新世紀エヴァンゲリオン;零 (鳳.)
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エヴァンゲリオン 前日談

第3新東京市のNERVから


綾波レイ―14歳マルドゥック機関の報告によって選ばれた"ファーストチルドレン(最初の適合者)

エヴァンゲリオン"試作零号機"専属操縦者 過去の経歴は白紙

NERV関係者でさえ彼女が何者かを知る者は少ない。 

 

 

第三新東京都市·使徒襲来前

「レイ、明後日は零号機再起動実験だ。帰ったら良く休んでおけ。」

「…はい。」

そう言うとレイは初号機のシンクロテストプラグに向かった。

このプラグはテスト用なのでモニター装備が大量に着いているが、エヴァとはつながっている。

レイは手慣れた手付きでプラグに乗り込み、テストを開始する。

*

(初号機…、何だかいつもと違う感じがする…。何かを感じているのね。)

*

レイはゲンドウに進言した。「碇司令、初号機が、何かを感じています。」「そうか、あの手紙が届いて、シンジも荷造りを始めたころだろう。」

(ユイ、お前は息子が来る事に気付いたのか。) 「"しんじ"とは、サードチルドレンの事ですよね。」

「ああ。レイお前、明日は学校も休みなのだからそろそろ家に帰ったて休みなさい。」「了解…。」 

 レイは、初号機から感じたあの感覚を少し気になっていた。

(初号機は、彼を欲しているのね。)

 

(私も、誰かから…、碇司令から、欲されているのかしら。)

 

時々起こる、自分が何者か分からなくなる感覚。

 

 

翌日、綾波レイは初号機から感じた謎の感覚についてが頭から離れなかった。

自分自身ここまで自分で物事を考えるのも初めてだが、いくら考えてみても答えは出なかった。

彼について判ったことといえば碇司令の一人息子ということ。

それ以外は完全なる一般人そのものの経歴だった。

しかし、彼女はエヴァから感じた感覚は本当のはずだ。

彼女は謎の感覚に胸を悩ませた。

 

 

シンジは、一人でいた。

叔母叔父の作ったシンジ専用勉強部屋…と言えば聞こえはいいが、実のところ従弟とよく喧嘩するシンジの隔離場所である。

シンジは、表面上は笑顔を取り繕っていたが、自分がやっかまれているのは知っていた。

しかし、親には見捨てられ、ロクな友達もいない彼にとっては、わざわざ誰も入ってこないこの場所が、皮肉にも一番心地よかった。

父に「来い」と言われたときには、さすがに呆れたが、この退屈な暮らしが変わると思うと、いくら父の所で行くのはやぶさかでなくなってしまう。

自分をやっかい者扱いする家族と自分に今まで何もしてくんなかった親。

しかし、この手紙が来た時、ここには僕が居なくなる事を悲しんでる人はいないと思う。(父から金をもらっていた親以外)どうせ、このままここでいきていってもロクな事にならないんだ。

行こう…かな。




さーびさーびす(棒)
更新遅いですがよろです


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東京、到達

まず一言。二話まで読んで下さるあなたに感謝!
原作と同じにならないように細部を変えています(小賢しい)


『本日12時30分東海地方を中心とした関東中部全域に特別非常事態宣言が発令されました。住民の方々は速やかに指定のシェルターへ避難してください。繰り返しお伝えします…』

「ちえっ… 電話もだめかあ。電車(モノレール)も止まっちまったし、こんなとこ来るべきじゃなかったのかなあ」

駅のホームから出た少年(シンジ)は諦めて階段に腰を落とし溜め息を吐く。

「(シェルター…?何でワザワザ避難するんだ…?まさか戦争とかじゃないだろうな…。いやまさかな。)」

自問自答でシンジは自分の考えを否定する。

「(父から送られてきた「来い」との手紙と地味に胸の谷間を見せた写真を送ってきた僕の迎えの人。

いったい10年越しになんの用だというんだ。父さんは僕のことが必要なのか?

そもそも久しぶりに帰って来た東京で、一体何が起こってるっていうんだ?)」

と、思った矢先ー 「飛行機?あんなに速く飛んでー」

そんな独り言を呑気に語っていると…、

 

シュオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン

 

「! ミ、ミサイル!? まさか…本当に…戦争!?」

「(そうか、さっきの高速飛行機は戦闘機か…!)」と、シンジの脳の半分は物事を理解する為に高速回転する傍ら、突然の事に脳の半分は驚き固まり呆然としていた。ミサイルが放たれた方向をボーッと見つめていると、そこからミサイルが狙っていた物が出現した。

 

ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン

 

「(あれは…?う、宇宙怪獣!?)」

ミサイルの爆発の中から手が出、足が出た。

自分でもにわかには信じられなかったが、謎の仮面のような物を浸けて、手や足のような物は付いているが、どこか歪な形をしているソレ(··)は、レーザー光線を撃って、軍の戦闘機やVTOL戦闘ヘリなどを易々打ち落としていた。

「なんだよ…、アレ…。」その場で立ち竦んでいると、見上げた空から何かが近づいてきた。

落下してきた物は、シンジの数メートル前に落下し、シンジは戦闘ヘリだと気付く。

「アレにやられたのか!?生存者は…!?」

シンジが近づいた時―― 戦闘ヘリは大爆発した。

その爆発の煽りを受け、大きく吹き飛ばされたシンジは、ビルに背中を打ち付けた。

その背中を擦りながら立ち上がるのと、ほぼ同時に近くを走っていた車が、シンジの前に止まった。

「ごめんねシンジ君!遅れちゃった!」「葛城…さん…?」「呆けてる暇はないわ!早く乗って!」

「あ、はい…。! 葛城さん!あそこに人が!」「え!?」シンジは確かに見たのだ。青い髪をした少女が立っていたのを。

「何処よ!何処にもいないじゃない!」「あれ、さっき確かに青い髪の女の子が…!」「悪いけど時間がないわ!行くわよ!」ミサトはクルマを全力で走らせた。




次話はレイの零号機再起動実験とエヴァ初戦闘シーンです。
次回もよろしくお願いいたします。


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零号機、機動

あー疲れた。
だいぶ放置だったなあ


何もない…とは言わないが何があるともいえない部屋に、一つ目巨人(キュクロープス)は佇んでいた。

汎用ヒト型決戦兵器エヴァンゲリオン試作零号機。ソレは、人類が使徒に対抗し得るたったひとつの兵器。その試作型(テストタイプ)だ。

そしてその次に完成した実戦想定型のエヴァ初号機。国際連合(以後国連)によると制式生産タイプの弐~伍号機までの開発が開始したらしい。

日本にも、初号機があるのに、どうして零号機の機動実験をするのか。それは、レイには分からなかった。知らなくていいと思った。

 

「しっかし~、碇司令もずいぶん 無茶な指示出してくるじゃないの。いきなりぶっつけ本番でエヴァ零号機再起動とは。」

「もうすぐサードチルドレン(3人目の適合者)が来るわ。エヴァ2機による使徒戦を意識してるんじゃないの?」「まあ、普通に考えればそうかもしんないけど、それにしては何だか急ぎすぎな気がするのよね…。これで実験が失敗してレイが怪我でもしたら、本末転倒じゃないの。」

考えても答えが見つからない議論をミサトとリツコは重ねていた。

ピリリリリリリ  ガチャ 「私よ。」 「赤木博士、起動試験準備完了しました。2番ケージに来てください。」

「? 零号機は3番ケージのハズじゃ?」「碇司令の指示で、初号機を3番ケージに移動しました。それで、零号機は隣の2番ケージに…赤木博士には報告されてなかったんですか?」「ええ…。 何故かしら…じゃ、ミサト、行ってくるわ」「行ってらっしゃーい」パシュ

 

 

「パイロット…エントリープラグ内コクピット位置に着きました!」

NERVオペレーター伊吹マヤは手慣れた口調で告げた。

「エントリープラグ挿入‼ プラグ固定終了!エントリープラグ注水開始!」「第一次神経接続開始。」「A10神経神経接続、問題無…あれ?おかしいです!!A10神経値が、平均を遥かに上回っています!プラグ深度、ヱヴァ側に引きずり込まれていきます!!制御不能!!」「実験中止!回路落として!」「ダメです!制御がききません!」

零号機は文字通り暴走し、意味もなく周りの壁を一心不乱に叩き続けていたが、やがて、壁の一点、同じ場所を叩き続けた。「マズいわ!あの壁の奥には初号機が…!」

そんなリツコの不安を無視して、零号機は壁を破壊し、初号機に殴りかかろうとした…その時だった

「ヱヴァ初号機、起動!?」「何ですって!?まだパイロットもいない状態なのよ!!」

しかし、碇ゲンドウはこの事態を少しも焦る事なく見守っていた。

だが、そのゲンドウの静寂を突き破ったのは…

「オートンジェクション作動!」「いかん!!」

零号機の左ストレートを初号機はなんともなく左手で受け止めた。

動きの止まった零号機から、エントリープラグが射出される。が、初号機がそれを受け止めた。

機能を停止する零号機と初号機。

地についた初号機の手からエントリープラグが地面に落ちた。

ゲンドウは緊迫した様子でレイを救出しようとしていた。

 




あー、早くアスカ出してほのぼの回とか書きたいですね…
しばらくはのちの転嫁のための種まきと原作水増しが続くんであしからず
それでは!   なう(2021/10/17 1:00)ー眠い


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エヴァ、発進

だいぶ建ってしまいました。すいません。
これらの作品はpixvへの転載を予定しています。(だからどうした)


~NERV本部内(ここまでの流れはカット)~

「ミサト、この子がサードチルドレンね。技術局一課E計画担当、赤木リツコよ。よろしく。」

「あ、はい。よろしく...おねがいします。」

大人の女の人だ。ミサトさんと仲良いのかな…。髪は金髪だけど外国人じゃなさそうだし…染めてるのかな。

そんなこと考えている間に、2人の会話は続き、エレベーターは下についた。本の内容はなかなか頭に入ってこない。

「エヴァはどうなってるの?」

「レイ、初号機共に現在B型装備で冷却中。すぐに出撃できるわ。」

「ちょっと…!零号機を使う予定があるの!?武装もついてないし、前回のテストじゃマトモに動かなかったんしょ!?レイだって怪我は完治してないのに…!」

「前回の失敗はパイロットの突発的な感情変化が原因よ。傷も深くないわ。なんとでもなるはずよ。」

「そんなこと言うなら、実戦じゃなくてテストでやってみせるべきよ!」

「そんな過ぎたこと言っても仕方ないわ。着くわよ。」

パイロット?…ってことは、何かの乗り物? 『えぶぁんげりおん』ってなんだ?あ、ついた。

「ここよ。暗いから気を付けて。」

ボートを使って着いた、ちょっとして人口の床。暗くて周りは何も見えない。

暗がりに目が慣れないかと試行錯誤していると

 

 

ガチャン(電気が付く音)

 

「う、うわっ!?」

唐突に明かりがついた。

(エヴァ初号機ケージの挿絵)

「な、なんだ…。これは…ロボット?」

先ほどの本の索引を開こうとするも、「探しても載ってないわよ。」と一言。

「な…なんなんですかこれは?まさかスーパーロボットとか?」

「半分正解。正確にはロボットではなくて、特務機関NERVの汎用人型決戦兵器 人造人間エヴァンゲリオン。それの初号機よ。開発は極秘裏にすすめられていたわ。」

じ…人造人間!?

こんな突拍子のない話… 特務機関…

「今ここに彼を連れてきてどうすんのよ?」

「出撃よ。碇司令の命令。」

「え?レイはここには…まさか!?いきなりこの子に実戦をさせるっていうの!?」

「タイミングが悪かったのよ。使徒は今来てるの。」

「だからっていきなりやっても無理なものは無理よ!」

すぐ横でリツコさんたちが話している事は聞こえていた。が、脳の理解が追い付かない。

なんとかこの滅茶苦茶状況に対する理解ができる前に、リツコさんは、決定的な一言を放った。

「碇シンジ君。あなたが乗るのよ。」

やはりだ。だいたい二人の会話から予想はできていたが… さすがに理解しきれない。

人造人間? 骸骨みたいな顔の化け物? ジオフロントの秘密組織? 国際組織…? !

「…これも、父の仕事ですか。」

 

「そうだ。」

 

声がして、見上げた先の窓の奥には父さんがいた。

「お前が乗るんだ。この、『エヴァンゲリオン』に。」

自分の父から直接語られたとたん、この状況に急激に現実味が増してきた。

僕が…? これに乗って…? さっきの化け物と戦う…?

「…ムリだ。」

口からは隠す気もない言葉が漏れる。

「ムリだよ!なんで今更!僕のことをほったらかしにしてた父さんに呼び出されて!こんな危険なことをしなけりゃならないんだよ!他にもいっぱいいるのに!何で僕なんだよ!」

「お前にしか出来ないからだ。お前がやらねば、人類は死滅する。」

「そんなの関係ないよ!」

「逃げるのか?それは臆病者のすることだ。」

「だって!こんな見たことも聞いたこともないのにのって戦えなんて!」

「レクチャーを(ry

(以下中略)

(レイが来ました)

こんな子がパイロットを…!?

「レイ、初号機で出撃だ。」

「わかりました。」

「レイ」というその女の子は、少しこっちを向いた後、すこし痛みをこらえるかのような顔をして、紫色のロボット(人造人間)に向かった。その時。

だいぶ上の方、たぶんジオフロントの上の地上の街で爆発が起こった。

その衝撃で、天井のパイプや機材などが降ってくる。

落下地点の先には女の子が。痛みで一瞬よけるのが遅れた。

ほぼ自動的に助けようと飛び込み、手を伸ばしていた。

しかし…。ダメだ。 間に合わない。 死ぬ。 僕も。

 

ドガシャアアアアアン

 

「シンジくん!?」 

咄嗟に目を閉じたが、なんの衝撃も訪れなかった。

どうやら僕は生きているようだ。

「エヴァンゲリオンが動いた!?」

「そんな!?まだプラグも刺さっていないのに…!?」

 

どうやらエヴァンゲリオンの腕が僕らを守ってくれたらしい。

 

「彼の手の動きと同様に、右腕の拘束具を引きちぎっている…!エヴァが彼に反応しているの…!?      いけるわ。彼にはエヴァへの適正がある。」

 

 

そうだ。そうだった。僕には、僕には、特に何もないんだ。

そんな僕にしかできないことがある?

別に死ぬのなんか怖くないんだ!父さんに臆病者だなんて言わせない!

逃げちゃダメだ。今の僕にはこれ以外の選択肢はない!

 

「やります。 僕が、エヴァンゲリオンに乗ります!」




お疲れさまでした。
駄文俺得話を読んでくれてありがとうございました。
次話もお願いします!


関係ないけど私ガンダムとかSAOも好き。(ボソッ


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苦戦

すいません、ふざけたの書いてました。
え?もう午前1時19分?(投稿時間現在)


 

………知らない天井だ。

息を吸い込んでみると、空気と混じった消毒のにおいがする。病院だ。

 

上半身を起こそうとすると、ズキンと頭に痛みが走る。

なんでここにいるんだっけ…ん…。 前の意識がある中での最後の行動を思い出そうとする

 

・ ・ ・

 

「エヴァ両機、パイロットとのシンクロ、問題ありません。」

「まさか一回目のシンクロで…しかもプラグスーツもなしに凄い結果ね…」

「エヴァ両機、発進!」

とんでもないスピードで打ち上げられている初号機。多分このL.C.L.という液体がGを吸収してくれているのだろう。それでもかなりの重さが体にかかる。

 

体にかかる重さが和らいだ時。

目の前に先程までいた街の風景が映し出される。

地上に出たのだ。建物を数個挟んで横には綾波レイの零号機がいる。

 

『シンジ君、無茶はしないでね。マップに表示されてるエリアまで行って。そこにライフルがあるわ。

 訓練経験のない初号機は中距離から援護。零号機が前衛。正直テスト機の零号機が持つかわからないけど…やるし

 かないわ。』

 

視界の右下に位置情報が表示される。

ミサトさんがいったエリアとはここのことか。

 

『シンジ君、まずは歩くことに意識を集中させて。』

 

歩く? …歩け…歩け…歩け…歩け。

 

機体の右足が前に出される。バランスを崩すまいと左の足も前に出す。

こうしてエヴァはゆっくりながらも歩行状態になった。

 

『レイ。ATフィールドの上からじゃマトモにダメージを与えられないと思うけど、初号機の援護まで中距離から時間を稼いで。』

 

『了解。』

 

最初に聞いた時と同じ。無機質で無感情な声だ。これから、この戦いで命の危険だってあるというのにひどく落ち着いている。

 

とりあえず、近くに敵はいないんだ。慎重に、慎重に。転びでもしたら大惨事になってしまうかもしれない。

転ばないようにしつつも少し急いで指定の場所に行った。

ビル並のサイズのコンテナで、中にはアサルトライフルのような銃が入っていた。

『ライフル』とはこのことだろう。

ライフルを取る。 多分これも歩くのと同じだ。 …取る…取る…ライフルを取る。

エヴァンゲリオンはその巨体ながらも器用にライフルを取り出した。

その時。

 

『使徒発見。戦闘を開始します。』

「無茶しないでよ。ピストルじゃロクにダメージ通らないし、近接戦はそれなりのリスクがあるんだからね。』

 

敵…! 敵が、『使徒』が近くに来たのだ。

綾波の零号機は…?

いた…。 奥に別のシルエットが。

あれは。 自衛隊などのであろう飛行機や車をバンバン撃ち落とした怪物。

あれと戦うっていうのか?いや、やるしかない。

 

「ミサトさん。準備完了です。どうやって射撃はするんですか?

 

『インダクションレバー、そこのレバーを引いて。それでインダクションモードに入るはずよ。

後は、ゲームみたいな感覚で敵を狙い撃つってこと。』

 

ゲームなんてなんて言われたって…

 

『レイが突入、シンジ君が援護!開始!』

 

 

一目散に零号機は目標に駆け出していく。

こちらは言われた通りにインダクションモードを起動する。

レバーで狙ってトリガーで撃つ。確かにゲームみたいなものだ。…操作方法などは。

 

決して味方の援護をする訳であって、零号機に当ててはいけないのだ。

さすがに一発流れ弾に当たったくらいで爆発四散する訳ではないだろうが。

 

身長に狙いを定めて…撃つ!

 

心臓の鼓動の高鳴りを打ち消すように猛烈な銃声を上げて銃弾が発射される。

 

「当たった…!」

『油断しないで!敵はATフィールドを持っているわ!』

 

ATフィールド…? …!? あれか!?

 

こちらの撃った銃弾はすべて巨大な多角形のバリアに阻まれていた。

 

そこに横からナイフを構えた零号機が突入してくる。

 

「あ…!バリアを…!」

『エヴァは使徒のATフィールドを無効かすることができるわ。シンジ君にはまだ無理だと思うから、一歩下がった

 距離から援護して!』

 

バリアをすり抜けて使徒との近接戦闘に移行した零号機。

 

このまま終わるのか…?あっけなく…。

 

敵と味方の距離が近すぎて援護ができなくて、眺めているが…。

正直見た感じ、零号機が不利そうなのだ。

 

「ミサトさん!零号機が、零号機が圧し負けてますよ!」

『なんてこと!?あの使徒、たんなる戦闘型だけに、パワーもダンチって訳ね…!?』

 

正直、このままでは零号機は持たないだろう。ただなぜかモニター越しに見える綾波レイの表情はとても落ち着いていた。

先程からそうだ。死ぬとは思ってないのだろうか。

…。いや、死ぬのを怖がっていないのかもしれない。

このままじゃ負ける。援護しないと。だが、このライフルでは駄目だ。

ライフルを捨て、イメージすることで零号機に向かって走り出す

 

「ミサトさん!直接助けます!何か効果的な武器はありませんか!?」

『ちょっまちなさ…!しかたないか…、肩部ウェポンラックに【プログ・ナイフ】があるわ!それを使って!』

 

肩に武器がある。多分さっき零号機がナイフを取り出してたでっぱりの中の事だろう。

そこをイメージし…取る!

 

肩の部分が開き、中からナイフが出てくる。

「これだけ…か!!」

あまり威力があるようにも見えなかったのでだいぶ心細いがしかたない。

敵の手の爪のようなものと零号機は鍔ぜりあっており、押し込まれていた。

 

走る勢いを緩めず、そのまま使徒に体当たり。

しかしその攻撃は敵のバランスを崩すに至らず、反撃で逆の手がこちらに伸びてくる。

 

「う、うわああああああ!」

敵の手があろう場所を無茶苦茶に切りつける。

その一個が偶然敵に当たり、光る爪をはじき返す。

 

頼りないがこのナイフ無しに突っ込んでたら今の一撃でやられていたかもしれない。

手をはじき返したら、隙ありとばかりに何も考えずもう片方の手も切りつける。

 

それはしっかりと命中し、敵の手を手首から切り落とした。

自由になった零号機はそのまま体の中心にある紅い球体を刺そうとする。

が、直前で先程はじいた手に防がれる。

 

『…初号機、紅い球体がコアよ。そこを潰して。』

綾波からの通信は、それだけ。

コアというくらいで、綾波が狙い、僕に指示するのだからここが弱点なのだろう。

 

防いでくる手も残ってないので、ナイフでなりふり構わずコアを突き刺す。

 

そのまま何十秒経っただろうか。敵の力がなくなり、抵抗もなくなった。

零号機と交錯させてた腕もだらんと垂れている。

 

「倒した…のか…?」

 

しかし、緊張した空気は抜けない。しいんとしている。

そこで。「!?」

死んだと思った使徒がいきなりとびかかってきたのだ。

 

「うわあああ!」

ナイフを振り回すもそうなんども当たってくれるものではない。

敵使徒の体が輝き――。

 

・ ・ ・

 

あの後使徒はどうなったのさろうか。

どうして僕が病院にいるのか。

そんなことを考えているとあっという間にミサトさんが来た。

 

「大丈夫なの?あなた?」

「へ…?大丈夫…って?」

「あなた、戦闘の最後に何が起こったか覚えてる?」

「え…えーと…。確か、使徒が僕を掴んで、使徒が光って…」

「あの後、あの使徒は自爆したわ。」

「自爆…?」

「ええ、そうよ。あなたは爆発にモロニに巻き込まれたって訳。幸い命にかかわるような大けがはなかったけど、

 衝撃で気を失ってたわ。だから、覚えてないのも無理ないかもね。」

 

「そう…ですか。」

 

「あの…ミサトさん、僕…勝ったん…ですよね。」

「最初の出撃であんなにやれたなら上出来よ。シンジ君、私も帰るとこだしこのまま

 nervの部屋に連れてってあげよっか?」

「あ゛ハイ。お願いします。」

「でもいいの…?お父さんと一緒じゃなくて…」

「いいんですよ。そもそも――。

・ ・ ・

数時間後、シンジはミサトの家に帰宅していた。




サブタイトルは、別に初号機は一切被弾してないのに苦戦してんな―。と思って付けました。
次回も出るまでだいぶかかるかもしれないでう。
アスカ派って訳でもないけど彼女出てて来るとこまで行ったら本部上がると思う。
あとミサトさんちにシンジが住む流れはカットしました。すいませんorz
それでは


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エヴァ新話(タイトル未決定)

ひっさしぶりに新話です!
投稿が完全に作者のモチベ依存な上また変な新作にも手出したんでなんであしからず!


昨日から今まで本当にたくさんのことが起きた。

布団の中で眠れずにそんなことを考えてみる。

いきなり父親に呼び出されエヴァンゲリオンに乗せられ…そして今、ミサトさんの部屋(マンション)にいる。

確かにミサトさんは優しい。

まだ家に来たばかりの僕に気さくに接してくれているし、父さんとのこととかも心配してくれている。……住処はだいぶちらかってるけど。

でも、これから僕は、この街でエヴァンゲリオンのパイロットをしなくちゃならないのか。

正直、人類の平和とかは僕にとってどうでもいい。

でも、エヴァに乗ることでミサトさんや他の皆…そして、父さんが僕を必要としてくれるなら、僕には他の選択肢はないのかもしれない。

 

 

 

「今日から転校してきた、碇シンジ君です。皆さんも仲良くするように。」

「碇…シンジです。よろしく。」

転校をするのは初めてだが、特に大掛かりな何かがあるわけでもなく終わった。

都会の学校では転入転出はめずらしくないのだろうか。

周りの会話には昨日の『謎の避難指示』や『巨大ロボット』と話していた。

 

授業中僕の(授業用)PCに一枚のメールが届いた。

『あなたが昨日のロボットのパイロットだって噂本当ですか? Y/N』

後ろを向くと、女子生徒二人がこちらに目配せしてきた。あの二人が送ったのだろうか。

…これは正直に答えてもいいのだろうか。

別に他言無用と言われたわけでもミサトさんに口止めされたわけでもない。

もし言っちゃダメならあれほどの組織だしすでに口止めされているだろうか。なら、嘘をつく理由はないかもしれない。

軽い気持ちで打った。『Y』

その瞬間、教室は異様な盛り上がりを見せた。

…嘘ついてた方がよかったかも。

 

 

「悪いな、転校生。ワイはお前を殴らなアカン。殴っとかなきゃ、気が済まへんのや。」

殴られた頬が鈍く深く痛む。

「おいトウジ、いきなり転校生に何やってんだよ!?」

「お前は黙っとれケンスケ。昨日のあのバカデカい紫ロボを操縦してたのはお前なんやな?」

黙って首を縦に振る。

「あのロボットが無茶に動いた(最後のトドメさす前の突進の時)せいで、妹は瓦礫の下敷きになった。命に別状こそないけどなぁ…妹の顔に傷でもついてたらどうしてくれんねん!?」

「僕だって…自分で乗りたくて乗った訳じゃないし…!」

「何やと…偉そうにスカしやがって!」

「おい、もうやめろよ!」

そこに洞木達女子数名がやってきて

「コラ!何やってんのよアンタ達!!」

「チッ…邪魔が入ったな…。転校生、ワイはお前を許さへんからな…!」

 

僕は、どうして他人に殴られてまでエヴァなんかに乗ってるんだろう…




いや、なんか今回自分で言うのもあれですが雑な気が…
も、もう午前一時五十七分…まあ明日日曜だしいっか


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