雪ノ下雪乃が行く実力至上主義の教室 (速水さん)
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1話
皆様はこれまでどれくらいの俺ガイルとよう実のクロスオーバーまたは、俺ガイルssを見ましたか?クロスオーバーの殆どが雪ノ下と由比ヶ浜と葉山がアンチのものが多いと思います。そこで考えてみました。いつもアンチの人たちを物語の中心人物にしたら面白いのではないかと思い、作ってみることにしました。
作るといっても三人を中心としたものではなく雪ノ下をメインにしたものを作っていきたいと思います。八幡は入学してません。ようはアンチものの定番の八幡がこれまでのことを学校側に報告して雪ノ下や由比ヶ浜が責められるという形で視点は八幡ではなく雪ノ下視点で行きたいと思います。
能力としては
学力:A
知性:B
判断力:B
身体能力:B
協調性:D
面接官からのコメント
学力が高く知性、判断力、身体能力は申し分ないが協調性が全くない。これを見たらBかCだが、中学での出来事によりDクラスとする。これは関係ないが卒業生の姉の雪ノ下陽乃よりは劣っているとここでは判断している。
こんな感じにします。協調性は中学よりはましな方です。
設定としましては先ほど言ったものと同じで、雪ノ下は責められる。学校では暴力はないが特に女子からの陰湿ないじめを受けている。ここで他と違うのは八幡のことを憎んでおらず。今回の出来事は全て自分が悪いと反省しているが八幡に合わせる顔がなく謝罪はしているものの前みたいな感じではない。
そして今回の出来事を受けて母親の耳に入り雪ノ下家で働き、政略結婚させられるが雪ノ下が反省しており親は最後のチャンスを与えることにしました。それが高度育成高等学校への入学です。入学しただけではこれらを破棄できません。しっかりと三年間在籍し卒業時にはしっかりと就職できる形で卒業したらこの話をなしにして自由にするという話です。
これを聞く限り雪ノ下は学力もいいので学力での退学はなく、あるとすれば悪いことをして退学ですが雪ノ下は中学で思い知っているのでこの時、雪ノ下は簡単だと思っているが読者の皆様はわかると思いますが就職100%なのはAクラスだけ。ようはAクラスで卒業しないとこの話はなかったことになります。という作者の強引な話の展開にしております。
そしておまけですが、姉の雪ノ下陽乃は雪乃が入学すると同時に卒業しております。そして生徒会長をしていてその時の副会長が堀北の兄です。最初は陽乃の話の通りの人物だと思っている。物語が進むにつれてどうなるかはお楽しみです。
最後になりますが、こういうまったくもって新しいものを作るので色々とおかしな部分があると思いますが温かい目で見守ってください。それでは本編のほうへどうぞ
私の名前は雪ノ下雪乃。今はバスに揺られてとある場所に向かっている。そこは私が通うことになっている高度育成高等学校に向かっているバスに乗っている。何故私が総武ではなくここなのかは察しのいい方はわかると思うけど、私は中学でとあることをやってしまい学校のみんな特に女子から反感を買ってしまった。
そこからは前の時に話した通りよ。(前ページを読んでいない方はすみません)私はきちんと卒業する為に自分の弱点を克服することにした。それは体力や運動面だ。私は少しの運動はできるが体力があまりにもないので入学までに体力を付けて人並み以上の体力を手に入れた。といっても平均の少し上くらいだけど。
学力のほうも元からできる方だが甘えずに学力も上げることにした。その結果全国模試ではオール満点の結果を出した。これで大丈夫だと思っていたが卒業した姉さんからヒント的?なものをもらった。
「雪乃ちゃん。学力や身体能力を上げるのもいいけど賭け事のものをやったら?」
「それはどうしてかしら?」
「まぁ、それは入学してからのお楽しみ。しいて言うならあそこはお金がすべてよ」
「そう。わかったわ」
雪乃が自室に戻った後。
「ちょっと、ヒントあたえすぎちゃったかな?」
雪乃視点
私はバスから降りて校門のところまで行きクラスを確認した。そこにはDクラスと書かれていた。私はそのクラスまで行くことにした。
教室に入って自分の席を確認したところ一番後ろの窓側から三番目の所で左隣にいる生徒は綾小路という生徒らしい。そして次々に生徒が入ってきた。色んな生徒がいるようね。真面目な人やちょっと雰囲気が悪い赤髪の人がいるようね。昔の私なら見下していたけどそんなことはもうしないわ。
そんなことを考えていると担任の先生らしき人が入ってきた。私は一目見ただけで驚愕した。胸元が見えていた。なんてものを。私も中学よりは成長してはいるがあんな感じではない。
「新入生諸君。私はこのDクラスを受け持つことになった茶柱佐枝だ。担当科目は日本史だ。この学園では卒業までの三年間クラス替えはしない。お前達は私と三年間共に過ごすことになるがよろしく。今から一時間後に入学式が行われるが、その前に当校の特殊なルールについて説明をしたいと思う。まずはこの資料を配布したいので、前の生徒は後ろの生徒に回してくれ」
私が変なことを考えているうちに先生が自己紹介をして資料を配っていた。
「今から配る学生証カードにはポイントが振り分けられており、ポイントを消費することによって敷地内にある施設の利用や売られている商品の購入が可能だ。要するに学園専用のクレジットカードだと思えばいい。学校の敷地内にあるものなら何でも買える」
ポイントでいろんなものが買えるのね。何でもといわれるとテストの解答なども買えるのかしら?まぁ、そんなわけないわよね。それにテストなら大丈夫。きちんとポイントを節約しながら使わないといけないわね。
「ポイントの使い方は簡単だから迷うことはないだろう。それからポイントは毎月一日に振り込まれる。なお、1ポイント1円の価値があり、新入生のお前たちには10万ポイントが振り込まれているはずだ。無いとは思うが、もし足りなかった場合は申し出るように」
10万ポイントももらえるなんて怪しすぎではないかしら?でも現に今10万ポイントある。これは来月ももらえるのかしら?
雪ノ下は一人で考えていたが他の者たちは茶柱先生の発言に驚いていた。この歳で10万というたいきんを手に入れることができるのだからとうぜんだろう。
「意外か? 最初に言っておくが、当校では実力で生徒を測る。倍率が高い入試をクリアしてみせたお前たちにはそれだけの価値があるということだ。その評価のようなものだと思えばいい。ただし、卒業後には、学校側が全て回収する。どれだけポイントが残っていても現金化は出来ないので注意しろ。ポイントをどう使おうがそれは自由だ。好きに使ってくれ。仮にもし使う必要がないのならば友人に譲る方法もある。だがカツアゲはやめろよ? 学校は苛めに敏感だからな」
茶柱先生がそう言うと生徒たちはなるほどという感じでうなずきだした。その中には雪ノ下もいた。
最後のいじめに敏感というのは教室に来るときに見た異常なまでにある監視カメラの意味が理解できる。そうでない限りこの説明のしようがない。
茶柱先生がそう言って教室をあとにしていった。質問したいことがあるからあとで職員室にでもいきましょう。そんなことを雪ノ下は考えていた。
他の生徒は10万もらえたことにテンションを上げていた。そんな中一人の生徒が声を上げた。
「皆、ちょっと良いかな?」
そう言ったのは、初対面であれだけれども葉山君にとても雰囲気が似ている人が話し始めた。
「僕らは今日から三年間共に過ごすことになる。だから自発的に自己紹介を行って、一日も早く友達になれたらと思うんだ。茶柱先生の言葉を信じるなら、入学式までに一時間はある。どうかな?」
そして始まった。自己紹介イベントというものかしら。これはとても重要ね。そう言えば、比企谷君はこの自己紹介は大変だといってたわね。高校では大丈夫なのかしら?
雪ノ下はそんなことを考えていた。そんなことを考えているうちに自分の出番が来た。
「じゃ、次はそこの髪の長い人よろしく」
私の出番が来たようね。失敗しないようにしましょう。
「私の名前は雪ノ下雪乃。趣味は読書で最近は朝にランニングをしているわ。三年間よろしく」
私がそう言うと拍手が鳴り響いた。これは成功したようね。そう思い私は安堵した。
そして自己紹介は続いた。
そして自己紹介が終わってちょっとしてから入学式が始まった。入学式というのはどうしてこうも長いのかしら。とくに校長先生の話がとても長いわ。
そんなことを思いながらもなんとか耐えて入学式が無事終了した。
「ではオリエンテーションはこれで終了する。明日から授業があるのでそのつもりでいるように」
茶柱先生はそう言って教室から出ていく。そして生徒たちが次第に集まってこの後何をするのかなどを話し合っていた。当然私はそのようなコミュニケーションは持っていないからできないのだけれど。
そんなことを考えながら、雪ノ下は茶柱先生に質問したいことがあったので教室を出て職員室に向かうことにした。
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2話 坂柳有栖との出会い
私は、教室から出た後に職員室に向かって歩いた。そしてついて私は部屋をノックして入った。
コンコン
「失礼します、茶柱先生はいらっしゃいますか?」
「どうした?雪ノ下。私に何か用か?」
「はい。先生に質問したいことがあります」
「そうか、聞こう」
「先生は朝にこの学校はポイントで何でも買えると仰っていましたが、テストの解答も買えるのでしょうか?」
「それを私に聞いてどうするつもりだ?まさか出来たらやろうとでも思ったのか?」
「いえ、気になっただけです。でも、出来ないとは言わないのですね」
「まぁ、今言えることは何もないということだけだ。それだけか?」
「それとこれは質問ではないので聞き流してかまいませんが、先生はこの学校はいじめに敏感と仰っていましたが、それにしては監視カメラの量が多くないですか?何か、私たちを監視しているみたいな」
私が言うと茶柱先生の眉毛が少しピクついた。本当に私たちを監視しているという事?一体何のために。今はまだわからないけど時期にわかってくるはず。
「どうだろうな。以上か?」
「えぇ、そうですね。それでは失礼しました」
そう言って私は職員室をあとにした。その際何人かの先生に見られていたが気にせずにその場をあとにした。
職員室内side
「あれが陽乃ちゃんの妹の雪乃ちゃん?」
「そうだ」
「良い線いってたけど完全にSシステムについてはわからなかったね。陽乃のちゃんは初日でわかってたけどね」
「まぁ、そうだな。だがもしかしたらわかっていたが確信までには至らなかったのかもな」
「どうして?」
「私と喋っている時私のことを観察していたからな」
「そうなんだぁ~」
そんなことを話していた。
私は職員室をあとにしてから日用品を買うためにコンビニに行くことにした。
コンビニに着いた私はある程度のものを買って他に買うものがないか確認していたら無料の商品があるのを目にした。
無料?毎月10万ポイントが振り込まれるからこれは明らかにおかしいわね。ちょっと待って。確か、茶柱先生は毎月一日ポイントが支給されるとは言っていたけど、10万とは言ってない。そして無料の商品があることからポイントは10万ではなくその月で変動するという事になるわ。
だけど、その変動の基準が分からなければ意味がないわ。それでもこれは大きな収穫を得ることができたかもしれない。
これをクラスの人に言うかと聞かれたら言わないわ。何故なら、そもそもこの話を信用するかもわからないし、それにこのことをきっかけにクラスの中心みたいになってしまって目立つのは嫌だわ。だから、ゆっくりと学園生活を満喫して無事に卒業しましょう。
私は、買い物を終えて寮に帰ることにした。寮について私は管理人の人からルームキーをもらい自分の部屋の階までエレベーターで行った。
そして私の部屋の前について鍵を開けドアを開けて中に入った。中は、8畳くらいのワンルーム、なかなかに広いのね。
部屋に到着してすぐに私は買ってきたものを配置していったり、冷蔵庫の中に入れた。マニュアルによれば電気代、ガス代、水道代まで無料と書かれていた。これらもポイントで支払っていたら一ヶ月持たないのでありがたいわ。そして、防音らしい。
今日は疲れたので軽いものを食べてシャワーを浴びて寝ることにした。
次の日
いつも通り朝五時に目が覚めた。何故こんなに早起きをするのかというと、入学する前からいつも欠かさずにランニングをしているのでここにきてもしようと思っているから早く起きたの。
ジャージに着替えて外に出てランニングスタートした。五時だけど流石に寒いわね。
そんなことを思いながら一時間近くランニングをしていた。
部屋に戻ってシャワーを浴びて朝食を食べて、少し授業の予習してから私は学校に行くことにした。
寮を出てすぐの所で杖を突きながら登校している生徒がいた。こういう生徒も入学しているのね。そんなことを思っていたところでいきなりその少女がつまずきそうになっていたので私はその少女を倒れないようにした。
「大丈夫かしら?」
「これはどうも。お陰で転ばずに済みました」
「そうね。それはよかったわ」
「はい。よければ一緒に登校しませんか?」
「えぇ、いいわよ」
「そう言えば、自己紹介がまだでしたね。私はAクラス所属の坂柳有栖と申します」
「私はDクラス所属の雪ノ下雪乃よ」
「Dでしたか。道理で見なかった顔です」
「そうね。私もあなたのことをクラスで見なかったわ。それよりも、カバン持ちましょうか?杖を突きながらでは歩きずらいでしょ?」
「そうでしょうか?私は大丈夫と言いたいところですが先ほど転びかけましたから、お言葉に甘えて」
そう言って坂柳さんは私にカバンを預けた。
「雪ノ下さんは優しいのですね」
「そんなことないわ。私は優しくなんかない」
私は優しくなんかない。優しかったらあんなことにはならなかった。
「私は昔の雪ノ下さんを知りません。過去に何があったのかも知りませんが、私は今の雪ノ下さんはお優しい方だとおもいますよ?」
「それはどうも//」
なんだか少し恥ずかしい気がするわ。
「突然、ですが。雪ノ下さんはこの学校のことについてどう思われますか?」
「そうね。とても素晴らしいところとは思うわ」
「私もそう思います。では聞き方を変えましょう。Sシステムについてどう思いますか?」
さっきとは何かが違う感じがした。でも、私は焦ることなく答えた。
「あまり詳しいことはわからないけど。月にもらえるポイントは変動するのではないかしら」
「それは何故?」
「これは、あくまでも仮設なのだけれども。コンビニにの中に無料と書いてある所があったわ。それに昨日は月の初め先輩方はポイントをもらっているはずなのにそこで買っている人もいた。そして先生が入学式の前に説明していた、月の初めにポイントを支給するといっていたが昨日貰った10万ポイント確定でもらえるとは言っていないわ。このことから、ポイントは何らかの形で変動するという事がわかるわ」
私が説明し終わると、坂柳さんは少し驚いた表情をしていた。
「私以外にしかもDクラスの人にSシステムを理解している人がいるなんて。でも完全回答ではありません」
しかもDクラスとはどういう事かしら?
「あっていたのね。完全回答にするにはどのような基準でポイントが変動するのかという話ね」
「そうですね。それが分かれば完璧です」
「それよりも、さっきあなたが言った、しかもDクラスでとはどういうことなの?」
私は先程から疑問に思っていたことを彼女に聞いた。そして彼女は微笑みながら。
「それは時期にわかります。それではさようなら、雪ノ下さん」
そう言って彼女は自分の教室に入っていこうとした。でも戻ってきた。何故ならカバンを忘れたから。
「坂柳さんにもこういうのはあるのね。それでは、さようなら」
私は先程、坂柳さんがしたような感じで別れの言葉を言った。その際彼女は耳を赤くしていた。
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3話 部活動説明会
坂柳さんと別れた後、私は自分の教室に入り、読書をしていた。
午前の授業が一通り終わって今は昼休み、授業内容は初日だからかオリエンテーションだけだった。
食堂に来て一通りメニューを見て生姜焼き定食が値段的にもよかったからそれを選んだ。だけど、惣菜だけのものがあって値段も最も安い。何人かの先輩方が食べているのが目に入った。やはりここでもポイントは増減するのだと再確認できた。
トレーを持ち空いている席に座り、食べることにした。少ししたら人がやってきた。
「お隣いいかしら?」
声をかけてきたのは同じクラスの堀北鈴音さんだった。
「えぇ、どうぞ。堀北さん」
「ありがとう、雪ノ下さん」
「あなたも座れば?」
「あぁ、ありがとう」
綾小路清隆君も来ていた。
「一緒に食事をするなんてあなた達は仲がいいのね」
私が堀北さんに言うと彼女は心底嫌そうな顔をして
「違うわ。彼が勝手についてきただけよ」
「ということは、あなたはストーカーさんかしら?それはよくないわね。ストーカー小路君」
「勝手に俺の名前を変えるな」
「ふふ、冗談よ。綾小路君」
「雪ノ下さんでも、冗談を言うのね」
そう言ったのは堀北さんだった。
「そうね。自分でも驚いているわ。私でもこんなことが言えるなんてね」
私が言うと、堀北さんは首を傾げていた。
その後は、会話もなく私たちは静かに食事をしていた。そんな中放送が始まった。
『本日、午後5時より、第1体育館の方にて、部活動の説明会を開催いたします。部活動に興味のある生徒は、第1体育館の方に集合してください。繰り返します、本日……』
そんな放送が鳴った。部活動ね。気になることがあるし、見てみようかしら。そんなことを思っていると。
「堀北達は行くのか?」
「私は行くつもりよ。雪ノ下さんは行くのかしら?」
「えぇ、一応行ってみようかしら」
「もしかして、綾小路君は私たちと行きたいのかしら?」
ちょっと面白いことになっているから私も少し参加してみようかしら。
「綾小路君の自己紹介少し失敗している感じだったから、行く人がいないのかしら?」
私は堀北さんに少し便乗して言ってみた。
「雪ノ下さん、少しではないわ。完璧に失敗しているのよ」
「少し濁していったのよ」
「そうなの。よかったわね、綾小路君。優しくしてもらえて」
「これをどうとらえて優しさになるのかがわからないのだが」
まぁ、確かに優しさではないわね。そう考えていると
「でも……少しだけ放課後に付き合ってくれないかしら」
「それはそういう意味なのか?」
「そうね。あなたがどうしても私たちと行きたいといっているのだから、少しは付き合ってあげる」
「そ、そうか。それはありがとう」
堀北さんって俗にいうツンデレというものなのかしら。私がそんなことを考えていると
「雪ノ下さんが考えているようなものではないわ。意外と雪ノ下さんは顔に出やすい人なのかしら?」
「わ、分かったわ。顔に出やすいのかは分からないわ」
そうして私達三人で部活動の説明会を聞きに行くことになった。
第1体育館に私たちはついた。何故かって?部活紹介を見に来たんだよ。そんなことを考えているとステージのうえに人が来た。
「1年生の皆さんお待たせしました。これより部活代表による入部説明会を始めます。私はこの説明会の司会を務めます、生徒会書記の橘と言います。よろしくお願いします。」
綺麗な人が現れて自己紹介をした。そしてそれが終わったあとに次々と部活の紹介があった。色々な部活動があるのだなと思っていた時に生徒会長が口を開いた。
「私は、生徒会長を務めている、堀北学といいます。生徒会もまた、上級生の卒業に伴い、1年生から立候補者を募ることになっています。特別立候補に資格は必要ありませんが、もしも生徒会への立候補を考えている者が居るのなら、部活への所属は避けて頂くようお願いします。生徒会と部活の掛け持ちは、原則受け付けていません。」
「それから…………私たち生徒会は、甘い考えによる立候補を望まない。そのような人間は当選することはおろか、学校に汚点を残すことになるだろう。我が校の生徒会には、規律を変えるだけの権利と使命が、学校に認められ、期待されている。そのことを理解できる者のみ、歓迎しよう。」
そう言って会長は立ち去った。
「皆さまお疲れ様でした。説明会は以上となります。これより入部の受付を開始いたします。また、入部の受付は4月いっぱいまで行っていますので、後日を希望される生徒は、申込用紙を直接希望する部にまで持参してください。」
こうして説明会が終わった。
「そういえば、生徒会長の苗字が堀北だったけどもしかしてお兄さん?」
私はふと思ったことを口にした。
「えぇ、そうよ。私の兄さんよ」
そう言った時の堀北さんの顔は少しひきつっていた。なにかあったのだろうと、私は思ったので、
「何があったのかは、分からないけど関係が良くなれるといいわね」
「そうね」
「私はここで失礼するわね」
そう言ってその場をあとにした。さっきの説明会を聞いて行ってみたいところができたから。
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4話 賭け試合
私は、三日目の放課後にとあるところに行こうと思う。その場所というのが、将棋部というところ。同じチェス部というところがあったのだけれどもチェスよりも将棋の方ができるからそっちにしたわ。
コンコン
「失礼します」
「おや?入部希望者かい?」
そう言ってきたのは眼鏡をかけたいかにも真面目っぽい人が出迎えに来てくれた。
「いえ。聞きたいことがあってきました」
「それはなんだい」
「ここの将棋部では賭け試合的なものはありますか?」
私がそういうと男の人が驚いた表情をした。そして、眼鏡ををあげて
「君はどこのクラスでお名前は?」
「私の名前は雪ノ下雪乃と言います。クラスはDクラスです」
男の人がさっきよりも驚いた表情をした。
「もしかして、雪ノ下陽乃先輩の妹さんかなにかかい?」
「えぇ、雪ノ下陽乃の妹ですけど……」
私が肯定するとなにか納得したような感じになった。
「それなら理解かな。でもどうしてDクラスなんだ?」
最後の方はよく聞こえなかったけど、多分だけど姉さんもここに賭け試合に来たのかしら。
「それで、賭け試合はできるのかしら?」
「えぇ、できますよ。掛け金はどうしますか?」
掛け金のことは考えてなかったわ。今の手持ちは8万ポイントだから一応今後のことも考えて5万ほどにしようかしら。
「5万ポイントでどうでしょうか?」
「では、僕は10万ポイントにしておくよ」
「そんなに大丈夫なんですか?」
「いいよ。結構もらえたからね。そう言えば、挨拶が遅れたね。僕は3年Bクラスの宝鐘真理央といいます。よろしく」
「よろしくお願いします」
そして将棋が行われて。
「王手」
「降参だ。やはり強いね」
「いえ、先輩も十分強かったです」
「次は私とやらない?」
「えっと、あなたは」
「私は星街琴音。2年Bクラスに所属してま~す。副部長を倒した君とやってみたいの。掛け金は私は20万ポイントでどうかな?」
「えぇ、よろしくお願いします。私は10万ポイントでどうでしょうか」
「ok!なら、さっそく始めよう!」
そして、将棋部にきて三時間後……
「今日はありがとうございました」
「いえいえ。また来てね。今度は部長も連れて再戦しようね」
「はい。楽しみにしてます」
そう言って、私は部屋をあとにした。
雪ノ下が出て行ったあと。
「あの子どうしてDクラスになっちゃったのかな?」
「あぁ、あれだけみるとB以上の実力はあるそうに見えたが」
「まぁ、でもあの子がいたら今年のDクラスは凄そうだけどね」
「そうですね」
そんなことを部室では話されていた。
雪ノ下side
今回の報酬は5勝0敗で今のポイント額は90万ポイント。これなら少しは楽ができそうね。今日は家でお肉を買って食べようかしら。
そして、近くにスーパーがあったのでそこで買うことにした。
そこで、結構高めの肉を買うことにした。合計で5万ポイント程使った。そして一人で豪勢に食事をした。
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5話 図書室での出会い
私は今、図書室にいる。ここには色んな本が置いてあり読書家の私には物凄く喜ばしいことなのよ。
元々、本は好きな方だったが、あの日以来物凄く読むようになった。私が悪いのだけれども、学校に行ってもいじめを受けて家は一人暮らしができなくなり、実家に帰って、お母さんの仕事の手伝い。私の心の癒しは唯一の本だった。本を読んでいると心が落ち着いて、読んでいると、本の世界に入り込んで現実逃避をしていた。
そんなことはおいておいて、今は何の本を読むかを探すとしましょうか。
流石といったところね。色んな本が置いてあるわ。普通の図書館にはない本がたくさん置いてあった。
私の求めている本は、ミステリー系を探している。探していくうちにお目当ての小説があったので手に取ろうとしたら誰かの手と触れてしまった。
「「あ、、、」」
「先どうぞ」
私は譲るように言った。
「いえいえ、あなたがどうぞ」
こうやって譲り合っているときりがないから
「では、一緒に読むというのはどうかしら?」
「一緒にですか?」
「ええ。二人で隣同士になって、一緒に読むのはどうかしら?見た感じだと私達読むペース同じようだと思うから」
私ったら何を言ってるのかしら。一緒に読まない?って昔の私ならこんなことは言わないはずなのに、やはり色々と変わったのかしら?いい方向なのかしら?私がそんなことを考えていると
「そうですね。私もその意見に賛成です。自己紹介をしますね。私は1年Cクラス椎名ひよりと申します」
「私は、1年Dクラスの雪ノ下雪乃と言うわ。よろしく椎名さん」
二人は挨拶を済ませた後、空いている席に座り二人一緒に本を読むことにした。
試しに、1ページ読んでみることにした。
「このくらいのスピードで大丈夫かしら?」
「はい、問題ありません。ピッタリですのでこのスピードで行きましょう」
そして、二人は一緒に本を読んでいった。周りから見たらここだけ空間が違っていた。
「ちょっと椎名さん近くないかしら?」
「そうでしょうか?こうした方が読みやすくないですか?」
「そうだけれども……」
物凄くいい匂いがして、髪もサラサラしていてなんだか触りたくなってきてしまうわ。私は、思わず聞いてしまった。
「椎名さん、どんなシャンプー使っているのかしら?」
「シャンプーですか?いきなりですね」
「ごめんなさい。いい匂いがしたからつい聞いてしまったの」
「そうですね。シャンプーは……」
そして、読書していたが、途中からシャンプーやらリンスのいろんな話になった。途中から自分たちの髪の毛や体などを触りあっこしていた。周りから見たらとても百合百合しかった。
二時間後、、、
私達は、本を読んだり学校のことについても話していたら、あっという間に図書室が閉まる時間になっていた。
「今日はありがとうございます。とても楽しかったです。クラスで読書仲間がいないのでこの先が不安でしたが、雪ノ下さんと出会えてとてもうれしいです」
「私もとても充実した二時間だったわ」
「もし、雪ノ下さんがよろしければなのですが、連絡先を交換しませんか?」
「えぇ、もちろん」
こうして私と椎名さんは連絡先を交換した。空いているときに、ここで本を読んだり色んなお話をする約束までした。
自分の部屋に戻り、今日のことを振り返った。
とても、濃い一日だった。椎名さんと出会えて友人とはこんなにも素晴らしいものなんだと久しぶりにわかった。
でも、今日一日で少し気になることがあった。入学して三日目だったが、授業中の先生が明らかにおかしかった。生徒がおしゃべりをしていても注意をしないで授業をしていたことに私は違和感を覚えた。入学したばかりだから先生方は大目に見ているのかしら?
この時、雪ノ下は気付いていなかった。先生方が、注意をせずに何かをメモしていることに。
入学してから、早くも一週間が経過した。ここで、周りは学園生活に慣れたのかグループができていた。
トップは平田君や軽井沢さんたちだった。いつも騒がしくて私はあまり好ましく思っていない。私はというといつも一人でいるから、このクラスでは底辺なのだろう。これはいつもの事だから、いいとしましょう。
唯一良かったのは、この学園はいじめに敏感だからそれがないという事だった。そんなことを考えていると何やら前の方が騒がしくなってきた。
「おはよう山内!」
「おはよう池!」
いつも、遅刻ギリギリそれか遅刻している、池君が今日は遅刻もせずに来ていた。
「いやあー、授業が楽しみすぎて目が冴さえちゃってさー。眠れなかったんだよな」
「なはは、分かるぜ。何せ俺もだからな。この学校は最高だぜ、四月から水泳の授業が行われるんだから!」
そう言えば、今日は授業に水泳があったわね。しかも男女共同。つまり男子生徒は合法的に女子生徒のスクール水姿を目に収めることが出来てしまう。
流石に気持ち悪いわね。女子をそういう目でしか見ていないなんて、周りの女子たちも少し引いているわね。
そして、何やら女子の胸のランキングを作っているらしい。そして隣の綾小路君も呼ばれていった。
「男子というのは分らないわね」
私は思ったことを口にしてしまった。
「そうね。それに関しては、同意だわ。胸を比べるなんて」
「堀北さんは胸が小さいことを気にしているのかしら?」
「何を言っているのかしら雪ノ下さん。私はそんなことは言っていないわ。それにあなただって十分小さいわよ」
「それはどうかしらね。私って、結構着瘦せするタイプなのよ」
「じゃ、水泳の時にどっちの胸がでかいか比べましょう」
「そうね、審査員は綾小路君でいいかしら?」
「えぇ、そうしましょう」
そして、私と堀北さんが、綾小路君が戻ってきたときに
「綾小路君、ちょっといいかしら?」
「ん?どうした堀北」
「今、私と雪ノ下さんでどちらの胸が大きいか勝負しましょうと話がなったのだけれども、審査員として綾小路君頼まれてくれるかしら?」
「私からもお願いできるかしら?」
「二人ともなんでそういう事に?」
「いいから、やりなさい綾小路君」
「やらないというなら、どうなるかわかるかしら?」
「理不尽すぎる」
こうして、綾小路は二人の醜い争いに巻き込まれてしまった。ちなみに周りは、池達の会話でもちきりなので聞いていなかった。
更衣室……
「雪ノ下さんって結構スタイルいいよね」
そんなことを私に言っているのは、櫛田さんだった。この人は胸がでかすぎる。同じ高校生だと思えないくらいでかい。
「櫛田さんは本当に私と同じ高校生かしら?年齢を偽っていないかしら?」
「え~そんなことないよ~雪ノ下さんと一緒で高校1年生だよ」
そう言って、櫛田さんは先に行った。
それにしても気持ちの悪い仮面ね。姉さん寄り完璧ではないけれどもすごくできている仮面。でも、あの仮面は嫌いだわ。裏で何考えてるかわからないもの。
私はそんなことを思いながら更衣室を出た。
プールサイドに来てみると大半の男子生徒がうずくまっていた。
「これはどういう状況かしら?」
なんでも櫛田が来てからあまりにも凄すぎてみんなうずくまっているそうで、それにしても綾小路君はそういうのには興味ないのね。
「雪ノ下さんやった来たのね。逃げたのかと思ったわ」
「そんなことするわけないじゃない。それでどうかしら?」
「そ、そうね。まぁまぁじゃないかしら?」
「では、綾小路君に聞いてみましょう。どうかしら?」
そう言って、私たちは綾小路君の近くに行って聞いてみた。
「いや、俺に聞かれてもわからん。二人とも同じくらいじゃないのか?」
「これは競うのは無理そうね」
「それは私も同感だわ」
こうして二人の醜い争いは幕を閉じた。
ちなみに今回の授業を休んでいる生徒が何人かいたが。まぁ、一部の男子があれなのだから仕方がないと私は思った。
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6話 ようこそ不良品の世界へ
5月最初の授業が始まって、茶柱先生が教室に入ってきたと思ったが、何やら、手にポスターの筒を持ってやってきた。その顔は、いつもよりも険しい顔をしていた。
「センセー! 生理でも止まったんですか?」
そして池君はデリカシーの無い言葉を口にする。あなたは、普段からモテたいと言っているけど、モテたいならそんな発言は今後しない方がいいわよ。
「これより朝のSHRを始める。が、その前に何か聞きたいことがあるはずだ。始める前に受け付けよう」
まるで質問があるのを確信している素振りだった。実際、半数以上の生徒がおずおずと手を挙げた。
「あの、今朝確認したらポイントが振り込まれてなかったんですけど。毎月一日に支給されるんじゃないんですか? ジュース買えなかったんで焦りましたよ」
「本堂、前に言ったようにポイントは毎月一日に振り込まれている。学校側で念のため確認しているが、こちらの不備は一切ない」
「えっ? で、でも振り込まれてないし……」
その先生の言葉でほとんどの生徒が同様したり、友人達と喋って「なんで?」とか「どういうこと?」などと口々に言っている。
なるほどね、大体は分かったわ。
「──お前らは本当に愚かだな」
すると茶柱先生は教師として明らかに失格である罵声を浴びせてくる。不気味な気配を携えた彼女にクラスメイトはただただ口を半開きにするしかなかった。
「座れ、本堂。2度は言わない」
「さ、佐枝ちゃん先生……?」
今まで聞いたことがない厳しい口調に呑まれた本堂君はしばらく呆然としていたが、本能が未来を予測したのか、数秒後にはズルッと席に収まった。
「もう一度だけ言おう。ポイントは確実に振り込まれた。それは間違いない。このクラスだけ忘れられた、などという幻想や可能性も皆無だ。分かったか?」
「わ、分かったかって言われましても……。な、なぁ?」
本堂は不満げな様子を見せ、クラスメイトに同意を求め、クラスメイトは頷く。
まだ分からないのね。
「ははは、なるほどねティーチャー。私は理解出来たよ、この謎解きがね」
すると金髪頭の高円寺君が声高に笑う。どうやら彼はポイントに関する謎を解いたようだ。そして今は授業ではないと認識したらしく、両足を机の上に乗せた。
「簡単なことさ、私たちDクラスには1ポイントも支給されなかった、ということだよ」
「はぁ? なんでだよ。毎月10万ポイント振り込まれるはずだろ」
そんなことを須藤君が言い始めた。
「私はそう聞いた覚えはないがね。私のほかにも、気づいている人はいたと思うけどね」
「誰だよ。そんな奴は」
須藤君は周りを見ながら、声を荒げていった。何人かの女子が怯えていた。
「これだけのヒントがありながら、気づいてものが数人しかいないとは嘆かわしいことだ」
「…先生腑に落ちない点があります」
平田君が、手を挙げて先生に質問をした。質問しなくてもこの一か月の皆の授業の態度とかを見ていたら、わかることなのに。
「振り込まれなかった、理由を教えてください。それでなければ僕たちも納得がいきません」
「そうだな。だが、それすらもわかっている奴がいるから、そいつに説明させようか」
茶柱先生がそう言って、周りの人たちは、キョロキョロし始めた。
「そうだろ?雪ノ下」
茶柱先生が急に私の名前を呼んだ。
「先生、何故私なのですか?まぁ、先生の指名とあれば言います。授業中に騒いでいたり、端末をいじっていたり、遅刻、休むなどの生活態度で私たちのポイントが引かれているのよ」
私がそういうと、心当たりがある人たちが下を向いていた。
「雪ノ下言う通りだ。遅刻欠席、合わせて94回。授業中の私語や携帯を触った回数395回。ひと月で随分とやらかしたもんだ。この学校ではクラスの成績がポイントに反映される。その結果お前たちは振り込まれるはずだった10万ポイント全て吐き出した。それだけのことだ。入学式の日に直接説明したはずだ。この学校は実力で生徒を測ると。そしてお前たちは今回、0という評価を受けた。それだけに過ぎない」
その言葉にクラスの大半は絶句した。恐らく自分達が悪いと理解出来なかったのでしょうね。しかしこの制度、真面目に授業を受けていた生徒たちからしたらとばっちり。
「それに高校1年に上がったばかりのお前らが、毎月10万も使わせてもらえると本気で思っていたのか?優秀な人材教育を目的とするこの学校で?ありえないだろ、常識で考えて。なぜ疑問を疑問のまま放置しておく」
「せめてポイントの増減の詳細を教えてください……」
「それはできない相談だ。詳細な査定の内容は、教えられないことになっている。しかし、そうだな……。一つだけいいことを教えてやろう」
そう言うと、先生はクラスを見渡した。
「遅刻や授業態度を改め、今月マイナスを0に抑えたとしても、ポイントは減らないが増えることもない。つまり来月も支給されるポイントは0ということだ。裏を返せば、どれだけ遅刻や欠席をしても関係ない、という話。どうだ、覚えておいて損はないぞ?」
「っ……」
平田君は理解したようだった。そんな事を言ったら私語や遅刻を改善する意識は削がれる。そう思っているとチャイムが鳴り、ホームルームの時間の終わりを告げるが、茶柱先生は止まらない。
「どうやら無駄話が過ぎたようだ。本題に移るぞ」
先生はそう言って手にしていた筒から白い大きめの紙を取り出し、黒板に張り付けた。そこには、AからDクラスの名前とその横に、数字が書かれていた。
私達Dクラスは0。わかってたけどこうして見せられるとため息が出てきてしまうわね。
他のクラスはCクラスが490。Bクラスが650。Aクラスは940だった。つまり椎名さんは4万9000ポイント、坂柳さんは9万4000ポイントも手に入るのね。
「お前たちはこの1か月、学校で好き勝手な生活をしてきた。学校側はそれを否定するつもりもない。ただ、それらが自分たちにツケが回って来るだけのこと。得たものをどう使おうがお前たちの自由だ。ポイントの使用に関してもそうだ。事実、その点に関しては制限をかけなかっただろう」
要するに自己責任ってことね。そして0ポイントに近い人たちが騒いでいた。というか、これを機にあなた達はちゃんと授業受けることをおススメします。
「なんで……ここまでクラスのポイントに差があるんですか」
平田君があまりに綺麗にポイント差が開いてることに気が付いたようだった。
「段々理解してきたか? お前たちがなぜDクラスに選ばれたか」
男子「そんなの適当じゃないんですか?」
女子「クラス分けってそんなもんだよね?」
「違う。この学校では、優秀な生徒たちの順にクラス分けがされるようになっている。最も優秀な生徒はAクラスへ。駄目な生徒はDクラスへ。つまりお前たちは、最悪の不良品だということだ」
そして茶柱先生は拍手をし始めた
「そして1か月ですべてのポイントを吐き出したのはお前達が初めてだ。逆に感心した、立派立派」
「このポイントが0である限り、僕たちはずっと0ポイントのままということですね?」
「ああ。だが安心しろ、ポイントがなくてもこの学校では生活できるようになっている」
それは知っているわ。食品や生活用品の中には無料のものがあるから。
しかしクラスメイトの大半は贅沢していたから、割り切れないと思う。加えて無料のご飯はあくまで腹を満たす為だけに存在していて正直不味い。
「俺たちはこれからずっと他のクラスの奴らに馬鹿にされるってことかよ!」
すると須藤君が机の脚を蹴る。物に当たるのはやめた方がいいのに。
「何だ、お前にも人の評価を気にする気があったんだな。なら、頑張って上のクラスに上がれるようするんだな」
「あ?」
「クラスのポイントは金と連動してるだけじゃない。このポイントの数値がそのままクラスのランクに反映されるということだ」
さて、もう一つお前たちには残念な知らせがある」
黒板に一枚の紙が追加される。そこにはDクラスの生徒全員の名前と、名前の横に数字が記載されている。
「この数字が何か、不良品のお前達でもわかるだろう。これは先日やった小テストの結果だ。お前たちは一体中学で何を勉強してきたんだ?」
言われて見てみると一部の上位を除き、殆どの生徒は60点前後の点数だった。30点以下の生徒も見受けられる。
ちなみに、私の点数は、5教科中4教科満点で一番上にいた。ちなみに1つは凡ミスで95点だった。
「よかったな、これが本番だったら7人は退学になっていたぞ」
「た、退学?どういうことですか!?」
「なんだ、説明していなかったか?この学校では中間テストと期末テストで1科目でも赤点を取ったら即退学だ」
茶柱先生の言葉によって私以外の赤点組は騒ぎ出す。
「ふざけんなよ!退学とか冗談じゃねえよ!!」
「私に言われても困る。この学校のルールだからな」
「ティーチャーの言うように、このクラスには愚か者が多いようだね」
爪を研ぎながら、足を机に乗せたままの高円寺君が偉そうに微笑む。
「何だと高円寺!お前だってどうせ赤点だろ!」
「フッ。どこに目がついてるのかねボーイ。よく見たまえよ」
高円寺の点数は96点で2位だった。
「絶対須藤と同じ馬鹿キャラだと思ってたのに……」
クラス中からそんな声が聞こえてくる。
「それからもう1つ付け加えておく。この学校は高い進学率と就職率を誇っている。恐らくお前達も、目標とする進学先や就職先を持っていることだろう」
そう。就職できれば私は、晴れて自由の身。
「だが世の中そんな上手い話はない。この学校の恩恵にあやかれるのは上位のクラスだけだ」
「つまりその恩恵を受けるにはCクラス以上に上がらないといけないということですか?」
「それは違うな平田。この学校に将来の望みを叶えて貰いたければ、Aクラスに上がるしかない」
それを聞いて、私は固まってしまった。何故ならこのクラスでAクラスに上がることはほとんど無理に近い。でも、まだ一年生だけどもしなれなかったらと考えると私は固まってしまってた。
「そ、そんな……聞いてないですよそんな話!無茶苦茶だ!」
すると平田君に続いて幸村君も騒ぐが先生は一切気にしない。そして高円寺君が幸村君をみっともないと言った。
そのあとの事は全く覚えていない。クラスの人達が騒いでいたけれどもそれを無視して、私は、絶望していた。
軽井沢さんから、ポイントを貸してほしいと頼まれたがいつもの私なら、断っていたが今は普通ではなかったから貸してしまった。あれは必ず帰ってくないやつだと授業中に後悔していた。
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