輝きと暗闇 (銀河のかけら)
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プロローグ

みなさんはじめまして、銀河のかけらです。

ハーメルン初投稿ですが、どうか大目に見てください。

本当に超絶大目にお願いします。

それではプロローグ、どうぞ!


桜の花のつぼみも膨らんできた。冬とはお別れをして、春の季節だ。春は私たちにとって始まりの季節でもある。

 

曜「千歌ちゃん!こっちこっち!」

 

千歌「あ〜!待ってよ〜曜ちゃーん!」

 

高海千歌は普通な自分を変えるために東京に来ていた。

幼馴染の渡辺曜と一緒に。

 

千歌「まったくもー!曜ちゃんったら〜」

 

千歌を置いて先に行ってしまった曜を追いかけていると、メイドさんからチラシを貰った。

 

メイドさん「お願いしまーす!」

 

メイドさんだ!流石はアキバ…

 

チラシを貰ったその時、強い風が吹き、メイドさんが持っていたチラシの山が吹き飛ばされてしまった。

 

千歌「わぁ!待って待って〜!」

 

慌てて拾ったが1枚、遠くへ飛んでいってしまった。

千歌はそのチラシを追いかけた…

 

 

ーー何かに夢中になりたくて

 

  何かに全力になりたくて

 

  脇目も振らずに走りたくて

 

  でも、何をやっていいかわからなくて

 

  燻っていた私の全てを

 

  吹き飛ばし…舞い降りた!ーー

 

 

千歌「はぁ、はぁ、やっと…捕まえた…」

 

のこりの1枚も拾えて安心していたが、再び風がチラシを吹き飛ばした。

 

千歌「わぁ!……あっ!……」

 

チラシが飛んだ方を見ると巨大スクリーンがあり、映像が流れていた。

その映像の名前は……!

 

千歌「ラブ…ライブ…!」

 

  「これだ!!」

 

  「スクールアイドルだよ!!」

 

曜「スクールアイドル?」

 

スクリーンに夢中になっていたら、気づいたら曜がとなりにいた。

 

千歌「そうだよ!スクールアイドルだよ!」

 

  「よし決めた!」

 

  「私、スクールアイドルになってラブライブで輝くんだ!!」

 

私は見つけたんだ!ラブライブを!!スクールアイドルを!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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その千歌の近くでスクリーンを見ている1人の少年がいた。

 

 

??「ラブライブ…か…」

 

その少年は少し見たらすぐに家に帰ってしまった。

 

??「はぁ、嫌なものみちゃったな…」

 

  「音楽なんてなくなればいいのに」

 

  「外に出るとやっぱりろくなことがねーじゃねーかよ!

 

   あの親どもが!!」

 

すると少年の目線にエレキギターが映ったので、

 

??「久しぶりに鳴らしてみるか」

 

ギターを手に取り1曲弾き始めた。

 

しかし…

??「やっぱやーめた」

 

  「前より全く楽しいと思えない…」

 

??「はあ…」

 

 

??「音楽なんて…ラブライブなんて…

 

 

   嫌いだ」

 

そう言った彼の目には輝きはなかった…

 

 

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これは、輝きを探す9人のスクールアイドルと、暗闇に染まった少年の物語である。




どうも、銀河のかけらです。

プロローグ、いかがでしたでしょうか?

あの最後の人は誰なのか、1話から本格的に物語が動きだします!

感想もぜひ教えてください!アドバイスもあったら嬉しいです!

それでは、今回は以上、銀河のかけらでした!


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1章 出会いと苦難、そして奇跡
1話


不定期と言いつつも筆が進んだので投稿したかけらです。
小説って考えるのがとても楽しくて筆が止まりません!

あ!後書きにお知らせがあるのでよろしくです!

それでは第1話、どうぞ!


響「はぁ〜、なんでこんなに暇なんだろ」

 

 西木野響は1人、自室のベッドに寝転んで時間を潰していた。

 

 西木野響16歳、"元"高校生。

 

 実質ニート。

 

 絶賛引きこもり中だ。

 

 俺は1ヶ月前、生徒を殴ったとして停学処分がくだっていた。

 たが、いじめを助けるための暴力なので、停学には納得いかなかった。

 

響「ふざけんなよ…だったらこっちから辞めてやるよ」

 

 ということで響は学校を辞めた。

 

 そこから殻に籠るように引きこもるようになってしまった。

 

響「あ〜暇暇暇〜!やることね〜!」

 

 彼の家は親も姉も両方医者だ。

 

 だから親は俺が将来医者になってほしいらしい。

 

 だが…

 

響「医者にだけはなりたくない…親が決めた道にだけは行ってたまるか!」

 

 と、俺自身はなる気は微塵もないようだ。

 

 西木野響は決められたレールを進んでいくのが嫌いだった。

 

響「はぁ、このまま適当に人生を終えるのも悪くないなぁ」

 

 と考えていると、部屋の扉をノックされた。

 

 誰だ?と思って開けると、メイドさんがいた。

 

メイド「響様、お客様がお見えです。」

 

響「…分かりました。今向かいます」

 

 客…?俺に会う人なんて1人もいないはずだが…と疑問に思った。

 

 彼には友達という人が1人もいない。

 

 いや、作らなかったの方が正しいが…。

 

 なので、客だなんて誰だか全く分からなかった。

 

 仕方なくリビングに行くとそこには見覚えのある人がいた。

 

「あ!急に来てしまってごめんなさいね」

 

響「…あなたとはもう関係のない他人のはずですよ…理事長先生?」

 

 待っていたのは私が前に通っていた音ノ木坂学院理事長の南さんだった。

 

理事長「一応生徒ですから、関係あるわよ」

 

響「"元"生徒ですがね」

 

 少し両者とも黙っていた。

 

 すると、静寂を破るように響が口を開いた。

 

響「それで、理事長様がはるばる何の様ですか?」

 

理事長「様だなんてよして。何年の付き合いだと思ってるの?」

 

響「そんなに長くないしあなたとはあまり関わってませんよ?」

 

理事長「まぁそれはいいとして…あなた、転校先は決まってるの?」

 

響「…はぁ?」

 

 何言ってんだこいつ…停学させたのはあなた方のせいですが?

 

 なんでこの人がそこまで指図してくんだよ。

 

響「決まってるわけないじゃないですか。てか、別に高卒認定取れればいいとおもってるので、学校とかもういいかなって」

 

 すると南さんは少し考えて…

 

理事長「西木野響くん、共学化のテスト生になってみない?」

 

理事長は大胆な提案をしてきた。

 

響「へー共学化のテスト生ですか……は?テスト生?」

 

 響は最初は気づかなかったが、気づいたら目が点になった。

 

響「(共学化ってことはまだ共学してないってことだよな…女子校?)」

 

響「ちょっと待ってください…ってことは女子校に男1人で入れってことですか?」

 

理事長「一応先生では何人か男性はいるみたいだけど、生徒ではそうなるわね」

 

響「お断りします。大体、私の事を知ってて言ってるんですか?」

 

 響は理事長の言葉を聞いた途端即決で断った。

 

 響は高校に入ってからクラスメイトとほとんど話した事はない。

 

 そんな奴にいきなり女子校に入れ?というのはバカバカしいと思ったからだ。

 

響「脳の医者教えましょうか?良い医者知ってますよ?」

 

理事長「別に私は正気よ」

 

響「まあ正気かそうじゃないかはもうどうでもいい。どちらでも、この話はお断りさせて頂きます」

 

 そう言い残し響は足早にこの場を去ろうとした。

 

響「では、私はこれで…」

 

理事長「…そう…じゃああなたは親とありふれたつまらない日常を過ごすわけね」

 

響「…は?」

 

理事長「だってそうでしょ?このまま過ごしたらただの日常…あなたにはそんなの似合わない気がするの」

 

響「(何こいつ…本気で言ってんの?)」

 

理事長「あなたにはもっと自ゆ「あんたに…」何?もう一回言って?」

 

響は理事長の胸ぐらを掴んで叫ぶように言った。

 

響「あんたに…あんたに何が分かる!俺がどれだけ苦労してきたか!あんたには分かるのか!!わかんねえよな?」

 

響「俺だって自由に生きられるなら生きたい!だけどな、神が…運命がそれを許さないんだよ!」

 

理事長「そんなの誰が決めたの?」

 

響「(………え?)」

 

理事長「それはあなたが決めた事じゃないでしょ?まだあなたは高校生。運命に足掻くなら、今しかできないかもよ」

 

 確かに…でも…

 

理事長「一週間、考えていいわ。考えがまとまったら電話して?」

 

 すると、理事長は帰ろうとした。

 

 帰り際、響に振り向いてこう言った。

 

理事長「じゃ、よーく考えて?後悔しない選択をしなさい」

 

 南さんが帰ったリビングは音一つ感じない程、静かだった…。

 

響「まあ…あの事は許すか…」

 

響は自分に答えるかのようににして言った

 

響「俺は…」

 

 響はただ1人…理事長の言葉を…考えた…。

 

 

〜千歌視点〜

 

 静岡県の沼津に内浦という地域がある。

 

 人口がとても少ないが、交流も多い良い所だ。

 

 高海千歌は幼馴染と渡辺曜と東京から転校してきた桜内梨子とスクールアイドルを始めた。

 

千歌「よーし、曜ちゃん、梨子ちゃん、一緒に最高のスクールアイドルになるぞー!」

 

千歌、曜『ヨーソロー!』

 

梨子「よ、よーそろ?」

 

 曜はノリノリだが、梨子はまだ慣れていない様だ。

 

千歌「も〜梨子ちゃん!元気ないよ!そんなんじゃ輝かないよ!」

 

梨子「輝かないって…、それより千歌ちゃん!早く詩ちょうだい!早くしないと作曲できないの!!」

 

千歌「ひぃ!あと1日、いや3日待って〜」

 

千歌「(梨子ちゃんは毎日のように怒ってきて〜全く!まぁチカが悪いんだけど…)」

 

すると曜は何かに気づいたのかはっ!とした表情をした。

 

曜「ん〜?千歌ちゃん!質問であります!」

 

 すると何かを思い出したのか、曜が質問してきた。

 

千歌「はい!曜ちゃん!」

 

曜「作曲は梨子ちゃんがするんだよね?」

 

梨子「え?そうだけど…」

 

曜「じゃあ、編曲は誰がするでありますか?」

 

 ……………

 

 千歌と梨子はそれを聞いた途端、時が止まった様に固まってしまった。

 

曜「あれ?聞こえなかったでありますか?」

 

曜はあえてゆっくりとハキハキと言った。

 

曜「編曲は誰がするでありますか?」

 

…………

 

千歌、梨子『…………あっ……』

 

 千歌と梨子は同時に気づいてしまった。

 

そしてお互いを見合って…

 

千歌「梨子ちゃん…?編曲した事ないよね」

 

梨子「作曲はできるけど編曲はしたことないわね」

 

千歌、梨子『どーしよ──ー!』

 

 なんと作曲ができる梨子を仲間にできたことが嬉しすぎて、編曲のことをすっかり忘れていたのだ。

 

千歌「よーちゃん!それもっと早く言ってよ〜」

 

曜「ええ!?でも曜ちゃんも今気付いたでありますよ?」

 

梨子「ちょっと!これじゃいつになっても曲できないじゃない!」

 

千歌「あっ!じゃあとうとうこれの出番だね!」

 

 すると千歌は、おんがくの教科書を出した。小学生のやつだが…

 

 曜と梨子はそれをジト目で見た。

 

曜、梨子『…………』

 

曜「どうする?梨子ちゃん…」

 

梨子「どうしようか…」

 

千歌「え!?スルー!?」

 

むむむ…もういいもん!真剣に考えよう。

 

千歌、曜、梨子『……………』

 

 3人とも全く何も出てこなかった。

 

 まぁ、出てきたら苦労しないけどね…。

 

曜「どうする?」

 

 最初に曜が口を開いた。

 

梨子「編曲家に頼むか…でもお金がない…」

 

すると2人を見て千歌が言った。

 

千歌「う〜ん…じゃあ、探そう!」

 

曜、梨子『え?』

 

 千歌が少し考えて話しはじめた。

 

千歌「梨子ちゃんの時だって、諦めなかったからこそ仲間にできたんだ!だったら探そう!きっと何処かに編曲できる人がいるはずだよ!」

 

梨子「でも…そんな簡単じゃ…」

 

千歌「簡単じゃなくても、やってみないと始まらない…でしょ?」

 

すると曜も…

 

曜「…そうだね!このままより動いた方がいいしね!」

 

梨子「全く…千歌ちゃんには敵わないな…」

 

 状況は良くない。

 

 しかし、ここには下を向いている人はいなかった。

 

 高海千歌を中心に3人は前を向いていた。

 

千歌「よーし、そうと決まれば、練習だー!」

 

3人『おー!』

 

 そして3人は練習場所へ走っていった。

 

 その表情は3人とも太陽の様な笑顔だった。

 

 しかし、彼女達は知るよしもなかった。

 

 

 

 これから、ある少年と"運命"の出会いをすることを。




こんばんは!銀河のかけらです!第1話、いかがでしたでしょうか?
響が何かを決意し、千歌達は編曲者探しを始めましたが、彼らはどうやって出会うのか!次回、出会います!

あ、お知らせですが、このシリーズと並行して、新しいシリーズを始めたいと思います!ラブライブ!とのクロスオーバーという形で書きたいと考えています。

候補はイナズマイレブンか、ヒプノシスマイクです。どちらも好きな作品なので、どちらか迷っています。(どっちも始めるかも…)
近日公開するはずなので楽しみに待っていてください!


それでは、今回は以上、銀河のかけらでした!


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2話

思ったより順調に書けてるので、2話いきたいと思います。

もはや不定期じゃないな……

ま、とりあえず2話どうぞ!


春にふさわしい暖かい空気。空は雲一つない晴天だ。そんな空の下に1人の少年が立っていた。

 

響「あ〜、やっと着いた〜」

 

西木野響は、東京を離れ、静岡県に来ていた。その理由は…

「ここが内浦か…」

転校するためだ。

 

南さんと会ってから少し考えたが、響は転校を選んだ。このままでは何も変われないと思ったからだ。

 

響「しっかし、結局最後まで認めてくれなかったな…」

 

転校するにあたって親に相談したが、親は東京の他の高校に転校させたかったらしく猛反対された。それを見て、説得は不可能と判断して家出に近い形で飛び出してきたのだ。

 

響「さーて、学校に行ってみるのも明日だし、探索がてら散歩でもしますか」

 

響は少し歩いてみることにした。響は静岡に来るのは初めてだ。もちろん内浦のことも知らない事が多い。この地のことを知るのも大事だ。

 

すると少し歩くと海が見えた。

 

響「へー、海に近いのか。俺海初めてかもな」

 

すると響は迷うことなく砂浜に出た。

 

海の近くに来ると、響は海を感じた。

 

微かに感じる潮の匂い、何度も繰り返す波の音、どこまでも続いている青。その全てが、響の心を震わせた。

 

響は時間を忘れて感じていた…海を…音を…

 

すると響はつぶやいた。

 

響「…ここなら弾けるかもな…音…」

 

響はここで一曲歌うことにした。響の相棒のエレキギターを手に取った。

 

響「…ちゃんと弾くのは久しぶりだな…」

 

鞄に入れていたアンプを出して、少し鳴らしてみた。

 

すると、聞き慣れたはずが何処か懐かしい音が響の耳に入ってきた。

 

響「よし、音は大丈夫だ」

 

そして響は波の音にのせて一度、深呼吸をした…

 

響「…よし、いこうか」

 

彼は弾き始めた。響は曲を決めていなかった。だが、無意識にこの曲を弾き始めていた…

 

 

ユメノトビラを…。

 

ユメノトビラ ずっと探し続けた

 

君と僕のつながりを探してた

 

 

Yes!自分を信じてみんなを信じて

 

明日が待ってるんだよ 行かなくちゃ

 

 

Yes!予感の星たち胸に降ってきた

 

輝け…迷いながら立ち上がるよ

 

 

疲れた時に僕を励ます 君の笑顔は最高

 

そして少しずつ進むんだね

 

ときめきへの鍵はここにあるさ

 

 

ユメノトビラ 誰もが探してるよ

 

出会いの意味を見つけたいと願ってる

 

ユメノトビラ ずっと探し続けて

 

君と僕とで旅立ったあの季節

 

青春のプロローグ

 

 

 

 

 

 

 

 

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梨子「今日も練習は砂浜だよね?」

 

梨子が千歌に尋ねる。

 

千歌「うん、そうだよ〜」

 

曜「よーし、では砂浜に向かって全速前進!」

 

千歌、曜「ヨーソロー!」

 

梨子「あはは…」

 

千歌と曜はさすが幼馴染…息ぴったり…

 

梨子がそんなことを思っている間に着いてしまった。

 

すると…

 

梨子「ん?何か聞こえてこない?」

 

と梨子はいち早く気付いた。

 

千歌「え?そう」

 

曜「確かになんか聞こえる気がする」

 

曜にも聞こえていたが、千歌にはまだ聞こえていない様だ。

 

3人は少しずつ近づいていく。

 

梨子「この音、ギターと…歌声?誰かが歌ってるのかしら…?」

 

流石ピアニスト、すぐに音の正体を見破った。

 

「ん!これって…やっぱり!ユメノトビラだ!」

 

千歌には歌っている曲がわかった様だ。

 

「ほんとだ、ユメノトビラだ」

 

「そのようね」

 

2人とも千歌にμ'sの曲を何曲も教えてもらったので、ユメノトビラももちろんしっていた。

 

「すごい!」

 

「歌ってるのは…男の子?」

 

「そうみたいね…それにしても上手ね」

 

3人は少年の曲を聞き入った。

 

そして曲が終わると千歌がその少年に走って近づいていた。

 

「「千歌ちゃん!どこ行くの?」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「はぁはぁ」

 

響は歌い終わったら少し息があがっていた。

 

──やっば、体力落ちてんなー、まあ当然か…

 

響は不登校明けである。ほとんど家にいて、体力がなくなってるのは当然である。

 

「よし、新しい家に行ってみるとするか」

 

「ん?」

 

帰ろうとギターをしまうと、1人の女の子がこちらに向かって走ってきた。

 

「ねぇねぇ!今のユメノトビラだよね!」

 

走ってきたと思ったら急に話しかけてきた。

 

「あ、ああ、そうだよ」

 

俺が答えると、その子はもっとテンションを上げて…

 

「もしかしてμ'sのファン?それとも歌手さん?それにしても歌上手だね!」

 

と質問責めをしてきた。

 

「ま、まあそんなところだよ」

 

となんとなく答えるとその子は静かになったと思ったら…

 

「奇跡だよー!」

 

と、大きな声で言い出したから驚いた。

 

そしてμ'sエピソードを何個も聞かされた。なんだこいつ、変な奴だな。

 

「あはは…そうなんだ、それで君は誰?」

 

って言ったら

 

「あ…名前聞いてなかった」だそうだ。

 

こいつ…初対面なの忘れてやがったな…

 

「ごめんね…急に話しかけて…私は高m「千歌ちゃん!」げ!梨子ちゃん」

 

と、また2人の女の子がこちらに来た。こいつの友達かなんかかな。

 

「千歌ちゃん!ダメでしょ!いきなり話しかけちゃ!迷惑でしょ」

 

この子は梨子ちゃんって子かな…ん?梨子…?何処かで聞いた気が…

 

「ごめんごめん〜って、気付いたら足が動いてて」

 

「あはは…」

 

ともう1人の子が呆れていた。するとその子が話しかけてきた。

 

「ごめんね、千歌ちゃんが突然…え〜っと…」

 

あ、そっか…まだ名前言ってなかったな…

 

「いや大丈夫、それと、俺は西木野響、よろしく」

 

「響くんかー、よろしくね、響くん」

 

「ああ、よろしく」

 

って初対面でいきなり下の名前でか…フレンドリーだな…俺の元いた環境では絶対になかったな。ここの子はみんなそうなのか?

 

と疑問に思ってると、梨子ちゃん?という人も謝ってきた。

 

「ごめんなさい、急に話しかけて…」

 

「いやいや、全然問題無いよ」

 

と答えるとオレンジ色の子が話しかけてきた。

 

「へー響くんかー、良い名前だね!」

 

「それで響くんは引っ越してきたの?」

 

「ああ、今日引っ越してきたんだ」

 

「へーそうなんだ〜」

 

と、会話は続いた。

 

すると、千歌が一つ質問をした。

 

「ねぇ、ギター弾けるってことは、編曲できるの?」

 

すると響は少し黙ると、「俺は…って」

 

「やばっ!もうこんな時間、じゃ、俺は行くから」

 

と、その場を逃げる様に走っていった。

 

「あ、ちょっと!」

 

「行っちゃった…」

 

千歌は、答えが聞けず残念がると、

 

「引っ越してきたんでしょ、また会えるよ」

 

と曜に言われた。

 

「そうだね!きっと会える!」

 

「よーし、練習だー!」

 

「「おー!」」

 

練習の準備中、曜が、

 

「そういえば、響くんって何歳?」

 

とつぶやいた。

 

「「「……あっ………」」」

 

年齢を聞かずに話していたことを忘れていた

 

 

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「はぁはぁ…ここまでこれば大丈夫か…」

 

彼は走って逃げた。編曲という言葉を聞いた途端、勝手に動いてしまった。

 

「あの3人と話すのは楽しかったけど、出来るだけ会いたくないな…」

 

特にあのオレンジ頭の千歌っていう奴、あいつだけには永遠に会いたくない。

 

太陽が沈み、薄暗くなる中、1人立ち尽くし、つぶやいた…

 

「俺は…俺は…

 

 

もう曲は作りたくないんだ…」




こんばんは!銀河のかけらです!2話、いかがでしたでしょうか?

とうとうこの3人と響が出会いました。そして最後の響の言葉、この意味はなんなのか?だんだん面白くなってきましたねー!(強引)。

そして、ユメノトビラが出てきました。歌詞とてもいいですよね〜。私も畑亜貴さんの様な詞を書きたいなーと思ったかけらでした。

次回は響が浦の星へ行きます。そこでどんな出会いがあるのか。

それでは以上、銀河のかけらでした!


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3話

うわー!新学期が始まったーー!俺の春休みが…終わってしまった…

と、学校が始まったかけらです。授業が始まったらどれくらいのペースで書けるか分かりませんが、絶対に週1回は投稿します。
…フラグを立ててしまった…。

まぁ気にせず3話、どうぞ!


浦の星女学院、内浦にある唯一の高校だ。生徒は100人にも満たないとても小さな学校だが、

「意外と建物は新しいんだな」

と響は思っていた。もう少し古いイメージがあったので意外に綺麗なことに驚いた。流石は私立といったところだろうか。

 

西木野響、高校2年生、今日は初めて浦の星女学院に登校する日だ。そして彼は今、校門の前に来ている。

 

ーー大丈夫だよな…一応女学院だし、俺が入ったら警察とかないよな…

とか不安で校門の中をウロウロしていると、その光景を見た1人の生徒が話しかけてきた。

 

「すみませんがよろしいですか?」

 

聞かれると、不審者と思われたと感じたからか、

「あ、すみません…別に怪しいものではないです」

と言ったが、相手は特に疑ってはいなかった様だ。

 

「もしかして、テスト生の方ですか?」

 

ここでなんと幸運か、テスト生を知っている人に出会ったのだ。

「はい、そうです。今日から転校してきたテスト生です」

 

「やはりそうでしたか。私はこの学校の生徒会長を務める、黒澤ダイヤと申します」

この人、なんでテスト生のこと知ってるのかと思ったら、生徒会長だからか。まあらしいといえばらしいが。

 

「これからテスト生としてお世話になります、西木野響です。これからよろしくお願いします」

と出来るだけ丁寧に自己紹介した。 

 

「こちらこそ、これからよろしくお願いいたしますわ」

生徒会長が、答えると、続けて理事長室まで案内してくれた。

 

「わざわざ教えて頂きありがとうございました」

「これくらいどうってことないですわ」

理事長室の前まで来た2人は、ノックをして用件を伝えた。すると中から「入ってどうぞ〜」とかなり軽い感じで言われた。

 

「「失礼します」」と言って理事長室に入ると、1人の生徒がいるだけだった。

 

「あれ、理事長は不在ですか」

というとそこにいた生徒が「私が理事長よ」と言った。

 

ん?俺は寝ぼけてるのか?今、この金髪が理事長って聞こえたんだが…

 

「だ〜か〜ら〜、私が理事長なの!」

 

マジかよ、生徒が理事長するとか、色々おかしいだろ!

「それより、あなたが響ね?」

「はい、そうですよ」

 

すると、その理事長?は場違いな自己紹介を始めた。

「私はこの学校の理事長兼生徒の小原鞠莉でーす!マリーって呼んでね」

「マ?!え、えぇ…」

俺が困っていると生徒会長がフォローしてくれた。

 

「全く、響さんを困らせたらだめですわ」

「まーまー、ダイヤ!It's joke!」

この数分間で俺は理解した。

"絶対にコイツとは気が合わない"と…

すると、理事長が急に真剣な顔になり、「ダイヤ、悪いけど一回外に出てて」と言った。

生徒会長は「分かっていますわ」と外に出ると、この空間は2人だけになった。

2人になって少し気まずかったが、理事長はこれからについてや、この学校についてを説明してくれた。

ーーふーん、理事長としては案外しっかりしてるんだな。

 

ーーー

以上で説明は終わり、なんか質問ある?と聞かれたので、俺がずっと気になっていたことを質問した。

「なぜ俺を選んだのですか?」

「なぜってどういう事?」

「…私は引きこもっていた…それなのにご指名でテスト生は明らかにおかしい。何か理由があるはずです」

 

すると、理事長からは予想外の言葉が飛び出して来た。

「あなたが必要だからよ」

「俺が…必要?」

「そうよ、私が必要だと思ったから指名したのよ」

ーーはあ?必要?俺はおまえの道具じゃねーよ!

怒りで顔が赤くなっていくのを抑えながら、

「分かりました…もういいですか」

「ええ、いいわよ」

「それでは、失礼します」

響は閉めようとしたドアを強めに閉めた。

 

そして家に帰った後、今日の出来事を振り返る。

ーーくそッ!あんな奴が理事長だなんて、あんなの金でなっただけじゃねーか。

 

…まあ今考えても何も変わらないか…明日はとうとう教室に行くんだ。遅刻しないようにしないと…

 

そうして、内浦にきて2日目が終わった。

 

 

 

 

ーーだが、明日はもっと波乱の1日になる事を、響はまだ知らない。

 

 

 

 

 

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「はあ〜、案外見つからないもんだね、編曲できる人」

「まぁできる人も少ないからね仕方ないよ」

編曲者が見つからず落ち込む千歌を曜が慰めていた。だが、事態は思ったほど深刻だ。

体育館ライブまで残り二週間と迫っていた。それなのに、まだ曲ができていない。

 

「もう少し探して見つからなかったら私が編曲するよ」

「え、梨子ちゃんできるの?」

「まだ出来ないけど勉強する」

うーん、梨子ちゃんのいう通りそれしかないのかなあ?

 

「「「………」」」

3人は曲が完成しないためか、少し気持ちが沈んでいた。この状況だとマズイと感じたのか、曜が話題を変えた。

 

「あ、そういえばテスト生くるの今日だっけ?」

「あ、そうだったね」

今日からテスト生として1人クラスに加わるのだ。しかし千歌は、

「テスト生ってなんだっけ?」

 

「…千歌ちゃん、一昨日の集会聞いてなかったの?」

「あはは、すみません」

「いつ共学化してもいい様にテスト生として男の子が1人来るらしいよー」

流石曜ちゃん、説明してくれるの気が利くな〜。とそこへ教室に担任が入ってきた。

 

「みんなおはよう。一昨日聞いたと思うが、今日からこのクラスに1人仲間が増えます。男1人で不安だと思うが仲良くしてやってくれ」

 

「じゃ入っていいぞー」

 

 

「……あっ……」

 

 

〜数分前〜

 

俺は担任の先生を職員室で待っていた。少し他の先生と話していると、男の先生が入ってきた。

 

「あ、この先生が君の担任だよ」

と校長が紹介した。

 

「初めまして、私が担任の後藤大賀だ。よろしくな」

大賀先生…か、結構親しみやすそうでよかったなぁ。てか、男の先生で本当に良かった〜。女の先生だったらマジで死んでたわ。

 

そして大賀先生と一緒に教室の前まで来た。

「じゃ、先生君のことを紹介してくるからここで待っててくれ」

 

ふー、やっと学校生活スタートだな。よーし、まずは自己紹介完璧にしないと…

ん?自己紹介?ヤベッ、自己紹介考えてねー!まぁ適当に頑張ろう。

 

「じゃ、入っていいぞー」

そして響は2年の教室に入った。教卓の前に立ち他の子を見ると、

ーーうわー、やっぱ女の子ばっかりだな。ある程度覚悟してきたがこの中に入っているのが想像できん…

 

よーし、気にしない気にしない!まずは自己紹介だ!

 

「えー、私の名前は西木野響です。音ノ木坂学い「奇跡だよーー!」は?」

急に叫びだした方を見て、俺は心底驚いた。

 

「お、おまえは…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同じクラスにオレンジ頭がいたことに…




こんばんは!銀河のかけらです!3話、いかがでしたでしょうか?とうとう学校来ましたよ!そして担任の後藤大賀先生、オリジナルキャラが出てきました。
担任を男にした理由は、先生くらい男にしないと響死ぬなと思ったからです。

さあ、4話はどんな展開になるのか。次回もお楽しみに!

あ、言い忘れてましたが、大賀先生の名前はかけらが10秒で考えたので、意味は特にないです。
以上、銀河のかけらでした!


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4話

あー、春休みにーもどーりたーいよー
話変わりますけどLiella!の曲どれもいいですよねー。私はその中から「始まりはみんなの空」が好きです!

それでは、4話どうぞ!


「な、なんでお前がここに!?」

俺、西木野響は今までで一二を争うほどの驚きを感じていた。昨日、あれほど会わないと心に誓ったのに、このクラスに普通にいたのだ。

ーーおい!なんでオレンジ頭のアホ毛がこの学校にいるんだよ!てか、よく見たら曜と梨子もいるじゃねーか!この地域狭すぎだろ!くそッどうするどうする?

 

響はこれまでにないくらい慌てていた。それを気づくそぶりも無く、千歌が話し続ける。

「奇跡だよ!響くん、スクールアイドル部に入っ「絶対に嫌だ!」返答早っ!」

響は何を言うのか分かっていたような速さで断った。

 

「それに入ってどうする?俺に踊れとでも?」

まぁそんな事無いと思っていたが、わざと聞いた。

「違うよ、響くんには編曲をしてほしい…とできればマネージャーを…」

意外な答えが帰ってきた。響は作曲を頼むのかと思ったが、編曲だけを頼んできた。しかもマネージャー…、まぁマネージャーぐらいならしてもいいが…。

 

「こらー!千歌!転校生をいきなり困らすな〜」

「あ、すみませーん」

「全く、あ、響、もう座っていいぞ」

あ、こんな終わり方でいいんだ。

「響は、千歌の後ろ空いてるからそこでいいか?」

「あ、はい…いいです」

嘘だ。コイツの後ろやだ。しかもあの3人近えじゃねーか!響は脳内で愚痴りながらも机に向かった。席に着くと、3人から声を掛けられた。

「よろしくね、響くん」

「まさか響くんがテスト生だなんて…」

「響くん!スクー「黙れアホ毛」……」

ったく、まだ言うかよ、まぁ少しは考えてやるか…

「千歌、明日まで待て。必ず答えを出すから」

すると沈んだ表情をしていたが、一瞬で笑顔になった。

「わかった!明日まで待つ!」

…はぁ、さて、どうしたものか…。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーー

 

今日の学校が終わった響は、1人部屋のベッドに寝転んでいた。その間、ずっと考えていた。

ーー編曲…か、作曲はまだ出来る気はしないが、編曲ぐらいは出来るはずだな…

でも…俺が関わっていいのか、俺がしなくてもあの3人でやった方がいいんじゃないか?

彼は考えれば考えるほどネガティブな方に考えていた。

 

響は飾ってある一枚の写真を見ながら呟いた。

「みんなだったらどうする?昔の俺だったらどうしてた?」

「だめだ、考え方を変えないと、千歌達は俺に編曲してほしいと言っているんだ。

今回だけでもしてやろう」

 

そして相棒のギターを手に取り呟いた。

「またよろしくな、"相棒"」

彼は、今回だけ編曲することを決めた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーー

そして、運命の日がやってきた。

千歌達は響の答えを聞くために音楽室に来ていた。

「遅いね、響くん」

「もう10分も遅れてるよ、来ないのかな?」

「来る!絶対に来る!」

曜と梨子は半ば諦めていたが、千歌だけは響を信じていた。すると、勢いよく音楽室の扉を開く音が聞こえた。

 

「はぁはぁ、遅れてすまない」

 

彼は3人の前に立つと、質問を1つした。

「千歌、曜、梨子、お前らは何を目指す?」

「スクールアイドルで何を目指す?」

 

すると、1分程考えた末、千歌がこたえを出した。

「ラブライブに出る!出て私達だけの輝きを見つけたい!」

「…それは、本気で目指すか?半端な気持ちじゃ無いか?」

「本気だよ。本気でラブライブに出る」

「…それは曜も梨子も同じか?」

「うん、そうだよ」

「私達も本気で、

「「ラブライブで千歌ちゃんと輝きたい!!」」

 

答えを聞いた響に迷いはもう無かった。

「よし、なら手伝おう」

「「「え?」」」

「だから、俺が編曲をしよう。おまけにマネージャーもしよう」

「ほ、本当?」「ああ、本当だ」

「「「やったーー!!」」」

「これで一歩進んだね」

3人とも響の加入に喜んでいた。

「あ、1つ頼みがある」

「なに?」

「とりあえず編曲は今回だけにさせてくれ。頼む」

「まぁそこまで言うなら」

よし、とりあえずはこれで成立だな。

「よし、じゃ譜面は?」

「あ、私が持ってるわ」

と言うと、梨子が渡してくれた。

「これはいつまで仕上げればいい?」

えーと、、

 

「一週間後なんて無理だよね?」

マジか、いきなり一週間で仕上げろと、やっぱりオレンジ頭のアホ毛だな。でも…

 

「いいぜ、一週間…いや、3日で仕上げる」

「「「えー!3日で!」」」

一週間どころか3日で仕上げると言った響に心底驚いていた。

「そのかわり、3日間、部活には来ないからな、じゃ」

「あ、ちょっと〜」

「行っちゃった…」

まさか響くんがこんなにやる気を出すとは…でも、本気なら本気で答えなきゃ!

 

「よーし、練習だーー!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーー

 

響はこれ以上ない程やる気に満ち溢れていた。

ーーまさかこの気持ちがまた味わえるとは…それよりもこの音、詞、どれも想像以上だった。詞は千歌で、曲は梨子…かな?

 

それより…千歌…なんかあいつに似てたな。

 

「私、やっぱりやる!やるったらやる!」

彼はその"あいつ"のことを思い出していた。

言葉こそ違うが、同じこと思ってそうだな。それにしてもまたスクールアイドル…か…避けてたはずなのにな…また関わるとは…人生って分からんな。

 

ーーそれよりも、あの3人の気持ちを壊さないために、こっちも本気で作らないとな。

 

3日か…上等だ!作ってやるよ!最高の音を!

 

よーし、俺の挑戦、再スタートだ!

 

 




どうも!銀河のかけらです!4話いかがでしたでしょうか?とうとうスクールアイドル部に編曲兼マネージャーで手伝うことになった響!さあそろそろ他のメンバーももっと出番を増やしたい。(一年組と果南出してなかった…ごめん!)
あと千歌ちゃん…オレンジ頭やらアホ毛やら…すみません…だがまだ言い続ける…と思う!

それでは以上!銀河のかけらでした!


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5話

席替えで教卓の目の前を引き当てた、どうも、かけらです。目の前嬉しーなー。
………嘘です。めちゃ嫌です。もう早く変わりたい…と思ったかけらでした。

それでは5話、どうぞ!


「とは言ったものの、何からするかな」

響は久しぶりの曲作りとなってやる気がほとんどだったが、少しながら不安もあった。

響が最後に曲を作ったのは、1年以上経っていた。よって、どんなふうに作ればいいのかも掴めていない状態だった。

「とりあえずもらった詩と譜面を見直すか」

響はもう一度詩と曲を見直してイメージを膨らませる事にした。

 

ーーこの曲は、千歌のスクールアイドルへの思いが詰められていると聞いた。そして、ユメノトビラみたいな曲を作りたい、から始まったと聞いている。

全体的に前向きにさせるような詩と曲だな。今の3人を思わせるような詩になっている。千歌…想像してたより面白い詩を書けるんだな。曜も衣装や振り付けも一定以上の出来だった。それにしても桜内梨子…梨子も音ノ木坂学院の生徒だったのか。しかも同学年。ほとんど人と関わって無かったから気づかなかった…こんな曲を作れるピアニストがいたとは…

梨子と響はお互い音ノ木坂学院出身とは全く知らなかった。どっちも知らなかったのでお互い様だが…

 

そんな事を考えながら曲のイメージを作っていった。すると、この詩に秘められていた事に響は気付いた。

「そうか!この詩は千歌がスクールアイドルに対しての想いが表現されているんだ!」

スクールアイドルに対しての想い…それは、

スクールアイドルがダイスキって言う事か!

 

その想いを見つけた響は溢れるように曲のイメージが頭の中で作られていった。響は休む事なく編曲に励んだ。人は稀に極限まで集中するとゾーンに入ることがある。響は今その状態だった。

 

 

そこから、あっという間に約束の日になった。響は机でそのまま寝てしまっていた。

「ん〜、ヤバっ、寝ちゃってたか…」

響は眠い目をこすりながら譜面を見た。

「…あ、そっか、出来たんだっけ。」

そして、出来た曲を聞くためにイヤホンをつけた。

聴いてると、響は自然と眠気が覚めてその場に立ち上がった。

「で、出来た!出来たんだ!曲ができた!」

やっと自覚した響は嬉しさのあまり声を上げて喜んだ。

 

「よーし!これを千歌達に持って行こう!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーー

 

「響君、遅いなー、まだかな?」

千歌は昼休憩で3人でご飯を食べているとき、こう呟いた。

「流石に3日じゃ無理だったのかもしれないけど…」

梨子は昼になっても来ない響を心配していた。

「そんな事ないよ梨子ちゃん!響君は絶対に来る!」

「ふふっ、わかってるよ千歌ちゃん、私は響君を心配して言ったんだよ」

梨子が千歌と話してると、曜が何やらこちらを睨んでいる

「千歌ちゃん」

「へ?どしたの曜ちゃん?」

「そのみかん何個目?」

「3個目?かな」

「…あっ…」

千歌は食べすぎに気付いたようだ。

「…よーしそろそろ練習再開するかー」

「全く千歌ちゃんったら」

「あはは…」

3人は昼休憩を終え、練習を再開しようとした。

その時、

「おーい!」

「「「ん?」」」

「今何か聞こえなかった?」

「おーい!って言ってたような…」

曜と梨子はまだ分からなかったが、千歌は気付いたようだ。

 

「響君だ!響君の声だよ」

 

すると、海に向かって走ってくる響の姿があった。

 

「おーい!出来たぞー!曲!」

 

響に近づくように3人も響の方へ走って行くと砂浜で突然!

「うっ!腹が、」

お腹の方を抑えて蹲ってしまった。

「響くん、どうしたの?」

「大丈夫?、響くん!」

「お腹が痛むの?」

 

「お、お腹が…」

「「「お腹が?」」」

 

 

「お腹が空いた〜バタッ!」

といいながら倒れた。

 

「「「……」」」

千歌と曜は苦笑いをしていたが、梨子は響のもとに来て頭にたんこぶができるくらいの強さで殴られた。

 

 

 

「あ〜!みかん美味えー!」

響はその後、千歌が持っていたみかんを食べた。

「響くん、みかんもう一個あるよ?」

「マジで!サンキュー!あ〜、今日は千歌が神様に見えるよ」

「神様て」

「全く…響君なんてもう知りません」

曜は呆れてたが、梨子はとても怒っていた。

「ごめんって梨子、倒れそうだったのは本当なんだぞ」

「全く、そんなになるまでしてたなんて…ご飯食べてたの?」

 

「いや、2日食べてない」

「「「2日!?」」」

あっさり答える響だが、あまりにも衝撃すぎて3人は声を揃えて驚いた。

「だめだよ!ご飯は食べないと!」

「そうだよ、生活できないよ」

「ちょっと、だめじゃない!そんなになるまで放置して!」

と、同時に言われた。

「しょうがないじゃん、気づかなかったんだし」

「気づかなかったって?」

と梨子が聞くと、またあっさりと、

「編曲してたら2日たってた」

「「「………」」」

と答えた。

あまりにも衝撃だったので、今度は固まっていた。

「全く音楽バカね」

と梨子に言われたので、少しムッとした。

しかし、

「曲、ありがとね」

「響君がいなかったら、大変だったよ」

「まぁ、今回だけは許してあげる。ありがとう!」

と、3人に感謝されたので、少し嬉しかった。

 

「よーし、ライブに向けて頑張るぞー」

「「「おー!!!」」」

「あはは、元気だな」

 

3人は曲ができた嬉しさからか、自然と楽しそうに練習していた。

そして3人の練習をみていると響が、

「なんかたのしそうだな〜」

 

「あの"3人"を見ているみたいだな」

 

と、静かに呟くのであった。

 

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ーーーーーーーーーーーーーーー

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練習が終わった帰り道、千歌が急に提案した。

「あ、そうだ、帰りに果南ちゃん家に寄って行かない?まだ午前だし」

「お、賛成であります!」

「そうね、ライブにも誘いたいし、報告もしなきゃ」

3人で話を進めていたが、一つ疑問があった。

「響くんも一緒に来る?」

「行くのは構わないが、果南って誰?」

「あ、そっか、響君は初めましてだったね」

曜がそう言うと千歌が一緒に答えた。

 

「果南ちゃんはねー、千歌とひとつ年上の大事なだーいじな、

 

幼馴染なんだよ!」

 

 




こんばんは!銀河のかけらです!5話、いかがでしたでしょうか?ついにライブに向けて曲が完成しました!千歌達は今後どんなふうにライブに向かっていくのか!乞うご期待です!

そして次回、ついに!ついに!果南ちゃん初登場です!いやー、一回出した気がしたんですが、出てませんでした…

果南ちゃんが次回どう関わってくるのか?乞うご期待です(2回目)

さて長くなったのでこれにて失礼させていただきます。
以上、銀河のかけらでした!


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6話

いやー、一週間って早いなー。てか今週あんまり書けなかったなー。もっと書きたかったなー。

というわけで誰かタイムマシンください。

まぁそんなどうでもいいことは置いといて、6話どうぞー!


「で、船にまで乗って何処に行くんだ?」

「だーかーらー、さっき言ったでしょ?果南ちゃん家に行くの」

響達は果南?という人を訪ねるために船に乗っていた。果南さんは一年先輩で、現在休学中だそうだ。なんでも、果南先輩の家はダイビングショップで、淡島にあるらしい。

淡島までは思ったほど遠くはなく、すぐ着いた。

「ふー、トーチャク!」

「どんなポーズだよ」

とツッコミを入れてると、ダイビングショップが見えた。

「ここが果南先輩の家か」

すると、青い髪の女性が出てきた。

「あれ、千歌、随分遅かったね、お!曜も梨子も一緒?」

「うん!」

「お久しぶりです、この前はダイビング、ありがとうございました」

千歌達3人は前にダイビング一緒にしたらしい。ま、俺は遠慮だけど。

「それと…この男の子は噂のテスト生?」

お、結構噂は広まってるんだな…あ!挨拶しないと。

「初めまして、私がテスト生で内浦に引っ越してきた西木野響です」

「響君ね、よろしく、千歌から聞いてるよー、迷惑かけてない?」

「ちょっと果南ちゃん!」

「ええ、迷惑ばかりかけられてますよ…」

「えー!」

「否定はしないわ」

「あはは…」

「3人とも!?」

そんな世間話が、続いていたが、千歌がスクールアイドルの話を始めた。

「あ、果南ちゃん!響くんも入ってくれたんだよ!スクールアイドル部!」

「はあ?今回だけっつったろ?てか入部してねーし」

そうだ、俺は編曲は今回だけと条件付きで承諾したのだ。だからスクールアイドル部にも入ってない。

「え!そうだったの?」

「お前はバカかアホ毛!その毛抜くぞ!」

「誰があほだ〜!」

「お前がアホだよ!」

俺が千歌と言い合いをしている時、曜と梨子がライブについて話してくれた。

「全く2人共、すぐ喧嘩するんだから…」

「あはは…あ!果南ちゃん、今度体育館でライブをするんだけど、見に来て!」

「私からもお願いします」

「うーん、店が暇だったら見にくるよ。」

「やったー!」

「ありがとうございます!」

果南先輩は、ライブに見に来てくれるそうだ。

だか、響はその時の果南先輩の表情が気になった。

彼女は確かに笑っていた。しかし、それは心からじゃなく"作られた"ものだった…

そして、俺と似たような目をしていた…。

 

何か"悩み"があるような、心の中に"闇"を抱えているような…

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーー

 

果南先輩の家に行ってから一夜明け、俺達4人は、沼津駅でチラシを持っていた。

「よし、それじゃ、全部配るぞ」

体育館を満員にするためには生徒だけでは足りない。だから、駅でチラシを配る事にした。

「よーし、おねがいしまーす!あれ?」

千歌は元気に言ったが素通りされた。

「最初はそんなもんだ、慣れれば貰ってくれる人も増えるよ」

「へー!響くんはやったことあるの?」

「あ、ああ、何回かな…」

危なかった…ボロが出るとこだった…

 

響は、慣れればできると言ったが…

「ライブのお知らせでーす!よろしくお願いします!」

「曜ちゃん、すごいね…」

曜は例外だな…てかコミュ力高いな…

「よーし、私も!」

というと歩いていた人に壁ドンをした…は?壁ドン?

「ライブやります。ぜひ…」

というと、チラシを持って逃げていった。

「よし、勝った!」

「何も勝ってねーよ、バーカ」

こいつ何してんだ?マジで…

「あの、ライブやります!来てね」

こっちにもいたわ…ポスターにチラシ渡して何やってんの?頭でもおかしくなった?

「いや梨子さん…何してんの?」

「練習よ、練習」

「んなもん必要ねーからほら!行ってこい」

響が梨子を押すと、みちを通っていたコートを着てマスクとサングラスをつけた人にぶつかりそうになった。

「あ!すいません…あの…お願いします!」

すると、その人はチラシを持って走っていった。

てか、コートにマスクとサングラスて、不審者みたいな格好だな…

「沼津にも変なやついるんだなー」

響がそう言った横で、曜が、

「あの子…どっかで見たような…」

と呟いていた…

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーー

 

4人はチラシ配りを続けていたが、千歌達の知ってる人が来たらしい。

「あ、花丸ちゃん、ルビィちゃん!」

「はい、ライブ来てね!」

「千歌、知り合い?」

「ピギャッ!男の子…」

赤髪の子が隠れてしまった。人見知りタイプかな…

「ごめんごめん、急に近づいて…俺は2年の西木野響、よろしくね」

「よ…よろしく…です」

まぁ少し時間がかかるか…それは仕方ないな…俺も少し人見知りのとこあるし…。

すると千歌が近づいて来て、

「絶対満員にしたいんだ。だから来てね、ルビィちゃん」

千歌…この中で誰よりも本気でしようとしてるんだな…よし、俺も答えないと…

「よーし、じゃ、続けてどんどん配るぞ!千歌!」

「うん!じゃあね、花丸ちゃん、ルビィちゃん!私まだ配らないとだから」

と言って走っていった千歌をルビィが呼び止めた。

「あ…あの!」

ん?なんだろ?なんか言いたいことでもあんのかな?

「グループ名ってなんで言うんですか?」

「…グループ…名?」

 

「「……」」

あ、察したわ…忘れてやがったな…

 

「あ、決めてねーじゃん、グループ名」

 

まぁ俺もだけど…。

 




どうも!銀河のかけらです!6話、いかがでしたでしょうか?前回でも言った通り、果南ちゃん初登場です。あとルビィちゃんと花丸ちゃんも初登場です!やったー!あれ?あのコートとマスクとサングラスの人って誰なんだろ?まいっか。
次回はグループ名どんなものになるのか?楽しみですね〜!次回もお楽しみに!
以上、銀河のかけらでした!


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7話

いやー、今週予定通りにいかなかったなー。もう少し早く出したかったなー。

それにしても皆さんコロナ大丈夫ですか?私は元気ですが、皆さんもお気をつけて…

それでは7話、どうぞ!


「はぁ、まさかまだグループ名決めてないとは…」

響はまだグループを決めていないことに心底呆れていた。

「響くんだって忘れてたくせに…」

と言って千歌は睨んできた。まぁ否定はしないが…。

「それよりどうするの?グループ名」

「ライブまでには決めないと…」

曜と梨子の言葉に響は、

「ライブまでじゃ遅すぎる。今日中に決めるぞ!」

と答えた。

 

「よーし、考えよう!グループ名!」

千歌が妙にテンションが高いな。もしかして考えてたのか?あの千歌が!?

「じゃあ千歌、何か案あるか?」

「うーん、まだ無い!」

コイツに少しでも期待したのがバカだった…。

「うーん、学校名が入ってた方がいいよね?浦の星スクールガールズとか?」

ダサッ!なんか今後不安だわ…

「まんまじゃない…」

「じゃあ梨子ちゃん決めてよー」

「そうだよ!東京の最先端の言葉とか!」

お!確かに梨子なら結構いい名前思いつきそう。

「えーと…じゃあ、3人海で知り合ったから、スリーマーメイドとかは?」

「「……1、2、3、4っ、5ー6、7、8」」

「…………」

「ちょっと待って!今の無し!」

梨子…流石に無いよ…千歌を越えるなよ…

 

4人は練習中にもずっと考え続けた。

「あ、じゃあ曜ちゃんは?何かない?」

「うーん、制服少女隊!どう?」

「ないかな」「そうね」「絶対嫌だ」

「え〜〜!!」

3人同時に否定した。てか完全に趣味入ってるじゃねーかよ…。

「じゃあ響君はなんかあるの?」

曜が俺に聞いてきた。確かに無くはないが…

「いや、お前らで決めろ」

「え、どうして?」

「だって3人がステージに立つんだぞ。3人で決めないでどうする?俺はただサポートだけ」

確かにここで助けたいのも思ってる。しかし、これで俺が決めたら、この先続かない…だから俺に頼ってほしくないんだ…

「うーん、じゃあどんどん案を出そう」

千歌がそういうと曜と梨子も案を考えた。

ーーうん、それでいい。俺に頼らず、3人で頑張れ。

そんな3人を見守るように響は座っていた。

 

「おおー、結構書いたなー」

砂浜には3人が挙げた候補で埋め尽くされていた。

「うーん、結構いいのもあるけどなー」

「あと少しだよね」

「そうね、もう少し何かが足りない」

うーん、確かに良いものもあるけど何か足りないな…。

「こうゆうのは…やっぱりな…」

「そうだね」

「そうね…やっぱり…

 

「「「言い出しっぺが決めるべきだよ」」」

「えー!?、戻ってきたー!?」

まぁそれは流石に酷いが、一応リーダーだ。リーダーが決めるのも一つの手段だろう。

「じゃあ制服少女隊でも良いの?」

「スリーマーメイドよりはましかと…」

「だからそれは無しーー!!」

それは俺も同感だ。

 

「うーん……あ、あれ…」

「「「え?」」」

3人は千歌が指差した方を見た。

すると波にかかるかのところに一つだけ書かれていた。

「これ、なんで読むの?」

「アキュア?」

「いや、違うんじゃない?」

「もしかして、アクア?」

曜がアクアと言った。

ーー確かにアクアと呼ばなくもない。

「でも、アクアって英語の綴りってAquaじゃない?」

そうだな、確かに少し違う。Aqua…Aqours…あ!

「これってAquaとoursを合わせた造語じゃないか?」

「確かにそうだ!Aqoursか〜」

「水か〜、ねえ!これにしない?」

「え、でもいいの?誰が書いたのかもわからないのに…」

「それがいいんだよ…グループ名を決めている時にこれに出会う。これってすごくいいことじゃない?」

確かにこういうことを大切にすることも大事だな。

「それもそうだな。Aqoursも気に入ったしな」

「賛成〜」

「私をいいよ」

すると千歌は走り出して海に向かって叫んだ。

「よーし!今日から私達は!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーー

 

「「「浦の星女学院スクールアイドル、Aqoursです!」」」

俺たちは今、ライブの宣伝を町内放送でさせてもらっている。

しかし…

「ちょっと千歌ちゃん!まだ学校から承認されてないじゃない!」

「うわあ!そうだった!」

「千歌ちゃん!梨子ちゃん!声!声!」

何故かラジオみたいになってる。

「…はあ…おーい3人ともー、誰がラジオをしろと言ったー?宣伝しろ〜」

「は!そうだった!じゃあ、浦の星女学院非公認アイドル、Aqoursです!今度の土曜、14時から、浦の星女学院体育館にてライブを行います!ぜひ、来てください!」

「非公認ってのはちょっと…」

「じゃあ、なんて言えばいいの〜!!」

こ、コイツら…

「ちゃんと宣伝しろー!!!」

 

…あ、やっちまった…

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーー

 

「頼む!君達しかいないんだよ!」

響はある3人に向かって頭を下げていた。響はマネージャーとして会場のセッティングもしなければならない。しかし、流石に1人では不可能である。なので、同じクラスの、よしみ、いつき、むつに頼んでいた。

「うーん、スクールアイドルのお手伝いか〜」

「まぁ、やってみてもいいんじゃない?」

「そうだね!なんか楽しそうだし」

「いいよ、手伝ってあげる!」

「マジで!ほんとにありがとう!」

よかった〜。ライブで死ぬところだった…過労で…

そしてよしみ、いつき、むつもサポートに入って、7人でライブをつくっていった。いや、ここまでには沢山の人に協力してもらった。そのために、あいつらの為に頑張ろう!

 

 

その夜、千歌達は夜までダンスや、歌の最終確認をしていた。

「ほんと、楽しそうだな…」

ーー俺はもう、夢は捨てた…だけど、3人には夢を叶えてほしい。輝いてほしい。俺の分も。暗闇にいる俺の分も…輝いてくれ。

 

だったら、俺も全力で接しないとな…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの3人にあの"体験"はさせたくないから…




どうも!銀河のかけらです!7話、いかがでしたでしょうか?Aqours、決まりましたねー!マジでAqoursって名前考えた人天才ですよね。私には絶対思いつきません…
それで、一つ謝罪があります。前回、次回はライブまでいきます!と後書きで堂々と宣言しましたが、あれは嘘です…。いや、言い訳させてください…確かにその時は7話に入れる気でしたが、8話でいいなと思い、そうしました。ごめんなさい…(もう後書きは修正しました)
それでは次回は今度こそライブ、いってみましょう!
以上、銀河のかけらでした!


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8話

今回の話は書くためにアニメを見返しましたが、マジで泣きそうになった。
てか、この話書いてる時も少し泣きそうになるし…やばいです。

あ、今回少し長めなので、よろしくです。

それでは8話、どうぞ!


「…雨…か。」

とうとう体育館ライブの日がやってきたが、今日の天気は雨…。

「なんか嫌な天気だな。なんか暗く感じる…」

しかも、雨だとライブに気軽に来にくくなってしまう…

「いやいや、今そんなこと考えても仕方ない!自分のことをしないと」

響は自分の持ち場に戻った。あ、そうだ。3人も順調かな。電話してみるか。

「もしもしよしみ、そっちは順調?」

「うん!OKOK!照明は大体OKだよ」

「りょーかい、引き続き宜しく」

よしみには照明を担当してもらっている。

次は、

「あ、響君」

「お、いつき!そっちは順調にできてる?」

「こっちは順調だよ。今最終確認してるところ」

「OK、引き続き頼んだ」

電話しようとしたらいつきに会った。いつきには会場の担当だ。どんなステージにするか、考えてもらった。

そして、最後はむつか。

「…もしもしむつ、今大丈夫?」

「うん、まだ開場してないから大丈夫だよ」

「入る感じある?そっちは」

「うーん、入れてみないと分からないかなー」

「そうか、わかった。じゃ、引き続き宜しく」

3人にはほんとに頭が上がらないな…サポートしてもらって…

よし!3人に応える為にも俺も頑張んないと!

「えーと、音量もう少し上げるか…いや、あげすぎてもダメか…」

響は音響担当をしていた。そして、彼女達に応える為にとても集中して作業をした。

 

「お、もうこんな時間か、人も入ってるからだな」

響は体育館を覗いて、客の入りを確認した。

しかし、客の数は半分どころか、数えられるほどだった。

「くそ!なんとなく感じていたが、やはりか…」

千歌達は確かに一定以上の才能はある。しかし、Aqoursの知名度は皆無に等しい。

"μ's"だって、最初のライブは、ほとんど来なかったのだから。

 

だが、そんなこと今は関係ない。それでも、見に来てくれる人もいる。その人の為にも、このライブ、失敗できない。

そして、裏で待機してる千歌達3人のところに行った。

「おー、3人共、大丈夫?緊張してない?」

「あ、響くん!」

「大丈夫であります!」

「少し緊張してるけどね…」

よかった。3人共いつも通りだ。

「じゃ、俺は観客と一緒に観てるから、頑張れよ!」

「うん!ありがとう!響くん!」

そして俺は客席に向かおうとしたが、

「あ、そうだ、最後に一個、3人に言っておく」

「「「?」」」

「俺が大舞台に立つ時に必ず大事にすることだ。3人共このライブは満員にするために頑張ってきた。確かにそうだけど、それ以前にこのステージを全力で楽しめ!そうすれば、結果もきっとついてくる筈だ。それを忘れずにがんばれ!」

「うん」「ええ」「りょーかいであります!」

 

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本当に数えられるくらいしかいないな…。あ、ルビィちゃんに花丸ちゃん、来てくれたんだ。果南さんは…来てないか。まあしょうがない、忙しいのだろう。

…てかあの不審者コーデの人結局来てるな…。げ!理事長いるし、こっち来る。

「久しぶりね〜響〜」

「お久しぶりですね、理事長さん」

「も〜、相変わらず堅いなー響は、マリーが理事長だからって遠慮はいらないわよ!」

はあ、やっぱ疲れんな、この人と話すと…

「…貴女が言ったそうですね、ここを満員にしろと」

「ええ、そうだけど?」

何かおかしな事言ったかのように聞こえたので、腹が立ってきた。

「あなたは音楽を何も分かっていない!どんなに有名なアーティストでも、知名度はゼロからだ!Aqoursは今その状態なんだ。そんな時に体育館を自分達で満員にしろ?あなたはAqoursを潰したいんですか?」

すると、何も動じずに理事長は答えた。

「別にAqoursを潰す気はないわ。でも、この体育館程度、満員にできないようじゃ、スクールアイドルとして生きられないわよ」

「……失礼します」

そんな理事長の言葉はとても重く、響の心に響いてきた。

 

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「えっと…繋ごっか」

千歌達はもうすぐ開演なので3人で手を繋いでいた。

「…雨…だね」

「みんな、来てくれるかな…」

「もし、きてくれなかったら…」

「じゃあ、ここで終わりにする?」

千歌がそういうと、不思議と3人は笑い出した。

 

「よし!行こう!!全力で!輝こう!!!」

 

ステージのカーテンが開かれた先にあった光景は、数える程のお客さんだった。

 

「「「……」」」

少し落ち込んでいたが、すぐ千歌は前を向いた。

 

「私達は、スクールアイドル

 

「「「Aqoursです!」」」

 

「私達は、その輝きと!」

 

「諦めない気持ちと!」

 

「信じる力に憧れ、スクールアイドルを始めました!」

 

「目標は、スクールアイドルμ'sです!」

 

「それでは聴いてください!ダイスキだったらダイジョウブ!」

 

そして、響がつくった曲、いや、4人でつくった曲が始まった!

 

 

キラリ!

ときめきが生まれたんだと

気がついたワケは 目の前のキミだってことさ

 

"やってみたい"

動き出した心は まだ迷いをかかえて揺れているよ

それでもスタートしたのは運命かな

気持ちがつながりそうなんだ

 

知らないことばかり なにもかもが (どうしたらいいの?)

それでも期待で足が軽いよ (ジャンプだ!)

温度差なんていつか消しちゃえってね

元気だよ 元気を出していくよ

 

 

 

ーーライブにはトラブルがつきものだ。それはどんなに有名な人でも、アーティストでも、誰にでも起こりうることだ。

神様は気まぐれだ。大事な時に助けてくれたり、邪魔したりする。

今は俺たちの邪魔をしたいようだ…

 

「うわっ!」

いつきが驚いた声を出すと、音響機器が、突然変な音を出して止まってしまった。

同様に照明も消えてしまった。

 

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「なっ!嘘だろ!?」

流石の響もこれは予想外だった。

ーーくそ!なんで消えた?停電?この雷雨でか!千歌達も驚いてライブを止めちゃってるし…

 

どうする?そう思った時、声が聞こえてきた。

 

「気持ちがつながりそうなんだ…!」

千歌の歌声だ。

「あいつ…!アカペラで…!」

 

「…!知らないことばかり、なにもかもが」

「それでも期待で足が軽いよ」

 

「…!」

響は気付いたら走り出してた。そして近くにいたむつに、

「むつ!非常用電源持ってきて!」

「…!分かった!響はどうするの?」

「音を、音楽を取り戻す!」

響はそういうと、裏へ走り出した。

 

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「いつき!大丈夫か?」

「響君!全然動かない!どうする?」

「貸して!」

響はそういうと、いろんな方法を試してみた。だが、動いてくれない。

「くそくそくそ!なんで動かねえんだよ!」

そうすると、千歌の途切れ途切れの声が聞こえてきた…

 

「温度差なんていつか消しちゃえってね…

元気だよ…元気を出していくよ…」

その声は弱々しく、元気ではなかった。

 

「くそ!俺はまた…何もできないのかよ…」

絶望が体育館中を包んでいた。しかし、そこにも光が、奇跡があった!

 

「全く、せっかくの初ライブですのにこの有り様…ぶっぶーですわよ」

「せ、生徒、会長…笑いに来たんですか?」

「何を言ってるんですの?助けに来たんですわ」

「助け…助け!?どうして?」

「どうしてとは…おかしな事をおっしゃいますわね。私は生徒会長ですわよ。困ってる生徒を助けるのは当たり前ですわ」

「ほら、早くこれを繋いでください」

生徒会長は非常用電源をむつと一緒に持ってきてくれていた。

「生徒会長…!ありがとうございます!」

「いえ…それと、貴方は一つこのライブでミスをしましたわ」

「ミス?なんですか?」

「それは今わかりますわ」

生徒会長がそう言った瞬間、入口から光が差し込んだ。響はその方を見ると、

 

「バカ千歌〜!あんた、開演時刻間違えたでしょ!」

 

そこには千歌のお姉さんの美渡さんが立っていた。そして、電気が復旧すると、そこにある光景に驚きを隠せなかった。

「人が…満員になってる!でもなんで…」

「あなた方は開演時間を30分間違えていたのですわ」

そう言われて時計を見ると、今が開演時刻だった。

「は、ははは…俺バカだな。時間ミスるなんて、これじゃ千歌を笑えねーわ」

 

そして、音響機器も治って、音楽が、音が戻ってきた!

 

キラリ!

キラリ!

トキメキが生まれたんだと

気がついたときに (いたんだよ) 目の前にキミがいた

キラリ!

あつくなる自分見つけたよ

このひかりは (きれいだよね) もっときらり (まぶしい希望)

ダイスキがあればダイジョウブさ

 

ーー奇跡は1人だけでは起こせない。奇跡とは諦めない者達のみに与えられる力だ。

今、それを思い知った。この内浦、いや、沼津の力で不可能とも思えた体育館を満員にしてみせた。人の力ってすごいな…!諦めない心ってすごいな…!そんな想いが響に駆け巡った。

「すごい!あいつらは…!本当にすごい!」

 

 

 

これがAqoursの輝きへの、奇跡への物語のスタートとなった!

 




どうも!銀河のかけらです!8話、いかがだったでしょうか?ライブ成功、おめでとう〜!いや〜よかった。本当によかった。

さて、少しだけ真面目な話を一つ。この話はアニメだったら第3話ですね。私にとって第3話はラブライブを好きになったきっかけでもある話です。私は本当にファン歴が浅くて、まだ本格的にアニメを見るようになったのは一年行くか行かないかぐらい浅いです(ごめん)。
アニメを観る前は曲しか聴いてないにわかだったんですが、アニメを見始めて3話で衝撃をうけました。ラブライブにもこんな話があるんだ。あれ、思ったより面白いぞ!と思って気付いたら全話観て好きになっていました。
とまぁこの体験があったからこそアニメが好きになったし、音楽も好きになれたなぁと思い返しながらこの話を書いていたかけらでした。

長文になっちゃったから今回はこれでさらばだ!
あ、次回はライブのその後かな?お楽しみに!
以上、銀河のかけらでした!


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9話

なんか最近、この小説の結構先のストーリーばっかり案が出てきて、もっと頑張ろうと決心するかけらであった。(意味わからん…)

まぁそんなことは置いといて9話、どうぞ!


「わああああああ!!!」

ここ内浦の浦の星女学院体育館では、鳴り止まない歓声と拍手で溢れていた。千歌達の努力が、気持ちが伝わった結果だった。

 

すると、3人は話し始めた。

「彼女たちは言いました」

「スクールアイドルはこれからも広がっていく!

 どこまでだって行ける!

 どんな夢だってかなえられると!」

 

「…!この言葉は…!」

響はこの言葉を聞いた瞬間、一粒の涙が見えた気がした。

「これは…あいつの言葉か…。この言葉をまた聞けるとはな」 

そう呟きながら、3人の言葉を聞いた。

すると、生徒会長が3人の前に立ち、こんな言葉を投げかけた。

「これは今までの、スクールアイドルの努力と、街の人たちの善意があっての成功ですわ。勘違いしないように!」

確かに俺たちだけの力では不可能だったかもしれない。いや、出来なかっただろう。だけど俺たちは満員にした。出来たんだ!響はそう言いたかった。

すると千歌はこう答えた。

「分かってます!でも…でも、ただ見ているだけじゃ始まらないって!上手く言えないけど…今しかない…瞬間だから…だから!!」

 

「「「輝きたい!!!」」」

 

3人の輝きたいという言葉を聞いた瞬間、響は昔のことを思い出していた。そして、ある想いが芽生えた。

 

ーーもう一度、いやこれ以上のライブを、曲をつくりたい!

 

 

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響は、帰っていく人を見ていると、1人の人に目がとまった。

「あれは…果南さん?」

その人とは、果南先輩だった。すぐに、俺は先輩のもとへ走っていった。

 

「先輩!果南先輩!」

「ああ、響くんか」

「ライブ、来てくれたんですね」

「うん、少し気になってね…ライブ、凄かったね」

「ええ、俺の想像以上のライブでした。あの3人に本当に驚かされましたよ」

「うん、そうだね…じゃ、私店があるから、じゃあね」

「は、はい、分かりました」

やはりその時の果南先輩の目はとても暗かった。

ーー何かスクールアイドルの事で何かあったのかな?

少しそう思ったが、今気にしても仕方がない。

 

俺は3人のもとへ行こうとしたら、理事長が走ってきた。

「響〜、お疲れ様♪」

「お疲れ様です。それで、何か用ですか?」

「全くも〜、何か用事がないときちゃいけないのデスか〜?」

「出来れば来てほしくないですね」

「Oh〜!」

Ohって、どっかの外国人かよ。

…でも、今回は俺が用があった。

「…理事長はこうなる事を予想していたんですか?」

「エ〜、私は予言者じゃないわよ〜」

「真剣に答えてください!」

「…まぁ、これくらい出来ないと、スクールアイドルとしてはやってはいけないからね。…でも、ここまでとは思わなかった」

「え?」

「曲もダンスも良かったわ。ま、まだまだだけどね♪曲は誰がつくったの?」

「詩は千歌が、曲は、梨子と俺がつくりました」

「へえ、あなたもつくったの?いい曲つくれるのね」

「褒めていただき、ありがたいですね」

「…この子たちなら出来るかもしれないわね」ボソッ

「え?今何と?」

「何でもないわ。じゃ響!Ciao〜」

そういうと足早に去って行った。最後、何て言ったんだ?

響は理事長が小声で言った言葉が気になった。

 

「ってあ〜!あいつらのこと忘れてた〜」

響は急いで3人のもとへ行った。

 

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3人は、ライブが終わって座ってたが、それっきり動かなかった。

「…終わったね…ライブ」

「うん、そうだね」

「満員、なったね」

「うん」

「…千歌ちゃん、部になるんだから早く詩、書いてね」

「ええ!分かったよ〜」

「あはは!相変わらずだね。千歌ちゃんは」

「む〜、バカにしてるでしょ、曜ちゃん」

「「「………」」」

 

「「「あははは!」」」

3人は何故か笑っていた。その時の3人は、笑顔で溢れていた。

 

その時、響が入ってきた。

「おーお疲れ〜3人とも、どうだった?初ライブ」

「「楽しかったよ」」

「とても緊張したけど、楽しかった…かな」

「それは良かった…」

響ふそれっきり黙ってしまった。

「響…くん?」

「どうしたの?」

 

「…すまなかった、3人共!」

「「「ええええ〜!」」」

「ちょ!どうしたのいきなり!」

響は深く頭を下げて謝罪をした。

3人はとても驚いていた。特に梨子はとても慌てていた。

 

「実は…な、俺は正直、出来ないと思ってた。満員になんて無理だろうって。でも、お前らは達成してみせた。最高のライブを見せてくれた。」

「だから、ごめん!信じてやれなくて!」

 

「顔を上げて響くん…ありがとう」

「…え?」

そして3人は続けて言った。

「私は響くんのおかげでもあると思ってるよ。私達の無茶振りにも答えてくれたし」

「マネージャーとしてとても助けてもらった」

「曲もとても良い曲にしてくれた」

「だからもう一度言うね。

 

「「「ありがとう!」」」

 

その瞬間、気づいたら涙が溢れていた。

「ご、ごめん…俺、こんなに褒められるの、久しぶりで…」

「「「響くん…!」」」

響は必死に涙を拭くと、こう返した。

「じゃあ俺からも、

 

ありがとう!」

 

4人はしばらく見つめていたが、

「「「「ふふ…あははは!」」」」

笑い出してしまった。4人の笑い声はこの小さな部屋を埋め尽くした。

 

 

「ははは…よーし決めた!」

「決めたって何を?」

すると、響はある紙を千歌に渡した。

「これって、入部届?」

「誰の?」

 

「千歌、曜、梨子、俺をスクールアイドル部に入れてください」

そうすると再び頭を下げた。

 

 

「なーんだそんなことかー…」

 

 

「「「え?…ええええええぇぇぇぇ!!!!」」」

3人はとても驚いていた。てかうるさっ

「ど、どうして?」

「前までは今回だけだーって言ってたのに…」

「いつ心変わりしたの?」

3人の質問に一言で答えた。

「俺は俺の輝きを見つけたくなった。それだけ。」

「ま、編曲とマネージャーしか出来ないけど、よろしくお願いします」

「じゃ今日明日ゆっくり休めよー、じゃ」

響が帰ろうとすると、千歌が呼び止めた。

「響くん!」

「…なんだ?千歌?」

「…ありがとう…」

「…」

響は千歌の言葉を聞いて、少し振り向いて帰った。振り向いた響の顔は少しながら笑っているように感じた。

 

 

そして響は帰り道でこう呟いた。

「Aqoursか…、なんかμ'sを思うけどこれが最後にしないとな…」

 

そして、海を見ながら誓った。

「俺がAqoursを輝かせて見せてやるよ!父さん、母さん、そして

 

 

 

 

 

 

姉さん…!」

 

 




どうも!銀河のかけらです!9話、いかがでしたでしょうか?
とうとう響、スクールアイドル部加入〜!いやー長かったですね〜まだ9話ですけど…

ダイヤさんの「これは今までの、スクールアイドルの努力と、街の人たちの善意があっての成功ですわ。勘違いしないように!」という言葉、とても深い言葉だなと感じました。

話を変えて先程発表された情報について少し…
Aqours野外ライブが先程発表されました。中止というのは本当に辛いし悔しい。だけど誰よりも悔しいのはAqoursの皆さんだと思うし、そこでクラスターなんてとこになるかもしれないことを考えると、仕方ない判断だと思います。ライブができなくてもAqoursを応援し続けることには変わりないので、できる形で応援していきたいと思います。皆さんもお気をつけてお過ごし下さい。

では次回は、ルビィ、花丸編です。多分1話じゃ収まらないので、響はどんな動きを見せるのか、お楽しみに〜!
以上!銀河のかけらでした!


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10話

はいどうもー、いやー明日スクスタ新章来ますねー。批判はされてるのは分かりますが、私は個人的にこのストーリーを楽しんでる派なので、どんな展開か楽しみです。

それでは、10話どうぞ!


ある少女は図書室で1人、一冊の本を持ち座っていた。

そして、静かにその本を開いた。

ーー小さい頃から隅っこで遊ぶ、目立たない子だった。運動も苦手だったし、学芸会では木の役で、だから、段々、一人で遊ぶようになっていった。本を読むのが大好きになっていった。図書室はいつしか、まるの居場所となり、読む本の中で、いつも空想をふくらませていた。読み終わった時、ちょっぴり寂しかったけど、本があれば大丈夫だと思った。

ふと少女が近くの本棚を見ると、ツインテールの赤髪の女の子が、何か雑誌を読んでいた。

「ん?」

「〜♪ひ!あわわわわ」

その子は私が見てるのに気づくと、とても慌ててしまった。しかし、少女が笑顔を女の子に見せたらその子も少し雑誌で隠して、笑ってくれた。

ーーその子は黒澤ルビィ。まるの大切な友達 。

 

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浦の星女学院の1つの空き教室があった。その前に、4人の高校生が立っていた。

そして、オレンジ髪の子があるプレートをかけた。

スクールアイドル部というプレートを。

「よーし、これでよし!完璧だ!」

「なーにが完璧だバーカ、部の漢字なんでミスるんだよ」

「別に直したからいいでしょ!しかも、バカじゃないし〜!」

「え?君がバカじゃなかったら我々はなんなんだ?天才?…」

千歌を小馬鹿にしていると隣から頭にチョップを入れられた。

「アタッ、…梨子、何すんの?」

「全く、千歌ちゃんをいじめちゃダメよ」

「梨子ちゃん…!流石だよ…!」

「でも流石に部を間違えるなんて…ね」

「えー!曜ちゃんまで〜!」

4人はとても楽しそうに話していた…部室になる所の前で。

「もう!早く入るであります」

曜は3人が全く入らないので先に空き教室に入ろうとドアを開けたが、

「……」ピシャ

すぐに何も無かったように閉めてしまった。

「「「……?」」」

「えーと、私達、教室間違えた?」

「なーに言ってんの?ここであってるよ。ほら、さっさと入r…」

「え、どうしたの?中に何かあるの?」

「もしかしたらみかんが…?なにここ?」

響達が目にしたのは、一面道具だらけの倉庫のような教室だった。

「おい、もしかして片付けろとか言わないよな…」

「響くん、現実を見よう」

「うん、そうだよ。ヨーソローだよ」

「ないよりはマシよ」

「…ですよね〜」

響は3人に言われて諦めた。てか、ヨーソローだよってなんだよ?

「よーし、諦めてさっさと片付けるか」

「「「おー!」」」

 

〜一時間後〜

「や、やっと終わった。あの理事長野郎…次会ったら絶対しばく!」

「ダメよ、一応理事長なんだから」

その理事長といったら、さっき申請しに行ったら勢いよくハンコ押されたわ。なんか、あの人らしいというか…。

「はあー、結局使えるものもなかったしいいことなか…」

響があるものを見たまま止まってしまった。

「ん?どうしたの?」

曜が響の見る方を見ると、ホワイトボードがあった。

「ああ、これって歌詞じゃないか?」

「「「え?」」」

3人がホワイトボードの方に近付いてきた。

「本当だ」

「泳いでいこう…か」

「他にもいっぱいあるよ」

見ると、ホワイトボードは歌詞で埋め尽くされていた。

「…これがあるってことは、前にもいたんだね。スクールアイドル」

「うん」「そうだね」

「…俺たちも頑張んないとな」

4人はしばらくその歌詞を見つめていた。

そして、それを見つめる1人の少女がいた。少女はスクールアイドル部のことを少し見ると、図書室に向かった。

 

花丸は図書当番で今日も1人、本を読んでいた。すると、勢いよくドアが開けられて、少女が走ってきた。ルビィだ。

「やっぱり、部室出来てた!スクールアイドル部承認されたんだよ!」

「よかったね〜」

花丸がそういうと、満面の笑みで「うん!」と答えた。

「あ〜、またライブ見れるんだ〜」

すると、珍しいことに誰がやって来た。

するとルビィは、

「ピィ!」と言って扇風機の後ろに隠れてしまった。

「こんにちは〜、あ!花丸ちゃ〜ん、と、ルビィちゃん!」

「ピギィ!」

千歌はルビィにすぐに気付いたらしく、ルビィの方を指差した。

「よく気付いたね」

すると、ルビィが立ち上がり、「こ、こんにちは…」というと、

「かわいい〜」と千歌がほめていた。

うん、確かに可愛かったわ。

「この本、部室にあったんだけど、多分図書室のものじゃないかな」

「あ、多分そうです。ありがとうございます」

と言うと千歌が花丸とルビィの手を掴んだ。

あ、ヤバい、こいつやるわ。

「スクールアイドル部へようこそ!」

と言った。入部してないのに。

「千歌ちゃん…」

呆れる梨子に気にせず話を進めた。

「結成したし部にもなったし、悪いようにはしませんよ〜」

ダメだこいつ止まらねーわ…。

「2人が歌ったら絶対キラキラする!間違いない!」

すると、2人は、

「え、でもオラ…」

「オラ?」

「あ、いえ…マル、そう言うの苦手っていうか…」

「ルビィも…」

「え〜、大丈夫!絶対でkベシッ!!ぐぇ!」

響は千歌の頭を少し本気で叩いてやった。

「なーにすんの!!」

「え?あと少しで一線を超えて後輩を強制入部しようとしたのを止めただけだ。反省はしてない」

響が言うと続いて曜も注意した。

「千歌ちゃん、強引に迫ったら可哀想だよ」

「あはは。可愛いからつい…」

いや、それでもダメだわ。

「花丸ちゃんもルビィちゃんもごめんね…、うちのバカが迷惑かけて」

2人に謝ると、花丸ちゃんが答えてくれた。

「いえいえ、お気になさらず…」

「…そう、じゃ、俺たちはもう行くね、ほら千歌!帰ったら説教だな」

「えー!いーやーだー!」

響は嫌がる千歌を引きずって図書室を後にした。

 

だが、響はルビィが断る時、花丸が何か思うような表情をしてたのを見逃さなかった。

「これは、また何かあるな…」

 

 




どうも!銀河のかけらです!10話、いかがでしたでしょうか?
今回はアニメだと4話の序盤くらいの内容だったんですが、この話は神です。控えめに言って神です(まぁ全話神ですが)。

次回の方が話が大きく動くはずなので、お楽しみに〜!

そして、とうとう10話まで行きました〜。UAも1500以上も頂いてありがとうございます!これからも頑張りますのでどうかよろしくです!
それでは今回は以上!銀河のかけらでした!


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11話

うーーーーーーーん、今回は何も言うことがない…。

それでは11話どうぞ!


〜花丸視点〜

先輩達が帰った後、ルビィは高海先輩の勧誘の事を考えていた。

「スクールアイドルかぁ〜」

「やりたいんじゃないの?」

「え!でも…」

花丸は中学からの親友だ。当然スクールアイドルが好きなことも知っていた。

「お姉ちゃん、昔はスクールアイドル好きだったんだけど…

 一緒にμ’sの真似して、歌ったりしてた。

 

「でも、高校に入ってしばらく経った頃…」

「それ、片付けて。見たくない」

あんなにスクールアイドルが好きだったのに急に嫌いだなんて…何かあったのかな

「本当はね、ルビィも嫌いにならなきゃいけないんだけど…」

「どうして?」

「お姉ちゃんが見たくないって言うもの、好きでいられないよ…」

ルビィちゃんはお姉さんのことが大好き。だからこそ、姉に合わせたいと思うんだろう。

「それに…花丸ちゃんは興味ないの?スクールアイドル」

「ないない!オラとか言っちゃうし…」

オラがスクールアイドルになんて、いつも図書室で1人の子にスクールアイドルは別次元…。

「じゃあ、ルビィも平気」

…私やお姉さんに合わせてルビィちゃんの気持ちを潰すわけにはいかない。何かオラも動かないと…

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

〜鞠莉視点〜

ーーふー、ひっさしぶりに果南の家に来たわね。さーて、果南は〜いた!よーし、ひさーしぶりの再会だし、抱きついてあげよ!

「やっぱりここは果南の方が安心できるな〜」

「鞠莉!」

鞠莉はすぐに離された。そして果南は聞いた。

「鞠莉、どうしたの?急に帰ってきて」

「スカウトに来たの!休学が終わったらスクールアイドル始めるのよ!」

「…本気?」

果南は鞠莉を睨みながら聞いた。しかし、鞠莉は言いきった。

「…でなければ、戻ってこないよ」

果南が一言鞠莉に言った。しかし、それは海鳥の鳴き声でよく聞こえない程小さく言った。そしてそのまま鞠莉の前から去って行った。

「はぁ…相変わらず頑固親父だねぇ…」

ーーでも、今回だけで諦めないわよ。何回だってスカウトするんだから!

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

ルビィはその後、居間でスクールアイドルの雑誌を見ていた。ふと横を見ると昔の事が映し出されていた。

「ルビィは花陽ちゃんかな〜」

「私は断然エリーチカ!生徒会長でスクールアイドル。クールですわぁ」

そしてその方へ手を伸ばすも、消えてしまった。過去はもう戻ってこない。そうルビィに伝えるように…。

そして、その光景を静かに見てその場を去っていく姉の姿があった。

 

花丸はその後、本屋でスクールアイドルの雑誌を手に取って読んでいた。

「μ's…かぁ、やっぱりオラには無理ズラ…ん?」

花丸はあるページでめくる手が止まった。

そこには、μ'sのメンバーの星空凛のページだった。

そのページを見た花丸は少し微笑んだ。

 

それを1人の子が見ていた。

「ズラ丸降臨、なんでここに!?」

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

〜響視点〜

俺たち4人は裏山の階段を走って登り降りしていた。当然、これもトレーニングだ。

「ほーら3人とも〜、まだ3回残ってますよ〜」

「そんなこと言ったって…」

「流石にキツイよ…」

「も…もう無理…」

3人はとても疲れたらしく、座り込んでしまった。

「しょーがないなー、じゃ休憩で」

「やったー!」「よ、良かった〜」「し、死ぬかと思った…」

「あれ?まだ喋れるじゃないですか。じゃ、休憩無しで」

「「「鬼ー!!!」」」

3人をからかったら同じ答えが帰ってきた。

「ははは、冗談冗談」

すると、上から1人走ってきた。

「って果南先輩?」

「お、響くんと、3人もいるんだ。どうしたのこんな所で」

すると曜が立ち上がって果南先輩に聞いた。

「もしかして上まで登ってきたの?」

「一応ね、日課だから」

日課!?この階段をか…普通にすげーな。

「千歌たちはどうしたの」

「鍛えなくちゃなって、スクールアイドルの為に」

すると果南は、

「そっか。っま!頑張りなよ」

と言ってまた走って行った。

「…果南ちゃん、息ひとつ切れてない」

「すごいな〜」

確かに息ひとつ切れないのはすごいな。

「あれ、そういえば響君も息切れてないわね」

「え?これくらい楽勝ですよ」

「へー、響くん体力あるんだね〜、なんかやってたの?」

「…まぁな、ほら、再開するぞ〜」

「「「は〜い…」」」

まだ俺の"過去"について話すのは早いな…。

そう思いながら3人と共に走り始めた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

響は次の日、部活を3人より早めに来てた。

「うーん、やっぱりこれを減らすか…」

すると、部室のドアが開いた。振り向くとそこには花丸ちゃんとルビィちゃんがいた。

「あ、ルビィちゃんに花丸ちゃん、どうしたの?」

すると、花丸ちゃんが話した。

「スクールアイドル部へ体験入部って出来ますか」

「え?いいの?花丸ちゃんもルビィちゃんも?」

すると2人共元気に、

「はい!」「よろしくお願いします!」

「もちろん大歓迎だよ!本当にありがとう!」

よし!正式じゃないが来てくれただけで嬉しい。そう思ってると、いつもの3人が来た。

「「「こんにちは〜」」」

「あれ、花丸ちゃんにルビィちゃん、どうしたの?」

「あ、千歌!花丸ちゃんと、ルビィちゃんが体験入部してくれるって!」

「え!本当に?」

「「はい!お願いします!」」

「やったぁぁぁぁぁ!!」

すると3人ともとても喜んでいた。特に千歌は部室を飛び出して喜んでいた。てかジャンプ力凄っ!

すると戻ってきた千歌が曜と梨子に抱きついて、

「これでラブライブ優勝だよ!レジェンドだよ!!」

あ、これで察した。こいつ全然人の話聞いてねー。

「千歌ちゃん、まだ仮入部だよ」

「そうだよ、これで一定期間考えて、どうするか考えるんだよ」

よし曜と梨子、説明ご苦労。そして千歌は何故か俺に向かって

「なーんだ、ちゃんと言ってよ響くん!」

「はぁ〜?俺はちゃんと言ったぞ。人の話を聞かないのが悪い」

すると、花丸が一つ言ってきた。

「あ、できればこれは秘密にしてほしいです」

「秘密って、仮入部のこと?」

「もしかして、生徒会長のこと?」

生徒会長?あ、そっか!

「もしかして生徒会長とルビィちゃんって姉妹?」

「あ、そうです」

すると千歌がさっきのことを気にしてたのかやり返してきた。

「あっれ〜響く〜ん、知らなかったの〜?」

ぐ!こいつに馬鹿にされるなんて、ムカつく…。

「えっと…だからルビィちゃんとここに来たことは内密に…」

「…分かった。部内だけの秘密にしとくよ」

俺がそう言って2人は安心したようだ。しかし、横から「出来た〜!」と、千歌の声が聞こえてきた。

ん?出来た?何を?

響はそれを見ると、この前貼ったチラシに書き足していた。

ーー黒澤ルビィ、国木田花丸参加…と…

「これでもっと増えること間違いな…ぐはっ!」

「人の話を聞け、脳内みかん畑」

俺はさっき作ったハリセンで千歌の頭を叩いてやった。もちろん反省はしてない。

「いった〜、ちょっと響くん!痛いじゃん!」

「うるせー千歌!ちょっとは人の話を聞け」

響と千歌は喧嘩を始めてしまった。それも後輩がいる前で。

「あはは…また始まった」

「あの〜曜先輩、これはいつもなんですか?」

花丸ちゃんが聞いてきたので、

「あ〜うん、そだね」

と、正直に答えてあげた。

ルビィはというと、怯えきって花丸の後ろに隠れてしまった。

 

梨子は我慢していたが、流石に限界だった。

 

「2人共!いい加減にしなさーーい!!!」

 

梨子のこの一言は部室周辺にまで響いた。

流石の2人もこれには観念して、

「「はい…」」

と小さく言って喧嘩を止めた。

 

 

 




どうも皆さん!銀河のかけらです!11話、いかがでしたでしょうか?やっぱりもう1話くらいかかりそうでした。ごめんです。今回は花丸ちゃんのルビィちゃんに対する想いがよく伝わってきました。仮入部で2人はどう変わっていくのか?次回もお楽しみに〜。

それにしてもやっぱりこの話には何話かけて書くってしっかり決めた方がいいですね。無計画でほんとすみません…これから決めます!
それでは今回は以上!銀河のかけらでした!


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12話

GW2日目です。皆さんはどうお過ごしですか。私はとてもだらけてます。

いや〜スクスタ楽しいですね(急にどうした!?)

それでは12話どうぞ!


〜響視点〜

 

「よーし5人共、これを見て」

すると響はホワイトボードに貼ってある紙を指さした。

「これは…練習メニュー?」

「そう、俺が考えて、今のお前らに合ってるメニューを組んでみた」

そう、俺が今千歌たちに何が足りないのかを考えて作ったので、隙はない。と思ったが、曜が聞いてきた。

「このメニュー、ルビィちゃんと花丸ちゃんにもやらせるの?」

あ…そうだった。どうするか。今回はパスするか…。

「…いや、2人にもやってもらいたいと思う」

「え?でも…2人はまだ仮入部だし…」

「確かにそうだけど、入ってから文句言われてもね…だから今回は出来るだけ真実を教えたいと思ってる。出来る?2人共」

響が2人に聞くと、ルビィが

「やります!やらせてください!」

と言ったので、

「オラ…じゃない…私もお願いします」

と返してきた。

「よーしわかった。じゃ早速行くぞ!」

「「「「「おーー!!!」」」」」

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

「で、どこで練習するの?」

「え?決まってないの?」

「だって…グラウンドも体育館もいっぱいだったし…」

嘘だろ…それ今言います?リーダーさん?

「はぁ〜、これだからみかん頭は…そんなことだろうと思って用意しといたよ」

 

「「「「「屋上?」」」」」

「そう、そこならスペース取れるしいい場所だろ」

「なるほど…確かにいいかもね」

「私…賛成です!」

「オラ…じゃなかった…私も」

「右に同じであります」

「それじゃ行ってみよー」

 

「うわー!ひろーい」

「うーん、気持ちいいズラ〜」

ついた途端千歌ははしゃいで花丸は寝っ転がっていた。まぁ楽しそうでよかった。

この学校の屋上は誰も使ってなかったので、すぐ許可された。

「それにしてもよく思いついたわね、屋上なんて」

「え!?ま、まぁな」

あっぶな…まぁ昔のことを参考にしただけだけど、知られたくない。

 

「それじゃ、みんな行くよ!あれ、響くんは入んないの?」

「俺はいい、Aqoursは5人だからな」

「うーん、まぁいいか、それじゃ、Aqours〜

 

「「「「「サーンシャイーン!!」」」」」

5人が円陣した時、ある光景が目に浮かんだ。

ーー「ほら、響くんも円陣、入ってよー」

…はぁ、なんで思い出したくないのに、忘れられないんだろ…

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

「それじゃ、今回は階段だけじゃなくて頂上まで行ってみよう」

「ライブの時は体力も必要だからね!」

「確かにその方がいいかもね」

「よーし、ヨーソロー!」

「花丸ちゃん、一緒に走ろうね」

「…分かった」

「それじゃ、"μ's"目指して、スタート!」

「……!」ズキッ

響はμ's目指すということに引っかかっていた。

「μ'sを目指す…か。…まだそれでいっか」

 

〜花丸視点〜

6人は順調に上がって行って、トップは曜。その他も順調に上がって行ったが、

「はぁ、はぁ、やっぱり…マルには」

「花丸ちゃん、大丈夫?」

後ろについて走っていたので響が声をかけた。そこにルビィちゃんが来て、

「花丸ちゃん、一緒に行こう」

「ダメだよ… ルビィちゃんは、もっと自分の気持ち大切にしなきゃ、自分に嘘ついて、無理に人に合わせてもツライだけだよ」

そうするとルビィちゃんは下を向いていた。

「スクールアイドルになりたいんでしょ?…だったら、前に進まなきゃ」

 

「さぁ行って」

 

ーーまると一緒に図書室で過ごしてくれたその子は、とても優しくて、とても思いやりがあって…でも、気にし過ぎな子

ーー素晴らしい夢も、キラキラした憧れも、全部、胸に閉じ込めてしまう子

ーーその胸の扉を思い切り開いてあげたいと、ずっと思っていた

 

ルビィは一生懸命頂上まで走っていた。

 

ーー中に詰まっている、いっぱいの想いを…世界の隅々まで照らせるような、その輝きを、大空に、放ってあげたかった

 

そして、頂上まで来たルビィは、とても楽しそうだった。

 

ーーそれが、マルの夢だった。

 

少し降りると、響先輩が待っていた。

「花丸ちゃん、本当にいいの?」

「…はい、いいんです。これで」

「…そうか…だったら俺は止めない、けど、自分の気持ちには正直にな」

そう言った響先輩は上へ走って行った。

 

そしてマルは下まで行くと、生徒会長が待っていた。

「なんですの?こんな所に呼び出して」

「あの、ルビィちゃんの話を…」

そう言うと彼女は前を向いて生徒会長に思いを言った。

「ルビィちゃんの気持ちを、聞いてあげて下さい」

「ルビィの?」

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

〜響視点〜

俺たちが下へ降りていくと、そこには生徒会長が待っていた。

「お姉ちゃん!」

「…!どうして…ここに!」

 

「ルビィ…これはどういうことですの?」

まずい。生徒会長は、ルビィちゃんを反対している。これで終わりは何としても避けないと。

「生徒会長、これは…「響先輩、ルビィが自分で言います」…!」

そこには、いつもの怯えてるようなルビィちゃんじゃなく、真っ直ぐな気持ちを持った1人の少女がいた。

 

「お姉ちゃん…ルビィ、ルビィね…」

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

〜響視点〜

「よろしくね、ルビィちゃん」

「はい!よろしくお願いします」

ルビィちゃんが正式に加入して、Aqoursは6人となった。

「あれ、国木田さんは?」

「あ……」

そこには、花丸ちゃんの姿はなかった。

 

「本当にこれでいいの?ルビィちゃん」

「え…?」

「本当は花丸ちゃんとしたいんじゃないの?」

「でも…」

「…俺からは一つだけ、自分の気持ちには正直になれ」

「…!」ダッ!

それを聞いたルビィは走っていった。

…はぁ、言ったはいいもののなんでこんなこと言えんだろ…

 

自分は何も出来てないのにな…

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

〜花丸視点〜

花丸はまた1人、図書室で本を読もうとしていた。

ーーこれでまるの話はおしまい。もう夢は叶ったから、まるは本の世界に戻るの

 

ーー大丈夫、一人でも…

 

「…ばいばい」

花丸は親友に最後の言葉を言った…はずだった。

 

「花丸ちゃん!」

「ルビィちゃん!?」

ど、どうして…練習は?

 

「ルビィ、花丸ちゃんのこと見てた!!」

「…!」

「ルビィのために無理してるんじゃないかって…心配だったから」

無理なんかしてない!するはずない!

「でも、練習の時も、屋上にいた時も、皆で話してる時も…花丸ちゃん嬉しそうだった」

「それ見て思った!花丸ちゃん好きなんだって…スクールアイドルが!」

「花丸ちゃんと一緒にスクールアイドル出来たらって、ずっと思ってた!一緒に頑張れたらって」

オラだって出来るならしたい。でも…、

「オラには無理ずら…体力ないし、向いてないよ」

すると、あの時読んだ本を見せてきた。そこには、あの時見た星空凛さんの姿があった。

「そこに写ってる凛ちゃんもね、自分はスクールアイドルに向いてないってずっと思ってたんだよ」

4人の先輩も来て、それに続いた。

「でも好きだった、やってみたいと思った、最初はそれでいいと思うけど」

「そう、それに、人は誰にでも挑戦する権利がある…だろ?」

すると、千歌が静かに右手を差し出した。

そして、ルビィが想いをぶつけた!

「ルビィ、スクールアイドルがやりたい!花丸ちゃんと!」

「でも…オラに出来るかな」

「私だってそうだったよ。一番大切なのは出来るかどうかじゃない。やりたいかどうかだよ!」

それを聞いて花丸は、静かに千歌の手を握った。

それに続いて、皆んなも合わせた。

「よーし、いくよー!せーのー」

 

ポチッ

花丸を加えて5人になったAqoursは正式にエントリーした。

そこには、4999位とあった。

「上に5000組もスクールアイドルがいるってこと!?多すぎるよぉ…」

ルビィちゃんが驚いていたが、響先輩が冷静にみんなに言った。

「当然だろ、どんなに強い人でも最初は下から…でもそこから這い上がればいい」

「全員追い抜いてやろうぜ!!」

「「「「おーー」」」」

それを静かに見ている少女がいた。

ーーずっと1人だと思ってた。図書室で1人静かに日々を過ごしていくと思ってた。

ーーでも違った。オラには大事な仲間が出来た。オラを受け入れてくれる仲間ができた。本以外にも場所が出来た。

 

その少女は楽しく話している6人に向かって一言だけ呟いた。

 

 

「ありがとう!」

 

 

  




どうも!銀河のかけらです!12話いかがでしたでしょうか?ついに、ついに!
ルビィちゃんと花丸ちゃん加入〜!わーわー。…はい、加入しました。
花丸ちゃんってとてもルビィちゃんの事が好きなんだなって書いてて思ったかけらでした。
それでは次回…皆さんお待たせしました…。とうとう来ますよ!あの不s…いや、あのコートとマスクとサングラスの人が!誰とは言いません(`・ω・´)

………… (`・ω・´)(すみません許してください使ってみたかったんです)
特に意味はありません。ほんとに使いたくなっただけです。
それでは今回はどう以上!銀河のかけらでした!


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13話

き、昨日投稿するつもりだったんだ…ゆ、許してくださいお願いしますなんでもしますから。

はい、なんでもはしません。昨日出す予定でしたが、寝てしまいました。

てな訳で13話どうぞ!



 〜響視点〜

 

「ふー、やっぱり休みの日は曲作り捗るな〜」

 

 響は久しぶりの休日なので、千歌に頼まれてた曲を編曲していた。

 

 編曲は前より順調に進んだ…はずだった。

 

「うわっ!間違えて広告押しちゃった…ってなんだよ、ニコニコ動画かよ…」

 

「…こんなの開くのも久しぶりだしなんか面白いの無いかな?息抜きも大事だしな」

 

 響はせっかく開いたんだからと何か見ることにした。

 

「お、何か生配信やってんな…試しに見てみるか」

 

 響はふと気になった一つの配信を見ることにした。何やら占い?みたいだが…

 

「…なんだこりゃ?」

 

 なんか女性が1人でろうそくの火つけて部屋でなんか言ってる!え〜怖っ!

 

「感じます… 精霊結界の損壊により、魔力構造が変化していくのが… 世界の趨勢が天界議決により決していくのが… 果の約束の地に降臨した堕天使ヨハネの魔眼が、その全てを見通すのです!」

 

「………」プツッ

 

 響はその配信を何も言わずに消した。

 

「…うん、見なかったことにしよう」

 

「それにしても昼間にコートのサングラスの人とかこんな配信してる人とか、いろんな人がいるんだな〜、っと曲作んねーと」

 

 響は曲作りを再開した。

 

 だが、これがこれから大きな事になることは知ることもなかった…。

 

 ────────────────────────

 

「4768位…か」

 

「あ〜なかなか上がらない〜」

 

「当然だろ、大したことまだしてないし」

 

 Aqoursは少しずつ上がってはいたが、いまいち成果が出てない。

 

「うーん、何かやってみる?」

 

「企画って何するの?」

 

「うーん、千歌ちゃん、何かある?」

 

「企画か〜思いつかないな〜」

 

 俺たちが悩んでいると、花丸がパソコンを見て近づいてきた。

 

「おぉぉ…これがパソコン!?」

 

「「そこぉ!?」」

 

 なんか目が光ってますけど。てか曜と声被ったな…。

 

「これが知識の海に繋がってるというインターネット!?」

 

「そうね、知識の海かはともかくとして」

 

 おいおい、花丸ちゃんってまさか…

 

「ねぇ、花丸ちゃんってパソコン触ったことないの?」

 

 いやいやまさか、そんなわけ…

 

「うん、ないみたい」

 

 ありましたわ…今どき触ったことない人いたんだ…。

 

「花丸ちゃん、おうちが古いお寺で、電化製品とかほとんどなくて…」

 

「そうなんだ…」

 

「この前も沼津に行った時に…

 

 ──ー「この水道、回すとこないズラよ…おお、おおぉぉ!

 

 未来ズラ!未来ズラよ!ルビィちゃん!」

 

 っていろいろしてましたし…」

 

 マジか…ここまでの子がいるとは…寺って凄いな…。

 

「触ってもいいですか?」

 

「まぁ、触るぐらいならいいよな」

 

「もちろん!」

 

「うわぁ〜!」

 

 花丸ちゃんは少し見ると何か一つボタンを押した。すると、パソコンの画面が消えてしまった。

 

「うわっ!」

 

「何押したの?いきなり」

 

「ちょ!そこって電源ボタンじゃ…」

 

「一個だけ、光るボタンがあるなーと思いまして…」

 

 それを聞くと凄い速さで曜と梨子がパソコンをかくにした。

 

「大丈夫?」

 

「衣装のデータ保存したかな?」

 

 すると花丸ちゃんの顔が青くなっていた。

 

「マル、何かいけないことしました?」

 

「いや、まー大丈夫大丈夫!多分…」

 

 次にマルに何か貸すときは絶対使い方教えてからにしないとな…。

 

 ────────────────────

 

「それよりランキングどうかしないとな〜」

 

 屋上で練習してるときに、千歌が話を戻した。

 

「毎年スクールアイドル増えてますから」

 

「しかもこんな何も無い場所の…地味!&地味!」

 

「やっぱりランキングって大事なの?」

 

「人気は大事だよ」

 

「ああ、ランキングが今後の活動に影響してもおかしくないからな」

 

「うーん、もっと奇抜な名前にするとか?」

 

「奇抜ってスリーマーメイド?」

 

「いや、今5人だからファイブだぞ」

 

「ファイブマーメイド…!」

 

 ルビィちゃんはそのことを想像してたみたいだが、俺は想像するだけで…

 

「…フフッ」

 

「笑わないで!響君!それに千歌ちゃん!なんで蒸し返すの?」

 

「あー!それじゃ足ないから踊れないじゃん!」

 

「それじゃあ、みんなの応援で足になっちゃうとか」

 

「あ!それいい!」

 

 てかなんでルビィちゃんもノリノリなんだよ。

 

「でも替わりに声がなくなるという…」

 

「だめじゃん!」

 

「てか曜、なんで途中から人魚姫になってんだよ」

 

「悲しいよね〜人魚姫」

 

 となんか話していると、誰かこちらを見ていた。

 

「…なんだあの子」

 

 なんでこっち見てんだ?あ、隠れた!ちょっと追ってみるか。

 

 そして、花丸もその存在に気づいていたようだ。

 

「…響先輩」

 

「ああ、なんかいたな、追ってくるわ」

 

「あ、じゃあオラも行くズラ、その子知ってますから」

 

「え?そうなの?じゃ、頼んだ」

 

 響と花丸は人影の方に向かった。

 

 

 

「…なんでズラ丸がここにいるのよ!?」

 

 ──────────────────

 

 〜善子視点〜

 

「うぅ…いきなり屋上から堕天してしまった…」

 

 せっかく学校に来てみたのに…屋上には先客いるし…しばらくここで隠れてよう。

 

「学校来たズラか」

 

「うわっ!ってズラ丸!」

 

 なんだズラ丸か…よかった…クラスの人じゃなくて…。

 

「なーにしてんの?こんなとこで?それともここが家とか?」

 

「いえなわけ無いでしょ!てか、誰?この人」

 

「あーごめんごめん、俺は西木野響。2年でスクールアイドル部のマネージャーってところかな」

 

「マネージャー…って先輩だったの!?タメ口使っちゃった…」

 

「いやいや、いいよ楽に話して」

 

 よかった…いい人そう…。てか、まだバレてないよね?ライブに来てたとか。

 

「あれ?どっかで見たことあるような…」

 

 や、やばい…。

 

「ズラ?響先輩、善子ちゃんと知り合いズラか?」

 

「いや、初対面だけど…うーん」

 

 やめてー!こっち見ないでー!ズラ丸にバレたら…!

 

「あ〜!思い出した!あの時のニコ生の子だ」

 

「?ニコ生?何ズラ?それ?」「!!!!????」

 

 な、なんでなんでなんで〜!なんでそっち知ってんのよ!

 

「あ、ニコ生ってのはね〜「言わなくていいから!」」

 

 すると、善子はまた隠れてしまった。

 

「う〜もう最悪よ…。1日で失敗するわニコ生を知ってる人もいるわ…。終わった…私のリア充…私の高校生活…まさにデッドオアライブ」

 

「デッドオアライブって…なんか違うだろ。それに大丈夫だよ、まだ学校始まったばっかだろ。まだ取り返せるって」

 

「そうズラ。それに、クラスのみんなも心配してたよ」

 

「え…?心配?私の事を?」

 

「ズラ。皆、どうして来ないんだろうとか、悪いことしちゃったかなって心配してたよ」

 

「本当?」

 

「花丸ちゃんが嘘言うはずないだろ。それに、俺はそれでもいいと思うぞ」

 

「え?」

 

「あのニコ生の時の事。あれも1つの個性だから。俺はいいと思う」

 

「本当に…?ほんとの本当に?」

 

「ズラ」「ああ」

 

「よし!!まだいける!まだやり直せる! 今から普通の生徒でいければ…」

 

「ズラ丸、響!」

 

「「え?(ズラ?)」」

 

「ズラ丸!ヨハネたってのお願いがあるの!」

 

 よーし!見てなさい!これでリア充を手に入れてやるんだから!




どうも!銀河のかけらです!13話いかがでしたでしょうか?

とうとう善子登場です!これで、ちゃんとAqoursは全員登場したかな?あと2、3話くらい善子回が続くのでお楽しみに。

そして、皆さんとお気づきの方もいるかも知れませんが、書き方を変えました。必ず文と文の間は一行空けるなど、個人的に前より見やすくなったんじゃないかと思います。
その他ここ見にくい、もっとこうしてほしいなどありましたら是非感想までお願いします!

それでは今回は以上!銀河のかけらでした!


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14話

今回…響の一つの秘密について明かされます!

それでは14話、どうぞ!


 〜響視点〜

 

「ごきげんよう、響先輩」

 

「お、おう…」

 

 や、やべー…昨日の今日だから違和感しかねー。

 

「それにしても、ほんとに良かったのか?普通になりたいって、」

 

「ええ、私は普通の女の子になりたいので」

 

「そ、そう、善子がそう言うならそれでいいけど…」

 

 そんな簡単に普通に出来るのか?

 

「花丸ちゃん、ルビィちゃん、ごきげんよう」

 

「ズラ?!」「ピギィ!」

 

 ほらみろビビってるじゃねぇかよ。

 

「ほんとにやってるズラか…」

 

「ああ、違和感しかないけどね」

 

「え?え?響先輩も花丸ちゃんも知ってるの?」

 

 そっか、ルビィちゃんは知らないもんな。混乱するのも仕方ないな。

 

「現在善子を普通の女の子にしよう作戦を実行してるんだよ」

 

「あ、なるほど…なんとなく分かりました」

 

 分かるの早っ!流石善子…!ルビィちゃんにもよーく知られてるんだな。

 

「大丈夫かな〜善子ちゃん」

 

「私は一週間くらいかな、維持できるのは」

 

「俺は結構持つと思うけどな〜」

 

 善子はこう見えて結構美人に入ると思う。いわゆる、喋らなければモテるってやつだ。

 

 そんな善子の後ろ姿は不思議と自信に満ち溢れてた。

 

 

 

 ──ふふふ、これならいけるわね…!このままクラスでも!

 

 

 

 ────────────────────

 

 

 

「おはよー」

 

「あれ、響くん、今日は遅かったね」

 

「いや、少し後輩の面倒をな」

 

「へー、響くんもそんな事するときあるんだ〜」

 

「ああ、アホの千歌とは違うからな」

 

「千歌アホじゃないし、響くんのがアホだし!」

 

「「ぐぬぬぬぬ〜」」

 

「こら!2人共朝からやめなさい!」

 

「「へい」」

 

 全く千歌は…お、先生入ってきた。

 

「みんなおはよう、じゃ今日も授業始まるぞーって千歌!いきなり寝るなー」

 

「えええ!バレた!」

 

 バレるに決まってんだろ。

 

 それにしても善子ちゃんとしてるかな〜?ま、流石に1日でやらかすわけないか。花丸ちゃんの監視にルビィちゃんもいる。まぁ相当な事をしない限り大丈夫だろ。

 

 ────────────────────

 

「それで、どうしてこうなった?」

 

 俺は今、3人と一緒に部活をしに部室に行ったが、なぜか善子がいた。どうやら、1日でやらかしたらしい。

 

「どうして止めてくれなかったのよ〜!」

 

「まさか火まであるとは思わなかったズラ…」

 

「火?どゆこと?花丸ちゃん」

 

「実は…

 

 

 

 ──善子ちゃんも最初は上手くいってたズラ。だけど、趣味を聞かれたとき…

 

「善子ちゃんって何か趣味とかあるの?」

 

「え?占いを少し…」

 

「え〜、じゃあ私の事占ってみて〜」

 

「じゃあ今占ってあげる」

 

 そこまではいいズラ。だけど、その占いは予想の斜め上だったズラ。

 

「これで、よし!」

 

 何を思ったか、黒マントをいきなり着だし、カバンの中からおかしなものをたくさん出してきたズラ。

 

「あ、火つけて?」

 

「う、うん…」

 

「天界と魔界にはびこるあまねく精霊、煉獄に堕ちたる眷属達に告げます。ルシファー、アスモデウスの洗礼者、堕天使ヨハネと共に、堕天の時が来たのです!! 」

 

「………」フッ

 

 花丸によって火は消されたが、クラス全員から引かれた。

 

 

 

「とまぁこれが善子ちゃんが1日で成し遂げた自爆ズラ」

 

 朝の期待返せよ…。素出まくってんじゃん。

 

「ねえねえルビィちゃん、ここまでって何があったの?」

 

「善子ちゃん、中学のとき自分が堕天使だと思い込んでたらしくて、まだそのクセが抜けきれてないみたいで…」

 

 なるほど…厨二病ってやつか…。

 

「分かってるの。自分が堕天使のはずなんて無いって…」

 

「だったら、どうしてあんな物学校に持ってきたの?」

 

「いや〜、あれがなかったら私が私でいられないって言うか…ハッ!」

 

 …こりゃあ重症レベルだな…。

 

「一応占いの動画も出してますし」

 

「あなたも一緒に堕天し「いやあぁぁぁ!見ないで!」」

 

「とにかく私は普通の高校生になりたいの!!どうにかできない?」

 

 うーん、まずはこれをどうするかだよな…。

 

「かわいい…」

 

「ああ、かわいい…は?」

 

「これだ!!これだよ!!!」

 

 あ、また暴走始まった…。俺しーらね。

 

「津島善子ちゃん!!いや、堕天使ヨハネちゃん!

 

 スクールアイドルやりませんか!?」

 

「千歌ちゃん、これってどうゆう事でありますか?」

 

「堕天使スクールアイドルだよ!これでいける!」

 

「え〜、大丈夫なの?」

 

「うん、大丈夫!」

 

 ほんとかよ…って時間だ!やべぇ!

 

「千歌!俺お先に失礼するぞ!」

 

「ほえ?何かあるの?」

 

「少し医者があってな…東京行ってくるから、明日の放課後までいないから」

 

「東京のお医者さんって、響君どこか悪いの?」

 

「いや、大丈夫だよ、行ってくる」

 

「…ああ、千歌、俺から一つだけ…やり過ぎんなよ」

 

「え?」

 

 はぁ、この状態で出て行って申し訳ないな…。明日何もなってなければいいけど。

 

 ────────────────────

 

「はぁ、やっぱ医者って嫌いだな…しかも、ここって」

 

 響はある理由で病院に来ていた。

 

 その病院の名前は…"西木野総合病院"

 

「西木野響さーん」

 

 お、呼ばれたか…さーて、久しぶりの再会か…。

 

「次の方どうぞー」

 

「今日はどうされましたか…ってなんだ、響じゃない」

 

「久しぶり…真姫姉」

 

「真姫姉って…あなたそんな呼び方してなかったでしょ?」

 

「あはは、冗談冗談」

 

「…よかった、元気そうで、体調はどう」

 

「最近は安定してるよ…環境も変わったしね」

 

「あなたが家出したって聞いたときは驚いたけど、大丈夫そうね」

 

「まぁな、あ、そうだ。俺またスクールアイドルのマネージャーになったから」

 

 真姫はとても驚いた顔をしていた。

 

「だ、大丈夫なの?あの頃を思い出しだしたりしない?」

 

「大丈夫だよ。それに、今楽しいんだ。もう少し自由にさせて」

 

「…分かったわ。だけど、無理だけはしないでね」

 

「ありがとう。大好きだよ。真姫姉」

 

「ヴェェ!からかわないの!」

 

「あはは!じゃ、またね」

 

「あ、待って…無理だけはしないように。分かった?」

 

「分かってるよ」

 

 

 

 ふー、さーて、Aqoursはどうなってるかな…ん?何か動画が公開されてる。

 

「へー、さっそく動いたのか…何だこれ?」

 

「伊豆のビーチから登場した待望のニューカマー、ヨハネよ!皆で一緒に、堕天しない?」

 

 誰がするか…てか、言ったそばから…あ、校内放送。

 

「スクールアイドル部のみなさんは今すぐ生徒会室に来なさーーーい!!」

 

 あ、終わったやつだ…これ。

 

 




どうも!銀河のかけらです!14話いかがでしたでしょうか?

響はあのμ'sの西木野真姫の弟だった!?というのが明かされました。といってもなんとなく苗字でバレバレでしたか…。
次回は善子編の3話目です!お楽しみに〜!

そして、前回から書き方を変えてみましたが、読みやすいと言ってくれてとても嬉しいです。いや〜、私がこのハーメルンの機能を全く使いこなせてないので、色々動かしてたら行空ける機能があることを知りました。

それでは今回は以上!銀河のかけらでした!


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15話

久しぶりに2日連続投稿できた…!

虹が咲ライブ、今日と明日ですね!ちなみに私は観れませんが、虹が咲を心の中で応援しています!

それでは15話、どうぞ!


 〜響視点〜

 

「……!!」

 

 うわぁやってる…。生徒会長めちゃ怒ってんじゃん。

 

 響は放送でAqoursが呼ばれたので生徒会室に来ていた。その理由は、昨日チャンネルに堕天使の格好をした動画が生徒会長の逆鱗に触れたからだろう…。

 

「あまり入りたくないけど、ここはマネージャーとして責任を取らないと…」

 

 響は恐る恐る生徒会室に入っていった。すると、なぜか理事長もいた。

 

「こういうものは破廉恥と言うのですわ!!」

 

「あなた達はスクールアイドルという以前に高校生、浦の星の生徒ですわ!その自覚が全くたりてないですわ!!」

 

「生徒会長!」

 

「あら、響…シャイニー!」

 

「響くんいつからいたの?」

 

「さっき帰ってきた」

 

「あなたはマネージャーの響さん、どうされましたか?」

 

「この件は私の注意不足です。処分なら私にしてください」

 

「…処分は致しませんわ。ここでの注意のみですわ」

 

 よ、良かった。許してくれるみたいだな。

 

「今回は申し訳ありませんでした」

 

『すみませんでした』

 

 響に続いて6人も謝った。

 

「もういいですわ。それにしても、高校生がこんな衣装、恥ずかしく無いのですか?」

 

「は…?」

 

「ダ、ダイヤ?少し言い過ぎよ」

 

「こんな破廉恥な格好…高校生にもなって着ない方がいいですわよ」

 

「…そ、そうですよね…」

 

「善子ちゃん…」

 

「私…もう着ませ「おい、今何つった?」

 

「え?」

 

 急に響がとても低い声で言ったのでここにいる皆は固まってしまった。

 

「おい、貴女に言ってるんですよ?生徒会長?」

 

「私はただ、この衣装は着ない方がいいと言いましたわ」

 

「ふざけんなよ生徒会長!!生徒会長だからって人の個性ぶっ壊していいのか?違えだろ!人の着るものにもいちいち口出しすんのか?」

 

「ちょ!響君、少し落ち着いて」

 

「私はただ…善意で…」

 

「は?善意?舐めてるんですか?善子がどうやって生きてきたことも知らず、ただ否定してるだけだろうがよ!そんなのただの偽善者だ!馬鹿野郎!!」ガシャン!

 

 響はそこにあった椅子を蹴り飛ばした。

 

「ピギャ!花丸ちゃん…」

 

「ちょっと!落ち着いて!生徒会長相手よ!」

 

「黙れ!そんなの知ったこっちゃねーよ!俺は生徒会長と話してんだよ!お前らは黙ってろ!」

 

 響は周りが見えなくなるほど怒っていた。善子が泣いてるのも気がつかずに…。

 

 すると、善子が響に抱きついてきた。

 

「響!もういいの、私の事で…、私の事で怒らないで…」

 

「はぁはぁ…、よ…しこ…」

 

 すると響は一つ深呼吸して言った。

 

「ごめんな善子、俺はもう大丈夫だよ」

 

「生徒会長、数々の暴言、申し訳ありませんでした。これで失礼します」

 

 響は謝ったが、ダイヤは黙ったままだった。

 

「すまん、俺屋上にいるから…みんなは先に練習してて」

 

「わ、分かった…」

 

 はぁ…、やってしまった…。いくらムカついてたとはいえ、生徒会長にキレるはダメだな…。

 

 響は生徒会長に怒った事を反省しながら、生徒会室を後にした。

 

 ────────────────────

 

 〜千歌視点〜

 

「ごめんみんな…私のせいで…」

 

「千歌ちゃんだけのせいじゃないわ。私達にも責任あるし」

 

「そうズラ。1人だけのせいじゃないよ」

 

「いいえ、私が堕天使なんて言わなければ良かっただけの話。じゃあね。少しの時間でも堕天使に付き合ってくれてありがとね…」

 

 私のせいだ…。私がこんなこと言わなければ良かったんだ。こんな形でさよならなんて、絶対にいやだ!

 

「みんな…お願いがあるの」

 

 ────────────────────

 

 〜響視点〜

 

「はぁ…何であんなに怒っちゃったかな…」

 

 響は生徒会長にあんなに怒った事を後悔していた。

 

「確かにあの言い方はムカついたけど、流石に言い過ぎだったな」

 

「ほんとよ、何であんなに怒ったのよ」

 

「…善子」

 

「はぁ…言われたのは私よ?あなたがそんな怒る事ないでしょ」

 

「まぁな。多少言い過ぎたけど、俺が言ったことは間違ってない」

 

「…え?」

 

「だって、堕天使だって善子の大事な個性だろ。それを馬鹿にすんのは許せないしな」

 

「…そう、まぁ…ありがとう。怒ってくれて」

 

「…私やっぱり堕天使は卒業するわ」

 

「…ほんとにいいの?」

 

「ええ、生徒会長の言ってることも間違ってないしね。私は普通に過ごすわ」

 

「…そう、分かった。俺は応援してるよ」

 

「ありがと。響。じゃ、またね」

 

「ああ、じゃあね」

 

 善子は堕天使を卒業する。確かにいつかはしなきゃいけないのかもしれない。でも、それはいまなのか?確かに善子の決断は固い。でも、それを言った時、彼女は心から笑ってなかった。心のどこかで、まだ堕天使でいたいのだろう。

 

「だったら俺のすべきことはひとつだな」

 

 すると、響のスマホが鳴った。千歌からの電話だった。

 

「もしもし千歌?…ああ、俺も今…

 

 

 

 全く同じこと思ってたよ」

 

 ──────────────────────

 

 〜善子視点〜

 

「これでよし」

 

 善子は今まで集めた堕天使グッズを全てダンボールに入れた。

 

「今までありがとね。さよなら、ヨハネ」

 

「それでいいの?堕天使ヨハネ」

 

「な、何でここに?」

 

「俺だけじゃないぜ」

 

「善子ちゃん!いや、堕天使ヨハネちゃん!

 

 スクールアイドルに入りませんか?

 

 ううん、入って下さい。Aqoursに!」

 

 私だってできるならしたい!

 

「だめなの!生徒会長にも怒られたでしょ!!」

 

「それは俺たちが悪いんだよ。ヨハネはヨハネでいいんだよ!」

 

 善子は俺たちから逃げるように走り始めた。だがAqoursのみんなで追いかけた。

 

 そして善子はしばらく走って止まった。

 

 すると千歌が言った。

 

「私ね、μ’sがどうして伝説を作れたのか…どうしてスクールアイドルがそこまで繋がってきたのか、考えてみて分かったんだ!」

 

「ステージの上で、自分の好きを迷わずに見せることなんだよ!!

 

 お客さんにどう思われるとか、人気がどうとかじゃない!

 

 自分が一番好きな姿を…輝いてる姿を見せることなんだよ!!」

 

「だから善子ちゃんは捨てちゃダメなんだよ!! 自分が堕天使を好きな限り!」

 

 そして善子は1人ずつに聞いた。

 

「いいの?変なこと言うわよ? 」

 

「いいよ」

 

「時々、儀式とかするかもよ? 」

 

「そのくらい我慢するわ 」

 

「リトルデーモンになれって言うかも!! 」

 

「嫌だったら嫌だって言う!」

 

 そして、響は言った。

 

「堕天使を卒業するのは自分が本当に卒業しようって思ってからでも遅くない。堕天使が好きなら、好きなものを続ける。それだけだろ」

 

「だから… 」

 

 千歌は善子の黒い羽根を善子に出した。

 

 それを善子が掴んだ。

 

 そして2人は少し笑った。

 

 そして、善子が「ありがとう」と小さな声で言った。

 

 ────────────────────────

 

 〜響視点〜

 

「ありがとね、響」

 

「どしたの、善子?」

 

「堕天使を続けていいって言ってくれて」

 

「俺は自分の思った事を言っただけ。行動したのは善子だよ」

 

「…決めた。西木野響!あなたを上級リトルデーモンに認定する!」

 

「断る」

 

「断るの早っ!」

 

「だってなんかめんどくさそうだし。仲間ならいいよ」

 

「仲間…まぁそれでよかろう」

 

「好きなものを続ける…か。俺は続けてるのかな?」ボソッ

 

「ん?なんか言った?」

 

「いーやなんでも。改めてよろしく、善子」

 

「ヨハネよ!」

 

 ヨハネとつっこんだ善子だったが、最初に会った時より、はるかに笑顔だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




どうも!堕天使です(嘘)!15話いかがでしたでしょうか?善子、Aqours加入〜!いやぁほんと善子ちゃんって良い子ですね。

もしもあのタイミングで堕天使を卒業してたら、多分学校生活楽しい〜!となんなかったんじゃないかと思います。これから必ず辞めなきゃいけない…て時が来るまで続けるべきですよね。どんな事も。

では次回はPVを撮ります。頑張るぞー!

それでは今回は以上!銀河のかけらでした!


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16話

予告します。来週から週4投稿を目指します。出来なくても、週3は絶対します。頑張ります!

それでは16話、どうぞ!


 〜鞠莉視点〜

 

「どういう事ですの!?」

 

「今言った通りよ。沼津の高校と統合して、浦の星女学院は廃校になる」

 

「でもまだ決定ではないの。まだ待って欲しいと私が強く言ってるからね」

 

 そ、そんな…あの時の話はまだ終わってなかったのね…。

 

「方法はあるんですの?入学者はこの2年どんどん減っているんですのよ?」

 

「だからスクールアイドルが必要なの」

 

 鞠莉はダイヤに手を出した。

 

 もしかして鞠莉さん…このためにAqoursを…

 

「私は、私のやり方で廃校を阻止しますわ」

 

 しかし、その手が握られることは無かった。

 

「ほんと、ダイヤは好きなのね…果南が」

 

 ────────────────────────

 

 〜響視点〜

 

『統廃合!?』

 

「どうして急に?」

 

「いつ?」

 

「来年度に沼津の学校と合併して、浦の星女学院はなくなるかもって…」

 

「一応、来年の入学希望者の数を見て、どうするか決めるらしいんですけど…」

 

 マジか…あの時とほんとに状況が同じだな…。さて、リーダー?どう動く?

 

「……廃校?」

 

 千歌は一瞬震えたような声を出したが…

 

「キタ!ついにキタ!!」

 

 …はい?

 

「千歌ちゃん?どうしたの?」

 

「廃校…!?学校のピンチってことだよね!?」

 

「まあそうだけど…、何か心無しに嬉しそうだけど…」

 

 すると、千歌はいきなり外に走り出した。

 

「廃校だよー!!

 

 音ノ木坂と一緒だよ!?

 

 これで舞台が整ったよ!

 

 私達が学校を救うんだよ!!

 

 そして輝くの!!あの、μ’sのように!!」

 

 おおう、戻ってくんの早っ。

 

 はあ、またμ'sと同じか…。ま、気にし過ぎかな…。

 

「まあ同じなのは分かった。で、スクールアイドルで廃校を止める気?」

 

「うん!μ'sのように!」

 

「具体的に何するんだ?」

 

「フッフッフ…甘い…内浦のみかんのように甘いよ響くん。私が考え無しに言うと思う?」

 

 ほう、何か考えがあると?

 

「……………なにしようか?」

 

「やっぱ何も考えてねーじゃねーかよ!」バシッ!

 

「痛いよ響くん!何すんのさ!」

 

「そりゃあハリセンで叩いたら痛いだろうな」

 

「てかそのハリセンどこから出したの?」

 

「わかんない」

 

「どうするの?私の頭バカになったら!」

 

「安心しろ千歌。もう既にバカだから」

 

「言ったな〜!」

 

『ぐぬぬぬぬ』

 

 2人が喧嘩をを始めたが、梨子が軽くチョップした。

 

「やめなさい」

 

『…はい』

 

「さて、気を取り直してみんなは廃校反対で良いの?」

 

「私は浦の星が良いであります」

 

「私も」

 

「ルビィも同じ…」

 

 しかし、また1人、安定してるのがいた。

 

「統廃合〜⁉︎」

 

「こっちも⁉︎」

 

「統廃合ってことは沼津の高校に通えるってことだよね?未来ズラ〜」

 

「相変わらずね〜」

 

「花丸ちゃんは昔からああだったの?」

 

「まぁね。幼稚園のころはライトを見ただけで「未来ズラ〜」って言ってたし」

 

 うん。純粋なんだね。この子は。

 

「で、善子はどうなの?」

 

「私は統廃合した方がいいに決まってるわ!私みたいに流行に敏感な生徒も多いだろうし!」

 

「よかったズラ〜。沼津の高校なら、中学の頃の友達とかに会えるズラ」

 

「統廃合絶対反対〜!」

 

「気変わんの早っ」

 

「とにかく…Aqoursは学校を救うため、行動します」

 

 ────────────────────────ー

 

 〜ダイヤ視点〜

 

 それ以前に受験者も減っているのですわね…。

 

「…失礼します」

 

「ルビィ?どうかしたの?」

 

「今日もちょっと遅くなるかもって…」

 

「分かりましたわ。お父様とお母様に伝えておきますわ」

 

「うん!じゃ、行ってくる!」

 

「どう?スクールアイドルは」

 

「大変だけど…楽しいよ」

 

 私も、裏で…何か出来ることはしないといけませんわね。

 

 ────────────────────────ー

 

 〜響視点〜

 

「で、動くって言いましたけどこれからどうしましょうかね…?大賀先生」

 

「学校の為に動いてくれるのはありがたいが…正直厳しいぞ」

 

「そんなこととっくに分かってますよ。でもリーダーがやるって言ったんだ。私達はそれについてくるだけですよ」

 

「いいグループだな」

 

「いいえ、まだまだです」

 

「うーん、それじゃこうしたらどうだ?」

 

 

 

『PV〜!?』

 

「そう、AqoursのPVを作るんだよ。それで、内浦や学校のことをアピールする。これって結構大事じゃない?」

 

響は大賀先生に提案してもらったPVを撮るという案をありがたく使わせてもらうことにした。

 

「さっすが響くん?それじゃ早速外へ行こう!」

 

「分かったであります!PV撮りに〜全速前進!」

 

『ヨーソロー!』

 

 

 

「じゃあ早速撮るか。じゃ、千歌。早速いってみよう」

 

「どうですかぁ~?この裕大な富士山!それと、この綺麗な海!更に…!そして街には…えっと…特に何も無いです」

 

「…案外悪くないけど最後いる?」

 

「バスでちょっと行くと、そこは大都会! お店もたーくさんあるよ!」

 

「そして…ちょっと… 自転車で坂を超えると、伊豆長岡の商店街が…はぁはぁ…」

 

「いや、遠いわ!」

 

 ちょっとのレベルじゃねーよこれ。みんな疲れてるし。

 

「はぁ…はぁ… 沼津に行くのだってバスで500円以上かかるし…」

 

「じゃ、次善子頼んだー」

 

「リトルデーモンのあなた!今日は、このヨハネが落ちてきた地上を紹介してあげましょう」

 

「まずこれが… 土!!」

 

 日本舐めてます?

 

「土って…どこにでもあるだろ」

 

「根本的に考え直した方がいいかもね」

 

「そう?面白くない?」

 

「面白くてどうすんの⁉︎」

 

 

 

「うーん、美味しいズラ〜」

 

「どうして喫茶店?」

 

「千歌の家今日は無理だったの?」

 

「いや、無理ではないけど… 梨子ちゃんがしいたけいるならうち来ないって…」

 

「そうは言ってない!鎖で繋いでおいてって言っただけ!」

 

「ここら辺じゃ、放し飼いの方が多いよ」

 

「そんな〜」

 

 ワンっ!

 

 ん?ワンって…

 

「ヒィッ!何で犬が…」

 

「か〜わいい〜!」

 

「わぁ、わんちゃんだ!」

 

「ちょっと早くどこかにやって!」

 

「どうして?」

 

「その牙…!そんなので噛まれたら……死…」

 

「死にはしないだろ」

 

「そうだ!このわんちゃんで慣れればいいよ」

 

 そしてその犬を梨子の顔に近づけた。

 

「いやあぁぁぁぁ!」バタンッ

 

「あらら、隠れちゃった」

 

「梨子ちゃん?」

 

「そのままでいいから続けて!」

 

「どう?善子ちゃん?編集してみて…」

 

「簡単に編集したけど、お世辞にも、魅力的とは言えないわね」

 

「やっぱりか…」

 

「じゃあ沼津の賑やかな映像を混ぜて…

 

「これが私達の街です!」とか」

 

「いやそれ詐欺だろ?」

 

「うーん、ダメか〜」

 

「あ!善子ちゃん!終バス来てる!」

 

「え!もう?」

 

「では、また!」

 

「ヨーシコー!」

 

「だからヨハネ!」

 

 賑やかだな〜相変わらず。

 

「意外と難しいんだなぁ…いい所を伝えるのって」

 

「そうね」

 

「学校がなくなったら、こういう毎日も無くなっちゃうんだよね…」

 

「それを守るために今がんばってるんだろ?」

 

「うん、スクールアイドル頑張んないと!」

 

「そうだ!今、気がついた」

 

「無くなっちゃダメだって!

 

 私、この学校好きなんだ!」

 

 そうだな。俺も守るために、何かしないとな。

 

 ────────────────────────ー

 

 〜鞠莉視点〜

 

「この夜景も、久しぶりに見るわね」

 

 すると、誰かが部屋に入ってきた。

 

「来るなら来ると先に言ってよ…果南?

 

 勝手に入ってくると、家の者が激おこプンプン丸だよ?」

 

 すごい睨んでくるわね。そういえば帰ってきてから笑ってくれないな。

 

「廃校になるの?」

 

「ならないわ。でも、それには力が必要なの

 

 だからもう一度、果南の力が欲しい」

 

 そして、果南に復学届を渡した。

 

「…本気?」

 

「もちろん。

 

 だって私は果南の"ストーカー"だから」

 

 

 

 

 

 

 

 




どうも!銀河のかけらです!16話いかがでしたでしょうか?いや〜思ったより長くなってしまった…。気付いたらこんだけ書いてましたね。自分に驚いてますよ。

さあとうとう廃校阻止に向けて、Aqoursが動き出しました。それが、果たしてどうなるのか!それは…!これからお楽しみで!

では関係ない話を2つ程…
1つ目は今日スクスタでガチャを引きます。配布されたやつと後夜祭です。なんか出たら報告しますが、何も無かったら…察してください。
2つ目は、いつ始めるか決まってないですが、新しいシリーズをスタートしたいと思ってます!と言っても輝きと暗闇を疎かにする訳では無いです。今考えてるのはイナズマイレブンとラブライブのクロスオーバーにしたいと思ってます。いつからかと言うと、このシリーズがある程度進んだら始めていきたいと思っています。

今年は挑戦していきたいとおもっているので、かけらの挑戦をご期待ください。
それでは今回は以上!銀河のかけらでした!


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17話

スクスタガチャ引いたのだ…。ばくしでは無かったのだ…。URも5枚くらい出たのだ…。(60連とURチケット2枚)
でも…一つ言いたいのだ。なんで2回連続で同じURを引くのだ。どうなってるのだ!確率おかしいのだ!かかってくるのだクラブゲームス!

…戦いません。私は争い嫌いなので。それにしてもどういうことですか?確率めっちゃ低いと思うんですが…2回連続同じって。あるあるですか?知ってる方教えてください。

それでは17話、どうぞ!



 〜響視点〜

 

『………』

 

「ど、どうですか?」

 

 響達は出来たPVを理事長に見せに来た。

 

「…はっ!」

 

「理事長今寝てました?」

 

「…寝てないわよ」

 

「私達は本気なんです!もっとちゃんと…」

 

「本気?それでこのテイタラークでーすか?」

 

「それは…さすがに酷いんじゃ…」

 

「そうです!!これだけ作るのがどれだけ大変だったと…」

 

「努力の量と結果は比例しません!!」

 

 …確かにそうだ…。まだまだダメってことか。

 

「大切なのは、このタウンやスクールの魅力を、ちゃんと理解しているかでーす!」

 

「じゃあ理事長は分かってるんですか?この学校の魅力」

 

「少なくともあなた達よりは」

 

 ──────────────────────────

 

「ヨーソロー!今日は千歌ちゃんちで作戦会議だ!」

 

「そうだね…あ!忘れ物した!取ってくる!」

 

「早くしろよー」

 

「響…ごめんなさい」

 

 善子…責任感じさせちゃったか…

 

「善子だけの責任じゃない。みんなの責任だよ」

 

「…ありがとう」

 

 さーて、どうしたものか…。

 

 

 

「凄いです!!私、感動しました!」

 

 千歌?体育館からか?…生徒会長?

 

「なんですの?皆さん揃って」

 

「ダイヤさんがスクールアイドルが嫌いなのは分かります」

 

「でも私たちも学校続いて欲しいって…

 

 無くなって欲しくないって思ってるんです。

 

 一緒にやりませんか?スクールアイドル!」

 

「残念ですけど…ただ、あなたたちのその気持ちは嬉しく思いますわ。

 

 お互い頑張りましょう」

 

「ルビィちゃん…ダイヤさんはスクールアイドルは…」

 

「はい、ルビィよりも大好きでした」

 

 だったら尚更…!

 

「生徒か「今は言わないで!」…!」

 

「ルビィちゃん!」

 

 響は体育館を去っていく生徒会長を静かに見ていた。

 

 やっぱり…三年でなにかあったのか?

 

 

 

 〜ダイヤ視点〜

 

「スクールアイドル…ですか…」

 

 ダイヤにはあの頃のステージが映っていた。忘れることは無い…あの。

 

「ダイヤ。逃げていても、何も変わりはしないよ。進むしか無い。そう思わない?」

 

「別に逃げてるわけじゃありませんわ。あの時だって…」

 

「ダイヤ…?」

 

 私は逃げてなどいませんわ。ただ…

 

 ────────────────────────

 

 〜響視点〜

 

「……」

 

「全く梨子〜、しいたけいないって」

 

「そうそう」

 

「それよりPVどうすんの?」

 

「まだ何も決まってないズラ」

 

「あ、そういえば今日は早く帰らないとですね!」

 

「え?なんかあるっけ?」

 

「みんな何かあるの?」

 

 響と梨子は知らないようだ。

 

「海開きだよ!」

 

「千歌ちゃん!?」

 

「じゃあこの盛り上がったのって…」

 

「梨子…今回はマジでごめん。おつかれ」

 

 

 

「ふぁ〜、朝…ではないな…まだ3時半だし…寝みぃ〜」

 

「おはよう、響くん」

 

「おはヨーソロー!」

 

「おはよ」

 

 朝から元気だな…

 

「結構人多いんだな」

 

「学校の人とかもいっぱいいるよ」

 

「響くん、私達転校してきたから知らなかったけど、この街ってこんなに人いたんだね」

 

「そうだな…確かに意外だ」

 

「おう、おはようってまだ早いか」

 

「大賀先生、おはようございます」

 

「おはようございます」

 

「いいところだよな。こうやってみんな揃って何かするって」

 

「…ねぇ響君」

 

「ああ、俺も今同じこと思った」

 

 

 

『これなんじゃないかな?この街や、学校の良いところって』

 

「そうだ!」

 

 すると千歌はみんなに言った。

 

「あのー!みなさん!私達、浦の星女学院でスクールアイドルをやっているApoursです!!」

 

「私達は、学校を残すために…

 

 生徒を沢山集めるために…

 

 皆さんに協力をしてほしいことがあります!」

 

 

 

「まっさか、こんなことを思いつくとはな。相変わらずやる事はぶっ飛んでるけど、面白い」

 

 響は最後の一個を置いた。

 

「それでは皆さん、私が合図するので、合図したらお願いします!」

 

『おー!!!』

 

 街のみんなが、学校のみんなが協力して作ったこのランタンには、上から見たらある文字になっていた。

 

 

 

『Aqours』と…!

 

 

 

 気持ちだけ…ほかになにもない?

 

 ちがうんだよこっち来て こころの目で見たら

 

 誰の胸にも願いがある

 

 大切なこの場所で感じてみよう

 

 

 

 波が映した星の輝き 遠いあこがれの色

 

 いつか叶うことを信じれば

 

 明日への道がたぶん わかるんだ

 

 

 

 それは階段 それとも扉 夢のかたちは色々あるんだろう

 

 そして繋がれ みんな繋がれ 夜空を照らしにいこう

 

 

 

 消えない 消えない 消えないのは

 

 これまで自分を育てた景色

 

 消さない 消さない 消さないように

 

 ここから始まろう つぎは飛びだそう

 

 

 

 それは階段なのか それとも扉か

 

 確かめたい夢に出会えてよかったねって呟いたよ

 

 

 

 響は一曲作るとき、必ずこの曲にはどんな願いが込められているのか…を考えるようにしていた。

 

 そして、この「夢で夜空を照らしたい」はAqoursの…俺たちの"始まり"…いや、みんなの"始まり"、みんなの決意が込められていると、響はまた思いながら見ているのであった。

 

 

 

 PVが撮り終わった後、千歌は海に語った。

 

「私、心の中でずっと叫んでた。

 

 助けてって。ここには何もないって

 

 でも、違ったんだ

 

 追いかけて見せるよ…ずっと!」

 

「そう、俺たちで内浦の人たちの想いを背負って…そして…ずっと!」

 

 

 

『この場所から始めよう!出来るんだ!』

 

 

 

 その後AqoursのPVが無事公開された。だが、俺たちは…Aqoursは知らなかった。

 

「ねぇ、このスクールアイドルのグループ、なんていうの?」

 

「えーと、Aqoursっていうらしいです」

 

「Aqours…か。昔の私達に何か似てるわね…」

 

「ねぇ、このAqoursを今度の東京スクールアイドルワールドに招待して」

 

「いいんですか?そんないきなり」

 

「いいわよ。どうせ最終決定は私なんだし」

 

 

 

「この"スーパーアイドル矢澤にこ"が直接見てあげるわ…」

 

 

 

 これから来る"嵐"を…!

 

 

 




どうも!銀河のかけらです!17話いかがでしたでしょうか?
PVキターーー!です。そして夢夜空キターーー!です。

この「夢で夜空を照らしたい」って曲は、私はラブライブにハマる前は曲を何個かは聴いてたんですが、なんかイマイチだなって思ってました(あの時の私を殴りたい)。でも、歌詞の意味を考えるようになって、この曲ってとても深いなぁって気付いたら好きになってました。

少し関係ない話をまた1つ…。投稿時間ですが…平日はおそらくできて20時頃になると思います。それより遅くなるかもですが、そこは許してください。

そして、スーパーアイドル矢澤にこ!?だ、ダレデショウネ?ワタシハシラナイデスヨソンナヒト…。

…それでは今回は以上!銀河のかけらでした!


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18話

や、やってしまった…昨日執筆サボってしまった…テヘペロ。

自分でやってなんですが…うざいですね。

というわけで少し時間遅れました。

それでは18話どうぞ!


 〜響視点〜

 

「すごいすごい!奇跡だよー!!」

 

「奇跡って…、少し大袈裟だろ」

 

「でも5万回再生って凄くない?」

 

 曜まで…、たかが5万回だろ?そんなに凄いもんなのかな?

 

「えええええー?!?」

 

「うおっびっくりしたー。おどかすなよルビィちゃん」

 

「ラ、ランキング99位ですよ!しかも急上昇ランキング1位!」

 

 へーそんなに上がってるんだー…は!?99位!?

 

「なんでそんなに上がってるの!?え?パソコン壊れた?」

 

「響が1番はしゃいでるじゃない」

 

「うるさいぞヨハ君。口を閉じなさい」

 

「だから.ヨ•ハ•ネ!てか何よヨハ君って!初めて言われたわ!」

 

「あ、何か来てるズラ」

 

「お、ほんとだ。サンキューマルちゃん」

 

「聞きなさいよ!」

 

「はいはいわかったわかった。なになに?東京スクールアイドルワールド?」

 

「え?何それ?」

 

「えーと、今度東京でやるスクールアイドルの大会みたいね」

 

「サンキュー梨子。で、なんでそこからメールが?」

 

「えーと、Aqoursの皆様へ。今度開かれる東京スクールアイドルワールドに参加できませんか?可能でしたら、返信お願い致します。だって」

 

「へー、そんなのくるんだー」

 

「大会に出てみないですか…かー」

 

『…………』

 

『ええええ────!!東京──!!??』

 

 

 

 〜鞠莉視点〜

 

「やっぱり来ると思った」

 

「どういうつもりですの? あの子たちを今、東京に行かせるのがどういうことか分かっているのでしょう?」

 

「ダイヤも期待してるんじゃない?私達の乗り越えられなかった壁を、乗り越えてくれることを」

 

「もし越えられなかったらどうなるか…十分知っているでしょう?」

 

 ええ分かってるわ。そんな事。でも…

 

「避けるわけにはいかないの。本気でスクールアイドルとして、学校を救おうと考えているなら」

 

「変わっていませんわね。あの頃と」

 

 そう言ってダイヤは去っていった。

 

「ダイヤも、あの頃と変わってないわよ」

 

 

 

 〜響視点〜

 

 よーし!今日はイベントのため東京へ出発する日!

 

「さーて、お!梨子おはよう」

 

「おはよう、響君」

 

「あれ?まだ梨子だけ?千歌は?」

 

「えーと…千歌ちゃんは…」

 

「東京トップス…東京スカート!そして!東京バッグ!!」

 

 うわーこいつやってるわー。いたたたた。

 

「東京に行くからってそんなに構えなくても」

 

「そうだぞー。このままだったら絶対横歩かねーからな」

 

「なんで!?」

 

『おはようございます!』

 

 お、その声はルビィちゃんマルちゃん。

 

「おはようってえ?」

 

 あ、この子達も東京初めてだったね。察したわ。

 

「どうでしょう…ちゃんとしてますか?」

 

「おー!」『えーー』

 

「こ、これで…渋谷の険しい谷も大丈夫ずらか?」

 

「何しに行くのマルちゃん。何か掘るの?」

 

「何その仰々しい格好は…。それに渋谷は険しくない」

 

「えー!」

 

「2人共これじゃ田舎者丸出しだよー」

 

「そのセリフ、そっくりそのままおまえに返してやる」

 

「えー!」

 

 

 

「結局普通の格好ズラ」

 

「このままでいいよ」

 

「?ルビィちゃん?どうかした?」

 

「あ!いいえ!ぜんぜんなんでも無いですよ」

 

「そうか。ならいいけど」

 

 ──「ルビィ、気持ちを強く持つのですよ?」

 

「昨日言われたけど、どういう意味なんだろう?」

 

 

 

「ふー!着いた〜さーて、2人はど「響くーん!!」ドワッ!」

 

 なんだなんだ!いきなり曜が飛び込んで来たんだが…。

 

「みんな遅いよ!!大変だったんだからね」

 

「大変?なんかあった?」

 

「いや…街の人の痛い視線が…」

 

「うふふふ…ふふふ…魔都にてこの堕天使ヨハネが冥府より、数多のリトルデーモンを召喚しましょう」

 

「何してんすかヨハさん。痛いっすよ」

 

『くっくっく。善子ちゃんも、やってしまいましたね』

 

「おまえらもさっきしっかりやってしまってるけどな」

 

「善子じゃなくて〜ヨハネ!!」

 

「うるさい着替えてこい!」

 

 はぁ〜出発する前から疲れる…。

 

「大丈夫?そんなに疲れて」

 

「おー3人共来てくれたんだ。ありがとう」

 

 そこにいたのはよしみ、いつき、むつの3人だった。

 

「これ持っていって」

 

「なにこれ?」

 

「ズラ〜!のっぽパンズラ〜!」

 

「それ食べて、浦女の凄い所見せてやって!」

 

「もちろん。頑張ってくるよ」

 

「行ってきまーす」

 

「東京へ〜堕天!」

 

「お前はさっさと白メイクぐらいは落としてこい!!」

 

 

 

「〜!着いた!」

 

「ここが…あまねく魔の者が闊歩すると言い伝えられる、約束の地・魔都東京…」

 

「お前今日調子良いように言葉出てくんな〜」

 

「ハシャいでると、地方から来たって思われちゃうよ?」

 

「慣れてますーって感じにしないと」

 

 確かに悪目立ちも良く無いしな。

 

「そっか…!ほんと原宿って、いっつもこれだからマジヤバくな~い?フフフフ」

 

「おいみかん頭。ここ秋葉原ですけど」

 

「テヘペロ」

 

「全く、あれ?マルちゃんは」

 

「未来ズラ〜!」

 

「凄いよルビィちゃん!あそこにも!ビルたくさんズラ〜」

 

「少し歩いてこいよ。後で場所教えるから」

 

「ほんとですか?行こう!花丸ちゃん」

 

「良かったの?2人を自由にして」

 

「いいよいいよ。だって…」

 

「すごーい!このグッズ沼津に売ってない!これも!」

 

「制服… 100種類以上…!?」

 

「堕天使ショップ…⁉︎」

 

「他のみんなもう自由行動だし」

 

「梨子もいいの?行きたい店あったらいいよ」

 

「私は別に…!壁…クイ!」

 

「…ごめんなさい。ちょっとトイレ行ってくる」

 

「おう。行ってらー」

 

 はぁ、これでいいのかな…皆バラバラだし。

 

 

 

「はあ、ヨハ君はもういいとして、曜はなんでコスプレしてんの?」

 

「巫女です。どうでしょうか?」

 

『なんか違う気がする』

 

「ここだ!」

 

「これが、μ’sがいつも練習していたって階段…」

 

「はぁ…くるのは久しぶりだな」ボソッ

 

「何か言った?」

 

「いや、なんでもない」

 

「のぼってみない?」

 

「ここを?」

 

「そう!μ'sも登ったここを!」

 

「じゃ、競争だー!」

 

 はぁ、この雰囲気は似てるな。

 

「よーい、スタート!」

 

 ──μ’sがのぼってたんだ…ここを… ラブライブを、目指して!

 

 

 

「ん?これは…歌声?」

 

そこにいたのは、高校生と思われる2人の少女だった。

 

「感じ~よう~♪」

 

「しっかり~♪」

 

『今立ってる~場所~♪』

 

 

 

 これが、これから俺たちの物語に大きく影響する彼女達との出会いだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




どうも!銀河のかけらです!18話いかがでしたでしょうか?
東京に行きましたね!そこでどんな物語が展開されるのか…お楽しみに!

そして、ある2人と出会いますが、今後どんな影響されるのか?お楽しみに!

うーん、もう少しオリジナルを入れたいなーというわけで少しずつオリジナルも入ってくると思います。それもお楽しみ!

一日2話投稿とか…やってみたい!てな訳で今日明日頑張ります!

それでは今回は以上!銀河のかけらでした!


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19話

今回少し長くしすぎたかな…まあいっか。

それでは19話、どうぞ!


 〜響視点〜

 

「こんにちは、歌、上手なんですね」

 

 その2人は俺たちの事を静かに見ていた。

 

「…もしかしてAqoursの皆さんですか?」

 

「私達の事を知っているんですか?」

 

「PV見ました。素晴らしかったです」

 

「あ、ありがとうございます」

 

「もしかして、明日のイベントでいらしたんですか?」

 

「ええ」

 

「じゃあ、楽しみにしてます」

 

「理亜、行きますよ」

 

「…………」

 

 理亜というのか…、その子は俺たちの方へ走り出すと、俺たちの上を飛び越えた。

 

「へえ、これは凄い跳躍力ですね」

 

「…それでは」

 

「…凄い歌声だったな」

 

 明日のイベント…?ああ、そういうことかな。

 

「ってもうこんな時間だぞ。早く行くぞ」

 

 やっぱり簡単にはいかないかな…。

 

 

 

 俺たちは今日泊まる旅館に着いた。

 

「落ち着くズラ〜」

 

「そうだね〜ヨーソロー!」

 

「はぁ…、曜は大丈夫だと思ったのに…」

 

「ん?何か言った?響くん」

 

「いいや、なにも」

 

 ほんとロクなやつがいない…。

 

「フッフッフ…これこそ、この堕天使ヨハネの本当の姿」

 

『机に登らない!』

 

「おみやげに買ったけど、夜食用にも取ってあるず…」

 

「え!?」「これ旅館のじゃ無かったの?」

 

「まるのバックトゥザぴよこ万十~!!」

 

「もういいズラ!これも食べるズラ!」

 

「そろそろ布団敷かなきゃ…おっとっと…」

 

「ちょ待てルビィちゃんそれ絶対無理だろ!」

 

『うわー!』

 

「ただいまお風呂上がりました…ってえ?どういう状況?」

 

「千歌いいところに、助けて…」

 

「ちょっとまっててー」

 

「それはいいから助けろー!」

 

 

 

「ふう、ひどい目にあった」

 

「あ!そういえば音ノ木坂、この近くなんだって」

 

 それを聞いた時、2人が少し反応した。

 

「音ノ木坂…か」

 

「今から行ってみない?皆で! 一回行ってみたいって思ってたんだー」

 

「…ごめん、私はいい。先寝てるから、みんなで行ってきて」

 

「…俺も悪いけどパスで。今は行く気にはなれないかな」

 

「…やっぱり、寝よっか」

 

「そうだね」

 

 悪いことしたかな。次は行ってやるか。

 

 そして俺たちは眠りについた。

 

「んん…天使……」

 

 だが響は1人眠れなかった。

 

「東京の夜も久しぶりだな…って何言ってんだ…俺」

 

「響君?」

 

「梨子?悪い起こしちゃったか?」

 

「いいえ、私も眠れなくて」

 

「あれ、2人共眠れないの?」

 

 なんだ…千歌も起きてたのか。

 

「ごめんね…なんか、空気悪くしちゃって」

 

「ううん、こっちこそ。ごめん」

 

「2人は音ノ木坂にいたんだよね?」

 

「ああ」「そうね」

 

「って2人は会わなかったの?」

 

「違うクラスだったしな…俺はあんまり行かなかったし…」

 

「ごめん…聞いちゃいけなかったかな」

 

「いや、大丈夫」

 

 すると、梨子が話し始めた。

 

「…音ノ木坂って、伝統的に音楽で有名な高校なの」

 

「私、中学の頃ピアノの全国大会行ったせいか、高校では期待されてて…」

 

「期待に応えなきゃって…いつも練習ばかりしてて」

 

「でも結局、大会では上手くいかなくて…」

 

 なるほど…過度な期待に耐えられなかった感じか…。

 

「… 皆が見送りに来てくれて、嬉しかったけど、実はちょっぴり怖かった。期待に応えなくちゃって…失敗できないぞって…」

 

「寝よう。明日の為に。俺はトイレ行ってくるから…おやすみ」

 

『おやすみなさい』

 

 …期待…か。いいな。期待してくれる人がいて…。

 

 そして、俺たちの東京での一日目を終えた。

 

 

 

 〜千歌視点〜

 

「よーし!おはようみんな!」

 

「おはヨーソロー!」

 

「あれ、響君は?」

 

「ああ、少し電話来たから、先行っててだって」

 

「そう、じゃいこっか」

 

「早く行きましょう!」

 

「あ、ルビィちゃん待って〜」

 

 そして、みんなは走り始めた。憧れだった東京を!

 

 ──すごい!どこを見ても新しい景色。内浦とは違う景色。これが…東京!

 

 千歌は憧れだった東京に来れてとても嬉しい気持ちだった。

 

 だけど…起きてしまった。"事件"が…。

 

「痛っ…ごめんなさい」

 

 ルビィが歩いていた男にぶつかってしまった。

 

 ルビィはすぐに謝った。しかし、その男は…許してくれなかった。

 

「いってーこれ折れてるかも…」

 

「大丈夫かよ」

 

「何してくれてんの?お嬢ちゃん?」

 

「え?えっと」

 

 ルビィは、いきなりの事で慌てていた。

 

「ルビィちゃん?どうしたの?」

 

 後ろを走っていた他の5人も来た。

 

「あ、その子の友達?その子がぶつかってきたんだよ」

 

「そ、そんな?その人が突然…」

 

 ルビィが言ったように、その男はルビィにぶつかるように走ってきていた。

 

 だが、そんなの通用しなかった。

 

「どうしたんだ?」

 

「その女がぶつかってきたんだよ」

 

 その男は仲間がいた。6人もの…。

 

「今回は申し訳ありませんでした」

 

「どうか、許してくれないですか?」

 

「千歌ちゃん…」

 

 千歌はリーダーとしてすぐに謝った。

 

「どうしよっかなー」

 

「なぁ、よく見たら6人共良い女じゃないか?」

 

「確かに…しかもJKじゃね?」

 

「ひっ……」

 

「じゃあ、これから俺たちの相手したら許してやるよ」

 

「それは困ります…。これからイベントがあって…」

 

「へー、なんかしてんの?」

 

「スクールアイドルを…」

 

 それを聞くと…彼らの目が光り出した。

 

「じゃあ二つのうちどっちか選んで」

 

 二つ…良かった。許してくれるんだ。

 

「これから俺たちの相手をするか…

 

 慰謝料100万をここで払うか」

 

 100万!?そんなの持ってるわけない…。

 

 すると、それを聞いた梨子が怒った。

 

「ちょっと…ぶつかっただけでそれは酷いです。行こう皆…」

 

 逃げようとしたが…囲まれてた。しかもここは人目のない場所。

 

 ど、どうしよう。リーダーとしてどうにかしないと…でも、どうしたら…。

 

「どっちなの?さあ、選んで?」

 

「ごめんなさい。私にはいかないといけない場所があります。なので、今回は許してくれないでしょうか」

 

「…そうはいかないの分かってるでしょ」

 

「時間切れ〜じゃあ、相手してもらおう」

 

「いこーぜ」

 

「ひっ……」

 

「ほら、行くぞ」

 

 彼らが千歌の手を掴もうとした時、1人の少年が現れた。

 

 それは、彼女達がよく知る人だった。

 

「てめえら…汚い手で触ってんじゃねーよ」

 

『響くん!!』

 

 

 

 〜響視点〜

 

「あ?誰だお前?」

 

「私は彼女達のマネージャーです」

 

「マネージャーか?あいつがぶつかってきたんだよ」

 

「それは申し訳ありませんでした。ですが、私には脅してるように見えましたが?」

 

 すると、千歌達が口を開いた。

 

「そいつら、100万要求してきたの」

 

「そ、そうしないと相手してもらうって」

 

 へーそんな事したんだ。

 

「ありがとう千歌、ルビィちゃん。話してくれて」

 

「どういうことだよ?それがぶつかっただけで要求することか?」

 

「…もういい。力ずくでもでやってやるよ」

 

 力ずく!?どうしよう…

 

 千歌は、響のほうを見たが、彼は笑っていた。

 

「へえ、俺に力ずく?いいの?

 

 死ぬよ?」

 

 その瞬間、そこにいた全員に悪感が走った。

 

「う、うるせえ!いくぞお前ら!」

 

『おお──!!』

 

 男達は一斉に響の方へ走って来た。

 

「くたばれ──!!」

 

「くたばれ…か。面白いこと言うね。

 

 

 

くたばるのはお前だよ」

 

 

 

 そういうと、一瞬で男達を倒してしまった。

 

 その時の顔はAqoursの皆が知ってる響じゃなかった。

 

「うぅぅ…、強い…」

 

「起きろよクズども」

 

「どうする?ここで死ぬか…」

 

「いや、めんどくせーわ。今回だけは見逃してやる。だけど、二度と現れんじゃねーぞ」

 

「は、はい!」

 

 そういうと、男達は凄い速さで去っていった。

 

「ダッサ…イキってたくせに雑魚じゃねーかよ」

 

「響くん…」

 

「大丈夫かルビィちゃん?」

 

 するとルビィちゃんは泣いて抱きついて来た。

 

「うわぁ──ん!怖かった…」

 

「大丈夫だよ。気をつけるんだぞ」

 

 すると次から次へと飛び込んで来た。

 

「響くーん!」

 

「ありがとう!」

 

「見直しちゃったよ!」

 

「流石リトルデーモンだわ!」

 

「ヨーソロー!」

 

「おい!そんなに来たら潰れる…」

 

 てか曜とかただ飛び込みたかっただけだろ!

 

 でもなんでだろう。少し楽しい。

 

「ほーら、早く会場行かなきゃだろ」

 

「そうだった!早く準備しなきゃ!」

 

「それでは!全速前進!」

 

『ヨーソロー!』

 

 今日ぐらいは…のってやるよ。

 

 

 

 

 

 

 

「イタタタ」

 

「なかなかやりますね」

 

「ああ、流石だよ」

 

「おい、お前ら、あいつらはどうだった?」

 

「はい!奴は予想以上の強さです」

 

「スクールアイドルの方もかなりの精神力でしたぜ」

 

「そうか。もう下がっていいぞ」

 

『はい!』

 

 響達はまだ知らなかった。響にとって、最悪な計画が、

 

「響。お前に輝きなんて似合わない。俺と一緒に…

 

 

 

暗闇にまた落としてやるよ」

 

 

 

 既に動き始めてる事を……。

 

 

 

 

 

 




どうも!銀河のかけらです!19話いかがでしたでしょうか?

今回はAqoursが男と少しトラブルになる回でした。
東京にはこんな人いそう…いや、偏見か。でも、無事でよかった〜。
次回はとうとうイベントです。お楽しみに〜。

そして!次回は今日中に出したいと思ってます。まだ絶賛執筆中ですが、絶対完成させるので、お楽しみに〜

それでは今回は以上!銀河のかけらでした!


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20話

とうとう一日2話投稿が叶ってしまった…!

夢が叶いました。

それでは20話、どうぞ!


 〜響視点〜

 

「ふー、でなんでここに来たんだ?」

 

 響達は、あるスクリーンの前に来ていた。

 

「ここで初めて見たんだ。スクールアイドルを…μ’sを」

 

「そういえばそうだったね」

 

「なるほど。始まりの場所ってことか」

 

「…ん?」

 

 すると、スクリーンにLoveLive!と映し出された。

 

「今年のラブライブ!が発表になりました!!」

 

 そうか。そういえば今日だったな。

 

 そこにはアキバドーム、エントリースタートと英語で書いてあった。

 

「アキバドーム…」

 

 "前"はアキバドームじゃなかった。俺にとっても新しい挑戦ってことか…!

 

「出るの?ラブライブ」

 

「私は…」

 

「まさか、出ないなんて言わないよな」

 

「もちろん!出るよ!」

 

 すると、俺たちは円陣を組んだ。

 

「μ’sがそうだったように、

 

 学校を救ったように!

 

 今、全力で輝こう!」

 

 

 

『お──!!』

 

 

 

 ──────────────────────────────

 

 

 

 そして俺たちは会場に着いた。

 

「すみません、Aqoursですけど」

 

「あ、Aqoursさんね。今準備してるから、君達もスタンバイしててね」

 

『はい!』

 

 この人ってあの時司会してた人か。まだ続けてたんだな。

 

「あ、そうだ。ランキングもつくからね」

 

「ランキング?」

 

「ええ。会場のお客さんの投票で、出場するスクールアイドルのランキングを決めることになったの!」

 

 へー、実質大会みたいなもんか。

 

「いいんじゃない?今の実力が知れるしさ」

 

「それに、上位に入れば一気に有名になるチャンスってことですか」

 

「そうね!Aqoursの出番は2番目!」

 

「チャンスなんだ…頑張らなきゃ!!」

 

「よし、準備してきて。では、失礼します」

 

 俺たちはその場を後にした。

 

 だが、司会の人には何か引っかかっていた。

 

「んー?あのマネージャー…何処かで見たような」

 

 

 

 〜千歌視点〜

 

「よし!メイクも衣装もOK!」

 

 みんなも大丈夫かな?

 

「おはヨーソロー!」

 

「おはヨーソロー?」

 

「緊張がとけるおまじないだよ」

 

 

 

「や、やっぱり無理ですぅ…」

 

「ルビィちゃん、ふんばルビィずら」

 

 

 

「フッフッフ…今こそ、ラグナロクを「今ラグナロクはいいから」最後までいわせなさいよ!」

 

 

 

 みんな大丈夫そうだね。

 

 さて、会場は…

 

「すごい人です…」

 

 うわぁ、すごい人。超満員だよ。

 

「頑張れよ!俺は観客から観てるから」

 

『うん!』

 

 すると、昨日会った2人が歩いて来た。

 

「よろしくお願いしますね」

 

「スクールアイドル…だったんですか」

 

 すると、もう1人の子が私達を睨んで来た。

 

 あのジャンプした子だ…!

 

「見てて。私達、セイントスノーのステージを」

 

「トップバッターはこのグループ!Saint Snow!」

 

 そして、彼女たち、Saint Snowのパフォーマンスが始まった。

 

 

 

 

 

 最高だと言われたいよ 真剣だよ We gotta go!

 

 

 夢は夢でも簡単に届かない

 

 特別なもの目指そうじゃないか

 

 そのためだから泣いたりしない

 

 敵は誰? 敵は弱い自分の影さ

 

 

 わかるでしょう?

 

 弱い心じゃダメなんだと

 

 感じようしっかり いま立ってる場所

 

 SELF CONTROL!!

 

 

 最高!(One more chance time!)

 

 言われたいみんなにね (最高だと言われたいよ)

 

 Dance now! Dance now!

 

 最高!(One more chance time!)

 

 言わせるって決めたんだよ (真剣だよ遊びじゃない)

 

 Dance now! Dance now!

 

 

 遠くの光へもっとBaby! 一緒に跳びたいもっとBaby!

 

 ふるえる指先知ってても見ないで

 

 大切なのは SELF CONTROL!!

 

 

 

『わああああー!!』

 

「ありがとうございました!続いて、人気急上昇中のフレッシュなスクールアイドルAqoursの皆さんです!」

 

「……。」

 

「千歌ちゃん」

 

「よし!行こう!」

 

 そして、Aqoursのパフォーマンスが始まった。

 

 

 

 〜響視点〜

 

「Aqoursの皆さん、ありがとうございました!続いては…」

 

 響は驚いて言葉も出なかった。

 

「…レベルが違う」

 

 Saint SnowとAqoursを見た感想だった。

 

「Aqoursだって、正直言って完璧だった。だけど、Saint Snowはそれ以上だった」

 

「それに、全体的にレベルが高い」

 

「まだまだだな」

 

 そして、響は観客席から立ち去った。

 

 

 

「お疲れ様、みんな!」

 

「……。」

 

 はぁ〜、やっぱり自分達でも分かったか…。結局上位には入ってなかった。

 

「大丈夫だって。ほら、さっさと着替えて東京観光でもしてこい」

 

「ほんとズラか?」

 

「ああ、でも、俺はこれから会場の片付け手伝うし、これから東京で、しなきゃいけないから、先帰っててくれ」

 

「え、そうなの?」

 

「ああ、楽しんでこいよ」

 

「…うん、ありがと」

 

 そして6人は会場を後にした。

 

「さーて、俺も会場の片付けを…」

 

「あ、Aqoursのマネージャー君」

 

「あ、お疲れ様です」

 

「ねぇ、君って西木野響くんだよね?」

 

「はい、そうですけど?」

 

「やっぱり、あの時のマネージャーだよね?」

 

「…覚えててくれたんですね」

 

「当然!あの頃は君の事噂になってたからね」

 

 確かにそりゃ噂になるよな。

 

「そうだ。順位って教えた方がいいかな?正直教えるか迷ってるんだけど」

 

 なるほど…。なんとなく分かったよ。あんたの言いたいこと。

 

「見せてやってください。今の実力、現実は知る必要がある」

 

「そう!じゃ、君にも教えるよ」

 

「いえ、私はなんとなく分かってるのでいいです」

 

「そう、分かった!」

 

「では、私は片付けがあるので」

 

「そうだ!言い忘れる所だった!このイベントの主催者があなたを呼んでたわよ」

 

「…?主催者が?わかりました」

 

 主催者?俺に?なんの用が?

 

 謎に思いながら俺はその部屋に向かった。

 

 

 

「失礼します。Aqoursのマネージャーです」

 

「入りなさい」

 

 そう聞こえたので、俺は中に入った。

 

 すると、1人の女性が後ろを向いて立っていた。

 

「失礼します。主催者がお呼びだと聞いたのですが…」

 

「ふぅん。やっぱりあんただったのね。Aqoursのマネージャーは」

 

 その女性が振り返った瞬間、俺に衝撃が走った!

 

「覚えてるでしょ。私の事」

 

 忘れるわけない!その顔、声!全てに馴染みがあった。

 

「当たり前だよ。久しぶりだな…

 

 

 

にこ…!」

 

 




どうも、久しぶりです(約3時間ぶり)!銀河のかけらです!20話いかがでしたでしょうか?
6人での初めてのライブがありましたが…Saint Snowの「SELF CONTROL!!」…!神曲すぎる!これは勝てん!

そして、矢澤にこが登場!?響との関係とは…?次回もお楽しみに〜!

そしてここからは個人的な話ですが、「輝きと暗闇」が20話まで行きました。
しかもUAが3500近くもなっていて驚きです。
いつも感想を頂く方々、お気に入りに登録してくれた方々、本当に感謝しかありません。ありがとうございます!
これからも「輝きと暗闇」は全速力で駆け抜けて行くので、どうかこれからもよろしくお願いします。

これからも執筆頑張ります!ヨーソロー!
それでは今回は以上!銀河のかけらでした!
いや〜早い!あっという間ですね!


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21話

あれ?なんか今週結構投稿してたな…まいいや。

それでは21話、どうぞ!


 〜響視点〜

 

「なんでにこがここに?」

 

 お前は確か…アイドルになったはずじゃ…!

 

「なんでってそりゃ、私がこのイベントの主催者だからよ」

 

「なるほど。そうゆうことか」

 

「真姫から聞いたけど、音ノ木坂、退学したそうじゃない」

 

「ああ、ちょっと色々あってね」

 

「色々…ねえ…、まぁいいわ。今はそうしといてあげる」

 

「で、主催者様が俺に何の用?まさか、ただ顔が見たかったで呼び出したんじゃないだろうな?」

 

「…悪いの?顔が見たいから呼んじゃ」

 

「俺も暇じゃないの!失礼するぞ」

 

 俺はその部屋から出ようとした。だが、にこのある一言でその足は止まった。

 

「結果。見なくていいの?」

 

 なんだよ。結果結果って…、そんなの分かってるんだよ。

 

「なんとなく分かるよ。良くないんだろ」

 

「分かってても見たほうがいいわよ。絶対にこれからに繋がる」

 

 それを言ったにこの目は、少しだが威圧感があった。

 

「分かったよ。見ればいいんだろ?見れば」

 

「分かればよろしい。はい、これ。心の準備はできた?」

 

「そんなもんとっくに出来てるよ」

 

 響はにこに渡された順位表を見た。

 

 そこには、ポイントと順位が書かれていた。

 

 もちろん、上位にはAqoursは無かったが、Saint Snowが9位にいた。

 

「あれで9位…レベルが高い」

 

 下まで見たが、Aqoursはいなかった。

 

「2枚目は…」

 

 そろそろいてもいいけど…いない。

 

 ずっと下までいくと、いた。Aqoursの名が…。

 

「30組中30位…最下位…か」

 

 少し予想はしてたけど、いざ出されると心にくるな。

 

「得票数は?……!」

 

 俺は得票数を何回も見直した。けど、変わらなかった。

 

「…ゼロ?は?」

 

「あなた達Aqoursは0ポイント。要するに誰からも評価されなかったのよ」

 

「誰からも…?Aqoursが?俺達が作った曲が?」

 

「信じられないかもしれないけど…現実よ」

 

 ふざけんな…!ゼロ?俺たちがあんなに頑張った結果が…ゼロ?

 

「何かの間違いかよ…にこ!!」

 

 響はにこの胸ぐらを掴んで、叫ぶように言った。

 

「お前は分かって…こうなるのを分かって呼んだのかよ!おい!」

 

「あなたのスクールアイドルは5年前で止まってる。その意味分かる?」

 

「…何が言いたいんだよ」

 

「あなたが思ってるより、スクールアイドルは大きなものになってるのよ」

 

「………!」

 

 響はそれを聞いてにこを離した。

 

「7236…これが分かる?」

 

「去年のラブライブの出場したグループの数よ」

 

 待てよ。1回の時の10倍以上!?

 

「ははは…そういうことかよ」

 

 俺の気持ちも甘かったってことかよ。馬鹿だな、俺も。

 

「μ'sとA-RISEにより、スクールアイドルの人気は絶大なものとなった」

 

「まぁでも、今回は仕方ないわよ。知名度もまだまだ。これからね。Aqoursは」

 

「なぁ、一つ聞いていいか?」

 

「何?」

 

「「夢で夜空を照らしたい」、正直言ってどうだった?」

 

「さっきの曲?これ、あんたが書いたの?」

 

「いや、俺は編曲」

 

「そう、だったら言うわ。"あの時"と比べるなら全然ダメね」

 

「3割程度ってところかしら。真姫が聴いたら絶対怒る出来ね」

 

 そっか。出来てると思ってただけだったんだな。

 

「じゃ、期待してるわよ。Aqours」

 

 にこはこう言い残して出て行った。

 

 響は1人壁にもたれかかっていた。

 

「情けねー。千歌をバカにできねーな」

 

 響は静かにそこに座り込んだ。

 

 ─────────────────────────

 

「はぁ、すぐ帰ってもいいけど、帰りづらい」

 

 もうAqoursのみんなにも伝わったはず。落ち込んでるだろーな。

 

「特に千歌。あいつは無理してそうだしな」

 

「あら、偶然ですね」

 

 …Saint Snow。

 

「なんですか?笑いにでも来たんですか?」

 

「いいえ、そんなことしませんよ。

 

 … 素敵な歌で、とても良いパフォーマンスだったと思います。

 

 ただ、もしμ’sのように、ラブライブを目指しているのだとしたら…諦めた方がいいかもしれません」

 

 ……!なん…だと、

 

「行きますよ」

 

「おい!そこのお前!」

 

「…なんだよ」

 

「…バカにしないで。

 

 ラブライブは…遊びじゃない!」

 

「………!!」

 

 そう言い残して、去って行った。

 

 響は、何も言わず歩いた。

 

 そして、人気のない広いところに出てきた。

 

 そこで……叫んだ。

 

「くそ────────!!!!!!」

 

「はぁはぁ…」

 

 言い返せなかった…!本気でやってるのに…言い返せなかった。

 

 ラブライブは遊びじゃない?

 

「そんなのはなから分かってるんだよ!!」

 

 そして、響は我に帰った。

 

「…帰ろう。そして、あいつらを見返す!1からスタートだ!」

 

 そして、響は帰路にたつのだった。

 

 ───────────────────────

 

 〜鞠莉視点〜

 

「果南?」

 

「ダイヤから聞いた。千歌達のこと

 

 どういうつもり?」

 

「何が悪かったの?街の人も学校の人も、スクールアイドルだと応援してくれたじゃない」

 

「ラブライブに優勝して学校を救うとか、そんなのは絶対に無理なんだよ」

 

「だから、そのまま諦めろっていうの?」

 

「私はそうすべきだと思う」

 

「…果南」

 

 鞠莉は微笑みながら、両手を差し出した。

 

 いつもしていた、ハグをするように。

 

 しかし、果南はその横を通り過ぎて行った。

 

「(誰かが、傷付く前に…)」

 

「…!私は…諦めない!

 

 必ず取り戻すの!あの時を!

 

 果南とダイヤとうしなったあの時を!」

 

 鞠莉は涙を浮かべながら、去って行く果南に叫んだ。

 

「私にとって、宝物だったあの時を…」

 

 

 

 〜響視点〜

 

 響は内浦に帰ったその足であの海に来ていた。3人と出会った。あの海に。

 

「どうしたらいいと思う?相棒?」

 

 響はギターに向かってつぶやいた。

 

「…あの曲歌ってみるか」

 

 響は、エレキギターにアンプを繋いで、軽く音を出した。

 

「始めよう。初めて作った曲で。また…」

 

 

 

 There's no way to run away

 

 Take me to my way.

 

 Can you see that I'm here?

 

 Tell me what you know.

 

 

 

 Help…

 

 

 

 あぁ置き去りになった感情論

 

 右も左も消え去っていた

 

 誰かが望んでいた信仰心

 

 そんなもんはない

 

 

 

 ゆらゆら揺れる希望と

 

 嵐のような絶望感に

 

 苛まれた僕の心臓(こころ)

 

 どうか見ないでくれ

 

 

 

 願っても 何度願っても

 

 まだ誰一人も救えてやしない

 

 

 

 歌がサビに行く時、こちらに走ってくる人影があった。

 

 響は歌うのを止めた。

 

 その人影の正体は…

 

「…梨子?」

 

 梨子はとても慌てた様子だった。

 

「響君…はぁはぁ」

 

「大丈夫か?落ち着け。何かあった?」

 

「千歌ちゃん…見なかった?」

 

「千歌?見てないけど」

 

 それを聞いた梨子は、顔が青くなった。

 

「千歌ちゃん、海の方に行ったの。それで…」

 

「海?全然見てないけど…」

 

 駅か?いや、俺が通ってきた道しかない。それじゃあどこに?

 

 ……まさか!?

 

響は最悪のパターンを見つけてしまった。

 

「海の中!?」

 

 

 

 

 

 




どうも!銀河のかけらです!21話、いかがでしたでしょうか?

ライブの結果が伝えられたわけですが、辛すぎる…。最下位、しかも得票数ゼロ。でも、これがあったからスクールアイドルの厳しさ、難しさが分かったと思う場面なので、辛いけどなくてはならないシーンだと思います。

そして、響が歌った曲。「なんだこれ?ラブライブの曲じゃねーじゃん」と思った方、いると思います。そうです。ラブライブの曲じゃないです。今回響に歌ってもらったのは天月-あまつき-さんで「Ark」という曲です。
なぜ、この曲かというと、響の今の想いと合っていたからです。
今後も、響が歌う曲はラブライブの曲とは限らないので、お楽しみに!

それでは今回は以上!銀河のかけらでした!


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22話

わー何も言うことがないー。

それでは22話、どうぞ!


 〜響視点〜

 

「千歌…!千歌!」

 

 あいつ…もしかして海に飛び込んだ!?まさか!?

 

「いや、あいつならやりかねない」

 

 千歌はあいつと似てる。要するに1人で抱え込もうとする。最下位…しかも得票数0の責任はあいつが1番感じてるはず…!

 

「くそっ!」

 

 響も海の中に向かった。

 

「響君!危ないわよ!」

 

「うるせぇ!それより千歌だよ!」

 

「千歌!どこだ!千歌!」

 

「千歌ちゃん!いたら返事して!」

 

 くそっ、さっむ!早く見つけないと俺もおかしくなる。

 

「千歌〜!」

 

 すると、海の中から…

 

「誰か呼んだ?」ガンッ!

 

『痛った〜』

 

 響はいきなり下から上がってきたものに頭をぶつけてしまった。

 

 誰だよぶつかったの…

 

「千歌ちゃん!」

 

「千歌?」

 

 そこにいたのは紛れもない…リーダーだった。

 

「千歌!バカかお前!何してたんだよ!」

 

「えっと… 何か、見えないかなって…」

 

 なるほど…千歌なりに考えてたってことか。

 

「それで、見えたの? 」

 

「ううん、何も見えなかった」

 

 そして千歌は1人語った。

 

「でもね、だから思った。続けなきゃって。

 

 私、まだ何も見えてないんだって

 

 このまま続けても、0なのか…それとも1になるのか、10になるのか。

 

 ここでやめたら、全部わからないままだって…」

 

 そして強く言った。

 

「だから私は続けるよ。スクールアイドル。だってまだゼロだもん

 

 あれだけ皆で練習して…

 

 衣装も作って、PVも作って、頑張って頑張って…輝きたいって…

 

 なのに0だったんだよ?悔しいじゃん!」

 

 千歌は涙を浮かべながら言った。

 

「差が凄いあるとか、昔とは違うとか…そんなのどうでもいい!悔しい!」

 

 すると、梨子が海に入ってきて千歌を包み込むように抱きしめた。

 

「良かった…

 

 やっと素直になれたね」

 

「だって私が泣いたら、皆落ち込むでしょ…?

 

 今まで頑張ってきたのに…せっかくスクールアイドルやってくれたのに…だから…」

 

 はぁ…あいつと同じだよ。ほんと。

 

「バカね。みんな千歌ちゃんのためにスクールアイドルやってるんじゃないの。自分で決めたのよ」

 

「そうそう、俺たちは1人のスクールアイドル。ま、俺は違うけど。でも、それが何かの縁でAqoursになった。それだけのこと」

 

「だから、みんなで一緒に歩こ。一緒に」

 

 すると、4人の人影が見えた。

 

『おーい!』

 

 みんな…なんでここに?

 

「みんな…来てくれたんだ…てうわっ!善子!こっちに水かけんな!」

 

「わざとじゃないわよ!なんでここだけ深いのよ…」

 

 みんなも海の中に入ってきた。

 

 すると、千歌が…声を出して泣いた。

 

 今までの…気持ちを吐き出すように…

 

「今から0を100にするのは無理だと思う

 

 でも、もしかしたら1にすることは出来るかも」

 

「うん!」

 

「千歌?落ち着いたか?」

 

「うん。ありがとう、みんな」

 

「礼なんていらねーよ。仲間だろ?」

 

 そして、空が…

 

『うわぁ〜!!』

 

「凄い!さっきまで曇ってたのに…」

 

 まるであの時みたいだな。こんなに晴れるなんて…。

 

 そして、太陽を見て…響が1フレーズ歌った。

 

 

 

 終わりから始まったストーリー

 

 ここでずっと眠っていたんだ

 

 紡いだ想い 全部きっと残っている

 

 ねぇそうでしょ?

 

 

 

「響くん!」

 

「今の曲…なんですか?」

 

「これはな…俺が初めて1人で作った曲」

 

「μ'sが歩んだ道だって最初は0だった。

 

 でも、その点と点が一つになって1になり、10になった。

 

 最初から完璧な奴なんていない。

 

 でも、俺たちは7人もいる。

 

 ゆっくりでいい。

 

 俺たちと一緒に1を探しに行こう…

 

 千歌!みんな!」

 

『うん!』

 

 そして、俺たちAqoursは0から1にする冒険が始まった。

 

 ──────────────────────

 

「よーし、練習いこう!」

 

「うん!」

 

「ヨーソロー!」

 

「ズラ」

 

「はい!」

 

「ギラン!」

 

「ああ、リーダー」

 

 あれから、あの結果の紙はホワイトボードに貼っている。

 

 忘れないために…俺たちの"0"を。

 

 「さて、行きますか!」

 

 よし行こう!と思ったその時、響の携帯に一通のメールが届いた。

 

「…またかよ」

 

 そしてそのままそのメールを消した。

 

「どうしたの?」

 

「ああ、最近迷惑メールが多いんだよ」

 

「え、大丈夫なの?それ」

 

「大丈夫だろ。多分」

 

「何かあったら教えてね」

 

「…ああ、そうする」

 

「よし、練習…」

 

 今度は、着信が鳴った。

 

「なんだよ!もう…みんな、悪いけど先行ってて、追いつくから」

 

「分かった。よーし行こう!」

 

「全速前進〜」

 

『ヨーソロー!』

 

 はは、楽しそうで何より。

 

「さて、誰から…って非通知?」

 

 響は少し警戒しながら…出た。

 

「…もしもし?」

 

 相手の声は…機械のような声だった。

 

 …変声機を使ってる?

 

「お前はいずれまた暗闇に包まれる…今は光でも、それは破滅へと向かって行くだろう…楽しみに待ってい──」

 

 響はそこまで聞くと電話を切った。

 

「うっわ怖え〜!なんだこれ?宗教?それとも善子と同類のやつ?」

 

 やっぱりスマホ変えた方がいいかな…

 

「ま、無視し続ければ、収まるだろ」

 

「さて、練習練習」

 

 響はそのまま気にせず走って行った。

 

 

 

 だが、響はここで一つのミスを犯した。

 

「…様!奴に電話をかけました!」

 

「おお、御苦労。下がれ」

 

「はい!」

 

「…順調みたいだな…」

 

「ああ、それもこれも、お前が情報をくれたおかげだ。礼を言うぜ」

 

「礼なんていいさ。俺はあいつが壊れる姿を見れればな」

 

「はっ、相変わらずクズだな」

 

「お前もな」

 

『ははははは!』

 

 2人は大きく笑った。これからのことを想像して…。

 

 

 

 響は知らなかった。いや、知るわけがなかった。

 

「お、千歌!遅いぞーペース上げて〜!」

 

 今、響に2つの暗闇が迫っていることに…。

 

 

 

 




どうも!銀河のかけらです!22話、いかがでしたか?

出ました名シーン!この0から1へと言う言葉、とてもいいですよね。私もこれを見てから、いきなり上手くなくても、0から1に出来るように頑張ろうって思うようになりました。

そして、今回も天月-あまつき-さんの「Ark」を使わせていただきました。
この後に「誰かが歩んできた道も点と点が今線になって」という言葉があるんですが、このシーンにとても合ってるんですよね。

さて、色々進んできましたが!次回から3年生です!明日は2話投稿を予定してますので、お楽しみに〜!

それでは今回は以上!銀河のかけらでした!


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23話

さーて…私が1期で1番好きな9話だーー!

それでは23話、どうぞ!


 〜鞠莉視点〜

 

「私…スクールアイドルやめようと思う」

 

 果南から、急に言われた。

 

「なんで?まだ引きずっているの?東京で歌えなかったくらいで…」

 

「鞠莉、留学の話が来てるんでしょ?行くべきよ」

 

「前に言ったでしょ?その話は断ったって」

 

「ダイヤも同じ意見。もう続けても意味が無い」

 

 ダイヤは下を向いたまま、その話を聞いていた。

 

 そ、そんな…いや、まだ諦めない!

 

「果南!ダイヤ…!」

 

 鞠莉は東京で着たスクールアイドルの衣装を2人に出した。

 

 しかし、その後言われた言葉は、鞠莉の希望を打ち砕くものだった。

 

「終わりにしよう」

 

 〜響視点〜

 

「夏祭り!?」

 

「屋台も出るずら」

 

「そう、その祭りのイベントにAqoursが呼ばれたってわけ」

 

 屋台は知らんけど…まぁ出るだろ。

 

「あれ?善子寝て…」

 

「これは…痕跡… 僅かに残っている気配…」

 

「ヨハくーん、何してんすか?」

 

「どうしよ。東京行ってからすっかり元に戻っちゃって…」

 

「沼津の花火大会っていったら、ここら辺じゃ一番のイベントだよ?

 

 そこからオファーが来てるんでしょ?」

 

「そ、中々のビックオファーだろ!」

 

「でも…あんまり練習時間ないよね…」

 

「…確かに」

 

 うーん、でも出た方が絶対いいし…。

 

「千歌ちゃんは?」

 

「私は、出たいかな!

 

 今の私達の全力を見てもらう。

 

 それでダメだったら、また頑張る!

 

 それを繰り返すしかないんじゃないかな」

 

 千歌…!リーダーとして…変わったな。ほんとに。

 

「ヨーソロー!賛成であります!」

 

「右に同じ」

 

「よーし、夏祭りに向けて頑張ろー!」

 

『お──!』

 

 よし、決まったなら、曲だな。

 

 ん?千歌。何か難しい顔してる?

 

「何かあった?そんな難しい顔して」

 

「この前果南ちゃんと喋ったんだけどね」

 

 ──ー「ん?」

 

「やってたんだよね?スクールアイドル」

 

「聞いちゃったか。……ちょっとだけね」

 

「果南ちゃん、どうしてスクールアイドルやめちゃったんだろう…」

 

「生徒会長が言ってたでしょ?

 

 東京のイベントで歌えなかったからだって」

 

「あ、善子に戻った」

 

「ヨハネ!」

 

「でも、それでやめちゃうような性格じゃないと思う…」

 

 なるほどね…。

 

「俺も同感かな。何度かあったけど、一度の失敗で諦める性格とは到底思えない。

 

 何か裏がある…とか?」

 

 響達は、練習のため海岸に出てもその話をしていた。

 

「まさか…天界の眷族が憑依!!」

 

「んなわけあるか!?」

 

「もう少しスクールアイドルやっていた頃のことが分かればいいんだけどなぁ…」

 

 少し考えると…全員同じ方を向いた…ルビィだ。

 

「ルビィちゃん、ダイヤさんから何か聞いてない?」

 

「小耳に挟んだとか」

 

「ずっと一緒に家にいるのよね?」

 

「ルビィちゃん?」

 

 ルビィは全員の圧力を受けた。

 

「ぇ…ぁ…ぇっ…」

 

「ピギャ──!」

 

「あ!逃げた!」

 

「ギラン!」

 

 逃げたルビィを善子が追いかけた。

 

 ってか意外と善子足速いな。

 

「堕天使奥義、堕天流拘縛!」

 

 うん、技かけるのやめようか?

 

「止めるズラ」

 

「…はい」

 

 よしナイスマルちゃん。

 

「さて、部室で話してもらうよ。大事なことだし」

 

「…はい」

 

 

 

「ルビィが聞いたのは、東京のライブが上手くいかなかったって話くらいです」

 

「ただ…」

 

「ただ?」

 

「この前鞠莉ちゃんが家に来た時にお姉ちゃんが…

 

 ──ー「逃げてるわけじゃありませんわ

 

 果南さんのことを逃げたなんて言わないで」

 

 って言ってたのを…」

 

 なるほど…やっぱり3人の間で何かあったんだな。

 

「さて、少し探ってみるか」

 

「探るって?」

 

「探ると言えば…

 

 

 

 尾行だろ」

 

「にしてもこんな朝早く…」

 

「まだ眠いズラ」

 

「よし、ついて行くぞ」

 

 7人は果南のランニングをバレないように追いかけた。

 

 だけど…

 

「はぁ…はぁ…」

 

「果南先輩…走んの早すぎ」

 

 全然ついていけねー。

 

「お、いたいた」

 

 頂上に来たけど…何するんだ?

 

「何してるの?」

 

「千歌…いや、分からん」

 

 すると、果南先輩はステップを踏んで、踊り出した。

 

「す、スゲェ」

 

「綺麗…」

 

 めっちゃ上手だ。多分Aqoursの誰よりも上手い。そんな気がした。

 

「誰か来たよ」

 

「あれは…理事長?」

 

「復学届、提出したのね

 

 やっと逃げるのを諦めた?」

 

「勘違いしないで。学校を休んでいたのは父さんの怪我が元で…それに、復学してもスクールアイドルはやらない」

 

 やっぱりする気はないみたいだな。

 

「私の知っている果南はどんな失敗をしても、笑顔で次に走りだしていた。

 

 成功するまで諦めなかった」

 

「卒業まであと1年もないんだよ」

 

「それだけあれば十分。それに今は後輩もいる」

 

「だったら千歌たちに任せればいい。どうして戻ってきたの?

 

 私は戻ってきて欲しくなかった」

 

「果南は相変わらず頑固な…「もうやめて」」

 

「もうあなたの顔見たくないの」

 

 そして、果南は帰って行った。

 

「諦めないわよ…果南」

 

 鞠莉も、すぐに帰った。

 

「…はぁ〜、凄い修羅場…朝から参るな…みてると」

 

 にしてもそうとう想いがすれ違ってる気がする…。

 

「さーて…どうしたもんか」

 

 

 

 ──────────────────ー

 

「うーん…」

 

「かなり深そうだな」

 

「…そういえば果南ちゃん今日から復学らしいよ」

 

「え?そうなの」

 

 ってことは今頃…

 

 その果南は鞠莉にあの頃の衣装を出されていた。

 

「果南…?」

 

 そして、そのままそれを掴んで、窓から捨てた。

 

「ん?」

 

「なんか落ちてくる」

 

「あれって…」

 

 やばいなんか曜の目がめっちゃ光ってるんだが…

 

「制服ぅぅぅー!!」

 

『ダメ──!!』

 

「は!危なかった〜」

 

「バカかお前!なんで飛び込んでるんだよ!

 

 ヨハネになって翼でも生えたつもり?」

 

「くしゅん!」

 

「どうしたズラ?」

 

「風邪…?」

 

「いや、誰か噂してたような…」

 

「善子ちゃんの噂だなんて…」

 

「何よ!」

 

 響達4人は、衣装が落ちてきた3年の教室に来ていた。

 

「すみません、通してください…って何してんだ?あれ」

 

 そこにあったのは、なんとも3年らしくない光景だった。

 

「たった1度失敗したくらいで、いつまでもネガティブに!!」

 

「うるさい!いつまでもはどっち!?

 

 今更スクールアイドルなんて!!」

 

「2人ともおやめなさい!みんな見てますわよ!

 

 いくら粘っても果南さんが再びスクールアイドルを始めることはありませんわ!」

 

「どうして!あの時の失敗はそんなに引きずること?!

 

 チカっちたちだって再スタートを切ろうとしているのに、なんで!!」

 

「千歌とは違うの!!

 

 鞠莉だって他にやるべきことあるでしょ!」

 

 あ〜もう!なんかイライラすんな!って

 

「千歌?どこに…」

 

「いい加減にしろーっ!!」

 

「おー、結構出てたな、今の声」

 

「もう何かよく分からない話をいつまでもずーっと、ずーっと、ず──っと!

 

 隠してないでちゃんと話しなさい!!」

 

「ダイヤさんも、鞠莉さんも、3人揃って部室に来て下さい」

 

「私もですの?」

 

「はい!」

 

「私は嫌だ。今日は帰る!」

 

「あ、ちょっと!果南ちゃん!」

 

「私も生徒会がありますし…」

 

「ダイヤさんまで…」

 

 いや、押されてんな〜。よし、加勢してやっか。

 

「いいんですか?拒否しても?」

 

「なんで響さんがここに?」

 

「いや、生徒会長?それ、千歌にも言ってください」

 

 なんだ?ポンコツじゃあるまいし。

 

「先輩と生徒会長、挙げ句の果てには理事長も、後輩の頼みが聞けないと…なるほどなるほど」

 

「響くん…少し抑えて」

 

 流石に千歌が止めようとしたが…響は止まらなかった。

 

「いいですか?こんなにいつまでも引きずって後輩に心配させるつもりですか?

 

 もう一度言います。3人は放課後部室に来てください!

 

 あ、ちなみに先輩方の選択肢は、"はい"か"はい"しかないですからね?

 

 分かったら言い訳言わずさっさと部室に来てください!」

 

『…はい』

 

 先輩達は小さく返事をした。

 

「聞•こ•え•ま•せ•ん•よ!!」

 

『はい!!』

 

 全くさっさと応じれば良いものの…先輩方は…ん?先輩?

 

 すると、満足したのか、急に我に帰った。

 

 あ、やばいこれ。状況とはいえ先輩に怒鳴っちゃった。しかも理事長と生徒会長。これ普通だったら退学案件じゃん。

 

 そんなこと考えてると、周りが喋り始めた。

 

「ねぇ、凄くない?」

 

「先輩にこんなに言えるって凄いわ〜」

 

「千歌ちゃんってスクールアイドルの子だよね!」

 

「可愛い〜!」

 

「響くん?結構イケメンじゃない?」

 

「だよね〜」

 

 あ、やったわこれ。終わった。

 

 すると、響と千歌の目があった。やはり、思ってることは同じのようだ。

 

「千歌」「響くん」

 

『やっちゃったね……』

 

 今後の自分達の学校生活に酷く不安を抱く2人であった。

 

 

 

 

 

 

 

 




どうも!銀河のかけらです!23話いかがでしたか?

さてさて、今回は9話の前編ということで、部室に呼び出されましたが、そこで3人は何を話すのか?お楽しみに〜!

そして、24話は今夜投稿予定です。頑張ります。

それでは今回は以上!銀河のかけらでした!


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24話

さあ、2話投稿だ!

それでは24話、どうぞ!


 〜響視点〜

 

「だからぁ…東京のイベントで歌えなくて!」

 

「それは生徒会長から聞きました」

 

「けど、それで諦めるような果南ちゃんじゃないでしょ?」

 

「そうそう!千歌っちの言うとおりよ」

 

「なにか事情があるんだよね?」

 

「そんなものないよ。私が歌えなかっただけ」

 

「あー!イライラする!このくだり何回目だよ!」

 

「その気持ち、よ~く分かるよ!

 

 本当に腹立つよね、コイツ!」

 

「勝手にマリがイライラしているだけでしょ?」

 

「でも、この前弁天島で踊っていたような…」

 

 あ…そういえば…。

 

「ふふ…果南先輩めっちゃ顔赤い」

 

「おぉ?赤くなってる~。

 

 やっぱり未練あるんでしょ~?」

 

 すると、果南先輩は立ち上がって…

 

「未練なんてない。

 

 とにかく私は、もう嫌になったの」

 

 そして、ドアの前で、

 

「スクールアイドルは、絶対にやらない」

 

 と言って帰ってしまった。

 

「ダイヤさん、何か知ってますよね?」

 

「え…ぃゃ…私は何も…」

 

「声小さくなってますけど」

 

「じゃあどうしてさっき、果南さんの肩を持ったんですか?」

 

「何か知ってるんですか?」

 

「そ、それは…」ダッ!

 

「あ!逃げた!」

 

「いけ!善子!」

 

「ギラン」

 

 そして、ルビィにやった時と同じ技を出した。

 

「ぎぃやぁああああ…!!」

 

「だからヨハネだってば〜!」

 

 よーし、よくやったヨハ君。

 

「…分かりましたわ。全て…話しましょう。

 

 私の家に行きましょう」

 

 はぁ…やっと真実がわかるな。

 

 ────────────────ー

 

『歌わなかった!?』

 

「東京のイベントで果南さんは歌えなかったんじゃない。わざと歌わなかったんですの」

 

「…どうして?」

 

「まさか、闇の魔じゅ…」

 

「黙りなさい」

 

「…はい」

 

「あなたのためですわ。

 

 あの日、鞠莉さんは怪我をしていたでしょう?」

 

 怪我?ああ…なるほどな。なんとなく分かったわ。

 

「私は、そんなことしてほしいなんて一言も…」

 

「あのまま進めていたら…

 

 怪我だけでなく、事故になってもおかしくなかった」

 

「心配していたのですわ。

 

 あなた、留学や転校の話がある度に、全部断っていたでしょう?」

 

「果南さんは思っていたのですわ。

 

 このままでは自分達のせいで、鞠莉さんから未来のいろんな可能性が奪われてしまうのではないかって」

 

 ──ー「本当に断るの?もし向こうで卒業すれば大学の推薦だって…」

 

「いいんです。

 

 私、スクールアイドル始めたんです。学校を救うために」

 

「まさか…それで」

 

「果南さんはずっとアナタのことを見てきたのですよ?

 

 貴方の立場も、

 

 あなたの気持ちも…

 

 そして、あなたの将来も

 

 誰よりも考えている」

 

「行ってこいよ…」

 

「…響?」

 

「行け!理事長!そして…お前の想いを…気持ちをぶつけてこいよ!

 

 このまま絆が壊れる前に…

 

 

 

行ってこい!鞠莉!!!」

 

 

 

「ええ!」

 

 鞠莉は走り出した。

 

 雨が降っていても…転んでも…立ち上がり…走った。

 

 果南が待つところへ。

 

「響くん?」

 

 響は目に涙を浮かべていた。

 

「俺みたいにはなるな…

 

 一生後悔するぞ…」

 

「響…君?」

 

「よし、追うぞ」

 

『うん!』

 

 〜鞠莉視点〜

 

「…なに?」

 

 来た…果南。

 

「いい加減、話をつけようと思って」

 

「果南が私のことを想うように、

 

 私も果南の事考えているんだから」

 

「将来なんて今はどうでもいいの」

 

「果南が歌えなかったんだよ?放っておけるはずない! 」

 

 そして、果南に近づき…おもいっきり…ビンタした。

 

 一度もしたことない初めてのビンタ…。

 

「私が…私が果南を思う気持ちを甘く見ないで!」

 

「だったら…素直にそう言ってよ!

 

 負けられないとかじゃなく…

 

 ちゃんと言ってよ!」

 

 果南もそれに続いて想いを鞠莉にぶつけた。

 

「だよね…だから」

 

 鞠莉は自分の頬を指さした。

 

 私にもしてと言わんばかりに…。

 

 果南はビンタをしようとした…。

 

 だけど…果南はビンタをしなかった。

 

 代わりに…今までの想いを…包み込むように…言った。

 

「ハグ…しよ?」

 

 2人で今までにないくらい、泣いた。

 

 しかし、その涙は"暗闇"から光へと変えていった。

 

 

 

 〜響視点〜

 

「よかった…本当によかった…」

 

 響も…泣いていた。

 

「もう、響くんが泣いてどうすんの?」

 

「そうだな…すまん」

 

「にしても、ダイヤさんて、本当に2人が好きなんですね」

 

「私は別に…それより、これから二人を頼みましたわよ

 

 あの人は頑固ですので」

 

「じゃあ、ダイヤさんがお願いします」

 

「私が!?…しかし、生徒会の仕事が…」

 

「そんなの簡単ですよ?」

 

「私達で手伝えばいい…でしょ?響くん!」

 

「ああ、1人では難しい事もここには9人もいる…頼ってください。私達Aqoursを…」

 

 すると、ルビィがあの時の衣装を出した。

 

「親愛なるお姉ちゃん。

 

 ようこそ!Aqoursへ!」

 

 それを…少し微笑んで受け取った。

 

 そして…Aqoursは…10人となった!

 

 ──────────────────

 

 そして、その日の部活で正式に3年生が加入した。

 

『ようこそ!Aqoursへ!」

 

「よろしく!」

 

「よろしくね!」

 

「よろしくお願いしますわ」

 

「よーし!これで10人!花火大会頑張るぞー!」

 

『お──!!』

 

 みんな一つになったはずだが…1人…とても慌てていた。

 

「ちょっと待って!花火大会っていつ?」

 

「あと…2週間後ですわ」

 

「千歌ちゃん…歌詞は…?」

 

「あ…全くやってない…」

 

『えええええ──ー!!!』

 

「どうするの!?」

 

「ぶっぶーですわ!それだからダメなのですわ」

 

「ダイヤさん、ストップです」

 

 そして、響はあるCDを渡した。

 

「これ…何?」

 

「俺が…作ったんだ」

 

「え!?」

 

「この数日の体験をそのまま書いてみた」

 

「凄いわ!流石響ね!」

 

「ねぇ、聞いてみない?」

 

「あ、いいね」

 

 そして、CDプレーヤーを準備している時、果南先輩が聞いてきた。

 

「そういえば、この曲名ってなんなの?」

 

「えーと、決めてませんでしたが…

 

 そうだ、これにします

 

 

 

未熟DREAMER」

 

 

 

 いつもそばにいても

 

 伝えきれない想いで こころ迷子になる

 

 ナミダ忘れてしまおう

 

 歌ってみよう いっしょにね

 

 

 

 言葉だけじゃ足りない

 

 そう言葉すら足りない故に すれ違って

 

 離れてしまったことが

 

 悲しかったの ずっと気になってた

 

 

 

 わかって欲しいと願う

 

 キモチがとまらなくて きっと傷つけたね

 

 それでもあきらめきれない

 

 自分のワガママ いまは隠さないから

 

 

 

 力をあわせて 夢の海を泳いで行こうよ

 

 今日の海を・・・!

 

 

 

 どんな未来かは 誰もまだ知らない

 

 でも楽しくなるはずだよ

 

 みんなとなら 乗りこえられる

 

 これからなんだね お互いがんばろうよ

 

 どんな未来かは 誰もまだ知らない

 

 でも楽しくしたいホントに

 

 みんなとなら 無理したくなる

 

 成長したいな まだまだ未熟DREAMER

 

 

 

 ──────────────────

 

 公演が終わった後、果南先輩が一つ話した。

 

「Aqoursか…。

 

 私たちのグループもAqoursって名前だったんだよ」

 

 は?まじかよ!?

 

「そんな偶然が…」

 

 いや、偶然にしては出来過ぎ…

 

 響はなんとなくわかると、笑いだした。

 

「あははは!これはやられたな」

 

「何?どういう事?」

 

「私も、千歌たちも、まんまと乗せられたんだよ。誰かさんに」

 

 

 

 




どうも!銀河のかけらです!24話、いかがでしたか?

よかった…加入したー!これで全員揃ったぞ!
にしても、ここまで24話って早すぎか?いや、そんな事ないか。

次回から、お楽しみの合宿!合宿の所はこの物語において、とても大切なので、お楽しみに〜!

それでは今回は以上!銀河のかけらでした!


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25話

はっはっは!今日は2話投稿出来るぞ!
皆のもの!褒めるがよい!

はい、それでは25話、どうぞ!


 〜梨子視点〜

 

「う〜〜…、千歌ちゃん…」

 

 梨子はメールで歌詞と催促をしていた。

 

 まぁ案の定出来てなかったが…。

 

「明日には必ず…か」

 

 全く…10人になったから頑張るぞーって言ってたのに…

 

「はぁ……ん?」

 

 呆れていると、メールがまた来た。

 

「千歌ちゃんかな…って別の人?」

 

「……あっ…」

 

 梨子に来たメールは…ピアノのコンクールの参加についてだった。

 

 梨子はそのメールを何か考えながら見つめるのだった。

 

 

 

 〜響視点〜

 

「よし、これでいいか」

 

 響は、明日の練習メニューを組んでいた。3年も入ったけど…流石にまだ本調子じゃなさそうだしな。

 

「予選までには間に合うようにしないと」

 

「う〜〜ん、少し疲れたな…そうだ!久しぶりにYouTube見てみるか」

 

「へー、見ない間に結構再生されてるな…Aqoursの動画」

 

 響は少しでも知名度が上がるように何本か動画を公開していた。

 

「この前の花火大会のも伸びて…あ……」

 

 響は一つの動画を見た。いや、見てしまった。

 

 そして、すぐパソコンを閉じた。

 

「…まだ流石に見る勇気はねーよ」

 

 

 

 〜善子(ヨハネ)視点〜

 

「では、次回の配信でまた会いましょう…」

 

「う〜よし!今日は視聴者数もコメント数もなかなかだったわね!」

 

 善子は先程の配信が好評だったので上機嫌だ。

 

「ふんふーん、コメントもしっかり確認しないとね」

 

 こういう事も堕天使として、重要なはず。

 

「うーん、気になるコメントは…ん?」

 

 善子は、あるコメントに目が止まった。

 

「なになに?ある歌い手の曲が良い曲ばかりです。聴いてみてください…か」

 

「…まあ、せっかくコメントしてくれたし、聴いてみますか」

 

 善子は、貼ってあったURLを押した。

 

 そして、動画が再生された。

 

「へー、なかなかいいじゃない?」

 

 善子はまだ前奏だったが、良い印象を持っていた。

 

「どんな歌声なのかしら?」

 

 そして、その歌い手が歌い始めた時、善子は驚いた。

 

「ちょっと待って!この歌声…って、まさか!」

 

 聞き間違い?いや、そんなはずない!何度も練習する時聴いた、あの声だ…。

 

「どういう事?」

 

 善子は後半は驚きのあまり、全く聴けていなかった。

 

 

 

 〜響視点〜

 

「あつ〜い」

 

「ズラ〜」

 

「天の業火に闇の翼が」

 

 何してんだよ…。それと善子…その格好、倒れるぞー。

 

「このマントは、私のいち──」

 

「あ、そういうのいいから」

 

「最後まで聞きなさいよ!」

 

「さて!いよいよ今日から夏休み!」

 

「サマーバケーションと言えば?」

 

 夏休みといえば…か。

 

「サマーバケーションと言えば?」

 

「やっぱり海かな〜」

 

「夏休みは、パパが帰ってくるんだ」

 

「フェスかな…」

 

「夏コミ!」

 

 あれ、違った?

 

「ブッブー!!ですわ!」

 

 うおびっくりしたー。

 

「あなた達、それでもスクールアイドルなのですか?」

 

「えー、別に間違ってないと思うけど…」

 

「全く…ルビィ?夏といえば?」

 

「たぶん、ラブライブ!」

 

「さすが我が妹。可愛いでちゅねぇ」

 

「がんばルビィ!」

 

 やばい…生徒会長の頃のダイヤさんと見ると違和感しかねー。

 

「何よこの姉妹コント」

 

「コント言うな!」

 

 よく言った善子。

 

「夏といえば、ラブライブ!

 

 ラブライブ予選を目指して、Aqoursはこの特訓を行います!」

 

 へー、特訓ね〜。

 

「あっつ…飲み物飲み物」

 

「これは、独自のルートで手に入れたμ’sの合宿のスケジュールですわ」

 

「ぶ──ー!ゲホッ!ゲホッ!」

 

「大丈夫?響くん?」

 

「あ、ああ…」

 

 おいおいどこルートだよ。完全にあいつのじゃねーかよ。

 

 てかそもそもやってない。

 

「ランニング10キロ?」

 

「遠泳15キロとか…自衛隊?」

 

「てか、俺のメニューもヘトヘトなのに出来んの?」

 

「熱いハートがあれば何でも出来ますわ」

 

「ふんばルビィ!」

 

 精神論じゃねーかよ。

 

「なんでこんなにやる気なの…」

 

「ずっと我慢してただけに、今までの想いがシャイニしたのかも」

 

「っさ、外に出ますわよ」

 

「お──!」

 

 いやダイヤは良いけどさ…ルビィちゃんはなぜにそんなやる気なん?

 

「そういえば千歌ちゃん、海の家の手伝いがあるって言ってなかった?」

 

「あ、そうだ!自治会で出してる海の家手伝うように言われてるのです」

 

 すまんが思ってる事丸わかりだけど、今回は言わなくていーや。

 

「残念ながら…」

 

「もちろんサボりたいわけではなく…」

 

 すると、ダイヤが不気味な顔で笑っていた。

 

 え?なに?怖い怖い!

 

「じゃあ、昼は皆で海の家手伝って…涼しいモーニング&イブニングに練習ってことにすれば良いんじゃない?」

 

『合宿?』

 

「ほら、うち旅館でしょ?

 

 頼んで1部屋借りれば、皆泊まれるし」

 

「合宿かー、面白そう」

 

「でも、急に皆で泊まりに行って大丈夫ずらか?」

 

「なんとかなるよ!」

 

「よし、そうと決まれば今日は解散するか」

 

「それでは、明日の朝4時!海の家集合ということで」

 

 はっや!4時て…起きれるか?

 

 すると、いつもは何か反応してた善子が、何か難しい顔をしていた?

 

「どしたの?ヨハ君。なんか悩み事?」

 

「いや、別に何でもないわ?」

 

「……そう、分かった。何かあったら言えよ」

 

「ありがと」

 

「合宿で聞いてみようかしら?」ボソッ

 

 ん?梨子も…何か難しい顔してる。

 

「まぁ、梨子には、千歌とかもついてるし、いっか」

 

 さて、明日の準備でもしますかね。

 

 

 

 




どうも!銀河のかけらです!いかがでしたか?

さてさて、合宿編1話でしたが、ダイヤちゃんが…ポンコツになってゆく…。
あの賢かった生徒会長はもういません。

そして、善子が見た歌い手とは…?次回もお楽しみに〜!

次回は今日中に…
今回は以上!銀河のかけらでした!


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26話

さて、物語、動くかも……………?

それでは26話、どうぞ!


 〜響視点〜

 

「ははは…誰もいねーじゃんかよ」

 

 俺は、ダイヤが言った通り4時に来たが…誰もいない。

 

「ま、予想してたけど…俺って真面目だな!」

 

 まぁかく言う俺は徹夜で寝てねーけど。

 

「あれ?響くんズラ?」

 

「ん?マルちゃん!?なぜここに?」

 

「なぜって…今日は4時集合だったよね?」

 

 マル…!なんて純粋なんだ…!

 

「あれ?みんなは?」

 

「みての通り全員遅刻だよ」

 

「へー遅刻か〜、遅刻!?」

 

 よし、全員後で怒っとこう。

 

 ──────────────

 

「う〜」

 

「面目ないであります」

 

「まさか本当だとは…」

 

「何やってんすか?」

 

 今、全員を正座させて説教中だ。

 

「まさか本当に4時だとは思わないでしょ!」

 

「うるさいです。俺とマルちゃんはしっかり来たんだ。

 

 こちとら4時間待ったんだぞ」

 

「申し訳ないです」

 

「特に千歌。お前はせめて来い」

 

「…はい」

 

「あれ?ルビィちゃん?ダイヤは?」

 

「お姉ちゃんは…」

 

「遅れましたわ!」

 

 …よし、処罰は決まった。

 

「あ…響さん?もしかして、怒ってます?」

 

 そして、響は満面の笑みでダイヤに近づいた。

 

「よくお分かりで」

 

 そして、ハリセンでおもいっきり殴った。

 

「ビギィャャャャ!!」

 

「うわー」

 

「凄いの入ったね……」

 

「よし、合宿始めますか」

 

『お、お──』

 

 一波乱あったが、無事に合宿が始まった。

 

「痛い…痛いですわ……」

 

 ──────────────

 

「とりゃー!」

 

「や──!」

 

「よーし!サーフィン!」

 

「ふー、極楽極楽」

 

「……おい、梨子…なんで俺たちは海で遊んでんだ?」

 

「え……?さあ?」

 

「ま、まぁ練習は午後からするので…」

 

 いやあんたが言うなよ。

 

「手伝いは午後からって言ってましたわね?確か…」

 

 そしてダイヤは海の家を探したが…あるのはオンボロなやつだった。

 

「はて…そのお店はどこですの?」

 

「現実見ろー」

 

「それに比べて、隣は…人がいっぱい…」

 

 確かに…あっちには負けたくない…かな。

 

「私たちはラブライブ決勝を目指しているんでしょう?

 

 あんなチャラチャラした店に負ける訳にはいかないわ」

 

「鞠莉さん、あなたの言うとおりですわ!」

 

 いや、負けたくないのは同意ですが、ノリが体育会系なんですが…。

 

 すると、どこから出したのか、千歌と梨子に何か着させた。

 

「千歌さん、梨子さん、この海の家にお客を呼ぶのですわ!」

 

「私達が救世主となるのです!」

 

 いや、救世主とか何か言ってますけど、潰れそうなんて言ってないですよ?

 

「全く…ダイヤはスイッチ入るといつもおうなんだから…」

 

「さぁ、果南さんはこのチラシを!

 

 あなたのそのグラマラスな水着姿で、お客を引き寄せるのですわ!」

 

「他の砂利共では女の魅力に欠けますので」

 

「なんか顔怖いよ…」

 

 砂利って…てかそれだと、あなたも砂利なんですか?

 

「砂利って何?」

 

「知らない方がいいと思う」

 

「曜さん、鞠莉さん、善子さん、アナタ達には料理を担当してもらいますわ」

 

「あなたたちの料理でお客様を喜ばせるのですわ!」

 

「よーし!」

 

『レッツクッキング!』

 

 曜は手慣れた手つきで、焼きそばとオムライスを合わせた、ヨキソバを作った。

 

「へー、美味そうじゃん」

 

「でしょでしょ!」

 

 これなら少しはお客さん増えるか…

 

「クックック…」

 

 …なんだこの笑い声は…

 

「堕天使の涙、降臨!」

 

「アンビリーバボー、シャイ煮、コンプリート」

 

 ダメだ一気に不安になってきたわ。

 

「さぁ、これで客がドッバドバと!」

 

 ………………

 

「なんで来ないんですのー!?」

 

「そんなすぐ来たら苦労しねーよ」

 

 そんな事言ってたら客が何人か来た。

 

「あ、いらっしゃいませ」

 

「ここが千歌達が手伝ってる海の家~?」

 

「皆に連絡したら、すぐ来てくれたよ!」

 

「最初はそんなもんですよ」

 

「最初からこうすれば良かったんだね!ほんとダイヤはおバカさん」

 

「ほんと、オ・バ・サ・ン」

 

「お、上手い!鞠莉座布団1枚!」

 

「全く上手くありませんわ!

 

 そして一文字抜けてますわ!」

 

 ──────────────

 

 はっはっはっ……

 

 夕方になり、現在ランニング中だ。

 

 もちろん俺も走る。みんなだけさせるってのも悪いし。

 

「はぁはぁ…ゴール!」

 

「きつ──!やっぱ果南速いな。後半きつかったぜ」

 

「いや、ついてくるだけでも凄いよ」

 

「あれ?みんなは?」

 

 2人は振り向くと…全員倒れてた。

 

「はぁ…だからキツイって言ったのに…」

 

「うぅこんな特訓をμ’sはやっていたのですか…」

 

「凄すぎる…」

 

 いや…うん……なんか申し訳ないわ。

 

 

 

「はい!次は体幹だぞ!」

 

「ぐぬぬぬぬ」

 

「き、キツイ」

 

「どわっ!」

 

 千歌が倒れて、その拍子にルビィ、善子、花丸が倒れてしまった。

 

「はい、30秒追加ね?」

 

『鬼──!!』

 

 そして、一日目の練習が終わった。

 

「ひぃ…ひゃっこい…」

 

「それにしてもμ’sって凄い特訓してたんだね!」

 

 …ほんとに申し訳ないからもう言わないでくれ…。

 

「アンタ達!他のお客さんもいるから、絶対うるさくしたらダメだからね!」

 

『は──い!』

 

 そして、夕食だが…

 

「みと姉が、余った食材は自分達で処分しなさいって…」

 

 お!ヨキソバか!

 

「シャイ煮と…堕天使の涙…全く売れてなくて…」

 

「申し訳ない(デース)」

 

 うんもう分かってた。

 

「でも、興味ない?」

 

「それって、どんな味がするんですか?」

 

「食べてみたいズラ!」

 

『いいですわ!』

 

「え〜、俺は嫌な予感しかしないんだが…」

 

 そして、シャイ煮と堕天使の涙?を出してきた。

 

「さ、召し上がれ!」

 

「えいっ!もぐもぐ… ん!?シャイ煮美味しい!」

 

「まじで?…ほんとだめっちゃうめぇ」

 

 悔しいがめっちゃ上手い。

 

「でも…中に何が入ってるの?!」

 

「てか、明らかに高級食材が入ってるような…」

 

「シャイ煮は、スペーシャルな食材で作った、究極の料理デース!」

 

「それって、一杯いくらするの?」

 

「え?10万円くらいかな?」

 

 それを聞いて、全員吹き出した。

 

「高すぎるよ!」

 

「全く成金は…」

 

「えっと、じゃあこの堕天使の涙を」

 

「じゃあ俺も…」

 

 響とルビィは堕天使の涙を食べた。

 

 すると、2人とも顔が赤くなってきた。

 

「ルビィ?どうしましたの?」

 

「ビギィャャャャ!」

 

「辛い辛い辛い辛い──!」

 

「ごほっがほっ!かっら!なんだよこれ!」

 

「何を入れたんですの!?」

 

「タコの代わりにタバスコで味付けした、これぞ堕天使の涙」

 

「ふざけんなよ!完全に罰ゲーム食じゃねーかよ!」

 

「ん?てかお前平気なの?」

 

「え?美味しいじゃない」

 

 嘘だろ?舌おかしいんじゃ…。

 

「そうだ千歌?歌詞は?」

 

「まだ。良い歌にしないとね」

 

「……」

 

 そして、梨子はピアノコンクールのメールを削除した。

 

「今回はいいよね」

 

「あ!片付けないと!」

 

「そうですわ!急ぎましょう!」

 

 みんなで片付けてると、1人の人が入ってきた。

 

 その人は肩ぐらいまで伸ばした赤髪だった。

 

「あ、すみません。もうしまっちゃってて…」

 

「あなた達がAqours?」

 

「は、はい」

 

「どうしたの?」

 

「なんかお客さん」

 

「ここに、西木野響って子いるかしら?」

 

「え?いますけど…」

 

「呼んできてくれない?」

 

「わ、分かりました…」

 

「響くーん!」

 

「ん?何か呼んでますわよ」

 

「俺か、ちょっと行ってくる」

 

「なんだよ千歌…そんな大きな声で呼ばなく……」

 

 響は、その人を見た瞬間、黙り込んでしまった。

 

「は?なんでここに?」

 

「知り合い?」

 

「ああ、なんでここに来た?仕事は?」

 

「休みもらったのよ」

 

「全く…いつもすることが大胆だよな…姉さんは」

 

「お姉さん?お姉さんいたの?」

 

「ああ、言ってなかったっけ」

 

 

 

 〜千歌視点〜

 

 あれ?なんか何処かで見たような…。

 

「誰ですの?こんな夜中に」

 

「夜分遅くにわるいわね」

 

「紹介するよ…俺の姉の西木野真姫」

 

「真姫さんか〜……え?」

 

「千歌、ダイヤ、ルビィちゃんならわかるだろ?」

 

『………?』

 

「ま、私も変わってるしね」

 

「ま、そだね。元μ'sの西木野真姫っていえば分かるよな」

 

「なーんだ…元μ's…」

 

「μ's?」

 

…………………………

 

 

『えええええええぇぇぇ〜〜〜〜!!??』

 

 全員が驚いていた。

 

 伝説の1人が、今目の前にいることに。

 

 

 

 

 

 




どうも、銀河のかけらです!26話、いかがでしたか?

とうとう、動いてきましたね!そして、合宿!μ'sの地獄メニューするって凄いな…。私だったら死にます。

そして、μ'sの真姫ちゃん登場!?物語はどうなって行くのか?次回もお楽しみに〜!

それでは今回は以上!銀河のかけらでした!


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27話

言い訳タイム、スタート!

いや、20時には投稿できるように頑張ったんですよ。ですがね、19時に帰ってきて、やばい、まだ出来てない!と思って頑張って書いてました。そして気付いたら机にふしていたんです。私は時計を見ました。22時でした。

結論
ごめんなさい。


「お、お茶をどうぞ…」

 

「ああ、ありがとね」

 

「ほ、ほんとにμ'sの西木野真姫さんですの?」

 

「私がなんで嘘つくのよ」

 

「こら!威圧しないの」

 

「全く…イミワカンナイ」

 

「…で、なんできたの?」

 

「あら、来る理由が無いと来ちゃいけないの?」

 

「あのなー、俺だって暇じゃないの!」

 

「じゃあ、今から理由。作ればいいのね?」

 

「ああ……まあ」

 

「千歌ちゃん…だっけ?合宿の特別コーチになってもいいかしら」

 

「へ……?特別……?へ?」

 

「きゅう……」バタッ

 

「お姉ちゃん!?」

 

「待て待て待て〜ぃ」

 

「どうしたの?響?」

 

 ふざけんな!?嫌に決まってんだろ!

 

「真姫?俺たちも色々忙しいかrドハッ!」

 

 響は千歌、ダイヤ、ルビィによって押し飛ばされた。

 

「本当にいいんですか!?」

 

「ピギィ!お願いします!」

 

「是非!是非お願いしますわ!!」

 

 あ、終わった。

 

「響君、諦めた方が良いわよ?」

 

「そうそう、あの3人を止めれるのはここにはいないし」

 

 はぁ〜、嫌な予感しかねー。

 

「…そうだ!コーチなら一つ宿題を与えた方がいいかしら」

 

「是非!なんでも頑張ります!」

 

 だが、そこで出された宿題は想像以上だった。

 

「Aqoursとして、2曲この合宿で作りなさい」

 

「……え?」

 

「嘘?1週間で2曲?」

 

「そうよ。そしてそれは動画として出すようで、ラブライブ用ではない」

 

 は!?ラブライブ用じゃないのに1週間で2曲!?

 

「待てよ!流石にそれはやりすぎじゃ…」

 

「やります!

 

 真姫さんが言うことなら何か意味があるはずですし、

 

 挑戦してみたいです!」

 

 はぁ…めんどくさいけど…リーダーがやる気だしな。

 

「…千歌が言うなら…やってやるよ」

 

「ありがとう!響くん!」

 

「じゃ、明日も頑張りなさいよ」

 

『はい!』

 

「よーし、そうと決まったら早く寝よう!」

 

 そして、俺たちは十千万に向かった。

 

「…で?なんで真姫もついてくんだよ!」

 

「そりゃ、私も泊まるからに決まってるでしょ?」

 

「デスヨネー」

 

「μ'sとひとつ屋根の下…ふふふ」

 

「やばいダイヤさんがどんどんおかしくなってる…」

 

「じゃ、作詞と作曲は頼んだぞ」

 

「分かってるよ」

 

「じゃ、おやすみ〜」

 

 そして、それぞれの部屋に入っていった。

 

「Aqoursのみんなと一緒に寝ればいいのに」

 

「μ'sのときとわけが違うの。高校生だぞ?俺も」

 

「…部屋で少し話さない?」

 

「…ああ」

 

 なんだ?真姫が話そうなんて珍しいな…。

 

「何?話って」

 

「よかったわね。Aqoursと出会えて。

 

 久しぶりにあったけど、本当に楽しそうだわ」

 

「そうだな。μ'sのとき以来でスクールアイドルに関わって…正直楽しいよ。

 

 今と昔とじゃ、難しさも全然違う。だから楽しいのかもな」

 

「真姫はどうなの?仕事」

 

「順調よ。私の事は気にしなくて良いから、自分のことを頑張りなさい」

 

「…わかった。おやすみ。真姫」

 

「おやすみ…響」

 

 そして、響は部屋を出た。

 

 すると、善子が何故か待っていた。

 

「善子?どしたの?」

 

「…話があるの。ついて来て」

 

「…分かった」

 

 そして、出来るだけ人目の少ない所に来た。

 

「こんなとこまで来て、なんかあった?」

 

「この動画…知ってる?」

 

「……!これは…!」

 

 善子が見せてきたのは…間違いなく俺の過去だった。

 

「やっぱりあなたなのね。なんで隠してたの?」

 

「…ごめん。今は言えない」

 

「じゃあ、なんでいきなり失踪してるの?」

 

「ごめん…それも…いや、」

 

 響は、ここで一つの決断をした。

 

 ここで隠しても仕方ない…か。言おう。

 

「分かった。全て言うよ。

 

 でも、1日待ってくれない?

 

 明日、必ず言うから」

 

「分かったわ。おやすみ」

 

 善子は部屋に戻っていった。

 

 そして、響は一言言って、部屋に戻った。

 

「過去を知って、信じてくれるかな…」

 

 ────────────────ー

 

「はい!ヨキソバ!」

 

 海の家は初日よりは盛況だ。特にヨキソバは人気となっている。

 

「あれ、千歌ちゃんは?」

 

「梨子さんと果南さんと響さんで曲作りにいきましたわ」

 

「…で、どこまでいったの?」

 

「まだ一行しかできてない」

 

「大切なもの?」

 

「なるほど…じゃあ、千歌にとって大切なものについて書けば良いんじゃない?」

 

「でさ、真姫から出された2曲のことだけど」

 

「どうする?千歌がこれだと…」

 

「全員で作らない?」

 

『全員?』

 

「そう、みんなで作ってみた方が今後に役に立つと思って」

 

「いいね、面白そう」

 

 そして、2曲はみんなで作ることにした。

 

 ──────────────ー

 

「で、また売れなかったんですか?」

 

 シャイ煮と堕天使の涙はまた売れなかった。

 

 もう無理だろ。

 

「じゃじゃーん!カレーにしてみました!」

 

 うわ〜なんか闇鍋食べるみたいなんだが。

 

「梨子ちゃんからどうぞ!」

 

「え!?」

 

 梨子、しっかり味を伝えてくれ。それ次第で俺たちも変わる。

 

 そして、恐る恐るカレーを食べた。

 

「ん!?美味しい…!」

 

 は?マジで!

 

 すると響も、食べ始めた。

 

「ほんとだめっちゃうめぇ」

 

「パパから教わった船乗りカレーは、何にでも合うんだ!」

 

 パパさんに感謝だな。これで上手いって。

 

「これなら明日は完売ですわ」

 

 うわーこんな悪い顔する生徒会長初めてみたわ。

 

「てか10万で利益とかもう無理だろ」

 

 するとそこに真姫が来た。

 

「ほら、早く食べて、練習するんでしょ?」

 

「はい!」

 

「私は厳しくいくけど、頑張りなさいよ」

 

『はい!』

 

 そして、真姫の地獄練習が始まった。

 

 

 

「はぁ、はぁ…」

 

「もう、無理…」

 

「立てない…」

 

「え〜どんな練習したんだよ。誰も立ってねえじゃん?」

 

「あ、響。おつかれ」

 

「真姫、少し飛ばし過ぎじゃ」

 

「これくらいしないと、ラブライブは無理よ」

 

 ま、言えてるけど。流石に凄いな。

 

「ほら、早く帰るぞー」

 

「は、は〜い…」

 

「あっ、みんな」

 

「ん?どうしたの響くん」

 

「風呂も入ったら、全員集まってくれない?」

 

「なんで?」

 

「何かあったズラ?」

 

「………!」

 

「話したいことがあるから」

 

「分かった!」

 

 そして、俺たちは帰った。

 

 その帰り道、響と真姫が、

 

「その話って私もいた方が良い?」

 

「ああ、出来れば」

 

 さーて、心の準備でもしますか。

 

 ────────────────ー

 

「全員集まったか」

 

「うん、集まったよ」

 

「そう…」

 

 そして、響は1つ深呼吸をした。

 

「今から話すことは、俺の過去の話だ

 

 でも、正直に言っておく。

 

 聞いて、いい思いはしないと思う」

 

「だから、そういうの苦手な人は寝ていいよ」

 

「大丈夫ですわよ」

 

「私達、どんなことでも受け入れるよ」

 

 みんな…優しいな…。

 

「ありがとう、みんな」

 

 

 

 そして、響は話し始めた。

 

 響の"輝きと暗闇"に包まれた…過去を…。

 

 

 

 




どうも、銀河のかけらです!いかがでしたか?

いや〜、曜パパの船乗りカレー、普通に美味しそうですよね。食べてみたい…。

そして、マジで微妙な時間ですみません。平日はこうなるかもしれませんが、ご理解ください。

そして、次回から響の過去の話です。言ってましたが、良い話ではないです。一部描写が過激な部分があると思うので、苦手な方は遠慮なく閉じてください。

それでは今回は以上!銀河のかけらでした!


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28話

この回から、少し閲覧注意の部分が少しあるかもしれません。
苦手な方は注意してください。

それでは28話、どうぞ!


 〜響視点〜

 

 響は話し始めた。

 

「まずは、少し長くなるかもしれないけど、俺の生まれから聞いてくれ」

 

「俺は、東京で生まれ、父と母に育てられた」

 

「母は会社経営、父はバンドのギタリストとして、今考えると特別なのかな…そんな家で育てられた」

 

「お母さんが経営で、父はギタリストって凄い家ね」

 

「ああ、俺はそんな父の姿が大好きだった」

 

 ──「響、お前はどんな道に進んでもいい。

 

    でも、挑戦することを忘れるな!」

 

   「うん!分かったよ父さん」

 

「良いお父さんだったのね」

 

「ああ、でも、俺はどうしても父さんと同じ道に進みたかった」

 

「小学校に入ってすぐにエレキギターを買ってもらった」

 

「それってこのギター?」

 

「ああ、それが俺と相棒との出会いだった」

 

「俺は一生懸命練習した」

 

 来る日も来る日もギターに励んだ。

 

「でも、小2の頃…母が亡くなった」

 

 ────ッッ。

 

「自殺だった。母はな、不正をしてたらしく、それがバレたことで自殺した」

 

「でも父さんは、それでも仕事を頑張った」

 

 俺を食わせるため。俺に良い高校に入れるため。

 

「でも、父さんにも悲劇が起きた」

 

「ひ、悲劇って…」

 

「父さんのバンドのボーカルが…逮捕された」

 

「逮捕?どうして?」

 

「クスリだよ。やってたらしい」

 

 流石の父さんもこれはショックだった。

 

「最初はフリーで活動しようとしたけど、無理だった」

 

「なんで?凄いギタリストだったんじゃ…」

 

「噂…ね?」

 

「その通りだ真姫。逮捕者を出したバンドのギタリスト。それだけでもマイナスイメージが付いてしまう。これが社会だよ」

 

 そして、響は話を続けた。

 

「そこから、家庭は壊れていった」

 

「父さんは家に引きこもって酒ばかり飲むようになった。

 

 そして、次第に変わっていった」

 

 あれは、夏頃だった。

 

 ──「おい、テメェお金あんだろ。寄越せよ」

 

   「な、なんで?お金なんてないよ…」

 

    すると、父は俺の部屋を隈なく探した。

 

    そして、見つけてしまった。

 

   「おい、こんなにあんじゃねーか」

 

   「そ、それは…僕が頑張って貯めた貯金…これだけは!」

 

   「うるせぇ!」バキッ!

 

   「ウッ!」

 

    父さんは怒り、俺の顔を殴ってきた。

 

   「ウゼェんだよ。失せろガキが!」

 

   「やめ…て…父さん…」

 

    そして、父さんは俺に馬乗りになって何回も殴ってきた。

 

    何度も…何度も…。

 

   「チッ!さっさと金寄越せば良いものの」

 

    父さんはそう言って部屋を出ていった。

 

    俺は殴られた痛さと悲しみに包まれて、立てなかった。

 

「ひ、酷い…!」

 

「そんなことが…」

 

「俺はそこから我が子として扱われなかった。

 

 ただのストレス解消の"道具"として…」

 

「…道具」

 

「殴る蹴るは当たり前。酷い時は…

 

 クスリを吸わされた」

 

『クスリ!?』

 

「クスリって麻薬とか…」

 

「危険すぎますわ。そんなこと…」

 

「大丈夫だったの!?中毒とかは…」

 

「ああ、なんとかな…」

 

「でも、それなら学校とかに言えば…」

 

「無理だった。俺には…学校にも居場所が無かった」

 

 ──「お、死人が来たぞ!」

 

   「ギャハハハ!今日もボロボロの服だね?響くん?」

 

    ………。

 

   「あ、死人にピッタリな花置いといたから」

 

   「つーかさっさと死ねよ。くさーんだよカスが!」

 

    ……………。

 

「いじめ…ね」

 

「ああ、家では虐待、学校ではいじめ。

 

 これ以上ない仕打ちだった」

 

 それに、もしも話したらどうなるか…分かってたからでもある。

 

 そして、秋になった頃、俺は逃げた。

 

「その日は休みだったな…。

 

 朝から、虐待が凄かった。

 

 殴る蹴るを繰り返し、薬物を飲ませて反応を見たりもされた」

 

 もう限界…。そう思った俺は、父さんの目を盗んで逃げた。

 

 走って…走って…

 

「できるだけ遠くに行こうとして、一日中走った。

 

 そして、疲れて、ある家の前に倒れてしまった」

 

 それが…真姫の家だった。

 

「そんな過去が…あったのね」

 

「知らなかったんですか?」

 

「ええ、過去を教えてもらえなかったから…」

 

「本当にそこで助けてもらえなかったら、今の俺はなかった」

 

 そして、西木野家へ引き取られることになった。

 

「そこで、真姫は姉に、今の父さん、母さんと暮らした」

 

 学校も転校した。そして、真姫と一緒に音楽の生活をした。

 

「あの時は、毎日のように響とセッションしたわね」

 

「そうだな。あの時は楽しかった」

 

 新しい学校は、俺を歓迎してくれた。

 

「俺は嬉しかった。ここなら、いじめにも、虐待にも怯えることなく暮らせる。そんなことが何よりも嬉しかった」

 

 

 

「これが小2までの話だ」

 

「凄い辛かったんだね…響くん」

 

「響!質問だけど…」

 

「実の父ってどうなったの?」

 

「果南さん!聞いていいものと悪いものが…」

 

「俺は大丈夫だよ。ダイヤ。

 

 結局、そのまま行方知らず…かな」

 

「そうなんだ…」

 

「じゃあ、次の話に行こう。

 

 俺が小3の頃…。その頃には、編曲も始めていた。 

 

「小3で編曲ってとんでもないわね」

 

「編曲って言っても、真姫が作った曲を軽く編曲するだけだったけど」

 

 俺はそんな毎日が楽しくて仕方がなかった。

 

 そんな俺が…出会ったんだ。

 

 

 

 μ'sに…!

 

 

 

「ダイヤ。μ'sの噂って知ってるか?」

 

「はい…まあいくつもありますが…」

 

「μ's伝説の10人目の噂…って知ってるか?」

 

「10人目?μ'sって9人だったはずじゃないの?」

 

 千歌が首を傾げながら聞いた。

 

「μ'sには、裏に曲作りや、マネージャーとして10人目がいたと噂があるんですわ」

 

「でも、今それと何が関係が…?」

 

「そこまで言ってわかんないの?」

 

「ま…まさか…!」

 

「そう、俺…西木野響が

 

 

 

 μ'sの"10人目"だよ」

 

 

 

 

 

 




どうも、銀河のかけらです。いかがでしたか?

響…、辛いよ。自分で書いててそう思いました。響の過去は、もうしばらく続きますが…辛いです。

次回は、μ'sと響との過去です。お楽しみに!

明日、できたら2話出したい。
それでは今回は以上!銀河のかけらでした!


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29話

すいません!2話投稿は明日にさせてください!

ごめんなさいです。

それでは29話、どうぞ!


 〜響視点〜

 

「俺とμ'sが関わり始めたのは…小3になってすぐだったな

 

 真姫が穂乃果達に曲を頼まれたところからかな」

 

 ──「姉さん?どしたの?」

 

   「ああ響、作曲を頼まれたの」

 

   「作曲!?誰から?もしかしてプロ?」

 

   「そんなわけないでしょ!学校のスクールアイドルからよ」

 

   「スクール…アイドル?」

 

    何だそれ?学校のアイドル?

 

   「今話題になってるわよ。スクールアイドル」

 

   「ふーん…そうだ!俺が編曲してもいい?」

 

   「え!?まぁいいけど」

 

   「やった!

 

    それで、姉さんはしないの?スクールアイドル」

 

   「ヴエエ!?す、するわけないでしょ!」

 

   「ふーん…できると思うけどな…僕は…」

 

    そうして、俺たちはμ'sの曲を作り始めた。

 

「えっ!?μ'sの曲を作ったのですか!?」

 

「真姫さんが全部作ってるかと思った」

 

「私は作曲はできたけど編曲はしたことなかったしね」

 

「それで、μ'sの初ライブを隠れて観に行ったよな」

 

「え?μ'sの初ライブはほとんどお客さんが来なかったと言われてるはずでは」

 

「ああ、確かに初ライブは花陽と凛しかいなかった。だけど、実は隠れて9人揃ってたんだよな」

 

「凄いですね。そこからμ'sは揃ってたなんて」

 

「なーに言ってんの?Aqoursもでしょ?」

 

「え?でも、花丸ちゃん、ルビィちゃん、ダイヤさんに鞠莉ちゃんはいたけど、果南ちゃんと善子ちゃんはいなかったはずじゃ…」

 

「ギクッ」

 

「……」

 

「2人共隠れてたのバレてるからね」

 

「え──!善子ちゃんいたズラか!?」

 

「うっさい!」

 

「まぁそこから、真姫も花陽と凛に誘われて入ったんだよな」

 

「まぁそうね」

 

「そこから、3年が入って、みんなが知ってるμ'sになった。

 

 真姫が入った頃から、俺はμ'sの実質マネージャーみたいになってたかな」

 

「え!?μ'sのマネージャー!?」

 

「そんなの聞いてませんわよ!?」

 

「別に聞かれなかったし」

 

「そんなの聞く人いないでしょ」

 

 それもそうだな。

 

「μ'sと一緒にラブライブを目指して、いろんな経験をした。

 

 こんなことμ'sといなければ経験出来なかった」

 

 みんなと曲をたくさん作って、練習して、たまに遊んで、時には泣いて、あの頃は初めてこんなに濃い1年だった」

 

「あの〜1つ質問しても…」

 

「何?千歌?」

 

「μ'sって1年で解散したんだよね。それっていろんな噂があるけど、どうやって決めたの?」

 

 確かに、俺たちは3年が卒業した後、続けずに解散を選んだ。それには、さまざまな噂が飛び交ったけど…。

 

「それは、みんなで決めたよ。そうでしょ?真姫?」

 

「ええ、私達は話し合って、μ'sは9人だからこそμ's…ここで終わりにしようって1年で解散を決めた」

 

「あの時はみーんな泣いたよな」

 

「響が1番泣いたでしょ?」

 

「…まぁ、そうだったかもな」

 

「へ〜意外ね」

 

「μ'sにそんなエピソードが…」

 

「全く知りませんでしたわ」

 

「まぁ、そこから、アキバドームの開催の為にアメリカに行って、最後にみんなでライブをして、μ'sは解散」

 

「そこから、俺たちは普通の学生生活に戻った」

 

「真姫は医者になるために勉強、俺は相変わらず曲を作りまくってた」

 

「曲を作りまくるって凄いわね」

 

「でも、何か足りなかった。

 

 μ'sの時と、何か作った曲に違いがあった」

 

 響は探した。その違いは何か…。

 

「ずっと考えたよ。そして、気づいた。

 

 俺は気付いたら、自分でも曲を歌いたい。

 

 μ'sのように曲で何か伝えたいって想いが曲に現れてたんだって」

 

 それに気づいた時には、小学校を卒業していた。

 

「3年も悩んでたの?1人で?」

 

「まぁ、自分で答えを出したかったからな」

 

「そこから、中学では、歌い手として活動を始めた」

 

「歌い手って何?」

 

「動画サイトとかで、曲を歌う動画を出してる人のことよ」

 

「へ〜流石善子ちゃん」

 

「ヨハネ」

 

「まぁ善子が「ヨハネ!」…ヨハネが言ってくれた歌い手として、活動を始めた」

 

「これを見てくれ」

 

 そこには、「かけら」という名前であの時歌っていた「Ark」を歌う動画だった。

 

 顔は映ってなかったが…歌声は間違いなく響だった。

 

「歌上手い…!」

 

「中学でこれってすごくない?」

 

「まぁ、「Ark」は結構再生回数が伸びて…視聴者は次の曲を心待ちにしていた。

 

 でも、かけらとしては、この曲を最後にチャンネルを消した」

 

「え?じゃあこの動画は?」

 

「誰かが勝手に載せてるんだろ?無断転載ってやつだよ」

 

「どうして辞めたの?」

 

「いつだったかな…1人で作るのが嫌になってしまった。視聴者の喜んでくれるようにしなきゃって思ったら…曲が書けなくなった」

 

 言うなれば、スランプというやつだ。

 

「それで、もう無理だなって、「かけら」としては終わった」

 

「でも、俺はまだ諦められなかった。音楽を…夢を…」

 

「そこで、ある大会の存在を知った…

 

 

 

Major Dream Live!」

 

 

 

「メジャードリームライブ?何それ?」

 

「最近アーティスト版のラブライブって注目されてる大会よ。

 

 でも、ラブライブと違うのは、誰でも出れるってこと」

 

「ああ、俺はそれを見た瞬間から決めた。

 

 バンドを組もう!それで、この大会で優勝しようって」

 

 そこから響は、中学でバンドをする仲間を集めた。

 

 そして、バンドを結成した。

 

「1年間必死に集めて、5人集まってくれた。

 

 そこから、俺たちは必死になって練習した。

 

 毎日…毎日練習した」

 

「だけど、あの時は本当に自分だけを見ている自己中だった」

 

 そう、俺はそこで1つの失敗を犯した。

 

 永遠に後悔する…1つの失敗を…

 

 

 

 




どうも!銀河のかけらです!いかがでしたか?

響とμ'sの関係…そして、歌い手かけらとしての響…こんな過去が響にあったとは…!

そして、次回はバンド、高校まで行くか?…まぁ次回もお楽しみに!

それでは今回は以上!銀河のかけらでした!


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30話

この話は少し短めです。

それでは30話、どうぞ!


 〜響視点〜

 

 響は、バンドの頃の話を話し始めた。

 

「最初の頃は、みんな楽しく活動していた。

 

 俺も、いろんなイベントに出れてとても楽しかった。

 

 2年生の頃のM.D.Liveは夏冬ともに地区予選敗退だった。

 

 でも、それでもいいと思った。楽しく活動できていれば…それで…」

 

 あいつらとの日々は本当に楽しかった。

 

 一緒に努力し、楽しみ、泣き、誰よりも一緒に過ごした。

 

「そして、最後の夏のM.D.Liveに向けて、俺たちは、一生懸命頑張った。

 

 でも、その頑張りが…俺の未熟さが…失敗を生んでしまった」

 

「何が…あったの?」

 

 そして響は、一つずつ話した。

 

「最初に失敗したのは、3年になって最初の練習だった…」

 

 響はあの忘れられない失敗を…話し始めた。

 

 

 

 ──「よーし!今年の夏が最後だ!

 

 今年こそM.D.Live獲るぞー!」

 

「だな!最後に一泡吹かせてやろうぜ!」

 

「賛成賛成!」

 

「でも、俺たち予選止まりだろ?行けんのか?」

 

「それを頑張るんだろ?」

 

「はは、違えねえな」

 

 みんないつにもなくやる気になっていた。

 

 だから、もっと出来ると思ってしまった。

 

「よし!じゃあ、今日から毎日練習するか!」

 

 ………。

 

「ん?どうした?」

 

「えーと…毎日は流石にやりすぎじゃないか?

 

 勉強もあるし…週一くらい休んでも…」

 

「そうだぜ。1日くらい…いいだろ?」

 

「うーん…分かったよ。あ!でもその代わり土日は一日するぞ!」

 

「え!?土日どっちも!?それは…」

 

「まだ文句あんのか?それくらいしないと獲れないんだって」

 

『う──ん』

 

「分かったよ。それでいいよ」

 

「よーし!それじゃ、練習開始だ!」

 

 

 

「今思えば…ここでおかしいと思えなかったのは…既に自分しか見れてなかったんだな…」

 

 そして、無理な練習を続けていき、4人の疲れが溜まっていった。

 

 

 

 ──「おい!そこ遅れてるぞ!」

 

「ご、ごめん!」

 

「おい!響!少しは休憩しようぜ。

 

 みんな疲れてるよ」

 

「…でも…まだ練習が…」

 

「ほんの10分でいいんだ。

 

 な?休憩したらまた頑張るからさ…」

 

「分かった…。少し休憩しよう」

 

 

 

「なるほど…M.D.Liveに向かうにつれて…相当焦ってたのね…」

 

「今の響くんじゃ想像つかないよ…」

 

「今は絶対に同じ事はしないように気をつけてるからな…。

 

 でも、そんな俺を気にかけてくれるやつがいた。

 

 ドラムを担当してた拓也って言うやつだ」

 

 あいつは…俺に何度も忠告し、真っ先に仲間のことを気にかけてくれるやつだった。

 

 でも、俺は…俺は…そんないいやつの夢を……壊したんだ…。

 

 響は、涙を浮かべながら…話を続けた。

 

 

 

 ──「響!いい加減にしろ!」

 

「なんだよ拓也?」

 

「なんだよじゃねーよ!お前周りを見ろ!

 

 みんな疲れて、まともに演奏出来てないんだぞ!

 

 最近休みも無しに練習して…

 

 これじゃみんな壊れるぞ!」

 

「その程度で壊れんの?脆いな」

 

「響!!」

 

「今の練習でも、トップはまだ上なんだぞ!

 

 緩くなってんのはお前らだろ!」

 

「響…お前…どうしちまったんだ?

 

 中2の頃と全然違うぞ?」

 

「うるせえ!さっさと練習するぞ!」

 

 ……………。

 

「俺もう抜ける」

 

「はあ?何言って…

 

「今M.D.L!獲ってもまったく嬉しくねえよ!

 

 なんかもう音楽飽きた。楽しくない。

 

 もうこれでおさらばだ」

 

「おい!ちょっと待てよ」

 

「くそっ!なんで急に…」

 

「俺も今日は帰るわ」

 

「俺も」

 

「僕も…」

 

「ちょっと待てよ!なんで…」

 

 そして…1人になった音楽室にただ1人…佇んでいた。

 

 次の日…音楽室に来ても…誰も来ることはなかった。

 

 1人考え…やっと…自分がやった過ちに気付いた。

 

「俺…なんてバカなことを…

 

 4人の大事な夢を…俺がぶち壊して…」

 

 響は…声を殺して…泣いた。

 

 俺には…声をあげて泣く資格は無かった。

 

 1人ポツンと座って…泣いた。

 

 そこから…人に関わっちゃいけないと思った。

 

 その後の中学は…全て休んだ。

 

 何も気力が湧かなかった。

 

 ただただ…4人に謝り続ける…そんな毎日だった。

 

 そこから…俺は生まれて初めて…音楽が嫌いになった。

 

 

 

「そんな過去が…」

 

 みんな流石にこの話には静かになっていた。

 

「あの時の俺の事は今でも許せないし、未熟だった。

 

 まだまだ子供で自己中のクズだったな…」

 

「響君はクズじゃないズラ」

 

「そうです!誰でも間違いはありますから…」

 

「ありがとう…マルちゃん、ルビィちゃん」

 

「それで…高校は音ノ木坂に行って、今に至るって事ね」

 

「あ!1ついいかな?」

 

「何?梨子?」

 

「聞きにくいんだけど、なんで停学になったの?」

 

「ああ、それか。それも話しておくか…」

 

「千歌、お前は…大人を信じられるか?」

 

「大人…?先生もいい先生ばっかりだし、信じられるよ」

 

「そうか…。俺はな…高校で先生になろうかなって思ってたんだ」

 

「え?そうだったの?」

 

「成績も良いのはそういう事だったのね」

 

「ああ、俺はもうこんな過ちを他の人にしてほしくない…。

 

 俺の体験を伝えていきたいという想いを持って先生を目指した」

 

「だけど…そこでも…俺を追い詰めるものが出てきた」

 

 響は話し始めた。

 

 今の思いを…。大人について…の、響の思いを…。




どうも!銀河のかけらです!いかがでしたか?

響の失敗は…心の中の焦り…未熟さが招いた失敗だと思います。
こんなのフィクションだろ?と、思っている方もいるかもしれませんが…実際に私がしそうになったことです。そこまで酷くはないですが…トレーニングをまだできるだろって部全体で増やそうとしました。その時は、私は副部長で、部長に止められましたが、周りを見てない意見だったなって今書いてる時に思いました。

次回は…今日中出します!うおーーー!!
それでは今回は以上!銀河のかけらでした!


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31話

かけら「は〜、サッカーの分析もスクスタも楽しいな〜。おっと勉強もしないと…」
響「おい…」
かけら「ギクッ!!いや〜響君じゃないか!どうしたの?」
響「お前…投稿詐欺に2日間の執筆サボり…もうわかるよな…?」
かけら「あわわわわわわ…どうか…どうかお許しを…」
響「千歌、やれ」
千歌「りょ〜かい!」
かけら「ちょっと待って千歌ちゃん…千歌ちゃん?」
千歌「くらえ!ミカンインパクト〜!!」
かけら「ぎゃああああーーーーー!!!バタッ」

何度でも言います。今週ごめんなさい。
それでは31話、どうぞ!


 〜響視点〜

 

 あれから俺は…音楽を捨て、先生になる道へ進んだ。

 

 そのために…1人で…孤独に勉強を励んだ。

 

「あの時はもう友達なんて作ろうとしなかった」

 

 俺といると、不幸が起こる…響はそう思って、自分から友達を避けた。

 

「俺は1人で、血の滲むような努力をした。音楽に集中しすぎて、わからない所は山ほどあった」

 

 でも、これだけはどうなろうと変わらなかった。

 

 決して諦めない事…何事にも逃げない事…。

 

 その2つだけは守る。そう心に決めていた。

 

「そして、先生にはなれるくらいの成績まで上がった」

 

「凄い頑張ったのね…」

 

「まぁほんとに勉強しかしなかったからな。

 

 でも、夏休みが明けて1ヶ月が経った頃、1人の子が相談してきた。

 

 今は…A子としておこう。

 

 その子は…とても暗い顔だった。

 

 

 

 ──「いきなりごめんね?響君…」

 

「俺は別にいいけど…、俺に相談って何?」

 

「…私…いじめられてるの…クラスの人から…」

 

 響は、A子から、教えられた。

 

 壮絶ないじめの数々を…。

 

「なるほど…。いじめられてるのは分かった。

 

 分かった上で聞くけど…なんで俺に相談したの?先生とかは…」

 

「先生にも相談したけど…それっきりだった…」

 

「でももっといるんじゃ…」

 

「響君が先生を目指してるって聞いて、信用出来るかなと思って…それと…」

 

「それと…?」

 

「私と同じ目をしてる…と思ったから…」

 

「…ふふふ…あはははは!君随分初対面相手に失礼だね」

 

「あっ!ごめんなさい!そんなつもりじゃ…」

 

「大丈夫。俺も同じだからね」

 

「同じって…」

 

 そして、響はA子に俺の過去を全て話した。

 

「そんなことが…」

 

「うん。だから…できる限りの事はするよ」

 

「本当?ありがとう…!」

 

 彼女は少し涙を流していた。

 

「辛かったよね…。でも大丈夫!俺が普通の生活に戻してあげるよ」

 

 正直、何をしたらいいか、分からなかった。

 

 俺はとりあえず、いじめた証拠が欲しかった。

 

 すると、A子はいじめの様子を録音してくれた。

 

「これ、使ってください。少しでも役に立てれば…」

 

「ありがとう…!じゃあ、少しずつ接触していくよ…

 

 奴らに!」

 

 そして次の日の放課後、少し話を聞こうと彼らを呼び出した。

 

 でも、いつになっても来なかった。

 

「遅いな…」

 

 俺は嫌な予感がした。

 

「…まさか!」

 

 俺は急いでA子のクラスに走った!

 

「A子ちゃん!」

 

「あ?誰だお前?」

 

「響君!」

 

「何?お前コイツの彼氏かなんか?」

 

「…A子、逃げろ…早く」

 

「う、うん…分かった」

 

「で?俺らに何か用?」

 

「単刀直入に聞く。お前らがいじめたのか?」

 

 すると、彼らは声を上げて笑い出した。

 

「…何がおかしい?」

 

「いや〜ごめんごめん。君がおかしな事言うから」

 

「そうそう、いじめ?これが?」

 

「あんな程度で?」

 

 響は悪気のない態度にイラついた。

 

「彼女…泣いてたぞ?」

 

「あの程度で泣くアイツが悪いの」

 

「まだヤッてないしな」

 

「…は?お前ら?まさか何人も同じことしたのか?」

 

「まぁそうなるね」

 

「でも俺ら怒られてないし」

 

「うるせぇ!御託はいいんだよ!」

 

「逆にさー。謝れよ。俺らに」

 

「そうだ。俺たちせっかく仲良くしてたのに」

 

「そうだ!土下座見せてみろよ」

 

 アイツらは…全く反省しなかった。

 

 

 

「そんな事があったんだね」

 

「その後…いじめた奴はどうなったの?」

 

 響は…話を続けた。

 

 

 

「あ、そっか!君って学年1位の優等生君か〜。

 

 じゃ、友達の作り方知らないよね〜?」

 

「てかコイツ、噂だと、養子らしいぜ」

 

「ギャハハ!ダッセェ!親に捨てられて!」

 

 響は…顔色が変わった。

 

「…あ?今なんつった?」

 

「え?だから〜、優等生だから友達作れn…ゴハァ!」

 

「お、おい!てめえ!」

 

 響は、気付いたら1人を殴っていた。

 

「最後の警告だ。黙れ。そしてこの学校から消えろ」

 

「俺のこと殴りやがって…!いくぞ!てめーら!」

 

『おお!』

 

「交渉決裂…か。だったらお前ら…

 

 死ね。」

 

 響が我を取り戻した時には…あれから1時間経っていた。

 

 響にも少し殴られた後があったが…奴らは気絶してたらしい。

 

 そして、俺たちは先生に見つかり、病院で手当を受けたらしい。

 

 でも…響には、全く記憶になかった。

 

 

 

 果南が響に聞いた。

 

「記憶にないって…どうして?」

 

「多分…我を失って…何も感じなかった。

 

 でも、手の感触で分かった。

 

 俺、アイツら殴ったんだって…」

 

「で、これで解決したわけね?」

 

「いや、違う」

 

「え?でも…犯人は捕まえて…」

 

「ここからだよ。地獄は…」

 

 

 

 俺は、その次の日の放課後、職員室に来いと言われた。

 

 あの時の事情聴取かなと思ったが…違った。

 

 奴らは…俺に笑ってこう言ったんだ。

 

「予言しよう。俺達はここを最後は笑って出る…と」

 

 その時は何言ってるのか分からなかった。

 

 でも、事態は最悪な方向へと進んだ。

 

「失礼します」

 

「しま〜す」

 

『ま〜す』

 

 チッ!挨拶ぐらいちゃんとしろよ!

 

「来たか…」

 

 すると…そこには…先生が全員に近かった。

 

 なんだ?会議か?

 

「響…君にはガッカリしたよ…」

 

 は?ガッカリ…?

 

「何を…言ってるのかさっぱり分からないのですが…」

 

「とぼけた事を言うな!」

 

 すると、その先生から衝撃の言葉が飛び出した。

 

「お前が、彼らをいじめたんだろ!」

 

 …は?なに…言ってんの?

 

「先生…冗談やめてください…」

 

「は?彼らから聞いたぞ!

 

 日常的にいじめを受けてたって!」

 

「そう…なんです…」

 

「俺たち…ウッ…コイツにいじめられて…」

 

「毎日苦しかったです…」

 

「そうだよな苦しかったよな…ほら!

 

 そう言ってるぞ!なんでこんないい生徒をいじめたんだ!」

 

「ち、違う!違いますよ!奴らが!奴らがいじめたんです!

 

 A子って知ってますよね?奴らはA子さんをいじめてたんです!」

 

「証拠もあります!」

 

 そして、彼女から貰った録音を聴かせた。

 

「…響…先生はガッカリだよ…

 

 こんなもん作ってまで責任逃れたいか?」

 

「違う!そうじゃない!本当なんです!」

 

 すると、今はなんでも作れるからな…とか、この生徒、確か学年1位でしょ?これくらいできるんじゃ…とか言ってた。

 

 みんなして…頭狂ってるのか?

 

「まずは3人共…もう帰っていいぞ。

 

 処分はしっかりしておくから」

 

『はい!ありがとうございます!』

 

「ち、ちょっと!待て!」

 

 すると、1人がこう言った。

 

「な?言った通りになったろ?」

 

 そして、笑みを浮かべながら…出て行った。

 

 …なるほど…そう言うことか…。

 

「では…西木野響の処分を決める」

 

「待ってください。最後にひとつだけ…」

 

「なんだ?」

 

「あなた方先生方は…彼らが寄付を受けてる企業のお偉いさんの子供だから…こんな茶番を開くんですか?」

 

「…何が言いたい?」

 

「こんな善良な生徒の人生壊して何が楽しいって言ってんだよ!」

 

「…西木野響に停学1ヶ月に賛成の人は…ご起立ください」

 

「聞けよ!!」

 

 でも、こんなふざけたこと…賛成するはず…!

 

 響は驚愕のあまり言葉が出なかった。

 

 全員…全員が立っていた。

 

 俺を…囲むように…。

 

「ふざ…けんなよ…。

 

 何が…先生だよ…」

 

 

 

「ふざけんなよ!!!!」ドカッ!バキッ!

 

「おい!こいつ、校長先生の机を…!」

 

そして、校長の胸ぐらを掴んで…叫んだ。

 

「おいてめえ…こんなこと許されると思うか…?

 

 俺は必死に努力してきた!

 

 なのにこんなこと…許されるわけねーだろ!」

 

 すると…校長が激怒し…

 

「もういい!無期限…無期限だ!反省するまで…!もう来なくていい!」

 

 響は…自分の小ささに…悔しかった。

 

 俺…こんな奴になりたかったのか…?

 

 こんな…こんな…奴に…

 

 響は、もう何も言わなくなった。

 

 トボトボと、職員室から出て行った。

 

 ………

 

「………クソガッッッ!!!」ドカッ!

 

 俺は…そこにあったゴミ箱を蹴飛ばした。

 

 そこら中に広がったゴミを…ただ見つめた。

 

 すると、学校を出ると…彼女が待っていた。

 

「…聞いた。ごめん…なさい。私のせいで…」

 

「もう…いいよ。よかったな…これで、いじめられずに済むよ」

 

「でも!響君は…そうだ!2人で訴えよう!この学校を!

 

 2人で真実を伝えようよ!」

 

 彼女はそう言ってくれた。

 

 でも…そんな気力は…響にはなかった。

 

「もう…いい。いいんだ」

 

「でも…そしたら響君が…」

 

「俺もうやめるよ。この学校」

 

「…どうして?」

 

「もう…疲れた。

 

 君も…俺のことは忘れて…普通に戻りな。

 

 じゃ、さよなら」

 

「響君!!」

 

 呼ばれたが…もう振り向かなかった。

 

 ははは…なんで気づかなかったんだろう…。

 

 俺、西木野響は表に出てはいけないんだ。

 

 輝きを掴もうとしちゃいけないんだ…。

 

「俺は…暗闇の中にいよう…」

 

 そして、響は気持ちを…心の中に封印した。

 

 

 

「これが…俺の過去の全て」

 

「ひ…酷い!」

 

「酷すぎますわ…」

 

「響くん…なんで普通なの?」

 

「普通?そんなわけないじゃん。

 

 何度も狂いそうになったよ」

 

「でも、これだけはいいたい」

 

「何?」

 

「ありがとう…みんな…。

 

 Aqoursに出会えなかったら…こんな輝きを目指さなかった…!

 

 だからさ…今楽しいんだ!

 

 ありがとう!」

 

「響…くん…!」

 

「よし!この話終わり!

 

 じゃあ曲作りを…」

 

「響くーん!」

 

 千歌が…俺に抱きついてきた。

 

「こっちこそありがとう…!

 

 編曲してくれて…マネージャーしてくれて…

 

 大好き…だよ…」

 

「ほら、泣かないの…。

 

 俺も…みんなのことだーいすきだよ」

 

 すると…みんなの涙腺が崩壊した。

 

「響君!」

 

「ヨーソロ〜…!」

 

「響…!」

 

「ピギィ〜……!」

 

「ズラ〜〜〜!」

 

「響〜!」

 

「響…!」

 

「響さん…!」

 

「ちょっ!みんな抱きついてきたら…持たない…うわっ!」

 

 みんな倒れてしまった。

 

「おい…、潰れる潰れる…だ、誰か助けて〜」

 

 そんな光景を…真姫は涙を浮かべながら見ていた。

 

「よかったわ…!今の響、とっても楽しそうで」

 

 今の響の顔は…今まで暗闇に取り憑かれてたとは思えないくらい…

 

 輝いていた…!




どうも、銀河のかけらです!いかがでしたか?

きつい…書いててマジで辛い…。響…辛かったね…。
そして、次回から合宿戻ります。Aqoursが作った2曲とは…?お楽しみに!

そして、投稿詐欺や、サボってごめんなさい。マジで今週は勉強や、別の趣味が忙しくて…申し訳ないです。
ここからまた切り替えて頑張るぞ!
それでは今回は以上!銀河のかけらでした!


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32話

活動報告にも書きましたが、現在1話から一部修正中です。(まだ1話しか出来てないけど…)
いつ全部終わるか分かりませんが、ゆっくりお待ち下さい。

それでは32話、どうぞ!


 〜響視点〜

 

「ほら〜?まだ1キロ残ってるぞー」

 

「む、無理…」

 

「死ぬ…」

 

 俺たちは、合宿3日目も相変わらずあの特訓をしていた。

 

「はい、おつかれさん」

 

「はぁ…はぁ…キツ…」

 

「もう無理ズラ…」

 

 みんな流石に疲れてるな…ま、そりゃそうか。

 

「みんなだらしないな〜、私はまだいけるのに」

 

 いや、みんなじゃなかったわ。

 

 ここに1人体力オバケがいたの忘れてた。

 

「あなたとは…違うのですわ…」

 

「でも…μ'sもこのメニューをやってたんだよね…ダイヤさん…」

 

「ええ、そうですわ…だから…頑張らなくては…」

 

 するの、真姫がとても申し訳無さそうに言った。

 

「ねぇ、申し訳無いけど…私達それやって無いわよ」

 

『……へ?』

 

「う、嘘ですよね?」

 

「響さん?」

 

「あちゃー言っちゃったか…。

 

 そうだよ。俺らはそのトレーニングはやってない」

 

「じゃ、これは…」

 

「確かにこれはμ'sの合宿の為に海未が作った。

 

 けど、一度たりともやってないな。

 

 特に初日は海で遊んだよな…楽しそうに…」

 

「べ、別に遊んだわけじゃ無いわよ…。

 

 PVを撮るためだったの…!」

 

 その話を聞いて…千歌などのμ'sファン三姉妹は…

 

「そ…そんな…」

 

「じゃあ私達は…ずっと…μ'sがしたと思って…」

 

「やってたってこと…バタッ…」

 

 …流石に明日は一日曲作りにするか…。

 

 ──────────────

 

「さてと、2曲…どうする?」

 

『う──ん…』

 

 夜になり、夕食を済ませたAqoursは、一部屋に集まって曲について考えていた。

 

「真姫さんは、Aqoursの今の思いを曲にしなさいって言ってたよね」

 

「う〜、全く思いつかない!」

 

「……」ウトウト…

 

「鞠莉!寝るな!」

 

「ハッ!寝てないわよ」

 

「いや、今絶対寝「寝てないわよ」」

 

 頑なに認めねーなコイツ…。

 

「じゃあ、俺たちの思いの共通点ってなんだ?」

 

「共通点…」

 

「廃校を止める…だとストレートすぎるね」

 

「…未来」

 

『えっ?』

 

「オラ達って、未来とか、夢の輝きを目指してAqoursに入ったよね?それが、共通点だと思うズラ」

 

 未来や…夢の…輝き…!

 

「良い!すごく良いよ!花丸ちゃん!」

 

「流石文才少女だね、マル」

 

「オラは…オラの思ったことを言っただけズラ」

 

「…先生!」

 

「響くんが1番離れてるズラよ…」

 

 え〜、良いと思ったのに…。

 

「じゃあ、一曲目が夢について、2曲目は未来についてで良い?」

 

『賛成(ズラ)!』

 

「よ〜し、早速曲作りを…」

 

「あ、待った」

 

「どうしたの?響くん」

 

「一曲目は、俺は曲作らないからな」

 

 みんなは、俺の発言に驚いた。

 

「どうして?編曲は…」

 

「鞠莉?できる?」

 

「まぁ少しはできるわよ」

 

「そして…梨子、善子」

 

「えっ?どうして…」

 

「お前ら、少しずつ勉強してんだろ?

 

 編曲について…」

 

「善子ちゃんが…!」

 

「夢については、Aqoursのメンバーで書いた方がいい

 

 でも、未来については、全員で曲を作るぞ」

 

「…分かったわ」

 

「御意」

 

「シャイニー!」

 

「じゃ、早速はじめっか!」

 

『おーーー!』

 

 こうして、Aqoursの2曲を作ることが決まった。

 

 

 

 真夜中、一つの部屋の明かりは

 

「もうみんなが寝てる時間だな。

 

 さーて、始めますかね」

 

 その夜、響が泊まってる部屋は…明かりが消えることはなかった。

 

 ──────────────

 

「ふわ〜…ねっむ…」

 

「何よ響、寝不足?」

 

「まぁな…」

 

「気をつけなさいよ…体調崩すわよ」

 

「はいはい…まさかヨハ子に言われるとはな」

 

「だからヨハネ!混ぜるな!!」

 

 やっぱりヨハ子はヨハ子でした。

 

「響くん、みんな揃ったよ」

 

「おーし、今日中に曲でかすぞー」

 

『え!?今日中!?』

 

 流石グループ…見事に全員同時だったな。

 

「2曲だよ?流石に無理じゃ…」

 

「それに作曲も時間がかかるでしょ?」

 

「大丈夫大丈夫、それに、俺と梨子がいるんだから出来るって、

 

 それに、まだ半日以上残ってるしな」

 

「ま、まさか1日使う気じゃ…」

 

「そりゃそうだろ。

 

 ほら、さっさと始めるぞー」

 

「は、はーい…」

 

 こうして、曲作りを始めた。

 

 

 

 〜千歌視点〜

 

「うーん…未来…か…」

 

「なかなか良いの出てこないね〜」

 

「マルは?」

 

「今考えてるズラ…」

 

 あれから、夢についての曲は、結構上手く出来てきたんだけど…

 

「うわ〜!さっきの調子…戻って来て〜!」

 

「千歌ちゃんさっきまで絶好調だったもんね…」

 

 うーん…、だめだー全然出てこない…。

 

「おーい」

 

「出来た?千歌ちゃん」

 

「千歌っち〜たっだいま〜」

 

「あ、響くんに梨子ちゃんと鞠莉ちゃん…あれ?善子ちゃんは?」

 

「ヨハ子は最終段階の仕事中…あと少しくらい…かな」

 

 善子ちゃん…すごいなぁ…。

 

「で、歌詞…行き詰まってるみたいだな」

 

「う〜ん…出てこないです」

 

「じゃあ、一度見方を変えてみたら?」

 

「見方?」

 

「そう、未来にも色んな未来がある。どんな未来かって、1つじゃないでしょ?」

 

 確かに…それいい!

 

「じゃあ、私達って未来にどう向かってるんだろ?」

 

「未来…ですか…」

 

「未来にどう向かう…」

 

「難しいわね…」

 

 みんなが考えてる時、千歌がふと呟いた。

 

「未来に向かって…飛ぶ…」

 

「千歌っち?今なんて…」

 

「えっと…私達、未来って…とても近そうで遠いと思って…それで、飛行機みたいに未来に向かってる飛んでるって思って…」

 

『そ、それだ〜!!』

 

 うわぁ!びっくりした〜!

 

「凄いよ千歌ちゃん!それ凄くいい!」

 

「流石千歌、今まで歌詞書いてるだけあるよ」

 

「未来…飛行機のように…future flight?」

 

「鞠莉…それ英訳したのか?」

 

「ええ…適当にこんな感じかなって…」

 

「これ、いいんじゃ無いか?

 

 曲名にも、歌詞にも入れよう!」

 

「よーし、みんな歌詞出すぞー!」

 

『おーー!!』

 

 よーし!そうと決まったら私も頑張んないと!

 

 

 

 〜響視点〜

 

「ふー、出来た〜!」

 

 あれからすっかり夜になって、梨子とヨハ子と俺で、編曲をしていた。

 

「凄いわ…本当に1日で出来ちゃった…」

 

「鞠莉さんは寝ちゃったけどね…」

 

 ほんと…意外とよく寝るんだな〜鞠莉は。

 

「2人ともおつかれさん。よし、みんなのとこ行くか」

 

「そうだね」

 

 そして、みんなが集まってた部屋に入ったら…

 

「す〜…す〜…」

 

 みんな揃って寝てしまっていた。

 

「ありゃりゃ…みんなおつかれみたいだな」

 

「そうね…ふわぁ〜…私も眠いから寝るわ…」

 

「善子ちゃん、おやすみなさい」

 

「おやすみ〜」

 

 そうして、起きてるのは俺と梨子だけになった。

 

「さて、俺も寝ますかね…」

 

 俺も寝ようかと思ったら、梨子が呼び止めた。

 

「ちょっと待って!少し…お話しない?」

 

「え?まぁ別にいいけど…」

 

「ありがと、じゃあこっち来て…」

 

 すると、梨子にAqoursのみんながいつも寝てる部屋に連れてかれた。

 

 なんだ?聞かれちゃまずいのか?

 

「何?話って?」

 

「えっとね…私、次の予備予選…出れないんだ…」

 

 出れない?なんで…?

 

「理由…聞いてもいい?」

 

「私ね…その日にピアノのコンクールがあって…一度は断ろうとしてたんだけど…千歌ちゃんに出てほしいって言われて…出ることを決めたの」

 

「なるほど…千歌にか…」

 

「ごめんなさい…みんなにも明日、言うから」

 

「な〜に言ってんの?俺は賛成だよ。

 

 行ってこい。そして、楽しんでこいよ」

 

「響君…!ありがとう…!」

 

「礼なんていらねーよ。

 

 さ、俺たちも寝るぞ」

 

「うん。ありがと。おやすみなさい。響君」

 

「ああ、おやすみ…」

 

 こうして…あっという間に4日目が終わった。

 

 

 

 それから…真姫に1曲は私の前で披露しなさいって言われて、全力で振り付けを覚えた。

 

 その日々は、長く感じながらも…あっという間だった。

 

 こうして…合宿最終日…曲披露の日がやってきた!!

 

 




どうも、銀河のかけらです!いかがでしたか?
2曲のうちの1曲は、「future flight」です。
この曲凄く良いですよね。特にサビの歌詞がとても印象的です。

もう一曲は、真姫の前では披露しませんが、今後出したいなー(曲名だけ次回出します)と思ってるので、お楽しみに〜。
次回は、曲披露です。真姫の評価は…!

それでは今回は以上!銀河のかけらでした!


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33話

どうもです…
金曜には出すと言っときながら…土曜日の0時…ごめんなさい。

それでは33話、どうぞ!


 〜響視点〜

 

 そして、合宿最終日。

 

 今日は合宿の中で作った2曲のうちの1曲を真姫の前で披露する日だ。

 

「さて、準備も出来たことだし、あいつらの所に行くか」

 

 今Aqoursのみんなも準備中だ。

 

「みんな〜大丈夫か?」

 

「あ!響くん!準備お疲れ様!」

 

「みんな大丈夫そうだな…」

 

 あれ?ダイヤさん?下向いてどうしたんだ?

 

「ダイヤさん?何か体調が…「大丈夫でしょうか?」はい?」

 

「あのμ'sのメンバーに私達の曲を披露だなんて…今思うと緊張しますわ…」

 

 なるほどな〜。確かにファンだしな。そりゃそうか。

 

「ダイヤの気持ちはよく分かる。だけど…一つだけ聞いて?みんな」

 

「何?一つだけって…」

 

「μ'sはみんなが思ってるより遠くにはいない。それだけだ」

 

『…?』

 

「それはどういうことですか?」

 

「まぁ自分で考えて。それじゃ、10分後ね。

 

 あ!ダイヤ?」

 

「…なんですか?」

 

「…ていっ」

 

 響はいきなりダイヤの頭を叩いた。

 

「な、何するんですか?痛いですわ!」

 

「生徒会長のくせにμ'sの事になるとほんと弱くなるんだから」

 

「生徒会長のくせにとは失礼な…!」

 

「怒れるって事は大丈夫そうだな?」

 

「…あっ」

 

「もしかして響君、ダイヤの緊張をほぐすために…」

 

「流石デースね…」

 

 そこの3年2人。聞こえてるけど…ま、いっか。

 

「それじゃ、俺も楽しみにしてるからね」

 

「響さん?」

 

 響が出ようとすると、ダイヤが呼び止めた。

 

「何?ダイヤ」

 

「言い方は少々腹が立ちますが…ありがとうございます。

 

 お陰で緊張が和らぎましたわ」

 

「それは良かった。では、また後で」

 

 そう言い、響は戻っていった。

 

 

 

「真姫。ほんとに1人で見るつもりなんだな…。こんな広いところで…」

 

 今回は学校に頼んで最初のライブで使った体育館ですることにした。

 

「そりゃそうよ。第一、私は観客に披露するために作らせてない。私がAqoursを見るために作らせたのよ」

 

「確かにそうだけど…これじゃまるで無観客みたいだろ」

 

「いいじゃない。μ'sの始まりと一緒よ?」

 

「まぁそうだけどな」

 

「…あと、いいんでしょうね?」

 

「何が?」

 

「本当に思ったことを言っても…」

 

 そう、俺は真姫に容赦なくありのままの評価をしろと言った。

 

「私、厳しいことを言うわよ?」

 

「構わない。ここで優しくしても全く意味がないからな。

 

 ラブライブに全く足りてないと言われても、それを受け止めるだけだ」

 

「…分かったわ。それじゃ、本気で見てあげる」

 

「それじゃ、俺は後ろで見てるから」

 

 そして真姫が見る中、ライブがスタートした。

 

 

 

 〜千歌視点〜

 

「よし、みんな行くよ」

 

「ええ」

 

「準備OKよ!」

 

「ヨーソロー!」

 

「じゃあ、今できる全力を真姫さんに見せよう!Aqours!」

 

 

 

『サ〜ンシャイ〜ン!!』

 

 

 

 そして幕が開くと、本当に真姫さん1人だけだった。

 

 す、すごい…!1人だけだと、緊張してきた。

 

 でも、今のありのままを見せれば良いんだ!

 

「こんにちは!私達は浦の星女学院スクールアイドル」

 

『Aqoursです!』

 

「私達はこの曲を作るにあたって、未来のことを考えました」

 

「私達の未来ってなんだろう?」

 

「未来は何をしてるんだろう?」

 

「この1週間、何度も考えました」

 

「本当の答えはないかもしれない」

 

「未来はまだ遠くにあるのかもしれない」

 

「でも!でも私達はそんな未来に向かって…

 

『いつまでも飛んでいきます!』

 

「それでは聞いてください」

 

 

 

『future flight!!』

 

 

 

 Hello!New world!

 

 こころは希望だらけさ

 

 

 

 毎日よ楽しくなれ

 

 そう思って生きてるから

 

 なんだって やってみるんだ

 

 好きなこと見つけようよ

 

 その先にはきっと

 

 終わらない夢がある一緒に行こう

 

 

 

 君を信じる僕を信じてよ

 

 格好良すぎたかな? (Sun∞shine evolution)

 

 でも本当だよ!

 

 

 

 Future flight

 

 どこまで飛ぼうか (Let's fly!)

 

 空に描いちゃってみてよゴーサイン (AqoursJET!)

 

 予感→(から)決意=(で)未来

 

 君と 君と進もう!

 

 Future flight

 

 どこまでも飛んで (Let's fly!)

 

 これからどんなことが始まるのか

 

 想像超えた何か起こるってば…Future flight!!

 

 燃えてきたよ“Flight!!”

 

 

 

 〜響視点〜

 

 パチパチパチ…

 

 2人だけの拍手が起こった。

 

「どう…でしたか?」

 

 千歌が真姫に聞いた。

 

 すると、真姫がAqoursの前に近づいてきた。

 

「そうね…一言で言うとすると…足りないわ」

 

 足りない…か…。

 

「まずは余裕がない、かしらね。スクールアイドルとしてトップを目指すんだったら、一曲するぐらいでヘトヘトでどうするの?」

 

「まずはもっと体力をつけることね」

 

「そして、ダンスも少しミスがある。

 

 それは人間だから仕方ないかもしれないけど、出来ればミスを減らすことね」

 

「はい、わかりました」

 

 流石μ'sなだけあるな。俺が思ったこと全て言われたな…。

 

「でも、もう一つ言わなければいけないことがあるわ」

 

「な、なんですか?」

 

 もう一つ?まだ何かあるのか?

 

「可能性は感じたわ。

 

 Aqoursはまだ足りないところが山ほどあるけど、ラブライブも目指せる可能性は大いにあるわ」

 

「ほ、ほんとですか!」

 

「でも、だからといって調子に乗らないこと。

 

 この調子で未来に向かって飛びなさい!」

 

『はい!』

 

「良かった…!よし、真姫。ありがとな。さーて、片付けを…」

 

「待って!一ついいかしら?」

 

「…何?まだ何か?」

 

「響?このまま見るだけでいいの?」

 

 真姫の言葉に、Aqoursのみんなはよく理解してなかった。

 

「何が言いたい?」

 

 だが、響には理解できたようだ。

 

「知ってるのよ?響が密かに自分の曲を作ってたのを…」

 

「え!?」

 

「響君の…曲?」

 

 …はぁ、バレてたか…。

 

「響は心のどこかで思ってるんじゃない?また歌いたいって」

 

「俺は…いい。もういいんだよ」

 

「響くん…」

 

 響は歌うのを拒否した。しかし真姫は…、

 

「へー、いいの?もしかしてAqoursのライブでビビってるの?」

 

「それは挑発?」

 

「別に?ただ、昔より意気地なしになったなと思っただけよ?」

 

 こいつ…言わせておけば…!

 

「分かったよ。安い挑発だけど乗ってやるよ」

 

「響くん…」

 

「下に降りてろ。準備してくる」

 

 そう言うと、裏に下がっていった。

 

 その時の響の表情は、少し暗かったが、前を向いていた。

 

 

 

 〜千歌視点〜

 

「あなた達はもしかして響の歌は初めて?」

 

「いえ、私と曜ちゃんと梨子ちゃんは何度か…」

 

「生で聴くのは初めてです…」

 

「3年生もよ」

 

「あの〜響くんってやっぱり歌上手なんですか?」

 

「そうね…あれは一言で言うと…

 

 天から授かったもの…かしらね」

 

「天…?まさか堕天使が…?」

 

「やめるズラ」

 

「分かってるわよ!」

 

「あ、響くん来たよ!」

 

 あ、拍手しないと…!

 

 パチパチパチパチ!

 

「ありがと。まさか久しぶりの披露がここになるなんて…。

 

 真姫、後で覚えとけよ」

 

「で!何歌うの!μ's?」

 

「千歌さっきの話聞いてた?曲作ったの!

 

 もういいや。めんどくさ」

 

 えー!酷い!

 

「この曲は、今の俺の思い、世界を表現した曲です。

 

 まぁとりあえず聞いてください」

 

 

「悪魔の証明」

 

 

 アイノウ アイノウ 教えて

 

 モザイク越しにディベート

 

 更生 転生 教えて

 

 今日は誰の秘め事?

 

 

 アイノウ アイノウ 夢中で

 

 手元に首かしげる

 

 足りない絵の具と頭で

 

 色塗りをしているんだ

 

 

 与太の話 噂の話 火を翳して影踏み

 

 騙し騙しの愛の癖に

 

 ボクに触らないで

 

 

『無い』の立証 にじり寄る悪魔

 

 有罪判決 無実の証明

 

 愛憎 ヒス リーチ

 

 素知らぬ顔でいる君に汚されていく

 

 悪魔の証明

 

 

 

「す、すごい…」

 

「なにこれ…」

 

「私達、もしかして凄いの聞いてるんじゃない?」

 

「やっぱり流石ね」

 

 全員、衝撃を受けて拍手を忘れてしまった。

 

「はぁ…やっぱり息切れ凄…!」

 

「真姫、これでどう?」

 

「やっぱり、あなたも出るべきよ?」

 

「…何に?」

 

「M.D.L…によ。あなたなら「黙れ…」え?」

 

「俺の前でその名前を出すな…!」

 

「俺は…もう表舞台には出ちゃいけないんだよ」

 

「響…くん…」

 

「もう終わりだ。帰るぞ」

 

 響は、そのまま去っていった。

 

 その後ろ姿は、どこか迷ってるようだった。

 

 

 

「俺は…俺は…駄目なんだよ…」

 

 

 

 

 

 




どうも、銀河のかけらです!いかがでしたか?
今回はAqoursさんの「future flight」と、まふまふさんの「悪魔の証明」を使わせていただきました!
あえて、この曲の具体的な説明はしませんが、良かったらご一緒に聴いてみてください。
それと、これは作品外の話ですが、このように、最近忙しく予告通りにならないことが多いです。ですが、申し訳ないですがご理解ください。また、落ち着いたら頑張ります。

それと、今回急いだので誤字あるかもなので、ぜひ見つけたら報告を…!
それでは今回は以上!銀河のかけらでした!


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34話

お久しぶりです。
大会もテストも終わり、やっと落ち着いたかけらです。

今日からまた頑張るぞー!

それでは34話、どうぞ!


 〜響視点〜

 

「梨子ちゃん、しっかりね!」

 

「梨子ちゃん、がんばルビィ!」

 

「東京に負けてはダメですわよ」

 

 俺達は東京に行く梨子を送るために駅に来ていた。

 

「みんな…ありがとう!」

 

「梨子、全力で楽しんでこいよ!」

 

「うん!Aqoursを頼んだわよ!響君!」

 

「ああ、任せろ」

 

 その時、アナウンスが流れた。

 

「もう行かなきゃ、じゃあみんな、行ってきます!」

 

 すると、千歌が梨子を呼んで言った。

 

「梨子ちゃん!次のステージは、絶対みんなで歌おうね!」

 

「…もちろん!」

 

 そう言って梨子は走り出した。

 

 東京へ。梨子のもう一つの輝きへ。

 

「さ、練習に戻りますわよ」

 

「これで予備予選で負けるわけにはいかなくなったね」

 

「…千歌ちゃん?」

 

 曜の見る先には、梨子が行った方向をずっと見つめる千歌の姿があった。

 

 

 

「特訓ですわ!!」

 

「特訓?」

 

 部室に戻ってきた俺達はダイヤに言われた。特訓…と。

 

「あ!これって…Saint Snow!」

 

 Saint Snowって前俺達を馬鹿にした奴ら…!

 

「響…分かりやすいように嫌な顔しないの」

 

 げ…バレてたか…。

 

「先に行われた北海道予備予選をトップで通過したって!」

 

 へ〜やっぱり強いんだな。

 

「じゃあ私達も負けてられないね!」

 

「では、特訓にピッタリな事をしますわよ!」

 

 そうと決まれば早速…ん?特訓にピッタリ…?

 

 

 

「で…」

 

「なんで…」

 

『なんで、こうなるの!』

 

 俺達は今、学校のプールにいる。

 

 え?何してるんだって?それは…

 

「おいダイヤ!なんで俺らがプール清掃しなきゃいけねえんだよ!」

 

「そこ!文句言ってないでしっかり磨くのですわ!」

 

 くそ…この生徒会長…後で絶対シバく…!

 

「うゆゆ…ピギィ!」

 

「ズラぁ!」

 

 ほら、ルビィちゃんもマルちゃんも転んでるし、危ないぞ!

 

「ダイヤがプール掃除の手配を忘れていただけねー」

 

 ダイヤのせいかよ…。

 

「それはあなたが言ってなかったからですわ!」

 

「言ったよ?夏休みに入ったら、プール掃除なんとかしろって」

 

「だからなんとかしてるじゃないですか!」

 

「…ねえ、生徒会長と理事長があんなんで大丈夫…?」

 

「大丈夫…ではないかな」

 

「それは俺も同感」

 

「そうだよ!ちゃんと磨かないと!」

 

 お?曜はしっかりやってるのか?

 

「ヨーソロー!デッキブラシといえば甲板磨き!

 

 甲板磨きといえばこれであります!」

 

 前言撤回。1番ふざけてるわ。この人。

 

「ってうわぁ!」

 

 ほら見ろふざけるから…。

 

「アナタ!その格好は何ですの?

 

 遊んでる場合じゃないですわよ!!」

 

 そう言われ、千歌は曜を見て笑った。

 

 千歌を見た曜もまた、笑っていた。

 

 

 

「ピッカピカずらー!」

 

「そうだ、ここで皆でダンス練習してみない?」

 

「転んで怪我しないように気をつけてよ?」

 

「ちゃんと掃除したんだし、平気よ」

 

「3年がそう言うんだったら…やってみるか」

 

 そうして、次の予備予選の曲を練習することにした。

 

「じゃあ頭から行くよー」

 

 そうして自分の定位置について始めようとしたが、響があることに気付く。

 

「あ、梨子いないじゃん」

 

「そっか、梨子ちゃんがいないんだよね」

 

「どうする?今からダンス変えるか…」

 

「代役って言ってもねぇ…」

 

「…千歌、どうする?」

 

「うーん…よし!」

 

 少し考えて千歌は…一つ案を出した。

 

「ぇ…え!?私!?」

 

「なるほど…同じ2年だし」

 

「幼馴染だから良さそうね」

 

「よし、一回やってみて」

 

「曜ちゃん、行こう!」

 

「うん!」

 

 そして、2人のパートを練習してみた…が、

 

『うわっ!』

 

「だめ…か?」

 

「私が悪いの…」

 

「違うよ。私が歩幅、曜ちゃんに合わせられなくて…」

 

「…もう一回やってみて」

 

 しかし、もう一回やっても…同じ。

 

「あ、ごめん!」

 

「私が早く出すぎて…ごめんね、千歌ちゃん」

 

 …なるほど…そういうことね…。

 

 ………。

 

 そして、それを見つめる鞠莉は、何か気付いたようだった。

 

 

 

「ずらぁ~」

 

 練習終わり、俺達はコンビニに来ていた。

 

「リトルデーモンの皆さん、私に力を…」

 

 くじ引いてるし…。

 

「D賞でーす」

 

「堕天の…D…」

 

「あれ?ヨハ子くん野球してたの?」

 

「そっちの打点じゃないわ!あと善子!」

 

 善子をからかってると、外でまた千歌と曜が練習をしていた。

 

「あ、ごめん…

 

 どうしても、梨子ちゃんと練習してた歩幅で動いちゃって…」

 

「うーん、千歌ちゃん、梨子ちゃんと練習した通りにやってみて?」

 

「え…でも」

 

「いいからいいから」

 

 そう言われやってみたら、今度は成功した。

 

「これなら大丈夫でしょ?」

 

「さすが曜ちゃん!凄いね!」

 

 そう言ってると、千歌の携帯が鳴った。

 

「あ、誰からだろ?

 

 もしもし?」

 

「あ、千歌ちゃん?今平気?

 

 東京のスタジオ着いたから、連絡しておこうかと思って」

 

「何?梨子ちゃんズラ?」

 

「ちょっと待って、皆にかわるから」

 

「えっと…もすもす?」

 

「もしもし?花丸ちゃん?」

 

「み…未来ずらー」

 

「はい、善子ちゃん」

 

「このヨハネは堕天で忙しいの!

 

 ルビィ、行きなさい!」

 

「ピギィ、ええっと…」

 

「…もしもし」

 

「ピギィィィィィ!!」

 

 ありゃりゃ…逃げちゃった。

 

「じゃあ曜ちゃん!梨子ちゃんに話しておくこと、無い?」

 

「私?私は…」

 

「あ、曜ちゃんごめん…電池切れそうー

 

 それじゃ、頑張ってね〜」

 

 そうして、梨子との電話を終えた。

 

「良かったー…喜んでるみたいで」

 

「…あ!ごめん、俺学校戻るからお先に失礼するわ」

 

「え?なんで?」

 

「忘れ物…それじゃ、また明日〜」

 

 そうして、走ってその場を去った。

 

「はぁ…ふぅ…曜…」

 

 あの顔…あの暗い顔…明らかに何かある。

 

「千歌との関係…かな。

 

 なんでも、早く対処しないとな」

 

 そうだ…早く何かしないと…

 

 取り返しのつかない事になる…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




どうも、銀河のかけらです。いかがでしたか?
さてさてやってきました、ヨーソロー回です。
梨子の穴を埋めるべく頑張る曜ちゃん。でも、曜ちゃんの思いがそれを縛っていく。今後どうなるのか!?楽しみです。
そして、次回は明日投稿予定ですが、明日はこの2週間?くらいのお詫びも兼ねて、2話投稿を予定しております。お楽しみに!
それでは今回は以上!銀河のかけらでした!


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35話

今回は少し短めです。

………ヨーソロー!

それでは35話、どうぞ!


 〜鞠莉視点〜

 

「うぅ…申し訳ないです…」

 

「全く、こんなに仕事を溜め込んでるなんて…」

 

 鞠莉達は今、生徒会室に来ている。

 

 その机の上には、大量のプリントが…。

 

 何やら、仕事が溜め込んでるみたいで…。

 

「しょうがないな…ダイヤは…よーし!さっさと片付けよ?」

 

「ありがたいですわ…」

 

 3人で終わらせれば早いしね。

 

 よーし!早く終わらせよ!

 

 すると、ノックが聞こえた。

 

 こんな時間に誰かしら?

 

「はい、どうぞ」

 

「失礼します」

 

「なーんだ、響か」

 

「響!シャイニー!」

 

「よっ!ダイヤに果南!」

 

 鞠莉が響に抱きついてきたが、華麗によけた。

 

「忘れ物取りに来たら生徒会室の明かりが付いてたからね。もしかしてかと思ってね」

 

「私は無視!?」

 

「うるさいですシャイニー理事長。急に抱きついてくる理事長は知りません」

 

「む〜固いな〜ダイヤじゃないんだから…」

 

「な…!誰が頭が固いですって〜」

 

「まあまあ落ち着いてダイヤ?」

 

「そうだよ。さっさと終わらせるぞー」

 

「そうね。なんせこ〜んなにあるからね」

 

「え!?こんなに?ダイヤ…サボってた?」

 

「サボってませんわ!ただ、最近何かと忙しくて…」

 

「仕方ねーな。さっさとするぞ」

 

 そして、4人で仕事を進めた。

 

「はあ…全く終わらん…。一体どんだけ仕事溜めたんだよ」

 

「…何も言えませんわ」

 

 そして、残り最後となった時、ある紙が目に止まった。

 

「ん?これって…」

 

「ああ、千歌さんが持ってきた申請書ですわ」

 

「へー、最初は千歌っちと曜の2人だったのね」

 

「意外?」

 

「いえ、てっきり千歌と梨子が最初に始めたと思って…」

 

「そうだな。"今"見たらそう見えるかもな」

 

「そうね。"今"わね」

 

 

 

「ふー、終わった〜」

 

「3人とも、今日はありがとうございます」

 

「いいって…お疲れ様〜」

 

「では、私はこれで」

 

 そうして、ここは響と鞠莉の2人だけとなった。

 

「さて、帰ろ?響?」

 

「鞠莉?気づいてるんだろ?曜の事…」

 

「まぁ…なんとなくね」

 

「頼む。話を聞いてみてくれないか?

 

 あいつ…今のままじゃ…」

 

「だったら響も聞いてみれば…いいんじゃないの?」

 

「女子同士だからこそ話せるってこともあるだろ。

 

 だから、今回はあまり関わらない。

 

 だから頼む。曜の話を聞いてあげて?」

 

 なるほど。それじゃ、先輩として一つやりましょう〜!

 

「分かりましたデース!じゃ、今からガールズトークをしてきまーす!」

 

 さて、曜を探さなきゃね!

 

 

 

 〜曜視点〜

 

 ………。

 

 どうしよう…このままじゃ…私…

 

 曜は、また暗い顔で1人歩いていた。

 

「やっぱり私って…っ!」

 

 すると、後ろから突然…

 

「おぉ~、これは果南にも劣らぬ…」

 

「っ…!とりゃあぁぁぁ〜!」

 

 曜はいきなり胸を掴まれたので痴漢かと思い、一本背負いをした。

 

 しかし…その正体は…、

 

「あうち!」

 

「え?鞠莉ちゃん!?」

 

 な…なんで鞠莉ちゃんが!?

 

「sorry sorry!ごめんなさいね。

 

 でも、痴漢じゃなくて良かったでしょ?」

 

「誰でも良くない!何するの!?」

 

「冗談冗談」

 

「で、何か用があるの?」

 

「そう、付いてきて?」

 

 そうして、2人で話せる場所に行った。

 

「…え?千歌ちゃんと?」

 

「はい。上手くいってなかったでしょー?」

 

「あぁ、それなら大丈夫!

 

 あの後2人で練習して上手くいったから!」

 

「いいえ、ダンスではなく。

 

 千歌っちを梨子に取られて…嫉妬ファイヤ~~

 

 が、燃え上がってたんじゃないの?」

 

 嫉妬…か…。

 

「話して?千歌っちにも梨子にも話せないでしょ?」

 

 そして、曜は鞠莉の隣に座り…話し始めた。

 

「私ね、昔から千歌ちゃんと一緒に何かやりたいなーって、ずっと思ってたんだけど…」

 

 ──「へー、曜ちゃん水泳部にしたんだ」

 

「千歌ちゃんは?」

 

「私は…」

 

「だから、千歌ちゃんが一緒にスクールアイドルやりたいって言ってくれた時は凄く嬉しくて…」

 

「やっと一緒に出来るって思って…でも、

 

 すぐに梨子ちゃんが入って…

 

 気付いたら、みんなも一緒になってて…」

 

「それで思ったの…。

 

 千歌ちゃん、もしかして私と2人は嫌だったのかなって」

 

「Why…なぜ?」

 

「私…なんか要領良いって思われてる事が多くて、だから、そういう子と一緒にって、やりにくいのかなって…」

 

 すると、それを聞いた鞠莉が曜の頬を掴んだ。

 

「鞠莉ちゃん…急に何して…!」

 

「何勝手に決めつけてるんですか?」

 

「え…?」

 

「本音でぶつかった方がいいよ。

 

 大好きな友達に本音を言わずに、2年間も無駄にしてしまった私が言うんだから。間違いありません!」

 

 本音…か。確かにそうかな。よし!

 

 

 

 そして、次の日、今日も練習だ!

 

「本音をぶつける…か。よーし!

 

 おはよー!」

 

「おはよー。あ、曜ちゃん、見て見て!」

 

「可愛い!どうしたの?これ」

 

「みんなにお礼だって送ってくれたの!

 

 梨子ちゃんが」

 

 梨子ちゃんが…梨子ちゃんが…梨子ちゃんが…

 

 梨子…ちゃん…。また…梨子ちゃん…。

 

「曜ちゃんのもあるよ!」

 

「あ…ありがと…」

 

 曜はそのシュシュを見つめたまま…また…顔が暗くなった。

 

 結局…その日は、何も話せず…ただ時間だけが過ぎていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




どうも!銀河のかけらです!いかがでしたか?

曜ちゃん………ヨーソロー…。そして鞠莉ちゃん凄く良いこと言ってますね。
曜ちゃんは今後どうなるのか?お楽しみに〜。

次回今日中か深夜出します。
それでは今回は以上!銀河のかけらでした!


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36話

す…すみません…完全に寝落ちしました…

……よーそろー

それでは36話、どうぞ!


 〜曜視点〜

 

「はぁ〜、結局話せなかった…」

 

 曜はあれから全く話す気が起きず、練習が終わってしまった。

 

「本音っていっても…私、なんて言えばいいんだろ…」

 

 ──「千歌ちゃん!

 

 私と梨子ちゃんのどっちが大切なの!?」

 

 そう言って千歌を壁ドンするのが頭に浮かんだ。

 

「いやいや…違うよね…」

 

 ──「千歌ちゃん…

 

 私の事…あんまり、好きじゃないよね?」

 

「…ん?」

 

「これも違う!なら…!」

 

 ──「私、渡辺曜は千歌ちゃんのことが…

 

 全速前進、ヨーソロー!」

 

「あはは…」

 

「うわぁー… なんかわけ分かんなくなってきた…」

 

 曜の頭の中にはいろんなことが浮かびすぎてパンク状態だった。

 

 すると、着信が鳴った。電話だ。

 

「ん?誰から?」

 

 そこには、私が気にしていた桜内梨子という名前が…。

 

「梨子…ちゃん」

 

 曜は恐る恐る電話を出た。

 

「もしもし?」

 

「もしもし曜ちゃん?今大丈夫だった?」

 

「ううん、平気平気。何かあったの?」

 

「曜ちゃんが、私のポジションで歌うことになったって聞いたから…」

 

「ああ、でも大丈夫だよ」

 

 嘘だ…。全然大丈夫じゃない…。

 

「ごめんね、私のワガママで…

 

 でも、無理に合わせちゃダメよ?

 

 曜ちゃんには曜ちゃんらしい動きがあるんだし。千歌ちゃんも絶対そう思ってる」

 

「そうかな…

 

 そんなこと…ないよ」

 

「千歌ちゃんの側には、梨子ちゃんが一番合ってると思う」

 

「千歌ちゃん…梨子ちゃんの側にいると嬉しそうだし…」

 

「梨子ちゃんのために頑張るって言ってるし…」

 

 そんなこと思ってたんだ」

 

「……っ!」

 

 電話を切ろうとした時、梨子の声が聞こえた。

 

「千歌ちゃんが言ってたんだよ?」

 

 そう言って…電話は切れた。

 

「千歌ちゃんが…言ってた?」

 

 すると、夜とは思えない大声が聞こえた。

 

「曜ちゃ〜〜〜ん!!!」

 

 その声は、私が何度も聞いた…

 

 そして、今聞こえるわけない声だった。

 

「千歌…ちゃん?どうして?」

 

「練習しようと思って!!」

 

「考えたんだけど…

 

 やっぱり曜ちゃん、自分のステップでダンスした方が良い!」

 

「1から作り直した方がいい!

 

 曜ちゃんと私の2人で!!」

 

 曜は目に涙を浮かべながら走って降りた。

 

 ──「あのね、千歌ちゃん前話してたんだよ?

 

 曜ちゃんの誘い、いつも断ってばかりで、ずっとそれが気になってるって

 

 だから、スクールアイドルは絶対一緒にやるんだって。

 

 絶対曜ちゃんとやり遂げるって」

 

 曜は外に出たが、後ろを向いて千歌の前に来た。

 

 見せたくなかった。泣いてるのを…。

 

「曜ちゃん…?」

 

 曜はそのまま千歌の肩辺りを触った。

 

「汗びっしょり…どうしたの?」

 

「バス終わってたし…」

 

 すると、近くに自転車があった。

 

 これで、乗ってきたようだ。

 

「曜ちゃん、なんかずっと気にしてたっぽかったから…いても立っても居られなくなって…へへ…」

 

 そこにいたのは…いつもの…幼馴染だった。

 

「私…バカだ。

 

 バカ曜だ…」

 

「うわっ!」

 

 曜は千歌に思いっきり抱きしめた。

 

 曜の目には、大きな涙が…出ていた。

 

「曜ちゃん?どうしたの?

 

 風邪ひくよ?」

 

「いいの!いい…の…」

 

 今までの思いを吐き出すように…泣いていた。

 

 すると、1人の男が帰っていった。

 

「俺は何もすることなかったな。

 

 これで一件落着…かな!」

 

 そう言って1人歩いていった。

 

 

 

 〜響視点〜

 

 今日は、予備予選当日。Aqours8人で会場に来ていた。

 

「みんな、準備は良い?」

 

「うん!」

 

「ズラ!」

 

「ばっちりデース!」

 

「今ちょうどこの時間、梨子の演奏が始まる」

 

「梨子ちゃん…!」

 

「梨子は別の分野で最高のパフォーマンスを見せるはずだ。

 

 いや、見せる!今の梨子なら」

 

「そうだね」

 

「俺達と梨子は今違う舞台にいるけど想いは一つだ!

 

 俺達の想い、会場に見せるぞ!」

 

「お──ー!」

 

「よーし!みんな行くよ」

 

 9人の手が中央に合わさった。

 

 だが、みんなには…10人に見えた。

 

「さあいこう!

 

 ラブライブに向けて!

 

 私達の第一歩に向けて!

 

 今、全力で輝こう!

 

 

 

 Aqours!!」

 

 

 

『サ〜ンシャイ〜ン!!』

 

 さあ見せよう!俺達の…いや、Aqoursと梨子の…

 

 想いを…。

 

 

 

 想いよひとつになれ(想いがひとつになるとき)

 

 このときを待っていた

 

 

 

 ふと気づくと 重なり合うよ

 

 一途に未来を呼ぶこころ

 

 ふるえてる手をにぎって行くんだよ

 

 

 

 すれ違ったあとで 同時に振り向いた

 

 ほらね本当は 一緒だったよ気持ちはね

 

 

 

 なにかをつかむことで(夢にもいろいろあるから)

 

 なにかをあきらめない(そうでしょ?)

 

 想いよひとつになれ

 

 どこにいても同じ明日を信じてる

 

 

 

「お疲れ様、良かったぞ」

 

「ほんと?」

 

「ああ、今までで最高の出来だった」

 

「やった〜!」

 

 Aqoursのみんなも手応えがあったようだ。

 

「あ!梨子ちゃんは?」

 

「そうだ。どうだったの?」

 

「大成功…だよ」

 

「良かった〜!!」

 

「これで、後は結果を待つのみですわね」

 

 確かにそうだ。でも…

 

「今日はそんなこと考えるな。

 

 今日はさっさと帰って休んで、明日からまた頑張るぞ!」

 

「そうだね!!」

 

「帰るぞー!」

 

「響くんは?」

 

「俺は行く所があるから、お先に〜」

 

 響はみんなと別れた。

 

 

 

 …………。

 

 ザッ…ザッ…

 

 帰り道、俺は一つ気になっていた。

 

 誰かに…つけられてる?

 

 俺は出来るだけ怪しまずにここまで来た。

 

 しかし、現実は…

 

「さっきより増えてる?そして、段々近づいてる」

 

 俺はあえて追い込んでしかけることにした。

 

「3…2…1…」

 

 振り向いたが…誰もいない。

 

 気のせい…?

 

 俺は…そのまま気にせず歩くはずだった。

 

「ん!んんん〜!」

 

 響は後ろからハンカチで抑えられた。

 

「な…に?おま……ら…れ」

 

 すぐにふりほどかないと…

 

「は…な……せ!」

 

 響は抵抗した。しかし、

 

「ガバァッ!」ドカッ!

 

 響はもう1人に腹を殴られた。

 

 その間にたくさん吸ってしまった。

 

 やっば…流石に…意識が…

 

「み……ん…な……」

 

 そのまま…響の意識は暗くなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




どうも、銀河のかけらです。いかがでしたか?
お…遅れました…。いやー、投稿押し忘れてそのまま寝ましたね…。
よーそろー…
最近ヨーソローしか言ってない気がする…。
そして、最後響に何が!?次回もお楽しみに!
次回少し閲覧注意な部分あります。次回の前書きにも書きますが、苦手な方はご注意を。
それでは今回は以上!銀河のかけらでした!


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37話

今回から、一部閲覧注意です。それと、今回短めです。

それでは37話、どうぞ!


 〜千歌視点〜

 

「みんな〜おはよ〜!」

 

「あ!千歌ちゃん!おはヨーソロー!」

 

「おはようございます!」

 

「おはよう!千歌っち」

 

 今日は予備予選が終わって次の日!

 

 本当はお休みのつもりだったんだけど、練習しないって言ったらみんなも同じ気持ちだった。

 

 てな訳で今日も頑張るぞー!

 

「あれ?」

 

「千歌ちゃん?どうかしたの?」

 

「響くんは?まだ来てないの?」

 

「そういえばまだいらしてませんわね」

 

「響君が遅刻…ズラ?」

 

「寝坊だったりして」

 

「千歌じゃないんだから…」

 

「善子ちゃん!今日は寝坊してません〜」

 

「とりあえず電話してみるよ」

 

 そう言って曜は携帯を出して電話をかけた。

 

「……ただいま、電話に〜」

 

「ダメだ…繋がらない…」

 

「どうする?」

 

 すると、ルビィが恐る恐る言った。

 

「も、もしかして何かあったんじゃ…」

 

 …………。

 

「ま、まさか…響だよ?」

 

「そうよ、あいつに限ってそんな」

 

 みんな信じてはいなかった。

 

 だが、鞠莉は冷静に考えた。

 

「でも、可能性は0とは言い切れない…でしょ?」

 

 うん…どうしよう…よし!

 

「ねえ、みんなで響くんの家に行かない?

 

 行ってみたら分かるはずだよ!」

 

「…そうね、それが一番良いわね」

 

「そうですわね…では急いで向かいましょう」

 

 Aqoursの8人は…不安を抱えながら…響の家へ急いだ。

 

 

 

 〜響視点〜

 

「う…うぅ…」

 

「こ…ここは…?」

 

 響は目が覚めたとき、自分の状況を覚えていなかった。

 

「そ…そうだ。俺、襲われて…」

 

 響はあの時の記憶を少しずつ思い出した。

 

「早く…ここから出ないと…っ!」

 

 響は逃げようかと思ったが…そこで、自分が縛られていることに気づいた。

 

 響は両手を上に上げる形で縛られていた。

 

「くそっ!逃げられない…か」

 

 逃げられないと諦めると、周りを見てみた。

 

「結構…広いな…」

 

 だが、広い以外は手がかりはなかった。

 

 すると、奥の方から人影が見えた。

 

「おやおや、お目覚めですか?」

 

「ひひひ…雑魚君?おっはよ〜」

 

「おはようございます。

 

 あなた方は…俺をこのような状態にした犯人でいいの?」

 

 すると、そいつらは笑って答えた。

 

「まあ…そうなりますね?」

 

 こいつらか…。

 

「で?何が目的?

 

 金?それとも…俺?」

 

 響が冗談も兼ねて言ってみたが、その答えは響にとって予想外だった。

 

「金は興味ない。あるのは…お前だけだ」

 

「……は?」

 

 え?マジか?もしかして…そっち系?

 

「おい、こいつ勘違いしてるぞ!」

 

 1人は少し考えた後に、こう答えた。

 

「ん?…ああ、そういうことか…。

 

 俺が興味があるのは…あなたの絶望と、命だよ」

 

「…はぁ?」

 

 全く意味が分からん…。命?絶望?

 

「命は知らねーが、絶望は死ぬほど体験したけど?」

 

 すると、1人の男が掴みかかってきた。

 

「あぁ!?俺らの仲間をこんなにしておいてもう体験しただ?

 

 舐めてんのかクソガキ?」

 

「こらこら、おやめなさい兄者?」

 

 兄?こいつら兄弟なのか?

 

 兄は短髪でがたいがいいパワー系みたいで、

 

 弟は長髪の体が細くて、無駄に言葉が丁寧だ。

 

「へえ?そんなに正反対の兄弟もいるんだな?」

 

「それはよく言われますので何も言えません」

 

 しばらく2人で双方を睨んでいたら、弟が話し始めた。

 

「それでは本題に入りましょう」

 

 すると、一枚の写真を俺に見せてきた。

 

「この人、ご存知ですよね」

 

「………」

 

 覚えてる…いや、忘れるわけがない。

 

 その写真に写っていた人は、音ノ木で俺を嵌めた奴の1人だった。

 

「それが…どうしたの?」

 

「その子はですね…自殺したんです。

 

 いじめが原因でね」

 

 なるほど…察した。

 

「そういえば…あなた…いじめたこと…ありますよね?」

 

「…ねえよ」

 

「いや、聞き方を間違えました。あなた…

 

 彼をいじめてましたよね?」

 

「…違う…」

 

「はい?今なんと?」

 

「違う!そうじゃない!こいつらが加害者なんだ!

 

 いじめたのはこいつらなんだよ!!」

 

「そんな暴論、信じるわけねーだろ!?」

 

「そうです。やったんでしょ?今認めれば、刑は軽くなりますよ?」

 

「…あ?」

 

「もう一度言います。やったんですか?」

 

「…黙れよ」ボソッ

 

「はい?なんです?もう一度…「やってねえって言ってんだよ!」」

 

「何?刑?なんで無実なのにそんなこと受けなきゃなんねーんだよ!やってないって何度言ったら分かるんだよ!!」

 

 響は声を張り上げて言った。

 

「…はぁ、そうですか。それが答えと…。でしたら、我らもそれ相応の態度をしないとね」

 

「へへへ…そうだな」

 

 なんだこいつら?いきなり薄笑いを始めて…。

 

 すると、2人は俺に近づいてきて…言った。

 

「それでは、これからあなたを私達で殴ります」

 

「……は?いきなりなんで?」

 

「拷問ですよ。ではとりあえず私から」

 

 すると、少し勢いを付けて、拳が腹のあたりに飛んできた。

 

「…グゥッ!」

 

「大丈夫です?次は兄者が」

 

「任せろ。へへ…死ぬなよ?」

 

「……ガバァ!」

 

「…これで終わり?」

 

 やばっ…かなりきつい…。

 

「大丈夫ですか?かなりきつそうですが?」

 

「全く…キツくないけど?」

 

「そうですか?それは良かった。入れ」

 

「入れ?何が……っ!」

 

 入れと合図をすると、100人はいるか…そんな数の人が入ってきた。

 

「これで私達なので…死なないでくださいよ?」

 

「…上等だよ!かかってこいよクソ野郎共!」

 

 この拷問は…何回も何回も繰り返された。

 

 ……グッ…ガッ!…ガバァッ!……

 

 耐えないと…助けが…来るまで…!

 

 




どうも、銀河のかけらです!いかがでしたか?
響…頑張れ!必ず助けが来るはず!
そして、Aqoursは…?
次回もお楽しみに!
…今回はこれでいいか。
それでは今回は以上!銀河のかけらでした!


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38話

最近2000文字くらいになってる…ま、いっか。
そして、最近ウイイレにハマるかけらであった。

それでは38話、どうぞ!


 〜千歌視点〜

 

「ここが響くんのお家か〜」

 

 千歌達は今、響を呼びに響くんのお家に来てる。

 

 それにしても…

 

「ね、ねえ?響君って本当に一人暮らし?」

 

「そうみたいね」

 

「にしては大きくない?」

 

「忘れたのですか?響さんの両親と真姫さんはお医者様ですわ」

 

「なるほどね。だからこんな家に住めると」

 

 ほえ〜にしてもおっきー!

 

「てかさっさとインターホン鳴らしなさいよ!」

 

「あ、そうだった」

 

 千歌は善子に言われてインターホンを鳴らした。

 

 だが、少ししても反応が無かった。

 

「響く〜ん!居たら返事して〜!」

 

「響く〜…ん?」

 

「曜ちゃん?どうしたの?」

 

「そんな…」

 

「曜…ちゃん?」

 

「どうしたの?…曜!」

 

「開いてる」

 

「え?」

 

「開いてるの!なんで!?」

 

 曜に言われてすぐに鞠莉がドアノブを触る。

 

 すると、玄関のドアが開いた。

 

 鍵が…開いていたのだ。

 

「本当だわ…開いてる…」

 

「もしかして響くんに…何かあったんじゃ…」

 

「ルビィちゃん、まだ決まったわけじゃないズラ」

 

 すると、千歌が響の家の中に入った。

 

『千歌ちゃん!?』

 

「千歌!!危ないよ!」

 

「響くんが中で倒れてるかもしれない。だから探す」

 

「千歌っち…よし!私も行くわ!」

 

「鞠莉さん!危険ですわ!おやめなさい!!」

 

「千歌っちをそのままにしておけとでも言うの?」

 

 そう言って鞠莉も中に入って行った。

 

「も〜私達も行くわよ!」

 

「善子さんまで!いけませんわ」

 

「みんなで探した方が良いでしょ!

 

 それに私達はAqours!違う?」

 

 善子にそう言われてみんなの決心はついた。

 

「…すぐ探しますわよ」

 

 Aqoursのみんなは、響の家に入った。

 

 

 

「響く〜ん?いたら返事して〜」

 

「響?聞こえる?」

 

「やっぱりいないのかな…」

 

「じゃあどこに…」

 

 すると、奥の部屋から何か音がした。

 

「…!響!」

 

『善子ちゃん!!』

 

 善子は音のした方へ走った。

 

「っ!千歌も行く!」

 

「千歌!善子ちゃん!危ないよ!!」

 

 果南の警告も無視して、2人は走った。

 

 2人は急いで音のした部屋へ向かった。

 

 そして…、

 

『響(くん)!!』

 

『っ!!!』

 

 そこには男が居た。

 

 だが、Aqoursのみんなが探していた…響では無かった。

 

「…誰?」

 

「誰よあんた…何処から入ったの?響は!響は何処!」

 

 善子はその男に掴みかかった。

 

 すると、その男は喋り出した。

 

「君達は、Aqoursの皆さんですか?」

 

「…そうですけど」

 

「全員ここにいますか?」

 

「…居るわよ」

 

「じゃあ、案内してくれませんか?」

 

「…は?なんで犯罪者に案内しなきゃなんないの?」

 

 そう言ってると、他の皆も続いて来た。

 

「千歌ちゃん、善子ちゃん?どうし…た…の?」

 

「誰ですの?この人は…?」

 

「おや、これはこれは、全員揃ってくれましたね」

 

「手間が省けたな」ボソッ…

 

「響は!?何か知ってるんでしょ!?」

 

「ああ、知ってる。そして、西木野響を助ける為に…わたしに協力してくれないか?」

 

 そして、その男は話し出した。今…起こっていることを。

 

 

 

 〜響視点〜

 

「ガバァッ!はぁ…はぁ…」

 

「精神力は流石ですね?もう百発以上受けてるはず。なのに気絶もしないとは…」

 

「う…るせぇ…よ…」

 

「はぁ…まだそんな口が叩けますか…兄者!」

 

「ああ…そろそろ終わりにしてやる…よ!」

 

「ぐはっ!あ…ぁ……」

 

 兄の強烈な一撃を喰らい、響は動かなくなった。

 

「おや?やっと気絶ですか。ですが、」

 

 すると弟は何か手に持ち、それを響の首に当てた。

 

「…ガッ!!はぁ…はぁ…」

 

「おはようございます。寝かせませんよ?」

 

 マジかこいつ…スタンガン持ってんのかよ…。

 

 そうして殴られて気絶して、スタンガンで起こされる。

 

 これが永遠に続いた。

 

「ゴボッ!ゲホッ!ゲホッ!はぁ…はぁ…」

 

 血も吐き出し始め、流石の響も限界が近づく。

 

 5回くらいになると、響は何も言わなくなった。

 

「さて…そろそろ飽きましたね。響さん?終わりです」

 

「さっさと地獄へ落ちろよカスが!」

 

「あそうだ!最後に精神的に殺してから逝かせましょう」

 

「精神…的…?」

 

「準備は出来てるようですね。入りなさい!」

 

 弟がそういうと、何人か中に入ってきた。

 

「…?…!!な、なんで…みんな!」

 

「おいコイツ、アイツら連れて来た瞬間喋り出したぞ!」

 

「響くん!」

 

「うっ…響…くん…」

 

「おい!皆をどうするつもりだ!」

 

「何って…決まってるでしょ?

 

 彼等も…適当に洗脳して売り飛ばしましょうかね?」

 

「へへ…女は結構高いしな」

 

「や、やめろ…お願い…します。みんなには…手を出さないで…ください…」

 

「響…くん…」

 

「響…」

 

「さて、どうしましょうかね…「おい」ん?なんですか?」

 

「おい!約束はわかってるだろうな?」

 

 Aqoursのみんなを連れて来た奴が弟の前に立って言った。

 

「ええ…彼にトドメを刺す。ですよね?」

 

「ああ…良いよな?」

 

「響くん!」

 

「お願いやめて!!」

 

「響くんを離してよ!」

 

「うるせえ!女どもは黙ってろ」

 

 そして、その男は兄弟と響の前に立った。

 

「俺はな…いじめをする奴は嫌いだ。

 

 だけどな…」

 

「違法なことをするクズどもがもっと嫌いなんだよ!!」

 

「え…?な!ガァ!!」

 

「何して…ギャア!」

 

 男は叫ぶと、兄弟を殴り飛ばした。

 

 兄弟達はそれぞれ壁にぶつかった。

 

「…なんで…?」

 

 響は、その光景をただ見ていた。




どうも、銀河のかけらです!いかがでしたか?
なんか上手く書けない…だけどこれも経験です。もっと書いて上手くなります!
最後の展開は一体!?次回もお楽しみに!
そして、私は今、サッカー好きが爆発してます。まずい…執筆もしっかりしないと!と思いながら試合の分析とかをするかけらです。
執筆も頑張るぞ!!!
それでは今回は以上!銀河のかけらでした!


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39話

さて、やっとここら辺がひと段落です。
なんか長かった気が…

それでは39話、どうぞ!


 〜響視点〜

 

「な…なんで…?」

 

 コイツ…敵…じゃないのか?

 

 すると、その男はAqoursのみんなの手錠を外した。

 

「響くん!」

 

「待っててね。今外すから」

 

 そして、千歌と鞠莉はすぐに駆けつけて俺の拘束を解いてくれた。

 

「ありがと。でもどうして?アイツは何者?」

 

「あの人はね…」

 

 そして、千歌は、あの時の響の家での出来事を話した。

 

 

 

 〜千歌視点〜

 

「協力…してほしい?」

 

「ああ、響くんを助けるのと、犯人逮捕にね」

 

「なんで私達がそんな…それよりも響は?」

 

「勿体ぶらないで話しなさい!!」

 

「響くんが今その犯人に捕まってるんだよ!」

 

「え!?」

 

「響…くんが…?」

 

「ああ、偶然防犯カメラに映ってた。2人組が響くんを拐っていくのをね」

 

「で、それに協力して欲しいと」

 

「…貴方の言いたいことは分かりました」

 

「一つよろしいですか?」

 

「どうぞ?」

 

「貴方は何者なんですの?」

 

「ああすみません。名乗ってませんでしたね?

 

 私は、愛知県警察巡査部長の氷室涼也といいます。」

 

 そう言ってその人は名刺を渡してきた。

 

「あ、ありがとうございます」

 

「ちょ、貸して千歌っち」

 

 それを鞠莉が取り、ダイヤと確認した。

 

「本当に警察だわ」

 

「警察…だったんですか?」

 

 警察…じゃあ響くんは…

 

「警察…ごめんなさい!掴みかかって…」

 

 善子が警察と聞いて涼真に頭を下げた。

 

「良いですよ。それに、私も許されたことをしてる訳ではないですしね」

 

「氷室さん…教えてください。響くんは…」

 

「おっと…話が逸れましたね。では、本題といきましょう」

 

「響君は近くの工場跡にいるはずです。

 

 そして、彼は暴行を受けている」

 

「そんな…!」

 

「それで、君達に協力してほしい。彼を助ける為に…」

 

「響くんを…助けられるなら是非!」

 

「私も賛成です!」

 

「私も!響先輩を…助けたい!」

 

 涼真の提案に次々と賛成していった。

 

 しかし、

 

「ちょっと待って」

 

「一ついいですか?」

 

 2人、それに乗り気ではない者がいた。

 

「果南ちゃん?」

 

「花丸ちゃん?どうしたの?響先輩を助けないの?」

 

「警察なんだよね?だったら、なんで警察は動かないの?しかも場所は分かってるんでしょ?」

 

「そうズラ。警察としてではなく、1人で動いてるのは変だと思います」

 

「…確かにそうですね」

 

「じゃあどうして…」

 

「警察として動くと…何かと面倒だ。

 

 だから俺だけで動いてるんです」

 

「なるほど…それだったら納得がいく」

 

 果南は少しだが納得したようだ。

 

「…これは正直言いたくないズラ…」

 

「は…花丸ちゃん…?」

 

「出世…自分の手柄を独り占めする為に…貴方は一人で動いてるんじゃないですか!?」

 

 花丸ちゃんが…こんなに怒ってるの初めてかも…でも、出世?手柄?

 

「それは本当ですの?」

 

「…いや、本心はそうではない」

 

「では、少しは思っているって事?」

 

「…話にならない。行こう。場所は分かったんだ。

 

 後は私達で行こう」

 

「……っ!」

 

 果南がそう言い、みんなはそれに続いた。

 

 外に出ようとした時、1人だけそこに留まっている者がいた。

 

「千歌…?早く行こう?」

 

「氷室さん…お願いします」

 

 千歌は、涼真に頭を下げた。

 

「千歌ちゃん!?」

 

「千歌!どうしたの?コイツは出世の為に動いてるんだよ?それで良いの?」

 

「それは分からない。でも…私達で行くよりも、可能性は高いと思う」

 

「千歌…ちゃん…」

 

「だから、お願いします。響くんを…助けてください!」

 

「……っ!私も、お願いします!」

 

「曜まで!?」

 

「響くんが助かるんだったら、私、なんでもします!」

 

「千歌さん…曜さん…」

 

 千歌はAqoursのみんなにも頭を下げた。

 

「お願い!みんな…氷室さんに賭けてみよう?響くんが助かるんだったら…」

 

「……あ〜もう!分かった!正直氷室さんのことは好きじゃないけど、付き合ってあげる」

 

「私も…響くんが助かるんだったら…」

 

「オラもズラ」

 

「仕方ありませんわね。付き合いましょう」

 

「正直理事長として見逃せませんが、私が責任を負いマース!」

 

「みんな…ありがとう!」

 

「決まりましたね。では、作戦を説明します」

 

 

 

 〜響視点〜

 

「そうして、氷室さんが仲間のフリをして、私達は捕まったフリをして潜入して、」

 

「今に至りマース!」

 

「なるほどね…随分危険なことをする…」

 

「えへへ…ごめんごめん…」

 

「みんなにはお礼を言いたいけど、まずはボスを倒さないとね」

 

 響が向く方を見ると、兄弟が起きていた。

 

「く…くそっ!こんなことじゃ…」

 

「コイツ…!絶対殺してやる…」

 

「おら!何してる!さっさとコイツらを捕らえろ!!」

 

『は…はい!!』

 

「おっとそうだった。俺ら、囲まれてるんだった」

 

「50人くらいですかね」

 

「多分な。氷室さん…だっけ?30人くらいいけますか?」

 

「君こそ?ボロボロですけど?いけるんですか?」

 

「だからこそ半分くらいあげたんですよ!」

 

 響と涼真が話してると、弟が声を上げた。

 

「行け!アイツらを捕まえろ!」

 

 オオォォォォォォオ!!!!

 

 弟の呼びかけに周りの者達は一斉に響達に飛び込んだ。

 

「はっ!大した事、ありません、ねっ!」

 

 ぐはぁ!ガバァ!

 

「さて、俺は疲れたし…そうだ、みんな!俺の後ろにいて!」

 

「え、あ、うん。分かった」

 

「でもどうして?」

 

「見てて?」

 

 すると、響の元に飛び込んできた。

 

「コイツは弱ってるぞ!」

 

「まずはコイツだー!」

 

「アハハ!弱ってる?それって…」ドカッ!

 

 グハァ!ガッ!

 

「これからの君達の事じゃないの?」

 

 響と涼也は次々と来る敵を倒し、あっという間にあの兄弟だけになった。

 

「さて、最初はこの弟くんからいきますかね?」

 

「ちょっと待って氷室さん!兄の方はどこ行った?」

 

「何!?」

 

 2人が見渡しても、兄の様子はどこにもない。

 

「フフフ…兄者!」

 

「え…ピギャア!」

 

「ルビィ!!」

 

「ルビィちゃん!」

 

「おっと近づくなよ?さもないと…傷がついちゃうぜ?」

 

「クッ…ゲス野郎が…!」

 

 兄の手にはナイフを持っていた。

 

「どうします?響く…ん?」

 

 涼也が響の方を見ると、響の姿はなかった。

 

「え…?アイツはどこ…ギャア!」

 

 兄が響を探すと、すぐ前に響はもう来ていた。

 

 そして、兄の腹に蹴りを入れた。

 

「おいてめえ俺の仲間に手出すんじゃねぇ殺すぞ?」

 

「…あそうだ。言い忘れてた。

 

 お前…さっき殺すとか言ったよな?…ふふふ…

 

 そして、兄の耳元で一つ、呟いた。

 

殺した事ないくせに…よく言えたな。

 

「あ…ぁぁ…」バタッ…

 

「兄者!!」

 

 それを聞くと、兄は体を震えながら気絶した。

 

「さーて、後は、クソ弟くんだけだな」

 

「ヒィ!ど、どうか命だけは…そうだ。謝ります。謝りますから…」

 

「ほう、じゃあ謝ってみて?そしたら考えてあげる?」

 

「ひ…響さん…数々の無礼と暴行…本当に…申し訳ありませんでした」

 

 そう言って、弟は土下座をした。

 

「…お前の気持ちは伝わった。

 

 だから俺の件は許してやる」

 

「ほ、本当ですか!」

 

「でも…Aqoursのみんなに怖い思いをさせたことは許さない」

 

「あ…どうか…許して…」

 

「一生眠ってろ」バチッ…

 

 

 

「はぁ…はぁ…」

 

『響くん!』

 

『響!』

 

「みんな…ごめん…ね?」ドサッ…

 

「ひ、響くーーーん!!!」

 

 Aqoursのみんなの声が聞こえる…。凄え呼んでんなぁ…俺の名前…氷室さんも…あ、ダメだ…意識が…もう…。

 

 そうして、響の意識は、眠るように、静かに閉じていった。




どうも、銀河のかけらです!いかがでしたか?
良かった…響くん、Aqoursのみんな…良かったね…(謎の親目線)
そして、新登場のオリキャラ、氷室涼也さんです!パチパチパチパチ
いやーなんか似てる人いるような気がするなぁって思ってたら…コナンの安室さんでした。(ちなみに意識はしてません)

そして、1ヶ月たてば夏休み!いえぇぇぇ!!
今年の夏休みは色んなことに挑戦したい!
そして、過去話の修正とかもしないといけないし書いてて気づいたオリキャラの紹介とかもしたいし…盛りだくさんです!

でも、引き続き一日を大切に頑張ります!
それでは今回は以上!銀河のかけらでした!


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40話

ふー…40話だぁーーー!

それでは40話、どうぞ!


 〜響視点〜

 

 ここは…何処だ?

 

 あたりを見渡すと…何もなかった。

 

 ただ、下には水が流れていた。

 

「これ…川?」

 

 すると、遠くから人が来た。

 

「…っ!!か…母さん…!」

 

「…響!」

 

 間違いない!あんまり覚えてないけど、母さんだ!

 

「母さん!今こっちに行くから!」

 

「ダメ!」

 

「え…?」

 

「絶対にここから出たらダメよ!絶対に…」

 

「どうして…?」

 

「お母さんの所に来ると、もう戻ってこれないわよ?」

 

 もど…れない?それはやだ。

 

「だったら…ごめんなさい。俺は帰るよ」

 

「そうしなさい。あそうだ!最後に一つだけ」

 

「何?母さん?」

 

「後悔することなく…生きなさい」

 

「…ああ、もちろんだ」

 

 俺がそう答えた瞬間、辺りは光に包まれた。

 

 母さんの姿が見えなくなる時、ありがとうって聞こえた気がした。

 

 

 

「……ハッ!」

 

 俺は目を覚まして勢いよく起きた。

 

「あ!イッテェ…」

 

 すると、殴られた部分が少し痛い。

 

「おやおや、元気そうで何よりですね?」

 

「あ、氷室さん、いたんですか?」

 

「タメ口と苗字読み禁止ですよ?昨日言いましたよね?」

 

「あ!そうだった。悪いな…涼也?」

 

 俺はここに入院して早3日、明日には退院する予定だ。

 

「にしても、病院がこんなに暇とは…」

 

「仕方ない。我慢です」

 

 ……ジーー…

 

 何か涼也が響の方を見てる。

 

「な、何?何かついてる?」

 

「…緊張しないのですか?」

 

「へ?何かある?」

 

「いえ、千歌さん達はとても緊張してましたが…」

 

「ああ、予備予選の結果?そんなの突破に決まってるだろ?」

 

「随分な自信ですね?」

 

「当然。だってあのパフォーマンスは完璧だったからね。何年も見てきたんだ。俺が保証する」

 

「何年も…ですか?それは、君がμ'sのマネージャーの頃からかな?」

 

 うん、そうそう…って…え?

 

「なんでそれ知って?」

 

「何、俺だって流石にμ'sの曲は聴いたことがある。そして、今のAqoursの曲を比べると何か似てる点があると思ったからかな?

 

 それに、さっき鎌かけたしな?」

 

「チッ!流石、悪徳警察は違うね〜」

 

「悪徳とは失礼な…、私はただ、出世に貪欲なだけですよ?」

 

 まぁその出世のために手段選ばない奴だけどな…。

 

「……なぁ?」

 

「ん?どした?」

 

「ひとついいか?」

 

「…あ、ああ…」

 

 なんだ?急に…

 

「お前の"前"のお父さんの行方…知らないか?」

 

 ………。

 

「それは…俺の過去を知った上で聞いてる?」

 

「ああ、調べたからな…」

 

「だったら答えは分かるだろ?

 

 知るかそんな奴」

 

 

 

 そして次の日、退院した俺は、部室に向かった。

 

「おは…「響くーーーん!!」ぐはぁ!」

 

 部室に入った途端…千歌が飛び込んできた。

 

「千歌さん!まだ響さんは治りかけなんですよ!」

 

「えへへ…つい…」

 

「相変わらず千歌っちね…」

 

「あはは…」

 

「さて、遅れたけど、予備予選突破おめでとう!」

 

『いえーーー!!』

 

「さて、これから東海地区に向かうわけですが…俺が病院で一番気になっていた…説明会は!?どう?」

 

「……っ!ごめん…まだ0よ…」

 

「…ですよね。なんとなく分かってた」

 

「え?そうだったズラ?」

 

「だって、そんな簡単に行くとは思ってないしな」

 

「…ゼロ…」

 

 千歌は…未だ0のままの状況に何か思ってる…そんな顔だった。

 

 

 

「千歌はどこ〜っていた…」

 

 あれから…千歌は果南の家に行ったあと、俺と曲の打ち合わせをする約束だったのに…一向に来ない…。

 

「千歌?こんなところにいたんだ。ほら、曲、作るんじゃないの?」

 

 千歌に話しかけたが、反応しない。

 

「千歌…千歌さーん?…ワッ!」

 

「うわぁ!…って響くん!?どうしたの急に…」

 

「急って…それに、打ち合わせ、しないの?」

 

「あぁ!忘れてた…」

 

「…だろうと思ってた。隣…いい?」

 

「うん、いいよ?」

 

 そうして、千歌の隣に座ると、あの時の海の音が聞こえた。

 

 千歌達と出会った日の…あの…

 

「綺麗だな…海」

 

「うん…」

 

 2人は話すことなく、時間だけが過ぎていく。

 

「響…くん?」

 

「何?千歌?」

 

「響くんって、私をリーダーだと思う?」

 

「当然。違うの?」

 

「…μ'sって、この時期には決まってたんだよね?廃校しないって…」

 

「千歌?」

 

「千歌と穂乃果さん…何処に差があるの…?」

 

「千歌…?」

 

「教えて…?私もっと穂乃果さんみたいに…」

 

「千歌!!」

 

「……っ!な…に?」

 

「何を焦ってるの?μ's?穂乃果?知るかそんなもん。

 

 いい?お前は高海千歌。穂乃果ではない」

 

「…っ!」

 

「そうだな…でもひとつ言うと…千歌には足りないものがあるかもしれない。」

 

「…それってどういう…?」

 

「ま、自分で考えな?」

 

「そうだ、ひとつ昔話をしよう」

 

「昔…話?」

 

「昔、あるところに1つのアイドルグループがあった。

 

「そのグループは9人の少女達によって、最初は苦戦したが…最終的には優勝を果たした」

 

「ねえ、それって…」

 

 千歌が何か言いたそうだが、続けた。

 

「そのリーダーは、完璧では無かった」

 

「仕事はミスばかり、いつも怒られていた」

 

「だが、それでも、彼女は自分を信じて8人と駆け上がっていった」

 

「こうして、今、彼女らは伝説となり、名を刻みましたとさ…」

 

「μ'sのこと…だよね?」

 

「ああ…正直言うと、千歌に足りないのは何か俺も分からない。

 

 だから、自分で掴め。リーダーという存在を…」

 

「…でも、どうすれば…」

 

 はぁ…考えすぎるのが良くも悪くもだからな…。

 

「千歌?」

 

「何?」

 

「…夢描く〜ってどんなこと〜?」

 

 響はある曲を歌い始めた。

 

「熱くなってとめられない」

 

「みんなに知って欲しくなる そんな想いかな」

 

「どうしてそれを…?」

 

「ほら千歌?次歌って?」

 

「… そのためには何をしよう」

 

「ひとりじゃちょっと難しい」

 

「みんなとならできるかも やあやあ巻きこんじゃえ」

 

 歌っていくたび、千歌の顔に笑顔が戻って来た。

 

「OH NO! ムリだと言わないで やってみてお願い」

 

「OH NO! ムリでも試してよ 違う明日が見たい」

 

『We can! Go ahead!!』

 

 

 

 届かない星だって (Star light, I hope you)

 

 手を伸ばす勢い持って

 

 届かないって決めないで (Star light, I hope you)

 

 手を伸ばせ! それから悩め!

 

 

 

「ありがとう、響くん。なんか助けられてばかりだね…」

 

「千歌が望むなら何度でも助けるけど?」

 

 うーん…笑顔は戻ったけど、まだ悩んでる感じかな…。

 

 よし決めた!

 

 すると、千歌の手を掴んで走り出した。

 

「ちょ!?どこ行くの?」

 

「千歌、悩んでるんだろ?だったら止まってるより進んだ方が良い!でしょ?」

 

「も、もしかして…」

 

「行こう!みんなで!

 

 μ'sの聖地、東京へ!!」




どうも、銀河のかけらです。いかがでしたか?
さてさて、遂に来たぜ、Aqours9人で東京に行くところまで!
そして、途中にあった曲はAqoursの「届かない星だとしても」です。この曲、μ'sを意識しているような歌詞がたくさんあるので個人的に好きな曲の一つです。
話は全く関係ないですが、最近サッカーにハマりすぎててヤバイです。でも、更新頻度は下げないように頑張るぞー!!
それでは今回は以上!銀河のかけらでした!


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41話

さて、41話ですね!
え?投稿頻度?下がってる?
またまた〜そんなはずないですよ?
キノセイキノセイ…。
それでは41話、どうぞ!


 〜響視点〜

 

「負けてはなりませんわ!

 

 東京に飲まれないよう!!」

 

「あの〜ダイヤ?何と戦うつもり?」

 

「東京は少しの油断でさえ呑み込まれてしまう魔都ですわ!」

 

「魔都!!」

 

「善子ちゃん、食いつかないズラ」

 

「ねぇルビィちゃん?なんであんなに敵対視してるの…?」

 

「お姉ちゃん、小さい頃東京で迷子になったことがあるらしくて」

 

「あぁ…なんとなく想像つくわ…」

 

 どんなふうだったんだろ?

 

 ルビィちゃんみたいにピギィーーー!って言ってたりして…。

 

 いやそんなはずないか。あのダイヤだもんな。

 

「トラウシだね」

 

「トラウマね」

 

「あれ?梨子は?あいつどこ行ってんだ?」

 

「確かここで集合だったはず…」

 

「あ!いました!」

 

「ほんとだ…って何頑張ってんだ?」

 

「ふん!ぐぬぬぬぬ…入らない…」

 

「何してんの?」

 

「はっ!いやいやいや別に!

 

 お土産とか…お土産とか…お土産とかだよ?」

 

「いや何慌ててんだよ」

 

「何買ったの〜?」

 

「いやあとで見せるわよ」

 

 すると、ロッカーから"お土産"が落ちて来た。

 

「あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁ〜〜〜!!」

 

「お!なになに〜?」

 

「ダメダメダメ〜!」

 

 梨子は千歌の目をおもいっきり押さえた。

 

 いや、我々には丸見えですけど。

 

 にしてもカベドン…ですか…。

 

 まあ…はい、その話題は触れないようにしておこう…。

 

「さて、久しぶり!響君!」

 

「おう、ピアノの方は魅せたようだな?」

 

「………」

 

「ん?どうした?」

 

「千歌ちゃんから聞いたわ。ごめんね?あの時駆けつけられなくて…」

 

「ああ、いいよ。過ぎた事だし」

 

「そうだよ!早く行こ!」

 

「そうだな…ぶっ!」

 

「ん?なんで笑ってるの?」

 

「いや、ナンデモナイヨ」

 

「カタコトだけど…」

 

 いや、笑わないわけないだろ。めっちゃ跡ついてんじゃん…。

 

「まずは神社!

 

 実はね、ある人に話聞きたくて…会ってくれるって!」

 

「ある人?誰ズラ?」

 

「会ってのお楽しみ~!凄い人だよ!」

 

「へぇーそれは楽しみだな?」

 

「東京…神社…」

 

「凄い人…まさか…」

 

『まさか…まさか…』

 

『まさかぁぁ!!!』

 

「お久しぶりです」

 

「へぇ、貴方達でしたか?久しぶりですね。

 

 Saint Snowさん」

 

「なんだぁー…」

 

「サインなんて持って…」

 

「誰を期待してたの?ダイヤ?」

 

「凄い方といえば…μ'sかと…」

 

「まっさか〜、そんなわけないでしょ?」

 

「全くダイヤったら…」

 

『お•バ•カ』

 

「鞠莉さん!果南さん!2人で言わないでください!!」

 

「さあ、行きましょう?」

 

「え?どこで話すんですか?」

 

「私が用意しました。行きましょう?

 

 UTXへ」

 

 

 

「まさかここにまた入ることになろうとは…」

 

 今俺達はSaint Snow、2人の話を聞く為にUTXに来ていた。

 

 そして、俺は一度だが、ここに来たことがあった。

 

「予備予選突破、おめでとうございます」

 

「Aqoursのみなさんこそ、おめでとうございます」

 

「凄いみたいですね?再生回数も」

 

「いえ、まだまだです。

 

 それに、再生数は、あなた達の方が上なんだし」

 

「ですが、決勝では勝ちますけどね」

 

「それは、こっちも同じですよ。

 

 負けませんよ。Aqoursは」

 

「私と理亞は、A-RISEを見てスクールアイドルを始めようと思いました。

 

 だから、私達も考えたことがあります。

 

 A-RISEやμ’sの何が凄いのか。何が違うのか」

 

 なるほど。それは正直俺にも分からないな…。

 

「答えは出ました?」

 

「いいえ。ただ、勝つしかない。

 

 勝って追いついて、同じ景色を見るしか無いのかもって」

 

「確かに、勝てば何か見えるかもしれない…ですね」

 

「……勝ちたいですか?」

 

『え…?』

 

「姉様、この子バカ?」

 

「勝ちたくなければ、何故ラブライブに出るのです?

 

 μ’sやA-RISEは、何故ラブライブに出場したのです?」

 

「確かにそうですけど…何か引っかかるんです」

 

「μ'sのみなさんはもっとこう…勝つのとは違う…何かがあったんだと思うんです」

 

 なるほど。それがSaint Snowの考え…か。

 

 確かにμ'sは勝った。

 

 でも、勝つ為にラブライブにでたと思ってるんなら、それは不正解だな。

 

「そう。勝つとは違うものはいくつもある。

 

 μ'sにも何かあったのかもな」

 

「知ってるの?響くん?」

 

「いや、具体的には分からない。でも、一つだけ言える」

 

「…何?」

 

「何かを掴むのは、自分の手で掴んでこそ意味がある」

 

 そう。俺が何度も掴めなかったからな。

 

「…そろそろ今年の決勝大会が発表になります。見に行きませんか?」

 

 そうして、俺達はあのスクリーンの前に来ていた。

 

 そこには、アキバドームと書かれていた。

 

「アキバドーム…か」

 

「アキバドーム…

 

 本当に、あの会場でやるんだ」

 

「ちょっと、想像できないな…」

 

 すると、梨子が一つの提案をした。

 

「ねえ!音ノ木坂、行ってみない?」

 

『え?』

 

「音ノ木坂に行けば、何か見えるかも」

 

「良いんじゃない?見れば、何か思うことがあるかもしれないし」

 

「でも、響は良いの?」

 

「…別に良いよ。俺も正直悩んでるし。

 

 10人でAqours。だろ?」

 

「そうだね!」

 

『音ノ木坂!?

 

 μ’sの…母校!?』

 

「行くか!μ'sの母校!音ノ木坂へ!」

 

 さて、行くのも久しぶりだな。俺の…一つの分岐点へ行くのは…。

 

 

 

 

 

 

 

 




どうも、銀河のかけらです!いかがでしたか?
東京!いいなー!行きたいなーー!
というわけで、今回はSaint Snowに話を聞きました。聖良さんは、勝って同じ景色を見て何かを掴みたいが、千歌はどうなのか?
次回は、遂に音ノ木坂へ!行きます!
投稿頻度…今回は忙しかったんだ…
それでは今回は以上!銀河のかけらでした!


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42話

今週も頑張るぞ〜(もう水曜日)

それでは42話、どうぞ!


 〜響視点〜

 

「この上にあるの?」

 

「ああ、この上を登れば、音ノ木坂の前だ」

 

 俺達は、音ノ木坂の前の階段まで来た。

 

 そう、何度も、何度も歩いた、この階段に。

 

「どうしよう!μ’sの人がいたりしたら!」

 

「へ…平気ですわ!!

 

 その時は…サインと、写真と…」

 

「ねぇ、走っていかない?」

 

「じゃあ競争だね!」

 

「よーいどん」

 

「早っ!待て〜〜」

 

 響に続いて、Aqoursの9人が続いた。

 

 いつ以来だろう?この階段を、楽しく登るのは…。

 

 そして、俺達は遂に音ノ木坂の前まで来た。

 

「ここが…μ’sのいた…」

 

「この学校を…守った」

 

「ラブライブに出て…奇跡を成し遂げた…」

 

 俺達はしばらく校舎を眺めていた。

 

 すると、1人の少女が聞いてきた。

 

「あの〜いいですか?」

 

「ああ、すみません。邪魔でした?」

 

「え………っ!!」

 

 何で…君が…!?

 

「私の姿を検知している…!?」

 

「やめるズラ」

 

 俺にとっては…彼女は、かけがえの無い存在で、もう会うことはないと思ってた。

 

「もしかして、スクールアイドルの方ですか?」

 

「はい!μ'sのこと、知りたくて来てみたんですけど」

 

「残念ですけど…

 

 ここには、何も残ってなくて…」

 

「え…?どうしてですか?」

 

「μ’sの人達、何も残していかなかったらしいです。

 

「自分達の物も、優勝の記念品も、記録も、

 

 物なんかなくても、心は繋がっているからって」

 

 そう話すと、奥から子供が走ってきた。

 

 その子は、手すりで滑って下でピースをしていた。

 

「あの子…ふふっ…あいつに似てんな」

 

「さて、最後に教えてくれた音ノ木坂にお礼でもしますか?」

 

「そうだね」

 

 そうして、俺達は一列に並んで、声を揃えた。

 

『ありがとうございました!!』

 

「さて、次はどこ行く?」

 

「アキバ行きたい!」

 

「ドームも見に行く?」

 

 すると、響は立ち止まってスマホを見た。

 

「あ!ごめん、電話来たから先行ってて?」

 

「分かった!追いついてね!」

 

「ああ、わかってる」

 

 俺は1つ、嘘を付いた。

 

 電話なんて一切来ていない。

 

 でも、それには理由があった。

 

「あっ!久しぶりだね、響くん!」

 

「ああ、久しぶり…楓ちゃん」

 

 あの時の生徒は、あのいじめの時のA子…水瀬楓だったからだ。

 

「あれ?響くん少し痩せた?それに髪型も変えたね!」

 

「あ、ああ、そうだな。」

 

「びっくりしたよ〜スクールアイドルの方達かなと思ったらその中に響くんがいるんだもん」

 

「俺だって急に楓が来て驚いたよ」

 

「…良かった」

 

「ん?どうしたの?」

 

「俺が音ノ木坂を去ってからずっと楓が大丈夫か考えてた…」

 

「響くん…」

 

「でも、今の楓を見て安心したよ。

 

 楽しく過ごせてるんだなって…」

 

「私だって、響くんのこと心配してたよ?

 

 響くんの情報全く来ないからちゃんと学校行ってるのかなって」

 

 そして、2人は少し静かになった。

 

「あっ!そうだ!響くん!あのスクールアイドルとどんな関係?」

 

「関係って…」

 

「えっ?もしかして彼女さん?」

 

「はぁ?ふざけんな!それだと9股じゃねーかよ!」

 

「全員とは言ってないけど…」

 

「うるせえ!ただのマネージャーですー」

 

「やっぱり!だったら、ほラブライブで会えるかもね?」

 

「え?それって…」

 

「私、音ノ木坂学院スクールアイドル研究部に入ったんだ」

 

 マジかよ…

 

「ふふっ…やっぱり人生って面白いな」

 

「え?どしたの急に…」

 

「知らないうちにこんな共通点ができるなんて…人生は楽しい…こうでなくちゃな!」

 

「…響くんらしいや」

 

「ラブライブではAqoursは負けない。相手が音ノ木坂でも…絶対にな」

 

「それは私も同じ。じゃ、次はラブライブで会おう!」

 

「ああ、じゃあな」

 

 こうして、俺達は再会を誓って別れた。

 

 それぞれの進む道へ…

 

 グスッ…グスッ…

 

「おい」

 

「ギクゥ!あれ?ドウシタノ?」

 

「なんでみんないるんですか?

 

 もしかして、隠れて見てたの?」

 

「いやいや見てない見てない」

 

「へーそーなんだ。

 

 ってなると思ってんのか〜!!」

 

『ピギャーーーー!!』

 

「やばい逃げろー!」

 

「待て、てめえら〜絶対捕まえる!!」

 

 響は怒っていた。

 

 しかし、追いかけてる時も、自然と笑みを浮かべていた。

 

 

 

「イタタ…」

 

「全員ハリセンは無いよ…」

 

「不当な暴力だよ…」

 

「へーさっきの覗き見はいいんだーへー」

 

 そういうと響はそっとハリセンを出した。

 

「ごめんわかったからそれしまって!」

 

「…へいへい」

 

「さて、まだ時間あるけどどうする?」

 

「うーん…ドームでも行ってみる?」

 

「でもそれだと時間が少しやばいんだよな〜」

 

「さて、どうする?響くん!」

 

「俺?えっとな〜」

 

 響が考えてると、スマホの通知が鳴った。

 

「ん?メールか…なっ!?」

 

「ん?どうしたの?」

 

「何かあった?響?」

 

「イヤイヤ別に無い無い無い…」

 

「凄い慌ててるけど…」

 

「もしかして魔界からの通s」

 

「そんなはずないズラ」

 

「最後まで言わせなさいよ!」

 

「ごめん!これから知り合いに会わなくちゃいけないから…」

 

「え?知り合い?東京で?」

 

「ああ、来い来いうるさくてな…少し顔出してくる」

 

「分かった…じゃあ駅集合ね」

 

「りょーかい。ごめんな。じゃ!また後で〜」

 

 そう言って響は走って行った。

 

 

 

 〜千歌視点〜

 

「じゃ、これからどうしよっか?」

 

「怪しいわ…」

 

「へ?」

 

「鞠莉ちゃんも思いますか…?」

 

「梨子ちゃん?」

 

「フッフッフ…流石リトルデーモンね…同じものを感じるとは…」

 

「それで、何があったの…?」

 

「無視するなー!」

 

「間違いないわ…」

 

「ええ…響が会うのは知り合いじゃない…」

 

『彼女よ!!』

 

「か、彼女!?」

 

「何ですって〜!」

 

「流石にそれは無いんじゃ…」

 

「いや、響よ。絶対いるはずだわ」

 

「そうよ。必ずいる」

 

「そうかな〜」

 

「そうと決まれば追うわよ!」

 

「まだ何も決めてないけど…」

 

「でもバレたらまたハリセンじゃ…」

 

『あっ……』

 

「いや、大丈夫よ!」

 

「理事長を信じなさい!」

 

「理事長関係ありませんわよ」

 

「早くしないと見失うわよ!」

 

「レッツゴー!!」

 

「あ、待ってよ〜」

 

「なんで梨子と鞠莉はノリノリなのよ…」

 

「待つズラ〜」

 

「花丸ちゃ〜ん、待って〜」

 

「本当にいいのですか?」

 

「まぁいいんじゃない?楽しそうだし」

 

「行くわよ〜全速前進〜」

 

『ヨーソロー!!』

 

「あ〜それ私のヨーソロー!!」

 

 こうして、響尾行作戦をスタートさせるのであった。




どうも、銀河のかけらです!いかがでしたか?

さて、音ノ木坂!そして、オリキャラの水瀬楓が新登場です!苗字は…察してください。
そして…次回、マジで彼女なのか?乞うご期待!
それでは今回は以上!銀河のかけらでした!


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43話

昨日だそうと思ったんですが、投稿を押し忘れたただのバカ。
どうも、かけらです。

それでは43話、どうぞ!


 〜響視点〜

 

「はぁ…行きたくね〜」

 

 響はとても憂鬱な顔をしながら東京を歩いていた。

 

「てかなんで東京にいるの知ってんのあいつら…」

 

 しかもいると分かったらLINE100件寄越しやがって…

 

 なんなの?ストーカー?

 

「はぁ…逃げたい…ん?」

 

 いや待てよ…ここで逃げたら確実に次はもっと面倒なことになる。

 

「だったら今言った方がいっか…でも気まずい…」

 

 響がブツブツ言いながら歩いている…姿を見つめている9人の影があった。

 

「ねえねえ…」

 

「何よ?」

 

「なんか凄い独り言言ってない?」

 

「なんか善子ちゃんみたいズラ」

 

「ヨハネ!!ってか独り言じゃないわよ!」

 

「わぁこっち見る!?」

 

 Aqoursは急いで周りに隠れた。

 

「ん?何か見てたような…気のせいか…」

 

 響はAqoursのことを気づかずに歩き出した。

 

「よし、ヨーソロー」サササッ

 

 ………。バッ!

 

 響はやっぱり気になるのか、たまに後ろを振り向く。

 

「に、にゃあ〜」

 

「なんだ、猫か…」

 

「ほっ…良かった〜」

 

「あ、そうだ!千歌に行っとかないといけないことあったんだ!」

 

「えっ!」

 

「嘘!電話かかってくる」

 

「どうするの!?」

 

「千歌!早くあっち行って!」

 

「えぇ〜」

 

「ん?出ないな…」

 

「どうしようどうしよう…」

 

 千歌は急いで路地裏に隠れた。

 

「お、もしもし千歌?」

 

「あ、もしもし?」

 

「今大丈夫?」

 

「うんうん、大丈夫大丈夫…」

 

「えっとね〜次の曲の歌詞、できた?」

 

「あぁ、あとちょっとで出来るよ!」

 

「そう、だったら早めに梨子に渡せよ?」

 

「分かってるよ。ごめんね、少し急いでて…」

 

「そうなの?どこ行ってんの?」

 

「えーと…そう!これから観たいものがあって…」

 

 千歌は必死に言い訳を言っていた。

 

「ふーん…じゃ、最後に一つ」

 

「な、何?」

 

 すると、響は歩き出した。

 

 Aqoursのいる近くへ。

 

「なんかね〜俺のストーカーをしてるスクールアイドルがいるんだけど…」

 

『げっ!?』

 

「ヤバっ!」

 

「どーゆーことかな〜」

 

「響くんこれには事情g」ブツッ

 

 響は最後まで聞かないで電話を切った。

 

「さて、どういう事か、聞かせてもらおうか?」

 

「ねぇ!めっちゃ怒ってるじゃん!」

 

「だからやめようって言いましたのに…」

 

「ぴぎぃーーー!」

 

「あ、逃げるな!同罪よ!」

 

「ご、ごめんなさい…まさかそんなに怒るとは思ってなくて…」

 

「え?怒ってないよ?」

 

「え?」

 

「怒ってないの?」

 

「だって気付いてたし」

 

『えーーー!?』

 

「気づいてたの?」

 

「ホワット!?」

 

「いつから!?」

 

「あ、千歌おかえり…えっとな〜俺が呟いてたところからかな」

 

「最初からじゃん!」

 

「だってお前ら音立てすぎ。あれで気付かないとでも?」

 

「あ、そうだ…!」

 

「どうしたの梨子ちゃん」

 

「響君って耳が凄い聴こえやすいのよ。だからかも」

 

「まぁね。人よりは聴こえるかもね」

 

「ほへ〜そうなんだ〜」

 

「で?それより俺を尾行して何がしたいの?」

 

「いや…」

 

「実は…」

 

「梨子ちゃんと鞠莉ちゃんがもしかして彼女に会いに行くんじゃないって思ったズラ」

 

『No〜!?』

 

「はぁ?」

 

 こいつらアホか?

 

「こんな奴に彼女ができる訳ないだろ?」

 

「な〜んだ…違うのか…」

 

「じゃあやっぱり友達?」

 

 すると、響は何か考えだした。

 

「あれ?どしたの?」

 

「いや、友達と言うか…なんというか…」

 

「ただの友達ではないと…」

 

「梨子ちゃんの目がまた光り出したよ…」

 

「やっぱり友達以上の人なのね!?」

 

「ま、まあ友達以上かどうかだと、そうかもな」

 

「友達以上ってどんなの?」

 

「普通は彼女とかだけど違うんデショ?」

 

「ああ…そうだ!一緒に付いてき…いや待て」

 

 こいつらに会わせたらかなりまずい化学反応を生むんじゃ…

 

「やっぱりダメだ。どっか行ってろ」

 

『え〜』

 

「なんでよ!?」

 

「そこまで言って終わり!?」

 

「それは無いよ!?」

 

 …デスヨネ〜

 

「お願い!響くん!」

 

「私達は誰が来ても怒らないわよ!」

 

「でも…」

 

「そう!何も慌てないからさ〜」

 

「ん?」

 

 慌てない…?

 

「本当だな?」

 

『うん』

 

「本当に慌てないな?」

 

『うんうん!』

 

「絶対?」

 

「ヨーソロー!」

 

『ヨーソロー!』

 

「今のヨーソローなんだよ!?」

 

「大丈夫だから!」

 

 仕方ねえな…。

 

「分かったよ。ついて来い」

 

『やった〜』

 

 ヤバ…やっぱり断れば良かった…。

 

「はぁ…俺って甘いな…」

 

「ん?何か言った?」

 

「イヤイヤ何も!」

 

「それじゃ、全速前進!」

 

『ヨーソロー!!』

 

 ははは…元気でよろしい…。

 

 そして、更に顔が暗くなる響をよそに、Aqoursの面々は響について行った。

 

 

 

「ここ?」

 

「ああ、ここだ」

 

「え…え…ええ?」

 

「ほほほほんとにここなの?」

 

「嘘…?」

 

「…穂むら?」

 

「和菓子屋みたいね」

 

 Aqoursの面々は特に驚きはしなかった。

 

 ある3人を除いて…

 

「ここは…まさか…」

 

「そ…そうだよね!」

 

「μ'sの穂乃果さんの…実家」

 

『え!?』

 

「お、流石、良く知ってるな」

 

「え、ここが…穂乃果さんの…」

 

「ここで友達が待ってるの?」

 

「ああ…この中にな」

 

「へー…え?中?」

 

「まさかまさかまさか…」

 

「お姉ちゃん!まさか…!」

 

「嘘…だよね…」

 

「嘘じゃないよ。

 

 これから起こることはな」

 

「千歌、ダイヤ、ルビィ?」

 

「な、何?」

 

「何…ですの?」

 

「うゆ…?」

 

「倒れるなよ?」

 

 こう言って、俺達は穂むらの中に入って行った。

 

 

 

 




どうも、銀河のかけらです!いかがでしたか?
押し忘れは自分でもバカすぎる…

みんな!尾行は見つかったらやばいよ!気を付けよう!まぁ私はしたことないし確実にすぐ見つかってゲームオーバーです。
穂むら…?てことは…?まさか…?中には誰がいるのか?次回をお楽しみに!

そして、少しお知らせ!
6日から…また、テストなんです…。でも、投稿頻度は、月から金まで2話出せればいいかな?って思ってるので、休むとは言いません。
そして、もう一つ。いつから始めるか分かりませんが、ラブライブとサッカーの小説を出したいと現在検討中です。
最初はイナズマイレブンとラブライブにしようとしてたんですが、それは先輩方のいい作品が沢山あるので、純粋なサッカーとラブライブの小説を書きたいと思ってます。
いつからかは決まってませんが、気長に待ってくれればありがたいです。
それでは長くなりましたが今回は以上!銀河のかけらでした!


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44話

みなさん、お久しぶりです。
今週2話はあげたいなぁと言ったにも関わらず、1文字も書かずにテスト期間が終わった計画性のないバカ。
どうも、銀河のかけらです。

それでは44話、どうぞ!


 〜響視点〜

 

「さて、入りますか」

 

「ほ、ほんとに入るの?」

 

「ええぇぇ…どどどどうしよう…ぅゅ…」

 

「ルビィちゃん、慌てすぎズラ」

 

「そうだよ、大体誰がいるの?和菓子屋じゃないの?」

 

「曜ちゃん!花丸ちゃん!知らないの!?」

 

「びっくりした〜」

 

「ここは穂むらって言う和菓子屋さんで本当に和菓子も美味しいんだけど何より…何より!ここはμ'sの…μ's!のリーダーである高坂穂乃果ちゃんの実家でもあるんだよ!」」ですわ!」

 

「うん、わかった。だけど流石に今のはうるさかったよ」

 

「こんなルビィちゃん初めて見たズラ…」

 

「それに、なんでダイヤも入ってるのさ…

 

 でも、そんなに慌てること?」

 

「「「え?」」」

 

「一瞬で顔が変わったのデース」

 

「あのー早く入りたいんですが…」

 

「今何とおっしゃいましたの?」

 

「確かそんなに慌てること?って言ってたよ」

 

「うゆぅ」

 

「慌てることです!もうこの世の終わりですわ!」

 

「そうだよ!果南ちゃんは何も分かってないよ!」

 

「うゆ!」

 

「あのー早く…」

 

「そうだ!内浦に帰ったらμ'sのライブを全部観せたらいいんだ!」

 

「名案だよ!ルビィちゃん!」

 

「流石私の妹ですわ〜」

 

「いや、流石に全部はちょっと…」

 

「何言ってるの?」

 

「早く果南ちゃんもルビィ達の仲間になr…なろうよ…」

 

「なんかルビィちゃん怖いんだけど…」

 

「安心しろ梨子…さっき噛んでたからルビィだ。間違いない」

 

「さあ!果南ちゃんも私達の仲間に!」

 

「「仲間に!!」」

 

「仲間はもういいからさっさと入るぞ!」

 

「あの〜」

 

 すると、穂むらの中から店員が出てきた。

 

「すみません…あまり店の前で騒ぐのは…」

 

「あ、すみません…」

 

「響…くん?」

 

「え?」

 

「響くん…だよね?」

 

「もしかして…雪穂ちゃん?」

 

「響くん…久しぶり…」

 

 雪穂は、響を見るとすぐに抱きついた。

 

「うわっ!…ごめん。何も言わずに消えて…」

 

「ほんとだよ…ほんと…馬鹿だよ」

 

 2人はしばらくの間抱きついていた。

 

「それで、何しにきたの?」

 

「え?ここでμ's集まるって聞いたんだけど…」

 

「え?変更になったんじゃ…」

 

「は?」

 

「……それ聞いたの誰から?」

 

「…穂乃果から…」

 

 …………。

 

「あいつやりやがったな…」

 

「お姉ちゃんは相変わらずだからね…」

 

「えっと…何が何やら…」

 

「ん?この子達は?」

 

「あ、忘れてた。彼女らはAqoursっていうスクールアイドルをしているんだよ。

 

 で、俺はマネージャー。」

 

「へ〜、なるほど…あ、私も名前言ってない…私は高坂雪穂です。」

 

「「「えええええぇぇぇぇ〜!!!」」」

 

「また始まる…」

 

「雪穂さんってあの…!」

 

「穂乃果ちゃんの妹の…!」

 

「奇跡だよ〜〜!!」

 

「いちいちうるせぇわ!

 

 で穂乃果達はどこでやってんの?」

 

「えっと確か花陽ちゃんのお店でやってるって…」

 

「へー花陽ちゃんのお店…は!?花陽ちゃんの店!?」

 

「花陽ちゃん店やってんの!?」

 

「うん。2年くらい前からかな?」

 

 はぁ!?全然聞いてないんだけど…

 

「「「えええぇぇぇ〜〜!!花陽ちゃんがおm」」」

 

「少し黙ってろ。うるさい」

 

「「「はい…」」」

 

「元気があって良いね!」

 

「少し元気過ぎるけどな」

 

「あ!早く行ったほうがいいんじゃない?」

 

「マジか。ほら!早く行くぞ!」

 

「え〜まだ、まだサインが!」

 

「そんなんいつでも貰えるだろ!ほら、行くぞ!」

 

「いやぁぁぁ〜〜〜」

 

「それじゃ、またね雪穂ちゃん!」

 

「うん!またね!」

 

 そして、響達が行った後、1人残った雪穂は…

 

「良かった…昔の響くんが戻ってきたんだね…!」

 

 雪穂の目には少し涙が浮かんでいた。

 

 

 

「確か…ここ?」

 

 俺たちは改めて穂乃果達がいると思われる建物に着いた。

 

「でも、ほんとにここ?」

 

「なんか、お店にしては大きく…ない?」

 

 そこは…少し小さいくらいのビルだった…。

 

「あいつ…どんな店建てたんだ…?」

 

 あれ?花陽ちゃんのことだからご飯屋かと思ったら…絶対違うわ。

 

「ね、ねえねえ…ほんとに入るの?」

 

「ここに…μ'sが…」

 

「いるのかな…?」

 

「あの〜これ2回目だからもう良くない?このくだり。」

 

「ナイス梨子。よくぞ言ってくれた。」

 

「さて、入りますかね。」

 

 そうして、俺たちはその建物の中に入っていった。

 

 すると、中には見覚えのある人が…

 

「遅いわよ?みんな」

 

「真姫!?」

 

『真姫さん!』

 

「久しぶりね、Aqoursのみんな。

 

 雪穂から聞いたわ。」

 

「ふーん…」

 

 穂乃果いたら絶対ぶっ飛ばす…!

 

「着いてきて?」

 

「「「ソワソワ…」」」

 

「ソワソワって口で言うやつがいるか?

 

 君らは静かにしてなさい!」

 

「「「は〜い…」」」

 

「今日のダイヤ別人ね…」

 

「そうだね…」

 

 そうこう言ってるうちに、広いスペースに着いた。

 

「ここよ。みんな、連れてきたわよ」

 

「みんな久s」

 

「響く〜〜〜ん!!」

 

「ぐはぁ!」

 

 こいつ…全く変わってない…。

 

「穂乃果!暑苦しい…離れろ!」

 

「え〜ケチ〜」

 

「あ…あぁぁ…」

 

「嘘…ですわ…」

 

「ぴ…ぴぎ…」

 

「ん?この子達は?」

 

「ああ、説明する。みんな!この人はみんな知ってるだろうけどμ'sのリーダーの高坂穂乃果。」

 

「初めまして!高坂穂乃果です!」

 

「「「嘘…だぁ……」」」

 

「ん?信じてない?」

 

「穂乃果、こいつらはほっといて。

 

 ん?他の奴らは?」

 

「まだ私と花陽ちゃんと真姫ちゃんだけだよ?」

 

「へ?」

 

「みんな忙しいからね。ま、私は休みなだけだけど…」

 

 なんだよ…まだ3人しか来てなかったんかい…。

 

「あ、花陽ちゃ〜ん!」

 

「どうしたの…?あ!響くん!?」

 

「久しぶりだな。花陽ちゃん。」

 

「うん、久しぶり!」

 

「紹介するよ…っておーい!現実に戻って来い!

 

 千歌!ダイヤ!ルビィ!」

 

「…はっ!」

 

「ここは…」

 

「うゆ?」

 

「え…?千歌…ちゃん?ダイヤ…ちゃん…ルビィちゃんってもしかして…」

 

「え?穂乃果…さん?」

 

「嘘…ですわ…」

 

「えええ!?花陽…ちゃん?」

 

「みんな耳塞げ。次起こること読めたわ。」

 

「奇遇デースね!私もデース!」

 

「み…!」

 

「あ…!」

 

「ん?あ?」

 

「「「μ'sぅぅぅ〜〜〜〜〜!?!?!!!」」」

 

「えぇぇぇぇぇぇ〜〜〜〜〜!!!!Aqours〜〜〜〜〜!!!!!?!?」

 

「うっるせ〜〜〜!!!」

 

 俺のμ'sとの再会は、うるさい悲鳴の連鎖から幕を開けたのであった。

 

 

 

 




どうも、銀河のかけらです!いかがでしたか?
はい、えーーと……私はバカです。
いや、本当に普通にテスト勉強して、しっかり一文字も書かずに気づいたらテストが終わってました。
マジでバカです。

はい本編の話!
さて、遂に来ました穂乃果ちゃんと花陽ちゃん!いや〜μ'sのみなさんの喋り方とかも見ないとです。てかAqoursも喋り方微妙になっちゃってる人いますので、勉強します!
そして、次回は遂に…次回もお楽しみに!

あ〜やっと自由だ…。そういえば1話から見返すと言っといてまだ1話しか見てないです。忙しかったので…修正次第随時お知らせします!

それでは今回は以上!銀河のかけらでした!


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45話

はい、しっかり休んだかけらです。

それでは45話、どうぞ!


 〜響視点〜

 

「うぅ…」

 

「ピギィ…」

 

「痛いですわ…」

 

「久しぶりに受けたよ…」

 

「静かにしなさい。許可なく喋らないでください」

 

「うわぁ…めっちゃ怒ってるよあれ…」

 

 そう俺、西木野響は今、とても怒っている。

 

 そりゃそうだろ。大声何回出してんだよ。流石にうるさいわ。

 

 それで、ハリセンを一発ずつやって正座させていた。

 

「みかんバカと堅物ですわ姉とピギさんはもういい。

 

 だけどなんで花陽ちゃんまで叫ぶんだよ…。」

 

「ちょっとちょっと!」

 

「なんですの?堅物ですわ姉とは!」

 

「ピギさんなんて初めて言われたよ…」

 

「少し静かにしようね?」

 

「「「……はい」」」

 

「響くんが怖いよ…」

 

「大丈夫よ曜ちゃん。私もよ…」

 

「響くん!何言ってるの!?AqoursだよAqours!」

 

「Aqoursがどうかしたのか?」

 

「彗星の如く現れたと思ったら凄い勢いで再生回数もランキングも上がっていって今注目のグループが目の前にいるんだよ!?」

 

「うん分かった分かった…てかそんなに有名なのか?」

 

「そりゃそうだよ!私が考える中では今一番勢いがあるスクールアイドルだよ!」

 

「ほんとですか!?」

 

「ちょっと凄くない?」

 

「フッフッフ…遂に堕天使ヨハネの存在が世にで始めたのね…」

 

「そういうのいいズラ」

 

「ぁぁぁぁ…Aqoursが目の前にいるよ…」

 

「明らかに逆なんだが…相変わらずだな…花陽ちゃんは…」

 

 すると、ずっと遠くで見ていた穂乃果が近づいてきた。

 

「ねえねえ…このお店のこと聞かなくていいの?」

 

「あ、そうだった…もう怒る気も失せたし聞くか…。

 

 というわけでこのお店?ってなんなんだ?」

 

 見るからに外観はスポーツバーみたいだけど…

 

 周りを見るとカウンターにテーブルがいくつか…それに大きいスクリーンもある。

 

「ここはね、ラブライブバーって言って、私が共同オーナーを務めるここにしかないバーなんです!」

 

 へーラブライブバーか…。なんか花陽ちゃんらしいな。

 

「花陽さん。共同オーナーってのは…」

 

「あ、私ラブライブの運営に所属してるから運営と共同でオーナーしてるんだよ…」

 

「へーなるほどなるほど…って運営!?花陽ちゃん運営に入ったの!?」

 

 でもまぁあの花陽ちゃんだ。何か納得だな。

 

「あぁ…花陽ちゃんが目の前に…」

 

「ルビィちゃん…だよね?私の事知ってるの?」

 

「も、もちろんです!だだだ大ファンです!」

 

「ええええええ〜〜〜!!ルビィちゃんが…私の大ファン…?」

 

「このループ永遠に続きそうだな…」

 

 にしてもAqoursも少し有名になってきたんだな…。

 

 まさか花陽ちゃんが知ってるとは…。

 

「あ、あの〜」

 

「千歌ちゃん…だっけ?

 

 どうしたの?」

 

「あ、あの!穂乃果さんは今どんなお仕事をしてるんですか?」

 

「敬語なんていいよ!」

 

「そうそう、穂乃果は敬語を使われるような人じゃない」

 

「響くん余計だよ!

 

 あ、ごめん!えっとね〜私は今シンガーソングライターをやってるんだ」

 

「は!?シンガーソングライター!?」

 

 あの穂乃果が!?あの頃の俺から見ても中々な奴だったあの穂乃果が!?

 

「ちょっと!?響くん今絶対失礼な事考えてるでしょ!」

 

「い、いや?全く何も」

 

「私だってちゃんとしてるんだよ!高校の時から」

 

「「「いや、それは絶対にない(です)。」」」

 

「酷い!?」

 

「穂乃果さんがシンガーソングライター!」

 

「す、凄いですわ!」

 

「…で?他のみんなは?」

 

「今露骨に話逸らしたよね?ね?」

 

「穂乃果うるさい。で?」

 

「えっと…あ、凛ちゃんそろそろ来るらしいです。

 

 あとは…海未ちゃんと、ことりちゃんも来るみたいです。」

 

 すると、1人また入ってきた。

 

「ごめんにゃ〜遅くなっ…て?」

 

「凛ちゃん、久しぶり」

 

「響…くん?」

 

「うん、響だよ?」

 

「ほんとにほんと?」

 

「ああ、久しぶり」

 

 すると、涙を浮かべながら俺を叩いてきた。

 

「痛い痛い、やめろって…」

 

「バカ!ほんとにバカにゃ!

 

 ずっと連絡も無視して…何してたにゃ?」

 

「はは…それはごめん。」

 

「…仕方ないにゃ。これで許すよ。

 

 でも、今後はこういうの禁止にゃ!」

 

「ああ、分かったよ。」

 

「あー!花陽ちゃん、真姫ちゃん、久しぶりにゃ!」

 

「そうだね!」

 

「そうね」

 

「す、凄い…!」

 

「夢みたいですわ…」

 

「ルビィ、気絶しそう…」

 

「もうこの3人についていけないんだけど…。」

 

「大丈夫でありますよ梨子ちゃん。

 

 誰もついて行こうとしてないから。」

 

「さて、後は…」

 

 すると響の背後に怪しい影が…

 

「バレてますよ…?希?」

 

「あちゃーバレてたん?」

 

「うわぁ!びっくりしたー」

 

「いつの間にここに居たんですか!?」

 

「え?最初からやけど?」

 

「へ?」

 

「そんな…はず…?」

 

「信じるなよ…あと、希も冗談言うなよ…。」

 

「いや〜まさか信じるとは…」

 

「こら、希!そんなにからかわないの!」

 

「ん?あぁ!絵里!」

 

「久しぶりね、響?」

 

「ああ、久s、ぶわぁ!」

 

「あ、あの、あの!もしかして絵里さんですか?」

 

「え、ええ…そうよ」

 

「わわわ私、エリーチカの大ファンなんです!さ、サインよろしいですか?」

 

「ええ…いいわよ?」

 

「えっと…確かこう…出来た!はい、どうぞ」

 

「ありがとうございますわ!家宝にしますわ」

 

「ありがとう」

 

「おお〜嬉しそうやん?エリチ?」

 

「ま、まぁ久しぶりだったからよ…」

 

「照れなくてもいいやん。」

 

「希!」

 

 はは…何か懐かしいな〜このやりとり。

 

「で、希はなんとなくわかるけど、凛と絵里は今は何してんの?」

 

『え!?』

 

「え?ってどしたの?」

 

「全く…凛は今陸上の選手で次のオリンピック候補に入るほどよ?知らなかったの?」

 

 マジですか?いや〜生憎テレビは一切見ないもので…

 

「知りませんでした。はい。」

 

「全く響は…あ、私は弁護士をしてるのよ。」

 

「へ〜なるほど。ま、お似合いかな」

 

 みんなとの再会はとても楽しく、また、嬉しかった。

 

 でも、俺には1人、謝らないといけない人がいた。

 

 そう思ってると、また、昔の仲間がやってきた。

 

「響…?」

 

「響…くん?」

 

 そこには、俺が謝らないといけない人もいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




どうも、銀河のかけらです。いかがでしたか?

μ'sがどんどん登場します!いや〜やっぱりμ'sはいいですね!あ、ちなみμ's編は後1、2話で終わります。そこまで頑張るぞー。

それでは次の話でまた…
以上!銀河のかけらでした!


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46話

やっと…やっとここまで来た…。

それでは46話、どうぞ!


 〜響視点〜

 

「本当に…響なのですね…?」

 

「ああ、久しぶり…海未」

 

 海未は静かに響の方へ近づく。

 

「海未ちゃん…」

 

「響…響!」

 

「……!」

 

 海未は、響を思いっきり抱きしめた。

 

「貴方は…本当に馬鹿です…。

 

 このまま…いなくなるかと…思ったのですよ?」

 

「…俺がみんなを置いていなくなる人間だと思う?

 

 俺はみんなが悲しむ事はしない。

 

 そう決めてるから。」

 

「うう…良かった…良かったです。」

 

「ほら…泣かないの。小説家なんだろ?」

 

「小説は…今は関係ありません…」

 

 2人は、他のみんなのことを忘れて…抱きしめていた。

 

 すると…千歌が申し訳無さそうに…

 

「あの〜お二人とも…いい所ですが…

 

 あと行かないと…ヤバいです。」

 

「へ?うわマジか!もうこんな時間!?

 

 みんなごめん!俺もう帰らないと…」

 

「え〜せっかく来たのに…」

 

「こら穂乃果!響に迷惑かけません!」

 

「あはは…何か久しぶりだね!」

 

 μ'sが全員揃ったのに申し訳無いな…ん?全員?

 

 そして、響とAqoursのみんなが帰ろうとすると…

 

「遅れたわ!このスーパーアイドルにこにー様が…」

 

「あ、忘れてたわ。てかお前だけは一切変わってなくて逆に安心したわ」

 

「な、何でアンタがいるのよ!?それにAqoursかしら?」

 

「え!?知ってるんですか!?」

 

「当然よ?私を誰だと思ってるの?」

 

 あ、そっか。そういえばにこって結構有名になったもんな。

 

 てかあの時のイベントに呼んだ張本人だしな…でも黙っておくか。

 

「スーパーアイドルは分かったから…じゃ、またな!」

 

「後で埋め合わせしなさいよ!」

 

「ああ、絶対に!」

 

 俺は帰ろうとすると、千歌がμ'sに問いかけた。

 

「あの!μ'sがラブライブで輝けたか…スクールアイドルで輝けたか!私達と何が違うのか!教えてください!」

 

 問われた彼女達には迷いは全くなかった。

 

 穂乃果が一言だけ答えた。

 

「私達は特別じゃない。それだけだよ!」

 

 

 

「特別じゃない…か…」

 

 俺たちは帰りの電車で穂乃果の言った言葉の意味を考えていた。

 

「結局、東京に行った意味はあったんですの?」

 

「μ’sの何が凄いのか、私達とどこが違うのか…ハッキリとは分からなかったかな。

 

 私は…学校は救いたい。けど、セイントスノーの2人みたいには思えない。

 

 あの2人、なんか1年の頃の私みたいで…」

 

「BIGになったね、果南も」

 

「… 訴えるよ?」

 

「さあな…」

 

 まぁ俺は穂乃果達の思うことは分かったよ。

 

 すると、電車は一つの駅に着いた。

 

 そこには、夕焼けに照らされた綺麗な海が見えた。

 

「ねえ!海、見ていかない?」

 

「今から?」

 

「でも電車はどうするの?」

 

「後のことは後!さぁ!行こう!」

 

 千歌は勢いよく駆け出していった。

 

 

 

「ここは…」

 

 俺たちが見に来た所は、俺にとって忘れられない場所だった。

 

 μ'sが…1つの決断を決めた場所…。

 

「まさかまたこの立場になってここに来るとはな…」

 

 全く…人生って面白いもんだな…。

 

「私ね、分かった気がする。

 

 μ'sの何が凄かったのか。」

 

 何が凄かった…か。

 

「多分、比べたらダメなんだよ…。

 

 追いかけちゃダメなんだよ。

 

 μ’sも、ラブライブも、輝きも。」

 

「どういうこと?」

 

「さっぱり分かりませんわ。」

 

「私は…なんとなくわかる。

 

 一番になりたいとか、誰かに勝ちたいとか…μ’sって、そうじゃなかったんじゃないかな。」

 

「μ'sの凄い所って…きっと何もない所を、何もない場所を、思いっきり走ったことだと思う。」

 

「みんなの夢を、叶えるために…」

 

「自由に!

 

 まっすぐに!

 

 だから飛べたんだ!」

 

「μ’sみたいに輝くってことは、μ’sの背中を追いかけることじゃない。」

 

「自由に走るってことなんじゃないかな?」

 

「全身全霊!

 

 なんにも捕らわれずに!

 

 自分達の気持ちに従って!」

 

「なんにも捕らわれず…か。」

 

 やっと気づいてくれたか…。

 

「自分たちで決めて、自分たちの足で。」

 

「全速前進、だね!」

 

「私は…0を1にしたい!

 

 あの時のままで、終わりたくない。」

 

「だな!だったら、俺も付き合うぜ。

 

 0を1にする冒険に。」

 

「なんか、これで本当に一つにまとまれそうな気がするね。」

 

「遅すぎですわ。」

 

「みんなシャイですから。」

 

「ね?みんなで円陣しない?」

 

「いいね!やろう!」

 

「賛成ズラ!」

 

 そうして、みんなは円になった。

 

「響くん!」

 

「響!」

 

「ほら早く入って!」

 

「………!!」

 

 その時、昔も同じ光景を目にした事を思い出した。

 

 

 

「響くーん!」

 

「早く入るにゃ!」

 

「早く入って下さい!」

 

 

 

 いや…今日でμ'sも1つの過去。

 

 今はAqoursと一緒に0を1にするための冒険を、始めようか。

 

「ああ、今行くよ!」

 

「そうだ!指、こうしない?

 

 皆で繋いで、0から…1へ!」

 

「ゼロからイチへ!

 

 今、全力で輝こう!Aqours…」

 

『サンシャイーン!!』

 

 

 

 〜千歌視点〜

 

 ーーDear穂乃果さん。

 

 私はμ’sが大好きです。

 

 普通の子が精一杯輝いていたμ’sを見て、

 

 どうしたらそうなれるのか…。

 

 穂乃果さんみたいなリーダーになれるのか…ずっと考えてきました。

 

 やっと分かりました。

 

 私で良いんですよね。

 

 目の前の景色を見て、まっすぐに走る…それがμ’sですよね。

 

 私は、私の景色を見つけます。

 

 あなたの背中ではなく、自分だけの景色を探して走ります。

 

 みんなと一緒に!

 

 

 

「千歌?」

 

「何?響くん?」

 

「見つけようぜ!Aqoursの1を!」

 

「うん!」

 

「あ、」

 

「これって…」

 

 空から白い羽が落ちてきた。

 

 それを千歌が拾って、微笑んだ。

 

 そして、内浦に帰ってきて、最初の夜。

 

 千歌が眠る寝室には、μ'sのポスターは閉まってあった。




どうも、銀河のかけらです!いかがでしたか?

やっとここまで来ました…。何か長かった…。今回の千歌ちゃんの穂乃果ちゃんへの手紙風の言葉が一番好きだな〜。
そして、次回から13話の内容です!お楽しみに!

最近全盛期より投稿スピードが落ちてる事に反省するかけらであった。
まぁ元々不定期にする予定だったので気軽に頑張ります!
それでは次の話でまた会いましょう!
以上!銀河のかけらでした!


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47話

1週間空けたのは初めてですね…。
マジで申し訳ないです。
いや、夏休みは始まったんですが、それと同時に東京オリンピックが開幕しまして…まぁ…はい…しっかり観まくりました。

今日から執筆欲上げて頑張るぞー!
それでは47話、どうぞ!


 〜響視点〜

 

「はぁ…沼津に来てみたは良いものの…思いつかねぇなー」

 

 俺は久しぶりの休みを利用して地区予選の曲を仕上げようとした。

 

 だが、途中で手が止まってしまったので、気分転換とアイデア探しに来ていた。

 

「これから何しようか…楽器屋でも行こうかな?」

 

 俺がそんな事を考えてると…

 

 タッタッタ…ドンッ!

 

「うわっ!」「あっ…!」

 

 いきなり走って来た子とぶつかってしまった。

 

「ごめん!君、大丈夫?」

 

「あ…」

 

 その子は一度俺を見るとすぐに立ち上がって走って行った。

 

「何だよ…そっちからぶつかってきたくせに謝り一つも無しかよ」

 

 俺が少し怒っていると、1人の女性が駆け寄ってきて…

 

「すみません、家出している高校1年生の息子を探してまして…」

 

「家出…ですか…。写真とかありますか?」

 

「あ!あります。えーと…これです。」

 

「どれどれ………っ!!」

 

 俺はその写真を見た瞬間、まさかと思い走り出した。

 

「え!ちょっと…!」

 

「さっき見たので追いかけます!

 

 必ず捕まえますから!」

 

 俺は家出少年の行ったであろうルートを走った。

 

「確か…いたいた。待て!」

 

「はぁはぁ…あっ!」

 

 俺は逃げていた家出少年を捕まえる事ができた。

 

「全く…手間かけさせやがって」

 

「くそっ!離せ!てか誰だよお前!」

 

「誰でも良いだろ?お前のお母さんに頼まれたんだよ」

 

 俺は家出少年を捕まえていたが彼は腕を回して抵抗した。

 

「うわっ!抵抗すんなって!」

 

「離せ!」

 

「一度家出なんかやめて家に帰れって」

 

「う、うるさい!」

 

 彼が言ったと同時に肩に掛けていた鞄が落ちた。

 

「あーあ…中のもの出ちゃったじゃん」

 

「っ!!!」

 

「ほら、手伝ってやるから」

 

 俺は落ちたものを一緒に拾った。

 

 にしても何でそんなにあいつ急いでんだ?

 

 俺が彼の行動を不審に思っていると、一つの袋を見つけた。

 

 その中には幾つかの薬のようなものが…

 

「おい…これなんだ?」

 

「っ!え、えっと…」

 

「これ、ドラッグだよな?」

 

「えっと…」

 

 すると、響が彼の胸ぐらを掴んだ。

 

「やったのか?」

 

「ヒィ!ええっと…」

 

「質問に答えろ!やったのか?やってないのか?」

 

 すると彼は少し泣きながら…

 

「ま、まだ…やって……ない…」

 

「……はあ…」

 

 よかった…。手遅れになる前で…。

 

「いいか?心配してくれる親がいるんだ。

 

 あまり悲しませるような事するな。分かった?」

 

「は……はい…」

 

「次やったら警察に連れてく。いいな?」

 

 そう言うと彼は下を向いて静かに頷いた。

 

「よし!お母さんの元へ帰るぞ!」

 

 そうして、彼をお母さんの元へ返した。

 

「ふぅ…さてと…時間も時間だし…帰ろっかな…」

 

 すると、顔をよく知る人物が声をかけてきた

 

「おやおや…久しぶりだな。響?」

 

「何だよ、悪徳警官がどうしてここに?」

 

「悪徳警官とは酷いですね?

 

 ま、休暇ってところです。」

 

「へー椋也にも休暇なんてあるんだな。」

 

「警察にだって休暇の一つや二つありますよ。」

 

 なるほどね。手間が省けたな。

 

「ちょっとこっちこい。」

 

「え?どこへ?」

 

 俺は椋也を人気のない路地裏に連れてきた。

 

「こんな所に連れてきてどうしました?」

 

「これをお前に渡したくてな。」

 

 俺は、家出少年が持ってたドラッグを椋也に渡した。

 

「こ…これは!」

 

「わかるだろ?ドラッグ。それに見たことない奴。」

 

 すると椋也は俺の胸ぐらを掴んで叫ぶように言った。

 

「お前がやったのか!?言え!」

 

 ……あ?

 

 響は椋也の胸ぐらを掴み返して低い声で言った。

 

「それは俺の過去を知った上での発言?

 

 俺がドラッグを死ぬ程嫌いって知ってるよな?」

 

「……そうでしたね。撤回します。」

 

「わかればよろしい。」

 

「じゃあこれは…」

 

「さっきな…」

 

 俺は椋也にさっきの家出少年の事を話した。

 

「なるほど…それにしても、警察に突き出さないなんて…優しいんですね?」

 

「…信じてみたかった。彼はもう苦しみの道には外れないって。」

 

「…それを何度も外れるバカがいるんですがね?」

 

「それは分かってる。本当は逮捕されるべきだって…。

 

 でも…それはごめん。」

 

「…まぁ、君がそう思ったのであれば私も信じましょう。」

 

「…ありがとう。」

 

「さて、この話は終わりとして、私も今気付いたんですが…今ここにいても大丈夫なのか?」

 

「は?…ってあああぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!」

 

 もう5時!?へ?もうそんな時間!?

 

 終バスは…まだある。よかった…。

 

「まぁトレーニングがてら走って帰るのも良いか?」

 

「この距離をですか?よければ私が送りましょうか?」

 

 へー今日は機嫌がいいのか?

 

「…じゃあおまけに夕飯を奢ってくれよ。」

 

「はぁ?なんでだよ?」

 

「知ってんだぞ?給料出たの。」

 

「はぁ…よく知ってますね。」

 

「で?どうなんだ?」

 

「…わかりましたよ。」

 

「よっしゃ!じゃ、行くぞー♪」

 

「…響」

 

「ん?どうした?」

 

「私達は同じ心を持っている。

 

 1日でも早く、ヤクを撲滅する。

 

 そうだよな?」

 

「ああ、やるさ。俺たちで…そのために俺は生きてるからな。」

 

 そのためなら…この身が滅びようとも…成し遂げなきゃいけないんだ。

 

 もう……苦しみを…与えないために…

 

 そして…もう誰も…友達を…仲間を…傷つけない為に…

 

 

 

 




どうも、銀河のかけらです。いかがでしたか?

今回は珍しく響と椋也のみでしたが、彼らがなぜこんなに分かり合ってるかが分かりましたね。そして、これが後に関係あるのか?お楽しみに!

そして、1週間空けた言い訳を。
しっかりオリンピックを観ましたね。だってスポーツ観戦好きにとってはまさにお祭りですよ!毎日が!そして普段観ないような競技も観れる!いやぁ、オリンピック最高!

次回は地区予選が近づいてきます!Aqoursと響はどう過ごすのか?
それでは今回は以上!銀河のかけらでした!


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48話

オリンピックがあと一週間しかない事に驚きを隠せない。
どうも、かけらです。

そして、最近少し不定期になってきている。
どうも、かk…グハァ!

早くしろとの圧がきたので失礼します。
それでは48話、どうぞ!


 〜響視点〜

 

「はぁ…あっつ…」

 

「1、2、3、4、ルビィちゃんは今の所の移動はもう少し速く」

 

「はい!」

 

 よく動けるな〜。こんな暑いのに…。

 

「善子ちゃんは…」

 

「ヨハネ!」

 

「ふふ… 今のとこ気持ち急いで!」

 

「承知!空間移動使います。」

 

 使うな。てか1人だけ空間移動なんてやったら不自然だろ…。

 

「はい。少し休憩!」

 

『はあぁぁぁぁ〜。』

 

「お疲れ〜みんな。」

 

「熱すぎずら~」

 

「今日も真夏日だってー…」

 

「はいこれ、水分補給は欠かさない約束だよ。」

 

「ありがとう。」

 

「ズラ〜。」

 

「ヨハネにも水分を…。」

 

「ほらよ。」

 

「ありがと。響。」

 

「はぁ〜やっと〜水…あれ?」

 

 善子がペットボトルを傾けるも、水が出てこない。

 

「響?まさか…。」

 

「引っかかったね?ヨハ子の水はこっち。」

 

「むむ…この堕天使ヨハネをおちょくるなんて〜待ちなさい!」

 

「ほら、捕まえてごらん!」

 

「待ちなさいよ〜!」

 

「響くん…」

 

「完全に善子ちゃんで遊んでるわね…」

 

「全く…」

 

「はは…ほらよ!」

 

「おわっ…と…。」

 

「そんなに走ると疲れるぞ?」

 

「誰のせいよ!うっ…バタッ」

 

 ほら見ろ。こんなに暑いのに長袖とか馬鹿だろ。

 

「黒い服はやめた方がいいとあれほど…。」

 

「黒は堕天使のアイデンティティ…」

 

 こいつ馬鹿ですね。いや、仮堕天使か…?

 

「ちょっと!絶対今馬鹿にしたでしょ!」

 

 おっと…心は読めるんだな。

 

「千歌ちゃーん!飲んで!」

 

「ありがとう、梨子ちゃん!」

 

「私、夏好きだな…なんか熱くなれる。」

 

「私も!」

 

「俺は嫌いだね。だって暑いのやだし…」

 

「え〜!」

 

 だって本当だし。夏とか暑いだけだろ。

 

「よーし!そろそろ再開しようか…」

 

「ぶっぶぅぅぅぅ~~ですわ!」

 

「ダイヤさん!?」

 

「オーバーワークは禁物ですわ。」

 

「確かにそうだな。ここ最近練習続きだったしな。」

 

「ラブライブの地区予選が迫って焦る気持ちも分かりますが、休むのもトレーニングの内ですわよ。」

 

「う〜ん、うん。そうだね!」

 

「でもその前に…皆100円出して。」

 

 あ〜来たか。敗者が決まってるジャンケンが…。

 

「やってきたのですね…本日のアルティメットラグナロク。」

 

 まあ、その当事者が1番やる気なんだけどね。

 

「いくよ!じゃ〜んけ〜ん…」

 

「な…なんで毎回負けるのよ…」

 

「そりゃヨハ子が出すのバレバレだしな。」

 

「てかなんで響もついてきてるのよ!」

 

「え?俺も買い出し。」

 

「だったら私買い物来た意味ないじゃない!」

 

「いや、ヨハ子くんには少しおg…アイスを買う使命があるのです!」

 

「聞こえたわよ!少し奢って貰うって言おうとしたでしょ!」

 

「1158円です。」

 

「誰よ!高いアイス買ったの!は!響ね〜!」

 

「俺は安いのだよ。さっきのは冗談。

 

 え〜と…あ、千歌だ。1番高いやつ。」

 

「千歌〜〜!!」

 

 あはは…おつかれ。

 

 

 

「ずらぁ…」

 

「ぴぎぃ…」

 

「ヨハァ…」

 

「こっちに全然風来ないんだけど…」

 

 てかなんだよそれ…鳴き声?

 

「あそうだ!鞠莉ちゃん。

 

 学校説明会の参加者って今どうなってるの?」

 

 そうだった…すっかり忘れてた。

 

「今のところ…」

 

「今のところ…?」

 

「ゼロ〜〜!!」

 

「はあ…ゼロ…。」

 

「まだ状況変わらず…か。」

 

「そんなにこの学校魅力ないかなぁ…」

 

 魅力…ねえ…。

 

「あの〜」

 

 そこによしみ、いつき、むつがやってきた。

 

「あれ?むっちゃん達、どうしたの?」

 

「図書館に本を返しに…。」

 

「ハローよいつむトリオ…。」

 

「響くん久しぶり!」

 

「もしかして、今日も練習?」

 

「うん!地区予選も近いし…。

 

 毎日だから慣れちゃった。」

 

「毎日練習してたの!?」

 

「お、千歌〜行くぞー」

 

「あ、はーい。じゃ、またね!」

 

「頑張ってねー…。」

 

「練習、毎日やってたんだ…。」

 

「千歌達って、学校存続させるためにやってるんだよね…。」

 

「…でも、凄くキラキラしてて眩しいね!」

 

 3人は彼女達を見ていて、何か目が輝いているようだった。

 

 

 

「歌の方はどうですの?」

 

「花丸ちゃんと歌詞を詰めてから、果南ちゃんとステップ決めるところ。」

 

「編曲はほぼ完璧。後は最終段階ってところかな。」

 

「聴いてる人のハートに、シャイニー出来るといいんだけど。」

 

「あ…」

 

「あれは…」

 

 千歌達の空の上に、彗星が飛んでいた。

 

 俺たちを、見つめるかのように…。

 

「千歌!」

 

 すると、さっきのよいつむトリオが来た。

 

「私達も…一緒にスクールアイドルになれたりするのかなぁ…。」

 

「スクールアイドルに…?」

 

「他にも、もっと自分達にも何か出来るんじゃないかって考えてる子、結構いるみたいで。」

 

「やっぱり、皆この学校大好きなんだよね。」

 

「だから…学校救ったり、キラキラしたり、輝きたいのは千歌達だけじゃない。

 

 私達も一緒に、何か出来ることあるんじゃないかって…。」

 

 なるほど。同じ人はたくさんいるってことか…。

 

「でも…」

 

「やろう!みんな一緒に!」

 

「ほんとに?やったぁ!」

 

「楽しみだな!ラブライブ!」

 

 まぁいいけど…どうなんだろ?

 

 大会的には…OKなのか…?

 

 響が思ってるのと同様に、梨子も少し心配そうに見つめていた。

 

 

 

 〜千歌視点〜

 

 千歌と梨子は、いつものように窓を開けて話していた。

 

「ステージに立つって良いのかなぁ?」

 

「ダンスは無理かもだけど、

 

 一緒にステージで歌うとかなら間に合うんじゃないかなって。」

 

「皆が歌って、上手くいって、それで有名になって、沢山入部希望者が来れば学校も存続できるし、

 

 …今は0を1にしたい。

 

 ここで素敵な場所だってきちんと伝えたい!そして、0を1にしたい!」

 

「うん、そうだね。…ん?へっ?」

 

 あれ?梨子ちゃんの顔が強張って…どうしたんだろ?

 

「…千歌ちゃん」

 

「ん?どうしたの?」

 

「う…後ろ……

 

 おば…おば……」

 

「後ろ?

 

 ってうわぁ!お母さん!?」

 

「お母さん!?」

 

「初めまして、私が高海千歌の母です。」

 

「は、初めまして…。」

 

「はじめまして、こんばんは。美人だねぇ。」

 

「いやー…それほどでも…あるかな…はっ!」

 

「いつ帰ってきたの?」

 

「さっき。

 

 なんか、千歌がスクールアイドルとかいうのやってるから、一度見に来てってしまから連絡があって。」

 

「む?」

 

 しまねえ、こういうことはすぐ報告するんだから…。

 

「今度は、やめない?」

 

「やめないよ?今は、仲間がたくさんいるから。」

 

「うん、じゃあ、明日頑張るのよ!」

 

「うん!」

 

 よーし!明日はとうとう地区予選だ!

 

 0を1にするために…!

 

 

 

 〜響視点〜

 

「やっぱり…ダメか…」

 

 俺はラブライブ!のホームページを見て、ルールを確認していた。

 

「観客を使っての演出…参加は禁ずる…か…。」

 

 なるほどね…。やっぱきつそうだな…。

 

「いや…でも 0を1にするため…」

 

 一種の賭けに出るか…?

 

「どうする………よし。 0を1にするためだ。

 

 少しのリスクを負ってこそ可能性は増える!」

 

 響は机に向かって明日の再確認をした。

 

「一か八かかもしれない。でも、俺たちは前へ進まなきゃいけないんだ。」

 

 そう言って、俺はパソコンを開いた。

 

 とうとう明日、地区予選。

 

 だが、その明日が、Aqoursにとって、響にとっての大きな1日となる事を、まだ、俺たちは知らなかった。

 

「明日で、決まるんだ。俺たちの運命が。」

 

 

 

 

 

 




どうも、銀河のかけらです!いかがでしたか?

さぁ、13話の内容に入ってきました。今回は前日まででしたが、次回は遂に地区予選です!そして、忘れられない日になるとは?次回もお楽しみに!

次回は…出来るだけ…早く…。
以上!銀河のかけらでした!


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49話

次でもう50話という事に驚きを隠せないです。
早すぎるって…。

それでは49話、どうぞ!


 〜響視点〜

 

「さぁて、着きましたか。名古屋!」

 

 俺たちは地区予選当日になり、名古屋に来ていた。

 

 今は名古屋駅にいる。

 

「だぎゃ〜」

 

「だぎゃ〜?」

 

「これが来るべき、聖戦の地!」

 

 聖戦では無いです。戦いなのは間違ってないけど…。

 

「そして飛ばしたけどマルちゃん何してんの?」

 

「ごめんズラ…つい…」

 

「ん〜?浦の星のみんなは〜?」

 

「ここで集まるって聞いたけど…」

 

「千歌〜!」

 

 お、いつものよいつむトリオか。

 

「あれ?他のみんなは?」

 

「うん…それなんだけど…実は…。

 

「そっか。しょうがないよ、夏休みなんだし。」

 

「フッフッフ…みんなー、準備はいいー?」

 

『いえぇぇぇぇい!!』

 

 へー結構多いな……はい?

 

「全員で、参加するって!」

 

 ぜ、全員!?待て待て待てまだ良いのかも分からないのに全員連れてきたの!?

 

 嘘だろ!?浦の星の団結力すげ〜な…。

 

「いや関心してる場合か?」

 

「全員でステージで歌ったら、絶対キラキラする!」

 

 こいつ安定だな。流石リーダー。誰かさんと同じ物を感じるよ。

 

 すると、梨子が全員に頭を下げた。

 

「…ごめんなさい。」

 

「え?どうしたの?」

 

「実は…歌えるのは事前にエントリーしたメンバーに限るって決まりがあるの。」

 

 …やっぱりそうだったか…。

 

「みんな申し訳ない。せっかく来てもらったのに…」

 

「良いよ!」

 

「いきなり言い出した私達も悪いし…

 

 客席から宇宙一の応援してみせるから。」

 

「そうでしょ?みんな!」

 

『おおぉぉーーーー!!』

 

「みんな…」

 

「これだけの応援があるんだ。後は進むだけだな。」

 

『うん!(ええ!)』

 

 そして、俺たちは会場へと入って行った。

 

 

 

 〜善子視点〜

 

 フフフ…遂にこの時が来たようね…。この堕天使ヨハネが会場を堕天させる日が!

 

「実はまだ、信じられないんだ…

 

 今、こうしてここにいられることが…。」

 

「ルビィちゃん…そうだね。」

 

 確かに信じられない。けど、ルビィとズラ丸がいなかったらこんな所にいない。

 

 だから…

 

「何今更言ってるの?

 

 今こそがリアル、リアルこそ正義。」

 

「ありがとね。」ボソッ

 

「「え?」」

 

「さ、あとはスクールアイドルとなってステージで堕天するだけ!」

 

「「…うん!!」」

 

「堕天使ヨハネとリトルデーモン!

 

 ラブライブに…降臨!」

 

 さぁ、堕天使ヨハネとリトルデーモンの力、見せてあげるわ!

 

 

 

 〜響視点〜

 

「あれ?あそこにいるのは…3年組?」

 

「響?どうしたの?」

 

「少しステージを見に来てね。

 

 3人は?」

 

「3人で話しててね。

 

 あの時置いてきたものをもう一度取り戻そうって。」

 

「そうデース!でも3人じゃなくて、10人でね?」

 

「そうですわね。今は私達だけのAqoursじゃないですわ。」

 

「…置いてきたもの…か。

 

 俺たちなら必ず出来るよ。」

 

 私達の置いてきたもの…か。

 

 何か、初めて会った時より、みんな成長してるな。

 

 いや、みんなで笑って、楽しんで、泣いて、同じ時間を過ごしたからこその絆が見える。

 

 俺の諦めた夢を叶えられるかもな。

 

 彼女達なら…きっと…

 

 

 

 〜千歌視点〜

 

「梨子ちゃん、曜ちゃん、来たね!」

 

 私達は扉の前に来ていた。

 

 その扉の先には、ステージだ。

 

「この10人でここまでこれるなんて、いざ来ると夢みたいだね。」

 

「不思議だなぁ。引っ越してきた時は、こんな未来が来るなんて思ってもみなかった。」

 

 梨子ちゃん…。

 

「千歌ちゃんがいたからだね。」

 

 曜ちゃん…。

 

「それだけじゃないよ!

 

 ラブライブがあったから!μ’sがいたから!

 

 曜ちゃんと梨子ちゃんがいたから!」

 

「これからも、いろんなことがあると思う。

 

 私、それを楽しみたい!全部を楽しんで、皆と進んでいきたい!!」

 

 みんな…来たね!

 

 私達Aqoursが!

 

「行くよっ!!」

 

 そして、ステージへの扉を…未来への扉を開いた。

 

 

 

 〜響視点〜

 

「俺は…ここか。」

 

「あ、響君!」

 

「準備お疲れ様!」

 

「みんなも座ってるよ。」

 

 お、よいつむトリオ始め、浦の星のみんなか。

 

「響くん…だよね?」

 

「あなたは…?」

 

 何か千歌に似てるような…お姉さん?

 

「初めまして、千歌の母です。」

 

 あっぶな…間違えるところだった…。

 

「みんなはどうだった?」

 

「大丈夫です。みんないつも通りでしたよ。」

 

「聞きにくいんだけど、勝てる?」

 

 本当に言いにくい質問だな。

 

 だけど、なんとなく見えてる。

 

「申し上げにくいですが、正直普通にやっても負けます。」

 

「じゃあ、普通にやらないって事?」

 

「半分正解で半分外れです。

 

 俺たちはこれから、誰もやったことのない…Aqoursだけのパフォーマンスをします。

 

 これからのために、未来の為に…

 

 0から1にするパフォーマンスを見せてくれますよ。」

 

 そう、俺はこのパフォーマンスには、一か八かの賭けに出る。

 

 それはもしかしなら、失格になるかもしれない。敗退に繋がるかもしれない。

 

 けど、きっとそれが、1に繋がる。

 

 未来への…学校の為の…1に。

 

 だからこそ提案したんだ。

 

「お、来た来た!千歌〜!」

 

 来たか。見せてみろ。

 

 Aqoursの…Aqoursだけの1を。

 

 そして、ステージに立った千歌が話し始めた。

 

「今日は皆さんに、伝えたいことがあります!」

 

 

 

 




どうも、銀河のかけらです!いかがでしたか?

今回はライブの直前までを書きました。この話で1番好きなのは善子ちゃんが花丸ちゃんとルビィちゃんに対してありがとねって小声で言うところです。うん。はい。善い子。確定。

そして次回はとうとうライブです!地区予選突破は!?どうなのか?次回もお楽しみに!

それでは今回は以上!銀河のかけらでした!


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50話

遂に50話達成!でも、これを通過点として頑張ります!

それでは50話、どうぞ!


 〜響視点〜

 

 来たか。さぁ、全力で見せろ。Aqoursを。

 

「皆さん!私達は浦の星女学院スクールアイドル、Aqoursです!

 

 今日は皆さん、に伝えたいことがあります。」

 

「それは、私たちの学校のこと!街の事です!」

 

「Aqoursが生まれたのは、海が広がり、太陽が輝く内浦という街です。」

 

 その街にある小さな小さな学校。

 

 今ここにいるのが、全校生徒!」

 

「そんな学校で、私達はスクールアイドルを始めました!」

 

「これは…?」

 

 千歌の母が、俺に聞いていた。

 

「見ての通り、内浦や学校の紹介です。

 

 内浦の魅力を知ってもらう為の…ね。」

 

 そう、俺は先週、みんなに歌の前に紹介を入れてはどうかと提案した。

 

 

 

「絶対反対ですわ…」

 

「…貴女は絶対そう言うと思いましたよ。」

 

「そんな方法が許されるのですか?

 

 第一、ラブライブとは無関係の事を入れるのは…。」

 

「ごめん。それは私も反対かな。」

 

「オラもズラ。ラブライブを利用してるみたいズラ。」

 

「利用はしない。それに、一応ルール違反ではない。

 

 時間も特には決まってないしね。」

 

「でも…まだ0人なんでしょ?」

 

 0人という言葉を聞いて、この部屋に少しだが、静寂に包まれた。

 

「ええ…。確かに0人だわ。今も。」

 

「で、ですが、そうですわ!μ'sはこの時期には廃校を阻止していましたわ。

 

 μ'sのようにすれば…」

 

 バンっ!!

 

「ヒィ!」

 

「ピギィ!」

 

 俺はそこにあった机をおもいっきり叩いた。

 

「もうそんな安直な方法で成功する程甘くねぇんだよ!!」

 

「ひ、響くん…。」

 

「少し落ち着いて…。」

 

「いいか。今だから言うけど今のままじゃ間違いなくこの学校は廃校だ。

 

 夏で0だぞ?それがどんな意味を持つのか本当に分かってる?

 

 ラブライブは仮に冬もあるとしても、冬には絶対廃校なのかは確定してる。

 

 それほど時間がないんだ。なのに…なのに…甘い考えで進もうとしてんじゃねーよ!!」

 

 やっば…勢いに任せて言いまくってしまった…。

 

「…私は…やる。」

 

「千歌ちゃん…。」

 

「だって…私は学校を守りたい。

 

 せっかくのチャンスがあるんだから…やりたい。」

 

「千歌…。」

 

「私も…!」

 

「私も、した方がいいと思う。

 

 それが1に繋がるのなら。」

 

 曜…梨子…。

 

「じゃあ、賛成の人は手を挙げてくれ。

 

 全員じゃなかったら、これはやらない。」

 

 全員にしたのは…中途半端だとダメだと思ったからだ。

 

 それほど、未来に繋がる重要な決断だから。

 

「じゃあ、手を挙げて…。」

 

 すると…Aqoursの9人、全員が手を挙げていた。

 

「…良いのか?ダイヤ、果南、マルちゃん。」

 

「オラは響くんの言葉を聞いて、賛成ズラ。」

 

「私も、これが繋がるのなら。」

 

「ダイヤは…?」

 

 俺が聞くと、ダイヤは俺に頭を下げた。

 

「申し訳ありませんわ。

 

 響さんのおかげで、目が覚めましたわ。

 

 やりましょう。0から1の為に。」

 

「ああ、やるぞ!」

 

『おおーー!!』

 

 

 

「そんな事があったのね。」

 

「はい、なので、みんなの気持ちがこのパフォーマンスに詰まっていますよ。」

 

 さて、俺も観るとするか。Aqoursの…気持ちを…。

 

「…輝くって、楽しむこと!

 

 あの日0だったものを1にするために!

 

 行こう!」

 

 1!2!3!4!5!

 

 6!7!8!9!

 

『10〜〜!!!』

 

 今の10は俺だけの声じゃない。

 

 ここにいる、生徒、親、みんな合わせての10だ。

 

「今、全力で輝こう!Aqours!!」

 

『サーンシャイーン!!!』

 

 さあ見せてみろ!Aqoursの未来を!!

 

 

 

 ヒカリになろう ミライを照らしたい

 

 輝きは心からあふれ出すよ

 

 

 

 夢が生まれ 夢のために泣いたときでも

 

 あきらめないことで繋がった

 

 みんなみんな 悩みながらここへ辿りついたね

 

 これからだよ いまはもう迷わない

 

 

 

 あこがれ抱きしめて 次へ進むんだ

 

 僕たちだけの新世界が(きっとある)

 

 We say“ヨーソロー!!”

 

 

 

 船が往くよ ミライへ旅立とう

 

 青い空笑ってる(なにがしたい?)

 

 ヒカリになろう ミライを照らしたい

 

 輝きは心からあふれ出して もっと先の景色望むんだ

 

 

 

 すると千歌は観客、いや、俺たちに向かって叫んだ。

 

「みんなー!!

 

 一緒に、輝こう!!」

 

 それを聞いた内浦の人達は立ち上がってAqoursを囲むようにして応援し始めた。

 

「あーあ…やっちゃった。これ後で上から説教だな…。」

 

 でも、いっか。楽しいし、今のAqoursは…本当に輝いてる。

 

 

 

 ヒカリになろう ミライを照らしたい

 

 いまはもう迷わない

 

 

 

 船が往くよ ミライへ旅立とう

 

 青い空笑ってる(なにがしたい?)

 

 ヒカリになろう ミライを照らしたい

 

 輝きは心からあふれ出して もっと先の景色望むんだ

 

 Ah!やっと手にしたミライチケットかざして…!

 

 

 

 俺は思った。

 

 Aqoursと出会って。

 

 内浦に出会って。

 

 千歌達に出会って。

 

 本当に本当に良かったって!!

 

 俺は今なら胸を張って言える。

 

 Aqoursは最高のスクールアイドルだって…。

 

 でも、まだ旅は途中。

 

 これからも、ずっとAqoursと探そう。

 

 輝きを…。

 

 

 

「いや〜惜しかったね。地区予選。」

 

「そうね。あと一歩だった。」

 

「全く…結局上の奴らからどれだけ怒られたか…。」

 

「でも、楽しかったデース!」

 

「まぁそうだね!」

 

「私も、とても楽しめましたわ!」

 

「このヨハネの「それはないズラ。」最後まで言わせなさいよ!!」

 

「でも、本当に楽しかった!」

 

「…良かった。楽しんでくれて…。」

 

「あっ!」

 

 曜が思い出したように喋り出した。

 

「説明会ってどうなったの?」

 

「あっ!鞠莉?」

 

 すると、少し笑顔を見せて言った。

 

「1人、希望者がいたわ。」

 

「…本当?」

 

「ええ。」

 

『やったーーーーー!!!!!』

 

 良かった!本当に良かった!

 

「0から1を目指した。

 

 その成果だな。」

 

「良かった…!」

 

「よーし、早く帰ろう!」

 

「おーーー!!」

 

 そうして、俺たちの名古屋の挑戦は終わった…はずだった。

 

 

 

「あの〜すみません。」

 

「はい?何ですか?」

 

「私、こういうものでして…」

 

「記者…さん?」

 

「Aqoursの皆様を記事にしたくて、マネージャーさんでも構わないので、お話だけでもお聞かせ出来ませんか?」

 

「え?…でも?」

 

「行って来なよ。」

 

「そうそう。こんなチャンスないわよ?」

 

「そ…それもそうか。

 

 分かりました。どちらで?」

 

「近くに報道スペースがあるので、そこで。」

 

「分かりました。じゃあ千歌、後は頼んだ。」

 

「うん!いってらっしゃい!」

 

 そして、俺はその記者についていこうと、歩き出した。

 

 その時…

 

ゾッ…

 

「!!!!???」

 

 俺は辺りを見渡した。

 

 今、凄く寒気が…それに微かに声が?

 

「気の…せいか?」

 

 不思議がったが、俺はこれ以上気にはならなかった。

 

「さぁ仕事だ。西木野響を…Aqoursを…

 

バラバラにぶっ壊す…な?」

 

『はい…』

 

 この行動が後に俺の運命を左右するとは、その時は何一つ感じなかった。




どうも、銀河のかけらです。いかがでしたか?

ミラチケ、神曲!そして、残念ながら地区予選突破とはなりませんでしたが、0を1にできた。これが大きいです。遂に1期終わった…長かった…!

そして、最後の人物とは?仕事?次回はどんな展開なのか!?お楽しみに!
それでは今回は以上!銀河のかけらでした!


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51話

オリンピックが終わった…。
長いようであっという間でしたね。

それでは51話、どうぞ!


 〜千歌視点〜

 

「で、これからどうする?」

 

「うーん…帰りの電車まではまだ時間あるよね?」

 

 千歌達は今、これからの時間どう過ごすかを考え中。

 

 響くんは取材に行っちゃったし…。

 

「時間も余裕ある…。」

 

「観光でもしてる?」

 

「観光〜!」

 

「観光!?

 

 お土産買うズラ〜。」

 

「ズラ丸は相変わらず食べることばっかりね…。」

 

「ですが、勝手に動いてよろしいのですの?」

 

「大丈夫よ?ダイヤったら心配しすぎ〜」

 

「くっつかないでください!」

 

「そうだよ?子供じゃないんだから…。」

 

「…それもそうですわね…。」

 

「よーし!けって〜い!」

 

 そうと決まれば観光!楽しみだな〜!

 

「じゃあ出発〜!」

 

「ヨーソロー!」

 

 千歌達が観光に行こうとするとき、1人の男が近づいてきた。

 

「あの〜少しよろしいですか?」

 

「は、はい?何でしょう?」

 

「私、こういう者でして…。」

 

「フリーライター?」

 

「はい、それでAqoursのみなさんのご活躍を記事にしたいのですが…。」

 

「えぇ!?記事!?」

 

「うゆゆ…記事なんて…。」

 

「おおお落ち着きなさいルビィ!」

 

「落ち着くのは善子ちゃんの方ズラ…。」

 

「記事ってことは私達のことが全国に!?」

 

「凄いよ!千歌ちゃん!」

 

 Aqoursの大半はこれを喜んでいた。

 

 しかし、怪しく思う人もいた。

 

「あの、それって本当ですの?」

 

「私達を騙そうとしてませんか?」

 

「確かに急過ぎるわ。」

 

「梨子ちゃん、鞠莉ちゃん、ダイヤさん…大丈夫だよ?」

 

「はい、私は決して騙そうとは思っておりません…。

 

 あ、ご希望でしたら社員証お見せしますよ?」

 

「じゃあ見せてください…。」

 

 疑う3人は、その男に社員証を見せてもらった。

 

 そこには、そこそこ大手の名前が書いてあった。

 

「本当…みたいね…。」

 

「そうですね…。」

 

「疑ってしまい、申し訳ありませんでしたわ。」

 

「いえいえ。

 

 では、先程の会場の地下駐車場に車を用意しております。

 

 それで、会場まで移動してもらいます。」

 

「分かりました。

 

 じゃあ行こう!みんな!」

 

『おぁーーー!!』

 

 千歌達はここで、1つのミスをしたことを…まだ知るよしもなかった。

 

 そしてら地獄へのカウントダウンが進んでいることも…。

 

 

 

 〜響視点〜

 

「はい、私達はこうして、Aqoursをスタートさせました。」

 

「…分かりました。質問はこれで以上です!

 

 今日はありがとうございました。」

 

「いえいえこちらこそ。

 

 貴重な経験をありがとうございました。」

 

 俺はAqoursのマネージャーとして取材を受けていた。

 

 そして今、終えたばかりだ。

 

「俺、大丈夫でした?

 

 記事に出来るようなこと言えてました?」

 

「凄く良い話でしたよ!

 

 これからも応援しますので、頑張って下さい!」

 

「はい!ありがとうございました。」

 

 そして、俺の初めての取材を終えた。

 

「ふ〜終わった〜!」

 

 いや〜疲れた疲れた…。

 

 意外と疲れるもんなんだな…取材って…。

 

「あ、千歌達どうしたかな?

 

 電話でもしてみるか?」

 

 そうして俺は千歌に電話を入れた。

 

 ー…おかけになった電話は…

 

「あれ?出ないな?

 

 まさかそんなに楽しんでるのか?」

 

「じゃあ曜は?」

 

 ー…おかけになった…

 

「あれ?曜も?」

 

 おっかしいな…。

 

 俺は続けて果南、善子、ダイヤと連絡を入れたが、誰にも繋がらず…。

 

 流石の俺も少し焦り出した…。

 

「は?流石に全員出ないはおかしくないか?」

 

 どうする?考えろ?何のための頭だ!

 

「よし!まず千歌達と別れた所に行ってみよう!」

 

 そして、俺はライブ会場の入口前に行ってみることにした。

 

 嫌な予感がする…早く行かないと!

 

 だけど俺は心の何処かで油断していた。

 

 この胸騒ぎが、最悪の形で当たってしまうことに…。

 

 

 

 〜千歌視点〜

 

「では、出発します。」

 

『はーい!』

 

 千歌達は記者さんが準備してくれた車に乗って会場へ向かった。

 

「楽しみだね!」

 

「うん!」

 

「千歌ちゃんも曜ちゃんもはしゃぎ過ぎ…。」

 

 千歌達は最初は初めての取材に緊張しながらもワクワクが勝っていた。

 

 …そう、最初は…。

 

「あれ?1年組の3人はみんな寝ちゃったの?」

 

「うん。だから静かにね?」

 

 きっと疲れたのかな?頑張ったもんね?

 

「千歌ちゃん、梨子ちゃん?3年組も寝てるよ?」

 

「あれ?そんなにみんな疲れてるのかな…。」

 

「そうかもね…あれ?私も眠く…。」

 

「梨子ちゃん?あれ…何か眠いや…。」

 

「曜ちゃん?梨子ちゃん?寝ちゃった…。」

 

 みんな寝ちゃうなんて…。

 

「もう〜しょうがないn…あ…れ…?」

 

 その時、千歌にも猛烈な眠気が襲った。

 

「何で…だろ?わた…し…も…眠…く…」

 

 そして、とうとうAqours全員が眠りについてしまった。

 

 眠りにつく中、運転手は当然起きている。

 

 しかし…

 

「ふー…これでOKか…。

 

 後は運ぶだけだな。」

 

 Aqoursのみんなは気づかなかった。

 

 いや、気づけなかった。

 

 運転手がずっとガスマスクをつけていることに…。

 

 

 

 〜響視点〜

 

「はぁ…はぁ…。い…いない…。」

 

 何で…?じゃあ何処に…?

 

 俺はまだ感じたくなかった。

 

 思いたくなかった。

 

 最悪のパターンを…。

 

「そうだ!あの人に聞いてみよう。」

 

 そして、ここの従業員に写真を見せて聞いてみた。

 

「この子達?この子達だったら…

 

 地下の駐車場に男と一緒に行ったよ?」

 

 男?誰だ?

 

「あの〜その男というのは…?」

 

「私も軽くしか聴いてないけど…確か記者とか言ってたな…。」

 

 記者…か…。

 

「ありがとうございます。」

 

 さて…地下に行ってみますか。

 

 

 

「ここが地下駐車場か。

 

 薄暗いな…。」

 

 俺はそこで何とか記者の正体が分かる手がかりを探していた。

 

「頼む…何か出てきて…あ!」

 

 俺はそこで何かの紙を見つけた。

 

「これは…名刺?」

 

 見ると、フリーライターと書いてあった。

 

「もしかして…この人?」

 

 本当に記者だったのか…。

 

 それで少しは安心したが、不可解な点が幾つかあった。

 

「じゃあ移動したって事か?

 

 取材スペースもあるのに…。」

 

 そうだ。この建物には取材スペースもしっかりある。

 

 なのにわざわざ移動?

 

「…電話…してみるか…。」

 

 俺は…ゆっくり…ゆっくりと電話番号を入力した。

 

 そして、その番号で掛けた。

 

 しかし、これが俺とAqoursの地獄の始まりだった…。

 

 ーおかけになった電話番号は現在使われておりません…。

 

 




どうも、銀河のかけらです!いかがでしたか?

Aqoursのみんな…どうなるの?そして電話の意味とは?色々なことが起こり始めました。果たして響とAqoursはどうなるのか!?次回もお楽しみに!

次回は…地獄が…はじまる…。
それでは今回は以上!銀河のかけらでした!


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52話

気付いたら夏休みが半分を切っていた、かけらであります。
早すぎやろ…。

それでは52話、どうぞ!


 〜千歌視点〜

 

「ん…んぅ…」

 

 私は眠りから目が覚めた。

 

「あれ…?千歌いつ寝て…。」

 

「千歌ちゃん。」

 

「曜ちゃん?それにみんなも。」

 

 私はふと周りを見渡してみた。

 

「ここどこ?なんか牢屋っぽけど…。」

 

「分からないわ。私達も起きたらここにいた。それしか分からない…。」

 

 梨子ちゃんも誰も分からないみたい…。

 

「ねぇ?ここどこ?花丸ちゃん?」

 

「大丈夫ズラ。オラがついてるからね?」

 

「鞠莉さん…」

 

「ええ…もしかしたらやばいかも…私達…。」

 

 やばいって何?何が起こるの?

 

 私達が混乱していると痺れを切らした果南と善子が外に叫んだ。

 

「ちょっと!誰かいるの!?」

 

「ここから出しなさいよ!!」

 

「ちょっと!あまり刺激しちゃ…」

 

「うるさい!曜は黙ってて!ちょっと!ここk…え?」

 

 善子が前を向くとそこには銃口があった。

 

 それに私達に向けて。

 

「ヒ…ヒイィ…!」

 

「キャアアアァァァ!!!」

 

「黙れ」

 

 そこにいる男は私達にそれだけ言った。

 

「ねぇ?私達はどうなるんですか?ここはどこ?」

 

「千歌ちゃん…」

 

 私は、疑問を出来るだけぶつけた。

 

「…出てこい。」

 

『……え?』

 

 私達は予想してない答えに驚いた。

 

「何処に連れてくの?」

 

「…リーダーのとこ。」

 

「ちょっと!出せって言ってるの!」

 

「果南さん!今は従いましょう…。」

 

「ダイヤ…分かった…。」

 

 そうして私達は広い部屋に着いた。

 

 そこに待っていたのは…2人の男だった。

 

 

 

 〜響視点〜

 

「…やらかした…俺の馬鹿が!」

 

 響は自分の犯した失態を悔んだ。

 

「電話に誰も出ない。それについて行った記者は偽物。それを考えると思いつくのは一つだけ…。」

 

 俺は携帯を出してあいつに連絡した。

 

「久しぶり涼也。緊急で会えるか?…ああ事件だな…Aqoursのみんなが…誘拐された…。」

 

 

 

「おい!誘拐されたって!?」

 

 涼也は電話したらすぐに来てくれた。

 

「ああ、本当だ。クソッ!油断してた…。」

 

「犯人の目星は?」

 

「全く。でも俺達を苦しめるのが目的だったら考えられるのは…」

 

「薬物関係…か?」

 

「ああ…それが妥当だな。」

 

 犯人のイメージが掴めても誰なのかは分からないままだ。

 

 クソッ!八方塞がりかよ!

 

「どうする?犯人がわからないと動けないぞ?」

 

「分かってる!だから考えてるんだろ?」

 

 でも考えても浮かばないのが事実だ。

 

 すると、突然携帯が鳴った。

 

「うわっ!びっくりしたー!誰だよこんな時に!?」

 

 俺は少し怒りながら携帯を見た。

 

「非通知?誰だ?」

 

 俺は慣れない非通知に少し警戒しながらも電話に出た。

 

 

 

 〜千歌視点〜

 

「連れてきました。ボス。」

 

「おお、ご苦労。」

 

「……っ!」

 

 そこにいたのは顔をプロレスのマスクみたいなので隠す2人だった。

 

 2人のうち1人は私達をまじまじと見つめた。

 

「へえ?これがAqoursか。

 

 ただの小娘だが、本当に奴の弱点なのか?」

 

「ああ、確実にな。」

 

「ちょっと!」

 

 善子が2人に向かって言った。

 

「何かな?」

 

「私達をこれからどうするつもり?」

 

「そうよ!私達をこんなにして…!」

 

「安心しろ。まだ殺しはしない。

 

 でも、それはあいつ次第だがな?」

 

 あいつ?誰のことだろ?

 

「Aqoursのリーダーは前に出ろ。」

 

「……っ!」

 

「千歌ちゃん…」

 

「…分かりました。」

 

「千歌っち…」

 

「気をつけて下さい。」

 

「奴ら何するか分からないから。」

 

「分かってる。」

 

 千歌は静かに彼らの前に立った。

 

「お前が高海千歌か?」

 

「あなた達の目的は何ですか?」

 

「質問に答えろ。」

 

「…はい、そうです。」

 

 ダメだ…。素直に従った方がいいかな…。

 

「お前らのマネージャーに西木野響という奴がいるだろ?」

 

「……さあ?」

 

 響くんは巻き込みたくない…。

 

「ああ、無駄だから。西木野響の存在はもう確定なので。

 

 隠しても無駄ですよ?」

 

「……っ!!」

 

 ダメだ…。全然通用しない…。

 

「いるんだな?では、そいつの電話番号を教えろ?」

 

「…嫌だ!」

 

「何故?」

 

「響くんは関係ない!巻き込みたくない!」

 

「ああ、そういうことか…。

 

 じゃあ、巻き込む状況を作るか。」

 

 状況…?何を?

 

「お前が俺たちに教えなければ、大事な仲間が苦しんで殺されるよ?」

 

「えっ!そ…それだけは…!」

 

「だろ?だ•か•ら、電話番号、教えて?」

 

「…悪魔!」

 

「なんとでも結構…じゃあ1分待ってやる。

 

 その間に決断しろ。」

 

「千歌ちゃん…」

 

「千歌…」

 

 みんなが千歌を見てる…どうしよう…。

 

 ここで断ればみんなが危ない。

 

 でも教えれば響くんが…。

 

「あ、あの!」

 

「ん?何だ?」

 

「響くんの電話番号を知ってどうするんですか?

 

 まさかここに呼んで殺して…」

 

「ああ、呼ぶのは合ってるがすぐ殺しはしない。」

 

「ほ、ほんと?」

 

「ああ、約束しよう…」

 

 だったら…響くん、ごめんなさい…。

 

「分かりました…教えます…」

 

「いい判断だ。」

 

 そうして、千歌は響くんの電話番号を教えた。

 

「さて、電話するか。

 

 そうだ、お前が電話しろ。」

 

「俺ですか?」

 

「ああ、お前の方が面白い。

 

 ヒントは分かってるな?」

 

「はい、分かりました。」

 

 そして、彼は電話をかけ始めた。

 

 

 

 〜響視点〜

 

「非通知…か。

 

 この状況的に嫌な予感しかないけど…」

 

「もしかしたら犯人からかもしれない。

 

 出てください。」

 

「分かってるよ。」

 

 そして、ゆっくりと通話ボタンを押した。

 

「…もしもし?」

 

「西木野響だな?」

 

「…ああ。」

 

「これから1日以内に指定の場所にこい。」

 

「…来なかったら?」

 

「人質を9人預かってる。

 

 ほら、なんか喋れ。」

 

「響くん!」

 

「っ!千歌!」

 

「安心しろ。

 

 約束通り来たら殺しはしない。」

 

「…分かった。場所は?」

 

「…そうだ。このまま場所を教えても意味はない。

 

 テストをしよう。」

 

「テスト?内容は?」

 

「な〜に、簡単さ。

 

 今からこの場所のヒントをやろう。その情報をもとに一日でここまでこれたら合格としよう。」

 

 はぁ?何だよそれ?意味が分からない。

 

「御託はいい。さっさと教えてくれない?」

 

「やらなくていいんだぞ?

 

 そーだな?もしも合格出来なかったら…」

 

「出来なかったら?」

 

「今俺の手元には新作の麻薬がある。

 

 それにまだ違法になってないのな。」

 

 脱法ドラッグってことか。

 

「それをどうするつもり?」

 

「そーだなー時間通りに来なかったら人質に与えてやるよ。」

 

 …は?お前何言ってんの?

 

「響…」

 

 涼也には会話は聞こえなかった。

 

 しかし、響がとても怒っているのは表情だけでも分かった。

 

「ふざけんなよ?そんなこと絶対にダメに決まってんの分からない?」

 

「だからそれを阻止出来るかはお前次第だ。」

 

 クソが…絶対阻止する…。

 

「で?ヒントは?」

 

「やる気があって嬉しいよ。

 

 そーだなーお前が1番最初の場所。」

 

「は?それってどういう…」

 

「じゃ、頑張れー」

 

「は?おい待て…!」

 

 響の呼びかけも虚しく、通話は切れてしまった。

 

「………」

 

「おい、響?」

 

「車出せ。行くぞ。」

 

「おい、何処へ?」

 

「決まってんだろ?

 

 あいつらを救いにだよ。」

 

 待ってろよクソども…!

 

 絶対にたどり着いてやるからな!




どうも、銀河のかけらです!いかがでしたか?

た、大変なことになってきた…。響はAqoursが誘拐されている場所を見つけることができるのか?そしてAqoursの運命は!?次回もお楽しみに!

何か最近の後書き凄く次回予告みたいになってんな…。次回からいろいろ書こう。
それでは今回は以上!銀河のかけらでした!


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53話

シリアスが長い…でも書くのは嫌いではない。
関係ないけどラブライブスーパースターめっちゃ良い。

それでは53話、どうぞ!


 〜千歌視点〜

 

「ギャハハハ…!新しいドラッグをこいつらにやるとか鬼畜だな?」

 

「でもこれであいつは絶対本気になる…だろ?」

 

「違えねえな。」

 

「ね、ねえ!」

 

「あ?何だ高海千歌?」

 

「ドラッグってまさか本気…」

 

「本気だよ?ほらここにあるし。」

 

 彼は何か薬のようなものが入った袋を見せてきた。

 

「う、嘘でしょ…?本物…?」

 

 するとAqoursのメンバーが声を上げた。

 

「そんなことが許されるとお思いで?」

 

「そうよ!今に見てなさい?きっと警察だって…っ!」

 

 ダイヤと鞠莉が言っているのを防ぐように拳銃を突きつけた。

 

「少し黙ろうか?それとも、永遠に黙る?」

 

「…くっ!」

 

「さて、いつ来るかね?」

 

「そうですね…?まあ気長に待ちましょう。」

 

 響くん…お願い…早く来て…!

 

 千歌は静かに助けを願うのであった…。

 

 

 

 〜響視点〜

 

「はぁ!?ドラッグだと!?」

 

「おわ!…うっせえな!?それにいきなりスピード出すなよ!」

 

 俺たちは奴らの場所を見つける為に行動を始めた。

 

「で?どうするよ?わかんのか?」

 

「全く…候補すら思いつかん…。」

 

「…1番最初の場所…か…どういう意味なのか…」

 

「1番最初…か…どれのことか…」

 

「早く決めないと移動できないぞ?

 

 逆だったらそれこそ終わりだ。」

 

「だよな〜」

 

 その通り、もしも東京と予想して向かって外れだったらかなりの時間ロスになってしまう。

 

 そのためにはある程度確証がないと移動もできない状況だ。

 

「まさに打つ手なしの状況だな…?」

 

「まずいな…この間も時間は進んでいる。」

 

「1番最初…」

 

 最初?俺の…過去ってことか?そして要するに俺の原点。

 

 いつの原点だ?

 

 μ's?中学?高校?Aqours?

 

 いや、何か大事なことに気づいてない気がする…。

 

「ダメだ…出てこない…」

 

「止まっていても仕方ねーな…そこら辺走るぞ。」

 

「あ、ああ。」

 

 時間がない。何とか探さないと…。

 

 俺の、最初を…。

 

 

 

 〜千歌視点〜

 

「うぅ…ぐすっ…」

 

「ルビィ…?大丈夫ですわ。きっと助けが来ますわ。」

 

 千歌達はまたさっきいた牢屋みたいな所に戻ってきた。

 

「大丈夫なのかな…?響君…」

 

「ちょっとズラ丸!ネガティブにならないでよ!」

 

「でももしも来なかったら…」

 

「私達…殺される…」

 

 曜の言葉を聞いて静かになった。

 

「暗いことは考えない。いいことを考えよ?

 

 響くんは絶対来る!そう信じよう?」

 

「そうね…。」

 

「それがいい考えデース。」

 

「千歌の言う通りだ。」

 

 響くん?千歌達は大丈夫だよ?

 

 だから…ここまで来て…!

 

 

 

 〜響視点〜

 

「……。。っは!やっば…寝てた…。」

 

「お?起きたか響?」

 

「今何時?」

 

「7時」

 

「は?今なんて…?」

 

「朝の7時だ。」

 

 嘘だろ?しっかり寝てんじゃねーよバカが!

 

「起こせよ!出来ただろ?」

 

「一回寝た方が考えられると思ってな?

 

 一応午後3時がタイムアップだ。

 

 7時間ほどある。」

 

「考えたんだけどさ…」

 

「何か分かったのか?」

 

「多分俺の音楽のことだと思うんだ。」

 

「お前の…音楽?」

 

「ああ、俺の音楽の原点って何なんだろうな…?

 

 それが思い出せない…」

 

 何なんだろ?俺の音楽の最初って…。

 

「原点ってことはお前が音楽にハマるきっかけってことか?」

 

 …ハマる…きっかけ…?

 

「ちょっと…待て?」

 

 響は自分の記憶を一生懸命漁った。

 

 きっかけ…きっかけ…。

 

 探していると1つ、たった1つそれっぽいものを思い出した。

 

 

 

「響?これが今日のライブ会場だ!」

 

「らいぶ?なーに?それ?」

 

「ライブっていうのはな?お客さんの前で俺たちが演奏することだよ?」

 

「えんそうってパパがいつもやってるやつ?」

 

「ああそうだよ?見てろよ?かっこよくするからな?」

 

「うん!」

 

 そして、お父さんのライブが終わった直後、俺はお父さんに飛びついた。

 

「お!ほーら!カッコよかったか?」

 

「うん!パパカッコよかった!」

 

「それは良かった!」

 

「あのね?響ね?パパみたいなみゅーじしゃんになる!」

 

「お!頑張れよ!きっとなれるからな?

 

 じゃあここはスタートの場所だな!」

 

 そう、俺は誓ったんだ。

 

 お父さんみたいなミュージシャンになるって。

 

 

 

「何で…何で…こんな事忘れてたんだろう?」

 

「響…?どうした?」

 

「思い出した…!」

 

「…え?」

 

「思い出したんだよ!

 

 1番最初の所を…」

 

「何だと!?どこだ!」

 

「えっと…確か…ちょっと待って。」

 

 俺はスマホであの時の場所を調べた。

 

 今は無くなって跡地みたいに残ってるみたい。

 

「てか今考えると凄いな…ここだなんて…」

 

「早く教えろ!」

 

「ああ、ごめんごめん…」

 

 そして、涼也に場所を教えた。

 

「なるほどな。それだったら確定っぽいな…」

 

「ああ、そうだ…な?」

 

 あれ?ちょっと待って?

 

 ここの場所にするってこと、そしてこの過去を知っている。

 

 これって1人しかいない…。

 

「なあ涼也?」

 

「何だ?早く行こう。」

 

「俺、犯人1人分かったわ。」

 

「何!?嘘だろ!?」

 

「多分合ってる。

 

 でも急ごう。時間がない。」

 

「あ、ああ分かった。急ぐぞ!」

 

 響はこれから戦う犯人を思い浮かべて少し緊張した顔だ。

 

「待ってろよ…俺が必ず止めてやる…」

 

 こうして響達はその場所へと急いで向かっている。

 

 響の最初の場所、沼津へと…。

 

 

 

 

 

 

 




どうも、銀河のかけらです!いかがでしたか?

53話です。まさか響が昔沼津に行ったことがあるとは…そして最初の場所が沼津だとは…これはなんて運命だろうか…。
じゃあもしかしたら千歌達と出会っていたかも…?それは私にも分からないです。(作者です。)

次回もまた近いうちに…。
それでは今回は以上!銀河のかけらでした!


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54話

言い忘れてましたが、UA10000突破ありがとうございます!
ここまで来れたのは読んでくれた皆さんのおかげです!
これからも精進して頑張ります!

それでは54話、どうぞ!


 〜響視点〜

 

「〜〜〜!!おい!早く進めよ!!」

 

「イライラすんなようるせえな…10キロ以上渋滞してんぞ…」

 

 俺たちは今、奴らの場所へ向かっているが、高速で渋滞に巻き込まれてしまった。

 

「くそ…時間がない…これだったら高速使わなければ…!」

 

「今それ言っても仕方ないだろ?」

 

 って言ってもマズイのには変わりない。

 

 今は正午だ。もう3時間しかない。

 

「…響?」

 

「ん?何だよ?」

 

「これから死にに行くとか考えてないよな?」

 

「…当たり前だろ?俺はあいつらを守らないといけないからな。」

 

「なるほどな…じゃあ死ぬなよ?」

 

「おう、まあ何とかやるよ。」

 

 今、俺は涼也に1つ嘘をついてしまった。

 

 俺は死なないと言った。だが、本心は死んででも守る。

 

 これをAqoursができてからずっと思い続けている。

 

 それは変わらない。

 

 俺はAqoursを死んででも守る。

 

「お、進んだぞ!」

 

「さて、スピード出すぞ!」

 

「補導されんなよ?悪徳警察官?」

 

「それ誰に言ってんのかな?」

 

 俺たちは急いで向かった。

 

 みんな待ってろよ!今行くからな!

 

 

 

「まずいな…もう1時間もない。」

 

「もう少し速く出来ないのか…おわっ!」

 

「何だ?何で止まってんだよ!」

 

 俺は前を見ると車が前で事故ってた。

 

「はあ!?何でこんなとこで事故ってんだよ!

 

 クソッ!今日ついてねえな…!」

 

「まずい、ここで止まると間に合わないぞ!」

 

 …クソッ!一か八か…これしかないか…。

 

「おい!ここで止めろ!」

 

「は?何する気だ?」

 

「ここから走っていく。」

 

「無茶だ!おい!」

 

 俺は涼也を無視して車から出て外を走り出した。

 

「ごめん!後で来てくれ!」

 

「はっ…はっ…」

 

 まだ遠い。そして間に合うかはわからない。

 

 だが、俺は絶対に諦めない。

 

「隣で奇跡を起こしてる奴がいるんだ。

 

 俺が起こさなくてどうすんだよ!!」

 

 西木野響舐めんな!

 

 絶対に間に合わせる!これだけを信じて足を動かした。

 

 

 

 〜千歌視点〜

 

 …………。

 

 私達は響くんが来るのを信じて待っている。

 

 でも、時間は刻一刻と迫っている。

 

 もう私達はしばらくじっと耐えていた。

 

 その静かさを破るように彼等がきた。

 

「30分前だ。そろそろ誰からやるか選べ。」

 

 ……死にたくない。でも、誰かがやらないと何をされるか分からない。

 

 怖い…怖い…助けて…!

 

 何もしないままの時間が20分ほど続いた。

 

「ほらさっさと決めろよ!」

 

 …いや、千歌はAqoursのリーダーなんだ。

 

 ここで出ないでどうする!

 

「…私からやります。」

 

「千歌ちゃん!?」

 

「千歌!だめよ!私からするよ!」

 

「そうよ千歌っち!」

 

「みんな大丈夫。私からするから…。」

 

「凄い勇気だな?褒めてやるよ?」

 

「ほら、前に出ろ。」

 

 そう言われて千歌は少しずつ前に出た。

 

「千歌…」

 

 みんなが…Aqoursのみんなが見ている。

 

「薬を目一杯感じたいだろ?

 

 静脈に打ってやるよ。感謝しろ?」

 

 静脈…嫌だ…でも覚悟をきめろ高海千歌。

 

 私は大丈夫。大丈夫なんだ…。

 

「どうぞ…やってください…」

 

「何だよ?怖くないのか?」

 

「こんなの…全然…怖くない…」

 

 嘘だ。怖い。怖い。怖い。

 

 少しでも気を抜いたら震えが止まらないだろう…。

 

「じゃあ最後に言いたいことはあるか?」

 

「じゃあ今って何時ですか?」

 

「あ?14時55分だけど、それがどうしたんだよ?」

 

「フフフ…じゃあまだ諦めません。」

 

「はぁ?」

 

「響くんだってきっとまだ諦めてない。

 

 それにまだ5分もある。きっと来るはずです。」

 

「ワハハハハ!お前とうとうおかしくなった?

 

 奇跡は起こらないの。夢見るのも大g」

 

「起こるよ!」

 

「何?」

 

「だって…だってだってだって!!

 

 私達は起こしてきました。

 

 Aqoursのみんなと、響くんと!

 

 だから私は諦めない!

 

 ずっとずっと!」

 

「千歌ちゃん…」

 

「はぁ…もう4分前。

 

 さあ左腕を出せ。」

 

「…はい」

 

 響くん…

 

「大丈夫。すぐ楽しくなるからな?」

 

 響くん…!

 

 薬が入った注射針が腕に近づいた。

 

「3分前、ほら?怖くなってきただろ?震えてるぞ?」

 

「……………。」

 

「もう喋れなくなったか?」

 

 千歌は目をつぶって一つだけ願った。

 

 助けて…響くん…!

 

 千歌がそう思った時…、

 

ドゴッ!!!ガシャン!!!

 

「ああ?何だよ!?」

 

「な…何?」

 

 音のした方はこの部屋のドアがあった。

 

 私はその方を見つめた。

 

「人…影?」

 

 そこには、私達がずっと信じて待っていた人がいた。

 

「西木野響ぃ!!!」

 

『響くん!』

 

「響くん…良かった…!」

 

 千歌が離されて、千歌はそこに座り込んだ。

 

「千歌…良かった…間に合ったか。」

 

 

 

 〜響視点〜

 

 良かった…何とか間に合ったか…

 

「さて、こんな事をするゴミクズどもは2人か…」

 

「ゴミクズ…か。」

 

「年上は敬うって習わなかったのか?」

 

「年上?お前らがか?やる事がくだらないけどな。」

 

「響くん…」

 

 千歌…みんな…

 

「少し待ってろよ?すぐ助ける。」

 

 さて、久しぶりだな。こんなにムカつくのは…。

 

「ゴミは掃除しないといけないしな。

 

 2人とも完膚なきまでに潰してやるよ」

 

 響のその一言はいつにもなく低く、怒っているのが分かった。

 

 




どうも、銀河のかけらです!いかがでしたか?

よ、良かった…響が来た…!これから遂に奴らとの直接対決です。
そして次回、彼らの正体がわかります…。

シリアス、まあまだ続くんですが、書くとしんどくなる…。
ですが、ここかなりこの小説の中で重要なので頑張ります!
話は全く関係ないですが、スーパースターが神作すぎる…!
それでは今回は以上!銀河のかけらでした!


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55話

かけらあるある
たまに何日か更新が消える

えー…誠に申し訳ありませんでした…。
単純に他の事に時間を割いていました。

それでは55話、どうぞ!


 〜響視点〜

 

「さて?約束は守った。薬は打つなよ?」

 

 ま、3分前はマジでギリギリだったけどな。

 

「分かってるさ。ほらよ。」

 

「うわぁっ!」

 

 千歌は背中を押されてみんなの方に返された。

 

「千歌ちゃん!」

 

「千歌!大丈夫?」

 

「う、うん…なんとか…」

 

 はあ…みんなはまだ返さない…と。

 

「で?どうしたらみんなを解放してくれる?」

 

「そーだな?お前が死んでくれたら返してもいいぜ?」

 

「交渉決裂。じゃ、武力行使で。」

 

「へえ?俺らに勝てると?舐められたもんだな?」

 

「あぁ、舐めてるさ。

 

 お前らみたいに1つの失敗をいつまでも引きずる馬鹿じゃねえからな?」

 

「「…なんだと?」」

 

 それを聞いた瞬間、2人の顔が歪んだ。

 

 はぁ…確定…か。

 

「分かっただろ?

 

 俺お前らの正体分かったんだよ?」

 

「「…………………。」」

 

 黙る…か。

 

「じゃあ、ここから西木野響の推理を聴いてもらおうか?」

 

「…聴かせてもらおうか?」

 

 さて、始めますか。

 

「まず、何でここの場所が分かったか、から聴いてもらおう。」

 

「響くん…」

 

「お前らは電話でこう言った。」

 

 

 

「お前が1番最初の場所。」

 

 

 

「あぁ、言ったな。」

 

「1番最初の場所って何だ?って最初疑問に思った。

 

 生まれた場所?住んでた場所?…とか色々考えた。

 

 そして、1つ昔の事を思い出したんだ。」

 

 あれは俺が小学校に入学したばっかりだった頃、旅行でここに来た事があったんだ。

 

「ここは昔ライブハウスがあったんだよ。

 

 かなり前になくなっちゃったらしいけどな。」

 

 そう、俺はそこで旅行のついでにあるライブを観に行った。

 

 そこで俺は衝撃を受けたんだ。

 

「見たことない楽器、音、周りのお客さん…全てが当時の俺にとって新しいものだった。」

 

 俺はここで音楽をしたい!音を奏でたい!って思ったんだ。

 

「そして、ここは沼津。

 

 本当に凄いよな…後に住むところに行っていたなんてな。」

 

「それって…つまり…」

 

 Aqoursの数人は分かったか。

 

「そう、俺の過去を分かるって事。

 

 つまり俺の父しかいない。

 

 そして、もう1人は父さんのバンドのメンバーだろ?」

 

 さて?かなり自信があるけど合ってるよな?

 

 2人は俺の推理を聴いた後、何も言わずに顔マスクを外した。

 

 そこに見えたのは…俺が見慣れた…2人だった。

 

「久しぶりだな?響?」

 

「…やっぱりお前か。」

 

「お前は無くないか?響?」

 

「え!?あの人が…響の本当のお父さん…?」

 

「…お前に名前を呼ばれる筋合いはない。」

 

「そんな事言うなよ?

 

 俺とお前の仲だろ?」

 

 あ?何言ってんの?黙れよ…。

 

「で?武力行使ってどうする気?」

 

「は?倒すよ?お前らをな?」

 

「倒せると思ってんの?

 

 俺たち2人だぞ?舐めるのもいい加減に…」

 

「でもそうしないとみんなは助けられないんだろ?

 

 だから俺は戦う。

 

 戦わないといけないんだよ!」

 

「熱いなぁなあ?」

 

「あぁ、変わったな?響。」

 

 あぁ?お前が言うなよ。

 

 でも、こんなクズでも血は繋がってる…。

 

 これが、最後だ。

 

 俺はもしかしたら甘いのかもしれない。

 

 でも…でも出来るのなら元父とは争いたくない…。

 

「なぁ…父さん?」

 

「あ?何だ急に父さんって言って…」

 

「俺は出来るのなら貴方とは争いたくない。

 

 自首してください。

 

 今だったらまだ間に合うから。」

 

「響くん…」

 

 Aqoursのみんなも俺の会話を静かに聞いていた。

 

 でも、俺が待っているのとは違う返答だった。

 

「は?お前はバカか?

 

 もう取り返しなんて付かないんだよ。

 

 今更止まると思うか?」

 

 あっそう…分かったよ…。

 

「ありがとう、これで安心したよ。

 

 貴方とはもう他人だ。

 

 ぶっ潰してやるよ。」

 

「やってみろよ?潰してやんよ。」

 

「アホもいるもんだな?

 

 殺してやるよ!」

 

 殺す…か…。

 

「やってみろよ?

 

 殺しはしないけど殺さない程度にぶっ潰す!」

 

 

 

 〜千歌視点〜

 

「響くん…」

 

「と…止めないと…響くんが…!」

 

 ルビィが戦う響を見てそう言った。

 

「ダメですわ…今の私達が言ってもどうにも…」

 

「じゃあこのまま見たらって…!」

 

 私達は響くんが傷つくのをただ見てることしか出来ないの?

 

 Aqoursは響の戦いを遠くから見ることしか出来なかった。

 

 

 

 〜響視点〜

 

「はぁ…はぁ…」

 

 ヤバい…つっよ…2人は…キツイな…。

 

「どうした?もう終わりか?」

 

「まだ高校生…雑魚だな…」

 

「はぁ?何…言ってんの?

 

 まだ1発も当てれてないくせに…!」

 

 まぁ俺もだけど…

 

 正直体力の差は歴然…マズイな…。

 

「でも…諦められない…!

 

 俺には待ってくれる人がいる!

 

 もうあの時の俺とは違う!!」

 

 そうだ…!

 

 俺には守らないといけない人がいる。

 

 その人達の為にも…絶対に…

 

「行くぞ…!」

 

 俺は今までで1番の勢いで奴らにかかっていった。

 

「うおおぉぉぉぉ〜〜!!!」

 

バキッ!?

 

『……え?』

 

「……は?」

 

 Aqoursのみんなは時間が止まったように固まっていた。

 

 2人は響を不敵に笑っていた。

 

 その響は…地面に倒れていた。

 

 頭から血を流して…。

 

「嘘…でしょ?」

 

「そんなの…卑怯よ…!」

 

「響くん!!」

 

 響にはこの声は聴こえていなかった。

 

「な…な…に…が…ぁ?」

 

 響には薄れる意識をなんとか保つことしか出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 




どうも、銀河のかけらです!いかがでしたか?

さて、とうとう闘っていますが、最後は殴られた?誰に?気になるなぁ…。
そして、最近Aqoursの出番が少ないとお思いの方、いるかと思います。申し訳ないですが、もう少しお待ちください。

そして、しっかり一週間ほど消えて申し訳ありませんでした。いや、色々やる事が多いんですよ。それをしてました。
今日からしっかりと頑張ります!それでは今回は以上!銀河のかけらでした!


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56話

さあ、始まります。

それでは56話、どうぞ。


 〜響視点〜

 

「な…に…が…?」

 

 今…後ろから…?誰が…?

 

 俺は後ろを振り向くと1人の男がいた。

 

「あ…ぁぁぁ……」

 

「ご苦労。後で報酬は渡すからな?」

 

「う…うわぁぁぁーー!!!」

 

 怖くなったのか、その男は逃げ出してしまった。

 

「逃げたか…まぁ仕事しただけマシか。」

 

「アイツは…誰だ…?」

 

「あ?アイツ?アイツはな…ホームレスなんだよ。」

 

「ホーム…レス?」

 

「なんか金に困ってるみたいだったからな。

 

 助けてやったんだよ。」

 

 は…?それって何も罪がない奴を連れてきたって事…?

 

「ふざけんな…しかも…罪もない奴を巻き込んで…」

 

「はぁ…うっさ…黙れ…よ!」バキッ!

 

「ガハッ!」バタッ…

 

「響くん!!」

 

「ぅ……ぁ……」

 

 響は頭を元父に蹴られて気絶してしまった。

 

「嘘…でしょ?」

 

「アハハハハハ!!気絶したか?」

 

「雑魚だったな?」

 

「響…」

 

 あの2人は笑っていたが、Aqoursのみんなは顔が凍りついていた。

 

「あ?凄い顔だな?」

 

「怖い?安心しろ?人によっては苦しむかもしれないけど楽に殺してやるからさ?」

 

「殺される…?嫌…」

 

「じゃあリーダー?お前から行く?」

 

「い…嫌…」

 

 流石の千歌も震えが止まらなかった。

 

「じゃあ1人ずつとりあえずクスリ打つから前来て…」

 

「お…お姉ちゃぁ…」

 

「大丈夫ですわ…」

 

 Aqoursのみんなももう諦めかけていた。

 

「た…助けて…!」

 

 トントン…

 

 元父に後ろから何か肩を叩かれた。

 

「ん?誰だ…グハァッ!!!」

 

『っっ!!??』

 

 何か大きな音を立てて元父は吹き飛んだ。

 

「は…?誰…?ガッ!!!」

 

 続けてもう1人も殴られ少し飛ばされた。

 

「だ…誰?」

 

 Aqoursのみんなは音がした方を見た。

 

 そこには…

 

「おはよう?クズども。

 

 やっぱりクズは下で這い蹲るのが1番似合うな?」

 

 頭が血だらけながらも立ち上がる響の姿があった。

 

「き…貴様…どうして?」

 

「はい?誰が気絶しましたって言ったの?

 

 少し目を瞑ってただけだよ?」

 

「クソが…!」

 

「その言葉、そっくりそのままお返しするよ。」

 

「お、お前なんか仲間を呼べばすぐに「あ、そうだ!」…は?」

 

「1つ言い忘れてたんだけどお前ら、もう詰んでるから。」

 

「何言ってんだよ?この状況で?」

 

 すると、外から大きな音と声が聞こえた。

 

 そして扉が乱暴に開けられ…

 

「動くな!警察だ!!!」

 

「け、警察!?どうして…?」

 

「警察…?」

 

 Aqoursのみんなも最初は何が起こっているのか分からなかった。

 

「みんな、もう大丈夫ですよ?」

 

「あ!涼也さん!」

 

「久しぶりですね。まぁもう少し安全な場所でお会いしたかったですが。」

 

「あはは…確かに…」

 

「お!久しぶり涼也。」

 

「貴方とはほんの1時間ぶりでしょう?

 

 それにしても時間を稼げとは言いましたがボコボコにされろとは言ってませんよ?」

 

「あはは、厳しいねえ。」

 

 俺が涼也と話していると警察と奴の声が聞こえてきた。

 

「大人しく手をあげろ!」

 

「クソクソクソ!離せ!!」

 

「よし、気絶してる方はとりあえず病院に運ぶぞ。」

 

 2人は警察によって捕らえられた。

 

 そして…

 

「響くん!!」

 

「みんな!!

 

 っておわ!!」

 

「よかった…怖かった…!」

 

「…千歌、ごめんな。怖かっただろ?」

 

「…うん…」

 

『うわぁぁぁぁん〜〜〜!!!』

 

「1年トリオ!?そっちかよ!?

 

 でもみんな頑張ったな。」

 

 気付いたらみんな俺の周りで泣いていた。

 

「響…?」

 

「どうした?涼也?」

 

「お前も病院に行くぞ?」

 

「チェッ…ま、真姫がいないだけましか…」

 

「ほら行くぞ!」

 

「へいへい。」

 

 俺と涼也が外に出ようとすると、まだ抵抗していた奴が動いた。

 

「お、おい!?捕まえろ!!」

 

「お前だけは!!!おまえだけは〜〜〜!!!!!」

 

 奴の手には拳銃がある。

 

 俺は油断していてすぐに動けなかった。

 

 そうしている内に大きな音が聞こえた。

 

 避けれない…と思った時、俺の前で…

 

 ある影が通った…。

 

 

 

 〜千歌視点〜

 

「良かった…」

 

「千歌!頑張ったね…!」

 

「うわぁぁぁ〜果南ちゃん!!!」

 

「うわっ鼻水つけないで!!」

 

「あはは…でも良かった…!」

 

「これにて一件落着デース!」

 

「鞠莉さんは変わりませんわね?」

 

「え〜これでも怖かったのよ?」

 

「人質の皆さんも一応警察が保護します。

 

 こちらへ…」

 

「はい…行こう?」

 

 こうして…やっと帰れる…と思った時、もう聞かないと思っていた声が…

 

 聞こえた。

 

「お前だけは!!!おまえだけは〜〜〜!!!!!」

 

「っっ!!!危ない!?」

 

『千歌!?』

 

『千歌ちゃん!?』

 

 私は必死だった。必死に…必死に走った。

 

 そして…気付いたら響くんを守るように飛んでいた…。

 

 その瞬間…聞いたこともないような大きな音が…聞こえた。

 

 

 

 〜響視点〜

 

「……え?」

 

 大きな音が鳴った時、その影から何かが飛んできた。

 

「……血?」

 

 まさかまさかまさかまさかまさか…

 

 嫌だ…信じたくない…

 

 俺はそう思って恐る恐るその影が飛んでいった方向を見ると…

 

『千歌ちゃん!!!!』

 

「千歌!聞こえる?ねえ!?」

 

「千歌ちゃぁん!!!」

 

 そこにいたのは…血を流して倒れる…千歌の姿だった。

 

 嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ

 

 俺は何のために今までやってきた。

 

 ああああやばいやばいやばいやばい…!!!

 

「はあ…はぁ…はぁ…」

 

「響…!おい!おい!」

 

 涼也の声、Aqoursのみんなのこえ、奴のこえ、警察の…

 

 あれ?音が…聴こえない?

 

「はぁ…はぁ…はぁ…」

 

 狂う狂う狂う狂う狂う…………!!

 

「はぁ…はぁ…はぁ…ぁ…」

 

 あ、壊れた…。

 

「ああああぁああぁぁぁぁぁぁあ゛あ゛あ゛あ゛あああぁぁぁ!!!!!」

 

 そこから先は…もう覚えていない。

 

 




どうも、銀河のかけらです。いかがでしたか?

解決したと思ったら、地獄へ突き落とされた響。発狂した後覚えていない…彼はどうなってしまうのか…そして千歌は…辛いことが続きます。

そして、物語はどう進むのか。
それでは今回は以上、銀河のかけらでした。


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57話

命…これはひとつしかない。そして、そんな命を抱えて今日も生きている。


 〜梨子視点〜

 

「うっ…うぅ…千歌ちゃん…」グスッ…

 

「大丈夫よ。曜ちゃん…きっと千歌ちゃんは目を覚ますわ…」

 

 今私達は病院にいる。千歌ちゃんと…響くんが搬送された病院だ。

 

 そして今千歌ちゃんの手術中だ。

 

「千歌…」

 

「果南さん…」

 

「どうして…こんな…」

 

「うぇぇ…」

 

 みんな千歌ちゃんと響くんにショックで下を向いている。

 

 かく言う私も今にも泣きそうだ…。

 

 だけど…私だけは…曜ちゃんの為にも…ちゃんとしないと…。

 

「…梨子?少し良いかしら?」

 

「鞠莉…ちゃん…?」

 

「ここじゃなんだし、他の場所行かない?」

 

「…はい…分かりました…」

 

 なんだろ…?鞠莉ちゃんから話って…。

 

 梨子と鞠莉は外に出て少し広い場所へ行った。

 

「何ですか?話って…」

 

「梨子?あなた、無理してない?」

 

「無理…ですか?」

 

 バレてた…の?

 

「2年生がみんなあんなになってるから無理してるんじゃないかなって…」

 

「…です。」

 

「え?何か言った?もう少し大きな声で…」

 

「だからこそ…!みんながこんなだからこそ私がしっかりしないと…!」

 

「梨子?Aqoursは何人か分かる?」

 

「え…?響くんも入れて10人です。

 

 なんで今そんなことを…」

 

「いい?私達だっているのよ?」

 

 …あ、そうだ…。

 

「Aqoursのみんなは全部梨子に背負えなんて言わないわ。

 

 全員で背負うの。苦しみも…悲しみもぜーんぶ!」

 

 私は大事なことを忘れていた。

 

 私にはAqoursのみんながいる。1人じゃないんだ。

 

「そうですね…ごめんなさい…」

 

「謝らなくても良いのよ?」

 

「みんなのところに戻りましょう?」

 

「そうデースね!」

 

 私達が戻ろうと思った時、走っているような足音が聞こえた。

 

「はぁ…はぁ…あ!ここにいた!」

 

 ルビィちゃん…?何か急いでる…?

 

「あれ?ルビィちゃんどうしたの?」

 

「千歌っちは?」

 

「千歌ちゃんが…」

 

「千歌ちゃんが…?」

 

「目を覚ましました!!」

 

「「っっっ!!!」」

 

「行こう鞠莉ちゃん!」

 

「ええ!」

 

 ルビィちゃんから聞いて私達は急いで病室に向かった。

 

 

 

「千歌ちゃん!!」

 

「千歌っち!!」

 

 私達が病室に向かうと、大きな泣き声が聞こえてきた。

 

「うわあぁぉぁぁ…よかった!!よかったよーーーー!!!」

 

「もう…曜ちゃん泣きすぎ…あ、梨子…ちゃん、鞠莉ちゃん。」

 

「千歌…ちゃん…」

 

「起きたら曜ちゃんがこんなに泣いちゃって…ってうわぁ!鼻水!鼻水ぅ!」

 

「〜〜〜!!!」

 

 梨子は千歌の言葉を聞いた途端、飛び込むように抱きついた。

 

「うわっ!危ないよ?」

 

「良かった…!本当に…」

 

「梨子ちゃん…ごめんね?心配させて…」

 

「ほんとよ…あなたははバカよ…」

 

「良かったね…千歌…」

 

「あれ〜果南は泣かないの?」

 

「果南さんはさっき1番泣いてましたわ。」

 

「ダイヤ!それ言わないで!//」

 

 すると、千歌が1つ質問した。

 

「あれ…?響くんは…?大丈夫なの?」

 

『………。』

 

 誰も答えなかった。

 

 良くはないからだ。

 

「響は確かに起きたわ…でも…っ」

 

 善子が説明しようとしたが…言葉を詰まらせた。

 

「私から説明しますわ。」

 

 ダイヤは少し声を震わせながら話した。

 

 響さんは今…この病院にいます…ですが…面会拒否で誰も会えませんわ。」

 

「面会…拒否?」

 

 千歌は響の状態を想像して…顔を曇らせた。

 

 

 

 〜響視点〜

 

「……………。」

 

 なんで…生きてるんだろう?

 

 あの時、確かに狂えた。このまま死ねると思った。

 

 でも、死ななかった。

 

 俺の精神は安定してしまった。

 

 これは俺への罰?

 

 あの時撃たれたのが俺に当たれば…すぐ死なたのかな?

 

 俺が反応出来なかったせいで…千歌を傷つけた。

 

 だが、さっき医者の先生から一つ聞いた。

 

 千歌が…目を覚ました…と。

 

 起きたのは良かった。

 

 でも、そんな問題じゃない。

 

 また…また周りの人を傷つけてしまった。

 

 あの時…決めたのに…。

 

 決めたのに決めたのに決めたのに決めたのに決めたのに。

 

 何がいけなかった?なにが間違ってた?

 

 何が?何が?何が?

 

「ふふふ…アハハハハハ…」

 

 俺はなんで馬鹿なんだろう?

 

 なんで今までこれに気付かなかったんだろう?

 

「原因は俺じゃないか。」

 

 あの時も、あの時も、あの時も近くに俺がいた。

 

 俺は悪魔?死神?どっちでもいい。

 

 だって…俺がいるのが悪いんだから…

 

 

 

「死にたいなんて言うなよ。諦めないで生きろよ。」

 

 そんな歌が正しいなんて馬鹿げてるよな。

 

 

 

 実際自分は死んでもよくて

 

 周りが死んだら悲しくて

 

「それが嫌だから」っていうエゴなんです。

 

 

 

 他人が生きてもどうでもよくて

 

 誰かを嫌うこともファッションで

 

 それでも「平和に生きよう」

 

 なんて素敵なことでしょう

 

 

 

 画面の先では誰かが死んで

 

 それを嘆いて誰かが歌って

 

 それに感化された少年がナイフをもって走った。

 

 

 

 僕らは命に嫌われている。

 

 価値観もエゴも押し付けていつも誰かを殺したい歌を

 

 簡単に電波で流した。

 

 僕らは命に嫌われている。

 

 軽々しく死にたいだとか

 

 軽々しく命を見てる僕らは命に嫌われている。

 

 

 

 俺は歌うのをやめて…つぶやいた。

 

「千歌…Aqoursのみんな…内浦…これで…

 

サヨナラだ…」

 

 邪魔者は静かに…消えよう…。




どうも、銀河のかけらです。いかがでしたか?

響が…やばい…。そして千歌ちゃん良かったーー!!響が今後どうなるのか…元に戻ってくれるのか…

そして、今回の曲はカンザキイオリさんで命に嫌われているでした。歌詞がとても深い曲です。
それでは今回は以上、銀河のかけらでした。


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58話

響の闇…それは何か?

それでは58話、どうぞ!


〜千歌視点〜

 

曜「良かったね〜退院できて。」

 

梨子「一時はどうなるかと思ったけど…」

 

千歌「あはは…迷惑かけてごめんね?」

 

果南「まあまあ…とりあえず良かったじゃん!」

 

千歌は無事退院することができた。

 

だが、千歌は退院できた嬉しさよりも…

 

千歌「でも響くんは…」

 

花丸「まだ入院中ずら…」

 

…………。

 

全員口を開かず時間だけが過ぎていく。

 

すると、千歌がみんなに向かって言った。

 

千歌「みんな、明日お見舞い行ってみない?」

 

8人「え!?」

 

果南「でも響くんは確か…」

 

ダイヤ「面会拒否…ですわよ?」

 

千歌「うん…でも、このまま動かずにこのまま待ってても進まないよ。」

 

曜「それも…そうだね!」

 

善子「フッ…この堕天使ヨハネが動く時ですね…」

 

花丸「まだ動く時じゃないずら。」

 

ルビィ「そうずら!」

 

善子「2人でずらずらゆーなぁ!」

 

鞠莉「では、明日またここで集合デース。」

 

Aqours「おーー!!」

 

千歌の呼びかけで元の元気を取り戻したようだ。

 

千歌「(後このわに響くんが戻って来れば…)」

 

そう思いながら千歌は家に帰るのであった。

 

 

 

〜響視点〜

 

千歌が退院した翌日の朝。

 

今日は太陽は雲に隠れて少し薄暗い。

 

そんな外の風景も知るよしもなく、響は黙々と何かを書いていた。

 

響「…これで半分。」

 

すると様子を見に来たのか医者が来た。

 

響「…何ですか?」

 

医者「…目の下のクマが凄いですよ?ちゃんと寝てるんですか?」

 

響「ええ…もちろん…。」

 

響「(本当は一睡もしてないけどな。)」

 

響は当然のように嘘をついた。

 

医者「退院の日が決まりましたよ。」

 

響「…いつですか?」

 

響は書く手を止めないまま聞いた。

 

医者「明日には退院出来ますよ。」

 

響「(あっそう…)」

 

響は心の中だけで返事をし医者を無視した。

 

医者「…安静にしててくださいね?」

 

響「……。」

 

医者はそう言い残して病室から出た。

 

響「んなもん言われなくても分かってるっつーの。」

 

響はそう言ってまた無言で書き進めた。

 

 

 

〜千歌視点〜

 

ダイヤ「皆さん揃いましたわ。」

 

千歌「うん、じゃあ行こう。」

 

そして千歌達は病院に入って行った。

 

入ってすぐの受付の人に聞いた。

 

千歌「あの!」

 

受付「はい、どうされましたか?」

 

千歌「面会の受付をしたいんですが…」

 

受付「はい、どなたのでしょうか?」

 

千歌「えっと…西木野響くんの面会に…」

 

響の名前を聞いた途端受付の方の顔に緊張が走った。

 

受付「…少々お待ちください。」

 

鞠莉「うーん…何か厳しそうね。」

 

ルビィ「まだ…分からないよ!」

 

ダイヤ「ええ、そうですわ。」

 

梨子「あ、来たわよ。」

 

受付「お待たせ致しました。」

 

千歌「それで…面会は…」

 

受付「申し訳ありません、響さんは面会を拒否しているとのことなので面会はご遠慮ください。」

 

千歌「だめ…ですか…」

 

善子「何で拒否しているんですか?」

 

受付「それは…申し訳ありませんがお答えできません。」

 

善子「何で説明出来ないんですか?教えてくれても…」

 

花丸「善子ちゃん、諦めるずら。」

 

善子「ヨハネ!」

 

千歌「分かりました…」

 

千歌達は悔しくもその場を後にした。

 

病院を出てすぐにタバコを吸った人に話しかけられた。

 

「…フーッ…やはりダメでしたか?」

 

果南「あなたは…氷室さん!?」

 

そこにいたのは警察であり響の友人の氷室涼也だった。

 

涼也「涼也で呼んでくれ。何か慣れなくてな。」

 

鞠莉「やはりって涼也さんは何か知ってるのでーすか?」

 

涼也「まあ知ってるというか響の面会拒否は違和感があってな…」

 

曜「違和感ってなんですか?」

 

涼也「あの後全員に事情聴取をしただろ?」

 

ダイヤ「ええ…確かあの事件の捜査の一環として…」

 

涼也「ああ…そして当然響にも事情聴取をした。だがその時は普通に入れたんだ。」

 

梨子「え?私達はずっと面会拒否って言われて…」

 

涼也「やっぱりな…聴取が終わった途端警察ですら入らなくなった。」

 

花丸「それって…人を避けてる…?」

 

涼也「ああ、そう感じる…何か闇を抱えてしまったのかもしれない。…ん?もうこんな時間か。」

 

善子「どこに行くんですか?」

 

涼也「ごめん、仕事が入ってて…じゃあ、退院したら詳しい状況を教えてくれ。」

 

千歌「はい、わかりました。」

 

涼也は仕事に向かう為千歌達と別れた。

 

果南「…で、どうしようか?」

 

曜「退院って言っても日にちも分からないから…」

 

何かないかと策を練ってると…

 

ルビィ「ピギィ!」

 

ルビィが急に声をあげた。

 

ルビィ「きました…来ましたよ!」

 

梨子「来たって何が?」

 

ルビィ「Aqoursのグループで響くんからメールが!」

 

ダイヤ「何ですって!?」

 

曜「本当だ!なになに…?明日の正午くらいで退院するって!」

 

千歌「本当!良かったぁ…」

 

果南「じゃあ明日の正午で迎えに行こうよ。」

 

鞠莉「それは良い考えデース!」

 

千歌「よーし!じゃあ響くんを迎える準備しよう!」

 

Aqours「おーー!!」

 

Aqoursは響の退院を素直に喜んでいた。

 

でも、彼女達は知らなかった…。

 

響は彼女達の思ってる以上に闇に…暗闇の底にいる事を…。

 

 




どうも、銀河のかけらです。いかがでしたか?

千歌ちゃん、退院おめでとう〜!いや〜最近少し投稿間隔空きがちなので何か長く感じましたがとりあえずおめでとうです。そして響の闇とは…?

それでは今回は以上!銀河のかけらでした!


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59話

彼は何かを引き換えに全てを失う決意をした。

それでは59話、どうぞ。


もうすっかり朝になり太陽も照らす中、病院の受付で1人の少年が来た。

 

「すみません…」

 

受付「はい、何でしょうか?」

 

「退院の手続きをお願いします。」

 

受付「承知しました。お名前は何でしょうか?」

 

彼は受付の人に言った。

 

「…西木野…響です。」

 

 

 

そして正午になり、Aqoursのみんなは響を出迎えるために病院に来ていた。

 

曜「遅いね…」

 

梨子「もう正午過ぎてる…」

 

千歌「響くん何してるんだろ?」

 

善子「どうせ準備とかに手間取ってんじゃないの?」

 

鞠莉「響ならありそうね〜」

 

千歌「ほんとに…そうなのかな…」

 

みんなはゆっくり待っていたが、千歌はこの状況が不安で仕方なかった。

 

その予感が的中したのか、どれだけ待っても響は現れなかった。

 

果南「ちょっと!もう1時間だよ?流石に…」

 

ダイヤ「遅すぎ…ますわ…」

 

するとルビィが立ち上がって…

 

ルビィ「ちょっと病院入って確かめてくる!」

 

花丸「ルビィちゃん!?」

 

ダイヤ「じゃあわたくしも行きますわ!」

 

そう言って黒澤姉妹は病院に入って行った。

 

その黒澤姉妹も、10分経っても帰ってこない…。

 

鞠莉「2人とも遅いわね〜」

 

曜「もしかして響くんに何かあったんじゃ…」

 

みんなの考えが段々ネガティブになっていくと…

 

梨子「あ!ダイヤさんが帰ってきました!」

 

果南「ダイヤ?どうだっ…た?」

 

鞠莉「ダイヤ?そんな顔してどうしたの?」

 

ダイヤの顔は見たことないくらい青ざめていた。

 

ダイヤ「わ、わたくし達…とんでもないミスをしてしまったかもしれないですわ…」

 

花丸「何が…あったずら?」

 

そこからダイヤが言ったことは今考える可能性の中で1番最悪な答えだった。

 

ダイヤ「響さんが…もう既に退院してると…」

 

Aqours「…え?」

 

全員声が出なかった。その中千歌が立ち上がり…

 

千歌「響くん!!」

 

曜、梨子「千歌ちゃん!!」

 

千歌は病院に向かって走って行った。それを追うように曜と梨子も走る。

 

そして残りのメンバーも病院の中へとある入って行った。

 

受付の前ではルビィがいた。

 

ルビィ「あ、みんな…」

 

千歌「すみません!」

 

受付「はい、なんですか?」

 

千歌「響くんは!響くんはどこに「千歌っち?声抑えて?」…あ。」

 

千歌は動揺を隠しきれないのか…声が自然と大きくなる。

 

それを見て代わりに鞠莉が話す。

 

鞠莉「すみません、本当に西木野響は退院したんですか?」

 

受付「はい、確かに本日の朝、退院しております。」

 

千歌「嘘だ…」

 

曜「千歌…ちゃん?」

 

千歌「うそだ…!響くん!!!」

 

千歌は病院を出てまた走り出した。

 

梨子「千歌ちゃん!追おう!みんな!」

 

梨子の言葉を聞いてみんなも千歌に続いて走り出した。

 

 

 

千歌「はぁ…はぁ…」

 

千歌はただ走った。響がいるかもしれない場所に…。

 

千歌「(響くんごめん…ちゃんと気づいてあげられなくて…)」

 

目に涙を浮かべ、疲れてきても千歌は走るのをやめなかった。

 

そして…

 

千歌「はぁ…はぁ…ふぅ…着いた…響くんの家。」

 

千歌は響の家に向かっていた。

 

響くんがいるかもしれない…ただそれを信じてここまできた。

 

果南「千歌!!」

 

千歌が響の家の前に立った所で他のみんなが追いついた。

 

千歌「みんな…」

 

梨子「1人で行動しちゃダメよ?」

 

曜「みんなでAqours、だよ?」

 

千歌「曜ちゃん…梨子ちゃん…みんな…」

 

みんなの方を一回見てインターホンを押した。

 

千歌「響くーん?居るなら返事して〜!」

 

ダイヤ「いない…みたいですわ。」

 

千歌「どうし…」

 

花丸「どうしたずら?」

 

千歌が玄関のドアを開けようとすると、開いた。

 

要するに鍵がかかっていなかった。

 

千歌「…響くーん!!」

 

千歌は迷うことなく中に入った。

 

果南「響くーん!いるの〜?」

 

善子「居るなら返事しなさい!!」

 

そして一同はリビングにきた。

 

すると…

 

千歌「何か…置いてあ…る。」

 

テーブルに4つの封筒が入っていた。

 

うち一つは…

 

鞠莉「退学届…本当に消えるつもりなの?響…」

 

善子「残りの3通は学年別になってるわ…」

 

そして学年に分かれてその手紙を読んだ。

 

千歌「ごめん…なさい。」

 

ルビィ「嫌だよ!こんな別れ方…」

 

ダイヤ「千歌さん。これからやることは一つですわ。」

 

千歌「…うん。」ゴシゴシ…

 

千歌は溢れ出る涙を拭いてみんなに言った。

 

千歌「響くんを見つけよう!そして連れ戻そう!」

 

梨子「ええ…勿論よ。」

 

曜「賛成であります!」

 

善子「こんな終わり方許さないわ。」

 

花丸「右に同じずら。」

 

ルビィ「ルビィも、お別れは嫌だ…」

 

ダイヤ「まだ遠くには行っていないかもしれませんわ。」

 

果南「そうだね。早く見つけないと…」

 

鞠莉「こんな退学届認めませーん!絶対見つけるんだから…」

 

千歌「みんな…行こう!Aqours!絶対に響くんを見つけよう!」

 

鞠莉「学年に分かれて3つに分かれれましょう。」

 

善子「分かったわ。」

 

ダイヤ「みなさん、見つけたらグループに送ってくださいまし。」

 

千歌「じゃあ…」

 

Aqours「行こう!!」

 

みんな同時に言ってAqoursは3つに分かれた。

 

消えた響を見つける為に…。




どうも、銀河のかけらです。いかがでしたか?

響…どこ行ったんだよ!!消えた響を探すべく3つに分かれたAqours。そして手紙には何が書いてあったのか…

そして次回からの60話は学年別で3つに分かれます。次回は1年生編です。
それでは今回は以上。銀河のかけらでした。


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60話-1年生編-

一年生3人は響の通りそうな場所を回った。

 

善子「ここにもいない…」

 

花丸「これで半分以上潰れたずら。」

 

どこに行っても響どころか情報すら全くない。

 

ルビィ「どうしよう…もしもこのまま…いなくなったら…」

 

すると善子はルビィに掴みかかった。

 

善子「ルビィ!!今弱音だけは絶対に吐かないで!」

 

花丸「善子ちゃん!やめるずら〜!」

 

善子「良い!?これ以上同じ事は絶対言わないで!!」

 

ルビィ「ご…ごめんなさい…ルビィが間違ったよ…」

 

ルビィが善子に謝るとルビィを離した。

 

善子「ご…ごめん…掴んで…」

 

ルビィ「ふふ…大丈夫だよ?」

 

花丸「それにしても珍しいずらね?そんなに善子ちゃんが必死になるの…」

 

善子「……のよ。」

 

花丸「…え?」

 

ルビィ「何て言ったの?」

 

 

 

響「ふざけんなよ!!堕天使が何だからって人の個性ぶっ壊して良いのか?理由になってねえだろ!!」

 

 

 

善子「って真っ先に怒ってくれたのよ。」

 

ルビィ「あったね。確かに。」

 

花丸「あの時の響くんとても怖かったずら。」

 

善子「私ね…あの時申し訳なかったなと…嬉しかった。」

 

善子「あの時真っ先に怒ってくれる人は久しぶりだったから…」

 

すると2人はそれぞれを見て少し笑った。

 

善子「何で笑うのよ!」

 

ルビィ「いやぁ…堕天使でも感謝するんだね。」

 

花丸「意外と人間っぽいずら。」

 

善子「なっ!そりゃ…リトルデーモンの苦難を共有するのは当然よ!」

 

ルビィ「はいはい…そうだね。」

 

花丸「じゃあ苦難を共有する為に探すずら。」

 

善子「む〜もう良いや…早く探すわよ…」

 

すると3人同時に携帯の通知が…

 

善子「もしかして…」

 

花丸「えっと…これ…あれ?」

 

善子「あ〜電池が〜!!ルビィ頼んだ!!」

 

ルビィ「え〜と…あ!グループからだ!!」

 

3人は連絡を確認して急いで走り出した。

 

 

 

 

 

拝啓 1年生へ

 

突然のお手紙すみません。そして3人で1枚という無礼をお許しください。

 

この手紙で俺の気持ちを書きたいと思います。

 

 

 

津島善子へ

 

ヨハ子、元気?ちゃんとご飯食ってる?ちゃんと寝てる?まあ響に言われたくないわ!…とか言ってそうだけど。

 

善子は一見堕天使をしててふざけてるとか言われがちかもしれないけど、俺は1度たりともそう思ったことはない。だって誰よりもまじめに…一生懸命頑張ってた姿を見てきたから。分からない所は俺とかに聞きに来たり自主練をしたりと精一杯頑張る姿は頼もしかったよ。

 

そして善子には編曲も手伝ってくれたよな。本当は経験者の梨子と鞠莉に頼もうかと思ってたけど自分から立候補してくれて俺は凄く嬉しかったし…頼もしいと思った。ああ…善子は2年後仮に今の1年で活動する時の事も考えてるんだなぁってその時思った。

 

そして前も後ろも分からなくても自分で勉強してきたりと1番頑張ったよな。俺はそんな善子の頑張る姿が大好きだよ。

 

最後になるけど、どこに言っても俺はリトルデーモンだよ?

 

堕天使ヨハネ様!

 

 

 

国木田花丸へ

 

まるちゃん、俺は真っ先に言いたいことがあったんだ。まるちゃんは凄い!

 

実は俺がまるちゃんが入って練習を何日かした時、大丈夫かなって不安になった。

 

こんな体力で大丈夫かな?って正直不安だった。でも、その不安は間違いだと気付かされた。まるちゃんは毎日走り始めるとか色々なことをして体力を付けてたな。

 

そしてライブではどれも一生懸命やる姿に感動したよ。

 

そして俺はまるちゃんにおすすめされた本を何冊も読んだな。どれも面白かったよ。あ、そういえば1つ返し忘れたのあったけど図書室に返しといたから、確認しておいてね?

 

そんな色々なことを頑張る姿を見て俺も励みになったし一緒にいて楽しかったよ。

 

そういえばのっぽパン俺1個も食ってなかったな…もしも生きてれば食っておけば良かったな…ま、来世もしも人間に生まれ変わったら食べてみるよ。

 

そんなまるちゃんの諦めないで最後まで頑張る姿が大好きだよ。

 

最後になるけど1年生の2人を頼んだよ。あいつら結構暴走する時あるからさ。まるちゃんがしっかりまとめてね。

 

 

 

黒澤ルビィへ

 

ルビィちゃんはスクールアイドルが好き。でもただ好きなのではない。それを自分でも挑戦してもっと好きになる。これって小さなことかもしれないけど俺はその挑戦はとても凄いことだと思う。

 

この世界には意外と好きで終わることが沢山ある。

 

でもルビィちゃんは違った。好きなことのため、なんでも全力で挑む所がルビィちゃんの凄い所だと思う。

 

でも特にルビィちゃんは精神面で成長したね。最初会った時は何かずっと何かに怯えてるなと思ったけど、それも無くなって堂々とするようになってきたな。そこがダイヤに似てきたかもな。

 

ルビィちゃんはもしもAqoursが長く続いたらリーダーの様なポジションにルビィちゃんがいるのが想像できるよ。まあそこが流石ダイヤの妹って所だよ。

 

そんな好きなことを楽しく全力でやる所が大好きだよ。

 

最後になるけどいつまでもずっと沢山の経験をして成長してね。俺もどこかで陰ながら応援してるよ。

 

 

 

本当に最後になるけど、

 

 

 

本当に…本当に…

 

 

 

最後までいれなくてごめん。

 

 

 

俺はいつでも3人を応援してるからね。

 

 

 

ありがとう。

 

 

 

さようなら…

 

西木野響



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60話-3年生編-

3年生3人は学校に来ていた。もちろん響を探す為だ。

 

果南「響!いる?」

 

果南が教室に入って呼びかけるも反応は一切ない。

 

果南「(ここもダメ…か。)」

 

果南「次!!」ダッ!

 

果南は次の教室へ走り出した。

 

果南「(響…)」

 

 

 

響「はっや…流石だな…果南は…」

 

果南「そうかな?もう少し行けるけどな。」

 

響「へ〜今度一緒に走ろうぜ?」

 

果南「いいよ?ついて来れたらの話だけどね。」

 

響「おっ…言ったな〜舐めんなよ?」

 

 

 

果南の頭の中では響との思い出が映像の様に浮かび上がる。

 

果南「絶対響を見つけないと…!」

 

果南は再び心に誓った。

 

 

 

ダイヤは生徒会室や各教室を回っている。

 

ダイヤ「ここにも…いませんか…」

 

ダイヤはもう既に全ての教室を回っていた。

 

しかし…

 

ダイヤ「いえ、絶対に諦めませんわ。」

 

ダイヤ「(響さんには苦労をかけてばかりでしたのでここで助けなくてどうするのです黒澤ダイヤ!)」

 

するとダイヤにも響の姿が頭の中に映る。

 

 

 

響「ダイヤ?いる?」

 

ダイヤ「はい…何ですか…?」

 

響「うわっ!何だよこの紙の量は…」

 

ダイヤの机の上には紙が何枚も積み上がっていた。

 

ダイヤ「申し訳ありませんわ…少々仕事を溜め込みすぎて…」

 

響「いや、少々ってレベルじゃないだろ…大丈夫?」

 

ダイヤ「心配…ありませんわ…」

 

響「ふーん…いや、絶対無理するな…」

 

ダイヤ「……はい?」

 

すると響は少し紙を貰って仕事を始めた。

 

ダイヤ「そんな…!大丈夫ですわ。手伝わなくて…」

 

響「いや、2人でやった方が早く終わるだろ?」

 

ダイヤ「しかし…」

 

響「それに、言っただろ?助け合うって。」

 

ダイヤ「…お願いしますわ。」

 

響「ふふ…了解。」

 

 

 

ダイヤ「あの時から沢山助けてもらいましたわ。だから今度は私が…助ける番ですわ!」

 

そう誓ってまた回り始めた。

 

 

 

鞠莉もまた、響を探して走り回っていた。

 

鞠莉「ここにもいない…どこに行ったの…?」

 

鞠莉「はぁ…はぁ…あっ!」バタッ!

 

鞠莉は走ってると転んでしまった。

 

鞠莉「いや、まだ止まらない。」

 

鞠莉「(せっかくAqoursで作った絆を壊すわけにはいかない…!)」

 

 

 

鞠莉「へ?寝不足…?」

 

響「そう、鞠莉ちゃんと寝てる?まさか…!」

 

鞠莉「イヤイヤ仕事とかは溜め込んでなんかいないわよ?」

 

響「…まだ何も言ってないんだけど…」

 

鞠莉「……あっ…」

 

響「……鞠莉?」

 

鞠莉「エート…さらば!」

 

響「あ、こら!逃げんじゃねぇ!」

 

鞠莉「あはは!待てと言われて待つ人何ていないデース!」

 

響「ほら!さっさと片付けに行くぞ!!」

 

 

 

鞠莉「結局あの後仕事手伝わせちゃったわね。ふふっ…」

 

鞠莉「(あの時の笑顔をまた取り戻したい…!)」

 

鞠莉がそう誓うと…

 

果南「鞠莉!!」

 

ダイヤ「鞠莉さん!!」

 

鞠莉「果南、ダイヤ!響は…?」

 

鞠莉は聞くが2人とも顔を横に振った。

 

果南「もしかしたらここにはいないかも…」

 

ダイヤ「ええ…他の所を探しましょうか。」

 

3人がそう言って移動しようとすると…3人の携帯が鳴る。

 

鞠莉「……っ!!果南!ダイヤ!!」

 

ダイヤ「ええ!!」

 

果南「行こう!!」

 

そして3人は学校を駆け出して行った。

 

 

 

 

 

 

 

拝啓 3年生へ

 

 

 

突然のお手紙すみません。そして3人で1枚という無礼をお許しください。

 

この手紙で俺の気持ちを書きたいと思います。

 

 

 

松浦果南へ

 

果南は誰とでも気さくに話していてすごいなぁって思ったし、初めて話した時もとても楽に話せてとても楽しかった。

 

あとトレーニングもたまに一緒にしたよな。一緒にトレーニングが出来たのが楽しかったし、貴重な経験が出来たよ。

 

そして、ここからは俺からのお願いだけど、俺がいなくなってもみんなを助けてくれるお姉ちゃんでいてほしい。あ、でもあいつらも頼るんだぞ。みんなそれぐらいいい子達だからな。

 

俺はそんな誰でも助けてくれる果南が大好きだよ。

 

最後になるけど、これからも沢山楽しいことをして、最後の1年全力で楽しんでね。俺も上から見守ってるよ。

 

 

 

黒澤ダイヤへ

 

ダイヤ、最近あまり頼んでこなくなったけど、もしかしてまた仕事1人でため込んでない?Aqoursは俺だけじゃなくてみんなもいるんだよ。もっと頼ってもいいんだぜ?

 

ダイヤは最初は典型的なまじめくんみたいだなって思ってたけどAqoursに入ってからは色々な一面を見れて意外と面白い人なんだなって思ったよ。

 

そして、みんなをまとめるリーダーシップには驚かされたよ。でも、少し不器用な所とか、本当に絵里にそっくりだよ。

 

そんな色んな一面を持つダイヤが大好きだよ。

 

最後になるけど、ルビィや他のメンバーのこと、任せたよ。ダイヤならきっと最高のスクールアイドルになれる。俺は信じてるからな。

 

 

 

小原鞠莉へ

 

鞠莉、本当に凄いよ。生徒兼理事長。そんな肩書き初めて見たし、鞠莉にしか出来ないと思うよ。

 

年上ばっかりの所でも堂々とする鞠莉を見てとても頼りになるし、一緒にいて楽しかったよ。

 

編曲でもとても助けられたし、鞠莉のアイディアはとても面白くて俺の考えも広めることができた。ありがとう。

 

鞠莉には任せっきりだったし、テスト生の任務を途中で投げ出してしまってごめん。

 

でも、鞠莉なら絶対に大丈夫。俺が保証する。

 

最後になったけど鞠莉みたいないつも明るくてみんなを助けてくれる所、大好きだよ。

 

 

 

本当の最後になるけど、

 

 

 

最後まで見届けられなくて本当にごめん。

 

 

 

でもみんななら大丈夫。

 

 

 

Aqoursはスクールアイドルの中で1番良い!

 

 

 

俺も上から見守ってるよ…

 

 

 

ありがとう…

 

 

 

さようなら…

 

 

 

西木野響



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60話-2年生編

2年生の3人は、未だに響の家にいた。

 

その理由は…

 

千歌「ごめ………グスッ…」

 

曜「千歌ちゃん、大丈夫。大丈夫だからね…」

 

梨子「響くんは絶対に帰ってくる。みんなも探してくれてるから。」

 

あの手紙を読んでそのショックで家を出てすぐにまた泣き出してしまった。

 

千歌「りこちゃ…よ…ちゃ…ごめん…なさい…」

 

千歌は梨子と曜に抱きついて涙を流し続ける。

 

曜「大丈夫だよ。」

 

梨子「千歌ちゃん?」

 

千歌「梨子…ちゃん?」

 

梨子「千歌ちゃん。私達も探しに行こう?」

 

千歌「でも…私…響くんに顔合わせられない…」

 

曜「…なんで?」

 

千歌「だって…だって…私が響くんに責任を負わせすぎた…から。」

 

梨子「責任を負わせすぎた?それは違うよ?」

 

千歌「じゃあ、何で…?」

 

梨子「私は響くんに凄く怒ってるかな…」

 

千歌「おこっ…てる?」

 

曜「あ、私も…」

 

千歌「何で…」

 

梨子「だって、勝手に私達のこと守るんだって言って千歌ちゃんに怪我させたからって消える?無責任じゃない?」

 

曜「しかも私達別に守られなくていいし。」

 

梨子「ええ。過保護すぎるのよ。」

 

曜「ダイヤさんみたいだよね。」

 

千歌は急に出てきた愚痴の数々に目が点になった。

 

梨子「だからさ、早く響くんの所に行って3人に殴りに行こう?」

 

曜「そうそう。色々ハリセンの分も返したいし。」

 

千歌「…ふふっ…」

 

千歌は梨子と曜がおかしくてつい笑ってしまった。

 

梨子「あ、やっと笑った。」

 

千歌「曜ちゃんも梨子ちゃんも変だよ。」

 

曜「そうかもね。」

 

梨子「千歌ちゃんのが移ったのかもね。」

 

千歌「そうだ…ね…」

 

梨子「千歌ちゃん?」

 

曜「これから、どうする?」

 

千歌「……うおおぉぉぉ!!!」

 

すると千歌は大きな声を上げて…

 

千歌「よし!探そう!そして殴りに行こう!!」

 

曜、梨子「うん!!」

 

曜「では〜全速前進!!」

 

千歌、曜、梨子「ヨーソローーー!!!」

 

そして3人は外に出て行った。

 

曜「じゃあどこから行く?」

 

千歌「……海」

 

梨子「海?」

 

千歌「海に居ると思う!!」

 

梨子「何で?」

 

千歌「千歌の勘!!」

 

曜、梨子「……………。」

 

千歌「な、なになに?この間は…」

 

曜、梨子「……ふふ…あははは!!」

 

千歌「む?何で笑うのさ!」

 

曜「いや〜」

 

梨子「いつもの千歌ちゃんだと思ってね。」

 

千歌「バカにしないでよ〜!!」

 

梨子「じゃあ海行ってみようか?」

 

曜「しょうがないなぁ〜」

 

そうして、海に行ってみると…

 

梨子「嘘!?」

 

曜「早く連絡!!」

 

千歌「響…くん」

 

そこに1人、男が立っていた。

 

彼はずっと海を見上げていた。

 

 

 

拝啓 2年生へ

 

 

 

突然のお手紙すみません。そして3人で1枚という無礼をお許しください。 

 

この手紙で俺の気持ちを書きたいと思います。

 

 

 

桜内梨子へ

 

梨子…梨子とは曲のこととかもしかしたら長くの時間を共にしたかもね。

 

曲のことで話して、笑い合って、喧嘩して、こんな曲のことで白熱したのは真姫以来だよ。だからわかる。梨子は絶対最高のピアニストになれる。

 

そして、千歌と曜のことだけど、あいつらほんと不器用なガキだから梨子が上手くサポートするんだぞ。

 

それが俺が出す宿題かな?

 

そして、本当はもっと梨子と音楽を作りたかった。でもそれは叶わない。でも大丈夫。梨子にはAqoursがいる。9人で最高の音楽を作ってね。

 

俺は梨子の音楽に真摯に向き合う姿、大好きだよ。

 

ありがとう。俺の友達になってくれて…

 

 

 

渡辺曜へ

 

曜は何でもできる人。俺はそう最初は思っていた。

 

けど、その中には不器用で悩む子供の様な一面を持っているって知って、人間みたいな部分もあるんだって思ったよ。

 

でも、悩むってことはとても良いことだし、沢山悩んで、沢山答えを出してね。今しかできないこともあるから。

 

俺は消える。そして千歌はそれに悲しむかもしれない。でも、曜がそばにいてほしい。曜が千歌にとって最大の励みだから。

 

俺は何でも楽しそうに頑張る姿、大好きだよ。

 

最後になるけど、ありがとう。俺の友達になってくれて。そしてごめん。大切な人を傷つけて…

 

 

 

高海千歌へ

 

千歌、ごめん。傷つけて。俺がAqoursを守るって決めたのに…

 

千歌は最高のリーダーだ。俺がそれだけは譲らない。

 

千歌はしっかりリーダー出来てる。それは自信を持ってくれ!そして、この先どんなに壁があっても、乗り越えられる。9人いれば何でもできるよ。俺がそれを1番わかるよ。

 

俺は3度失敗した。もう1度はなかった。でもしてしまった。傷つけてしまった。ごめんなさい。ごめんなさい。俺はこの罪を永遠に償う。

 

そのために俺はAqoursの前から消えるよ。俺が居ると邪魔だから。

 

だからさ、俺なんかいなかったと思って頑張ってください。

 

俺は千歌っていう最高のリーダー、大好きだよ。

 

最後になるけどこんな奴と友達になってくれてありがとう。俺は空から見守ってるよ。

 

 

 

 

 

叶うならば、過去に戻りたい…

 

 

 

彼女を救いたい…

 

 

 

でもそんなの夢物語だ…

 

 

 

現実はなんて残酷なんだろう。

 

 

 

悔しい…悲しい…俺は一生後悔する。

 

 

 

でも、邪魔者は消えるよ…

 

 

 

ごめんね…

 

 

 

さようなら…

 

 

 

 

 




9月14日午前0時、1章…完結へ…


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61話(1章最終話)

1章、完結です。最後の感想も是非…

それでは1章最終話、どうぞ!


静かに聴こえる波の音。そして潮風の匂い。

 

響「………。」

 

響はそれを静かに感じていた。

 

そして、目を開けて…

 

響「さあ、サヨナラだ。」

 

「響くん…」

 

響はその声、足音を聞いてすぐに誰だかわかった。

 

響「(この声…そして9人の足音。何で来たんだよ…)」

 

そして響は彼女達に振り向いて言った。

 

響「これはこれは…Aqoursのみなさん。どうかしたんですか?」

 

彼女達は絶句した。敬語。それは響が絶対に使わないって言っていた言葉だったからだ。

 

千歌「響…くん?」

 

曜「響くん、帰ろ?」

 

響「帰るって…どこへ?」

 

梨子「それは…いつもの家によ。」

 

響「あの家はもう俺の家ではない。」

 

ルビィ「私達の所に戻ってきてよ…」

 

善子「そうよ!響らしくないわ…」

 

響「(俺らしくない…か。)」

 

花丸「もう無駄なものは背負う必要はないずら。」

 

果南「そうだよ。戻ってきて?ね?」

 

ダイヤ「そうですわ。困ったら助け合う。」

 

鞠莉「これがAqoursデース!」

 

千歌は無言で響に近づく。

 

千歌「響くん。ごめんね?変なもの背負わせて、そして気づかなくて。もう1度0から始めよう?」

 

響「…俺は退学したはずだ…」

 

鞠莉「それってこれのこと…?」ビリビリ!

 

鞠莉は響の退学届を破いた。

 

鞠莉「これで退学はなくなった。」

 

千歌「さあ、戻ってきて?お願い?」

 

響「ごめん。もう戻らない。俺はスクールアイドル部から退部した。これは変えられない。じゃあな。」

 

そして響は彼女達の横を…通ろうとした。

 

響「…その手を離してくれない?」

 

千歌がガッチリと響の手を掴んだ。

 

千歌「離さないよ?」

 

響「…離して?」

 

千歌「離さない。」

 

響「…離せよ。」

 

千歌「嫌だ。」

 

響「離せ!!」

 

千歌「嫌だ!!」

 

響は千歌を睨んだ。

 

響「(これだけは使いたくなかったけど、みんなとの関係を壊す。)」

 

すると…

 

バチン!!!!!

 

大きな音とともに千歌が吹き飛ばされた。

 

千歌「………え?」

 

曜、梨子「千歌ちゃん!!」

 

響が千歌の頬をビンタしたのだ。

 

当然、激怒した。

 

果南「響!!!」

 

善子「あなた…!最低よ!!!」

 

響はそれにも無表情だ。

 

響「分かっただろ?俺がどれだけ危険か。…サヨナラ。」

 

そして今度こそ彼女達のもとから去ろうとする。

 

響「…………っ!!お前!!」

 

千歌「離さないって…言ったでしょ?」

 

千歌が後ろから響に抱きついた。

 

響「〜〜〜っ!!!何で何で何で!!!!お前はバカなのか?お前に怪我を負わせたんだぞ!!そいつに離さない?バカも休み休み言え!!」

 

すると千歌が真剣な面持ちになって言った。

 

千歌「じゃあ、今からあなたをスカウトします。」

 

響「……はあ?」

 

千歌「スクールアイドル部のマネージャーになってください!!」

 

響「(何で?何でコイツらはこんなこと俺に言えるの…?」

 

響「わかんねえ…分かんねえよ…」

 

千歌「響…くん?」

 

響はその場に座り込んでしまった。

 

千歌「そんなの簡単だよ。」

 

響「……え?」

 

すると、Aqoursが続けて言う。

 

曜「そうそう。簡単だよ?」

 

梨子「響くんは背負いすぎたのよ。」

 

花丸「人のこと全く言えないずら。」

 

ルビィ「ルビィ達と一緒なんだよ!」

 

善子「全く。私が言われたことそっくりそのまま返すわ。」

 

ダイヤ「もっと、私達のことを頼ってくださいまし?」

 

果南「そうそう、響の方が無理してるかも。」

 

鞠莉「確かに、何か頼まれたの1度もないわよ?」

 

千歌「Aqoursは10人で1つ…だよ?」

 

響はそれを聞いて何かが軽くなった気がした。

 

響「そう…だ…また…俺、1人で頑張ろうと…」

 

響の目にはうっすら涙が…

 

千歌「うん。辛かったよね?泣いていいよ?ほら。」

 

千歌は両手を開いて響に差し出す。

 

響「う…ぅ…うわああああぁぁぁっっっっ!!!!」

 

響は声を上げて泣いた。

 

今までの闇を追い払う様に…泣いた。

 

そして、それに寄り添うように9人は響に抱きついた。

 

その光景を照らすかのように曇っていた空は晴れに包まれた。

 

 

 

千歌「ふふ…」

 

曜「響くん可愛い〜」

 

梨子「ほんと、こうしてみると子供みたい。」

 

善子「まさかそのまま千歌の膝で泣き疲れて寝るとは…」

 

ダイヤ「破廉恥ですわ…!」

 

ルビィ「お姉ちゃんも交代でやったじゃん。膝枕。」

 

花丸「全然起きなかったずら。」

 

果南「何かやっと響が戻ってきた気分だね。」

 

鞠莉「ええ!やっとAqours復活デース!!」

 

響「うぅ…ん…」

 

鞠莉「ヤバッ!」

 

千歌「響くーん?」

 

すると響は少しずつ目を覚ます。

 

響「ん〜〜ん?何で千歌が上に…?何か柔ら…かっ!?」

 

響は枕にしてるものを見て言葉が出ない。

 

響「ひ…ざ?ってことは…」

 

千歌「あはは…あははは…」

 

響「うわぁ!!っ!!」

 

響はおもいっきり体を起こした。しかしそれで千歌と頭をぶつける。

 

千歌「いった〜何するの響くん!?」

 

響「何するのじゃねーよ!!お前も何してんの!?」

 

千歌「響くんが寝ちゃったから膝枕してあげただけじゃん。」

 

響「うるせえみかん頭!そのまま寝かせればよかっただろ!?」

 

千歌「それに私だけじゃないもん!みんな膝枕したもん!」

 

響「……は?」

 

8人「あっ……」

 

千歌「あっ、言っちゃった…」

 

すると響の顔がみるみる赤くなる。

 

鞠莉「かっわいい〜」

 

ルビィ「耳まで真っ赤だよ。」

 

曜「それより逃げた方が…」

 

響「て…てめえら…待ちやがれ!!」

 

千歌「うわぁ!こっち来た〜!!」

 

そして追いかけっこをするのであった。

 

響「はあ…はぁ…はあ…叶わねえな…お前らには。」

 

千歌「……え?」

 

響「そういえば言ってなかったな。みんな、ごめ…「これ以上はダメ。」え?」

 

千歌「責任負いすぎ!!謝るの禁止!!分かった!?」

 

響「あ、あぁ…」

 

曜「あ!忘れてた!!」

 

梨子「あ、あのこと?」

 

響「あのことって?」

 

梨子「私達、響くんのこと殴ってやるって出たんだもんね。」

 

千歌「そうだっけ…?じゃあほい!」ポスッ

 

千歌は響の体に弱いパンチを1つ…

 

千歌「これで許してあげる!感謝するが良い!!」

 

響「はいはい…」

 

響はどこまでも続く海を見ていた。

 

曜「ねえ…」

 

果南「何かムズムズしない?」

 

ダイヤ「歌いたいのですか?」

 

ルビィ「あっ!ルビィも!」

 

花丸「オラもずら!」

 

善子「しょうがないわね、付き合ってあげる。」

 

鞠莉「じゃあここで歌うのデース!!」

 

梨子「千歌ちゃん、行こう?」

 

千歌「うん、あ!円陣しよ?」

 

果南「いーね!!」

 

千歌「ほら、響くんも!」

 

響「ああ、分かったよ!」

 

 

 

千歌「1!」

 

曜「2!」

 

梨子「3!」

 

花丸「4!」

 

ルビィ「5!」

 

善子「6!」

 

ダイヤ「7!」

 

果南「8!」

 

鞠莉「9!」

 

響「10!!」

 

千歌「0から1へ!Aqours!」

 

Aqours「サーンシャイーン!!」

 

 

 

響「さあ、行こう!俺たちのユメを歌おう!!」

 

 

 

もっとなにか探して どんどん外へ行くんだ

 

やってみたら 意外とハッピーみつかるもんさ

 

 

 

悩みながら 笑われながら

 

めげない 負けない 泣いちゃうかもね?

 

でもいいのさ 明日(あした)が 見えてきた

 

 

 

ユメを語る言葉より ユメを語る歌にしよう

 

それならば今を伝えられる気がするから

 

ユメを語る言葉から ユメを語る歌が生まれるんだね

 

ひろがるこの想いは

 

大好きなメロディーのつながりだよね

 

もう逃げないで進む時だよ あたらしい場所へ

 

 

 

Singing my song for my dream!

 

Singing my song for my dream!

 

 

 

奇跡は起きないと思ってた。

 

彼女達の挑戦は無謀だとも思った。

 

でも今は違う。

 

Aqoursなら、見たことない景色に行けるかもしれない。

 

そう、信じたい。

 

それが彼女達の…いや、俺にとっても…大切なユメだから!!

 

さあ進もう!0から1へ!輝きのその先へ!!

 

 

 

1章 出会いと苦難、そして奇跡 完




どうも!銀河のかけらです!!1章完結!!

いや〜長かったような短かったような…でもそれよりもここまで続けられたのに凄いです。最初はまあ少し続けばいっかぐらいでしたが気づいたら60話以上も…これも全て読んでくださった皆様のおかげです!ありがとうございます!
これからも皆様に読みやすく、そして楽しめるような作品に出来るよう頑張ります!今後もよろしくお願いします!!

それでは2章でまた…銀河のかけらでした!!

























響「ふぅ…やっと帰ってきた…」
響は自分の家に帰ってきた。
響「さてと…曲作りでも…っ!!!イッタ!!」
響「はぁ…はぁ…あれ?」
響「(今一瞬感じた事ないくらいの頭痛が…でも今は痛くない…)」
響「気の…せいか…?」
そして響は自分の部屋に入った。
響は気づかなかった。
これから響の身に起こることを…

2章 奇跡と真実に溢れた世界


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2章 奇跡と真実に溢れた世界
1話


さて!準備期間というかお休みを頂いたので今日から2章スタートです!

それでは1話、どうぞ!


夢を見てる気がした…

 

目を開けると、そこには何もない。

 

色もなく遠く先までも続く空間。

 

まさに無の空間…といってもいいほど何もない。

 

俺はそこに立っていた。

 

響「(あれ…?ここ…どこだ…?)」

 

そして目の前が少し霧がかかっている。

 

すると遠くから声が聞こえた。

 

響「(声…2人の声が…誰?)」

 

すると目の前が黒く染まってきた。

 

響「(あ…れ…?)」

 

意識がなくなる前に誰かの声が聞こえた気がした…。

 

 

 

──覚え…てる…?

 

 

 

響「ん…あれ?ぼーっとしてたな…」

 

今はどこからどう見ても響の部屋だ。

 

周りの色もしっかりある。

 

響「何か夢見てた気が…気のせいか…っと」

 

響は部屋のベッドに横になる。

 

響「はあ〜今日で夏休み最後か…長かったな〜」

 

今日は夏休み最後の日。

 

それもあるのか今日はオフだ。

 

響「さてと…何をするか…ん?」

 

すると響の携帯が鳴る。

 

響「誰だろ…梨子?」

 

梨子からの電話だ。

 

響はひとまず電話に出た。

 

梨子「あ、もしもし?今大丈夫?」

 

響「ああ、大丈夫だけど…どうかした?」

 

梨子「実は勉強見てほしいな〜って思って…」

 

響「梨子が?珍しいな?宿題?」

 

梨子「まあ私も少し残ってるんだけど勉強見てほしいのは…」

 

「うわぁ〜出来ないよ〜!!」

 

「もう…無理…であります…」

 

響「ああ…察したわ…家に来て…」

 

梨子「何かごめんね…」

 

響「いやいや…別に暇してたし…」

 

梨子「ありがとう。今から向かうわ。」

 

響「はーい。」

 

そうして通話は終わった。

 

響「はあ…まあ暇してるよりはマシか…」

 

響「さてと…少し掃除でも…ん?」

 

すると携帯の通知がきた。

 

響「今度はダイヤさん…?」

 

ダイヤのメールだった。

 

ダイヤとはあまりメールは来なかったので少し不思議に思ったが…

 

響「なになに…果南さんも鞠莉さんも宿題が終わらずなので響さん監視をお願い出来ませんか?って…ダイヤはどうしたんだ?」

 

響はダイヤは何してるの?と送った所…

 

響「えーと…わたくしも少し終わってなくて…って梨子と同じパターンかよ…」

 

響「まあ人数増えても気にはしないけど…」

 

響はダイヤに良いよと伝えた。

 

するとまた誰かから電話が来た。

 

響「はあ?今度は誰だよ…!ヨハ子?」

 

善子からの電話だ。

 

一瞬出るか迷ったがとりあえず出た。

 

響「…もしもし?」

 

善子「フッフッフ…今宵リトルデーモンには我らの戦いを見る権利を…」

 

響「あ、良いです。」ブツッ

 

…………プルルルル

 

響「…何?」

 

善子「勝手に切らないでよ!」

 

響「だってくだらなそうだったし…おやすみ。」

 

善子「まてーい!まだ朝よ!それに響に頼みがあるの!」

 

響「はいはいどうせ3人の宿題だろ?良いですよ俺の家に来てくださーい。」

 

善子「あちょっと待って!」ブツッ

 

響はすぐに電話を切った。

 

響「…え?何で最終日に宿題終わってないのコイツら?」

 

響「(俺が頭おかしいだけ?それとも時代はギリギリまで宿題を残すのか…?)」

 

もちろんそんな時代はないが響はそんなことを考えだした。

 

その後善子にも説明してAqoursが集合することになった。

 

…響の家に。

 

響「はあ…嫌な予感しかしない…」

 

 

 

そして30分くらいでまず2年生が来た。

 

千歌「響くーん!」

 

響「何だよ?」

 

千歌「フッフッフ…この千歌様が来てやったぞ…!」

 

響「あ、脳内みかんのアホは呼んでないので…」

 

千歌「あ!閉めないで!ごめんってばー!」

 

響「はいはい、じゃ入って…」

 

千歌「おじゃましまーす!」

 

曜「おじゃましまーす…!」

 

梨子「ごめんね…急に頼んじゃって…」

 

響「良いよ。どうせ暇だったから。」

 

梨子「千歌ちゃんは集中力持たないし曜ちゃんは難しい問題ですぐダウンしちゃうしで…」

 

響「ああ…大変だな…お前も…」

 

梨子「ごめんね…じゃあ入るね…」

 

そして2年組が全員入った。

 

響「…さて…次は誰が…」

 

するとインターホンが鳴った。

 

響「次は…1年か…」

 

響は家のドアを開ける。

 

善子「フッフッフ…ここがリトルデーモンの住処」

 

響「…………。」バタンッ

 

ルビィ「あぁ!閉めちゃったよー」

 

花丸「善子ちゃんが変なことするからずら。」

 

善子「変なこと言うな!」

 

響は1つ溜息をしてから再び開けた。

 

響「お前らは一芸してから入るルールでもあるの?」

 

善子「ごめんずら。堕天使が迷惑かけて…」

 

ルビィ「そうだよ?こっちだってこれから勉強見てもらうんだよ?」

 

善子「うっ…悪かったわね…」

 

響「はいはい…良いよ?じゃあ入って…」

 

そうして1年組も入った。

 

響「はあ…」

 

すると立て続けにまたインターホンが鳴った。

 

響「…3年か…」

 

響はドアを開ける。

 

ダイヤ「響さ」バタンッ

 

響「…あれ?何もしてねーな…」

 

響はまたドアを開けた。

 

ダイヤ「何でドアを閉めるのですか!?」

 

響「あぁごめんごめん…他のバカが入る時に一芸するから…」

 

鞠莉「あぁ…千歌と善子ね?」

 

果南「あぁ…想像できるよ…」

 

響「さてと…入って良いよ?」

 

ダイヤ「おじゃましますわ。」

 

鞠莉、果南「おじゃましまーす。」

 

そうしてAqoursが全員集合した。

 

オフなのに…しかも響の家に…

 

響「はあ…もう嫌だ…何で最終日がこんなんなんだよ…」

 

響は溜息ばかりつきながらみんなを集めた部屋に行った。




どうも、銀河のかけらです。いかがでしたか?

なんだこの平和な空間は…久しぶりだ…。まあそりゃそうか…。
そして2章も皆さんよろしくお願いします!

それでは今回は以上!銀河のかけらでした!


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2話

お久しぶりです。銀河のかけらです。
まずは1週間空けてしまい申し訳ありませんでした。
しっかりと他の作品に集中していました。
ごめんなさい!!

はい、本当にかなり間隔空けてしまいましたがお願いします。
それでは2話、どうぞ!


今日は夏休み最終日。

 

本当だったら1人で静かに最後の1日を満喫する筈だった。

 

しかし現実は…

 

千歌「あ〜出来ない〜!!」

 

ダイヤ「うるさいですわ!!」

 

花丸「少しのっぽパン休憩を…」

 

善子「まだ30分も経ってないわよ?」

 

響「…なんだこのうるさい空間は…」

 

響の理想は一瞬にして崩れ去った。

 

9人が来て今は宿題の監視をしている。

 

響「(まあμ'sの時みたいで少し楽しいけどな…)」

 

そんなことを思いながら読書なりたまに教えたりしていた。

 

響「あっ!編曲途中だったんだ…ちょっとやってくるな?」

 

曜「行ってらっしゃ〜い!」

 

千歌「じゃあ千歌も…」

 

響「お前は出来ねえだろ?大人しく宿題やってろ。」

 

千歌「そんな〜!あっ待って!お助けを〜!」

 

千歌が文句を言っているのが聞こえたが無視して自分の部屋に向かう。

 

響「はあ…あの元気を勉強に持っていけばこんなに苦労しねえだろうが…」

 

響はパソコンを開いて椅子に座る。

 

響「ま、それも無理か…さてと…始めますか!」

 

響は編曲作業を始めた。

 

響は一度何かを始めたら熱中するタイプで本当に時間を忘れる程没頭する。

 

そうしてかれこれ昼になった。

 

響「おっと…もうこんな時間か……ん〜!」

 

響は一通り作業を終えてみんなの元に戻ろうかと思ったが…

 

響「待てよ…今行ったら絶対相手しなきゃいけなくなる……」

 

響はこのまま部屋で自由を謳歌するかみんなの元に戻るか頭の中で考えた。

 

響「よし、ここにいよう。」

 

即決だった。

 

響「さてさて、何か面白いニュースでもないかな…」

 

響はパソコンのニュースを開いて見始めた。

 

響「うーん…あまり面白いのはない…か。」

 

響は色々なニュースを見ていく。

 

響「ん…これって…」

 

ふと響の目に止まるニュースがあった。

 

響「…Major Dream Live。」

 

Major Dream Live…今年のM.D.Liveが冬開催が決まったというニュースだった。

 

響「M.D.Live…か…」

 

響はそこからホームページに進んでみた。

 

しかし何かをするわけでもなくただ見つめていた。

 

ただただ時間だけが過ぎていく。

 

響「俺は…」

 

「…くん…?」

 

響「俺は…」

 

「響くん!!」

 

響「うわっ!?ってなんだ…みんなか…」

 

梨子「お昼にしよう?」

 

響「へ?ってもうこんな時間!?」

 

時計はとっくに一時を過ぎていた。

 

鞠莉「なになに〜?そんなに没頭してたの?」

 

響「うっさい…」

 

千歌「ん…?これって…M.D.Liveのホームページ?」

 

まずい…と思ったのか響はすぐにパソコンを閉じた。

 

響「別になんでもねーよ。ほら、行くぞ?」

 

そうして響は部屋を出た。

 

ルビィ「…ねえ?」

 

ダイヤ「ええ…わかっていますわ。」

 

梨子「また1人で抱え込んでるのね?」

 

鞠莉「全く変わらないわね…響も。」

 

果南「まあすぐには変わらないよ。」

 

善子「全くめんどくさいわねぇ〜」

 

花丸「引きこもりモードを持つ善子ちゃんには言われたくないずら。」

 

善子「うっさい!あとヨハネ!」

 

曜「…どうする?千歌ちゃん?」

 

千歌はみんなの方を向いた。

 

千歌「これから…少し仕掛けてみるよ。」

 

そうしてみんなも部屋を出て行った。

 

 

 

昼ご飯を食べ終わった後、みんなでゆっくりしてると…

 

千歌「あ、そうだ!みんなで散歩行かない?」

 

鞠莉「Oh!良いわね!」

 

善子「天気も良いしね。」

 

響「はあ?なんで急に?怪しい…」

 

善子「な、なんでよ…?」

 

響「だって散歩なんて全くしそうにない奴らがすぐ賛成したから怪しいなぁ…って」

 

千歌、鞠莉、善子「ギクゥッ!!」

 

曜「まあまあ…でもせっかくみんな宿題終わったんだし良いんじゃない?」

 

響「うーん…まあ気分転換にもなるか…」

 

千歌、鞠莉、善子「ホッ…」

 

3人は安心した。が、すぐに響が3人の方を見て…

 

響「3人が何を企んでるか知らないけど、珍しく踊らされてやるよ。」

 

響はそう言ったら支度を始めた。

 

そしてみんなで外に出る。

 

千歌「うわぁ〜良い天気だね!」

 

果南「ほんと!なんか走りたくなるなぁ」

 

響「あっつ…もう後悔してきた…」

 

鞠莉「ほら!行くわよ!」

 

曜「ヨーソロー!!」

 

響「うわっ!ちょっ…引っ張るな〜!!」

 

響は文句ばかりだが、何やら少しは楽しそうだ。

 

 

 

そして、海岸まで歩いてきた。

 

響「さて…と、聞いていい?なんで急に散歩をしようって言ったのか。」

 

千歌「あっ、千歌から言うよ。」

 

千歌は響の目の前に立つ。

 

千歌「M.D.Live…出たくないの?」

 

響「(やっぱりさっき見抜かれてたか…)」

 

鞠莉「どうなの?さっきずっと見てたみたいだけど…」

 

響「…正直迷ってる。」

 

響はみんなの方を見て答える。

 

その顔はいつになく真剣だ。

 

花丸「迷ってる…?」

 

善子「なんでよ…」

 

響「俺が昔バンドを組んでた時、結果的にM.D.Liveで仲間を傷つけてしまった。だから、まだのこのこと大会に出る自分を許せないって思って…」

 

善子「……?」

 

果南「なーんだ…そんなこと?」

 

響「そんなこと…?結構真剣なんだけど…」

 

梨子「そんなことよ。」

 

みんな響のことを呆れているようだ。

 

曜「また1人で責任負おうとしてる。」

 

ダイヤ「そうですわ。それにあなただけの責任ではないですわ。」

 

ルビィ「そうだよ…!響くんが縛られる必要なんてない。」

 

鞠莉「そうそう、それに…他のバンドメンバーも1人1人楽しんでるそうよ?」

 

響「へ、へぇ…どうやってその情報を得たかは聞かないでおくよ。」

 

千歌「響くん!私はあなたの歌が聴きたい!」

 

響「俺の…歌…」

 

千歌「そう、Aqoursとして作った歌じゃなくて、西木野響としての音楽を…!」

 

響「(はぁ…また助けられちゃったな…)」

 

響「じゃあ条件を出していい?」

 

千歌「条件?」

 

響「お前らに迷惑もかかるかもしれない。それでも良い?」

 

千歌「…もちろん!だって私達は10人でAqoursだよ?」

 

響「ふふ…そうだったな。」

 

これで一件落着…かと思ったが…

 

曜「はいはい!」

 

千歌「はい、曜ちゃん!」

 

曜「響くんの歌聴きたいであります!」

 

ルビィ「響くんの…!」

 

鞠莉「オー!それは良い考えね!」

 

響「えー…急に…?」

 

梨子「私も…聴きたい…かな?」

 

果南「うん、最近聴いてないもんね。」

 

善子「フッ…リトルデーモンの歌声…この主が特別に…」

 

花丸「さっさと聴きたいって言えばいいずら。」

 

善子「最後まで言わせなさいよ〜!」

 

ダイヤ「わたくしも…少し…」

 

満場一致で聴きたいようだ。

 

響はそんな光景を見て…

 

響「…ぶっ!…あっはははは!!」

 

響は珍しく笑った。

 

響「ほんとお前ら見てると面白いな。良いよ…聴かせてあげる。」

 

そして響は海をバックにして立ち宣言する!

 

響「全員よく聞け!俺は…俺は…!M.D.Liveで頂点を取って…俺の輝きを見つけてやる…!」

 

響「聞けぇ!!!これが…これが西木野響だ!!」

 

響の魂を込めた…一曲が始まる!!

 

 

 

今日日は10年越しの

 

夢見た未来か?どうだい?

 

幾度なく輪廻に抗って

 

 

 

ここらが幕引き 御礼?

 

時代の規律に逆らって 歪めろ

 

捲土重来

 

 

 

Over The Border 卯建ごと上げる

 

移り変わる景色 でも悪くは無い

 

 

 

番狂わせる 退路を絶ったファイナルラウンド

 

Ready!雑音かき消して俺らの番

 

 

 

意味もないまま 生まれ落ちては

 

行く宛てもなく彷徨って

 

そんな気まぐれで このつきはみちた

 

旗揚げろ さあ、今すぐ

 

 

 

もう一歩前まで進もうぜ

 

この滑稽な夜は塗り替えせ

 

気づ付いた今日も いがみ合いも

 

今は前世に置いていけ

 

 

 

泥水吸っては這いずった

 

昨日の退路に咲かす未来

 

(君と 君と)君と世界侵略戦だ

 

鬨を!革命は成った!

 

 

 

曲が終わり…海岸には海の音が聞こえてくる。

 

響「…ふぅ…」

 

千歌「す、凄い…」

 

曜「なんか…」

 

梨子「レベルが違うわね…」

 

すると響はぼーっとしてると思ったら…

 

響「…よーし!!やる気出てきた!!千歌ぁ!!」

 

千歌「ひぃ!はい!!」

 

響「行くぞ!!」

 

千歌「えぇ!?どこへ?」

 

響「お前の家だよ!今日は曲作るぞ!!」

 

千歌「えぇ!?ちょっ!みんな〜!」

 

響「それじゃ、みんなまた明日〜」

 

そのまま響は千歌を引きずって先に帰った。

 

果南「…それじゃ…帰ろっか?」

 

ルビィ「お姉ちゃん、行くよ!」

 

ダイヤ「分かりましたわ。ではまた明日。」

 

曜「千歌ちゃん、大丈夫かな?」

 

梨子「まあ曲作ってくれるのならこれほどありがたいことはないわね。」

 

みんなが帰路に立つ中、ただ1人…善子だけがそこに立ち止まったままだった。

 

善子「…………。」

 

善子「(響の歌…良かった。良かったけど、響がM.D.Liveを拒む理由…何か腑に落ちなかった。)」

 

善子「(結果的に出ることにはなったけど…もっと…何か大きな理由で避けてる気がする…)」

 

花丸「善子ちゃ〜ん!帰るずらよ〜!」

 

ずっと考えてたら花丸によって遮られた。

 

善子「今行くわよ!」

 

善子「まっ、考えすぎよね…」

 

そう信じて善子と帰って行った。

 

 

 

 




どうも、銀河のかけらです。いかがでしたか?

さて2話ですが、響がM.D.Live出場決定!!これからAqoursと響、2つの挑戦が始まります!
そして、今回響が歌った曲は「ワールドドミネイション」です!多くの歌い手様が歌っているので是非聴いてみてください!

それでは今回は以上!銀河のかけらでした!


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3話

それでは、2期を始めちゃいますか…!

それでは3話、どうぞ!


"俺にとっての輝きってなんだろう?"

 

彼は再びある空間にいる。そして、自分に対して聞く。

 

それに答えってあるのだろうか…?

 

歌うことで見つけられるのか?

 

いや、歌うんだ。歌わなきゃいけないんだ。

 

「何のため?」

 

響「…え?」

 

何もない空間。そこに突然聞こえてきた声。

 

響「何のため…?みんなのため…?俺のため…?いや違う…もっと大事なものがあったはず…」

 

「今のお前にそれを知る資格はない。」

 

聞いたことない声…いや…すると、空間が突然黒に染まる。

 

響「ま、待て…!資格って…!」

 

響は少しだけ残る光を追う。

 

 

 

響「……ん…」

 

眠っている響の目には一滴の涙が垂れる。

 

 

 

千歌「(輝きってどこから来るんだろう?)」

 

黒に染まる空間。そこに差し込む1つの輝き。

 

その輝きに向かって紙飛行機が飛ぶ。

 

千歌「(はぁ…はぁ…あと、ちょっと…!)」

 

すると一滴の涙が落ちて空間が割れる。

 

千歌「(うわぁぁぁぁ〜〜〜〜!!!)」

 

 

 

千歌「どわぁ!はぁ…はぁ…ん?…ってうわぁ!」

 

「ぶふぉ!ゲホッ…ゲホッ…」

 

千歌が寝ぼけてベットから落ちる。すると、何かがクッション代わりになった。

 

千歌「あれ…?響くん?何でいるの…?」

 

響「はぁ…はぁ…あのなぁ?泊まるって言っただろ?昨日!?」

 

響は寝起きで体を潰されたためとても怒っている。

 

千歌「ぁれ?そうだっけ…ふわぁ…」

 

響「全く…ん?待てよ?今何時だ?」

 

美渡「ちょっとまだ寝てたの!?…って響くんまで!?2人とも遅刻するよ!?」

 

千歌、響「へ…えぇぇ!?」

 

現在、もうとっくに登校時間を過ぎているのであった。

 

 

 

千歌、響「はぁ…はぁ…」

 

2人は走って学校に向かう。いつもはバスもあるのだが、遅刻なのでもうない。

 

千歌「はぁ…はぁ…なんで起こしてくれなかったの!?」

 

響「うるせぇ!俺も遅刻するとは思わなかったんだよ!」

 

千歌「はぁ…これだから実はポンコツさんは…」

 

響「はぁ!?うるせぇみかん頭!?…ってかそんな事言ってる暇ねぇ!!」

 

千歌「もう…」

 

響「なんで…」

 

千歌、響「なんで初日からこうなんだよ〜〜!!」

 

2人は同時に叫ぶ。これが、久しぶりに2人の考えが合う瞬間だった。

 

 

 

舞台は変わり浦の星女学院。

 

今日は全校生が集まっての始業式だ。…といっても1学年1クラスなので人数は少ないが…。

 

鞠莉「今日からセカンドシーズンのスタートデース!」

 

理事長として壇上に立つ鞠莉だが、全くもって通常運転だ。

 

曜「セカンドシーズン?」

 

梨子「二学期ってことよ。」

 

曜「それにしてもあの2人遅いね…」

 

梨子「全く…昨日…

 

 

 

千歌「明日から大丈夫!それに響くんもいるし!」

 

響「まあもし起きなかったら武力行使してでも起こすよ。」

 

 

 

梨子「って言ってた人たちが2人揃って遅刻とは…」

 

曜は2人のことを思って苦笑いする。

 

そして話を続けるが裏でダイヤが指示をする。

 

ダイヤ「理事長挨拶といいましたわよね!?そこは浦の星の生徒らしい、節度を持った行動と勉学に励むんだ、と…」

 

鞠莉「セツドウを持つ…?」

 

ダイヤ「節度〜〜!!!」

 

果南「あはは…」

 

鞠莉がヘンテコなことを言ってダイヤがツッコミ、果南がそれを見て呆れる…今日も3人はいつも通りのようだ。

 

そして1年の3人はラブライブについて話している。

 

善子「それにしても惜しかったよね。」

 

ルビィ「あとちょっとで全国だったらしいし…」

 

花丸「過ぎたことを言っても仕方ないずら。」

 

善子「しかーし!?参加賞が2色ボールペンってどうなの!?」

 

ルビィ「決勝に行くと3色になるとか…」

 

花丸「未来ずら〜!」

 

1年3人はやがて参加賞への文句へと変わっていったが、それが突然。

 

鞠莉「シャラ〜〜ップ!!」

 

鞠莉の急に大きな声で講堂は静かになる。

 

そこにダイヤも隣に立つ。

 

鞠莉「確かに全国大会に行けなかったのは残念でしたが…」

 

ダイヤ「0を1にすることは出来ましたわ。」

 

鞠莉「それは皆さんのおかげです!」

 

梨子「そして入学希望者も1から10になった。」

 

ダイヤ「それだけではありませんわよ!」

 

鞠莉「今日発表されました!次のラブライブ…そして同時開催されるM.D.Liveが…!」

 

鞠莉「前回同様決勝はアキバドーム!!!」

 

鞠莉の声と同時に今講堂に来た生徒が2人いた。

 

鞠莉「トゥーレイト!」

 

ダイヤ「大遅刻ですわよ?千歌さん?響さん?」

 

千歌「はぁ…はぁ…次のラブライブ…!」

 

響「M.D.Liveも…アキバドーム…!」

 

大遅刻の千歌と響だ!

 

梨子「千歌ちゃん!響くん!」

 

曜「2人共、どうする?」

 

果南「まあ聞くまでもないと思うけど!」

 

花丸「善子ちゃんも待ってたずら!」

 

ルビィ「うゆ!」

 

善子「ヨハネ!」

 

みんな2人に声をかける。

 

千歌「…出よう!ラブライブ!」

 

響「…出るよ…M.D.Live…!」

 

響「そして1を10にして10を100にして、学校を救って…そしたら…!」

 

「そしたら?」

 

学校のみんなが2人に聞く。

 

千歌「そうしたら、私達だけの輝きが見つかると思う!きっと!

 

 

 

「輝ける!!!」

 

今日からセカンドシーズン!1を10に…10を100にする挑戦が幕を開けた!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




どうも、銀河のかけらです!いかがでしたか?

遂に始まりました!セカンドシーズン!!正直に言いましょう。まさか2期まで来るとは思いませんでした…。どうせすぐ飽きるだろうと思って始めたのが楽しくなり、実は昨日で始めてから半年経ちました!後日報告とかで振り返りとかやってみようかな…?

とにかく!ここまで続けられたのも全てこの作品を読んでくれた皆様のおかげです!本当にありがとうございます!
これからも精進していきますので今後ともよろしくお願いします。
それでは今回は以上!銀河のかけらでした!


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4話

大会や…色々ありました…疲れた…

また空いてしまいましたが、お願いします!
それでは4話、どうぞ!


始業式が終わり、今日はお昼で終わりなので午後は練習だ。

 

10人は練習前のストレッチ中だ。

 

果南「1、2、3、4〜」

 

善子「う〜…この…!」

 

善子は果南に押してもらいながら前屈をしている。

 

まぁほとんど曲がっていないが…

 

果南「善子ちゃん堅いな〜ちゃんとストレッチしてる?」

 

善子「ヨハネ!…痛い痛い痛い!!」

 

善子「待ちなさいよ!この体はあくまで仮初めの姿で堕天使…」

 

果南「ふふ…よっと…」グイッ

 

善子「イッ!ぎゃああぁぉぁ!!!」

 

響「今すごい音したけど大丈夫か?」

 

果南「大丈夫だよ。」

 

善子「うっ…堕天使ヨハネに攻撃を加えるとは…」

 

響「心配して損した。全く心配ないみたいだな。」

 

善子「大丈夫じゃないわい!めっちゃ痛いわよ!」

 

善子が苦しんでる中、花丸は見事に前屈が下がっていた。

 

ルビィ「花丸ちゃんはずいぶん曲がるようになったよね。」

 

花丸「毎日家でもやってるずら。それに腕立ても…見てるずら~」

 

すると花丸が腕立ての姿勢になる。

 

花丸「…い〜〜〜〜」

 

花丸はゆっくりとゆっくりと体を地面に近づける。

 

それを固唾と見守るルビィ。

 

花丸「〜〜〜ち!」バタンッ

 

結果一回で地面についてしまう。

 

ルビィ「凄いよ!花丸ちゃん!!」

 

善子「どこがよ!?」

 

響「前屈程度で痛がってるヨハ子さんよりはマシだろ…」

 

善子「ヨハネ!!待ちなさい響!!」

 

善子は響を追いかけるが速さに差があって追いつけない。

 

ルビィ「あの〜響くん。」

 

響「おっ、何ルビィちゃん!」

 

ルビィ「響くんって結構運動神経良いよね!」

 

曜「確かに…!」

 

果南「夏のランの時も私について来てたもんね。」

 

響「まぁね。パフォーマンスには体力も大事だし……アイツらとも一緒にやってきたからな。」

 

善子「アイツらって誰よ?」

 

響「はぁ?アイツらって言ったらμ'sの奴らに決まってるだろ?」

 

善子「わかるか!?」

 

すると千歌を始めとするμ'sファンが響によって来た。

 

千歌「ちょっと!何その言い方!」

 

ダイヤ「そうですわ。伝説に向かってアイツらやら奴らなど…失礼ですわよ!」

 

ルビィ「そうだよ!μ'sに失礼だよ?響くん!」

 

すると3人の主張にため息をしながら答える。

 

響「あのなぁ…あまりアイツらを伝説伝説って言うなよ。」

 

ダイヤ「し、しかしμ'sがいてこその今のスクールアイドルがあると言っても…」

 

響「俺たちは確かに第2回大会の優勝とアキバドームでのラブライブ開催に貢献したのは確かだよ。でも、それ以外はなんだ?ただの高校生だよ。」

 

千歌「…そう、なのかな?」

 

響「ってことは、俺たちが優勝すればμ'sと同じ地に立てるってこと。てなわけで練習するぞ〜」

 

響はそう言いながらストレッチを続けた。

 

鞠莉「…ふふ。…あら?」

 

その横で笑みを浮かべながらそれを見ていると、鞠莉の携帯に電話が来た。

 

 

 

練習も終わり帰りのバス停でバスを待っている。

 

曜「そっか、秋になると、終バス早くなっちゃうんだね。」

 

曜はバスの運行表を見て言った。

 

ルビィ「日が暮れるのも早くなるから、放課後の練習短くなっちゃうかも…」

 

花丸「でも次のラブライブって来年の春だよね?」

 

ダイヤ「ぶっぶーですわ!!」

 

花丸、響「ずらぁ!?」

 

花丸と響は同時に驚く。

 

ダイヤ「花丸さんはともかくなんで貴方まで驚いているんですの!?」

 

響「冗談冗談。その前に俺たちはやることあるだろ?」

 

善子「学校説明会…ね?」

 

響「正解。出来れば説明会でもライブがしたい。」

 

梨子「そうね。説明会を成功させれば多くの入学希望が期待できる。」

 

ダイヤ「説明会まであまり日がありませんわよ?練習時間は本気で考えないと。」

 

千歌「でも、それすごく良い!」

 

千歌はみんなの方を見て笑顔で言う。

 

果南「ん〜でも練習が〜よし!」

 

響「何かあるのか?」

 

果南「あと2時間早く集合しよう!」

 

善子「早すぎるわよ!?」

 

善子がたまらずツッコミを入れる。

 

梨子「そうね…それに善子ちゃん、もう少し早く帰ってくるように言われてるんでしょ?」

 

善子「ぎくっ!?どうしてそれを…」

 

梨子「善子ちゃんのお母さんと私のお母さんが話したらしくて…なんか…」

 

 

 

ヨハネ「堕天使の名において…」

 

善子の母「善子ー?」

 

善子の母が善子の部屋に入ろうとする。

 

見ての通り現在絶賛配信中だ。

 

善子「はっ!」ダダダッ!

 

善子の母「ちょっと!開けなさい!!」

 

善子「ヨハネ〜!!」バタンッ

 

善子は何とか母を入れずに済んで安堵した。

 

 

 

梨子「…って部屋にも入れてくれないんだって。」

 

ルビィ「へ〜」

 

花丸「なるほどずら〜」

 

善子「ま、まあヨハネは堕天使であって母親はあくまで仮の同居人というか…」

 

千歌「善子ちゃんのお母さんってどんな人なの?」

 

梨子「学校の先生なんだって…善子ちゃん幼稚園まで哺乳瓶離さなかったって…」

 

善子「うにゃあ〜〜〜!!!それ以上言うな〜!!」

 

響「なるほどなるほど…善子幼稚園まで哺乳瓶っと…」

 

響は持っていたメモに書き足した。

 

善子「コラっ!メモするな!」

 

響「あっ!返せ!」

 

響は今度は逆で追いかける。

 

すると千歌が何かを思いつく。

 

千歌「そうだ!向こうで練習すれば良いんだ!」

 

響「なるほど…!確かにそれなら時間もある。」

 

果南「なるほどね…鞠莉は…?」

 

鞠莉「ぇ…?ああ… ノープロブレム!」

 

果南「………?」

 

そして明日場所を探すと言って今日は解散した。

 

しかし、果南は鞠莉のことが気になっていた。

 

今の鞠莉は何やら悩みがあるような…そんな目をしていた。

 

響「………。」

 

そんな2人を見つめる響もまた、何かあると悟った。

 

 

 

千歌「広ーーーーーーい!!」

 

響「うるさいです。」

 

千歌「痛っ!今叩く意味あった!?」

 

響はツッコミ程度に千歌の頭を叩く。

 

響「いや、その空っぽの頭を少しでも治してあげようとしたんだよ。」

 

千歌「あっ…ありがとう…って今馬鹿にしたよね!?」

 

響「気づくの遅えよバーカ。」

 

千歌「ああ〜言ったよ!!」

 

千歌がギャーギャーうるさいが、他の子もこの部屋に興奮していた。

 

それもそうだ。大勢でダンスをするには充分なスペース。それに壁には鏡までついていると、本当にプロが使うと言っても良いような場所だ。

 

ルビィ「うわぁ…!鏡まであるよ…!」

 

善子「いざ!表面世界へ…!」

 

響「いってらっしゃ〜い。」

 

善子「うわっ…と…押すなぁ!

 

響「えっ?てっきりフリかと…」

 

善子「どこぞのお笑いよ!?」

 

曜「パパの知り合いが借りてる場所なんだけど、しばらく使わないからって。」

 

千歌「おお〜流石船長…!」

 

響「いや、関係ないだろ。」

 

千歌「それにここの周りには沢山のお店が…」

 

響「はい。今の発言でお店に行くの禁止な?」

 

千歌「なんで!?」

 

梨子「そうだよ?遊びに来たんじゃないわよ?」

 

花丸「本屋もあるずら!」

 

梨子「えぇぇ〜!」

 

響「梨子…いや、もう良いや。」

 

響はボケまくる人達の事は置いといた。

 

曜「じゃあさ、皆で一度フォーメーション確認してみない?」

 

響「あっ…ちょっとストップ。」

 

響は曜達を止めてある人達の方を向いた。

 

鞠莉「…………。」

 

果南「どうしたの?」

 

ダイヤ「そうですわ…早く始めましょう。」

 

響「いや…鞠莉、果南、ダイヤ…何か隠してない?」

 

鞠莉、果南、ダイヤ「…………。」

 

千歌「…え?隠す…?」

 

響「さっき…いや、前からだな。3年の3人の元気がない。そしてその目は何かを隠しているようだった。」

 

3人は下を向いて黙っているままだ。

 

響「俺はマネージャーだよ?それに、人の目を見れば感情ぐらいわかる。」

 

するとそこに千歌も近づいて来た。

 

千歌「鞠莉ちゃん?言って?私達を頼ってよ!」

 

その言葉を聞いて一瞬顔を上げて…鞠莉は口を開いた。

 

鞠莉「あの…ね…?実は、学校説明会は… 中止になるの…」

 

響「……え?」

 

響も他の6人もあまりの衝撃で言葉が出ず、その場に固まってしまった。

 

それは事実上の…廃校を意味していた…からだった。




どうも!銀河のかけらです。いかがでしたか?

事実上の廃校…きついよ〜。完全に状況は最悪ですがここからどう動くのか。

そして、先週ですがラブライブ!スーパースター!!第10話を観た感想。
おいおいおい!!!待て待て待て!!!
え…!?ラップ?なんで?しかも各ブロックごとに曲のテーマ!?
えっと…全くM.D.Liveのやり方で考えてたのと一緒なんですが…(ネタバレ)

はい、別にパクられた〜とかではなく単純になんとなく考えてたのと一緒過ぎたので驚いただけです。はい。
それでは今回は以上!銀河のかけらでした!


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5話

さあさあ始まりますよ!

それでは5話、どうぞ!


響「…え?説明会…中止?」

 

響は鞠莉からそれを聴いた途端石のように動かなくなった。それは他の人も同様だ。

 

鞠莉「ごめんなさい!言えなくて…!」

 

曜「響…くん?」

 

梨子「どうしたの?響くん?」

 

梨子と曜は響の方へ駆け寄った。なぜなら響の身体が震えていたから。

 

響「ふ…ふざけんなよ…なんで…なんで俺たちに言わなかった…!」

 

千歌「響くん!!」

 

響が鞠莉に掴みかかるように詰め寄る。

 

果南「ちょ…!響…!」

 

ダイヤ「おやめなさい!分かっているでしょう?鞠莉さんがどんな思いで隠していたか…」

 

ダイヤは響を抑える筈だった。しかし、その言葉でさえ彼には悪影響だった。

 

響「…何?俺たちの為?ふざけるな!!俺たちは仲間じゃないのかよ?たった一つ学年が違うだけで大人ぶってんじゃねーよ!!」

 

響の声は部屋中を駆け巡った。ルビィは泣き出してしまってたし、もう練習ができる状態ではなかった。

 

響「…ごめん。今日は各自で練習。…それじゃ。」

 

誰かが呼び止める声が聞こえたが、もうそんなのはどうでもよかった。今立ち止まってもこの状況は治らないのだから…

 

 

 

次の日。

 

臨時で集会が開かれ、鞠莉から説明会の中止と事実上の廃校が伝えられた。

 

しかしその列の中には響の姿がいなかった。

 

響はそこの廊下を歩いていた。

 

響「………………。」

 

適当に歩いているとふとあるチラシが貼ってあるのが目に見えた。

 

響「説明会……」

 

響はそれを手で破ってぐしゃぐしゃにした。

 

響「…くそが…」

 

 

 

集会も終わり教室では1時間目が始まろうとしていた。

 

大賀「ほら、先につけ〜ってあれ?響はどこ行った?」

 

「あれ?朝いなかった?」

 

「私見たような…」

 

色々な声が聞こえてきたが、大賀はすぐに理由は分かった。

 

大賀「はぁ…サボりか…ちょっと自習してろ。」

 

大賀が教室から出ていくと、それぞれ生徒が喋り出した。

 

教室が賑やかになってくるが、Aqoursの3人は上の空でそれぞれぼーっとしていた。

 

 

 

響「……………。」

 

響は屋上に来て風に当たっていた。響はこの学校で屋上が1番好きな場所だった。

 

色々な経験を屋上でしたから。沢山の思い出があるから。

 

「サボりか…?」

 

誰かが屋上に入ってきた。響は足音、声で誰かすぐに分かった。

 

響「…大賀かよ。」

 

響は振り向かずに答える。

 

大賀「…先生つけろ。」

 

響「先生らしくないのは大賀の方だろ?」

 

大賀「ははは…それは否定出来ないや。隣、いいか?」

 

大賀は響の隣に来て一緒に風に当たる。

 

大賀「ほら、俺の奢り。缶コーヒーだけど。」

 

響「あっ…ありがと…」

 

響は缶コーヒーを受け取り、一口飲んだ。

 

大賀「…凄いクマだぞ?昨日寝たのか?」

 

響「…お前には関k」

 

大賀「いや、ある。俺はお前の担任だ。それは知る権利がある。」

 

響「…ちっ!はいはい分かりましたよ一睡もしてませんよ。」

 

大賀「…どうして?」

 

響「…廃校が決まった。それがショックで…それに…鞠莉に…」

 

響は声を震わせながらも話した。

 

響「鞠莉に…酷いことをした…」

 

大賀「…理事長に?」

 

響「鞠莉の頑張りは俺も分かってるのに…それに俺たちの事を思って隠してくれてたのに…それを踏みにじって…俺は最低だよ。」

 

大賀「……それは確かに最低だな。」

 

大賀は正直に響に言った。

 

響「…随分と正直に言うな。」

 

大賀「なんだ〜?慰めてほしいのか?」

 

大賀は響の頭を撫でようとするが、手で払われる。

 

大賀「ははは…まあ俺から言えるのはしっかりと2人で話せってぐらいかな。」

 

響「…そう…だよな。後で鞠莉と話してみるよ。」

 

大賀「それじゃ、さっさと授業こいよ?」

 

そう言うと大賀は屋上を出た。

 

響「そうだな…しっかり話さないと…その前に授業…か。」

 

響は残りの缶コーヒーを飲み干して教室へと向かった。

 

 

 

その後授業に戻って普通に過ごしたが、午後から雨が降ってきたのでそれぞれで考えようと今日はオフになった。

 

響は家に帰り今後について考えていた。

 

響「はぁ…あの時ほど上手くいかないな…鞠莉とも結局会えなかったし…」

 

すると、突然インターホンが鳴った。

 

外は雨が強くなり風も強くなっている。

 

響「うわっ!びっくりした〜こんな雨に誰だよ…は〜い?」

 

玄関を開けると全身ずぶ濡れで立っている子が立っていた。

 

響「ま、鞠莉!?」

 

鞠莉「は、ハロー…」

 

 

 

響「ほら、コーヒー。いつも飲んでない奴で悪いけど…」

 

鞠莉「ああ…お構いなく…」

 

鞠莉を中に入れてシャワーと服を貸した。まさかこの雨の中来るとは…

 

響、鞠莉「……………あの!」

 

鞠莉「あぁ、ソーリー…先にいいわよ。」

 

響「あぁ…ごめん。じゃあ…」

 

響はその場で鞠莉に頭を下げた。

 

響「ごめんなさい!鞠莉の頑張りは分かってるのに…それなのに…あんなに酷い事を…!」

 

すると鞠莉もその場で頭を下げて言った。

 

鞠莉「私の方こそごめんなさい…!響の気持ちも知らずに勝手に…」

 

響「いや、鞠莉はいいんだ。これは俺のせいだから。」

 

鞠莉「ふふ…ほんとそういうところ頑固デース。」

 

響「…うるせえよ。」

 

2人の仲直りも終わり、鞠莉が帰ろうとする。

 

響「待て。これからどうするの?」

 

鞠莉「ん〜…私達には2択あるわ。この決定に従うか、私が頼んで何とか期限を延ばしてもらうか。」

 

その2択は、響にとっては簡単であっという間の決断だった。

 

響「なぁ…俺たちはまだ子供だよな…だったら、大人に文句言って抗いますか…」

 

響は、この決定に全力で抗うことを決めた。

 

 

 

次の日。雨は降っていない。響は早めに学校に来た。

 

すると突然グラウンドから声が聞こえてきた。

 

「ガオーーーーー!!」

 

響「えっ!?千歌!?」

 

響はグラウンドへ走っていく。

 

すると千歌が遠くに見える海、いやどこかに向かって何かを叫んでいた。

 

千歌「起こしてみせる!奇跡を、絶対に!それまでは泣かない!泣くもんか!!」

 

響はそれを聞いて千歌に向かって走っていく。

 

響「千歌。朝から随分声が出るな。」

 

千歌「響…くん?どうして?」

 

響「さあな…正直なんでこんな早くきたかわからない。でも、それが他に8人もいるからな。」

 

響が振り向いた先には8人、Aqoursのメンバーがいる。

 

千歌「みんな…」

 

千歌はみんなの方に近づいていく。

 

千歌「きっと、諦めたくないんだよ。鞠莉ちゃんが頑張ってたのは分かる。でも、私も、皆もまだ何もしてない!」

 

曜「そうだね!」

 

千歌「無駄かもしれない…けど、最後まで頑張りたい!あがきたい!ほんの少し見えた輝きを探したい…見つけたい!みんなはどうかな?」

 

鞠莉「千歌っち…みんな…!」

 

果南「いいんじゃない?足掻くだけ足掻いて。」

 

ダイヤ「やるからには…奇跡を!」

 

ルビィ「奇跡を!」

 

善子「奇跡を!」

 

花丸「奇跡を!」

 

果南「奇跡を!」

 

梨子「奇跡を!」

 

果南「奇跡を!」

 

曜「奇跡を!」

 

すると響が千歌の前に立つ。

 

響「全力で足掻いて足掻いて足掻きまくって…!"奇跡"を目指す2ndシーズンも悪くないな…千歌!」

 

そして内浦の空には朝日が登り、町全体を照らし出した。

 

するとそれを見た千歌が…

 

千歌「はぁ…!よっ!」

 

曜、梨子「千歌ちゃん!?」

 

ルビィ、善子「だめ〜!!」

 

響「言われなくても見ねーよ!」

 

千歌が逆上がりをして、大声で宣言する。あの朝日に言うように。

 

千歌「起こそう奇跡を!足掻こう精いっぱい! 全身全霊、最後の最後まで!皆で、輝こう!!」

 

今まさに夢を得たAqours!奇跡を目指し全力で足掻く2ndシーズンが始まった!!

 

 




どうも、銀河のかけらです。いかがでしたか?

2ndシーズン、スタートです。2ndシーズンは響とAqours、2つの奇跡を目指します。それぞれの結末を最後まで見届けてください!

それでは今回は以上!銀河のかけらでした!


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6話

スーパースター終わっちゃったなぁ…
それにしても全曲神曲だったな…!

それでは6話、どうぞ!


響「…………。」

 

千歌「……………。」

 

今響達は鞠莉を待つために理事長室の前にいる。その理由はもちろん鞠莉の説得を待つためだ。

 

千歌「きっと…なんとか、なるよね…」

 

響「大丈夫。鞠莉ならな。」

 

すると、鞠莉が電話を終えて出てくる。

 

ダイヤ「鞠莉さん。どうでしたの?」

 

鞠莉「残念だけど、どんなに反対意見があっても、生徒がいないんじゃ、って…」

 

響「やっぱり…そこを突かれるか…」

 

だが、この話には続きがあった。

 

鞠莉「だから聞いたの。もし、増えたら考えてくれるか?って何人いればいいのって。何人集めれば、学校を続けてくれるかって。」

 

鞠莉が言うにはあと何人集まれば文句はないか聞いたとのことだ。その結果…

 

響「100人…」

 

鞠莉「100人の入学希望者が集まったら、来年度も募集し入学試験を行うって。」

 

ダイヤ「100人って…今はまだ、10人しかいないのですよ…?」

 

善子「そんなの…無理よ…」

 

皆、この結果に絶望するが、まだ光を向いている者が2人いた。

 

響「…誰が無理と決めた?」

 

千歌「でも、可能性は繋がった。可能か不可能か、今はどうでもいい。」

 

2人の声にAqoursは再び光を取り戻す。

 

曜「そうだね!さっき宣言したんだもんね。」

 

梨子「奇跡を起こすって。」

 

千歌と響は階段に登って言う。

 

響「そう、だって、やるしかないんだから。」

 

千歌「学校説明会もラブライブも頑張って、集めよう!100人!」

 

曜「0から1へ!」

 

梨子「1から10へ!」

 

そして千歌はそこから飛びながら叫んだ。

 

千歌「10から100へ!!」

 

 

 

そうしてまたラブライブと学校説明会へ向かって進み始めたAqours。そして、学校説明会が刻一刻と迫る頃。

 

千歌「よーし!今日は休日だし頑張るぞー!!」

 

千歌は部室のドアを力強く開ける。

 

千歌「みんなおはよー!」

 

曜「千歌ちゃん!おはヨーソロー!」

 

千歌「おはヨーソ…ろー?あれ?」

 

千歌はふと気になって人数を数え始める。

 

花丸「どうしたの?千歌ちゃん?」

 

花丸がいつものようにパンを食べながら聞く。

 

千歌「1人足りない?」

 

果南「ああ、響のこと?」

 

確かに見渡すと響がいないようだ。

 

千歌「あれ?今日はお休み?」

 

ルビィ「あれ?千歌ちゃんメール見てないの?」

 

ルビィはAqoursのグループを見せる。

 

千歌「なになに…?自分のは言い訳というわけでもなくてしてなかったわけでもないけど結果的にそうで結局0なので缶詰めになります…?何これ?」

 

そこにはこの通り響の怪文が届いていた。

 

善子「簡単に言うと自分の曲が全く出来てないから缶詰め状態で作るってことね。」

 

千歌「おー!流石善子ちゃん!やっぱり堕天使だね!」

 

善子「…確実にイジってるわよね!」

 

すると梨子が何やら笑みを浮かべながら千歌に聞く。

 

梨子「それで?歌詞は…?」

 

千歌「……………あっ。」

 

それで千歌に雷が落ちるのであった。

 

 

 

舞台は変わり響の家。

 

響は缶詰めで曲を作ってると思ったら、机に突っ伏していた。

 

響「あぁ…マジで全く降ってこない…」

 

響は完全に手が止まっていた。それどころか全く進んでいない。

 

響「なんでこんな時にスランプ来るんだよ…」

 

響は全くやる気が湧かなかった。

 

響「はぁ…これじゃだめだ…一度最初から考えよう…」

 

今作っているのはM.D.Live静岡予選に一曲と説明会用にもう一曲…説明会は楽しませる曲だとして…問題は予選の曲だ…

 

響「俺は初出場。ってことは誰も俺のことは知らない状態からアピールしなければならない…勝つためには今以上の曲が必要だけど…」

 

それが曲が出てこないから困っているのだ。

 

響「あぁ!!!結局ここに戻んのかよ!だめだだめだ!一回外に出よう…」

 

そう言って響は外に出て歩き出した。

 

響「……何を悩んでんだろ…俺…」

 

響「(アイツらは今頃曲を作ったり練習したりしてんだろーなぁ…それに比べて俺は…サボってるみたいじゃねえかよ。)」

 

すると、空から水滴が落ちてきた。やがてかなり多くの水滴が落ちてきた。

 

響「……雨だ。」

 

響は傘など持っておらずそのまま濡れる。

 

響「雨はいいよな…単純に雨を降らせれば良いんだから…」

 

雨は一直線に、俺に当たるように落ちてくる。

 

響「一直線…真っ直ぐ…あっ!?」

 

響はある事を思いついた。いや、思い出したと言った方が正しいだろう。

 

響「何を気張ってたんだ…俺…俺って本当バカだな…」

 

響は走って家に戻る。雨に負けないように。

 

何も出来ない事なんてやらなくて良い…いつもの俺を…俺の思いを…そのまま曲にすれば良いんだ…!

 

響「何だ…!簡単じゃないか…!」

 

そこから家に帰った後の響は手が止まらなかった。時間を忘れて、ひたすら曲作りに励んだ。

 

そして机の上で寝てしまった時には、2曲しっかりと出来ていた。

 

 

 

そして次の日。昨日の雨はすっかりやんで、太陽の光に照らされた水滴が光っていた。

 

「………!」

 

「……くん!」

 

誰かが響の事を呼ぶ声で響は起こされた。

 

響「ん…んぅ…」

 

千歌「あっ!起きた!おはヨーソロー!」

 

響「千歌…!おは…よ!?」

 

響は千歌…Aqoursのみんなを見た瞬間寝ぼけていたが完全に目が覚めた。

 

響「うわぁ!なんでお前らいるの!?鍵は!?」

 

千歌「ふっふっふ…これだぁ!」

 

そこにあったのは響の家の鍵だった。

 

響「はぁ!?なんでお前が持ってんだよ!」

 

千歌「響くんが今後何かしても大丈夫なように予備をもらったのだ。ちなみにしっかりはんこー声明だしたよ?」

 

響「はぁ?そんな事しら…」

 

響は記憶を駆け巡ったら…あった。

 

響『ん〜…ん?何だこの紙…?』

 

そこには、この家の鍵とみかんを頂く。怪盗みかん。と書かれていた。

 

響『…まあいっか。』

 

響は寝ぼけてたこともあって深く考えずに放っておいた。

 

響「まさかマジだったとは…」

 

ルビィ「それより響くん!」

 

鞠莉「良いことと悪いことどっちから聞きたい?」

 

なんかお決まりのが始まった。

 

響「じゃあ良いことから…」

 

果南「2曲とも出来たよ!」

 

予備予選と説明会の曲ができたと言うのだ。

 

響「おぉ!俺も2曲できたぞ!」

 

これは中々でかい情報だった。

 

響「それで、悪い方は…」

 

響は様々な可能性を考えた。しかし、その可能性は意味が全くなかった。

 

鞠莉「さっき電話来てね…説明会が1週間延期だって…」

 

響「へぇ…1週間延期か…はっ!?」

 

え!?ちょっと待て…確かその日って…!

 

ダイヤ「響さんは察したみたいですわね…」

 

響「おい!ラブライブ予備予選当日じゃねぇかよ!!」

 

Aqours史上1番の危機が我々を襲うのであった。

 

 




どうも、銀河のかけらです。いかがでしたか?

いやぁ以外と2期2話の部分1話で終わったなぁ。先はまだまだ長いけど…
そして次回、危機とは!?

それでは今回は以上!銀河のかけらでした!


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7話

…それでは7話、どうぞ!

しっかり前書きのネタが切れたかけらであった。


響達は10人で説明会と予備予選について考えていた。

 

響「みんな、まずはこの地図を見て?」

 

響は予備予選周辺の地図をみんなに見せた。

 

ダイヤ「ここが予備予選の会場ですわ。」

 

ダイヤは会場を指差す。

 

千歌「ここ!?」

 

善子「山の中じゃない!?」

 

2人が驚くのも無理はない。

 

ルビィ「今回はここに特設ステージを作って開催するらしいです…」

 

響「花陽の奴…後でクレーム入れてやる…」

 

曜「花陽さんが決めた訳じゃないと思うけど…」

 

果南「で…浦の星がここ…」

 

そして会場と学校を線で結ぶ。分かってはいたがかなりの距離がある。

 

千歌「バスとか電車は…」

 

梨子「バスも電車も通ってないから…」

 

鞠莉「とうてい、間に合いまセーン…」

 

響「ですよね…」

 

流石には本気で考えなければいけなくなってきた。

 

花丸「空でも飛ばなきゃ、無理ずらね。」

 

花丸が例えのつもりで言ったつもりだが、善子が堕天使を発動する。

 

善子「ならば…この堕天使の、翼で!!」

 

ルビィ「おぉ、その手があった!」

 

花丸「堕天使ヨハネの翼で大空から会場入りずら~」

 

善子「嘘よ、嘘!常識で考えなさい!」

 

響「えっ!?堕天使って常識じゃないの!?」

 

善子「うぅ〜〜うるさぁぁぁい!!!」

 

善子がギャーギャー言っているがちゃんと考えないと…と思ったが千歌がまさかの食いつきを見せる。

 

千歌「それだぁ!空だよ!空!」

 

響「…はぁ?頭おかしくなったのみかん頭?」

 

千歌「ふっふっふ…この千歌の名案を聞いても同じことを言えるのかな?」

 

なんだコイツ…?と思ったがそんなに自信があるなら聞いてみることにした。

 

例えば…

 

千歌「じゃあ、皆!次の会場が待っているので。」

 

そう言ってヘリで会場に移動するらしい。

 

ルビィ「ヘリで移動!?」

 

花丸「みらいずら~」

 

善子「かっこいい…」

 

ダイヤ「まるでスーパースターですわ…!」

 

響「うん。色々ツッコむ所はあるけどとりあえずヘリあるの?」

 

鞠莉「あるにはあるわよ?小原家のヘリが。」

 

千歌「よし!じゃあそのヘリで…」

 

鞠莉「悪いけど使えないわ。自分達の力で達成するって言ったから…」

 

なるほど…大人の力を使わずにこの問題を解決するってことか…。

 

響「…策はあるにはある。」

 

梨子「えっ!?思いついたの?」

 

響「ああ…それはな…」

 

 

 

日は進み今日は予備予選の順番を決める日だ。

 

千歌「…抽選!?」

 

響「そう、その抽選で1番を引ければなんとかバスに間に合う。」

 

ダイヤ「なるほど…確かに1番目に予選を終わらせれば何とかバスに間に合いますわ。」

 

果南「でも…それを逃したら…」

 

響「もう本当にお手上げになる。さあ、誰が引く?」

 

響は誰が引くか聞いたが誰も手をあげない。

 

響「いないよな…」

 

曜「責任重大だもんね…」

 

ルビィ「ここはやっぱりリーダーが…」

 

千歌「えぇ!?でも…よし!やろう!」

 

ここで千歌が引きに行こうとするが梨子があるものを見せる。

 

梨子「今日の運勢…超凶よ…」

 

千歌「自信なくなってきた…」

 

響「梨子、余計なことを言うな!まあいい…千歌、俺はお前のこと、忘れないからな…」

 

千歌「ねえ!私これから何しに行くの!?嫌だよ!?」

 

じゃあ千歌は無しとして他は…

 

響「じゃあ3年の誰か行く?」

 

鞠莉「わ、私は途中から入ったしここはやっぱり後輩に譲るわ!」

 

果南「私も同じ。」

 

ダイヤ「わ、私も次の機会に取っておきますわ…」

 

こ、コイツら…

 

響「じゃあ花丸かルビィは…?」

 

花丸「おらは無理ずら!」

 

ルビィ「うゆ!」

 

響「……じゃあ曜、梨子?」

 

曜「私?でも私こういうの苦手なんだよな〜」

 

梨子「わ、私も苦手かな…」

 

なんなのコイツら…全員拒否するじゃん…

 

全員ダメでもう誰が行くか…となったが、突然堕天使が言い始める。

 

善子「ふっふっふ…悪魔最大のピンチは、堕天使界のレジェンドアイドル…このヨハネが、いきまーす!!」

 

響「何言ってんの?堕天使(?)」

 

花丸「ないずら。」

 

ダイヤ「ぶっぶーですわ。」

 

善子「なんでよ!?それになんで私だけ呼ばれないの!?」

 

善子は文句を言っていたが、他の9人は全く同じ考えだ。

 

響「善子、大丈夫。お前が出てくるのはまだ早い。あと5年は待て。」

 

善子「遅すぎよ!?それに5年も!?」

 

花丸「それに毎日じゃんけんに負けてるのどこの堕天使ずら?」

 

ルビィ「誕生日に風邪引くのに?」

 

善子「うるさーい!それにヨハネ!いい?私はいざという時の為に運を貯めていたの!」

 

響「…0.1%くらいの?」

 

善子「少な!?もっとあるわよ!?」

 

ダイヤ「…では私と勝負ですわ。」

 

善子の前にダイヤが立ちはだかる。

 

善子「…勝負?」

 

ダイヤ「はい、私とじゃんけんをして勝ったら善子さんにしてもらいます。ちなみに今日の私の運勢は超吉ですわ。」

 

響「じゃあダイヤが言ったほうがいいんじゃ…」

 

ダイヤ「静かになさい…それで?やりますの?」

 

善子「…やってやろうじゃない!」

 

そして2人は向かい合い、右手を出した。

 

ダイヤ「じゃーんけーん…ぽん!」

 

ダイヤはグー。それに対して善子はパー。善子の勝ちだ。

 

響「嘘だろ?本当に運を貯めてたのか?」

 

ダイヤ「…いいでしょう。行ってきなさい!そして、栄光の1番を掴んできなさい!」

 

善子「ふっふっふ…任せなさい!」

 

そして、善子はステージに上がる。

 

善子「全ての堕天の力を…いざ!」

 

 

 

千歌「…終わった。」

 

頭を抱える千歌。

 

響「24番目…完全に中盤だろこれ…」

 

抽選会で善子が引いた数字は24番。完全にお手上げ状態だ。

 

善子「フッ、仕方ない・・・堕天使の力がこの数字を引き寄せたのだから…」

 

響「それでは善子選手。本音をどうぞ。」

 

善子「申し訳ありませんでしたぁ!!」

 

響「はいはい、大丈夫。善子だけの責任じゃないから。」

 

善子「うぅ…響ぃ…」

 

善子を慰めるが、事態は苦しいままだ。

 

響「…この状況になったから聞くけど、説明会とラブライブ。どっちをとる?」

 

果南「どっちかを選べってこと?」

 

響「残念だけどそうなる。」

 

曜「響くんはどっちかでもいいの?」

 

響「どっちか…?そんなわけないだろ?出来るならどっちもいい。でも2つは出来ない状況なんだよ!」

 

残念だが今の状況はそれほど深刻だ。

 

鞠莉「それだったら私は説明会かな。」

 

ダイヤ「それだったら新規生徒を呼ぶ為にラブライブに出た方が…」

 

響が案の定予想していた展開になる。

 

千歌「どっちかを選べなんて出来ないよ…」

 

響「いや、すまん。すぐには決められないよな。じゃあ今日は解散しようか。」

 

この状況。この暗い状況を乗り越えられる方法はもうないのか…響は帰って行くみんなを見つめてそう思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




どうも、銀河のかけらです!いかがでしたか?

さて、現在は暗い状況ですが、そこから逆転は出来るのか?
そしてAqoursの運命は…!

それでは今回は以上!銀河のかけらでした。


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8話

お詫びをひとつ…
MY舞☆TONIGHTと君のこころは輝いてるかい?の歌詞を入れる予定でしたが、JASRACがメンテナンスだったので後日載せます。

それでは8話、どうぞ!

追記。歌詞入れました!遅れて申し訳ない!



そして、何かが起こる…


抽選会の次の日の夕方。響は帰る途中だ。しかし、響の足取りは重い。

 

響「これで…良かったのかな…」

 

響はその日の練習であることを提案していた。

 

 

 

果南「2つに分ける…?」

 

響「ああ、ラブライブに5人、説明会に4人に分ければどちらにも出れる。」

 

響は一晩考えた。しかし、どんなに考えてもこれしか方法は無かった。

 

善子「それでAqoursって言えるの?」

 

善子が響に質問をぶつける。それに響は声を詰まらせる。

 

響「ごめん…みんなが反対するのは分かってる。でも…!どちらを捨てて出るのはどちらもデメリットを生む。だから…頼む…応じてくれ…」

 

響はみんなに頭を下げて必死に頼み込んでいた。

 

 

 

響「結局みんな腑に落ちないみたいだったけどOKしてくれたな…」

 

だが、響の考えは正解なのか不正解なのかは分からない。でも、当日の説明会まで不安を残すことになるのは確実だろう。

 

響「なんとか…しないとな…」

 

響はそのままの足取りでとぼとぼと帰って行く。

 

 

 

千歌「本当にこれで良かったのかな…?」

 

千歌と曜、梨子の3人は帰り道を歩いている。

 

梨子「最善の策を取るしかない…私達は奇跡を起こせない。だから、その中で一番良いと思える方法で精一杯頑張る!」

 

曜「そうだね!それが私達だもんね!」

 

千歌「……あっ」

 

すると千歌は何かを見つけた。その先にはみかんを乗せるトラッコがあった。

 

曜「ああこれ?みかんを運ぶトロッコだよね?」

 

千歌「これだよ!みかんだよ!みかん!」

 

梨子「えぇ?全く分からないけど…」

 

千歌「みかーん!!!だよ!!」

 

千歌は飛び跳ねてみかん畑に近づいた。

 

 

 

そして説明会、ラブライブ予備予選当日。説明会では多くの人が来てくれている。

 

よしみ「響くん、あと30分だけど準備出来てる?」

 

響「あぁ、俺は大丈夫…だけど…」

 

響はふとあることが気になった。

 

響「なあ?Aqoursのみんな今日全然みないんだけど、どこにいる?」

 

よしみ「あれ?私も見てないなぁ…いつき?見てる?」

 

いつき「私も見てないよ?」

 

響「そ、そうか…」

 

響「(おかしい…果南とかは直前まで入念にダンスをチェックするはず…)」

 

響が不思議がっているとむつが慌てて走ってきた。

 

むつ「大変大変!Aqoursのみんなが…!」

 

むつは持っていた紙を響に渡す。

 

響「なになに…やっぱり予備予選に行きます…か…ふふ…」

 

よしみ「どうしよう?Aqoursのライブまで時間がないよ!」

 

響「大丈夫。何か策を見つけたんだろ?だったら俺の役割は……時間稼ぎだ。」

 

響はそう言ってステージへと上がって行った。

 

 

 

そしてラブライブ予備予選会場。Aqoursは2年生とルビィ、ダイヤの5人で挑む予定だ。

 

ルビィ「…………。」

 

千歌「ルビィちゃん?大丈夫?」

 

ルビィは緊張なのか不安なのか、表情が暗かった。

 

曜「大丈夫。花丸ちゃんも言ってたでしょ?練習通りにやれば問題ないずら!」

 

ルビィ「…うん!そうだね!」

 

梨子「いつものルビィちゃんだね!」

 

そう言ってると、控え室からダイヤが出てくる。

 

千歌「あっ!ダイヤさ…わぁ…!」

 

梨子「ダイヤさん…すごく綺麗です!」

 

ダイヤ「そ…そんなに見ないでください…!」

 

ダイヤは恥ずかしそうにしている。今回は和がテーマの曲だ。衣装も和がテーマで作られている。

 

ルビィ「お姉ちゃん…凄く似合ってる…!」

 

ダイヤ「ありがとう…ルビィも似合ってますわよ?」

 

千歌「よーし!行こう!次のステージへ向けて!」

 

そして遂に、Aqoursの出番が来た。

 

ステージへ上がったAqoursの5人は少し表情が硬いようだ。4人少ない不安なのかは分からないが、表情のどこかに不安の文字が見える。

 

??「みんな〜!」

 

千歌「…えっ!?みんな…?」

 

声の方を向くとそこにいたのは説明会にいたはずの4人だった。

 

鞠莉「さっ、いきましょ〜う!」

 

果南「やっぱりAqoursは9人じゃないとね?」

 

善子「フッ…この堕天使の力も必要のようだから…」

 

ダイヤ「み…皆さん…」

 

千歌「フフ…よーし!Aqours!行こう!!」

 

そして9人によるAqoursのパフォーマンスが始まった!

 

 

 

ダイヤ、ルビィ:踊れ 踊れ 熱くなるため

 

ひとは生まれたはずさ

 

 

 

ダイヤ、花丸、ルビィ:いま小さく燃えてる 

 

果南、善子、鞠莉:まだ小さな焔が

 

果南、ダイヤ、善子、花丸、鞠莉、ルビィ:ひとつになれば

 

 

 

ダイヤ:奇跡が生まれ

 

 

 

千歌、曜、梨子:この世界はいつも あきらめないこころに

 

ルビィ:答えじゃなく 

 

ダイヤ、花丸、ルビィ:道を探す

 

果南、善子、ルビィ:手掛かりを

 

千歌、曜、梨子:くれるから

 

Aqours:最後まで強気で行こう

 

 

 

踊れ 踊れ 熱くなるため人は生まれてきたの?

 

踊れ 踊れ きっとそうだよ

 

だから夢見て踊ろう

 

 

 

MY 舞☆TONIGHT(DANCING TONIGHT)最高の

 

MY 舞☆TONIGHT(DANCING TONIGHT)今日にしよう!

 

 

 

 

 

一方説明会では、響がステージに立っていた。

 

響「それでは他に質問ある方…あっ!ではそこの方、どうぞ!」

 

よしみ「凄い…!」

 

いつき「もともとする予定じゃなかったのに質問を聞いている…!」

 

響は時間稼ぎのために質問会をしている。もちろん、全てアドリブだ。

 

むつ「響くんってこういうところで凄いカリスマ性発揮するよね…」

 

そう、彼は一応この学校に来て半年経つか経たないかくらいだ。それなのに参加者の質問に全て丁寧に答えている。

 

響「おっ!そろそろですかね…それでは、私はこれで失礼して…この後は浦の星女学院が誇るスクールアイドル、Aqoursのライブがあります。それまで今しばらくお待ちください…」

 

響はそう言ってステージ裏へと戻っていく。

 

よしみ「お疲れ様〜!」

 

いつき「凄かったよ!!」

 

響「ああ…つっかれた〜さて、次はあいつらの出番か…」

 

むつ「後予定まで時間ないけど間に合うの?」

 

響「ああ…多分10分くらいで来るよ。じゃ、俺はマネージャーだからお出迎えでもしますか…」

 

響は校門へ行って、Aqoursを待つ。

 

響「(確かに予備予選に出てからここに来るとなると間に合わないのは確かだ…)」

 

響「…正規のルートならな。」

 

響「俺も質問聞いてる時に思いついたけど…あのルートなら…」

 

 

 

そして予備予選を終えたAqoursは現在、山道を走っている。

 

千歌「はぁ…はぁ…」

 

曜「…あと少しだよ…!」

 

梨子「…頑張って…!」

 

もう数キロは走っている。

 

善子「はぁ…も〜!何でトロッコ遅いと思ったらあんなに急にスピード出るのよ!?」

 

果南「ごめんなさ〜い!!」

 

9人はあの後、みかんを乗せるトロッコを使って山道を進んだ。果南がトロッコを壊してしまったが…

 

ルビィ「あはは…ルビィは楽しかったけど…」

 

ダイヤ「全く…果南さん…?後で弁償ですわよ?」

 

果南「えっ!?ま、鞠莉〜?後で必ず返すから…」

 

鞠莉「絶対に嫌だわ。」

 

果南の弁償が確定したが、まだまだ山道は続く。

 

花丸「はぁ…はぁ…もう無理ずら…」

 

花丸だけではない。もうみんなの体力はかなり消耗している。しかし、止まる者は1人もいない。

 

千歌「私、思うんだ。奇跡を最初から起こそうなんて人、いないと思う。ただ一生懸命、夢中になって、何かをしようとしている。なんとかしたい、何かを変えたい!それだけのことかもしれない!」

 

梨子「…そうね…」

 

千歌「だから…起こせるよ奇跡!私達にも!」

 

そして…!

 

響「…奇跡は起こそうとする者にのみ実現する……おかえり…みんな…」

 

千歌「響…くん…!」

 

花丸「やっとついた…ずら…」

 

響「さて、残念だけど休ませないよ?さぁ、歌ってこい!」

 

鞠莉「ええ!」

 

ルビィ「がんばルビィ!だよ!」

 

千歌「うん!さあ、行こう!!」

 

そして、Aqours、"9人"がステージに立った!

 

 

 

Aqours:今…

 

みらい、変えてみたくなったよ!

 

だって僕たちは まだ夢に気づいたばかり

 

 

きっかけはなんでもいいから

 

いっしょにときめきを探そうよ(わっしょい!ときめきオーライ)

 

本当に望むことなら

 

かなうんだと証明してみるんだ

 

 

ちっぽけな自分がどこへ飛び出せるかな

 

わからない わからないままで

 

(なんとかなるさと)

 

千歌、梨子:Ah! はじめよう

 

 

君のこころは輝いてるかい?

 

胸に聞いたら"Yes!!"と答えるさ

 

この出会いがみんなを変えるかな

 

今日も太陽は照らしてる

 

僕らの夢(Oh yes, Doki-Doki Sunshine)

 

めざめたんだよ(Oh yes, Doki-Doki Sunshine)

 

 

今…

 

みらい、変わりはじめたかも!

 

そうだ僕たちは まだ夢に気づいたばかり

 

 

 

ステージを終えた空は、夕日に照らされて赤に染まっていた。

 

千歌「どっちにするかなんて選べない。だって、どっちも叶えたいから…!」

 

響「ああ、だったら進む道は一つしかない…だろ?」

 

千歌「うん!行くよ!諦めず心が、輝く方へ!」

 

そうして、ラブライブ予備予選も説明会も大成功で終えることができた。

 

 

 

響「さてと…次は俺の番ですか…」

 

Aqoursを見て呟くのであった。1週間後、響にとっての輝きの…始まりだ。

 

 




どうも、銀河のかけらです。いかがでしたか?

ああ〜3話まで来た…!そして、マイ舞に君ここですよ!はい、神回でしたね。3話って。
そして、次回は遂に、響の挑戦も始まります。響の輝きは見つかるのか…?

それでは、今回は以…………………?????????










どうもこんにちは、私は????です。今回は皆さんに伝えたい事があって話しています。

今、私は物語の境目にいます。私の目の前には2つの扉…そこには「2つの世界から選べ」と書いてあります。私には到底選べません…そこで、皆さんに選択する権利を与えます。一つ目の扉は”輝き9”と書いてありますね。そしてもう一つの扉には、新しい世界…?と書いてあります。まあ、2つを選択するのもありですが、後悔のないように…

それでは、あなた自身でお選び下さい。次のステージを…



「2つの世界から選べ」
→輝き9
→新しい世界 10月31日


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????

少し遅れましたが出します。


予備予選が終わり次の日。Aqoursは1日休もうかとしたが、日曜日ということもあり午後は練習することにした。

 

果南「…はい、少し休憩!」

 

千歌「はぁ〜疲れたぁ〜」

 

千歌が地べたに寝そべる。

 

善子「もう…だから次の日は休もうって言ったのに…」

 

花丸「にしては1番最初に賛成したのは善子ちゃんずら。」

 

ルビィ「流石善い子の善子ちゃん。すぐに手を挙げてたよね。」

 

2人の暴露に顔が真っ赤になる善子。

 

善子「う…うっさい!あんた達もでしょ!?」

 

ダイヤ「まあ、響さんが頑張ってますから。」

 

鞠莉「そうね。あんなにやる気を出してるんだから、負けられないわよね。」

 

梨子「そうね…で?千歌ちゃん?歌詞は?」

 

千歌「えぇ!?もう!?」

 

曜「あはは…でも少し早いんじゃない?梨子ちゃん?」

 

梨子「いいえ、やる気がある間に出来しましょうね?」

 

梨子は笑顔で千歌を威圧してくる。

 

千歌「…よーし!練習だー!!」

 

梨子「あっ!?逃げるな!」

 

千歌は走って戻ろうとするが…立ち止まった。

 

果南「……千歌?」

 

曜「どうしたの…千歌ちゃん?」

 

千歌は何か空を見上げていた。

 

千歌「…ね、ねえ…あれ…何…?」

 

梨子「あれ…何…え?」

 

ダイヤ「何ですか…あれは…」

 

Aqoursの全員に見えていた。空に大きな物体が浮いていた。

 

ルビィ「…善子ちゃん?何かした…?」

 

花丸「…そうずら…堕天使とかの力とか…」

 

善子「こんなの…知らない…わよ…」

 

鞠莉「何これ…スピーカー…?」

 

浮いている物体は何やらスピーカーのような形をしていた。

 

果南「ねぇ…こっちに近づいてきてない…?」

 

ダイヤ「大丈夫ですわ…動かないでください!」

 

すると、突然物体が光り出す。

 

曜「うわぁ!?」

 

そして突然何かが鳴り始める。

 

梨子「これ…音楽…?」

 

流れてくるのは音楽のようだが…

 

鞠莉「ラップとかに流れるビートみたいね…」

 

ルビィ「何でラップの……っ!?!?」

 

その音楽が流れた途端、ルビィが突然倒れる。

 

ダイヤ「ルビィ!?どうし…ぅ…」

 

果南「ダイ…ゃ…」

 

花丸「ルビィちゃん!?どう…ぇ…?」

 

それに続いて次々と倒れてしまう。

 

善子「っ!?聴いちゃダメよ!?」

 

善子は咄嗟に耳を塞いで音を遮る。しかし、時すでに遅し。善子も倒れてしまう。

 

梨子「善子…ちゃ…み…な…」

 

曜「梨子…ちゃ…ち…か…に…げ…」

 

鞠莉「っ!?千歌っち!?逃げて!」

 

千歌「…でも!?」

 

鞠莉「いいから…逃げな…さ…い…」

 

鞠莉も言いかけて倒れてしまう。

 

千歌「…うわぁ!!」

 

千歌は涙を流しながら走る。必死に…必死に…

 

千歌「(逃げるってどこへ…?響くん!!響くんの所…)」

 

 

 

 

 

 

 

グラァ……

 

千歌「あ…ぇ……?」

 

千歌もとうとう走れなくなり膝から崩れ落ちる。

 

千歌「みんな……響…く……ぅ…」

 

全員が倒れてしまい、しばらくして屋上の扉が開かれる。

 

響「みんな遅れてご…め…ん…」

 

響が見た光景は9人が倒れている。まさに地獄のようだ。

 

響「え…?みんな…?おい!!千歌!?曜!!梨子!?」

 

響はそれぞれの体を揺らしたりしたが、意識はない。

 

響「な…んで…」

 

 

 

うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

東京都のお台場にあるとても大きな建物。ここは虹ヶ咲学園。自由な校風と専攻の多様さで人気の高校だ。

 

そして、ここでもスクールアイドルがいる。

 

しかしここではスクールアイドル"同好会"として、12人が時にライバルとして、時に仲間として活動している。そして高咲侑を加えた13人で日々活動していた。

 

侑「ふー…今日も同好会頑張るぞ〜!!」

 

スクールアイドルフェスティバルも成功に終わり、侑も音楽科への転入試験も合格。順風満帆の学校生活だった。

 

侑「…にしてもみんな遅いなぁ…誰かは来てもいい時間なのに…」

 

侑は部室で待っていたが誰も来ないことに違和感を抱いていた。

 

侑「あ、あれ…?もしかして休みだったっけ…?」

 

侑が予定表を確認していると、乱暴に部室のドアが開かれた。

 

バンッ!!

 

侑「うわぁ!!??」

 

侑「えっ!?誰?…って歩夢か…も〜驚かせないでよ〜」

 

来たのに侑の幼馴染の歩夢のようだ。

 

歩夢「はぁ…はぁ…」

 

しかし歩夢は何やら息が切れて顔色も悪い。

 

侑「…歩夢…どうしたの…どこか体調でも…」

 

歩夢「………て…」

 

侑「……え?」

 

歩夢「お願い…早く…逃げ…ぇ…」

 

侑「歩夢!?ねぇ!?歩夢!?」

 

歩夢はそのまま侑にもたれかかるようにして倒れてしまった。

 

侑「…嘘…意識ない…」

 

侑「誰か…!?」

 

するとまた部室のドアが乱暴に開けられる。

 

「侑ちゃん!!」

 

「大変なの!!」

 

来たのは音楽科の友達のようだ。

 

侑「あぁ…助けて…!歩夢が…!歩夢がぁ…!!」

 

「え!?どういうこと…?」

 

「何が…起こってるの…?」

 

友達の2人は顔色が真っ青になる。

 

侑「何か…あったの…?」

 

「えっとね…?」

 

「落ち着いて聞いてね…この1時間くらいで…

 

 

 

同好会のみんなが…意識不明で病院に運ばれたの…」

 

 

 

 

 

 

 

侑「…………え?」

 

侑の意識はここで無くなった。

 

 

 

 

 

 

 

同じく東京。表参道、原宿、青山の3つの街のはざまには新設校があった。

 

結ヶ丘女子高等学校。

 

その学校に出来たスクールアイドル…Liella!

 

Liella!は澁谷かのん、唐可可、嵐千砂都、平安名すみれ、葉月恋の5人によって構成されている。

 

今は、放課後の練習中だ。

 

可可「はぁ〜疲れたデス。」

 

すみれ「全くこの程度で限界だなんてまだまだね。」

 

可可「むっ…グソクムシに言われたくないデス。」

 

すみれ「グソクムシ言うなぁ!!」

 

すみれが怒り可可を追いかける。

 

千紗都「でも前よりは体力もついてきたと思うよ?」

 

恋「はい、とても努力していますしね。」

 

可可「千紗都…!レンレン…!」

 

可可は目を光らせて2人に感謝していた。

 

千紗都「…そういえばかのんちゃんは?」

 

恋「曲の確認がしたいから先に行っててとおっしゃってましたが、にしては遅いですね。」

 

すみれ「…何かミスを見つけたんじゃないの?」

 

可可「あっ!来たデス!」

 

屋上のドアが開かれたが、その瞬間人が倒れてきた。

 

すみれ「かのん…?」

 

千紗都「かのんちゃん!?」

 

かのんがドアが開くと同時に倒れてしまった。

 

千紗都「かのんちゃん!?ねぇ!」

 

千紗都が先に駆け寄り、3人もそれに続く。

 

すると、まだ意識はあるのか、ボソッと何かを発した。

 

かのん「……げ…て……」

 

恋「…え?」

 

可可「今何て言ったんデスか?」

 

かのん「お願い……私のことは置いて逃げて……!」

 

千紗都「…どうして!?そんなこと出来るわ……」

 

恋「千紗都さん?どうしました?」

 

千紗都の身体が震え出す。

 

千紗都「ねぇ…あれ…何?」

 

すみれ「あれ?何よそれ……え?」

 

可可「何デスかあの黒い物は!?」

 

そこにあるのは黒い物のようだ。そして、突然音楽が流れ出す。

 

恋「嫌な予感がします。一度逃げ……」

 

すみれ「恋……!あ……れ…?可可…逃げ…」

 

可可「すみれ!?千紗都…!ここは一度……」

 

千紗都「うぅ……かのん……ちゃ……」

 

Liella!の5人もまた、不思議な音によって倒れてしまった。

 

そして、その黒い物は跡形もなく、消え去った。

 

 

 

 

 

 

 

「ん…んぅ…はっ!?」

 

高海千歌は意識が戻った。だが、場所は屋上ではない。路地裏で横に倒れていた。

 

千歌「何でこんな所に…あれ?みんなは…?」

 

千歌はみんながいないことに気づいて探し出す。

 

千歌「曜ちゃ〜ん!梨子ちゃ〜ん!!果南ちゃ…えっ…?」

 

千歌は探すために路地裏を出ると…そこはまさに別世界だった。

 

千歌「何でこんな…ビルが…」

 

周りを見渡すとビルが見え、確実に内浦ではないのは確かだ。

 

千歌「ここ…どこ……えっ!?」

 

千歌は近くの看板を見て言葉を失った。

 

 

 

千歌「池…袋…?」

 

 

 

千歌「何で…うわぁ!?」

 

突然何かに躓いてしまった。そこにあったのは…1つのマイクだった。」

 

千歌「何…このマイク…」

 

千歌はマイクをよく見てみる。

 

千歌「何か書いてある…」

 

そのマイクにはそのマイクの名前なのか、ある単語が書いてあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

千歌「ヒプノシス…マイク…?」

 

 

 

 

 

 




どうも、銀河のかけらです。
????を見た皆さん、いかがでしたか?

この小説を見た方には分かったと思いますが、ラブライブとヒプノシスマイクのクラスオーバーを書きたいと思います。
????を見てニジガクやLiella!がいると思った方がいると思いますが、この世界はサンシャイン、ニジガク、スーパースターの3つの世界が同時期という設定です。簡単に言えばスクスタです。
そして、「輝きと暗闇」のパラレルワールドとなっております。

はい、簡単に紹介しましたが、いずれ1話を公開するのでお待ちください。
輝きと暗闇も変わらず更新するのでそちらもお楽しみに。
それでは今回は以上。銀河のかけらでした。


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9話

はい、お久しぶりでございます。
しっかりとラップ制作の勉強してました。

それでは9話、どうぞ!


予備予選も説明会も終わり、普通の学校生活が始まる…が、もう一つの戦いが待っていた。

 

千歌「おはよー!!」

 

曜「千歌ちゃん、おはヨーソロー!」

 

梨子「千歌ちゃん、ギリギリだったね。」

 

千歌は安定の遅刻ギリギリでの登校だ。

 

千歌「あはは…でも遅刻じゃないからセーフ!」

 

梨子「アウトです。ってあれ?響くんは?」

 

曜「ほんとだ…お休みかな…?」

 

先生によると連絡も来てないという。だが、響は休むときも連絡しないのでいつも通りと言ったらそれで終わりだった。

 

千歌「それじゃ放課後響くんの家に行かない?」

 

曜「そうだね、練習も休みだもんね。」

 

梨子「じゃあせっかくだしみんなで行かない?」

 

千歌「いいね!Aqoursで響くんの家に行くぞ〜!!」

 

 

 

果南「で、9人で行って本当に大丈夫なの?」

 

Aqoursの面々は響の家の前にいる。

 

ダイヤ「本当ですわ。今日は欠席したのでしょう?もしかしたら体調不良かもしれませんし…」

 

善子「でもいつも休みの連絡ひとつも入れないじゃない…あいつ…」

 

鞠莉「そうよ。響は多分体調悪かったら連絡するわよ。」

 

花丸「そうずら。それが響くんずら。」

 

ルビィ「響くんはそういう性格だもんね。」

 

響は意外と真面目だ。そういう時はしっかりしているのだ。

 

千歌「響くーん!!」

 

曜「インターホン押さないの?千歌ちゃん。」

 

梨子「どうせ出ないわよ。」

 

確かに響はインターホンに全くと言っていいほど反応しない。もはや付けてる意味はない…飾りとなっていた。

 

千歌「む〜…相変わらず響くんは…鞠莉ちゃん!」

 

鞠莉「オーケー!!響の鍵!!」

 

鞠莉は当然の如く響の家の鍵を出して鍵を開けた。

 

千歌「おじゃましま〜す!」

 

梨子「確実に不法侵入よね…これ…」

 

善子「いいのよ。響だし。」

 

花丸「ダメなはずだけど納得してしまうのが謎ずら。」

 

鞠莉「響の部屋は〜ココ!」

 

鞠莉はおもいっきり響の部屋を開ける。

 

曜「響く〜ん…ってあれ?寝てるの?」

 

響は机に突っ伏して眠っていた。パソコンも付けっぱなしで。

 

梨子「全く…風邪引くわよ…?…あら?」

 

果南「どうしたの?梨子ちゃん?」

 

梨子は付けっぱなしのパソコンを見てあることに気づいた。

 

梨子「これ…前聞いた曲じゃない…」

 

善子「ただ他の曲作ってるだけじゃないの?」

 

梨子「そうかな…もう予選1週間前よ?」

 

曜「確かに…響くんなら結構調整するような…」

 

千歌「響く〜ん?起きて〜!!」

 

響「んん……ぁ…あれ?みんな…来てたの?」

 

響は重い瞼を開けて軽く体を伸ばす。

 

響「おはよう…で?何か用?」

 

善子「用って…あんた何休んでんのよ?サボり?」

 

響「まぁ…サボりだな。正直言って…」

 

ダイヤ「さ…サボり…?ぶっぶーーですわ!!いけません!!サボりなど…!?」

 

鞠莉「ダイヤ…どうどう…」

 

果南「響にも何かわけがあるんだよ?…多分。」

 

ダイヤはとても怒ってたがそれを鞠莉と果南が抑える。

 

響「…曲…作り直してんだよ。1から…」

 

ルビィ「え!?なんで!?」

 

千歌「あの曲いい曲だったじゃん!」

 

千歌達は前に響に予選で使う曲を聴いてもらっていた。いつも通りの響のいい曲だった。

 

響「ああ…良い曲だ…正直いけると思った…でも、それは違った…見たんだよ…」

 

花丸「見たって…なにを…?」

 

響「去年の…チャンピオンを…」

 

響は昨年のM.D.Liveのチャンピオンのパフォーマンスを見た。そして、衝撃を受けた。

 

響「俺は舐めてた…あそこはただの大会じゃない…戦場だ…目で分かったよ。奴らの中には生活を懸けてる奴もいる…甘かったんだよ…この曲じゃ…戦えない。」

 

それで響は1から曲を作っていたのだ。

 

千歌「要するに響くんは去年のチャンピオンと戦えないってこと?」

 

響「ああ…全く違った…」

 

千歌「それで何か変える必要ってあるの?」

 

響「え…?それってどういう…」

 

千歌「また焦ってない?響くん?響くんは響くん。響くんにしか出来ない音楽で勝負すれば良いんじゃないの?」

 

響「俺の…音楽か…ははは…忘れてたわ。」

 

今、いつもの響に戻った。目の奥に炎を燃やす…アツい男が…

 

響「悪い…明日は学校行くから今日は帰って…?俺は俺のやるべきことをするから。」

 

千歌「うん。分かった。」

 

そして、次々と響の部屋から出てまた1人となる。

 

響「さてと…せっかく教えてもらったんだ…答えないとな。」

 

 

 

そしてM.D.Live静岡県予選当日。会場にはチャンピオンを目指す者で溢れかえっていた。その中にもちろん響の姿もある。

 

千歌「響くん!頑張って…!」

 

ルビィ「がんばルビィだよ!」

 

鞠莉「負けたら許さないわよ?」

 

響「はは…大丈夫…。俺はみんなに音楽を聴かせるだけだよ。」

 

 

 

会場には多くのアーティストがいた。しかも全員緊迫な雰囲気を放っていた。全員、この後の未来が懸かっているのだから。

 

響「なんかこの空気嫌だな…」

 

「君、この大会初めて?」

 

突然声をかけられた。

 

響「ソロでは初めてですけど。」

 

「そっか…残念だな…」

 

響「どういうことですか…?」

 

「いや、今まで初参加は絶対予選落ちだからな…残念だなって…」

 

響「ふぅん…」

 

「失礼なこと言って悪い。お互い頑張ろう。」

 

響は彼からの言葉を聞いて、この空気などどうでも良かった。

 

響「想像以上だ…!絶対無理…?無理っていわれちゃうと…見せたくなっちゃうんだよな……奇跡を…」

 

 

 

そして静岡県予選が始まった。予選は上位3人が東海大会に出られる。

 

千歌「みんなレベル高いね…」

 

鞠莉「流石プロを目指すだけあるわね…」

 

ダイヤ「ええ…ですが響さんなら大丈夫ですわ。」

 

ルビィ「うん、きっと…」

 

そして遂に響の出番がやってきた!

 

「それでは!続いては初出場です!西木野響!!」

 

スポットライトが響を照らす。ステージの真ん中に響は立っていた。

 

響「………………。」

 

千歌「響…くん?」

 

すると音が流れ始め、響が口を開く。

 

響「…Fly with me…」

 

響の声と同時に曲はファンファーレのように始まる。

 

曜「始まった…」

 

鞠莉「あら…?」

 

ダイヤ「しかし、これって…」

 

梨子「あの時聴いた曲じゃない…?」

 

響はゆらゆらと動きながらマイクを近づけ、歌う。

 

 

 

響:Money make the world go around

 

Money make this flow so dum

 

Goddamn you monopoly

 

My brain must be blown out wild

 

I guess we just plowing fields now

 

Damn it’s monophonic

 

 

 

Honey make the world get down

 

We gotta get the word out now

 

We playing this monopoly

 

Were blind now paying the price

 

I guess we just plowing fields now

 

Damn this monopoly

 

Ridiculous

 

 

 

Its time to get down with me

 

Or you can get high with me

 

Its time to get down with me

 

And maybe you will Fly With me

 

 

 

花丸「え、英語…!?」

 

ルビィ「何言ってるか分からないよ…」

 

観客も突然の英語で戸惑いを隠せないようだ。しかし、響は全く気にしない。

 

 

 

響:I’ve got bored playing boards with you metal boys

 

We gotta make some f**king money for the better parade

 

You may’ve mayfair

 

you played fair

 

but I have found the stairs

 

Where we can stare at the world beyond the waves

 

 

 

It’s been there for all this time

 

but we were blind folded and our wings were tide

 

but now I know this game was just a shallow trick

 

Yeah I’m done who’s up for a higher trip?

 

 

 

鞠莉「ラップね…」

 

果南「ねえ、2人は歌詞の意味分かるの?」

 

ダイヤ「ええ…一応…しかし…」

 

 

 

Money make the world go around

 

Money make this flow so dum

 

Goddamn you monopoly

 

My brain must be blown out wild

 

I guess we just plowing fields now

 

Damn it’s monophonic

 

 

 

Honey make the world get down

 

We gotta get the word out now

 

We playing this monopoly

 

Were blind now paying the price

 

I guess we just plowing fields now

 

Damn this monopoly

 

Ridiculous

 

 

 

Its time to get down with me

 

Or you can get high with me

 

Its time to get down with me

 

And maybe you will Fly With me

 

 

 

響はこの言葉を観客に投げ掛けるように歌う。

 

 

 

Its time to get down with me

 

Or you can get high with me

 

Its time to get down with me

 

And maybe you will Fly With me

 

Its time to get down with me

 

Or you can get high with me

 

Its time to get down with me

 

And maybe you will Fly With me

 

 

 

善子「つまらないマネーゲームには興味はない…響らしいわね。」

 

ルビィ「善子ちゃん分かるの!?」

 

花丸「流石未来ずら〜」

 

 

 

Money make the world go around

 

Money make this flow so dum

 

Goddamn you monopoly

 

My brain must be blown out wild

 

I guess we just plowing fields now

 

Damn it’s monophonic

 

 

 

Honey make the world get down

 

We gotta get the word out now

 

and let them know we party

 

with our own precious army

 

I guess we should leave all behind

 

and just ride on this battle ship

 

 

 

響が歌うのをやめ下を向く。

 

曲が終わり静かに光が消える。数秒の沈黙も、観客によってかき消された。

 

わあああぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜!!!!

 

会場はここ1番の盛り上がりを見せ、一部ではアンコールの声もある。

 

響はそんな声も気にせず裏へと戻る。

 

「……………。」

 

他の出場者は響の道を開けるかの如く避けていた。そして、前を通る響をじっと見つめていた。

 

そして1人控え室に戻る。

 

響「ふー…中々の出来だったな。さて、帰っ…!?!?!?」

 

すると響が呻き声をあげ床に倒れる。

 

響「ぐぅ…頭が…割れる……」

 

響は意識が朦朧とする。

 

 

 

「もう………れたんだ……」

 

「ごめん………」

 

「……………」

 

 

 

響「はっ…!はぁ…はぁ…」

 

響は意識を懸命に取り戻す。気づいたら頭痛も消えていた。

 

響「何が…あったんだ…?」

 

響は頭痛の原因を探そうとしたが、頭が働かない。

 

響「ダメだ…とりあえず帰るか…」

 

響は重い足取りで会場を後にするのであった。

 

 

 

 

 

 




どうも、銀河のかけらです!いかがでしたか?

作中で響が歌ったのはmillennium paradeのFly with meです。歌詞が英語ですが、訳すと凄く面白い歌詞となっているので是非チェックしてみてください!

それでは今回は以上!銀河のかけらでした!


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10話

お待たせしました。
少し休みすぎました。申し訳ないです。

それでは10話、どうぞ!


千歌「ふんふ〜ん♪」

 

響「えっと…これはもっとこうした方が良いか…」

 

千歌はご機嫌に部室の掃除をしていた。響も曲作りに励んでいる。

 

曜「ね、ねえ…」

 

千歌、響「え?どうしたの?」

 

梨子「凄いハモリね…」

 

千歌「千歌はいつも響くんとは仲良しだよ?」

 

響「そうそう、いっつも仲良く話してるもんな〜」

 

善子「気持ち悪っ!?」

 

千歌、響「気持ち悪いとは失礼な!?」

 

花丸「今日は善子ちゃんに同意ずら。」

 

千歌と響は気持ち悪いくらいに機嫌が良い。それに比べ他のメンバーは何やら緊張している。

 

果南「ねえってば!」

 

ダイヤ「2人は今日何の日かお分かりですの?」

 

千歌「え?予備予選の結果発表じゃないの?」

 

響「こっちも予選の結果発表。」

 

千歌と響はしっかり分かっていたので他のメンバーに驚かれる。

 

花丸「覚えてたずら!」

 

鞠莉「分かってるにしては結構余裕なのね?」

 

響「お前ら少しは自信っていうのを持てよ?あのパフォーマンスで落とすだなんてただのバカだね。」

 

果南「それは言い過ぎ。」

 

響「じゃあ目ついてないんだよ。」

 

千歌「あれだけ上手く出来たんだよ!大丈夫だって。それに…」

 

千歌は昨日の夜、聖良とテレビ通話していた時、

 

聖良「私が見る限り、トップ通過は間違いないと思いますよ?」

 

千歌「本当ですか!?」

 

そう言われたので今日自信満々で来たのだ。

 

響「そうそう、大丈夫だって。」

 

ルビィ「あっ!来ました!!」

 

千歌と響以外が固唾を飲んで見守る。

 

ルビィ「予選…通過!!」

 

千歌「ね?言ったでしょ?」

 

梨子「響くんは?」

 

響「……ほら。」

 

響は自身のスマホでトップ通過という旨のページを見せた。

 

曜「Aqoursも響くんもトップ通過!!」

 

花丸「やったずらー!!」

 

果南「うむ、良きに計らえ。」

 

善子「鞠莉!」

 

鞠莉「オーイェス!」

 

みんなそれぞれで喜びあっていた。

 

ダイヤ「果南さん…鞠莉さん…」

 

響「………?」

 

ダイヤだけ、何やら物足りないような感じだった。

 

 

 

千歌「あぁ………」

 

響「テンション低っ!?」

 

曜「急にどうしたの!?」

 

千歌はさっきの余裕が嘘のように無くなっていた。

 

千歌「いや、ラブライブ!と説明会あったでしょ?だからお金が…」

 

善子「もう無くなったの!?」

 

果南「前集金したのにもう足りなくなったの?」

 

千歌「…………響くん!!お金を……!」

 

響「はぁ!?なんで部室に俺の金使わないといけねえんだよ!」

 

千歌「ですよね…」

 

花丸「さっきの友情がすぐにもと通りずら。」

 

曜「じゃあバイトする?」

 

ルビィ「バイト?」

 

曜「水族館なんだけど、人手が足りなくて10人だったら喜んで受け入れてくれると思う!」

 

千歌「おぉ〜良いね!じゃあ週末はみんなでバイトだぁ〜!」

 

響「あっ!ごめん、俺パスする。」

 

曜「えっ!?なんで?」

 

善子「まさか…」

 

ルビィ「また部屋に籠る?」

 

花丸「サボりずら?」

 

響「なんだこの一年組の俺への評価の低さは…」

 

梨子「で?サボりなの?」

 

響「違えよ!用事入ってるの!あっ、それで2週間くらい休むから。」

 

善子「はぁ!?どんな用事よ!?」

 

響「あっ時間だ…それじゃ、またね〜」

 

善子がうるさく喚いているが、そんなの聞いてる暇はない。

 

響「さてと…仕事しますかね…」

 

 

 

「遅いぞ!何してたんだよ?」

 

響「うるせえよ…涼也。」

 

涼也「怖い怖い…では、今日からお願いしますよ?私への捜査協力を…」

 

響のいう用事は涼也への捜査協力のことだった。

 

響「…ほら?」

 

涼也「なんです?その手は?」

 

響「報酬。前払い。」

 

涼也「いやいや、成功する保証は…」

 

響「え?何?これくらいのことはしてほしいな〜。ダメだったら涼也の同期にでもこのことバラそっかな〜?」

 

涼也「ひ、響?」

 

響「確実にやりすぎな協力だしそれを揉み消して全て1人でやったことにする…そんなことバレたらどうなるのかな〜?」

 

涼也「分かったよ!払います!!」

 

響「それでよろしい。それで?潰すと言われただけだけど、何を潰すつもり?」

 

涼也「ほらよ?」

 

響は涼也にこれから扱う案件についてまとめてある資料が渡された。

 

響「…なあ?本気で言ってる?」

 

涼也「あぁ…怖気ついた?」

 

響「いいや?面白いじゃん!」

 

涼也「お前ならそう言うと思ったよ!」

 

涼也は車を走らせる。

 

響「さて、クスリを売る企業を捕まえますか。」

 

 

 

響「それで、手がかりはあんの?」

 

涼也「手がかり?一つだけ言えんのは名古屋を拠点にこっそり販売してるってところかな?」

 

響「ふーん…」

 

響と涼也はそれでまずは名古屋に向かった。

 

響「流石に拠点だけだとしょっぴくのはキツいぞ?」

 

涼也「だからお前の頭脳を頼ってんだよ?」

 

今回は涼也の力ではどうにもいかないので響に頼った…そんな経緯だ。

 

涼也「企業の情報でもわかれば良いのに…」

 

響「へえ…情報…ね。」

 

涼也「これだと少しずつ集めるしかないか…」

 

響「なあ…半日俺にくれない?」

 

涼也「何する気ですか?」

 

すると、響はパソコンと大きな機械を出して何か作業を始める。

 

響「遊ぶんだよ。」

 

涼也「遊ぶって……はぁ…明らかに高校生がやる動作じゃないんだけど。」

 

響は次々といろんなページを開いていく。

 

響「大丈夫。少し売人共の企業のインターネットをハッキングするだけだから。」

 

響はあっさりと口にした。

 

涼也「やれやれ…味方なら心強いけど、敵にしたらこれほど恐ろしい奴はいねえな。」

 

涼也は響に集中させるために口を閉じた。それにより聴こえるのは響のパソコンのキーボードの音だけになった。

 

 

 

 




どうも、銀河のかけらです!いかがでしたか?

今回から数話は響と涼也の物語です。それにより、2期の4話、5話の内容は描写しません。申し訳ないです。
でも、結構重要なのでお楽しみに!

それでは今回は以上!銀河のかけらでした!


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11話

プロ野球の日本シリーズ…面白すぎる……
こんな楽しい日本シリーズ久しぶりだ……

それでは11話、どうぞ!


名古屋。人も多く、街では毎日のように盛り上がりを見せている。名古屋城が見つめる中、人々は平和に暮らしている。

 

そんな名古屋…いや、平和な場所でも、裏が存在する。

 

日々犯罪が絶えず、人目のつかない場所では違法な物も売られる。世界とはそんなものだ。平和など、口だけ。完全な平和など、人間がなくならない限りありえない。そう言う者も少なからずいるだろう。

 

だが、この2人はそんなものを目指している。

 

涼也「…対象は?」

 

響「まだ来てない。俺の情報通りなら後10分くらいかな。」

 

涼也「了解。響は奴らが逃げたら対処頼んだぞ。」

 

響「はいはい…ったく…結局雑用かよ。」

 

2人は今、違法薬物の売買を取り締まる為に張り込んでいる。響が以前入手した情報によるものだ。

 

響「それで?奴らはどんなクスリを売買するつもりだ?」

 

涼也は険しい顔をしながら答える。

 

涼也「ブルンダンガってクスリだ。」

 

響「ブルンダンガって昔CIAとかが自白剤として使ってたヤツか?」

 

涼也「ああ、吸引したら数秒で感覚と記憶を失うっていう代物だ。」

 

響「へえ…売るやつも買うやつも馬鹿だな。」

 

響も声のトーンがさっきよりも下がっている。

 

涼也「それでもこの世界には馬鹿はたくさんいるんだよ。」

 

2人が喋っていると、人影が見えた。

 

響「来たな。」

 

涼也「みたいだね。」

 

相手は2人。1人は売人でもう1人はおそらくただの一般人ってところか。

 

涼也「受け取ったら私から行く。響も準備を…」

 

響「りょーかい。」

 

2人は取り引きの様子をじっと見つめている。

 

「ブツを早くくれ…!おかしくなりそうだ…!」

 

売人「いいぜ。ただし値は付くけどな。」

 

奴らは響達に気づく素振りもない。

 

響「(……受け取った!)」

 

クスリを受け取った瞬間、涼也が飛び出していく。

 

涼也「警察だ!!大人しくしろ!!!」

 

「け、警察!?」

 

売人「チッ…」

 

「う…うわぁ!!!」

 

奴らは二手に分かれて逃げてしまった。

 

涼也「チッ…追うぞ!!」

 

響「んなこと分かってるよ!!」

 

対して涼也は売人に、響は買った奴を追いかける。

 

 

 

「はぁ…はぁ…はぁ…」

 

響「はっ…待て!!」

 

奴は逃げるが、そこまで速くはない。響がどんどん距離を詰めていく。

 

響「待てっ…て!!」ドカッ

 

「ギャッ…!」

 

響は奴にタックルを仕掛ける。それが見事に命中し奴は倒れる。

 

響「よし、ほらよ。」ガシャン

 

響は涼也から借りた手錠で相手を拘束した。

 

響「よし、さてと…クスリは?」

 

「………………。」

 

奴は項垂れたまま動かない。

 

響「はぁ…ってあれって…」

 

響が見る方に何か白いものが入った袋が落ちていた。

 

響「さっき落としt………」

 

……ズキッ!!!

 

響「ガッ……!ううう………頭……が……!」

 

響は突然頭を押さえて項垂れる。

 

響「(やばいやばいやばい!!!頭が割れる……!!!)」

 

響「ぐぅ……!」バタッ

 

響はとうとう立てなくなって力なく倒れてしまう。

 

響「はぁ……はぁ……」

 

響「(や……ば………意識……が……ぁ……)」

 

響の意識は痛みに耐えきれず闇に落ちた。

 

 

 

 

 

 

 

「ねえ、君1人?」

 

 

 

 

 

 

 

「私は1人でも多くの人を音楽で助けたい」

 

 

 

 

 

 

 

「いつか一緒に活動しようね?響!」

 

 

 

 

 

 

 

「響……?響……!響!!!」

 

響「……ハッ!!」

 

涼也「良かった…無事だったんだな?」

 

響「へ…?俺…何してた?」

 

涼也「ここで頭押さえて倒れてたんだよ。忘れたのか?」

 

響「えっと…あまり……」

 

響は頭を掻きながら思い出すも、いまいち思い出せない。

 

響「あっ!奴らは!!?」

 

響は見渡すと奴らの姿はない。逃げてしまったのか…?

 

涼也「もう俺の部下に引き継いだよ。しっかり2人、現行犯逮捕した。」

 

響「そうか…良かった。」

 

涼也は心配そうに響の顔を覗いている。

 

涼也「響、もう今回は手を引いていいぞ。」

 

響「は?どうして?まだ親玉は逮捕してない…!」

 

涼也「まずは倒れた原因を掴め。今回は俺も頼りすぎた。すまない。」

 

響「……………。」

 

涼也「送るよ。」

 

涼也は自分の車の方へと歩いて行った。

 

響「なあ、だったら…駅までお願いできる?」

 

 

 

東京。

 

「では、お薬出しておきますね?」

 

彼女は西木野真姫。西木野総合医院の若き院長だ。若いが医療の腕は日本でトップクラスだ。

 

真姫「ふー…」

 

「お疲れですね。院長?」

 

真姫「ああ…ありがとう。でも頼ってくれる人がいるんだもの。投げ出す訳にもいかないわ。」

 

「次で最後ですが、患者をお通ししますね。」

 

真姫「ええ、お願い。」

 

真姫「次は……」

 

「久しぶり…姉さん。」

 

その声は真姫にとっては何度も聞いた馴染みのある声だ。

 

真姫「今日はどうしたの?響?」

 

響「あはは…ちょっとね…」

 

響は真姫の前にあるイスに座る。

 

真姫「頭痛…?いつから?」

 

響「多分新学期始まった頃から。突発的に起こるからよく分からないんだけど…」

 

真姫「どんな痛み?」

 

響「最近は頭が割れるくらい痛い。」

 

真姫は考える間もなくさらっと答える。

 

真姫「……おそらくストレスから来るものよ。」

 

響「へ?そんなもん?」

 

真姫「そんなもんってストレスを舐めちゃダメよ?気づかないうちに溜め込んでしまう恐ろしいものなんだから。」

 

真姫はそう言って何かを書き始める。

 

真姫「まずは薬出すからしっかり飲むのよ?」

 

響「分かってるよ。じゃあ帰るね。」

 

真姫「ええ…お大事に。」

 

響がいなくなったので静かになった。

 

真姫「はぁ…辛いわね…この立ち位置も……」

 

真姫はため息を吐きながら残った仕事を片付ける。




どうも、銀河のかけらです!いかがでしたか?

響の様子がおかしい…それと真姫も何か…?次回で一区切りで予選に戻ります。お楽しみに!

それでは今回は以上!銀河のかけらでした!


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12話

テスト…やっと終わった……
疲れた………

てなことで12話です。どうぞ!


真姫は仕事を終えて家に帰ろうとしていた。真姫はいつも最後まで残るので戸締まりも彼女の仕事だ。

 

真姫「…はぁ…いつまで隠せば良いのかしら。」

 

真姫はさっき来た響の事を考えていた。響は夕方来て飛ぶようにすぐ帰っていった。

 

真姫は響の事を考えてため息を何度も付いている。

 

真姫「…帰ろ。」

 

真姫が病院から出てすぐに、真姫はハッとした。見る先に真姫の知る人物がいたからだ。

 

にこ「相変わらずお疲れのようね。」

 

真姫「にこちゃん?どうしてここに…仕事は?」

 

にこ「そんなのとっくに終わってるわよ。で、絵里も誘ったってわけ。」

 

そこには絵里とにこが待っていたのだ。

 

真姫「絵里?仕事は終わったの?

 

絵里「大きな裁判が終わったから少し休暇とったの。」

 

真姫「そ、そう…で?ここまで何しに来たの?」

 

するとにこが真姫の手を取って歩き出す。

 

真姫「え!?ちょっと!にこちゃん?」

 

真姫はまさか手を握られると思わなくて少しだが慌てる。

 

にこ「どこって?私の家よ!」

 

絵里「ってこと。行きましょう?」

 

真姫はにこに引っ張られながらにこについて行くことしか出来なかった。

 

 

 

そのまま連れてこられたにこの家はマンションの一室だった。

 

真姫「へ〜結構良い所住んでるのね?」

 

にこ「真姫ちゃんほどじゃないけどこう見えてバラエティ番組引っ張りだこのアイドルよ?」

 

絵里「そういえばアイドルだったわね。にこ。」

 

にこ「はあ?忘れてたの?結構テレビ出てるつもりなのに…」

 

絵里「ごめんごめん、あまりテレビ見ないから。」

 

するとにこは冷蔵庫からジュースを取り出して2人に注ぐ。

 

にこ「悪いわね。ジュースしかないけど。」

 

真姫「別に良いわよ。飲みに来た訳でもないし。」

 

絵里「私も、2人と話すだけでも楽しいわよ。」

 

そして3人で乾杯し、それぞれの近況や仕事の事など沢山の事を話した。真姫にも自然と笑顔が漏れ、その場の雰囲気はとても良かった。

 

そしてしばらくして、にこが本題を切り出した。

 

にこ「ねえ、何か隠してるわよね?私達に。」

 

真姫「っ…!……いや、何も隠してないわよ?」

 

にこ「…絵里。」

 

絵里「ビンゴね。真姫はほんと昔から嘘つくの下手なんだから…」

 

真姫「……(隠すのは無理…か…いえ…これは身内の問題…)」

 

絵里「身内の問題とか思ってるでしょ?」

 

真姫「っ!?どうして…」

 

絵里には真姫の考えはお見通しのようだ。

 

絵里「あら?弁護士を舐めないで?こうやって表情で隠す人は何人も見てきたのよ。」

 

にこ「私は絵里ほど分からないけど、これだけは言えるわ。1人で抱え込まないで?」

 

にこは真姫の手を握って強く言った。

 

にこ「アイドルの世界もね。こうやって1人で抱え込んで潰れていった子が沢山いるの。それはアイドルだけじゃない。一般人も同じ。お願いだから…抱え込まないでよ…?」

 

真姫は驚いた。まさかにこにここまで必死に言われると思わなかったから。そして同時にどうしたら良いか分からなくなった。

 

真姫「だったら…どうしたら良いのよ!!私は…私は…」

 

絵里「真姫、落ち着いて?」

 

にこ「何があったのよ?」

 

2人は予想以上に真姫が取り乱しているのでこれは只事ではないと感じた。

 

真姫「このままじゃ響が…響が…」

 

真姫は声を震わせている。

 

絵里「響?響に何があるの?」

 

絵里は真姫に抱きついて落ち着かせる。

 

真姫「このままじゃ…このままじゃ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

響が壊れちゃう…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

響「ふわぁ〜ねっむ…早く帰りたい…」

 

響は久しぶりに内浦に帰ってきた。もう遅くなり、辺りは真っ暗だ。

 

響「早く帰って…ん?あれって、3年の奴ら?」

 

響は見ると海岸沿いに果南、鞠莉、ダイヤがいる。何か話してるようだが…

 

響「果南が何かを投げ…ってあいつ何やってんだ?」

 

果南がノートらしきものを海に投げたかと思えばそれを鞠莉が飛び込んでまで取りに行っていた。

 

響「鞠莉?何してんの?もう飛び込む時期じゃないぞ?」

 

鞠莉「うっさいわね!私だって飛び込みたくないわよ!!……って響!?」

 

鞠莉は今気づいたのか響の姿を見て驚いていた。

 

響「今更かよ…で?何してんのー?」

 

鞠莉「あの堅物に言ってやってよ!果南ったら全然聞かないのよ!?」

 

果南「聞かないって私は考えて負担が大きいと思っただけ!!」

 

鞠莉「それはやってみないと分からないでしょ?」

 

響「あの…全く話分かんないんだが…」

 

ダイヤ「私から説明しますわ。」

 

そしてダイヤから一連の事を説明された。次の予選を勝ち抜く為には印象に残るパフォーマンスをしなきゃいけない。それで鞠莉は昔、果南が作ったフォーメーションをしないかと提案した。でもそれで鞠莉は怪我している。だから果南は消極的みたいだ。

 

響「なるほどね…確かに果南の気持ちも分かる。」

 

果南「だったら…!!」

 

響「だからこそ聞く。果南は昔のAqoursを無駄だと思ってる?」

 

昔のAqours…果南達がまだ1年の頃、3人で活動してた頃の事だ。

 

果南「無駄な訳ないじゃん…!怒らせたいの…?」

 

ダイヤ「果南さん落ち着いてください…」

 

果南は拳を強く握りながら響を睨む。

 

響「俺はさ…3年からこの話を聞いてから、Aqoursは今第2章だと思ってる。でもさ、第1章ってまだ未完結だよな?」

 

果南「それは……」

 

鞠莉「そうね。だったら見せましょう?私達が夢見たAqoursを…完成したい!!」

 

ダイヤ「私も賛成ですわ。私も見てみたい…夢見たAqoursの姿を…」

 

響「ほら、親友の2人が言ってるよ?それとも、このまま未完結にする?」

 

3人は果南を見つめる。

 

果南「限界だと感じたら…すぐに止める。」

 

果南はそう言って響にあのノートを手渡す。

 

響「そうこなくちゃね。」

 

響はノートにあるフォーメーションを一通り見る。

 

響「ふふっ……凄え…これ出来たらマジで面白いことになるぞ…」

 

響は果南のフォーメーションに驚いた。

 

響「(Aqoursがこのパフォーマンスを…だったら…負けてらんねえな…)」

 

響は負けられないと思うのであった。

 

 




どうも、銀河のかけらです!いかがでしたか?

怒涛のテストがやっと終わり、ひと段落つきました。
響が壊れる…?どういうことなのだろうか…
そしてAqoursの予選の行方はどうなるのか?

それでは今回は以上!銀河のかけらでした!


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13話

さて、スクスタのガチャの種類間違えて引いちゃって落ち込んでるかけらですが、13話行きますかね。

それでは13話、どうぞ!




「行きまーす!!」

 

千歌が勢いよく走り出し、空を舞う…はずだった。

 

千歌「ってうわぁ〜!!ドバァ!」

 

千歌はマットの上で転んでしまう。これで何回目か…。

 

響「はぁ…頑張れとは言ったものの…完成度0%じゃねえかよ…」

 

千歌は果南が持ってきたフォーメーションの練習をしている。今回は全員に負担がかかるが、千歌には特に負担が大きい。

 

響「あと予選まで2週間。短いな…しかも完成度を上げるためには1週間前には大まかには完成させなきゃならない。」

 

梨子「とすると後1週間。」

 

曜「千歌ちゃん。大丈夫?ここで怪我したら…」

 

千歌「大丈夫!あと少しで何か掴めそうだから…!」

 

千歌はそう言ってまた走り出すも、結果は同じ…これが何回…何十回…何百回も続いた。

 

 

 

いつもの海岸に移り、千歌は何回も練習していた。それに響、梨子、曜、果南が付き添っていた。もう暗く、夜になっている。

 

響「こんな時間まで良くやるもんだな。」

 

曜「千歌ちゃん…」

 

梨子「こんな遅くまで…それに響くんは大丈夫なの?」

 

響「え?俺?」

 

梨子「名古屋大会。もう少しじゃない。」

 

響にとっての名古屋大会はラブライブ予選の1週間後。意外と時間がない。

 

響「大丈夫。今回も秘策があるから。それに、こんな姿見せられたら、頑張るしかないよな。」

 

響は何度も何度も走っては転んでを繰り返してる千歌を見て言った。

 

梨子「千歌ちゃん、焦らないで!」

 

曜「そうだよ?千歌ちゃんなら出来る!」

 

響「そうそう、みかんバカなんだから、何も考えず自然にやれ。」

 

千歌「うん…分かった。」

 

2年、そしていつのまにかいた1年組も応援する。そして千歌は走り出すも…

 

千歌「うわぁ!!もー!!これ出来るパターンでしょ!?」

 

千歌は寝転んだまま、悔しがる。

 

千歌「何でだろう。何で出来ないんだろう…梨子ちゃんも曜ちゃんも、皆こんなに応援してくれてるのに…」

 

すると2人が千歌に近づいて…

 

曜「普通怪獣ヨウソローだぞ!」

 

梨子「おっと、好きにはさせぬ!りこっぴーもいるぞー!」

 

響「お巡りさんーここに不審者がいまーす。」

 

梨子「やめなさい!」

 

曜「まだ自分のこと普通だと思ってる?」

 

千歌「そうだよ。私は…」

 

千歌は俯きながら話す。

 

梨子「普通怪獣チカチーで、リーダーなのに皆に助けられて、ここまで来たのに自分は何も出来てないって。違う?」

 

梨子にも、曜にも言いたいことは分かってたようだ。

 

千歌「だって…そうでしょ?」

 

響「普通…ね…だったら、今俺たちがここにいるのは誰のおかげ?」

 

千歌「それは… 学校の皆でしょ、町の人達に、曜ちゃん、梨子ちゃん…それに…」

 

響「不正解です。なら質問を変えよう。みんながAqoursなのは誰のおかげ?」

 

千歌「………!」

 

響「答えは分かったな?みーんな、千歌、お前に繋がってる。」

 

曜「千歌ちゃんがいたからスクールアイドルを始めた。」

 

梨子「みんなそうよ。千歌ちゃんだからここまでついて来れた。」

 

2人は千歌に思いをぶつける。

 

梨子「自分の事を普通だって思っている人が、諦めずに挑み続ける…それが出来るって凄い事よ!凄い勇気が必要だと思う!」

 

曜「そんな千歌ちゃんだから、皆頑張ろうって思える!Aqoursをやってみようって思えたんだよ!」

 

すると響が千歌の前に来て、一つ言った。

 

響「こんな言葉がある…"精神的に向上心のないものは馬鹿だ"って言葉。俺はある人に会って間違いだと気づいた。だって前に向上心しかない馬鹿がいるから…馬鹿みたいに前しか見ない馬鹿がいるから…でも、俺はそんな奴が実は凄いと思う。一つのことにただがむしゃらに頑張る…これってちっぽけなんだけど、本当は恐ろしいくらい大きいことなんだよ。だからさ、千歌は千歌らしく、みかんバカでいろ。」

 

そこに、ダイヤ、鞠莉、そして果南がやってきた。

 

果南「千歌、時間だよ。」

 

千歌「うん……っ!!」

 

もう外は明るい。海は青い。当たり前かもしれない。でもその当たり前も難しいかもしれない。世界はそんなもんだ。難しいものだらけだ。

 

でも…でも…そんな難しいことに何百回も挑戦する。そしてその何百回が詰まった千歌は、一番輝いてた。

 

 

 

 

 

梨子・曜:限界までやっちゃえ 最後まで

 

果南・ダイヤ・鞠莉:(どうなる DOKI DOKI WAVE)

 

梨子・曜:じれったい自分越えるときだよ

 

果南・ダイヤ・鞠莉:(そうだWAVE 越えちゃうんだ)

 

善子・花丸・ルビィ:ほかのこと考えられない

 

果南・ダイヤ・鞠莉:(どうなる DOKI DOKI WAVE)

 

善子・花丸・ルビィ:ひとつになった 夢よ走れ

 

果南・ダイヤ・鞠莉:(そうだWAVE 止まれないんだ)

 

千歌:悔しくて じっとしてられない

 

そんな気持ちだった みんなきっと わかるんだね

 

 

 

凄い事とかスポーツの試合のこれだ!ってシーンで時間が止まる様に見える事がある。千歌がロンダートとバク転を決めた瞬間から観客が沸くまでの時間が止まって見えた。

 

響「やっぱり…あのみかんバカって最高だよ…」

 

 

 

全員:できるかな? (Hi) できる! (Hi)

 

叫ぶこころが 

 

千歌:(欲しがる輝き)

 

目の前で君に見せるんだ

 

できるかな? (Hi) できる! (Hi)

 

それしかないんだと 

 

千歌:(決めて)

 

熱い熱いジャンプで

 

あたらしい光 つかめるんだろうか

 

千歌:信じようよ (YEAH) ‟MIRACLE WAVE”が

 

‟MIRACLE”呼ぶよ

 

 

 

ライブ終了後、千歌はメンバーにこんな事を言った。

 

千歌「今日ここでこの9人で歌えた事が本当に嬉しいよ。私達だけの輝き。それが何なのか。どんな形をしているのか。私達9人が見た事。心を動かされた事。目指したい事。その素直な気持ちの中に、輝きはきっとある!皆信じてくれてありがとう!」

 

そして響はステージを見て拳を握った。

 

響「こんな凄えパフォーマンス見せられて、燃えない奴なんていないよな…さて、次は、廃校回避のお時間かな。」

 

廃校決定まで、あと僅か。

 

 




どうも、銀河のかけらです!いかがでしたか?

MIRACLE WAVEです。神曲です。そして、だんだんあれが近づいてる事実。そして、廃校決定まで、残り数時間…

それでは今回は以上!銀河のかけらでした!


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14話

書いててある感情が溢れてきました。


響「まだかよ…アイツらは…」

 

響は彼女達の帰りを待っていた。現在、会場内で決勝大会に進めるグループを発表している。

 

ただ、響は全く心配はしていない。

 

響「ったく…あのパフォーマンスなら絶対上行けるんだからさっさと帰ってこいよ…」

 

完全にAqoursは勝ち上がれると確信していた。あのパフォーマンスを見せられて上がれないのは絶対にない。響はそれほど今回のパフォーマンスには自信があった。

 

すると元気に走ってくるオレンジ色の髪をしたのが来た。

 

千歌「ただいま〜!」

 

響「遅えよみかん頭。」

 

千歌「む!いきなりみかん頭とはなんだ!ひどいよ!」

 

響「はいはいわかったわかった。みんなお帰り。」

 

曜「ただいま!響くん!」

 

千歌「ぐぬぬ…みんなにばっかり優しくして…!」

 

梨子「はいはい落ち着いて?」

 

千歌が響に威嚇してそれを梨子が抑える。

 

響「さて、みんな予選突破おめでとう!」

 

善子「へ?知ってたの!?」

 

ルビィ「発表は夜だったよね?」

 

花丸「まさか善子ちゃんと同じ堕天使ずら…?」

 

出場したメンバーにはもう結果を伝えられたが、一般公開は夜に行う予定になっている。なので響が知っているのはおかしいのだが…

 

響「それはお前らの顔を見てたら分かるよ。希望と自信に満ち溢れる顔。一回見たことからからね。だからこれくらい予想つくよ。」

 

ダイヤ「なるほど…」

 

果南「流石響だね。やっぱ違うね。」

 

鞠莉「ふふ…正解よ。予選突破!しかも1位!」

 

一位と聞いて響はさらにホッとした。みんなで作ったパフォーマンスが評価された。これほど嬉しいものはない。

 

ルビィ「凄い再生されてる!」

 

ルビィが動画サイトを見ると、Aqoursの予選のライブが多くの再生数をたたき出している。

 

千歌「それなら入学希望者も…」

 

響「そうだ…鞠莉!」

 

鞠莉はスマホで確認するも…嬉しいという表情ではない。

 

鞠莉「携帯、フリーズしているだけだよね…昨日だって何人か増えてたし、全く変わってないなんて…」

 

変わっていない…。今日はその言葉がとても重く聞こえた。次の日になる時…0時丁度で、浦の星の運命が決まる。

 

響「大丈夫。まだ焦る時じゃない。」

 

ダイヤ「そうですわ。それに、学校なら正確な数字が分かりますわ。」

 

そうと分かればやる事はひとつだ。

 

千歌「よし、帰ろう!」

 

そうして響達は学校へと戻る。運命に抗うために…。

 

 

 

学校へ戻り鞠莉はパソコンで確認するが結果は同じ…80人。あと4時間で20人。微妙な所だ。鞠莉はお父さんに電話しに行って、9人でパソコンに張り付くように見ている。

 

響「変わらない…か…」

 

1時間たっても依然として変わらない。すると鞠莉が戻ってきた。

 

鞠莉「ウェイティングだったね。」

 

千歌「鞠莉ちゃん!どうだった?」

 

ダイヤ「なんとか明日の朝5時まで延長して貰いましたわ。」

 

響「そうか…よかった…」

 

素直には喜べない。時間が延びただけで状況は変わらない。

 

響「さて、これが良い方向に進めばいいけど…」

 

 

 

9時。

 

入学希望者数は86人まで増えて、後14人。

 

梨子「このまま増えてくれれば…」

 

響「そうだな……ん?千歌?」

 

見ると千歌が何処かへ行こうとしている。

 

善子「ちょっ、どこ行くのよ!?」

 

千歌「駅前!浦の星をお願いしますって皆にお願いして…それから…そうだ!今からライブやろう!それをネットで…」

 

曜「千歌ちゃん!!」

 

曜は千歌に抱きついて落ち着かせる。

 

曜「落ち着いて!大丈夫、大丈夫だよ…」

 

千歌「でも、何もしないなんて…」

 

響「千歌?俺たちはやる事はやった。あとは結果を待つだけ。それだけだ。」

 

果南「信じるしかないよ。今日の私達を。」

 

千歌「っ!そうだ…そうだよね!あれだけの人に見てもらえたんだもん。大丈夫だよね。」

 

千歌は立ち直ったようだ。するとダイヤがみんなに言った。

 

ダイヤ「さあ、皆さんは帰宅してください。」

 

花丸「帰るずらか!?」

 

善子「何か1人だとイライラしそう…」

 

果南「落ち着かないよ…」

 

響「…俺は何と言われようが残る。」

 

響は帰る前から決めていた。廃校を阻止するまでは帰らない。今日はその覚悟を持ってきた。

 

響「まさかこれで帰るやつなんていないよな?ダイヤ生徒会長?」

 

ダイヤ「…まあ、親と理事長の承諾があればいいですが…」

 

鞠莉「私は構わないでーす!」

 

そして、全員で見守ることになった。

 

 

 

そして日にちが変わり午前1時。

 

あれから4時間たったがあれから全くと言っていいほど増えてない。

 

善子「やっぱりパソコンがおかしいんじゃないの!?」

 

響「善子やめろ。これが現実だ。」

 

ダイヤ「これだけの人が浦の星の名前を知っても、わざわざここまで通おうとは思わない。」

 

しかも今は深夜。そう簡単に増えるとは限らない。

 

梨子「そういえば、お昼食べた後何も食べてないわね!」

 

響「…それもそうだな。よし、1年組。いってらっしゃい!」

 

善子「へ?何で私達!?」

 

花丸「善子ちゃん、ルビィちゃん、行くずら。」

 

ルビィ「ほら、善子ちゃんも早く!」

 

善子「あっ!待ちなさいよ〜!」

 

 

 

そして期限まで1時間を切る。

 

94人。あと…6人。

 

千歌「お願い!お願いお願いお願い…お願い!!増えて!!」

 

果南「………。」

 

しかし増える気配がないので、夜が明けた外に出た。

 

ただ黙って外を見る。ふと果南が立ち上がり、朝日に向かって叫ぶ。

 

果南「お〜〜〜い!浦の星は良いところだぞ〜〜!!」

 

曜「お~~~い!絶対後悔させないぞーー!」

 

千歌「皆良い子ばっかだぞーーー!!」

 

梨子「私が~保証する~~~!!」

 

千歌「ヘヘッ…保証されちゃった。」

 

梨子「…うるさい!!」

 

みんなそれぞれの事を叫ぶ。

 

響「何だこの不審者集団は…深夜テンションかよ…」

 

千歌「不審者とか言うな!!」

 

そしていつもの会話をする。"いつも"っていうことが今はとても貴重だと感じる。

 

ルビィ「千歌ちゃん!!来て!あと3人!!」

 

響「っ!!」

 

千歌「すぐ行く!!」

 

 

 

そして帰ってきてパソコンを見る。すると、1人増えて98人。

 

響「あと2人…」

 

ダイヤ「でも…もう時間は…」

 

千歌「大丈夫!大丈夫…!!絶対に届く…大丈夫…届く…届く…」

 

千歌の言葉はとても響いて、日本中に届いたかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でも、現実は……甘くない。

 

 

 

そう伝えるようにパソコンの画面が変わった。そして、4文字の言葉が出てきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

募集終了……と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

千歌「募集…終了…。」

 

ダイヤ「時間切れですわ…」

 

梨子「そんな…」

 

ルビィ「もう…ダメなの…?」

 

 

 

千歌「まだだよ…」

 

千歌は諦めたいない。いや、諦めたくなかった。

 

千歌「だって私達まだ足掻いてない。精一杯足掻こうって約束したじゃん!」

 

曜「もう足掻いたよ。」

 

千歌「やれる事を全部やろうって言ったじゃん…!」

 

千歌の声は震えていた。でも、何を言おうと、変わる事はない。

 

善子「やれる事はやったわよ。」

 

果南「そう、決勝まで進んだ。やれる事はやった。」

 

すると千歌は両手を上げて、勢いよく机にぶつける。

 

千歌「じゃあ何で、学校がなくなっちゃうの…学校を守れないの…そんなの…そんなの…」

 

響「……っ…」

 

鞠莉「もう一度だけパパに連絡してみる!」

 

ダイヤ「やめなさい。今言っても無駄ですわ。」

 

果南「受け入れよう。学校は、廃校する…」

 

すると響が拳を作って壁を叩く。そして掠れた声で叫ぶように言う。

 

響「くそ……何で何で何で何で!!何でなにも思いつかないんだよ!!こんなにみんな頑張ったのに…奇跡を起こせたのに…こんな結末……」

 

響は崩れ落ちるように座り込んだ。目には涙も見える。

 

善子「響……」

 

梨子「響くん……」

 

奇跡は何度も起こせない。簡単じゃない。そう、響達に教えるようだった。浦の星女学院廃校。これは誰も変えられない…事実となった。

 

 




どうも、銀河のかけらです。いかがでしたか?

浦の星女学院、廃校。響達は奇跡を起こせなかった。廃校が決まったが今後どうなっていくのか。そして、Aqoursの思いとは。

それでは今回は以上。銀河のかけらでした。


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15話

いや〜正月に来るであろうスクスタガチャに備えてラブカスター毎日100個ずつ貯めれば3000個以上!?って考えてたのが12月の始め、そして現在のラブカスター、700個…

あれ?おかしいなー?
それでは15話、どうぞ!


響は廃校が決まったあの後、家に帰って、ベッドに横になっている。

 

響「はぁ………」

 

響はただぼーっと天井を見ている。何もする事なく。というか何も考えられない。

 

響「廃校…か。」

 

信じていたが、同時に覚悟もしていた瞬間。でも、信じたくなかった。響達の頑張りが全て無になる瞬間は来てほしくなかった。

 

響「これからどうするか…Aqoursはみんなに任せるけど…俺は…」

 

今はとっくに夜だ。本当はAqoursの練習があり流石に行こうとしたが、すぐに中止と連絡が来た。みんなも、受けとめる時間が必要みたいだ。

 

響自身も、正直受け止めきれていない。これからどうするか全く決まっていない。

 

M.D.Liveに出るのかも…正直迷ってる状態だ。

 

響「どうしようかね……あっ…」

 

響は突然ハッとして、笑い出した。

 

響「ふふっ…結局俺は音楽バカなんだな。こんな時でも、曲が降ってきた…」

 

響は、今降ってきた曲を歌ってみる事にした。

 

意味は特にない。ただ…歌うだけ。

 

響はゆっくりと深呼吸して、集中する。

 

楽器はいらない。声だけで十分だ。

 

そして、響は今までの思い出を思い出しながら、歌った。

 

 

 

響: うまくいかなくて

 

泣きそうになる時は

 

くちびる噛みつつ願うんだ「あしたは晴れ!」

 

 

 

繋がりそうで 繋がらないの

 

心と心

 

 

 

船が夕焼けを渡るよ

 

悩みを持ち去るように

 

私はまだまだ頑張れる 消える波に語ろうか

 

ほらもう大丈夫! 家まで走って行こう

 

面白いことしたくなったと

 

君に伝えなくちゃ 家に帰ったら…

 

 

 

歌い終わった後、ゆっくりと流れる波を手で拭う。そして、響は決めた。響自身が今すべきことを。

 

響「さて、みんなはどう出るかな…」

 

 

 

次の日の朝。響は早く家を出て、屋上に向かっている。何故かって?分からない。けど、答えを出す場所はここかなって思ったからだ。

 

すると、同じく屋上に登る者がいた。

 

響「千歌!?どうして…?」

 

千歌「響くん…なんか、来たくなって…」

 

響「ははは…俺もだ。」

 

そうして、2人で屋上に向かう。すると、既に集まっていた。

 

曜「千歌ちゃん、響くん、おはよう!」

 

千歌「みんな…」

 

響「考えることは一緒ってことか…」

 

Aqoursが全員揃っていた。そして、梨子は千歌に言った。

 

梨子「私達の考えは同じだったわ。千歌ちゃんに任せる。」

 

千歌「私…に…」

 

千歌は下を向いたまま動かない。

 

果南「それで、響はどうするの?」

 

響「俺か?俺は出るよ。だって音楽で伝えるのが俺の役目だから。」

 

鞠莉「ふふ…響らしいわね。」

 

響「それで?Aqoursはどうするつもり?」

 

響は9人に問いかけた。あくまで俺はおまけ。9人で考えろと言う様に。

 

鞠莉「…結局みんな同じなのよ。」

 

梨子「出た方が良いのは分かる。」

 

ルビィ「でも学校はなくなる。」

 

花丸「なのに決勝で歌って…」

 

善子「それで優勝しても…ってことでしょ?」

 

千歌も同じことを思っていたのか、みんなの意見に頷く。

 

果南「でも、千歌達は学校を救う為にスクールアイドルを始めた訳じゃない。」

 

ダイヤ「そうですわ。もっと違う理由がありましたわ。」

 

曜「輝きを探すため… 皆それぞれ自分達だけの輝きを見つけるため。でも…」

 

千歌「見つからない。」

 

千歌が曜の言葉を遮る様に話しだす。

 

千歌「これで優勝しても、学校はなくなっちゃうんだよ?」

 

千歌は畳み掛ける様に言う。

 

千歌「奇跡を起こして、学校を救って、だから輝けたんだ。輝きを見つけられたんだ。学校が救えなかったのに、輝きが見つかるなんて思えない!」

 

千歌「今ね…ラブライブ!の事なんかどうだって良い!私達の輝きなんてどうでもいい!」

 

千歌「ただ…ただ学校を救いたい… 皆と一緒に頑張ってきたここを…」

 

千歌は目に涙を浮かべた。しかし、ある言葉ですぐに涙は引いた。

 

 

 

「じゃあ救ってよ!!!」

 

 

 

千歌「え……っ!?」

 

千歌達は声がした方を向く。そこには、浦の星の全生徒が集まっていた。そして、よしみ、いつき、むつが声を張り上げる。

 

よしみ、いつき、むつ「ラブライブにでて、優勝して!!」

 

それに千歌も言葉で帰す。

 

千歌「出来るならそうしたい!皆ともっともっと足掻いて、そして!…そして…学校を存続できたら…」

 

よしみ「それだけが学校を救うって事?」

 

いつき「ラブライブで優勝して欲しい!私達の為に!学校の為に!」

 

むつ「学校の名前を残して欲しい!!」

 

ダイヤ「学校の…」

 

鞠莉「名前を…残す!」

 

千歌達が思いつかなかった事だ。優勝すれば、学校の名を残せる。永遠に、記録として、学校を残せる。

 

よしみ「千歌達しかいないの!千歌達にしか出来ないの!」

 

いつき「浦の星女学院スクールアイドルAqours!そして浦の星女学院西木野響!!その名前を残して!!」

 

むつ「浦の星の名前を!!!だから…!」

 

彼女達はありったけの声を千歌達に届ける。この学校、いや、この町中に届く様に…

 

 

 

「輝いて!!!!」

 

 

 

響「ははは!!やっぱり浦の星ってクレイジーだな。でも、面白い…!」

 

そして曜と梨子は千歌に聞いた。答えはわかっているのだが。

 

曜、梨子「千歌ちゃん、や・め・る?」

 

千歌「やめるわけないじゃん!!決まってんじゃん!ぶっちぎりで優勝する!相手なんか関係ない!秋葉ドームも!決勝も関係ない!優勝する!優勝して、この学校の名前を、一生消えない思い出を作ろう!」

 

響「大きく出たねリーダー?なら俺もその航海について行くとしますか。」

 

果南「何か体を動かしたくなってきた!!走ろうよ!!」

 

そうして、みんなは身体を動かしに行った。その時、梨子は一度振り向いた。

 

梨子「ついに普通じゃない、本当の怪獣になっちゃうのかも。千歌ちゃんは…」

 

そして千歌と響だけになった屋上は、何か最初より空気が軽くなった気がした。

 

響「さてと、千歌も行くぞ!」

 

千歌「うん!行こう!!」

 

そんな2人の後ろに一枚の羽根が落ちていた。その羽根は海みたいに青く、千歌達の輝きを表す様に輝いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




どうも、銀河のかけらです!いかがでしたか?

気づいたら2期の7話まできているという事実。ですが、次回は響の東海予選です。何かあるかも…

それでは今回は以上!銀河のかけらでした!


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16話

0時に少し遅れたけど〜投稿する〜

それでは16話、どうぞ!


暗い夜。人々はもう寝静まり、内浦の夜はとても静かだった。

 

その中、西木野響の部屋は机のデスクライトだけ付けていて、ノートを見ながら考えていた。ノートには次の曲の案がいくつか書かれている。

 

響「…投票…か。」

 

響は東海予選について考えていた。東海予選は投票制。予選の模様はネットでライブ配信される。そして全国規模で票が集められるのだ。

 

響は静岡予選では圧巻のパフォーマンスで話題になったが、たかが静岡の話。東海と規模が広がったら他の人の方が知名度が高い人なんて多くいる。

 

響「全国に行けるのは3人…確実に知名度で負けてるから話題性で勝つしかない…」

 

響はそれを考えてパフォーマンスのテーマを考えていた。

 

響「…これにするか。」

 

響は最後に考えていた案にした。

 

ーー観客を楽しませるパフォーマンスをする。

 

 

 

次の日の放課後。部室で待っている間、予選の練習に取り掛かっていた。

 

響「よっ…ほっ……」

 

ダイヤ「…何をしてますの?」

 

響「え…?次の予選の練習…だよ!」

 

善子「とうとう頭おかしくなった…?」

 

千歌「もしかして千歌の脳が移った?」

 

Aqoursの2バカにだけは言われたくないと思ったが、今は突っ込む暇はない。

 

梨子「どうしてマジックしてるの?」

 

響は何をしてるかというと、ボールを使ってマジックをしていた。ボールを出したり消したりとしていた。

 

花丸「ずらぁ!?ボールが増えた!?」

 

ルビィ「どうなってるの!?」

 

花丸とルビィは響の手品を興味ありげに見ていた。

 

響「予選の為というのはマジだよ。」

 

曜「てことは手品でもするの?」

 

鞠莉「オーウ!マジシャンみたいでーす!」

 

果南「こらこら、歌って決めるんでしょ?」

 

響「…そうとは限らないよ?」

 

響の言ったことにみんなえ?っと言った。それについて響が話す。

 

響「ラブライブと違って意外とパフォーマンスに制限が少ない。物を使うのもOK。」

 

善子「へえ、案外自由なのね?」

 

ルビィ「…てことは…。」

 

響「思う存分暴れ回れるってこと。それじゃ!」

 

響はそう言って曲を作ると帰ってしまった。響が帰るのを見たAqoursは集合みたいに集まる。

 

曜「ねえねえ、あの響くん絶対やばい時の響くんだよね…」

 

ダイヤ「ええ、確実によからぬことを企んでますわ…」

 

鞠莉「ええ、言葉が一段階弾んでるわ。」

 

千歌「まあ良いんじゃない?響くんもちゃんと考えてるんだし。」

 

果南「そーだね!じゃあ私達も練習しよっか!」

 

果南の提案に曜以外はえっ…と反応した。

 

 

 

響は家に帰ると早速パソコンに向かった。

 

響「さて、作るか…ってかほとんど完成してたな。」

 

すると響は目を瞑った。

 

そして広がるのは広大な会場。それを埋め尽くす程の観客。万を超える人からの視線、声が刺さってくる。

 

響は目を開けた。するといつもの部屋が見えてくる。

 

響「俺はもう恐れない…」

 

響は立ち上がるとギターを持ち、軽く弾いた。

 

響「さて、舞台は整った。オーディエンスに驚きと西木野響ってのを教えてやるか?…なんてね。」

 

舞台は整った。そして、東海予選へと向かうのであった。

 

 

 

名古屋。響達は予選が行われる会場に来ていた。

 

千歌「…てかここ先週来たじゃん!?」

 

曜「まさか同じ会場なんてね〜」

 

千歌達にとっては1週間ぶりだが、今回は来る理由が違う。先週は出場者として、今は一観客としてだ。これでもかなりの違いだろう。

 

善子「これも運命か…フッ…やはり天界から見られているのね?私は…」

 

梨子「それっぽいけど周りから見られるからやめなさい。」

 

花丸「相変わらず善子ちゃんと梨子ちゃんはいつも通りずら。」

 

すると隣でいつも通りじゃない人物がいた。

 

響「いや〜相変わらず名古屋は内浦にはないものがたくさんあるなぁ〜」

 

妙に明るい響は千歌達に引かれていた。

 

ダイヤ「あの…確認ですが、この後予選ですわよね?」

 

響「へ?そうだけど?」

 

鞠莉「随分と余裕なのね?まさかぁ?一位取れるとか?」

 

響「何言ってんだよ?一位取れないと思って来ないわけないじゃん!」

 

響の発言で千歌達は一瞬で悟った。いつもの響だ。

 

響「さて、じゃ、俺は行ってくるから。」

 

ルビィ「楽しんでね!響くん!」

 

果南「私達は客席で見てるから。」

 

響は千歌達の応援に手を振って返して控え室へと向かった。

 

 

 

控え室の中では相変わらず異様な雰囲気だったが、静岡とは違う点がある。

 

響「(全員自信ありげじゃねえかよ。)」

 

全員がある程度の場数は踏んできたであろう者達ばかりだった。

 

響「さてと、着替えますかね。」

 

響は特に誰とも話すことなく無言で着替えを済ませた。

 

そして予選開始まで後10分。響はトップバッターだ。

 

すると近くから誰かが話しかけてきた。

 

「やあ、君が西木野響くんかな?」

 

響「はい、そうですが?」

 

優「私は上林優(かんばやしすぐる)だ。よろしくね。」

 

響「え、ええ…」

 

響と優が話しているのを見て周りがざわついていた。

 

上林優。21歳。両親共に歌手をしており幼少期から英才教育を受けている。今大会の優勝候補だ。

 

優「にしても残念だなぁ…静岡予選ではあんなに良いパフォーマンスだったのに…」

 

響「ははは…では、私はこれで…」

 

響は逃げるように去っていった。

 

響「なんだあいつ…すげーデジャブじゃん。」

 

響はステージ裏に向かう。そして軽く観客席を見ると、響のイメージ通りだった。

 

響「すげぇ…流石東海…」

 

響はトップバッターという緊張する場面のはずが、この状況を楽しんでいた。

 

そして会場では司会の人が話している。出番は、もうすぐだ。

 

「それでは!今大会トップバッター!静岡代表…西木野響!!」

 

響「行くか…」

 

西木野響の全国への挑戦が今幕を開けた!!




どうも!銀河のかけらです!いかがでしたか?

さて、この終わり方は次回はパフォーマンスなんですが、年明け前までにはあげたいなぁ…そして……はい。

それでは、今回は以上!銀河のかけらでした!


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17話

9時に投稿しようとしましたが、普通に悩んでました。
久しぶりにこんなに時間かけた…。

それでは、どうぞ!


静岡予選の帰り、こんな事があった。俺は出来るだけ早く帰りたいといつも思っているので、その日も足早に帰ろうとしていた。

 

響「さてと、さっさと帰ろうかな。」

 

「あ、あの!!」

 

すると、突然声をかけられた。最初は俺の事だと気付かなかったから反応出来なかったが、もう一度呼ばれたので2度目でやっと気付いた。

 

響「え…?どうしたの?君?」

 

見ると、その子はまだ背も小さい。小学生3年くらいだろうか…?幼さが残る男の子だった。

 

「えっと…その……サインください!!」

 

響「サイン…?俺の?」

 

俺が聞くと男の子は首を縦に頷いた。驚いた…Aqoursのみんなは結構貰うのは増えてきたけど、まさか俺までに来るなんて。

 

「その…さっきの歌…歌詞英語?でよく分からなかったけど…何か…なんていうんだろう…引きつかれる感じがして…凄く良かった!!」

 

その時、俺は感じた。彼は、大物になるかもしれない…。意味は分からなくて良い。ただ、俺の曲を全身で…感じてくれれば良い。それを完璧に出来ていたからだ。

 

俺は、男の子から色紙を貰い、サインをサラッと書いて手渡した。

 

「ありがとう…!えっと…次も頑張ってね!」

 

響「うん。分かった。…そうだ!」

 

俺はその男の子に少しでも見せたかった。夢ってものを。だから…

 

響「次は、君も楽しめるような音をプレゼントしてあげる。」

 

 

 

「響さん…!!準備してください!!」

 

響「あっ!はい!!分かりました。」

 

響は少しボーっとしてたみたいだ。でも、寝ぼけてるわけではない。響の顔はずっと先を見ている。

 

そして、会場の司会の人がアナウンスする。

 

「それでは、次は静岡予選堂々の一位通過!西木野響!!」

 

 

 

Aqoursの面々は観客席に座り響の出番を待っていた。

 

花丸「皆…凄いずら…」

 

ルビィ「うん…凄くレベル高いね…」

 

善子「当然よ。スクールアイドルとは違って大人もでる。」

 

鞠莉「それに、みんな目指すのはチャンピオンに贈られるメジャーデビューよね。」

 

果南「…しかも、ここで上がれるのは3人だけ…」

 

彼女達は出場者達の熱意、思いを節々と感じた。

 

千歌「でも、響くんなら大丈夫だよ。きっと…」

 

曜「うん、そうだね!響くんならきっとまた会場を沸かせてくれるよ。」

 

梨子「まあ不安点は私達にも頑なに曲聴かせてくれなかったけど…」

 

そう、今回は彼女達も曲を聴かせてもらえなかった。彼女達もどんな曲、パフォーマンスをするか未知数だった。

 

花丸「でも、楽しみずら〜」

 

善子「フッ…私が提案した堕天使衣装は着てくれるかしら…?」

 

曜「それは無いよ〜」

 

善子「何でよ!?」

 

ダイヤ「静かにしなさい!!」

 

ルビィ「あっ!来たよ!」

 

その時、司会の人が響の番を告げた。そして、会場が一度真っ暗になる。

 

そして、一部分だけライトで照らされ、そこに1人の少年がいた。ジャケットと帽子を身に纏うその少年は言った。

 

響「会場にいる皆さん!そして配信などでご覧の皆さん!こんにちは!浦の星女学院2年の西木野響です。」

 

会場がざわつく。だが、それも響の想定内だ。

 

響「みんなの疑問を当てよう。何故女子校に男がいるんだ?まあ破天荒な理事長がテスト生って言って連れてきたんだけど。」

 

だけど、これだけは断言した。

 

響「でも、俺は浦の星に来てよかったと思ってる。どうなろうと、誰に何を言われようと変わらない。だって…」

 

 

 

響「楽しいから。俺に音楽を思い出させてくれたから。だから…」

 

その瞬間、会場の照明が全てつき明るくなる。

 

響「この楽しさを歌に込めて、皆さんに届けます!」

 

 

 

響「さあ皆様を招待しよう!このprison landに!!」

 

そして、西木野響の幻想の世界に皆を招待する曲が始まる!

 

 

 

響: Uh lalalala…

 

 手招く遍くお利巧さん(Wo wo)

 

 

 

 あらら正気かな? 月夜に掛かる

 

 雲抜けてまで昇る Rail coaster

 

 ほらおいでなさい 君ら顔パス

 

 海底まで落ちてくミラコスタ (Pow!)

 

 ぐるりんぐるりんぐるりん まるでDJ

 

 今夜も自由に回る Merry go round, Forever (Forever)

 

 大胆不敵な快楽主義者 舞えばネオンが歌うよ

 

 

 

 あいや無上に誘う

 

 興味津々 執心ならざるを得ない幸福の楽園

 

 正気忘れ 狂喜乱舞さ 享楽の牢獄

 

 囚われとなる信者 Freak out

 

 

 

 Rerere… 朝が来るなど永遠にない

 

 Rerere… 目覚めさせない夢の園

 

 

 

梨子「す…凄い…」

 

善子「何…この感じ…」

 

響の曲にAqoursのみんなも驚愕していた。

 

花丸「ねえルビィちゃん、響くん、楽しそうだね。」

 

ルビィ「うん、楽しそう。凄く笑ってるね!」

 

果南「…あれ?鞠莉?ダイヤ?」

 

果南が見ると、鞠莉は微笑していて、ダイヤは手を頭に当てている。

 

 

 

響は歌う。歓声とこの1秒1秒を楽しむ者たちに。

 

 

 

響: 脅威はなく ただ不要に笑う

 

浮世忘れさせ降ろさない Ferris wheel

 

ほらおいでなさい 賑わうサイコパス

 

見目 Kawaii 中毒必至フリーアイスクリーム (Yummy!)

 

蹂躙蹂躙蹂躙 不可避ストレスは急死

 

スケジュールなど What ever (What ever)

 

竜頭竜尾な大満足を約束すると謳うよ

 

 

 

あいや無上に誘う

 

興味津々 執心ならざるを得ない幸福の楽園

 

正気忘れ 狂喜乱舞さ 享楽の牢獄

 

囚われとなる信者 Freak out

 

 

 

曜もダイヤのことが気になり声をかける。

 

曜「ダイヤさん?どうかしたの?」

 

ダイヤ「ええ…響さんはprison landと言いましたよね…?」

 

千歌「うん、えっと…意味は…」

 

鞠莉「prisonは刑務所、landは陸とかでーす。」

 

千歌「うん、それだ!…ってえ…?」

 

 

 

そして響は曲の終わりでこう締めくくる。

 

響: Rerere… 朝が来るなど永遠にない

 

Rerere… 目覚めさせない夢の園

 

 

 

Funfair… ただ幸福を

 

Funfair… 無闇に押付ける園

 

 

 

かの有名な歌手は言った。

 

"私は完璧に歌えた時、終わった後の歓声や拍手がゆっくりと見える"

 

響は観客の皆を見て驚いた。

 

響「みんな、止まっている…?」

 

その時間は数秒だったかもしれない。でも、その間、周りが止まっていた。

 

そして、気づいた頃には、歓声に包まれていた。その時司会の人が何か言った気がしたが、そんなの聞こえない。それ程の大歓声だった。

 

だが、この会場の奥の席に座る女だけは違った。不気味な笑みを浮かべ、一言だけ言った。

 

「ふふふ……みーつけた…♪」

 

その言葉は、響の耳に届くことはなかった。

 




どうも、銀河のかけらです!いかがでしたか?

今回の予選で歌った曲は天月さんでprison landですが、何かテンションとおかしくね?と思った方が多いと思います。私が何故この曲を選んだか、皆さんも考えてみてください!

そして、物語は新たな道へと進みます。
それでは、今回は以上!銀河のかけらでした!


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18話

さて、再び、始まります


東海予選が終わり、あとは結果を待つのみだった。

 

司会「それでは、結果発表〜!」

 

司会の人は声を一段高く言って、観客も歓声をあげて盛り上がっている。

 

しかし、出場者は余裕のない表情だった。この後の人生を変える発表が待っているのだから。

 

響「さて、誰が選ばれるか…」

 

響が声を出した瞬間、周りの人がみんなこちらを見た。

 

響「(うっわ〜睨んでる睨んでる…)」

 

みんなが響を睨む理由はよく分かっている。

 

司会「それでは!こちらのモニターをご覧下さい!!」

 

ステージ上のモニターには、3位、2位と着々と選ばれる。そして…

 

司会「第1位は…西木野響!!!」

 

ここで会場の盛り上がりが更に熱を増す。響はモニターをしばらく見つめて、観客に向かって一礼した。

 

響も含め、分かっていた結末だが、やはり嬉しかった。

 

 

 

響「さてと…奴らも上手く撒けた事だし、早く帰ってゆっくりするか〜」

 

響はもう既に内浦に着いて、家に戻る途中だ。千歌達が一緒に帰るとうるさかったが、取材とかがあると適当に行って回避した。

 

響「なんせ大勢に祝福三昧とか俺の柄じゃないしね。1人が1番!これは一生言える事だな。」

 

響は独り言を呟きながら上機嫌で帰っている。やはり気分が乗っているようだ。

 

「あっれ〜?響くんじゃん!」

 

すると横から響とは正反対の声の高さをした女が話しかけてきた。

 

「久しぶり〜元気にしてた?あっ!さっきの歌凄かったね!感動しちゃったよ〜」

 

あまりに急だったので響は固まってしまった。

 

響「えっと…何か御用ですか?」

 

「……アハハハッ!!敬語!面白〜い!アハハハッ!!」

 

響はぽかんとした顔で「は…?」と言ってしまった。彼女は響の事を昔から知っているみたいだが、当の本人は全く身に覚えがない。

 

響「えっと…俺の記憶が正しければだけどあなたとは初対面では…」

 

「記憶…記憶かぁ……へぇ…まだ効いてるんだ…ボソッ…

 

ーー何だ…コイツ…

 

響は彼女に対して少し警戒心を持ち始めた。何かは分からないが、やばい…そんな気がした。

 

「私の名前は花園天使(はなぞのてんし)。"もう一度"よろしくね♪」

 

花園天使という女の子は髪を目のあたりまで伸ばして、髪も含めて殆どがピンク色と何というか…悪目立ちしている。

 

響は彼女の言う"もう一度"とかの言葉が引っかかっていた。響とこの子が一度会って話した事があるかのようだ。

 

響「あの〜すみませんが急いでるのでこれで失礼します。」

 

響は早くコイツから去らないと…と思い、この場からはなれようとする。

 

天使「離さないよ…?響くん♪」グッ

 

響「え……っ!?!?」

 

腕を掴まれたと思ったら彼女の顔の近くまで響の顔を近づけられた。

 

響「…何のつもりだ?」

 

響は声を低くして彼女を威嚇するように喋った。

 

天使「へ〜さっすが響くんだね。全然動じてない…ンフフフフ…」

 

響は彼女の異様な空気に背筋がゾッとするのを感じた。こいつは…やばい…!

 

響「は…離せ!!」

 

天使「痛っ!ンフフ…そんなに焦らないで…

 

 

 

一ノ瀬(いちのせ)くんが泣いちゃうよ…?」

 

 

 

彼女が今度は響の耳元で囁くように言った。

 

響「は…何言っ……っぅ…っ!?!?」

 

天使「あれ〜?どうしたの?」

 

響「頭が…痛っ……がぁ…いった……」

 

響は崩れ落ちるように倒れてしまった。内側から脳を叩かれるような痛み…痛い…痛い…!!

 

天使「そんなに痛いの?それじゃ、天使ちゃんが家まで送ってあげる♪」

 

天使はそのまま響を立たせ、肩を貸した。

 

響「ぇ……ぁ……」

 

響はもう意識を保つのでやっとだった。

 

天使「ずっと探してたんだよ?何年も何年も、そしてやっと見つけた。嬉しかったな〜」

 

響「おま…ぇ…は…」

 

天使「何〜?」

 

響「おまえ…は…何も…の…?」

 

響は掠れた声を必死に出して彼女に聞いた。

 

天使「私?私は〜……天使ちゃんだよ♪」

 

響はそのまま彼女と一緒に家に着いた。

 

天使「ほら、着いたよ〜えっと…ここをこうして〜あっ!開いた〜!」

 

響「は……どうやって…ぅ…」

 

響は家に入ると、彼女から離れて床に倒れ込んだ。

 

響「さっさと…出て…け…」

 

天使「ええ〜酷いなぁ…じゃあ一つだけ♪」

 

天使はまた響の耳元に近づいて、囁いた。

 

天使「部屋の棚にノートあるでしょ?見て?」

 

響「ぇ……?のーと……?」

 

天使「ンフフ♪それじゃ、思い出してね?」

 

天使はそのまま帰って行った。

 

響は壁に寄りかかりながら自分の部屋に向かった。

 

響「はぁ…はぁ…た…な…?」

 

響は荒々しく棚を漁った。本が落ちても今の響には関係ない。

 

響「どこ……どこ…だ…?あっ…」

 

棚の奥に挟まっていた一冊のノートが見えた。

 

響「音楽…ノート……ひっ!」

 

響は咄嗟にそのノートを落とすように投げた。

 

見たくない…中を見たら…絶対にやばい…反射的にそう思い始めた。

 

響「これを見たら…絶対に俺にとって何かが変わる…でも…」

 

奴に従うのは少し嫌だけど、俺にとって前に進める。そんな気がした。

 

そして響は一度深呼吸をして、ノートを開いた。

 

響「………は?」

 

響は無心に無心にノートを開いた。案外すぐにそのノートは終わった。

 

響「はぁ……はぁ……」

 

読み終えた響は…震えていた。

 

響「嘘だ…嘘だ…嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ…」

 

何で…俺は……そんな……

 

 

 

響「嘘だぁぁぁぁ!!!!」

 

 

 

その後俺が何をしたかは憶えていない。ただ薄らと周りが割れた皿や家具がぐちゃぐちゃになってることだけが見えたのを最後に意識は途切れた。

 

 




どうも、銀河のかけらです!いかがでしたか?

さあ、何やら話がどんどん進んでいきますが、次はどうなるのか…。
花園天使とは…謎に包まれた人物です。そして一ノ瀬とは…?

それでは今回は以上!銀河のかけらでした!


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19話

お久しぶりです。行きますよ!

それでは、19話、どうぞ!


千歌「おっはよー!!」

 

曜「おはヨーソロー!!」

 

梨子「おはよう。」

 

いつも通りの朝だ。

 

千歌「響くんは…来てないね。」

 

昨日一緒に帰ろうと思ったが、取材があると言ってそれ以降会えていない。

 

曜「でもこの前の予選の時も次の日休んでたよね?」

 

梨子「燃え尽き症候群みたいにね。」

 

響は静岡予選の次の日、「寝るわ。」と言って休んだ事がある。なので今回もそれを想像出来るが…

 

千歌「でも…少し不安だよ。」

 

でも連絡が取れなくなって何か事件に巻き込まれるという事もあった。そのため、千歌の不安は溜まる一方だ。

 

曜「じゃあさ、先生に聞いてみない?」

 

梨子「なるほど…確かにそれが良いね。」

 

千歌「うん…そうだね。聞いてみよっか。」

 

そうして、3人は職員室に行ってみることにした。

 

 

 

千歌「えっ…連絡も来てない?」

 

大賀「ああ、別に何も来てないが…どうかしたのか?」

 

学校にも何も連絡は来てないようだ。だとすると後者が怪しくなってくる。

 

大賀「響のことで何かあるのか?」

 

梨子「実は……」

 

3人はまだ可能性の話だが、事情を話した。

 

 

 

大賀「そうか…確かに不安な気持ちはあるよな…」

 

大賀は少し考えると、一つの案を出した。

 

大賀「なら…申し訳ないが響の家に行ってきてくれないか?」

 

千歌「えっ…?」

 

梨子「でも、良いんですか?」

 

大賀「本当は俺が行くべきなんだけど、今日授業あってな。」

 

曜「でも…授業とかは…」

 

確かにありがたい話だが、授業もある。欠席が付いてしまうことが気になってしまうが…

 

大賀「出席は気にするな。公欠って事にしておくから…」

 

曜「なら!行ってみない?」

 

梨子「そうね。行かないと千歌ちゃんもろくに集中できないもんね。」

 

千歌「うん…!行ってみよう!!」

 

3人は早速響の家に向かって学校を出た。

 

 

 

千歌「着いたね…」

 

梨子「外は変わってない感じだけど…」

 

3人は響の家の前にいる。相変わらず一人暮らしにしては大きい。

 

曜「あの〜…千歌ちゃん?梨子ちゃん?何で私の後ろにいるでありますか?」

 

今の3人は曜の背中にそれぞれ隠れて響の家を見つめていた。

 

千歌「だって中に誰がいるかわからないんだよ!?」

 

曜「私盾!?曜ちゃんはどうなっても良いでありますか!?」

 

梨子「だってこの中で1番動けるの曜ちゃんでしょ?根性見せなさい!」

 

曜「えぇ…」

 

根性見せろはこっちのセリフだよ…と言いたい所だが、そんな事言ってる暇ではない。

 

曜「ふぅ……じゃあ…行くよ…」

 

曜はドアを開けようとするが、上手く開けられない。手が震えるのだ。

 

千歌「…やっぱり3人で開けよ?曜ちゃん。」

 

曜「千歌ちゃん…」

 

梨子「そうね。曜ちゃんにだけ重圧を与えるわけにもいかないわね。」

 

曜「梨子ちゃん…」

 

千歌「AqoursはみんなでAqoursだもんね!こんな時こそ協力しよう!」

 

曜「……っ!!うん!ありがとう!2人共!」

 

そして、3人でドアノブに手をかけた。

 

曜「開いてる…みたいだね…」

 

梨子「ええ…行くわよ……」

 

千歌「行くよ……3…2…1…0!!」ガチャ…

 

3人はドアを開けて響の家の中を見た。

 

すると最初に見たのは…

 

千歌「え……?」

 

曜「ヒッ……嘘……」

 

梨子「何よ……これ……」

 

響の家が無惨にも荒らされているのが見えた。

 

千歌「響…くん?…響くん!!」

 

曜「あっ…!千歌ちゃん!!」

 

千歌はすぐにリビングに行く。

 

 

 

 

 

 

 

しかし……

 

千歌「ひび……き……くん?」

 

梨子「どうしたの……っ!?響くん!!どうしたの!?」

 

曜「っ!?救急車呼ぶね!!」

 

そこにいたのは血だらけで横たわる響がいた。

 

 

 

 

 

千歌「いや……いやあぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 

 

 

 

ルビィ「響くんは…!?」

 

花丸「大丈夫ずら!?」

 

善子「血だらけってどういう事?」

 

響はその後、救急車で病院に運ばれた。そしてその病院に1年組も駆けつけた。

 

梨子「今、治療中だって…」

 

曜「鞠莉ちゃん達は?」

 

ルビィ「お姉ちゃん達ももうすぐ来るよ。」

 

そして、静寂に包まれる中、響を待つ。

 

千歌「なんで…なんでこんな事に……」

 

曜「千歌ちゃん……」

 

するとそこへ3年組も駆けつけた。

 

果南「響は……!」

 

ダイヤ「治療中…ですか……」

 

ダイヤ達も千歌の表情を見て事の深刻さを悟った。

 

鞠莉「真姫さんが近くに来てるらしいから伝えたわよ。」

 

そして再び静かになってしまう。

 

千歌「大丈夫…だよね?」

 

鞠莉「千歌っち?」

 

千歌「響くん……グスッ…いなくならない…よね?」

 

千歌は涙を浮かべながらみんなに聞いた。

 

曜「大丈夫だよ?響くんならきっと…大丈夫。」

 

曜はそう言うしか無かった。諦めちゃ…だめだ。

 

曜がそう思うと、扉が開き、先生が出てきた。

 

鞠莉「先生。響の容体は?」

 

鞠莉が聞くと先生は一つため息をついて一言いった。

 

「命に別状はありません。それと…誰か1人診察室に来てくれませんか?」

 

鞠莉「えっ…なら…」

 

千歌「私が行きます。」

 

鞠莉が行こうとしたが、すぐに千歌が手を挙げた。

 

果南「千歌……」

 

そして千歌は先生と共に診察室へと入っていった。

 

 

 

「まず、このノートは分かるかな?」

 

千歌「えっと…見た事ない…です。」

 

診察室に入って最初に言った言葉は病名でもなく、あるノートの事だった

 

千歌「これとなんの関係が…あるんですか?」

 

「…おそらく、このノートが原因かもしれない。」

 

先生の言う事に千歌は一瞬えっ、と思った。

 

「治療中でも離さなかったから奪おうとしたが、奪うと彼が暴れ出すんだ。今は安定してるけど、確実にこのノートが精神か何かを蝕んでいるかもしれない。」

 

千歌「わ、分かりました。」

 

千歌はそう言ってさっきいた所に戻っていった。

 

 

 

すると、そこに真姫も駆けつけていた。

 

真姫「千歌!響は…何なの!?」

 

真姫は血相を変えて千歌に詰め寄った。しかし、千歌は彼女に一つ、聞いた。

 

千歌「真姫さん、このノート知ってますか?」

 

真姫「え…っ!?何でこれがここにあるの!?」

 

この反応はおそらく何かを知っているのだろう。

 

千歌「教えてください…!このノートに何があるんですか?」

 

真姫「っ!…………」

 

真姫も分かっていた。いずれこうなる事を。でも、怖かった。響が響じゃなくなるかもしれない事を。

 

真姫「このノートは響の呪いそのものよ。でも、これを開けば、真実がわかる。」

 

千歌「真実…が…」

 

真姫「選びなさい。見るのか、見ないのか。」

 

真姫はAqoursに選択を迫った。そして、結論は、千歌に任された。

 

千歌「…見よう。そうすれば、響くんの事が知れるかもしれない。」

 

その答えに全員が同意した。

 

そして、千歌が座って、その周りを囲むように座った。

 

千歌「よし…見るよ……」

 

千歌は緊張する手を抑えながらゆっくりと1ページめくった。

 

 

 

 

 

 

 

そこに書かれていたのは…響の……"本当"の過去の全てだった…。

 

 

 

 




どうも、銀河のかけらです!いかがでしたか?

さて、次回から音楽ノート編です。何話になるか分かりませんが、とても大事な部分なので頑張ります!

それでは今回は以上!銀河のかけらでした!


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20話(本当の過去1)

俺は心の無い人間だ。

 

俺を見る人々はそう思っただろう。いや、俺自身もそう思っている。

 

「なにあれ…無視?」

 

「なんか暗いよな…あいつ…」

 

そうだ、無視しろ。こんな奴に関わろうとするな。

 

俺はいつも学校ではそう思いながら過ごしていた。

 

でも、俺も転校した時とは変わったのかな?響がそう感じ始めたのには理由がある。

 

一つは西木野家に来て、少しずつ素がようになったこと。

 

そしてもう一つは…

 

響「こんちはー」

 

穂乃果「あっ!響くん!!」

 

俺がμ'sのマネージャーとして手伝い始めた事だ。

 

俺がμ'sに出会ったのは、姉である真姫姉ちゃんが作曲を依頼された所から始まった。それを俺が手伝い、その後姉ちゃんがμ'sに加入しそれを追うように俺もμ'sに入った。

 

そしてメンバーも増え、ラブライブ!という大会の予選に出る。

 

 

 

5月…日

 

今日からμ'sの事、作曲や編曲について音楽ノートみたいな感じで書いてみることにした。

 

今日は振り付けの確認と真姫に作曲の確認をした。

 

いい練習が出来た。

 

明日も頑張ろう。

 

 

 

そして月日は流れ、ラブライブ!予選。結果は…途中棄権。

 

学校説明会でパフォーマンス中に倒れ、そのままバツサインが出てしまった。

 

響「ぐすっ…くそっ…!なんで…!!」

 

別に俺が歌って踊るわけではないし、単なる裏方程度の人間。

 

でも…でも…何故か涙が止まらなかった。

 

俺にはこの感情が分からなかった。悔しい…?悔しいって何だよ…?

 

そして俺は同時にある感情が芽生えた。

 

 

 

もう…この悔しさを…味わいたくない…

 

 

 

俺だけではない。μ'sのみんなは俺以上に悔しいはず。

 

だから…俺は…

 

 

 

響「決めた。西木野響が必ず…頂点に連れていく。」

 

 

 

9月…日

 

2年生のけんか、解散の危機とか色々あったけど何とかμ'sはもう一度立ち上がった。

 

ここからμ'sの躍進を始めていきたい所だ。

 

 

 

そこから文字通り、μ'sは成長していった。

 

地区予選も突破。各地のイベントにも招待されるようになり、μ'sの知名度は明らかに上がっていた。

 

俺は全く信じられなかったが生徒会長になった穂乃果。そしてそれ追うようにに生徒会に入った海未とことり。

 

3人とも生徒会も重なり忙しそうだったが、特に気にはしなかった。

 

みんなの事を信頼している。だからこそ俺は俺の役割に集中していた。

 

 

 

10月…日

 

ハロウィンのイベントとかでA-RISEよりインパクトを残すんだ!と何故かおかしい方向に行くみんなを遠くから見て笑っていた。

 

あまり仮装とか乗り気じゃなかったが、久しぶりにこんなに笑った気がして楽しかった。

 

 

 

 

 

そういえば…俺…ずっと心から笑ってなかったな…

 

 

 

 

 

11月…日

 

最終予選ではラブソングをする事になった。俺には恋愛などこれっぽっちも縁がないので全く分からない(みんなもだったけど)。恋って何だろう…。俺には一生分からないだろうが…。

 

 

 

そうして出来たのがSnow halationだ。この曲は俺の今後の曲作りに大きな影響を及ぼしたと言えるだろう。

 

俺はずっとμ'sの曲は真姫と作っていたというか、俺は真姫が作った曲に付け足したりなどサポートの立場をしていた。

 

だが今回は作詞を9人で意見を出しあってするというので、俺が作曲をする事になった。

 

真姫「響なら大丈夫よ。」

 

穂乃果「そうだね!響くんの作る曲楽しみだなぁ〜!」

 

簡単に言ってくれる。ラブソング?作れるわけねえだろ…。

 

でも、作れと言われたら作らないといけない。

 

そこからは恋愛系の小説や曲を漁りまくった。そうして何とか出来たのだが、俺にとって最高傑作とも言える出来だった。

 

響「俺が…こんな曲を…?」

 

俺は何度見返しても"今までの俺"が作るような曲ではなかった。

 

俺は自分で作るときは感情を頼りにしていた。暗ければ暗い、明るければ明るい曲になる。

 

それだとどうしても偏りがある。

 

だが、今回は恋という俺の感情にはないものだ。なので色んなものを見て、聞いて、調べた。

 

外を見て作るようになったのだ。

 

 

 

1月…日

 

ラブライブ!本戦に進んだ。まああの曲で行けない訳がないと思ってたから驚きはしなかったが、少し嬉しかった。

 

必ず、みんなと…最高の景色を見る…!

 

 

 

最終予選も突破して本戦に進んだμ'sはやる気に満ち溢れていた。

 

そして、俺の中にも少しだが変化が起こった気がする。

 

周りの人達が気になるようになった。

 

この人はどんな経験をしたんだろう?どんな感情なんだろう?

 

そう思うようになった。

 

この世界はドラマで満ち溢れている。

 

そこから俺の作曲は変わった。人々に聴かせたいと思うような曲を作るようになった。

 

 

 

1月…日

 

3年生があと少しで卒業する。

 

俺達はμ'sを続けるかを決めきれないでいる。

 

でも、俺はみんなを信頼している。だから、みんながどんな決断をしても俺は何も言わない。

 

それが俺の立場だから…。

 

 

 

結論だけ言うと、μ'sはラブライブ!本戦を最後に解散することにした。

 

受け入れるはずだったし、そうしたはずだった。でも解散を3年に伝えた後の駅で、俺は気づいたら泣いていた。

 

みんなも見た事ないくらい泣いていたが、まさか俺がこんなに泣くとは思わなかった。

 

それ程、俺にとってμ'sというのはかけがえのない大きな存在になっていた。

 

 

 

1月…日

 

μ'sの解散が決まった。

 

こうなったら、最後の曲も一生思い出に残るものにしたい。

 

そして…俺はどうしようかな…。

 

 

 

 

 

2月…日

 

遂に本戦の前日だ。曲も振りも完璧だ。

 

後は、本番だけ。もうこれ以上は見届けるしかない。

 

出来ることはやった。

 

楽しみだな。μ'sが最高に輝く姿を見れるのが。

 

 

 

そして本戦。μ'sにとって最後のライブ。

 

曲はKiRa-KiRa Sensation!だ。俺たちの…μ'sの全てを詰めた曲だ。

 

俺はいつも通り観客席からパフォーマンスを見守る。

 

μ'sのパフォーマンスの最中、何故だかわからないが頭の中にこの1年間の思い出が鮮明と出てきた。

 

楽しいこと…笑ったこと…悲しいこと…悔しかったこと…

 

全部全部μ'sのみんなと体験したことだ。

 

この一年…もしかしたら…いや、絶対に俺にとって今までで最高に楽しい一年になった。

 

そして、パフォーマンスを終え観客にお辞儀するみんなに一言だけ言った。

 

響「ありがとう…」

 

そう言った響の顔は輝くような笑顔だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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21話(本当の過去2)

3月…日

 

最後のライブが終わった。これでμ'sは解散。

 

みんなと出会って大体一年か…。早いような…長かったような1年だったな。

 

これからはμ'sのマネージャーでも何でもない。これからどうしようか…。

 

 

 

μ'sが解散し、俺は普通に学校なのだが、何かが足りない。友達がいないのもいつも学校で1人なのも別にどうって事なかった。

 

でも、何かが足りない。俺の中で何かが足りなかった。

 

 

 

4月…日

 

学校に行ったがつまらない事ばかりだ。

 

勉強も、友達も、何もかもがつまらない。

 

 

 

5月…日

 

俺の中で足りないもの。それは間違いなくμ'sだ。去年は生活の全てがμ'sだった。学校なんてどうでもよかった。早く新しいものを見つけないと…。

 

μ'sに頼ってちゃ駄目なんだ。

 

 

 

響はそこで作曲を再び始める事にした。

 

誰かに聴かせるわけでもなく、ただひたすら曲を作る日々。

 

でも、それが俺にはよかった。

 

音楽には勉強みたいに答えはない。無限大の音を組み合わせて一つの曲にする。

 

終わりが見えないかもしれない。答えが見つからないかもしれない。

 

でも、それがよかった。

 

響は何曲も、何曲も作り続けた。

 

 

 

9月…日

 

このノートを開くのは4ヶ月ぶりだ。最近作曲に集中して書く時間がなかった。

 

作曲を始めてからいつの間にか足りないものが無くなっていた。

 

やっぱり俺は音楽だけなんだな。

 

 

 

10月…日

 

今日は少し歌詞も考えた。作詞って難しいんだな。

 

 

 

11月…日

 

今日は珍しくあまり作曲が進まなかった。おやすみ。

 

 

 

秋になっても冬になっても響は作曲をやめることはなかった。最早作曲は響の一部であり、欠かせない存在だった。

 

そしてそれ以降、ノートは一度途絶えた。段々書くのがめんどくさくなったのと、時間があまりなかった。そんなのを書いてる暇があったら作曲をしたい。

 

響は今、それほど作曲に熱中していた。

 

 

 

響が小学5年生に進級してもやる事は変わらかった。学校に行って、帰ってきたらすぐに作曲。そして夜遅くまでやって寝る。それらの繰り返しだ。

 

「響っていっつもすぐ帰るよな。」

 

「うん。前も遊ぼうって誘ったら無視されたし。」

 

「暗いよな、あいつ。」

 

周りの子達からは暗くて何考えてるか分からない不思議な奴と思われていた。そして気付いたらクラスから浮いてる存在となっていた。好都合だ。俺も別にわざわざ関わろうなんて思ってないし。

 

響は周りの事など一切気にせず作曲を続けた。

 

 

 

そして、特に何も無いまま小学6年生になった。

 

 

 

4月…日

 

このノートを開くのは何年ぶりかな?またこのノートを再開しようと思う。

 

何故なら、俺がこれから始めることを記録しておきたいからだ。

 

俺は、動画投稿サイトで自分の曲を公開してみようと思う。

 

作曲をしていくと、昔は思わなかった事が思うようになった。

 

他の人にも聴いてほしい。

 

単純な理由だ。でも、俺にとっては未知数な挑戦だ。

 

別に数字なんて稼がなくて良い。何なら1でも良い。それでも、1人でも俺の曲を聴かせたい。

 

だからやる。これから頑張っていきたい。

 

 

 

そのついでに作詞にも挑戦した。海未にも聞いてみようと思ったけど、結局1人で作詞した。

 

μ'sのみんなには迷惑かけたくなかったし、俺1人でやってみたい。

 

そんな思いが響にはあった。

 

そして最初の曲…"Ark"が出来上がった。

 

俺の今までの姿を詞と音に乗せたこの曲。

 

少しでも多くの人に聴いてほしい…そんな思いを込めて、投稿ボタンを押した。

 

 

 

そうして、俺の曲が世に放たれた。

 

 

 

その投稿サイトではチャンネル名?みたいなのを決められるみたいだ。投稿してすぐに気付いた。

 

響「…かけらにするか。」

 

特に悩みもせずに決まった。

 

俺はただのちっぽけなかけらに過ぎない。どんなに音楽が作れても、同じ事だ。

 

だけど、そんなかけらでも、思いを伝える事は出来る。それは1人でも良い。1人でも曲を、思いを聴いてほしい…そんな思いを込めた"かけら"だ。

 

響「ふぅ〜…投稿されてるな…。遂に投稿しちゃった。」

 

押す瞬間は流石に緊張したが、投稿が終わった後は何故だか気持ちが楽になった。

 

響「さてと、投稿できたし、寝ますか。」

 

響は別にこれからゆっくり何曲か出して少しでも多くの人に聴いてもらいたいと思っていた。特に数字とかは気にはしていなかった。

 

そして、結果、かけらのArkは多くの人が聴いてくれた。

 

10万…1週間でこれほど多く聴いてくれた。

 

そしてコメントでは…

 

「なにこの曲凄くない!?」

 

「歌詞も曲も良い…」

 

「感動しました!」

 

そんなコメントで溢れていた。

 

嬉しい…確かに嬉しかった。

 

でも…でも…一つ違和感があった。

 

これって…本当なのかな…?

 

確かに沢山コメントを貰ったのは嬉しかった。でも、これはただの字に過ぎない。送ってくれた人には申し訳ないけど、そう思ってしまった。

 

本当にこれって意味あるのかな…?

 

そんな疑問が俺を襲った。

 

そして、その瞬間にその答えが出るまで投稿しない決めた。

 

 

 

そして曲を作りながらその答えを探した。でも、何を考えても答えが出る事は無かった。

 

そして"かけら"は一曲を残して、時間と共に、忘れ去られた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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22話(本当の過去3)

3月…日

 

つまらない。何もかも…つまらない。

 

曲作りもあれから楽しくない。

 

俺って何のために曲作ってるんだろ…

 

 

 

何もないまま春休みに入った。"かけら"を捨ててから何もなかった。

 

学校でも、家でも、何にもなかった。

 

響「……つまんな。」

 

俺が望んだ生活ってそんなもの?確かにあの時よりはマシだ。

 

でも、μ'sの時の1年は最高だった。

 

何か熱中させてくれるものが欲しい。それだけだった。

 

響「……何か動画でも見るか…」

 

響は動画サイトを開いて適当に見だした。特にこれが見たいってものはない。ただ見えたものを適当に見ての繰り返し。ただの暇つぶしに過ぎない。

 

響「…これ…は…」

 

響はある動画を見つけた。それはあるアーティストのmusic videoだった。何故だか分からなかったけど吸い寄せられるようにその動画を開いた。

 

響はずっと無言でその動画を見ていた。そして、あっという間の4分30秒くらいの曲を聴いた後、ボソッと呟いた。

 

響「…凄い。」

 

響はずっと1人で曲を作っていた。ずっとひとりぼっちだった。だからこそ5人で音を作って一つの音にする…そんなバンドの音楽が凄く眩しく見えた。

 

響「バンド……良いな…。」

 

響は一瞬だけバンドをしてみたいと思った。でも、こんな俺がバンドなんて出来るわけが無い。すぐにそう思ってしまった。

 

響「…いや、出来るわけないなんて誰が決めた?」

 

思えばそうだ。μ'sの時だって…出来ないような事を可能にしてきた。ここで立ち止まって、後悔するのは誰だ?

 

響「やらないよりは、やった方が100倍マシだよな。」

 

これで響の決心を固まった。バンドを組んで、音をみんなに届ける。

 

響「さてと、じゃあ早速行動しないとな。」

 

 

 

4月…日

 

明日から新学期。そして部活勧誘も始まる。ここで3〜5人は欲しい。

 

部活勧誘なんてやった事もないけど、やると決めたんだ。

 

こうなったら、誰かさんみたいに目の前の事を頑張るだけだ。

 

 

 

響「春から出来た、バンド部でーす!よろしくお願いします!」

 

響はチラシを配りながら、何度も何度も声を出した。

 

「あれって響か?」

 

「バンドってマジ?」

 

「あの無口のあいつが?」

 

俺の事を変な奴だと馬鹿にする人もいた。でも別に苦ではなかった。だって全て真実だから。ずっと無口で、クラスで浮いてる存在だったのに急にバンドだなんて正気の沙汰ではないだろう。

 

でも、これが今俺がやりたいことだ。

 

 

 

4月…日

 

今のところ入部希望者は名乗りでない。初めから成功するなんて事はないんだ。

 

それに来週は部紹介がある。新入生に部活を紹介できる。

 

だが、俺はそこで全生徒をターゲットにする。

 

そこで1人でも良い。俺と音を奏でてくれる人が出てきてほしいものだ。

 

 

 

部紹介当日。

 

俺にくれた時間は5分。他の部活の人達は短いとか文句を垂らしていたけど、俺にとっては長すぎるくらいだ。この5分間でどれだけの人の気持ちを動かすことが出来るかが重要。時間なんて関係ない。

 

そして、遂に俺の出番が回ってきた。

 

「バンド部の方、お願いします!」

 

運営の呼びかけを聞いて、静かに舞台に歩き出す。

 

響「さて、やりますか…」

 

響はいつものギターを持ち、ゆっくりとマイクがある方へと歩いていく。

 

「おっ、来たぞ。」

 

「響がんばれー!」

 

「あがって音外すなよー!」

 

応援の声や、からかう声が混じった歓声が聴こえる。

 

響「こんにちは、西木野響です。この春からバンド部を始めました。では、早速一曲聴いてください。」

 

響は一回だけ大きく深呼吸をした。その瞬間、不思議とさっきまで大きく聞こえた会場の声が全く聞こえなくなった。

 

響「…インパーフェクト」

 

そして、響の合図で、音楽が流れ始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

響:さあ はじめよう

 

僕らの未来を勝ち取るために

 

 

 

見上げれば青空

 

裏腹に心が痛いよ

 

自分の小ささに気づくから

 

 

 

街中にバラ撒いた

 

窮屈で不安定な感情も

 

まるで幼気なS.O.S

 

 

 

誰かの手を握ろうとして

 

掴んだ不安の種

 

一人でいた君と僕が

 

出会ったそのワケを 今知りたい

 

 

 

立ち上がれ

 

世界の憂鬱をひっくり返すのは僕ら次第さ

 

悲しみも弱さも 君からこぼれたすべて

 

手を差し伸べたい

 

 

 

さあ はじめよう

 

僕らの未来を勝ち取るために

 

今 君が必要なんだよ

 

 

 

間奏の間ふと前を見ると、楽しむ人達が目に映り少し笑みが溢れた。

 

 

 

響:何か足りなくて 満たされなくて

 

穴の開いたような日常も

 

君に解けてく 君で埋まってく

 

重ねた答えを今こそ ここでかざそう

 

 

 

立ち上がれ

 

世界の憂鬱をひっくり返すのは僕ら次第さ

 

悲しみも弱さも 君からこぼれたすべて

 

手を差し伸べたい

 

 

 

さあ はじめよう

 

僕らの未来を勝ち取るために

 

今 君が必要なんだよ

 

 

 

必要なんだよ

 

 

 

 

 

 

 

 

たったの3分ぐらいの曲だった。なのに、聴いていた人達は曲が終わった瞬間歓声と拍手で溢れていた。本当に音楽って不思議でならない。人々の気持ちを一瞬で変えてしまう…魔法のような力を持っていると、いつも思ってしまう。

 

響「皆さんありがとうございました!バンドをしたいって人は放課後音楽室で待ってるので是非来てください!」

 

こうして、西木野響の最初の挑戦は大成功で幕を閉じた。

 

「バンド…か…」

 

「凄い…やってみたい…」

 

「僕でも出来るのかな…」

 

「西木野響…あいつについていきたい。」

 

ちゃんと人々の気持ちを動かしてみせたのだから。



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23話(本当の過去4)

部活説明会の次の日の朝。響にとっては普通の1日に過ぎないわけだが、少しだけ変わったことがある。さっきから廊下を歩いているんだが、何故か周りが騒がしい。ひそひそと俺の方を見て話していたり色んな声が聞こえる。

 

何を話してるんだろ?と不思議に思いながら教室に入ると…

 

響「おはよ…「おっ!響が来たぞ!!」

 

おはようと言う挨拶を言い終わる前に響の周りにはクラスのみんなが集まってきた。

 

「昨日の凄かったな!」

 

「響くんカッコよかったよ!」

 

「こんな特技隠してたのかよ!」

 

クラスのみんなから凄いとかカッコいいとか…サインくださいとまで言われる。嬉しい…嬉しいけど…

 

響「あ、えっと…みんなありがとね!ちょっとトイレ行ってくるからまた後で〜!!」

 

響は逃げるようにトイレに走り個室に飛び込む。

 

響「…はぁ…慣れねえ…」

 

ここまで殆ど他人と関わらなかった響にとってさっきの出来事はとても疲れるものがあった。

 

響「これから帰ればまた逆戻りかよ…サボりたい…」

 

響が初めて今までの行動を後悔した瞬間であった。

 

 

 

何とか1日乗り越えた響はすぐに音楽室へと急ぐ。もしかしたらもう希望者が来てるかもしれない。そう思ったら居ても立っても居られなかったのだ。

 

響はおもいっきり音楽室の戸を開く。

 

響「誰か…!…っているわけないか」

 

まだ音楽室に来ている者はいなかった。しかし、まだ初日。それに1日もまだ終わってない。響はいつも通り作曲をしようかとギターを準備する。まだ部になって間もないので楽器とかも買ってくれるはずもなく、家から持ってきた私物だ。

 

響がしばらくいつも通りに弾いている。ずっと家で弾いていたので音楽室で弾くのも悪くない。

 

そう思ってきた頃、静かに音楽室の戸が開く音が聞こえる。

 

響ははっ…として戸の方向を見る。

 

「ここ…だよな?お、いたいた!君が西木野響君か〜」

 

響「あ、ああ…そうだけど…」

 

「ここであってるよな?響君とバンドをしたい人が集まる所って」

 

響は嬉しさが溢れて笑みを浮かべながら大きく頷いた。

 

そして音楽室に初めての希望者が入った。

 

その男は五島拓也と名乗った。

 

響「へぇ…ドラムか…何年してるの?」

 

拓也「えーと…8歳くらいからだから…もう5年くらいだな」

 

響「8歳?もしかして親がプロとか?」

 

拓也「いや、親は普通のサラリーマンと主婦だよ」

 

響はここで一つ疑問が生まれた。親とかが音楽に縁がないのに8歳で始める理由がとても気になった。響は音楽の環境があったので自然に音楽に触れていたので始めたいというのは早かったが、拓也がどんな理由でドラムを始めたのか凄く知りたかった。

 

拓也「何で始めたかぁ…説明しにくいけどテレビである音楽番組を観てた時、ドラムが凄くカッコよく見えたっていうか…輝いて見えたんだ。ありきたりな理由かもしれないけど、俺にとってドラムはそこから憧れになったんだ。それで、親に頼みこんで始めたってわけ」

 

…ありきたりなんかじゃない。俺と同じだ。俺と全く同じだ…!そう思うと何故か笑いが溢れてきた。

 

響「…気に入ったよ。是非俺のバンドに入ってくれないかな?」

 

拓也「入るのは良いけど、一つお願いがあるんだ」

 

お願い…?何だろうか?

 

響「お願い…?それって……わっ!?」グッ

 

響は首を傾げていると突然腕を掴まれて拓也はそのまま走りだした。

 

響「拓也!どこ行くんだよ?」

 

拓也「さあ?それは着いてからのお楽しみかな?」

 

2人はまだ生徒が歩いている廊下を走っていった。響にとってこんなふうに振り回されるのは何故だか懐かしさを感じた。

 

 

 

響「ここは……」

 

響は拓也に連れてこられたある場所を見上げていた。『Live BOX』という名前らしいこの場所は外観は最近建てられたみたいな綺麗さで、惹かれるものがあった。

 

拓也「よし、入ろうぜ」

 

拓也が先陣を切って中に入っていったので響も拓也に続いて中に入る。中は小さなカフェみたいな所でカウンターとか机が置いてあった。響はここがどんな場所なのかこれを見ただけじゃよく分からなかった。

 

「いらっしゃいませ…って拓也じゃん」

 

店員?のような人が拓也に話しかけてきた。知り合いなのだろうか、距離の近い話し方だ。

 

拓也「(ひかる)、今日って空いてる?」

 

光「うん。スタジオは一つ空いてるけど」

 

響がまだよく分からないまま話がどんどん進んでいく。

 

響「えっと…拓也?ここは…」

 

拓也「ああ、ここは「えっ!?もしかして西木野響さん!?」

 

光「部紹介のステージ見た!本当圧感されましたよ!もしかして何か活動とかしてました?」

 

響は光による途切れることの無い質問責めに顔を引き攣らせる。

 

響「(ああ…なんか昔こんなやついたなぁ…)」

 

響がそう思ってると隣の拓也が響を止める。

 

拓也「響が困ってるからそれくらいにしとけ」

 

光「あはは…ごめんごめん」

 

えーと…置いてけぼりで話が進んでるみたいだけど…光は何者?高校生…みたいだけど…。

 

拓也「紹介するよ。この話すのが好きな女は青井光。俺たちと同学年でこのライブハウスの店長の息子だよ」

 

光「青井光。よろしく!で、あそこで宿題してるのが青井駆。おーい!挨拶は?」

 

駆は光の弟らしいが、こちらを軽く見たけど何も言わない。

 

光「ごめんね。駆は少し人見知りで…」

 

ああ…駆くん…何か仲良くなれそうだよ。

 

響「光さんは何か楽器はしてるの?」

 

光「ベースだよ。聴いてく?」

 

拓也「おっ、久しぶりにやるか?」

 

光「いいね!そうだ。響くんも一緒にやろうよ!」

 

響「えっ?まあいいけど…」

 

響は光に言われるがままスタジオへと連れて行かれるのであった。

 

 

 

3人でスタジオに来たのだが、よくよく考えたらスタジオに入るのは初めてだ。ほとんどが家でしたり最近は音楽室だったので少し楽しみだ。

 

響「それで、何の曲やる?」

 

光「はいはーい!私インパーフェクトがいい!」

 

光がすぐに提案してきた。てか俺の曲かよ!?

 

響「だってよ。拓也はいける?」

 

拓也「まあ大丈夫だろ。それじゃあいっちょやりますか!」

 

響「じゃあいくぞー。1 2 3…」

 

響の掛け声に合わせて3人で曲を奏で始める。ただ夢中で、何も考えずに奏でていたが、しっかりとドラムとベースの音が聴こえてくる。不思議で…今まで体験した事のない感覚だった。

 

曲はあっという間で、1分半程度だったが、そう思わないくらい充実した1分半だった。

 

光「いやー、やっぱり響くん上手いね〜!歌もそうだしギターの腕も凄いよ」

 

拓也「光も久しぶりだったかど腕上げたな」

 

光「そう?良かった〜!」

 

2人がさっきの演奏の感想を言い合っていると、響が突然床に倒れ込んだ。

 

拓也「響!?どうした!?」

 

光「どこか具合でも「楽しい…」

 

響の言葉に2人はえっ?と顔を見合わせる。

 

響「バンドって…めっちゃ楽しい…!!」

 

そう口にした響の顔は、μ'sと一緒にいた時のような無邪気な笑顔だった。

 

 

 

 

 

 



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24話(本当の過去5)

お久しぶりです。


光「それで…バンドって何するの?」

 

拓也「はぁ…お前そんな事も知らないで入るとか言ったのかよ…」

 

光「あ〜!絶対馬鹿にしてる!!」

 

2人が言い争いしているようだが、確かにバンドを組んで、それからどうしたいかまだ決めてなかった。

 

響「とりあえず俺と拓也、光の3人か…バンドならあと1、2人は欲しいな…」

 

光「う〜ん…とりあえず5人を目標に人探しする?」

 

3人で色々考えていると、部屋のドアが開く。

 

「あ、あの!!」

 

響「ん…?君は…!」

 

光「駆!?」

 

入ってきたのは光の弟の駆だった。さっきまではずっと無口で下を向いていたが、今はしっかりと立っている。

 

駆「僕を…僕も仲間に入れて!!」

 

駆は先程とは想像できないくらい堂々と3人に言った。

 

駆「この前響さんの曲を聴いて…このままじゃダメだって思った。足は絶対に引っ張らないからお願いします。僕をメンバーに入れてください!!」

 

光「駆……」

 

響は優しく微笑みながら駆の方に歩み寄る。

 

響「もちろん!大歓迎だよ」

 

拓也「よろしくな!えーと…何弾けるんだ?」

 

駆「ギターです!って響さんほどでは無いですが…」

 

響「上手い下手は関係ない…とにかく音楽を全力で楽しもう?」

 

駆「……!!はい!!」

 

これで響、拓也、光、駆の4人によるバンドが生まれた。響にとってはμ'sの時以来…いや、生まれて初めて"自分"も含めてのメンバーで音楽を奏でる。これからの日常に一気に光が差した気がした。

 

 

 

バンドを初めて少したったある日、響はいつも通りLive Boxに来た。

 

響「おはよー…ってあれ?」

 

響が入ると、何やら騒がしい。それに光も駆もバタバタして忙しそうだ。

 

駆「おはようございます!響さん!」

 

響「やけに忙しそうだな。今日なんかあんの?」

 

響が駆に聞くと、大きな機材を運んでいる光が答える。

 

光「今日はここでライブがあるのよ。だからそれの準備!言ってなかったっけ?」

 

いやいや…聞いてないから練習に来たんですが…

 

響「じゃあ俺はここで…「どこ行くの?」

 

あ…もうこの後言われる事分かったわ…

 

光「せっかく来たんだから手伝ってくれるよね?」

 

響「で、ですよねー」

 

これから"確実"にこき使われるという現実に肩を落とす響であった。

 

 

 

響「はぁ……」

 

拓也「随分と大きなため息だねぇ…そんな事だと幸せが逃げるぞー?」

 

響「うるせえ…お前こそ不満じゃねえのかよ?」

 

拓也「……何が?」

 

響は聞く相手を間違えたと思いもう一度ため息をついた。

 

響「光の野郎…男だからって重いものばっかり押しつけやがって…」

 

拓也「1人では持てなかったくせにか?」

 

響「うるせえ!!」

 

響が顔を赤くしながら怒っていると、仕事を片付けた光と駆がこっちに来た。

 

光「響ー!拓也ー!」

 

駆「あと少しでライブなので一緒に観に行きましょうよ!」

 

駆が2人にチケットを手渡してきた。

 

駆「2人なので、中々良い席にしときましたよ?」

 

響「へえ…てか誰のライブなんだ?」

 

よくよく考えたら誰のライブなのか今まで聞いていなかった。

 

光「そういえば言ってなかったっけ?神代 奏(かみしろ そう)。最近巷で話題になってるんだよ」

 

拓也「へえ…神代奏か。いつか見てみたかったから楽しみだな」

 

駆「確かピアノの実力はピカイチでプロも注目するほどでしたよね!」

 

みんな知っているし中々の実力らしいので響は楽しみになってきた。せめて重労働をした甲斐があったと思えるようなライブを観れればいいが。響はそう思いながら拓也と会場へと向かった。

 

 

 

会場の中へと入ると、既に沢山のお客さんで溢れていた。

 

拓也「随分と賑わってるな。俺らとタメだろ?なら凄えや」

 

響「同い年なんだ…益々興味が湧いてきたな」

 

響が光るような眼をステージに向ける。これからどんな音を聴かせてくれるのか…今から楽しみで仕方がなかった。

 

拓也「おっ、始まるみたいだな」

 

拓也の言葉と同時に会場の照明が落ちる。そしてしばらくするとステージのライトが一つに集まる。

 

だんだんと明るくなるにつれて、会場の歓声も大きくなってくる。その歓声を顔色ひとつ変えずに堂々と立っている者が見えた。

 

神代奏だ。

 

そして、彼による一曲目が始まる。

 

奏「それでは聴いてください…燃えよ」

 

曲名を言って少し照明が落ちると、歓声は一段階増してきた。

 

そして静かにピアノの前に座ると、手を鍵盤にそっと近づける。

 

さっきの歓声が嘘かのような静けさに包まれる。彼はそれを待ち侘びていたかのように歌い始めた。

 

 

 

しょげた顔をひっさげて

 

石ころを蹴っ飛ばして

 

太陽が泣いてるよ

 

ほら見上げてみて

 

 

 

ほんとは君の中で

 

くすぶる熱い光

 

太陽に叫ぼうよ

 

ほら見上げてみて

 

 

 

燃えよ

 

あの空に燃えよ

 

明日なんか来ると思わずに燃えよ

 

クールなフリ もうええよ

 

強がりも もうええよ

 

汗かいてもええよ

 

恥かいてもええよ

 

 

 

一曲目が終わり、彼は一礼した。それと同時に会場のボルテージは最高潮に達している。

 

どこを見渡しても、歓声。歓声。でも、何故か俺の耳には歓声はあまり入ってこなかった。

 

彼の声がずっとずっと頭の中から離れなかった。今まで沢山のアーティストの音楽を聴いてきたつもりだ。その中で彼の音楽は何かが違う。それを言葉にしようとするのは難しい。

 

だけど、何か違うものを持っている。

 

それだけは感じた。

 

拓也「凄いな…なあ…って響?」

 

俺は気づいたら、走って会場の外に出ていた。

 

彼と話がしたい。そして…叶うならば……一緒に歌いたい…!



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25話(本当の過去6)

ライブは順調に進み披露する予定の曲は全て歌い切った。会場では裏に戻った神代に向けてアンコールが響いている。

 

「お疲れ様です。」

 

神代「ああ、ありがとう。」

 

「アンコール、どうしますか?」

 

神代「ファンが待ってるんだから、行くよ。」

 

神代がもう一度集中力を高めて、ステージに向かう。

 

「待って!!」

 

声をあげた方を見ると神代と同じくらいの男が近づいてきて神代の手首を掴む。

 

神代「えっと…何か御用でも?」

 

響「私は西木野響と言います。突然こんなこと言うのは無礼かもしれないけど、奏さんの歌を聴いて、一緒に音楽がしたいと思った。だから…!

 

 

 

私のバンドに入ってください!!」

 

 

 

神代「……はぁ?」

 

スタッフも含めここにいる全員の目が点になった。

 

響「馬鹿に思われるかもしれないけど本気です。私は…貴方と音楽を奏でたい!」

 

神代は響をじっと見つめながらそれを聞いている。

 

神代「(バンド…か…)」

 

神代「ねえ、それってどれくらい本気?」

 

神代は少し冗談を言うような言い方で響に聞いた。

 

響「自分で言うものではないけど、私は冗談を言う人間ではないです。」

 

神代「そういうことじゃない。100か、90か…はたまた0か…数字の話をしてるんだ。」

 

神代は響がどれだけ本気なのか知りたかった。そして、少しだが響に興味を持っていた。

 

そして、神代の問いに響は迷い一つなく答える。

 

響「100…100%本気じゃないとここに来ませんよ。」

 

神代は響の本気、思いを理解して、一つ思った。

 

神代「…言ったよね。僕と音楽を奏でたいって。なら、俺の前で歌ってみてよ。」

 

響「えっ!?ここで…でも…」

 

「ちょっ!?ちょっと待って!アンコールは!?」

 

響もスタッフも神代の提案に驚いた。今はライブ中でステージからは今もなおアンコールが響いている。

 

神代「大丈夫、もう行くよ。響くん…だっけ?」

 

響「そうですけど…」

 

神代「後でこのステージにバンドメンバーを連れてきてよ。聴いてあげる…キミらの曲」

 

神代奏はそう言って輝く場所に戻っていった。

 

 

 

ライブが終わり、響は言われた通り拓也、光、駆を連れてステージに向かっている。

 

駆「えっと…どうして僕たちはステージに向かってるんですか?」

 

光「聞いてないの駆…?響が神代さんにバンドに入ってって言ったらしいよ。」

 

駆「えぇ!?随分と急ですね…」

 

響「…仕方ないだろ?勢いで言っちゃったんだから…」

 

光は神代に突然バンドに勧誘したのをあまりよく思っていなかった。神代奏とこのバンドの実力もキャリアも差が大きすぎる。

 

拓也「まあいいじゃねえの?響だってもう1人入れたいって言ってたし、俺らのこと見てくれるって言ってたんだろ?」

 

光「そうだけど……あの神代奏だよ?中学生なのにもうプロから注目されてる天才だよ。そんな子が私達のバンドに…?違和感しかない…」

 

光はさっきからそんなことを何度も呟いている。それを見た響はみんなの方へと振り向いて頭を下げた。

 

響「ごめん…突っ走ったばかりに…でも…絶対にこのバンドにとってプラスにする…だから、この馬鹿に少しだけ付き合ってくれないかな…?」

 

響は単独で動いてしまったことは申し訳ないと思ったが、バンドのためになると信じていた。

 

光「…仕方ないよね…決めた事だし…そのかわり、絶対に本気でやるよ!」

 

駆「僕は響さんが正しい道に一緒に突き進んでいきますよ。」

 

拓也「俺は元々賛成だったからな。ついていくぜ、響。」

 

響はそんな仲間に感謝の気持ちを持ちながら、ステージへと向かっていく。

 

ステージが見えてくると、ステージの真ん中に神代奏が立っていた。そして、響達の方に歩いてくる。

 

神代「キミらが響くんのバンドか…」

 

響「そうだよ。ギターの駆、ベースの光、ドラムの拓也、そしてボーカル、ギターの私の4人で組んでる。」

 

神代「ふーん…」

 

神代はひとつ頷くと、観客席の真ん中ら辺に立つ。そしてステージの方を指差して彼らに言う。

 

神代「じゃあ一曲聴かせてよ。それでキミらがどんなバンドなのか確かめるから。」

 

そしてステージに上がった4人は少し集まって話し合っている。勢いでここまで来たようなもので何を歌うのかも決めていない。

 

光「ねえ、何歌うの?」

 

駆「部紹介で歌ったインパーフェクトはどうですか?」

 

響「…いや、インパーフェクトじゃなく、別のでいこう。」

 

拓也「そうだよな…ここはまさにこの後のバンドを占う決戦みたいなもんだ。誰も聴いたことない曲で驚かせようぜ!」

 

響「拓也の言う通りだ。じゃあ……でいこう。」

 

話し合いを終えた4人は持ち場につく。マイクの前に立った響は深呼吸をして、神代に言う。

 

響「…聴いてください……ポラリス」

 

 

 

 

 

響: あの日「守る」と決めた

 

約束はこの胸に

 

 

 

全てを失うことで

 

今 救える命があるのなら

 

喜んで全部をあげよう

 

この気持ちが初めての生きがいだ

 

 

 

傷跡はかくさないで

 

絶望も武器にして

 

生きると決めたんだよ

 

 

 

精一杯この涙かきわけて

 

君に全てをあげるから

 

お願いどうか消えないでくれ

 

あの日「守る」と決めた

 

約束はこの胸に

 

消えそうな希望(ヒカリ)だとしても行け

 

 

 

 

 

響「はぁ…はぁ…ありがとうございました…!」

 

響達は今持つ全てを出しきった。この一曲に全てを込めた。

 

しかし、神代は特に拍手をしたりすることなく、ステージの方へふらふらと歩いてくる。

 

そして、ある"問い"をまた響に投げかける。

 

神代「響くんは何で音楽をしてるの?

 

音楽…をする理由…それは簡単なようで、難しい問いだった。響は下を向いてしばらく考える。

 

響(俺が音楽をする理由…か…)

 

考える時間はとてつもなく長く感じた。だが、響はある答えを見出した。

 

響「みんなが曲を聴いて楽しんでくれるから…そして、私自身がとても楽しいから…」

 

神代「楽しい…から…」

 

響「もちろん暗い曲もあるけど、その曲を聴いて、泣いたり、考えたり色んな視点で楽しんでくれて…何よりそれを見てる私自身がすごく楽しい。ありきたりで頭の悪い答えかもしれないけど、今はこれが音楽をする理由かな。」

 

響の答えをポカンとした顔で聞いていた神代は突然大きな声で笑いだした。

 

神代「あはははは…!!響くんって面白いんだね!よし、決めたよ。」

 

神代は右手を差し出した。頭に?が浮かぶ響に笑みを浮かべる。

 

神代「このバンドのキーボードを担当する、神代奏。よろしく。」

 

光「ほんと……!響!!」

 

響「本当にいいの?」

 

神代「ああ、ただし条件がある。」

 

神代はポケットからあるチラシを4人に見せる。

 

拓也「Major Dream Live…?」

 

駆「それって…!M.D.Live!?」

 

神代「ああ、それにこのバンドで出場する。それが条件だ。」

 

光「Major Dream Liveってあの売れてるアーティストを何人も輩出してる最高規模の音楽大会って言われてるあの!?」

 

M.D.Liveは本気でプロを目指す人達が集まる場所。そこに中学生が出るなど、聞いた事もなかった。

 

拓也「どうするよ?響…?」

 

前例がない…無理…そんな文字響には存在しない。言われた時から決断は済んでいた。

 

響「出よう。そして誰もやったことのない前例を作ってやろう!!」

 

駆「響さんが言うなら…頑張りましょう!!」

 

光「まぁ響はそういうよね…でも、私達なら出来る!」

 

拓也「前例がないなら作りゃあいいんだからな!」

 

神代「決まりだね。じゃあ、今日からスタートしよう。」

 

そして、自然と5人は片手を中央に差し出して、円陣のような形になった。

 

響「行こう…!俺達しかできない伝説を作ってやろう!!」

 

 

 

『おーーー!!!!』

 

 

 

こうして、5人による挑戦が幕をあけた。

 

 

 

 



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26話(本当の過去7)

さて!過去編7話行くぞ!!!

ちなみに過去はまだまだ続きます。
それでは、どうぞ!


6月…

 

バンドを結成して1ヶ月くらいが過ぎた。みんなどんどん上手くなっていって、もしかしたらじゃなく本当にM.D.Live勝てるかもしれない。

 

明日は本番。中学生だからって下に見られる事なく全力で頑張ろう。

 

 

 

バンド結成から再び毎日日記を書き始めた。今日の分も書き終わりそのまま身体をベッドに投げだす。

 

響「明日は本番…俺たちは頑張ったんだ…きっと…きっと…」

 

響はこれ以上考えるのをやめ、部屋の電気を静かに落とした。

 

 

 

当日。東京予選なだけあって会場は普通に大きい。体育館となんて比べ物にもならない。

 

光「凄っ!ここで演奏するんだね。」

 

拓也「いや〜流石日本最高峰の音楽大会。随分と規模がでけえな。」

 

駆「それに僕たち以外にも沢山いますねー。ざっと100組は超えてますよ。」

 

駆が言うように周りを見渡しても肩にケースを背負っていたりと、見るからに音楽をしていそうな風貌だったりと参加者は多そうだ。

 

奏「この大会はお遊びじゃないからね。なんせ人生賭けてるやつが殆どだからな。」

 

響「なるほど…だからみんな目を光らせてんだな。」

 

俺たちみたいに部活の大会レベルで意気込んでる奴なんて一人もいない。皆結果に飢えている。

 

響「相手の生活なんざ関係ないね。俺たちは俺たちの音を聴かせればいいだけ。」

 

奏「随分な言い分だね。だけど賛成。」

 

光「そのために練習してきたんでしょ?」

 

駆「言い方は悪いですが結果的にはそうなりますからね。」

 

拓也「その意気だ!響!最後に笑うのは俺たちだ!」

 

一人一人意気込みを言い合いながら会場に入っていった。

 

 

 

そして、予選が幕を開ける。トップバッターを皮切りに様々なアーティストが会場を沸かせていく。響たちは真ん中ぐらいの順番だ。控え室で出番を待つ響たち。部屋は音がなく独特な雰囲気を漂わせている。

 

そして、響たちを呼ぶ声が聞こえてきた。

 

響「行くぞ。」

 

響の一言で四人は頷き立ち上がっていく。廊下を歩いていくときも無言だったが、途中で出番を終えた出場者が戻ってきた。彼らはタオルで顔を沈めている。その隙間から目が光っているのが見えた。

 

ステージのすぐ横に着いた響たちは一度立ち止まる。遠くから観客席を見てみると、今まで体験した事ないくらい盛り上がっている。響はその時μ'sの光景がふと思い出す。彼女達はこんな修羅場を乗り越えて頂点まで辿り着いた。

 

駆「す…凄い…」

 

駆の手が少しだが震えていた。この状況で緊張するのは当然だ。俺だってしていないと言ったら嘘になる。

 

でも、乗り越えなきゃ上へは行けない。

 

響は駆の肩に手を置いて、少し話しかける。

 

響「大丈夫。練習通りにすれば大丈夫だから。あとは楽しもうぜ?」

 

光「そうそう。てか失うことなんてないよ。頑張ろ?」

 

拓也「こうなったら楽しむだけ楽しんじゃえよ。固くなる必要はないぜ。」

 

奏「失敗してもここには四人もいる。支え合おう。」

 

四人の呼びかけに駆の緊張も少し和らいだようだ。

 

駆「はい!頑張りましょう!」

 

そしてスタッフから合図が送られる。彼らのステージの開演を伝える合図が。

 

響「行こう。」

 

響を先頭にステージに歩み始めた。

 

 

 

ワアァァァァ〜〜〜!!

 

 

 

観客からの歓声や拍手が聴こえてくる。そしてそれぞれが持ち場につき、俺もスタンドマイクの前に止まる。

 

響「初めまして。楽しく演奏するので皆さんも楽しんでください。それでは聴いてください……"創造"。」

 

響の一言が終えて、歓声がピタリと止む。そして、拓也の合図で曲が始まる。

 

 

 

 

 

Let's take

 

Something out of nothing

 

Out of the ordinary

 

Breaking rules to create our own way

 

Playing everyday

 

 

 

Let's chase

 

All the yellow magic

 

Till we count to a hundred

 

Running directly to you today

 

Playing over again

 

 

 

何か創り出そうぜ 非常識の提案

 

誰もいない場所から 直接に

 

独(いち)を創り出そうぜ そうさYELLOW MAGIC

 

色褪せぬ 遊びを繰り返して

 

 

 

僕は生まれ変わった 幾度目の始まりは

 

澱むこの世界で 遊ぶためにある

 

配られた花 手札を握り

 

変える 運命を

 

 

 

あぶれては はみ出した

 

世をずらせば真ん中

 

 

 

何か創り出そうぜ 非常識な提案

 

誰も見ない場所から 一筋の

 

未知を創り出そうぜ そうさYELLOW MAGIC

 

やめられない 遊びを繰り返し

 

 

 

繰り返し

 

 

 

何か創り出そうぜ 非常識の提案

 

誰もいない場所から 直接に

 

(イチ)を創り出そうぜ そうさYELLOW MAGIC

 

色褪せぬ 遊びを繰り返して

 

 

 

 

 

あっという間に曲が終わり、会場に残ったのは達成感と、これ以上ないくらいの拍手喝采だった。

 

響「はぁ…はぁ…ありがとう…ございました!!」

 

今までとは比べ物にならないくらいの達成感、みんなはもうこれだけでも満足だった。

 

もう一度全員で観客席に向かって一礼をして会場を後にすると、それぞれ感情が爆発する。

 

光「やったね!!さいっこうだったよ!!」

 

拓也「ああ、今までで一番の出来じゃねえか?」

 

奏「まだ終わったばかりだぞ?勝ったわけじゃないんだから…」

 

駆「でも達成感はありますよ!やってやったぞ!って!」

 

この四人が笑顔なのを見て、響はこの五人で良かったと心から思った。この五人なら…頂点を掴める…そう思った。

 

 

 

 

 

そして、結果発表。

 

上位三組が次の大会に進めるということで多くの人が固唾を飲んで待っていた。でも、正直響はあまり緊張はしていなかった。さっきあんなに最高なパフォーマンスをしたんだ、入ってないはずがないと思っていた。

 

司会の人が出てきて、結果を述べていく。

 

二位まであっという間に言っていったが、未だ響達の名前はない。

 

そして…

 

 

 

司会「それでは優勝の発表は…………です!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

響「……え?………お…ち…た?」

 

そこで無情にも多くの出場者が敗退してしまった。そこには響達の姿もあった。五人とも残念そうな顔をしていたが、響には敗退という二文字が頭の中を駆け巡っていた。

 

響「何で……あれで……敗退……?」

 

音楽の世界の難しさ……他の彼らが何故こんなにも本気だったのをここで思い知らされたのだった。

 

 




どうも、銀河のかけらです!いかがでしたか?

さて、怒涛の予選でしたが、響達にとっての初めての挫折。これは響達にどんな影響を与えるのか?そして、負けを知った響はどうなっていくのか?お楽しみに!

それでは今回は以上!銀河のかけらでした!


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27話(本当の過去8)

スーパースター二期の2話を半分しか録画出来ませんでした。かけらです。そして、見逃し配信に感謝の言葉しか出てこないかけらであった。

それでは、どうぞ!


9月…日

 

段々と秋が近づいて来た。そして、それは予選も近づいていると意味してるだろう。最近バンドとの間でも白熱した練習が出来ている。

 

みんなにも絶対に今以上の力を出してほしいところだ。

 

勝つ為にも…

 

 

 

響「駆!遅れてるぞ!光は走り過ぎ!」

 

曲中にも響の指摘が聞こえてくる。

 

光「りょーかい!」

 

駆「はい!」

 

その後も演奏しては響が指摘するというのが続いた。

 

響「なんだよ…何度も同じこと言わせないでよ…。」

 

響はため息を混じらせながら呟く。少しイライラしてるようにも感じ取れる。

 

光「ちょっと待って…!少し言い過ぎじゃないの?」

 

すると光が演奏を止めて響に詰め寄る。

 

光「確かにミスしてるのは申し訳ないけど、言い方ってものがあるんじゃないの?」

 

響「え?何?ならミスらないでくれないかな?そうすれば解決でしょ?それくらい馬鹿じゃないんだからわかるでしょ?」

 

光「っ!!響……!!」

 

拓也「ちょっ!?待てって!!」ガシッ

 

駆「響さんも言い過ぎですよ!」

 

拓也と駆が二人の間に入る。光はずっと響を睨んでいるが、対して響も少し睨み返す。

 

響「やる気がないなら帰っていいよ?やる気がある人だけ残って、再開しよう。」

 

光「……っ!」ダッ…

 

響にそう言い捨てられた光は教室を飛び出していった。光の目には涙を浮かべているように見えた。

 

奏「響…少し冷静になれ。」

 

響「冷静…?至極冷静だけど…?」

 

奏「響……。」

 

持ち場に戻る響に拓也と奏は何も言えず続いていった。しかし駆は姉である光の事が心配になり、ギターを置いて教室を出ていった。

 

響「……ごめん、個人練にしよう。」

 

不満そうに拳を握りしめる響を見つめる拓也は、嫌な予感が少しずつ溜まっていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

響が帰った後、残った拓也と奏が響について話し出す、、

 

拓也「なあ、奏。響の事なんだけど…最近焦っているような、いつもの響じゃない気がするんだ。」

 

奏「確かに、中々結果が出なくて焦ってる…そう見えるな。」

 

拓也「やっぱりか…そのせいもあってか最近暴走気味なんだよな…。」

 

奏「勝ちにこだわるのは良いけどな…彼に関しては少しこだわり過ぎな面がある。」

 

奏「確かにね。でもここまで来たら俺たちは後ろから響を支えていくしかない。俺たちが響に最高の舞台を見せよう。」

 

拓也「ああ…まずは光をフォローしていかないとな。」

 

俺たち二人の行動が今後のバンドに左右するとまで思わされるような状況に拓也は息を呑むのであった。

 

 

 

 

 

そして時間というものはあっという間に過ぎていく。

 

 

 

 

 

11月…日

 

とうとう今週末が予選だ。最近バンドの練習の質が下がっているように見えているが、抜かりはないはずだ。

 

明日は必ず…俺たちが頂点に立つ。

 

 

 

響「みんな、少し聞いてほしい。」

 

響の呼びかけに四人は耳を傾ける。

 

響「予選まであと二日に迫ってる。全体としてはかなり良い出来になってきてるから、あとはそのパフォーマンスをもう一段階レベルアップしていこう。」

 

奏「…わかった。」

 

拓也「OK。頑張んないとな!」

 

駆「分かりました。」

 

光「…………………。」

 

光は響の方を向かず自分の楽器を気にしていた。あれ以降、響と光は仲直りしていない。そのせいもあってか、バンドの中に少しだが暗い雰囲気が漂っていた。

 

拓也「………。」

 

それを遠くから見守っていた拓也には何やら胸騒ぎを感じていた。嫌な予感がしてならない…拓也は心配でならなかった。

 

 

 

直前の練習も特に何かトラブルもなく順調に過ぎていった。

 

 

 

そして、ついに予選の朝を迎えた。

 

響「ん……ふわぁ……朝か……」

 

少し眠いしまだ時計の針も5時を指している。普通なら二度寝をする時間帯だが今日だけはそうも言ってられない。

 

響「予選か…よし!行こう!!」

 

響は勢いよくベットから飛び起きると早速準備に取り掛かる。

 

響「よし、持ち物はOKだな。さてと…少し早いけど行くか…。」

 

予選は電車で移動しなければならない。時間は余裕を持っておいた方がいいだろう。

 

響「よし、行ってきます。」

 

そして、いつもより少し大きな声で家を出ていった。

 

 

 

駅に着いた響は乗る電車を待っていた。後数分で着くはずだ。日曜だがいつもより人が多く感じた。

 

響「人多いな…混むのは嫌だけど今日は仕方ないか…。」

 

響は相変わらず人混みが好きじゃないのは変わりなかった。少しでも紛らわせようと携帯を触ってようと思う。

 

響「…あれ?充電切れか?やっちゃったなぁ…。」

 

珍しく携帯の充電を忘れて充電切れになってしまっているようだ。携帯が使えないのは痛いが、今日は予選だけなのでそこまで影響はないだろう。

 

響「みんなちゃんと移動出来てるかな…まあ流石に大丈夫だろ。」

 

そうやって適当に過ごしているとやっと響が乗る電車が来たみたいだ。

 

響「お、やっと来たか…さてと、会場に行きますか…。」

 

響にとって二回目の予選。

 

みんなのため…そして勝ちたいという想いのため…俺たちの音をみんなに届けるため…

 

響達の色々な想いが詰まったそんな曲を届ける。そして結果というものを持ち帰りたい。

 

俺たちの今後をおおきくかえる予選が始まる。後悔なく曲を披露する。そう改めて自分に言い聞かせながら電車に乗り込んだ。

 

長い長い電車での移動が始まる。

 

 

 

 

 

 

 

 




どうも、銀河のかけらです!いかがでしたか?

さて着々と進んでいる過去編ですが、最近少し長くかけ過ぎかなと感じる時があるんですよね。受験生となって少し時間が減りましたが流石にAqoursのメンバーも出したい…。でもまだまだ先が長いんですよね。なので少し字数を増やしたりと予定より早く進める可能性があるのでその時はよろしくお願いします。

それでは今回は以上!銀河のかけらでした!


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28話(本当の過去9)

電車に体を少し揺らされながらも着々と目的地まで進んでいる。

 

響「…………。」

 

響は窓の外に広がる景色を見渡していた。

 

電車は嫌いではない。こうやって景色を見ることができるのはとても好きだ。混んでいる電車に乗るのは好まないが…。

 

響「あと少しで会場か…。」

 

あっという間に時間は過ぎて目的の駅へと近づいてきた。ここから誰かに審査されているような緊張感がここで襲って来る。

 

響「今回こそ…今回こそは…必ず…」

 

響は心の中で何度も口ずさみながら電車が減速していくのを感じていた。

 

 

 

会場に入って、早速俺たちが待機する所に行くと、もう既に四人が準備を進めていた。

 

響「おはよう、みんな。」

 

駆「おはようございます!響さん!」

 

拓也「おはよう。」

 

二人は挨拶を返してくれたが、奏と光は挨拶を返さず自分の準備を進めていた。奏は元々そういう人で自分のやる事があったら黙々とやる人だったので特に気にしなかった。

 

響「光、おはよう。」

 

光「……ん。」

 

光はあの件から全くと言ってもいいぐらい無視されていた。話しかけても冷たい目で最低限の返答をしてすぐに去っていってしまう。私と光の関係は最悪だった。

 

でも、それを演奏に影響を出すわけにはいかない。五人の気持ちが一つじゃないと優勝なんて夢のまた夢だ。

 

響「光。俺が嫌いなのは構わないけど、演奏には集中してくれ。頼む。」

 

光「……分かってるわよ。それくらい…。」

 

響は少しばかり不安も残っていたが、自分の準備もしなければいけなかったのでこれ以上は言うことはなかった。

 

 

 

そして、M.D.Live東京予選が始まった。参加者は前回よりも増えていて、二回目だがこの異様な雰囲気は慣れない。でも、優勝するためにはこれを乗り越えるのが最低条件だ。

 

響「あと二組で私たちの番だね。」

 

拓也「ああ、そうだな。」

 

響「みんな、私は私達の歌でみんなの心を動かしたい。そのためにもM.D.Liveで日本中に伝えたい。私達の想いを。だから今日は最高の音を出してほしい。」

 

奏「言われなくても。」

 

駆「は、はい!みんなで頑張りましょう!」

 

拓也「お、おう…分かった。」

 

光「うん…。」

 

みんなにそう呼びかけた後すぐにスタッフが呼びに来た。

 

響「よし、行こう!」

 

響が歩き出すが、拓也はそんな響を少し立ち止まって見ていた。

 

拓也「響…どうして…焦ってるんだ…。」

 

駆「拓也さん?早く行きましょう?」

 

拓也「あ、ああ、分かってるよ。」

 

拓也は響への不安を消しきれないまま歩いて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、結果は、、、、惨敗だった。

 

演奏してる自分でも分かった。上に行くレベルでは無いって。頂点なんて夢のまた夢なんだって、思い知らされた。

 

すぐに楽器を片付けて逃げるように会場を去った。敗者はとっとと消えろって言われてるように感じたから。

 

五人は終始無言で歩いていた。だが、我慢できず響が口を開く。

 

響「何で、練習通りに演奏しなかったの?」

 

四人ともその場に立ち止まる。

 

拓也「練習通りにしなかった…?どういう事だ?」

 

響「言葉の通りだよ。みんな今日はミスが多かった。どうして?」

 

奏「少なくとも、僕はミスなんかしてないけど?」

 

駆「どうしてって…言われても……」

 

響「何?何も振り返ってないわけ?今日はこうだったから次はこうしないととかさ?そういう事何もしてないの?」

 

光「っ………。」

 

拓也「別に振り返ってないわけじゃないけどさ…。」

 

響「何だよ?じゃあ早く答えてよ。」

 

再び問いかけても四人は口を閉じたままだ。それに響はどんどん腹が立ってくる。

 

響「光、何であんな初歩的なミスを連発した。」

 

光「えっ…それは……。」

 

響「人を嫌う余裕があるならミスをしないで。邪魔でしか無い。」

 

拓也「おい、少し言い過ぎだぞ!」

 

響「練習の時もいつも重い空気にして練習を乱して…それが光がバンドでしたかった事?」

 

響は拓也の静止を聞く事はなく、光は何も言えず涙を浮かべる。

 

光「違う…そんなつもりじゃなくて……。」

 

響「は…?少なくとも今の光はバンドにとって邪魔。これ以上邪魔するなら…。」

 

 

 

 

 

響「私達の前から……消えて。」

 

 

 

 

 

 

 

ドゴッ!!!

 

 

 

大きな音と共に響が地面に倒れ込む。奏と駆、光は驚いた顔でそれを見ていた。ただ、拓也だけは息を切らせて、顔は少し赤くなっていた。

 

拓也「その言葉だけは……その言葉だけは許さねえ!!」

 

拓也はさらに響を殴ろうとする。

 

奏「拓也、ここまでだ。」

 

拓也「離せ奏!!俺は響を許せねえ!!」

 

その光景を殴られた頬に触れながら見ていた。

 

そして、拓也は怒りのまま言い放った。

 

拓也「もういい!!俺はバンドを抜ける!こいつとなんかやってやられねえよ!!」

 

奏「……本気か?」

 

拓也「…離せよ!!じゃあな響、もうこれまでだ。」

 

そう言って拓也は去って行った。言葉が出なかった。止めなきゃいけないのに、出来なかった。

 

光「……ごめん。私もこれ以上出来そうにない。」

 

駆「すみません、響さん。僕も……。」

 

そう言って二人も拓也同様去って行った。奏と響だけが残ったこの場所で、響はぼう然としていた。

 

奏「何でこんな結果になってしまったか、よく考えた方がいい。じゃあ…さよならだ。」

 

そうして、私達のバンドは、崩壊した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一人だけの帰り道。その足取りは重い。

 

何でこうなった?何がいけなかった?

 

響「いや、自分のせい…何もかも…。」

 

こんなこと考えていても今更だ。後悔したって4人が戻ってこない。

 

でもこれでよかったのかな。私は人の前に立つ人間じゃない。俺は暗い場所がお似合いなのかもな。

 

響「もう、光が照らす世界にいるのはおしまいだ。」

 

 

 

そして、私はまた無口の人間に戻った。



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29話(本当の過去10)

千歌「これが…響くんの中学生活……。」

 

曜「なんか…中学生とは思えないよね。」

 

ノートには響の日記が記されていた。だが、響の中学までを想像するだけでも普通を超えた苦悩、挫折を感じとっていた。

 

ルビィ「前にも聞いてたけど、改めて聞くと凄い過去ってすごい…。」

 

ダイヤ「ルビィ、厳しくなったらいつでも言ってくださいね。」

 

ルビィ「ありがとうお姉ちゃん…でも、最後まで聞きたい。」

 

果南「それにしてもすごい才能だよね。小学生で既に作曲で評価されてるって。」

 

鞠莉「でもその才能で多くの挫折を経験してるわね。」

 

動画サイトへの投稿、バンド活動、それらを可能にするのも響の才能があっての事だ。だが、それと同じくらいの挫折を経験している。それほど、響の人生は波瀾万丈だった。

 

花丸「あとは高校一年の時の記憶。」

 

善子「そういえばリリーって音ノ木坂出身よね?何か知らないの?」

 

梨子「ごめんなさい…響くんとはクラスも違うし…自分に精いっぱいだったから。」

 

響の高校一年といえば、教師を目指して勉強に励んでいたらある女の子にいじめを救ってほしいと言われ、そこで学校に失望して辞めたって響が言っていた。

 

その通りならこのノートにも書いてあればその時の心境が綴ってあるはずだ。

 

千歌「……開くよ。」

 

千歌はノートを開いていくと、4月6日と書かれたものがあった。

 

 

 

 

 

 

 

4月6日

 

今日から高校生だ。

 

 

 

 

 

 

 

満開の桜の花びらがひらひらと落ちてくる。

 

大多数の人はこの光景を見て春が来たとか新生活の始まりとか思うのだろう。

 

だが、西木野響にはそんな事どうでも良かった。

 

響「…………。」

 

響はかつてμ'sのサポートをしていた時に通っていた音ノ木坂学院に入学して、今日は入学式だ。かつて通っていた道を歩いているのだが、響にはそれすら何も思わない。

 

響「…………。」

 

一人で、無言で学校へと歩いていく。その顔は無気力で、この先に何も希望がないような顔をしていた。

 

 

 

 

 

「新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。暖かな春の日差しに誘われて、桜の花も満開となり、本日の門出をお祝いしているようです。」

 

校長先生?が長々と話し続けているが、響は他の人と同じように聞いている。何やら新しい生活を〜とか勉強が〜とか言っているがそんな事言われなくても分かってる。

 

音ノ木坂学院はμ'sの時廃校の危機に見舞わせていたが、μ'sの活躍によりそれは無くなった。その後は共学になり、μ'sの人気もあって学校の名も知れ渡り毎年多くの学生が入学している。俺だって"前"なら希望を抱いて入学したのかもしれない。

 

響「(あーあ…早く終わらねえかな…)」

 

だが、響がこの学校ですることはただ一つ。

 

 

 

決して人とは関わらない。

 

 

 

関わらないと言っても行事や授業は普通に受ける。だが、同級生との関わりは最小限に抑える。友達を作るなんてもってのほかだ。

 

 

 

俺はもう友達なんていらない。もうあんな気持ちになるのはごめんだ。

 

 

 

音ノ木坂にだって単純に知ってる高校だからと言う理由だ。特に何かしたいとか高校生がよく夢とか希望とかそんなのは全くない。

 

響の目はまるで死んだ魚のような目をしながら、長い話を聞いていた。

 

 

 

 

 

「ねえ、中学どこだったの?」

 

「……っていうんだ!よろしくね!」

 

初めて顔を合わせる時によくある会話が広がっている。でも、響はそんな輪に入らず自分の席にポツンと座っている。

 

「ねえ、君はどこ中出身?」

 

何となく予想はしてたけどこっちにも話は回ってきた。

 

響「……中学校。」

 

「へぇ…すきなものとかあるの?」

 

響「特に何も。」

 

「そ、そうなんだ…」

 

話しかけてきた人は素っ気無い返しをしたら他の人の所へと行ってしまった。

 

響(これで分かっただろ?俺に話してきても楽しくないって。)

 

響は机に伏せるようにして寝たふりをした。もう誰も寄ってこないように。

 

静かだ。クラスメイトの話し声が遠く離れているみたいで、心地良い。これが永遠と続いていけば良いのにな…。

 

響はそう願っていたが、そう上手くいくはずもなかった。

 

「ねえねえ!君どこ出身!?好きな事は!?得意な事とかあるの!?」

 

この心地良い感じを一瞬にして壊してきた。

 

響「…はい?なんですか?」

 

普通初対面の人間にこんな馴れ馴れしく行きますか?しかも寝てる人に…という言葉を発したくなったが、何とか平然を保つ。

 

「あれ?もしかして寝てた感じ?ごめ〜ん!気づかなかった!」

 

響「……で、起こしてまで何のようですか?」

 

「いや、特に何も!ただ席隣だから挨拶しよっかなーって!」

 

何だコイツ…もしかして馬鹿か?だが相手が馬鹿だろうと関係ない。

 

響「ああ、お前と関わる気は微塵もないがよろしくな。」

 

この言葉は少しキツかっただろうか。彼女は顔を暗くして下を向いている。

 

「そっか…君面白いね。」

 

響「はぁ…?」

 

相手から避けられると思った。そうなるはずだった。

 

だが、こいつだけは違った。

 

千夜「私は春奈千夜!君と友達になるからよろしくね!」

 

彼女だけは、こんな俺と友達になるなんて言い出してきた。

 

 



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30話(本当の過去11)

お久しぶりです。


それからというもの、春奈千夜という女は俺に執拗に話しかけてくる。

 

千夜「ねえねえ!響くん聞いてる?」

 

響「…………。」

 

千夜「なんで無視するの〜?」

 

響「…………。」

 

千夜「おーい?」聞ーこーえーてーるー?」

 

 

 

響「はぁ…なんだよあいつ…。」

 

春奈さんから逃げる為に休み時間はトイレに隠れるというのが日常になってしまった。流石の春奈さんもここまでは来ないので僅かな一人の時間だ。

 

響「こんなはずじゃなかったのに…。」

 

この学校ではひとりぼっちで目立たないまま三年間生きてくって決めたばかりじゃないか。

 

なのに…なんでたった一人の女にそんなに振り回されてるんだ…?

 

響「あいつは危険だ。早くあいつから俺への興味を無くさないと…」

 

 

 

教室。昼休みが終わるチャイムが鳴り響き、みんな自分の席へと戻っていく。

 

千夜「あれ?響くんは?」

 

「響君?私は知らないな…?」

 

千夜「ふーん…?」

 

千夜は誰も座っていない響の席を見つめて、自分も席へと戻って行った。

 

 

 

そんな響がどこにいるのかというと、別にトイレや保健室などではない。

 

響「はぁ……」

 

学校の屋上にいた。理由は風に当たりながら考え事をしたいから。要するにサボりだ。だが、春奈千夜をどうするか考えるという目的はあった。

 

響「春奈千夜…俺と昔同じ学校にいたわけでもない。接点はまるでなし。なら何で俺にここまで関わろうとするんだ…?」

 

何がしたいんだよ…本当に…。響はせっかくの計画を無駄にされた事にも腹が立っていたし、春奈千夜という謎の存在が気になってしかたなかった。

 

響「…とりあえず今日一日じっくり考えるか…」

 

響は生涯初めて、授業をサボった。だが、不思議と何も感じない。こういうのって罪悪感とか後悔の気持ちが頭中を駆け巡るのかと思っていたが、意外とそうでもなかった。

 

そのまま誰にも会わないように帰宅した。家に帰った後、自室で試しにパソコンで彼女のことを調べてみた。

 

まずは彼女の本名をそのまま検索してみると、彼女のアカウントらしきものを見つけた。そのアカウントを見てみたが、彼女自身のようだ。紹介文に音ノ木坂と書いてあったからだ。

 

投稿を見てみたが、普通の女子高生のようなものばかり。

 

特に過去に俺と関わっている感じもない。なら申し訳ないな。彼女とは関わる理由はない。

 

響「ごめん…俺はもう一人で生きていくと決めてるから。」

 

 

 

響「ただいま…」

 

母「おかえりなさい。響、学校はどうだった?」

 

響「………。」

 

最近、母さんや父さん、家のお手伝いさんとの関係があまり良くなかった。周りから見れば反抗期なのだが、別に嫌いなんかじゃない。でも、とにかく1人でいたい。申し訳ない気持ちを抱きながら暗くなった自分の部屋に入っていった。

 

 

 

彼女を避けるように生活していくと日々はとても早く流れるように感じる。

 

高校生になり一カ月が経ったが、当初の計画通り俺はクラスで孤立することが出来た。クラスの連中からは俺の事を不思議がる声がちらほら聞こえてきたがそんな事はどうでもいい。

 

それに、思わぬ発見もあった。

 

音ノ木坂には音楽室が三つあった。二つは部活動で使っていたのだが、もう一つはあまり使われなくなっていた。棟もいつも使っているところと別になっており、その階ごとあまり人が来なくなっていた。

 

この音楽室は俺にとって都合が良かった。

 

俺は放課後や土曜日、学校が空いている時はとにかく音楽室に篭るようになった。少し埃が付いていたがまだ使えるピアノ、少し聞こえてくる風や虫の音。どれも心地良く俺の気持ちをすっとさせてくれる何かがこの音楽室にあった。

 

そして土曜日だが今日もこの音楽室に来ていた。部活が盛んな学校なので土曜日だが学校に来る人は多い。その人達に紛れ込むなんて容易い事だった。

 

今日はピアノの椅子に身体を預けていた。

 

響「…………。」

 

なぜだろうか。なぜだか歌いたくなってきた。

 

音楽は捨てたはず。でも、俺の心が歌えって言っているような…そんな気がした。

 

響「なら、今の俺にぴったりのような曲を歌うか…。」

 

そして、鍵盤を上げ、一音鳴らした。使われてないようだったがまだ綺麗なら音が聴こえてきた。

 

そして、俺はピアノを弾き始める。その瞬間、周りの音は聴こえず、ピアノの音だけが聴こえる。

 

ピアノの音と共に、響の歌声も響いてくる。

 

 

 

響: この世界の誰もが

 

君を忘れ去っても

 

随分老けたねって

 

今日も隣で笑うから

 

 

 

怯えなくて良いんだよ

 

そのままの君で良いんだよ

 

増えた皺の数を隣で数えながら

 

 

 

僕らの人生が

 

三文小説だとしても

 

投げ売る気は無いね

 

何度でも書き直すよ

 

 

 

誰もが愛任せ

 

いつまでも彷徨う定め

 

この小説(はなし)の果ての

 

その先を書き足すよ

 

 

 

真実と向き合うためには

 

一人にならなきゃいけない時がある

 

過ちだと分かっていても尚

 

描き続けたい物語があるよ

 

 

 

あゝ

 

駄文ばかりの脚本と

 

三文芝居にいつ迄も

 

付き合っていたいのさ

 

 

 

あゝ

 

君の不器用な

 

表情や言葉一つで

 

救われる僕がいるから

 

 

 

曲的には一番の終わりだが、ここまででいい。この曲はここまでしかないから。

 

ピアノを弾く手を離すとまた静寂に包まれる。俺の好きな、音楽室が戻ってくる

 

 

 

はずだった。

 

 

 

「すごい…」

 

 

 

響「っ!?誰だ!!」

 

突然の声に俺はびっくりして大きな声を上げてしまった。そして声のした方を向くと、また静寂が戻ってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その人はここの生徒、先生の誰よりも、一番会いたくない人物だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

響「春奈…千夜……。」

 

土曜日なのに制服を着た春奈千夜がここに立っていたのだから。



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31話(本当の過去12)

響「春奈…千夜……」

 

予想外の人物が姿を現して、響は思わず呆然としていた。確か春奈千夜はどこの部活にも入ってない。土曜日に学校へ来てまで勉強するような奴でもない。それにこんな所に来る理由なんてあるはずがない。

 

なら…何で彼女が…ここに…?

 

響が頭をフル回転して考えを巡らせている時、千夜が再び口を開けた。

 

千夜「す…凄い……!」

 

響「え……?」

 

響は彼女の顔を見て驚いた。何故なら彼女は、泣いていたからだ。

 

響「何で泣いてるんだ?」

 

頬を伝う涙は1滴、また一滴と床に落ちていった。

 

響「大丈夫!?ほら、これ使って。」

 

響はポケットに入っていた1枚のハンカチを彼女に差し出した。彼女は「ありがとう。」と言って残る涙を拭き取った。

 

千夜「ごめん。突然…泣き出しちゃって……。」

 

響「それはいいんだけど、何でこんな所に?」

 

彼女が泣き出した事もどうでもよくはないが、響はそれよりこんな所に1人で来ている理由が気になって仕方がなかった。

 

千夜「いや〜ちょっと空いた時間が出来たから何しよっかなーって思ってたらそうだ!学校探検してみよう!ってなって学校に来て探検してたらピアノと歌声が聴こえて、今に至るというわけであります!」

 

 

 

 

 

………いや、わからん。

 

急にいつものテンションに戻ったけど、要するに暇だから学校でウロウロしてここまで辿り着いて俺を見つけたってことだよな?

 

普通に考えて暇だからって土曜日に学校へ探検行くか?いや俺もわざわざ土曜日に居場所求めに来てるから変わらねえか…。

 

 

 

千夜「そういえばさっきの曲なに!?」

 

ま、まずい…ここは適当に流して逃げるしか…

 

千夜「登場人物の君が年齢を重ねて若い頃の姿じゃなくても変わらずそばにいるよと寄り添う男性。2人の人生が三文小説ぐらいのものだとしても彼はずっと彼女と共にいるよという2人の愛……それが駄文でもありきたりな物語(ストーリー)だとしてもだからこそ見ていきたい…彼女の何気ない「ちょっと待った!!」」…なんですか?せっかく私が話しているのに口を挟むなんて…。」

 

響「いや止めないと一生話してそうだったから。」

 

千夜「まだ前半も終わってないよ!?これから1時間語れるのに……聞く?」

 

響「聞かねえよ。てか俺1番しか歌ってないんですが。1番だけで1時間語るのか?」

 

千夜「もちろん!私こういうの好きだから!」

 

千夜は胸を張るようにして響に向かって言った。

 

響「それはまた随分な趣味ですね…それでは。」

 

千夜「ちょっと待って!?どこ行くの?」

 

響「どこって…帰るだけですけど…」

 

千夜「なんで!?もう少し話さない?せっかくなんだから…。」

 

響「君は俺と話したいのかもしれないけど俺には君と話す理由はない。それじゃ。」

 

 

 

千夜「響くんは私のこと…嫌い?」

 

響は扉の前で立ち止まる。

 

響「いや、別に嫌いではない。」

 

千夜「じゃあなんで私を無視したりするの?」

 

響「…………。」

 

千夜「私だけじゃない。響くんはクラスの人と関わろうとしない。授業も、行事の時もどこか上の空。何か理由があるからじゃないの?」

 

響「…………。」

 

千夜「何かあるなら話して?響くんの力になりたいの。」

 

こういうのが一番面倒だ。

 

響「春奈さんに話して意味がある?」

 

千夜「話したら楽になれる事もあると思うの。」

 

こういう人助けをしたがる偽善者が…

 

響「あっそ。春奈さんって偽善者みたいだね。」

 

千夜「なんで?」

 

響「俺は一人でいることを望んでる。なのに友達になろうとするって余計なお世話だと思わない?」

 

そうだ。こいつみたいにいい子ぶってる人間は嫌いだ。

 

千夜「そうかな?」

 

だが春奈さんは首をかしげて不思議がっている。

 

千夜「じゃあなんで響くんは友達作りたいって目をしてるの?」

 

響「何言ってんの?偽善者に加えて妄想癖も持ってんの?」

 

千夜「妄想なんかじゃないよ。」

 

春奈さんはこちらに近づいて話し続ける。

 

千夜「響くんの今までの拒絶は本心なんかじゃない。何か原因があって心を閉ざしているのかもしれないけど、だからといってふさぎ込むのは逆効果。」

 

なんだ…?なんでこいつに全部見透かされてんだ…?

 

千夜「それにさっきの歌だってふさぎ込んでる人の歌う歌じゃない。本当は友達作りたいんでしょ?」

 

響「…じゃあ仮に俺が意図的に心を閉ざしていているのだとしたらお前はどうすんの?」

 

千夜「だからさっきからいってるでしょ?友達になろっ?」

 

千夜は曇りなき笑顔で響に手を差し伸べる。

 

響「嫌だ。友達は作らない。」

 

千夜「む~…頑固だなぁ。あっ!じゃあさ、響くんを納得させたら友達になってくれる?」

 

春奈さんはそう言うとピアノに腰掛ける。

 

響「何?ピアノでも弾くつもり?」

 

ピアノ弾けるのか?自信があるようだけど弾ける程度じゃ…

 

 

 

だが響が思っていたものを、千夜は軽々と超えてきた。

 

 

 

千夜:あの頃の輝きが

 

息を潜めたとしても

 

随分老けたねって

 

明日も隣で笑うから

 

 

 

悲しまないで良いんだよ

 

そのままの君が良いんだよ

 

過ぎゆく秒針を隣で数えながら

 

 

 

止めどなく流るる泪雨が

 

小説のように人生を何章にも

 

区切ってくれるから

 

 

 

愚かだと分かっていても尚

 

足掻き続けなきゃいけない物語があるよ

 

 

 

あゝ

 

立ち尽くした

 

あの日の頼りない背中を

 

今なら強く押して見せるから

 

 

 

あゝ

 

僕のくだらない

 

表情や言葉一つで

 

微笑んだ君がいるから

 

 

 

響「は…?さっきの…?曲…?どうして…?」

 

千夜「どう?驚いた?」

 

さっき俺が歌った曲?ネットにも公開してないし、まさかさっき聞いて覚えた?でも詞が全然違った。

 

響「まさか、即興で2番作ったのか?さっきのを聞いて…?」

 

千夜「うん!そうだよ!驚いた?ねえ、驚いた?」

 

信じられない…さっき聞いたばっかりの曲ですぐに2番を作る?しかも普通にクオリティが高い。

 

響「春奈千夜…君は何者?」

 

千夜「何者って…一応ただの女子高生だよ?」

 

響「いやただの女子高生がそんな即興で作詞作曲出来ねえよ。」

 

千夜「おぉ!やっと本当の響くんが見れた気がするよ!もっと見せて!」

 

まずい…完全に相手のペースだ。

 

響「もう帰る。じゃあな。」

 

千夜「えっ!帰るの?じゃあ私の家来てよ!」

 

響「はぁ?それは流石に突拍子なさすぎるだろ。」

 

千夜「来てくれるの!?じゃあしゅっぱーつ!!」

 

響「聞けって!てか手掴むんじゃねえ!!」

 

そうして響は千夜に強引に連れられて音楽室を後にした。



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32話(本当の過去13)

千夜「ここだよ!」

 

響「……はぁ」

 

まだ春奈さんと初めて話して1時間も経っていない。そんな友達でも何でもない俺をいきなり家に連れてくるだなんて。随分と警戒心のない人なんだな。

 

響「あのさ春奈さん、むやみに見ず知らずの男を自分の家に入れないほうがいいよ」

 

千夜「なんで? それに見ず知らずって私たちもう友達でしょ?」

 

響「春奈さんと友達になるなんてこれっぽっちも言ってないんだけど」

 

千夜「え!! じゃあもしかして……親友?」

 

響「……もういい」

 

千夜「ふふっまあゆっくりしていって!」

 

響「ああ、5分で帰るから」

 

千夜「それは許さないかなぁ」

 

春奈さんの家はごく普通のよくある一軒家のように見えた。別に特別でなくてもいいのだが、春奈さんがやけに何かを言いたげにこちらを見てきているので俺に見せたいものはあるんだなと思っている。

 

響「で? 家に連れてきて何するの?」

 

千夜「ん~? 何って? ただ私の家にお招きしただけだよ?」

 

響「……じゃ、また明日」

 

千夜「ちょ!? 待って待って!! 分かった! 真面目に話すから帰るのだけはやめてぇ!!」

 

響「……じゃあ早く話して」

 

春奈さんは俺を連れて2階に上った。俺は春奈さんの部屋にでも連れてかれるかと思っていたが違うようだ。2階に上がってすぐにある部屋に入るように促された。

 

響「これは……」

 

部屋に入ると目に入ったものはキーボード、ギターなど楽器が多く置いてあった。

 

響「これって、防音室?」

 

千夜「そう。私のお父さんは作曲家でね。家が作業場でもあるから防音室になってるんだ」

 

俺はなんとなく春奈千夜についてわかった気がした。

 

千夜「それでお父さんが居ない時は私の部屋として楽器を弾いたりしてるの」

 

響「へえ……春奈さんはなんの楽器弾くんだ? キーボード?」

 

千夜「……? 一通り弾けるよ?」

 

……はい? 

 

響「一通りって……?」

 

千夜「えっとね~、キーボード、ギター、ベース、あとは……」

 

響「あぁ……もう良いよ」

 

俺でもギターとピアノなのに。何故か負けたような気持ちになってしまう。

 

響「まあ俺だって何曲も曲作ってるし」

 

千夜「ええ!! 聞かせて! もっと響くんについて知りたい!」

 

完全にやらかした。いらない一言で春奈さんの興味を向かせてしまった。

 

響「……じゃあ少しだけ」

 

千夜「やったぁ~!」

 

こうして響の昔話が始まった。

 

 

 

千夜「えぇ~!! 響くんってあのμ'sの西木野真姫さんの弟なの!? 確かに珍しい名字だし西木野真姫さんはμ'sの作曲担当だもんね。その弟って考えたら納得かも」

 

響「ふーん。あんま言われたことないけどね」

 

千夜「もしかしてμ'sのお手伝いとかしたりしたの?」

 

響「作曲の手伝いとかを少しね」

 

千夜「なるほど。響くんは小学生の頃から天才だったと……」

 

響「天才って……春奈さんの方が天才だと思うけど」

 

千夜「いーや、響くんは音楽の天才だよ。歌も演奏中の表現力も……あの1分あまりでも分かる。響くんは音楽の天才!」

 

何故だろう。春奈さんと話していると自然と緊張が解れる。

 

響「そう言ってくれるのは嬉しいよ」

 

千夜「へへ……あっ! そうだ! ギター弾けるんだよね?」

 

響「あ、ああ、まあな」

 

千夜「弾いてみてよ。セッションしよ!」

 

すると置いていったエレキギターを俺に差し出してきた。

 

響「いいのか? これお父さんのものじゃないのか?」

 

千夜「大丈夫。自由に楽器触っていいって言われてるから」

 

響「なら、少しだけ……」

 

俺はギターを受け取って春奈さんと向かい合うように立つ。

 

響「じゃあやるか」

 

セッションはお互い即興でやりたいようにやった。だけど何故か初めてセッションした感覚はなかった。

 

響(やばっ……こいつうめえ……こっちも負けてられねえ!)

 

二人とも自分の音を相手にぶつけ合う。それでも一つの音楽として成立していた。

 

千夜(すごい……やっぱり響くんは音楽の天才だよ!)

 

5分……10分とセッションを続けるが、二人とも辞める気は全く無かった。

 

 

 

「春奈~! 開けるわよ~! あら……」

 

響、千夜「あ……」

 

俺と春奈さんは恐らく春奈さんのお母さんであろう人が入ってきてやっと手を止めた。

 

千夜の母「千夜の友達?」

 

響「すみません、勝手にお邪魔してしまって……春奈さんの同級生の西木野響です」

 

千夜の母「あら、初めまして。千夜の母です。千夜と友達になってくれてありがとうね」

 

響「あ、えーと……こちら、こそ……」

 

お母さんがいるからつい友達という言葉に答えてしまった。春奈さんにバレてなければいいけど。

 

響「ってもうこんな時間!? 俺帰るよ」

 

千夜「えー、もっといてよ」

 

響「そんなに長居しても悪いし帰るよ」

 

千夜「しょうがないね……じゃあ途中までついてくよ」

 

春奈さんは途中の道まで送ってくれた。

 

千夜「じゃあここらへんで」

 

響「ああ、わざわざありがとな」

 

千夜「うん。あっ最後に一つだけ」

 

響「……? なんだよ」

 

千夜「私のこと、()()って認めてくれたね!」

 

響「うっ……」

 

……やっぱり聞いてたんだな。

 

千夜「じゃあね! 響くん!」

 

春奈さんが大きく手を振りながら俺を見送っていた。春奈さんが見えなくなり一人になると俺はひどく後悔した。

 

響「あぁ……、なんであの時友達って答えたんだろ」

 

自分の行動に心底腹が立つ。あんなに心に誓ったのに。何度もこれで過ちを犯したはずなのに。

 

なんで春奈さんと友達になりたいと思ってんだよ。俺は……。

 

 

 

次の日。

 

学校には行ったものの1時間目から屋上にいた。春奈さんと顔を合わせづらいし授業を受ける気分じゃない。

 

響「はぁ……、っていってもずっと会わない訳にはいかないもんなぁ」

 

何もするわけでもなく空をぼんやり見ながら時間だけが過ぎていく。この静かな世界が一生続いたらいいなと思っていると、後ろから肩を叩かれた。

 

「ここにいたんだ」

 

響「うわっ!? って春奈、さん?」

 

驚きながら振り向くと春奈さんがニヤニヤと笑みを浮かべながら立っていた。

 

千夜「えへへ、びっくりした?」

 

響「びっくりって……今授業中だよね?」

 

千夜「抜け出してきちゃった。でもお互い様でしょ?」

 

すると春奈さんも隣に来て空を見始めた。

 

千夜「初めてきたけどいい場所だね。風も気持ちいい」

 

春奈さんが話すも俺は答えない。

 

千夜「今日はどうしたの? どこか具合悪いの?」

 

響「春奈さん……」

 

千夜「なに?」

 

響「ごめん、春奈さんとは友達にはなれない」

 

春奈さんは何も言わなかった。榛名山の顔を見ずに言葉を続ける。

 

響「俺は友達を作っていい人間じゃないんだ。春奈さんが良い人っていうのは昨日で分かった。でも、それでも友達になれない」

 

──最低だな。友達になりたいって何度も行ってくれた人にこんな発言。これで春奈さんも俺を軽蔑するかな。

 

そう思いながら春奈さんを見る前に何かに押されて尻もちをついた。少し痛みを感じながら前を向くと、春奈さんが俺に抱きついていた。それに、春奈さんは肩を震わせていた。

 

響「春奈さん、泣いてるの?」

 

分からない。なんで春奈さんは俺に抱きついて涙を流すんだ? 俺は春奈さんに最低な言葉を発した。なのになんでそんな同情するようなことが出来るんだ? 

 

千夜「なんで……なんでなの!? 何が響くんをそうさせたの!?」

 

春奈さんは俺に抱きついたまま声を荒らげる。

 

千夜「一人で抱え込まないでよ!! もっと人を信じてよ!!」

 

俺は春奈さんの声を何も言えなかった。

 

千夜「私は響くんがどんな人に会って何が会ったのかはわかんない。でも苦しそうだよ……。私は響くんが壊れる姿は見たくないの!!」

 

春奈さんの言葉が痛いぐらい刺さる。全部何も言い返す言葉なんてなかった。

 

──図星だ。思えば俺はずっと一人で解決しようとしていた。周りに助けてもらおうなんて考えたこともなかった。

 

一人で抱え込まない。人を信じる。ずっと俺が足りなかったのはこれだったんだ。

 

響「ごめん、そうだな。俺は人に頼れなかったんだな」

 

千夜「私は赤の他人だよ。でも、昨日楽しかったじゃん。私、初めて音楽を同じ目線で感じれる人に出会ったって思えて嬉しかったんだよ?」

 

響「うん。俺も昨日は楽しかった」

 

千夜「だから私にとって響くんは他人以上なの。だから私を頼って? 響くんが抱えるものは私も一緒に背負うよ」

 

初めてだった。こんな事をいう人は。でも、その言葉だけでも、俺の肩は少し軽くなった気がした。

 

千夜「ごめんね。突然泣いちゃって……」

 

響「大丈夫。俺こそごめん。何も見えてなかった」

 

俺と春奈さんは少しの間黙り込んだ。春奈さんの涙が止まったタイミングで、俺は口を開いた。

 

響「話すよ。俺の過去」

 

千夜「うん、聞かせて? 全部受け止めるから」

 

そうして、俺は初めて家族以外に過去を打ち明けた。



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