FALSENESS TALE (謎の通行人 δ)
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転生…転生?

どうもただの謎存在です。
あらすじにある通りの理由です。何とかこれは完結させたいです。


あー、何でこうなった。

展開が早すぎてあれだが、言おう。

死んだ。

 

トラックに轢かれた。

 

死に方までベターとは、何とも言えないがなぁ…まあ、最悪そこはおいておこう。

 

「…………」

 

「?どうしたの?()()()()()?」

いや誰だよお前。

 

いや、異世界転生とか洒落にならんから止めてくれぇ。プラスしてこの子の兄ですか?知らねぇぞこんな子。つーかこの子誰だよ。そしてここどこだよ。今いつだよ!

 

 

…いや、ちょっと待て。さっきまで若干(若干どころじゃない気もするが)錯乱してて分からなかったが、この子、Frisk(フリスク)じゃないか?Undertaleの主人公の。

なんか見覚えあるシャツ着てるし。めっちゃ糸目だし。

 

それはないと思うが…試しに呼んでみるか。

 

「あー、フリスク」

 

「?どうしたの?」

いやマジかよ…どうなってんだ。

見た目は…10、1歳位か?…いつEbot山に行く気なんだろ。

 

「…お前、イビト山って知ってるよな?」

 

「?知ってるけど何で?」

あれ、まだ行こうとはしてない系か?

 

「あぁいや、なんでもない」

 

「?変なのー」

それなら…いつ辺りに行くことになるんだろうか?というかUndertaleの中って確実に外国だよな。どこ産のゲームだったかは忘れたが、テキストは基本英語だったはずだ。その翻訳版が出回ってたって感じっぽかったし。

 

……どうしよう、俺英語話せねえんだが。

 

話せるのなんか中学英語辺りで怪しいぞ…いや、でもFriskとの会話は日本語でいけてるし…どうなんだろ。なんか自動翻訳機能みたいなのが付いてたりすんのかな。

まあ…そこはおいとくか。とりあえず他には…親は、いないみたいだな。あれ、外に出てるor俺が親代わり、どっちだろう…まあ一人暮らししてたから家事はできるけども。

まあそれは後々わかるだろ。それより大事なのは俺の名前なんだが…あ、こんなところにちょうどいい感じのカバンがあったわ。名前とかどっかに書いてたりは……うん?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

         『Gaster(ガスター)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………うん?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

         『Gaster(ガスター)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………いや、ちょっと待とうか。

これは洒落にならんぞ。異世界転生とかよりもっと洒落にならん。いや、まあ同姓同名なんてよくある話だ。うん………いや、流石にこれはねえよ…。

 

一度顔を洗いに洗面所に来た。で、洗面台の鏡を見てみる。

髪はちょっと長めの黒…目がちょっと茶色がかった金で身長は…大体180位か?歳がどれくらいか分かんねえが…多分大体20代前半辺りだろ。

服はFriskのやつと同じ配色で線が一本バージョンのやつだな。

…誰も殺してないし、LOVEもEXPも取ってない…はずだよな?

 

などと考えていると、

 

ピコン

 

そんな音がして目の前にパネルが出てきた。

 

Gaster

 

LOVE 1

EXP 0

HP 150

ATK 70

DEF 1

 

…ステータス画面ってか?

…あれ、LOVEが1なのにHPが150、ATKが70もあるんだが。…何かすごいインフレ起こしてんな……ま、当然不殺ルート行くし、ATKは使わねえだろうから70でも100でもいいんだが、DEFが1なのは痛いな…まあ、とりあえずはいいか。

…うん…どうやりゃあこのパネル消えるんだ?×印みたいなのは無い系か?

あ、何か腕振ってたら消えたわ。

そんなことをしながら一度部屋に戻る。

と、その時思い出した。

いや、思い出した、っつーのも変な感じだな。

俺は確かに、Gasterとしてこの世界に生きていたのだ。その前世?的な感じなのか、それがあのトラックに轢かれた記憶だ。まあ何が言いたいかっつーと、さっき俺はこの世界に来たみたいに言ったが、そうじゃなくて元々ここで生きてたところに、前世の記憶が蘇ってきた、って感じなのが正しいわけだな。

 

「…はぁ…」

にしても情報量が並みじゃねえな。

そう、俺はGaster。去年に両親を事故で亡くして、妹のFriskと今この家に住んでる。俺自身は今はアルバイトで繋いで定職を探してる感じだな。正直、父さんと母さんの遺産と今のアルバイトの給料でカツカツな感じだ。幸い…と言っていいのかは分からんが、家のローンは残ってないからそこの支払いをする必要がないのはまあ良かった。

あと、俺割とシスコンだったっぽいわ。いや確かにFriskめっちゃかわいいなとは思ったけど。

とかなんとか色々情報を整理していると…

 

「お兄ちゃーん」

 

「?ああ、フリスク。(ガチャ)どうした?」

ドアの向こうでFriskの声がした。

開けてみるとちょっとだけもじもじするFriskがいた。うわ、何この可愛い生き物。

 

「いや…明日休みだし、ハイキングでも行かないかなーと思って…」

 

「…ハイキングか、良いんじゃないか?」

…まさかとは思うが…

 

「じゃあ、準備しててね!」バタン

と、Friskは元気よく扉を閉めて多分準備に向かった。

怪我するなよー、と呟くように言ってから、少し考える。

 

「…まさか、イビト山じゃねえよな…?」

…念のため色々準備しとこうか、可能性はゼロじゃない。まあ主には食べ物…と一応武器もだな。

この世界はUndertaleの世界で間違いない。Ebot山だって存在してたし、Friskだっている。…こちとら原作を知ってるんだ、絶対悲惨にしてやるものか。




一話短めでいきたいです。
ではでは、最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


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地下世界突入

どうもただの謎存在です。
今回から地下に行きます。



  次の日ィ!

 

「お兄ちゃん、準備できたー?」

 

「ああ、今開ける」

ドアを開けるといかにもお出かけ、といった風…でもなく、いつも通りの格好のFriskが立っていた。

でもこういうので良いんだよ、こういうので。

 

「よし!行こう!この間…というか昨日お兄ちゃんが言ってたイビト山!」

 

「……ああ」

まさか俺の聞いたことがフラグになるとは…要らんこと言わなけりゃ良かったな…いや、まあもしかするとストーリー通りに進むようになってるのかもしれないな。それより…こっからが大変だからなぁ。…まあどんなに大変でも、ストーリー知ってるのは強いんだが。

ちなみに、今回持ってきたものは、クッキー5枚、お弁当2個(一応ハイキングのため)、水筒2つ、お金1000ゴールド(地下と単位一緒だった)、念のためのサバイバルナイフ、それらを入れているリュックの、この6つ。

 

テクテクテク…

 

で、二人で歩くこと15分…

「よし、ここだな」

 

「うん」

いよいよ入山だ。

なかなか思ったよりも傾斜の激しい山道を二人で登っていく。ちなみに、とりあえず目的地は頂上ということにしてある。

 

ザッザッザツザッ…

 

「うわ!何、このおっきな穴…」

と、オープニングテーマで出てきた洞窟みたいなのに興味を引かれて入った先にあるのは、あの地下の入り口…もとい(レベルの違う)落とし穴。家一個分くらい入るんじゃねえの、これ。一応気を付けるように言っとかないとな…

 

「落ちないように気をつけ「あ…」フリスク!」

なんつーフラグ回収の早さだよ!急につまずくな!

 

「くっ!」

脊髄反射レベルの反応速度で続いて俺も飛び込む。そしてFriskを抱き抱えて頭をしっかり手で抱える。プラスして何とか体勢を変え、俺が下に来るようにしてから…

 

ドサッ!

 

「っつつ…ああ、花がクッションになってくれたんだな…。フリスク、大丈夫か?」

なんとか着地。セーフ。若干背中痛い。

 

「うん…ありがと、お兄ちゃん」

一回笑って言うFrisk。

 

「へへ、どうってことないさ。さて…こっから出るのは無理だな…進むしかないか」

上を見れば10メートル程落ちていた。この高さから落ちて無傷でいられる程のクッションとなれるこの花々凄いな。何か特殊な花なのか?

 

で、一本道進むけど…ここあのお花がいるんだよなぁ…そもそもどう接すりゃいいんだよ。過去を知ってる身としては可哀想だけども所見ではただただ腹立つクソ花だからなぁ…あ、いた。

 

「、ハロー!僕はFlowey(フラゥィー)!お花のFloweyさ!」

…うん。知ってた。んでFrisk、あり得ないものを見るような目で見るのはやめれ。

いやまあ確かに喋る花とかはあり得ないようなものなんだけども!

 

「この子の兄のガスターだ。まあ、何だ。色々よろしく」

と、Floweyが怪訝そうな顔をした。…こいつもGaster知ってるクチか。

 

「…Gaster…?まあいいか。コホン 君達、地上から落ちてきたんだね?それじゃあさぞかし不安だろうね。でも、安心して!僕がこの世界でのルールを教えてあげるね!」

Floweyは小さく首を傾げ、少し咳払いをしたあとそう言った。と、その瞬間背景も含めてすべてが白黒の世界になる。俺もFriskも白黒になり、胸元…心臓の辺りに、Friskには赤いハートが、俺には白の縁がついた赤いハートが現れる。…いや、どちらかと言うと白じゃなくて黄色か。うっすいな。

同時に、体が宙に浮く。…うわ、これ気持ち悪ぃ…

 

「そのハートは君のソウルさ!君そのものと言ってもいい」

体を動かしたい方向を考え、体を傾けるとその方向に体が動く。なるほど、こういう感じな訳か。

 

「最初はすごく弱い…でも、「LOVE」を手に入れれば強くなれるんだ!君も「LOVE」が欲しいでしょ?待っててね…今分けてあげる!」

うん、色々と言ってんなぁ。

いや、まあ確かにここでは今は誰も「愛」を渡すとは言ってないんだな。このLOVEってのは「愛」じゃなくて「Level Of ViolencE」。…まあ、このあと盛大に嘘つくんだけど。

 

「ここでは、「友達カプセル」っていう、こんな白くてちっちゃいカプセルに入れてプレゼントするんだ!…さあ!カプセルを追いかけて!」

…って!まずい!原作じゃこんなに多くなかったろあの弾!5つで19ダメージだったはず…15位あるから60近くのダメージを食らう!多分!…だよな!?

もしそうならLOVEが1のFriskは体力は20のはずだから、やられちまう!

 

「危ない!避けろ!」

 

「!お兄ちゃん!?」

 

 

ドドドドドン!

 

 

避けろ、とか叫んだ瞬間俺はFriskの前に立ち、白い弾を全身に全て受けていた。

 

鈍い痛みが全身に伝わった。すぐに痛みは引いていったが、目の前に出てきた緑色のバー…恐らく体力ゲージは半分ほどが赤くなってしまっていた。

その横に、数字が現れ、150/150から、93/150に減った。クソ威力高ぇじゃねえか。殺す気満々だなぁ…

…つかこの体力バー、普通に視界の邪魔なんだが。何もわざわざ視界のど真ん中に出てこなくても…あ、動くわこれ。(お前割と余裕だろとか言ってはならない)

 

体力バーを視界の端に追いやり、ふとFlowey(クソ花)を見ると、ソイツは狂気的な笑みを浮かべていた。




この小説は原作改編が多数見受けられます。というかものすごいします。
ではでは、最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


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Ruins

どうもただの謎存在です。
すっごい今更ですが原作未プレイです。タグつけときますね。


ドドドン!

 

「フ フ フ … バ カ だ ね 。こ の 世 界 は … 殺 す か 殺 さ れ …え?」

 

「ふぅ…大丈夫かっ!?フリスクッ!」

 

「え、う、うん…」

 

「え、嘘だ!何で耐えてるの…どういう事…!?……まあいいか」

Floweyはまたニヤリ、と笑い、包囲するように弾を置き、あの甲高い笑い声をあげながら弾を発射する。

 

「ぐっ!」

俺はFriskを庇うように抱き締めた。

ドドドン!ドドドン!ドドドン!

 

再び背中に鈍い痛みを感じる。だが、大丈夫、痛み自体はほとんど感じる間もなくすぐに引いていくし、そもそもまだ俺の体力は50以上ある。どんどん体力のゲージが赤くなって、左の数字も下がっていってるけど。

Floweyの攻撃は最初の威力は高いが、あとのやつは一回につき10も食らわないから、まあそんなに大問題でもなかろう。

 

「な、何で…どうなってるんだ…!ちっ、」

その時、攻撃を一旦Floweyが止め、舌打ちをすると逃げ場がないレベルの円形に弾を発射し、ゆっくり迫らせてくる。全部で4、50は下らないかもしれない。

 

死ね。

 

ジリジリ、ジリジリと弾は近づいてくる。…Friskは顔を青くさせてどうしよう…どうしよう…と呟いているが、俺はあいにく此処から先を知っている。…来て、くれるよな?と、それに当たった瞬間、全ての傷が消えた。前を見るとバーの赤い部分がなくなり、全て緑になっていた。数字も150/150になっている。

 

「え?」

 

その時、Floweyの隣に火の玉がついた。

…ギリセーフ…いや、ちょっと俺もハラハラしてたわ。

 

「へへ、フラウィー、残念ながら時間切れだ。」

 

「え?ミャァッ!」

その火の玉にFloweyは吹き飛ばされる。

その火の玉が飛んできた方向を向くと、そこには模様…デルタルーンが刺繍された紫色のエプロンを着けた、ヤギのような人が立っていた。

 

「情けないわね、罪のない子をいじめて…ごめんなさいね。私はToriel(トリエル)。この遺跡、Ruins(ルインズ)の管理人よ。時々あなた達みたいな地上から落ちてきた子達がいないか見回ってるの。さ、こっちに来て」

Torielさんが言い終わると白黒から色が戻る。同時に胸元のハートも体の中に溶けていった。どうなってんだろ。

 

「はーい!」

Frisk、無邪気かお前。…いや、前々からこんな子だわ。

まあ、かわいいからよしとする。異論は認めん。おい、誰だ俺をロリコンとかシスコンっつったの。審判を下してやる。ちょい最後の回廊に来い。…いやごめん、俺でもちょっと自覚はしてた。

 

テクテクテク…

 

「ここがお家よ。」

 

「?……?」

 

「、フリスク、どうした?」

Friskが何回か目を擦って目を凝らしている。

 

「何か…黄色い光?みたいなのがある…」

 

「光?…何かしら…私には見えないけれど…まあ、とりあえず入りなさい。」

 

Torielさんが建物に入った後…

 

「…フリスク、これか?」

俺は俺にも見える光を指してFriskに聞く。

 

「!うん、それ!」

 

「…おりゃ」

少々怖いが、これセーブポイントだよな?触ったら…

 

ピコン

セーブしますか?

はい   いいえ

 

ピッ

セーブされました

空っぽ→遺跡の入り口

 

そんな音声が流れる。

「お、フリスク、これには触っても大丈夫だ」

 

「もう触ってるよ?」

何っ!?いつの間に…こやつ、やりおる!

 

…まあまあ、茶番は置いといて。

 

「セーブ…?何かゲームみたいだね!」

…………まさかとは思うが、誰かに操作されてる…なんて事はないよな…?…怖えよ。

 

「まあ、とりあえずトリエルさんを追いかけよう。」

 

「うん!」

 

タッタッタッタッ

 

「ああ!いたわ。付いて来ていないから驚いたわよ」

そう言って足元のボタンを押していき、レバーを落とした。

 

「ここにはこういうパズルが沢山あるの。解き方を教えておかないと入れないから、ちゃんと慣れていってちょうだいね」

 

「「はーい」」

Friskに言っといて何だが俺もこういう返事をする。ノリには乗らねえとな。

次はレバー…スイッチのやつだったかな?等考えながら先に進み、解き方を覚えていく。

まあ多分ここもう通らないけど…

 

 

で、人形…Dummyの所に着いた。

 

 

「モンスターたちは人間を見つけると、襲ってくることもあるわ。その時のために準備しておかなくちゃいけないわね。でも安心して、やり方は簡単よ。モンスターと遭遇すれば戦闘が始まっちゃうけど、お話をすればいいの。時間を稼いでくれたら、私が仲裁するわ。このダミーで練習してみましょうか」

来たな。

背景が真っ黒になって俺とFriskの胸元にハートが出てくる。同時に無重力状態みたいに浮いていられるようになる。Floweyの時と一緒だ。……ちょっとこの感覚にも慣れてきてるな。

同時に、一つ気がついた。

これ音楽流れてるわ。どこから流れてるのか知らんが、あの戦闘時に流れる音楽が流れてる。名前は…忘れた。なんだっけ、普通に『Battle Start』とかだっけ?まあそこはおいといて、Friskの前にコマンドが4つ現れている。

 

[FIGHT] [ACT] [ITEM] [MERCY]

 

Friskの前にコマンド出てくるのか。俺は…俺の前には無いな。まあそりゃそうか、主人公はFriskだし。

そう思いながら、俺が「FIGHTは押すなよ」と言いに行く前にFriskはACTに触れ、[話す]に触れる。

 

《*あなたはDummyに話しかけた。》

 

《*会話はあまり弾まなかったようだ。》

そんな音声が頭に響く。

だろうな。人形と話弾んだらそれはそれですごいわ。まあ、話が弾むというか会話にすらなってないと思うが。

 

「そう!それでいいのよ!良くできたわね。」

 

「えへへ…」

ヤッバFrisk可愛すぎかよ…

その状態のえへへは殺人的だぞ。

 

まあ、そのあとも特にトラブルなく進む。

そして、

 

「!」

急に世界が白黒になった。

 

《*Froggit(フロギー)が現れた!》

 

あの音が鳴ってバトルが始まる。Froggitだ。

Friskは迷わずACTに触れ、まずは調べてみる。すると、

 

スッ

 

Torielさんが出てきて…仲裁(威圧)する。これが蛇に睨まれた蛙…いや、Torielさんはどちらかと言えばヤギに近いか。…あれ、ヤギって蛙食うっけ?あいつ草食だったと思うが…

まあいいや。別に睨まれただけで食うなんて一言も言ってねーし。

それより次は…ああ、針山か。あれ見た感じヤバイんだよな…うん、見た感じヤバイ針山が見えてきたな。針の長さがFriskの胸辺りまである。…そこだけ見るとかなりヤッバいな。

…それよりFrisk、お前顔色悪いぞ。大丈夫か?

 

「これは、正しい道を歩けば針は引っ込むわ。さ、手を繋いで渡るわよ。お兄さんはついてきてちょうだい。」

うん、まあそりゃそうだ。

というか、やっぱり結構道幅狭いんだな。TorielさんとFriskだけでもう道幅ギリギリだし。

 

そんなことを思いながら針山も抜けた。

さて、次は…ああ、あのくそ長い廊下か。




名前のカタカナと英語ですが、会話文中ではカタカナ、初めての名前、アナウンス、コマンド、説明文の中では英語表記です。
ではでは、最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


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Ruins 2

どうもただの謎存在です。
サブタイトルって考えるの面倒ですよね。…それだけです。


次の部屋に入ると、Torielさんは立ち止まり、振り返って話し始めた。

 

「これから、二人にはとても辛いことをさせなければいけないの。…この廊下は…二人だけで進んで行ってちょうだい。…悪く思わないでね。」

そう言ってTorielさんはさっさと先に行ってしまう。

 

「…悪く思うようなの事かな?」

 

「さあな?」

 

「でも、ボクにはお兄ちゃんがいるからね!」

あ、やべえ超可愛い。…流石にそろそろ変態って呼ばれそうだから止めておこう。…もう呼ばれてる可能性あるけど。Alphysとかに。何気に言ってないだけでRuinsに監視カメラが…いや、向こうからはここ入れないからそれはないか。

 

タッタッタッタッ

この時間に色々考えていた俺だが、一つ、とんでもないことを思い出してしまった。

 

俺は恐らくデータセーブやロードの能力を持っている。さっきセーブできてたし。つまり、Friskがデータロード、リセットしても記憶はある程度引き継がれるだろう。だが、そうだとすればここの記憶はないため、ここは一周目ということになる。つまり何が言いたいかというと、

 

 

 

()()()()()P()()()()()()()()()()()()ということだ。

 

 

 

…マジか…え、じゃあFriskにAsgore王とFlowey(OmegaもといPhotoshop)は少なくとも戦わせなきゃいけない感じか?え、嘘だろ。…確かに、二週目ではPルートも選択可になるが、Friskは記憶を引き継いでしまう。…本当の辛い選択肢ってここじゃねえの。

いや、まあ別に自分から殺させなきゃいけない訳じゃないけど、Asgoreは結局どっちでも死ぬし、Floweyは…見逃しも一応できるが…あいつ、見逃す場合、最後に何回も選択肢が出てくるから、もしFriskが「FIGHTを押さないと先に進まない」と考えてしまえば殺してしまう可能性だってある。

阻止するしかないが、俺が止めれるのかどうか…そもそも俺が介入していい問題でもないからな…本来なら俺ここにいるはずのない存在な訳だし、Friskの判断に任せ

 

「…お兄ちゃん?」

 

「、おっと、フリスク。」

Friskが顔を覗き込んでいた。

 

「…どうしたの?難しそうな顔してるよ?」

 

「いや、何でもない。ちょっと考え事してただけだ。」

 

「?ならいいけど…トリエルさんがここで待っててって言ってたけど、どうしよう?」

おお、思いの外結構考えにのめり込んでたんだな。話が飛んでいやがったぜ。

 

「どうしようって?」

 

「…先に進もっかな…なんて」

 

「…ま、俺はフリスクの意見を尊重する。フリスクがどうするかによるな」

 

「うん……じゃあ、進む」

 

「オーケー。じゃあ行こう。」

そう言って次の部屋に入った瞬間、

 

プルルルルルプルルルルル

 

漫画ならビクゥッ!とでも効果音がつけられていそうなほどFriskが跳ねた。

そして、少し落ち着かせてから携帯に出る。

 

「もしもし、トリエルです。部屋から出たりしてないわよね?」

おっと、やるなTorielさん。さっき出たところだ。

 

「その先にはまだ説明してないパズルがあるのよ。二人には危険だから、いい子でいるのよ?いいわね?」

そう言って電話は切れた。

 

「…トリエルさんって予知能力とか第三の目とかあったりするのかな?」

 

「さぁ?もしかしたら持ってるかもな。さ、進むんなら進むぞ。」

さっきの「最後のいい子でいるのよ」が俺が初見プレイの時に間違ってTorielさんを倒しちまった時の最後の台詞と同じだったなあ…あーバカだったなぁ、あのときの俺。

そんなことを考えながら、FriskがFroggitに話しかけるのを聞いておく。

そして、セーブポイントにFriskが触れたとき、

 

ピコン

セーブしますか?

はい   いいえ

 

ピッ

セーブしました

遺跡の入り口→落ち葉の山

 

 

…あれ、俺はセーブしてないんだけどな…もしや、共有される感じか?…ま、確かに、セーブファイルは一個しかなかったからそうなるのか。

 

その後にFroggitの横にある部屋に入る。そこには、「お一つどうぞ」と書かれた看板と飴の入った籠があった。

 

「お一つどうぞだってよ。」

 

「じゃあ…一個もらおっかな。」

 

「じゃあ俺も。」

 

「あれ、一つでしょ?」

 

「いいや、()()()()だろ?」

へへ、と笑う。いや、屁理屈こねてるように見えるかもしんないけど、俺だって死にたくはないんだよ。

 

まあ、そんな弁解をしながら部屋を出て少し歩くと、突然世界が白黒になった。

 

「うおっ!ああ、戦闘か…」

 

『*Froggitが現れた!』

そんなアナウンスが響く。相変わらず音楽も流れるようになっている。

ピッ

とFriskはACTを押す。

 

…が、何言ってるのか分からねえ。いや、何か言ってるのは分かるが、ぼそぼそ言ってる感じか?だが口が動くのははっきり見える。コマンドの選択時の会話は聞こえない感じか?確かにFriskの言ったことはコマンドには現れてなかったが……

…まあ、最終FIGHTを押さなければいいか。

 

『*Froggitは言葉の意味を理解できなかった様だが、それでも嬉しそうにしている』

 

「ゲコッ…」

ああ。ほめてたのか。

そのまま虫のような追尾弾幕が出現する。

 

「うわっ!」

 

「おっと、」

弾幕に当たりそうになったFriskを俺は抱えてそのまま避けていく。が、

 

「あ、」

ドン

一個当たった。

まあ、一応痛みはすぐに引いたが、というか当たったという感触だけあり、あとは目の前のHPバーらしきものが少し減った位。

 

『Froggitはあなたと戦いたくないようだ…』

そんなアナウンスが流れた瞬間、Friskは[MERCY]を押す。

 

『You win! 0EXPと0ゴールドを入手した!』

その直後、世界が元に戻る。と同時に、

 

「!ってて…」

さっきの戦闘で当たったところが少し痛むようになった。なるほど、戦闘中は当たっても当たった、という事しか分からないが、どうやら戦闘が解除されればダメージはその瞬間に感じれるようになるのか。

 

「!お兄ちゃん、大丈夫!?」

 

「ああ、何、問題ない。」

3や4のダメージ食らっても基礎体力が150あるんだ。問題ない。

 

「さて、進むか。」

そう言っても心配そうな顔で見てくるFrisk。

本当に優しいな。大丈夫だ、という意味も込めて、頭を撫でてあげた。

 

「…えへへ」

…うん、かわいい。




前書きにも後書きにも書くことがなくなってきたー…
ではでは、最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


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Ruins3

どうもただの謎存在です。
何か変なところがあれば言ってください。調整できるところは調整します。多分結構あると思いますが。


さて、次は…何だっけ?

 

「フリスク、疲れてないか?」

 

「うん、大丈夫。」

 

「良かった。足元とか気を付けとうわぁっ!」

足元の地面がなくなった。

フリスクに気を付けろとか言った瞬間自分がやられるとかだっせえ…

落とし穴のところだったか。

 

「だ、大丈夫っ!?」

 

「あてて…大丈夫!葉っぱが敷いてある!」

 

「わかった!ボクもそっち行くよ!」

ヒュウゥゥ…ポス

落ちてきたFriskをそのままキャッチする。あ、すごい軽いな。

そのまま俺はFriskを下ろして、上がる所を見つけた。

 

「こっから上がれるか。」

あ、階段だったんだ、ここ。ポータル的なやつかと思ったら普通に階段だった。

で、次の部屋に入った瞬間、

 

プルルルルルプルルルルル

 

電話がなった。Friskはまたビクッとなっていた。

 

「…お兄ちゃん、シナモンとバタースコッチ、どっちが好きかって。」

ああ、バタースコッチシナモンパイの電話イベントか。つーかバタースコッチがなんなのか知らねえからどうとも言えないからなぁ…確か実在はしてたっけ?Co○kpadとかで再現レシピとかあった気がする。

 

「シナモン…かな?」

 

「分かった!」

そしてまた携帯に向かって何か言って、電話を切った。

 

「終わったか?」

 

「うん。行こう!」

で、歩きだした瞬間、

 

プルルルルルプルルルルル

 

あ、そういや間髪いれずに電話かかってくるんだったな。

 

「…お兄ちゃん、バタースコッチが嫌いって訳じゃないよね?」

 

「ああ、そうだな」

だって知らねえもん。好きも嫌いもない。

 

「よし、進もう。」

まあ、岩動かすだけだけどな。…あれ、この岩でかくね?Frisk位あるぞ?

とは思ったが、力を加えてみれば結構簡単に動いた。

 

カチャッ

 

ドドン!

 

うお、針山が下がる音思いの外でかいな。地面揺れてんぞおい。

で、その後の迷路らしき落下ありのパズルを解く。

 

────────────────────

──────────

─────

 

あーもうパズルに気をとられ過ぎててエンカウントの事すっかり忘れてた!

 

「やべっ、」

躱し損ねた弾幕が腕に直撃する。

当たった感触しかないものの、後が怖いな…

 

で、ターンが譲られる。

FriskはMERCYを選び、戦闘が終了する。

 

「ふぅ…よし、解くか。」

打撲の感覚があるな…体力は全く問題ないものの…まあいい。とっとと岩動かすか。

そうして二つ、岩を動かし、最後の一つに手をかけると…

 

「おっと!俺を押そうってのはどこのどいつだ?」

ああ、ここ喋る岩だったな。つーか口無いのにどうやって喋ってんだこいつ。

 

「あー、悪い、俺はGasterっていう者なんだが、そっから4メートルほど俺の向いている方向に進んで欲しい。」

 

「おっと…こりゃあ的確に指示されちまったな。言葉遊びでもするつもりだったが、しょうがねえな。動いてやるよ。」

ズズズ、と岩は動いていく。

それを横目にFriskと俺は進んでいく。……が、油断し、一つ言うのを忘れていた。

Friskが針山の所を渡っている瞬間、岩が動くのが見えた。

 

「!フリスク!」

 

「えっ、わわっ!」

そのままFriskを突き飛ばした。同時に針山が飛び出してくる。

 

「いたた…!お、お兄ちゃん!」

 

「っつ…!これは…」

足が針を避けきれなかったのか、いくつか刺さってしまったらしい。深くはないが、引っ掻き傷のように縦に四本、傷が入っていた。

が、そこはいい。

 

「おい岩!フリスクを殺すつもりか!」

 

「わ、悪い!驚かそうとしただけだ…岩だから前が見えてねえから感覚でやるしかなくてよ…」

 

「んな訳ねえだろ!前が見えなけりゃどうやって俺が向いてる方向なんて分かるんだ!」

 

「!!」

まあ、驚かそうとしたのは本当らしいが、俺が気づいてなけりゃ、Friskが串刺しになってた可能性さえあり得るからな。驚かそうとするのもほどほどにしていただきたい。

 

「…本当にすまねえ…」

 

「…もういいよ。…フリスク、行くぞ。」

 

「…足…大丈夫なの…?」

泣きそうな顔で言ってくるFrisk。優しすぎかよ…

 

「なーに、かすり傷だ。問題ないさ。」

 

「…なら…良かったけど…」

心配そうにうつむくFrisk。

 

「…フリスク、お前は悪かねえよ。心配すんな。俺なら大丈夫だから、ほれ、笑っとけよ。フリスクは笑ってる顔が一番似合ってんだから。」

 

「………うん!」

うん、やっぱり笑ってないとだな。

で、次の部屋ではFriskがセーブして、いつから置かれているかわからないチーズを引っ張って転んだりしていた。そんなところまで可愛いかよ。

んで次は…ああ、ナプスタ戦か。

 

で、次の部屋に入ると、赤い花の上にシーツオバケが寝転がっていた。

…というか、グーグーってほんとに言ってたんだ…口で?

そりゃどうなんだか…

 

「…寝てるのかな?」

おいFrisk、お前純粋すぎだろ…寝てるやつは口でグーグーとは言わねえし目が開いてる訳ないんだぞ。…いや、一部目開けたまま寝れる人もいるらしいけどよ。

 

「うーん…でも、退いてもらわないと進めないからな…」

 

「どいてもらえないかお願いしてみるね。」

 

「ああ。」

とか言った瞬間から背景は白黒に変わるんですけどね!

 

で、いつものアナウンスが流れる。

 

 

『*Napstablookが現れた!』

 

 

BGM : Ghostfight




そういやナプスタ戦BGMってGhostfightっていうんですね。しょっちゅうDummy!と混ざります。遅い方がGhostfightですかね?
ではでは、最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


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Napstablook

どうもただの謎存在です。

…パズルの部分わからんところが多すぎる…所々端折りますか。うん。

まあ今回はナプスタ戦なんですけど。
それと、結構勝手に喋らせてるところもあります。


目の前ではNapstablookが起き上がり、目を潤ませながらふわふわと浮いていた。まあ、おばけだしな。

 

「フリスク、離れるなよ。」

 

「うん。」

そう答えてFriskはACTに手を置き、調べるを押す。

 

『*Napstablook

 

ATK10 DEF10

ユーモアのセンスは無いようだ…』

前から思ってたが、中々失礼かよ。まあ、事実なのかも知れねえけどよ。

 

「ウケるでショ?」

そういいながらNapstablookは涙を振り撒く。…そういやあれって酸だっけ?

そんなことを考えながらFriskと一緒に避ける。

地面に当たって「ジュッ…」とかなってるのは残念ながら俺には見えてないし、超強酸だな、とか思ってないから何も問題ない。うん。

 

『*Napstablookはここにいたくないようだ。』

 

ピッ

 

ああ、見逃すを押したか。…ちょっと早いんだよな…

「あー…

 ウー…」

 

なにやらNapstablookが言った…というか唸った後で頭の中で『ごめん…何か全然やる気出ないや…』と声が流れる。声自体はNapstablookのやつだな。どうなってんのか知らんけど。

 

ピッ

 

『*あなたは我慢強く微笑みかけた。』

どうやらFriskは励ますを押したようだ。コマンドをちょっと覗いた。思いの外早く答えに着いたな…

 

「ハハ…」

次は涙が壁を登って降ってくる。が、まあ比較的避けやすい。ずっと上向いてるから首痛くなりそうだけど。

 

『*Napstablookは少しだけ元気になったようだ。』

 

ピッ

よし、励ますを押したか。分かったみたいだな。

 

『*Napstablookにちょっとした冗談を言った。』

 

「ハハハ…」

どんな冗談言ったんだろうな、と思う。声は相変わらずぼそぼそ位しか聞こえてないし。

そのあとにまた涙の雨が降ってくる。が、かなり量が減っていた。手加減してくれているのか、元気になって涙が出なくなってきたのか。

 

『*Napstablookをもう少し元気づけることができた。』

 

ピッ

三回目だな。確か四回で戦闘終了だったと思うからな…

 

『*Napstablookはあなたに何かを見せたがっているようだ…』

お、そろそろ終わるな。四回だったか。

 

「ちょっと見ててね…」

そう言うとNapstablookは涙を上に流し、帽子のような形にする。画面上だと何が面白いんやらとは思ってたが、実際見てみると結構すごいな。インパクトはある。

 

「『ヒヤリハット』っていうんダ。どウ…?面白イ…?」

自分にできないことをした時点でスゲーとは思うけどな。まあ人間は酸の涙なんか流さねえんだけど。

 

『*Napstablookはワクワクしながら反応を待っている。』

 

ピッ

 

俺とFriskで拍手を贈り、Friskはまたぼそぼそと何かを言うと、Napstablookは目を驚いたように見開き、「え…」と言った。その後、少しだけ口元を綻ばせた。

…いや、口説いたのかよ。すると世界が白黒から色が戻っていった。

 

「…いつもネ…誰にも会いたくないカラこの遺跡ににいるんダ…」

 

「一人が好きなの?」

Friskが聞く。

 

「うウン。…どちらかというト…周りが怖いっテイうか…その…自信がないのモ、あルんだけど…」

そうだったのか。一種の対人…いや、対モンスター恐怖症的な感じだったのかもな…

 

「でも…今日はネ、いい人に出会っちゃっタ…」

Napstablookは笑って、少しもじもじしてから、

 

「…ゴメン…『自分語り』するノガ癖で…つい…」

 

「いいと思うよ。」

ふとFriskが口を開いた。ふと顔を見ると、笑顔を浮かべていた。

 

「…エ…?」

 

「自分語りするってことは、自分の事を知ってもらいたいって思うからじゃない?自分を知ってもらうのは良いことだよ!」

 

「…ありがとう。……邪魔だったよネ、そろそろ散歩に戻ルよ。すぐにどくね…」

Napstablookは、少しポカンとした様子でいたが、また少し笑ってお礼を言うと、スゥッ、と消えていってしまった。

 

「あ…消えちゃった…」

そんな悲観するような顔で見るなよFrisk…

 

「…大丈夫だよ。同じ建物の中にいるんだし、そのうち会えるだろ。」

まあ、展開知ってるからな。思いの外早い再開になると思うし、何ならMad Dummy戦で助けてくれる…と思う。多分。

 

「そうかな?」

 

「ああ。そら、そろそろ進もう。」

 

「…うん!」

あ、笑った。うん、いつも通りかwa(○=(゚ο゚ソレイジョウハヤメロォ!

 

 

…この世は理不尽なり。事実n(○=(゚ο゚オラアァァ!

 

 

…さて、分岐した道はどっちに行くか。…真っ直ぐだな。

 

進んでいくと、一つの建物が見えてきた。

《Spider Bake Sale》

 

「、スパイダーベイクセール…?」

まあ名前だけじゃ分からんわな。俺も分からん。英語知識の皆無の俺には字面だけじゃクモが焼かれてるようにしか見えん。

 

「…まあ、とりあえず入ってみるか。」

 

「うん!」

んで、入る。なるほど…こうなってるわけか…Friskがクモの巣の上にゴールドを置くと、上からクモが糸で繋がれて降りてきて、ドーナツを二つ置き、お金を持って上がっていった。よく耐えたな、あの糸。というかよく持てたな、あのクモ。 どっちが凄いんやら…いや、どっちもすごいのか。

 

「はい、お兄ちゃん!」

 

「、ああ、ありがとう。」

わざわざ俺のも買ってくれたのか。優しいな。

ちなみにだが、結構あっち行ったりこっち行ったりしてたから、戦闘はかなりの数こなした。そのお陰でゴールドはそれなりにあるんだな、これが。

 

で、そのまま店を出て、道を進んでいく。




あれ、今回パズル出てねぇじゃん。
…まあいいや。次辺り端折ろ。

では、最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


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Gaster&ガスター

どうもただの謎存在です。

タイトルにガッツリ名前出てるくせに出てくるのは最初の方だけというね。
タイトル詐欺とか言うのはやめてください。サブタイ考えるの大変なんですよ。



では、本編どうぞ!


<とある部屋のとある人物side>

ふむ…これはかなり予想外だ。

本来ならこれは起こり得ない事象だ。そもそも()自体、ここにいるような人物ではないはず…いや、そもそもいるわけがない存在だろう。

だが、存在してしまっている以上、肯定せざるを得ない。

…にしても、()()のロード、リセット時、記憶の削除が上手くいかなくなってきた時から色んな事を試し、起こり得る事象を引き起こしてきたにも関わらず、こんなことは今まで起こらなかった。さらに、今の状態は私は何もしていない…つまり、最初の状態と同じだ。その状態に介入できる存在……()()か…まあ、()()自体私の仮説上の存在で実在するのかは別としておいて…実在するとするなら、これはまた厄介な問題を押し付けられた気がしないでもない。だが、()()からしてみればそれも全て想定内…というより、この感情を引き起こすように上手く事を運んだのだろう。…本当に厄介にもほどがある。

 

「…ただ…」

ひとまず、()は脅威と言える存在ではなかろう。()()の兄。今まで存在してこなかった謎の存在だが…それよりも気になることがある。あれはどういうことだろうか。soulが自然体で二色に分割されているなんて聞いたこともない。

 

「…実に面白い。興味深い限りだ。」

いつかは少し研究も再開させたいものだ。

 

<主人公side>

…?何か変な感じがするな…まあ、気のせいか。

そういや、さっきFriskがNapstablookと再会して、ちょっとテンションあがってたな。良かった。

…にしても、さっきの落下パズルはちょっとビックリしたなぁ…。

いや、落ちることは分かってたんだけどさ?プレイヤー視点だと方向が違うから分からなくなってたけど、ここだと全部同じ方向に見えるわけよ。

つまりはいちいち確認しに行く必要がなくなったってこと。一人称視点だとやりやすくなるパズルもあるんだなぁ、って思った。

 

まあ、そこはさておき。

そろそろTorielの所か。

そんなことを考えていた周りを見回していた時、

 

「大変…予定よりずいぶん時間がかかっちゃったわ…」

 

プルルルルルル

 

電話が鳴った。

同時に木の向こうにTorielさんが見えた。

 

「!まあ!二人でここまで来たの!?怪我はない?こっちへいらっしゃい。回復してあげましょうね。」

 

「あ、大丈夫です。二人とも特に怪我とかはしてません。」

いや、実際は若干打撲とかあったけど、言うほどのものじゃないし。

 

「ああ、それなら良かったわ…。あまり長く二人だけにしておくなんて無責任だったわね。」

本当に安堵したような表情をするTorielさん。めちゃ優しいやんけ。

 

「もう隠しきれないわね。いらっしゃい!我が子達!」

そう言ってTorielさんは家の中に入っていった。

Friskもセーブしてから入っていく。

 

「……そうか。ここが一つの山か…」

そう。ここでは初めてのボス戦がある。

言わずもがな、Torielさんとの戦闘だ。

 

「…絶対に殺させるわけにはいかないな…」

そう呟いて俺も家に入る。

 

 

「良い香りでしょう?

サプラーイズ!バタースコッチシナモンパイを焼いたの。あなた達が来てくれたお祝いにね。…ここで楽しく暮らしてもらいたくて…」

フッ、とTorielさんの顔に影がかかった気がしたのは俺だけだろうか。

 

「だから、今夜はカタツムリパイは我慢するわ。」

 

「カタツムリ!?」

急にFriskが声をあげた。

 

「うお焦ったぁ…」

 

「あ…カタツムリパイは苦手かしら…?」

 

「あ、いえ…聞いたことがなかったので…」

まあそりゃあな、と心の中で思っておく。俺も聞いたことねえわ。

 

「まあ、確かに他では聞かないわね。お料理の本にも載ってなかったし…あ!さあ、入って入って。他にも見せたいものがあるの。」

と、横の部屋に入っていくTorielさん。

それに続いてFriskと俺も進む。

 

「ここが…」

と、Friskの手をとって一つの部屋の前に行く。俺もそれに続く。

 

「あなた達のお部屋よ。少し狭いかもしれないけれど…気に入ってもらえるとうれしいわ。」

そう言って俺とFriskの後ろに回り、頭を撫でるTorielさん。手、柔らかいな…

と、

 

「あら?焦げ臭いわね…大変!ゆっくりしていってね!」

お?いつの間にTorielさんは生首饅頭になったんだ?

…ゆっくりの事を生首饅頭とか言ってるとゆっくり実況の方々に怒られそうだな…

そんなことを考えながらFriskと一緒に部屋に入る。

 

その後、部屋の中を一通り調べて回ったりしていると、Friskが小さくあくびをした。

 

「、フリスク、眠いなら寝ておいた方がいいぞ。」

 

「…あふ…うん…そうする…」

やっばめっちゃかわいい。

 

そうして一つしかないベッドの壁の方に寄って、Friskは横になると、すぐに、すぅすぅ、と寝息が聞こえてきた。さて、俺の活動時間だ。

Torielさんに気付かれないように部屋を出る。

そして、とりあえずおもちゃのナイフがある部屋に行く。

 

「………あったな。」

ゲーム通りおもちゃのナイフは部屋の端に置かれていた。

 

「…やっぱプラスチックだよな。アルミとかだと一応切れちまうし。…プラスチックのナイフって武器になんのか?」

よくよく考えればそうだ。

プラスチックのさして尖ってもないナイフで切られたとしても、少々痛いとはいってもそれは打撲。もしくは擦り傷だ。切り傷にも致命傷にもならない。…ま、そこんところは良いか。ご都合主義ってやつだ。

 

「…悪いな。」

誰に言うでもなく、そう呟いて俺はポケットにナイフを入れ、部屋を出る。そして、特に何の気なしに鏡を覗いてみる。

 

「………俺だ。」

俺が前世を思い出したのは昨日。前々から見ていたはずの顔なのに何か違和感があるなぁ…

 

ところでだが、モンスター達の攻撃の話だ。

蛙が飛んできたり、弾が飛んできたり、色々攻撃のバリエーションはあるが、そのどれもが見た目通りの怪我を引き起こすのだ。まあ、具体的に言えば、Napstablookの酸の涙は地面に当たってジュッ…とか鳴ってたし、Vegetoid(ベジトイド)の野菜の弾幕は当たったら普通に痛かった。あれ固すぎだろ…人参のくせに。

まあ、要は何が言いたいかと言うと、Torielさんのあの火の玉弾幕。あれは紛れもなく火であるということだ。戦闘中はダメージを感じにくいとはいえ、終わったらその分、一気にダメージが入ってくる。下手にダメージを食らいすぎれば全身やけどで気絶なんてざらの可能性もある。

しかも、感覚しか鈍らないため、見た目相応のダメージを食らうことになる。つまり、Torielさんが攻撃をそらし始めたら相当注意しなければいけない。

 

「……さて、どうしたものか…」

戦闘前に水を被っておきたいが、そんなことをすれば怪しまれるだろう。Torielさんにも、Friskにも。

まあ、最終当たらなければいい話なのだが、こっちはFriskを守らなければいけない。

……最終、ターンが終わる前に体力を全回復させておけば問題ない…か?

 

「……ふゎ」

やべ、眠い。

そろそろ思考は明日の俺に任せるか。

そう思って俺は部屋に戻り、Friskを起こさないようにカーペットの敷かれた床に横になる。

ま、数十秒後には意識なくなってたんだけど。




はい、察しのいい人は気づくと思いますが、あと2、3
話でRuins編終わりです。
つまり、次は…ってことですね。はい。

ではでは、最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


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Toriel戦前

どうもただの謎存在です。

はい、Toriel戦の前話です。大変ですね、はい。



では、本編どうぞ!


目が覚めたらすでに数時間経っていた。まあ、地面で寝ていたから体も少々痛いかな…と思ってたが、そうでもなかった。まあ、カーペット敷いてくれてたしな。体を上げると、何かが被さっているのに気づいた。

毛布だった。恐らくTorielさんが掛けてくれたのだろう。

そんなことを考えていると…

 

「…………んん……」

 

「、フリスク、起きたか。」

 

「あ…お兄ちゃん…おはよう……ぁふ」

まだ少し眠いのか、寝起きだからか、少し小さくあくびをしたんだろう。まあ、実際のところほとんど見えてない。真っ暗だから。

 

「さて、電気付けるぞ。」

 

「うん。」

パチッ

 

真っ暗だったのから一気に明るくなって思わず目をつぶった。ま、人間そういうもんさ。

 

「!お兄ちゃん、これって…」

 

「ああ、多分バタースコッチシナモンパイだな。」

二切れ、シナモンのいい香りのするパイがラップに包まれてお皿に乗せられていた。

こういう感じなんだな。

 

「………じゃ、行こっか。」

とりあえずFriskに預けられたパイも潰さないようにリュックに入れておく。

 

 

───────────────────

──────────

─────

部屋を進むとFriskがTorielさんに質問攻めにしていた。

ああ、外に出たいっていうイベントか…あ、Torielさんが立った。…渋い顔してるなぁ…

 

「……………」

 

「フリスク?」

ふと見るとFriskは大分何かを悩んでいるようだった。

 

「どうした?」

 

「…お兄ちゃん、トリエルさんが行った所って…」

 

「ああ、十中八九あの階段の下だ。」

正確には十中十なんだが。

 

「…行こう。」

 

「ああ。」

Friskは決意を固めたらしい。だったら俺はそれに乗っかるまでだ。

そうして階段を下りると、紫色の廊下の先にTorielさんが見えた。

 

「…ママ…」

あ、Friskがママって呼んだ。

 

「…お家に帰る方法が知りたいのね…?この先に、遺跡の出口があります。…その向こうは地底の世界。一度出たらもう中へは戻れません。」

Torielさんは少しためらったような素振りを見せ、

 

「…これから私は、その出口を壊します。」

 

「!」

Friskが一瞬ビクリ、とする。

大丈夫か。いや、でも確かに展開が分かっててもこいつはちょっとショックが強いな。

 

「もう二度と…誰もここからいなくならないように…。

いい子だから、お部屋に戻っていなさい。」

そう言ってTorielさんは早足に先へ進んでいった。

 

「…お兄ちゃん、」

 

「うん?どうしたフリスク。」

Friskが不安そうな目でこっちを見ながら話しかけてきた。

 

「進んでも…いいのかな…?」

 

「…それは、フリスクが決めることだ。俺の決めることじゃない。でも、後悔しない方を選べよ。」

 

「…わかった。」

そう言って先に進むFrisk。OK、分かった。

そうして進んでいるとまた前にTorielさんが見えてきた。

 

「…ここに落ちた人間は皆同じ運命をたどる…私は、この目で何度も見てきました。…ここへ来て…ここから出ていって…そして死んでしまう。あなた達は何も知らないの。この遺跡から出たら、あなた達は彼らに…アズゴアに…殺されてしまうわ。」

一瞬、Asgore(アスゴア)王の名前が出た瞬間Torielさんの顔が歪んだ。ように感じた。同時に声にも憎悪が混じってる気がした。それぐらい嫌いなんだろうなぁ…

 

「…これはあなた達を守るためなの。分かってちょうだい。……お部屋に戻るのよ。」

最後にまた少し悲しそうな顔をしてTorielさんはまた進む。Friskも、少し迷った感じもあったが、すぐに追いかけ始めた。

そして、また曲がり角にTorielさんはいた。

 

「…止めても無駄よ。これが最後の警告です。」

最後の警告です…か。次はバトルだ。確かにTorielさんはこっちを倒す気は微塵もないのだろう。優しすぎるから。でも、だからといって倒させるわけがないし、Friskを傷付けさせる訳もない。

 

「…フリスク、多分そろそろトリエルさんとのバトルになると思う。…良いか、絶対に[FIGHT]は押すんじゃないぞ。」

 

「…うん、もちろんだよ。ボク達にあんなに良くしてくれたいい人だもんね。」

…良かった、分かってくれてた。

しかし…いい人、か。ま、いい人なんだけど…あ、人ではないか。

 

そして、最後の部屋に入る。

Torielさんはこちらを背に、大きな扉を前に立っていた。

 

「…トリエルさん。」

…少し躊躇ったが、声をかける。

 

「どうしても出ていくというのね…」

 

「…はい。」

 

「…そう。あなた達も他の人間達と同じなのね…なら、残る手段は一つしかない…」

…来る、と俺は身構える。

 

「私を納得させてごらんなさい。あなた達の強さを証明するのよ。」

そうTorielさんが言うと背景が少しずつ白黒に切り替わっていき、俺とFriskの胸にハートが浮かび上がる。…相変わらず何で俺のsoulは二重なんだろうか。

 

そこは置いといて。同時にToriel戦BGM、「Heartach」が流れてるな。

曲自体は本当に良い曲なんだけどなぁ…和訳だと「心の痛み」…だったか。確かに、Torielさんと戦うのは心苦しいよな…。だが、ここでもやるべきことはただ一つだ。Friskを不殺にさせること。それが最大の目的であって俺のすべき事だ。

 

「…さて、」

 

『*Torielに行く手を塞がれた!』

 

アナウンスが流れ、俺はポケットからサバイバルナイフとオモチャのナイフを取り出す。

目の前のTorielさんは、無表情に見えてどこか、悲しそうで苦しそうだった。




さて、次こそTorielママとのバトルですね。
あ、言っておきますが、原作通りに進める気は更々ありません。…まあ、流れは沿わせますけど。
まあ、二次創作だから良いんですよ。ええ。



では、最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


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Toriel戦

どうもただの謎存在です。

Torielさんとのバトルですね。くっそ、このバトル形式の書き方慣れてねぇ…

あ!それと、ものすごい今更ですが、
しにゃ様、東方大好きさん様、高評価ありがとうございます!
モチベーションが上がります!



では、本編どうぞ!


…まずはTorielさんを殺さないようにFriskを誘導する必要があるな…

 

「…フリスク、再三言うが、絶対に[FIGHT]は押すなよ。…後悔する。」

 

「…うん。分かってる。」

そう言ってACTに触れ、まずは調べるFrisk。

 

『*Toriel

 ATK80 DEF80

あなた達にとって何が最善かを知っている。』

最善…なぁ。

と、前でTorielさんが火の玉を上下に出してきた。おっと、思いの外避けづらいな。

 

『*Torielは目を合わそうとしない。』

そして、避けきったあと、話そうとするFrisk。

が、

 

『*適当な話題が思い浮かばない。』

…うん。知ってた。なら考えろって言いたい所だけど…流石にね。うん。

上から火の玉が揺れながら落ちてきた。つか多いな…捌ききれるか…?あ、ナイフで火の玉切れたわ。

 

『*Torielは魔法攻撃を準備している。』

 

で、何とか躱しきり、Friskはそのまま再びACT、話そうとするが…

 

『*皮肉なことに話し合いでは解決できそうにない』

 

…そうなるんだよな…ちっ、実際聞いたらふざけんなってなりそうなんだが。ほんとに皮肉だなコノヤロウ。

っと、

再びTorielの出した火の弾幕が迫っていた。何とか躱す。

Friskの方は…問題なさそうだな。だが、何が起こるか分かんねえし、あんまり離れないようにしとかねえとな…

 

『*Torielは目を合わそうとしない。』

 

と、おもむろにFriskが[MERCY]に手を伸ばした。

 

「…………」

何も言わずに火の弾幕を投げてくる。確かに体力が1/10になれば攻撃を避けるようにしてくれるため、ここでGAME OVERにはならないだろうが、Friskには出来るだけ怪我はさせたくない。それに、俺は体力だけならLOVEが20の時よりはるかに多い。ある程度なら大丈夫だ。

とか考えてたら目の前に来た。咄嗟に手を振ってガードする。

 

「っと…」

一被弾か。

 

「お兄ちゃん!大丈夫!?」

 

「俺は大丈夫だ!Friskは避けるのに専念しろ!」

まあ、とか言ってもFrisk優しいからこっちに気をかけながら避けてくれてんだよな…いい子すぎかよ。

 

『*Torielは魔法攻撃を準備している。』

 

「…もしかして…」

すっ、とFriskは再び[MERCY]に手を伸ばす。

よし、正しい方法を見つけたか。

 

「……………………」

再び同じように火の玉が揺れながら大量に落ちてきた。ただ、二回目だ。途中でFriskが当たりそうになってたから避けさせながら、何とかノーダメで避けきった。

 

『*Torielは目を合わそうとしない。』

 

 

「………………………」

相変わらずTorielさんは無表情を貫いて半円状に火の玉を投げる。

半分追尾みたいなシステムに順応しきれずにちょっと当たった。あれ、俺もしかしなくても避けるの下手?体力既に10以上減ってんぞ?

 

『*Torielは態度がよそよそしい。』

 

ピッ

コマンドを選択する音が聞こえた。

 

「…?」

再び上下に火の玉が出される。

というか、これ当たったら痛みはないけど服に当たったら火が燃え移ったりしてないか…?

…あ、余計なこと考えてたら足当たった。…って!

 

「ヤッベ!」

普通に燃え移るじゃねえか!

急いで地面で擦って消す。

 

「!お兄ちゃん!?」

 

「ああ、問題ない。」

こいつは…ちょっと気を付けないとな。

 

『*Torielは態度がよそよそしい。』

 

ピッ

 

「何をしているの…?」

Torielさんが怪訝そうな目で見てくる。

そんな彼女の前で、俺はナイフ二本をカランカラン、と地面に落とした。

もう必要がない訳ではないが、戦いたくない、という意志の主張だ。

 

横に上下に動く火の玉を出され、動きが制限された状態で上から火の玉が揺れながら落ちてくる。

やっべ、これめっちゃ避けづらい…!

 

『*Torielは目を合わせようとしない。』

 

「戦うか逃げるかしなさい!」

 

「いえ、もうここで引くわけにはいきません。逃げる気もありませんし、戦う気なんて毛頭ありませんよ。」

本心だ。

再び上から火の玉が揺れながら落ちてくるが、流石に避けられるようになってきている。というかFriskめっちゃ避けるの上手いよな。ドッジボール上手い系の人か?

まあ、そんなこと考えてるから当たるんだけども。あぁあ。これで俺が体力20だったら残りHP1になってたな。多くて良かった。瀕死にはなりたくない。

 

『*Torielは魔法攻撃を準備している。』

 

ピッ

 

『力を証明するんでしょう?』

 

「いえ、そんな気は全くありません。それに、モンスターと会ったときは、お話しすれば良い、っていってくれたのは、Torielさん、あなたですよ。」

一瞬肩が震えた気がした。

と、さっきの言葉が効いたからか、まだ体力は有り余っているにも関わらずTorielさんは火の玉を避けるように出し始めた。…あ、もしかして、体力バー、Torielさんには見えてないから当たった回数とかでカウントされる感じ?

 

『*Torielは魔法攻撃を準備している。』

 

ピッ

 

「戦うつもりがないなら逃げて!」

 

「だからそんな気はないんですよ!」

もうもはや喧嘩みたいになってるが…いや、そんなレベルじゃないか。そもそも喧嘩で片方が火の玉撃ってくるのはおかしいし。…まあ、当たらないようにしてくれてるんだけど。

 

『*Torielは態度がよそよそしい。』

 

ピッ

 

「やめなさい。」

 

「………………」

無言の時間が流れる。

 

『*Torielは魔法攻撃を準備している。』

 

ピッ

 

「そんな目で見るのはやめて。」

 

「………………」

ふと後ろを見るとFriskが苦しそうな表情をしていた。…うん…苦しいよな…ちょっとだけ耐えてくれ…ごめん。

そう思って手を繋ぐ。

 

『*Torielは大きく息をついた。』

 

ピッ

 

「逃げなさい!」

 

「………いえ、逃げませんよ。」

Friskの、手を握る強さが少し強くなった気がした。

 

『*Torielは目を合わせようとしない。』

 

ピッ

 

「…」

 

「……」

再び、無言が流れる。俺の中ではずっと少し小さめにBGMが、流れ続けている。

 

『*Torielは魔法攻撃を準備している。』

 

ピッ

 

「……」

 

「………」

重苦しい時間が流れる。

 

『*Torielは目を会わせようとしない。』

 

ピッ

 

「分かっているわ…あなた達はお家が恋しいのよね?でも…」

ふと、BGMが止まった。

火の玉も飛んでこなくなった。

 

『*…』

 

ピッ

 

「お願いだからお部屋に戻って…」

懇願するように、声を絞り出すようにTorielさんは言った。でも……

 

『*…』

 

ピッ

 

「私がちゃんとお世話をする…約束するわ。」

 

「…そういうわけにいかないんですよ…本当にすみません…」

一層、Torielさんの顔が歪んだ。

 

『*…』

 

ピッ

 

「確かに、ここは何もない場所だけれど…」

 

「………」

 

『*…』

 

ピッ

 

「私達、きっと楽しく暮らしていけると思うの。」

 

「……」

ふと、Friskの手が離れた。

 

『*…』

 

ピッ

 

「これ以上、私を困らせないでちょうだい…!」

 

「…………っ」

今にも泣きそうな顔になるTorielさん。

…そうだよな…今まで六人の子供達…いや、八人か。八人の子供達を育てようとしてきて…みんな死んでしまった。…本当なら狂ってしまってもおかしくないような物だよな…。

 

『*…』

 

ピッ

 

「お願いだからお部屋に戻って…」

それが、俺には心からの叫びのように聞こえた。

 

『*…』

 

「止めて!お願いだからもう諦めて!」

ふと本来無かったであろう叫びが飛び出た。

同時に、さっきまでのとはレベルの違う火球がFriskに飛んで行った。俺は咄嗟に体の向きを反転させ、Friskの前に立った。

 

「はっ………」

 

ドガァン!

 

「………っかは……」

Torielさんの息を飲む声が聞こえた瞬間、一瞬だけ目の前が真っ白になった。

熱さや痛みは言ってもすぐに消える。が、目の前のゲージが一気に減り、数字が130から10に下がった。嘘だろ。そして、今なんかよく分からん黄色いドームのバリアみたいなの出たぞ。まあ、そのおかげでだいぶダメージ減ったんだろうけど…

しかも、軽減されてるはずの反動まで来て倒れちまったぞおい。Torielさんよ、どんな威力で撃ったんすか。

 

「…あ……ああ……」

 

「お兄ちゃん、大丈夫!?これ、食べて!」

こっちを見て、口の中にパイを突っ込んでくるFrisk。詰まるから突っ込むのは止めてくれ、なんて言える立場ではなく、大人しくパイを咀嚼する。あー、優しい甘さだなぁ。

 

「…!うーわ、身体中の傷消えた…どころか服の傷まで消えたんだが…」

どうなってんだろ。

ここじゃアイテムを食べたら体の傷は消えるかもしんないけど服の傷まで消えるって…

 

「良かった…」

 

「…ああ、ありがとな。……つつ…さて…()()()、」

立ち上がって、再びTorielさんの方を向く。何か若干関節がパキパキ鳴る。

 

「!」

 

「もう、退いてください。大丈夫です、Friskは何があろうと俺が守ります。」

 

「…それではダメよ。あなたも私の我が子だもの。」

 

「……ありがとうございます。ですが、俺達はここを通ることを望みます。…でも、もうあなたと不必要に戦いたくはありません。」

Torielは目に見えて驚愕していた。ま、目の前に自分が傷つけてしまった我が子が、それでも依然として自分の前に立ち、説得を試みているとなったら、そうもなる…のか?が、それでも戦いたくないのは事実だ。絶対に。

 

「…フフフ……私、本当にダメね…子供二人、満足に救えないなんて…」

 

「…そんなことありません。ちゃんと助けてもらいましたよ。」

もしもTorielさんが手加減なしだったら本当にやばかったのだろう。俺、ハードモード知ってるからな?ようつべで。手加減無かったらマジでヤバい。

 

「……良かったわ…」

本当に安堵したようなTorielさんのその言葉と同時に世界に色が戻ってきた。




これでRuinsは終了です。
いや、まあ次の最初だけちょこっと出てきますけど。
つまりは次出てくるのはアンダーテールといえばこいつ、の某スケルトンが出てきますね。



では、最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


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Ruins to Snowdin

どうもただの謎存在です。

Snowdinへ行きます。はい。
あ、そういえばサブタイトル、しばらく英語です。かっこいいと思うから。以上。



では、本編どうぞ!


「ええ、分かっているわ。一生ここで暮らすなんて、あなた達は嫌よね…。

慣れてしまうと遺跡はとても狭い所だもの。ここは、あなた達にとって良い環境とは言えないわ。

…だから、私の望みも…寂しい気持ちも…心配も…あなた達のために今は全て、忘れましょう。」

目の前でTorielさんが話す。

 

「……………」

 

「どうしても出ていくというのなら…私はもう止めません。」

 

「トリエルさん…」

 

「でも、この扉の外に出たら…二度とここには戻らないこと。どうか分かってちょうだいね。」

Torielさんはそう言うと、振り向き、俺とFriskを抱きしめた。

やべえ、これめっちゃ恥ずかしい…。

 

「…ママ、大丈夫だよ。絶対また会おうね!」

 

「……ふふ、ええ。ありがとう。」

少し、柔らかく笑いながら、Torielさんの目には涙が浮かんでいた。それを隠すように、Torielさんは走り去っていった。

 

「…よかった。」

 

「…ああ。さ、行くか。」

心の底からような声で安堵するFrisk。やば、やっぱ天使かよ…

 

まあ、そんなことを考えながら色の変わる長い廊下を廊下を歩いていき、はい、ご登場。みんな大好き糞花君である。

 

「なるほどね。感心したよ。キミ達、自分達ではうまくやったつもりでしょ?」

 

「…………」

ひとまず話を聞いておこう。口を出すのはその後だ。

 

「でもこの世界では殺すか殺されるかだ。

たまたま自分のルールが通用したからっていい気になるなよ。たった1人の命を救ったからってさ。フフフ…」

 

「…ふん。それがお前に当てはまらないとも限らないだろ。」

ごめんやっぱ無理。

 

「…は?」

 

「お前の言ってる()()()()()()()()()。それがお前だけのルールの可能性だってある。現に俺達は誰も殺してないし、殺されてない。」

 

「…ふーん。ま、さぞかしいい気分だろうね。確かに、キミ達は今回誰も殺さなかった。

だけどさ、もしも殺人鬼に出くわしたらどうする?そいつに何度も何度も殺されて…とうとう心が挫けたら?その時はどうするの?

イラだちに任せてそいつを殺しちゃう?それともこの世界を完全に見捨てて…

…ボクに支配させてくれる?」

また凶悪な顔になるFlowey。

ふと後ろを見るとFriskが若干顔色を悪そうにして腕をぎゅっと握ってきた。この花め。どうしてくれようか。

 

「…やなこった。それに、心が挫けるほど何度も殺される事なんてあるわけない。」

 

「なんで言い切れるのさ?」

 

「俺が守るからだ。フリスクに怪我はさせれねぇし、させる気はない。もちろん、お前にもだ。」

こちとらお前のことも知ってるんだ。そう簡単にやられることはないはずだ。

 

「フフフ…まあまあ、安心しなよ、ボクはこの世界の未来を担うプリンスだから。キミを殺して力を奪うつもりはない。

それよりもっと楽しいことをやるつもりさ。」

 

「………そうか。行こう、フリスク。」

高笑いをするFloweyの横を通り過ぎ…る前に、小さく言ってみる。

 

じゃあな、アズ。

 

「っ!?」

驚いた顔をしたFloweyを尻目に、出口に向かう。

さてと…どうなることやら…ふふ。

 

 

そうしてRuinsを抜け、外に出たのだが……

 

「うわさっむ!」

一面雪景色だ。めちゃくちゃ寒い。

 

「まあ雪降ってるわけだし、そりゃ寒いことは寒いか…」

長袖で来てたのがせめてもの救いか…いや、それでも寒ぃ…まあ、Friskは大丈夫みたいで良かった。

 

 

《Sans side》

…人間が来た。

 

いつもおいらが、おばさん(・・・・)とだじゃれの練習をしていたあのドアから出てきたようだ。

………まただ(・・・)。もう何度目か分からない。

今度はどんなやつだ…ん?

 

足跡が(・・・)二つ(・・)…?

 

おかしい。いつもなら1人しか来ないはずだ。現に、今まで(・・・)そうだった。

何回繰り返されてきたか分からないこの世界ではあいつが延々と一人で、中途半端にモンスターを救い、世界を救い、そして全てを壊す。そんなことをしていた…しかし、二つの足跡とは…?

 

パキッ!

「!」

おっとまずい、危なかったな。まさかあの枝折れるとは思わなかったが…まあ、ショートカット使って逃げたからそこは良いか。

…にしても、あの背の高い人間は何者なんだ?後ろ姿は…まるであいつを成長させたような後ろ姿だな…ま、そこら辺は後々聞くか。あいつらがバリケード(笑)の前に来たから…ちょっとからかいに行くか。

 

《主人公side》

門…のようなものの前に来ると、後ろからザク、ザク、と雪を踏む音が近づいてきて、真後ろで止まった。

 

「おい、人間。初めて会うのに挨拶も無しか?こっちを向いて握手しろ。」

Friskがギギギ…とでも音がしそうな感じで後ろを向く。って、マジでシルエットになってんだが。これじゃあまるで某名探偵漫画の犯人だな。

で、Friskが握手した瞬間、

 

ブーー…プウゥー

 

「…ハハ、引っ掛かったな。手にブーブークッションを仕掛けといたんだ。お約束のギャグだよ。」

突然の事で頭が追い付いていないのか握手した状態で固まるFrisk。

同時にシルエットも解除されて愉快な骨の姿が現れる。

何となく気が抜けてため息を着く。

 

「それはそうとあんたら、人間だろ?」

 

「まあ…そうだな。」

実際そうだしな。

 

「ハハハ、ウケるな。」

 

「いや何がだよ。」

これは原作で思ったことだ。

 

「まあまあ、おいらはSans(サンズ)。見ての通り、スケルトンさ。」

さっきからFriskが俺の顔とSansの顔を視線で追っている。忙しそうで何よりだ。

………それより、これ自己紹介どうしよ。Sans絶対知ってるもんなぁ…

 

「…うん?何だ、おいらは自己紹介したのにお前達は無しか?」

 

「ああ、いや、この子の兄のガスターだ。よろしくな、サンズ。」

 

「ガ、ガスター…!?」

Sansの目が大きく見開かれる。あー、やっぱそうなるかー…

 

「…?何か変なとこあったか?」

こうなれば手段は一つ、全力で知らないふりをする!

 

「…ああ、いや、何でもない。ま、おいらは人間が来ないかここで見張ってろ、って言われてんだ。」

よっしゃ成功!

と、横を見ると急にFriskの動きが止まり、顔がこわばっている。あ、そっか。

 

「…ま、っつっても、おいら的には人間捕まえるとかどーでもいいけどな。…でも、弟のPapyrus(パピルス)は…筋金入りの人間ハンターだぜ。」

更にFriskの手に力が入るのが分かった。だって手繋いでるし。

 

「…お、噂をすれば…パピルスが来たっぽいな。…そうだ、とりあえずこのゲートっぽいのをくぐれよ。」

と、目の前にある木でできたバリケードを指差すSans。…というか、これマジで意味無いよな。

 

「普通に通れるだろ?パピルスが作ったんだけどさ、意味ないよな。」

そう言って、ほれ、とFriskと俺に促すSans。そうして進むと、小屋とランプのある所に着いた。…10秒位しか経ってねえけど。

 

「その、丁度いい形のランプに隠れてくれ。ガ、ガスターは…その小屋にでも隠れててくれ。」

 

「分かった!」

 

「オーケー。」

やっぱGasterって呼ぶの違和感あるんだなぁ…つかマジであのランプFriskピッタリだな。

…あ、Alphysのカメラ発見。

 

まあ、そんなことを考えていると…

 

「、よう、パピルス。」

 

「よう、では!ぬあぁぁい!」

愉快な骨、二人目のご登場である。




はーい、愉快な骨、二人目の登場です。
そういやお気に入りしてくれた人が何かすごい増えてて、更に感想を書いてくれた方もいてヒャッハーってなってました。本当にありがとうございます。がんばります。

では、最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


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High tension brother

どうもただの謎存在です。
評価バーが赤くなってて「は…?」ってマジで声が漏れましたw ただでさえ何も考えてない僕の頭が一瞬、更に真っ白になりました。
零城様、ゆずっこ様、わけみたま様、黒兎 双牙様、高評価ありがとうございます!



では、本編どうぞ!


「パズルを調整しておくようにと、八日前に言いつけたのに…未だに!何も!せず!勝手に持ち場を離れてフラフラと…!こんなところで何をしているのッ!」

おお、いきなりテンション高いなぁ…。

というか、Sans、いっつもにやにやしてる感じだけど今は何というか…優しい感じの笑顔浮かべてる気がする。骨だから分からんけど。大概こいつ、弟大好きだよな…あ、俺が言えた義理じゃねえや。

 

「そこのランプを見てる。いいランプだろ?お前も見ろよ。」

おいこら前言撤回じゃ。何言いやがるこの骨め。

 

「そんな!暇は!ぬあぁぁいッ!」

と、地団駄を踏むPapyrus。やっぱテンション高ぇ…というか、Papyrusって若干ハスキーボイスなんだな。耳痛いわ。

対してSansは…テノール?結構イケボ。言うなら、stronger than youの日本語Frisk.verの「してやったりだぜえぇぇ!」の声に近い。あ、そう言うとマジかってなるな。

 

「人間がここを通ったらどうするッ!」

あ、ここにいるわ。何なら二人。

 

「人間の襲来に備えるのだあッ!」

襲来…なぁ。

…Frisk大丈夫か。顔色悪ぃぞ。

 

「そして!必ず!このパピルス様が…人間を捕まえてやるのだあッ!」

そこまで言うとPapyrusはポーズを決め…

 

「そうすればこの偉大なるパピルス様の…望みは全て叶う!」

声高らかに宣言した。…あれ、風ねえのにスカーフ靡いてんだが。…この世には不思議なこともあるものだ。

 

「人気者になって…尊敬されて…ついには憧れのロイヤル・ガードになって…!」

 

「そして皆に…「お友達になって!」って言われちゃったりして?」

いや知らんがな。…だがなぁ…こっちとしては捕まる=死だからなぁ…捕まるわけにゃいかねえんだ。

 

「毎日ラブラブ光線を浴びまくるのだッ!」

 

「そんなら…このランプに相談してみるのが良いかもな。」

この骨。後ろから闇討ちしてやろうか。…まあ、そんなことしたらLOVE上がっちまうからしないけど。

 

「ちょっと!適当なこと言わないでよ!この腐れスケルトンめッ!毎日何にもせずに骨くそほじってばっかのくせに!」

…いや、それはちょい違うな。確かSansはPlayerの影響…というか、何回でもリセットされることに気づいてこうなったわけだから…根が悪いわけじゃないんだよなぁ…あ、何か一気に罪悪感出てきた。ほんとごめんなさい。

 

「そんなだと偉い人になれないんだぞ!」

 

「いやいや、これでもトントン拍子に出世してるんだぜ?…スケルトンなだけに!?」

 

ツクテーン

 

あ、マジで鳴るんだ、この音。…まあ、バトル中に音楽流れてたりするし、それぐらいはあり得る…のか?

 

「寒っ!」

ごめん同感。…でも、Friskはちょっと嬉しそうに笑ってるな…かわいい。

 

「またまたぁ、顔が笑ってるぜ?」

 

「知ってる!悔しいけどッ!」

また地団駄を踏んでから、Papyrusは少し息を整え、

 

「…ハァ…なぜ俺様ほどの偉大なスケルトンが…人気者になるのに、こんなに苦労しないといけないのか…」

 

「またパピルス、たまには肩の力抜けよ?これがほんとの…骨休め…!なんつって。」

 

ツクテーン

 

…寒いなぁ。体感温度、最初と比べて多分今5度ぐらい下がってると思う。

いつまで続くんだか、この骨身に染みる会話。なんつって。

…やめとこ。体感温度がまた1度下がった気がする。…気がするだけだよな?

 

「ぬぁぁぁぁぁぁ!もういい!俺様はパズルの管理で忙しいんだ!全く…兄ちゃんはホントに…」

 

「骨の髄まで怠け者だな!ニャハハハハハハ!」

いや、お前もやり返すんかい。

そんな高笑いをしながら向こうに走っていった。

…あ、回れ右して戻ってきた。

 

「ハ!!」

…と思ったら鼻で笑って行きやがった。

 

「…よし、もう出てきて良いぜ。」

お、Sansから合図が来た。

と、Friskも出てきたため、俺も小屋から這い出る。ふと見るとFriskがSansに話しかけていたが…

 

「早く行かないとパピルスが戻ってくるぜ?そしたら…おいらのキレッキレのギャグがまた炸裂するぜ?」

やめとけ。凍りつくわ。

 

「…よし、フリスク、行こっか。」

 

「うん。またね、サンズ!」

 

「…?あ、ああ、またな。」

ああ、本来こんなこと言わねえもんな。

んで詰所みたいな小屋を通りすぎようとしたとき…

 

「なあ…ちょっと一つ、頼んでも良いか?」

Sansがおもむろに口を開いた。

 

「、何か?」

 

「ここ最近、パピルスはずっと落ち込んでる…あいつの夢は人間に会うことだから、あんたら、会ってやってくれよ。」

と、一瞬、Friskの体に力が入った…気がした。見ただけじゃ分からないし。でも、Sansの方は向かずに体が固まってるみたいに見える。

 

「ああ、大丈夫。パピルスは実はそんなに危険なやつじゃない。頑張って強そうなふりしてるだけさ。だから一つ、よろしく頼むぜ。オイラはこの先で待ってる。」

そんなことを言って反対方向に歩いていったSans。

 

「だってさ。」

 

「うん。…さっきの会話聞いてた感じでも、パピルスってあんまり悪い人みたいな感じしなかったしね。…でも、サンズ、反対の方向歩いてったよね…?」

 

「…そうだな。ま、反対の方に歩いてったのは…何かあるんじゃないか?近道とか。」

実際そうだしな。

 

「そっか。じゃ、行こ!」

そう言って、笑顔で俺の腕を引くFrisk。

 

「おうおう、滑ってこけるなよ。」

とか言った瞬間俺がこけたんだけど。

マジ恥ずいからやめてほしいわ……

 

───────────

─────

少し進んで、Friskがセーブポイントに触れるのを見てから左の道に進む。と、

 

「…?釣竿…?」

地面に釣竿が突き刺さっていた。

Friskが呟いて釣竿をザバッ、と上げると…

 

「…うん?」

電話番号と一緒に、「私の電話番号!電話してね!」と書かれた写真。本当に何がしたかったんだろうなぁ、この人(モンスター)。普通に個人情報晒してんぞ。

 

「あはは…」

流石のFriskも苦笑いしてた。




再度、本当にありがとうございます!お気に入りしてくださった方も50人を越えており、感想まで書いていただいたりして、感謝しかありません!
これからも頑張ります!



では、最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


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動かないと見えない犬

どうもただの謎存在です。

いや、お気に入り数やら感想やらが爆発レベルで増えてて、初めてリアルで「わーお」って言いました。
ヤンデレ初心者様、タケシ3号様、花影様、通りすがりの食いしん坊様、わけみたま様、シュバルツβ様、ルビニ様、様々な評価ありがとうございます!もっと満足していただけるようにも頑張ります!



では、本編どうぞ!


とりあえず釣竿を元に戻して元の道に戻り、ボックスを開けるFrisk。すると、

 

「お兄ちゃん、手袋が入ってる…」

ああ、「じょうぶなてぶくろ」か。

 

「…貰って良いのかな…?」

 

「さあな?ただ、この寒さだからつけといた方が良いと思うぞ?」

 

「分かった。…はい、お兄ちゃんも!」

と言って手袋の片方をくれるFrisk。…あざす。

 

「…ありがとな。」

ぽんぽんと頭を撫でて、次に進もうとしたところで、背景が白黒に切り替わった。

 

『*オワライチョウがパタパタ飛んできた!』

 

「おっと、」

ああ、エンカウントまた忘れてたわ。

で、ACTに手を伸ばし、調べる、に手を触れるFrisk。

 

『*観客にネタを聞かせるべく戦う、ティーン・コメディアン』

 

「にっちもさっちも「ゆき」まんねん!」

また寒いジョークを言うオワライチョウは、羽を動かし、三日月型の弾幕を飛ばしてきた。と、

 

シュッ

 

「…げっ、」

足元の草が切れた。

あれ、なんでこんな豪雪地帯に草生えてんの?と思ったが、それ以前にだ。当たったらマジで生身だと切れるよなぁ…

何とかノーダメージで乗りきった後、FriskはACTを押し、誉めるを選んで拍手をした。俺も便乗しよ。

 

「あんさんら!お笑いを分かっとりますがな!」

そんなことを言っても、弾幕は飛んでくる。

と、

 

「フリスク!危ない!」

Friskの後ろに弾幕が迫っていた。

何とか手を伸ばして防ぐ。…相変わらず当たった感触しかないが、切れて血は出ている。傷深くないと良いなぁ…

 

「!ご、ごめん、お兄ちゃん…」

 

「ああ何、問題ないさ。ほら、逃がしてやりな。」

 

「う、うん…」

渋々、といったようにFriskは振り返り、MERCYを押す。

 

『*You win! 0EXPと12GOLDを獲得!』

 

「っ!」

やべえ、腕がめちゃ痛い。寒いからか、余計に痛い気もする。

 

「…ちっ、」

咄嗟にFriskが振り向く前にポケットの魔物の飴を口に入れて回復しようとする。が…

 

「っ…!?」

回復しない。全く痛みも引かないし、切れた感覚も無くならない。まあ、幸い…というのか、言ってもそんなに深い傷でもなさそうだからほっといてもすぐ治りそうなもんだが…

 

「…お兄ちゃん…さっきの傷…」

 

「あ、ああ、悪い。さっきのは言っても問題なかったみたいだし、ほっといてもそのうち治るだろ。」

Friskが振り返ったところで左腕の当たったところを隠すようにして言う。

 

「本…当…?」

 

「ああ。だからそんな顔すんなって。」

今にも泣き出しそうな顔してる。そんな顔は似合わないな。

 

「…うん、ごめんね。…ありがとう。」

 

「おう。」

それから先に進んでいると、前方にSansとPapyrusが見えた。何やら話し声がするなぁ。

 

「そしたらさ…アンダインがさ…」

と、そこまで言ったところで、Papyrusがこっちを向いた。なに今の会話の切れ方。めっちゃ続き気になるんですが。

で、こっちを見て、兄弟の方を向いて、またこっちを向いてを繰り返し、しまいには超高速回転になって二人がこっちを向いて止まった。そして、足を全く動かさずに二人とも後ろを向く。あれどうやってんだろ。

 

「兄ちゃん!あ、あ、あ、あ…!あれって…!」

 

「ひょっとしてッ!人間?」

ああ、そうか。人間が魔物を見ないように、魔物も人間を見ないもんな。

と、Sansは今俺とFriskが通ってきたところの岩を見て…

 

「んー…いや、あれは岩だ。」

 

「なんだ。」

急に落胆したような顔になるPapyrus。

一瞬ストーンと通るのかよ!と言いかけて踏みとどまった。危ない。

まあ、Friskも、え?みたいな顔してるけど。

 

「見ろよ。岩の前に何か立ってるぜ?」

落としてから上げるのな。あ、どーも人間です。

 

「…えええぇぇぇっ!(あ、あれって…人間?)」

 

「(うん。)」

 

「信じらんないッ!兄ちゃん!俺様はついにやったぞ!アンダインに誉められる…!これで…俺様は…人気者!人気者!友達いっぱい!」

とりあえず、この二人どうやって思念会話したのか気になるけど、まあ置いとこう。

 

「…オホン。おい!人間ども!ここは通さんぞッ!偉大なるパピルス様が阻止してやるからなッ!貴たちを捕らえて!都につれていって!そして…そしてッ!」

一拍置き、

 

「あとはどうなるのか知らないけど、」

いや知らねえのかよ。

…まあ、ある意味仕方ないのか。

 

「とにかく、貴様たち…覚悟しろ!ニャハハハハハハ!」

そんな笑い声を上げながらPapyrusは走っていった。

 

「上手くいったな。」

 

「いや何がだよ。」

Sansが言ったが、マジで何が?この場で捕らえなかったことか?…Papyrusならここでは捕らえんだろ。性格的に。

 

「まあまあ、心配すんなって。悪いようにはしないぜ。おいらに任しとけよ。」

 

「…うん、ありがとう。」

っと、Friskが喋った。

歩いていきかけてたSansの足が止まった。…あ、何事もなかったかのように歩いてった。

 

「よし、行くか。」

 

「うん!」

笑顔かわいい。

 

まあ、そんなことを言いながら、次に進む。と、看板が一つあった。そこには、

 

『動くなよ!絶対動くなよ!』

それは動くやつだろ。フリとしか考えられん。ま、動いたら切られるんだけど。

 

「…どういうこと…?」

 

「さあな?ちょっと慎重に進んでみるか。」

で、小屋の前に来たとき、スッ、と犬が出てきた。

Friskの前に手を出し、動かないように、とする。

 

「…何か動いたか?気のせいか?…俺はよ…動いてるものしか見えんのよ。」

それは不便すぎねえか?

 

「動いた奴には容赦しねえ…そう、例えば人間とかな…二度と動かねえようにしてやるぜ!」

と、世界が白黒になり、二刀流(カンフー風の持ち方)のDoggoが立ちふさがった。

 

『*Doggo(ワンボー)に行く手を塞がれた!』

いつもの通りFriskはACTに手を触れ、調べるに触れる。

 

 

「一ミリたりとも動くな!」

と、横から青い剣が飛んできた。…どちらかと言うとスライドされてきたのか。

 

「フリスク、動くなよ。」

 

「え…?も、もう当たっちゃうよ!」

当たりそうになり、Friskは咄嗟に顔を隠した…が、

 

「………あ、あれ?」

さっきまでそこにあったはずの青い剣が通りすぎているのを見て、キョロキョロしているFrisk。

 

『*Doggo(ワンボー)は何も見つけられないようだ。』

と、Doggoがキョロキョロしている間に、Friskがナデナデを選び、頭を撫でる。

 

『*Doggo(ワンボー)を撫でた。』

 

「な!なな!なでられた!」

とまあ、色々言いながら、Doggoは相変わらず青い剣を飛ばす。でも、Friskも分かってくれたのか、動かなかったため、当たらなかった。

 

『*Doggo(ワンボー)は撫でられた。』

そこでFriskがMERCYを選び、色が戻ってきた。

 

『*You win!0EXPと30GOLDを獲得!』

と、Doggoは店(?)から顔だけ出して、

 

「撫でられた…動かねえもんに撫でられたぜ…ダメだ、骨付きジャーキーでもキメて落ち着かねえと…」

と謎の興奮を残して引っ込んでいった。

骨付きジャーキーってなんぞや。そしてタバコみたいにキメるとか言うなよ。

 

「よし、そろそろ進むか。」

 

「…うん!」

あ、やっぱ笑顔かわいい。




お気に入りしてくださった方が100人越えた時点で気絶しました。で、バーの長さが二段階目に入っているのを見て口から魂が出ていきました。で、たくさん感想を書いてくださった通知が来て、出ていった魂から更に魂が出てきました。…どういう状況…?
ともかく!本当にありがとうございます!
…ところでですけど、Doggoって書かれてるのに読み方ワンボーってどういう…?って思いました。合ってますよね?読み方。



では、最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


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パズル

どうもただの謎存在です。

こっからパズルを解いていきますか。というか書いてて思ったんですけど、ああいうパズルってどんな仕組みで動いてるんですかね…?魔法は偉大なりですか。
あ、それと、評価してくださった方はあとがきにのせることにしました。意味は…気分ですかね?



では、本編どうぞ!


Doggoとの戦闘を終えて進んでいくと、Sansがいた。

 

「よう、一つ大事なことを教えとくぜ。」

あ、ちょっとFriskが食いぎみになった。

 

「パピルスは、青い攻撃を使ってくるんだ。」

 

「青い攻撃…?」

Friskの問いに、少しSansは頷き、

 

「ああ。青い攻撃が出たときは、動かなければダメージ受けないぜ。」

と、Friskが小さくあっ、と言った。

 

「お?もしかしてもうどこかで見たか?」

 

「あー、さっきのワンボーにな。青い剣振り回されたけど動かなかったら当たんなかったからさ。」

ま、俺は知ってたんだけどな。

 

「おっと、そうか…もう知ってるんだったら、覚え方とかはいらないか。」

 

「…うん。わざわざありがとう!」

あ、Sansの肩が一瞬震えた。…やっぱ色々あるんだろうな…本来こんなこと言われないわけだし。

 

で、氷の上を滑っていき、看板を読む。

 

「北 氷

 南 氷

 西 氷

 東Snowdin の町……と氷

いや氷て。

…つか言っちまえば結局全方位氷じゃねえか。看板とは。

 

「まあ、全部氷ってことだよね…?」

 

「…あー、まあそうだな。」

 

「あれ、でも向こう道がある…」

ああ、向こうは…雪だるまのいるところか。

 

「行ってみるか?」

 

「うん!」

返事を聞き、つー、と氷を滑っていってゲームだと上の道に進む。すると、案の定雪だるまがいた。

そういや日本じゃ大体雪だるまって二段だけど外国だと三段らしいな。

 

「あの、」

 

「うわ!?」

ああ、まあそうか。普通雪だるまなんか喋んねえもんな。…Ruinsで岩喋ってたけど。

 

「突然話しかけてすみません。僕は雪だるまです。」

 

「え、あ、う、うん…。」

Friskめっちゃ戸惑ってんな…

 

「僕の夢は世界旅行…でも、あいにく僕はここから動けません。…旅人さん、一つお願いしても良いですか?僕の体から雪をとって遠くに運んでほしいんです。」

 

「…うん。良いよ。」

 

「!…よかった…どうかよろしくお願いします!」

そう言うと、Friskに手を出すように指示して、そこに体の一部を崩して乗せる雪だるま君。

 

「…でも、これ溶けないの?」

 

「あー、それは大丈夫です。溶けないようになっているので、火の中に入れても溶けませんよ。蒸発はしますけど。」

どうやら常識の範囲内なら溶けないらしい。現にFriskがずっと手に持っていても全く溶けてないし。…にしても、ちょっとしたジョークとか言うんだな、この雪だるま君。ちなみにだが、雪は一応固体だ。固体が液体を通さずにいきなり気体になるのは蒸発じゃなくて昇華って言うんだが…まあ、そこはいいか。

 

「…あ、でも、どうやって持っていこう…?」

 

「あー、このビニール袋とか入れて問題ないか?」

 

「はい、問題ないですよ。」

その返事を聞いてから持ってきていたビニール袋に雪だるま君の欠片を入れる。と、

 

「…これでよし!」

Friskが周りの雪から雪だるま君の欠けたところを直していた。

 

「あ、そこまでしなくても大丈夫ですよ?」

 

「だって欠けてたらカッコ悪くない?変に欠けてるよりこっちの方がいいよ!」

 

「…何から何までありがとうございます。」

…にしても、この雪だるま君礼儀正しすぎるよなぁ…

 

「…よし、そろそろ行くか。」

 

「うん。じゃあね!雪だるま君!」

 

「はい。欠片、よろしくお願いしますね!」

 

「うん!」

で、Friskの手を引いて先に進む。と、あの最初のパズルが見えてくると同時に、骨兄弟の会話が聞こえてきた。

 

「兄ちゃんは怠け者だッ!一晩中昼寝してたしッ!」

 

「それは昼寝じゃなくて…フツーに寝てただけ。」

 

「またそうやって言い訳ばっかり!」

いや、それは暴論過ぎるぞPapyrus。

とか考えてたら二人がこっち向いた。

 

「ウヒョウ!人間がやってきたぞ!」

おお、テンション上がってるなぁ。

 

「ここは通さん…我が兄と共にパズルを仕掛けてやった!」

自信満々に言うPapyrus。原作通りなら君自身で答え教えちゃうんだよ。

 

「このパズルは中々…ショッキングだ!」

!、とFriskの肩が跳ねた。

 

「何しろその名も…透明ビリビリ迷路!この迷路の壁に触ると…このオーブから強力な電撃が発生するッ!」

どこからともなくオーブと思われる玉を出した。マジでどこにあった。

 

「どうだ!素晴らしいだろう!…もっとも、貴様らにとって、これは悪夢の始まり…余裕をかましていられるのも今のうちだ!」

と、急にPapyrusが歩いてきた。…パズルを解きながら。あれ、そのまま始めてPapyrusが電撃食らってなんやかんやするイベントどうした…?

 

「はい!これ持っててちょうだい!」

と、上にオーブをぶん投げるPapyrus。で、走って戻る…って!このオーブ軌道的にFriskの頭直撃するじゃねえか!

 

「うおっと!」

…なんとかキャッチ成功。ここゲームじゃないからこんなもの当たったら頭割れるぞ…

 

「はーい、じゃあ始めー!」

…で、オーブから前に目を向けたとき、

 

「……あ、」

やっちまった。風が吹いて足跡がほぼ消えてしまっていた。

 

「…フリスク、俺が足跡つけながら進むから、その後から着いてきてくれ。」

 

「え…でも、それだとお兄ちゃんが電気食らっちゃうんじゃ…」

おお、優しすぎかよ。

 

「心配すんなって。死にはしないだろうし、変にフリスクにダメージが入るよりマシだしな。」

…さて、行くか。

えーと、確かここら辺を…あ、ギリ足跡見える。…見えるけど…くそ見にくいなオイ。ここを曲がって…あ、ここから途切れてる。えーと、確かここを左に曲がって…ここを右に…

とその時、

 

バチッ

 

「うぐっ!?」

体を電撃が突き抜けた。

いやバチッとか言うレベルじゃねえよ!?手、ハンマーでぶん殴られたかと思ったわ。というか全身を何かが通ってったわ。

 

「!」

 

「あー、フリスク、俺は大丈夫だから心配すんな。」

…にしても、これで体力が減らないのが不思議でしょうがない。

結局、このあともう一回当たって、オーブを落としながらも何とかクリアできた。まあ、Friskにこんな電撃が当たらなくて良かった。

 

「おお、頑張ったな!安心しろ!こんなところで貴様を捕らえるなどおもしろくないからな!もっと面白いパズルがこの先にあるのだッ!この先で待っているぞ!」

 

「はは…楽しみにしてるぜ。」

 

「ニャハハハハハハハ!」

…口ではそう言っても、俺が電撃食らった瞬間、あ…みたいな顔をしたのを俺は見逃してない。

…やっぱり根が良い奴過ぎるんだよなぁ…

 

「よお、大変だったな。」

 

「まあな。ま、死んでなけりゃどうとでもなるさ。」

 

「…ふーん…ああ、そうだ。パピルスが着てるコスチュームだが…二週間前のコスプレパーティー用に作ったんだ。」

 

「え、サンズが?」

Friskが少し驚いて聞くと、Sansはへへ、と笑って、

 

「いいや、パピルスのお手製さ。」

おおぅ…マジか。あれ多分めっちゃ時間かかったんだろうな…

Papyrusって手先器用なんだなぁ。

 

「それ以来、あれしか来てないんだ。本人いわく、戦闘用ボディらしいけど。」

 

「え、洗濯は?」

 

「ああ、ちゃんとしてるぜ。ま、言っても着たまま風呂入ってるって意味だけどな。」

それ意味ねえよ。

 

「まあ、ほんと……パピルスってイケてるよな?」

と、一瞬Friskと目が合い、二人同時にうなずいた。

 

「へへ…」

Sansはそれだけ言って口を閉ざした。

 

「…さて、そろそろ行くか。」

 

「うん。」

そう返事を聞いて、次のエリアに進んでいく。




よっしゃ、こっから原作壊していきますか!

ピィ様、青木ゆは様、赤飯軍曹様、反葉駄目太郎様、様々な評価ありがとうございます!頑張っていきます!



では、最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


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ナイスクリームと二つ目パズル

どうもただの謎存在です。

遅れました!いや、テスト期間中だったんですよ。でも、それも終わったんで、投稿再開します!
…………え?結果はどうだったかって?

…そんなものを言わせるとは、君も中々残酷なようだね。フフフ…(察せ)



では、本編どうぞ!


そのまま道を抜けてゲームで言う右の道に行くと…見たことのある台車にもたれかかる一人のモンスター。

 

「おっかしいなぁ…なぁんで全然売れないのかなぁ…冷たいスイーツを食べるにはうってつけの気候なのに…」

 

「あ、あの…」

Friskが話しかけた。

 

「おっ!お客さんだ!いらっしゃい!「ナイスクリーム」、おひとついかが?舌はひんやり、心はほっこり、美味しいフローズンスイーツだよ!今だけたったの15G!」

あ、耳が立った。犬かな?青いけど。…いや、犬は上がるのは尻尾か。

 

「どうする?フリスク。」

 

「うーん…二つください!」

え、二つ?俺は食べても体力回復しないぞ?

…いや、でもバタースコッチパイは食ったら回復してたよな…意味わからん。バタスコと飴…何か違いあったか…?

 

「はい、どーぞ!素敵な一日を!」

とかなんとか考えてるとナイスクリーム屋のモンスターが袋に入ったナイスクリームを手渡してくれる。

 

「ありがとうございます!」

 

「うん、気を付けてねー。」

で、俺の手を引いて笑顔で進んでいくFrisk。めっちゃかわいい。

雪玉は一回蹴ったけど穴に気づかなかったのかそのまま素通りしていった。

 

と、

 

「あ、サンズ。」

 

「、よう。おいらもおやつビジネスを始めてみたんだ。「フライドスノー」。5Gポッキリだ。買うか?」

 

「うーん…いいや。」

 

「、だよな。これでもまだ安すぎだがな。お前さんはどうする。」

え、俺?

 

「いや、俺もいい。手をつーか雪って揚げれるのか?」

 

「へへ…さあな?だが、地上にはアイスクリームの唐揚げとかいうのがあるらしいじゃないか。」

どこから来たんだ、その情報。

いや、あるよ?多分。あるけどさ、あれは例外だよ!ただの素人(骨)が簡単にあれできると思うなよ!作り方どころか難しいのかどうかすら知らねえけど!

 

「あー…まあ、不可能じゃないのかもな?」

 

「へへ…」

え、何今の意味深な笑い。

 

「お兄ちゃん、行こ?」

 

「、ああ。」

とりあえず話もそこそこに、Sansの横を通り過ぎる。

…一瞬左目が青く光ってたのは気のせい……だよな?

 

で、そのままゲームで言う右に進むと小屋が二つ、見えてきた。

 

「うん?看板だ…」

 

『匂い危険度レベル

・雪の匂い―雪だるま

危険レベル:白

時々黄色になることも。

・怪しくない匂い―子イヌ

危険レベル:

地面を転げ回る匂い。

・変な匂い―人間

危険レベル:

絶対に始末すること!』

 

うわぁお…マジのやつだこれ。

緑ランクなのに赤で書いてるのは良いとして、始末て…あ、Friskが震えてる。

 

「お兄ちゃん…どうしよう…?」

 

「…大丈夫だって。いざとなりゃあ雪の上を転がり回れば良いわけだろ?心配すんな。」

 

「あ、そっか。お兄ちゃん賢いね!」

あ、天使降臨。

…やべえ、そろそろ自分で言ってて「こいつヤバ」って思い始めた。

 

その後、進むことができないことに気づいたFriskはまた戻って、雪玉を蹴ってると穴を見つけたらしく、そこに入れていた。

ちなみに旗の色は紫。だいぶ雪玉も小さくなってたし。まあ、2G入ったから良いや。

 

「あれ、また雪玉がある……うん?」

ああ、出た。謎すぎる雪の12面体。

 

まあ、そんな謎の物体は無視しつつまた進むと…はい、三度目の骨兄弟漫才師の登場です。

 

「おい人間!覚悟はできてるだろうな…」

Papyrusの頭の上に!マークが出てくる。

…え、マジで実体化してんのあれ…?

 

「兄ちゃん!パズルはどこっ?」

 

「うん?そこにあるだろ?地面に。大丈夫。こいつを突破できるやつはいないぜ。」

うん…普通に通れるんだけどなぁ…でも一応見とくか。

 

『モンスターキッズもじさがし』

『やあみんな!かくれたことばをみつけられるかな?』

 

…ヤバい。Sansがいろんな意味で怖い。

 

「え、どうしよう…?」

 

「…とりあえず二人の所に行くか…。」

一度紙を置き、SansとPapyrusのところに進む。

 

「兄ちゃん!素通りされちゃったよッ!」

 

「あれっ?やっぱり今日の新聞のクロスワードの方が良かったかな?」

いやSans。そういうこっちゃないんだよ。

そういうこっちゃないんだよ。(大事なことなので二回言いました。)

 

「何ぃっ!クロスワードッ?聞き捨てならない失言だッ!俺様に言わせれば…お子さまチャレンジのパズルより難しいものは無いッ!」

 

「え?お前本気で言ってんのか?あんなの赤ん坊用だ。」

 

「よくも言ったな…おい!小さい人間!お前はどう思うッ?」

いやこっち振んな。お前ら二人で解決しろや。…といいたいところだけどなぁ、言うより仕方ないよな。

 

「えっ…く、クロスワード…かな…?」

うん、同感。

 

「何ッ!?大きい方の人間はどう思うッ!?」

げー…どうしようか…まあでも…

 

「クロスワード…かなぁ…。そもそも、そのお子さまチャレンジのパズルがどんなものか知らないんだよなぁ…」

 

「むっ、そうなのかッ!なら、今度解かせてやるッ!そうすればお前達二人もどれ程お子さまチャレンジのパズルが難しいか分かるだろう!ニャーッハハハハ!」

あ、一番平和的な終わり方したわ。これで平和にPapyrusを説得できた。

 

「おお、お前さん、考えたな。」

 

「あー、まあ偶然ああなったと言うか。」

 

「やるな。…ま、パピルスの頭はフツーじゃないからな。…この間なんて星占いを解こうとしてたんだぜ?」

 

「…うん?何それ?」

 

「はは…訳分かんねえだろ?」

もうSansとPapyrusは仲が良いのか悪いのか…いや、少なくともSansはPapyrusの事大好きだろうけど。

 

「ま、知りたいって思うのは良いことじゃないか?少なくとも知らないよりは。じゃあ、またな。」

 

「…………ああ。」

え、何今の間。

 

まあ、もう物言わなくなったSansに気をかけていても仕方ないから先に進むと台が見えた。

Friskはセーブをしてから来る。

 

「あれ、書き置きだ。」

 

『おい、人間!このスパゲティを、食べやがれください!(貴様は知らないだろうが、これは罠だ…まんまと引っ掛かったなッ!食べるのに夢中になって…先へ進めなくなるぞ!またしても偉大なるパピルス様のドッキリにハマったなッ!)ニャハハのハ!

パピルス』

かわいいかよ。敬語も使いなれてないところとかも愛嬌か…。ま、Friskには負けるがな。

 

「…ふふ…」

 

「、どうした、Frisk?」

 

「いや、パピルスも良いモンスターなんだなぁって思ったら、嬉しくなって。やっぱり友達になりたいね…。」

確かにそれには同意する。不器用だが、どこか抜けていても憎めない。そんな奴みたいだからな、Papyrusは。

 

スパゲティは凍っていて机から取れないし、電子レンジもコードがささっていなくて温められなかった。というかそもそもスイッチそのものが全部スパゲッティになっていて訳が分からなかった。でも、何となく嬉しくなった。




ちなみにですが、文字数は大体2500~3000辺りをキープしてます。めっちゃ刻んでますね。
ところで、そろそろご飯粒博士を出したいなぁ~…



では、最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


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真実考察

どうもただの謎存在です。

今回…かなり遅れた上、結構手抜きです。ちょっと…本当に家の方で色々とあったのと、モチベーションの問題で。
まあ、戦闘を完全に書かないとかいうふざけたことをしてガスター(人間)が考察してる感じになってます。
あ、それと!お気に入り登録160人超えありがとうございます!



では、本編どうぞ!


スパゲティの所から進んで、次のエリアに行くと、一つの看板があった。

 

『犬同士の結婚に注意』

意味がわからん。

 

「犬同士の…結婚…?」

ほれみろ、Friskも分かってない。

 

「…とりあえず行くか?」

 

「…うん。」

そう言ってとりあえずまっすぐ進む。

と、背景が白黒に変わる。

 

『*レッサードッグが現れた。』

あ、今出てきたのかこいつ。というか、こいつ絶対レッサーパンダの犬版だよなぁ。

そんなことを考える俺の横でFriskはACTを選択し、調べるに触れる。

 

『*レッサードッグ

 ATK12 DEF2

 

ポメラニガンという素材でできた()()()を装備している。』

ぽ、ポメラニガン…?んでこいつ盾持って鎧着てる割にディフェンス低いよな…

 

「ヘッ、ヘッ、」

と、めっちゃ荒い息しながら突撃してきた。とりあえずFriskの方に走っていったため、Friskを抱き寄せて回避させる。途中跳んだのは結構危なかった。

 

『*レッサードッグは首を傾げている。』

見ると、まるでキョトン、とでも効果音が付きそうに首を傾げていた。

 

「お兄ちゃん、コマンドがナデナデしかない…」

 

「うん?…ほんまや…」

コマンドの調べる以外のところは全てナデナデだった。撫でさせる気満々じゃねえか。

 

ピッ

 

『*少し手を伸ばしただけでレッサードッグは興奮した。』

うわ、ちょっと首が伸びた…ちょっとキモい…

 

「へッ、ヘッ、」

再び突進してくるレッサードッグ。でも、流石にFriskも慣れたのか、危なっかしくなく躱している。

 

『*レッサードッグは興奮してワンワン吠えている。』

名前が黄色になったのを確認して、FriskはMARCYに触れた。

 

『*You win!0EXPと0GOLDを獲得!』

 

「ふぅ…うん?お兄ちゃん、何かスイッチみたいなのがある…。」

Friskに言われて見てみると、確かに雪の中に一つ、赤いスイッチがあった。ああ、針山引っ込ますやつか。

 

「押して大丈夫だろ。おりゃっ、」

と、スイッチはカチッ、と音を立てて押せた。

 

「…よし、進むか。」

 

「さっきのスイッチ何だったの…?」

 

「さあ?先に進めるようにでもなったんじゃないか?」

事実そのとおりです。

と、その時、Friskが不意に俺の裾を引っ張った。

 

「…?どうしたフリスク。」

 

「お、お兄ちゃん…トイレ…」

…あー…ここでか…どうするよ、これ。…雪の中で、か…

 

「ちょい待っといてくれ。」

雪をすくって積み上げ、Friskがしゃがんだら隠れるぐらいにしておいて、中をちょっとだけ掘る。

 

「フリスクー。悪いが、ここしかねえわ。ちょっと寒いかもしれんが、我慢してくれ。俺は向こう向いてるから

終わったら積んでる雪を崩せば跡は残らないだろ。」

 

「う、うん。」

で、Friskはパタパタと走っていった。

 

しかし…トイレか…あれ、トリエルさんの家ってトイレあったっけ…?

いや、無いわけないよな。気付かなかっただけだろ。そもそもトイレが無いって事はモンスターたちは食べたものを完全にエネルギーにしてるとか言うことになるし…………うん?

 

待て。

 

 

 

グリルビーズの中で…モンスターの食べ物は食べられた瞬間に100%エネルギーに変わる、って言われてたよな…

 

 

 

それは、食べ物の話なのか?()()()()()()()()()って事は、食べる側の者はモンスターのはずだ。

ただ、ここにいるFrisk。排泄もしてるって事は、少なくとも100%エネルギーに変わってる訳じゃない…しかも、

 

「回復アイテム…食べた瞬間に回復してた…」

 

「お兄ちゃん?」

どうあうえええええええ!?

 

「お、おう、終わったか?」

 

「うん。何か考え事してた?」

 

「あ、ああ。でも、大丈夫だ。よし、先進むか。寒いし早くここ出たい。」

 

「うん!」

 

……………考えるのは後か…ただ、やっぱ気になるよな。

 

で、道を戻って下の道を進み、少し開けたところに出た。と、前から2匹、斧を持ってフードを被った犬が出てきた。物騒すぎだろ。

 

「…何かニオうっス。(ニオイの元はどこサ?)」

いきなり出てきた不審者、もとい犬が周りを嗅ぎ回り始める。

 

「ニオイのもとに告ぐッス…(…正体を表しな!)」

そう言い、俺たちの周りをぐるぐる回り始める。

で、元の位置に戻ってきて…

 

「ウム…ニオイの元はここっす!…“マーク”したくなるッス…(“マーク”してやるサ!)」

 

で、世界は白黒になった。

 

でも、正直言ってほぼ全くと行っていいほど身が入っていなかった。言えば、ほとんどその内容も覚えていない。その時の考えていたことといえば、やはり、()()事だ。

 

 

つまり、Friskは人間であると同時にモンスターでもあるんじゃないか、といったところだ。

食べ物を食べてすぐに回復する体力、それでいながら、地下にはいなかったし、排泄をするってことは100%食べ物がエネルギーになってる訳じゃない。

 

でも、何故?

 

正直、Friskがそこらへんにいるモンスターと同じだとは考えづらい。

これは身内贔屓かもしれないが、そもそもそんな感じは全く無かった。人間に対して何か嫌だ、と考えているわけでもないし、敵対しているわけではない。その上、逆にモンスターに襲われている立場だし、見た目だって人間だ。思い当たるモンスターがいない。

 

ただ、一種類のモンスターを除けば。

 

モンスターと言っていいのかどうかは少し不明だが、1人、思い当たるとすれば…Chara(キャラ)

Gルートで出てきたFriskの第二人格的存在で、ファーストヒューマン。

あいつは…まあ、中々凄惨な過去を持っていると考えられると同時に地上の人間を皆殺しにしようとしたなかなかヤバい考えの持ち主だ。

Friskの第二人格的存在と考えるならば、今もFriskの中にいると考えるのが妥当だろう。何故そこにいるのか、はさておき、その魂がFriskに宿るってことはすでに死んだ存在…確か、Charaは最終的にAsriel(アズリエル)に魂を吸収され、そして人間に殺された。その魂がFriskに宿ってるとするなら…その魂はCharaのものとAsrielのものが混ざってるはずだ。

 

…そういえば、Nルート、バリア関係なく通り抜けて帰ってたよな…あれ、

 

 

 

マジでFrisk半分ぐらいモンスター?

 

いや待て、そうなると、俺、バタースコッチパイ食って体力回復したよな…?え、じゃあ俺も?

…いや、魔物の飴を食ったときは体力が回復しなかった…うん?どういうことだ…?体力の回復と怪我の回復は違うのか?いや、バタースコッチパイで体の傷どころか服の傷まで直ってた。

 

 

…だーーーもう!訳分からん!

ただ、バタースコッチパイで回復した以上、俺も少しはモンスターである可能性が高いよな…じゃあ何の…って考えると…やっぱりGast

 

「Hey!!」

 

「っ!…あ?サンズ?」

 

「ったく…大丈夫か?えらくボーッとしてるじゃないか。」

 

「…あ?え、ここどこ…?」

 

「…お兄ちゃん…?本当に大丈夫…?何回話しかけても上の空みたいだったし…」

…あ、ここSansが二人出てくるところだ。…って事は俺イヌカップル戦とあの飾り付けされたトナカイ戦どうやってたん…?

 

「…イヌッスさんとイヌッサさんとギフトロットさんもちょっと心配してたよ?「何かずっと考えてるみたいだけど、怪我するよ」って。」

…無意識に避けてたとか…怖。

 

「あ、ああ…気をつける。」

 

「全く…そんな上の空でやってたらそれこそボロが出るぜ?………あぁ、あと…Gaster、ちょっと来てくれ。ガキンチョは…ちょっと待っといてくれ。」

 

「?あ、ああ。」

 

「うん…?」

…何の用だろうか…。




…はい、こういう感じです。
まず、遅れた理由は前書きのとおりです。
次に、どうやってこれを書いてるか、ってことにもなるんですが、僕自身、Undertaleは本当に全くしたことがありません。パソコンがお釈迦になっており、かつPS4やらSwitchやらという携帯系ゲーム機も持っていないため、YouTubeの動画を参考にして書いているのですが、そのため、進み方が同じ物を見たことがあったりすることもあるかと思われます。
(Undertaleの知識もYouTubeでしか入ってません。)
また、アプリを行ったり来たりしているため、戦闘描写のセリフ、アナウンス、行動がおかしいところも多い上、まあ、言ってしまえばかなり面倒な作業になるわけです。そのため、今回のような形で飛ばすことも多くなるかもしれません。あ、主要な戦闘は流石に飛ばしませんよ。
そこをご了承ください、という内容の言い訳でした。



では、最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


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問答 乱入

はい、どうもただの謎存在です。

れ、連投稿いった…!
まあ、ここは原作全く関係ないんで想像力大爆発させて書いただけなので。はい。



ではでは、本編どうぞ!


《Sans side》

「…よし、ここら辺でいいか。」

あの光るキノコ(?)と開かないドアの所まで人間を誘導し、そこで振り返る。

 

「…お前さん、何を考えていた?おいらが見た限りじゃ相当深刻な考え事だと思うんだが。」

 

「ッハハ…バレテーラ。」

 

「…その内容によっては俺はお前に審判を下さなきゃならねぇ。」

…もし、ここから虐殺でも始めようってんなら尚更だ。まあ、本題はこれじゃないが。

 

「っ…急に目を発光させるのやめてくれませんかねぇ…心臓に悪い。別に変なこと考えてるわけじゃねえよ。…ただ…一つ、聞きたいことがある。」

ほう?

 

「何だ?」

 

「…何処かで、モンスターの食べ物は食べられた瞬間に100%エネルギーに変わる、って聞いた気がするんだが、それって本当の事か?それとも俺が何かで聞き間違えただけか?」

……うん?…何が言いたいのかいまいちよく分からないな…

 

「…ああ、その通りだ。正確には、モンスターが物を食べると、なんだが…それがどうかしたのか?」

…いや、言いたい事はある程度分かった。つまり…

 

「いや、お前はあのクソガキが何かを食べて回復するのに違和感を感じてるのか。」

 

「………ああ…」

うん?どうした。何を考えて…あ、

 

「何でお前は見てないはずなのにフリスクが物を食べて回復する、って知ってるんだ?」

っ!やらかした!おいらとしたことが…!

確かに、若干あやふやではあるがGルートの記憶は残っている。そりゃ何十回と繰り返されれば記憶も鮮明になってくる。その上、他のルートも通られてるから数は恐らく500を下らないだろう。その間であのクソガキは何回も食べ物を食べて回復してたが…そうだ、この世界ではまだ一度も見てない!

 

「……必然…か。」

 

「あ?」

 

「いや、何でもない。」

なんか言ってた気がしたが…気のせいか?いや、それより…

 

「それより、本題だ。」

 

「、まだ本題じゃなかったのかよ。」

 

「ああ。…弟の事だ。」

 

「?パピルスがどうかしたのか?」

 

「この頃妙な夢をよく見るらしい。それも中々リアルなんだとよ。」

 

「妙な夢…ね。それがどうした?」

 

「…何でも、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()らしいんだな。」

 

「っ!?」

言った瞬間、あいつのsoulを青くし、地面に叩きつけ、骨を突き出す。それをこの人間はぎりぎり躱す。

 

「…ほう?よく避けたな。()()()()()()()()()()()()()()()。」

 

「………」

なあ?

 

「元プレイヤーさんよ?」

 

「っ!?…何の話だ…?」

 

「白を切っても無駄だぜ。…っと、」

一応、逃げられないように壁に叩きつけ、人間の体に青骨を大量に突き刺す。

 

「動くと実体化するのはお前も知ってるはずだ。逃げようとなんてしたら体が貫かれるぜ?」

 

「っ…」

 

「答えろ…お前は()()()?」

 

「…ただの人間、と言えるのかちょっと微妙だが…少なくとも…ただのあの子…フリスクの兄、さ。」

 

「…ただの人間とは言えるのか微妙、とは?」

人間なら人間と言えばいいだろうに…

 

「…バタースコッチパイを食って俺の体力も回復した。」

 

「っ…!?」

 

「さっきの質問から繋がる答えだ。ただ、魔物の飴を食っても回復しなかった。」

 

「…何…?そいつは…何故だ?」

 

「んなもんこっちが聞きてえわ。お陰で考察が捗る。」

へへ、と言って目の前の人間は笑う。

人間…なのか?見た目は完全に人間だ。だが、人間が食べ物を食べて回復するってのは…いや、今までのやつもそうだったからもしかすると何かsoulに秘密が…?

 

「…じゃあ、少し戻るが質問だ。」

…相手が何であろうと、これは聞かなきゃならない。

 

「お前は、元プレイヤーか?」

ガスターブラスターを出し、エネルギーを収縮させ、いつでも発射できるようにする。と、

 

パァン!

 

「!?」

ブラスターが消えた。

 

あまりいじめないで頂きたいのだが?

 

「っ!」

一角から煙のように、黒い服を着た何者かが現れた。

 

 

 

 

《Gaster(人間) side》

うおああぁぁぁぁ!Sansブチギレ案件じゃねえかァァ!

元プレイヤーかどうかまでこいつ突き止めてんのかよ…いや、多分黒だろうな…さてどうする…冷静にいるみたいに取り繕ってるけど目の前でガスブラ発射用意してるし…青骨で俺動けないし…あれ、

 

 

 

俺詰んだ?

 

 

とか思った瞬間、ブラスターが弾け飛び、黒い研究服に白い顔面の、ご飯粒博士もといGasterさんが出てきた。…あれどうやって出てきてんの…?

 

「っ!」

 

『GasterBrasterの開発者は私だ。それを操るぐらいどうってことはないだろう?』

 

「っち…何しに来た…あんたが出てくる事なんてそうそうないだろ?」

Sansはやっぱ知ってんのか…あれ、死んだことに関しては触れてない感じ?え?

 

『ああ。何もないなら、ね。これ以上彼をいじめるのはやめてあげてほしくてね。こうして久しぶりに出てきた訳だよ。』

 

「…全く…あんたの考えてることは前々からさっぱり分からないな。」

と言ってSansは俺から青骨を抜く。

 

「ほれ、これで良いか?」

 

『ああ、手を煩わせたね。………君も中々面白い事情を抱えてそうだね。それじゃあ、』

とまで言うとGasterさんは黒い煙みたいになって消えた。

 

「……はぁ…意味が分からない。何しに出てきたんだあいつは…」

目の前でSansが俯き、目のあたりに手を当てて首を振る。

 

「…話は終わりだ。戻っていいぜ。…ただし、」

Sansの目のなかが真っ暗になり、脅すような思い口調で言われた。

 

「虐殺なんか選んだ時は…

 

 

 

 

 

 

          容 赦 な く 殺 す ぜ ?」

 

「…選ばねえからお前に殺されることはないかな。」

 

「へへ、その言葉、忘れんなよ。」

とだけSansは言い、ヒュッ、と消えた。瞬間移動か。

 

「………っ怖かったあぁァァ…」

そのまま力が抜けて座り込む。

 

「……にしても…ガスターさんとか言いにくいよな…俺もガスターさんだし。ガスター…がす…がっさん…よし、博士って呼ぼ。」

俺の頭にはネーミングセンスは宿ってないと判断して俺は何とか立ち上がり、Friskの所に戻った。

 

 

 

《Gaster博士 side》

……面白い人間だ。彼女とはまた違う面白さがある。

にしても…恐らく、Sansの言っていた元プレイヤー、は当たっている。彼は元プレイヤーだ。あの反応を見る限りは虐殺も行っているし、平和ルートも通っているはずだ。…それにしても…少し妙だ。さっきの会話からするに、彼女と彼はモンスターでも人間でもある、と言うことになる。

 

人間がモンスターの魂を取り込んだ前例は無いはずだ。

 

また、取り込めばどうなる、という情報もない。

 

そもそも…

 

「原点に戻れば、あの二人は何者なのだ…?」

彼女については少しは分かる。

しかし彼。今までいなかった彼女の兄。それに、Determination(決意)Integrity(誠実)などとは違う今までにない、言うなれば第8…いや、第9の人間(Nineth human)第9の魂(Nineth soul)

 

………本当に面白い者が紛れ込んだものだ。




さあSansと博士に元プレイヤーだと気づかれた!どうするよ!これどうするよ!
次からはちゃんとストーリーに戻します。
ヨピ様、高評価ありがとうございます!



では、最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


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グレータードッグ

どうもただの謎存在です。
グレータードッグ戦…と、吊り橋のやつの初めの方です。
ちょっと区切るところが中途半端になりそうだったので若干短めです。



では!本編どうぞ!


「!お兄ちゃん!大丈夫だった?」

 

「ああ、問題ない。おし、先進もうぜ。」

 

「うん!…あ、この先何かあった?」

 

「いや、妙な扉と光るキノコがあった以外は何もなかったな。戻るか。」

 

「うん。」

そんなやり取りをして来た道を戻る俺とFrisk。

…あれ、というか、俺ここまで全部無意識でやってたって事は戦闘含めてあのマルバツパズルも?カラータイルパズルも?……やらかした…

 

で、元の場所に戻って奥の道を進む。と、

 

「何これ…?…雪まんじゅうだって!」

 

「…まんじゅうにしてはでかくないか…?」

横のデカさがFriskの身長の3分の2ぐらいあるんだが。…これをまんじゅうというのはいささか無理が無いか…?

 

「…おまんじゅう食べたいなぁ…」

あ、そっちか。まあ可愛いから良し。

 

「じゃあ外出たら買うか、まんじゅう。」

 

「!うん!」

あ、満面の笑みになった。

…っと、そういやここ、あの登場の仕方がショッキングな犬が出てくるとこだったな。と、

 

「あ!」

一番奥の雪まんじゅうの中から犬が顔と尻尾を出した。

と同時に、ゴゴゴ、と音を立てて雪まんじゅうを粉砕して鎧を着た犬が出てきて背景が白黒になった。ついでに一気にFriskの顔が

「(''°д°)」

で固まった。

 

「…おーい、Friskー?」

 

「はっ!あ、うん!」

帰ってきたらしい。良かった。

…俺も似たような感じだったんだろうか。

 

『*Graeterdog(グレータードッグ)だ。』

こいつ…何気に難しいんだよなぁ…ちなみにPルート行こうとして俺こいつに3回やられたんだよなぁ…いい思い出です。

 

ピッ

 

Friskは迷わずACTに触れ、調べるを選択する。

 

『*グレータードッグ

ATK 15 DEF 8

興奮しすぎて戦いと遊びの区別がついていない。』

相変わらずだけどさ…レッサードッグ然り、こいつ然り、鎧着てる割にDEF低いよなぁ…

で、ワン!という文字そのものが飛んでくる。…これ当たったら痛いんかな?

 

ピッ

 

あ、無視したのか。いきなりな事するなぁ…

 

『*グレータードッグは少しだけ近づいてきた。』

ちょっとだけグレータードッグが進んでくる。来るのはいいけど槍と籠手、こっち見んな。

と、青と白に点滅する槍を横薙ぎに振るってくる。青になったところに滑り込んでやり過ごす。

 

『グレータードッグは可愛がってほしいだけだ。』

 

ピッ

 

で、少し迷ってからFriskはナデナデを選んだ。

 

『*グレータードッグはなでられると膝の上で丸くなった。…グレータードッグはすっかり眠ってしまった…』

うお、あのデカさでこっちに来ると迫力あるなぁ…

 

『*起きた!めちゃくちゃテンションが高い!!』

いや、テンションが高いのはアナウンスしてるお前もだろ。急に声のトーン一段階上げんな。

で、またわんわんが飛んでくる。っと、

 

「危ねっ!」

結構目の前に出てきた、わんをサバイバルナイフの背で叩き落とす。しかも声のくせにガン!って音したぞ…それより声を叩き落とすってどういう状態…?Friskは…問題ないらしい。

で、またちょっと悩んで遊ぶ、を選択した。

 

『*あなたは雪玉を投げて取ってこさせようとした。とってこーい!…雪玉は地面に落ちて砕け散った。…グレータードッグはあたりの雪をかき集めるとこちらへ差し出した。』

いや多いわ。何をどうしたらFriskの手のひらサイズの雪玉がちょっとした山を作る量の雪になるんよ。

 

『*犬はくたくたになった。お腹の上に頭を乗せてきた。』

と、ちょっとフラフラしながらFriskにもたれかかった。大丈夫?

とまあそれより…あの状態で避けれるのか…?

と考えていると槍が飛んできたため、Friskに行き着く前にナイフで防ぐ。

そういや、よく考えればあの寝る弾幕は動かなければ攻撃来ないやつだったよな。

 

『*犬はスキンシップを求めている。』

で、Friskは何とか腕を動かしてナデナデを選択する。

 

『犬をなでた!

犬は全体重をかけてのしかかってきた!動きにくい…しかし、まだまだなでたりない…』

うっわあれほんとに大丈夫?グレータードッグって何気に身長、Friskの2.5倍ぐらいあるぞ?

まあ…あれじゃあ避けようにも避けれないよな…

 

「フリスク!止まってると攻撃が来ないみたいだからじっとしててくれ!」

 

「、わ、分かった!」

 

『*なでなでゲージは現在40%。』

何だなでなでゲージって。

って思ったら目の前に白の枠と緑のゲージが出てきた。あれ、こんなのゲームになかったよな?いや、多分これがなでなでゲージなんだろうな…なんやねんこれ。

 

ピッ

 

で、Friskは再び何とか腕を動かしてナデナデを選んだ。

 

『*最後の一なでを決めた!なでなでゲージは100%に達した。犬は前足を放り出し、覆いかぶさってきた!』

更に体勢変えて覆いかぶさるグレータードッグ。

あー、Friskよだれでベタベタになってんな…タオル…あったかな?…あったあった。

 

『*グレータードッグは満足した!』

それを聞いてからFriskはMARCYに触れた。

 

『You win!

0EXPと40GOLDを獲得!』

 

で、周りに色が戻ってきた。

と、グレータードッグは鎧から抜け出してFriskの前でキャンキャンと吠え、鎧に頭から戻っていった。

 

…頭から。

 

「あれ…あのワンちゃん一匹で動かしてたんだ…というか頭から入っても動くんだ…?」

 

「まあ…魔法なんてものがあるわけだし、いけるんじゃ…ないか?」

いや、どう考えてもすごいことになってるけどな。あの犬、鎧の三分の一も大きさなかったぜ?

 

「それより…ほい、フリスク。顔拭くぞ。」

 

「!ありがとう。」

わしわしと顔を拭いて、ついでにちょっと服の方も拭いておく。

 

「…っし、これでよし。そろそろ先進むか。」

 

「うん!」

次…ああ、吊り橋か…

えらく長い吊り橋を渡っていく。というか、結構普通に歩いてるのにこの吊り橋全く揺れないんだけどどういうこと?

とか考えていると、骨兄弟が見えてきた。

 

「!いいか!人間!最後のゲームだ!こいつはこれまでで一番危険だぞ!」

 

「見ろ!「恐怖の死刑執行マシーン」だ!」

名前ェ…安直すぎてFriskが顔真っ青にしてんぞ。オブラートに包まんのかオブラートに。

と下から大砲、槍、火炎放射器が、上から鉄球、槍、犬が吊るされて出てきた。

………犬の場違い感がエグい………

 




あれ、ほんとになんで犬吊るしたんでしょうね…一番意味がない気がします。

やる気マンゴスチン様、評価ありがとうございます!



では、最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


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最後のパズルのイレギュラー&スノーフルの街

どうもただの謎存在です。

また遅れました!いや理由…というのは完全に私的な理由なんですが、匿名投稿の方がかなり盛り上がってしまいまして…
また、こちらもやっていきます。



では!本編どうぞ!


「俺様が一言、「やれ!」と合図すればたちまち動き出すのだ!大砲が発射され!槍が突き刺し!ナイフが切り刻むのだ!」

うわぁ…正直今までのとレベルが違う。透明ビリビリ迷路は間違っても死にはしないし、カラータイルパズルも同様。マルバツパズルに至ってはダメージどころかちょっと頭が疲れるぐらい。いつにも増して殺意マシマシやないかい…あえ?というかそもそも、ナイフどこ?

 

「すべての凶器が容赦なく貴様らを攻撃するぞ!この仕掛けを生きて突破するのはまず不可能!」

まあ、そうだよな。……そちらがためらったりしなければ。

 

「覚悟はいいか!」

 

「いや、ちょっと待っ…」

 

「良いな!」

 

「さっきの聞き文句は何だったんだ…」

 

「いっせーの……ほんとにやっちゃうからな!」

が、いつまで経っても作動しない。最後に聞いてくれるあたり…ね。

 

「…動かないぜ?故障かな?」

ちょっとSansが煽る。

 

「失敬な!今…合図するところだ!」

…でも、動かないんですよねぇ…

 

「…まだ?全然動いてるように見えないぜ?」

 

「っぐぬ…」

と、その後のセリフが続かなかった。

あれ?たしか何か「このゲームは安直すぎる!」みたいな事になって、装置が引っ込むんじゃなかったっけ?

 

「………………………()()!」

 

「っ!?」

まさか、合図をした。と同時に6方向からゴウン、と音がする。

まずいっ!このままじゃ…せめてFriskだけでも守らねえと!

Friskを抱え、後ろに跳んで機械に背を向け、抱きしめる。と、

 

ガガガガ!ドンドォン!ザザザザザ!ゴオォォォォ!キャンキャン!

 

と音が聞こえる。

しかし、体力も減らないし痛みもない。と目を開けると…

 

「っ!?まただ…」

あの黄色い壁が丸の状態で俺とFriskを包んでいた。ついでに何故か犬もいた。

が、俺たちは大丈夫でも橋の耐久が問題で…

 

「あっ、」

短くFriskが声を漏らしたと同時に橋が壊れ、俺とFriskと犬は落ちていった。

 

くそ…!どうする…!どうする…!!この状況で助かるビジョンが見えねえ…!そもそも、こんなシーンなかったはずだ…何が…いや、十中八九例のゲームとの差異だろうな…くそ…ここが現実なのをすっかり失念してた!考えろ…!多分このまま落ちたら死ぬ!

と、

 

やれやれ、世話がやけるものだな。

ふとピポピポいう雑音にまじって声が聞こえ…

 

Inversion.

その声と同時に視界が反転し、()()落ちていった。

 

「っ!」

チャンス!と橋の切れ目を掴み、なんとか戻る。橋壊れたのに元みたいに形維持してるのなんでだろうね。

と、重力が元と同じように戻る。

 

「何ッ!まさかクリアしたというのかッ!」

 

「この野郎死ぬかと思ったわ!」

ふと横を見るとFriskがだいぶ疲れて、でも安堵した表情で座り込んでいた。

犬も助かってよかった。Friskの横でスリスリしている。そこ代われ。

 

「ぬぬぬ…この勝負は貴様らの勝ちのようだな!ニャ!ハ!…ハ?」

そのまま走っていった。犬も、ついて行った。というか最後なんで疑問符なんだ。

 

「…フリスク、大丈夫だったか?」

 

「だ、大丈夫って言えるのかわかんないけど…お兄ちゃんが守ってくれたからね!」

いや、違うんだFrisk。助けたのは俺じゃねえんだよ。…でも、これ言うわけにいかないからなぁ…

若干苦笑いする。

 

「立てるか?」

 

「だいじょ…あれ、んっーー…た、立てない…」

ああ、腰抜かしたか…

 

「ほっ、と。」

 

「わわっ!」

おんぶした。腰抜かしたら当分立てないだろうしな。…よく俺無事だったな。というかFrisk軽っ。

 

「よう、大変だったな。」

 

「大変で済むのかどうか…」

 

「まあまあ、おいらにも次何をするのか分からないからな。おいらが言うことといえば…青い攻撃の事を思い出せ、って事だけだな。」

 

「…オーケー。ご忠告ありがとな。」

この青い攻撃は青骨の攻撃のことじゃなくて多分soulを青くする攻撃のことなんだよな。

 

で、それっきりSansは何も言わなくなった。

 

「…よし、行くか。」

 

「うん。」

背中からの返答を聞いて、次のエリア…スノーフルの街に行く。

 

やっぱ…何だ、非戦闘区域だからか若干張ってた気持ちが和らぐな。…まあ、この先はパピルスとのバトルがあるわけだけど。

だいぶイレギュラーなことが起こってるからなぁ…最後のスペシャル攻撃も普通にやられるかもしれん。ガスブラだったよな。どんなやつなんだろ。

 

と、旗が見えた。

 

《ようこそ!スノーフルの街へ!》

 

「っし…フリスク、どうする?」

 

「ん〜…まず手前のお店に入る!…あと、もう立てるよ。」

 

「、そうか。じゃあ下ろすぞ…っと。」

よいしょ、とFriskが背中から下りる。

で、手前の店に入る。

 

「おや、いらっしゃい。なにか探しものかい?」

と、Friskがまず話しかけた。

 

「スノーフルの街へようこそ!この街によそから人が来るなんてずいぶん久しぶりだねぇ。どこから来たんだい。みやこかい?観光客って感じじゃないけど…二人で?兄妹かな?」

 

「は、はい…」

うわすごい喋るやん。気圧されたぞおい。

 

「あの、何がありますか?」

と聞くと、商品を見せてくれた。あ、バンダナ発見。

 

「これください。」

 

「これかい?50Gだよ。…はい、ありがとね。」

お金を渡し、Friskが少し話すのを見届けてから店を出た。

 

「よし、フリスク、ちょっと止まってくれ。」

 

「うん?」

で、スカーフみたいにFriskの首にバンダナを巻く。

 

「よしできた。さて…どうする?」

 

「じゃあ、色々見て回ろう!図書館とか宿屋さんとかあるみたいだし!」

 

「ああ、分かった。」

 

この後、隣の宿屋に行き、部屋を借りた。

80Gな…二人だから2倍とかになってなくて良かった。人によっては体力回復するだけなら宿の前のセーブポイントでいいじゃん、とか言うかもしれないけど、宿屋に泊まると体力上限突破するからね。

それに、今はゲームの中じゃなくて現実世界。やっぱり睡眠欲とかってあるんだよね。

 

まあ、その後は下の方の道に行って、ツリーのところにいる熊?のモンスターと話をして、GiftRotの話だなーと思い、MonstarKidと会って話をしたり、グリルビーズであのセリフを言われて現実を再認識させられて、グリルビーズを出た。

 

「楽しかったね!」

 

「ああ。色んな話も聞けたしな。さて…そろそろ宿屋に戻るか。」

 

「うん!」

…とは言ったものの、やっぱり疲れていたようで…

 

「んん…」

 

「フリスクー、大丈夫かー?」

歩きながらコクコクなっている。本当に大丈夫?

 

「…うんん……。」

うん。流石にこのまま連れて行くわけにいかないね。おんぶをして、宿屋に戻った。

 

「、おかえりなさい…あら。」

 

「疲れて眠ってしまったみたいで。」

 

「そうですか。…ふふ、ゆっくりしていってくださいね。」

…そういえば地下世界にも生首饅頭っているんだろうか。Tolielさんも言ってたしな…

 

とりあえず、Friskはベッドに寝かせておいて、俺は…少しやる事があるな。…別に妙な事をするわけじゃない。とりあえず外に出る。

 

…さて、

 

 

 

「何の用だ?フラウィー、サンズ。」




はい、多分次の次辺りはパピルス戦になるかと。次?…さあね?まあ、一つだけ言っておくと無事に始める気もなければ無事に終わらせる気もない、とだけ。

零雪様、黒百合、かぶり防止様、高評価ありがとうございます!
そして評価バーが再び赤になり…UAさんが10000人を超えました!本当にありがとうございます!感謝感謝です!
近々ガスター(人間)君のイラストを描こうかと思っています。



では、最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


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因縁

どうもただの謎存在です。
シリアスのような何かです。シリアス…ではない気がする。
あとずっとサンズ視点です。



では、本編どうぞ!


《Sans side》

「何の用だ?フラウィー、サンズ?」

…ちっ、気付かれてたか…

 

「用ってほどじゃねえよ。」

 

「…にしてはここ…というかスノーフルの街に入ってからずっと着いてきてたみたいだが。」

こいつ、後ろに目でもあんのか?

 

「あーあ、バレちゃった。」

 

「お前もだろ…わざわざお前なんかと手なんざ組みたくねえってのに…」

これはこのクソ雑草が言ってきたことだ。

「あの人間、何をしようとしてるのか分からない。ただ、Playerの可能性が高い」とかなんとかな。こいつはあのクソガキと同じ位気に食わねえが、言っていることは俺の考えと同じだった。だから一時だけ手を組んだんだが…

 

「なんで気付いた?オイラはショートカットを使ってたし、この雑草は地面の中からひょっこり出てくるだけだ。目が合った感じはなかったが?」

 

「勘…かな。」

勘?ふざけてるのか?

 

「一つ言うなら、やたらと俺達が通ったところの茂みに痕跡が多かった。足跡やら小さめの穴、とかな。宿に戻るんだから道を戻ることも分かるだろうに。」

…なるほどな。何でそんなところにまで目が行くんだか。

 

「…あのときはあいつに邪魔されたからな。もう一度だけ聞こう。」

俺は骨を、雑草は種を取り出し、構える。

 

「 お 前 は 、プ レ イ ヤ ー か?」

 

「っ………………はぁ…聞くまでもないんだろ?」

少し俯き、ため息をついて人間は答えた。

 

「……認めるのか。」

 

「事実だしな。」

 

「…ふん、正直に言ったら何とかなるとでも思ってんの?」

と、雑草が言うが、人間は…

 

「思ってると思ってんのか?その程度で俺を逃がす気がないことぐらい分かる。」

…本当に分からないな。何がしたいんだこいつは?

 

「…そうだ、一つ聞きたいことがあるんだが。」

ふと人間が言った。

 

「…何だ?」

 

「…この世界は、お前らが覚えている限りで何回繰り返されてる?」

…あ?本当にこいつは…話の意図が見えない。そんなもの聞いて何になるんだ。

 

「数え切れる訳ない量だね。百や二百なんて数じゃない。それこそ多分数千回行ってるね。」

 

「…数千…マジ?」

 

「そうだな…おいらはある程度感じられるぐらいでしかないが、元セーブアンドロード持ちのこいつが言うならそうなんじゃないか?おいらが感じるのも…まあ、五百は行ってる、といったところか。」

と、人間が大きく目を見開いて再び俯いて首を振り、またため息をついた。

 

「はぁ……マジか…よくそれで精神が壊れなかったな…」

 

「…オイラはもうほとんど諦めてるからな。」

 

「僕はソウルレスだしね。」

 

「…さらっとそういうこと言うなよおい……なあ、話はちょっと変わるが…

 

 

 

 

この世界をセーブアンドロードから外させれる、と言ったら信じるか?」

 

「っ…!?」

 

「…デタラメ言うな!」

と、雑草が弾を高速で撃ち出す。その弾は真っ直ぐ人間を撃ち抜いた。

 

「かはっ…っつ…ゲホッ、ケホッ…話ぐらい聞いてくれよ…」

今ので体力が5分の1ぐらいやられたな。何気にこいつ強いんだよな。

 

「セーブアンドロードからこの世界を外す?つまりこの世界を助けるって言いたいの?

 

 

 

なら何でこの世界を壊しては作り直してなんてことをしたのさ!」

 

「っ…それは…」

 

「たかがゲーム、たかがキャラクター、だろ?」

 

「………」

ま、だろうな。大体はわかる。多分Playerってのはこいつみたいなやつばかりなんだと思う。遊ぶだけ遊んで、壊しては作り直して、物だと思っているからこそそういう扱いになる。

 

「……そうだな…たかが…まさにその通りだ。しっかりGルートまで行ったんだしな。」

ふと人間が話し始めた。とりあえず雑草は抑え込んどくか。話も聞けないと先が見えなくなる。

 

「だが、ここに来て、モンスターたちの存在を認識して、思ったんだ。俺何やってたんだろうな、って。殺す理由なんてないのに攻撃して、ゲームはこういうものだから、ってEXPをためてLOVEを上げる。馬鹿だと思ったよ。」

 

「だからって急にそんな態度にするのかい?身勝手すぎない?」

 

「身勝手だよ。そんなもの百も承知さ。 Playerの時からずっとね。だから世界を救う、なんて大義も大きな事はない。俺が『やりたい』って思ったから。それだけに過ぎない。ま、所詮エゴだな。」

 

「………本当に救えるのか?この壊れ切った世界を。」

本人もそうは言っている。だが、どうであれ、本当にここを救えるのであれば…

 

「…とは言っても、まだ仮説段階。確率はかなり高いけど、万が一もある。それに…ちょっと代償がキツイかも。」

 

「代償?」

 

「少なくともあと一回はリセット、またはロードしないといけない所かな。記憶がある程度残る身としてはかなりきついと思う。」

……なるほどな。

 

「……どのルートで行く気だ?」

 

「まあ普通N→Pの順番だろ。ちょっとフラウィーには荷が重いかも。」

 

「……ふん。もう好きにすればいいよ。ただし、容赦しないから。お前なら知ってると思うけどさ、僕がソウルを7つ取り込めばそんなの関係なくなるんだよ。」

と、雑草は引っ込んでいった。やれやれ…

 

「…それもヤツの掌の上なんだけどな…」

ボソッと人間が呟くが、俺はそうは思わんな…第一、それがPlayerの手のひらの上だってのは()()もよく分かってるはずだ。と、なると…今まで以上の()()を隠してる可能性が高いか。…ま、どうせ後々こいつも気づくだろ。

 

「…で?どういう作戦なわけだ?」

 

「仮説段階って言っただろ。どうしても知りたかったら…博士にでも聞いてみたらどうだ?面識あるんだろ?」

博士…あぁ、Gasterの事か…

 

「そんな頻繁に会える相手でもないな。向こうの気分次第だ。…お前からは教えてくれない、って事か。」

 

「まあね。あんまり仮説は口に出したくないんだ。」

 

「あいつと似てやがる。」

妙な所が似てやがるな、こいつ。

俺はこの人間を信用している訳じゃないが、個人的になんとなくあいつと重なって見える。何というか…信用はできないが一方的に嫌えない…といったところか?…攻撃はしてるけどな。

 

「そりゃどうも。博士も博士でこっちに何かしら仕掛けてるみたいだしな。あの吊橋で助けてくれたのは間違いなく博士だ。」

ほう…?

 

「何でそんなことが分かる?」

 

「頭の中に声が響いたからだよ。博士の事だからこの程度はできるんじゃない?」

……さあな。

 

「…そうだ。忠告することといえば青攻撃の事だけ、と言ったが、実はもう一つある。」

 

「…もう原作通りに行くとは限らない、か?」

何だ、やっぱり気づいてたのか。まあ、気付かないほうがおかしいわな。これだけ今までのタイムラインと違うことになってるんだもんな。そりゃそうなる。

 

「…ま、何とか頑張るさ。危なくなったら助けてくれてもいいんだぜ?」

 

「冗談。」

そこまでで、ショートカットを使ってその場から離れる。

…さて、どうなる事やら…ともかく、これでこのクソみたいな世界(ループ地獄)から抜け出すためにはあいつを信用せざるを得なくなったか…

ちっ、やっぱあんまり気に入らねえが…

 

お、あの人間が宿に戻ったな。

…はぁ…やれやれ、どうなることやら…




あ、次パピルス戦になるとか言った気がするけど多分次の次になりそうです。はい。
思いの外長い…



では、最後まで読んていだき、ありがとうございました!


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Papyrus戦前

どうもただの謎存在です。

パピルス戦の前…ほんのちょっとだけずれ込みます。
あと、流れの関係上原作を捻じ曲げて作っています。そこんところよろしくおねがいします。後今回きりがいいところで切ったため、短いです。(いつも短いとか言わないで)



では、本編どうぞ!


《Gaster(人間)side》

ヤッベエェェェ!やべぇやべぇやべぇ!!なんでFloweyとSansがいんの!?なんで手ぇ組んでんの!?絶対組み合わせて俺の前に出ちゃいけない二人だよ!?

何なら既にPlayerだ、ってバレてるし!

そして遺跡でいらんこと言うんじゃなかった…ちょっとアクション残してみようとか思ったらこうなったよ!自業自得じゃねえか!

 

「…やばい…何喋ったかまともに頭に留まってねぇ…」

下手なこと言ってないよな…?二人ならまあ…協力してもらわないといけなかったからセーブアンドロードの事とか話したのは分かってるけど…妙なこと言ってないよな!?

 

「……まぁ…本当にやばいこと言ってたら今ここにいないか。」

そんな事してたら多分ソウルがパキンされてるよな…ん?…あ、(察し)

 

 

 

人間のソウルって死んでも割れないんじゃなかったん?

 

 

 

あーあ…また一つ妙な証拠が…

 

「…まあ、それより…」

明日、多分Papyrus戦になる。

詳細は違っても流れは同じになるように多分世界がそうなってるんだと思う。宿で寝たら体力が上限突破するんだっけか?10増えるんだったか。

 

「んっ……」

ちょっと寝よう。流石に眠い。

 

「…お休み、フリスク。」

もう寝ているFriskの頭を数回撫でて俺も横になる。

眠気が来るのもそう遠くなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

『博士!コアの温度が下がりません!』

 

『諦めるな!E8の手順からやり直すんだ!』 

 

『博士!ここはもう駄目です!』

 

『いや、それこそここが暴走でもすれば地底世界が大変なことになる!なんとしてでもここで食い止めるぞ!』

 

『無理だろって!ちょ、おい!』

 

『ちっ…少し退け!E7…まではクリア、E8の一部アクセス…コマンドが拒絶されてるな…よし、』

しばらくカタカタと何かの音がする。と、ズヒューン、と音がして…

 

『!こ、コアの温度が…』

 

『…ふぅ………よし、これでひとまず大丈夫だろう。とりあえず外に出よう。何があるか分からない。』

 

『…そうだな。はぁ…ソウルに悪いぜ…』

 

『……、まずいッ避けろ■■■!』

 

『は…?』

ガァン!と何かが落ちる音がした。その直前にトン、とも音がした。誰かが誰かを突き飛ばしたんだろうか。

 

『!おい⬜⬜⬜⬜!』

 

『っ…はぁ…ここからは…次の者に任せよう⬜⬜⬜⬜王には⬜⬜⬜君から伝えておいてくれ…』

 

『っ!おい!』

 

 

 

「はっ!?」

と、目が覚めた。

時計を見ると午前6時40分。ま、起床時刻だね。

というか何か体が軽い。ああ、やっぱ体力上がってんのかな?と、

 

ピロン

 

Gaster

 

LOVE 1

EXP 0

HP 225

ATK 50

DEF 1

 

わーい体力が、1.5倍になってやがるぅ…ただでさえ化け物だったのに…まあ回復できないし、いいか。

ともあれ…何だ今の。

なんかの映画の宣伝か?お?

 

 

………なんてふざけてみても、か。コアがどうたらこうたら言ってたし、暴走がどうのこうのとも言ってた。これは…多分アレだね。昔あったって言われてるCOREの事故のやつだね。

となると、あれに出てくる人物は…

 

「ふぁぁ…」

 

「、フリスク、おはよう。」

と目をこすりながらFriskが起きた。が、ちょっと寝癖が…

 

「フリスク、髪めっちゃはねてんぞ。」

何か…軽く爆発してるな。

まあそれでも手ぐしでなぞってると戻った。髪めっちゃ柔らかいな。

 

「とりあえず…朝飯食うか?」

そういや朝飯どうしよう。…そうだな…Grillby's(グリルビーズ)とか行くか。

 

「うん…ぁふ……」

まだ眠いのか、Friskが小さくあくびをする。何この生き物めっちゃかわいい。

 

この後Grillby'sに行ったのは良かったが、Sansが既にいてめちゃくちゃ気まずかった。Friskはどうって事なかったが、こっちからすれば昨日あんなことがあった身。警戒もする。

 

「さて…そろそろ進むか。」

 

「うん。また…来れるといいね!」

 

「勿論来れるさ。」

…まぁ、まだ出れないんだがな…

と、

 

「……?何だろ…?」

辺りが白くなってきた。うわ、こう実体験してみるとちょっと怖いな。

 

「フリスク、手ぇ離すなよ。」

 

「う、うん。」

と、前方に見覚えのあるシルエットが浮かび上がった。

 

「人間よ…この複雑な感情について語ってもよいか…?」

少しFriskの方を向くが、それより早くFriskは首を縦に振った。と、彼は小さくありがとう、って言った。ちゃんと言ってたのな。

…って、ん?これよく考えたら言ってる事原作と違わないか?

 

「…とは言っても…俺様もどう言って良いのかわからないのだ…」

…なぁ、

 

「見た感じは同じなのだ…でも、何というか…感じが違うのだッ!」

ちょい待て待て待て待て。原作に乗っ取ろうぜ?いきなりアドリブはキツ過ぎるんだが。ねぇ、ねえマジで!俺は元通りに進む方をおすすめするんだが!?

 

「いや…もう一度問うぞ…!人間よ、複雑な感情について問いてもよいか。」

と、今度は返答を待たずに、彼は矢継ぎ早に続けた。

 

「それは…大好きな誰かを失う気持ち…、大好きなみんなを失う気持ち…、一人になって怖い気持ち…、自分のことを傷つけたい誰かの前に立ちはだかる気持ち……これは……これは一体………!」

 

「一体誰が感じた感情なのだッ…!?」

 

同時に背景、全てが色を失い、白黒に変わる。

 

「本当にごめんね…俺様も…これでいいのかよく分かってないのだ………」

 

「キサマたちがどう思っているのか…何をしようとしているのかも分からないから…俺様は…」

 

「何を信じればいいのか分からないのだッ!」

……ちょっと待て、これ…どっかで聞いたことあるんだが…………

 

おい、

 

 

おいおいおいおい、

 

 

まさか………っ!?

 

BGMが流れ始めると同時に音声が流れる      

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『*Papyrusはあなた達を信じられないようだ…』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

BGM.Interstellar Retribution

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




Interstellar Retribution、という曲…意外と名前知られてなかったりするんですよね、曲自体は有名なんですが。
まあ、曲名わからなくても最初のアナウンスとパピルスのセリフがあれなので…ね。
あと前書きにも書きましたが、流れ上、言動、アナウンス含め、内容を大幅に捏造する羽目になります。ご了承ください。



では、最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


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Disbelief Papyrus

どうもただの謎存在です。

超難産回の不信パピルス戦です!あとがっつり原作破壊も行っております。今更ですがご了承ください。
あと、超重大発表、題名を変更しました。長くなりそうなので理由はあとがきにて…では!



本編どうぞ!


「っうっそだろ…!」

まさかこんな事があるとは考えてもいなかった。イレギュラーでスペシャル攻撃をされる程度かと思ってたのに…!

 

「っち…」

流石にこれは想定外すぎる…!

目の前では白黒の景色になった世界で大きな骨を持ち、片目で泣きながら片目でこちらを睨みつけているパピルスがいる。

 

「ど、どっどうしようお兄ちゃん!?」

 

「…………フリスク、ちょっと我慢してくれ。」

 

「え?わっ」

とりあえずFriskをおんぶし、自分から離れないようにする。

 

「フリスク、いいな?絶対に攻撃(FIGHT)はするな。(MARCY)し続けろ。」

 

「それは…もちろんだよ!」

 

「よし。」

もし、攻撃パターンが本当に不信パピルスだとすると…まぁ…ある程度は避けれると自負している。ゲームよりも自分の体は動かしやすいはずだ!

 

と、後ろでピッ、と音がした。

 

「痛かったら教えてね。」

と、soulが青くなり、浮遊感が消える。と同時に横から山の形のように長さが調整された大量の骨が流れてくる。

 

「っ!」

右から、左から、更にもう一度右から流れてきたところで、ソウルが元に戻って見覚えのある、龍頭骨が6つ現れた。

俺とFriskを囲うようにそれら…Gaster Brasterは設置され、光線を吐き出した。

と同時に上から青骨が落ちてきた。

光線に当たらないように止まる。…なんとかやり過ごせた…次は、オレンジか!

光線に当たらないように動いてやり過ごす。と、

 

「ヤッベ!」

オレンジ骨の後が青骨で、咄嗟の事で動きが止められず、目の前に青骨が迫る。

 

「ちっ、はっ!」

骨…サバイバルナイフでさばけるか…?

 

ガガガァン!

 

っし、セーフ!危ねぇ…

と、その後も青骨とオレンジ骨をやり過ごした。

 

「本当は俺様もお前たちを傷つけたくないのだ…教えてあげる必要があるだけなのだ…」

 

『*パピルスは謝りながらあなたを睨んでいる…』

ピッ、と背中から音がした。

 

と、再びソウルが青くなり、頭上に二本、骨が現れ、青骨になって俺とFriskを透過しながら回る。と、動きが止まって普通の骨になり、横にブラスターが2個、設置される。

と、骨が回って迫ってくる。ぎりぎり入れる位のところで…ジャンプ!

足元ぎりぎりを光線がかすめていったのに冷や汗をかきながら着地、なんとかここもノーダメでいく。…なんか今日調子いい。本来なら半分ぐらい体力持っていかれててもおかしくないけどなぁ。

 

「…俺様はキサマたちを傷つけてしまいそうだ…貴様たちだって、これを最後のパズルにしたいとは思ってないでしょ?」

…当然。思ってる訳がない。俺の目的はPルート。それも、ただのTPルートじゃない。本当の…セーブアンドロード、リセット、コンティニュー、つまり、Playerからの干渉を完全にカットする、俺の思うおそらく最高のルート。そこに至るまでは…いや、至っても殺すわけがない。

 

『*最悪な状況に陥った。』

まさに、だな。これはマジでやばい。いまにもあたりそうでこちとらヒヤヒヤしながらやってらぁ。

 

と、Papyrusは持っている長い骨の端を持った。と、骨がオレンジに光った。動く方か!

そのまま骨が振られるが…

 

「うっそだろ!?」

オレンジに光ったのは何なんだとばかりに青骨を振りかぶってきた。しっかり当たったじゃねえかこの野郎。割と体力持っていかれるんだよお前の攻撃!

 

「だ、大丈夫…?」

 

「、ああ、問題ない。心配すんな。」

背中から心配を貰いながら骨の光る順番を覚えていく。

青青オレンジ青オレンジオレンジ…だー覚えられるか!なんか多くないか!?本来ここ3つぐらいだっただろ!

とまあそんなツッコミを言えるわけもなく、大人しく躱す。幸いそんなに速いわけでもなかったから見切って行動できたのも良かった。…と、横からクロス状のオレンジの骨が回りながら飛んでくる。ああ、回りながら躱すやつか。途中で普通の骨に変わるから気をつけておぐっ!?

 

「っと…」

しっかり貰った。認識してても駄目じゃねえかよ。

と、急に動いたり止まったりで翻弄するような骨の動きには順応していると、骨の色が青に変わった。来たか。ここ一番苦手。

前の方にブラスターが構えられているのが見える。その軌道から外れるように骨の動きに合わせて隙間を通って外れる!

 

ドォォン!

 

「っぶな!」

あと数センチずれてたら当たってた…やべえな。っと、次は上か。来ることが分かってると避けやすい…のか?あんまり避けれてないが。と、次は前にも上にもブラスターが、いる。よし、再び隙間を縫って…あ、

 

ドォォォン!

 

「ぐっ!」

やべっ!左腕と背中まともに食らった!逃げっ…

 

「っはぁ…はぁ…」

た、体力どうなってる…っと、136/150か…225あったのから考えれば相当食らってるな…というか事実痛みは感じてないが、腕焼かれてるし、打撲痕あるし、ヤッベ、この状況写真にしたらやばいな。左腕焼かれてボロボロの奴が小4あたりの女の子背負ってるんだぜ?やべえな。

 

「お、お兄ちゃん……!」

 

「心配すんなって、死にゃしない。…少なくともフリスクがいる間はな。」

 

『*パピルスは動揺しているようだ。』

不幸中の幸いか、焼かれたのは左腕だから利き腕の右手は使える。…さて、どうしたもんか…ん?

コマンド選択の音がしない…?

 

「フリスク?」

ふと後ろを見るとフリスクが俯きながら震えていた。

 

「い、嫌だ…ぼ、ボクがこれを押したら…また…お兄ちゃんが……!嫌…!」

………はぁー…

 

「あのな、フリスク。聞け。」

 

「っ…!」

 

「そのコマンドを押さないと先には進まない。先に進まないって事は終わらないって事と同義だ。俺はフリスクがそれを押してくれないと延々ここに留まることになる。そうなれば、パピルスと仲良くなるなんてのも不可能だ。…俺の力だけじゃ無理なんだ。」

説得する。

 

「…………」

 

「…だから、力、貸してくれ。慈悲(MERCY)を選んでくれ。」

懇願する。

 

「…………でも…」

 

「……頼む。」

希う。

 

「…わかった…でも!…絶対に…無理はしないで…!」

 

「…ふ、どうだかなぁ…ま、できる限り善処するさ。こっちだって痛いのは嫌だからな。」

絶対に、誰も死なせはしない…!

 

と、頭の中に流れると思ってなかったアナウンスが聞こえた。

 

『*DETERMINATION.』

同時に、体が軽くなった。

…は?どういう…ん、俺のソウルの赤い部分の色が濃くなってる…?

…なるほど、それで()()()か。

 

「やってやらぁ!」

 

ピッ

 

と、ソウルが青くなり、ふたたび山の形になるように長さを調整された骨が大量に流れてくる。しかも、一回目よりも多い。だが、

 

「こんなところで…GAME OVERしてたまるか…ァっ!」

右、左、右、右、ゆっくり右、そこに合うように左…避けられた。と、更にまだ続いた。

青骨バージョンの山とオレンジ骨バージョンの山が左右から流れてくる。こんな所はなかった。知っている。でも、避けられる。

と、右と左から規則的に骨の山が、流れてくるようになる。と、前にブラスターが見えた。

 

「っと!」

なんとか普通より力を入れて飛び、躱す。と、次は上にブラスターが来た。前に飛んで躱す。と、ターンが回る。

…やっと終わったか…

というか、ここってくされ攻撃が来るところじゃねえの?…あ、そっか、Sans死んでないからくされ攻撃無いのか。

 

『*パピルスは自分の本性を裏切っている。』

と前を見るとさっきよりもより一層苦しそうな顔をしているPapyrusがいる。

…本当に悪いな。

 

と、少し遅れたが、コマンドの選択音が鳴った。

 

と、またソウルが青くなり、前の上下から骨が迫ってくる。

トンネルのように一部分だけ穴が開いている。つまりここに飛び込んで躱す。思いの外やりづれぇなこれ…

 

と、次は後ろから来た。飛んで躱す。と、次は前後両方から流れてきた。交わるであろうところまで走り、そこでジャンプ。躱す。と、

 

「!」

上からちょうど俺のいるところにオレンジ骨が落ちてきた。と同時にまた前後から来ているのを確認し、とりあえずジャンプで動いた判定にしておく。そして地面に着地…

 

「!」

やべ、ミスった!

 

「っそ…!」

根性で飛ぶ。が、力加減もクソもないジャンプで…

 

「っ…!」

次々に骨に当たる。ヤバいな…体力は…57/150か…大丈夫か…?

 

『*スケルトンの頭を拳でぐりぐりしないで。』

ここ、本当に意味が分からないんだよな。なんで急にこのアナウンスなんだろうか。

と、前からでかい十字状の骨が回りながら飛んでくる。が、その場から動かずにでも通り過ぎていった。と、目の前で上からどんどん骨が落ちてきているのを確認した。

 

「っ、」

急いでそこから逃げ、離れる。が、行けるところも限界が来て、上から骨が一本、振り下ろされ…

 

「ダメだ!!!!」

なかった。ふと上を見るとギリギリのところで骨が骨を止めていた。

 

「…ホントにごめん…俺様は…キサマたちを信じるのを止めるべきじゃなかった…いや、」

と、Papyrusは自分で言ったことを否定し、首を振った。

 

「そうじゃない。キサマたちは何もしてないのだ…俺様が一人で勝手にキサマたちを悪者扱いして…怪我を…」

…うーん…ある意味何もしてない訳じゃないんだよな…元々Sansは研究の成果で気付けてたし、Floweyは元々セーブアンドロードの持ち主だったから例外として、気付くはずじゃなかったPapyrusまで悪影響が出てたのは間違いなくPlayerの問題だ。

この世界がどういう立ち位置にあるのかは分からんが、少なくとも俺もこんな世界を作る一要因になってたわけだし。

 

「俺様の不信は…偽物だったのだ…!」

と、Papyrusが顔を手で覆って膝から崩れ落ちる。

と、次に聞こえてきたアナウンスに俺は耳を疑った。

不信パピルス戦で分かったことは、とりあえずAUであろうと何であろうと、流れは揃えられてもキャラクターの言動やら攻撃やらの細かいところは差異が出てくることだ。

今俺たちは誰も殺してないから、Papyrusは「キサマたちはたくさん悪いことをしてきたけど…」じゃなくて「キサマたちは何もしてないのだ…」になっていた。アナウンスもだ。決意を抱いたところで、この戦いで『*DETERMINATION.』なんてアナウンスも無かった。

………それなのに………なんで…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『*さっさと終わらせよう=)』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんでこのアナウンスなんだよ…?




まず、餃子協賛様、評価ありがとうございます。
そして題名変更の理由ですが、
·そもそも長い
·題名に面白味が全くない(ここは新しい方もあんまり変わってない気がする)
·厨二の主がこっちの方がかっこいいとかほざき始めた
等の理由が挙げられます。まあ、題名そのまんま過ぎましたからね…
ということで、「アンダーテールに入り込んでFriskの兄になったんだが」改め、「FALSENESS TALE」、よろしくお願いいたします。



最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


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Strike Back At...

どうもただの謎存在です。

滅茶苦茶遅れました!
少々前にアンケートを取らせていただき、この話の方向を決めました。
何分急だったのもあり、気づかなかった方も多いと思われますが、シリアル方面の方は小ネタ集の方に上げようかと目論んでますので、その時はそちらでよろしくお願いします。



では、本編どうぞ!


「……」

…何か嫌な予感がする…

 

「フリスク、コマンドを…」

と、そこで声が途切れた。

一瞬感じた、何かの…威圧感…?重力操作とは違う…全身が一瞬重くなった…!?

 

「…っ!?な、何…これ……!」

と、Frisk自身も何かを感じたらしい。ふと振り向くと…

 

「!?」

Friskの右手が[FIGHT]に向かって、左手がそれを抑えようとしていた。

 

「っ…フリs……」

咄嗟に手を伸ばし、止めようとするも…

 

ピッ

 

ザシュゥッ!

 

……間に合わなかった。FIGHTが押され、Papyrusの体に赤閃が通った。

だが…まだあと3回あったはず…

 

あったはずなのだ。あったはず()()()

なのに…

 

バキィン!

 

ドン!

《2204》

 

「はっ…?」

赤閃はPapyrusが防ごうと前に出した骨ごと破壊して、ダメージを与えた。

なに……?一回で…?

 

一瞬、目の前が暗くなり、新しいBGMの最初の1音…高めの音と同時にPapyrusの声が聞こえた。

 

「そ、そんな……そうか…やっぱりそうだったのか…」

と同時にPapyrusの目つきがキツくなる。

 

「なら、もうお遊びはここまでだ。…パズルももうたくさんだ。」

 

……はぁ…!?

 

と、体力が増えて…傷が癒えたのを感じた。

 

BGM.Megalo Strike Back

 

『*パピルスを怒らせてしまったようだ』

 

こっちを睨みながら折れた骨を二本、振り回しているPapyrus。

Phase...2だ。

 

「っ…ごめん…ごめんなさい……!」

Friskは…震えてるな…特に手が組まれた状態でブルブル震えてる。

そりゃそうか…多分自分の意志じゃなかったんだろうし…というか、第一止められなかったこっちにも非はある。

にしても、どうするよこれ…

こうなったらラストフェーズまで…最後の見逃しまで耐えるか…?いや、そんなことしてたらこっちが絶えるか。

…キレッキレだ。

 

「…フリスク、」

 

「お兄、ちゃん…!どうしよう…!ボク、ボク……!」

 

「落ち着け。…まだパピルスが死んだ訳じゃない。それに、フリスクは攻撃したくてしたわけじゃないんだろ?」

Friskは黙って何度も頷く。即答か。よし、

 

「なら怒りもしねーよ。…まずは友達になるために耐えないとな。フリスク、さっきまでと同じように[MERCY]だ。分かってるな?」

 

「っ…うんっ!」

ピッ

 

「っ!」

と、唐突に地面が膨らみ、空中に体が放り出されて横から青骨が飛んでくるのを確認し、体を捻って避ける。同時に重力を感じ、下に落とされる。

と、

 

「っ!」

唐突に胸辺りまでに赤い枠が現れ、反射的にジャンプして避ける。と、そこに骨が生え、ガスターブラスターが照射された。

 

「っぶねー…」

汗を拭いながら、着地…しようとした瞬間に、床が抜けた。

 

「はっ!?」

「えっ!?」

Friskも俺も突然のことに一瞬フリーズしたが、なんとかここを覚えてた俺はすぐに思考を再開し、下から出てきた台の上に乗り、飛んでくる骨をサバイバルナイフの背で叩き落とした。

すると、前後の上下から大量の骨が迫ってきた。ジャンプしながら、危ない骨はナイフで弾いていく。

台を揺らされて落ちそうになるも、なんとか耐えていると、台に振り落とされて何かの上に落とされた。

 

「うわっ!?」

と、Friskの腕が強制的にACTに吸い寄せられ、触れた。足元にあるのも、あのACTのコマンド。

 

『*あなたはPapyrusに謝ろうとした…しかし、許されなかった。』

 

『*Papyrusは少し震えている。』

 

と、横から尖った骨とガスターブラスターが飛んできた。ジャンプで躱す。と、真上にガスブラが見えた。

台のギリギリいけるところまで寄って躱せた。

「…フリスク、だいぶ動いてるが大丈夫か?」

 

「う、うん…なんとか…」

 

「っ…」

これどうするよ。

なんか奇跡的に無被弾で行けてるけど正直これヤバい。そもそも、友達になれる道筋が今の所無い。…いや、無いわけじゃない。

さっきの強制ACTの言葉が変わってた。さっきのやつをやらかしたのがCharaだとして、今はまだFriskの意志の方が強いって事か?…それより…謝ろうとした、しかし、許されなかった、か…

いや、今は考えてる暇なんかない。

 

「フリスク、こっから更に訳の分からないことになるかもしれない。でも、気にしなくていいからな。」

 

「…?分かった。」

 

「よし、そんじゃ…頼む。」

 

「うん。」

 

『*どうすればいい?』

…知るか。お前に決める権限なんかねえよ。

 

ピッ

 

と、強制的に体が何かに動かされる。…なるほど、これがあの有名な()()()()()か。で、骨の中をくぐり抜け、あるところで止まった。

 

「…俺様は…これ以上貴様たちに好きにさせるわけには行かないのだ!!」

その声と同時に見えない壁は移動を始める。下や上にはガスターブラスター、前と上には骨、その隙間を縫ってなんとか躱していく。が、

 

ゴッ

 

「っ、」

骨が当たった。この隙間は…流石にきつい。その上、既に集中力が落ちてきてる。いや、気合を入れなおせ俺!

両頬を両手で叩いたあと、見えない壁の感触はなくなって骨が流れてきたり、尖った骨が飛んできたり、ガスブラが飛んできたりしたが、なんとか躱せた。

 

「はぁ…はぁ…」

が…かなり疲れてきてる。ダメージは無くとも疲労はたまる。かなりキツイ。

 

と、見えない壁が再び収縮し、後ろからガスブラと骨が迫ってくる前で目の前から飛んでくる青骨とオレンジ骨の列を躱しながら進んでいく。

青オレンジオレンジ青青オレンジ青オレンジ…

っ!

 

「だっ!?」

ヤバ、間違え…

 

「っ……!」

どんどんと骨が当たり、体力がゴリゴリ削られる。

っ…!まずい、このままじゃ…!

 

と、攻撃がやんだ。

せ、セーフ…

と、再び見えない壁の感触がなくなり、下から上から骨がセットで飛び出てくる。と、その骨がオレンジに変わり、迫るのを見て動き続け、青骨になった瞬間、止まるのが一瞬遅れたが無視してガスブラも避ける。

 

その直後に浮遊感。

下に波状の穴が空いた骨の集まり。ギリギリをなんとか避けていく。

 

と、また見えない壁がなんか恐ろしい動きをした直後、また別方向の下に落ち、骨を避けていく。するとまた方向が変わり…目の前にガスブラが。それが横に伸びて…

っ、撃たれる。

 

「!」

直前で景色が変わった。

動けない状況で8方向にガスブラ。あれ、こっちの方が詰んでないか?

が、照射された瞬間また景色が変わり、左右から骨が流れてくるのを見てジャンプで躱す。と、またその瞬間景色が変わり、ガスブラが照射されたあとのさっきの状況に戻ってきていた。と、またあの骨の流れてきたところに戻される。

するとその骨がオレンジに変わり、同時に前と上にガスブラが見えた。咄嗟に躱そうとしたが…

 

ドオンッ!

 

「っグッ!」

ギリ背中を掠った。まずい…今の体力は…56/225か…ヤバすぎる。ここからまだPhase3が、あるぞ…

 

「っ…やっと安地か…」

 

『*さあ、どうする?』

っ…まあいい、

 

「フリスク…ちょっとだけ休憩させてくれ。…ハァ…」

 

「っ…お兄ちゃん、アイテムが…」

 

「ん?」

…スパゲッティだらけだな…

いやよくカバンの中にこんな量入ったな?ただ、どうであれ、俺はここを抜けなきゃならない。

回復はしないが、息を整えるためにモンスター飴を口に放り込む。ん?一個しか取ってなかったんじゃないのかって?

…すみません実は2個取ってました。念の為ですマジで。

相変わらず体力は増えないが、一回気持ちを落ち着かせながら飴を噛み砕く。と、それだけでターンは回ったらしい。

というかなんでこのモンスター飴はスパゲッティになってないんだ?…まあいい。それよりも…

 

『*あなたはモンスター飴を噛み砕いた。ここには無いはずなのに、どうして?』

 

『*当然、死にたくなかったから。だが、ここにいる限り死は確定しているようなもの。』

 

*それなら、私達は何故ここにいるのだ!?

 

「…知るかよ。」

そんなことに耳を傾けている暇はない。時間は稼げた。疲れもある程度なら回復したように錯覚する。

 

いきなりガスブラが真横から発射され、ジャンプで避けると、台に乗せられた。すると、その台は動いた。当然俺とフリスクも動く。と、ピン、という音と共に台が少し赤く光り、動くと、俺たちを残したまま動き始めた。と、そのまま横に台はスライドされる。

地面には大量の骨。あー、これ落ちたらやばいわな。

 

「うおっ!」

と、急に足にグリップが効きはじめた。と思うとまたなくなり、またかかった。と、真上にガスブラが置かれた。

って、これどうやって避けりゃいいんだよ!?

 

「っ!」

ジャンプで避けようにも避けきれず、少し掠る。と、台が真ん中で分かれた。すると前の方に青い骨が見えた。よし、こっちか…!

 

「っ…」

 

「お、お兄ちゃん、これ大丈夫なの…!?」

 

「…た、多分な…。」

と、真上にガスブラが置かれ、そして…青い光線が吐き出された。

せ、セーフ…!

で、骨が横から飛んできたあと、地面にびっしり生えていた骨も回収された。

…なんとか生き残った…まだ終わんねえのか…?




まず、yajue様、評価ありがとうございます。精進いたします。
きりがいいのでここでまた切ります。
いや、というか不信パピルス戦だけでどんだけ時間食ってるんだか…次で終わらせてその次辺りでとっととウォーターフェルに行かせますか。………行け…ますよね?
あ、今更ですが、UA様15000人、本当にありがとうございます!



では、最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


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パピルス終戦

どうもただの謎存在です。

あけましておめでとうございます!(激遅)
やっと…やっと家の問題と私情が解決しました…
それで、だいぶ間が空いてしまいましたが更新再開させます!
小説自体、かなり久しぶりの更新なので感覚が鈍っている可能性も大の上、何か途中言ってることがしっちゃかめっちゃかになったりしてますが…では、



本編、どうぞ!


「…はぁ…はぁ…まだ…俺様は諦めないぞ…!」

 

「…パピルス。」

 

「……たとえ…俺様の命を危険に晒してでも…」

 

「おい、」

 

「俺様は…ニンゲンに…またあんなことをさせるわけには行かないのだ…!」

 

「パピルス、一回話聞け。」

 

「…俺様は…」

 

「パピルス!」

 

「っ!」

、っと、思わず叫んじまった。

あまりに返事しないもんだからよ…だからFrisk、そんなに怯えないでくれ。

 

「一つ聞くが、その()()()()()ってなんだ?」

 

「あんな事ってのは……ッ、あんなことだ!」

頭の弱さは健在かよおい。

 

「…もしかして、俺がフリスク(こいつ)を後ろから操ってお前を…いや、お前たちを殺して回る事か?」

 

「えっ?」

驚いたようにこっちを向くFrisk。同時に、Papyrusも少し驚いたようにし、応えた。

 

「!っ…その通りだっ…!何故か…貴様たちがそんな事をしでかすような気がしてならないのだ…ッ!」

…これは…何でだ…?SansとかFloweyとか博士とかはまだ分かる。が、Papyrusはそんな特徴は持ってないはず…

まさか、記憶のロード、リセットの働きが弱くなってる…?

 

「ま、待ってパピルス!ボクもお兄ちゃんもそんなことしないよ!…今回は…なんでか体が勝手に動いちゃってパピルスに攻撃しちゃったけど…ボクだって攻撃したくなかったよ!」

Friskも咄嗟に反論する。

 

「…いや、そんなことは…」

と、少し下を向き、Papyrusは言い淀んだ。

 

「あるんだよ。それに、お前薄々気づいてんだろ?俺らは何もしてない、って。そんなに無理して立ちふさがるのは何でだ?」

 

「っグ……」

苦しそうに顔をしかめるPapyrus。…なるほど、苦しみをどこにぶつけていいか分からない、っつったところか。

一度こっちの頭をかき、Papyrusに向く。

 

「…はぁ、いいかパピルス。一回ちょっと暴言吐くぞ。」

 

「?」

前述もしたが、苦しんでいる原因が記憶なのなら、少なくとも俺も加害者だ。だからこんなことが言える立場じゃないことぐらいわかる。だが…ちょっと、言うぐらいいいじゃないか。

 

 

 

「……本っ当に馬鹿だな、お前。」

 

 

 

「えっ?」「ニェッ、」

おいちょっと待て、何でそこでハモる。

…まあいい。

 

「最初のパズルで気付いてたが、お前、友達が欲しかったんだろ?その友達と遊んで、料理をして、色んな話をして、そういうのがしたかったんじゃねえか?…だったら、3、4回もパズルで遊んで、パスタも食べた俺らは友達じゃないのか?」

問いたてる。

 

「一度信じないと決めたなら迷うな。惑わされるな。一方で、信じたいなら信じろ。前を向け。完全にどちらかに振り切るのは難しいかもしれんが、それでも中途半端にうじうじしてんじゃねえよ。」

 

「ちょ、待ってお兄ちゃん!?」

Friskが何か言った気がしたが、一回無視する。これ言っとかないと多分俺が生き残った状態で残るのは無理だ。あとちょっと言っときたいだけ、ってのもある。

 

「一つ、言うなら、少なくとも俺らは誰も殺してないし殺す気もない。…これを信じるか信じないかはお前次第だ。が、そんな中途半端な不信で済ますんじゃねえ。」

…言ってることがメチャクチャなのは重々承知してる。だが、言いたいことは少しは伝わったらしく…

 

「…………俺様は……」

重々しくPapyrusが口を開いた。…何か、まだちょっと迷ってるふうだが、幾分か吹っ切れたか。

 

「…いや!ならこうしよう!これから俺様が最後のスペシャル攻撃をする!それを避けきってみろ!そうすれば……俺様が!特別に!デートをしてやろう!」

 

……………ん?

 

どこからデートの話が出てきた?いやまさかとは思うが…友達じゃないのか?の部分からデートの話が…いや、止めとこう。星占いを解こうとするようなやつの思考回路は間違いなく俺の知ってる考え方とは違うはずだ。考えるだけ頭が疲れる。

 

と、無音だった空間に、音楽が流れてきた。

聞き覚えのある、軽快な、どこか安心できる、あの曲。

 

BGM.Bonetrousle

 

……なるほど、戻ったか。いや、戻ってねえか。スペシャル攻撃出すっつってんじゃん。…確かガスブラだっけか?どうなるものやら。

と、アナウンスが聞こえた。

 

『*パピルスは骨をガタガタ鳴らしている。』

…確かにガタガタ言ってんな。あいつ何やってんだ。

 

ピッ

 

「ちょっと待っていろ!今…スペシャル攻撃の準備をしているからな!」

と、左から大きめの骨が3本流れてきていた。…ヤバいぞ、さっきとの難易度のギャップがありすぎて逆に避けづれえ。

…避けるけど。

で、最後の青骨もちゃんと避ける。…と、右から一本ちょっと早めの骨が流れてきた。危なっ、奇襲は良くないぜ…。で、ターンが回る。

 

『*パピルスは骨をガタガタ言わせている。』

相変わらず何かをしながらも骨をガタガタ言わせるPapyrus。…ほんとに…何やってんだ…?

 

ピッ

 

「いくぞ!くらえ!これが俺様の最後のスペシャル攻撃だ!」

来る。

と、身構える。が…

 

……ああ、そうか。そういう事か。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()………

 

「って、うおおぉぉいッ!」

菩薩のような笑みでその音のする方を見る。

………ここまで空気が読めないやつだとは思ってなかったぞ、Toby犬。

 

「おいっ、こらちょっと、その骨をかじるんじゃないっ!あっ、お、俺様のスペシャル攻撃を返せーッ!」

まあ…Papyrusの叫びも虚しく空間に吸い込まれ、Toby犬は後ろ向きに去っていった。

Friskも展開の早さにびっくりして固まってんぞ。

 

「…………………」

…なあ、誰かこの静寂何とかしてくれ。

で、その沈黙を破ったのはPapyrusだった。

 

「……しょうがない。こうなったら「ウルトラかっこいい普通の攻撃」を使うしかないな。」

…いや、それは普通の攻撃やん?

…まあでも、これ意外とムズかったりするんよな…

 

『*パピルスは普通の攻撃を準備している。』

…うん、

 

ピッ

 

「はぁ…ではいくぞ!なんの変哲もないフツーの攻撃!」

左、右、両方の順に2本ずつ骨が流れてくる。と、次は地面から骨が生えながら上から下から迫ってくる。……この時点で結構むずいんよ?

と、順々に骨が伸びながら3本づつ、右から左から流れてくる。

と、

 

「んっ?」

…犬が。Toby犬が骨を咥えたまま走ってきた。…一応ジャンプで躱す。

と、次は骨が文字になって流れてきた。「いかした」と「こうげき」だな。…これ、最初見たとき、「いかした」が「いかレた」に見えたんだよな…イカれた攻撃…だめだ、Sansしか出てこねぇや。

 

と、スケボーに乗った骨が流れてきたところで、奥に骨の森が見えた。

 

「うっわ…」

あれはヤバい。とりあえずFriskを抱えてジャンプ…するが、

 

「いや無理だよなァ!」

当然のごとく落ちる。くっそ!

 

「っらぁッ!」

できるだけナイフで骨を弾くが…無茶苦茶すぎる骨の量に、どんどん体力が削られていく。…元々225もあったのに今じゃ19だぜ。…まだ減ってるが。と、最後にバカでかい骨が見えた。

 

「いやこれは無理だろ!?」

ゴッ、と俺の体から鈍い音が聞こえた。

体力は…7。ヤッバ。

 

「何ッ!やはりフツーの攻撃は躱されてしまうか…」

 

「どこが普通だよ!?」

こちとらボロボロだぞ!?

はー、疲れた…

…………あ、これ戦闘状態解いた後怖すぎ。

 

「…フリスク、ちょっとこればっかりは元に戻ったら気絶するかもだから、悪いがリュック、頼むぞ。」

何故かリュック自体はダメージを受けないらしく、無傷のリュックを一度地面に下ろす。と、Friskは…

 

「えっ…あっ、なら、ボクのバタースコッチパイあげる!」

 

「えっ、良いよ。あれはフリスクのだろ?」

流石に妹の物もらう程切羽詰まってねえ。…ダメージは除く。

 

「良いのっ!ボクもちょっと食べたから!」

と、いつぞやの如くバタースコッチパイを突っ込まれる。…うまいよ?美味いけどさ、まじで窒息しかけるから突っ込まないでくれ…

 

と、

 

ピン!

 

『*あなたはバタースコッチパイを食べた。体力が満タンになった!』

150/150

 

………なーんでこうなるんだか…

 

とか考えていると、Papyrusが声を上げた。

 

「ぬぬぬ、しかしッ!いま俺様が使ったのはスペシャル攻撃ではないッ!よって!キサマたちは俺様とデートをすることはできないのだッ!」

…あ、デートの話続いてたのな。

と、そこから少しPapyrusは斜め下を向いて、

 

「ま、まぁ…だが…キサマ達は俺様の…友達…だし?その…キサマ達がやりたいのなら…特別に、やってやらん事も…なくはないッ!」

…なんだこいつ。

いや、見下しとかじゃなくて、純粋に思った。なんか百面相してるんだが。まあ、ともあれ…

 

「フリスク、どうしたい?」

第一は、まあフリスクの意志の尊重だわな。

Friskの方を向いて聞く。と、Friskの意志は決まっているらしく…

 

「ボクは…パピルスとデートしたいよ。」

即答だった。

…意味は分かってるんだろうか。…うん、十中八九分かってない感じだな。まあ良いか。

 

「だとよ、パピルス。」

Papyrusの方を向いて伝える。と、Papyrusはパァッ、と表情を明るくして、

 

「何ッ!そうかッ!なら、俺様は家で待っているからなッ!ちゃんと来るのだぞッ!」

一気に満面の笑みとなり、何かすごい動きをしながら飛んでった。

そして結局お前がしたかったんじゃねえか。デート。

…まあ、ともあれ……

 

『*You win!!

0EXPと0GOLDを手に入れた!』

…長かったが…何とか勝てた…!……あれ、Papyrus戦の後ってあのリザルトのアナウンス流れたっけ?……まあいいか。

 

──世界に色が戻ってきた。




はいお久しぶりです謎の通行人δです。
まず、酸素オーツー様、高評価ありがとうございます。

で、家の方の事件もなんとか片付き、投稿再開しました!いやー…ほぼ全く小説も書いてなかったからか、文章力が1、2割ほど削られてる気がする…
まあ、そこらへんの勘はまた追々取り戻す(取り戻せるかはさておき)として、またよろしくお願いいたします!



ではでは、最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


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パピルスとデート…の間にサンズと…

どうもただの謎存在です!

デートを書く予定だったんですが、展開上Gaster君はデート不参加ということにさせました。
まあ、どうであれシリアスがちょっと続くぐらいどうってことないよね!…ね!



では、本編どうぞ!


「おー…っと、」

やっぱバタースコッチパイは偉大だな。あんだけがっつりダメージ食らってたのに、戦闘状態が解除されても痛くもなんともない。

しっかし…なーんでバタスコだったら回復するんだ…?何か変な設定でもあんのか?とか考えていると、霧が完全に晴れた。

…ま、今はそれより…

 

「フリスク、どうする?一回パピルスの家行くか?」

 

「うんっ!」

満面の笑みで答えるFrisk。

おけおけ…っと…?

…なるほどな。

まあ、Papyrusとデートするのは俺じゃなくてFriskだし、その間…俺にもちょっとやることができたらしい。

 

「フリスク、ちょっと俺用事ができたからパピルスとデート、一人で大丈夫か?」

 

「?用事…って?」

っと、それ聞かれるか…いやま、そうだよな。

 

「ちょっとフリスクには早い話かな。」

…まだ知るべきじゃない、知らせるわけにいかない、って意味ではな。

 

「…まあ、大体デートって一対一でやるもんだし、俺がいなくてもちゃんと出来る、って信じてるが。」

一度Friskの目線に合わせてしゃがんで言う。

 

「むー…ちゃんと戻って来てくれるんだよね?」

ちょっとだけ頬を膨らませて言うFrisk。…かわいい。

 

「勿論。そんなに時間はかからねえから、デートが終わるまでには戻れる。」

 

「…分かった…約束だからねっ!」

 

「ああ。パピルスによろしく言っといてくれ。」

ちょっとだけ右手を振ってFriskを送る。……さて、

 

「…はぁ…覗き見か?趣味が悪いな、サンズ。」

立ち上がって、後ろを向かずに言う。と…

 

「っへへ、バレてたか。」

シュッ、とSansが目の前に出てきた。…わざわざ後ろ向かなかったのに方向まで揃えたのか。

 

「…ま、どうせ監視だろうがな。そんなに信用が無いか?」

 

「まあな。…現に一度、クソガキはパピルスを攻撃した。」

…明らかに敵意を持ってるな。

 

「ありゃフリスクの意思じゃない。」

 

「根拠は?」

 

「俺の直感。」

 

「根拠って何か知ってるか?」

知ってるに決まってんだろ何言ってんだこいつ。

…ま、冗談はさておき。

 

「冗談だ。今回、確かにフリスクは[FIGHT]を押した。…が、赤閃は勝手に通ったんだ。フリスクが斬りつけたわけじゃねえ。…そもそもフリスクには武器になるものを渡してない。」

そう。

フリスクには万が一に備えて武器を全くもたせてない。強いて言うなら拳だけ。それは打撲になるはずだから斬る残像である赤閃にはならないはずだ。

 

「…じゃあ誰がやったってんだ。あの場にはお前とクソガキしかいなかっただろ。」

 

「いいや、もう一人いる。」

ポケットに手を突っ込む。…いや、カッコつけとかじゃなくて…いや、ちょっとそれもあるけど、単純にちょい寒い。

 

「何?弟とか言うんじゃねえだろうな?」

 

「バカ言え。パピルスだとしても自分を斬りつける理由なんかねえだろ。」

ある意味、第3視点から見下ろしてる奴で、相手に赤閃を入れたりできる奴、そして防御のための骨を一撃で砕いてダメージを入れれるやつ。

 

「……キャラ。」

 

「っ!」

そう言った瞬間Sansは一歩足を引いて、少し苦い顔をした。

 

「……あいつか。」

 

「そ。多分、だけどな。今頃はフリスクとパピルスのデートでも見守ってんじゃねえか?」

 

「お前何を呑気に…!」

 

「あぁ、待て待て。」

急いでショートカットを使おうとするSansの腕を掴み、待ったをかける。

 

「お前何を…!」

 

「大丈夫だ。デート中にあいつは攻撃できねえ。」

 

「何でそんな事が言い切れる…!」

苛ついてんな、血管浮き出てるし。…まあ無理もないか。つーかあの血管どこに通ってんだ。

 

「本体がフリスクで、まだフリスクの方の意思が強い から。あと、デート中に攻撃、なんて事が出来るようにプログラムされてないから。」

は?とSansは眉をひそめた。…眉ないけど。眉間にシワが寄った感じだな。…あくまで感じ。骨だから詳しくはわからん。

 

「まさか気付いてねえわけじゃねえだろ?この世界は一律のルールに則って存在してる。そのルールに反するのは不可能だ。…言うなら、ゲームのプログラム。…ピッタリの表現だな。」

 

「………」

一度、Sansは抵抗をやめた。…おーけー。

 

「これは仮説だが…そのプログラムは大まかに、どういう行動をキャラクターに取らせるかは決められても、詳細には決められない。そこを決めるのはプレイヤーだからだ。…その、()()()の部分が緩くなってんだ。何でかは分からんが…ま、十中八九セーブ&ロードとかの関係だろうな。あと俺っていう元プレイヤーの存在か。まぁ言いたいことは、最早プログラムは本当に()()()()しか制御できてないって事だ。だからパピルスの記憶の一部が継承されて、お前やら博士やらフラウィーの記憶も鮮明になる。パピルスもあんな感じに暴走しかけるし、色んな所で差異が起こる。」

 

「待て、だったら今も…」

再び力を入れようとするとSansの腕をもう少しだけ強めに握る。

 

「だから話を最後まで聞け。ここで重要なのは、逆に言えばある程度はプログラムに沿ってる、って事だ。だからキャラも、コマンドの司令なしには攻撃は出来なかったから無理矢理フリスクに[FIGHT]を選択させるような真似をとった。…つまり、こっち側の人間が攻撃するにはコマンドが必要なんだ。いくらなんでもデート中にいきなりFIGHTコマンドを出現させたりする事はある程度プログラムが沿ってる今現在不可能だろ。だから、今キャラがパピルスを攻撃するのは無理だ、って事だ。」

…まあおそらくだが、プログラムが存在してて、かつN、Pルートを通る限りは勝手に攻撃は出来ねえだろうな。コマンド選択による攻撃はUndertaleにおいてルール、というか、Undertale自体が「そういうゲーム」だからな。

そこを覆す、っつーのは、それこそゲーム自体のプログラムの破壊、もしくはGルートの完遂を意味する。そんな事になったらUndertaleじゃなくなるか、データを消すしかなくなるから無理だろ。…チートとかで破壊しない限りは。

 

「はぁ…ったく…」

と、Sansはため息をつき、片手で顔を覆って首を振った。

 

「だが、あくまでこれは仮説だ。もしかしたらそんなに難しい事にはなってないかもしれないし、もしくはもっとややこしい事になってる可能性もある。」

…これよりややこしい事となると…ま、俺が大部分の原因になるだろうな。

 

「…ま、どうであれおいらはお前の監視を続けるぜ。…何が起こるかわからないこの世界でお前が何か間違ったりしないようにな。…前にも言ったが、もし虐殺なんか選ぶなら…」

少しSansの左目が青く光るが、Sansが言う前に俺は、

 

「容赦なく殺す、だろ?わーってるよ。俺とてそこまで馬鹿じゃない。…んじゃ、俺はフリスクの所に戻らねえといけないんでね。お前も来るか?」

と聞くとSansは軽く笑って、いやいい、とだけ言って踵を返した。

 

「…あ、そうだ。お前ウォーターフェルまで着いてくんのか?」

ふと思い、聞くとSansは首だけ振り返って、

 

「当たり前だろ。生憎おいらはそこでも仕事があるんでね。2つ仕事をすればその分休憩時間も2倍、ってな。」

 

「馬鹿言え。」

こっちも少しだけ笑って返した。Sansからの返答は無く、そのままSansはスノーフルの街の方に歩いていって、物陰に入り込んだ。…どうせショートカット使うんだろ。

 

 さて、俺もPapyrusの家に急ぐとするかな。




よし、次こそは…次こそはウォーターフェルに行かせなければ…話が進まない…
まあ、流石にもうスノーフルでやることないので、次はちゃんとお魚さんが待ってる所に行きますか。



では、最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


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ウォーターフェルへ

どうもただの謎存在です。

やっとウォーターフェルに行けた…いやまあ、行けたとは言ってもほんとに最後の方だけだし、ウォーターフェルとちょっと関係ない所まで行ってますけど…
まあいっか。
あ、お魚さんが出てくるのは多分次の次辺りからです。
お魚さん推しごめんね!



では、本編どうぞ!


「…あ!お兄ちゃーん!」

 

「おっ、と。」

Papyrusの家の前にFriskとPapyrusが待っていた。おっと、待たせてたみたいだな。走ってきたFriskを受け止めて、抱き上げる。うん、軽いなー…

 

「悪い悪い、ちょっと遅くなったな。…つーかフリスクの方こそ終わるの早くね?」

まだ5、6分も経ってねえと思うんだが…

 

「そうかな?」

多分な。Sansが時間軸弄ったりしてなければ。

 

「ま、それよりパピルスとのデート、楽しかったか?」

 

「うん!」

満面の笑みでグーサインをして言うFrisk。よかった。

で、Papyrusの方にも向いて、少し右手を上げて言う。

 

「よ。どうだった?デートは。」

 

「楽しかったぞ!また大きい人間ともデートしてみたいぞ!」

二股は良くないぞ、Papyrus。

…ま、この二人ともデートの意味分かってないっぽいけどな。なんか自分が汚れてる気がしてくるなー…

 

「さて!これで俺様とお前達も特別なお友達なのだ!そこで!特別に!地上に帰る方法も教えちゃうぞ!」

おう、そういやバトルの後にここから出る方法、言われるはずだったのにこいつ言ってなかったな。さてはお前デートのことで頭いっぱいだったろ。

 

「ここを進んでいくと洞窟の終わりにつくのだッ!…そこが、都だッ!そこにあるバリアを抜ければ無事に帰れるぞ!…バリアは、我々を地底に閉じ込めている魔法の封印…こちらに入るのは簡単だが、ここからでるとなると話は別だ。」

なるほど…概ねバリアの説明は同じか…

 

「強い魂を持つものでないとここからは出られない…そう!貴様たちのようにな!」

と、Papyrusは目線を落として少し言い淀んだ。

 

「だから王様は、人間を捕まえようとしているのだ…人間の魂の力でバリアを壊す…そうすれば、我々は地上に出ることができる…!」

少し真剣(?)な目でこちらを見て言うPapyrus。

 

「あ、それと…もうひとつ、大事なことを言い忘れてたのだ…出口にたどり着くには、王様お城を抜けないといけない。《yellow》全てのモンスターを統べる王……《/yellow》《yellow》彼のことは…《/cyellow》《yellow》誰もが……《/yellow》」

Friskが唾を飲むのがわかった。が、この話の結論は……

 

「だぁいすきなんだ!王様はモフモフしてて…すっごくいい人だよっ!」

ガクッ

 

Friskが漫画みたいにコケた。おうおう、大丈夫か。

まあ…知ってたけどさ…前置きェ…前置きが重いんじゃ…

 

「確かに、怒ったりすると怖いけど…でも!貴様たちなら王様を怒らせるようなことはしないはずだッ!フツーにしていればとっても優しい、いい人だよっ!」

…ん?こんなセリフあったか?…また差異か。怒ったりすると…ね…

 

「だから、心配ないよ!「ドリーマーさん、お家に帰らせてください」ってお願いすれば、バリアのところまで案内してくれるはず!…そんな訳で!話が長くなったな!気をつけて行ってくるのだぞッ!ニャハハハハハハ!」

と、またあの笑い方をしながら家に入っていった。…で、ちょっとドアを開けてこっちを見て、手を振って見送ってくれた。

 

「…よしフリスク、行くか。」

 

「うん。…また来れるといいね。」

 

「来れるさ、大丈夫。」

ああ。勿論だ。

 

で、あのPapyrusとのバトルの所を通り過ぎ、進んでいくと、寒さは無くなってきた。…通るだけでも一瞬霧に覆われて前が見えなくなったけど、Friskの手を取ってちょっと進めばすぐに晴れた。

良かった。間違えて川にドボンとか洒落にならんからな。当分寒いのはコリゴリだ…

 

──────────────

───────

 

「わぁ…きれい…」

と、雪のゾーンを抜けて道を歩いていると、上を向いたFriskが呟いた。上を見ると…おぉ…光る石が散りばめられていて、さながら星空のようだった。こりゃすごいな…すごいが…

 

「…フリスク、前見ないと転ぶぞ?」

上を向いたまま歩くFriskに忠告だけしておく。

と、Friskはあっ、と短く呟いて前を向き直す。

横の川(?)にスノーフルから流れてきたであろう氷塊が流れていくのを横目に、進んでいくと、あの赤いモンスターとモンスターキッド君、エコーフラワー、そしてSansの屋台が見えた。

 

「あ!サンズだ!」

とFriskが声をかけると、Sansはよう、とだけ言って右手を上げた。

ちゃんとセーブした後、FriskはSansに話しかける。

 

「どうかしたか?おいら、仕事をかけもちしてんのさ。お影で休憩時間も2倍。今からグリルビーズ行くけど来るか?」

こいつここでも言うのな…

と、Friskは首を縦に振った。

 

「そうか。…お前さんはどうする?」

と、Sansはこっちに目をやって聞いてきた。まあでも、

 

「んー…や、いい。こっちで待ってるわ。」

…悪いが、こっちにもやることがあってね。

 

と、Sansはそうか、とだけ言って、フリスクの方に向き直した。

 

「そこまで言われちゃ仕方ないな。仕事を切り上げて行くとするか…」

いやお前から誘ったろ、今の。

と、Sansは屋台から出てきて、言った。

 

「こっちだぜ。おいら近道知ってんだ。」

その方向は、さっきまで通ってきた道の方向と反対の方向。

一度Friskはこっちを見て、首を傾げたが、

 

「サンズの事だ。言ってたろ?近道を知ってる、って。あの雪道トンネルみたいなやつでも知ってんだろ。」

俺がそう言うと、Friskはそっか、と言ってこっちに手を振りながらSansに付いていった。と、急にFriskとSans、二人が消えた。

…2回目だが、ショートカットって第三者視点で見るとああなるんだな…つか、あれ触ってなくともできるんだ。

…で、俺もその方向に進む。Sansはいない。ショートカットは誰も使えない。

が、景色が一気に切り替わり、黒の壁と灰色の道の世界に出た。

その先の黒い壁の一部に灰色のドアがあった。……やっぱりか。

 

「…ま、ヤマ吹っ掛けて辿り着けたならラッキーだな。」

で、そのドアに手をかけ、中に入る。その部屋の中は、道と同じく黒の壁に灰色の床、そして真ん中には、胴体は黒く、溶けているような感じ、顔は白い米粒のような形で右目には頭にかけて、左目には口にかけてヒビが入っているような形で、1m程の不気味な人、否、人というべきかモンスターというべきか、その者が目を閉じ、眠っているようにそこにいた。

 

と、ふと彼は徐に目を開け、ゆらり、と揺れて少し笑って口を開いた。

消え入るような、途切れ途切れで小さな声で…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

         Gr ti g(ご げん う)...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その瞬間、元々ほとんど色の無かったはずの世界が、完全に白黒に切り替わった。

 

 

BGM.Dark Darker Yet Darker




…ね。言ったっしょ。
ここでご飯粒博士と本格的に対面ですね。
いやー…やばいぞ、次の話、内容はある程度考えてるのにそれが全く文章に纏まんねぇ…
…ま、なんとかなるか!(放棄した)



では、最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


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再会…?邂逅…?

どうもただの謎存在です。

まず、報告でーす。
この間これを1話から見返していたところ、重大な部分でミスしていたことに気づきまして、修正しました。それに伴って後々の所も一部変えております。
詳細は自分の活動報告をご覧くだせぇ。
で、今回ですが…結構まとめるのが難しかったので文章がおかしいところがちょくちょくあるかもしれません。……多分あります。自分が認識できてないだけで。



では、本編どうぞ!


「おうおう、いきなり戦闘かよ博士。」

 

「っ、と。これは申し訳ない。下手に人が入り込むと勝手に作動するようになっててね。」

お?言葉が流暢に全部聞こえるようになった。いや流暢…でもないな。ピポピポ音は無くなったがイントネーションがおかしい。

 

「冗談きついな…コマンドもねえのに。。」

にしても…コマンドの選択ができるのはFriskだけらしいな。俺の前にはあんなコマンドは出てきてない。つまりこっちから攻撃やらなんやらはできない状態だ。つまり仮に俺がFriskにコマンドを強制させるなら腕を掴んで選択させるなりしないといけない訳か…いやそれよりだよ。

 

「まあまあ、ともあれ、来てくれたんだね。」

 

「色々と聞きたい事もあったからな。」

 

「…そうかい。」

と言うが早いか、博士は握った状態の手を連続して大量に飛ばしてきた。

 

「っ!?」

いきなりだったが、なんとか避ける。っぶな……

 

「…ほう、避けるか。なら…」

と、博士は俺を囲うように上下左右にガスターブラスターを設置して放ってきた。まあ、難なく照射範囲から外れる。が、

 

「はっ!?」

躱したはずなのに体力もがどんどん削られていった。…ああ、そうか。そういやそうだったな。

 

と、また博士は至るところからブラスターを発射する。今度は、ブラスターの射程範囲内に避ける。と、

 

「…やっぱりか。」

今度はダメージを受けなかった。

 

「…流石だね。もう気づくとは。」

と、そこまで来ると戦闘状態は解除されて、景色も黒と灰色に戻った。同時に体中に痛みが走る。

 

「っ…いやいきなり何しでかしてくれんだよ…俺なんでか回復できねーんだよ。唯一の回復アイテムだったバタースコッチパイ、フリスクの慈悲で貰っちゃったけどもう無いからな?」

貴重な体力が…すると博士は、

 

「知ってるさ。だから回復措置も取れるようにしてある。」

と言うと手の真ん中に空いている穴が緑色に光る手を出してきてこちらに緑色の玉を撃ってきた。と、体力がどんどん回復していき、俺の体力が満タンになると博士は手を退け、代わりにその手を自分の顎の下に持っていった。

同時に溶けたような体から人の形の体に変わり、身長も俺と同じぐらいになる。

 

「…で、何の話だい?」

 

「そうだな。…主には俺のソウルについて、かな。」

俺の存在について、という意味を込めて言う。

 

「ふむ…もし私が、「そんなものは知らない」とでも言えばどうするんだい?」

 

「「嘘つけ、知らないなら見ず知らずの俺を二度も助けないはずだ。」…だな。あんたは確実に何か知ってる。特に俺の存在について、な。」

 

「ふむ、なるほど…まあ教えてもいいのだが…それでは芸が無い。そもそも私にメリットがない。ギブ・アンド・テイクは交渉の基本だろう?」

 

「どこから覚えてきたんだよその言葉。」

苦笑いしながら側頭をかく。

…ま、とは言え…

 

「…別に俺から博士にあげれるような情報も特に無いんだよなぁ…大体知ってるだろうし。」

そう。

俺から言えることなんて高が知れてるのだ。外側から色々考えるだけだった俺なんかより、実際に体験している博士とかのほうがよっぽど色んなことを知ってるだろう。

それに、俺より考える時間も長かったろうし、そもそも俺は元々考察とかが好きでやってるだけであってこういうのが本職の博士には敵う訳がない。

 

「…まあ、それでも良い。()()()()()()()()()()()()()()でも貰おうかな。」

…やっぱ気付いてんだな。

つかそんなんで良いのか?

 

「そんなので交渉成立なのか?」

 

「ああ、そうだね。」

…マジで?ほんとにそんなんで良いのか…

 

「…ま、私がしたいのは「私の知りたいことを知ること」だからね。ほら、一回座りたまえ。」

博士に誘導されて床(?)に座る。

知りたいことを知ること、がやりたい事ね…はいはい。研究者思考ってやつね。

 

「…ま、ならこっちからしてもありがたいがな…」

持ち物とかほぼ無いに等しいし。

 

「なら、君から話を聞かせてくれないかい。私は約束は守る質だが、君の事は分からない。」

 

「…博士が嘘をついてないことを祈るだけだな。まあいいぜ。何が聞きたい?」

と、博士は少し考えるようなポーズを取って、口を開いた。

 

「君は…この世界のことをどう考える?」

ん…?

 

「どう…とは?」

 

「難しく考える事はない。君が直感的に、思った通りに言ってみてくれれば良い。」

思った通りに…か。

 

「それは今、って事か?」

 

「ああ。」

それなら…

 

「……Falseness Tale。」

 

「っ……何?」

あり得ないものを聞いたように片眉を上げ、睨むようにこっちを見る博士。…まあ、そりゃそうなるか。自分の居る世界をこんな言い方されればな。

 

Falseness Tale(偽りの物語)さ。…そっちからすりゃ不本意かも知んねえが、これが俺の直感的な感想だ。」

 

「…その心は?」

 

「本来のルートから外れた、本来ならあるべきじゃない話、世界。否、元プレイヤーの俺が関係してる時点で、存在そのものが本来「嘘」だったであろうAU(平行世界)。ここは俺の知ってる世界じゃない。だが、全く知らない世界でもない。色んな所の()()が集まってできた世界がここなんじゃないか、そう思ったからだ。」

 

「……Falseness Tale、ね…」

 

「…んじゃ、次は俺の質問に答えてもらおうかな。」

 

「実に興味深い返答をもらえたからね、いいとも。分かってることはできるだけ答えよう。」

 

「…ま、俺が知りたいことは、最初に言った通りだ。…俺とフリスクのソウルについて、分かってること、推測、全部話してもらおうかな。」

 

「了解。そうだね…────────────────────────」

 

 

 

 

 

 

 

「お待たせー!」

あの空間から戻ってきて待っていると、少ししてFriskとSansが戻ってきた。

 

「、よう、行ってきたか。」

 

「楽しかったよー!」

どうやら博士と会っていたあの空間は時間と干渉しないらしく、かなり話し込んでいたにも関わらず全く時間は経っていなかった。

 

「よし、じゃあそろそろ進むか。サンズ、フリスクの相手、サンキューな。」

 

「………ああ。」

少し驚いたようにした後、Sansは見張り(?)の仕事に戻った。

よし、次はUndyinとの邂逅か…気を引き締めねえとな…F()r()i()s()k()()()()()()()

 

 

 

 

 

『君のソウル、その特性は恐らく守護(Protect)だ。誰かを守る、君なら、()()…君の妹かな。』

 

『モンスターのソウルを持っていれば食べ物を食べて回復できる、というのは合っている。君もまた然り。そして、その君のソウルにいるモンスターというのは…私だ。』

 

『博士が?』

 

『ああ。かつてコアに落ちてしまった際、私のソウルは()()完全に砕け散った…だが、何らかの因子から、その一欠片が君のソウルに潜り込んだらしい。何故、まではまだ私も分からない。』

 

『だが、少なくとも君のソウルは並の決意よりも硬い「ケツイ」を持っている。…同時に、その気になれば守るためにそのソウルを手放すまでの「決意」も然り、だ。』

 

『……もしかして、食べ物を食べて回復、のやつってソウルの中のモンスターのソウルの含有量…って言って良いのか分からんが、まあ、それによったりするか?』

 

『、そうだね。君の場合はとてつもなくモンスターのソウルが薄い。だから、回復しようにも回復できないんだろう。一方、()()はモンスターのソウルがかなり濃いんだろうね。半分や三分の二…もしかしたら彼女自体モンスターなのかもしれない。何のモンスターかは分からないがね…ま、正確には、君も小数点第二位の数値位なら回復しているかもしれないがね。』

 

『なるほどな…0.0なんぼしか回復しないとなりゃ、そりゃ回復してないも一緒だわ。…なら、バタースコッチパイなら回復できた、ってのは…』

 

『それもまだ分からない。君の情報でなんとかならないか?』

 

『…また考えとくか。』

 

『よろしく頼むよ。また会えると思うから、分かったらその時に教えてくれると助かるね。』

 

『オーケー。』

 

『…最後に、』

 

『ん?』

 

『緊急事態用に、君にある情報を教えておこう。』

 

『緊急事態用に?…どんな情報だ?』

 

 

 

 

 

 

 

『…………守るためには攻撃しないといけないときもある…………スペシャル攻撃さ。乱用はできないけどね。』

 

 

 

 

 

 




か、書けた書けた…いやキッツイなぁ…
まあ、題名を回収できたのは良かったですね。
…良かったは良かったんですが…文章力…もうちょっと書きたいことあったけど長くなり過ぎるんですよね…
2話にするには短いですし…1話にまとめようとすると長いとは…
まあ、そのうちまたこの二人を会わせれば良いか。



では、最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


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アンダイン

どうもただの謎存在です。
やー、遅れました!いや学校の方で文化祭がありまして…そっちが優先でそもそもハーメルン自体にあんまり入れてなかったんですよ。
でももう大丈夫!ここからまた頑張ります!



では、本編どうぞ!


SansとFriskが戻ってきて、隣の部屋に移動する。

 

と、目の前にはかなりでかい滝が流れていた。

 

「すごい…」

 

「え!?なんか言ったか!?」

のは良いんだが、滝の流れる音がでかすぎてまともに声が聞こえない。どんだけの高さから落ちてきてんだこの滝。

 

「なんでもない!とりあえず進もう!」

むむ…にしてもここ濡れないといけないのか…着替えがない状態でこれはいささかキツくないか…?風邪引くぞ。

と思ったが、靴を脱いで入るとあまり深くもなく、脛辺りまでの深さだった上、水温もちょっと温かいぐらい。…俺はいいが、Friskは腰辺りまで浸かってるからな…気化熱の現象がキツそうだ。

と、石も避けながら進んでいると…

 

「あれ?…なんかあそこだけ違う…?」

ふとFriskが滝の方を見ながら呟いた。流れてきていた石を退かし、俺も見ると確かに色が濃い所がある。なるほど、ここがあのチュチュのある所か。こう見てみると結構見えるんだな。

 

「えい」

と、Friskが手を伸ばすと滝が割れた。モー○かな?

 

「わっ…?」

 

「こりゃすごいな。」

驚きつつそのまま部屋に入ると、濡れていた筈なのに水が一瞬で全部乾いた。…わぉ、そんな仕様あるんか…

 

「濡れてたのが乾いた…」

 

「ま、風邪引く心配はなくなって良かったな。濡れたまま行ってると普通に風邪引くかも知んねえし。」

確かに原作内でも水から上がっても濡れてた感じなかったもんな。そんなところはちゃんと原作に沿うのか…いやもうちょっと原作に寄せるところあったろ。Papyrusとか。

 

「ん、何だろあれ?」

と、Friskが部屋の隅を見ながら言った。チュチュに気が付いたらしい。

 

「チュチュ…か。色はだいぶ()せてるが。」

 

「…お兄ちゃん、これ持ってて。」

と、俺の方にチュチュを渡してくるFrisk。

 

「何でだ?」

 

「…何となく、持っていかないといけない気がするから。」

…これはPlayerの意思が無理やり言わせてるのか、はたまた本心か。まぁ、断るつもりはねえけど。

 

「おうよ。…あーフリスク、ここでちょっと休んでくか。歩きっぱなしでちょっと疲れたろ。」

 

「ん、うん、そうする。」

リュックにチュチュを入れる代わりにクッキーを取り出す。回復用じゃない。普通におやつだ。

ちなみにだが、地下世界に入ってから食べ物とかの時間が止まってるんだよな。弁当も全くぐちゃぐちゃになったりしてないし、飴も溶けてないし、クッキーも割れてない。…インペントリ扱いなんだろうな。

 

「ほい、フリスクの分。」

 

「あ、ありがとう。」

で、包を開けて美味しそうに食べるFrisk。俺も食う。…美味いな。体力の回復は無くとも別に美味けりゃいいじゃない。にしても…何でバタースコッチパイなら体力回復するんだろうか。なんか他のやつとの違いとかあるか…?

博士が言うにはソウルの内、モンスターのソウルの含有量によって回復量が違う、って言ってたか…何だ、バタスコはTorielさんが…モンスターが作ったから俺でも回復するとか…いや、ここの食べ物多分全部モンスターが作っただろうから違うな。なら何が…博士が何かした、ってのも無くはないが…あの反応を見る限りそれは無いだろうな。そもそもそんな事をするメリットがない。

 

と、そんな事を考えているとFriskもクッキーを食べ終わり、再出発の準備が整った。

 

「よし、行くか。」

 

「うん!」

で、滝のゾーンを抜けて次のエリアに着く。

ここは…

 

「草むら…?草がおっきい…」

あぁ、めっちゃ草でけぇ。Friskが隠れるぐらいにはでけぇ。…が、俺の身長が隠れるレベルじゃないんだよな…まぁ、ちょっと屈めば隠れるレベルだが。

 

「転ばねえように気を付けろよ。」

ここは…お魚との邂逅場所か…まずここで心臓を潰してくるからな…気をつけねえと。

 

で、草むらを潜って進んでいると、ふと崖の上から声が聞こえた。…声的にPapyrusだな。

 

「え…えっと…アンダイン隊長…今日の任務の、報告に来ました…その…さっき電話で伝えたニンゲンの事なんですが…」

と、声的に女性の声がした。

 

「…え?戦ったのか、って…?も、もちろん戦いましたッ!実に勇敢にッ!」

若干焦るようなPapyrusの声。

と、また女性の声がする。同時にガチャ、と金属の当たるような音が聞こえた。

 

「…え、捕らえたのか、って…?えええ、えーと…その…一生懸命がんばったけど…逃げられちゃって…」

と、女性のため息のような声が聞こえた気がした。同時に、もう一度ガチャ、と金属の音がする。

 

「…え?人間のタマシイを取りに行く…?隊長が…?で、ででででも、別に、殺さなくったって…!だって…!」

早口でまくし立てるPapyrusだったが、またガチャ、と音がすると、少し落ち込んだような声で…

 

「…はい…全力で…手伝います……」

そう声がし、Papyrusが去っていくのが気配でわかった。と、横でFriskが…

 

「…うん、進もう。」

と、言った。が…ここは…

 

「!ま、待て。」

 

「?」

と同時にガサ、と大きく草の音がする。同時に、崖の上に()のマークが浮かび上がり、同時に青い…というか水色の光るものが見えた。…槍だ。

 

「っ!フリスク!じっとしてろよ…っ!

小さくそれだけ言って、Friskに近づいて抱きかかえる。と、

 

ヒュン!ザッ!

 

「っっ!!」

 

劈くような音が聞こえたかと思うと、目の前に水色に光る槍が刺さった。

腕の中でFriskが驚きと同時に怯えたのが分かる。

 

その後、崖の上からは気配が去り、少し気を緩めて草むらを出た。

 

「っはぁ…ッ!んだよあいつ…!」

あの野郎…初対面のやつに槍ぶん投げんなよ。

つか元々槍は投げなかったろ!なんで投げてんだよあいつ!構えるだけで済ましとけよ!

と、

 

「よっ!」

 

黄色に茶色の横線の入ったモンスターの子供…Monstar kid君が草むらから出てきた。…いつから君そこにおったん…

 

「なあ見たか!?あのアンダインの視線!めちゃめちゃかっけぇ…!おまけに槍までプレゼントしてもらってさ!お前たちが羨ましいぜ!」

いや、君はこっちに来ない方いい。敵対したら最後、殺す気満々で襲ってくるぞ、あのお魚。

つかあの殺気ガンガンの視線と殺意マシマシの攻撃をどう感じ取れば好意に受け取れるんだろうか。君もしかしてメンタルダイヤモンド?

 

「よし!アンダインが悪者をぶっ飛ばすところを見に行こうぜ!」

そう高らかに宣言してMonsterKid君は走り出し、顔面からこけた。

が、気にしていないように立ち上がり、何事もなかったかのように走っていった。

……色々と強いな、少年よ。

 

「…フリスク、俺らも行くか。」

 

「う、うん…」

…目に見えて怯えてるな。ま、そりゃそうか…

 

「…安心しろよ、大丈夫だ。フリスクに何かある前に俺が絶対横で守ってやるから。それに…フリスクはみんなと仲良くなりたいんだろ?」

 

「!…うん。」

少しだけ表情が明るくなるFrisk。

 

「なら大丈夫だ。ここに根っからの悪人なんていねえ。なら話をして、友達になりたいことを伝えれば絶対仲良くなれる。…パピルスも言ってたろ?」

 

「!」

 

「だから大丈夫だ。まさか一回攻撃されかけたからって諦めるわけじゃ、あるまいな?」

少し意地悪な顔を意識しながらFriskに言う。と、Friskも少し元気になったようで、小さく笑った。

 

「おし、んじゃ進むか。」

……とは言ったが…正直何がどうなるか分からんからな…

パピルスでさえあの難易度だ。となるとUndienは……や、考えないようにしておこう。下手に先を憂いても仕方ない。

 

そう考えてFriskと俺は足を進めることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

     『*Determination = )』




まず、クマァマ様、高評価ありがとうございます!モチベアップだぜ!

さて、ということで今回はお魚登場回でした。…もうすでに原作を壊しかけるというね。もうこの先どうなるか自分ですら分かったもんじゃ無い…
さてさて、次からまたどうなるか…ね。


では、最後まで読んでくださり、ありがとうございました!


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花のパズル

どうもただの謎存在です。

今回、中々描写が難しかったところがちょこちょこありました。なので、ちょっと書き方おかしいなー、みたいなところがあるかもしれませんが、ご了承ください。



では、本編どうぞ!


さっきのところでセーブし、次のエリアに足を進める。

 

「ん?石版…?」

 

「石版だな。」

花の説明の石版だ。『「足場の種」は水面に4つ並ぶと花を咲かせる』…ね。

 

「どういうこと…?」

 

「多分あれだろ。」

進行方向にある道の窪みに4つの花の蕾があるのを指さして言う。と、Friskは納得したように一つ手に取り、頭の上に載せながらすぐそこの水に流した。

 

「こういうことかな?」

 

「だろうな。全部を一直線に並べれば咲いて橋になるんだろ。」

俺も手伝いながら花を水に流し、4つ並べる。と、

 

「わぁ…」

一直線に4つ並んだ花が一斉に開き、花の橋ができた。

 

「きれい…だけど、なんか踏みづらい…」

 

「確かにな。」

苦笑しつつ返事をする。…ま、俺の予想なら多分これは…

 

「…うん、だよなー…」

花を浮かべてるだけなのにまるで固定されてるかのように動かない花の橋。突っついたところで沈む気配もないどころかまるでコンクリートの橋並みに固定されている。もう何というか…こんなところは原作に沿わなくていいんだってば。

 

「ま、渡らねえと先に進めねえし、進もうか。」

 

「…うん。」

Friskも少し恐る恐るといったように渡り、次のエリアに進む。

と、背景が白黒に変化した。

 

『*アーロンが筋肉をピクピクさせて現れた!』

馬の上半身に魚の下半身をつけたような奴…アーロンが出てきた。

Friskは迷うことなくACTに手を伸ばす。…反応が早え。

 

ピッ

 

『*筋肉をピクピクさせた。アーロンは2倍ピクピクさせた。二人ともATKが上がった。』

いやこっちのATK上がってもほぼ意味ないんだがなぁ…

 

「筋肉自慢?よーし(^_-)☆」

と、アーロンはウインクをして言った。…閉じた方の目からマジで星が出てきた。

と、下から曲げた腕の方ををした弾幕が左右交互に迫り上がってくる。

…ま、これぐらいなら避けれるな。

 

『*アーロンはこちらが筋肉を見せるのを待っている。』

見ると期待の眼差しでポーズを取るアーロンがいる。…そんな期待されても俺もFriskも筋肉そんな無いぞ。

 

ピッ

 

『*筋肉をもっとピクピクさせた。アーロンは3倍ピクピクさせた。二人ともATKが上がった。』

いやだからさ。

 

「すごい!でも負けないよ!(^_-)☆」

と、再びアーロンはウインクをする。星も出てくる。どうなってんだろマジで。

と、大量に汗が飛んできた。…いや汗が飛んでくるって結構嫌な攻撃だよな…そりゃ避けるわ。

 

『*アーロンはこちらが筋肉を見せるのを待っている。』

ピッ

 

と、

 

『*もっともっと筋肉をピクピクさせた。アーロンは筋肉をピクピクさせすぎて部屋の外へ飛び出した!』

……いやどこから突っ込んでいけばいい。

すいーっ、と上に飛んでいったアーロンを菩薩のような目で眺めつつアナウンスに耳を傾ける。

 

『You win!

0EXPと30GOLDを手に入れた!』

今回は被弾なしか。よかったよかった。

と、次に見えてきたのはまた花のパズル。…ま、ちょっとここで考えていくか。

 

「んー…んーー…?」

 

「…手伝おうか?」

 

「ううん、ここはボク一人で大丈夫!お兄ちゃんは休んでて!」

…成長してるなぁ…と穏やかな目でいそいそと頑張るFriskを眺める。

流してみては開かず、ベルを鳴らせてまた考え…をしてるうちにだんだん分かってきたらしい。

そして…

 

「できた!」

と、見事に花が開いた。

 

「おー、お疲れ様。よく出来たな。」

とてとて、と走ってくるFriskを受け止め、頭を撫でる。髪サラッサラ。

 

「えへへー。ん、お兄ちゃん行こ!」

 

「おーおー、転けるなよ。」

走り出したFriskに声をかけると、Friskのポケットから音がした。

 

ピピピピピピ!

 

「ん、パピルスから電話だ…」

ああ、あの電話イベか。

ピッ

 

「もしもし!パピルスですッ!…どうして番号が分かったかって?そんなの簡単だッ!1から順にボタンを押していったら繋がったッ!」

電話口からまた元気な声が聞こえてくる。…こっちにまで内容丸聞こえなレベルの元気な声だ。

そして根気良すぎかて。どんだけ時間かかったんだろ…

 

「ニャハハ!…えっと…いまどんな格好してるの…?

…いや、友達に頼まれたから聞いてるんだけどね?」

友達…ね。

 

「キサマがバンダナを身に着けてるのを見たってその友達が言うんだ。…それほんと?キサマはバンダナを身に着けてるの?」

と、Friskがふとこっちを向いて、目で訴えかけてくる。…んー…

 

「…自分で考えな。二択だろ?正直に話すか、少し嘘をつくか。」

と、Friskは少しだけ考えて、電話に向かって首を縦に振った。声は聞こえないが、肯定したのが分かった。

 

「そうか。バンダナを身に着けてるんだな…オッケー!あとは任せて!じゃ!またねー!」

と、そこで電話は切れたらしい。ツー、ツー、と不通音が聞こえてきた。

 

「…行こ!」

 

「…ああ。」

少しだけ作ったような元気を見せて、Friskは俺の手を引いて進もうとする。それに従って俺も進む。

そして、トンネルのようなところに入った。

 

「…わぁ…」

そこは、天井に青い光が散りばめられた空間になっていた。

こりゃきれいだな…

 

と、Friskは近くの青い花…エコーフラワーに近づく。と、少女のような声が流れ始めた。

 

『遠い昔、モンスター達には夜空の星に願い事をする習慣があったの。心を込めて願えば、願いは叶う、って言われてたみたい。…だけど今は…いくら見上げても天井に光る石しか見えない。』

Friskは、無言でエコーフラワーの話を聞いていく。

 

『こんな沢山の人がお願いしてるんだから、叶わないわけないよ!王様がちゃんと証明してくれるって!』

 

『だから…ね!お姉ちゃんも早くお願い事して!』

 

『…いつか、妹と一緒に本物のお星さまを見られますように…』

 

「あれ、望遠鏡…?」

ふとエコーフラワーの話を聞き終わったFriskが望遠鏡に気づき、のぞき込む。と、あの「かべをしらべて」の文字を見つけたらしく、道を進んでいく。が、

 

「んー…あれ…?何もないよ…?」

ただ壁をペタペタとするFrisk。んー…

 

「Frisk、ちょっと寄ってくれ。」

 

「んー?分かった。」

で、Friskが寄ったのを確認して、少し離れたところから助走をつける。で…

 

「ふっ!」

 

ドドンッ!

 

渾身の体当たりが聞いたのか、壁が崩れて道ができた。…は良いんだが、腕痛え。調子乗ったわ。

 

「わっ!道ができてる…!お兄ちゃんすごい!」

……ま、妹に褒められるんなら方の痛み食らうぐらいどうってことないな。うん。(暗示)

 

「おし、進むか。」

そして、空いた穴を通り、木でできた足場を通って石版を見つけた。

 

「なにこれ…?…人間とモンスターの…戦争史…?」

…あー、そうか。

 

「お兄ちゃん、これ…!」

 

「ああ。…どうする?読むか?」

 

「…うん。」

どこか決意を固めたのか、Friskは読み始めた。




ちょっとキリが悪い気もしますが、ここで一回切ります。ちょっとここから書くとまた長くなりそうなので…



では、最後まで読んでくださり、ありがとうございました!


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時の石版そして…危機

どうもただの謎存在です。
はい、追いかけっこですね。当然原作のまま行くつもりはありません。
あと、今一応僕テスト期間中なんですが…何やってんですかね。



では、本編どうぞ!


「読めそうか?」

 

「うん。なんとか。」

そう返事をして、Friskは石版を読み始めた。

 

『なぜニンゲンはモンスターを襲ったのか?彼らには脅威など存在しないかのように思われた。人間は圧倒的な力を持つ。全モンスターのタマシイを集約してようやく…一人のニンゲンのタマシイに匹敵するほどその力の差は歴然としているのだ。』

 

『だがニンゲンにも弱点が一つある。その弱点には皮肉にも彼らのタマシイの強さが関係している。ニンゲンのタマシイは死後も肉体を離れ、存在し続けることが可能なのだ。』

 

『このためニンゲンを倒したモンスターはそのタマシイを奪うことができる。モンスターがニンゲンのタマシイを取り込めば、底知れぬ力を持つ恐ろしい怪物となるのだ。』

 

と、最後の石板には、また形容しがたい姿の生き物が描かれていた。見ていると目を背けたくなるような、少し恐怖心を煽る絵だった。

 

「っ…お兄ちゃん、これって…モンスターを地下に閉じ込めたのって…人間ってこと…?」

 

「…そうだな。2つの種族間で戦争があって…いや、人間がモンスター側に戦争をふっかけて、その戦いでモンスター側は敗北。地下に閉じ込められる羽目になった、って感じか。」

人間もそのタマシイの強さとかなんとかの仕組みは分かってて吹っかけたんだろうか。…まあ、この石版もかなり古いみたいだし、モンスター側にその知識が当時あったってことは人間側も知ってたか…

 

「…そんな…」

と、Friskの表情が暗くなる。…もう…

 

「フリスク。あんまり気に病むな。…気にするなとは言わんが、こんな所で立ち止まってても何にもならねえ。なら、自分のできる最善を尽くせ。人に迷惑のかからない程度でやりたいことをやれ。」

 

「っ…うん。わかった。進も。」

 

「おう。」

んー…やっぱ少しショックだったみたいだな。まあ、ここまで触れ合ってきたモンスターもみんないい人だったし、そんな人たちを地下に閉じ込めたのが自分と同じ人間だったとなれば、ちょっとショックか…本当に優しい。

と、ここでフリスクが気付いた。

 

「…あれ、ここからどう進むの…?」

道がないのである。先にあるのは人一人が乗れるか、というレベルの小さな木の板だけ。…これは実世界の初見じゃ気付けんだろ…。

 

「フリスク、ちょっと失礼。」

 

「?わっ!」

Friskを抱っこし、木の板に乗る。…これ大丈夫だよな…?

てま、恐る恐る足を前に出すと、木の板も前に進む。おおぉ…こんな感じなのな…

 

「わっ!?すごい、お兄ちゃんよく分かったね…」

ははは…元プレイヤーですとか言えねー…

 

で、木の板を降り、木でできた足場を渡って進む。

と、

 

「…なんか不穏だな…」

後ろからの光で前に影ができている。Friskの後について長い木の足場を渡っていく。……あー、ここは…

と、上に水色の光が見え…

 

「!フリスク!」

 

「えっ?」

咄嗟にFriskの手を引いてこっちに引き寄せる。と同時に…

 

ドン!

 

目の前に水色に光る槍が落ちてきた。

 

「っ!」

と、向こう岸に鎧姿のUndyneが見えた。

…来たか。

 

と、Undyneは3本の槍を出現させ、こちらに放ってきた。

 

「チッ」

Friskの手を引いて、先へ走る。が、

 

「っ!?」

なんと、外れたはずの槍が若干追尾しながら追ってきていた。

 

「っの野郎…!」

何だ!?何やってんだよ!?Sansとかなら確かに骨だし、何ならガスブラは半分生き物みたいなところあるから動けてもまだ納得するぞ!?なんで槍をそんな簡単に追尾させてんだよ!?

 

「っこの…!」

と、後ろから迫ってくるやりに少し掠った。と、背景が白黒に切り替わる。

 

「っ!」

と、上から大量の槍が降ってきた。急いでポケットからサバイバルナイフを出し、背で弾いていく。

と、少し経つとまた色が戻り、逃走を再開する。

そういや、ここは進んでちょっと戻ってを繰り返せば当たりにくいんだったか?と思うも、後ろから槍が追尾してきている以上、戻ることは許されない。なら…

 

「追いつかれないぐらいで全力疾走するのみ…!」

Friskはちょっとついていけないと判断して、再び抱っこし、全力疾走する。

 

「フリスク。かなり揺れるが我慢してくれ!」

 

「わ、わかった!」

そうして走っていると、また背丈の高い草むらが見えてきた。よし…

 

そしてその草むらに駆け込んでFriskを下ろし、しゃがむ。片膝をついて体勢を低く、また反撃もできるように念の為右手にサバイバルナイフを持っておく。と、

ガサ、ガサ、と音が近づいてくる。と、目の前で音が止まった。そしてUndyneは腕を振り上げ、そして…

 

ブン!

 

と、左側から何かがゆっくり上がっていった。…Monstar Kid君がいた。いつの間に…

と、UndyneはMonstarKid君を()()()()()下ろし、再びこっちを向いた。

 

何…?

 

…おいおいおい、嘘だろ…!?

 

Undyneはゆっくりと右手を上げ、そしてその右手に光る槍を出現させた。

 

「っ…!」

どうする…どうする…!

最終、俺のソウルを相手に引き渡せばFriskは守られるか…?いや、こいつのことだ。何かと理由をつけて二人とも殺していくだろう。クソ…どうする…下手に動けば更に見つかる…どうすれば…どうすれば…!!

と、Undyneは槍を振り下ろ…

 

フルフルフル

 

「?」

そうとした瞬間、ガサガサと草を分ける音がし、Undyneの足元でフルフルと体を揺らしながらチビカビが出てきた。…なんでここにいるのか知らんが…

と、Undyneは槍をかき消し、そのチビカビをまじまじと見たあと、後ろを向いて帰っていった。

 

「…っは…」

そうして十分離れたのを確認してから息を吐く。

心臓の鼓動が早い。我ながらめちゃめちゃに緊張してたんだな…ま、生死の境界にいたようなもんだしな…

 

「お、お兄…ちゃん…」

ふとその声で横を見るとまだ少し震えながらFriskが袖を掴んでいた。

 

「…もう大丈夫だ。あいつは来てない。」

 

「っ怖…かった……!」

脱力したようにそのままふっ、と後ろに倒れそうになったFriskを支えて、草むらから出た。と、ヒョコ、とMonstarKid君も出てきた。

 

「やべェ…今の見た!?アンダインに…触られたぜ!!俺もうぜーったい顔洗わないもんね!」

 

「いやそれは洗えよ。」

思わず出た。

 

「いやいやだってよ!あのアンダインに触ってもらったんだぜ!?なんだ?羨ましいのか?もーちょっと左の方にいたらどストライクだったのにな!」

君の言うどストライクは、俺らにとっちゃ、どStrikeになるんだよ。つまり死だ。

 

「ま、元気だせって!アンダインにはまたきっと会えるよ!」

と言うと、MonstarKid君は走っていった。で、顔面からコケた。…こりゃ帰ったら顔洗わざるを得なくなったな。

まあ、そんなことも気にせず、Monstar Kid君は何ともなかったかのように走っていった。流石はダイヤモンドメンタル…

 

…つーかできればもう会いたくねえなー…Undyne。




次の投稿ちょっと遅くなるかもです。書く時間が無い可能性がありまして…
普段なら投稿する頃には次の話の半分くらいはできてるんですが、今まだ4行ぐらいしか書いてないんですよね…



では、最後まで読んでくださり、ありがとうございました!


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面倒そうな奴はスキップするのが定石だろ

どうもただの謎存在です。

…いやマジで遅れて申し訳ないです!
前回遅れるかも、的なのを書いてから一月以上空きましたね…
理由としては、モチベの低さ、ネタを入れる要素に困ってた、本来より元々書けてなかった、の三本立てです。という事で乾いた雑巾を絞る思いでネタを捻出しました。



では、本編どうぞ!


その後、Friskの調子が戻るのを待ってから次の部屋に進んだ。

と、クリスタルに包まれたチーズを見てからセーブし、また進む。

と、

 

「…ん?あ!サンズ!」

 

「、よう、がきんちょ。と…」

ちょっと顔を歪めながら苦笑いのようなのをするSans。何だ?なんか文句でもあんのか?お?

…ま、多分その名前は言いづらい、ってことだろうけどな。

 

「まあまあ、で、何やってんだ?」

 

「ん、オイラも望遠鏡ビジネスを始めてみたんだ。この「プレミアム望遠鏡」…一回50000Gだけど…アンタはお友達料金でタダでいいぜ。どうする?」

 

「待て待て。まず素の値段高すぎんだろお前。」

50000Gて…ギャグにしてもだぞ。50000Gの時点でFriskが「んん?」って顔してたぞ、おい。

…そして、ここ、アレなんだよなぁ…

 

「フリスク、どうする?」

 

「うん、見てみる!」

…そうなるか。ハンカチあったっけな…あったわ。水に濡らしとこ。

で、望遠鏡を覗いて、しばらく傾けたりして色んな所を見ようとしたみたいだが、まぁ…多分赤…というかオレンジに近い色が延々見えてるだけだろうな。

 

「???…サンズ、これ何も見えないよ?」

で、望遠鏡から顔を離してSansの方を向くFrisk。右目にはしっかり丸の形にインクがついている。

 

「……フリスク、ちょっとこっち向け。」

 

「?うん。」

で、痛くないようにインクを拭っていく。…うわ、取りづれぇ…この野郎これインクじゃなくてペンキの類か?

 

「おいサンズ、これ目に入ったらどうするつもりだったんだ。そうなりゃ俺がお前斬り伏せるぞ。」

 

「おっと、そこまで考えてなかったな。まあ水で洗えば落ちるぜ。安心安全なペンキだ。」

やっぱりペンキだった。この野郎。

 

「??お兄ちゃん、どうなってるの?」

 

「あー、鏡とか…ないよな。右目の周りに丸くオレンジのインク…というかペンキが付いてるぜ。…こいつの仕込んだやつのせいで。」

?とFriskは自分の顔…というか目のあたりを触って、手を見てちょっと首を上げた。

 

「サンズー!」

両手を上げて怒っていることを表現しようとするFrisk。

…でもかわいい。

 

「Haha、悪い悪い。」

悪いと思ってんだろうか、この骨。…いや、あんまり思ってないだろうな。

 

まあ、そんな骨は置いておいて、先に進むと一見玉ねぎみたいなやつがいた。

 

「…星ってなあに?」

Friskが近づくと、その子は話し始めた。

 

「触れるの?おいしいの?殺せるの?……あなた…あなた達は 星 なの?」

…星、か。

 

「いや、俺達は星じゃない。星っていうのは、キラキラ光ってる、見るためのものだ。触れないし、食べられない。殺せもしない。」

 

「そっかぁ!…見てみたいなぁ。」

厳密にいうと地底世界も星のうちだし、見るためのものだもないんだが、まあこの場合の星は空に浮かんでる恒星の方だし、厳密な説明言ったところでどれぐらい納得してくれるか分からん。…そもそも説明できるだけの語彙力と知識が俺にあるかも分からん。

 

で、ナイスクリーム屋さんのいる所には入らず、Friskは手前の道に入った。少し進むと、水色の道が続いていて、明かりも少なく、空…天井が更にきれいに輝いているところに出た。

 

「わあぁぁ…!」

 

「凄ぇ…」

壮観というか、多分地上にこんなところがあったら観光客でいっぱいになるだろう、というぐらいに綺麗だ。さっきまでのところもきれいだったが、輪をかけて綺麗だ。

と、Friskは、広いところからまた一本の道に入り、エコーフラワーを見つけて走って近づいていった。

 

「こけるなよー。」

 

「うんー!」

元気だな。おじさんもう疲れてきてるよ。おじさんというほどの年齢でもないか。ただでさえUndyneとのやつで走って、緊張状態から更に立ったまんまだからな。ちょっと休みてぇ。

と、

 

「あ、お兄ちゃん疲れちゃった?ちょっと休む?」

 

「、良いのか?じゃあちょっとだけ…5分だけ座らせてくれ。」

なんて優しい妹だろうか。心に染みる。と、

 

プルルルルル!

 

「っわっ!?」

「ぐぁっ!?」

い、今起こったことをありのまま話すぜ!?

突然の電話の音に驚いたFriskが腕を振り、その腕が俺の鳩尾に直撃したんだわ。…ぐおぉぉぉぉ…

 

「あっ、ご、ごめん!」

 

「あ、あぁ…それより、電話出とけよ…」

いやー、Friskなかなか力あるねぇ。すっげぇ痛い。

また座ろうとしてる途中だったのが良くなかったな。Friskと俺の身長の関係上、腕の軌道上に鳩尾が丁度来てたんだわ。…なんつー奇跡。こんなところで起こんな。

 

…で、今のは多分Papyrusからの電話か。格好への報告のやつだな。こいつ、意外と頭いいよな。

…電話からの話を聞きながらFriskが「あっ…」みたいな顔してるわ。俺も忘れてた。逆に着替えてたらどうなってたのか気になってくるところだがな。

 

で、しばらくしてFriskが戻ってきた。

 

「お兄ちゃん、大丈夫だった…?」

 

「おう、もう問題ねえ。気にすんな。」

これは事実。…なんか回復が早い気がする。

 

「よかった…ごめんね。」

 

「ありゃタイミングの問題だな。ッハハ、」

で、そのまま進んでいくことにした。と、

 

「!フリスクストップ。」

 

「えっ?あ、」

足元にチビカビがいた。危うくエンカウントするところだった。

 

「ごめんねー。」

Friskが言うとチビカビはちょっとこっちを見て、フルフルと体を揺すってどこかに這っていった。…ちょっとかわいい。

 

で、道なりにそのまま進んでいると…

 

「あ、石版だ…」

一枚だけ、石版がまたあった。

 

「……『ニンゲンのタマシイを奪う我々モンスターの力…ニンゲンたちはこれを恐れた。』…か。」

 

「これ…戦争の理由…?」

少し怖がったようにFriskが呟いた。同時に、そっと手が握られた。

 

「…多分な。」

そうとしか言えないが。それ以外に理由ないし。

…こういう勝手なところとかもCharaは嫌いだったんだろうか。

 

「………」

…そしてまた黙るか…まあなぁ…しょうがないっちゃしょうがないよなぁ…

下手に声をかけるのも得策じゃないかな、と思って、Friskの頭を数回撫でるのに留めておいた。

 

で、そのまま歩いていると…

 

「…ん?」

ふとFriskが振り返って、不思議そうな声を上げた。

 

「どうした?」

 

「…あんなのあったっけ。」

曲がり角を曲がったとき、Friskは後ろにあった黄色い曲がった棒のようなものを指して言った。……あー、

 

「…無かった気がする。」

 

「よね…って、こっちも!?」

ふと前の方向を見ると右側にも同じような触手のようなものが浮いて…出ていた。

で、俺は歩きながら左側の方を向き、少し小さくため息をついた。

あいつだよなー…

と、突然、水から黄色いような緑のようなナニカがせり上がってきた。……えらく目を輝かせて。

 

「あ…ども…こんにちは…通りすがりのひと…?」

 

「よしフリスク。先進むぞ。」

 

「待って待って待って。」

面倒そうな奴はスキップするのが定石だろ。違うか?




まず、半兵衛.重治様高評価ありがとうございます!

そして、これ…もうどこに向かわせたらいいか分からなくなってパパパッと書いた結果こうなりました。
いやそれはそれでどうなのさ…

あ、それと、UA様20000人突破ありがとうございます!!超絶困惑しながら喜んでます!

では、最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


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自信

どうもただの謎存在です。

…いやマジですみません!謝ってばっかな気もしますけど、また投稿サボってましたァ!
まあ、その事についてちょっと大事なお話を活動報告の方に上げました。まあ、察せと言わんばかりなんですが、今回はちょっと訳がありまして。読んでいただけると幸いです。
まあ言い訳はここらへんにしといて。



では、本編どうぞ!


「一応自己紹介ってあるじゃん、ね?」

 

「…まぁ…」

 

「コホン、じゃあ改めてお!」

と、黄色い玉ねぎは一気に顔を崩して、

 

「わたし、オニオンサンだお!オニオンサンって呼んでお!」

と声高らかに言った。

 

「よし、行くぞ。」

 

「え、いやなんかリアクションとか無いお…?」

 

「いやどうリアクションしろと。」

なんというか…なぁ…。

そもそも、こいつ声変えてたんだ。元々…というか初対面のときめっちゃキャピキャピした声出してたのに、顔が崩れると同時に面倒臭さMAXの声になったぞ。

で、進んでいるとオニオンサンは着いてきて話しかけてきた。

…つかこいつ、敬称付けられたらどうする気なんだろ。もしかしてあれか?オニオンが名前で自分でさんってつけてる感じだったのか?…いや、違うだろうな。じゃあ呼び捨てていいか。オニオンサンさんは言いづらすぎるだろ。

 

「そ、それより、ウォーターフェルは初めて?ここはいいとこだお!」

と、オニオンサンは初対面のときの顔になった。

 

「オニオンサンもだーい好きだお!お気に入りだお!」

 

「…おう、そうか。まあでも確かに綺麗な所ではあるな。」

 

「うん!お空とかも綺麗だよね!」

Friskも賛同する。まあ、正確に言えば空というより天井だけどな…まぁ、別にそこはいいか。空っちゃ空だろ。

と、オニオンサンは水の中に顔を埋めた。

 

「でも…最近水がどんどん減ってきてるお…だからずーっとしゃがんでないと頭が出ちゃうお…」

と思ったらまた勢いよくザバッと顔を上げた。…普通に水掛かったわ。まあ一瞬で乾いたけど。…こういうところちゃんと(?)してんだよなぁ…

 

「でッ…でもッ…!いいんだお!都に住むよりはマシだお!人の多い水族館で生活するなんてまっぴらだお!」

いや都どんな所やと想像してんだ。仮に水族館があったらUndyne連れてかれるぞ。……やべ、水族館の中で魚に混じってUndyneが泳いでるの想像したらシュールすぎて笑えてくる。どちらかといえば飼育員側だろ、あれ。

 

「友達はみんな水族館暮らしだけどッ!」

訂正。あったのか、水族館。そんなところあったか…?いや、記憶に無いが…通行路以外のところにあったのか?

ならUndy…あ、止めとこ。これ以上想像するとマジで吹き出す。シリアス要員が一気にシリアル要因になりやがるぜ。

 

「どーせ水族館は満員だお…住みたくても無理だお…」

と、オニオンサンはまたどんよりとした顔をしながら水に顔を埋めた。

…こいつ、情緒大丈夫か?

と、オニオンサンはまたザバッと顔を上げて元気そうな顔をした。…だから水かかるんだってば乾くとはいえど!

 

「でも大丈夫だお!アンダインがなんとかしてくれるお!オニオンサン、ここを出て広い海で暮らすんだお!」

っと、ここでUndyne出てきたのか。

名前が出た瞬間一瞬でFriskの体が震えた気がした…いや、震えてたな。握ってる手の力が強くなった。

 

「…まぁでも、海か。お前、海水で生きれるのか?ここは淡水みたいだが。」

ちょっと指に水をつけて擦ってみても、完全に水。塩特有のベタベタした感じもないし、まあ秒で乾くけど塩は残らない。

 

「か、海水…?」

って、分かってなかったのか、こいつ。

 

「海ってのはこことは違って、ものすごい広い。まあそれは知ってたみたいだが、それに加えて水が濃いめの塩水なんだ。大丈夫なのか?」

淡水魚は海水に入れると死ぬって聞いたことがあるが…いや、こいつは魚じゃねえか。何に入るんだろ…野菜?流石に違うと信じたい。まぁ、モンスターはモンスターか。

 

「そ、そんなに難しいのかお…また考えとくお!…あ、もう出口に着いちゃったね…じゃ、まったねー!」

 

「またねー!」

Friskは答えていく手を振っていた。俺?…ちょっと面倒くさい系の相手は苦手でな…まあ、返答レベルで手を振っておく。

 

「!!フフン ブクブクブクブクブク…」

…なんで今ちょっと誇らしげに笑った?

返事をくれたのが嬉しかったのか?妙なところで俺とシンパシーを感じさせるな、こいつ。(意味が分かると悲しいお話)

 

まあ、そんなこともありつつ先に進む事にした。

次の部屋…あ、Shyrenの所か。歌…歌かぁ…俺音痴なんだよなぁ…Friskに頼まれたら歌うよりほか無くなるけどさ。

 

と、進んでいると、部屋の隅っこに縮こまっている魚…魚?人魚?とも取れるモンスターがいた。

 

「!どうしたんだろう?怪我でもしたのかも…!」

と、トテトテっとFriskが走っていく。こけるなよ。

すると、Shyrenは一瞬こっちを向き、ビクッと体を震わせて壊れた機械のようにギギギッと元に戻った。

 

いやどうした。

 

と、Friskが近づくと、いつものように背景が白黒に切り替わった。胸の前にハートも出てくる。

 

………ん?あれ?音楽は?

 

「ぁ、ぇっと…え…」

…ん?これはもしや恒例となったイレギュラーか?…まあ、だろうな。まさか戦闘内ですら問題が出始めるか…

 

「えっと…こんにちは?」

と、FriskはACTを選択し、分析する。

 

『*Shyren

ATK19 DEF0

音痴。地獄の歌声を披露する自信がない。』

 

「………」

…おかしい。

分析しても内容におかしい所はないが、Shyrenも何も喋らないし、音楽も流れない。その上戦闘が進むこともない。何だこの違和感…

 

『*………』

と、ターンが回った。

…まーじで何なんだ。こりゃいよいよ解決策が分からんぞ…ACTで他の選択肢を…いや、現時点のコマンドが調べるしかなくなってるな。ハミングとかのコマンドがあったならワンチャンと思ったが、コマンド外の行動は向こうに干渉できないみたいだからなぁ。

 

「お、お兄ちゃん、どうしたらいいの…?シャイレーンちゃん、何も喋ってくれないし、何も起きない…」

んなもん俺が聞きたい。だが、兄としてここは何とかしときたいところだがな…どうする…?できる行動は逃げるか調べるかアイテムか…[FIGHT]。これだけは駄目だな。だがコマンド外の行動に反応してくれないとなると……いや、待てよ?もしかしたら…

 

「あー、ちょっといいか?」

 

「ビクッ!」

やっぱり。

Friskのコマンド外の行動は反応されないが俺のは反応されるらしいな。プレイヤーの影響範囲外だからか?

 

「…何をそんなにビビってるのかは知ないが、一つ聞きたい。…歌の練習、しなくていいのか?」

 

「………。」

Shyrenは何も喋らない。

 

「…返答ぐらいは欲しいな。それとも、なにか歌えない理由でもあるのか。」

 

「……だから…」

 

「ん?」

ふと、蚊の鳴くような小さな声が聞こえた。

 

「…へた、だから…誰かに…聞かれるのが、怖い…」

…あー、な。なるほど、()()()()()のShyrenか。

 

「ま、なら一回聞かせてみ?自分の感じ方と人の感じ方はだいぶ違うぜ?聞いてみなけりゃ分かんねえし、下手かどうか決めるのは自分じゃねえ。…つーかむしろそこまで下手だってんなら逆に聞いてみたい。」

 

「………ん………」

…大丈夫…か?

と、少し小さく音楽が流れ出した。

同時に、小さく、本当に小さく歌声が聞こえてきた。

 

ふんふん……」

 

『*Shyrenは小さく口ずさみ始めた。』




ではまず、炙りカルビって噛まずに言える?様、yoka様、コシュカ様、10戌様、RINGO飴様、様々な評価ありがとうございます。もっと精進していこうと思います。

そして、とりあえず個人的にはこの話の展開上中ボス戦だと扱ってるシャイレーンちゃんです。基本的に中ボスあたりにはイレギュラーを入れるつもりなので。※ruinsではナプスタ。snowfullでは犬夫婦戦のスキップ。
…つかスキップはほぼほぼ手を抜いた結果な気もしなくもないなぁ…(ボソッ



ではでは、最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


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自分らしさ

どうもただの謎存在です。

Shyren戦とちょっと過ぎてからです。

では、本編どうぞ!


と、同時に小さな音符が一つ、不規則に揺れながら飛ぶ。…まあ、方向はこっちに向いてすらないが。

 

『*ミュージックのにおいがする。』

と、音楽の大きさがいつもの大きさに近くなる。

つかミュージックのにおいとは一体。

と、

 

ピッ

 

「ん?」

選択音がした。後ろを向くとFriskがACTからハミングする、を選択していた。

俺には聞こえないが、Shyrenの反応を見ると少し興味を持ってるようだ。

 

『*あなたは悲しげな歌を口ずさんだ。…Shyrenもそれに合わせて歌った。』

と、彼女が少し顔を上げ、声も少し大きくなる。…が、やっぱり完全に聞こえはしないな…

 

ふんふん…ふんふ〜ん…」

と、さっきよりは少し大きさが大きくなった音符が3つほど飛んでくる。

相変わらず指向性は無いみたいだがな。

 

『*Shyrenは誰かの歌に合わせて歌ったほうが落ち着くようだ。』

そうアナウンスが聞こえると、横でFriskが、何かを思いついたように顔を上げた。

 

「お兄ちゃん、ここでちょっと時間使ってもいい?」

 

「?ああ、構わんぞ。…何するつもりだ?」

と、Friskはえへへ、と笑って言う。

 

「秘密!あとお兄ちゃんも手伝ってね!」

内容を秘密にされたのに手伝ってとはこれ如何に。

まあかわいいから良し。えへへがめっちゃかわいかった。

 

それから、Friskはまた同じようにハミングを選ぶ。

 

『*更に歌い続けた。モンスターたちは歌に身を任せている。』

と、周りにいつの間にかモンスターたちがチラホラといるのに気がつく。

…この世界白黒状態でも外から干渉ってできるのか?

 

『*ゲリラライブの始まりだ。』

急に雰囲気が変わった。

いや、Shyrenのでも俺のでも、ましてやFriskのでもないんだが、何つーか…圧?

 

「シ ファ シ ファ ソ ファ ソ ミ レ レ」

Shyrenの声がまた大きくなった。普通ぐらいの大きさにはなってる。…つか曲調変わったな。何か…ちょっと楽しみ始めれてるかな。

と、いきなり大量の音符が躍り出てきた。

急いで迎撃を、と思ってナイフを出そうとするが、やめる。

…この場で使うものじゃないかな、避けるだけにしとくとするか…おっとFrisk危ない。

 

「わっ、ありがと。」

 

「問題ねぇ。それより、あっちのほうが大事だろ?」

少し笑って言う。

 

『*Sansがトイレットペーパーで作ったチケットを売っている。』

おぅ、Sans…なにしとんねん。…ん?トイレットペーパー…?…あれ?

あとなんか凄い意外そうな目で見られてる気がしないでもない。…いや、とりあえず今はこっちに集中だな。

 

Friskも、Sansを見つけておーっ!となっていたが、とりあえずまたハミングをする。

 

『*更に歌い続けた。チケットはソールドアウトだ。気分はまるでロックスター!』

 

「ミソミソミシミラシソ」

ソールドアウト…最後の方Sansがチケットをばら撒いてた気がしたのは気のせいだろうか。

…もし気のせいじゃないなら片づけはやれよ、と音符を躱しつつ思う。

と、Friskがこっちを振り返って、満面の笑みで手招きをしてきた。どうした。

 

「お兄ちゃん!お兄ちゃんも歌って!」

 

「え、い、今かよ!?」

 

「うん!ほら!」

協 力 っ て そ う い う ?

えー…歌…歌…まあ、そうだなぁ…

 

「わーった。」

歌かぁ…いつぶりだろ。少なくともここ数年は歌ってないな。上手く…はないだろうが、音痴ではないはず。と思いたいな。

周りの歓声やら音楽に負けないよう、深めに深呼吸をして息を吸う。

 

「─────♪」

あー、思いの外歌えるもんなんだな。

下手…ではない、言っても平凡な歌声だと思う。

 

『*観客は服を投げている。靴 下 の 嵐 だ 。』

と、大量の靴下が飛んできた。何の嫌がらせだよこれ!?

まあ、ダメージ判定は流石にないっぽいが…

 

ピッ

 

『*更に歌い続けた。だけど…ツアーや追っかけファンに追われる毎日…気の休まるヒマがない…』

 

「(ブォォォーー…)」

と、さっきまでより多めの音符が飛んできた。…つかこれ、当たったらどんなダメージ判定なんだろ。打撲…か?違うかも。鼓膜にダメージとかいやだぞ。

 

『*Shyrenは自分の将来について考えている。』

…そろそろか。

 

ピッ

 

『*三人はビッグになった。だけど…そろそろ潮時だ。』

…ん?三人?俺も入ってんの?主に二人じゃなく?

と、Friskがボソボソ、とShyrenに言った。

それに応じてShyrenは少し顔を綻ばせて頷いた。

 

『*二人は別々の道を行くと決めた。…別れの歌を歌った。』

 

「(最後にもひとつブァァーー…)」

と、さっきまでよりも更に速く、長く音符が流れてきた。

が、不思議とあまり動かなくてもこっちに弾幕が飛んでくることはなかった。…手加減、もしくは優しさかな。と、そこまで考えたところで…

 

『*You win!!

  0EXPと30GOLDを獲得!』

最後のアナウンスが聞こえ、世界に色が戻ってきた。同時に、Shyrenの姿も空間に溶けてなくなった。

… 何 で ?

俺最後何も喋れてないんだが。どうするよ、これ。

 

「お兄ちゃん!」

 

「うお、フリスク。」

と、隣からFriskが足に抱きついてきた。

 

「お兄ちゃんの歌うの、初めて見た!上手だったよ!」

おぉ、なんか嬉しい。

 

「ありがとな。フリスクの歌が聞こえなかったのは残念だったが、また今度聞かせてくれ。」

 

「うん!シャイレーンちゃんも、地上に出て歌手を目指すって!」

お、マジか。そりゃあ良い。自分らしさを出せたようで何よりだ。

 

「…じゃ、行くか。」

 

「うん!」

そうしてその部屋の上にあった石板に近づくFrisk。と…

 

「お兄ちゃん!財宝だって!」

財宝…あー、あれか。

 

「…こっちかな?」

 

「みたいだな。」

で、上の部屋に行ってみると…

 

「あれ、行き止まり…ピアノ?」

行き止まりになっていて、端にはピアノが一台置かれていた。何でこんなところに…

と、Friskはピアノの反対側にあった石板を読んだ。

 

「…回廊の奥に響く不気味な音…お、おばけの声、とか…?」

…確かに、そうとも取れるな。つか怖がってるFriskもかわいい。

 

「いや、後ろに調べ、ってあるだろ?調べってのはこの場合は音楽の旋律とかだな。まあ…多分その音の最初の8音をピアノで弾いたらどっかに穴でも開くんじゃねえか?」

そう答えるとFriskはほっ、と胸をなでおろした。

…というか…

 

「つか、お化けって言ってもナプスタブルークとかああいう感じかもしれないぜ?」

 

「あ、そう考えると怖くないかも。」

まああの内気なシーツおばけの印象があるとどうしてもな…

 

「とりあえず進んでれば何かあるんじゃないか?見つけたら戻ってくればいい。」

 

「そうだね、じゃあ行こう!」

と、手を引っ張り始めるFrisk。こらこら腕が取れる。

 

で、そのまま下の部屋に戻って進むと、また石板があった。

…続きだな。

 

『*ニンゲンには、これに対抗する手段はない。彼らは我々のタマシイを奪うことはできない。モンスターが死ぬとそのタマシイはただちに消滅する。また生きたモンスターからタマシイを奪うには途方も無い力が必要となるのだ。』

 

『*ただし、一つだけ例外がある。「ボスモンスター」と呼ばれる特殊な種族のタマシイである。ボスモンスターのタマシイは強く、死後もすぐには消えない。僅かな時間だがその場にとどまり続けるのだ。これをニンゲンが取り込むことは可能だろう。しかしこれまでに実例はない。そして今後もそのようなことは決して起こり得ない。』

あったな、俺が今のところ謎に思ってるところの一つ。俺やFriskがモンスターのタマシイを持っている可能性があることに関することだ。

と、Friskが首を傾げた。

 

「…?ボスモンスター…って?」

ああ、そこか。

 

「あー…多分トリエルさんとかパピルスとかじゃないか?普通のモンスター達より強かったし。あと…アンダインとか。」

 

「っ…!」

おっと、言わない方が良かったかも。

 

「…ま、大丈夫だろ。変に気を張ってると疲れるぞ。これまでも何とかなってるし、何とかなるさ。」

 

「そう、かな?」

 

「そうだろ。」

流石にちょっと暴論過ぎるか?まあ、Friskをどうこうさせるつもりはないけどな。仮に殺されるようなことになるなら俺がやられるようにするかもな。

 

そんなことを考えつつまた次の部屋に進んだ。




safety pinさん、非ログイン勢さん、高評価ありがとうございます!モチベアップアップです。

さて…次は比較的早めに出せそうです。割とオリジナルでも通る内容なので。(内容が無いよぅ…すんません何でもないです。)
とは言っても来週…出せるかな?といった感じなので悪しからず。

ではでは、最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


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Memory

どうもただの謎存在です。

多分今年はこれが最後の投稿になるんじゃないかなーと思っております。
今年度ではあと一、二話位かなーと。
…コア行くのいつになるんだろ…というか完結するのいつになるんだろ…いやそもそも完結するのかな…?
……あんまり考えないようにしときましょう。



ではでは、本編どうぞ!


財宝の部屋から一回離れてから道なりに進んでいくと。

 

「あ、なんだろうこれ?」

 

「石像…かね」

ゲームで見た通りの石像が置かれていた。その場所だけに雨が降っている。

 

「…なんか…怖い」

と、Friskが腰にしがみついてきた。

…確かに、これなんか生きてるみたいだな…そういや子供とかって想像力が高くて無機物とかに対して擬人化的な表現を感じたりするんだっけ。んで一部それに対して恐怖心を覚えることがあるって聞いたことがある…気がする。なんだっけ、アニメイトみたいな感じの名前のやつ。*1

 

「怖いことあるかよ。ほら、Sansのギャグでも思い出しときな」

とりあえず紛らわすか。アレなぁ…

つか割とFriskSansのギャグとかああいうノリ好きだったりするよな。

SansとPapyrusと一番最初に会った所で隠れていたFriskのニコニコした顔を思い出しながらそんなことを考えていると。

 

「あれ…?」

 

「どうした?」

Friskが首を傾げながら石像に少し寄った。ちょっと慣れたか?

 

「なんの音だろう?」

 

「ん?」

そっちだったか。

俺もFriskに続いて石像に寄ると、小さく、本当に小さく音が聞こえてきた。あー、あれか。いや、にしても聞こえにくいな…確か…His theme…いや、Memoryか。

 

「うーん、水の音がおおきくて聞こえない…」

それな。本当に耳を立てて聞いてると若干聞こえては来るけど、オルゴールの音がうっっっっすらと聞こえるぐらいで音楽とは到底思えない。ピン………ポン………みたいに聞こえてる。

 

「傘は…持ってねえな。天気予報晴れだったからなぁ…待てなんでここ雨降ってんだ」

地下水とかか?だとするなら地上で穴とかそのうち空きそうなんだが。いつだったか忘れたがそんなニュース見たことあるぞ。

 

「とりあえず行くか、無いもんはしょうがない」

 

「…うん」

少し留まって聞こえないかやってみていたが、どうにも聞こえにくい。あまりここで時間を使うのも問題だからな。

そう言うとFriskも若干名残惜しそうに石像から離れた。

 

そんなこんなで進んでいると…

 

「あ、傘だ」

ふとFriskが言った。道の端に「ご自由にどうぞ」と書かれた傘立てが置かれていた。中には傘が一本置かれている。

 

「これ使っていいのかな?」

 

「良いだろ、ご自由にどうぞって書いてるし」

そう答えるとFriskは少し声の調子を上げて、

 

「じゃあさっきのところ戻ってあの石像さんに傘さしてきてもいい?」

 

「おう良いぞ、行こうか」

石像さん…か。

もちろん断るわけもなく来た道を戻る。そしてFriskは石像の手…と思われる部分に傘を差し込んだ。と、

 

〜♪〜〜♪

 

「…きれいな音だね」

 

「ああ」

雨の弾かれる音が消え、石像からオルゴールのような音がか細く、それでもしっかりと聞こえてきた。

と、ふとFriskが呟くように言った。

 

「……うん?あ、もしかしてあそこのお宝の場所で使うしらべ?ってこれのことかな」

 

「ん?あー、そうかもな」

と、Friskは曲に合わせて少し頷きながら何かを数えるようにしてから…

 

「うん、8個覚えたよ。戻ろう!」

 

「…おう。」

8個、か。見えてんのかな?あの記号。俺には見えてないんだが…まあ音の数え方もよくわからんから個で統一してる可能性もあるが。

まあそうこうしながら進んできた道を戻っていく。そして…

 

「…あった!えっと…」

そう言いながらFriskはピアノに近付き、ポーンポーンと鍵盤を押していく。そして8音を鳴らし終わると…

 

「!」

ガラガラガラガラ…と音を立てて少し狭まったところが崩落し、道が出来上がった。

 

「わっ!?」

「うお、」

思ったよりうるせぇな…そして来るとわかっててもビビるなあれ…

それと、崩落したのはいいんだが落ちた土が消えたんだが。地面に触った瞬間煙みたいに消えた。まあ確かに崩れた土とか石とか残ってなかったけどさ?もうむちゃくちゃだぞおい…

 

「道だ!?」

 

「道だな…マジでどうなってんだここ」

いやそれにしてもこんな機械仕掛け作るって技術力すごすぎだろ。ピアノの音色八音をキーにするって…どんな発想だよ。

 

「行こっ!」

「おう」

そうして狭めの穴をくぐると、少し大きめな部屋に出た。部屋の真ん中には赤く光る玉が置かれてあった。

綺麗だな、あれ。何か不透明のビー玉みたいだ。

 

「あれが…お宝?」

 

「そうっぽいな、フリ…ス…ク…?」

Friskの方を向いてぎょっとする。いや、何で、って…

 

「…フリスク、その犬はどっから…?」

 

「え?」

Friskの背中。白い犬…Toby犬がしがみついてわふわふ言ってたからだ。…重くないのかあれ…?

 

「ワン!」

 

「あっ!わんちゃんだ!」

背中からToby犬を下ろすと、Friskが少し撫でる。Toby犬もそれに答えるように身ぶるいしてから体を反転、赤い玉に向かって突進して…ぶつかった瞬間。

 

「…は?」

消滅。いや本当にそうとしか表現できないように、赤い玉が一瞬歪んだかと思ったらその場から消滅した。…どちらかというと犬が吸収していったようにも見えるが…

んで、その件の犬はというとそのまま走って行って…壁を貫通して何処かへと走っていった。…本当にぶっ飛んでやがるなあの犬…物理法則どこいった。

 

「…え、な、何…え?」

 

「…わからん。とりあえず財宝とかいうのはあの犬が吸い取っていったっぽいが…」

本当に訳が分からん。…いやまあネタ空間的なのもあるからあり得る…いやあり得はしないんだけども。

まあいつまでも立ち往生してるわけにも行かず、ちょっと後ろ髪を引かれているFriskを連れて部屋を出る。

そして石像の前も通って進んでいると、ポツポツと雨が降ってきた。

 

「うわ、マジで降ってきたよ…フリスク、入っとけ」

 

「うん」

パシャパシャと水たまりを蹴りながらフリスクと進んでいく。…これでも濡れないってんだからなぁ…手とか出したらどうなるんだろ。

 

「……あー、」

という事で傘から手を出してみる…と、普通に濡れた。

傘持ってて本編じゃ濡れることはなかったが、ここではこれは普通に雨として機能してるわけか。うーん…複雑。

それにしてもこれマジでどっから漏れ出てきてんだよ…

最初のところからあんまり下ったり登ったりみたいな傾斜は無かったから同じぐらいの深さだとして大体10メートルぐらい…天井の高さも考えると大体地上から6メートル位か?いや、山の高さがあるから地上から何メートルとかいう感じで言ったらせいぜい1、2メートル位か。少なくともその程度の深さで地下水はないな。だとすると…川の水とかか?とかそんなことを考えていると、視界の端に見覚えのある黄色いと茶色の縞々の子がいた。

 

「おっ!傘持ってんじゃねえか!やりぃ!」

やりぃ!じゃねえ、ちゃんと許可ぐらい取りなさい。まあ良いけども。

 

「いやー、傘持ってくんのすっかり忘れてたから助かったぜ!ありがとなっ!」

カラカラと笑いながらその子…Monster Kidは言う。

 

「そりゃ良かった、今度から忘れんなよ?」

 

「そうだな!」

ニカッと笑ってぴょんぴょんするMonster Kid。元気なこった。

…あ、そういえば…

 

「そういや自己紹介してなかったな、俺はガスター、この子の兄だ」

 

「!おう、俺はモンスターキッド!兄弟はいないぜ!」

待て待て待て、お前それ名前だったのか!?モンスターの子供って名前なのか…えぇ?成長したらどうする気なんそれ…親のネーミングセンスが疑われる。

 

「ちなみによくキッドって呼ばれてるぜ」

 

「そうか、ならそう呼ばせてもらおうかな」

ふふん、と胸を張るMonsterKidを横目に、某怪盗かな…?いや、某海賊という線もあるか…?とか考えながら返事を返すと、おう!お前らはもう友達だもんな!と笑いながらの返答が来た。それを見てFriskも友達ーっ、おーっ!と腕を上げる。

…見てて和むねぇ…

いやまあ正確な年齢は分かんねぇけど、だいたい小学生だとするとMonsterKidって同年代からモテてそうな性格してるよな。元気で勇気もあって身体能力…は見る限り不器用なところもあるけど低からず。クラスに二人ぐらいいる陽キャ寄りのやつっぽい。

…伝わるかな…?伝わるといいな。

*1
アニミズム




まず、ただの青い山羊さん、なめくじ(ひからびたすがた)さん、キャストリアが好きさん、高評価ありがとうございます!とても嬉しいです!

Monster Kidって子供…なんですかね?というかモンスターって成長するんでしょうか。いやまあ一応成長はするんでしょうけど、サンズとかも何年もあのままだって言ってたじゃないですか。
まあそんなことより、またちょこっと過去改変能力使いました。進行にはあんまり影響しないところなので気付くかどうか…?まあ気付かなくても。



ではでは、最後まで読んでくださり、ありがとうございました!


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Help

どうもただの謎存在です。

いやー、ね。投稿してない間にも感想やらコメントくれる方がいてもう、感無量であります。いやホントに。
それに引き換え予約投稿日と予約投稿時間をミスして19日の15時に投稿しようとしてた主と来たら…
本っ当にありがとうございます。まだ頑張っていきます。



それでは、本編どうぞ!


「アンダイン、やっぱかっこいいよなー!」

大きな水たまりを蹴りながら進んでいると、ふとMonster Kidが言った。その声に足を止める。

 

「そうか?」

 

「そうだよ!悪いやつをぶっ飛ばしてくれるし、ぜーったい負けねーし」

ニコニコと笑いながらMonster Kidはそう言って、フフン、と自慢げに続ける。

 

「もし俺が人間だったら…毎晩怖くておねしょしちゃうね!「アンダインにぶっとばされるよぅ…」ってな!ハハハ!」

いやそれ自慢気に言うことか?

まあ、あれか。自分のあこがれの人が褒められると自分も嬉しくなるみたいな感じか。…褒められてんのかこれ?

 

「そりゃ…大変だな。母さんに大目玉くらいそうだ」

 

「アハハ!…確かに、そう考えるとアンダインよりかーちゃんの方が怖いかもな…?」

振り返って言ってみると、割と真面目にそんな答えが帰ってきた。

マジか、相当怖いんだな。母は強しってよく言うが…やっぱそういう感じか。

…いや、母じゃなくてもUndyne十分怖いんだが。となるとあいつが結婚して子供ができたら更に強く…?いやマ?あれより強くなんのあいつ?

 

そんなことを考えながら、止めていた足をまた進めていく。

傘に当たる雨の音、三人分の水を蹴る音、Monster Kidの鼻歌を耳に入れる。その鼻歌にFriskもちょっと混じって、二人とも楽しそうに歌っている。

 

道なりに右に曲がって歩いていると、ふとMonster Kidが足を止めた。彼の目線の先には、一本のエコーフラワーがあった。

 

「どうした、キッド。濡れるぞ?」

 

「あーちょっと前にさ、花を育てる授業があったんだけど…そのときに王さま…じゃないや、『ドリーマーさん』が花を寄付してくれたんだ。それで、ドリーマーさんは学校にも来て、セキニン?とかの話もしてくれてさ」

思い出すように話し始めたMonster Kidはまたニカッ、と笑って続けた。

 

「それで思ったんだよ!アンダインが学校に来てくれたらサイコーじゃね!?ってさ!!」

 

「おぉ?何でだ?」

そう聞くと、Monster Kidは足をパタパタさせて足元の水たまりをバシャバシャと蹴りつつ答えた。

 

「だってさ!きっと先生たちもみんなぶっ飛ばしてくれるんじゃね!?って思ったんだ!」

 

《悲報》地下世界でも学校(及び先生)は嫌われ者だった

 

まあ、だよな。

地下だったとしても子供は子供。遊びたいよなー、めっちゃ分かるわ。

俺も小学校はまだ良いとしてマジで中学高校は行きたくなかった。本当に。世の9割位の人はこの気持ち分かるんじゃないか?

 

「でもよ、アンダインは悪いやつしかぶっ飛ばさないんじゃないのか?」

 

「あ、確かに。じゃあそんなことしないな!そう!悪いやつをぶっ飛ばしてこそアンダインだからな!!」

ヘヘッ、と笑ってまた「行こうぜ!」と急かしてくる。

そう急くな押すなこら転けるっておいこらFriskも交じるんじゃない。

 

「ま、待てって転け…おわっ!?」

顔面ダイブ。

傘飛ばした挙げ句水たまりにガッツリ顔浸けました。全く…

 

「あ…」

「やべっ…」

 

「ふ た り と も …?」

水溜りから顔を上げて二人を見る。

Friskは固まってるし、Monster Kidは「やらかした…」みたいな顔になってる。

まあ、水はなんかついてないし、乾くが流石にやっていいことと悪いことくらいは…な?

 

「はぁ…ったく、急ぎたい気持ちも分かるし、楽しみたい気持ちもわかるがふざけすぎるなよ。今回はだれも怪我とかしなかったが、友達に怪我させちゃだめだろ?」

傘を拾って二人も入れて傘をさし直す。

 

「ごめんなさい…」

「ごめん…」

 

「素直でよろしい。んじゃ、行くか。これから気をつけとけよ」

立ち上がって二人を連れて先へ進む。

そして、また左に曲がると洞窟から出ていた。雨は止んだようだ。

 

「お、雨止んでるな。…ん?」

傘を閉じて少し振ってからマジックテープで止めると、少し遠くに大きな建物が見えた。

 

「あれ…お城?」

 

「そうだ!ドリーマーさんのお家なんだぜ!」

お城、Νew Home、最後の回廊、そしてUndertaleのクリア条件(この冒険のループの源)だ。

 

遠目に見えるその城は、少し、寂しそうにも見えた。Friskの感じが移ったかな?

 

そんなことを考えつつ、途中で立ち止まったMonster Kidを呼んで、再び向かいの岩の穴に入った。

と、かなり高めの崖と言える段差があった。

かなり高いなこれ。2メートルは優にありそうなんだが。

 

「うーん…この段差…高すぎて登れそうにないな…あ、」

と、ふとMonster Kidは思いついたようにFriskに向いた。

 

「お前、アンダインに会いたいんだろ…?俺の肩に乗っかれよ。…あぁ、大丈夫だ!おれ抜け道見つけるのは得意なんだ!」

……この子、ほんと良い子よな。会いたいのは自分もだろうに…

だが、生憎この先に連れて行く訳にはいかない。

この先に勝手に連れて行くと、下手に心を折っちまう可能性がある。

…元の世界との差異。Papyrusはループ前の事象が夢として朧気ながら残っていた。今思い返せば、Torielさんも似たようなことがあったと考えられる。

そうなるとどうなるか。明らかにUndyneの殺意が高いことに繋がる。

ただでさえ正義感の強い彼女の事だ。その上一つのことに集中しすぎると周りが見えなくなることも考えられる。

…まだ、今の彼女をMonster Kidに会わせるわけに行かない。

 

「じゃあ、先に俺が上に行って引っ張ろうか。その方がまだ楽だろ」

 

「!そうだな!」

先に俺は上がって、恐る恐るといった風にMonster Kidに乗ったFriskに手を伸ばして引き上げる。

 

「んじゃ!とりあえずここで一回お別れだな。すぐ追いつくからなーっ!」

そう言ってMonster Kidは反対を向くと走っていってまた顔面からコケ、少し顔を振りながら立ち上がって走り去っていった。

 

「…嵐みたいな子だったな」

 

「確かに。でもちょっと楽しかったよ!」

 

「そりゃ良かった」

ニコニコと笑いながら言うFriskに、俺も少し笑いながら頭をポンポンと撫でる。

 

……俺は今、笑えてるか?

 

少しだけ、不安だった。

 

─────

──

セーブポイントのところにあった石板にも目を通し、またFriskが気分が沈んだのを何とか元に戻させる。

…ここから先はかなりキツくなる。下手に気分が沈んだ、あまり良くないコンディションで捌ききれるようなヤワな場所じゃない。

 

そして、足元が、土や石の自然道路から木材とロープでできた足場に変わる。

……来たな。

 

後ろからなにかの光が照っているのか、Friskの顔に影がかかっている。

そしてこの足場。

二度目の、邂逅だ。

 

ボウッ、と目の前の地面に光る水色の丸が現れる。

 

「?なんだろ、これ…」

 

「フリスク!近付くな!」

と、足を踏み出した瞬間、足元におびただしい数の光の丸が現れた。

 

「…は?」

一瞬、反応が遅れた。

 

「っつっ…!!」

サバイバルナイフをポケットから取り出して刃を出し、Friskを抱えて跳躍しながらここらへんから離れようと試みる。が、

 

ズドンッ!

 

ガキンッ!

 

「つ…っ!?」

間に合わず、地面から突き出てきた水色の槍をナイフで受け止める。が、その衝撃が想像以上に鈍く、強く、一瞬腕から力を抜きそうになってしまう。

それでも根性で持ち直して着地する。と、向こうの足場に見覚えのある鎧が見えた。

 

「…ハハ…Howdy(よう)、騎士さん?」

おどけてみるが、意味はなし、足元に五、六の光の丸が現れる。とっさに走って避けると、直後にそこから丸の光と同じ色の槍が突き出てきた。

振り返ってみると、数本の槍によって退路は絶たれている。

これで本格的に逃げという道を潰された。

 

さぁ、逃走開始だ。




二回目の逃走回です。
ちょっとどんなイレギュラーを入れようか迷ったので、簡単な変化にしました。
さてさて…あともう一、二話ぐらい投稿できそうですかね?



ではでは、最後まで読んでくださり、ありがとうございました!


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二度目の逃走

どうもただの謎存在です。

ち ょ っ と み じ け え 

いや、ちょっと長さ的にね?次話のことを考えると絶妙な所なんですよ。
大体一話に3000文字くらい、長くても4000文字には収めときたいんで、その関係上この話と次話はちょいと短めです。



では、本編どうぞ!


「やべえやべえやべえ…!!?」

想像以上にやばいぞこれ。

いや、Undyneの殺意が高いのは分かってたぞ?分かってたけどよ…これ下手に小細工されるより面倒なことになったぞ…!

 

「っつ!またかッ!」

悪態をつくと同時に()()背景が白黒に切り替わって上から大量の槍が降り注いでくる。

必死で躱し、躱しきれないものはナイフで弾く。幸い、現実…というべきか、色のある状態の世界でのあの槍自体にダメージ判定はないらしく、当たり判定だけがあるらしいな。まあ、ダメージ判定があったらとっくに俺ゲームオーバーになってんだが…

とか考えてると数秒以内に背景に色が戻ってくる。

…さっきからずっとこの繰り返しなんだが。

 

「クソッ、一向に進まん…!」

舌打ちをしつつ前を向き直してもう一回走り出す。

何が起こってるかって?

 

 

【悲報】Undyne物量ゴリ押しにかかる【悲報】

 

 

こういう事。もう文面で察してくれるととても助かるんだが、まあ簡単に言おうか。

あそこの足場のところって足元からいっぱい槍が生えてきて、それ避けながら進むじゃん?違うのよ。

 

避けれんのよ。槍。

 

多すぎるのよ。攻撃判定。

 

近場の足元ほぼ全面水色の丸(攻撃予測部位)になるのよ。

しかもナイフで弾こうとしてもナイフ自体も当たり判定付くからほぼ回避不可能なのよ。

 

弾幕避けゲーってなんぞ?これは不可能弾幕(無理ゲー)って言う方が正しいんじゃなくてか?

 

とか思ってると…

 

「はいまたかよォッ!」

背景が切り替わってまた槍。一回足を止めてナイフを取り出し、もう一回降ってくる槍に向き直す。

もういい加減にしてくれ。

疲れる。ホントに。

色がチカチカ変わるせいで目も疲れるし走り続けてるから体力的にも疲れる。

何ならあの白黒の世界だと確かに痛みとかはないけど疲労とかは普通にあるのね?

 

しかもここさぁ…後半のラッシュ加減エグいじゃん?

絶対避けれんだろ。

俺達まだ道の中腹ぞ?

 

「お、お兄ちゃん大丈夫…?」

 

「大丈夫ッ!多分いつかは終わるはずだかr」

とか言ってたらまた背景が切り替わる。

アレだな、やっぱ脳筋戦法っていっちゃん強いんだな。一周回って何か冷静になってきたわ。

にしても…

 

「アイツ体力バケモンだよなぁ…」

そう、遠距離攻撃で延々チクチクしてくる件のUndyneなんだが、攻撃の勢いが全然、全く収まらん。

Sansとかもずっと攻撃し続けてたら疲れてたじゃん?だからやっぱスタミナっていう限度はあるだろって思って、いずれスタミナ切れとか起こすと踏んでたんだが…あいつ、マージで攻撃の手が緩まんのだが。

むしろ原作通り勢い増してるし……そんなオーバーキルみたいなエグいスピードで大量展開しなくでもどうせ当たるんだって!念には念をとは言うけど入れ過ぎだよ!

 

んー、アレかな?戦いとかに慣れてるからこういうスタミナとかはやっぱ多いんかね?Sansは戦いとかあんまり好きじゃなさそうだったが、戦士を生業(?)にしてるUndyneは別格とか。二次創作だけどグリッチテールとかもめっちゃ戦い慣れてるっぽかったしなぁ…

とか考えながら。

 

「やっぱ一筋縄ではいかんよなぁ…」

少しずつとはいえ進みながら、もはや半ば作業感覚で降ってくる槍を弾きつつこの状況をどうするか考える。

とりあえずスタミナ切れは期待できないものとして考えていいから逃げ切る方法を考えるしか無い。

 

まあ、そうは言っても正直このままちびちび進んでいけばいずれ逃げ切れはする。逃げ切れ()

 

逃げ切れはするが…多分良手とは言えねえな。片やこないだまで一般人してた一般人。片や戦闘において単純な戦闘力という点で言えば最強クラスの戦士。

どっちが勝つかなんて目に見えてる。

と、

 

「!」

一瞬槍の出現が遅れたお陰で少しの間自由に動けるようになった。

さらに、それに焦ったのか攻撃のタイミングがまたちょっとズレる。

今のうちに…!

 

「フリスク!ちょっと揺らすぞッ!」

返答を待たずにFriskを担いでおんぶし、全力でダッシュする。

と、かなり広い足場のところに出た。

…ラストスパートだ…!

 

正直動くのも億劫なレベルで疲れてるが、ここで一回でも捕まると本当にやばい。なにせあの速度だからな…広場に出て原作通り展開スピード上げてきやがったし。

 

というか、今気づいたがUndyneのあの槍、確かにあの狭い足場の中だといっぱいいっぱいだったが広いところに出てみるとそうでもない。分散こそしてないし量も多いから気を抜くわけにはいかんが、それでも全く避けられん程の量じゃない。

多分一回で出せる量が決まってて、それを初っ端からブッパしてた感じか?それならかなりありがたいんだが。

 

右に避け、左に避け、少し戻って、反射神経で跳んで走って、数回当たりながらも何とか逃げ、その足場の先に続く道の中の一本に走って逃げ込んだ。

 

が、攻撃が緩くなってきたその先にあったのは…

 

「あ、れ…これ…!」

 

「ッハハ…ハァ…マジ、かぁ…」

行き止まり。

足場の先は闇に飲まれており、底も壁も見えない。

これ…分かってたが絶望感やべえな…同時に疲労感もだが…いや、これはただの走り過ぎか。

…つーか、ここは原作に沿ってくれないと困るよな…

 

両膝に手を当てて体をかがませて、なんとか息を整えようとする。…が、整えきる前にソイツは来た。

 

ガシャガシャ…ガシャ…!!

 

鎧の音が近づいて来て、その姿が見える。光の加減上顔のあたりにちょうど影がかかってるが、その内鎧の開いている左目のあたりから若干光がオーラのように漏れている、その姿。

疲労を前に出さないようにして体制を起こして、睨んでくる目を睨み返す。

まさかとは思うがここから戦闘とか勘弁してくれよ…?

 

「お兄ちゃん…」

「フリスク…後ろに、いろ」

不安そうに服の裾を握るFriskを、庇うように俺の後ろに移動させつつUndyneを睨み続ける。…目を離すわけに行かない。正直何をされるか気が気じゃない。と、

 

Undyneは右手を大きく上げ、その手に水色の槍を出現させる。そしてその右手がピク、と動いたかと思うと上から下へ、大きく振り下ろした。

その動きに連動するようにどこからともなく複数の槍が降ってきて…足場を、分断した。

 

原作通りの動き。が、

 

「っ!」

追撃。

本来上から眺めているだけだったはずのUndyneが、手に持っていた槍をぶん投げた。二撃目の可能性はもしかしたら、程度にしか想定していなかった上、こっちは空中。避けきれず、慌ててFriskを軌道から逸らすも俺の腕を掠って暗闇に吸い込まれる。

 

…いってぇ。

 

腕を隠しつつ、俺はFriskを抱えて落ちていった。

せめてFriskが痛くないように、両腕で抱きしめて、自分の背中を下にして。

 

 

不思議と、痛みはなかった。

 




なんか目を離してる隙にUA数が3万行きそうなんですが…イツノマニ…
こんな小説を読んでくださり、ありがとうございます。



ではでは、最後まで読んで下さり、ありがとうございました!


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Fragile Message

どうもただの謎存在です。

とてもお久です。更新が進まないぃ〜♪
書く時間が少なくなってきてますねぇ。もう一話くらいは出したいな…?
さて今話ですが、博士についての独自設定がちょっと入ります。しかも独自設定のくせして割と重要なところを持つっていうね…



では、本編どうぞ!


『おやおや、大丈夫かい?』

その声に、意識が引き起こされる。若干の雑音とともに聞こえてくる、妙に響くようなその声には聞き覚えがあった。

 

「!んだ…あぁ、博士か。…ん?なんでここにいるんだ?つかここどこだよ」

真っ暗な空間に浮かぶ楕円形の白い顔。Mysterius manこと博士の方のGasterだ。

そして俺と博士はまじで何もない真っ黒な世界の中にいた。

え、交戦中?違うよな?やだよ?もう疲れたよ?いや疲れてなくても博士相手に交戦とか死んでも嫌なんだが?

 

『うーん、微妙なところだけどまあ、夢の中的なものだと思っておいてもらって構わないよ。君の中の私のソウルを通じて話をさせてもらっている、といったところだね』

真っ暗な空間に浮かびあがる博士に聞くとそんな答えが返ってくる。

あーなるほど、あれか?呪術が廻って戦う漫画に出てくる生得してる領域みたいなのか?…なんか変な電波拾ったな、一回忘れよう。

 

『それにしても…随分と無茶をするね』

と、博士は手の一つを自分の頭に当て、少し首を振りながら呆れたように言った。しょーがねーじゃん。

 

「無茶したくてしてるわけじゃねーっての」

本来ならもうちょっとスムーズに進めててもおかしくなかったってのに…それもどれも全部イレギュラーが悪い。そうだ、そうに決まってる。…あ、じゃあ大本の原因俺の可能性高いわそれ。

 

『そうかい。まあアイスブレイクはこの程度にしておいて…本題だ。少し報告があってね…こちらで少しだけ進展があった』

 

「!…マジ?」

 

『マジさ。…いや、ちょっと微妙かもしれないが…』

と、博士は逡巡してから俺に目を向け直した。

 

「?」

 

『その、少し…いや、私自身もまだ深くは解明できていないのだが、もしかするとかなり受け入れられない事かもしれない』

?博士にしては自信がなさそうだな、珍しい。

まあさっきからの博士の状態を見てりゃ、まあ少なくとも良い知らせじゃねえってのは察しが付くしな。

 

「勿体ぶんなって。もう既に受け入れがたいこと起きまくってるからそうそう絶望したりしねーよ」

どうよ?ついこないだまで一般人してた俺がここ二日でもう既に三回ぐらい死にかけてんだぜ?

いやまあ受け入れられないことはあるかもしれんが、それでもまだマシな方で済むだろ。

…と、まあ楽観視して()()()()

 

 

『…これだよ』

博士が差し出したのは、薄い板のような機器…これスマホじゃん、なんでこんなとこにあんの。少なくともトリエルさんのとこでもらったのはガラケーだったぞ。

 

そして、博士が表示したのは…

 

「…は?」

 

 

 

 

ここからどういう展開になっていくのか楽しみ

 

何か今話短くない?

 

アンダイン強化されてて草

 

いや、パピルスの強化具合がヤバイだろw

 

次の話待ってます!

 

 

 

やばい、書くの疲れてきた…時間無いしなぁ…次話どうしようかなぁ…

 

 

 

 

 

「…何だこれ」

謎の文字が大量に書かれていた。

一行開いてたりカッコで囲まれてたりするから、おそらく文か何かになってるのは分かるんだが…全く読めない。なんというか、こう…読めそうなのに読めない微妙なラインを行ってるというか。

 

『読めないかい?』

 

「ああ、全く。博士は読めてるのか?」

 

『いや、恥ずかしながら私もほぼ全く解読はできていないんだ。私の扱う文字(Wingdings Font)どころか、普通の文字ですらないしね…少しだけ解読できている部分でも合っているのかすら分からない。まるで全く知らない言語で書かれているみたいだ』

博士でも読めないのか…

こんなところにあるスマホといいよく分からん文といい、何が起こってんだ?あれか?バグとかイレギュラーが起こってる理由とかともつながるのか?

 

『もしかして君なら何か分かるかもと思ったが…三歩進んで二歩下がった感じか』

 

「…まあ、進んでるだけ良いほうだろ」

戻ってるならともかく。

それに…何故と言われても困るんだが、あんまり解き明かすのはよした方が良いものみたいに思える。第六感的な。

まあそれでも気になるものは気になるんだが。

 

『まあ…それもそうだね』

 

「つか、これなんなんだ?これスマホだよな?どこからこんなもん持ってきたんだ?」

 

『ふむ…そうだね、少し話そうか。実は…』

そこから、少し長い博士の話を聞いた。

博士はCOREに落ちてソウルを分断されてから、多別世界を彷徨っているというのは公式設定だったはずだ。そして、その中で()()()()()()()()()()()()から引っ張ってきた情報…らしいのだが、見ての通りそもそも文字が読めず、博士いわくなにかの暗号とも取れるが規則性が見えない、とのこと。

ただ、関係している世界から見たこの世界についての情報である、という点についてはほぼ確定らしい。理由は聞いたけど詳しくは理解できんかった。多元空間のなんちゃらかんちゃらが関係して意識がどうのこうのって言ってた気がする。

簡単に言うと自分の分身みたいなのがいるのはこの世界に関係してる世界で、そこでその分身が認識できる情報はこの元々いたこの世界に関する情報だけ、とかそういう感じのことらしい。

 

まあ、そこは置いておくにしても、…ちょっと気味悪いな、何か。

 

「うーん…博士で分かんねえなら俺がわかる可能性低いしなぁ…」

 

『それはどうだろうね?柔軟な発想ができる君だからこそできることも多いかもしれない』

そんなことを言う博士。

んー、本気で思ってるならその口の端をちょっとだけ上げるのやめてほしいなぁ…!絶対嘲笑ってんだろテメェ。

 

しっかし…この世界に関する情報であるって事は絶対何かあるよな…手がかりじゃないけど、こう…取っ掛かり?

 

んー…博士の知らない言語、読めない文字列、スマホ…あ、そのスマホみたいなの、機種とかあんのかな。

 

「博士、それちょっと見せてもらっていいか?」

 

『ん?良いよ?』

スマホを貸してもらって色々見てみる。

うーん、リンゴマーク無しの立派なオンボロイド…おっと間違えた、アンドロイドだな。

にしても…なんて読むんだか。ひらがなみたいなのも混ざってそうだが、読めねぇ。

…うーん何というか、めちゃくちゃ読めそうなのに読めないというか…こう…雲を掴むじゃないけど…理解しようとしたところで思考がバラバラになるというか………ひらがな……ん?漢字……日本語……

 

 

 

 

─────日本語?

 

 

 

 

「…博士、もしかしたら、これ…ん?」

ふと博士の方を見ようとすると、博士の体が崩れかかるようになってきていた。

 

『おっと…そろそろ時間か。君が目を覚まそうとしているようだ。その情報はまた今度教えてくれ、多分また会うことになるだろう』

 

「…ああ、分かった」

煮えきらねぇが、今はしょうがないか。

 

 

 

 

………まさか……な?




RIZE.DUMMYさん、高評価ありがとうございます!
モチベアップップ。

そして、お気に入り数300突破ありがとうございます!こんな数初めてでなんか実感があんまり湧かないんですが…
まあ、ともかく完結させないといけないなと言う気持ちが強まったということで。


ではでは、最後まで読んで下さり、ありがとうございました!


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探索を続ける

どうもただの謎存在です。

前回のメッセージの部分のフォントを文字化けから滲みに変更しました。あと、ガスター(主人公の方)にはそのまま見えてるわけではなく、「なんか見たことある気がするけどうまく読めない字」として認識されてます。うまい表現ができなかったんで…



では、本編どうぞ!


目を覚ますと俺の顔を覗き込んでるFriskの顔が目に入ってきた。

 

「わ、起きた?」

 

「ってて…あぁフリスク、いま起きた。怪我とかないか?」

聞いときながらだが俺が全身痛ぇ。

いや、打撲とかそういうんじゃないけど、関節。めっちゃパキパキ鳴ってる。

 

「うん、大丈夫。お兄ちゃんは?」

 

「…俺も大丈夫だわ。どーなってることやら」

上を見るとおおよそ10mほどまた落とされていた。上半身を起こして、足元…というか床の部分を見ると敷き詰められた花が。

……もういい加減ご都合主義にも慣れてきたぞ。

座っている花を軽くめくってみると、その下は紛れもなく石の地面。花一枚や二枚でどうこうできる厚さじゃない。

やれやれ…と軽く頭を振りながら立とうとする…おっと、ちょっと平衡感覚が。

 

「!大丈夫!?」

 

「あー、悪ぃ。ちょっと急に立ち上がったからふらついた」

 

「………お兄ちゃん、なんかあった?」

ふと視線を落とすと少し心配そうなFriskの顔が。

…何か、か。

 

「いや、特には?考えすぎだろ」

ポンポンとFriskの頭を払ってから軽く笑って言う。

…全く、変なところで勘が鋭いんだからなぁ。

 

「んじゃ、そろそろ行くか。ちょっと道草食いすぎたし、元のルートからもかなり外れちまったからな…」

まあしゃーない、と言いつつ、Friskを連れて水の中に足を突っ込んだ。

…濡れてる感覚がしないのも、もう慣れてきた。

 

────

Friskがセーブしているのを見つつゴミ溜まりを進みながら眺める。

…うーん完全なまでのスクラップ。この自転車とかどれぐらい放置したらこんななんの?チェーンはまだ良いにしてもホイールとかが錆びつくってこれマ?ベッコベコに変形してるし。確かこれ押したら…

 

キィィィィ~……

 

「………いやヤベェ」

この錆び具合はやべぇ。ホントに悲痛な声出してんじゃん…つかこの錆び具合でよくハンドル動いたな。なんかふつう錆とかって酸素と結合するから体積が増えたりザラザラになって摩擦力が増えたりで動かなくなるだろ。確か。

 

「お兄ちゃんどしたのー?」

と、じゃぶじゃぶと水を蹴りながらFriskが走ってきた。元気だなぁ。

 

「ん?あぁ、錆びてる自転車で遊んでた」

 

「えぇ…?」

ごめん半分くらい冗談。でもちょっと楽しかったのもある。動かすたびにギィギィ言うんだよ、面白くない?…そうでもない?そうか…いやごめんてFrisk、そんなよくわからないものを見るような目で見ないで。

 

で、まあそんなこんなもありつつそのまま一緒に先に進んでいると、ポツリ、とFriskが呟いた。

 

「それにしても…すごいゴミの量だね」

 

「ああ。…ただ、9割方以上人間が出したゴミだろうがな」

 

「えっ、」

ふと驚いたようにFriskがこっちを見てきた。

ちょっと連れてゴミの方に近づいて、一つ落ちていたカバンを手に取る。

 

「ほら、このカバンとかブランド物だし、ゴミ袋も大量。さっき自転車もあったし、明らかに地底で出るゴミじゃないのが混ざってる。まあもしかしたら地底で出たゴミも混ざってるかもしれんが…」

混ざってたとしても一割切るだろうな、と小さくため息をつく。

人間の身勝手さが目につくねぇ…まあ俺も人間だけど。なんでわざわざこんな山奥に捨てに来るのやら。

いやまあ人目につかないようにするためってのは分かるぞ?けどさ、わざわざそんなことするくらいだったら自治体の指示に従ってゴミ出そうぜ?絶対そっちの方が楽だって。

 

「…一応言っとくがフリスク、こんなのマネすんなよ?ビニールとかは自然に分解されねえからな」

 

「分かってるよ。でも、これはひどいね…」

ホントそう。

ゴミ溜まりっていうかこれもう山だからな…積みすぎ。ハ○ルの動く城かよ。あれも外見なかなかゴミかき集めただけみたいになってたろ。

 

「そうだな…さ、そろそろ行くぞ」

切り替え大事!とちょっと元気づけるように背中をポンポンと押して言ってから足を先に進める。

 

 

─────

これまたベコベコに変形したコンピューターを調べて、その近くにあったクーラーボックスの中から宇宙食を取るのも忘れずにしてから更に進んでいく。

 

…さてさて、そろそろMad Dummy戦か?

あいつ何気に面倒なんだよなぁ…前半はいいとしても後半のあの追尾ロケット爆撃。

おもちゃだろお前ら、勝手に動いてんじゃねーよ。

 

とか考えながら進んでいると、見覚えのある人形が現れた。

黄色…というよりはオレンジの生地でできたお人形、Dummyだ。

 

「あれ、ダミーだ」

 

「そうだな」

綿で出来てるだろうに、水に浸かってるにもかかわらず一切水を染み込ませずに、目を閉じてDummyが佇んでいた。

…こいつ、ちょっと動いてね?気のせい?…あぁ気のせいじゃねえわ、こいつ水の中で浮いてやがる。水に浸かってる部分から波紋出てるし。なんかプルプルしてる。

 

「こんにちは!」

と、Dummyの前に立ってニコニコしながら挨拶をするFrisk。かわいい。

 

「…行こ!」

しばらくじっと見て、首を傾げたり頭(?)をぽんぽんしたりしていたのだが、変化も反応もないと判断したのか手を引かれる。…そろそろ来るな。

そういやあいつ、攻撃方法綿だったよな。ナイフで切れるか?

ポケットに手を突っ込んでのサバイバルナイフに手をかけておく。…が、

 

「…?」

反応がない。おかしいな、もうちょっとか?と思って進むもなんの反応もなし。

振り返ってみると…Dummyの姿はいつの間にかゴミの山から忽然と消えていた。

 

………は?

 

「は?」

 

「うん?お兄ちゃんどうしたの?」

 

「あぁ、いや…」

あれ…あれ?

俺の目の錯覚か?Dummy消えてんだけど。

攻撃もされてないし、そもそも戦闘になってないどころかもはや話しかけられてすらないぞ?

えぇ?まじでどういう状況?

 

「…フリスク、ダミー消えてんだけど心当たりないか?」

 

「え?ホ、ホントだ…!?なんで!?」

…反応を見るにFriskが何かしたわけでも無し、となるとあとはWoshua辺りがどっかに持って行ったか…Dummyが自分から逃げたか。

 

………何で?本当にナンデ?

 

まあ無駄な戦闘を省けたってのはあるが…それにしてもだろ。違和感の塊じゃねえか。

あいつ確かソウル吸収して高級人形屋の店頭に並ぼうとしてたんだよな?割と決心固い感じだったし、そんじょそこらの理由じゃ野望とか曲げそうにないイメージあるんだが…

 

「まあ…とりあえず行くか」

それよりも、とりあえず進むことを選択する。

…そういやこの場合ってNapstablockとのエンカどうなるんだろ。無くなるのかまた別の感じになるのか…

そんなことを考えながら進んでセーブ部屋に入ると、道が2つに分かれていた。あぁそういやそうだ、ここで分岐なんだったっけ。

 

「あれ、道がいっぱいあるけど…どれだろ?」

…どれだったっけ。

確か感覚的に真ん中の坂になってる道が家の方だった気がする。もしかしたら違うかも。

左があの鳥のいる所で、右が進行方向か。

 

「どっちに行くよ?」

 

「んー……こっち!」

で、Friskが指したのは左側の道。あー、鳥の方だな。

 

「んじゃ、行くか」

というかここ、Mad Dummyのイベント完全にすっぽかしてるがNapstablockの家行ったとしても会えるのか…?




まず、てすてすさん高評価ありがとうございます。

えー…そして、とりあえず多分今年度最後の投稿です。ここから受験が終わるまで休載させていただきます。
ただ、本当にもしかしたら息抜きとかで書いて、一話くらい出す可能性も…まあゼロじゃないです。
その時はその時でまた読んでやってください。



では、最後まで読んでくださり、ありがとうございました!


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Bird Turtle Humans...?【☆】

あーテステス。覚えてくださっている方いらっしゃいますでしょうかー。

どうも超絶お久しぶりのただの謎存在です。

えーとですね、およそ1年ぶりの投稿をしたわけなんですが、早々に良いお知らせと悪いお知らせがありまして。
まあ詳しくはあとがきに置いとくんですが、かるーく言いますと良いお知らせは支援絵をいただきました!(描いて下さったの8月。大遅刻。)ということでして。
んで悪いお知らせは更新はしますが多分頻度がまた死ぬというものです。


ではまあとりあえず本編どうぞ。


「あれ、鳥さん?」

進んだ先に黄色い小鳥が一羽いた。

あーあのBGMの曲名が長いやつだ。何なんだよ「びっくりするほど短い距離を飛んでわたらせてくれる鳥」って。謎に勇ましいBGMなんよ。まあメタトンホテルの「枕の上にミントチョコレートも置いていない宿泊施設をホテルと呼んでよいものなのだろうか?」が一番意味分からんが。別に良いだろ。

 

「……?」

と、その鳥は身振り手振りで何かダンスみたいなことをし始めた。…これが渡らせてやるって事か…?

 

「…うんうん、お兄ちゃん!この鳥さんが渡らせてくれるんだって!」

分かったのかよ、すげえなFrisk。

俺初見で理解できる気しねぇわ。

 

「へぇ…大丈夫なのか?」

とは言ってもまあ水、1、2メートルくらいの長さだし深さも多分これ足湯くらいの浅さだけどな?一応な?

 

「大丈夫だって!」

 

「そうか。行ってみるか?」

 

「うん!」

と、Friskが黄色い鳥に何やら話しかけると、黄色い鳥は胸を打つように羽を胸元に持っていき、それからFriskの頭まで飛んだ。そして…

 

「お、おぉお…!」

Friskを持って10センチくらい浮いた。…浮き()した。

いやこれ怖っ!?

こっちから見てればマジで危険運転にしか見えんのだが!?

いやまあ20センチもないくらいの鳥に運ばれれてるのも充分変なんだがそこは置いておいて。

んでそのままふよふよと危なっかしい運転のまま水上を渡り始めた。

…いかん、死ぬほどヒヤヒヤする。

 

「渡れたー!」

と、何とか渡りきったFriskは向こう岸で小さくぴょんぴょんと跳ねた。

…うん。まあ当人が楽しそうなら良かったか…いや帰ってくる時も俺ヒヤヒヤしなきゃなんねえのか。

もうこの距離なら俺が幅跳びで行ったほうが早えんじゃねえか。助走つければ2メートル弱位飛べるぞ?多分。

つか最終抱っこして俺が水浸かるのもあり。どうせ乾くし。*1

 

「いま帰るねー!」

まあそんな事を考えたところでFriskが乗り気だからそのまま危険運転で帰ってくるわけだが。

マジで手を貸したくてしょうがなくなるわ。鳥くん、せめて君はもう少し成長してからチャレンジした方がいい。うん、それが良い。

と、その鳥は今度は俺に向かって踊りだした。

 

「…俺も連れてってやるって?」

うむ!と言わんばかりに首をふる鳥。いや、うーん…

 

「やめとこう。さっきフリスクだけでも精一杯だったろ、俺フリスクの2倍くらいは重いし」

流石に持ち上げられんだろ。

もうちょっと大きくなってからだな、と言うと小鳥はわかったというように首を縦に振ってパタパタと羽を動かした。…元気だな。

 

「いこ!お兄ちゃん!」

 

「おう」

小鳥に手を振って、今度はそのまま向かいの道に進む。こっちが進む道だな、NapstablockとUndyneの家はフル無視か。

 

で、セーブエリアでFriskがセーブしているのを見つつ周りを見渡す。

ボックスと…Gerson(ガーソン)さんの店だな。…なあ、店の内部見えんのだが。

真っ黒で穴が空いたみたいになっとる…アレか。マップ外だからロードされてないのか。メッタいな。

それはともかくここ一応ノートとメガネ買っといたほうが良いんかな…どうだろ。

まあ一応効果的にも強いから買っとくのに越したことはないし、金は普通に残ってるんだけど。

 

「行こ!」

 

「おう」

と、セーブが終わったFriskに手を引かれてGersonさんの店に入っていく。

 

「おおいらっしゃい、良いガラクタを売っとるぞい」

言われて店内を見渡してみるが…うん、これマジでガラクタじゃねえか。なんかよく分からん鉄パイプみたいなのとかほぼ腐りかけの廃材みたいなのもあるんだが…何これ?え、これ売りもんなの?え?

確かあのゴミエリアからひっぱってきてるんだったっけ。…あそこからかぁ…いやせめて選別はしようぜ…

 

「むー…」

と、そんな事を考えながら店内を見回しているとFriskが少し唸っていた。

 

「どうした?」

 

「あのね、このノートとメガネ、買っておいたほうがいい気がするんだけどお金が足りなくて…」

…なるほど?

 

「それくらいなら俺から出すよ。ガーソンさん、このメガネとノート下さい」

 

「はいよ、毎度あり」

にしてもGersonさん、声がイメージ通りの近所のおじいちゃんみたいな声なんだな。なんか警戒心も解けるわ。

これでも人間との戦争で生き残ってたってんだからなぁ…

 

「…あ、あれ…」

 

「どうしたフリスク?」

と、Friskが壁にかかっていた模様を指して呟いた。

deltarunか。

 

「ママの服にもあったね」

 

「…あ、確かに」

ママ…Torielさんだな。確かにあの…前かけ?エプロン?みたいなのにも刺繍されてたな。いやはやまだ数日も経ってないはずなのに懐かしく感じる。

 

「む?お主らこれが何か知らんのか?」

 

「あ、あーまあ、恥ずかしながら、はい…」

 

「小学校でも習うと思うんじゃが…近ごろの学校は何を教えとるんじゃ…?」

あ、これdeltarunの意味聞いたときのやつだわ。若干違う気もするけど。

 

「これはDELTA RUNEというてな、この王国の紋章なんじゃよ、我々…モンスター王国のな…」

少し含みが有りげな顔をしつつそう言うGersonさん。と、次の瞬間には豪快に笑い出し…

 

「洒落た名前じゃろ?我らがフワリン王のネーミングセンスは全くイケとらんからの!」

ワッハッハ!と笑うGersonさん。

良くも悪くもこの人こういう性格だよなぁ。物怖じしねぇっていうか豪放磊落というか。

 

「フワリン王…?って…」

 

「多分だが、王様…アズゴア王だろうな」

聞き慣れない人名に首を傾げるFriskにこそっとそう言うとえっ、とまた少しだけ体が固まって、若干怪訝そうな顔をした。うーん、そうか。今のFriskからすればAsgoa王の印象って、

 

・Torielさんからは、残虐で簡単に命を奪いに来ると言われ。

・Papyrusからは、普段は優しいけど怒るとめっちゃ怖いと言われ。

・Undynは、Papyrusがあんなガチガチになってたことはまず上司的な立ち位置、つまりロイヤルガードの一員だってことになってて、王国騎士なんて名前だからにはAsgoa王が率いてる筈で……とまでは流石に思いつかねえか。いくら何でもそこまでヤバいほど頭が良いとは思えない。いや失礼か。でももしそうだとしたら可愛くて頭いいとか最強かよ。

 

うーん、まあでも前2項だけでもどうやってもヤバい印象しか浮かばねえわ。なんなら一番親身になってくれてたTorielさんがあれだけ嫌悪感を抱くほどの相手だと認識してるとなると…中々ヤバそうな印象受けるわな。

そんなやつが「フワリン王」なんて呼ばれてたらそりゃ怪訝そうな顔もするわ。俺だってそうなる。

 

「この紋章にはとある意味が込められているんじゃ。この大きな三角は‘天使’を、下の小さな三角は我々‘モンスター’を表しているとされとって、“地上より天使がこの地に舞い降りた時、地下からモンスターはいなくなる”…そのまま取れば地下から解放されるという意味になるんじゃが、最近は不穏な考え方をする輩も出てきておってのう…」

キラ、と一瞬細く開かれたGersonさんの目が光ったように見えた。

 

「“天使がモンスターを皆殺しにして地下からモンスターがいなくなる”…なんて解釈をする輩が出てきとるんじゃよ。全く、不遜な輩もあったもんじゃ」

そう言うとGersonさんはまた豪快に笑った。

…うーん、何というか思うところがあるんだろうなぁ。

それからまた少し話をした後店を出ようとした、その時。

 

「なあ、お二人さん。これからお前さん達は、どっちへ行くんじゃ?」

ピク、と反射的に振り返った。

…それは…どういう意味でだ?またあの目をしながらこっちを優しく、しかし鋭く見つめるGersonさんにはやっぱり思うところがあるみたいだ。まさかとは思うがこの人も記憶持ち系の人だったりするか…?Gルートのときにもメタ発言してたし()()()()の人の可能性は高いと思えるが…

 

「ここからまっすぐ、こっちの方に行きます!」

と、深く考えてたところで横でFriskが手を上げて答えた。

…そうか、それで良いのか。

と、Gersonさんは目を少し見開いてくつくつとこらえるように笑って、すぐに、

 

「ワッハッハッハ!そうか、なら気を付けていくんじゃぞ。またそのうちにこの店にも寄ってくれい」

と豪快に笑って言ってくれた。

Friskなばいばーい、と手をふるのにも笑顔で答えてくれたし、まあ…とりあえず何事もなくて良かった。

一応Gersonさんと戦うAUもあるからな…ワンチャンあり得るか?とか思ってたけど杞憂で良かった。

で、店を出る直前。

 

「無事に、帰れると良いの」

 

「えっ」

ふと、少しさみしそうな、優しい声が聞こえた。

が、その時にはマップを離れており、店の中は見えなくなっていた。

 

「お兄ちゃんどうかした?」

 

「…あぁいや、行こうか」

 

「ん!」

手を引かれて先に進む。

…気の所為、か?

*1
なお本来触れられない水に触ると普通の水として機能することを忘れている模様




はいということで大遅刻支援絵公開でございます。

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かっけぇ!めっちゃかっけぇ!しかも2枚!両方かっけぇ!(語彙力どうした)
抹茶様、本当にありがとうございます!宣言通り血涙流して喜んどきます

で、悪い知らせなんですが…えーとですね。


─ 浪 人 し ま し た ─


…はい、浪人です。
いや言い訳させてください。来年から共通テストの形式が変わるというのもあって特に地方国公立の倍率が跳ね上がってくれやがりましたお陰で無事一浪となったんですよ。
今回の共テでも別に昨年の最低点は余裕で越えてたんで多分来年は大丈夫だと思いたいんですが、それでも一浪であることに変わりはなく。投稿頻度は依然死んだままということになります。
まあさすがに年1投稿とはならないとは思いますが…ならないとは断言しないでおきます、ということです。
ただ、一応投稿復帰という形にしようと思っておりますので題名から投稿休止は消しておきます。



では、最後まで読んでくださり、ありがとうございました!


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