もしも比企谷八幡に色んな彼女がいたら…… (チャキ)
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中野二乃編
中野二乃編 1


どうもチャキです!これはただの思いつきです。良ければ見ていってください。まず1人目は中野二乃編です。ではどうぞ!


八幡side

 

今は修学旅行に来ている。楽しい楽しい修学旅行…にはならなかった。何故なら修学旅行前に奉仕部に依頼されたのだ。依頼主は葉山や由比ヶ浜と同じグループの戸部だ。内容は好きな人がいるから告白したい。けど振られたくないので絶対振られない告白がしたいという舐め腐った内容だった。初めはオレと雪ノ下は受けるのは反対した、けど由比ヶ浜が安易に受けてしまった。そして雪ノ下は由比ヶ浜に押されて受けてしまった。オレは最後まで反対したけど、拒否権はないと言われて無理だった。そして葉山と戸部が去った後、また由比ヶ浜と同じグループの海老名さんがやってきた。何かの依頼かと思っていたら、ただの世間話だった。オレも最初は分からなかったが、修学旅行に気づいた。何故海老名さんはあんな回りくどい依頼したんだろうか分からない。さて、どうしたものかと考えていると、オレの携帯に着信がきた。相手はオレの彼女だった。因みにオレがオレが彼女がいる事を知っているのは家族のみ。雪ノ下や由比ヶ浜などは知らない。聞かれなかったし、もし言っても信じてもらえなさそうだったから言わなかった。それよりも早く出るか。

 

八幡「もしもし」

 

『あ、もしもしハー君?』

 

八幡「そりゃあオレの携帯だからな」

 

『それもそっか』

 

八幡「それでどうしたんだよ。二乃」

 

そう、オレの彼女の名は中野二乃。二乃はなんと五つ子の姉妹の次女。オレも初めはビックリしたわまさか五つ子だなんてよ。初めて聞くからな。

 

二乃『ん?別に?せっかく修学旅行楽しんでるかな?って思って電話しただけ。それでどう?楽しんでる?』

 

八幡「ん?ああ…それなりに」

 

二乃『どうしたの?なんか元気ないね?何かあった?』

 

八幡「わかるのか?」

 

二乃『あったりまえじゃん。私を誰だと思ってるの?ハー君の彼女だよ?声聞いただけでわかるわよ』

 

八幡「はははっ、それはすげぇな」

 

二乃『それで?何があったの?』

 

八幡「ああ…そうだな。今から言うことは口外するなよ。言ってもいいのは姉妹ぐらいにしてくれ」

 

二乃『わかったわ』

 

八幡「よし、じゃあ言うぞ。実は…」

 

オレは二乃に依頼について話した。けど依頼した人の名前はふせて伝えた。戸部の舐め腐った依頼、それと海老名さんのオレにだけにしか伝わらない依頼を全て話した。二乃は時々相づちをうっていたがその他は黙って最後まで聞いてくれた。

 

八幡「…と言うわけだ」

 

二乃『何その舐めた依頼!?振られたくないから絶対に振られない告白なんてあるわけないでしょ!それにグループの輪を壊したくないからって、ハー君に告白の阻止する依頼をするなんて。その人達ふざけてるの!?』

 

何ともご立腹のようだ。

 

二乃『それに同じ部員の子。なんでそんな依頼受けたのよ。ちょっと考えればわかるでしょ!』

 

そうだな。まだちょっと成績の悪い二乃でもわかるらしい。…いや、これは成績は関係ないか。

 

八幡「まぁ、落ち着けよ」

 

二乃『そうね。ちょっと熱くなりすぎたわ。ごめん』

 

八幡「大丈夫だ。気にしてないから」

 

二乃『ありがとう。それでハー君はどうするの?』

 

八幡「どうするのって言われてもな〜。逆に聞くけどオレにどうしろと?」

 

二乃『それもそうね。それでもハー君は最後の最後でなにかしそうなのが私的に心配だわ。昔の事もあるし』

 

八幡「うっ…」

 

このことに関しては何も言えない。確かに昔はちょっとあれだったからな。それで毎回二乃に心配されてたな。

 

二乃『だからハー君。今回は何もしないで』

 

八幡「え?何も?」

 

二乃『ええそうよ。誰かに言われても何もしない事。約束してお願い』

 

携帯越しでもわかる二乃の真剣さが伝わる。確かに二乃には心配ばっかりかけたからな。もう二乃に心配をかけたくないからオレは…

 

八幡「…ああ、わかった」

 

二乃『ホント?』

 

八幡「ああ、約束する。それでもしまた誰かに頼まれたら二乃に相談する」

 

二乃『わかったわ。何かあったら絶対に相談してよ!』

 

八幡「はいよ」

 

二乃『よし、じゃあ今日はそろそろ切るね』

 

八幡「ああ、わかった」

 

二乃『うん、じゃあおやすみハー君』

 

八幡「ああ、おやすみ二乃」

 

そう言ってオレは通話を切る。それにしてもまた二乃に心配させるだなんて、彼氏失格だなホント。それにしても今回の依頼どうしょうかな。真反対の依頼をどうやって解決するかだよな。そしてなにも浮かばないまま次の日になってしまった。今日は3日目で自由行動の日でもある。そんな日にオレは小町と二乃達へのお土産を何にするか考えていた。でも小町からはお土産リストを貰っているので、それを買っていけばいいけど、二乃達にはどんなお土産がいいのか分からない。そうだなアイツらが好きそうな物を買おうかな。けどな〜、アイツら好きな物バラバラだし、けど好きな動物のお土産はちょっとあれかなとも思うし……。う〜ん…無難に八つ橋とかそんな感じの物にするか。そう思いオレは小町と二乃達へのお土産を買った。後は依頼の事だよな。どうすっかな……。けど二乃からは何もするなって言われてるから何もしないでおこう。そう思ったオレは京都の風景を写真に収める。あっちこっちを携帯でパシャパシャと撮っていく。これで小町や二乃へのお土産話にもできるかな。そうやって過ごしていると葉山に呼び出された。内容はグループを守ってくれと言う依頼。意味がわからん。なんでお前のグループをオレが守らないといけない。そんな感じで話は進んでいく。

 

葉山「君には頼りたくなかったんだがな…」

 

八幡「いや、誰がやるって言った?」

 

葉山「なっ!?…この通りだ…頼む俺達のグループを救ってくれ!!」

 

そう言って頭を下げる葉山。

 

八幡「はぁ?嫌に決まってるだろ。それにどうやってやるんだよ?」

 

葉山「嘘の告白でもすれば良いだろ!?」

 

八幡「やる訳ねぇだろ。それにオレ彼女いるしな」

 

葉山「じゃあその彼女に聞いてみてくれ」

 

八幡「ハァ…わかった。ちょっと話してみる」

 

葉山「ああ、頼む」(ヒキタニに彼女?フッ、笑わせてくれる。それにどうせ変な女だろうな。くくくっ、待ってて雪乃ちゃん。俺が今、ヒキタニから解放してあげる)

 

葉山の奴何考えてるんだ?ま、どうせ雪ノ下だろうな。そんな事より二乃に電話だな。

 

八幡「あ、もしもし二乃」

 

二乃『どうしたのハー君?』

 

八幡「いや、ちょっと厄介な事になってな。それでちょっと相談をする為に電話したんだ」

 

二乃『あ、昨日あれね』

 

八幡「ああ」

 

二乃『それでどんな内容なの?』

 

八幡「ああ、それはだな。告白の阻止する為にオレに嘘の告白しろって言ってきたんだ」

 

二乃『は?』

 

オレが説明すると電話越しからでも伝わる冷たい声。これは相当怒ってらっしゃるご様子。

 

二乃『ねぇ、ハー君。その事言ってきた人そこにいる?』

 

八幡「あ、ああ。いるけど」

 

二乃『そ、じゃあそれと同じ部員の人達はいるの?』

 

八幡「そいつらはいねぇけど」

 

二乃『じゃあそこに呼んできてもらえる?』

 

八幡「一応聞くけど、なぜだ?」

 

二乃『それは後のお楽しみよ』

 

八幡「お、おうそっかわかった。今から呼ぶわ」

 

二乃『うん、お願いねハー君』

 

うわ〜、怖ぇ〜よ二乃さん。アンタ今ものすごく怖い声出してるからね。オレは雪ノ下と由比ヶ浜を呼ぶために葉山の方へと向き。

 

八幡「おい、葉山」

 

葉山「なんだい?」

 

八幡「ここに由比ヶ浜と雪ノ下を呼んでくれ」

 

葉山「それはなぜだい?」

 

八幡「オレの彼女が用があるらしいんだ。だから早く呼んでくれ」

 

葉山「わ、わかった。今から呼ぶ」

 

 

そして数分後……

 

結衣「隼人君来たよ」

 

葉山「ああ。2人とも急にすまない」

 

雪乃「それで何か用かしら?」

 

葉山「あ、ああ。それが比企谷の彼女が用事があるらしいんだ」

 

結衣「えっ!?ヒッキーの彼女!?ヒッキー彼女いたの!?」

 

雪乃「あなたに彼女ですって?それは本当かしら?」

 

八幡「ああ、本当だ。嘘偽りない」

 

ほら、やっぱり疑ってきた。だから言いたくなかったんだ。それよりも…

 

八幡「待たせたな二乃。同じ部員の奴らも来たぞ」

 

二乃『そうわかったわ。それじゃあスピーカーに…いや、テレビ通話にしてくれる』

 

八幡「は?いや、なんでだよ。スピーカーでいいだろ」

 

二乃『テレビ通話にしないと相手の顔見られないでしょ?だからテレビ通話にしてお願い』

 

八幡「…わかった。テレビ通話にすればいいんだろ」

 

二乃『うん、ありがとう』

 

オレは小さいため息をつきながら電話をテレビ通話に切り替える。切り替えるとそこには二乃の顔が映りだされる。

 

八幡「これでいいか?」

 

二乃『うん、ありがとう。それじゃあ早速相手の人達を見せてくれるかしら』

 

八幡「はいよ」

 

オレはそう答えて携帯の画面を葉山達に向ける。

 

八幡「紹介する。こちらがオレの彼女だ」

 

二乃『初めまして私はハー君、比企谷八幡の彼女の中野二乃って言います』

 

雪乃「ええ、初めまして私は雪ノ下雪乃と言います」

 

結衣「は、初めましてあたしは由比ヶ浜結衣っていいます」

 

葉山「初めまして俺は葉山隼人といいます」

 

二乃『どうも』

 

二乃達はそれぞれ自己紹介を済ませる。

 

雪乃「中野さん、1つ聞いてもいいかしら」

 

二乃『何?』

 

雪乃「あなたは本当に比企谷の彼女なのかしら?」

 

二乃『ええ、本当よ。私はハー君の彼女よ。それがどうしたの?もしかして疑ってるの?』

 

言葉の声色を行く感じ実際怒っているようにも聞こえる。画面は見てないけど、多分いや絶対に怒っている表情だろうな。

 

雪乃「い、いえ、そういう訳じゃなくてただの確認をしたくて、そ、その…気分を悪くしたのなら謝るわ」

 

二乃『そ、ならいいけど。それじゃあ本題だけど。そこの葉山だっけ?なんでハー君に嘘の告白をしろだなんて言ったの?』

 

雪乃「ちょっ!?待ちなさい!それは一体どういう事なの?」

 

結衣「そうだよ!なんで隼人君はそんなことをヒッキーに頼んだの?」

 

二乃『さぁ?それは私にも分からないわ。私はハー君にそう聞いてるわ』

 

雪乃「どういう事なの比企谷君」

 

結衣「説明してヒッキー」

 

八幡「ああ、そうするつもりだ。まず奉仕部に海老名さんが来ただろ?」

 

雪乃「ええ、そうね」

 

結衣「それがどうしたの?」

 

八幡「そん時何気ない話を話していたが、あれは依頼だったんだ。しかもオレだけにわかるように」

 

雪乃「それは一体どういう事なの?」

 

結衣「そ、そうだよ!あれが依頼ってどういう事?ただ話をしただけじゃないの?」

 

八幡「ああ、そうだ。しかもその依頼内容は戸部の告白の阻止だ」

 

雪乃「それだったら何故言ってくれなかったのかしら?」

 

八幡「オレだって気づいたのは昨日なんだよ」

 

雪乃「…そう。なら仕方ないわね」

 

八幡「そう言ってくれると助かる。それでどうしようかと思っていたら二乃から電話がきて、この依頼の事について相談してたんだ。部外者に言うのはダメだと分かっているいるが、安心しろ二乃とは口外しないと約束をしている」

 

雪乃「そう…わかったわ」

 

八幡「続けるぞ。そして今日、葉山に呼び出されてさっき言った嘘の告白しろという依頼だ。それでしつこく言ってくるから、彼女である二乃に言ったら、お前達もここに呼べって言われてな。それで葉山経由で由比ヶ浜と雪ノ下にここに来てもらったという訳だ」

 

雪乃「そうだったのね」

 

結衣「そんな事すれば、ヒッキーは悪者になっちゃうよ。そんな事したらダメだよヒッキー」

 

八幡「やる訳ねぇだろそれに…」

 

二乃『私がそんな事やらせると思ってる?』

 

結衣「そ、それもそうだね…でもどうしようか戸部っちの依頼。このままじゃあ失敗しちゃうね。どうすれば良かったのかな?」

 

俯きながら悲しそうに言う由比ヶ浜。

 

二乃『どうすればよかったも何も簡単じゃない』

 

結衣「え?」

 

二乃の言った言葉に由比ヶ浜は驚いている様子。雪ノ下も驚いているようだ。いや、なんで雪ノ下まで驚いているんだよ。お前ならちょっと考えただけでわかると思っていたんだがな。

 

雪乃「説明してくれるかしら中野さん」

 

二乃『いいわ説明してあげる。まず最初言うけどその戸部?という人の依頼自体を受けなければ良かったのよ』

 

結衣「え?」

 

雪乃「その理由は何かしら」

 

二乃『そうね。まず、振られない告白って何?』

 

結衣「え?」

 

二乃『ふざけてるにも程があるわ。確かに告白は振られたくない気持ちも分かるわ。けど、振られることもあるから告白と言うのではないの?』

 

結衣「そ、それは…」

 

二乃『それに雪ノ下さんだっけ?あなたは始めは反対してたのに、なんで由比ヶ浜さんに押されて受けたの?』

 

雪乃「そ、それは…」

 

二乃『答えられないの?』

 

結衣・雪乃「「…」」

 

二乃の言葉に由比ヶ浜と雪ノ下は黙ってしまった。由比ヶ浜なんて俯いたままだった。

 

二乃『それにハー君は最後まで反対してたのよね。なのになんで聞かなかったの?』

 

雪乃「それは…」

 

結衣「…」

 

二乃『また黙り?いい加減にしてよね。で?ハー君実際どうなの?』

 

二乃は雪ノ下と由比ヶ浜に聞いても黙りで答えてくれなかったので、オレに聞いてくる。その問いかけにオレは…

 

八幡「ああ、オレは最後まで反対したけどこう言われた。オレには拒否権なんて無いって」

 

二乃『はぁ!?』

 

オレの言葉を聞いた二乃は声を荒らげる。これは確実にキレたな。もし、ここで嘘を言ってみろ。後でバレるぞ。そしてそんな二乃の言葉を聞いた雪ノ下達はビックリして一瞬体がビクッとなり、目が見開いている。そして二乃はさらに続けて言う。

 

二乃『拒否権がない!?ふざけてるのアンタ達!?ハー君もアンタ達と同じ人間よ。それなのに拒否権がないだなんて…アンタ達はハー君をなんだと思っているのよ!』

 

雪乃「そ、それは…」

 

結衣「うぅ…」

 

そしてまた答えられない2人。

 

二乃『ハァ……それと葉山。アンタはなんでこんな依頼をハー君達、奉仕部に相談しに行ったの?』

 

葉山「それは、奉仕部なら何かいい案を出してくれると思って」

 

二乃『ふーん。けどさそれハー君と雪ノ下さんには関係ないよね』

 

葉山「え?いや、関係はあるんじゃないかな?だって2人は奉仕部の部員なんだし」

 

二乃『確かに奉仕部の部員かもしれない。けどさこの問題ってアンタらのグループの問題でしょ?同じグループの由比ヶ浜さんは良いとして、なんでハー君と雪ノ下さんを巻き込んだの?それで挙句の果てにハー君に嘘の告白しろだって?アンタは何がしたいの?』

 

葉山「う…」

 

二乃『自分達のグループの問題くらいグループ内で解決しなさいよね。それで解決出来ないからってハー君に無茶な依頼をして押し付けようとしてるし』

 

葉山「そ、そんな事は無い!」

 

二乃の言った言葉に反論する葉山。かなり必死のようにも見える。

 

二乃『だったら自分で解決できるよね』

 

葉山「だ、だが…このままじゃ戸部は確実に振られる!そうしたらグループの雰囲気だって悪くなってしまう。そんな事になったらグループは崩壊してまう」

 

二乃『知らないわよそんなの。それにアンタらのグループの崩壊を防ぐためだけにハー君を利用するだなんて』

 

葉山「利用するだなんてそんなつもりじゃないんだ」

 

二乃『へ〜、これでもしハー君が嘘の告白したらどうなるの?さっき由比ヶ浜さんが言ってたようにハー君は悪者扱いになってしまうのよ。そこんとこわかってる?』

 

葉山「…」

 

二乃『ハァ…アンタもだんまりなの?もういいわ。それでこの依頼どうるの?』

 

八幡「まぁ、中止だろうな」

 

結衣「それじゃあ戸部っちの告白はどうなの!」

 

二乃『そんなの相手に告白して終わりでしょ?』

 

結衣「で、でも確実に振られるんでしょ…それで気まずくなっちゃったらどうすれば…」

 

二乃『そんなの元々アナタが身勝手な行動で受けた依頼でしょ?だったらそのくらい受け入れなさいよ』

 

結衣「そ、そんな…」

 

二乃の言葉でショックを受けたのか由比ヶ浜は膝を地面についた。

 

二乃『もう、これ以上ハー君に面倒な事に巻き込まないでよね。それじゃハー君もうテレビ通話切っていいよ』

 

八幡「…わかった」

 

二乃に言われてこれはテレビ通話を切って通常の通話に切り替える。

 

八幡「スマンな二乃」

 

二乃『ううん、大丈夫。それと後はよろしくね』

 

八幡「ああ…わかった」

 

二乃『じゃ』

 

八幡「おう」

 

そんな一言でオレは通話を切る。そして携帯をポケットにしまい雪ノ下達の所へと向かう。そして未だに膝を地面につけている由比ヶ浜に

 

八幡「なぁ、由比ヶ浜」

 

結衣「…何?」

 

八幡「その…なんだ?今回は由比ヶ浜だけが悪いとは言わない。オレももっと強く反対すれば良かったんだ。だからすまなかった」

 

オレはそう言って頭を下げる。

 

雪乃「わ、私も…」

 

そんな時だった。雪ノ下も口が開いたのだ。

 

雪乃「私も…もっとよく考えて依頼を受ければ良かったわ。だから由比ヶ浜さん、比企谷君、ごめんなさい」

 

と雪ノ下までも頭を下げたのだ。まさかあの雪ノ下が頭を下げるだなんて思わなかった。そんな光景を見た由比ヶ浜はゆっくりと立ち上がり軽く土などを払う。

 

結衣「あ、あたしも…あたしも良く考えずに依頼を受けてしまって、それでゆきのんとヒッキー、それにヒッキーの彼女にも迷惑かけてごめんなさい」

 

そして由比ヶ浜も頭を下げる。

 

八幡「まぁ、これからは3人で相談してきちんと依頼を受けようぜ」

 

雪乃「ええ、そうね」

 

結衣「うん。あ、それじゃあ今日から本当の奉仕部の始まりだね」

 

雪乃「ふふっ、そうね」

 

八幡「ああ、そうだな」

 

由比ヶ浜の言う通り今日この場所から本当の奉仕部の始まる。あとそれと…

 

八幡「空気にしてしまって悪かったな……葉山」

 

葉山「う…」

 

雪乃「そうね。なんでこんな事をしたのかきちんと話して貰うわよ。葉山隼人君」

 

結衣「そうだね。あたしもちゃんと説明して欲しい。話してくれるよね隼人君」

 

葉山「くっ…」

 

葉山は雪ノ下と由比ヶ浜の問い詰められて、後ずさりする葉山の背後に回る。

 

葉山「あ…」

 

八幡「さぁ、説明してもらおうか。葉山」

 

そう言うともう諦めたのか膝を地面につけて、まるで力が抜けたようにガックリと肩を落とした。それから葉山達のグループ達を集めて話し合いをした。戸部と海老名さん、そして最後の葉山の依頼などどんどんバレていく中、葉山の顔がみるみる青くなっていく。あ、因みにこの話し合いに何故か二乃と雪ノ下さんまでもが参加していた。テレビ通話越しで二乃と雪ノ下さんが自己紹介をしていた。そんな事よりもどんどんバレていく中、葉山が企んでいた計画もバレてしまった。その内容はオレを悪者し、オレから雪ノ下を解放して、雪ノ下を自分の物しようとしてた事がバレたのだ。そして葉山グループは葉山を除いた奴らで話し合いをした。その後、戸部は海老名さんに告白するも断られるが、友達として新しい1歩を踏みだしたらしい。そして葉山はグループからも追放されて、クラスいやクラスだけでは無く、学校全体から嫌われてしまったのだ。そして居ずらくなったのか、どこかの学校へと転校して行ったらしい。

 

そしてオレは二乃といつものように楽しい時間を過ごしている。

 

 




いかがでしたか?これから色んなキャラを八幡の彼女にしていきますのでよろしくお願いします。


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時崎狂三編
時崎狂三編 1


どうもチャキです!今回はデート・ア・ライブの時崎狂三を八幡の彼女にしてみました。ではどうぞ!


八幡side

 

今は昼休みいつものベストプレイスにて

 

???「はい、八幡さん今日のお弁当ですわ」

 

そう言いながらオレの彼女はお弁当をオレに渡してくる。

 

八幡「おう、サンキュ狂三」

 

狂三「いえいえ」

 

彼女名は時崎狂三。黒髪のロングで左右非対称のツインテール。右目は赤色で左目は前髪で隠れているが、その中には金色の左目で所謂オッドアイというやつだ。けどこのオッドアイで小学生の時いじめにあっていた。ただ左右の目の色が違うからって、いじめをする奴がいた。『お前は人間じゃねぇ』とか『左右の目の色が違うだなんて気持ち悪い』など色々言われていて、ほとんどの奴は怯えていた。けど、オレはそんな事で怯えはしなかった。オッドアイなんて滅多に見れないから、少し興味があったので話しかけたが、警戒されていた。けどそれは最初のうちだけで、だんだんオレに心を開いてくれて仲良くなった。そんな日々を過ごしている時、オレは狂三の事を好きになっていた。そしてオレは小学校卒業する時に狂三に告白した。狂三は泣きながらも受け入れてくれた。その日からオレと狂三は恋人同士になった。中学の時でも楽しく過ごし、今では高校生。学校は総武校に通っている。因みにオレと狂三が付き合ってる事は家族と友達しか知らない。

 

八幡「今日の弁当もうまいな」

 

オレは弁当を食べながらそう言う。いや、ホント狂三の作ってくれた弁当はうまいな。高校に入ってから狂三がオレの分まで作ってくれるようになった。初めは悪いから断ったが、狂三の圧に負けてしまいこうなっているが、これはこれで悪くないと思っている。

 

狂三「それは良かったですわ」

 

と狂三は満面の笑みで答える。ホント狂三は笑うとかわいいな。小学生の時はオレと関わるまで全然笑わなかったしな。こんな狂三を見れるのは多分オレしかいないだろう。

 

 

 

八幡「ごちそうさん」

 

狂三「お粗末さまですわ」

 

八幡「いや、ホント毎日悪いな。自分のだけでは無くオレの分まで作ってくれて」

 

狂三「もう、八幡さんそれは言わない約束ではなかったでしたか?」

 

八幡「いやまぁ、そうなんだけど。やっぱりお礼は言わないとダメだろ」

 

狂三「その気持ちだけで私は充分ですわ」

 

狂三はそう言いながら自分の胸に手を当てる。

 

八幡「そうか」

 

狂三「ええ、ですので気にしないでください」

 

八幡「ああ、わかったよ」

 

そしてその後は他愛もない会話をしたがら過ごしていたら昼休みが終わってしまったのでオレと狂三は自分の教室へと戻る。因みにオレと狂三は違うクラスである。だから途中で別れる。そういえばオレと同じクラスじゃ無かったことに拗ねていたけど、拗ねている狂三は可愛かった事を言っておこう。そして午後の授業も終わり、帰りのHRも終わり帰りの用意を済ませて教室を出るとそこには狂三がいた。いや、君早くない?

 

八幡「おう、狂三」

 

狂三「はい、八幡さん。では部室に来ましょう」

 

八幡「別に先に行っててもいいんだぞ」

 

狂三「いえ、私は八幡さんと一緒に行きたいと思いまして待っていたんですわ。もしかして迷惑でしたか?」

 

八幡「いや、迷惑な訳ねぇだろ。まぁ、オレも狂三と一緒に部室に行きたいと思ってたしな」

 

そう言うと狂三はオレの腕に飛びついてきたのだ。そのせいで腕に柔らかい感触が伝わる。というかくっつき過ぎだろ。

 

八幡「お、おい狂三!くっつくな!///」

 

狂三「良いではないですか。あ、もしかして照れておられるんですか?もう、八幡さんったら恥ずかしやがり屋さんですわね」

 

そう言って更に密着してくる。なので狂三の柔らかい感触が更に伝わってくる。

 

八幡「あーもう!行くから離れてくれ///」

 

狂三「いいでは無いですか。このままの状態で部室に向かいましょう」

 

狂三はそう言いながらオレの腕を引っ張る。

 

八幡「お、おい。引っ張るな。部室に行くから離れてくれ」

 

ホント話くれないかな。さっきから周りの視線が痛い。というか狂三がオレの腕に抱きついてきた時、女子からは『きゃー』とか叫び声が聞こえてたな。なんで叫んだのか知らんが、多分狂三がオレみたいな奴に抱きつきた事で叫んでいたのだろう。そしてオレは狂三から腕を解放してくれないまま部室まで向かった。そして部室のドアを狂三が開ける。

 

狂三「こんにちわですわ雪ノ下さん」

 

とこの部活の部長の名前を言う。

 

雪乃「こんにちわ時崎さん、比企谷君」

 

八幡「うっす」

 

オレにも挨拶されたので返す。雪ノ下は国際教養科といって他のクラスよりも2〜3程偏差値が高いクラスに所属している。そしてオレと狂三の友達である。雪ノ下とは1年前、雪ノ下の家の車がオレを轢いたのがきっかけで出会う。何故轢かれたのかというと、1年前オレは狂三と一緒に入学式に向かっている途中、道路に飛び出した犬を庇い、轢かれてしまったのだ。雪ノ下はその事でわざわざ病室まで謝罪しに来てくれた。別に雪ノ下はただ車に乗っていただけなので許した。と言ってもオレも急に道路に飛び出したのも悪いから謝罪した。それから少しずつ関わっていくうちに友達となった。そしてここは奉仕部という部活らしい。オレが授業の課題で出された作文を提出したら何故かここに入部させられた。作文の内容は狂三との日常を書いただけなのになんでだろう……解せぬ。けどオレが奉仕部に入部するって聞いて狂三も入部したのだ。この奉仕部の活動内容はボランティアに似ている活動内容らしい。けど依頼人が来るまでは暇なので、読書や勉強など自由にしていていいらしい。後それと、雪ノ下はオレと狂三が付き合ってる事は知っていて、狂三の左目の事も知っている。雪ノ下は信用できるやつだから教えた。今は狂三と雪ノ下と会話しながら過ごしていると、部室のドアがノックする音が聞こえる。

 

雪乃「どうぞ」

 

雪ノ下の返事でドアが開く。

 

「し、失礼しまーす」

 

入ってきたのは1人の女子生徒だった。肩までの茶髪に緩くウェーブを当てて、歩くたびにそれが揺れる。というかコイツの格好今時のジョシコウセイみたいだな格好だな。よく見かけるよ。短めのスカートに、ボタンが三つほど開けられたブラウス、覗いた胸元に光るネックレス、ハートのチャーム、明るめに脱色された茶髪、どれも校則を完全に無視した出で立ちだった。それよりも狂三はなんで怒っているんだ?コイツが入ってきた途端、怒りオーラが出ている。コイツ、狂三になにかしたのか?だったら許せないな。と思っていると彼女はオレを見てびっくりしたのか、後ずさりした。いや、なんだよ。

 

「な、なんでヒッキーがここにいんの!?」

 

八幡「は?ヒッキーって何?まさかオレの事か?」

 

「そうだし!」

 

八幡「変なあだ名つけるんじねぇよ。というか誰だよお前」

 

「はぁ!?同じクラスじゃん!信じらんない!」

 

八幡「初対面で変なあだ名つける奴なんて知らねぇよ」

 

いや、ホント誰だよ。オレこんな奴と会ったことねぇぞ。初対面の筈なのになんで引きこもりみたいなあだ名をつけられなきゃならんのだよ。もう1つ気になるのは、狂三がさっきよりも怒っている。ホントコイツ狂三に何したんだよ。

 

雪乃「由比ヶ浜結衣さんね。どうぞそこに座って」

 

結衣「あ、はい」

 

雪ノ下が言うにはコイツの名は由比ヶ浜結衣と言うのか。まぁ、別に誰でも良いがな。けど、狂三がこんなにも怒るんだ、狂三との間で何かあったんだろう。

 

雪乃「それで由比ヶ浜さん。どういった要件で「雪ノ下さんちょっとお待ちください」時崎さん何かしら?」

 

狂三「依頼を聞く前に由比ヶ浜さんに聞きたい事があるです。少しいいですか?」

 

雪乃「ええ、私はいいわ。由比ヶ浜さんはいいかしら?」

 

結衣「う、うんいいよ」

 

雪乃「だそうよ」

 

狂三「ありがとうございます。では由比ヶ浜さんに聞きます」

 

結衣「何かな?時崎さん」

 

狂三「あなた…八幡さんに何か言うことがあるのではないですか?」

 

結衣「え?私がヒッキーに言うこと?なんの事言ってるの?」

 

狂三「あらあら、あくまでもしらを切るつもりですのね」

 

結衣「え?ちょ、ちょっと本当に何言ってるのか、わかんないな〜。時崎さん何か勘違いしてるんじゃないかな?」

 

ん?何やら少し動揺しているようにも見えるな。どうしたんだ一体。

 

狂三「あら、そうですの……ではこう言えば分かりますか?」

 

そう言うと狂三の目の光が消えて、ハイライトオフみたいになる。そして普段見る笑顔ではなく、暗い笑顔になる。そして狂三はそのまま続けて由比ヶ浜にこう言う。

 

狂三「犬の飼い主さん」

 

結衣「っ!」

 

狂三の言った言葉に由比ヶ浜は驚きを隠せないみたいだ。というか犬の飼い主ってどういう事だ?さっぱりわからねぇんだけど。すると由比ヶ浜の顔はみるみる青ざめていく。

 

八幡「おい狂三。さっきの犬の飼い主ってどういう事だ?説明してくれないか?」

 

狂三「ええ、いいですわよ。八幡さんは覚えていますわよね。1年前助けた犬の事」

 

八幡「ああ、覚えてるぞ」

 

狂三「その犬の飼い主さんがこの由比ヶ浜さんなんですわよ」

 

八幡「っ!そ、そうなのか!?」

 

オレは狂三の言葉に驚きを隠せなかった。まさか1年前助けた犬の飼い主がこの由比ヶ浜だったなんて。それを聞いたオレは由比ヶ浜の方に視線を移すと、由比ヶ浜は俯いていた。

 

狂三「八幡さんはあなたの事を見ていなかったかも知れませんが、私はきちんと見ていましたわ。あなたが犬を連れてどこかへ去っていく所を」

 

え、コイツまさか逃げたというのか?コイツが犬のリードを手放したくせに。そして由比ヶ浜は俯いたまま何も言わない。

 

狂三「小町さんが言ってましたわよ。八幡さんには直接お礼を言うと。けどあなたと八幡さんが会ったのは今日初めてですけど」

 

結衣「…」

 

おいおいマジかよ。妹の小町にはそんな事言っておいて、今まで何も言わないで過ごしてきたのかよ。信じらねぇな。雪ノ下なんてちゃんと謝りに来たぞ。

 

狂三「黙ってないで何かおっしゃったらどうですの?」

 

何も言わない由比ヶ浜を見た狂三は冷たい声で問いかける。

 

結衣「そ、それは…言うタイミングが、無かったというか…」

 

狂三「あら?おかしいですわね。あれから1年もあったのですよ?1年もあれば言うタイミングなどいくらでもあったですわよね?」

 

狂三に言われてまた由比ヶ浜は黙ってしまう。

 

狂三「それにわざわざ八幡さんの家まで行ってお菓子を持っていったのなら、八幡さんの所に行くなど簡単な事ですわよね。八幡さんの家の住所を調べたのなら、八幡さんが入院していた病院にも来れたはずですわよね?なのになんで来なかったんですか?」

 

結衣「そ、それは…」

 

そんな由比ヶ浜の態度を見た狂三は握り拳を作り強く握っていた。どうやら相当怒っているようだ。ついでにオレも怒っている。

 

狂三「本当に腹が立ちますわね。あなたの犬を助けるために八幡さんはあんな痛い思いしたのですか。あまり言いたくないのですが、あなたみたいに無責任な人に飼われている犬が可哀想ですわね」

 

結衣「な、なんでそんな事言うし!」

 

とキレる由比ヶ浜。

 

狂三「あら、言わせたのはあなたではないですか。もし、早く八幡さんにお礼などおっしゃっていたら私もこんな事言いませんでしたのに」

 

結衣「う…」

 

またもや由比ヶ浜は黙ってしまう。まさかコイツ…

 

八幡「まさかお前、このまま誤魔化すつもりだったのか?」

 

結衣「ち、違うよ!」

 

八幡「ほう…違うのなら、何故言いに来なかったんだ?」

 

結衣「そ、それは…」

 

八幡「チッ、また黙りかよ。いい加減にしろよお前。謝りに来ないわ、聞かれても黙るわ。お前謝る気あるのか?」

 

結衣「あ、あるよ!」

 

八幡「だったらなんで病室に謝りに来なかった。もし、病室じゃなくても、学校でも言えたよな?ま、謝りたくないのならもういいわ。それにもう済んだ事だしな」

 

狂三「そうですわね」

 

オレと狂三の言葉を聞いて一安心したのか、胸を撫で下ろす

 

狂三「ですが」

 

が狂三の一言で由比ヶ浜の体は一瞬ビクッとなる。

 

狂三「謝罪や感情もない。そんな礼節もわきまえない人の頼みなど、私は受けたくありませんわ」

 

八幡「オレも同じだ。だから雪ノ下、悪いけど1人で受けてくれ」

 

雪乃「ええ、わかったわ。では由比ヶ浜さん、どうするの?」

 

結衣「う、ううん。もういいよ…ヒッキーごめんなさい」

 

と立ち上がり頭を下げる由比ヶ浜。

 

八幡「そんな心もこもってない謝罪などいらねぇよ。さっさと出ていけ」

 

そう言うと由比ヶ浜は部室から出ていった。もうアイツとは関わりたくないな。そう願いたい。

 

狂三「ハァ…」

 

と横にいる狂三がため息をつく。

 

八幡「大丈夫か狂三」

 

狂三「ええ、大丈夫ですわ。ありがとうございます八幡さん」

 

雪乃「本当に大丈夫なの?」

 

狂三「大丈夫ですわ。雪ノ下さんもありがとうございます」

 

八幡「大丈夫なら良いけど、無理はするなよ」

 

狂三「ええ、わかってますわ」

 

八幡「けど、まさかアイツがあの犬の飼い主だっただなんてな。教えてくれてありがとうな狂三」

 

狂三「いえいえ」

 

そしてオレ達は由比ヶ浜と関わるも無く、3人で奉仕部の時間を過ごした。この後も依頼は来た。戸塚の依頼では、突然葉山達の乱入してきたが、たまたま近くで話していたテニス部の顧問の先生とサッカー部の顧問の先生に見つかり、こっぴどく怒られたらしい。その後戸塚とも友達になった。

 

そしてチェーンメールの件はオレ達には関係ないので、追い返した。

 

次は川崎の件では普通に解決した。

 

千葉村ではいじめられていると思いきや、誕生日パーティーを計画していたらしい。誤解が解けたので、鶴見はいつものグループと仲良くやっているらしい。

 

文化祭では相模が実行委員長の仕事を押し付けようとしたが

雪ノ下と狂三が丁重に断った。けどなんとか文化祭は開催された。だからオレは狂三と雪ノ下の3人で楽しんだ。

 

修学旅行では戸部が告白の手伝いをしてくれって、言われたが狂三がその事で怒り追い返した。だって絶対振られない告白なんて無いからな。それよりも3日目は狂三とデートして楽しんだ。そして修学旅行の後葉山グループはギスギスして、最終的に解散したらしい。まぁ、オレらには関係ない事だしな。

 

その後は面倒な依頼も無く平凡に過ごした。

 

そして数年後オレは狂三と結婚した。そしてオレと狂三の間に子供も1人生まれた。その子供は狂三と同じオッドアイで生まれた。髪が生えてくるとオレと同じアホ毛も生えてきた。2人の遺伝子を受け継いだなと思った。

 

そして雪ノ下はなんと戸塚と結婚した。そして雪ノ下と戸塚の間にも子供が生まれたらしい。その子供も髪が生えてくると、戸塚と同じ白い髪色で、雪ノ下と同じ長さの髪になっている。しかもウチの子供と同じ歳なのですぐに仲良くなった。もう1つ言うと雪ノ下達の家とは近くて、所謂幼なじみみたいになっている。

 

 

そしてオレは狂三と娘の沙由香の3人で楽しく過ごしている。

 

 

 




いかがでしたか?ではまたお会いしましょう。


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速水奏編
速水奏編 1


どうもチャキです!今回はアイドルマスターシンデレラガールズの速水奏です。


八幡side

 

突然だがオレには彼女がいる。名前は速水奏。今はアイドルをやっている。え?なんでオレがアイドルと付き合ってるって?それは奏がアイドルになる前に付き合ったのだ。でも奏がアイドルにスカウトされた話を聞いた。奏は迷っていた。アイドルは恋愛禁止だが、オレは奏がやりたい事をやって欲しかった。オレは奏のやりたい事が出来なくなるのが嫌だったから、その事で話し合った。結果、奏はアイドル活動をする事になった。アイドルになってからは会っていない。向こうも忙しいので会えていない。でも時々ビデオ通話してお互いの顔を見たり、声を聞いたりしている。メールのやり取りもかなりしている。けどオレがアイドルである速水奏とメールのやり取りしている事がバレないように、連絡先やメールにロックをしている。万が一解除された時の為に2重ロックにしている。

 

そしてこの事は奉仕部の部員、雪ノ下と由比ヶ浜、あとついでに一色には言ってない。言う必要が無いからだ。けど言ったとしても信じてもられないし、罵倒されるだけだしな。

 

いろは「先輩」

 

そんな事を考えていると何故か部室にいる一色に呼ばれた。

 

八幡「なんだ?」

 

いろは「どうでも良いんですけど、先輩って好きな人とかいるんですか?」

 

八幡「どうでもいいなら言わなくてもいいよな」

 

雪乃「ダメよ。言いなさい」

 

結衣「そうだよ。言ってヒッキー」

 

八幡「なんで言わないといけない。オレに好きな人がいるかいないかだなんて、お前らには関係ないだろ」

 

雪乃「それでも言いなさい。部長命令よ」

 

八幡「むちゃくちゃすぎるだろそれ」

 

ったく、なんでコイツらに言わないといけないんだ。でも言わないとしつこいんだろうなコイツら。まぁ、好きな人がいると言うだけでいいか。奏の名前さえ出さなければ良いんだしな。

 

八幡「いるよ。好きな人」

 

3人「「「…え?」」」

 

3人はオレの言葉を聞いて固まる。え?なに?オレが好きな人いるってだけでそんなに変なのか?そして3人の中でいち早く我に返った一色が

 

いろは「あ、もしかして2次元とかですか?」

 

雪乃「なるほど、そういう事ね」

 

結衣「納得〜」

 

一色の言葉で我に返った雪ノ下と由比ヶ浜が次々に勝手な事ばかり言ってくる。

 

八幡「そう思うんなら勝手に思ってろ」

 

オレはそう言って読んでいた本に視線を落とす。

 

いろは「え?先輩、本当に現実に好きな人いるんですか?」

 

八幡「だったらなんだ?」

 

いろは「うそ…」

 

雪乃「あの比企谷君が…」

 

結衣「本当に…」

 

八幡「お前ら色々と失礼な。オレだって人間なんだ。好きな人くらいいるつーの」

 

いろは「先輩その好きな人の名前って教えてもらったりしませんか?」

 

八幡「なんでそこまで言わないといけない。オレは言わんぞ」

 

雪乃「い、言いなさいひ、比企谷君」

 

八幡「ん?どうした?そんなに慌てたような感じで聞くんだ?」

 

雪乃「な、なんでもないわ!だから言ってちょうだい」

 

結衣「あ、あたしも教えて欲しいな」

 

八幡「いや、お前らに教える理由なんてないだろ」

 

雪乃「部長命令よ言いなさい」

 

八幡「お前さ、人には言いたく無いことかあるんだぜ。それをそんな理由で聞き出すのか?じゃ、逆にお前も言われて言うのか?」

 

雪乃「そ、それは違うけれど…」

 

八幡「だったら言わなくても良いよな。オレにだって黙秘権あるんだしさ」

 

雪乃「そ、そうね。ごめんなさい…」

 

八幡「ああ」

 

ホントなんで聞き出したがるんだ?訳分からん。そしてその後オレは小町に買い物を頼まれていたので、オレだけ早めに帰らしてもらった。

 

八幡sideout

 

 

そして八幡が去った後…

 

奉仕部+生徒会長side

 

いろは「まさか先輩に好きな人がいるだなんて」

 

雪乃「ええ、そうね。一体誰なのかしら」

 

結衣「んー、優美子は無いよね多分。姫菜はどうだろう…」

 

いろは「どうですかね、確かにその2人だと海老名先輩かも知れませんがその2人自体可能性低そうですし。」

 

雪乃「確かにそうね。あとは川崎さんとか」

 

結衣「あー沙希は怪しいね」

 

いろは「あの人せんぱいとなんか通じあっちゃってますよね」

 

雪乃「共通点も多いわね」

 

いろは「城廻先輩も怪しいです」

 

結衣「めぐり先輩癒し系だもんね」

 

雪乃「確かにそんな事言ってたような…」

 

3人の少女達は考えた。比企谷八幡の好きな人は一体誰なのかを。そんな時だった生徒会長である一色いろはが口を開く。

 

いろは「そもそも私達、1番可能性のある人物達をお忘れでは?」

 

雪乃「一色さん、それは一体誰なのかしら」

 

いろは「それは私達ですよ!」

 

結衣「あ、そっか!」

 

雪乃「なるほど、確かに言えてるわね」

 

結衣「ということはチャンスはまだあるということだね!」

 

いろは「そうかもしれません。また明日も追求してみます?」

 

雪乃「そうしたいけれど、さっきの事で怒っていたから」

 

いろは「そうですね…あ、でも名前を教えてもらう事に先輩は怒っていましたが、でしたら違う事で聞くと言うのはどうでしょう?」

 

結衣「違う事?」

 

いろは「はい」

 

雪乃「例えば?」

 

いろは「特徴とか、性格とか」

 

雪乃「確かにそうね。もし聞いてみてそれでもまた怒られるようなら、地道に調べる必要があるわね」

 

結衣・いろは「だね(ですね)」

 

奉仕部+生徒会長sideout

 

 

そして翌日

 

八幡side

 

今日も部室でラノベを読んでいた時だった。

 

いろは「先輩、先輩」

 

八幡「なんだ?」

 

いろは「先輩の好きな人の事なんですけど」

 

八幡「昨日も言っただろ。名前は教えねぇって」

 

いろは「いえ、そうではなくて」

 

八幡「じゃあなんだよ」

 

いろは「その好きな人の特徴とか教えて貰えないでしょうか?」

 

八幡「え?なんで?」

 

いろは「え、えっと…それは…そう!ちょっとした参考的みたいな」

 

八幡「どんな参考だよ」

 

でもなんでそんな事聞きたがるのか未だにわからん。まぁ、でも名前と違って特徴とかなら良いのかもしれないな。

 

八幡「はぁ…お前らだけに特別だぞ」

 

いろは「ほんとですか!?」(よしっ!)

 

雪乃「いいのかしら?」(よし!)

 

結衣「そ、そうだよ」(やった!)

 

八幡「まぁ、お前らはオレの知る限り、他の奴に言いふらしたりしないって信じてるからな。けど由比ヶ浜はちょっと不安だけど」

 

結衣「い、言わないよ!約束する!」

 

八幡「そうか?わかったじゃあ言うぞ」

 

3人(((ゴクリ)))

 

八幡「まずは、クールでミステリアスな感じだな」

 

いろは「クールで」

 

雪乃「ミステリアス」

 

結衣「ほ、他にはあるの?」

 

八幡「ん〜、そうだな。大人びた性格で頼られる事もあるな。でもその反面、時々からかってくる時もあるな」

 

いろは「へ、へぇ〜。そうなんですね」(私、1個も当てはまらない!)

 

雪乃「そ、そうなの」(比企谷君はそういった人がタイプなのね)

 

結衣「よ、良く見てるんだね」(ど、どうしよう。あたし全然当てはまらない!?)

 

八幡「まぁな」

 

そりゃあ彼女だからな。相手の事知りたいじゃん。

 

いろは「ほ、他にはあるんですか?」

 

八幡「そうだな。…うーん、色々あるからな〜」

 

3人(((そんなに悩むの!?)))

 

八幡「そうだな、これかな。時に哲学者で、時に子供のようになる時もある」

 

いろは「そうなんですね」

 

雪乃「そうなのね」

 

結衣「へ、へぇ〜」

 

 

 

 

3人(((ど、どうしよう!?当てはまらない!)))

 

八幡「まぁ、こんな感じだ。?どうしたんだ?」

 

雪乃「な、なんでもないわ」

 

八幡「?そ、そうか」

 

雪乃「ええ…」

 

3人(一体(比企谷君)(先輩)(ヒッキー)の好きな人って誰なの!?)

 

 

そしてまた翌日

 

今日も生徒会長である一色いろはは部室に来ていた。雪乃、結衣、いろはは八幡の好きな人の事で頭がいっぱいで悩んでいるのに、八幡は普通に頬杖をつきながら本を読んでいた。すると、急に部室のドアが開く。

 

平塚「入るぞ」

 

そう言って入ってきたのは、この奉仕部の顧問の先生であり、国語の先生であり、生徒指導の先生でもある、平塚教諭が入ってきたのだ。それに対してすかさず

 

雪乃「平塚先生、ノックを」

 

平塚「ああ、悪い悪い」

 

いや、その言い方絶対悪いって思ってないな。

 

平塚「ん?なんだ?一色もいたのか?何してるんだ?」

 

いろは「今、先輩方に相談していたんです」

 

平塚「なんだ、そういう事か」

 

コイツ、うまい言い訳考えたな。

 

雪乃「それで何か御用ですか?」

 

平塚「ああ、実はまだ他の生徒には内緒なのだが、明日から3日間、うちの高校にアイドル達が体験入学することになってな」

 

八幡「え、それ言って大丈夫なんですか?」

 

平塚「大丈夫な訳ないだろ」

 

八幡「じゃあなんで?」

 

平塚「実はこの部室を逃げ場にしようと思っているんだ」

 

雪乃「逃げ場ですか?」

 

平塚「ああ、何せアイドルが来るんだ。他の連中はそのアイドル達は質問攻めに会うだろう。そこで、この部室を逃げ場として提供しようと、なってな。だからその時は匿ってやってくれないか?」

 

八幡「どうする雪ノ下」

 

雪乃「それはいいんですが、何故私達なんでしょう」

 

平塚「それは君達を信用しているからだ」

 

八幡「そんなけの理由でですか?」

 

平塚「ああ、そうだ。で?どうだ?」

 

結衣「ゆきのん、受けようよ」

 

雪乃「そうね。確かにここなら他のところよりも安全だまんね。わかりました。その依頼受けましょう」

 

平塚「そうか、受けてくれるか。いや〜、助かる」

 

いろは「あの〜、それ私が聞いていいんですか?」

 

平塚「別に構わない。一色も信用できるからな」

 

いろは「あ、ありがとうございます」

 

結衣「平塚先生。その体験入学するアイドルの子の名前教えてくれませんか?」

 

平塚「ああ、そうだな。君達には言っておこう。ただし、他言無用で頼むぞ」

 

雪乃「はい、わかりました」

 

結衣「わかりました」

 

いろは「了解です!」

 

平塚「もちろん比企谷もな」

 

八幡「わかってますから。それに言う相手いませんし」

 

平塚「そうかそうか!なら安心だ」

 

平塚先生は腕を組んで、うんうんとうなづいてくる。

 

平塚「では体験入学するアイドル達を紹介しよう」

 

八幡「え?言うのではなく、紹介?まさか来てるんですか?」

 

平塚「ああ、事前の打ち合わせで来てもらっている」

 

雪乃「どちらにいらっしゃるのですか?」

 

平塚「外で待ってもらっている。入ってきたまえ」

 

ええ、もうそこにいるの?というか誰が来たの?まさか奏ではないよな。

 

平塚先生の言葉で部室のドアが開き、人が入ってくる。そういえばさっき平塚先生は、達って、言ったてたな。1人ではないということか。そう思っていると、アイドルが次々と入ってくる。最初に入ってきたのは塩見周子。次は宮本フレデリカ。次は一ノ瀬志希。次は城ヶ崎美嘉。うん、ここまで来れば多分次で最後だ。そしてその最後の人物はだいたい予想できる。そして最後に入ってきたのは、やはり奏だった。マジかよ。LIPPSが体験入学する事になるとはな。

 

平塚「この子達が体験入学するアイドル達だ」

 

結衣「す、すごい!ゆきのん、いろはちゃん、LIPPSだよ!」

 

雪乃「そ、そうね。でも由比ヶ浜さん落ち着いて」

 

いろは「そうですよ結衣先輩」

 

八幡「由比ヶ浜、少しボリュームを抑えろ。他の連中に聞こえたらどうするんだ?」

 

結衣「あ、そうだった…」

 

おい、ホントコイツ大丈夫かよ。

 

平塚「由比ヶ浜。頼むから言いふらさないでくれよ」

 

結衣「は、はい…」

 

まぁ、何とかこれで大丈夫かな?すると、前を見るといつの間にかオレの目の前に奏がいた。

 

奏「私を無視するとは良い度胸ね八幡」

 

八幡「いや、無視したつもりないからね」

 

奏「そう、なら良かったわ。…久しぶりね八幡」

 

ああ、もうこれは諦めた方がいいみたいだ。

 

八幡「…ああ。久しぶりだな…奏」

 

雪乃・結衣・いろは「「「えっ!?」」」

 

志希「ねぇねぇ、奏ちゃん」

 

奏「なに?」

 

志希「その人がこの前言っていた」

 

奏「ええ私の彼氏、八幡よ」

 

他のアイドル達は「おおー」とか声を上げる中。1人の男性がこちらに近づいてくる。え?何?なんかちょっと怖いよ。目がなんというか…オレに似ているような……。

 

「あなたが比企谷八幡さんですね」

 

八幡「あ、はい。そうですが?」

 

そう答えるとまじまじとオレの顔を見てくる。え?何?オレの顔そんなに変なの?数秒見た後、男性は口を開く。

 

「なるほど。いい目をしていますね」

 

八幡「はい?オレの目がですか?」

 

「はい」

 

八幡「いやいや、自分で言うのもなんですが、オレの目死んだ魚の目ですよ」

 

「いえ、比企谷さんの目は人の事をよく見る目をしています」

 

八幡「は、はぁ…そう…ですか?」

 

「はい。あ、申し遅れました。私は武内と申します」

 

そう言って名刺をオレに差し出してくる。それを見たオレはすぐに立ち上がりその名刺を受け取る。

 

八幡「ど、どうも。比企谷八幡です」

 

武内「存じております。この前速水さんから比企谷さんの事について聞きましたので」

 

八幡「何言ったんだ?奏」

 

奏「何って…普通に八幡は私の彼氏だって言っただけだけど」

 

八幡「本当か?」

 

奏「うん」

 

本当かよ。そんな風には見えねぇけどな。

 

武内「私的には、うちで働いて欲しいくらいです」

 

八幡「そ、そんな買いかぶりですよ」

 

武内「いえ、そんな事はありません。あなたにはその素質があります」

 

奏「八幡、この際だから働いてみたらどう?もう専業主婦なんて言わずにさ。それにそうしたら私と一緒にいる時間も増えるわよ」

 

八幡「いや、そんな理由だけで働くのはちょっとダメだろ。ちゃんとした動機がなくちゃダメだろ」

 

平塚「まさかあの比企谷が真面目な事を言っているだと」

 

八幡「ちょっと平塚先生。いくらオレでもちゃんと考えますよ」

 

平塚「あ、ああ。そ、そうだよな、すまない」

 

八幡「別に気にしてないので大丈夫ですよ」

 

武内「それでどうでしょう」

 

八幡「どうと言われましても…」

 

平塚「比企谷」

 

八幡「なんですか?」

 

平塚「こうして武内さんは君をスカウトしようとしているんだ。少しはそこで働いてみる考えをもってみたらどうだ?」

 

八幡「…」

 

そうだよな。こんなオレをスカウトしてくれる人もいるんだ。もう将来は専業主婦なんて言ってられる場合じゃあないな。けど…

 

八幡「そんな事できるのでしょか?」

 

武内「私が上の者と掛け合ってみます」

 

八幡「わかりました。親と話し合ってみます」

 

武内「わかりました」

 

奏「ふふっ、嬉しいわ」

 

八幡「まだ、そこで働くと決まった訳じゃねぇんだぞ」

 

奏「わかっているわよそんな事。でももしそうなれば、八幡ともっと一緒いられると思うと嬉しくて」

 

八幡「さいですか」

 

すると城ヶ崎が近づいてきて来る

 

美嘉「ねぇ、それよりも、そっちの女の子3人。放心状態だけど良いの?」

 

と言いながら雪ノ下達の方へと指を指す。言われて見てみると、確かに放心状態だった。

 

八幡「ん?ああ…おーい。お前らいい加減戻ってこーい」

 

いろは「はっ!」

 

オレの呼び掛けに最初に我に返ったのは一色だった。

 

八幡「おかえり一色」

 

いろは「せ、先輩?」

 

八幡「戻ってきて早々悪いけど、雪ノ下と由比ヶ浜も戻してくれるか?」

 

いろは「あ、はい。結衣先輩、雪ノ下先輩。戻ってきてください」

 

一色は2人の体を揺さぶり我に返していく。

 

雪乃「はっ!私は一体。確かさっき比企谷君に彼女がいるとか何とか」

 

結衣「確かにそうだったような。あー、でもあれは夢だよね〜。速水奏がヒッキーの彼女だなんて…」

 

奏「本当よ」

 

結衣「夢じゃなかったー!」

 

雪乃「ひ、比企谷君。あなた本当に速水奏さんと付き合ってるのかしら?」

 

八幡「本当だよ」

 

いろは「先輩、いつ速水奏と付き合ってるんですか?」

 

八幡「奏がアイドルになる前にからだ」

 

いろは「そ、そうなんですね」

 

 

武内「では私は校長先生と教頭先生と話してきます。皆さんはここで少し待っていてください」

 

LIPPS「「「「「わかりました」」」」」

 

平塚「では校長室まで私がご案内致します」

 

武内「お願いします」

 

そう言って平塚先生と武内さんは部室を出ていった。待っている間多分時間もあるし、それにオレ達座って、奏達は立ったまんまというのはダメだからオレは後ろに積まれてあった椅子を5つ取り並べる。

 

八幡「まぁ、ここに座れよ」

 

美嘉「ありがとう」

 

志希「ありがとうね」

 

フレデリカ「ありがとう」

 

周子「ありがとね」

 

八幡「いえ、気にしないでください」

 

そう言ってLIPPSの内4人はオレが出した椅子に座る。LIPPSとは向かい合わせのようになっている。けれど、1人だけオレの出した椅子に座らない人がいた。

 

八幡「奏?座らないのか?」

 

奏「椅子の場所、違うわ」

 

八幡「は?椅子の場所が違う?じゃあどこがいいんだよ」

 

奏「決まってるでしょ。八幡の隣よ」

 

八幡「は?なんでだよ。隣にするんだよ」

 

奏「別に良いじゃない。隣がダメなら…そうね。八幡の膝の上かしら」

 

奏はそう言って近づいてくる。LIPPS4人と雪ノ下、由比ヶ浜、一色達はかなり驚いている。

 

八幡「え、ちょっ!はぁ!?なんでオレ膝の上なんだよ」

 

奏「別に良いじゃない。と言うよりも今さら隣に座って照れるような関係でもないでしょ?」

 

そう言って奏はさらに近づいてきて、顔を近づけてくる。何する気だ?と思っていたら、他の奴らには聞こえないように、オレの耳元でこう囁く。

 

奏「…だって、お互い初めてを捧げ合った中じゃない」

 

八幡「っ…///」

 

それを聞いたオレはたまらず体をそらしてしまう。だっていきなり耳元で囁かれたからだ。オレ、耳弱いからな。それにしてもまさか、奏の口からそんな事を聞くことになるとは……。

 

けど奏が言った事は紛れもない事実。オレと奏はもう一線を超えている。それにあの時の奏の姿は今でも鮮明に思い出す。結構激しめに求めてき……って、いやいや、オレは何思い出してるんだ。こんな事バレたら、何言われるか知ったもんじゃない。少し思い出したら死にたくなったので、軽く頭を振り払う。気の所為か自分の顔が少し熱くなっているような。

 

美嘉「奏ちゃん。何言ったの?」

 

奏「ふふっ…それは、ひ・み・つ、よ」

 

そう言って奏は自分の人差し指を口の近くまで運び、パチッとウインクをしている。ホント、たまにこういう仕草をするから、ドキッとしてしまうんだよな。

 

志希「こ、これは…」

 

美嘉「かなり進んでいるわね」

 

周子「ホンマやな」

 

フレデリカ「だね〜」

 

LIPPS達は各々反応をするが、オレの席の向かいに座っている、雪ノ下、由比ヶ浜、一色は開いた口が閉まらないでいる。そんな事よりも、もう諦めるしかないか。

 

八幡「もうそれは良いから、隣でも良いから座ってくれ」

 

奏「あら、良いの?」

 

八幡「ああ」

 

奏「じゃあお言葉に甘えて」

 

奏は椅子を持ちオレの隣まで持ってきて座る。けどオレはそんな事気にせず、持っていた本の続きを読もうとした時だった。

 

奏「彼女が隣にいるのに本を読むの?」

 

と首を傾げ聞いてくる。それを聞いたオレは本をカバンにしまい、雪ノ下が入れてくれた紅茶を飲む。

 

奏「ねぇ、八幡」

 

八幡「なんだ?」

 

奏「あれ、つけてる?」

 

奏が言ったアレとは100%アレのことだろう。そう、思ったオレは制服で隠していた物を見せる。

 

八幡「これだろ」

 

奏「きっちりつけているわね」

 

八幡「まぁな」

 

いろは「せ、先輩。それって…」

 

八幡「ん?ああ、これはネックレスだが」

 

雪乃「何故、それを比企谷君がつかけているのかしら?」

 

八幡「これは誕生日プレゼントで奏から貰ったもんだ。その時、奏に毎日つけてねって言われたから、その日以来、このネックレスは常につけているがな」

 

結衣「そ、そうなんだ。ネックレスつけているだなんて、全然気づかなかったよ」

 

八幡「そりゃあ気づかれないようにつけているからな」

 

そうでも無いと、もし平塚先生に見つかったらなんて言われるかわかったもんじゃない。だからこうして制服で隠している。

 

美嘉「なんかそれ、奏ちゃんがつけているネックレスと似ているね」

 

奏「当たり前じゃない。お揃いにしたもの」

 

奏の言う通り、オレがつけているネックレスは、奏がつけているネックレスとお揃いなのだ。それを知った時は萌死ぬかと思った。まさかこんな事をしてくるとは思ってなかったからな。

 

周子「お揃いだなんて、なんや素敵やなぁ」

 

奏「ふふっ、でしょ?」

 

いろは(ま、まさか先輩と速水奏がここまでいっているとは)

 

雪乃(もうこれは…勝てそうに無いわね)

 

結衣(ううぅ…、強すぎだよ〜…)

 

 

色々喋るのは良いけど、一線を超えた事を言わないか心配だ。

 

その後、色々話し合ってあった。例えばオレと奏の出会いの話はどんなんのかとか、お互いの好きな所を教えてとか、色々聞かれた。ホント、ああいう話好きだよね女子ってさ。

 

 

そして色々話をしているウチにプロデューサーの武内さんが戻ってきたので、LIPPS達は帰って行った。その後、オレは最終下校になるまで部活は続いた。その間、オレは本の続きを読んで過ごした。少女達はと言うと、何やらヒソヒソしながら話していた。もしかして、オレの悪口?マジで?本当だったらどうしよう。

 

 

 

 

 

部活も終了したのでオレは家に帰った。

 

八幡「たでーま」

 

いつ通り家に入りそう言う。けど、いつもみたいに小町が出迎えが無い。何故なら、小町は友達の家に泊まりに行くと言う。だから出迎えが無い。両親は仕事で帰って来れないと、連絡があった。ホント、社畜だな。なので、今日はオレ1人だけとなる。いや、1人と1匹か。飼い猫であるカマクラを忘れたらダメだよな。いくらオレに懐いていないからって、そんな態度はダメだな。そう思っていた自分を殴ってやりたいとその後思った。何故なら

 

奏「おかえりなさい」

 

八幡「なんで居んの?」

 

ホントなんで自分の彼女である奏がエプロン姿でウチにいるの?おかしいよね。だってLIPPS達はホテルに泊まるはずじゃ無かったか?

 

奏「別にいいじゃない。ご両親と小町ちゃんからは了承を得て、鍵も預かったのよ」

 

八幡「え?何それ?知らないんだけど」

 

ホント、オレの知らないところでそんな話があったとは知らなかった。というかなんでそんな簡単に鍵を渡すの?

 

奏「ふふっ、じゃあドッキリ大成功ね」

 

なんとも嬉しそうに言うな。

 

八幡「いや、そういう事じゃなくてだな。なんでオレの家にいるの?確か奏達はホテルに泊まるんじゃなかったか?」

 

奏「ええ、そうよ」

 

八幡「だったらなんで?」

 

奏「今日だけ許可を貰ったの」

 

八幡「その理由は?」

 

奏「…………言わせないでよ。……バカ」

 

と少しムスッとした表情で言ってくる。あー、もう可愛いな、おい!ホントオレの彼女可愛すぎるだろ!

 

奏「久々に八幡と過ごしたいだけなのに」

 

あー、もうそういうこと言う。そういうこと言われたら、ズッキューンってなっちゃうでしょうか。

 

八幡「そっか。…まぁ、何?…オレも……奏と過ごしたかった」

 

奏「もう…そういう事はスパッと言う!このヘタレ」

 

八幡「悪かったな。けど、大丈夫なのか?」

 

奏「ええ、大丈夫よ。今日は安z」

 

八幡「なんでそっちの方向にいくの?おかしいよね?」

 

オレは奏の言葉を遮る。ホント、そういう事簡単に言うの?

 

奏「そっちじゃないの?」

 

八幡「違うわ」

 

奏「じゃあ何?」

 

八幡「スキャンダルとかされないか心配してんだよ」

 

奏「大丈夫よ。変装して来たから」

 

八幡「それでもな…」

 

奏「大丈夫よ。それにもし、スキャンダルとかされたら、アナタと一緒にいるつもりだから」

 

ホント、なんでそんな事簡単に言うのかね?

 

八幡「…あのな。お前もっとアイドルとしての自覚持てよな」

 

奏「アイドルの前に、私はアナタの彼女よ」

 

八幡「あーもう。これじゃただのイタチごっこみたいじゃねぇか」

 

奏「ふふっ。それよりどうする?私にする?それとも私?それとも…私?」

 

八幡「全部、奏じゃねぇか」

 

奏「私は何時でもいいわよ。いつでも八幡を受け入れる準備はできてるから」

 

八幡「っ…からかうなよ」

 

奏「私は本気よ」

 

八幡「はぁ…とりあえず飯にしてくれ」

 

奏「わかった。私は最後のお楽しみに取っとくって訳ね」

 

八幡「あーもうそれでいいからさ。オレ着替えてくるわ」

 

奏「ええ」

 

 

その後、制服から私服に着替えてたオレはリビングに行くと、奏では、鼻歌交じりで飯の用意をしていた。エプロン姿似合うな。それに鼻歌の曲は奏のソロ曲HotelMoonside。アレいい曲だよな。奏でのCDが出るって言うから小遣いめっちゃ貯めたな。

 

奏「もうすぐできるからちょっと待ってちょうだい」

 

八幡「ああ」

 

奏「はい、おまたせ」

 

八幡「サンキュ」

 

奏から飯を受け取る。久々の奏の手料理か。思わずニヤケてしまうな。オレの顔、気持ち悪くないかな?そんなことを思っていると奏はエプロンを外し、オレの向かいに座る。

 

八幡「なんだ、いつもなら隣に座るのに今回は向かいなんだな」

 

奏「ええ、これなら八幡の顔がよく見れるし、八幡も私の顔をよく見られるでしょ?」

 

八幡「…さいですか」

 

これはもう触れないでおこう。そんな事思いながら両手を合わせる。

 

八幡「いただきます」

 

奏「いただきます」

 

奏と一緒にご飯を食べるのは何時ぶりだろうか。久々だしな。そう思い1口口に運ぶ。

 

八幡「なんか前よりもうまいな」

 

奏「ふふっ、ありがとう。これでもめいいっぱい練習したんだから」

 

八幡「そうか」

 

奏「あ、言い忘れてた。八幡の為に頑張ったんだから」

 

八幡「……そうか。…サンキュ」

 

奏「照れてるの?」

 

八幡「うっせ」

 

奏「ふふっ」

 

その後もなんやかんやからかわれながら飯を食べ進めた。そして飯を食べた後、一緒にテレビを見た。テレビを見ている間奏がオレと手を繋いできた。それも指と指と絡めさせる、所謂恋人繋ぎというアレだ。けど手を繋ぐだけじゃなくて、オレの肩に頭を乗っけてきたりしてきた。

 

 

 

テレビを見た後は風呂に入った。もちろん一緒では無い。奏は一緒に入る?なんて言ってからかって来たが、適当に流した。そしてそろそろ寝ようかなと思っていたら、オレの部屋のドアをノックされた。

 

八幡「どうしたんだ?」

 

奏「ちょっと良いかしら?」

 

八幡「おう」

 

そう答えてオレは奏を部屋に入れる。奏は部屋に入るとなんも迷いなくオレのベットに腰を下ろす。すると奏が隣をポンポンと叩いてくる。はいはい、隣に座れってことだなと思いオレは奏の隣に座る。

 

八幡「で?どうしたんだ?」

 

奏「ねぇ…あの奉仕部の雪ノ下さんと由比ヶ浜さん、それに1年生の一色さんとはどういう関係なの?」

 

八幡「は?アイツらとはなんもねぇよ」

 

奏「ホントに?」

 

八幡「ああ。雪ノ下と由比ヶ浜に関してはただの同じ部活の部員と言うだけで、一色とはただの先輩後輩というか関係だ」

 

奏「本当なのね?」

 

八幡「ああ」

 

奏「じゃ、証拠見せてよ」

 

八幡「証拠?」

 

奏「ええ、そうよ」

 

証拠って言われてもな……。何すればいいんだよ。思いつくのが1つしかないって、マジかよオレ。けど、やるしかないよな。そう思いオレは奏の両肩に手をつけゆっくり顔を近づける。何をするのかわかったのか、奏は目を瞑る。オレも徐々に近づくにつれて自分も目を閉じる。そして、自分の口に柔らかい感触が伝わる。何秒したのか分からないけど、オレは奏の顔から離れる。

 

八幡「これで良いか?」

 

奏「まだまだよ」

 

八幡「は?」

 

奏「まだまだ足りないって言ったのよ!キスだけじゃダメ!」

 

八幡「じゃあどうすればいいんだよ」

 

奏「…本当は分かってるんでしょ?」

 

八幡「っ…いや…それはマズイだろ」

 

奏「何もマズくはないわ」

 

八幡「いや、だがな…」

 

いや、ホント色々マズイだろ。明日は体験入学というか仕事なのによ。

 

奏「私は大丈夫よ」

 

八幡「…いや、でも…」

 

奏「そんなに私とするの嫌?」

 

八幡「いや…そうじゃねぇよ。明日は大事な仕事だろ?」

 

奏「そうね。確かに明日は仕事よ。こんな事言ったら皆には悪いけど、仕事より私は八幡が優先なのよ。それにもう、八幡にはこの身を捧げた身よ。帰ってきた時も言ったけど、いつでも私は受け入れられるわ」

 

奏の目は本気の目をしている。そりゃあオレも久しぶりにといきたいけど、やはり心配になってしまう。

 

八幡「本当なのか?」

 

奏「ええ」

 

八幡「…じゃ…後悔するんじゃねェぞ」

 

奏「後悔なんてしないわ。八幡と付き合った事と、超えたことはもう後悔なんてしないわ。だから……きて」

 

八幡「どうなっても知んねぇぞ」

 

そう言ったオレはまた奏と口を重ね合わせる。

 

奏「…ん」

 

八幡「ん」

 

その後、片手を奏の後頭部に移動させ奏をベットに押し倒した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがでしたか?今回はこんな感じにしてみました。ちょっと初挑戦でしたがどうでしたか?これ以上書いたらアレなので、ここまでにしました。ではまたお会いしましょう。


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速水奏編2

どうもチャキです!この話に出てくる奏はアイドルに入っていない奏です。でも、この話は自分が書きたいと思って書いただけなのでご了承ください。それでもいいという人はどうぞ見ていってください。ではどうぞ!


八幡side

 

今日はバレンタイン。キリスト教の司祭だったウァレンティヌスが処刑された日である。その日はユーノーの祭日あり、ルペルカリア祭の前日である2月14日があえて選ばれた。ウァレンティニアヌスはルペルカリア祭に捧げる生贄にされたという。このためキリスト教徒にとっても、この日は祭日となり、恋人たちの日となったというのが一般論である。まぁ、聞いたり調べたりしたけど、これであってるか知らないけどな。そんな事を思いながら下駄箱へ向かう。移動している間もあちこちでは女子達が男子達にチョコと思われる物を渡していた。中には女子同士で渡しあっていた。所謂友チョコと言うやつだろう。しかしあちこちでは甘々ムードである。さっさとここを去ろう。早くしないとアイツが待ちくたびれている筈だ。そして下駄箱につくとやはりと言うべきか、スマホをいじりながら待っていた。その姿見ているとオレを待っていた奴がこちらに気づき近づいてくる。

 

奏「遅かったわね八幡」

 

そう言ってきたのはオレの彼女である速水奏である。ミステリアスな雰囲気を纏っていて、大人びた性格をしている。時々周りの人から年齢を誤認される時がある。

 

八幡「悪い悪い。ちょっとトイレに行ってたんだよ」

 

奏「そう。もしかしたら女の子に呼び止められてるんじゃないかと思ったわ」

 

八幡「ぬな訳あるか」

 

奏「あら、どうかしら。八幡は意外とモテるかもしれないわよ」

 

八幡「アホか。好きな奴だけにモテればオレはそれで充分だ」

 

そう、オレは奏だけにモテればそれで良い。それに恥ずかしいけど、告白したのはオレからである。あの時はかなり緊張したのを覚えている。

 

奏「そ、そう。もう、なんでそういう事サラッと言うのかしら

 

八幡「ん?なんか言ったか?」

 

オレは決して難聴ではない。奏の声が小さくてうまく聞き取れなかっただけだ。

 

奏「何もないわよ」

 

八幡「そうか」

 

奏「あ、そうだ八幡。八幡にあげるチョコなんだけど、家にうっかり忘れて来ちゃったの。だから私の家まで取りに来てくれない?」

 

八幡「奏の家に?まぁいいけど」

 

チョコ作ってくれたのか。でも家に置いてきちゃったのか、案外おっちょこちょいな一面あるんだな。

 

奏「そう。じゃあ行きましょう」

 

八幡「ああ」

 

オレたちは靴に履き替えて奏の家に向かった。奏の家に向かっている途中、奏が口を開いた。

 

奏「ねぇ、八幡」

 

八幡「なんだ?」

 

呼ばれて奏の方を見るとなんだか悲しそうな表情になっていた。一体どうしたんだ?

 

奏「…ホントにチョコ貰ってないのよね」

 

八幡「貰ってねぇよ」

 

奏「…ほんとに?」

 

八幡「ああ」

 

奏「そう、なら良かった」

 

そう言うとさっきとは打って変わってとても可愛い笑顔になった。それを見た瞬間オレは思わず顔を逸らす。

 

奏「あら?どうかしたの八幡。顔逸らしちゃって」

 

八幡「う、うるせぇ」

 

奏「ふふっ、かわいいわね」

 

八幡「男にかわいい言うなよ」

 

奏「もお、照れちゃって」

 

八幡「て、照れてねぇよ」

 

奏「ふふっ、そういうことにしてあげる」

 

くっ、やはりオレはまだ奏に勝つことはできないらしい。オレは奏に勝てる日がかるのだろうか。その後も奏にからかわれ続けながら奏の家についた。

 

奏「せっかくだし上がって行って」

 

八幡「いいのか?」

 

奏「ええ」

 

八幡「じゃあ、お言葉に甘えて」

 

奏「ええ、そうして」

 

八幡「おじゃまします」

 

奏「ええ」

 

奏の家に入るのは何回目だろうか。なのにまだ緊張してしまう。

 

奏「ちょっと待てて。すぐに持ってくるから、そこのソファーに座って待ってて」

 

八幡「お、おう」

 

オレはそう答えて奏の言う通りソファーに座る。ソファーはフカフカで座り心地は凄いが緊張が解れる訳ではない。

 

奏「おまたせ八幡」

 

八幡「お、おう」

 

奏の方を見ると手にはチョコが入った箱を持っていた。オレはもらおうと手を出そうとした時だった。何故か箱を開けて小さいチョコを1つ取り出した。

 

八幡「か、奏?」

 

奏「何?」

 

八幡「な、何してるんだ?」

 

オレにくれるのならそのまま渡せば良いのになんで箱を開けたんだ?それに何故だろうか、奏の表情が何か企んでいるような表情になっていた。一体何を企んでいるんだ?思わず身構えてしまう。すると奏は箱を近くの机の上に置き、オレの目の前に立ったと思ったら、突然オレの膝の上に乗ってきた。所謂対面座位と言うやつだろう。

 

八幡「ちょっ!?か、奏!?な、何をしてるんだ?」

 

奏「何って、八幡の膝の上に座っているのよ」

 

八幡「それはわかるんだよ」

 

奏「それじゃあ聞かないでよ」

 

八幡「確かにそうかもしれないが、オレが言っているのはなんでオレの膝の上に座っているのか聞いてんだよ」

 

奏「別に良いじゃない」

 

八幡「なんでだよ。というかチョコはどうしたんだよ」

 

奏「ここにあるわよ」

 

八幡「いや、だから」

 

奏「心配しなくてもちゃんとあげるわよ。こういう風に」

 

そう言って手に持っていたチョコを口にくわえる。

 

奏「ふぁい(はい)ふぁちまん(はちまん)

 

そう言ってどんどん近づいてくる。それにより柔らかいものが当たってくる。

 

八幡「い、いやなんでだよ!普通に渡せよ!」

 

奏「ふぇっに(べつに)ふぃじゃない(いいじゃない)

 

八幡「良くねぇよ!」

 

奏「ほうなったら(こうなったら)…」

 

逃げようとしたオレを奏はオレの手を握ってきた。でもただ握るだけじゃない。手の指を絡めさせてきた。所謂恋人繋ぎというやつだ。しかも両手だ。これによりオレは完全に逃げることができなくなってしまった。逃げ場を完全に失っているのにオレは今も逃げ道を探すが一向に見つからない。そんな事を思っていると奏の顔はどんどん近づいてくる。

 

八幡「ちょっ、か、奏!ちょっとまっんむ!」

 

オレは奏を待つように言おうとした時だった。オレの唇は奏のやわらかい唇と重なった。すると舌を使いくわえていたチョコをオレの口の中に入れてきた。

 

奏「ぷは……どうかしら?私の作ったチョコレートのお味は?」

 

八幡「………あ、甘いです///」

 

もう完全に思考がなくなってしまいそうになってしまう。

 

奏「ふふっ、顔が赤いわよ八幡」

 

八幡「う、うるせぇ。……そういう奏も顔赤いじゃあねぇか」

 

奏「ふぇ!?///」

 

そう言って奏は自分の顔に手を当てて、確認していた。それになんだ今の声。くっそかわいいじゃあねぇか。

 

奏「ま、まぁいいわ。ねぇ、八幡。もうひとつどう?」

 

八幡「……」

 

奏「いらない?それともいる?」

 

八幡「…………く、ください」

 

奏「ふふっ、そう。わかったわ」

 

そう言って奏は再びチョコを口にくわえて、手を握てくる。そしてどんどん顔が近づいてくる。そして再び唇が重なり、甘いチョコと奏の舌が口内に侵入してくる。

 

奏「どう?」

 

八幡「……うまいです」

 

奏「そう、それなら良かったわ。作ったかいがあったわ。はい、もうひとつ」

 

そうしてまた重なり合う。やはり、甘すぎる。オレは甘いのは好きだけどこれは甘すぎる。頭がクラクラしてきそうだ。まるで奏という麻薬のようだ。オレはこのままやられぱなっしになる訳にはいかない。

 

八幡「な、なぁ奏」

 

奏「何かしら?」

 

八幡「チョコ1個くれないか」

 

奏「?何を言ってるのかしら?これはもう八幡のよ」

 

八幡「それはわかってるんだよ。オレにくれるのならもうオレのもんだろ?だからくれよ」

 

奏「?わかったわ」

 

そう言ってオレの手に1つチョコを渡してくる。受け取ったオレはさっきまで奏がやってたように、チョコを口にくわえて奏の方に差し出す。

 

八幡「ふぉれ(ほれ)

 

奏「なっ!?///」

 

おお!驚いている驚いている。まさか自分がやられるとは思ってなかったのだろう。かなり驚いている。

 

八幡「どうふぅした(どうした)?」

 

奏「や、やるわね八幡。い、いいわ、乗ってあげるわ」

 

そう言って奏はオレの唇を重ねてくる。そしてオレはチョコを奏の口内に入れようと舌で押し込んだ時だった。

 

八幡「!?」

 

奏がオレの舌と絡めさせてきた。チョコ越しとはいえオレと奏の唇が絡まる。オレはやり返したと思ったら、やり返されたのだ。またオレは奏に負けたというのか。そしてチョコがなくなってもまだ続く口付け。静かな部屋には絡まる音が響く。そして離れた時には銀色の糸が引かれていた。そして離れた後、奏が少し頬を赤らめながら口を開く。

 

奏「…ふふっ、まだチョコあるけど。どうする?」

 

八幡「……く、ください」

 

ああ……やはりだ。やはりオレは奏に勝てないんだ。そう思った。

 

奏「ふふっ、じゃあ行くわよ」

 

八幡「……お、おう」

 

そしてその後もさっきと同じようにチョコ越しに舌を絡める口付けが続いた。その後お互いはもう無意識にお互いを求めていたらしく、チョコがなくなっても、舌を絡めさせる熱い口付けをしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがでしたか?ではまたお会いしましょう。


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速水奏編3

どうもチャキです。今回の話も奏はアイドルに入ってない設定にしてます。まぁ、この話も自分が書きたいと思って書きました。ではどうぞ!


八幡side

 

奏「ん」

 

八幡「…ん」

 

突然だがオレは彼女である速水奏とキスをしている。というか奏がオレの膝の上に突然跨って来て、キスをしてきたのだ。今の体勢は対面座位。

 

八幡「ぷは……お、おい奏!いきなり何するんだ!?」

 

奏「え?何って…キスだけど」

 

奏はキョトンと首を傾げて言った。しかも何言ってるの?みたいな顔になってるし。ちくしょう!かわいいじゃねぇか!こんちくしょう!

 

八幡「いや、なんで急にオレに跨ってきてキスしてくるんだよ」

 

奏「あら、別に良いじゃない。私達は恋人なんだし、キスをするのは当然でしょ?」

 

八幡「いや、オレ本読んでる途中だったんだけど」

 

奏「そんなの後でも読めば良いじゃない」

 

八幡「だったらキスも後でもできると思うが」

 

奏「それは無理ね。今日はあなたといっぱいキスする予定だから」

 

八幡「なんでだよ」

 

奏「今日はキスの日だからよ」

 

八幡「は?なんだよそれ?」

 

奏「あら知らない?」

 

八幡「知らねぇな」

 

キスの日ってそんな日があるなんて初めて知ったわ。でも1日1日に何の日かってあるって聞いた事あるけど、詳しくは知らない。

 

奏「そう、じゃあ教えてあげる。1946年の今日、日本映画で初めてキスシーンが登場したことが由来とされているわ」

 

八幡「へー」

 

そんな由来があったんだな。全然知らなかったわ。

 

奏「ちなみに今日は恋文の日、ラブレターの日でもあるらしいわ」

 

そんな日でもあるんだな。ラブレターか……。書いたことないけど、オレから告白したんだよな。

 

八幡「へー、よく知ってるな」

 

奏「たまたまよ」

 

ホントかよ。調べないと絶対に知らない情報だろ。それにしても

 

八幡「いつまで乗ってんだよ」

 

奏「あら、別に良いじゃない。減るもんじゃないし」

 

八幡「いや、別に減らねぇけど、この体勢になってから結構経つけど」

 

そう、奏がオレに跨ってからかなり経つ。別に足が痺れたとかじゃないんだけどね。それに奏の腕はオレの首の後ろにあり、下手には動けない。

 

奏「じゃあ次行くわね」

 

八幡「はっ?…ん!」

 

再びオレの唇は奏の唇と重なる。あまりにも突然なことで反応出来なかった。

 

奏「ん…んん……」

 

八幡「んん…」

 

少し激しめに唇を押し付けられる。そさてオレは気づけば手に持っていた本をソファーに置いて、手を奏の腰の後ろに回していた。所謂抱擁というやつだろうか。

 

奏「ぷは…八幡も求めてきてくれて嬉しいわ」

 

八幡「くっ…」

 

くそ…あんなにキスされたら思考がなくなってくる。それに奏の奴、日に日にキスが上手くなっているような気がする。しかも無意識に求めて抱擁しているし。

 

奏「さぁ、もう一度行くわよ」

 

八幡「ちょっと待っ…んむ!」

 

また奏の唇が重なる。重なるだけではなく、オレの口内に奏の舌が侵入してくる。オレも気づけば、自分の舌を奏の舌と絡ませていた。奏もそれに気づきさらに激しく絡ませてくる。それになんかいい匂いがする。シャンプーなのか香水なのか分からないけど、いい匂いがして意識が飛びそうになる。

 

八幡「ぷはっ…」

 

離れるとつーっと糸が引かれていた。

 

奏「はぁ…はぁ…好きよ……八幡」

 

唐突の告白。それに若干奏の顔が赤くなっていた。

 

奏「八幡は?」

 

八幡「好きだ。ていうか好きじゃなかったらこんな事しねぇよ」

 

奏「ふふっ、八幡らしいわね」

 

手を口に当ててくすくす笑っている。それにしてもオレはやはり奏に敵わないようだ。やり返そうとしようとしても返り討ちにあってしまう。

 

奏「あ、そうだ。ねぇ、八幡知ってる?」

 

八幡「何?豆しば?」

 

そういえば最近見ないな豆しば。今もCMやっているのかな。豆知識?みたいな事とか言ってたような気がする。確かスイカは種の方が栄養があるとか、人体で最も強い筋肉は舌なんだとか、後はブラックホールに落ちると時間が止まるとか、ナマコは全身筋肉とか色んな事を聞いたな。それにしてもナマコすごいな。

 

奏「キスって1分で約6カロリー消費するのよ」

 

八幡「はい?」

 

奏「だからキスを1分することで約6カロリー消費するの。それを使ったダイエットもあるらしいの」

 

八幡「は?キスで?」

 

奏「ええ、そうよ。これをキスダイエットと言う人もいるわ」

 

八幡「なんでキスでダイエットになるんだよ」

 

奏「教えてあげるわ。顔の筋肉って約30種類あるの。でも日常生活で使ってるのは7割程度なのよ。でもキスをすると、顔の20種類もの筋肉が動くのよ。普段使わない筋肉を使うことによって、小顔効果もあるの。それに好きな人とキスをすると、ドキドキしたり、息遣いが荒くなったり、するの。これは交感神経の働きによるものなの。血行が良くなり、体温や心拍数が上がるため、代謝がアップするの。それに好きな人とのキスはストレス緩和にもなるのよ」

 

八幡「そ、そうなのか」

 

え?何?キスってそんな効果があるの?

 

奏「ええ、そうよ。暴飲暴食予防や、口臭ケアなどにも気をつけられるのよ」

 

八幡「ほーん」

 

まぁ、確かにキスをする時は口臭が気になるよな。オレも一応それなりに気をつけている。

 

奏「あ、それとキスって20種類以上ものやり方があるのよ」

 

八幡「え?そんなに?」

 

奏「ええ、その中でもカロリー消費が多い、おすすめとされるキスがカクテルキス、オブラートキス、クロスキス、この3選よ」

 

な、なんでそんなに詳しいんだよ。

 

奏「カクテルキスはディープキスの定番とされているわ」

 

カクテルキスって初めて聞くわ。ていうか……

 

八幡「なんでそんなに詳しいんだよ。もしかしてお前、キス魔かなんかなの?」

 

奏「なっ!///そんな訳ないでしょ!?わ、私がキスするのは八幡だけよ!?」

 

八幡「お、おう…そうか」

 

いや、まぁ、そんな事言われるとは思ってなかったけど、正直嬉しいけどな。

 

奏「そんな事言う八幡には、さっき言ったカクテルキスをしてあげるわ」

 

八幡「は?ちょっ、ちょっと待てよ!落ち着けって奏!」

 

どんどん奏の顔が近づいてくる。何とかして逃げようと思ったが、奏が上に跨っているので逃げられない。やばい。そんな事思っていると、とうとう奏の唇がオレの唇と重なる。そしてさっきと同様舌を絡ませてきた。

 

八幡「んむ!?」

 

さっきまで一緒だと思ってたら、舌を甘噛みしてきた。それにさっきよりも体が密着しているような気がする。

 

奏「ん…んん…んむ…」

 

八幡「んん……んむ…むむ」

 

や、やばい。息が続かなくなってきた。

 

八幡「ぷはっ!」

 

息継ぎをする為に少し無理やり顔を逸らした。あのままやってたら酸欠してしまう。

 

奏「もう、勝手に顔をそらさないの!」

 

八幡「んむっ!?」

 

だが、奏は両手でオレの顔の向きを無理やり正面の方へ直して、再び唇を重ねてくる。

 

八幡「んっ!……んむっ!?」

 

また舌を絡めたり、甘噛みをしてきたが、次は何故か吸ってきた。

 

八幡「んん……んん……」

 

オレは速水奏の唇という極上の感触により、次第にオレの抵抗する力がなくなってくる。それに気づいのか嬉しそうな目になる奏。そして次の瞬間さらにキスが激しさが増してくる。

 

八幡「ぷはっ」

 

やっとオレは息継ぎを許されたので息継ぎをする。するとまた向きを直されて唇が重なり、そしてまた幸せがやってきて、心も奪われていく。もう抵抗もできない。もうオレは奏に身を委ねていた。

 

奏「んんっ……はち…まん…んむっ…」

 

八幡「…きゃ…なで……」

 

名前を呼ばれたのでオレも奏の名前を言う。けれど呂律が回ってない。そしてオレは奏の舌の動きに合わせるようにして、自分の舌を絡めさせたり、甘噛みをする。けれど、奏の方が優勢らしい。

 

奏「んむっ……はちまん…んっ…はちまん……」

 

八幡「んむっ……んん…あむ…ぷはっ…」

 

再び息継ぎできるチャンスがやってくる。すると奏はオレの耳元まで近づいてくる。

 

奏「はぁ……はぁ…八幡……好きよ」

 

 

プツン

 

すると何かが切れる音がした。そしてそこでオレの意識は途絶えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

八幡「…ん」

 

 

目が覚めた時に映った天井は見たことがあった。そりゃあそうだ。だってそれはオレの部屋の天井なんだから。それよりもあれから何があったのか思い出しながら身体を起こす。

 

奏「んん…」

 

すると隣から吐息交じりの声が漏れた。

 

 

……隣から…だと……。まさか!?

 

と思いゆっくりと隣の方へ視線を向けると……そこには…服を着ていない奏の姿があった。そして次にオレの姿を見ると、オレも奏同様…服を着ていなかった。

 

 

これって……まさか……

 

 

奏「ん?……あ、おはよう八幡」

 

奏は目を擦りながらゆっくりと身体を起こしていた。

 

八幡「あ、ああ……おはよう」

 

奏「んん〜…」

 

奏はゆっくりと身体を伸ばしている。やめて!今そんな状態でそんな事されたら、目のやり場に困っちまう。

 

八幡「な、なぁ…奏」

 

奏「なに?」

 

八幡「もしかして昨日って…やっぱり?」

 

奏「ええ、そうよ。八幡の思ってる通りよ」

 

八幡「…マジか」

 

奏「ええ…マジよ」

 

八幡「…そうか。……その…大丈夫か?」

 

奏「ええ、大丈夫よ。だって八幡すごく優しかったから」

 

そう言われると段々と昨日の事が、鮮明に思い出してくる。それによりめちゃくちゃ恥ずかしくなってくる。

 

奏「ふふっ、顔赤いわよ」

 

八幡「う、うるせぇ///」

 

奏「かわいい」

 

八幡「だから男にかわいい言うな」

 

奏「ふふっ、別に良いじゃない。本当にかわいいんだから」

 

八幡「あー、もう良いだろ!と、とりあえず着替えるぞ。この姿じゃあれだし」

 

奏「あら、昨日はあんなに見たのにつれないわね」

 

八幡「お、お前な…」

 

奏「ふふっ、冗談よ」

 

奏は妖艶のように微笑んだ。その顔に思わず見惚れしまった。いつもよりも大人びていて、少し小悪魔っぽさが出ているような気がした。あー、やばいその顔を見ているとまた昨日の事を思い出してしまう。ふー……もうこれ以上何も考えないようにしよう。うん、それが良い。

 

奏「じゃあ着替えようか」

 

八幡「……そうだな」

 

はぁ……ホント、家に小町と親がいなくて良かったわ。いたらどうなってたか。

 

 

それにしてもやはり奏には勝てないな。

 

 

 

 




いかがでしたか?ではまたお会いしましょう。


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氷川紗夜編
氷川紗夜編 1


どうもチャキです!今回はBanG Dream!の氷川紗夜を八幡の彼女にしてみました。それでも良い方はどうぞ。


八幡side

 

オレは今はバンドメンバーと一緒に練習している。けど今は休憩中である。バンド名はRoseliaだ。そんなオレが担当しているのはギターだ。小さい時から趣味程度にはじめていて、ちょっと外で練習をしているとあの有名な湊友希那に聞かれ、その後すぐにバンドに誘われた。でも最初はその誘いを断った。理由としては湊の目標はデカすぎて趣味程度でやっているオレが入っていいものでは無いと思い断った。けどもう1つ理由がなくはないけどな。その理由が前にいた総武校での出来事である。その依頼主は戸部で内容は告白を絶対に成功させる依頼だった。そんな依頼を由比ヶ浜が安易に受けてしまった。そして次に海老名さんの依頼がきてしまった。内容は告白の阻止という内容だった。その依頼には雪ノ下と由比ヶ浜は気づいてないみたいだった。けれどオレも最初は気づいてなかった。気づいたのは3日目自由行動の時だった。その日は戸部が海老名さん告白する日でもあった。そんな告白する前に葉山からも依頼が言われた。それは今のグループを変えたくないと言うものだった。そしてオレは戸部が告白する前に海老名さんに嘘の告白を行なった。こうしてこいつらの依頼は無かったことにした。

 

けどそんな意味は無かったのかもしれないな。

 

雪乃「貴方のやり方嫌いだわ」

 

結衣「もっと人の気持ち考えてよ!」

 

と言われた。オレは何を間違えたのだろうか。嘘の告白をした事か?今回の依頼を受けた事か?そもそもこの奉仕部に入部した事か?どっちにしろオレはコイツらに否定されたんだ。その事で学校中から更に嫌われ者になった。けれどそんな中、オレを信じてくれた人達がいた。それは戸塚、川崎、雪ノ下さん、そして幼なじみの日菜と同じく幼なじみでオレの彼女の紗夜だった。オレはその事がとても嬉しかった。オレが理由もなくそんな事しないと。そして全員に修学旅行の出来事を話た。そしてある程度はオレも叱られたけどな。他の人も頼れって。当然紗夜も日菜もかなり怒っていた。罰として2人にポテトを奢ることになった。

 

そしてオレと家族は千葉から前に住んでいた東京へ引越して、学校は花咲川学園に通うことになった。女子校だったが共学になりもう女子校では無くなったのでそこに通うことになった。あそこにいればいつ雪ノ下達から何されるかわからなかったし、もうあそこには居たくなかったからだ。そして引越しが終わったすぐに再び湊からの誘いがきた。あの時は総武の件で断ったが今はオレだが、迷っていた。こんなオレが入っても良いのかと。けど雪ノ下さんと紗夜に小町に日菜に背中を押してもらい勇気を出してその誘いを受けた。そしてその後メンバーに紹介されたのだが、驚くことにそこには紗夜がいたのだ。バンドに入ったとは聞いてたけど、まさか紗夜が湊とバンドを組んでいたとは思わなかった。そしてそのバンドメンバー達はオレを歓迎してくれた。こんなオレを受け入れてくれる、ここはオレの新しい居場所になったのだ。

 

紗夜「八幡さん?」

 

八幡「ん?どうした?紗夜」

 

紗夜「いえ、ボーッとされていたので」

 

八幡「そうだったのか」

 

友希那「ええ、紗夜の言う通りどこか上の空だったわよ」

 

紗夜「何か考え事ですか?」

 

八幡「まぁな。と言うよりも昔の事をちょっと思い出してな」

 

紗夜「昔の事ですか…」

 

八幡「…ああ」

 

リサ「それってさやっぱり…あの事も入ってる?」

 

あの事、その一言でオレを含めたメンバー達はそれが何かわかってしまう。あの事と言うのは前に通っていた総武の出来事を指している。その出来事の事はメンバー全員知っている。知っている中オレの事を受け入れてくれた。

 

八幡「そうだな」

 

リサ「そっか…」

 

橉子「大丈夫ですか?」

 

そう言われてメンバーに見ると全員心配そうな顔になっていた。どうやら心配かけたらしい。

 

八幡「ああ、大丈夫だ。心配してくれてありがとうな」

 

あこ「それりゃ心配するよ!八幡さんは同じメンバーなんだから!」

 

友希那「そうね。八幡は大切なメンバーなのだから心配するわよ」

 

リサ「そうだよ。悩み事があるのなら私達に言ってね。相談に乗るからさ」

 

八幡「ああ、わかった」

 

リサ「絶対だよ」

 

八幡「ああ」

 

やはりコイツらといると心地が良いな。そして休憩も終わり曲の練習の続きをした。

 

 

 

 

 

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そしてその後練習も終わりそれぞれ帰路に着くことになり、オレは紗夜と一緒に帰っている。

 

紗夜「八幡さん」

 

八幡「ん?どうした?紗夜」

 

紗夜「いえ、少し心配なり大丈夫なのかと思いまして」

 

どうやらさっきの事でまだ心配をかけてしまったらしい。そんな紗夜の頭を撫でならがらこう言う。

 

八幡「大丈夫だ。オレにはRoseliaの湊、今井、宇田川、白金、更には日菜、雪ノ下さん、他にも色んな奴がいるし、何より隣には紗夜お前がいてくれるんだ。オレはそれだけで充分だ」

 

紗夜「そ、そうですか///」

 

八幡「ああ」

 

紗夜には色んな事で叱られたり、助けてくれたり、時には心配もかけさせてしまったけど、それでもオレの隣に居続けてくれた。やはり紗夜がオレの彼女で良かったと心の底から思う。

 

八幡「ありがとうな紗夜。心配してくれて」

 

紗夜「当たり前です。八幡さんは同じバンド仲間で私の彼氏なんですから」

 

八幡「フッ、そうか」

 

紗夜「はい」

 

そしてお互い見つめ合う。そして気づけばお互い顔を近づいていく、そして距離がゼロになろうとした時だった。

 

「あらあら、比企谷君と紗夜ちゃんったら、こんな所でアツアツねぇ〜」

 

紗夜・八幡「「っ!?」」

 

オレと紗夜の名前を急に呼ばれ慌てて紗夜との距離を取りつつ声のした方を見ると、そこにはオレの事を信じてくれた内の1人雪ノ下陽乃さんがそこにいた。

 

八幡「ゆ、ゆゆ雪ノ下さん!?」

 

紗夜「い、いつからそこにいたんですか?」

 

陽乃「ついさっきだよ。それにしても相変わらずアツアツですなぁ〜、このこの〜」

 

そう言いながら肘でオレに小突いてくる。ふと紗夜の方を見ると紗夜の顔が赤くなっているのが見えた。それを見るとオレの顔も赤くなっているのか熱くなってくるのがわかった。それを誤魔化すかのように頭を左右に振る。

 

八幡「そ、それで雪ノ下さん。何か用事があるんじゃないんですか?」

 

陽乃「うん、あるよ。比企谷君に話があるんだ」

 

八幡「オレに話ですか?」

 

陽乃「うん、そ。ここじゃちょっと話しにくいし、どこか話せる場所に移動してもいい?」

 

八幡「はい、構いません」

 

紗夜「あの私もついて行っても良いですか?」

 

陽乃「うん、いいよ」

 

紗夜「ありがとうございます」

 

陽乃「じゃ、移動しよっか」

 

一体オレに用とはなんだろうか。そんな事を思いながら雪ノ下さんの後をついて行く。そして着いた場所はカフェである。そこで飲み物を頼み3人でテーブルに座る。

 

八幡「それでどうかされたんですか?」

 

陽乃「うん、あのね比企谷君は聞きたくないかもしれないけど、雪乃ちゃん達の事なんだけどね」

 

それを聞いた瞬間手に力が入り握りこぶしを作る。オレの軽いトラウマを植え付けられた相手の名前である。それで更に手に力が入る。そんなオレの手を紗夜が握ってきたのでオレは紗夜の方に視線を移す。

 

紗夜「大丈夫です八幡さん。私が着いてますから」

 

そう言われオレは落ち着きを取り戻し握りこぶしを解く。やはり紗夜が着いてきてくれて良かったと思う。

 

八幡「サンキュ紗夜。もう大丈夫だ」

 

紗夜「それは良かったです」

 

そう言ってニコッと笑顔を見せてくる。そんな笑顔みると更に気分が落ち着く。そして再び雪ノ下さんの方に視線を移す。

 

八幡「もう大丈夫です。話してくれますか」

 

陽乃「わかった。まず最初にね比企谷君が去った後、総武校は大喜び溢れかえってるよ」

 

八幡「まぁ、そうですよね」

 

そりゃそうだろうな。学校では嫌われ者のオレが学校から転校したんだからそりゃ喜ぶだろうな。まぁ、別になんとも思ってないがな。

 

陽乃「それで雪乃ちゃんは隼人と付き合う事になったんだって」

 

八幡「へ〜、そうなんですね」

 

オレは素っ気なく答える。

 

陽乃「ありゃ?驚かないの?」

 

八幡「まぁ、驚いてないって言ったら嘘になりますが、別にあいつが誰と付き合おうがオレには関係ないですから」

 

陽乃「ま、だよね〜。比企谷君には紗夜ちゃんがいるもんね」

 

八幡「ええ、そうですね」

 

そう言ってふと紗夜の方に視線を移すと、紗夜は俯いていたが、なんだか顔は赤くなっているようにも見えた。

 

陽乃「うわぁ惚気だ。まぁ、それは置いといて、雪乃ちゃんと隼人が付き合った事はどうでもいいんだ。実は言うとね雪乃ちゃんと隼人、それにガハマちゃんは比企谷君を探しているの」

 

八幡「オレをですか?またなんで?」

 

ホント今更なんだよ。もうオレに関わるなよな。

 

紗夜「そうですよね。今更八幡さんを探す理由はなんなんですかね?」

 

陽乃「それが雪乃ちゃん達の話を偶然聞いちゃってさ。その理由がしょうもなくてね。聞きたい?」

 

八幡「まぁ、一応」

 

どうせ話すと思うけどな。

 

陽乃「それがね、あの3人比企谷君に修学旅行の事で謝らせようとしているのよ」

 

八幡「え?なんですかそれ?」

 

紗夜「意味が分かりませんね」

 

陽乃「でしょ?自分達が悪いのに、それを全部比企谷君のせいにしてさ謝らせようとしているのよ。ホントしょうもないよね。でも私も文化祭の時は比企谷君に悪いことしちゃったしね」

 

八幡「あれは気にしてないですよ。雪ノ下を成長させる為だったんでしょ?」

 

陽乃「それでも私があんな事しなかったから比企谷君は悪者にはならなかったんだよ」

 

八幡「確かにそうかもしれませんが、雪ノ下さんがいなくても相模は逃げてたと思いますよオレは。なので気にしないでください」

 

陽乃「うん、ありがとう」

 

八幡「それであいつらはオレを見つけたんですか?」

 

陽乃「ううんまだだよ」

 

八幡「そうですか。でも時間の問題だな」

 

紗夜「ですね。それでどうするんですか?」

 

八幡「そうだな。まぁ、別に何もしなくてもいいと思う」

 

紗夜「何もしないんですか?」

 

八幡「ああ、別にオレは何も悪いことしていないんだ。謝れって言われても謝る気ねぇよ」

 

紗夜「そうですか」

 

八幡「でもな。会ったら会ったで面倒だしな」

 

紗夜「そうですね」

 

陽乃「ま、でももし雪乃ちゃん達が比企谷君の方へ向かったら教えるね」

 

八幡「ええ、お願いします。でもそういう事なら電話でもいいんじゃないですか?」

 

陽乃「実は別の要件でこっちに来てたから、そのついでだよ。あ、そういえばどう?Roseliaの方は」

 

八幡「ええ、楽しいですよ。オレの居場所です」

 

陽乃「それなら良かった。比企谷君が楽しくやっているようで」

 

八幡「ええ、ホントRoseliaのみんなといると楽しいです」

 

紗夜「ええ、確かにいつも八幡さんは楽しそうにしていますよ」

 

陽乃「そっかそっか」

 

八幡「それを言うなら紗夜も湊もみんな楽しそうにしているじゃねぇか」

 

紗夜「そうですね。私も楽しいですよ」

 

陽乃「楽しそうにやってるようで良かったよ。これなら静ちゃんにも良い報告ができるよ」

 

八幡「平塚先生は元気ですか?」

 

陽乃「うん、元気だよ」

 

八幡「そうでか。なら、良かったです」

 

平塚先生もずっとオレの事を気にかけてくれてた1人である。オレを奉仕部に入れた事を後悔してオレに謝罪までしてきたのだ。オレはそんな平塚先生には感謝していた。総武では1人だったオレを人と関わらせる機会を作ってくれたんだから。

 

八幡「あ、そうだ雪ノ下さん。またRoseliaのライブをやりますんで良かったら見に来てください」

 

陽乃「うん、予定が無かったら行くね」

 

八幡「はい」

 

陽乃「じゃ、伝える事は伝えたし私はもう帰るね」

 

八幡「わかりました。雪ノ下達の事教えて下さりありがとうございます」

 

陽乃「良いの良いの。比企谷君には楽しく過ごして貰いたいからね」

 

八幡「ありがとうございます」

 

陽乃「うん、それじゃ帰るね」

 

八幡「はい、気をつけて帰ってください」

 

陽乃「ありがとう」

 

こうして雪ノ下さんと別れて帰り道を紗夜と一緒に歩く。

 

紗夜「ではその雪ノ下さん達には気をつけなければなりませんね」

 

八幡「だな」

 

紗夜「それでどうします?湊さんや他の皆さんにも言いますか?」

 

八幡「そうだな。言っておいた方が警戒もできるだろうしな」

 

紗夜「そうですね」

 

それにしても今更オレに謝らせる為に探すとか暇かよ。それに雪ノ下が葉山と付き合うのは予想はしていたが、まさか本当に付き合うとはな。オレも色々と用心しとかないとな。

 

 

そして次の練習の時

 

八幡「練習を始める前に1つ話したいことがある。いいか?」

 

友希那「ええ、構わないわ」

 

八幡「サンキュ。じゃあまずこの前の練習した帰りに雪ノ下さんと会ったんだ」

 

あこ「え?陽乃さんに会ったの?」

 

八幡「ああ、その時に教えてもらったことなんだがな。実は前に通っていた学校の奴らがオレを探しているそうなんだ」

 

リサ「それってさ、あの事に関わっている人達?」

 

八幡「ああ」

 

燐子「それでなんで比企谷さんを探しているんですか?」

 

八幡「それがさ、あの事でオレに謝らせようとしているらしいんだ」

 

リサ「え?何それ?本当なの?」

 

紗夜「はい、本当です。私も一緒に聞いたので間違いないです」

 

リサ「でもなんで?あれはほとんどあの人達が悪いんでしょ?」

 

友希那「そうね。事情も知ろうとせず八幡を悪者にしたくせに、なんで八幡が謝らなくちゃいけないのかしら」

 

紗夜「それには同感です」

 

あこ「でもどうするの?」

 

八幡「雪ノ下さんはアイツらがオレを見つけたら知らせてくれると言ってくれた」

 

あこ「でもどうするの?隠れるとかするの?」

 

八幡「ん〜、見つけてるのに隠れても無駄だろうな」

 

燐子「ではどうするんですか?」

 

八幡「別に何もしねぇよ。鉢合わせしても無視しとけば良いし」

 

友希那「でも、それをしたらかえって相手を怒らせるのでないの?」

 

八幡「だろうな。言っといてなんだが無視しても無駄だろうな」

 

紗夜「ではどうするんですか?」

 

八幡「そん時は真実を言えばいい」

 

友希那「なるほど、そうすれば八幡が悪くないって事になるわね」

 

紗夜「でも、それでも食い下がらなかったらどうするんですか?証拠がないとか言われますよ」

 

確かに紗夜言う通り雪ノ下達はオレの言う事は信じねぇだろうな。多分だが葉山の言う事を信じるはずだ。だが葉山は雪ノ下と由比ヶ浜を騙している。真実を知ったらアイツらどういう反応するのかね。

 

八幡「まぁ、そこん所は大丈夫だ。雪ノ下さんにもお願いしようと思っている」

 

紗夜「そうですか。なら大丈夫ですね」

 

リサ「でも私に出来ることはある?」

 

八幡「そうだな。……さっきは大丈夫と言ったが正直不安な気持ちもある。できることなら逃げたい。でもそれだと一生逃げ続けることになるし、何よりオレが悪いままなのは癪だからな。だからオレがアイツらと向き合えるように手伝って欲しい」

 

そういうと全員目を大きく見開き驚いたような顔になっていた。そして5人はお互いの顔を見て小さく笑う。

 

八幡「お、おい。なんで笑うんだよ。オレ変な事言ったか?」

 

紗夜「いいえ違います。確かに笑いましたが誤解です」

 

友希那「ええ、紗夜の言う通り誤解よ」

 

八幡「じゃあなんだよ」

 

オレは何故コイツらが笑っていたのか分からない。でもそれは誤解だと言う。だったら何故笑ったのだろうか?

 

リサ「それは八幡が私達を頼ってくれた事が嬉しかったからだよ」

 

八幡「え?」

 

オレが頼ったから?

 

八幡「それでか?」

 

紗夜「ええ、そうです。いつも1人で抱え込んでいる八幡さんが私達を頼ってくれたんです。それが何よりも嬉しいんですよ」

 

八幡「…そうか」

 

あこ「八幡さん、あこも嬉しいよ」

 

燐子「私も…です」

 

友希那「もちろん私もよ」

 

紗夜「だから八幡さんのお手伝いしますよ」

 

八幡「サンキュ」

 

ホントここにいて良かった。コイツらがオレの近くにいてくれて良かった。話して良かった。頼って良かった。心の底からそう思う。

 

 

 

 

 

そしてその後ライブに向けて練習に励んだ。

 

 

 

 




いかがでしたか?まだこれは続きます。ではまたお会いしましょう。


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氷川紗夜編2

どうもチャキです!氷川紗夜編第2話です!どうぞ!


八幡side

 

Roseliaの皆にあいつらの事を話した。けれどまだ話していないやつがいる。それは沢山いるけれど、その中でも1番言っておかないといけないやつがいる。そいつは、オレの妹の小町である。そして今日オレは小町にあいつらの事を話す事を決意する。

 

 

夜――

 

八幡「なぁ、小町」

 

小町「なに?」

 

八幡「話があるんだが……いいか?」

 

小町「およ?珍しい。お兄ちゃんがそんな事……何かあったの?」

 

小町はまた八幡に酷いことを言おうとしたが、八幡の顔を見た瞬間、一瞬にして何かあったと察知したのだ。

 

八幡「ああ……」

 

小町「そっか。うん、話聞かせて」

 

オレと小町はリビングのソファーに移動する。そしてオレはあいつらの事で口を開く。

 

八幡「この前な紗夜と一緒に帰ってる時に雪ノ下さんと会ったんだ」

 

小町「陽乃さんに?」

 

八幡「ああ。そこで聞いた話なんだんだけどな。あいつらがオレを探しているらしいんだ」

 

小町「あいつらって、雪ノ下さんと由比ヶ浜さんの事?」

 

八幡「それと葉山って奴もだ」

 

小町「?その人って確か林間学校の時にいた金髪の人だっけ?」

 

八幡「ああ、そいつで合ってる」

 

小町「でもさ、なんでその人達はお兄ちゃんを探してるの?探す意味なくない?」

 

八幡「オレもそう思ったんだけどな。で、その理由が修学旅行の事でオレに謝らせようとしているらしいんだ」

 

小町「え?何それ意味わかんない」

 

理由を聞いた小町は驚きもあったが、半分呆れもある表情になる。

 

小町「確かにあれはお兄ちゃんも悪い所もあったけど、お兄ちゃんがなんであんな事をしたのかちゃんと聞かなかったあの2人も悪いじゃん。なのになんでお兄ちゃんに謝らせよとしているのかわかないよ」

 

八幡「だよな。紗夜も言ってた」

 

小町「それで、どうするの?あの人達と会ったら100%めんどくさい事になるよ」

 

八幡「そりゃまぁわかっている。けど逃げたら多分、前に進めなくなってしまう。だからオレはあいつらに事実に伝える。それに紗夜達にもオレが向き合えるように手伝ってくれって、頼んでいるから」

 

小町「そっか。ちゃんと紗夜さん達には話したんだね」

 

八幡「ああ」

 

小町「そっか…ねぇ、お兄ちゃん」

 

八幡「ん?」

 

小町「小町にも何かできることあったら言ってね。小町もお兄ちゃんの助けになりたいの」

 

八幡「そっか……ありがとな。何かあった時はそん時は頼むわ」

 

小町「うん!」

 

さてと小町には話した。小町も手伝ってくれるみたいだし、何かあれば手伝ってもらおう。

 

 

……さてと、あいつらがオレを見つけるのはもう時間が無いだろうな。バンドをやっているからな。それでオレの居場所がバレるだろうな。不安な気持ちがいっぱいだが、大丈夫だ。オレには紗夜達がいてくれる。大丈夫だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「やっと見つけた。待っていろよヒキタニ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてある日、雪ノ下さんから連絡があった。どうやらオレを見つけたみたいだ。

 

 

八幡「意外と早かったな」

 

紗夜「そうですね」

 

あこ「でもどうしてそんなに早く見つかったの?」

 

リサ「確かにね」

 

八幡「それはあれだ。オレらのポスターとかネットとかを見たんだろうな」

 

友希那「なるほど。それでそんなに早く見つける事ができたのね」

 

燐子「でも…それだけで早く見つかる…ものなんですか?」

 

八幡「んー、そうだな。多分家のもんとか、金で雇った奴とかに探せたとかもあるしな。あいつらの内1人の家の親は県議会議員と建設会社の社長。そしてもう1人の親は弁護士だしな」

 

友希那「そう…それは厄介ね」

 

紗夜「ですが、陽乃さんがいるので雪ノ下家は動かないと思いますよ」

 

八幡「そうかもな。だが、見つかってしまったもんは仕方ない」

 

紗夜「ですね」

 

友希那「それでこれからどうするの?」

 

八幡「今更隠れたって無駄だし、向き合うって決めたんだ。逃げも隠れもしねぇよ」

 

友希那「そう、わかったわ。最後まで付き合うわ」

 

リサ「私も」

 

あこ「あこもですよ」

 

燐子「私…も」

 

紗夜「もちろん私です」

 

八幡「ありがとうな」

 

 

さてと……あいつらがくるとしたら休日だろうな。こっちに来るとしても学校があれば来れないからな。だから休日だろうな。次の休日は気をつけないといけないな。

 

友希那「じゃあ練習を再開するわよ」

 

八幡「おう」

 

紗夜「わかりました」

 

リサ「オッケー」

 

あこ「はーい」

 

燐子「はい」

 

その後練習を再開する。

 

 

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あれから1週間後の休日。練習を終えて全員で帰っている時だった。いつぶりだろうか、聞きたくもない、会いたくもない奴らの声が聞こえてきのだ。

 

「やっと見つけたわよ。逃げ谷君」

 

声のしたを振り向くと、そこには前の学校の同級生だった雪ノ下、由比ヶ浜、そして葉山の姿があった。というかホントに来るとはな。どんだけオレに謝らせようとしてるだよ。

 

八幡「なんか用か?」

 

雪乃「あら、わかってるんじゃない?修学旅行の事よ」

 

八幡「それがどうした?」

 

雪乃「なっ!…あなたが依頼をめちゃくちゃにしたのよ!だったら謝るのが筋というものじゃないかしら?」

 

そう言ってオレを睨んでくる。後ろにいる由比ヶ浜も葉山も同様睨んでくる。けど由比ヶ浜に関してはもう1つ違う感情が入っているようにも感じる。すると近くにいた湊が口を開く。

 

友希那「ねぇ、八幡。この人達は前に言ってた人達なの?」

 

八幡「ああ」

 

友希那「そう」

 

そう言って雪ノ下の方に視線を移す。

 

雪乃「何かしら?」

 

友希那「いえ何も。…でもそうね、なんであなた達が八幡の事悪く言うのか気になっただけよ」

 

雪乃「あら?知らないの?それとも教えてもらってないのかしら?」

 

結衣「ヒッキーったらもうサイテーなんだよ!」

 

葉山「そうだね。ここでヒキタニの最低さを教えてあげよう。そして彼女達を解放させよう」

 

雪乃「ええ、そうね」

 

結衣「うん!(あの女共をヒッキーから離れさせて、弱ったヒッキーにあたしがつけこむ。そうすればヒッキーはあたしの事を好きになる。そしたらあたしはヒッキーと付き合える。待っててねヒッキー。早く解放させてあげるね)」

 

どうやらこいつらはオレが紗夜達を脅して近くにいさせているとか、洗脳させているとかをして紗夜達に何かしら危害を加えているとでも思っているのだろうか。そんな事を思っていると隣にいた紗夜からなんか黒いオーラがでているように見えるのは、オレの気のせいだよね。

 

紗夜「八幡さんの事何も知らない癖に好き勝手に言って、腹が立ちますわね」ボソッ

 

なにやら小さい声でブツブツ言っているが、何を言っているか聞こえない。

 

雪乃「その男はね、受けた依頼をめちゃくちゃして台無しにしたのよ」

 

結衣「そうなんだよ!もうすっごい迷惑だったし、それに人の気持ち考えないんだよ!どう?サイテーでしょ?」

 

葉山「だから君たちもそんな奴と一緒にいると危ない。だからこっちに来るんだ。俺達が守ってあげるから」

 

そう言ってサワヤカスマイルを向ける葉山。そんなスマイルを向けられた女子は顔を赤くしたり、惚れたりするだろう。でも紗夜達はその場を動こうとしなかった。逆に身震いをして拒絶反応を起こしているようにも見える。そんな紗夜達が自分達の所に中々来ないので、しびれを切らしたのかこっちに向かってくる。

 

葉山「さぁ、こっちにおいで。俺が守ってあげるよ」

 

そう言って宇田川前に立って手を出して来る。手を差し出された宇田川はサッと今井の後ろに隠れるようして逃げる。

 

葉山「っ………ほら君も」

 

拒絶それてた葉山は驚きながらも次は白金へとターゲットを変更する。

 

燐子「っ…」

 

白金は後ずさりをしながら葉山との距離を取る。

 

葉山「ど、どうしたんだい?俺は君達をヒキタニから助けてあげようとしているんだよ」

 

友希那「そんなの結構よ」

 

と湊がきっぱりとそう言う。

 

葉山「えっ!?ど、どうしてだい!?」

 

結衣「そうだよ!」

 

雪乃「そうよ。そんな男といるとあなた達の身に危険が生じるのよ。だから私達はあなた達を助けようとしているのよ」

 

友希那「だから結構よ」

 

またもや湊の拒絶。それにより雪ノ下達は目を大きく見開きかなり驚いている様子。

 

雪乃「ど、どうしたというの!?何故あなた達はこっちに来ないのかしら?はっ!もしかしてその男に何か弱みでも握られているのかしら」

 

結衣「えっ!?何それ!ヒッキーサイテーキモイ!」

 

相変わらず同じことしか言えないみたいだな由比ヶ浜の奴は。そんな好き勝手に言われていると、次は隣にいた紗夜が口を開く。

 

紗夜「残念ながら私達は八幡さんに何も弱みも握られてはいません」

 

雪乃「っ!な、なら脅されてるの?それとも洗脳されているのかしら?」

 

紗夜「いいえ、それも違います。私達は脅されたり、洗脳もされてません」

 

雪乃「くっ…」

 

どうやら雪ノ下はオレが紗夜達の何か弱みを握っていると頑なに思っているのだろう。そしてお互い睨み合いに発展する。雪ノ下達は紗夜達を解放してオレに謝らせようと、紗夜達はそれを拒否している。そんな睨み合いをしているオレ達に話しかけてきた人がいた。

 

陽乃「ひゃっはろ〜みんな」

 

聞き覚えのある声。そんな声がしたを方を見るとそこには雪ノ下さんがいた。ここにいるということは雪ノ下達を連れ戻しに来たのか、オレらを助けに来てくれたのか、又はその両方か。

 

結衣「は、陽乃さん…」

 

雪乃「……姉さん」

 

葉山「は、陽乃さん。どうしてここに?あ、もしかして俺達と一緒にヒキタニを潰すの手伝ってくれるのかい」

 

陽乃「んなわけないじゃん」

 

雪乃「なら、何しに来たの?」

 

陽乃「それより、雪乃ちゃん達は何しているのかな?」

 

雪乃「質問で質問で返すなんて…まぁいいわ。私達はその男に修学旅行の事で謝らせようとしているのよ」

 

陽乃「へぇ〜、そうなんだ。それって確か修学旅行の時に告白を絶対に振られないようにして欲しいって依頼だっけ?」

 

雪乃「ええ、そうよ」

 

陽乃「じゃあ、その依頼の他にも2つ依頼があったんだけどその事は知ってる?」

 

雪ノ下さんがそう言うと雪ノ下と由比ヶ浜は驚き、葉山は少しだけ顔を青ざめていた。

 

雪乃「何かしらそれ?そんなもんなかったわよ」

 

結衣「そうですよ!」

 

陽乃「やっぱり知らなかったんだ」

 

雪乃「本当に他にも依頼があったとでもいうの?」

 

陽乃「うん、そうだよ。ひとつは隼人とガハマちゃんと同じグループの海老名ちゃんの告白の阻止って言う依頼だよ」

 

それを聞いた雪ノ下と由比ヶ浜は驚く。

 

雪乃「なっ!そんなの聞いてないわよ!嘘言わないでちょうだい!」

 

結衣「そうですよ!」

 

陽乃「嘘じゃあないよ。海老名ちゃんには確認済みだから」

 

雪乃「え?」

 

陽乃「海老名ちゃん、奉仕部来たでしょ?その時に依頼したらしいよ」

 

雪乃「嘘よ…あの時は何言ってるかわからなかったけれど、ただの日常会話だったわよ」

 

結衣「そうですよ」

 

確かにオレも最初わからなかったけどな。

 

陽乃「でもそれは海老名ちゃんが比企谷君だけにわかるように依頼したらしいよ」

 

雪乃「そんな…なんでそんな事……」

 

陽乃「それは多分ガハマちゃんがいたからだと思うよ」

 

結衣「え?あたし?」

 

陽乃「そ、同じグループでもあるからって言ってたよ。それに三浦ちゃんが言ってたよ。ガハマちゃん海老名ちゃんが誰とも付き合う気が無いって知ってるはずだよね」

 

雪乃「え?そうなの由比ヶ浜さん」

 

結衣「知らないよ?」

 

陽乃「そうなんだ?じゃあこう言えばわかるかな。三浦ちゃんがしつこく海老名ちゃんに男の子を紹介しようとしたら、絶交仕掛けたって。その時ガハマちゃんも一緒にいたって」

 

結衣「…あっ!…………忘れてた」

 

いや、忘れてたって……。

 

陽乃「でもね、海老名ちゃんは最初は隼人に相談したらしいんだよ。でも隼人は奉仕部を勧めたらしいよ」

 

雪乃「隼人君……いえ、葉山君。あなたまさか2つの依頼を受けて、どうしょうも無くなったから、奉仕部に押し付けたの!?」

 

葉山「ち、違うだ雪乃ちゃん!」

 

雪乃「名前で呼ばないでちょうだい!」

 

陽乃「雪乃ちゃんそれは違うよ。隼人は奉仕部に押し付けたんじゃなくて、"比企谷君“だけに押し付けたんだよ」

 

葉山「っ!」

 

そんな雪ノ下さんの一言でさらに驚き、動揺したような態度になり、反論してこなくなった。その事によりそれが真実だと言う事が証明された。

 

陽乃「あともう1つ依頼ある事忘れてない?」

 

雪乃「姉さん…そのもう1つの依頼って…なにかしら?」

 

陽乃「それは…」

 

葉山「や、やめてくれ!陽乃さん!」

 

雪ノ下さんが言おうとした時だった。葉山が大声を出して遮ってくる。

 

陽乃「隼人、今は黙っててくれないかな?今度邪魔したら…わかるよね」

 

葉山「っ!?」

 

いや怖っ!次邪魔したら何されるの?想像しただけで恐ろしいな。

 

陽乃「続けるね。そのもう1つの依頼って言うのが、グループの維持っていう依頼を比企谷君にしたんだよ」

 

雪乃「な、何よそれ!誰がそんな依頼をしたのよ!」

 

陽乃「隼人だよ」

 

雪乃・結衣「「えっ!?」」

 

それを聞いた瞬間雪ノ下は葉山を睨み、由比ヶ浜は信じられないという目で同じく葉山の方を見ていた。その事により葉山は顔を青ざめて俯いていた。そして雪ノ下は視線をオレらの方へ移す。

 

 

雪乃「そ、それじゃあ…比企谷君は……」

 

陽乃「そ、3つの依頼に答える為にした行動だよ」

 

雪乃「そんな…」

 

結衣「なんで言ってくれなかったの!ヒッキー!」

 

雪ノ下は真実を知り驚いている中、由比ヶ浜が大声を言ってくる。

 

八幡「はぁ?お前何言ってんだよ。一方的に話も聞かずに拒絶したくせに、よくそんな事言えるな」

 

結衣「そ、それは……」

 

そう言うと由比ヶ浜はどんどん声が小さくなっていきく。

 

陽乃「それにしても紗夜ちゃん。よく比企谷君の嘘告白の事許可したね。普通は嫌でしょ彼氏が嘘でも他の女子に告白するんだから」

 

雪乃・結衣「「えっ!?」」

 

紗夜「そうですね。確かに最初は嫌でした。ですが私は八幡さんの事を信じてますから」

 

陽乃「そっか。良かったね比企谷君」

 

八幡「ええ、そうですね」

 

いやもうホントあの時紗夜が許可をよく出してくれたと思っている。けれど、あんな風になるのなら最初からやらない方が良かったかもしれないな。

 

結衣「ひ、ヒッキー…もしかしてヒッキーって彼女…いるの?」

 

八幡「ああ、いるけど」

 

結衣「そんな……」

 

オレがそう言うと由比ヶ浜は目を大きく見開いたと思ったら、なにやら悲しそうな目になる。一体なんなんだよ。それから3人とも何も言ってこない。もう何も言わないんだったらもう行ってもいいよね?

 

八幡「あの、雪ノ下さん」

 

陽乃「なに?」

 

八幡「もうオレ達行っていいですか?」

 

陽乃「うん、いいよ。後は私がやっとくから」

 

八幡「わかりました。じゃあ行くか」

 

紗夜「そうですね」

 

友希那「ええ」

 

そう言ってオレらはこの場を後にして、それぞれ帰路に着いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後の雪ノ下達だが、修学旅行の真実を知り、前に通っていた総武校では散々オレの事を悪口とか言っていたが、真実を知った後それが無くなる。そして雪ノ下だが葉山と別れたらしい。葉山はやり直そうと言ったが拒否されたらしい。そして雪ノ下は由比ヶ浜と一緒にオレに謝りに来て、やり直そうと言ったがオレはそれを拒否した。一方的に拒絶したくせにまたやり直そうだなんて、虫がよすぎる。でも拒否をしたのにもかからわず、由比ヶ浜は何故かオレに告白してきた。でもすぐに断ったけどな。

 

 

 

そしてオレはと言うとその後は何も変化なくいつも通りに過ごすことができた。ライブも難なく成功させる事ができた。

 

 

 

 

 




いかがでしたか?こんな感じにしてみました。
それと今回からヒロインのリクエストを募集しょうかなって思います。今までは自分の好きなキャラをしていましたが、次からは違うキャラもやってみようと思い募集する事にしました。良ければリクエストの方お願いします。リクエストの方は活動報告からしますのでよろしくお願いします。

ではまたお会いしましょう


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紺野木綿季編
紺野木綿季編


どうもチャキです!リクエストを頂き、今回はソードアート・オンラインのユウキこと紺野木綿季です。設定も色々とごちゃってなっているかも知れません。それと、キャラが変わっていたらごめんなさい。それでも良い方はどうぞ見てください。


八幡side

 

木綿季「八幡早く早く〜」

 

オレの目の前で大きく手を振っている女子の名は紺野木綿季。歳はオレより歳下。紺色のボブカットにカチューシャをつけている。そしてオレの彼女でもある。オレと木綿季との出会いはALOというゲームで出会った。

 

木綿季「何してるの八幡〜!」

 

八幡「おお、悪い悪いちょっと考え事をな」

 

木綿季「もう、せっかくのデートなのに」

 

そう言ってプクッと頬を膨らませていた。そう今は木綿季とデートの途中だ。まったくかわいいな。それに服装は黒のパーカーに紫のロングスカートを着ている。

 

八幡「悪い悪い。それよりも今日の服、似合ってるぞ」

 

木綿季「そう?ありがとう!アスナ達と一緒に選んだんだ」

 

八幡「そうなのか」

 

木綿季「うん、この前出かけた時にね。アスナ達に色々教えてもらって選んだんだ」

 

八幡「そうか。すげぇかわいいぞ」

 

木綿季「も、もう!そんな事急に言わないでよ…」

 

八幡「オレは正直に言ったんだけどな」

 

木綿季「ううっ……って!そうやって誤魔化そうとしないでよ!」

 

八幡「いや、そういう訳じゃないんだけど」

 

いや、ホントかわいいんだけどな。

 

木綿季「デートなんだよ!早くしないと時間無くなっちゃうよ!」

 

八幡「まだ時間あるだろ」

 

木綿季「僕は一分一秒でも八幡とデートしたいの!」

 

八幡「お、おう…そうか」

 

いきなりそんな事言われたら恥ずかしいじゃあねぇか。

 

八幡「じゃあ行くか」

 

木綿季「うん!」

 

そう言って木綿季はオレの横に立ち手を繋ぐ。

 

八幡「えっと、映画館に行くんだったよな」

 

木綿季「うん」

 

八幡「はいよ」

 

そう言ってオレら歩き始める。

 

八幡「そういえばなんの映画見るんだ?」

 

木綿季「えっとね、この前テレビでやってたやつなんだけど」

 

八幡「ああ、あれか」

 

確かにやってたな。オレもその映画の予告を見て面白そうだなと思った。確かアクション映画だったかな。

 

木綿季「そう、面白そうだったから見に行きたいなって思って」

 

八幡「それだったらオレ必要なくね?」

 

木綿季「もう!それは八幡と一緒に見たいからだよ。わかって言ってる?」

 

八幡「いや、悪い悪い」

 

木綿季「もう…」

 

八幡「悪かったって。そう怒るなよ。な?」

 

木綿季「むぅ…」

 

八幡「ほら早く行くぞ」

 

木綿季「それもそうだね」

 

オレと木綿季は他愛もない会話をしながら映画館に向かう。

 

木綿季「それでねその時アスナがね……」

 

八幡「へぇー、さすがアスナだな」

 

木綿季「やっぱアスナはすごいよね」

 

八幡「そういう木綿季もだろ」

 

木綿季「え?そうかな?」

 

こいつ自覚無しか。もしかしてわざと?それとも素か?

 

八幡「11連撃のOSS使えるだろ」

 

そう、OSSことオリジナルソードスキルを持っている木綿季はALO内では絶剣と呼ばれている。

 

木綿季「そういう八幡も僕のマザーズ・ロザリオに劣らないOSS使ってるじゃん」

 

八幡「そうだが……」

 

確かにオレもOSSは持っている。木綿季と違って8連撃のOSSを持っている。けれど木綿季のマザーズ・ロザリオの威力には届かないがこれでキリトを追い詰めたことがある。だが、気を抜いてしまい負けてしまった。オレ、あいつに勝てる日来るのかな?

 

木綿季「というかキリトとアスナは作らないのかな?」

 

八幡「時間が無いんだろう。もし、時間があっても攻略する時間も無くなるし、難しいところだよな」

 

あれ作るのにかなり時間が必要だからな。それに時間を取られて攻略できないのも嫌なのはわかる。

 

八幡「まぁ、でもキリトはOSSなくても十分強いからな」

 

木綿季「うん、それは言えてるね」

 

あいつは片手直剣を両手に持っている。ALOはSAOをみたいに二刀流スキルはないがかなり強い。だってあいつ魔法を斬ったんだぞ?やばいだろ。

 

八幡「ホント、そんなキリトと互角な戦いをしている木綿季はすごいな」

 

木綿季「えへへ〜、そうかな?」

 

ホント木綿季はキリトと互角に戦ってるからすごい。オレももっと頑張らないとな。

 

そんな会話をしていると目的地である映画館についた。チケットを買うためにカウンターへと向かう。

 

「本日はカップルデーのため割引になりますー」

 

と言われた。カップルデー?まさかオレたちを見てそう思ったんだろうな。まぁ、確かにオレと木綿季は恋人だけど。

 

木綿季「割引だって」

 

八幡「そうみたいだな」

 

木綿季「せっかくだし活用」

 

八幡「まぁ…そうだな」

 

「それでは割引適用させていただきますね。ではこちらから座席をお選びください」

 

そう言ってカウンターの人が座席表を見せてくる。さて、どこに座ろうか。座席は真ん中ぐらいのところの方が良いと聞くし、真ん中らへんで2つ席が隣同士で空いているところにでもするか。そう思っていると横にいた木綿季が口を開いた。

 

木綿季「あ、八幡。カップルシートにしない?」

 

八幡「は!?」

 

今、木綿季なんて言った?カップルシート?いや、いやいや待てよ。そんなところに座ったら嫌でも目立ってしまう。

 

八幡「ふ、普通の席でいいんじゃないか?」

 

木綿季「えー、いいじゃん!それとも八幡は僕と一緒に座るの嫌なの?」

 

八幡「うっ…」

 

ちょっと木綿季さん?上目遣いは卑怯ではありません?しかも少し涙目になっているし。それに木綿季が上目遣い+涙目を行ったことにより、カウンターの人や後ろの人からすごい目で見られている。

 

八幡「嫌じゃない」

 

木綿季「じゃあ良いよね!」

 

八幡「ああ」

 

木綿季「よしっ!決まり!ここの席お願いしまーす」

 

「はい、わかりました。ではお値段の方は3000円になります」

 

八幡「はい、これで」

 

オレはそう言ってちょうど3000円を出す。

 

木綿季「ちょっと八幡。僕も出すよ」

 

八幡「これぐらいオレに出させてくれよ。な?」

 

木綿季「むぅ……わかった。じゃあ甘えるね」

 

八幡「おう、そうしろ」

 

お金を払い、チケットをもらう。その後、ポップコーンとそれぞれの飲み物を買う。そしてチケットを見せて目当ての映画がやるシアタールームへ入り、自分達の席へ座る。

 

木綿季「楽しみだね八幡」

 

八幡「あ、ああ。というかなんか近くないか?」

 

オレらが座っているカップルシートはそれなりに大きい。普通に2人が座っても少し余裕があるのだが、何故か木綿季はオレとぴったりくっついた状態にいる。

 

木綿季「嫌なの?」

 

八幡「別に嫌じゃないが」

 

木綿季「なら、良いじゃん。ね?」

 

そう言ってコテンと首を傾げてくる。くっ、かわいいじゃねぇかオレの彼女!

 

八幡「まぁ、そうだな。偶にはいいかもしれないな」

 

木綿季「もう素直じゃないんだから」

 

八幡「うるせぇ」

 

オレは思わず顔を逸らしてしまう。

 

木綿季「あ、照れてる〜。かわいい」

 

八幡「男にかわいいとか言うなよ」

 

木綿季「えっ〜!いいじゃんかわいいよ八幡」

 

八幡「あー、もうやめろよ」

 

木綿季「え〜」

 

声は残念そうなのに顔はニヤニヤしていて、オレをからかっているような表情になっている。まったく、木綿季め。オレをからかって何が楽しいのやら。その後、周りに迷惑にならないぐらいの声量で話をしていると、劇場の照明が落ちる。それにつられてオレと木綿季は口をつぐんだ。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

木綿季「はぁ〜!面白かった〜!ね?八幡」

 

八幡「ああ、そうだな」

 

いや、本当に面白かった。予想以上に迫力でかなり楽しめた。それに木綿季にも楽しめたみたいで良かった。

 

木綿季「いや〜、あの時のアクションシーンカッコよかったなぁ〜」

 

八幡「そうだな」

 

だが、木綿季は映画が見終わるまでずっとくっついたままだった。

 

木綿季「真似してみたいな〜」

 

八幡「それだってらALOならいけるんじゃね?」

 

木綿季「あ、なるほど!八幡、頭良い!」

 

八幡「フッ、まぁな」

 

そんな会話をしながら街をぶらつく。

 

木綿季「……ねぇ、八幡」

 

いつもより小さい声でオレを呼ぶ木綿季。

 

八幡「どうした?」

 

木綿季「僕さ、こうやってどこかに出かけに行くの、やっぱり楽しい」

 

八幡「…そうか」

 

木綿季がそう言うには理由があった。それは木綿季は昔、末期のHIV患者だった。それを知った時は何も言えなかった。そして余命が3ヶ月とも聞かされた。この瞬間オレは木綿季の事が好きなんだと確信した。知らさせる前は何気なく過ごしてきたが、知らさせて気付かされるなんて思ってなかった。その事でオレはどうやら暗い顔になっている事をキリトやアスナに言われた。オレ自身は気づかなかったけど、他の人から見たらそう見えたらしい。そしてそれからキリトとアスナなど色んな奴に色々言われたな。その中でも言われたのが「このままでいいのか」と言われたよ。確かに言わなければオレはずっと後悔の渦に囚われるかもしれない。そう思ったらオレは飛び出していた。そしてオレは木綿季に告白した。その時の木綿季はすごく泣いていた。

 

ユウキ「なんで…なんで今なの?ハチマン」

 

ハチマン「わ、悪い……でも…でもどうしても伝えたかった。この気持ちをどうしてもユウキに伝えたかった!…まぁ、気づいたのは最近だけだどな」

 

ユウキ「…もう…ひどいよハチマン。僕はこの気持ちを心の中に留めておこうと思ってたのに……ひどいよ…」

 

ハチマン「……え?」

 

一体……どういう事だ……?

 

ユウキ「僕も…僕もハチマンが好き!大好き!僕と付き合ってください!」

 

ハチマン「…オレでいいのか……?」

 

ユウキ「ハチマンから告白したくせに……」

 

ハチマン「あ、いや…確かにオレからしたけど…本当にオレでいいのか?」

 

ユウキ「うん、ハチマンが良い!ハチマンじゃなきゃ嫌だ!」

 

ハチマン「……オレでよければ…」

 

ユウキ「うん、よろしくね」

 

 

オレ達の距離がどんどん近づいていく、そしてオレとユウキの影が重なった。

 

 

 

 

それからオレはユウキとの交際が始まった。最初はALO内をデートをするだけだった。だけど、ユウキがオレと一緒に学校や街に出かけたい、と言ってくれた。その願いを叶える為に、キリトが作った視聴覚双方向通信プローブを使用して学校や街でデートをしたり、プローグを通じて京都へ旅行をしたりした。木綿季はとても喜んでいた。

 

 

あ、因みにオレが通っている学校はSAOの帰還者の学校に通っている。そうオレはあのSAOサバイバーなのである。ユウキはその学校に通っていることになる。それからはオレと一緒に行動したり、時にはアスナの所へ行ったりしていた。だが、時間はどんどん過ぎていき、余命がどんどん近づいていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……が、そしてある日、オレの耳に入ってきた情報があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんと木綿季の病状が一転して快方へ向かい、未来へ一筋の希望が見えてきたのだ。それを聞いて時、木綿季は泣いて喜んでいた。もちろんオレやキリト達も喜んだ。そりゃそうだ。余命宣告されていたけれど、希望が見えてきたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして現在。今はこうして木綿季は病気に打ち勝ち、存命することができた。それからはリハビリなどを頑張ってこなしていた。木綿季のリハビリをオレやアスナ達は手伝ったりもした。その結果、こうして元気に過ごせるようになった。それになんと木綿季はオレ達と一緒の学校に通えることができた。これも菊岡さんとか色んな人のおかげだな。そんな事を思っていると木綿季は何やら見つけたようだ。

 

木綿季「あ、あそこにいるのアスナとキリトじゃない?」

 

八幡「お、ホントだ」

 

オレと木綿季の視線の先には、アスナこと結城明日奈とキリトこと桐々谷和人の姿があった。2人は付き合っている。見るからにあちらもデート中のようだ。

 

木綿季「おーい、アスナー!キリトー!」

 

木綿季はキリトとアスナを大声で呼びながらその場で手を大きく振った。2人は木綿季の声が聞こえたのか、その場で少しだけ首を振って、声の出元を探す。そして2人は声の出元が木綿季が分かり、オレ達へ近づいてくる。

 

和人「よっ、ハチマン、ユウキ」

 

明日菜「こんにちは、ハチマン君、ユウキ」

 

八幡「よお」

 

明日菜「2人はデート?」

 

木綿季「うん!そうだよ。さっき映画見てきたところなんだ」

 

和人「へぇ、どんな映画なんだ?」

 

八幡「ほら、テレビのCMでやってたやつだ」

 

和人「ああ、あれか」

 

明日菜「どうだったの?」

 

木綿季「すっごい面白かったよ!」

 

明日菜「そうなんだ」

 

木綿季「それにカップルシートで見たんだ」

 

和人「カ、カップルシート?」

 

木綿季「そう!誰も邪魔されずに2人で映画を楽しめるんだよ」

 

明日菜「確かペアシートとかでも呼ばれているよね」

 

八幡「そうとも言うな」

 

木綿季「それにね、いくらでもくっつけるし結構良かったよ。こんな事できて僕嬉しいよ」

 

八幡「それは良かった」

 

明日菜「良かったね木綿季」

 

明日菜はとても優しい顔になっていた。

 

木綿季「うん!あ、そうだ。八幡にくっついた時ね、すっごい顔が赤くなってたんだよ八幡」

 

八幡「おい、やめろ!それ言う必要ないだろ!」

 

明日菜「へぇ〜、そうなんだ〜」

 

木綿季「照れてて、すっごいかわいかった」

 

八幡「男にかわいい言うな」

 

明日菜「ふふっ、そう、楽しかった?木綿季」

 

木綿季「うん!とっても!」

 

明日菜「そっか。これ以上邪魔しちゃ悪いから行こっかキリト君」

 

和人「ああ、そうだな」

 

明日菜「せっかくだし、私達もその映画見に行こっか。もちろんカップルシートで」

 

和人「ああ、いいぞ」

 

なんでキリトは普通なの?何で何も恥ずかしがらないの?何?オレがおかしいの?

 

明日菜「じゃあまた明日ねユウキ、ハチマン君」

 

和人「またな」

 

八幡「おう」

 

木綿季「またね」

 

オレ達はそう言ってキリトとアスナと別れた後、木綿季とのデートの続きをした。

 

 

 

 

 

木綿季「はい、八幡。あーん」

 

八幡「あ、あーむ」

 

今、オレは木綿季にあーんをされている。何故かと言うとそれは……デートをしているとお腹が空いたのでお昼にしようと話になり、どこか適当なファミレスに入った。そして注文した品を食べていると、木綿季がオレの食べているものを食べたいと言ったのが発端だった。最初にオレが食べていたカルボナーラを差し出すと、食べさせてと言ってきた。オレは最初は断ろうとしたが、上目遣い&涙目になったので、オレは木綿季にカルボナーラを食べさせた。そして今度は木綿季がオレにも食べさせると言ってきた。それがさっきの場面だ。

 

木綿季「どう?おいしい?」

 

八幡「ああ…おいしいぞ」

 

木綿季「良かった〜」

 

そして木綿季はボンゴレビアンコを美味しそうに食べていた。それを見たオレはやっぱりかわいいなと思った。

 

 

その後、ショッピングモールで買い物をした。お揃いのネックレスなど買ったりした。木綿季との楽しい思い出を作りたかったからな。

 

 

 

そして時間はどんどん過ぎていき、もう外は夕焼けになったので、そろそろ帰ろっかと話になりオレと木綿季は家に帰ることになった。それと木綿季とは帰る方向が一緒なのだ。降りる最寄り駅も一緒なのだ。それは何故かって?それは、オレ、比企谷八幡は木綿季と2人暮しをしているからだ。理由としては木綿季の家族である両親と姉はAIDSにより他界しており、木綿季は天涯孤独の身なのである。なのでオレは木綿季に一緒に住まないかと提案したところ、泣いて喜んでいた。こうしてオレは木綿季と一緒に住んでいる。

 

 

木綿季・八幡「「ただいま」」

 

 

 

 

 

 




いかがでしたか?こんな感じにしてみました。ではまたお会いしましょう。


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