SAIYANS CORE  ~ドラゴンボール混~ (岸部啄木鳥)
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出会い編
プロローグ ~彼が生まれる前の物語~


AGE ???

~彼が生まれる前の物語~

 

―AGE ??? ?月?日 ?時??分 ヴァルハラ 女神の間―

 

時の流れに沿って、私たちの世界は、変わっていった。

人の文明は進み、神もやがて生まれていった。

妖怪という存在も生まれた。

今日、私は、一人の妖怪の魂を、

次の未来へ送り届けねばならない。

やがて地獄へ行くはずの魂を。

 

乱れつつあるこの世界を、正すために。

 

ここは、聖地ヴァルハラ。

白玉楼よりも深くに存在する、女神の住まう場所。

私が、時の流れを正すための場所。

 

「覚悟は出来たか、ライトニング」

右隣で、私と共に空を見ていた男が言った。

私をライトニングと呼んだこの男は、カイアス・パラッド。

死神だ。…何万年も前に、一度世界を終わらせた。

 

ライト「ああ。出来ているとも。…たとえこの身を削る事になっても、

彼を送って見せる」

カイアス「地獄の… いや、天界の者達に、彼を渡してはならん。

なんとしてでも守るのだ。」

ライト「ああ。」

私は頷き、耳に付けた連絡装置に手を当てた。

 

ライト「ホープ、彼は後どれくらいで来る?」

ホープ「もうすぐ来ます!天界の者達も大量に…気をつけてください!」

 

連絡先は、ホープ・エストハイム

元「人類の指導者」

今はヴァルハラから「神の目」として世界を見ている。

 

 

ライト「わかった。…来るぞカイアス。構えろ!」

カイアス「言われなくとも!」

 

私達が武器を構えたその時、空から一つの大きな光と共に、

天使の軍勢が降りてきた。

 

ライト「悪いな…今回だけは邪魔させてもらうぞ!」

 

あの光こそ、私が送る、妖怪の魂

かつて山の四天王と恐れられた…偉大なる鬼

 

ライト「必ず届けよう。岸部啄木鳥!」

 

光が人型になり、降りてくる。

カイアスが外へ飛び出し、啄木鳥を目指して走り出す。

私は阻止しようとする天使の軍勢に銃撃を加え、交戦を開始する。

 

カイアスが啄木鳥へと到達し、キャッチした。

 

カイアス「啄木鳥!聞こえているか!?」

「!?」

 

啄木鳥に呼びかけるカイアスに、天使が襲い掛かる

 

カイアス「ロウ共め…!」

ライト「伏せろ、カイアス」

 

カイアスが伏せたのを確認した私は、剣を地面に突き刺し、

古の究極魔法を放つ。

 

『アルテマ』

 

放たれた魔法は、天使を巻き込み、爆発した。

私は、爆風の中を進み、啄木鳥達の元へたどり着いた。

 

 

ライト「立てるか、啄木鳥?」

啄木鳥「ああ。ありがとう。…あんたらは?」

ライト「…今は覚えなくて良い。」

ライト「それより、今自分が死人…いや、死妖である事は理解できるな?」

啄木鳥「妖怪と一緒にすんな。…わかってるよ、そんな事」

ライト「お前は、今から私達の手で転生する。納得できるか?」

啄木鳥「…」

ライト「いきなりだから、戸惑うかもしれないが…」

啄木鳥「いや、わかった。」

 

カイアス「…理解力は衰えてないらしいな。話が早くて助かる。」

啄木鳥「そりゃどーも」

ライト「なら…」

 

私は、指を鳴らし、門を発生させる。

 

『ユニバース・ゲート』

 

ライト「門をくぐれ、後はただ突き進め。」

カイアス「追手がもうすぐ来る。早く行け」

啄木鳥「大丈夫なのか」

 

私達は、笑って答える。

カイアス「笑わせるな。あんな奴らに負けるものか。」

ライト「ああ。全く問題無いね。」

 

そして、啄木鳥に背を向けて、更にこの言葉を告げた。

 

ライト&カイアス「前だけ見てろ。背中は守る」

 

遥か昔に、ホープに告げた…この言葉を。

 

啄木鳥「…ああ、わかった!」

 

そう言って、彼は元気良く門をくぐった。

 

 

 

 

 

ああ、ここは任せてくれ。

お前は、私達の想いを遂げてくれ。

この世界を正し、

―未来を、救ってくれ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<次回予告>

 

―AGE 730 惑星ベジータ アキタ高原―

 

バーダックは、地方軍からの調査依頼でこの地に来た。

この地に、「鬼のような形相の少年」から襲われたとの報告があり、

地方軍から本部へ調査へ来たのだ。

 

調査を進めるうちに、バーダックは、凄まじい現場を目撃する。

 

それは高原の片隅で、

地方軍の骸の上に立つ、銃剣を持った少年の姿だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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第一話 〜少年は辺境に何を見る〜

AGE730年 

~少年は辺境に何を見る~

 

―AGE 730 4月8日 16時00分 惑星ベジータ アキタ高原 駅―

 

 

出会いは、運命を呼び寄せる

たとえそれがどれだけ残酷な物でも  手繰り寄せてしまう

キツツキ お前はこの出会いから、どれだけの運命を手繰り寄せるのか

それがどれだけ残酷な物でも お前は乗り越えて行かなくてはならない―

 

 

 

 

 

 

???「…だー、面倒くせぇ。なんでこんなとこまで…」

 

俺の名前はバーダック。

サイヤ人だ。

…位置的には中級戦士…。生まれは、下級戦士だがな。

わけあって、ベジータ宮殿から遠く離れた辺境の地、アキタ高原に来ている。

ベジータ宮殿てのは、王様の城だ。その反対側が、アキタ高原だ。

 

バダ「ベジータ王の命令だから仕方ねぇとはいえ…俺が出る問題か?」

 

俺はここにいるらしい「鬼のような形相の少年」の調査のために来た。

どうやら地方政府軍の下級戦士共が次々やられてるらしい。

 

バダ「鬼のような形相…って、キレた顔の事じゃねぇか。ほかに情報ねぇのか?」

 

まぁ、グチグチ言ってても仕方ねぇ。俺は高原の奥まで散策してみる事にした。

 

バダ「ここいらはメイオベントスもよく出る…気をつけねぇと。」

 

 

〜アキタ高原 北アキタ〜

 

バダ「…オイオイ、なんだこりゃ…」

 

奥地の北アキタら辺で俺は、凄惨な光景を目にした。

何十人もの下級戦士共が殺され、積み重ねられている。

積み重ねられた山の上に、一人の餓鬼が立っているのが見える。

 

バダ「オイ、そこの餓鬼!そこで何してる!」

声をかけてみた。

 

餓鬼はこっちを向き、下に人がいるのを確認したらしく、

わざわざ下級戦士共の頭を踏みつつ降りてきた。

 

????「…見りゃわかんだろ。人殺しだ。」

バダ「ハイハイ、人殺しね…ってなるか馬鹿野郎!!!」

柄にも無くノリツッコミしちまった。

 

????「そんなになるような事か?」

バダ「いや、普通はこの反応だぜ…。これだけ殺ってて平然としてるテメェの方が可笑しい。」

バダ「…糞餓鬼、名前は?なんでこいつらを殺った?」

 

 

キツツキ「…キツツキだ。理由は…苦労して報酬で得た酒を取られたから。一人殺ったら仲間が来て…と言った感じだ。」

バダ「報酬で、酒…テメェ、餓鬼のくせに酒飲むのか」

キツツキ「生まれてまもなく酒は好物になった。」

バダ「ふむ…ん?家族は?」

キツツキ「いねぇよ。生まれた時から…のはずだ。」

バダ「はぁ?」

思わず首を傾げた。

 

キツツキ「…記憶…顔は思い出せるんだ。なのに…記憶は一切無い。」

バダ「…」

 

こいつの例、一度だけ本で読んだ事がある。滅多に無い種類の本をある星で拾った時に読んだ。

確か…『女神転生』…2歳児くらいの状態で肉体が復活する、女神にしか出来ない転生の仕方。

普通の冥界からの輪廻ではあり得ない転生。

特別な条件を満たせば記憶が戻る…んだっけか。

 

バダ「…寝床とかは?」

キツツキ「野宿だ。」

バダ「そうか…」

 

 

酒が好きな、女神転生したサイヤの餓鬼。

普通に考えればめんどくせぇからほっとく…が、俺はどうにも、こいつをほっとけないらしい。

こいつとは何か、運命的なものを感じた。

 

バダ「よし!キツツキ、テメェ今日から俺の息子になれ!」

キツツキ「は!?いきなり何を…会ったばかりだぞ!理由はなんだ?」

バダ「なんとなくだ、なんとなく!テメェ今夜も野宿なんだろ?屋根があった方が良いんじゃねえか?」

キツツキ「…まぁ、それはそうだな。」

バダ「っし!じゃあ今日からよろしくな!俺の名はー

 

          バーダックだ!!

 

 

 

こいつとの出会いはこういう感じだった。

そして、こいつと出会った事が、俺の4ヶ月程の物語の始まりだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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