愛おしい幼馴染と過ごす日常 (天塚 真白)
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序章 幼き決意
現在6歳、ぼっちだけど僕は元気です


折紙小説がないから自分で書いたなのぜ!感想、評価、お気に入りとかが増えるとモチベが上がって更新が早くなるのぜ!!はい(真顔)
良かったら楽しんでってね〜


 どうして……こうなったんだろうなぁ……

 

 おっと唐突ですまない。ちょっと思い出に耽ってしまっていたみたいだ。

 

 現在、僕は両親と共に車に乗ってとある場所に向かっている。見た目は完全にただの少年の僕だが、実は両親も知らない秘密がある。

 

 僕は俗に言う転生者、と言うやつだ。

 

 前世でそこそこの友達と遊び、無事に仕事にも就職し、平和に平凡な人生を送っていた。だが、30代で仕事にも慣れ、これからが頑張り時だという時。たまたま車に轢かれそうになっていた子供を見かけた僕は、子供を庇って車に撥ねられ、そのまま死んだ。

 

 前世でも作品で転生するとかはよく聞いた事があったが、まさか自分が転生することになるとは夢にも思わなかった。

 

 そうして僕は前世の記憶をもって今の世界で生きている。とはいえ、記憶は少し曖昧で、特典のような物を貰った気もするが何も覚えていない。

 

 とはいえ、普通に生きていく上で無くても困るようなものでも無いし、きっと大丈夫だと思う。普通に生きていくだけなら何の力も必要ない。むしろ前世の知識があるだけ有利と言えるだろう。

 

 

 

 そんな僕だが、転生してから数年間生きてきて、いくつか分かった事がある。

 

 どうやら、僕が転生した世界は前世のとある作品の中の世界みたいだ。

 

 その作品の名前はデート・ア・ライブ。

 

 基本は前世と同じような文明のこの世界だが、前世とは一部大きく異なる点が存在する。

 

 この世界には精霊、と呼ばれる少女達がいる。圧倒的すぎる力を持っている彼女たちは、人類にとって敵と認識されている。

 

 実際は心優しい彼女達だが、持っている力が余りに強力すぎるが故に、だ。まあそもそも一般人はその存在すら知らないのだが……

 

 そして、その少女たちが普通の少女として平和に暮らせるように命懸けで尽力するのが主人公である五河士道くんだ。

 

 士道君には本当に頑張って欲しい。前世でも少しデート・ア・ライブを読んだが、精一杯頑張る応援したくなる主人公君だった。僕も転生してこの世界に生きている以上何かお手伝いしたいところだが、残念ながら僕には特別な力は無いようだ。

 

 え、何でそんなことを知ってるかって?? ちょっと分からないですね(目逸らし)

 

 べ、べつに空に向かってサンダルフォン! とか他の知ってる限りの天使の名前とか叫んだりしてませんし? (震え声)

 ほ、ほんとだよ、、??? 

 

 まぁつまり、僕は精神が少しだけ大人びている事以外、殆ど普通の人と変わらないということだ。おいそこっ、誰だ今精神が身体に引っ張られてるとか言ったやつ!! 

 

 ……まあいいや……話を戻そう。

 

 

 そして、この世界に転生して7年。

 

 僕は今、白國(しらくに) 祐里(ゆうり)として、この人生を謳歌している。ほんと、自分でも驚くほど今の人生を満喫していると思う。

 

 両親は優しいし、近所の皆も良い人だし、僕は今この人生に凄く満足している。だってずっと遊んでられるしね!!! 

 

 いや、だってさ。考えても見て欲しい。物語が始まるのは主人公である五河士道くんが高校2年生の時。つまり暫く時間があるのだ。ならば、今の時間を全力遊ぶしかないだろう。うん、そうだ、だから僕は悪くないのです!!! 

 

 一応それとなく両親に聞いてみたところ、今住んでいる街が原作の舞台である天宮市なのは間違いないみたいだ。きっと主要人物達も本気で探そうと思えばどこかにいる事だろう。まあ、そんな事はしないけどね!! 

 

 だって広いんだもの、この街。べ、別に迷子になるから探さないとかじゃないからね? ほんとだよ……? (震え声)

 

 というわけで第2の人生を謳歌して約7年。

 

 一応主要人物達の名前くらいは覚えているから、まだ誰とも会ってないことは分かっている。物語後半のキャラならば分からないが……まあ……その時はその時の僕に任せよう()

 

 特別、何か原作介入したいとか、そんな気持ちは今の所ない。介入した所で何も出来ないからだ。

 

 この世界で起こるイベントは精霊絡みのものが多い。何の能力も無い一般人が何かしようとした所で無駄死にするのがオチだ。まあそもそも一般人は関われないようになっているはずなので関わる事はまず無いだろうし大丈夫だよね(フラグ)

 

 そんな訳で第2の人生を謳歌している。まあ、友達は居ないから一人で遊んでるんだけどね(泣)

 

 いいもん……友達なんて居なくても……ぐすん……

 

 ちなみに僕の容姿なのだが、驚く程美形だ。そもそも両親がイケメンに美人なのだ。

 

 約束された勝利の姿、というやつなのだね。この容姿なら約束された勝利の剣を打っていてもおかしくないと思えるほど整っている。

 

 ……ほんとに初めて見た時はビックリした……

 

 だって二人とも若すぎるんですもの。高校生くらいにしか見えない。え? ほんとに両親? 兄姉とかじゃなくて? と思った程だ。

 

 おかげでその遺伝子をもっている僕は銀髪青目の美少年に育っている。鏡を見る度にえ? これ本当に自分だよね? と疑ってしまうくらいだ。これは人生勝ち組確定ですわぁ……

 

 ちなみに身長は平均より低い。おかしいなぁ……お父さんは高身長なのに……

 

 ま、まあ、? 成長期まだだからね!! きっと父さんと同じ位まで伸びてくれるはず!! 

 

 伸びてくれるよね……? ……そうなることを願おう。

 

 

 それはそうと、今日は家族3人でお出かけだ。

 

 久しぶりだから嬉しいな……えへへ

 

 両親は2人とも優しくて楽しいんだけど、忙しいみたいであんまり遊びに連れて行ってはくれないんだよね。仕方ない事だからと割り切っているけど。

 

 だって僕は大人だからねっ!! (ドヤァ

 

 そして今日は両親と仲がいい家族の所に連れて行ってくれるらしい。お父さんはずっとご機嫌だし、昔からの友人とかなのかな? 

 

 その夫婦にも僕と同い年の子供が居るらしく、良ければ友達に、というのが両親達の総意らしい。

 

 ……ふむ、同い年の子供か。どんな子だろう。

 

 相手が男の子か女の子かすら知らされていない。お母さん曰く、祐里ならきっと良い友達になれるよ、とのこと。

 

 し、信頼が重いよ……マイマザー……むしろ、その自信はどこから湧いてくるんだ? 僕に友達いないのは知ってるよね? (泣)

 

 おや、そんな事を考えている間に着いたみたいだ。

 

「ほら、祐里。座ってないで行くぞ〜」

 

「あ、はーいお父さん」

 

 ちょっと考え込み過ぎてたみたいだ。さて、同い年の子か……どんな子だろう? 実の所、少し、いやかなりワクワクしている自分がいる。

 

 だってさしょうがないと思うんだ。今の僕には前世の自分の記憶はほとんど無い。あるにはあるが記憶は朧気で覚えてないことが多い。そして今の人生になってから友達は一人も出来ていない。

 

 つまり僕にとって初めての友達が出来るかもしれないのだ。だから、年甲斐もなくワクワクしちゃっても仕方ないよね!!! 

 

 あ、今は7歳だから年齢的にはむしろ当然なのかな? 

 

「こんにちは。久しぶりだな、鳶一」

 

「ええ、お久しぶりです。白國さん」

 

 両親と相手の夫婦が話してる間、僕は暇だ。

 

 邪魔するのも悪いし、かといって特にする事もない。しまったなぁ……こんな事なら何か持ってくるんだった……

 

「祐里」

 

「ん? なあに? お父さん」

 

「こちら、お父さんたちの友達の鳶一さん。挨拶出来るかい?」

 

「うん! 任せて!!」

 

 マイファザーにそう言われては張り切るしかあるまい。あれ? よく考えたらこの世界に置いては初めての自己紹介になるのか。これは余計に張り切らないといけないようだね!! 

 

「こんにちは。僕の名前は白國祐里(しらくにゆうり)です。よろしくお願いします」

 

 出来た……!! この歳にしては礼儀正しすぎる気もするが、これが今の僕に出来る全力だ。短くないかって? 気にしないでくださいお願いします()

 

 ぼっちの僕にはこれが限界だ……うん、僕偉い。

 

「ん、しっかり挨拶出来たな」

 

 そう言ってわしゃわしゃと僕の頭を撫でてくる父さん。

 

 ふっふ〜ん! でしょ〜? もっと撫でてもいいのですよ? まあ、流石に他の人もいるしそんな事は口には微塵も出さないけどね。

 

「しっかりしてるね、祐里くん。折紙。折紙も祐里くんに挨拶出来るかい?」

 

 あれ、折紙? どこかで聞いた事があるような……気のせいかな? 

 

 まあ、思い出せないなら多分気のせいだよね。

 

 そんな僕の考えを他所に、鳶一さんの声に応えるようにひょこっと小さな女の子の頭が出てくる。

 

「う、うん。できる、よ」

 

 鳶一さんの声に応えるように、ものすごく緊張したような、けれどとても綺麗な声でそう返答が返ってくる。この子が父さんの言っていた僕と同い年の子かな? 女の子だったのか。

 

 その子は父親から離れ、とことこと少し歩いて出てくるとぺこっとお辞儀をしてくる。

 

「は、初めまして……鳶一折紙、です。よろしくお願いします……」

 

 これが僕と彼女の、鳶一折紙との出会いだった。

 




最後まで読んでくれて感謝です(。>ㅅ<。)アリガト.
モチベが上がれば上がるほど更新速度が上がります(`・ω・´)ゝきりっ
良ければ感想、評価、などして下さると嬉しいです(*´ω`*)

それでは良ければ次回をお楽しみに(*´▽`*)
次回はヒロイン登場回だゾ


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目の前の女の子があまりに可愛すぎるんだけど

モチベが続いてるので2話(`・ω・)bグッ!
書いてて思うんだけどこの折紙ちゃん病ませたくなるよね()




 あの後、親同士でたくさん話したい事もあるとのことで、2人で遊んでおいでと言われた。

 

 そのため現在僕達は2階の折紙ちゃんの部屋にいる……のだが……

 

 うん!!きまずいッ!!!!

 

 そもそもこっちは今の人生になってから一人も友達のいないぼっちだぞ!!初めて出会った女の子と仲良く会話出来る訳もないじゃないか!!!

 

 だけどいつまでもこの状況のままなのは折紙ちゃんにも悪いし、僕自身も嫌だ。折紙ちゃんもさっきからこちらをチラチラ見て様子を伺っているみたいだ。

 

「「……」」

 

 うう、仕方ない……ハードルが高いけどここは僕から話しかけてみよう……

 

「「えっと…」」

 

 あ、重なっちゃった。

 

「え、えっと、先にどうぞ…」

 

「えっと…じゃあ改めて。僕の名前は白國祐里。よろしくね、折紙ちゃん」

 

「う、うん。なら私も改めて……鳶一折紙、です。よろしくお願いしまちゅ、……かんだ……うう……」

 

 …可愛い……はっ?!!可愛すぎて意識が飛びかけていたみたいだ。

 

 え、だって自己紹介で噛むとか、しかもそれで恥ずかしがって赤面するとかこの子可愛すぎません???今も恥ずかしくて涙目になってるのむちゃくちゃ可愛いんだけど。

 

「大丈夫だよ」

 

「はうっ」

 

 あれ?撫でたのは逆効果だったかな?すっかく赤くなってしまった。こうしたら落ち着くかと思ったんだけど、怒らせちゃったかな?

 

 そう思い手を離すと「あっ」と少し残念そうな声が聞こえた。え、何この子、可愛いすぎ……

 

「それじゃあ折紙ちゃんだね。よろしくね折紙ちゃん!」

 

「あ、え、う、うん。よろしく、祐里…くん」

 

 よかった。嫌がられてないようで。緊張してるようだったから、こちらから行くという僕の考えは正しかったみたいだね!折紙ちゃん呼びも嫌がられてないようでよかった。

 

 ……ん?折紙?鳶一折紙…鳶一折紙…ふむ…

 

 鳶一折紙?!!!

 

 今改めて名前を聞いて、やっと思い出した。なぜ忘れていたんだ僕は。

 

 鳶一折紙。

 デート・ア・ライブのもう一人のメインヒロインとも言える原作キャラクターだ。

 

 成績優秀。主人公達が通っている学校内の彼女にしたい女生徒ランキング第3位。銀髪のクール系美少女で、運動神経も抜群。そんな弱点のない完璧美少女。

 

 確か原作では精霊達に強い恨みと主人公の士道くんに強い好意を抱いていた少女だ、あんまり覚えていないが確か……原作開始前の大火災の時に両親を精霊に殺されたんだったかな?

 

 くっ……こんなことならもっとしっかり調べておけばよかった……まあ、前世のことである以上どうしようもない。それに既に僕というイレギュラーがいるんだ。原作通りになる保証はどこにも無いはず。

 

 原作の折紙は無表情というかクールなイメージだったんだけど……今の折紙ちゃんからはその印象は薄い。クールと言うよりは可愛いと言った方が正しいだろうか?

 

 身体も正に女の子とでも言うように華奢で、恥ずかしがっている姿などは非常に可愛らしく、とても原作の彼女のようなイメージは湧かない。

 

 あ、でもたしかによく見たら面影がある。肩までかかるかどうかの長さの綺麗な銀髪。可愛らしい容姿。高校生のクールな時の姿とは程遠いが、言われてみれば納得できる部分も多い。

 

 まさかこんなタイミングで出会うとは夢にも思っていなかった。予想では早くても高校生の時くらいかな、と思っていたのだが……まあ彼女は幼い頃から天宮市に住んでいたはずだし、出会ってもおかしくはない。

 

 とはいえ初めての原作キャラとのカミングアウトがこんな形で叶うとは……

 

「?祐里くん?大丈夫……?」

 

 おっといけない。折紙ちゃんを放って考え込んでいたみたいだ。

 

「あ、ごめんね折紙ちゃん。大丈夫だよ」

 

「そう…?それならよかった」

 

 折紙ちゃんはそう言って安心したような表情を浮かべている。いい子だなぁ……こんな良い子が妹に欲しいよ。

 

 部屋を見渡す。女の子らしい可愛い部屋だ。ぬいぐるみや可愛い飾りで彩られている。だが、そんな中で少し気になることがあった。

 

「そういえば…折紙ちゃんはいつも一人で遊んでるの?」

 

「……うん。私、知らない人と話すの苦手で…お友達いないから…」

 

 そう、彼女の部屋にはあまりにも誰かと……友達と一緒に遊ぶようなものがなかった。

 

 有り得ない話じゃない。誰かと話すのが苦手な子供は多くいる。僕の通う幼稚園にもいるし、前世にもいたような気がする。自慢じゃないが他でもない僕自身もそうだ。

 

 こうして折紙ちゃんと話しているのだけ見ると、とてもそんな風には見えないかもしれない。けれど、前世の記憶があることで精神年齢が高いせいだろうか?なかなか同世代の子供達と話を合わせることが出来ないのだ。

 

 おかげで来年には小学一年生になる僕だが、友達はおらず、一緒に遊ぼうと話しかけてくれるような子もいない。そのため、一人で過ごしている事が圧倒的に多い。まあ、満足してるからいいけどねっ!!!

 

 だから、自分でもこうして折紙ちゃんと普通に話せているのが不思議なくらいだ。

 

 そんな僕だから分かる。

 

 この年でひとりぼっちというのは寂しいものだ。彼女はまだ6歳。友達とたくさん遊びたいお年頃だろう。

 

 お母さんは言っていた。きっと良い友達になれる、と。それはきっと僕にとってだけじゃなく、折紙ちゃんにとっても、ということなのだろう。まったく……本当に僕にはできすぎた両親だよ。

 

 なら、僕のする事は決まっている。まだまだ子供の僕に出来ることは限られている。けれど、今彼女に必要な事は出来るはずだ。

 

「じゃあさ、折紙ちゃん」

 

 だから、僕はこの言葉を紡ぐ。子供にとってはありふれた、けれど僕と彼女にとっては初めての大切な言葉を。

 

 

「僕と、友達になってよ」

 

 

 




次回は折紙ちゃん視点になります(*`・ω・)ゞ

感想、評価、ここ好き等頂けるとモチベがむちゃくちゃ上がります(しつこい)
冗談ですw最後まで読んでくれてありがとうございます(*´ω`*)

次回も読んでくださると嬉しいです(*´▽`*)


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初めて出来た友達は大事にしようね

感想と評価いただけて嬉しいので早めに投稿(*´ω`*)

今回は折紙ちゃん視点だゾ(`・ω・)bグッ!




 

 

 私の名前は鳶一折紙。来年から小学生になります。日本のてんぐうしってとこに住んでる普通の女の子です。

 

 最近は料理の練習をしていて、お母さんも美味しいよ、上手く作れたねと褒めてくれます。お母さんにはまだまだ勝てないけどいつかお母さんよりも美味しいご飯を作れるようにいっぱい練習してるのです!

 

 そんな私は今、少しピンチに陥ってます。

 

 お父さんのお知り合いが家に来るらしいのです!!!

 

 普通じゃないかと思われるかもしれないけど、私にとっては一大事なのです。

 

 自慢じゃないけど、私は人と話すのが得意じゃありません。こういう人を人見知りって言うらしいです。

 

 だからかな?いつもこういう時は家に呼ばず、お父さんから行くようにしてくれてるか、私がいない時にしてくれてるんだけど…今回はそうじゃないみたいです……

 

 どうやら、今日来るのはお父さんの昔からのお友達らしい。その友達の人との思い出を話してる時のお父さんはすっごく嬉しそうで、私まで嬉しくなってきちゃうよ。

 

 もぉ〜、お父さんめぇ…仕方ないなぁ……これは今度甘いものを買って埋め合わせしてもらわないと!

 

 という訳で私たちは今そのお友達さんたちが来るのを待っていると、ピンポーンとインターホンの音が家の中に鳴り響く。着いたのかな?

 

「はーい」

 

 お父さんと共に玄関に迎えに行きます。こうやって玄関まで迎えに行くのも礼儀なのだとお母さんに教えられました。

 

 お父さんによると、どうやらそのお友達の人の子も一緒に来るらしいです。きっと友達の出来ない私への気づかいなんだろうなぁ……ありがたいけど急すぎるよ……

 

 いったいどんな子なんだろ?出来れば話しやすい子がいいな。

 

 そんな事を考えていると、カチャッという音と共にドアが開けられる。

 

 そこには2人、一人は大人の男の人だ。きっとお父さんの友人の人だろう。すごくカッコよくてテレビやドラマに出てきそうだな、と思った。お父さんと同い年くらいのはずだけど、高校生くらいにしか見えない。

 

 だけど、私の目にはその人ではないもう一人の方。その横に立っている男の子しか映っていなかった。

 

 きっと私はこの子と出会うのが運命だった、という気持ちすら湧いてくるほどこの子に惹き付けられる。

 

 私と似た、けれどもっとさらさらとした銀髪。中性的な顔つき。そして何より私と同い歳のはずなのにどこか大人びた、どこか儚い雰囲気。その全てが、彼の独特な不思議さを作り上げていた。

 

 妖精のよう、と例えるのが正しいだろうか。かっこいいと可愛いを併せ持ったようなその少年に私はすっかり見惚れていた。

 

「こんにちは。僕の名前は白國祐里(しらくにゆうり)です。よろしくお願いします」

 

 ゆうり、くん。ゆうり……ゆうり……

 

 頭の中で何度もその名前を繰り返して刻み込む。何故か分からないけど、そうしなければいけない気がした。この名前を忘れてはいけない。そんな気がしたのだ。

 

「しっかりしてるね、祐里くん。折紙。折紙も祐里くんに挨拶出来るかい?」

 

 そんなことを考えているとお父さんにそう言われた。

 

 …うう、来てしまった……

 

 知らない人の前で挨拶をするのは私には厳しいよぉ……

 

 それがこの少年の前なら尚更だ。嫌われたくない。何故かは分からないが、そんな気持ちが心の中から溢れてくる。

 

 ん、がんばれ私!いっぱい練習したでしょ?練習通りに挨拶すれば大丈夫っ!

 

「は、初めまして…鳶一折紙、です。よろしくお願いします…」

 

 しっかり言えた……かな?と思っているとお父さんが頭を撫でてくれた。

 

 よかった…しっかり言えたみたい。えへへ…

 

「折紙、折紙」

 

「ん?あ、ごめんお父さん。なあに?」

 

 嬉しくてお父さんが何か言ってるのに気づかなかった。いけない、気をつけないと。反省反省。

 

「ああ。それでな、お父さんたちが話してる間、祐里くんと2人で遊んでてくれるかな?」

 

「うん!わかった〜」

 

 そっか〜祐里くんと遊んでればいいんだね。

 

 ……ん?え、

 

「え、2人きりで?!!」

 

「ああ。まあ折紙と祐里くんなら大丈夫だよ」

 

 そ、そんなぁ……

 

 ま、まあでも……話してみたい気持ちはあったし……

 

 このチャンスを逃したらもう話す機会が無くなっちゃうかもしれない。そう思うと不思議と頑張ろうという気持ちも湧いてくる。

 

 ん、よしっ!ぺしっと自分の頬を軽く叩いて気合を入れる。

 

 うん!頑張ろうっ!!がんばれ私っ!!

 

 

 うう、いたかった……次はもう少し弱めにしよっと……

 

 

 

 

 

 

 という訳で今二人で私の部屋に居るのですが……

 

 うう、気まずいよぉ……

 

 あれから10分くらいかな?私の部屋に来た私と祐里くんだけど、ずっとお互い何も喋らない。

 

 祐里くんはずっと私の部屋を見回しながらのんびりしている。うう、なんか恥ずかしい。

 

 あ、欠伸した。かわいい…

 

 普通なら当たり前の仕草だけど、そんな当たり前の仕草にもどこか特別な感じがするのは彼だからだと思う。

 

 可愛いというか、不思議というか、まるで彼だけが別の世界の住人みたいだ。綺麗な髪と肌、男の子とは思えないくらいの可愛い姿。

 

 緊張しちゃうなぁ。

 

「「……」」

 

 で、でもずっと何も話さないのも祐里くんに悪いし……何とか話しかけないとっ!!

 

「「えっと……」」

 

 あ、重なっちゃった。

 

「えっと…先にどうぞ……」

 

「えっと…じゃあ改めて。僕の名前は白國祐里。よろしくね折紙ちゃん」

 

 祐里くん、しっかりしてるなぁ。確か私と同い年…なんだよね。凄いなぁ、私も祐里くんを見習わないと!!よし!

 

「う、うん。なら私も改めて……鳶一折紙、です。よろしくお願いしまちゅ、……かんだ……うう……」

 

 大事な自己紹介でかんじゃった……うう……恥ずかしいよぉ……

 

 顔が熱い。自分でも顔が赤くなっているのが分かる。

 

「はうっ」

 

 な、な、な、撫でられてる!!?ゆ、ゆ、ゆうりくん?!!あ、でも気持ちいい……

 

 ただ撫でられてるだけなのになんかほわほわしてくる……

 

「あっ」

 

 私の反応を見て間違えたと思ったのか、手を離す祐里くん。

 

 べ、別に祐里くんならもう少し撫でても良かったんだけどなぁ……

 

 

「それじゃあ折紙ちゃんだね……よろしくね折紙ちゃん!」

 

「あ、え、う、うん。よろしく、祐里…くん」

 

 ん、良かった。何とか話せそうだ。祐里くんのおかげだね。すごいなぁ……私も祐里くんみたいにしっかり話せるようになれるかな?

 

 あれ?祐里くん何か考え込んでる。ずっと考えてるけど大丈夫かな……?

 

 …こうしてじっと見てると綺麗だなぁ。髪も肌も綺麗だし、腕とか私と同じくらい細いんじゃないかな?女の子って言われたら信じちゃうよ、これは。

 

 うーん…でもさすがにそろそろ心配だしちょっと話しかけてみようかな。

 

「?祐里くん?大丈夫……?」

 

「あ、ごめんね折紙ちゃん。大丈夫だよ」

 

「そう…?それならよかった」

 

 そっか、それは良かった。

 

 ……折紙ちゃん…か。嬉しいけどちょっと恥ずかしいなぁ。

 

 でもなんか嬉しいなぁ、えへへ

 

 安心と恥ずかしさでちょっと恥ずかしくなってきちゃう。

 

「そういえば……折紙ちゃんはいつも一人で遊んでるの?」

 

「……うん。私、知らない人と話すの苦手で……お友達いないから……」

 

 祐里くんは…すごいね。

 

 こんなにも早く私の事こんなに分かっちゃうなんて。

 

 別に虐められてる、とかじゃないんだ。ただ…

 

 私は誰かと話すのがどうしようもなく苦手だ。同年代の友達の中でも私に話しかけてくれる優しい子はいた。けれど私はいつも緊張してまともに言葉を返すことが出来ない。

 

 それを続けているうちに次第に私に話しかけてくれる子は一人、また一人と減っていき次第にいなくなってしまった。

 

 だから、今日同い年の子が来るってお父さんから聞いた時ちょっとだけ期待しちゃった。もしかしたら私にも友達が出来るかもしれないって。

 

 だけど…こんなんじゃまた一緒だ……

 

 前みたいに話せない私のままだ…

 

 気を使ってくれたお父さん達には悪いけど私には無理だよ…

 

「じゃあさ、折紙ちゃん」

 

 だから私は祐里くんの言葉に一瞬思考が止まった。

 

「僕と、友達になってよ」  

 

「っ?!!」

 

 なんで……その言葉を……?

 

 だってその言葉は私が今一番欲しかった言葉で

 

 今までずっと望んでいた言葉で

 

 普通なら当たり前の言葉だが、

 

 それを言われてしまったら……私はもう戻れなくなってしまう。

 

 祐里くんは私に向かって微笑みながら手を差し出してくれている。

 

 初めて目と目が会う。

 

 そこには彼の綺麗な青色の目があった。その目は優しそうに私を見ていて、まるで私の心まで見通しているんじゃないかと思うくらい透き通っている。

 

 ふふ、こんな目をしてたんだね。

 

 もぉ……ずるいなぁ……祐里くんは

 

 私がどう返すかなんて決まってる。

 

 本当に全て見通しているんじゃないかな?な〜んてね。ん、ここまでしてくれたんだもん。私も頑張るよ、祐里くん。

 

 だから私は彼の手をとり、満面の笑みでこう答える。

 

「うん!!こちらこそ!!!」

 

 ふふ、責任とってもらうからね。だから……

 

 

 

 

 

 

 

 ずっと一緒だよ(・・・・・・・)祐里くん(・・・・)




次回以降は祐里くんと折紙ちゃんの日常に本格的に入っていくゾ(`・ω・)bグッ!

あとちゃんと感謝の気持ちを伝えようと思うので評価してくれた方の名前書こうと思います。(むちゃくちゃ喜んでる人)

☆9
バルクスさん

ありがとうございますm(_ _)m

なるべく早く更新できるように頑張ります(*`・ω・)ゞ


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異性の幼馴染との距離感って中々難しいよね、難しくない?

今回はあれから少し経った後の日常回だよ!

あ、そうそう投稿してから数日。UA数が1000超えたみたいです!ありがとうございます!!!

お気に入り登録してくれる人も増えてすっごくありがたいです!!

新たに評価をつけて下さった
☆10
ノワール0さん

ありがとうございます(*´▽`*)
すっごくモチベに繋がります!!!

これからも可愛い折紙ちゃんを書いていくので読んでくださると嬉しいです!


 どうして…こうなってしまったんだ……え、この流れどこかで見たことある?それはすまない。だけど、そうとしか表現できないんだ…

 

 僕は今僕の部屋で折紙ちゃんと2人きりでいる。それ自体は別におかしな事でもない。あれから2人で遊ぶことも増えて、今では1番の友達だ。(他に友達がいないという話はNG)

 

 

 なら問題ないだろうって?残念ながらそうもいかないんだよなぁ…

 

 現在僕は身動きが取れない状況にある。何故かと言われれば理由は簡単だ。

 

 折紙ちゃんが僕の肩を枕にしてお昼寝しているからだ!!!!!

 

 失礼、つい取り乱してしまった。いやぁ、こんなことってあるんだなぁ…(遠い目)

 

 いや、別にお昼寝するのは全然構わないんだ。

 

 最近では僕と折紙ちゃんは、片方がもう片方の家に遊びに行き、日が暮れるまで楽しく一緒に遊ぷ。それをほぼ毎日繰り返している。

 

 あれから1ヶ月間ずっとそうしているが、お互いまったく飽きる気配はない。それどころか毎日が充実していて楽しいし、折紙ちゃんもすごく楽しそうにしてくれている。きっと同じように思っていてくれてるんじゃないかな。そうだとすっごく嬉しいなぁ。

 

 今の人生で初めて自分の力で掴んだ幸せで失いたくない大切な日々だ。

 

 出会った時はあんなによそよそしかった折紙ちゃんも、今では一人の友達として楽しく話せるように成長した。

 

 むしろ距離感が近すぎるくらいだ。抱きついたり、手を握ったり、触れ合うことが多すぎる気がする。

 

 まったくぅ…まだ幼稚園児とはいえ僕もちゃんと男の子だと言う事を自覚して欲しい。

 

 僕も男の子だ。可愛い女の子に抱きつかれれば緊張もするし、恥ずかしいけれど凄く嬉しかったりもする。顔が真っ赤になるくらい動揺しちゃったりとかしてないからね???

 

 まあ、今までずっと一人だったと聞くし、それくらいは仕方かな。僕も折紙ちゃんも子供だし、誰かとの温もりを好ましく思うこともあるだろう。

 

 何より本人がすごく嬉しそうに抱きついてくるからこちらも離れずらいんだよね。何か理由をつけて離れようとしても、

 

「私とぎゅーするの…いや……?」

 

 と上目遣いで言ってくる。いや、、ほんとに、あれはずるい。

 

 あまりに可愛すぎて嫌じゃない以外の選択肢が出てこない。あれを素でやってるとしたら…うん!時間をかけて常識を教えていくかな!!!……だから

 

 今はまだこういうことがあってもいいか…

 

 折紙ちゃんのお父さんとお母さんにも、仲良くしてくれてありがとう、と感謝の言葉を伝えられている。

 

 いつもどんな事をして遊んだのかとか、こんな事があったんだ〜とか楽しそうに話してくれるらしい。2人ともすごく安心した表情をしていたなぁ。

 

 あんなに安心させられるなら、頑張って恥ずかしい中耐えた甲斐もあるというものだ。

 

 

 さて、それじゃあ話を戻して何故こうなったかを簡単に説明しよう。

 

 今日も僕は折紙ちゃんからのお誘いを受けて2人で楽しく僕の家で遊んでいた。だけど最近遊ぶことが多かったからか、途中で疲れて折紙ちゃんが寝てしまったのだ。

 

 実はこういうことは今まで何度かある。まだ幼い子供だし、疲れ果てるまで遊ぶことが出来るようになったのはむしろ良い事だと思う。

 

 だから僕はいつも通り折紙ちゃんのお迎えを呼ぶ為にお母さんを呼ぼうとした…んだけど…

 

 寝ぼけた折紙ちゃんに肩にもたれかかられてしまった。しかもそのまま眠ってしまった為、動くにも動けず現在の状況に陥っている。

 

 困ったなぁ…んー、やっぱりちょっと起こそうかな…?

 

「すぅ…すぅ…むにゃ…」

 

 あ、ダメだ、可愛すぎる。こんな可愛い生物を起こすなんて何を考えてるんだ僕は!!!

 

 ん…やっぱり可愛いなぁ、折紙ちゃん。こんな子が友達になってくれるなんて僕は幸せ者だなぁ。

 

 今僕の肩にもたれながら眠っているのも信頼の証ってやつなのかな?…えへへ、そうだったら嬉しいな。

 

 ふふっ、可愛い。

 

 折紙ちゃんの頭を軽く撫でる。

 

 彼女の髪はさらさらしていて撫でている側としても凄く気持ちがいい。本人も撫でているとくすぐったそうにしていて見ていて微笑ましい。

 

 はぁ…今はこんなに懐いてくれてるけどいつか彼女も士道くんに恋するんだもんなぁ…羨ましい限りだよ、士道くん。

 

 どういう過程、どういう理由で恋をするかまでは僕は知らないけど、この可愛い少女がいつか士道くんに恋すると考えると少し複雑な気持ちになってくる。

 

 だけど、やっぱりそれが正しいんだろうなぁ…はぁ…

 

 これが妹を可愛がる兄の気持ちってやつなのかな?なるほど、これはシスコンにもなる訳だ(なでなで)

 

「むにゃ…ん……」

 

 おや、起こしちゃったか…

 

 いやこれは寝言かな?良かった。一瞬起こしてしまったかと焦ってしまった。

 

 …

 

 いつか僕なんて必要無くなるんだろうなぁ。そう思うと少し悲しい。いつか彼女も立派に成長して、大人になって、誰かと……なんてこともあるのかな…

 

 まあ…せめて今この時だけでもこの少女を支えてあげよう。いつかこの少女が立派に独立し、恋をするまでは…ね。

 

 ん、すこし…ねむくなってきちゃったな……

 

 ぼくもすこし…ねよっと……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あれ…?ゆうり…くん?

 

 なんで目の前に祐里くんが…

 

 重い瞼を開けると目の前には彼がいた。初めて友達になってくれた私の大切な人。女の子よりも可愛くて、けれどとてもカッコイイ私の恩人。

 

 だんだん思い出してきた。今日も私は祐里くんと一緒に遊んでたんだった。おままごとで

 

 どうやら私が寝てしまった後、彼も一緒に寝てくれたみたいだ。彼は今も幸せそうな可愛い寝顔をしながら穏やかに眠っている。

 

 ん…可愛いなぁ…

 

 なんとなく彼の手を握る。

 

 温もりを感じる…女の子みたいに普段から可愛い彼だけどこうして触れ合っていると確かに男の子なんだな、って感じる。

 

 あったかいなぁ…もっと……

 

 起こさなければいけないと思いつつももう少しだけまで居たいという欲望に勝てず彼に身を寄せる。こうして身を寄せあっているだけでとても幸せな気分になる。

 

 こんな人が出来るなんて少し前の私からは想像もつかなかったなぁ。きっと運命とはこういう事を指すのだと思う。

 

 あれから私と祐里くんはずっと一緒にいる。遊びに行ける時はずっとだ。幸いな事に私と祐里くんのおうちは結構近くて私でも歩いて遊びに行くことが出来た。

 

 幼稚園がない日はもちろん、ある日も終わってからずっと私は祐里くんの元に通っていた。祐里くんと過ごしている時間はすっごく幸せで一緒にいればいるほど幸せな気持ちが溢れだしてくる。

 

 もし彼が突然私の前から消えてしまったら、きっと私は壊れてしまう。そう確信するくらいに私は彼に依存してしまっている。だけど、それでもいいと思う。

 

 彼に抱きつく。

 

 彼の身体は暖かくて、くっついているとほわほわして幸せな気分になってくる。凄く気持ちよくて、ずっとこのままで居たいとすら思えてくる。

 

 

 これが恋なのかはまだ分からない。

 

 

 私はこれまでそういうことに縁が無かったから…

 

 

 もしかしたらこれが恋なのかもしれないし、違うかもしれない。それは今の私にはそれはまだ分からない。

 

 

 いつかちゃんと自分の気持ちを理解して、ちゃんと君に伝えるね。

 

 

 自分の気持ちすらまだあやふやの私だけれど、

 

 

 

 だけど、この気持ちは本当だから。

 

 

 

 だから、今はこうしても許してね。

 

 

 

「大好きだよ、祐里くん」

 

 

 と眠っている彼の頬にそっと私はキスをした。

 

 

 顔が熱くなってくる。うう、恥ずかしい。眠ってるしいいかな、と思ってやったけど想像以上に恥ずかしい。この気持ちをどうにか誤魔化したくて、彼の胸の中に埋めながら抱きつく。

 

 深く深く、この気持ちを覆い隠せるように。

 

あ、落ち着く…あったかいなぁ……

 

 

 結局、私が離れたのはそれから1時間後、寝起きの祐里くんが抱きついてる真っ赤な顔の私を発見するまで続いたのだった。

 

 

 




読んでくださりありがとうございました(*´ω`*)

次回もお楽しみに、です!!!


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小さい頃の思い出って大人になっても覚えてたりするよね

なんかお気に入りと評価が増えてるんですが!!?
ありがとうございます!!!!!
なるべく急いで更新しました_(´ཫ`* _)⌒)_急いで書いたからミスがあったら遠慮なく言ってね!ちゃんと修正するから!!

新たに評価して下さった

☆9
天夜零さん、megane/zeroさん、ユーたさん
☆7
真紅鮫さん、わけみたまさん

ありがとうございます!すっごくモチベ上がります!!
これからも可愛い折紙ちゃんを書いていくのでよろしくお願いいたします(*´ω`*)


 はぁ…まだかな……祐里くん…

 

 今日、私は珍しく一人でいる。

 

 別に一人でいる事が初めてな訳じゃない。むしろ前まではその方が圧倒的に多かったくらいなんだけどね。

 

 でも、祐里くんと遊びはじめてからはこんな事は凄く珍しい。祐里くんは私の事を気にかけてくれていつも私と一緒にいてくれる。

 

 私はそれが嬉しくてついついいつも甘えてしまう。だけどそんな私を祐里くんは嬉しそうに受け入れてくれて…えへへ

 

 最近、祐里くんの事を考えているといつもこうなっちゃう。お母さんに相談してもあらあら、よかったわね折紙。としか答えてくれない。

 

 もぉ〜、いつか分かるじゃなくて今聞いてるのにぃ……

 

 でもだからかな。久しぶりに体感すると改めて祐里くんがいてくれることの大切さが分かる。

 

 なぜ、私が一人きりでいるのか。元々今日はいつも通り祐里くんと遊ぶ約束をしていた。だけど、祐里くんは何か街にお買い物してから来るとの事で約束の時間より遅れているのだ。

 

 

 

 今日は私の六歳の誕生日だ。

 

 普通は誕生日と言えばわくわくするものだろう。自分の産まれた1年に1度だけの日。子供なら当たり前のように祝われ、プレゼントを貰え、パーティすら開かれる人もいる。

 

 だけど私は今すっごく憂鬱だ。理由は簡単だ。

 

 祐里くんが居ない。

 

 いつも私の傍には祐里くんが居てくれる。自分でも彼と一緒に居すぎているのは分かっている。こういうのを依存って言うんだと思う。

 

 だけど彼はそんな私を笑顔で受け入れてくれている、と思う。

 

 今の私にはそれすら分からなくなってくる。優しい祐里くんのことだもん。もしかしたら自分に合わせてくれているだけではないのかと。

 

 でも誕生日の事忘れてたなぁ…祐里くん……

 

 一応、祐里くんにも一度だけだが伝えた事があった。

 

 

 ──────じゃあ、その時は僕がお祝いするね!!

 

 

 とその時は言ってくれたけど…

 

 

 祐里くん…忘れてるのかな……

 

 

 仕方ない、と言ってしまえばその通りだろう。それを話したのは遊び始めたばかりの頃だし、話したのもただの一度だけだ。彼が忘れてしまっても仕方ない。

 

 分かってはいる。分かってはいるんだけど……

 

 でも納得できないことは出来ないんだもんっ!!

 

 

 そうだっ!来るのが遅くなるなら私から会いに行けばいいんだ!!

 

 確か街の商店街に行くって行ってたし、そこなら以前お母さんと遊びに行ったから場所は分かる。私が先回りして祐里くんをびっくりさせよっと。

 

 そう思い、急いで玄関から家に出る。すっごくワクワクしてくる。

 

 ふふっ、祐里くん驚くだろうな〜♪

 

 

 

 あれから数時間。私は一人、公園の遊具の中にいた。外には雨が降っている。風も強いし、雷まで鳴っている。

 

 うう、こわいよぉ…ゆうりくん……

 

 あれから祐里くんを迎えに行こうとした私だけど、家を出て直ぐに大雨が降り出してすっごく強かったから急いで近くにあった公園に避難したの。

 

 こういう時は危ないから動かないようにって以前お母さん言われた。動いた方が怪我したりするかもしれないからって。待ってればいつか雨は止んでくれるんだって。

 

 でもあれから雨は強くなるばかりで止む気配が無い。

 

「大丈夫…かな…?」

 

「!!!?」

 

 近くに雷が落ちたみたいだ。

 

 どんどん不安な気持ちになってくる。もしかしたらずっとこのまま雨も止まず、誰にも見つけられないんじゃないかとすら思えてきてしまう。

 

 うう、怖い、寂しい、、ゆうりくん……どこぉ…

 

 お祝いなんていらないから…祐里くんがいてほしいよ…

 

「祐里くん…」

 

「うん、なあに?折紙ちゃん」

 

「……え、」

 

 なんでここに祐里くんがいるの。いやそもそもなんで私の場所が、、、

 

 いつの間にかあんなにも曇っていた空は晴れている。雲の狭間からさしている日差しが彼を照らしている。

 

 そんな彼は普段の数倍もかっこよくて、まるで私を助けに来てくれたヒーローみたいに見えた。

 

 あれ、でもなんで私の場所が分かったんだろ。

 

「ふふっ、なんでって顔してるね」

 

 あれ!?もしかして私口に出してた!?

 

 そんな私の考えも読んでいるかのようにくすくすと笑っている祐里くん。

 

 もぉ…私の事わらってぇ……むぅ……

 

 私がむすっとしていると、ごめんごめんと頭を撫でてくる。撫でたって許してあげないもんっ!!ほんとだよ!!

 

「もう…」

 

「ん、ごめんね。でもね、答えは簡単だよ。折紙ちゃん」

 

 確かに、どうして分かったんだろう。お母さん達にはバレないようにコソッと出てきた。誰にも見られないようにしたし、何より祐里くんは買い物に出ていたはずだよね。

 

 この公園は私の家からそんなに遠くない。何度か一緒にここで遊んだこともある。だけど、だからといって私がここに居る保証は無いのに。

 

 そんな私の想いをよこに真面目な顔で彼はこう答える。

 

 

「────────君が僕を、呼んだから」

 

「……え?」

 

 思考が止まる。

 

 

 

 何故ここが分かったのかと言う疑問。

 

 

 

 中々逢いに来てくれなかった事への怒り。

 

 

 

 こんな勝手な事をした私を怒るんじゃないかという不安。

 

 

 

 私の中にあった多くの感情が全てその一言で消えていく。

 

 

 心の中から喜びが溢れてくる。彼が私の為に来てくれたという事実が私の心を幸せな気持ちで満たしていく。

 

 嬉しい。

 

 私を見つけてくれたこと。私に会いに来てくれたこと、私を助けに来てくれたこと。彼がそうしてくれたってことがただひたすらに嬉しい。

 

「…ん!!」

 

「おっと、よしよし。寂しかったよね、ごめんね」

 

 祐里くんに思わず抱きつく。ん…安心する…やっぱり祐里くんの胸の中は暖かくて温もりがあってほっとする。

 

「ん〜!!」

 

「…ん、遅くなっちゃってごめんね、折紙ちゃん」

 

 と撫でながら言われる。

 

 すごく安心したし、祐里くんも反省してるみたいだし、しょうがない。許してあげます。ふふん♪

 

 あ、でも

 

「そういえば何してたの?祐里くん」

 

「あー…もう少し後で言うつもりだったんだけど……待たせちゃったし、しょうがないかな」

 

「うん?」

 

 そう言って祐里くんはごそごそとバッグの中をごそごそと漁る。しばらく漁ったと思ったら何か小さな紙袋を取り出す。なんだろ?あれは

 

「本当はもう少し後に渡そうと思ったんだけどね、お待たせしちゃったみたいだし…」 

 

 

「それじゃあ、改めて」

 

 

 

 

 

 

 

「誕生日おめでとう、折紙ちゃん」

 

 

 

 

 

 

「え、、?」

 

 

 

 

 覚えていて…くれたんだ…

 

 忘れていると思っていた。だって祐里くんには1度だけしか伝えてないし…そもそも私の誕生日なんて……

 

 だけど、それなのに彼は覚えていてくれた。今はそれがただ嬉しかった。

 

「ごめんね、サプライズしたくて今日まで黙ってたんだ」

 

「もぉ…忘れてると思ってたよ……」

 

 彼をポンポンと軽く叩く。怒っているはずなのに嬉しすぎて全然力が入らない。

 

 そんな私を祐里くんは微笑ましそうに撫で返してくれる。

 

 

「…だきしめて」

 

「ん、よしよし。ごめんね、折紙ちゃん」

 

 抱きしめられながらよしよしと頭を撫でられる。やっぱり彼の腕の中は安心する。暖かくて、心地よくて、何かほわほわしてくる。

 

「はい、これプレゼント。遅れちゃってごめんね」

 

「ん、ありがとう祐里くん」

 

 少し落ち着いてから、彼からプレゼントを受け取る。

 

 プレゼントは小さな袋の包みだった。なんだろう?

 

 彼からのプレゼントだ。それがどんなものだとしても嬉しい事には違いはない。だって彼が選んでくれたものだから。

 

 私の事をいろいろと考えて選んでくれたもの。例え要らないものだとしてもその気持ちだけで物凄く嬉しい。これは嘘でも建前でもない本当の気持ち。

 

 だけど何が出るか気になってしまうのは許して欲しい。大切な人からの初めてのプレゼントなんだもん、仕方ないよね。

 

 包みを受け取りワクワクしながら開けてみる。

 

 その中には3つの髪留めが入っていた。水色、青色、紺色の3色髪留め。可愛い。きっと私の銀髪に似合うようにと彼が選んでくれたのだろう。

 

「これは…」

 

「きっと、折紙ちゃんに似合うと思って選んだんだ。どう……かな?」

 

 自然と顔が綻んでくる。さっきまですっごく怒っていた気持ちが嘘みたいに晴れていく。

 

 彼はずるいと思う。人が寂しかったのも知らないで…

 

 けど、

 

「…ん、うん!!すっごく嬉しい…ありがとう、祐里くん」

 

「うん!どういたしまして、だよ。そこまで喜んでくれたなら用意したかいがあるよ」

 

「ほら、帰ろう。お母さん達もきっと心配してるよ」

 

「ん、うん!」

 

 差し出してくれた彼の手を握る。私と変わらないくらい小さいけれどとても暖かくて、柔らかい手。

 

 そうして私は彼と共に歩き出す。

 

 離れないようにしっかりと手を繋ぎながら。道路が雨に降られて湿っている。その光景と喜びが普段と同じ自宅への帰路を特別に見せていた。

 

 

 

 きっとこの日の事を、私はずっと忘れない。




ここまで読んでくださりありがとうございました(*´ω`*)

そう言えばFateのプリズマイリヤの小説で一年以上前から考えていた作品があるんですけど…みたい……?書くとしたらこっちのペース落ちちゃうかもだけど…みたい……?

アンケートにのせてみますね。


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少し先の未来の話をするとしよう

……n?
ランキング入り&評価真っ赤…ふぁっ!!?

て訳で更新急ぎました()
お気に入りも評価も増えててすっごく嬉しいです!!!ありがとうございます!
これはどんどん折紙を布教していかねば(使命感)

そして誤字報告して下さった数名の方々ありがとうございます!多分これからもガバると思うので見つけたら教えて下さると助かりますm(_ _)m
今回も急いで書いたので多分ガバってますね()

そしてアンケートの結果で笑いましたw
可愛い折紙ちゃんみたい!って意見が多かったけど2番目がうどんってw(やった本人)
今回の話の終わりにもアンケートがあるので良ければ!

今回のお話は少し先の未来の話になります。あ、次回からはまた子供時代になるのでご了承ください!!

それではどぞ!!


 どんな事にも物事にも終わりがある。

 

 

 どんな長い物語にもいずれ終わりというものは必ず訪れる。

 

 

 どんな関係にも終わりが来る。

 

 

 どれだけ同じ関係を保とうとしても必ず変わっていく。そういうものだ。それが人生だ。そうやって割り切れたらどれほど楽だっただろう。

 

 

 あれから10年の月日が経った。

 

 

 僕も彼女も成長した。

 

 

 僕らの関係は大きく変わった。

 

 昔は毎日のようにどちらかの家に遊びに行って、遅くなるまで2人で遊んでいた。だけど、そんな楽しかった日々も今はもう存在しない。

 

 

 いつまでも幸せな時は続かない。

 

 

 いつまでも同じ日常は続かない。

 

 

 きっと、心のどこかでそれは分かっていた。

 

 

 だけど、それでも僕はあの日常が好きで、あの可愛い幼馴染と過ごす日常が好きだった。だから、あの日々がいつまでも続けばいいと、続いてくれるだろうと、そう思っていた。

 

 

 でも、そんな事は有り得ない。それが人生というものだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 だけどさ、

 

 

 

 

 それでもさ、

 

 

 

 

 

 

 こうなるとは思わないじゃん!!!!!

 

 

 

「なんで…なんでここにいるのかな!!?折紙!!?」

 

 

「…?」

 

 

 とあるマンションの一室。

 

 そこには心からの気持ちを叫んでいる僕と、それが分からないとでも言うように頭にはてなを浮かべている少女、鳶一折紙がいた。

 

 あれから10年、僕も彼女も大きく成長した。

 

 彼女はあれからどんどん可愛くなり、女の子として成長していった。髪も顔も綺麗だし、運動神経も頭も良い。その上、料理や家事までハイスペックというそこだけ見れば完璧美少女に育った。

 

 一方、僕の顔立ちはだんだんと両親に似てきた。身長も大きく伸びて、父さん似の高身長イケメンに……なんてことは無かった。

 

 身長はあまり伸びず、折紙と対して変わらない。顔つきも父さんより母さんに似ている為、ぶっちゃけ鏡で見ても女の子にしか見えない。

 

 街に2人で出かけてもよく姉妹と間違えられる。

 

 え、僕そんなに女の子っぽいかな……?中々にショックだ。

 

 いや、まあ気持ちは分かるよ!!?

 

 鏡で見てもカッコイイというより可愛い顔だと思うし、親戚の人にも可愛いと言われたことはあっても一度もカッコイイと言われたことはない。

 

 男子高校生としてはあまりに…女の子らしすぎるんだ…

 

 甘い物を食べに行くことが多いからかもしれないけど…まあ、うん。仕方ないよね。商店街のスイーツが美味しすぎるのがいけないんだよ……

 

 

 おっと、すまない。話が脱線しすぎた。話を戻すとしよう。

 

 

 何故、僕が近所迷惑になるにも関わらずあんなに叫んでいるのか。その理由は一つだ。

 

 

「なんで!!ここに!!折紙が住むことになってるの!!」

 

 

「…?」

 

 

「…?じゃないよっ!!」

 

 

 あ、いけないいけない。さすがに少し声を抑えないと。引越し初日からご近所さんに迷惑をかけてしまう。

 

 

「大丈夫だよ、この部屋は防音だし」

 

 

「あ、そっか。なら安心だね〜って何でそんな事、折紙が知ってるの!!?」

 

 

「…?だって私もここに住むし…」

 

 

「僕がね!!折紙には折紙の家があるでしょ!!なんでここに!?」

 

 

「やだ、私も住む」

 

 いや、やだって可愛いな。顔もいかにもむすっとしてて凄く愛らしい。撫でたくなってくる…じゃなくてね!!?

 

 

「いやいやいや、流石にそうも行かないでしょ。鳶一さんたち心配するよ?」

 

 

「大丈夫だよ、ちゃんと許可は貰ってるから」

 

 

 と、いう折紙の言葉と共に携帯にメールが届く。ん?誰からだろ。お母さんからだ。えっと。

 

 

 

 

 無事に引越し出来た?言い忘れてたけど折紙ちゃんもそこに一緒に住むことになるからよろしくね。鳶一さん達とも相談して決めたから安心してね。

 

 追記 結婚は高校卒業してからにしてね。

 

 

 

 

 ふむふむ、なるほどね。って、

 

 

「うちの両親何やってるの!!!!!!?」

 

 

 何で子供に無断で子供と同級生の異性の同棲を許してるんだ!!!!?

 

 

 いやそもそも何で親同士で相談してるのに当人には無断なの!?普通、一番最初に僕に言うものじゃないの!?え、僕聞いてないよ!!?母さん!!?

 

 そもそも折紙と結婚する気は無いです。折紙も僕が相手じゃ嫌だろうし、将来もっといい人を見つけるだろ。……見つけてくれるよね…?

 

 …そうだと信じよう。

 

 

 はぁ…夢だと思いたい……

 

 

「大丈夫、家事は全部私がやるから」

 

 

「え、でもそれは…さすがに悪いし…」

 

 

 そんな事を考えていると彼女がそう言ってくる。

 

 いやでも流石にそれは申し訳ない。確かに彼女の方が料理も掃除もその他の家事も全て僕より遥かに上手い。きっと僕の倍以上のスピードで全て終わらせるだろう。

 

 あれ…?僕いらなくね?()

 

 

「問題ないよ。私は祐里が居ればそれだけで嬉しいもん」

 

 

「う、うん、、それは…よかった、、」

 

 

 ただでさえ可愛いんだから、突然そんなことを言わないで欲しい。そんな嬉しいことを言われたら顔が赤くなってきちゃうじゃないか…もう…

 

 

「だから私も一緒に住む。……いや…かな…?」

 

 

「うっ、、」

 

 

 彼女は寂しそうに上目遣いでそう言ってくる。くっ、可愛い…元々可愛い彼女の姿も相まって可愛さが遥かに倍増されている。この可愛さに勝てるはずがない…

 

 ……仕方ないか…ここは僕が折れよう。

 

 実際、折紙が一緒に住んでも何も問題ないでしょ。両親の許可も貰ってるみたいだし。まあ、後で親に電話するのは確定事項だけどそれは置いておこう。

 

 

「……わかったよ。降参。一緒に住もう、折紙」

 

 

「……ん、ありがとう祐里くん。凄く…嬉しい」

 

 

「っ!!?」

 

 そんな彼女の表情に思わず顔を背けてしまう。嬉しそうに微笑む折紙があまりに可愛すぎてまともに顔を見ることが出来なかった。

 

 

 いやもうほんと…これはずるいって……

 

 

 あれから色々な事があり、折紙は大きく変わった。

 

 昔は表情豊かな可愛い少女って感じだったけど、今は表向きはクールな美少女って感じだ。

 

 人形みたいに無表情で、普段は話しかけずらい雰囲気だ。そこだけ見ると、昔の面影はもう消えてしまったようにも見える。

 

 そんな彼女だけど根はあの頃と変わっていない優しい少女のままだ。

 

 2人きりだと今みたいに昔と同じ口調になることも多いし、甘えて来ることもある。彼女がたまに見せるそんな姿に少し懐かしくなってついつい甘やかしてしまう事も少なくない。これがギャップ萌えってやつなのかな?

 

 彼女の前髪には今でもあの時に渡した3つの髪留めが付けられている。

 

 あれから10年も経ってるのに関わらず髪留めは未だ綺麗なままだ。きっとそれは彼女が変わっていない何よりの証拠なのだろう。…えへへ、うれしいな。

 

 ……ん?

 

「お、折紙?」

 

 

「どうしたの?祐里くん」

 

 

「い、いや〜、何でこんなに近づいてきてるのかな〜?と思いましてぇ…」

 

 

 さっきまで2メートルくらいはあった僕と折紙との距離が今では50cmくらいまで縮んでいる。いつの間にこんな近くまで…

 

 と、とりあえず猛烈に嫌な予感がする。は、離れないと、、

 

 

「大丈夫だよ、ちょっといい事するだけだから」

 

 

「何をする気ですかぁ!!!??」

 

そう言う彼女の目のハイライトは消えており、光の無い目が僕だけを見つめている。

 

 こわい…!なんかよくわかんないけど怖いよっ……!!!

 

 そう思ってる間にも距離はだんだん近くなって20…10cmくらいまで近づいてしまう。あ、いい匂いがする…

 

 頭がぼーっとしてくる。目の前がふわふわする。

 

 

「ほら、気持ちよくなってきたでしょ?そのまま私に任せて祐里くんは休んでね」

 

 

 眠気に襲われるようなそんな感覚だ。ほわほわする……ん、折紙なら…どうなっても……いい…かな……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ブルルルル!

 

 

 

 

「!!!」

 

 

 危ない、完全に意識が持っていかれてた。電話が来てなかったら完全にやられていた。何が、とは言わないけどね()

 

 でも誰だろう?電話がかかってくるなんて珍しいなぁ。僕に電話かけてくる人なんて胡散臭い社長か、女顔の同級生君くらいだけど…あ、後者か。

 

 あ、そっか。今日は引越し祝いしてくれる事になってたんだっけ。助かったぁ…ありがとう士道。まあ君の黒歴史ノートのデータ消すつもりは無いけど。

 

 それにしてもまさかこんな所まで成長しているとは…恐ろしい子だ……士道がいなかったら本格的に危なかった。これは今度オススメの調理器具でもプレゼントしよう…

 

 

「……また今度だね…」

 

 

「そ、ソウダネー」

 

 

 絶対にノーとは言わせないとでも言いたげな圧力を感じた。たまにこうなる事がある。僕が他の女の子と話している時や、作業をしている時かな?

 

…よく分からないけどすごくこわい……

 

 

「と、とりあえず準備しよっか。夕方には士道たち来るだろうし」

 

 

「……そうだね。私も祐里くんの為に頑張るよっ!!」

 

 

 今の間は一体なんなんですかねぇ…()

 

まあ、もう大丈夫だろう。ハイライトも復活してるし、とりあえずは安心だ。明日以降が怖いけど…まあそれはその時の僕に任せよう。うん。

 

 

 

 あ、そうだ。言い忘れてた。

 

 

「動揺しちゃって言い忘れてたんだけど、ここに住むならこう言うべきだよね」

 

 

「……?」

 

 

 頭にはてなを浮かべている折紙を置いておいて僕はコホンと咳払いをする。

 

 

 はぁ…この呼び方は少し恥ずかしいんだけどなぁ…

 

 

 ん、でもこう言うべきだよね。こういうことも大事だもの。だから僕は微笑みながらこの言葉を口にする。

 

 

 

 

「おかえりなさい、折紙ちゃん」

 

 

 

と、当たり前の言葉を言う僕に

 

 

 

 

 

「!!!…うんっ!ただいまっ!!祐里くん!!」

 

 

 

 

 

と彼女は今日一番の満面の笑みでそう答えてくるのだった。こんな眩しい笑顔が見れるなら言ったかいもあるってものだよね。ふふっ、やっぱりこっちの方が可愛いや。昔からずっと、ね。

 

 

 

 

 

 あれから10年、どうやら僕と彼女の日常はまだまだ終わらないようです。

 

 

 




ここまで読んでくださりありがとうございました!!

新たに評価してくださった
☆10
願わくばこの手に幸福をさん
☆9
ファイターリュウさん、HappyなIdさん、黒白子さん

ありがとうございます!僕頑張る!!

あ、一応言うと最後の祐里くんのちゃん呼びは誤字じゃないです。ちゃん呼びが恥ずかしくなったから普段は呼び捨てだけど、本人が喜ぶから最後だけ大事な言葉なのでこの呼び方にしたって感じですね。

ちなみに折紙ですが、原作で例えるなら祐里の前では長髪折紙に近い性格。他の人の前、何か強い覚悟に囚われている時、祐里を追い詰める時は原作初期と似たような感じになります。

一応少しアンケートしてみてそれでいいか、それともどちらかに統一した方が良いか聞いてみたいと思います(高校生以降ですかね)

一応ストーリーもあるので必ずアンケート通りになるとは限りませんが良ければ答えてくださると有難いです。


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小学生の頃っていろんな事が楽しくてすごく早く過ぎ去るよね

いろいろ考えてたら遅れましたァ、あと今回の話はちょっと後で修正するかもです。今回から小学生編だゾ。まあ、そうはいってもあんまり変わらないんだけどね!!

祐里視点と折紙視点両方入れるはずだったんだけど、長くなったので分けます()
だからいつもより短めです、次回更新急ぐから許して…ゆるして……

そう言えば高校生の折紙の件なのですが色々考えて、本編の折紙は幼馴染としての鳶一折紙。性格的にはどちらの折紙の要素もあるけどどちらでもない折紙(口調とかは長髪に近いかも)って感じになると思います。

あ、でも無口系の折紙も好きなのは分かってるし僕も好きだから番外編で書くよ!!ifストーリーみたいな感じかな。

そして沢山の誤字報告ありがとうございます。いやほんとに…感謝しかないです。想像より誤字沢山あるんだなぁ…って。

最後に沢山のお気に入り、評価、感想などありがとうございます!!
これからも応援よろしくお願いします!!

という訳で長くなりましたが本編です


「──て、おきて。祐里くん」

 

 

「んぅ……あと5分だけ寝かせて…」

 

 

 真っ暗な夜が過ぎ去り、窓から朝日がさしてくる朝。僕を起こそうと何者かが肩を揺らしてくる。まあ、僕を起こしに来る人物なんて一人しかいないのだが。

 

 ん…でも申し訳ないけど、もう少し寝かせて……すぅ……

 

「だーめ!早く起きないと遅刻しちゃうよ」

 

 んむぅ……、遅刻は困る。これでも頑張って学校では優等生として過ごしているんだもの。今更遅刻はしたくない。

 

 …ん、仕方ない。起きるとしますかぁ…

 

 はぁ…さようならお布団、おはよう冷たい空気。

 

「ほら、起きて。祐里くん」

 

「ん…、ぅゅ…」

 

 少しぼやけていた意識もハッキリしてきた。だんだん目も光に慣れて横に立っている人物の姿もハッキリと見えてくる。

 

 油断すると今にも眠気に負けそうな重い瞼をなんとかこじ開けて見上げると、僕の予想通りの人物がそこに居た。

 

 幼き頃と同じ綺麗な銀髪と白い肌。パッチリとした青い瞳。僕に対する優しげな声。前髪に付いている3つの髪留め。あれから少しだけ伸びた背丈。

 

 間違えるはずも無い。

 

 何年もの間、ずっと一緒にいる幼馴染の少女。

 

 

「おはよう、祐里くん」

 

 

 鳶一折紙の姿がそこにはあった。

 

 

 

 彼女は僕が目を覚ましたのを確認すると、改めて笑顔で挨拶してくる。だから、僕はいつものように眠気に負けないように何とか笑顔を作りながらこう返す。

 

 

「おはよう、折紙ちゃん」

 

 

 

 あれから1年。僕達は小学生になりました。

 

 

 

 

 

 あの後、着替えて朝ごはんを食べた僕達は2人で一緒に登校していた。これはいつもの事だ。折紙ちゃんが僕を起こしに来て、そのまま一緒に登校する。

 

 これが小学校に入学してから変化した僕たちの今の日常だ。

 

「別に毎日起こしに来なくてもいいのに。折紙ちゃんも朝から大変でしょ?」

 

 

 僕は朝に弱い。

 

 どれくらい弱いかというと寝たまま放っておくと、確実に学校に遅刻する時間まで寝てしまうくらいには弱い。一度、自分で起きようとしてみた事があったけど見事に爆睡してしまった。

 

 それ以来、折紙ちゃんは毎日かかさず僕を起こしに来てくれている。本当に折紙ちゃんには頭が上がらない。

 

「ううん、大丈夫だよ。私がしたくてしてるだけだし。それに…祐里くんの寝顔も見れるし…」

 

「そう?それならいいんだけど…」

 

 ん?なにか最後なんて言ったんだろ?ボソッと話してたからよく聞こえなかったけど……

 

 まさか僕が好きだからとか…?いや、ないない。こんな事を考えたら折紙ちゃんに失礼だろう。彼女と僕はただの幼馴染。それはこの1年でハッキリと分かっているつもりだ。

 

 この1年それらしい事は何も無かったし、きっとこれからもそんな事は起こらない。だけど、今ではそれでもいいと思っている自分がいる。

 

 まあ…そりゃあ……期待した事はあったよ?

 

 こんなにも可愛い少女が幼馴染なんだもの。もしかしたら少しくらい僕にも可能性があってもいいんじゃないか?ってね。

 

 折紙ちゃんもあれから成長してさらに可愛くなった。クラスでも人気者で皆が話しかけようとしているのをよく見かける。

 

 まあ、だいたい折紙ちゃんは僕と一緒にいるから中々話しかける人は居ない。そう思うとちょっと申し訳なくなってくる。

 

 まあ、本人に言ったら「私がいたいから一緒にいるからいいのっ!」って怒られそうだから言わないけどね。

 

 

 でも、そうして昔の隠れてばかりの彼女から成長していく姿が見れてどこか嬉しくなってくるなぁ。

 

 これが妹を見守る兄の気持ちってやつなのかな?

 どうりでシスコンの兄が誕生する訳だ。昔の僕には全く分からなかった気持ちだけど、今となっては激しく同意するよ。

 

 あ、そうそう。話は変わるけど、僕にも折紙ちゃん以外で初めての友達ができたんだ。

 

 名前を五河士道。

 

 今、ん?って思った人もいると思うけど、想像通りだよ。

 

 五河士道。この世界、デート・ア・ライブの主人公。前向きな性格で困った人や悲しんでいる人を放っておけない。そして家族や友人をとても大切にしているそんな心の優しい少年だ。

 

 いやぁ、最初に会った時は驚いたよ。まさかここで出会うなんて夢にも思っていなかった。案外、世間って狭いんだなぁって。この街は広いけどね…

 

 僕と彼が出会ったのは数ヶ月前、入学式の日まで遡る。

 

 僕が学校でまい…道を覚えている時に彼に偶然出会ってそこで道あ…探検しているうちに仲良くなった。ン?何か質問でもあるのかな?ないね?(威圧)

 

 ま、まあ、それは置いておこう。

 

 それから僕と士道は仲良くなり、よく一緒に遊ぶようになった。だんだん士道の妹の琴里ちゃんや僕の幼馴染である折紙ちゃんと一緒に4人で遊ぶことも増えて前よりも充実した日々を送っている。

 

「祐里くん!」

 

 おっといけない。また考え込んじゃってたみたいだ。

 

「ごめんごめん、何の話だったかな?」

 

「むぅ…もういいもん。祐里くんの事なんてしりません」

 

 そう言って頬を膨らまして私、怒ってます!と全身で現している折紙ちゃん。

 

 怒っているって見せたいんだろうけど、可愛すぎてほのぼのとしかしかないんだよなぁ。まあ、これを言うと不貞腐れちゃうからちゃんと謝るとしよう。

 

「ごめんごめん。僕が悪かったから許して、折紙ちゃん」

 

「ふふっ、仕方ないから許してあげます。それより…もっと撫でて…?」

 

「ん、よしよし」

 

 そう言いながら彼女の頭を撫でる。彼女は嬉しそうに笑みを零している。やっぱり僕の幼馴染はすっごく可愛い。例えるとしたら…わんこかな…?

 

 ……これ以上想像するのはやめておこう。それにしか見えなくなりそうだ。

 

 ちなみにこうして彼女を撫でるのはよくある事だ。どうやら僕のなでなでは彼女のお気に召したようでこういう時によく要求される。だから今ではすっかりこの可愛さにも慣れてきた。

 

「ふふ〜ん♪」

 

 あ、やばい可愛すぎる。前言撤回。可愛すぎて尊死しそうだ。いや、ふふ〜んって…可愛すぎかよ…

 

 少しドヤ顔になって自慢げにしているのがすっごく可愛い。可愛すぎて撫でている手が止まる気配を見せようとしない。はぁ……しあわせぇ…

 

 こうしてるとまったく変わってないように見える折紙ちゃんだけど、この1年で確かに成長している。

 

 身長が伸びるのは勿論、料理も前よりも上手くなってるし、テストの点数も上がってきている。それに女の子らしい部分も出てきて時々ドキッとさせられる。段々と原作のハイスペックオリリンに近づいてる気がするなぁ。

 

 これは僕が必要無くなる日もそう遠くないかもなぁ…お兄ちゃんは悲しいよ…まあ、元々お兄ちゃんじゃないんだけどね。

 

 でも、この考え自体はおそらく間違っていないと思う。

 

 いつか彼女も成長して、僕は必要無くなるだろう。でも、それは今じゃない。今の彼女にはまだ僕が必要だ。彼女はまだ成長途中だし、誰よりも折紙ちゃん本人が僕と一緒にいることを望んでる。

 

 だからせめて今だけでもこの純白の少女を守ろう。隣に立って彼女を守り続けよう。ふふっ、小学生が何考えてるんだって話だよね。まあでも、この覚悟は嘘じゃないから。

 

 

 だから、これからもよろしくね、折紙ちゃん。いつか別れるかもしれないその時まで。

 

 

 そう心の中で呟きながら、僕は彼女の頭を撫で続けるのだった。

 




最後まで読んで下さりありがとうございました!!

次回は折紙視点です、なるべく更新急ぐからお楽しみにっ!!

そして新たに評価してくださった
☆10
エルテューヌ(クーロン・フェルミ)さん、焔雪さん、狙撃手白猫さん、あまみずさん、叫ぶビーバーさん
☆9
森園一樹さん、朔羅さん、ナギンヌさん、醤油味mk-3さん、sekiwanさん、シャンクスさん、ミナサカさん、むにえるさん、ぼぶ330さん、Loshさん、ニーナ GE3マルチ難民さん、ソロランナーさん、KuMaKuMaKumaさん、星村 零さん、轟鬼梓沙さん
☆8
梶谷凌平さん

ありがとうございます!!あれ多くない?小説間違えてませんか?()
嘘ですありがとうございます。ありがたい…作者頑張るよ、幸いあと10話くらいは書けるアイデアあると思う(多分)
これからも応援してくださると有難いです
日常回のネタが尽きたらTwitterかこっちで募集するかもです()


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僕の幼馴染本当に小学生?しっかりしすぎてないかな?

遅くなりましたァ!!

思ったより長くなって時間がかかってしまいました(言い訳)

沢山のお気に入り、評価、感想ありがとうございます!!有難いことに沢山の人から見てもらえてるみたいで作者は嬉しいです!!これからも2人の日常を見ていって下さると嬉しいです(*´ω`*)

今回は折紙ちゃん視点です!どぞ!


「……んぅ、ん〜よく寝たぁ」

 

 朝6時、窓から朝日が見え出す頃に私は目を覚ます。

 

 この時間に起きるのは私の習慣です。最初は少ししんどかったけど、今ではもうすっかり慣れて自然とこの時間に目が覚めるようになりました。

 

 小学生なのに毎日こんな時間に起きて偉いねって言われたりもするけど、祐里くんの幼馴染として、これくらいは当然ですっ!

 

 ベッドから起き上がると、まず顔を洗って髪を整える。

 

 ここは特に気をつけます。以前、寝癖がついたままなのに気づかずに祐里くんのおうちに遊びに行って祐里くんに笑われた事があります。

 

 あの時はほんとうに、すっごく、すっご〜〜くっ!!恥ずかしかったの!!

 

 あんなに顔が真っ赤になった事はあれが初めてだし、あれ以上の事はないんじゃないかと思います。大袈裟だと思うだろうけど、本当にそれくらい恥ずかしかった。

 

 だからもう絶対にそんなことが無いようにしっかりと身だしなみに気をつけます。もぉ…祐里くんもあんなに笑わなくてもいいんじゃないかな…?

 

 あの日、初めて彼があんなに笑うのを見ました。

 

 祐里くんはいつも優しく微笑んでくれます。いつも微笑みながら、私を助けてくれる、そんな存在でした。いつの間にかそれが当たり前なんだと思ってました。

 

 彼はいつも頼りになって、助けてくれて、だから、彼のそんな姿なんて想像すらしていませんでした。

 

 だから、あの時すっごく驚きました。ツボに入ったみたいに無邪気に笑う彼の姿があまりにも子供らしかったから。あまりにも、当たり前の光景だったから。

 

 でも、だからかな?そんな姿が見れて嬉しくて、でもその理由が私なのが気恥ずかしくて、そんな気恥ずかしさを紛らわしたくて、笑っている彼を追い回しました。

 

 

 結局、しばらく鬼ごっこが続いた後、祐里くんがむっとしてる私の髪を直してくれることでその時は仕方なく許してあげました。だけど、今思い出すと彼にはまだ余裕があったような気すらしてきます。

 

 むぅ…ずるいなぁ……私はあんなに恥ずかしかったのに。

 

 これは今度お詫びに何かお願い事を聞いてもらわないといけないねっ♪

 

 

 さてとっ、考え事しながらもちゃんと手は動かして準備は進めています。

 

 寝癖は直したし、髪型も完璧!!

 

 よしっ、これでおっけーです!

 

 寝癖を治したら最後に前髪に3つの髪留めを付けます。これは私のお気に入りです。

 

 彼が誕生日にプレゼントしてくれた私の宝物。

 

 祐里くんは私にこれをくれる時、受け取って貰えるだけで嬉しいから、身に付けなくても大丈夫だよって言ってくれました。だけど、私はそんな言葉とは反対に貰った日から毎日欠かさずに付けています。

 

 だって祐里くんが私に初めてくれたプレゼントだもん。仕方ないよね、えへへ。

 

 あ、そろそろかな?

 

 時計を見るともうすぐ6時半。6時半には祐里くんを起こしたいから、急いで服を着替えないとね。着る服は寝る前にちゃんと準備してあるのであとは着替えるだけです。よし、急ごっと!

 

 

 

 

 

 

 

 時間にして朝6時半。祐里くんのおうちこと白國家にやってきました。もう祐里くんのお父さん達は起きているみたいで物音と話す声が聞こえてきます。でも祐里くんの声は聞こえてこないから、まだ寝てるのかな…?

 

 私は以前、祐里くんのお母さんに貰った合鍵で玄関の鍵を開けて、お邪魔しますとだけ言って2階の祐里くんの部屋に向かいます。

 

 私が毎日早起きしている理由はこれです。

 

 祐里くんはすっごく朝に弱い。それこそ、誰も起こさなかったらお昼まで平気で寝ちゃうくらいです。一度、自分で起きるって言ってた事があったんだけど、結局そのままずっと寝てたみたいでその日は遅刻しちゃってました。

 

 その日以降、それを理由に私はこうして毎日彼を起こしに来ています。

 

 

 一見大変なことばかりにも思えるけど、彼の寝顔も見れるし、いつもの姿からは珍しいだらしない彼の姿も見れるし、彼と登校できるし、私にとってはお得な事だらけなのです。

 

 さてと、たまに自分で起きてることもあるんだけど…今日はどうかな…?

 

「おはようございます…祐里くん……」

 

 そっと彼の部屋のドアを開ける。

 

 すっかり見慣れた彼の部屋。何度見てもすごいなぁ…

 

 彼の部屋はすっごく広い。きっと私のお部屋の2倍くらいはあるんじゃないかな?私の部屋も同級生の子達よりも広いんだけど…

 

 見渡しても床には物ひとつ落ちておらず、棚やクローゼットに綺麗に片付けられている。床にはカーペットが敷かれていて、まさにお金持ちのおうちの子供って感じの部屋だ。

 

 必要最低限の物しかおいてないその部屋は白色と青色を中心に綺麗に彩られていて、祐里くんのイメージによく似合っている。

 

 

 さて、肝心の祐里くんは…

 

「すぅ……」

 

 耳を澄ますと部屋の奥から微かに寝息が聞こえてくる。どうやら祐里くんはまだ夢の中みたい。私は、お邪魔しますとぼそっと呟いて、大きい音をたてないように静かに歩いていく。

 

 部屋の奥のベッドに近づいていくと少しずつ寝息が大きくなってくる。祐里くんはまだ眠っているみたいです。やっぱり祐里くんには私が必要みたいだね〜ふふっ

 

 

 そっとベッドを覗いてみると、祐里くんがすやすやと気持ちよさそうに眠っていました。

 

 

 …可愛い。

 

 

 普段はいつもしっかりとしていてかっこいい彼だけど、寝ている時はすっごく無防備です。いつもの凛々しい表情から一転、完全に油断しきっただらしない表情をしています。

 

 

 こういう彼を見る為に毎日早起きしてると言っても過言ではないかもしれません。

 

 

 とっても可愛い寝顔。普段のかっこいい彼とのギャップも相まってもっと可愛く見えます。

 

 

 時々仕草や見た目が女の子みたいに見える彼だけど、寝顔を見ていると完全に女の子にしか見えない。元々の顔も相まって穏やかに眠る姿は物語のお姫様にすら見えてくる。

 

 だけど、困ってる時に助けてくれる姿は凄くかっこよくて、普段よりも凛々しくて、頼りになって、やっぱりどれも祐里くんなんだなぁって感じる。

 

 うう、思い出すだけでも少し顔が赤くなってきちゃうよ。

 

 

 祐里くんが眠っているのを確認すると、彼が起きないようにそっと頭を撫でる。

 

 そんな事したら起きるんじゃないかとも思われそうだけど、これくらいで起きるならわざわざこうして毎日起こしに来ていません。だから、これくらいは何の問題も無いのです。そう、ただのスキンシップってやつです!

 

 

 ふふっ、髪サラサラしてるなぁ…

 

 

 それにしてもよく寝てるなぁ、祐里くん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……今ならキスとかしても…バレないかな…?

 

 

 

 

 ……はっ!何考えてるの私!!?ほ、ほら、早く祐里くんを起こさないとっ!!

 

 

「おきて、起きて〜!祐里くんっ!」

 

「んぅ……」

 

 むぅ……中々起きてくれない…

 

 肩を揺らせば簡単に起きてくれる事もあるんだけど…今日は随分ぐっすりしているみたいです。

 

 これは少し苦労しそうだなぁ…ん、でもこれも私の役割だもん!!頑張れ私っ!!

 

「おきてぇ〜!!祐里く〜ん!!」

 

 そう言いながら全身の力を使って精一杯彼を揺らす。これで起きてくれるかな…?

 

「んぅ……あと5分だけ寝かせて…」

 

「だーめ!早く起きないと遅刻しちゃうよ」

 

 すごく眠そうな祐里くんをみていると、もっと寝かせてあげたいっていう気持ちが心の底から湧き上がってくる。

 

 

 でも我慢我慢。だってさすがにこれ以上寝てたら遅刻しちゃうもん。遅刻はだめもんねっ!

 

 お、目が覚めてきたみたい。チャンスっ!ここでしっかりと起こさないと!

 

「ほら、起きて。祐里くん」

 

「ん……ぅゅ…」

 

 お、やっと起きた〜

 

 祐里くんは横になっていた体制から起き上がると、眠そうに目を擦っている。髪の毛がぴょこんっと跳ね上がっていてまさに寝起きだと見てわかる。彼のこんな姿を見るのも私の特権です。

 

 よし、ここまで起きればもう大丈夫そうかな。ふふん!さすが私っ!祐里くんの事なら知り尽くしてるよっ!!

 

 お、目をぱちぱちしてる。起きたかな?なら改めて

 

「おはよう、祐里くん」

 

 

 と、笑顔で彼に言うのだった。これがあれから1年、小学生になった私と彼の日常だ。

 

 

 あれから着替えた祐里くんと一緒に祐里くんのお家で朝ごはんを食べて、今は一緒に登校しています。

 

 横にいる彼はさっきまでの寝惚けていた姿からいつものキリッとした姿になっている。寝ぼけた姿も可愛くていいけど、やっぱりこっちの祐里くんがしっくりくるなぁ。

 

 ふふっ、でもそんな祐里くんの姿を2つとも知ってるのは家族を除けば私だけなんだけどね♪

 

 

 あ、そうそう。幼稚園時代まではずっと2人だけで遊んでいた私と祐里くんだけど、祐里くんにも私以外の初めての友達が出来ました。名前を五河士道くん。

 

 青髪で祐里くん程じゃないけどちょっとだけ女の子っぽい顔をした男の子。妹の琴里ちゃんをすっごく大事にしていて、見ていると微笑ましくなります。

 

 入学して直ぐに五河くんと意気投合して、よく一緒に遊んでいるのを見かける。私も祐里くん繋がりで何回か遊ぶ事もあって、五河くんや妹の琴里ちゃんと4人で遊んだりした事もあります。

 

 でも、いいなぁ。幼馴染だからこそ、私の方が彼と一緒にいる時間が長いけれど、きっとそうじゃなかったら私よりも一緒に居るんだろうなぁと思ってしまう。

 

 祐里くんに新しいお友達が嬉しいと思う反面、私よりも五河くんと遊んでばかりいて少し嫉妬しちゃう気持ちが心の中で溢れてくる…

 

 息が合いすぎてたまに夫婦なんじゃないかとすら思えてくるもん。いいなぁ、羨ましい。祐里くん曰く、相棒みたいなものと言っていたけどそれでも十分羨ましい。

 

 流石に祐里くんと五河くんがお互いをそういう意味で好き、なんてことはないと思うけど不安なものは不安です。

 

 

 ……ない…?…ないよね……?

 

 

「……」

 

 

 そんなことないと思うけど一応後で祐里くんと彼の関係性を調べておこう。うん、きっとそれがいい。

 

 不安要素は潰しておくべき、だもんね。うん。

 

 最近はいつもこうです。

 

 小学生になって、彼も私以外にも五河くんという友達が出来た。私以外にも話す相手が出来た。それはきっといい事なんだと思う。私も祐里くんの今までと違う姿が見られて嬉しい。

 

 でも、何でだろう。嫌だ。苦しい。私だけといて欲しい。祐里くんが私以外の誰かといるかもしれないと考えるだけでそんなモヤモヤした気持ちが溢れてくる。

 

 …これはいけない気持ちなのかな?

 

 一度だけ、お母さんに相談してみた事がある。だけどお母さんは少し微笑んでから、これも恋なんだよって頭を撫でながら言ってきました。う〜ん…そうなのかな?恋って難しいんだね…

 

 折紙にもいつか分かる時が来るって言われたけど、今の私にはまだ早いみたいです。

 

 祐里くんと一緒に居ると幸せな気持ちが溢れてくる。嬉しくて、幸せで、ほわほわした幸せな気持ち。

 

 1年前からずっとそう。彼といる事が心地良い。だけど、ここ最近は更にその気持ちが強くなってる気がする。

 

 少しの間彼と会ってないだけでも、凄く寂しくなってきて、心の中で不安な気持ちが溢れてきて、彼と会いたいという気持ちが私の心を満たしてくる。

 

 彼とどうなりたい、と聞かれたら分からない。

 

 でも、今の私にでも分かることが幾つかある。彼に抱きしめられたい。彼の傍に居たい。彼の横に並んでいたい。ただ祐里くんと一緒に居たい。

 

 

 きっと私は祐里くんに恋をしている。

 

 自信を持って言うことは出来ないけど、きっとこの気持ちは間違ってないと思う。

 

 でも、まだ祐里くんに想いは伝えない。伝える事が出来ない。私自身、これが恋なのかまだ分からないから。

 

 

 ずっと彼と一緒に居たいし、彼の性格も、見た目も、存在も全てを好きだと言い切ることが出来る。だけど、それが恋愛的な意味かと聞かれたら分からない。

 

 だって私は今まで恋をした事がないから。しっかりしてるねってよく言われるけど、私まだ6歳だもん。仕方ないよね。

 

 でもきっとこの心の底から溢れてくる幸せな気持ちは恋なんだと思う。

 

 祐里くんはいつも私の事を護ってくれる。頭を撫でてくれる。抱きしめてくれる。一緒に寝た事もある。全てが普通とは違う特別な事で、祐里くんにとって特別な存在なんだと思う。

 

 だけど今のままじゃあ、それは決して幼馴染以上のものにはならない。

 

 

 きっと彼にとって私は妹みたいなものなんだと思う。

 

 

 兄と妹。兄の世話を焼く妹と、その妹を守る兄。きっと祐里くんの中ではそんな風に思ってるんじゃないかな。

 

 

 でも、今はそれでもいいの。

 

 

 ずっと彼の横に居る事が出来るから。ずっと彼と一緒に居られるから。

 

 

 でもね、祐里くん。いつまでもこのままで居るつもりは無いよ。

 

 

 いつか必ず貴方にこの気持ちを伝えてみせる。

 

 

 でも、今言うのはまだちょっと恥ずかしいし、まだ早すぎる気がするの。

 

 

 だから、今はこれだけ伝えるね。

 

 

 

 そうして、私は彼に向かって笑顔で

 

 

 

「──ー大好きだよっ!祐里くん!!」

 

 

 とそう宣言するのだった。

 

 

 祐里くんはちょっと驚きながら「うん、僕もだよ」って微笑んで返してくれた。ふふっ、嬉しいなぁ。

 

 ごめんね、本当はちゃんと伝えられたらいいんだけど、今の私にはまだ時間が足りないの。だから、これは約束。

 

 

 いつかこの気持ちを理解して、

 

 

 ちゃんと貴方に伝えてみせる。

 

 

 

 

 ──だから、その時は覚悟しておいてねっ!祐里くんっ!

 

 

 




何となくアンケートしてみますね、お題はどういうかいがみたいか、です。

良ければお答え下さい。あと投稿する期間を決めると多分内容がつまらなくなってしまうのでマイペースに書くことにします。失踪するつもりはないから安心してねっ!!

うっかり評価してくださった方書くの忘れてたので追記ぃ!

☆10
ヤツテさん、nagato01さん、雷雫さん、でぃらんさん
☆9
無銘の守護者さん、libra0629さん、awtntnさん、ししゃも333さん、たたtataさん、たみょさん、ミナサカどーもくんさん、妖魔桜さん、石ころAさん、まつもっこりさん、ゴミ箱の人23さん。

ありがとうございます。たくさんの方が来て俺氏びっくり()
そういえばこれ需要あるのでしょうか( `・ω・) ウーム…



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