天の聖杯と第四真祖 (夜心みょんZ)
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1章聖者の右腕
惨劇の追憶と勉強会


この作品はストライク・ザ・ブラッドとゼノブレイド2をクロスオーバーです。ヒロインはホムラとヒカリとラ・フォリアです。それでも嫌だという人は戻ることがお勧めします。


ある日は人間が虐待によって殺された。

ある日は人間が謎のウイルスによって殺された。

ある日は人間が爆弾の爆発によって殺された。

ある日は人間が絶望して自殺した。

それを見ていた俺は待っている家族に見捨てられた上に友達、顔見知りが赤の他人の虐待やウイルスなどの凶器に殺されてるの見ているだけだった。何もかも失った俺は何もすることなく目の前の鉈を持っている人間ではない殺人鬼に殺されていくの待ってるだけだった。『........ああ、もう殺されるのか.........』と活きる気もない死を覚悟をした俺は「はは.........」と自分は光を失ってる虚目で地面を見た。もういいや.........。ロクでもない人生だったなと鉈を振り落とす音がした瞬間、同時に肉体を刺した音がした。あれ.........?痛くない?と俺は目を開けたら目の前に炎に燃えている赤い剣を持ったショートボブの赤い髪をした女性と白い剣を持ったロングヘアの金髪の女性がいた。

 

「大丈夫ですか!?」

 

「これは相当重傷よ、一体誰がこんな酷いことを!」

 

赤い髪をした女性と金髪の女性が心配そうに俺を見つけてくる。赤い髪をした女性は腕を伸ばして尻餅着いている俺を立ち上がらせた。金髪の女性は悔しいそうに燃えている炎に睨み付ける。

 

「ホムラ!ヨミを連れて安全な場所に行きましょう」

 

「そうですね、安全な場所でヨミを癒してあげないとヨミが壊れてしまいます」

 

「そうね........。今の彼は正直にヤバいよ」

 

赤い髪をした女性のことホムラは絶望している黒髪の少年のことヨミを王子様抱っこして金髪の女性のことヒカリを目を合わせて安全な場所へと向かった。________________________

 

 

 

 

ファミレスの中で机の上に汗をかいてぐったりと突っ伏してる白いパーカーを着ている特徴しかない暁古城。クラスメイトでシュシュで後頭部の髪を縛っている金髪の女性のこと藍羽浅葱、首にヘッドフォンをかけている茶髪の男性のこと矢瀬基樹、浅葱と基樹のようにアクセサリーを何も着けていない黒髪の男性のこと一条ヨミの4人は勉強会をしていた。

 

「熱い......、焼ける......焦げる灰になる......。浅葱、今何時だ?」

 

「古城、それついさっきも聞いてたわよ。後3分22秒で4時」

 

「今夜一睡もしなけりゃ、後17時間3分もあるぜ」

 

「......マジかよ」

 

こいつ大丈夫?敵な表情を古城に向ける浅葱はスマホを見て思い出したかような顔でヨミに向けた。

 

「ヨミ、大丈夫なの?ヴェッジさんと攻魔師の仕事あるんじゃないの?」

 

「ヴェッジさんは奥さんとショッピングモールのデートを優先してる。代わりにトラとハナと一緒に行くことになった」

 

「あの人も大変ね」

 

今の話に話題に挙げられたのはヴェッジ・ジャックソン、アメリカ人で日本人の奥さんと結婚して日本に来て攻魔師をやっている。部下からの厚い信頼されていてそれなりの地位も経っている。かつて一緒に戦った同士だった。

 

「ってかこの追試の範囲広すぎだろ!おまけに週7補習とかうちの教師たちは俺になんか恨みにでもあるんか!」

 

「そりゃあるわな。あんだけ毎日毎日平然と授業サボられたらなあ?」

 

「過去で自分がやったことを追及してみな」

 

「そうなんだけどな......」とヨミに言われて頭を抱えて今だ後悔してる古城を見る基樹と浅葱は苦笑する。何を隠そう古城は吸血鬼で太陽に弱い。古城は基樹と浅葱に自分が吸血鬼っていうことを公開していない。

 

「そろそろ行かなきゃ」

 

「バイトってあれか?人工島(ギガフロート)管理公社の......」

 

「そういえば浅葱はプログラマーだったな」

 

「そそ、保守部コンピューターの保守管理(メンテナンス)ってやつ。割りがいいのさ」

 

浅葱は学校のバックを持って「そんじゃまたね」と手を横に降ってファミレスを後にした。浅葱を見送った基樹は古城を見て「頑張ってくれたまえ!」と敬礼しながら言い残し止める古城を無視してファミレスを後にした。基樹に無視された古城は「クソぉ......」へこんだ。それを見たヨミは苦笑した。

 

「帰るか......」

 

「だな、日が沈む前に帰った方がいい」

 

夜歩きなんてしてたら警察に目をつけられるなんてたまったものじゃない。最近の夜は物騒なことが起きてるからな。事故なんて毎日の定番なってるからな。ファミレスを後にした古城とヨミは自宅に向かって歩く最中に中等部の女性に尾けられてることを気づいた。

 

「尾けられてるんだよな?」

 

「十中八九な、あのギターバッグは武器を入れてるのはピッタリだな」

 

「勘弁してくれよ......」

 

目的は第四真祖である古城を監視することだろう。考えられるのは一つ獅子王機関の連中だな。だとするとあの子は剣巫か舞威嬢か?

 

「ゲーセンに隠れて様子見るか?」

 

「そうだな」

 

ヨミと古城はゲームセンターに入ってUFOキャッチャーのガラス越しを利用して女子中学生を様子を確認した。ヨミと古城がゲームセンターに隠れたことによって女子中学生がおろおろしていた。

 

「.........」

 

「.........何もやらないと始まらないか」

 

おろおろしている女子中学生を見ていたヨミと古城はお互い顔を見て様子を見るのやめて女子中学生の前に現れた。

 

「だ........、第四真祖!」

 

同等と現れた古城を見た女子中学生は背負っているギターバッグのチャックを掴んだ。2人が対面した時点で物語の歯車は動き出した。



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監視役

女子中学生に警戒してるの確認した古城はため息を吐いた。

 

「オゥ、ミディスピアーチェ!アウグーリ!」

 

「は?」

 

まるで予想外ような表情をしている女子中学生に対する古城は必死にイタリア語を語っていた。古城、必死だな。

 

「わたし、通りすがりのイタリア人です、日本語よくわかりません。だからこの人に案内して貰ってるんです。じゃ、そういえことで」

 

そう女子中学生に言い残し古城はヨミのYシャツの襟を掴んで女子中学生の前を通った。それに対する女子中学生も必死に古城を止めた。

 

「待ってください暁古城!」

 

「.........誰だお前?」

 

「わたしは獅子王機関の剣巫です。第四真祖である貴方の監視の為派遣されてきました」

 

(なるほどな剣巫か。等々獅子王機関は古城に監視をつけたか)

 

「............人違いだわ、他を当たってくれ。監視とか間に合ってるから」

 

「あ.........」

 

呆然とする女子中学生はただ古城を見ているだけしかなかった。他の真祖ならまだしも古城(コイツ)はただの莫大な力を持った一般人でしかない。

 

「お前の演技笑えたわ」

 

「うるせぇ!_______ってアイツ、ナンパされとる!!」

 

女子中学生の様子を確認する為に後ろ向いたらさっきの女子中学生がチンピラにナンパされていた。左のチンピラが女子中学生が着ているスカートを上げた。女子中学生はパンツを見られたことによって顔を赤くして、手から青白い電撃が発生した。女子は手から発生している青白い電撃をスカートを上げたチンピラを容赦なく当てた。青白い電撃を当てられたことによって片方いたチンピラの手から眷獣()が出てきた。チンピラが眷獣()を使ったことによって街全体にアナウンスが鳴り響いた。この事にヨミはため息を吐いた。

 

「仕事を増やすな.........」

 

「言ってる場合じゃないぞ!いくぞヨミ!」

 

「ああ!分かってる!」

 

ヨミと古城の足が一歩踏み出した瞬間、女子中学生がギターバッグから全て鉄で作られているような槍を取り出して「雪霞狼!」と言った。チンピラが眷獣()がを命じて眷獣()が女子中学生に突進した。女子中学生は雪霞狼を眷獣()切り裂いてチンピラを睨んで襲った直後、古城が握りしめた拳わ雪霞狼を弾いた。

 

「暁古城!?雪霞狼を素手で止めるなんて......」

 

古城の登場によって驚いた女子中学生が後ろに下がってキャッピングカーの上に乗った。ヨミはチンピラのまえに行きこう言った。

 

「さっさとソイツをつれて逃げろ!後、次眷獣を街の中で使ったらお前を事務所にぶちこむからな!」

 

「あ、ああ......。す、すまん。恩に着るぜ!」

 

チンピラは必死に倒れている仲間のチンピラを抱えて何処かへ向かった。

 

「どうして、邪魔をするんですか?」

 

「目の前に殺し合いをしてたら普通止めるだろ?」

 

「ああ、それにアイツら手を出したのはお前だろ?」

 

「そ......、そんなことは......」

 

ヨミと古城の言葉によって女子中学生は何も反論が出来なかった。突然、着信音が鳴って古城と女子中学生はヨミに向いた。

 

「......すまん、席を外す」

 

とヨミが頭を上げて少し移動してスマホの画面に電話をした向こうの相手を確認したらメレフと書いてあった。それを見たヨミは電話を出るボタンを押してスマホを耳に当てた。

 

『もしもしヨミ、あなたに言って起きたいことがあります』

 

「なんだ?その言って起きたいことって?」

 

メレフ。俺と同じドライバーで攻魔師の上官でもある。年齢は俺より1つ年上で同じ学校でもある。それより言って起きたいことってなんだ?

 

『昨日の午後22時にカグツチから魔族の死体が有ったという目撃が有りました。犯人は恐らく魔族狩りをしていると思ってる。今日の夜に巡回する貴方に一応言っておこうと。勿論トラも言ってあります』

 

「なるほどな、情報提供感謝する。それじゃあ、魔族狩りを目撃次第報告する」

 

『それじゃあ、結果を待ってます』

 

赤いボタンを押したヨミは古城たちのところを向くとそこには女子中学生の姿がいなかった。あ、これやったな。

 

「本音言ったのかい?古城」

 

「うるせぇ、結局アイツはなんだったんだ?ヨミは何か知ってるか?攻魔師なんだろ?」

 

「アイツは獅子王機関という攻魔師とは違う国家組織だ。所謂お前の敵だよ」

 

「なるほど。ん......?」

 

古城が目線の先に身分証明書が入った財布が地面に落ちていた。アイツの財布か?と古城は身分証明書を名前を確認をすると姫柊雪菜と書いてあった。



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嵐の前

今回はエッチなシーンが有ります。なんとかR-18つかないように工夫しました。


トラとの巡回が終わって我が家のドアノブを掴んで開けたら目の前にホムラがいた。そろそろ帰ってくると予期してて玄関に居たんだなと思っていた瞬間、ホムラに引っ込められて抱きつかれた。この事に俺は思考が止まり顔が赤くなった。

 

(待って待って待ってくれ!?なんで俺はホムラに抱きつかれたんだ!?)

 

「これは今日が構ってくれなかった分です。帰りが遅かったのは何故ですか?」

 

「と、トラブルがあったから遅れたんだ」

 

チンピラが街の中で眷獣を使ったりするバカを命拾いしたりな。中々離れてくれないホムラに抵抗はしたが力の差が有りすぎて抜け出せなかった。

 

「は、離れてくれない?特に胸が当たってるんだ」

 

「嫌です」

 

「ですよね~」

 

ホムラに出掛ける前に報告しないことと門限を破るとホムラが積極的に攻めてくる。こうなったら以上諦めるしかない。今のホムラでは俺でも止められない。でもヨミにとってはホムラからの愛着と温もりを貰うのが嬉しいのか嫌とは感じない。だが、こんなに愛が重いのは勘弁してくれ、精神的に。

 

「ホムラ!ずるいわよ!わたしにもヨミを抱きしめさせて!」

 

「もうちょっと......」

 

「離れなさい!」

 

リビングから出てきたヒカリが赤い顔をしながらホムラを引っ張った。ニアとトラ曰く、ホムラとヒカリが攻めで俺が受けに合ってるとか。本当にそれでいいのかと思ってしまう。

 

「んっ♡」

 

「むぐっ!?」

 

「なっ!?」

 

ヨミの口の中にホムラの舌が侵入してきたことによりヨミがビクッと反応する。それを羨ましそうに表情を表しているヒカリはただ見ているだけしかなかった。2分後、やっとホムラがディープキスの止めてくれてヨミの舌とホムラの舌の間に透明な糸が繋がれていた。気付けばホムラの瞳がハートマークになっていた。

 

「ほ、ホムラ、激しいよ......」

 

「ふふふ♡、今直ぐ寝室に連れていってヨミを押し倒したいですが、それだとヒカリちゃんが妬いてしまいます」

 

「当たり前よ!まだわたしがヨミを抱いていないし、まだキスもしていないのよ!」

 

ホムラがヨミから離れるとヒカリがヨミを抱きついてきた。

 

「んっ」

 

「むぐっ」

 

ヒカリはホムラみたいに舌をヨミの口の中に侵入させられてどんどん舌で攻めてくるヒカリにヨミは耐えきれずに快楽の世界に送り込まれた。ホムラとヒカリに寝室に連れていかれた。翌日、ハッと目を覚めて覚醒したヨミは右左見るとホムラとヒカリが全裸になっていた。またヤられてしまった......。と頭を抱えたくてホムラとヒカリによって抱えることが出来なかった。

 

「おはようございます、ヨミ。楽しい夜でしたね♪」

 

「わたしたちの愛を受け止められたかしら?」

 

「お前らが過保護過ぎるだよな......」

 

苦笑するヨミにホムラとヒカリは「ふふふ」と笑う。俺の将来はホムラとヒカリと結婚するのかな?いや、それも悪くないな。ホムラとヒカリの愛着にもう1日が続いた。

 

 

 

2日後の夜中に那月に呼び出された。恐らく巡回だろう。ヒカリを連れていった。集合場所についたらそこに黒いゴスロリの服を着ている少女がいた。

 

「来たか、ヨミ」

 

「俺じゃなくてもニアとメレフがいただろ?」

 

「ニアは別の場所で巡回中だ。メレフは特区警備隊(アイランド・ガード)を連れていって避難誘導してる。だから暇なお前しかいらん」

 

「暇って......」

 

このゴスロリを来た少女いや、この女性は南宮那月。ヨミと古城が通っている学校の英語教師だ。古城の第四真祖って言うことを知っているし何よりこう見えてかなりの実力者の魔女であり絃神島では10本の指が入るぐらいの実力者である。

 

「おしゃべりは此処までしよう。さっさと警備に回るぞ」

 

「了解」

 

ヨミとヒカリは那月と一緒に警備に回っていたら、白いパーカーを着ている男性とセーラー服を着ている女性がゲームセンターでUFOキャッチャーをしているのをヨミたちは見た。特に白いパーカーを着ている男性の正体を知っている那月はニヤッと男性と女性の間ぐらいの後ろに立った。悪趣味だな那月さん......。

 

「そこの2人彩海学園の生徒だな?こんな時間に何をしている?特にそこの男、どこかで見た後ろ姿だな。こちらを向いて貰おうか」

 

那月は白いパーカーを着ている男性にそう言うと男性と女性が電撃に打たれたかように固まった。この男性と女性の正体は暁古城と姫柊雪菜だった。こんな夜中に何してるんだ?古城。

 

「此処は大人しく諦めてこっちを向いた方がいいよ?」

 

「先輩......」

 

「......」

 

ヨミの声によって古城はもう一度電撃に打たれたかように固まった。そんな古城の反応に那月はクスっと笑う。

 

「意地でも振り向かないというなら、私にも考えがあるぞ_______」

 

ドン!!!

 

「っ!?」

 

絃神島の何処かに大きな爆発音がした。爆発音と同士に絃神島全体に揺れてるかのような地震がヨミたちを揺らした。この大きな爆発音によってこの場にいるヨミたちは驚いた。

 

「なんだ!?」

 

那月は爆発音をした方向向くと古城は那月に向くと今だ思い雪菜の手を引っ張った。

 

「姫柊、走れ!」

 

「え!?は、はい!」

 

「あ!______っ!!覚えていろ暁古城!!」

 

悪役が言う捨て台詞を言い放った那月は素早くヨミとヒカリに向いた。

 

「ヨミ、あの爆発音の正体を確かめてこい!私は警備を回してくる!」

 

「了解と。行くぞヒカリ」

 

「ええ、行くよ」

 

那月と別れたヨミとヒカリは爆発音の正体を確かめる為に燃えている倉庫街に向かった。




次回はいよいよ戦闘シーンが描かれます。トラと巡回については後ほど公開する予定です。


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東の戦場

燃えている倉庫街に向かうヨミとヒカリはそこで魔族の死体と姫柊と斧を持っている男性と白いコートを着ている青い髪をした少女がいた。明らかに雪菜が劣勢になっている。

 

「アレはヤバいな」

 

「そうね、あのままじゃあ死ぬわよ?あの子」

 

ヨミとヒカリは動こうとした瞬間、第四真祖の暁古城が上から沸いてきた。それを見たヨミはため息を吐いてヒカリは呆れた表情で古城を見る。

 

「バカじゃないの?」

 

「全くだ......」

 

古城が青い髪をした少女に交戦したが逆に返り討ちに合っていた。逆に驚いたのが魔族でもない青い髪をした少女が眷獣を使っていた(・・・・・・・・)

 

「俺たちも交戦するぞヒカリ!」

 

「任せて!」

 

ヒカリは異次元から出したかような白い大きな剣をヨミに渡した。渡されたヨミは白い大きな剣を眷獣を使っている青い髪をした少女を突きをするような構えで走った。

 

「ソードバッシュ!!」

 

ヨミの突きは見事に青い髪をした少女の眷獣を的中して眷獣が古城ではなく何もないただのコンクリートの地面を砕いただけだった。ヨミの乱入により古城たちは驚いた。

 

「ヨミっ!?」

 

「よう、古城。お話は後だ。まずはこの魔族狩りを捕まえてからにしよう」

 

ヨミはそう言って白い大きな剣を空に向かって投げた。するとそれをキャッチしたヒカリが白い大きな剣の切先を青い髪をした少女に狙った。

 

「パニッシュメントレイ!」

 

白い大きな剣の切先から出てくる多数の光の矢が青い髪をした少女に襲う。青い髪をした少女は防御しようと背中から少女とは明らかにサイズが違う虹色の腕が出てきた。光の矢が虹色の腕に干渉した瞬間に青い髪をした少女が吹き飛ばされて遠くにある赤いコンテナに激突する。この事に男性は目を見開けた。

 

「アスタルテの薔薇の指先(ロドダクテュロス)による防御が破られた......?先程は魔力ではなくエーテルですか?あの連携と先程のエーテル、その黄色の長い髪の女性......、そしてそこの男性の顔......。もしや貴方方は天の聖杯ですか?」

 

「天の聖杯!?」

 

男性の言葉に雪菜は目を見開けた。古城は頭の上にハテナマークが浮かべている。

 

「天の聖杯?なんだそりゃ?」

 

「天の聖杯は800年前に2人のブレイドと1人のドライバーが世界を滅ぼす悪神を倒したと呼ばれています。使用者死亡してからそれから役に791年後に新たなドライバーが誕生して王国、組織や財団は勿論、攻魔師と獅子王機関が喉から手が出るほど欲しがる程の人物です。天の聖杯が攻魔師に加入してから獅子王機関が大騒ぎになってました。この人たちが......」

 

「マジかよ......」

 

雪菜の説明により古城は困惑する。当然な事だ身近の知り合いがこんな歴史史上残る伝説の人物だったとは思っていなかった。

 

「天の聖杯と戦うのは無理ですね。此処は撤退します」

 

男性は気絶しているアスタルテと呼ばれている青い髪をした少女を担いで何処かへと逃げた。

 

「そこの君、勇敢に戦うのはそこは評価するけど、古城はこの倉庫街を沈める気かい?」

 

「うぐ.........、反論が出来ない......」

 

古城が持つ力である第四真祖の眷獣は余りにも強力過ぎて暴走すると絃神島の1つのフロアを沈めるぐらいだからだ。

 

「紹介はまだだったな。俺は一条ヨミだ、攻魔師で働いてるドライバーだ」

 

「ヨミのブレイド、ヒカリよ。私たちは天の聖杯よ」

 

「獅子王機関の姫柊雪菜です。先輩の監視役です」

 

お互い自己紹介した終わった後にヨミが古城と雪菜に向かってこう言った。

 

「明日、学校で那月さんの尋問される覚悟しろよ?」

 

ヨミの言葉に顔が青ざめた古城と雪菜はお互い顔合わせした。




次回で聖者の右腕はラストになります。


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血塊

注意

この作品はストブラがゼノブレイド2の要素を入れただけです。ゼノブレイド2の本編とはまったく何も関係有りません。タイトルで分かりますがこの作品にはオリジナルの展開と設定を入ってます。そこら辺はご理解ください。


今朝学校で那月による放送で呼び出された古城と雪菜は汗を垂らしながら向かっていくの目撃した者が居たらしい。ヨミはスマホを取り出してメレフに昨夜の魔族狩り事のついてを話した。

 

『そうですか』

 

「それと魔族狩りと一緒にいた青い髪をした少女が眷獣を使ってました。恐らく少女は人間ではないと」

 

『なるほど、消去法的になりますと恐らくその少女は人工生命体(ホムンクルス)だと思います』

 

人工生命体(ホムンクルス)が眷獣を......」

 

『疑いたくなりますがあくまで考察です。それと報告ご苦労様です』

 

メレフがそう言い残してスマホの画面がメレフの名前と電話のマークだけになった。魔族狩りを追いたい所だが、痕跡も目撃者もいないから辿り着けるなんて不可能だ。

 

「此処は那月さんとメレフに任せるか......」

 

ヨミはスマホを制服のズボンのポケットに入れた。もしも非常事態の事があれば転送の魔術でホムラとヒカリを呼び出せばいいし。

 

「気長に待つか_______っ!?」

 

突然に刺さる視線、それは殺気だった。何処だ?とヨミは殺気の視線を探り始める前に転送の魔術の詠唱を始めた。足元に蒼白い魔法陣が出現し、魔法陣からホムラとヒカリが出てきた。ホムラとヒカリに今の状況を説明をした。

 

「取り敢えずあの殺気を飛ばした人物の所へ行くが、着いてくれるか?」

 

「勿論です!」

 

「当然よ!」

 

学校から出たヨミたちは人が少ない場所へ向かった。段々と殺気が近づいてくるのとを感じ取り、後ろへと向いたらそこには拘束服と目隠しをしている少女がそこにいた。

 

「お前は何者だ?」

 

「コロス.........。コロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロス......。ガ、ガアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァッ!!!」

 

拘束服を着ていた少女が手に持っているナイフでヨミを襲いかかった。此処に向かう前にホムラに持たされた大きな赤い剣を握ったら大きな赤い剣から赤い炎のブレードが出てきた。大きな赤い剣をナイフにぶつけた。

 

「状況次第で援護頼む。ホムラ、ヒカリ!」

 

「分かりました!」

 

「分かったわ!」

 

ホムラはヨミの背後に向かい両手でエーテルを送り、ヒカリは白い大きな剣で交戦を始めた。この辺は金属と金属のぶつかり合いが鳴り響いた。

 

「はあっ!」

 

「ガアッ!」

 

「てりゃ!」

 

ヨミの隣からヒカリが拘束服を着ていた少女を切り裂くように白い大きな剣を斜め切りをしたが、拘束服を着ていた少女が後ろに下がって避けてから地面を蹴ってホムラを串指しするかように剣先を向けた。ホムラを狙ってることを気付いたヨミは大きな赤い剣をホムラに向けて投げた。ヨミが投げた大きな赤い剣に気付いたホムラは拘束服を着ていた少女による突きを避けて大きな赤い剣を受け取って大きな赤い剣をジャイアントスイングをするかような回り始めた。

 

「フレイムノヴァ!」

 

「ガッ!!」

 

ホムラのフレイムノヴァに受けた拘束服を着ていた少女は閉まっている店のシャッターに激突する。シャッターに激突を受けた拘束服を着ていた少女はナイフを落として頭を抱え始めた。

 

「ガア、ガア、ガア。ガアアアアアアアアアアアアアァァァァァァッ!!!」

 

「「「なっ!?」」」

 

拘束服を着ていた少女の足元に赤黒い魔法陣が出現して少女の回りに赤黒い稲妻が少女の回りに放った。少女の顔に血管のようなタトューを見たヨミたちは目を見開けた。

 

「アレは間違いなく血塊だぞ!?研究は間違いなく停止された筈だぞ!」

 

「ってことはあの時、誰か遺伝子(サンプル)を奪った事ね!」

 

「ひe6等ヶ死dま______殺す!!」

 

もう、丸きり殺人兵器じゃねーか!と思っているうちに拘束服を着ていた少女が人間の早さと言っていいか分からないぐらいこっちに突進してきた。

 

「早っ!?」

 

拘束服を着ていた少女の早さにギリギリ肉眼をとらえたヨミは殴り飛ばした。殴り飛ばされた拘束服を着ていた少女がもう一回こっちに突進してきた。

 

「(くっ、これじゃあ拉致があかないな。こうなったら)ホムラ!やるぞ!」

 

「はい!」

 

血塊の能力をよく分かってるヨミとホムラはお互い燃えている大きな赤い剣を握りしめた。すると燃えているブレードがデカくなった。

 

「いくぞ!ホムラ!」

 

「はい!」

 

「「バーニングソード!!」」

 

ヨミとホムラは燃えている大きな赤い剣の燃えている大きなブレードを拘束服を着ていた少女を生き埋めする気で叩きめした。

 

「やったか?」

 

黒い煙で見えないが血塊の魔力反応がない。ってことは倒せたのかな?と思い。ヒカリが白い大きな剣を横に降って風圧で黒い煙を払う。払った煙のそこには倒れているはずの拘束服を着ていた少女が何もなかったかように消えていた(・・・・・・・・・・・・・・・)

 

「消えた......?」

 

ってことは転送魔法か......?だがしている場合じゃない、那月さんとメレフに報告するか。とヨミはズボンのポケットからスマホを取り出して那月とメレフに連絡した。物語の裏にあったのか第四真相である古城が雪菜の血を吸ったのか眷獣の一体を解放したという情報がメレフに情報提供してくれた。だが問題はそこじゃない、一番の問題は血塊だ。血塊はそれぞれlevelがありlevel1は3ともかくlevel5が一番恐ろしい。level5は真相を匹敵するぐらいの力、魔力が恐ろしい程になる。下手にすれば国家との戦争になる。俺たちが遭遇したのはレベル3だからすんだが、実験はまだ続いているって事かよ。

 

 

 

コツンコツンと革靴の音が街中に鳴り響いた。革靴を履いている男が拘束服を着ていた少女を担いでいた。男はズボンのポケットからスマホを取り出した。

 

ぷるるるがっちゃん。

 

『どうしたレゴシ?』

 

「Q7が天の聖杯にボロ負けされてるの見て回収した。流石にこちらに実験の遺伝子(サンプル)が攻魔師に奪われては困るからな」

 

『そうか。ソイツを連れてさっさと帰国しろ』

 

「了解、帰国してコイツを調整しないとな。それで天の聖杯はどうする?」

 

『今度はT9も投入する。つまり1+1=2だ』

 

「了解した、機会を狙っておく。それではベルガリオン卿」




別の作品も更新する予定です。
次回は番外編です。


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短編#1

心配と戯言

 

第四真相の暁古城が獅子王機関の剣巫の姫柊雪菜と遭遇してからたったの1時間25分経過していた。このおかしい時間代のせいで門限を破ってしまったというわけでヨミは汗と冷を垂らしながらスマホを開いてメールを確認をしていたら、なんと電話が54件でメールは137件という絶句する数字をだった。

 

「アニキ、どうしたんだも?」

 

「あ......、いや、ホムラとヒカリと約束していた門限を破ってしまったことに気づいたんだ」

 

「あ......、理解したも」

 

この千葉犬と同じ茶色と同じ白色をしていた丸っこいゴーグルをしていたノポン族はトラである。物を作る技術は優れており、自分の才能より俺と同じ道を歩んでいく心の友だ。

 

「それほどホムラちゃんとヒカリちゃんはアニキのこと心配なんじゃないかも?」

 

「ヨミさんにはあんなこと(・・・・・)起きたですも。心配する気持ちはみんなも同じですも」

 

メカメカしい少女はハナでトラの人口で出来たブレイドである。まあ、心配されるのは分かってるけど......。

 

「故郷を壊滅されるのも友達が失うのも明らかにおかしいも!アニキが何したんだも!」

 

「トラが言いたいことは分かる。どれもこれもすべてはクソ親父たちのせいだ!だけど、復讐なんてしてたら今度こそ今の自分の立場に戻れなくなる。それだけは避けたい。また俺の前からホムラとヒカリ、いや、ニアだって、トラだって、メレフだって、友だちを失うなんて2度とゴメンだ」

 

俺の過去を聞いてるトラ、ニア、メレフに話してあげたらトラとニアが怒りが爆発するほどの表情で何かを言ってた。メレフ、ビャッコ、ハナ、カグツチは悲しい表情で俺を見ていた。

 

「アニキが貴族の息子だろうと、天の聖杯だろうと関係ないも」

 

「ご主人様とハナもニアさんたちはヨミさんとオトモダチですも」

 

「ありがとう。そう言われると少し報われたような気がする」

 

ヨミは感謝の言葉をトラとハナにそう告げた。

そうだな、お前たちにそう言われるとここまで来た甲斐がある。少しでも報われるようにニアたちも感謝の言葉を送らないとな。真っ直ぐ生きるためにもトラたちの協力が必要不可欠だな。

後にヨミがホムラとヒカリに襲われたのは言うまでもなかった。

 

心配と戯言END......

 

 

 

 

 

メレフのメモ

 

7月◯日水曜日、ヨミから報告を受けた時はずっと疑問に思っていました。勿論、ヨミを疑っているのではなく、誰が血塊の研究を奪ったということです。過去の我々が研究所を襲撃した書類にはこう書いてありました。

 

血塊の研究阻止

 

保護した被験者32人

行方不明者1人

軽傷者21人

負傷者3人

死亡者1人

 

ただ気掛かりなのは行方不明者が消えたことと、監視室でモニターが複数何も映っていなかった。監視カメラを確認をすれば監視カメラが破壊されていた。恐らくだが、俺たちに他にも第3者がいたことだ。

 

これだ。この第3者いたことだ。その第3者が私たちより先に血塊の研究を奪ったこと。一体何が目的だ......?判断材料が足りませんね、(ヨミ)魔女(那月)から少し聞いてみますか。

 

メレフのメモEND......

 

 

 

 

どうしてる?

 

「なあさあ、ヨミはドライバーとなんだろ?」

 

「ああ、そうだが」

 

「じゃあさあ、ブレイドがいない時にテロの襲撃があったらどうしてる?」

 

「私にもそれを気になってました」

 

ああ、その話か。確かに一般のドライバーはブレイドを連れまわしてるからな。だが、天の聖杯であるヨミとメレフは違う。ヨミは見習いのやってる時に那月に教え込まれた。ホムラとヒカリも俺なしでも任務解決出来る。メレフとカグツチもお互い実力ある。

 

「攻魔師の見習いしてる時に那月さんに色々と教えられたからな」

 

子供に魔法と技を教え込むなんて獅子王機関かある程度の歴史を残してる貴族ぐらいだ。天の聖杯となると組織やテロリストに誘拐をしてくるだろう。

 

「それに天の聖杯を欲しがる奴なんて結構いる。貴族だって、テロリストだってそうだ。そんなトラブルを避けるために安全を保証するために那月さんと取引をした」

 

「なるほど、つまり安全に生活させる代わりに攻魔師に入るですか」

 

「そうだ、それに当時、俺は小学生だったからな」

 

古城と雪菜はヨミの言葉に納得した。当時の小学生である彼は天の聖杯だけであって剣術、戦術、知恵はまだ未熟でしかなかった。結果は頼れる大人の手が必要不可欠だった。

 

「まあ、うちのブレイドは過保護だからな」

 

「うわあ......、凪沙と正反対......」

 

お互い苦労してるんだなとお互い分かるような話が続いた。

 

どうしてる?END......



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2章戦王の使者
さらけ出す本性


2章が始まりました。


ある紅茶色の髪をしていた女性は昔のことを思い出した。

 

「此処じゃない......」

 

思い出す記憶によって、女性の手の握りが強くなる。まだ、目的が終わっていない。

 

「探すにしても情報が足りない......」

 

アルディギア王国、アメリカ、オーストラリア、ブラジルなど行って情報集めしたが、探してる人に関する手掛かりがゼロ。世界は広いと思いしった女性は日本に帰国しようとしたが、最後に絃神島を入国するべきかと考えた。

 

「絃神島は確か、炎の輝公子、空隙の魔女、天の聖杯、第四真相、剣巫がいたはず......」

 

だが最も危険率が高い第四真相は避けて、炎の輝公子、空隙の魔女、天の聖杯、剣巫に聞く方が先決と考えた女性は善は急げと絃神島に入国する準備を取りかかった。

 

 

 

 

朝イチのモノレールは根絶していて、会社員や観光客が多く乗っている。女性の賭博被害がそう多くない。特にこの季節の気温は密集の狭い空間には結構キツい。

 

「本当にこの気温は気が散るな」

 

「同感だ......」

 

「真夏ですからね。まだこの暑さは続きますよ」

 

こんなことだったら、嫌でもエアコンに涼みたい。だけどホムラとヒカリに呆れた目で見られるだよな。あんまりだらけるのもよくないのは分かるけど。

 

「ヨミちゃんは攻魔師の仕事は大丈夫なの?ほら、球技大会に重なったとか」

 

「平気だ。そこら辺は那月さんが誰かに押し付けると思うよ。ヴェッジとか」

 

先輩である俺にちゃん付けしている子は古城の妹の暁凪沙だ。なんの力を持っていないごく普通の一般人だ。

 

「それじゃあ、ホムラちゃんとヒカリちゃんは来るだね!やった!」

 

一応、念のために補足するが凪沙みたいな一般人は俺とホムラとヒカリの関係は教えているが、俺が天の聖杯っていうことを説明はしていない。

 

「ヨミ先輩」

 

「なんだ?」

 

「ヨミ先輩が天の聖杯っていうことを一般人に知られていないですね」

 

「それが普通だ。知っていたら絃神島全体に騒ぐぞ。魔族の連中がホムラとヒカリを必ず奪いに来る」

 

「それもそうですね」

 

この前の件の血塊使いとか殺しにくる連中とかいるし、ホムラとヒカリを奪いに来る連中もそう多くない。

 

「那月さんの名を盾にしてから、大分俺たちを狙いに来る連中が少なってきたのは好都合だ」

 

そろそろ、こそこそ話してたら凪沙に気付かれるからお互い違う方向に向いた。

 

 

 

あれから数時間後、下校時間にニアから一緒に帰ろうとお誘いに俺は承諾した時にスマホから通知音が聞こえた。ズボンのポケットから取り出して通知を確認したら、那月さんからメールがきていた。内容はこう書いてあった。

 

母親が来てる。腹をくくって本音を言ってこい。そうしたら、今、抱えている悩みをスッキリするぞ。

 

......はあ?母さんが来てるだと?那月のメールにヨミは眉を寄せた。

 

「ヨミ、どうしたの?」

 

「母親が来てる。ちょっと、今から心のそこから思ってることを全部吐き出してくる」

 

「ついていく」

 

やっぱり、ニアがついてくるか。別に隠しごとじゃないし、いいか。ヨミとニアは念のためにブレイドである、ホムラ、ヒカリ、ビャッコを呼んだ。集合場所である中庭に来たらそこには、母親のこと二葉と那月に他にも古城、雪菜、凪沙、基樹、浅葱がいた。

 

「いや、なんでお前たちがいるんだ?」

 

「ヨミの母親が気になったんだ」

 

「私も先輩に同じことを思ってました」

 

「ヨミちゃんの母親がどんな人が見てみたいの!」

 

「俺たちのことは気にしないでいいぜ」

 

「ニア先輩も言えるよね?」

 

確かにそうだけどとヨミはため息を吐いた。とヨミは母親のところへ向かい、お互い顔合わせをした。

 

「ヨミ、1人にしてごめんなさい......」

 

「もう、1人にはゴメンだよ......」

 

ヨミの言葉に二葉がハッと反応する。

 

「大丈夫です、もう1人にしないことを約束します!だから、やり直しましょう!」

 

「ふざけるなっ!!」

 

ヨミの大きな怒鳴り声に二葉がビクって反応した。二葉だけではない、後ろにいる古城たちもビクって反応していた。

 

「嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!!母さんの嘘つきだ!!あの時、あの場所で俺を見下すように容赦なく見捨てた!!俺がどれだけ絶望したのか分かってるのか!!?裏切られた気持ちが分かるのか!!?いい加減にするのもほどほどにしろ!!」

 

古城たちが想像していた展開が大きく違っていた。それもヨミから放つ言葉が怒りと憎しみが混ざっていた。ヨミの素性をしっている那月、ニア、ホムラ、ヒカリは何も動じなくそのまま聞いていた。



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公爵の招待

家に帰家したら、ポストに手紙が玄関にダンボールがあった。これを見てヨミは嫌な予感をした。確認のために手紙を開けて広げた。手紙ではなく招待状だった。

 

「........どうやって俺の居場所を突き止めたんだ......?」

 

あの吸血鬼が怖くて怖くて仕方ないんだが。横から見ているホムラとヒカリが心配そうな目で見る。

 

「どうしたんですか?」

 

「蛇だ」

 

「蛇?まさか......」

 

昔からしつこいんだよな。さっさと自分の住みかに帰れよマジで。明日、ニアたちに愚痴を言いに行こうかな?

 

「その公爵が何故、この絃神島に?」

 

「あの蛇が来るとしたらロクでもない事が始まるぞ、絶対に」

 

蛇が関わると大体ロクでもない事だからな。慈善活動をしているこっちの身にもってくれよ。

 

「それにしても豪華な客船の招待ですか」

 

「確か、男女ペアって書いてあったな」

 

俺の男女ペアという単語を聞いたホムラとヒカリがお互いにらめっこを始めた。そうだった、ホムラとヒカリは俺とのデートの事になるとお互いに火花を散らし始めるだよな。

 

「ヒカリちゃんはこの前にヨミと一緒に大型モールでデートしてたよね?」

 

「ぐぬぬ......、仕方ないわね。此処はホムラに譲るわ」

 

「やった♪」

 

ホムラがまるで勝ち取ったような顔で鼻歌を鳴らしてダンボールを開封した。中身はパーティー用のスーツが3着あったがヒカリの分のスーツはヒカリ自身が自分の部屋に運んでいった。

 

 

 

 

午後20時45分台にアパートから出たらそこにはリムジンが停まっていた。リムジンからヨーロッパ人の美女が出てきた。

 

「お迎えになりました。一条ヨミ様」

 

(......例え無視したとしても、拒否権なんて最初からなかったみたいだな)

 

美女がリムジンの扉を開けてくれた。ヨミとホムラはリムジンの中に入った先には顔見知った顔であるメレフとカグツチがそこにいた。

 

「あれ?なんでメレフとカグツチが?」

 

「実は私たちにも招待状がきたんです」

 

「ってことは公爵の事ですから、第四真相である古城も来る可能性が高そうです」

 

あの蛇のことだ、古城と姫柊を必ず巻き込むのだろう。ため息を吐いたヨミは頭を抱えた。少なくとも明るい羽橋(フリューゲル・ブリッツ)よりはマシだが。

 

明るい羽橋(フリューゲル・ブリッツ)を思い出しますね」

 

「そうですね。今の彼女たちはアルディギア王国との和平交渉が進んでます」

 

「これも貴方の説得のお陰です」

 

「陛下とフレデリカに頼まれたからな。期待に答えざるいられない」

 

「確かに貴方にとってはアルディギア王国の王女である陛下と明るい羽橋(フリューゲル・ブリッツ)の無冠の女帝であるフレデリカに恩がある。対応せざる得ないってことですか。納得です」

 

恩を残すと陛下が何やるか分からないからな。言い換えると陛下は俺に婚約を求めるしな。まだフレデリカが良い方。フレデリカはお茶に誘ってるぐらいだ。

 

 

 

 

絃神島にある港にひとつの船が停泊していた。この様子だと数日前に停泊してたわけか。(アイツ)とは言えど俺は喰らうとは思わないが古城が目当てか?

 

「アイツの目的はなんだと思う?」

 

「私の仮説ですが、古城を喰らうかテロリストとの関係かのどちらかと思います」

 

「ヨミを喰らうとアルデアル公が明るい羽橋(フリューゲル・ブリッツ)との全面戦争になりますよ」

 

いくら(アイツ)が全力で力を引き出しても明るい羽橋(フリューゲル・ブリッツ)の数の暴力には勝てないだろう。最も明るい羽橋(フリューゲル・ブリッツ)が獅子王機関と手を組む可能性があるから(アイツ)は全面戦争を避けるはずだ。

 

「あれ?ヨミが此処にいる?」

 

横から第四真相の声が聞こえたヨミは声が聞こえた第四真相の方向に向くと正装している古城と雪菜がいた。

 

「俺も公爵に呼ばれたんだ」

 

「なるほど」

 

「そこの人は誰ですか?」

 

ああそうか、姫柊はメレフとカグツチに会うのは初めてか。

 

「私はメレフです。ヨミと同じくドライバーで攻魔師でブレイドはカグツチです」

 

「別によろしくしなくていいですよ第四真相(ケダモノ)

 

「ケダモノ!?」

 

カグツチに冷たい目で言われた古城は冷や汗を垂らした。やっぱりこうなったか......。




3章が終わったら、if編とヨミがゼノブレイド2の世界に転移したらという外伝作を作ろうかなと思っています。予定では本編→if→外伝と順に行こうかなと。あ、でも3章の前にif編を作るかもしれません。


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船上での会談

公爵の船に乗り込んだヨミたちは古城の死角から食事用のナイフが飛んで来た。

 

「うお!?」

 

「ちっ、外しましたか」

 

この舌打ちするポニーテールの髪型をしている女性が食事用のナイフを古城の首に当てようとしたが、横から入ってきた雪菜に止められた。

 

「止めないで雪菜!アイツを殺せない!」

 

「ちょっと待ってください、紗矢華さん!」

 

「なんだあれ?」

 

「三角関係ですね」

 

メレフの言う通り三角関係みたいになっていた。いや、そもそもこの三角関係としては成立してるのか?茶番するために来たわけじゃないからな。

 

「茶番するならヴァトラーの居場所を教えてからにしろ」

 

「あ、コホン。すみませんでした。こちらです」

 

紗矢華という女性に案内されながらヨミは周囲を見たら、男女のペアである貴族が豪華な食事を口に入れてるの確認した。つまりこの船は船上パーティーの真っ最中だった。そう考えているうちに眷獣()が古城に襲いかかった。

 

「先輩!!」

 

「っ!!獅子の黄金(レグルス・アウルム)!!」

 

古城が今だけ宿っている唯一の眷獣である獅子の黄金(レグルス・アウルム)眷獣()の攻撃を防いだ。此処で獅子の黄金(レグルス・アウルム)とが眷獣()が暴れだせばこの船は沈没するが運が良いのか獅子の黄金(レグルス・アウルム)眷獣()が消滅した同時に何処から拍手する音がした。

 

「いやいや、お見事。やはりこの程度の眷獣では、傷ひとつをつけることが出来なかったねえ」

 

ヨミ、古城、メレフを呼びつけた張本人である白いスーツを着ていた男性、蛇使いの吸血鬼ディミトリエ・ヴァトラーの登場である。

 

「初めましてと言っておこうかな、暁古城。久しぶりだねえ、一条ヨミ。そして我が愛しい第四真相______」

 

ヴァトラーの気持ち悪い発言と共に古城に近づこうしたら、ヴァトラーが来た方向に純器が飛んで来て、その飛んで来た純器がヴァトラーの後頭部に命中した。この事に古城、雪菜、紗矢華は困惑する。

 

「おい、蛇使い。第四真相とヨミとメレフが来たんだ。さっさと始めよう。じゃないと今度はハンマーじゃなくアイアンメイデンでぶちのめして吊るしてあげようか?」

 

「ははっ、ヒルダ嬢と殺し会うのはいいけど、ヨミとメレフだけではない、空隙の魔女と王狼が来れたら部が悪い」

 

女の声と共にハイヒールの音が聞こえた。警告を聞いたヴァトラーは後頭部を押さえて笑いだす。

 

「久しいな、ヨミにホムラ、それにメレフとカグツチ。一段とたくましくなったか?かかっ」

 

「「ヒルダさん!」」

 

「声が会うとは、もう告ったらどうだ?」

 

「「なっ!?」」

 

露出度が高い膨らんだ胸に皮のベルトと下半身は白いドレスを着ていて、膝まで金髪に狂喜的な赤い瞳をしている美女である、ヒルダの発言にヨミとホムラの顔が赤くなる。古城、雪菜、紗矢華の存在に気づいたヒルダは礼儀良くお辞儀した。吸血衝動とか大丈夫か?

 

「かかっ、私の事は初めてだろ?ならば紹介をしよう、我の名は明るい羽橋(フリューゲル・ブリッツ)のメンバーのその人、傲慢の拷問姫のヒルダ・スチュアートよろしくな」

 

「「傲慢の拷問姫!?」」

 

紗矢華と雪菜の驚きの言葉にヒルダは「かかっ」と笑うが古城が鼻を押さえる。あ、吸血衝動。

 

「先輩に分かりやすく言いますと、傲慢の拷問姫は明るい羽橋(フリューゲル・ブリッツ)のメンバーの一人です。公爵、伯爵、大臣などの貴族を拷問で吊し上げたり、串指ししたりなどの拷問のスペシャリストと噂がありました」

 

「その噂を聞くと懐かしいものだ。確かに我は歴々の中で腐った貴族どもを吊し上げてぶち殺してあげてやった。最後まで貴族どもはつまらない報復、つまらない命乞いなんてしてたな。かかっ」

 

何処から現れたか分からない純器と共に狂喜を満ちたヒルダの目が古城、雪菜、紗矢華を写らせた。汗と冷を垂らす古城、雪菜、紗矢華は息を飲む。

 

「かっかっかっ!にしても第四真相がこんなガチンチョだと思わなかったがな。かかっ」

 

「初めて俺と会ったときにも、そんな言葉を言わなかったか?」

 

「かかっ、安心しろ。もうお主の事はもうガキンチョだとは思わんよ。その実力、その可愛いらしい顔、フレデリカが認めた男よ」

 

毎度会うたびにフレデリカがスカウトしてくるんだよな。那月さんとヴェッジに止められたことは何回かあったけど。

 

「それより本題に写りましょうか。公爵は何のためにこの絃神島へ?」

 

「そうだねぇ、言いたいところだが、まずは自己紹介した方が良さそうだねぇ。初めましての方がいるからさ」

 

ヨミとメレフは紗矢華に向いた。ヨミとメレフの視線を浴びている紗矢華は「そうね」と礼儀良くお辞儀をした。

 

「私は煌坂紗矢華、獅子王機関の舞威嬢よ」

 

「私はメレフ、攻魔師のドライバーです」

 

「俺は一条ヨミ、メレフと同じく攻魔師のドライバーだ」

 

「私はカグツチです、メレフ様のブレイドです」

 

「私はホムラです、ヨミのブレイドです」

 

自己紹介が終わった後にヴァトラーが急に笑いだした。やっぱり、コイツはどうにも気に食わないな。

 

「一条ヨミとホムラは天の聖杯だよ。そう、ボクにも獅子王機関にもフレデリカ嬢にも欲しかった人材だったよ。あの炎の輝公子と空隙の魔女に取られたのは痛かったよ」

 

「なっ、天の聖杯!?貴方が!?」

 

ヴァトラーの言葉に聞いた紗矢華は驚愕な表情でヨミとホムラを見る同時にヨミをため息を吐いた。

 

「そんな事はどうでもいい。本題が脱線してるぞ、蛇使い」

 

「すまないな、ヒルダ嬢。では本題に移ろうかみんなはクリストフ・ガルドシュという名は知ってるかい?」

 

ヒルダの言葉に本題に移したヴァトラーはある人物の名前を出した。




オリキャラのプロフィール

ヒルダ・スチュアート
傲慢の拷問姫
2000年以上生きてる女であり、魔族なのか吸血鬼なのかは不明である。様々な拷問道具で敵たちを死に導きだす。冷酷で拷問好きの女。ちなみにキャラのモデルは異世界拷問姫のエリザベート・レ・ファニュ。


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傲慢の拷問姫

残り2、3話で2章が完結します。


ヴァトラーとの会談から翌日、厄介事に巻き込まれた。理由はテロリストを阻止すると雪菜が誓言すると、それを見ていたメレフが雪菜を阻止して我々とやると言った。はあ~とヴァトラーが来てから何回目か分からないため息を吐き出したヨミは目の前にメイド服を着ていた数日前に交戦した青髪の少女と獣の耳をしたグーラ人という女の子でヨミと同じクラスメイトであるニアがいた。

 

「天の聖杯、どうしましたか?」

 

「アスタルテ、天の聖杯っていう呼び方を止めろ」

 

「では、なんて呼び方がいいですか?」

 

「ヨミでいい。アスタルテはなんで此処に?」

 

アスタルテの事情は2日前に那月さんから教えて貰った。なんでも、那月さんがメイドが欲しかったとか。那月が自分の願望のために交渉して保護者処分にしたことをヨミとニアが苦笑した。

 

「はい、南宮教官(マスター)からMr.ヨミにこれを渡すようにと」

 

「これは手紙?」

 

アスタルテから渡されたのは手紙だった。手紙を受け取ったヨミは手紙の指し宛人を確認したらフレデリカという名前に反応し眉を寄せた。

 

「......手紙ありがとうな」

 

「では私は戻ります」

 

アスタルテが教室の引き戸を引いて出ていったらビャッコ、ホムラ、ヒカリと入れ違った。

 

「お嬢様、今のはアスタルテでしたね」

 

「そうよ、アスタルテはヨミに手紙を渡して行ったのよ」

 

「「手紙?」」

 

ビャッコ、ホムラ、ヒカリはヨミの手元にある手紙の指し宛人を確認したらフレデリカと書かれているの見て眉を寄せた。

 

「フレデリカが手紙を送ってくるなんて、何か重要なことだろう」

 

ヨミは手紙の開け口を手にしたその瞬間、教室の引き戸の音に反応して入ってきた人物を見たらヒルダだった。なんで、ヒルダが此処に?

 

「フレデリカの手紙は届いてるか、良かった良かった」

 

「ヒルダ、何故此処に?」

 

「貴様らについてきて欲しい事がある」

 

「ついてきて欲しい?」

 

「そう、蛇使いが言ってたテロリストが朝にウロウロしてるのを目撃した。此処は一つ、あのテロリストを吊るしてねじ伏せてやるんだ」

 

狂喜的な笑いを見せるヒルダに対するヨミは「やれやれ」と椅子から立ち上がる。ニアたちもヨミに続くかように後からついていった。教室の引き戸の前に立ったヒルダは一踏みでハイヒールの音を鳴らす同時にハイヒールから花弁が舞い上がって、教室の引き戸を引いたら。そこには絃神島にある何処かのフロアだった。

 

「流石ね、ヒルダ」

 

「こんなの朝飯前だ」

 

「なるほど、私たちを転送したのね」

 

ヒルダの転送魔法で学校から絃神島にある何処かのフロアに飛ばされていた。確かに何千年生きてるコイツなら転送魔法を覚えてもおかしくもない。

 

「案内してくれヒルダ」

 

「うむ、任せられた」

 

先陣を切ってヒルダが一歩とハイヒールの音を鳴らした瞬間に殺気を感じた。そう、この前の血塊を使っている拘束服を着ている女の子と同じの殺気だった。

 

「この殺気は......!」

 

「この前の拘束服を着ている女の子と同じ殺気ね!」

 

「ヨミ、持ってください!」

 

「え、何!何!?」

 

ホムラから渡されたのは赤い剣だった。それを受け取ったヨミはエーテルを送り込み、赤い剣の剣先から赤白く燃える炎のブレードが出てきた。

 

「お嬢様、コレを!」

 

「ありがとう!」

 

ニアがビャッコから渡されたのはツインブレードだった。リーチは短いけど、近寄れば持ってこいの武器だった。

 

「貴方ね。Q7を虐めたのは」

 

「Q7?」

 

Q7?アイツか?あの拘束服を着ていた女性か?ヨミの反応にフッと鼻で笑う白シャツ一枚と半ズボン一枚の女性が半ズボンにぶら下げているナイフを掴んだのと同時にこの前の拘束服を着ている女の子のことQ7がヨミを襲った。

 

(チェイン)

 

Q7の横からやって来た鎖がQ7の片足を拘束して引っ張る。引っ張れられたことによってQ7がコケた。

 

「おいガチンチョども、我々は急いでるんだ。別に襲うのは勝手だが、お主らが八つ裂きにされてから通してもいいかな?」

 

「......傲慢の拷問姫か。確かに貴方の実力じゃあ、私たちを葬るなんて簡単なことね。だけど」

 

急に地面のコンクリートが爆発をし始め、爆発をした穴から背中に赤い触手を生えた怪物が無数現れた。背中に赤い触手を生えた怪物を見てヨミたちは目を見開けた。

 

「なっ!?」

 

「アレは!?」

 

「血塊の劣化品だね。かかかっ!面白い!ならば我が相手をしてやろう」

 

ヒルダは何処から取り出したか分からない鋏と多種多様の拷問器具を赤い触手を生えた怪物に向けて投げた。拷問器具に刺さった赤い触手を生えた怪物は絶命する。

 

「コレなら貴方たちを殺せる。あの傲慢の拷問姫がどのぐらいであの失敗作を全滅されるか分からないけど、悠長にしてる場合じゃないわ。貴方たちを早く殺しておくわ」

 

「なるほどな、だったら俺たちがお前らを倒してやる」

 

ヨミが赤い剣を構えてそう言った。だけどヨミたちは知らなかった。学校がテロリストに襲撃されてることを。




同時時刻で古城サイドでは古城が紗矢華に襲われて、雪菜たちがテロリストに誘拐された感じです。


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因果律予測

辺りが鉄と鉄の金属のぶつかり合いの音とグチャという肉体を刺すおとが鳴り響いた。

 

「はあぁぁ!!」

 

「流石、天の聖杯ですね。一筋じゃあいかないですか......。ではコレならどうですか?」

 

女性とT9の周りがバチバチと赤黒い稲妻が発生しており、顔に血管のタトューのような模様が出来ている。チッ、やっぱり血塊を使ってきたか。

 

「ガアあああああああああっ!!!」

 

「テンションを上げていくぞ!T9!!」

 

女性とT9が土煙が出来るほどの速度で地面を蹴って、女性とT9が持っているナイフがヨミたちを襲うがヨミとニアは引き攣るような顔でナイフの刃を受け止める。めんどくさいことになる前にさっさと蹴りをつけるか。

 

「ホムラ、ヒカリ!ブレイドチェンジだ!」

 

「分かりました!」

 

「了解よ!」

 

ヨミはホムラに赤い剣を投げて、ヒカリの白い剣を受け取る。さて、久しぶりに使うか。ヨミの瞳の色が群青色から金糸雀色に変わったのと同時に女性とT9がスローモーションで俺たちを襲う映像を流れた。

 

「ニアはあのT9っていう女の子をやってくれ!」

 

「任せなさい!ビャッコ、行くよ!」

 

「仰せのままに、お嬢様」

 

そして、時間は現実に戻った時には女性とT9が俺たちを襲った。ヨミは腕につけているフッグを女性の足を巻き付けて、転ばせた。女性とT9の連携が崩れた。

 

「何っ!?」

 

「にゃにゃにゃー!!」

 

ニアがビャッコの上に乗っており、ビャッコの口から青白い水の玉がT9に狙ってぶつけた。無数の赤い触手を生えた怪物を相手にしているヒルダが口をニヤッとにやけた。

 

「アレはヒカリの力、因果律予測。数秒後に相手が何をするか予知する。たとえ血塊の足でも無意味、鉄の処女(アイアンメイデン)!!」

 

無数の花弁から出てきたのは身体が鉄で出来ている無慈悲な大きな美女だった。大きな美女のお腹が赤い触手を生えた怪物を吸い込み、トマトのように潰した。赤い剣を握っているホムラは地面を蹴ってジャンプして、剣先を女性に向けた。

 

「プロミネンスリボルト!!」

 

女性の隣の地面に差し込み、地面中心から火の柱が発生する同時に女性の悲鳴が聞こえてくる。やったか?

 

「はは......。痛いじゃない......」

 

女性の身体全体からジュゥゥゥゥと水が火に掛けて蒸発でもしてるかように黒い煙と共に身体の自己回復を行っていた。

 

「させるか!はあああ!!」

 

「があっ!!」

 

ヨミの渾身の一撃が女性の肩に切り裂いた。自己回復があるとはいえ何処まで限界か分からない為、手加減している。

 

「相手が悪かったな。チームワークとしては俺たちの方が上だ」

 

「これが私たちの絆です」

 

「これが貴方たちとの違いよ」

 

ヨミは白い剣を腰に背負い状況を確認した。ニアとヒルダはどうやら終わってるみたいだな。

 

「お主らも終わってるみたいだな。まあ、お主らのチームワークだったら血塊でも雑作でもないからな。かかかっ」

 

「急ごう!ヴァトラーが言っていたテロリストの目的が分からないとは言え、手遅れになる前に」

 

「そうだな、テロリストの目的を阻止しよう!」

 

ヨミたちは先に急ぐように走る。数分後、どれくらい走ったか分からないが緋色の双角獣(バイコーン)目印的なものが見えた。

 

「アレは......」

 

「第四真祖の9番目の眷獣、双角の深緋(アルナスル・ミニウム)だな。かかかっ、あの第四真祖は血を吸って眷獣が目覚めたみたいぞ」

 

「いや、それだけじゃないよ」

 

ニアが指を示した方向に少し離れた場所に巨大な怪物がいた。それも街を焼き尽くすようなものだ。

 

「お主ら、我は蛇使いが余計な事してないか問い詰めてくる」

 

ヒルダがそう言い残して、一踏みでハイヒールの音を鳴らして花弁を舞い上がったのと共に赤い魔法陣が現れた。魔法陣から出ている光がヒルダを襲い、光がヒルダと共に消えた。消えたヒルダを見てヨミたちは巨大な怪物の所へ向かっていった。




同時時刻の古城サイドでは古城が9番目の眷獣が解放、怪物が起動って解釈でOK


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ナラクヴェーラ

遠くにいた巨大な怪物にたどり着いたヨミたちは戦闘態勢に入るが周りを見回したら、同じ個体である巨大な怪物が複数いたことを確認した。

 

「この機体まさかと思うが」

 

「古代兵器ナラクヴェーラだな。面倒くさいことをさせてくれるな」

 

あの(ヴァトラー)と関わるとこれだよ!ヨミは手を力強く握り始める。イライラすると言ったらありゃしない!

 

「頼む、ヒカリ!」

 

「任せてよ!ライトニングバスター!」

 

ヨミに白い剣を受け取ったヒカリは連続の斬撃でナラクヴェーラを切り裂いた。ナラクヴェーラが細かく切断され再起不能になったが横からナラクヴェーラが入ってきた。

 

「は!?」

 

「何よこれ!?一体どころじゃないよ!」

 

「キリがないですね。此処は二手に分断します?」

 

確かに本体を倒さない限り、数でこっちを押し殺すだろう。ホムラの言う通り、二手に分かれるしかない。だけど

 

「俺が向こうに行って大丈夫なのか?」

 

「大丈夫です。それに_____」

 

「私が居れば大丈夫ですよ。ヨミ」

 

ホムラが向いた方向にメレフとカグツチがいた。確かにメレフとカグツチが居れば問題ないだろう。ってかそこじゃない。

 

「メレフはなんで、俺たちがいる場所が分かった?」

 

「ヒルダに事前にお願いしました」

 

「事前に?メレフ.........、お前まさか?」

 

「そのまさかです」

 

コイツ、体力温存の為にヒルダに転移魔法をして貰ったな!戦力の穴埋めにもなるけどさ!

 

「それと、貴方たちが倒した血塊も血塊の成れの果ての回収はヴェッジとトラにお願いしました」

 

「ヴェッジの奥さんには感謝してます」

 

「そうですね。本当に霞ちゃんには感謝してます」

 

ホムラとカグツチがなんの話をしているか分からない顔をしているヨミの右肩をポンポンと叩くニアが「乙女の秘密よ」と言っていた。

 

「というか言っている場合じゃない。急いで本体を止めるぞ!いくぞ、ヒカリ」

 

「任せなさい!」

 

多数を狙えるヒカリを選んだヨミはヒカリから白い剣を受け取り、古城たちの所へと向かっていった。

 

 

 

数分後、古城たちの所に着いたヨミとヒカリは異様な光景を目の当たりをした。それは複数の個体であるナラクヴェーラが暴れていた。

 

「多いな!!」

 

「それでもこんな所で屈しないわよ、ヨミ!私たちは天の聖杯よ!」

 

「.......ああ、そうだな!」

 

怖じけついてる場合じゃないよな。例え古代兵器だろうが、血塊だろうが関係ない!俺は、いや、俺たちは絶対には屈しない!数年前にそう誓ったじゃないか!

 

「すまん、ヒカリ。怖じけついてる場合じゃないよな」

 

「それこそ私の愛しい男よ!」

 

ヒカリの言葉に恥ずかしい表情を浮かべたヨミは古城たちの所へ向かっていった。ヨミの背中を見るヒカリはクスクスと笑った。

 

「無事か?古城、姫柊」

 

「ヨミ!」

 

「一条先輩!」

 

「天の聖杯!」

 

ヨミとヒカリの登場に古城と雪菜が希望をさらに見えたかような表情でヨミを見る。紗矢華の場合は頬に汗を垂らしていた。

 

「苦戦してるじゃないか」

 

「私とヨミがやって来たからにはナラクヴェーラなんて一網打尽よ」

 

ヒカリから白い剣を受け取ったヨミは口をニヤッとして余裕な表情を古城たち見せる。

 

「古城、残したら追撃をしてくれ」

 

「分かった」

 

「やるぞ、ヒカリ」

 

「了解よ、私たちの力を見せてあげましょう」

 

ヒカリが以前にホムラとバーニングソードをやったようにヨミと一緒に白い剣を握った。

 

「「セイクリッドアロー!!」」

 

天空から雲を撃ち抜いて複数降り注ぐ閃光の光の矢がナラクヴェーラを襲った。そのまま光の矢がナラクヴェーラを貫いた。他の光の矢がナラクヴェーラを貫いた。

 

「これが天の聖杯の力......」

 

「獅子王機関が欲しがる理由がよく分かるわ」

 

ナラクヴェーラが壊滅され、ナラクヴェーラの本体から今回の黒幕が機体から出てきた。此処までやったから後は古城と姫柊に任せるか。別の問題を通やすかとヨミはニアたちの援護しに向かったがもうすでに終わっていた。古城と姫柊が黒幕を倒したとそう思ったヨミは後片付けをした。

 

 

はあ、はあ、はあ、はあ

 

呼吸を続くレゴシは目の前にいるヒルダを化け物を見るかの目で見ていた。それを対するヒルダがゴミを見るかような表情でレゴシを踏んづけた。

 

「お前じゃあ相手にならないってそう言っておけ、ベルガリオンに」

 

何故、私たちの機密組織を知ってる?はあ、はあ......

 

レゴシの言葉にヒルダはハッ!と鼻息を鳴らして、ハイヒールがある棒をレゴシにじわじわと痛め付ける。

 

「ヨミを殺すだったら、フレデリカと炎の輝公子が黙ってないぞ?」

 

なん.......だと......?まさ......か.........?!

 

「まさかと思うが明るい羽橋(我ら)がアルディギア王国だけ、友好関係を結んでるだけだと思ったか?甘い甘い、なんて甘い事考えてるだ?フレデリカ、いや、明るい羽橋(我ら)は天の聖杯と友好関係を結んでいるぞ?かかかっ!」

 

ヒルダの言葉にレゴシは絶句する。最早、天の聖杯を殺すのは不可能と言っても等しい。ヒルダの腕に花弁を舞い上がり、舞い上がる花弁の中に処刑人の剣が現れる。

 

「何か言い残す言葉は?大丈夫、痛みは一瞬だぞ?それだけは保証するぞ」

 

ふざけるな!!!

 

レゴシの最期の言葉にヒルダはレゴシの頸を切断した。戦王の戦いは終焉に向かえた。




次回でラストです。


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古代兵器大破、後日

ヨミは洗面所にある鏡ににらめっこしていた。鏡の向こうにいる彼の瞳がいつもの群青色ではなく、金糸雀色になっていた。それも瞳どころではない髪の毛もヒカリと同じ髪色になってる。

 

「やっぱり、因果律予測の副作用が出たか......」

 

これはこれでまだ軽い方か。ヨミがぶつぶつと呟きリビングへ向かった。

 

「あら、私的にはヨミの眼と髪の毛が私色に染まったのは嬉しいよ?」

 

「ヒカリちゃん、羨ましいです......。ヨミ、今度は私色に染めてあげますね」

 

因果律予測は強いが、使用する代わりに瞳と髪がヒカリと同じに色になる。てかホムラはホムラで俺を炎の力を使わせようとしてるだろう!?

 

「炎の力を使ったら、眼も髪の毛が赤く染まるわ!」

 

「ふふっ、それは私と一心同体になった何より証拠ですよ?」

 

「あら、ホムラの言葉をそのままにすると、今がヨミの眼と髪の毛が私の色になっている。つまり、ヨミが私と一心同体になっているのも当然よね?」

 

よくそんなこと言えるよなホムラとヒカリって、俺だったら恥ずかしくって言えんぞ?そういえば、ヒルダから貰ったフレデリカの手紙はまだ読んでなかったよな?ズボンのポケットから取り出したフレデリカの手紙を開けて、文章を眼に通した。

 

親愛なる親友へ

 

来月に王女陛下とエミリーが絃神島へ向かいます。出迎えをお願いしたいけどいいかな?暇があったらでいいです。後、ホムラとヒカリを結婚するならあの腹黒王女の誘惑に気をつけてください。

 

 

フレデリカ・ジファールより

 

後者の文章を見たヨミは汗を垂らした。ホムラとヒカリが喧嘩をしそうで気がしないんだよな。ヨミは壁に設置してある時計を見ると出発時間が15分過ぎていた。

 

「ヤベっ!時間が過ぎてるじゃん!ホムラ、ヒカリ、もう行くわ!」

 

急ぎ足で廊下を走るヨミを見ていたホムラとヒカリが「行ってらっしゃい」と声を合わせて言っていた。

 

ギリギリ間に合ったヨミはモノレールの中で息切れをしていた。朝とは言えこれはキツい。息切れの音と声にたどり着いて声を掛けてきたのは古城と雪菜だった。

 

「ヨミ、お前その髪と眼はどうしたんだ?」

 

「ナラクヴェーラの件の裏で反則技を使ったら、ヒカリみたいな眼と髪色になった」

 

「反則技とは?」

 

「因果律予測、簡単に言えば未来予知だ。使う代わりにこの有り様だ」

 

ホムラとヒカリの力を使うと眼と髪の毛の色が変わるっていうことを説明したら古城と姫柊が苦笑した。赤の他人ならともかく身内である人に出会ったら不慮だと思われる。

 

「改めて見ますと一条先輩の髪と瞳は綺麗です」

 

「そうか?ホムラと同じ髪になった時に那月さんとニアに同じこと言われたな」

 

そんなに綺麗なものなのか?確かめるべくヨミは髪の毛を触った。今まで気にしたことはなかったが改めて見ると確かに綺麗だな。おっとこれ以上いけない、クールになれ俺。これ以上やったらヒカリに対するセクハラだ。ヨミは両手で頬をパチンと叩いた。

 

 

 

 

場所は変わって、絃神島にある空港の中で一番最大広さを誇る空港の地区(エアポート・イースト)に変わり、ヨーロッパ風のワンピースを着ているヒルダと修道院の服を着ている金髪の女性がヨーロッパ便の飛行機を待っていた。

 

「犯罪者はどうしたですか?」

 

「レゴシなら殺しておいたよ。流石にヨミを狙う事になると放置はしておけんから、後から苦情から来られるのは困るからね。それに我は今の天の聖杯を気に入ってる」

 

ヒルダが天の聖杯を気に入ってる事を金髪の女性は顔をにっこりしながら手を口に当て、口をクスッと笑う。

 

「ふふっ、フレデリカ様に続いて、ヒルダさんが天の聖杯にお気に召すとは」

 

「世の中は捨てたものじゃないね、エミリー」

 

「そうですね」

 

空港にかっかっかとふふふという笑い声が響いた。




戦王の使者編解決です。

皆さんは疑問に思ってると思いますがヒルダはヴァトラーを問い詰めて、血塊を処分しようとしているレゴシを発見した時にはヨミとヒカリがナラクヴェーラを撃退した後です。
次回はif編です


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if/~麻酔のように

母親に言いたいことを残して下校して去ったヨミを見ていた古城たちはひとまず解散した。凪沙が買い物に言ってくると聞いた古城と雪菜は先程の話あった。

 

「先輩はヨミ先輩について知ってますか?」

 

「いや、聞いてないな。天の聖杯っていうことは最近知ったし、過去についてはよく知らないな」

 

ましてはヨミが母親にあられ狂うように怒鳴っていた。ただ事ではないのは確定だった。

 

「考えても無駄か......」

 

「そうですね、きっと今のヨミ先輩に話してもはぐらかすでしょう」

 

今のヨミに話しても地雷を踏みそうで踏まなそうな五分五分である。と古城はあるものに気づく。

 

「なんだこれ?」

 

「何でしょうかこれ?」

 

古城がコンクリートの地面に見つけたのは青白いガラスの破片のようなものだった。魔術の痕跡だろうか?古城は雪菜を見ると雪菜が眉を寄せていた。

 

「この痕跡は分かりませんが念のために雪霞狼で痕跡を消しましょう」

 

「攻魔師に待った方が......」

 

「放っといたら嫌な予感するんです、ですから」

 

雪菜が背負っているギターバッグの中にある雪霞狼を取り出して、雪霞狼の剣先を青白いガラスの破片を刺した同時に古城と雪菜の世界が真っ白な世界に襲われた。

 

「なんだ!?」

 

古城が言った直後に目に移ったのは殺風景が混じる光景を目の当たりにした。

 

あっ、あっ、あっ......

 

孤独の底にを味わう中に荒い呼吸をする男性が心臓の音が早いリズムに鳴り響く共に黒い何か(・・・・)に金縛りに受けてるかように男性の冷静を奪い取る。

涙が止まらない。とにかく涙が止まらない。自分自身の情けなく嘆く男性の右の肉眼から血が出る。

 

がっ......、ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!

 

痛みに耐えれない男性は右の眼を押さえた。だが、押さえても何も変わらなかった。当たり前だ、頭痛でも骨折したわけじゃないだ。足音なしで急に女性が現れた。

 

「愚かね」

 

だ、誰だ?

 

「知る必要がないわ。だって、貴方はもう直ぐに死が近ついてるだから」

 

女性がそう言うと視界が歪み始めた。目の前にいる女性も同様に回りにあるものすべてが歪んでいた。何処で......、何処で間違えた?考えていたら何かを貫いた音がした。音の現況を辿ったら自分のお腹に風穴が空いていた。それを見た男が仰向けになる体制で倒れる瞬間に女性に抱きつかれた。

 

「ふふっ♡」

 

クスッと笑う女性は遺体をゆっくりと男が風穴が空いている場所を撫でた。何もなかったかように男のお腹にあった風穴がなくなっていた(・・・・・・・)

 

「これでヨミ(・・)は私のものになった。これ以上何もいらないわ♡」

 

女性はヨミを背負ってこの場を去った。古城と雪菜が見ていたのは夢だろうか?ヨミを背負っている女性は本当に人間だろうか?とそう思い冷や汗をかいるうちにいつの間にかいつもの下校のルートである商店街に戻っていた。

 

「ひ、姫柊!ヨミが殺されてる!」

 

「先輩落ち着いてください!一条先輩が殺された場所を思い出してください!」

 

「っ!」

 

確かにヨミが殺された現場には機械の床だった。それに今のヨミの距離はそんなに離れていない。何よりヨミはニアとホムラとヒカリと一緒にいる。何故わざわざヨミを殺されて、誘拐されてるところを見せる必要がある?その答えは誰にも知らない。

 

 

 

古城と雪菜は知らなかった。第3者に見られていることを。

 

「私がしたことはうっかりしてたよ」

 

黒いゴスロリの服をした美女がため息を吐いた。

 

「それは彼が選択を謝った記憶よ。言っても意味がないですけど」

 

美女は悪魔のように笑い、背中向けになってこの場を去った。



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3章天使の炎上
悪夢を抱える者


3章の始まりです。


キーンコーンカーンコーン

 

古城が通う彩海学園のチャイムは彩海学園全体に鳴り響いた。ナラクヴェーラの件以来、非日常からいつもの日常を取り戻していつもの風景を見て眠そうにあくびをした。第四真祖とはいえ日光に弱い吸血鬼っていうのは変わりがない。

 

「お前ら席に着け」

 

教室に入ってきたのは空隙の魔女で彩海学園の教師でもある南宮那月が教卓と黒板の前に立った。

 

「ホームルームを始める前に今日から転校生が入ってくる。入ってこい」

 

ガラガラと教室にある引き戸を引いて現れたのは古城にとっては驚愕的な人物だった。古城だけじゃない、この場にいる那月以外の生徒全員が驚愕的な表情をしているだろう。

 

「ヨミ?」

 

教室に現れたのはヨミと同じ顔をしている女性だった。髪型、髪色、瞳の色は違うがそれ以外の前髪と眼の形がヨミに一致していた。此処の学校の制服を着ていた女性は自己紹介を始めた。

 

「私は熊澤桜子です。趣味は女優雑誌を読むことです。よろしくお願いします」

 

桜子は頭を深く下げて、空いている机と椅子に座ってロングホームルームが始まった。

昼休みのチャイムを鳴った時に古城は桜子をヨミのところへ誘導させるために声かけたら浅葱も同じこと考えていた。

 

「なあ、熊澤」

 

「なんですか?あーナンパならお断りですよ?」

 

「ちげーよ!お前に会わせたい人がいるんだ」

 

ナンパという単語にデジャブを感じる古城は会わせたい人物を妄想する。横から入ってくる浅葱が桜子の手首を引っ張った。

 

「ほら、行きましょ。この時間帯なら中庭でニア先輩と一緒にいる筈よ」

 

「え、ちょ、ちょっと待ってください!会わせたい人って誰ですか!」

 

桜子を連れていく浅葱は教室から去った。それを見ていた古城は苦笑して浅葱について行った。

中庭に着いた浅葱、桜子、古城はヨミがニアと一緒に話し合いしてるの確認した。

 

「古城と浅葱か?そちらは......」

 

「あ、ああ......。ごめんなさい、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

 

何度もごめんなさいと謝っている桜子の群青の瞳が光一つ失くなっていた。急に変わり果てた桜子にこの場にいる全員が目を見開けた。

 

「っ~!大丈夫だ。大丈夫だから落ち着いてくれ。何も怖くない、だから落ち着いてくれ」

 

変わり果てた桜子を見てヨミは桜子を抱きついて、頭をゆっくり撫でた。抱きつかれた桜子が震えた声と共に目から涙を流した。

 

「桜子は一体どうなってるんだ?」

 

「トラウマだ。10年前に起きた事件で事件の引き金を引いた張本人が桜子にトラウマを植え付けた」

 

「10年前に一体何が起きたんだ?」

 

「俺たちの故郷が壊滅されたんだ。誰が仕組んだ災害なのかもう検討がついてるがな」

 

「「なっ!?」」

 

ヨミが放つ驚愕な言葉に古城と浅葱は驚きを隠せなかった。よ、ヨミの故郷が壊滅された......?

 

「思出話は此処までにしよう。桜子、お前は一人か?」

 

「......うん。お兄様はなんで絃神島に......?」

 

「俺はドライバーのとして、攻魔師として、

この学校の生徒の一条ヨミとして此処に住んでるだけだ」

 

「お兄様はブレイドを持ってるですね!そちらの方は?」

 

桜子がニアの存在に気付いた様子にヨミは苦笑する。ニアの存在に気付いてないんだ。桜子の言葉にニアがふふん!と両手を腰に当てた。

 

「私はニア!ヨミとは友達で、10歳からの仲よ!」

 

「ニアとメレフとトラとは長い付き合いだからな」

 

因みに古城は中学との付き合いでもあり、古城の母親には世話になったな。



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王女行方不明

桜子との再会から数時間経っており、真っ暗な空の夜道の中に歩き出すヨミ、ホムラ、ヒカリは電話で呼び出した人物を待っていた。

 

「誰に呼び出されたんですか?」

 

「アルディギア王国の遣いから依頼だ」

 

「ヨミを奪う腹黒王女の国ね。私からしたら許せないところあるの」

 

「あらヒカリちゃん、奇遇ですね。私もあの腹黒王女には許せないところがあります」

 

ふふふっと笑うホムラとヒカリの目が何処か笑っていなかった。そんなホムラとヒカリに汗と冷を垂らすヨミである。ヨーロッパ人のアルディギアらしいスーツ服を着ている女性がこっちに向かって来た。

 

「お久しぶりです、ヨミ様」

 

「久しぶりだね、ざっと2年くらいか?ラミンさん」

 

「そうですねそのぐらいです。ですが、今日はお話するために貴殿方の前に訪れた訳ではありません」

 

少しずつずれていくサングラスを上げるラミンは「こちらです」と言う。ラミンが3歩動いたらヨミもラミンに着いていった。ホムラもヒカリもラミンとヨミの後ろへ歩き出した。

 

「電話で呼び出したのは貴殿方に急遽に用する事です。それは王女陛下が乗っていた飛行船が墜落しました」

 

「っ!?」

 

ラミンの驚愕な発言にヨミは目が見開けた。

アイツが乗ってる飛行船が墜落されただと?

でもアイツが乗ってる飛行船って確か。

 

「エミリーはどうしたんだ?一緒に乗ってる筈だが」

 

「エミリー様に連絡しましたが、応答してくれませんでした。おそらく王女陛下とエミリー様がいる場所は無人島だと」

 

無人島か。これはただ事ではないな。

 

「場所は分かるのか?」

 

「勿論です。ですが無人戦艦のせいで近づけません」

 

「パラシュートで降下は?」

 

「可能です。ですから今から向かってるのは輸送機です」

 

なるほど、輸送機で王女陛下とエミリーのところへって訳か。ラミンが「あちらです」と言い向いた先に輸送機の機体がエンジン起動の状態で待機していた。あれか。ヨミ、ホムラ、ヒカリは輸送機の機体に乗った。

 

「御運を祈ります」

 

「任せろ。必ずに王女陛下はお前のところに連れてってみせますよ」

 

輸送機の席に座ったヨミ、ホムラ、ヒカリはモニターが起動したことを気付いた。モニターには髪の毛が栗の色をしている少女が写っていた。

あれなんでアイツがモニターに?......まさか。

 

『ヤッポー元気にしてるか?ヨミ、アタシだよ、天才の改造屋、聖だよ。順を持って説明するよ。

この機体はただの輸送機じゃない。この輸送機はなんと_________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アタシが改造した超音速に誇る、超音速輸送機なんだぜ!』

 

「「は?」」

 

「え?」

 

間抜けな声を出すヨミ、ヒカリ、ホムラは輸送機の揺れに体制が崩れて、物凄い速さで走り出した輸送機によって拘束されるヨミ、ホムラ、ヒカリは悲鳴を出した。

 

『ハハハハっ!飛ばすぜ!アタシが作った超音速輸送機の速さをヨミに見せてやれ!!』

 

「と、飛ばすぜじゃないぞ?!レーシングカーでもないじゃないだぞ!?がはっ!!」

 

操縦室であるる扉の向こうからパラシュート3人分がヨミの顔と胴体に的中した。ん?なんだこれ?パラシュート?

 

『野郎共そろそろ目的地に着くぞ!パラシュートとエチケットの準備万端か?』

 

「も、もう着いたの......?」

 

「よ、酔いそうです......」

 

「こ、今年一番不幸なところだな......」

 

目が回っているヒカリと酔いそうに口を押さえているホムラがヨミからパラシュートを受け取った。操縦室から聖が出てきた(・・・・・・)。超音速の速さと振動でダウンしているヨミに笑った聖は扉の近くにあるボタンを押したらヨミ、ホムラ、ヒカリから入ってきたであろうハッチが開いてそこには波の音がする広い海と無人島が見えた。

 

「ひ、聖、お前のまさか......!」

 

「そのまさかだ。スカイダイビングのデートの準備は出来たか?行ってこい、夫婦共!」

 

聖に押されて超音速輸送機から離れていくヨミ、ホムラ、ヒカリはスカイダイビングの中で悲鳴を出す。悲鳴を出していくうちに無人島の砂浜が近くなり、パラシュートを開く紐を見つけてパラシュートを開いた。砂浜に着陸したヨミ、ホムラ、ヒカリは数分ダウンした。数分後、復活したヨミ、ホムラ、ヒカリは立ち上がった。

 

「こんなにダウンしたのは初めてよ」

 

「私もです......」

 

「着いたのはいいが、まずは王女陛下とエミリーを探すか」

 

無人島を探索していくヨミ、ホムラ、ヒカリは戦いがあった痕跡に目にする。これは護衛の兵士が誰かとやりあった跡か......?考えてるうちに視界が真っ暗になった。

 

「だーれですか?」

 

「王女陛下」

 

「むう、王女陛下じゃなくてラ・フォリアと呼んでください』

 

「無茶なことを言わせないでくれ」

 

攻魔師である俺と王女陛下であるお前には壁があるだよ。背後に頬を膨らませているのはアルディギア王国王女、ラ・フォリアだった。

 

「あらあらこんばんは、お久しぶりですねヨミ、ホムラ、ヒカリ」

 

修道院の服を着ている女性であるエミリーが手を口に当ててクスクスと笑った。ラ・フォリアを睨み付けてるホムラとヒカリが笑ってない目になっていた。

 

「いけませんよ王女陛下。ヨミは私たちの恋人です」

 

「あら、いたのですね。気づいてなくてごめんなさいね」

 

「私たちを無視するなんていい度胸してるわね」

 

ヤバいな、このままだとアイツらが殺し合いを始めるぞ。そうなる前に止めないとな。この後はヨミとエミリーがホムラとヒカリとラ・フォリアを止めたのであった。




オリキャラプロフィール2

エミリー

修道院の服を着ている女性で明るい羽橋(ブリューゲル・ブリッツ)の一人でもある。かつてアルディギア王国の護衛兵士に所属していて、フレデリカにスカウトされて明るい羽橋(ブリューゲル・ブリッツ)に加入していた。キャラのモデルはグリザイアファントムトリガーのシルヴィアである。

次回から更新が遅れます。


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機械人形

今回は短めです。


周りにある木を伐採して、切った木をホムラが手から出す炎で木を燃やした。取り敢えず、無人の戦艦が来るまで下手にも無人島から出れない。

 

「まずは情報交換といきましょうか。ヨミはどうやって無人島へ?」

 

「聖が改造した輸送機で1時間足らずで来た。別の意味で死にかけたけど」

 

「アレですか。私たちが依頼して改造させた輸送機」

 

アイツはめちゃくちゃだぞ?この前にグレネードランチャーの弾を仕込めたミニガンとか光学迷彩の機能をつけた車とか改造してるからな。

 

「アイツの改造した大体なものはロクでもないものだ」

 

「そうですね。貴方たちは彼女が改造した超音速輸送機を乗ってきたですからね」

 

「思い出すだけで酔いそう......」

 

数十分前の記憶と感覚を思い出したヒカリが口を押さえた。ヒカリに同情するヨミとホムラはうんうんと頷いた。

 

「それでそちらは身に何が起きた?」

 

「それは細かな詳細は分かりませんが、テロリストの爆撃に私たちが乗っていた飛行船が打ち落とされました。狙いは王女陛下かと」

 

飛行船を墜落させてラ・フォリアを殺させる。テロリストらしいやり方だな。追撃しなかったのはアルディギアの警備とエミリーがいたからか?

 

「あれ?そういえば、警備はどうした?」

 

「向こう側の機械人形(オートマタ)によって全滅しました」

 

だから、依頼したのか。正直にエミリーがいるから大丈夫かと思っていたが、敵の戦力は未知数だな。

 

「私の魔力は貴方方みたいに一気に片付ける事は出来ません」

 

エミリーが取り出したナイフがルーン語で書かれていた。明るい羽橋(ブリューゲル・ブリッツ)の中でエミリーはまとめて片付けるような魔術がない。

 

 

ドッカーン!!

 

 

「「「「「っ!!」」」」」

 

敵襲か!ヨミはホムラの燃える大きな剣を持って、音の発生源を辿った。そこには多数の機械人形(オートマタ)が乗っている戦艦が攻めてきた。

 

「早速のお出ましだな。いくぞ、ホムラ、ヒカリ!」

 

「任せてください!」

 

「任せなさい!」

 

「王女陛下は私の後ろに」

 

機械人形(オートマタ)が手に持っている剣でヨミに切り裂こうと襲いかかった。ヨミはそれを避けて、燃える大きな剣の燃える刃で機械人形(オートマタ)の胸に貫いた。

 

「フォトンエッジ!」

 

ヒカリが肉眼ではとらえられない程の速さで次から次へと機械人形(オートマタ)を切っていった。

 

「水面にいる蛇よ、今すぐ目を覚まし、慈悲がなく抗う愚か者を喰らい尽くせよ!」

 

エミリーはルーン語のナイフを砂浜に向けて詠唱を唱えた。すると海の水面から塩水で出来た蛇が出現し、機械人形(オートマタ)を一体一体破壊していく同時に違うところから現れた魔力で出来た獅子が戦艦を壊した。

 

「この眷獣は......!」

 

獅子の黄金(レグルス・アウルム)!」

 

第四真相の眷獣である獅子の黄金(レグルス・アウルム)が戦艦を破壊した事を驚くヨミたちは獅子の黄金(レグルス・アウルム)を放った場所に向くとそこには第四真相である古城と剣巫の雪菜がいた。

 

(なんでアイツらが此処に......?)



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第一王女

ヨミたちは消えていた焚き火がもう一度火を起こした。海の向こうから現れる敵に警戒しながら、何故古城と雪菜が此処に来た理由と此処までの会った事の情報を交換した。

 

「お前たちは叶瀬という女子中学生を探すために此処に来たわけか。残念ながら俺は叶瀬ついては何も知らない」

 

「そうか......」

 

「それはそうとそちらの御方は?」

 

姫柊はラ・フォリアとエミリーに向けながらそう言った。紹介を剃らしてたな。姫柊の言葉に反応するラ・フォリアは両手でスカートを摘まんでお辞儀をした。

 

「北欧アルディギア王国の第一王女(・・・・)、ラ・フォリア・リハヴァインです」

 

ラ・フォリアの自己紹介に絶句する古城と雪菜。古城と雪菜の反応にヨミは苦笑する。何を隠そうラ・フォリアはアルディギア王国の第一王女である。

 

「そしてヨミの彼女です」

 

「「は?」」

 

「何適当な事を抜かしてます?女狐」

 

「そうよ、ヨミは私たちの物よ。誰のでもないのよ」

 

当然のラ・フォリアの言葉に反応するホムラとヒカリが黒いオーラと瞳にある光を失う2人に顔が真っ青になる古城と雪菜は困惑する。

 

「すまん、古城と姫柊。ホムラとヒカリが王女陛下と会う度にこんな感じに喧嘩するんだ。特にホムラとヒカリの目が怖いのは分かる」

 

エミリーの紹介を剃らしてる気がするが、跳ばすわけにはいかないから喧嘩をしているホムラ、ヒカリ、ラ・フォリアを無視した。

 

「お初めになります、第四真祖と剣巫。私は明るい羽橋(ブリューゲル・ブリッツ)に属する者、エミリー・クロイツェフでございます。宜しくお願いいたします」

 

明るい羽橋(ブリューゲル・ブリッツ)って確か、ヒルダがいる組織だったよな?」

 

「はい、その修道院の服って......」

 

「エミリーは聖ファー修道院高等部出身だ」

 

聖ファー修道院高等部はイギリスにある修道院であり、魔術と武器の使い方やシスターとしての教育がある高等部である。優秀な者がいればアルディギア王国の王族と明るい羽橋(ブリューゲル・ブリッツ)のリーダーであるフレデリカが時期にスカウトしてくる事もある。なおエミリーもその一人だった。

 

「古城と姫柊には言ってなかったが、桜子が転校してきたその日で俺は桜子を抱いた時に違和感があった」

 

「違和感ですか?」

 

「その違和感は桜子の脳に魔力痕跡があった」

 

「それってまさか......」

 

「洗脳だ」

 

「なっ!?」

 

ヨミの言葉に目を見開けた古城は怒りを露にする。

 

「誰だよ!そんな酷い事する奴は!」

 

「十中八九、桜子を洗脳した奴の目的は俺を殺す事だ」

 

「それはホムラさんとヒカリさんを狙ってるからですか?」

 

「それもあるが俺が奴のロクでもない人体研究を阻止した事もある。その恨みだろ」

 

それも明るい羽橋(ブリューゲル・ブリッツ)と攻魔師という後ろ楯がありながら、奴は余程俺を殺す事が好むようだ。

 

「奴の名前は北城だ」

 

「北城......、聞いた事あります。確か、血塊の人体研究をしていた科学者の一人でしたね」

 

「血塊の人体研究?なんだそりゃ?」

 

「そうだな、古城に血塊の人体研究について一から説明しないとな」

 

血塊の人体研究は一般には知られていないからな。仕方ないちゃ仕方ないか。

 

「血塊の人体研究は科学者が幼い子供を誘拐して、様々な天使の血を子供に与えてた。失敗すれば怪物になるにも当然、成功すれば真祖に匹敵する世界の脅威になる。それを知った攻魔師と獅子王機関は血塊の人体研究を阻止した。その筈だった」

 

「その筈?」

 

「誰かが天使の血......、遺伝子(サンプル)を奪った。犯人は北城とそれを共犯する誰かがやったと思う」

 

その共犯者が犯罪組織のボスになると、面倒な事になったな。

 

 

 

 

 

一方その頃、紅茶色の髪をした女性は目の前にいる女性に対して警戒をする。

 

「一つ貴方に聞きたい事があります。リューズは何処にいます?」

 

「リューズ?何の事かしら?」

 

「.......惚けるのかしら。まあいい、ヨミから聞く事にしましょう。質問を変えましょう。どうして貴方から血の匂いがするんですか?」

 

「な、なんの事よ。私から血の匂いするなんて、適当な事を言ってるじゃないわよ」

 

「そう?なら私の指を切れば済むよね」

 

紅茶色の髪をした女性は背中に背負っている竹刀袋から日本刀を取り出した。右手で日本刀を握り、左手の人差し指を少し切った。左手の人差し指の血を見ていた女性が全身身体からビクンビクンと反応した。

 

「言うの忘れましたが、私は吸血鬼なのですよ。血の匂い嗅ぐのも当然、警察犬みたいにできますのよ。二葉さん」

 

二葉は限界を迎えた後に肉眼が赤く染まり、背中から魔力で作られた黒い翼が生えた。生えた黒い翼が周りにある高層ビルを穴を空ける。

 

「貴方を会う前に高層ビルに人払いしといて正解でしたね」

 

「i%等5a¿殺○々!」

 

二葉の背中に生えている黒い翼が紅茶色の髪をした女性を襲った。その瞬間、二葉の背中に水色の球体が当たり、生えている黒い翼がなくなり、そのまま倒れた。

 

「ありがとうございます。ニア」

 

「私たちの問題を自分で突っ込む癖、まだ治ってなかったんだね。トーカ」

 

「あ、すみません......」

 

「いいよ、貴方が此処に来た目的はどうせリューズの事でしょ?リューズは保護してあるわよ」

 

「それは本当ですか!」

 

ニアがトーカに「着いてきて」と言った。ニアと共にいるビャッコは二葉を背負いニアとトーカを追いかけた。




このオリジナル要素でラ・フォリアが第一王女という設定にしました。


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模造天使

血塊の人体研究はまさか此処まで引っ張ってくるとは思っていなかったが、少し気になった事が出来た。第2王女の事だ。彼女はどうなってるんだ?

 

「そういえば、メル王女は?一緒に来てるのか?」

 

「メル様は墜落された後に紫苑が回収してくれました。彼女の魔術で近くの島まで行きましてよ」

 

メル・リハヴァイン。ラ・フォリアの妹であり、アルディギア王国の第二王女でもある。アルディギアにいた時に共に戦ってくれた仲間でもあった。

 

「ん?」

 

「どうした?古城」

 

「いや、アレ」

 

古城が指を示した方向を向いたヨミたちが目にしたのはさっき古城の眷獣で沈めた同じ戦艦がやってきた。

 

「やれやれ、奴も懲りないな」

 

「救助が来るまで、いつでも相手にしてあげますわよ」

 

戦艦から白旗が上がった。戦艦から白旗が上がったの見ていたヨミたちは眉を寄せた。

 

「罠か......?」

 

「それでも乗るしかありません。警戒を怠らないでください」

 

雪菜がそう言うと戦艦から敵が出てきた。男3人と女1人がこっちに向かってきた。おい待て、

あの男何処かで見たような......。

 

「よう、バカップル。元気してたか?」

 

「おっさん、よくも俺たちを置いて行きやがったな?」

 

古城の言葉にロウ・キリシマという男が「おっさんじゃねえ!まだお兄さんだ!」と叫んだ。

 

「久しぶりですね、叶瀬賢生」

 

無防備にも叶瀬賢生の前に歩き出したラ・フォリアの後に続いたエミリー。

 

「殿下におかれましてはご機嫌麗しく......、七年ぶりでしょうか。 お美しくなられましたね」

 

「わたくしの血族をおのが儀式の供物にしておいて、よくもぬけぬけと言えたものですね」

 

ラ・フォリアの冷たい口調で賢生にそう言った。

 

「お言葉ですが殿下。 神に誓って、私は夏音を蔑ろに扱ったことはありません。 私がアレを、実の娘同然に扱わなければならない理由......、今の貴方にはお分かりのはず。いえ、むしろ実の娘同然なればこそ、と申し上げましょう」

 

もう一人の男がヨミの前に歩き出して、バカにされたかのように笑う。

 

「フハハハハハハっ!!おい、ヨミ!あの時はよくも俺の研究邪魔をしたな!ったくお前の顔を見ているだけでムカつくぜ」

 

「息子の前に第一言葉はそれか?カルシウムが足りてないぞクソ野郎」

 

ヨミが北城の息子って言うことを驚きを隠せなかった古城たちはヨミを見ていた。

 

「俺たちの作品を見せてやるぜ。見てろよ?」

 

北城が手元に持っている端末のボタンを押すと戦艦に積んでいるコンテナが開いて眠っている叶瀬夏音と思わしきの姿が現れた。

 

「最後の儀式だ」

 

賢生の言葉を言った直後に夏音は目を覚まして、背中にある翼が蛹から出てきた蝶のように広げた。模造天使(エンジェル・フォウ)と化した夏音は悲鳴を上げた。

 

『gaaaaaaaっ!!』

 

「っ!?疾く在れ(きやがれ)黄金の獅子(レグルス・アウルム)!」

 

古城が放った黄金の獅子(レグルス・アウルム)模造天使(エンジェル・フォウ)へ突撃したが位とも容易く避けられて、模造天使(エンジェル・フォウ)から放つ閃光が古城の身体に貫いた。

 

「先輩!?」

 

「古城!?」

 

倒れた古城に雪菜とヨミは目を見開けた。そして模造天使(エンジェル・フォウ)が周囲を無差別巻き込むように巨大な暴風を吹き始めた。

 

「っ!皆さん結界の中に入ってください!」

 

エミリーが必死にイギリス語で掛かれている4枚のカードをばらまいた。海の海水からエミリー中心へ水のバリアを作り出す。エミリーの声に気付いたヨミたちは古城を運んで結界の中へと入った。

 

「結界の中に入ったのはいいが......」

 

「これはまた、厄介な事になりましたね」

 

ヨミたちが向いた先には氷の柱の中に叶瀬夏音がいた。



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炎の力

3章ラストです。


エミリーが作ってくれた結界のお陰で氷に呑まれずにすんだ。が、問題なのは。

 

「先輩......」

 

「さて、古城をどうやって起こすか」

 

「一番合理的なのは、暁古城に血を飲ませるのがいいですわよ」

 

俺としてはホムラとヒカリの血を飲ませたくない。姫柊の血を飲ませるのは一番だろうと言いたいところだが、姫柊の血でコイツの目が覚ませるのかわからない。アイツらの技術は未知の過ぎるの上に魔力なのか、エーテルなのか、はたまた未知の法則なのか俺の知識ではわからない。

 

「叶瀬夏音を倒すにはコイツの新たな眷獣を従える必要がある。俺が今から時間稼ぎをするから、コイツに血を飲ませてくれ」

 

言った直後に姫柊に止められた気がしたが、それでも無視した。ヒカリと一緒にヨミに着いていったホムラは赤い剣をヨミに渡して、結界の外へ出ていった。

 

「おー、生きてるとは。知ってたけどな」

 

「まずはデゴイじゃなく、本体で出てきたらどうだ?」

 

ヨミの言葉にフハハハと笑いだした北城はお腹を押さえた。

 

「テメエの考えはますます分からねぇな!天の聖杯さえあれば真祖と獅子王機関を潰せるというのになあ!」

 

「じゃあ、なんでお前が俺の前に現れたんだ?」

 

「何言ってるんだテメエ?」

 

「答えてやろうか?答えは簡単だ。お前が桜子にあのウイルスを注入して、俺を殺させるからだろうがっ!」

 

ヨミの髪が赤染まり、燃え上がった赤い剣が炎の柱を作り上がり、北城に目掛けて炎柱を伸ばした。北城のデゴイは炎柱によって消された。炎柱は急カーブして夏音が凍っている氷の柱を溶かした。

 

「ヒカリ!」

 

「ヨミ、受け取りなさい!」

 

ホムラの力を使い過ぎると氷の足場がなくなる。ヒカリの剣を受け取って、赤い剣の剣先から火の玉が出てきた。氷の足場を思いっきり蹴った、そしたら空中浮遊した。

 

「アレは......」

 

「ロシアで使った程のスピードじゃないけど、リューズの空中浮遊のアーツを見て、思いつきで編み出したって言ってたわよ?流石は私たちのヨミね」

 

空中浮遊しているヨミの背中を見ていたホムラとヒカリはロシアでの出来事を思い出した。結界の中で見ていたエミリーは空中浮遊しているヨミを見ていた。

 

「アレはホムラの力である炎の力。創造した炎を自由自在に作り出す。例え天使でも一溜りありませんわね」

 

ヨミの眼を見ると金糸雀の色になっている事を気付いたエミリーはフフフっと笑いだした。

 

「悪いが避けても無駄だぞ?」

 

白い剣で横切りすると夏音の身体にすり抜けてしまう。

 

(すり抜けた......?血塊とは違う法則があるのか?)

 

血塊とはまったく違う法則が働いているとしたら、科学ではあるがパラメータや能力が違うとか?

 

焔光の夜伯(カレイドブラッド)の血脈を継ぎし者暁 古城が汝の枷を放つ......」

 

古城の背後に水銀の双龍が現れた。どうやら、古城が新たな眷獣を従えるようになったみたいだな。

 

疾く在れ(きやがれ)龍蛇の水銀(アル・メイサ・メルクーリ)!」

 

龍蛇の水銀(アル・メイサ・メルクーリ)が夏音の背中にある翼を喰いちぎった。それでも夏音は体制崩す事もなく、喰いちぎった翼が再生して赤く染まる。

 

「くそっ! あれでもダメなのかよ!」

 

「いいえ、私たちの勝ちです!」

 

雪菜がそう言うと、エミリーがフランス語で書いてある紙を投げた。

 

Fée de l'eau(水の妖精よ)A un enfant stupide qui souffre(苦しんでいる愚かな子に)Sans pitié(慈悲もなく)Souffrance(苦しむがいい)

 

投げたフランス語で書いてある紙が翼が生えた球体となった妖精が夏音に襲った。

 

『gaaaaaaaaaっ!!』

 

妖精に左の翼が消し飛ばされる夏音の前に空中浮遊をしているヨミが白い剣を構えてた。

 

「ライトニングスラッシュ!」

 

白い剣が日光して6連続斬りで夏音の片方の翼が斬れてしまった。翼がなくなり落ちていく夏音に雪菜が雪狼霞で突き刺した。割れたガラスのように天使の身体が消滅していき、走って行く古城が落ちていく夏音をお姫様抱っこした。

 

 

 

 

 

夏音はこれと言った傷はないが、天使になった所とはいえ何週間の入院する事になった。救助の船がやって来た。コーヒーが入ったマグカップを取ったエミリーはコーヒーの風味の臭いを嗅いだ。

 

「これはインスタントコーヒーですね?」

 

「ああ、大体の船と飛行機のコーヒーはインスタントだ」

 

ヨミの言葉になるほどと頷いたエミリーはコーヒーを口にすすった。

 

「クルルが淹れてくださった紅茶が恋しいですわね。そう言えば、貴方方がどうやって攻魔師に入った理由を耳にしたいです」

 

「長くなるがいいか?」

 

過去に向き合う事は悪い事じゃないと昔ヴェッジにキツく言われた事があった。その言葉のお陰でニアたちに会えた。




4章移る前にifと外伝です。


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if/~ひとりじゃあ立ち上がれないから《前半》

更新が遅くなってすみません。if編の前半です


チャイムの音と共に学校中に鳴り響いた。俺はいつも通りにニアと一緒に机を向かい合わせにして、バッグの中からお弁当を取り出した。

 

「ヨミは捕まえた血塊を使うあの2人に聞いてどう思うよ?」

 

「犯人は掴めた。ソイツらの保護者みたいな奴ならはヒルダに殺されてるよ」

 

「本当?確かにヒルダならやりかねないね」

 

ヒルダは容赦もなく人を殺す事は世界中に知れ渡っている。真祖たちの耳にも、獅子王機関も。

ヒルダが問題を起こした時に止められるのはフレデリカや獅子王機関の上の連中だけだ。ヒルダが世界の敵に回すとは思えない。

 

「犯人は俺の父親だ」

 

「あんたの父親は死んだじゃないの?」

 

「アイツが自分に天使の血を取り込んでも何も可笑しくない」

 

未だ自分の母親でさえ天使の血を取り込んでいるのに、自分の家族はとんだ土地狂ったとしかいえない。

 

「全く愛も糞もないな......」

 

「まだあんたが正常で良い方よ。ヨミの父親と母親は取り返しつかない事をやった。でもヨミは守るべきものがあるから世界中で天の聖杯を欲しがってる奴らに喧嘩を売ったでしょ?」

 

これもニアたちのお陰で此処までいられたかもしれない。

 

「そういえばメレフがトーカの連絡をキャッチしたって」

 

「トーカはトーカでリューズの事が心配だからな」

 

次にあったらラーメン屋に誘うか。トーカはラーメンの事になると目がないからな。

 

「その玉子焼きは頂いたわ!」

 

「あっ!ニア、お前!」

 

前から迫るニアの箸によって弁当の中に入っていた玉子焼きがニアに取られてしまった。

 

「ん~!美味しい!相変わらずホムラの料理は美味しい」

 

「ったく、お前って奴は」

 

頭をポリポリとかいているうちに弁当の直ぐ近くに置いてある携帯の着信音が鳴った。携帯の画面にはトラと書いてあった。

 

「トラからだ」

 

「トラから?一体何の用なのよ」

 

電話を出るボタンをタップして、耳に傾けた。

 

『アニキ、大変だも!』

 

「何が会った?まずは説明してくれ」

 

余りにも泡たたしいトラの声に眉を寄せたヨミはトラに説明を求めた。

 

『血塊が街の中で暴_______』

 

トラとの電話の最中に轟音と共に大地が砕ける音がした。教室の床がメキメキと砕けていき、重力が失くなり、砕けてる床から風が発生をした。無重力と風に飛ばされるヨミとニアは無重力のせいなのか風によって天井に押し潰される。

 

「ぐうぅぅぅっ!!」

 

「あがぁぁぁっ!!」

 

全身に響く痛みに叫ぶヨミとニアは何も出来ずにいたが、教室の扉が飛ばされていき、廊下からメレフが手に握っている剣が青い炎に燃えていく。青い炎を天井に向かって飛ばした。青い炎によって天井は穴が空いて、風に飛ばされていくヨミとニアがメレフとカグツチに抱っこされた。

 

「助かった、メレフとカグツチ」

 

「お礼は後です。早く学校から去りましょう。その後からこの現象についてお話します」

 

急ぎ足でこの学校から去ったヨミたちはモノレールに乗って、近くにある神社のところまで歩いた。すると賽銭箱の前に紅茶色の髪をしている女性がいた。

 

「久しぶりだな、トーカ」

 

「久しぶりね、トーカ」

 

「久しぶりね、ヨミ、ニア。ヨミはもうエッチな事した?」

 

「なっ!」

 

トーカのやましい言葉に顔が赤くなるヨミの反応にトーカは笑ってしまう。メレフの隣にいるカグツチもクスクスと笑っていた。

 

「ゴッホン......、話を戻すぞ。学校で常識外の現象はなんなんだ?」

 

「あの現象は血塊の翼だよ、それもlevel5。あの現象のせいで数百人の生徒と数人の教師が身体全身の骨折で病院に送られた。最悪、剣巫と第四真祖は絃神島にいない」

 

床から風が発生してその後の着地がよくなかったのか、全身に骨折しただろう。学校があるのに何処にほっつき歩いてるか分からない雪菜と古城は現在不在なのだ。アイツらの事だから何かトラブルに巻き込まれてるだろう。

 

「血塊がやることはめちゃくちゃと言うことをよく分かってる。奴と交戦する前にホムラとヒカリを呼ばないとな」

 

「私もビャッコを呼ばないと」

 

「決戦は真夜中にしましょう。そうすれば周りには目立ちません。那月教官とヴェッジさんの2人で血塊を結界の中に閉じ込めてます。もって夜の7時です」

 

「それに明後日には第一王女と第二王女が来てます。それまで絃神島を万全の状態でいてもらわないとね」

 

明後日には絃神島にアルディギア王国から第一王女のラ・フォリアと第二王女のメルが来るのだ。それまでに絃神島のスポットは綺麗なままでしないといけない。

 

「リューズはどうするんだ?お前との共鳴はまだあるだろ?」

 

「今起きてる血塊の暴走を決着ついたら会いにいくわよ」

 

どうやらトーカは今、会いに行くつもりはないみたいだな。




外伝→本編2話ぐらい→if編後半あげようかなと。
更新は月で別の作品と1、2話ぐらい上げる予定です。


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異世界

俺はなんで寝てたんだ?確か奴との戦いで奴の魔術をくらって、それから.........、ダメだ思い出せない。思い出せないのはそれだけじゃない自分と共鳴している大切なブレイドの事も思い出せない。

 

「にしても此処は何処だ?日本でも海外でもないよな......?」

 

見たことない生物、見たことない自然が広がっている。突然少し視界が暗くなり、背後に何かいるのかと思い後ろに向くとそこには巨大なムカデがいた。巨大なムカデがデカイ口を開けて襲いかかってきた。巨大なムカデのデカイ口を避けたヨミは足元に少しだけ鋭い木の棒を拾った。

 

「俺はお前の餌じゃないつーの!」

 

大事なブレイドを思い出すまでに此処でくたばるわけにはいかないんだ!

 

「はあ!」

 

両手で木の棒を握って渾身の横切りを巨大なムカデに切り裂いた。木の棒だからか上手く切れていない、というより木の棒が取れなくなった。

 

「木の棒じゃあダメか!せめて何か武器があれば......」

 

周りを見るとそこには戦斧が刺さっていた。何故此処に戦斧があるのか知らないがないよりはマシか。

 

「はあぁぁ!!」

 

戦斧を両腕で握って素早く移動して、巨大なムカデに大きく降りかかった。巨大なムカデの首が切れて、戦斧の重さに対切れなくて尻餅着いた。

 

「重すぎだろコレ......」

 

息切れをしていく内に空を見上げると、いつもと変わらない青空があり、此処から動かないと何も始まらないか。ヨミの瞳は戦斧に映す。

 

「護身用としては申し分ないよな......?」

 

戦斧があるなら街があってもおかしくない。重たい戦斧を持ち上げて、街がありそうなところへ向かった。数時間後、どれだけ歩いたか分からないが木で出来た建物と風車が見えた。やっと休憩を出来る場所を目にしたヨミは街に向かって走っていった。

 

「まずは情報集めから始めるか」

 

この街に関すること、ブレイドについて、そして天の聖杯についてを聞いた。何故か分からないが天の聖杯の単語に引っ掛かった。考えるだけじゃあ何も分からないから考えることやめた。

 

「お金を稼ぐところは何処だ?」

 

掲示板に張ってある紙を見てみると化け物の絵と俺と同年代に近い男の人が写っている紙があった。

 

「サルベージャー?」

 

初めて見る職業を目にしたヨミは再び考え込んだ。紙に書いてある限りにサルベージャーというのはガラクタを探して拾う捜索隊ということか。やるのならサルベージャーの方が一番だが、日が暮れてるから野宿する場所を確保しなければならない。

 

「一刻も早く動か_____」

 

ドォォォォン!!!

 

此処から近くところに爆発音がした。爆発音がしたところへ向かっていったヨミは壁に囲んでいて、目立つような建物はないけど丁度真ん中辺りに爆発の跡があった。

 

「爆弾か?それともミサイルでも打ち込んだのか?」

 

「おい、貴様は何者だ?」

 

声の主に振り向くとそこには二足歩行の兵器の上に乗っているおっさんがいた。

 

「この爆発の跡はおっさんがやったのか?」

 

「おっさんじゃねーっ!俺はブリスクだ!よーく覚えておけ小僧」

 

「いいから答えろ」

 

「ああっ!俺がミサイルを打ち込んでやったのさ」

 

なるほど、汚い大人の一人か。ならやることは決まってるだろ?背中に背負ってる戦斧を持ち上げた。

 

「おりゃ!」

 

戦斧の重い一撃で二足歩行兵器の銃口の一部を破壊した。手応えはあったが、二足歩行兵器がガジャン!と真ん中からミサイルが出てきた。何をしてくるか察したヨミは二足歩行兵器に埋まっている戦斧を手放した。

 

「ちっ!」

 

「あっぶね!俺の身体を殺る気満々だな!」

 

発射されたミサイルにギリギリよけたヨミは尻餅ついた。

 

「避けやがったな?ならもう一ぱ______」

 

横からやってきた青い炎によって二足歩行兵器が燃えた同時にブリスクが吹き飛ばされた。

 

「大丈夫ですか」

 

「お前は?」

 

「私はメレフです。こっちが私のブレイド、カグツチです」

 

帽子とコートを着ていたメレフが俺に手を差し伸ばした。ヨミは差し伸ばしたメレフの手につかんで立ち上がった。




他の作品を投稿する予定です。投稿ペースは月に1回で出来たら2回になります。


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4章ウォーゲーム
傷口出来すぎた少年


過去編開始です


グロリスクな友人の顔と廃人になった赤の他人を思い出して、口から唾液を吐き出した。

 

「オエ......、なんで俺は生きてる......?」

 

ドロドロとした黒い何かが俺の胸に刻まれて、

縛れていくような感じ。意識が持ってかれそうになった。

 

「誰かに助かれるようなことしたか......?」

 

頭には何も浮かばなかった。だって知ってる人が全員死んでしまったのだから。言っているうちにゴスロリを着ていた少女と金髪の女性が入ってきた。

 

「大丈夫か?と言えなさそうだな」

 

「君たちはなんなんですか?なんで俺を助けたんですか?」

 

ヨミの悲しい言葉を聞いた金髪の女性が悲しい表情でこちらに向けてきた。ゴスロリを着ていた少女が考え事をして問いかけてきた。

 

「お前は襲われたんだ、それ以外に助ける他にはあるのか?それと私の名前は南宮那月、攻魔師で現場の中に入る指揮官だ」

 

「攻魔師......」

 

「お前以外の生存者を探したが、全員が廃人になって死亡した。現場に駆けつけが遅れた私たちの責任だ」

 

那月が俺に頭を下げてきた。那月さんも分かっている筈だ。例え、頭を下げたとしてもすべてが元に戻る訳じゃない。とぶつぶつと言っているうちに脳にノイズが走った。

 

「っ!!」

 

脳に浮かんだのは血の湖と狂気の感情に浮かべている人間が写っていた。あまりの頭痛で頭を抱えるヨミを見ていた那月が目が見開けた。

 

「まずい!ナースコール!ナースコール!!」

 

「あっ、ああっ!!あああああああああっ!!」

 

「っ!ヨミっ!!」

 

涙を流して発狂するヨミに抱き付いたのは金髪の女性だった。

 

「貴方はもうひとりじゃないわ!」

 

「あっ......、あっ......」

 

金髪の女性の抱きついた温もりによって、ヨミが少しずつ目蓋を閉じた。ヨミが寝たことを確認した那月は冷静になり、椅子に座った。

 

「分かっていたが、此処まで酷いとは......」

 

ヨミという少年はあの災厄の街の生き残りだった。ヨミ以外の生き残りを探してみたが死体だらけで人が隠れるところがひとつもなかった。

つまり生存者はいなかった。だが、ひとつ問題がある。

 

「どうやって、コイツは生き残ったんだ?」

 

あの災厄の街はウイルスや空爆とかあった筈だ。なのにこの少年は生き残ってる。ってことはこの少年は特別な何かを持ってる。

 

「この子はあの巫女の呪い(・・・・・・・)がついてるのよ.......」

 

「あの巫女.......?まさか!?」

 

金髪の女性の言葉に目が見開けた那月は表情には怒りに満ちていて、手のひらから血が出る勢いで握りしめた。

 

「この少年が死ぬことすら許さないって言うのか......!」

 

絶望に落ちているこの少年に楽にしてあげたいと思っていたが、あの巫女がつけた呪いが許さないだろう。この中で辛いのは私でもないこの少年だ。

 

「呪いを払う方法を考えないとな。木更先輩に相談してみるか」

 

すべての魔道書を読みきった木更先輩なら何か知っている筈だ。



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怒りを抱く那月

金髪の女性と南宮那月に引き取られた。那月が出した料理にあんまり食べていないヨミを見る那月は指の爪を噛んだ。

 

「これも分かっていたが.......」

 

那月がそう呟いているうちに携帯にメールが来た音がした。返事が返ってきたかとそう思って携帯を取り出すとメールにはこう書いてあった。

 

確かにそれはネロがやった術式でそれも不死の呪術になると、呪術者を倒すしかないね。明日、絃神島へ行くよ。

 

こんな痛々しい身体にされたヨミを見て、見るに耐えられないような表情をしている金髪の女性のことヒカリの拳が触れあがっている。

 

「死にたい......、死にたい......。どうして僕がこんな地獄な目に会わないといけないんだ......」

 

「お願い聞いて、死にたいなんて思わないで。だから......、お願い」

 

何か......、この少年を希望を与えるきっかけさえあれば。明日に待つ時間が長く、苦しむヨミの姿に見るに耐えられない。それにもっと最悪なのは生存者いると報告はしたが、それでも上司は生存者をいなかったことにした。

 

「それじゃあ、ヨミが生きていることをなかったことにしてるじゃないか......!」

 

つまり上層部は彼を見捨てたのだ。そんなバカなことあっていいのか!?言いなわけないだろ!!彼が何したっていうのか!!こんな仕打ちはないだろう!!

 

 

 

 

 

辺り一面が草原であり、そこには黒いゴスロリの女性がいて、黒いゴスロリの女性の周りにクリスタルのような色をしたガラスの破片があった。

 

「貴方は......?」

 

「よ、ヨミです......」

 

「ヨミ?フフっ、なるほどな。そう言うことか」

 

フフっと笑う女性があることを思い出した。

 

「今日は実に良い日だ。何故なら面白い人間に巡り会えたからね」

 

女性がそう言うと目の前の視線がノイズが出てきた。まるで一部損失したブルーライト画面のように。

 

「おや、もう時間のようだね。時間は早いものだ。そうだ、私を面白くしたお礼として名前を教えてあげよう」

 

少し少しこっちに近寄ってくる女性は耳元にこう言った。

 

「ヴェーネス。また今度ね」

 

ヨミの姿もノイズにかかり、完全に消えた後に残されたヴェーネスは空へと見上げた。

 

「彼かどうやって悲劇を回避するのかお手並み拝見ね」

 

まるで何かの楽しみを待っている子供のように、散らばっているガラスの破片を一つ取る。

 

 

 

茶色のジャケットと黒髪の男性が手を長ズボンのポケットに入れて歩いていた。途中で足を止めた。

 

「いるのは分かってるぞ。姿を出さないとオレ様には良い考えがあるぞ?ヨーロッパの機密組織の一人」

 

男性は両手をポキポキと鳴らすと夜中の暗いところから特徴的な大鎌と青いブレザーをしている少女がいた。

 

「気配を殺しても気付くとは流石、攻魔師のトップ実力者を持つ男じゃ」

 

「テメェはヨーロッパで活動してる機密組織明るい羽橋(フリューゲル・ブリッツ)所属『闇の狩人』じゃねーか。テメェは何故にこの絃神島にいる?」

 

「アーシャは木更志乃に依頼を頼まれて、絃神島に合流するのじゃよ。それと悲劇に見舞われた少年に興味が湧いたのじゃ」

 

あ?悲劇に見舞われた少年だと?首を傾げる男性はなるほど知らないのかと不運だなとそう思う『闇の狩人』は手元に持っているコーヒーを吸った。



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