チート能力を持って魔法とかあるっぽい現代日本に転生したけどよくわからんので、今日も俺はデュエマをする。 (彼岸沙華)
しおりを挟む

紀元前
第1話 祝え!この物語の開幕を!


始め数話はFate要素ゼーロンです。
しばらく、主人公がひとりで荒ぶる様子をお楽しみ下さい。



皆はデュエル・マスターズというカードゲームを知っているだろうか?

知らない人は簡潔に言うと最高に頭のおかしい激しく熱かりしカードゲームだ。

競技中に結婚を申し込めたり、叫ぶはめになったり、その場でパックを剥いて使えたり、カレーやアイドルの香りが付いたカードや金属製、下敷きレベルでデカいカードがあったりするぞ。

 

で、何でこの話をしたかというと特に意味はない。

まあ、自分の大好きなものは時々発作的に紹介したくなることは稀によくあることじゃない?

あ、全くない。そうかー。

 

……と、ここまで誰かに語りかけてる風独り言で逃避してたけど、そろそろ現実を受け入れないといけない気がしてきた。

 

この自分が赤ちゃんになってて見知らぬ若い女性に抱きかかえられているこの状況を。

 

 

―――――

 

――――――――

 

――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いや、無理だわ!

 

受け入れるとか出来るかそんなもん。

一応、今の状況は理解できるぞ。

自分が転生プログラムしたってことでしょ?

だって、死んだであろう時のことはちゃんと覚えているからな。

デュエマの新しいパックの発売日だ!買いに行こう‼と意気揚々と家のドアを開けたら、何故か赤いバイクが突っ込んできてそのままブラックアウト

気が付いたらこの状況。

こんなの受け入れられるわけがない。

前世への未練はたらたらじゃあああああ!

こんちくしょうめええええええええ!

もう赤黒バイクは二度と握らんぞ(風評被害)

 

 

……それにしても、もうあいつらとは二度とデュエマできないんだよな。

もう二度と俺が10年以上かけて集めたカード達は使えないんだよな。

 

それに、両親より先に死ぬなんてとんだ親不孝者だよ。

 

……そう思うと少し、いや今自分が赤ん坊だから涙もろくなってるのか大泣きしそう。

いや、する。

 

「どうしたのそんなに泣いて。よしよし大丈夫だよー」

 

俺が悲しみに身を任せて大泣きしていると、俺を抱いている女性。

もとい、今世の母親が宥めてくる。

だが、今世の母親には悪いが会って半日も経たない人に宥められて落ち着くほど今の精神状態はよろしくはない。

そのままギャン泣きし続けて、何をやっても泣き止まない俺に対して今世の母親はしばらあたふたしていたが、ふと

何かを思いついたような表情を浮かべる。

 

「もしかして、お腹空いてるのかな?」

 

今世の母親がそう言った瞬間、何故か嫌な予感がした。

 

違うわい!悲しくて泣いてんじゃ。腹なんか減ってねぇ。

 

そんな予感に負けずツッコミを入れるももちろん嫌な予感は無くなるわけもなく。

何かをしている今母(こんはは)(めんどくさいので略)を見届けるしかなかった。

 

「はーい。ママのおっぽいですよー」

 

そして、その嫌な予感は見事的中した。

 

自分の胸を吸わせる為に露出させ近づけてくる今母に対して俺は泣くのも忘れ、

内心は絶叫してた。

 

え?普通に男子だったら女性のおっぱいが見れて嬉しいだろう、って?

馬鹿言うんじゃないよ自分の母親の胸見て喜ぶなんてそんな歪んだ性癖は持ってないよ。

 

というか、今母。

俺がお腹空いてないことは見ればわかるでしょ、無理に押し付けてくるんじゃない。

ほらほらじゃないよ。いい加減諦めない。

もうとっくに泣き止んでるでしょ

 

……ふう、ようやくやめ、

 

ちょっと、そっちは本当に違うからやめなさい。

やまなさい。まじでやめ

 

「みゃあああああああああああああああああああああ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やだもうお嫁にいけない。

 

 

 

 

 

 

 




色がついてる文字は文字はデュエマのカードの名前です。
知らない人は基本的に言葉遊び以上のの意味はないのでそんな名前のやつがあるんだ、
くらいに思っといてください。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第2話 

サブタイトルはよさげなやつが思いついた時だけ付けます。


俺がこの世界に緊急再誕してからから1年が経った。

最初の頃こそ前世への未練やその他もろもろで何とも複雑な気持ちだったが、流石に1年も経てばある程度の気持ちの整理は出来た。

 

まあ、その気持ちの整理が出来るまでが凄い酷かったんだけどさ。

前世の夢を見て夜中に飛び起き、ここが前世ではないと理解するやいなや大泣きしたり、似たような感じで突然悲しくなって泣いたりした。

今母が何をやっても泣き止めなくて、すっごい困らしちゃって申し訳なかったな。

……って、今思ったけど普通の赤ちゃんと何も変わらなくない?

なんか、いい方向に転がりそうなのでヨシ!

ということにしておこう。

じゃないと、精神的に死にそうだ。色々な意味で。

 

それから、さっきまでの話は置いておくとして。

この世界についてわかったことが2つある。

 

1つは、この世界は(前世基準の)現代日本で地名は冬木市というらしいこと。

 

そして2つ目は、俺は最低でも向こう16年はデュエマが出来ないということだ。

 

なんでそんな具体的な年数言えるの?お前はエンドジャオウガかなんかか?と言われるかもしれないが答えは簡単だ。

 

ここは、現代日本は現代日本でも(前世基準で)未来ではなく、過去。

 

俺が転生(ジェネレート)したのは、時は西暦にすると1986年、場は天の川銀河太陽系第3惑星地球日本国県わかんない冬木市だったのだ。

 

これを知った時はなんで、過去なんだよそこはちょっと後の未来だろうがと思ったがこれ以下に過去過ぎるよりもまだマシだろうと考えることによって心の安寧を得た。

 

 

と、ここまで色々と振り返ってみることで逃避してたんだが、そろそろこの現実を受け入れなくちゃいけないだろう。

 

そう、このクッソ暇と言う現実を。

 

 

 

 

 

別にそう仰々しくいうことじゃないだろって?

いや、ほんとまじで暇なの。

もちろん、両親に遊んでもらったり自分でも何か暇つぶししようとはしてるけど。

 

前者については、楽しむ楽しまない以前に何かに目覚める訳でもなく。

ただただ、精神力とかその他もろもろががりがりと削られていくだけだし。

 

後者に関しては現状やれそうなことは試していってるもののいまいちこれといったものが見つかってない。

 

そして何よりも問題なのがデュエマがしたい欲求が溢れすぎてなんかおかしくなりそうってことだ。

 

なんかもう一周回ってあと数か月後は何とかなりそうな気がするがそれはそれ。

 

とにかく今はデュエマがしたい。

 

あーもう。

だれかどんなジャンクデッキでもいいから持ってきてどんな奴でもいいからデュエマがしたい。

 

 

例えば、

 

 

いけ、ボルシャック・ドラゴン!

 

みたいなこと言いながら切り札召喚し、た、い……?

 

 

……え?




知らない人のための説明:本文中に名前の出てきたエンド・ジャオウガは未来予知が使えます。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第3話

「■■■■■■■■■■■■■―――!」

 

あ、ありのまま今起こっている話すぜ。

暇すぎてデュエマのことを考えてたら白銀の鎧を纏った赤竜もといボルシャック・ドラゴンが出現した。

何を言ってるのかわからねえと思うが俺だって何が起こったのかわからない。

ベイBだとかジョバンニだとかそんなチャチなもんじゃ断じて、

「■■■■■■■■■■■■■―――!」

 

うるさあああああああああああああああい!まだ、最後まで言い終わってないんだぞこっちは!

お前が原因なんだからちゃんと最後までちゃんと言わせろよ!

そんな、ご自慢のブラスターて消し飛ばしとばそうとしても許さないからな!

……?……ブラスター?

 

俺が台詞を中断されたことに対して心の中で八つ当たりじみた怒りをぶつけていると、ボルシャック・ドラゴンに伝わってしまったのか、こちらを向きその背中にある一対のブラスターにエネルギーをチャージしている。

 

 

って、ヤバイ!ヤバイ!ヤバイ!

あれを撃たれたら、俺が死ぬどころかここら一帯が吹き飛びかねない。

 

そんなことを考えている間にブラスターはどんどんエネルギーを溜めていく。

 

 

デーモン・ハンド!」

 

考えようとしても時間がない。そもそも、こんな意味不明な状況でまともに思考できる奴がいるのだろうか。少なくとも俺には無理だった。

そして、そんな俺がとった行動は、ボルシャック・ドラゴンが出てきたんだから、こっちも呪文くらい使えるだろ!という投げやりな考えでデュエマの定番除去呪文の名前を叫ぶことだった。

普通だったらそのままボルシャックブラスターで周囲一帯と共に消し炭になるが。

そもそもこの状況が普通ではない。

 

俺の言葉を合図としてボルシャック・ドラゴンの真下の空間が揺らめき始め、さらにそこから無数の手が現れボルシャック・ドラゴンの抵抗空しく引きずり込んでいった。

 

そして、そんな光景を引き起こしておいて事態に全くついていけなかった俺は、

 

「…………やったー!ゆうしょうだー!」

 

特に意味もなくそんなことを叫んだのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、同じ部屋にいた今母はボルシャック・ドラゴンが出てきた辺りで気絶し、さらにボルシャック・ドラゴンを倒した直後に、何故か偶然たまたま地震が発生。今母は赤いドラゴンがどうのこうのと呟いていたがうやむやになり。

あの事件は完全に俺の胸の内にしまわれることとなった。

 

そして、それからしばらく経って俺はなんかデュエマのカードを実体化させたりできる能力があることが分かったのだった。

 

よし、これであと16年分の暇つぶしができたぞ!

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。