世界を行き来する転生者 (削除済)
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第1章 現実世界と異世界
第1話 転生


 

 

 

 

 

少年

「…………ここは?」

 

1人の少年が目を覚ます。

少年は目覚めると自分は何もない白い空間にいた。

 

 

 

 

 

「目が覚めたか。」

 

すると突然声が聞こえた。

少年は声が聞こえた方に体を向けると、白いローブを身に纏い杖を持った一人の老人が立っていた。

 

少年

「貴方は?」

 

少年は老人に警戒して何者なのか尋ねる。

 

「儂は、お主のいう神じゃよ。」

 

神と名乗る老人は右手に持った杖を叩く。

すると、白い空間しかなかった場所が一瞬で豪勢な部屋に変わりだした。

 

 

少年

「成程、本当のようですね。」

 

「疑わないんじゃの。」

 

少年

「先程まで何もない白い空間にいたというのに一瞬で部屋に移動した上に、貴方からは感じるエネルギーは人間が出せるものではなかったので。」

 

「………まあ寛いでくれ。」

 

少年

「ではお言葉に甘えて。」

 

少年は神の言葉に甘えてソファに座る。

 

 

「さてお主をここ、【神界】に連れてきた理由は頼みがあってここに連れてきたんじゃよ。」

 

少年

「頼み…ですか?」

 

少年は神の言葉に疑問を出す。

 

「お主に【転生者】と【神】を殺してほしいのじゃよ。」

 

神は少年に殺しを依頼させた。

 

少年

「転生者と神……ですか?」

 

少年は転生者という単語に首を傾ける。

 

「そうじゃ、お主も分かっているかもしれんが神は一柱だけではない。

その神は様々なタブーを起こしてとある世界に逃げたのじゃよ。

そして【転生者】というのは、儂のような神の手によって別の世界を転生した者のことじゃよ。」

 

神は転生者と神について説明する。

 

少年

「輪廻転生とは違うんですね。」

 

「勿論じゃよあれは一種のシステム、それに対して転生者の転生はさっきも言った通り神の手によるものじゃよだがそれだけではない。」

 

少年

「他に何かあるのですか?」

 

「転生者は輪廻転生とは違い記憶を保持したまま転生し、【特典】を与えられて転生させるのじゃよ。」

 

少年

「【特典】?」

 

「【特典】とは神による転生において転生者に与えるものじゃよ。

それは主に、転生する世界の生活や身体、そしてアニメやゲーム、漫画等様々な力を持って転生するために作られたものじゃよ。」

 

神は転生や特典について詳しく説明した。

 

 

少年

「つまり、僕にやってほしい事は危険な特典を持った転生者達を全員始末すればいいんですね。」

 

「その通り、じゃが転生者全員というわけじゃあない。」

神は少年の言葉にもう一言付け加える。

 

少年

「その転生者の中に性格等何かしら問題のある人物だけということですよね。」

だが少年は神が言う前に口に出した。

 

「…流石じゃの、儂が言う前に気づくとは。」

 

少年

「ですが転生者を始末するにしても特典を持ってるなら僕も特典をもらって転生しないといけませんよね。」

 

「その通りだから儂はお主に特典を与える。

ちょっと立ってくれるかの。」

 

少年

「はい。」

 

少年は神に言われた通りソファから立つと、神は先程と同じように思っていた杖を叩く。

豪勢な部屋が少年が目覚めた白い空間に戻ってきた。

 

「まず転生する前に特典を与えるがどんなのがいい?」

 

神は少年にどんな特典が欲しいのかを聞く。

 

 

少年

「どんなのがいいと言われましても、アニメやゲーム、漫画の能力を持って転生するらしいですけどその知識が無い場合はどうすればいいのしでしょうか?」

 

少年はアニメやゲーム等、娯楽に触れた事が無いのか悩んだ。

 

「成程、確かにお主の人生はそれと無縁じゃったからの、ならこれで決めよう。」

 

神はまた杖を叩くと神の後ろから巨大ガチャが現れた。

 

 

「この中には転生する為に必要な特典が入っている。

生活に困らないものや世界を破壊しかねぬ物もある。」

 

少年

「何故そんな危険な特典が入っているかもしない物を僕に?

他の人もこうやって特典を手に入れたんですか?」

 

少年は巨大なガチャの説明を聞いて神が何を考えているのか警戒している。

 

 

「いや、この特典のシステムは儂だけじゃよ。

本来は転生者の要望に答えて特典を与えるのが普通なんじゃがお主のような者はくじ等で特典を決めるんじゃよ。

それに儂の他にも神はいるが、立ち位置が高いとこのように危険なものが当たり前のように入っているのじゃよ。」

 

神は特典のシステムについて詳しく説明した。

 

 

「まあ、それより回してくれ。」

 

少年

「分かりました。」

 

神の説明を聞き終えた少年はガチャを回すと中から宇宙を模したカプセルが出てきた。

少年はそのカプセルを開けるとその中にある紙には、

『TYPE-MOON』と書かれた。

 

 

「ほう…」

 

少年

「神様これは一体どういった特典なんですか?」

少年はカプセルに入った特典の内容を神に聞き出す。

 

「その特典は、その世界そのものと言っていいの力が使える特典じゃよ。」

 

少年

「世界そのもの…いまいち実感が湧きませんね。」

 

「お主がそれを持ってその特典が本来あった世界に行くとその世界を思うがままに出来る。

自分に敵対するもの全ての元凶なんぞいなかったことにする事が出来る権限がその特典にはあるんじゃよ。」

 

神は少年の引いた特典の強さを出す。

 

 

「お主の気が済むまで回しても構わんぞ。

回したものの中で気に入ったものがあれば転生させるからのぉ。」

 

少年

「これで大丈夫です。

神様、お願いあるですがこの特典を使いこなす為に修行したいのですが。」

 

「構わんぞお主のような者も珍しくないしの。」

 

すると神の横に扉が現れた。

 

少年

「有難う御座います。」

 

少年は神にお礼を言い特典を使いこなす為、扉に入る。

 

 

 

 

 

 

「おお、早かったのぉ……!?」

 

数分後、少年は修行を終えて戻って来ると、神は少年の姿を見て驚愕した。

 

 

 

 

 

目の前にいる人物が神に呼ばれた少年と同一人物なのかを疑問に思った。

 

 

彼の肉体は大木、

否、世界樹と表した方がいい程太く、厚く、逞しく。

 

 

それでいで黄金比を保たれている。

 

 

血管は根や幹となり、

 

 

肌は天国又は天界を表現するかのように白く美しく、

 

 

影は冥界や地獄等を表現するかのように暗く、

 

 

髪は太陽の如く輝かしく黄金となり、

 

 

獅子の髪のように荒々しく背まで届くほど長びいており、

 

 

瞳孔は、無限と言っても等しい位の色が写し出され、

 

 

よく見ると宇宙が構成されていた。

 

 

けれど、足りない。

まだあの美しさを表現するにはまだ足りない。

 

 

 

神々の美の集合体?

足りない。

 

 

 

この世全ての美?

足りない。

 

 

駄目だ、駄目だ駄目だ足りなさすぎる。

 

あの美しさを完璧に表現することができないと神はそう思った。

 

 

 

 

「どうかしましたか神様?」

 

その者は神に向けて口に出した。

 

 

 

 

 

 

 

「驚いた、お主がそんな姿になるとはのぉ。」

 

少年

「すみません神様、心配してしまったようですね。」

 

「お主、一体どれくらい修行したんじゃ。」

神は少年がどれ位中で何年修行したのかを聞き出す。

 

少年

「138億神年です。」

 

「……すまん、もう一度言ってくれんか?」

 

少年

「138億神年です。」

 

「…………………」

 

神は少年の言った言葉に唖然した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「神年なんぞ久々に聞いたぞ…

インドにおける4つのユガに使われる単位。

1神年は人間単位で360年、お主はそれを138億神年も特訓したといいおった。

人間単位で表すと、お主は4兆9680億年もあの場で特訓したというのか。」

 

 

雄助

「はい、この特典は世界そのものと言っていたのでそれだけ長くあの場で修行したんですよ。」

 

「さてと転生させるが、何か聞くことはあるか。」

 

神は転生する前に何か質問があるかを聞いてきた。

 

少年

「殺害対象の転生者は何人いますか?」

 

「今のところ4人じゃ。」

 

少年

「今のところですか。」

 

「こっちはその転生者を送る神を捜す。

他にはあるかの。」

 

神は少年に他に質問はないかを訪ねる。

 

少年

「殺してほしい神様ですがどういう力を持っているんですか?」

 

少年は殺害対象の神の能力について聞き出す。

 

 

 

 

「【全知全能】という特典じゃよ。」

 

少年

「分かりました神様、では転生を始めて下さい。」

 

「分かった行くぞ。」

 

すると少年の足元から魔方陣が現れ、そこに出てくる光が少年を包み込まれ、やがて光が収まると其処に少年の姿は消えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

『天上 優夜様が消失されました。』

 

すると神の目の前にメッセージが現れた。

 

「何?」

 

『転生世界の重要人物が消失されたため、

転生世界の重要人物を神譲 雄助様に写り替わります。

 

 

 

そして禁忌を犯した神が転生世界を中心様々な世界を融合させました。』

 

 

 

「何じゃと!!!!????」

 

神はこのメッセージが出た後、直ぐこの空間から離れて直ぐに対処しだす。

 

 

 

 

 




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第2話 物語の始まり、覚醒

ようやく書けました。

この調子だと少し心配になりました。

それではどうぞ読んでください。

追記、台詞を少し変更しました。


 

 

 

「ふざけんじゃねぇぞ!!!」

ある学校の校舎の裏側で数十人集まっていた。

男は怒鳴りながら生徒のの腹を蹴り、残りの者はそれを楽しみながら携帯で録っている。

暴力を受けている生徒回避も防御もせずただ攻撃を受け続けた。

 

「金が欲しかったらバイトしろだぁ?

レッドオーガの荒木様によくそんな生意気な事言うようになったなぁ神譲(・・)!!!」

 

雄助

「気は済みましたか荒木君、では僕はこれで。」

 

荒木

「何勝手に帰ろうとしてんだよ!!!馬鹿にしてんのかてめぇは!!!!!!

お前は俺に殴りたいときに殴られるサンドバッグだ。

そのサンドバッグが……勝手に帰ろうとしてんじゃねぇよ!!!!」

荒木は左手で逃げられないように神譲の肩を強く握りしめ右手に拳を作り出して雄助に殴りかかった。

 

雄助

「…」

 

雄助は自分の肩に掴んでいる腕を掴んで投げ飛ばした。

 

荒木

「グアアア!!!!!!」

 

雄助

「すみません、ですが最初に手を出したのは君ですよ。

それではまた高校で会いましょう。」

雄助は帰りだす。

 

不良1

「テメェ!!!」

荒木の仲間が雄助に殴りかかろうとしたとき、

 

「おいおい、楽しいことがあるっていうから来てみれば…」

 

「何してるんですか先輩方。」

すると2人の男女の生徒が入ってきた。

 

雄助

陽太(ようた)君、(そら)君。」

 

男は天上 陽太(てんじょう ようた)、女は天上 空(てんじょう そら)この世界に転生して出来た雄助の弟妹(きょうだい)だ。

 

陽太

「神譲…!」

陽太と空は憎悪を籠った視線で雄助を見た。

 

「私達の名前を気安く呼ばないでもらえるかしら。」

 

雄助

「僕ら弟妹ですよ、気安く呼んでも大丈夫だと思いますけど。

正確には弟妹の前に義が付くので義弟妹ですが。」

雄助はこの世界でも神譲 雄助と名乗っている。

だが、彼は天上ではなく神譲として転生している。

 

不良2

「義弟妹だぁ?陽太、空こんなクソみたいな兄貴をいるなんて可愛そうだなぁ後でなんか奢ってやるよ。」

 

雄助

「それじゃあ僕はこれで」

 

陽太

「待てクソもやし、一発殴らせろ。」

 

雄助

「何故です?」

 

陽太

「お前みたいな屑がヘラヘラと生きてんのが腹立つんだよ。

だから殴らせろ、嫌なら今すぐ死ね。」

 

雄助

「お断りします。

こういうのは余り言いたくありませんが人の人生に兎や角言う権利は無いですよ。」

 

陽太「待ちやがれ!……クソッ!!!」

 

陽太は雄助の肩を掴もうとしたが雄助は避けて素早くこの場から消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雄助

「今日で短い中学生生活は終わりました。

この世界では2度目の高校生活になるけど大丈夫ですかね。」

荒木達の場から逃げた雄助は、そのまま家に帰ろうとしていた。

 

「なあなあいいじゃんよ俺たちとお茶しようぜ。」

 

「ですから何度もお断りしてるじゃないですか。

帰らせてください。」

不良達から逃げた雄助は帰る途中、コンビニの前で雄助と同年代の少女にナンパする不良達がいた。

 

不良1

「そういわずにさぁ~、ちょっと遊ぶだけだからけだから。」

 

不良2

「んあぁ、何見てんだオラァ!!」

不良の1人がその光景に傍観している人達を睨み付け、

そのまま見ていぬ振りをした。

 

 

 

 

だが1人だけ見ていぬ振りをしなかった。

 

雄助

「見苦しいですよ。」

雄助は不良の前に出た。

すると不良は雄助を睨みつけると、その表情は驚愕の顔になっていった。

 

不良3

「あぁ?ん、おいこいつじゃねぇか荒木が言ってた譲っつうクソ野郎は。」

 

不良4

「ああ間違いねぇ、見た目が一致してやがる。

長身で金髪で前髪を伸ばしてモヤシみたいな体をしてるって言ってたからなぁ。」

どうやら雄助は仲間にも知れ渡ってるらしい。

 

 

雄助

「大丈夫ですか、早く家に帰った方がいいですよ。」

 

少女

「は、はい。」

雄助は不良達を無視して、少女の身が安全かを確かめこの場から離した。

 

不良3

「おいテメェ、何しやがるんだ。」

 

雄助

「何って、あの人は家に帰りたがってたんで帰そうとですよ。

もうこんな時間ですし貴方達も帰りましょう。」

 

不良4

「ふざけやがって…ブッ殺す!!!」

雄助の行った行動が気に入らなかったのかいきなり殴りかかってきた。

 

雄助

「…」

雄助は自分に殴りかかってくる不良の喉仏に目掛けて殴り返した。

 

不良4

「…!!?」

不良は何が起こったのかが理解できずそのまま地面につき呼吸ができない苦しみでそのまま横に倒れた。

 

不良3

「テメェ…調子にのってんじゃねぇぞ!!!」

 

もう1人の不良も雄助に突っ込んでいき殴りかかってきた。雄助は殴りかかってきた拳を体を1回転して攻撃を避け、その回転と同時に左肘を相手の側頭部目掛けて叩きつけた。

 

 

不良3

「……!?」

不良は何をされたのかを理解できずにそのまま倒れて気絶した。

 

不良4

「ッ!!……テ……メェ…!!?」

すると最初に倒された不良が立ちあがりまた雄助に攻撃しようとした瞬間

 

 

 

「そこ!何をしている!!」ピピーッ

 

 

不良4

「サツ……かよ…!逃……げねぇと…アアッ!!」

警察が駆けつけてきた。

その場から逃げようとする不良達だが、

喉仏を攻撃され呼吸が整えられずそのまま体を丸めてることしかできず、もう1人は先程雄助に気絶させられ不良達は逃げることを叶わずそのまま警察に捕まってしまった。

 

少女

「あのっ、大丈夫ですか!?」

すると先程不良達に襲われた少女が雄助に近付いてきた。

 

雄助

「お気遣い有難う御座います。

ですが心配は入りませんよこの通りピンピンしていますよ。」

雄助は少女に自分が無事であることを言って胸を大きく張った。

 

警察

「さっき通報があったのですが……」

 

少女

「あ、通報したのは私です。

男の人たちに絡まれていて、困っていたところをこの人に助けてもらったんです!それで…」

どうやら警察に通報したのは、少女本人のようだ。

そしてその後ここで何があったのかを事情聴取を受けた。

 

警察

「君も送ろう、家はどっちだい?」

 

雄助

「いいえ、大丈夫です。

すぐそこなので送りは必要ありません。」

 

警察

「そうかい……それじゃあ気をつけて。」

警察は雄助を家に送ろうとするがすぐそこにあるので雄助はそのまま帰ろうとした。

 

少女「あの、この度は助けていただきありがとうございました!」

すると少女は助けてくれた雄助にお礼をいった。

 

雄助

「大したことではありませんよ。」

 

少女

「そんなことはありません!貴方がいなかったら私は…」

 

雄助

「もう大丈夫ですよ、それでは僕はこの辺で。」

雄助はそのまま家に帰っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夕食を食べ終え、洗濯物を畳みおえた雄助は洗面台の前で歯を磨いている。

 

 

雄助

(『レッドオーガ』、彼らをどうにかしないと依頼が進みませんね。)

 

『レッドオーガ』、この世界における不良集団だ。

彼らは自分より下の人間を奴隷のようにこき使い、

時にはストレスを発散するためにサンドバッグとして扱ったりやりたい放題している。

雄助は中学に入学した途端目を付けられ、

 

『今日からお前は俺達のパシリ兼サンドバッグだ。』

 

と雄助を自分達に都合のいい物として扱おうとした。

しかし雄助は、

 

『お断りします。

僕はパシリ兼サンドバッグないので。

欲しいものがあるなら自分で買う、殴りたいなら人じゃなくて本物のサンドバッグを殴った方がいいと思いますよ。

君達なら人とサンドバッグの区別くらい分かる筈ですし。

何なら、今日一緒にサンドバッグを買いに行きましょうか?』

とレッドオーガ達のパシリ兼サンドバッグになることをを拒否した。

当然彼らは、雄助が自分達に対する態度が気に入らなく、これ以降彼らは毎日雄助に突っかかってくる。

 

雄助

「さて、これからどうしましょう。

まだ転生者には会っていませんし、この世界のこと全然知りません。」

歯を磨き終えた雄助は、風呂に入りに行く。

 

 

 

すると突如、洗面台の横の壁が動き出し、隠し部屋が現れた。雄助は警戒しながらそのまま入っていった。

部屋の中には世界に存在するであろう品々が置いてあった。

 

雄助

「凄い…これ全部お爺さんが世界を飛び回って手に入れた物でしょうか………ん?」

部屋に置いてある物を見ていると雄助はある物に視線を向けた。

それは、大きな(ふくろう)が施された木製の扉だ。

 

雄助

「…扉だけ、梟の彫刻が刻まれているだけでこれといった特徴のない扉ですね……

でも何故でしょう。

この扉、他の物よりも一段と奇妙な感覚が強く感じる。まるで何処かに繋がっている(・・・・・・・・・・)ような…開けてみますか。」

雄助は扉から出てくる奇妙な感覚を受けながら扉のノブに手を伸ばし扉を開いた。

 

 

そこには、見慣れない部屋が雄助の目に写った。

ログハウスのような内装で、木製で出来たの大きなテーブルと椅子、クローゼットがあり、剣や斧といった武器が、武器庫の如く大量に置いてあった。

 

雄助

「此処は…一体。」

辺りを見渡していると雄助の目の前に半透明の板が目の前に現れた。

 

『称号【扉の主】を獲得しました。

 

称号【家の主】を獲得しました。

 

称号【異世界人】を獲得しました。

 

称号【初めて異世界に訪れた者】を獲得しました。』

とメッセージが目の前に現れた。

 

『スキル【無限の可能性】を獲得しました。

 

スキル【鑑定】を獲得しました。

 

スキル【言語理解】を獲得しました。

 

スキル【精神統一】を獲得しました。

 

スキル【完全記憶】を獲得しました。

 

スキル【完全模倣】を獲得しました。…』

今度は長々とスキルの名前が出てきた。

 

雄助

「これは、僕が元々有ったものがスキルとして表されています………!!!」

すると雄助は意識を失った。

 

そして目の前にある半透明の板に新しいメッセージが現れた。

 

『神譲 雄助様が異世界に来たことによりスキルが全て解放されました。

 

スキル【宝具】を獲得しました。

 

スキル【直感】を獲得しました。

 

スキル【魔力放出】を獲得しました。

 

スキル【対魔力】を獲得しました。

 

スキル【千里眼】を獲得しました。

 

スキル【単独行動】を獲得しました。

 

スキル【気配遮断】を獲得しました。

 

スキル【騎乗】を獲得しました。

 

スキル【陣地作成】を獲得しました。

 

スキル【狂化】を獲得しました。

 

スキル【神性】を獲得しました。

 

【神性】を獲得したことにより、

 

スキル【神性】は、

 

スキル【全統合神性】に進化しました。

 

これにより神譲 雄助様の肉体を再構築します。

又、神譲 雄助様の肉体の再構築と共に残りのスキル獲得は並列して行います。……………』

 

とメッセージに長々と書かれていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『………スキル【根源の渦】を獲得しました。

 

【根源の渦】を獲得したことにより全てのスキルが進化します。

 

スキル【根源眼】を獲得しました。

 

スキル【根源統合】を獲得しました。

 

スキル【根源武術】を獲得しました。

 

スキル【根源魔術】を獲得しました。

 

スキル【根源魔術】を獲得し異世界に訪れたため、

 

スキル【根源魔術】は、

 

スキル【根源魔法】に進化しました。

 

神譲 雄助様の肉体の再構築が終了致しました。

 

スキルの獲得条件を満たしたので、スキル【根源統合】を発動します。

 

此により、スキル【根源の肉体】を獲得しました。』

 

雄助の肉体の再構築が終終了したと同時にスキルの獲得のメッセージも止まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『……称号【転生者】を獲得しました。

 

称号【根源と統合した者】を獲得しました。

 

称号【人類初にして最後にして最強の根源魔術師】を獲得しました。

 

称号【超越者】を獲得しました。

 

此で神譲 雄助様の肉体の再構築を終了しました。

スキルと称号の獲得を続行します。』

 

雄助が意識を失ってから10分経過したと同時に雄助の意識が元に戻った。

 

すると雄助の姿は、特典を体に馴染ませるために鍛え上げた姿になっていた。

 

雄助

「…転生する前の体になっている。

とういうことは、物語が始まるということですか。」

肉体が変化したことを確認した雄助は、この部屋の詮索を始めた。

 

 

 

 




誤字と文章が可笑しかったら報告を御願いします。


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第3話 自身の強さ、そして戦闘

kinji0213様、ブリザードブラック様、WH様、
アニオタチ様、ユーた様、艦これ大好き様、
やわま様、AE86FD様

お気に入り登録有難う御座います。

少しだけ修正しました。


 

 

 

 

特典が解放され異世界に入った雄助は、この部屋の詮索するのだが、

 

 

『獲得しました……統合に成功しました……進化しました…』

 

スキルと称号の獲得が続いているため全く進まない。

 

 

雄助

「スキルと称号の獲得報告が終わりませんね。

一回ステータスを確認してみますか。」

 

スキルと称号の獲得が未だにやまずに続いてること気になった雄助は、自分のステータスを確認する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【神譲 雄助】

 

種族:種族の根源 職業:なし レベル:超越

 

魔力:超越 攻撃力:超越 防御力:超越

俊敏力:超越 知力:超越 運:超越 BP:ー

 

スキル:《無限の可能性》《宝具》

《根源の渦》《根源眼》《根源武術》

《根源魔法》《魔力放出(根源)》

《対魔力(根源)》《騎乗(根源)》

《根源統合》《根源分割》《顕現(根源)》

《作成(根源)》《権能(根源)》

《千変万化(根源)》《全言語理解(根源)》

根源の器(アクセプト・オリジン)》《根源の門(ゲート・オブ・オリジン)》etc…

 

称号:【扉の主】【家の主】【異世界人】

【初めて異世界に訪れた者】【転生者】

【根源と統合した者】

【人類初にして最後にして最強の根源魔術師】

【超越者】etc…

 

 

雄助

「成る程…スキルと称号ににetcがあるって事はまだあるのか。

それにしても凄い事になってるなぁ。

取り敢えず一回調べてみよう。」

雄助はステータスで気になるものをタッチしてその内容を詳しく調べ始めた。

 

 

 

《種族の根源》

【根源の渦】に記録されている全ての種族の始祖にして、上位種にして超越種。

全ての生命体の長所を持ち、短所や欠点等が一切存在しない。

 

 

スキル

 

《無限の可能性》

秘められた才能が昇華されたスキル。

根源と統合し、先天的、後天的スキル等を過程を無視して獲得することができる。

無限の可能性を秘められてるためスキルを常時獲得する。

 

《宝具》

人間の幻想をそのまま骨子に創り上げた武装。

根源に記録されている英雄や偉人、神等の逸話を物質化した物。

 

《根源の渦》

全ての始まりにして終わり、

物質、概念、法則、時間、

空間、位相、平行世界、星、宇宙、

宇宙の外の世界、無、生命、死、

この世全てのものがスキルとなったスキル。

このスキルは、あらゆる全ての情報を任意で調べることが可能。

このスキルを所有する者は、所有者本人の人格が完全に消滅し、

仮にあったとしても機械じみた人格になる恐れがある。

 

根源眼(こんげんがん)

あらゆる全てを見透かし、目に関するスキルを全て統合したスキル。

平行世界、異世界、時間軸、次元等見れる範囲に制限はない。

 

《根源武術》

根源に記録されているあらゆる全ての武術を扱うスキル。

 

《根源魔法》

根源に記録されているあらゆる全ての魔術、魔法を扱うスキル。

 

《魔力放出(根源)》

自身の魔力を武器や身体から放出し、能力を高めるスキル。

炎や水、光、闇等に変化し、全属性を付与する事が可能で、根源の魔力で敵の弱点となるものを全て魔力で変換し攻撃することが可能。

 

《対魔力(根源)》

魔力に関するもの全てに抵抗するスキル。

《魔力放出(根源)》の様な根源に関するもの以外の魔術、魔法を完全に無効化する。

 

《騎乗(根源)》

乗り物を乗りこなすスキル。

あらゆる全ての乗り物にスキルが発揮し、本来の性能以上を引き出し、騎乗の制限はない。

 

《根源統合》

根源統合するスキル。

統合する対象、数、範囲、概念等、統合の制限はない。

 

《根源分割》

あらゆる全てを分割するスキル。

分割する対象、数、範囲、概念等、分割の制限はない。

 

《顕現(根源)》

あらゆる全てに顕現するスキル。

世界、星、宇宙等、顕現する制限はない。

 

《作成(根源)》

あらゆる全てを作成するスキル。

陣地、道具 、武器、スキル、権能、宝具等、作成の制限はない。

 

《権能(根源)》

あらゆる全ての権能を扱うスキル。

根源と統合したため権能の能力制限、効果範囲等、制限はない。

 

《千変万化(根源)》

あらゆる全てを変化させるスキル。

サイズ、物質、有機物、無機物等、変化の制限はない。

 

《全言語理解(根源)》

あらゆる全ての言語理解するスキル。

失われた言語や未知の言語を理解し、話すことが可能。

 

根源の器(アクセプト・オリジン)

 

ランク:超越

分類:対人宝具

レンジ:ー

最大捕捉:1人

 

根源と統合し、人格を保ち続けたことにより獲得して

あらゆる全ての力を使いこなすのに必要なスキルにして宝具。

【根源の渦】から手に入る力を獲得しても肉体や精神には一切負荷が掛からない。

 

根源の門(ゲート・オブ・オリジン)

 

ランク:超越

分類:対移動、対人、対軍、対城、対界etc…

レンジ:超越

最大捕捉:超越

根源と統合した者が扱える宝具。

あらゆる全てに行き来する門を作り、様々な場所、世界を行き来し、武器、防具、道具、薬、乗り物、料理、果てには星、概念等、根源に記録されている全てがこの宝具に内包されている。

分類が複数あるのは、様々な状況に応用可能な為。

 

 

 

雄助

「特典からなのか根源って単語が必ず入っていますね。

スキルの確認はここまでにしましょう。」

 

次に雄助は称号を確認する。

 

 

称号

【扉の主】

異世界への扉の主。メニュー機能を使用することができる。

 

【家の主】

かつて、賢者が住んでいたいわれる家の新たな主。

家の所有権を得る。

 

【異世界人】

異世界の人。

普通より経験値が多く手に入り、特殊な成長をする。

また、スキルを習得しやすくなる。

レベルの上限を撤廃。

 

【初めて異世界に訪れた者】

初めて異世界に訪れた者。

別の称号である【開拓者】の効果以上にスキルや魔法を発明しやすくなる。

成長する過程で、良い方向に成長していく。

 

【転生者】

転生した者。

この世界の住む人より経験値が多く手に入り、レベルの上がりが早い。

 

【根源と統合した者】

全ての始まりにして終わりである【根源の渦】と統合したことで得た称号。

この称号を持つ者はスキル名に根源が加わり、

普通のスキルより強力なスキルとなる。

 

【人類初にして最後にして最強の根源魔術師】

初めて根源に達し最強となった者に得られる称号。

この称号を持つ者は魔術、魔法の発明が上がり、

魔術、魔法を使うと通常よりも威力が大幅に上昇する。

 

【超越者】

あらゆる全てを超越した者に得られる称号。

この称号を持つ者はステータス等、自身の能力を比例するもの全てが【超越】と能力値が表せないほど強く、

あらゆる全てを超越したため、この称号を持つ者がいない限り害を与えることは不可能。

 

 

 

 

 

雄助

「ステータスと宝具のランク全部が超越になっているのはこの称号が影響しているんですね。

【超越者】を持たない限り僕には一切干渉する事は出来ないと、それではこの《根源眼》を使ってみましょう。」

 

雄助は、スキル《根源眼》を自分が入ってきた扉に向けてスキルを発動した。

 

 

 

【異世界への扉】

所有者:神譲 雄助

機能:【換金】【転送】【入場制限】

 

【換金】

あらゆる物をお金に変換できる。

 

【転送】

所有者の現在置に、扉を出現させることができる。

 

【入場制限】

所有者の指定した人物のみ、扉を通ることができる。

 

 

 

「結構高性能ですねこの扉。

それでは、今からこの家の詮索始めましょう。」

 

異世界への扉を確認した雄助は、この家の詮索を始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雄助

「…………成る程。」

 

この家の詮索を終えた雄助は、この家のことについて理解した。

元々の家の主『賢者』は、寿命が尽きるためにこの家を手放した。ただ1人ここで暮らしこの家を見つけた者は、この家にあるもの全てとその所有権を見つけた者に渡すと手紙に書かれていた。

 

雄助

「それじゃあ、今度は外を調べてみましょう。」

 

雄助が外を確認しようとした瞬間。

 

 

 

 

「ガアアアアアアアアア!!!!」

 

外から雄叫びが聞こえた。

だがその雄叫びは狼等動物が出せるようなものではなかった。

 

雄助

「魔獣ですかね。」

 

 

 

 

雄助

「成程、あの叫び声はあの魔獣のようですね。」

 

外に出た雄助が見たのは、

血塗られたような赤黒い皮膚をした2mを超える巨体。

盛り上がった筋肉を持ち、下顎から2本の鋭い牙が生えた鬼のような生き物だった。

雄助は見たと同時に《根源眼》を発動した。

 

【ブラッディ・オーガ】

 

レベル:300

 

魔力:100 攻撃力:5000 防御力:5000 

俊敏力:1000 知力:500 運:100

 

 

 

 

雄助

「ブラッディ・オーガですか…レッドオーガではないんですね。」

 

雄助はこの家にあった武器の1つ【全剣(ぜんけん)】を持ってブラッディ・オーガに向かって歩きだした。

 

 

ブラッディ・オーガ

「ガアアアアアアアアアアアアア!!!!!!」

 

ブラッディ・オーガは向かってくる雄助に突進してくる。

 

 

 

 

 

ブラッディ・オーガ

「ガアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!」

 

しかし、ブラッディ・オーガは見えない壁に阻まれ家の敷地に入ることができなかった。

 

 

雄助

「成程、【家の主】である僕から許可を出さない限りこの家に入れないようになっていますね。」

 

雄助は、家の敷地に入ることができないブラッディ・オーガに向けて攻撃をせずその場で跳び、家の敷地から出た。

 

 

雄助

「では、このステータスがちゃんと発揮してるか試してみましょう。」

 

ブラッディ・オーガ

「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!」

 

雄助が出てきたのを確認したブラッディ・オーガは雄助めがけて殴りかかる。

 

 

 

 

 

 

その瞬間、ブラッディ・オーガの肉体は消えた。

雄助は何もしてない、ただ立っていただけだ。

そして、ブラッディ・オーガがいたところに何かがその場に現れた。

 

雄助

「…ブラッディ・オーガの攻撃が跳ね返されましたね…

それにしても跳ね返された威力は尋常じゃありません。

《根源の器》の能力が発動となると旧約聖書のカインしか考えられませんね。

神に7倍に跳ね返す力を与えられましたが、これは7倍どころじゃないですね。」

 

雄助は、ブラッディ・オーガの死因を考察した後、

目の前に落ちてある物を《根源眼》で確認した。

 

血戦鬼の大牙(けっせんき たいが)

ブラッディ・オーガの牙。

その牙は見かけ倒しではなく、ブラッディ・オーガの咬合力と合わさり、あらゆる獲物の皮膚を容易く貫く。

加工すれば、頑丈で鋭い武器を作ることもできる。

 

魔石(ませき):B】

ランクB。

魔力を持つ魔物から入手できる特殊な鉱石。

ランクは下から順に、F、E、D、C、B、A、Sとあり、ランクが上がるほど高価。

 

血戦鬼の銅鎧(けっせんき どうよろい)

ブラッディ・オーガのドロップアイテム。

強靭なブラッディ・オーガの筋繊維と皮膚でできている。

並大抵の筋力ではこの鎧に傷をつけることはできない。

装備者の攻撃力に補正がかかる。

 

血戦鬼の籠手(けっせんき こて)

ブラッディ・オーガのドロップアイテム。

強靭なブラッディ・オーガの筋繊維と皮膚でできている。

並大抵の筋力ではこの籠手に傷をつけることはできない。

装備者の攻撃力に補正がかかる。

 

血戦鬼の腰鎧(けっせんき こしよろい)

ブラッディ・オーガのドロップアイテム。

強靭なブラッディ・オーガの筋繊維と皮膚でできている。

並大抵の筋力ではこの鎧に傷をつけることはできない。

装備者の俊敏力に補正がかかる。

 

血戦鬼の脚甲(けっせんき きゃこう)

ブラッディ・オーガのドロップアイテム。

強靭なブラッディ・オーガの筋繊維と皮膚でできている。

並大抵の筋力ではこの脚甲に傷をつけることはできない。

装備者の俊敏力に補正がかかる。

 

雄助

「鎧に素材に魔石ですか。

結構良いのが出ましたね…ん?」

雄助はブラッディ・オーガから出てきたドロップアイテムを確認した後、後ろから気配を感じた。

そこには、先程倒したブラッディ・オーガの仲間が30体

雄助の目の前に現れた。

 

雄助

「すみません、貴方がたの仲間を殺してしまって。

ですが生き残る為なので悪く思わないで下さい。

と言っても通じるかは分かりませんが。」

 

ブラッディ・オーガ1

「ガアアアアアアアア!!!!!」

 

1体のブラッディ・オーガが雄助に向かって攻撃を仕掛けた。

 

 

 

雄助

「ステータスの防御力は機能していますね。」

 

先程のブラッディ・オーガで発動された反射能力を解除した雄助は、自身の防御力が機能しているかを確かめる為回避せずその場で立っていた。

ステータスは正常に機能しており、雄助にはダメージどころか痛みすら与えられなかった。

 

防御力を確認し終えた雄助は、持っていた【全剣】でブラッディ・オーガを真っ二つに斬る。

 

ブラッディ・オーガ達

『ガアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!』

 

仲間が死んだことでブラッディ・オーガ達は、

全員雄助を殺しにかかった。

 

 

 

 

雄助は、まず向かってくるブラッディ・オーガ2体を【全剣】で真っ二つにした。

 

 

 

全剣(ぜんけん)

あらゆる剣の頂点。

その刃は濁ることなく輝き続け、切れ味は常に最高の状態で維持される。

全てのモノを斬ることができるとされるが、それは契約者次第。

非売品。

契約者:神譲 雄助

 

ブラッディ・オーガ2、3

「ガア……ア!?」

 

 

続いて向かってくる3体を雄助は全剣をしまって、

《根源の門》から【絶槍(ぜっそう)】を出し、

3体目掛けて攻撃を仕掛ける。

 

 

 

絶槍(ぜっそう)

神槍を越えた、唯一無二の槍。

契約者次第でどんなモノでも貫くことができると言われている。

折れることはない。

投げれば相手に必ず当たり、手元に戻ってくる。

非売品。

契約者:神譲 雄助

 

 

2体を絶槍で体を貫き、もう1体は雄助に目掛けて攻撃を仕掛けてきたがそれを回避し、

ブラッディ・オーガに目掛けて絶槍を投擲した。

 

ブラッディ・オーガ6

「!?……」

 

ブラッディ・オーガは絶槍を頭部に貫かれ、悲鳴を挙げられず死んだ。

 

 

死鎌(しれん)】で敵を5体纏めて殺し、

 

 

無限の籠手(むげん こて)】で4体を殴殺し、

 

 

無弓(むきゅう)】で10体の頭部に目掛け射殺し、

 

 

天鞭(てんべん)】で4体の首を絞殺し、

 

 

世界打ち(せかいう)】で最後の1体を粉砕した。

 

 

雄助は、残りの24体のブラッディ・オーガを1体も逃がさずに全滅させた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

死鎌(しれん)

死神すら殺す大鎌。

契約者が望むもの全てを切り裂くと言われている。

この鎌に斬られた存在は、どんな切り傷であっても致命傷となる。

非売品。

契約者:神譲 雄助

 

無限の籠手(むげん こて)

殴打の威力を上げるだけでなく、防具にもなる砕けることのない籠手。

一撃が無限の攻撃となる。

非売品。

契約者:神譲 雄助

 

無弓(むきゅう)

姿形のない、究極の弓

契約者の意思に応じて、無限に矢を生成する。

非売品。

契約者:神譲 雄助

 

天鞭(てんべん)

振った回数だけ鞭の先が増え、自動で標的に襲い掛かる鞭。

一度、標的に巻き付くと、そのまま標的を圧し千切る。

非売品。

契約者:神譲 雄助

 

世界打(せかいう)ち】

巨大な木槌。

武器そのものは成人男性程の質量だが、当てられた相手はこの世界と同等の質量をぶつけられる。

非売品。

契約者:神譲 雄助

 

 

 

雄助

「どの武器も凄い性能ですね。」

 

30体のブラッディ・オーガを全滅させた雄助は、使っていた武器の内容を調べた。

 

 

 

『換金できるアイテムがあります。

【血戦鬼の大牙】【魔石:B】【血戦鬼の銅鎧】

【血戦鬼の籠手】【血戦鬼の腰鎧】【血戦鬼の脚甲】

×31個を換金しますか?』

 

すると手に入れたアイテムを換金する項目が出てきた。

 

 

雄助

「では血戦鬼の銅鎧、籠手、腰鎧、脚甲の30個を換金します。」

(30体倒したから、鎧は1着だけにしよう。)

雄助はブラッディ・オーガ30体分の装備品だけを換金した。

 

『アイテムを換金しました。

【血戦鬼の銅鎧】……5億円

【血戦鬼の籠手】……2億円

【血戦鬼の腰鎧】……3億円

【血戦鬼の脚甲】……2億円

ブラッディ・オーガ30体分の換金をしました。

合計金額…360億円。』

30体分の装備品が消え、360億円もの大金が置かれた。

 

雄助

「結構売れるんですね。」

驚くようなこと起こらない状況で雄助は口から言える台詞はそれだけだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「聞いているのですか、レクシア様。」

 

同時刻、王国に建つ城の一室に2人の人物がいた。

 

レクシア

「もうオーウェンったらちゃんと聞いてるわ。

視察の間はなるべく護衛から離れるなって言うんでしょ。」

 

彼女はレクシア・フォン・アルセリア。

アルセリア王国という国の第一王女。

 

オーウェン

「分かってるなら宜しいのですが、

最近街のほうでよくない(・・・・)話を耳にします。

くれぐれもお立場を考えて行動なさってください。」

 

もう1人はアルセリア王国護衛騎士のオーウェン。

オーウェンは、レクシアに護衛から離れないようにと忠告をする。

 

オーウェン

「レクシア様に万が一のことがあれば国王様もーーー

って聞いてますレクシア様!!?」

しかしレクシアはオーウェンの忠告を最後まで聞かなかった。

 

レクシア

(言われなくたって貴族社会の良くない噂も、

第一王女が周囲から同思われているのかも知ってる。

でも何故かしら、今日はそんなこと気にならないの。)

 

レクシアはそう思いながらベランダから夜空を眺めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雄助

「それでは修行を始めましょう。」

 

雄助は今何もないただ白い空間が延々と続く世界に立っていた。

雄助はそのまま家に戻って風呂に入り眠りに入って今に至る。

 

 

雄助

「今日から138億神年×15年分の修行をこの一夜で終わらせましょう。

その前に現実世界で1日経過したら現実世界に目覚めるように設定しませんと。」

 

この空間の時間の設定をしていると目の前に大量の敵が現れた。

 

雄助

「……それでは始ましょう。」

 

雄助は異世界で手に入れた武器と防具を装備して、

敵達に立ち向かう。

 

 

 



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第4話 様々な変化と第一歩

ネクソン様、華音様、豚骨味様、
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雄助

「そろそろですね。」

白い空間の中で修行を終えた雄助は、現実世界に戻るのをその場で待っていた。

 

 

 

 

 

 

 

『スキル【根源の渦】で異世界の情報を入手しました。スキル【作成(根源)】で、

神譲 雄助様専用装備が完成しました。

どうぞお受け取りください。

【根源銃剣オリジン】

【根源(がい)アルケー】

【根源(じゅん)ラディクス】

【根源鎌杖槍(れんじょうそう)ケニング】

【根源弓棍剣(きゅうこんけん)エンヘドゥアンナ】

【根源斧鎚輪(ふついりん)アーカーシャ】

を入手しました。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雄助

「………僕専用の装備。」

空間で修行し現実世界から目覚めた雄助はカレンダーで今日の日付を確認した後、

手に入れた装備の情報を調べ始める。

 

 

 

 

【根源銃剣オリジン】

根源と統合した者のために作られた根源兵装。

あらゆる全てを容易く斬り、狙いを定めて撃てば障害を無視して命中し絶命又は消滅させる。

根源と統合してるため能力を常時入手、進化し続ける。

 

【根源(がい)アルケー】

根源と統合した者のために作られた根源兵装。

攻撃、防御、呪い等あらゆる全てを無効化する。

根源と統合してるため能力を常時入手、進化し続ける。

 

【根源(じゅん)ラディクス】

根源統合した者のために作られた根源兵装。

攻撃、防御、呪い等あらゆる全てを無効化する。

根源と統合してるため能力を常時入手、進化し続ける。

 

【根源鎌杖槍(れんじょうそう)ケニング】

根源と統合した者のために作られた根源兵装。

あらゆる全てを切り裂き、操り、貫くことができる。

根源と統合してるため能力を常時入手、進化し続ける。

 

【根源弓棍剣(きゅうこんけん)エンヘドゥアンナ】

根源と統合した者のために作られた根源兵装。

あらゆる全てに命中し、叩き倒し、容易く斬ることができる。

根源と統合してるため能力を常時入手、進化し続ける。

 

 

【根源斧鎚輪(ふついりん)アーカーシャ】

根源と統合した者のために作られた根源兵装。

あらゆる全てを叩き斬り、粉砕し、投げれば必ず命中し絶命、消滅させる。

根源と統合してるため能力を常時入手、進化し続ける。

 

雄助

「根源兵装について調べよう。

【根源の渦】、検索内容【根源兵装】。」

雄助は【根源の渦】で根源兵装について調べた。

 

【根源兵装】

根源と統合した者のために作られた武装。

統合者に合わせて成長、進化、新たな能力を入手強化等様々な性能を備えている。

 

 

 

 

 

雄助

「恐ろしいですね。

異世界で手に入れた武器と鎧はありますし、どういう時に使いましょう……」

雄助は新しく手に入れた武器や鎧をどう使うか考える。

 

 

 

 

 

雄助

「異世界で手に入れた服をきて、畑に行きましょう。」

雄助は、異世界の家で見つけた服を着て畑に向かう。

因みに雄助が着ている異世界の服は、

 

 

 

 

 

 

【ロイヤルシルクのシャツ】

ロイヤルシルクで作られたシャツ。

非常に肌触りがよく、シルク製品の最高峰の気品を持つ。

装置役者の体型に合わせて自動で大きさを調整する。

装着者の体温を適温に保つ。

汚れない。

自動修復機能が付与されている。

契約者:神譲 雄助

 

【ロイヤルシルクのズボン】

ロイヤルシルクで作られたズボン。

非常に肌触りがよく、シルク製品の最高峰の気品を持つ。

装着者の体型に合わせて自動で大きさを調整する。

装着者の体温を適温に保つ。

汚れない。

自動修復機能が付与されている。

契約者:神譲 雄助

 

【龍神の革靴】

龍種の頂点である、龍神の皮で作られた靴。

地形による影響を無効化する。

装着者はどれだけ歩いても走っても、疲れることも靴擦れすることもない。

装着者のサイズに合わせて、大きさが変化する。

汚れない。

契約者:神譲 雄助

 

 

 

 

 

 

と、服が持つには異常すぎる性能を備えられているものばかりのものを着用している。

革靴に至っては龍神というとんでもないもの存在を素材にして作られている。

 

雄助

「……色んな物が育てられていますね。」

 

雄助

「ん?あれは…」

雄助は結界の外にある1つの物に目を向けた。

そこには黒いスライム状の物体があり、

至るところに大量の目が付いていた。

雄助は目を向けたと同時にステータスの確認をした。

 

 

 

【ヘルスライム】

レベル:200

魔力:5000 攻撃力:1000 防御力:5000

俊敏力:100 知力:100 幸運:100

 

 

雄助

「オーガの次はスライムですか。

……では、根源兵装を使ってみましょう。」

雄助は、【根源の門】から剣を取り出した。

 

その剣の柄は黄金をベースにし、装飾は赤、青、緑、黒、白等無限としか表せないような色が模様として施され、刃は色と表すよりも根源そのものが刃になったとしか例えようがなかった。

全体的に見れば、誰かの手で作られた機械のようにも見えるが奇跡や神秘から作られたようにも見える。

神々しくも妖しくも美しくおぞましく等様々な感情が

この武器から伝わってくる。

 

雄助が取り出したのは【根源銃剣オリジン】。

 

雄助は【根源銃剣オリジン】を、ヘルスライムに向ける。

 

ヘルスライムは、雄助を敵と見なし攻撃を仕掛けた。

だが結界の中にいる雄助傷をつけるどころか結界の中に入ることさえ許すことはなかった。

すると【根源銃剣オリジン】の刃が少し倒れて2つに分かれ、中から銃口が現れた。

 

【根源銃剣オリジン】は、文字通り銃と剣が合わさって作られた根源兵装、剣と銃の形態を持ち近距離と遠距離を保つことができる。

雄助はヘルスライムに向けて弾を撃ち出した。

するとヘルスライムは 跡形もなく消滅した。

射撃音もない、火薬の匂いもない雄助の持つ魔力を弾丸としてヘルスライムに撃った。

 

雄助

「名前の通り銃と剣の両方の性質を持ちある程度の敵とは戦えますね。」

雄助は【根源銃剣オリジン】の銃形態の性能を確認した後、先程倒したヘルスライムのいた所に移動した。

辿り着くと其処にはブラッディ・オーガと同様、その場にアイテムが散乱していた。

 

 

【ヘルスライムの核】

ヘルスライムの心臓部。

膨大な魔力が込められており、様々な武具に加工して使える。

 

【ヘルスライムゼリー】

コーヒー味のゼリー。

食べれば、魔力と防御力が増える。

 

【魔石:C】

ランクC。

魔力を持つ魔物から入手できる特殊な鉱石。

 

黒月(くろづき)の首飾り】

ヘルスライムから手に入る、レアドロップアイテム。

装備者は夜間、様々なステータスが上昇する。

また、太陽光を集め、それを魔力に変換し、装備者の魔力を常時回復させる。

契約者:神譲 雄助

 

雄助

「首飾りですか……この首飾りの効果僕には意味ないですね。

僕の魔力の数値が超越ってなっていますし、例え数値が出ても【根源統合】で太陽や夜間そのものと統合してるから僕には意味がないですね。

デザインは物凄く僕の好みですが。」

雄助はヘルスライムのレアドロップアイテム【黒月の首飾り】の効果を見て自分には意味がないと感想を述べた。

 

雄助

「しかし、着けないでそのままにするのは勿体無いので元の世界ではこれ着けて過ごしましょう。」

雄助はドロップアイテムを確認を終えたら本来の目的の畑を詮索を始めた。

 

 

【無限のジョウロ】

水が無限に湧き出すジョウロ。

中の水は聖浄水(せいじょうすい)と呼ばれるもので、どんな枯れた植物でも、この水をあげればすぐに元気になる。

水は常に清潔に保たれているため、人も飲むことができ、飲めば全身の疲労を回復するだけでなく、魔力を増やすことができる。

契約者:神譲 雄助

 

完治草(かんちそう)

食べれば四肢(しし)を欠損していようが、失明していようが、ありとあらゆる傷や病気を治すことができる。

また、魔力を回復させる働きもある。

採取するとき、勝手に種を残すため、育てるのは非常に簡単。

ただし、この草自体が伝説級に見つからない。

 

【超力トマト】

食べれば攻撃力が上昇するトマト。

他にも体力・精力が増え、疲れにくい体になる。

採取するとき、勝手に種を残すため、育てるのは非常に簡単。

 

【無敵かぼちゃ】

食べれば防御力が上昇するかぼちゃ。

他にも精神を安定させる効果があり、精神攻撃や状態異常に強くなる。

採取するとき、勝手に種を残すため、育てるのは非常に簡単。

 

叡知(えいち)の大根】

食べれば知力が上昇する大根。

他にも並列思考や高速思考など、特殊な脳の使い方に対応できるようになる。

採取するとき、勝手に種を残すため、育てるのは非常に簡単。

 

【神速ジャガイモ】

食べれば俊敏力が上昇するジャガイモ。

他にも動体視力や反射神経などを強化する。

採取するとき、勝手に種を残すため、育てるのは非常に簡単。

 

雄助

「ステータス上昇アイテムですか。

それにしてもこの【完治草】恐ろしいですね。

これがあれば、生まれ持った障害の人達を普通の人になることが出来ますし。」

 

雄助

「さて、これからどうしようか…そうだ古本屋で何か買いに行こう。

この【黒月の首飾り】を着けて外に出よう。」

畑の詮索を終えた雄助は、【黒月の首飾り】を着けて古本屋に行く準備をし始めた。

 

 

 

 

雄助

「よし、これだけあれば充分ですね。

すいませんお会計お願いします。」

雄助は古本屋で世界の神話、歴史、偉人に関する本等を手にし直ぐ様会計に向かった。

 

店員

「…………………」

 

雄助

「あの、どうかしましたか?」

 

店員

「あっ、いえ何でもありません!!!

お会計ですね!!!!」

店員は雄助の容姿に魅了されていた。

雄助は根源と統合し根源に記録されている人物、神、自然、概念、神秘等根源に記録されているもの全てよりも美しく作られている。

お会計を終えた雄助はそのまま家に帰る。

 

 

 

 

 

雄助

(皆さんどうしたんでしょう……

周囲の人達の視線は、殺意や軽蔑じゃあないですし。

かといって珍しいものを見たというのも少し違いますね。

前世の頃もありましたが一体何なんでしょう)

雄助は周囲の視線が自分のことを見つめることを不思議に思いながら帰宅している。

 

雄助

(…今の子、危ない。)

横断歩道を渡ってる途中、雄助は何か感づけた。

先程素通った少女に向かい怪我を起こさないように優しく抱き抱え自分が渡る前の歩道に戻った。

 

レッドオーガ

「ちんたらしてんじゃねぇよヴォケ!!」

すると道路には『レッドオーガ』のパーカーを着た男2人がバイクに乗って通りすぎていった。

 

雄助

「相変わらずハエが飛び回るくらい元気ですねレッドオーガ(彼等)。」

雄助は『レッドオーガ』の行動が相変わらずかのように通りすぎるのを眺め、抱き抱えた少女の安全を確かめた。

 

雄助

『大丈夫ですか?』

 

少女

『…っ!うん!!』

 

雄助

『ここを渡るときは気を付けた方がいいですよ。

僕は毎日ここを通る訳ではないので。』

 

少女

『ありがとうお兄ちゃん。』

 

少女がこの場から通り過ぎるのを確認したら雄助はそのまま家に帰宅する。

 

 

 

 

雄助

「ご馳走さまでした。

異世界の食材を使ってるからかこっちの世界よりも美味しかったですね。

しかも野菜に含まれている栄養素がこの世界で摂取するものより多い。」

帰宅した雄助は古本屋で買った本を読み終え、

異世界で手に入れた食材を調理し夕食を食べ終えていた。

 

雄助

「明日は異世界に行って見ましょう。

あの森の探索をしないと解らないことだらけですし。」

雄助は明日の予定を決めて、風呂の準備、洗濯、歯磨き等を終えて1日の終わりを迎える。

 

 

 

 

 

 

 

雄助

「では異世界の探索を始めましょう。」

翌日、【根源鎧アルケー】を身につけた雄助は異世界の探索を始める。

 

 




やっと更新できました。
読者の皆様更新が遅くて申し訳ありません。

根源鎧アルケーの特徴
ギルガメッシュ、カルナ、アキレウス、オデュッセウス等の鎧を、神秘さや人知さが合わさったようにイメージできないような感じになりました。
肩と腰にはマントがあり造形はカルナのイメージをして下さい。

改めてみると自分のネーミングセンスとイメージが酷いとしか言い様がありません。


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第5話 異世界探索と1人目

カンラ様、メルヘム@様、
お気に入り登録有難う御座います。


 

 

 

アルセリア王国第一王女

レクシア・フォン・アルセリア

 

彼女は現国王

『アーノルド・フォン・アルセリア』の正室の子ではない。

彼女の母親は奴隷だった。

そして人間(・・)ではない。

『エルフ』という容姿の優れた種族でその中でも更に優秀な、『ハイエルフ』という種族だ。

国王はそのハイエルフに一目惚れし妾となり寵愛を受け、

レクシアが生まれた。

しかし、産まれてからすぐ母親は亡くなってしまう。

身分が違う、種族が違う、側室の娘で第一王女。

彼女の立場は危ういものだった。

国王は悲しみ、レクシアを大切に育てた。

 

ーしかし、ある事件が起きた。

第一王子『レイガー・フォン・アルセリア』

と庭園で遊んでいる時、魔力が暴発してしまった。

ハイエルフは元々高い魔力を保有し、

レクシアは人間とのハーフで優れた容姿と魔力量を受け継いでいた。

その結果、正室の子である第一王子は重症を負わせてしまった。

王子の傷は完治したが、レクシアは完全に王家の主力派閥(しゅりょくはばつ)から(うと)まれることになった。

 

女性

「視察の公務お疲れ様でしたレクシア様。

先方も大層喜んでおられました。」

 

レクシア

「ならよかったわ。

オーウェンが心配してたような大きなトラブルもなかったしね。全く心配しすぎなのよ。」

そして時が経ち、レクシアは前向きに生きていき視察の公務を終え馬車で城に帰るところであった。

 

女性

「王だってレクシア様のことを気にかけていらっしゃいますよ。

王都に戻りましたら安心させて差し上げてください。」

 

レクシア

「お父様も…心配性ねもう子供じゃないっていうのに。」

そうやり取りしてる時、レクシアが乗っている馬車が急に止まった。

 外には仮面と黒いローブをかけた6人が護衛と馬車の前で立ち塞がっていた。

 

オーウェン

「野盗の類…ではないな。

王家の馬車を知っての狼藉(ろうぜき)か?」

 

黒いローブ1

「ヘヘヘ…だから(・・・)だよ!!」

 

オーウェン

「なっ魔法!?」

黒いローブは魔法をオーウェンに撃ち、

残りの5人はレクシアの馬車に目掛けて走り出した。

 

レクシア

「何が起きてるの!?」

 

女性

「賊です。

護衛騎士達も押されているようで…

ここから離れてくださいレクシア様。」

 

レクシア

「…でも護衛と離れるのはかえって危険だわ!!」

 

女性

「私が先導して他の者(・・・)と合流いたします。

どうかお早く!」

 

レクシア

「………分かったわ。」

レクシアは付き添いの女の言うことに従いその場から離れた。

 

 

 

 

 

 

 

雄助が異世界探索を始めてから1週間が過ぎた。

様々な魔物と戦い、スキルを習得、根源兵装を魔物で試していた。

 

 

雄助

「面白いなぁ異世界って中々いいところだね。」

そう言いながら雄助は、自分に攻撃してくる魔物を殲滅させていた。

 

雄助

「もうすぐ入学式ですね…ん?」

すると雄助のスキル【無限の可能性】に入っている【気配察知】が発動した。

【無限の可能性】は先天的、後天的スキル等、

過程を無視して獲得できるスキル。特典と異世界のスキルの殆どがこのスキルに統合されている。

【気配察知】もその一つだ。

雄助は察知したところに進んでいく。

其処にはオーガの大群が移動していた。

 

雄助

(オーガ達の様子が可笑しい。

まるで何かから逃げているような……ん?。)

すると【気配察知】がもう一度発動された。

 

雄助

(2人の人物がこの森に入ってきました。

森の外には3人が6人と戦っていますし。

おそらく逃げて……いえ進んでいる方向にいる5人と接触しに動いていますから恐らく片方の人物を暗殺するために森に入ってきたと推測できますね。

………助けに行きましょう。

救出するべきと【直感】が働いていますし。)

雄助はこの森に入ってきた人物を確認し、1人の人物を助けるためにその場から動き出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レクシア

「…ねぇ大分遠くに来たみたいだけど本当に大丈夫?

一回戻ったほうがいいんじゃない?」

何とか襲撃から逃げたレクシアは付き添いの女性に一度あの場から戻ることを話した。

 

女性

「ご心配は無用です。

もうすぐ仲間と合流できますので。」

 

レクシア

「そ、そう。」

付き添いの女性の言葉を聞いたレクシアはもうすぐ仲間に会えることに安心した。

 

女性

「『私の仲間』とね。」

すると目の前には、先程襲ってきた黒いローブの仲間がその場から現れた。

 

レクシア

「…まさか…騙して…。っ!!!」

 

黒いローブ2

「追え。」

レクシアはその場から逃げ、黒いローブ達はレクシアの後を追いかける。

 

黒いローブ3

「逃げられるわけないだろうこの『大魔境(だいまきょう)』でな!」

 

レクシア

(なんで…どうして私が…)

レクシアは何故自分が狙われているのかが分からないままその場から逃げて続ける。

 

黒いローブ3

「観念して死ねぇ!!!」

すると黒いローブは手を出すと土の塊が現れレクシアに向けて撃ちだす。

 

 

レクシア

「きゃあ!!」

レクシアは運良く当たることはなかったが足場が崩れのそのまま落ちた。

 

黒いローブ4

「手間取らせやがって薄汚い混ざり者(・・・・・・・)が。」

 

レクシア

「私の血は…汚なくなんか…」

 

黒いローブ5

「口答えすんじゃねぇ!!!それにしてもあの騎士共もついてないよな。

こんな小娘のために必死になってよ。」

 

黒いローブ6

「今ごろ全員おっ死んでるだろうな。

誰かさんのせいでなぁ!」

 

レクシア

(オーウェン…皆…)

 

 

黒いローブ7

「さて、無駄話はこの辺にするか。

恨むなら自分の身の上を恨めよ。

さっさと死にやがれぇ!!!」

黒いローブは火の塊をだしてレクシアに向けて放った。

 

レクシア

(恨む?冗談じゃないわ!お父様もお母様も私を十分愛してくれたのよ。

 

でも、死ぬの?

 

そんなの嫌よ。

 

私、まだ恋してないのに。)

レクシアはその場から動くことはできず生きることを諦め目を瞑った。

 

 

 

 

 

 

 

しかし、どれだけ止まっていても痛みや苦しみが来ることはなかった。

レクシアは不思議に思い目を恐る恐る開けた。

 

其処には全身に黄金の鎧を纏い肩と腰にマントを身につけた男、雄助が立っていた。

 

雄助

「大丈夫ですか。」

雄助は、レクシアに対して身の安全を確かめた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雄助

「推測通りでしたね。

もうすぐ辿り………ん?」

雄助は、周りに被害を出さない速度でレクシアの居るところに向かっていた。

すると雄助の前に1つの影が現れた。

爬虫類(はちゅうるい)のような金色の瞳と焦げ茶色の肌をし、盛り上がった筋肉と成人男性と変わらぬ身長し上質な鎧を身に纏う魔物が現れた。

 

 

【ゴブリン・ジェネラル】

レベル:200

魔力:1000 攻撃力:9000 防御力:3000

俊敏力:500 知力:500 運:100

 

雄助

「ゴブリン・ジェネラル。

エリートの次は将軍(ジェネラル)ですか。」

雄助はこの1週間で様々な魔物と戦った。

左記ほど雄助が口にしたゴブリン・エリートも勿論そうであった。

 

ゴブリン・ジェネラルは、雄助を敵と見なし身長と同じくらいの巨大な剣を雄助に目掛けて振り上げる。

 

雄助

(この世界の魔物はそこまで強くないですし。

戦わずに無視しても問題ないですが…

そうだ、こうしましょう。)

雄助はゴブリン・ジェネラルと出会った途端策を思いついた。

雄助は速度を落とさずそのまま突っ切ることにした。

ゴブリン・ジェネラルは雄助に気づいて襲いかかる。

雄助は、自分の足元にある小石をゴブリン・ジェネラルの頭に目掛けて蹴り飛ばした。

 

ゴブリン・ジェネラル

「ガアアアアアアッ!!!」

石は見事にゴブリン・ジェネラルの頭に当たり宙に浮いた。

雄助はそのまま通り過ぎ、起き上がったゴブリン・ジェネラルは雄助を追いかける。

 

雄助

(火の塊を撃ち出しました…が問題ありません。)

雄助はレクシアの元に辿り着き、火の塊を手で払って消し飛ばした。

 

雄助

「大丈夫ですか。」

そして今に至る。

 

 

 

 

 

 

 

黒いローブ4

「な、何だテメェ!は!!」

雄助が現れたことにより黒いローブ達は雄助を警戒した。

 

雄助

「そうですね、僕はこの人を助けに来たとしか言えば納得しますか。」

 

レクシア

「!?」

レクシアは雄助の言葉を聞き、驚きの表情をした。

 

黒いローブ5

「助ける?

その薄汚い混ざり者を助けるってのか?」

 

雄助

「薄汚い?どういうことですか。」

 

黒いローブ7

「その女はなぁ、人間とエルフとの間に生まれた化け物なんだよぉ!!」

 

黒いローブ3

「つまり俺達は化け物を殺しに来たんだよぉ!!!」

 

黒いローブの話をただ聞くことしかレクシアは口を噛み締めることしか出来なかった。

 

 

 

 

 

 

雄助

「化け物?今ここにはいないじゃないですか。」

 

黒いローブ4

「は?」

雄助の言葉に黒いローブ達とレクシアは唖然とした。

 

黒いローブ2

「お前頭可笑しいのか、お前の後ろにいんのが化け物なんだよ。」

 

雄助

「いいえ、違います。

この人は化け物ではありません。」

 

黒いローブ3

「人間とエルフとのハーフ何だぞ!」

 

雄助

「ハーフが化け物?何を言ってるんですか。

混血なんてそんなの珍しくもありませんよ。

それに貴方達が言ってる化け物はあれじゃないですか。」

雄助は話しながら右手の人差し指を指した。

黒いローブ達は指している方向を向くと

其処には、レクシアを大魔境に入れた付き添いの女性が

死体となり、それをやったゴブリン・ジェネラルが目の前にいた。

 

黒いローブ2

「ゴ、ゴブリン・ジェネラルだと!?」

そう口にした黒いローブは、その場で魔法を放った。

 

ゴブリン・ジェネラル

「ガアアアア!!!!」

ゴブリン・ジェネラルは、攻撃を仕掛けた黒いローブに目掛けて剣を振り上げる。

 

黒いローブ2

「ひっ……」

黒いローブは避けることは出来ず体は真っ二つにされた。

 

黒いローブ3

「く、来るなぁぁぁ!!!!」

 

黒いローブ4

「に、逃げねぇと…」

 

黒いローブ5

「し、死にたくない!!!…ッ!!」

 

黒いローブ6

「た、助けてk!?」

 

黒いローブ7

「う、うあああああ!!」

ゴブリン・ジェネラルは次々と黒いローブ達を1人残らず殺した。

 

レクシア

「……!!!」

レクシア今の光景を見て自分もああなることを悟り

恐怖にのみ困れた。

 

雄助

「大丈夫ですよ。

僕が何とかしますから待ってて下さい。」

雄助の言葉を聞いたレクシアは気が楽になる。

 

ゴブリン・ジェネラル

「ガアアアアアアアアア!!!!!」

ゴブリン・ジェネラルはそのまま雄助に向かって走り出し剣を振り下ろす。

 

雄助

「有難う御座います、お陰であの人を救う事が出来ました。」

雄助はゴブリン・ジェネラルにお礼を言って、【根源の門】から【根源銃剣オリジン】を出してゴブリン・ジェネラルを真っ二つにした。

 

レクシア

「……………」

レクシアは驚愕した。

黒いローブ達を殺した相手をいとも簡単に倒したことに只驚愕するしかなかった。

 

雄助

「大丈夫ですか。」

 

レクシア

「っは、はい、有難う御座います!!!」

レクシアは雄助に声をかけられて緊張している。

 

雄助

「ではこれからこの森から出ましょう……。」

すると雄助は何かを感づけた。

 

レクシア

「ど、どうしまし…ひゃ!?」

雄助はいきなりレクシアをお姫様抱っこした。

 

雄助

「すみません、今こちらに殺意を向けられた者が居ますので貴女を抱き抱えたままこの森から出ますよ。」

 

レクシア

「えっ、それっt!?」

雄助の言葉を聞いたレクシアは先程の仲間かと聞こうとしたが出来なかった。

周りの風景が一瞬で変化したのだから。

 

雄助

「今こっちに向かってきている人達がいたので僕はこれで。」

すると雄助はその場で足を止めた。

 

レクシア

「あ、オーウェンだわ。オーウェン!!」

 

オーウェン

「レクシア様!!ご無事でしたか!!!」

 

レクシア

「ええ、無事よ…さっき…わ……たしを………。」

レクシアはその場で倒れてしまった。

 

オーウェン

「レクシア様!!!」

 

兵士

「大丈夫です、気を失っているだけです。」

 

オーウェン

「そうか、良かった………」

オーウェンはレクシアが無事に生きてたことに安心した。

 

オーウェン

(それにしてもレクシア様の体に怪我が一切見当たらなかった。

この『大魔境』に誰かいるのか、いたとしても賢者か大魔王くらいだ。)

 

オーウェン

「レクシア様の無事を確認した。

これから大魔境に出て王城に戻るぞ。」

 

兵士達

『ハッ!!』

オーウェン達は無事大魔境に脱出し、王城に戻る。

 

 

 

 

 

 

 

 

雄助

「あの人を無事護衛の人達のところに連れていきましたし、それでは仕事を始めませんと。」

レクシアをオーウェン達の近くまで送り届けた雄助は、先程の殺気を向けた者のところに行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「クソッ!!あの野郎何処に行きやがった!!!!!」

大魔境に1人の男が苛立っていた。

その男は金髪碧眼で容姿が優れたが苛立ってるからか容姿が醜くなっている。

 

雄助

「ここですよ。」

男は声がした方向に向くと雄助が立っていた。

 

「テメェふざんじゃねぇぞ!!!!!」

 

雄助

「早々怒鳴るなんて失礼ですよ。」

 

「うるせぇ!!!テメェが俺の女を触ったから起こって当然だろうが!!!!!」

 

雄助

「貴方の彼女を触るどころか会っていませんよジール(・・・)さん。」

雄助は、男の名前を口に出した。

 

ジール

「な、何で俺の名前知ってんだ!!?」

男、ジールは雄助が何故自分の名前を知ってることに驚いた。

 

雄助

「神様の依頼で対象の転生者の抹殺をお願いされたのでその対象の名前を全部覚えたんです。」

 

ジール

「はぁ!?ってことはおめぇも転生者か!!

あのクソ神、この俺を見捨てたのか!!?」

 

雄助

「貴方を転生させた神様と僕に依頼を頼んだ神様とは違うますよ、さようなら。」

 

ジール

「ふざけ……!!!!」

ジールは雄助に攻撃を仕掛けようとしたがその場に倒れた。

何故ならジールの背後には、様々な武器が背中に刺さっていたのだから。

 

雄助

「1人目の転生者、抹殺完了。」

雄助は《根源眼》でジールの生死を確認した。

 

『称号【転生者殺し】を獲得しました。』

すると雄助の目の前にメッセージが現れた。

 

雄助

「【転生者殺し】…」

雄助は直ぐ手に入れた称号を確認する。

 

【転生者殺し】

転生者を殺した事で得られる称号。

転生者と対面する時、特攻と特防が入る。

 

 

雄助

「さて、そろそろ高校の入学式が始まりますし、

帰って準備が出来ているか確認しませんと。」

雄助は自分の目の前に【異世界への扉】を出し、高校の入学を楽しみして現実世界へと戻る。

 

 

 




何か最近調子が良くなってきました。

この調子で進めていきたいです。(願望)


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第6話 変化と体験

イシュリー様、ワン01様、
もぐら2011syu様、タスクフェルス様、
お気に入り登録有難う御座います。



 

 

 

雄助

「準備は整いました。

それでは行きましょう。」

異世界でレクシアを救出し1人目の転生者を抹殺を終えた雄助は今日からこの世界での高校生活が始まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

生徒1

「ね、ねぇあの人……」

 

生徒2

「転校生かな?」

 

生徒3

「うっそ、超カッコよくない!」

 

生徒4

「背デッカ!?」

 

生徒5

「俺の近くを通ったけど2m越えてるぜあれ。」

 

生徒6

「でもよ転校生が来るなんて噂聞いたことがねぇぞ。」

 

雄助

(人の事言えませんが今日転校生が来るなんて珍しいですね。)

周りの生徒は雄助を転校生と認識され、雄助は自分に噂されていることに気づかずに入学式を迎えて、出席するクラスを確認する。

 

雄助

「御早う御座います。」

自分が出席するクラスに入った雄助は、自分より早く教室に入ったクラスメイト達に向けて挨拶をする。

 

雄助

(やっと1人目の転生者に会えましたが、恐らくこの世界より異世界のほうが転生者に会う確率が高いのかもしれません。

段々と特典を使いこなすようになっていきましたが状況と場所をよく考えて使いませんと多大な被害を起こすことなりますし………)

自分の席に座り、古本屋で買ってきた歴史の本を読みながら今までのことを整理してチャイムが鳴るのを待っていた。

 

「おい。」

すると、雄助に声をかける自分が現れた。

かけたのは、中学から雄助にちょっかいをかける荒木だった。

 

雄助

「御早う御座います荒木君。」

雄助は荒木に挨拶をする。

 

荒木

「お前、何で俺の名前知ってんだ。」

荒木は雄助だと気づかないのか自分の名前を知ってることに雄助を睨みつける。

 

雄助

「何でって、君が友達と一緒に僕にちょっかいをかけてる神譲 雄助ですよ。」

 

荒木

「は?」

 

一部のクラスメイト

『は!?』

荒木と一部のクラスメイトは唖然とした。

 

荒木

「は、お前があのもやし根暗クソ野郎?

冗談はやめろ。

お前が今噂になってる転校生だろ。」

 

雄助

「そのもやし根暗クソ野郎が僕なんですよ、

それより何故僕が転校生として噂されているでしょうか何か知りませんか荒木君?」

 

荒木

「意味分かんねぇよそれに何だよその顔!?

整形でもしたのか!?」

 

雄助

「意味が分かんないと言われましても僕は僕ですよ。

それに僕は元々この容姿ですし、中学の頃は前髪を伸ばしてましたし知らないのも当然ですよね。」

雄助は荒木の質問を答えた。

 そもそも雄助が苛められるようになったのは容姿が醜いという理由で苛められたのではなく、教師に告げ口をしない人間と認識されたことちょっかいを掛けてきた。

 

荒木

「ふざけ…」

 

先生

HR(ホームルーム)始めるぞ席につけ。」

荒木は雄助に何か言おうとしたが、担当の教師が入ってきたため最後まで口にすることが出来ず荒木は自分の席に戻る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雄助

「よし、これで日用品は全部買い占めました。」

平日を終えた雄助は休日にショッピングモールで日用品の買い出しを終え、帰宅しようとしている。

 

女性1

「ね、ねぇ、あの人……」

 

女性2

「ウソ、誰あれ!?芸能人!!」

 

女性3

「ヤバい超イケメンが通ってる!!!」

 

女性4

「色気がヤバいあの人!!」

 

女性5

「ちょっと声かけてみようよ。」

 

女性6

「え、本気!?」

 

女性5

「勿論!すみません!!」

 

雄助

「はい、何でしょうか。」

周囲の女性が雄助を話題にする中で2人の女性が雄助に声をかけた。

 

女性5

「もしよかったら私達と一緒に遊びません?」

 

女性6

「食事は奢りますから。」

 

雄助

「?いえ、食事はもうすんでいるので大丈夫です。」

雄助は2人の女性に声をかけられた。

 

女性5

「あのぅ、おいくつですか?」

女性は雄助の年齢を聞き出す。

 

雄助

「15です。」

 

女性6

「学生なの!!!?」

2人共、雄助が学生だということに驚愕した。

 

雄助

「はい、それと僕はこれから大事な用事があるので遊ぶことは出来ませんので。」

雄助は女性達のお誘いをお断りした。

 

女性5

「い、いいよ大丈夫気にしないで!!」

 

女性6

「こっちこそ用事があるのにごめんね!!」

そうして女性達は雄助の元に去っていった。

 

雄助

「あの人達何か企んでいるように誘ってきたわけじゃないから悪いことをしたなぁ。

でも今さら言ってもどういう風の吹き回しって言われるかもしれないし取り敢えず上の階に行って何か買いに行こう。」

雄助は女性達の純粋な誘いを断った事に後悔し、帰る前に気になるものを探しに上の階に昇る。

 

 

 

 

 

 

 

 

「すみません!本当にすみません!」

 

「すみませんじゃないでしょ!?

こっちは1時間以上も待っているのよ!?

このアタシを待たせるなんていい度胸ねぇ!?」

ショッピングモールの2階から怒鳴り声が響いた。

其処には派手なピンク色のワイシャツを見に包んでいる筋骨隆々の男がひたすら頭を下げているスーツ姿の男性に向かって怒鳴っていた。

 

男性

「すみません!すみません…!」

 

「あの……(ひかる)さん。

私の事は気にしないで下さい。」

 

美羽(みう)ちゃん!甘やかしちゃダメよ!

相手が寝坊するのがいけないんだから!」

 

美羽

「そ、そうですけど……」

 

「それに、寝坊のワケを聞けば二日酔いだって言うし、謝罪の言葉もない……これが怒られずにいられますか!

それに比べて美羽ちゃんは偉いわねぇ。

すっかり有名になっちゃった今でも仕事に真摯で…遅れてくるクソ野郎に見習わせてやりたいくらいだわ!!!

 

美羽

「ア、アハハハ……」

緩いウェーブのかかった茶髪の女性、美羽は光の苛立ちをなだめていた。

 

「悪いけどアタシにもスケジュールってモノがあるのよ。

悪いけれど、今回は美羽ちゃんだけで撮影させてもらうわ。」

 

男性

「そ、そんな!」

 

「そんなじゃないでしょ!

プロなんだからそこはしっかりしなさいよ!!

今後、そちらのモデルを使わないっていってるワケじゃないのよ!

でも今回遅れてくるヤツは二度と使わないけど。」

どうやら光が怒鳴っている原因は、スーツ姿の男性の事務所のモデルが来ないことが理由のようだ。

 

「とはいえ困ったわねぇ。

今回のコンセプトは「今時のカップル」、相手役が必要なのよねぇ。」

 

スタッフ

「スタッフか一般の方達から代役を立てます?」

 

「うーん、それだとどうしても服に負けちゃうのよね…もっと服に負けないようようなそれでいて服の価値もあげられる。

そして美羽ちゃんと釣り合うほどの男なんて……!」

光は代役になる人を一般人の中から調べ始めると、1人の人物を見て固まった。

光が見ている方向には、雄助がその場にいた。

 

「ちょっとそこのキミィ!!!!」

光は雄助に向かって呼び止める。

 

雄助

「………」

しかし、雄助は自分にいってることに気づかず通りすぎようとしている。

 

「そこにいる金髪で背の高いキミィ!!!!」

 

雄助

「……え?」

雄助は、自分の特徴を言われた光のいる方向に顔を向けた。

 

「そう!そこの君!!ちょっといいかしら!!!」

光に呼ばれた雄助は、そのまま光の方に向かう。

 

雄助

「すいません気づかなくて、どうしました?」

すると光は雄助の両手をいきなり掴んだ。

 

「君!撮影に協力してくれない!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「はーい!いい感じよぉ!

そうそうあっ、もっと色っぽい感じが欲しいわぁ!

流し目よ、流し目!」

雄助は光にモデルの撮影を頼まれ、美羽と一緒に撮影をしている。

 

「雄助君!表情が固いわよ!!笑顔笑顔!!!」

 

美羽

「初めは緊張するものなので気にしなくて大丈夫ですよ。」

 

雄助

「有難う御座います。」

一旦撮影を終えた雄助は、次に撮影する服に着替える準備をしていた。

 

一般人1

「すっげぇ!生の美羽ちゃんとか初めて見たぜ!」

 

一般人2

「美羽ちゃんもそうだけど、一緒に撮影してる男の人誰!?超カッコいいんだけど!?」

 

一般人3

「モデルじゃない?美羽ちゃんと一緒にいるんだし。

イケメンで身体は2m超えてるのにスタイルがいいし…」

一般の人達は、雄助に注目を浴びていた。

 

「じゃあ、ちょっと腕を組んでちょうだい!」

 

雄助

「分かりました。」

雄助は光に腕を組んでほしいと言われ、自分の腕を絡ませる。

 

美羽

「違いますよ。

そっちじゃなくて、こっちです。」

美羽は雄助の右腕を両腕で組み取る。

 

雄助

「あっ、そっちですか。」

 

 

 

 

 

スタッフ

「一回休憩入りまーす。」

 

「雄助君、すごく良かったんだけど表情が硬いのよ。

もっと…こう、カップルの気持ちとか分かるかしら?」

 

雄助

「すみません光さん。

そもそも女性と付き合ったこと一度もないのでよく分からないんです。」

雄助は光に表情が固いと指摘された雄助は1人でベンチに座って悩んでいた。

 

美羽

「お疲れ様です。隣いいですか?」

すると美羽が雄助に声を掛けてきた。

 

雄助

「どうぞ。」

 

美羽

「急こんなこと頼んでしまってすみません。

でもお陰でいい画がとれたって光さんも皆も喜んでます。」

 

雄助

「お礼を言いたいのは僕の方です。

ファッションモデルの仕事という貴重な体験をして下さったので、でも美羽さんのように上手く出来ませんでしたが。」

 

美羽

「そんな、気にしないで下さい!

私も失敗してよく注意されましたし。」

 

雄助

「でも凄いと思いますよ。

美羽さんは自分の仕事をきちんとこなし、そして僕や皆さんに気を配るという事が出来るんですから。」

 

美羽

「そんなことありません、私もあなたに……

あ!ごめんなさいお名前聞いていませんでした。」

 

雄助

「そういえば、名乗っていませんでしたね。

『神譲 雄助』それが僕の名前です。」

雄助はショッピングモールで買ったメモ帳に自分の名前を書き出し、美羽に見せる。

 

美羽

「雄助さん…」

 

スタッフ

「撮影再開しまーす!」

 

雄助

「そろそろ撮影の再開ですよ美羽さん。」

 

美羽

「………」

 

雄助

「美羽さん?」

 

美羽

「えっ、あっすいません!何ですか雄助さん!!!」

 

雄助

「そろそろ撮影が再開するそうなので準備しましょう。」

 

美羽

「は、はいっ!そうですね行きましょう雄助さん!!!」

 

雄助

「?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ありがとう!本当に助かったわ!」

そして撮影は無事終わりを迎えた。

 

雄助

「光さん達のお役にたてたのなら良かったです。

ですが、本当に僕がモデルで良かったんですか?」

雄助は最後まで自分がモデルをやったことに不満を持っていた。

 

「イイのよ、もう最高よ!!

今まで1番良かったといっていいもの!!!

でももうちょっと自分に自信を持っていいのよ。

それと、はいコレ。」

光は、雄助をモデルとして選んだことを後悔はせず

心底喜び、光は雄助に紙袋を渡した。

中身を見ると、大量の服が入っていた。

 

雄助

「光さん、この服は…」

 

「手伝ってくれた『お礼』よ。

本当はお金で渡したいんだけど、事務所とか契約とか色々厳しいのよねぇ。

その代わり、この服は私が選んだ最高のモノを厳選してるから!」

 

雄助

「有難う御座います。」

雄助は大量の服が入った紙袋を受け取り光にお礼をする。

 

美羽

「雄助さん、今日はありがとうございました。」

すると美羽が雄助に声をかけた。

 

雄助

「いえ、こちらのほうこそ。

休憩の時も言いましたように貴重な体験をさせて頂きましたし、この体験を人生の糧としていきたいと思います。」

 

「チッース遅れました。」

すると1人の男が撮影現場に現れた。

 

「まぁ、ヒーローは遅れてやってくるって奴っすかね(笑)」

 

「このクソガキがぁぁぁ……!」

 

雄助

「美羽さん、もしかしてあの人が本来撮影する筈だった男性モデルの方でしょうか。」

 

美羽

「はい、あの人です。」

雄助は光の反応から察するにこの場に現れた男が本来撮影する筈だった男性モデルだということを美羽に聞いた。

 

男性モデル

「あっ、美羽ちゃ~ん!会いたかったよ~ていうか美羽ちゃんだよね?

一緒に撮影できて嬉しい~でしょ?」

 

美羽

「え、えっと……」

男性モデルは撮影スタッフ達を無視して美羽に近づく。

 

男性モデル

「てかさ、こんな撮影さっさと終わらせて美羽ちゃん一緒に飲もうよ。

勿論俺の部屋で。」

 

雄助

「すみません。」

男性モデルに一方的に話が勝手に進む中で、雄助がその場に割り込んだ。

 

男性モデル

「あ?お前誰?

つーか話しかけてくんなよ!!!ウゼェ失せろ!!!」

 

雄助

「人に向けてその言い方はないと思いますよ。

僕が貴方に話しかけた理由は、

光さんを含めたこの場にいる撮影スタッフの皆さんに謝罪をして下さい。」

 

美羽

「!?雄助さん…」

 

男性モデル

「はぁ?なんで俺がそんな面倒臭ェことしなきゃなんねぇんだよ!!!!」

男性モデルはなぜ謝罪しなければいけないのかを怒りながら雄助に聞いた。

 

雄助

「面倒臭い?それでも社会人ですか貴方は。

貴方は時間を守らず、遅れた理由は二日酔いだと光さんに聞きました。

ならここにいるスタッフの皆さんにも謝罪するべきだと思いますよ。」

男性モデルに何言われようとも無視し、雄助は話を続ける。

 

男性モデル

「テメェ……誰に向かって口聞いてんだよ!!!!

だ・れ・に!?

 

 

 

雄助

「誰に?貴方以外に誰かいますか?」

 

美羽

「ゆ、雄助さん!?」

雄助の返答に美羽は戸惑う。

 

男性モデル

「テメェェェェ…それが俺に対する態度か!!!」

 

雄助

「失礼ですが貴方に対する態度はこれで十分です。

敬意を表することも尊敬する価値もありません。

そもそも貴方のような人間にそんな価値があるとは思えませんが。」

 

男性モデル

死ねぇぇぇ!!!

男性モデル雄助の言葉に我慢が出来なくなり右手の拳を作って雄助に目掛けて殴りかかる。

 

美羽

「雄助さん!?」

 

雄助

「………」

雄助は自身に向かってくる拳を、1歩後ろに下がって回避した。

 

男性モデル

「チッ!避けんじゃねぇよ!!!」

 

雄助

「殴りかかってきたんですから避けますよ。」

男性モデルは先程より早く拳を出し雄助に目掛けて殴り続ける。

だが雄助に拳が当たるどころか掠りもしなかった。

 

男性モデル

「クソッ!!」

 

雄助

「……」

雄助は体をしゃがませ男性モデルが拳を打ち出した右腕を掴んで背負い投げて床に叩きつけた。

 

男性モデル

「…ガハッ!!?」

叩きつけられた男性モデルは何が起こったのか理解出来なかった。

雄助は倒れている男性モデルの身体に背を向けさせ攻撃を行わせないよう両腕を背中に回して押さえつける。

 

美羽

「す、凄い……」

美羽を含めた周囲の人達はただ呆然としていた。

 

男性モデル

「クソッ放せ!!!」

 

雄助

「離したらまた殴りかかってくるじゃないですか。」

 

男性モデル

「クソッ俺はボクシングをやってんだぞ!!

それが何でこんな!!」

 

雄助

「警察が来るまで大人しくしてください。」

 

男性モデル

「そうだ早く来い!!こいつを捕まえろ!!!

暴力事件だ!!!」

 

雄助

「無駄ですよ、貴方が美羽さんに付きまとった時に光さんが録画してくれましたから。」

雄助は光のいる方に顔を向けた。

 

「雄助君の言う通り雄助君に向けた暴力行為、美羽ちゃんへの付きまといを録画しているわ。

貴方の芸能人人生はここで終わりよ。」

 

男性モデル

「クソガァァァァァァ!!!!!!」

そして警察が来てここで起きたことを話して、男性モデルは逃げることは出来ずに警察に連行された。

 

雄助

「大丈夫ですか、美羽さん。」

 

美羽

「ええ…あ…その…はい…」

 

雄助

「本当に大丈夫ですか?今光さんを呼んできますので。」

 

美羽

「あ、いえ本当に大丈夫です!!

あの、今日は改めてありがとうございます。

また…どこかで会えるといいですね。」

 

雄助

「…はい、また何処かでお会いしましょう。」

そして雄助はスタッフ全員に別れを告げて、家に帰宅する。

 

 

 

 

 

雄助

(服が全て僕に合うサイズばかり、運が超越しているお陰でしょうか?

この世界で貴重な体験を出来たし良かったですね。

………しかし)

 

 

 

雄助

「僕はこの世界で楽しく幸せ過ごしていいのでしょうか

天上(・・)君。」

 

 

 

 



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第7話 再会

読者の皆さんお待たせしました。


 

 

「ちょっと荒木先輩どういうことなんですか!!」

 

荒木

「なんだようるせーな。」

陽太と空が校舎裏にいる荒木に訪ねてきた。

 

「友達の間で噂になってるんですよ。」

 

陽太

「高等部にいる『神譲 雄助』って奴がお前らの兄貴じゃないかって写真まで送ってきてるんですよ。」

陽太はスマホを出し、雄助の写っている画像を荒木に見せた。

 

荒木

「知るかよそいつが勝手にそうなのってんだよ。」

 

陽太、空

『はぁ?じゃああのもやしは!?』

 

荒木

「知らねーってんだろ!!

てめーらが直接見てこい!!!」

 

「…はぁ何それ意味わかんない。」

 

陽太

「行こうぜ空そのセンパイ使えねーわ。」

 

「てかあいつの名前を出されること自体嫌なのに、態々あいつところに行くなんて。」

 

陽太

「本当だよな、センパイの俺たちに対する態度も何とかしてほしいけど。」

陽太と空は校舎裏から離れ、雄助に会いに行き出した。

 

荒木

「…………チッ!

どいつもこいつも『レッドオーガ』を舐めやがって…」

残された荒木は校舎裏から離れる陽太と空を睨み付けた。

 

 

 

 

教師

「おい、何だこれは。

学校で雑誌なんぞ広げやがって、

これだから最近の学生は…」

 

雄助

(休み時間にゆっくり読めばいいのに何故授業中に読むんだろう。

それにしても美羽さん、また雑誌の表紙になっている。)

モデルの仕事を終えた雄助は、学校の授業に励んでいた。

 

教師

「神譲、これを訳してもらおうか。」

 

雄助

「分かりました。」

教師は黒板に書いてある英文を雄助に訳させる。

 

教師

(神譲の素顔、どんな面してんのかと思ったら綺麗に整ってるとかますます気に入らねぇな。

この超難関大学用特別模試の長文でクラス全員に恥欠かせてやる。)

教師は雄助のことを毛嫌いしており、態々高校生が解けない問題を雄助に答えさせる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雄助

「…………以上です先生。」

 

教師&クラス全員

『………………』

しかし雄助にとってこの英文は難問でもなかった。

前世では全てと言ってもいい言語を理解し書いて話すことができるからだ。

 

教師

「神譲、お前カンニングしたな!!!」

 

雄助

「してませんよ。」

 

教師

「嘘をつくな!

こんなあっさりと訳せるわけないだろ。」

 

雄助

「嘘じゃありませんよ。

確かに先生の言う通りその英文は簡単に訳すことはできません。

何故ならその英文は超難関大学用の特別模試の長文ですから。

それを僕に訳したのは皆の前で恥を欠かせるつもりだったんでしょうが残念でしたね。」

 

先生

「………グッ!!!」

するとチャイムが鳴った。

 

 

雄助

「反論することが出来ないならここで終わりましょう。チャイムが鳴りましたから。」

 

教師

「……授業を終わりにする。

日直、挨拶。」

 

生徒

「起、起立!、礼!」

そして教師は顔を真っ赤にしたまま教室に出ていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

生徒1

「すげぇよ神譲!!

あのゴリラに恥欠かせるなんて!!!」

 

雄助

「恥欠かせるためにやった訳じゃないんですけど、

僕達に出した英文が高校生が答えられない問題だったので。」

 

生徒2

「あのさ神譲、さっきの英語の授業で分からない問題が出たんだけどさ教えてくれないか。」

 

雄助

「いいですよ。」

昼休み、雄助は数人のクラスメイトと一緒に教室でご飯を食べていた。

 

生徒3

「雄助いる?」

 

雄助

「ここにいます。」

 

生徒3

「天上達がお前のこと探してたぞ。」

 

雄助

「陽太君と空君が?……分かりました有難う御座います。

ご馳走さまでした。」

 

生徒3

「因みに天上達がいる場所は…」

 

雄助

「大丈夫ですよ、2人共外で待っていましたから。」

そう言って雄助は教室を出て、陽太と空のところに向かう。

 

 

 

 

 

 

 

陽太

「やっときたか。」

 

雄助

「陽太君、空君何か用でしょうか?」

 

陽太

「『何か用でしょうか?』じゃねぇよ!!!!

最近調子のってんじゃねぇか!!!!!」

 

雄助

「どういう事ですか?」

雄助は何故陽太達が怒り出しているのか理解できなかった。

 

「友達が噂してたのよアンタが私たちの兄じゃないかって。」

 

雄助

「勿論僕は君たちの兄、いや義兄の方がいいよね。」

 

陽太

「…チッ、本当に嫌なやつだなお前。」

 

「そもそも何その顔整形でもしたの?」

 

雄助

「僕は元々これが僕の素顔だから整形なんてしていませんよ。

僕は教室に戻って次の授業の準備をしないといけないのでこの辺で。」

 

陽太

「はあ?てめぇ何勝手に戻ろうとしてんだよ!!」ガシッ

教室に戻ろうとした瞬間陽太に止められた。

 

雄助

「まだ何かあるでしょうか?」

 

「私たちに対する言葉がなってないのよあんたは。」

 

雄助

「家族にはそんなの必要ないと思いますけど。」

 

陽太

血の繋がらない(・・・・・・・)お前が家族面するなっていつも言ってるよな!!?」

段々と雄助達の周りに生徒が集まった。

 

生徒4

「何々どうしたの?」

 

生徒5

「陽太と空が噂の超絶イケメンと揉めてんだ。」

 

生徒6

「あの超絶イケメンは、神譲だって噂があんだけど。」

 

生徒7

「マジ!?あれ神譲!!?

初めて見たわアイツの素顔。」

この昼休み殆どの生徒が雄助目当てで集まっていった。

 

教師

「おいなんだこの騒ぎは!!」

すると、先程雄助のクラスで英語の担当をした教師が現れた。

教師はこの場の状況を理解した瞬間、笑顔を浮かべた。

 

教師

「おいおい、神譲何してるんだ?

中学生相手に揉め事か?」

 

陽太

「そうなんですよ~先生~。」

 

「私たち困ってたんですよぉ。」

 

教師

「こりゃあ内申に響くぞ。」

3人は揃って雄助を生徒たちの前に恥をかかせようとする。

しかし、

 

 

 

雄助

「はぁ。」

雄助は3人の行動に溜め息しか出せなかった。

 

雄助

「どちらかと言うと陽太君と空君の方が内申に響きますよ。

それに先生は、教員としてこの状況を止める立場なのに何で加担してるんですか。

ここで見てる生徒達はこの状況を他の先生に報告するかもしれないのに何で毎日こんな無駄な行動ばかりしてるんですか。

いつか痛い目に会いますよ。」

雄助は今ここの状況を分かっていない3人にそう話し出す。

 

陽太

「てめぇ、ごちゃごちゃと言い訳しやがって…」

しかし、3人はその話の内容を一切聞かず暴言を吐き出そうとする。

 

 

 

 

「ちょっとよろしいですか。」

 

 

すると、雄助達の間に2人の女性が入ってきた。

1人は、眼鏡をかけ執事服を身に包んでいる女性と、

もう1人は白を基調としたブレザータイプの制服を包み、

クセのない艶やかな黒髪を腰の位置まで伸ばした

可憐、大和撫子という言葉が連想される女性が入ってきた。

 

生徒8

「ねぇ、あの子の着ている制服って、」

 

生徒9

「嘘だろ…『王星学園(おうせいがくえん)』の生徒だ!」

 

生徒達は王星学園の生徒が来たことでざわめき出した。

 

 

私立『王星学園』

勉学はもちろんあらゆる分野で才能を発揮する生徒が多く在籍し、卒業生は各界でトップレベルの地位に就く超エリート校だ。

 

王星学園の生徒

「神譲 雄助さん…ですよね。」

 

雄助

「貴女はあの時の…」

雄助は、王星学園の生徒に見に覚えがあった。

雄助が異世界に行く前にレッドオーガの2人組に絡まれた女性だった。

 

王星学園の生徒

「はい、あの時は本当にありがとうございました。」

 

雄助

「いいえ、大したことではありません。

そういえば先程僕の名前を口に出してましたが僕のこと詳しく調べたんですか?」

雄助は、自分の名前を出した女性に自分の情報を確認したのかを聞き出した。

 

王星学園の生徒

「すみません、お礼をするために色々調べさせていただきました。」

 

執事の女性

「お嬢様そろそろ本題を。」

 

王星学園の生徒

「あっ、そうでした!

雄助さん、うちの学校に来ませんか?

王星学園は貴方の編入を歓迎します。」

 

生徒10

「えっマジで!?神譲すげぇ!!」

 

生徒11

「今まで俺たちの悩みや相談に乗ってくれたから良いことが来たんだ!」

 

佳織

「申し遅れましたが王星学園生徒会役員宝城 佳織(ほうじょう かおり)と申します。」

 

雄助

「宝城さん、1つ質問を疑ってもよろしいでしょうか。

何故僕が王星学園に編入するということになったのでしょうか?」

雄助は何故自分が王星学園に編入することになったのかを佳織に訊いた。

 

執事の女性

「私から説明いたします神譲様。

佳織様のお父様は、『王星学園』の理事長をしておられ、以前神譲様が佳織様を悪漢から守ってくださった話を聞き、是非我が学園にとおっしゃられました。」

執事の女性は佳織の変わりに王星学園の編入の理由を言い出した。

 

雄助

「…成る程、ですが僕は当然のことをしたまでですから。」

 

佳織

「違いますよ雄助さん、普通の人はそのまま見て見ぬふりをします。

誰もが勇敢に前に立つことなんて出来ないんですよ。

貴方は確かに私を守ってくれました。」

 

雄助

「…………」

佳織の純粋な気持ちを言葉に出してそれを聞いた雄助はただ黙っていた。

 

陽太

「あの!すみません!!」

すると2人の間に陽太と空が入ってきた。

 

陽太

「こいつより俺たちを入学させてくれませんか!!!」

普通の人間が言わない事を陽太は言い出した。

 

佳織

「……どういうことでしょうか?」

 

陽太

「こいつより俺たちの方が圧倒的に優れています!!!

スポーツだって!成績だって!」

 

「色んな部活に助っ人で参加して結果も出しています!王星学園でもきっと大活躍します!

だから私たちを入学させてください!!!」

陽太と空は雄助を見下しながら佳織に王星学園の入学を頼んだ。

 

佳織

「お断りします。」

だが佳織は、2人の頼みを強く断った。

 

陽太、空

「「………え、今……なんて」」

2人は佳織の出した言葉に信じる事が出来なかった。

 

佳織

「『お断りします』そう申し上げました。

雄助さんは、私を助けてくれた恩人です。

恩人を侮辱する人に入学を推薦するわけにはいきません。」

 

陽太

「い、今のは少し興奮して乱暴な言い方になっただけで…」

 

「そうです!言葉のあやなんです!」

 

雄助

(だから言ったじゃないですか、痛い目を見ると。)

雄助は心の中で先程言った言葉を思い返していた。

 

執事の女性

「あなた方の日頃の行いは調査済みです。

神譲様をご招待するにあたり、我々は身辺調査を行いました。

その結果あなた方や多くの生徒、教員までもが神譲様に対して良識の欠けた行動、所謂『いじめ』を行っていたことが発覚しております。」

執事の女性の言葉に陽太達は唖然するしかなかった。

 

陽太

「そんなの証拠はあるんですか!!!」

 

執事の女性

「証拠の有無がどう関係するのでしょうか?」

 

「そんなの、私たちの無実を証明するためです!!!」

 

執事の女性

「今しがた貴方達は何をしていましたか。

大声で生徒の方々の前で神譲様に侮辱・恫喝、更には暴力まで振るおうとし、そちらの教員はその状況を止めず加担してるように見受けました。」

 

3人

「「「ぐっ………。」」」

執事の女性の出し続けた言葉により3人は反論する事が出来なかった。

 

佳織

「ええ、とても王星学園に相応しいとは思えません。」

 

陽太、空

「「………ッ!!!!」」

佳織の言葉で2人は頬を真っ赤にしながら怒りを露にした。

 

佳織

「雄助さん、王星学園は人間性を重視しています。

普段から善い行いが出来る人間なら編入資格は十分です。」

 

雄助

「本当に僕が編入して大丈夫なんですか?」

自分が編入することに雄助はまだ疑問を持っていた。

 

佳織

「もちろんです!

それと雄助さんこのまま私たちの学園に来ていただけませんか?

そこで父…理事長と話をして、そこから編入するか決めていただいても構いませんので。」

 

雄助

「分かりました。」

雄助は佳織達に着いていき、雄助の学校まで来たリムジンにのって王星学園に向かう。

 

 

 

 

 

 

生徒12

「行っちゃったなぁ、雄助。」

 

生徒13

「でも王星学園の生徒の人の言う通り、良いことしてるしてるからな。

あの2人が王星学園に入学するなんて無理だなwww」

 

生徒11

「ざまぁwwww」

するとチャイムが鳴った。

 

 

生徒10

「あっ、昼休みもう終わっちまった!」

 

生徒11

「早く戻って授業の準備しないと!!」

 

生徒12

「取り敢えず雄助が王星学園に行ったこと先生に伝えとかないと。」

昼休み終了のチャイムが鳴り、外にいた生徒達は教室に戻っていった。

 

 

 

 

 

 

陽太

「…許せねぇ!!」

 

「私たちをコケにして……!!!」

 

陽太

「ぜってぇ後悔させてやる!!!!」

2人はリムジンが去っていった方角に睨み続けた。

 

 

 



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第8話 王星学園

アルフィミィ様、msz007様、政宗の胃袋様、
あいうえお123様、アルケット様、sinkata様、
お気に入り登録有難う御座います。

☆9リアム・クラーク様
評価有難う御座います。


 

 

 

雄助

(陽太君、空君相当ショックでしたね。

それに2人何かしら王星学園に泥を濡らせるつもりでしょうしレッドオーガの人達と手を組んで………)

王星学園に着くまで雄助は、陽太と空の行動を予測していた。

 

佳織

「雄助さん、到着しましたよ。」

佳織が王星学園に着いたと聞いてリムジンから降りた。

降りるとそこには西洋にある宮殿が目の前にあった。

雄助は周りを見渡すと広大なグラウンドが設置されていることから、此処が王星学園だと改めて理解した。

 

雄助

(グラウンドに気づかない限り学園とは思えませんね……)

雄助は心の中で王星学園の印象を胸に秘め、佳織と共に王星学園の中に入る。

 

 

 

佳織

「雄助さん、着きました。」

雄助が中を見回している間に理事長室に着いた。

 

佳織

「佳織です、失礼します。」

 

「入りなさい。」

 

佳織

「失礼します。」

 

雄助

「失礼します。」

佳織と雄助は理事長室に入室する。

中は質のいいソファー、落ち着いた茶色のテーブル、

その奥には執務をするための机に中年の男性が座っていた。

 

「よく来てくれたね。

私はこの『王星学園』の理事長をしている宝城 司(ほうじょう つかさ)だ。」

王星学園の理事長、宝城 司は雄助に自己紹介をする。

 

「神譲 雄助君、娘を助けてくれてありがとう。」

司は雄助に佳織を助けてくれた事に頭を下げてお礼をする。

 

雄助

「頭を上げて下さい。大層な事をしてませんので。」

 

「君がどう思おうと確かに行動を起こしたんだ。

それは誇るべきことだよ。」

 

佳織

「私からもありがとうございます。」

佳織も司と同じように頭を下げて雄助にお礼をする。

 

雄助

「…分かりました。」

そうして雄助は司に佳織とあったあの時の事について詳しく話した。

 

「…成る程、そんな状況だったのか。」

 

雄助

「司さん、1つ質問をしてもよろしいでしょうか。」

 

「構わないよ。」

 

雄助

「宝城さんは何故1人だったのでしょうか?

理事長の娘という立場なんですから護衛くらいはついていると思うんですが。」

雄助はあの時の何故佳織が1人だけ彼処にいたのかを司に質問する。

 

佳織

「『佳織』と呼んでいいですよ雄助さん。

敬称も敬語も不要です。」

 

雄助

「宝城さんすみません。

異性の人や年上には敬語で呼んでいたので呼び捨ては出来ないんです。

ですが名前で読んでほしいならば構いません。」

佳織はため口で雄助に呼んでほしいと頼んだが、

雄助は佳織の頼みを丁重に断わられて佳織は少し残そうな表情になった。

 

「さて、雄助君の質問だが、佳織には普通の生活をしてほしくて、幼い時以降は護衛をつけてないんだ。」

 

佳織

「私自身が望んだ事でもあるんです。

いずれは独り立ちするのに護衛は必要ないでしょう?

ですが、あの一件のせいで、今は送り迎えが必要になってしまったのです。」

司は雄助の質問に答え、それは佳織自信の頼みだという事を雄助は理解した。

 

「しかしあんなことがあったんだ。

しばらくは送り迎えだけでも…となってね。

私も心苦しいが、やはり娘だからね大切なんだ。

 

雄助

(確かに司さんの言う通り、あんなことがあったら誰だって心配する。

僕も陽太君達の心配してるけど、あっちは僕の心配なんてないだろうなぁ。

むしろ早く消えてほしいと思っているはずだ。)

雄助は司と陽太達の家族に対する対応を比較していた。

 

「さて、本題に入らせてもらうよ雄助君。

佳織から聞いていると思うが王星学園に編入する気はないかい?」

司は、雄助に王星学園に編入するかを訪ねる。

 

雄助

「司さんいえ理事長、

僕をこの王星学園に通わせて下さい。」

雄助は司に真っ直ぐに顔を見て、王星学園に編入する事を言う。

 

「……分かった私達は君の編入に歓迎するよ。」

司は雄助の答えに目を大きく開いたが直ぐに戻して、笑顔で雄助を歓迎する。

 

「それから学費等は心配しなくていいよ。

佳織を助けてくれたお礼として、私が払うから。」

 

雄助

「いいんですか?」

 

「勿論、これでもまだ恩返しはまだ足りないと思うくらいだからね。」

 

雄助

「…有難う御座います。」

雄助は、司に頭を下げて感謝を述べた。

 

「そうだ、雄助君。

編入することが決まったから体験入学として授業を受けてみないかい?」

 

雄助

「……分かりました。

王星学園の授業を受けさせて下さい。」

 

「分かった。それじゃあ今からクラスの担任1人の授業を体験させる準備をするから待ってほしい。」

 

雄助

「分かりました。」

王星学園の授業を受けることを望んだ雄助は、理事長室で待機する。

 

 

 

 

 

 

「来たみたいだ……入ってくれ。」

 

「どうもー。」

理事長室に入ってきたのは、

気だるげに白衣を身につけ、その下にヨレヨレのシャツを着た1人の女性だった。

 

「君は相変わらずだな……。

雄助君今日の授業、沢田(さわだ)君のクラスで授業を受けてみてほしい。」

 

沢田

「だ、そうだ。ちゃんと先生が教えてやるからな!」

 

雄助

「有難う御座います。」

こうして王星学園の編入が決まった雄助は、今日から1日体験入学をすることになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

沢田

「お前らーちょっと授業中断して連絡事項だ。

午後の授業から体験入学生を預かるぞー。」

 

生徒1

「先生!、男ですかそれとも女ですか?」

 

沢田

「男だぞー。」

沢田はクラス全員に体験入学生として雄助の事を報告する。

雄助が来ることにより男子は落胆し、女子は期待し始めている。

 

沢田

「盛り上がるのは勝手だが時間があんまり無いから進めるぞー。

全員、度肝を抜かれるなよー?」

 

全員

『?』

沢田の言葉にクラス全員は疑問を抱いた。

 

沢田

「入っていいぞー神譲。」

 

雄助

「はい、失礼します。」

雄助は、体をしゃがんで教室に入る。

 

全員

『!?』

クラス全員は、雄助の体型と容姿を見て驚愕した。

 

雄助

「神譲 雄助です。

体験入学生として皆さんの授業に参加させて頂きます。

どうぞよろしくお願いします。」

雄助は、自己紹介をしてクラス全員の前でお辞儀する。

 

沢田

「はっはっはっ!真面目だなぁ神譲。

席はあの窓際の一番後ろに座ってくれ。」

 

雄助

「分かりました。」

雄助は、指定された席に向かう。

 

雄助

「よろしくお願いします。」

 

女子生徒

「え?あ…うん、よろしく。」

雄助は首元にチョーカーを着けたクールな印象を持つショートカットの女子生徒に挨拶をした。

 

沢田

「じゃあ授業再開するぞー。」

 

女子生徒

「………」

すると女子生徒は、雄助の机とくっ付けて教科書を見せる。

 

女子生徒

「教科書…ここから。」

 

雄助

「有難う御座います。

あの…お名前をお聞きしても宜しいでしょうか?」

 

雪音

氷堂 雪音(ひょうどう ゆきね)。」

雪音は雄助に自分の名前を出す。

 

雄助

「有難う御座います氷堂さん。」

 

雪音

「…ん、気にしないで。」

こうして授業は雄助の体験入学が始まる。

 

 

 

生徒2

「ねぇねぇ、何処の高校?」

 

生徒3

「習い事とかしてる?」

 

生徒4

「部活は何やってた?」

 

生徒5

「彼女とかいる?」

午前の授業を終えるとクラスの生徒は雄助の所に集まり様々な質問をする。

 

男子生徒

「おいおい、神譲が困ってるじゃねぇか。

取り敢えず落ち着こうぜ皆。」

 

生徒6

「そうだな。」

 

生徒7

「ごめんね、一気に聞いちゃって。」

 

生徒8

「また後でね。」

1人の男子生徒の言葉で、生徒達は雄助に謝罪する。

 

男子生徒

「ごめんな、皆悪気は無いんだ。」

 

雄助

「気にしていません。」

 

「タメ口でいいよ。

俺は、五十嵐 亮(いがらし りょう)

亮って呼んでくれ、よろしくな雄助!」

 

雄助

「宜しく御願いします亮君。

ですが元々この喋りなので言葉を変えるのは難しいです。」

 

「雄助、よかったら一緒に食堂に行かないか?

ここの食堂すごいんだぜ!」

 

雄助

「有難う御座います、実は僕ここに来る前に食べたのですが足りなかったので丁度良かったです。」

 

「よし!じゃあ行くか!!

慎吾(しんご)も来るか?」

亮は慎吾という1人の生徒に声をかける。

 

慎吾

「ぼ、僕は倉田 慎吾(くらた しんご)

よ、よろしくね、ゆ、雄助君。」

 

雄助

「宜しく御願いします倉田君。」

 

慎吾

「し、慎吾でいいよ。」

 

「それじゃあ2人共、食堂に行こうぜ!」

そして3人は食堂に向かった。

 

 

 

 

 

「ここが『王星学園』の食堂だぜ雄助。」

 

亮が連れてってくれた場所は、食堂とは思えない広い空間だった。

 

「和洋中は勿論、各国の専門料理も揃えてある。

しかも作るのは三ツ星レストランのシェフたちだ!」

 

雄助

「凄いですね……でも三ツ星レストランのシェフの人が作っているってことは早々食べれないと思うんですけど。」

雄助は食堂の料理人を聞いて料理の値段に心配する。

 

「そう思うよな。

でもなこれを見てくれ。」

亮は得意気な顔をしてメニューを雄助に見せる。

すると、メニューに書かれている値段が500円と書いてあった。

 

「それどころか『学生無料日替わりランチ』に至っては無料なんだ。

内容はおまかせになるんだけどな。」

 

慎吾

「ひ、1人暮らしで金銭面が厳しい生徒もいるからその負担を減らすためなんだって。」

 

「理事長の方針らしいぜ。

『若者には色々な経験をしてほしい』って。」

 

雄助

「…そうなんですね。」

(凄い……驚きが続いてどう答えればいいんでしょう。)

 

 

 

 

 

 

「そういえば雄助は、部活はするのか?」

 

雄助

「いいえ、僕今まで部活に入ったことが一度も無いんです。」

昼食を食べ終えた雄助は亮の質問に答える。

 

「意外だな。」

 

雄助

「亮君と慎吾君はどうなんですか?」

 

「俺か、俺は帰宅部なんだ。」

 

雄助

「そうだったんですか。

てっきりサッカー部に入っているのかと思いましたよ。」

 

「すげぇな雄助!正解だ。

中学の頃はサッカーしてたんだ。」

 

慎吾

「り、亮君は色々な運動が得意で、入学当初は色んなところから勧誘されてたんだ。

本当に引っ張りだこ状態だったよ。」

慎吾が亮の代わりに帰宅部なのかを雄助に説明した。

 

「この学園に入って、色々な経験をしてみたいなぁって思ったら、結局帰宅部になっちまったんだ。」

 

慎吾

「で、でも亮君は助っ人として本当に色々な部活に参加してるし、その度に凄い成績を残してるんだ。」

 

「はは、照れるからやめてくれ。」

慎吾の言葉を聞いて亮は恥ずかしそうに笑った。

 

雄助

「そういうのもあるんですね。」

 

「ああ、それでさ慎吾の部活なんかもっと珍しいぜ。」

 

雄助

「どんな部活ですか慎吾君?」

亮を言葉をを聞いて雄助は慎吾の入っている部活を聞く。

 

慎吾

「あ、ぼ、僕はねゲーム部に所属してるんだ。」

 

雄助

「ゲーム部?

もしかして、TVゲームとかそういう類いの物ですか?」

 

慎吾

「そ、そうだよ。

でも授業中とかはしちゃダメだけど、休み時間とかならゲームもスマホも使っていいんだ。」

 

雄助

「成る程、普通の学校だったら厳しく制限されていますしこの学園だからこそ出来たんでしょうね。」

 

 

 

 

 

 

 

「それで、どうだった?この学園は?」

放課後、雄助は理事長室に訪れた。

 

雄助

「流石エリート校と思いましたよ。

授業の分かりやすさ、設備等が充実してました。

そして皆がとても楽しそうに過ごしていました。」

 

「そう言ってもらえると私は嬉しいよ。」

そう言うと司は、机から立って雄助の前まで近づく。

 

「私たちは君の入学を歓迎するよ。」

司は雄助に手を差しのべる。

 

雄助

「宜しくお願いします理事長。」

雄助は司の手を掴んで握手をし、王星学園に入学することになった。

 

 



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第9話 新たな力(特典)と異世界の王女との再会

音無ユキ様、アクルカ様、アルマリア様
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☆10ゼロ・ウラノスフィア様、
☆9タエちん様、
評価有難う御座います。

一部文章を修正しましたすみません。


 

 

 

王星学園の体験入学を終えた雄助は、編入の準備をしていた。

 

雄助

「来週から王星学園に編入する事をになるし、その間勉強したり異世界で転生者を探そう。」

 

雄助は、王星学園に編入するまで様々な計画を経て、

1日の終わりを迎える。

 

 

 

 

 

 

オーウェン

「失礼します、レクシア様。」

 

雄助が王星学園の編入まで計画を経てている同時刻、

異世界ではオーウェンはレクシアの自室に行き、レクシアの体調を確認しに来た。

 

オーウェン

「もうお加減はいいのですか?」

 

レクシア

「ええ大丈夫。

それにこれ以上皆を心配させたくないもの。」

 

レクシアはオーウェンに心配させないよう笑顔で言う。

 

オーウェン

「レクシア様、あの時【大魔境】で何があったか話してく頂けませんか?」

オーウェンはレクシアが賊に襲われた時の事をレクシアに聞き出す。

 

レクシア

「分かったわ。

あの時、賊に襲われて必死に逃げて追い付かれてしまって殺されそうになったとき、黄金の鎧を纏った人に助けられたの。」

 

オーウェン

「黄金の鎧?その者がレクシア様を助けて下さったのですか?」

 

レクシア

「ええ、でもその後ゴブリン・ジェネラルが現れて賊を1人も残らず殺したの。」

 

オーウェン

「ゴブリン・ジェネラルが現れたのですか!?」

 

レクシア

「ええ、その時私も殺されると思った時私を助けてくれた人はゴブリン・ジェネラルを倒したの。」

 

オーウェン

「ゴブリン・ジェネラルを倒した!?」

 

オーウェンはレクシアの言った言葉に驚愕をした。

それもそうだ、【大魔境】に住む魔物は1体だけで国を壊滅させるほどの魔物が多数も蔓延んでいる。

それほど【大魔境】は恐ろしいところなのだ。

 

レクシア

「素敵な人だったわ。

異国の貴族のような優雅さと騎士のような力強さを持っていたの。」

 

オーウェン

(ゴブリン・ジェネラルを倒すほどの実力、

【大魔境】に棲む超弩級の魔物を1人で倒す…とても人間業とは思えん。

只でさえレクシア様の刺客の正体がまだ分からないというのに…)

 

オーウェンはゴブリン・ジェネラルを倒した雄助の事について考えていた。

 

レクシア

「そうだわオーウェン!

もう一度【大魔境】に行きましょう!」

 

オーウェン

「!!?危険ですレクシア様!

また魔物や刺客に襲われたらどうするんですか!!!」

 

レクシアの言葉にオーウェンは戸惑い、【大魔境】に行かないよう説得する。

 

レクシア

「貴方がいれば大丈夫でしょう?」

 

オーウェン

「私といえども【大魔境】では弱者です!!!!

第一陛下になんとお伝えしなければいいのですか!!」

 

オーウェンは何がなんでも【大魔境】行かないようレクシアに説得をし続ける。

 

レクシア

「それなら大丈夫よ!

お父様には私が話に行くわ。」

 

そう言ってレクシアは自室に出ていき、国王のところに向かう。

 

オーウェン

「お待ちくださいレクシア様ー!!」

 

オーウェンは自室に出たレクシアを追いかける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雄助

「さてと今日は此処を通ろう。」

 

数日後、雄助は異世界に行き【大魔境】の探索を続行する。

段々奥に進むと、雄助の前に1匹の魔物が目に入った。

其処には、真紅の毛皮に、三つの凶悪な角を生えた熊が

別の魔物を食い殺していた。

雄助は【根源眼】を発動してステータスを確認した。

 

 

 

 

【デビルベアー】

 

レベル:450

 

魔力:4500 攻撃力:10500 防御力:6000

俊敏力:2000 知力:3500 運:500

 

 

 

雄助

「やっぱり奥に進めば強い魔物が出るのは当然だね。

1回こっちに向けるようにスキルを解除して鼻に出ている角に攻撃しよう。」

 

そう言って雄助は、【千変万化(根源)】を解除して、

【根源の門】から【根源弓棍剣エンヘドゥアンナ】を出し、弓形態にしてデビルベアーの鼻に雄助の魔力で構成された矢を放つ。

 

デビルベアー

「ガアアアアアア!!!!」

 

見事デビルベアーの角に命中した。

デビルベアーは周りを見渡し雄助を見つけて睨み付ける。

 

雄助

「さてどう攻撃してくるのかな。」

 

デビルベアー

「グルルルルル……」

 

するとデビルベアーは唸り声を上げ始めた。

 

デビルベアー

「ガアアアアアアア!!!!」

 

そして、口から灼熱の炎を雄助に目掛けて噴出させた。

雄助は避けずにその場で立っていた。

 

雄助

「…成る程、炎を噴出させるのですか。」

 

雄助は何事もなかったかのようにデビルベアーの攻撃の感想を述べていた。

 

デビルベアー

「ガアア!?グルルルルル……」

 

【デビルベアー】は雄助が無傷なことに驚愕して、また唸り声を出す。

 

雄助

「それでは此方も攻撃します。」

 

雄助は弓形態の【根源弓棍剣エンヘドゥアンナ】を構える。

弓を引くと、魔力の矢構成されて、水に変化した。

雄助は【デビルベアー】に向けて矢を放つ。

 

 

 

【デビルベアー】は雄助の放った矢に呑み込まれ、其に止まらず岩や木を粉々に打ち砕れ数十km先まで消えてしまった。

 

雄助

「スキル1つで加減してこの威力…もっと威力を低くしないと危険を晒してしまいますね。」

 

そう言って雄助はデビルベアーのドロップ品を回収し、【大魔境】の探索を続行する。

 

 

 

「おい、待て!」

 

すると後ろから雄助を呼び止める声がした。

雄助は振り向くと其処には、赤い髪と黄色い目が特徴の

男がいた。

 

赤髪の男

「お前が神譲 雄助だな?」

 

雄助

「そうですけど?

僕の名前を知ってるという事は貴方も僕と同じ転生者ですね。」

 

雄助は自分の名前を出した赤髪の男も転生者なのか尋ねる。

 

赤髪の男

「ああそうだ神が言ってたんだよ。

この世界の邪魔者を倒してくれって。」

 

雄助

「邪魔者ですか………確かに僕達転生者は本来この世界に存在しない者だから間違っていませんね。」

 

赤髪の男

「俺をお前と一緒にすんじゃねぇ!!」

 

赤髪の男はいきなり怒鳴り出す。

 

雄助

「何故怒るんですか。

まさか自分は選ばれた人間なので違うと思っているんですか。」

 

赤髪の男

「当然だ!神に転生したってことは俺は主人公ということなんだよ。」

 

雄助

「その理屈だと僕も主人公だと思うんですけど。」

赤髪の男の言葉を聞いて雄助は自分も同じだと言葉を返す。

 

赤髪の男

「神に邪魔者扱いされてるお前が主人公な訳ねぇだろ!!!」

 

すると、赤髪の男は左手を何かから出すように後ろに伸ばす。

取り出したのは、短剣だった。

だが短剣にしては不自然なところが多い。

短剣を納めている鞘には3つの窪みがあり、何かの言語が金色に施されている。

赤髪の男は短剣を腰に当てる。

 

赤髪の男

「?何だ?おい!!反応しろよ!?」

 

男は短剣を腰に当て続ける。

 

赤髪の男

「てめぇ何しやがっ………」

 

赤髪の男は雄助を睨みつけた途端その場で倒れた。

 

 

雄助

「転生特典にも効果あるんですね。

これからは転生者の特典を回収する時はこれを使いましょう。」

 

雄助は赤髪の男に対してスキル1つ使った。

そのスキルは【根源分割】というスキルだ。

 

 

 

【根源分割】

あらゆる全てを分割するスキル。

分割する対象、数、範囲、概念等、分割の制限がない。

 

 

 

雄助は、赤髪の男の肉体と魂、そして特典を分割させた。

 

雄助

「やはりその姿も特典の1つでしたか。」

雄助がそういった後、赤髪の男の姿を見た。

先程の姿と違って骸骨のような姿になっていた。

赤髪の男だった男はそのまま消えていった。

短剣(・・)と男が消えた場所から出てきた()を残して。

 

雄助

「…可笑しいですね。

特典の持ち主がいなくなると自動的に回収されると神様から聞いたのですが…………」

 

雄助はその場に残った短剣と本を手に持つ。

すると、

 

【転生特典【仮面ライダー】に干渉したため、特典の統合を開始します。】

 

と、異世界に来たときと同じようなメッセージが現れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

【特典の統合が完了しました。

特典と統合したため、

スキル【全知全能】を獲得しました。】

 

メッセージが出てから1分後、

雄助は自分のステータスを確認する。

 

 

 

【神譲 雄助】

 

種族:AtoZ 職業:なし レベル:超越

 

魔力:超越 攻撃力:超越 防御力:超越

俊敏力:超越 知力:超越 運:超越

 

スキル

【無限の可能性】【全知全能】

 

称号

【扉の主】【家の主】【異世界人】

【初めて異世界に訪れた者】【転生者】

【転生者殺し】【全知全能の転生者】

【超越者】etc…

 

雄助

「…スキルが2つに。」

 

雄助は、新しく追加された種族とスキル、称号を確認した。

 

 

 

 

【AtoZ 】

唯一無二の種族にして存在。

スキル【全知全能】に記録されている全ての種族が此処にあり、その種族の特性等の長所がここに内包されている。

 

【全知全能】

全ての知識と能力を持った唯一無二して最強のスキル。

このスキルの前ではどんなスキル、武器、魔法等はこのスキルの一部で下位互換でしかない。

 

【全知全能の転生者】

転生者で初めて全知全能に至った者に与えられる称号。

 

 

 

 

 

雄助

「……………【全知全能】ですか………っ。」

 

すると、雄助は【全知全能】に内包されているスキル【気配察知】と【根源眼】が発動する。

すると、レクシアとオーウェンとその部下達がゴブリン・エリート達に襲われていた。

 

雄助

「この前僕が助けた人がまた【大魔境】に来てるってことは助けたお礼をしに来たのか。

このままだと全滅してしまう直ぐに助けに行かないと。」

 

雄助は自分の目の前にワームホールを出してその中入る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

兵士1

「こんなところでゴブリン・エリートに遭遇するなんて!」

 

兵士2

「本当にこの森はどうなってやがるんだ!?

1体出現するだけでも危険だというのに!」

 

オーウェン

「口を動かすな!

なんとしてでもレクシア様をお守りするのだ!」

 

オーウェン達はレクシアを守りながらゴブリン・エリート達と戦っている。

 

兵士3

「ぐわぁ!」

 

1人の兵士がゴブリン・エリートに力で押されてその場で倒れる。

ゴブリン・エリートはその兵士を殺そうと剣を振り下ろそうとする。

 

ゴブリン・エリート

「ギャッ!!?」

 

しかし、ゴブリン・エリートが剣を振り下ろす前に後頭部に石を当てられたことにより止まった。

 

ゴブリン・エリート

「グルルルルル…」

 

ゴブリン・エリートは石を当てられた方を向くとレクシアが立っていた。

 

ゴブリン・エリート

「ギヒヒヒヒ…」

 

レクシアを見た途端ゴブリン・エリートは笑みを浮かべる。

するとレクシアを逃げないよう他のゴブリン・エリートが周りを囲んで襲いかかる。

 

レクシア

「きゃああああ!!!!」

 

オーウェン

「レクシア様ー!!!!!」

 

オーウェンは自分のいるところから助けることができずレクシアの名前を叫ぶしかなかった。

 

 

 

 

ゴブリン・エリート達

「ガアアアアアアア!!!!!!!!!!」

 

すると、ゴブリン・エリート達の体が段々消えていく。いや、正確には見えないなにかに食われていると言ってもいい。

 

オーウェン

「レクシア様!、大丈夫ですかレクシア様!!」

 

レクシア

「ええ、大丈夫よ。」

 

オーウェン

(一体何があったんだ、ゴブリン・エリートが一瞬で消えた。

まさか、別の魔物が襲いに来たのか…!!!)

 

オーウェンはレクシアのもとに行き周囲を警戒する。

 

 

 

 

 

「皆さん大丈夫ですか。」

 

レクシア達に心配をかける声が聞こえた。

レクシア達は声が聞こえた方向に向くと、黄金の鎧を身に纏った者、雄助がそこに立っていた。

 

オーウェン

(黄金の鎧を身に纏っている…もしやあの者がレクシア様を助けたのか!!)

 

レクシア

「あの!」

 

すると、レクシアは雄助に近づいた。

 

オーウェン

「れ、レクシア様!!!」

 

 

 

 

レクシア

「結婚してください!!」

 

 

 

 

 

 

オーウェン

「は?」

 

オーウェンはレクシアの予想外の発言を聞いて間抜けな声を出して固まった。

 

 

 

 



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第10話 異世界人との関わり

燕人様、シノ・ノン様、ナギト様、
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ナギNAGI様、
☆1
薄味様、リョウ@さま、
評価有難う御座います。


 

 

 

 

レクシア

「結婚してください!!」

 

オーウェン

「は?」

レクシアが雄助に求婚を申し上げ、オーウェンはレクシアの言葉を聞いて唖然とした。

 

オーウェン

「レ、レクシア様一体何を…!?」

 

レクシア

「何って求婚に決まってるじゃない!」キリッ

 

オーウェン

「レクシア様を助けた人物が何者かわかってないのに求婚していいのですか!」

 

レクシア

「あの人に一目惚れしたからいいに決まってるじゃない!」

 

オーウェン

「理由になっていませんよ!!!」

オーウェンはレクシアの常人には理解し難い行動にツッコむことしか出来なかった。

 

雄助

「皆さん、この場立ち止まってるとまた魔物が襲ってくるので僕の家に来てください。」

雄助はレクシア達の間に入って、賢者の家だった所に移動することを提案する。

 

兵士1

「なあ、今あの人家があるって言わなかったか。」

 

兵士2

「ああ、言ってた。」

 

兵士3

「まさか本当にこの【大魔境】住んでいるなんて…」

オーウェンの部下達は雄助がここに住んでいることに驚いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雄助

「皆さん着きました。」

雄助はレクシア達を賢者の家まで連れてきた。

 

オーウェン

(し、信じられん!本当に住んでいるなんて!!)

「こんな所にいてはまたマモノに襲われるのでは?」

 

雄助

「大丈夫です。

この家の敷地内に魔物が入ってこられないよう結界が貼ってあります。」

雄助はオーウェンに賢者の家に結界が貼っていることを説明する。

 

オーウェン

(魔物が入れない!?高等魔法の結界か!!!

この者は他国の人間ではなく、貴族や大魔術師の可能性が…)

 

レクシア

「あの!」

 

雄助

「何でしょうか?」

 

レクシア

「フツツカモノですがよろしくおねがいします!!」

 

雄助

「?宜しく御願いします。」

レクシアの言葉を返した雄助だがその言葉の意味は伝わることが出来ないまま賢者の家に入る。

 

オーウェン

「お前達はこの場で待機してくれ。」

オーウェンは部下達を賢者の家の外で待機させる。

 

 

 

オーウェン

「改めて自己紹介を私の名はオーウェン。

こちらのレクシア様に使える騎士だ。

この度は我が国の王女を救っていただき感謝する。」

オーウェンは雄助に自分の名前を名乗り、レクシアを助けたことで頭を下げる。

 

雄助

「王女様だったんですね。」

 

レクシア

「はい!アルセリア王国第一王女

レクシア・フォン・アルセリアです。」

 

オーウェン

「因みに、レクシア様と普通に話して入るが我々は非公式な場で話しているから問題ない。

何より命の恩人だ普段通りで構わない。」

 

雄助

「有難う御座いますオーウェンさん。

では自己紹介をする為にこの鎧を外しますね。」

そう言って黄金の鎧は粒子となって消え、異世界で手に入れた服装を身に着けた雄助が立っていた。

 

オーウェン

「なっ!?」

 

レクシア

「…………」

オーウェン達は目の前の事に驚愕した。

いや正確にはオーウェンだけが驚愕し、レクシアだけは驚愕してなかった。

何故ならレクシアは雄助の容姿に見惚れているからだ。

 

雄助

「僕の名前は神譲 雄助と言います。

この国ではユウスケ シンジョウと言った方が正しいですね。」

雄助はそのまま2人に向けて自己紹介をする。

 

オーウェン

(シンジョウ ユウスケ…やはりアルセリアでは聞き慣れない名前だ。)

 

雄助

「オーウェンさん、皆さんがこの森に来たのは僕のことを探していたのですか?」

雄助はレクシア達が【大魔境】に入った理由が自分を探していたのかをオーウェンに尋ねる。

 

オーウェン

「ええ、我々はあなたを捜してこの【大魔境】に来たのだ。」

 

レクシア

「ええ!どうしてもユウスケ様にお会いしたくて直接お礼を申し上げたくてやって参りました!」

 

レクシア

「2度も命を助けていただきありがとうございました。

感謝の言葉を尽くしても伝えきれません。

 

 

 

 

 

 

 

だから結婚してください!!!

レクシアは雄助に助けてもらったお礼を行った後、結婚を申し上げた。

 

オーウェン

「急すぎますレクシア様!!!

もう少し考えて行動してください!!!!」

オーウェンはレクシアの発言にツッコむしかなかった。

 

雄助

「すみませんレクシア様。

お気持ちは嬉しいのですが…」

 

レクシア

「『様』なんて他人行儀な!

レクシアと呼び捨てでお願いします!!」

レクシアは雄助に呼び捨てで呼んでほしいと要求する。

 

オーウェン

「レクシア様、一国の王女を呼び捨てるのは流石に良くないでしょう。

公の場では『レクシア様』にしてもらわないと。」

オーウェンはレクシアに雄助に呼び捨てにすることは良くないと注意する。

 

レクシア

「そんなのよそよそしくて嫌よ。」

 

オーウェン

「そうでしょうか?むしろ2人だけの特別な呼び方ではないですか?

「!!……2人だけの特別な呼び方……」

 

雄助

(レクシアさんに対するこの対応…

相当振り回されている。)

雄助はオーウェンのレクシアの対応を見てどれだけ苦労しているのかを理解した。

 

オーウェン

「ユウスケ殿失礼、話が逸れた。

実は私達が【大魔境】に来た理由はもう1つあるのだ。」

オーウェンは雄助の方を向いてここに来たもう1つの事を話しだす。

 

オーウェン

「実はレクシア様を助けたユウスケ殿のことを陛下に話した結果、ユウスケ殿に是非感謝の言葉を伝えたい為王城に来てもらいたいのだ。」

 

雄助

「王城ですか?」

 

オーウェン

「無理は承知だ。

どうしても陛下はユウスケ殿に礼を言いたいとおっしゃるのだ。

それに、王族が命を救われたというのに礼をしないというのは色々と不味い。

他国の優秀な諜報員等は直ぐにレクシア様が襲われ、それを助けた存在がいることを察知するだろう。

早めに手を打たなければ付け入る隙を与えることになるのだ。」

オーウェンは頭を下げて雄助にアルセリア王国に来てもらうことを要求する。

 

雄助

「分かりましたオーウェンさん。

ですが、僕にも色々事情がありますので20日待たせてもらっても宜しいでしょうか?」

雄助はオーウェンの話を聞いて陛下に会うことを約束する。

 

オーウェン

「それでしたら構いません、では20日後私達はまたここに訪れに行きますので。」

雄助が国王に会うようになったことでオーウェンは一安心した。

 

レクシア

「やった!今まで一番の手柄よオーウェン!!」

 

オーウェン

「レクシア様!その言い方だと私が今までやったきたことは無意味ということになるじゃないですか!」

レクシアの言葉を聞いたオーウェンは雄助と対面した時のように突っ込むしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

オーウェン

「ユウスケ殿、【大魔境】の出口まで送ってもらえるのはありがたいが手間ではないか。」

会談を終えた雄助は、オーウェン達を【大魔境】の出口まで送り出している。

 

雄助

「いいえ、それにまた魔物に襲われたら危ないので。」

 

オーウェン

「確かにユウスケ殿の言う通りこの【大魔境】は、1体で国を壊滅させるほどの魔物が蔓延んでいる。

ユウスケ殿に合う前に出会った魔物が【ゴブリン・エリート】だったのが運が良かった。」

 

雄助

「この【大魔境】にいる魔物ってそんなに危険だったんですね。」

 

オーウェン

「!?ユウスケ殿、まさか今まで知らずにこの【大魔境】に住んでいたのですか!?」

オーウェンは雄助が【大魔境】の危険を知らないことに驚愕する。

 

雄助

「はい。」

(この森について《根源の渦》で調べようとしたけれど無理だったからなぁ。

調べられるのはこの特典があった世界だけだったから。)

雄助は1度【大魔境】について調べたがその情報が出てこなかった。

 

オーウェン

「何てことだ……」

(我々はとんでもない人物と関わってしまったのか。)

オーウェンは頭を抱える中、

 

 

 

 

 

 

 

遠くから爆発音が聞こえた。

 

 

オーウェン

「!?何だ今のは!!」

 

雄助

「大丈夫ですよオーウェンさん。

先程の爆発音は僕が魔法で魔物を倒したものです。」

 

オーウェン

「魔法も使えるのですか!?」

 

 

 

 

すると茂みから【ゴブリン・ジェネラル】が現れ、オーウェン目掛けて剣を振り下ろす。

 

 

 

 

しかし雄助が出した【根源鎌杖槍ケニング】に突き刺さた為消滅する。

 

雄助

「はい、それと大丈夫ですかオーウェンさん。」

 

オーウェン

「あ、ああ問題はない。」

(見えなかった、それに【ゴブリン・ジェネラル】をたった一突きで倒すなんて…)

 

レクシア

「さすがユウスケ様だわ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

雄助

「皆さん着きましたよ。」

様々な魔物を雄助が倒している内に【大魔境】の出口に着いた。

 

オーウェン

(【大魔境】の魔物を1人でこうも簡単に倒すとは…)

 

雄助

「オーウェンさん、先程通った道に魔物に襲われないよう結界を貼っておきましたので僕に会いに行く時はここを通って下さい。」

 

オーウェン

「わ、分かった。」

(高等魔法の結界を容易にかける。

ユウスケ殿と有効な関係を築く為に陛下と伝えなければ…)

オーウェンは今後、雄助との関わりについて考えていた。

 

レクシア

「ユウスケ様!!!」

すると、レクシアが雄助に抱きついた。

 

雄助

「どうかされましたかレクシアさん。」

 

レクシア

「ここでユウスケ様とお別れなんて寂しいです…」

 

雄助

「……レクシアさん、1つお願いがあるんですけど。」

 

レクシア

「何でしょう。」

レクシアは瞳を雄助にむける。

 

雄助

「レクシアさん、僕と友達になってくれませんか?」

雄助はそのまま話を続ける。

 

雄助

「僕は王族でも貴族でもありません。

何より王女であるレクシアさんの夫になることは出来ません。

ですが、お友達としてならこれからも仲良くなれますが如何でしょうか。」

 

 

レクシア

「………」

レクシアは雄助の言葉を聞いて考える。

 

レクシア

「はい、喜んで!」

 

雄助

「有難う御座います。」

 

レクシア

「でも私は諦めません!

ここまで送る際、私や兵達への優しさますます心に惹かれてしまいました!!

次に会う時には、今度は私がユウスケ様の気を惹かせます。」

すると、レクシアは雄助から体を離れる。

 

レクシア

「いいえ、絶対にみせる(・・・)から覚悟しといてねユウスケ様!!!」

レクシアは笑顔でそう言い放つ。

 

雄助

「……分かりました。」

雄助はそう言葉を返して、今日の1日は終わる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わり、王都モントレス別荘区画。

そこにある豪邸の一室に2人の人物がいた。

 

貴族の男性

「先日の件についてだがどういうことが説明しろ。

何故レクシアが生きている(・・・・・・・・・・・・)。」

この王都に住んでいるような貴族の男性が自分の前で膝まついているローブを身に纏った男性に質問をする。

 

ローブの男性

「は、はい。

護衛共からレクシア様を引き離すまでは上手く行ったようですが、その後レクシア様が逃げ込んだ先が【大魔境】だったのです。

深追いした同胞たちは魔物に襲われ全滅…

レクシア様は護衛共に保護されたようです。」

 

貴族の男性

「待て、どうして魔物がレクシアを殺さず刺客だけを殺したんだ?」

 

ローブの男性

「申し訳ありません、そこまで情報は掴めていなくて…」

 

貴族の男性

「使えないな…まあいい。

それともう1つ私の正体は知られていないだろうな。」

貴族の男性はローブの男性にそう言って睨みつける。

 

ローブの男性

「同胞たちの死体は身元がわかるような状態にはなっていなかったので、おそらく殿下が心配させるような自体にはなっておりません!!!!」

ローブの男性は貴族の男性、殿下に言葉を返す。

 

殿下

おそらく(・・・・)だと!?」ガシャン

殿下は一室に置いてあった瓶をローブの男性の前にある床にぶつける。

 

殿下

「失敗を怠慢に塗り重ねる気か!!!

身寄りがない貴様らが今こうして生きていられるのは誰のおかげだと思っている!!!!」

 

ローブの男性

「殿下でございます!!」

 

殿下

「分かってるならいい…後1回だ。

次しくじればもう貴様らには用はない。」

 

ローブの男性

「…肝に銘じておきます。」

ローブの男性は殿下のいる一室に出る。

 

殿下

レクシア…貴様の存在が邪魔だ…!!!次こそは必ず殺してやる!!!

殿下左頬を擦りながらそう言い放つ。

 

 

 

 

 

 

 

 




最新話更新と共に話す事があります。

活動報告にも書いたのですが、
僕が最初に書いた作品
『英雄の力と第七波動のヒーローアカデミア』は削除しました。

この作品を見て『世界を行き来する転生者』を見に来た読者様、そして評価してくれた皆様本当に申し訳ありません。
ですがこれからは『世界を行き来する転生者』を集中して書きますのでどうか最後まで宜しくお願いします。


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第11話 新しい生活からの異変

皆さんあけましておめでとうございます。

そしてすみません。
朝早く投稿しようとしたんですけど、手間がかかってしまいました。




 

 

 

「似合っているよ神譲君。」

 

雄助

「有難う御座います理事長。」

レクシア達にあってから、雄助は今日から正式に王星学園の生徒として入学した。

 

雄助

「正直に言いますと自分がここにいる事が場違いだなと今でも思っているので心配でした。」

 

「そんなことないよ、佳織から聞いたと思うけど君にはこの学園に通えられる資格がある。」

司は笑顔で雄助に言う。

 

雄助

「…有難う御座います、すみませんこれしか言えなくて。」

 

「構わないよ。

困ったことがあったら佳織や私に聞くといいよ。

そういえばここにはいないけど佳織も君のことを気にかけていたよ。」

 

雄助

「佳織さんがですか。

分かりましたでは僕はこれで失礼します。」

雄助は理事長室に出ていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

沢田

「というわけで、今日から正式に編入した神譲 雄助だ。仲良くしろよー!!」

神譲は沢田の担当しているクラスに入った。

 

雄助

「改めまして皆さんこんにちは、今日から正式にこの王星学園に編入する事になった神譲 雄助です。

3年間宜しくお願いします。」

雄助は体験入学と同じように自己紹介をする。

 

生徒1

「よろしくー。」

 

生徒2

「ありがとーセンセー!」

 

生徒3

「そんなに固くなくてもいいよー。」

クラス全員は雄助の編入を歓迎した。

 

 

 

「……へぇ。」

その中で1人の女子生徒が雄助を興味深く見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フッ!」

 

 

 

雄助

「本当にすごいですね雪音さん、殆ど亮君が点数を取っていますよ。」

 

雪音

「雄助くんはやらないの?サッカー。」

 

雄助

「そういえば女子には言ってませんでしたね。

体操服は来週から届くので今日は見学なんです。

雪音さんは見学なんですか?」

午前の授業を終え午後の授業は体育の為、見学してた雄助は雪音と話し合っていた。

 

雪音

「休憩中。

基礎練習(キソレン)終わったら女子は自由だから。」

 

「そうそう、それで女子は大体男子のほう(こっち)見に来るんだよね。」

すると後ろから声が聞こえた。

髪をポニーテールに束ねた活発が特徴の女子がいた。

 

雄助

「貴方は風間 楓(かざま かえで)さんですよね。」

 

「えっ、私の名前なんで知ってるの!?」

楓は雄助が自分の名前を知ってることに驚いた。

 

雄助

「これから3年間お世話になりますのでクラス全員の名前を覚えたんです。」

 

雪音

「すごい記憶力…。」

雪音は無表情だが驚いていた。

 

「でも、そんなに堅苦しくなくてもいいよ。

楓って読んで、私も雄助君って呼ぶから。」

 

雄助

「すみませんこの喋りは昔からなので、

ですが名前で読んでほしいなら問題はありません宜しくお願いします楓さん。」

雄助は謝罪し、楓を下の名前で呼ぶ。

 

 

グラウンドにいる男子生徒達

『ウアアアアア!!!』

 

グラウンドの方に視線を向くと、男子達の士気が前よりも爆上がりしていた。

 

「男子はやっぱり迫力があるねぇすごいね、私も見ていこっかな。」

 

雄助

「確かに女子の皆さんが来てから先程よりも勢いが激しくなっていますね何故でしょう。」

雄助は何故男子の勢いが上がったのか理解出来なかった。

異性に自分の凄さをアピールしているという事に気づいていないからだ。

 

雄助

「それにしても楓さんと雪音さんは仲良いですね。

雪音さんを捜す為に態々ここまで来るなんて。」

 

「まぁね、それもあるけど雄助君と話してみたかったんだ。」

楓は笑顔でそう言った。

 

雄助

「僕とですか?」

 

男子

『ナニイイイイイ!!!』

するとグラウンドに改めて向くと底には亮が今までキープしていたボールが亮のチームの1人にボールを渡した。

 

「お前らアホか、サッカーは団体戦だぜ。」

 

生徒4

「なんてこったあそこで仲間がいるなんて想定外だ!!」

 

雄助

「嫌、団体戦なんですからそこは想定しないとサッカーの意味が無いと思うんですけど。」

雄助は、生徒の発言に冷静に突っ込んだ。

 

 

 

 

 

「フッ、残念だったね君達。

『王星学園の貴公子』と言われる僕がいた時点で君たちの敗北は確定している…」

 

 

 

「しまったこっちにもアホがいた!!」

 

雪音

「あ、〃残念貴公子(ざんねんきこうし)〃だ。」

 

雄助

「え、何ですかそれ?」

雄助は雪音の言った言葉に理解出来ず言った本人に直接質問する。

 

一ノ瀬(いちのせ)君だよ。

悪い人じゃないんだけど、ちょっと残念なところがあるんだよね。」

楓が雪音の変わりに残念貴公子、一ノ瀬について答えた。

 

一ノ瀬

「見るがいいこれが僕の必殺シュート!!!」

一ノ瀬はサッカーゴールに目掛けてシュートした。

しかし、蹴ったボールが物理法則を無視したかのようなに勢いよく曲がった。

 

「バカ野郎!どこ蹴ってるんだ!!」

 

女子生徒達

『きゃーっ!!』

そして女子生徒達の上を通り下げていき、雄助達の方に向かってくる。

 

雄助

「雪音さん、楓さん伏せて下さい!」

雄助は雪音達に伏せるように指示する。しかし、

 

 

 

「あっ」

楓は体勢を崩し、ボールが楓に目掛けて近づいてくる。

 

雪音

「楓…っ!!」

雪音は何も出来ずただ楓の名前を言うしか出来なかった。

だが1人だけ違った。

 

 

雄助が楓を抱きかかえ、近づいてきたボールをサッカーゴールに目掛けて蹴る、一ノ瀬が入れる筈だった方へ。

 

雄助はグラウンドに無事着地した。

 

「嘘だろ…」

亮は先程の光景が信じられなかった。

普通そうだ、亮だけじゃないここにいる生徒全員が信じられなかった。

 

雄助

「大丈夫ですか、楓さん。」

雄助は抱えた楓をゆっくりと降ろす。

 

「あ…ありがとう///。」

楓は立ち上がって顔を赤くしながら雄助に礼を言う。

 

「それより雄助君すごいよ、どうやったのさっきの動き!!!

漫画やアニメ見たいな動きしてたよ!!!!」

 

雄助

「やってみたら出来たとしか言えませんね。」

 

「おーい、大丈夫か!?」

すると亮達が雄助と楓の方に集まってきた。

 

雄助

「大丈夫ですよ亮君。

僕達は怪我していませんので。」

 

生徒5

「にしてもすごかったぜ神譲!!」

 

生徒6

「中学ん頃部活やってたのか!!」

 

雄助

「いいえ帰宅部でした。」

 

生徒

「まじかよ!!じゃあこの際、部活に入ろうぜ!」

 

雄助

「考えておきます、それと皆さんそろそろ体育の授業が終わりますので片付けましょう。」

雄助は亮達に授業が終わることを話す。

するとチャイムが鳴った。

 

「本当だ、早く着替えないと…」

 

一ノ瀬

「すみませんでした〜!!!」

すると一ノ瀬がダッシュし、雄助達の前で来て直ぐ様土下座した。

 

「大丈夫だよ一ノ瀬君この通りケガしてないから。」

 

一ノ瀬

「ああ…こんな僕を許してくれるというのか!

決めた!…僕は一生貴方に尽くします!!!」

 

「それは嫌だなぁ。」

一ノ瀬の言葉に楓は後ずさった。

 

一ノ瀬

「ガッデム!!!…そうだ、そこの君!!!」

すると一ノ瀬は雄助に顔を向ける。

 

一ノ瀬

「僕は一ノ瀬 晶(いちのせ あきら)

雄助君と読んでいいかい?本当にありがとう。」

 

雄助

「どう致しまして、でも次からは気を付けて下さい。」

 

一ノ瀬

「もちろんです!!!!」

雄助に注意をされて一ノ瀬はその場で膝まついて元気に返事をした。

 

「一ノ瀬は結構癖あるけど悪いやつじゃ奴じゃないんだ。まあ、馴れるにはもう少し時間がいるけどな。」

 

雄助

「そうですね、それじゃあ片付けましょう。」

雄助は亮たちと共に道具を片付ける。

 

 

 

 

 

 

雄助

(さっきのボール“神力”が流れていました……。

一ノ瀬君からはそれは流れていなかったので恐らく殺害する神。

それにしても神力流すなんて、僕を殺す為なら一ノ瀬君達がどうなってもよかった様ですね……)

雄助は片付けながら先程の出来事について考えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあな雄助。」

 

慎吾

「またね雄助君。」

 

雄助

「はい、また明日。」

授業が終わり放課後を迎えた。

 

「雄助さん。」

すると、雄助に声をかける者がいた。

 

雄助

「佳織さん、お疲れ様です。」

雄助に声を掛けてきたのは佳織だった。

 

佳織

「雄助さん、転校初日はいかがでしたか?」

佳織は王星学園の生活について質問する。

 

雄助

「凄く良い学園ですね皆さん充実して生活してますし本当に有難う御座います佳織さん。」

 

佳織

「そうですか……」

 

雄助

「どうかしましたか佳織さん?

何か悩み事があるのなら僕に言ってください。

ここまで僕に恩を与えて下さったので、よければ相談に乗りますよ。」

雄助は佳織の表情が笑顔でないことに気付き、雄助は佳織の悩みを解決しようとした。

 

佳織

「…雄助さん、あの…この後予定とかありますか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

佳織

「雄助さん、こっちです。」

雄助は佳織と一緒に出掛けていた。

すると、王星学園の生徒や他校の生徒が通る街に着いた。

 

何故ここ来たのかというと雄助は最初、佳織に悩み事が相談に乗ろうとしたが悩みではなく雄助と親交を深めたい為、2人で一緒にこの街に来た。

 

 

佳織

「雄助さん、あそこに行きませんか。」

すると佳織は1つの方向に指をさす。

そこにはクレープ屋があった。

 

雄助

「クレープ屋ですか?」

 

佳織

「はい、ここのクレープ屋は美味しいと評判で一度食べてみたかったんです!!

中でもプレミアムストロベリーは個数限定で中々買えないみたいで…」

佳織は熱々とクレープ屋について語り掛ける。

 

雄助

「では買いに行きましょう。」

 

佳織

「え?」

 

雄助

「あのクレープ屋について熱々と語りかけていましたしその個数限定のプレミアムストロベリーを買いに行きましょう。」

雄助は佳織と一緒にクレープ屋に並ぶ。

 

雄助

(クレープか、そういえば今までスイーツなんて一度も食べてなかったそもそも食べようと思わなかったな。)

雄助がそう考えていると、

 

「あ、あの!」

雄助達の横から他校の女子生徒が雄助に語りかける。

 

他校の女子生徒1

「あ、握手して下さい!!!」

他校の女子生徒は手を出し、雄助に握手をしてほしいと目を輝かす。

 

雄助

「?分かりました。」

雄助は他校の女子生徒の手を握り握手した。

 

他校の女子生徒1

「あ、ありがとうございます!!」

他校の女子生徒は嬉しそうにその場を去った。

 

他校の女子生徒2

「ズルい私も!!」

 

他校の女子生徒3

「一緒に写真撮ってくれませんか!!」

 

他校の女子生徒4

「サイン下さい!!」

すると他校の女子生徒達が集まってきた。

 

雄助

「皆さんすみません、僕は今クレープ屋で買いたいものがあるので少し待ってくれませんか。」

雄助は他校の女子生徒達に待ってるようにお願いをした。

 

佳織

「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雄助

「プレミアムストロベリーを買えて良かったですね。」

他校の女子生徒の要望に答え限定クレープを買った雄助はベンチに座っていた。

 

佳織

「雄助さんは自分の分のクレープを買わなくて良かったんですか?」

 

 

雄助

「僕は構いません。

僕は佳織さんが気になってたので買っただけですよ。」

雄助は

 

佳織

「ありがとうございます雄助さん。

ではいただきます。」

佳織はクレープを齧る。

 

佳織

「!美味しいです!!!」

佳織は目を輝かせクレープの感想を言った。

 

雄助

「それは良かった並んだ甲斐がありました。」

 

香織

「雄助さんもどうぞ!!」

佳織はクレープを雄助に食べさせようとする。

 

雄助

「大丈夫ですよ佳織さん。」

 

佳織

「でも本当に美味しいんです!!

一口だけでいいんで!!!」

佳織は顔を輝かしてクレープを雄助の口に近づける。

 

雄助

「分かりました。

そこまで言うなら一口だけ頂きます。」

雄助は一口だけ食べた。

 

雄助

「……美味しいです。」

雄助は無表情だがクレープの美味しさを出した口からは嬉しさが出ていた。

 

佳織

「本当に美味しいです……よ………!?」

すると佳織の顔が赤くなり出した。

佳織がやった事は間接キス。しかも同世代で異性の雄助に口移しさせていた。

 

雄助

「どうかしましたか佳織さん?

顔が赤くなってますよ。」

だが雄助はその事に気付く事はなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

佳織

「きょ、今日はありがとうございました////」

時間が経ち、雄助達はそのまま実家に帰ろうとする。

 

雄助

「いいえ此方こそ、僕はこう友達と一緒に出掛けた事が無かったので楽しかったです。」

 

佳織

「それは良かったです。

実は私こうやって放課後に誰かと遊ぶことが今日で初めてなんです。」

 

雄助

「そうなんですか?」

 

佳織

「父は仕事で忙しく、他の皆さんは私が理事長の娘だから遠慮してしまうんです。」

佳織は雄助に自分の本音を言い出した。

 

佳織

「……あの、雄助さん。」

すると佳織が裕介に視線を向ける。

 

雄助

「何でしょう?」

 

佳織

「ゆ、雄助さんには…彼女さんとかいましたか!!」

 

雄助

「いいえ、いません。」

佳織が雄助に彼女がいるか質問したが雄助はいないと即答した。

だが、そこに1人の人物が入り込んで来た。

 

「随分楽しそうだな神譲。」

雄助達は声が聞こえた方に体を向けると、そこには陽太がいた。

 

雄助

「お久しぶりですね陽太君、元気ですか?」

 

陽太

「チッ、相変わらずムカつくヤツだ。」

 

佳織

「何か用ですか?」

佳織は陽太に警戒している。

 

陽太

「偶然通りかかっただけですよ。

ああ、そうかエリート様は俺みたいな一般人とは話したくないのかぁ。」

陽太は煽るように話し出す。

 

雄助

「陽太君、王星学園に入れなくなったって嫌がらせするのは良くありませんよ。」

 

陽太

「テメェ…」

陽太は神譲に近づこうとする。

 

だが物影から黒服の男達が現れた。

 

陽太

「チッ、護衛かよ…。

本当に俺は偶然ここ来ただけですからさよなら。」

陽太は悔しがったが佳織にそう言ってこの場に去った。

 

 

 

 

 

 

陽太

「“俺は”ね。」

そう言い残しながら。

 

秘書

「香織様、神譲様大丈夫ですか。」

護衛の中から秘書が現れ、2人の安全を確認した。

 

「あんた達見た?

今話しかけた2人を必ずボコボコにしてね。」

遠くから空とレッドオーガが雄助達を見ていた。

 

雄助

「………」

雄助は陽太の最後の言葉を聞き、空が遠くで見ている事に気付いていた。

   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「雄助君!!これ見て!!!」

翌日、雄助は教室に入ると突然楓が雑誌を持って雄助に近付く。

 

雄助

「お早う御座います楓さん。」

 

「おはよう雄助君。

ってそうじゃなくてこの雑誌見てよ!!!」

楓は雄助に持っていた雑誌を見せる。

雑誌を見るとそこには美羽と雄助が写されていた。

 

「すげーな雄助まるでプロだぜ。」

 

雄助

「違いますよ亮君、美羽さんやカメラマンのお蔭で撮れているんです。

僕は只言われた通りにやっただけだけですから。」

雄助はそう否定する。

 

「そんなことないよ!それにしても近すぎじゃない!

…もしかして雄助君って美羽さんと付き合ってるの?」

楓は真剣な目で雄助に聞く。

 

雄助

「付き合ってません。」

雄助は戸惑う事なく佳織聞かれた時と同じように即答する。

 

「そっかぁ、良かったぁ。」

楓は小さくそう呟いた。

 

雄助

「やっぱり美羽さんはイメージとして付き合っていけないんですね。」

だが雄助はそれを聞き逃さなかった。

 

「えっ、そういう意味じゃないよ!!!」

楓は慌てて言いくるめようとする。

 

慎吾

「それだけじゃないんだよ雄助君。」

すると慎吾がスマホを出して雄助に見せる。

 

そこには雄助に関する情報がネットで話題になっていた。

動画サイトにはニュースの一部が取り上げられていた。

 

『美羽ちゃんと一緒に写っている男性は誰なんでしょう?』

 

『突如現れた超新星ですね。』

 

『ええ、完璧といえる容姿が写真からでもオーラが伝わってきます!

それだけではありませんこの男性の体相当鍛え抜かれていますよ。

それと聞いた話によると彼はどの事務所にも所属していない一般人らしいのです。』

 

『本当ですか!!これは芸能界に入れば期待が上がりますね!!』

と動画が上がっていた。

 

「いやぁ、友達がこんなに有名になるとドキドキするなぁ。」

 

雄助

「…僕なんかが友達になって良かったのでしょうか?」

雄助は自分が亮達の友達だということに心配する。

 

「当たり前じゃん何いってんだよ。

これからもずっと俺たちは友達だぜ!」

 

慎吾

「よろしくね雄助君。」

 

「私もだから雄助君!」

 

雪音

「楓、道は長い…。」

 

「か、楓何言ってるの!?

というかいつの間に来たの!!?」

 

雪音、雄助

『最初から(ですよ)。』

すると雄助の周りは段々と賑やかになっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だがそれは外からの爆音で掻き消された。

 

「な、何だ一体!?」

亮達は騒音が聞こえた外を見る。

するとそこには、バイクに乗った数十人の軍団『レッドオーガ』が正門に現れた。

 

雄助

「予想通り来ましたね。」

雄助は教室から彼を見下ろしてそう言った。

 

 

 




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第12話 王星学園の英雄

ライ1229様、麦茶2L様、kaito1610様、塔拓浄様、
流離いの旅人様、ヒロケン様、万死版別様、
ゆうなんだなぁー様、三色団子食べたい様、
あずゆう様、エボルBGF様、奏藍様、
オオカミアマゾン様、龍生様、
お気に入り登録有難う御座います。


 

 

 

 

 

先生

「な、何だお前達は!?警察を呼ぶぞ!!」

 

荒木

「警察だぁ?じゃあ来るまで暴れまわってやらぁ!!!」

その言葉でレッドオーガのメンバーの一部が暴れ始めた。

 

「何あれ、暴走族?

ああいうのまだいたんだ。」

 

雄助

「あれは『レッドオーガ』と言う不良の集まりですよ楓さん。」

雄助は王星学園に攻め込んだ集団がレッドオーガだと楓達に教える。

 

「レッドオーガ!?この辺りを幅利かせてる不良集団じゃねぇか!!!」

 

雄助

「慎吾君、警察に連絡して下さい。」

 

慎吾

「う、うん、分かったよ雄助君。」

慎吾は雄助の言う通りに警察に連絡をした。

 

雪音

「何で不良がこの学園に…?」

 

「確かに何でだろう?

恨みでも買わされたのかなぁ?」

 

「あいつらに恨みを買うようなこと誰もしないぞ!」

 

雪音達に続いて皆が疑問を浮かぶ。

 

雄助

「いいえいますよ、彼らに恨みを買った人がここに。」

雄助は自分の指を顔に指した。

 

「えっ、雄助君なの!?ってか何で雄助君!!!?」

亮達は原因が雄助だと驚き、その中でも楓は誰よりも大袈裟なリアクションを取っていった。

 

雄助

「まあ、そう反応しますよね。

僕がどうして彼らに恨まれているのかを最初から説明します。」

 

雄助は自分が王星学園に来るまでの経緯と、レッドオーガと空と陽太との関係を亮達に話した。

 

「何それ!!雄助君悪くないじゃん!!!」

 

「それってただの逆恨みだぞ!!!」

 

雄助

「慎吾君、警察に連絡出来ましたか?」

 

雄助はそんな事を気にせず警察が来るか慎吾に聞く。

 

慎吾

「う、うんすぐ来るって。」

 

雄助

「有難う御座います慎吾君……あ。」

 

雪音

「どうしたの…雄助くん。」

 

雄助

「あの中にいる僕の義姉弟を見つけたんですよ。」

 

雄助が指を差すと其処には空と陽太がレッドオーガ達の中に紛れ込んでいた。

 

空、陽太

「「チッ!」」

空と陽太は雄助に気づいて睨みつける。

 

 

「当学園になんの御用でしょうか」

すると1人の生徒、佳織がレッドオーガ達の前に出てきた。

 

佳織

「生憎、理事長は本日不在ですが…」

 

不良1

「おい陽太、この女でいいんだよなぁ。」

 

陽太

「はい、本当はあのクズにも用があったんですけど。」

 

佳織

「あなたたち…こんなことして何になるのですか?」

佳織は陽太達に何故こんな事をしたのかを聞き出す。

 

「何って、私たちがスッキリするからですよ。」

 

佳織

「えっ?」

佳織は空の言葉に絶句した。

 

「偉そうなこと言ったって多勢に無勢。

警察が来てもこの学園にいる人間が人質になるだけだし、それにあなたは自分の心配をしたほうが良いと思うわよ。」

空達は笑みを浮かべて佳織に追い討ちをかけようとする。

 

 

 

 

 

「いいえ、心配した方がいいのは君達の方ですよ。」

すると学園の中からある一声が佳織達の耳に入った。

佳織達は学園の方を見ると4階にいた雄助が窓から身体を出して飛び降りて来た。

 

空、陽太

「「神譲…!!!」」

 

雄助

「また会いましたね陽太君。

そしてお久し振りです空君。」

空達は雄助を睨むが雄助は空達にただ挨拶をした。

 

 

「雄助君!?ここ4階だよ!!!

というより大丈夫!!?」

 

「雄助!!一体どうするつもりなんだ!!!」

 

雄助

「警察が来るまで彼等を止めにいきます。」

 

「サラッととんでもないこと言うなよ!!!!

1人でアイツ等を相手するなんて無理だぜ!!!」

 

 

亮は雄助を止めようとする。

確かに1人で集団を相手するなど不可能だ。

だが雄助は違う。

彼は1日に1回眠りにつく時に特典を使いこなす為138億神年と途轍もなく長い時を白い空間で修行している。

 

ある時は1人で戦い、

 

ある時は無限の集団と戦い、

 

ある時は1つ又は、複数を防衛して戦い、

 

ある時は限られた力で戦った。

雄助にとって彼等を相手にするのは容易い事だ。

 

荒木

「やっと出てきたかクソもやし!!!

今日こそ俺たちのサンドバックになってもらうぜ!!!!」

 

雄助が来たことで荒木は嬉しそうに腕を鳴らす。

 

雄助

「まだ諦めていないんですね。

何度も失敗してるのにその執着心もう少し何かで活かした方がいいと思いますよ。」

 

荒木

「っ本っ当にテメェはムカツクやつだなぁ!!!」

 

呆れるように言われた荒木は雄助に対して怒りを表す。

 

雄助

「佳織さん大丈夫ですか。」

 

佳織

「え、は、はい!」

 

雄助は荒木の言葉を気にも求めず佳織が怪我してないを確認する。

 

雄助

「佳織さん彼ら僕が相手にするので中に入って下さい。」

 

佳織

「1人でですか!!?

ですがそんなことしたら雄助さんは…」

 

雄助

「大丈夫ですよ。」

 

荒木

「さっきから無視しやがって……行くぞオメェら!!!!」

 

不良達

「ウオオオオオオオ!!!!!」

 

佳織

「ヒッ」

 

荒木達が攻め始め佳織はその場に動けずに目を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

すると、近付いて来た不良達がその場で倒れた。

 

荒木

「な、何だ!!?」

 

荒木は目の前に起きた事に驚愕した。

 

雄助

「レッドオーガの皆さん警察が来るまで大人しくして下さい。

もし出来ない場合は、先程の様に実力行使で大人しくしなければなりません。」

 

雄助は丁寧な言葉遣いで物騒な内容をレッドオーガ達に言った。

 

荒木

「大人しくしろだぁ?じゃあオレ達の気がすむまでてめぇをボコボコにしてやるよ!!!」

 

荒木はそう言うと他の不良達も一緒に雄助目掛けて襲いかかる。

 

不良2、3

「死ねぇぇぇ!!!」

 

2人の不良がバットを持って雄助目掛けて振り出す。

だが、雄助は振り下ろす前に不良の顎に目掛けてジャブを放ち不良達は気絶してその場に倒れた。

 

不良4、5

「クソがぁ!!!!」

 

レッドオーガ達はその光景をまぐれと認識し、釘バット、木刀と武器を持って雄助に襲いかかる。

 

不良4、5

「グェ!!?」

 

が、雄助は武器を破壊して襲いかかってきた2人の武器を破壊し2人の頭を掴み地面にぶつける。

 

不良5

「武器が駄目なら俺の力で骨を粉々にしてやる!!!」

 

背後からから力士と同じ体格をした男が雄助の体を掴もうとする。

 

不良5

「な、何だと!!」

 

しかし雄助の体を掴もうとすると雄助が男の腕を逆に掴んだ。

 

不良5

「ぐっ、何だこいつ!俺より体がデカいだけのもやしなの筈……!!!?」

 

大男は雄助の後ろから襲いかかった為ある事に気付く。

制服の上から筋肉ががっしりと鍛え上げられた事に。 雄助は、片手で大男を掴んでボールを投げる感覚で残った不良達に目掛けて投げ飛ばした。

 

不良達

「うわあああ!!!」

 

不良達は避けることが出来ず、そのままぶつかって気絶してしまった。

 

 

 

「クソっ!!何やってんだテメェら!!!!」

 

すると、奥からレッドオーガのリーダーらしき男が前に出てきた。

 

雄助

(あの人がリーダーのようですね……

他の人達とは段違いには強いのは一目でわかりますが、同じように手加減しないといけませんね。)

 

雄助はリーダーが出て来ても相手の体の心配をしてリーダーに近づく。

 

リーダー

「オラァ!!」

 

リーダーは雄助の鳩尾に目掛けて拳を突き出す。

 

 

雄助

「すみません、そろそろ終わらせますよ。」

 

リーダー

「ウッ!!?」

雄助はそう言うとリーダーの首を掴み、木に目掛けて走り出し、勢い良く押しつける。

 

リーダー

「ガッ!!!?」

 

雄助

「これで終わりです。」

 

 

 

 

 

 

 

不良6

「離しやがれ!!」

 

不良7

「クソが!!テメェ後で覚えとけよ!!!」

 

その後、警察が現れレッドオーガ全員を捕らえ始める。

 

陽太

「そ、そんな…レッドオーガが……!」

 

「嘘よ…こんなの!!」

 

雄助

「佳織さん、大丈夫ですか。」

 

佳織

「は、はい!ですが雄助さんは大丈夫だったんですか!?」

 

佳織は雄助に心配されたが佳織自身は1人でレッドオーガ全員と戦うと無謀に見えた雄助に心配をする。

 

雄助

「僕はこの通り問題はありません………ん?」

 

雄助はなにかに感づいてレッドオーガと警察のいる方に顔を向ける。

 

リーダー

「クソ……クソ………クソがぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

 

するとリーダーが警察を倒し、手錠を壊して叫び出す。

 

リーダー

「陽太ぁぁぁ!!!空ぁぁぁ!!!テメェ等のせいだぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!テメェ等のせいでサツ共に捕まることはなかったのによぉぉぉテメェ等もまとめてブッ殺してやるぅぅぅぅ!!!!」

 

リーダーはブチギレながら陽太と空に向かい殺しに来る。

 

陽太

「ひっ、く、来るなぁぁ!!!!」

 

「こ、来ないでぇぇぇ!!!!」

 

警察1

「ま、不味い!!止めないと!!!

あの2人が殺されてしまう!!!!」

 

不良8

「いいぞリーダー!!!あいつ等ブッ殺しちまえ!!!」

 

警察2

「駄目です!!他の奴らが暴れ出してしまいます!!!」

 

警察は他のメンバーの相手をするのに精一杯でリーダーが陽太と空に近付いてくる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リーダー

「!?!!?!!?!!?」

 

が、突如リーダーの股関から激痛が響いた。

リーダーは顔を下に向けると、雄助がリーダーの後ろに目掛けて股間を蹴り上げた。

 

雄助

「無駄な悪足掻きはやめた方がいいですよ。」

 

リーダー

「!!?!!?!???!!!?」

 

リーダーは地面に倒れ両手を股間に当てて雄助を睨むことしか出来なかった。

 

雄助

「どうしましたか?

生殖器は潰してないので性行為は特に支障はありませんよ。

それと貴方がたと会うのは最後かもしれないので1つだけ忠告します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

陽太君と空君に手を出すなら二度と自分の足で歩けないようにしますので。

 

リーダー

「ヒッ…」

 

リーダーは雄助の圧に耐えきれず漏らしてしまいそのまま気絶してしまった。

 

生徒全員

「ウオオオオオオオオ!!!!!」

すると、学園の中から歓声が現れる。

 

「すげぇよ雄助!!!」

 

「怪我がなくて良かったよぉー!!」

 

生徒1

「すげー!!1人で倒しちまった!!!」

 

生徒2

「しかも、ノーダメだぜ!!!

何者何だあの転校生!!?」

 

王星学園の生徒達は雄助の行動に驚くしかなかった。

 

雄助

「大丈夫ですか陽太君、空君。」

 

雄助は陽太達に近づき身の安全を確認した。

 

陽太

「……神譲、どうして…どうして俺達を助けた。」

 

「私達は、あんたに酷いことしてきたのに……」

 

陽太達は顔をしかめて自分達を助けたのかを雄助に聞く。

 

雄助

「家族だからですよ。」

 

雄助はただその一言だけ答えた。

 

雄助

「僕は気にしていませんよ。

他の人から見れば酷い事をしたのかもしれません。

ですが、僕は家族を見捨てることは絶対にしませんよ。」

 

陽太、空

「………めん………ご、めんな、さい。」

 

陽太達は雄助の言葉を聞いて泣きながら雄助に謝り続けた。

 

 

 

 

 

雄助

「2人共、相応の処罰は下されますが将来を閉ざされる事態にはならないようです。」

 

雄助は警察に陽太たちのこれからの事を佳織に話した。

 

佳織

「そうですか…ですが本当に良かったんですか雄助さん。

あの2人のせいで辛いことが毎日あった筈です。」

 

雄助

「はい、僕は陽太君達を助けたかったから助けたんです。」

 

雄助は佳織を真っ直ぐ見てそう答える。

 

佳織

「そうですか………。

そういえば今回もまた雄助さんに助けてもらいましたね。

雄助さんは私のヒーローです。」

 

雄助

「そこは『私達のヒーロー』ですよ佳織さん。」

 

雄助は口は固いままだったが目を細め、そう答えた。

 

「雄助君〜!!!」

 

「雄助ー!!」

 

すると、亮達が学園から出てきて雄助と佳織の所に近づく。

 

「無事で良かったよー!!!」

 

慎吾

「心配したよ!!」

 

雪音

「……雄助君、すごかった。」

 

亮達が心配や驚きと興奮と色んな感情が出ながらも学園の中に戻り今日の終わりを告げる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




やっと書けました!!

可笑しい文章があった場合、誤字報告御願いします。


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第13話 【世界樹ノ神狼】

鷹野 折紙様、SA9RA様、愚物様、
クロストフューチャー様、前島 亜美様

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アーノルド

「オーウェン!!!そいつが城に入って来たら客室に連れておけ!!!!我自らの手でそいつの首を斬り落とす!!!!!!」

 

レッドオーガの騒動から数日後、

異世界ではアルセリア王国の王城の謁見の間でレクシアの父『アーノルド・フォン・アルセリア』が怒鳴りながら【斬剣グレイクル】を振り回していた。

 

 

オーウェン

「陛下!!落ち着いてください!!!

それに殺してはいけません!!!!」

オーウェンは我を忘れ暴走しているアーノルドを落ち着くように説得している。

 

何故このようになったのかは少し時間を遡る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アーノルド

「面を上げよオーウェン。」

 

オーウェンは【大魔境】で雄助と会いその後の報告をアーノルドに伝えた。

 

アーノルド

「まさか本当にあの【大魔境】に人が住んでいたとは。」

 

オーウェン

「ですが陛下、ユウスケ殿は信用に足る人物です。

ひと月後にこの城に招待する手筈になっております。

歓待の際に「その者が……」えっ?」

 

オーウェンが話している途中アーノルドが口を開く。

 

 

アーノルド

「その者がレクシアに求婚したというのは本当か?」

 

オーウェン

「いいえ、ユウスケ殿ではなくレクシア様の方から求婚をしました。」

 

アーノルド

「そうか………」

 

オーウェン

「……………あ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アーノルド

「おのれぇぇぇぇぇ!!!!絶っっっ対に許さあああん!!!!」

 

オーウェンがアーノルドの言葉をうっかりと答えてしまったことによって今に至った。

 

 

オーウェン

「何で貴族というのはこうも面倒なんだぁぁぁぁ!!!!!!」

 

アーノルド

「神よぉぉぉぉ!!!我の娘を穢した愚者に裁きをぉぉぉぉぉぉ!!!!!」

 

オーウェンはアーノルドとの会話のやりとりで謁見の間でそう叫んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雄助

「さて、今回の戦利品は。」

 

同時刻、雄助は【大魔境】の探索で出会った【キング・オーク】を倒して戦利品を確認していた。

 

 

雄助

「…遠くから殺気を感じたので【千里眼】で確認しましたがあれがアルセリア王国でしょうか。」

 

雄助は【全知全能】のスキルの一部、【千里眼】でアーノルドの殺気を感じた方向に顔を向けるとアルセリア王国が雄助の目に入った。

 

 

「ヴヴヴ………」

 

すると雄助の近くから何かのうめき声が聞こえた。

そこには全身が傷だらけの黒い子犬が雄助を睨んでいた。

 

 

 

 

 

 

【ブラック・フェンリル】

 

レベル:500

 

魔力:10000 攻撃力:10000 防御力:10000

俊敏力:15000 知力:10000 運:10000

 

雄助

「…………フェンリル。」

 

雄助はブラック・フェンリルに向けて手を翳す。

すると、先程まで大怪我していたブラック・フェンリルの傷が無くなった。

 

 

雄助

「これで大丈夫ですよ。」

 

雄助

(お爺さんでしたらこの子を絶対放ってはおけないですし、助けなかったらバチが当たりますからね。)

 

 

雄助はその場を去ろうとする。

 

 

ブラック・フェンリル

「ワン!」

 

『スキル【テイム】を拾得しました。』

 

するとブラック・フェンリルが雄助の足に擦りつくと同時にメッセージが表れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雄助

「只今戻りました、『ユグル』君。」

 

翌日、雄助はブラック・フェンリルを家族として迎い入れた。

雄助はブラック・フェンリルにユグルと名付けた。

 

だが、ユグルの見た目は雄助と出会った時と全く異なっていた。

 

 

黒色は漆黒の体毛なり、

それに加えて黄金、白銀、純白、翡翠(ひすい)色、琥珀(こはく)色、(さび)色、紅緋(べにひ)色、白藍(しらあい)色、滅紫(けしむらさき)色等様々な色が所々に生えており、体毛からは光沢が現れて夜空に見る星を表現するかのような美しさが溢れ出していた。

何故この姿になったのか、それは雄助がユグルをテイムした時の事だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『【ブラック・フェンリル】が進化致します。』

 

スキル【テイム】を獲得した直後、ユグルの体が光始めた。

 

 

そして、光が収まるとユグルは雄助が家族として迎い入れた時の姿になった。

 

雄助

「体毛の色が増えてますね。」

 

雄助はユグルが進化したというのに顔色を変えず、ユグルのステータスを確認する。

 

 

 

 

 

【ユグル】

 

種族:世界樹之神狼(ユグドラシル・フェンリル) レベル:超越

 

魔力:超越 攻撃力:超越 防御力:超越

俊敏力:超越 知力:超越 運:超越

 

スキル:【完全なる存在(アースガルド)(現在使用不可)】

万物の掟(ヴァナヘイム)(現在使用不可)】

神聖なる光輝(アルヴヘイム)(現在使用不可)】

生命の理(ミズガルズ)】【原初の巨人(ヨトゥンヘイム)】【鍛造の魂(ニダヴェリル)】【穢れたる邪悪(スヴァルトアルヴヘイム)(現在使用不可)】【破滅の業火(ムスペルヘイム)】【永久凍土の極寒(ニヴルヘイム)】【無間の冥界(ヘルヘイム)(現在使用不可)】

【世界樹ノ神狼式魔法】

 

備考:【神譲 雄助の配下】【超越者】

 

ユグルの種族は前の種族の面影はなく、様々なスキルや称号を獲得していた。

 

雄助

「…………成程。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雄助

「ユグル君、散歩に出かけますよ。」

 

ユグル

「ワン!」

 

数日後、雄助達は充実していた。

2つの世界を行き来して楽しく過ごし、今日はユグルと共に現実世界の河原付近から公園まで散歩に行く。

 

 

 

 

「あれ?雄助さん?」

 

すると後ろから雄助の名前を呼ぶ声がして、後ろを振り向くと佳織がいた。

 

 

雄助

「佳織さん、こんにちは。」

 

佳織

「こんにちは、ところで雄助さんその子は?」

 

佳織は雄助の隣りにいるユグルに目を行く。

 

 

雄助

「紹介します、この子は僕の新しい家族ユグル君です。」

 

ユグル

「ワン!」

ユグルは元気よく吠えて佳織に挨拶した。

  

佳織

「はじめましてユグルさん私は佳織と言います。」

 

佳織は自分の名前をユグルに教えて頭を撫で始めた。

 

 

ユグル

「わふ~」

 

ユグルは佳織に撫でられたこと嬉しく尻尾を左右に揺らす。

 

 

佳織

「ユグルさん、とてもフワフワしていますね。

雄助さん、ユグルさんの犬種は何ですか?」

 

佳織は雄助にユグルの犬種を聞き出す。

 

 

雄助

「それが分からないんです、家の帰りに偶然出会った子ですから。」

 

雄助は異世界の犬、又は魔物だと言えない為誤魔化した。

 

 

一般人1

「スゴい!!……マンガでしか見られないイケメンとワンちゃんと美少女のコンボ!!!」

 

一般人2

「マンガだけかと思った!!!」

 

雄助の他にもこの道を通ってる一般人は雄助達との関わりを見ていた。

 

 

 

「あら?もしかして雄助さん?」

 

するとまた佳織の時と同じように名前で呼ばれ、雄助は振り向くとそこには、モデル撮影の為、一緒に撮影した美羽と再会した。

 

 

雄助

「お久しぶりです美羽さん。

美羽さんはもしかしてここをよく通るのですか。」

 

美羽

「はい。

私の家この近くにあるので、この時間ではよくこの辺を散歩してるんです。」

 

佳織

「あの…雄助さん、そちらの方は……」

 

雄助

「紹介します。

この方はモデルの美羽さん、以前一度だけモデル撮影をしたんです。

そして美羽さん、こちらは佳織さんで僕の友人です。

そして佳織さんが抱えている犬は僕の家族ユグルです。」

 

ユグル

「ワン!」

 

雄助は佳織と美羽にそれぞれの人物について説明し、ユグルは佳織の時と同じように美羽に挨拶した。

 

 

美羽

「初めまして佳織さん、モデルの美羽です。」

 

佳織

「こ、こちらこそ初めまして。」

美羽と佳織はお互いに挨拶する。

 

美羽

「あの…雄助さん。

もしかしてよくこの辺を散歩するんですか?」

 

雄助

「はい、ユグル君が来てから毎日ここを通るのが日課になっています。」

 

美羽

「……そうですか、ふふっでは私はこれで。」

 

美羽

(これからは毎日この時間にここを散歩しようかしら。)

 

美羽はその場を去り、今日からこのルートを毎日通る事を決めた。

 

 

佳織

「あの……雄助さん。」

 

雄助

「何ですか佳織さん?」

 

佳織

「美羽さんととても親しく話していましたが、もしかして……お付き合いされているんですか。」

 

雄助

「いいえ。」

 

佳織は勇気を持って雄助は美羽と付き合ってるか質問するが雄助は美羽とは付き合ってないと即答した。

 

 

雄助

「僕と美羽さんでは釣り合いませんよ。」

 

佳織

「………そんなことはありません。」

 

雄助

「気を遣わなくて結構ですよ佳織さん。」

 

佳織は雄助には聞こえないよう言ったが雄助にはハッキリと聞こえた為すぐに返答した。

 

 

「だ、誰か、ひったくりよ!!!」

 

話の最中、悲鳴が聞こえその声の方に向くと、お婆さんがその場に倒れて、その先にいるジャージを着た男が鞄を持って逃げていた。

 

 

雄助

「ユグル君、頼んでいいですか。」

 

ユグル

「ウォン!!」

 

ユグルは鞄を盗んだ男を追いかけ、雄助は倒れたお婆さんに近づく。

 

 

佳織

「おばあちゃん大丈夫ですか。」

 

お婆さん

「大丈夫、でも鞄が……」

 

雄助

「大丈夫ですよお婆さん、見てください。」

 

雄助は指を指しお婆さんと佳織はさされた指の方を見る。

 

 

ジャージ男

「放しやがれこのクソ犬…ァァァ!!!!」

ユグルはジャージ男が盗んだお婆さんの鞄を器用に頭に乗せ、ジャージ男の服を引きずりながら戻ってきた。

 

雄助

「お手柄ですよユグル君。」

 

ユグル

「ワン!」

 

雄助に褒められたユグルは、尻尾を勢いよく振った。

 

 

ジャージ男

「糞が……ッ!!?」

 

ジャージ男が体を起こそうとした瞬間、地面に叩きつけられた。

 

雄助

「無駄な抵抗はやめて下さい。

警察を呼んだので逃げられませんよ。」

 

雄助はジャージ男が逃げないよう足で頭を押さえ、両腕を背中に抑え込んだ。

 

 

 

 

 

佳織

「雄助さん…大丈夫ですか。」

 

雄助

「はい、体には傷1つついていませんよ。」

 

ジャージ男は逮捕され、と婆さんやその周りにいた人達は雄助に歓声や感謝された。

だが佳織だけが雄助の心配した。

 

 

佳織

「でも、雄助さんに何かあっても心配する人はいると思いますよ。

 

 

 

 

………私は心配しました。」

 

佳織は頬を赤らめ恥ずかしながらも雄助に自分の気持ちを出した。

 

 

雄助

「………そうですね、すみませんでした。」

 

雄助は自分の行動を改め、1日を終えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   ここに到達した者へ

   ~賢者の手記(しゅき)~

 

ある日、雄助は一冊の本を手に取る。

 

 

 




読者の皆さん、大変長らくお待たせしました。

実は魔改造したキャラの見た目やスキルを考えるのに約2ヶ月も経ってしまいました。

話は変わりますが、
『異世界でチート能力を手にした俺は、現実世界をも無双する~レベルアップは人生を変えた~』では人気投票をやっていますが皆さんは誰を入れましたか。

ちなみに僕は天上 優夜君とNo.7とNo.14です。

この作品を読んで原作を読み始めた人の為に2人だけ名前出さないでおきます。

誤字報告宜しく御願いします。


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第14話 賢者と魔法と在り処

モッピー様、絢瀬絵里様、オジマンディアス様、
たっちゃん(´・ω・`)様、わらたなやはや様、


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ユグルと現実世界での散歩を終えて今日は【大魔境】の探索することになった。

 

雄助

「これは………」

奥に進んだ雄助は目の前の巨大な岩に立ち止まる。

 

雄助

「岩として隠蔽していますが洞窟ですね。

魔物にも気づかれないよう手当り次第に隠蔽してる上あの家と同じように結界を貼っています。

おそらく賢者さんですね、近付かないと入り口が現れない仕組みになっているようですが。」

雄助は巨大な岩に近づく。

すると、雄助の推測通り岩が崩れ洞窟が出現した。

 

雄助

「行にますよユグル君。」

 

ユグル

「ワン。」

雄助とユグルは洞窟に入る。

 

 

 

雄助

(奥に進むたびに松明が自然とついていく。

魔物の気配もない、ユグル君はこの洞窟に入ってからソワソワしているようですが。)

そうして進んでいる内に雄助達は最奥部に辿り着いた。

 

最奥部は広い空間が広がり、大量の松明が掲げられている。

 

ユグル

「ワン!」

するとユグルはその空間で何かを見つけた。

雄助はユグルの近くに行くと、そこにはローブを纏った骸骨が座っていた。

 

雄助

「魔物のじゃない、人間の遺骨だ……ん?」

雄助は骸骨を調べると、骸骨の足元に本が置いてあった。

 

雄助は本を拾い題名には『賢者の書』と書かれていた。

 

雄助

「やはり賢者さんですか……」

雄助は本を開き内容を読み始める。

 

 

 

 

 

 

 

  

       ここに到達した者へ

        ~賢者の手記~

 

 

…早速だが昔話をしよう。

 

私の過去の話だ退屈だろうが聞いてくれ。

 

私は昔からできないことはなかった。

 

生来の才能なのか魔法・剣・芸術・料理・造形・鍛冶あらゆることが出来、それらを極めていた。

 

『出来るからやった』私にとってはそれだけだった。

 

ある時私は【神の領域】に足を踏み入れた。  それも生きながらだ。

 

その能力は人の身に余る、我々は神の仲間として迎えに来た。

 

様々なことに手を出した私でも驚愕した。

もし私が神になれば不老不死となり、死という概念が無くなるからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが私は、その誘いを断わった。

 

神々の誘いを断った私は、当然周りの者は愚か者だと言われた。

 

だが私は人として終わりを迎えたかったんだ。

 

誰もがなし得ない偉業を私は難なく成功した私は、人として終わりを迎えたかったんだ。

 

この本を読んだ君は、【大魔境】を切り抜けるほどの実力があることだろう。

 

だがその力は強力だそれも人間の中なら

周りの者からは忌み嫌われ恐怖の対象として恐れられるだろう。

 

この私のように。

 

余計なお世話になるが、君に私のようになってほしくはない。

私と同じような人生を歩むなんて耐えられないからだ。

 

だがそうならない為の解決策はある。

 

それは『信頼できる人間』を作ることだ。

 

私にはそれが出来なかった。

 

友や恋人、家族等でもいい全てを曝け出して尚、君のそばに居てくれる人間を作るんだ。

 

焦らなくていい、時間を掛けてゆっくりと………そして人生の友を手に入れなさい。

友人だけじゃなく、君自身も向き合うんだ。

 

雄助

「…」

雄助は本を読み続ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雄助

「ここからは全部白紙になっているということはこれが最後の文章の様ですね。」

雄助は読み続けると以降のページは最後まで白紙だった。

 

 

 

 

 

 

 

さてここまで付き合ってくれたお礼にお詫びをしたい……何か知りたいことを1つだけこの本に記そう。

本を読み続けていると雄助はその文章に目を引いた。

 

雄助

(1つだけ……この世界の事や賢者さんについて色々ありますが特に一番知りたいのはこの奥にある何か。

だけどそれに知っていても駄目な気がします。

……………だとすると。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雄助

「【魔法】について知りたいです。」

雄助考えた結果、魔法について聞き出す。

 

 

 

 

【魔法】について知りたいようだな。

本は雄助の質問に答えた。

 

 

だがその前に君はこの世界の人間ではないようだね。

すると雄助がこの異世界の人間ではないことに気づいた。

 

 

それに君には魔法が使える、いやそれの類似した物が使えるようだ。

 

雄助

「魔術ですからね、前までは。」

 

だがこの念の為世界の魔法について教えよう。

この世界の人間は、【魔力回路】というものを生まれ持っている。

心臓や血液だけでなく魔力が全身に駆け巡っている。

この世界の人間ではない者は魔法を使うことが出来ない。

 

 

 

君のような例外を除いて。

 

勿論君も分かっているはずだ。

 

雄助

「そもそも使えるのは特典のお陰ですが。」

 

 

 

 

だがここで出会ったのも何かの縁だ。

君に私の【魔力回路】を与えよう。

 

君は元々持っているから必要ないとは思うが私はもうこの世にはいない。

【大魔境】を切り抜けた君に受け継いだほうがいい。

 

 

 

 

 

 

いや、もしかしたら君がここに来るのを待っていたんだと私は思う。

雄助は次のページを捲る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

君は私の力を受け継ぐかい?

その一言だけがページに書いてあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雄助

「…………賢者さん、僕は貴方の力を受け継ぎます。」

雄助は賢者の力を受け継ぐことを決意した。

 

 

 

 

 

ありがとう、では早速君に与えよう。

 

これが、世界中が欲した私の魔力回路だ……!

すると本は雄助の手から離れて空に固定され、本が勝手にページを捲りだした。

そして捲り終わると本から大量の文字が本から出ていき、雄助の体を覆い尽くす。

 

これで君に私の魔力回路をが受け継ぐことができた。

魔法を使うための準備は整っている。

そしてこの本の先は魔法理論を全て詰め込んでおいた。

だがそれを読まずとも君の体は理解している。

もう私が君にやることはもうない。

これで君の人生に役立てることを願うよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

     君の人生に、幸多からんことを

          ~賢者より~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雄助

「ここですね。」

賢者の魔力回路を受け継いだ雄助は、先程から雄助が感じていた何かの前に辿り着いた。

辿り着いた場所は文字や印すらない変哲もない壁だった。

 

雄助

「………。」

雄助は壁に手を触れた。

すると突如何も無かった壁から魔法陣が現れた。

それも複雑にだ、そして魔法陣は変形し文字に書き換えられた。

 

雄助

「遺産の在り処、しかも場所が宇宙のとある星に隠されていますね。」

その文字は賢者の遺産の在り処が記されていた。

 

雄助

(今この世界の宇宙を調べましたが、この世界には遺産は存在しませんね、となると現実世界か平行世界、いいえ現実世界しか考えられません。

それにしても何故賢者さんは遺産をこの異世界ではなく星に置いたのでしょうか……

世界を破壊する程の物か或いは人間の手に回ってはいけない程の物か……)

雄助は直ぐ様この異世界に遺産がある星を確認し、賢者の遺産について考えた。

 

 

雄助

「ユグル君、今日はここまでにしましょう。」

雄助は賢者のことについて考えてはキリが無い為、現実世界に戻ることにした。

 

雄助

「……賢者さん、有難う御座います。

そして安らかに…………」

雄助は賢者のいた洞窟にそう言ってその場を去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ、いつまでこんな事を続けないといけないんだろな。」

雄助が洞窟に出た後、王都にいる人物が不満を口にしていた。

 

 

 

 



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第15話 初めての遊び

烈火の明星様、コードロイさま、ω0様、
最古の神様、シロクロs様、
星空星空星空星空星空様、

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それと皆さんにお伝えします。
雄助の言葉や今までの話の内容を直しましたので、気分次第でも良いので読み返して見て下さい。





 

 

 

賢者の力を受け継いだ雄助は翌日、【王星学園】に登校する。

 

雄助

「お早う御座います佳織さん、楓さん。」

 

登校時雄助は、佳織と楓に挨拶をする。

 

「あ、雄助君!佳織さん、おはよう!!」

 

佳織

「おはようございます、雄助さん、楓さん。」

 

2人も雄助と同じように挨拶する。

 

雄助

「お二人共今日は嬉しそうですね、今朝何か良いことがあったんですか。」

 

雄助は2人の機嫌が良いことに気づいた。

 

佳織、楓

「「え?」」

 

2人は雄助の言葉を聞いて顔を見合わせる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

沢田

「さて、年間行事予定にも書いてある通り、来週は野外学習が待っている。

お前ら準備はできてるかー?」

 

雄助以外全員

『はい!』

 

HRが始まると担任の沢田はクラス全員にそう話した。

 

雄助

(野外学習……確か正式名称は野外教育と言い、

野外教育は自然の中で組織的、計画的に一定の教育目標を持って行う自然体験活動の総称とパソコンに書いてありましたね………)

 

沢田

「そういえば、神譲は知らないんだったな。

それじゃあ改めて説明しよう、うちは将来的にエリートと呼ばれるような立場になるに違いない者が集まる。

実際、【王星学園】の卒業生は皆各業界で活躍しているからな。

そこでお前たちは社会の荒波に揉まれても大丈夫になるよう、自然の厳しさを体験し、どんなに辛さも耐え抜けるような精神性を身につけるよう行うんだ。」

 

沢田はクラス全員に野外学習について説明した。

 

雪音

「……先生はああ言ってるけど、要は新しい環境に馴染むためにキャンプをするだけ。

まあ貴重な体験にはなるし、成長もできるはず。

一泊二日で、準備が必要なモノをまとめた紙が配られると思うから、それを参考にすればいいと思う。」

 

雪音は雄助により詳しく説明する。

 

雄助

「成程」

 

沢田

「さて、それじゃあしおりを配るから準備はしておけ。」

 

沢田はクラス全員にしおりを配り、雄助は直ぐ内容を見た。

 

 

 

 

 

 

1.本人

 

2.鞄。リュック等の大きめの物が望ましい。

 

 

 

雄助

(確かに本人がいないと意味がありませんね。)

 

雄助は必要な物に本人と書かれていることが普通に書いてあると勘違いしたまましおりの内容を読み続ける。

 

 

 

 

 

 

「雄助君、よろしくね!!!」

 

「やあ、雄助君!僕も一緒の班さっ!」

 

雄助

「宜しくお願いします楓さん、晶君。」

 

その後雄助達は沢田に班を決められ、楓と晶が雄助と同じ班になった。

 

「君付けなんてよそよそしいじゃあないか!

僕のことは気軽に晶と呼んでくれ!!

それか貴公子でも………」

 

「前振りが長い!そこどきな!!」

 

「酷い!?」

 

晶は吹き飛ばされ、後ろから1人の女子が前に出てきた。

長い黒髪の長身で綺麗な容姿をしなながら、気の強さを感じる女子は雄助に語りかける。

 

「アタシは神崎 凜(かんざき りん)

呼び捨てで構わないからさ、よろしくね雄助。」

 

雄助

「宜しくお願いします神崎さん。

ですがすみませんこれが普通なので呼び捨ては流石に無理です。」

 

「…噂通り、【王星学園の王子】って呼ばれているだけあるわ。」

 

凜は雄助の顔を増し増しと見つめる。

 

雄助

「噂ですか?」

 

雄助は首を少しだけ傾ける。

 

「いや、こっちの話さ。

そこのアホも黙ってりゃ【貴公子】って言われても頷けるんだけどねぇ。」

 

「本当かい!?ぜひ呼んでほしいな!!!」

 

「ずっとこの調子じゃ呼ばれる機会はないだろうけど。」

 

「何故だ!?」

 

雄助

「…………」

 

雄助は凜達のやり取りを見て内心楽しく感じた。

 

「ねぇねぇ、何持ってく?」

 

「やっぱりトランプとかは必要じゃない?」

 

「君たちがゲーム類を担当するなら、僕はお菓子を持っていくよ。」

 

楓達は当日、持っていく物について話す。

 

雄助

「しおりに書いてない物を持ってって大丈夫何ですか?」

 

雄助は楓達に質問すると、驚いた表情を雄助を見ていた。

 

「え?せっかくのキャンプなんだし遊べるもの持ってこないと楽しめないよ。」

 

「そうそう、ていうかそういうのは中学までじゃない?」

 

「なんだい雄助君、君はキャンプ初心者なのかい?」

 

雄助

「うん。」

 

「それじゃあ【キャンプの貴公子】である僕が―――」

 

「アンタは黙ってて。」

 

「喋らせて!?」

 

晶は雄助にキャンプについて説明しようとしたが、凜にもう一度止められてしまった。

そうしている内に当日の準備は決まって終わりを迎える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヨシ!!それじゃあ遊びに行くか!!!」

 

「オー!!!」

 

慎吾

「た、楽しみだね。」

 

「緊張しなくてもいいよ慎吾。」

 

雄助

「晶君と雪音さんを連れていけなかったのは残念ですけど。」

放課後、雄助は亮と慎吾、楓と凜

 

 

 

 

佳織

「皆さん、今日はよろしくお願いします。」

 

そして佳織と一緒に遊びに出かける。

 

慎吾

「だ、だって緊張するよ!

あの佳織さんと遊べるなんて……!!」

 

「それにしても雄助すげぇな、佳織さんと知り合いなんて。」

 

「そうそう、佳織さんって【王星学園】の理事長の娘さんだし身に纏っているオーラが高貴すぎるから!」

 

亮と凜の言葉を聞いた佳織は苦笑いするしかなかった。

 

雄助

「亮君、凜さん、佳織さんはそんな大層な人じゃありません。

理事長の娘だからそう思っていますから佳織さん自身は僕達と変わりはありません。」

 

雄助は亮達に佳織はどういう人物かを話した。

 

慎吾

「す、すごいね雄助君。

そういうこと言えるの雄助君だけだよ。」

 

「皆、ついたぜ!!!」

 

そうやり取りしている内に目的地に辿り着いた。

辿り着いた場所は八階建ての百貨店だ。

 

「ここで買い物して、皆でゲーセンで遊ぼうぜ。」

 

佳織

「私、大勢でこういうところで遊ぶの初めてです!」

 

雄助

「そうなんですか、実は僕もなんですよ。」

 

亮、慎吾、楓、凜

「マジで(そうなの)(ウソでしょ)!!!?」

 

亮達は雄助と佳織の言葉に驚愕する。

 

「こ、こんなところに絶滅危惧種が2人いるなんて………」

 

「そ、それじゃあ2人にも楽しませないとな。」

 

「そうだね、佳織さんとアタシで服も見に行きたいし。」

 

「おいおい、まずは雄助のリュックを買わねぇと。」

 

そうして雄助達は百貨店に入る。

 

 

 

 

 

雄助

「ここがゲームセンター………」

 

佳織

「すごいですね!!」

 

買い物を終えた雄助は佳織と共に人生初めてゲームセンターに入った。

 

「私たちには普通のゲーセンに見えるけど、初めてならではの感じだねぇ。」

 

「それじゃあ遊ぼうぜ!!」

 

雄助達は早速ゲームセンターで遊ぶゲームを探す。

 

慎吾

「こ、これは!!」

 

すると慎吾はUFOキャッチャーの前で立ち止まった。

 

「どうした慎吾。」

 

慎吾

「あ、あのね、あのクレーンゲームに僕の見てるアニメの好きなキャラのフィギュアがあったからさ……」

 

慎吾はクレーンゲームに指を指す。

指した先には、魔法少女のフィギュアが入った箱が置かれていた。

 

慎吾

「で、でもこのクレーンゲーム苦手なんだよね……

今回はあまりお金はないし、また今度にするよ。」

 

雄助

「では、僕が変わりにやりましょう。」

 

慎吾は諦めようとした時、雄助はUFOキャッチャーに挑戦する。

 

「お、やるのか雄助。」

 

「初めてのクレーンゲーム、楽しみだねぇ。」

 

「頑張れー雄助君!!」

 

亮達は初めてやるクレーンゲームを応援する。

 

雄助

「………………」

 

慎吾

「ゆ、雄助君?」

 

佳織

「どうかしたんですか?」

 

中々始まらない雄助に亮達が心配する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雄助

「どうやって操作すればいいのか分からないんです。」

 

慎吾達は雄助の言葉を聞いて盛大にズッこけた。

 

「そ、そうだったな雄助は初めてだもんな。」

 

亮達は取り敢えず雄助にUFOキャッチャーの操作を教える。

 

雄助

「では、行きますよ。」

 

雄助は亮達に教えられた通りにクレーンを動かすと、箱を掴んで入り口に落とすことが出来た。

 

雄助

「慎吾君、どうぞ。」

 

入り口から取り出したフィギュアの箱を慎吾に渡す。

 

慎吾

「え、ええ!?

そ、それ雄助君が取ったんだよ!!もらえないよ!!!」

 

雄助

「慎吾君が欲しがってたので僕はこのクレーンゲームをやったんです。

それとこれは僕と佳織さんをゲームセンターに連れてってくれたお礼として受け取って下さい。」

 

慎吾

「ゆ、雄助君がそういうなら……」

 

慎吾は最初は遠慮したが最終的にはもらうことになり、慎吾の表情は嬉しそうだった。

 

「それにしてもすげぇな、もしかしてこれ確率機ってやつじゃねぇの。」

 

佳織

「確率機?それは一体どういうものですか?」

佳織は確率機という見知らない単語を聞く。

 

雄助

「名前から考えて一定の確率で取れる機械だと思うんですけど何か違いますし…亮君、確率機とは一体どういうものですか。」

 

雄助は確率機の意味を答えようとしたが自分が出した答えとは違う気がする為、亮に聞いた。

 

「確率機っていうのは一定のお金を入れたらクレーンのアームが強くなる機械なんだよ。」

 

雄助

「…………詐欺みたいなものですよねそれ。

それに知らない人からすれば怒りませんか。」

 

雄助は亮に確率機の説明を聞いた雄助はそう言葉を返す。

 

慎吾

「で、でもこの確率機っていうのはほぼ全てのゲームセンターにあるから普通なんだよ。」

 

「雄助君!!!これ取れる!!?」

 

会話している間、楓は雄助を別のクレーンゲームに連れていく。

楓が指を指した先は、巨大な猫のぬいぐるみだった。

 

「楓、さっきのはたまたま良かっただけだから失敗したらどうすんだよ。

さりげなくお金も入れているし。」

 

雄助

「やってみます。」

 

雄助はもう一度クレーンゲームをやると、フィギュアの時と同じように一発で取れた。

 

雄助

「取れました。」

 

雄助は取った猫のぬいぐるみを楓に渡す。

 

「ありがとう雄助君!!このぬいぐるみ欲しかったんだ!!!」

 

「な、なあ雄助。」

 

すると亮は雄助に声を掛けた。

 

雄助

「はい。」

 

「このゲーム欲しいんだけど取れるか!?」

 

「アタシはこのぬいぐるみが欲しいなぁ。」

 

佳織

「どれも初めて見ますが、このぬいぐるみが欲しいです!」

 

2回連続一発で取れたからか、亮達は全員自分が欲しい物を雄助に取ってもらうことをお願いする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雄助

「これで終わりですね。」

 

雄助は取ったぬいぐるみを佳織に渡す。

 

「すげぇな……もう人間業じゃねぇ。

UFOキャッチーの景品を簡単に取る人間なんて初めて見たぞ。」

 

結果雄助は全ての景品を一発で獲得する事が出来た。

 

「雄助はよかったのかい、自分のは取らなくて。」

 

凜は雄助は自分の分は取らなかったことを聞く。

 

雄助

「はい、僕は元々欲が無いので大丈夫です。

それよりも皆さん、他のゲームもしていきましょう。」

 

「そうだね!!それじゃあ、思いっきりあそぼー!!!!」

 

そして雄助達はゲームセンターで思いっきり楽しむ。

そして雄助は初めてのゲームセンターで様々な結果を残す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「スゴイよ雄助君!!ダメージ受けてないでクリアしちゃった!!!」

 

慎吾

「し、しかも最高スコアを塗り替えたよ!!!!」

 

 

 

 

シューティングゲームをプレイすると楓達が最高スコアを塗り替えた雄助に驚愕し、

 

 

 

 

 

「ちょ、雄助速いって!!

ってかなんだそのドライビングテクニックは!!?

このゲームそんな動きできんの!!!?」

 

「悪いね雄助、1位になるの止めさせてもらうよ。」

 

雄助

「では僕はこのアイテムで回避します。」

 

佳織

「えっと、このまま走ればいいのでしょうか?」

 

「佳織、逆!!逆に走ってるよ!!!!」

 

 

 

 

レースゲームでは常に1位を維持して勝利し、

 

 

 

 

 

「すげぇ!!雄助ミスなしでクリアした!!」

 

雄助

「慎吾君が言ってましたよ。

譜面を覚えれば誰でも出来ると、先程慎吾君がやった曲の譜面とタイミングを全部覚えれば誰でも出来ますよ。」

 

「いや雄助、普通は無理だよそれ。」

 

 

 

 

 

太鼓のゲームでは慎吾の真似をして最高スコアを塗り替えた。

 

 

 

 

 

 

「ふぅ、久々に大はしゃぎしたぜ。」

 

慎吾

「ぼ、僕も………」

 

「それにしても雄助すごすぎじゃない?」

 

「だよねー、色んなゲームしたけど雄助君全部のゲームでハイスコア塗り替えたもんね。」

 

雄助

「そうでしょうか、僕は只ゲームをしただけですから。」

 

様々なゲームをした雄助達は一度休憩していた。

 

佳織

「でも、こんな風に大勢の方と遊ぶは初めてですから………とても楽しかったです。」

 

佳織は嬉しく雄助達に言った。

 

「佳織さん………よし!!

それじゃあ一緒に服を見に行こう!!!」

 

すると、楓は先程の疲れが嘘のように勢いよく立ち上がる。

 

佳織

「ふ、服ですか?」

 

「そう、アタシらみたいな女子高生は見た目に気を使わないとね。

てなわけで、アタシたちはちょっと上の階で見てくるから、ここで待ち合わせしましょ。」

 

凜は女子全員で服を見に行くことを伝える。

 

「俺らも付き合おうか。」

 

「いいのかい亮君?

女子の買い物は君が思っているより長いよ?」

 

亮の返答に凜は悪戯な笑みを浮かべてそう返答した。

 

「……やっぱ遠慮しておく。」

 

亮は凜の言葉を聞いて遠慮した。

 

雄助

「では僕らも何処かに行きましょう。」

 

「そうだな。」

 

慎吾

「う、うん。」

 

 

 

 

 

 

 

 

慎吾

「良かったぁ〜、欲しかった本が買えたよ。」

 

「良かったな慎吾、それじゃあ集合場所に集まるか。」

 

下の階に行った雄助達は、本屋や装飾店等を周っていった。

 

雄助

「亮君、慎吾君。」

 

すると雄助は2人の名前を呼ぶ。

 

「どうした雄助?」

 

慎吾

「な、何か買いたかった物があったの?」

 

2人は雄助に尋ねる。

 

 

 

 

 

 

雄助

火事(・・)が発生しています。

直ぐに此処から出ましょう。」

 

「え、雄助何言って……」

 

 

 

客1

「火事だぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

亮が雄助が言った事をもう一度聞こうとした瞬間、1人の客が大声で叫びだした。

 

そして上の階から煙が流れ、状況が一変し始めた。

 

客2

「うわああああ!!逃げろォ!!!」

 

客3

「おい、押すな!!!」

 

客4

「早くここから出ないと!!」

 

他の客も慌てて建物に出る。

 

「ダメだ、繋がらねぇ!!」

 

雄助

「すいません火事の発生場所は何処からですか。」

雄助は先程火事だと叫んだ客に発生場所を聞く。

 

客1

「ゲームセンターの一角からだ。

それより君も早く逃げるんだ!!!」

 

「ゲーセンの一角!?

マズいぞ!!上の階には服を見に行った楓たちが!!」

 

慎吾

「ど、どうしよう!?」

 

そうしている間にも火事は広がっていき、上に行く事がきわめて困難になった。

 

 

雄助

「亮君、慎吾君。

僕は佳織さん達を助けに行きます。

お二人は直ぐ此処から出て下さい。」

 

「雄助!!お前何言って……!!?」

 

亮は雄助を止めようとするが、雄助は瞬間移動でもしたのかと見間違えるスピードで上の階に駆けつけ雄助を止めることが出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

雄助

(この建物に取り残されているのは3人…つまり佳織さん達だけ。

ですが消防隊が来るまでには佳織さん達はこのままだと死んでしまう早く探さないと……………いました。)

 

駆け上がった雄助は佳織達がいる場所に辿り着く。

 

雄助

(女性トイレですがこの状況で立ち止まるわけにはいきません。)

 

雄助

「佳織さん、楓さん、凜さん大丈夫ですか。」

 

雄助は女子トイレに入り、倒れていた佳織達に声を掛ける。

 

「ゆ…雄助……君。」

 

楓は意識は失いそうながらも返事をすることは出来た。

 

雄助

「直ぐにここから出します。

もう少しの辛抱ですので。」

 

雄助は3人を抱えて女子トイレから飛び出して下の階に続くエスカーレーターに駆けつける。

 

雄助

(可笑しい火災報知器が機能していません……まさか)

 

雄助は先程通り過ぎた場所にあった火災報知器に目を向ける。

そこには人には知覚することが出来ないよう結界が貼られていた。

 

その瞬間、雄助の足場が崩壊し落下していく。

落下した直後、辺り一面火に包まれこの階が意志を持っているかのように雄助に襲いかかる。

 

だが、雄助は水のバリアを貼り襲いかかった火は消火された。

それを終えると雄助の足元に1階に繋がるワームホールが現れた。

雄助はそれに入り、建物から脱出した。

そして出ると消防隊が消火作業をし始めてたころだ。

 

消防士1

「君、大丈夫か!?」

 

消防士が雄助に声を掛ける。

 

雄助

「僕は大丈夫ですがこの人達は今危ない状況なんです。」

 

雄助は消防士に佳織達を預け亮達の元に行く。

 

雄助

「亮君、慎吾君、只今戻りました。」

 

「戻りましたじゃねぇよ!!!心配したんだぞ!!!」

 

慎吾

「そ、そうだよ!僕たち雄助君たちのこと心配したんだよ!!!」

 

雄助

「すみません。」

 

雄助は亮達に心配させたことで謝罪をし、消防隊にも怒られ今日という日は幕を開ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神様

「……駄目じゃ、やはり見つからん。」

 

その後、神界では雄助を転生させた神様が巨大な水晶を見つめていた。

 

神様

「探している雄助にも悪いがどうすればよいのか………ん?」

すると、神様の横からワームホールが出現した。

 

 

 

 

 

そしてその空間からは雄助が現れた。

 

神様

「雄助、すまんのぉまだ見つからんのじゃ……!?」

 

神は言葉を失った。

何故なら、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐぁぁぁ……あああああ!!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

雄助

「神様、貴方の力を貸して下さい。」

 

苦しみ続けている金髪碧眼の男の首を持って神のもとにやってきたからだ。

 

 

 

 

 

 

 



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第16話 神への手掛かりと大魔境で出会った少女



ヤスタカ様、メガメタ様、室伏周平様、

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神様

「雄助……お主が持っているのは、まさか………」

 

男の首を持ってきた雄助を見て神は言葉を失った。

 

 

雄助

「殺害対象の神、の分身です。」

 

神様

「分身だと?」

 

雄助は手に持っている男の首が殺害対象の神の分身だと話した。

 

 

雄助

「僕が王星学園に編入した時にそこで僕を殺そうと現実世界に干渉してきたので分身体である僕がこの神の本体を殺そうとしたのですが、1億体の分身を作り出して逃がしてしまいました。」

 

神様

「お主分身だったのか……それにしても奴も分身を作っていたとは、発見した次第部下達を出動するか考えておいたが出動させないで正解だったの。

さて雄助、その分身を持ってきた理由は何だ?

もしや、分身から特典を回収するのか?」

 

神様は雄助(分身)の話を聞き終えると、分身体である神から特典を回収するのかと聞き出す。

 

 

雄助(分身)

「そうです。

ですが、全知全能は取り返される対策をしていますので僕が前に手に入れた全知全能で能力を相殺させて回収を行います。」

 

神様

「……確かに全知全能に対抗できるのは全知全能。

互いの能力の効果で矛盾が発生し、その隙に特典を回収することができるかもしれん。

雄助、儂は今すぐこの方法をしようと思うのだが分身のお主でも出来るかの?」

 

雄助(分身)

「はい、分身である僕にも出来ますので早く始めましょう。」

 

雄助(分身)は目の前に台座を作り出し、神の首を置き特典の回収を始める。

 

 

雄助(分身)

「僕が能力を相殺と本体の接続をしますので僕が合図したら回収を御願いします。」

 

神様

「分かった。」

 

神の周囲に様々な画面が現れ、雄助(分身)は神の首に触れてエネルギーを注入する。

 

 

 

 

 

 

神(分身)

「グアアアア!!!!!」

 

神(分身)はエネルギーを注入され壮絶な苦しみを味わった。

 

 

 

神(分身)

(不味い……このままでは力を奪われてしまう!!!

何とかして逃げ出さなければ!!!!)

 

雄助(分身)

(本体に接続は完了。

ですがそうすんなり返しはしない上、此処から逃げ出そうとするでしょうね。)

 

神(分身)はここから逃げ出そうと試みるが、雄助は行動を読んでいた為、様々な能力を発動して神の行動を阻止し始めた。

 

 

 

 

分身を作りダメージを肩代わりして逃亡するが、膨大なエネルギーを注入されている為失敗。

 

 

精神体となりそこから肉体を再構築を行うが、魂にも直接エネルギーを注入されている為失敗。

 

 

壮絶な痛みを別の世界いる人間達に送り出そうとするが、痛みの転移場所を本体と分身に送るように書き換えられて失敗。

 

神界そのものを破壊を開始しようとするも、破壊の力を封印され、本体と分身に破壊の力をぶつけられ失敗。

 

 

開始、失敗、開始、失敗、開始、失敗…………

 

神(分身)が繰り出し続けてきた行動は、雄助(分身)により全て無駄になった。

 

 

 

 

神様

「……よし、全知全能同士の衝突で力が弱まっている!!!

雄助、今から特典を回収するぞ!!!」

 

 

神様は画面に出されているプログラムを起動する。

 

 

 

 


 

 

 

 

(私の力が奪われる!!!

……クソ!!こうなったらアレ(・・)を使うしかない!!!!)

 

本体の神は全知全能が奪われる事をその身に感じ始め、最後の手段を取り出した。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

神様

「よし、これで回s──」

 

 

神(分身)

「死ねぇ、神譲 雄助ッ!!!!!!」

 

 

 

神様が特典を回収出来る瞬間、神(分身)の首が膨張し出して自爆した。

 

 

 

神様

「グッ!!!!」

 

神様は直ぐ様、バリアを展開し爆発から逃れ、

 

 

 

 

 

 

 

雄助(分身)

「大丈夫ですか、神様。」

 

神(分身)の自爆を間近で食らった雄助(分身)は平然と立っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神様

「すまぬ……失敗してしまった。」 

 

雄助(分身)

「謝ることはありませんよ神様。

あの場自爆を選んだこと予測しなかった僕が悪かったんです。」

 

神様

「いや、それは儂もじゃよ雄助。

あやつは自分にリスクがあるものは絶対にしないからの自爆なぞ考えておらんかったわ。」

 

神様

「こうなると回収方法はお主の手で回収せねばならんのか。」

 

雄助(分身)

「問題ありませんよ。

特典の回収と神の殺害する事には変わりませんので。」

 

 

 

神様

「…………雄助。」

 

神様はさっきよりも真剣な目で雄助(分身)を見る。

 

 

雄助(分身)

「はい、何でしょう?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神様

「あの時の…………私がまだ幼かった頃、

貴方に預かった物をここで返します。」

 

 

 

 

 

 

 

 

         ******

 

 

 

 

 

 

雄助

「…………」

現実世界では雄助は倉庫にある【異世界の扉】の前に立っていた。

 

ユグル

「わふぅ?」

ユグルは雄助の足を叩く。

 

雄助

「すみませんユグル君。

でも大丈夫ですよ、それでは今日も探索を始めましょう。」

 

ユグル

「ワン!」

雄助達は【異世界の扉】を開いて【大魔境】の探索を始める。

 

雄助

「ん?」

 

異世界に来た雄助は、レクシア達が今後ここから通るように作られた【大魔境】から賢者の家までの道だ。

 

 

雄助

「誰かがこの道に入った形跡がありますね。

しかもその中の結界出ようと。

恐らく【大魔境】の探索か或いは魔物との戦闘どちらか。」

 

雄助

(そして結界に入ってきた人の情報は僕とレクシアさんと同じ年代で女性、武器は短剣を所持していますが糸を所持している為恐らくそれを使って戦っていますね。

ですが此れは魔物との戦闘というより人間を暗殺する為のもの、暗殺者である事は確定ですね。)

 

雄助

「ユグル君、彼処から人の気配がしました。

そちらに行きましょう。」

 

ユグル

「ワン!」

 

雄助達は踏み入れた人物がいる所を駆けつける。

 

 

 

 

 

 

雄助

「…いました。」

 

ユグル

「クゥーン」

 

雄助は踏み入れた人物を見つけることが出来た。

そこには、銀髪碧眼のボロボロの服を着た少女が【ゴブリン・エリート】の群れに立ち回っていた。

 

雄助

(僕が作った結界の情報は正確でしたね。

右手に糸を所持、それで【ゴブリン・エリート】の体を斬り飛ばすでしょう。)

 

少女

「ハァ!」

 

少女は右手を振りかざすと、雄助の言う通り【ゴブリン・エリート】の腕は斬り飛ばされた。

 

 

ゴブリン・エリート

「グガアア!」

 

少女の後ろからもう1体のゴブリン・エリートが襲いかかる。

 

 

少女

「っ!?しまった!!!」

 

少女は回避に間に合わず腕をクロスして防御をとる。

 

 

 

 

が、少女は吹き飛ばされることも傷つくことはなかった。

 

 

少女

「……?な、何だ……ッ!?」

 

少女は防御を外すと、【ゴブリン・エリート】達が全員死んでいた。

 

雄助

「大丈夫ですか?」

 

少女

「っ……!?」

 

少女は驚愕した。

黄金の甲冑を身に纏った雄助が少女を助けたからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雄助

(驚愕してますね………そもそも【大魔境】の魔物というのは街や国を壊滅させる程の強さを持った魔物が跋扈している危険地帯。

この人の反応をみるにレクシアさんを助け出した人物がいるという噂が本当だったから驚いているのでしょう。)

 

少女

「……何者だ?」

 

雄助

「僕の名前はユウスケ・シンジョウといいます。

そしてこの子はユグル、僕の家族です。」

 

ユグル

「ワン!」

 

少女

「っ家名持ち!?貴族なのか!!」

 

少女は雄助の名前に苗字がある事に驚く。

 

雄助

「貴族ではありません。

僕の生まれた国では皆さん家名を持っているんです。

それよりもこれを飲んで下さい。」

 

雄助は少女に液体が入っている瓶を渡す。

 

少女

「何だこれは?」

 

雄助

「回復薬です。

貴方はここに来るまで様々な魔物と戦ってきた筈です。

取り敢えず飲んで下さい。」

 

少女

「………」

 

少女は瓶の蓋を開けて回復薬を飲んだ。

すると少女の傷が完治した。

 

 

少女

「傷が治っている!?」

 

雄助

「これで大丈夫ですね。」

 

ルナ

「ありがとう、そういえば名前を名乗っていなかったな。

わたしの名前はルナだ。」

 

雄助

「ルナさん、貴女は何故【大魔境】に?

此処に来るのは【大魔境】の探索か、或いは自殺願望が来る危険地帯ですよ。」

 

ルナ

「……修行だ。

私は依頼を受けていてな、その依頼の為に修行しているんだ。」

 

雄助

「それは、必ずやり遂げなければならない依頼ですか?」

 

雄助はルナの依頼がそれほど重要なのかを聞く。

 

ルナ

「ああ。」

 

雄助

「分かりました。

ルナさん、僕は貴方の修行を手伝います。」

 

ルナ

「っいいのか!!?」

 

雄助

「はい、ただし修行は明日からにします。

【ゴブリン・エリート】の戦闘の後での修行は危ないですよ。」

 

ルナ

「………分かった。

修行は明日からにしておこう。

またなユウスケ。」

 

雄助

「はい、さようならルナさん。」

 

雄助はルナを【大魔境】の入り口まで送りつける。

 

 

 

 

 

 

 

雄助(分身)

「お帰りなさい、本体の僕。」

 

すると、【異世界の扉】の前には雄助の分身が立っていた。

 

 

雄助

「只今戻りました、分身の僕。」

 

ユグル

「ワン!」

 

雄助(分身)

「只今戻りましたユグル君。

記憶は共有しているので今回の件の説明は必要ありませんよね。」

 

雄助

「勿論です、では例の物を頂きますよ。」

 

すると雄助(分身)は未知の科学技術と解析出来ない程の魔術で作られた10×10×10cmの立方体を取り出した。

 

雄助(分身)

「僕の仕事はこれで終わりました、ではまた。」

 

すると雄助(分身)の体は雄助と重なり1つになる。

 

 

 

 

 

 

雄助

「神様、これを持っているという事は本当にやり遂げたようですね。」

 

雄助は手に持った立方体を眺めて小さく呟いた。

 

 

 

 

 

 




誤字報告御願いします。


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第17話 ルナとの修行

なお丸様、Qovun様、メルルボルン様、

お気に入り登録有難う御座います。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雄助

「……我ながら良い出来ですねこのローブ。

性能も鎧の完全上位互換になっていますし、ユグル君行きますよ。」

ルナと修業をすることを約束した雄助は、家で【根源鎧アルケー】の性能を上回るローブを作っていた。

 

ユグル

「ワン!」

雄助は作ったローブを身に着け、ユグルと共に異世界に行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルナ

「それにしてもすごいな……」

ルナは賢者の家に続く道を通り、そう口に出した。

 

ルナ

「【大魔境】の魔物が入ることすらない上、破壊不可能な結界……ユウスケは貴族ではないと言っていたな。

となると大魔術師の可能性がある……」

ルナは雄助の正体を探るがそもそも別の世界から来た上に転生者である為その予想は大きく外れる。

 

 

 

 

 

 

 

ユグル

「ワン!」

 

ルナ

「ユグルか…ということはユウスケも来たんだな。」

 

雄助

「お早う御座います、ルナさん。」

 

ルナ

「ああ、おは――!?」

ルナは雄助の方に向くと言葉を失った。

 

 

ルナと雄助が初めて対面した時は雄助は鎧を身に纏っていた。

勿論顔も隠していた為、ルナは今日で初めて雄助の素顔を見た。

完璧と言ってもいい容姿をしておりルナは頬を赤らめ雄助の素顔を眺め続けている。

 

 

雄助

「どうかしましたか、ルナさん?」

 

ルナ

「な、何でもない!早く行くぞ!!///」

ルナは気づいたのかすぐその場に去ろうとする。

 

雄助

「ルナさん待って下さい。

態々【大魔境】の入り口から戻って別の所から入る必要はありません。

この家に張り巡らせれている結界から出ればいいだけですから。」

雄助はルナに賢者の家に貼られている結界について説明する。

 

ルナ

「………すまないユウスケ。」

 

雄助

「構いません、この【大魔境】程強くなれる場所はないと思いますから焦らなくてもいいですよ。

それでは行きましょうか。」

雄助はユグルとルナと共に結界から抜け出し、【大魔境】の中に入る。

 

 

 

 

 

 

 

 

雄助

「ルナさん、気配を消して下さい。」

ある程度進むと雄助は何かに気づいたのかルナに気配を消すことを求める。

 

ルナは言う通りに気配を消し雄助の見ている方向を見ると、真紅と紺碧の2本の水晶の角を生やした鹿が草を食べていた。

 

 

 

 

 

 

【クリスタル・ディアー】

 

レベル:630

 

魔力:15000 攻撃力:10000 防御力:10000

俊敏力:15000 知力:15000 運:3000

 

 

 

ルナ

「クリスタル・ディアー!!?」

ルナはクリスタル・ディアーを見て大声を出してしまった。

 

クリスタル・ディアー

「クアアアアア!!」

当然、ルナの声に反応した【クリスタル・ディアー】はルナに目掛けて突進する。

 

 

 

それと同時に雄助はクリスタル・ディアーの動きを予測していた為ルナを抱えて回避した。

 

雄助

「ユグル君、ルナさんがトドメを刺しますので倒さないで下さい。」

 

ユグル

「ワン!」

 

ルナ

「私が倒すのか!!?」

ルナはクリスタル・ディアーを倒すのが雄助ではなく自分だと言うことに驚愕する。

 

クリスタル・ディアー

「クアアアアア!!!!」

クリスタル・ディアーの角の間から炎の玉を出してユグルに放つ。

 

ユグル

「ワン!」

ユグルは魔法で水の玉を作り出して、相殺する。

 

雄助

「僕とユグル君が攻撃を受け止めるのでルナさんはその隙にとどめを刺してください。」

 

ルナ

「まっ、待ってく…!?」

ルナは雄助に止めようとするが一瞬でクリスタル・ディアーの所に近づいた。

 

ルナ

「仕方がない。」

ルナは覚悟を決めて、戦闘に入る。

 

クリスタル・ディアー

「クアアアアア!!!!!」

紺碧の角が光ると水の玉が現れ雄助に放つ。

 

雄助

「………」

だが雄助の足元から土の壁が現れてそれを防いだ。

 

ルナ

(ユウスケ達は魔法を使ってクリスタル・ディアーの攻撃を涼しい顔をして防いでいる……

【大魔境】に住んでいるからかユウスケにとってクリスタル・ディアーは眼中にないのか……

それにしても魔法を無詠唱で発動するなんて、賢者でなければ出来ない……)

動きながら雄助達の行動を見ていたルナは攻撃の対処に驚くしかなかった。

 

雄助

(使える魔法は2つで同時発動は不可能、どちらか使う場合は片方の角が光りだしますね……)

 

雄助

「ユグル君、彼処を狙いますよ。」

 

ユグル

「ワン!」

雄助とユグルは一瞬でクリスタル・ディアーに近づく。

雄助は【根源銃剣オリジン】を出して紺碧の角を斬り、ユグルは真紅の角を噛み砕いた。

 

ルナ

(今だ!!)

 

ルナ

「ハァ!!!」

雄助とユグルはその場から離れ、ルナは腕を振り下ろす。

 

するとクリスタル・ディアーは身体は糸に絡まれ、締め付ける力が強くなっていき身体はバラバラになった。

 

ルナ

「やった……ありがとうユウスケ。」

 

雄助

「いいえ、僕らサポートに徹しただけですから。

クリスタル・ディアーのドロップ品は全部ルナさんにあげますよ。」

 

ルナ

「いや、いいユウスケが持ってくれ。

ほとんどユウスケがやったようなものだからな。

それに私は【アイテムボックス】を持っていないから持ち運ぶのは苦労するしな。」

 

雄助

「分かりました、ではいただきますね。」

雄助はクリスタル・ディアーが落としたアイテムを全て回収する。

 

 

 

 

 

 

【水晶鹿の毛皮】

クリスタル・ディアーの毛皮。

非常に肌触りが良く、王侯貴族の間でとても人気。

耐寒性能もあるが、効果は非常に小さい。

 

【水晶鹿の肉】

クリスタル・ディアーの肉。

様々な料理と相性がいい。

脂が少なく、サッパリしているため、非常に食べやすい。

 

【水晶鹿の双角(そうかく)

クリスタル・ディアーの角。

その角は【フレイム・クリスタル】と【アクア・クリスタル】と呼ばれる特殊な水晶であり、超高額で取引される。

【魔法武器】と呼ばれる魔法を宿した武器に加工することができる。

 

【魔石:S】

ランクS。

魔力を持つ魔物から手に入る特殊な鉱石。

 

 

 

 

超豪華携帯露天風呂(ちょうごうかけいたいろてんぶろ)セット】

クリスタル・ディアーから手に入る、レアドロップアイテム。

持ち運びできる風呂。

(ひのき)、石、ジャグジー、電気風呂といった様々な種類のお風呂をどこでも手軽に楽しむことができる。

お風呂の効能も選択可能。

お風呂の浴槽や水は常に清潔であるため、掃除や手入れは不要。

プライバシー保護機能も搭載しており、外からは見えない特殊なベールで包むこともできる。

 

 

 

ルナ

「すごい…!!

どれも貴族が欲しがるものばかりだぞユウスケ!!!

しかも全てドロップされているなんて初めて見たぞ!!!!」

 

雄助

「…………」

ルナは興奮してる中雄助は眉を顰めていた。

 

雄助

(デビルベアーの時といい、何故レアドロップアイテムは現実世界に関するものが多いのでしょうか。)

雄助はレアドロップアイテムの中身に常々疑問を持っていた。

デビルベアーの時でもレアドロップアイテムを入手していたからだ。

 

 

デビルベアーからドロップした物は【炎のギター】。

これを使うと使用者の気分は高揚して情熱的になる。

更にこれを使いこなすと炎を操作することが可能になる。

 

ルナ

「ユウスケ、その手に持っているものは何だ?」

ルナは雄助が持っている手の平サイズのキューブ、

【超豪華携帯風呂セット】について聞き出す。

 

雄助

「お風呂ですね。

しかも携帯できる上に何処でも入浴可能な珍しいアイテムです。」

 

ルナ

「風呂!?今風呂と言ったかユウスケ!!」

 

雄助

「はい、それがどうかしましたか?」

ルナが風呂という単語に物凄い反応していた。

 

ルナ

「ユウスケ、風呂というのは貴族のような金持ちにしか入れない贅沢なものなんだ。

しかもクリスタル・ディアーからドロップできると広まれば、多くのものは命を懸けてでも手に入れようとするぞ。」

 

雄助

「成程……ルナさん少し離れてください。

ちゃんとしたお風呂なのかを確認しますので。」

 

ルナ

「分かった。」

 

雄助が風呂を出すためルナは距離を取る。

すると持っていたキューブが浮かび上がり、風呂が出現した。

 

風呂は雄助が住む日本の檜風呂になっていた。

 

雄助

「お風呂を出す時、種類と効能がありましたが選択した通りに出てきましたね。」

 

ルナ

「す、すごい……」

ルナは目の前の出来事に言葉を失い、雄助は手を湯に入れる。

 

雄助

「温かいお湯ですね、温泉として機能している上に魔力を微力ながら回復が可能ですね。」

 

ルナ

「魔力が回復できるのか……」

ルナは温泉をじっと見つめる。

 

雄助

「入ってもいいですよルナさん。」

 

ルナ

「え!?いいのか!!!」

 

雄助

「はい、因みに透明のベールが貼られているので覗かれる心配はありません。

僕はまだ大丈夫ですのでゆっくりしてください。」

 

ルナ

「そ、そうかならお言葉に甘えて風呂に入らせてもらうぞ。」

ルナは風呂に入れることに嬉しかったのか風呂に入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『完成まであと99.14%』

 

何処にでもあり何処にも無い場所で、その言葉だけがその場所に響いていた。

 

 




雄助が来ているローブは『仮面ライダーセイバー』の登場人物マスターロゴスの身に着けているローブを赤から黒にベースにしたものと想像してください。


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第18話 野外学習、開始

マイス@読み専様、FGO.モルガン様、
トライアンゲル様、ヨッシー7w76kxZ様、
けっけっけ様、
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☆5室伏周平様、
評価有難う御座います。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルナとの修行を終えた雄助は今日から始まる野外学習が始まる目的地に着くまでの間、バスの中で読書していた。

 

「ねぇ皆、ババ抜きしよう!!」

すると、楓がそう口に出す。

 

雄助

「ババ抜きですか?

僕はいいですけどお二人はやりますか?」

 

「いいよ、どうせ目的地に着くまで暇だし。」

 

「もちろん僕もやるよ。

【トランプの貴公子】である僕がやれば全勝できちゃうけど。」

 

「それじゃあ私がシャッフルするね!」

楓はトランプを出してシャッフルをする。

 

雄助

(ババ抜き……JOKERを1枚だけ入れた53枚のカードでで行うゲーム。

同じ数字のカードを捨て、手札が0になったら勝つ簡単なゲームですね……)

雄助は配られたカードを見る。

 

(よし!)

 

 

 

(悪くないね。)

 

 

 

「………!!?」

 

 

 

 

雄助、楓、凜

{晶(君)がババだね(ですね)。}

 雄助達は晶の表情を見てババを持っていることに気づく。

 

雄助

「………」

 

「どうしたの雄助君?」

 楓は雄助が配られたトランプのカードをずっと見続けていた為、声を掛ける。

 

 

 

 

 

雄助

「上がりです。」

雄助は配られた手札を全て出した。

 

楓、凜、晶

『ええ!?』

 楓達は雄助の言葉に信じられなかったのか雄助の持っていたカードを見ると、雄助の言う通り手札が全て揃っていた。

 

「スゴい、全部そろっているよ!!!」

 

「初めてみたよ、ゲームが始まらずに上がる人間なんて。」

 

「僕は夢でも見ているのか!!?」

結局3人でババ抜きをすることになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ノォォォ〜!!!!」

 

「うるさいよ晶。」

 

「晶君必ずババが残るね。」

 結果、最初と同じように雄助がゲームを始める前に先に上がり、そして晶が必ずババが残る結果になった。

 

「雄助が勝つ変わりに晶が負けるんだねぇ。」

 

「晶君はババに愛されているんだね。」

 

「ヤダなぁソレ!!?

今度は別のゲームをやろう!!?」

晶は痺れを切らし、別のゲームをやることを提案する。

 

「別のゲームかぁ、真剣衰弱とかかなぁ。」

 

「それやると雄助が全部カード取っちゃうよ。

何せ雄助は私たちの名前と顔を記憶できるんだし、それにバスの中じゃ無理でしょ。」

 

雄助

「別のゲームですか……」

 

「雄助君は何かある?」

楓は雄助にトランプを使ったゲームがないか聞く。

 

 

 

 

 

雄助

「インディアンポーカーはどうでしょうか。」

 

楓、凜、晶

『インディアンポーカー?』

 楓達は聞き慣れないゲームだったのか首を傾げた。

雄助はトランプを1枚取り、表側を見せるのように額に貼り付ける。

 

雄助

「このように額に貼り付けて自分には見えないように相手のカードと反応を見て勝負にでるか降りるかのゲームです。

それと此れはポーカーと同じように賭ける為のチップが必要になり心理戦になります。

なのでチップは僕が持ってきたマッチを変わりして使いましょう。」

 雄助はインディアンポーカーの説明をし、鞄からマッチを取り出す。

 

「ポーカーよりは分かりやすいね。

よし、それやろう。」

 

「今度は負けないよ雄助君!!」

 

「いいよ【インディアンポーカーの貴公子】である僕に勝てるかな。」

 

雄助

(これからは、晶君のことを【王星学園の貴公子】と読びましょう。)

 

雄助

「それと重要なものがあります。」

 

「まだ何かあるのかい?」

 

雄助

「はい、取ったカードをポーカーのように変えることは出来ません。」

 

「出来ないのかい?」

 

雄助

「はい、ですが先程言いましたが此れはインディアンポーカーはポーカーと同じように心理戦です。

勝てると判断した場合チップを多く出すのも良し、

負けると判断した場合逆に小さくするのも良し、

 ルールとしては至ってシンプルですが賭けによってこのゲームは複雑な心理戦になるんです。

 そして最後にカードの強さを話します。

下から順に2<3<4<5<6<7<8<9<10<J<Q<K<A<JOKERで、JOKERは1枚だけ入れます。

 もし、カードの数字が同じになった場合はスートで決めます。

 因みにスートの強さ順はは♣<♦<♥<♠です。

では皆さん始めますが宜しいでしょうか?」

 

楓、凜、晶

「いいよ(もちろん)!!!」

 

雄助

「分かりましたでは、シャッフルしますね。」

雄助は説明を全て終えてカードをシャッフルする。

 

「雄助君すごい!!

シャッフル上手いね。」

 

雄助

「自分で言うのもなんですけど器用ですので、こういうことも出来ますよ。」

雄助は高難易度のシャッフル、パーフェクトシャッフルを楓達に見せる。

 

「すごい何今の!!!?」

 

「器用だねぇ雄助。」

 

「やるね雄助君、でも【シャッフルの貴公子】でもある僕にも…」

 

「しつこいよ晶、一体何個貴公子を出すんだい。」

 

雄助

「シャッフルを終えました、皆さん順番に取って下さい。」

 楓達は雄助の指示に従い、カードを1枚取る。

 

雄助

「………………」

 

「どうしたんだい雄助、まさか勝てる自身がなくなったのかな。」

 凜は雄助がカードを取らないことで笑みを浮かべた。

 

雄助

「……いえ、大丈夫です。

すみません今引きますね。」

雄助は覚悟を決めたのかカードを引く。

 

雄助

「では僕が『インディアンポーカー』と言いましたら額に当てて下さい。」

 

「うん!!」

 

「いいよ。」

 

「もちろんだよ!!!」

 

 

 

雄助

「では始めましょう………

 

 

 

 

『インディアンポーカー』」

 

 

その言葉が出た瞬間、雄助達は直ぐカードを額に当ててお互いのカードを見る。

 

 

 

 

 

 

 

 

楓、凜、晶

『!!??』

 

 

 

すると楓達は雄助のカードに驚愕する。

雄助達の手札は、

 

 

 

 

 

楓………♥のK

 

凜………♦のA

 

晶………♣の2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雄助……JOKER

 

 

 

 

 

 

 

楓、凜、晶

『降りるね(わ)(よ)。』

楓達は雄助のカードを見て降りた。

 

雄助

「皆さん、此れは心理戦なんですから僕をどうにか勝負から降ろしませんと。」

 

「だって雄助君ジョーカーだったんだよ!!!

負けるに決まってるじゃん!!」

 

「それに降ろそうとしても降ろす方法が思いつかないよ。」

 

雄助

(まあ、そうなりますよね。)

 雄助は自分のカードがJOKERだということをカードを取る前から気づいていた。

 雄助は一度見れば完全に記憶できるだけでなく、触れることで記憶することも可能だ。

雄助はこのイカサマじみた能力で勝たない様、能力を封じいくつもの未来を見て敗北する未来を探した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、探してもその未来は無くそれは無駄であった。

 

 

 

 

 シャッフルしたのが雄助では無く、3人の誰かやろうとも必ずJOKERになり、JOKERを入れなかった場合♠のAで勝利してしまう。

能力でカードの表を別のカードに入れ替えても楓達は勝負に出ずに雄助は勝利する。

 

 

 

 

 

 

どうあがいても雄助の完全勝利の結果に収まってしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雄助

(次からはゲームに参加せず見ていましょう。)

 雄助は複数人でやるゲームは、これからは参加せずに見るだけ楽しむと心に誓った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………」

 

「ほら、立ち上がりな。」

 

雄助

「ここまで来ると恐ろしいですね。」

目的地に着くと晶はバスに降りた後、地面に手を付け落胆していた。

 

雄助

(晶君を勝てせるよう配ってみましたがまさかあんな結果になるとは………)

雄助は晶に勝たせるようカードをシャッフルをした。

 

 

その時雄助達の手札は、

 

 

 

 

 

 

雄助………♠のA

 

楓………♣のJ

 

凜………♥のK

 

晶………JOKER

 

 

 

 

となっていた。

 

 

 

 

 

 

(今の僕なら雄助君にも勝てる気がする!!!)

晶はJOKERが配られた事で勝負に勝てる自信がついた。

 

しかし、

 

 

 

 

 

 

 

 

「………………………………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………………………………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………………………………」

 

 

 

 

 

 

 

 

「すいません勝負から降ろさせていただきます。」

凜に無言の圧力をかけられ、自ら勝負に降りてしまった。

結果はインディアンポーカーは雄助の完全勝利に収まった。

 

雄助

(ルール上反則ではないので何とも言えませんね。)

 

沢田

「おーい、全員集まれー。

今から野外学習について説明するから班ごとに分かれとけよー。」

 

すると沢田が、クラス全員を呼び寄せ、野外学習について説明する。

 

沢田

「全員揃ったな、それじゃあ説明するぞ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お前らは野外学習が終わるまでここでサバイバルをしてもらう!!!

 

雄助以外生徒全員

『はあ(ええ)!?』

雄助以外の生徒全員は、沢田の言葉に驚くしかなかった。

 

雄助

「沢田先生、サバイバルというのはもしかして僕達生徒全員は野外キャンプをすればいいのでしょうか?」

雄助は手を上げ、沢田の言った言葉に質問する。

 

沢田

「その通りだ雄助!!!

理解が早くて助かるよ!!!!」

 

「ちょっと待って下さい!!

俺たちってあの山の上にある旅館に泊まるんじゃないんですか!!?」

 亮は山の上にある旅館に指を指して沢田に聞く。

 

沢田

「何言ってるんだ?

あの旅館は先生たちだけだぞ。

 それにこの野外学習は将来エリート街道に走っていくお前たちのための訓練なんだ。

取り敢えずお前たちには必要最低限の物を渡す。

 一泊二日の野外キャンプだ、因みにお風呂はこの敷地内のどこかに温泉があるからそれ探して使えー。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ~あ、まさか旅館で泊まるんじゃなくて、外で生活するなんて。」

 

雄助

「ですが野外キャンプは貴重な体験ですし、前向きにやってたほうがいいと思いますよ。」

 雄助達は手分けして食材を調達し、雄助と楓は川で魚を釣りに、凜と晶は山で茸や山菜を取りに出かけた。

 

「だとしてもヒドいよ!!!

しかも先生、ボーナスの為とか言ってた上に反抗したら宿題増やすって言ったんだよ!!!」

 

雄助

「落ち着いて下さい楓さん。

それよりも川が見つかりましたよ。」

雄助は川が見つけた所に指を指す。

 

「ホントだ!!!それじゃあいっぱい魚を釣ろう!!!!!」

楓は

 

雄助

「さて、川に着きましたが……」

 

「……いっぱいいるね。」

川に着いたが雄助達よりも先に、他の班も川で魚を釣っていた。

 

「どうしよう……このままじゃあ私たちのご飯作れなくなっちゃうよ。」

 

雄助

「いえ、なんとかなりますよ楓さん。」

 

「えっ、なんとかなるの雄助君!」

 

雄助

「はい。」

雄助は他の生徒が釣りするところは別の、釣りには向かない場所、浅瀬の方に向かった。

 

「雄助君、ここじゃあ釣れないよ。」

 

雄助

「確かにここで釣りをするのは不可能です。

ですが僕はここで釣りするとは言ってません。」

 

雄助はバッグを開けて、物を取り出す。

 

 

 

雄助

「これで、魚を獲ります。」

雄助は組み立て式の網を出し、魚が多く集まっている場所に向かう。

 

「網で捕るの!?」

 

雄助

「はい。」

雄助は川の中にいる魚を見つめる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雄助

「楓さん獲りましたよ。」

 

「えっ、えええー!!!?

雄助君、いつの間に!!?」

楓は先程まで近くにいた雄助が反対側に立っていることに驚いた。

 

一体何をしたのかを説明しよう。

 

 雄助は川の中の魚を確認した後、川を飛び越した。

川の向こう側に着くまでの間、雄助は持ってきた網を使って川の魚を多く獲らえた。

 

 

 

 

 

「そしたらね、雄助君はいつの間にか向こう側に立っていていっぱい魚を獲ったんだよ!!!」

 

「雄助ってもしかして漫画の世界から来たのかねぇ。」

 

その後、大量の魚を捕まえた雄助はテントに戻り、凜と晶に1日目の収穫を報告した。

 

 

 

雄助

黄泉川(よみかわ)先生、晶君が間違って毒茸を食べた上、熊に襲われたらしいので診てくれませんか。」

 

「ゆゆゆゆゆ、雄助君!!!だだだだ大丈夫だから僕は!!!!!!!!」

 

 一方雄助は、保健医の黄泉川に震えている晶の身体を診てもらおうとする。

何故晶がこんなに震えているのか、それはこの黄泉川が原因だ。

 

 黄泉川の見た目は綺麗な黒髪を貞子の様に顔が見えなるくらいまで長く伸ばされ白衣を着ている為、知らない人間からすれば幽霊か不審者にしか見えない。

 そして保健室は常に暗闇で覆われ光が一切入らない空間になっており、ここを通ると誰かの悲鳴が聞こえるという保健室とは思えない場所となっている。

 だから晶は黄泉川に診てもらう事を拒否し続けている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雄助

「皆さん料理の経験はありますか?」

 

楓、凜、晶

『……………』

 その後雄助は楓達に料理はできるのかを聞き出す。

結果、雄助以外は全員料理は出来ないと無言だった。

 

雄助

「成程、僕だけですか。」

 

「雄助君はできるのかい?」

 

雄助

「はい、一人暮らしなので料理をしたほうが生活に困ることはありませんので。」

 そう言って雄助は今日獲れた食材を確認する。

 

雄助

(岩魚(いわな)山女魚(やまめ)、全部で10匹と1つの班がこれだけ食べるとなると贅沢ですね。

いや凜さん達が採ってきた物と比べると可愛い方ですが……)

 雄助は凜達が採ってきた物、トンビマイタケ、自然薯、黒トリュフに目を向ける。

 

雄助

(自然薯と黒トリュフを採ってくるなんてどうなっているんですかここは。

………やはりあれを作らないといけないのでしょうか。)

 雄助は材料を持って先生方が待機しているスペースに行く。

 

 

佳織

「雄助さん!そちらの班の調子はどうですか?」

 先客として佳織が立っており、雄助に気づいた為話しかけた。

 

雄助

「そうですね、晶君が毒茸を食べてしまったことと熊に襲われたことを除けば問題ありませんね。」

 

佳織

「ええっ!?大丈夫なんですか!!?」

 雄助は平然と晶の起こった行動を佳織に言い、佳織は雄助の言葉に驚きを隠せなかった。

 

雄助

「はい、黄泉川先生に診てもらいましたが特に問題はありませんでした。」

 

生徒1

「佳織、終わったよー……って神譲君!!?」

すると佳織の班は仕分けが終わったのか佳織に声をかけると雄助がいた事に驚きを出した。

 

佳織

「はい、分かりました。

それではでは雄助さん、また…」

 

雄助

「はい、また明日。」

 

「ゆ、雄助君、君は【プリンセス】佳織と知り合いなのかい!!?」

 

雄助

「【プリンセス】?

佳織さんてそう言われているんですか?」

 

「佳織さんは、理事長の娘だから皆からはそう呼ばれているんだよ。」

 

雄助

「成程………………ん?

凜さん、あの時【王星学園の王子】と噂されていましたが何故なんですが?」

 雄助は凜と初対面の時、【王星学園の王子】と呼ばれたことを凜に聞く。

 

「レッドオーガのメンバーが佳織さんを連れさろうとした時、雄助は佳織さんを守りながら戦ったじゃん。

 それを見た他の皆がお姫様を守る王子様見えたからそう言われてるんだよ。」

凛は雄助が【王星学園の王子】と言われる理由を説明した。

 

雄助

「………筋骨隆々で身長2m超えの王子なんていないですよ。

それに王子と呼ばれるには容姿を平均より上にしませんと。」

雄助は自分が【王星学園の王子】と呼ばれる事に眉を顰める。

 

 

 

 

 

 

 

沢田

「―――パーフェクトだ!!!

 お前たちすごいな、大量にとってきた上に全部食べられる食材を持って生きたのはお前たちが初めてだぞ!!!!

これでボーナスに近づけた、ククク……」

沢田に獲ってきた食材を沢田に見せると、雄助の班が食べれる食材が多かったからか黒い笑みを浮かべた。

 

沢田

「だが気を抜くなよ、料理も採点対象になっているからな!!!

この中で料理できるのは誰だ?」

 

雄助

「僕だけです沢田先生。」

雄助は手を上げ楓達は雄助に指を指す。

 

沢田

「…………マジかよ。」

 

雄助

「はい。」

沢田は料理出来るのは雄助だけだと頭を抱えた。

その後、沢田は両手を雄助の両肩を掴んだ。

 

沢田

「雄助、頼んだぞ。

お前の料理の腕が先生のボーナスにかかっているんだ……!!!」

 

雄助

「最後の台詞のせいで台無しですよ。」

雄助は沢田の出た下心に冷静に突っ込んだ。

 

雄助

「ですがここまでやったからには先生の為に期待に応えましょう。」

 雄助は材料を手に取り料理を始める。

 

 

 

 

 

 

 

雄助

「出来ました、沢田先生。」

雄助は沢田達に料理を終えたことを報告し、完成した料理を見せた。

 出来上がった料理は、

岩魚(イワナ)山女魚(ヤマメ)の唐揚げ』

『菜の花と自然薯の黒トリュフ和え』

『トンビマイタケのお吸い物』

の3つを作った。

 

沢田達

『…………………』

沢田は雄助の作った料理に唖然とする。

 

雄助

「沢田先生、念の為味の確認も御願いします。」

雄助は作った料理を紙皿に乗せて沢田に渡す。

 

沢田

「あ、ああ、………………。」

沢田は食べた後無言になった。

 

雄助

「沢田先生?」

返事がない沢田に雄助は声をかける。

 

「雄助君!!私たちも食べていい!!?」

 

雄助

「………いいですよ。」

雄助は晶の言葉を了承させた。

 

楓、凜、晶

『………………』

だが楓達も、沢田と同じように無言になった。

 

雄助

(あの時に見たものと同じように作った筈、まさか……)

雄助は1人でそう考えていると

 

 

 

沢田達

『うまああああああああい!!!!』

沢田達は一斉に声を上げた。

 

「雄助君!!?何これ、すごく美味しいよ!!!!」

楓は雄助の作った料理の美味さを興奮気味に言った。

 

雄助

「美味く作れたなら良かったです。」

雄助は自分の作った料理が美味いと言われて安堵した。

 

沢田

「雄助、もっと自分の腕に自身を持っていいぞ!!!!

先生たちも学園の一流シェフの格安昼食を食べているんだぞ!!!!

 だが雄助の料理はその一流シェフよりも美味しいんだ!!!

雄助、お前レストランで働いていたのか!!!!!」

 

雄助

「いいえ働いていません。

僕は他の人に料理を作ったのが初めてなんです。

 それに美味しく作れたのなら冷めないうちに早く食べましょう皆さん。

それでは、いただきます。」

雄助は美味く作れたことに安心し、班全員で食べ始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

雄助

「晶君、どうかしましたか?

後の班の皆さんの為にも早く入りませんと。」

 食べ終えた雄助はその後食器の片付けと調理器具を洗い終えた後、風呂に入浴するところだ。

 

「い、いや何でもないよ。

それじゃあ皆先に行ってるよ。」

晶は他の男子生徒に声を掛けて雄助と共に男湯に行く。

 

 

 

 

男子生徒1

「すげぇ………」

 

男子生徒2

「雄助って帰宅部なんだよな。

あの体で帰宅部なのが信じられない……」

 

男子生徒3

「イケメンでスタイルもいい上、レッドオーガを1人で倒した………」

 

男子生徒4

「あの時は漫画の世界にでも来たとさっかくしたな。」

 

男子生徒5

「だが、それよりも男にとって重大なものが発見された。」

 

 

 

 

 

 

 

男子生徒達

『あそこがデカすぎる!!!!!!!!!!』

 

男子生徒6

「実は内緒にしてたんだが家でアソコを使う動画を見てるんだが、雄助のアソコはその動画に出てくる男よりデカかったんだ!!!!」

 

男子生徒7

「天は二物を与えずってのは嘘だったのか……!!!」

 

男子生徒8

「もうダメだ……お終いだぁ!!」

 

男子生徒9

「勝てるわけがない!!!!

俺たちは………雄助に勝つことができるのか!!!!?」

 と雄助の体や入学してからの出来事を振り返っていると途中から話題が変わって更衣室はカオスになっていった。

 

 

 

 

 

 

「よっ、雄助!」

 

慎吾

「や、やあ雄助君。」

男湯に入ると亮と慎吾が先に入浴していた。

 

雄助

「僕らも入って大丈夫ですか?」

 

「いいって、遠慮しないでくれよ!!!」

亮の言葉を聞いた雄助は言葉に甘えて亮達の寛いでいる温泉に入浴する。

 

「2人共そっちはどんな感じだい?」

晶は、亮達に今日の野外学習の事を聞く。

 

「いやあ、正直言って大変だった。

キャンプはしたことはあっても、食材集めはしたことはなかったから大変だったわ。」

 

慎吾

「り、料理は僕と亮君はできるから問題なかったけど、大変だったよ。」

亮達は雄助の班ほど楽ではなかったが他の班よりも何とかなったようだった。

 

「それにしても雄助ってすごい噂が出てたぞ。」

 

雄助

「また噂ですか?」

雄助はまた自分がうわさされることに亮に顔を向ける。

 

慎吾

「し、食材集めのときに川を飛び越えて魚を捕まえたりとか、シェフの人よりすごい料理作ったって!!!」

慎吾は、雄助がやった事を間違えずに話した。

 

「最高だったよ……雄助君の手料理。

絶対に忘れられないよ、あの味は。」

晶は天に昇るような顔でそう言った。

 

「へぇ、今度食べてみたいな。

そういえばさ、雄助ってすごい体鍛えられてるな!

 格闘系の体をしてるから中学の時なんかやってたのか?」

 

雄助

「いいえ、筋トレとかしています。

腕立てや腹筋、背筋等、様々なトレーニングを今でもしていますから。」

雄助は自分の肉体を筋トレの成果だと誤魔化した。

 

慎吾

「そう、そうなんだ。

これで帰宅部なんて信じられないよ。」

 

「………あそこもすごいんだよね。」

 

雄助、亮、慎吾

『?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

野外学習に行く数日前、雄助はルナと共に【大魔境】で魔物と戦い、その後【超豪華携帯風呂セット】を出してゆっくり寛いでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

雄助

「………先に入ったほうが良かったんじゃないでしょうかルナさん。」

 

ルナ

「……気づかれたか。」

 雄助はルナが忍び込んでいたことに気づいた。

ルナは、そのまま風呂に入ると雄助に抱きついた。

 

ルナ

「ユウスケ、ありがとう………

ユウスケのおかけで、ここまで強くなることができた。

 あの時ユウスケが来てくれなかったら私はもう死んでいた。

それにまた明るい世界を見ることができたんだ。

……本当にありがとう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雄助

(……覚悟は出来たようですね、ルナさん。

 ですがもうそこに戻る必要はありませんよ。)

 

 

こうして野外学習の1日目は終わりを迎えた。

 

 

 




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第19話 様々な出来事

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「もう嫌だ………帰りたい………こんなのキャンプじゃない………サバイバルだ………帰りたい………………」

 

慎吾

「だ、大丈夫、晶君?」

 

「今更言ったって仕方ねぇよ晶。

それに文句言っても飯は出てこねぇぞ。」

 

「おはよー皆!!」

 

「楓は相変わらず元気だねぇ。」

 

雄助

「晶君、慎吾君、亮君、楓さん、凜さん、お早う御座います。」

 

翌日、雄助は早起きし亮達と共に食材探しを始める。

 

 

 

 

生徒1

「熊だぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

すると、1人の生徒が大声で叫んだ。

 

雄助達は声が聞こえた方向を見ると、猛スピードで熊が走っていた。

 

「あれは昨日僕を襲った熊じゃないか!!?」

 

雄助

「よく分かりましたね晶君。

自分を襲った熊を区別出来るなんて。」 

 

「言ってる場合かよ!?

早くここから離れるぞ!!!」

 

雄助

「落ち着いて下さい。

晶君を襲った熊は(ヒグマ)です。

走って逃げれば走った人に反応にして追いかけてくる上、背中を見せれば必ず追いかけてきますよ。」

 

慎吾

「じゃ、じゃあどうするの!!?

このままだと襲われちゃうよ!!!」

 

「そうだ、死んだふりをすればいいんだ!!!!

そうすればヒグマは興味を持たずに見逃してくれるはずだ!!!」

 

晶は、羆から退ける案を出した。

 

雄助

「それは無理な上にやめた方がいいですよ晶君。

羆は好奇心旺盛ですから逆に動かないものに興味を持って近づいてきますよ。」

 

雄助は晶の案が無理でそれをするとどうなるのか答えを返した。

 

「終わった……僕の人生は……これでお終いだ……」

雄助の返答で晶は地面に手を付ける。

 

「何やってるの晶君!!?

ここで止まってると襲われちゃうよ!!!」

 

「そうだ、晶ちょっと囮になってきなよ!!!

何なら倒してもいいからさ!!!!」

 

「無茶言わないでくれ!!!

さすがの僕でも【熊殺しの貴公子】は名乗れないよ!!!」

 

「倒せなくても囮にはなれるんだね、行ってきな!!!」

 

「しまった、(はか)られたああああ!!!」

 

雄助

「皆さん、目の前に羆がいる状況なのによく流暢に喋れますね。」

 

雄助は、晶達のやり取りを見てそう呟いた。

 

沢田

「おーい、みんな無事か!?」

 

そうしている内に沢田を含めた教師達がやって来た。

 

先生1

「全員無事だな!!

今すぐ先生たちの後ろに避難するんだ!!

移動する際は、熊に背中を見せないよう後退して、障害物も使って逃げろ!!!」

 

先生は、生徒達に羆から離れるよう冷静に指示する。

 

沢田

「さすがに猟銃(りょうじゅう)を使える先生はいないからなぁ…」

 

黄泉川

「ヒ、ヒヒヒ………く、薬を使う?」

 

先生2

「黄泉川先生落ち着いて下さい!!!

それ使ったら私たちも死んでしまいますよ!!!?」

 

先生達が羆の対策を話し合っていた。

 

沢田

「おっと……あ。」

 

そうしている内に沢田が生徒達に気を取っている間に転んでしまった。

 

「グウウウウ………」

 

最悪な事に羆の視界の中でだ。

 

沢田

「ヤバいな…これ……」

 

沢田は羆に目を合わせて後ろに下がる。

だが羆は沢田がそれを見逃さず沢田に近づていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雄助

「大丈夫ですか、沢田先生。」

 

沢田

「えっ」

 

するといつの間にか、沢田は雄助に抱えられていた。

 

雄助

「羆は僕が何とかしますので待ってて下さい。」

 

雄助はそう言って先生達の所まで連れていった後、羆の所まで近づく。

 

「グオオオオオオ!!!」

 

羆は目の前に出てきた雄助に襲いかかる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

事はなくその場で大人しく座り込んだ。

 

 

 

 

「あれ、なんで襲いかかってこないんだろう?」

 

晶は羆は自分の時は襲いかかってきたのに雄助に襲いかからない事に疑問を浮かべる。

 

 

 

何故雄助を襲わなかったのか、それは雄助が人間じゃない事に野生の勘で気付いたからだ。

雄助はAtoZという全ての種族の長所を合わせ持った存在する事の無い超越存在。

羆は獣の本能で人間じゃないことに気づき襲わなかった。

 

「ウゥゥ……」

 

現に羆は雄助の前で体を地面に貼り付け弱気になっていた。

もし襲えば自分は死んでしまうと悟ったのだろう。

 

雄助

「良い子ですね。」

 

雄助は羆の頭を撫でていき、この騒動は終わりを迎えた。

 

 

 

 

 

 

 

沢田

「神譲、ありがとうな。

本来なら先生としてあんな危険な行為を叱るんだが………私の命を救ってくれたからそれはなしにする。

お礼といってなんだが私をもらってくれるか?」

 

雄助

「いいえ、遠慮しておきます。」

沢田は助けてくれたお礼を自分自身に雄助に渡そうとしたが丁重に断られた。

 

沢田

「そうかー、じゃあ待ってるぞー。」

沢田は雄助の返答を気にせずそう返した。

 

沢田

「さてと、それじゃあこいつは一体どうするか。」

 

「グオ……」

 そして沢田は先程自分に襲ってきた羆に目を向ける。

 

雄助

「この子はどうやら山のフェンスを破って入ってきたらしいですよ。」

 

沢田

「そこから入ってきたのかー……ん?

雄助、何だそんなこと知ってんだ。」

沢田は雄助が何故羆がここに入ってきたのかを聞く。

 

雄助

「それはですね、この子に直接聞いたんですよ。」

 

沢田

「…………動物の言葉が分かるのか?」

 

雄助

「はい」

雄助はそう答えた。

 

生徒2

「動物の言葉が分かるのか……」

 

生徒3

「ターザンみたいだな。」

 

生徒4

「いや、ドクター・ドリトルだろ。」

雄助の言葉に他の生徒達がどよめく。

 

佳織

「あの……沢田先生。」

 

沢田

「ん?何だ宝城。」

すると佳織が沢田に声をかける。

 

佳織

「この熊の件ですけど、この施設で買うことにしました。」

 

生徒達

『ええ!?』

生徒達は佳織の言葉に驚く。

 

佳織

「もう市の許可からいただいているので、飼うこと自体は問題ありません。

防犯の1つとして、番犬ならぬ番熊として育てていけたらと思います。」

 

雄助

「成程、確かに羆は力も強い上、時速60kmのスピードも出せますしこれほど優秀な番熊はいませんね。」

 

「いや雄助、まず熊を番犬変わりにす前に番熊っていう単語時点でおかしいからな!!」

亮は羆を番犬の変わりにすることに突っ込む。

 

雄助

「これからは此処が貴方の新しい住処ですよ。」

 

「グオ」

そして、ここから昨日と変わらない日常に2日目は終わる。

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

男子生徒1

「カッター訓練なんて聞いたことねぇぇぇよー!!!!」

 

先生

「おい、口動かしてる暇があったら手を動かせ!!

2組に負けちまうぞ!」

 

男子生徒達

『じゃあ先生も手伝えよ!!!』

 

先生

「俺は先生だからいいんだ!!!」

 

男子生徒達

『理不尽だああああああ!!!!!!!』

 

 

そして、最後の野外学習を迎えた。

 最後はクラス全員で9mのカッターボートに乗り学園所有の山の泉でレースをしていた。

 これも野外学習で生徒を強くする訓練の1つだが、これには裏があり学園祭の予算や先生のボーナスにも影響している。

 

女子生徒1

「晶君、頑張って!!!」

 

女子生徒2

「晶君ならできるよ!!!」

 

「もちろんさ………【カッターの貴公子】の僕なら――って重いぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!」

 晶は女子生徒達に応援され1人でやろうとするがオールの重さ、水の抵抗で腕に相当負担がかかっている。

 

「……皆重いって言ってるけど、私たちそうでもないよね?」

 

雪音

「…うん、むしろスムーズに進んでいる、怖いくらい。」

 

 

しかし、例外が存在する。

聞くまでもない雄助本人が漕いでる。

楓と雪音の所は雄助が乗っており、2人に負担がかからず進んでいた。

 

楓、雪音

『………』

そして、何を思ったのか2人はオールを手放した。

 

「雄助君、本当に初めてなの?」

 

雄助

「はい、カッターに乗るのは初めてです。」

 

楓は雄助が初めてカッターに乗ったのが信じられなかった。

 

 

 

 

何故こんなに上手いのかそれは理由は4つある。

 

 

1つ目は、立場。

この世界は本来『天上 優夜』という少年がこの世界の中心で様々な活躍を起こす。

雄助はこの世界に転生した時に天上 優夜という存在は消えていた。

殺害対象の神が世界に干渉した事が原因で雄助が優夜の立場に成り替わってしまったからだ。

 

 

 

2つ目は、ステータス。

雄助のステータスは全て【超越】と表されている。

これは文字通りで、有限や無限を超越して表すものが存在しないことからこうなっている。

 

 

 

3つ目は、【全知全能】を入手する前に持っていたスキル【騎乗(根源)】。

特典を使いこなす為に手に入れたスキルで、これにより様々な乗り物に補正がかるようになる。

 

 

 

4つ目は、スキル【無限の可能性】。

これは雄助の秘められた才能がスキルとして昇華されたスキル。

先天的、後天的問わずに過程を無視して常時獲得可能で、雄助は前世の頃から様々な才能、スキルを習得してきた。

 

文字を読む、書く、喋ることによって全ての言語を理解し、特典使いこなす際には、魔術や武器の使い方を取得した。

雄助がパーフェクトシャッフルが出来たのは、2つの特典にカードをうまく扱う人物の記録があったからだ。

 

 

結果、雄助が知識や経験を少しでも齧れば雄助は何をやっても宇宙一の実力になってしまった。

 

現に今も、楓と雪音はオールに手を離しているのにも関わらず涼し気な表情で進んでいる。

 

 

雄助

「楓さん、雪音さん、手を離さないでちゃんと漕いで下さい。」

 

「はーい」

 

雪音

「……分かった」

 

様々なハプニングや、初体験をしていった野外学習は今日で終わりを迎えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルナ

「………楽しかったな」

雄助が異世界に来る前日、ルナはそう呟く。

 

ルナ

「……ユウスケ、元気にしているだろうか。」

 

ルナは雄助と出会ったことを思い出す。

【ゴブリン・エリート】の群れに襲われそこで雄助が助けたのが出会いだった。

 

ルナは、【大魔境】に来た理由は修行と言ったが、それは嘘で本当の目的はレクシアの暗殺だ。

もし修行するのなら【大魔境】には入らない上に修行には不向きだ。

ここの魔物の殆どが群れで行動している。

仮に単独がいても強力な魔物であることには変わりはないが雄助のお陰でルナは以前よりも強くなっていった。

 

 

ルナ

「……本当の私を知ったら、軽蔑するだろうな。」

 

 

 

ルナは何処にでもいる1人の少女としてではなく【首狩り】として仮面を着ける。

 

 

 

 

 

 

         ***

 

 

 

 

 

雄助

「…それでは行きましょうか、ユグル君。」

 

ユグル

「ワン!」

 

翌日、レクシアが【大魔境】にお迎えに来る為ユグルと共に異世界に行く。

 

雄助

「……レクシアさん達より先に誰かがこの結界に入ってきたようですが転生者ですね。」

 

ユグル

「わふ?」

 

雄助

「ユグル君、レクシアさん達を襲う魔物が近付いていますので倒しに行って来て下さい。」

 

ユグル

「ワン!」

 

ユグルは雄助に指示されたルートに移動し、雄助は結界の中にいる転生者の所に行く。

 

雄助

(転生者は神童 無限(しんどう むげん)さん。

転生特典が多いですね此れだけあると消滅する筈なのですが恐らく手を加えたようですね。

…………それにしても何故前の2人の転生者と同じ様に【優れた容姿】があるのでしょうか?)

 

スキルで転生者の情報を確認していると人影が現れる。

金髪と金と銀のオッドアイが特徴の美青年が雄助が来るのを待っていたのか仁王立ちしていた。

 

 

雄助

「神童 無限さんですね。」

 

神童

「ほう、この俺を知っているということは貴様も転生者だな。」

 

神童は、上から目線で言葉を返す。

 

 

神童

「だが残念だったな、お前はここで死ぬ。

俺はこの世界を救う選ばれた存在……ここで消えてもらう!!!!」

 

神童は左腕を上に掲げる。

すると左手には、6つの石がついた黄金の籠手を身に着け、

 

 

 

 

 

 

 

 

同時に神童の体は破壊される。

 

 

 

神童

「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」

 

当然神童は苦しむ挙げ句、破壊された身体は即座に再生され始めた。

 

 

神童

「こ…………ん……な………」

 

神童は苦しみながらも黄金の籠手を雄助に向けるが、

 

 

 

 

 

 

神童の体が光だし、爆発した。

 

 

 

 

 

その威力は多元宇宙を破壊する程の物だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雄助

「転生特典を爆発に必要なエネルギーに変換して僕を世界と共に破壊しようとするなんて、ここまで来ると転生者の皆さんが可哀想ですね。」

 

雄助は【大魔境】で自分が貼った結界を神童の体に纏わせる程まで縮小させて、爆発が止むまで結界を作り出し【大魔境】に影響を与えず守る事に成功した。

 

 

雄助

「神童さんが持っていた特典、今までの中で1番強力でしたね。

それよりもレクシアさん達がもう入ってきてしまいましたがユグル君は大丈夫でしょうか。」

 

雄助は、ユグルのいる位置に目を向ける。

そこには、大量のアイテムがドロップされ、ユグルはその前に立ってこちらを見ていた。

 

 

雄助

「有難う御座います、ユグル君。」

 

雄助は瞬間移動したと見間違うスピードでユグルの所に行き、頭を撫でた。

 

 

ユグル

「ふぅ~。」

 

ユグルは雄助に褒められたことが嬉しく尻尾を勢いよく振る。

そして、今回のドロップアイテムを確認する。

 

血戦王鬼(けっせんおうき)大牙(たいが)

ブラッディ・オーガロードの牙。

ブラッディ・オーガの上位種であるロードに相応しい強靭な牙。

ロードともなると、この牙を使った攻撃はあまり行わなくなるが、その威力はブラッディ・オーガより更に凶悪になっている。

 

【魔石:S】

ランクS。

魔力を持つ魔物から手に入る特殊な鉱石。

 

【血戦王鬼の鬼兜(おにかぶと)

ブラッディ・オーガロードのドロップアイテム。

ブラッディ・オーガロードの顔を模した兜であり、選択した対象に確率で威圧効果を与える。

この確率は相手と実力差があればあるほど高くなる。

 

雄助

「兜ですか、血戦鬼と同じ種ですから着ても違和感がない上に効果を悪くないですね。」

 

雄助はドロップアイテムを確認し終えると右から魔法陣が現れ、雄助に向かって通過した。

すると、雄助の装備が血戦鬼の装備に着替えられた。

 

雄助

「確かに一目見れば威圧を掛ける効果だと分かりますね。

ユグル君、レクシアさん達が来たので迎えに行きますよ。」

 

ユグル

「ワン!」

 

雄助は確認し終えるとレクシア達が【大魔境】に入ってきた事に気づき、そちらに向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

雄助

「居ますね………。

オーウェンさん、すみません結界を消してしまって。」

 

レクシアたちの近くに来た雄助は、一瞬別の方を見ていた。

 

オーウェン

「ユウスケど………!!?」

オーウェンは雄助に声をかけた途端硬直した。

オーウェン達は雄助とあった時は、【根源兵装】を着用した黄金の鎧だったが、今回はブラッディ・オーガとブラッディ・オーガロードの鎧を装着した【血戦鬼シリーズ】の為戸惑ってしまった。

 

オーウェン

「ユ、ユウスケ殿……でいいんだよな?」

 

雄助

「はい、すみませんこの鎧の事話していませんでしたよね。」

 

レクシア

「いいえ気にしてないわ!

ユウスケ様、とっても似合ってるわ!!」

 

そんな中レクシアはそんな事気にせず雄助を褒めた。

 

オーウェン

「ユウスケ殿その鎧は一体?

以前お会いしたときは黄金の鎧だったはずだが……」

 

雄助

「これはですね【ブラッディ・オーガ】と【ブラッディ・オーガロード】が落としたドロップアイテムです。

鎧の方は【ブラッディ・オーガ】が全て落として兜だけ【ブラッディ・オーガロード】から手に入れたんです。」

 

雄助は【血戦鬼シリーズ】をどうやって手に入れたのかを詳しく説明した。

 

 

 

兵士1

「なあ……【ブラッディ・オーガロード】って昔小国を滅ぼした魔物だったよな……」

 

兵士2

「ああ、しかもそれが現れたら国が総戦力で戦わなかきゃいけない魔物だったはずだ……」

 

兵士3

「しかもあの人当たり前のように言ってるけど、相当強いんじゃないのか!!!」

 

兵士4

「その前にあの鎧を【ブラッティ・オーガ】1体から手に入れたこと自体がおかしいぞ!!!!」

 

オーウェンの後ろにいる兵士は、雄助の言葉が信じられなく小声で会話していた。

 

雄助

(……あの時、ユグル君が戦っている所を見ていましたけど小国を滅ぼせる感じがしなかったんですよね。)

 

雄助は、兵士達の言葉がハッキリと聞こえていたが、【ブラッディ・オーガロード】が小国を滅ぼせるというのが信じられなかった。

 

オーウェン

「そ、そうだ、ユウスケ殿。

これから王城に行くわけだが……問題ないか?」

 

オーウェンは我を取り戻りして王城に行けるかを雄助に聞く。

 

雄助

「はい、と言いたい所なんですけど、やらなければいけない事があるので無理です。」

 

オーウェン

「えっ、何故…」

 

オーウェン達は雄助の発言に戸惑う。

 

 

 

 

ユグル

「ウォォォォン!!」

 

先程まで居なかったユグルが、レクシアの後ろからいきなり現れてその場から離れようと雄助に押し渡した。

 

レクシア

「キャッ!」

 

オーウェン

「レクシア様……ッ!!!?」

 

オーウェンは直ぐ様に駆け寄ろうとした瞬間、レクシアが立っていた後ろの木が切り倒された。

 

雄助

「オーウェンさん、レクシアさんをお願いします。

説明は後でゆっくり話しますので。」

 

雄助は一瞬でその場から消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どこに消えた……?」

 

【大魔境】の入り口まで来たレクシアを襲った人物が雄助とユグルが消えたことでその場に止まってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

雄助

「僕をお探しですか、ルナさん。」

 

 

 

 

 

「なっ……がぁ!!!?」

 

雄助は加減して、木にめがけて大きく吹き飛ばす。

 

 

そして地面に付くと同時に仮面が外れ、レクシアを襲った人物、ルナが仮面から素顔を露わにした。

 

レクシア

「ユウスケ様!!!」

 

すると、レクシアが駆け寄って来た。

 

雄助

(レクシアさんが追いかけてくるなんて……

僕の事が心配で追いかけてきたのでしょうか………)

 

雄助が心の中でそう思っていると、レクシアは雄助の元に辿り着くとルナを見て目を見開く。

 

レクシア

「ユウスケ様?

もしかして、この子………ユウスケ様の知り合い?」

レクシアは雄助にそう語りかけた。

 

雄助

「はい、この方はルナさんと言いまして僕の親友なんです。」

 

雄助はレクシアにルナとの関係を話す。

 

雄助

「レクシアさん、すみません。

今回、王城に行く予定を無かった事にして下さい。

ルナさんの手当をするので家まで送ります。

勝手な事なのは分かります、ですが…………」

 

レクシア

「いいわよ。」

 

レクシアは雄助をルナを家まで連れて行く事を許された。

 

雄助

「いいんですが……」

 

レクシア

「もちろん!!でも条件があるわ!!!!」

 

雄助

「条件ですか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レクシア

「私も一緒に連れてって!!!」

 

 

 

 

 

 

オーウェン

「レクシア様ー!!!」

 

すると、オーウェンと兵士達が駆け付けた。

 

 

 

レクシア

「オーウェン!

私、またユウスケ様の家に行ってくるわ!!」

 

 

 

 

オーウェン達

『はあああああああああ!!?』

 

オーウェン達はレクシアの行動に声を上げた。

 

 

レクシア

「さあ、ユウスケ様早く行きましょう!

このままじゃオーウェンに詰まってしまうわ!!!」

 

そう言ってレクシアは賢者の家に向かおうと奥に進む。

 

レクシア

「ユウスケ様がその子とどんな関係があるのか気になるけど……今は早く逃げましょ!!!!」

 

オーウェン

「レクシア様ー!!!待って下さい!!!

せめて、説明をさせてください!!!!」

 

オーウェンが全力疾走してそう叫ぶ。

 

雄助

「レクシアさん、僕に捕まって下さい。」

雄助はレクシアにそう伝えると、レクシアは雄助に勢い良く抱きついた。

 

雄助

「今から転移魔法を使いますよ。」

 

レクシア

「えっ、転移魔法……」

 

雄助はユグル、レクシア、ルナを転移魔法で家まで連れていった。

 

 

 

レクシア

「本当に転移魔法だわ……!?」

レクシアは雄助が転移魔法を使った事で目を丸くした。

 

 

 

 

雄助

「それでは、説明しますね。」

 

雄助はルナをベッドに寝かせてレクシアに説明する。

 

 

 

 

 

 




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第20話 ルナの過去

スーパーヒーロー様、黒黄様、
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雄助

「………以上がルナさんとの関係です。」

レクシアも一緒に賢者の家に連れてった雄助はルナとの関係を全て話し終えた。

 

レクシア

「ズルい……ズルいわ!!!

ルナとの関係を聞いたレクシアはそう言い放った。

 

レクシア

「修行中ユウスケ様と一緒にいたなんてズルいわ!!!

私だって城から抜け出してでもユウスケ様と一緒にいたいのに!!!」

 

雄助

「第一王女として不味いと思いますよそれは。」

思いもよらない反応に雄助はそう言い返した。

 

レクシア

「そういえばユウスケ様がさっき使っていた魔法、確か転移魔法って言ったわよね。」

レクシアは雄助が使った転移魔法について聞き出す。

 

雄助

「はい、僕が創り出した魔法です。」

 

レクシア

「作ったぁ!?」

レクシアは、雄助が転移魔法を創り出した事に驚いた。

 

レクシア

「ユウスケ様、とってもすごいことをしたのよ。

転移魔法は伝説上にでしか語られない魔法なのよ!?」

 

雄助

「根本を覆す程の偉業を達してしまったんですね。」

興奮しながら雄助がやったことに驚くレクシアを見た雄助は冷静にそう述べた。

 

レクシア

「街に移動するときに盗賊や魔物の被害を抑えることもできるし、何より有事の際はすぐに現場に駆け付けることもできる、御伽噺(おとぎばなし)の中だけの魔法……」

 

雄助

「筈だった魔法が僕が使った事で覆されたことですね。」

雄助はレクシアの言葉に、続くように言った。

 

レクシア

「でも……これは公表することはできないわね。」

レクシアは説明を終えると顔を顰める。

 

雄助

「それは僕も賛成です。

根本を覆す程をしたのですからそれを使って戦争に利用する事もありえますからね。」

雄助はもし転移魔法を公表すればどうなるのかを口に出した。

 

レクシア

「ま、私が黙っていればいいんだし、何より便利なことに違いはないわ、流石ユウスケ様!!!」

先程までの深刻な顔が嘘のように目を輝かす。

 

レクシア

「それにユウスケ様に教えてもらっても使えるとは思わないけどね。

転移魔法は伝説級の魔法、複雑で難解な魔法理論が詰め込まれているから分からないもの。

今の最高峰の魔法使いでも無理でしょうね。」

レクシアは、転移魔法がどれだけ難しい魔法なのかを説明し、

 

 

 

 

レクシア

「で、いつまで寝た振りをしているの?」

ルナの方に顔を向ける。

 

ルナ

「ギクッ」

レクシアがルナを見つめるとベッドに寝ていたルナが起き上がる。

 

ルナ

「………いつから気付いていた。」

 

雄助

「最初からですよ、家についた瞬間起きていましたよね。」

 

レクシア

「ユウスケ様も同じだったのねさっすが!!!!」

雄助とレクシアはルナがいつ起きたのか最初から気付いていた。

 

ルナ

「……何故指摘しなかったんだ?」

 

レクシア

「もちろんユウスケ様と二人っきりでおしゃべりするためよ!」

 

雄助

「レクシアさんにルナさんとの関係を終えた後、起こそうとしましたがレクシアさんが話始めた時にどのタイミングに起こすかそれともルナさん自身が起きてくるのかを考えていました、すみません起こさせようとしないで。」

雄助は起こさなかった理由を話した後は、ルナに頭を下げ謝罪した。

 

ルナ

「そ、そうか…」

 

レクシア

「それじゃ、本題に入るわよ。

私を襲った理由を説明してもらえる?」

レクシアは自分を襲った理由をルナに聞き出す。

 

ルナ

「私が素直に話すと思うか?

話したところでお前を襲った事実は変わらん、殺せ。」

レクシアを襲ったルナは素直に従わず、殺すことを要求する。

 

レクシア

「確かに私を襲ったことに変わりはないわ。

でも私は、貴女のことが知りたいの。」

レクシアはルナの事を知りたいと言い返す。

 

ルナ

「知って何になる?」

 

レクシア

「さあ?でも貴女は私を殺せなかった。

その時点で貴女は負けたのよ、負けたんだから大人しく勝者である私に従いなさい!」

 

雄助

「その考えを通すならレクシアさんではなく本来僕のような気がしますけど。」

 

ルナ

「………私はお前が羨ましいよ。」

ルナは悲しげに微笑で視線を落とす。

 

ルナ

「どこにでも転がっているつまらない話だ。

それでも聞きたいか?」

 

レクシア

「ええ。」

 

雄助

「勿論ですよ。」

 

ルナ

「……分かった話そう、だが大した話じゃない。」

ルナは2人の返答を聞いて話し出す。

 

 

 

ルナ

「私は孤児で、自分が生きるための必死の毎日だった。

食べ物はゴミを漁って食べ、水は泥水で啜り(すすり)、盗みを働いてきた。 

その生活を続いて生き抜くことができた。

けれど身売りはしなかった、汚い私を買うやつなんていなかったからな。」

 

雄助

「そうしている内に、暗殺者になったんですね。」

 

ルナ

「ああ、ある時私を拾いそして育ててくれた暗殺業の師匠と出会った。

盗みの動きと身につけた力に何かを感じたらしい。

それから私は師匠と一緒に行動した。

 様々な知識と技術、主に暗殺関係のものを私に与えてくれた。

師匠はその世界に生きてきたからな。」

 

レクシア

「闇ギルドね。」

 

雄助

「闇ギルド…様々な犯罪を犯した者達のが集まる組織のようなものですか?」

雄助は、初めて聞いた単語をルナに聞く。

 

ルナ

「ああ、窃盗、詐欺、薬物、殺人……特定の仕事に縛られず、ありとあらゆる犯罪行為を依頼として受ける場所だ。」

 

レクシア

「基本的には悪い連中だけど、何事も綺麗ごとだけじゃやっていけないように、闇ギルドとの関係は少なからず貴族社会には存在するわ。」

ルナに続いてレクシアは闇ギルドについて説明した。

 

雄助

「となると、レクシアさんを襲ったのはそれに関係しているという事ですか。」

 

雄助

(やはり異世界にも犯罪はあるようですね。

そもそもレクシアさんを暗殺する時点で、薄々気付いていましたが。)

雄助は異世界にも現実世界と変わらない事に頷いていた。

 

レクシア

「そういえば、貴女の師匠は今どうしているのよ?」

 

ルナ

「………」

 

 

 

 

雄助

「殺したんですね、自分の手で。」

 

レクシア

「え?」

レクシアは、信じられない言葉を聞いて雄助の方に顔を向ける。

 

ルナ

「そうだ、あるとき師匠は闇ギルドの掟を破り、私はその始末に選ばれこの手で殺した、自分の育ててくれた人をこの手で。

だけど師匠は私に殺される瞬間、安心した表情で逝ったんだ。

この闇の世界に生きていけるように師匠を仕事を受け継ぎ、いつしか私は【首狩り】と言われるようになった。」

 

レクシア

「【首狩り】ですって!?私でも知ってるすご腕の殺し屋じゃない!!貴女そんなにすごかったの!?」

レクシアはルナが【首狩り】と言われている事に声を上げる。

 

ルナ

「これで私の話は終わりだ。

煮るなり焼くなり好きにしろ。」

ルナは自分の過去を全て話して身を受け入れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雄助

「そんなことしませんよ。」

 

ルナ

「ユウスケ、聞いていなかったのか!?」

雄助の予想外の返答に困惑する。

 

雄助

「聞いていましたよ。

それにルナさん、貴女は死ぬ前提で過去の話をしましたが、そのような心配はありません。

ルナさんの素顔を知っているのは、僕とユグル君、そしてレクシアさんだけです。」

 

ルナ

「……見逃すというのか、そんなことしてもまた別の刺客が来るぞ。」

ルナを見逃しても別の刺客がレクシアを襲う事で無駄だと返した。

 

雄助

「見逃すわけじゃありません。

ルナさん、貴女はレクシアさんに仕えて下さい。」

 

ルナ

「なっ!?」

雄助の信じられない発言にルナは驚愕する。

 

ルナ

「ユウスケ、私は殺し屋だぞ!?

何人もの人達を殺してきた―――」

 

レクシア

「ちょっと!!!!!」

するとレクシアが話の間に入ってきた。

 

レクシア

「私のことをのけ者にしてユウスケ様とイチャイチャしないでくれるかしら!!!」

 

ルナ

「はあ!!?どういう目をしているんだお前は!!!!/////」

ルナはレクシアの発言に頬を赤らめる。

 

レクシア

「でも、ユウスケ様の考えは賛成するわ。

ルナ、貴女は今日から私の護衛よ!!!!」

レクシアは雄助の案に賛成し、ルナを迎い入れる。

 

ルナ

「レクシア、お前は闇ギルドのことを分かっていない。

私と同様いかなる手段を持つ汚れた犯罪者の集まりだ。

お前を護衛してたやつでも―――」

 

レクシア

「何言ってるのよ貴女の手、綺麗じゃない。」

 

ルナ

「そ、それは、ユウスケの風呂のおかげで……って違う!私が言いたいのは―――」

 

レクシア

「ああもう、うるさい!黙って私に従いなさい!!」

レクシアはルナが自分に仕えない事に痺れを切らした。

 

レクシア

「それに、貴女にユウスケ様をとられるかもしれないし………とにかく!貴女は今日から私の奴隷よ!!!

これは決定だから拒否権はないわ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルナ

「結局、お前の下に使えることになるのか…なんて横暴な王女なんだ……」

結局、ルナはレクシアの元に仕えることになった。

 

レクシア

「そういえばルナ、貴女の肌の話をしたけどなんでユウスケ様の名前を言ったの?」

レクシアは思い出したかのようにルナに食らいつく。

 

雄助

「それはですね、【大魔境】の魔物からドロップしたアイテムを僕が所持しているからなんです。

因みにその風呂の効果は疲労や魔力を回復、美容効果等様々な効果があります。」

ルナの変わりに雄助自ら答えを言った。

 

レクシア

「なにそれズルいわ!!ユウスケ様、私そのお風呂に入ってもいいですか!?」

 

雄助

「いいですよ、レクシアさんは【大魔境】に来てお疲れでしょうし、どうぞゆっくりして下さい。」

 

レクシア

「やったぁ!!!」

レクシアは風呂に入りたいと雄助にお願いをし、入れることに喜んだ。

 

レクシア

「ルナ、一緒に入るわよ!!

あっ、ユウスケ様も一緒に入る?/////」

 

ルナ

「なっ!?////」

 

雄助

「いいえ大丈夫です。

それにもし入ってしまったら陛下からお怒りを買うことになりますので。」

レシクアに一緒に風呂入ることを誘われるが丁重にお断りした。

 

ルナ

「レクシア、お前馬鹿か!?

ユウスケは男だぞ!?王女なんだから(つつし)みを持て!?////」

 

雄助

「ルナさん貴女も人の事言えませんよ。

僕が入浴している時に入ってきたじゃないですか。」

 

ルナ

「なっ!?///」

 

レクシア

「なんですってぇぇぇぇ!!!」

レクシアはルナが自分より先に雄助と一緒に風呂に入った事に声を上げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レクシア

「さすがユウスケ様ね、【大魔境】の魔物をこうも簡単に倒すなんて!!!」

 

ルナ

「本当にデタラメだな……【大魔境】の魔物をこうも簡単倒すになんて………」

翌日、ルナの体調は良くなり雄助達はオーウェン達の所まで出歩く。

 

雄助

「レクシアさん、ルナさん、出口が見えてきましたよ。」

雄助は【大魔境】の出口に指を指す。

 

 

 

 

オーウェン

「っ!?レクシア様!!ご無事でしたか!!!」

【大魔境】に出るとそこには、オーウェンと部下達が待機していた。

 

レクシア

「あらオーウェン、ごきげんよう。」

 

オーウェン

「ごきげんよう、じゃないでしょう!!!

勝手な行動は慎んでください!!我々は貴女の護衛なのですよ!!?」

 

レクシア

「ごめんなさい。」

今回の件は自分が悪いと自覚してた為、レクシアはオーウェンに頭を下げる。

 

雄助

「オーウェンさん、レクシアさんを責めないで下さい。元々は僕の勝手な行動で昨日、陛下との対面が出来なくなってしまったのですから。」

元々は自分が悪いと雄助はレクシアを庇った。

 

オーウェン

「……色々と言いたいことがありますが、この件は無かったことにします。

それでレクシア様、先程から気になっていたのですがそちらの女性は?

足元にいる子狼はユウスケ殿の仲間と聞いていますが……」

オーウェンはルナとユグルに目を向ける。

 

雄助

「僕が自己紹介させて頂きます。

この子は【大魔境】で出会ったユグル君です。」

 

ユグル

「ワン!」

ユグルは器用に前足を上げて元気に挨拶をした。

 

オーウェン

「ずいぶんと賢そうな狼ですな。

ユグル殿、レクシア様を救ってくださりありがとうございます。」

 

ユグル

「わふ!」

ユグルは「気にしないで」と言う様に吠えた。

 

オーウェン

「本当に賢い……それでユウスケ殿、そちらの女性は?」

 

レクシア

「それは私が説明するわオーウェン!!」

オーウェンはルナの事について雄助に聞こうとした瞬間、レクシアが前に出て変わりに説明をする。

 

 

ルナ

「ユウスケ、レクシアは私のことを説明すると言ったがどう説明するんだ?」

ルナは小声で、レクシアが自分の事をオーウェン達どう説明するのかを雄助に聞いた。

 

雄助

「自分を襲った暗殺者とハッキリ言いますね。」

 

レクシア

「彼女は私を襲った暗殺者のルナよ!

そして今日から私の新しい護衛よ!!!!」

雄助の言う通り、レクシアはルナが自分を襲った暗殺者だとハッキリと答え、それを聞いたオーウェン達はルナから離れて剣を抜いて睨みつける。

 

レクシア

「ちょっと、オーウェン何バカなことしてるのよ!!?」

 

ルナ

「バカはお前だろう、レクシア。

本来ならユウスケが説明してくれるはずだったのに……」

 

レクシア

「なんですって!!!」

 

雄助

「オーウェンさん、僕がレクシアさんの変わりに説明しますので剣を収めてもらっても宜しいでしょうか?」

 

オーウェン

「………分かった、ユウスケ殿ならレクシア様より話が通じますので。」

 

レクシア

「ちょっとどういうことよオーウェン!!?」

オーウェンは剣を仕舞い、雄助の説明をしっかりと聞いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

オーウェン

「成程、レクシア様また勝手なことを……

しかも【首狩り】の正体がレクシア様達と同じ年とは……」

 

レクシア

「これで一件落着ね!!!」

 

ルナ

「自体ややこしくした本人がよくそんなことが言えたな。」

 雄助はオーウェンにルナがもうレクシアを襲わないことを説明した。

 

オーウェン

「それより依頼内容は第一王子のご機嫌取り……」

その後オーウェンはルナにレクシアに暗殺の依頼を出した人物について聞いた。

依頼した人物は王国の貴族で第一王子のご機嫌取りらしく、それを聞いたレクシアは表情を強張らせていた。

 

雄助

「そしてその中に僕に関する情報も入っていたと。」

その中に雄助に関する情報を入っていた。

本来ならレクシアは【大魔境】で殺されていた。

しかしレクシアは生き残り、手練れの暗殺者達だけが死んでしまった。

それを聞いた依頼を出した人物は【大魔境】に第三者の存在、雄助がいるかもしれないとルナに情報を渡した。

 

オーウェン

「ユウスケ殿の存在がこんなに早くバレるとは……そのためにもユウスケ殿はぜひとも陛下に会っていただきたい!!」

 

雄助

「オーウェンさん、その件について何ですが……

陛下との謁見は次の機会にしてくれませんか。」

雄助は陛下との謁見は次の機会にお願いする。

 

オーウェン

「えっ?」

 

レクシア

「ええっ!?ユウスケ様、一緒に王都に来てくれないの!!?」

 

ルナ

「お前、昨日聞いていなかったのか?」

ルナは、昨日雄助が王都にいけなくなったのを知っていた。

 

オーウェン

「……そう、ですか…………予定があるのなら…………仕方ない……です…ね………」

オーウェンはそれを聞いて魂が抜けた様な表情になってしまった。

 

雄助

「次に会える予定はまだ不確定でして、勝手なのですが都合のいいタイミングで王都に来ても宜しいでしょうか?」

 

オーウェン

「それなら心配いりません、陛下にはこちらが説明しますのでどうぞ。」

雄助が自分の都合で王都に来る事を聞いたオーウェンはその案を受け入れた。

 

雄助

「有難う御座います、オーウェンさん。」

 

レクシア

「ユウスケ様〜。」

 

ルナ

「早く馬車に乗れ、レクシア。

……本当に迷惑かけたなユウスケ。」

ルナは雄助に近付いた。

 

雄助

「いいえ、迷惑をかけたのは僕の方です。

昨日ルナさんは、僕と出会って自分の正体を知られてしまったのですから。

でも、こうして無事でいられるのが僕は嬉しかったです。」

 

ユグル

「ワン!」

 

ルナ

「……ありがとう。」

ルナは雄助の言葉を聞いて自然と笑顔になった。

 

ルナ

「ユウスケ……お願いがあるんだが、しゃがんでくれないか?」

 

雄助

「?それならお安い御用ですよ。」

雄助は言われた通り、ルナと同じ高さまでしゃがみ、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルナは、雄助の頬にキスをした。

 

雄助

「えっ?」

 

レクシア

「あああああああ!!!!!」

レクシアはその瞬間を見てしまった為、【大魔境】一体に響く様な程声を上げ、ルナはレクシアの乗っている馬車に入った。

 

レクシア

「オーウェン!!私ちょっとユウスケ様にキスしてくるわ!!!」

 

オーウェン

「ではユウスケ殿、また!!」

 

レクシア

「オーウェンんんんん!!!!!」

 

 

 

 

 

こうして昨日と今日の件は無事に終えた。

 

 

 

 

 




世界を行き来する転生者は、今日で20話投稿出来ました。

お気に入りは104件、UA(ユニークアクセス)は15102、
評価は6.50となりました。

読者の皆様本当に有難う御座います。


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第21話 思わぬ待遇と新たな家族【天尊盤古】森羅

アリス(アルターエゴ)様、YUKI AKASE様、



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雄助

「魑魅魍魎が跋扈しているこの【大魔境】にこんな場所があるなんて…」

 

ユグル

「わふぅ…」

レクシア達を見送った雄助は、【大魔境】を捜索していたが、目の前の光景に感嘆(かんたん)した。

いつ魔物が出ても可笑しくない【大魔境】で、神聖な場所と見間違えるような湖を見つけたからだ。

 

雄助

「この世界では【大魔境】の捜索や魔物との戦闘ばかりでしたから此処でゆっくり休みましょう。」

 

ユグル

「ワン!」

 

 

 

 

 

 

 

 

雄助

「【大魔境】にこんな場所があるとは……ん?」

 

ユグル

「ワンワン!」

 

「ブヒィ!」

雄助は木にもたれいる時、何かを感じ取った。

感じた気配に向けるとユグルが黒い目と紅い毛が特徴の猪と戯れているいた。

 

雄助

「僕達には害は無いようですね、そしてあの子から神聖な気配を感じます……」

雄助は猪のステータスを確認する。

 

 

 

 

 

 

孟槐(もうじゅ)

 

レベル:490

 

魔力:60000、攻撃力:5000、防御力:5000

俊敏力:3000、知力:10000、運:10000

 

雄助

「孟槐といえば山海経(せんがいきょう)*1に記されている獣じゃないですか。

魔物は西洋のものだけだと思いましたが東洋もいるんですね。」

雄助は猪の正体に驚いた。

 

ユグル

「ワン、ワンワワン!」

 

孟槐

「フゴ?ブヒィ!」

ユグルは孟槐を雄助の所まで連れて行き、自己紹介をして孟槐は、雄助に挨拶した。

 

雄助

「初めまして――」

 

『【聖】に懐かれた為、テイムに成功しました。』

雄助は挨拶する瞬間、目の前にメッセージが出現しだして、孟槐の体が光り始めた。

 

孟槐

「フゴォ!!!?」

 

ユグル

「ワフゥ!?」

 

雄助

「これはまさか…進化ですか。」

すると、また雄助の目の前メッセージが出現した。

 

『これから【孟槐】の進化を行います。』

それが出ると同時に、光が一層強まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

孟槐

「フゴォ…ブヒ!!?」

 

そして光が弱まると、孟槐の姿は変化していた。

紅かった毛は、朝昼夕夜(ちょうせきちゅうや)を体現するよう頭から尻まで色が変化していた。

 

 

 

 

 

 

天尊盤古(てんそんばんこ)

 

レベル:超越

 

魔力:超越 妖力:超越 攻撃力:超越

防御力:超越 俊敏力:超越 知力:超越 運:超越

 

スキル

【神通力】【極楽浄土】【厭離穢土(えんりえど)】【六道輪廻】【千変万化】【百鬼夜行】【天尊盤古術】

 

 

 

 

『条件が満たされた為、ユグルのスキル【神聖なる光輝(アルヴヘイム)】が開放されました。』

 

ステータス確認をしているとユグルのスキルが1つ開放させた。

 

 

雄助

「今日からは貴方は僕の家族です。

そして僕は君に名前を付けます。」

 

ユグル

「ワン!」

 

天尊盤古

「ブヒ!」

 

天尊盤古は、雄助の家族になれた事に飛び跳ねた。

 

 

雄助

「シンラ、君は今日からシンラですよ。」

 

雄助は天尊盤古にシンラと名付け、家族として向かい入れた。

 

 

 

 

 

 

       ✽✽✽✽✽✽

 

 

 

 

 

 

沢田

「お前ら、そろそろ球技大会の時期だぞー。」

 

生徒1

「キタァァァ!!」

 

生徒2

「いい成績を残して学園祭の予算をいっぱいゲットしてやるぜ!!!」

 

現実世界に戻り学園に登校した雄助は、沢田の話を聞いているとクラスメイト達全員がやる気を出してきた。

 

 

沢田

「ああ、雄助は王星学園の学園祭の規模が分からなかったな。」

 

沢田は、雄助が分からない事に気付き説明する。

 

 

沢田

「ウチの学園祭はよその学校の規模が違うんだ。

毎年テレビ局が取材に来る上、超有名アーティストの生演奏も行われたりするんだ。

まあ、最低限の予算で出店するのは大差ないがな。

屋台の作りも他教室から机とか借りてセッティングをするんだ。」

 

雄助

「成程…」

 

沢田

「だがな、ウチの学園祭は豪華だから屋台は全部業者に任せられるし、お化け屋敷なら内装やカラクリも本職の物も使えるんだ。

劇をするなら豪華な衣装は予算で使えるし、舞台装置や照明器具も全部外部発注できるんだ!!」

 

雄助

(……学園祭。

学校に入学した際に様々な行事を調べましたが、楽しみになってきました。)

 

雄助は王星学園の学園祭を聞いて顔には出さなかったがワクワクしていた。

 

 

沢田

「それじゃあ話を戻すが、まず球技大会だが知っての通りここでの成績も学園祭に反映されるから頑張れよー。」

 

沢田は最後にそれだけ話して今日のホームルームは終了した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大岩

「さて、今日はサッカーをしてもらう。

チーム分けはこっちで決めたからそのチームに動け。

ポジションはチーム内で決めるように。

それと次の授業は、バスケが予定だからそのつもりで。」

 

全員

『はーい!(はい。)』

 

球技大会に向けて体育の授業を行う。

生徒達は担任の大岩(おおいわ)に元気よく返事をし、

チーム分けになったメンバーに集まって早速ポジションを決める。

 

 

「やっほーみんな!」

 

「同じチームだな、頑張ろうぜ!」

 

「亮がいると安心だねぇ。」

 

雪音

「……そうだね。」

 

慎吾

「ぼ、僕はそんなに役に立たないけど……頑張るよ。」

 

雄助

「サッカーはルールだけ知ってるので宜しくお願いします。」

 

雄助

(晶君だけ省かれてしまいましたね。

晶君がいると凄く盛り上がるのですが。)

雄助は中の良いメンバーで晶がいない事に残念たがる。

 

「雄助、サッカーしたことがないのか?」

 

雄助

「はい、昔海外に住んでいましたが学校に通える程の環境ではなかったのでルールだけしか知らないんです。

僕はキーバーをしたいのですが宜しいでしょうか。」

 

「いいぜ、雄助がキーパーなら絶対点は取られないからな!!!」

そうしてポジションは決まり、試合が始まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

生徒3

「ウォォォォ!!亮を止めろぉぉぉ!!!」

 

生徒4

「ここは通さ――あ、抜かれちまった。」

 

生徒5

「全員死守しろー!!!」

 

「お前ら前とおんなじことやってるぞ!!!」

亮は次々と敵陣から抜けて来たが、雄助がサッカーの見学をした時と同じ様に全員に囲まれた。

 

「亮!ボールはこの【王星学園の貴公子】、一ノ瀬晶がいただくよ!!!」

 

生徒6

「いや晶!!ボールを奪うのはいいが、その動き俺らしても邪魔だぞ!?」

 

 

 

 

 

雄助

「亮君は凄いですね、あれだけの人数がいながらボールを守っていますよ。」

雄助は、亮達のボールの奪い合いを見て感心した。

そして、亮は相手のゴールにシュートし1点獲得した。

 

慎吾

「ほ、他のクラスや先輩たちも亮君と同じかそれ以上の人がいるんだよ。」

 

雄助

「流石、王星学園ですね。」

そうしていると、敵チームの連携が段々と上手くなっていき、ボールを取られる頻度が増えてきた。

 

「わわわ、どうしよう!!」

 

「そうだ、楓ちょっと跳んでみて?」

 

「え?こ、こう?」

楓は凜の言う通り飛び跳ねた。

 

雄助

「?楓さんと凜さんは一体何を――」

 

雄助以外男子全員

『ブッ!!?』

その光景を見た雄助以外の男子は、手で顔を覆い隠し、楓の胸を凝視し、鼻血を出して倒れてしまったりと様々な反応が出てきた。

 

雄助

「此れは一体どういう事ですか…早く保健室に連れていきませんと。」

数人が鼻血を出したのを見た雄助は、保健室に連れて行こうとする。

 

生徒7

「待て待て待てぇぇぇ!!?」

 

生徒8

「死ぬ!!保健室行ったら俺たち死ぬって!!!?」

 

生徒達は保健室に行くことを強く拒否する。

 

 

「反応が薄いなぁ雄助……よし!!このおっぱい兵器め!!!」

 

「ひゃっ!?ちょっと凜ちゃん!!!///」

 

凛は楓の胸を揉みだした。

 

雄助、亮、慎吾以外

『ウォォォォォォ!!!!』

 

その光景を見た殆どの男子全員は雄叫びを上げた。

 

 

「………今のうちに攻めるか。」

 

亮はその隙にボールを相手のゴールにシュートしてもう1点獲得した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

生徒9

「はぁぁぁ……力がみなぎる………溢れる……」

 

生徒10

「勝てる!!今の俺たちならサッカー部にも勝てるぞ!!!!!」

 

「うぉ、マジかよ!!?」

 

生徒達の勢いが強くなり、ボールは取られてしまい雄助の所まで近付いてきた。

 

 

「雄助君、点を取らせていただくよ!!!

そしてこれが【サッカーの貴公子】と謳われた僕のシュートだ!!!」

 

晶がボールを蹴飛ばし、強烈なシュートをおみまいする。

 

 

慎吾

「ご、ごめん雄助君!これは無理……!!」

 

慎吾は晶の蹴ったスピードに追いつけず、それに加え急カーブを描いてゴールポストに突き進んだ

 

 

 

 

 

 

 

 

が、いとも簡単に雄助が掴み取った。

 

晶達

『え?』

 

晶達はその光景にを目を疑った。

雄助とボールとの距離は離れていた上そのスピードも速く、掴むどころか触れることさえ難しい。

だが雄助の身体能力は桁外れの為、容易に取れた。

 

 

 

生徒11

「あ、ありのまま、今起こったことを話すぜ……!!

俺は、晶のボールがゴールに入ると思ったらいつの間にか雄助がボールを持っていた……何を言ってるのか分からねぇと思うが俺も何が起こったのかサッパリだ…!!」

 

雄助

「では、ゴールキックを行います。」

 

雄助はボールを置き、勢いよく走りをつけてボールを蹴り飛ばし、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

相手のゴールに入った。

 

 

 

生徒12

「…………え?」

 

生徒全員は何が起きたのか理解出来なかった。

 

 

雄助

「これで、また1点手に入れましたよ皆さん。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやぁ、今日は色々あったなぁ。」

 

慎吾

「う、うん、特に雄助君がすごかったよ。」

 

雄助

「そうでしょうか?普通にやったのですが…」

 

学校を終え、雄助は亮達と一緒に帰っていた。

 

 

「いや普通はキーパーがゴールキックで直接ゴールするのはないからな。」

 

慎吾

「それに今日のチームメンバーで雄助君を入れるのいつもよりすごかったからね。」

 

サッカーを終えた後、球技大会のメンバーを入れる際、各種目のリーダーが雄助をメンバーを入れる為に真剣な表情をしていた。

 

 

「でも、動機は不純だったけどな。」

 

亮はそう口にした。

雄助を入れれば試合で勝つ確率が上がる、だが自分達を応援してくれる女子達がやってくるという欲を表に出し、ジャンケンで雄助を入れようとした。

 

 

雄助

「ですが、結果は慎吾君と同じ卓球に入りました。」

 

結果、雄助は不純な動機を持たなかった慎吾がジャンケンで1人勝ちをし卓球に入った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「神譲 雄助さんですか?」

すると、後ろから雄助に声を掛けてきた。

 

雄助

「…?はい。」

雄助は、振り向くと黒いスーツを着た男性と後ろで腕組をしている女性が立っていた。

 

 

 

 

 

 

黒沢

「私、芸能事務所に勤めております、黒沢(くろさわ)と申します。」

黒沢は雄助に名刺を差し出し簡潔に自己紹介をし、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

黒沢

「神譲 雄助さん……芸能界(・・・)に興味はありませんか?」

と雄助にそう告げた。

 

 

*1
中国の地理書。解り易く言うなら中国のモンスター図鑑。




『異世界でチート能力を手にした俺は、現実世界をも無双する』略していせれべがアニメ化決定しました!!

正直楽しみになってきました!!!

誤字報告、文章が可笑しかったら報告をお願いします。


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第2章前編 『聖』と『邪』、戦いの序章
第22話 この世界で何が起きているのか



那由多0823様、一番いいのを頼む様、イカカ様、
アストロイア様、書卯様、魚介類愛好家様、
ななやまま様、謎ノ転生者様、


お気に入り登録有難う御座います。

☆9イカカ様
評価有難う御座います。


 

 

 

 

 

 

雄助

「芸能界ですか?」

 

黒沢

「はい雄助さんは以前、美羽やカメラマンの光との撮影を手伝ったとお聞きしました。

それを聞いた社長が是非うちに来てほしいとここで待っていました。

因みに後ろにいる方がうちの社長です。」

 

黒沢は後ろを向くと、腕を組んだ女性が雄助に向けて笑みを浮かべていた。

 

 

「スゲェじゃねぇか雄助!!」

 

慎吾

「芸能界にスカウトされるなんて凄いよ!!!」

 

亮達は興奮して雄助を褒める。

 

 

「雄助って編入した時から普通の人と違って有名人のオーラがあったから、芸能界に入ってもおかしくないって思ってたからな。」

 

慎吾

「り、亮君の言うとおりだよ。

い、今まで無名でここまでこれたことの方が凄いよ……」

 

「そうだよな、雄助みたいなのがいれば話題にならないはずがないし、雄助が通ってた高校や中学も俺の通ってた中学と近かったのに話題が出なかったのが不思議だったな。」

 

 

慎吾と亮は雄助が今まで話題にならなかった事に疑問を持った。

 

 

雄助

(疑問を持つのは当然ですね。

この世界に転生した時には僕は日本には居なかったので。)

 

黒沢

「それで雄助さん、どうでしょう?

芸能界に興味はありませんか?」

 

黒沢は雄助に、芸能界に興味があるのかを聞く。

 

 

雄助

「芸能界への勧誘、有難う御座います黒沢さん。

ですが芸能界には興味がないのでお断りします。」

 

だが、雄助は黒沢の勧誘を断った。

 

 

亮、慎吾

「ええ!?」

 

社長

「嘘でしょ!?」

 

黒沢

「……」

黒沢は一瞬だけ眉を動かし、亮と慎吾、黒沢の後ろにいた社長は声を上げる。

 

「雄助、いいのか!?芸能界だぞ!!?」

 

慎吾

「て、テレビに出ているアイドルや声優さんとも知り合いになれるかもれないんだよ!!?

もしそうなったら紹介してね!!!」

 

雄助

「気が早いですよ慎吾君。」

 

社長

「ちょ、ちょっと貴方、本当にこの話に断るつもりなの!?

皆が憧れる芸能界よ!?しかも、ウチの事務所は最近業績を伸ばして将来性もあるのよ!!!」

社長が雄助に近づいて勧誘しようとする。

 

雄助

「はい、僕は芸能界に興味がありません。

大勢の人の前で注目を浴びる事は多々ありますが好きでやっているわけではないので、芸能界に入っても思い通りに上手くいくとは限りません。

一歩でも間違った行動をすれば世間の人々から批判を買われますので…」

 

社長

「……………」

 

雄助

「それにもし芸能界に入ってしまえば友達と気軽に遊ぶ事も出来なくなるので芸能界には入りません。」

雄助は芸能界に入らない理由を説明し、黒沢達に頭を下げた。

 

黒沢

「……分かりました。

社長、今回の件は無かったことにしましょう。」

 

社長

「なっ、黒沢!何言ってるのよ!?」

 

黒沢

「雄助さんは今の生活に満足していると言っています。

私は『コンタクトを取る』ように言われただけで、芸能界に入るように説得せよとは言われていません。

 私自身が芸能事務所に所属しておりますので、スカウトをしただけです。」

 

社長

「屁理屈こねてんじゃないわよバカ!!!

コンタクトを取れって言えばスカウトするのが普通でしょうが!!」

社長は黒沢の言葉を聞いて怒り出す。

 

黒沢

「冷静に考えて下さい社長。

雄助さんを無理矢理芸能界に入れてしまえば我々は一気に叩かれてしまいます。

 何処の事務所も結局は他事務所を蹴落とそうとしているので此処でそんな隙を与えるのは良くありません。」

黒沢は社長を諦めさせようと説得し続ける。

 

社長

「でも芸能界よ!?若い子なら普通飛びつくはずよ!?」

 

黒沢

「ですが雄助さんは、芸能界に興味がないので飛びつく事無く断ったんですよ。」

 

 

 

 

美羽

「社長、あまり雄助さんに無理を言わせないで下さい。」

黒沢と社長の仲裁に美羽が入り込んだ。

 

社長

「美羽、貴女まで何言ってるのよ!!?

雄助君をスカウトする為に呼んだのだから説得しなさいよ!!!」

 

美羽

「ですが雄助さんは、芸能界に入る事をハッキリと断りました。

無理強いするのは良くないと思います。」

 

社長

「ぐぬぬぬ………」

美羽にも止めるように言われた社長は唸り出す。

 

「人気モデルの美羽さんまで来てるぞ……」

 

慎吾

「前の写真で一緒だったのは知ってるけど、本物を見れるなんて……やっぱり雄助君は凄いよ!!!」

 

雄助

「そこ褒められる所でしょうか?」

雄助はこの光景を見ていると、社長は何かを思いついたのか雄助に近付いた。

 

社長

「それじゃあ、雑誌の特集企画なんてどう?」

 

雄助

「もしかして、【王星学園】の球技大会で僕が活躍する場面を雑誌に載せるおつもりなのですか?」

 

社長

「そう、理解が早くて助かるわ!

黒沢!早速【王星学園】の理事長にアポを取りなさい!!!」

 

黒沢

「眠くなってきたので帰っても宜しいですか?」

 

社長

「アンタせめて最後まで真面目に仕事しなさいよ!!!

それによく社長である私の前でそんなこと言えるわね!!!!」

 

 

 

雄助

「黒沢さん、社長さんの前で眠いので帰ると言えるなんて凄いですね。」

 

「ああ、普通は出来ないからな。」

 

慎吾

「ある意味凄いよ…」

 

社長

「それじゃあ雄助君!

今回はこの辺にしておくから入りたくなったらいつでも言って頂戴!!!」

社長はそう言って立ち去り、黒沢も社長の後を追った。

 

美羽

「……雄助さんすみません、うちの社長が。」

美羽は、立ち去った社長の行動に謝罪をする。

 

雄助

「気にしないで下さい美羽さん。

社長さんに説得させてくれただけでも嬉しいです。」

 

美羽

「……………………良かった。

では、私もそろそろ行きますね。」

美羽は社長の後を追ってその場を立ち去る。

 

「……何か、色々あったな。」

 

慎吾

「う、うん。

雄助君をスカウトする為に社長さんも来ただけじゃなくて人気モデルの美羽さんも来てたからね。」

 

雄助

「すみません、まさか学園全体にまで巻き込んでしまいました。」

雄助は亮達を含めた生徒達、いや学園全体を巻き込んでしまったことに頭を下げる。

 

「気にすんなって!

皆がこれ聞いたら一層やる気になるからさ!!」

 

慎吾

「亮君の言う通りだよ!た、楽しみにだなぁ。」

 

 

 

 

 

 

その後、理事長の司は喜んで球技大会の撮影を許可を取った。

 

 

 

 

 

         ✽✽✽

 

 

 

 

 

 

クラス全員

「えええええ!!!!!?」

雄助は昨日の出来事を話し、クラス全員の反応は当然驚いていた。

 

生徒1

「マジで来るのか!!!?」

 

慎吾

「しゃ、社長さんが諦めきれなかったから雄助君の芸能界入りの代わりに【王星学園】の特集を撮るらしいんだよ。

も、もちろん許可は撮られてるからスタッフの人達を連れてくるって話なんだけど……」

慎吾の話を聞いた生徒達はざわつき出した。

 

生徒2

「そんなことがあったのか……」

 

生徒3

「だけどすげぇじゃんか!!

雄助の活躍が雑誌に載れるなんて!!!!」

 

「ん?ちょっと待って。」

生徒達がやる気を出すと晶が何かを察した。

 

「芸能事務所の人達が来るって事は僕達の活躍も雑誌に載るんじゃないかな……」

 

クラス全員

「!?」

晶の言葉を聞いた生徒達は雷に打たれたかのような衝撃が走った。

 

 

生徒4

「そうか!そうすれば一躍人気者になって…」

 

 

生徒5

「それを見た他校の女子達がこっちに来て…」

 

 

生徒6

「晴れてリア充になれる!!!」

 

 

「何でお前らこういう時に限って息が合うんだよ!!?」

亮は生徒達の下心に息が合う事に突っ込む。

 

生徒4

「雄助君!!!サッカーに参加してくれないか!!!?」

 

生徒5

「はあ!?何言ってるんだ!!!

バスケに参加するに決まってるだろ!!!!」

 

生徒6

「いいや、ドッジボール一択だろ!!!!」

生徒達は早速雄助を勧誘させる。

 

雄助

「皆さん残念ですが参加する事は出来ません。」

 

全員

「え???」

生徒達が雄助を自分達の所に勧誘するが、雄助は参加出来ないと言われ、生徒達は困惑した。

 

雄助

「僕は卓球に出ると決まっていますので。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

晶達

「しまったぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

他の教室に響く程の声量で声を上げた。

 

生徒4

「クソッ……あの時チョキを出していれば!!」

 

生徒5

「すっかり忘れていた…!!」

 

生徒6

「神様……ジャンケンをする前まで時間を戻してくれ!!!」

 

雄助

「済んだしまった事ははしょうがないですよ。

皆さん、本番では良い結果を残していきましょう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雄助

「それにしてもこの【大魔境】は面白い物が溢れていますね。」

授業を終えた雄助は、家に帰りユグル達と共に【大魔境】の探索を再開し、奥まで進んだ雄助は黒炭色をした木を触れる。

 

 

黒堅樹(こっけんじゅ)

非常に堅い黒色の樹。

並大抵の攻撃や衝撃で折れるどころか傷一つ付かない。

 植生域は謎に包まれており、非常に貴重な素材としてオークション等では凄まじい金額で動く事もある。

エルフ族の【精霊魔法】やドワーフ族の秘伝の技を使わなければ伐採(ばっさい)も加工もする事は出来ない。

 

 

 

雄助

「………」

雄助は【黒堅樹】の枝を折ろうと試みる。

結果、説明の内容が嘘のように簡単に折れた。

 

雄助

「やはり僕のステータスで簡単に折れてしまいますね。

……そろそろ魔物が此方に向かって来てますし撃退しましょう。」

雄助は自分達の所に魔物が近付ている事に気付く。

 

中型トラックより大きく、2本の鋭い牙が下顎から伸び、全身が白銀色に輝き、体毛が無い猪が突撃してきた。

 

 

 

 

 

 

 

【キング・ミスリル・ボア】

 

レベル:3

 

魔力:5000 攻撃力:60000 防御力:100000

俊敏力:50000 知力:3000 運:1000

 

【スキル】

【突撃】【鉄壁】【魔法反射】【超嗅覚】

【魔力操作】【土属性魔法】

 

 

 

キング・ミスリル・ボア

「ブギィィィィィ!!!!!」

キング・ミスリル・ボアが段々と雄助に近付いて襲いかかる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

が、雄助に蹴り飛ばされ悲鳴を上げることなく体がバラバラに飛び散ってドロップアイテムがその場に残る。

 

 

 

 

 

 

無魔王猪(むまおうちょ)の大牙】

キング・ミスリル・ボアの大牙。

 あらゆる魔法を無効化するミスリルで構成された牙であり、生半可な攻撃では傷一つ付ける事が出来ない。

武器として加工する際に特殊な技術が必要だが、加工すれば魔法を反射、又は切り裂く武器となる。

 

【無魔王猪の大皮】

キング・ミスリル・ボアの大皮。

 あらゆる魔法を無効化するミスリルで構成された皮であり、物理攻撃に対しても高い耐性を誇る。

ミスリルそのものでなく皮である為、ミスリルと比べれば軽い。

 その為、防具などで使用され、その防具は冒険者の間でも幻の逸品として扱われる。

 

【無魔王猪の肉】

キング・ミスリル・ボアの肉。

 少し癖のある味と匂いを持つ肉だが、一度食べればこの味の虜になる。

 数百年に一度、市場やオークション等で出回ればいい方、この味を知る者からすれば喉から手が出るほど欲しい食材。

 

【魔石:SS】

ランクSS魔力を持つ魔物から手に入る特殊な鉱石。

 

【破魔の(ほうき)

キング・ミスリル・ボアから手に入る、レアドロップアイテム。

 どれだけ頑固な汚れや塵埃(じんあい)もたった一掃いで綺麗に浄化される。

自動でゴミが箒に着く為、どれだけ掃いてもゴミが飛び散る心配は無く、掃除が終われば自然と箒からゴミが離れる。

ゴミ以外にも霊や呪いを祓う効果を持つ。

 

 

 

雄助

「今回は箒ですか、しかもおまけ程度に霊や呪いを祓う力を持ってるとは………

 

 

 

 

 

そろそろ出てきても構いませんよ。」

 

ドロップアイテムを確認した雄助は体を後ろに向け、そう口にした。

 

 

 

 

《【キング・ミスリル・ボア】を一撃で仕留めた上に俺の存在に気づくとは………お前余程手慣れているな。》

 

そこには、ウサギが2足歩行で立って前足で腕を組んでいた。

 

雄助

(見た目とは裏腹に渋い声をしていますね…)

 

雄助は兎の第一印象が声が渋いとだけ思い、ステータスを確認した。

 

 

 

 

 

 

 

【キック・ラビット】

 

レベル:4

 

魔力:10 攻撃力:500000 防御力:10

俊敏力:500000 知力500000: 運:500000

 

【種族スキル】

《兎蹴術》《兎耳術《

 

【固有スキル】

《蹴聖術》《耳聖術》

 

【武術スキル】

《魔闘術》《噛みつき》《体当たり》

 

【通常スキル】

《愛嬌》《気配察知》《心眼》

 

【称号】

《蹴聖》《耳聖》《二天聖》《流離い(さすらい)の兎》

《癒しの死神》

 

 

 

 

雄助

「キック・ラビットさん、貴方の称号に《蹴聖》と《耳聖》、そして《二天聖》という称号の内容を調べたのですが貴方は何者なんですか?」

 

雄助は兎に称号について聞き出す耳を真っ直ぐ立てた。

 

 

キック・ラビット

《《心眼》が反応をせず俺のステータスを見る程の力を持っているというのに《聖》を知らないのか……》

 

キック・ラビットは雄助の言葉を聞くと突如その場から消えた。

否、正確には消えたと思う程のスピードで雄助の背後に回り込んで雄助の後頭部に目掛けて蹴りを喰らわせた。

 

 

 

 

 

 

キック・ラビット

《!?》

 

雄助

「いきなり攻撃してくるなんて危ないですよ。」

 

雄助はキック・ラビットの動きをハッキリと見えてた為、手の平で攻撃を受け止めた。

 

 

ユグル

「グルルル……」

 

シンラ

「ブヒィィ……」

 

ユグル達はキック・ラビットが攻撃してきた為、戦闘態勢に入る。

 

 

キック・ラビット

《………俺の攻撃を手の平で止めるとは。

お前、名前は何だ。》

ウサギは名前を聞き出す。

 

雄助

「神譲 雄助です。

キック・ラビットさん、貴方の名前は何ですか?」

 

雄助は自分の名前を言うとキック・ラビットの名前を聞く。

 

 

ウサギ

《ウサギだ、それ以上でもそれ以下でもない。》

ウサギは自分の名前はウサギだと答えた。

 

ウサギ

《ユウスケ、さっきの質問に答えてやる。》

ウサギは雄助がステータスで確認した3つの称号の説明をする。

 

ウサギ

《この世界には『聖』と『邪』と呼ばれる存在がいる。

『聖』は星に与えられる称号で俺は【蹴聖】と【耳聖】と2つの聖を与えられている。》

 

雄助

「成程『聖』についての説明に頂点に至ったものに与えられる称号というのはこの星そのものに与えられていたのですね。」

 

ウサギ

《ああ、【剣聖】や【魔聖】、【弓聖】とその分野を極めたものに与えられる。

そして何故星が『聖』を冠する称号を与えられるかだが、この星の自浄作用と捉えてくれ。》

 

雄助

「それは先程言っていた『邪』に対抗する存在にですか?」

 

ウサギ

《ああ、『邪』というのはこの世界の生物達の負の側面が結晶化して命を得た存在だ。

当然俺達にとってそれは害でしかない。

そんな『邪』から他の生物達を守る為に俺達『聖』が存在する。》

 

雄助

「成程……ふと思ったのですが『聖』を冠するヒト達はそれ以外にも何かあるのですか?」

 

雄助は『聖』と『邪』について理解した後、それ以外の事についてをウサギに聞いた。

 

 

ウサギ

《後継者を作る事だ。

星から与えられた称号でも不死身でないからな。

俺が生まれる前まにも『邪』は存在していた。

『聖』は『邪』と戦う義務があり、それは熾烈を極めた戦いになる。

 後継者を作るにはそれを受け入れる覚悟とそれに備わった者が必要だ…………此れで俺がお前に攻撃した理由が分かるか。》

ウサギは説明を終えると雄助を真っ直ぐに見つめる。

 

雄助

「僕に『聖』の称号を継いで欲しいというわけですね。」

 

ウサギ

《ああ、因みに拒否する事も出来るがどうする?》

 

雄助

「『聖』の称号を受け継ぎます。」

 

雄助は躊躇う事なく答えた。

 

雄助

「半端な覚悟で受け継ぐわけではありません。

『聖を受け継ぐ事はこの世界を救う使命があってそれがどれだけ重く重要なのかも分かります。

それに、世界を脅かす存在と戦うのは慣れています。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウサギ

《慣れているか……》

 

雄助が『聖』を受け継いだ後、ウサギは魔物を倒しながら【大魔境】から出ていく。

 

 

ウサギ

《戦いのセンスに俺を見つける程の勘の鋭さ、そして未知のスキル……面白い………否、恐ろしいな。》

 

ウサギは草食動物とは思えぬ笑みを浮かべる。

 

 

 

 

 

ウサギ

《【聖王】になれるかもしれんな。》

 

 

 

 

 

雄助

「『聖』と『邪』について情報はこれで終わりですね。」

 

雄助は無限に等しい数の本棚がある空間で本をじっくり読んでいた。

 

雄助

「今異世界にいる殺害対象の転生者は1200人、ですがこれで対処ができましたし最後に話をしましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アルジェーナ(・・・・・・)さん、貴女にお聞きしたい事があります。

 

すると、雄助の上から眩い光が現れる。

 

 

 

 

 

 

 

 




読者の皆様、大変長らくお待たせしました。

小説を読んでいる方なら分かるワードでこの展開どうなるのかを楽しみにしてくれるなら幸いです。

誤字報告も宜しくお願いします。


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第23話 球技大会

ルシファー様、たくぅ様、yama304様、
サイト様、高木誠様、

お気に入り登録有難う御座います。


 

 

 

 

 

沢田

「お前達、今日は待ちに待った球技大会だ!!!

先生のボーナスの為に負けるんじゃないぞ!!!!!」

 

雄助以外全員

『先生のために戦うわけじゃないから(ありません)!!!!!!』

 

今日から球技大会が始まり、沢田は自分のボーナスの為にとクラス全員に下心丸出しで応援する。

 

 

慎吾

「ゆ、雄助君、お互い頑張ろうね。」

 

雄助

「慎吾君も頑張って下さい。」

 

社長

「雄助君!!!貴方の活躍を写真に収めておくから全力でやってね!!!」

 

慎吾と雄助が話をしていると社長が数十人のカメラマンを連れてやってきた。

 

 

雄助

「分かりました、そろそろ会場に向かうのでまた。」

 

社長

「ええ、期待してるわよ!!!」

 

 

雄助

(全力を出す前に少し力を出してしまえばこの世界を中心に幾つか世界が消えてしまうので気を付けて勝たないといけませんね。)

 

全力でやるようにと社長に言われたが、雄助はそんな事をすればこの世界が消滅する危険がある事を分かっていた為、出来る限り力を抑えて優勝すると考えていた。

 

 

慎吾

「うわぁ……【体育クラス】と当たっちゃたよ。」

 

雄助

「僕達が所属している【一般クラス】とは別のスポーツ推薦で入学してきた生徒達が集まるクラスでしたよね。」

 

慎吾

「うん…あ、雄助君も【体育クラス】が相手なんだ。」

 

雄助

「はい、ですが【体育クラス】との試合は、3セット中1セットでも取れば勝てるというルール画があるのでチャンスはありますよ。

そろそろ始まるので慎吾君も頑張って下さい。」

 

雄助は、ラケットを持って卓球台に向かう。

 

 

慎吾

「う、うん!頑張って雄助君!!!」

 

社長

「来たわよ!!!

彼の活躍ををジャンジャン撮りなさい!!!!」

 

社長は雄助が卓球台に出てきたと同時にカメラマン達は写真を撮る準備をする。

 

 

 

 

 

「待っていたぞ………神譲 雄助。」

 

雄助

「宜しくお願いします。」

 

雄助

(卓球部にしては相当体が鍛え上げられていますね……)

 

雄助は【体育クラス】の生徒を見てそう思った。

身長は190cmもあり、半袖短パンの体操服から分かるほどの鍛え上げられた肉体と、とても卓球部とは雄助は思わない。

 

 

体育クラスの生徒

「お前はこの俺の繊細な技に翻弄されてボールに触れる事ができずここで敗北する。」

 

雄助

(見た目からはそんな事出来ないように思えますが、嘘は言っていませんね。)

 

雄助は体育クラスの生徒の言葉が嘘ではないと確信する。

 

 

カメラマン1

「彼【狙撃手】じゃないか!!?」

 

カメラマン2

「【狙撃手】だって!!?

狙った所は確実に打ち込むあの【狙撃手】が!!?」

 

カメラマン3

「そういえば彼インタビューで【王星学園】に通ってるって言ってたなぁ。」

 

カメラマン4

「それにしても彼は運が無い……最初の相手が全国常連の選手だからな。」

 

雄助

(全国常連でしたか……それでも被害を出さないよう力を維持しませんと。)

 

雄助はカメラマン達の話を聞き体育クラスの生徒、狙撃手ではあっても全力を出さない事に変わりはない。

 

 

先生

「2人共準備はいいですか?」

 

雄助、狙撃手

『はい(ああ)。』

 

先生1

「それでは試合を始めて下さい。」

 

審判役の先生がそう言うと、狙撃手は体を低く構えてサーブを放つ。

 

 

狙撃手

「フン!!」

 

狙撃手はコートの角に目掛けてサーブを放った。

 

 

狙撃手

(貴様なぞ……サーブで充分!!!)

 

狙撃手が放ったボールはコート角に入り、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アッサリと自分側のコート角に返された。

 

先生

「……え?」

 

狙撃手

「!?」

 

狙撃手は驚愕した。

自分の放ったサーブが簡単に打ち返された事と、打ち返された事に気付く事が出来なかった事に。

 

雄助

「ボールです、どうぞ。」

 

雄助は狙撃手にボールを渡して後、構えを取る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先生1

「じゅ、11対0で神譲 雄助君の勝ちです……」

 

結果、この試合は雄助の完全勝利に収まった。

 

 

雄助

「有難う御座いました。」

 

卓球部員

「……神譲 雄助、俺はお前の事を侮っていた。

だが、この試合でお前と戦えた事で前より強くなった。ありがとう……」

 

カメラマン5

「凄い………【狙撃手】相手に1点を取らせずに勝つなんて……一体何者なんだ?」

 

社長

「凄いわ雄助君!!!!

あの【狙撃手】相手に1点も取らせずに勝つなんて!!!

お陰で良い画が撮れたわ!!!!!」

 

雄助

「それは良かったです。

すみません、次の試合が始まるまで同じクラスの皆に応援しても宜しいでしょうか?」

 

社長

「いいわよ、それくらい!!

あっ、でも強いて言うなら他の競技にも出てくれないかしら。」

 

雄助

「他の競技にもですか?」

 

社長

「ええ、雄助君なら他の競技に出ても活躍できそうな気がするの!!!

それにあの狙撃手を相手に涼しい顔をして勝ってたじゃない!!

卓球だけじゃ味気ないからできる?」

 

雄助

「分かりました、他の競技にも参加してみます。」

社長の頼みを受け入れた雄助は慎吾の所に行く。

 

雄助

「慎吾君、試合の結果はどうでしたか?」

 

慎吾

「あっ雄助君、ごめん…負けちゃった。」

 

雄助は慎吾に試合の結果を聞くと負けたと肩を落とした。

 

 

雄助

(慎吾君も同じ【体育クラス】の方なのであの人と同じように身体が鍛えられているのかと思いましたが、どうやらあの人だけのようでしたね。)

 

雄助は【体育クラス】の卓球部は全員が狙撃手と同じなのではと思ったようだ。

 

雄助

「それでも点を取る事が出来たのですから凄いじゃないですか。」

 

慎吾

「あ、ありがとう……

でもほとんどペアを組んだ子のお陰だから……そ、そういえば雄助君はどうだったの?」

 

慎吾は雄助に試合の結果を聞く。

 

雄助

「11対0で勝ちました。」

 

慎吾

「えええ!?

ゆ、雄助君の相手って僕と同じ【体育クラス】の子だったんだよね!!?」

 

慎吾は【体育クラス】を相手に雄助が試合に勝った事に当然驚いた。

 

 

雄助

「はい、全国常連の狙撃手という方と試合をしました。」

 

慎吾

「…………………」

 

淡々と話す雄助に慎吾は言葉が出なかった。

 

 

雄助

「慎吾君はこれからどうするんですか?」

 

慎吾

「……あっ、ぼ、僕は今から亮君の試合を見に行くんだけど雄助君は?」

 

慎吾は亮の入っている試合を見に行くと伝えると、慎吾はまだ自分の試合がこない雄助にこれからどうするのかを聞く。

 

雄助

「次の試合が始まるまで他の競技に参加しようと思います。

社長さんは僕の試合を見て他の競技に参加してほしいと頼まれたので。」

 

慎吾

「ほ、他の競技?大丈夫かなぁ?」

 

雄助

「沢田先生は他の競技に参加はしなくていいとは言っていませんので大丈夫だと思いますよ。

それでは僕はこの体育館で見回って参加出来る競技を探してみます。」

 

慎吾

「うん、もしあったら頑張ってね。」

雄助は慎吾と一旦別れ、体育館内を見回る。

 

 

 

「あっ、雄助君!」

 

「試合は終わったのかい?」

雄助はまずバレーの方を見に行くと楓と凜が駆け寄って来た。

 

雄助

「はい、試合には勝ったので次の試合がくるまで皆さんの試合に参加できないか回っていたんです。」

 

「そうなんだー、あっ、じゃあバレーに参加してほしいんだけどいいかな?」

楓は雄助にバレーに参加してほしいことを要求する。

 

「ウチのメンバーが1人怪我しちゃってね、1人足りない状態で戦っているんだよ。」

 

「それに次の対戦相手はバレーボール部の子が沢山いるの、正直人数が足りなくて厳しいんだけど参加できる?」

 

雄助

「いいですよ、ですが登録外のメンバーが参加にできるのか大丈夫なのですか?」

楓達の話を聞いた雄助は楓達の頼みを受け入れ、本来いない自分がバレーに参加できるのかを楓に聞く。

 

「大丈夫、それじゃあ行くよー!!!」

楓は雄助の手を握ってチームの所に連れて行く。

 

 

 

 

 

雄助

「皆さん、宜しくお願いします。」

 

女子生徒1

「雄助君と一緒に戦えるなんて………」

 

男子生徒1

「てか、いつの間にかカメラマン達がいるんだけど!?」

 

男子生徒2

「ということは写真が撮られるチャンスがあるってことか!!」

 

雄助が参加したことで生徒達は多種多様だがやる気に満ち溢れた。

 

 

カメラマン1

「次はバレーか。」

 

カメラマン2

「しかも男女混合だからいい写真が撮れそうだ。」

 

カメラマン3

「【王星学園】の女子はレベルが高いから、雄助君と並べば写真映えが一層良くなる。」

 

カメラマン4

「だが雄助君の身長を考えないと良く撮れないからそこに注意しないとな。」

 

カメラマン5

「よく撮れるかは俺達の腕の見せ所だな。」

 

社長

「頑張ってねー雄助君!!」

 

女子生徒

{……絶対勝って見せる!!!}

 

何処かで生徒の話を聞いたのか社長達もいつの間にか来ており、カメラマンの話を聞いた女子生徒は目に炎が宿り、試合が始まる。

 

 

 

「楓!!」

 

「うん、行くよー!!!」

凜は楓の方にボールをトスして、楓はスパイクを決める。

 

雄助

「流石楓さん、凄いです。」

 

「ありがとう!!!……わわわ、雄助君に褒められた///

 

「楓〜顔がニヤけてるよ。」

 

「えっ、嘘!!?///」

 

楓は自分の顔を手で覆い隠していると凜が雄助に近付く。

 

「凄かったでしょ楓。」

 

雄助

「はい、それに凜さんのトスもタイミングが絶妙でしたのでコンビネーションが抜群で凄いですよ。」

 

「違う違う、アタシが言ってるのはね……」

 

「きゃっ////」

 

「楓の胸、おっぱいだよ。」

 

凜は楓の背後に回り込んで、楓の胸を鷲掴んだ。

 

 

雄助

「成程、楓さんの胸を利用して相手の男子生徒を目を踊らせたんですね。

胸を見て興奮する生物は人間だけですのでそれを利用するなんて凄いですね楓さん。」

 

楓、凜

『……………』

 

雄助の予想もしていなかったの返答に楓達は反応に困った。

 

 

社長

「ちょっと雄助君ー!!!

卓球でも活躍したんだから、スパイクで決めてちょーだい!!!!」

試合を見ていた社長は雄助にスパイクを決めることを要求される。

 

雄助

「次は僕がスパイクするのでサポートをお願いして宜しいでしょうか?」

 

「えっ、あっいいよそれくらい。

雄助君が打ちやすいようにやってみるよ!!!」

楓は正気に戻って、試合が再開する。

 

 

 

 

「楓、頼んだよ!!」

 

「任せて凜ちゃん!!!雄助君!!!」

凜は相手のスパイクを防いだ後、楓は雄助に向けてトスをする。

 

「あっごめん、高すぎた!!!」

楓は予想より高く上げてしまった。

いくら背が高い雄助でも届かないと全員が一斉に思った。

 

 

 

 

 

雄助

「問題ありませんよ、楓さん。」

 

だが雄助は踏み込んでボールまで跳び上がり、

 

 

丁度いい高さまで調整して跳んだ雄助は相手のコートに目掛けてスパイクを決める。

 

 

 

 

 

生徒達

『……………』

 

相手コートに盛大な衝撃音が伝わり生徒達と先生、社長達は雄助の規格外の身体能力を見て唖然とする。

 

 

 

 

生徒1

「先生、僕達棄権します。」

 

相手チームの生徒が棄権した事で雄助達が勝利を迎えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雄助

「優勝しましたが素直に喜べませんね。」

 

その後、その試合を見ていた他チームは次々と自分から棄権し最終的に雄助達が優勝する結果になってしまった。

 

 

「だ、大丈夫だよ、雄助君のお陰で優勝できたんだもん!」

 

メンバー全員

『うんうん!!!』

 

楓達は雄助のお陰で優勝できたと慰めようとした。

 

 

雄助

「ですが卓球の方も優勝した結果になっていますし、今は準優秀を決める試合をしていますので素直に喜べないんですよ。」

 

そして、応援している生徒の中に卓球に参加している生徒がいた事でそれが参加者全員に広まり、最終的に卓球は雄助が優勝する結果になってしまった。

 

 

雄助

「何より社長はカメラマン達に僕がスパイクを放つ瞬間を取れなかった事にお怒りでしたので、変わりとして他の試合にも参加しないと行けないので僕はここで抜けますね。」

 

だが雄助は、写真が撮らせる事が出来なかった申し訳ない気持ちがあり、何処かで参加できる競技はないかと探し始めた。

 

雄助

(テニスの方に沢山の人達が集まっていますね。

それに観戦してる生徒の皆さんの反応が可笑しいですね……)

 

試合に参加出来る所がないか探していると、テニス周辺だけ人が異様に多い上に生徒たちの反応が可笑しいと気付き、テニスコートに入った。

 

雄助

「佳織さん?」

 

佳織

「あっ、雄助さん……」

 

佳織は雄助に気付いたが元気は無かった。

 

佳織

「実は、テニスのダブルスに参加したのですが……先程私とペアを組んだ方が怪我してしまって試合が続かなくなってしまったんです。」

 

話を聞いた雄助は、担架の方に向けると1人の男子生徒が気を失っていた。

 

 

雄助

「佳織さんはペアの方が倒れてしまった原因を知りませんか?」

 

佳織

「……………………」

 

雄助

「佳織さん?」

 

男子生徒が倒れた原因を聞こうとした雄助だが佳織はもじもじとしていた。

 

 

佳織

「………私なんです。」

 

雄助

「どういう事ですか?」

 

 

 

 

佳織

「私が打ったボールが原因で倒れてしまったんです。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雄助

「………すいません、耳が可笑しくなったようなのでもう一度、そして分かりやすく説明して下さい。」

 

 

 

 

 

 

 

佳織

「私が打ったボールがペアを組んだ方の頭に誤ってぶつけてしまった事が原因なんです。」

 

 

 

 

雄助

「………分かりました。

佳織さん、ペアを組んだ方の意識が戻るまで僕と組んで試合を再開しましょう。」

 

佳織

「え!?」

 

雄助が佳織と組んだ生徒の意識が戻るまで自分と組んで参加する事に驚く。

 

 

雄助

「男女混合で登録されていない生徒が参加しても問題ないありません。

相手は僕のクラスではありませんし、ペアを組んだ方の意識が戻れば僕は抜けるので心配はしなくても大丈夫ですよ。」

 

佳織

「雄助さん……では、お願いします!!」

 

雄助

「分かりました。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

社長

「今度はテニスね!!!

しかも雄助君と組んでいる子は理事長の娘さんだなんて撮れ高が最高峰に達しているわ!!!」

 

先生2

「それでは試合を再開します。」

 

雄助が代わりに入った事で試合が再開した。

すると何処かで聞いたのか社長達も既に此方に来ていた。

 

佳織

「ではいきます……えい!!」

 

佳織はボールを放つと、雄助の頭部の横を通り抜けて相手コート側の後ろにあるネットに挟まった。

 

 

雄助

「成程、これなら気絶して当然ですね。」

 

雄助は戸惑う事なく冷静にそう口にした。

 

 

佳織

「もう一度……えい!!」

 

もう一度サーブを打つと今度は相手コートに入り、相手チームはボールを佳織に目掛けてレシーブを放った。

 

 

佳織

「わわわ……えい!!!」

 

佳織は打ち返そうとしたが盛大に空振りした為、相手に得点が入った。

 

 

雄助

「試合に勝なら佳織さん狙うのは当然ですね。」

 

佳織

「ごめんない雄助さん……

やっぱり足を引っ張ってしまいます。」

 

自分が足を引っ張っている事に佳織は落ち込む。

 

 

雄助

「大丈夫ですよ佳織さん、僕に任せて下さい。」

 

 

 

 

佳織

「えいっ!」

 

再び佳織がサーブを放ち、相手コートにボールは入るが案の定、佳織の方にボールが打ち返される。

 

 

佳織

「えいっ!」

 

佳織は先程同じように盛大に空振り、

 

 

 

 

雄助が佳織の後ろに移動して、ボールを相手の近くに打ち返す。

 

生徒2

「ヨシ!また1点!!!」

 

雄助が佳織の方に来た事で片側が無防備なった方にボールを返す。

 

 

生徒2

「え?」

 

だが、無防備なった筈のコートに雄助がもどってボールを打ち返された事に生徒は呆気になる。

 

 

 

 

雄助

「1点頂きました。」

 

 

 

 

カメラマン1

「雄助君、凄すぎないか?」

 

カメラマン2

「ああ、1人だけ漫画やアニメ見たいな動きしているからな。」

 

カメラマン3

「此れが現実っていうのが未だに信じられない。」

 

その光景を見たカメラマン達は信じられなかった。

そうして佳織のフォローし続け、得点を獲得し遂にマッチポイントまで追いつめた。

 

 

佳織

(雄助さんが1人で此処まで来たんです……

最後くらい私は役に立ってみせます!!!)

 

佳織はそう意気込み向かってきたボールにラケットを振り下ろす。

 

佳織

「えいっ!!!」

 

全員

「あ」

 

だが残酷な事にボールを捉える事ができず空振る。

 

 

 

 

雄助

「大丈夫ですよ、佳織さん。」

 

だが、高い位置までバウンドしたボールを雄助は跳びこんで、相手ペアの真ん中に綺麗に打ち込んだ。

 

佳織

「わわっ!」

 

先程空振った佳織が倒れる瞬間、雄助は着地して直ぐ様佳織を抱き留めた。

 

 

雄助

「佳織さん、大丈夫ですか?」

 

佳織

「ゆ、雄助さん!!

あ、ありがとうございます////////」

 

雄助は佳織の安全を確認するが、佳織は今の状況に頬を赤らめなる。

 

 

全員

「ウオオオオオオオオ!!!!!!!!」

 

社長

「撮った!!撮った!!!!撮ったわよね!!!!!!」

 

カメラマン

「だ、大丈夫です、ちゃんと撮れましたので!」

 

社長

「よしよしよしよーし!!!ありがとう雄助君!!!!」

社長は興奮しながら雄助に感謝を送った。

 

先生2

「神譲君、宝城さんと組んだ子の意識が戻ったようだから降りてもらうよ。」

 

先生が試合を一時中断し、佳織と組んだ生徒が目を覚ました事を雄助達に報告してきた。

 

 

佳織

「雄助さん、すみません……

結局最後まで足を引っ張ってしまいました。」

 

雄助

「大丈夫ですよ、それに次の試合があるんですからチャンスはありますよ。」

 

佳織

「……はい!!雄助さん見ていて下さい!!!」

 

雄助の言葉に勇気が出た佳織は、ペアを組んだ生徒が目を覚まして次の試合に入る。

 

 

 

 

 

しかし、また誤ってボールがペアの生徒の後頭部に命中してしまい自分から棄権する事になった。

 

 

 

こうして球技大会のは雄助のクラスが1位となって終わりを迎えた。

 

 

 







今回は描写が大変でした。
原作では優夜君は卓球台と体育館の床を貫いたり、バレーコートがなぎ倒され、ボールは破裂されましたが、
雄助君は自分が本気でやればそれですまないと分かっていた為、力を抑えてやった結果このようになりました。

そして、いせれべの声優発表や小説の続巻とサイドストーリーと色んな情報が出てきてなって段々楽しみになってきました。

誤字報告、宜しくお願いします。


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第24話 アルセリア王国

XポテトX様、鳴無様、アルー☆ー☆様、
カーボン様、ルーイ00様、信也様、
足利一葉様、千手マダラ様、
お気に入り登録有難う御座います。

☆8
yama304様、
評価有難う御座います。


 

 

 

 

レクシア

「只今戻りました、お父様。」

 

アーノルド

「おお、レクシア!無事だったか。」

雄助が球技大会を行っている頃、無事王都に到着した。

 

アーノルド

「レクシア、帰ってきたばかりで疲れたろう?

今はゆっくり休んでくるといい、後でお前からも話を聞こう。」

 

レクシア

「分かりました。」

レクシアはメイドに連れられて部屋を後にする。

 

 

アーノルド

「オーウェン、【大魔境】にいるという青年の姿が見えぬがどうした?」

レクシアが出ていった後、アーノルドは険しい顔で雄助が此処にいないことをオーウェンに問う。

 

オーウェン

「例の青年、ユウスケ殿に会う事はできましたが予期せぬ自体が起こって連れてくる事が出来ませんでした。」

 

アーノルド

「予期せぬ事態か……そこにいる女と関係しているのか?」

アーノルドはオーウェンの隣りにいるルナに睨みつける。

 

ルナ

「ああ、レクシアを暗殺しようとしたが失敗してお前達の日程を崩した私が原因だからな。」

 

オーウェン

「な!?」

 

アーノルド

「ほう……我の娘、レクシアの暗殺を口にするとは。」

 

ルナ

「だがレクシアは生きているから、暗殺は失敗したがな。」

 

アーノルド

「なら暗殺を失敗した貴様は何故生きているんだ?

依頼の失敗は死と同義であろう。」

アーノルドはルナが1つ1つ返答する事に圧をかける。

 

ルナ

「当然死ぬつもりだった。

だがレクシアはそれを止めさせ、私を護衛にした。」

 

アーノルド

「……成程な。」

アーノルドはルナの話を最後まで聞き終えると、

 

 

 

 

【斬剣グレイクル】をルナの首目掛けて斬りかかる。

 

 

 

アーノルド

「……我が剣の特性を見抜いたか。」

だが、ルナが張り巡らせた糸でアーノルドの動きを封じた。

 

ルナ

「ああ、もし腕ではなく剣自体を止めようとすれば、切り裂かれていたからな。」

 

アーノルド

「………フッ、お前の実力は分かった。

この糸を解いてもらいないだろうか?」

 

ルナ

「私を襲わないのならいいぞ。」

 

オーウェン

(どうすればいいんだ、この状況…………)

オーウェンはこの状況をどうするか考えていると、

 

 

 

 

 

 

レクシア

「お父様!ルナに何してるのよッ!!!」

アーノルドにとって最悪のタイミングで、レクシアが此方に戻ってきてしまった。

 

アーノルド

「レ、レクシアッ!!さっき部屋に向かったんじゃないのか……!!」

 

レクシア

「勿論部屋に行こうとしたわ。

でもルナがいなかった事に気付いて戻ってきたのよ。

そしたら………」

レクシアはアーノルドを睨みつけ、

 

 

 

レクシア

「ルナに酷い事するなんて……お父様なんか大嫌いっ!!!!!!」

自分の父を相手に嫌いと言った。

 

アーノルド

「なっ!?……き、嫌い………!!!!」

アーノルドはレクシアに嫌いとショックを受け、その場で崩れ落ちそうになるが、ルナが糸を貼ったお陰で崩れる事はなく斬りかかる体勢のまま維持されられた。

 

アーノルド

「レクシアが…私の事を……嫌いと………」

 

オーウェン

「陛下ッ!!!気をしっかり!!!!

ルナを護衛にする件についてお答え下さい!!!!」

 

アーノルド

「……そうだったな。

ルナ、貴様の腕は護衛として十分だ。

オーウェン、お前は意見あるか?」

 

 

オーウェン

「私としても問題はないかと。

ルナは闇ギルドで名の知れた腕利きの暗殺者です。

他の闇ギルドの者が来てもルナならレクシア様をお守りする事ができるので心配はありません。」

 

アーノルド

「………ルナと言ったな。

そろそろこれを解いてもらおうか。」

オーウェンの意見を聞いたアーノルドはルナの方に顔を向けて貼り巡られた糸を解くことを命じる。

 

ルナ

「ああ。」

ルナは、アーノルドの雰囲気が変わった事に気付いて糸を解いた。

 

 

 

アーノルド

「ルナよ、これよりお前をレクシアの護衛として認める。

此れから我の娘を守ってくれ。」

 

ルナ

「………ハッ。」

ルナはその場で頭を下げる。

 

レクシア

「やったぁー!!!さあ、ルナ!!!

早く私の部屋に行くわよ!!!!」

レクシアはルナを自分の部屋に連れて行った。

 

 

 

 

 

アーノルド

「………娘からの嫌いは堪えるな……」

 

オーウェン

「陛下がレクシア様を甘やかしすぎた結果ですよ。」

 

アーノルド

「娘が可愛いからな!!!!!!!!まあ、その話は置こう。

オーウェン、あのルナという者ただの暗殺者ではないな。

腕利きの暗殺者と言っていたが相当の実力者だぞ。」

 

オーウェン

「ええ、ルナは闇ギルドで【首狩り】と呼ばれていた様です。」

 

アーノルド

「何と!!あの有名な【首狩り】だと!?

成程、あれ程の手練れているのなら納得だな。

それで、ルナが暗殺に失敗した事が【大魔境】に関係していると――」

 

オーウェン

「はい、暗殺を防いだ青年―――名はユウスケと申すのですが、そのものがルナを捕まえたのです。

詳しくは聞いてはいないのですが、その際レクシア様の無茶振りに付き合わされたユウスケ殿はルナとレクシア様を伴って【大魔境】内にある家まで―――」

 

アーノルド

「何ッ!?レクシアが男の家に1人で行っただと!!?」

 

オーウェン

「……陛下?」

 

アーノルド

「オーウェン……レクシアはその者の家に泊まった等と言わぬだろうな?」

 

オーウェン

「…………………」

オーウェンは頭をフル回転させ、この状況を回避できる答えを考える。

 

アーノルド

「確かにレクシアの恩人であろうが……そこまで許した覚えはない。

 

 

 

 

 

 

そいつを我の【斬剣グレイクル】の錆にしてくれる………」

 

何も答えないオーウェンにアーノルドは図星だと感づかれ自分の元に来る雄助に向けて、殺意の混じった笑顔を露わにする。

 

オーウェン

「流石にそれ不味いですよ陛下ッ!!!

特に何かあったわけではないのですから!!!!」

 

アーノルド

「何故そんな事が言える!!!!

貴様はその場に居なかったのだろう!!!!!!」

今までの威厳が嘘のようにアーノルドは怒り出す。

 

オーウェン

「冷静なのか興奮しているのかどっちかにしてくれ………とにかく!!ルナの暗殺の件で1日ズレてしまいユウスケ殿は来られなくなってしまったのです。」

オーウェンは愚痴りながらも雄助が来れなくなった事を報告する。

 

アーノルド

「……国王である我に不敬ではないか?」

 

オーウェン

「以前も申し上げましたが、ユウスケ殿は恐らく他国の貴族または王族だと思われます。

下手な事をすれば外交問題にまで発展しますぞ!!!

それに【大魔境】に住む相手に勝てるとお思いですか?」

 

アーノルド

「うぐぐっ………」

アーノルドは悔しい表情を浮かべる。

 

オーウェン

「一先ず、王城に来られる時に来て頂く様に伝えているので、そう遠くないうちに来て頂けると思いますよ。」

 

アーノルド

「………仕方がない、もう暫く待つとしよう。」

アーノルドは雄助に対する怒りを此処に来るまで大人しく待つ事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

レクシア

「正式に私の護衛になったからこれから宜しくねルナ。

友達として、恋のライバル(・・・・)としてね。」

 

ルナ

「………当然だ。」

レクシアは、ルナを自分の部屋まで案内するまで、2人の目はお互い密かに火を燃やしていた。

何故このような事が起きたのか、それはレクシア達が雄助の家にいた時にまで遡る。

 

 

 

 

 

レクシア

「ルナ、貴女はユウスケ様の事が好きなの?」

 

ルナ

「な!?////」

レクシアとルナが入浴してる中、レクシアがルナに対しそう言った。

 

ルナ

「な、何を言っているんだ////

ユウスケが言っただろ、私とユウスケは友達だと////」

 

レクシア

「そうかしら?

私から見れば貴女とユウスケ様のやり取りを見たけど行為を感じたわ。

ユウスケ様は気付いているかは別だけど。」

 

ルナ

「お前の気のせいだろ……」

 

レクシア

「そう?じゃあ私がユウスケ様と結婚しても問題ないわね!!!」

 

ルナ

「だ、ダメだそれはっ!!!はっ!!」

ルナは出してしまった本音を押さえたが、時すでに遅し。

 

レクシア

「唯の友人ならユウスケ様と結婚しても問題ないのに、貴女は嫌だって事は、私が言わなくても分かるわよね。」

 

ルナ

「…………正直に言うと、私にはよくわからない。

ユウスケとは修行仲間として過ごしてきた。

お前に襲いかかる前まで、私はユウスケとの時間を確かに惜しんだ。

あの時間が大切だと、心の底から思えたんだ。」

ルナは、雄助といた事でどう思ったのかを答えた。

 

レクシア

「…………………うん、決めたわ!!」

レクシアはルナの思いを聞いた後、立ち上がってルナに指を突きつける。

 

レクシア

「ルナ!私は貴女に宣戦布告するわ!」

 

ルナ

「せ、宣戦布告?」

レクシアの思いがけない行動にルナは少しどよめく。

 

レクシア

「そうよ!貴女は気付いてないでしょうけど、ちょっとでもユウスケ様に惹かれたのならそれは恋よ!!!

そして私もユウスケ様に恋してるわ!!!」

 

ルナ

「こ、恋だなんて……///」

レクシアに堂々と自分は雄助に恋してると言われたルナは頬を赤らめながら否定する。

 

レクシア

「恋じゃないって否定してもいいけど、私はルナがユウスケ様に恋してるって考えてこれから行動するわよ。」

 

ルナ

「へ?」

 

レクシア

「だーかーらー!

私はルナに負けないよう、ユウスケ様を振り向かせるよう頑張るの!!

ルナがなんて言おうとも私は諦めないわよ!!!

勿論、私がユウスケ様と結婚できたら私の勝ちよ!!!!

どうする?貴女は、ユウスケ様を私に取られてもいいの?」

レクシアは、ルナをまっすぐ見つめて言い張った。

 

ルナ

「…………………」

ルナは想像する、雄助がレクシアと結婚した姿を。

 

ルナ

「……だ。」

 

レクシア

「ん?」

 

ルナ

「嫌だ!!!ユウスケは私のモノだ!!!!!!」

ルナは湧き上がった感情をレクシアに言った。

 

レクシア

「……宣戦布告を受け取るってことかしら?」

 

ルナ

「ああ……」

 

 

 

 

レクシアとルナは目に意志を宿してお互いを見つめ合い、こうして2人は友として好敵手という関係になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

         ✽✽✽

 

 

 

 

 

 

 

雄助

「ユグル君、シンラ君、アルセリア王国にに向かいますよ。」

 

ユグル

「わふ!」

 

シンラ

「フゴ!」

球技大会の翌日、振替休日となって3連休になって雄助はこれを機にアルセリア王国に向かう。

 

雄助

(それにしても佳織さん、あの時何故をああいった行動をとったのでしょうか?)

雄助はアルセリア王国に向かう中、昨日の出来事を思い返した。

 

 

 

 

 

 

雄助

「亮君、慎吾君、さようなら。」

 

亮君

「おう、じゃあな!」

 

慎吾

「ま、またね、雄助君!」

 

雄助

(振替休日で3連休なりましたし、これを機にアルセリア王国に行きましょう………ん?)

 

雄助

「佳織さん、どうかしましたか?」

雄助が3連休の予定を考えていると、校門の近くに佳織が立っているのが目に入った。

 

佳織

「あっ、その……///」

 

雄助

「お困りがあるのでしたら手伝いますよ。」

 

佳織

「ち、違うんです!!

……雄助さん!途中まで一緒に帰りませんか!!?///」

佳織は頬を赤らめながら雄助を誘った。

 

佳織

「今日は迷惑をおかけしましたし……何より困っていた所を助けて頂いたのは本当に嬉しかったんです。

だから、お礼を兼ねて帰り道に何処かで寄り道しませんか?」

 

雄助

「いいですよ、それに気にしなくても大丈夫ですよ。」

 

佳織

「いいえ!雄助さんには何度も助けてもらったばかりです!!

勿論、この寄り道でその全てのお礼ができるだなんて思いませんが……」

 

雄助

「お気持ちだけ受け取っておきます。」

 

佳織

「そうですか…………」

 

雄助

「ですが、佳織さんが其処まで言うのでしたら付き合いますよ。」

 

佳織

「本当ですか!?」

 

雄助

「はい、そもそも僕は佳織さんと一緒にいられるだけでも十分にそれ以上よ価値がありますよ。」

 

佳織

「えっ!?そ、それって////」

雄助は初めて友達として佳織にそう言うが、佳織は雄助の言葉を自分の事が好きだと勘違いしてしまった。

 

 

 

佳織

「雄助さん……

その……体を低くして目を瞑って頂けますか?」

 

雄助

「分かりました。」

雄助は佳織の言う通りしゃがんで目を瞑り、

 

 

 

 

佳織は、雄助の頬にキスをした。

 

佳織

「もう、いいですよ……/////」

雄助は目を開けると、佳織は頬を赤らめていた。

 

雄助

「頬に何か柔らかいものに触れられたのですが何をしたのですか?」

 

佳織

「秘密ですっ♪」

佳織は悪戯っぽく、魅力的な笑みを浮かべた。

 

 

 

 

 

 

 

雄助

(ルナさんの時と同じ感覚だったので恐らく僕にキスをしたのだと思いますが、何故あんな事をするのでしょうか?

【全知】で調べる事は可能ですが、相手の深層心理やその人の可能性の未来すらも読み取ってしまうので自力そういうのはで調べた方がいいですね………)

 

先程までのいいムードを台無しにした雄助は、

【大魔境】の魔物を倒しながら佳織が何故自分の頬にキスをしたのかを考えていた。

 

 

 

 

 

ユグル

「ワン!ワンワン!!」

するとユグルは見たことのない魔物を見つけた。

 

 

ユグルが見つけた魔物は、白い体毛で覆われていた羊だった。

無論【大魔境】で見つけた為、唯の羊ではなく魔物だ。

羊の魔物は羊と同じように草を食べて、その場で寝始めた……が、寝た状態のまま草を食べるという有り得ない行動をしていた。

 

 

 

雄助

「羊ですね、しかも寝たまま草を食べています。

睡眠欲と食欲を同時に満たしていますね。」

雄助は羊の魔物のステータスを確認する。

 

 

 

 

 

【スリープ・シープ】

 

レベル:400

 

魔力:10000 攻撃力:7000 防御力:8000

俊敏力:8000 知力:10000 運:500

 

【スキル】

【睡眠魔法】【突進】【睡眠治癒】【魔力察知】

 

 

雄助

「中々面白いスキルをお持ちですね。」

雄助はステータスを確認した後【無弓】を出して、【スリープ・シープ】の頭に目掛けて矢を放った。

 

スリープ・シープ

「ッ!!!」

スリープ・シープは悲鳴を上げる事なく、ドロップアイテムを残して消えていった。

 

シンラ

「フゴ?フゴ〜」

シンラはスリープ・シープが落としたドロップアイテム、布団に目掛けて突撃する。

 

シンラ

「ぶひ〜〜〜。」

布団に乗ったシンラは誰もが見て分かる程だらけきった姿を晒す。

 

 

 

【睡眠羊の肉】

スリープ・シープの肉。

ねっとりとした食感が特徴的で癖が強く、通常の料理では好みが分かれる。

但し、この肉を使った燻製は酒の間では非常に人気が高いツマミとして有名。

 

【睡眠羊の羊毛】

スリープ・シープの毛。

保温性・吸湿性に優れ、肌触り等は非常に心地よく、この毛を使った寝具や服等が貴族の間で人気。

但し、スリープ・シープ自体が非常に珍しい為、その価格は凄まじく高い。

 

【睡眠羊の角】

スリープ・シープの角。

武器の素材等に使えないが、粉末状にすれば、心地のいい眠りへと誘う睡眠薬になる。

その為、安楽死を望む者に使われる場合もある。

 

【極楽布団】

スリープ・シープから手に入る、レアドロップアイテム。

常に清潔であり、選択不要。

冬は暖かく、夏は汗等でベタつく事はなく常にサラリとした寝心地を実現。

野外の仕様も可能。

【惰眠モード】と【快眠モード】の2つが備わっており、【惰眠モード】を選択すれば極楽浄土かと思う様な寝心地の良さを発揮し、

【快眠モード】を選択すれば、布団に入って直ぐ心地の良い眠りへと誘い、

圧倒的な質の良い睡眠を体験できる為、翌朝シャキッと目が覚める。

肌触りにも拘っおり、唯触れているだけで幸せを感じる。

寝ている間、体力と魔力が微少だが上昇する。

 

 

 

雄助

「今回布団ですか……性能は素晴らしいですけど問題なく寝れるので使う事はないでしょう。

シンラ君、そろそろ行きますよ。」

 

シンラ

「ブヒ!?ぶひぃ……」

雄助がシンラの体を揺らして起こすと、シンラ名残惜しさを出した。

 

雄助

「皆一緒に寝てあげますから落ち込まないで下さい。」

 

ユグル

「ワン!」

 

シンラ

「ブヒ?ブヒ!」

そう約束して【大魔境】から出た。

 

雄助

「やはり結界入らずに【大魔境】の捜索するのはいいですね。

ユグル君、シンラ君、此処は地面が平らなのでアルセリア王国まで走っていきましょう。」

 

ユグル

「ワン!!」

 

シンラ

「フゴ!!」

 

雄助

「では、行きますよ。」

そう言うと雄助達は一瞬でその場に消えた。

音速を超えるスピードで風圧が出ないという法則を無視して広大な大地を駆ける。

 

雄助

「そろそろ着きますよ。」

3秒後、雄助は多くの人が巨大な城門で並んでいるのが見えた為、その場に止まる。

 

雄助

「【血戦鬼】のまま行けば怖がられてしまう可能性があるので着替えましょう。」

雄助の隣に魔法陣が出現しそのまま通り抜けると、【血戦鬼】から【ロイヤルシルク】に一瞬で着替え、列に並ぶ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雄助

「一時はどうなるかと思いましたが良かったです。」

 

その後雄助は問題なく通る事が出来た。

 

雄助は、係員に通行証がない場合を聞いた。

だが、検査に協力すれば問題なく入れるという事で無事に通れた。

 

雄助

「犯罪歴なし、ですか………」

雄助は、水晶に触れて犯罪者かを確認する検査を受けて考えていた。

 

雄助

(地球に住んでいたからなのか、自分が転生者という特殊な立ち位置だからか犯罪者ではないと判断したのでしょうか……)

雄助は、この異世界で人を殺していた。

無論、唯の人ではない。

殺害対象の神がこの世界に送り付けた転生者という人間だ。

自分の手で殺めたのに、犯罪歴はないと自分の立ち位置に複雑や感情を抱く。

 

雄助

「それよりも、この世界のお金を手に入れませんと。」

雄助は、兵士にここに来た目的を観光と物を売りに来たと答えた。

係員は、物を売ってくれる商人ギルドの場所を丁寧に教えてもらい、雄助は其処に向かう。

 

 

 

 

 

雄助

「此処ですね。」

商人ギルドに辿り着き、雄助は中に入って受付嬢の所まで出歩く。

 

雄助

「すみません、買い取って貰いたい物があるのですが宜しいでしょうか。」

 

受付嬢

「は、はい!

失礼ですが、お客様は商人ギルドとの取引は初めてですか?」

 

雄助

「はい、初めてこの街に来たもので、手持ちのお金が余りにも違うので此処で物を売ろうと思いまして。」

 

受付嬢

「畏まりました。

では、まず売却を行う前に商人ギルドに登録していただく必要があるのですが、宜しいでしょうか?」

 

雄助

「必要なお金と登録による不都合はありますか?」

 

受付嬢

「いえ、手数料は特にございません。

また、【ギルド】に所属することによって身分証が発行されますし、何よりそれぞれのギルドでの多少の便宜を図ってもらえたりします。

 また、【ギルド】とは各国に存在する、国に鑑賞されない組織です。

勿論、各国に支部を置かせて頂くからにはその国の法律を守ったり、有事の際は協力したりなどしますが、国からの理不尽な干渉等は防ぐ事が出来ます。」

 

雄助

「説明有難う御座います、ではギルドへの登録手続きをお願いします。」

 

受付嬢

「畏まりました、では此方の記入をお願い致します。」

説明を聞き終え、雄助は早速に紙に自分の氏名と出身地を記入する。

 

雄助

「どうぞ。」

 

受付嬢

「はい……ユウスケ様ですね。

この『ニホン』という場所は国名でしょうか?」

 

雄助

「はい、東にある小さな島国です。」

 

受付嬢

「成程、この大陸の方ではありませんでしたか。

大陸が違えば商人ギルドがない場所もあるんですね。

兎に角これで登録は完了です。

こちらがギルドカードとなっております。」

受付嬢はギルドカードを渡した。

 

受付嬢

「そちらのギルドカードに星が刻まれていると思いますが、それはギルド内でのランクを示しております。

 1つ星は旅商人の資格を与えられますが、露天や街で正式な店を持つ事は出来ませんが、商人ギルド等で売却は可能です。

露店を出す場合は2つ星、店を持つには3つ星が必要です。

星を増やすにはギルドへの貢献度が必要です。

露天やお店を持った場合、売上の何割かをこの商人ギルドへと納めていただくのです。

そして1つ星の方は直接こちらで売却した物等の金額を貢献度として換算する為、あまり難しく考えずとも3つ星を上げられるでしょう。

 唯、4つ星以降は商人としての信頼や販路開拓の実績、新商品の発売が必要となってくる為、審査基準が厳しくなります。

さて、話が長くなってしまいましたが、ユウスケ様のお売りになりたい物を見せて頂いても宜しいでしょうか?」

 

ギルドカードについて受付嬢は詳しく教え終えた。

 

雄助

「分かりました。」

雄助は亜空間を出現させる。

 

受付嬢

「ユウスケ様、それは?」

 

雄助

「【アイテムボックス】です。

私のは特殊でこのように空間になっています。」

 

受付嬢

「【アイテムボックス】に種類があったんですね!!」

 

雄助

(本当は進化や統合を繰り返して手に入れた【全知全能】の一部なんですが……強ち間違ってはいませんね。)

 

受付嬢

「ですがそれは【アイテムボックス】と同じである事に変わりはないので商人としては大きなアドバンテージですよ!!

ユウスケ様は商人としては大変恵まれていらっしゃいますね!!!」

 

雄助

「そうでしょうか……ありました。

これを売っても問題ないでしょうか?」

雄助は亜空間から胡椒を取り出し、受付嬢に渡す。

 

 

 

受付嬢

「……えええええええ!?」

受付嬢は胡椒を見て声を上げる。

 

受付嬢

「ハッ、失礼致しました!

ここまで高品質の胡椒と、何よりこんなに綺麗な瓶をを初めてみたので……」

受付嬢は地球の胡椒を見て驚いていた。

 

雄助

「そうですか…ここにある胡椒が10本だけでは足りない場合は時間がかかりますが用意することができますが如何でしょうか?」

 

受付嬢

「……すみません、少々ギルドマスターに確認してまいります。」

受付嬢はお辞儀をして、背後の扉に入る。

 

雄助

「……試しに胡椒を売ろうしたのが間違いでしたか。」

 

 

【胡椒】

地球で採れた胡椒。

異世界で採れる胡椒より品質が良く、この瓶1本の異世界での価値は金貨5枚程。

商人ギルドで売却する際、交渉をするならば金貨15枚程から交渉を始め、金貨5〜10枚の辺りで売却するのが望ましい。

 

雄助

(紀元前400年頃の地球の様に高値で売れるようですね。

最初は僕が作成した魔術礼装…魔導具を売ってお金を稼ごうと考えましたがやめておいて正解でした。)

雄助は最初、自分が作り出したマジックアイテムを売ろうと考えた。

しかし、雄助の作り出したマジックアイテムは現実世界で言う所のオーバーテクノロジーの部類に入る程の途轍もない程の性能だ。

 

雄助は、この世界の原作をブレイク回避に無意識に成功した。

 

しばらくしていると受付嬢が初老の男性を連れて戻って来た。

 

 

「彼がそうかな?」

 

受付嬢

「はい!

ユウスケ様、お待たせ致しました。

こちらは当商人ギルドを取り仕切っている、ラインハルトさんです。」

 

ラインハルト

「こんにちは、ギルドマスターのラインハルトだ。」

 

雄助

「こんにちは、神譲 雄助と申します。

因みにユウスケが名前で、シンジョウは家名です。」

 

ラインハルト

「変わった名前の響きだな……

この『ニホン』という国も聞いた事が無い。

私は職業柄、この大陸だけでなく他の場所もよく訪れるのだが、何処ら辺にある国なのかな?」

ラインハルトは日本のある場所を聞き出す。

 

雄助

「東にある小さな島国です。」

 

ラインハルト

「成程……見た限り君は上位階級のものに見えるが……」

 

雄助

「いいえ、私は一般市民です。

上位階級の方なら高品質な服を着ていますよ。」

 

ラインハルト

「そうなのか……だが、私は君が平民とは思えない。」

ラインハルトは雄助が平民だという事が信じられなかった。

 

ラインハルト

「私は長年色々な商品を取り扱ってきたが、君が売ろうとした胡椒はあまりにも品質が良くて驚いたよ。

しかもそれが10個ある上に、時間があれば用意できると。」

 

雄助

「はい。」

 

ラインハルト

「ふむ…………この胡椒だが、全てを金貨100枚で買い取ろう。」

 

雄助

「金貨100枚……ラインハルト様、私はこの国の者ではないのでどれくらいの価値なのでしょうか?」

雄助は金貨100枚の価値をラインハルトに聞く。

 

ラインハルト

「様はよしてくれユウスケ君。

簡単に説明させてもらうが、この国の価値の低い順に銅貨、銀貨、金貨、そして白金貨の4種類の紙幣が存在する。

また、銅貨100枚は銀貨1枚といったように、下の貨幣100枚で1つ上の紙幣1枚になる。

 そしてこの国では一般的な4人家族が1年不自由なく生活するのに必要なお金は金貨5枚程……つまり君は、約20年程働かずに暮らさるだけのお金を手にした事になる。」

 

雄助

(……1人暮らしなので計算すれば約100年は働かなくてもいいことになりますね。)

 

 

 

 

ラインハルト

「ユウスケ君、今日から君は3つ星へとランクアップだ。」

 

雄助

「…胡椒を売っただけですよ。

3つ星にランクアップは早すぎませんか?」

 

ラインハルト

「2つ星になる為の条件が金貨1枚分の売却で、3つ星になる為の条件が金貨10枚分だからね。

それに、既に受付で説明を受けたと思うが……4つ星になる為の条件は実績だ。

 しかし、そこにプラスして取引金額が金貨50枚に達したらという条件も存在する。

君は登録したばかりで商人として必要な信頼等がまだないが、金貨50枚という規定は満たしている為、後はその実績さえ手に入れれば直ぐにでも4つ星になれるだろう。

…………………これで買い取りは以上かな?」

3つ星になったギルドカードを渡しながらラインハルトはそう訊いた。

 

雄助

「はい、其れと王都までの地図は売っていますか?」

雄助は王都に行くまでの地図が売っているのかを聞く。

 

ラインハルト

「地図?王都までという事は、王都に用事でもあるのかな?」

 

雄助

「はい、私の知り合いが王都にいまして会いに行く予定なのですが、王都をよく知る為に買おうと思いまして。」

雄助はラインハルトにそう言うが受付嬢も含めて2人は言いづらそうに教える。

 

ラインハルト

「ユウスケ君、君の国ではどうなのかは知らないが、この国では基本的に地図の作成や販売も禁止されているんだよ。」

 

雄助

「禁止ですか…………

もしかして、戦争が起きた場合その地図を参考に攻められる可能性があるからですか?」

 

ラインハルト

「その通り。

とはいえ、完全に国も統制する事はできないから、密かに地図を作成している冒険者や商人もいる。

因みにバレれば最悪死刑になるからおすすめはできないよ。

だが、その地図が軍部が使用している地図以上のものだった場合、運が良ければ軍部にその地図を超高額で買い取って貰える場合もある。

 とはいえそんな大博打等はせず、堅実に稼いでいけば常に稼ぐことができるのだから、気にする程の事でもないだろう。

もし冒険者として活動する予定があるなら、ダンジョンの地図作成は販売しても大丈夫だよ。」

 

雄助

「ダンジョン?」

 

ラインハルト

「ああ、ダンジョン内部の情報は冒険者の財産であり、命綱でもある。

その情報を売買する事は禁止されていないし、何ならダンジョン内部の地図を専門に販売する商人もいるよ。

兎に角、ダンジョン以外での地図の作成、販売は禁止されているから誰も買う事はできない。」

 

雄助

「分かりました。

では王都に行ける馬車等はあるでしょうか?」

 

受付嬢

「それならあります。

裏門から定期的に出ている乗合馬車を利用して下さい。

一定間隔で王都まで出ている馬車ですが、商人ギルドに登録されてる方ならお安く乗れますし、地図がなくとも確実に王都に行けますよ!!」

受付嬢が王都まで行ける馬車を雄助に教える。

 

雄助

「成程……ではその乗合馬車で行きます。

教えて頂き有難う御座います。」

 

雄助は、最後にラインハルト達に挨拶をし、商人ギルドに出て乗合馬車に向かう。

 

 

 

 

 

 

雄助

「到着しましたね。」

 

ユグル

「わふぅ…」

 

シンラ

「ふご。」

雄助達は王城に着いたが、ユグルは疲弊していた。

原因は馬車に乗った事。

馬車はある程度舗装された道を通ったが、車輪はゴムが使われているわけでなく振動がユグルに響いた為、余り気分が良くなかった。

 

雄助

「すみません。」

雄助は門番に声をかける

 

雄助

「アルセリア王国の国王に招待された神譲 雄助申します。」

 

門番

「ユウスケ様でしたか!

話は伺っておりますので少々お待ち下さい!!」

 

 

門番は持ち場から離れると、馴染みのある人物オーウェンを連れてきた。

 

雄助

「オーウェンさん、お久し振りです。」

 

オーウェン

「ユウスケ殿!

ままさかもう来て頂けたとは……もう少し時間を要すると思いましたぞ。」

 

雄助

「すみません、偶々時間が取れたのでなるべく早めに来たほうがいいと思いまして迷惑でしたでしょうか?」

 

オーウェン

「とんでもない!

そこまで考えて頂きこちらとしても有り難い。

さ、こちらへどうぞ。」

 

オーウェンは雄助達を王城に案内させる。

 

雄助

(幻想的とはこういう事なんでしょうね……)

噴水や多くの花、光の球が漂う庭園を雄助はそう感じ取った。

 

オーウェン

「そういえば気になっていたのですがユウスケ殿、その子豚は?

前会った時はいませんでしたが…」

 

雄助

「この子はシンラ、僕の新しい家族です。」

 

シンラ

「ぶひ〜」

シンラは前足を挙げてオーウェンに『宜しくな』と挨拶する。

 

オーウェン

「成程、新しい家族か……」

 

雄助

「はい、所でオーウェンさん。

僕達は何処に向かっているのでしょうか?」

 

オーウェン

「ああ失礼、今向かっているのは謁見の間、陛下との御対面だ。」

 

雄助

「すみません、正装に着替えるのでお待ち下さい。」

雄助は、城門の時のように魔法陣で服を瞬時に着替えた。

 

オーウェン

「なっ!?」

 

雄助

「オーウェンさん、準備はできました。」

 

オーウェン

「ユウスケ殿…今のは一体……」

 

雄助

「僕の魔法です。

それとオーウェンさん、僕達は扉の前まで来ましたが

その扉の先が謁見の間ですか?」

雄助は自分達が大扉の前まで来たことをオーウェンに伝える。

 

オーウェン

「あ、ああそうだ、ではユウスケ殿参りますぞ。」

 

兵士

「ユウスケ・シンジョウ様、ご到着です!」

控えていた兵士が報告すると扉が開き、雄助は謁見の間に入る。

 その中は柱が幾つも立てられ、雄助が歩いているレッドカーペットが奥にある階段に続く程。

その奥に豪華な椅子に座り込む壮年の男性が此方を見つめる。

 男性は頭に王冠を載せ赤いマントを羽織り、両脇には黒いローブを纏った者が控えており、一目で王様だと分かる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オーウェン

「陛下、ユウスケ・シンジョウ殿をお連れしました。」

 

アーノルド

「ご苦労」

アーノルドはその一言だけで言葉を済まし、それだけで威厳が溢れていた。

 

アーノルド

「ユウスケといったな、面を上げよ。」

 

雄助

「はい」

アーノルドの言う通りに雄助は顔を上げる。

 

アーノルド

「そなたが我が娘、レクシアを救った者だな。」

 

雄助

「はい」

 

アーノルド

「……そなたが我が娘、レクシアに求婚された者か。」

 

雄助

「はい。」

 

アーノルド

「そうか………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

貴様がレクシアを誑かしたクソ野郎かああああああああ!!!!!!!」

 

先程までの威厳が嘘のようアーノルドは怒りを露わにした。

 

アーノルド

「待ちわびたぞ!!!!此処で貴様の首を斬り落とす!!!!!」

 

アーノルドの隣に控えていた者が【斬剣グレイクル】をアーノルドに手渡す。

 

オーウェン

「陛下!!!非公式とはいえ謁見中ですよ!!!!?

我慢できないんですか!!というかやめて下さい!!!!!!」

 

アーノルド

「できるか!!!そもそも小奴を殺す為に呼ばせたのだからその必要ない!!!!!」

 

オーウェン

「必要なんだよ!!!あんたそれでも国王か!?

レクシア様の恩人を殺すとかどういう頭してるんだ!!!!!

ってかお前ら何陛下に【斬剣グレイクル】を渡してんだよ止めろよ!!!!!!!!」

 

レクシア

「ちょっとお父様!!!

私の婚約者を殺そうとしないでよ!!!!」

 

ルナ

「よくこんなやつがこの国を治める事ができたな……」

 

 

 

 

 

 

 

 

アーノルド

「我がこのアルセリア王国の王、アーノルド・フォン・アルセリアだ。」

落ち着いたアーノルドは、不機嫌ながらも雄助に自己紹介した。

 

雄助

「初めましてアーノルド様、私の名はユウスケ・シンジョウと申します。

そして両隣にいるのは私の仲間のユグルとシンラです。」

 

ユグル

「わふ。」

 

シンラ

「フゴ。」

雄助がアーノルドにお辞儀するようにユグル達もお辞儀をすると、

 

 

アーノルド

「ほれ」

 

オーウェンは、雄助に向けて手を突き出した。

 

アーノルド

「何だ?貴様、此処まで来て手土産を持ってきておらぬのか?」

 

オーウェン

「陛下ッ!!!先程から見ていれば横暴が過ぎます!!!!

ユウスケ殿はレクシア様の恩人なのですよ!!!!」

 

レクシア

「オーウェンの言う通りよお父様!!!

ユウスケ様に対して何なのその態度!!!!」

 

アーノルドの態度を見たオーウェン達は雄助を庇う。

 

 

 

雄助

「分かりました。」

 

だが雄助は、アーノルドに手土産を出さなかった自分が悪いと直ぐ様亜空間を出現させ、それに手を入れた。

 

アーノルド

「ッ!?何だそれは!!!?」

アーノルドは雄助が出した亜空間に驚く。

 

雄助

「【アイテムボックス】が進化したスキルと説明致します。」

 

アーノルド

「【アイテムボックス】の進化!!!?」

 

 

雄助は亜空間からある物を出してアーノルドに手渡す。

 

 

 

 

 

雄助が取り出したのは『酒瓶』である。

 

 

雄助

「アーノルド様、どうぞ」

 

 

アーノルド

「……………」

 

アーノルドは酒瓶を受け取り、酒の匂いを嗅ぐ。

 

アーノルド

「ふむ………いいだろう。」

 

雄助

「有難う御座います。

其れと、レクシア様にも用意してあるのですがお渡ししても宜しいでしょうか。」

 

アーノルド

「ほう、レクシアにも用意しているとは気がきくようだな。

いいだろう、レクシアに渡す事も許す。」

 

雄助

「有難う御座います。

レクシア様、どうぞ受け取って下さい。」

雄助はアーノルドと同じ様に亜空間から物を取り出す。

 

 

 

 

 

 

 

取り出した物はスリープ・シープが落としたレアドロップアイテム【極楽布団】だった。

 

 

アーノルド

「!??!?!?!?!!?」

アーノルドは雄助が出した物に口を大きく開ける。

 

レクシア

「まあユウスケ様ったら!!

この場で渡すなんて大胆ね!!/////」

 

 

 

 

 

アーノルド

「貴ッッッ様ァァァァァァァァ!!!!!!!!」

 

レクシアに【極楽布団】を渡した瞬間、アーノルドは城全体に響き渡る程の怒声を出す。

 

アーノルド

「堂々とレクシアを誘惑しやがってぇぇぇぇぇ!!!!

そんなに死にたいようだなぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

 

オーウェン

「陛下!!怒りを鎮めて下さい!!!!!

ユウスケ殿はこの国の者ではないので風習を知りません!!!!!!」

 

雄助

「風習?異性の方に布団を渡す事と何か関係があるのですか?」

アーノルドが怒りと殺意が混じり合って雄助に目掛けて殺そうする中、雄助はそんな事を気にせずアーノルドが怒りだした原因をオーウェンに尋ねる。

 

オーウェン

「異性に寝具を贈る事はそのものと結婚したい、その者と床を共にしたいという意味があるんだ。」

 

雄助

「……つまり、僕は自分からレクシアさんをお誘いしたという事ですか。」

 

オーウェン

「ああ、別の贈り物ならこうなる事もなく筈だったんだがな……」

 

雄助

(そんな習慣があったとは、【全知】を使わなかった事が仇になってしまいました……

いいえ、そもそもレクシアさんに渡した物が先程倒した魔物が落としたドロップアイテムを渡そうと考えた僕が悪いですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

…………そろそろ動いた方がいいでしょう。)

 

 

アーノルドがブチギレて自分の行いを反省する中、雄助はレクシア達の前で姿を消した。

 

雄助

「!?何処に行った!!!我の前で堂々とレクシアに手を出す宣言した挙げ句、逃げやがって!!!!

オーウェンッ!!!!!奴の首を取りに行ってこい!!!!!」

 

 

 

 

 

「ガッ!!!」

 

 

アーノルドがオーウェンに雄助の首を斬り落とす事を命じると同時に、天井から黒ずくめの男達が体を縛られたまま落ちてきた。

 

オーウェン

「陛下お下がりください!!

貴様等、一体何者だ!!!」

 

オーウェンは直ぐ様、剣を抜き黒ずくめの男達を警戒する。

 

 

 

 

 

 

 

雄助

「オーウェンさん、警戒する必要はありませんよ。」

 

オーウェン

「ユウスケ殿!?」

 

謁見の間からいなくなった雄助が、先程立っていた場所に戻って来た。

 

雄助

「この方々は陛下の暗殺を目論んでいました。

この方々の後始末は私がやっても宜しいでしょうか。」

 

アーノルド

「ッ!!オーウェン!!こいつらを連れてゆけ!!!」

 

アーノルドは雄助の行動に呆気になったがすぐに意識を戻して直ちにオーウェンに指示した。

 

オーウェン

「ハッ!

ユウスケ殿、レクシア様を助けるだけに事足りず、陛下を助けてくれた事を感謝する。」

 

オーウェンはアーノルドを助けてくれた雄助に頭を下げて感謝する。

 

雄助

「頭を上げて下さいオーウェンさん。

其れとあの方々の持ち物に此れを持っていました。」

 

雄助はオーウェンに黒ずくめの男達が所持していた物全て渡した。

 

オーウェン

「ッ!?こ、これは……!!!」

 

アーノルド

「オーウェン、なにか見つけたのか?」

 

オーウェンの表情が険しくなった事にアーノルドは声を掛ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オーウェン

「はい……………この者達、レイガー殿下の紋章(・・・・・・・・・)を所持しています。」

 

アーノルド

「ッ!?」

 

オーウェンの言葉を聞いたアーノルドは、目が全開する程見開き、オーウェンに1つ指示する。

 

アーノルド

「その者達全員を牢屋に入れて厳戒態勢で監視しろ。

…………我は一度部屋に戻る。」

 

オーウェン

「………ハッ。」

 

 

 

 

 

アーノルド

「ユウスケ殿、すまない。

態々王都に来てもらったというのにこう告げるのは心苦しいが、この国は今から荒れることになる。

 

 

ユウスケ殿、王都……嫌、王国の為に力を貸してもらえぬか?」

 

 

 

 

国を統べる王は、1人の少年に助けを求める。

 

 

 

 

 

 

 

 




初の1万字超えになりました。

そして今日、僕はいせれべの新巻とスピンオフを読み終えましたが新巻はカクヨムの方も読んでいたのでおおってなり、スピンオフも面白くて満足しました。

そして、ファンタジア生放送で声優が解禁されて増々アニメが楽しみになってきました。

誤字報告宜しくお願いします。



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第25話 冒険者ギルド

世界の神様様、天夜神様、ダイキ鈴23様、
キクマサ様、
お気に入り登録有難う御座います。

☆9
ファイターリュウ様、ギルド
☆3
蛮野天十郎様、

評価有難う御座います。


 

 

 

 

アーノルドと対面した雄助は力を貸して欲しいとアーノルドに頼まれた。

 

今回の騒動は第一王子、『レイガー・フォン・アルセリア』が引き起こした事だと判明し、

頼みを引き受けた雄助はレクシアの護衛に回る。

 

 

 

 

レクシア

「ユウスケ様、王都を見て回りません?」

 

だが、護衛対象のレクシアはそんな事を気にせず、王都を見て回る事を提案する。

 

ルナ

「この状況でそんな事できると思うのか?」

ルナは当然、レクシアの提案に呆れる。

 

レクシア

「いいじゃない、此処にいてもする事はないんだし寧ろ邪魔でしょう?」

 

ルナ

「邪魔かどうかを決めるのは国の兵士だ、お前じゃない。」

 

レクシア

「ならオーウェンに訊くわ。

オーウェン、ユウスケ様を王都に案内してもいいわよね。」

 

レクシアは、警護をしていたオーウェンに訊く。

 

オーウェン

「レクシア様、ルナの言う通り何故この状況で認められると思ったのですか……」

 

レクシア

「そんな変な事は言ってないじゃない。

今回の襲撃の首謀者は……お兄様だって分かったじゃない。

お兄様が犯人だと分かれば、当然周囲は警戒するわ。

お兄様だって分かってた筈よ。

そして襲撃で私達を確実に殺す筈だったわ。

でもユウスケ様が襲撃を行わせずに事態を解決しちゃったから、犯人はバレて人手が足りないし1日も経っていないから無理よね?」

 

ルナ

「まあ…」

 

雄助

「今回の首謀者、レイガー様はもう刺客を送る事ができずに捕まってしまいますので、何をしようにも部下に情報を集めようとも刺客も放つ事ができません。

仮にできたとしても、部下を利用すれば居場所が見つかりますので、僕はレクシアさんの案に賛成ですよ。」

 

レクシア

「流石ユウスケ様!!」

 

オーウェン

「納得はしましたが、レクシア様は結局外に出たいだけですよね?」

 

レクシア

「当たり前でしょ。」

 

レクシアは胸を張ってそう言う一方、オーウェンは頭を抱えた。

 

レクシア

「ユウスケ様だって街を見て回りたいでしょう。」

 

雄助

「そうですね、今回の騒動がなかったらそうするつもりでしたので。」

 

レクシア

「それじゃあ私が――」

 

ルナ

「私がユウスケをこの街に案内しよう。」

 

レクシアが自分が街を案内しようと言う途中、ルナが案内すると間に入った。

 

ルナ

「レクシアは王族だから城から簡単に離れるのはまずい。

いくら刺客が放たれる可能性が低いとはいえ、多くの兵士が警戒している城内なら安心だ。

レクシア、安心して城で留守番をしてるといい。」

 

ルナが雄助を王都に案内する事を無理矢理進んでいった。

 

レクシア

「そんなの私が許すわけないじゃない!!?

大体、貴女は私の護衛なのよ!?」

 

 

オーウェン

「なら私がユウスケ殿を王都を案内しましょう。

レクシア様は城で待機して、ルナは護衛すれば解決です。」

 

レクシア、ルナ

「却下よ(だ)!!!!!」

オーウェンの案をレクシア達は強く却下された。

 

雄助

「ではレクシアさん達も一緒に行くのはどうでしょうか?」

 

レクシア

「ユウスケ様、オーウェンはいらないわ。」

 

雄助

「オーウェンさんはレクシアさんの護衛ですのでルナさんがいてもその立場は変わりません。

不安があるなら少し離れた位置に護衛して、僕とルナさんがレクシアさんの傍で警備するのはどうでしょうか?

僕もアーノルド様から護衛を任されたので。」

 

レクシア

「………ユウスケ様が言うならいいわ。

オーウェン、本当は貴方は必要ないのだけれどユウスケ様と一緒に護衛するのを許すわ。」

 

ルナ

「ああユウスケが其処まで言ったんだ、我慢しよう。」

 

オーウェン

「………護衛の歴は俺の方が上なのに何故ルナに上から目線で言われなきゃいかんだ。」

 

雄助が出した案にレクシア達はオーウェンがいる事に不満を持ちながらもそれを受け入れたが、オーウェンはレクシア達の自分に対する冷たい態度に頭を抱えた。

 

 

 

 

 

         ***

 

 

 

 

レクシア

「ユウスケ様!!あの宝石店に行きましょう!!!」

 

ルナ

「ユウスケ、宝石店より鍛冶屋に行こう!!」

 

【ロイヤルシルク】に着換え王都に出た雄助は、レクシアとルナが雄助と一緒に王都に来れた事の嬉しさに誘われ歩いていた。

 

アルセリア市民1

「あの方……他国の御貴族様かしら?」

 

アルセリア市民2

「身なりと立ち振る舞いからきっとそうよ。」

 

アルセリア市民3

「アイツ……あんな美人2人を侍らせてやがる…!!」

 

アルセリア市民4

「チクショォォオオオ!!顔か!!金か!!両方なのか!!!!」

 

市民は雄助達の容姿の良さに目を引かせて様々な事を口にする。

すると、雄助はある建物に目に付く。

目に付けたのは、剣と盾が描かれた看板を掲げられている商人ギルドと酷似した建物だ。

 

雄助

「ルナさん、あの建物は何ですか?」

 

ルナ

「冒険者ギルドだ。

ユウスケは冒険者ギルドに興味があるのか?」

 

雄助

「冒険者ギルドというのですか。

王都に行く前に商人ギルドに登録したので目に入ったんです。

入った理由はこの国の紙幣を持っていなかったので其処でお金を稼ごうと思っただけですので。

そういえば謁見の間に着くまでオーウェンさんに【ギルド】についてお聞きした時に、冒険者ギルドの説明がありました。

魔物の素材を取引等、小遣い稼ぎの依頼を受けたりと自由らしいですね。」

 

ルナ

「ああ、もしかして入りたいのか?」

 

雄助

「はい、戦闘は得意な方なので。」

 

雄助がそう言うとレクシアとルナは苦い表情を浮かべた。

 

ルナ

「【大魔境】で暮らす人間が、戦う方が得意って何の冗談だ………」

 

レクシア

「ユウスケ様クラスで戦闘が得意って言われたら、他の人が可愛そうよ………」

 

雄助

(特典の影響が大きいですからね……そう思うのも仕方ありません。)

 

レクシア達の反応を見た雄助は、自分の圧倒的な強さは特典の影響だと雄助は自覚している。

 

ルナ

「……まあ、折角の機会だから私も冒険者ギルドに入って登録するか。」

 

レクシア

「いいわね!!!

ユウスケ様が冒険者として活躍する姿が目に浮かぶし、間近で見てみたいわ!!!!」

 

雄助

「レクシアさんも登録するのですか。」

 

ルナが登録すると、レクシアも冒険者ギルドに登録すると目を輝かせながら冒険者ギルドに足を向けた。

 

ルナ

「いや、登録するのは私とユウスケでいい。

王女としての立場からして受けるのは不味い。

そうすればユウスケと2人きりで依頼を受けられるからな!!!」

 

ルナはレクシアを冒険者にするのを否定し、自分の欲を堂々と口にした。

 

レクシア

「な!?そんなのルナもダメでしょ!!!

貴女は私の護衛なんだから!!!!」

 

ルナ

「私は四六時中お前の元にいるわけじゃない。

私だって他に稼げる手段が欲しいからな。

さあユウスケ!!!2人で一緒に冒険者になろう!!!!」

 

レクシア

「待ーちーなーさーい!!!!!」

 

そうして、雄助達は冒険者ギルドに入る。

中に入ると右側には酒場で何人もが酒を飲んでおり、正面には商人ギルドの様に受付があって、鎧や武器を装備した人達が手続きをし、左側には掲示板が置いてあり、紙が貼り出されていた。

 

雄助

「まあ、当然見られますよね。」

 

雄助達が入った瞬間、多くの人が雄助達に視線を向ける。

 

ルナ

「ユウスケこっちだ、早く登録しよう!!」

 

レクシア

「だーかーら!!!

貴女は登録しちゃダメよ!!!」

 

雄助

「もう3人で登録した方がいいのではないでしょうか?

そういえばオーウェンさんは外で待機していますが騎士が入るのは不味いのですか?」

 

オーウェンが外で待機している事を聞く。

 

ルナ

「ああ、冒険者と騎士は在り方が真逆だ。

規律を守る騎士と自由を求める冒険者、この言葉だけで相容れないのが分かるだろ。」

 

雄助

「理念が一致しないのと同じようなものなのですね。」

 

そう会話をし続けいった結果、登録するのは雄助とルナと枠に収まったが、レクシアは納得出来ずに頬を膨らましていた。

 

雄助

「冒険者ギルドの登録をしにきました。」

 

受付嬢

「………………」

 

雄助

「すみません、どうかしましたか?」

 

雄助は受付嬢にもう一度声を掛ける。

 

受付嬢

「え!?は、はい!!登録ですね!!!

登録される方は………」

 

ルナ

「2人だ。」

 

受付嬢

「分かりました。

では此方の用紙に必要事項を記入して下さい。」

 

商人ギルドの登録と同じ様に紙を出す。

 

雄助

「すみません、テイムした魔物の登録はどうすればいいのでしょうか?」

 

受付嬢

「魔物をテイムした方だけ登録するので大丈夫です。」

 

雄助

「分かりました。」

 

雄助は渡された用紙書かれている、使う武器と扱える魔法の属性を記入した。

 

雄助

「項目に【保有魔力量】があるのですが、どうすればいいのでしょうか?」

 

受付嬢

「そこの欄お二人の魔力を記入する欄になります。

依頼の中には魔力量が多い方が推奨されるモノがあります。

そして魔力量を測る際は、此方の【魔力水晶】を使って測定させていただきます。」

 

受付嬢は近くにおいてある水晶を指して説明する。

 

雄助

「ステータスの魔力数値では駄目なのでしょうか?」

 

受付嬢

「それはオススメできません。

冒険者は基本的に手の内は隠すものです。

水晶に手を置いて、其処から現れた色で魔力量の多さを測る魔導具で詳細な数値を隠します。」

 

ルナ

「まずは私からだ。」

 

ルナは【魔力水晶】に手を置くと黄色に光った。

 

受付嬢

「黄色ですね。」

 

ルナ

「私は魔法が得意ではないから当然だな。」

 

雄助

「次は僕ですね。」

 

ルナ

(ユウスケの魔力量は気になるな……)

 

雄助はルナと同じ様に【魔力水晶】に手を置くと、

 

 

 

水晶が綺麗に砕け散り出した。

 

 

 

 

 

 

全員

「…………………」

 

余りの衝撃的な場面に沈黙が起きる。

 

雄助

「すみません、直ぐに【魔力水晶】を元に戻します。」

 

雄助はそう言うと、砕け散った【魔力水晶】はTVの巻き戻しの様に元通りになる。

 

全員

「!?」

 

当然、その場にいたレクシアと近くで見ていた冒険者達は驚きを隠せなかった。

 

雄助

「修復完了しました。

ルナさん、【魔力水晶】が正常に稼働できるか確認したいのでもう一度手を置いてくれませんか。」

 

ルナ

「あ、ああ……」

 

ルナは言う通りに手を置くと、【魔力水晶】は先程と同じ様に黄色に光った。

 

雄助

「問題ないようですね、すみません【魔力水晶】を誤って壊してしまって。」

 

受付嬢

「い、いえ大丈夫ですよ、意図的にやった事ではないようなので………

それにしても水晶を割る方なんて初めて見ました。

【魔力水晶】を割る程の魔力量をお持ちな上に、瞬時に元通りにするスキルを持っているなんて………」

 

ルナ

「ユウスケだから普通に終わらないとは思ってはいたが……流石に此れは予想外だ。」

 

レクシア

「凄いわユウスケ様!!!

伝説のエルフでもなければ割ることができない【魔力水晶】を割っちゃうなんて!!!!」

 

ルナ

「そうだな……よし、書き終わったぞ。」

 

雄助

「僕も書き終わりました。」

 

ルナと雄助は丁度用紙をの記入を書き終え、受付嬢に手渡した。

 

受付嬢

「ルナ様ですね、記入自体は問題ありません。

ですが1つ確認しておきたいのですが、使用武器の項目に【糸】と書かれていますがそれ以外になにか使えるものはありますか?」

 

ルナ

「【糸】だと何か問題なのか?」

 

受付嬢

「いえ、記入自体は問題ないのですが、【糸】という武器そのものが珍しいので、ルナ様に依頼を指名する際に適正の確認が難しいのです。」

 

ルナ

「成程…生憎だが私は【糸】以外は然程の武器は使えん。

強いて言えば、格闘と短剣くらいだろうがそれでも【糸】は応用が聞くぞ。

指名依頼だろうが何だろうが、大きなミスはしないだろう。

それに、指名依頼だからといって必ず受けなければいけないというルールもないだろう?」

 

雄助

(闇ギルドで【首狩り】として生きてきたルナさんが大きなミスをしないと言いますと凄い説得力がありますね……)

 

雄助はルナの言葉を聞いてそう思った。

 

受付嬢

「そうですね…勿論、緊急性の高い依頼であったり、国の存亡に関わる依頼だった場合は、お断りするのは難しいですが…………」

 

ルナ

「其れはもう断るや断らないとかそういう次元の話じゃないだろ……

まあ、手に余るようならば私は受けずに断るさ。」

 

受付嬢

「畏まりました、それでは進めさせていただきますね。」

 

受付嬢はルナの用紙を置き、雄助の用紙を受け取る。

 

受付嬢

「ユウスケ様ですね………………ええええ!!?」

 

用紙を読み始めた受付嬢は突然大声を上げる。

 

レクシア

「ど、どうしたのよ!!!!」

 

受付嬢

「……………ぜ。」

 

ルナ

「ぜ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

受付嬢

全属性(・・・)が使えるんですか!!!!?」

 

雄助

「はい、記入内容通りに扱える魔法の属性を記入しましたが何か問題でも?」

 

受付嬢

「問題って………

全属性なんて【賢者】でないと有り得ない事何ですよ!!!」

 

雄助

(やはり全属性を扱えるのは賢者さんだけでしたか。

ですが依頼の為には目立たなくてはいけません。

殺害対象の転生者達は何故か目立ちたがりが多いので、此方も同じようにやれば同じ転生者だと気付いて寄って来てほしいので仕方がありません。

…まあ、転生者の殺害の件は一応解決しましたので、神様がそろそろ対策を練らない限りその心配はありませんが………)

 

雄助は転生者を引き寄せる要因として、全属性と記入した。

 

ルナ

「無属性魔法や生活魔法以外の属性もそもそも使うのに才能が必要なのに全属性なんて………」

 

レクシア

「やっぱり凄いわユウスケ様!!!」

 

受付嬢

「あ、すみません取り乱してしまいました。

魔法の方は此方で大丈夫です。

………いえ、大丈夫ではないのですがこればかりは自己広告なので…………えええ!!?

武器も全て使えるんですか!!!!?」

 

我に返った受付嬢は再度、用紙の記入欄を確認するも扱える武器を先程と同じ様に声を上げた。

 そして、暫くすると受付嬢は雄助とルナに商人ギルドと同じ様にギルドカードが渡される。

 

受付嬢

「此方がユウスケ様とルナ様のギルドカードです。

登録したばかりのユウスケ様とルナ様は、1番下のランク、【F級】からのスタートとなります。

 【F級】の方が受けられる依頼は、同じ【F級】の依頼か1つ上のランク、【E級】のみとなっております。

またランクの昇格に関してですが、以来の達成状況やギルド内での態度等も含め、ギルド審査のもと昇格となりますので、明確な数字等は御座いません。」

 

雄助、ルナ

(闇ギルドと同じか(商人ギルドとほぼ同じ内容ですね)……)

 

雄助は商人ギルド、ルナは闇ギルドと内容が同じだと心の中でそう思った。

 

受付嬢

「ここまでで何か質問はありますか?」

 

雄助

「必ず受けなければいけない規定はありますか?」

 

受付嬢

「いえ、人によっては身分証になるギルドカードを手に入れる為に冒険者ギルドを登録する方もいらっしゃいますので、依頼を受けるかどうかは御本人の判断に御任せしております。」

 

雄助

「分かりました。」

 

受付嬢

「続いて依頼の説明です。

採取系の依頼は記載された数量分を採取して頂きますが数量分より多く採取した場合、追加報酬が貰えます。

ただし、群生地等を発見した場合、全て採取しないよう注意して下さい。

全て採取してしまうとその植物が生えなくなる可能性があります。

最後になりますが、ギルドは基本的に冒険者同士の争いに干渉致しませんのでその事を十分に御注意下さい。」

 

雄助

「分かりました、ギルドの御説明を有難う御座います。」

 

最後までギルドのルールを聞いた雄助は、受付嬢にお辞儀する。

 

受付嬢→エミリア

「申し遅れましたが、私はエミリアと申します。

長々と説明いたしましたが、我々はユウスケ様とルナ様を歓迎致しますので、これから宜しくお願いします。」

 

受付嬢、エミリアは自分の名前を名乗りユウスケ達を冒険者として笑顔で出迎えた。

 

ルナ

「これで私達は冒険者になったがどうする?」

 

レクシア

「勿論!!依頼を受けるに決まってるじゃない!!!!」

 

雄助

「レクシアさんは登録されていないので、オーウェンさんの所に戻っては?」

 

レクシア

「嫌よ!!私もユウスケ様と一緒に依頼をこなしたいわ!!!」

 

ルナ

「お前は登録してないから無理だ、やめておけ。」

 

レクシア

「いいじゃない!気分だけも冒険者にさせなさい!!!」

 

雄助

(一国の王女が冒険者をやるのは何かと不味いと思うのですが……)

 

受付から離れてこれからどうするかを話し合うと、冒険者として依頼を受けると決め、掲示板の方に向かった。

掲示板には様々な依頼が張り出されているがその殆どは雄助達には受けられないランクだった。

 

レクシア

「凄いわね……冒険者ギルドには毎日これだけの依頼が来てるのね。」

 

ルナ

「そうだな、闇ギルドの時は指名依頼と同じだからこうして張り出されて自由に依頼を選べるのは新鮮な気分だ。」

 

そうやり取りをしながら掲示板を見ていると、

 

 

 

 

 

「そこのお兄さん、ちょっといいかしら?」

 

後ろから声をかけられた。

雄助達は振り返ると、顔を赤らめ魔女の格好をした女性がその場に立っていた。

 

ルナ

「何だ私達に何か用か?」

 

ルナは警戒しながら言葉を返す。

 

女性

「もぅ〜そんなに警戒しないで頂戴//

いい男がいたから声を掛けただけよ//」

 

レクシア

「だ、駄目よ!!!

ユウスケ様は私のなんだから!!!!」

 

ルナ

「ユウスケはお前のじゃないだろ。」

 

雄助

(この人、相当酔っていますね。)

 

雄助は女性の反応から見るに泥酔していると事に気付く。

すると女性は、雄助の方に近付いてきた。

 

女性

「〜!!!見れば見る程イイ男じゃない!!!//

ねぇ、私とイイコトしない?//」

 

レクシア、ルナ

「なっ!!!?」

 

女性は雄助の体をすかざす触りながら誘い出した。

 

レクシア

「ちょっと貴女、ユウスケ様から離れなさいよ!!!」

 

ルナ

「誰だか知らないが、少し酒を飲み過ぎではないか?」

 

レクシア達は女性を追い払い、警戒する。

 

女性

「えーいいじゃない別にー//

そう拒絶されるとお姉さん悲しいわ//

でも御免なさいね、私も冒険者だから強そうな人がいればお近づきになりたいと思うわけよ//」

 

雄助

「強そうな人、僕達がですか?」

 

女性

「そうよ、さっき受付でのやり取りを見てたわよ//

お兄さんと貴女も凄いみたいじゃない?//

そんな人と繋がりができれば、何か役立つ時が来るかも知れないじゃない//」

 

雄助

「確かに……

ここであったのも何かの縁ですし自己紹介させて頂きます。

僕はユウスケ・シンジョウと言います。

此れでも15歳なので酒は飲めません。

そして此方の女性はレクシアさんとルナさんです」

 

女性

「ええ、そうなの!?

…でも覚えたわ、ユウスケ君ね。

私の名前はグレナよ、また機会が会ったら一緒に依頼を受けましょう。」

 

雄助に話しかけた女性、グレナは自分の名を名乗り、その場を去った。

 

雄助

「それでは依頼を受けましょう。

レクシアさんでもできる依頼は……これですね。」

 

 

 

 

         ***

 

 

 

 

 

雄助

「………気持ちのいい風ですね。」

 

ルナ

「そうだな……昔の私ならこんな事に楽しむが無かったからな。」

 

雄助は薬草採取の依頼を受け、採取できる森に来ていた。

この時レクシアは、何故魔物の討伐依頼ではないのかと聞かれたがレクシアでもできる依頼がこれだった事とレクシアの身の心配が理由だったからだ。

雄助はレクシアを討伐依頼に参加させるのは反対だったのでそれを納得させる為にオーウェンに話すと、当然拒否された為、レクシアは仕方なくこれを受ける事にした。

 

レクシア

「薬草を採取する依頼なのは分かったけれど、どういうのを取ればいいのかしら」

 

雄助

「これを採取すればいいんです。」

 

雄助は地面から生えている草を根ごと抜き取る。

 

 

 

 

【ヒール草】

この世界では、【薬草】と呼ばれている植物。

主に回復薬の材料として扱われる。

そのまますり潰しても使えて、掠り傷等に効果がある。

採取の際は、根を傷つけないようにしながら抜くと効果が高い。

 

雄助

「皆さん、此れが【ヒール草】の様です。

できるだけ根を傷つけないよう採取して下さい。」

 

ユグル

「ワン!」

 

シンラ

「ブヒ!」

 

ユグルとシンラは【ヒール草】の匂いを嗅ぎ、レクシア達より先に採取し始める。

 

レクシア

「薬草ってそうやって採取してたのね!」

 

ルナ

「それにしてもユウスケは採取が丁寧だな。」

 

雄助

「雑草を抜くのをよくやっているので。」

 

レクシア

「それじゃあ沢山採取してくるわ!!!!」

 

ルナ

「おい、エミリアの話を忘れたのか?

採取しすぎるも良くないと言ってただろ。」

 

レクシアが行こうする中、ルナがそれを止め採取しすぎない事を注意する。

 

レクシア

「分かってるわ!

でも、ただ採取するだけじゃつまらないわね………

そうだ!!ルナ、私と勝負しましょう!!!」

 

ルナ

「は?何言ってるんだ?」

 

突然の提案にルナは呆ける。

 

レクシア

「勝った方はユウスケ様を1日独占できる権利が与えられるわ!!!

因みに審判はユウスケ様ね、それじゃあ勝負開始!!!!!」

 

そう言ってレクシアは走り出した。

 

ルナ

「待てレクシア!!

………ユウスケ、私はレクシアの方に行くから、依頼の数だけ採ったら此方に来てくれ。」

 

雄助

「分かりました。」

 

ルナ

「………その条件でいきなりスタートなんてズルいだろ。」

 

ルナは頬が赤くなっている事を雄助に見られないようレクシアの後を追いかける。

 

雄助

「ズルい?

なぜあの条件が出されてそう思うのでしょうか?

勝手に話が進んでしましたが、まあ良いでしょう。」

 

雄助はルナの小声をハッキリと聞こえていたが、その意味が分からなかった為気にせず【ヒール草】の採取を始めた。

 

 

 

       *** 

 

 

 

ユグル

「ワン!」

 

ヒール草の採取を始めてから30秒後、ユグルが採取してきたであろう草を頭上に浮かして此方に戻ってきた。

 

雄助

「ユグル君おしいです。

残念ですがこれは【ヒール草】ではありません。」

 

 

 

 

 

 

【マジックヒール草】

薬草に似た植物。

但し、これは傷を癒やすのではなく、魔力を回復させる効果がある。

主に魔力回復薬の材料として扱われる。

そのまま葉を口に含んでも、超微量ながらも魔力が回復する。

採取方法は薬草と同じ。

 

 

 

ユグル

「くぅん……」

 

雄助

「落ち込まなくてもいいですよ。

【マジックヒール草】は【ヒール草】と酷似していますのでしょうがないですよ。」

 

シンラ

「ブヒ!!ブヒブヒブヒィィ!!!!」

 

今度はシンラがユグルと同じ様に採取した草を浮かしてこちらに戻ってきた。

 

雄助

「………………………」

 

シンラ

「フゴ!!!」

 

シンラが胸を張りながらドヤ顔をするが、雄助は表情からは出す事はないが、内心どう反応すればいいのか困っていた。

 

 

何故なら、

 

 

 

 

 

 

 

 

【イチコロ草】

絶対に食べてはいけない植物。

一度でも採取したら最後、一瞬であの世に逝ってしまう。

毒耐性や毒無効のスキルがあれば話は別だが、それでも好き好んで食べる者はいないだろう。

但し、適切な手順と材料で調合すれば、【毒消し草】へと変わる。

採取する際は葉だけでいい。

 

 

 

 

 

 

毒草だからだ。

【ヒール草】を含めた植物は緑と通常の色をしているというのに【イチコロ草】の色は紫と目立った色をシンラは採取してきた。

 

 

 

雄助

「シンラ君、残念ですけれど【ヒール草】の採取はやめて下さい。」

 

シンラ

「ブヒィ……」

 

その言葉を聞いたシンラはユグル以上に落ち込む。

 

雄助

(やはりシンラ君は猪ですね……

猪は青や青緑、紫等を一部明瞭に選別できませんので、恐らく白黒の中で唯一色があった事とシンラ君の判断で採取してしまったのでしょう。)

 

雄助

「ですが落ち込む事はありません。

誰にでも不得意な事があるものですから、此方は十分採れました。

ユグル君、シンラ君、よく頑張りましたね。」

 

ユグル

「ワン!」

 

シンラ

「フゴ!」

 

落ち込んだ2匹を雄助は頑張って採取してきた事を褒められ元気を取り戻す。

 

雄助

「依頼の数だけ採りましたし、レクシアさん達の所に行きましょう。」

 

雄助はレクシア達の所に行こうとする直前、

 

レクシア

「ユウスケ様ー!!!!!!」

 

ルナ

「おいレクシア、あんまりはしゃぐな!!!!」

 

レクシア達が自分からこちらに戻ってきた。

しかし何故かレクシアは泥まみれなっており、ルナは疲労していた。

 

ルナ

「コイツ本当に王族なのか?

お淑やかさが全く無いぞ。」

 

レクシア

「失礼ね、王族としての公務も果たしてる上に礼儀作法は完璧よ!!!

それにこの泥は冒険者としての礼儀じゃないの!!!」

 

雄助

「多分ですけれどレクシアさんの中の冒険者像は間違っていますよ。」

 

ルナ

「オーウェンが見たら怒られるぞ……

それはそうとユウスケこの勝負どっちが勝ちだ?」

 

レクシア

「当然私よ!!!

ルナよりもいっぱい取ってきたんだから!!!!」

 

レクシア達は勝負の結果を雄助に聞くが、

 

 

 

雄助

「引き分けです。」

 

結果は引き分けだった。

 

 

 

レクシア

「ええええ!!?

私こんなにいっぱい採ってきたのよ!!!」

 

雄助

「確かにレクシアさんは沢山採ってきましたが、その殆どが【マジックヒール草】なんです。

ルナさんは採ってきた数こそは少ないですが全て【ヒール草】です。

勝者がいないので僕を1日独占できる権利は無しに収まります。」

 

レクシア

「そんなー!!!!!!!」

 

ルナ

「クッ、レクシアが相手ならこれで問題ないと考えたが浅はかだったか……」

 

 

ルナ

(まあ、レクシアに1日独占されるよりマシだがら良かった……)

 

勝負は曖昧になったが全員怪我する事無く終えた。

 

 

 

 

 

因みに、泥まみれのレクシアを見たオーウェンは驚き、こうなった理由を聞き、物凄く注意された。

 

 






読者の皆様、明けましておめでとう御座います!!!!!

今年は兎年、いせれべでのウサギ師匠にとなると来年は……

まあ、此処では言いませんが今年も宜しくお願いします!!!!!





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第26話 謎の襲撃者と解決からの褒賞

カッリン様、メルカバ様、Frisk329様、
マシュトマト様、さはら、様、デン様、

☆9
エンダー・ニル様、

お気に入り登録、評価有難う御座います。


 

 

 

 

薬草採取の依頼を終えた雄助達は王城に戻ってきた。

だが、中にいた兵士達が慌ただしさを出していた。

 

オーウェン

「何かあったのか?」

 

オーウェンは近くにいた兵士に声を掛け、兵士はオーウェンに耳打ちをする。

 

兵士1

「…………殿下の居場所が判明しました。」

 

オーウェン

「………そうか。

ユウスケ殿、宜しければお力を貸しては頂けないだろうか?」

 

オーウェンは雄助にレイガーを捕える為に手を貸す事を頼んだ。

 

雄助

「レイガー様の居場所が見つかったからといって用心棒がいないと限りませんからね。

分かりました、このユウスケ・シンジョウ微力ながら皆さんの力になりましょう。」

 

オーウェン

「かたじけない、ユウスケ殿。」

 

 

 

 

 

 

 

レクシア

「ユウスケ様は微力ながらって言ってるけど十分な強さよね…」

 

ルナ

「何でユウスケはあんなに自己評価が低いんだろうな…」

 

レクシアとルナは、雄助の言った言葉に疑問を持った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雄助

あのヒト(・・・・)に比べればまだまだなんですよ………)

 

 

 

 

 

 

 

         ***

 

 

 

 

 

雄助

「……ここにレイガー様が居るんですね。」

 

 

レイガーを居場所を突き止めた為、想定外な自体で巻き込まれないようレクシアは城に戻り、ルナは護衛として留守にし、雄助とユグル、シンラは王都の外れにある小さな家に着いた。

 

兵士2

「我々は知りませんでしたが、陛下が殿下の為に用意した館のようです。

殿下は隔離されていた様で私達もこの場所に建てられていた事を初めて知ったのですが、陛下がもし殿下が居るとすればここ以外ないだろうと仰り、調べた結果、陛下の言う通りここに殿下が身を潜めていました。」

 

雄助

「市民でもない僕がそのような事を知っても宜しいのでしょうか?」

 

アルセリア王国の市民でもない自分がその事を知ってもいいのか兵士に聞いた。

 

兵士2

「本来ならありえません。

事態が事態な上、陛下がユウスケ様に助けを求めたので問題ないと思います。

我々でさえ知る事もなかったわけですしね……」

 

一軒家に入って兵士の説明を聞いていると兵士達が質の高い服を纏い仮面を被った男性、レイガーに対して取り囲んでいた。

 

兵士3

「殿下、大人しく投降して下さい。」

 

レイガー

「黙れッッ!!!!!この俺を誰だと思っているッ!!!!」

 

兵士達はレイガーを囲んで追い詰めていたが、ナイフを振り回している為、中々近づけない状態だった。

 

 

 

レイガー

「これ以上俺に近づくなら……ここで死んで……ッ!?」

 

レイガーが手に持っているナイフを自分に向けて刺そうとした直前、レイガーの隣から顔と同じ大きさの魔法陣から出てきた鎖によって腕が縛られ、レイガーの死を回避した。

 

オーウェン

「…ハッ!お前達、殿下を捕らえろ!!」

 

オーウェンは、直ぐ様部下にレイガーに拘束する事を命じる。

 

レイガー

「ッ!放せ!!俺が誰だか分かっているのか!!!」

 

オーウェン

「殿下、陛下の命令なので諦めて……」

 

 

 

 

雄助

(……ようやく此方に来ましたね。)

 

ユグル

「ッ!?ウォン!!!」

 

雄助はユグルより先に何か此方に飛来してくる事に気付く。

 

兵士達

「ぐああああっ!!!」

 

レイガー

「おおお、来たか!!!」

 

窓を突き破りそれが床に衝突すると凄まじい衝撃が周囲に広がった。

兵士達は壁に吹き飛ばされるが、雄助が兵士に一人ひとりに魔力防壁を貼った為、全員意識を保った。

 

レイガー

「待っていたぞ!!!」

 

この状況の中、レイガーは待ちわびたからか喜んでいた。

割れた窓から侵入してきたのは、白い肌や髪、神秘的な灰色の目が特徴の人形の様に容姿が整えられた綺麗な少女だった。

 

少女

「状況確認……完了。

オマエ、失敗。

だから、オマエに用はない。」

 

オーウェン

「貴様ッ、一体何者だッ!!!」

 

オーウェンは少女に問うが、少女は無視してレイガーに対して言葉を続ける。

 

レイガー

「ッ何だと!?

貴様、俺を見捨てると言うのか!!!!

元はといえば貴様ら闇ギルドの連中が弱いからこのような自体になったんだぞ!!!!!」

 

レイガーは少女の言葉を聞いて怒鳴りだす。

 

少女

「否定。単純に、オマエの計画不足。

そして運のなさ。それだけ。」

 

レイガー

「何だと!!?

お前は俺を王に即位させる事で高い地位を約束された筈だ!!!」

 

少女

「虚偽。オマエを動かす為のウソ。

本当の計画。オマエをこの国の王にする事で、傀儡として使うつもりだった。

そして、多方面に戦争を仕掛け、大勢の人間を殺し合わせようと思った。」

 

レイガー

「な……………俺を利用していたのか……!」

 

少女の計画を聞いたレイガーは、自分が利用されていた事を言われ膝をつく。

 

少女

「結果、失敗。そして不要。

オマエは、私の駒として不十分。

死ね。」

 

レイガー

「く、来るなあぁぁぁ!!!」

 

少女はそう言うとナイフを取り出してレイガーに襲いかかる。

 

オーウェン

「殿下ッ!」

 

オーウェン達は、直ぐ様少女に攻撃を仕掛ける。

オーウェンは兵士より先に動き、無防備になっている少女の背中に剣を振り下ろす。

 

 

 

オーウェン

「なっ……ぐっ!」

 

だが、割れた窓から何かが飛来し、それがオーウェンの剣に直撃して軌道を逸らされた。

 

シンラ

「ふご〜」

 

シンラは飛来してきた物を口に咥えて持ってきた。

 

口に咥えていたのは、()だった。

 

オーウェン

「ッ!ユウスケ殿!

此処から矢を放つ協力者がいるからもしれない!!!

何とか見つけ出してくれ!!!!」

 

オーウェンは自分の剣に直撃したのが矢だと気付くと、直ぐ様雄助に、外から矢を放つ襲撃者を探す事を頼んだ。

 

 

 

 

 

 

雄助

「オーウェンさん、先程調べましたがその人の仲間と思いし人はいませんでした。

先程矢を放ったのは、その人です。」

 

少女

「肯定。ソイツの言う通り。

私一人。今までの攻撃、全て。」

 

少女は雄助の答えに頷いた。

 

オーウェン

「バカなッ!!そんな事ありえません!!!!」

 

オーウェンが雄助の言った事が余りにも非現実的だった為、少女に攻撃を仕掛ける。

 

少女

「右足からの踏み込み。

左からの薙ぎ払い。」

 

少女はそう口にすると、オーウェンは右足を踏みこんでから左からの剣を薙ぎ払いと言う通りに動いた。

そして、その行動を阻害するかの如く再び窓から矢が飛来して剣の軌道をまた逸した。

 

オーウェン

「貴様ッ……一体何者だ、何が目的だ!!!!」

 

オーウェンは少女の企みを聞き出そうとする。

 

少女

「目的。そもそも今の私は、この男に興味はない。

何故。この場で全員始末するから。」

 

オーウェン

「何!?」

 

少女

「最終目標。人類全てを殺す。

その対象であるオマエたちの死が早くなるだけ。」

 

オーウェンは少女の言葉に頭がついてこれず放心状態になってしまった。

 

少女

「そして、この瞬間に全ての矢が揃うように、遊ばせておいた。

逃げ場はない。さようなら。」

 

少女はこの家に大量の矢が段々と近づいて来ている事を最後に教え、何人もの兵士が死を悟った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、誰一人として死ぬ事はなかった。

 

 

 

 

少女

「ッ!」

 

少女は困惑した。

自分の見た未来はこの場にいる全員が死んでいたのが無かった事になったのが。

少女は窓の方を見ると家の周りに大地が湧き上がり、それが防壁としての役割となっていた。

 

雄助

「予想通りでしたね。

貴女はオーウェンさん達だけの動きを予測して矢を放ったようですね。」

 

雄助は少女の能力が未来予測だと気付いた。

 

少女

「……疑問。お前が、ユウスケ?」

 

雄助

「はい、では此方も質問させて頂きます。

 

 

 

 

 

 

ウサギ師匠にお会いしましたか(・・・・・・・・・・・・・・)?」

 

少女の質問に答えた雄助は、自分も少女に対して質問する。

 

少女

「肯定。ウサギ、オマエの名前を口にした。

幸運。ユウスケに遭遇。だが、残念。

予想外の結果……」

 

 

少女は質問に答え、顔を歪ませると

 

 

 

 

 

いつの間にか森に居た(・・・・・・・・・・)

 

 

 

少女

「!?」

 

少女は自分が森に転移された事に気付く前に、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雄助が少女の後ろから攻撃を仕掛ける。

 

 

 

 

 

 

 

         ***

 

 

 

 

 

 

 

 

雄助

(3km先の東にある森に転移された様ですね。)

 

少女が森に転移された10^-3垓乗秒後、

雄助達は少女の居場所を瞬時に突き止め、ユグル達と共に少女の方に駆け抜ける。

ユグル達より先に辿り着いた雄助は、少女に攻撃を仕掛ける

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、いつの間にかレイガーの隠れ家の中に戻っていた。

 

 

 

ユグル

「ワフゥ!!?」

 

シンラ

「ブヒィ!!?」

 

ユグルとシンラも驚愕する。

自分達も雄助と共にこの家から出て少女を追った。

雄助が先について遅れたがに何とか森に着いたのをハッキリと覚えていた。

それなのに何故自分達は家の中にいるのか到底理解できなかった。

 

雄助

「オーウェンさん、追跡は諦めましょう。」

 

オーウェン

「何故だッ!!

ユウスケ殿程の実力なら捕まえられる筈!!!」

 

雄助は追跡を止める事を言われたオーウェンは雄助なら捕まえられると言った。

 

雄助

「既に居場所は突き止めて行ったのですが瞬時に此処に転移されました。

どうやら第三者がこの状況に介入したようです。

この辺り全体を確認しましたがそのような人影はありません。

それに本来はレイガー様を捕らえるのが目的です。」

 

オーウェン

「新たな刺客というわけか……

殿下を捕らえられたから陛下の所に戻ろう。」

 

レイガーを身柄を確保し、雄助達は城に戻る。

 

 

 

 

 

雄助

(あの人はこの世界にとって重要な人物だからなのか此処で捕まえるのは駄目という事でしょうか。)

 

雄助は、少女が逃げた方向を見てそう考えていると、画面が表示された。

 

 

 

 

 

【一週間後、奴と戦ってもらうぞ。】

 

 

 

 

 

 

 

 

         ***

 

 

 

 

 

レクシア、ルナ

「ユウスケ(様)、大丈夫だったの(か)!?」

 

レイガーを捕らえ王城に戻った雄助は、客室にいるレクシアとルナに今回の騒動を話すと自分の身を心配された。

 

ルナ

「それにしてもユウスケは本当に出鱈目だな。

襲撃したヤツの行動を読み切ってた上に、転移した場所に直ぐ駆けつけたんだろ。」

 

雄助

「第三者の介入で捕らえられませんでしたが。」

 

レクシア

「でもユウスケ様が無事で良かったわ!!」

 

雄助

「僕の心配をしてくれて有難う御座います。

ですが、今は慌ただしていますので気をしっかりと持ってください。」

 

雄助達は何気なく会話しているが、城内は雄助の言う通り慌ただしかった。

レクシアとアーノルドの件で警戒態勢が一層強まる上に、レイガーの処遇を決める話し合いが始まろうとしているからだ。

 

レクシア

「襲撃者も気になるけれどお兄様がまた何か企んでいるか心配だわ…」

 

雄助

「大丈夫ですよレクシアさん。

レイガー様はもう何もすることができません。」

 

ルナ

「どうしてそんな事が言えるんだ?」

 

雄助

「レイガー様は謁見の間でアーノルド様とレクシアさんが暗殺する所までしか想定していませんでした。

それが原因で現状囚えらえているんです。

仮に【闇ギルド】全勢力を動かしても僕が全員仕留めてしまうので詰んでいるんです。」

 

ルナ

(……【大魔境】でユウスケに出会わなかったら私も仕留められてたか。)

 

ルナはもし自分が雄助と出会わなかった事を想像した。

 

 

 

オーウェン

「失礼します。」

 

すると、オーウェンが客室に入ってきた。

 

オーウェン

「ユウスケ殿、陛下が殿下の処遇を決める為に参加してほしいと仰っていたのだがいいだろうか?」

 

雄助

「はい、これだけ皆様が慌てているならできる限り力になります。」

 

オーウェン

「有難う、ユウスケ殿。」

 

レクシア

「…………」

 

レクシアは、その事を聞いて先程まで明るかった表情が一気に暗くなった。

 

 

 

 

 

 

 

         ***

 

 

 

 

 

 

雄助達は謁見の間に辿り着く。

謁見の間には玉座に座るアーノルドと、高品質な服を着た貴族と思わしき者達が立っていた。

 

兵士4

「陛下、殿下をお連れしました。」

 

アーノルド

「…分かった、ここに通せ。」

 

兵士4

「はっ!」

 

兵士は捕らえたレイガーを謁見の間に連れてきた。

 

ルナ

「ッ!?」

 

ルナはレイガーを見て思わず目を見張り、アーノルドは少し眉を動かしレクシアは悲しい表情を浮かべた。

何故なら、

 

 

 

 

 

レイガーの顔が焼け爛れていたからだ。

 

 

 

顔だけではなく、服の間から見える腕や足等レイガーの半身が大火傷の跡があった。

 

アーノルド

「……何か申し聞きはあるかレイガー?」

 

レイガー

「…申し聞き?」

 

アーノルドの言葉にレイガーは不愉快そうに顔を歪めた。

 

レイガー

「私の…私の姿を見て申し聞きと申しますか!!!」

 

アーノルド

「………」

 

レイガー

「何故目を逸らすのですか?

貴方の息子に対して失礼じゃないですか。」

 

レクシア

「お兄様……」

 

レイガー

「レクシア……ッ!!」

 

レクシアがレイガーに声を掛けるとレイガーは怒りや憎しみが混ざった表情をする。

 

レイガー

「何だレクシア……俺に対して同情するのか?

お前のせいでこうなったというのに(・・・・・・・・・・・・・・・・)!!

 

ルナ

「なっ!?」

 

レクシア

「……」

 

ルナはレイガーの傷がレクシアが原因だと驚く。

 

レイガー

「このなったのも全てお前のせいだ!!!

お前の魔力暴走に巻き込まれて俺はこんな姿になった!!!」

 

アーノルド

「だが、お前の傷は確かに治ったぞ!!!」

 

レイガー

「ええ、治りましたよ。傷一つない綺麗な体に。

ですがレクシアの膨大な魔力に浴びたせいでこのザマです!!!!

破壊の奔流が晒されたような感覚がずっと抜けないんだ!!!

回復術師によれば、レクシアの魔力が体に入った事が原因だと!!!

そのせいか俺は周囲の物を壊したいと破壊衝動が起きてるんです!!!!

そしてその衝動は俺自身にも向けられ、今の俺は自分の体を壊してようやく破壊衝動が抑えられたんです!!!

レクシア……お前のせいだ………お前さえいなければ………!!!!」

 

レイガーは自分の体について教えた。

 

アーノルド

「レイガー……」

 

レイガー

「何です父上?

俺を見捨てた貴方が何か言いますか!!!」

 

アーノルド

「違う!

確かにあの一件以降、お前が可笑しくなったのは知っている!

だが呪いといえるお前の惨状に我々はどうする事もできなかった……」

 

レイガー

「その結果が隔離ですからね!!!

第一王子が狂ったなんて知られれば外聞が悪いですからね!!!

貴方の庇っているレクシアは俺の全てを奪った!!

俺には何の救いもない!!!!

この傷を癒やしてほしい!!!

それが無理なら殺してくれ!!!!」

 

レイガーは自分を助けなかったアーノルドと自分のこんな目に合わせたレクシアに自分の苦しみをぶつけ、涙を流す。

 

2人も、此処にいる全員が生き地獄を味わうレイガーを助けたい。

でも、自分達にはどうすることもできない。

レイガーを殺すしか決断がなかった。

 

 

 

 

 

 

 

雄助

「いいえ、救いはありますよ。」

 

そんな苦しむレイガーに救いの手が手を差し伸べられる。

 

 

 

 

雄助

「初めましてレイガー様、私はユウスケ・シンジョウ。

レイガー様、貴方の苦しんできた悩みの種であるその傷を僕は治す事ができます。」

 

アーノルド

「何だとッ!?」

 

雄助の言葉を聞いたアーノルドと含めたここにいる全員がは食いつく。

 

レイガー

「レクシアの魔力が原因で治す事は無理だったんだぞ。

お前はこの傷を治せるというのか!!!」

 

雄助

「はい、これを飲めば貴方の傷を治し破壊衝動をなくす事ができます。」

 

雄助は亜空間から【完治草のジュース】を取り出した。

 

ルナ

「それは…私の傷を治した回復薬!!!」

 

雄助

「この【完治草】で作った回復薬でレイガー様の傷を治します。」

 

全員

「完治草ッ!!?」

 

突然ここにいる全員が驚く。

 

兵士5

「な、なあ、今ユウスケ殿【完治草】って言ってたが俺の聞き間違いか?」

 

兵士6

「いや、俺にも聞こえたぞ…」

 

兵士7

「【完治草】なんて御伽噺でしか聞かないぞ…」

 

兵士8

「一体何者なんだ、あの男は?」

 

雄助

「信じられないのなら鑑定しても構いません。」

 

雄助は【完治草のジュース】を兵士に渡して、鑑定させてもらう。

 

兵士9

「ッ!?

陛下……本物です……本物の【完治草】です!!!!」

 

ここにいる全員が鑑定の結果に沈黙する。

 

アーノルド

「オーウェン………お前はこの事を知っていたのか?」

 

オーウェン

「いえ……私も初めて知りました。」

 

ルナ

「……私が飲んだ回復薬も【完治草】だったのか。」

 

アーノルド

「…………ユウスケ殿、そんな貴重な物を使っても構わないのか?」

 

雄助

「庭に腐る程生えてあるので特に問題はありません。」

 

全員

「生えてあるぅぅぅ!!!?」

 

アーノルド

「オーウェン、余はユウスケ殿の言ってる事が理解できん!!!!!」

 

アーノルドは理解できず頭を抱えた。

 

雄助

「レイガー様、これを飲めば貴方の傷は消えます。」

 

雄助は、レイガーに【完治草】を手渡す。

 

 

 

 

 

レイガー

「………ユウスケ殿、有難う。

だが、私には不要だ。

 

しかし、レイガーはそれを受け取らなかった。

 

 

 

 

アーノルド

「何故だレイガーッ!!?

鑑定した結果これは本物なんだぞ!!!!?

これさえ飲めば解決できるというのに!!!!!」

 

レイガー

「私は父上とレクシアを暗殺に手掛けた事に変わりはありません。

罪を犯した私は、死で罪を償う事しかできません。」

 

レイガーは首謀者である事に変わりはなくアーノルドに自分が死ぬ事で償えると言った。

 

 

 

 

レクシア

「……お父様、お兄様の重い罪は何でしょうか?」

 

すると、レクシアが前に出てアーノルドにレイガーの犯した一番重い罪を聞く。

 

アーノルド

「それは……お前の狙った事だが何故今この場で聞くんだ?」

 

 

 

 

レクシア

「分かりました、私はその罪を許します。」

 

 

 

 

アーノルド

「なっ!?」

 

レクシアの発言に雄助以外の全員が驚く。

 

レクシア

「私を狙った事が罪なら私はそれを許します。

そうすればお兄様の罪はなくなるでしょう?」

 

レイガー

「簡単に言うなレクシアッ!!」

 

レクシア

「いいえ簡単な話です、この場では私が被害者です。

私の意見が通ってもいいでしょう?」

 

アーノルド

「しかし……レイガーは【闇ギルド】と…」

 

レクシア

「それなら私の護衛のルナも元【闇ギルド】の1人よ?」

 

ルナ

「お前が無理矢理護衛にしたんだろ……」

 

レクシア

「それにッ!!第一、今まで【闇ギルド】の存在を放置してきた私達も同罪じゃなくて?

それにお兄様が私を殺そうと思った理由は、私や皆がそうするようにさせた環境を作ったからでしょう!!!」

 

アーノルド

「う……そう、かもしれんが……」

 

オーウェン

「それにレクシア様!!

もし殿下の罪を許してしまえば、他の罪人にも特例許してしまう事になります!!」

 

レクシア

「特例なら許せばいいじゃない。

それは情状酌量の余地があるって事でしょう?

それじゃないなら特例なんてない筈よ。

それに【闇ギルド】と関わるのが駄目なら私も死刑よ。」

 

ルナ

「……レクシア、雇われの身で言うのもあれだが、堂々と私の前で言うな。」

 

雄助

「それにしてはルナさん面白そうに笑っていますね。

ですが私もレクシア様の意見に賛成です。

いえ、全員賛成にならなければ続きますよ。」

 

アーノルド

「……………………………分かった。

レイガー、お前の領地を没収する事で此度の件は不問に付す。」

 

オーウェン

「ッ陛下!!?」

 

アーノルド

「言いたい事は分かる、だがなレクシアはこうなると私でも止められないんだ。

……何より、私はレイガーを処刑するのは嫌だったからな。

レイガー、ユウスケ殿の【完治草】を飲め。

そして此度の件は先程言った通りだ。」

 

レイガー

「………………分かりました。

ユウスケ殿、私に【完治草】を頂いてはくれないだろうか?」

 

雄助

「構いません、レイガー様どうぞ。」

 

兵士達はレイガーの拘束を解く。

雄助から【完治草のジュース】を受け取ったレイガーそれを飲んだ。

すると、レイガーの体は眩い光を放つ。

 

 

 

雄助

「レイガー様、鏡で自身の顔をご覧下さい。」

 

やがて光が収まると、雄助は亜空間から鏡を出してレイガーに映す。

 

レイガー

「…………!?これは………!!」

 

レイガーは鏡に映った自分の素顔を見て、焼け爛れていた肌を触る。

 

レイガー

「治っている……………治ってるぞ!!!!」

 

レイガーは苦しんできた傷がなくなった事に嬉し涙を流す。

 

 

 

 

         ***

 

 

 

 

 

アーノルド

「ユウスケ殿……そなたのお陰でレイガーを助ける事ができた……本当に有難う。」

 

レイガーの処遇を終えた後、アーノルドは雄助に頭を下げてお礼を言う。

 

雄助

「頭を上げて下さいアーノルド様。

私の運が良かっただけです。」

 

アーノルド

「そんな事はない。

余はそなたを邪険に扱ったというのに、ユウスケ殿は我々の為に最善尽くしてくれたのだ。

本当に心の底から感謝している。」

 

レイガー

「俺からも礼を言わせてくれユウスケ殿。

癒える事ができないと思っていた傷が治ったのだ。

本当に有難う。」

 

雄助

「……お役に立てたのなら良かったです。」

 

レクシア

「役に立ったどころじゃないわ!

ユウスケ様のお陰で、お兄様と少し近づく事ができたわ!!!」

 

レクシアからも感謝を受け取った。

 

アーノルド

「さて、此度の件でユウスケ殿に褒賞を与えねばならんのだが……」

 

アーノルドは雄助に褒賞として何を渡すか考える。

 

雄助

「アーノルド様、私は褒賞を貰う為に行った訳ではないので見返りは入りません。」

 

雄助は褒賞を貰う事を拒否する。

 

オーウェン

「ユウスケ殿、そういう訳にはいかんのです。

ユウスケ殿のお陰で殿下の傷が治った挙げ句、殿下の放った刺客を捕らえたのがユウスケ殿である事も、あの場にいらっしゃった貴族達に知られているのです。

 その為ユウスケ殿に褒美を与えないとなりますと、あの場にいた貴族達は国にどんなに尽くしても褒美が貰えないと思ってしまいます。」

 

雄助

「……分かりました。」

 

オーウェンのこの国の事情を聞いた雄助は、仕方なく受け取る事にした。

 

アーノルド

「ふむ、となると褒美として何を与えようか…」

 

レクシア

「私を褒美として受け取るのはどうでしょう!!」

 

アーノルド、ルナ

「却下(だ)。」

 

レクシア

「何でよ!!!?」

 

レクシアは自分を褒美として出すのをどうかと案を出すがアーノルドとルナに即座に却下された。

 

レクシア

「私と結婚よ!十分褒美になるんじゃないかしら?」

 

ルナ

「お前との結婚が褒美?

冗談も程々にしろ。」

 

レクシア

「どういう意味よそれ!!!」

 

ルナの言葉にレクシアが不満げに突っかかる。

 

ルナ

「そのままの意味だ。

王族と結婚するという事は王族入る事になる。

ユウスケ、王族になる事を望むか?」

 

雄助

「いいえ、王族になるのは勘弁していきたいです。」

 

レクシア

「何でよよよよよよ!!!!」

 

オーウェン

「ユウスケ殿は異国の貴族又は王族です。

そう簡単に他国の者との結婚は難しいでしょう。」

 

オーウェンは雄助が貴族だと勘違いしたまま話を続ける。

 

レクシア

「うぅ……でも結婚と言っても嫁ぐわけだし、ユウスケ様の立場にはそれ程影響を与えないと思うのだけど。」

 

ルナ

「なら、お前と結婚するメリットは何だ?」

 

レクシア

「え?」

 

ルナ

「料理、洗濯、掃除……家事全般はお前にできるのか?」

 

レクシア

「そ、そんなのメイドにやらせれば…」

 

ルナ

「駄目だなやはり。」

 

レクシア

「なんでよおおおお!」

 

雄助

(先程までの威厳さが嘘のように消えましたね。)

 

レクシアがルナに弄ばれてるのを見てそう思った。

 

ルナ

「だから私がユウスケの嫁になる事を褒美にしたらどうだろうか。」

 

ルナはレクシアと同じ様に自分を褒美として案を出す。

 

レクシア

「何言ってるのよルナ!!!」

 

ルナ

「私は孤児で身分がないからこの国に関係なく結婚できる。

それに、私はレクシアと違って家事も得意だ。

私の方がユウスケの嫁に相応しいだろう?」

 

レクシア

「ちょっと待ちなさい!

それじゃあ私の護衛はどうするのよ!!」

 

ルナ

「今までお世話になりました。」

 

レクシア

「許すわけないでしょおおおお!!」

 

ルナ

「さあユウスケ、私を嫁として貰ってくれないか!!!」

 

雄助

「無理です。」

 

雄助はその一言でルナを嫁に貰う事を拒否した。

 

雄助

「どれだけ地位が高くても美人であろうと、自分を褒賞にすると貰う側の人は引きますよ。

それにレクシアさんもルナさんも僕には勿体ないくらい美人ですから、僕なんかとは釣り合いません。」

 

レクシア、ルナ

「………………………」

 

2人は雄助の言葉を聞いてジト目を向けられた。

 

 

 

レイガー

「……父上、没収された俺の館と土地を譲渡のはどうでしょうか?」

 

レイガーは没収された領地を譲渡する事を考えた。

 

アーノルド

「悪くはないが少し弱くはないか?」

 

レイガー

「では爵位を叙するのはどうでしょう?

ユウスケ殿の働きは確実に叙爵ものの筈です。」

 

アーノルド

「それだと他の貴族どもはうるさくなるぞ。

ユウスケ殿は異国の貴族でもある。」

 

レイガー

「いえ、称号的な意味合いの強い【騎士爵】ならば、その問題も大丈夫でしょう。

他の貴族と違い、国からの給金が発生する事はありませんが、一応この国では貴族扱いになります。」

 

アーノルド

「…………ユウスケ殿。

褒美の件だが、此度で没収したレイガーの土地を譲渡する。

それに伴い、ユウスケ殿には我が国の【騎士爵】の位を授ける。」

 

雄助

「それは宜しいのでしょうか?」

 

雄助は領地の譲渡と爵位が与えられた事に聞き出す。

 

アーノルド

「問題ない。

レイガーの持っていた土地には国民も住んでおらぬ完全な別荘地だ。

だからこそ、ユウスケ殿におくるのに丁度いいと思った。」

 

レイガー

「元は俺の土地だが、ちゃんと俺の館もある上に目の前には海がある。

父上の言う通り、別荘の1つができたと思ってくれ。」

 

雄助

「有難う御座います。

これでも十分な褒美ですが、爵位も授けてくれるのですか?」

 

レイガー

「ああ、ユウスケ殿に土地だけ褒美として譲渡するのは少なすぎると思った訳で叙爵する事にしたのだ。

因みにユウスケ殿に授けた爵位は【騎士爵】。

 我が国の【騎士爵】はこのアルセリア王国に大きな貢献をした者に与えられる名誉ある称号だ。

だが貴族といっても義務が生じるわけではないので、ユウスケ殿でも問題ない筈だ。」

 

アーノルド

「第一王子のレイガーを救ったという事はそれだけ重大な事なのだ。」

 

雄助

「分かりました、有難く頂戴いたします。」

 

レクシア

「う~それならしょうがないわね。」

 

ルナ

「私達を嫁に貰うよりは相応しい褒賞だな。」

 

レクシア達も最初は不満を持ったが、レイガーの説明を聞いて納得した。

 

アーノルド

「早速その土地を案内しようと思うのだが……ユウスケ殿、時間は大丈夫なのか?」

 

雄助

「土地の場所が遠い場合は無理です。」

 

レクシア

「ユウスケ様もう帰っちゃうの!?」

 

雄助

「はい、ここに滞在できたのは此方の都合ができたからなので。」

 

レクシア

「ええー!!!」

 

レクシアは雄助が長く居られない事に残念がった。

 

アーノルド

「うむ…それならば仕方がない。

また時間ができた時に王城に来てもらえれば案内しよう。

それまでは此方が管理しておくので安心するといい。」

 

雄助

「有難う御座います、アーノルド様。」

 

レクシア

「うぅ……そうだわ!!!

ユウスケ様、今日は泊まっていくわよね!!!」

 

レクシアは雄助が王城に泊まる事を聞く。

 

雄助

「そうですね…せっかくここまで来たので、何処かの宿屋で泊まろうとかんがえています。」

 

レクシア

「ならここで泊まりましょう!!!

無駄に広くて部屋は沢山余ってるだし!!」

 

アーノルド

「………レクシア、事実だとしてもその言い方はないだろう、王族にとっては必要な威厳なのだぞ。」

 

レクシア

「私はそんなの興味ないわ。

その威厳でお金が増える事も貧しい人が減るわけでもないじゃない。」

 

雄助

「ハッキリ言いましたね。」

 

アーノルド

「レクシアを嫁がせた方が良かったな………」

 

レクシア

「今すぐそっちにする!!?」

 

アーノルド

「変更はせぬぞ。

ユウスケ殿、レクシアの言う通り今日はこの城に泊まっていかれよ。

我々が責任を持ってもてなす。」

 

 

 

 

 

こうしてアルセリア王国の事件は解決した。

 

 

 

 

 

 

 

         ***

 

 

 

 

【肉体の再構築、第一段階完了。

第二段階を開始します。】

 

 

 

 

 

 

「神……譲………雄助………」

 

 

 

 

雄助の攻撃を分身から食らわされた神は、雄助に対する怒りを一層に増し、傷と痛み、自分の体が完成されるまでその場に玉座を出現させて居座る。

 






『世界を行き来する転生者』は26話も投稿したので、
新しい作品を投稿しようと思います。





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第27話 お互いの出会い



TAEKO様、空論様、無限の魔神様、
ASTRAY・Silver Flame様、破打眠眠様、
TAKI様、毒・虫ポケ大好きおじさん様、
saiko89様、夜空を見上げて様、仮屋和奏様、
Aura様、マーマレード坂口様、黒うさぎ隊様、
みかげまゆら様、戦う弟子様、

☆0
地図餓鬼様、

☆10
神浄零様、

お気に入り登録、評価有難う御座います。


 

 

 

 

 

沢田

「お前ら、もうすぐテストだがちゃんと勉強してるかー?」

 

「うわああああああ!!!

先生、テストの事は言わないでええええ!!!」

 

「と、ととと、ととととと当然じゃあないか!!!!!!!

【対策の貴公子】にし、ししかかしか死角はは、ななななければばばばばば!!!!!!」

 

雄助

(していないんですね。

それにしても晶君もの凄い動揺ですね……)

 

アルセリア王国の一見が解決してから、雄助は帰りのホームルームで2人がテスト対策をしていない反応をまじまじと見ていた。

 

 

「普段から勉強していれば焦ることねぇのに……」

 

慎吾

「か、楓さんも晶君も、勉強苦手だもんね。」

 

雄助

「亮君と慎吾君は大丈夫ですか?

因みに僕は問題ありません。」

 

「ああ、テスト勉強はちゃんとやってるしな。」

 

慎吾

「ぼ、僕も普段の復習に加えて、テスト勉強してるから。」

 

亮達はテスト対策はしてる為特に問題はなかった。

他の生徒を見渡すと、楓や晶みたいに慌てる生徒はいなかった。

 

 

 

雄助

「さて、今日はテスト勉強をしましょう。」

 

雄助は早速家に帰って勉強を始めようとすると、

 

 

佳織

「雄助さん?」

 

佳織が雄助に声を掛けてきた。

 

 

佳織

「今日はお一人ですか?」

 

雄助

「はい、亮君達は用事で先に帰りました。

寄り道する事はないので帰ろうと思いましたが、一緒に帰りませんか?」

 

雄助は自分から佳織に家まで一緒に帰ると誘う。

 

 

佳織

「……はいっ!!」

 

 

 

 

雄助

「全教科のテストは特に問題ありませんが、佳織さんはどうですか?」

 

佳織

「英語や古典等が苦手で……」

 

帰る際、雄助達はテスト勉強について話し合っていると佳織はハッと何を思いついた。

 

 

佳織

「ゆ、雄助さん……」

 

佳織はソワソワと雄助に声を掛ける。

 

 

 

佳織

「明日、一緒にテスト勉強しませんか!」

 

佳織は決心して一緒に勉強すると誘い出した。

 

 

佳織

「す、すみませんっ!!//

雄助さんの都合を考えていませんでした!!!//」

 

雄助

「いいえ大丈夫ですよ。

1人で勉強するつもりだったんで佳織さんと一緒に勉強しても構いませんよ。」

 

雄助は、佳織の誘いを断らず一緒に勉強する事を約束した。

 

 

雄助

「それじゃあ僕の家で勉強していきませんか?」

 

自分の家で勉強しようと佳織に誘い返した。

 

佳織

「え!?////」

 

雄助の家で勉強しようと聞いた佳織は頬を赤くする。

 

 

雄助

「ああ、すみません。

よくよく考えれば図書館等、静かな場所でやった方がいい効率が良いですよね。」

 

佳織

「い、いえ違います、大丈夫です!!!////」

 

雄助

「それなら良かったです。」

 

こうして、2人は雄助の家で一緒に勉強する事になった。

 

 

 

 

 

         ***

 

 

 

 

 

 

 

 

雄助

「……これで一通りの対策は終わりましたね。」

 

翌日、雄助と佳織は丁度テスト範囲の対策を終えていた。

 

佳織

「はい、それにしても雄助さんは凄いですね。

古典と英語の説明が先生達より上手でしたよ。」

 

雄助

「そうですか、先生方には申し訳ありませんね。」

 

シンラ

「ふごぉ〜。」

 

2人が話し合っているとシンラは丁度目が覚めた。

 

佳織

「それにしてもまた賑やかになりましたね。

シンラさん、でしたよね。」

 

雄助

「はい、僕の新しい家族です。」

 

佳織

「成程…宜しくお願いしますね、シンラさん。」

 

シンラ

「フゴ〜。」

 

佳織に頭を撫でられながらシンラは片足を上げて気軽に挨拶する。

 

 

 

佳織

「雄助さん…お手洗いを借りてもいいでしょうか?//」

 

佳織は気恥ずかしながらそう訊いてきた。

 

 

雄助

「いいですよ。

では御手洗いまでの案内とついでにこの家について説明しますよ。」

 

佳織

「有難う御座います。」

 

雄助は佳織をトイレの場所まで案内とする時に【異世界の扉】が置いてある倉庫以外の部屋について教えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【転生世界に存在する殺害対象の転生者、2万1406人殺害又は消滅に成功しました。】

 

【転生世界に殺害対象の転生者が自動的に殺害又は消滅させる機能が何者かに停止されました。】

 

【転生者と必ず対面する運命を押し付けられました。】

 

 

 

 

 

佳織をトイレに案内し客間で本を読んでいると、メッセージが現れた。

 

 

 

 

雄助

「2万1406人ですか、結構この世界に転生させてきましたね。

各平行世界から都合のいい転生者をここに転生してるようですかまだ少ないほうかもしれませんね。

それにしても機能を停止された上に必ず対面するという事は僕がどれだけ強くなったか見たいのでしょうね。

………なら殺害対象の神を一瞬で終わらせないように手加減しなければいけませんね。」

 

雄助はメッセージを確認し終えると、またメッセージが出現し内容を確認する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【倉庫に貼られた隠蔽魔法が剥がされました。】

 

 

 

 

 

ユグル、シンラ

「ッ!!?」

 

客間に寛いでいたユグルとシンラも雄助が突然立ち上がった事に驚く。

 

 

雄助

「ユグル君、シンラ君、どうやら倉庫の事がバレました。」

 

ユグル、シンラ

「わふぅ(ブヒィ)!!?」

 

ユグル達は雄助の言葉を聞いて体毛を逆毛にして驚く。

 

 

雄助

「行きますよ。」

 

雄助は直ぐ様倉庫の方に行くと、佳織が【異世界の扉】の前で呆然としていた。

 

 

雄助

「………佳織さん。」

 

佳織

「あっ、雄助さん………これは………」

 

 

雄助

「言いたい事は分かりますよ佳織さん。

僕は……今まで隠してきた事を説明します。」

 

好奇心でここに入った事にどう答えるか佳織は考えるが、雄助はこの倉庫や異世界についてを語りだす。

 

 

 

 

 

 

 

雄助

「………以上で説明は終わりますが、理解して頂けましたか?」

 

佳織

「はい………雄助さんは、神様によって別の世界から来たということでいいんですよね?」

 

雄助

「はい、転生という形でこの世界に参りました。」

 

雄助は佳織を【異世界の扉】に通し、異世界とユグルとシンラ、そして…………自分が転生者であるという事を佳織に話した。

 

 

佳織

「………雄助さんはどうしてそんな人に教えられないような事を私に話してくれたのですか?」

 

佳織は当然その事を話した雄助に聞く。

 

 

 

 

 

 

 

雄助

「佳織さんが信頼できるからです。」

 

佳織

「信頼、ですか?」

 

雄助

「僕の力は人から見れば恐ろしい代物です。

その力を持ちながら人の世界に紛れて生きていくというのなら信頼できる人間が必要だとこの家の持ち主【賢者】さんがそう手記に書き残していました。」

 

雄助は、賢者の手記に書き残された言葉を佳織に話す。

 

 

佳織

「………………」

 

雄助

「いきなりこんな事を言われて黙ってしまうのは当然ですよね。

僕が佳織さんを勝手に信頼できるからと言ったので今までの事を考えれば軽蔑するのは当然………」

 

 

 

 

佳織

「いいえ、そんな事ないです!!」

 

雄助は自分の事を佳織に説明して軽蔑されるのは当然だと言おうとしたが、佳織はそれを否定する。

 

 

雄助

「……佳織さん、無理に気を遣わなくていいんですよ。」

 

佳織

「本当に私はそう思いません。

私がレッドオーガの人達に目を付けられてしまった時、雄助さんは、私を助けてくれました。

神様に与えられた依頼とは関係無く私を助けてくれましたのはどうしてですか?」

 

 

 

雄助

(……佳織さんの言う通り、僕は神様と転生者を殺す為にこの世界に転生しました。

佳織さんを助ける事にメリットは………………いいえ、1つだけありましたね。)

 

雄助は佳織に言われた事を瞬時に考えると理由があったのか思い浮かべた。

 

 

雄助

「……亡くなられたお爺さんが僕にこう言っていました。

『困ってる人には優しく、優しくしてくれる人には大事に』……それが佳織さんを助けた理由です。」

 

佳織

「素敵なお爺さんですね……」

 

雄助

「はい、そして僕の正体を教えたのでお聞きたい事があります。

佳織さん………これからも、僕と仲良くしてくれませんか?」

 

 

 

 

佳織

「勿論です、雄助さんが私を私と見てくれたように私は雄助さんを雄助さんとしてこれからも接していきます!!」

 

雄助

「………有難う御座います、佳織さん。

では、これからは親友として宜しくお願いします。」

 

佳織

「…はいっ!!」

 

こうして雄助は佳織と握手を交わって、2人は友達から親友へと互いの信頼が深くなった。

 

 

 

 

 

 

 

         ***

 

 

 

 

 

 

佳織

「それにしても本当に地球とは違うんですね。

魔法や魔物なんてものがここには存在しているなんて………」

 

雄助は自分が2つの世界を行き来できる事と、転生者である事を佳織に話してから数日が経つ。

佳織は今異世界の空気を味わっている。

 

 

雄助

「僕達の住む地球が科学で発展したなら異世界は魔法が発展しているので、空気が汚染されていないのでいいですよ。」

 

佳織

「そうですよね、科学が発展した世界で生まれた私達からすれば不思議で………きゃっ!!」

 

佳織は異世界の空気を味わっていると、目の前に突然半透明のボードが現れて驚いた。

 

 

 

 

 

 

【宝城 佳織】

 

職業:なし レベル:1

 

魔力:10 攻撃力:10 防御力:10

俊敏力:10 知力:10 運:10

BP:0

 

スキル

なし

 

称号

【異世界人】

 

 

 

 

佳織

「雄助さん、これは一体……」

 

雄助

「それはステータスといって佳織さんの能力が数値で表示されているんです。」

 

佳織

「私の能力値……どうなのでしょうか?」

 

雄助

「どうと言われましても……

僕の場合はこの世界に来た瞬間にスキルを獲得、進化、統合やステータスは肉体の再構築としたせいでステータスの基準がいまいち分からないんです。」

 

佳織

「進化、再構築?」

 

佳織は雄助の言っている意味が分からなかった。

 

 

雄助

「当然そういう反応になりますよね。」

 

雄助は佳織に自分のステータスを見せる。

 

 

 

 

 

 

【神譲 雄助】

 

種族:AtoZ 職業:なし レベル:超越

 

魔力:超越 攻撃力:超越 防御力:超越

俊敏力:超越 知力:超越 運:超越

 

スキル

《無限の可能性》《全知全能》

 

称号

《扉の主》《家の主》《異世界人》

《初めて異世界に訪れた者》《超越者》

《転生者》《転生者殺し》

《全知全能の転生者》etc…

 

 

 

 

佳織

「……………………」

 

雄助

「佳織さん、大丈夫ですか?」

 

佳織

「あっ、は、はい、すみません。」

 

雄助

「大丈夫ですよ。

これを見て黙ってしまうのは当然です。

それと佳織さん、この世界に住む人達が今こちらに来ています。」

 

佳織と話している最中、結界の貼られていない所から複数の人間がこちらに来る事に目を向ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レクシア

「ユーウースーケーさーまーあああああ!!!!!!」

 

 

 

 

レクシアが笑顔でルナとオーウェンと兵士達、そして【ゴブリン・エリート】の群れを連れてこちらに向かってきていた。

 

 

ルナ

「ユウスケ助けてくれ……ッ!!?

ユウスケ!!隣の女は誰なんだ!!?」

 

オーウェン

「お前もかルナッ!!!

魔物の餌食になるぞ!!!!」

 

ルナ

「餌食になりたいならオーウェン1人でやってろ!!!!!

私は今忙しいんだ!!!!」

 

オーウェン

「私では【ゴブリン・エリート】1体で足止めが限界だ!!!」

 

ルナ

「私も似たようなものだ!!!

文句があるならそこのバカ王女に言え!!!!」

 

 

 

雄助

「【ゴブリン・エリート】に襲われているというに互いに会話できる辺り意外と余裕がありますね。」

 

ユグル

「ワフゥ…」

 

シンラ

「フゴォ…」

 

雄助達は、レクシア達のやり取りを見て相変わらずだと口にする。

 

 

レクシア

「ユウスケ様あああああ!!!!!その隣の女は誰よおおおおおお!!!!!

 

レクシアはルナ同様否それ以上に、佳織を見た瞬間と同じ様な言葉を上げた。

 

 

佳織

「雄助さん、あの方々は?」

 

雄助

「この世界に住む人達です。

助けに行きますのでここで少し待ってて下さい。」

 

雄助は真っ先にレクシアに迫る【ゴブリン・エリート】に向けて飛び膝蹴りを放つ。

見事頭部に命中して破裂させ、その勢いを止めずルナの方にいる【ゴブリン・エリート】の頭を踏み込み、オーウェンと兵士達に襲いかかる【ゴブリン・エリート】に目掛けて右足を前足に伸ばして全滅させた。

 

 

雄助

「皆さん、大丈夫ですか。」

 

オーウェン

「助かりました、ユウスケ殿。」

 

雄助

「どう致しまして、それにしても皆さん大変ですね。」

 

ルナ

「全くだ、ユウスケの家に行くといきなり言い出したからな。

私達の事も考えてほしいものだ。」

 

ルナ

(まあ、私もレクシアと同様ユウスケに会いたかったがな。)

 

ルナはレクシアの行動に愚痴を言いながらも自分も雄助に会いたいと思っていたためあまり否定はしなかった。

 

 

 

 

ルナ

「それよりユウスケ、あれは放っておいていいのか?」

 

 

 

雄助はルナが示した方に視線を向けると、いつの間にか庭に入ったレクシアが佳織に近づき対峙しているようになっていた。

 

 

レクシア

「…………貴女、お名前は?」

 

佳織

「………宝城 佳織と言いますが、貴女は?」

 

レクシア

「私はレクシア・フォン・アルセリア。

私の事を知らないって事は貴女もユウスケ様と同じ同じ国の人なわけね……」

 

2人は、お互い自分の名前を名乗り終えると雄助の方に顔を向けた。

 

 

佳織、レクシア

「雄助さん(ユウスケ様)………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この人との関係は!?」

 

 

 

 

2人が重ねて言った最後の一言が【大魔境】全体に響いた。

 

 

 

 






読者の皆様すみません。
前に新作を作ろうと言いましたがやめました。


1つの作品に1話を投稿するのに時間がかかり過ぎているのでこの作品だけに集中していきます。

因みに投稿するのに時間が掛かるのは3つの理由があります。


1つ、新作品のアイデアに没頭。

2つ、世界を行き来する転生者をの10話分作成。

3つ、FGOをプレイ。

殆どFGOが投稿に遅れた理由です。


どうでもいい個人の情報ですが、
今回のLostbelt.N.o.7からバレンタインまでのピックアップガチャに15万課金して回してみたのですが、入手した☆4、☆5のサーヴァントだけを記入しました。


☆5
ククルカン3枚

テスカトリポカ5枚

女教皇ヨハンナ1枚

オデュッセウス1枚

ナイチンゲール1枚

☆4
ヘファイスティオン1枚

タマモキャット1枚

フィン・マックール1枚

エミヤ〔アサシン〕1枚

キルケー1枚

巴御前1枚

フランケンシュタイン1枚

ワルキューレ1枚

エリザベート・バートリー1枚

ケイローン1枚

茨木童子1枚

トラロック24枚

初めて☆5を宝具レベル5にしましたがトラロックだけ異様に引けました。

そして、昨日いせれべの特番を見たんですが、PVの出来や声優やキャストの豪華さに驚きしかでん出ませんでした。



誤字報告や感想をお願いします。









P.S.去年の11月からFGOを始めましたが素材集めが大変です。




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第28話 乙女達の会談



怒楳の大罪様、モリタユウマ様、空の住む鳥様、
ヴェルノア様、おむすび名人様、彼方様、
千住マダラ様、マーボー神父様、ソハード様、
羽撃鬼様、黒瀬 多田様、…見稽古…様、
キヨトシ様、こけティニワトリ様、
氷結竜ソフィーナ様、ナガオ様、roki2356様、

☆0
くんつ様、

☆9
ラビットテール望月様、マーボー神父様、
インビジブルパンダ様、

お気に入り登録、評価有難う御座います。



 

 

 

 

 

 

レクシアがルナ達を巻き込んで賢者の家まで訪問してきた途端、佳織と共に雄助にどういう関係なのかを突然聞いてきた。

 

 

 

 

 

雄助

「では改めて自己紹介させて頂きます。

レクシアさん、ルナさん、この人は宝城 佳織さんで僕と同じ国の出身で親友です。」

 

佳織

「えっ…」

 

雄助はレクシア達に佳織の紹介をしたが、紹介された佳織本人は何故かショックを受けた。

 

 

レクシア

「え?それだけ?」

 

雄助

「はい、それだけです。」

 

2人は雄助の予想外の返答だったからか拍子抜けた表情になる。

 

 

 

雄助

❨佳織さん、言い忘れていましたがレクシアさん達には僕達の世界については話していませんので僕に合わせて会話を行ってください。❩

 

佳織

❨えっ、雄助さん!!?

雄助さんの声が頭の中に!!?❩

 

雄助

❨念話です、小声で話すとレクシアさん達に感づかれてしまうので重要な事を話す際はこうやって話します。❩

 

佳織

❨わ、分かりました……❩

 

佳織は、念話で声をかけられた事に驚いたが平常心を保ち、雄助がレクシア達との出会った時の事を佳織に話し出した。

 

 

 

 

 

 

レクシア

「……これがユウスケ様との出会いよ!!!」

 

佳織

「雄助さん、凄いですね……

私の護衛の方達でもこんな事できませんよ。」

 

ルナ

「護衛?カオリはレクシアと同じ王族か貴族なのか?」

 

佳織

「そうですね、レクシアさん程ではありませんが。」

 

雄助

「そういえばレクシアさんに聞きたい事があります。

レクシアさん達の為にここまで安全に来られるよう結界を貼り直したのに何故貼られていない所から入ったのですか?」

 

雄助はレクシア達の来た方向に結界を貼ったのにも関わらず、違う所から来た事を聞き出す。

 

 

レクシア

「だって結界を渡ってしまえばルナ達が強くなれないわ。

私を守りながら魔物と戦えば強くなれるでしょ!!!」

 

ルナ

「私達を強くなってほしいなら【大魔境】じゃなくてもいいだろ……」

 

 

 

雄助

(今後通る人はいないと僕の直感がそう言ってるようですしレクシアさん達が【大魔境】に出るまで解除しておきましょう。)

 

雄助は結界を解除しようと考えているとレクシアは目を輝かせていた。

 

 

 

 

レクシア

「ユウスケ様、お風呂を出して!!!」

 

 

佳織

「お風呂…ですか?」

 

佳織はレクシアの発言に首を傾げる。

 

雄助

「何処でも風呂を出すことができる携帯型の風呂です。

風呂については既に準備していますよ。」

 

雄助は佳織に【超豪華携帯露天風呂セット】の説明をし、レクシアに既に用意している事を話した。

 

レクシア

「有難うユウスケ様!!

この前は断れちゃいったけど今回は一緒に入る?」

 

佳織

「えっ!!?///」

 

レクシアの言葉に佳織は顔を赤らめた。

 

 

佳織

「い、一緒に入るのですか……///」

 

レクシア

「そうよ、何か可笑しい事言ったかしら?」

 

ルナ

「可笑しいに決まってるだろ……

どういう思考回路をしているんだお前は。」

 

レクシア

「失礼ね!!私は至って普通よ!!!

それにルナは前にユウスケ様と一緒に入ったって言ってたじゃない!!!!」

 

佳織

「えええっ!!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

         ***

 

 

 

 

 

 

 

レクシア

「……本当、ユウスケ様のお風呂は気持ちいいわね。」

 

ルナ

「何せ【クリスタル・ディアー】から手にいれたから当然だ。」

 

佳織

「雄助さん凄いですね。」

 

レクシアとルナは、佳織を誘って一緒に風呂を堪能していた。

 

佳織

(私が普段つかっている風呂とは違って疲れがなくなっていますね……異世界だからこそでしょうか?)

 

 

 

 

レクシア

「カオリ、貴女はどう思っているの?」

 

佳織

「えっ?」

 

レクシアの唐突に投げかけられた言葉に佳織は気の抜けた声で返事をしてしまった。

 

 

レクシア

「だから、カオリはどう思っているのか聞いてるの?」

 

ルナ

「レクシアいきなりそんな事言われてもカオリは分からないぞ、まあ私も分からないが。」

 

レクシア

「ルナは分かっていなさいよ!!!

まあいいわそんな事、カオリはユウスケ様の事どう思っているの?」

 

佳織

「えっ!?///」

 

レクシアのストレートな質問に佳織は頬を赤らめる。

 

 

レクシア

「誤魔化さなくていいわよ。

ユウスケ様に言うわけじゃないわ、カオリの本当の気持ちが知りたいから聞いたのよ。」

 

 

 

佳織

「…………好きです。

私はユウスケさんの事が好きです。

何度も助けられていつの間にか私は好きになっていました。」

 

レクシア

「やっぱりね、それにしてもなんでカオリもルナも自分の気持ちを隠したがるのよ?」

 

ルナ

「お前は正直すぎるんだ。

誰だって自分の気持ちを隠したがるぞ。」

 

佳織

「もしかしてルナさんも雄助さんの事が?」

 

ルナ

「……そうだ//」

 

レクシア

「でも私のする事に変わりはないわ!!!!

カオリ、ルナ、私は雄助さんと結婚する為に宣戦布告するわ!!!」

 

カオリ

「……ええええええ!?」

 

佳織達は風呂場で雄助との結婚に話を盛り上げていった。

 

 

 

 

 

 

オーウェン

「ユウスケ殿お聞きしたいことがあるのだが、ユグル殿とシンラ殿は【大魔境】でテイムした魔物と聞きましたが一体何の魔物なのですか?」

 

オーウェンは、ユグルとシンラの事を雄助に聞いた。

 

 

雄助

「ユグル君は【ユグドラシル・フェンリル】という魔物で、テイムする前は【ブラック・フェンリル】という名前でして………オーウェンさん、顔色が悪いようですが大丈夫ですか?」

 

雄助はユグルについて説明すると、オーウェンの顔色が青ざめている事に気づく。

 

 

オーウェン

「……………ユウスケ殿、今【ブラック・フェンリル】と言ったのか?」

 

雄助

「はい、それと前に申し上げましたが僕はこの国の者ではないので魔物については詳しくありません。」

 

オーウェン

「…………【ブラック・フェンリル】というのは、【神狼】という異名を持ち【フェンリル】すら屈服させ、嘗て栄華を極めた三大国を一夜に攻め落とした伝説の魔物なのだ。」

 

雄助

「凄い逸話をお持ちですね。」

 

オーウェン

「ユウスケ殿、絶対に世界を滅ぼさないと約束して下さいッ!!!」

 

オーウェンは、雄助に世界を滅ぼさないよう顔色を青く大量の汗を掻きながら頼んだ。

 

 

雄助

「勿論ですよ。

因みにシンラ君は【孟槐】という猪の魔物です。」

 

オーウェン

「【孟槐】、それは初めて聞く魔物ですな……

恐らくこの【大魔境】で生まれた魔物かと。」

 

 

 

雄助

(【聖】とは別の【邪】に対抗できる存在がいる事を話すとアーノルド様が頭を抱えますし黙っておきましょう。)

 

シンラについては新種の魔物だと収め佳織達が風呂に上がるまで、雄助はオーウェンの愚痴を聞いていた。

 

 

 

 

 

 

 

         ***

 

 

 

 

 

レクシア

「有難うユウスケ様、お陰でスッキリしたわ!!!」

 

時間が経つとレクシア達は風呂に出て、王城に戻る準備をした。

 

 

雄助

「オーウェンさん、レクシアさん達がここに来た事をアーノルド様に説明しましたか?」

 

雄助はアーノルドに【大魔境】に行く事を報告したのかオーウェンに聞いた。

 

 

オーウェン

「当然です、レクシア様は常に予想外な行動をしていますので私が毎回報告しております。」

 

雄助

「それなら安心ですね。

帰りは魔物が入らないように貼ってある結界を通って下さい。」

 

レクシア

「有難うユウスケ様。

でもいいわ、ルナとオーウェンのレベル上げを兼ねてそっちは通らないわ!!!」

 

そう言ってレクシアは、自分が来た方向に歩みだした。

 

 

ルナ

「ユウスケ!!レクシアを止めてくれ!!!」

 

雄助

「ルナさん、それは無理ですよ。

ここに連れ戻しても同じ繰り返しをします。

それにレクシアさんはルナさん達を強くする為に結界の貼っていない所をこれからも通ると思いますよ。」

 

オーウェン

「だとしても、【大魔境】でですぞ!!!

ユウスケ殿もレクシア様を結界の貼ってある所を通るようにして下さい!!!!」

 

ルナ

「……行くしかないか。」

 

オーウェン

「ルナッ!?」

 

ルナ

「ユウスケのお陰である程度の魔物と戦えるようになったからな。

レクシアの護衛ならこれくらいはしないとな。

オーウェン早くレクシアの所に行くぞ。

レクシアに何かあったから陛下が黙っていないからな。」

 

オーウェン

「ウグッ………仕方ない。

お前達レクシア様の所まで全力で走り必ず守るんだ!!!!」

 

兵士達

「ハッ!!!!」

 

オーウェン達は、全速力でレクシアの跡を追いかける。

 

 

ルナ

「またなユウスケ、カオリ。」

 

ルナは雄助達に別れを言葉を言ってレクシアたちの跡を追いかける。

 

 

佳織

「行ってしまいましたね…」

 

雄助

「はい、レクシアさん達とは仲良くなれましたか佳織さん?」

 

佳織

「はい、レクシアさん達」

 

雄助

「それは良かったです。

さて、そろそろ日が沈みますので僕達の世界に帰りましょう。」

 

レクシア達を見送った雄助達は、現実世界に戻りいつものように学校への準備をして1日を終える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「師匠…………私に力を……………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






読者の皆様、大変長らくお待たせしました。

アニメを視聴したりFGOをプレイしていたので小説の事を忘れかけていました。


そしていせれべのアニメが始まって最終回まで視聴しましたが、僕の感想ですが出来が良かったと思います。

それにしても声優が豪華すぎますね。
ぱっと出のあのキャラがこの人だと気付いて小説を読んだ時と同じ様に驚きの展開ばかりでした。

最新巻まで読んだ僕は所々にアッてなる所があったので今後の展開がアニメに出てくる事に僕は楽しみにしています。


誤字報告や感想をお願いします。




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第29話 【転生者】VS【弓聖の弟子】



かめさん14325様、飛太様、チコちゃん様、
鰻山クロワッさん様、ウリュウ様、
RIZE.DUMMY様、デジモン大好き様、
レイザル様、乱闘神様、ワット0303様、

お気に入り登録有難う御座います。



 

 

 

 

 

 

 

雄助

「ルナさん、グレナさんと出会ってからずっと不機嫌でしたね。」

 

 

佳織とレクシア達が出会ってから数日後、雄助達は冒険者ギルドのから賢者の家まで戻ってきた頃だ。

 

雄助は冒険者ギルドでルナと共に依頼を受け王都から出て魔物を狩り始めると、グレナが【アサシン・カメレオン】という魔物に襲われていた。

 

雄助は難なく撃破した後、グレナにお礼をと近づかれたがルナが間に入ってグレナのお礼を受け取る事はなかった。

 

その後ルナは雄助がグレナと絡んだからか不機嫌な状態のまま依頼をこなしていった。

 

 

 

 

 

 

 

雄助

「……そろそろ出て来ても構いませんよユティ(・・・)さん。」

 

すると、上空から一筋の光が雄助の上に落ちてきた。

 

雄助は【全剣】を取り出しその光を真っ二つにした。

 

 

 

 

ユティ

「……何故私の名前を知っている?」

 

雄助達を襲った少女、ユティが何処からか話しかけてきた。

 

 

雄助

「ウサギ師匠と出会ってから『聖』と『邪』について独自で調べた時に【弓聖】に貴女の事が書かれていました。」

 

ユティ

「……なら私の目的を知っているな。」

 

雄助

「はい、この世界にいる全人類を殲滅する事ですよね。

 

 

 

 

 

 

………ですがそれは不可能ですよ。

 

 

 

ユティ

「ッ!?ガァ!!!」

 

雄助は上空にいるユティの真上まで移動し地面に向かって蹴り飛ばす。

 

ユティは地面に叩きつけられたが命に別状はなく変わりに叩きつけれた衝撃で【大魔境】が数十mまで荒野になった。

 

 

 

 

ユティ

「………お前はここで始末する。」

 

ユティは立ち上がり上空にいる雄助に向けて大量の矢を放った。

 

 

 

 

         ******

 

 

 

 

 

佳織

「………何でしょう今のは?」

 

雄助がユティを地面に叩きつけた同時刻、佳織は雄助と勉強する為に異世界に入って雄助を探し出していた。

だが雄助は今、ユティと戦闘を行っている為、佳織は雄助を探す為に賢者の家から出てしまった。

 

 

佳織

「………これは一体。」

 

 

 

 

 

「グゥゥゥゥ………」

 

【大魔境】の住む魔物に会う事無く雄助のいる場所まで運良く辿り着くいた途端、後ろから1匹の魔物が佳織の背後近付いてきた。

佳織は《気配察知》のスキルを所持していない為、その事に気付かず今に襲われ始めた。

 

 

 

 

ユグル、シンラ

『ワンッ(ブヒィ)!!』

 

魔物

「グォォォォ!!!!」

 

佳織

「ユグルさん、シンラさん!!」

 

魔物に襲われそうになった佳織に、ユグルとシンラが魔物を倒し佳織を助けた。

 

 

 

ユグル、シンラ

『ワン(ブヒ)!!』

 

佳織

「キャッ!」

 

ユグルとシンラはスキルを合わせて佳織の周りに障壁を貼り、突然の衝撃を防いだ。

 

 

ユグル

「ワフゥゥゥゥ!!!」

 

シンラ

「ブヒィィィィ!!!」

 

ユグルとシンラは佳織だけを守る為に自分に結界を貼らず、衝撃は地面を踏ん張って持ち堪えた。

 

 

 

 

 

         ******

 

 

 

 

 

ユティ

(………このユウスケという男。規格外。

私の技が全く通用していない!!!)

 

雄助と戦っているユティは、雄助の桁外れな強さに驚愕していた。

ユティは【弓聖】の技全て受け継ぎ、相手の先の動き呼んで戦う強敵だ。

 

だが、ユティと戦っている相手があまりにも悪すぎた。

 

 

 

 

ユティは地面に叩きつけられた後に大量の矢を放ち、【邪】の力を引き出そうとした瞬間、目の前には雄助はおらず、いつの間にかユティには反応できない速度で鳩尾に目掛けて蹴りを放たれ吹き飛ばされた。

当然ユティは木や岩にぶつかり続け、反撃の余地を与える事が出来なかった。

 

 

ユティ

「クッ……」

 

吹き飛ばされた勢いはようやく止まったが、戦えるのが漸くなくらいの状態だが、ユティはそれでも弓を引き絞り、上空に膨大な量の矢を放ってもう一度雄助に目掛けてまた大量の矢を放った。

 

 

雄助

「………」

 

雄助はゆっくりとユティの方に歩いた途端その場で止まり、落ちてくる膨大な量の矢を消滅させる。

 

そして雄助に向かってきた大量の矢は、先程消えた膨大な量の矢を倍で攻撃を返す。

 

 

ユティ

「ッ……【矢の檻】!?」

 

跳ね返ってきた矢の一部が【弓聖】の技【矢の檻】を使ってきた事に、ユティは驚愕し手を止めてしまった。

 

 

雄助

「お疲れ様です。」

 

雄助は魔法でユティを眠らせて、ユティとの戦いは幕を閉じた。

 

 

 

 

 

 

         ******

 

 

 

 

 

雄助

「ユグル君、シンラ君、佳織さんを守ってくれて有難う御座います。」

 

ユグル、シンラ

『ワン(ブヒ)!』

 

佳織

「雄助さんは大丈夫何ですか?」

 

賢者の家に着いた雄助は、佳織にユティとの関わりを話していた。

 

 

ウサギ

《ユウスケ、いるか?》

 

窓を見るとウサギが耳でガラスを叩いて家に訪れた。

 

 

 

雄助

「ウサギ師匠、お待ちしていました。」

 

雄助は窓を開けようとすると、

 

 

 

 

ウサギ

《ッ!!!》

 

ウサギは窓から離れ雄助に向けて戦闘態勢を取り、こう言い放った。

 

 

 

 

 

 

ウサギ

《何故だ……なぜお前から『邪』()の気配を感じるんだッ!?》

 

 

 

 

 

 






皆様すみません、今回は短く分かりにくい表現になってしまいました。

ここはこうした方がいいという事があれば感想に記入して下さい。


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第30話 新しい仲間達(家族)



高岡廉次郎様、わくわくアーゼウス様、
黒海ななし様、

☆0
んわ様、

お気に入り登録、評価有難う御座います。


 

 

 

 

 

 

ウサギ

《どういう事だ………何故お前から『邪』の気配を感じるんだ………》

 

ウサギは雄助の中に、『邪』がいる事に気付いて警戒する。

 

 

雄助

「ウサギ師匠が警戒するのは分かります。

ですがそう警戒し続けても僕の中に『邪』がいる理由は分かりませんよ。」

 

ウサギ

《……分かった。

俺はユティに用があって此処に来たからな後で話してもらうぞ。

ところでユウスケ、お前の後ろにいる少女は誰だ?》

 

ウサギは警戒心を取り、家に入ると佳織に目を向ける。

 

 

雄助

「彼女はカオリ・ホウジョウと言いまして僕と同じ国出身にして親友です。

そして佳織さん、この方は師匠のウサギです。」

 

佳織

「宝城 佳織といいます。

初めましてウサギさん。

あの……先程言ってた『邪』というのは何ですか?」

 

ウサギ

《……ユウスケ、お前の国には本当に『邪』どころか『聖』すらも存在しないんだな。》

 

雄助

「はい、佳織さんいきなりですが『聖』と『邪』について説明させていただきます。」

 

雄助とウサギは、佳織に分かりやすく『聖』と『邪』について説明をした。

 

 

佳織

「成程……雄助さんは、『邪』という悪い者と戦っているんですね。」

 

ウサギ

《ああ、そろそろ目覚めてもいい時間だろうからカオリは離れてくれ。》

 

佳織

「はい。」

 

ユグル

「ワン!」

 

シンラ

「ブヒ!」

 

佳織は雄助の後ろに周ると、ユグルとシンラは佳織の両側に移動した。

 

 

ユティ

「…………んぅ。」

 

ウサギの言った通り、ユティがようやく目が覚めた。

 

 

雄助

「お早う御座います、ユティさん。」

 

ユティ

「………ッ!!?」

 

目が覚めてから数秒後、体を起こして雄助達から距離を取って弓を構えようとする。

 

 

ユティ

「ッ!弓がない……!!」

 

しかしユティの手元には弓は無く、変わりに手元から矢を出現させて雄助に襲いかかろうとする。

 

 

ユティ

「ッ!?」

 

だが、雄助はユティが攻撃を仕掛ける事を想定してた為結界によってベッドまで吹き飛ばされる。

 

 

雄助

「ユティさん、諦めて下さい。

因みに自殺を試みる事も諦めた方がいいですよ。

結界内にいる人物が自殺を試みようとしても全身を硬直させるように貼ったので。」

 

ユティ

「…………」

 

ユティは何も出来ずに腹が立ち雄助達を睨んだ。

 

雄助

「ユティさん、貴女の師匠アーチェル・アローさんは

助けた人達の手によって殺された事で人間を滅ぼそうとしたのは納得がいきます。

 

 

 

ですがそれは『邪』によってそれが仕組まれた事だといってまだ滅ぼそうとするのですか?」

 

ユティ

「えっ………」

 

雄助の最後の言葉にユティの顔から敵意が抜けた。

 

 

ウサギ

《俺が苦労して集めた情報をどうやって知ったんだ……

ユティ、『邪』の連中は【弓聖】に守られた人間達を唆して【弓聖】を殺させたんだ。

【弓聖】に守られた人間達は人質に取られ、『邪』か人間達の手で殺されるか責められたんだ。》

 

ユティ

「………それって」

 

雄助

「アーチェルさんは守ってきた人達に殺される事を選んで命を尽きました。」

 

ユティ

「師匠……」

 

ウサギ

《だがこれで終わるわけがなかった。

『邪』はその後、人間達を1人残らず殺したんだ。

 

ユティ

「ッ!?」

 

佳織

「待って下さい、アーチェルさんは守ってきた人達を助ける為に命を捨てたんですよね、それなのに………」

 

雄助

「気持ちは分かりますよ佳織さん。

ですが『邪』というのはこの世界の生物が持つ負の側面が命を持った存在です。

人間でいう善性何ていうものはありませんよ。」

 

雄助はユティと話す為、結界に入り込んだ。

 

 

雄助

「ユティさん、アーチェルさんの事を話しましたがそれでも人間を滅ぼそうとしますか?」

 

ユティ

「しない………ユウスケ、お願いがある。」

 

雄助

「何でしょう?」

 

 

 

 

 

ユティ

「私、『邪』を倒したい。だから手を貸してほしい。」

 

 

 

アーチェルの死を知ったユティの目には人間を滅ぼすというは憎しみの感情はなくなった。

 

アーチェルと守られてきた人間のように同じ過ちを繰り返させないという覚悟を決めて雄助と一緒に戦う。

 

 

 

 

 

 

雄助

「勿論です、これから宜しくお願いしますユティさん。」

 

雄助は結界を剥がしてユティを握手をし、これから共に戦う事をここに誓う。

 

 

ウサギ

《解決した挙げ句、『邪』に対抗する主力が手に入ったな。

……それじゃあ雄助、何故お前から『邪』の気配を感じた事を教えてもらおうか。》

 

ウサギは雄助から漂っていた『邪』について聞き出す。

 

 

ウサギ

《ユティの中にいた『邪』はとっくに消えて、変わりに雄助から『邪』の気配が漂っているがどういう事なんだ?》

 

ユティの件は解決し、ウサギは本命と言ってもいい程の事を雄助に聞き出す。

 

 

雄助

「ユティさんの中にいた『邪』を僕の身体に取り込ませたんです。」

 

ウサギ

《取り込んだだとッ!?

馬鹿か!!そんな事をしたらユティと同じ末路を辿るぞ!!!》

 

 

 

『んなこと出来たらとっくにやってるぞクソが!!!!!』

 

すると、何処からか男の声が大声でウサギにそう言った。

 

 

雄助

「それだけ元気なら大丈夫ですね。」

 

ウサギ

《ユウスケ、今の声は誰のだ?》

 

雄助

「ユティさんの中にいた『邪』ですよ。

因みに本来『邪』の声は『邪』に体を入りこまれた人にしか聞こえませんが魔法で皆さんにも聞こえるようにしました。」

 

ユティ

「ユウスケは何ともないの?」

 

ユティは『邪』が入り込んだ雄助を心配した。

 

 

雄助

「はい、それにもし意識を乗っ取ろうとするのであれば僕の意志いつでもで消せますので。」

 

『こいつを乗っ取る?無理に決まってるだろ。

ユティの場合は簡単だったが此奴の中は異常な上に出鱈目、そもそも構造自体が違かった。

体を乗っ取るには入った人間の邪悪な心に手を伸ばさなきゃいけない。

そしてその心を全て黒く染める為に原動力となる負の感情が必要だ。』

 

ウサギ

《だが出来なかったのか。

つまりユウスケにはその邪悪な心、負の感情が無かったのか?》

 

『いや何も無いわけじゃない、世界があったんだよ(・・・・・・・・・)

 

ウサギ

《世界?》

 

ウサギ達は世界という単語に食いつく。

 

 

 

『ああ、こいつの中に世界があった。

空があって満天の星があった。

地面は鏡のように星が反映されて歩く事も出来た。

人間の構造と全く違う此奴の内側を見て嫌な予感がして直ぐに出ようとした瞬間、俺は消える事を悟った。』

 

ウサギ

《消える?『邪』であるお前が自ら消えると?

一体何にだ?》

 

 

 

『【災厄】だ。』

 

邪は顔を強張ったような声でそう言った。

 

『俺は何も出来なくそれに飲み込まれた。

俺は最初それはこいつの邪悪な心だと勘違いしてをそれに手を出した。

すると、俺は触れた瞬間可笑しくなった。

その災厄は世界を滅ぼす程恐ろしかった。

それを俺だけにやられ、俺である事が無くなって、溶かされ、この世から消える恐怖を味わった。』

 

雄助以外全員

『…………』

 

『邪』が話した事を聞いたウサギ達は余りにも衝撃的で言葉を失った。

 

 

『だが消える直前、俺に纏われついた呪いは嘘のように消えていた。

こいつが助けてくれたからな。

 

雄助が『邪』を助けた事をその場で明かした。

 

 

雄助

「そしてユティさんとの会話と並列に行いながら『邪』はこれから僕達の仲間になりました。」

 

ウサギ

《『邪』を仲間になんて正気か!?》

 

雄助

「勿論です、ユティさんが『聖』と『邪』の力を両方持ってしまったのを例にすれば問題ありません。

 

ウサギ

《それは…………いや問題ないかもしれん。》

 

ウサギはふと考えると雄助の案をすんなり受け入れた。

 

 

佳織

「ええっと…どういう事でしょうか?」

 

雄助

「つまりですね、『邪』は『聖』を自分達の戦力に加えたという事です。

 

ウサギ

《『邪』に対抗する為に生まれた『聖』が星と人類に牙を剥くというわけだからな。》

 

雄助

「敵を味方につけるという人間の策を『邪』が行っている事は既に調べてあります。

『邪』に寝返った『聖』は【拳聖】、【槍聖】、【鎌聖】の3人が『邪』に立っています。」

 

ウサギ

《3人か…10人寝返ってないだけマシか。

それにしても【拳聖】があっちに寝返っているとは厄介だな……》

 

 

 

 

 

雄助

「それでは初めて『邪』を仲間にしたので早速名前をつけましょう。」

 

ウサギ

《何故そうなる。》

 

雄助

「『邪』は人間と同じ様に名前があります、『邪』の力の欠片である彼と意思疎通が出来るのですから名前は必要ですよ。

それにこれからどうするのかも考えるのもいいですが、ウサギ師匠は少し気楽になって下さい。」

 

 

ウサギ

《………そうだな、此処は結界を貼られているから気楽なってもいいな。

それはそうと名前か……『邪郎丸』はどうだ。》

 

ユティ

「『トート・シュバルツァ』。これで決まり。」

 

『切り替え早いなコイツ等。

俺はどっちも嫌だぞその名前。』

 

ウサギ達の切り替えの速さに驚きながらも、邪も人の事が言えず自分につけられそうな名前を即座に拒否した。

 

 

雄助

「ではデュアルはどうでしょうか。

二重や双対という意味で、『邪』である貴方は『聖』と対になっていると思いついたのでこれにしました。」

 

デュアル

『デュアルか……

仰々しい名前は嫌だったから2人よりはましだし、意味がピッタリだしなぁ…………………………いいぜ、俺は今日からデュアルって名乗る。』

 

邪は、雄助の考えた名前の意味が自分と的確だったからかデュアルと名乗る事に決めた。

 

 

ウサギ

《デュアルを仲間にする事が出来たな。

これからは『邪』の力を使えるように修行するぞユウスケ。

それじゃあ俺は用がすんだからこれでまた会いに行くぞ。》

 

ウサギは、家から出て空中を蹴りながら去って行った。

 

 

 

 

 

 

         ***

 

 

 

 

雄助

「今日から此処が貴方の家ですよ、ユティさん。」

 

その後、雄助はユティを【異世界の扉】から雄助の家に連れて家族のデュアルと共に家族一員になった。

 

 

雄助

「佳織さんが理事長に入学できるようしてくれますので、これからこの世界に住む準備や知識を教えますよ。」

 

ユティ

「分かった。」

 

雄助は佳織にユティを王星学園に通えるようお願いした。

雄助が学校に行く以上、ユティを1人で家に留守するわけにはいかず、何よりこの世界に来て生活する以上、義務教育を受けるべきと判断した。

 

 

雄助

「ご飯の支度をするので、お先に風呂に入って下さい。」

 

ユティ

「………」

 

雄助

「ユティさん?」

 

雄助はユティがその場で動かない事に聞こうとすると、

ユティは両手を上げた。

 

 

 

 

 

 

 

ユティ

「服を脱がして。」

 

 

 

雄助

「……アーチェルさんはそこまでやっていたんですね。」

 

雄助は直ぐ様、異世界でアーチェルがユティをどの様に育ててきたのかを即座に調べた。

 

雄助がアーチェルについて調べたのは、ユティが何故人類を滅ぼそうした理由を調べた為だけで、プライバシーの侵害になる生活は一切目に触れていない。

 

ユティ

「変?」

 

雄助

「変です。

それくらいは1人でやった方がいいですよ。

アーチェルさんが女性で良かったですが僕は男性なので色々と問題になります。」

 

ユティ

「分かった。これからは自分で脱ぐ。」

 

ユティは雄助の目の前で服を全部脱いて風呂場に行った。

 

 

雄助

「自分で脱げるという事は情報通りアーチェルさんはユティさんの可愛さの余りに自分からやったんでしょうね……」

 

 

 

こうしてユティとデュアルという新しい家族が増え、段々と賑やかになっていった。

 

 

 

 

 






今更ですがタグに『原作キャラ名一部変換』と記入しました。



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第31話 異世界で起きた事件




大乱闘スマッシュシスターズ様、なつみかんEX様、
炎龍王アキラ様、さむる様、弐式水戦様、
キノコマシーン様、


お気に入り登録有難う御座います。




 

 

 

 

 

雄助

「それでは皆さん、佳織さんの装備を手に入れる為に魔物と一通り戦いますよ。」

 

ユグル

「ワン!」

 

シンラ

「ブゴ。」

 

ユティ

「了解。」

 

ユティを家族に迎え入れてから数日後、佳織をアルセリア王国に連れて行く為に【大魔境】で佳織の装備を取りに出かけた。

 

 

雄助

「ユティさん、【邪】の力を抜き取りましたが体の支障はありませんか?」

 

ユティ

「問題ない。ユウスケのお陰で前より動きやすくなった。」

 

雄助

「そうですか、それでは行きましょう。」

 

 

 

 

 

 

雄助

❨ユティさん、学校はどうですか?❩

 

ユティ

❨勉強。大変だった。

ユウスケとカオリに事前に教えてもらったけど、難しかった。

でも、クラスの子と仲良くなれた。感謝している。❩

 

雄助

❨そうですか、クラスの子と仲良くなれたのなら何よりです……皆さん、遠くに魔物の気配があるので注意して下さい。❩

 

ユティに学校の話を念話で会話する雄助は、魔物がいる事を伝えるとユティ達は警戒する。

雄助は魔物の姿を確認したが奇妙な見た目をしていた。

 

毛の色は黄色で、タキシードと胸元に赤い蝶ネクタイ身に着けシルクハットを被った兎だった。

 

 

雄助

(不思議の国のアリスに出てきそうな見た目をしていますね。)

 

雄助はそう思い兎の魔物のステータスを確認する。

 

 

 

 

 

【ファンタジー・ラビット】

 

レベル:77

 

魔力:777 攻撃力:777 防御力:777

俊敏力:777 知力:777 運:777

 

スキル

【最大化】【最小化】【危機感】【緊急回避】

 

 

 

 

雄助

❨ユティさん、【ファンタジー・ラビット】とはどういう魔物ですか?❩

 

雄助は【ファンタジー・ラビット】はどういった魔物なのかユティに聞く。

 

 

ユティ

❨【大魔境】の中なら、最弱といってもいい。

他の場所でも、とても弱い部類。

ただ………見つける事が困難で、別名【幸運兎】と呼ばれている。❩

 

雄助

❨ステータスの数値通り縁起が良さそうですね。

それにしても珍しいスキルを沢山持っていますね。❩

 

ユティ

❨【最大化】と【最小化】は、的に見つかった際に大きくなって逃げるか、小さくなって隠れながら逃げるかのどちらかを選択する。

でもそれより厄介なのが、【危機感】と【緊急回避】のスキル。

【危機感】は極めて薄い殺意、敵意、害意出会っても察知するスキル。

【緊急回避】は殺意等を察知した瞬間、安全圏まで転移させるスキル。❩

 

雄助

❨つまり、殺意や敵意といった感情を出さずに死角から対応できない速度で確実に倒すしかないということですね……なら簡単ですね。❩

 

雄助は手からナイフを出現させ【ファンタジー・ラビット】の頭に目掛けて投擲する。

ナイフは見事頭に命中し、アイテムだけを落として消えた。

 

雄助は早速アイテムを回収し効果を調べ始める。

 

 

 

 

【幸運兎の黄毛】

ファンタジー・ラビットの毛皮。

非常に肌触りが良く、この毛皮で作られた外套(がいとう)は貴族の間で大変人気であり、超高額で取引される。

但し、ファンダジー・ラビットの存在自体が希少である為、世の中に出回るのは非常に稀。

 

【大小変化の丸薬(がんやく)

ファンタジー・ラビットのレアドロップアイテム。

この薬を飲むと、自分の大きさを自由自在に変化させる事ができるようになる。

効果は永続。

 

【危機回避の指輪】

ファンタジー・ラビットのレアドロップアイテム。

この指輪を装備している者は、1日に1回だけ、装備者の危険を察知した瞬間、装備者を安全圏まで転移させることができる。

安全圏は、事前に設定しておく必要がある。

 

【ラッキーローブ】

ファンタジー・ラビットのレアドロップアイテム。

装備者の運に補正がかかる。

 

 

 

雄助

「これは中々いい装備ですね。」

 

ユティ

「肯定。そして予想外。

直接強くなるわけじゃないけど、それでも安全が確保されるというのは本当に凄い。

それと……この薬。」

 

ユティは【大小変化の丸薬】に目を向ける。

 

 

ユティ

「この薬が【最大化】と【最小化】のスキルの元なのは分かる。

けれど使う場面がない。」

 

雄助

「ユティさんにはこの薬と相性はよくありませんね。

身を隠して矢を射つ人が大きくなってしまえば相手が気づいて逃げるか攻撃してきますし、逆に小さくなればそうなる事はありませんが、その影響で矢の威力は減るかもしれませんね。」

 

ユティ

「ユウスケはどう?」

 

雄助

「スキルにこれと同じような事が出来るので必要ありません。

ユグル君やシンラ君も同様です。」

 

ユティ

「………やっぱりユウスケ達可笑しい。」

 

雄助

「自覚はしています。

それにこれは何かに使えるかもしれませんし、取っておきましょう。」

 

アイテム確認を終え、その後は探索を続けユティの戦闘を確認し戦闘姿を指示し、時間を過ごした。

 

 

 

 

 

 

 

         ***

 

 

 

 

 

佳織

「す、凄い効果ですね……

ですが有難う御座います雄助さん。」

 

雄助は約束通り異世界の街に連れていく為に、佳織に【危機回避の指輪】と【ラッキーローブ】を渡した。

 

雄助に渡されたアイテムの説明を聞いた佳織はアイテム効果の破格の性能に驚いた。

 

 

雄助

「これで説明は終わりましたが、最後に僕達の世界と異世界は文化が全く違います。

佳織さんの服装は目立ってしまうのでそのローブである程度隠せるので常に羽織って下さい。」

 

佳織

「分かりました。

………今更こんな事を言うのも可笑しいのですが、本当に良かったのでしょうか?」

 

佳織は雄助にお礼を行った途端に表情を曇らせる。

 

 

佳織

「私の我儘で雄助さんに無理をしてしまったので。

それにこの頂いたアイテムもどう考えても貴重だと思うものばかりですし……」

 

雄助

「無理なんかしていませんよ、佳織さんには散々お世話になったのでこれ位は当然ですよ。」

 

ユティ

「肯定。私、カオリのお陰で、色々知れた。

だから、今度のガッコウ、って場所も楽しみ。

ありがとう。」

 

ユティも佳織のお陰で色んな知識を教えられた事にお礼を言う。

 

 

佳織

「………分かりました、それでは有難く使わせて頂きますね。」

 

雄助

「それでは王都に向かう為、転移魔法で行きますよ。」

 

雄助は直ぐ様、転移魔法を発動して賢者の家から王都より少し離れた場所に転移した。

一瞬で別の場所に転移された事に佳織どころかユティさえ目を大きく見開いて驚く。

 

 

ユティ

「驚愕。本当に転移できた。

【魔聖】でさえ、不可能な魔法を使った。

転移は魔法ではなく、スキルで似たような効果を発動することができるのに、ユウスケはそれを当然とばかりにできた。」

 

雄助

「レクシアさんの言う通り、やはり転移魔法はそれ程難しいのですね。」

 

雄助は前にレクシアとルナを賢者の家まで転移した時に言われた事を思い返して、王都に向かった。

 

 

 

 

 

佳織

「……ここが異世界の街なんですね!!」

 

王都に入ると、佳織は周囲を忙しなく見渡しながら目を輝かせる。

 

 

ユティ

「カオリ、そんなに見回すと目を回す。気をつける。」

 

佳織

「はっ!す、すみませんつい興奮してしまいました///」

 

ユティ

「カオリ、子供みたい。」

 

雄助

「ユティさんも大概ですよ。

車や電柱見た時の反応はまるで野生の動物に育てられた人間の反応でしたよ。」

 

ユティ

「………………知らない。」

 

ユティは佳織の反応が目立っている事を指摘し子供のようだといったが、雄助は現実世界を見たユティのこうどうに指摘していた。

 

 

 

特に雄助達が見た中で印象深かったのが、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユティ

「要求。私の武器を返す。」

 

雄助

「拒否させていただきます。」

 

通りかかった車を破壊しようとし、

 

 

 

 

 

 

 

 

ユティ

「……………」

 

雄助

「ユティさん、電柱から降りてきて下さい。」

 

電柱に登り魔物がいないか確認し、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユティ

「人間ジロジロ見てくる。不快。撃ってもいい?」

 

雄助

「駄目です。」

 

自分を見てくる周囲の人間を射ろうとしたり、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユティ

「ユウスケ。これ、どう?」

 

雄助

「試着室に戻って下さい。

それと下着に関しては僕ではなく佳織さんに確認して下さい。」

 

試着した下着を雄助に見せる。

 

 

 

 

その後も常識外れな行動に雄助達は足止めして様々な知識を教えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

佳織

「大変でしたねあれは……

レクシアさん達を連れて行く場合もああなるのでしょうか?」

 

雄助

「いいえ、ユティさんが特殊なだけですからレクシアさん達は最低限のマナーはありますよ。

それにしても王都の皆さん慌ただしいですね。」

 

佳織と雄助はユティの行動を思い返している時、雄助は王都の人達が慌てている事を指摘する。

 

 

雄助

「何が起きているのか聞いていきますので待ってて下さ……いえ、向こうから来てくれたようなので必要ありませんね。」

 

雄助は王都の人達にこの状況を聞き出そうとすると、1人の人物がこちらに駆け寄ってきた。

 

 

 

 

オーウェン

「ユウスケ殿!!!」

 

駆け寄ってきたのはレクシアの護衛オーウェン。

だがその表情は王都の人達と同様慌ただしかった。

 

雄助

「オーウェンさん。」

 

オーウェン

「ユウスケ殿、どうしてここにいらっしゃるのですか!?」

 

雄助

「佳織さんがこの街を見て回りたいと仰っていたので観光しに来ました。」

 

オーウェン

「カオリ殿が!?それに観光と…………ッ!!!?」

 

オーウェンは雄助の話を聞きながら後ろにいる佳織に目を向けた途端、隣にユティが立っていた事気付くとその場から飛び退く。

 

 

オーウェン

「ユウスケ殿ッ!?その女はッ!?」

 

雄助

「オーウェンさん、説明しますので剣を収めて下さい。」

 

雄助は人気がない場所で、ルナの時と同じ様にオーウェンにユティについて全て説明する。

 

 

オーウェン

「おとぎ話でしか現れない『聖』と『邪』がまさか存在してる上にユウスケ殿とユティは『聖』の弟子とは……」

 

話を聞き終えたオーウェンは頭を抱える。

 

 

オーウェン

「本来ならユティを捕まえる所ですが実力的にも不可能な上、ユウスケ殿に詳しく説明してくれたのでこの件は陛下に説明してユティを見逃します。」

 

雄助

「有難う御座いますオーウェンさん。」 

 

オーウェンは、レイガーを襲ったユティを見逃した。

 

 

雄助

「ところでオーウェンさん先程焦っていましたが、王都の人達と何か関係があるのですか?」

 

雄助はオーウェンと出会った時、王都の人達と同様焦っていた事を聞き出す。

 

 

オーウェン

「そうでした…ユウスケ殿!!!

是非力を貸して頂けないだろうか!!!」

 

雄助

「力を貸すのは問題ありませんが話の内容を教えて下さい。」

 

オーウェン

「実はこのアルセリア王国の近くに、『伝説の竜』が眠る渓谷があるのですか……」

 

雄助

「その竜が目覚めたのかもしれないので調べてほしいという事ですか?」

 

オーウェン

「そうです、理解が早くて助かります。」

 

佳織

「竜……実在しているんですね。」

 

ユティ

「驚愕。話は聞いた事がある。迷信だと思ってた。」

 

佳織とユティは互いに発した言葉は違うが驚いていた。

 

 

オーウェン

「私からすれば『聖』と『邪』はおとぎ話の存在とだったから同じなのだが……」

 

雄助

「伝説の竜が目覚めたという事は分かりましたが、それは一体どのような影響を与えるのですか?」

 

オーウェン

「それが……分からないのです。

迷信だと思われていた存在ですから、伝説の内容には『創世と共に存在する竜、ここに眠る』としか残されてて人間に有効的か敵対的なのかさえ分からないのです。」

 

雄助

「分かりました、僕がその伝説の竜を調査しに行きます。」

 

オーウェン

「有難うユウスケ殿!!

ユウスケ殿が王都に来てくれて本当に良かった!!!!」

 

雄助は王都の人達が混乱を招いた伝説の竜に調査をし始める。

 

 

 

 

 

 

 

ユティ

「疑問。オーウェンの話にあった。」

 

伝説の竜が眠ると言われた渓谷に馬車で移動している途中、ユティはオーウェンの話に疑問があると言った。

 

 

雄助

「疑問というのは世界が揺れたと錯覚する程の咆哮が轟いた後、渓谷に棲む魔物が逃げるように移動した事でしょうか?

それは家に貼られてある結界が咆哮を攻撃とみなして為、結界内にいた僕達には聞こえなかったのですよ。」

 

ユティがオーウェンの話に疑問を持っていたのは雄助達は異世界にいたというのにその咆哮が聞こえていなかったからだ。

その理由は雄助が教えてくれたが、結界が貼られていないアルセリア王国は家の壁や、城の城壁が崩れたとオーウェンは言っていた。

 

 

 

 

雄助

「佳織さん、伝説の竜が気になる気持ちは分かりますが僕達から離れないで下さい。」

 

佳織

「はい、それにしても伝説の竜に会えるというのは何だがワクワクしますね。」

 

雄助達が伝説の竜を調査しに行くと、佳織も自分と行くと言い出して、今は伝説の竜に出会える事の好奇心がいっぱいになっている。

 

 

雄助

「皆さん先程、伝説の竜について調べました説明しますよ。」

 

ユティ

「質問。ユウスケはどうやって調べてる?」

 

雄助が伝説の竜について説明しようとすると、ユティは雄助がどうやってその事を調べているのかを聞き出す。

 

 

雄助

「そうですね、折角ですし説明しましょう。

どうやって調べているのかというと、僕のスキル【全知全能】の【全知】で情報を調べているんです。」

 

佳織

「調べる?全知というのなら雄助さんは調べる必要はないのでは?」

 

雄助

「それは単に解釈の違いです。

僕の【全知】は全てを知っているのではなく、あらゆる全ての知識を任意で調べる(・・・・・・・・・・・・・・・・)事なんですよ。

最初から知っているのであればアーチェルさんの師匠を助けていましたし、そもそも『聖』の皆さんに会わずに僕1人で全ての『邪』を倒していましたよ。」

 

ユティ

「………ユウスケ。

さっき、任意に調べると言ってた。

なら何でこの世界に来た時、調べなかった?」

 

雄助の能力を聞いたユティは、雄助が異世界に来た途端に何故異世界の情報を調べなかったのかを聞いた。

 

 

雄助

「調べなかったのは【全知】を使いたくなかったんです。

あらゆる全ての知識を任意で調べるという事は、1人1人の個人情報だけでなく、過去、現在、未来の出来事すらも調べられるんです。

プライバシーの侵害だけでなく、人の一生やその後の世界がどうなるのかも知ってしまうなんてこれからの人生に楽しいや辛いといった事が当然の感情が感じなくなってしまうんですよ。

【創世竜】を例に、情報が少ない又は無いものじゃない限り【全知】で調べません。

それと皆さん、そろそろ目的地に着きますので準備して下さい。」

 

雄助はユティに調べなかった事を説明した後、目的地に到着する事をユティ達に伝え、馬車から降りる準備をする。

 

 

 

 

 

 

 

 

ユティ

「………ユウスケ。結界を貼った。」

 

雄助

「有難う御座いますユティさん。

どうぞカレーです、いっぱいあるのでおかわりして下さい。」

 

目的地の渓谷に辿り着いた雄助達は、見晴らしのある所まで移動し、魔物を倒してキャンプ気分でカレーを食べていた。

 

 

雄助

「皆さん僕の作ったカレーはどうですか?」

 

ユティ

「美味しい。」

 

佳織

「はいとても美味しいです!!」

 

ユグル

「ワン!はぐはぐ……」

 

シンラ

「フゴ!フゴフゴ……」

 

雄助

「それは良かっです。

では食べながらでいいのでこれから【創世竜】について何なのか僕が説明させていただきます。」

 

雄助は【全知】で【創世竜】についての情報を話す。

 

 

雄助

「【創世竜】が目覚めた理由は興味深い能力で目が覚めた事なんです。

それは『聖』と『邪』を匂いで嗅ぎ分ける事で、『聖』と『邪』があちこちに世界中を移動した事が原因なんです。」

 

ユティ

「私達が?」

 

雄助

「はい、それともうすぐこちらに【創世竜】が近付いて来ているので、一旦話は止めましょう。」

 

【創世竜】が目覚めた原因を話した雄助は体を横に向けると、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『貴様………何者だ。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

逢魔が時を表現する鱗が特徴の巨大な竜が、真っ直ぐと此方を見ていた。

 

 

 

 

 

 

 



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第32話 目覚めし創世の竜




クラック様、永久のボーダー隊員様、

☆9
時透 皐月様、

お気に入り登録、評価有難う御座います。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『貴様………何者だ。』

 

 

 

 

 

【創世竜】について説明をしていた雄助は、いつの間にか此処に来ていた創世竜に視線を浴びられた。

 

 

雄助

「初めまして創世竜さん。

僕は神譲 雄助、神譲が苗字で雄助が名前……というよりも貴方が知りたいのは何故貴方の事を僕がそこまで知っているのかを聞きたいんですよね。

簡単にいえば僕のスキルで貴方について調べさせてもらいました。」

 

雄助はスキルで調べた事を特に隠す事なく創世竜に話した。

 

 

創世竜

『スキルだと?

我の知る限りそんなスキルは聞いた事ないな……』

 

雄助がスキルで調べたと聞き、創世竜は考えながら雄助に睨みつける。

 

 

雄助

「創世竜さん、僕のスキルについて考えている所失礼ですが聞いて下さい。」

 

創世竜

『………何だ?』

 

 

 

 

 

 

 

 

雄助

「僕達に圧をかけるのを止めてくれませんか。」

 

 

 

創世竜

『………何?』

 

創世竜は、雄助の言葉に困惑した。

 

 

雄助

「僕の方に圧をかけているようですが、此処には僕の家族と親友がいて、気絶するかもしれないので」

 

雄助は、【創世竜】に佳織達が此処にいる事を教える。

 

【創世竜】は雄助の周りを見ると、佳織とユティは圧に巻き込まれて動けず、ユグルとシンラは余りの大きさに体を上に上げて続けて倒れた。

 

 

創世竜

『いや待て、其処の魔物達は何ともないようだが……』

 

雄助

「ユグル君達が問題無くても佳織さん達は駄目なんですよ早く止めて下さい。」

 

創世竜

『わ、分かった……』

 

創世竜は言われた通りに圧を解く。

 

 

ユティ

「ハァ…ハァ…」

 

佳織

「有難う御座います……」

 

雄助

「今度からは注意して下さい。

それに此処で出会ったのも何かの縁ですので創世竜さんも僕達と一緒に食事をしませんか。

長い眠りから覚めてお腹が空いている筈です。」

 

雄助は長い眠りから覚めた創世竜に一緒にカレーを食べようと誘った。

 

 

創世竜

『何なんだ貴様は……まあいいだろう。

だがお前達人間の料理は煮るか焼いて食べるのだろ?

それに我程の大きさがなければ満足する事はできんぞ。』

 

雄助

「人間は進化する生き物ですよ。

文化は発展し、様々な物を生み出しています。

料理だってそうです、それに量については心配ありません。」

 

雄助は空間から【大小変化の薬】を出し、創世竜に渡す。

 

 

雄助

「【大小変化の薬】という薬でこれを飲めば自分の体の大きさを変えられます。」

 

創世竜

『大きさを変えるだと?、信じられんな……』

 

雄助

「では諦めましょう、皆さん早速食べましょう。」

 

創世竜

『待て!!!我も食うからその薬を……』

 

雄助

「どうぞ。」

 

創世竜が口を開けた瞬間に雄助は薬を飲ませた。

すると創世竜が光だし、段々消えていくと創世竜の体は小さくなった。

 

 

佳織

「創世竜さんが小さくなりました!!」

 

ユティ

「創世竜。大丈夫?」

 

創世竜

『……元の大きさに戻るか試そう。』

 

創世竜は元の大きさになろうと念じると、また体が光だして元の大きさに戻った。

 

 

創世竜

『問題ないな。』

 

雄助

「ではお食べ下さい。」

 

創世竜は小さくし、雄助の出したカレーに目を向ける。

 

 

創世竜

『食べても問題ないんだろうな?

生き物の糞を使っているように見えるのだが……』

 

ユティ

「失礼。そのカレー、私に渡す。」

 

創世竜

『これは我の物だ!!!渡すわけ無いだろう!!!!!』

 

創世竜はカレーの色合いに戸惑ったが覚悟を決めて口にした。

 

 

創世竜

『………ッ!?、美味い!!!美味すぎる!!!

ユウスケ!!我にこの料理をもっとくれ!!!!』

 

初めて食べたカレーを食べた創世竜は、余りの美味しさにおかわりを要求した。

 

 

雄助

「分かりました。

それと創世竜さん、1つ知らせる事があります。」

 

創世竜

『何だ?早く言え!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雄助

「いつの間にか僕にテイムされていますよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

創世竜

『……………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何故だぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

創世竜

『馬鹿な……我がテイムされる等………』

 

自分のステータスを確認下創世竜は、テイムされている事にショックを受けた。

 

 

雄助

「…………創世竜さん、何か自分の体に違和感を感じませんか?」

 

雄助は創世竜に体に変化がないか聞き出す。

 

 

創世竜

『違和感?

あるとすれば我に見知らぬ力が呼吸する度にが増え続けている事しかないがそれがどうした?』

 

 

雄助

「これを見て下さい。」

 

雄助は創世竜にステータスとは別の画面を見せる。

 

 

 

 

 

 

 

 

【創世竜の進化条件】

 

【■■■■を取得】

 

【■と■の創世竜と対面】

 

【【神威】を取得する】

 

【この世界に存在する力を全てを取得する】

 

 

 

 

雄助

「これは、創世竜さんが進化する為の条件です。」

 

 

創世竜

『進化、我がか?』

 

雄助

「はい、ユグル君もシンラ君も同じ様に進化したのですが、最初から条件が満たしていたので直ぐに進化しました。

ですが、創世竜さんの場合は条件が満たされていないので直ぐに進化する事は出来ません。」

 

創世竜

『………想像出来ないな我が進化するなど……だが面白いな。』

 

創世竜は自分が進化できる事に興味を持ったのか顔から笑みを浮かび出した。

 

 

雄助

「さて、創世竜さんに名前を付けましょう。」

 

創世竜

『重要な事かそれは……』

 

雄助

「創世竜と皆さんに呼ばれたいのですか?」

 

創世竜

『いや、テイムされた我に文句はない。

だが、我に相応しいカッコいい名前にしてもらうぞ!!!!』

 

創世竜は名前を付けてもらう事に問題はないが自分に相応しい名前を付けてもらうと雄助に要求する。

 

 

 

 

 

雄助

「………仮名(・・)としてオーマというのはどうでしょう。

創世竜さんの体は逢魔が時を表しているのでそこから取りました。」

 

ユティ

「オウマガトキって何?」

 

雄助

「昼から夜に移り変わる時刻、つまり夕暮れ時です。」

 

創世竜

『オーマか……いいだろう。

だが何故仮名何だ?

我としては名乗ってもいいのだが……』

 

雄助

「進化しても今と同じ姿になるわけではありません

ユグル君は黒色の体毛、シンラ君は赤い体毛でしたので。」

 

オーマ

「……………いいだろう。

仮名としてオーマを名乗る事にする。

だが、我が進化した時も必ず我に相応しいカッコいい名前にしてもらうぞ。」

 

 

雄助

「勿論です、これから宜しくお願いしますオーマさん。」

 

雄助は仮名として創世竜にオーマ名付ける事と

 

 

雄助

「それでは、アーノルド様にオーマさんの事を話さなければいけませんね。」

 

ユティ

「伝える?必要なこと?」

 

雄助

「はい、僕達はオーウェンさんに頼まれてそして騒ぎを起こした元凶であるオーマさんをテイムした事で一応解決しましたが、この事を話さなけれいけません。」

 

雄助はアーノルドに報告する為、転移魔法で全員をアルセリア王国に転移させる。

 

 

 

 

 

 

 

アーノルド

「………ユウスケ殿、もう一度言ってくれぬか?」

 

雄助

「このオーマさんが、伝説に語り継がれてきた竜です。」

 

王城の近くに転移しオーウェンにオーマを連れてきた事を報告した雄助は、アーノルドの所まで連れて行かれアーノルドにオーマについて説明を終えていた。

 

 

アーノルド

「伝説の竜をテイムしたというだけで理解が追いつかない上に、ユウスケ殿の作った料理を一緒に食べている内にテイムした………」

 

オーウェン

「陛下、気持ちは分かります。

しかし、なれなければユウスケ殿について理解する事はできませんぞ。」

 

アーノルドはテイムした経緯聞いて頭に手を抱え、オーウェンは雄助の行動になれた方がいいとフォローする。

 

 

雄助

「アーノルド様、もし創世竜さんを始末ほしいのなら構いませんが。」

 

オーマ

『ユウスケ!?

お前我を進化させるつまりではなかったのかッ!!?』

 

雄助

「冗談ですよ。

僕はオーマさんを殺しません。

ですが皆さんを困らせたのでアルセリア王国の王、アーノルド・フォン・アルセリア様に謝罪して下さい。

もし断るのならオーマさんに食事は作ってあげません。」

 

オーマ

『なっ!?それはないだろ!!!!

カレーを食って以降、もう今までの食事はできないんだ!!!!』

 

雄助

「なら、謝るしかありませんよ。

勿論、心を込めて謝罪して下さい。」

 

オーマ

『分かった、分かったから!!!………人間!!!

 

アーノルド

「は、はいッ!!」

 

オーマ

『すまなかった!!!!

お前達の国を破壊してしまって!!!!

これからは我が主、ユウスケと共にお前達を、この世界を守るぞ!!!!』

 

雄助

「ちゃんと心を込めて謝罪していますね。

アーノルド様、オーマさんに関しては私が全て任せても宜しいでしょうか?」

 

アーノルド

「構わん、いや寧ろ有難い。

伝説の竜を公にする事などできないからな。

だが、褒美を与える事は出来ないのは申し訳ないが。」

 

雄助

「褒美はいりません。

私は、皆さんが困っていたからこの件に干渉したのですから。」

 

これにより、創世竜、オーマが引き起こした事件を世間に公にせず解決した。

 

 

 

 

 

 

 

オーマ

『何なんだこの結界は…………』

 

佳織

「どうかしましたか、オーマさん?」

 

賢者の家まで転移した雄助達は、オーマが賢者の家に貼られてある結界に驚いている事に耳を傾けた。

 

 

オーマ

『カオリには分からんだろうが、この結界、あまりにも完成されている。

我が全身全霊の一撃をぶつけたとしても結界を破壊する事は出来ない。』

 

 

ユティ

「オーマさんでも壊せない結界。

賢者、凄い上に可笑しい。ユウスケみたい。」

 

雄助

「ユグル君、シンラ君、佳織さんを此処から出さないよう守って下さい。」

 

雄助は結界の外の方を見て動き出した。

 

 

佳織

「雄助さん、何処に行くのでしょうか?」

 

 

 

 

オーマ

『『聖』と『邪』のいる所だ。』

 

佳織、ユティ

『えっ!?』

 

オーマは雄助が『聖』と『邪』のいる所に向かった事を佳織達に話す。

 

 

ユティ

「『邪』がいるなら私も行く。」

 

佳織

「オーマさん、お願いです!!!

雄助さんに手を貸して下さい。」

 

オーマ

『それは無理だ。

ユウスケが手を出すなと言われているからな。

我自ら行けば事は済ませるが、そもそも『聖』と『邪』の戦いに興味はない。

それに………『邪』などユウスケ1人で殲滅できるだろ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雄助

「ウサギ師匠、大丈夫ですか?」

 

ウサギ

《ユウスケッ!?……逃げろ……此処から……ッ!?》

 

雄助が辿り着いた先にはウサギが重症を受けていた。

 

 

ユティ

「ウサギ!?酷い怪我……ッ!?」

 

後から追いついたユティはウサギが重症を負っている事を見た瞬間、此方に殺気が向いている事に気付く。

 

 

 

 

 

 

 

「何だぁテメェ等は?」

 

殺気が放たれた方向には大胸筋を曝け出し、所々に傷がついた獣を連想する赤髪の男がそこに現れる。

 

 

 

 

 

 

 

雄助

「初めまして、【拳聖】ギルバート・フィスター様。」

 

ウサギの傷を治療した雄助は、その男の名前と正体を口にした。

 

 

 

 



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第33話 圧倒的力の差




僕最強だから様、今村 真也様、ユライ様、
ころ先生様、グレイ02様、優二様、


☆9
インドのお茶様、

☆10
仲良し村の有機マッシュルーム様、

お気に入り登録、評価有難う御座います。


 

 

 

 

 

 

ギルバート

「何だ、俺の事知ってるのか?」

 

ウサギの傷を治療していた雄助は突如現れた男、ギルバート名前の正体を口にする。

 

 

雄助

「【拳聖】ギルバート・フィスター。

【聖】を冠する方々を次々と殺す【聖狩り】を行い、【邪】の力に適合出来た実験体の1人。

貴方に力を与えた【邪】の言う事を聞かない貴方は排除対象に定められていると情報があります。」

 

ギルバート

「どうやって知ったのかはどうでもいいが、お前がシンジョウ ユウスケであってるよな?」

 

ギルバートは雄助の名前を口にした。

 

 

 

雄助

「僕の事を消そうとするヒトから聞いたようですね。」

 

ギルバート

「聞いてた通り鋭いヤツな。

アイツは俺がお前に勝つ事は出来ないとかほざいてたがな。」

 

雄助

「そのヒトの言う通り、貴方は僕に勝つ事は出来ません。

 

 

 

 

 

 

ギルバート・フィスター様、残念ですが今日が貴方の命日です。」

 

 

ギルバート

「……ハハハハハハハッ!!!!!生意気なヤツだな!!!!!

ガタイは俺よりデケェがお前は俺に勝てるってのか!?」

 

自分の命日だと言われたギルバートは、傲慢で相手の強さが分からないと認識した雄助に対して失笑する。

 

 

雄助

「勝てますよ。

ですが貴方は僕に攻撃する前に、苦しみながら一度死んで蘇り襲いかかりますが。

 

ギルバート

「死んで蘇え………ヴッ!?」

 

失笑を続けていたギルバートは、胸に手を抑えて苦しみ出し、

 

 

ギルバート

「何だ……この痛みは………お前……何を……………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ア゙あ゙あ゙ア゙Aあ゙あ゙ア゙ア゙Aあ゙あ゙ア゙AAア゙Aア゙あ゙AAAあ゙ア゙ア゙あ゙AAア゙あ゙AAA!!!!!!!」

 

人間とは思えない叫び声を上げながらギルバートの身体は膨張した。

 

 

ウサギ

《何だ、何が起きているんだ!?

ギルバートが魔力が増大している!!!》

 

ユティ

「理解が追いつかない……あれは一体………」

 

ウサギ達は雄助と共にいた為、ギルバートの変化に驚愕する。

 

肌は黒くなり、背中から10本の腕が生えて計12本となり、20mまで膨張された身体は元の体型と同じになる様修正され、目は8つと異形の姿と成り果てた。

 

 

ギルバード

「あアAアアAあアあAぁァaぁァァaぁaァaぁぁぁ!!!!!!!!!」

 

雄助

「ギルバートさんは僕が倒しておきますので、ウサギ師匠とユティさんは僕の家で待ってて下さい。」

 

ウサギとユティを家に転移させた雄助は、足に力を入れてギルバートの顔面まで近付き拳を突き出す。

 

 

ギルバート

「グぉ゙ッっ!??!?」

 

ギルバートは反応できずにそのまま吹き飛ばされ、見えない壁に叩き込まれ反動で雄助の方まで戻された。

 

 

雄助

「【大魔境】を探索している時に結界を貼っておいて正解でしたね。」

 

雄助は【大魔境】を探索する時、結界を貼った事をその場で明かしていると、反動で雄助の所まで戻ってきたギルバートは攻撃を仕掛ける。

 

 

ギルバート

がぁ゙aaぁ゙aァ゙ァ゙aぁ゙ぁ゙ぁ゙aa!!!!!

 

ギルバートは12本の腕を使って連撃を繰り出す。

12の本の腕から繰り出される連撃は数百万の拳になるほど、高速で突き出し雄助に襲いかかる。

 

 

ギルバート

「がァ゙!!!?!!?!?!???」

 

雄助

「相手が悪い上に、元から戦おうとしたのが運の尽きでしたね。」

 

回避や防御を意味を為さない技を繰り出したというのに、雄助は片手だけでギルバートの攻撃を防ぐどころか腕もろとも破壊した。

 

 

ギルバード

「Gア゙Aア゙ア゙あ゙AAAあ゙!!!!」

 

全ての腕を破壊されてしまったが瞬時に再生され、ギルバートは再び拳を連続で繰り出す。

 

拳に魔力を貯め込んで突き出すと、拳からビームが放たれた。

 

 

雄助

「お返しします。」

 

ギルバート

「ギャァ゙ぁ゙aぁ゙!!!」

 

ビームを吸収し、威力を倍増させてギルバートに打ち返すと左半身が破壊させた。

 

 

ギルバート

「グぉ゙ァ゙ァ゙aaaァ゙ぁ゙ぁ゙aaぁ゙!!!!!!」

 

対6本の腕が1つの腕になるよう1本の腕になるよう絡みつくと、拳を突き出す速度よりも早く雄助に近付いて左右から叩き潰そうとする。

 

 

ギルバート

「グぉ゙a!!!!!!」

 

しかし、雄助が余りにも速すぎて認識できず、鼻を殴られまた吹き飛ばされた。

 

 

ギルバート

「ガaぁ゙ぁ゙ァ゙aaぁ゙ァ゙ァ゙ぁ゙aaぁ゙ァ゙ぁ゙aa!!!!!!!」

 

カウンターをくらい続けてもギルバートはそれでも体を起こし攻撃をし続ける。

 

 

 

 

オーマ

《凄いな……顔色一つ変えずに圧勝している。》

 

ウサギ

(【邪】を味方にしたどころか創生竜すらも仲間にするとは……それにギルバートもとんでもないな。

【大魔境】の森や岩を跡形もなく消し飛ばしている。)

 

ウサギは創生と共に生まれたオーマをテイムした雄助、ギルバートが雄助の貼った結界内にある森や岩を跡形もなく破壊した事に驚きを隠せなかった。

 

ユグル

「ワン、ワンワン!!」

 

シンラ

「ブヒブヒィ!!」

 

ユグルとシンラは、自分達で雄助と一緒にギルバートを倒しに行こうと案を出す。

 

 

オーマ

『止めておけ、そんな事をすれば我らは戦う事も出来ずに消えるぞ。

勿論、我を含めてな。』

 

全員

『ッ!?』

 

オーマの発言に佳織達は目を大きく見開いた。

 

 

オーマ

『雄助が貼った巨大な結界の中には、ギルバートという男が関係しているのか消滅する力が充満している。

もし我の爪が少しでもこの結界から抜けた瞬間、消滅の力が我の体を蝕むかの如く全身を巡り消滅するぞ。』

 

佳織

「雄助さん……」

 

オーマ

『心配するなカオリ。

我が説明しておいてユウスケはその力が充満している中でギルバートを圧倒しているぞ。』

 

オーマの話を聞いた佳織は顔を青ざめたが、オーマは雄助に心配はないと伝えた。

 

 

ユティ

「ユウスケ、最初からこうなるのを予測してたみたいな感じだった。」

 

オーマ

『恐らくユウスケは、未来を見通せるスキルがあるか前例であって対応できたのかもしれんな。』

 

オーマ

(それにしても何故、直ぐにトドメをささないんだ?

ユウスケの力なら一瞬で倒せるというのに、力を見せたくはないのか?)

 

オーマは雄助がギルバートを直ぐに倒さないという事に疑問を持ちながら雄助の戦いを眺める。

 

 

雄助

「ギルバートさん、僕は貴方を元に戻す事は出来ますが力に溺れ【邪】の力を受け入れて【聖】の方々を殺す事を躊躇わなかった貴方を助ける事は出来ません。

なので、苦しむことなく貴方を楽にさせます。」

 

雄助はギルバートにそう告げ、胴体まで瞬時に近づく。

 

 

雄助

「《刹那(せつな)》」

 

音や時間すらも置き去りにする認識不可の拳を胴体に向かって放たれた。

身体は肉片となり、雄助の放った拳に内包されたエネルギーがギルバートの全身に巡られ再生能力を阻害した。戦う事が不可能になったギルバートはその一連を認識する事もなく消滅した。

 

 

デュアル

(化け物になった奴を涼しげな顔で倒しやがった。

……何なんだコイツは。)

 

オーマ

(これがユウスケの力………恐らく、奴より強いかもしれないな。)

 

オーマすらも倒せる脅威となったギルバートを涼しげな表情で倒した雄助にデュアルは困惑と驚愕を交互に出し合い、オーマは自分を倒した賢者を比較していた。

 

 

雄助

「それでは元に戻しましょう。」

 

戦いが終わると、結界内の破壊された森や岩が先程までの戦闘が時間を巻き戻ったかの様に元に戻り、戦いはこれにて終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『【拳聖】の気配が消えた。』

 

生命が存在する気配の無い荒涼(こうりょう)した大地に3人の【邪】が集まっていた。

 

 

『【弓聖】の弟子に与えた力も無くなったからそれと関係があるのかな?。』

 

『【聖】の中で最強と言われている【剣聖】がやったのでしょうか?』

 

『いや、【剣聖】が相手でも無事でいられる筈が無い。

何より【邪】の力そのものが消えている。

恐らく【聖】とは別の存在がやったのだろう。』

 

『異分子、という事ですか。』

 

『でも【拳聖】を倒した事には感謝するよ。元々消す予定だったから手間が省け。』

 

『どうします?

異分子を最優先に始末しますか?』

 

『いや、【聖】に戦争を仕掛ける。』

 

『本当!?

いつ殺す!?僕は今直ぐにでもいいよ!!!!

そうだ!!全員殺してもいい!?』

 

『落ち着け、殺すのはいいが全員は駄目だ。

奴隷として増やす為に残した方が良い。』

 

『成程、世界の主導権を握る為に我々の脅威となる存在を管理しなければいけないからですね。』

 

『ふ~ん、じゃあ僕から最初に仕掛けていいかな!?』

 

『構わん、後は異分子を探さねばな。』

 

『それは私にお任せ下さい。』

 

2人の【邪】は計画の為にその場から消える。

 

 

(【拳聖】と繋がっていた時に妙な力を感じたのは気の所為か?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「クソッ、使えない奴め!!!

なら次はお前に奴を始末してもらうぞアヴィス……」

 

 

 

 

 

 

 

 







FGO2部7章をクリアしたり、サムライレムナントをしていたので投稿を遅らせた事を謝罪します。


今更ですが雄助が異世界で探索する時の装備は《血戦鬼シリーズ》ではなく、雄助自作のローブで探索しています。

そして次の回は幕間として、雄助が別作品のキャラの所に行きます。

その作品の知識と僕の頑張り次第で話の構成を書くので余り期待しないで下さい。






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