰もが見ている中でキュアメサイアはファイティングポーズを取る。

 

 




次回、キュアメサイア対アナザーブラック

そして………少女は復活する


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救世主の戦いと復活の青空

アナザーブラックに立ち向かうキュアメサイアとテイルズディフェンド

だがアナザーブラックの更なる力によって窮地にたたされる

窮地に立つその時、青空のプリキュアが復活を遂げる


 

学園内に侵入し、愛香や空達に襲いかかるアナザーブラック。

だが愛香はセッビィが持っていたメサイアレンスを渡され、それを使ってキュアメサイアに変身し、アナザーブラックと対峙する

 

 

────

 

メサイア「凄い……体から力が凄く湧き上がって来る」

 

自身の手を見てグッパしながらメサイアは自身の体の中に湧き上がる力を感じる。

 

メサイア「顔にはバイザーマスクを装備しているようね。これなら簡単に正体を特定出来ないわね」

 

自身の顔に装着されたハートと羽根の装飾が付いたバイザーマスクに触れながらメサイアが呟いている中、新たなプリキュアが現れた事にアナザーブラックは苛立ちを抱いていた。

 

「気にくわん!新たなプリキュアだと……ふざけるな!!!」

 

咆哮した後にアナザーブラックはメサイアに向けて突撃し、拳を振り下ろす。

 

「消えろぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

メサイア「ふっ!」

 

向かって来る拳に対し、メサイアは両手で受け止める。

 

「馬鹿な!私の拳を簡単に受け止められただと……!?」

 

まさかあっさりと自身の拳が受け止められた事にアナザーブラックは驚く。

 

メサイア「凄い……これなら!」

 

メサイアはアナザーブラックの拳を勢い良く振り上げ、いきなり腕を万歳する形であげられて硬直するアナザーブラックに向けて右拳を握り締めると先程野球ボールを投げた際に発生した光が握りしめた右拳に宿る。

 

メサイア「さっきのお返しよ!!」

 

メサイアは光を纏った拳でアナザーブラックの無防備な腹部を勢い良く殴る。

 

「がはっ!?」

 

それによりアナザーブラックは吹き飛び、地面を転がった後に咳き込む。

 

腹部はさっき愛香の時に投げたボールが当たった様に焼き焦げていた。

 

プリキュアとして覚醒したからか先ほどよりもダメージが大きい。

 

「有り得ない……私が一方的にやられるなど!」

 

メサイア「残念だけど、今の状態が事実よ」

 

静かに突きつけるメサイアにアナザーブラックは焦る。

 

「(奴の力は危険だ。まだ力を完全に扱えていない今の内に奴を倒さなければ……!)うぉぉぉぉぉ!!」

 

咆哮するとアナザーブラックはメサイアに向けて拳の連撃を放つ。

 

向かって来る連撃をメサイアは回避していく。

 

そんなメサイアへとセッビィがテレパシーで語り掛ける。

 

セッビィ(気をつけるビィメサイア!なんだかアナザーブラックの力が強まってるビィ!)

 

メサイア(分かったわセッビィ)

 

セッビィのテレパシーを聞いたメサイアは攻撃を避けながらアナザーブラックへと攻撃を仕掛けてダメージを与えていく。

 

兵士A「凄いな……俺達では歯が立たなかったアナザーブラックに確実にダメージを与えている……」

 

兵士B「これが()()()()()()()か……」

 

『テイルズディフェンド』の兵士達はアナザーブラックに対抗できるメサイアの雄姿を見て驚きを隠せずに居た。

 

空「月影先輩が特撮やアニメに出そうな変身ヒロインになるなんて……(なぜだろう。あの光景、私は何処かで見た気がする……)

 

同じ様に見ていた空は再び痛み出した頭を抑えながら自分に起こりし違和感に戸惑う。

 

空が違和感を感じる中、アナザーブラックは右手に黒い光を纏わせる。

 

「調子に乗るな小娘!!ブラックサンダー!」

 

アナザーブラックは右手からブラックサンダーをメサイアに向けて放つ。

 

メサイア「さっきまで晴渡さんを攻撃していたあなたに言われたくないわね!」

 

ブラックサンダーを見てメサイアは右手に光を纏い……

 

メサイア「悪しき雷は此で防ぐ!プリキュア・メサイアシールド!」

 

メサイアは右手を前に突き出すと目の前に光の盾を作り出す。

 

作り出された光の盾はアナザーブラックのブラックサンダーを防ぐ。

 

「数多の英雄を屠ったブラックサンダーが、いとも簡単に防がれただと!?」

 

ブラックサンダーが防がれた事にアナザーブラックは驚愕する。

 

その様子を兵士達は見逃さなかった

 

兵士A「相手の動きが止まった!キュアメサイアを援護するぞ!」

 

兵士B「狙うは腹部だ!其処を集中攻撃だ!」

 

ガトリング砲を取り出した兵士達は一斉にアナザーブラックの腹部に集中攻撃する。

 

「ぬぅぅぅ!好き勝手やりやがって!」

 

メサイアによって焼け焦げた腹部に集中攻撃されている事にアナザーブラックは苛立って弾き飛ばす。

 

自分達の攻撃ではダメージを与えられないのは兵士達にとって百も承知だ。

 

動きを封じれれば良いのだから……

 

メサイア「そっちを見てる暇があるのかしら」

 

そんなアナザーブラックをみつえながらメサイアは自身の掌に新体操に使われるボールと同じ大きさを持った光球を生成し……

 

メサイア「放て!プリキュア・メサイアレイボール!」

 

アナザーブラックへ光球を勢い良く投げる。

 

「ぬっ!?」

 

飛んで来るレイボールにアナザーブラックは回避しようとするが、プリキュアになった事で先ほどよりも速さが違い、アナザーブラックの右肩に炸裂する。

 

「がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

命中した右肩部分が焼け焦げると共に右腕は地面に落ちる。

 

腕を失った右肩を抑えながらアナザーブラックはキュアメサイアを憎しみの籠った目線で見る。

 

「よくも私の右腕を……!!!許さん!許さんぞキュアメサイア!!貴様は絶対に許さんぞ!!!」

 

怒りの雄叫びを上げて黒いオーラを発する。

 

メサイア(あの感じ、あんまり長引かせない方が良いわね……)

 

黒いオーラを放ち始めたアナザーブラックを見て、メサイアはそう考えながら右手に光の鞭を出す。

 

メサイア「次はこれを受けなさい!プリキュア・メサイアウィップ!」

 

連続で振るわれる光の鞭はアナザーブラックの体にドンドンダメージを与えていく。

 

「ぬぅぅぅぅ!!」

 

メサイア「足元がお留守よ!」

 

これ以上はと腕でガードし始めた事で動きが止まったアナザーブラックの脚にメサイアはメサイアウィップを絡ませた後、バランスを崩させて転倒させる。

 

メサイア「今!プリキュア・メサイアレイリング!」

 

転倒したアナザーブラックへメサイアは光のリングを複数投擲し、腕や足を拘束して動けなくする。

 

「くっ、ぬ、抜けん!!!」

 

メサイア「そう簡単には抜け出せない様にしたからね」

 

おのれ!と抜け出そうと力を入れるアナザーブラックだが、光のリングは壊れず、逆に小さくなってアナザーブラックを締め付ける。

 

「がああああああああああああああ!?」

 

リングに締め付けられアナザーブラックは呻き悶える。

 

セッビィ「今だビィ!必殺技で浄化するビィ!

 

メサイア「分かったわ!」

 

拘束されて身動きが取れないアナザーブラックに対し、セッビィは叫び、力強く返したメサイアは集中する。

 

これで決まると兵士達も確信する中、空だけは嫌な予感を感じずにはいられなかった。

 

空(これで決まる……ホントにそうなんでしょうか?)

 

不安を隠し切れない中、メサイアはまず腕を交差した後、手に光を集め、光りを収束した手をアナザーブラックの方に向け……

 

メサイア「放て!プリキュア・メサイアレイブラスト!

 

ピンクの浄化光線、メサイア・レイブラストが放たれる。

 

片腕を失い、両脚と体をレイリングで拘束されたアナザーブラックに迫る。

 

兵士A「あの光線なら、流石のアナザープリキュアも受けたらひとたまりも無いな!」

 

兵士B「ああ、相手は身動きが取れない以上、攻撃は避けられない……!」

 

兵士達が勝利を確信する中、アナザーブラックは怒りを滾らせる。

 

「この私が負けるだと……巫山戯るな!私は、私達は最強にして無敵の存在!!ぽっと出のプリキュアに倒されるなど、あってたまるか!!!

 

アナザーブラックは怒りの咆哮をあげると共に黒いオーラと共に衝撃波となり、レイブラストと衝突して相殺すると共に自身の体を拘束していたレイリングを破壊するとアナザーブラックは黒いオーラに包まれる。

 

メサイア「必殺技が相殺された!?」

 

まさか必殺技を相殺された事にメサイアは動揺する中、兵士達は黒いオーラに包まれたアナザーブラックの変化に気づく

 

兵士A「お、おい、黒いオーラの中にいる怪物の姿が変わっているぞ!?」

 

兵士B「な、何が起こってるんだ!?」

 

黒いオーラによりシルエットとなっているアナザーブラックの体格が変化し、ドンドン縮んで行ってるのに驚く中、空は黒いオーラが出てから頭を押さえていた。

 

空(あの黒いオーラ……なぜでしょう。私は、あれをどこかで見た事ある……?)

 

「お前達!!」

 

アナザーブラックの変化に誰もが戸惑っているとそこに東堂達が来る。

 

キュアメサイアや黒いオーラに包まれているアナザーブラックに東堂は驚いているとアナザーブラックを包んでいた黒いオーラが弾け飛ぶ。

 

誰もがその際に起きた衝撃で身を護り、収まった後に黒いオーラがあった場所を見て驚く。

 

そこにいたのは、女の子であった。

 

拓也「お、女の子?」

 

律子「どうして、ここに?」

 

黒いオーラから出て来たのに拓也と律子は戸惑う中、東堂達は違った。

 

東堂「なっ!?キュアブラックだと!?」

 

兵士A「あ、アナザープリキュアがプリキュアに!?」

 

兵士B「だ、だが、少し見た目が違う……!?」

 

兵士C「ああ、あれではまるで少女アニメに出る鬼女の様だ……!?」

 

なんだと!?と東堂は佇む存在が元々アナザーブラックだと言うのに驚いた後よく見る。

 

黒いオーラから出て来たアナザーブラックの見た目がほぼキュアブラックとなっていた。

 

ただ、本来のキュアブラックと違い、肌の色が薄い赤で腕と足がマッシブながら女らしさが消えていない体格をしており、頭には小さい赤い角が二本生えており、纏っていたコスチュームは所々ボロボロになっており、その胸元に2004の数字とBLACKの文字が書いてあった。

 

まるでモンスター娘の様だと東堂は思う中、新たな姿となった自分の体の調子を確かめる様にアナザーブラックは首を回し、手をグッパした後にメサイアに憎悪の視線を向ける。

 

「姿が変わったおかげで身体の損傷が治ったばかりか調子も良い……今度は私の番だ。覚悟は良いか!」

 

咆哮と共にアナザーブラックは先ほどと打って変わって素早い動きでメサイアに接近するとパンチを繰り出し、メサイアは咄嗟にボクシングのピーカブースタイルで防御態勢を取るとパンチを受け止めるが衝撃がメサイアの体に響く。

 

受け止めたパンチの衝撃にメサイアは呻きながら連続で放たれるパンチを受け止め続ける。

 

メサイア(見た目が変わった以外に力もさっきより高い……無茶ぶりかもしれないけど、せめてもう一人居てくれれば……っ!)

 

アナザーブラックの猛攻の前にメサイアは防戦を強いられながらそう思いつつ、目の端に映ったアナザーブラックの黒いオーラについて思わず考える。

 

メサイア(あの黒いオーラ……私が見た奇妙な夢で会ったキュアブラックとキュアホワイトも黒いオーラを纏っていた……まさか、アナザーブラックの正体は……)

 

「考え事をしてる余裕があるかな!!!」

 

そんなメサイアがアナザーブラックの正体は何か考えようとした所でアナザーブラックあメサイアに対し、強烈な一撃を放とうと拳に黒い光が纏い……

 

「死ぬがいい!!」

 

腕のガードを吹き飛ばして無防備になったメサイアの腹部にアナザーブラックは黒い光を纏った掌底を叩き込む。

 

メサイア「ガハッ!?」

 

アナザーブラックの掌底を喰らったメサイアは息を吐き出し、地面を転がりながら受け身を取り、態勢を整える。

 

メサイア「げほ、こほ!(危なかった……プリキュアに変身してなかったら絶対にあの世行きだった……っ)」

 

咳き込んだ後に口元を拭い、腹部を抑えながらメサイアは何とか立ち上がる。

 

東堂「……お前達!何とか彼女にアナザーブラックを攻撃できるチャンスを作るんだ!」

 

兵士A「了解しました東堂さん!」

 

兵士B「キュアメサイアが何とか攻撃出来るチャンスを作ります!」

 

その様子を見ていた東堂は兵士達にメサイアが攻撃出来るチャンスを作るよう命令し、兵士達もメサイアが攻勢に出れるようアナザーブラックに攻撃を開始するが……

 

「ふん」

 

片手で出した雷の障壁に防がれる。

 

「そんな攻撃で私を止められると思うな!」

 

そのまま雷を飛ばし、防ごうとした兵士達だが雷は兵士達の手前の地面に着弾し、それにより起きた衝撃で吹き飛ばされる。

 

「「「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」」」

 

直撃をしていないとはいえ、衝撃の威力に倒れて呻く兵士達に東堂はくっ!と顔を歪める。

 

東堂(なんてことだ……プリキュアの姿に近くなったアナザーブラックがここまで強いとは!)

 

メサイア(今の状況じゃあ目の前の奴に勝てない。どうすれば……)

 

再び余裕の笑みを浮かばせるアナザーブラックに東堂とメサイアは焦りを抱く。

 

空(このままでは月影先輩が危ない……けど()()()に何が出来るのか……今の、私……っ!?)

 

そんなメサイアに空は手を握り締め、悔しさを感じた瞬間、違和感を抱くとと共に再び謎の頭痛に襲われる。

 

その際、メサイアの姿がある存在と被る。

 

青い衣装にマントを羽織り、長い髪をポニーテールにした女性にソラは懐かしさを覚える。

 

空(あの女性は……何処かで見た気がする)

 

その懐かしさに空はどうしてだろうかと疑問を抱いた時……

 

(助けて…………)

 

空「えっ?」

 

空の脳内に助けを求める声が響く。

 

空「今の声は……?」

 

戸惑う空は思わず辺りを見渡す。

 

そんな空の近くにメサイアが吹き飛ばされて来る。

 

メサイア「くっ!?」

 

「中々倒れぬか、何故お前は私に刃向かう?プリキュアなりたての癖になぜ立ち向かおうとする」

 

倒れるメサイアにアナザーブラックはゆっくり近づきながら問う。

 

それに対し、メサイアは立ち上がりながらみつめる。

 

メサイア「お生憎様……私は諦める気なんて更々無い……何故なら……相手が強大な相手であろうと、正しい事を最後までやりぬく……それが、私のヒーローとしての信念だから!」

 

決して諦めないと強く告げるメサイアの言葉に空の脳裏にある言葉が浮かんだ。

 

ー相手がどんなに強くても、正しい事を最後までやりぬく。それがヒーロー!ー

 

空(この言葉……私は、知っている……ううん。知っていて当然!そうだ!この言葉は……私の、ヒーローとしての信念!)

 

それにより空は決意の籠った目でアナザーブラックへ向けて歩き出す。

 

そんな空を止めようとしたメサイアは彼女の姿が再び変わるのを目にすると同時に、空の胸元に光りが集まりだすのを目にする。

 

空は自身の胸元に集まった光に右手を翳すと光の中からある物が現れて空の手に握られる。

 

それは先が大きく、緑色に光るペンであった。

 

空「このペンは……っ!」

 

自分の手にあるペンを見て空の脳裏には様々な光景が浮かびあがる。

 

赤ちゃんを連れ去る金髪の少女。

 

邪悪なオーラと禍々しい服を纏い、都市に破壊行為をするましろ達。

 

そんなましろ達を止めようとするが返り討ちに遭い、ピンチになる姿が違う自分。

 

トドメを刺されそうになった所、突如変身が解けると共に今までの記憶を失い戸惑うましろ達を迫害する黒いオーラを纏った住民達。

 

助けようとした所、赤ちゃんを連れ去った金髪の少女により鏡の墓標が沢山ある場所に強制的に跳ばされ、自分以外の3人を鏡の墓標に閉じ込められ、閉じ込められそうだったましろを助けようとした自身は金髪の少女に妨害され、拘束される光景。

 

動けない自分から金髪の少女が力と今までの記憶を消そうとし、完全に消される前に命からがら何とか逃げ出した後、意識を失う寸前で心配そうに駆け寄って来るましろを見て安堵して意識を失う自分。

 

空「そうだ……私はあの女の子によって……」

 

「そ、それは!?まさか!?

 

全てを思い出した空の手にあるペンを見てアナザーブラックは驚く中、メサイアの右手首に付いたブレスレットに今度は光が集まり、光は少女の顔が描かれた1つのメダルとなる。

 

メサイア「これは!?」

 

現れたメダルはブレスレットに装填され、それと共にメサイアの脳裏にあるコードが浮かび上がる。

 

メサイア「サモン!ヒーローパワー!!

 

コードを唱えるとメダルが強く輝き、メダルから光の球が放たれて空に向かって行く。

 

飛んで来る光の球を空は振り返ると共に左手で掴み取るとそれは上部分にハート、右斜め上に鳥の羽の様な突起が付いた水色のアイテムとなる。

 

たじろくアナザーブラックをみつめて空はペンとアイテムを構えて目の前の恐怖に立ち向かい、自身を鼓舞する言葉を放つ。

 

空「ヒーローの出番です!!

 

空の周りが光りに包まれ、異空間へと変わる。

 

その空間内で羽ペンのようなものの上部が左右に広がり、その中にあった緑色の光によってペンからマイクの様なアイテムに変わる。

 

そのアイテムを空が握ると彼女の服は一瞬で光で形成されたノースリーブのワンピースに変化する。

 

空「スカイミラージュ!

 

空はスカイミラージュを前に向けると左手に握っているアイテム、スカイトーンの右斜め上の突起を下げ……

 

空「トーンコネクト!

 

スカイミラージュの円形部分の下部にセットするとスカイトーンの突起が元の部分に戻ると共に円形部分が緑色の光を放ち回転する。

 

空「ひろがるチェンジ!

 

掛け声の後にスカイミラージュのスカイトーンを付けた下にあるボタンを押し……

 

空「スカイ♪

 

マイクの様に構えて言うとスカイミラージュにSKYの文字が浮かぶ。

 

直後、空間は円形のライブステージの様な足場がある空間へと変わる。

 

降り立とうとしてる最中に空の髪は伸びると共に先っぽがピンクのグラデがかかった水色のツインテールに変化し、ステージに降り立った瞬間にジャンプすると脚にシューズが形成される。

 

空「ひらめきホップ♪

 

HOP

 

ステージにHOPの文字が出てから空は飛び上がるとツインテールの根元部分に翼を模したリボンが装着され、左耳に金色のイヤーカフ、右耳には青い球のイヤリングが形成されて、空は光の円形の足場に跳ね回りながら着地する。

 

空「さわやかステップ♪

 

STEP

 

ステージにSTEPの文字が出ると空のワンピースがスカートとお腹部分が青で上が白のワンピースドレスに変化し、脚にはニーソが形成される。

 

空「はればれジャンプ♪

 

JUMP

 

ステージにJUMPの文字が出ると空の腕は光に包まれ、空が手拍子すると光は手の甲部分にハートの装飾が付いたオープンフィンガーグローブへと変わり、最後に左肩を撫でると左腕から左肩にかけて外側が青、内側が赤の高貴なマントが形成される。

 

ウィンクをして変身を終えた空は元の場所に降り立つ。

 

律子「晴渡さんが……!?」

 

拓也「変身した!?」

 

詩嶋「綺麗……」

 

降り立った空を見てアナザーブラックは恐れを抱いた様子で後ずさる。

 

「なぜだ……なぜ、なぜ存在するのだ!?」

 

信じられないと叫ぶアナザーブラックに対し、空は、そのプリキュアは名乗り上げる。

 

無限に広がる青い空!キュアスカイ!

 

力強くポーズを取ったキュアスカイを誰もが見る。

 

メサイア(そうか、私がさっき晴渡さんと被って見えたのは、晴渡さんがプリキュアに変身した姿だったのね)

 

目の前で佇むスカイに対し、メサイアは先ほど見えたのに納得してからましろを思い出す。

 

メサイア「(それじゃあ……虹ヶ丘さんもプリキュアだったって事?……しかも今のアナザーブラックの反応からするとプリキュアは本来は存在しないものだと見ていた……)

 

考えれば考える程、謎が増えてしまうので今は置いとく事にしてメサイアはスカイと並ぶ。

 

メサイア「キュアスカイと言ったよね」

 

スカイ「はい」

 

頷いたスカイにメサイアは手を伸ばす

 

メサイア「初変身して早々悪いけど、アナザーブラックを止めるの手伝ってくれない?」

 

スカイ「もちろんです!プリキュアに似た怪物を放置する訳にはいきません!」

 

メサイアの願いを了承してから握手を交わしたスカイは思いだした記憶と照らし合わせて、ここは別世界かと考える。

 

スカイ(私の勉強不足かもしれないけど、ましろさんから教えて貰った中で墨村市と言うのは聞いた覚えがない……あの時ので、私はまた別の世界に来てしまったのでしょうか……)

 

いけないと頭を振ってから今はアナザーブラックが優先だとスカイは意識を切り替えて、メサイアと共にアナザーブラックに視線を向ける

 

メサイア「ここからの私は本気MAXよ!

 

スカイ「これ以上はもうさせません!

 

今、暗雲を晴らし、青空へ導くヒーローが復活を果たし、救世主と並び立った。

 

────

 

そんな二人を、ビルの屋上から赤い長髪をたなびかせながら見ている女性が一人。

 

「クハ……」

 

しばらく見ていたそれは、顔に酷く愉しそうに狂笑を浮かべた

 

「ハハハハハハハハハハハハッ!!!ハーッハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!見つけた見つけた見つけた見つけたぞっ!オレを滅する光の勇者(ジークフリート)よ!」

 

自身の武器である二対の篭手剣を取り落としながらも少女は笑う。まるで待ち焦がれた人にあったかのように身体を震わせる

 

「あぁ、今すぐお前のところに喰らいつきたい。そして、その剣でこの身を抉られ貫かれたい。否ッ、お前が欲しい、誰にも渡さんッ己の獲物(もの)だ!」

 

そう、たとえ英雄の紛い物(アナザープリキュア)だろうが今の自身の同胞ら(終界)だろうが、英雄を消そうとする愚者の集団(キュアイレイズ)だろうが、キュアメサイア(彼女)だけは自分の獲物だ。邪魔するのならばその牙を突き立て蹂躙するのみ

 

「っと行けねぇ、つい興奮しちまった。タルタロスの嬢ちゃんから手は出すなって言われたからなぁ……あぁ惜しい、惜しいなぁ…」

 

今まで浮かべていた狂笑は突如消え、その顔は歴戦の戦士を思わせる風貌となっていた。

 

「今はまだ、手出しはしねぇ。まずはお手並み拝見と言ったところか?もしこの場で倒れるってーならそこまでのヤツだったことだ。が、もし勝利し様々な戦いを得てきたその時は――」

 

“このオレが、本気でお前の試練として立ち塞がろう”

 

そう言って、邪竜(ファブニール)の名を冠するプリキュアはギザ歯をちらつかせながら先ほどの狂笑とは違う笑みを浮かべた

 

────

 

一方、赤い髪の女性が居たビルの反対方向にあるビルの屋上に愛香が夢で出会った金髪の少女、キュアトゥモローがいた。

 

トゥモロー(あの時、プリキュア墓場に迷い込んでいた少女がプリキュアに覚醒し……私の手で力を取り上げて残滓レベルまでに記憶を消し、普通の女の子になった筈の晴渡空(ソラ・ハレワタール)が再びプリキュアになるなんて……)

 

トゥモローはメサイアとスカイを見て苛立ちを抱いていた。

 

先ほどハリーに確認したら彼女のミラージュペンとスカイトーンが消えていたと連絡が来たのも相まってメサイアがプリキュアを復活させる可能性も持っている事に危機感と焦りを抱く。

 

トゥモロー「世界の殺戮者(プリキュア)を復活させる可能性のあるキュアメサイア、彼女を抹殺しなければ全ての世界は破滅する事になる。何とかしないと……」

 

メサイアを何とかしなければ自身の目的が達成が出来なくなることに危機感と焦りを抱きながら二人のプリキュアを見るトゥモロー……

 

だが、彼女は後に思い知らされる事になる。

 

プリキュアの抹殺を許さない者がかなり居ることを……

 

そして、キュアトゥモローのやり方が間違っていると看做する者が居ることを……

 

 




次回、キュアメサイア&キュアスカイ対アナザーブラック


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決着!アナザーブラック!

復活したスカイと共にアナザーブラックに立ち向かうメサイア

スカイとメサイアに二つの力を交わりし力が発現する


 

キュアメサイアに覚醒した愛香はアナザーブラックに対し優勢に進んでいた。

だがキュアメサイアによってプライドを酷く傷つけられたアナザーブラックは怒りによって鬼の特徴を持った少女の姿になり、キュアメサイアを窮地に陥らされた。

そんな中、空はキュアメサイアの戦いを見て失った記憶を思い出しキュアスカイとして復活を遂げた。

キュアスカイを加えてキュアメサイアはアナザーブラックに立ち向かう

 

────

 

「気に入らん!何故あいつらが許されて私達は許されないのかを」

 

メサイアだけでなくスカイが現れた事でアナザーブラックの怒りは更に増していた。

 

メサイア(?私達は許されない?どういう意味かしら……)」

 

「死ねいプリキュア!」

 

そんなアナザーブラックが言った事にメサイアは疑問に思ったが豪腕を振るって襲い掛かって来たのでスカイと共に豪腕をジャンプで回避する。

 

メサイア(さっきの勢いがスカイが出た事で失っているのもあって読みやすい!)

 

そのままメサイアとスカイはアナザーブラックに向けて同時に飛び蹴りを浴びせる。

 

「がはっ!?」

 

踏ん張ろうとしたアナザーブラックだったが2人の同時攻撃に耐え切れずに吹き飛ばされ、途中体勢を整える。

 

「ぐぅぅぅ!このぉぉぉぉぉ!!」

 

先程と打って変わって怒りに身を任せてアナザーブラックはメサイア達に駆け出す。

 

スカイ「ふっ!」

 

そんなアナザーブラックに対しスカイは独特の構えを取ってから……

 

スカイ「はっ!」

 

正拳突きを繰り出した

 

「うぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

繰り出された正拳突きに対し、アナザーブラックも力任せのパンチで迎え撃ち、スカイの正拳突きとアナザーブラックのパンチが激突する。

 

「ぬぅぅぅぅぅ!!!」

 

スカイ「はぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

お互いに押し返そうと咆哮し……

 

スカイ「はぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

「ガアアアアアアアアア!?」

 

スカイの正拳突きがアナザーブラックのパンチを押し返し、吹き飛ばす。

 

「わ、私の腕が……!?」

 

それによりアナザーブラックは右腕がダランと力が抜けた様に垂れ下がる。

 

「ぐぅよくも我が右腕を……」

 

だらりと下がった右腕を抑えながらアナザーブラックはスカイを睨む。

 

メサイア「私がいる事も忘れないで欲しいわね」

 

そんなアナザーブラックへ右手に光を纏わせたメサイアが攻撃を仕掛ける。

 

メサイア「はっ!」

 

「させるか!」

 

殴りかかるメサイアのに対し、アナザーブラックは自由に動ける左手でメサイアの拳をガードする。

 

「ぬぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!?」

 

が、攻撃を受け止めた左手から痛みが迸り、慌てて振り払うとガードした左手から火傷した様に煙を放つ。

 

「このぉ!ブラックサンダー!!」

 

一度体勢を立て直す為に後ろに下がってから火傷を負った左手でブラックサンダーを放つアナザーブラックへとスカイは放たれたブラックサンダーを潜り抜けて接近し……

 

スカイ「たぁ!!」

 

アナザーブラックの足元にローキックを放って転倒させる。

 

「なっ!?」

 

ローキックを受けたアナザーブラックは転倒し、倒れたアナザーブラックの足首をスカイは掴む。

 

「貴様!何をする気だ!?」

 

スカイ「答えはこれです!大回転プリキュア返し!!」

 

驚くアナザーブラックをスカイは勢い良く回転し、ジャイアンツスイングで勢い良く上空に飛ばす。

 

それにより出来た隙をメサイアは逃さない。

 

メサイア「プリキュア!メサイアレイボール!」

 

光の球、レイボールを生成してアナザーブラックに向けて投げ飛ばし、無防備なアナザーブラックの左腕に炸裂させる。

 

「ギャアアアアアアアアア!」

 

アナザーブラックは激痛に悲鳴を上げながら地面に落下する。

 

セッビィ「メサイア!奴に何か起こる前に決めるビィ!

 

メサイア「確かにそうだけど、必殺技がちゃんと決まるか……」

 

満身創痍なアナザーブラックを見てそう言うセッビィだが、メサイアは先ほどの必殺技を防がれた事で不安を抱いてしまう。そんなメサイアに東堂もまた同じであった。

 

東堂(彼女が不安を抱くのは無理も無い……先ほどの彼女の必殺技は本来なら間違いなく決まっていた……だがアナザーブラックの更なるパワーアップの余波で防がれてしまった故に同じ事が起きるのではないのかと不安が出来てしまっている)

 

今のままではメサイアの必殺技はまた失敗すると感じた東堂は思案する。

 

兵士A「東堂さんどうしますか?今の我々ではアナザーブラックの行動を阻害する事さえも出来ません」

 

兵士B「くそぉ、何か手は無いのか……!?」

 

兵士達も不安そうに東堂へと何か打開策は無いのか問う。

 

暫し無言だった東堂は口を開く。

 

東堂「それなら一つ手はある」

 

兵士C「あるのですか東堂さん!」

 

おお!と声をあげる兵士達だが東堂は渋い顔をする。 

 

東堂「そのアイテムなら既に制作している。だが実戦にはまだ出せれない。まだテストしてないからな」

 

兵士A「ですが、テストをせずに実戦に投入するケースはいくつかあります!今の状況を打開するためにも出すべきです!」

 

兵士B「それに、アナザーブラックが再びあのオーラに包まれて変貌してしまい、さらに強くなってしまったら勝機もありません!」

 

手に持っていたトランクを地面に置きながら言った東堂に対し、兵士達はやるべきだと進言する。

 

目を瞑り、意を決したのかすぐさま開けた東堂は頷く。

 

東堂「そうだな。状況が何時変わるか分からないからな」

 

置いたトランクを開くと東堂はトランクからある物を2つ取り出す。

 

二つのツールは同じでそれを見た拓也や律子は気づく。

 

拓也「あれ、確かウルトラマンジードに出て来たジードライザーに似てるな……」

 

律子「そうね……あの人達はヒーローが使う様なアイテムを独自に開発しているのかしら?」

 

取り出したそれを東堂は動ける兵士に渡す。

 

東堂「此をメサイアとスカイに渡してくれ」

 

兵士C「わかりました」

 

了承した兵士はアイテムを手にメサイアとスカイの元に向かう。

 

「雑魚共が良からぬ企みを抱いているな。そうはさせんぞ!」

 

そんな兵士にさせないとアナザーブラックは突撃し、噛み付かんばかりに口を開く。

 

メサイア「助けるよスカイ!」

 

スカイ「はい!!」

 

そうはさせないとメサイアとスカイは直ぐさま兵士の前に出て、アナザーブラックの前に立ち塞がる。

 

「ぬっ!?」

 

メサイア「ここからは立ち入り禁止よ!!」

 

向かって来たアナザーブラックをメサイアは蹴りで、スカイはパンチで吹き飛ばして追い払うと兵士に話しかける。

 

メサイア「あなた、どうしてここに?」

 

兵士C「メサイアにスカイ。君達に渡したい物があります」

 

そう言って兵士はメサイアとスカイに東堂から渡されたアイテムを手渡す。

 

スカイ「え、このアイテムは何でしょうか?」

 

メサイア「スカイ、この形状からしてウルトラマンジードに登場したジードライザー系のアイテムよ」

 

手渡されたアイテムを見て戸惑うスカイにメサイアはすぐさま理解して教える。

 

スカイ「じ、ジード、ライザー……?すみません、これ、どういうアイテムなんですか……?」

 

が、スカイはチンプンカンプンな様子でアイテムを見ている。

 

メサイア「(あー……そうか、スカイは見てない子か……)と、とにかく、このアイテムは私達を強くする為のアイテムって認識すれば良いわ!!」

 

スカイ「な、成程!」

 

それにメサイアはすぐさま簡略に答え、スカイは納得する。

 

メサイア「それで、どう使えば良いの?」

 

メサイアは兵士にアイテムをどう使えば良いのか問う。

 

兵士C「東堂さんから聞いたのを手短に説明します。最初にこのナックル部分にヒーローの力が宿ったアイテムをセットして下さい」

 

そう言って兵士はメサイアに黒いナックルを渡す。

 

メサイア「ヒーローの力が宿ったアイテムをって、そのアイテムは何処にあるの?形的に複数入れる感じっぽいけど……」

 

告げられた事にメサイアは渡されたナックルから先ほど出て来たキュアスカイの力が出た彼女の顔が描かれたメダルを見てこれ1枚だけで無理じゃないと呻く。

 

同じ様に戸惑っていたスカイはメサイアのバックルが光っているのに気づく。

 

スカイ「あの……メサイア、あなたのバックルが光ってますよ?」

 

メサイア「え、バックル?}

 

なんでとメサイアは戸惑いながらバックルを見る。

 

そんなメサイアへと拓也達の傍にいたセッビィが近寄る。

 

セッビィ「メサイア、どうしたビィか?」

 

メサイア「セッビィ、このバックルに起きてる事って何か分かる?」

 

そう聞かれてセッビィはメサイアのバックルを見る。 

 

セッビィ「これは……もしかしたら、メサイアスパークレンスが変身者のメサイアの意思に反応して今メサイアが望むのを発現した可能性があるビィ!!」

 

とにかく、そのバックルを調べるビィ!と促すセッビィにわ、分かったと返してメサイアは光を放っているバックルを触り、前後に開く開閉式になっているのに気づいてバックルを前に開けると中に様々なメダルが入っていた。

 

メサイア「これは……見るからにウルトラマンZに出たウルトラメダルに似たような物ね。それにこのバックルはゼンカイジャーやドンブラザーズのバックルにウルトラマンZのゼットホルダーのような機能があるっぽいわね」

 

スカイ「ゼンカイジャー?ドンブラザーズ?ウルトラマンZ?なんと言うかこう!そう言うヒーローがいるんですね!!」

 

推察するメサイアの隣でスカイははわわとなっているとメサイアのバックルから6枚のメダルが飛び出してスカイの前に浮かぶ。

 

それと共にスカイの右腰に青いホルダーが装着される。

 

スカイ「ほえ!?」

 

いきなり自分の前に来たのにスカイが戸惑う中、メサイアは6枚のメダルの絵柄を見る。

 

メサイア「これは、ウルトラマンゼロ、ウルトラマンコスモス、ウルトラマンダイナ……後の3枚はダンボール戦機に出るLBXのアキレスD9、電光超人グリッドマン、それに……キン肉マン?なんで?」

 

場違い過ぎじゃないと思わず呟いたメサイアにキン肉マンの顔が描かれたメダルが激しく光る。

 

まるで、場違いって何よ!!?と抗議している様だ。

 

その間に体力を回復し、腕も動く様になったのか、アナザーブラックは立ち上がって来る。

 

「呑気に話しおって!!」

 

怒ったアナザーブラックは再度襲いかかって来る。

 

スカイ「そうはさせません!!」

 

すぐさま6枚のメダルを掴んで右腰に現れたホルダーへと入れたスカイがアナザーブラックの足止めに入る。

 

その間にメサイアは兵士に確認する。

 

メサイア「ねえ、このナックルにはメダルが入れるスペースはあるのかしら?」 

 

兵士C「ある。幾つかの試作品の制作の際には、カプセル装填型やチップ挿入タイプのを開発「それは良いから装填したら次はどうするの?」……これの場合はメダルを装填したら、ライザーでナックルに装填したメダルをスキャンするんだ。スキャンした後にライザーにあるトリガーを押せばパワーアップ出来る」

 

やり方を聞き、分かったわと返してからメサイアはスカイに叫ぶ。

 

メサイア「早速使わせて貰うわ。スカイ!時間を稼いで!!」

 

スカイ「時間をですか!?」

 

攻撃を捌きながら問い返すスカイにそうよと答える。

 

メサイア「だからアナザーブラックの足止めをお願い!」

 

スカイ「分かりました!!」

 

お願いに力強く答えたスカイはアナザーブラックの足止めを行う。

 

その間にメサイアはバックル内にあるメダルを何枚か取り出す。

 

メサイア(ライザーのモチーフになったウルトラマンジードの基本形態のプリミティブは始まりとなった初代ウルトラマンと初めての悪のウルトラマンとなったベリアルの力を使った形態……なら、私も始まりに関係する物で、変身ヒロインの始まりを告げたこの2人で!!)

 

取り出したメダルの中でメサイアはキューティーハニーのメダルとセーラームーンのメダルを手に取り、後のを戻してナックルと共に構える。

 

メサイア「2つの力!」

 

まず最初にキューティーハニーのメダルを黒いナックルに装填。

 

メサイア「今一つに!」

 

次にセーラームーンのメダルを黒いナックルに装填し、メサイアはライザーで黒いナックルに装填したキューティーハニーとセーラームーンのメダルをスキャンする。

 

ークロスフュージョン!ー

 

2つのメダルの力を引き出したライザーから電子音が鳴り響き……

 

メサイア「煌めけ!月光!はっ!

 

咆哮と共にライザーのトリガーを押す。

 

ーキューティーハニー!セーラームーン!ー

 

電子音が響き渡ると同時にメサイアの両隣にキューティーハニーとセーラームーンのビジョンが現れ、キュアメサイアと重なる。

 

ーキュアメサイア!セレネスキューティー!!ー

 

するとメサイアの髪が金髪の前部分が赤髪に染まってからセーラームーンと同じツインテールを結ばれると共に頭部にはティアラが出現し、服も上半身がセーラー服、下半身がキューティーハニー同様のロングパンツとブーツで首にはチョーカー、腰のサイドにセーラームーンのスカートの装飾が付いた姿に変わる。

 

メサイア「これがキューティーハニーとセーラームーンの力が合わさった姿!行くわよ!!」

 

自分の姿を見てからメサイアはは気合の声を上げると右手に出現した銀色のレイピア、ムーンレイピアを構える。

 

「姿を変えた所でなんだと言うのだ!!」

 

姿を変えたメサイアを見たアナザーブラックは黒いオーラを放ちながらスカイから離れて、メサイアの方へと襲い掛かる。

 

メサイア「姿を変えたのは伊達じゃないのよ。それを今から見せてやるわ」

 

向かって来るアナザーブラックにメサイアは手に握ったムーンレイピアでカウンター気味にアナザーブラックの攻撃を避けると共に胸元を斬り付ける。

 

「くっ?」

 

アナザーブラックはムーンレイピアの斬撃を受けた胸を抑えて距離を取ると受けた箇所の肌が曝け出され、火傷の痕が出来ていた。

 

変貌する前に受けていた火傷よりもその火傷は強く焼かれていた。

 

メサイア(さっきに比べてアナザーブラックのダメージが増えてる……そうか!プリキュアの力を持った攻撃を受ければ受けるほどダメージが増えて、回復速度も遅くなってる。このまま弱らせれば今度こそ浄化が出来る!)

 

アナザーブラックの火傷を見てメサイアは今度こそアナザーブラックを倒せると確信し、スカイに声をかける

 

メサイア「スカイ、私はそのまま攻撃を続ける。その隙にスカイもライザーを用いた変身をして!」

 

スカイ「え、えぇ!?け、けど、これの使い方、私は知りませんよ!!?」

 

指示された事に慌てるスカイに、あ、そう言えば戦っていたから聞こえてなかったのねとメサイアはしまったとなった後にアナザーブラックの攻撃を避ける。

 

ーしょうがねぇな……ー

 

するとスカイの頭に声が響いた後に右腰のホルダーから2枚のメダルが飛び出す。

 

慌てて飛び出したメダルをスカイはキャッチするとメダルはウルトラマンゼロとアキレスD9のであった。

 

ー俺がフォローしてやる!しっかり覚えて置け!!-

 

スカイ「は、はい!誰か知りませんがありがとうございます!!」

 

メサイア(誰と話してるの?)

 

ゼロのメダルが光ると共にまたも響いた声にスカイは慌てて礼を述べてるのにメサイアは疑問に感じたがアナザーブラックにこっちに集中しないとと攻撃を避けて距離を取ってから二の腕部分に装備しているリングに付いているハートの装飾に触れる。

 

メサイア「いきなさい、ハートブーメラン!」

 

外して投げられたハート装飾はブーメラン、ハートブーメランへと変わるとアナザーブラックへと向かって来る。

 

「小賢しい!」

 

アナザーブラックはしゃがんでハートブーメランを回避するが戻って来たのに慌てて避け、再び来たのに必死に避ける。

 

そんな身動きが取れないアナザーブラックへとメサイアは追撃を仕掛ける。

 

メサイア「受けなさい!トワイライトメーザー!」

 

メサイアはティアラの宝石部分から銀色のレーザー、トワイライトメーザーを放ち、それによりハートブーメランに目が行っていたアナザーブラックのムーンレイピアの斬撃で出来た傷跡に炸裂させる。

 

「ぐっ!?」

 

直撃を受けた事でアナザーブラックは苦しみに顔を歪めながら胸を押さえる。

 

スカイ「す、凄い!」

 

ーおい!夢中になってないぜ!さっさと使いやがれ!-

 

押しているメサイアにスカイは感嘆したが声に怒られてすいません!と慌てて謝る。

 

ー改めて言うぞ!ナックルに俺達のメダルを装填して、ライザーでスキャンしろ!んでもってライザーを掲げてからトリガーを引け!それで限界を超えてみやがれ!-

 

スカイ「分かりました!限界を、超えます!!」

 

声に答えてからスカイはウルトラマンゼロとアキレスD9のメダルとナックルを構える。

 

「ゼロさん!」

 

まず最初にウルトラマンゼロのメダルを黒いナックルに装填。

 

「アキレスD9さん!」

 

次にアキレスD9のメダルを黒いナックルに装填し、スカイはライザーで黒いナックルに装填したウルトラマンゼロとアキレスD9のメダルをスキャンする。

 

ークロスフュージョン!ー

 

2つのメダルの力を引き出したライザーから電子音が鳴り響き……

 

スカイ「限界を、超えさせて貰います!!

 

咆哮と共にライザーを掲げてトリガーを押す。

 

ーウルトラマンゼロ!アキレスD9!ー

 

ーデヤッ!-

 

ーヒーローの出番です!ー

 

電子音が響き渡ると同時にスカイの両隣にウルトラマンゼロとアキレスD9のビジョンが現れ、キュアスカイと重なる。

 

ーキュアスカイ!コスモブレイザー!!ー

 

ビジョンが重なったスカイの姿は、胸にゼロのカラータイマーを模したブローチが付いたアキレスD9の体部分を模したカラーリングとなったリリカルなのはのシグナムのBJを身に纏い、ウルトラゼロマントを模したマントを羽織った衣装になり、スカイの頭部にはウルトラマンゼロのゼロスラッガーをイメージした髪飾りがついた姿になる

 

スカイ「これが、パワーアップした姿!」

 

ーボサッとすんな!とっとと決めちまえ!ー

 

スカイは自身の姿が変わった事に戸惑いを抱くが声のに我に返って、は、はい!と返してからメサイアと合流する。

 

スカイ「メサイア、待たせてすいません」

 

メサイア「気にしてないわ。あいつをさらに弱らせるわよ」

 

そう言うメサイアに、はい!と元気よく答えたスカイは2つの剣を出し、アナザーブラックに攻撃を仕掛けて行く

 

余談だが、メサイアのバックル内に入っているウルトラマンZのメダルが光っていたがメサイアはそれに気づく暇は無かった

 

ーゼロ師匠、密かに助けてくれますか?ー

 

「ぐっ!このぉ!」

 

 

切りつけられたアナザーブラックはトワイライトメーザーを受けたダメージで動きが鈍っていた。

 

メサイア「このままあいつの手足を重点的に攻撃して行くわよ」

 

スカイ「手足を攻撃する理由は何ですか?」

 

指示するメサイアにどうして手足を重点的に狙うかをスカイは問う

 

メサイア「アナザーブラックの攻撃手段は肉弾戦。その要である手足にダメージを与えれば、攻撃力や機動力を落とせるからよ」

 

理由に成程!と納得したスカイに最初に行かせて貰うわと言ってメサイアはムーンレイピアの刀身に銀色の光を纏わせながらアナザーブラックに接近し……

 

メサイア「まずはこれ!ムーンライトフレッシュ!」

 

メサイアは銀色の光を纏った連続突きを放ち、アナザーブラックは避ける間もなく直撃して体を仰け反らせる。

 

メサイア「斬り裂け!ムーンライトブーメラン!」

 

続けざまにハートブーメランに銀色の光を纏わせた攻撃、ムーンライトブーメランでアナザーブラックの身体を斬り裂いて行く。

 

スカイ「連続突きにブーメラン!私も……で技どうしましょう;」

 

凄いと感嘆してからスカイは今の自分の状態でどんな技が出せるかで困る。

 

前の状態ではパンチやキックなどの格闘重視だけだったので他にも出来るかと聞かれると少し困るのだ。

 

ー安心しろ。お前の頭の中に俺やアキレスD9の技と知識が入っている筈だー

 

スカイ「え?そうなんですか!?」

 

再び聞こえた謎の声にスカイは問う。

 

ーああ、そしてこの姿になっている時の技はオーブやジード、ゼットと同じ二人の力を合わせた技になっている。まぁ、ゼットの場合は三人だが……とりあえず、まずは頭部の装飾に触れるんだー

 

謎の声に促されてスカイは言われた通りに頭部の装飾に手を触れる。

 

するとスカイの手に頭部の装飾を模した光の刃が現れる。

 

ーその光の刃を投げるんだ!ー

 

スカイ「了解!行きます!ブレイザースラッガー!」

 

言われた通りにスカイは勢い良くブレイザースラッガーをアナザーブラックに向けて投げた。

 

メサイアのムーンライトフレッシュとムーンライトブーメランによる攻撃で鈍っていた所にさらに攻撃を受けてアナザーブラックは後ずさる。

 

「ぐぅぅぅ!?小癪な!!」

 

スカイ「すごい。これがパワーアップした姿の技……あれ?」

 

技に驚嘆していたスカイは自身の左手に持っているレイピアタイプの剣の刀身に光が帯びている事に気づく。

 

ースカイ、そのレイピアを化物の方に向けて……ー

 

ー突き出してください!!ー

 

スカイ「はい!コスモゼロスラスト!!」

 

ーちょ、俺のセリフ!?ー

 

最初に喋っていたのとは別の声に答え、スカイはレイピアをアナザーブラックに向けて勢い良く突き出すと光を帯びたレイピアが伸び、アナザーブラックの腹部を貫く。

 

「がはっ!?馬鹿な……!?この私が、此処まで、やられるなど、ありえない……!?」

 

貫かれた腹部を抑えてアナザーブラックは膝をつきながら信じられない顔でスカイとメサイアを見る。

 

メサイア「観念しなさいアナザーブラック!」

 

「観念しろだと?……巫山戯るな!私はまだ終わらんぞ!」

 

怒りを発しながらアナザーブラックは両手に黒い光を纏わせた

 

「我が全身全霊の一撃で消し炭になれ!ブラックサンダー!」

 

自分の残った全てを込めてブラックサンダーを放ったアナザーブラックに対し、メサイアとスカイは避ける素振りを見せずに向かって来るブラックサンダーを迎え撃つ様にみつえる。

 

「馬鹿め!我が全身全霊を込めたブラックサンダーに立ち向かう気か!」

 

メサイア「ええ、その通りよ」

 

嘲笑おうとしたアナザーブラックに対し、そう返してメサイアは左脚のブーツに格納しているロッド型の武器、ムーンスタッフを出し、同時にスカイは胸のブローチ部分に光を集束させる。

 

メサイア「あなたの全力を、撃ち破ってあげるわ」

 

そう宣言したメサイアが持つムーンスタッフの装飾が光りを収束させ……

 

メサイア「受けなさい!シルバーハート・スパイラルアタック!」

 

スカイ「プリキュア・ビッグバンシュート!」

 

メサイアはムーンスタッフの光から生成された銀色のハートのエネルギー弾を回転しながら放ち、スカイはブローチから、浄化光線ビッグバンシュートを放った。

 

放たれたスパイラルアタックとビッグバンシュートがブラックサンダーに激突した

 

「最大出力のブラックサンダーをたかが2人で止められると思うな!」

 

メサイア「さっきまでなら出来なかったでしょうね……けど、今はどうかしら?」

 

何?と告げられた事にアナザーブラックは疑問に思った直後、目を見開く。

 

自分が最大出力で出したブラックサンダーが、メサイアとスカイの必殺技に押され始めているのだ。

 

「ど、どういう事だ?なぜ私のが押されているのだ!?」

 

戸惑いを隠しきれないアナザーブラックを前にブラックサンダーは段々と押されて行き……

 

「うわああああああああああああああ!」

 

ブラックサンダーがスパイラルアタックとビッグバンシュートによってかき消された後、スパイラルアタックとビッグバンシュートがアナザーブラックに直撃し、アナザーブラックは吹き飛んで地面を転がって行く。

 

止まった後、アナザーブラックはなぜ?と疑問を抱く。

 

「最大出力のブラックサンダーが……たかが2つの必殺技に、なぜかき消されたのだ?」

 

ふらつき、倒れそうになりながら起き上がる中で疑問を抱くアナザーブラックに対し、メサイアは告げる。

 

メサイア「理由は簡単よ。貴女は私やスカイの攻撃を受け続けた事で技を出すための力を失ったのよ」

 

「何だと!?たかが貴様達の攻撃だけで、私が力を失っていただと!?」

 

ふざけるな!!と怒鳴るアナザーブラックにメサイアは肩を竦める。

 

メサイア「私にもわからないけど、私とスカイの攻撃が当たる度にあなたから感じていた力が四散して行くのを感じたもの」

 

「巫山戯るな!私はまだ戦えるぞ!」

 

メサイアにアナザーブラックはブラックサンダーを放そうと手を翳すが……

 

パチン……

 

突き出した右腕から火花しか出なかった。

 

「馬鹿な?ブラックサンダーが不発だと!?」

 

ブラックサンダーが不発に終わった事にアナザーブラックは動揺する。

 

スカイ「これはどういう事でしょうか?」

 

メサイア「たぶんになるけど、プリキュアの力でアナザーブラックの悪しき力を消していた事で起きたんだと思う」

 

そんなアナザーブラックを見ながら問うスカイにメサイアはそう返す。

 

スカイ「それなら……!」

 

メサイア「ええ、後は浄化技を放つだけ!行くわよスカイ!」

 

はい!と答えたスカイはメサイアと一緒にアナザーブラックを浄化する為に力を収束させる。

 

メサイアが持つムーンレイピアの刀身に銀色の光が纏い始め、刀身が光で包まれるとメサイアはレイピアの刀身をアナザーブラックに向ける。

 

スカイはブレイザースラッガーを出し、繋げる様に2つのブレイザースラッガーを連結させるとブレイザースラッガーは元になったウルトラマンゼロが使うゼロツインソードと同じ形状の武器、ブレイザーツインソードへと変化し、ブレイザーツインソードに光が収束する。

 

「ぐぅぅぅ!!このまま消されてたまるか!!」

 

それにアナザーブラックはメサイア達を迎え撃とうとして、今までの攻撃や先ほどの2人からの必殺技で体に限界が来たのか、動けなくなる。

 

そんなアナザーブラックに向けて2人は必殺技を放つ。

 

メサイア「プリキュア・ムーンライトフレア!

 

瞬時にアナザーブラックへと接近したメサイアはムーンレイピアをアナザーブラックの腹部に当て、貫くと同時に剣先で三日月の軌跡を描く

 

スカイ「ヒーローガール!!ビッグバン!スパークスラッーシュ!!

 

続けざまにスカイが青い光を纏ったブレイザーツインソードを手に跳躍した後、アナザーブラックを十文字に斬り裂く。

 

ぐああああああ!?

 

ムーンライトフレアとビッグバンスパークスラッシュを同時に喰らったアナザーブラックは地面に倒れる。

 

「バカな……この私が……あ、あ、ありえなーい!!?

 

背を向けた2人に自分が負けた事を信じられずに断末魔を上げた後、アナザーブラックは光となって行く。

 

 

光となったアナザーブラックを見てプリキュア達が勝ったのを感じ取った隊員達は歓声を上げる!

 

隊員A「俺達では歯が立たなかったアナザーブラックをたった二人で倒すとは……!」

 

隊員B「凄いぞプリキュア!!」

 

隊員C「ライザーによる強化変身も難なく使いこなすとは……凄いですね東堂さん!」

 

東堂「ああ……(これが歪まされていない本来のプリキュアの力……俺達テイルズディフェンドが遭遇したプリキュアの力とは別物だな……)」

 

喜びの声をあげる隊員達のを聞きながら東堂は元に戻ったメサイアとスカイに感嘆する。 

 

東堂達がメサイア達の戦いを見て各々に述べている中、拓也と律子は詩嶋と共にメサイア達を見ていた。

 

律子「まさか晴渡さんがプリキュアになるなんて驚いたわ……拓也どうしたの?」

 

スカイを見ながら驚嘆していた律子は腕を組んで何か考えている拓也に気づいて問う。

 

拓也「なあ律子に詩嶋、晴渡がプリキュアになったのは驚いたが、もう一つ気になる事があるだろう?」

 

詩嶋「気になる事、ですか?」

 

律子「何かしら?」

 

首を傾げる2人にあいつだよ、あ・い・つ!とメサイアを指さしながら続ける。

 

拓也「メサイアに変身してる奴。髪の色が変わってて、バイザーマスクを着けて正体を隠しているが、状況と動きで誰なのか分かったんだよ」

 

律子「状況と動きで?あ……!?」

 

詩嶋「そう言えば、愛香さんの姿が見えませんね……もしや」

 

その言葉で律子と詩嶋が拓也が言いたい事を理解して、拓也も頷いてズバっと切り出す。

 

拓也「メサイアの変身者はズバリ愛香だ。正体を隠してはいたがさっきまでの動き、あいつの新体操ので鍛えた動きや独特の癖があった」

 

律子「確かに姿が変わった後の動き方、どこかで見た事あると思えば……」

 

詩嶋「会った際の愛香さんの性格的に隠れて見てるなどはないと思いますから、そうなんでしょうか……」

 

拓也と律子、詩嶋がメサイアの正体ので話してる間、メサイアにセッビィが近づく。

 

セッビィ「やったビィねメサイア!」

 

メサイア「ええ、スカイもお疲れ様」

 

スカイ「はい!お疲れ様です!」

 

ーお疲れさまです!スカイさん!-

 

ーまぁ、戦士と言う意味では落第点だな。これからも精進しないとなー

 

労いの言葉に元気よく返してから頭に響いた声にスカイはそちらこそお疲れ様です!と返す。

 

メサイア「あのさスカイ……誰と話してるの?」

 

スカイ「分かりません!先程から声が頭に聞こえてくるんです!それも複数の人の声が!」

 

えぇ……とメサイアが何とも言えない顔をする中でメサイアのバックルがガタガタ震え出し、勝手に開くと共に1枚のメダルがスカイに向けて飛び出し、スカイは出て来たメダルを慌ててキャッチする。

 

ーちょっとゼロ師匠!俺も出してくださいよ!-

 

ーだってゼット、お前、相手まだ見つけてねえじゃん。出せるわけねえだろー

 

スカイ「おお!今までの声のお方はさっき私が使っていたメダルのゼロさんだったんですね!それで先ほど言ってたゼットさんがこの方なんですね!」

 

メサイア「え?ウルトラマンゼロと話してるの?後ウルトラマンゼットとも……」

 

抗議する様に手の中で光るメダルを見て感嘆するスカイが言った事にメサイアは驚いた後にふと、アナザーブラックが居た場所を見る。

 

そこに何かがあるのに気づく。

 

メサイア「あれは、何かしら?」

 

セッビィ「ビィ?」

 

スカイ「ほえ?」

 

近づいてみようとするメサイアにセッビィも続き、スカイもメダルを仕舞いながら続く。

 

その時、メサイア達は知らなかった……アナザーブラックが光りとなって四散していたのに紛れて、ごく小さい光球がどこかへ飛んでいったのを……

 




次回

それぞれの後始末

━私も話絡みたかった……━

━無理だなセーラームーン。相手はそのセーラームーンの事を知ってるからな……━


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それぞれの後始末前編

アナザーブラックを倒した後の話

第三の敵が姿を現す


テイルズディフェンドから渡されたライザーによる強化変身によってアナザーブラックを倒したメサイアとスカイ。

戦いが終わった後、メサイアとスカイはアナザーブラックがいた場所である物を見つける

 

 

 

────

 

メサイア「さっきアナザーブラックが居た場所で何かが見えた筈だけど……」

 

アナザーブラックが倒れていた場所にスカイとセッビィと共に来たメサイアは目を凝らして見て、光る物を見つける。

 

近づいて確認してみると、メダルが落ちていた。 

 

メサイア「メダルだわ……」

 

何のメダルかしら……とメサイアはそのメダルを拾って絵柄を確認する。

 

メダルにはキュアブラックの横顔が描かれていた。

 

スカイ「女の子の顔ですか?」

 

メサイア「この子は……キュアブラック!?」

 

首を傾げるスカイだが、メサイアだけは驚いてなぜメダルが落ちていたかを推測する。

 

メサイア(もしかして、ドンブラザーズに出たスーパー戦隊モチーフのヒトツ鬼を倒した時に元になった戦隊のアバタロウギアが出るみたいに、アナザープリキュアを倒すと元になったプリキュアのメダルが出て来るのかしら……)

 

対面したのがアナザーブラックだけなのでもしも他にアナザープリキュアが出た場合は探してみた方が良いわねとメサイアは考える。

 

セッビィ「この子がキュアブラックビィ?」

 

メサイア「ええ、とりあえず、スカイの時の様にブレスレットにセットすれば何か分かるかも」

 

愛香と出会った際に名前だけしか聞いていなかったので興味深そうにメダルを見ているセッビィに返しながらメサイアはキュアブラックのメダルを自分のブレスレットに装填する。

 

するとブレスレットから2人と1匹の前に画面が投影される。

 

セッビィ「な、何だビィ?」 

 

スカイ「画面?」

 

メサイア「!何か映し出されるみたいよ」

 

戸惑う2人にメサイアは静かにと言って画面に映し出される映像を見る。

 

後ろで東堂達も気になって集まって見ていた。

 

その映像は、キュアブラックと名乗る少女がキュアホワイトとシャイニールミナスと共に怪物に立ち向かう様子であった。

 

スカイ「もしやこれは、キュアブラックの闘いの記録?」

 

セッビィ「そうみたいだビィ、このメダルに記憶されているものだと思うビィ」

 

映像のを見てスカイとセッビィが呟く中、メサイアだけは違和感を感じていた。

 

メサイア(なんだろう。私が見たキュアブラックとどこか違う……)

 

どこが違うのかと考えて、映像のは人を巻き込まず、相手をいたぶる事に喜ばないで真剣に戦っているのに気づくと共に映像は別のに切り替わる。 

 

スカイ「今度は色んなプリキュアが居ますね」

 

次の映像はキュアホワイトやシャイニールミナスだけでなく、あらゆるプリキュアと共に怪物に立ち向かう様子であった。

 

セッビィ「凄いビィ、こんなにプリキュアがいたんだビィ……」

 

メサイア(やっぱり私が見たキュアブラックとは違う……それに、私が見たプリキュア達と違って、黒いオーラらしきものが出てない……もしかして、私だけが黒いオーラが見えるって事かしら?)

 

感心するセッビィのを聞きながらメサイアはあの黒いオーラらしきものが見えるのは自分だけなのか疑問を抱いている隣で……

 

スカイ(どのプリキュアも黒いオーラを放っていない。()()()()()()()()()()と違う……それに黒いオーラが()()()()()()()()()()()()()()()()……)

 

スカイが似た様で違う事を考えていた。

 

そんな2人の後ろで映像を見てる東堂達はある事に気づいた。

 

 

東堂「メサイアが見ている映像は確か……初めてプリキュアオールスターズと言う存在が出来る切っ掛けを作ったフュージョンとの戦いか………だが、本部で見たのとは別物だな……」

 

兵士A「はい、我々が見たのは人々がいるにも関わらず技を放ったり、ヘラヘラ笑っていた感じでした……この映像にはそんな様子が見れませんね」

 

ああと兵士の1人が呟いた事に東堂は頷く。

 

東堂「この映像こそが本来のプリキュアの姿であり、真実の記憶かもしれないな……すぐに映像を記録するんだ!これが重要な鍵になるかもしれない」

 

兵士B「分かりました!」

 

東堂に指示された兵士は早速目の前の映像を記録し始める。

 

ある程度流れると映像は違う物に切り替わる。

 

次に映し出されたのはキュアブラックに変身する前のなぎさの姿であった。

 

スカイ「今度は……制服を着ているから学校生活のでしょうか?」

 

メサイア「……この映像はキュアブラックの、なぎさの普段の日常を送っている時の記憶なのかもね……」

 

首を傾げるスカイにメサイアはなぎさが怒られたりしながら授業を受けたり、部活動を頑張り、帰宅してマンションで家族と和気あいあいしながら過ごす様子を見ながら呟く。そして映像が切り替わった

 

 

セッビィ「今度は、誕生してから現在までの様子が映っているビィ」

 

次に映ったのは、なぎさが生まれた様子やなぎさが幼稚園や小学校に通っていた頃の様子が映っていた

 

スカイ「なぎささんと言う方は生まれてからこう言う人生を歩んでいたのですね……メサイア?どうしました!?」

 

なぎさの歩んだ人生の様子を見ながらメサイアに話を振るスカイだが、そのメサイアは頭を押さえていた。

 

そんなメサイアに誰もがどうしたんだと心配そうに見る。

 

セッビィ「どうしたビィメサイア!?」

 

心配そうに話しかけるセッビィだがメサイアは突如起こった頭痛と共に意識が途切れる。

 

 

────

 

 

ハッと我に返ったメサイアは何時の間にかとある病院の前に立っていた。

 

メサイア「あれ……なんで……さっきまでグラウンドにいたのに……」

 

戸惑っていたメサイアだが赤ちゃんの泣き声が耳に入り、なんだろうかと気になって向かう。

 

そこは赤ちゃんポストが置かれており、そんな赤ちゃんポストの中から赤子を抱き抱える看護師と見ている医師と思われる男性がいた。

 

メサイア「この様子からして、誰かが赤ちゃんを育てられないから赤ちゃんポストに入れて、今保護されたのかしら?」

 

どうも自分は認知されてないようだからメサイアは近づいて看護師に抱っこされた赤子を見て、驚く。

 

看護師が抱えた赤子は、赤ちゃん時代のなぎさだったのだ。 

 

メサイア「この子!?さっきの映像に出た赤子の頃のなぎさ!?……けど、さっきまで見ていたのではちゃんと親御さんと一緒だったのに、どうなっているの?」

 

先程までのと食い違う今の光景に戸惑っていたメサイアが見間違えじゃないかもう一度よぉく見ようとして、目を見開く。

 

なんと、赤子のなぎさからアナザーブラックやプリキュア達から出ていた黒いオーラが放出されていたのだ。

 

メサイア「あれは黒いオーラ!?どうして幼い頃のなぎさから出ているの!?」

 

戸惑っている間、看護師や医師は眠りに付いた赤子のなぎさを抱えて病院の中へと入って行く。

 

見送りながらメサイアは先ほど見た光景に考える。 

 

メサイア(どうしてなぎさからあの黒いオーラが出て来たのかしら……生まれつき?それとも誰かに植え付けられて?)

 

ダメだ、考えが纏まらないと情報が少ないのもあって行き詰ってしまった後、ふと、プリキュア墓場であった少女の言葉を思い出す。

 

メサイア「(そう言えば、あの女の子が言った大罪……もしかして、さっきのなぎさから出ていた黒いオーラと何かしらの繋がりがあるのかしら……)

 

思いだしていると段々と視界が白くなっていき、メサイアの意識は再び途切れた。

 

 

────

 

 

ー………イア!……キュア……イア!キュアメサイア!!ー

 

メサイア「…はっ!?」

 

揺すられる感覚と共にメサイアは意識を取り戻す。

 

横を見ると自分を揺らすスカイの姿があった。

 

スカイ「メサイア、大丈夫ですか?」

 

メサイア「え、えぇ……大丈夫よスカイ」

 

セッビィ「映像が終わった途端に突然頭を押さえて微動だにしなかったから心配したビィよ」

 

心配そうに声をかけるスカイにメサイアはそう返し、セッビィも心配した様子でメサイアに話しかける。

 

メサイア「ごめんなさいセッビィ。それよりも、映像はさっきので終わりみたいね……」

 

セッビィ「そうみたいビィね」

 

謝罪してからセッビィからブレスレットから取り出したキュアブラックのメダルへと目を向けながらメサイアは考える。

 

メサイア(さっきまでのが本来のプリキュアの真実の記録だと考えると……恐らく、このメダルでプリキュアだった少女にプリキュアとしての記憶を思い出させる事が出来る……)

 

そう考えてからメサイアは先ほど見た異なる記憶の赤子のなぎさを思い出す。

 

メサイア(けど気になる事がある……さっきまで見ていた記憶と違って赤ちゃんポストに預けられた赤ちゃんのなぎさ……そんななぎさから黒いオーラらしきものが出たのか……私が見たプリキュア達は何が原因で黒いオーラらしきものに覆われて、人々に危害を加えたのか……どの時期にプリキュアが歪んだのか……)

 

どうして歪んだかの謎が沢山あるが、今の時点では分からないので、メサイアは一旦その謎を頭の中に仕舞う。

 

東堂「協力に感謝するプリキュア。後の事は我々が引き受けておくから安心したまえ」

 

終わったのを見て東堂が2人に近づいてそう言う

 

ちなみに律子達は映像が出る前に東堂が一部の兵士達に終わった事を学園の人達に伝える様にとも指示して先に避難した人々の元へ送られた。

 

メサイア「それなら良かったわ……そろそろ友美や勇佳達が心配してるでしょうし……晴渡さんも虹ヶ丘さんが心配でしょ」

 

スカイ「あ、はい……けど、このまま戻って良いんでしょうか……」

 

安堵したメサイアはスカイへ話を振ってから返された事にあーとなる。

 

先程のアナザーブラックの攻撃などでグラウンドは荒れ果てており、スカイはそれが気になっている様だ。

 

ホント良く暴れてくれたものだと東堂も何とも言えない顔でぼやく。

 

メサイア「確かに、このまま帰るのは後見が悪いわね……後処理を引き受けたと言ってくれたとはいえ、何もせずに行くのも……ねぇセッビィ、どうにかならない?」

 

今のグラウンドの状況をどうにか出来ないかを問うメサイアにセッビィはそうビィね……とスカイの頭に乗って少し考える。

 

セッビィ「聞いた奴だけど……プリキュアの戦いが終わると自動的に戦闘が起きた場所は元通りになるビィ」

 

スカイ「あ、それ私の時に3回ありました!」

 

メサイア「え、そうなの?けど、今回はそれに当て嵌まらないわね……」

 

そう言ったセッビィのにスカイが反応し、メサイアは周りを見て呟く。

 

セッビィ「一応、オイラなら能力で直せるビィ」

 

こういう風にと目を光らせて光線を照射し、セッビィは飛び回ると荒れ果てていたグラウンドが瞬く間に綺麗に修復されて行く。

 

戦闘があったなど全然感じさせないほどきれいであった。

 

スカイ「す、凄いです!?」

 

メサイア「セッビィ、あなたホント、多才過ぎじゃない;」

 

それにスカイや後処理ので気落ちしていた兵士達は声をあげ、メサイアは呆れ混じりに感嘆する。

 

セッビィ「えへへ……けれど、オイラだって広範囲は疲れちゃうビィ。メサイア達もそう言う直せる技で直して欲しいビィ」

 

メサイア「私にそう言う技使えるかしら?」

 

不安そうに呟くメサイアに大丈夫だと思うビィとセッビィはそう返す。

 

セッビィ「さっきのバックルにメダルを生成して収納する機能を追加できるなら、メサイアの思いで修復用の技も使えるようになると思うビィ」

 

メサイア「つまり、技を使えるかは私自身の意思次第って事ね」

 

スカイ「私は……使えないですね」

 

ーそれなら安心したまえー

 

グッと手を握って言うメサイアの後にスカイは落ち込んでいると声と共にスカイの右腰のホルダーが開いて2枚のメダルが出て来る。

 

それはコスモスとグリッドマンのメダルで、2枚はスカイを安心させる様に光る。

 

ー私とグリッドマンの力を合わせれば、君にも物を修復する力が使える様になるー

 

ーコスモスの言う通りだ。その時は君に必ず力を貸そうー

 

スカイ「コスモスさん、グリッドマンさん……ありがとうございます!!」

 

メサイア「今度はウルトラマンコスモスとグリッドマンが話しているのね……なんで私には声が聞こえないのかしら?」

 

ーそこはやっぱり波長が合って話せるんじゃない?ー

 

ーあーありえそうねー

 

んん?と首を傾げていたメサイアは聞こえた声にもしやとセーラームーンとキューティーハニーのメダルを見る。

 

ーあ、見てくれた。ヤッホー♪ー

 

ーこれからも宜しくね♪ー

 

メサイア「あはは、私にも聞こえる声あったわ;」

 

スカイ「おお!良かったですね!」

 

軽い感じに声をかけて来る2人にメサイアは苦笑する。

 

メサイア「ま、私達も変身解除して、皆の元に合流しましょうか」

 

スカイ「はい!」

 

一部に変身してる所を見られてはいるが人が隠れそうな場所まで行き、2人は変身を解除する。

 

空「ありがとうございました!」

 

色々と調査をしている兵士達や指示して監督している東堂に頭を下げる空に兵士達も気を付けてなと声をかける。

 

愛香「律儀なんだから……それじゃあ行きましょう」

 

空「はい!月影先輩!」

 

愛香「愛香で良いわよ晴渡さん」

 

空「だったら私も空で良いです!」

 

そうやって話しながら愛香と空は友美や勇佳達がいる学園の外へと向かう。

 

その際、愛香はバックルにあるメダルの一つであるキューティーハニーのメダルからある懸念を抱いていたなど思いもしていなかった。

 

─……あの場にシスタージルの気配が僅かに残っていた。もしかして、私達の様に奴等の力が宿したアイテムが存在している?杞憂であって欲しいけど……─

 

自分の勘違いであって欲しいと願っているキューティーハニー。

 

だが、彼女の不安は後に的中してしまう事を、愛香達は知る事となる。

 

 

────

 

キューティーハニーが不安を抱く頃、アナザーブラックが暴れていたグラウンドの近くの建物の屋上に魔法使いの衣装を纏う少女が佇んでいた。

 

???「プリキュア(化け物)の本来の姿であるアナザープリキュア。そのアナザープリキュアを倒した私の知らないプリキュアとキュアスカイ……彼女の力と姿が変わったキュアスカイは侮れないわね」

 

そう呟いた少女が脳裏に浮かべるは先ほどまであったメサイアとスカイとアナザーブラックの戦いで、次に思い浮かべるは自分とは違う別勢力の存在……

 

???「さっきまで近くに、終界に新たに加わった邪竜の称号を持つプリキュアと自らを最後のプリキュアと名乗るプリキュアがいたっぽいけど終わったからさっさと帰ったみたいね……」

 

自分以外に先ほどまでアナザーブラックの戦いを見ていた者について少女は呟いた後に腰にあるポシェットから取り出したのはメダルのようなアイテムで、そのメダルはメサイアやスカイが使ったのと同様にあるキャラの横顔が描かれていた。

 

???「それで、キュアスカイがメダルを使用した時に妙な反応をしていた様だけど、貴方、何を感じた訳?」

 

─ああ、感じたぜアルマ。あの戦いでゼロの野郎の気配を……キュアスカイって奴からな、あの姿はあいつの力を使っていやがった─

 

そんなメダルへと少女が声をかけるとメダルが光が放つと同時に男の声がアルマと呼ばれた少女の脳内に響く。

 

アルマ「ウルトラマンゼロの気配を感じたのねベリアル」

 

─ああ、ゼロだけじゃなく、ダイナの気配を感じた。ついでにあのウルトラマンの気配もな─

 

そう、アルマと名乗る少女に脳内で話しかけたのは光の国から初めて生まれた悪のウルトラマン、ウルトラマンベリアルであった。

 

アルマ「あのウルトラマンって?」

 

ーまだ曖昧だから教えねえー

 

何よそれ?とアルマが呆れているとポシェットから別のメダルが飛び出して光りながら反応する。

 

─ウルトラマンか。私も会ったことがあるね~─

 

─はぁ?てめえがウルトラマンに会った話なんぞ聴いたことがないぞアレクシス・ケリヴ!─

 

しみじみと呟くメダルの声、アレクシス・ケリヴと呼んだ存在にベリアルが噛み付く。

 

─確かに、私が居た世界にはウルトラマンは居なかった。だがドライクロイツの世界に来たときはウルトラマンに会ったよ。もっとも私が見たのは巨人ではなくパワードスーツ系のウルトラマンだけどね─

 

─パワードスーツのウルトラマン!?そんな奴が居るのか?─

 

巨人ではないウルトラマンにベリアルが興味津々なのが良いのか、アレクシスは楽し気に語る。

 

─それが居るんだよね~私がドライクロイツの世界で出会ったのは3人で、その内の1人でウルトラマンを模したパワードスーツを来た人物が別の世界の初代ウルトラマンと一体化した男の子息だ。恐らく本来のウルトラマンの歴史とは別の歴史を歩んだウルトラマンだろうね~─

 

ーほう、あのウルトラマンと一体化した奴の息子かー

 

アルマ「アレクシス・ケリヴ。貴方が反応したって事はあなたに関係する奴がいたんでしょ?」

 

興味津々で別世界のウルトラマンについて楽し気なベリアルの反応に満足そうなアレクシスへアルマは話を振る。

 

─ああ、彼女、キュアスカイからグリッドマンの気配を感じたよ。それにしても、彼女達もメダルを使っているとなるともしかするとアムロ・レイや流竜馬、兜甲児と言った者達の力を宿したメダルもあるかもしれないんじゃないかな?─

 

アルマ「ありえそうね……しかし、誰が作り上げたのかしら……」

 

─俺様に聞かれても分かるわけねえだろ─

 

肩を竦める様な感じに言ったアレクシスにぼやいたアルマはベリアルの返しにごもっともと返して溜息を吐く。

 

─それにしても、わざわざ私や彼の様な力を宿したメダルを作るとは、君の御父上も変わり者だね~─

 

そんなアルマにアレクシス茶化すとアルマは渋い顔をする。

 

アルマ「あのプリキュア(化け物)達を滅ぼす鍵だからよ。父様にとってあなた達、悪や悪役の力を宿したヴィランソウルメダルはね」

 

ーはん、ホント物好きだなー

 

ーけれどなかなか退屈しないで済むと思うよ我々的にもねー

 

物好きで結構とアルマはふんと拗ねる。

 

アルマ「そんな物好きのお陰でそうやっていられるんだから感謝して欲しいわね」

 

ーはいはい、感謝しといてやるよー

 

ー君はアカネ君とはまた別で退屈させてくれないから感謝してるよアルマ君ー

 

おべっかは良いわよと2人の返しにアルマは新たなメダルを2枚取り出して上に弾いてからキャッチする。

 

アルマ「さて、二人共気づいているでしょ?」

 

アルマはその別のメダルに話しかけると、光が放たれ、同時に女性達の声がアルマの脳内に響く。

 

─ああ、あの気配忘れもしないわ。キューティーハニーの気配を感じたわ─

 

─こっちはセーラームーンの気配を感じたわ─

 

アルマ「やっぱり自分と戦った相手だからわかるわよねシスタージルにセーラーギャラクシア」

 

その手にあるシスタージルとセーラーギャラクシアのヴィランソウルメダルにアルマはそう言う。

 

余談だが、アルマ的にセーラーギャラクシアはアニメの内容ので微妙に悪と認識しづらかったりする。

 

─ええ、あの気配忘れもしないわ。ただ、様々な世界のキューティーハニーの気配が混ざってるわね─

 

─こちらもそうね。私が知っているセーラームーンの技以外に知らない技を使っていた。何よりもあのプリキュアを、私達も知らなさすぎる……─

 

シスタージルとセーラーギャラクシアは自身の知らないキューティーハニーやセーラームーンの技を使いこなす見知らぬプリキュアに対し戸惑いを抱いているようだ。

 

アルマ「そう言うのも無理は無いわ。別世界や別次元には様々なプリキュアが居る可能性があるから、知らないプリキュアが存在していてもおかしくないわ」

 

─私達が知らない。裏を返せば今まで知ることすら許されない存在と言う事かしら?─

 

そんなアルマの言い分にセーラーギャラクシアは問う。

 

アルマ「そうかもね……もしかしたら私のような輩が動いた時に備えて生み出された存在かもしれないわ」

 

─それは、プリキュア(化け物)の根絶を阻止するために生み出されたと……?─

 

─成程、彼女はアルマ君のような者達に対しての抑止力と言う事だね─

 

シスタージルの後にそう言うアレクシスに面倒よね……とアルマはぼやく。

 

─ならば、すぐに攻めたらどうだ?─

 

アルマ「普通ならそうすべきだけど、高確率で阻止される可能性が高いわ」

 

シスタージルはアルマに直ぐさま攻めたらどうだと進言するがアルマは今はその時じゃないと蹴る。

 

─何故言い切れる?─

 

アルマ「ああいうのは高確率で邪魔者が現れるもんよ。現にキュアスカイが現れた」

 

─それがベリアルやアレクシス・ケリヴが気になった青いプリキュアだな─

 

再び問うシスタージルにアルマはそう返し、セーラーギャラクシアは思い出して言う。

 

アルマ「そうよ。故に下手な状況で手を出すのは寧ろ相手に有利な状況を作り出すだけ、あなた達も下手な事しちゃったせいで終界にしてやられたの知ってるでしょ?」

 

─慎重すぎにも程があるが……ビーザードの件か……─

 

そう指摘するアルマのにシスタージルは唸る。

 

─あれか?ビーザードの野郎が始末する筈だった雪城ほのかと九条ひかりが完全に終界の一員(闇の戦士)になっちまったて言う話─

 

アルマ「そう、終界の一員になった雪城ほのかと九条ひかりによって普通の女の子になっていた方が取り込まれちゃった話」

 

話を振るベリアルにアルマは肯定してから深いため息を吐く。

 

─取り込まれるとは妙だよね~同じプリキュア(化け物)は複数居られるのかい?─

 

アルマ「普通は居ないわ。基本的にプリキュア(化け物)は一つの世界に対し一人しかなれないわ」

 

気になったのか確認するアレクシスのにアルマはそう返す。

 

─だが、先ほどの言葉からするとプリキュアの変身者は複数居るように聞こえるが?─

 

アルマ「シスタージルがそう聞きたくなるのも分かるわ。基本的にキューティーハニーも一つの世界に付き一人しか存在しない。変わりになる者は居ないのよ。けどこう言う発想は無いかしら?」

 

─どういう発想だ?─

 

シスタージルの問いにそう返してから話を振るアルマに問いをした人物は疑問の声を漏らす。

 

アルマ「一つのモノが別れるという奴よ。現にプリキュア(化け物)の一人であるキュアエースと私の配下になる筈だったレジーナとプリキュア(化け物)を生み出す原因である妖精、アイちゃんは元はと言えば、トランプ王国の王女、アン・レジーナがプシュケーと黒いプシュケーとプシュケーを失った身体が分裂した存在よ」

 

─分裂ね~……興味本位で視たので言うなら仮面ライダーオーズのでアンクとアンク(ロスト)、アクエリオンEVOLのアマタ・ソラとカグラ・デムリのような感じで良いのかな?─

 

アルマの述べた事にアレクシスは聞く。

 

アルマ「そんな感じね。プリキュア(化け物)もまた何らかの理由で分かれた疑いがあるわ。邪神や魔王を復活させない手段として、元となるものを分かれさせて復活させないと言う感じで」

 

─プリキュアが自身の存在を分裂させる事態が起きたと言う事か?─

 

気になったのかセーラーギャラクシアはアルマに問う。

 

アルマ「だと思うわ。出なければ消滅ではなく分裂と言う手段を選ばないわ……もう一つ有り得ない事はプリキュア(化け物)が闇に堕ちた事よ。本来は光の戦士と呼ばれているのが一般的よ」

 

─光の戦士が闇に堕ちるねぇ……どんな感じで堕ちたのだろうな……─

 

アルマの話を聞いてベリアルは疑問を抱く。

 

アルマ「プリキュア(化け物)が堕ちたのは恐らく酷い仕打ちを受けた結果ね。そう言う意味では境遇が似てるのは魔王オディオね」

 

 

ー魔王オディオ。確かライブアライブと呼ばれるゲームの魔王だったね~確かに彼もそんな感じだったね~ー

 

例えで出されたのにアレクシスが乗って呟く。

 

アルマ「……彼は共に戦う仲間も帰る場所も愛する者も信じる者を失い、魔王となって殺戮に走った。しかもその原因が共に戦う仲間と愛する者が裏切る事をしたからよ」

 

─ああ、ストレイツォとアリシアの事だね?あれはホント悲惨としか言いようがないよね~─

 

よよよとわざと泣く様な感じに言うアレクシスのにホントに悲惨と思ってるのやらと思いながらアルマは続ける。

 

アルマ「そのストレイツォは邪気に中てられて魔王オディオの前身であるオルステッドを裏切った。そしてオルステッドに倒されて死んだストレイツォは自身の行動でオルステッドを魔王オディオに変えた事を後悔した。けどアリシアは違った」

 

─ああ、彼女の行動ってホント意味不明だよね~─

 

ーあん?どういう風に意味不明なんだよ?ー

 

肩を竦める様に言うアレクシスのに問うベリアルに言いたい事は分かると言ってからアルマは告げる。

 

アルマ「オルステッドに倒されたストレイツォの後を追うように自害したのよ」

 

ー自害だと?ー

 

─自害とは、短絡的ではないか?─

 

凄く疑問だと言うシスタージルとセーラーギャラクシアのにアルマはため息を吐く。 

 

アルマ「無理も無いわ。彼女は魔王に浚われて極限状態に追い込まれた。そして罠に掛かって死んだと見せかけたストレイツォに助けられたかのような事を受けたせいで彼を殺したオルステッドを拒絶した」

 

─そう見えても仕方ないね~助けに求めていた彼女からすれば、そのストレイツォが自分を助けに来てくれるように見えるからね~─

 

ーはん、つまりただのぼんくらだったって事かー

 

2人のを聞いてベリアルは心底胸糞悪そうに毒づく

 

アルマ「そんなストレイツォを盲信した事で、オルステッドを魔王オディオに変える原因を作ったのよね……」

 

ーそのアリシアと言う小娘は自分の頭で考えることはしなかったのか?ー

 

─劇中を見る限りただ助けてと怯えて泣いているしかなかったね~─

 

ーけっ、聞いてるだけでイライラするなその女ー

 

シスタージルのに答えたアレクシスのを聞いてベリアルは苛立ったようでベリアルのメダルからバチバチと黒い稲妻が迸る。

 

アルマ「ちょ、止めなさいよ……ホント、ビーザードが始末しようとした普通の女の子に戻ったプリキュア(化け物)もそんな感じだったそうね……」

 

落ち着かせながらアルマは報告のを思い返して呟く。

 

─そいつらもアリシアと同じように自分の頭で考えていないのか?─

 

アルマ「その可能性はあるわ。詳しくはビーザードから聞いた方が良いわ」

 

─ビーザードはその様子を見ているな。そして、ビーザードを返り討ちにした完全な闇の戦士になり果てたほのかとひかりが気になるな─

 

 

アルマ「とりあえず一度本拠地に戻るわよ。ここには何度も来る事になるでしょうしね。あのプリキュアの様にこの世界で私に協力してくれる人が居ると助かるんだけどね……」

 

ーはん、そんな酔狂な奴がいたらご都合主義にも程があるなー

 

悪かったわねご都合主義に頼ってとベリアルの皮肉にアルマは不満げに返しながらテレポートでその場から消える。

 

そんな中、シスタージルがある事を考えていたのを誰もが知らなかった。

 

─ウルトラマンベリアル、アルマやアレクシスが言ったストレイツォとアリシアの話を聞いて不機嫌そうだったな……あの話で何か気に障るものがあったのか?─

 

 

 

 

静かになった屋上、少しして少年が顔を出す。

 

???「消えた……やっぱりあの女の子はただ者じゃないな……独り言が多かったけど」

 

先程までいたアルマを思い返しながら少年は手を握り締める。

 

???「あの女の子に上手くコンタクトを取れれば、めぐみをプリキュア(化け物)に変えた奴をぶっ飛ばせるかもしれない」

 

決意を込めて少年はその場を後にする。

 

先程までアルマを見ていた少年、彼は一体……

 

 

───

 

アルマと名乗る少女が現れた同時刻、プリキュア墓場と呼ばれる場所にて……トゥモローが深刻な顔をしてある鏡の墓標を睨んでいた。

 

それはキュアスカイを入れる筈だった墓標で、そこにはアイテムだけを入れていたのだが……

 

トゥモロー「本当に消えている……」

 

ハリー「ああ、鏡の墓標に封印されたアイテムはプリキュアしか解かれん……にも関わらず、キュアスカイのミラージュペンとスカイトーンが光ったと思ったら墓標の中から消えたんや……俺の目の前でな……」

 

何も入っていない墓標の表面を撫でて呟くトゥモローにハリーも信じられない様で呟く。

 

トゥモロー「信じられない……鏡の墓標の中を出せるのは私しか居ない……にも関わらず、墓標の中のアイテムが無くなるなんて……一応確認するけど、ハリー、プリキュア墓場に無断で入り込んだ輩は居なかったの?」

 

ハリー「それはないと断言できるで、マジで目の前で消えたんや!」

 

確認するトゥモローはハリーは断言した事に呻く。

 

トゥモロー「ホントにどういう事……晴渡空が再び呼び出したとでも言うの……」

 

ハリー「分からん……けど、話を聞く限り迷い込んだ女が変身したっちゅうキュアメサイアが1枚噛んでいるのは確かかもしれへんな」

 

目を鋭くさせるトゥモローにハリーはそう返す。

 

トゥモロー「念の為、他の墓標を調べましょ……」

 

ハリー「せやな、スカイ以外のプリズム、ウィング、バタフライも見てから他のプリキュアに異変が起きてへんかみとかんと……」

 

提案するトゥモローにハリーは賛同すると1人と1匹は他の墓標を念入りに調べて行く。

 

スカイと同じ3人は墓標の中に封印されており、今の所他のプリキュアも封印が解かれた様子はない。

 

トゥモロー「鏡の墓標は一個たりとも壊れた形跡は無いようね」

 

ハリー「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?

 

鏡の墓標が壊れて無いことにトゥモローが安堵していた時、先に見て回っていたハリーが絶叫する。

 

トゥモロー「どうしたのハリー!?」

 

ハリー「た、大変やトゥモロー!!これをみい!」

 

慌てた様子で呼ぶハリーにトゥモローは急いで駆け寄って中身を見て……目を見開く。

 

その鏡の墓標の中に、誰もいなかったのだ。

 

トゥモロー「墓標の中身が、なぎさとほのかとひかりが居ない!?どうして!?」

 

墓標の中に封印されていた筈のなぎさとほのかとひかりが消えた事に困惑しながら一旦落ち着こうと整理する。

 

トゥモロー「鏡の墓標に封印されたプリキュアは、プリキュアの時の記憶を消し、普通の女の子に転生し、小泉町に平穏に暮らしている。小泉町は私の力によって生み出したヒーローであるプリズムセイバー達によって平穏を守られている。まさかプリズムセイバー達を突破し、なぎさ達を始末した存在が出たって事……」

 

ハリー「ありえへんでトゥモロー。小泉町のある世界は俺とトゥモローしか知らへん。小泉町に今までプリキュアが戦った怪物以外で敵が出る訳もないし、ありえへんと思うで?」

 

トゥモローは何者かがなぎさ達を始末したのでは無いかと不安を抱くがハリーは否定して指摘する。

 

そう指摘されてトゥモローは深呼吸して落ち着く。

 

トゥモロー「そうねハリー。小泉町はプリキュアにとっては最も安全な場所よ。小泉町を護るヒーローであるプリズムセイバーが居るから大丈夫ね」

 

そうよ大丈夫よね……と3人が封印されていた墓標を見ているトゥモローを見ながらハリーは内心不安になっていた。

 

ハリー(……確かに敵意のある存在は出ておらんけども……その小泉町に妙な輩がうろついている事と品田拓海が小泉町から居なくなっておる事をまだ知らんのか……)

 

何か起きてないか小泉町を監視していたハリーは町で起きている事を知っていた。

 

一方でトゥモローは自分が作ったヒーローがいれば大丈夫と小泉町の様子を見ていない。

 

ハリー(状況を軽くみとるでトゥモロー)

 

このまま異変が起きない事を祈るハリーだが、彼女達は知らなかった。

 

すでに小泉町にはプリキュアを憎み、抹殺しようとしてる存在が侵入している事を……墓標に異変があったのはなぎさ達3人だけでは無い事も……

 

封印されたはなの姿が時折半透明になっている事、そして、鏡の墓標に封印されたメップルがトゥモロー達が気づかない内に消えている事を……

 

────

 

ハリーとトゥモローが不安を抱く頃、プリキュア墓場の近くには、巨大な蜘蛛のメカが来ていた。

 

そんな蜘蛛のメカには白い蜘蛛の男が乗っていた。

 

???「本来、大切な者を護るために悪に立ち向かう妖精の世界に伝わる伝説の戦士プリキュア」

 

語りながら蜘蛛の男の前にキュアブラックが映し出される。

 

「だが、そのプリキュアはある悪しき者の手により、始まりに当たる黒のプリキュアは邪悪な力を体内に注ぎ込まれた事で因果が歪み、捨て子として生まれ、本来の歴史での両親に拾われる」

 

「少女は成長したある時、突如闇の軍勢が襲来し、その少女はプリキュアとして覚醒し、仲間達と共に闇の軍勢達を退かせた。そしてその少女達の活躍によってあらゆる所にプリキュアが現れ、あらゆる悪に立ち向かった」

 

様々なプリキュアを映し出した後に蜘蛛の男はそれらを消す。

 

「だが、プリキュアは知らなかった。本来人々を護る為に存在する力が悪しき者によって、邪悪な力に変えられていたことを……ただ1人、正しき光の戦士プリキュアとして覚醒していた青空のプリキュアを除いて邪悪なる創造主によって邪悪な力に変えられていたことを知らないプリキュア達は力を振るう度に自ら知らぬ内に邪悪に染められてしまい、邪悪な力に呑まれたプリキュアは世界の殺戮者に変えられてあらゆる英雄達を屠り、人々に危害を与え、あらゆる世界を破滅させた。それは俺が居たチキュー、キングオージャーの世界でも例外では無かった」

 

「だが、世界の殺戮者となったプリキュアは異界より現れた英雄の活躍によって、破壊行為は阻止され、プリキュアを世界の殺戮者へと変えた創造主はその英雄によって倒され、滅ぼされた世界は再生し、世界の殺戮者によって倒された英雄達は蘇生されて、あらゆる世界に平和が戻った……」

 

「ただし、世界の殺戮者となったプリキュアはそうはならなかった……創造主の死によって、力と記憶を失い、ただの少女に戻った少女達は全てを奪われた人間達によって迫害され、家族ですら掌を返され、居場所を失った少女達は、安全な場所を求めて世界を彷徨った放浪者となった」

 

「あらゆる世界に放浪する少女達だが、どの世界でも世界の殺戮者となったプリキュアを憎む者達に追われ、終わる事のない逃亡に疲れた少女達は今俺が居るプリキュア墓場に辿り着いた後、自ら自害した。自害された少女の魂は自らを最後のプリキュアと名乗る少女によって、プリキュアの力と記憶を消され、普通の女の子として転生し、青空のプリキュアは友を助けようとして力と記憶を奪われるが脱出をして救世主の世界へと流れ着いた」

 

「だが最後のプリキュアは知らなかった……青空のプリキュアを除いた少女達が人々に憎しみを持たれてしまったのは創造主が自分が死んだ際に少女達を迫害する様に呪いのオーラとして撒き散らして人々に憑り付いた結果だと言う事、さらに言えば棄てさせられたプリキュアの力はその呪いによりアナザーライダーやヒトツ鬼と同じ類の怪物、アナザープリキュアに変貌し、呪いの影響で自らを迫害する結果を作り出した英雄や世界に復讐すべく、あらゆる生命の殺戮と世界の破壊を執行し始めた。自害した事で遺されたプリキュアの肉体は、終焉の使者によって悪しき者として復活し、アナザープリキュア同様、英雄や世界に対する復讐を抱いた。そんなプリキュアの記憶を消され、転生されて普通の女の子にされたプリキュアの魂もまた、プリキュアを諸悪の根源として抹殺を目論む者達に命を狙われている」

 

「そう!最後のプリキュアは思い知るだろう。プリキュアの力と記憶を消して、普通の女の子に変えた所で何も解決しないことを……」

 

長い語りを終えた後に蜘蛛の男は最後に告げる

 

救世主の誕生と青空の復活を切っ掛けにこれから始まるのは世界を守る英雄達の物語……そして、世界の殺戮者へと変えられたプリキュアを暗き呪いから救い、少女達を光の戦士プリキュアとして救済する救世主達の物語であると!!

 

蜘蛛の男は、一つのメダルを取り出した。

 

???「俺も少女達を救う為、力を貸そう。」

 

語ると共にメダルは光り出す。

 

???→スパイダークモノス「そう、この狭間の王様、スパイダークモノスが救世主達に力を与える事を」

 

蜘蛛の男、スパイダークモノスはメダルに力を与えた後、そのメダルをどこかへ転送する。

 

転送を終えたスパイダークモノスが搭乗している蜘蛛型のメカ、ゴッドタランチュラはプリキュア墓場から離れた。

 

スパイダークモノスの力はキュアメサイアの力になる事を、そして後にキングオージャーの力の一つもまたプリキュアの力になる事を……

 

 




次回、終焉の使者は悪夢を見る。そして青空に関わる者が……


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それぞれの後始末中編

キュアデスバイアがかつてなぎさだった頃の悪夢を見る

そんな中、なぎさを救おうとする者達が姿を現す


とある黒い空間、そこで1人の男が本を捲っていた。

 

視線に気づいたのか、男は顔を上げる。

 

男「おや?誰かが来ると言うのは珍しい。私はウォズ、かの偉大な王、オーマジオウ様の部下だ」

 

そう名乗った後、男、ウォズは本を見ながら語る様に告げる。

 

ウォズ「この本によればアナザーブラックを倒したメサイアとスカイはアナザーブラックが倒された場所にキュアブラックの横顔が描かれたメダルを拾った」

 

「キュアブラックの横顔が描かれたメダルをメサイアのブレスレットに装填すると、メサイア達はキュアブラックの戦いの記録やキュアブラックの変身者の美墨なぎさの記録を目にする事となった」

 

「そんな中、メサイアは両親から生まれる筈のなぎさがとある病院で捨て子にされていると言う先ほどまで見ていた記録とは違う光景を目撃する事となる」

 

「記録を見終えて知人の元へ向かう月影愛華と晴渡空だが、そんな彼女達の戦いの裏では、アルマと名乗る少女もまた2人の戦いを見ていた」

 

「一方、トゥモローとハリーはキュアスカイの変身アイテム以外に美墨なぎさ、雪城ほのか、九条ひかりの3人が消えている事に驚く」

 

「そんなプリキュア墓場の近くでスパイダークモノスが1つの真実を語り部として語っていたのであった……」

 

一通り語り終えた後にウォズはページをめくる。

 

ウォズ「さて、見ている者達の中でスパイダークモノスが語った内容ので気になっている者がいるだろう。なぜプリキュアは他の戦士達をあっさり倒せたのかと、彼女達では太刀打ちできない様な者がいるのでは?とね……それについては彼女達を世界の殺戮者にした創造主がある事を彼女達に仕込んでいたからだね」

 

「その仕込みとは何か……戦士の力を無条件で無力化すると言う物だ。分かる人にしか分からない例えだが、ザ・グレイトバトルⅡラストファイターツインと言うとある戦いで起きたSDヒーローたちが特殊能力をほとんど使えなくなってしまうと言う現象に近いと考えて貰った方が良いかな?」

 

「それにより戦士達は己の技と力を満足に使えずに彼女達に抵抗空しくやられてしまうと言う事になってしまった」

 

我が魔王でさえね……と付け加えて、ウォズは本を閉じ、その後に眉を顰める。

 

ウォズ「何?創造主を倒した英雄は誰なのか教えてくれないのか、だって?……まだまだこのお話は始まったばかりだし、それを語るのは別の者がするだろうしね……」

 

そこは語る気はないとウォズは肩を竦めてから4枚のカードを取り出す。

 

4枚のカードには4人の人物が描かれていた。

 

ウォズ「さて、今回のお話は愛香君ではなく、このカードの彼女達がメインだ」

 

その言葉と共にウォズの姿が見えなくなって行く。

 

 

────

 

プリキュアキングダム居城 キュアデスバイアの個室

 

キュアデスバイア「う……うーん……」

 

個室のベッドにパンイチの状態で寝ていたデスバイアは魘されていた。

 

曝け出された肌に脂汗を浮かばせた彼女は過去の記憶を追憶していた。

 

────

 

過去、とある世界

 

なぎさ「……東京か……随分色んな世界から逃げてきたな………」

 

ある世界の路地裏に、なぎさは憔悴した様子で座っていた。

 

着ている服はボロボロで辛うじて寒さをしのげる程度しか役目を持っていない。

 

なぎさ「雪城さん(ほのか)は無事に逃げられたかな……」

 

はぁ……と息を吐き出しなぎさは逸れてしまったほのか達が無事に逃げてくれたのか不安を抱いていると……話し声が聞こえて来る。

 

???「……それにしても何で一緒についてくるんですか部長?化け物共がわしらの世界に現れたと言う通報があったとはいえ、別に付いて来なくても良かったでしょ」

 

???2「お前が化け物に殺される可能性があるからだ両津。例えお前が孫悟空のかめはめ波や星矢君の流星拳に耐えれる他、ボーボボの聖鼻毛世界に入っても冷静に耐え、アラレちゃんのギャグにも耐えれるといえな」

 

慌てて身を隠したなぎさは様子を伺う。

 

伺った先にはこち亀の世界の住人の両津勘吉と大原大次郎がいた。

 

話し方からして自分達を探しているとなぎさは息を殺して身を顰める。

 

両津「……言葉だけ聞くと普通だったらおかしいと言われそうですねわし」

 

大原「おかしいのは当然であろうおまえは……そんなお前は奴等は殺したのだぞ」

 

殺したと言う言葉に両津は顔を顰める中、大原は続ける。

 

大原「あの化け物(プリキュア)は天国も地獄もお引き取りできないと言わしめるほどの寿命を持つお前を一撃で殺した。お前を殺した化け物(プリキュア)はその後にわしや中川達の命を奪い、わしらの世界を滅ぼした」

 

両津「それはわしも生き返った時に聞きましたけども、わしらの世界の世界が呆気なく滅んだのは衝撃的でしたよ……と言うか聞いた一部の奴等は吐いたのもいますからね」

 

不愉快そうにさらに顔を歪める両津に大原も深刻な顔で頷く。

 

大原「わしだって吐きそうになったから気持ちは分かるぞ両津。だが、その化け物(プリキュア)は異界から現れた英雄によって化け物(プリキュア)を生み出した創造主は討ち取られ、それにより化け物(プリキュア)は消滅した。だが油断は禁物だぞ両津。いつ化け物(プリキュア)がまた現れるかも知れん。警戒は怠るなよ」

 

両津「分かってますよ」

 

全く……と注意する上司にげんなりしながら両津は内心、別の事を考えていた。

 

両津(……わしらの世界にばら撒かれた化け物(プリキュア)の手配書、どいつも最低でも億は超える懸賞金がかけられているとは……特に美墨なぎさの懸賞金は億どころか制限額が無い……上手く捕まえれば、亀有商店街の借金返済に充てても確実にお釣りが出る額!……まあ都合よく化け物(プリキュア)は現れんか……)

 

とにかく言われた通りにしますか……と隠れてるなぎさに気づかずに両津はめんどくさそうに大原とパトロールを続ける。

 

……もしも彼を知ってる者からすればこの両津の考え方に違和感を持つだろう。

 

本来の両津ならば、金がかかっているとはいえ、まだ若い女の子に対し、何かあったのかやなんでこんな事をしたのだろうかと考えても良いのではないか?と思考しても良いのではないかと思うだろう。

 

その大原もまた違和感を持つだろう。

 

彼だって何かしら事情があったのではないかと考えそうだが、プリキュアだった女の子達を人間と扱わず、怪物と言い切っている。

 

そんな自分に両津自身や上司で彼を長く見続けていた大原が違和感を持っていない。

 

パトロールをする2人の全身を黒いオーラが覆っていた事を、当人たちは知らなかった。

 

両津と大原がいなくなった事に確認してなぎさは顔を出して安堵の息を吐いてから不安になる。

 

なぎさ「いなくなった……それにしても……もう気づかれて捕縛を目論む人達がすぐに現れるなんて……」

 

いつこっちに来るか分からないと思い、直ぐさまなぎさは路地裏の奥へと歩く。

 

────

 

路地裏を誰にも見つからず歩きながらなぎさは周囲を警戒する。

 

なぎさ「流石にこんな所まで追い駆けて来る人はいないよね……」

 

不安になりながらなぎさは進んでいると……

 

???『元凶なりし者、キュアブラック。お前には逃げ場は無い』

 

突如頭に声が響く。

 

なぎさ「!?今の声っ!?」

 

突如響いた声になぎさが怯える。

 

その声は聴き間違いでなければ自身の父、岳しか覚えがなかった

 

なぎさ(まさか、お父さん自らあたしを殺しに来たの……)

 

父に殺されるのとなぎさが怯える中、なぎさの前に1人の人物が降り立った。

 

その人物は黒いサングラスに四肢をボンデージベルトで締めるビジュアル系の衣装を纏っており、その前髪は赤と緑になっていた男性であった。

 

???『自身の父親と同じ声をしてると言う理由で怯える程、お前の心はすっかり閉ざされているようだな』

 

なぎさ「だ、誰なのあんた!?」

 

怯えたなぎさを見ている男になぎさは目の前の突然現れた男が声の主だと気づいて後ずさりながら問う。

 

???→ラミア『我はラミア。我はソムニウムと言う種族で、我らが存在した世界の人間からベターマンと呼ばれている』

 

そんななぎさへと、男、ラミアは名乗り上げる。

 

知る人からすればその人物は『勇者王ガオガイガー』シリーズ及びベターマンの世界の人間、ソムニウムの一人であるラミアであった。

 

なぎさ「ラミア?ソムニウム?ベターマン?」

 

戸惑うなぎさをみつえながらラミアは少し気になった。

 

殺すぐらいならばすぐに出来るが、目の前の少女がプリキュアとして戦っていた時と違い過ぎるのだ。

 

故にラミアはその疑問を氷解させる為に問う。

 

ラミア『美墨なぎさ、お前にいくつか問おう……最初の問い。美墨なぎさ、お前が最近覚えている記憶は何だ?』

 

なぎさ「あたしが覚えている最近の記憶……?確か、雪城さんと一緒に遊園地に来た事よ」

 

なぜそんな質問を?と疑問を抱くなぎさを見ながらラミアは続けて問う。

 

ラミア『遊園地に来てからは?』

 

なぎさ「遊園地に来てからの記憶?……そんなの、覚えてないよ」

 

2つ目の問いになぎさは顔を伏せる。

 

ラミア『覚えてない、だと?』

 

その答えにラミアは妙だと自分がここに来るまでに得た並行世界の知識を思い出す。

 

ラミア(……確か美墨なぎさは遊園地に来た後、メップルとミップルと言う妖精に会った後、雪城ほのかと共にプリキュアに覚醒し、メップル達を狙ったドツクゾーンの一員、ビーザードが呼んだザケンナーを倒した。だが、目の前の美墨なぎさはその時の記憶を覚えていないと言うのか?)

 

さらに聞き出すべきと判断したラミアはなぎさへの問いを続ける。

 

ラミア『プリキュアやドツクゾーンは?』

 

なぎさ「プリキュア?ドツクゾーン?わたし、そんなの知らないよ」

 

何それと戸惑うなぎさにラミアはむぅと唸る。

 

ラミア『(プリキュアやドツクゾーンの事を知らない?妙だ……美墨なぎさがプリキュアの事を覚えてないとは……)ならば次の質問だ。美墨なぎさ、お前は美墨岳と美墨理恵の間に生まれた子か?』

 

流石にこれ位は覚えてるだろうと思い聞いたラミアだったが出てきた言葉に眉を顰める。

 

なぎさ「?ううん?わたし、お父さんとお母さんから生まれてないよ、2人には養子として迎えて貰ったんだ」

 

ラミア『養子だと?』

 

どうしてそんな事を聞くの?と思うなぎさにラミアは確認の為に問う。

 

なぎさ「うん。お父さんから病院の近くで拾われて子供が欲しかった2人に養子として迎え入れられたの」

 

続けて答えられた事にラミアはおかしいと考える。

 

ラミア(拾われた?何故だ……調べた限りでは美墨なぎさは美墨岳と美墨理恵の間に生まれた子の筈……この少女の誕生を、何者かが歪めたのか?それが出来るとすれば……)

 

考え込むラミアになぎさは何もして来ないかヒヤヒヤしていた。

 

ラミア(プリキュアを歪ませた元凶なる者○○○○○○○只一人。だがその元凶なる者は○○○○○○と○○○○○○○の二人が倒した) 

 

なぎさ達を歪ませた元凶の事を思い出しているラミアになぎさは恐る恐る話しかける。

 

なぎさ「あれ?もう質問しないの?」

 

ラミア『そうではない』

 

まだあるの?とラミアに視線を向けられたなぎさはげんなりしながら次の質問を待つ。

 

ラミア『次の質問だ。何故お前の身体は傷だらけなのだ?』

 

なぎさ「……」

 

その言葉になぎさは顔を伏せる。

 

ラミア『お前の身体の痣や傷に服のボロボロ具合は何かにぶつけたり、こけたり以外に何かを投げつけられたり、ぶつけられるなどの人為的に付けられたのもある。何かあった?』

 

なぎさ「……色んな人に迫害された……」

 

顔を伏せたままなぎさは言葉を絞りだして言う

 

ラミア『迫害……そう言う事か』

 

出てきた言葉にラミアは先ほどまで自分がやろうとしていた事を思い出して理解する。

 

なぎさ「遊園地に行った後、気づいたら色んな人から人殺しとか街を破壊した疫病神とか言われて……」

 

ラミア『人殺しに街を破壊……実際にやったのか?』

 

問いに対してするわけないじゃないとなぎさは怒鳴った後に矢継ぎ早に叫ぶ。

 

なぎさ「けど皆は人を殺したとか街を破壊したや、実際に私がそれをしている様子を見たんだと言うんだよ!けどわたしはそんな事をした覚えは無いよ!」

 

泣き始めるなぎさにラミアはホントにどういう事だ?と疑問を抱く。 

 

ラミア(おかしい……美墨なぎさがプリキュアになり、人を殺め、街を破壊したのは事実、だが、本人がその様子を覚えてない……)

 

まさかとラミアは考える。

 

ラミア(創造主○○○○○○○が倒された事でその時の記憶が力と共に消えたのか?つまり、美墨なぎさはそれにより記憶がプリキュアとなる以前しかないと言う事)

 

目の前の少女が破壊行為をしたにも関わらず、破壊行為をした時の記憶が無い事はそう言う事なのかと思いながら話を促す。

 

ラミア『それからどうした?』

 

なぎさ「その後、家に急いで帰ったら、お父さんもお母さん、亮太はさえもわたしの事を人殺しと叫んで、皆と同じ様に物を投げたりして来たの。そんな家族から攻撃されるのを恐れたわたしは家を飛び出して、色んな人から街中を逃げ回って……」

 

話を聞きながらなぜ、家族までも執拗に彼女達を攻撃するのだとラミアはさらに疑問を抱いた後……同胞のライの言葉を思い出した。

 

ーああ、もし行動するならば()()()()()()()()()()()()()()()()()。あれはトリプルゼロ(暁の霊気)よりも質が悪い。我々であろうと侵食されかねませんからなー

 

ラミア(そう言う事なのか?プリキュアが破壊行為をしたのも、人々が執拗にプリキュア達を攻撃しているのも、黒いオーラが原因なのか?)

 

なぎさ「……瞬くして街の外まで逃げた所で雪城さん(ほのか)達に合流した後、色んな所に逃げたけども皆が執拗に攻撃してきて、雪城さん(ほのか)達とはぐれて、只一人、色んな世界に逃げてた。その時に一人の女の人に助けられて、逃げられたんだ」

 

考え込んでいるとなぎさの言った事に考えるのを一旦を切り上げる。

 

ラミア『女だと?』

 

なぎさ「うん。その人、迫害されていたわたしを庇って助けてくれたの……けど、その後に現れた警察も攻撃して来るんじゃないかって怖くて、お礼を言わずに逃げちゃって……」

 

後悔する様に懺悔するなぎさにラミアは再び思案する。

 

ラミア(人々から迫害されたプリキュアを救った人間……その人間は黒いオーラに犯されていないと言う事なのか……?)

 

なぎさを助けた人物が他の者達と違い、なぎさを庇ったのもそう言う事だろうかとラミアは思った後にラミアは以前、ソムニウムが集う場所に突如現れた人間の事を思い出した。

 

ラミア(そう言えば、ライに黒いオーラの事を聞いた直後、ソムニウムが集う地にある人間が来訪したな……名は號、自らをゲッターに関わりし者と名乗り、その際にある事を我らに伝えた)

 

 

 

 

────

 

 

 

─號「もし黒いオーラに対抗出来るとすれば、俺や竜馬、拓馬のようなゲッター線に選ばれし者、熱気バサラのような特別な力を持つ者、伝説の武器キーブレードに選ばれた者、そして元凶なる者○○○○○○○とは違う力を持つプリキュア辺りだろう……その力を宿す者は黒いオーラに汚染される事は無く、プリキュアに殺される前に死んでいる者もまた、黒いオーラに汚染される事は無い」─

 

 

 

────

 

 

警戒している自分達に前にそう言い残して消えた號の遺した言葉を思い出しながらラミアはなぎさを見る。

 

ラミア(號は黒いオーラに汚染されない存在を我らに伝えた……その存在ならば、美墨なぎさ達を救えるかもしれない……)

 

彼女を見てラミアは確信した。

 

自分や同族ではプリキュアを救えない。

 

だが、なぎさを救った女ならば、運命を変えて救う事が出来るのではと……

 

ラミア『美墨なぎさよ。最後に伝える事がある』

 

なぎさ「何、何よ、伝えたい事って……」

 

警戒しながら体を身構えるなぎさにそう警戒しなくて良いと静かに告げる。

 

ラミア『お前を助けたその女性はいずれお前や他のプリキュア達を救う希望になるだろう』

 

告げられた事になぎさは目をパチクリさせる。 

 

なぎさ「どういう意味なの?」

 

ラミア『それは……』

 

戸惑っているなぎさへとラミアが彼女の疑問に答えようとした。

 

その時……

 

???「両さまを殺したプリキュア(化け物)!此処に居るのは分かってますわ!」

 

突如、2人の近くで怒鳴り声が響き渡る。

 

なぎさ「嘘っ!?もう来たの!?」

 

怒鳴り声を聞いてなぎさは怯える中でラミアは都合よくなぎさの居場所が特定された事に疑問を抱く。

 

ラミア(おかしい。たった数分で美墨なぎさの居場所が特定出来るのか……いや待て、ライが言ってた黒いオーラがプリキュアの居場所を捕えやすくさせていると想定すれば……恐らく我の前に現れるのは……)

 

ならばやる事は1つと決めた後になぎさへ叫ぶ。

 

ラミア『逃げろ美墨なぎさ。我がこの場を抑える。近くに我と同じ目的を持つ者がいるからお前はその者の元へ逃げろ!』

 

なぎさ「止めるなんて無理だよ!助けてくれたあの人が何を言ってもその時いた人達は聞き入れてくれなかったんだよ!もしもここに来る人も同じなら、絶対にわたしの事を聞いてくれないから!!」

 

逃げる様に言うラミアに無理だとなぎさは叫ぶ。

 

ラミア『お前はここから離れる事だけを考えろ!いつかお前の……いや、お前達の地獄は必ず終わる!だから、今は逃げろ!』

 

なぎさ「…………っ!」

 

強くラミアに言われたなぎさは悔し気にその場から走って逃げる。

 

それを見届けた後、ラミアは顔を前に向ける。

 

麻里愛「………」

 

左近寺「………」

 

ボルボ西郷「………」

 

彼の前に現れたのは先程の両津と大原と同じこち亀の世界の住人、麻里愛と左近寺竜之介とボルボ西郷であった。

 

ラミアは3人を集中して見ると彼らから黒いオーラが出ているのを視認する。

 

ボルボ西郷「其処のあんた、プリキュア(化け物)は見なかったのか?」

 

ラミア『知らんな。仮に居場所を知っても教える気は無い』

 

プリキュアを見ていないかを問うボルボに対し、ラミアはバッサリと切り捨ててそう返す。

 

左近寺「どういう事だ!?この世界を壊して両津を殺し、わしらを一度殺したプリキュア(化け物)が来ているのは知ってるぞ!」

 

ラミア『今のお前達の都合など知らん。被害者(プリキュア)達を殺そうと目論み、嘗て我らが遭遇したトリプルゼロ(暁の霊気)に呑まれて覇界の眷属に成りし者やインベーダーの同類に成り果てた者と同等かそれ以上に成り果てたお前達に被害者(プリキュア)達を化け物などと言う資格はない!』

 

そんなラミアの態度に怒る左近寺の訴えをラミアは鋭く睨んでぶった切る!

 

なぎさを殺そうとする黒いオーラに覆われた麻里愛達の前にラミアは立ちはだかるのを、その路地裏が見えるビルの上で2人の男が見ていた。

 

???「ベターマン・ラミアの言う通り、自分達が○○○○○○○の最後の呪いによって、プリキュアの憎しみを増幅させられてそれに呑まれてると言うのに気づいていない……彼女達に迫害をしている時点で同じ存在に成り果てているのに気づいてない……俺が居た世界の人達がドミグラの魔術に洗脳されて、人々に危害を与えたのを思い出してしまうな……」

 

???「君にとっては嫌な記憶だなタイムパトロールの方のトランクス。○○○○○○○を倒した○○○○○○と我が師匠の娘の子孫である○○○○○○○はこの光景を見たらなんとも言えないだろう……」

 

麻里愛達を見てなんとも言えない顔をする黒いスーツを着た青髪の青年に対し、赤いジャケットを羽織った赤髪の青年もまたなんとも言えない顔で同意する。

 

そんな赤髪の青年が言った事に青髪の青年、ゼノバース時空と呼ばれる時間軸から来たトランクスは驚いた顔をしてから笑う。

 

トランクス(ゼノ)「驚きました。俺がどの世界線の存在か分かるとは、流石は古のキーブレード戦争に参加していたキーブレード使い、マスタープリエ一門の一人、ロイアスさんだ。時の界王神様が言っていた通り、大したお方だ」

 

ロイアス「いやいや、今回の事態で復活した際に仲間に色々と覚えて置けと言われて詰め込まされた結果さ」

 

賞賛するトランクスにロイアスと呼ばれた青年は苦笑して返してから真剣な顔になる。

 

ロイアス「ちなみに俺に接触したのはタイムパトロール、いや、それとは違う者からの命令でかな?」

 

トランクス(ゼノ)「はい、多元世界防衛組織『テイルズディフェンド』から○○○○○○○を打倒した○○○○○○と○○○○○○○の戦いの裏で助力した貴方達を支援するように言われたので」

 

そこまで知っているのかとロイアスは驚いた顔で呟く。

 

ロイアス「なら、なぜこんな事態になったかも知っているのかな?」

 

トランクス(ゼノ)「ええ、時の界王神様から聞いて俺は知ってますがこの事はまだテイルズディフェンドでも一部の人しか真実を知らされてません。○○○○○○○を倒した○○○○○○は無自覚に抱いてしまった心の闇によって、○○○○○○○の闇の力の封印に失敗してしまったからですね。」

 

問いに対して返したトランクスの言葉にその通りだとロイアスは頷く。

 

ロイアス「あの者はまだ若く、成長途中だったが故に起きた。○○○○○○○が残した最後の置き土産である黒いオーラがあらゆる世界に飛び散り、結果として一部を除いて様々な世界の人間はプリキュアへの憎悪を植え付けられ、それは本来憎悪を持たない様な人物も例外ではなく染まってしまった」

 

だからこうやって我々も動き回っていると言う事だと言ってからロイアスはトランクス(ゼノ)へ懐から取り出した物を投げ渡す。

 

トランクス(ゼノ)「おっと、これは?」

 

ロイアス「それは、俺の仲間が開発した黒いオーラの侵食を防ぐ腕輪だ。付けていれば黒いオーラに犯された者と触れ合っていても侵食される事はない。それでなんだが、早速手伝って貰いたい事がある」

 

渡された腕輪に成程と感心しながら腕輪を装着したトランクス(ゼノ)は何でしょうか?と問う

 

ロイアス「今、目の前に○○○○○○○の黒いオーラに呑まれている人間と戦っている君がベターマン・ラミアと言った男を一緒に援護して欲しい」

 

トランクス(ゼノ)「了解です!では行きましょう!」

 

ああと頷きあった後に2人は降り立つ。

 

麻里愛「私達が化け物の同類!?巫山戯ないで下さい!」

 

激昂して駈け出そうとした麻里愛達を迎え撃とうとしたラミアの前にロイアスとトランクス(ゼノ)は降り立った。

 

 

────

 

 

一方、ラミアに言われて逃げたなぎさは街外れの公園におり、休む為にベンチに座っていた。

 

なぎさ「はあ、はあ、はあ…………何とか誰にも会わずに逃げられたけど、近くに同じ目的を持つ者がいるってラミアって人は言ってたけど……何処にいて、どういう人なのよぉ……」

 

一旦落ち着いた後になぎさはどういう人物か、その人物の見た目と近くと言っていたがどこにいるかを聞いてなかったのに気づいて頭を抱えるのであった。

 

 

────

 

 

そんななぎさが休んでいる公園へと一人の美女と全身を白いマントに包んだ3人の人間が向かっていた。

 

紫髪の靡かせている美女はその身を青色のベアトップボディコンで身を包み、足に網タイツを履いてると言うセクシーな恰好をしている。

 

美女「ロイアスは無事にラミアの加勢に行ったようね。トランクスも居るそうだから予想外な事さえ起きなければ大丈夫そうね……美墨なぎさはこの先の公園にいると……とりあえず、彼女()が先行して向かってくれたけど、大丈夫かしら?」

 

???「大丈夫ですよ。何せ彼女()はGEAR戦士電童の世界の騎士GEAR凰牙のパイロット、アルテアやGガンダムの世界のガンダムファイター、ドモン・カッシュ、闘将ダイモスの世界のダイモスのパイロット、竜崎一矢に匹敵する武闘家ですよ。(まあ、別の世界で女性になる世界線があるのは聞いてましたが、まさかそっちの方で来るとは想定してませんでしたが……;)」

 

???「鉄のラインバレルの早瀬浩一やマジェスティック・プリンスのヒタチ・イズルの2人ならまさに正義のヒーローだと断言出来る人物ですしね」

 

???「まあ、あいつが現れたら例えエヴァンゲリオンって奴に出る使徒だろうがエヴァ量産機ってロボだろうが問答無用で黙らせてしまいそうな奴だし………(俺の居た世界なら、海軍や天上人辺りが反応するな)」

 

心配する美女に対し、白マントの3人が各々に答える。

 

???「とりあえず彼女()は熱気バサラと同じく黒いオーラに侵食されない人物ですからね。本来の世界の方の彼も黒いオーラに影響しませんから安心してくださいウィザリスさん」

 

美女→ウィザリス「まぁ、寧ろ彼が黒いオーラにやられるようなキャラじゃないし想像も出来ないしね。それより妨害が来る前に早く彼女の元へ向かうわよ」

 

ウィザリスと呼ばれた美女は3人の白マントの人物と共になぎさの元へと向かう為スピードを上げる。

 

 

────

 

ウィザリス達がなぎさの保護に動く中、公園近くの家の屋根の上で、おかしな人物が立っていた。

 

???「ウェーンヒッヒッウェンヒッヒ!ある創造主によって歪められたこの世界。人形たちはそんな箱庭で踊り狂う。でも大丈夫だヨ?大丈夫だネ!なんせこれはとある次元で紡がれる一夜の狂騒という名のプリキュアの物語!だったらみな楽しまきゃソンソン!

 

狂った様な笑いを出して奇妙な人物は屋根の上から自転車を跨ってパトロール中の両津を見てから地面に降り立つと、見えない所から魔法陣を展開し、魔法陣から異次元ゲートが開く。

 

ルフィ 「………」

 

孫悟空 「………」

 

トリコ 「………」

 

うずまきナルト 「………」

 

黒崎一護「………」

 

坂田銀時「………」

 

ゴン=フリークス「………」

 

黒神めだか「………」

 

ジョナサン・ジョースター「………」

 

星矢「………」

 

則巻アラレ「………」

 

ボボボーボ・ボーボボ「………」

 

その異次元ゲートを潜って現れたのは、ルフィを始めとするジャンプ系の主人公達で、彼等もまた両津と同じ様に黒いオーラを纏っていた。

 

???「カオスだネ!カオスだヨ?さぁさぁ、一緒に踊ろうか!まずは両津勘吉。少年ジャンプの長寿作品『こち亀』の主人公!君と踊る相手をあげちゃうネ!あげちゃうヨ?

 

狂った笑みを浮かばせて奇妙な人物が指をパチンと鳴らすとルフィ達は歩き出す。

 

いってらっしゃいと歩いて行く12人を見送って奇妙な人物は見物しようと屋根を飛び移って行く。

 

 

────

 

 

奇妙な人物がルフィ達を呼び出して少しして、公園の近くで大原と別れて両津が自転車に乗ってプリキュアを探していた。

 

両津「わしと部長が派出所に戻っている間に左近寺達が化け物(プリキュア)を見たって聞いて、路地裏に行ったって中川から聞いたが……連絡がないってあいつらはどうしたんだ?まさか、化け物(プリキュア)の仲間が現れたのか?」

 

両津は中川から聞いた事と連絡がない事に不安を抱いた時、走る先で見覚えのある者達を目にする。

 

その人物達は、ルフィを始めとする銀時やボーボボなどのジャンプ系作品の主人公達であった。

 

両津「あれは、ルフィ?それにトリコやナルト、一護にゴン、アラレちゃんにめだかまで……(あれ?おかしいな、なんであいつ等がここに?……もしかして、花山のじじいが化け物(プリキュア)を倒す為に呼んだのか?)」

 

12人が一堂に集っている事に疑問を感じたがまぁ良いかと放り捨てる。

 

両津「(あの化け物(プリキュア)と対峙するんだ。戦力は多いに越したことは無いか……)おーい!お前等!!化け物(プリキュア)を倒しに行くならワシも一緒に行くぞ!!」

 

ルフィ「おお、両さんか、俺達が来たからにはプリキュア(化け物)の好きにはさせないぜ」

 

ボーボボ「俺達が力を合わせれば問題ない」

 

悟空「こっちから覚えのある気配がする。プリキュア(化け物)が1体いるみたいだ」

 

銀時「んじゃあめんどくせぇ事を片づけますか」

 

声をかける両津にルフィとボーボボがそう言い、悟空が公園を指さし、銀時の号令と共に全員がなぎさが居る公園へと移動を始める。

 

メンバーと合流し、共になぎさを抹殺すべく公園へと移動を開始した両津。

 

だが両津は知らなかった……ルフィ達を呼んだのは、花山ではなく、両津すら知らない奇妙な人物である事を……その奇妙な人物がなぎさを未来の終界の女王、キュアデスバイアになる一因であることを……

 

 

────

 

 

両津が謎の人物によって呼び出されたルフィ達と合流した頃、なぎさは落ち着かない様子で公園の周りを見回していた

 

なぎさ「まだ現れないの………」

 

ラミアが言ってた人物が現れない事になぎさは早く来てと願った時……

 

両津「あっ!?こんな所にプリキュア(化け物)が居たぞ!!」

 

ルフィ達と共に両津が現れる。

 

 

両津を含めて誰もが鋭い目でなぎさを見ている。 

 

あのアラレでさえ、普段はしない目つきでなぎさを睨んでいる。

 

なぎさ「ひっ……!?」

 

自分を見ているルフィ達になぎさは絶望しする。

 

そんな怯えるなぎさへとルフィが代表で前に出て一歩一歩迫る。

 

ルフィ「俺を含む俺の世界の人間や仲間達を一度殺したプリキュア(化け物)め!今度はやられるつもりはねぇ!お前の死を持って罪を償って貰うぞ!ゴムゴムの~~~~

 

ルフィが言うと拳に黒いオーラを纏わせ、その拳を伸ばしながら一度後方に引っ張り……

 

ルフィ「銃弾(ピストル)

 

引き戻すと共になぎさに向けて勢いを付けたパンチを叩き込もうとする。

 

なぎさ「あ、ああ……!?」

 

迫る攻撃になぎさは動けず、自分を屠ろうとする拳に……

 

なぎさ「い、いやああああああああ!

 

悲鳴を挙げる。

 

 

────

 

 

現代、プリキュアキャッスル デスバイアの個室

 

キュアデスバイア「はっ!?」

 

目を見開くと共にデスバイアはガバッと起き上がる。

 

はあはあと息を荒げながら胸を抑えつつ周りを見る。

 

キュアデスバイア「夢か……嫌な過去を思い出すとはね……」

 

ふうと息を吐き出してからデスバイアはベッドから出て、タオルを取り出して肌に張り付いた汗を拭う。

 

キュアデスバイア「タオルで拭いたとは言え、搾れば大量に出る程の酷い汗ね……パンツも汗で濡れてて気持ち悪いわ……一旦シャワー浴びて汗を流した方が良さそうね」

 

全身が濡れているのとパンツを摘まんでその湿り気に眉を顰めてシャワールームへ行こうと替えの下着を持って向かおうとした時……

 

???「デスバイア様、随分酷い悪夢に魘されましたね」

 

???「今までは寝ても酷い悪夢を見る事が無かったのに……」

 

デスバイアの前に二人の女性が姿を現した。

 

どちらとも心配そうに見ているのにデスバイアは大丈夫よと返す。

 

キュアデスバイア「昔の記憶を酷い悪夢で見ちゃってね……今からシャワーを浴びにシャワールームに行く所だったのよ」

 

???「そうでしたか……(悪夢を見たと言えば……力や記憶を無くし、普通の女の子に戻された()()()()()を取り込んで、デスバイア様と同じ終焉の使者になって数日後に酷い悪夢を見たのよね)」

 

???2「災難でしたねデスバイア様(()()()()()を取り込もうとした際に、ドツクゾーンのダークファイブの一人、ビーザードが現れて雪城ほのかを殺そうとしたのよね……もっとも、雪城ほのかを取り込み、デスバイア様と同じ終焉の使者になった私の前では雑魚に過ぎなかったけど、私達が倒したビーザードがどうして再び現れたんだろう?)」

 

肩を竦めるデスバイアに2人はそれぞれ答えながら各々に考えていた。

 

キュアデスバイア「ええ……それより着替えはあるか?」

 

???2「用意は済んでるわデスバイア様」

 

???「デスバイア様と言えばビキニアーマーですね。けど、デスバイア様のビキニアーマーを用意するとタルタロスやエンドはどうして文句を言って来るんでしょうね?」

 

確認するデスバイアに2人はそれぞれ持ったビキニパンツとビキニアーマーを見せる。

 

キュアデスバイア「ありがとう。私はこの衣装が一番落ち着くのにホントになんでかしらね?まぁ、それは良いとして、どうせだし一緒に入らない?ホ・ワ・イ・ト♥ル・ミ・ナ・ス♥」

 

妖艶な笑みを浮かばせてデスバイアは目の前の2人をそう呼んで2人の頬にキスする。

 

先程からデスバイアと話していた2人の人物、彼女達はそれぞれ顔がキュアホワイトとシャイニールミナスに似ていた。

 

だが、デスバイアが話したホワイトとルミナスは一般で知られるホワイトとルミナスとは姿が違っていた。

 

違いとしてホワイトとルミナスの肌の色がキュアソレイユと同じ褐色肌になっており、衣装がキュアホワイトとシャイニールミナスを元にしてるがカラーリングは黒系になっており、体型もデスバイア同様グラビアアイドル並みのプロポーションをしていた。

 

なぜ違うのか、それは彼女達も終焉の使者として堕ちた存在でデスバイアの側近となったデスバイアホワイトとデスバイアルミナスであるからだ。

 

???2→デスバイアホワイト「もうデスバイア様ったら♥」

 

???→デスバイアルミナス「それならこの後もご奉仕させてください♥」

 

そんなデスバイアのにデスバイアホワイトとデスバイアルミナスは蕩けた目で体を悶えさせる。

 

早速3人はシャワールームに移動し、デスバイアはぐっしょりしたパンツを脱ぎ捨て、デスバイアホワイトとデスバイアルミナスも脱ごうとした時……

 

タルタロス「デスバイア居るか?」

 

部屋の外からタルタロスがデスバイアを呼ぶ。

 

キュアデスバイア「何の用だタルタロス?」

 

折角お楽しみをしようと思った所で邪魔されたので少し不満げながらデスバイアは問う。 

 

タルタロス「ファブニールがプリキュアキャッスルに帰還した。彼女から重要な話があるそうだから玉座の間に来てくれ」

 

キュアデスバイア「わかった。シャワーを浴びたらすぐに行くわ」

 

重要な話と言う事でお楽しみは後にしないといけないと考えてデスバイアはそう返し、デスバイアホワイトとデスバイアルミナスはお預けを食らって落ち込みながら脱ぐのを止める。

 

タルタロス「ああ、それと一つ言っておく。ビキニアーマーの格好ではなくドレスで玉座の間に来い。良いな?重要な話だからドレスで来るように!」

 

行く直前でタルタロスはデスバイアに普通の格好で来いと念には念を入れて釘を刺してから先に向かう。

 

デスバイアルミナス「生真面目が過ぎるな……」

 

デスバイアホワイト「まぁ、重要な話だしね。巫山戯た格好で来るのは失礼よ」

 

キュアデスバイア「お気に入りなんだけど……仕方ないか」

 

他にも集まってるだろうし、デスバイアは軽く全身をシャワーを浴びてから、ビキニアーマーではなくシャワーを浴びてる間に2人が用意した黒いドレスに着替えてから2人を伴って玉座の間へ向かった。

 

 

───

 

少しして、プリキュアキングダムの城の王座の間にタルタロスやエンド、スカイとメサイアの戦いを見ていた赤い長髪の女性が集まり、デスパイアが玉座に座るのを確認してエンドが口火を切る。

 

エンド「さて、勝手にプリキュアキングダムから居なくなったと思ったら、勝手に向かった世界で面白いものを見たとファブニールが言ったのか?」

 

タルタロス「ああ、戻ってきた際、ファブニールの表情は妙に喜んでいた」

 

確認を取るエンドのにタルタロスは頷いてファブニールと呼んだ赤髪の女性へと目を向けて返す。

 

デスバイア「そうか………ファブニール、お前が見たという重要な事は何か早く教えて貰おうか」

 

タルタロス「慌てるなデスバイア。さてファブニール、お前が見た重要な事は何か、教えて貰おうか」

 

急かすデスバイアにタルタロスはそう宥めてからファブニールへと重要な話は何かを報告する様に促す。

 

ファブニール「良いぜ。その重要な話だが、まず最初にあったのは堕ちた英雄(アナザープリキュア)が暴れ回っていたことだ」

 

話を振られたファブニールはまずある世界でアナザープリキュアが暴れていた事を話す。

 

デスバイア「アナザープリキュアか……(プリキュアの力を一方的に棄てさせられた結果、アナザーライダーやヒトツ鬼と同じ存在に変貌した怪物……か……)」

 

タルタロス「ふむ、アナザープリキュアが暴れた世界にはプリキュアと言うものはいなかったのか?」

 

ファブニール「いや、ある時まではいなかったな。俺が行った世界には仮面ライダーやスーパー戦隊、ウルトラマンと言った色んな創作物は存在するが、プリキュアはプの字も存在していなかったぜ……」

 

少ししんみりとなるデスバイアを知らずにタルタロスは確認し、ファブニールはアナザープリキュアや自分が行った世界にはプリキュアは存在しないと返す。

 

様々な面子が各々の反応を示す中、タルタロスはある事に気づく。

 

タルタロス「(仮面ライダーやスーパー戦隊、ウルトラマンと言った創作物は存在するが、プリキュアは存在しない……何だか知らんが、今のプリキュアキングダムの元になった世界も、アナザープリキュアがあらゆる創作物を破壊する前は、ファブニールが言った世界同様、プリキュアを除く作品が存在した世界だ……これは偶然だろうか……)それで、アナザープリキュアが好き勝手暴れている中で、そのアナザープリキュアを止めようとしたのは居たのか?」

 

タルタロスがプリキュアキングダムを作る前の世界もまたプリキュアが存在しない世界だったのを思い出しながら、もう1つそんな世界が存在するのは偶然なのだろうかと疑問を抱いたがすぐさま頭の隅に置いて話を促す。

 

ファブニール「居たんだなぁそれが。あの世界の警察や自衛隊ならともかく、他にも見知らぬ特殊部隊がアナザープリキュアに対し抵抗したんだ。恐れることなく突き進むその姿勢にオレは感動したぜ」

 

楽し気に笑いながら話すファブニールに聞いたタルタロスはそうか……と呟く。

 

タルタロス「……私達に喧嘩を売った軍もそんな感じだったな」

 

エンド「弱い存在でありながら、何故強大な存在に立ち向かおうとしたんだ?」

 

不思議そうに呟いたタルタロスとエンドにホントお前等はそこらへん疎いよなぁとファブニールは肩を竦めながら言う。

 

ファブニール「そりゃあ当然、護るべきものがあっただけの話だ。だから強大な怪物に怯えずに立ち向かった。ま、結局そいつらも返り討ちにされたが……クッハハハハっ……!今でも思い出すだけで笑いが止まらねぇ!」

 

突如大声を出して笑い始めたファブニールに誰もが驚く。

 

デスバイア「ファブニール、そんなにお前が喜ぶとは、何を見たんだ?」

 

そんなファブニールにデスバイアは冷静に質問する。

 

ファブニール「出たんだよ……そう、今はもう存在しねぇ筈の光の勇者(プリキュア)………名をキュアメサイヤ。オレが長年待ち続けた奴が現れた事ってことだ!!

 

自分にとってはまさに望むべき英雄、プリキュアが現れた事を獰猛な笑みを浮かばせながらファブニールはデスバイア達に叫ぶ。

 

その報告にデスバイアは馬鹿な!?と目を見開いて思わず玉座から立ち上がる。

 

デスバイア「プリキュアはもう存在しない筈だ。そのプリキュアが再び現れるなんて有り得ない!」

 

エンド「いや、別世界や別次元にプリキュアが居てもおかしくないぞデスバイア。そしてファブニール、そのキュアメサイアは強いのか?」

 

落ち着かせながらエンドは実力についてファブニールへ問う。

 

ファブニール「あぁ強ぇさ。現に堕ちた英雄(アナザープリキュア)に対して戦闘が始めての新兵にも関わらず初勝利をもぎ取りやがった。ま、オレから見りゃまだまだスタート地点に立てたぐらいだが」

 

タルタロス「ふむ、誕生して間もないのにアナザープリキュアを倒したという事か……」

 

話を聞いてタルタロスは興味深そうに言葉を漏らす。

 

ファブニール「まあな。一度は押されかけてた堕ちた英雄(アナザープリキュア)は、自分の憎悪ってーの?そういうので己自身を強化したんだよ。それでキュアメサイアを押し返したからな」

 

エンド「(アナザープリキュアがパワーアップした?妙だな、私が相対した時にはアナザープリキュアがパワーアップした様子は無かった……我々には無くてファブニールが言ったプリキュアにはアナザープリキュアをパワーアップさせるようなものがあるというのか?)」

 

タルタロス(そうではないぞと思うぞエンド。アナザープリキュアは自分以外のプリキュアに憎悪を抱いている。それは私達やエンド達も例外では無い……私達が対峙した奴は変貌に到るまでの憎悪が足りなかったという事ではないだろうか?)

 

続けて報告された事にエンドが疑問を抱いてタルタロスに念話を飛ばし、タルタロスは自分なりの推測を述べる。

 

エンド(そうか……となるとそのアナザープリキュアはキュアメサイアに対する憎悪が膨れ上がった事でパワーアップしたのかもしれないという事か……)

 

デスバイア「ふむ、話を聞いた限りではファブニール、そのキュアメサイアはアナザープリキュアに勝利したと言ってたからにはパワーアップしたアナザープリキュアを倒したのだろう?」

 

ファブニール「ご名答!そん時にはもう一人、キュアスカイってプリキュアが助けに来てな。そして件の特殊部隊が用意したツールを駆使しながら堕ちた英雄(アナザープリキュア)はその二人の活躍で浄化された。クヒッ!本格的に相対するのが楽しみになってきたぜ……!」

 

推測を聞いて納得するエンドを知らず、玉座に座り直したデスバイアは確認し、ファブニールはキュアメサイア達の活躍を新しいオモチャで得た子供の様に喜びながら語る。

 

タルタロス「(キュアスカイだと!?プリキュアの中で唯一光の勇者だったが、ウワサではキュアトゥモローに敗れて行方不明と聞いていたが……生きていたとは……)

 

ファブニール「つーわけだ。オレから見た奴らはまだ発展途上だが見込みはある。ありゃあ必ず英雄になる器だ。とくにキュアメサイアはな……」

 

デスバイア「そうか……ファフニールよ、キュアスカイとキュアメサイア、奴らは我々の敵になるか?」

 

最後に報告された中で出て来たキュアスカイにタルタロスが驚く中で、報告を終えたファブニールへとデスバイアは論点に対しての結論を促す。

 

ファフニール「あぁ、お前さんの思ってる通り、あの2人は終界の敵にはなるぜ?キュアメサイアと相手する時が楽しみだ」

 

そんなデスバイアのに対し、ファブニールは再び獰猛な笑みを浮かばせて敵になると断言する。

 

デスバイア「……そうか。報告ご苦労。指示が出るまで休んでくれ。そして、くれぐれも勝手な行動はするな?いいな?」

 

ファブニール「わかってるよ。お前さんには雇われている身だからな。信頼を失うようなことはしねぇよ」

 

下がる様に言ってから釘を刺すデスバイアにみなまで言うなとファブニールは背を向ける。

 

デスバイア「どうだが……()()()()()()()()が言うと説得力が全くないぞ。お前がその気になれば私を殺すこともできるだろうに」

 

ファブニール「今は、な。早々に潰すってんならそうするけどな」

 

そんなデスバイアのに振り返らずに返してファブニールは手を振りながら、王座の間から去っていった。

 

強張った顔でファブニールを見送ったタルタロスとエンドは会った時のを思い出す。

 

タルタロス(キュアファブニール……やつの力は強大だが同時にキュアジェイビルと同じ特大の爆弾でもある。なにせ、私とデスバイアでかかってなお倒されたのだからな……)

 

エンド(ファブニール、奴は我を怯むどころか、我を返り討ちにするほどの力を有していた。奴を見ると我らもある意味井の中の蛙、大海を知らずと言うものを身をもって知らされるな……)

 

彼女をスカウトしに行った際、完膚なきまでに叩きのめされた光景を思い出し、タルタロスとエンドは冷や汗を流す。

 

その時に彼女の強さはデタラメで、いったいなんの力なのかと興味本位で問い質した際、ファフニールはこう答えた

 

ファフニール『決まってんだろ?『気合』と『根性』だよ。わかんねぇのか?』

 

返答にふざけるな!?と叫んだ自分は悪くないとタルタロスは思いだしながら眉間を揉む。

 

タルタロス『ありえない……!そもそも気合と根性だけであんな力を出せるわけがない!きっとなにかカラクリがある筈だ。それさえわかれば……』

 

それからタルタロスはファブニールへと何度も挑んでは返り討ちに遭った。

 

今もまだ挑んではいるが、白星を得られず、黒星を付けられている。

 

エンド(自らをプリキュアを越えた究極生命体なのは名前だけでは無く実力もあった。それなのに何故タルタロスは勝てない……何よりも我の攻撃を受けて無傷で済むファブニールの耐久力はどうなっているんだ……)

 

エンドもまた、ファブニール相手にやられるタルタロスを思い出しながら彼女の頑丈さに戦慄する。

 

デスバイア「お互い、嫌な思い出を作ってしまったな」

 

エンド「そのようだな。それよりファブニールが言ったキュアメサイアとキュアスカイだ。そいつ等をこのまま放置は出来んな……」

 

そんな思い返していたエンドへとデスバイアはファブニール関連と気づいて声をかけ、エンドも返しながらキュアメサイアとキュアスカイへと話を戻し、2人の存在は放置出来ないと進言する。

 

デスバイア「そうだな、ならば此方もキュアメサイアとキュアスカイが居る世界に派兵しよう」

 

そんなエンドのに同意しながらデスバイアはタルタロスとエンドにキュアメサイアが居る世界に戦力を送る事を決める。

 

タルタロス「では、誰を派兵する?現状ではディアボロとティターンは動かせないぞ」

 

エンド「どう言う事だタルタロス?」

 

話に入って来たタルタロスの言った事にエンドは眉を顰めながら問う。

 

タルタロス「敵はキュアメサイアやキュアスカイだけでは無い。更なる敵が暗躍している」

 

エンド「更なる敵だと?」

 

エンドはタルタロスの言った事に他に敵が居るのか?と問う。

 

タルタロス「ああ、その敵の名はキュアイレイズ。わかりやすく言えばプリキュアこそが諸悪の根源だと見做す軍勢だ。そいつらの抑えの為にディアボロとティターンは動かせない」

 

エンド「プリキュアを悪と見做す軍勢か……そいつらの存在も無視できないな」

 

理由を聞いてエンドは眉を顰めて呟く。

 

デスバイア「そいつ等もキュアメサイアとキュアスカイので何らかの形で介入して来る可能性がありえるな……キュアメサイアとキュアスカイに構い過ぎると横から攻撃を受けかねない……確かにディアボロとディターンは安易に動かせないな……」

 

タルタロス「そうだな。デスバイアの戦力は今はホワイトとルミナスしかいない。早く残るデスバイアプリキュアを終焉の使者にしなければ………(後、あいつらを何時までもビキニアーマーだけの格好にするわけにはいかん………)」

 

顎に手を置いて思案するデスバイアに同意しつつタルタロスは内心頭を悩ませている事にぼやく。

 

エンド「デスバイアに匹敵する戦力はすぐには用意できない。ならば此方はゾンマーヘルブストを派遣する。フリューリンクヴィンターにはキュアイレイズの抑えに向かわせる」

 

タルタロス「エンドの配下のヴィンターか……確かにあやつはファブニールに劣るが並大抵の者でもいなす実力を持つから安心出来るな。どうせなら此方も怪人に当たる戦力を作るとしよう」

 

派遣する人物について進言するエンドのにタルタロスは納得しながら更なる戦力を作ろうとデスバイアに言っていると……

 

???「キュアメサイアとキュアスカイが居る世界の派兵か……ならばあたしも参加するぜ」

 

その言葉と共にデスバイア達の前にオレンジの髪に、オレンジと黒をベースにした不死鳥をモチーフの衣装を纏ったプリキュアが現れる。

 

デスバイア「お前も参加するのか、キュアファルシオン?」

 

キュアファルシオン「ああ。全ての世界から黒歴史として抹消された筈のプリキュアが現れたのが気になってな」

 

派兵のに名乗り上げたプリキュアを見て意外そうに言うデスバイアにキュアファルシオンと呼ばれたプリキュアはそう返す。

 

デスバイア「……良いだろう。派兵のにお前も行くが良い」

 

キュアファルシオン「ありがとな」

 

んじゃあ準備して来るからなと礼を述べて早々にファルシオンは王座の間から去る。

 

タルタロス「さて、我々も準備するぞ」

 

エンド「ああ、では失礼する」

 

タルタロスのに返しながらエンドもキュアメサイアとキュアスカイの打倒及びキュアイレイズと言う組織に備えるべく玉座の間を去る。

 

見送った後、1人残ったデスバイアはそのまま玉座に座り続ける。

 

実は先ほどのファブニールから聞いた事でデスバイアは一つ気になっていたのだ。

 

デスバイア(キュアメサイア……なぜだ、なぜ知らないプリキュアの名前なのに、気になってしまうのだ……?)

 

先程初めて聞いたキュアメサイアにどうして自分は気になっているのか分からずにいた。

 

 

────

 

 

再び黒い空間の中、ウォズが現れて、キュアデスパイアの描かれたカードを翳しながら語りだす。

 

ウォズ「さて、4人の人物の内の1人、キュアデスバイアのはここまで。次の話は晴渡空、ソラ・ハレワタールに関わる二人の人物……そして元凶なる者を倒した英雄の話をしよう」

 

続けざまに残りの3枚のカードを扇子の様に広げて翳しながら次なる物語を語り始めるのであった。

 

 

 




次回

ウォズは語る晴渡空(ソラ・ハレワタール)に関わった二人の物語

そして、元凶なる者を倒した英雄の物語を


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それぞれの後始末後編

空と関わりを持つ二人が登場




黒い空間の中でウォズは開いた本を見ながら語り始める。

 

ウォズ「この本によればデスバイアは、デスバイアになる前の自身、美墨なぎさの時に遭った嫌な出来事を悪夢を見てしまう」

 

「美墨なぎさはこち亀の世界に逃亡したが、そこでも両津勘吉を始めとするこち亀の世界の住人がプリキュアを排除しようとしていた」

 

「そんな時、美墨なぎさは路地裏にてガオガイガー及びベターマンの世界の住人、ベターマン・ラミアと出会う。ラミアから、いくつか質問をされた後、自分を助けた女性が何れ自分を含めた全てのプリキュアを救うと希望になると言われる。暫くしてなぎさの抹殺を目論む麻里愛達をラミアが止める間にラミアと同じ目的を持つ者の所まで逃げろと言われたなぎさは公園に逃げるも、両津勘吉と共に本来こち亀の世界には存在しない筈のモンキー・D・ルフィ他ジャンプ作品の主人公達が現れ、美墨なぎさへルフィのゴムゴムの銃弾を迫った所でデスバイアは悪夢から目を覚ます」

 

「悪夢から覚めたデスバイアは、ファフニールからキュアメサイアとキュアスカイの事を聞かされた後、彼女が去った後にタルタロスとエンドはファフニールのでたらめな強さに戦慄した」

 

一通り語り終えた後にウォズは前を見る。

 

ウォズ「さて、悪夢を見たデスバイアだが、デスバイアの前身である美墨なぎさは果たして死んだのかと聞かれると……答えは死んでないんだ。これから話す三人の人物の話でなぜ死んでないかの理由が解るよ。それでは残る三人の話を語ろうじゃないか」

 

そう言ってからウォズはきょとんとした顔をする。

 

ウォズ「何?前回の最後に私が言った奴で結局英雄を語るのは私じゃないかだと?まぁ、そこはメタイ話、作者に君が話してとお願いされてしまってね。そこらへんはご愛敬と言う事でね」

 

茶目っ気に笑った後、ウォズの姿は再び見えなくなる。

 

 

────

 

 

墨村市の街外れ、其処にはオレンジの髪をした少年が居た

 

???「はぁ……中等部に入って早々、学園に怪物が襲来されるなんて……あの時、赤城会長の指示が無かったら、ヌーベル学園の皆は怪物に皆殺しにされたかも知れないとゾッとするな……」

 

ため息を吐いてから少年はその後に騒動が終わった後のを思い出す。

 

???「その怪物をある特殊部隊と、見知らぬ()()()()()()がやっつけたってOBの人達から聞いたけど、その()()()って一体誰なんだろう……(それに、ボクはどうして()()()の事が気になるんだろう………)」

 

うーんと唸っていると少年の近くに一台の車が近づいて来る。

 

そして車を路肩に寄せて止めると車の窓を開けて運転していた女性が少年に話しかけて来る。

 

???2「こんな所で会うなんて奇遇だね少年」

 

???「……何度も言いますが、ボクには夕凪ツバサって言う名前があるんですよあげはさん……」

 

ニカッと笑う女性に対し、少年、ツバサはジト目で自分の名前を告げる。

 

良いじゃないと女性、あげは笑う。

 

ツバサ「はぁ……所で、何であげはさんはこんな所に居るのですか?」

 

あげは「ヌーベル学園が襲われたって聞いて来たんだよ。晴渡さんやましろんが怪物に襲われて怪我してないか心配でね」

 

ため息を吐いてから質問するツバサに対し、あげははそう返す。

 

そう言う事でしたかとツバサは納得する。

 

ツバサ「その怪物ですが、ある特殊部隊と()()()()()によって倒されたと、確か、井上拓也さんと小林律子さん達から話を聞いてます」

 

あげは「え?律子もヌーベル学園に来てたの?」

 

教えるツバサにあげられた名前であげはは目を丸くする。

 

ツバサ「ええ、来てましたよ。2人とも、学園の前にショッピングモールで怪物の襲撃に遭ったそうで、その際に警察に助けられたそうですよ」

 

あげは「そうだったんだ……それじゃあましろんや晴渡さんは無事なのね……良かった」

 

ほっと安堵するあげはにそう言う事ですとツバサは頷く。

 

ツバサ「と言うか、無事でなければこうやってボクがこんな所であげはさんに会ってませんからね……」

 

あげは「そうだね……とりあえずわたしはヌーベル学園に行くけど、少年は寄り道せずにまっすぐ帰るんだぞ~」

 

余計なお世話ですよと憮然とした顔で返すツバサにあげはは笑って窓を閉めると車を動かしてヌーベル学園に向かって行く。

 

車を見送ったツバサも家に帰ろうと歩き出そうとした時……

 

ー……メポ…………ー

 

ツバサ「……?」

 

耳に貸すかに入って来たのに足を止める。

 

ツバサ「こっちかな……」

 

微かに聞こえたのを頼りにツバサは歩き出す。

 

暫く歩いているとぬいぐるみらしきものが地面に横たわっているのを発見する。

 

ツバサ「ぬいぐるみ?なんでこんな所に……」

 

訝しみながらツバサはぬいぐるみを良く見ようとしゃがんで掴んでみる。

 

ツバサ「見た事もないぬいぐるみだな……どこの奴だろう?」

 

んん?と首を傾げながら観察していると……

 

???「……メポ……此処は何処メポ?」

 

ぬいぐるみの閉じていた目が開いて声をだしたのだ。

 

ツバサ「うわっ!?ぬいぐるみが喋った!?」

 

ぬいぐるみ?「誰が喋るぬいぐるみメポか!?ぼくにはメップルって言う立派な名前があるメポ!!」

 

突如声を出した事で驚くツバサにぬいぐるみ?もといメップルは怒鳴ってから周りをキョロキョロ見る。

 

メップル「って、此処は何処メポか?」

 

ツバサ「此処は東京都墨村市と言う街だけど」

 

墨村市?とメップルは首を傾げる。

 

メップル「若葉台じゃないメポか?」

 

ツバサ「ええっと……若葉台って何?ボクの居る街にそんな名前の場所は無いよ」

 

首を傾げているメップルにツバサはそう返してから聞き返す。

 

メップル「若葉台を知らないメポか?と言うかぼくも墨村市と言う街は聞いた事無いメポ」

 

ツバサ「なんだか、お互いにちぐはぐな感じだな……」

 

うーーんとお互いに首を深く傾げて唸る。

 

メップル「そう言えば君は誰メポ?ぼくはさっき名乗った通り、光の園の選ばれし勇者、メップルメポ」

 

ツバサ「(なんか増えてる……)ボクは夕凪ツバサ、昨日ヌーベル学園の中等部に入ったばかりの学生だよ」

 

今更ながら、メップルは名前を聞いてから再び名乗り、二つ名を付けているのに内心ツッコミを入れながらツバサは名乗る。

 

メップル「夕凪ツバサメポか……メポ?」

 

ん----とメップルはツバサの顔をジーと見る。 

 

ツバサ「どうかしたの?」

 

メップル「気のせいメポかね……ツバサが鳥みたいに見えたメポ」

 

何言ってんの?とメップルの言った事にツバサは呆れる。

 

ツバサ「()()()()()()()。何で鳥だと思ったのさ」

 

メップル「それはすまないメポ、なんだか鳥っぽく見えちゃって……」

 

謝罪するメップルに全くと思った後にメップルの扱いので困り果てる。

 

ツバサ「んーーー君の事はどうしようか……流石に警察とかには預けるのは難しいだろうしな」

 

メップル「それはこっち的にも複雑な気分になるから止めて欲しいメポ」

 

再びお互いにんーーーと悩んでいるとツバサは案内板を目にする。

 

ツバサ「そうだ、白永(はくえい)神社が良いかも、あそこの住職さんなら保護してくれるかも」

 

メップル「白永神社?どういう神社メポ?」

 

その案内板を見て妙案を思いついたなツバサにメップルは問う。

 

ツバサ「墨村市の外れに立ってる由緒正しい歴史を持つ神社だよ。その神職を務める白永将悟さんは、数ヶ月前、()()()()()がこの近くで行き倒れになっていた()()()()を見つけた後に保護してくれた男の人で、その前にも訳ありで墨村市に移住した人達を受け入れているんだ」

 

メップル「訳ありで移住したって何か気になるメポ。ホントに大丈夫メポ?」

 

説明の最後を聞いてメップルが不安を抱くのに大丈夫だよとツバサは返す。

 

ツバサ「顔に傷がある男の人だけど大丈夫だよ」

 

メップル「どこに安心要素あるメポ!?」

 

そんな会話をしながらツバサはメップルと共に白永神社に向かった。

 

その白永神社にて、ある人物と出会う事を、今の1人と1匹は知らなかった……

 

 

────

 

 

メップルを保護したツバサが白永神社に向かう頃、その白永神社では眉間から左頬に走った切り傷のある一人の壮年の男が居た

 

彼こそ白永神社の神職を務める白永将悟だ。

 

将悟は空を見上げながら考えていた。

 

将悟(○○○○○○と○○○○○○○に倒された○○○○○○○が生み出した呪いによって生まれたアナザープリキュア。アナザープリキュアを倒せるのはプリキュアの力のみだが、そのプリキュアの力は○○○○○○○を倒した事で殆どが消滅しちまった。それによってあらゆる英雄達はアナザープリキュアに対抗できずに倒されちまって、世界が滅んだ結果。アナザープリキュアによって滅ぼされた世界は、()()()()()の世界同様最初から無かった事にされちまった……だが、アナザープリキュアを止める力がまだあった)

 

懐にしまっていた古文書を取り出した将悟は中を見る。

 

そこにはこう記されていた。

 

 

光の使者が邪悪に堕ち、世界を滅ぼす『世界の殺戮者』になる時、『世界の殺戮者』を止める抑止力は必ず生まれる

 

 

将悟(事実、別次元や別世界には悪に堕ちてしまったプリキュアを止める為に存在するプリキュアが居るとあいつらから聞いている。んで今ニュースで話題になっている何者かが怪物を倒したと言う)

 

その後に将悟は古文書を仕舞い、スマホを取り出して操作するとある映像を出す。 

 

映像はアナザープリキュアを倒したキュアスカイとキュアメサイアが映っており、その映像は将悟の知り合いが密かに撮った物のだ。

 

将悟「一人は教えてくれたキュアスカイなのは分かるが、もう一人のプリキュアは一体誰なんだ?あいつ等も知らないって言ってからな……」

 

ううむと唸っていると白を基調としたファンタジアと言われるサンバで使われる衣装を身に纏った褐色肌の黒髪の青年が来る。

 

???「将悟のおっさん、済まないがまた保護対象を連れてきた」

 

将悟「おおライトニア、また保護するべき奴が来たのか?」

 

そう言う事とライトニアと呼ばれた青年は将悟に頷く。

 

ライトニア「ほら、来なよ」

 

後ろを振り向いてライトニアが呼びかけると、一人の女性が姿を現した。

 

前髪に青いメッシュが入った薄紫色の長い髪をハーフアップにしており、西洋の服をイメージした青い衣装にマントを羽織っている。

 

ライトニア「彼女はシャララ。スカイランド出身の人間だが例の如く、『世界の殺戮者』(プリキュア)によって故郷のスカイランドを滅ぼされた住民だ。俺が保護したお蔭で唯一無事で済んだんだ」

 

シャララ「ええ、彼がいなければ私も死んでしまっていただろう……しかし、王様と王妃様、ベリィベリーを始めとするスカイランドの住人はアナザープリキュア(プリキュアの成れの果て)によって……私だけが生き残って良かったのだろうか……」

 

紹介するライトニアの後にシャララは自分だけ生き残った事に暗い顔で伏せる……

 

将悟「いや、スカイランドの生き残りはあんた以外にも()()居る」

 

1人目はこの子だと将悟はスマホを操作してある映像を顔を上げたシャララに見せる。

 

その映像は空が記憶を取り戻し、メサイアがメダルを使った事で力を取り戻してキュアスカイへと変身してる所で、そんな空を見てシャララは目を見開く。

 

シャララ「ソラ……そうか、生きていてくれていたか……」

 

顔を見てかつて自分が助けた少女だと気づいたシャララは優しい目で見てから、スカイの隣に立つプリキュア、メサイアの方に視線を向ける。

 

シャララ(このプリキュア……それに先ほどの光景……まさか、スカイランドの書物に記されていた事に関わる存在だろうか……)

 

そんなメサイアを見て、シャララはスカイランドが滅ぼされる前、古い文献で見た事を思い出す。

 

それにはこう書かれていた。

 

 

ー光の使者が邪悪に堕ち、世界を滅ぼす存在に成り果てた時、邪悪に堕ちた使者を止める抑止力となる新たな光の使者が生まれ、邪悪に堕ちた使者を光に戻すー

 

 

それは奇しくも将悟が持っていた古文書と似た記述であった。

 

将悟「お前さん、スカイの隣に居るプリキュアが気になるのかい?」

 

シャララ「ああ……この人物には、すぐに会えるだろうか?」

 

そう問われ将悟はあーと頭を掻く。

 

将悟「都合よく会うのは無理かもな……あいつ、愛香にだって都合があるだろうしな……」

 

そう返されシャララはそうかと……と呟きつつ当然かと思う。

 

いきなり会った事もない人物に尋ねられても警戒させてしまう可能性がある。

 

空に会うのなら良いとして、どう会おうかとシャララが考えていると将悟がただ……と続ける。

 

将悟「俺の娘と一緒にいればおのずと会えると思うぜ」

 

シャララ「娘が居るのか?」

 

驚き顔を見せるシャララに顔ので判断されたのかなと内心しょんぼりしながら将悟は続ける。

 

将悟「ちょいと訳アリの義理の娘で、子持ちのシングルマザーだけどな。名前は(いくさ)、そのプリキュアに変身してる子に痴漢を撃退する術として格闘技を教えているんだよ」

 

シャララ「成程……」

 

ライトニア(訳ありなのは当然だよな……俺や俺の仲間に将悟のおっさんしか知らない事……俺を含む8人のキーブレード使いの師匠の血を引く娘、○○○○○○○の生まれ変わりだからな……)

 

そう教える将悟と納得しているシャララの後ろでライトニアは内心呟いていた。

 

将悟「戦は、神社の境内でそいつ以外に子供達に格闘技のを教えている。今も教えてるだろうから、興味があるなら顔合わせついでに行ってみたらどうだい」

 

シャララ「そうだな、せっかくだからその戦さんに会ってみよう」

 

将悟にそう勧められ、勧められたシャララも興味があったからか提案を受け入れ、境内はあっちだと将悟の指さした方へと向かう。

 

残された将悟はシャララを見送った後に真剣な顔になり、ライトニアに話しかける

 

将悟「んで、今回は保護すべき人間だけ連れてきたわけじゃあないだろライトニア?」

 

あ、やっぱり分かるとライトニアは肩を竦めてから真剣な顔になる。

 

ライトニア「将悟のおっさん、今回のアナザーブラックの件で皆と話し合った結果、あんたにまだ話してなかった……昔、俺の仲間が遭遇したある話を話そうと思ってさぁ……」

 

将悟「お前さん達が遭遇したある話だって?」

 

そうと息を飲む将悟にライトニアは頷く。

 

ライトニア「正確に言うんならウィザリスとロイアスの2人なんだけど、その話ってのがアナザーブラックの元になったキュアブラック……美墨なぎさに関してなんだよ」

 

将悟「なぎさちゃんので何かあったのか?」

 

疑問に対して頷いてからライトニアは話し出す。

 

ライトニア「なぎさの方はウィザリス達によって無事に保護したんだけどさ、その時にロイアスとウィザリスの所に俺が出会ったヒーロー達が来てくれて、ロイアスとウィザリスの窮地を救ってくれたんだよ。ロイアスが相対した相手は唖然としてたそうだ。()は麻理愛達に対し、()()()()に堕ちて恥ずかしくないかと説かれてさぁ、黒いオーラに飲まれていた麻理愛達は自らの行為を恥じた事でオーラから解放されたんだ」

 

将悟「()()()()……そうか、ロイアスの方は()()()が助けられたんだな。んじゃあウィザリス達の方には誰が来たんだ?」

 

誰なのかを察してから将悟は次にウィザリス達を助けたのは誰か質問する。

 

ライトニア「実はと言うとさ、その人物達のでウィザリス達と対峙した両さん達は唖然としちまう感じになったんだよね。うずまきナルトなんか、女性なのに何でカカシ先生に似た声をするキャラが現れたんだとか、もう1人の方は黒神めだかが驚いて二度と生き返る事が出来ないのではないかとそいつに戦慄していたな」

 

将悟「()()()()()()()()()()()()()()()()……あー、黒神めだか関連となるとあのチート持ちの嬢ちゃんが来たのか……彼女は確か、対ギャグキャラ用のスキルを持ってたんだよな」

 

助っ人を聞いて片方のを察して納得する。

 

ライトニア「そんな助っ人の加勢でロイアスとウィザリスは無事に相手を鎮圧する事が出来、ウィザリス達が相対した両さん達も鎮圧後正気に戻ってくれたんだよ。それでなぎさは無事に保護され、これで終わり……だった筈なんだけどな……」

 

将悟「だった筈って、なぎさに何かあったのか?」

 

話していて苦い顔をしたライトニアは将悟のにそうなんだよと頭を掻く。

 

ライトニア「ロイアス達が保護したって言う連絡をしてた事で目を離してる間に、なぎさをどこかに跳ばされちまったんだよ」

 

将悟「跳ばされただって!?一体誰がやったんだ?」

 

驚いた後に聞く将悟にライトニアは1枚の写真を取り出す。

 

ライトニア「ロイアス達がなぎさから離れている間、その助っ人がなぎさが跳ばされる間際に撮ってくれたもんだ」

 

ここを見てくれとライトニアは将悟に写真のある一点を指さす。

 

そこには道化師の格好をした少女が写っていた。

 

将悟「何だこの道化師みたいな嬢ちゃんは?」

 

ライトニア「この道化師みたいな奴は、キュアジェイビル。俺は直接出会ってないけども、両さんとめだか以外に孫悟空、美食屋のトリコ、うずまきナルト、黒崎一護、坂田銀時、ゴン=フリークス、ジョナサン・ジョースター、ペガサスの星矢、則巻アラレ、ボボボーボ・ボーボボ、そしてルフィを呼び寄せてなぎさを襲わせて、なぎさを跳ばしたのは間違いなくこいつの仕業だ」

 

将悟「キュアジェイビル……この嬢ちゃんもプリキュアなのか……なあライトニア、もしかしてこいつは○○○○○○と○○○○○○○の戦いや○○○○○○○の戦いを見ていて……プリキュアになっていた女の子が『世界の殺戮者』になったのにも関わりがあるのか……」

 

驚きながら将悟はライトニアに自分が思った事を確認する。

 

ライトニア「俺達もキュアジェイビルが関わってるんじゃないかって目を付けている。んでまぁ、そいつのせいで保護できた筈のなぎさは何処かに跳ばされちまったんだよな……まぁ、ウィザリスが万が一にとなぎさに発信機は付けておいてたんだけどな……」

 

将悟「キュアジェイビル……とんでもねぇプリキュアだな……それで、発信機を付けてたんなら早速なぎさの嬢ちゃんの元に向かったのか?」

 

ふうと息を吐くライトニアに将悟は質問する。

 

そんな問いに対し、ライトニアは凄く申し訳なさそうに顔を歪める。

 

ライトニア「すぐに行こうとしたが、問題が起きて行くことが出来なかったんだよ」

 

将悟「行くことが出来なかった?どういう事だ?」

 

訝しむ将悟にライトニアは首の後ろを掻きながら答える。

 

ライトニア「なぎさが転移させられた先が厄介だったんだよ」

 

将悟「厄介だって?基本的にはお前等は世界を渡れるんだろ?ヤバいのがいたのか?」

 

なぜ厄介かに疑問を浮かべる将悟のにそうなんだけどね……とライトニアは困った顔をする。

 

ライトニア「理由を言う前にね、彼女がとばされた先は……彼女の故郷である若葉台なんだ」

 

将悟「?別に厄介な感じがしなさそうだけどよ……もしかしてなぎさを虐める奴等が沢山いたのか?」

 

そうじゃないとライトニアは首を横に振って言う。

 

ライトニア「()()()()()()()()()()()()……、若葉台、なぎさの故郷の世界はアナザープリキュア(プリキュアの成れの果て)に襲撃されて滅ぼされてしまい、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。世界そのものが無かった事にされては俺達の世界を渡る術であっても、救助に行けないんだ……」

 

将悟「けどよぉ、確か聞いた話じゃあ()()()()()()()()()()なら消滅された世界でも活動は出来なくもないんじゃなかったか?」

 

告げられた事に顎を摩りながら将悟は指摘する。

 

ライトニア「確かに俺達の師匠なら活動は出来る。実際に師匠がなぎさが跳ばされた滅びた世界に向かった……だが、師匠でもなぎさを救う事が出来なかった」

 

将悟「どういう事だ?」

 

告げられた事に将悟は驚く。

 

実力も見せて貰った事もあるのでライトニア達の師匠が救助を失敗するとは思いもしなかったのだ。

 

ライトニア「帰還した師匠の話によると……その世界には、()()()()が生えた魔物達が彷徨いていた。その魔物達は師匠でも倒せない位の強さを持っていた他、魔物達はなぎさのいる場所を守る様に阻んでいたから数も多い事もあって、師匠は魔物達がいない遠回りしちゃうけど行けるルートを見つけて近づいたんだが……」

 

将悟「まさか、なぎさは怪物達に殺されちまったのか?」

 

息をのむ将悟にライトニアは苦い顔をする。

 

ライトニア「違う……なんとか辿り着いた頃には、なぎさは()()()()()に変貌しちゃっていたんだ……やむなく師匠は撤退する事を選んだ……折角ロイアス達がなぎさを保護できる筈だったのを、キュアジェイビルのせいで台無しにされた上に師匠の手を煩わせてしまったんだ……」

 

将悟「まぁ、過ぎちまった事だ……それでも、悔やんでも悔やみきれねえお前さん達の気持ちは分かるぜ……俺もそう言う時あったからな……」

 

落ち込むライトニアに将悟はそう慰める。

 

将悟「まぁ、この世界に愛香の嬢ちゃんがプリキュアとして覚醒、キュアメサイアって言う新たなプリキュアが誕生して、空を再びプリキュアとして復活させられたのなら、闇に堕ちしまったなぎさ、いやなぎさ達を救ってくれるんじゃねえか?だから時が来たら、愛香の嬢ちゃん達に手を貸してあげな」

 

ライトニア「……そうだな。確かに、その通りだ。時が来たら彼女達に手を貸すよ。皆にもそう言っとく」

 

笑って言う将悟にライトニアも笑った後にそれじゃあとその場から離れようとする。

 

将悟「おいおいライトニア、ゆっくりしていかねえのか?茶と菓子位出してやるぞ」

 

ライトニア「あーー、ありがたい申し出でこっちとしてももう少しゆっくりしたいけど……今はアナザープリキュアだけでなくキュアイレイズと名乗るプリキュアに敵対した連中やプリキュアに憎悪を抱く者達が集まった組織の対処もしないといけないからあんまりゆっくり出来ないんだよな……」

 

申し出に対し、ごめんとライトニアは申し訳なさそうに謝る

 

将悟「キュアイレイズねぇ……またとんでもねぇ奴等がいるもんだな……」

 

ライトニア「その中には俺達が保護すべき人物も加担しちゃっているのもね……そいつらの存在がプリキュアに対して悪影響をもたらしかねないのも厄介事だよ」

 

なんとも言えない顔でぼやく将悟にライトニアもぼやく 

 

将悟「保護すべき人間が敵になるか……厄介事過ぎてこれ以上厄介事が起きて欲しくねえな……」

 

ライトニア「同感だよ、しかも今はヒーローのせいでヒーローを憎む者も存在しているからな……」

 

もう1回ぼやいてからあ、そうそうとライトニアは思いだした様に懐を探ると将悟に何かを手渡す。

 

将悟は渡されたのを見ると五枚のメダルであった。

 

ライトニア「スカイ達プリキュアの力になるアイテムを渡しておくよ。もしもの為に役に立つからな」

 

将悟「ああ、分かった。愛香の嬢ちゃんかソラが来たら渡しておくぜ。ライトニア、お前さんもそうだが、皆にも伝えておいてくれ。無理はすんなよ」

 

将悟の激励にライトニアは笑った後に左肩に鎧の肩当を装着して叩くと光りに包まれ、全身に鎧を纏うとその手に鍵型の剣を出現させて切っ先を光らせると光りが放出され、その先に異次元ゲートを展開する。

 

展開されたゲート内にライトニアは入り、別の世界に向かって行く。

 

そんなライトニアが居なくなって異次元ゲートが消えるのと同時に、神社の境内外へある人物が来る。

 

ツバサ「将悟さん居ますか」

 

それはメップルを抱えたツバサであった。

 

将悟「ツバサじゃねえか?一体どうしたんだ?」

 

ツバサ「公園でぬいぐるみみたいな物が落ちてて拾ったんだ」

 

メップル「ボクはぬいぐるみじゃない!光の園の選ばれし勇者、メップルメポ!」

 

そう言って抱えたメップルを見せたツバサなのだがヌイグルミ扱いされて怒ったメップルが思わずツバサの手から離れて文句を言う。

 

あ!?とツバサは慌てる。

 

ヌイグルミとして置いといてもらおうと考えていたツバサはいきなり破綻してしまったのと将悟が驚いてしまって変な騒ぎにならないかと危惧してしまう。

 

将悟「メップルだと!?まさか、光の選ばれし勇者、メップルを拾ったのか!?」

 

が、その驚きが思っていたのとは違っていたのでえ?とツバサは戸惑う。

 

ツバサ「え、あの、メップルの事、知ってるんですか?」 

 

将悟「あ、あ~~~~まぁ、ちょいと伝手でな……こいつをどこで保護したんだ?」

 

戸惑いながら問うツバサに将悟は少し目を泳がしながら曖昧に答えた後に気になって問う。

 

ツバサ「ここから少し離れた場所で保護したんです。帰る途中で声が聞こえたので向かったら、倒れていたメップルを見つけたんです」

 

将悟「そうか……(まさか、プリキュアが存在し無くなったと同時期、プリキュアに関わった妖精達も消えたと聞いたが、こんな形で遭遇するとは……)ところで何でこんな所に居るんだ?」

 

理由を聞いてから将悟はメップルに何故墨村市に居たのか質問する。

 

メップル「それについては分からんメポ。目が覚めた時には近くにツバサが居たくらいで、どうしてここにいるか分からないんだメポ」

 

将悟「ここに来た経緯は分からないか……お前さん、どういう事をやっていたのか話せるか?」

 

ふうむと顎を摩ってから将悟はメップルに問い、メップルはん、んーーと唸ってからツバサと将悟を何回も見て、意を決した顔で2人を見る。

 

メップル「二人を信用して言うメポ。実は僕はプリキュアをサポートする妖精なんだメポ」

 

ツバサ「よ、妖精?」

 

目をパチクリさせるツバサにメップルは頷く。

 

ここで立ってるよりこっちで話すかと将悟はツバサとメップルと共に神社の階に座り、メップルの話を聞く。

 

メップル「ボクはある時、美墨なぎさって女の子と雪城ほのかって女の子にミップルと言う恋人と一緒にドツクゾーンって言う悪い奴と戦って貰う為にプリキュアの力を授けたメポ」

 

ツバサ(え、恋人がいたの?;)

 

語られた中で恋人がいた事に内心ツバサが驚く中、メップルは顔を伏せる

 

メップル「けどプリキュアの力を授かったなぎさとほのかは何かおかしかったメポ」

 

将悟「何がおかしかったんだ?」

 

しっかり聞こうと身構えるツバサと将悟にメップルは言う。

 

メップル「まず、いきなり自分達は最強にして無敵の存在だと言いはじめたんだメポ。あの時あったばかりだったけど、2人とも、そんな事を言う感じの性格じゃなかったんだメポ……それでもドツクゾーンの奴等が出す怪物を倒していたんだけど、その戦い方に問題があったメポ……」

 

将悟「戦い方に問題がある?どんな感じだったんだ?」

 

哀し気に顔を歪めるメップルへ将悟は問う。

 

メップル「……2人とも周りを見ずに戦ったんだメポ。人が居るのに必殺技を放ったり、建物に人が居るのに建物を壊したりして……ボク達が何を言っても全然聞いてくれなかったメポ」

 

将悟「おいおい、やってる事が悪者と代わらねえだろそれ……どんだけひでぇ戦い方をしやがるんだ……」

 

顔を歪める将悟の隣でツバサはなぜか胸に痛みが来た。

 

ツバサ(あれ、なんで胸が……)

 

メップル「……戦っている最中、なぎさとほのかはヘラヘラ笑ったり、自分達は強いってイキったりして相手を嬲ったりして、それはもう酷かったメポ……」

 

将悟「おいおい、ヘラヘラ笑いながら戦うって……どこのチンピラだよ……」

 

これは酷いと将悟は唸るとツバサはさらに胸に突き刺さる感覚が来る。

 

メップル「それから暫くして……ドツクゾーンが完全に壊滅した時、なぎさ達は変貌しちゃったメポ」

 

将悟「変貌だって?なんでそうなったんだ?」

 

分からないメポとメップルは首を横に振る。

 

メップル「突然だったんだメポ……なぎさは変身した時は元から黒い衣装を着ていたけど、ほのかや他にいたプリキュア達みんなが禍々しさを放つ黒い衣装に変わっちゃって、ドツクゾーンの様な悪い奴になっちゃったんだメポ」

 

将悟「プリキュアが悪になっちまっただって……!?」

 

ツバサ「そ、それでプリキュア達はどうなったの?」

 

驚く将悟の後に痛くなる胸の痛みを隠しながらツバサがメップルに問う。

 

メップル「悪になったプリキュア達はあらゆる世界に行き、人々の命を奪い、世界を破壊したメポ。そしてプリキュアによる破壊行為を止めるべく、色んな世界からあらゆるヒーロー達が現れて、プリキュアに立ち向かったメポ……けど、ヒーロー達は勝てなかったんだメポ……」

 

将悟「ヒーロー達が勝てなかっただって?どうしてなんだ?」

 

告げられた事に驚く将悟へメップルは言う。

 

メップル「その時のプリキュアは邪悪なオーラを纏っていて、そのオーラのせいでヒーロー達は力を発揮できず、更にあらゆる攻撃を無効化されちゃって、誰もが抵抗間もなく倒されちゃったメポ……」

 

ヒーロー達がなすすべもなく倒されたと聞いて将悟は唸る。

 

将悟「ヒーローの中にはとんでもねぇ程の力の持ち主だって居るのに、そいつらさえもやられちまったのか!?」

 

メップル「そうメポ。誰もが悪となったプリキュアの前で力を発揮出来なかったメポ……」

 

ツバサ「そんな人でも止められないなんて……それからどうしたの?」

 

戦慄した後に聞くツバサにメップルは悲しい顔をする。

 

メップル「ヒーロー達を倒したプリキュアは人々を殺し、世界を次々と破壊したメポ。ヒーローすらも倒してしまうプリキュアを止めるのは一部を除いて居なかったメポ」

 

将悟「そうか……(その一部が○○○○○○と○○○○○○○、そして○○○○○○○の祖の○○○○○○○とその一門だな……)そんなプリキュア達が暴れてる間、おまえさん達は何もしなかったのか?」

 

そんなメップルのにそう考えながらそれからどうしたかを将悟は問う。

 

メップル「ボク達は無理矢理コミューンとして取り込まれて身動きが取れなかったメポ。他の妖精の皆も変身アイテムに取り込まれたメポ。ボクたちはもう止められないのかと思っていた時、プリキュアに反抗する人間達が居る場所へプリキュア達が襲撃した時、ある事態が起きたメポ」

 

ツバサ「ある事態?それは何?」

 

聞き逃さない様に顔を近づけるツバサと将悟にメップルは言う。

 

メップル「プリキュア達が力を失ったんだメポ」

 

ツバサ「プリキュアが力を失った?」

 

そうメポと頷いてメップルは続ける。

 

メップル「まず、アイテムで必殺技を放とうとしたプリキュアは突然そのアイテムが壊れたんだメポ」

 

将悟「必殺技を放つ為のアイテムが壊れただって?」

 

驚く将悟とツバサにメップルは続ける。

 

メップル「続いて起きた事は無理矢理変身アイテムに閉じ込められたボク達が変身アイテムから解放されたメポ。けど……」

 

ツバサ「けど……どうしたの?」

 

顔を伏せるメップルにツバサは不安そうに聞く。

 

メップル「喜ぼうとした瞬間、ボクは自分の手足が光りとなって消えていくのを見た後になぎさの……プリキュアの変身が解ける瞬間を見たメポ」

 

将悟「そりゃまた、怖かっただろうな……」

 

その時の感覚を思い出したのか自分の体を抱きしめるメップルに将悟は慰める。

 

メップル「そんな消えていくボクが最後に見たのは、どうしてこんな所に居るか分からない様子のなぎさ達の姿メポ……」

 

ツバサ「それってつまり、プリキュアだった時のを覚えてないって事?」

 

将悟「んで、意識が戻ったら見覚えのない場所でツバサと出会ったって感じか……」

 

今にも泣きだしそうなメップルに将悟は無理もないかと内心思う。

 

自分達が成し遂げたかった事があったのにそれを成せず、挙句のまま悪に堕ちた少女を止められなかったのは彼の心に深い傷となってしまっているだろう。

 

将悟(ここにいる間でもそれが癒えてくれれば良いが……)

 

メップル「そう言えば……ぼんやりとだけど、ツバサと会う前に頭に残っている記憶があるメポ」

 

そう考えていた将悟はなんだって?とメップルを見る。

 

ツバサ「その記憶は?」

 

メップル「場所は分からないけれど、鏡の墓標が建っていて、ボクは何故かその墓標の中の1つに入っていたメポ。そして近くには朧気だったからはっきり見えていなかったけどミップル達やなぎさ達と思われる女の子達が墓標の中に入っていたメポ」

 

将悟(鏡の墓標……まさかなぎさ達はプリキュア墓場に行ったのか?いや、聞いた話じゃあプリキュア墓場を創り出したクイーン・ミラージュやファントムはプリキュアに浄化されたからもう作られてない筈……誰が創り出したんだ?)

 

メップルから告げられた事に将悟は聞いた中で存在しない筈のプリキュア墓場に何故なぎさ達やメップル達が居たのか疑問を抱く。

 

将悟「なぁ、そのプリキュア墓場を創り出したんだ奴が誰か分かるか?」

 

メップル「そんなの分かるわけないメポ!!」

 

だよな~……と将悟は申し訳なさそうにすまんと謝罪する。

 

メップル「けど、女の子と男を見たメポ。女の子は金髪でピンクの服を着ていて、男は赤い髪で高校生位と思われるメポ」

 

将悟「ピンクの衣装を着た女の子に赤い髪の青年か……(あれ?なんかその組み合わせの二人組、何処かで見た気がするな……)」

 

続いて出てきた言葉にんん?と将悟は首を傾げる。

 

メップル「ボクもたまたま目に入っただけで2人が何者かなんて分からないメポ。それから暫くしてまた意識を失った後……」

 

ツバサ「さっき話した様にボクが見つけた所で目を覚ましたって事だね」

 

そう言う事になるメポね……と呟いてからメップルはどうして自分はホントにここにいるかで唸る。

 

将悟「それが覚えてる限りの話か……」

 

ツバサ「それで、メップルはどうしましょうか?」

 

ふうむと顎を摩る将悟にツバサはメップルを見て問う。

 

将悟「え?普通に保護するに決まってるだろ?ツバサだってそのつもりで俺の所にメップルを連れて来たんだろ?」

 

メップル「え~~~!?返答が早すぎじゃないかメポ!?」

 

あっけらかんに言う将悟にメップルは即決ので思わず驚く。

 

将悟「俺は最初からお前さんがここに来たら保護するって決めてたからな~(まぁ、後でトリスを此処に呼ぶ必要があるけど)」

 

メップル「この人、軽すぎな気がするぺポ;」

 

ツバサ「あはは;」

 

笑って言う将悟にメップルは呆れた顔で言い、ツバサは苦笑するしかなかった。

 

将悟「んじゃあ、まずは仮の保護場所へ移動と行きますか。ああ、それとツバサ」

 

ツバサ「何でしょうか?」

 

立ち上がってから話しかける将悟にメップルを抱えて続こうとしたツバサは首を傾げる。

 

将悟「メップルの話を聞いてる途中でお前さん、顔色が悪くなってたぞ。大丈夫か?」

 

ツバサ「あ、はい……何だか、メップルの話を聞いていて、胸が締め付けられる様な感じになって……」

 

なんでか分からないんですけど……と自分でもどう言えば良いかと顔を伏せるツバサにそうかと将悟は呟く。

 

将悟「……(あいつ等から聞いた話でツバサに関係しそうなの……まさかな……ツバサはメップルと同じ側なのか……?)まぁ、ツバサ、ちょいと気分悪そうなら、暫く此処でゆっくりしてから帰った方がいいぞ」

 

ツバサ「はい、そうさせて貰いますね」

 

申し出にツバサは頷く。

 

んじゃあ行くぞ~と歩き出す将悟に続きながらツバサは胸が痛みだした際に脳裏に過ったのを思い返していた。

 

ツバサ(オレンジ色の小さな鳥……どうしてだろう……僕は懐かしいって思ったのは……)

 

歩きながらどうして懐かしいと思ったんだろうとツバサは思う。

 

ツバサはこの時の懐かしさを理解する事となる。

 

自分が本来はメップルと同じ妖精であり、プリキュアの一員である事を…………

 

 

 

────

 

 

 

ツバサが違和感を抱いている頃、神社の境内にあるベンチに座って一人の女性がスマホを見ていた。

 

成人男性の平均身長よりも大きい2mの体格でその身に包んでいる巫女服からでも分かる程爆乳の持ち主である黒髪の女性が見ているスマホにはアナザーブラックを倒してポーズを取っている時のメサイアとスカイが映っていた。

 

???「アナザープリキュアを倒した二人のプリキュア……1人は唯一光の勇者にして()()()()()()()()、キュアスカイ……んでこのプリキュア……キュアメサイア、全く、お前がプリキュアになるとは思いもしなかったぞ愛香……」

 

ふうと息を吐き出し、女性はスマホを自分の豊満な胸元に仕舞い、空を見上げて物思いにふける。

 

???(あいつが幼い頃、家の神社に来た時、俺の()と一緒に遊んでいた時……あいつから不思議な雰囲気を感じたな……)

 

思いだしながら女性は次に思い返すは自分の過去……

 

???(()()()()()が倒した○○○○○○○。そいつを倒した際に放たれた最後の呪いによって、人々にプリキュアへの憎悪を抱かせ、奴が倒された影響でプリキュアの力と記憶を失い、ただの女の子に戻ってしまったプリキュアを迫害させて、自害に追いやった)

 

思いだしてかギリッと唇を噛んだ女性は自分の先輩に当たる者達から聞いた事を引き出す。

 

???(死んだ事で体から離れた魂はトゥモローによって普通の女の子にされ、肉体は()()()()()によって終焉の使者に変貌、消された力もまたアナザープリキュアと言う怪物に変貌した……キュアスカイとキュアメサイア……この二人なら、あいつには出来なかった事……奴によって全てを狂わされたプリキュアを救えるかも知れんな……)

 

少し悲し気に空を見上げながら女性は再びふうと息を吐き出す。

 

???「そして、あの二人なら()()()()()の凝り固まった考えを変えてくれるかも知れんな」

 

そして、スカイとメサイアなら自分の娘の考えを変えてくれると期待した。すると

 

そんな物思いに更けていた女性へ声をかける者がいた。

 

???「失礼、貴女が将悟さんの言っていた(いくさ)さんで宜しいだろうか?」

 

声に女性、戦は顔を降ろして前を見るとシャララが立っていた。

 

戦「そうだが、お前さん名前は?」

 

シャララ「シャララと言う。将悟さんの紹介である人物に対して知っていると聞き、会いに来た」

 

問いながら立ち上がった戦に対し、シャララは戦の身長の高さに内心驚きながら名乗って答える。

 

戦「んで、ある人物って誰の事だ?」

 

シャララ「プリキュアの事だ」

 

その言葉にあーと呟いてから戦は先ほど仕舞ったスマホを再び取り出し、先ほど見ていた画像を見せる。

 

戦「もしかしてこの、キュアメサイアか?」

 

指さしながら確認する戦にシャララは頷く。

 

戦「何故こいつに会いたいと?」

 

シャララ「……私が居た国に残された古い書物に『光の使者が邪悪に堕ち、世界を滅ぼす存在に成り果てた時、邪悪に堕ちた使者を止める抑止力となる新たな光の使者が生まれ、邪悪に堕ちた使者を光に戻す』と遺されていたのだ」

 

告げられた事に戦は驚いた顔を見せる。

 

戦「おいおい、これはまた……家の神社にも似た様な事が記された古文書があってな……これは偶然とは思えないな……ご先祖様はその存在が生まれるのを予見してたのだろうか……」

 

不思議なもんだなと呟く戦にシャララは頷く。

 

シャララ「だからこそ、キュアメサイアに変身した少女に会わせて欲しい。貴女は知り合いだと聞いた」

 

戦「いや、まぁ、そうだけどな……本人の都合もあるからな」

 

そう言われたシャララは分かったと了承する。

 

シャララ「所で、もう1つ聞きたい事があるのだが、貴女はソラ、ソラ・ハレワタールと言う少女を知ってるだろうか?」

 

戦「あー……ソラ・ハレワタールじゃなくて晴渡空でなら知ってるさ。数ヶ月前、俺の養父が行き倒れになっていたそいつを保護し、その後は虹ヶ丘ましろの家に同居する事になったんだよな……(そういやあの時のましろ、どことなくソラに熱い視線を向けていたな……)

 

質問するシャララに戦は答えながら内心思いだしていた。

 

シャララ「?なぜ晴渡空なのだ?彼女は……」

 

戦「当時のソラは記憶を失っていたんだよ。自分の名前も含めてな」

 

自分の名前も含めてと言うのにシャララは驚く。

 

シャララ「では、今の名前はどこから?」

 

戦「それはだな。ましろが付けたんだよ。『晴れ渡る空』の中で出会ったから晴渡空ってな……んで本人は何故自分が行き倒れになっていたか、来るまでの間の事を全く覚えていなかったから記憶を無くしたソラは晴渡空と言う一般市民としてこの日まで暮らしていた……」

 

こいつが来るまでな……と戦はシャララにアナザーブラックの画像を見せる。

 

シャララ「この怪物は……!?」

 

戦「んで、この怪物を前にして誕生したキュアメサイアの戦いによってソラはかつての記憶を取り戻し、プリキュアに変身したって訳だ」

 

驚くシャララに戦は締め括りながらスマホを胸元に再び仕舞う。

 

シャララ「……メサイアと合わせてソラに会わせて貰えないだろうか?」

 

戦「……すぐには会えないな(ソラはともかく、あいつ等から聞いた話的に今のましろ達にこいつを会わせて良いか分からんしな……)。だが、機会ができたら何とかソラに会わせておこう」

 

確認するシャララに戦は少し思案してそう返す。

 

シャララ「そうか……その時が来たら頼む」

 

おう、任せて置けと戦はそう返す。

 

戦「まぁ、とりあえずは、家の神社の手伝いをして貰うから服の調整とかするか」

 

シャララ「分かった」

 

戦に出会ったシャララ。

 

この出会いがソラ達に影響を与える事になるのは、まだ先である

 

────

 

────

 

 

再び黒い空間の中、ウォズが現れて、夕凪ツバサと皇あげはの絵が描かれたカードを翳しながら語りだす。

 

ウォズ「今回の話にて、空に関わった人物、夕凪ツバサと皇あげはが登場した。まぁ、話のは大体ツバサ君がメインになってしまったが……安心したまえ、あげは君の話はまだ終わってない。何故ならあげは君はこれからの物語に関わる重要な出来事に遭遇するからね。そしてルフィ達に殺されそうになったなぎさのその後も将悟氏とライトニアの会話で少しは明らかになったね……」

 

そう語ってからウォズは2人のカードを仕舞い、最後の一枚のカードを翳す。

 

ウォズ「次の物語では元凶なる者を倒した人物を語ろう。そう、救世主と青空と並ぶ存在に当たる者を……最も彼女が戦士として目覚めるのはまだ先になってしまうがね……」

 

その手にあるカードには片方が白、もう片方が黒の長髪の少女が描かれていたのだが……歪みが走り、一瞬だが片方が白、もう片方が黒の髪の少年の絵になってすぐに元に戻る。

 

ウォズ「え?前回ので英雄の話も語ると言っていたのに、次回に先延ばしするのかだって?そこらへんは作者のペース配分に文句を言ってくれたまえ、私は今回はただの語り部だからね」

 

肩を竦めながらウォズは再び姿を消して行く。

 

 

 

────

 

 

 

時間を遡り、メサイアとスカイがアナザーブラックを撃破する数分前のヌーベル学園の生徒達の避難場所にて……生徒達に紛れて其処には片方が白、もう片方が黒の長髪の少女が居た。

 

少女(さっき現れた特殊部隊。彼等ならあの化け物を倒せるでしょう……何故なら怪物を倒すのは男の役目。女は男に護られていれば良い……それが()()の役目だから……)

 

特殊部隊の構成員達を思い返してそう考える少女だが、後に知る事となる。

 

怪物を倒したのは特殊部隊、テイルズディフェンドではなく、二人の少女である事を……

 

 




次回、救世主と青空と並ぶ者の物語


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それぞれの後始末完結編

あげは達が出会う者と英雄である事を知らない少女の物語

ラストにてある人物が登場


黒い空間の中でウォズは開いた本を見ながら語り始める。

 

ウォズ「この本によれば夕凪ツバサは皇あげはと出会い、少し話をしてから別れた後、なぎさと関わりがある妖精、メップルとの出会いを果たす」

 

「保護されたメップルから何故か鳥に見えたとおかしな事を言われたツバサはメップルを保護して貰うため、白永神社へ向かった」

 

「その白永神社の神主である白永将悟はなぎさの救助に来た者達の仲間の一人であるライトニアが連れて来た空に関わる人物のシャララと対面した後、ライトニアからなぎさに関する話を聞く」

 

「その後ライトニアが白永神社に去ったのと入れ替わってメップルを連れてきたツバサが来て、メップルは将悟とツバサに自分が覚えている限りのプリキュアの事を話した」

 

「そのメップルの話を聞いたツバサは何故か胸の痛みを感じている頃、将悟の紹介で戦に出会ったシャララは空の事を尋ねるのであった」

 

一通り語り終えた後にウォズは前を見る。

 

ウォズ「さて、シャララが接触した戦には娘が居る。今回はその娘の話を語ろう」

 

そう言ってからウォズはきょとんとした顔をする。

 

ウォズ「何?前回の最後で言ってた英雄の話はどうしただって?なんで関係ない娘の話をするんだだと?それはまぁ、メタイ話、作者の想定以上にツバサ君の話が長引いたせいなのと話す事の順序がねぇ……とりあえず、まずは戦の娘の話を語ろうじゃないか。まぁ、その後に前回の出番が短かったあげは君の話もしよう」

 

茶目っ気に笑った後、ウォズの姿は再び見えなくなる。

 

 

────

 

 

さて、前回の最後でも触れたが時期をメサイアとスカイがアナザーブラックを撃破する数分前のヌーベル学園の生徒達の避難場所に当てる。

 

其処にはアナザープリキュアが襲来した事で避難している生徒達が居た。

 

その中で勇佳と瑞希がまだ戻って来ない愛香の事で心配していた。

 

勇佳「愛香先輩、大丈夫でしょうか?」

 

瑞希「……分からん。今の愛香の周りには友美ちゃんや晴渡さんに虹ヶ丘さんが一緒に居る。そんな所にあの怪物が愛香達の所に現れたらと言うを考えると安易に大丈夫とは言えんよ……」

 

不安そうな勇佳に瑞希は渋い顔でそう返す。

 

勇佳「そう……ですね……け、けど、愛香先輩なら何とか切り抜けそうな予感がします!万が一怪物に遭遇しても、その怪物の撃退に向かった特殊部隊が居ますし」

 

瑞希「……確かにあの特殊部隊は見るからして、性能の高い装備をして尚且つ戦闘力も高そうだ……だがな、私にはそれでもあの怪物を倒せるのかと不安が拭えないんだよ」

 

なんとか明るくしようとしてるのかそう言う勇佳だが、瑞希は渋い顔は変わらない。

 

???「何を不安がっているんですか瑞希、あの特殊部隊なら怪物を倒して見せますよ」

 

そんな2人に誰かが話しかける。

 

2人が顔を向けると半分が白、半分が黒になっている長髪の女性がいた。

 

瑞希「優巳(ゆうし)か……お前な……そうあっさり言い切るのは早計に近いぞ。あの怪物の実力次第では特殊部隊がやられるかもしれないんだぞ……」

 

優巳「どうしてですか?あの特殊部隊は男性のみで構成されています。それに男性なら怪物に対抗出来ますでしょう」

 

指摘した瑞希は女性、優巳の返しにまたそれかお前……と顔を抑える。

 

勇佳「いや……優巳先輩、その男性が無条件で強いと言う考えはおかしくありませんか?……男性でも運動が苦手だとか、戦いを好まない性格の人だって居るんですし……」

 

瑞希「それにだ。大体の作品は男性が主役であるのが多いが女性が主役である作品もあるんだぞ……お前のその考えは古過ぎやしないか?」

 

優巳「それでもです。女性は身体能力が劣っている以上、身体能力に優れた男性に護られるべきですよ」

 

女性は男性に護られるべきだと反論する優巳のにいや、お前な……と瑞希はさらに渋い顔になって顔を抑える。

 

瑞希(ホントこいつ、なんでこのご時世でこんな偏った考えを持てるんだ?マジで謎過ぎるんだが……)

 

頭が痛くなってきた瑞希と彼女を心配する勇佳、そんな2人に首を傾げている優巳。

 

そんな3人の会話を周りで聞いている者達がいた。

 

翔子(女性は男性に護られるべきね……あの人、女性が弱い存在だと思ってるんだ……)

 

英美(白永さん、貴女は同性に対する偏見が目立つわ。女性だって活躍してる人が居るのに……)

 

レイ(それに女性は家庭的でいるべきだと言うが、女性の中には家事が駄目な人だって居るぞ)

 

六華(優巳の言ってる事が正しいなら、私は生徒会長をやってないと思うんだけど……何故ならリーダーに当たる役職は男しかなれないから。けど、男が無条件でリーダーになれる考えはおかしいわ)

 

明輝(優巳さんの考えは同じ女としてらしくない……むしろ偏った男性の考えね……それも戦前辺りの男性の……)

 

誰もが優巳の主張に不愉快や不思議そうな感じであった。

 

 

 

 

勇佳「あ、瑞希先輩!あれ!」

 

瑞希「ん?」

 

優巳と話してから数分後、勇佳は避難所の入り口を見て声を上げ、瑞希も視線を向ける。

 

目に入ったのはテイルズディフェンドの兵士に連れられて歩く友美とましろの姿であった。

 

瑞希「友美ちゃんに虹ヶ丘さん、それに例の特殊部隊の一員か」

 

勇佳「良かった……2人とも無事だった……ってあれ?愛香先輩と晴渡さんは何処に?」

 

安堵の息を吐き出そうとして勇佳は愛香と空の姿がない事に気づき、瑞希も訝しんでから友美へと駆け寄る。

 

それに慌てて勇佳も続く。

 

友美「あ、瑞希さん、勇佳さん」

 

瑞希「友美ちゃん、愛香と晴渡さんはどうしたんだ?」

 

それは……と友美はましろを一瞥してから答える。

 

友美「実は怪物に遭遇して……そんな怪物を私達から遠ざける為に晴渡さんが引きつける為に離れて……そんな晴渡さんを助けるためにお姉ちゃんが後を追い駆けて……」

 

瑞希「そうか……(愛香なら怪物から友美ちゃん達を護るために行動する事は予想は出来る。だが、実際にやったのは晴渡さんか……彼女もまた愛香の様に前に出ちゃうタイプだったか……)」

 

友美から事情を聞いて瑞希は唸った後にましろを見る。

 

ここに来てからもましろはどことなく落ち着かない様子であった。

 

瑞希「友美ちゃん、虹ヶ丘さんに何かあったのか?」

 

そんなましろの様子を見て瑞希は友美へと問う。

 

友美「その、先ほどの怪物ので虹ヶ丘さん、怪物を見た途端、悲鳴を挙げたんです」

 

瑞希「悲鳴?」

 

うん……と頷いて友美は続ける。

 

友美「初めて遭遇したにしては尋常じゃない程の様子で悲鳴を上げて……それで晴渡さんが囮に出て……」

 

勇佳「あんな怪物がいきなり現れたら悲鳴を挙げちゃうのは仕方がないと思う。ですよね瑞希先輩」

 

瑞希「まぁ……そうだな……けどそれだけなのか?」

 

話を聞いて仕方ないと言った勇佳はどことなく引っ掛かってる感じの瑞希に怪訝となる。

 

勇佳「どう言う意味ですか?」

 

瑞希「いや、確かにあんな怖い奴に初めて遭遇したら誰だって悲鳴を挙げてしまうのは分かる。だがな……話を聞く限り虹ヶ丘さんの怯え方はどうもおかしく感じてな……ただ遭遇しただけでそんなに怯えるか?お化けが苦手な人なら気絶するのもありえるだろうが……聞く限りでは……何かのトラウマを刺激された様な感じに思えるんだが……」

 

トラウマ?と瑞希の推測に勇佳や友美が首を傾げるのを横目に瑞希はましろと目を合わせて問う。

 

瑞希「虹ヶ丘さん、怪物に遭った時の心境、辛いかもしれないけど話してくれる?どんな感じだった?」

 

ましろ「……良く、分かりません……なんだか分からないですけど……怪物を見た時、どうしてか凄く怖くなって……月影先輩のバッグから放たれた光を受けなかったらパニックになってました……」

 

勇佳「え、愛華先輩、何時の間にバッグを……と言うかバッグから光が照射ってどんなバッグ……?」

 

答えられた事に疑問詞を浮かべる勇佳に友美も自分も同じ意見ですと頷く。

 

瑞希「……どうしてパニックになったか分かる?」

 

ましろ「……分かりません……けど、怪物を見ると私の脳裏に良くないものが浮かんでくる様な感じで……」

 

続ける瑞希にましろは自分でも分からない様子で話してからけど……と言い

 

ましろ「傷つく()()()()()がどうしてか浮かぶんです」

 

勇佳「なんでそこで晴渡さん?」

 

分からないです……とましろは怪物のを思いだしたからか顔を青ざめて自分の体を抱きしめる。

 

瑞希「……勇佳、今の虹ヶ丘さんにはこれ以上聞くのは今の彼女のメンタル的にもう厳しい。ここまでにしておこう」

 

勇佳「……そうですね」

 

友美に慰められているましろを見て質問の終了を宣言し、勇佳はそれに同意した。

 

 

 

 

テイルズディフェンドによって友美とましろが保護されて数分後、まだ戻って来ない愛香と空に勇佳はじれったそうに足踏みしていた。

 

瑞希「友美ちゃんと虹ヶ丘さんが戻って、付いていた特殊部隊が怪物が居る場所に戻って暫く、動きが無いな……」

 

勇佳「愛香先輩や晴渡さん、特殊部隊の人達と運良く合流出来てれば良いんですけど……」

 

心配そうにしている勇佳に瑞希は内心同意してからふと思いだす。

 

瑞希「そう言えば……今学園内には井上先輩と小林先輩が詩嶋さんの救助に向かっていたな……愛香の奴、先輩達と合流してれば良いんだが……」

 

勇佳「そう言えばそうでしたね……OBの先輩方も大丈夫かな……」

 

暫く変わらない状況に勇佳は不安を抱き、瑞希はふうと息を吐く。そんな時だった。

 

明輝が学園を見て声をあげる。

 

明輝「会長、学園から何か強い光が!」

 

六華「光?」

 

その言葉に六華は学園を見る。

 

確かに学園の方で遠目であっても分かる程何かが光っていた。

 

目を見開く六華と同じ様に翔子、英美、レイもまた気づいて同じ様に驚いていた。

 

翔子「なに、あの光は……」

 

英美「ねぇ、何だかあの光の明るさ、増してない?」

 

レイ「おいおい、このままだと目にきつくないか?」

 

学園から迸る光が段々とその眩しさが増し始めているのに気づいたレイ達は慌てて目を瞑ったり、手で隠すのだが……

 

明輝「うわっ?」

 

英美「まぶしっ!?」

 

その光は目を瞑っていても視界を埋め尽くす眩しさであった。

 

避難していた者達の誰もがその眩しさに呻いたり、騒ぐ中、勇佳達、一部の者達の脳裏にあるイメージがそれぞれ浮かび上がる。 

 

勇佳は青い衣装に銀髪のポニーテールをし、頭部にバイザーマスクを装着し、右手にガンブレードを持った女性のイメージが……

 

瑞希は黄色の衣装に灰色のツーサイドアップの髪をし、頭部にバイザーマスクを装備し、右手に大刀を持った女性のイメージが……

 

翔子には仮面ライダーの意匠が入った緑の衣装に緑のポニーテールで首にマフラーを着けた女性のイメージが……

 

六華にはスーパー戦隊の意匠が入った赤の衣装に赤のショートヘアでゴーグル付きのサークレットを着けた女性のイメージが……

 

英美にはウルトラマンの意匠が入った青の衣装に青のロングヘアで銀色のサークレットを着けた女性のイメージが……

 

レイにはガンダムの意匠が入った白の衣装に鎧を纏い黄緑のツインテールでブレードアンテナを着けたイメージが……

 

明輝にはメタルヒーローの意匠が入った銀の衣装に金属の装甲を着け、銀色のロングヘアにサイバーグラスを着けた女性のイメージが……

 

瑞希「っ、今のなんだったんだ……?おい勇佳、大丈夫か?」

 

勇佳「は、はい……なんとか……」

 

目元を抑えながら問う瑞希に勇佳も同じ様にしながらそう返す。

 

なんとか目が戻った瑞希は周りを見て、誰もが光りはなんだったのかで騒めいていた。

 

瑞希(一体なんだったんださっきの……どことなく服装がプリキュアが着ていたのに雰囲気が似ていた様だが……)

 

誰もが突然ので戸惑う中、優巳は戸惑っていた

 

優巳(何だったんでしょうかあの光は……それに、さっき私の頭に浮かんだ変な映像は一体……)

 

光りが収まる中、優巳の脳裏にも映像が過ったのだ。

 

ただ、瑞希達と違いノイズがかかっていてちゃんと見えていなかったが……

 

ましろ「?さっきの光はなんだったんだろう?」

 

一方、ましろは瑞希達と同じ様にイメージを一瞬過ったがそれがなんなのか気づく前に、直ぐに頭から抜け落ちていた。

 

その時の彼女達は知らなかった……先ほどの光の発生源に愛香と空が居る事を……

 

 

 

学園で発生した謎の光が放たれてから数分後、勇佳は愛香と空まだ戻って来ない事に不安を抱き、瑞希は足踏みしながら待っていた。

 

勇佳「あれから数分は経ちますけど、まだ来ませんね……」

 

瑞希「確かに、そろそろ誰かが来ても良い筈だが……愛香、無事で居てくれ……」

 

不安そうに話しかけて来る勇佳に相槌を打ちながら瑞希は愛香が無事で居て欲しいと祈る。

 

翔子「誰かが来たぞ」

 

すると翔子がこちらに来る人影に気づいて声をあげ、それに瑞希も愛香が来たかと勇佳と共に見る。

 

その人影は……拓也と律子、詩嶋であった。

 

拓也「おーい!」

 

律子「詩嶋さん連れて来たわよ」

 

六華「お2人とも、無事で良かった。怪物とは遭遇しなかったのですね」

 

ケガもしてない3人に六華は安堵しながら話しかける。

 

拓也「いやぁ、遭遇はしたが運が良くて怪我はしなかったんだよ」

 

律子「そう言う事、ホント運が良かったな」

 

そう返した拓也と律子にそうでしたかと六華が安堵する中、隣で明輝が詩嶋へ説教していた。

 

明輝「無事なのは分かったわ。けど詩嶋さん、貴女の行動で迷惑かけたのよ。避難指示の放送が聞こえたら、素直に放送からの指示に従いなさい!」

 

詩嶋「すいません」

 

詩嶋が明輝に説教されてるのを横目に瑞希と勇佳が拓也と律子に近寄る。

 

瑞希「律子先輩、拓也先輩、詩嶋先輩、無事でなによりです……所で、愛香と晴渡さんは一緒じゃないんですか?」

 

拓也「あ、あー……愛香と晴渡って子なら無事だ」

 

勇佳「愛香先輩と晴渡さんも無事なんですね……けど、なんで2人と一緒じゃないんです?」

 

問う瑞希に拓也は目を泳がせながらそう返し、無事な事に良かったと勇佳は安堵してから疑問を呟く。

 

瑞希「そうだな。無事なら一緒に姿を見せれば良いものを……」

 

律子「やっぱり聞くわよね……2人は諸事情で特殊部隊の人に話を聞かれているのよ」

 

勇佳「?どうしてですか?」

 

特殊部隊に話を聞かれていると言われて首を傾げる勇佳へ頬をポリポリ掻いてから拓也は頷きながら話す。

 

拓也「実はと言うとな……あの怪物には特殊部隊は苦戦しちまっていたんだよ」

 

勇佳「ええ!?大丈夫だったんですか!?」

 

思わず驚いて聞く勇佳に無事じゃなかったらここにはいねぇよと返しながら拓也は続ける。

 

拓也「そんな特殊部隊が苦戦した怪物なんだが…………()()()()()と名乗る2人の女戦士が現れて怪物を倒したんだよ。2人はそんなプリキュアに助けられたから、そのプリキュアがどういう感じだったかを聞かれてる訳だ」

 

六華「プリキュア……ですか?」

 

告げられた事に六華や耳を傾けて聞いていた生徒達が首を傾げる中、瑞希と勇佳、それに近づいて来て話を聞いていた友美が驚いて目を見開く。

 

瑞希「(プリキュア……だと……!?)……お2人は実際に見たんですか?」

 

律子「ええ、私達と詩嶋さん以外にも特殊部隊の隊員さん達も実際に見たわ(ただ、隊員の人達に2人の正体を勝手に話すのは駄目だって口止めされてるのよね……いやまぁ、変身ヒーロー的にも正体をばらすのはデメリットにもなりうるしね……)」

 

拓也「ああ、人々の危機を聞いて駆け付ける戦士、まさにヒーローと言っても過言じゃない。まっ、この場合はヒロインが正しいよな……」

 

内心驚きつつそれを表に出さないようにしながら問う瑞希に律子は肯定し、拓也がしみじみとそう返す。

 

勇佳「そうですか………(も、もしかして愛香先輩がプリキュア?……しかも数的に考えるともう1人ってもしかして、晴渡さん?)」

 

友美「(えぇ……もしかしてお姉ちゃんがプリキュアに変身したの!?今朝話した事はフラグだった!?)それにしても特殊部隊の人とのお話ってどれ位になるのかな?」

 

各々に内心驚いている中、勇佳の背後から聞き覚えのある声が聞こえて来る。

 

???「あ、いたいた。瑞希~勇佳~友美~」

 

???2「ましろさ~ん」 

 

勇佳「今の声……」

 

まさかと自分の背後に勇佳は振り返ると元気に手を振る愛香と空が歩いて来る所であった。

 

友美「お姉ちゃん、無事で良かった!」

 

元気な様子の姉に友美は駆け寄って抱き着く。

 

おととと少しよろけたが愛香は安心させる為に微笑んで友美の頭を撫でる。

 

愛香「ごめんなさい友美。心配かけてしまって……瑞希と勇佳も心配をかけてごめん」

 

瑞希「全くだ。怪物に襲われたと聞いてヒヤヒヤしたが、その様子じゃあ無事で済んで良かったよ」

 

勇佳「ホントですよ愛香先輩!話を聞きましたが無茶しないでくださいよね!」

 

本気で心配してる2人と友美に愛香はごめんと頭を下げる。

 

確かに状況的に考えると無謀に近かったな……とプリキュアになれなかったらヤバかったのを再認識して愛香は反省する。

 

一方の空はと言うと……

 

ましろ「空ちゃん大丈夫?怪我してない?」

 

空「大丈夫です!この通り五体満足です!!」

 

抱き着いて聞いたましろはふんすとガッツポーズを取る空に良かったと呟く。

 

その際に空の匂いを嗅ぐ。

 

ましろ(ああ、空ちゃんの匂い……オチツクナァ……)

 

空「ましろさんくすぐったいですよ~」

 

ハイライトのない蕩けた目で空の匂いを嗅ぐましろに気づいておらず、空はくすぐったそうに笑う。

 

ましろ達とワイワイ話してるそんな二人を優巳は見ていてある感情を抱いていた。

 

優巳(二人はどうして自分からトラブルに突っ込むんですか?……こんな面倒事は男や大人に全部任せるのが正しいでしょうに……)

 

それは普通では対処出来ないトラブルは男や大人に任せて、女は大人しくするべきなのになぜ飛び出すのかと言う疑問の感情。

 

優巳は何故自分からトラブルに関わろうとする愛香と空の行動を理解できなかった。

 

そんな優巳をある人物が離れた場所で様子を見ていた。

 

その人物は鍵を模したデザインをした槍を持つ金髪の青年であった。

 

 

???(『世界の殺戮者』の創造主を倒した二人の英雄……もとい2人の師弟。その創造主を倒した弟子は、創造主の戦いで重傷を負った師を自分の故郷で療養させて、創造主の死によってプリキュアの記憶と力を無くした少女達を救いに旅だとうとしたが、創造主の呪いで狂いし故郷の人々に襲撃されてしまい、死傷を受け、そのまま処刑されそうになったが、怪我をおして師が助け出した……しかし、弟子は狂いし住民達の暴力と暴言に創造主との戦いで負った怪我によってその命は消える直前で、弟子は師から望んだ言葉を聞けず、命の灯火は消えた……そんな弟子の魂を師は消える前に最後の秘術を使って自身の母なる場所へと宿すと共に……)まぁ、あの様子じゃあ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()……」

 

内心そう考えた後に青年は優巳を見てそう評した後にその視線をワイワイ話してる愛香と空に向ける。

 

???(アナザープリキュアを倒したのが()()()()()()()()のキュアスカイに救世主の名を持つプリキュア、キュアメサイアか……アナザーブラックを浄化で来たって事は彼女達なら『世界の殺戮者』の創造主によって全てを狂わせた少女達を救えるかもしれないな……後は、取り返しのつかない過ちを犯した弟子の考えを変えてくれる事を祈るしかないな………)

 

内心そう呟いた後に青年はスマホを取り出すと、入力してスマホからある情報を送信した。

 

その情報はアナザーブラックと2人の戦いの情報である。

 

???(アナザーブラックを倒したプリキュアの情報を将悟さんと戦のスマホに送信完了……と。まぁ、あの2人ならプリキュアの片方は直ぐに気づきそうだが……)

 

愛華、空と見て最後に優巳へと視線を向けてから青年はその場から姿を消した。

 

その青年が愛香達だけでなく優巳に関わる人物であることを現時点では知る由も無かった。

 

そんな青年も知らなかった。

 

???「…………」

 

青年とはまた別に 愛香達をみつめる存在がいた事を……

 

その存在はアナザーブラックの様にその身に女性用の緑のマーチングバンド系の衣装を纏い、ダークグリーンのトリプルテールをした髪型に赤い丸い鼻を付けた魔物でその衣装に文字と数字が刻まれていた。

 

2012 MARCH

 

 

愛香と空が無事に友美達とましろの所に合流して数分後、学園内からテイルズディフェンドの隊員が現れて、アナザーブラックとの戦闘があった場所は元通りになった事を生徒達や先生達に報告して安心させる。

 

余談だが愛香と空は六華に学園内で無茶をした事に対する説教を受ける事となる。

 

実際問題、下手すれば命に関わる事なので当然の奴だ。

 

その後、拓也と律子は愛香達から別れ、暫くして学園に来たあげはの所へ向かう中、愛香達は帰路につくのであった。

 

勇佳「愛香先輩、会長に説教を受けましたね……」

 

愛香「勝手な行動をとったから怒られても仕方ないけどね……まあ実際、命が危うい状況でもあったしね……」

 

話しかけて来た勇佳に愛香はんーと背伸びしながら返す。

 

勇佳「そうですね……あたしも愛香先輩が無事で良かったですよ……そう言えば、全校集会が終わった後、拓也先輩と律子先輩も帰られたんでしょうか?」

 

愛香「ああ、あの2人なら全校集会が終わって中等部以下の生徒達が先に帰宅させられた後に少しして空さんと虹ヶ丘さんの様子を見に来たあげは先輩と一緒に帰ったわよ」

 

拓也と律子は終わった後どうしたかを質問する勇佳に対して愛香そう返す。

 

ちなみに高等部以上の生徒がその時点で帰宅してないのは怪物ので慌ただしく動いた事で散らかった事の清掃をしていたのもあるからだ。

 

空は上記の怪物ので危険な行動をした事で愛香と共に説教を受けていた事で残っていて、ましろはそんな空を待っていたのだ。

 

友美も妹と言う事で瑞希達と一緒にいた。

 

瑞希「皇あげは先輩も学園に来た時は情報が早く出回り過ぎだと思ったな」

 

友美「ホントだよね。けどあげは先輩ってホント虹ヶ丘さんや晴渡さんが大事に思って良い先輩だよね~」

 

笑って言う友美にそうだなと頷きながら瑞希は内心ある事を考えていた。

 

瑞希「(なんと言うか、あげは先輩のは後輩以外にも何か別の思いがある感じに見えたな……)それにしても、新学期早々こんなでかいトラブルが起きてしまうとは、こんなトラブルは連続で起きないで貰いたいな」

 

愛香「確かに、こんなトラブルはごめんよね」

 

今回のようなトラブルは二度と起きないで欲しいとぼやく瑞希に愛香は疲れた顔で同意する。

 

だが、瑞希達は知らなかった……この時から既に新たなトラブルの火種が動いていることを……

 

 

 

 

愛香達が帰路を着いてる頃、別の道で空もましろと一緒に帰路についていた

 

ましろ「空ちゃん大丈夫だった?怪物に追われて怪我はしてないよね?」

 

空「大丈夫でしたよ。私や愛香さんの窮地をプリキュアと言う戦士に救われましたから」

 

笑顔で言う空にましろはプリキュア……と小さく呟きながら頭上に広がる空を見上げる。

 

ましろ「(何か気になるけど……)その人達ってまた現れるのかな?」

 

空「人々に危害を与える輩が出たら来ると思いますよ」

 

自信満々に言う空に断言しちゃうんだとましろは苦笑する。 

 

ましろ「どうしてそんなに断言できちゃうの」

 

空「そ、それはその!ほら、そう言う悪い事をする怪物が現れるのなら駆け付けるのがヒーローですし!」

 

問われた事に空は慌てながらまくしたてる。

 

ましろ「プリキュアか……私も見てみたいな……」 

 

空(うぅ、今のましろさんに見せて良いのでしょうか……プリキュアを………)

 

感慨深く言うましろのに空は葛藤しながら帰路を歩くのであった。

 

 

 

空達が帰路を着いて少しして、愛香と空を説教した六華と明輝も帰路についていた

 

彼女達2人は先生と話していて少し遅れての帰宅となった。

 

明輝「会長、月影さんと晴渡さんは訳あってあんな無茶をしたのよ。なのに二人に対しての説教厳しくない?」

 

六華「確かにそうであるけどね明輝……今回は良かったとはいえ、二人は危うく命を落とす可能性があったのよ。会長として生徒の安全を考える立場なんですからちゃんと釘を刺しておかないといけないわ。彼女達の様に無茶をする人が出るのは避けないといけない」

 

話を振って指摘する明輝に対し、六華はそう返す。

 

明輝「そうね……二人にはもう少し自分を大事にして欲しいし、今回の様な怪物が出る事態は来て欲しくないですね……」

 

六華「まぁ、今回の様な事態、早々起こらないでしょう……もし今の事態がまた起きたらそれこそご都合主義にも程があるわね」

 

心配そうに呟く明輝に六華はそう返す。

 

明輝「ご都合主義……あたしはそうは思いませんよ……きっと何か理由があって起きた事態だと思いますよ」

 

六華「理由があって起きた事態?」

 

訝しむ六華に明輝は頷く。 

 

明輝「その鍵を握ってるのは会長が説教した月影さんと晴渡さんにあると思うわ……暫くは二人の様子を見た方が良いと思うの」

 

そう言われて六華は暫し考えた後にそうね……と2人を見る事を検討する。

 

六華「(ただ、そうなるとあの時、謎の光を受けて脳裏に浮かんだ変身ヒロイン系の衣装を纏った女性が何なのか、後はその前に私が会長室で受けた謎の頭痛も気になるわ……)」

 

歩きながら六華は唸る。 

 

この時の二人は知らなかった。

 

2人もこれから起こって行く事態に愛香達と共に関わる事になると……

 

 

別の場所では翔子と英美、レイの3人は一緒に帰路に着いていた

 

英美「新学期早々怪物騒ぎが起きるなんて思わなかったわ」

 

レイ「そうだな。怪物の他に学園に特殊部隊が来るわ、プリキュアとか言うヒーローが怪物を倒したとか、あたしらが避難場所に居る裏でとんでもない事態が起きてるよな」

 

翔子「その後は私達で避難の際の片付けをしている中で詩嶋さんは送迎の車で帰り、赤城会長が月影さんと晴渡さんに説教をしてたね」

 

頭の後ろで腕を組んでぼやく英美にレイもうんうんと頷き、翔子は思いだして呟く。

 

英美「私達は避難しただけだけど、今日は色々とあり過ぎて何か疲れが来た感があるわ……明日も学校あるから早く休みたいわ」

 

英美のぼやきにレイと翔子はホント同意と頷く。

 

暫くして分かれ道が見えて来て、レイは翔子と英美とは反対の道へ歩き出す。

 

レイ「んじゃ、また明日な翔子、英美」

 

英美「ええ、それじゃまた明日学校で会いましょレイ」

 

翔子「またね」

 

ああと返してレイは翔子と英美と別れて行き、翔子と英美は家が同じ方向の為、一緒に歩く。

 

その途中にある公園(実はツバサとメップルが出会った場所)を通り過ぎようとした時、翔子は立ち止まる。

 

英美「どうしたの翔子、いきなり立ち止まって公園を見て?」

 

翔子「……ごめん英美、先に帰っててくれない?」

 

突然立ち止まった翔子に首を傾げた英美は翔子の口から出た言葉にさらに首を傾げる。

 

英美「何で先に帰れと言うの?」

 

翔子「……なんだか分からないけど、この公園で何か気になって……」

 

気になるという翔子に英美は少し思案してからふうと息を吐く。

 

英美「ならここで待ってるから、早くその気になる事を解決して来なさい」

 

翔子「わかったよ英美。用は早く済ますから」

 

待っていると言う英美に翔子は頷いて公園の中に入って行く。

 

なぜ翔子は公園へと入ったのか……それは何かが自分を呼んでる感じがしたのだ。

 

こっちかなと見渡しながら歩いていた翔子の目に光るものが映る。

 

翔子「あれは……」

 

よく見ようと翔子は光るものの元へと近づいてしゃがんで見ると……5枚のメダルがあった。

 

それぞれ仮面ライダー1号、仮面ライダークウガ、仮面ライダージオウ、仮面ライダーゼロワン、仮面ライダーガッチャードの顔が描かれていた。

 

翔子「仮面ライダーの顔が書いたメダル……?けど、このメタリックブルーのは何?これも仮面ライダー?もしかしてリバイス、いやギーツの後に出る新ライダー?」

 

訝しみながら翔子は5枚のメダルを拾い上げ、その中でガッチャードを初めて見たので興味深そうに呟く。

 

翔子「こんな所で物を捨てるなんて……何を考えているのかしら……」

 

ー翔子~まだなの~?ー

 

ふうと息を吐いた所で英美の呼ぶ声に今戻るよ~と返してから翔子は手の中にある5枚のメダルを見てから、暫くしたら警察に届けようと懐に仕舞って歩き出す。

 

英美の元へ戻っている翔子はこの時知らなかった。

 

仮面ライダーの顔が描かれたメダルが自身を数奇な運命へと導く事を……

 

 

翔子達が帰路に着いている時と同じ時刻、優巳は実家である白永神社に帰路を着いていた

 

優巳「ふぅ……あの2人は会長の説教を機に自ら危険に突っ込む行動は控えて欲しいですね……ああいう行動は男や大人に任せて、女や子供は男や大人に護られて大人しくすべきなんですから……詩嶋さんのようにお淑やかにあるべきなのに……」

 

歩きながら優巳は愛香と空を思い浮かべて彼女達の行動を理解できないと溜息を吐いてぼやく。

 

???「女は大人しく男に護られていれば良いか………()()()()にそれを言う資格はあるのか?」

 

突如、自分のぼやきに対して反応した言葉に優巳は驚く。

 

優巳「誰!?」

 

慌てて声のした方へと顔を向けると其処には黒フードを被った少年が居た。

 

なぜ少年だと分かったのは体つきから判断してだ。

 

そんな優巳を見て少年は冷めた様な感じでふう……とワザとらしくため息を吐く。

 

???「その様子じゃあお前は自ら犯した過ちすらも、世界を救った功績すらも、それ処か全ての記憶を忘却したようだな」

 

優巳「過ち?世界を救った……?何のことを言ってるのですか?」

 

突然言われた事に理解できない優巳が戸惑うのを構わず、黒フードの少年は近づきながら続ける。

 

???「やれやれ、完全に()()()()()を忘却させられたようだな……まあいい。()()()()()になってしまったお前に()()()()()()()()()を止める事は出来ない……精々今の人生を楽しむんだな」

 

すれ違いざまに優巳へとそう告げて黒フードの少年は歩いて行く。

 

優巳「あなたは何を言ってるんですか!何者なのか答えなさい!!」

 

慌てて優巳は少年を問い詰めようと振り返るが……

 

そこには元から存在しなかった様に黒フードの少年の姿はなかった。

 

優巳「居ない!?」

 

どこに……と優巳は得体の知れない存在にぶるりと体を震わせる。

 

優巳「さっきのは一体……」

 

とにかく早く帰ろうと早歩きで歩き出す。

 

歩きながら優巳はすれ違った時のを思い出す。

 

すれ違った際にほんの少しであったが、黒フードに隠れていた少年の顔が見えたのだ。

 

その顔を見た際、優巳は初めて見たはずなのに、何処かで見た様な違和感を覚えた。

 

優巳「(あの時見えた顔……どうして私は、引っ掛かったんだろう……)」

 

先程までのも合わせて起きた出来事に息を深く吐き出しながら、優巳は歩く。

 

暫くして優巳は知る事になる。

 

己の前世と少年の言ったその前世が犯したと言う罪が何なのかを……

 

 

優巳が帰路に着く途中で黒フードの少年に遭遇する数分前、全校集会が終わってから愛香達と別れた拓也と律子は中等部以下の生徒達が下校して暫くして来たましろと空の様子を見に学園に来ていたあげはと出会い、彼女に自分達が今まで出くわした事や学園で起きた怪物騒ぎにプリキュアの事を話してからあげはの車に乗り、アナザーブラックが暴れたショッピングモールへ向かっていた。

 

ショッピングモールに向かう理由はアナザーブラックの襲撃の際に駐車したままの拓也のバイクを回収する為である。

 

律子「あげはさんすいません。拓也のバイクを取りに行くために乗せてくれて」

 

拓也「ホントに面目ねぇ……」 

 

あげは「気にしないで律子に井上君。それより、学園に現れた怪物を倒したプリキュアは誰か教えてくれない?」

 

礼を述べる律子と拓也にあげはは笑って返した後にそう聞く。

 

そう聞かれて2人は困った顔をする。

 

律子「それについては、私も拓也も詳細は知らないわ。怪物に対抗できる正義のヒロインとしか言えないわ」

 

拓也「実際にあの怪物はプリキュアに倒されたからな」

 

成程ね~とあげはは納得した様子のに律子と拓也は複雑な顔になる。

 

律子(あげはには言えないわ……何せプリキュアに変身したのは晴渡さんとあげはの後輩の愛香だなんて……)

 

拓也(それに特殊部隊の隊員から口止めされてるから下手に言えないよな……)

 

そんな2人をミラーでちらりと見てあげははふうんと納得した様に目を細める。

 

あげは「(この反応、やっぱり()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()って所ね……)そう言えばさ、丁度怪物騒ぎが起こっていた時間帯で、ここから少し離れた交差点で信号待ちをしてる時にね。学園の方から強烈な光が見えたんだけどさ、遠くだったのに離れた私の所にも届くほど強い光だったからビックリしたわ」

 

2人はそれが何なのか知ってる?と話を振るあげはに拓也と律子は驚く。

 

拓也「マジかよ。あの光、そんな遠くまで届くほどだったのかよ……(強烈な光って、愛香や空が変身した際に放たれた光か……遠くにいるあげはさんの所にまで行くとは………)

 

律子「大丈夫だったんですかあげはさん?(そう言えば……愛香の担任だって言う女性もその光で妙な反応をしてた様な……)」

 

心配する2人に大丈夫大丈夫と返す。

 

あげは「そうそう……あの光を見た時にさ、私の脳裏に()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()がなんでか浮かんだんだよね……なんでかしらね?」

 

拓也「そうなんですか?」

 

律子「セパレートタイプの衣装を来た金髪の戦うヒロインの様な女性………」

 

振られた話の内容に2人はふうむと考え込む。

 

まさかプリキュア?と律子が考え込む隣で拓也は何げなく車窓の方に顔を向けて……ある物を目撃する。

 

それは空から光球が落ちて来るので、それの落ちようとしてるのが拓也と律子がテイルズディフェンドの隊員達に遭遇した公園であった。

 

拓也「あの光は!?あげはさん!悪いけどバイクの後回しであの光球を追ってくれないか!!」

 

あげは「え?光球!?」

 

拓也に言われてあげはと律子も気づいた所で光球は公園へと落ちた。

 

律子「公園に落ちたわ!」

 

あげは「こりゃあ、またとんでもない出来事に遭遇しちゃうかもね」

 

行くわよ!とあげははスピードを上げて光球の落ちた公園へと進路を変える。

 

暫くして、公園へと到着し、車を駐車場に停車させると3人は急いで公園内へと入り、光球の捜索を始める。

 

落ちたと思われる場所を特定したのだが、光球らしいものが見つからない。

 

拓也「この辺りに光球が落ちたと思うんだけどな……あの勢いなら何かしらの跡があっても良いのに……どうなっているんだ?」

 

律子「んー……もしかしてあの光球、大きさと違って中身は小さくて、普通に見るんじゃあ見つからないじゃあないかしら?」

 

あげは「後は私達の目じゃあ見えないものの可能性もあるわね……」

 

首を傾げる拓也に律子が推測し、あげはも付け加える。

 

拓也「んじゃあ、このままじゃあ見つからないって事か?」

 

律子「だから小さかったと言うのも想定して、スマホのカメラで拡大して辺りを見て探して見ない?」

 

あげは「確かにそれなら何か分かるかもね」

 

提案にあげはと拓也は賛同し、早速3人はスマホのカメラを起動し、辺りを見渡してみる。

 

少しして、拓也は風景に紛れていた奇妙な物を見つける。 

 

拓也「なんだこれ?」

 

あげは「井上君、何があったの」

 

どれどれと戸惑う拓也の隣に来たあげはは拓也がスマホを向けている方に自分のも向けると映ったのは裁縫とかで使う針の先端位の大きさの奇妙な球体であった。 

 

あげは「もしかしてこれがさっきの光球の正体?」

 

拓也「拡大カメラの機能を使ってやっと見えるって、小さ過ぎだろ」

 

律子「ホント小さすぎるわね……」

 

首を傾げるあげはと呻く拓也の隣に律子も来て、覗き込んでみた奇妙な球の大きさに呆れる。

 

3人してしゃがみ込んで奇妙な球を観察していると、あげははある事に気づく

 

あげは「あれ……?」

 

拓也「?どうしたんだあげはさん?」

 

声を漏らしたあげはに拓也と律子は顔を向ける。

 

あげは「あのね、この球体……さっき見た時は中に小さなタマが2つしかなかったのに、小さなタマがたくさん増えていて、しかも大きくなっているのよ?」

 

拓也「たくさん増えてかつ大きく?……ホントだ、さっき見た時は小さいタマ2つだったのに……あ!?」

 

指摘に気づいた拓也も見ていて球の中が変化しているのに気づく。

 

律子「何これ?どういう事?」

 

あげは「これって……小学校高学年と中学校3年の時に習う生物の誕生とかで見る受精卵の動きに似てない?」

 

戸惑う律子にあげはがそう言い、言われてみればと律子と拓也もハッとなる。

 

すると内部が変化していた奇妙な球から光が迸る。

 

拓也「うわっ!?何が起きるんだ」

 

突然迸った光に3人は後ずさると光を迸っている球体がみるみるうちに3人が普通に視認できる程大きくなって行き、暫くすると球体は少しずつ形を変えて行く。

 

律子「な、何が起きてるの?」

 

あげは「まさか、何らかの生物が産まれるの?」

 

拓也「おいおい、怪物とかだったら勘弁してくれよ。二度目なんてごめんだぞ」

 

目をパチクリさせる2人と顔を引き攣らせる拓也を前に光りはやがて収まって行く。

  

─あぁぁぁぁぁぁ!!─

 

響き渡る泣き声にあげはは光のあった場所へと駆け出すと泣き叫ぶ赤ちゃんが横たわっているのを目にする。

 

慌ててあげはは自分が着ていた上着を脱いで赤ちゃんを優しく包む。

 

あげは「ようしようし!良い子だからね」

 

律子「あ、赤ちゃん!?」

 

拓也「おいおい、マジで赤ちゃんの卵だったのかあれ……」

 

泣き叫ぶ赤ちゃんをあやすあげはの後ろに来た律子と拓也は赤ちゃんを見てびっくりする。

 

良く見ると赤ちゃんは()()()()()()()()()()()の様だ。

 

律子「な、なんだか分からないけど、とにかく急いで産婦人科に連れて行きましょう!」

 

拓也「お、おいおい、どこから来たのか分からないのに連れて行って大丈夫なのか?」

 

そう指示する律子のに拓也は戸惑いながら指摘する。

 

律子「そうだけど、流石にこんな間もない赤ちゃんを見つけたからには放ってはおけないでしょ!」

 

拓也「わ、分かったよ……幸いこの辺は俺がバイトで良く行く場所だから産婦人科がやっている所があるのは知ってる。番号もそん時にチラッと見ているから電話は俺がかけるよ」

 

あげは「お願いね井上君」

 

威圧に押されて頷いた拓也は早速産婦人科へと電話をかけ、詳細を少しぼかして泣き声が聞こえて向かったら放置されている所を保護したと言う感じで話し、見て貰えると2人に伝える。

 

早速その産婦人科へと向かおうとあげはの車へと戻り、あげはが運転する為に律子が赤ちゃんを預かろうとするが……

 

ーうぎゃあ!うぎゃあ!!-

 

律子「ちょ!?ちょっと泣き止んで!」

 

受け取った瞬間に赤ちゃんは泣きだし、慌ててあげはが受け取り直すと赤ちゃんは泣き止む。

 

どうやら最初に抱き上げたあげはに心を許している様だ。

 

あげは「しょうがない……拓也君、変わりに運転してくれない?」

 

拓也「ま、まあ一応バイトの一環で車の免許も取ってはいるけど、主にバイクしか動かしてないからゆっくりで行くからな」

 

律子「それで良いのよ。赤ちゃんの事もあるしね」

 

お願いするあげはに拓也はそう返し、律子のを聞きながら運転席に座り、あげはが助手席、律子は後ろの席に座ると車は発進し、産婦人科のやっている場所へとゆっくりと向かう。

 

あげは達は知らなかった。

 

自分達が見つけて赤ちゃんとなった光球はメサイアとスカイに浄化されたアナザーブラックの中から飛び出した光の1つだと……

 

そして、その赤ちゃんの見た目が……メサイア、愛香が見た赤ちゃんの頃の()()()()()である事……

 

 

あげは達が公園内に現れた赤ちゃんを拾い産婦人科をやっている所へ移動するシーンを見せると再び黒い空間の場所に移動した。

 

そして三度、ウォズが現れて、皇あげはと白永優巳の絵が描かれたカードを翳しながら語りだす。

 

ウォズ「さて今回の話であげはが関わる話と英雄の生まれ変わりである白永優巳の事が明らかになった。だが現時点では白永優巳は自身が英雄の生まれ変わりである自覚は無く、どこにでもいる普通の少女に過ぎない……だが……」

 

ウォズは優巳のカードを取り出すが、前回同様一瞬だが少年の画像に変わった

 

ウォズ「優巳は知らない。自身が見ようとしなかった者と接触したことを……そして、後に自らの前世を思い出し……これ以降のはお楽しみにしておこう……ちなみに生まれ変わりのお話がメインでその前世のは人のモノローグに近いのだけで語ってるじゃないかと言う文句は作者に言ってくれたまえ、私に文句を言われても仕方がないからね……」

 

優巳のカードが元の少女の図柄に戻るとウォズは優巳のカードを戻した後、あげはのカードを出した

 

ウォズ「あげは君は、先ほどメサイアとスカイによって浄化されたアナザーブラックの中から出て来た光球から生まれた赤ちゃんの女の子と接触して保護したね」

 

ウォズは先程赤ちゃんをあやすあげはの様子を見せた

 

ウォズ「その赤ちゃんが実は愛香が見た赤ちゃんの頃の()()()()()である事を現時点のあげは君達は知らない」

 

そう語ったウォズは先程の映像を消す。

 

ウォズ「さて、今回のでキュアデスバイア、ツバサ、あげは、優巳の話を語った。これで終わりと言いたいが、最後に()()()()を紹介してから話を終わろう」

 

ウォズは最後に重要な事を言って姿を消す。

 

 

 

 

ネーベル学園内

 

生徒がいないかの確認の見回りをしているのか、ピンクのセミロングの女性が歩いていて溜息を吐いていた。

 

???「はぁ~……数年前に卒業した学園に教師として戻って来て早々に怪物騒ぎって……とんでも展開過ぎるよぉ……」

 

ぼやいてから再びため息を吐いた後にん~と唸る、

 

???「それにしても……そんな怪物騒ぎを解決したのが()()()()()って名乗る女の子か~なんだろう……初めて聞く筈なのにどっかで聞いた様な感じになるのは……」

 

腕を組んで唸ってから次に思い浮かべるのは自分の脳裏に過った物だ。

 

???「後、あの光の中で浮かんだ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()……なんだか親近感が湧くんだよな……見たって言う月影さんにプリキュアの事をもう少し詳しく聞いてみようかな~うん!そうしよう!と言う訳で月影さんに聞くのけって~い♪」

 

良し!と気合を入れた女性は鼻歌歌いながら歩き出す。

 

そんな彼女はある事実を知らなかった。

 

彼女自身、あるプリキュアの変身者である事……プリキュア5のリーダー、キュアドリームだと言うのを……

 

女性、夢原のぞみがそれを知る事になる時はまだ遠いが刻々と近づいていた……

 

 




次回

家に帰宅した愛香と友美。そこである事態が

セッビィ「ちょっと!あの展開早すぎるビィ!」


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衝撃!プリキュアの正体がいきなりバレた!?

家に帰った愛香と友美。そこで愛香は知る。まさかの正体がバレた!?


愛香がプリキュアに覚醒し、空が再びプリキュアに変身する数分前、避難場所に居た勇佳達は愛香と空がプリキュアに覚醒した時に放たれた光を受けた。

 

その際に勇佳達は自分達の脳裏にそれぞれ謎のイメージが浮かぶ中、勇佳達と一緒に居た少女、白永優巳はノイズがかかった何かが浮かぶ中、ましろはイメージを見るも直ぐに忘却してしまう。

 

その後、アナザーブラックを倒し勇佳達と合流した愛香と空は無茶をした事で六華に説教される。

 

説教後それぞれ帰宅する愛香達だが、避難場所に居た生徒の一人、風森翔子は途中の公園にて五枚の仮面ライダーの顔が描かれたメダルを拾い、優巳は突如現れた黒フードの少年から意味深な事を言われて戸惑う間に少年は消えてしまう。

 

そして、あげはと同行した拓也と律子は拓也のバイクを回収する為にショッピングモールに向かう途中で光球を目撃、公園へと落ちた光球を探すと光球は一人の赤ちゃんに変化した。

 

その赤ちゃんをあげは達が保護し、産婦人科へ向かった

 

それぞれがある出来事に遭遇して運命へと導かれる事を知らなかった。

 

───

 

勇佳と瑞希と別れた愛香と友美は自宅に到着した。

 

愛香「漸く家に帰れた……始業式の日でこんなに遅くなるとは思わなかったわ」

 

友美「そうだね。まさか怪物が現れたり、お姉ちゃんから聞いたプリキュアが現れて怪物をやっつけるとは思わなかったよね」

 

ふうと息を吐く愛香に友美もしみじみと同意する。

 

愛香「そうね。それじゃあ早く家に入りましょ。お父さんとお母さんが心配してるだろうし」

 

だねと友美は頷いて愛香と共に家へと入る。

 

この時、愛香と友美は意外な事態が起きることをこの時は知らなかった。

 

玄関に入ると勇介と希美が立っていた。

 

どうやら愛香達の帰りを待っていたようだ。

 

愛香「ただいまお父さん、お母さん」

 

友美「たっだいま~」

 

希美「お帰り愛香、友美。二人ともこんな遅くまで帰りが遅かったけど大丈夫だった?」

 

挨拶する2人に希美は心配そうに聞く。

 

友美「大丈夫だよ~。遅れちゃったのはお姉ちゃんが会長に説教されちゃったからなんだよね……」

 

勇介「そうか……二人とも今日起きた怪物騒ぎに巻き込まれたと聞いたが大丈夫か?」

 

困った様に笑う友美に勇介はそう聞く。

 

まぁ、親に連絡が言っても仕方がないかと愛香は勇介のに頷く。

 

愛香「大丈夫よ。私も怪物に襲われたけど、プリキュアと言うヒロインのおかげで助かったわ」

 

希美「プリキュア。もしかして片方が変身したの愛香なの?」

 

返した後に希美のストレートな発言に愛香はブッと噴き出す。

 

愛香「えっ!?いやいやいや、お、お母さん何言ってるの?わ、私がプリキュアに変身し「たのだろう愛香」って何でお父さんは断言しちゃってるの!?」

 

セッビィ(どういう事ビィ?何で見てもない愛香の両親が愛香がプリキュアに変身したと断言できるビィか?)

 

慌てて否定しようとして勇介も続いた事に愛香は驚き、隠れていたセッビィもまた2人の反応に驚きを隠せずにいられなかった。

 

友美「お父さん、お母さん。何でお姉ちゃんが「ねえ、どうして私がプリキュアだって言い切れるの?」」

 

友美は両親が何故姉がプリキュアだと断言できるのかを質問しようとして、その言葉に被せる様に愛香が問う。

 

勇介「それについてだが……まぁ、玄関で話すよりもゆっくり休んでからで良いだろう、友美もだが、愛香だって色々と動いて疲れただろう?」

 

愛香「……分かったわ」

 

そう言って先延ばしにする勇介に愛香は不承不承だが休みたかったのは事実なので受け入れて、靴を脱いで中に入る

 

東堂「ふうむ……予定より早く彼女の家に来訪する事になりそうだな……」

 

そんな愛香達を少し離れた場所で特殊部隊の面々と共に東堂が見ていた。

 

何故、東堂が愛香の家の近くにいるのか、それには理由があった。

 

 

事は愛香達が家に帰宅する数分前、東堂達はアナザーブラックとの戦いの後処理をしてる時である

 

隊員A「あれだけ荒らされていたグランドが一瞬で元通りになるとは、流石プリキュアの力は凄いものだな……」

 

隊員B「いやいや加藤さん、今回のはプリキュアじゃなくて妖精の力によって元通りにしたのですよ。そこは間違えたらいけませんよ」

 

周りを見渡しながらそう呟いた加藤と呼ばれた隊員はあ、そうだったな……と苦笑いする。

 

そんな加藤は東堂がタブレットで何かを見ているのに気づく。

 

隊員A→加藤「あの、東堂さん。タブレットで何を見てるんですか?」

 

隊員B「そうですよ。僕達にも見せてくださいよ」

 

東堂「加藤に……相原か、少し気になる事があってヌーベル学園に在籍している生徒や教師のリストを見てたんだ」

 

声をかけた加藤と相原と呼ばれた隊員は気になる事?と首を傾げる。

 

加藤「気になる事?それは一体なんですか?」

 

東堂「今回の事態の前に事前に調査した結果にはソラ・ハレワタール……晴渡空はいなかった。さらに言えば虹ヶ丘ましろもいない筈だったんだが……」

 

隊員B→相原「いない筈だったんだが……?」

 

これを見ろと2人の隊員に東堂はタブレットに映し出されているのを見せる。

 

それに他の隊員達もなんだ?と興味津々で集まって来る。

 

東堂「在校生や卒業生に教師全員のリストだ。よく見てくれ」

 

そう言う東堂のに隊員達は顔を寄せ合ってリストを見る。

 

リストを見て行く中で……

 

在校生の中に、愛香や空の名前以外に夕凪ツバサを見つけ、さらには卒業生の所で聖あげはの名前を見つけると共に教師の一覧で()()()()()の名を見つける。

 

隊員C「……あれ?東堂さん、このリストおかしくないですか?俺、前の調査のに参加してましたが、この世界にはひろがるスカイプリキュアの面々はいないって分かったんですよ。おかしくありません?」

 

隊員D「おいおい太田、それは単純にお前さんがうっかり見逃したんじゃないのか?現に虹ヶ丘ましろや名前違うけどソラ・ハレワタールがいたんだしさ……俺としてはなんで中学生の筈の夢原のぞみの名前が教師一覧にあるのかがおかしいと思うぞ」

 

東堂「まぁ、太田と南部の言いたい事は分かる。南部の疑問は俺にも分からんが、太田の疑問に関しては俺の中では憶測に近い推測があるんだが……聞くか?」

 

2人の隊員の疑問に対して東堂はそう言う。

 

隊員E「おいおい、出し惜しみしないでくださいよ東堂さんよぉ、聞かなかったら俺、寝れなくなっちまいますよ」

 

東堂「すまんな斎藤。ホントに憶測の範囲に過ぎないが多分……キュアスカイの覚醒が原因だろう」

 

じれったそうに催促する隊員に東堂はそう返す。

 

加藤「キュアスカイの覚醒がですか?」

 

隊員D→南部「なんでキュアスカイの覚醒が関わってるって思うんですか?」

 

出てきた言葉に隊員達は首を傾げる。

 

東堂「それはだな……晴渡空がキュアメサイアの覚醒の影響で記憶が戻り、キュアスカイに覚醒した事で、ソラ・ハレワタールとしての記憶が蘇った可能性がある。事実、太田が言った様に前に調査した時は、晴渡空や虹ヶ丘ましろの名前が何故か出てこなかった」

 

隊員E→斎藤「??どういう事です?俺にはさっぱり分からないですよ」

 

隊員C→太田「同じく、記憶が戻ったから名前が出たって言うのは極論過ぎるんじゃあ……」

 

隊員F「……もしかすると、この世界はプリキュアに覚醒するまで晴渡空を一般市民として認識していたからか……もしくは、我々が“彼女達がいる”と言うのを認識しない様にこの世界にはそう言う細工がされていた……と言う可能性ですね。それがキュアスカイが覚醒した事で外れた……という感じじゃないだろうか?」

 

唸る隊員達の中で1人の隊員が顎を摩って己なりの考えを述べる。

 

東堂「おそらく真田の考えが一理あるかもな……それでもう1つ気になるのは晴渡空の記憶を取り戻すきっかけを作った月影愛香だな。俺達はもう一度、彼女に接触する必要がある」

 

真剣な顔で東堂は隊員達へそう言ってからそれと……と続ける。

 

東堂「……月影愛香もそうだが、他にも気になる者がいる」

 

太田「気になる子が他にもいるんですか?」

 

斎藤「誰なんです?もしかして東堂さんがスカウトしようとしてるプリキュア候補の女の子の誰かですか?」

 

そう言った東堂は斎藤の問いに違うと返してから在校生リストの中にある1つの名前を指す。

 

東堂「俺が気になっている者、それはこの白永優巳だ」

 

相原「白永……?あれ、どっかで聞いた様な……」

 

隊員F→真田「確か、嘗てテイルズディフェンドに所属していた者の苗字がそうだったな……その人物はキングダムハーツの世界の人間、ソラ達に助力した王様一行に当たる人物と関わりがあったと言うのを聞いた事がある(後は噂話でだが、世界の殺戮者(プリキュア)の創造主との戦いで創造主と戦った英雄2人を支援したと言われているな……)」

 

首を傾げる相原に真田が答えつつ内心そう呟く。

 

言われた事で相原は思いだしたのか、そうでした!と納得する。

 

東堂「真田の言う通りなんだが、この件は一部の者しか知らない。何故ならこの案件はある意味良くない事態を招いたからな……」

 

南部「え?どういう事です?」

 

相原「もしや元凶は倒して1つの問題は解決したけれど、他にも問題が複数残されてしまったせいですか?」

 

出てきた言葉に目をパチクリさせる南部に知っていたのか相原がそう聞く。

 

東堂「ああ、その残された問題の一つがさっきまでここで暴れたアナザープリキュアだ。アナザープリキュアが現れたのは世界の殺戮者(プリキュア)の創造主を倒されて少ししてからだ……もしかすると創造主の死が誕生した原因の1つではないかと俺は考えている。故にこの世界の白永と言う人物に接触する必要があると俺は考えてる」

 

加藤「それを裏付ける為にこの世界にいる白永の名を持つ人物に接触すると……ちなみに何時接触するんですか?」

 

顎に手を当ててから加藤は呟いてから確認する。

 

東堂「今は月影愛香の接触を優先するからしばらく先だな。キュアメサイアに変身する月影愛香はこの先アナザープリキュアを倒せる鍵だと俺はそう考えている。それが終わったら白永優巳の親がテイルズディフェンドに所属していた者かを確認するつもりだ」

 

斎藤「そんじゃあ、ここの片付けを済ませたら、月影愛香ちゃんが居る場所へ向かうって事で良いっスね?」

 

そう纏める東堂に斎藤は問い、ああと東堂は肯定する。

 

太田「はぁ~ホントこの世界に来てから大忙しだな、そろそろ休憩したいぜ」

 

南部「まぁ、今は丁度良いダイエットと思えば良いんじゃないか?」

 

ぼやく太田に南部が茶化す。

 

それから暫くしてアナザーブラックが暴れた場所の片付けを終えて東堂達は愛香の住んでいる自宅へと向かった。

 

その移動の途上で真田はある事を考えていた。

 

真田(白永優巳か……俺が聞いた裏の話によれば、表で語られている偽装の英雄ではなく、本当の英雄の故郷に当たる世界の傲慢な偽物ヒーロー達によって表の情報から消されたホントの2人の英雄の片割れの変身前の名前に似てるな……確か、その者の名は……()()()()、読み方が同じ存在は色んな世界であったりするが……今回はそんな偶然で済ませてしまって良いのだろうか……)

 

東堂「どうした真田?何か気になる事があるのか?」

 

そんな考えていた真田に東堂は話しかけ、真田はハッとなって笑う。

 

真田「いえ、月影愛香君の両親はどんな人物だろうかと考えてただけですよ」

 

東堂「確かにそれは気になる事だな」

 

同意した東堂は前を向く。

 

白永優巳、彼女に関わる者達がこの先重要な役割を持つ事を、この時の真田や東堂は知らなかった。

 

 

 

 

 

 

そんな経緯もあって東堂達は月影家の近くに居たのであった。

 

加藤「実際に来てみたら、日本でよくある家のようですね」

 

相原「これぞ普通の家族の家ですね」

 

真田「お前達、何を期待してるんだ?」

 

建物を見てそう述べる加藤と相原に真田は少し呆れた顔でツッコミを入れる。

 

太田「あ、愛香ちゃんと妹ちゃんが一緒に家に入って行きますね」

 

斎藤「しかし、なんだか入る前に愛香の嬢ちゃん、何やら動揺してたな、何があったのか……?」

 

南部「両親と話してる感じに見えたけど、何かまずい事を言われたのかねぇ?」

 

双眼鏡で見ていた太田の隣で同じ様に見ていた斎藤と南部は愛香がなんで動揺していたかに首を傾げる。

 

東堂「今の時点では分からんな……様子を見たいが……流石に家の近くまで行って耳を澄ませていたら不審者に間違われそうだな……」

 

ううむと唸っている東堂に真田はあるアイテムを取り出す。

 

真田「所謂こんな事があろうか的なアイテムだ。これで家の中にいる彼女達の会話を盗み聞きするとしよう」

 

斎藤「流石は真田さんだ!名前だけじゃなくここぞと言う時のアイテムを用意する手腕も似てるな!」

 

相原「絵面がちょいと犯罪チックですけど、動揺してた理由も知りたかったですし聞きましょうか」

 

褒める斎藤と相原のにそこは言わんでくれと本人も気にしていたのか、真田は微妙な顔をしながらアイテムの電源を入れて愛香達の会話を盗聴し始める。

 

そんなこんなで盗聴する東堂達なのだが、彼らも動揺する事態が起きる事になる

 

 

 

 

 

 

盗聴されてると知らずに愛香は家族と共に夕食を食べた後、リビングに集まっていた。

 

愛香「ええっと……それでお父さん、お母さん。どうして私がプリキュアだと断言したかの説明をしてくれる?」

 

勇介「分かっている。その前に愛香。帰って来た時に抱えていたバッグの中にいる動物を出してくれないか」

 

早速聞こうとした愛香は勇介のにギョッとなる。

 

愛香「え、何でバッグの中に動物が居るって言えるの?」

 

希美「それについても後で教えるわ」

 

ほんわかに返す希美に愛香は本当にどういう事と戸惑う。

 

友美「そう言えばお姉ちゃん、虹ヶ丘さんにバッグを突き出したら虹ヶ丘さんが落ち着いたのをアロマセラピーに近いのって言ってたけど……」

 

愛香「ああ、うん……とりあえず、中身を見て動揺はしないでね……」

 

そう前置きしてから愛香はセッビィが入ったバッグのファスナーを開く。

 

それによりセッビィが飛び出してテーブルに着地する。

 

セッビィ「やっと外に出たビィ……って、あ……」

 

んーと背伸びしてからセッビィは勇介と希美に固まる。

 

友美「えええ!?何この子!?可愛い!!」

 

そんなセッビィを見て友美は目を輝かせてセッビィを自分の方に抱き寄せる。

 

ビィィ!?と驚いているセッビィに愛香は苦笑した後に動じていない勇介と希美を見る。

 

勇介「ほぉ、直接見てみると可愛らしいじゃないか」

 

希美「ホント可愛らしいわね~」

 

愛香「えっと、2人共、その言葉からするとセッビィの事も知ってる感じなのね;」

 

平然と感想を述べている両親にどういう事と愛香は戸惑う。

 

なんせ、セッビィの姿を見ているのは愛香を除くと、空と特殊部隊のメンバーに拓也と律子と詩嶋しか見ていない。

 

後は愛香は知らないが拓也達3人には東堂が言わないようにと厳重に釘を刺していたからので彼らからも伝える様な事はありえない。

 

愛香「ねえ、どうして初めて見る筈なのにセッビィの事を知ってるのか教えてくれない?」

 

希美「まぁ~その鳥さんの名前、セッビィちゃんと言うのね~それじゃあ話すわね」

 

話を促す愛香に希美は勇介と目を合わせて頷いてから口を開く。

 

希美「まず愛香が何故プリキュアだって言えるのはね……実は愛香と友美が学園に行ってる間にスマホからあるメールが来たの」

 

愛香「あるメール?」

 

首を傾げる愛香と友美に希美は頷く。

 

希美「ええ、その時の私達は朝、愛香が話した奇妙な夢の話を聞いてね。パパが何か悪い事が起こるんじゃないかって言うから不安になっていたのよ」

 

勇介「そこで私達は話を聞いて信じてくれそうなある人に相談したんだよ」

 

バトンタッチした勇介の言ったある人に愛香は首を傾げる。

 

愛香「誰なの?そのある人って?」

 

勇介「愛香も知ってる人だよ。ほら、幼い頃から付き合いのあるあの人だよ」

 

問う愛香に勇介は笑って言う。

 

愛香「私が幼い頃に会って今も付き合いのある人……それって将悟叔父さん?」

 

友美「ええ!?白永神社の将悟叔父さん!?何で将悟叔父さんに相談したのお父さん?」

 

言われて思い至って驚く2人に勇介は言う。

 

勇介「彼は色々と人脈があるからね……もしかしたら将悟さんなら私達の不安に対して助言をしてくれると思ってね……」

 

そうだったんだと驚いている娘2人に勇介はしみじみと言う。

 

 

 

 

一方、盗聴器で聞いていた東堂達はまさかの名前が出た事に驚いていた。

 

南部「おいおいおい、まさかここで東堂さんが気になっていた白永の名前が出ちゃったよ」

 

太田「話に出た将悟って人が、もしかしてテイルズディフェンドに所属していたって人なんでしょうかね?」

 

東堂「……さあ、そこまでは分からんな……」

 

相原「いやぁ、こんな偶然があるとは思いもしませんでしたね……」

 

東堂達が各々に戸惑いを抱く中、その様子を見て真田はある考えを抱いていた

 

真田(こんなところで白永の名前が出るのは偶然とは思えん……月影愛香君の家族が白永将悟氏と交友関係にあるとしても、夢の内容だけで相談しようなんて何らかの関係でないと思いも付かないと思うが……)

 

愛香の家族と白永と言う人物には何らかの関係があるのではないかと真田は推測しながら話の続きを聞き逃さない様に集中する。

 

 

 

東堂達が白永の名前を聞いて動揺している頃、愛香は両親に何故将悟に相談したのか質問していた。

 

愛香「それで将悟叔父さんに相談して、どんな返事が来たの?」

 

勇介「彼から送られてきたのは、白永神社にある古文書の内容と関係あるかもしれないと言う事さ」

 

古文書?と出て来たのに愛香と友美は顔を見合わせる。

 

友美「えっと、その古文書の内容がプリキュアと関係あるの?」

 

勇介「私達はそう思ってる。その内容もメールに書いてくれている」

 

これだと自身のスマホを2人に見せる様に翳し、愛香と友美は内容を見る。

 

ー光の使者が邪悪に堕ち、世界を滅ぼす存在に成り果てた時、邪悪に堕ちた使者を止める抑止力となる新たな光の使者が生まれ、邪悪に堕ちた使者を光に戻すー

 

愛香「()()使()()()()()()()()……!?お父さんこれって!?」

 

勇介「ああ、愛香が話してくれた夢の奴で考えると周りの被害を除いてプリキュアがその光の使者と当て嵌めれば、この古文書の内容の最初の部分と辻褄が合うんだ……」

 

内容を見て驚いた顔で見る娘に頷いてそう語ってから言葉を切って希美が出しておいたお茶で喉を潤してから続きを言う。

 

勇介「そして、この古文書の抑止力が愛香が言った救世主と当て嵌めれば……悪となったプリキュアを古文書に掛かれた光の使者へと戻す為のプリキュアではないかと将悟さんは言っていた」

 

友美「確かに解釈が一致してるかも……」

 

セッビィ「ビィ……」

 

ほへぇと声を漏らす友美とセッビィのを聞きながら愛香は勇介を見る。

 

愛香「と言う事は将悟叔父さんは話を聞いた時から私がプリキュアとして覚醒するのを予想していたって事?」

 

希美「ええ。それと、将悟さんの養子の戦さんもその時丁度傍にいたからその解釈は正しいと肯定していたわ」

 

え?と希美の口から出た名前に愛香は驚く。

 

愛香「将悟叔父さんだけでなく戦さんも聞いてたの!?」

 

希美「それから暫くして数時間後に私とパパのスマホにさっき言ったメールが来たの。内容によると将悟さんの知人がある動画を撮影してそれを付けて送信してきたの」

 

驚いている愛香に希美は自身のスマホを取り出しながらそう言う。

 

友美「どんな動画なの?」

 

勇介「ああ、友美も万が一の為に見ておきなさい」

 

出てきた言葉に友美は目を丸くする。

 

友美「万が一ってどういう事お父さん?」

 

勇介「うむ、これが来た時はあって欲しくなかったが、今回の様な事態に巻き込まれた以上、見ておいた方が良い」

 

真剣な顔で言う勇介に友美はゴクリと喉を鳴らす。

 

2人が見ている事を確認して勇介はスマホの中に入れている動画を再生する。

 

映し出されたのは校内へと入り込んだアナザーブラックの様子であった。

 

友美「あ、この化け物はあの時の!?」

 

愛香「そう言えば特殊部隊の人達はあの怪物をアナザープリキュアと呼んでいたわね……私が見た感じ、アナザーライダーやヒトツ鬼のプリキュア版とも言える存在ね。(それにしても、この場所……動画を撮影した人は、この場所にアナザーブラックが現れるのを知ってたのかしら?)」

 

映し出された映像のに出ているアナザーブラックを見て声をあげる友美に愛香は教えた後に疑問を抱く。

 

その間に動画は続き、次は空がアナザーブラックと交戦してるシーンが流れる。

 

友美「えぇ!?晴渡さん。私達から引き離した後に怪物と戦ってたの!?;」

 

希美「私もこの映像を見た時はビックリしたわ……友美と変わらない子が戦っているんだから……」

 

そんな空の行動に驚きの声をあげる友美に希美も困った様に述べる。

 

空がアナザーブラックと交戦して数分後に愛香が来て、落ちていた野球ボールを掴んで投げようとする。

 

友美「あれ?お姉ちゃんの手、なんだか光ってない?」

 

愛香「晴渡さんを助ける為に夢中だったから、まさか手が光ってたなんて知らなかったわ……」

 

しみじみと呟く愛香のを聞きながら友美は愛香が投げたボールを喰らったアナザーブラックが当たった所を抑えて呻いた後に怒りに任せて愛香と空を攻撃している映像にハラハラしているとテイルズディフェンドの部隊が来る。

 

友美「ここで特殊部隊の人がお姉ちゃんを助けに来たんだね」

 

愛香「ええ、あの時は特殊部隊が来なかったら私と晴渡さんは死んでいた可能性があったわね……」

 

思いだしてブルりと震える愛香は心配させないで欲しいわと言う希美のに申し訳なさそうに体を縮める中、特殊部隊と交戦している内に苛立ついたアナザーブラックが愛香に向けて拳圧を放ち、それを空が愛香を庇った事で無事で済む。

 

友美はそれに安堵の息を吐き出している中、セッビィが出て来るのにあと声を漏らす。

 

セッビィ「あ、僕だビィ!」

 

愛香「お父さんとお母さんは、このシーンでセッビィの事を知ったのね……」

 

両親がセッビィを知っていた理由に愛香は納得する。

 

その間に動画では愛香がセッビィからメサイアレンスを渡される様子が映し出される。

 

友美「あ、もしかしてスパークレンスに似てるアイテムって変身アイテム!それじゃあこの後は……」

 

それに友美はワクワクしているとメサイアレンスを手にした愛香が変身コードを唱え、愛香の周りが光に包まれ、光が収まると愛香はキュアメサイアに変身した様子が映った

 

愛香「客観的に見れば、変身シーンは一瞬で終わるのね……(けど、周りでは一瞬でも、私が変身してる間は何十分にも感じたわね……後、あの時、一瞬だけどもキューティハニーの様な裸になる感覚あったから写ってなくて良かったわ///)

 

愛香は自身の変身シーンが一瞬で終わったと同時に自身の変身シーンが見られなかった事に安堵した。

 

友美「?お姉ちゃん顔が赤いけどどうしたの?」

 

愛香「う、ううん!ナンデモナイワヨ……」

 

そんな愛香に気づいて声をかける友美に愛華は目を反らす。

 

 

 

 

余談だが、そんな愛香がキュアメサイアの変身する際ので愛香が持っているメダルの中の一部が反応していた。

 

─やば、なんか改めて見ると凄く恥ずかしさが……─

 

─はうはうあー///─

 

─そう言えば、私達はゲームとかアニメで似た様な感じだよね~─

 

─メタい事言ってるんじゃないわよ……やば、こう言われると恥ずかしさが……─

 

反応したのはプリンセスコネクトの世界の人間であるキャルとユイ、ネプテューヌの世界の人間であるネプテューヌとノワールである。

 

そんなプリンセスコネクトの世界の人間とネプテューヌの世界の人間の誰かが愛香のクロスフュージョンのキーキャラである事をこの時のメンバーは知らなかった。

 

 

 

 

愛香「そ、それより映像の続き見ましょ」

 

恥ずかしさを誤魔化す為に愛香はそう言って友美と共に動画の視聴を再開する。

 

動画ではキュアメサイアに変身した愛香がアナザーブラックと交戦する様子が映っていた。

 

友美「凄ーい!お姉ちゃんアナザーブラックって相手に互角に戦っていたんだね」

 

愛香「この時は自然に体が動けたのよね……」

 

感嘆の声をあげる友美に愛香はそう言ってると映像ではメサイアが新体操の経験を生かした技を繰り出している所だ。

 

希美「あの動きを見てると学生時代の頃を思い出すわね……」

 

愛香「いや、私はお母さんにはまだ及ばないわ」

 

希美は愛香が自身の学生時代の頃の動きをして褒める一方で愛香はまだ希美には及ばないと謙遜しながら照れていた。

 

暫くしてレイリングで拘束したアナザーブラックに対し、メサイアは浄化技を放つ準備をするシーンとある。

 

友美「これでアナザーブラックは浄化されるんだね」

 

愛香「……それがね、そうでもなかったのよ」

 

え?と愛香の口から出た言葉に友美は驚く。

 

友美「それってどういう事?」

 

愛香「まぁ、友美の言いたい事は分かるわよ。大体の物語だと、一話の敵は主人公が初変身したにも関わらず、敵は初変身した主人公の必殺技に倒されるのが普通だったりするわね。けど、アナザーブラックはそうならなかったのよ」

 

疑問な友美に愛香がそう言ってから見てれば分かるわと続きを見る様に促す。

 

言われた通りに友美は見ているとメサイアが放ったレイブラストがアナザーブラックの身体を纏う黒いオーラによってかき消された後、黒いオーラの中でアナザーブラックの姿が縮んでいった後、モンスター娘の要素が入った姿になる様子が映っていた

 

友美「うえええ!?なにこれ!?変わった!?」

 

勇介「最初に見た時はまさかのお約束破りが来たのが驚きだったな……」

 

驚きの声をあげる友美の隣で勇介はそう呟く。

 

希美「怪物からモンスター娘な見た目に変わったのはホントに驚きよね」

 

愛香「ホントにね、しかもパワーアップもして苦戦したわ(それにしても……どうしてアナザーブラックもそうだけど、私が夢で遭遇したキュアブラックも最強や無敵と言うのに拘っていたのかしら……?)」

 

呟く希美に愛香は相槌を打ちながらアナザーブラックやキュアブラックの言い方に疑問を抱いていた。

 

暫く映像はパワーアップしたアナザーブラックに押されるメサイアの姿が映され、テイルズディフェンドの攻撃すらも無力化し窮地に立たされる様子が映っていた。

 

そんな中、愛香達の戦いを見ていた空が頭を抑えているのに友美は気づく。

 

友美「お姉ちゃん、晴渡さんが頭を抑えているけど、何かあったの?」

 

愛香「終わった後に聞いたんだけど、その時の空は私の戦いを見て、思いだそうとしていたの」

 

気づいて問う友美に愛香はそう答える。

 

友美「思いだそうとしていたってなんの?」

 

愛香「それはね……自分がプリキュアだと言う記憶よ」

 

続けて質問した友美は出て来たことに驚く。

 

友美「うえ!?それじゃあお姉ちゃん以外のもう1人のプリキュアに変身していたのって!」

 

愛香「そう、空で、その名はキュアスカイよ」

 

友美のに愛香が答えてる間に画面は空がメサイアの言葉で記憶を取り戻し、ミラージュペンを手にした後、メサイアのブレスレットに現れたキュアスカイのメダルがブレスレットに装填され、コードを唱えるとブレスレットから光の球が飛び出し、光の球を手に取りスカイトーンとミラージュペンを手に叫んだ空は光に包まれ、光りが弾け飛ぶとキュアスカイに変身したシーンが映っていた

 

友美「これがキュアスカイなんだ……お姉ちゃんのと違って可愛らしさがあるね!」

 

愛香「ま、まぁ……こっちのはカッコよさある感じのだけどさ……」

 

目を輝かせる友美に愛香は苦笑してから続ける。

 

愛香「そんなキュアスカイも加わった事で変貌したアナザーブラックを押して行ったわ」

 

希美「ホント凄いわね……晴渡さん、愛香が来るまでアナザーブラックと交戦していたけど、この時点でプリキュアの素質があったのね……」

 

勇介「それに愛香と違い、元から武術を学んでいる感じであったな」

 

スカイの戦いを見て感心を抱く希美の隣で考察した勇介は気になった事を聞く。

 

勇介「所で、1回見ていて疑問に思ったんだが……せっかくスカイが加わって良い状況になったにも関わらず、どうして必殺技を撃たなかったんだ?」

 

愛香「あー……それはね……普通なら確実に浄化する筈がまさかのお約束破りをされたもんだから。もし同じ事が起きたらどうなるか不安で撃てなかったのよ……」

 

そう言う事かと愛香からの理由を聞いて勇介は納得してから言葉を続ける。

 

勇介「成程、だからアレを渡された事でその不安は解消されたんだな」

 

友美「アレ?アレって何?」

 

愛香「それは今から出て来るわ」

 

首を傾げる友美に愛香は言うと、映像はメサイアとスカイがテイルズディフェンドの隊員が持って来たアイテム、クロスライザーを貰った後、メサイアは自分のバックルから取り出したメダルをクロスライザーのナックル部分に装填してクロスライザーでスキャンして姿を変える様子が映っていた。

 

友美「今度は姿が変わった!?」

 

希美「初めて見た時は驚いたわね。スカイのは解りづらいけど、愛香のはセーラームーンとキューティーハニーの特徴が入った衣装に変わったようね」

 

勇介「いや、スカイのは片方は解るな。特徴からしてウルトラマンゼロではないかな……それにしても変身方法がまるでウルトラマンオーブやウルトラマンジード、ウルトラマンZのような感じだな……」

 

愛香「ええ。二人分の力を持ってるからね。隊員さんが言うにこれはクロスライザーと言ってジードの様に2人のキャラの力を使ってフォームチェンジする感じね」

 

愛香は家族にクロスライザーやクロスフュージョンなどの事を説明した。

 

勇介「そうなると服装的にスカイがゼロと一緒に使ったのはリリカルなのはのシグナムだな」

 

愛香「ううん、ダンボール戦機に出るLBXのアキレスD9よ」

 

服装から予想する勇介に愛香は否定する。

 

え?と3人は愛香を見る。

 

友美「アキレスD9?それだったら服装も装甲娘のアキレスD9のに近い感じになるんじゃないの?なんでシグナムのバリアジャケットに近い奴なの?」

 

愛香「私に聞かれてもそこらへん分からないし、本人も分からないって言ってたわ」

 

勇介「ま、まぁ、確かに言われてみればアキレスD9もといLBXが使う必殺ファンクションに近い技があるな」

 

凄く疑問な友美に愛香は肩を竦めて返す中、勇介は苦笑して言う。

 

その間に映像はクロスフュージョンによってパワーアップしたメサイアとスカイがアナザーブラックを追いつめるところまで進んでいた。

 

友美「アナザーブラックの身体に黒いオーラが漏れているけど何かあったの?」

 

愛香「それは私達がアナザーブラックを攻撃する度に、アナザーブラックの身体に傷が出来るけど、その際にアナザーブラックの身体から黒いオーラが漏れているの。そして黒いオーラが漏れた影響でアナザーブラックの体力と力が失っているの。そして力を失った結果はこれよ」

 

愛香は友美にプリキュアの攻撃を受け続けた事でアナザーブラックは弱体化した事を説明した。その間に画面はアナザーブラックが大技であるブラックサンダーを放つところまで進んだ

 

友美「アナザーブラックの身体から黒いオーラが漏れ出してるね」

 

愛香「それは私達がアナザーブラックにダメージを与えた事で再生能力と力を失っている証拠よ。相手も焦ったのか大技を繰り出そうとしていたのよね」

 

アナザーブラックの様子を見て言う友美に愛香はそう返してるとその間に映像はアナザーブラックが右腕にエネルギーを収束してブラックサンダーを放つ所であった。

 

友美「これが大技?」

 

愛香「そう、本人はブラックサンダーと言ってたわ。本人曰く数多の英雄を屠ったそうよ」

 

希美「それを使う程追い詰めていたって事ね」

 

確認する友美に愛香はそう返した後に希美が呟いてる間に映像はアナザーブラックがブラックサンダーを放ち、それに対抗してメサイアとスカイはシルバーハート・スパイラルアタックとプリキュア・ビッグバンシュートで応戦し。それぞれの必殺技がぶつかりあったブラックサンダーとシルバーハート・スパイラルアタックとプリキュア・ビッグバンシュートが激突した。

 

暫くは均等しあっていたがやがてアナザーブラックが放ったブラックサンダーをシルバーハート・スパイラルアタックとプリキュア・ビッグバンシュートが押して行き、最終的にブラックサンダーを打ち破ってアナザーブラックへと直撃する。

 

友美「おお!打ち勝った!!」

 

勇介「見ていてヒヤヒヤしたもんだよ」

 

希美「こういうのって相殺かどちらかが勝つ奴って言うパターンが主だものね」

 

興奮する友美に勇介と希美はそう言う。

 

勇介「しかし、アナザーブラックの攻撃は見るからに強力そうだったが、どうやって打ち勝ったんだ?」

 

愛香「その時のアナザーブラックはブラックサンダーを放つ前に私達の攻撃を当て続けてダメージを与えていた事で力を削っていたから技の威力が弱まり、維持も出来なかったからかき消す事に成功したのよ。あの時のアナザーブラックは謂わばワールドトリガーの世界に所属するボーダー隊員みたくトリオン体限界状態に陥ったの」

 

友美「わぁ~凄い一部の人しか分からない例えだね」

 

質問する勇介のに愛香はそう返し、友美のにうぐぅと呻く。

 

愛香「と、とにかく!次のでアナザーブラックとの戦いも終わるわ」

 

そう言われて友美は映像を見るとメサイアとスカイがアナザーブラックに対しトドメと必殺技を放つ準備をし、アナザーブラックに対し、メサイアはムーンレイピアの刀身に浄化の光を纏わせ、スカイは二つのブレイザースラッガーを連結した武器、ブレイザーツインソードの刀身に浄化の光を纏わせると共にメサイアのプリキュア・ムーンライトフレアとスカイのプリキュア・ビッグバンスパークスラッシュがアナザーブラックに炸裂する。

 

必殺技を喰らったアナザーブラックは地面に倒れ、断末魔をあげた後に光となって消滅した。

 

希美「アナザーブラックに勝利ね」

 

勇介「しかし一時期のアニメや特撮では必殺技は剣であるパターンが多かったのを思い出させる一撃であったな……」

 

しみじみと言う勇介に確かにと愛香は同意した後にアナザーブラックが居た場所から黒いオーラのようなものが上空へ上がった後消滅し、同時に白い光球が現れ、その光球がどこかへ飛んで行く映像に目を丸くする。

 

愛香「え?何この光球?こんなの飛んで行ってたの?」

 

友美「お姉ちゃんは知らなかったの?」

 

セッビィ「僕も気づいてなかったビィ。これが悪いのじゃないと良いんだビィが……」

 

戸惑う愛香にセッビィは不安そうに呟く。

 

実はその光球は知人が遭遇していたりする。

 

アナザーブラックを倒した事にテイルズディフェンドの隊員達は歓喜する中、メサイアとスカイがアナザーブラックが倒れた場所に落ちていたメダルを回収した所で動画の再生は終わった。

 

愛香「これで動画は終わりか……けどホント、誰が撮ったのかしら……」

 

勇介「そこは教えて貰ってないな……」

 

ううむと唸る愛香に勇介も頬をポリポリ掻いて返す。

 

セッビィ「ビィ?この家に誰かが来ている気配があるビィ」

 

すると、友美に頭を撫でられていたセッビィが声をあげる。

 

誰か?と4人は顔を見合わせる。

 

勇介「宅配便か誰か来たのかな?」

 

希美「かしらね?」

 

ふうむと顎を摩る勇介に希美も呟く。

 

愛香「んーー……セッビィ、その気配がなんなのか分かる?」

 

セッビィ「えっと……あ、あの特殊部隊の人達だビィ」

 

友美「え?特殊部隊の人達?」

 

確認する愛香にセッビィは集中して誰なのかを調べ、友美はすっとんきょんな声をあげる。

 

勇介「ふうむ、何か愛香に聞きたい事があって来たのだろうか?」

 

愛香「こっちとしてはもしも知らない事を聞かれて困るんだけどな……セッビィ、一応バッグの中に隠れて置いてね」

 

セッビィ「解ったビィ」

 

ぼやいた後にお願いする愛香にセッビィは再びバッグの中に隠れる。

 

それを確認してから愛香は友美達と共に玄関の方へ向かう。

 

 

 

 

一方、愛香達の家の前で加藤達テイルズディフェンドの面々が立っていた。

 

なぜいるかは、一度話をして見るべきだと東堂が言い、真田も同意したからだ。

 

と言うか真田的に作った奴はあくまで悪い奴の会話を盗聴する為であって一般家庭の会話を盗聴するのじゃないからこれ以上良心が耐え切れなかったのもある。

 

ちなみに2人はグリムズにこれまでのを報告する為に一旦離れている。

 

加藤「なあ、誰が呼び鈴を押す?」

 

相原「え?そこは加藤さんが先頭なんですし、加藤さんが押すべきですよ」

 

太田「そうそう、今東堂さんと真田さんは長官に報告で離れてるんですから、加藤さんが押すべきですよ」

 

話を振る加藤に相原と太田がそう言ってから南部と斎藤が待ったをかける。

 

南部「待て待て、こういうのはやっぱり偉い人がやるべきで、東堂さんが押すべきじゃないか?」

 

斉藤「直ぐに戻って来るんだしよ。真田さんと東堂さんを待った方がいいんじゃないか?上司が後から来るのってあんま印象良くねえと思うしよ」

 

そうやってあーだこーだしていると東堂と真田が来る。

 

東堂「待たせたな、これまでの事や白永の事はグリムズ長官に報告した……って何してるんだお前達?」

 

相原「いや~誰か呼び鈴押すかで話しておりまして」

 

大の大人が数人で人様の家の前でワチャワチャしてどうすると理由を聞いて真田は呆れながら東堂のを引き継ぐ。

 

真田「長官はこの世界に白永の名を持つ者が居る以上、テイルズディフェンドに所属していた本人か血縁者であろうとなかろうと接触して我々が何者かを話して協力を得て欲しいと頼まれた(まぁ、長官の口ぶりからこの世界の白永の名を持つ者はかつてテイルズディフェンドに所属していた人間だと確信していた様だがな)……それとキュアメサイアこそ月影愛香君のご家族にも民間協力者になって貰えるか聞いて欲しいとも頼まれたよ。今後を考えれば彼女やキュアスカイ、晴渡空君の協力は不可欠だからな……」

 

太田「な、成程……」

 

理由を聞いて加藤達5人が納得したのを見て東堂は早速と呼び鈴を押そうとし……

 

ガチャ

 

愛香「あ、こんばんわ」

 

先に扉が開いて愛香が出て来て、その後ろに勇介達もいる。

 

東堂「……先に来られてしまったな」

 

呼び鈴に触れる直前の状態だったので東堂は苦笑する。

 

勇介「いやぁ、まさかウルトラ警備隊の様な方々が家を訪問してくるとは……」

 

友美「特撮やアニメしか見た事が無い人が自分の家の前にいるのって驚くよね」

 

そんな東堂の後ろにいる加藤達を見てしみじみと呟く勇介に友美も同意する。

 

希美「どういったご用件で家をお訪ねしたのかは……やっぱり家の娘関連でしょうか?」

 

東堂「ええ、その通りで……すまないが上がらせて貰っても宜しいだろうか?」

 

確認する希美に東堂は問う。

 

勇介「……良いでしょう。こちらも色々と聞きたい事があるので」

 

少し考えて東堂の申し出を受け入れて家に上がらせる勇介にでは……と会釈して東堂達は愛香達の自宅へと上がらせて貰う。

 

この後、愛香達は東堂達が何者かを知る事になる。

 

 

 




次回、愛香達は東堂達の素性を知る

東堂「……話変わるが、なんで家の隊員の苗字は宇宙戦艦ヤマトのクルーと同じ苗字で統一されてるのかねぇ……」

太田「それ、俺達に言われても困りますよ;」

真田「偶然としか言いようがないかと思いますよ」

南部(それ言ったら上司は間違いなく沖田か古代か、はたまた森か島になりますよ……;)

加藤(後、外部のメンバーに叢雲と如月が来ますね……)

─どうやら、見られるとまずいものを隠してないから恥ずかしいと感じるのですね。その点わたくし達は大丈夫ですが……─




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愛香達はテイルズディフェンドの目的を知る

愛香の家にやって来た東堂達は自身の組織、テイルズディフェンドの目的を語る

その最中に愛香は他人に隠していた事を話す

ラストに元凶なるものが……


アナザーブラックとの戦いが終わった後、愛香は空と共に六華会長の説教を受けてから、愛香が戻るのを待っていた友美と共に家に帰った。

 

家に帰った愛香と友美が待っていたのは、何故か愛香がプリキュアである事を知ってる勇介と希美であった。

 

家に入った愛香と友美は両親から知人である白永将悟に愛香が見た夢の事を相談した事、白永神社にある古文書と愛香が見た夢に繋がりがある事を聞いた後、将悟の知り合いが撮影した愛香を映した動画を2人に見せる。

 

その動画を見た事で愛香は両親は自身がプリキュアである事を知った事やセッビィの事を知ってる事に納得する。

 

その一方では、愛香の家の近くまで来ていた東堂達は愛香の驚きから気になって愛香達の会話を盗聴し、その中で白永の事を知り、詳しく知る為に訪問して勇介の案内で家に上がった。

 

そんな東堂達は愛香達にある話をし始める事となる。

 

 

 

 

 

勇介の案内で家に上がった東堂達はリビングに居た。

 

代表として東堂と真田が座り、加藤達はその後ろで立って待機している。

 

そんな東堂と真田と面を向いて勇介と希美、愛香が座り、友美は少し離れた場所で座って見ている。

 

東堂「こんな夜分遅くに訪問をしたのに入れて下さり感謝する」

 

勇介「それで……この時間帯に来たのには何か理由でもあるのかな?」

 

頭を下げる東堂に勇介は用件を聞く。

 

真田「その事なのですが……すいませんでした」

 

勇介「……なぜいきなり謝罪を?」

 

そんな東堂が答える前に真田が謝罪した事に勇介は問う。

 

真田「実は、少し前にお宅の近くまで来ていたのですが、その際にご両親と話している愛香君を見かけて、その際に愛香君が驚いていたので気になってしまい、先ほどまでの会話を盗聴してしまいました」

 

愛香&友美「ええ!?」

 

告げられた事に愛香と友美は驚きの声をあげ、希美はあらあらと声を漏らし、勇介は不服そうに眉を顰める。

 

真田「気分が害してしまって当然です。故にこうやって直接話をしたく、訪問したのです」

 

東堂「真田が言った様に我々は今後の事も考えて印象を悪くしたくなかったので謝罪に来ました」

 

勇介「謝罪をしたかっただけですか?」

 

そう聞く勇介に東堂は頬をポリポリ掻く。

 

東堂「お察しの通り、お宅の娘さんに会いに来たのもありますが、聞いていた会話のでもう1つ出来まして……」

 

愛香「もう1つ?」

 

愛香に頷いてから東堂は勇介を見る。

 

東堂「そのもう1つが、白永です」

 

希美「将悟さん?」

 

真田「はい、実は後々、その白永将悟氏とコンタクトを取ろうと考えていた矢先でしたのであなた方が知人だったのに驚きまして……」

 

首を傾げる希美に真田はそう返す。

 

愛香「そういう事情があったのね……あの、そろそろお名前とか組織名とか教えて貰っても良いですか?」

 

東堂「確かに、名前を名乗らないのは不躾過ぎるな……改めて俺の名前は東堂大介。多元次元防衛隊『テイルズディフェンド』に所属する研究者です」

 

愛香は東堂達に何者なのか質問し、東堂は自分の名と所属する組織の名を告げる。

 

愛香は東堂達に何者なのか質問し、東堂は自分の名と所属する組織の名を告げる。

 

愛香「テイルズディフェンド……名前からして系列的には防衛チーム系の組織か、時空管理局系の組織みたいね」

 

組織名を聞いて、愛香は自分の知るのから思い当たるのを呟く。

 

真田「防衛チームか時空管理局か。まあ()()()()()()()()

 

愛香「大体あってる?」

 

ただ、真田の言った事に首を傾げる愛香に言った本人は理由を述べる。

 

真田「ああ、実際我々の組織には、防衛チームのような部隊がある。俺達が所属してる東堂さんの部隊は所謂裏方寄りの部隊だが、まぁ、アナザーブラックとの戦いで見て貰った通り、ある程度の戦力は整えているんだ」

 

希美「その部隊員が真田さんに東堂さんの後ろに居る人達ですね。貴方方が居なかったら娘が命を落としたかも知れませんでした……愛香を助けてくれてありがとうございます」

 

そう言って頭を下げる希美と勇介に加藤達は照れ臭そうに笑う。

 

相原「いや、僕達は職務に全うしただけですよ……まぁ、アナザーブラックには手傷を少ししか加えられなかったし、再生されちゃいましたけどね」

 

加藤「そうでもないぞ相原。確かに俺達はアナザーブラックに大して、少ししか出来なかったが、その少しが実は状況を変えるような事に繋がる事になる事もあるんだからな。現に太田の行動がキュアメサイアの変身を助けたんだからな」

 

謙遜した後に自嘲気味に付け加えた相原の肩を叩きながら加藤は笑って言う。

 

勇介「それで、そのテイルズディフェンドはどういう目的で活動してるんでしょうか?」

 

東堂「基本的に言うなら、あらゆる世界を護る事ですね」

 

希美「つまり、特撮やアニメに出てくる防衛組織と同じという事で宜しいのかしら?」

 

質問する勇介に返した東堂のを聞いて呟いた希美に真田は肯定する。

 

真田「そうです。これまでのでいうまでもないですが最優先でやるのは世界の防衛です。ただ、世界を護ると言いましたがそれ以外の事もやったりしております」

 

友美「どんな事をしたりしてるの?」

 

気になったのか問う友美に良い質問だと笑って真田は答える。

 

真田「例えば、ある世界が荒廃していた場合にはその世界が自力で立ち上がれるまでに復興を支援し、またある時はある世界が滅亡した際に生き残った人を保護し、安全に住める世界へと移住を手伝ったり、またまたある時はある世界の人間が邪悪な人間に狙われ、殺されそうになっていた場合の護衛、そしてある世界が邪悪な人間に支配されてしまっていた時にその世界を解放し、救うと言った事をしているよ」

 

友美「多種多様なんだね~ドラマで取り上げられたりする国境なき医師団やインターポールを混ぜた様な感じかな?」

 

大雑把に言えばそうだねと友美の例えに真田は苦笑し、東堂もその方が分かり易いかねと呟く。そんな中、愛香は話の中にあった邪悪な人間と言う部分を聞いて不快な感情を抱いた

 

友美「お姉ちゃん、顔を顰めてどうしたの?」

 

愛香「邪悪な人間と聞いて嫌な事を思い出しちゃって……。それより話に出た邪悪な人間はどんなのが居るんですか?」

 

愛香は東堂達に話に出た邪悪な人間はどんなのが居るのか質問した

 

東堂「そうだな……我々が言う邪悪な人間は、所謂独裁者や死の商人、凶悪犯罪者のような輩が該当するな……ただ、邪悪な人間は敵側だけにいる存在以外も指している」

 

愛香「邪悪な人間は敵側だけの存在ではないって……」

 

述べられた事に愛香はそう言われてなんとなくだが理解する。

 

真田「その顔を見るからに色々と作品を知っている君なら察しただろうが、邪悪な人間は敵側だけでなく味方側にも居る事があるんだ」

 

友美「んー……どんな人がいるんですか?」

 

ピンと来ない友美に真田は苦笑しながら答える。

 

真田「そうだな……この世界にある作品で言うならば、闘将ダイモスと言う作品に出る三輪防人、ウルトラマンメビウスでは蛭川光彦、TIGER&BUNNYならばアルバート・マーベリック辺りだな。そういう権力や自分の職を利用して悪だくみする連中は味方側に居ると本来の職務を全うしている者達を時として苦しめるのだ。そんな奴等も厄介だが、それ以上に悪質な輩がいる」

 

愛香「真田さんが挙げた連中より悪質な輩?それはどんな輩なの?」

 

首を傾げる愛香や友美に真田は神妙な顔で言う。

 

真田「それは、悪徳勇者だよ」

 

愛香「悪徳勇者?あ、なんとなく言いたい事が分かったわ」

 

出てきた言葉に愛香は首を傾げかけて察したのかそう言う。

 

友美「え?どういう事?」

 

真田「友美君に分かり易く言うならば、勇者の名を騙ってそれを建前に外道な事をしたり、自信過剰で自分が正しいと押し付けようとする同じ人間として許せない存在の事を言うんだよ。この世界にある作品で言えば『勇者パーティーを追放されたビーストテイマー、最強種の猫耳少女と出会う』と言う作品に出るアリオス・オーランド、『経験値貯蓄でのんびり傷心旅行 ~勇者と恋人に追放された戦士の無自覚ざまぁ~』という作品に出るセイン、『「攻略本」を駆使する最強の魔法使い ~〈命令させろ〉とは言わせない俺流魔王討伐最善ルート~』に出るユージン等が挙げられるな……今名前をあげた奴等は敵役だから後々自業自得な目に遭うからまだ良いんだが……」

 

首を傾げる友美に真田は説明して例を挙げた後に少し言葉を切る。

 

真田「……そんな奴等以上に世界の中心人物である主人公が悪徳勇者の同類だとさらにヤバさが増すと言う事だ」

 

長くしゃべったからかふうと真田は溜息を出す。

 

友美「どんな感じにヤバいの?」

 

真田「やってることは大体は先程挙げた悪徳勇者と同じであるんだが、違いとしては先ほど私が挙げた悪徳勇者は因果応報を受けたが、今挙げた悪徳勇者の同類……便宜上、オレ主やワロス主と呼ばれたりしているな……その者達は悪事を働いたにも関わらず罰を受けない処か、本来の世界の中心人物の活躍を奪ってドン底に突き落とし、その人物の大切な仲間や恋人を奪った挙句、その者の本来の立ち位置を奪った後、全てを失った人物を抹殺して世界を滅茶苦茶にしたり、女性を自身の玩具に堕落させてしまうんだ。そんなオレ主やワロス主に盲信する輩もいたりして好き勝手に世界を荒らしまくるんだ」

 

勇介「ふむ、二次創作で言う悪役なオリ主をさらに酷くした感じと言えば良いのかな?」

 

希美「酷いわね……」

 

話を聞いて勇介と希美は気分悪そうに顔を顰める。

 

友美や愛香も同じ様に憤慨している。

 

東堂「勇介氏のおっしゃる通りです。普通なら、そんな悪いことをすれば何らかの罰が来る。だがオレ主やワロス主が存在する世界は彼らに罰を与えない。それどころか悪事を働いたにも関わらず、処罰が降らず、あってもせいぜい奉仕活動程度の軽い処罰しか降らない。しかもオレ主やワロス主に対しては誰一人批判しない所か、その者達に逆らう者、やってることは間違いだと言う者を軽度の処罰で済む筈が死刑と言う最悪の処罰を平気に下す……言ってて気分が悪くなってしまうな」

 

眉間を揉む東堂に加藤達も渋い顔をしている。

 

希美「悪事を働いたにも関わらず処罰せずに無罪放免した上に英雄扱いにするなんて酷いし、女性をなんだと思っているのよ……!」

 

勇介「二次創作で言うアンチ・ヘイトが当て嵌まるなその者達は……最悪だな」

 

苛立ちを隠せれない勇介と希美に真田は同意する様に頷く。

 

真田「お2人の気持ちは分かります。事実オレ主やワロス主が好き勝手する世界は、政府も警察も軍も司法も腐敗しきっており、その居る世界に居る殆どの人間は人間では無く、奴等の操り人形かイエスマン、はたまたアバターの様な存在だと言う事です」

 

愛香「政府や警察や軍や司法が腐る程酷いなんて……」

 

友美「そんな酷い事をされて人々は反抗しなかったの?」

 

信じられないと言う愛香と気になったのか聞く友美の問いに真田は頷く。

 

真田「反抗したのも勿論居たよ。だがオレ主やワロス主のだけ奴等の都合良い事が起き、反抗した者達に対しては都合よく悪いことが発生するような事態……謂わば不正チート、ご都合主義等など、それ等に奴等は護られて手も足も出なかった。このまま泣き寝入りするしかないと思われるだろうが、こういう輩も最悪の報いを受ける事になる」

 

友美「最悪の報い?」

 

首を傾げる友美に東堂が答える。

 

東堂「真っ先に挙げられるのは、異世界からそんな行いをする者達を許せない者達が召喚されて、オレ主やワロス主、そんな奴等のイエスマン達を粛清する。奴等を悪と見なし、目的の為なら抹殺も辞さないダークヒーロー系の連中に断罪される。異世界からの侵略者や武装組織によってオレ主やワロス主が支配していた世界が壊滅した後、その者達に矯正及び支配等が行われる。つまり、オレ主やワロス主は自身では歯が立たない連中に完膚なきまでに叩き潰され、死んだ方がましな目を受けて、その人生を終わるのさ」

 

成程と友美は渋い顔で納得する

 

愛香(ホント話を聞くからにその死ぬ事すら許せず生き地獄を味わったのが色んな世界にいたのね……なんと言うか雰囲気は違うけどなぎさの事を思い出すわね……)

 

愛香はオレ主やワロス主の末路の話を聞いて、そう思った後に自身の知識にある死ぬ事も出来ずに生き地獄を味わった者の事を浮かべてからなぎさを迫害していた者達を思い出していると太田が愛香に話しかけて来る。

 

太田「えっと、愛香ちゃん。何か思い当たる感じのあったのかい?」

 

愛香「え、あ、えっと……「あ、俺は太田ね」はい、太田さんの言う通り、オレ主などの話を聞いてると嫌な事を思い出してしまいまして……例えば、罪の無い人を一方的に迫害するとか……」

 

斎藤「何か思い出したくないものを見たのか……そういや、俺からも1つ聞いても良いか?あ、俺は斎藤な」

 

名乗ってなかったので名乗る太田の問いに愛香はそう返していると斎藤もそう言ってから名乗る。

 

愛香「何でしょうか?」

 

斎藤「あのよぉ、愛香の嬢ちゃんって、女なのに特撮やアニメ、漫画やゲーム等の知識がめっちゃ詳しいよな。そこんとこやり込んでるって事か?」

 

愛香「えっ…………///」

 

改めて指摘されたのが恥ずかしいのか愛香は顔を赤らめる。

 

それを見て南部は肘で斎藤の脇腹をこづく。

 

南部「おいおい斎藤、今の状況でそんな今の空気壊す様な事を、それも女の子に対してプライバシーに関わる様なデリカシーの無い質問してどうすんだ?」

 

斎藤「けどよぉ、気にならねえか?女の子ってファンシーなゲームとか女性向けの作品とかを主に見るもんだけど、愛香の嬢ちゃんの知識はそこらの男連中よりも博識に近かったぜ」

 

相原「偏見過ぎる気もするけど……確かにそう言われてみれば、例えに出したワールドトリガーのも読んでなきゃあ出ないですね」

 

太田「確かに俺も気になってたんだよな……」

 

ワイワイ話しだす4人にお前らなと加藤は注意しようとする。

 

愛香「あーその……良いですよ。その疑問に答えます」

 

加藤「え?良いのかい?流石に大の大人がプライバシーに関わる事を聞いてるようなもんだよ?」

 

が、その前に愛香が教えても良いと言ったので目を丸くしながらそう聞き、はいと愛香は頷く

 

愛香「お父さん、お母さん、東堂さん、真田さん。すいませんが一旦話中断するけど良いかしら?」

 

東堂「まぁ、一旦空気を換えるのもありだから、こちらは大丈夫だ」

 

勇介「こっちも構わないよ愛香」

 

お願いする愛香に東堂と勇介はそう返す。

 

愛香「ありがとう……それじゃあ質問のに答える為もあるので他の人に対し私の隠してる事を言いますので」

 

そう前置きして愛香は話し始める。

 

愛香「普段は斎藤さんの言うとおり、私は女性向けの作品の作品を見ている事で通してます。事実私が通っているヌーベル学園の殆どの女子は所謂恋愛ものやロマンスものを見てるのが多いのです」

 

斎藤「そうだよな。大体は女子は恋愛に憧れを抱いてるもんだよな………」

 

相原「所謂白馬の王子様的な人物に恋をする的な作品なのかな?」

 

うんうんと頷く斎藤に続いた相原のに愛香は肯定する。

 

愛香「はい。ですが私はそんな女子向けの作品の作品ではなく、男子向けの作品が好きなんです///」

 

南部「つまり愛香ちゃんは所謂特撮もの、仮面ライダーやスーパー戦隊みたいなやつやジャンプ等の少年漫画、例えばONE PIECEや呪術廻戦のような作品が好きなんだな」

 

気恥ずかしそうに言った愛香は南部のに頷く。

 

愛香「はい。私はアクション系の作品が好きで、幼稚園の頃は男児に混じってディケイドやゴーカイジャー辺りの作品を見てました。女が特撮や少年漫画の作品を見るのはおかしいのでしょうか?」

 

真田「いやいや、何もおかしくはないさ。色んな物を楽しむのに男女の性別は関係ないさ」

 

モジモジする愛香に対し、真田は微笑んで返す。

 

加藤「女が特撮やアニメ、漫画やゲームに夢中になるか……普通なら特撮やアニメに夢中になるのは大体男性だからな……けど男が無条件に特撮やアニメが好きであるとは限らないし、女性が特撮やアニメに夢中になるのだって良いと思うな」

 

太田「俺も同じ意見ですね。と言うかそう言う話題を広げられるから良いもんですよね」

 

そう言う加藤に太田も笑って言う。

 

愛香「私の話を聞いて否定はしないんですね」

 

真田「否定はせんよ。それにその知識があるお陰で、君はクロスライザーを直ぐに使いこなせたのだからな」

 

その言葉に愛香はこそばゆそうに頬を掻く。

 

愛香「それに私は男子向けの作品が好きなのもありますが、それとは別の作品のも好きなんです」

 

太田「お、そのもう一つはなんだい?」

 

興味津々で聞く太田に愛香は胸を張って答える。

 

愛香「それは、変身ヒロインやバトルヒロインものの作品なんです」

 

太田「ああ、キューティーハニーやセーラームーン系の作品とか好きなんだな」

 

南部「分かる気がするな。あれだって男性でも好きな人いるしな」

 

納得する太田と南部に愛香は少し困った顔をする。

 

愛香「けど、ここだと変身ヒロインやバトルヒロインものは深夜でないと見れないんですよ……朝に放映されてるのはガールズ×戦士シリーズやアイカツ!シリーズ、それにプリティーシリーズなんですよね」

 

友美「けどお姉ちゃんはガールズ×戦士シリーズやアイカツ!シリーズにプリティーシリーズに対しては物足りさを感じてるんだよね?」

 

そうそうと友美のに愛香は神妙な顔で頷く。

 

南部「?なんでアイカツ!系の作品やプリティーシリーズ系の作品やガールズ×戦士系の作品には興味を抱かないんだい?アイカツやプリティーシリーズはアイドル系のダンスバトルみたいなもんだけど、ガールズ×戦士はバトルヒロイン系のに当て嵌まるじゃないか」

 

斎藤「そんなに物足りないのか?」

 

そんな愛香のに南部や斎藤は不思議そうに聞く。

 

愛香「はい。私はアイカツ!やプリティーシリーズ、ガールズ×戦士の作品に出るキャラ自体は否定しません。けれど……私はそのダンスバトルと言うものが物足りないんです。ここだと男子向けなのはアクションをする作品が多いのですが、女子向けのはダンスやファッションショーをするものばかりなせいで私からすれば物足りなく感じるんです」

 

太田「言われてみれば、確かにそう言うのってダンスとか服を魅せる感じとかが強いな……」

 

相原「そうか、愛香ちゃんは派手でかつアグレッシブに動くアクション系の作品が好きだから、ダンスバトルのような作品だと物足りなく感じるんだね」

 

斎藤「それこそ、全ての男子が特撮やアニメを好むとは限らない事にも通じるよな……」

 

理由のに太田や相原は納得し、斎藤はしみじみと呟く。

 

愛香「そうなんです。私が生まれる前の頃は、深夜だけでなく朝や夜でも変身ヒロインやバトルヒロインものはやってましたけど、今は朝は今挙げたアイカツ!やプリティーシリーズ等の作品しかやらないのか、深夜以外で変身ヒロインやバトルヒロインをやっていたことを知ってるものは殆ど居ないんです」

 

真田「まぁ、キューティハニーやセーラームーンなどはその、肌の露出が多い変身だと昨今のPTAは厳しい所があるからね……後は子供の教育云々でバトルヒロイン系は深夜帯に回され易いね……」

 

太田「そうなると俺達が今いるこの世界は深夜でなければバトルヒロインものはやらないんですね……(ん?あれ……確か朝でも変身ヒロインものはやってた気がしたのは気のせいか……?)」

 

困った顔をする愛香に真田は腕を組んで呟く中、太田はしみじみと言いながら何か引っかかる。

 

南部「それじゃあ愛香ちゃんはなんでバトルヒロインなガールズ×戦士は物足りないって思ったんだい?」

 

愛香「それについてはガールズ×戦士シリーズは確かにバトルヒロイン作品なんですけど……この作品は戦闘描写が名有りのキャラの戦闘を含めても殆ど無く、謎解きやパズルやダンスバトルによる描写がメインです。つまり戦わない変身ヒロインもの寄りの作品なんです」

 

加藤「あーー……確かにガールズ×戦士シリーズってバトルよりも頭を使う系な感じだよな……」

 

相原「そう言われると……どちらかと言うとミンキーモモや魔法使いサリーやおジャ魔女どれみに近いヒロイン作品って思えますね。」

 

南部の問いに答えた愛香のを聞いて、加藤と相原は内容を思い返して納得する。 

 

愛香「それに怪人は存在せず、敵は名前ありのキャラを除くと敵に操られただけの一般人しか出ませんし……色んなスポーツやゲームをやったりして尚且つ戦闘描写があるカブタックやロボタックに比べてガールズ×戦士のはさっきも言った様にダンスか謎解き、パズルと言うパターンしか無いから物足りないんですよ」

 

太田「確かに、戦う所を見たい人からすれば物足りなさを感じちゃうよな」

 

ですよねと前のめりになってから愛香はハッとなって少し恥ずかしそうに座り直す。

 

相原「ガールズ×戦士系のダンスバトルなら男子向けのでダンスバトルと言うのならトライブクルクルやブレイブビーツがありますね。その系列の作品は男子向けだと結構希少ですよね?」

 

南部「他にも男子向けだとロボコンシリーズや東映不思議シリーズの一部の作品が戦わない系の作品でもあるな……」

 

斎藤「東映不思議シリーズと言えば有言実行三姉妹シュシュトリアンはバトルヒロインもんであの有名なウルトラマンとも共演した事あるから愛香の嬢ちゃん的にありなんじゃねえか?」

 

太田「あ~確かにありかもしれないな、古い奴だけど美少女仮面ポワトリンとか不思議少女ナイルなトトメスはどうだろう?」

 

これが良いだろうやこの作品がとあーだーこーだと討論しあう4人に加藤は本人置いてけぼりにしてるよなと思いながら淹れて貰ったお茶を飲む。

 

愛香「凄い討論してますね」

 

真田「はは、家の同僚達がすまないね……そう言えば愛香君はゲームとかはしたりしてるのかい?」

 

同僚たちに苦笑してから真田は愛香に話を振る。 

 

愛香「まぁ、ゲームもしたりはしてますけども腕前はそれなりの部類ですね。それに、私は新体操部に所属してるのでゲームしてる時間は短いですし……まぁ、暇な時にゲーム動画の方で情報を集めたりしてますけども……そう言えば私の後輩にゲームの腕前が凄い勝矢レイと言う子がいるんですよ」

 

そんな真田の問いに答えた愛香が最後に述べた人物に東堂は内心驚く。 

 

東堂(こんな所で俺がスカウトしようとしている内の1人の名前が出てくるとは……これもまた縁と言う奴だろうか……)

 

愛香「後、漫画もある程度は読みますけど、先程言ってた通りに、学園では普段は少女漫画を読んでる事にしてます。漫画を読むのは、アニメの原作を知るのが目的ですが」

 

そんな事を東堂が考えてるのを知らず、愛香は付け加える。

 

真田「そうなると愛香君は色んな本は読んでるみたいだね?」

 

愛香「ゲームのと同じ理由になりますけれど、其れなりに色んな本は読む方です。色んな本を読んで様々な知識を得る意味ではお父さんから読んだ方が良いと言われてます」

 

良い事だと真田は笑う。

 

真田「少年漫画や少女漫画、小説など色々と呼んでいるのかな?」

 

愛香「はい。漫画や小説の中にはアニメ化したものがありますので。まあ、流石に銀条さん並みに本に夢中になる事はありませんが」

 

東堂「銀条?」

 

照れ臭そうに真田に話した愛香が言った名前に東堂は反応する。 

 

愛香「はい、赤城会長が居る生徒会で書記を務める銀条明輝さん。彼女は本を読むのが好きで、推理小説やミステリー小説等の本を好んでます。両親が探偵業や警察に携わっているのが理由なんです」

 

太田「どひゃあ~そりゃまた凄いな」

 

東堂(勝矢レイに続いて、また俺がスカウトしようとしている内の1人の名前がまた出てくるとは……彼女の情報網はなかなかくやれないな……)

 

どんな人物かを説明した愛香のを聞いて驚きの声を代表であげる太田のを聞きながら東堂は愛香の情報網に舌を巻く。

 

真田(ふむ、こうやって大体の話を聞くとクロスライザーを簡単に扱い、プリキュアに初めて変身したにも関わらずアナザープリキュアに対処出来たのも、様々な経験によって出来たと言う事か……)

 

愛香「これが私の隠し事……お父さん、お母さん、友美。私の隠し事聞いたけど大丈夫だった?」

 

勇介「大丈夫だよ。まあ愛香の場合、他人にバレる事に不安があっただろう」

 

希美「実はオタク趣味の持ち主だったら男が敬遠するから隠してたって事ね」

 

少し不安そうに聞く愛香に勇介と希美は安心させる様に微笑む。

 

愛香「ええ。こんなオタク趣味の女じゃ、男の人が近づいてくれなさそうだから。おかげでモテないとか言われてるし」

 

友美「大丈夫だよお姉ちゃん。お姉ちゃんの趣味を解ってくれる人はちゃんと居るから安心してよ」

 

相原「そうそう、僕達の様に理解してくれる人は見つかるよ」

 

困った様に言う愛香に対し、友美はそう返し、相原も続く。

 

愛香「ありがとう友美に「相原です」相原さん」

 

真田「では愛香君、君が隠していた話のはこれで終わりなのか?」

 

区切りを見つけて真田は確認の問いをする。

 

愛香「はい。話の途中で勝手に話題を変えてしまってすいませんでした」

 

真田「気にしなくても良い。お陰で愛香君の事をより理解できたのだからな」

 

東堂「そうだな。さて話を戻すとしよう……最初にも話したが、ここに来たのは君にアナザープリキュアに対しての協力要請と白永氏とのコンタクトの取次を頼みたい。大丈夫だろうか?」

 

愛香の話が終わった所で東堂は本題を切り出す。

 

それに愛香は背筋を伸ばし、勇介と希美も真剣な顔で東堂を見る。

 

愛香(今の話を聞いて、私の事を信用してくれている以上、此方から断る理由は一つもない。それにアナザーブラックの戦いでは東堂さん達や空がいなかったら勝てなかった……。東堂さん達が話したオレ主やワロス主の話、あれはもしかしたら、私が見たなぎさ達に起こった事の末路に通じるかも知れない。そんな末路を迎えさせない様にするべきなら答えは一つしかない)

 

東堂達の話を聞いて愛香は自身はどうするべきか思案し、決断して東堂を見る。

 

愛香「大丈夫です。協力します」

 

友美「お姉ちゃん。決断早くない!?」

 

協力を受けると答えた愛香がすぐに返事したのに友美は驚く。

 

そんな驚いている妹へと愛香は顔を向ける。

 

愛香「友美、あなたの思ってる通り、こういう話は普通なら直ぐに決断せず、暫くしてから決断するものよ。けど、東堂さん達に助けられ、プリキュアとして覚醒してアナザーブラックの戦いを経験して、お父さんとお母さんから将悟叔父さんの話を聞いた以上、迷う暇は無いのよ。それに」

 

友美「それに?」

 

セッビィを見てから懐からメサイアレンスを取り出して真剣な顔で言う。

 

愛香「プリキュアとして覚醒した以上、私は力を手にしただけでなく責任を負わなければならないわ」

 

勇介「『大いなる力には、大いなる責任が伴う』……スパイダーマンの名言通りと言う事だな愛香」

 

娘の言葉に勇介はそう言う。

 

愛香「ええ、力を手にした以上、私はこの力を私利私欲に使ってはいけない。もしやれば私は悪党と同じになるわ。それに力を誤れば取り返しのつかない事を起こしてしまう」

 

希美「そうね……ヒーローは完璧な存在じゃない。事実ヒーローの中で暴走して取り返しがつかない事をやらかした人が居るからね」

 

頬に手を当てて言う希美に頷いて愛香は東堂へと顔を向ける。

 

愛香「ですので東堂さん!アナザープリキュアの件は協力します!そして、もし私が間違った事を仕出かしたら必ず止めるようお願いします!」

 

東堂「こちらこそお願いする立場だ。協力感謝する」

 

頭を下げながら、お願いする愛華へと東堂はそう返す。

 

真田(なんとも凄い高校生だ。普通ならばこんな決断を早々出すのには勇気がいる。我々もそんな彼女の勇気に恥じぬ様にせんとな)

 

そんな愛香を見ながら真田はそう心の中で精進を目指す事を決めた後に気になっていた事を問う。

 

真田「所で愛香君。早速でなんだが、君が使ったメダルを見せて貰っても良いだろうか?」

 

愛香「私が使ったメダルですか?」

 

真田からアナザーブラックの戦いに使われたメダルを出して欲しいと言われて目を丸くした愛香はセッビィに顔を向ける。

 

愛香「セッビィ、変身しなくてもメダルは出せるの?」

 

セッビィ「本来は変身しなければ出せないビィ。理由としてアイテムが悪用される危険性を考えて変身しないと出せないようにしてあるビィ」

 

確認する愛香にセッビィはそう返してからけど……と言葉を続ける。

 

セッビィ「今、僕の周りに敵意を抱く者は居ないビィから、今回だけは説明するために変身しなくても出せるようにしておくビィ」

 

相原「(あ、なんて嬉しいご都合主義)」

 

太田「(と言うかこの子そう言う事も出来るのか;)」

 

セッビィの言葉に相原と太田がそう思っている中でセッビィは目を光らせて愛香の手にあったメサイアレンスへと照射するとメサイアレンスから光が机に向けて放たれ、光が照射された所にメダルが2枚現れた

 

東堂「これが……あの時君が使ったメダルか」

 

愛香「はい。アナザーブラックでの戦いで使った2枚です」

 

机に置かれた2枚のメダルを愛香は東堂達に見える様にセーラームーンとキューティーハニーのメダルを掲げる。

 

真田「技で大体予想はしていたが使われていたのはキューティーハニーとセーラームーンか……」

 

愛香「はい、組み合わせと言うので咄嗟に最初は変身ヒロインの原点であるキューティーハニーとセーラームーンを選びました」

 

勇介「キューティーハニーとセーラームーンは変身ヒロイン達の大先輩だもんな」

 

興味深そうに見る真田に愛香はそう返し、勇介もしみじみと述べて問う。

 

愛香「後、今出した2枚のメダルの他にもあります」

 

その言葉と共にメサイアレンスから再び光が照射されると……沢山のメダルが積まれて出て来る。

 

誰もが多っ!?と驚いた後に各々にメダルを手に取って見ている。

 

加藤「凄いな……ONE PIECEやNARUTO、ジョジョの奇妙な冒険や呪術廻戦のもあればジャンプ以外の作品由来の人物達まであるぞ……」

 

相原「凄いですよ!マガジン系の七つの大罪やフェアリーテイル、魔法先生ネギまやゲットバッカーズ処か、サンデー系の犬夜叉や葬走のフリーレン、結界師や月光条例、少年チャンピオン系のBEASTARSや刃牙シリーズ、舞-乙HIMEや挙句の果てに魔入りました!入間くんまで!?」

 

斉藤「漫画だけでなくゲームのもあるぜ。格闘ゲームでは有名なストリートファイターやキングオブファイターズの武闘家達までありやがる。おお!?マリオやソニックまでありやがるぜ!!他にもファイナルファンタジーやドラゴンクエスト、テイルズオブシリーズまで!?」

 

南部「お、特撮では定番のスーパー戦隊や仮面ライダー、ウルトラマン以外にも、メタルヒーローや超星神シリーズにマイナーなヒーローまで網羅してるぞ!これって愛香ちゃんの知識を元に作られたんでしょうかねぇ?」

 

太田「おぉ、アンパンマンまであるぞ!?これってかいけつゾロリも出来てたら凄いな……あ、日本の作品だけでなくアメリカの作品、マーヴル作品やDCのヒーローまで!?加藤さんや相原の言う通り凄すぎだろこれ」

 

真田「ふうむ……こうなるとあの時のを見てヒーローパワーメダルと呼称しようかと思ったが、それは一部の呼称にするべきか……こうなると総称はあの有名なオールスターゲームにあやかってファイターパワーメダルと付けた方が宜しいですな」

 

東堂「確かにな……しかし、これだけあるとはな……」

 

愛香「ファイターパワーメダル、良いですね……ただ、私自身、これだけあるとは思ってなかったもので……」

 

愛香が出したメダルを見て驚きを隠せない加藤達や友美を見ながら真田はそう提案し、東堂は賛同しながらメダルの数に驚き、愛香自身も出したメダルの多さに驚きを隠せていない様だ。

 

え?と誰もが愛香を見て、愛香は困った様に頬を掻く。

 

真田(まさか愛香君も認識してない程とはな……作品を考えると此でもほんの一部なんだろうな……もしかすると……()()()()()も再現できる可能性があるのだろうか?)

 

愛香がメダルをたくさん出た事に戸惑う様子を見ていた真田は、愛香が居る世界に来る前のある出来事を思い出すのであった。

 

────

 

テイルズディフェンド本拠地 廊下

 

真田「(ある世界で突如起きたあらゆる創作物の存在が消える事態……それと並行して起こったある世界でヒロイン達の蒸発、ヒロインが居た世界を滅茶苦茶にして本来の主人公に成り代わって好き勝手やっていたオレ主やワロス主も殺害されて、ヒロインが居た世界が滅んだ事態……)」

 

端末に映し出した情報を見ながら真田は眉を顰める。

 

真田「(今まで様々な世界を視て来たテイルズディフェンドにとっては、この二つの奇妙な事態は不可解さが目立ってるな……)」

 

???「何を悩んでいるんですか真田さん?」

 

考え事をしていた所で声をかけられ、顔を上げた真田は近づいて来る男性に気づく。

 

真田「おお、お前さんは諜報部隊の島か。何でこんな所に居るんだ?」

 

なんで説明口調なんですか?と苦笑しながら島は真田と並ぶ。

 

島「俺の部隊に居る如月と叢雲から妙な報告が来たんでそれを確かめに向かっていたんですよ」

 

真田「妙な報告?」

 

疑問詞を浮かべる真田にええと頷いて島は真剣な顔で周りを見てから小声で話しかける。

 

島「ちょっと俺の個室に来てくれませんか?こういう所では大っぴらに話して良いものではないですし」

 

真田「……分かった」

 

了承した真田は、早速島の個室に向かった。

 

個室に入った所で島は真田にあるファイルを見せる。

 

真田「島、このファイルがその妙な報告に関わる物か?」

 

島「ええ、如月隊員がある世界へ行った際に見たもので、最初に見た時は俺も驚きましたよ」

 

とにかく中を見てくださいと促されて真田は早速ファイルの内容を見て、驚く。

 

そこに映し出されていたのは、本屋にあるありとあらゆる雑誌が全て白紙となっている光景やテレビの画面が全て黒く映ってる光景、DVDのケースが全て真っ白になった光景が映っていた

 

真田「島、これは一体!?」

 

島「如月隊員の報告によるとその世界の特撮やアニメ、ゲームや漫画などの創作物が全て消えてしまった現象ですよ」

 

驚いて問う真田に島は渋い顔で答える。

 

真田「創作物が全て消えただって!?」

 

島「ええ、似た様な事例で月光条例にてオオイミ王の軍勢があらゆる創作物の人間達を皆殺しにした事であらゆる創作物が消滅させたのですね……処が、如月隊員の報告で奇妙でおかしな点が出たんですよ」

 

真田「奇妙でおかしな点だと?」

 

頷いて島は話を続ける。

 

島「如月隊員が向かった世界は敵らしき者は一人も居なかったそうです。それ故に全ての創作物が消えた原因が分からず仕舞い()()()

 

真田「確かに……もし全ての創作物を消した者がいるならば、なんらかの跡が残ってないのは不可解だな……?()()()?つまり、今は原因が分かっているのか!?」

 

考えこもうとして島の言い方に顔を上げた真田に島は肯定する。

 

島「俺も最初はどうすれば全ての創作物が消えるのか解らずにいましたよ。暫くして別世界で任務に出ていた叢雲隊員から来た報告を見て如月隊員は報告したその世界にあった全ての創作物が消えた現象の原因が分かったんですよ」

 

真田「それで、その原因はなんだったんだ?」

 

話を促す真田に島は端末を操作しながら語り始める。

 

島「原因を知る前に叢雲隊員が見たものを見せます」

 

これですと島は真田にある映像を見せる。

 

それはインフィニット・ストラトスのヒロイン、篠ノ之箒が何者かが突き出した剣に貫かれ、その何者かに吸収される映像であった。

 

そんな何者かの足元には箒の姉、篠ノ之束のものであろうウサミミのカチューシャが落ちていた。

 

真田「こいつは……まさかアナザープリキュアか!?だが、あのアナザープリキュアが持っているのは雪片弐型!?島、これは一体どういう事なんだ?」

 

顔に不気味に笑う仮面を付け、背中に生えた蝶の羽に『AQUA』と『2007』が刻まれている蝶の怪人を見てから箒を貫いた剣を見て驚きの声をあげた真田に島は深刻な顔で頷く。

 

島「俺も見た時は驚きを隠せませんでしたよ……見て貰った通り、叢雲隊員が見たのはアナザープリキュアにヒロインが吸収される光景。なぜアナザープリキュアがISの主人公である織斑一夏が使う白式の武器を持っているのか……それは、アナザープリキュアが織斑一夏を取り込んだから

 

真田「なんだって!?」

 

告げられた事に真田は驚きの声を上げる。

 

真田「島、どうして織班一夏はアナザープリキュアに取り込まれたんだ?」

 

島「おそらく、オレ主やワロス主のせいで全てを失い、箒を始めとするヒロイン達も奪われた事による怒りと憎悪にアナザープリキュアが呼応し、その復讐を果たしてやると彼の怒りと憎悪につけこんだ事で彼は取り込まれてしまったのではないかと言うのが叢雲隊員の見解です」

 

確認する真田に島は聞いた事を述べる。

 

真田「成程……あながちその見解は間違ってないのかもしれんな……」

 

島「えぇ、さらに叢雲隊員が調べた限りでは、織班一夏だけで無く、あらゆる世界でオレ主やワロス主の被害を受けたあらゆるラノベ系の主人公達もアナザープリキュアに取り込まれてしまった可能性が高いようです」

 

なんという事だ……、島からの報告を聞いて真田は眉間に皴を寄せて唸る。

 

島「アナザープリキュアは普通の武器では倒せないのもあるのでご都合主義や不正チートに身を委ねていた者達はただのカカシでしかない。オレ主やワロス主が好き勝手やった世界はそれ故に滅びの道を辿ってしまった……」

 

真田「それだけ被害が拡大しているとはな……まさかアナザープリキュアがラノベの主人公を取り込んで己の力にしているとは……では、全ての創作物を消した者の正体はもしやアナザープリキュアか?」

 

さらに表情を強張らせた真田に島は端末を操作する。

 

島「そうですね……そろそろ如月隊員が報告してくれた全ての創作物を消した者の正体をお見せします」

 

こいつですと島は全ての創作物を消した者の正体を真田に見せる。

 

最初に映し出されていたのはONE PIECE世界にあるルフィ達の冒険の1つの舞台となったワノ国であった。

 

だが、国は酷く荒らされており、花の都が火の海にされてる上に、花の都に迫ろうとした鬼ヶ島は破壊されており、彼方此方にその残骸が散らばっていた。

 

次に映し出されたのは炎上する花の都で、ルフィ達やカイドウ達が襲撃者に襲われて再起不能にされて倒れ伏した光景が広がっており、そんな鬼ヶ島の残骸の上にはその体には似つかわしいお姫様の様なドレスを纏い、首には錠前のようなものが掛けられた四体の怪人がいた。

 

その怪人達のドレスには共通する文字として『2015』の文字が刻まれており、それぞれの体に『FROLA』『MERMAID』『TWINKLE』『SCARLET』の文字が刻まれていた

 

真田「こいつ等は……さっきの奴と違うがアナザープリキュアか?島、と言う事は先ほど見せてくれた世界での様々な作品の消失の原因はやはり……」

 

島「えぇ、ルフィ達を再起不能にしたこの4体はONE PIECEの世界で大暴れして罪もない人々の命を奪って行ったそうです。特に世界貴族は相当惨たらしい最期になっていたと」

 

その言葉に真田は叢雲隊員にとって辛かっただろうなと思った。

 

ただ命を奪われて行くのを見ているだけなのは屈辱でしかない。

 

真田「とにかく、あの世界の全ての創作物、特にONE PIECEを消し去った者がアナザープリキュアだと言うのがハッキリしたな……」

 

島「これ以降、確認されたアナザープリキュアの4体はONE PIECEの世界を滅ぼした後、他の世界も同様の事を行ったそうです……特にジャンプ作品の世界は軒並み奴等によって……その影響で如月が視た世界の作品は消失してしまった……いずれ他の世界も同様の現象が起こる可能性があるでしょう」

 

沈痛な顔の島に真田も命を奪われた者達に向けて追悼する。

 

真田「この事は長官には?」

 

島「とっくに報告済みですよ。一部の幹部にも伝えると聞いたから真田さんの上司の東堂博士にも伝わっていると思います……とにかく、アナザープリキュアにはどんな攻撃も通用しない……故に奴等に対抗する手段は現段階では一つも無い」

 

答えてからグッと手を握り締めて悔しそうにしている島を見ていた真田は話に出て来た東堂のを聞いてある事を思い出す。

 

真田「(そうか、東堂さんが開発したあれは奴等に対抗する為の……さらに言えばあの世界の……)島、悲観するのはまだ早いぞ」

 

島「どういう事です?」

 

不敵に笑って言う真田に島は問う。

 

真田「確かにアナザープリキュアには現段階では我々には対抗する手段がない。だが、ある世界にてアナザープリキュアに対抗する手段が存在するんだ」

 

島「その対抗手段は何ですか?」

 

食い気味に真田に対して問う島に真田は押し留めながら告げる。

 

真田「その対抗手段とは、あらゆる作品、もとい、あらゆる世界の英雄達の力や記憶を宿したアイテムだよ」

 

島「っ!?……確かに凄いですが、その英雄達の力を宿したアイテムでホントにアナザープリキュアに対抗できるんですか?」

 

真剣な顔で告げた真田のに島は驚きながら問う。

 

その疑問は最もだと先ほどまでの流れから不安になってしまっている島に真田は続ける。

 

真田「その為のツールは東堂さんが既に作ってある」

 

これがそれだと真田は端末を操作して島にアナザープリキュアに対抗する為のツールを見せる。

 

島「これが!?」

 

真田「そう、これこそウルトラマンジードのジードライザーを元に東堂さんが開発されたアナザープリキュアに対抗する為のツール、クロスライザーだ。その特性は、異なる二つの力を一つにする能力だ」

 

クロスライザー……ツールの名を記憶に刻む様に呟いた島に真田は続ける。

 

真田「東堂さんと共に様々な試作品を作ったのだが、アナザープリキュアを倒すには、異なる力を一つにした力が適してると判断できた。この装填ナックルへと対応するアイテムをセットして、クロスライザーでスキャンすれば、アナザープリキュアに対抗出来る形態に変身できるようになると言う訳だ」

 

続けざまにスキャン用のナックルを映しながら解説した真田に対して装填ナックルを見ていた島は問う。

 

島「その割には、装填ナックルの形状がメダルだったりカプセルだったりと複数なのはどうしてですか?」

 

真田「……恥ずかしながら、そのアイテムの形状が解らないのでな……様々なタイプの装填ナックルを造ってな……その都合上出来上がっているクロスライザーは現状二つなのだよ……)

 

納得している島を見ながら真田は頬をポリポリ掻いて弁解する。

 

島「……そのクロスライザーはいずれ量産するのですか?」

 

真田「その予定だ。誰が使うかについてはまだ未定だがね……」

 

確認する島に真田はそう返す。

 

それから島と一通り話した真田は部屋を後にした。

 

 

───

 

 

真田(……そうやって話したアイテムと思われるのが、今目の前にあると言うのは不思議な物だ)

 

愛香「……と言う訳でメダルの方の説明は以上です」

 

そう真田がしみじみと思いだしてる間に愛香は出していたメダルを仕舞う。

 

どうやら物思いに更けてる間に話が進んでいた事に真田はいかんなと内心苦笑する。

 

東堂「ありがとう。愛香くんが協力してくれるのは嬉しいのとついでに確認を、貴方方も協力してくれるだろうか?」

 

礼を述べてから勇介達にも確認する東堂に話を振られた3人は各々に述べる。

 

勇介「協力についてはもちろんさせて貰いますよ。それにあの映像を見た上に娘が関わる以上、他人ごとでは居られないからね」

 

希美「そうね。それに愛香を助けて貰いましたし、私達に出来る事で協力させてください」

 

友美「わ、私も!私もお姉ちゃんの力になりたい!!」

 

真田「……こちらとしてはありがたいですが、親御さんとしても愛香君を戦わせる事に反対すると思いましたよ」

 

協力を承諾する3人に真田は少し戸惑いを見せながら述べる。

 

加藤達も同じ様で驚いた顔で勇介達を見ている。

 

勇介「それに関してなのですが……これを見て貰いたい。私の知り合いの白永将悟氏がいる白永神社にある古文書の文章です」

 

そう言って東堂達に見える様に勇介はスマホを翳し、東堂達は画面を見て、そこに書かれたのに誰もが息を飲む。

 

ー光の使者が邪悪に堕ち、世界を滅ぼす存在に成り果てた時、邪悪に堕ちた使者を止める抑止力となる新たな光の使者が生まれ、邪悪に堕ちた使者を光に戻すー

 

東堂「光の使者が邪悪に堕ち、世界を滅ぼす存在……!?」

 

真田「!?まさかこれは、プリキュアが世界の破壊者に堕ち、それを止める者が現れるのを予知した!?」

 

見せられたのに東堂と真田はすぐさま結び付けて驚いた顔で勇介を見る。

 

勇介「……実はこれを送ってくれた将悟さんに相談する前、娘からある夢を聞いたんです」

 

相原「夢……ですか?」

 

突然告げられた事に相原達は戸惑う。

 

勇介「それもただの夢ではなく、現実味のある悪夢です……愛香、気分が悪くなるかもしれないが話してくれた事を東堂さん達に話してくれるだろうか?」

 

愛香「分かったわ父さん」

 

話を振られて愛香は語りだす。

 

何時の間にか若葉台にいて、そこでキュアブラックとキュアホワイトの人の事を考えてない戦闘を目撃。

 

その後に風景が歪み、廃墟となった街の中で変貌したプリキュア達が人々の命を奪っていた。

 

暫くしてプリキュア達は力とプリキュアになっていた時の記憶を失う現象を目撃する。

 

直後にプリキュアに傷付けられた人々がそんなプリキュアになっていた女の子達を迫害し始める。

 

そんな女の子達を追い駆けた愛香は探し続けてる内に鏡の墓標が並ぶ場所へとたどり着き、そこで女の子達は死んだ事をある女の子に教えられ、その女の子に追い出された所で夢から覚めた。

 

愛香「……これが私が見た悪夢です。その時にプリキュアの1人だった子に私は彼女達を救う救世主だって言われたんです」

 

太田「そんな事が……」

 

斎藤「おいおい、それって報告であったのとほぼ同じじゃねえか!!」

 

締め括った愛香のを聞いて誰もが顔を歪める。

 

加藤「なんて酷い……まさに人でなしの所業だ…………」

 

南部「記憶がない女の子に、遠慮なくぶつけるなんてなんて酷い人達だ!被害者は確かだろうが、だからって加害者になったら同じじゃないか!!」

 

真田「成程……報告に聞いていたとはいえ、胸糞悪いな……」

 

東堂(グリムス長官の言っていた通り、プリキュア達の魂はプリキュア墓場に封印されているのは間違いないか……)

 

激怒する隊員達のを聞きながら東堂は目を瞑って暫し無言になった後に目を開く。

 

東堂「教えてくれてありがとう愛香君。俺達はそろそろお暇しよう。そうだな……学校が終わった放課後でも学校が無い日でも良い。墨村市の外れにある丘に晴渡空君と共に来て欲しい。我々はそこを活動拠点にしているから、今度は空君も交えて話し合いをしたい」

 

そう言ってから東堂は愛香達に自分の拠点を示した墨村市の地図と連絡用の番号を書いてある紙を手渡し、加藤達が会釈した後に退出して行く。

 

友美「墨村市の外れにある丘って……あそこ何もなかったよね?」

 

愛香「そこに何か建物とか建てるのかな?それまではテントかキャンピングカーの様なのを拠点にしてるのかな?」

 

希美「確かあそこからヌーベル学園は近いわね……(それにしても……あの場所って確か幼い頃、愛香が瑞希ちゃんや勇佳ちゃんと一緒に入った洞窟があったわね……この場所を選んだのは偶然かしら?)」

 

思いだして聞く友美に愛香がそう返す中、希美は内心不思議そうに呟く。

 

希美「それにしても……どうしてわざわざ、ヌーベル学園の近くを活動拠点にしたのかしら?」

 

勇介「考えられるのは、今後、この墨村市にアナザープリキュアが来る可能性があるから、愛香とすぐに合流できる様にヌーベル学園の近くに活動拠点を築いたんじゃないだろうか?」

 

首を傾げる希美に勇介は推測を述べてからそこらへんも聞いとくべきだったなと……ぼやく。

 

セッビィ「電話したら良いんじゃないビィ?丁度連絡用のを貰ったんだしビィ」

 

勇介「いやぁ、流石に帰って早々なのと時間的にかけるのは失礼だろうし……明日にかけようか」

 

そう提案するセッビィに勇介は疲れてるだろう東堂達を配慮してそう返す。

 

友美「そう言えばさお姉ちゃん。あのアナザーブラックって奴、どうして私達の学園に来たのかな?」

 

愛香「言われてみれば……アナザーブラックと遭遇する直前……あいつは確かこう言ってたわね」

 

ふと今回の事態で疑問に思った事を問う友美に愛香も思い出す。

 

―感じるぞ……私を消し去ろうと目論む者の気配が……―

 

勇介「消し去ろうと目論む者の気配だって?」

 

愛香「うん。あいつはそう言ってた……もしかして、あいつの言ってたのはプリキュアの事だったのかな?」

 

伝えられた事に眉を顰める勇介に愛香は頷いてから戦っていた際のアナザープリキュアの様子から推測を立てる。

 

勇介「ふむ……愛香、夢で見たプリキュアとなっていた女の子達は何人いた?」

 

愛香「えっと……私が見た限り73人はいたけど……え?待ってお父さん……まさか」

 

突然プリキュアの数を確認する勇介に愛香は少し戸惑った後に答えてから父が何を考えてるのか気づいて顔を青ざめる。

 

友美「?どういう事?」

 

勇介「……アナザープリキュアは愛香が視たプリキュアの数だけ存在するんじゃないかと言う事だよ……愛香が視たプリキュアと同じ数でアナザーブラックを除き、約72体のアナザープリキュアが存在する可能性があって、墨村市を襲撃してくるかもしれない……いやもしかすると何体かはもう来ていて、様子を伺っているかもしれない」

 

真剣な顔で告げられた事に友美は愛香と同じ様に青ざめ、希美は口を押さえる。

 

愛香「もしそうなら、私はそんなアナザープリキュア達から墨村市の皆を護りながら戦わなければならないの……空や東堂さん達が居るとはいえ……」

 

希美「愛香……」

 

アナザーブラックの強さを思い出して呻く愛香に希美は優しく抱き寄せてからセッビィに話しかける。

 

希美「セッビィちゃん。愛香や晴渡さんの助けになる何かはない?」

 

セッビィ「助けビィか……うーん」

 

希美に聞かれ、セッビィは唸った後にメサイアレンスを入れていた袋を出し、そこから2つのアイテム、セイヴァーレンス、マフティーレンスを取り出す。

 

友美「お姉ちゃんが持ってるメサイアレンスに似てるけど、これは何?」

 

セッビィ「これはセイヴァーレンスとマフティーレンスビィ」

 

出された2つを見て聞く友美にセッビィは答える。

 

友美「セイヴァーレンスとマフティーレンス?もしかして、お姉ちゃんが変身するキュアメサイアになる為のツール、メサイアレンスと同じアイテムなの?」

 

セッビィ「そうビィ。そのセイヴァーレンスとマフティーレンスもまたメサイアレンスと同じ力を持ってるビィ」

 

名前の響きから同じかを聞いた友美は目を輝かせる。

 

友美「じゃあ、このセイヴァーレンスとマフティーレンスに反応する人を2人見つければお姉ちゃん一人で戦わずに済むんだね!」

 

セッビィ「済むビィ!」

 

良かった!と笑う友美だが愛香は悩む。

 

確かに仲間が増えれば対処もしやすくなるだろう。

 

だが、過酷になるだろう戦いにそう簡単に巻き込んでも良いのだろうか……それが愛香を葛藤させる。

 

愛香「(だからと言って空や東堂さん達と一緒に戦うにしても人数的に一気に来られたら敗北は濃厚……クロスライザーのフォームチェンジを視野に入れても……)ままならないわね……」

 

セッビィ「ビィ?」

 

首を傾げるセッビィにごめん、ちょっと考えていたのと返してからセイヴァーレンスとマフティーレンスに目を向ける。

 

愛香「とにかくセイヴァーレンスとマフティーレンスの資格者を見つけて戦ってくれるか聞かないとね……」

 

セッビィ「あー……確かにそうビィね……」

 

無理やり戦わせる訳にはいかないと言う愛香のにセッビィもそこを抜かしていた事に反省する。

 

愛香「とりあえず、明日はこの2つを使える資格者を探しましょ。それと空に今日の東堂さん達の事を伝えないと」

 

友美「それなら私が晴渡さんに伝えるよお姉ちゃん」

 

纏めた愛香は友美のにありがとうと礼をする。

 

愛香「何処かで空と同じように記憶を失くしてるプリキュアが見つかれば良いけど……当面はこっちが優先ね」

 

友美「そうだね。まあ運良く、お姉ちゃんや晴渡さんみたいにプリキュアとして覚醒してくれる人が見つかれば良いけど」

 

セイヴァーレンスとマフティーレンスを見て呟いた愛香は友美のにホントに運が良ければねと返す。

 

愛香「それじゃあ私は部屋に行くわね」

 

友美「あ、私も~」

 

希美「待ちなさい愛香」

 

自身の部屋に向かおうとした愛香を希美は止める。

 

愛香「何お母さん?」

 

希美「東堂さん達が居る前では言えなかったけど、愛香に言わなければならない事があるの」

 

真剣な顔の希美に愛香も向き直る。

 

愛香「言わなければならない事って?」

 

希美「一つだけ約束しなさい……必ず、必ず生きて帰るのよ」

 

出てきた言葉に愛香は呆気に取られる。

 

愛香「生きて帰る?それだけなの?」

 

他にもありそうだと思っていた愛香に勇介も話しかける。

 

勇介「親からすれば娘が必ず家に帰ってくれる事が一番大事なんだよ。それは平和な日常でも、戦いの日々であっても変わらない事さ」

 

希美「それに貴女の人生は一度きり、だからこそ人生を大事にしたい。だからこそ生きて帰る事は一番大事よ」

 

2人の言葉を噛み締めた愛香は力強く頷く。

 

愛香「……分かったわ、必ず生きて帰る。その約束は絶対に破らない」

 

勇介「それで良いんだ愛香。愛香が死ねば悲しむ人間は私達以外にも他にも居るんだ。必ず生きて帰ってただいまと言ってくれ」

 

ええと頷いて愛香はセッビィと友美と一緒に部屋に戻るのであった

 

愛香(……早々に来ないで欲しいな……)

 

メサイアレンスを机の上に置いた後に次のアナザープリキュアがすぐさま来ない事を祈りながら明日に備えて就寝するのであった。

 

────

 

どこかに存在する謎の領域。

 

黒い水晶が周囲を覆う領域にて、ある生命体が存在していた。

 

それは形が定まってないエネルギーの塊に意思を持った存在であった。

 

-何人足りとも決して倒すことなど出来ぬ最強にして無敵として誕生させたアナザープリキュアを倒す者が現れるとは……-

 

呟く存在はどうやら空間越しに愛香を見ていた様で隣には空が映し出されており、存在は憎々しげに見ているようだ。

 

-我の存在に備えて生み出された光の使者(プリキュア)共によって我の目的を悉く阻止された。そんな奴等を潰すべく、ある世界でマスコット程度の地位しか無い哀れな女に我の力を与え、世界の殺戮者(プリキュア)の創造主として変貌させ、始まりのプリキュア、キュアブラックの因果を歪ませる事で1人を除き、奴に連なるプリキュア達を世界の殺戮者(プリキュア)の創造主の眷属に変える事に成功した事であらゆる英雄達を倒し、あらゆる世界を破壊する事が出来た-

 

直後に愉悦の籠った声で映し出された黒いオーラを纏ったキュアブラック達に形のない体を揺らす。

 

-そんな世界の殺戮者(プリキュア)の創造主を、鍵の剣の使い手が連れていたとある世界の馬鹿どもが作り上げた()()()()()()()()()に倒されたのは想定外だが、あのモドキが愚かな過ちを犯してくれたお陰で次なる手を行えたのは行幸。女を倒した事で眷属となっていた奴等の力は消滅し、哀れな女共は力と記憶を失い、我が呪いで蝕んだ愚かな人間達に迫害されて生き地獄を味あわせた後に死を迎えたのは愉快であった-

 

迫害されて行くなぎさ達を映し出すと楽し気に声を漏らす。

 

-そんな死後の奴等の魂をあの女が()()()()()()()()()()()の手によって無力な存在へと変えると共に、残った身体を終焉の女王の元で異形兵に似た形の眷属となり、消し去られた奴等の力は我が呪いによってアナザープリキュアに変貌させ、様々な世界を滅ぼし、こうしてこ奴等を水晶の糧に出来たのだからな-

 

存在は周りの黒い水晶から響く声に満足そうに聞いて行く。

 

水晶の中にはアナザーフローラ達によって惨たらしい最期を迎えたONE PIECEの世界の歪みの一つ、天竜人達に、真田が言及した邪悪な人間達の他、悪徳勇者、オレ主、ワロス主、オレ主やワロス主によって堕落したヒロイン達などが映し出されており、誰もが黒い水晶の一部となり、その中で苦しみ、泣き喚き、懺悔の言葉を叫んでいた。

 

-あらゆる世界を破滅させる黒い水晶、ダーククリスタル。そのダーククリスタルを必死に抑えて抗ったプリキュア共がいない今、このクリスタルを止められる者はいない!ダーククリスタルの悪しき波動であらゆる世界に災厄を齎し、全ての世界を破滅させてやる!-

 

うわはははははははははははは!!!!

 

ギャオォォォォォォォン!!!

 

ザケンナァァァァァァァァ!!!

 

ウザイナァァァァァァァァ!!!

 

コワイナァァァァァァァァ!!!

 

ホシイナァァァァァァァァ!!!

 

ナケワメェェェェェケ!!!

 

私はただ事件を早期解決したかっただけなのにぃぃぃぃ!!!

 

ネガトォォォォォォン!!!

 

アカンベェェェェェ!!!

 

ジコチュゥゥゥゥゥゥ!!!

 

サイアァァァァァァァク!!!

 

ゼツボォォォォォォォグ!!!

 

ヨクバァァァァァァァル!!!

 

オシマイダァァァァァァ!!!

 

ノットリガァァァァァッ!!!

 

メガビョーゲェェェェン!!!

 

ヤラネーダァァァァァァ!!!

 

ウバウゾォォォォォォォ!!!

 

ランボーグゥゥゥゥゥゥ!!!

 

高笑いと共にダーククリスタルと呼ばれた水晶の近くにいた体に黒い水晶を埋め込んだ怪物やプリキュア達が戦った怪物達が雄叫びをあげる。

 

 

 

テイルズディフェンドと協力関係を結んだ愛香。

 

だが、彼女の知らない所で災いを齎す存在はその魔の手を彼女の世界に伸ばしているのであった。

 




次回 愛香はセイヴァーレンスとマフティーレンスの資格者を探す。その時、風を呼ぶ者に出会う



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終界(プリキュアキングダム)の設定

愛香達が相対する敵、終界の設定です


終界(プリキュアキングダム)

 

 

 

全ての世界の破滅と英雄達の抹殺を目論み、プリキュアによる全世界の支配を目論む闇の帝国

 

 

 

首魁

 

キュアデスバイア

 

終界の首領格兼プリキュアキングダムの女王。

その正体は元凶なるものによって自らの人生やほのか達プリキュアの人生を歪まされて、全ての世界を破滅させた平行世界の美墨なぎさの成れの果て。

人々に迫害された事で全てを喪い、歪まされた結果プリキュアの力は全てを滅ぼす邪悪なる力と教え込まされ、全てに絶望して彷徨っていた際に邪悪な力の結晶体、ダーククリスタルに手を出して変貌した。

モチーフになってるキャラの一人はバディコンプレックスのエフゲニー・ゲダールで、そのエフゲニーをモチーフとしただけあってプライドとエゴと憎悪でできた醜悪な人物。更なるモチーフキャラにガンダムSEEDのラウ・ル・クルーゼとガンダムNTのゾルタン・アッカネンが入っている

 

キュアデスバイアになった所にキュアタルタロスと出会い、彼女からプリキュアの為の世界を作らないかと誘われ、ある世界に侵攻してその世界を拠点にしてプリキュアキングダムの女王に就任する

自身と同じく全てを失った元プリキュア達を自身の眷属デスバイアプリキュアに変える。

 

性格は冷酷非情でかなりの憎悪を抱いており、過去に英雄に襲撃された経歴があった為、ヒーローそのものを毛嫌いしている

 

体型はグラビアアイドルでも通じる体型で胸のサイズはGカップで衣装は無印時代のキュアブラックの特徴を入れた黒いビキニアーマー系の衣装を纏い、黒いロングヘアになっている

 

終界の女王として黒いドレスを着てるが、プライベートでは黒いビキニアーマーだけで過ごしてはタルタロスやエンドに終界の首領としての自覚を持てと度々注意されて怒られている。

 

 

キュアデスバイアの衣装

 

インナー

 

黒いショーツと黒いブラと言うビキニ水着

 

ショーツはビキニパンツで前はノーマル、後ろはフルバック

 

ブラのカップはフルでホックは前、ストラップはあり。胸のサイズはGカップ

 

 

黒いニーソ、ヒール付きブーツ(足首まで)(装飾にひび割れた♡)、膝当て付きの脚甲(膝当てに稲妻の意匠が入る)

 

 

サイドに金具が付いた黒いアーマーショーツ。リボンの下にアーマーショーツの金具がある。白い縁取りがある。その上にスリット付きのミニスカート。黒いベルトにデスバイアコミューンが入ったキャリーを吊している

 

 

黒い☆の装飾がついたグローブ、二の腕まで覆うアームカバー、手首を覆う腕輪、前面部を覆う手甲

 

 

黒いアーマーブラでホックは後ろで装飾はリボンでブラの真ん中に付く、模様とかは雷で白い縁取りがある。その上に胸元が空いた胸甲と肩アーマー

 

 

黒のロングヘア。イヤリングが骸骨を模している。悪魔の瞳の装飾が入ったサークレットと黒い闇をイメージしたティアラをつけてる。目の色は赤黒く、瞳の光の色がない。黒い口紅を塗っている。

 

デスバイアプリキュア

 

キュアデスバイアが元プリキュアの死体に闇の力を注ぎ込んで蘇生した事で誕生したデスバイアの眷属達。

デスバイアを妄信しており、一見意志が無いように見えるが、実際は元プリキュアの負の感情が入った為かある程度自分で行動ができる。

ビキニアーマーの上に元となったプリキュアの衣装を模した胸元が曝け出されたボディアーマーを纏い、共通として褐色肌に髪と瞳の色は黒に統一されていて、体型はグラビアアイドル並みのプロポーションになっている。

非戦闘時はビキニアーマー、戦闘時はボディアーマー装備時の姿をとっている

 

側近格

 

デスバイアホワイト、デスバイアルミナス

 

キュアデスバイアに縁を持つ側近格。登場時点では既にデスバイアプリキュアではなくデスバイアホワイトとデスバイアルミナスの姿になってる。またデスバイアに対し恋愛感情を抱いてる節がある。デスバイアに対する縁が強い為か、デスバイアに近づく者には嫌悪感を抱いている。デスバイアホワイトはプリキュアキングダムに置ける研究部門の責任者。デスバイアルミナスはデスバイアプリキュアの纏め役 

 

幹部格

 

キュアタルタロス

外見:背中まで来る紫髪をポニーテールに纏めた頭に金色に染めたマリア・カデンツァヴナ・イヴのシンフォギアのヘッドギアを装着し、グラビアスタイルの体に銀色のレオタードと銀色のスカートを身に着け、その上にアブソリュートタルタロスを模した金色のショルダーアーマー、ボディアーマー、アームアーマー、レッグアーマーを見に纏った女性。

概要

自らをプリキュアを超えた究極生命体と名乗る女性。

冷静沈着な性格でプリキュアキングダムに置けるNo.2の一人。

その正体は宇宙創成前の前の宇宙に存在したプリキュアの星の戦士で強硬派のリーダー格の一人。

護ることを良しとせず、自らの心のままに戦おうとし、プリキュアの民の上層部に反逆したがプリキュアの民を守護する者達に敗れた後、プリキュアの星から追放されるがディアボロとティターンと共に亜空間に身を潜め、宇宙崩壊を乗り越え、宇宙創成後再び自身達の野望を叶えるべくデスバイアと遭遇した。

最近の目下の悩みは、上司にあたるキュアデスバイアの問題行動と部下にあたる者達の問題行動。

性格はウルトラギャラクシーファイトに登場するアブソリューティアンのリーダー格のアブソリュートタルタロスに近い。

キャラモチーフはアブソリュートタルタロスとコードギアスのコーネリア

 

イメージCV・皆川純子

 

 

キュアディアボロ

外見:腰まで来る一部紫髪が混ざった白髪に頭に牛の角を模したヘッドギアを装着し、グラビアスタイルの体に体と足を包む黒いボディスーツを身に着け、その上にアブソリュートディアボロを模した金色のショルダーアーマー、ボディアーマー、アームアーマー、レッグアーマーを見に纏った黒人女性。

概要

キュアタルタロスと同じ力を持つプリキュア。

素手の戦いを好み、宇宙創成前に存在した最強の拳法の一つ、プリキュア神拳の使い手。

宇宙創成前の前の宇宙に存在したプリキュアの星の戦士で強硬派の一員

性格はウルトラギャラクシーファイトに登場するアブソリューティアンのメンバーの一人、アブソリュートディアボロから粗暴な荒くれ者を抜いて強さを求めつつも武人な所を強調した所謂求道者系の性格をしている。

キャラモチーフはアブソリュートディアボロとボンバーマンビーダマン爆外伝に出たシルドークとキングオブファイターズのキャラのドロレス。

 

イメージCV・甲斐田裕子

 

 

キュアティターン

外見(通常):白銀のショートカットに顔を隠す様にプリコネのジュンのアイマスク状の仮面を付けており、スレンダーな体にセイバーオルタの紺色のドレスの上にアブソリュートティターンを模した金色のショルダーアーマー、ボディアーマー、アームアーマー、レッグアーマーを見に纏った白人女性。

外見(本気):金髪のショートカットに水色の瞳、グラビアスタイルの体にセイバーオルタの紺色のドレスの上にアブソリュートティターンを模した金色のショルダーアーマー、ボディアーマー、アームアーマー、レッグアーマーを見に纏った白人女性。

概要

キュアタルタロスと同じ力を持つプリキュア。

素手の戦いも出来るが、本人は武器の戦いを好み、中でも剣を好む。

武器戦闘の流派、プリキュア武闘術のマスタークラス。

宇宙創成前の前の宇宙に存在したプリキュアの星の戦士で強硬派の一員

普段は力を抑えており、相応の相手には本気を出して髪や体系を変え、素顔を曝け出す。

性格はウルトラギャラクシーファイトに登場するアブソリューティアンのメンバー、アブソリュートティターンに似た実直かつ正々堂々とした性格

キャラモチーフはアブソリュートティターンとプリンセスコネクトのジュン、通常時はFate/stay nightのセイバーオルタ、本気時はFGOのランサーアルトリアオルタ

 

プリキュア版ダークネスヒールズ

 

あらゆる世界,あらゆる時間に存在した闇のプリキュア五人を集め結成されたグループ。

 

とある組織によって復活させられ、手駒にされる予定だったが五人とも規格外な闇を抱えており手が付けられずに組織は壊滅させられた。組織壊滅後に放浪してる所をタルタロス達にスカウトされた

 

キュアファルシオン

 

もしも仮面ライダーファルシオン/バハトが女の子でプリキュアだったらというifの世界の不死鳥の剣士。

 

本家ダークネスヒールズではウルトラマンベリアルのポジション。

 

プリキュアの姿としてはオレンジの髪にオレンジと黒をベースにした不死鳥をモチーフの衣装と腰には覇剣ブレードライバーが巻いてある。

 

主な戦いかたは無銘剣虚無を使った剣術と死ぬことが無いため捨て身の攻撃を得意としている。

 

必殺技は不死鳥無双斬り。

 

バハト

 

二千年前に破滅の本に封印された聖騎士。

 

服装は本家バハトの服装その物なので上半身が裸同然だが胸部には晒を巻いてある。

 

二千年前に幼い二人の妹を仲間だった聖騎士に斬り殺されたことにより剣士という存在を恨むようになった。

 

覇剣ブレードライバーを手にしたことにより不老不死と成った為、当時の聖騎士の手によって破滅の本に封印された。

 

一人称はあたし。

 

実は子供が好きで、子供は決して殺さないし傷つけないというポリシーを持っている。

 

キュアエルピス

 

地球の意思が環境破壊や動物の絶滅等、緑ある地球を汚す人類を掃除するために人類の希望の光 プリキュアを模して生み出した地球制作の複製プリキュア。

 

本家ダークネスヒールズではイーヴィルティガのポジション。

 

赤い髪に森林をモチーフにした緑の衣装をしており、瞳の色は海を思わせる青い瞳。

 

コミカルな口調で喋っているが気に入らない事があるとドスのきいた声に変わる。

 

様々な光線技を使ってトリッキーな戦い方を得意としている。

 

人間としての姿が無いため常にプリキュアの姿。

 

尚、何故自分が悪のプリキュアに該当されてるのか疑問に思っている。

 

一人称は私。

 

必殺技は両腕に地球のエネルギーを溜めて放つプリキュア・ラストジャッチメント

 

キュアワイズマン/白銀の魔法使いヴィリス

 

魔法界の歴史から抹消された古の魔法使いプリキュア。

 

本家ダークネスヒールズではジャグラスジャグラーのポジション

 

白銀の魔法使いの由来の通り、全身白銀色をした衣装を身に纏い、髪は白、瞳が紫で年齢は不明だが見た目は十代半ば位。

 

ありとあらゆる魔法を使うことが出来るが中でも、宝石を生み出す魔法を得意としている。

 

様々な知識を会得することを最大の喜びと感じる。

 

尚、禁断の魔法として死者を傭兵プリキュア・キュアメイジとして召喚し使役する魔法 死のプリキュア〈アン・キュア・デッド〉を唱え、攻撃する。

 

キュアリッパー/名も無き少女

 

西暦1888年に起きた猟奇的連続殺人事件の犯人とされる切り裂きジャックことジャック・ザ・リッパーの伝承が実体化し誕生した闇のプリキュア。

 

本家ダークネスヒールズではダークザギのポジション。

 

姿はfateシリーズのジャック・ザ・リッパーに黒をベースにしたプリキュア衣装を着せたもの。

 

プリキュアとしての浄化能力はほぼ無く殺傷能力に秀でている。

 

相手を殺すことに何の躊躇も無く、むしろ惨たらしく絶命させることに快感を覚えるなどサイコパスな一面を持つ。

 

固有の必殺技は存在せず、切り裂きジャックの伝承らしく相手をバラバラに解体する技のみ。

 

キュアタナトス

 

この世に存在する生き物達の死への恐怖が実体化したプリキュア

 

本家ダークネスヒールズではカミーラのポジション

 

姿はヒーリングっとプリキュアの花寺のどかと瓜二つで違いと言えばのどかをアルビノにした感じ。

 

プリキュアの姿もアルビノのキュアグレース

 

元々の姿は無く、空気の様に死の概念として漂っていただけだがのどかの生に対する意識を目撃し興味を持ちその姿になった。

 

自身をプリキュアと認識しておらず、ただグレースの真似をしてプリキュアになった。

 

ただ死の概念そのものなので触れた生命を死に至らしめる。

 

故に闇のプリキュアとして数えられる。

 

ディザスタープリキュア

 

キュアエンドがその力から恐れられ、封印されていた四人のプリキュアを解放して結成した。

 

メンバー

 

キュアエンド

 

タルタロス達が居た世界とは別の世界で活動したディザスタープリキュアのリーダー格。あらゆる物を無に帰すと言われている力から「虚無の王」との異名を持つプリキュア。プリキュアキングダムに置けるNo.2の一人。 

 

『火』『水』『風』『雷』『土』『氷』『光』『闇』を自在に操る事が出来る。

 

性格は傲慢だが強者と認めた者は自らの勢力に勧誘する事も。

 

容姿は邪気を纏った禍々しい七色の翼を生やした白髪オッドアイの少女。

 

 

 

 

 

 

プリキュア・グランドクエイク

 

大地をぶん殴る事で地震と共に衝撃波を起こす。

 

 

 

プリキュア・ドラゴニックブレイク

 

二つ合わせた拳を向けた方向に龍を模した炎の波動を放ち、相手を焼き尽くす。

 

 

 

プリキュア・ボルテックエンド

 

全身に雷を纏った高速の体当たり攻撃、直撃すれば相手は粉々になり掠ってもそこからヒビ割れ、電気が走った後に崩壊する。

 

 

 

プリキュア・スカイックシャイン

 

太陽や月を媒介に光を収束させて極太のレーザーを放つ。

 

 

 

プリキュア・ハリケーンウェーブ

 

空気を操り、無数の風の斬撃を放ち相手を細切れにする。

 

 

 

プリキュア・サルガッソドレイク

 

水の竜を模した災害クラスの激流を相手にぶち当てる。

 

 

 

プリキュア・コキュートスフィーネ

 

氷の力を模した一撃を相手にくわえ、時間差で氷漬けにして凍死させる。

 

 

 

プリキュア・デストロイナーガ

 

ブラックホールを発生させてそこから現れた無数の蛇状のエネルギーを使って相手を引きずり込み、封印・もしくはブラックホールごと破壊する。

 

 

 

プリキュア・エンド・オブ・ゴッド

 

エンドが司る全ての属性を収束させて大爆発を起こすほか、それぞれの属性を模した8つのエネルギー球を相手に放つ。

 

キュアフリューリンク

 

強大な力を恐れられて封印されていたプリキュアの一人。

 

光や植物を操る能力特化型で応用も効き、妖精の羽を生やして飛行する事もできる。

 

一見、緑を愛する心優しい性格に見えるが人間や動物には興味がなくどうなろうが構わないと考える冷酷な性格。

 

容姿は植物を模した緑の衣装でピンクの髪の少女。

 

 

プリキュア・フリューリンクバースト

 

大地のエネルギーを収束させる事で植物を成長させて相手を拘束、相手が耐えきれない程の光のエネルギーを注入させて爆発させる。

 

プリキュア・シャイニングブレイク

 

両手から光の衝撃波を放って相手を攻撃する。

 

プリキュア・グランドディフェンス

 

地面に手を当てる事で土や植物の壁を生成し、相手の攻撃を防ぐ。

 

キュアゾンマー

 

強大な力を恐れられて封印されていたプリキュアの一人。

 

炎と水を操る典型的なパワータイプ。

 

常に何かにイライラしている戦闘狂で殺戮を好んでいるが他のメンバーに指示を送るなど実は割と冷静。

 

容姿は炎と水を模した衣装を着た青メッシュの赤髪の少女。

 

 

プリキュア・ゾンマートルネード

 

炎と水で生成した竜巻を放ち、相手を攻撃する。

 

プリキュア・バーニングフィスト

 

炎を纏った拳を相手に連続で叩き込む。

 

プリキュア・ウォータードライブ

 

水を体に纏って突進する。

 

キュアヘルブスト

 

強大な力を恐れられて封印されていたプリキュアの一人。

 

闇を操るスピード・暗殺特化型で忍者の様な衣装を着ている。

 

性格は自信過剰で仕留めたと思って調子に乗るなど精神の脆さが目立ち、他のメンバーから呆れられている。

 

容姿は忍者を模した衣装を着た茶髪の少女。

 

 

プリキュア・ヘルブストフォール

 

空中に巨大な闇のエネルギー球を生成、それを爆発させる事で黒い槍を無数に飛ばして相手を串刺しにする。

 

プリキュア・シャドーフィールド

 

闇のフィールドを展開する事で自分に有利な空間を作り出す。

 

プリキュア・ダークディメンション

 

自身の姿を消しながらワープし、現れると共に周囲に膨大な闇のエネルギーを放出する。

 

キュアヴィンター

 

強大な力を恐れられて封印されていたプリキュアの一人。

 

氷を操り、全ての能力が高いバランス型でエンドを除いた四人の中では最強。

 

性格は明るいが人を殺す事や傷つける事に何の躊躇いも持たないサイコパス。

 

容姿は防寒着の様な衣装を着た青髪の少女。

 

 

プリキュア・ヴィンターフリーズ

 

強烈な冷気を放出し、直撃した相手は巨大な氷塊の中に閉じ込られた後に砕け散る。

 

 

プリキュア・スノーミラージュ

 

雪を降らせて幻想的な空間を作り出し、分身を最大4体生成したり幻影を見せる事で相手を翻弄する。

 

 

プリキュア・ブリザードボウル

 

雪を纏った巨大エネルギー球を二つ生成し、相手にぶつける。

 

キュアファヴニール

 

終界の中では得に異質なプリキュア。

自らを『絶対悪』、『人類が滅ぼすべき邪竜』と称している。あのタルタロスやエンドでさえも内心では彼女を恐れている。

人類を愛し、人々が持つが心の輝きを守るために自らが悪となってその試練となってたちはばかる。

しかし、『人は本気を出せば、どんな苦難も逆境も理不尽ものりこえられる』と心の底から思っており、いわば、相州戦神館學院の甘粕正彦の心を持った本気おじさんことシルヴァリオトリニティのファヴニル・ダインスレイヴである。武器は篭手剣を両手に装備し、徒手空拳で戦う。その実力は下手をすればデスバイア以上

 

キュアジェイビル

 

道化師のような衣装をしたドレスとメイクをしたプリキュア。「ウェーンヒッヒッウェンヒッヒ!」という不可解な笑い方や「○○だヨ?○○だネ!」といった奇妙な言い回しと、安定しない一人称を使っており、終界から気味悪がれて孤立しているが本人はどこ吹く風で狂言を言っている。

しかし、彼女の言うことはいわゆるメタ発言であり、「これは『プリキュア戦記』という物語で、全ての人間は物語を動かす登場人物」だったり、「終界と正義のプリキュアは作者という名の神のおもちゃ」と言っている。

モデルはデルタルーンのジェビルで、戦闘法も彼と同じ

過去にデスバイアに関わっており、またタルタロスからは何やらデスバイアとは違う邪悪な存在に関わりがあるのでは無いかと言われ、ファブニールと並ぶ終界の爆弾要素になってる

 

キュアベゲッド/ユルク・エスヴァプ

外見:髪の色を銀色に変え、グラブルのコルワの服(絢爛の紡ぎ手時の)を黒く染めたのを着たミス・クレーン

概要

キュアタルタロスによりプリキュアキングダムに連れて来られたプリキュアの女性

タルタロスに呼ばれた主な目的はプリキュアキングダムの住民達(主にデスバイアやデスバイアプリキュア組)にマトモな服やコスチュームを纏わせる為。

本人も良いスタイルを一着だけで済ませるなんて論外と言う程服にこだわりを持っている。

本人的に強さはそこまでないが相手の戦法を邪魔する事を得意としている。

 

 

 

プリキュア・リボンバインド

伸縮自在のリボンで動きを封じる。

 

プリキュア・スレッドウェブ

粘着性のある糸を放ち、その糸に触れた相手を拘束する。

リボンバインドと違うのは罠として設置できること。

 

 

プリキュア・コスチュームチェンジビーム

光線を放ち、相手の服を別のに変える。

ダメージを与えると言うより強制的に服を変える為の能力。

 

キュアフォーカス/ミデア

 

タルタロスによってスカウトされた並行同位体のミデンが変身するプリキュア。

集めたキラキラな記憶の中にあった少女の姿を投影する事で、人の肉体を手に入れたミデン。

ミデアという名前は本来のミデンと区別するためにタルタロスが安直に名付けた。

プリキュアとしての姿は投影したプリキュアの姿をしており、主にキュアスカイの姿をとっている。

(投影したプリキュアによって違いがあるが、ここではスカイ状態のフォーカスの特徴を書きます)

姿はキュアスカイとほぼ同じ姿。

違いと言えばカラーがミデン仕様で左肩のマントがカメラのフィルムの様なデザインになっており、胸部に絞り込まれた瞳状態のミデンの顔が付いている。

 

本来のミデンの能力だった想い出を奪い、プリキュアの力をコピーする能力が無くなった代わりに、胸部のミデンの顔で相手を撮る事で撮った相手のコピーを複製する能力を使用出来る様になった。

 

必殺技

プリキュア・フォーカスストリーム

胸部のミデンの眼から放たれる必殺光線。

威力は投影したプリキュアの技と比例した威力になる。

 

怪人格

 

キュアファージ

 

終界が使役する怪物。

フリルとリボンがあしらった衣装を着ているのが特徴。

セーラースターズのシャドウ・ギャラクティカが使役する怪物、ファージの様に引き抜いたスターシードを用いて誕生させる。

このキュアファージはこの世界の人間に宿しているキュアシードを使用する。

ただ、ファージと違うのは元になったのが男性であろうと性別を女性に変えてその見た目をフリルとリボンがあしらった衣装を着たモンスター娘に変えると言う所。

 

 

キュアサーバント

 

終界に置ける戦闘員。

共通でアイマスク状の仮面を付けており、当初はデスバイアの趣味でビキニアーマータイプだったが、タルタロス達から戦闘に向かない事に加え、キュアベゲッドの手によってタイツタイプ、若しくはレオタードタイプに変更された。

系列的には、ザ・キングダムの兵士がモチーフ。

 

 




タルタロス「話が進めば追加メンバーが登場するぞ」


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優巳がトラブルを起こし、愛香達はローズマリーに出会う

アナザーブラックとの戦いと東堂達テイルズディフェンドとの邂逅の次の日、愛香達の前に重要な人物が姿を現す


愛香の家を訪問した東堂達は、愛香達にテイルズディフェンドの事を話す。

 

テイルズディフェンドがどういう組織かを放してる最中に邪悪な人間の事が言及した事で愛香は不快感を抱いた。

 

その様子を見た東堂の麾下の一人、斎藤が空気を換えようと愛香に何故少女に関わらず、特撮やアニメなどの知識が詳しいのか質問する。

 

斎藤の質問に対して愛香は東堂達に自身の隠し事であるオタク趣味の事を話す。

 

そんな愛香のオタク趣味の事を聞いた後、真田はメダルのについて聞いて見せて貰った事で愛香が居る世界に来る前日、同僚の島から、あらゆる作品が突如消滅する事態とアナザープリキュアに関する会話をした事を思い出す。

 

話し合いを終えた後、東堂は勇介に自身の活動拠点が書いている地図と連絡先の電話番号を渡して去り、愛香は希美と勇介に生きて帰って欲しいとお願いされた後、部屋に入り就寝した。

 

そんな愛香達の知らない所で巨悪の意思が暗躍を行っていた。

 

────

 

墨村市 ヌーベル学園の通学路

 

アナザーブラックの襲撃から翌日、ヌーベル学園への通学路を愛香と友美は歩いていた。

 

学園から、今日は2時間目から通常授業を開始とすると言う連絡が来たのだ。

 

その前に来た場合は自習して待っている様にとの事だったので愛香と友美は少し余裕をもって登校をしているのだ。

 

友美「昨日はあんな騒ぎがあったから休校になるかなって思ったけど、ならなかったか……」

 

愛香「東堂さん達がアナザープリキュアを学園から出さないよう奮戦した事と、赤城会長の的確な指示による避難のおかげね……後はセッビィが直していてくれたのもあるわね」

 

少し残念そうな友美に愛香は苦笑する。

 

そうやって2人で話しながら歩いていると……

 

空「愛香さん、おはようございます!!」

 

ましろ「友美ちゃん、おはよう」

 

後ろから元気よく挨拶しながら空が走って来て、ましろが遅れて来る。

 

愛香「おはよう空、虹ヶ丘さん」

 

友美「空さん、ましろさん、おはよう」

 

そんな2人へと愛香と友美も挨拶する。

 

ちなみに友美は昨日帰るまで話していたのもあって下の名前で呼び合う仲になっている。

 

友美とましろが話しているのを見ながら愛香は自分の横に来た空に話しかける。

 

愛香「丁度良かったわ。空に話しておきたかった事があるの」

 

空「話しておきたい事ですか?」

 

ええと愛香は頷いてましろと友美から少し距離を置いて話し出す。

 

愛香「実はね、夜遅くに私達を助けに来てくれた特殊部隊の人達が来訪したのよ」

 

空「それって、あの時の人達ですか?」

 

頷いて愛香は昨日の東堂達と話した事を伝えて行く。

 

そんな離れて話す2人の様子を見てましろは友美に話しかける

 

ましろ「友美ちゃん、昨日会ったばかりなのに、空ちゃんと愛香先輩が凄く親しいんだけど……」

 

友美「ん~昨日はプリキュアと言う人物が来た時に一緒に避難したから仲良くなったんじゃないかな?」

 

少し不満げそうなましろに気づかないまま友美はそう返す。

 

ましろ「プリキュアか~……空ちゃんがプリキュアを正義の味方って言ってたけど、どんな感じの人達かな?」

 

友美「あー確かに気になるね(ましろさん、プリキュアが気になるのかな?)」

 

不思議そうに聞くましろに友美は相槌を打ちながらそう考えていると……

 

???「ねえ、何を話していたの?」

 

声をかけられて顔を向けると何時の間にか優巳がいた。

 

友美「優巳さん、おはようございます。プリキュアの事で話していましたけど……」

 

それが何か?と友美は優巳に問う。

 

優巳「プリキュア……」

 

友美「どうかしました?」

 

何か思い当たる様な感じに呟いた優巳は友美に何でもないわと返しながら昨日の夜、寝る前にあった祖父の将悟と母親の戦が話していた事を思い出す。

 

優巳(プリキュア……将悟お爺様と戦お母さんの2人が見ていた映像にあった女戦士……)

 

ましろ「あの、優巳先輩もプリキュアの事が気になるんですか?」 

 

考えている優巳にましろが恐る恐る話しかける。

 

優巳「えぇ、気になります……どうして女性が変身ヒーローの様な真似をするのかが良く分からないのですよ。こういう変身する者は男だけで十分でしょう」

 

友美「えぇ……流石にそれは違うと思いますよ。スーパー戦隊だって女性が変身してますし、昔の作品でも女性が変身して悪者と戦う作品は色々とありますから流石にそれは違うと思いますよ?」

 

そう返した優巳の言葉を聞いて友美は反論する。

 

優巳「確かに映像作品ではそうです。けどリアルで起きているのならば男が出て戦うべきでしょう。それに、男の方が身体能力に優れている上にヒーローに向いているでしょう」

 

愛香「ちょっと待った。優巳……あんた、そうは言うけど、将悟さん以外の男を毛嫌いしてる癖にどうしてそう言い切れるのかしら?」

 

反論した優巳に対し、会話に気づいてか愛香が割り込んでそう指摘する。

 

優巳「……私のは別によろしいでしょう。先ほども言いましたが男性が女性よりも身体能力に優れております。大けがをする前にさっさと力を渡した方が身の為だと思います」

 

愛香「力を渡せってね優巳……女物を男に着せる気?そんな事したら魔法少女俺みたいなのやセーラームーンのセーラースターズで出たファージの男版の様な気持ち悪いものになっちゃうわよ」

 

顔を顰めて言った優巳は愛香の言った最後の部分にうぷっと口を抑える。

 

優巳「や、止めてください愛香。あんなゲテモノを思い出させないでください……中学生の頃、あなたに見せられたあの作品は……うぷ、思いだすと吐きそうになるんですよ……」

 

愛香「あ、うん。それに関してはマジでごめん。あの時は私もチョイスを間違えたと後悔したわ;」

 

顔を青ざめて心底気持ち悪そうにしてる優巳に愛香は優しく背中を撫でながら謝罪する。

 

友美「と、とりあえず、スポーツ関連は男の人が体力関連などで有利だと言うのは聞きますよ。でも女だって男に負けない活躍をしてる人だっていますよ。力以外でもテクニックで男の人に勝ってる女性の人だっていますし」

 

優巳「けふ……た、確かに、男に負けない女だっている事は知ってます。ですが、普通は女は男より身体能力が劣っており、女は男に勝てません。だから女は身体能力に優れた男に護られるべきなんです!」

 

ましろ「あの……優巳先輩。ここにそんな男の人に力もテクニックも勝ってる空ちゃんがいるんですけど;」

 

空「いやいや、あれは先方が調子悪かったって言ってましたから、運が良かったんですよ」

 

話題を戻して言う友美に調子を取り戻した優巳は反論するがましろの言葉にむむとなる。

 

愛香と友美もそう言えばそうだとましろのを聞いて思いだす。

 

律子が言っていたスポーツ関連のニュースで空は中学生ながら大人の男性にも負けず劣らずのパワー、テクニック、スピードを見せて勝利して驚かせたことがあるのだ。

 

空は運が良かったと言うが見ていた愛香からしたら本調子で空に負けていたのは明白であったのだ。

 

友美「男が優れてると言うけど、優巳さん。男の人でも身体能力が低い人だって居るし、女でも空さんやお姉ちゃんみたいな身体能力に優れた人だって居るんだからその考えはおかしいですよ」

 

優巳「だとしても現実は女は男より身体能力が劣っているのが殆どです。それに女はお淑やかで慎ましくしなければなりません。それにでしゃばる事をせずに大人しくするのが正しいのです!」

 

考えは変えないと言う優巳にホントこの子はなんでその考えに拘るのだろうかと愛香は唸る。

 

瑞希「優巳、いい加減にしろ!登校中の後輩に喧嘩を売る真似をするな!」

 

勇佳「優巳先輩、他人に自分のエゴを押しつけないで下さい!」

 

友美「あ、瑞希さんに勇佳さん」

 

そんな優巳の言い分に近づいて来た瑞希と勇佳が苦言を申す。

 

優巳「また貴女達ですか?」

 

近づいて来た勇佳と瑞希の言い分に優巳は不愉快そうに顔を顰める。

 

瑞希「優巳、どうしてお前はいつも女に対し大人しくかつ男に護られるべきだと言うんだ?全ての女がお淑やかで大人しいと思ったら大間違いだぞ!女にも色んなタイプが居る事が普通だ。特に晴渡や愛香が良い例だ。男も同じ事を言えるんだぞ!」

 

勇佳「そうですよ!男や女は誰もが色んな性格を持ってて、見た目もぽっちゃり系や痩せすぎ、長身な人やボディビルダー、地味な容姿や難ありな容姿な方が居ます。そんな男や女が居るのに、優巳先輩は女は控えめかつお淑やかで男に護られるか弱い女、男は強くか弱い女を護る存在しか認めないのですか!それこそエゴの押し付けですよ!」

 

今までくどく言ってきた事に限界だったのか、2人は優巳に対して強く怒鳴る。

 

優巳「私の言ってることがエゴの押し付け?どうしてなのですか?」

 

瑞希「答えは簡単だ。人は画一的じゃなく色んなタイプが居る多様性を持つ生物だ。其れなのにお前は重度の男嫌いの癖に男は強く弱い女を護る存在しか認めず、女にはお淑やかで大人しい存在しか認めない頑固者。人にはお淑やかな人を好まなかったり、男だけど戦いを好まない人だって居るんだぞ。そんな人達を無視して自身の考えを押し付ける行為をエゴと呼ばずに何て言うんだ!!」

 

勇佳「色んな人に何度も言う優巳先輩のやってる事はある意味老害ですよ……おまけに優巳先輩は女なのに、考えが戦前辺りの男かつ男尊女卑に凝り固まりすぎです!愛香先輩が好む作品で言うなら、葛葉紘太さん達平成ライダーに対して本郷猛さんが紘太さん達を仮面ライダーだと認めないと言ってるのと同じですよ!!」

 

愛香「いやまぁ、あの人も最後の最後で認めてたけどね」

 

心底分からない様子の優巳に瑞希は強く睨み、勇佳も続いて言った事に愛香が付け加える。

 

優巳「それでもです!男は女を護る為に存在し、女は男に護られる存在。現実に男は家族を養う為に働き、女は子供を育てるために家に居るのが普通じゃないですか?其れなのに、女でありながら、スポーツに参加したり、ゲーム大会に参加するなんて私は理解出来ません!そんな暇があるなら、ピアノや生け花と言った習い事をしたり、結婚に備えて家事の手伝いをするべきです。そう、詩嶋先輩を見習うべきです!」

 

そんな2人のに優巳は頑なに考えを変えずに睨み、2人も睨み返す。

 

険悪な空気に友美とましろはハラハラし、空は3人のを聞いて考えており、愛香も何か言おうとした時……

 

翔子「白永先輩、登校中に不快な会話をして恥ずかしくないのですか!?」

 

英美「白永先輩、あんたさっきから女に対する差別的な発言があまりにも酷すぎるわ!」

 

レイ「女でもいろいろ居るのに、お淑やかで可愛く振る舞う以外認めない……それはあたし達を含む女達に喧嘩を売っているのと同じじゃないか!」

 

愛香達と同じ様に余裕をもって登校しようとしていたのであろう翔子、英美、レイが近づいて来て聞こえていた会話ので気分を害したのか、優巳に対して怒鳴る。

 

そんな3人のも加わってのに、なぜ分からないのかと理解できない様に顔を振る優巳に愛香は今度こそ言おうとした時……

 

空「あの、優巳先輩は()()()()()()()()()()()()()()んですか?」

 

顔を上げた空が優巳に対してそう質問する。

 

優巳に向けて放たれた質問に言われてみれば……と愛香も空の問いので疑問を抱く。

 

彼女が何時から先ほど言った考えに固執してるのか、愛香は彼女と最初に出会ってから思い返したが……その切っ掛けが記憶の中に全くなかったのだ。

 

優巳「何時からですか……物心付く前からうっすらと」

 

空「うっすらと……ですか?」

 

首を傾げる空にえぇと優巳は頷く。

 

愛香「けど優巳、あんたの母親の戦さんはあんたの主張と真逆の人よ。そこんとこどうなのよ?」

 

空「え?そうなんですか?」

 

友美「うん。凄い武闘家な女の人だよ。空さんは会ってないの?」

 

ましろ「空ちゃんが保護された時は丁度戦さんと優巳先輩はいなかったんだよね」

 

愛香の指摘に対して、聞く空に友美は肯定してからの疑問にましろが答える。

 

優巳「母については除外しています。と言うより前言った時には、生意気だと言われて足をくすぐられ、悶絶させられました」

 

愛香「まぁ、あの人ならそうしそうだわ」

 

きつかったのか体を震わせる優巳に愛香は呆れた顔で続ける。

 

愛香「優巳。色んな人に反感を買うのはね、自身の考えだけが唯一正しく、他人の考えが間違いだって言うのがダメなのよ。そんな考えを他人に一方的に押しつけようとするからみんなに反感を抱かれるの。もっとも、そう言う考えを押しつける行為自体は私を含めて誰でも起こりえる事だけど」

 

優巳「……ですが、現実には男が優れて、女は劣っているのが普通……」

 

愛香の指摘に対してまだ反論しようとする優巳にだから……と愛香や瑞希は頭が痛くなり始めた時……

 

???「その考えは間違いよ!それでは視野が狭すぎよ!!」

 

優巳「えっ!?」

 

その場にいる誰でもない声に誰もが声のした方へと顔を向ける。

 

その人物は男性でジャケットをマントの様に羽織っている。

 

優巳「ひぐっ!?」

 

その男性を見た瞬間、優巳は固まる。

 

男性(あら?あの女の子、ワタシを見て固まっちゃった?)

 

なんで?と男性は疑問に思う中で空が愛香に話しかける。

 

空「あの、優巳先輩どうしちゃったんでしょう?」

 

愛香「あー……優巳ってさっき私が見せたセーラースターズに出るファージって奴を見てから男の人毛嫌いしてるのもあってか、オネエな人見ると固まっちゃうのよ;」

 

誰もがなぜ固まってしまったかの理由を聞いてあぁ……となんとも言えない顔になる。

 

それを聞いた男性も凄く複雑な顔で白目剥いた優巳を見る。 

 

男性「そ、それは災難ね;私も見た事あるから凄くその気持ち分かるわ;」

 

愛香「あ、そうだったんですか。それで貴方は?」

 

同情した目で優巳を見る男性に愛香は問う。

 

これはしつれいと男性は人懐っこい笑みで名乗る。

 

男性→ローズマリー「ワタシはローズマリー。あなたの事は東堂博士から聞いてるわよ月影愛香さん」

 

愛香「それじゃああなたは東堂さんと同じ」

 

そんな所よとローズマリーは頷く。

 

どういう事?と首を傾げてる瑞希達に友美が昨日の特殊部隊の関係者みたいと返す。

 

ローズマリー「ええ、東堂博士は仕事が早いからすぐさま本部に報告書を送ってくれてね。報告書の中で勇敢な少女と書かれていたから実際に一目見たくて来たの。それにしても、さっきまで何やら一触即発の事態になっていたみたいだけど、一部部分しか聞いてないから男と女の何かで意見がすれ違ったのかしら?」

 

微笑んでから訝し気に固まっている優巳を見て聞くローズマリーに愛香達に何故一触即発の事態が起きようとしたのかを話して行く。

 

それを聞いたローズマリーは気難しい顔で腕を組む。

 

ローズマリー「ようは男や女には色んな性格や容姿があるのに、この子はは男は強く、か弱い女を護る存在、女は強い男に護られるべき存在、それ以外は認めない考えを持っているのね……」

 

友美「そうなんです。空さんやお姉ちゃんのような人が居るのに、優巳さんは認めず、女はお淑やかで大人しい存在以外は認めないんです。そう、お姉ちゃんの同級生である詩嶋さんみたいな人しか認めないんです」

 

依然として固まったままの優巳を見るローズマリーは友美の言った人物の名に首を傾げる。

 

ローズマリー「詩嶋さん?どういう人なの?」

 

愛香「詩嶋先輩は優巳の言う、お淑やかで自己主張が控えめな名家出身のお嬢様みたいな人です」

 

答えた愛香のを聞いてローズマリーは顎に手を当てる。

 

ローズマリー「お淑やかで自己主張が控えめ。そして名家のお嬢様ね……(そういう子って……多分、ステレオタイプの生き方を強要されたタイプね……それは当人にとって幸せなのかしら……)

 

愛香の説明を聞いてローズマリーは不安を抱く。

 

ローズマリー「それにしても、優巳ちゃんは、今時の子にしてはどうして男尊女卑の考えに凝り固まってるのかしら?」

 

その後に優巳を見て心底不思議そうに首を傾げるローズマリーに愛香はそこは同意と頷く。

 

愛香「私もどうしてここまでなのかは……それなのに極度の男嫌いの癖して……そんな優巳の母の戦さんは優巳とは真逆の考えの人で、女でも積極的に行動すべきだと考えてる人です」

 

ローズマリー「女であっても積極的に行動する……現代では寧ろ当たり前ね……親子で逆の考えなのは不思議ね……そんな優巳ちゃんの考えって、ようはトラブルはすべて男に任せて、女は大人しくすべきって事よね……」

 

考えを聞いてますます不思議そうにしながら纏める。

 

愛香「そうなります。そして優巳は物心が付く前からうっすらとそう考えていたそうで……」

 

ローズマリー「うっすらね……(その考え、まるで周りが偏った考えをしている人、それも男性で固められてないと出来ない様な感じよね……ホントこの子、どうしてそんな考えを持ち始めたのかしら?)」

 

愛香の説明にローズマリーは優巳にますます疑問が強まっていると空が恐る恐る質問する。

 

空「あの、ローズマリーさんと言いましたね。どういう理由で愛香さんを訪ねたんですか?」

 

ローズマリー「あらごめんなさい!用事があったのだけど……時間は大丈夫かしら?登校していたのよね?」

 

問われていっけないとなった後にローズマリーは話せる時間があるのかも含めて確認する。

 

空「それなら大丈夫です。今日は二時間目から授業が始まりますので……その登校途中で優巳先輩との口論が起きましたが……」

 

愛香「本当なら余裕を持って登校するつもりがさっきの状況になった訳ですローズマリーさん」

 

ローズマリー「そうだったの、だったら歩きながらでも良いから行きましょう。それと私の事はマリちゃんで良いわよ」

 

返事をする空と愛香にローズマリーはそう提案する。

 

先を行く翔子、英美、レイに続いて友美とましろ、固まった優巳を背負った瑞希と勇佳の後ろで愛香と空はローズマリーと歩いていた。

 

愛香「それでマリちゃん、私に用事とは何でしょうか?」

 

ローズマリー「その事だけど、先に質問しても良いかしら?」

 

改めて自分への用事は何かをローズマリーに問う愛香だったが聞き返されて何でしょうか?と問う。

 

ローズマリー「愛香ちゃん、今何かで悩んでるでしょ?特に仲間関連で」

 

愛香「……っ、分かります?」

 

そう聞かれて愛香は困った様に確認する。

 

ローズマリー「ええ、私が東堂博士の仲間と言った時に少し安堵した様子を見せていたから」

 

愛香「……マリちゃんの言う通り、今の私達には戦力が足らないことからそれで不安を抱いてます」

 

困った様に愛香はそう返す。

 

ローズマリー「戦力が足りない……確かに、この先もアナザープリキュアがこの世界に襲撃して来たのが複数だったらヤバいわね」

 

愛香「はい、アナザーブラックでさえ、空や東堂さんがパワーアップアイテムを渡してくれなかったら私一人だけでは倒せなかった強敵でした……」

 

苦い顔で言う愛香にローズマリーも眉間に皴を寄せる。

 

ローズマリー「聞いてるわ……確かにアナザープリキュアが複数同時に襲撃をして来られたら勝算が限りなく低くなるわね……しかも、元になったプリキュアにほぼ似た姿のモンスター娘になる形態もアナザーブラックの様に持っているとしたら……」

 

愛香「……空や東堂さん達が居るとは言え、勝つのは極めて難しいと思います……」

 

それは悩むわねとローズマリーはさらに眉間に皴を寄せる

 

愛香「それでセッビィ、私にプリキュアとしての変身アイテムをくれた妖精さんが後2つ、変身アイテムを持ってるからその2つのアイテムの資格者が見つかって、戦ってくれたら頼もしいけど……」

 

ローズマリー「巻き込みたくない気持ちがあるって事ね……」

 

空「確かにその気持ち分かります……」

 

腕を組んで思案するローズマリーは愛香と空を交互に見てから口を開く。

 

ローズマリー「実はね愛香ちゃん……その不安は今日中に解決出来るかもしれないの」

 

愛香「……根拠は何ですか?」

 

そう聞くのは仕方ないと不安そうな愛香にローズマリーは続ける。

 

ローズマリー「別の所からね、愛香ちゃん達の助けになる戦力を呼んであるの。ある能力が無い以外は、アナザープリキュア相手でも戦える味方よ」

 

空「ある能力が無い……どんな能力が無いんですか?」

 

首を傾げる空のにローズマリーはそこは気になるわよねと苦笑する。

 

ローズマリー「プリキュアにとって重要な力である浄化技よ。アナザープリキュアにとって浄化の力は大敵、ただ、単純な浄化技ではアナザープリキュアには通用しないの。元になったプリキュアと同じ系統の力を持つプリキュアの力じゃないと通用しないの」

 

愛香「じゃあ、アナザープリキュアの相手は務まらないのですか?」

 

不安そうな愛香にローズマリーは微笑む。

 

ローズマリー「そうじゃないわ愛香ちゃん。確かにアナザープリキュアはプリキュアの力じゃないと根本的な倒せないけど、応援で来る人達はアナザープリキュア相手でも互角に戦えるから安心してね。ただね、この応援はアナザープリキュア以外も想定されてるのもあるのよ」

 

愛香「どういう事ですか?」

 

空「……もしや他にもいるんですか?」

 

告げられた事に愛香は戸惑うが空は思い当たるのかそう聞く。

 

ローズマリー「えぇ……愛香ちゃん達が対峙するだろう可能性があると東堂博士も同じ考えで……実は私達が危惧している相手の中には……プリキュアがいるの。それも複数」

 

愛香「私と同じプリキュアが!?他にもいるんですか!?それも敵として来るかもしれないですか!?」

 

驚いて問う愛香にローズマリーは悲しい顔で頷く。

 

ローズマリー「居るわ。そいつ等はどこかで暗躍してるかもしれないの……」

 

愛香「……」

 

その言葉に愛香や空は言葉を失う。

 

まさかプリキュアを模したアナザープリキュア以外に別のプリキュアとも戦うかもしれないと言うのだ。

 

ローズマリー「私達が危惧しているプリキュア達の名前はキュアタルタロス、キュアディアボロ、キュアティターンよ……そいつ等には気を付けてね。とんでもなく強い相手だからね」

 

空「キュアタルタロス……」

 

忠告するローズマリーに、空は噛み締める様に呟き、愛香はゴクリと息を飲む。

 

ローズマリー「それとタルタロス達とは別の悪のプリキュアも居るわ……いずれその連中が来ることも頭に入れて置いて」

 

更にローズマリーはタルタロス以外にも悪いプリキュアが居る事を伝えられて、愛香と空は真剣な顔になる。

 

愛香「タルタロス以外のプリキュアが居るのを考えるなら……その為にも戦ってくれる仲間が出来ると良いんだけど……」

 

空「そうですね。いつ来ても良い様に構えておかないと……(そうなるとゼロ師匠達にもっと鍛えて貰わないと……)」

 

ローズマリーの話を聞いて愛香と空はできる限り仲間を見つけなければいけないと思案する。

 

 

───

 

 

そんな愛香と空がローズマリーと話している頃、先に行ってる翔子達はと言うと……

 

レイ「白永先輩、まだ気絶から治ってないのか……」

 

英美「いくら男が嫌いだからと言って気絶するなんて……」

 

瑞希に抱えられたままの優巳を見てレイは呆れ、英美もなんとも言えない顔で呟く。

 

翔子「しかし、白永先輩って分からない所がありますよね」

 

英美「確かに、本人は男を持ち上げている癖にその男を毛嫌いしているわね」

 

レイ「なんと言うか、言ってる事と好き嫌いがちぐはぐしているよな白永先輩って」

 

確かにとレイの言葉に翔子と英美は同意する。

 

翔子「不思議過ぎますよね白永先輩は……」

 

レイ「そう言う意味じゃあ月影先輩も変わった趣味を持って居るっぽいよな」

 

愛香の方に話が言ったので翔子と英美は首を傾げる。

 

翔子「変わった趣味?レイどういう事なの?」

 

レイ「月影先輩はスタイルが良くて、運動神経に優れた美人だろ?けどその割には怖いものを見ても平気だったり、アクション作品を好んでいる感じなんだよな……前、休日でたまたま見かけた時、アクション作品のを見ているのを見かけたんだよ」

 

問う翔子にレイはそう返す。

 

翔子「じゃあ月影先輩は特撮作品も好むのでしょうか?」

 

英美「レイが見た感じだと、おそらく好んでいるんでしょうね。特撮作品って、見た目が気持ち悪い怪人が出る作品があるから、月影先輩はそれによって気持ち悪い物にも耐性があるんじゃないかしら?」

 

後ろをチラッと見て呟く翔子に英美は推測を述べる。

 

翔子「そうなると月影先輩ってオネエキャラ的な者や女装男子的な者を見ても平気なのでしょうか?」

 

レイ「ちょっとそれは偏見過ぎる気がするな……」

 

英美「けど、平気そうなのは同意ね」

 

翔子の言い分にレイは頬をポリポリ掻き、英美は賛同する。

 

翔子(もし月影先輩が特撮作品の知識を知ってるなら、昨日拾った五枚のメダルの正体が何か解るかもしれない)

 

英美「翔子?」

 

自分のカバンに入れている昨日の帰宅途中で見つけた仮面ライダーが描かれたメダルを思い返していると声をかけられて顔を上げる。

 

翔子「何でも無い。そう言えば、月影先輩はお昼はどこらへんで過ごしているのかな?」

 

愛香と接触する為に翔子は英美とレイに質問する。

 

今しても良いのじゃないかと思うかもしれないが、ローズマリーと大事そうな話をしているので邪魔をしたくないからなのもある。

 

レイ「そうだな……確か学園にはカフェテラスがあるから……其処には初等部や中等部、高等部の生徒が集まるからもしかしたら愛香先輩もそこにいるかもしれないが……それがどうかしたのか?」

 

翔子「あー……実は月影先輩に昨日公園で拾ったメダルの事を聞こうと思って……」

 

メダル?と首を傾げるレイに英美は聞いていたのかあぁと納得する。

 

英美「そうね………私も一度、月影先輩と話したい事があったから便乗させて貰おうかしら」

 

翔子「何で英美も月影先輩に?」

 

首を傾げる翔子になんとなくよと英美は返す中で思い浮かべるのは昨日の出来事……

 

英美(私や、翔子、レイが同時に脳裏を過ぎた変身ヒロインのようなもの……先輩と話せばそれがなんなのか分かるかもしれない……)

 

レイ「2人が会いに行くのならだったらあたしも月影先輩に会ってみようかな~」

 

翔子「レイも……そうだね。じゃあ昼休みになったらカフェテラスに向かおう。いたら話しかけると言う事で」

 

賛成と翔子の昼休みにカフェテラスに行くと言う提案にレイと英美は乗った後、軽い世間話に話を映してヌーベル学園に向かった。

 

暫くして、翔子は愛香とある事で関わる事になるのをこの時は知らなかった。

 

因みに優巳が気絶から立ち直ったのはヌーベル学園に丁度着いた時であった。

 

 

───

 

 

ヌーベル学園に向かっている愛香達を少し離れた場所である人物が見ていた。

 

???(あれがマリさんの言っていた月影愛香と晴渡空(ソラ・ハレワタール)か……)

 

ローズマリーと話している愛香と空を見ながらその人物は思案する。

 

???(あの二人なら、訳あって一時的に小泉町から離れている隙に敵に拉致されたゆいを救えるかもしれない……)

 

思い返すは自分がここにいる事となった切っ掛けの日……

 

???(あの日、俺はどういう訳か……プリズムセイバーの戦いを覚えていた……それを切っ掛けに俺は妙な黒服達に狙われ、まるでゆい達と見たある映画見たく普通の人間が黒服に変わって俺に襲いかかった。俺がプリズムセイバーの戦いを覚えてはいるのはあいつ等にとって都合が悪いようだった。そんな小泉町の住人がプリズムセイバーの戦いを目撃してるにも関わらず、プリズムセイバーの事を覚えていなかった事と芙羽達がプリズムセイバーの事を覚えていないにも関わらずプリズムセイバーは自分達にとっては無条件で守ってくれる白馬の王子のような存在に見ている事で俺の違和感はさらに増した)

 

ローズマリーに助けて貰ってなかったらと改めてゾッとしながらその人物はグッと手を握り締める。

 

???(いつかご都合主義で塗り固められた箱庭(小泉町)に戻る方法を見つけて、芙羽達も救出してみせる……)

 

とりあえず合流するかと愛香達と話してるローズマリーの元へとその人物、品田拓海は駆け足で向かう。

 

彼こそローズマリーが呼んだ仲間であり、プリキュアと同等の力を持つクッキングダムを守護する戦士、クックファイター・ブラックペッパーであった。

 

────

 

拓海が愛香達の方に合流しようとしてる頃、ヌーベル学園の生徒会室には生徒会の仕事の為に先に来ていた六華と明輝がいた

 

一通りやり終えて明輝はふうと一息つく。

 

明輝「今日は昨日の騒動ので二時間目から授業が始まる様にされているのに、私達は早い内に来てますね……」

 

六華「仕方ないでしょ明輝、私達は生徒会の仕事がある以上、早く来なければならないのだから」

 

ぼやく様に呟く明輝に苦笑しつつ、書類を選別したり、サインをしながら六華はそう述べる。

 

明輝「そうですね。それに他の生徒は二時間目から授業が始まる都合上、直ぐに来ませんからね……(ただ詩嶋先輩だけは家の都合上早く来ていますが、今日は遅れても大丈夫なのは知らせている筈なのに、何で早く来ているのでしょうか?……)」

 

そう六花に返しつつ、明輝は自分達と同じ位に車で送迎されて来た詩嶋に理解出来ずにいた。

 

六華「それにしても詩嶋さんったら、2時間目に合わせて登校すれば良いのに……しかも来て早々に自主勉もしてるし……」

 

明輝「無理もありませんよ。詩嶋家の両親は厳しい人で有名ですから……もう少し余裕を持っても良いと思いますがね」

 

そんな明輝が思っているのに同意する様にぼやく六華に明輝はそう返す。

 

六華(詩嶋家ね……彼女の家って名家だけど、何かきな臭い悪い噂があるけど……)

 

あんまり怪物騒ぎ以外で面倒な事に巻き込まれたくないんだけどな……と六華が内心そうぼやいていると生徒会室に一人の青年が入って来る。

 

その人物は青場洋一、六華と明輝が所属する生徒会の一員で副会長を務めている青年だ。

 

青葉「会長、ちょっと良いですか?」

 

六華「どうしたの青場君?」

 

少し荷物を整理してから遅れて向かうと聞いていたものの、少し慌てた様子の彼に2人は首を傾げる。

 

青場「実は、2人のロッカーが光っていたんですよ」

 

六華「はい?」

 

明輝「光ってた?」

 

告げられた事に2人は呆気に取られて顔を見合わせた後に青葉を伴って生徒会所属の生徒が利用する荷物置きとなっているロッカーが置いてある所へ向かう。

 

だが、ロッカーのある場所に到着して中を見て見た所、ロッカーは光っている様子はなかった。

 

明輝「……光ってませんけど?」

 

青場「いや、さっき光っていたんだよ」

 

六華「ちょっと中を見て見ましょう明輝」

 

戸惑う青葉の肩を叩いてから六華は明輝にそう言って自身のロッカーのカギを開ける。

 

明輝も仕方がないと自身のロッカーを開けて中を見て、訝しむ。

 

自分が荷物を入れる際にはなかった小さな袋があったのだ。

 

同じ様に見ていた六華も小さな袋を見つけて手に取っていた。

 

六華「なにこれ?」

 

明輝「おかしいですね……こんなのを入れた覚えはないのですが……」

 

中身はなんだろうかと振った事で中身は固い物だと認識して袋の口を開けてひっくり返して中身を出して見る。

 

するとそれぞれの袋から5枚のメダルが出て来る。

 

六華のロッカーにあった袋から出たのはアカレンジャー、ゴーカイレッド、キラメイレッド、ゼンカイザー、クワガタオージャーの顔が描かれたメダル。

 

明輝のロッカーにあった袋から出たのはギャバン、メタルダー、シンクレッダー、ジャンパーソン、ブルービートの顔が描かれたメダルであった。

 

六華「これって……メダル?」

 

明輝「絵柄は……人なんでしょうか?ロッカーには鍵をしていた筈なのに、誰が入れたんでしょうか?」

 

アカレンジャーのメダルを手に取ってしげしげと見る六華の隣でギャバンのメダルを手に取った明輝は戸惑いながら疑問を抱く。

 

なんだってこんなのが……とアカレンジャーのメダルを見ていた六華は次にキラメイレッドとゼンカイザーのメダルを見て訝しむ。

 

六華「あれ?」

 

明輝「会長、どうかしました?」

 

んんと首を傾げてる六華に明輝は問う。

 

六華「この、赤い人……スマホで検索してみた所、アカレンジャーって言うらしいけど……このメダルとキラメイレッドとゼンカイザーって言うスーパー戦隊って言うヒーローがね……このメダルで初めて知ったんだけど、どこかで見た様な気がするのよ……」

 

青葉「どこかで……ですか?」

 

そうなのよと青葉に答えながら六華は不思議そうにキラメイレッドやゼンカイザーのメダルを見る。

 

明輝「変ですね……調べた限り、これらは特撮作品に出るキャラですけど……会長は特撮とかは見ます?日曜日の朝にやっているそうですけど」

 

六華「んーー……悪いけど日曜日の朝は結構遅めに起きるからあんまりそう言うのは見た事ないのよね~(ただ……キラメイレッドとゼンカイザー……この2人とアカレンジャーを見ると、私の脳裏に浮かんだ変身ヒロインの姿を連想させるのよね……それが見た様な気になったのかな?)……そう言う明輝は特撮作品は見るの?」

 

確認する明輝に対し、六華はそう返してから問い返す。

 

明輝「私は……こう言うヒーロー系よりも刑事ドラマですね。両親が警察の関係者なので」

 

六華「あぁ、成程……ちなみに明輝はギャバンのが気になってる感じ?」

 

納得してから六華は明輝がギャバンのメダルを凝視していたのを指摘する。

 

明輝「はい。このギャバンの姿が……私の脳裏に浮かんだものにギャバンの要素を感じたんです。特撮作品はあまり見てないのにも関わらず……気になるんです」

 

どうしてだろうかと明輝も六華は不思議そうに自分達が感じた奇妙な違和感に首を傾げる。

 

青場「2人共、メダルの事で考えている所すいませんが、1つ、悪いニュースを見つけてしまいました」

 

六華「え?」

 

明輝「悪いニュースとは一体……」

 

するとスマホを見ていた青葉が顔を青ざめてそう言って自身のスマホを見せる。

 

青場「昨日の騒ぎと関連するものです……」

 

六華「それホント!?」

 

明輝「あの怪人と関わりがあるヤツですって!?」

 

促されて六華と明輝は青場のスマホの画面に映されたのを見る。

 

それは動画で、その映像の中で女性用のマーチングバンド系の衣装を着た怪人が映し出されていた。

 

六華「これ、見た目が昨日学園に襲撃した怪人の様に女物を着てるわね……」

 

明輝「まさか同族でしょうか?」

 

昨日ヌーベル学園を襲撃し、キュアメサイアとキュアスカイによって倒されたアナザーブラックを思い出して六華と明輝は息を飲む。

 

青場「この怪人が目撃された場所は学園に現れたあの怪人が最初に現れて暴れたショッピングモールだそうです……どうやらショッピングモールに来ていた人が偶々画像の怪人を発見、撮影したのがこれみたいです」

 

明輝「偶々ですか……(動画を撮影した人は良く見つからないで助かりましたね)」

 

説明を聞きながら明輝は怪物を撮影した人物にそう思った。

 

六華「と言うか……まだあの怪物と同じ様な奴がこの街にいるって事でしょ……」

 

勘弁して……と頭を抱えたくなっている六華に青葉は困った顔をする。

 

青場「す、直ぐには現れないと思いますよ会長。この怪物はその後、直ぐさま姿を消したみたいですから……」

 

六華「そうかもしれないけども……あの怪物の様に何らかの形でこの学園に来るかもしれないじゃない……もしもの時に備えてあの特殊部隊に連絡を入れるのを視野に入れとかないと……」

 

あの後、学園側は昨日の特殊部隊、テイルズディフェンドの東堂から万が一と言う事で連絡先を貰っており、それは六華達にも教えられていたのだ。

 

青場「確かに、何らかの備えは必要ですね……あ」

 

明輝「どうしました?」

 

六華のに青葉は同意していた所に声を漏らしたのに明輝は問う。

 

青葉「そろそろ2時間目の授業が始まりそう」

 

六華「うわホントだ。時間を取られていた……」

 

とりあえず、先ほどのニュースのを先生達に伝えてから。六華達は授業に出るべく自身の教室に向かうのであった。

 

だがこの時の六華達は知らなかった……

 

青場が見つけたマーチングバンド系の衣装を着た怪人の動画以外に、それに関連する動画が2つあった事を……

 

ひとつはマーチングバンド系の衣装を着た怪人の近くに顔に不気味に笑う仮面を付けた赤い蝶の怪人がおり、赤い蝶の怪人の背中に生えた蝶の羽には『ROUGE』と『2007』が刻まれていた。

 

もう一つはその怪人が映っている動画と関連するだろうと言う動画の中にあった。

 

その動画には、女子サッカー選手の衣装を着た狼の耳や尻尾を持った女性が男性を痛めつける様子が映っていた。

 

その怪人が六華達……否愛香達に関わる事になるとは、この時の誰もが知る由もなかった

 

 




次回 昼休みのカフェで重要な事が


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