転生ヒルチャール (芝神)
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第1章
1.プロローグ
タイトルを「1.プロローグ、および第1章」から「1.プロローグ」に変更
2021/03/15。15時44分
ルビが出来ていなかったのを修正。
2021/03/15。15時50分
2023/01/06
誤字報告を受け確認。誤字でした。
ありがとうございます
ヒルチャール。原神における雑魚モブ。
他にもヒルチャール暴徒、ヒルチャール王者、ヒルチャールシャーマンなどの種類があったり、氷元素や火元素、雷元素を矢として射ってきたりする、けどそこまで強くない敵。
そんな存在に、どうやら転生してしまったらしい。
溜息と共に自分を見る。色は茶色、髪なども色が変わっていたりはしない。つまり普通のヒルチャール。クソ雑魚モブ。
ここから強くなる事は出来るか? 無理だろう。筋力を上げたり、武器を変えたり、技術を磨いたりは出来るだろうが、シャーマンや暴徒のような姿にはなれない。
「
主人公に殺されて素材として仮面をとられ、操られてモンドに攻め入って、特に理由も無く殺されるんだろう。
「
死ぬのは弱き者だけ。強き者は生き残る。生かすも殺すも強き者にしか選ぶ事はできない。なら、強くなるしかない。
「
「そういや聞いたか、あの話」
「聞いた聞いた。黒い仮面のヒルチャールだろ?」
「あいつ、まだ生きてるらしいぜ」
「嘘だろ、ある程度強い冒険者が8人出張ったのにか?」
「なんでも、武器が壊れたり少し負傷しただけで、生かして返されたらしいぞ」
「マジかよ⋯」
モンドの鹿狩りにてそんな話がされていた。冒険者協会は黒仮面のヒルチャールを倒そうと躍起になっているようだが、未だに討伐報告は無い。
そして、それはなにも冒険者協会だけの話ではなかった。
「ーー以上です」
「わかった。部隊の者には休暇を出す。英気を養うようにと伝えてくれ」
「わかりました! 失礼しました」
ジンは騎士が出ていったのを確認した後、溜息をついた。
「おいおいどうした? あのジンが溜息だなんて」
「あぁ、ガイアか。なに、あの黒い仮面のヒルチャールの事だ」
「へぇ⋯ということはやはり?」
「そうだ。千岩軍との混成小隊は敗走。手傷を負わせることすら出来なかったらそうだ。逆に手心を加えられ、重傷者すら出ていない」
「ほう、それはそれは。強いとは思っていたが、そこまでとはな」
ガイアがニヤニヤと笑い、それを見たジンはもう一度溜息を吐く。
小隊、つまり30人が敗走。敵は巨大なわけでもなく、ただのヒルチャール。だからこそ、その異様さが分かる。
「どうするんだ? これ以上の人員を割くとなると、次は守りが手薄になる。なにかがあるとするならば、見逃す事はないだろう」
「⋯⋯そうだな、3日後、私が出よう」
ガイアが少し目を見開き、そして笑う。
「ははっ、なら安心だな。モンドの事は任せてくれ」
「頼んだ。さて、それまでに仕事を片付けようか。不祥事が起こってしまっても困るからな」
「なあ、どうしたんだあいつ」
「知らないわよ。不確定要素の排除を命令されて以来ああなのよ」
2人の男女が見る先には、頬を赤く染めてボーッと座る雷蛍術師がいた。普段なら頬杖ついて足をぷらぷらさせ、「退屈、退屈よ」と言ってたりするのだが、そんな様子もない。
「「絶対何かあった」」
「けどなんなのか分からないのよね」
「その命令で行った先で出会いがあったとか?」
「そんなのあるわけないじゃない。そもそも、それなら彼女が排除するなりしてあんな事にならないわ」
「だよなー。一体どうしたんだあれは」
「すごいわね、まさかこれでダメだなんて」
群玉閣で報告書を見た凝光はそう言い、目を開く。
たかがヒルチャール、そう思っていた。だというのに、小隊を相手に殺さずに勝利したのだ。
凝光は報告書を見ながら熟考し、従者に声をかける。
「今回の作戦に参加した者から更に詳しく聞き取りを。それと西風騎士の代理団長に連絡を」
「畏まりました」
「甘雨、いる?」
「はい、ここに」
「少ししたら出る事になるわ。ここをお願いね」
「ええ、わかりました」
「ふふ、楽しいことになりそうね」
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間の話
コレジャナイ感から抜け出せず、結局こんなに期間開きました。本当に申し訳ない。
こんなに期間空いてるのにこの程度のクオリティでこの程度の文章量。本当に申し訳ない
2023/01/10
誤字報告を受け確認。修正
ありがとうございます
電気水晶。原神に出てきた素材。
電気を含んだ晶石。雷元素の強化、もしくは耐性を付けるために使われることが多い。
「それだけしか使われてない。他に使い道があるはずなのに」
電気というのは、ほぼ全ての生き物に効く。原神の世界であってもそれは変わらないはず。効きづらいかどうか程度だ。
電気水晶を砕き、一粒5センチくらいにして、動物の皮で作った袋に放り込む。これを複数回やり、大きくなりすぎないくらいで袋の口を縛って床に置く。
採ってきた電気水晶はこれで全部砕けた。
砕いた電気水晶を入れた袋を持ち、拠点としている洞窟の中に入った。
拠点とした場所は璃月とモンドの中間にある洞窟だ。近くには滝があり、また、洞窟内にも滝と足元はほぼほぼ水で浸かっている。
水はドラゴンスパインから流れてきているのではと、洞窟内に住む氷スライムを見て考えたりもしている。
洞窟の奥、水に浸からないように注意して掘った穴の中に入り、近くに置いてある鉄鉱石と銀鉱石の入った籠を持ち、炉の方へと寄る。
この世界にも鍛治を行う場所があり、だが、鉄などの鉱石を溶かす溶鉱炉は見当たらなかった。鉱石の融解温度が低くなっているのか、それとも鍛冶屋にある炉で鉱石を溶かすことができるのか。
そんなことはさておき、木の棍棒や岩の棍棒では簡単に破壊されてしまう。だからこそ鉄を自分で加工する必要があった。
「試行錯誤してこんなのできましたってな。お前もありがとな。手伝ってくれて。ここからが本番だ。頼むぞ」
炉の中で燃える火スライムに声をかけ、路の中に鉱石を放り込んだ後、火のトリックフラワーから集めた蜜をスライムに与える。
ゆっくりと上がる温度。ある程度温度が上がったら爆炎樹の葉を入れて蓋をして泥で隙間を埋める。
少しして炉の周囲が暑くなってきたのを感じ、雷水晶の入った袋を手に持ちその場から離れ、炉を見る。
モワリと陽炎が炉の姿を歪ませ、ジリジリとした熱が横穴を抜けた場所まで来ていた。相変わらずクソ熱い。ただ、このくらいじゃないと融けないから仕方ない。
水スライムのピュレを体全体に塗り、陽炎立ちこめる横穴へと進む。ジリジリとピュレが消えていく。やはりというか気休めにしかならない。
奥にたどり着くと、溶けて流れ出てきた鉄を水に浸けていた木の棍棒にかける。
一瞬で蒸発する水によって爆発が起き、ピュレによる装甲が弾け飛んだ。熱が肌を、肺を焼く。
だが、目を閉じず、棍棒から手を離さない。
棍棒をゆっくりと回して満遍なくかけ、確認が終わってすぐに横穴の外、水の中へ飛び込んだ。
「あっぁぁぁぁぁあああきもちぃぃぃーーー」
手元からジュゥゥゥゥと音が聞こえるが無視。今だけは無理。熱すぎんだよむしろよく近づいたな俺無謀すぎるわ。もっと改良しないと。
ただ、これで武器の元となる物は作れた。だから今はいい。
「あとはこの鉄枠を抜き取って、焼き入れと焼き戻し、電気水晶を嵌めれる穴を開け、同じ位置に穴を開けた棍棒に鉄枠を被せ、固定する。道のりは長いから頑張らないとな」
今はまだ生きれている。他のヒルチャール達に手合わせしてもらったり、1人だけの冒険者に襲われて返り討ちにしたり。
もっと、もっと。力を。人を殺さずに済むほどの力を。武器を。防具を。俺は強くならなければならない。殺さないために。殺されないために
「⋯⋯一眠りしたら腹ごしらえして鉱石集めだ。食料も心許ない。がん、ばる、かー」
こうして俺は眠りについた。
そして起きた後に探索に行き、アンバーに尾行されていたのに気が付いた。
あぁ、本当に、嫌になる。道具を早く作らねば
神の目の所得条件、盗られた場合に起こることなど、大体は考察できました。
岩と風と水の所得が難しいですね。特に岩と水。
氷は怒りを、思いを、感情を閉じ込める事。
雷は歴史に名を残すような偉業を。
火は情熱を、目標に向かい続ける心を。
岩は固く、崩れる事の無い思いを。
風は自由を。囚われる事の無い思いを。
水は純粋な心、想いを持ち続ける事。
考察が間違ってる可能性も高いけど、
こんな感じの考察も出来るのでは?って人はご意見お待ちしています。
早く次の話書かないと
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VS.冒険者
戦闘描写上手くいかない・・・納得できない・・・語彙力ぅ・・・
2021/10/16 23時42分
ルビを修正。
2021/12/05 18時24分
ルビを修正。誤字報告ありがとうございます。
2023/01/10
誤字報告を受け確認。修正
ありがとうございます
なんでこんな依頼が回ってきたのだろうか。
冒険者協会に所属する俺たちは、一様にそう思っていた。依頼内容は特殊なヒルチャール一体の調査、もしくは討伐。それだけ。
「俺ら騙されてんじゃねぇのか? たかがヒルチャールだぜ? シャーマンや暴徒、ましてや王ですらないしな」
「集落を対象とした依頼ならともかく、こいつだけだからな。そう思うのも仕方ないが、少し気合を入れろ。冒険者協会は、集落一つ分と同じくらいの金を出すんだぞ。油断すれば命取りになる」
はいはい分かった分かったと皆が返事し、リーダーはため息を吐き依頼内容をもう一度見る。
指名依頼
特殊なヒルチャールの調査・討伐
本来ならば群れをなすヒルチャールが、何故か一体だけで行動しているらしい。
新人冒険者を複数回、中堅冒険者を1人無力化するほどの実力を持つ。
可能ならば討伐、逃げられたとしても情報だけでも持ち帰ってもらいたい。
本当に、これだけなのか。実は集落が近くにあって、この一体以外にもいるのではないかと思ってしまう。
疑問は尽きない。だが、指名までされたのだ。こなして見せようじゃないか。
「準備は出来たか?」
「おけっす」「オッケー」「張り切って行きましょー!」「力が漲ってるのだ!」「ふむ、つまりは元気ビンビンということだな」「おいバカ下ネタやめ「次に下ネタを言えばソレを切り落としますわよ?」「すみませんごめんなさいそれだけはご勘弁を」「あーあー言わんこっちゃない」
「ヨシッ、体調も調子も良さそうだな。行こうか」
モンド城を出発しアカツキワイナリーの横を抜け、璃月とモンドの間。穏やかな川が流れ、璃月とモンドの特産品が生える、どちらの土地とも言い難い場所。偵察騎士からの情報では、この辺りに住処を作っていると思われる、らしい
「やっぱさぁ、普段より情報が少なくねぇか?」
「それがな、偵察騎士ももっと情報を集めようとしたらしいが、追い返されたんだとさ。いきなり
「なんだそりゃ。偵察騎士つったらあの嬢ちゃんだろ?」
「そうだよ」
「・・・そう。なら強いかもしれないわね、そのヒルチャール」
「だなぁ。あの時、本気で隠れられたけど、見つけられなかったし」
我々が風の行方*1という遊びをした際に、偵察騎士のアンバーさんと一度だけやったのだが、隠れている場所は最後まで見つからなかった。途中で移動までしていたらしいのに。
それを、すぐに見つけたのだ。弱いわけがない。
「そうだとしてもさ、他に情報はないのか?」
「普通のと比べると少し筋肉質で大きく、アンバーさんを見つけられるくらい気配に敏感ってことくらいね」
「筋肉質ねー。でも、ヒルチャール暴徒って言われたりしてないから、普通のヒルチャールより筋肉質で大きいけど、暴徒よりは小さくて細そいってことね」
「普通のヒルチャールとほとんど変わんねぇだろ」
「そんな事言ってたら足元掬われるぞ」
「はっ、近づかれる前に射抜いてやるよ!」
ザァザァと水の激しく流れる音が聞こえ始めた。
「全員、もう少しで目標の場所だ。警戒しろ」
モンドと璃月の間。高低差が激しく、隠れる場所の多い地形。そして目標の敵は気配に敏感なヒルチャール。
ああ、骨が折れそうだ。
【冒険者チームの構成】
弓持ちの後衛が2人
片手剣と小盾持ちが2人
大盾と
両手剣持ちが1人
槍持ちが2人(内1人はリーダー)
【勝利条件】
敵対者の全滅、および撃退
ググプラムを口に放り込み、種ごと噛み砕いて飲み込み、一息ついた。
ついに来やがったか、冒険者。
崖の下で周囲を警戒し移動する奴らを見ながら、ため息をこぼし、風スライムに感謝の言葉を言って撫で、空へと逃した。
偵察騎士アンバー。舐めていた⋯んだろうな。わざわざ"偵察"が付いているのだ。隠密行動が得意なのだろうと思っていたが、あそこまでだとは思っていなかった。
気配に気づけたのはここに戻って来た時だけ。おそらくはそれ以外も見られていた。
見られていた事を知れたのは良かった。知らずに敵が来たら、対処すら出来なかっただろう。
「
⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎」
運良く戦闘を見ることもできたので見ていたが、原作キャラと比べれば大したことはない。宝盗団と良い勝負になるくらいの弱さだ。
それに、今回のことは他の人間に自分の力を示す良い機会になる。力があると手を出そうとする者も減る。そして危険ではあるが、力を持つ者と戦う事で自身の身を守る力を得ることが出来る。
⋯故に、彼らを倒す。殺す事はしないが、完勝する。慢心も無く、冷静に、彼らを打倒する。
混ざりに混ざった鉱石で出来た黒い仮面に手を当て
「
小さくそう呟き、眼下の冒険者へと奇襲をかけた。
「なっぎぁっ!!?」
「! 敵しゅゔっ!?」
弓を持つ冒険者を狙い一撃。そして背後を警戒していた者に素早く一撃。電気水晶を取り付けた棍棒は、打撃と共に強力な電気を放出し、敵の意識を刈り取ることができる。
倒れた2人から他の冒険者へと顔を向け駆け出そうとするも、状況を把握したリーダーが槍を構えて走り込んでくる。
小さく舌打ちして後ろに跳び槍を避けていくと、向こうは倒れた仲間を担ぎ上げて逃げだした。
(判断が早い。何かあったら逃げるようにしているのか。それに)
逃げている彼らは2人が交互にこちらを見てきている。他の奴らは前方、上方を確認しながら走る。ここらにもヒルチャールはいるため、その判断は間違っていないだろう。
(ちっ、上からの奇襲はもう使えない。なら⋯)
杭を取り出して投げつける。真っ直ぐに刃を前にして進む杭は、リーダーの男に刺さる直前、大盾を構えた男に防がれた。
舌打ちするもその盾に杭が上手く刺さっており、俺はそこに勢いを乗せて棍棒を振るう。
「ぐっ、ガァッ!?」
盾を突き抜けた杭に電気が流れ、杭の先から放出された電流が相手の体を突き抜ける。痺れているのを確認することなく盾を飛び越え頭に踵を叩きつけた。
倒れた相手を軽く見て、リーダー格の男に眼を向けると槍が迫ってきており、それを見て下がる。
やはり槍というのは面倒だ。ただでさえ点の攻撃で防ぎづらいのに、リーチが長い。
「そいつを抱えて逃げろ! 早く!」
「っ、了解!
「来れませんでしたーなんて言うんじゃねぇぞ!」
「あぁっ、頼んだ!」
リーダー以外が逃げていくが、下手に飛び込む事はできない。以前
近づこうとするも槍により阻まれ、相手もこちらも攻撃が当たる事なく、ただ時間だけが過ぎていく。
素早く鋭い突きを躱し、近づく暇なく2撃、3撃と突き込まれ、無理に棍棒で弾くが相手は無理することなく下がる。
杭を投げるも槍で弾かれ、その隙に近寄ろうとして石突で牽制され、槍の切り上げを避けるために後ろに下がる。
狭い道だから? 違う。
相手が槍で、こちらは
弱いんだよ俺は。
ならどうする?
力を付けようにも、今は無理だ。少しずつ付けていくしかない。
度胸など無理だ。死にたくないのだから。
特別な力に頼ることはできない。それが与えられることなど、期待できない。
——ヒルチャールが動きを止めた?
だが、技なら、そう、技なら見てきた。
現実での物、架空の物。色々と見てきた。
——視線が逸れた! ここで決める!
「はぁぁぁぁぁあ!!!!」
胸元へ迫る、攻防の中で見ることのなかった素早い突き。必殺の一撃。
それを見て頭に浮かんだのは、
当たる直前に半身になると、槍は何も無い場所を通り過ぎた。そしてその槍を踏み地へ押し潰す。
「⋯ぁ?」
体勢が崩れた瞬間に一歩後ろへ下がり、ガラ空きの胴体へ棍棒を振るえば
「がぁっっっ...⁉︎」
忍 殺
静かに残心しながら倒れ伏す相手を見・・・息をしているが、動く様子のない状態になっているのを確認し、歯を噛み締める。
他世界の技を使わなければ、もっと時間がかかっていた。杭がたまたま刺さっただけで、あの盾持ちを倒せたのは実力ではなく運だ。
バキンッと歯が欠け、力を抜いて倒れた冒険者を見た
「
そうして冒険者を肩に担ぎ、槍を手にして歩き出した。アカツキワイナリー。その近くに置いていこう。
主人公の使ってる弓
ヒルチャールの使ってる弩を解体し、弓の部分を取り出した物。命中率さえ上げればこっちの方が連射はできる。
主人公の使ってた棍棒
前話にて作った金属の筒を木の棍棒にハメ、電気水晶嵌め込んだもの。棍棒にハメる前に電気水晶をすり潰して作った粉末を棍棒に振りかけ、ダメ押しに固定具にもなるように電気水晶を穴に挿し入れた。
鉄部分に衝撃を与えると、電気が流れる(スタンガン以上)
主人公の使ってた杭
金属製の杭。想像し辛いならば鉄製の釘を太く大きくしたやつと思ってもらえれば。
真っ直ぐ尖った方を的に向かって投げれるように練習してた。
前話の余り物でできたもの
主人公の仮面
他のヒルチャールと明らかに違うものとして作った。
前話の鉄の残り。
主人公に持たせられるの神の目と、その他
予定
風・岩・火・氷
無理
水
まだよくわからない
雷
公式さん情報はよ
草
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VSディルック
あ、あけましておめでとうございます(震え)
2023/01/08
技の名前を少しだけ変更
2023/01/10
誤字報告を受け確認。修正
ありがとうございます
アカツキワイナリー。原神の世界において、酒造業を営むディルックが拠点とする場所。一面に広がるぶどう畑と、それに囲まれたディルックの屋敷兼ワイナリー。
ぶどうを育てるのは涼しい場所がいいと聞いたことはあるが、なるほど、ドラゴンスパインから冷涼とした風が吹き、風晶蝶が発生するほどには風通しと元素濃度が高い。・・・まあそれでスライムの発生頻度が高いのだが。そこは大変そうである。
背負った冒険者を適当な場所に降ろし、先ほどから感じる気配へと視線を向けた。陽炎、燃え盛る気配。これだけで分かる。
ディルックだ
体をのけぞらせると頭のあった位置に炎が燃え盛った。こういったことは苦手なんじゃなかったのかなぁ
後ろに跳ぼうとして無理やり横に方向を変えた。跳ぼうとした場所に火柱。容赦がない。そして腰の棍棒を両手で掴んで体を捻り、視界端から振り下ろされる大剣へと打ちかます
爆炎
いしきがきえ
すぐにもどつたしかいには こちらをみおろすかげ
炎が付いていた事をしっかりと見れていなかった。こちらが使っている武器が雷元素が付いていた。それらが原因だろう
そして、そのたった2つ、
少しは耐えれた
それで良いじゃないか
殺されるまで1人も殺さずにいけたじゃないか
もう十分だ。
頑張ったんだ。
ああ、もう2月も頑張った。耐えに耐えた。殺されそうになりながら、それでも殺さないように手加減できた。本気でやって数人の冒険者を同時に倒せた。
そりゃあ原作キャラであるディルックには負けたさ。強くて、先を読んできて、最後の元素反応すら痛手になっていなくて。だからもう良いじゃないか。
だからさ
「
なんで生きようとするんだよ。終わろうよ。楽になろうよ。全部夢なんだって、ここで目覚めて「原神の世界でヒルチャールになってこんな事してたんだぜ」ってしょうもない事をSNSで呟いてさ。笑い話で終わろうよ
「
怖いか怖くないかで言ったら怖いさ。怖くて、泣きそうで、叫び出しそうで。終わるかもしれないって。でも勝てないんだよ。勝てるわけないんだよ。
あぁ、けど、やっぱ
「
砂を掴んで投げつけ、大剣で目を庇った瞬間に体当たりでよろめかせ、片足を軸にして大剣に回し蹴りをして後ろへさげさせる。
けれど、その目はこちらを向いている。更に激しい炎の気配を撒き散らしながら。ディルックの中にある炎が、大剣へと収束し、理解した。これが
外に出さなくても操れるんだな魔力って
神の目とは魔力器官であり、そのフィルターを通すことで元素を操る。
邪眼はそれに酷似しているが、生命力なども吸い取って力として発現させる。
ファデュイは元素を制御できる武器がある。
これらに関連するのは魔力を操るとは書いていないことだ。そもそも、
なら、
そうだ。自分なら出来る
「
「火炎よ」
イメージが重要だ。力は感じ取れている。言葉に出すことで棍棒を強く意識し、丹田から血管を通り、棍棒へと一直線に魔力を向かわせる
心臓が激しく動く。心臓にて生成される生命力を魔力と混ぜ、増幅させる
棍棒に集まった魔力の形をハイマの大槌のような爆発するものに、変える
走っていた勢いを利用して振り返りながら
「偽・ハイマの大槌」
「燃やし尽くせ⋯⋯!」
叩きつけた
爆炎が舞う
川を挟んだ崖の上。鷹のような目がこちらを見るも、すぐに視線を切って冒険者の方へ歩いて行った。
足から力が抜けて、膝をつく。背中は燃えるように熱く、歯を噛み締めていなければ叫び出してしまいそうだった。
あの瞬間、咄嗟に背中を向けて正解だった。棍棒を地面に叩きつけた衝撃で
もし、そのまま受けていたら、喉や肺が焼けたり、仮面ごと顔を焼かれていたかも知れない。
そして、それでも痛いものは痛い
ゆっくりと歩き、拠点としている場所に着いて、水面に倒れる。一瞬の冷たさが過ぎてジクジクとした痛みが脳を貫き、痛みを塗りつぶすように冷たさがまた来る。しばらくそうすると痛みが消えて、何も感じなくなった。
痛みが消えたおかげで、ようやく、考える時間ができた
冒険者は弱かった。実践経験もある程度あっただろうが、軍のような統率もなく、仲間が倒れて動揺していたのもあり、簡単に方がついた。
だがディルックは、強過ぎた。大剣は重く、もし雷元素が、火元素が付いていなかったとしても横に流せたとは思えない。つまり、あれは運が良かったのかも知れない。
最後もそうだった。
こちらを見るだけで終わってくれたが、もし追いかけられていれば、逃げきれずに死んでいたかもしれない。
弱すぎる。誰がって、俺がだ。
暴徒より筋力は弱く、シャーマンのように遠距離攻撃は出来ないし、王のように体に魔力を纏う事はできない。実践経験もあるにはあるが、それだってディルックなどに勝つ事はできない。
もっと、もっと強くならないと
右手に掴み続けていた棍棒の柄が崩れる。
まずは武器だ。金属をもっと使うか? 精錬して炭素を混ぜて、強度を高めるか?
そこまで考えて、ドラゴンスパインの冷風が体を撫でる
牙を使うか
【偽・ハイマの大槌】
エルデンリングにて登場する魔術の一つ。純粋な魔力だけで出来るため採用。【偽】が付いているのは本物とは全然違うのを理解しているから。
お前フロム信者かって?
やってるゲームあんまり多く無いの許して
・・・・・・えぇ、はい、以前の投稿よりもう1年以上経ってます。本当にごめんなさい
一回だけ書いて投稿したんだけど、結局不満点が多過ぎて消して全部書き直しました。
仕方ないじゃんどうするかとかなんも決めてないんだからさぁ!!!(逆ギレ)
色々ありましたねー、人じゃなくても神の目が降りることはあるって確認できましたし。ストーリーまだ稲妻の開国前だけど(震え)
次の話頑張って書いてきます。みんなコロナ気をつけてね(無敗)
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間話2
長らくお待たせしました。クオリティ低下してるしこんだけ待たせるとかほんと申し訳ない
ちょっとあるキャラの実装時に、まあなんというか、やる気をほぼほぼ全て削がれてしまいまして、もはやログインすらしていない状態になってしまっています。フォンテーヌのこと何も知らない。フリーナ様がポンコツ可愛い絵はTwitter(現X)にて流れてきますけど、それ以外はほんと何も分からない
また間が空くとは思いますが、プロローグで書いたところまでは頑張ります
2023/11/04。誤字報告があり確認。修正。誤字報告ありがとうございます
無傷ではないが生還した冒険者たちが酒場へ向かった後。冒険者協会からの依頼により、一月ほどで十数名ほどがヒルチャールに挑むも返り討ちに合い、その噂は広がった。
そもそものヒルチャール、黒面のいる場所が璃月とモンドを繋ぐ道の近くにあるため、璃月からもモンドからも冒険者が集まり、そしてやられていく。
二月もすれば噂は冒険者から街の住民へ、そして不安を感じた住民から街のトップへと広まっていった。
「申し訳ない、ジン代理団長殿。今モンドにいる冒険者だけでは太刀打ちの仕様がありません」
西風騎士団の執務室内、ジンに向かって頭を下げていたのはサイリュスだった。
冒険者のチームが撃退されて以降、神の目を持ってはいないが、それでも優秀な者達を送り続けた。だが、あのヒルチャールを殺すことのできたものはおらず、噂も広まりつつあった。
そうして、これ以上は手に負えなくなったため、西風騎士団に事情を説明しにいったという事である。
「黒い仮面を被ったヒルチャール、か。以前から報告されていた妙に強いヒルチャールと似ているな」
棍棒による受け流し、弾き、蹴り、投げ。意表を突く攻撃も。以前より上がっていた報告と酷似していて。
「負傷者はあれど、死者はいない」
ここまで強いなら死者が出るはずなのに出ておらず、更に被害に遭っているのは冒険者や攻撃を仕掛けた側ばかり。あとは、縄張りと思われる、モンドと璃月の間のみと限定されている。
このような偶然はあり得るのか?
いや、偶然と言うよりこのヒルチャールは死人を出さないように徹底している? そして、自分の住む場所に近づいた異物に攻撃して追い払う。まるで、人のような
「いや、考えすぎだな」
首を振り、筆を取る。
そこにもう迷いは無く、書き終えたそれをガイアに渡す。
「すまないがすぐに届けてくれ」
「あぁ、わかった。そろそろ休憩しろよ? 働き詰めだとまたリサから叱られるぞ」
それに軽く返事し、ジンはまた職務に取り掛かった。
その後、璃月
「へぇ、黒色の仮面をつけたヒルチャールねぇ。話は聞いていたけど、まだ倒されていないなんて。貴女達はどう思う?」
「⋯ヒルチャール・レンジャーと呼ばれる種がスメールにいたはずよ。それがたまたまここにやってきたか、それの近縁種が偶然発生したか。そのどちらかでしょう」
「私も同じです。でも、少し強すぎるような気はします。確かにヒルチャール・レンジャーは通常より強いとはいえ、ここまで倒されることがないとなると、異常ではないかと」
凝光は少しの間噂による行商などの影響を考え、決断した。
「モンドとの話を受けましょう。刻晴は部隊の編成を。早くて来月からだから準備して」
さらさらと筆を走らせ、出来たものを蝋で封をし、甘雨に渡す。
「甘雨はこれを。部隊の編成が終わったら順次此方へと来ていただきましょう。こんな事はそうない事。だから合同訓練で動きを擦り合わせて、急造でも連携が取れるようにする必要があるわ」
甘雨は分かりましたと言い、待たせているモンドの使いの下へ歩いていった。
外の動きが怪しいからと警戒しているところにこれである。少し
モンドのとあるホテル
「『 』さん。『 』さん!」
「んぅぅ、なによぉ⋯」
「執行官様から任務を預かってきました。1人で気付かれないようにとのことです」
「不安要素であるヒルチャールの討伐、ねぇ。ふぅん⋯⋯」
音が聞こえる
轟々という音が耳を打ち、風が体の横を通り過ぎる
いや、風を突っ切って飛ぶ
翼を羽ばたかせ、空を飛び回る
下から声がして、そちらを向く
こちらへと声をかけながら手を振る人
呼ばれていると思いそちらへと近づき、ゆっくりと着地する
顔を近づければ、人はその小さな手で私の頬を撫でて
笑った
音がする
轟々という音が耳へ入り、多くの悲鳴が聞こえる
山に出来た建物が炎に包まれ、雷が落ち、空から釘が落ちる
天からの光が目を焼く
人が発狂し別の何かへと変わる
理性を失った彼らはどこかへと行った
母は私を残し去っていった
・・・
・・・
ああ、ニクイ
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