まちカドまぞくRTA シャミ子√周回データ使用チャート (hook arm)
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1巻シナリオ
チュートリアル開始から一日目終了まで


 初投稿です。オナシャス!センセーシャル!


 はい、よーいスタート(棒)

 

 シャミ子と添い遂げるのが目的のRTAはーじまーるよー!

今回は同名の漫画が原作のゲーム「まちかどまぞく」のRTAシャミ子攻略チャート(PC版)を走っていきたいと思います。(王道を征く)

 

 ポンコツだけれどもあの頑張る姿を見ていると守ってあげたくなる……あげたくない?

 くじけない君が好きなんだよなぁ……泣きたいときあるならそばにいるから……(you get burning)

 

 レギュレーションは某日本三大庭園兄貴にならって告白に成功した瞬間からの画面暗転でタイマーストップとします。ただし、先駆者兄貴との違う点は一部バグ技ありと1周目をクリアしたデータからのスタートです。

 

 しかし!特定のキャラがプレイヤーキャラだとシナリオが大きく変わり、1周目の時系列がなんと5年前となります!ええ、正直ここまで来るのに苦行でしたねぇ!

 

 ……1周目のエンディング?ある魔法少女に敗れて行方不明エンドでした……なーにがいけなかったんでしょうね~?魔族だったのがだめだったんですかねぇ~?(トラウまぞく)

 1周目のデータにて特定条件を満たし、死亡及び行方不明エンドだと救済措置として、スペシャル装備が手に入ります。だから行方不明EDにしておく必要があったんですね(伝統構文)

 

 難易度はふつうまぞくで。

 1周目がまぞくだと強制的に2周目もまぞくになります。なので魔法少女の面々と喫茶あすらの面子以外とは基本知り合いです。

 

 主人公名は入力速度を考慮してデフォルトの甲斐 睦月で行きます。え?ホモ?何のことだか私には理解に苦しむね(ペチペチ)

 

 今回はシャミ子の攻略なので先駆者兄貴のミカンルートよりかは簡単な部類です。比較的、シャミ子幼馴染√はお互いに対しても負い目を感じるような事件はそんなに起こりません。

しかも、選択した主人公は戦闘能力が高いため死亡率は低いです(まったく死なないとは言っていない)

 

 なのでそれほど好感度稼ぎ自体は苦労しません。が!難易度のバランス調整のため逆補正が発生しさらにちよももの友情度も稼がないとならなくなります。さらに言うのであればシャミももにかかわるということはメインストーリーにがっつり関わるということでもあり、つまるところヤツとの戦闘は避けられそうにもありません。あーめんどくせマジで。

 

 

 では、今回挑む少年は睦月ッ!元気な心と超兵器を持つまだ15歳の少年はこのRTAに耐えることができるでしょうか?それでは、ご覧下さい……

 

 

 

 

 真っ暗だ。何も聞こえない。

 

 「―――――――い!」

 

 声が聞こえる。何を言っているのかは分からない。

 

 「―――君!―きて―!」

 

 よく耳をすますとそれは自分を呼ぶ声に聞こえた。うっすらと意識が鮮明になっていく。

 

 「睦月君!起きて!」

 

 今度はハッキリと聞こえた。瞼を開ける。

 

 そこには、自分とは別のクラスの小倉しおんがいた。

 

 

 

 

 ……ファッ!?ウーン……(絶命)のっけから倫理感0と一緒かよ……これはリセット案件ですかね?

 

 

 「ポット君の機能追加終わったよー。それと……君の体も検めさせてもらったから!」

 

 

 サラッととんでもないこと言いましたね。

 

 ポット君というのは主人公に随伴し体調管理を行ってくれるサポートマシーンです。シャミ子のごせんぞ、ちよもものメタ子やミカンママンのミカエルにあたる存在です。主人公によってはメインストーリーに絡んだり絡まなかったりするパートナーです。このポット君を介してプレイヤーが睦月君を動かしているという体になっています。でも、そんなに会話に出てこないので、正直ぽっと出の存在とでも覚えておけば問題ないです。ポットだけに!(HHEM)

 

 

 「そのおでこの一本角を調べたんだけど……」

 

 「間違いなく、君はまぞくです!」

 

>そんなことはわかっている。

 

 

 睦月君は、角を何とかするために小倉しおんのもとに来たようです。

 

……頼む相手間違ってませんかね?ちなみにこの主人公としおん姉貴は相性ワルワルです。説明は後程。

 

 

 「角が生えた原因に何か心当たりある?」

 

>・分からない

 ・そういえば……

 

 

 やって参りました。この選択肢によって現在の時系列が変化します。前者を選択すると原作開始前からでチュートリアル+一日だけ自由に過ごせる時間。後者はチュートリアルをすっ飛ばし原作開始後です。じゃあRTA的には後者の方がいいのではないか?と思われる方々も多いと思います。ですが、今回は前者を選択していきとうございます。

私のチャートでは必要なものを購入したりする時間にあてるためです。

 

 

 「ふーん、そっかぁ……じゃあ、これまでの行動を振り返ってみて?」

 

>・嫌です……

 ・昨日は……

 

 

 ここで嫌ですを選択しましょう。じゃないと……

 

 

 「えーっと、睦月君の昨日の筋トレメニューは……腹筋と背筋と腕立てそれからの懸垂もやってて……」

 

 

>なぜ知っている!?

 

 

 『ストレス値の上昇を検知。微量の発汗を確認』

 

 

 はい。今RTAの重大要素ストレスメーターです。今、ストレスの上昇をポット君が告げてくれましたね。睦月君が不満や不安といったことを抱えると上昇します。睦月君は小倉姉貴にポット君を介して四六時中観察され、じっくりとその私生活を露わにされることでしょう。変態倫理0野郎!

 

 さっきは、嫌だを選択しましたが昨日の出来事を赤裸々に話してしまうとポット君の監視機能がバレてストレスの上昇が大幅に上がります。

 

 ストレスがたまりに溜まりMAXになるととんでもないことが発生します。そうならないように適度にストレスを発散させましょう。発散方法はいろいろありますが正直、述べきれません。

 

 というわけで部室内でチュートリアルが開始されますが倍速でぱぱぱっとやって終わりッ!

 

 このやべーヤツから逃げるべく黒魔術部部室を後にします。二度と来ねーよ!ペッ!

 

 というわけでこれから買い物パートに移るので加速します!

それまでは暇なので

 

 

み~な~さ~ま~のためにぃ~

 

 

 と思っていたら意外と短時間で終わったので(上映会は)キャンセルだ。

 さっさと家に帰りましょう。家はもろちんばんだ荘です。当たり前だよなぁ?部屋に入ってすぐにイベント発生。

 

 

 「睦月君?病院行ってきたんですよね?……大丈夫ですか?」

 

 

 あっ、こいつ病院行ったとか嘘をついたみたいですよ。よって睦月はホモ。ってそんなことはどうでもいい!今作のメインヒロインであるシャミ子を部屋に招き入れましょう。当然、角付き幼馴染にビックリします。このわたわたしている瞬間がたまらねぇぜ。(ノンケ)

 ちなみに睦月君、まだ角なしの彼女のことをゆっこと呼んでいます。なんでも、名前呼びは恥ずかしいらしいです。あれだな?見せかけで超ビビってるな?(レ)

 

 ここは適当な理由で安心させましょう。君もあとでそうなるんやで(ニッコリ)

 

 

 というわけで今回はここまで。ご視聴ありがとうございました。

 

 

 ♦

 

 

 私には幼馴染がいる。それが、甲斐 睦月。その睦月君があるとき体調不良を訴えて病院へ行った。そして、再び見た時には……

 

 角が生えていました。

 

 「つ、つ、角!?」

 

 「お、落ち着け!ゆっこ!」

 

 慌てる私を落ち着かせようとする睦月君だが、角を見て慌てない人間はいない。だって!角ですよ!いきなり幼馴染に角が生えていて驚かないわけないんですよ!

 

 「はっ!もしやこれは睦月君が私に対してドッキリを!?」

 

 そういって、彼の頭に手を伸ばす。ひょっとしたらこれは付け角でビックリさせようとしているだけかもしれない。

 しかし、自分よりも違う体格差に苦戦しながら手を伸ばすが、なかなか角をつかめない。

 

 「……しゃがもうか?」

 

 ぴょんぴょんとジャンプするだけの私を見かねた睦月君が提案してくる。

 

 「ぽがー!馬鹿にしないでください!」

 

 絶対に何としてでも……とってみせる!何回も何回もジャンプする。いつかは届くはず!

 

 とってみせる!

 

 とって……とって……とって……

 

 

 「睦月君……しゃがんでください……」

 

 「最初から言え」

 

 

 あっけなく身長差に負けた私は、睦月君にしゃがんでもらうことにした。成長期に成長しない私の体……。

 

 

 

 結果として、私の力で、引っ張ったり押したりしてみたが取れることはなかった。

 

というか無理にひっぱったら頭蓋骨がずるりと出そうなんて言われたら……想像するだけでもゾッとするからやめておこう……。

 

 正真正銘、直接生えていることは間違いない。でも、疑問はそこじゃなくって……どうして生えてきたのか?うーん、うーんと唸っている私に睦月君が語り掛ける。

 

 「心配しなくてもいいよ。ゆっこ。この角があろうとなかろうと今までの生活ができそうだし……」

 

 睦月君が大丈夫というのなら大丈夫だと思いたい。

 ―――でも私は知っている。睦月君は何でもかんでも抱え込んで考えてしまう癖がある。だからしばらくは、側にいてみておこうと思う。

 

 こうしてみていれば何かボロを出すかもしれない!そこで睦月君をじーっと、見つめてみる。睦月君はなにかやましいことがあると目を逸らそうとする。

 

 「……ゆ、ゆっこ?」

 

 「睦月君……無理しないでくださいね」

 

 いつも睦月君はなるべく一人で頑張ろうとする。誰にも言わず、必死に頑張ろうとする。そうして怪我をして帰ってきたことも時にはあった。

 

 「睦月君って悩み事とかよく抱え込むじゃないですか」

 

 「だから………迷ったら、相談してくださいね」

 

 その言葉を聞いた睦月君は、目を丸くして驚いていた。そして照れくさそうな顔をした後、

 

 「……まあ、ゆっこがそういうなら、たまーに相談しよっかな……」

 

 「じゃあ、今悩んでいることって何ですか?言ってください!」

   

 そういって腕を組んでうーんと唸って考えた後、切り出してきた。

 

 「今日の夕食の……メニューを考える……とか?」

 

 「意外と小さい悩みだった!?」

 

 そんなこんなで、幼馴染に角が生えるなんてこと以外は今日も平穏な一日だった。

 

 ―――しかし、私たちは知る由もなかった。これがすべての始まりだったなんて。

 

 

 そして、後日――私にも角が生えるなんてこの時は思いもせずに……

  




・シャミ子
 友/3
 愛/0

・小倉ァ!
 友/2
 愛/0

次回→まちカドまぞく7巻が発売されたら


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登校から桃遭遇まで


 シャミ桃派に暗殺されかけたので初投稿です。


 実は、チュートリアル後の一日はいらないことが発覚したRTAはーじまーるよー!

 

 とんでもない誤算を暴露したところで本日は、シャミ子覚醒イベントを飛ばして、学校へ行く日です。佐田杏里とシャミ子の三人で登校します。

 

 当然のごとく、杏里姉貴は角が生えたことに突っ込んできますが関係ないね(CRUD)

 

問題ないわよ!GOGO!

 

 というわけでちよももに接触するまでに少々解説しましょう。今回、シャミ子を攻略するわけなのですがチュートリアルでも述べたようにある程度ちよももの友好度を稼がなければなりません。

 

 理由は、ストーリーの根幹にかかわるため詳しくは話せませんが同盟を結ぶことで、展開をスムーズに行えるというメリットがあります。ちなみに友情度をとことん突き詰めると筋肉ENDとかいうカオスエンドになるので気を付けましょう(1敗)

 

 

 さて、現在はちよももの目の前まで来たところです。

 まず自己紹介をしましょう。アイサツは大事古事記にも書かれている(NS)

 

 シャミ子が名乗った後、名乗りましょうかね。ここで二つの選択肢が出ますがぶっちゃけどっちでもいいです。テキトーなヤツを選びましょう。

 

 

 ・甲斐 睦月。15歳、学生です。

>・カイムガイム睦月です。

 

 

 名前の温度差が激しすぎる(-114514点)

 

 クソダサネームですね……。ヘルヘイム浸食してきてないか?(KMNライダー)

 

と名乗ったところでシャミ子の先制攻撃だべ!(HGKR)ポカポカパンチ!桃にダメージを……与えたかったんだよね……(無傷)

 

 片手でダンプを止められる魔法少女に通じるわけないだろ!(絶望)

 

 ちなみに、シャミ子をギリギリまで鍛えれば多少はダメージを与えられますが、結果は変わらないので(意味が)ないです。

 

 なんてやってたら、魔法少女のおパンチ教室が始まってしまいましたね……が、このレクチャーを受けても何一つ結果は変わりませんでした……弱くなぁい?

 

 今回の勝負はシャミ子の逃亡であっけなく幕引きとなります。次は勝とうぜ!

 

 というわけなのでそろそろ休み時間が終わるのでさっさと教室に帰りましょう。ABAYO!

 

 帰ろうとした瞬間に睦月君はちよももに話しかけられますが、授業がそろそろだから、という理由でさっさと行ってしまいましょう。ここで引き留められるとちょっとした会話イベントが発生し微ロスになるので気を付けましょう。

 

 授業に遅れちゃあ……ダメだろ!(真面目)

 

 

 ♦

 

 

 今日、いつものように通学路で優子と睦月君+ポット君に会ったら……まぞくになっていた。最初は気のせいかと思っていたけどそんなことはなく、二人には角が生えていた。優子はクロワッサンのような角が頭部に二つ、一方で睦月君の方は一角獣のような螺旋の入った角が生えていた。……どういうことなの?

 

 優子から聞いた話によると一族の呪いを解くために魔法少女と戦うことになって、睦月君はそのお手伝いをするらしい。

 

 

 「千代田 桃さん。中学が一緒だったんだ」

 

 

 なので、知っている魔法少女を紹介することにした。世界を救ったことや体力測定の時に握力計を破壊した話をしたら優子は引いていた。睦月君も引いていた。

 

 

 「パンチ力は握力に比例するんだっけ?」

 

 「……ゆっこ勝てるか?」

 

 「……そろそろ昼休み終わりますし、いったん帰ろうかな?」

 

 

 優子が畏縮しだす。でもやってみなきゃわからないって!

 そう思い、時計を見て昼休みまでの時間を割り出そうとする。

 

 

 『昼休みが終わるまでの残り時間 193秒』

 

 

 ポット君ナイス!まだ、3分も時間があるんだから戦えるって!策を練っている優子をよそに千代田さんを呼び出す。

 

 

 「千代田さーん!D組の闇の一族コンビが用事だってー!」

 

 「きさま!うらぎるか!!」

 

 「え?俺も頭数に入れられてるの!?」

 

 

 じゃあ、睦月君はなんで来たの?なんてツッコミをしていたら千代田さんが来た。千代田さんは、視線を小さな優子から睦月君に移すと驚いたような表情で睦月君を見つめる。

 

 

 「―――えーっと、千代田さん?でいいんだよね?」

 

 「……」

 

 

 千代田さんは睦月君を見たまましばらくフリーズしていた。一目惚れかな?

 そこへ優子がぽがー!と頭から煙を出しながら割り込んできた。

 

 

 「私を……無視するなーー!」

 

 「ゴメン、ただ客観的に見て小さかったから」

 

 「喧嘩のたたき売りか!!今ので完全にやる気が出ました!!」

 

 

 その後、シャミ子と睦月君は自己紹介をしたけど、二人のまぞくネームが……うん、なんとも言えない。それからは先鋒としてシャミ子がポカポカパンチをお見舞い(ダメージ0)した。

 

 うん、思ったよりもすごく弱い!

 

 大したダメージも与えられないまま、いつの間にか優子は千代田さんのパンチ講座に入らされちゃって……

 結局、飛び道具を使った方がいいとバッサリ言われた優子は走って逃げて行ってしまった。

 

 

 「これで勝ったと思うなよ~~~~~!!」

 

 

 優子は、勝てなかったショックのあまり逃げていく。そりゃあ、全力出したのにあんなこと言われたら……ね……。一段落終わって、睦月君がつぶやく。

 

 

 「……まあ、そりゃそうだろうな……」

 

 「なんか、ゴメン」

 

 「こっちこそなんか付き合わせちゃってごめん」

 

 「……」

 

 「……」

 

 

 ……気まずい雰囲気になっちゃった。お互いになんとも言えない雰囲気になって―――私たち、何しに来たんだっけ?

 

 

 『制限時間30秒前、速やかな帰投を推奨する』

 

 

 ―――気まずい雰囲気になった空間を打ち破ったのはポット君の声だった。

 もうそろそろ昼休みが終わる。チャイムがなる前に私もD組に戻らなければならない。

 

 

 「もう時間かぁ……授業に遅れたらヤバいし、この続きはまた今度にしようぜ」

 

 「……ねぇ、甲斐……君?」

 

 「ん?」

 

 「あの……」

 

 

 睦月君、千代田さんに呼び止められたけど何やってんだろ?睦月君、クラス委員なんだから遅れたらまずいんじゃなかったっけ?

 

 

 「おーい!睦月くーん!授業始まっちゃうよー!」

 

 「わかったー!今行くー!……ごめん、千代田さん!また今度!」

 

 

 名残惜しそうに睦月君を見送る千代田さん。惚れちゃったかな?今度、ゆっくりと会う機会でも作ってあげよっかなー?なんて思いながら、さっさと席に着く。

 

 ちなみに優子は敗北のショックで授業中は、ずっと落ち込みモードでしたとさ。

 

 




・シャミ子
 友/3
 愛/0

・ちよもも
 友/1
 愛/0

・杏里
 友/2
 愛/0

次→感想が増えたら


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トレーニングからマラソン大決戦まで

 初投稿ではないかもしれないこともないかもしれない


 シャミ桃派に喧嘩を売っているRTAの第三回はーじまーるよー!

 

 前回は、シャミ子がちよももに挑んで負けたところからでしたね。というか、魔法少女たちの方が強すぎるんだよなぁ……

 

 今はちよもも、D組に襲来からのシャミ子がちよももに週末に戦いを挑むと宣言したところさん!?からです。(いきなり戦いを挑むのは)マズいですよ!

 

 なので、トレーニングルームにてシャミ子と杏里姉貴と一緒に鍛えましょう。

……なんて言っていたら、宿敵のちよももがいますね……なんだあのデッカイ(ダンベル)もの……(レ)

 

 シャミ子たちはこれをみて逃げ出しますが馬鹿野郎!俺は勝つぞ!お前!(対抗心)

負けじとこちらもスクワット×100じゃい!

 

 と、ちよももに対抗しているのは先駆者兄貴のチャートを知っているお方ならばわかるようにここで筋トレできるアッピルしておくことで友情度を高めることができます。筋肉と筋肉は分かり合えるんだ!

 

 ついでにここで筋トレをすると、経験値が上がりバリアを取得できます。(いらない)

 使う機会は(多分)ないです。

 

 ここで桃と一緒に筋トレをしたので友情度が上がりましたね。筋肉は、国境を超える(超えていない)

 

 

 てなわけで、日曜日まで倍速の後シャミ子&土曜日も待っていてくれて黒くなったちよももと一緒に4km耐久の決闘(マラソン)じゃい!

 

 この辺の解説をさせていただきますと正直、言うことがありません。ええ、ないです。ナイトハルトです。(激ウマギャグ)

 

 強いて言うのであればランナーズハイになったシャミ子のことを心配しつつ走るだけです。

 

 それなので

 

 

 

 み な さ ま の た め に ぃ

 

 

 

 友情度と好感度の補正について……お話します。このゲームには幼馴染補正があり特定のキャラと幼馴染同士だと友情度、好感度にボーナスが入ります。

 以前ならば、2倍という破格の上昇だったのですが最近では下方修正が入り、1.2……か1.3倍ぐらいですかね……?(調査不足)

 

 また、主人公ごとの性格の相性も関係してきます。前述の幼馴染補正のほか、性格にも左右されやすく、理想的なのは相手の穴♂を埋めるような関係が望ましいです。

 人と人が支え合うということを教えてくれる大切なゲームですね!(なお、小倉)

 

 では相性が悪い相手だとどうなるのか?ほかの主人公で検証したことがないのでわかりませんが、睦月君はなんとミカン姉貴と相性がよくありません!

 

 ミカン姉貴は食べ物を何でもかんでも柑橘類風味に仕上げるのでその関係でストレスゲージが向上していくため序盤の天敵です。なので、食事場にはミカン姉貴と合わせないようにしようね!(2敗)唐揚げにレモンをかけるのはヤメロォ!(建前)ヤメロォ!(本音)

 

 ほかには小倉姉貴です。理由は、言うまでもないな!一回洗脳ENDになって小倉のイエスマンになってしまった時スッゲェ怖かったゾ……

 

 おっと、そろそろ4km走り終わる頃なのでほんへの方に戻りましょう。

 

 現在は、シャミ子がおかわり4kmに絶望し、電車賃を借りられないか?と聞いてくるところからですね。予定の上ではここで友情度稼ぎのため、シャミ子と一緒に帰り、一緒に寝過ごす必要があります。『おくおくたま駅』イベントのためですね。

 じゃあ、俺が出してやるか!しょうがねぇなぁ(GKU)

 

 ……と思ったのですが所持金が足りませんね……いや切符一枚分はあるのですが残り(500円)がないです。なんで?(半ギレ)

 

 しょうがないので原作通り、もんもから500円借ります。

貸してください!オナシャス!(シャミ子が)なんでもするんで!(人間の屑)

 

 じゃあ、帰りましょうか。へとへとになっているシャミ子をおんぶしたら駅へ向かって、ダッシュ!ダッシュ!ダンダンダダン!(GRTMJNG)

 

 この行為でシャミ子の友情度は5になりましたね。まったく、幼馴染パワーにはまいったな!

 

 というわけで駅に着いたところで今回は、ここまで。ご視聴ありがとうございました。

 

 

 ♦

 

 

 ―――今日は、暑かったな。

 

 そう思いながら冷房がかかっている電車の車内で一息つく。炎天下の中がんばったからかシャミ子はもう寝てしまっている。元病人なのに相当頑張っていたから無理もないだろう。

 ポット君に聞いたら前年よりも気温が上がっているという報告を聞いた。道理で暑く感じたわけだ。

 

 本日のマラソンは、もともとは決闘だったはずだが完全に相手のペースだった。その辺は魔法少女だから駆け引きにも慣れているからなのだろうか?

 

 とにかく千代田さんはまだ警戒しておくべきだろう。こちらが走っているときにもチラチラ見てきた。あれは、こちらの情報を集め対策を練っているとも考えられなくもない。

 

 魔法少女がまぞくを狩るというのであれば、自分はシャミ子を守らねばならない。アレ(・・)を使ってでも―――

 

 「……ふぇ……」

 

 コテッ、と眠っていたシャミ子がこちら側に寄りかかってくる。

 寄りかかってきた拍子に髪の毛から香るやわらかな匂いと彼女の体温が直に伝わって、服越しに生身の柔らかい感触が伝わって自分の心拍数を上げる。

 

 シャミ子は、かわいい。そのポンコツなところも、背伸びして痛い目に合うところも好きだ。体だって、ほかの同年代の女子と比べると、いい発育をしている。

 

 『性的興奮を検知』

 

 「……黙ってろって」

 

 ポット君の合成音声で興奮が一気に冷めた。いや、ある意味これでよかったような、よくなかったような……

 

 

 いや、良くない!自分は何を考えているんだ……シャミ子を性的な目で見るって、最低だぞ!幼馴染として恥ずかしくないのか!?

 

 『動揺を検知』

 

 「いいから黙ってろって……」

 

 はぁ、とため息を一息ついた後。

 

 

 ―――最低だ……俺って……

 

 

 とまあ、自分の性欲を自覚しながらも今日を振り返ったが、なんだか眠っているシャミ子を見たら自分も眠りたくなってきた。

 

 「ポット君……サイレント……モード。少し……寝る」

 

 性欲よりも睡眠欲が勝つとは、救われるような……救われないような……安心して目を閉じる。

 

 

 ♦

 

 

 時刻は、もう日が沈み辺りが暗くなった頃。そして、ついたところは、『おくおくたま駅』。……知らない駅だ。

 うっかりしていた!ポット君に起こしてもらうことを頼んでいなかった!当の本人は自分の隣で何も知らん顔―――に相当する電光モニターでプカプカ浮かんでいるだけだ。

 

 ……完全に寝過ごした。

 

 「睦月君!なんで起こしてくれなかったんですか!!!ってか……ここどこーーーーーー!?」

 

 ――――夜空にシャミ子の絶叫が響き渡った。

 

 ど、どうしようここからどうやって帰ろう……

 




・シャミ子
 友/5
 愛/0

・ちよもも
 友/2
 愛/0

次→シン・エヴァンゲリオンを見たら

※誤字報告ありがとナス!


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ショッピングセンター・マルマまで

 初投稿でありたいと願った。


 500円で何をするかを考え続けるRTAはーじまーるよー!

 

 前回は、マラソンが終わり睦月君とシャミ子は二人は絶体絶命マックスハート!でしたね。二人とも闇属性だからホワイトサンダー要素はどこ?……ここ?

 

 現在は、ショッピングセンター・マルマで武器を探そう!ってことになりました。で、なんでこんなことになったのか?

 

 そもそもの発端は

 

桃に500円を借りた→月50円ずつ返そう→その10ヶ月の間に頑張って桃と互角になればいい→じゃあ、何か武器を探そうぜ!←今ここ

 

 ……10ヶ月で勝てるわけないだろ!いい加減にしろ!睦月君でさえ消耗させてから最終兵器使っても勝率5割ぐらいなんだぞ!

 

 さて、ちょっと本筋から離れたのでここでのイベントについてお話します。一同は、お腹が空いたのでご飯を食べようとなるのですが……シャミ子に奢ってはいけません!*1

 

 え?幼馴染なら大丈夫なんじゃないの?という指摘のために言わせてもらいますと、シャミ子は無駄なところでプライドが高く、奢るといった行為は彼女の自尊心に差し障ります。というか、シャミ子自身睦月君の保護者ポジと思い込んでいるため、その考えが邪魔をしているのです。つまり、幼馴染補正はここでは無意味だ(^U^)

 

 反対に睦月君もシャミ子と同じように自分はシャミ子の保護者ポジと思っているので似たようなイベントが発生した場合、意地っ張りになります。なんでこんな(意志が)カチカチなんだ?

 

 で、ここでみんなと同じようにうどん屋で注文をしてもいいのですがたまーに杏里姉貴に注文したものをとられたりすることがあります。

 睦月君の場合、食べ物類を奪われると微量のストレス向上につながってしまうので、うどんには大量に七味唐辛子を入れましょう!幸いにして睦月君は、辛党という設定にしておいたから安心!

 

 ……え?何その真っ赤なこの世の終わりみたいなうどんは?(ドン引き)

 

 周囲のみんなもこれには戦慄しております。ぜってぇ渡さねぇからな!という睦月君の意思をねぇ!感じちゃう!

 

 さて、この後はシャミ子が残りの残金でコーラを買ったのですが自販機で思い出しましたねぇ!

 

 前回のpartで500円分が足りないというガバをやらかしましたが、あれは睦月君がマラソン前にシャミ子と桃のためにと途中で飲み物を買ったのが原因だったんですね。

 

 

 はぁー(クソデカため息)…… あ ほ く さ

 

 

 気遣いよりもRTA感想が一番だってそれ1

 じゃあ、今回はここまでご視聴ありがとうございました。

 

 ♦

 

 

 「千代田さん」

 

 シャミ子が帰ったあと、私は甲斐君に呼び止められた。 ここ数日間付きまとっていたのだから警戒されているのだろうか?甲斐君を見るとじっとこちらを見つめている。

 

 「何?」

 

 「どうして、俺達に付きまとうんだ?」

 

 「……」

 

 彼らには私の目的はまだ言えない。

 そもそも確信が持てないし、仮に言ったとしても甲斐君は余計に警戒するかもしれない。

 

 「もしも、シャミ子に手を出してみろ……」

 

 「その時は……いくら千代田さんでも……俺……」

 

 こちらを見つめながら言い放つ。彼に敵対心を抱かれようとも私にはやらなければいけないことがある。

 

 そこで、私は最終兵器を使うことにした。彼のことを傷つけるかもしれないが―――――言い放つ。

 

 「―――――シャミ子のこと……好きなの?」

 

 「……は?」

 

 「甲斐君はシャミ子のことが好きなの?」

 

 佐田さんから聞いた情報だ。日常生活を見ればいつもシャミ子のことを目で追っている。自分は保護者だと言い張っているが、それにしたって過保護すぎる気がしないでもない。

 

 「ば……」

 

 「ば?」

 

 「バッキャロゥーーーー!好きなわけねーだろォー!?別に幼馴染だから支えてあげようって思っただけだし!あれだし!ちょっとほっとけないから目を離すとすぐに危険そうなことに首突っ込んでいくし!だからすぐそばにいてフォローしよっかなー……って感じだから!別に好きってわけじゃ……ねー……よ……?」

 

 次から次へと出てくる言葉は否定的なものばかりだけど、顔が真っ赤になり目がグルグル目になっている。

 

 ……わかりやすい。普段は、そこそこの語彙力があったのに今は単純なものになっている。この反応は間違いなく―――

 

 「そ、そう!あれだ!シャミ子のことは……す……」

 

 「す?」

 

 「す、すき…………そう!ススキの次ぐらいには好き!」

 

 「じゃあ、シャミ子に電話して甲斐君がススキの次ぐらいに好きだって言ってたって伝えておくね」

 

 そういって電話を取り出してシャミ子の家にかけるために電話番号を押そうとする。――――フリだけど。

 

 「―――――まッ!!」

 

 「シャミ子、傷つくだろうなー(棒)」

 

 「や、ヤメロォォォォォォォ!!」

 

 「ススキよりもランクが低いって知ったらショックだろうなー(棒)」

 

 超高速で私に接近して携帯を取り上げようとしてくるがそれを華麗にかわしまくる。焦りのせいか攻撃が単調になっているから、あしらうのは簡単だ。

 

 「ウアァァァァァァァァァァァァ!ヤメテーーーーーーー!」

 

 攻撃がついにはグルグルパンチにまで劣化している。まさかここまでの威力だとは……。

 さて、からかうのはこの程度にしておくとして、本題に入ろう。

 

 「……私、シャミ子に危害を加えるつもりはないよ」

 

 「俺には精神的ダメージを与えてもいいのかよ!?」

 

 「ここ数日であなたたちを見てたけど、そんな悪いことをするようには見えないし」

 

 無視かよ……と言いながら私に向き合う甲斐君。真剣な話を切り出されたからかもう落ち着いている。

 

 「でも、覚えておいて。私は魔法少女としてあなたたちを監視しなきゃいけないから」

 

 「……そういうことかよ」

 

 「甲斐君はシャミ子のことが大切なんだね」

 

 「そりゃあ―――幼馴染だからな」

 

 甲斐君はシャミ子の過去について語ってくれた。

 昔は病弱で、入院ばかりの日々だったこと。中学でも入学当初から迷ったり、とにかくほっとけない存在であり、だからこそ守っていこうと誓ったらしい。

 

 「……先日マラソンさせちゃっただろ?」

 

 そうだ、知らなかったとはいえ自分はシャミ子にマラソンをさせてしまった。だが、事情を知っている睦月はなぜ止めなかったのだろうか?

 

 「なんで――――甲斐君は引き留めなかったの?」

 

 疑問をぶつけると

 

 「シャミ子がやりたいって言ったら、なるべくやらせてやらないとさ……」

 

 優しい微笑みをみせながら、彼はそう語る。本当に心の底から嬉しかったのだとその表情から分かる。

 

 「―――甲斐君」

 

 「―――睦月でいいよ」

 

 「じゃあ、睦月―――――――睦月がシャミ子のことを好きだって言うのは黙っておくね」

 

 「まだそれ引っ張ってるのかよ!?……絶対言うなよ……それ」

 

 そういって釘を刺してくる。さっさと好きって言っちゃえばいいのに。

 

 「じゃあ、私のことも桃でいいから」

 

 「……よ、よろしく……も、も、桃……」

 

 さっきまでのキレッキレのツッコミはどこへいったのやら、もじもじしながら私の名前を呼んでくる。そんなに恥ずかしいことかな?

 

 「睦月って名前呼びってなれてないの?」

 

 「…その……下の名前で呼ぶって……慣れない……」

 

 「―――もしかして、睦月ってヘタレ?」

 

 「……うるせぇ!」

 

 そんな感じの会話をしつつ、最終的には筋肉談義にまで発展してシャミ子を鍛え上げよう同盟ができたのは別の話。

 とりあえず、よろしくね。睦月。

 

*1
先駆者兄貴でもう見た




・シャミ子
 友/5
 愛/0

・ちよもも
 友/3
 愛/0

次→誰にもできない生き方を見つけたら


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シャミ子への特訓まで

 初投稿ってなんだろうね?


 新技開発!魔法少女撃破の裏技なRTAの第5話はーじまーるよー!

 

 前回は、ショッピングセンターへ行って武器を調達したところからでしたね。その結果がゴムでっぽうって……笑っちゃうんすよね(肉おじゃ)

 

 本来ならば次の回は、ごせんぞとシャミ子の夢の中での会話になりますが、参加できません。夢の中まで行けるわけないんだよなぁ……

 

 その話はスキップして今回は、シャミ子に技を身につけさせるべく桃コーチのもと特訓をする話です。睦月君もこれに参加しましょう。というか、シャミ子の病弱設定を早い段階でばらしたので一緒についていくハメになります。つまり、この状況でお前に自由はない!(強制イベントです!)

 

 というわけで舞台は桃が有する廃工場へ。後に登場するミカン姉貴の実家だったところですね。(聖地巡礼)

 

 修業するぞ!修業するぞ!修業するぞ!(申尊N)

 

 シャミ子は桃が見てくれているので二人が何かやっている間に睦月君には、簡単な筋トレでもやらせましょう。

 

 うぉぉぉぉぉ!ラーメン食べたら腹筋6回!タンメン伸びたら鉄筋6回!(ボボボーボ・ボーボボ20周年)

 

 なんてやってたらウルトラキャッチ光線を取得しました(いらない)

 性能的には拘束技なのですが正直、クリリンを爆殺するごっこしかできません。これいる?

 

 一方、シャミ子の方を見れば桃のステッキを所持して技を出そうとしていますね。じっくりぐつぐつ煮込まれるうんぬんの話していますので……睦月君の技について……お話します。

 

 睦月君は鍛えれば鍛えるほど使用可能な技が増えていきます。その技の多くは超能力系の技で、角からbiimを出すほか念力なんてものまであり、最終的には魔法少女の面々以上の戦闘能力を得ていきますがこのRTAでは(使う必要が)ないです。というよりも、荒事は格闘だけで済むので技を使うまでもなく、使う前に終わることがほとんどなんですよね……なんで、俺こんな主人公作ったんだろう……(今更)

 

 日常あふれる原作で戦闘能力が高いキャラをつくるとこういうことになるからみんなも気を付けよう!(なお6巻)

 

 それはさておき、シャミ子の特訓がアア!オワッタ……!のでさあ、早く新技を見せてくれ!一度くらいいいだろう?僕絶対にしゃぶらないよ♂(申チャN)

 

 というわけで見せられた技は小さい魔力玉です。コイツ珠とか出し始めましたよ?これが当たると筋肉注射レベルの痛みが相手に襲い掛かる!!

 

 

 あ ほ く さ

 

 

 こんなので技だなんて各方面に失礼だよね?まあ、でもシャミ子が何か技を出せた。これだけでも成果はあると思います……多分

 じゃあ、今度は俺が特別な稽古をつけてやろうか!と思ったのですがもうじき日没なので今回はここまで、ご視聴ありがとうございました。

 

 

 ♦

 

 

 今日の特訓の成果は芳しいとは言えなかった。

 技を出してみて、と桃に言われて出たのがこんなに小さい光の球だなんて……睦月君にも付き合ってもらったのにこの成果はいただけない。

 

 「ってか、なんで走ってんだよ?」

 

 「私が出したあの小さい珠に当たると……筋肉注射レベルの痛みが!」

 

 そう、あの自分が出した筋肉注射レベルの痛みが襲い掛かる玉から逃げている。だって、あれは痛い。間違いなく痛い。

 いきなり、睦月君が振り返る。そして右腕を正拳突きのように突き出すと……

 

 「ウルトラキャッチ光線!」

 

 そう叫んだ瞬間、睦月君の右腕からリング状の光線が出てくる。奇妙な音と共に発せられた光線は光の玉に当たると、光の玉は空中に静止したまま、ピクリとも動かなくなった。

 え?ていうか何ですか?そのダサい名前は?

 

 「……今のなに?」

 

 「ウルトラキャッチ光線だ!さっき身につけた!」

 

 桃の疑問に睦月君が興奮気味に語る。そういえば睦月君は特撮が好きだ。見ていた特撮にそんなような技があったのかもしれない。 

 

 『訂正。正式名称、フィキシングビーム。用途、物質の固定。観測結果、大気中での影響……問題なし』

 

 「ちーがーう!これはウルトラキャッチ光線なんだってば!」

 

 「どっちでもいいけど、効果時間はどのぐらいなの?」

 

 『効果時間、8秒』

 

 ん?8秒?じゃあもうそろそろ……動き出すんじゃあ……?って言ってたら動き出した!

 

 「シャミ子!俺に任せろ!」

 

 そういって、光の玉から守るように私の前に立ち両腕を大きく斜め上左右に広げつつ足元まで腕を動かすと、透明のバリアが形成される。

 

 前に睦月君の部屋に行ったときについていたテレビにそんなポーズでバリアを貼っていたヒーローがいたような……

 

 「これで……!」

 

 バリアに光弾が当たる。これで、私はあの筋肉注射レベルの痛みから逃れられる……そう思った瞬間――――――――

 

 光弾は急移動でバリアの横を通り、そのまま私目掛けて……命中した。

 

 「あ痛ああああ~~~~~っ!!」

 

 あのチクリとしたなんとも言えない痛みが私を襲う!痛い!!っていうかこんなに痛かったでしたっけ!?特別痛く感じる!

 

 「……ドンマイ、シャミ子……ってそうだ。桃は、なにか必殺技とかあるか?」

 

 「…………フレッシュピーチハートシャワー……」

 

 「あるじゃん!見せてくれよ!俺も見せたんだからさ!!」

 

 「……見せたくない」

 

 睦月君、さっきの私と同じようなこと言ってます…………ん?桃?

 

 「睦月君、さっき桃のこと名前で――――」

 

 「ああ、そうそう俺達シャミ子を鍛えよう同盟を組んだから!」

 

 「まさかの裏切り!?」

 

 妙に良い笑顔で返事をする睦月君。そんなまさかの裏切りに驚く。

 

 私の驚愕をよそに桃と談話している睦月君を見て思う。

 

 私の知らないところで睦月君が桃と仲良くしているってなんだかもやもやする。睦月君とは幼馴染だけど、友達……というわけではない。むしろ、それ以上の関係だと思う。

 

 ―――かといって恋人?と言われるとそういう感じでもない。しいて言うのであれば、姉弟に近い感覚だ。睦月君は桃のことを名前で呼んでいる。

 

 ――ただ、それだけなのに。

 

 これが、ヤキモチというやつなのだろうか?

 

 「どうしたー?シャミ子ー?置いてくぞー?」

 

 いつの間にか自分は、立ち止まっていたようだ。彼は、振り返って私のことを待っていてくれている。それがとても嬉しく感じる。

 ――――でも、隣に並んでいるのが桃なのがちょっと心にチクチクとくる。だから、私もあの隣に立ちたい。そう思いながら、二人のもとへ駆けよる。

 

 「シャミ子、もしかして具合が悪いのか?」

 

 睦月君が心配して聞いてくる。―――そんなんじゃなくて、と言い淀みながらさりげなく桃と彼の間に割って入る。こうすることで、ちょっとは心に余裕ができる。

 

 「あの……睦月君……」

 

 「うん?」

 

 「手、繋いでもいいですか?」

 

 「ウェッ!?」

 

 そう、聞くと彼は顔を真っ赤にしながら戸惑う。嫌だった……のかな?ドキドキしながら彼の返事を待つ。

 

 「え……え?あ、ああ!い、いい…………よ?」

 

 なんで、疑問形?睦月君の返事を聞いたあと、そっと手に触れる。

 彼の手は自分よりもちょっと、大きくてなんか……湿ってる?ふと、顔を見るとさっきと同じく夕日みたいに真っ赤に染まっている。未だに睦月君は女の子に慣れていない。なんだか、昔のままで変わらない彼に安心する。

 

 ―――――いつまでもこのままずっと、一緒にいられたら。

 そう思いながら私たちは帰路についた。 




・シャミ子
 友/6
 愛/1

・ちよもも
 友/4
 愛/0

次→聖戦士ダンバインを見終わったら


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シャミ子inごせんぞイベントまで


 (初投稿は)どこだぁ~?探すぞ~(ONDISK)


 入浴シーンが入っているRTAの第6部はーじまーるよー!

 

 前回は、シャミ桃と共に新技を開発したところからでしたね。

 肝心のシャミ子は筋肉注射レベル光弾を取得しましたが……原作でごせんぞがシャミ子に憑依した以降使ってましたっけ?使ったんかな?使ってないかもしれないわ。紹介するのやめとくわ(某大物youtube r)

 

 今回は、ごせんぞがシャミ子に憑依するいわゆるごせん像イベントからスタートです。このごせん像にいろいろなものを奉げることができるのですが、なにか適当なものを奉げるとイベントが進行するのでここで、石と水でも与えましょう(鬼畜)

 

 (高価なお供え物なんて)必要ねぇんだよ!

 

 石と水を与えたら、桃がごせん像の底にあるスイッチを見つけオォン!するとシャミ子の中にごせんぞがINし、強大な戦闘能力を……得ないんだよなぁ……(落胆)

 

 そもそもシャミ子の体はシャミ子の先祖―――シャミ先曰くちょっと動いただけで重心がぐらつく、息も上がる、力は入れずらいしうっすら目が悪いと戦う上で壊滅的です。

 

 机での物理戦もダメ、この前身に着けた魔力玉もダメ……ハハァ……(呆れ)

 

 しばらく、桃との戦闘?を眺めていると睦月君に救援を要請しています。

 

 「おい!もう一人の子孫こと睦月!余を助けろ!」

 

 と、このセリフからわかるように実は睦月君はシャミ先の子孫でシャミ子の遠い親戚にあたる存在らしいですがシャミ子と違って睦月君の体にシャミ先は入ることができません。

 

 じゃあ、なんで睦月君に角が生えたのか?というと睦月君の体には強力なファイアーウォールが張り巡らされているので深いところに入ろうとすると死ゾ。つまり、浅いところから覚醒を促していたというわけだったんですね。

 

 なお、睦月君は角を生やされた(意味深)ことにご立腹のようで、仰向けで寝られない上寝返りうったら床に穴が開いたらしいので助けません(無慈悲)

 こ↑こ↓でストレスゲージを発散させることができるのでごせんぞ虐待、略してご虐をします。(鬼畜)

 

 話は戻りましてシャミ先への選択肢が発生するのですが、いや別に好きにせい///(レ)

 (どっちだろうと関係)ないです。

 

 >・……嫌です

  ・このまま眺めているのもいいか

 

 「なぜだぁ!余を助けろォ!」

 

 もう涙目でかわいそうですが、自分が引導を渡してやりましょう。

 

 >・ちぎ投げの刑

  ・もう許さねぇからなぁ……

 

 これ以上シャミ子を痛めるわけにはいかないのでここは容赦なし!いざ神妙にかくごー!

 

 ……なんてやってたら降参してきましたね。弱い(確信)

じゃあ、冥土の土産に熱い湯でぐつぐつ煮てやろう!

 

 つまりは、風呂イベントだな!シャミ先ことリリス姉貴は温泉に興味があるそうなので多魔健康ランドに向かい熱々のお湯につけてやりましょう(ダチョウ倶楽部)

 

 ぬわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!疲れたなぁもお~ん!風呂入ってさっぱりしましょうよ!風呂上りにはビール(リンゴサイダー)っすよ!

 

 現在、睦月君が入浴しておりますがコイツ、風呂入っている間にも隣の浴室のシャミ子たち女子陣を気にしだしましたよ。やっぱり好きなんすね^~

 この悶々としている間に睦月君のストレスゲージはドンドン上がっていくので、さっさと出ましょう。さっぱりしに来たのに胸の中ドロドロ(意味深)ってこれもうわかんねぇな?

 出るタイミングが早かった風呂からまだ、誰もいなかったので女性陣を待ってる間にビール(リンゴサイダー)でも飲んでリラックスしなよ(CMND)

 

 ……このビール、バッチェ冷えてますよ^~なのでうん!おいしい!リンゴの爽やかさがたまらない一品ですね!(棒)

 

 リンゴサイダーを味わっていたらみんなが戻ってきたのでビールタイム終わり!閉廷!

 

 で、睦月君は女性陣の風呂上がりを見て鼻血出てるわよ(カッチャマ)

 こんなんじゃ、女性陣攻略できねぇんだよ!なんでこんな純情な感情の少年にしたんですかね……

 

 これ以上は睦月君のなんかが危ないのでマッサージチェアにもまれているシャミ子で今回は〆ます。ご視聴ありがとうございました。

 

 

 ♦

 

 

 風呂から上がり、女子たちの湯上り姿を見てドキッとした自分を戒めていた時、ふと思ったことがありマッサージチェアに腰を掛けているシャミ子―――の体に入っているごせんぞ、リリスさんに聞いてみる。

 

 「そういえば、なんで俺の体を使わなかったんですか?」

 

 「うむ、それなのだがな…………」

 

 よくよく考えてみれば、変だ。最初っから自分の体を使えば桃に勝てなくともあんな結果にならずとも済んだというのに。もしかして自分の体とは相性が良くない……とか初回のみシャミ子を介さないといけないとか、そういうものなのだろうか?

 

 「それ、私も思っていた。睦月の方が筋肉の量多いし」

 

 桃が食いついてくる。―――――いや、そこかい。ツッコミを入れる。筋肉の量は関係ない……と思う。

 ゴホン、と咳払いしたごせんぞは語った。

 

 「―――お主の中に入ろうとしたら焼かれかけた」

 

 ……は?と声が出た。焼かれかけた?どういうことだ?だって俺はアレをもっていること以外は、普通の人間いや、まぞくのハズだ。

 

 「正確には意識のさらに深く潜ろうとしたら、半透明の赤い壁が……赤い壁が……赤い壁が……」

 

 「しっかりしてください!!ごせんぞ!!」

 

 赤い壁が―――と何回も繰り返す。よっぽどトラウマだったのだろうか?

 赤い……壁。そんなものが自分の中に?正直考えられない。だが、嘘ではないことは確かだろう。事実、自分の額には角があるわけであって、最近出てきたごせんぞが関係していることは間違いない。

 

 「正気に戻ってください!ごせんぞ!じゃないと桃のちぎ投げが待ってますよ!」

 

 「……ちぎ投げってなに?」

 

 桃の疑問を無視してどうにかごせんぞを落ち着かせると、彼女はゆっくりと語りだした。

 

 「お主の体には強力な精神プロテクトがかかっている。ゆえに夢魔である余が侵入できなかったのだ」

 

 「……精神プロテクト……って言われても……」

 

 心当たりはない、――――とも言い切れない。思い当たる人物は小倉しおんだ。この前、彼女に自分の体の異常を解決できないか?と自分の角を見せたのだが、結果として解決することはできなかった。

 

 だが、関係ないだろう。なぜなら、ごせんぞが入って自分に覚醒を促したのがその日の前日ということになるため、そもそもの順序が違う。自分にかけられたプロテクトは、それ以前ということになる。

 

 「……思い当たりませんね」

 

 「…………ねえ、睦月?……ポット君は、何か知っているの?」

 

 桃の疑問にハッ、となった。

 

 ―――――ポット君。確かに彼?ならば何か知っていそうなものだ。自分の健康管理から、日常生活での自分の補助を行ってくれている。

 だが、どうだろう?ポット君は、与えられた質問には大体は答えてくれるが、一部の情報はセキュリティクリアランスを理由に教えてくれない。というか、自分が主なのに教えてくれないのは、いかがなものか?とりあえずダメもとで聞いてみる。

 

 「ポット君。俺の精神内に攻勢防壁を張り巡らせているのは…………君か?」

 

 回答を待つ、があっさりと間もなく答えてくれた。

 

 『質問に対する回答:肯定』

 

 「貴様かー!おかげで余は焼かれかけたのだぞ!」

 

 ふんがー!と怒るごせんぞ。いや、それは自業自得自得というか、なんというか。侵入しようとする側が悪いと思う。

 

 『回答、精神内への侵入は敵性行為と解釈』

 

 「人間社会で考えるなら不法侵入みたいなものですよ?リリスさん」

 

 怒っていたごせんぞは、正論にうっ……と言い淀む。

 てか、そろそろシャミ子に体を返して欲しい。いろいろアクティブな動きをし過ぎて身体がバキバキになってないか不安だ。

 

 ―――――だから、自分には一つ考えがある。

 

 「……また、ごせんぞ様がシャミ子の体を乗っ取って、へんなことしないようにごせん像の底のスイッチを接着剤で固めますね」

 

 「睦月……お前、余のこと嫌いだろ……?」

 

 「接着剤(エポキシ樹脂)ならここにあるよ」

 

 「やめんかー!?お前らー!?」

 

 桃も同じことを考えていたようだ。そんな提案をした自分たちにギャーギャーかみつくごせんぞ様。それを横目にポット君を見る。相変わらず、無機質なディスプレイのままだ。

 ポット君とはそこそこ長い付き合いのつもりだ。だというのに、精神防壁を貼っている理由は自分には明かせない秘密があるから、ということだからか?でも、いつかは腹を割って話せるときが来ると信じている。

 

 その時が来るまで。

 




・シャミ子
 友/6
 愛/1

・ちよもも
 友/4
 愛/0

・ごせんぞ
 友/2
 愛/0

次→ハジケリストになったら


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良子ちゃんのカメライベントまで

 人類はみんな初投稿なんだよ!


 そろそろ1巻が終わるRTAの第7部はーじまーるよー!

 

 前回は、温泉回でしたね。入浴シーンもあったし……え?野郎の入浴シーンなんて興味ない?お前ノンケかよォ!?(ドン引き)

 なんて、冗談はさておき本来なら温泉回の次はシャミ子のバイト回なのですが……倍速しました。だって、睦月君が遠くからバイト風景を見守っているだけだったのですっ飛ばしてしまいました。恋愛ゲーの主人公なのに根性ねぇな?

 

 シャミ子と桃の交流イベントだったのでSCP-96な睦月君は、その間に入ることが出来ません。このイベントに割って入ることは許されない!*1

 

 ちなみに遠くからのみまもりは、二人にはバレバレでしたとさ。

 

 さて、今回はシャミ子の妹、良子ちゃんを巻き込んでの買い物イベントです。

 

 学校にて、シャミ子が桃へ500円の借金を一括払いで返そうとするところからなのですが、桃はそれを拒否。50円ずつ返していき、家族や自分のために使え!とのことです。人間の鑑がこの野郎……

 会話の中、桃が天涯孤独の身という情報を得たあと、たまさくら商店街へやるしかGO!(KRBS脳)

 

 シャミ子が商店街へやってきた理由は良子ちゃんのために何かプレゼントを買うためです。そのためのバイト?あとそのために2千円強?K(金)K(金)K(金)って感じで!

 睦月君から見れば、シャミ子がこんなにも成長したなんて驚きでしょうねぇ……

 

 俺もイッチャウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥイィィィィィィィィィィィィィィィ!!(感動)

 

 おっと、来ました。姉であるシャミ子よりも優秀な妹、良子ちゃんです。……まあ、これにはしっかりとした理由があるのですがその辺は後の話で明らかになるでしょう。(投げやり) 

 あっ、そうだ(唐突)今回のシャミ子幼馴染チャートではすでに「お兄」呼びです。シャミ子の幼馴染なら姉妹そろって幼馴染なのは当たり前だよなぁ?

 

 というわけで目的のトイKMR(カメラ)ぁ!をチラチラ見ている良子ちゃんのために、お兄さん人肌脱いじゃう!……なんて言うと思ったか?ここはシャミ子のことを起たせてやれっつってんじゃねーかよー(棒読み)

 このイベントにてシャミ子と一緒に割り勘をするとシャミ子の友情度が上がりますが、ここでも奢ってはいけません。プライドを傷つけるとか、そういう理由ではなく、

 

 単 純 に お 金 が な い か ら で す

 

 この理由に視聴者の方々は「は?」と思われるでしょうが、ないんです。ない。(NYN)

 別に月4万の呪いがかかっているわけではなく、単純に私が銀行から引き出し忘れていました。ええ。

 

 ……こういう行為を専門用語でガバといいます。でも、これから先ノーミスの可能性があるので続行します(ウンチー理論)

 

 じゃあ、KMRァ!を良子ちゃんがチラチラ見ていたことをシャミ子に伝えましょう。すると、しなしなしっぽになりながらもシャミ子はKMRァ!を買うことを決意します。がんばるんだぜー(棒)

 

 カメラ購入後、良子ちゃんは写真を撮りたいと言ってきます。で、その被写体一号は睦月くんです。

 

 

 ……ん?(wikiガン見中)…………え?睦月くんをなんで撮ろうとしてるの?だって、良子ちゃん√じゃないじゃん!?ちょっと!?まずいですよ!

 今、睦月君は良子ちゃんに被写体一号として撮られようとしているのですがそれは良子ちゃん√への入り口です!

 

 ナンデ?ナンデ!今、シャミ子√じゃん!良子ちゃんが出てくるのってこのパートが初めてじゃん!?だっていうのに友情度が3!?えぇ…………(困惑)

 

 …………スゥゥゥゥゥウ…………フゥゥゥゥゥゥゥウ…………(深呼吸)

 

……ええ、落ち着きました。冷静に考えれば、彼女にも幼馴染補正がかかっているのは当たり前であり、シャミ子√なら別に撮られても問題ありませんでした。これが、別キャラ攻略ならつみです。まけました。(KRBS)

 つまりはすべて、私の勘違いであり……お騒がせしてごめんなさい!許してください!なんでも許してください!(唯我独尊)

 

 っと、肝が冷えたところで今回はここまで、ご視聴ありがとうございました。

 

 

 ♦

 

 

 今日は、お姉と商店街で待ち合わせをすることになった。商店街のシンボルのたまさくらちゃん像の前での待ち合わせの約束をしたけど、いたのはお姉だけじゃなかった。

 

 一人は、よく知っている人で私たちの下の階に住んでいるお兄とポット君のコンビ。もう一人は、知らない人だった。髪がピンク色でお姉よりかは身長が高くてお兄より低い女の人。二人の同級生なのかな?

 

 「良子ちゃんこんにちわ」

 

 「お兄も一緒に来たんだね」

 

 まあね。と、言いながら良の肩掛けカバンを受け取る。すると、桃色の人のへの視線に気づいたのかお兄が説明しようとする。

 

 「ああ。こっちは―――」

 

 「こっちは私たちの親友の桃ちゃんです!」

 

 お兄の説明はお姉に阻まれる。

 桃色の髪の人―――――――桃さんが驚いた顔をしてお姉を見る。それを見ていたお兄はなんとも言えない表情をしている。

 

 「……あー、うん、まあ……そんなものかな?」

 

 「?」

 

 『訂正を要求する。シャドウミストレス優子と千代田桃の関係は、て――――――』

 

 「ポット君、サイレントモード」

 

 なんだか、よくわからないけど近い関係であることには変わりないのかな?

 

 しばらくしてお姉たちと商店街を歩いていると良の目に止まるものがあった。

 

 ―――――USBトイカメラ。

 

 写真資料のために、欲しいけど―――お姉は今日は良のために何でも買ってくれるって言ったけど、お姉のことだから絶対に無理してでも買うに違いない。だから、黙っていようとすると……

 

 「良子ちゃん?」

 

 お兄が声をかけてくる。トイカメラをじっと見ていたのがバレた。

 

 「欲しいなら欲しいって言いなよ。だって今日はシャミ子が良子ちゃんのために買ってくれるって言っているんだからさ」

 

 「ちっ、違うよ!?見てただけで――」

 

 仮にカメラを買ったとして、お姉のバイト代は残り少なくなる。

 今、お姉は大事な戦いの真っ最中だってお母さんも言っていた。だから、ワガママなんて言っちゃダメ……

 

 「シャミ子ー!良子ちゃんが欲しいものがあるってさ」

 

 「!?お、お兄!」

 

 引き留めたにも関わらず、お姉へと伝えるお兄。お姉が駆け寄ってくる。

 

 「トイカメラ?良、これが欲しいんですか?」

 

 「い、いや、見てただけで……」

 

 「大丈夫だって、いざとなったら俺も出すか……ら…」

 

 そういいながら、お兄は財布を取り出して中身を確認する。が―――――

 

 「ゴメン……金、なかったわ……」

 

 もー!と怒るお姉を前にして頭を掻きながらゴメン、ゴメンと連呼する。

 ――――お兄ってちょっとぬけているところがお姉みたいだ。

 

 

 

 その後、お兄と一緒にベンチに座りながらトイカメラの説明書を読んでいるとふと疑問に思ったことがあったので聞いてみる。

 

 「……これってどうやって現像するのかな?」

 

 それが分からなければ撮っても意味がない。見たところ、写真を映し出すところが見当たらない。写真屋さんへ行って現像してもらうタイプなのかな?なんて考えていると、

 

 「これはUSBを使って、パソコンに取り込むタイプだな」

 

 「……プリンターがあればいいんだが……俺の部屋にはないしなぁ……」

 

 どうするかなぁ……とつぶやきながらお兄は考えながらいきなり、立ち上がってスクワットを始める。上下に屈伸運動をしながらうんうん唸りながら考えている。

 その間に、自分はカメラのレンズをお兄の方へ向けてその姿を収めようとする。

 

 「お兄、じっとしてて」

 

 「……ん?ああ、カメラを試すのか、じゃあ――」

 

 そういいながら良に向けてピースサインをしながら笑顔になる。ファインダー越しの笑顔にドキっとするものの冷静になってシャッターをきる。

 どうだった?と言いながらカメラを覗き込む。

 

 「あー、もうちょっと光を取り入れた方がいいかな?」

 

 「でも、フラッシュを焚いたら……」

 

 「そういう時はもっと明るいところで撮れば……」

 

 写真を撮るときのアドバイスを受け、言われたとおりに明るいところで撮る。前と大きく変わったわけではないがそれでもさっきのと比べるときれいに撮れたというのが分かる。

 お兄はカメラについて知識があるのかな?もうちょっと聞いてみたいこともある。

 

 「お兄はカメラについて詳しいの?」

 

 「んー、まあ前はカメラマンになるつもりでカメラのこと勉強してたんだけどさ」

 

 意外だった。お兄は特撮で湧き上がるほどの子供心を持っている人だ。だから、てっきりスーツアクターになるのかと思っていた。

 

 「でも、やめたんだ」

 

 「どうして?」

 

 「カメラマンになるためにはこの街を出ないといけないからさ」

 

 街を出る――――つまり、お兄はいなくなってしまうということだ。そうなったら、良もお姉も寂しくなる。

 

 ……お父さんもいないのに、お兄までいなくなる。それがどれほど胸が締め付けられることか。もしかしたら、それ以上の悲しみが来るかもしれない。

 そのことで不安な顔をしているとお兄は優しい顔で―――

 

 「――大丈夫」

 

 「良子ちゃんやシャミ子やこの街を投げ出したりなんてしないよ」

 

 ――――その時の顔はなんだか、安らかでまるでいつものお兄とはまた違った印象だった。

 

 「約束する。絶対に守るよ」

 

 そう言いながら良の頭を優しくなでる。……お父さんがいたらきっとこんな感じになでてくれたりするものなのかな?

 

 それからしばらく、お姉たちが戻ってくるまでカメラの操作方法やうまく撮るコツを教えてもらった。

 

 お姉たちが戻ってきたら、上達したカメラの腕前を見せつけるときだ。

 

 

*1
ガッ…………ガイアッ!!




・シャミ子
 友/6
 愛/1

・ちよもも
 友/4
 愛/0

・良子ちゃん
 友/3
 愛/0

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桃の看病まで

 初投稿を探しています。見つけたら至急メールくれや


 一巻がアア、オワッタ!なRTAはーじまーるよー!

 

 前回は、良子ちゃんのためにKMRァ!を買ってあげたところまででしたね。……睦月君はお金を出してませんが……(人間の屑)

 

 さて、今回はちよももが道端で調子を崩してバタンキューとなったところからです。この場にはシャミ子もいるのですが正直、彼女だけでは不安が残るので私も同行しよう(花京院)

 

 ちょっと待って!PC回や桃の夢の中回が入ってないやん!という兄貴たちのために解説させていただきますとPC回は好感度稼ぎにはマズ味で、夢の中は…………(行けるわけ)ないです。え?お前、リリスの子孫なのに行けないの?とお思いの視聴者様のために言わせていただきますと、現時点では行けません。

 というのも、3巻のシャミ子と一緒に夢の中に入るイベントをこなさないといけないのでそこそこ先の話になります。しかし、その場合でもシャミ子には一歩劣るため(使う機会は)ないです。(役に)立たねぇな?

 

 解説はここまでにしておいといて、まずはちよももを持ち上げるところからスタートです。よっこらぁぁぁぁぁぁぁぁ!(掛け声)

 ……重くないっすよ。重いなんて言ったら女の子に失礼やぞ!……重い

 

 じゃ、ちよももの家(公民館サイズ)へイクゾォォォォォォ!!オエッ……

 

 さて、玄関前まで来た一行なのですが最新鋭のパスワードロック式!というわけなので桃にパスワードを聞き出しましょう。

 ちなみにご丁寧にフラグが立っていないと開けられない仕組みになっているので周回プレイヤーにはこの辺が面倒!というお方もいらっしゃるのでは?

 

 ……5・6・5・6・2(ゴロゴロニャー)ちゃん……っと打ち込みオープンザセサミ!

 

 ――――――――入って、どうぞ(幻聴)おじゃましまーす(PNK)

 

 中に入ったら、桃をソファに寝かせ体温計探し……しなくてもいいんだな!クォレガ!

 

 hey!ポット君!桃の体温を計ってクレメンス!

 

 『かしこまり』

 

 と、まあこのようにポット君持ちのキャラならば体温計を探さずとも簡単に体温を計ってくれるわけなんですね。

 

 ……ん?

 

 「――――時は来た!」

 

 『否定。今はまだその時ではない』

 

 「時は来た!」

 

 『否定。時は来ていない』

 

 「時来てるぞ!」

 

 『否定。時来てない』

 

 ……何やってんだあいつら……

 

 ポット君が突如として現れた人語を喋る猫と口論になってますね……

 

 あの猫の名前は、メタトロン。通称をメタ子と言って桃のナビゲーターなのですが、桃が魔法少女としてのやる気を失っているため「時は来た」と喋ること以外はTDN猫です。

 

 というわけで体温測定は中断されてしまい結果として、体温計を探さないといけなくなりました。で す が、一方のシャミ子にはアイスまくらを探させましょう。こうすることによって微短縮を狙います。

 

 これで心起きなくハートフルピーチモーフィングステッキを探せるな!

 さっそくPCデスクへ向かいハートフルピーチモーフィングステッキを探しましょう。なんだぁ^~?これ(ハートフルピーチモーフィングステッキ)はァ^~?証拠物件として押収するからなぁ^~(ねっとり)

 

 さて、こんなことをやっている間にシャミ子が氷を探すため冷蔵庫を開けたのですがそれを止めるべく、焦った桃が転び怪我をします。普通の考えなら助けるべきでしょうがここで助けると吉田家の封印が解けず、ストーリーが進まないので助けません(無情)

 

 肝心の冷蔵庫の中を見ると中野くんのステーキよりもボロボロなハンバーグがありました。本動画(小説)では飛ばしましたが実は、修業回にて牛100%のハンバーグをつくる約束をしておりその失敗作がこちらとなります。(クッキング番組)

 

 そんなズタボロハンバーグをシャミ子は…………食べちゃ……ったぁ!!

 

 その感想はうん!おいしい!(シャミ子基準)

 

 間違っても貧乏スキルを持つプレイヤーキャラ以外は食べてはいけません。仮に睦月君が食べた場合、桃の家が爆発するので気を付けましょう(2敗)

 

 ハンバーグ試食会はここまでにしておいて、hey!シャミ子!家からうどん持ってきな!桃の面倒は俺が見てやんよぉ!

 

 桃をソファーに寝かせたあと、シャミ子に家からうどんを持ってこさせるその前にシャミ子に桃の容体を見てもらい血を採血したのを確認したら睦月君を台所へ向かわせ、ハンバーグ(であろう物体)がのってた皿を洗わせます。

 

 これでバッチリ!あとは、メタ子の時が来たコールが鳴るまで待つだけです。

 

 「時は来た!!」

 

 早くなぁい?そのコールを聞いた桃は、一刻も早くシャミ子を追いかけるように睦月君に迫ります。これに対し睦月君は病人は寝てロッテ!と言いますが、寝てもたってもいられん!と言って無理やり動こうとします。分かった!わかった!わかったからもう!

 

 そんなこんなで桃を連れてばんだ荘へ帰ることになりますが、今からRTAっぽいことしてやるよ。

 

 さて、皆様!ご注目!変身ショーの始まりや!

 

 >アクセスッ!!

 

 『変身コード承認。変身を許可する』

 

 辺りが光に包まれ、睦月君が立っていた後にはKMNライダーみたいな黒い戦士が降臨します。この姿はカイムフルフォームガイムという姿でいわゆる戦闘フォームで略してC-ガイムです。Fはどこ?……ここ?

 ちなみにこの姿で活動できるのは三分までです。光の巨人みてぇだな?

 

 なんでこの形態に変身したのか?といいますとこれから使用するバグ技は変身していないと使用できません。

 

 桃を連れて外に出たら玄関前の飛び石の辺りで主観視点で上を向きます。この時、桃の手をしっかり繋いでおきましょう。

 さらにここからビームソードを取り出しブンブン振り回すと……

 

 ……………………モタ……………………モタ……………………

 

 ……………………ヨシ!(確認ネコ)成功しました!今、画面は真っ暗なのですがこれはマップの裏側。いわゆる世界の裏側へ落ちている状態です。つまり、ウンチージャンプと一緒ということなのSA!

 

 ちなみに桃の手を亜空間で放してしまうと桃は永遠に亜空間をさまようことになるので気を付けましょう。(0敗)

 

 ―――んで、この辺で地上に出ると……

 

 はい到着!ばんだ荘です。変身を解いてからまっすぐ吉田一家の部屋へ向かいましょう。

 

 吉田家の部屋から光が溢れてますね。これは封印が解けた証です。

 

 部屋に入るとシャミ子が出てきますが、桃を連れてきたことに関してカンカンでいらっしゃります。が、桃がその辺の事情を説明してくれたので問題ナッシング!

 

 桃を適当に座らせたらシャミ子が持ってきたうどんを食べさせます。生姜も入れておけ(NYN)

 

 あっ、そうだ(唐突)おい、シャミ子。お前封印解いただろ?と指摘するとシャミ子に衝撃が走る!……今更、気が付いたのか……さらに、リリスがごせん像状態でもしゃべれるようになりました。これからうるさくなるゾ^~

 

 で、一番の問題はこのことによって桃は魔力が大幅に失われたため、町を守ることを手伝って欲しいと言われます。血液一滴でもかなりの量の魔力が変換されるのでそれを察知され外敵が襲来する可能性が発生するとのことです。

 

 さすがに原作とは違い睦月君もいるのですが、未知数とのことで助っ人として桃はみんな大好き!ミカン姉貴を呼び寄せることを決めたようです。

 

 てなわけで今Partはここまで、次回からは2巻のシナリオがスタートします。ご視聴ありがとうございました。

 

 

 ♦

 

 

 正直、予想はできていた。

 

 ポット君がそばにいるということはあの鎧も持っているということだ。

 

 とげとげしい装甲をつつむ色は黒鉄。差し色の赤は血管のように体に張り巡らされ、見るものによっては、『魔王』と言うにふさわしいほどの風格を備えていた。これを最後に見たのは――――――――5年前だ。

 

 その魔王が私の手を引いて訳の分からない動きをして気が付くと―――――シャミ子たちが住んでいる廃墟―――いや、アパートのばんだ荘に着いていた。私が行こうとしてもなかなか行けなかったところへ睦月は一瞬でたどり着いたのだ。

 

 吉田一家が住む部屋のドアを見る。そこに貼ってあったのはボロボロの紙――――結界だった。

 

 「桃、大丈夫か?」

 

 ドアを開けながら、私を心配する睦月。その姿はもう魔王ではなくいつもの姿の少年だ。ドアの開閉音を聞きつけてシャミ子が玄関までかけてくる。

 

 「睦月君!なんで……桃を連れてきたんですか!?」

 

 「それについては、私から話すよ」

 

 シャミ子にこれまでのことを話す。シャミ子たちの住むアパートに近づくことができなかったのは結界のせいであり今日の体調不良は無理やりアパートに近づこうとした結果だということ。

 途中から、部屋の中に移ってうどんを食べながらそのことを語る。

 

 「そういえば、シャミ子。さっき封印解いたよね」

 

 「……へ?」

 

 「桃の治療しただろ?その時、ハンカチで拭いて血をごせん像に奉げたんだろ?」

 

 私の指摘に続いて睦月の解説によってシャミ子は自分が封印を解いたことをようやく自覚したらしい。スゴイ驚いた顔をしている。

 

 そして、解かれた封印の効果はすぐに表れた。まず、リリスさんが現世に口出しできるようになったこと。それと、落とした10万8千円が見つかったこと。

 

 「これで、栄養価の高い食べ物が食べられるね」

 

 栄養価の高いものが食べられるということは、血肉が付きやすくなるということ。病弱なシャミ子をこれから鍛えていけるということだ。

 

 「じゃあ、シャミ子のことどんどん鍛えるから覚悟してね」

 

 「なんで!?」

 

 「私の魔力減っちゃったからこの町を守るのを手伝って」

 

 「なぜ、まぞくに手伝わせる!?」

 

 「まぞくが魔法少女にうどんを振舞うよりかはおかしくないよ」

 

 ぐぬ……と言ってシャミ子は黙り込む。

 

 「大丈夫だよ、俺も手伝うからさ」

 

 睦月がえっへんと胸を張って言う。というか、自分がまぞくなの忘れてない?

 

 特に――――一番不安なのが睦月だ。彼が持っているあの鎧の力は未知数だ。全面的に頼るのは危険すぎる。町を守るためにはいささか不確定要素が多い。外部からの助っ人に頼らざるを得ないだろう。

 

 「ところで桃よ、お主体調不良なのか?」

 

 「……はっきり言って大丈夫じゃない」

 

 「ったく、だから寝てろって言っただろ……」

 

 睦月はまったく、と言いながら私の肩を担ぐ。このまま私の家へ送っていってくれるとのことだ。

 家に着くまでの帰路で誰か、呼べる助っ人を考えよう。まぞくを見てもいきなり攻撃したりしない子。そんな子いるだろうか?考えようとすると頭の中がボーっとしてくる。

 

 これは、家に帰ってもしばらくは頭の中を探り続けなきゃいけなさそうだ。

 




・シャミ子
 友/6
 愛/1

・ちよもも
 友/5
 愛/0

次→頼む!あと数週間だけ待ってくれ!


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2巻シナリオ
特訓回その2


 VRにハマった結果、大幅に遅れまくったので初投稿です。


 久々に投稿したから多分忘れ去られているRTAはーじまーるよー!

 

 さて、前回はちよももが病気になって吉田一族の封印が一部解けたところからでしたね。今回はまたもや特訓回です。

 

 え?鉄板囲んでお好み焼き食べる回は?という声が聞こえたのでお答えさせていただきますと、睦月君もその回に参戦しておりましたがあんまり動きが少ない回なので(意味が)ないです。じゃあ、この回が大きく話が動くか?というと動かないんですけどね。

 

 場面は学校の校庭からスタートし、桃がクソデカタイヤをもってきたところからです。どっから持ってきたんだ……そのタイヤ……

 

 まあそれは別として、このタイヤを原作ではシャミ子が引く予定だったものを今RTAでは睦月君が引くことになりました。早いうちにシャミ子が病弱であることを明かしたからですね。ちなみに当のシャミ子は、一般車両に使われているサイズのものを引っ張ることになります。

 

 じゃあ、このタイヤを引っ張り鍛えましょう。……オーエス!……オーエス!それでもタイヤは少ししか動きません(絵本音読風)

 根性ねぇな?もっと、ケツに力を入れろ!

 

 …………全然、動いてねぇじゃねえか!と桃にどやされるのでここはもう思いきって変身してしまいましょう!

 

 >アクセスッ!

 

 『変身コードを確認。変身を許可する』

 

 おっ、シャミ子が驚いてますね。この姿を見せるのは初めてのようで、仮〇ライダーみたいだぁとの感想。外観的にはナイトブレイザーなんだよなぁ……(WA2)

 

 っていうかこんなに簡単に変身していいんですかね?……と思ったけど桃もお手軽に変身しているから何の問題もないね(レ)

 

 それはずるくなぁい?と桃から指摘を受けますが関係ねぇんだよ!そんなこと言ったらタコさんウィンナーを守るッ!ために変身した桃さんはどうなんですか!?なんて言い返したら食べ物を粗末にしてはいけない(戒め)ということからセーフ判定が出ました。口答で負けてるじゃないか……

 

 しかし、変身したからにはもったいないのでタイムリミットまでの3分動き回ってやりましょう。

 ちなみにですが3分使用後は、1時間のインターバルを挟まないと再度変身できません。魔法少女やシャミ子は活動制限がないのに……C-ガイム君さぁ……

 

 そして、動き回った後に習得した技はなんとテレポートです!本RTAのメイン移動に抜擢できる……と思っていた時期が私にもありました。

 

 大きな欠点として習得からすぐ使用すると座標軸が安定していないのか”かべのなかにいる”状態やいきなり空中に投げ出されたりとトラブルが頻出します。こんな状態で、ほかのキャラクターと一緒に移動させてはいけない(戒め)最悪、ゲルバナみたいな杏里姉貴が見れるぞ(トラウマ)

 だから、テレポートは前もって変身してから余裕があるときに行おうね!(4敗)

 

 さて、今は試しにテレポート使った睦月君の首から下が地面に埋まるという事故が発生しました。まるでフグの毒の部分を食べてしまった時の治療法みたいだぁ……

 こういうときはもう一回テレポートを行いましょう。乱数次第では再び地面に埋まる結果になるでしょうがそうそうならんやろ(フラグ)

 

 よし!もう一度テレポ発動!……って、今度は空中!まずいですよ!このままだと睦月君ぺちゃんこになっちゃ^~う!

 

 ――――なんて心配しなくても桃がお姫様抱っこで受け止めてくれるんですけどね。ナイス!ピーチ!筋肉パワーは伊達じゃない!一方、受け止められた睦月君は顔が真っ赤です。女の子になっちゃう!

 

 さらにそこへ桃に騙されていちご大福を買いに行ってたシャミ子が帰還。その光景を見られた睦月君はあまりの恥ずかしさに超スピード!?(レ)でばんだ荘へ逃げ帰ってしまいました。多分この後、恥ずかしさのあまり悶絶するんやろうなぁ……

 

 睦月君が操作を受け付けなくなってしまったので今回はここまで。ご視聴ありがとうございました。

 

 

 ♦

 

 

 私がいちご大福を買って二人のところへ戻って来たとき、睦月君が――――桃にお姫様抱っこされていた。

 

 ……………どういう状況?

 

 「……シャ、シャミ子……ち、違うんだ!これは―――」

 

 「睦月が急に空中に現れたから私が受け止めただけだよ」

 

 ?訳が分からない?睦月君が急に空中に現れて?なんで?

 

 「睦月が新しい力に目覚めただけだよ」

 

 前に出したバリアのように新しい技が身についたということなのだろうが、どうしてこれにつながるのかが全く分からない。

 

 「……あの……桃……いい加減に……下ろして……」

 

 睦月君が顔を真っ赤にしながら桃に懇願する。男の子が女の子に抱えられるというのは恥ずかしいだろう。ましてや睦月君のことだ。女の子にこういうことをされると彼の自尊心が損なわれることは間違いない。

 桃が睦月君をそっと下ろす。彼は、しばらく俯いたままプルプルと小刻みに震えると――――

 

 「こ……これでか、勝ったと思うなよッ!!」

 

 それを言い終えると顔を真っ赤にして猛ダッシュで逃げて行ってしまった。あの感じは……相当恥ずかしかったに違いない。そう思いながら桃に買ってきたいちご大福を渡す。

 

 ――――――――桃がいちご大福が怖いという情報が嘘……というわけでもなかったが騙されたと、知るのは後のことだった。

 

 

 

 

 「ねぇ、シャミ子。睦月について教えてよ」

 

 いちご大福を食べ終わった後、桃が睦月君について知りたいと言ってきた。しかし、それはつまり。

 

 「貴様、引き抜きか!!」

 

 ――――睦月君と桃はそこそこ親しい。ひょっとしたら私よりも親しいかもしれない。二人で筋トレ談義とかしだすし、引き抜きなんてことになったら、ただでさえ足りない(二人)闇の一族の戦力が落ちてしまう!

 ここはなんとか渡さないようにしなくてはならない!

 

 「違うよ、睦月の力が分からないことだらけだから教えて欲しいだけだよ」

 

 「……ホントですか?」

 

 「それに、シャミ子よりかは強い……と思う」

 

 「私をディスってるな貴様……」

 

 私よりも期待を寄せられている。―――その事実に憤慨しながらも自分が語れるところだけを語る。

 

 彼は、子供っぽい―――なんて言ったら本人が怒ること間違いない。それと特撮番組が好きなこと、明るい性格だけど女の子相手に奥手なところ、ほかに話せることは…………ない。というか、さっき見せた仮〇ライダーみたいな姿は自分も初めて見た。あんな形態があったなんて……

 

 「……睦月の大体のことはわかったよ。それと、ポット君のことについても教えて欲しいんだ」

 

 「ポット君……ですか?」

 

 ポット君。いつも彼のそばについてまわるポット君。自分が彼?について知っていることは少ない。

 睦月君の命令に従ったり、助言を与えてたりするのを見るぐらいだ。

 

 「……ごめんなさい、ポット君については……私も知らないことばっかりなんです」

 

 「……じゃあさ――――――――ポット君っていつから睦月のそばにいたの?」

 

 いつから……?正確には覚えていないけれど、確か―――

 

 「5年前……ぐらいからですかね?」

 

 ハッキリとは覚えていないけど、気が付けば、彼のそばにいた。そのぐらい自然と溶け込んでいた。

 

 「……5年前」

 

 桃は復唱して俯く。

 

 ――――5年前。本当だったら、睦月君の身の回りに起こった出来事を話した方がいいのだろう。だが、アレは本人に了承を得ないといけないことだ。あんな辛いことを勝手に話していいわけがない。

 

 桃は俯いたまま、ゆっくりと口を開く。

 

 「睦月がさ、知り合いになんとなく似ているんだ」

 

 「……知り合い……ですか?」

 

 桃は手のひらにいちご大福をのせ、じっと見つめたまま語りだす。

 

 「この大福、昔を思い出すから何年も食べてなかった」

 

 「その知り合いがよく姉と私に買ってきてくれたから」

 

 以前、今は一人暮らしと言っていた桃。その桃には姉がいて、じゃあその姉は今はどこにいるのか?……とはとても聞けるような雰囲気ではなかった。

 睦月君に似ているという知り合いさんもひょっとしたら―――嫌な予感が頭をよぎる。

 

 「無理やり手伝わせてゴメンね」

 

 「何故突然謝る!?」

 

 「って、睦月にも伝えといて」

 

 「私は小間使いまぞくではなーい!!」

 

 いちご大福をパシらされ、次は睦月君への伝言板にされるのは勘弁だ。それに、その言葉は私を介して伝えるべきではなく彼に直接言うべきだ。

 

 「そういう謝罪は直接本人に言ったほうがいいですよ」

 

 「……そうだね」

 

 いつも通りのローテンションな返事が返ってくる。さっきの沈んだ雰囲気から元の桃に戻ったような気がする。

 さて、じゃあ帰ろう。そう思って立ち上がりごせん像を持とうと立ち上がる。

 

 「シャミ子のうちって門限ある?まず、ストレッチとスクワットからやろうか」

 

 「へ?」

 

 トレーニングは終わってはいなかった。桃の顔が私に迫ってくる。なんか怖い!!

 

 「精神面も筋肉面も同時に鍛えた方が効率よくない?」

 

 擬音にするならばゴゴゴゴゴゴゴ、と迫ってくる桃。というか近い!!

 

 このあと、辺りが暗くなるまで私は桃に付き合わされることになる。

 

 ……私、正直……桃が一番怖いです……。

 




・シャミ子
 友/6
 愛/1

・ちよもも
 友/6
 愛/1

次→シン・ウルトラマンが公開されたら


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ミカン姉貴登場まで

 新たな走者が現れたので初投稿です。


 いよいよ、先駆者兄貴の抜きどころのRTAはーじまーるよー!

 

 前回は、お姫様抱っこの恥ずかしさのあまりか逃亡してしまったところからですね。黒歴史に刻んでおけ。

 

 んで、現在は商店街におりバイトでたまさくらちゃんと化しており風船配りにいそしんでおります。シャミ子も原作通り噴水前で飴配りに励んでおります。

 

 なんでこんなバイトをしているのかは言わずもがな、ミカン姉貴に出会うという重要イベントのためですね。ついでにK(金)!K(金)!K(金)!あと、シャミ子を見守るためということもあるのですが、正直こっちは桃に任せても問題ありません。というかむしろ睦月君が駆け付けると話がこじれて最悪、戦闘イベントにまで発展してしまいます。原作をご視聴した方々ならお分かりですが、このゲームではミカン姉貴がシャミ子に迫っているシーンからの介入になっちゃうんですよね……最悪、そのシーンに出くわしてしまったら間違いなく睦月君はミカン姉貴に攻撃するでしょう。そんなことになったらこの町はもう終わりだぁ!(レ)

 

 彼、たまーにこっちの操作を受け付けてくれなくなることがありますあります!(食い気味)。まあ、そう簡単にならんやろ(フラグ)! 

 

 それはともかく、今は風船配り中です。hi!ジョージィ?といいながら子供に風船でも渡しておきましょうかね(嘘字幕ピエロ感)

 お菓子もジュースもおもちゃも沢山あるよ(平野源五郎)

 

 え?バク宙あつあつおでんをやって♡……だって?

 

 >嫌です(鋼鉄の意志)

 

 子供「なんで?(殺意)」

 

 バク宙なんてしたらおでんがこぼれちゃうだろ!ついでに南極条約に違反するのでNG。

 

 さて、風船配りイベントをさっさと終えて桃を探しましょう。原作通りなら多分近くいるでしょう。ですがそのほか一切のことはわかりません!(申チャN)

 

 現在は、休憩の合間をぬって商店街をキョロキョロしております。

 お?ガバか?と思われている視聴者様方のために言わせていただきますと桃にシャミ子の様子を見に行ってもらうために桃を探しております。こうやって間接的にシャミ子を見てもらうことによって睦月君の暴走を防ぎます。

 

 (桃は)どこだぁ~?探すぞぉ~?

 

 ……あれ?いない?そんなはずは……………いない!ポット君のセンサーで感知にも引っかからない!やべぇよ……やべぇよ……

 

 じゃあ、ここでチャート変更!帰りましょう!そもそもミカン姉貴となら後で出会っても大丈夫です。

 

 着ぐるみを返却して……いざ、家へ向かってレッツラゴー!

 

 >シャミ子を置いては帰れない

 

 ――――――――は?

 

 >シャミ子を置いては帰れない

 

 なんで!?ナンデ!?ナンデ!?いや、桃に任せれば大丈夫だって!安心しろよ^~

 

 >シャミ子のところへ向かおう!

 

 ……………このBi●ch!

 はい、こうなってしまった睦月君はもうどうにも止まりません(山本リ●ダ)

 

 止まるんじゃねぇぞ……

 

 いや、止まって!じゃないとただでさえ相性が悪い睦月君とミカン姉貴がさらに相性が悪くなるゥ^~!お願い!止まって!

 

 

 ――――出くわしてしまった……危機管理フォーム状態のシャミ子に迫っているミカン姉貴を発見しました。露出強の女の子に迫る魔法少女コスの女の子って絵がヤバい(確信)

 こうなってしまったらもうあきらめましょう。このRTAももうおしまいだぁ……(野菜王子感)

 

 >……ポット君――――――――アクセス……

 

 やべぇよ……やべぇよ……睦月君の変身コードコールも闇落ち寸前*1のトーンですね。平たく言えばマックスハザードオォン!!状態です。これで再送待ったなしだぁ(絶望)

 

 リセットボタンに手が伸びかけ―――

 

 『敵対する対象から味方信号を受信。変身コード不承認』

 

 ――――うん、ありがとう。(釣りキチおばさん)

 

 ポット君、迫真のセーフティが光る!ポット君には変身者の暴走を抑える機能があり、変身が承認制なのもこれが理由の一つです。それに対し睦月君は憤慨しますがここで桃が登場!自分の知り合いということで仲介をしてくれます。おめぇよぉ!お前さっき探した時には全然いなかったくせによぉ!

 

 というかこんなことになったのはお前(もんも)の説明が雑だったからじゃねぇかよぉ!おかげでミカン姉貴は心を無くしたバフォメットがいたと勘違いしていたそうです。どういう想像なのだよ?

 

 「ゴメンね、怖がらせて。まだ小さいのに」

 

 ミカン姉貴がシャミ子に謝罪をしておりますね。睦月君はそんなミカン姉貴をジト目で見ておりますが―――――ん?あっ、ミカン姉貴!それ以上は!

 

 「私、高一で桃と同い年だからバリバリ頼りなさい?」

 

 ……言っちゃった。その子あなたと同い年なんすよ……

 

 「これで勝ったと思うなよ!!」

 

 その言葉と共にシャミ子は去っていってしまいました。あーあ、やっちゃった。さて、そんなミカン姉貴に遭遇し不穏な日々が始まる予感がしたので今回はここまで、ご視聴ありがとうございました。

 

 

 

 

 今日はシャミ子と共に商店街でバイトを行うことになった。

 きっかけは佐田さんの紹介だった。着ぐるみを着るためには神に選ばれしコンパクトボディに該当するのがシャミ子だったらしい。……いや、普通に小柄な子を探している――――って言ったらシャミ子は怒る。間違いなく怒る。

 

 現在、自分は新造されたたまさくらちゃん2号(命名)の方に入っている。この2号は、自分の体にしっくりくる。ということは―――――シャミ子の身体には合わないということで。

 

 しかし、自分が気になるのはそこではなくたまさくらちゃんは結構な特技を持っているようで……バク宙あつあつおでんとか中毒性のある飴とかヤバい設定ばっかりなのはどういうことなのか?……ヤベーヤツは小倉さんだけで十分だ。

 

 

 

 

 手元にある風船をすべて子供たちに渡したあと、シャミ子のことが頭をよぎる。噴水前でたまさくらちゃんの格好をして中毒性の高い(そういう設定の)飴目当ての子供たちに群がられているのだろうか?シャミ子のことだから子供たちに詰め寄られて噴水に落っこちたりしていないだろうか?そう考えると不安になってきた。

 

 先日、桃が言っていたことを思い出す。結界に影響が出ているせいで魔法少女がこの町に来る可能性がある。そう考えるとさらに不安が増して……………いてもたってもいられなくなった自分は、休憩時間を利用してシャミ子の様子を見に行こうと考えた。だが、ここからでは少々遠い。行って帰るまでの余裕はないと思われる。

 

 

 桃に電話をかけて様子を見に行ってもらうか?

 

 

 と、考えるもよくよく考えたら自分は今たまさくらちゃんだ。ならば、―――――たまさくらちゃんマニアの彼女なら、この場に来ていることは間違いなし。

 

 ―――――周囲を見渡す。

 

 いない。だったら、この辺をポット君に探してもらおう。

 

 「ポット君、周囲に桃がいないかスキャンかけて」

 

 『了解』

 

 そう返事が返ってきたと同時にポット君の頭部に3本、光の棒が出現する。

 ポット君にある程度、周りの地形を覚えさせておけばこういった人探しのようなことをさせることもできる。

 

 『スキャン結果、周囲に魔法少女の反応あり』

 

 「それは、桃かどうか確認できるか?」

 

 『不明。目視での確認を推奨する』

 

 そう聞いた瞬間、――――――自分は駆け出していた。結界が弱くなっている。ならば、この町に魔法少女がやってきて―――――彼女を襲わないとも限らない。

 

 それが、たまらなく怖くて、駆け出す。

 

 ポット君の誘導もあってか、簡単にシャミ子のいるところにたどり着く。

 そこは、路地裏。人気がなく、襲撃するにはもってこいの場所だ。そこにシャミ子はいた。

 

 

 ――――――――自分の知らない魔法少女に迫られて。

 

 

 血が沸騰するように熱い。いつしか開いていた右手は握り拳に変わる。

 

 あいつは――――――――敵。

 

 そう思った瞬間、右手の平にエネルギーをため込みながら近づいていく。

 

 「……………何をやっている」

 

 「む、睦月君!」

 

 「あなた、この子の知り合い?」

 

 「そこのお前……今すぐシャミ子から離れろ」

 

 声に怒気を孕ませながら、右手に溜めたエネルギーを光輪に変換させシャミ子と魔法少女の間に投げつける。ビュゥと風を切り割き、二人の間を光輪は飛んでいく。

 最初は牽制だ。シャミ子は慌ててのけぞり、魔法少女の方は後方へ飛び退き回避する。目論通りシャミ子との距離を開けることに成功する。

 

 「あなたね!友人をボコボコにしたっていう魔族は!」

 

 オレンジ色の魔法少女は、自分を指さす。なんの話だかは知らない。だが、八つ当たりなんだとしたらそれこそ許せない。

 ポット君に命令して、C-ガイムを起動させる。

 

 「ポット君――――――――アクセス」

 

 頭の中で行動の予定を立てる。このまま、一気にテレポートで距離を詰めてあいつを吹っ飛ばす。正直、テレポートはまだ安定していないが不意を突くのには十分なはずだ。そう考えていた。

 

 だが――――

 

 『敵対する対象から味方信号を受信。変身コード不承認』

 

 ……………どういうことだ?味方信号?変身を許可してくれない?

 

 「おい!どういうことだよ!」

 

 ポット君へ怒鳴る。

 

 『甲斐 睦月が敵対している人物より味方信号を検知。及び甲斐 睦月は判断能力の低下がみられたことにより変身を許可できない』

 

 アクセス不許可。こんな事態は初めてだ。ならば――――再び光輪を生成しようとする、が。

 

 「睦月、ストップ」

 

 第三者の声。後ろを振り向くとそこには桃がいた。自分とオレンジ色魔法少女の間に割って入ってくる。

 

 「その子は私が呼んだ魔法少女だから」

 

 呼んだ?ということはこの魔法少女がこの前言っていた助っ人というやつなのか?だが、こいつはシャミ子へ詰め寄っていた。桃の知り合いとは言えそんな奴を信用してもいいのだろうか?怪しむ視線であのオレンジ色魔法少女を見る。

 

 「あの……睦月君」

 

 シャミ子が話しかけてくる。見たところ傷はない。なんともなくてよかったと胸を撫で下ろす。

 

 「シャミ子、怪我はないか?あいつにボコボコに――――――」

 

 「ち、違うんです!私、この姿の解除方法を……」

 

 そういえば、必死だったが故に気も留めなかったがシャミ子の身に着けている衣類が…………………衣類の布面積が少ない!!そのことに気が付いた自分は、目を背ける。

 

 「……どうしたんだ?その……姿……」

 

 「え、えっと……この姿は危機管理フォームと言って――――――」

 

 「わかった!わかった!早く変身を解除してくれ!」

 

 とにかくこのままではシャミ子を直視できない。あんな露出狂な服装が戦闘フォームなのは、こちらの目には眼福かもしれないが毒だ。後ろを向いたままことがいったん落ち着くまで後ろを向くことにする。

 

 

 

 

 「この子は陽夏木ミカン。私が助っ人を頼んだ魔法少女」

 

 よろしくね、と言ったあと桃に対していろいろな不満をぶちまける。説明がざっくりしすぎるとか、既読無視するな!とかどうやらいろいろすれ違いがあったようだ。そのせいで心をなくしたバフォメットがうろついていると思ったらしい。

 いや、心を失ったバフォメットってなんだよ?と心の中でツッコミを入れながらもまずはやるべきことは一つ。

 

 「その、ごめんなさい!陽夏木さん!」

 

 頭を下げる。

 先ほどシャミ子に迫っていたのは露出が多い――――危機管理フォームの解除の方法を教えていたためだったらしい。自分の勘違いだったとはいえ攻撃をしてしまったのだ。この謝罪で許してくれるだろうか?

 

 「いいのよ、私も悪かったし……」

 

 すんなりと許してくれた。よかった、と思いながら続けて頭を下げる。

 

 「いや、俺が全面的に悪いよ。よく考えもせずいきなり攻撃しちゃったのは俺だしさ」

 

 「いや、私の方もなんだか―――――」

 

 「いやいや、俺のほうこそ―――――」

 

 謝り合戦が続き、延長戦になりそうな予感がしたそんな時。

 

 「はい、そこまで」

 

 桃によってストップがかかる。

 

 「シャミ子さっきの格好どういうことか後で説明してもらっていいかな?」

 

 「は……はい」

 

 一番気になっていたのはそこだ。あの格好がどういうものなのかが自分も気になる。……………決して見たいわけではない。

 

 「シャミ子……………ちゃんでいいかしら?ごめんなさいまだ、小さいのに怖がらせちゃって」

 

 陽夏木さんがシャミ子にも謝罪する。……………ん?言葉選びがなんだか変だ。と思った時にはもう遅い。

 

 「私、高1だからバリバリ頼りなさい?」

 

 「ひ、陽夏木さん!!シャミ子は―――――」

 

 とっさに注釈しようとするもその言葉を言い終わる前に、

 

 「こ、これで勝ったと思うなよぉ!!」

 

 いつものお決まりのセリフを言った後、シャミ子は猛ダッシュでどこかへ行ってしまった。

 

 「あの子は、同級生だよ」

 

 「えっ、そうなんだ!?」

 

 あちゃー、と頭を抱えつつ走っていくシャミ子を見送る。誰だって、あの身長なら自分より年下と間違えても仕方がないが……

 

 「そういえば、甲斐君。あなた――――――――」

 

 「ミカン。今日は私の家に泊っていいよ」

 

 言いかけた、言葉は桃によって遮られる。

 その言葉の先を聞こうとして陽夏木さんに何だったのかを尋ねようとすると……………

 

 『甲斐 睦月。予定上では特撮番組の放映21分前』

 

 忘れていたことを思い出す。そういえば今日は、自分が好きな番組の特集があったのだった。しかも生放送も交えてだ!こうしてはいられない。興奮が冷めきらないうちに急いでアパートへと足を向けるべく二人に手を振ってその場を後にする。

 

 

 

 そのころにはすっかり、陽夏木さんが自分に何かを聞こうとしたのを忘れていた。

 

*1
元から闇属性




・シャミ子
 友/7
 愛/1

・ちよもも
 友/6
 愛/1

・ミカン姉貴
 友/0
 愛/0

 次→ゴジラS.Pを見終わったら


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ミカン姉貴の呪いから自爆まで

 実は2巻分のストックがまだ完成しきってないので初投稿です。


 これで何もかも終わりだ、任務完了!なRTAはーじまーるよー!前回はミカン姉貴との遭遇イベントでしたね。出会うことばかりがいいことじゃ……ないんやなって……

 

 さて、現在私の心はひやひやしております。その理由は、睦月君のストレスゲージが死ぬ寸前ッ!(KBTIT)前回のパートで操作不能の事態に陥ったのはストレスゲージが高かったからなんですね。適度に発散させなかったらこうだぞ!ホラ!よく見ろ!

 

 では、ゲージがマックスになったらどうなるのか?それは……………これから見せてやるよ(震え声)

 

 そのことを頭に入れて置いて今回は、シャミ子と杏里姉貴と共にゴミ捨て場イベントからのスタートとなります。が、これから前回ギクシャクしてしまったミカン姉貴と出会うことになりますがここで好感度をちょいと稼いでおきましょうかね。

 

 杏里姉貴が離脱したらそれが合図です。直後にミカン姉貴が出現しゴミ捨てを手伝ってくれます。―――――うん、ありがとう(釣りキチおばさん)

 

 どうやら、ミカン姉貴は転校手続きのために来たらしいですがその過程で桃とはぐれてしまいここまで来たというわけなんですね。ま、ミカン姉貴の呪いのせいなんですけどね。おかげで、桃は現在職質不可避の状態になっているとか。どういうことなの……(レ)

 

 さて、ここからはただ単にゴミを処理していくだけなのですが、追加でゴミが来るのでそれにイライラしつつ――――――

 

 「シャミ子ちゃーん!あっ!睦月君もいるぅ!」

 

 うわでた。本RTAではチュートリアル以来の登場となりました小倉ァ!です。いつも睦月君をポット君介して監視しているのに今日は珍しく直接接触してくるんですね……

 

 (嫌な予感がするから)来 な い で

 

 ん?ゴミ袋が……膨らんでいく!?

 

 ミカン姉貴が言うにはこれも呪いのせいとかうんぬんかんぬん。

 先に説明させていただきますとミカン姉貴の呪いは『動揺すると他人にささやかな困難、不幸が降り注ぐ』というものです。これのせいで睦月君のストレスゲージがマッハで溜まっていきますよ^~イクイク(昇天一歩手前)

 

 なんて言っている間に爆発一歩手前!みんな!さがれ!ゴミ袋が爆発する!!

 

 『C-ガイム自動展開を確認』

 

 ……………生きてるゥ^~!あんな爆発じゃ死なへんねん睦月は!しかも、さりげなくシャミカンをかばっている+114514810点。

 

 サンキューC-ガイム!ありがとう!C-ガイ――――――

 

 『甲斐 睦月。ストレス値許容量オーバー。デストルドー増大』

 

 は?

 

 『自爆シークエンスへ移行。周囲への被害を割り出し完了』

 

 え?

 

 『本機を中心とした半径38m外への退避を勧告』

 

 あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”もうヤダぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!

 

 はい、恐れていたことが発生しました。今から30秒後C-ガイムごと睦月君は―――――――

 

 自 爆 し ま す

 

 ……………ええ、このゲーム死んだら終わりです。なのにこれから―――――――

 

 自 爆 し ま す(二回目)

 

 細かく説明させていただきますとこのゲームで作れるキャラクターは戦闘能力が高いキャラほど精神面の安定性が低くなる傾向があり、逆に低いキャラほど安定性が高くなります。ストレスゲージは、心が不安定なキャラクターにのみ配置されるUIであり、これがマックスになるとキャラクターにもよりますが睦月君の場合は、自爆です。えぇ……(困惑)

 

 完璧超人になんてならなくてもいいという制作スタッフ一同からのメッセージなんですね(白目)だからってキャラクターを自爆させるヤツがあるか!

 

 ホラホラ、早くシャミ子もミカンも逃げるんだよ!いや、睦月君を助けるために粘らなくていいから………

 そこへ桃が現れ二人を自爆の範囲外から逃がしてくれます。サンキューピーチ!

 

 これで……………睦月君も心残りはないな……さよなら……天さん(チャオズ)

 

 

 ホワァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!(某司令官)

 

 

 爆発した後の光の柱がキレイ……使徒が爆発した後みたいだァ……………

 

 

 じゃあ、ここでこのRTAもおしまいですね皆さん、さような―――――

 

 

 >……………だるい

 

 

 ファッ!?睦月君生存確認!な、なぜ生きている!?貴様は、凶悪な兵器保持者ではないのか!?(医院長)

 

 さっきこのRTAは終わりと言ったな。あれは嘘だ。

 

 どうして自爆したのに生きてるゥ^~のかと言いますと。

 単純に再生したからです。ええ、再生したからです。(二回目)

 

 は?超展開にもほどがあんだろこのステハゲ。とお思いの視聴者の方々もいるでしょう。ゴメンね。

 

 睦月君は自己再生能力を持ち、簡単には死ぬことができません。チートじゃん!と思われますが、欠点として治療費が発生します。しかも高額!だから安易に自爆できないんですね。ちなみに今回の場合は自爆保険なるものに入っているので毎月月1回までなら無料で済みます。自爆前提の保険ってなんだよ?

 

 え?自己再生能力なら治療も保険もいらないだろ?……そのあれだよ……再生しきれなかった分を治療してもらっているんだよ!(ゲームシステムの都合上)

 それと簡単に自爆できない理由は、前述の精神面が弱い……ということはつまり、どういうことか……わかるな?考えるな感じろ(ブルースリー)

 

 そのほかの欠点として体力がほとんどなくなり行動力が0となることです。こうなってしまったらもう家に帰って寝るしか選択肢はありません。

 

 早退する旨を3人に伝えたら、デハカエルゾ(殿下)学校にいられなくなったので今回はここまで、ご視聴ありがとうございました。

 

 

 

 

 私たちは目の前に広がる光の柱を見ている。

 

 とてもきれいな淡い赤色の光は遥か遠くまで輝いて見えただろう。でも、私たちにはその光が別れの合図でもあった。

 

 甲斐 睦月。いきなり黒い鎧――――C-ガイムに変身したかと思うと呪いの力から私たちを守ってくれた。そこまではよかった。だが、そのあとに悲惨な運命が待っていた。

 

 その結末が――――――――自爆。

 

 どうして……どうしてこんなことに、なんでこんなことに。そんな言葉が心の中で繰り返される。ただ、それを立ち尽くして見ていることしかできなかった。

 

 その光景に私は動揺するしかなかった。呪いのせいで急な雨が降ってくる。爆炎の余波でゴミに飛び火した火も消えていく。

 

 「守れ……なかった……」

 

 私をこの町に呼んだ魔法少女、桃は握り拳をつくり悔やむような目で地面を見つめている。

 

 「睦月……君……」

 

 先日知り合った、優子――――――――シャミ子もただ茫然と見ている。

 じわり、と彼女から涙がこぼれる。

 

 「睦月君……ッ!睦月君ッ!――――――――」

 

 ぽろぽろと大粒の涙が次々出てくる。

 近い人の死。それを目の前で目撃してしまったのだ。爆発の劫火に焼かれ死体も残さず、完全な無へと帰した。

 

 そもそもの発端は私の動揺のせいだ。私のこの呪いのせいで彼を――――――――

 

 「む……………月……くん……」

 

 ごめんなさい、と言っても許してもらえるわけがない。間接的に彼の命を奪ったのは私のせいだ。

 

 それでも謝らなければならない。シャミ子に声をかけようとして――――――――

 

 「……………なに?シャミ子?」

 

 え?と声が出た。シャミ子も桃も同じようにあっけにとられた声が出た。

 シャミ子に対してなに?と言った声の主は、さっき爆発の中心となった人物で――――――もう死んでしまった彼の声だ。そして、その声は今ももくもくと天高く上がっている煙の方から聞こえた。

 煙をかき分ける人影が現れる。せき込みながらも姿を見せたその人物は、さっき自爆したはずの

 

 

 ――――――――甲斐 睦月だった。

 

 

 「……………だるい」

 

 え?煙から出てきた第一声がそれ?

 

 「睦月君!!よかった!無事だったんですね!」

 

 シャミ子が真っ先に駆け寄る。彼を見ると全身黒タイツなのはなぜか?とかなぜ生きて帰って来たのか?とか疑問はいろいろ尽きない。

 

 「ゴメン、みんな――――俺さぁ……………だるいから帰るね……」

 

 シャミ子の心配をよそにただ、帰る。その言葉に私もシャミ子も桃もみんなその言葉に唖然としたまま、彼を見送るしかなかった。

 

 『睦月、当機は周囲への被害確認のため残留する』

 

 「ああうん、それじゃあね……」

 

 睦月君は覇気のない声でだるそうに返事をして校門へ向かい歩いて行った。

 

 「……………ポット君。あれは……どういうこと?」

 

 桃がめったに見ない困惑した表情でポット君に尋ねる。

 

 『回答。ナノマシンによる再生能力』

 

 さらっととんでもないことを言い出した。ナノマシン?再生?傷ついてもエーテル体で再構成される私たち魔法少女とは違う系統の技術だ。

 まぞくというものはこういうものなのだろうか?大半は封印されるから傷なんて見たこともないからなんとも言えない。

 

 「えっと……優子……」

 

 「………なんですか?」

 

 「体が粉々になっても再生って……できる?」

 

 「できませんよ!それができたらプラナリアまぞくです!」

 

 ……………いや、プラナリアまぞくってなによ?そんな疑問と共に残ったゴミをかたずける。

 

 あとで彼に謝ろう。私の呪いのせいで彼を大変な目にあわせてしまった。この呪いで今日のようにこれからもいろんな人に迷惑をかけてしまうのかと思うと正直苦しい。だから、もしもの時は―――――。

 

 ぎゅっと、握り拳をつくって決意を新たにした。

 




・シャミ子
 友/8
 愛/1

・ちよもも
 友/6
 愛/1

・ミカン姉貴
 友/1
 愛/0

 次→ゼンカイジャーにゴーカイジャーが出演したら


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シャミ子の変身訓練まで

 多分、次の次が遅れそうなので初投稿です。


 主人公はスーパー戦隊で言う追加戦士とか第三勢力の類のRTAはーじまーるよー!前回は、睦月君がウイングガンダムよろしく自爆したところからでしたね。ウルトラ怪獣とかライダー怪人みてぇだな?

 

 今回は、シャミ桃ミカンと共にいつもの河川敷にてシャミ子の危機管理フォームのテストをすることになりました。

 睦月君にはあの姿は正直、きついでしょうが耐えろ(無茶ぶり)

 

 とはいえ、前回自爆したことによってストレスゲージがスッキリした(意味深)ため早々ゲージがたまることはないでしょう。……………多分(小声)

 

 さて、危機管理フォームの性能テストを初めて行きたいところさんなのですがシャミ子あの半裸フォームへの変身を拒否。当たり前だよなぁ?

 

 シャミ子は桃が変身してくれるのなら変身すると言ったのでじゃあみたけりゃ見せてやるよ!と言い変身しました。そういえば、桃は睦月君の変身を見たけど睦月君は桃の変身を見てませんからこれが初見になりますねぇ!

 

 

 >はぇ^~すっごい魔法少女

 

 

 思ったよりも正統なかわいらしい魔法少女フォームに睦月君もビックリ。ミカン姉貴もきゃわわな感じと称しており、もう変身時にやってたくるくる回ったりウィンクしたりしないの?と尋ねます。見たいー見たいーロリ桃の変身シーンを見たいー!

 

 じゃあ、シャミ子も変身しようか……(暗黒微笑)

 

 変身しろと桃に急かされ危機管理と何回も叫ぶシャミ子。しかし、身に危険が迫っていないシャミ子では何回叫ぼうとも変身できません。

 

 それを聞いた桃はシャミ子のしっぽを看板の支柱に結び付けフレッシュピーチハートシャワーを叩き込もうとしています。が、睦月君これに対しストップコール。当たり前だよなぁ?としかし、桃は寸止めするから安心!と聞いて、ならなんの問題もないね?とあっさりほだされます。チョロすぎへん?

 

 ですが、繰り出そうとした直前に桃は倒れてしまいます。おっ、大丈夫か?と言いつつ肩を貸してベンチに座らせましょう。

 

 どうやら、疲労のようでシャミ子に魔力を奪われたことやミカン姉貴の呪いもあってかここでぐったりしてしまいます。動くなよ?動くと怪我するぞ(ヒゲクマ)

 

 ミカン姉貴によると魔法少女たちの身体はエーテル体に置き換わっているそうで、この構成している魔力がなくなってしまうと空気中に魂が拡散してしまうため、血を取られるわけにはいかないんですね。

 

 なお、ごせんぞはこのことを知りませんでした……あのさぁ……

 

 このことからシャミ子は桃に認められたいと思うようになります。シャミ桃ポイントがたまってんなあ?

 

 さて、桃が目を覚ましシャミ子の変身訓練再開!さっそく桃がシャミ子に詰めより正拳突きとアンクルロックと一本背負いのどれがいいか選べ―――――と脅迫されたら簡単に変身できました。やったね!シャミ子ちゃん!これで露出強への第一歩だ!(棒)

 

 ……相変わらず危機管理フォームから目を背ける睦月君。ほら、見ろよ見ろよ。

 彼が目を覆ってしまったのでシャミ子の「覚えてろー!」が聞こえたところで今回はここまでご視聴ありがとうございました。

 

 

 

 

 もはや、恒例となった放課後トレーニング。しかし、今日は本格的なトレーニングではなくシャミ子の危機管理フォームについて桃が説明を求めたためだ。よって本日は、それの測定だ。

 …………正直アレを見るのはこっちが恥ずかしくなってくる。それに見てると自分の胸が熱くなってくる。こう……胸の中がもやっとする。

 

 さらに問題なのが陽夏木さんも来ていることだ。来ていることは問題ない。問題なのはその服装だ。柔らかそうな肩と腕が露出している。それは……キャミソールとか言うやつか!?心の中で軽くパニックになりつつも視線を逸らす。今日は陽夏木さんを直視しないように心がけよう。

 

 「じゃあ、さっそく危機管理フォームに変身しようか」

 

 「こんな往来で!?」

 

 そりゃそうだろう。あのフォームはただでさえ露出が多いのだ。人が通りやすいここでの変身なんて拒むに決まっている。

 

 「でも、町やシャミ子に危機が迫ったら否が応でも変身しないといけないんだよ」

 

 「じゃ、じゃあ桃が変身してくれたら私も―――――」

 

 「(りょ)

 

 シャミ子の提案に対しなんのためらいもなく変身をする桃。というか、かたくなに魔法少女の技やらを出すのをためらっていたのに簡単に変身するのか……

 

 「桃の戦闘フォーム久々に見たわ!きゃわわ系よね~そういえばアレやらないの?」

 

 「アレって?」

 

 「小学校のころくるくる回ってたのよ」

 

 「へぇ……なんで今はやらないんだ?」

 「……ミカン、睦月。今日は私がごちそうするよ」

 

 「……………ゴメンて……」

 

 でも、今更じゃあ――――と言いたかったがやめた。ものすごい圧にただ謝るしかなかった。まさかそんなに嫌がられるとは思わなかった。

 

 「とにかく約束でしょ。はい変身変身」

 

 話を断ち切って本題の危機管理フォームへの変身を促す桃。

 

 

 「危機管理ーー!!」

 

 

 シャミ子がごせん像を天高くつき上げながら叫ぶ。しかし――――――――

 

 

 「危機管理ー!!」

 

 「危機管理ー!!」

 

 

 何回叫んでも姿は体操着のまま、声が周囲に空しくこだまする。自分以外のまぞくの変身なんて見たことがないから何とも言えない。

 

 「なんで変身できないんでしょうか?」

 

 「それはお主がマジの危機を感じていないからだ」

 

 びっくりした時の急激な魔力の流れで変身するのがあのフォームらしい。そのことを聞いた桃は、シャミ子のしっぽを『多魔川』の文字が書かれた看板に結び付ける。そして、ステッキを構え、フレッシュピーチハートシャワーを撃とうとする。

 

 「おい桃!やりすぎだって!」

 

 「大丈夫、フレッシュピーチハートシャワーは寸止めにも対応しているから」

 

 「なら大丈夫だな」

 

 「睦月君の裏切りまぞく!!」

 

 好きな人からの非難の声に少し傷ついたものの桃はベテラン魔法少女だ。きっと、うまくやってくれる。

 桃が大きく野球のボールを投げる動作を見せた後、ピタリとその動きを止める。

 

 「ダメだ、連日の疲れが……」

 

 ――――膝から崩れ落ちる。その場から駆け出して、桃を支える。

 

 「無理すんなって」

 

 「ごめん……睦月」

 

 ―――――ったく。ボヤキながら近くにあったベンチにそっと桃の身体を寝かせる。スゥ、スゥと寝息を立てて桃は寝始めた。

 

 陽夏木さんから聞いた話だと魔法少女は、エーテル体で構成されているため血を取られるのがマズイそうだ。さらに取られたら魂が空気中に散開してしまい自力での復活は難しいそうだ。

 

 

 ――――――どうして桃はそんなことを言わなかったのだろうか?俺たちを心配させないため?

 

 

 それとも――――――俺たちは信頼に値しないとでもいうのか?

 

 

 重大なことを言わなかった桃に対して苛立ちを覚える。確かに自分たちは出会って日は浅い。でも……そんなマズイことを教えてくれないほど、自分らの関係は浅かったのか?俺じゃあ彼女のそばには並び立てないと?

 

 

 ――――――――認めてほしい

 

 

 世界を救った魔法少女、千代田 桃という一人の人間に自分を認めて欲しい。

 

 

 数分後、桃が目を覚ます。そんな桃にシャミ子が迫り寄る。最初は、桃の無事を確認していただけかと思ったが、シャミ子の口から出た言葉は、

 

 

 「私はッ……桃に認められたいです!――――敵としてだぞ!」

 

 

 ―――なんだ。シャミ子も俺と同じ気持ちだったんじゃないか……。その言葉に安心感を覚えた。

 

 「桃、言っとくけど変身はなしで。さっきのことがあるからな」

 

 「ん………わかった」

 

 「じゃあ、正拳突きとアンクルロックと一本背負いのどれがいい?」

 

 そう言いながら桃はシャミ子のしっぽをつかみ逃げられないようにじりじり迫っていく。

 

 すると、シャミ子は光に包まれて一瞬であの危機管理フォームへと変貌を遂げる。その姿に相変わらず目を逸らす。あの露出はどうにかならないものなのか。そう思いながら目を泳がせつつシャミ子の方を向く。

 涙目になっている。……………かわいい。

 

 「覚えてろ~~!!」

 

 その捨て台詞と共に猛ダッシュで行ってしまった。あのかわいい泣き顔が頭に焼き付いてしまった。まあ、取り合えず変身に関してはまだまだだろう。

 

 それよりも自分には目標ができた。今日はそれをつくれたという重大な日の一歩であることを胸に刻んでおくことにする。

 

 




・シャミ子
 友/8
 愛/1

・ちよもも
 友/7
 愛/1

・ミカン姉貴
 友/1
 愛/0

 次→今君が必要なんだよ、と言われたら


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恐怖の黒魔術研究部まで

 今回は短めなので初投稿です。


 みんな戦慄!恐怖の小倉回がはーじまーるよー!前回は、危機管理フォームを引き出すため、シャミ子を死ぬ寸前ッ!(KBTIT)まで痛めつけてしまったところからでしたね。今回は、小倉ァ!の黒魔術研究部に突撃するところからですね。

 

 え?期末テスト回とシャミカンデート回は?という声が聞こえましたが知らんな(申チャN)

 

 テスト回はまあまあな点数でした。パラメータ見ても頭は、人並みなので高いでもなく低いでもなく点数はそこそこになるわけなんですね。

 

 肝心のシャミカン映画デート回はシャミ子の好感度を稼げるため介入してもいいのですが、ミカン姉貴との相性が悪いのでストレスゲージがマッハで溜まっていきます。その結果、前々回のように映画館に自爆テロを仕掛けることになるのでオススメできません。かと言って、小倉ァ!シナリオも決してイージーではないんですけどね初見さん。

 

 現在、シャミ子が迫られていますね。大変ね(棒)え?ちょっと、こっちに 来 な い で。C-ガイムで実験したいとかそんなのしなくていいから(良心)

 

 さあ……………(黒魔術研究部の)中へ……

 

 割と普通の扉を開くとそこは怪しさ満点のカオスとスリルとサスペンス溢れる空間でした。帰ろうかしら?(戦慄)桃もステッキ取り出して記憶を消そうか検討しているところです。あ、いいっすよ。

 

 小倉ァ!はシャミ子のデータを取ろうと電力流したり採血したりしたいとグイグイ来ます。しつこいよ……お前……シャミ子に手を出すのはやめロッテ!

 

 あ、ちなみにここでポット君を介して小倉ァ!が睦月君を監視していたことがバレます。彼が隠していたエロ本の位置もバレバレというわけです。ヤメロォ!(建前)ヤメロォ!(本音)

 

 このせいでストレスゲージがガリガリ音を立てて上がっていきます。このことを聞いた睦月君は すぐにけせ と小倉ァ!に詰め寄りますが、こ↑こ↓でシャミ子のために自身の身を差し出しておきましょう。じっくりねっとり調べ尽くされてしまうことでしょうね。しかし、その身を挺した行動もごせんぞが率先して自分たちの盾になってくれるそうです。先祖の鑑がこの野郎…………

 

 てなわけで、ごせんぞ強化イベントです。お前を芸術品に仕立てや……仕立てあげてやんだよ……!

 このイベントはごせんぞがニューボディのよりしろを手に入れるイベントなのですが、最初はごせん像に手足を生やしたような珍妙なよりしろになります。そして動く姿が完全に台所に出現する黒いアレ!これマジ?ボディに対して手足が貧弱すぎんだろ?

 

 これには睦月君ももう顔中草まみれや。

 

 シャミ子が貧弱な手足をつくった一方、桃がかわいらしいシャミ子似の人形を作ってくれました。はえ^~すっごい(造形が)上手い……。

 

 これに対してニヤリとするごせんぞですが、その表情の下のたくらみを予期して、桃の命令一つでお座りが簡単にできてしまうんですね。というか、桃の魔力で練ったから桃からの命令を受け付けるというわけなんですね。

 

 ……………ん?ちょっと!小倉さん!(ポット君に)何してるんですか!?やめてくださいよ!

 

 この小倉ァ!ニューよりしろ作りに専念していた時にポット君のデータを調べていたようです。お前が倫理0点の理由やぞ。

 

 さて、ポット君を奪い返したところで今回はここまで。ご視聴ありがとうございました。

 

 

 ♦

 

 

 今日はとても興味深いテータが採れた一日だった。

 みんなが帰ったあと、部室で一人ノートパソコンで取れたデータを眺めながら今日を振り返る。

 

 シャミ子ちゃんのご先祖様の喋る像なんて初めての経験だ。作ったよりしろがどのように動くかそれが分かっただけでも十分だ。

 

 しかし、それよりも一番興味を引くものがやっぱり睦月君だ。ポット君から採れたデータからは私の探求心をくすぐるものがたくさん出てくる。

 

 

 C-ガイム?超能力?なにそれ!とても面白そう!

 

 

 やっぱり睦月君は普通のまぞく(・・・・・・)じゃない。

 

 ポット君の映像を見る限りでは、シャミ子ちゃんも千代田さんも自力で変身している。それに対して睦月君はどうだ?ポット君による認証を経てから(・・・・・・・・・・・・・・)変身しているという大きな違いがある。この違いが何なのかはまだ、分からない。だから、今日睦月君を部室に招いて、ギリギリのタイミングではあったがデータを採ることに成功した。

 

 彼がまぞくに覚醒してからというものシャミ子ちゃんも続けて覚醒したという話だ。立て続けに千代田さんにも会ったというし、ポット君に監視ソフトを入れといて正解だった。

 

 さて、肝心のデータを見てみよう。ポット君からコピーしたデータのR型516番12931号と書かれているファイルを開く。

 

 

 

 

 ――――――――そこには、ただ一つ。

 

 

 

 ――――――――『プロジェクト8091』と表記されているファイルが存在しているだけだった。

 

 




・シャミ子
 友/8
 愛/1

・ちよもも
 友/7
 愛/1

・小倉ァ!
 友/3
 愛/0

 次→遅くなる可能性があるので失踪します


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吉田家防衛戦線(大嘘)まで

 しばらく、間が空いてしまったので初投稿です。

 ※誤字報告、ありがとナス!!


 最近、文章が雑になってきたRTAの第14部はーじまーるよー!

 

 前回は、小倉ァ!の黒魔術研究部の部室に向かったところからでしたね。(小倉ァ!は)もう十分だ………もう十分だろう……

 

 あ、ちなみにPC修復回はすっ飛ばしです。すでにシャミ子の軍門に下っているのとミカン姉貴がいるからです。行ってもいいのですが、困惑の呪いのとばっちりがダイレクトに来るので最悪、桃の家を爆破してしまう恐れがあるからです。睦月君の幸運値が最底辺のナメクジなので呪いが真っ先に飛んできます。盾役って……つらいねんな……

 

 今回は、ばんだ荘に桃が襲来してくるところからです。どうしてこうなったのか?と言いますと桃の夢の中にシャミ子がINした結果、シャミ子の夢の中に潜る能力がバレて大ピンチ!夢の中での出来事をうろ覚えのシャミ子はお母さん、清子さんを退治すると勘違いしたので現在こうなっている状況です。

 

 で、睦月君もこの襲撃に対して迎撃してほしいとシャミ子に頼まれたので吉田一家の部屋前で桃を待ち構えているのですが、半信半疑です。そりゃ、筋肉の友が裏切るなんて考えられないでしょうからね。

 

 あっ、そうだ(唐突)いつぞやのpartで睦月君は夢の中入れるのか?という疑問に対して3巻終盤のイベント以降と言いましたが、実は超がんばればこの段階でも可能です。しかし、それをするためにはシャミ子の友情度稼ぎやごせんぞに体を許す(意味深)といったことをしなければなりませんが、その辺がいろいろ面倒なのでやりません。通常プレイになっちゃうだろ!

 特にごせんぞを睦月君の中にINするとピーキー過ぎるとのことで周囲を破壊して回ってしまう恐れがあるのでやめようね!(1敗)

 

 そろそろ、桃が来たのでほんへに戻りましょう。

 

 何が目的だ!モノか!?金か!?と問いかけてみるとどうもなんだか話がヘンです。なにやらシャミ子は、清子さんを退治されると思い込んでいるのですがこれは重大な誤解で正しくは退治ではなく対峙ですね。それを正そうとしたごせん像は夢の中に出てきたゴ〇ブリを彷彿とさせた動きがキたのか桃によって遥か彼方へフライハイ!あーもうめちゃくちゃだよ!

 じゃあ、ごせんぞをポット君に回収しに行ってもらいましょうかね。これからの会話にいられると邪魔ですし……

 

 あまりにもすれ違い過ぎて話を聞いていたシャミ子の母、清子さんによって、吉田一家のお部屋で話合うことになりました。ありがとナス!

 そういえば清子さんは本RTA初登場ですね。これマジ?あんな若々しい人妻がいていいわけないだろ(興奮)

 

 さて、ポッキンアイスが一本だけで二人分しかない悲しみに包まれたところで清子さんから過去の話を聞きましょう。

 

 吉田一家は、まだシャミ子が小さい頃に睦月君の両親に誘われてこの町に来てある魔法少女の紹介でこのおんぼろアパートをあてがわれたそうです。

 

 両親と聞いた睦月君、迫真の動揺。おっ、大丈夫か?大丈夫か?

 

 その魔法少女というのが千代田桜。桃の義理の姉です。桃はその姉を今でも探しているのですが結界によって阻まれ魔族に接触することができない。唯一接触できた睦月君とシャミ子とその一家は手がかりだそうです。

 

 当時のシャミ子は体が今よりも弱く、さらに一族の呪いにもあいまって、死ぬ寸前ッ(KBTIT)だったところを桜が一か月4万円生活へと変貌させたそうです。そこだけ現代のレートってどういうことなの?(レ)

 

 しかし、その呪いに介入した桜は魔力が大幅に減り町をまもるっ!ことが難しくなったそうです。そこでシャミ子父――――ヨシュアは、桜に協力していたとのことです。この辺の経緯が今のシャミ桃と同じなのが興味深いですね。

 

 清子さんは一枚の写真を取り出して見せてくれました。……え?ナニコレこんな低身長おとーさんいていいわけないだろ?こんなショタボディで声がおっさんっぽいってマ?ギャップにもほどがあんだろ?

 

 さて、ここでヨシュアと清子さんが写っている写真を眼孔に焼き付けます。シャミ子√エンドへのフラグの一つなので見とけよ見とけよ^~

 

 この写真を見たことによって睦月君のストレスゲージが若干上昇しますが、些細なことなので触れないようにしよう!(戒め)

 

 さらに清子さんから衝撃の真実を告げられます。なんと!桜によってヨシュアは今、一同がテーブル代わりに囲んでいるミカン箱のダンボールに封印されておりました!ミカン箱に封印されていました!(大事なことなので2回)

 

 そんな衝撃的な事実を告げられた清子さんを除く一同は驚愕の声を挙げます。

 

 >……ブラックホール爆弾起動させて1万年2千年は帰ってこないって言ってなかったっけ?

 

 睦月君に至ってはトップを狙いだしましたね……狙わなくていいから(ノノリリ)

 

 ヨシュアがダンボールに封印されたことを聞いた桃は、本当に宿敵同士だったということを認識し家から出て行ってしまいました。どうせ桜の木の下にいるでしょ(鼻ホジ)

 

 これまで清子さんがこのことを黙っていた理由はシャミ子がいろいろ背負い過ぎると変な頑張り方をすると思ってこれまで告げなかったそうですが、現在のシャミ子は、とても成長しているので心配は杞憂に終わったそうです。ホントいろいろありましたからね……色々(意味深)

 

 清子さんとの会話も終え、さっさと桃を探しに行きましょう!

 

 オラッ!イケェッ!イクッt

 

 今回はここまで、ご視聴ありがとうございました。

 

 

 

 ♦

 

 

 

 「睦月君!大変です!桃がおかーさんを退治しちゃうので増援お願いします!」

 

 シャミ子の慌てた声からこの一連の出来事は始まった。一体何がなにやらさっぱり分からない。そんな状況のまま吉田一家の部屋前まで来る。

 

 「あのさ、シャミ子……本当に桃が退治しに来るって言ったんだな?」

 

 「ええ!間違いありません!夢で会った時に聞きましたから!」

 

 えらく切羽詰まった表情で返答をしてきた。しかし、桃がそんなことをするとは思えない。ダウナーで普段はやる気なさそうな彼女だ。まぞく狩りだって進んでやらなさそうな彼女が清子さんを―――――

 

 「シャミ子?……それに睦月まで……」

 

 桃が来た。

 

 「桃ッ……きょ、今日はお引き取りください!」

 

 「桃……清子さん―――シャミ子のお母さんを退治しようとしているってホントなのか?」

 

 「退治?うん。対峙した方がいいと思う」

 

 ……確かに退治とは聞こえた。が、なにやらイントネーションがヘンなような……何かがおかしい。

 手すりに乗っていたごせんぞが口を開く。

 

 「おぬしら、先ほどから聞いているが言葉の意味を取り違えて……」

 

 桃がごせんぞの姿を捉えたとたん、ピクっと体が震えた次の瞬間――――――――ごせんぞが桃に投げられ遥か空へと消える。

 

 「……………桃!?」

 

 唐突な桃の行動に驚く。急いでポット君に命令をしてごせんぞを拾ってくるように命令する。

 

 「こ、これは、体が勝手にリリスさんを投げて……」

 

 突然の謎の行動に自分自身も困惑する。こうなってくるとこちらも頭がこんがらがってきた。桃は清子さんを退治する?ごせんぞを投げ飛ばす?

 これらは敵対行動なのか?なら敵になるのはなぜなのか?考えているうちに後ろでシャミ子が声を張り上げ、桃を食い止める。

 

 「どんなに隠し事をしていても!矛盾していても!私は、睦月君も!良も!おかーさんも!お父さんが帰ってくるこの家を守りたい!」

 

 「魔法少女、千代田桃よ……ここを通りたくば私を倒してからにするがいい!」

 

 ―――――――初めて聞いた。ここまで強いシャミ子の力強い声を。守ると言った。この家、ばんだ荘を。そして、守る対象には自分も含まれていて…………

 

 弱いと思い込んでいたシャミ子が確実に強くなっている。

 

 嬉しいと沸く感情のその前に――――――――

 

 

 「先ほどから聞いていられませーーーん!!」

 

 吉田家のドアから清子さんが飛び出してくる。二人のすれ違いに耐えきれなくなったようだ。自分も状況を整理したかったからこの場での仲裁は助かった。己だけでは事態の引っ込みをうまくできそうになかったからだ。

 

 「続きは家の中で!」

 

 そう言われるがままに二人の背中を押しながら吉田家の部屋に入る。

 

 清子さんからポッキンアイスを出される。だがここは二人に譲っておこう。……決して欲しいわけではない。今ちょっと、胃が弱っているから欲しくないだけだ。

 

 「……睦月、ホントにいらないの?」

 

 ――――いらないったらいらない。いや、ほんとにいらない。

 強く断りを入れながらテーブル代わりのダンボール箱の上に乗せられたコップの中身の薄い麦茶を一口含む。相変わらず味が薄い。優しい味だけど。

 落ち着いたところで清子さんが語りだす。

 

 「あれは、優子がまだ幼かった頃ですね……睦月君のご両親に誘われて、私たち一家はこの町に来ました」

 

 

 ――――――――両親。その言葉を聞いて、体が震える。脳裏にいくつもの情報がフラッシュバックして、自分の身が引き裂かれそうな感覚に陥る。

 

 

 「ご、ごめんなさい!睦月君!」

 

 「いや……いいんです。続けて……ください」

 

 シャミ子も桃も自分の方を心配そうに見つめている。一言、大丈夫と言いながら清子さんに話を続けてもらう。一呼吸して、話に臨む。

 

 「……私もなるべく言葉は選びますけど、無理なら言ってくださいね?」

 

 「……ええ」

 

 短くそう返しながら話は再開される。

 

 語られた話によると10年前のせいいき桜ヶ丘は今よりも殺伐とした状況下で桃の義理の姉、千代田桜によって町は守られていた。ところが、突如として桜さんは失踪。桃はその桜さんの手がかりを探して唯一接触できたまぞくである自分と吉田一家が頼みの綱らしい。

 この町のまぞくは魔法少女を寄せ付けないように結界を張り、外敵から身を守っている。

 

 ――――――――しかし、自分はシャミ子以外同族を見たことがない。これもその結界の効果なのだろうか?

 

 「昔の優子は体が弱くて……良子を妊娠していた私と同じ病院に入院していました」

 

 病弱なシャミ子を何とかするため清子さんの夫、ヨシュアさんが桜さんに相談した結果、運命のリソースをいじりあの一か月4万円生活の呪いにした、とのことだ。

 

 しかし――――――古代の封印に介入するということは、いじる側の魔力も著しく消耗するということらしく―――――

 

 「魔力が減った桜さんは町を守ることが難しくなったそうです」

 

 「そこで、夫のヨシュアは桜さんと取引をしたのです。この町を守ることに協力する、と」

 

 その話を聞いて、ふと思ったのが――――――――今の自分たちの状況に似ていることだ。

 

 そもそもの始まりが桃がシャミ子に血を奪われたことから端を発している。前の世代でもそんなことが起きていたのが驚きだ。

 

 「え?私のおとーさんの名前は吉田太郎じゃ…………?」

 

 「吉田太郎は、お父さんがこの町で使っていたコードネームです」

 

 ……………安直すぎないか?なんてツッコミを入れたところで、清子さんは一枚の写真を出してきた。

 

 ――――――――その写真は、良子ちゃんを授かってお腹が大きくなっている清子さんと背丈が小さく頭にはごせんぞのような一対の角の生えた少年が写っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――――――――自分はこの写真を見たことがない/ある

 

 

 

 

 ――――――――この写真撮ったのは、誰だ/自分だ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――――――――頭が痛い。何か変なことを考えていたようだ。

 ズキズキと響く頭を片手で支える。

 

 「睦月君、大丈夫ですか?」

 

 「大丈……夫……………すいません、続けて……」

 

 不安そうに自分を眺めていたシャミ子は再び、写真に目を移すと抱いていた疑問を自身の母にぶつける。

 

 「……お、おとーさん若くないですか?」

 

 写真の男性はどう見ても少年にしか見えない。だって、シャミ子と同い年に見えるほどの若さだ。

 

 「あの人はとんでもない若作りなんです」

 

 ―――私も眷属になってから老け止まりましたから。

 

 いや、若作りっていうレベルではないだろ!どう見ても!これは、明らかに……と思ったがもしかしてまぞくの自分もこれ以上の成長は望めない? 

 ……身長は、まあ別にこれ以上伸びても仕方ないが……

 

 

 

 

 「その後、夫は桜さんに……………封印されました」

 

 

 

 「今はこのミカン箱に封印されています」

 

 

 

 「今、私たちが机代わりにしているミカン箱に……」

 

 「「「ええええええええええええええええええええええええええ!!??」」」

 

 その場で清子さんを除いて驚愕の声を挙げる。

 え?なに!?じゃあ、俺達今そのミカン箱をテーブル代わりにして話してたの!?バチとか当たらない!?ていうかヨシュアさんをそんなことに使っていいのか!?

 てか、前ブラックホール爆弾を起動させて1万2千年は帰ってこないって言っていなかったっけ!?

 

 「あの、おとーさんが封印されているのにそんな使い方して……」

 

 シャミ子が尋ねる。夫が入ったものをそんな乱暴に扱ったら後々、大変なことにならないだろうか?と言った意味も含めて。

 

 「大丈夫です!お父さんボックスは頑丈だし汚れが勝手に浄化されるので」

 

 「本当にいいんですか!?」

 

 「お父さんは使えるものは何でも使う人でしたから」

 

 ……尻に敷かれるというのはまさにこのことか……

 

 「なんでそうなったんですか!?」

 

 「私も病院に入っていたので詳しくはわかりません」

 

 それは、良子ちゃんも無事生まれシャミ子の病気も落ち着いてきた頃、玄関には、この段ボールと―――――

 

 『町を守るためヨシュアさんまで封印してしまいました。ごめんなさい。』

 

 そう書かれた書き置きがあったらしい。

 

 「……………じゃあ、姉は……この段ボールさんを……」

 

 「子供二人抱えた清子さんに託して……消えた……ってことですか?」

 

 重いものを抱えてしまったようなそんなトーンで、桃が喋りだす。

 自分の姉がしてしまったこと。それは二人の子供をもつ父親を会えなくしてしまったということだ。

 

 「………うちの姉は、この家のお父さんを10年も奪っていたんですね……」

 

 「いえ……桜さんは縁もない私たち一家のために――――」

 

 桃がゆっくりと立ち上がって、玄関の方へ足を進める。

 

 「桃?どこへ――――」

 

 「……整理する時間がほしい」

 

 

 「私―――――」

 

 

 

 

 「本当にシャミ子の宿敵だったね」

 

 

 

 

 

 バタリ、とドアが音を立てて閉じる。残されたのは自分とシャミ子と清子さん。

 

 「隠していてごめんなさい。優子、睦月君」

 

 「いえ、そんな……」

 

 「あなたたちに話したら、変に頑張ってしまうと思って……」

 

 清子さんは、母だ。吉田一家を支える女性でもあり、また自分に対しても本当の母のように接してくれた。自分たちを気遣ってこれまで秘密にしてきたのはありがたい。だから、言っておこう。

 

 「あの!清子さん!」

 

 「シャミ子は、前よりも強くなりました!角が生えてから桃と一緒に特訓してきたし!それに、ホントにいろんなことがあって……」

 

 脳裏に浮かぶのは、これまであった出来事その一つ一つがシャミ子を成長させている。例えば、技の特訓……とか……

 

 「あって……」

 

 次に思い浮かんだのが、陽夏木さんとの出会い。自分にとっては、最悪だったがシャミ子にとっては……

 

 「……あって……」

 

 ……いや、ロクな目にしか合ってないのは気のせいだろうか?

 

 「……あなたたちは、私の知らないところでどんどん成長していたんですね」

 

 「嘘をついていた私を守ろうとしてくれて……」

 

 「私は、あなたたちを信じ切れていなかったんですね」

 

 感慨深くシャミ子と自分を見ながら言う。彼女にとっても自分たちが成長していたのが予想を上回っていたのだろう。

 突然、自分の脇からシャミ子が出てきて清子さんに言いたいことを言い放つ。

 

 「おかーさん!おとーさんのこととか!正直、ビックリです!でも、いろんなことで慣れましたから!」

 

 「おとーさんは死んじゃったわけじゃないし、いろんな人のおかげで元気にもなりました!」

 

 「それに私、やっと自分が戦う理由が分かった気がします!」

 

 シャミ子は、清子さんに昔の自分とは一味違うというところを一気に話した。マシな目に合っていないが、それでもこれまでの出来事が大きく影響しているのは間違いない。

 

 「私……桃を追いかけます!」

 

 「だから、後でおとーさんの話いっぱい聞かせてくださいね?」

 

 ―――――その時の決意したシャミ子の顔を自分は忘れない。自分から見てもとってもカッコよかった、としか言いようがない。

 

 「……俺も探すよ!」

 

 桃の捜索に名乗りを上げる。

 今の桃には、誰か寄り添ってあげる人間が必要だ。自分がそれになれるか?と言われると、分からない。けれどあの状態のまま桃を放っておけるか?と言われると否だ。

 

 「清子さん!いろいろ驚いた話がいっぱいありましたけど、今日はありがとうございました!」

 

 「睦月君。もう……大丈夫(・・・)なんですか?」

 

 正直、大丈夫ではないけれども―――――

 

 「……大丈夫です!」

 

 そう聞いた清子さんは、安堵のため息をひと呼吸着いたあと、頑張ってくださいね。と自分に言う。

 そのあと、シャミ子の方を向いて―――――

 

 「―――――優子。あなたは幼かったので覚えていないと思うのですが、お父さんがあなたに言っていた言葉があるんです」

 

 

 

 

 

 「『がんばれ優子。誰よりも優しく強くなるんだ』……と」

 

 

 

 

 

 その言葉を聞いた後、シャミ子は優しく笑みを見せて、

 

 

 「行ってきます。おかーさん」

 

 

 清子さんにそう返すと、玄関から出て階段を下りてアスファルトの道を駆け出した。少し遅れて自分も駆け出す。

 

 いつも、自分の後ろにいたシャミ子が今は自分の前を走っている。それが、とても新鮮で――――――同時に

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――――――――自分から離れていくのが寂しく思った。

 




・シャミ子
 友/9
 愛/1

・ちよもも
 友/7
 愛/1

・清子さん
 友/4
 愛/0

次→頼む!もう少しだけ待ってくれ!7/11


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シャミ桃同盟が結成されるまで

 まちカドまぞく2期の日程が判明したので初投稿です。

 ※誤字報告ありがとナス!


 ようやく2巻が終わるRTAの第15部はーじまーるよー!前回は、清子さんから過去の吉田家についていろいろ聞いたところからでしたね。

 

 ……この辺にぃ1話投稿するまで1か月かかったヤツいるらしいっすよ?誰でしょうねぇ?(自虐)

 

 気を取り直して今回は、話を聞いて飛び出していった桃をシャミ子と二人で追いかけるところからスタートです。二手に分かれろォ!(コマンドー)

 

 さっそく、シャミ子と別れて桃の捜索に向かいます……が!桃の居場所はすでに分かっているので、探す必要はありません。原作通り、桜の木の下ですね。じゃあ、さっさと向かいたいところさんなのですが、その前にポット君が来るまでどっかその辺をうろつきましょう。多分、今彼はごせん像を救出するべくイヌと奮闘しているところでしょうね。

 

 なんで待つ必要があるんですか?かというと桃に合流した時にポット君がいないとなぜか、延々とロード画面が止まらなくなります(3敗)止まるんじゃねぇぞ…………

 

 ……おっせぇなぁ?さて、この間に睦月君のバックボーンについて……お話します……。前回、睦月君の反応が変だったのはお察しの通り彼には両親がおりません。理由は、もうすでにいないからです。原作既読兄貴は5年前……何が起こったかは分かるな?(威圧)

 そのせいで彼は、承認欲求が強い人間性をもっており視聴者の兄貴たちが忘れているであろう委員長設定は、その表れというわけです。

 

 なんて解説もポット君が帰ってきたのでここで終わりッ!閉廷!てなわけでさっさと桃のところへGO!(is god)

 

 シャミ子よりも先に桃のところへ行くことにより、シャミ子の説得を楽チンチンにするためです。そもそも今回のメインは、シャミ子が桃を説得することなので自分はサポートに回りましょう。

 

 街を一望できる桜の木の下へ向かうと睦月君のストレスゲージが微量の向上……は、些細な問題なので桃に話しかけます。

 Hey!桃!急に逃げ出してどうしたんだい?え?私とシャミ子家の問題なんだから睦月には関係ないだって?……………………大有りなんだよなぁ……

 

 ・関係なく……ない!

>・それでも……それでもッ!

 

 何とかして、説得を試みているとタイミングよくシャミ子がやってきましたね……大分ボロボロになっているところを見るに原作通りミカン姉貴を訪ねて呪いに見舞われましたね……。

 シャミ子がここに来た理由、それは―――――

 

 

 「私と契約して―――――私の眷属になってください」

 

 

 ―――シャミ子のトンでも発言に睦月君も桃もあんぐりと口を開けてますね。

 

 で、シャミ子が語ったプランによると魔法少女のままだと結界に阻まれて探せないのだから契約して光属性から闇属性に変換させてしまえばいいじゃない!という題して『魔法少女・千代田桃ドキドキ闇落ちプロジェクト』とのこと。……クソダサネームですね(ブーメラン)

 

 それでも、桃は義姉が家族を引き裂いてしまったことに対して引け目を感じており、渋っています。というわけでここで睦月君も一押し行きましょう。

 

>・桃は、一人じゃないよ。みんながいる

 ・俺もいるんだからさ、一緒になんとかしようよ

 

 こ↑こ↓の選択肢で、上を選ぶと桃の好感度が上昇するので桃√をプレイする兄貴は上を選べ、絶対にな(圧)私の場合は、本RTAの冒頭でも述べたようにある程度、友情度と好感度を上げておかないといけないので選択させていただきまスゥゥゥゥゥゥゥゥ……

 

 シャミ子は、これまでの問題を解決するべく同じ目的を持っている桃と一緒に戦ってほしい、だから桃が欲しいとのこと。シャミ桃派兄貴たちの心が癒されていきますよ!

 桃よ、自分の弱さを認めて身も心も闇に落ちろ!……落ちたな(確信)

 

 「……シャミ子と睦月は急にいなくなったりしない?」

 

>・桃を投げ出したりしないよ

 ・……分からない

 

 またもや、選択肢。ここでも上を選びましょう。ちなみに下を選んでも何も変化はございません。

 

 さっきから、選択肢多くなぁい?と思われる兄貴たちのために言及しておきますとここら辺は√の分岐点なので選択肢が多いんじゃないかなぁ?(クソガバ考察)

 

 さて、契約によって桃が弱体化することを見抜かれ、ぶん投げられたごせん像……は今は、放っておきましょう。

 肝心の契約の話なのですがそもそも、魔法少女じゃない君らががまぞく探しをすればいいのだから契約する必要性ある?……なくない?とこの件は保留!終了!閉廷!と言われました。勘のいい桃は嫌いだよ……!

 

 と、2巻の出来事はここまでご視聴ありがとうございました。

 

 

 

 

 「ごせんぞー!どこですかー?」

 

 あのシャミ子のトンでも発言の後、和解できた自分たちは桃がかっ飛ばしてしまったごせんぞを探している。

 

 通常でも恐ろしいまでの腕力を持つ桃だ。その瞬間を見ていたが、遥か彼方とまではいかなかったものの結構な距離まで飛んで行ったのが簡単に分かった。

 

 「どこまで飛ばしたんだよ!?」

 

 「……ごめん……」

 

 現在、二人と共に空き地に足を踏み入れてごせんぞを探している。ただし、ここでも声は聞こえない。

 

 「ポット君、ホントにこの辺なのか?」

 

 『スキャン結果:周辺にエネルギー反応あり』

 

 間違いなくこの辺だと言っている。……が、それらしき影も声も見当たらず――――。ポット君の索敵能力に不安を感じてくる。彼……との付き合いはもう5年にもなる。

 

 

 

 

 ――――ポット君。自分のパートナー。

 

 シャミ子で言う、ご先祖様で――――桃で言うメタ子に相当する存在だ。

 

 体調管理から携帯電話代わりにもなってくれる便利な存在。

 

 さっきもその索敵能力を生かしてごせんぞを探してくれた、頼れる存在。

 

 保護者のようなものでもあるが口うるさいのがたまにキズだ。規則正しく起きろだの、一日に必要な栄養分を調整しろだの、いつも言われてきた。

 

 彼との出会いは――――

 

 

 出会いは――――精神的に参っていた時でもあってあんまり、思い出したくない。とにかく、そういう頃に知り合った。今は、それで十分だ。

 

 「――――ありましたーーー!!睦月君ー!桃ー!ごせんぞがいましたよーー!」

 

 シャミ子の声だ。ごせんぞが見つかったらしく、振り向くとその手にはげんなりした顔のごせん像が握られている。今日で2回もぶん投げられたらそんな顔にもなるだろう。心の中でご愁傷様です、と唱えたあとシャミ子のもとへ駆け寄る。

 

 「変なこと企むからこうなるんですよ、ごせんぞ」

 

 「だって……魔法少女を倒すチャンスだったもん……」

 

 「いや、そういう流れじゃなかっただろ……」

 

 いつでもこういうことを考えているごせんぞは一周回ってすごい。

 

 そんなことを思ったあと、ポット君へ目を向ける。彼は普段どんなことを考えているのだろうか?そもそもロボットである彼が考えることなどあるのだろうか?瞬時に答えを導き出して、パパっと解決策を見出すものが物思いに耽るとは考えにくい。

 その話は、いったん置いておこう。ごせんぞが見つかったのだ。今後のことを話しあうため、また再びどこかでまぞく探しやら桜さん探しやらの会議を行おう。

 

 「……ごせんぞも見つかったし、今後の方針を決めようぜ?」

 

 と、提案する。しかし、桃が――その前にと、付け加え

 

 「私、もう一度シャミ子の家行くね」

 

 あのまま、出て行ってしまった謝罪を清子さんにしておきたいとのことだ。あのままだと歯切れが悪いだろうし、桃にとってもさきにスッキリさせておきたいだろう。

 

 今日は、アパートへ行った後解散ということになった。会議はまた今度。そして、みんなでばんだ荘へ向かっている途中で、ごせんぞがポット君に対し話を切り出してきた。

 

 「ポットよ、お主ならば桜を探し出せるのではないか?」

 

 『質問への回答:魔力パターン不明及びサンプルなし。探索は不可能』

 

 ポット君は探す人物のデータがないと大雑把なことしか分からない。それが魔法少女か一般人かぐらいしかわからない。

 先ほどごせんぞを探し出せたのは、像の構成素材と魔力のパターンをポット君が測っていたからだ。いくら高性能なCPUを積んでいようと知らないものを探すことはできない。

 

 「手がかりなしですね……」

 

 シャミ子がつぶやく。

 

 「こればっかりは地道に探すしかないよなぁ」

 

 ……とても長くかかりそうだ。そんなことを覚悟しながら歩く。

 

 

 ――――今日はどっと疲れた。清子さんから衝撃の事実を聞かされたり、桃を探して町を駆け巡ったりそういうことを考えたら話し合いをまた次の機会にして正解だったと思う。

 

 ……なんとなく桃を見る。今日は彼女に振り回された日といって差し支えないだろう。でも、だからといって恨んでいるとかそういう話じゃなくて――――

 

 「……なに?」

 

 「え?……い、いや何でもない!」

 

 見ていたのがバレた。

 

 「探すのが辛かったら……無理、しなくてもいいよ?」

 

 憂いをふくんだ顔をしながら、桃はそう言う。

 

 「シャミ子と睦月がしわしわまぞくになってまでも探して欲しくないし……」

 

 「「しわしわまぞく!?」」

 

 それは、もしかして老化しても探し続けるハメになるかもしれないってことか?――――そもそもまぞくは老けないが。

 

 ――――確かに、さっきは地道に探すと言いはした。だが、どのぐらいかかるだろうか?1週間?1か月?それとも1年?下手をすればもっとかかる可能性だってある。それこそこの町でおさまるのであればまだいい。もしかしたら、日本全国規模にまで及ぶなんてなったらそれこそ――――

 

 ……嫌なことを考えてしまった。マイナスに考えるとどんどん後でおっくうになってきてしまう。

 

 ――――今は、桜さんを探す。それだけを考えていよう。

 

 「桃!……絶対に桜さんを探して見せるからさ!期待しててくれよ!」

 

 自らの気合を入れるため、桃にそう宣言する。

 

 それを聞いた桃は少し間を開けて――――

 

 「……うん、期待してる」

 

 微笑みながらそう返してくれた。

 

 「わ、私も探しますからね!首を洗って待っていろ!魔法少女よ!」

 

 シャミ子がいつものように桃に対して指をビシッと指し宣戦布告?をする。……指差し良くない。

 

 ――――さて、どこから探していこうかと考えながらばんだ荘への帰路を歩く。正直、まだまだ手がかりも何もないけれどまずは始めてみないことには始まらない。この先の不安と期待を胸に歩いていこう。

 




・シャミ子
 友/9
 愛/2

・ちよもも
 友/8
 愛/1

 次→スパロボ30が発売されたら


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3巻シナリオ
ミカン姉貴ばんだ荘強襲(大嘘)まで




ピーキー過ぎてお前にゃあ無理だよと言われたので初投稿です。


 ついに中盤の入り口ぐらいまで来たRTAの第16部はーじまるよー!

 前回は、シャミ子と桃そして睦月君による桜捜索作戦が発令したところさんでしたね。

 

 ……ここから地獄の3巻のスタートや……。というのもこの3巻の出来事から睦月君の精神状態がさらに追い込まれる事態となり、ストレスゲージの管理が難しくなります。このRTAの難所の一つと言っても過言ではございません。だから難易度をふつうまぞくにする必要があったんですね!(受け継がれる構文)

なので決して走らず急いで歩いてきてそして早く彼を助けましょう。

 

 さて、今回はミカン姉貴が引っ越してくるところからです。ばんだ荘をみてボロの廃墟と言っておりますが立派な俺たちの家なんだよなぁ……。文句があるなら言ってみろ!

 

 ミカン姉貴の荷物をもってあげて、それではミカン姉貴の部屋を見てみましょう。おじゃましま^~

 中は、思ったよりも綺麗ですね。

 

 ここで、先日のミカン姉貴説得の際に起こったシャミ子の服がダメになってしまった経緯を聞くことになりますが睦月君には毒です。頼むから男の子がいる前でそんな話はよしてくれ(タメ口)

 

 話を変えてミカン姉貴が桜さんを探すことに協力的なのは彼女は桜さんの弟子で呪いを軽減させてくれた恩人だからです。そりゃあ協力してくれるよなぁ?

 この流れでさらっと桜さん探しに参加してくれよなー頼むよーと説得します。ミカン姉貴はあ、いいっすよと承諾。やったぜ。

 

 というわけでミカン姉貴、ばんだ荘入り確定です。やったぁ^~!と喜ぶ二人を見ている睦月君。オニユズってなんだよ?と困惑している彼ですがこの二人のはしゃぎに加わるとデザイナーズ壁紙(呪)が出現してしまうのではしゃぎまわらないようにしようね!(1敗)

 ちなみにデザイナーズ壁紙(呪)が出現した場合、睦月君がバグって新宿副都心が壊滅する結果になるのでおちけつ。(聖戦士ヨツンバイン)

 

 コイツいっつも爆発しそうになってんな(呆れ)

 

 ドバーっと祝杯を挙げようと考えているとそこに桃が出現!何が目的だ!シャミ子か!?ミカンか!?

 

 「シャミ子の家のお母さんに菓子折りをもっていこうかと思ってきたんだけど……思いつかなくて……」

 

 なにがいいだろうか?とのことです。そう……(無関心)菓子折りでもなんでもいいんじゃない?(棒読み)と返すとお菓子の箱は四角い=箱型の物はシャミ子父を封印した形状だからキャンセル(迫真)といわれました。お前重いんだよ!

 

 どんだけ引きずっているんですかね?なんて困惑していると今度は清子さんが突撃!くれるならお米券が欲しい!と桃に懇願します。あーもうめちゃくちゃだよ!

 

 さて、桃がここに来た理由ですがミカン姉貴が急に部屋を借りると言い出したことが気になりついてきたらしくばんだ荘でワイワイやっていたところを見て、何やってんだあいつら……私も混ぜてくれよ^~という感じで咥わりたそうに見てきます。

 それをごせんぞが『やーい、お前ボッチー!』(意訳)と煽ったため前回、前々回のようにフライハイ!お前、懲りねぇな?

 

 挙句の果てには桃もここに住むと言い出し、吉田家の両脇に魔法少女が住み着きオセロ状態となったところで今回はここまで。ご視聴ありがとうございました。

 

 

 ♦

 

 

 私がばんだ荘前で睦月君と一緒に軽く掃除をしているとミカンさんがばんだ荘にやってきた。そして、ここに住むと言い出してきたのだ。魔法少女が……私たちの家に……身の危機を感じたもののそれはまあ、置いといて―――――こうして、引っ越してきたのには訳があるらしい。

 

 一人で考える時間が欲しい。

 

 そう言いながら私たち一家が暮らしている部屋の隣の部屋を契約したので今日から住み込むそうだ。

 天敵である魔法少女が隣に……そんな事実に冷汗を流しつつ部屋のドアを開ける。

 

 「先日は、桜さんのことで取り乱してごめんなさい」

 

 「それで――先日服をダメにしちゃったでしょ?だから――」

 

 そういっていくつか服を持ってきてくれたのはいい。でも…………持ってきてくれた服は、全部―――

 

 「か、肩が出ない系のヤツはありますか?」

 

 ちょっと露出が過ぎるのは気のせいではないハズだ。それを隣で見ている睦月君なんか手で目を覆って、「俺のよこしまぞく…………俺のよこしまぞく……」と連呼している。純情すぎる……。

 前にも男女別れてやった体育の授業で水泳を行っていた女子を見ないように炎天下の中猛ダッシュしていたのが記憶に新しい。

 いや、今日はそこじゃなくてミカンさんが来たのだからあのことを言わないと!

 

 「ミカンさん!桜さん探しに協力してくれませんか!?」

 

 「桜さんを?別に、いいわよ。桜さんには恩もあるし……」

 

 恩?と疑問を浮かべるとミカンさんはかつて、自分が桜さんによって自身の呪いが軽減されたことを語ってくれた。そも恩のおかげもあってか桜さん探しを快く協力してくれることになった。

 

 「桃にもちゃんとミカンさんの素直な気持ちを伝えましょう!」

 

 「そうね!相談せずに出てきちゃったけど、ちゃんと話さないと」

 

 「オニユズみたいに凹んでたけど……なんだか元気が出てきたわ!」

 

 「――いや、オニユズってなんだよ?」

 

 そんな睦月君のツッコミをよそに私たちは部屋の内装を二人であれこれ考え始める。

 

 「私、ここに本棚おいてそれから、ここにテレビ置きたいの~♪」

 

 「じゃあ、私はゲーム機もってくるので―――」

 

 「―――みんな、楽しそうだね」

 

 その声は私でも睦月君でもミカンさんでもなく、この場にいる誰の声でもなかった。ふと玄関の方を見ると――――――桃がいた。なんか、重いオーラを身にまとっているのは気のせいだろうか?

 

 「……桃?なんかその空気重いけど……大丈夫か?」

 

 「先日、シャミ子のお母さんがいるにも関わらずいきなり飛び出しちゃったからその菓子折りとか持ってまた挨拶しに行こうと思ったんだけど……」

 

 「お父さんが箱になっているのに箱状の物を渡すのは不謹慎かなって思って」

 

 「考えすぎですよ!」

 

 考えていることが重すぎます!もっと、気楽にしていいから!

 

 「気にしなくてもいいけどいただけるのならお米券ください!」

 

 おかーさんまで出てきた!このアパート壁が薄いのは知っていたけどこう簡単に聞こえるものなの!?

 

 「ミカンが急に部屋を借りるって言ったからびっくりしたけど、元気そうだね」

 

 「ちッ、違ッ!私少し頭を冷やしたかっただけだからッ!」

 

 同じ家に同居人がいなくなった寂しさからか重い空気をミカンさんにぶつける桃。

 

 「おっ?桃よ、寂しいのか?寂しいのかぁ~?」

 

 その桃を見てごぜんぞは煽り始める。やめといた方がいいんじゃ……

 

 「ミカンとシャミ子が急接近してモヤっとしているのか?それとも睦月が気になるのかぁ!?」

 

 ごせんぞ!それ以上はいけない!―――――なんて言う前に、

 

 「いただきましたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 ―――――桃によってごせんぞが窓の外へ飛んで行った。ごせんぞ、最近吹っ飛ばされてばっかり……

 

 吹っ飛んでいったごせんぞを見守っていると、桃が私の方へ向かって言い出した。

 

 「私もここに住む!ここの反対側の部屋って開いているよね?」

 

 「ヴェッ!?」

 

 変な声が出てしまった。え?ここに住むってそれじゃあ、私たち一家の部屋は…………つまり、

 

 

 

 魔法少女に両脇をがっちり固められたってこと!?

 

 

 

 これは―――――非常にマズイことなのでは!?

 

 

 「睦月君!私たち一家とお部屋の交換を―――――」

 

 「……そうしたいのはやまやまなんだけど……ゴメン!無理!」

 

 「なんで!?」

 

 「あの部屋じゃないとできないことがあるからできない!!」

 

 「この裏切りまぞく!!」

 

 睦月君へグルグルパンチを食らわせるものの彼は平気な顔をしている。部屋の交換を拒まれたという事実にぐぬぬ、と歯を食いしばりながら、胸に残る不安な予感を予測する。

 

 魔法少女によってもみくちゃにされ、肝が冷える日々になるであろうことを考えながら―――

 






・シャミ子
 友/9
 愛/2

・ちよもも
 友/8
 愛/1

・ミカン姉貴
 友/2
 愛/0


 次→ゲッター線を十分に浴びたら


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すき焼きを食べよう!まで

you are not alone.


 よっ!肉いね!この野郎!なRTAの第17部はーじまーるよー!

 

 前回は、ミカン姉貴がばんだ荘に引っ越してきたところからですね。

 

 今回は、すき焼き回です!視聴者のみんな~ぁ!すき焼きは好きかな?僕はねぇ……好きだけど食ったらお腹がグルグルしている。ことになるので好きじゃないよ(自語り)

 

 はたして、睦月君は今回レモン汁に浸ったすき焼きを食わされることになるのでしょうか?それでは、ご覧下さい……(KBTIT)

 

 さて、現在は吉田家の部屋にてシャミ子と共にゲームをプレイしているのですがその最中に桃が訪ねてきます。その要件はこの前のお詫びとして、牛肉を持ってきたとのことです。赤い!赤いよ!3倍だぞ!

 

 というのが今回のエピソードの始まりです。さっそく清子さんがダンボールことお父さんBOXでネギを切ろうとしておりますが、それでネギを切ってはいけない(戒め)

 

 ―――シャミ子に続き桃と睦月君もお手伝いをしようとしますがこ↑こ↓で桃に料理をさせないようにしましょう。桃に料理をさせてそれを睦月君が口にすることになったら、当然いろんな意味でゲームオーバーなので注意。

 

 というか、この辺は3巻シナリオの鬼門の一つとなっております……。

 

 さっそく、桃が台所に立って料理を始めたのですが卵を割った瞬間に悪魔召喚をしてしまいましたね……。シャミ子と睦月君のSAN値が下がったので台所から遠ざけよう!ちなみに前、区間走にてこのガバをやらかしてばんだ荘が吹っ飛んだので気を付けよう!(2敗)

 

 ―――ここいらでミカン姉貴が登場します。せっかくのパーティーなんだからみんなで食べた方がおいしいよね!てな感じでワイワイやりたいところさんなのですが、柑橘類に浸ったすき焼きはNG。チクチクとストレスゲージを蝕む厄介な料理です。

 

 そんなすき焼きをみんなは食べたいかな?

 

 ―――――食べたくないよね?答えは聞いてない!*1

 

 なので、ミカン姉貴には良子ちゃんとスーパーに買い物へ行かせましょう。あとは桃のヤバそうな盛り付けを阻止しましょう。―――――盛り付けのためだけに変身する必要ある?

 

 そんなこんなでやったあ^~すき焼きの完成だぜ!いただきまーす!……………………うん!おいしい!野菜ヨシ!豆腐ヨシ!お肉ヨシ!(現場ネコ)ああ^~うめぇなぁ^~

 

 シャミ子なんか宇宙のめくれを垣間見てますね、戻ってこ^~い!

 

 ………ん?何する!?ヤメロ!放せ!流行らせコラ!

 

 今、ミカン姉貴がレモン汁を入れようとしてきましたね。全く困ったもんじゃい!さらに良子ちゃんのお皿にも入れようとしているのでついでですが守ってあげましょう。そういえば、なにげに本RTA2回目の登場となる良子ちゃん。次の出番は……ナオキです……

 

 すき焼きも食べ終わり、少し経った後に睦月君は自動でベランダに移動し始め、これまでのことを振り返り始めます。総集編にはまだ早くなぁい?と外を見て思いふけっているとなにやってんだ^~お前、私たちも混ぜてくれよ^~と言いながらシャミ桃がやってきます。

 

 なんてやり取りしてたらミカン姉貴も参戦!あまった牛肉で作った塩レモン焼きを渡してくれました。しかし、まだこれを食べてはいけません。好感度稼ぎのためですね。この2つをシャミ桃に譲り、次に来たやつをいただきましょう。

 

 ―――うーん、うま(あじ)!コイツぁ旨い!さわやか!見直したぜ!ミカン姉貴!でも、唐揚げにレモンかけたら許さんからな(豹変)

 

 さて、こ↑こ↓の会話イベントでは好感度稼ぎがうまく行っていると一番高いキャラの好感度を上げることができます。だからこのイベントに参加する必要があったんですね。

 

 なんやかんややっているうちにシャミ子がお父さんBOX!にすき焼きをお供えしに行ったときにミカン姉貴がヨシュアが封印されているダンボールに覚えがあるそうです。

 

 なんと、ミカン姉貴の実家でよく見かける流通用の段ボールと一緒だそうです。衝撃の真実が分かったところで今回はここまで。ご視聴ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 すき焼きを食べ過ぎてお腹いっぱいになったのでベランダへ出て空を見上げる。黒い背景から輝く星空がキレイだ。後ろではまだみんながワイワイとすき焼きの鍋を囲っている。

 

 ―――――少し前までは考えられなかった。魔法少女が自分らと親しくなって、ばんだ荘(ここ)に引っ越してきて、こうして一つの鍋を囲むまでになっている。まぞくは、魔法少女と敵対関係だというのにここまで友情を築いているのが不思議な気分だ。

 

 「睦月君、外見てどうしたんですか?」

 

 後ろを振り向くとシャミ子と桃がいた。思った以上に近かったから思わずビクッと体を震わせる。深く考えすぎていたようだ。

 

 「いや、いろいろあったなー……って」

 

 「春にまぞくに覚醒して……桃と出会って、ごせんぞが意識をこっちに出せるようになったりとか陽夏木さんと出会ったり、ヨシュアさんの衝撃の事実とか―――なんか濃厚な数ヶ月で数年分ぐらい経っているような気になってさ」

 

 振り返れば、一気に多くの出来事が起こっている。自分らに角が生えたことを皮切りに魔法少女たちと出会い吉田家の秘密に触れた。

 

 

 

 ―――――起こりすぎている(・・・・・・・・)

 

 

 

 というのはいささか考え過ぎだろうか?そうきっと、偶然だ。偶然、角が生えていろんなことが起こった。そういうことにしておこう。

 

 「――――どうしたの睦月?」

 

 自分は思いつめたような顔だったのだろうか?不安そうな顔でこちらを見てくる桃。

 

 「睦月君、もしかして……まだ……」

 

 前のことを引きずっていると思われているのだろうが、そんなことはない。と、即座に否定する。さすがにもう傷は回復している。―――――人に話したくないのは、今も変わらないが。

 

 「3人とも塩レモン焼きいる?」

 

 声の主は、陽夏木さんだった。その手には牛肉の塩レモン焼きが皿の上にのっていた。さっきから匂う香ばしい香りはこれだったのかと納得しつつ、両手に乗っている皿2つをシャミ子と桃に譲る。

 

 再び、陽夏木さんが戻ってくるとその手にはまた塩レモン焼きがあった。

 

 「――ミカン。その……姉のこと相談しなくてゴメン」

 

 戻ってきた陽夏木さんに対してこれまで黙ってきたことへの謝罪をする桃。

 

 「別にいいわよ、どうせ私の呪いのことで気を使ってたんでしょ?」

 

 片手で髪をかき上げながら、すっぱりと言う。前にちょっとショックだったとは言っていたが、桃なりに彼女のことを考えて言わないようにしていたのだろう。その気遣いが逆に陽夏木さんには、なんだかよそよそしく思えて……

 

 自分にもそれが当てはまるのだと思うとみんなには申し訳なく思う。

 

 ……吉田家を除く魔法少女二人には自分が両親を失ったとか心の傷が癒えていないことを話していない。そういうところが桃と自分が重なる点だ。

 

 ―――――いっそのこと自分もこの胸の内を打ち明けたい。でも、その前に言いたいことはいっぱいある。だからまずは―――――

 

 「……睦月君、やっぱり具合が悪いんじゃ……」

 

 「え!?」

 

 シャミ子の指摘にびっくりして我に返る。

 

 「だって、さっきから黙りっぱなしじゃないですか?」

 

 「いや、そんなことは―――」

 

 「―――あるよ」

 

 桃の冷静なツッコミが突き刺さる。考え過ぎのあまりみんなを不安にさせてしまっていたようだ。

 

 「調子が悪いのなら―――」

 

 「……そうじゃなくて俺、みんなと出会えてよかった」

 

 昔は苦しいこともあった。忘れたいことが今でもある。それでも、こうしてやってこれたのは吉田家はもちろん桃や陽夏木さんや佐田さんに小倉さんがいたからだ。

 

 「俺って、支えられてたんだなーって今になってわかるよ」

 

 シャミ子に清子さん、良子ちゃんとは家族のように付き合いがある。それにいつも小うるさいポット君。彼と彼女らがいたからこそ、自分は父さんや母さんを失っても生きてこられた。

 

 「多分、一人だったらきっと……壊れてたかな?」

 

 高校入学からの友達、佐田さんはいろんな人脈があって、その過程で小倉さんを紹介してくれた。

 小倉さんは目が怪しくて怖いけど、ごせんぞのことで世話になった。

 

 「前と比べると俺って強くなれたよ」

 

 今では、桃や陽夏木さんが抱えていることと自分のことを比較する。不幸自慢とかそういうのではなくて二人も悩んでいることがあって……それを見ていたら自分もそういうのと向き合おうって言う気持ちになれた。

 

 「だからさ……その……」

 

 胸が熱くなる気持ちをごまかすように頭をぐしゃぐしゃ掻きながら言う。

 

 

 「ありがとう」

 

 

 すべてを言い終わったあと、自分は3人の視線が自分に降りかかっていることに気づく。

 

 自分語りに夢中で、まったく気にしていなかったがそれに気が付くとすっごい恥ずかしい。

 

 「……い、以上!終わり!終わり!――――ぼ、俺がもう言うことなし!」

 

 恥ずかしさをごまかすため話にケリをつける。傍から見た自分の顔は真っ赤になっているに違いない。そんな顔見られたくないがゆえに顔をよその方に向ける。

 

 「―――そんな風に考えていたんですね、睦月君」

 

 シャミ子のその言葉に顔を正面に戻す。柔らかな笑みで自分を見ていた。

 

 「睦月君の苦しむところを見ていて、どう声をかけていいのか分からなくって……」

 

 つらいのは自分だけではない。自分を見ていたシャミ子につらい思いをさせてしまっていた。

 

 「でも、今の聞いて安心しました。―――睦月君は強くなれたんだって」

 

 さっき、いろんな人に支えられてきたと言ったが、一番の功労者は間違いなく幼馴染のシャミ子だ。

 

 

 だから、俺は……()は……

 

 

 

 ―――――君のことを好きになった。

 

 

 ―――――君が支えてくれたから僕は強くなれたんだ。

 

 

 

 心の中で独白する。自分が強くあろうとした理由の一つ。シャミ子を……吉田優子を守りたい、守っていきたい。その思いで自分を強くすることができた。

 

 まだ、真正面から『好き』とは言えないけれどもいつかは―――――

 

 

 

 「……睦月君って桃に似てるのね」

 

 陽夏木さんの一声で一気に現実に引き戻される。自分が?桃と?

 

 「そんなに似てる?」

 

 桃の疑問に同意する。だって、自分は筋トレとかはよくするが桃ほどではない。

 

 「だって、筋トレよくやるでしょ?それに自分の身の回りのことを抱え込むし……」

 

 「そういわれると似てますね」

 

 シャミ子まで陽夏木さんの意見に同調し始めた。

 

 「さっきの話、聞いていると―――――」

 

 さっきの話。と言われて、自分で言ってて小恥ずかしくなる話が頭によぎる。これ以上は危険だ……いろんな意味で。

また蒸し返されたらたまったものではないしこの面子と顔を合わせられなくなるぐらいの恥ずかしさが自分を襲うことになる。

 

 「はい!この話はもうおしまい!やめやめ!!シャミ子!ヨシュアパパにすき焼きお供えしなくていいの!?」

 

 わざと大声で話を切り、シャミ子にヨシュアさんへすき焼きのお供えを提案する。この話はもうお開きだ。じゃないとこのばんだ荘にて一生、いじられる!!いそいそと3人を部屋の中に押し込みベランダを後にした。

 

 

 ―――――そのあと、ヨシュアさんを封印した段ボール箱が陽夏木さんの実家の工場のものであると発覚し新たな展開を迎えるのだがそれはまたの機会に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「うーん、結構耐えるねぇ……」

 

 

 

 「ぼくの計画では彼が堕ちてくれないと困るんだけど」

 

 

 

 「まだまだ……手はあるから、これからだね」

 

 

 

 「『かわいそう』をなくすために……」

 

 

 

 

 

 「ぼくは君が欲しいんだ」

 

 

*1
KMNライダーDN-O




・シャミ子
 友/10
 愛/3

・ちよもも
 友/9
 愛/2

・ミカン姉貴
 友/3
 愛/0
 
・良子ちゃん
 友/3
 愛/0

・清子さん
 友/4
 愛/0

 次→カブトボーグを全話見終わったら


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伝説の杖を探すとこまで

EGガンダム(全塗装)してたら遅れたので初投稿です。


 強くなれる理由を知った僕を連れて進むRTAはーじまーるよー!

 

 前回は、すき焼きを食べたあとに睦月君が強くなれた理由を語った回でしたね。でも、まだまだマインドがクラッシュするイベントがあるんですけどね初見さん。

 

 今回は、工場探索イベントから始めとうございます。以前にもこの工場は一回目の特訓回で訪れたことがありますねぇ!

 

 このイベントにはすき焼き回に出ていなかったポット君を連れていく必要があるのですが理由は後程。

 

 こ↑こ↓は、実は元々はミカン姉貴の実家が所有していた工場で、現在は桃の所有物件ということになっております。

 

 しかし、現在工場の門には鍵がかかっているので入ることができません。桃が家から鍵を持ってくるまで待つことにしましょう。その間にミカン姉貴の会話イベントが入ります。

 

 話によるとミカン姉貴がこうなったのは、パパァ^~がやってはいけない儀式に手を出してしまったからのようで、しっかりとした手順を踏んでいなかったからなのか、ミカン姉貴の中(意味深)の悪魔は「一人っ子の私を困らせたものを無制限に破壊する」呪いをかけたそうです。

 

 さらにその使い魔が成長しだし手に負えなくなった頃に千代田桜によって幼い桃、すなわち小桃が派遣されてきたことによって二人は知り合い今に至ります。*1

 

 天使のようなきゃわわだった頃な桃を俺もじっくり観察してぇなぁ……お前どう?

 

 ミカ桃の過去話を続行したい所さんですが、ミカン姉貴が桃が戻って来た桃によって話は遮られたのでここまでです。命の危機感じたんですよね?

 

 会話が終わったところで工場へいざ鎌倉!さーて、ロリなミカン姉貴が引きこもっていたっていう倉庫を観にいきましょうね^~

 

 

 「無いッ!甘くて酸っぱいミカン味の倉庫が……」

 「綺麗さっぱりぶっ壊れてる!!」

 

 

 ……はい。1巻シナリオの特訓回にて廃工場が登場しておりましたが、その回で見た時も木っ端微塵になっておりました。

 

 ミカン姉貴が工場が壊れているのはなんで?(殺意)と尋ねてきますが、桃の話では千代田桜がミカン姉貴の悪魔を抑えるときに壊したらしいと言っておりますが、ミカン姉貴は引っ越すときには無事だったと主張しており、どうも話がかみ合いません。

 

 桜が失踪した後に訪れた時には工場はすでに壊れていたとのことでなんか変よ!(課長)

 

 ここでシャミ子が倉庫の壁だったものが桜の花びら状にくりぬかれていることに気が付きます。

 

 

 「これって……桜さんのサクラメントキャノン!?」

 

 

 えっ、なにそれは……

 

 さて、時系列を整理するとこの工場は2回ほど壊されているようでミカン姉貴を助ける時と桜とヨシュアが共闘した際。

 

つまり、このサクラメントキャノンは桜への手がかりとなるわけなのです!

 

 今回はここまで……の、はずでしたが!(ファンタCM)次話は本話と話が続くので続行します。

 

 本ゲームでもエピソード分けされているのでこの辺はどういうことなの?(レ)という疑問が沸いてきますが、それはそれとして(思考放棄)

 

 魔法少女のコアなるものを探すこととなりました。コアって何?という方々のために説明させていただきますと、魔法少女の肉体は魔力で構成されており、その魔力が散らばると現れるのがコアだそうです。

 

……という説明を2巻のシャミ子特訓シナリオでもしたな(記憶ガバ)

 

 ―――――じゃあ、ポット君を探索モードにして放てッ

 

 ヨシ!(現場ネコ)あとはその辺を適当に探すとかしていれば、勝手にイベントが進みます……が!実は後の調査で判明したのですがポット君を連れて来た意味は、ありませんでした。

 

 

―――――ええ、連れて来た意味はありませんでした(ホモは二度刺す)

 

 

 というのもこのイベントにポット君が必要と思ったのは、単純に勘違いからです。そもそもポット君では、これから見つけることになるアイテムを発見することができず、そのアイテムの地点をなんとスルーするのです!(激ウマギャグ)どうもこの辺りは、シャミ子側のフラグが関わっているためポット君は(関係)ないです。

 

なんだよ、お前のレーダーガバガバじゃねーか!鉄くずがよぉ!ぺっ!

 

 画面を戻すとミカン姉貴から桃の過去話を聞くことができます。彼女曰く昔はもっと笑顔だったとか。

 

見たいー見たいー桃が笑うところみたいー(クソノンケ)

 

それはともかく、シャミ子がフラっといきなり歩き出したら、それは今イベントの重要アイテムを掘り起こすことになりますので、こ↑こ↓で手を貸してあげましょう。間違ってもC‐ガイムで掘り起こすなんてしてはいけない(戒め)バラバラになるからね(0敗)

 

 シャミ子にここ掘れ♂ワンワンワン(迫真)と言われたので掘るとそこにはハートフルピーチモーフィングステッキの先端部を星型に挿げ替えたようなステッキがありました。

 

 この杖の名前は「アロンの杖」。旧約聖書に出てくる海を割った杖です。…………ヤバくね?

 さて、このことを桃とミカン姉貴に伝えに行きましょう!

 

 あったよ!杖が!*2

 

 「なにそのフォーク?」

 

 ―――――アレ?杖は?どこ……ここ?

 

 「二人ともお腹すいてるの?」

 

 ち、違うんです!本当に杖だったんです!信じてください!(一週間の謹慎)と、このように魔法少女組に見せるとなぜか、フォークに変化してしまいます。あぁん?なんで?(レ)

 

フォーク(杖)を発見した後で二人に憐れみの目で見られる睦月&シャミ子ですが、ここでポット君がぬるりと出てきて、この杖を鑑定してくれます。結果、これに魔力が宿っているという判定を出してくれるので、急病人扱いからおさらばです。なんだよポット君ってスゲー奴じゃん!(手のひらF91)

 

 じゃ、目的の物は手に入れたのでこんなしけた場所からはおさらばしましょう。あばよ!

 

ステッキを掘り出したはいいものの使用方法が分からないのでばんだ荘へ帰還した後リリスと清子さんに見せましょう。

 

 「えーっと…………なんとかの杖ですね……」

 

ド忘れしているじゃないか(呆れ)話によると一族の魔力を掛け算式に増幅するものであり棒状の物なら何でも*3なることができるのです!…………じゃあ、フォークは棒なんですかね?(素朴な疑問)ママエアロ

 

フォークに変身した理由は、シャミ子にとってはフォークが強い武器という認識だからです。武器?武器か?武器だな!

 

ちなみに睦月君に持たせても元々持っているモーフィングパワーと競合を起こすため意味がありません。1巻シナリオの最終話でビームソードを出していたのがそれですね。

そもそも睦月君は魔力がカスほどの量しかないので変形させるだけで精一杯なので結局、シャミ子に持たせるのが最適解です。

 

で、さっそくシャミ子は強い武器をイメージしてみたところクソデカフォークに早変わりしたのですが、これが思ったよりも重く(激ウマギャグ)シャミ子の腕力では支えきれなかったようで潰されかかってますね。

 

おっ、大丈夫か?大丈夫か?

 

さて、シャミ子が薄ら笑いを浮かべ始めたところでそろそろこの辺にしておきましょう。

 

…………ん?

 

 

 

 「ま、まぞくの一発芸…………虫歯菌……」

 

 

 

――――――――――ハハァ(渇いた笑い)

 

 

幼馴染の痴態をみたところで今日はここまで。ご視聴ありがとうございました。

 

 

 

 

 ここには以前も来たことがあったがその時と全く変わっていない。荒れ果てた地面と壊れた倉庫の残骸がそのまま残されている。

元々は、陽夏木さんの家が所有するところだったようで彼女はここが見るも無残になっていたことを嘆いていた。

 

 「とにかくコアを探そう」

 

コア。魔力で構成されている魔法少女の肉体の核。

 

 すなわち―――――心臓だ。

 

それがそんな簡単に転がっているものなのか?その疑問を浮かべるもののとにかく動こう。魔法少女に疎い自分があれこれ考えていても仕方がない。

 

桃の案にみんなうなづいて、ポット君のスキャン能力を使用して探し始める。少しでも範囲を広げるため自分でも移動しながらそれっぽいものがないか探してみる。

 

 「コアっていろんな形をしているのよ」

 

 いろんな形をしているらしくそれを見たことがない自分とシャミ子は、どれがそれなのかわからずとにかくそれっぽいものを探すことになった。

 

 「……道に落ちているセミとか軍手に擬態してたらどうしよう」

 「コアは必ず魔法っぽいものになる……ハズ……」

 

……今、ハズって小さく付け足したの聞き逃さなかったぞ。

 

 

 

―――――それから探し始めて10分ぐらい経った頃、しゃがんでいたシャミ子が急に立ち上がりふらり、と動き出した。

そして、あるところにかがんでガレキをどかし始める。

 

 「シャミ子、ここに何かあるのか?」

 「ここです!ここに――――」

 

彼女に続いて、自分もガレキを取っ払う。しばらくするとなにやら棒状のものが見えてきた。

 

 「まさか――――まさか――――これが……?」

 

そんな予感と共に手を必死に動かし続けるとそこには、以前にも見た桃のステッキに似たものがそこにはあった。これってもしかして……

 

 「魔法少女のもの……なんですかね?」

 「分からないけど、二人に見せてみよう」

 

魔法少女二人に集合の掛け声かけた。このステッキが何なのか、それをはっきりさせてもらおうじゃないか!

 

シャミ子が桃の目の前に掘りだした杖を掲げた。

 

 「見てください!これ―――――なんかのステッキです!」

 「フォークだよね?それ」

 「「え?」」

 

シャミ子と声がかぶる。

 

―――――フォーク?え?食事に使うフォーク?そんなわけがない……と言いたかったが、さっき見つけてシャミ子の手に握られているものは

 

 

 ――――――――――フォークだった。

 

 

 「「なんで!?」」

 「二人とも、お腹すいてるの?」

 「いや!確かにさっきまでステッキだったんだって!」

 

 そうだよなぁ!?シャミ子!!と、言葉と視線を送る。

 

 「掘り出した時は、ステッキだったんです!でも気が付いたらフォークで!!」

 

 これはいったいどういうことなのか?自分たちは、幻覚でも見せられていたというのか!?混乱している中、自分たちにかけられた言葉は、

 

 「その……二人とも大丈夫?」

 「今日、暑かったね……」

 

 「その憐みの目をやめんか!貴様らー!」

 「本当にステッキだったんです!信じて下さい!」

 

魔法少女たちからかわいそうなものを見る視線が突き刺さる。その目をやめろ。

 

 『測定結果:微量の魔素を検知』

 

ギャーギャーと弁明をする中で唐突に響き渡る合成音声。それは、探索に加担してくれたポット君の物だった。

 

 「それって本当?」

 『確認量:0.036』

 

桃の質問にポット君は具体的な数値を出してきた。それを聞く限りだと本当に微々たる量のものらしい。

 

新たに判明した事実に関して、とりあえずばんだ荘に帰って清子さんとごせんぞに報告することにした。ごせんぞ、あるいは清子さんなら何か知っているに違いない。期待を胸に一同はばんだ荘に帰ることにした。

 

 

 

 

ところ変わってばんだ荘。現在のの時刻は夜8時を回ったころだ。廃工場にて手に入れたステッキ(フォーク)を清子さんの前に持ってきて、手に入れるまでの経緯を説明すると、清子さんは口を開いてその名前を―――――

 

 「これは……えーっと、そう!なんとかの杖です」

 「清子さん!?」

 「おかーさん!ど忘れですか!?」

 

肝心の名前を忘れていた。

 

しかし、能力については覚えているようで一族の魔力を増幅させ棒状ならなんにでもなれる道具なのだそうだ。使う人物の価値観が関わってくるものらしくシャミ子がフォークに変身させたのならば自分が持ったらどうなるのか?試しに握ってみた。

 

……変化はない。

 

あれ?と思ってもう一度心に思い浮かんだ武器―――――ビームソードをイメージする。

 

……変化はない。

 

なんでだろう?と首を傾げながら今度はまた別の武器を思い浮かべる―――――が結局、変化せず。

 

 「多分、睦月には魔力がないのだろう」

 

ごせんぞはそう結論づけた。納得いくような……納得いかないような……そんなもやもやした気持ちの中、フォーク(杖)は再びシャミ子の手の中に。

 

 「ツヨイブキー!!」

 

と、叫ぶ。すると大きなフォークに変身したのだが、シャミ子の腕力では支えきれずに潰されかかる。こんなデカい武器をシャミ子が振り回せるわけがない。

 

 「強い武器って重い」

 「でしょうね」

 

なんか予想はついていた。のしかかっているフォークを持ち上げながら、思っていたことを口にした。杖をもとのサイズに戻したあと桃から武器の提案があった。

 

 「絶対に弾切れしないロケットランチャーとかできないの?」

 「さっきのバカでかいフォークを持ち上げられない時点でロケットランチャーも絶望的だよ!」

 

桃の案はたとえ現在進行中で鍛えられているシャミ子にもキツイと思う。発射した反動とかで吹っ飛びそうだし……

ツッコミを入れていたら今度は良子ちゃんが本のある見開きを指さしながら、目を輝かせてきた。

 

 「良はこういうのが便利だと思う」

 「良子ちゃんさっきの見てなかった?」

 

その写真にあったのは斬馬刀。刀は結構重いと聞いている。ましてやそんな柄の部分も含めて長い武器を振るえるとは思えない。持つにしたってもうちょっと先じゃないか?

 

 

 

こんな感じの武器案の出し合いの後にシャミ子が一人でぼーっとしているのを目にし、近づいて声をかける。

 

 「シャミ子」

 「睦月君……」

 

聞けば今日、陽夏木さんから桃は昔はもっと笑っていたと聞いたらしい。そういえばそんな話をしていたと思いながらじっとシャミ子の話を聞く。

 

 「私……桃を笑わせたいです。ほ、ほら!桃は私の眷属ですし!だから、これは―――――」

 

 「―――――うん。シャミ子がそうしたいって言うんだったらそうすればいいと思う」

 

あたふたしながら取り繕おうとするシャミ子に対して、自然と出た柔らかな声であと押しする。

 

 「シャミ子のそういう強いところって―――――」

 

口からすらすらと自分の言いたいことが出てくる。こちらの顔を見上げるシャミ子の顔がなんだか赤く見える。

 

 

―――――いっそのことこのまま自分の思いを伝えて……

 

 

 「――――い、以上ッ!俺の言いたいこと終わり!」

 

………危ないところだった。自分はまた何か変なことを口にしそうになったのを寸のところで止めてそそくさとその場を後にする。心臓の音が今でも耳に聞こえるぐらいバクバク鳴り響く。

 

 「何言おうとしてんだ…………俺」

 

少し深呼吸をした後、どうやって桃を笑わせるつもりなのか気になりこっそりと物陰から覗く。

 

 「一発芸!……………………む、虫歯菌

 

そこには、大きなフォークを片手にしている幼馴染の姿があった。

 

 

…………………………………………見なかったことにしよう。

 

*1
ミカ桃派兄貴たちの抜きどころ

*2
でかした!

*3
今何でもって




・シャミ子
 友/11
 愛/3

・ちよもも
 友/9
 愛/2

・ミカン姉貴
 友/3
 愛/0

次→ゲッターロボアークが全話放送し終わったら


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図書館へ行って過去のことを探るまで

シャミ子がお誕生日だったので初投稿です(大遅刻)


そろそろ腕が震えてきつくなってきたRTAの第19部はーじまーるよー!

 

私のコントローラーを握る腕がプルプル(プルツー)振るえて来ましたが私は元気です。

 

前回は、工場を探索してアロンの杖をゲットしたところからでしたね。

 

さて、今回やるべきことは図書館へ行き過去のことを探るという重要な任務です。

 

千代田桜がなぜ失踪したのか?なぜ、ヨシュアは封印されたのクワァ!その答えは……ただ一つゥ!君が世界で初めてバグスターウィルスに(ry

 

んで、この話は原作のどの辺かというとシャミ桃とごせんぞがたま健康ランドへ向かっている途中です。この好感度で温泉なんて行ったら確実に睦月君のストレスゲージが高まって、最低だ俺って……未遂となるのでなるべく避けましょう。この小説(動画)全年齢だからね。仕方ないね♂

 

え?ネットでワイワイやる回は?どうしたって?あの回は、シャミ桃を楽しんで欲しいのですっ飛ばしました。文句ねぇだルルォ!?

 

というわけでレッツラゴー!ナスのおしんこー!

 

 

 図書館に着くまで倍速!(2倍速)

 

 

到着!さっそく本を調べていきたいところさんなのですが!今日は、どうも小倉のやべーやつがいるのでコソコソ隠れながら探索を行うとしましょう。見つかったら、黒魔術研究会に連れ込まれます。(意味深)ということが何回もあったので気を付けましょう(6敗)

 

要はスニーキングミッションッ!!この極限下ッ!!ヤツに見つかったらッ……待つのは…………実験台行きッ!!監禁されて小倉ルート強制突入ッ!!

 

だから、絶対に見つからないようにしろ(畏怖)

 

そんな注意を頭に入れつつ、まずは歴史のコーナーへ足を運びます。今回は、難易度は普通まぞくなので小倉ァ!は特定のルートしか巡回しないのですが、ハードだとランダムな行動をとるため運ゲーです。初見時の私はこんなん運ゲーじゃん!と絶叫しました。(自語り)

 

さっそく、歴史のコーナーへたどり着いたので、目的のマーカーのついた本を調べましょう。さてさてコイツだ(キラン・ジェスワ*1

 

過去の新聞の記事を集めたスクラップブックを適当に読み進めましょう。なお、本を読んでいる間はポット君が見張ってくれているため安心!……でも後にバレるんですけどね初見さん。

 

 

 『エリア51閉鎖!実験中の事故か!?』 

 

 

……全然違うじゃないか(憤慨)次ィ!

というわけで、またこそこそ移動をしながら小倉ァ!の目を避けていきましょ―――――おっぶぇ!!

 

…………今、小倉ァ!が目の前を通り過ぎましたね。こっち見なくて良かった…………ここで見つかったら最初からやり直しとなり、また彼女の視線をかいくぐらないといけなくなるのでロス確定です。

 

―――――さてさてコイツだ、どれどれ?

 

 

 『新マスコット!たまさくらちゃん誕生!』

 

 

うーん、まあ……近づいた…………か?睦月君の反応は関係ない……なくない?と思ったようで次行くぞ次ィ!といそいそと移動し始めました。

 

原作既読兄貴ならば知っているでしょうが実はたまさくらちゃんは関係あります…………が!これは今の段階では多少の手がかり程度です。詳しく説明したいところさんなのですがこれに関しては次回以降になります。

 

―――――じゃあ、最後のスクラップブックはこれだ!

 

 

 『工場にて爆発事故!』

 

 

おー、ええやん!さっそく中身を読んでみましょう!

 

………………………………………ダメでした(小声)

 

確かにミカン姉貴一家有する工場が爆発したとありますが、あんまり詳しいことは書かれておりませんでした。(この町の人間じゃあ)当たり前だよなぁ?半裸状態の女の子が歩いていても話題にも触れられないぐらいやぞ!

 

つまり―――――なんの成果も得られませんでしたぁ!

 

まあ、頑張ったってことで許してください!なんでもはしないので許してください!

 

じゃあ、後は小倉ァ!に出くわさないように帰りましょう。ここで出会ったらロス確定になるのでまだスニーキングミッションは終わらない!

 

 

 

―――――ア!(スタッカート)

 

 

 

あの野郎(小倉)ッ!入口に張り込んでいやがるッ!!やべぇよ……やべぇよ……ドウスッペ……ドウスッペ……

 

――――せや!C‐ガイムに変身して図書館の窓から飛び降りましょう!まずは、窓を開けて……ソロリ……ソロ^~リ^~とね。お次は小声で変身コードを唱えましょう。

 

 >アクセス……(小声)

 

 『変身コードを確認。変身を許可する』

 

ヨシ!これであとは―――――

 

 「あ、睦月君いた」

 

―――――もう遅い!あばよ!実験眼鏡!

 

ちなみにこ↑こ↓で小倉ァ!に捕まるとこれまでの伏線やらに関して触れられますがRTAでは、キャンセルだ。私はね、君と違って忙しいんですよ!

 

このタイミングでポット君内部のアーカイブが一部、解禁されC-ガイムのことについてが触れられます……が、ざっくりしたことを言えば、元はアメリカ側(レスリング帝国)の兵器です。つまり、睦月君は別レOK派だったわけです!やっぱりな♂

 

つまり、ソ連(赤豚ァ!)には魔法少女。アメリカ(白豚ァ!)にはC-ガイムという図のわけです。もしかして……これって……冷戦(レスリング)じゃない!?

構図としては資本主義と共産主義の盛り合いだったってわけなんですね。

 

今回RTAということでスキップしましたが、本来ならば小倉ァ!と出会って、一連の伏線を回収及び触れておくのが正規ルートです。が、別にこのイベントを挟まなくともストーリーは進むので、今回はカットとさせていただきまスゥゥゥゥゥゥ……

 

じゃ、あとはこのまま飛行してばんだ荘に向かうのもいいのですがその前にシャミ桃ごせんぞのもとへ向かいましょう。今回の報告をしないとね!

 

というわけで今回はここまでご視聴ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

いつもの蒼さが嘘のように赤黒く染まった空。

 

崩れ去った建築物は、かつて建物だったとわかるぐらいには、原型をとどめている。

 

頭がぼんやりとする。ふわふわと、自身の実体があやふやなこの感じがまだ抜けきっていない。

 

ようやく目を開いて辺りを見渡すと自分が非日常的なところに足を踏み入れていた事実にハッとなる。

 

どうしてここにいるのかも分からない。

 

とりあえず、足を動かす。歩いて……歩いて……。

 

けれども、どこにも人影どころか生き物の気配さえしない。

―――――そうだ。

 

これは夢だ。誰かの夢の中に入り込んでいるに違いない。

 

自分――――吉田優子は、そう確信した。だが、だとしたらここはいったい誰の夢なのだろうか?

 

そう考えた次の瞬間、ガラリと音を立ててガレキが崩れ始める。

 

ビクリッ、と体を震わせて音の方へ振り向く。

 

ガレキの中から出てきたのは―――――

 

―――――C-ガイムだった。

 

なぁんだ、と胸を撫で下ろす。

 

相手は睦月だ。知っている人物なら話が早い。何か悩みがあるのか?それを聞いてあとは対話して和らげてあげよう、と考えた。

 

しかし、ふと思い当たるのは睦月の夢の中には入ることができない点、それと―――――目の前のC-ガイムは何やら様子がおかしい。形状もこんなに丸っこくなかったはずであるし、体表に黄色なんてなかった。それに目に当たるパーツもこんなに丸かったはずはない―――――。

 

そう考えていた瞬間、またもやガラリ。

 

ガラリ。ガラリ。ガラリ。ガラリ。ガラリ。ガラリ。

 

周囲のガレキが一斉に音を立てて動き出した。

 

なにが起こるのか分からず、後ずさりを始める。

 

ガレキの中から姿を現したものたち(・・)

 

それは―――――

 

 

―――――C-ガイム。

 

 

すべてがそれだった。

 

 『しーガいムじャナいやツガ、イる』

 

誰か発した声。それが、この場にいるC-ガイムの誰かだったことはわかった。

 

本能で理解した。この雰囲気は、危険だ。と

 

だから、駆け出した。わき目もふらず一目散に走りだす。

 

仮に止まったらどんな目に合わされるのだろうか?なんて考える時間なんてない。

 

走れ……走れ!心の中で自分に命令する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――どのぐらい走っただろうか?足が棒になりそうなぐらい走ったことは間違いない。幸い夢の中だからなのか足が疲れたという感覚はない。それでも妙な倦怠感はある。

 

前見たゾンビものの映画のようにあれらは地面から這い出てきた。

 

これが―――――これが睦月君の世界だとでもいうのだろうか?

 

―――――こんな地獄のような光景が彼の心情世界?

 

そんなわけがない。素直にそう言いたかった。だって、この前は向き合おうとした決意をみんなの目の前で話してくれた。

 

そんな彼を自分は信じたいと思った。

 

―――――なのに

 

―――――この世界はなんなのだろうか?

 

人間が……そのほかの動物―――生き物がいない。というよりも、世界そのものが死んでしまっているような感覚だ。

 

 

睦月君は―――こんな世界を望んでいる?

 

 

そんなわけないと考えを振り切って前へと進もうとした時、ものすごい轟音が、鳴り響く。

 

音の方へ振り向くと、光と光がぶつかり合っているのが分かった。光は、一つになり……再び離れ再び相対し始める。

 

視力の悪い自分が目を凝らしてよく見てみると光は急に見覚えのある姿をとり始める。

 

 

 

―――――桃と

 

―――――C-ガイム――いや、甲斐 睦月。

 

 

 

あの二人がどうして戦っているのか?信じられない光景だった。自分を鍛える同盟を結んだり、時に食事をする仲の彼らがなぜ刃を向け合っているのか?

 

よく見ると睦月の方は、左腕の肘から先を欠いている。それは相当なダメージであろうハズ……なのに痛がる素振りすら見せない。

 

 「魔王……ガイム……」

 

桃が息を切らしながら、目の前の黒い魔王を睨みつける。

 

それに対して敵意の視線を浴びても何も言わない睦月。

 

二人の無言のにらみ合いは、しばらく続き―――――

 

 

 

 

 

 

 

 《―――魔族の娘よ》

 

 

 

 

 

 

唐突に響いた声。

 

どこから、と辺りを見渡すもその重厚な声の主らしきものはいない。

 

 

 《なぜここにいる?》

 

 

謎の声の問いかけに困惑する。ごせんぞのような高い声ではない。かと言って知り合いにこんな声の人間はいない。

 

 

 《ここは、お前が来るべき世界ではない》

 

 

―――――来るべき世界ではない(・・・・・・・・・・)

それはいったいどういう意味なのか――――と問いかけようとしたものの―――――

 

 

 《帰れ!》

 

 

その一声で、すさまじい突風と大地の揺れが起こる。その二つの災害の強さのあまり立っていることができず、その場に片膝をついてしゃがみ込む。

 

ぐらぐらと揺れる大地は大きな地割れを呼び起こしてやがて、その地割れは自分を飲み込まんとして、足元までやってくる。

 

 

 《――――帰れ!!》

 

 

その怒声にも似た声と共に地割れは大きくなっていき、それから逃れようとするも、なすすべもなく体は地割れの中に吸い込まれていく。

 

落下する感覚に包まれ奈落の底へ落ちていく時、最後に見たのは―――――

 

 

 

 

 

 

 

ビルを越すぐらいの巨体と化した黒い鎧(C-ガイム)に立ち向かっていく桃の姿だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目を覚ますと、時刻はおおよそ深夜の午前1時を過ぎた頃。周囲を見渡すが別に変化はない。夏に入ってからのいつもの虫の音が外から聴こえてくるだけ。

 

ヘンな夢を見た気がする。うっすらとしか覚えていないが幼馴染と自身の眷属(仮)が戦うとか、そんなような……

 

詳しい内容はともかくカオスめいた夢だったことはなんとなく覚えている。夢魔になるとこうもヘンな夢を見ることになるなんて、想像もしていなかった。

 

今日は、ごせんぞに体を貸しっぱなしだったから体がちょっと痛い。夏休みも始まったばかりだというのに不養生で遊べなくなったら損だ。

 

大きくあくびを一つしたあとで再び布団の上で横になる。眠気がまだ抜けきっていないうちにさっさと寝てしまおう。そう思いながら寝冷えしないように毛布で体をくるみ、瞼を閉じて再び眠りにつく。

 

明日もいい日であるように願いながら。

 

*1
『旅するシェフの仰天レシピ』見とけよ見とけよ^~




・シャミ子
 友/11
 愛/3

・小倉ァ!
 友/3
 愛/0

 次→3つの心をひとつにしたら


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喫茶店あすら突撃まで




 普段はシャイな少年。しかし、シャミ子に危機が迫ると知ったら辺り一面を焦土に変えちゃう戦略兵器へと大変身!!なので初投稿です。





ついに20回目を迎えたRTAは―じまーるよー!

 

いやー、ついに20回目まで来ましたよ。長かったですねぇ……

 

前回は、図書館で小倉ァ!の妨害を受けつつ図書館で過去の手がかりを探ったところからですね。(小倉ァは)もう十分だ……もう十分だろう……

 

今回は、シャミ子がバイトを始めたとの報告を聞いたところからですね。あと、シャミ子の様子がなんか変よ!とプチ違和感を感じ始め、どうしてこうなった?と探りを入れ始めるとこからです。

 

なんでこんなことになったのか?というと、桃からまぞくを探そうと提案され、シャミ子は町に潜むまぞくを見つけ出すこととなったわけです。

 

本当ならシャミ子と共に町に出て喫茶店―――『あすら』へ向かってもよかったのですが、同行すると睦月君がほぼ確定でやべーことになるので前半は向かわない方が吉です。じゃあ、その時何をしていたのかというと、別口で調査をしていました。しかし、またもや結果は得られず。

 

しかたないんや!睦月君は下手に動いたら自爆確定なんや!マインスイーパーなんや!

 

とまあ、そんな繊細爆弾を今日も操作していきます。(冷静)肝心のシャミ子がいつもよりおバカとなっているのは、ある人物のせいなのですがそこは後述。そのせいで桃との約束であるまぞくを探し出して桜さんのことについて聞き出す。ということを……していないッ!!

 

 「二日目までならシャミ子ならギリありえる」

 

と、桃が言うと睦月君が「してた約束を一日丸々忘れていた時があった」と反論したためシャミ子のすっぽかし記録は更新されました。よかったね!(良くない)

 

リリスさんの言うことには、出先でなにか盛られているのでは?という結論に至り、桃号令の下『シャミ子の就職断固阻止作戦』が発令されました。……その名前はどうなのだよ?

 

ちなみに睦月君は、最初は流石に……みたいな反応でしたが今は、結構乗り気です。理由は当然、シャミ子のことですね。もしかしたらバイト先であらぬことをされていたらと思うといてもたってもいられないのでしょう。反応弾を撃ち込むぐらいには心が煮えたぎっております。

 

……ついでにストレスゲージも煮えたぎっております……(畏怖)

 

ここで向かうのは、桜ヶ丘公園。桜の木がいいですね!……ってそんなことはどうでもいい!ここに来た理由は結界を狙撃するためです。魔法少女は結界に干渉できない、ならばリリスさん(人形)を撃ちだして結界を書き換えてしまおうという算段です。

 

C-ガイムじゃダメなの?とお思いの方々に言わせていただきますと、別に睦月君でも構いません。むしろ短縮になるのですが、厄介なことにこの結界に触れると睦月君が例によって暴走するので(一敗)、リリスさん射出での結界書き換えが最適解というわけなんですね。

 

 >流石にごせんぞを撃ちだしちゃうのは……

 

これには睦月君が難色を出し始めました。おっ、どうした?いきなり優しくなっちゃってぇ……

 

 >それでもし失敗して小倉さんからまた材料をもらってくるのは……

 

あっ、ふーん……対価が怖いんですね……納得。でも、10体も残機があるんだからこれで安心!

 

さて、このままミカン姉貴にリリスさんを撃ちだしてもらいましょう。いけぇ!なんばパークス!(レ)

 

 

……着弾結果観測中……………………………………………………………………………………

 

あれ?あすらはどこだ?どこ?

 

あっ、成功してました!一発成功とは運がいいですねぇ!

 

一瞬見失っていたけど黙っていればバレへんやろ……

 

さて、結界の書き換えをしてもらったことでC-ガイムに変身してあすらへ殴り込みと行きましょう。桃をお姫様抱っこ……は、睦月君が恥ずかしいらしいので手をつないで一直線に飛行しましょう。あっ、そうだ。リリスさんを忘れるな(戒め)

 

開けろ!多魔市警だ!(クソデカボイス)

 

シャミ子はどこd―――――

 

なんだ!?このおっさん(バク)!?

 

と、勢いよく迫りますが睦月君をみた瞬間、店長(二足歩行のバク)は知り合いと勘違いしているようで、絡まれて動くことができません。流行らせコラ!

 

ここで頭部パーツを外していると絡まれイベントがスキップできるに気が付いたのは編集中でした。(ガバ)

 

この間に桃にシャミ子を探してもら―――――うほどの時間もなかったようです。さっそく発見したはいいんですがぼけーっとなっております。

 

こうなった理由は、店員のリコ(フェネック)くぅんの作った料理の影響です。食べた者は日々の疲れ&プレッシャーから解放されるストレス緩和剤なのです。……じゃあ、この料理を睦月君に食べさせれば、ストレス管理ができるってことですかね?

 

……が!この料理!多く食べ過ぎると頭がすっからかんになるほど強力!シャミ子はそんな料理をたくさん食べていたのでふにゃふにゃまぞくになるのも無理はない!

 

こんなことになって本当に申し訳ない*1。と店長の土下座を目撃。俺、バクの土下座なんて初めて見たよ……

 

桜さんのことを尋ねたいところさんですが今は、シャミ子が心配なので彼女を背負って帰りましょう。

 

―――――背中に柔らかな感触があるでしょうが耐えろ。

 

さて、今回はここまで。ご視聴ありがとうございました。

 

 

 

 

シャミ子の様子がおかしい。そう思ったのは、周辺の調査のためいろんなところを回っていた時だった。あんまり、いい成果とは言えない情報を持ち帰ってきた際、シャミ子がなんだかぽわぽわしたオーラに包まれているというか……なんというか……。

 

桃から聞いた話だと、ある喫茶店から帰ってきたところから変になったとのことでその喫茶店を調べてみようということになった。

さらには、桜さんのことを聞き出すということをやっていないときたものだから一層不安が増した。

 

 「二日目までならシャミ子ならギリありえる」

 「……前、してた約束を丸一日すっぽかされていたことがあったから、記録更新だな……」

 「睦月君?目が遠いよ?」

 

昔の苦い思い出を思い出していたが、頭を切り替えてシャミ子のそのバイト先の結界を書き換えるべくみんなと共に桜ヶ丘公園へ向かった。

 

 「……なんか、この方法は強引すぎないか?結界はまぞくにとって重要なものだって言うのにさ」

 

今回のは、ちょっと強行策なんじゃないかと桃に苦言を呈する。身を守る手段をいじるのはまぞくにとっては結構な不安要素なんじゃないだろうか?

 

 「じゃあ、睦月はシャミ子がバイト先であ~んなことやこ~んなことをされていたらどうするの?」

 

……あ~んなこと、こ~んなこと?といわれて思い浮かべるのは、シャミ子の……――――シャミ子の……――――

 

頭をぐしゃぐしゃ掻きまわして思い浮かんだ光景を振り払う。

 

―――――ならば断固として阻止しなければならない!!

 

 「ポット君。反応弾の使用許可―――――」

 『却下』

 「じゃあ、ホーミングレーザー!!」

 『却下』

 「店の1つや2つぐらい吹っ飛ばしたっていいだろォ!!」

 「どれもヤバめだからダメでしょ」

 

冷静じゃなくなった頭で考えた武装はほとんど却下され結果、当初の予定通り陽夏木さんによる結界狙撃を決行することになった。その作戦の内容は小倉さん製のよりしろごせんぞを陽夏木さんの矢に乗っけて撃ち出し結界を書き換えてもらうという算段だ。

 

 「ちょっと待て!余は今から撃ち出されるということか!?」

 「そういうことですね」

 「桃、さすがにごせんぞを打ち出ちゃうのは……」

 

今のごせんぞは、かわいい人形のよりしろに入っている。そのよりしろの材料を貰う……と、言うことは―――――小倉さんへの交渉のため……自分にあのヤバめの部室へ行って……

そう、思いながら震えていると

 

 「大丈夫だよ、よりしろは沢山あるから」

 

バッグに詰め込まれたごせんぞ人形が出番はまだかと言わんばかりに姿を覗かせている。

 

 「10体は、あるよ」

 「じゃあ、安心だな!」

 「余の心配は!?」

 

ごせんぞの叫びをよそにフォーメーションは、決まった。陽夏木さんが狙撃手で、自分は観測手に。

 

ポット君の観測モードを起動させる。目標は、喫茶店あすら玄関口ちょっと右の結界。あれ目掛けて撃つとなると結構な難易度となるだろう。

まずは、ためし撃ちで一発撃ってもらって狙撃の射程距離と精度をつかむ。ポット君のコンピューターがそのデータを元に誤差を修正し、いよいよ本撃ちへと入る。

 

舞台は、整えた。しかし、1km先の的に当たるかどうかは、陽夏木さんの腕にかかっている。彼女を信じるしかない。

 

 

―――――彼女が撃つ。ごせんぞを乗せた光をまとった矢を。

 

 

すかさず、ポット君を介してあすらの玄関へ目を向けると書き換えステッキを手にしたごせんぞが結界に手を伸ばしこすりつけている。

 

それもほんの数秒―――――こちらを向いて手をふりはじめた。

 

成功したらしい。しかも、一発で。

 

その事を二人に伝えると前もっての作戦通り、陽夏木さんはここで待機。自分と桃は、あすらへ直接乗り込む。

桃の手を引いてC-ガイムへと変身したあと、ふわりと宙へ体を預ける。直線距離で、最短で、一直線に。

 

さあ、シャミ子をあんなふにゃふにゃにしてしまった奴らの面を拝んでやろうじゃないか……

 

マスクの下で邪悪な笑みを浮かべながら、突き進む。

 

 

ごせんぞを拾い上げたあと、喫茶店のドアを力強く思いっきり開ける。と、同時に

 

 

 「開けろ!吉田優子は、どこだ!!」

 

 

店内を揺るがさんばかりの大声で、シャミ子を探す。ケモミミが生えた店員がキョトンとした顔でこちらを見つめるがそんなことはどうだっていい。シャミ子はどこに―――――

 

―――――が、目にとまったのは……人ではない何か。

 

 「……あれ……なに?」

 『哺乳類、奇蹄目、有角亜目、バク科―――――体毛の色からマレーバクと推測される』

 

自分の疑問にポット君が答えてくれた。

 

 

バク。

 

 

―――――バク―――――バクゥ!?

 

 

なんで!?しかも、人類のように二足の足で立っている!!魔法少女とか喋る猫とか動く人形とか見て来たけど二本足で歩くバクは、予想できなかった。

 

 「き、君は……?」

 

バクが話しかけてくる。バクはビックリした表情でこちらを見てくるが……

 

 「よかった!!無事だったんだね!!」

 

こちらに近寄って足にしがみついてくる。

 

 「前に会ったのは5年ぐらい前だっけ?」

 

バクは、こちらのことを知っているようだが5年前にこんなバクと会ったことなんて記憶にない。誰かと間違えていないだろうか?

 

 「あの―――」

 

素直に人違いだ。あなたが探している人物ではないと言って―――

 

 

 

 

 

 「心配したよ!――――――――――■■くん!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――――――――――――よう!白澤店長!今日も来たぜ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――今のはいったいなんだ?

 

頭に浮かんだのは知らない人の声。その声の主がここに訪れて……でも、なんだか聞いたことがあるような声の気がする。

 

 

 「……おーい、聞こえているかい?」

 

 

――――ってそうだ。今は、そんなことを考えるよりもこの人……いや、バクに人違いであることを知らせるためには……

 

 「――自分はあなたが探している人物ではありません」

 「その証拠に―――」

 

C-ガイムの頭部アーマーを外す。

バク―――いや、店長はショックを受けたような顔をした後、一瞬悲しそうな眼をしてから自分に向き直ると、

 

 「ご、ごめんなさい!!まさか……君が……彼とは違う人だったなんて……」

 「わかっていただけたようなら何よりで。ところで……シャミ―――吉田優子さんはどちらに―――――」

 「シャミ子ならここだよ」

 

さっきとはうって変わった態度で丁寧に尋ねようとしたが、その心配はなかった。桃がシャミ子を伴って表れた。シャミ子はまだ、目が怪しい感じだ。

 

シャミ子に何をしたのか?と店長に尋ねるとケモミミ店員の彼女―――リコがつくる料理は心をいやす料理だとのことだ。しかし、もったいない精神のシャミ子は破棄寸前の料理を持ち帰り食していたのが原因でこのような状態になっているとのことだ。

彼女によれば、一日普通の食事をとり普通に生活すれば落ち着くとのことらしい。

 

このことは店長も知らなかったことですっごい速さで土下座をしてきた。

 

 「このたびは本当に申し訳ありませんでした!!」

 「……いえ、こっちもいきなり押しかけて入ってきてしまったわけですし」

 

お互いに謝りあったところで千代田 桜について聞きたかったがこのことはまた今度ということになった。

 

 「また、改めてお伺いします。白澤(・・)店長」

 

シャミ子を背負いつつ桃と共に喫茶店あすらを後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

嵐のようなひと時が終わったあと、店員リコと散らばったガラス片をかたずける白澤だけとなったが、彼ではない男の子の去り際の言葉をハッとなって思い出した。

 

 「あれ?僕、名前名乗ったっけ?」

 

 

 

 

 

 

 

 シャミ子を背負い歩く。自分の隣には桃がいる。でも、会話はない。陽夏木さんに撤収の電話をしただけで、自分には話しかけてこない。

 

店長に言われた一言でシャミ子に負担をかけさせてしまっているのではないか?とでも考えているのだろうか?うつむいたまま彼女は歩き続けている。

 

 「私……シャミ子にプレッシャー与えていたんだ……」

 

やっと、口を開いたと思うと飛び出した言葉は自責だった。

 

 「こんな―――こんなふにゃふにゃになるってことはさ……やっぱり、私―――」

 

 「桃は悪くない」

 

桜を探そうと言ったのは、自分らからだ。それに納得したのならば、プレッシャーだろうと何だろうとかかってくるのは覚悟の上だ。

それに意図してかけたわけではない。いずれにせよ困難はやってくるものだ。

 

 「でも―――――」

 

 「―――――桃のおバカ」

 

 「え?」

 

 「一人で抱え込むなこのおバカ」

 

顔は進行方向を向いたまま速足で歩きつつ桃をいつかシャミ子に言った言葉でちょい罵倒した。

 

 「前にもシャミ子に言われただろ、一人での戦いは諦めたらどうだって?」

 「だっていうのに、桃はまだ一人で戦おうとしている」

 

一人で戦う、ということは一見すると立派かもしれない。だが、それは一人孤独な道を突き進むということだ。

 

自分が好きな特撮ならばカッコよく見える。でも、これは今目の前で起こっている出来事なんだ。

そんな生き方をし続けたらきっと……きっとどこかで壊れる。危ない道を桃はつき突き進んでいるのだ。

 

クルリ、と体を180度回転させて桃に向き直る。

 

 「だから――――シャミ子も桃も陽夏木さんもみんなが頑張れなくなったら代わりに俺が頑張るよ!!」

 

 「代わりに……俺が頑張れなくなったら」

 

 

 「―――桃とシャミ子と陽夏木さんで頑張って」

 

 

―――――桃はひとりじゃないから。

 

 

つらくなったら、誰かに頼っていい。

 

俺も、昔はそうした。おとうさんもおかあさんもいなくなってしまったときには、シャミ子と清子さんが慰めてくれた。

 

 「……ふ……ぇ?」

 

その話に出てきた言葉に反応してか、もぞもぞと背中でシャミ子が動いているのが分かる。興奮気味に話していたからか起こしてしまったようだ。

 

 「がんば……がんばる……私の頑張らないといけない……使命……」

 

 「そうです!私の使命は……桃を笑顔にすること!!」

 

 「―――!?」

 

 「ほら、シャミ子もこう言っているんだしさ」

 

 「ち、違う!!ぜんっぜん違う!!」

 

そう言ったあと、シャミ子は再び寝てしまった。

 

 「シャミ子はさ、桃に笑って欲しいんだよ」

 

 「なんでっ……?私の……笑顔っ!?」

 

いつも無表情な顔がシャミ子にとっては、息苦しく生きて来たからなんじゃないか、だから笑って少しでもその苦しさから解放してあげたいってことなんじゃないだろうか?

 

 「それが、見返りになるんじゃないか?」

 

 「……そうかな?」

 

 「そうだよ」

 

桃は、恥ずかしいからなのかこっちを向かず再び俯いてしまった。再び会話は起こらなかったけれど、足取りは軽く。また、明日から情報収集を頑張ろう。

 

そんな気分になった帰り道のことだった。

*1
メタルマン




・シャミ子
 友/11
 愛/3

・ちよもも
 友/10
 愛/2

・ミカン姉貴
 友/3
 愛/0

・ごせんぞ
 友/3
 愛/0

次→頼む!もう少しだけ待ってくれ!11/25


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桜の居場所がわかるまで



 ガンプラの旧キット組んでたりスパロボ30やってたり、いろいろ忙しかったので初投稿です。ゴメンね。




原作者いずも先生の体調が気になるRTAの第21回目は―じまーるよー!!ホント……お体をお大事にしてください……

 

 

前回は、喫茶店あすらに突撃してシャミ子を救出したところからでしたね。

 

今回は、シャミ子が前回のイベントのせいで不調になっているところからスタートです。

じゃあ、睦月君をさっさと操作して今回のイベントを進めたいところさんなのですが、睦月君も調子が悪いです。

 

今、ステータス画面に表示されている状態異常は混乱。この状態になっていると主人公の操作性が極端に悪くなります。キャラクターモデルも目が虚ろなものへと変貌している上、挙動がガクガクなり、動きが鈍くなるというもので―――――

 

・>俺の前世はミュータントだった……あの頃は楽しかった……

 

おまけにこのような変な言葉を言い続けるため、そのたびにメッセージボックスが出現し非常にプレイしている側のストレスゲージがたまっていきます。(灼熱の怒り)

 

幸いにしてストレスゲージはまだ大丈夫なレベルなのですが正直、操作しにくいです。なので、ポット君を利用して吉田一家に報告しましょう。

 

 「睦月?」

 

ちょうどいいところに桃が通りかかりますがこの時の睦月君はまともに返事ができません。

 

・>タma……たまbロっsaム……iず……サクラ!!

 

・>不明な効果です。×36:k0000

 

キメてんだろ?……くれよ……

 

とまあ、こんな風に通常の会話もままならないというイベントで初見時に私はビビりました。バグったのかと思って一回ゲームを終了させるぐらい怖かったです、ええ(トラウマ)

 

そこへ、ポット君が清子さんを伴って登場。いったん吉田一家の部屋へ睦月君を運び込むこととなりました。じゃあ、もんも!頑張って睦月君を運んでくれよ!(他力本願)

 

こうしてマネキン人形みたいに脇に抱えられて吉田家に運ばれた睦月君ですが、どうにもこうにもやっても反応が悪いです。なので、納棺寸前の遺体みたいに寝かせましょう。余談なのですがこのあとの情報整理イベの最中でも睦月君のうわ言が聴こえてきて、みんなのSAN値を下げていきます。神話生物か何か?

 

そこへ先日のシャミ子のことで謝りに来た喫茶あすらの店長とリコくぅんが吉田家に来訪しました。

で、謝罪のついでになんと千代田桜とは知り合いだったようで快く情報を提供してくれました。ありがとナス!

 

で、分かった情報を良子ちゃんがご丁寧にまとめてくれました。

 

 

 

・魔法少女のコアは、動物の姿のものもある

 

・たまさくらちゃんを考案したのはマスター

 

・たまさくらちゃんのモデルになった猫と病弱時代だったシャミ子は会っている

 

 

 

と、以上が今回手に入った情報です。それらをまとめた結果、おそらくその猫は桜のコアなのではないか?との結論が導き出されました。その根拠として、そのモデルとなった猫の周囲には、冬だと言うのに桜の花びら……妙だな?

 

そこへまるで迫真!相撲部の先輩たちのごとく引き戸を勢いよく開けて睦月君が乱入してきました。スマブラでもするのかな?

 

・>桜を探すぞ

 

どうもさっきの会話は、丸々彼の耳に入っていたようで聞きつけた彼は一気にStand up!(ネイティブ)

―――――混乱状態が嘘みたいにイキイキしてますね……おちけつ。焦る睦月君を桃が制してなんとか押し留めます。ホモはせっかち。

 

ちなみにここまでの一連の動きで私は一切コントローラーを触っておりません。

これって……もしかして……暴走してる!?

 

はい、そうなんです。睦月君は暴走状態になるとプレイヤーの手を離れ一時的にNPC化します。なので、操作しなくてもいい―――――(なんてことは)ないです。代わりに睦月君への友好度及び好感度を合計して一番高い人物を操作することになります。この場合は、シャミ子ですね。

 

まま、そう焦んないでと周囲の必死の説得のおかげでとどまってくれました。

 

 

 

で、今回は本来ならば、こ↑こ↓で終わる予定なのですが尺の都合(字数不足)で続行します。

 

 

 

さて、睦月君がNPC化した翌日。もんものお部屋にいつもの面子が集まっております。

 

ここでミカン姉貴にレモン食べさせられて(><)みたいな顔になってるシャミ子かわいい……かわいくない?……ってそんなことはどうでもいい!!(良くない)

 

今日やるべきことは、シャミ子の深層心理を探ることです。具体的になにをやるのかというと、シャミ子の奥深くにシャミ子が入ります。自分で自分に入っていくのか……(困惑)

 

というのも、清子さん曰く床に臥せていたシャミ子がたまさくらちゃんのモデルとなった猫と話したと語っていたらしいです。

しかし、それは10年前の話でありそんな昔の話を覚えているわけもなく。よって、シャミ子の深層心理に入っていって記憶をサルベージしようとなりました。

 

さあ、そこへ横になって四章のレシートリザードみたいに昏睡するんだよぉ!!

 

―――てなわけでやって参りました。シャミ子の深層意識世界の病院へ……そこにうろつく点滴のがうじゃうじゃおりますねぇ!こいつらはシャミ子では倒せません。なので原作通りダンボール箱をかぶりながら進んでいきましょう。

 

――――――――――倍速!

 

スニーキングしつつ進んでいくと、ごせんぞではない声が聞こえてきました。なんだ!?このメレンゲの気持ち!?

 

その声に従って、ズルイ武器を顕現させましょう。あとは、群がってきた注射器どもを一掃するだけです。

 

あっさりと敵を一掃したあとは、このメレンゲもどきの正体が発覚します。その正体はなんと、千代田桜でした!!ビックリですねー(棒)

 

彼女がなぜ、シャミ子の中にいるのか?その理由は、10年前のシャミ子は良子ちゃんの分の呪いまで背負っていたために身も心もボドボドだったのです。

 

当然、一つの身体に二人分もの呪いがかかっているのであれば幼い身体が耐えられるわけもなく結果として病弱となっていたのです。そのシャミ子を見かねて桜は自身のコアをシャミ子と融合させて補強したというのが真相です。

 

こうして今、話していられるのは魔力のへそくりがたまったからであってシャミ子に十分な実力がついていない現在ではまだシャミ子から分離することはできません。

 

このまま帰っても桜と一緒じゃなきゃ桃を笑顔にできないと思ったシャミ子ですが一体化していた桜は姉よりも町よりも自分よりも大切なものができたのだから笑顔なんてすぐに見れるとのことです。

 

町を頼んだと言い残した後、桜は消えていきました。

 

 

 

さて、もうここに用はねぇ!さっさとおさらばしましょう。さくっと出たいところさん……なのですが、行く手にはあの注射器、点滴軍団が大勢待ち構えており絶対絶命のピンチです。ライダー助けて!!

 

 

 

・>―――――シャミ子ッ!!

 

 

 「迎えに来たよ、シャミ子!」

 

 

 

ま、助けに来るのはライダーじゃないんですけどね初見さん。ここで、睦月君と桃が救援に駆けつけてくれました。いい(シチュエーション)ゾ^~これ

 

闇落ちした桃がここにて初登場。しかも、お腹周りとか……セクシー……ヘロイン!

で、睦月君の方は混乱から回復したのかシャキっとした感じに仕上がっております。いい恰好だぜぇ^~

 

あっ、そうだ(唐突)このイベント終了後にC-ガイムが強化されます。具体的には、活動限界が5分に延長されるぐらいです。これで5分のカップラーメンも安心だな!

 

あとは、マントが追加されます。桃も闇落ちした時にマントが追加されるのでマント祭りじゃん。

 

こんなことはどうでもいい!!I will 撤収!

 

 

 

 

 

―――アレ?……クォクォア?シャミ子が目を覚ますとそこは小倉ァ!のラボ、黒魔術研究部の部室でした。どうやらダイブ中に連れてこられていたようで、起きたてのシャミ子の顔をペストマスク医師がこちらを覗き込んでいました。コワイ!

 

で、肝心なのはここから。もんもが夢の中に来れた理由として小倉ァ!製のお薬を飲んだからです。それを服用し闇落ちしたはいいのですがこのままでは桃のコアは闇に染まってしまうので光側に引き戻さないといけないのです。

 

方法としてはミカン姉貴のクロスボウで桃を撃ち抜きます。やり方雑ゥ!

 

結果、成功したのですがミカン姉貴の動揺は大きく代償として黒魔術研究部部室が倒壊しました。やったね!睦月君!これで付け狙われなくなるよ!

 

 

その翌日、シャミ子は桃に桜のコアが自分の魂を支えているということを伝え、町を守って欲しい頼まれたことを話しました。

 

超強いまぞくになったらコアは取り出せる。しかし、それは何時のことになるのか?強くなるまでいつまでかかるのか?不安はたくさんあります。

 

桃は町を守るという桜のお願いのためにシャミ子にも強くなってはどうだ?と提案します。

 

桜の居場所が分かったということは、すでにこの町にいる理由ほぼなくなった、ということです。しかし……

 

彼女―――桃にとっての大切な場所。それは、シャミ子が笑顔になれるこの街角を全力で守ることが―――――自分の新しい目標となる気がする。

 

そう桃は語りました。

 

 

 

 

 

 

 

――――――はい、ここでエンドロールです。お疲れ様でした。途中から主人公が原作主人公に交代してしまうという主人公にあるまじきことがありましたがこれにてまちカドまぞくのRTAは終わり……じゃなぁい!!

 

 

これ、二部が終わっただけなんですよね。睦月シナリオだとこのようにエンディングが現段階では3回ほど流れます。そもそも原作者の構想の中では3巻で終わる予定だったとのことなのである意味それ通りになったということです。

 

キリがいいので今回はここまで。ご視聴ありがとうございました。

 

 

 

 

―――――睦月の様子がおかしい。

 

その出来事が起こったのは昨日の出来事だった。その日の朝なにやら睦月が外に出てボーっとしているのを見かけたのが始まりだった。

 

 「タma……たまbロっsaム……iず……サクラ!!」

 

いきなり彼が変なことを口に出した。桜が……なに?

 

それに目も虚ろだ。だらりと腕もだらしなく垂れ下がっている。明らかに正常ではない。どうしたのか?と声をかけてもわけの分からない、意味をなさない言葉を発するだけだ。

 

 「あら、桃さん?」

 

清子さんがポット君とともにやってくる。

 

 『吉田清子:睦月に対して適切な処置を求める』

 

 「とりあえず、このままにしておくわけにもいきませんし……すみませんが、桃さん。睦月君を運んでくれないでしょうか?」

 

清子さんの頼みで発狂状態にある彼を担いで吉田家の部屋に寝かせる。睦月を運びながらポット君から事情を聴けば、朝からこんな調子だったらしい。何があったかは知らないけれど

 

後にやってきたバクの店長――――白澤さんと店員の……リコが吉田家にお邪魔している間も彼を寝かせている部屋から不気味な発言ばっかりでみんな……ビビっていた。

 

 

白澤さんも交えた情報整理が終わった直後、睦月を寝かせていた部屋から勢いよく引き戸が開けられたものだからびっくりした。そちらを向くと睦月が立っていた。いつもの睦月かと思い心の中で安堵の息が出かかったところでハッとなった。

 

目に光が灯っていない……瞳が虚ろなままだ。

 

 

―――――桜を探す。

 

 

そう言い始め玄関へ向かう。そんな睦月を私は止めようと腕を引っ張ったがそれでも睦月は止まらない。

 

 

―――――あいつが待っている。だから、俺は……

 

 

光りなき眼でうわごと言った後再び進みだす。

 

 「睦月君!!」

 

シャミ子の叫びにピタッと止まる。

 

 「そもそもどこを探すつもりなのだ?」

 

リリスさんの指摘に睦月は額に手を当て、唸りこむ。小声でつぶやき何かをぶつぶつ言ったあと、ふらりと体を揺らしその場にしゃがみ込んだ。

 

そんな再び睦月を布団まで導き、横にさせる。途中、清子さんがが睦月の枕元までやってきて、冷えピタシートを彼のおでこに張り付けて、安静にするように言い聞かせる。

 

それから―――しばらくして、喫茶あすらの面子が帰った後でも私は彼のそばにいた。

 

無理やり私は睦月の看護を言い出たけど、これを逃せば次に睦月から情報を聞き出せるのは何時になるのかは分からない。ポット君もいない彼単体でいるこの時が好機だ。

 

ポット君は、おそらく何も語らない。否、語れない。

 

セーフティがかかっているのならば何を尋ねても無駄だろう。ならば―――

 

確信はない。

 

こんなことをする私は卑怯なのだろう。それでも義姉の手がかりならば、睦月に強引にでも聞かなければならない。

 

それにいつもは義姉のことを桜さんと呼ぶのに()と呼び捨てにしていた。それ以前にポット君がそばにいるという時点でもう睦月の正体はなんとなく分かっている。

 

彼が目覚めたらいろんなことを聞くつもりだ。

 

…………もしかしたら…………もしかしたら。

 

 

彼は―――――

 

 

睦月がかけ布団をのけて上体を起こす。

 

 

―――――……桃?

 

 

虚ろ色をした眼で私を見つめてきた。

 

 

息を吸って―――吐いて、ゆっくりと言葉を紡ぎ出した。

 

 

 

 

 「――――ねぇ、睦月は――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真実は痛み

 

 

孤独への不安

 

 

無価値な僕

 

 

偽りの自己

 

 

夢は逃避行

 

 

 

 

怖い。―――――真実と向き合うのが。

 

怖い。―――――他人と触れ合うことが。

 

 

 

逃げよう。

 

逃げたっていいじゃないか。

 

だって、怖いんだもの。誰かに任せればいいよ。

 

みんなはいい思いしている。僕だけが苦しい思いしかしていない。

 

―――――ならば、今度はみんなが苦しい思いをすればいいんだ。大切な人がいなくなったって、僕なんか目の前で亡くなったんだ。

 

だったら――――

 

 

 

―――――それでいいのか?

 

 

関係ないよ

 

 

―――――自分から動かなきゃ何も始まらないぞ

 

 

傷つくのは嫌だ

 

 

―――――怖いのか?

 

 

怖いのは当たり前だよ

 

 

―――――シャミ子がピンチでも?

 

 

シャミ子は強いよ。

 

 

僕がいなくても大丈夫だよ。……いなくったって

 

 

―――――いらないって言われるのが怖いのか?

 

 

うるさいよ……

 

 

 

 

傷つきたくない。頑張りたくない。

 

余計なことやってこうやって傷を広げるぐらいならもう何もやらない。

 

だから、誰かに任せる。これでいいんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「―――――だ………て…も!!」

 

 

 「私は、シャミ子を!!断固助けに行きたい!!」

 

 

 

桃の声が聞こえる。シャミ子を助けようと決意の声が聞こえる。

 

 

……桃は―――バカだよ。どうせ何も解決できないんだ。

 

桜さんを取り出すなんてできっこない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――桃を一人で行かせるのか?

 

……

 

―――――こういう時こそ、シャミ子に近い血のお前が行くべきなんじゃないのか?

 

…………

 

―――――友達なら……助けるべきだろ?

 

……桃一人でも――

 

―――――あいつらにだけ重荷を背負わせちゃだめだ

 

 

だったら、君が行けば―――

 

―――――俺じゃダメだ

 

 

 

 

 

 

―――――俺じゃあ、シャミ子までたどり着けない。桃だけじゃ彼女に届かない。お前しかいない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――お前(睦月)がやるんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

できっこないよ!!今だってこうやってみんなを……自分をごまかしているんだ!!そんな僕にやれるとか簡単に言わないでよ!!

 

 

 

 

―――――できない、じゃない。やるしかないないんだ。

 

―――――お前は友人に……好きな人に死ねというのか?

 

―――――お前が今、ここで頑張らなくてもいつかは降りかかってくるぞ。

 

 

 

 

 

―――――選ぶんだ。今やるか、後で一気にのしかかってくるのを処理するか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……僕は――僕は―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここは?どこだろう?上も下も右も左もないような感覚に包まれている。浮いている?沈んでいる?この感覚は―――どっちだろう?

 

 

―――――ちぎ――――投げぇぇぇぇぇぇ!!

 

この奮戦している声は……そうだ―――

 

 

 

 

 

 「―――――シャミ子?」

 

 

 

 

 

 「……睦月?」

 

 「―――――シャミ子が―――――危機に陥っている」

 

 「睦月にはわかるの?」

 「……え?あれ?俺……なんで――」

 

目の前に桃がいて自分を覗き込んでいた。その近くには陽夏木さんもいる。意識がハッキリしだして周囲の風景が形をつくっていく。

ここは――自分の部屋ではない。装飾が違う。

 

天井近くに垂れ下がっている黒い幕と牛骨らしき頭蓋骨……

 

ここは―――――そうだ。小倉さんの……黒魔術研究部部室!?

 

 「ちょ!?なんで!?なんで小倉さんいんの!?ナンデ!?」

 

パニックになる中で鳥のような仮面、ペストマスクをかぶった小倉さんがなにやら中に怪しげな液体の入ったフラスコを手にしている。

 

自分に飲ませるつもりなのか!?と警戒し身構える。

 

 「睦月君、覚えていないの?」

 

小倉さんが困惑したような顔でそういえば……昨日の朝からの記憶がうっすらあるような……ないような……頭の中がもやもやしてもどかしい。

 

うんうん唸りながら思い出そうとしているところに桃が自分に近づいて、話し出した。なにやら切迫しているというのはわかった。思い出すのをやめて真剣な表情で桃を見つめる。

 

 「いい?時間がないから手短に言うね?私これから――――」

 

 「闇落ちする!―――睦月も協力して!」

 

 

 「…………は?」

 

 

 

 

 

 

 

 

深層意識の奥深く。多くの困難を乗り越えて私は桃の義姉、桜さんと出会った。そこで教えられた事実は、桜さんのコアが私の魂を補強しているという現実だった。

 

コアが必要ないぐらいの強いまぞくにならないと桜さんは帰ってこれない。―――それまで町を守って欲しい。そのお願いを聞き遂げたあと桜さんは消えていった。

 

 

彼女の居場所が分かったのならばあとはもうここから出るだけだ。だから、自身のトラウマの注射器軍団と点滴連合をぶち転がせば簡単に出られる!!

 

 

 

 

 

―――――と、考えるのは少し甘かったようで……大きくしたズルイ武器をふり回していれば勝てる!と思っていたけど体力が……持たなかった……。あっという間に注射器と点滴たちに囲まれてしまった。

 

今の状況はジリ貧。壁に追い詰められて目の前の敵をボコボコにして突破するしか逃げ場がない。……この状況をどうやって乗り越えればいいのか?

 

 

 

 

 

―――――思いつかない。

 

 

体力は限界。退路なしでどうやって……もう観念して―――

 

 

 「こ、これで勝ったとおも―――」

 

 「―――――シャミ子ォォォォォォォォォ!!」

 

とてつもない叫び声が空間に響き渡り、二つの黒い風が目の前の敵を薙ぎ払う。

 

片方の黒は、装甲でおおわれているが誰だかわかっている。間違いなく私の幼馴染、睦月君。

 

 「迎えにきたよ、シャミ子!」

 

もう一つの黒は――――桃だ。

 

……ん?黒い桃?

 

その違和感の正体は、彼女の衣類だ。全体的に黒く染まっている。お腹出ているし、マントもつけている。こんな桃の姿を見たことがない。

 

 「あの桃……なんで黒いんですか?」

 「闇落ちしたからだよ」

 「意味が分からない!!」

 「桃がシャミ子の眷属になってシャミ子の中に入ったんだよ」

 

睦月君の補足を聞いても全く理解できない。いや、なんで!?どういうこと!?

 

気になる疑問を受け流され、脱出を促される。気になることは多いけれどもそれらを押し殺して私たちはこの場を去ることにした。

 

 

 

 

 

 「……そっか、義姉はシャミ子の―――」

 

精神世界から帰ってきた翌日、桃と二人っきりになってあそこで起こったことと桜さんのこともすべて話した。

 

 「でも、良かったよ。姉がここにいるってことが分かって」

 

そう言いながら私の胸を軽くこづく。

 

 「だから、今はそれでいい」

 

解き放たれたような表情を浮かべながら、青空を仰ぐ。

 

 「いつかコアが必要なくなる……強いまぞくになれるまで待ってるよ」

 

 「……分かりませんよ……もしかしたら一生強いまぞくになんてなれないかもしれないから桜さんはこのまま――」

 

 「んー……多分、なれるって」

 「軽すぎません!?」

 

強くなるってそんな簡単に言われても……とたじろぐ。桃から続けてすらすらと言葉が紡がれていく。

 

 「姉の居場所はわかった。この町にいる理由はもうほとんどなくなったけれど……」

 

 「これからはシャミ子が笑顔になれるちいさなまちカドを守る」

 

 

 

 「―――――それが私の新しい目標になる気がするんだ」

 

 

 

満面の笑みを見せた桃を見て目頭が熱くなっていく。

 

自分の心がいっぱいになって……目から熱いものがこみ上げる。

 

 「……笑ってくれた」

 

……なんで?私は……桜さんを桃に返すことができないのに。あなたの家族を……返してあげられないのに。

 

どうして、私に笑顔を向けてくれるの?

 

 「こ……これで勝ったと……思うなよ!!」

 

言葉をうまく出せない。目が、喉がつっかえるような苦しいような感覚に陥る。ごめんなさいの思いとよかったという感情が混ざり合って、ぐちゃぐちゃになって―――胸が張り裂けそうになる。

 

桃の慰めの声も何もかも聞こえず、途中から桃が貸してくれた胸の中でしばらくその場で泣きじゃくっていた。

 

 

夏休みが始まり、休暇期間も始まりの終わりが過ぎた頃の出来事だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「なあ、ポット君?」

 『質問を許可』

 「おととい辺りからの記憶がないんだが?」

 『結論:原因不明』

 「……ホントか?」

 

冷蔵庫から特大コーラを取り出しながら、怪訝な顔でポット君を見つめる。なーんか引っかかるところはあるがあまり、思い出せないということは――――

 

 

いや……よそう。

 

 

何故だか、これ以上思い出すのはマズイ気がしてきた。

 

そんなことよりもシャミ子と桃が帰ってきた後、陽夏木さんも呼んでひと段落のパーティでもやろうと画策する。

 

それが過ぎたらまた、いつもの日常が帰ってくる。これでいい。桜さんのこととか問題はまだ残るだろう。

 

それでも……今は―――――今だけはこの平和を味わおう

 

 

そう思いながら準備を進める。

 

 

 

 

 

 

 

―――――ゴミ箱の奥底の差出人不明の封筒に気が付かつかないまま

 

 






・シャミ子
 友/12
 愛/3

・ちよもも
 友/10
 愛/2

・ミカン姉貴
 友/3
 愛/0

・清子さん
 友/4
 愛/0


次→待ってくれ!視聴者くん!次の人事会で君をチーフに推薦してやる!3/28



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4巻シナリオ
夏まつりを楽しむところまで





OMORIやってたり、バジル君愛でたり、ブルアカ小説書いてたりしたら大幅に遅れたので初投稿です。





いづも先生復帰おめでとうRTA、はーじまーるよー!先生が復活したのでこのRTAも復活しました!!……というのは嘘なんだ。単に……怠けておりました……4ヶ月も放置してセンセンシャル!!

 

とまあ、謝るのはこの辺にしておいて前回は睦月君がバグってそれからシャミ子がシャミ子自身の中に入って桜さんがシャミ子の中にいることが判明したところからでしたね。……いろんなこと起きてんな?

 

 本日は、夏休みの登校日であり学校に来ております。あー……登校日とかめんどくせーマジで。という状態になった視聴者兄貴たちも多いのではないでしょうか?

 

それは置いといて、シャミ子の書いた日記を久々に登場した杏里姉貴と共に見ております。こうやって見たらいろんなことが起きすぎてんな?いろんなことが多く起こっていたことを知った杏里姉貴は、今日は休憩の日なんだよ!(強制)とシャミ子の今日の訓練はお休みということになりました。

 

で、ここで桃に自分からシャミ子の今日の訓練はお休みにするからと伝えに行きましょう。彼女はA組にいるハズなのでさっさと桃のところへ行った後、シャミ子と合流し共に喫茶あすらでバイトという流れを予定しております。

 

と、ここで先日リアル日時で誕生日を迎えた桃がいました。桃おめでとう!(大遅刻)その隣にはミカン姉貴もおり、その二人が作戦会議中ですね。

 

へい!桃!最近、シャミ子に負担かかりすぎだから今日お休みにしようぜ!

 

 

 「……睦月?……うん……分かった」

 

 

……え?ちょ、ちょっと……なんで微妙に目線を逸らすんですか?なんか、僕悪いことしました?

 

この通り桃が目を合わせてくれません。なんで?

 

―――――ん?え……む、睦月君?なんで、ストレスゲージが向上しているんですか?これはまずいですよ!急いでこの場から離れましょう!

 

 

 …………スゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ……フゥゥゥゥゥゥゥゥ……(深呼吸)

 

 

――――分かりました。原因は、前回のイベントです。というのもこれはストーリーの根幹、睦月君の正体にかかわることなのでネタバレは避けておきます。

 

かいつまんで説明しますと桃は睦月君の正体を知ってしまったからですね。それゆえにまっすぐに睦月君を見ることができないというわけです。で、その反応に対して睦月君は嫌われたと思い込んでしまっている状態です。

 

というよりも動画(小説)にはしていませんが前回のイベント終了後にいったんお疲れ様会を開催しその時にもちょいちょい怪しい挙動がありはしたのですがそれが今回になって効いてきましたね……

 

こんなことになってしまったということはシャミ子との合流はできませんねぇ……

 

こういう時はおとなしく家に帰って寝るに限る!ばんだ荘へGOじゃ!そこで夕方まで時間をつぶしましょう。てなわけで、倍速!

 

―――――はい、現在の時刻は夕方。てなわけでシャミ子をお祭りに誘うべく吉田家の部屋に行……っても無駄なんだよなぁ……

 

原作既読兄貴ならご存知の通り、シャミ子はもうすでにお祭りに行っておりますゆえ(今はい)ないです。悲しいなぁ……

 

じゃあ、魔法少女二人を誘おう!!――――なんてこと(にはなら)ないです。あんな出来事の後に誘おうなんてメンタルがあったら本作主人公にはなってないんだよなぁ……

 

それじゃあ俺、一人で行くから……

 

さぁて!!場所は移りお祭りが行われている商店街へやってきたはいいのですが、睦月君……泣き出しました。ええ、ボッチに耐えきれず泣き出しました。

 

……小学生レベルにまでメンタルが低下してますね……しょげないでよベイベー!

 

そんな泣いているところにシャミ子出現。あっ、こいつ好きな人に見られているってわかった瞬間、泣くのやめましたよ。やっぱ好きなんすねぇ

 

ここでシャミ子と合流します。しかも浴衣姿!これに対し彼の心はビンビン……チクッ(心に刺さる音)アーイクッ!……となっておりますね。俺も浴衣シャミ子好きだよ、てかみんな好き(自語り)

 

そもそもなぜ、浴衣姿なのか?と言いますとリコくぅんの幻術によるものです。え?これって実際に来ているわけではなくて?とお思いのお方のために説明します。あの浴衣、実際は葉っぱです。

 

 

 葉 っ ぱ で す

 

 

つまり周囲には幻術によって浴衣に見えているだけで……シャミ子は現在、全裸にも等しい状態。これを睦月君が知ったら……もうそれは……それは……

 

で、そんなことも知らず浴衣に心を奪われている睦月君なのですが急にお祭り会場にアナウンスが鳴り響き、シャミ子が名指しで呼ばれます。しかも、その中のワードには『小柄』やら『小さい』が含まれていたためこれはあの二人の仕業(魔法少女たち)に違いない!と怒りのスクランブルダッシュで本部テントへ向かうこととなります。

 

本部テントには案の定、桃とミカン姉貴がおりましたが……睦月君と桃は顔を合わせるなり、お互いなんとも言えない表情になってますねぇ……トレンディドラマか?

 

で、浴衣ということは二人もリコくぅんの魔の手に……

 

そんなことも知らず、一同はお祭りを楽しむのですが人ごみに押し負けてシャミ子と二人っきりになりました。やったね!睦月君!シャミ子と二人っきりだぞ!

 

しかし、ここで睦月君は先ほどの桃の態度が気になってシャミ子に相談することにしましたとさ。もっといろんなこと話せば一気に距離が縮むというのにお前……せっかくのチャンスを無駄にする主人公の屑がこの野郎……

 

―――と、思ったらシャミ子のしっぽがなにやらソワソワしております。このしっぽの動きは……もやもや状態じゃな?つまり、睦月君と桃の仲が気になって嫉妬とまで行かないものの一緒にはなってもらいたくない複雑な気持ちのようです。

 

きてます!これは好感度稼ぎの効果が来てます!

 

と、確かな手ごたえを感じたところで今日はここまで。ご視聴ありがとうございました。

 

 

 

 ♦

 

 

 

 夏祭り。私は、リコさんから貸してもらった浴衣でその雑踏の中を歩いていた。せっかくの祭りだというのになんだか気分が上がらない。初めての浴衣、潤沢な資金、立ち並んでいる屋台、……楽しいハズなのに楽しくない。

 

 

 孤独だ。まるで一人だけ世界に取り残されたような感覚に陥る。自分の周りはこんなに寂しかったのか。一人寂しい夏祭りになることを予測しつつ下を見ながら前に進む。このまま、みんながいない状態が続いたら―――――。

 

 そんなことを考えていたら胸が苦しくなってきて……

 

 

 ―――――去年だったら、睦月君と一緒に行けてたのに。今は一人で……

 

 そうだ。去年もその一昨年も睦月君がいたんだ。体が弱い私を気遣いながらも一緒に手持ち花火で遊んだことを覚えている。病院から退院後も睦月君から一緒に夏祭りに誘ってくれて……彼がはぐれちゃって泣きべそかいていたことも覚えている。

 

 せっかくの浴衣姿を睦月君に見せつけて昔の自分とはひと味違う面を知ってもらいたかった。

 

 でも……こんな楽しくないのなら一旦かえってみんなを誘ってからに―――そう思ってたら、見覚えのある人物が目に入る。

 

 「睦月君?」

 

 声をかける。彼のうつむいた状態だった顔が見えると目が赤い。まるでさっきまで泣いていたような……

 

 彼が私のことに気が付いた瞬間、急いで腕で顔をぬぐいはじめる。

 

 「どうしたんですか?そんな顔して」

 「な、なんでもない!!」

 『感情:孤独による悲嘆』

 「ち、違う!!そんなこと思ってねーし!!」

 

 顔を真っ赤にしてポット君の指摘を必死に否定する睦月君。

 

 「……って、シャミ子。その浴衣は?」

 「これですか?これはリコさんに着つけてもらったんですよ!どうですか?この夏祭りお楽しみフォームは!!」

 

 胸を張ってビシっとした格好で浴衣姿を自慢する。やっと、浴衣姿を睦月君に見せつけることができた。

 

 「……すごくその……綺麗、です……」

 「な、なんで敬語なんですか……?」

 

 ガチガチ状態でさらに敬語になった彼が素直な感想をぶつけてくる。そこまで刺激が強かったということなのだろうか?

 

 そんな会話をしていると――――

 

 【―――続いては迷子のお知らせです―――】

 【たま市からお越しのシャドウミストレス優子ちゃん……】

 【配下の二人がお探し中です。至急本部まで―――】

 

 「な、なんなんですか!?今の放送!?」

 

 ま、迷子!?私が!?迷子!?こんな放送をするのは一人しか思い当たらない!!

 

 「な、なんと屈辱的なことを……行きましょう!睦月君!!ごせんぞ同盟の名のもとに魔法少女に鉄槌を下してやりましょう!」

 

 私自身の名誉のためにも!!

 

 急いで睦月君を引き連れ本部テントへと向かう。私を迷子扱いするということは、確実に桃だ。テントまで足を進めるとそこには、浴衣に身を包んだ桃とミカンさんがいた。

 

 「貴様らかー!著しく配慮に欠けた放送をしたのはー!!」

 

 「シャミ子!探したよ……睦月も……来てたの?」

 

 「……あ……そっか……桃も、来ていたのか……」

 

 桃と睦月君の様子がなんかちょっと変に感じるが今はどうでもいい!!

 

 「あら、睦月君も来ていたのね」

 「ご近所付き合いの会話を展開している場合かー!」

 

 「いいか!私は迷子ではない!!今後『小さい』とか『小柄は』禁止だ!!だが、『配下』はよしとする!」

 

 ここまで言っておけば私の尊厳は守られる……ハズだ。憤慨し終わった後であることに気が付く。……浴衣を着ている?

 

 「二人ともその浴衣は―――?」

 「浴衣?喫茶店に行ったら強制的に着させられて……おまけにまったく脱げない……」

 

 してやったりという笑みをしたリコさんが脳裏に浮かぶ。

 

 

 

 

 そのあとは、いろんな屋台を巡ったりしてみんなと夏祭りを楽しんだ。

 

 

 ――――お祭りは……楽しかった。でも、気になったのは睦月君の視線が桃を追っていたこと。何かあったのだろうか?

 

 

 もしかして、睦月君は桃のことが――――好き?それとも別のことで?

 

 

 「シャミ子、楽しんでるか?」

 

 睦月君の声で我に返る。

 

 「わたあめ落とすなよ?……というか桃と陽夏木さんはどこ行ったんだろ?」

 

 

 彼は、私のこと―――どう思っているんだろう?

 

 幼なじみ?友達?それとも―――――

 

 

 

 好き?嫌い?

 

 

 

 「なんだか、昔を思い出すよな?」

 

 静かに睦月君が語り始める。

 

 「昔は、シャミ子と二人だけでお祭り行ってさ。たまに良子ちゃんも一緒に連れて行ったり……それから―――――」

 

 

 「睦月君。睦月君は、桃のことどう思っているんですか?」

 

 

 思い切って聞いてみる。もしも……もしも彼が桃のことを好きだったら?私には関係ない、なんて言いきれない。このもやもやした気持ちを抱えて、今日を過ごしていくのならいっそのこと……

 

 「え?も、桃のこと?」

 

 少し、もじもじしたしぐさを見せた後スゥっと息を吸って吐いて答え始める。

 

 「友達……だと……思う。―――――ごめん、ハッキリと答え出せなくて」

 

 

 「じゃあ、なんでさっき桃のこと目で追っていたんですか?」

 

 その指摘に睦月君は一瞬、言い淀み……そのあと……意を決したようで声を出す。

 

 

 「えっとさ、俺もしかしたら……桃に嫌われているかも……しれないんだ……桃とちょっとギクシャクしちゃって……」

 「……覚えとかないんですか?」

 「分からない。でも、なにか怒らせるようなことをしちゃった……かも……しれない」

 

 

 そういうことか。と分かって気分がすっきりしてくる。続けて睦月君が―――だからさ―――と私にお願い事をしてきた。

 

 「桃になんで、()のことを避けるのかって聞いてほしいんだ……」

 

 ―――睦月君が珍しく『僕』と言っている。久々に彼の口から僕が出たのは……子供のころ以来だった気がする。

 

 「―――分かりました。でも、そんなに心配しなくても大丈夫だと思いますよ」

 

 その頼みごとを了承すると同時に心配しなくてもいいと付け加える。桃は、すっぱりとした性格に見えても考え込む性格だ。というよりもダウナーなところからして単に口に出さないだけだ。

 

 「そう……かな?」

 「そうですよ」

 

 不安な顔で聞き返す睦月君はまるで子供のころに戻ったみたいだった。

 

 「そうか……そっか。じゃあ……頼んでもいいかな?」

 「任せてください!」

 「お願いします。……で、桃と陽夏木さんはどこ行ったんだろ?」

 

 次第にその不安な顔もいつもの明るい表情に戻っていく。

 

 

 桃やミカンさんと出会ったことはきっといいことだ。睦月君が前にも増して明るくなった気がする。

 

 特に、桃は私の親ゆ…………宿敵でもあるし、彼ともいい関係を結べている。そんな二人の仲に私は言葉に表せない感情を抱いている。睦月君と桃には仲良くしててほしいと思う反面、一緒にいられると心がチクチクして――――そこから先を考えようとすると――――心がぐちゃぐちゃになってしまいそうで……

 

 

 私は、睦月君と桃にどうなって欲しいのだろうか?

 

 

 

 「シャミ子」

 

 睦月君の声でハッとなって、慌てて彼の方を向く。

 

 「もし、もしもさっきの話が無理って思ったら俺がなんとかする。…………というか、やっぱさっきの話は、な――――」

 

 「い、いえ!大丈夫です!!」

 「ホント?」

 「はい!バッチリです!夏まぞくを侮らないでください!」

 「春まぞくとか秋まぞくとか冬まぞくもいるの?」

 「そうです!年がら年中まぞくだらけです!」

 

 ふざけた会話をしながら、二人で桃とミカンさんを探す。後にごせんぞもこの祭りに来ていてそこでひと悶着あったのは、また別の話。

 

 ―――こうして、私たちの夏まつりはこれまでと比べると変化があったけれども昔と変わらないこともあって少しだけ安心できたそんな夏の思い出の1ページだった。

 






・シャミ子
 友/14
 愛/3

・ちよもも
 友/10
 愛/2

・ミカン姉貴
 友/3
 愛/0

・杏里姉貴
 友/2
 愛/0

次→まちカドまぞく2期見て♡見ろ(豹変)

追記5/24、これ軽く(更新まで)2日(以上)かかるんじゃないのぉ~?(KNN姉貴)




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動物園に行くまで




 今回の投稿が遅れたのはスーパースターマンが王者の剣を落とさなかったからです。(1/128の確率)

 だから僕は悪くないもん!クレームはスーパースターマンに至急メールやってくれや。





 杏里ちゃんのお誕生日がおめでたい(遅刻)RTAの第23回目はーじまーるよー!!そういえばこのRTA先月で1周年だったんですね。やったぜ。

 

 ………いろいろ言いたいことはあるでしょうが別にいいだろ、ドンキーコング64の兄貴だって―――これ以上はよそう、俺の勝手な思い込みでみんなを混乱させたくない(真顔)

 

 

 アニメ2期での白澤店長の声が結構イケボで驚きました。流石、グロンギと戦っていただけありますね……(人違い)

 

 

 そんなことはほっといて本筋に移りましょう。前回は夏祭りでデートという名の相談を行ったところからでしたね。今回は、みんなで動物園へ行くことになりました。

 

 

 その前のイベントの夏休みの宿題やお弁当をつくろう回は、そんなに面白いことが起こらなかったのでスキップです。一応ポット君をヘッドセットにしてそれをかぶるというシュールな絵*1がありましたが、見せるものでもない感じでした。

 

 

 動物園へ行く……ってことはですよ、KBTIT似のバスに乗って園内をめぐることになるかもしれないってことです。……まあ、そんなものは出ないんですけどね。

 

 

 さて、こんなせっかくの日が雨になってしまっては大変なのでこ↑こ↓でポット君のアプリ「アップルπ」を使用して本日が晴天かどうか調べてもらいましょう。

 

 

 『本日:晴天。天候の変化、確認できず』

 

 

 よし、晴れと来ました。これで滞りなく今回のイベントは開始できますね!

 

 

 原作では、単にみんなと動物園巡りでしたが本RTAでは睦月君と桃の仲直り?イベントと化しております。そのためにミカン姉貴も裏で会わせてくれている算段のようですねぇ!

 

 

 で、このみんなでワイワイ動物園編なのですが本日はレギュラーメンバーに加えてあすら店長とリコくぅんがついてきております。これに対し桃はなんで来たん?*2と静かな怒りを露わにしております。目がヤバイ!

 

 

 その威圧の最中に店長が腰を痛めこれに桃はリコくぅんと一緒に帰れ、と言い放ちます。が!シャミ子とミカン姉貴はそんな四足歩行バクに対して親切に振る舞います。睦月君もこれに加わりましょう。シャミ子への点数稼ぎや(人間の屑)

 

 

 さぁーて、始まった動物園ツアー!イクゾー!!……っとその前に店長に対して腰をさすってあげましょう。アクションコマンドを選ん―――――ん?

 

 

 

  ・ウルトラキャッチ光線

  ・テレポーテーション

 >・スキップ

  ・ヒーリング

  ・テレパシー

 

 

 

 …………え?な、なにこの2つの技ワシ知らん……え?だって、テレポーテーション以来、技を身につけた通知来なかったよね?なんで?どういう…………(wikiガン見中)

 

 

 

 ――――――――――スゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ……フゥゥゥゥゥゥゥゥ……

 

 

 

 …………これ、あれですね。暴走の影響です。3巻ラストシナリオにて睦月君が暴走しましたがあれによりリミッターが一部解除され、超能力が解放されたというわけです。

 

 ちなみにテレパシーは、桃とひと悶着イベントがあった後にひっそりと追加されるので予定通りです。…………多分(調査不足)

 

 

 まあ、だからと言ってこれらがいいことばかりとは限りません。能力が解放されたということは暴走のリスクも高くなるということなので……不安定すぎないか?(今更)

 

 

 とりあえず、ヒーリングで店長を回復させてあげましょう。湿布レベルの出力でやさしーくやるんやぞ。

 

 

 ほぅらこれで痛くなくなっただろう?そもそも最初から四足歩行にすればよかったものを……トランスフォームのし過ぎでトランスフォームコグが擦り切れたのかな?(メガストーム)

 

 

 というわけで、改めて動物園観光ツアーしゅっぱ(ん)つ!!

 で、いきなり桃と一緒にめぐるというのは睦月君の勇気が足りないので、最低一名必ず誰かと共に行きましょう。まずは、バクのコーナーから行きましょう。

 

 

 ここで、ゴッドマグナス店長がバクに釘付けになっています。

 

 

 (外にいるあのバクなに?)

 (そんなことより、今日のごはん少なくない?)

 

 

 ―――――この声はバクの声ですね。睦月君がテレパシーを身につけたので自然と動物の声が聞こえてくるようになります。人間相手にはまだ(・・)使えません。そもそもこの能力を使用できるようになった理由は桃の心の内を知りたいと思ったからなんですね。でも、これ以上成長したら……ガチでストレスゲージが溜まりまくるのでキャンセルだ。人の心なんて知らぬが仏なんだよなぁ……

 

 

 「あのバク……好みなんだが……」

 

 >何思っているのか当てましょうか?

 

 「え……でもそんなことわかるのかい?」

 

 >テレパシー使えるので!

 

 

 おっ、待てィ!お前簡単に能力打ち明けちゃ……ダメだろ!!新しいおもちゃ手に入れた子供かな?

 

 

 という流れで園内のバクの心を読み取ることになりました。テレパシーはそこまで消費するポイントはありません。ガンガン使ってもOKです。忘れ去られている一本角からなんか……怪しげな怪電波を照射してバクたちに質問して心を読んでみましょう。

 

 

 (Q.あのバク*3のことどう思う?)

 

 (A.二足歩行ですってすごいわね)

 

 (A.体型がね……)

 

 (A.南佳也にはまったく似ていません!)

 

 

 ……関係ないものも受信した気がしますがあまりいい評判ではないようです。悲しいなぁ……

 

 このことを伝えると店長は肩を落としてしまいます。

 

 

 ………………次、行きましょう。

 

 

 次はキリンコーナーです!首が長いっすね。

 

 

 ………………次、行きましょう。

 

 

 ナニモイウコトハナイ……いや、ホントに……何も言うことはないんです……ハイ……もしかしたら、仲直りワンチャン行けるかと思って希望を託しましたが期待した僕が馬鹿でした。

 

 

 こういう行動を専門用語でガバと言います。

 

 

 このタイミングでシャミ子に化けたリコくぅんが桃と会話を繰り広げ、その挙句折檻されていると間だと思うのでトラの赤ちゃんを抱っこしに行きましょう。ストレスゲージを回復することができるんですね。

 

 

 (|)<かわいいですね、トラの赤ちゃんは……

 

 

 俺の心の傷がどんどん癒され―――てません。ストレスゲージが回復してませんね……おかしいですねぇ?……こいつ赤ちゃんと触れ合っているときにも桃のこと考えてますよ。もも(・・)のことでもんもん(・・・・)としてます。桃だけに!(HHEM)

 

 

 そんな心が乙女な睦月君はいても立ってもいられず桃のところへ。そこへ向かうと自分を除いたみんなが集まっているのが見えました。

 

 

 なんでみんな集まってんの?と言いますと前述したシャミ子に化けたリコくぅんが桃に葉っぱを食べさせようとしていたところでした。しかし、ただの葉っぱではなくそれは薬ということでした。

 

 

 ……(ヤベー薬では)ないです。勘違いしないように。

 

 

 というのも、以前のシャミ子救出作戦において無理やり闇落ちさせたのがよくなかったようでコアの不調を感じ取り、このような行動をとったのが真相です。その騒動を察してみんながやってきたってことですね。

 

 

 それを知った睦月君はすっごい心配のあまり詰め寄ります。あんまりにしつこすぎて桃に背負い投げをされるぐらいにはしつこかったですほどです。パッショーネ24時のジョルノぐらいしつこい大丈夫ラッシュが耳に残るぐらいです。

 

 

 …………ここにきて睦月君、泣き始めました。またですか(呆れ)

 

 

 あふれんばかりの気持ちを桃にドバーっと出してきたんや。

 これまでの不安定な気持ちや、彼女の態度が睦月君にとってはストレスだったことは明確です。そのうえで、こんなヤバい状態だったなんて知ったら……あーもう(心の中が)めちゃめちゃだよ。

 

 

 そのことを泣きながら話すと、桃はやっちまった……みたいな顔でゴメンと謝ってくれました。

 

 

 さて、ここからお弁当タァイムです。リコくぅんが桃に800枚葉っぱを食わせようとしますが当然、キャンセルだ。シャミ子が作ってくれたお弁当の方が大事だってハッキリわかんだね。

 

 

 …………わぁ、これがお弁当ですか。いろんなおかずがありますねーこんなにそろっているとは思わなかったぁ。

 

 お弁当作りイベントに参加したらそれはそれで面白いことになるのですが、睦月君の料理スキルがまあまあなので参加は見送りました。これで高かったら凝った料理でみんなをビックリさせたる!ってこともできます。

 

 

 ……まあ、この辺はどうでもいいです。これから大切なことが始まるからみんな見とけよ?

 

 

 

 

 

 「…………睦月にもシャミ子にも知ってて欲しいことがあるんだ」

 

 

 

 ――――ついに来ました。このお弁当イベントでの重要な会話、桃のもう一人の家族についてです。原作では、桜以外の家族の話なんて出てきません。しかし、睦月君を主人公にした時にのみ桃にももう一人家族がいたことが発覚します。

 

 

 その家族の名前はハヤト。家族とは言っても桃とは血のつながりもありませんし桜とも血縁関係はありません。ハヤトの話題が出た瞬間店長は興奮して、ペラペラしゃべりだしますがそれをうるせぇ!と桃が口にお惣菜をシュゥゥゥーッ!

 

 

 フガフガと口をふさがれている間に話は続いて、桃が話すには、彼は桜がいなくなった後の5年間面倒を見てくれた存在だったそうで……

 

 

 しかし、そんな彼も桜を探す。そう言って桃を一人置いていってしまい子供だった桃にはそれがとても堪えたようで……ゆえにこれまで話を出せなかったようです。

 

 

 最近、桃はハヤトと睦月君を重ね合わせるように見てしまったというのが真相です。これに対し、お惣菜を無事に食べきった店長が似ているところはありますねぇ!と、言ってきますが店長自身、ハヤトとは仲が良かったようでいろんなことを語ってくれました。

 

 

 しかし、店長が言うにはある日店に訪れてからなにか迷うようなしぐさをした後、『שמות』と書かれた封筒を残して、それっきり彼も姿を消してしまったとのことです。みんなが一同に会するタイミングなので実物を持ってきてくれたのはいいんですが……調べてみたところこれは―――ヘブライ語じゃな?

 

 

 ……分かるか!!現代日本で何人が読めると思ってんだ!!この『שמות』が何を表しているのか?真っ先になにか引っかかるような表情を見せたのが睦月君です。

 

 

 ・>E……X……O……DUS?

 

 

 「分かるのかい!?」

 

 

 ・>脱出……しよう……町から……逃げるんだ……

 ・>アー……アー……アー……驍」逕ア螟夊ェー菴補?ヲ窶ヲ繝、繝?r蛟偵○??シ

 

 

 「この感じ……まさか……!!」

 

 

 『脳波パターン、異常値を検出』

 

 

 ―――ええ、暴走直前です。以前の3巻ラストシナリオのようにバグか何かみたいにまた発狂し始めますねぇ!マズいですねぇ!ヤバいですねぇ!(諦観)

 

 

 「そぉい!!!」

 

 

 と、ここでリコくぅんが睦月君の口の中に葉っぱをぶち込みました。原作では無駄に持ってきてしまった葉っぱがここで役に立ちましたねぇ!でも、その葉っぱはコアを調整するための物なんじゃ……?

 

 

 『脳波:正常』

 

 

 意外と正常に戻りましたねぇ……でも、もっとボロボロになる予定n(ry

 

 

 今回はここまで、ご視聴ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 ―――俺の考えた筋トレメニュー終わった?

 

 

 

 これって意味あるの?

 

 

 

 ――――あるって!例えばさ俺がいないときとかさ、自分の身は自分で守れるようにならないとな!

 

 

 

 そんなの考えられない……

 

 

 

 ――――俺だって、いつまでも桃の隣にいることはできない。……もしかしたら遠くに行っちゃうかもな

 

 

 

 ……いなく……なっちゃうの?

 

 

 

 ――――……冗談だよ

 

 

 

 ――――お前を投げ出したりなんてしないよ

 

 

 

 ――――桜が帰ってきたらさ、あの町で一緒に暮らすんだ

 

 

 

 ――――俺がカメラマンやって、いろんな写真を撮って飾るんだ

 

 

 

 ――――桜は何やるんだろ?

 

 

 

 ――――一緒に暮らすその日までさ、桃も何をやりたいか考えててくれ

 

 

 

 ――――だからそれまでは……約束する。絶対に守るよ

 

 

 

 

 

 

 アラームの音で目が覚める。

 

 寝転がったまま時計を見ると時刻は7時。今日はみんなで動物園へ行く予定がある。睦月とは……また顔を合わせることになるけどこのままにしておくのもよくない。だから、勇気を出して今日こそ、そう……思ったのに。

 

 

 …………目覚めが悪い。

 

 

 あの夢……シャミ子とかの仕業ではない。私自身が心の底に積もっていた夢。

 

 掛け布団から上体を起こし、頭の中のもやもやを振り払うかのように一人つぶやく。

 

 

 

 「嘘つき」

 

 

 

 ♦

 

 

 

 リコ……さん……がシャミ子に化けていたのを見抜いた後、みんなが駆け寄ってきた。つまり……リコさんの嘘だったということだ。

 

 

 「ほン”ン”とうに申し訳ない!!うちのリコ君が!」

 

 

 白澤店長が土下座して謝るが周囲の目もあることなのでやめさせる。それにそこまで怒っていない―――と言うわけではないが、怒るほどでもない。そこに駆け寄ってくる足音。

 

 

 「も……桃?」

 

 

 一足遅れて、やってきたのは睦月だ。

 

 リコ……さんが言うには、私のコアが良くないことを察知して、シャミ子に化けて私を騙そうとしてまで葉っぱ……漢方を食べさせようとしてくれたがそれなら真っ向から話してくれれば良かった。……悪趣味にも程があるけど。

 

 

 「桃……大丈夫?」

 「大丈夫だよ」

 「ホントに?」

 「ホントウに?ホントに?本当に大丈夫なの?何か、痛いところとか?それとも――――」

 「おちけつ!!」

 

 

 そのあまりのしつこさに思わず、彼を背負い投げで宙に放り出す。地面にたたきつけられた睦月はしばらく転がった後にピタリととまり空を仰向けで仰ぐ。

 

 

 「…………った……」

 

 「なんて?」

 

 

 睦月が小さな声で呟いたから、聞き返す。彼の顔をよく見ると目に涙が湧いて腕で目を抑える。

 

 

 「……よかった……よぉ……!!」

 

 「え……あっ、ゴメン睦月!!強かった……?」

 

 「違う……桃が()に冷た……くなってそれで……」

 

 

 話している間にも睦月の目からは涙が次から次へとポロポロ頬を伝っては、地面に落ちる。

 

 

 「……嫌われたって思って……」

 「いろいろ考えたけど……それでも分からなくって……」

 

 

 嗚咽で声が震えて、途切れ途切れながら睦月は胸の中をうち開ける。不安な思いで今日まで過ごしたのだろう。ここまで泣いている睦月を見たのは―――

 

 

 彼の心を傷つけてしまっていた自分が情けなく思えてきて、へたり込む彼にそっと寄り添って持ってきたハンカチで涙を拭いてあげる。

 

 

 「ゴメンね、睦月。心配させちゃって」

 

 「ちょっと考え事があって……それで頭とかがいっぱいになって」

 

 「……ホントに?」

 

 「本当だよ」

 

 

 ―――やっぱり、睦月は睦月のままだ。だから……

 

 

 「―――睦月にもシャミ子にも知ってて欲しいことがあるんだ」

 

 

 今だからこそ話しておこうと思った。

 

 

 

 ♦

 

 

 

 ―――――昔の話になる。私には兄がいた。兄と言っても本当の兄ではなく義理でもなく一緒に暮らす上での兄。だから、私が兄と呼んでいるだけの同居人ではあったけれども義姉とも仲が良かった。それこそ私と出会う前から一緒で―――恋人とも表せるものだった。

 

 

 ―――――その兄の名前はハヤト。

 

 

 義姉がいなくなった後でもハヤトはしっかり面倒を見てくれて、昔の私にはとても好ましい存在だった。しっかり血のつながった兄だったらよかったと思うぐらいに好きだった。

 

 

 ある日、ハヤトは言った。行かなくちゃな――――と一言だけ言い残してそれからあの町へ行ってしまった。

 

 

 ……ショックだった。ほっぽり出された。その事実が私の幼い心には深い傷となって、今日にまで響いた。後に彼の行動を知って納得はできた。けれど……けれど……

 

 

 それでも、私にはそれが酷い裏切りに思えてだから今日まで話すにはいたらなかった。

 

 

 そんな睦月がその兄に重ねてしまって……彼とハヤトは全く違う―――そう思っていた。でも、あれ(・・)を知ってからはもっと顔を合わせづらくなってしまって……

 

 

 ……睦月のことは好きだ。誤解のないように言っておくと好きというのは友人として好意的に見ているという意味だ。筋トレの話でよく話は合うし、シャミ子を共に守るという共通の目的を持つ仲でもある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 でも、すべては当然のことだった。シャミ子を守るというのも筋トレで話が合うというもの全部……全部当たり前だったんだ―――

 

 

 

 ♦

 

 

 

 睦月とハヤトの関連性(こと)は伏せてすべて話した。それはまだ早いと思ったからだ。それにまた睦月がへんなことになったら下手に手が付けられなくなる。

 

 睦月をちらりと見る。今のところ何も影響はなさそうだ。首を傾げつつも、うーんと唸っている。

 

 

 ポット君は―――何も言ってこない。彼が一番反応しそうなのに、何も戸惑いも何も見られない。それが機械故の物なのか?それとも電子頭脳の中では……

 

 

 ミカンが私に対して詰め寄り大声で、

 

 

 「桃、あなたハヤトさんのことも話してなかったの!?」

 「え?ミカンさん会ったことがあるんですか?」

 

 

 ――――ちょっとの間だけだけどね。とミカンは付け加え、

 

 

 「この前も桜さんのことでもめたばっかりでしょ!!」

 

 

 ――――もう!と、私に叱咤する。話さなかったのは悪いと思っている。それでも、やっぱり置いていかれたことはトラウマだ。

 

 分かって欲しい、とは言わない。でも、やっぱり話すのに勇気が必要だったのは、事実だ。

 

 

 「そうか……桃どのはやはり、ハヤト君とも知り合いだった―――いや知り合い以上だったのか」

 

 

 「……僕からもハヤト君について話しておくべきことがあるんだ」

 

 

 いつの間にか私が口に突っ込んだお惣菜を咀嚼した店長が重い雰囲気をまとった顔で話を始める。

 

 

 「僕はね、ハヤト君の薦めでこの町に来たんだ。彼は本当に明るくて、なにか相談事があったら彼に話して……」

 

 

 そこまで話した後、店長は天を見上げる。その話ぶりから相当親しかった間柄であったことが想像できる。

 

 今日は、すがすがしいまでの蒼天だ。白い雲が時たまに流れてきて風も心地よい。外へ出かけるには絶好の日だろう。そんな青空を見たまま―――

 

 

 

 「―――――今、何しているんだろうねぇ……」

 

 

 

 空を見上げたまま、彼の行方を思う。

 

 

 「え、分からないんですか?その……ハヤトさんの行先?」

 

 「ホントに急だったよ、ある日いきなりいなくなって……」

 「―――そうだ!今日は、彼のことを知っているかもしれないと思って……」

 

 

 そう言うとどこからか、一枚の封筒を取り出した。その封筒に書かれていた文字に目が行く。

 

 

 

 『שמות』

 

 

 その文字は、よくわからなかったがどこかで見た覚えがある。

 

 

 「E……X……O……DUS?」

 

 

 睦月が震えるような声で言葉を紡ぎ出す。続けてポット君がその意味を教えてくれる。

 

 

 『分析完了:ヘブライ語にて出エジプト記を意味する』

 

 

 「分かるのかい!?」

 

 

 白澤店長が二人に詰め寄るが睦月の様子がおかしいことに気が付く。

 

 

 「脱出……しよう……町から……逃げるんだ……」

 

 

 途切れ途切れの言葉と定まらない瞳孔。体が震えだして、頭を抱えたままその場にしゃがみ込む。

 そこから大きく体を伸ばして起き上がり大の字になると―――――宙に浮き始めた。

 

 

 「―――――アー……アー……アー……驍」逕ア螟夊ェー菴補?ヲ窶ヲ繝、繝?r蛟偵○??シ」

 

 ついには彼の放つ声は、意味をなさない言葉になっていた。人の言葉かどうかも怪しいぐらいに声は人外のごとく変貌していく。

 

 

 「この感じって……まさか……!!」

 

 

 『脳波パターン、異常値を検出』

 

 

 ポット君の冷静な言葉に苛立ちつつ、この状況をどうにかできないかと焦る。

 

 

 残念ながら魔法少女と未知の部分が多い睦月の対処法は異なるだろう。それでも、どうにかできないかと悩んでいるところに―――

 

 

 「そぉい!!!」

 

 

 リコ……さんが睦月の口の中に私に食べさせようとしていた葉っぱを口の中に押し込む。

 

 

 『脳波:正常』

 

 

 口に突っ込まれたままの睦月はそのままじっと動かなくなり、次第に足を地につける。それから頭が円を描くように回し始めるとそのまま倒れて動かなくなった。

 

 

 「危なかったわぁ……」

 

 「な、ナイスです!リコさん!」

 

 「……とりあえず解決?」

 

 

 ひとまずこの場が収まったことに安堵する。今、睦月は目を回して気絶している。周囲にはシャミ子やミカンが口にシークワーサージュースを流し込んでいるけれども……

 

 

 今回は何とかなった。しかし、再び……再びあのような状態が起こったら?今回はリコさんがいたから無事収まった。でも、今度暴走した時に彼女がいなかったら?

 

 

 ……睦月のことを考えると不安が一気に押し寄せる。

 

 

 

 

 

 

 ―――――彼は私が犯してしまった過ちの中に入っている。彼がこうなってしまったのには私にも責任があるのだ。

 

 

 ――――あの時、私は……彼を……

 

 

 

 

 

 「うぅ……ゴメン……みんな」

 

 

 うめき声と共に睦月が目覚めた。

 

 

 「なんか、頭がボーっとするし……口の中酸っぱいし……虎の赤ちゃんふれあいコーナーの時間は過ぎちゃうし……」

 

 

 睦月とポット君を除く一同がうん?と首をかしげる。

 

 

 

 ―――――そこで思い出した……

 

 

 

 

 

 

 

 

 目的のトラの赤ちゃんふれあいコーナーの時間もう過ぎてる!!!

 

 

 

 

 

 

 

 その後、狐形態になったリコさんを抱っこして帰路についた。モフモフ感は十分だけど……十分なんだけれども……

 

 

 

 

 「……これで勝ったと思うなよ」

 

 

 

*1
脳を吸い取られているように見える

*2
(#^ω^)ピキピキ

*3
店長






・シャミ子
 友/14
 愛/3

・ちよもも
 友/11
 愛/2

・ミカン姉貴
 友/3
 愛/0

・リコくぅん
 友/2
 愛/0


次→RGhi-νガンダムを組み立てたら



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桃が闇落ちするまで




 ドンブラザーズでも「桃」が闇落ちしたので初投稿です。





 

 

 ダークネスって聞くと大体、ToLOVるかGガンのダークネスフィンガーぐらいしか思い浮かばないRTAはーじまーるよー!!

 

 

 お前、アニメに話抜かされて恥ずかしくないのかよ?と思っている方々もいらっしゃるようですが、ユルシテ……ユルシテ……

 

 

 前回は、睦月君が暴走しかけた話からでしたね。うわーん、動物園はもうこりごりだよぉ~!!(トホホEND)

 

 

 それはさておき、今回は桃が闇落ちする回です。またですか(呆れ)

 

 

 場面は睦月君の部屋に移り、睦月君が寝ているところからスタートです。大きな衝撃が聞こえたので、2階へ上がっていくとそこには闇落ちした桃と変身したミカン姉貴にシャミ子までそろっているのでどうしたのか?と話を聞いてみましょう。

 

 

 しかし、みなさん睦月君を見て驚いておりますね……それもそのはず、だって変身したまま寝ているからです。つまり、パジャマ姿がC-ガイムということです。寝るためだけに変身するってどういうことだよ?

 

 しかも背中にケーブルが付いているというまさにエヴァみたいな状態です。ケーブル付きの場合5分以上は変身していられるとかもうまんまエヴァですね……。ただし、この状態での戦闘はご法度。戦闘時には一気にジェネレータ出力が跳ね上がるため最悪ばんだ荘が爆発します(2敗)*1

 

 おまけに今回ポット君もケーブルに繋がって充電状態でついてきております。モバイルバッテリーかなにか?

 

 

 せっかくなので本日はこのまま(C-ガイムで)進行しましょう。

 

 

 さて、どうして桃が闇落ちしたかは原作を読んでいればわかると思うのですが一応、説明しておきます。動物園で虎の赤ちゃんを抱っこできなかったこととか、リコくぅんによる妨害とか、本作だけですが睦月君の暴走やらでいろいろストレスが溜まってしまったことが原因のようです。というわけでストレスゲージの先輩の睦月君も協力しましょう!

 

 

 さきほどミカン姉貴は桃に矢を撃ち込み闇落ちから引き戻そうとしたのですが……ダメでした……。

 

 

 「シャミ子、喫茶あすらに連絡できる?」

 

 

 次に桃がとった手段はあすらにてリコくぅんの薬の力を借りようとするのですが、連絡したところ薬の効能がでるまで時間がかかるとのこと。

 

 

 え?じゃあ前回の睦月君はどうなの?と言いますとそもそもの身体構造の違いや原料の葉っぱそのものを口にぶち込まれたので効いた……らしいです。

 

 

 じゃあ、小倉ァ!はどうなん?と思い連絡を取ろうとしたのですが……スマホが壊れております。というのは桃がスマホを握りつぶした………………………………握りつぶしたぁ!?(二度見)

 

 

 ――――睦月君、これにビビッてますね……

 

 

 とかやっているうちに桃が設定で透明にできるウィンドウのごとく透け透けになってきました。やべぇって!早く小倉ァ!を捕まえて何とかしてもらわないと大幅なロスからは逃れられない!!

 

 

 『提案:当機による魔力バイパス形成』

 

 

 うろたえている間にポット君があることを思いついたそうです。その方法は、C-ガイムを通して魔力を生成しそれを桃に送るというものです。なんでC-ガイムを介する必要があるんですか?(疑問)

 

 

 そして、睦月君はなぜか具合が悪くなります。というのは体にエーテルが一時的に流れ込んでいるからなんですね。……桃のエーテル(意味深)

 

 

 まあ、それはさておきこれで彼女は消えずに済みますがこれは一時しのぎに過ぎずないので小倉ァ!!早く来てくれー!!間に合わなくなっても知らんぞーッ!!

 

 

 「呼んだぁ~?」

 

 

 マ゜ッッ!!!(断末魔)

 

 

 ……失礼いたしました。絶命しかけました。 周 5 のばんだ荘周辺を徘徊中にごせん像に仕込んでいたマイクから自分を欲している声を聴いて駆けつけてくれました。

 

 

 ……分かってます……彼女にツッコミはもう無用だ。

 

 

 小倉ァ!の推測では桃の負の感情が引き金となりどうしてこうなったのかを洗いざらい話してすっきり*2させればいいとのこと。

 

 

 まあ、こ↑こ↓で睦月君に関することが出たらリセット………ではありませんが、ちょっと厄介です。

 

 というのは、このRTAはある程度桃の友情度を稼ぐ必要があるということです。つまり、ここで上がり過ぎたら……闇落ちの理由が睦月君ということになります。というか現在もその一端なんですけどね……

 

 

 ですが、このパターンはまだ大丈夫。なぜなら、視線の矛先が睦月君ではないからです。……だよね?(wikiガン見)

 

 

 ―――――OK!!さ あ い こ う ぜ*3

 

 

 さて、肝心の闇落ちの原因はというとシャミ子のお弁当を落ち着いて食べられなかったことと虎の赤ちゃんを抱っこできなかったこと、それと睦月君とハヤトのことでですね。

 

 

 じゃあ、お弁当を与えましょう!てなわけでシャミ子がお弁当を作ることになったのですが、前日に作った枯れ葉色のヤツしかない!悠長に作っている場合でもないし……これを与えよう!と、いうことで見事なまでに茶色のお弁当を桃に差し出すことになりました。

 

 

 ほら桃、シャミ子のあーんでお食べ?(貴重なシャミ桃ポイント)

 

 いや、恥ずかしがっている場合じゃないだろお前、ほら口開けろよオラァン!!

 

 

 ……感想は、うん!おいしい!とのことです。こうして無事に桃は通常形態に戻りました。よかったねー

 

 

 しかし、小倉ァ!!によるとまだこの体質は続くとのことです。それについてなのですが今日だけポット君が睦月君から離れて桃に処置を施すらしく、一時的に切り離しが行われます。

 

 これによってC-ガイムが使用不可能になるため今から変身を解除……は睦月君がパンツ一枚だけの姿になるのでキャンセルだ。夏場は熱いからね。仕方ないね♂

 

 

 睦月君のクマさんパンツを見せたら全員の好感度にどんな変貌が起こるかが怖いので今回はここまで。ご視聴ありがとうございました。

 

 

 ……そういえば、ごせんぞはメソポタ時代に全裸で木陰にて休憩していたそうですね……(申し訳程度の子孫アピ)

 

 

 

 ♦

 

 

 

 今日は、ものすごい物音で目が覚めた。何事かと思い上の階へふわりと浮かんで向かってみると、そこにはシャミ子と闇落ちした桃と陽夏木さんがいた。

 

 

 ……いや、なんで闇落ちしてるのか?という疑問をもってみんなに話しかける。

 

 

 「いや……睦月君こそなんで変身してるの?」

 

 「え!?睦月君も闇落ちしているから変身しているんですか?」

 

 「そもそも、なんで背中にケーブルついてるの?」

 

 

 みんなから疑問を投げかけられ、なんのことだかさっぱりだったがふとあることを思い出す。

 

 

 「……そうだった、昨日変身したまま寝たんだった」

 

 

 ―――そうだ。昨日はばんだ荘へ電力を送らないといけない日だったことを思い出して、変身した後に給電ケーブルを背中に差し込んでそのまま宙に浮いて寝たんだった。

 

 

 この給電ケーブルですぎこしの結界の代わりにばんだ荘を補強している。もっとも魔法少女をやり過ごす機能まではついていないけれども、強度はバッチリだ。爆撃されても、ビクともしないぐらいには頑丈なスクリーンを張り巡らしている。

 

 

 「え、そんなことやってたの?」

 

 「いや、だって……このアパートボロいし……台風来たらあっという間に吹っ飛ぶだろうし……」

 

 『強化未処置の場合の災害時、倒壊予測:97.569204%』

 

 

 この会話が繰り広げられていたその間にシャミ子がなんとも言えない表情でこちらを見ていたことはひとまず置いておこう。

 

 

 闇落ちへの解決方法を探して喫茶「あすら」に連絡をするも現段階での有効的な方法はない、なら小倉さんへと連絡をしようとした桃は自室にあったスマートフォンをみて……あっけにとられていた。

 

 なぜなら、スマホの画面がバッキバキに割れていたからだ。

 

 

 「これは……朝起きた時に……握りつぶしちゃった……」

 

 「え、にぎ……握りつぶし?え?」

 

 

 その事実を聞いて自分は内心凍り付いたが彼女を見るとあることに気が付いた。透明に、まるでガラスのように透けてきている。そのことをシャミ子が指摘すると魔力が足りなくなってきている……とのことだった。

 

 

 「それは……まずいのでは!?」

 

 

 何とかできないかわたわたと焦るもののすかさずポット君が提案してきた。

 

 

 『提案:当機による魔力バイパス形成措置を実行する』

 

 「バイパス?」

 

 『魔力流出の修復および反転態時のエーテル過剰放出防止策』

 

 

 つまりは、魔力の流れ道を修復すると同時に闇落ちになっても大丈夫なように道をつくるということだろう。ポット君は自身のボディからケーブルを取り出しその先端を桃に握らせる。

 

 

 「そんなこともできるんですか?」

 

 『可能:これより修復措置を実行する―――睦月、体調不良になる可能性あり:注意』

 

 

 その言葉の意味が最初は分からなかった。

 

 

 そして、処置が始まってからしばらくすると……なんだか……気分が悪くなってきた。どうにもエーテルが影響を及ぼしているらしく、桃へ送るためにC-ガイムのエネルギーを転換しているためらしい。

 

 

 ならば、我慢をしてその間に小倉さんを探さねばと思い――――

 

 

 「呼んだぁ~?」

 

 

 「マ”ッ”ア”ッ”ッ”ッ”!!!!!!???????」

 

 

 ――――背後から聞こえた声にかつてない絶叫を上げる。猛ダッシュで、桃の後ろに隠れる。

 

 この声は小倉さんの声だ。でも、いきなりぬるりと現れるのは心臓に悪いからやめてくれ。……マジで……

 

 

 「ひどいなぁ、睦月君」

 

 

 そう言いながらごせん像に仕込んでいたマイクでこれまでの状況は把握していたらしい。

 ―――そこにツッコミを入れたいところだがいったん我慢して、どうして桃がこうなってしまったのかを解説してくれた。

 

 小倉さんの推測では闇落ちの原因は負の感情が引き金になって闇落ちしたのではないか?と。

 

 では、どうすればいいのか?答えは簡単。

 

 

 「最近、スッゲェ嫌だったことを洗いざらい吐き出しちゃって」

 

 「そういうことなら戻んなくていいっす」

 

 「きさま、あきらめるな!!」

 

 「私、あなたが消えたら泣くわよ!!」

 

 

 拒絶する桃に自分も意見を述べる。

 

 

 「ほら、このままじゃ俺も離れられないし―――」

 

 

 「……分かった」

 

 

 桃が語ったのは、シャミ子のお弁当がゆっくり食べられなかったことや自分と―――ハヤトさんのことで悩んでいたことだ。

 

 

 「……俺とハヤト……さんのことは……まあわかるよ」

 

 「でも、まさか……」

 

 「私の……お弁当で?」

 

 「……可及的速やかにこの世から消えたい……」

 

 

 まあまあ―――と桃をなだめてその間にシャミ子が台所へ向かっていく。お弁当を作って与える、ということが分かっただけでも十分だ。

 

 

 「桃、ちょっといいか?」

 

 「……なに?」

 

 「俺と……ハヤトさんってそんなに似てる?」

 

 

 この間には暇なので桃に……ハヤトさんと自分のことについて聞いてみる。

 

 桃は少し上を見て硬直したあと、自分に向き直った。

 

 

 「筋トレとか、特撮鑑賞とか……」

 

 

 趣味、趣向は自分に近いらしいが……

 

 

 「でも、外見は……肌がちょっとこんがりぐらいしか似てないわよね?」

 

 

 陽夏木さんによれば、スゴイ似ているというわけではないらしい。

 

 ――――ハヤト。まだ、自分が会ったことのない人。彼は一体彼女たちの目にはどんなふうに写って何を残していったのだろうか?そのことにちょっと悶々としていると桃から新たな情報が入る。

 

 

 「性格は……まあ結構似てるかな?―――泣き虫じゃないけど」

 

 「そ、そのことは別にいいだろ!!」

 

 

 あの大泣きを見られて、絶対いじられると思ったけど!!

 

 

 「……睦月君てもしかして子供の頃、泣き虫だった?」

 

 「ちょッ―――陽夏木さんまで何言いだすんだよ!!」

 

 

 泣き虫じゃいけないのかよ!!―――と逆切れしつつシャミ子が持ってきたお弁当で無事に桃は、元に戻ることができた。

 

 このあと、ポット君が桃のエーテル回路を修復するためにポット君と分離すると仕様上パンツ一丁になるため、クマ柄パンツを見られまいと焦ったのは、余談にしておく。

 

 

*1
い つ も の 爆 発

*2
いやらしい意味ではない

*3
野田内閣






・シャミ子
 友/14
 愛/3

・ちよもも
 友/12
 愛/3

・ミカン姉貴
 友/4
 愛/0

・小倉ァ!
 友/4
 愛/0


 次→金色のウルトラマンがこっちを見つめているのでなるべく早く投稿します……



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おくおくたまにレッツゴーするまで




 シン・ウルトラマンを2回も見たうえ、金色の彼を買ったりブルトンソフビを買ったので初投稿です。





 

 金色のウルトラマンに見つめられながら編集した動画(書いた小説)のRTAはーじまーるよー!!

 

 

 ……最近、ちよももの好感度稼ぎ過ぎじゃね?このままじゃちよももルートもあり得るのでそろそろこのぐらいにしておかないと……マズイですよ!

 

 

 前回は桃が闇落ちしたところからでしたね。今回は、部屋で消耗しているちよももが机に突っ伏しているところからスタートです。おっ、大丈夫か?シャミ子と共に彼女の容体を案じております。

 

 

 あれから応急処置でなんとか持たせておりますがさすがに限界らしくこの有り様となっております。

 

 

 そこへ天井からひょっこりと小倉ァ!が出現。で、彼女の情報によれば、魔法少女を回復させられる霊験あらたかな泉が山の奥にあるとのことです。その情報源は、桜が残したメモを桃が渡していたからです。こうしちゃいられねぇ!!と転校の面接のあるミカン姉貴とインドア派の小倉ァ!を除いてさっそく行くことになりました。睦月君もこれに参加しますが、彼はカブト虫を探すという邪念が混ざってますね……同じ一本角だからかな?

 

 

 さて、今回のイベントなのですが別に(行く必要は)ないです。にも関わらずなぜ参加したのか?と言いますと今後にかかわってくる重要なイベントだからです。まあ、その辺はその時に。

 

 

 現在は電車に揺られておくおくたま駅まで向かっているところです。

 

 それにしても――――いやぁ……電車内のBGMがいいっすねぇ……著作権の関係で無音状態なので皆様にお聞かせできないのが非常に残念です。

 

 

 あっ、そうだ(唐突)このゲームいろんな方々が関わっているのですが、その中に名作のまどマギやnierシリーズに関わった方もいるとか……

 

 

 余談になるのですが睦月君シナリオはヨコオタロウ氏や虚淵玄氏に影響を受けた方がシナリオ書いているとかいないとか(クッソ曖昧)

 

 

 ―――多分、大丈夫でしょう。脚本がすべてじゃないし……(震え声)

 

 

 まあ、そんなこと言っているうちにおくおくたまにたどり着いたのでさっそくカブト……じゃなかった、泉を見つけましょう。

 

 

 泉は桜が有している私有地に存在しているようですが、その道中には罠や使い魔がいるため簡単にはたどり着けないでしょう。

 

 

 ただし、死ぬレベルのものはないため安心して泉まで向かいましょう。そもそも睦月君はここのすべての罠のダメージを無効化するので、ストレスゲージに気を配りつつ散歩レベルの気分でうっきうっきで行くとよいでしょう。

 

 

 ―――さっそく桃が落とし穴に入っちゃったぁ!おっ、大丈夫か?と桃を助けると

 

 

 「睦月、シャミ子。前に出て」

 

 「きさま、ずるいぞ!!」

 

 >防御力が高くても痛いときは痛いんだからな!

 

 

 あっ、こいつ自分が罠にかかったからって人を罠にハメようとしてますよ。

 

 で、そんなことをしようとした罰なのかまーた引っかかりました。……もしかして……桃って搦め手に弱い!?

 

 

 そんなコントを繰り広げていると、目の前に妖怪ぬりかべみたいな使い魔が出現しました。

 

 

 「なんなんですか?アレ?羊羹の怨念?」

 

 >んな、饅頭こわい(物理)じゃあるまいし……

 

 

 さて、こ↑こ↓で原作通りシャミ子に倒させるか睦月君で撃破するか?と悩みどころさん!?ですが睦月君が撃破すれば、シャミ子の好感度が上がりますがそれだと後のシナリオにて桃の闇落ちが不安定になる可能性があるのでシャミ子に倒させましょう。

 

 

 じゃあ俺、壁役になるから……

 

 かかってこい!!オラァッ!!

 

 

 >はっ、痛くないね(レ)

 

 

 ホラホラ、もっと力を入れろ^~?

 

 現在、羊羹型使い魔から攻撃されていますが全然、ダメージが入っておりません。胸を張って堂々としているだけでガードの姿勢もとっておりません。つまり……おっぱいバリアー……ってコト!?

 

 睦月君は特に防御力が高く設定されている上、最近強化されたC-ガイムの影響もあるんでしょうが、生身でも攻撃を全く受け付けません。ヤメチクリウム合金製かな?

 

 今のうちにシャミ子のナントカの杖をミカン姉貴のクロスボウに変化させてこいつを撃ち抜くんだYO!

 

 

 ―――――ちょっとダメージくらったけどヨシ!!なんの問題もないね♂

 

 

 無事に撃破したので先に進みましょう。シャミ子もそのピンクヒスイ勾玉拾ったらさっさとイクゾー!

 

 

 で、問題はここから。このあと無事泉を発見して桃が滝行をするのですが当然、睦月君はこれをまともに見ることができません。みずみずしい桃の濡れ透けがね……

 

 

 ということなので暇つぶしにその辺を探索する……と見せかけて、これからあるところを探します。その場所は固定なのでそこまで苦労しません。滝からも比較的近めな場所なので、何かあったらシャミ子たちも駆けつけられる距離ではあるのでなんの問題もないね♂

 

 

 ………………………………この辺だっけ?……………あ、これ違うわ………*1

 

 

 ―――――ありました!!この小さな亀裂を発見すると睦月君は、何を思ったのかじーっと穴を見つめ始めます。すると――――穴が崩れて睦月君はその中に吸い込まれていきます。

 

 

 落ちた先は何かしらの空洞でした。上を見れば睦月君ならば簡単に脱出できそうですがここで飛ぶを選択しても彼は拒否します。*2

 

 

 ―――この空洞の先に何があるのか?気になった睦月君はそのまま進んでいきます。

 

 

 ここからデモムービーが終わり操作がこっちに移りました。で、この先なのですが敵が出現します。ですがご安心を敵はこちらを攻撃してきません。

 

 

 というのは、敵はロボットであり警備を突破するには生体情報が一致する人間でないとだめだからです。しかし、睦月君はなぜか生体キーが一致し、攻撃されなくなるどころかある場所へ案内されます。

 

 

 ロボットに案内されていくうちに風景は変わり、人工物の通路を通ることになります。ここがなんなのか?それはこれから明らかになっていきます。

 

 

 案内された先には地面に刺さった大きな半円形のリング状の物体がありました。

 

 

 

 ―――――これの――――名前は―――――

 

 

 

 ここで睦月君は頭を抱えてしゃがみ込んでしまいます。現在、彼は頭に流れ込んでくる情報の海にさらされ一時的に頭痛が起こっている状態です。そして、ついには倒れこんでしまいます。

 

 

 この間に桃とシャミ子が睦月君がいなくなったことに気が付き探して始めるデモムービーが流れるのですが、大したことでもないので倍速します。というかこのシーンいる?暗転で済ませればよかったと思うんですけどぉ……

 

 

 さて、睦月君が気が付くとシャミ子と桃が心配そうに見てました。ズキズキ痛む頭を抑えながらも立ち上がり、目の前の半円形の物体を見つめます。

 

 

 「これって……なんなんですか?」

 

 

 ・>『スペースブリッジ』

  >最新のコーヒー沸かし器

 

 

 はい、ここはふざけずに真面目に答えます。じゃないと延々と会話がループしてロスです。(3敗)

 

 

 皆様に説明させていただきますとこの半円形のやつはスペースブリッジと呼ばれる一種のテレポーテーション装置です。その転送範囲はなんと宇宙まで及ぶらしいです。しかし、これはどうも壊れているのかうんともすんともいいません。

 

 

 「……とにかく今日はもう帰ろう」

 

 

 一行はこの場を後にします。睦月君は頭のダメージがひどいのか桃に肩を貸されながら、駅まで向かうことになりました。

 

 しかし、睦月君は桃に対してはそんなに女性として意識しないんですかね?顔を赤らめもしませんし、ドキっともしません。多分、友人として見ているからだと思うんですけどぉ……?あるいは、別の感情が先行してそういう目で見れないのかもしれません。

 

 

 と、駅に向かう前にシャミ子が自分が肩を貸したいと言ってきましたが当然、睦月君は重めなので重さで支えにすらないなりません。

 

 

 あっ、これ(嫉妬)かぁ!!

 

 

 好感度稼ぎがここにきて効いてきましたね……

 

 

 これから駅まで戻るわけなのですがエンカはありません。画面暗転で駅にたどり着いてくれたのでなんの問題もないね(レ)

 

 

 あとは、小倉さんに今日の報告をして終了です。ご視聴ありがとうございました。

 

 

 

 ♦

 

 

 

 桃のコアへのダメージがひどいらしくシャミ子と共に桃のめんどうをみていると小倉さんからエーテル体を修復できる泉があるとのことで自分たちは、おくおくたまへ向かうことになった。おくおくたまに来るのは久しぶりだ。特に今の時期はカブト虫がいるかもしれない!!

 

 

 ――――と、カブト虫を捕まえたい気持ちを抑えて、山道を登っていく。道中には罠やら防衛使い魔がいたけれども大したことはなかった。桜さんの気まぐれレベルの防衛機構なんてなんのその、案外簡単に泉にたどり着くことができた。

 ――――しかし、その見た目は泉というよりもまんま滝だった。

 

 

 「で、泉についたけどこの水を飲めばいいのか?」

 

 「ううん、直接浴びるのが効果的だと思う」

 

 「直……接?」

 

 「え、水着とか持って来たんですか?」

 

 「ないよ。だから衣類のまま」

 

 

 このまま入る。ということはだ、衣類が濡れてその下の肌が見えて―――なんて、あらぬことを考えてからか顔が熱くなってきた。

 

 

 「お、俺その辺にカブト虫いないか探してくるから!!終わったら呼んで!!」

 

 

 猛ダッシュで泉から離れる。……まさか、浴びるって……いや、直接なんて思いもよらなかった。

 

 しばらく、辺りを歩き回ってクヌギやらコナラの木を見かけてはカブト虫がいないかどうか確認してみる。しかし、影も形も見当たらない。

 

 

 ――――当たり前か

 

 

 今は、昼。カブト虫は夜行性なのだ。ならばと思い地面を見つめて――――

 

 

 ――――ふと、小さな穴を見つける。この穴にもしかして……そう思ってポット君を呼び出して、この穴の正体を探ってもらう……

 

 

 次の瞬間、穴は大きく広がり土砂と自分までも巻き込んで飲み込んていく。

 

 

 

 ♦

 

 

 

 『推測:睦月覚醒までのサイクル残り0.002秒』

 

 「あれ―――――ポット……君?」

 

 

 

 

 特徴的な合成音声で目を覚ます。意識がはっきりしてきてそれまでに何があったかを思い出した。

 

 

 「そうだ。俺、穴に落ちて……それから……」

 

 

 上を見上げる。青い空が見えて日の明かりが差し込み、この辺の視界は何とか確保できている。周囲を見渡せば、ここは空洞らしいことがわかる。

 

 なぜこんなところに空洞があるのか?この山は空洞ができるような場所だったのか?その手の専門家ではない自分にはさっぱりだが、自分はこの場所が気になってきて、足を進めてみることにする。

 

 

 ポット君に備わっているライトを起動させ――――

 

 

 

 

 『侵入者に告ぐ:所属を明らかにせよ』

 

 

 

 ―――その声にヒヤリと背筋が凍ると同時に即座に戦闘態勢に入る。声の主はまるでポット君のような機械による合成音声。頭と体が一体化した曲面のがっしりボディ。それに対して、手足はすらりとした異形の体の持ち主―――ロボットだった。山の中で見かけたあの使い魔とは全く違う。あれは……使い魔よりも強い。

 

 

 『繰り返す:所属及び姓名を明らかにせよ』

 

 

 ……どうする?このロボットに対して無理やりにでも攻撃をしかけるか、あるいはおとなしく従う?

 

 

 『生体キーを提出:本人確認プロセスを開始せよ』

 

 

 考えている間にポット君から相手に接触していった。―――危ない、と声に出す前に目を投影しているディスプレイが発光していたのが見えた。そして、それは相手も同じようにセンサーと思しき場所を発光させ自分には分からないところで連絡を取っている……のだろうか?

 

 

 『――――生体データ確認』

 

 

 『―――――あなたの帰還を歓迎します』

 

 

 『こちらへ―――――どうぞ』

 

 

 ロボットは身を翻し、こちらを案内するように歩みを進め始めた。それよりも、今聞きたいのはポット君が何をやったのかだ。

 

 

 「ポット君……今のは何をやったんだ?」

 

 

 彼に問いかける。

 

 

 『生体キーの提出』

 

 「そうだけれども!……そもそもあのジャミラもどきはなんな――」

 

 

 そう言いかけたところでロボットがこちらを見つめているのが見えて、言葉を止めた。

 

 詳しいことを聞きたいのは山々だが、今はこの洞窟内を探ることを優先するべき……だと思う。まだ、あのロボットを完全に信じたわけではない。

 

 ここがなんなのか、知らない場所でもめても仕方がない。

 

 

 「……帰ったら……詳しく説明頼むよ……」

 

 

 ――――渋々、会話を切って再び歩みを進める。納得できないことは多い。でも、いつかは……いつかは……そう信じている。

 

 

 ―――信じて―――いる。

 

 

 

 ♦

 

 

 

 洞窟内をロボットに先導されてしばらくごつごつした岩がむき出しの壁も床も人工的なものへと徐々に変わっていった。しかも、通路の上部には丁寧に電灯までついている。電気がどこかから引かれている?

 

 戸惑いながらも進み続け、完全に人工物が浸食したところである扉にたどり着いた。

 

 

 『こちらへどうぞ』

 

 

 ロボットはそういうと扉から脇によけて自分たちをそこへ入るように勧める。ロボットに促されるまま意を決して扉の前に立つと、扉はすんなりと開いた。

 

 ――――ゆっくりと足を半歩踏み入れる。中は広い空間になっていてその中央には、半円形が地面に突き刺さったような見た目の機械があった。

 

 

 目にしてから自分はただ立ち尽くすしかなかった。それは、自分の知識にはないものだ。あんな大きなものなんて何かの芸術品と言われれば信じてしまうだろう。だが、違う(・・)

 

 

 

 

 あれの名前は―――――

 

 

 

 

 

 ――――――『スペースブリッジ』いわゆる一種の―――――で……

 

 

 

 

 ―――――間と間――――専門用語で『マルチバース』って言えば――――?

 

 

 

 

 ―――――成功させようぜ『EXODUS』

 

 

 

 

 

 知らない男の顔、どこか見たことあるような女の後ろ姿。

 

 

 強烈な頭痛に襲われて、その場に倒れこむ。

 

 

 ひんやりとした大理石のような床面が目の前に広がる。

 

 

 ――――熱い、痛い。こんな激痛は生まれて初めてだろう。

 

 

 あの単語群が頭の中に流れてくる。これは何の用語なのか?

 

 

 それを考える間もなく自分の意識は暗闇に落ちていく。

 

 

 

 

 ♦

 

 

 

 

 

 「――――月!む―――――き!!」

 

 

 声が聞こえる。この声は……桃。でも、桃は今滝に打たれて……

 

 

 「睦月!しっかりして!」

 

 

 「――――桃?」

 

 

 瞼を開けると、桃の顔をシャミ子の顔が心配そうな表情で見つめていた。

 

 ここは、――――何かの施設で……あのロボットに守れられて……それで……自分は……

 

 混乱する頭を振り払い上体を起こして、冷静に周囲を見渡すといつもと変わらず浮き続けているポット君もいる。

 

 

 「睦月君、大丈夫ですか?」

 

 「……ごめん、自力で立てないや」

 

 

 そう言うと桃が自分に寄って片腕を持ち上げた後、彼女の首の後ろへまわしていわゆる肩を貸す状態になった。

 

 

 「……これ……なんなんですか?」

 

 

 シャミ子が半円状のこれに疑問をぶつけてくる。 

 

 

 「これはスペースブリッジ。宇宙へ人や物を送れるヤツ」

 「なんか、いきなり規模がおっきくなった!?」

 「そもそもここってなんなの?途中でロボットが襲い掛かってきたから倒したけど」

 「え、ジャミラ倒しちゃったの?」

 

 

 桃の視線の先を見るとさっきまで自分らを案内してくれていた、あのロボットは、ボロボロになっていてもはや動くことはできないぐらいのダメージだった。

 

 あれから何か情報を引き出せればと思ったのだが、もはやただのガラクタと化してしまっている状態では大したものも期待できなさそうだ。一応、ポット君にデータを抽出してもらうことを試みたが頭脳ユニットはめちゃめちゃで、破損してしまっているとのことだ。

 

 ……哀れ、と心の中で合掌した。

 

 

 「もしかして、私大変なことをしちゃった?」

 「……そうでもない、これは壊れている」

 

 

 ―――――壊れている。というのは、傍から見ただけでは分からないが自分にはわかる。

 

 

 「……とにかく今日はもう帰ろう」

 

 

 自分は今はまともに歩けないし、桃の魔力も回復したらしいしもうここに用はない。ここから立ち去ろうとする前に……

 

 

 「待ってください桃!私が睦月君を支えます!!」

 「え、俺重いよ?」

 「そうだよ、いくら最近鍛えまくっているからと言ってもシャミ子じゃ無理」

 「やってみなくちゃ分かりませんよ!」

 

 

 シャミ子がそこまで言うのならば、と思いやってもらうことにしたのだが……

 

 

 「……お、重い……」

 

 

 それ見たことかと言わんばかりの結末だった。かろうじて動けるレベルではあるが、そこから先はシャミ子にとっては大きな負担になりそうだ。

 

 

 「ほら、おとなしく私に任せてよ」

 

 

 シャミ子は不満そうに頬を膨らませている。

 

 結果、桃に肩をかしてもらってここを後にした。

 

 

 

 ♦

 

 

 

 「桃」

 「なに?」

 

 

 帰路の途中、こちらをチラチラみてくるシャミ子には聞こえないほどの小声で桃に話しかける。

 

 

 「もしも……もしもさ。俺が……俺がなにか会った時にはシャミ子を頼むよ」

 

 「俺、今日知らないことをまるで知っているかのように語ったんだ」

 

 「―――怖いんだ。自分は自分なのかって思うことがあってさ」

 

 

 自分が知らない単語を自分が知っている。そんな言葉に表しても説明できないようなこのもやもやを桃はわかってくれるのだろうか?

 

 

 「おバカ―――――睦月は睦月でしょ?」

 

 

 自分とはなにか?甲斐 睦月とは何者なのか?

 

 

 特撮が好きで、女性に弱い……あとは幼馴染が……好き。

 

 

 これが自分だ。でも、今は自分に自信がない。

 

 これが本当の自分だと胸を張って言い張ることができない。段々と自分の足元が揺らいでくずれていく、そんな感覚だ。

 

 

 「私に一人で背負い込むなって言ってたの忘れてないよ」

 

 

 「……友達でしょ?」

 

 

 

 「―――――うん、ありがと」

 

 

 その問いに今は、簡素な返答しかできなかった。

 

 

 桃は強い。桜さんがいなくとも一人で町を守ってきた。だから、自分ができている。僕よりも……よっぽど強い。

 

 

 

 

 ―――――僕は、彼女みたいになれるのかな?

 

 

 

 ―――――あるいは……彼女以上になれるのかな?

 

 

 

 

 一瞬、よぎった嫌なことを頭から振り払う。もう考えるのはよそう。今日は、きっといろんなことがあって疲れているんだ。

 

 

 今日は、帰ったらおとなしくしていよう。楽しいことでも考えて……それから……じっくりまた、整理すればいいじゃないか。

 

 

 帰路の中、照らされる夕陽がいつもよりもきれいに見えた。

 

*1
ガバ

*2
仕様上、洞窟及び室内設定のため





・シャミ子
 友/14
 愛/3

・ちよもも
 友/13
 愛/3

・小倉ァ!
 友/4
 愛/0


 次→積みプラを崩したら



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夢空間で修行するまで




 最近、チェンソーマンを読んでもう何も見たくねぇ……状態に陥ったので初投稿です。





 

 アニメに追い越されたままアニメが終わってしまったRTAのRTAはーじまーるよー!

 

 

 前回は、桃の体調不良を回復させてから謎のワープ装置的な何かを発見したところからでしたね。そんなシリアスっぽいのはいったん置いといて、今回はばんだ荘前からスタートです。

 

 今日もいいペンキ☆ということなので吉田一家はなんとかの杖を物干し竿にして布団を干しております。

 

 

 わーい、僕もしゅる^~

 

 

 とこれに便乗して布団を干しましょう。ウルトラ5つの誓いにも布団を干せってありますしね!(関係ない)

 

 

 そんな使い方ばっかやっていると桃がもっと武器とかにできないのか?と苦言を呈してきますが、以前シャミ子操作になった時にMPはおろかHPも貧弱ということが発覚しました。

 

 参考までに一般人扱いの杏里姉貴のHPパラメータは50ぐらいです。それに比べるとシャミ子は非常に貧弱!撃たれ弱いので注意しましょう。

 

 

 良子ちゃんもあれやこれやと提案してくるのですが、ごせんぞによるとシャミ子は無意識にストッパーをかけているためそこまで便利に変形させられないらしいです。

 

 

 導入はこんな感じで本日の目的はシャミ子の特訓回です。ごせん像の中で繰り広げられる超時空のアドベンチャー!!……はしません。ただただ、ごせん像の中でごせんぞが作り出した人形と戦って戦って!戦い抜くだけです。

 

 

 これに参加するとどうなるのか?と言いますと、リリスさんが睦月君の体を操れるようになるボーナスイベントが発生します。

 

 以前、リリスさんに体を操作させると周囲を破壊して回ると言いましたが早い段階でやってしまうと……の話であり、今回のタイミングでフラグを立てるのが正攻法です。というか、ここでこのイベントを起こしておかないとエンディングがものすごく……悲しいことになります……(2敗)

 

 

 ―――てなわけで、ごせんぞ空間に突撃じゃあ!!

 

 

 周囲には星型のオブジェクト満点の世界、この暗黒空間がごせんぞの世界か……(DCD)

 

 今回は良子ちゃんも一緒についてきてくれているのですが見学だけです。平和の象徴なので戦闘させるなんてもってのほか!大切にしまっとくよ?(77歳暗殺者)

 

 

 そろそろ、シャミ子の3万体ごせん像組み手が始まる頃なので待機しましょう。ちなみに難易度ハードでは倍の6万体に増えております。でも、当然時間を食うのでRTAではキャンセルだ。

 

 

 じゃあ、俺見学するから……

 

 

 「睦月も参加するか?」

 

 

 >・いいえ、私は遠慮しておきます

  ・この周辺消し飛ばしてもいいんですか?

 

 

 リリスさんから誘いが来ますがここでは断っておきましょう。ここで力を見せびらかすと一瞬にして終わる上、シャミ子の成長を妨げることにつながってしまうので手を出してはいけない(戒め)

 

 

 なのでこのままシャミ子が炎の杖やかみなりの杖でごせん像をボコボコにしていく様を見ておきましょう。

 

 

 ………………………………(倍速とか……なさらないんですか?)

 

 

 ――――ん?ごせん像の一体がこっちにやってきましたね。これは……リリスさんの差し金じゃな?多分、睦月君の力を見たいと思ったんですかね?

 

 適当に迎撃しておきましょう。

 

 

 >・角ビ。

  ・角ビィィィィィィィィィィム!!

 

 

 上と下のセリフは叫ぶか叫ばないかぐらいの違いなのでそこまで意識する必要はありません。

 

 睦月君の角から放たれるビームはTNT火薬1……か2tぐらいですかね?そんな一撃を食らったごせん像は芸術は爆発だ!と言わんばかりに爆散しました。

 

 これにはシャミ子とリリスさんもポカーンと口を開けてますね。逆に良子ちゃんは、目をキラキラ輝かせております。そら(一瞬で消滅するような一撃を見せられたら)そうよ

 

 

 さて、今の一撃をもってごせん像は全滅しました。今回、リリスさんにとっての一番の収穫は良子ちゃんの顔を見ることができたこと。

 

 

 長い間彼女は封印されて……誰からも声を聴いてもらえてくれなくて……長い長い年月を経て出会うことができた子孫は、彼女にどんな目で映ったでしょうかね?

 

 このあと、リリスさんは念写で心霊写真を撮るのですが今回はここまで。ご視聴ありがとうございました。

 

 

 ♦️

 

 

 夜。ばんだ荘のみんなが寝静まった頃、リリスはある行動を起こそうとしていた。それは睦月への精神内部への侵入。

 彼の精神の中は0と1で構成されている明らかに生物とは異なった構造だった。おそらくここはまだ、ポットの中。本当の睦月の精神ではないのだろう。

 

 以前は、ポットによるファイヤーウォールによって阻まれ奥深くまでの侵入はできなかった。だが、今回は違う。リリスにはある案があった。それは……

 

 「ポットよ!余を睦月の精神的ルームに入れろ!」

 

 実にシンプル、地道な頼み込みだった。

 

 『却下』

 「何故だ!!」

 

 帰ってきた返事は、拒絶。その理由は―――

 

 『推測:交渉と判断』

 

 彼女はその指摘にうっ、といううめき声を漏らした。図星だったようですこしポットをじっと見つめる。それから両手を合わせ頼みごとを再び口にする。

 

 「た、頼む!少しだけでもいい!話を―――」

 『内容を推測:睦月の身体の使用交渉』

 「バレてる!?」

 

 ポットは昼の出来事すべてを見ていた。睦月とは知覚を共有できる彼にとっては、リリスが何を考え何を思うかなどの推測はたやすいことだ。

 

 特にごせんぞ空間でのあの角から出した光線。アレを目撃すれば最強の力が手に入る―――という考えなど多分、シャミ子以上の知能なら分かることだろう。

 

 「そ、そこを何とか!!」

 『ファイヤーウォ―――』

 「や、やめてくれ!!ほんんんっとに!!」

 

 初めて彼の領域に侵入した時のトラウマが彼女の脳裏によみがえる。門前払いをくらいながらも粘るリリス。そこへ

 

 「……うるさいなぁ……」

 

 空間にドアが現れ、そこからひょっこり顔を出したのは眠気眼をこする睦月だった。

 

 「む、睦月か!!頼む!ポットを何とか説得してくれ!」

 「ごせんぞさま?なんでここまで?」

 

 

 ♦

 

 

 「えっと……要は、俺の身体を使わせてくれと?」

 「うむ!」

 

 リリスを自身の精神内に招き入れ、0と1で構成されたテーブルをはさんで対面の形で向き合う。

 

 「なんで?」

 「えっ……いや……」

 

 睦月から顔を逸らしながらもごもごと言葉を詰まらせながら言いよどむ。彼の背後からポットが無機質なモニター顔でリリスを見つめている。

 

 「…………まさか、桃に一泡吹かせたい……とか?」

 

 その指摘に彼女はさらに目を逸らす。

 

 「…………えぇ……」

 

 思わず出た困惑の声。

 

 「だ、だってこのままやられっぱなしなのはシャミ子の前でもお主の前でも先祖としてのプライドが―――」

 

 リリスの言うことは分からないでもないが……

 

 「だったら自分の力で―――あ」

 

 いいかけて止まる。彼女には現実で戦うだけの身体がない。ゆえにシャミ子の身体を借りて現実に干渉するしか手段がない。

 

 「でも……」

 

 それでも渋る睦月に対してリリスはある提案を持ちかけた。

 

 「シャミ子のこと好きなのだろう?」

 

 「な、な、何をおっしゃいますか!?――――」

 

 「分かるぞーお前を見ていればなんとなく視線でシャミ子を追っていることからなぁ?すき焼きの日なんかもあれなどバレバレだぞ」

 

 「そこでだ。シャミ子とくっつけるように余が手を貸してやろうではないか」

 

 悪魔の誘惑に睦月はしばし頭を押さえて考える。

 

 「で、でもっ――――」

 

 「いいのかー?もしもウカウカして……それで桃にシャミ子をとられるぞー?」

 

 ―――――そんなことはない……とも言い難い。今のご時世いろんな愛の形が認知されるようになってきた。なら、シャミ子と桃も?

 

 「なんだか、いい感じだぞー?この前なんて―――」

 

 「お貸しします……」

 

 一回目は小声で小さく。

 

 「聞こえんなー?」

 

 「体をお貸しします!!だから……その……」

 

 二回目は大きく声を張り上げてからリリスの条件をのむ旨を伝える。

 

 「ククク、そうだいいぞお前は正直だな……いいだろう約束は守るぞ……」

 

 彼女は悪魔のような笑みを浮かると、シャミ子の日常や彼女の流行りの情報を口にしだした。

 

 リリスは、心の奥底でニヤリとほくそ笑む。あの時の屈辱*1を忘れてはいない。桃をコテンパンに叩きのめし、先祖としての威厳を取り戻さねばならない。

 

 最も、本来であれば自分の身体で成し遂げねばなるまいが現段階では不可能だ。ならば、子孫の一人睦月なら?シャミ子から聞いた話では、超能力が使えるそうではないか。彼ならば、もしや。そんな期待を込め彼に交渉を持ちかけた。

 

 野望を果たすまであともう少し、クツクツと邪悪な笑いが腹の底に満ちていた。

 

 

 

*1
コミック3巻33丁目及びアニメ二期第3話参照





・シャミ子
 友/14
 愛/3

・良子ちゃん
 友/3
 愛/0

・ごせんぞ
 友/4
 愛/0


次→今、書いてるから!今なんとかしているから!もうちょい!待って!



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ミカン姉貴が暴走するまで





 やあ!みんな!まちカドまぞく二丁目から大分時間がたったから僕の小説でストーリーをなんとなく追ってみないか?



 ……投稿が遅い?……ゴメンって……




 

 新学期が始まったあの子があんな姿に!!……な、RTAの第28回はーじまーるよー!

 

 前回は、リリス姉貴の夢空間に突撃したところからでしたね。そして、彼は彼女に体を迫られ……夏休み明けの彼は一皮剥けました。(意味深)

 

 本日は、ミカン姉貴の転入初日です。彼女に良き日々を提供して差し上げましょう。

 

 みんなに自己紹介できるかな?不安な気持ちで教壇に立つミカン姉貴を見守りましょう。

 

 ……ちょいアレな自己紹介でしたが全然OK!

 

 休み時間にていつものメンバーが勢ぞろいしたところでちゃんと自己紹介できたかミカン姉貴が確認してきます。うん!全然大丈夫!そのリボンがそんな風になってたなんて初めて知ったよ!!

 

 杏里姉貴が部活とか……入らないんですか?と尋ねてさりげなくテニス部を勧めてきます。しかし、魔法少女は人よりも身体能力が高いためバランスを崩壊させてしまうとのこと。これではいけませんね(教育ビデオ)

 

 スポーツと言えば、そろそろ体育祭ですねぇ!魔法少女らはどういう扱いになるの?という疑問が杏里姉貴から発せられました。

 

 

 Q.じゃあ二人の50m走のタァイムを教えてくれないかな?

 

 A.ミカン姉貴が6秒で桃は3秒です。……シャミ子は11秒です。

 

 Q.じゃあ睦月君は?

 

 A.7秒……(男子高校生なら)普通だな!!

 

 

 と、ついでに披露した睦月君のスペックは何の面白みもありません。TDN並ってなんだよ?*1

 

 なんて話をしていると蚊帳の外だった小倉さんが桃に闇落ち安定薬を渡してくれました。よかったね!

 

 時間は経ちそろそろ委員会の時間が迫ります。なのでもうこの会合もお開きです。しかし、ミカン姉貴は転校生ということでまだ委員会には属しておりません。

 

 そこで先生にミカン栽培委員会を設立したいと懇願したのですが苗まで4、5年たつとのことで却下。代わりに杏里姉貴の体育祭委員会に入ることになりました。ここ貴重なアンミカシーン。

 

 ちなみに睦月君の委員会は、超常現象研究委員会というオカルテック満載な委員会です。小倉ァ!も似たようなもんですが、彼女はここから出て行った言わば分派というやつです。でも、たまにちょくちょく顔だしもしているので全くの無関係というわけではありません。

 

 肝心の委員会活動内容は円盤呼んだり*2、幽霊探したり*3、マインドシーカー*4をプレイしたりとサブイベントでお世話になることになるのですが今RTAではまるまるカットしまスゥゥゥゥゥゥゥゥ……

 

 

 この辺は関係ないので倍速!

 

 委員会が終わった後、シャミ子と合流しましょう。オツカーレと言いながら、シャミ子と共にほかの面子を待ちましょう。

 

 

 …………ちょっと……なんか……二人とも……喋れよ……

 

 

 この微妙な間ってなんなん?まだ、付き合っているわけでもないのになんなん?この……なに?とはいえ、wikiの解析によればこの間にも少しずつなのですが友愛度は上がっているらしく、要は意識し合っているがゆえに何も言えないとかいうもどかしい状況です。少女漫画かな?

 

 

 しばらくするとこの静寂はアンミカが来たため破られました。アア、アリガトウ……!!

 

 

 >・い、委員会お疲れ様

  ・ヌワァァァァァァァァン!みんな疲れたなぁぁぁぁんもぉ~ん!!

 

 インパクトあるセリフを無視して素直に労いの言葉を投げかけましょう。

 

 じゃ、帰ろっか!

 

 昇降口を通り過ぎて校庭まで足を進めるとネコにまみれの桃がそこにはいました。お前、何してんだよ?

 

 「私、ネコに群がられ委員会だから……」

 

 ……いや、それ……さぼりなんじゃあ……?

 

 周囲もその仕事いる?的な反応をしておりますがかわいいから……まあ、ヨシ!!(現場ネコ)

 

 

 じゃあ、今回はここまで……と言いたいところさんなのですが、このままでは尺不足なので倍速をしてからの続行!!

 

 

 次は、体育祭への準備のためにみんなで手伝おう!というお話。

 

 このお手伝いに睦月君も参加します。当たり前だよなぁ?先駆者兄貴の言うように体育祭の準備には女子が多いですねぇ……これは現在発売中の設定資料集によれば去年まで女子高だったとかで女子の方が多いそうです。

 

 MOD次第では元男子校にしてシャミ子、桃ら主要キャラが男になって乙女ゲー仕様にもできたりします。まあ、元々睦月君はヒロインみたいなもんやし……

 

 

 じゃあ、これから本格的♂準備を始めます。睦月君が担当するのは競技のシュミレーション。超能力とすんごい硬いことを除けばほどほどの身体能力を持った人間なので腸腸胃肝血(ちょうちょういいかんじ)です!

 

 

 ……シャミ子!?タスキづくりに回されていたはずでは!?彼女がこちらに来て二人三脚のシュミレーションをしたいと進言してきましたね。これはミカン姉貴の差し金!先ほどの二人でのモジモジを目撃されたことによる効果です。

 

 >二人三脚は男女別なんじゃ……?

 

 なんて、睦月君はいつものチキンプレイかましてますがプレイしている側からすればもうそう言うのいいから!はよ、ほら、シャミ子とくっついて二人三脚をするんだよ!!あくしろよ。ムラついてストレスゲージが上がるけどこれでいいんだよ。

 

 

 さて、予定の上ではそろそろ今回の目玉イベント、ミカン姉貴の暴走が始まるわけなんですね。

 

 彼女が騎馬戦のシュミレーション中にちょっとした事故で落下、しかも最悪なことに頭から落下した彼女は気絶してしまいます。すると、なにやら怪しいもやのようなものがミカン姉貴から立ち込めるとそれが周囲に襲い掛かるのでシャミ子や周りの人を守るッ!ためにバリアを貼りましょう。

 

 これで安心!ヤバ気なオーラ収まったのでバリアを解きまし――――ん?

 

 

 何か違和感を感じて上を見上げると……

 

 

 

 中身がたっぷり詰まった赤い色のペンキ缶!!

 

 

 >痛……ったァ!

 

 

 これは流石に避けられず、被弾してしまいます。でも、セリフの割には……そんなに……ダメージを食らっておりませんね。MAXから4%程度しか減ってません。

 

 「睦月君!大丈夫ですか!?」

 

 シャミ子が真っ先に駆け寄ってくれました。一応、大丈夫と返事を返しておきましょう。

 しかし、一番被害を被ったのはジャージくん。真っ赤に染まってしまい青色が台無しになってしまいました。

 

 これを気絶から復帰したミカン姉貴は、目撃し顔から血の気が引いていきます。しかも、せっかく作っていた体育祭の大看板は台無しになってしまい……あーもう(どっちも)滅茶苦茶だよ……

 

 

 「―――あ………私、……え?――――――ごめんなさい!!」

 

 

 赤いペンキをかぶった睦月君が血まみれになったと勘違いしたミカン姉貴はその場から勢いよく去って行ってしまいました。逃げんじゃねーよ!!

 

 

 

 

 ♦

 

 

 私は、自分のこの体質が嫌いだ。

 

 

 そのことで父を恨んだりもしたことはあったけれども……でも、自分を思ってのことだと大きくなるにつれて理解してきて、今はそうは思わない。それに桜さんのおかげで改善はされている。

 

 それさえなければ私も普通に……人と向き合えるように。

 

 

 

 

 転校してきて初めての自己紹介。周囲の反応を見るに上手く受け入れてくれたことに心が沸き上がった。シャミ子にも最高のお墨付きをいただいたことでもうテンションは上がりまくりで学校生活への期待は最高潮に達した。

 

 みんなで集まって少し談笑した後、委員会の話になって私はミカン栽培委員会を立ち上げようとしたけれども、残念ながら先生からは却下の声。苗から4、5年は長すぎるとのことで……美味しいのに……

 

 とっておきの案を却下され、どうしようか考えていると先の会話で佐田さんが体育祭委員会をやっていることを思い出す。

 

 「あの……私っ!佐田さんと同じ委員会にはいいてもいいかしら!?」

 

 恐る恐る、彼女と同じ委員会を希望してみる。初めての委員会とまだ不安な気持ちから抜け出せていない私は声を震わせた。

 

 

 「え?いいの?今はすっごい忙しいし大変だよ?だから誘わなかったんだけど……」

 

 「大丈夫!イベントごと好きだし!」

 

 

 今度は胸を張ってはきはきした声で。

 

 

 「やることたくさんあると重いし……私も一緒に何かやりたいわ!」

 

 

 自分の意志を彼女に伝える。

 

 

 「うん!大歓迎だよ!!―――よろしくね!!」

 

 

 そう言って差し伸べられた手を取る。

 

 こうしていると絆が深まったようで手からもがっちりと力が伝わってくる。

 

 

 ……なんか握力が強くなって―――

 

 「来たからにはもう逃がさないぜ……設営とかガンガン手伝っていただくからなぁ……」

 

 ―――あ、これ逃げられない。

 

 これから始まる過酷な準備の予感を感じさせるものだった……

 

 

 ♦

 

 

 やっとのことで委員会が終わって、下校すべく佐田さんと廊下を歩いていると見覚えのある二人の人影が見える。

 

 

 睦月君とシャミ子だ。

 

 

 「ミカンちゃん隠れて!」

 

 グイと腕を引かれて、柱の影に隠れる。急なことだったのでびっくりしたものの彼と彼女を見ていれば納得がいった。

 

 「……なんか、いい感じじゃない?二人とも?」

 

 お互いに話し合っているわけではない。しかし、距離は近い。両者とも顔が心なしか赤く見える。あれは……ラブコメの波動?

 

 ―――睦月君の右手が……シャミ子の左手に触れようとして…………引っ込める。

 

 

 「もどかしいッ!!」

 

 「なんであそこで手をつながないのかなぁ~?」

 

 

 お互いに思った感想を述べる。じれったい!奥手にもほどがある!おまけに会話もない!そこは何かこう、気を聞かせて話すとこでしょ!!

 

 と、佐田さんとお互いに見守りながら小声で話合う。

 

 

 「てか、睦月君学校中に知れ渡ってるのにまだ告白しないんだね?」

 「え?何それ?」

 

 彼女に顔を近づけて詳しい話を聞く。

 

 「えーっと……睦月君ってわかりやすいじゃん?」

 「まあ……」

 

 いや、そりゃ……視線とか言動とか観察していれば、分かる。つまり、そういうこと(・・・・・・)らしい。

 

 さっきからあの二人を見ているが―――それにしても……

 

 「……何もないね……」

 

 睦月君もシャミ子もお互いに押しも引きもしない。さっきから何一つ変わらずただただ、二人で並んで立っているだけだ。

 

 「……ああッ!!もう!助け船出すわよ!」

 「ちょっと!ミカンちゃん!」

 

 さすがにこのままじっと見てても埒が明かない。睦月君が奥手なのはわかるけれどもここは男子がリードするところでしょ!少女漫画の知識を動員させ、止めようとする佐田さんを押し切り思い切って突撃を敢行した。

 

 「お疲れさま!二人とも!」

 

 「そ、そちらこそお疲れ様です、ミカンさん!杏里ちゃん!」

 

 「い、委員会お疲れ様……」

 

 二人は顔が赤くなりながらも返事を返してくれた。

 

 「……ねぇ、ミカンちゃん?」

 「まあ、見てて」

 

 佐田さんが小声で何をするつもりなのか?と尋ねて来た。との問いに自身を持って解を打ち明けた。

 

 「あのね……二人にお願いがあるんだけれど……明日の体育祭の準備に人手が必要になって……お願い!!手伝って!!」

 

 作戦は、明日の体育祭の準備は体育館で行う。準備の中には競技のシュミレーションがあるためそれを利用する。具体的には二人三脚。それでなくとも一緒の班にして準備をさせるとかやりようはいろいろある。

 

 問題はこの策略に二人が乗ってくれるかどうか?断られてしまえば、それこそ本末転倒だが……

 

 「別にいいけど」

 「私も……大丈夫です!」

 

 あっさり承諾してくれたことにキョトンとしつつ、すぐさま―――

 

 「ありがとう!!……佐田さん!協力してくれるらしいわよ!!」

 

 お礼を言った後、佐田さんにすかさず報告する。

 

 「まあ、人手があると助かるのは事実だし、OK」

 

 と言って彼女も了承してくれた。あとは、何事もなく明日を待って作戦を実行に移すだけだった。

 

 ―――そのハズだった。

 

 

 

 ♦

 

 

 

 張り切って立てた作戦。その作戦は成功するかに思えた。

 途中まではうまく行っていたのだ。でも……

 

 その最中、騎馬戦のリハーサルに私が一番上だったから悲劇が起こった。

 

 あの時ほど、下で支える役の方がよかったって思ったことはない。

 

 不運にも後ろにも人がいないことを把握していなかったせいで、担ぎ手の一人がぶつかりそのままバランスを崩して私が頭から落下してしまった。

 

 そこからがもう散々で―――看板はめちゃくちゃ、ほかの人にも呪いの余波が襲い掛かった。

 

 

 ―――その余波で睦月君に大怪我を負わせてしまって……

 

 

 何もかもめちゃくちゃにしてしまった私は、その場から逃げ出してしまった。

 

 自分の部屋に逃げ帰ってから、部屋の隅で縮こまって頭の中に焼き付いてしまった光景を思い出す。

 

 

 

 怖かった。人を傷つけてしまったあの瞬間が。

 

 壊した、私が彼女たちの平穏を。

 

 

 

 

  私が―――いるから?

 

 

 

 

 ……そうだ、それがいい。……この町から出ていこう。そうすれば全部解決する。

 

 失意のまま自室の持ち物をまとめ始める。

 

 ―――出ていく前にみんなに謝って……それから……

 

 

 「陽夏木さん!」 「ミカンさん!」 「ミカン!」

 

 「ひゃっァ!!??な、なにっ!?」

 

 部屋にとどろいた三人の声に私は思わず、ビックリして出した声が跳ね上がった。

 

 「レ、レディの部屋にいきなり入ってくるなんて失礼じゃ―――」

 

 「部屋どころか!これから心の中に入らせてもらうぞ」

 

 シャミ子がいきなり言い出すものだから、反論しようとして視界に睦月君が映る。その姿に息が一瞬詰まるものの冷静になって彼の姿を見ると、頭から顔には何もない。あれほどの大怪我だったにも関わらず、包帯一つ巻いていない。

 

 「え、えっと……睦月君……その……ごめんなさい」

 

 恐る恐る言葉に出しながら謝る。

 

 「え?なんで?」

 「だって、私のせいで睦月君血塗れに……」

 「あれ、ペンキ」

 「えっ?」

 「赤いのだったからさぁ、ジャージが台無しになっちゃったし、しかも中身がいっぱいだったからまあまあ痛かったけど」

 

 冷静に考えてみればそもそも、頭に当たったからと言ってあんなに多く血が出るわけないし、と一瞬落ち着くも中身がいっぱいの缶が頭に当たったことがひっかかり問い詰める。

 

 「それでも一大事じゃない!!やっぱり怪我―――」

 「いや全然大丈夫!前よりも俺、頑丈になったからさ。羊羹の怨念にペチペチやられても効かなかった!」

 

 ……羊羹の怨念って何?前より頑丈になったって?何がなんだか分からないけど怪我の痕一つ見当たらないことからともかく平気ってことはわかった。

 

 でも、まだ私が体育祭の準備をめちゃくちゃにしちゃったことは清算できたわけじゃない。未だにおずおずしている様子を見た桃が口を開いた。

 

 「このまま滅茶苦茶にしたまま実家に帰ってミカンはこれでいいの?」

 

 「―――それは……」

 

 「このまま逃げても何も変わらないよ」

 

 何も言えない。私だって、どうすればいいか分からない。

 呪いとはこれまでだってそこそこ付き合ってきた。これは桜さんのおかげと言ってもいい。だから昼までのあの時以前にはマイルドに済んでいた。今日みたいなことが起きるのなら……できることなら……

 

 「……何とか、したい」

 

 この呪いから脱して、ほかのみんなのように普通に生活を送りたい。

 

 「今のままで終わりたくない」

 

 「だから……お願いするわ」

 

 

 

 

 

 「私の使い魔――――――『ウガルル』を何とかして」

 

 

 

 

*1
活動報告のステータス参照

*2
ベントラーベントラー

*3
どこにいますかー?とか呼びかけるアレ

*4
皆さんご存知クソゲー





・シャミ子
 友/15
 愛/3

・ちよもも
 友/13
 愛/3

・ミカン姉貴
 友/4
 愛/0

・杏里姉貴
 友/2
 愛/0


 次→無事に年越しすることができたら


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ウガルル生誕まで



 いずも先生がガチで不安なので俺の命を吸って!(エマ・シーン)と言いたくなったので初投稿です。




 

 ACが復活したから再開された小説のRTAの第29回はーじまーるよー!前回は、ミカン姉貴の呪いが暴走して大変なことになったところからですね。

 

 今回は、シャミ子と桃がミカン姉貴の精神内部に潜入するところからスタートです。

 

 あの暴走からミカン姉貴は、部屋に戻り荷物をまとめて実家に帰ろうとしていたそうですがそうはいきません。このまま……終われっかよぉ!!とミカン姉貴は桃の説得を受けてそこまで言うならやってもらおうじゃない!!となんとか踏ん張ってくれました。

 

 じゃあ、このまま桃はあの激やば闇落ち薬を飲んでもらおうか!ちゃんと食べてもらおうか!

 

 「泥と……ゴミを煮しめたような……味がする……」

 

 ……いえいえ、ちゃんと飲んでもらわねば困ります。出すなよ?絶対、出すなよ?

 

 ……よし飲んだな!

 

 さて、その前にミッション概要を説明します。シャミ子と桃がミカン姉貴の中にいる悪魔『ウガルル』と対話。ミカン姉貴の呪いを辞めさせるようにして欲しいと交渉をしに行くだけのミッションです。

 

 ただし、当然彼女の中に侵入すれば反撃が来る可能性は高いらしいです。じゃあ、彼女らには眠ってもらいましょう。

 睦月君は行かないのか?と言いますと行きません。魔法少女の中ってなんかエッチってことで踏み込みを躊躇います。この辺は3巻シナリオ後のサブイベントでシャミ子の中に入った後、悶々とする睦月君の姿が見受けられたのでDTには辛いというか……いや、むっつりすぎへん?まあでも桃の例の紐があるからなおさらか!!(思考放棄)

 

 なので今回はオペレーターに徹してもらいましょう。

 

 いつものようにいるかいないのか分からないポット君を呼び出して、オペレーティング開始!ごせん像とポット君をつなげてミカン姉貴の意識に侵入したシャミ子と桃を導くのじゃ!

 

 こうしているとロックマンエグゼを思い出しますねぇ!プラグイン!シャミモモ.EXEトランスミッション!!(めいさく)

 

 ミカン姉貴の意識内部は魔力のもやで視界が見えにくいです。ポット君の画像補正効果で何とか見えていますがスキャン範囲にも限界があり、もうちょっと二人には進んでもらうことにしましょう。

 

 何も見えないか?――――――何も見えなくていいんだよ(至言)

 

 さて、このまま彼女らには進んでもらって―――――

 

 「すいませーん、陽夏木さんの部屋ってここで合ってま……何これぇ!?」

 

 杏里姉貴の来襲イベントが発生します。そして死屍累々なこの現場を見て驚愕します。しかも睦月君がポット君をかぶって空中で腕をワキワキやっている場面なのですごいシュールなんですよね……

 

 >佐田さんいらっしゃい――――――あ、そこちょっと待ってから進んだ方がいい

 

 『オペレーティングシステム起動中につき応対不可』

 

 >今、忙しくて……ちょっと待ってて

 

 と、杏里姉貴と会話している裏ではウガルルとようやく合って交渉をしはじめるようなのでいったんポット君を頭から外したあと状況を説明しましょう。

 

 ミカン姉貴の呪いうんぬんかんぬんを今なんとかしようとしていると言っておけばOKでしょう。

 

 「おい、そこの二人。ミカンをちょっと起こせ」

 

 ごせんぞが要求してくるのでちょっと起こしましょう。ここで注意するべきなのが全起こし。フル覚醒状態にしたらやり直しになるのでタイムロスです。なのでしないようにしようね!(1敗)

 

 ・>そっと、頭を持ち上げよう

 ・ グイッと思いっきり

 

 ……ゆっくりゆっくりだぞ……そっとゆっくり持ち上げて行くんだ……OK?

 

 これで半覚状態を維持し続けてからしばらくするとみんなが現実世界に帰ってくるので持ち帰ってきた情報を整理しましょう。

 

 まず、ウガルルが召喚された際に魔法陣が小さい。よりしろショボイ!おまけにお供えの唐揚げはレモン漬けにスカスカ、揚げ物の末路。哀れ。

 

 まあ、そりゃ最悪のオンパレードで……唐揚げレモンは人によっては戦争だろうがよぉ!!!

 

 話を一通り聞き終わりましたがじゃあ、何をすればいいのか?要するにウガルルをこの世に再召喚すればいいってことです。でも、それってどうすれば?と考えていると――――

 

 「こういう時は……」

 

 >ま、まさか……

 

 「小倉さんを呼びましょう」

 

 >やっぱり!!

 

 「呼んだぁ~?」

 

 この手の案件では優秀な小倉さん。うん、ありがとう。でも帰って……あっ、(帰るところ)ここかぁ!!(絶望)

 小倉さんの提示したウガルルちゃん再誕計画に必要なものは

 

 ・質のいいよりしろ

 ・正確な魔法陣

 ・魔力を含んだウマい飯(お供え)

 

 以上が必要なものとなります。でもそんな簡単にそれらの素材が集まるわけ……

 

 「私、バイト先に魔力のこもった料理を作れる人知ってます!!」

 

 と、余裕の条件その1クリア。この料理を作れる人というのはリコくぅんですね。

 

 いやでもまだ材料のお肉……!!!!!!!!!!!!!!*1杏里姉貴の家は肉屋!!

 

 でも、よりしろの材料の毛……幻獣の尻尾の毛が必要だそうです。人語を理解する動物系のまぞく……あっ!店長!!

 

 まだもう一つ、おくおくたまの上質な霊脈の土が……この前持って帰ってた!!*2

 

 

 と、いろんなことのラッキークッキー☆もんじゃ焼き八代亜紀が重なり速攻で召喚プロジェクトが開始されました。早くなぁい?この後は原作に沿ってシャミ子が杏里姉貴のお店のお肉を喫茶あすらに持っていき、ついでにケツ毛をむしり取ってくるのでなんの心配もいりません。

 

 睦月君のやることは、魔法陣描きです。ウガルルのよりしろの造形は桃に任せてポット君の指示に従って魔法陣を描きましょう。

 この際、魔法陣を描き間違えて最初からやり直しにならないようにしましょう。睦月君は魔法系はからっきしなのでうろ覚えもいいところです。この辺、桃にやらせた方がスムーズだということに気が付いたのでちゃんとチャートに書いておきましょう。(ガバ)

 

 しばらくすれば、体育祭実行委員会のメンバーも駆けつけてくれるので後は楽ちんちん!!

 

 ここまで来たら、シャミ子が料理とケツ毛を持ってきてくれるので後はもう楽勝です。

 

 「お姉に……お兄、この人誰?」

 

 良子ちゃんまで起きてきちゃったよ……彼女も協力させちゃ……ダメじゃないか!彼女への負担を和らげつつ自身も粘土こねに加わりましょう。

 

 このお粘土こねこね時間の間にポット君と桃にはよりしろの設計を行ってもらっておりますが基本構造はごせんぞよりしろの流用です。そこに少し改造を加えるだけなので時間はかかりません。

 

 そんなこんなでできたのがこちらとなります(三分クッキング感)

 

 髪が長くてかわいい(ノンケ)じゃあ、さっそくミカン姉貴、魔法陣の中に入ってウガルルちゃんお迎え準備!

 

 あとはシャミ子のなんとかの杖でニューボディに突き刺して――――ウガルルちゃん入ってこぉ^~い!!

 

 

 「ん……あ?オレ……体アル?ここ外?」

 

 

 実験は成功だ!!(緑虐)さて、無事にウガルルちゃんの召喚に成功したので今回はここまでにしておきます。ご視聴ありがとうございました。

 

 

 

 ♦

 

 

 

 数多くの人の手を経てウガルルの身体、よりしろが完成した。少女の形をしたよりしろが目を覚ますと現世に降り立ったことへの驚きの言葉を発した後に真っ先に睦月を指さして、

 

 「知ってるゾ!オマエ!トゲトゲ魔人!!」

 

 「トゲトゲ魔人!?」

 

 その言葉からしてC-ガイムのことだと思われるがC-ガイムはそこまでトゲトゲしていないし、怪人みたいなデザインじゃない……ハズだ。とかつて鏡越しに変身後の姿を見た睦月は思う。

 

 その指摘に驚きながらもなんとかウガルルはここばんだ荘に居つくことになった。安堵で胸を撫で下ろしホッと一息入れた後で、ミカンが準備委員会のメンバーにそれから周囲の人々に謝罪と感謝の言葉を述べているのが見えて、それから睦月のところにも来た。

 

 「ごめんなさい、睦月君。昼間のこと……」

 

 「いいんだよ、全然平気だったし傷一つなかったし」

 

 そうは言ったもののやってしまったことの大きさは簡単には拭い去れるものではない。抱えて考えてしまうタイプだというのは、今回の事件で承知できた。

 

 自分にもそういう面はないか?睦月は考える。例えば―――これまで、あえて触れないように―――考えないようにしてきた『家族』のこと……

 

 ――――怖い。やっぱり考えるだけでも怖い。

 

 いきなりいなくなった両親のことを考えると、自分は捨てられたんじゃないか?そう考えることさえ怖い。

 

 「……睦月君?」

 

 「え?」

 

 ミカンの声にハッとなって、うつむいていた顔を上げる。

 

 「大丈夫?やっぱり、昼間のが……」

 

 「いや、ゴメン何でもな―――」

 

 

 何でもない、そう言おうとしたらミカンが睦月の目を覗き込んで

 

 

 「――――ホント?」

 

 

 目と目が合う。びっくりして思わず後ずさりする。

 

 「ち、近いって!!陽夏木さん!」

 「……睦月君。今日、私みんなに助けられたわ」

 

 「みんな優しくて、私の問題に向き合ってくれた。だからきっと睦月君のこともなんとかしてくれるかもしれない……」

 

 彼女は今日の出来事を振り返り、友人に恵まれたことを実感する。いろんな人材に恵まれている強運と千代田 桜が残したものの成果が実を結んだのだ。一人では成し遂げられなかったことだろう。

 

 だから、みんななら――――という期待を込めて彼にも重い荷を下ろして欲しい。それがミカンの思慮だ。

 

 「もちろん、私も手伝うわ。……それとも人に言えない?例えば……シャミ子のことが好きとか……?」

 

 「なっッ……え、ちょ……違うって!!」

 

 「睦月君の場合は一歩前に進めばいいかもしれないわ」

 

 顔を赤めて慌てる睦月を見てミカンはフフフ、と笑う。からかい混じりの笑いをかき消すように

 

 「シャミ子は関係ないって!!というか!もう今日は解散!終わり!!陽夏木さんもウガルルちゃん連れてさっさと寝ましょう!」

 

 強引にみんなに解散令を出して睦月は強制的にこの場を終息させた。その背中を見たミカンは笑みを浮かべながら新たに出来た同居人を連れて、自室へ戻っていくのだった。

 

 

 ♦

 

 

 時刻は皆が寝静まった頃、人によっては早朝ともいえるこの時間帯に睦月は目を覚ました―――覚めたというよりかはふわふわした夢の中のような――――

 

 

 「睦月よ」

 

 

 この声には聞き覚えがあった。間違いなくリリスだ。

 

 

 「この前に交わした約束を覚えているか?」

 

 

 約束。そうだ、確かシャミ子との仲を取り持つべく彼女が何とかしてくれると言っていた。

 

 

 「先払いだ。今、お前の身体を使わせてもらうぞ!」

 

 

 ちょっと待て、あれはまだその機会さえ訪れてない―――――そう反論しようとしたものの急に暗い闇の中に引き込まれていくような感覚に見舞われ、そのまま意識が遠のいていく。

 

 

 「ようやくだ……最強の身体が今ここに……」

 

 

 リリスのたくらみの声を最後に睦月の意志は、暗転していった。

 

 

*1
雁木のと寝た時の効果音

*2
おくおくたまレッツゴー参照





・シャミ子
 友/15
 愛/3

・ちよもも
 友/13
 愛/3

・ミカン姉貴
 友/5
 愛/0

・ウガルルちゃん
 友/1
 愛/0

・杏里姉貴
 友/2
 愛/0

・小倉ァ!
 友/4
 愛/0


次→もうそろそろできそうだから待ってくれ!ISI君!!4/18


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4.5巻シナリオ
乗っ取られるまで




 Q.なんでこんなに時間がかかったん?

 A.やることが……やることが多い!!!


 まあ、それは置いといていずも先生が復活なさられたそうなので初投稿です。


 

 閑散とした部屋に響く衝撃音。

 

 「余……俺をこんな気持ちにさせるシャミ子が悪い」

 

 シャミ子の顔のすぐ隣にあてられた手。いつにもなく真剣な眼差しをした睦月。慌てて、いろんなところに目を動かすものの彼の視線からは逃れられない。

 

 少し長めのボブカットの髪形も額から伸びる角もいつも着用している彼の衣類も何も変わらないハズなのに。

 

 そもそも、彼女がここに来たのは借りていた漫画を返しに来ただけだ。それがいきなり、玄関から部屋に引き込まれて無理やりこんなことになっている。

 

 こんなしっかりと彼の顔を見たのはもしかしたら初めてかもしれない。少年としても青年としても見える彼の表情には迷いはない。

 

 

 もしかしたら―――今日は関係が進んで――

 

 

 一瞬、考えていた時に睦月の背後にあるはずのないものが見えた。紐……のように見えるが違う。尾てい骨から伸びる電気機器のコードのよう見えるあれはしっぽだ。一般的に悪魔を思わせるような形状のそれは本来であれば睦月にはないものだ。さらに先端の逆さまのハートが3つ連なったようなのも見たことがある。

 

 

 「……ごせんぞ?睦月君の中にいるんですか?」

 

 

 もしやと思った疑問を彼にぶつける。すると、彼は狼狽し始め、

 

 「な、なにをぅ!お、俺は睦月だぞ!」

 

 答える彼はますます───怪しい。というかもうすでにボロが出かかっている。目が泳ぎまくっていることから彼の中には睦月が入っているということで間違いないだろう。

 

 そんなやり取りの背後で聞こえたドアの開閉音。そちらに目を向けると……桃が立っていた。彼女からすればこの光景はきっと自身が立ち入っていい空間じゃないと察することは容易に想像できた。

 

 ────あ、これ厄介なことになるパターンじゃあ……

 

 それできっと後々、何かしら事件の予感を感じ取って────

 

 「……二人とももうそんな仲になったんだねじゃあ私もうすぐ立ち去るから」

 

 「ち、違うんです!!桃ぉ!!」

 

 誤解を解くために大声で桃を呼び止めた。

 

 余談だが早口でものすごく高速で目が泳ぎまくっている桃は面白かった。

 

 

 

 ♦

 

 

 

 場所は変わって、ばんだ荘の敷地内。アパートを見渡せるスペースに睦月とシャミ子、桃にミカン。それから先日新たにこの場で生誕したウガルルが集まっていた。

 最も今の睦月はリリスが中に入っていることで通常とは異なる状態ではあるが。

 

 「ハッハッハッ!!よくぞ集まったな!皆の衆!」

 

 みんなを横一列に並べて高笑いを浮かべるリリス。

 

 「集まったってか……集めさせられたというか……」

 「ハラ、へっタ」

 「もうちょっと待っててね」

 

 突然始まったリリス主催の集会に困惑する一同。

 

 「此度、余はポットの不在の隙に睦月の肉体を乗っ取り最強の体を手に入れることに成功した!」

 

 その演説にシャミ子、ウガルルを除いてやれやれといった顔で呆れ混じりで耳を傾ける。最もウガルルも空腹で話を聞いていない。まともに聞いているのは元々リリスを慕っているシャミ子だけだ。

 

 「でも、その身体って睦月のものだよね?リリスさんの力じゃなくて」

 

 桃の指摘に一瞬、うぐッ、と図星の声を挙げるものの即座に気を取り直す。

 

 「だが、余の力で睦月を手中に収めたからこれは余の力だ!どこぞのガキ大将も言っていただろう、お前のものは俺のもの!と」

 

 ハッハッハッと再び高笑いをするリリスにミカンが尋ねた。

 

 「そう言えばポット君は?」

 「あ奴なら小倉のところへ向かったぞ」

 

 今回彼女が体を乗っ取ることができたのはポットがいなくなったからだろう。

 

 「空き巣……」

 「人聞きの悪いことを言うな!!────そんなことよりも、今から余の力見せてやるからな!」

 

 そう言って、リリスは右腕を前方へ伸ばす。人差し指は桃に向けて不敵に笑いだす。

 

 「クックックッ……今から桃!貴様を遠くまで吹っ飛ばす!」

 「……あ、テレポーテーションか」

 

 ──最近、使ってなかったから一瞬分からなかったと心の中でつぶやく。

 

 「くらうがよい!!」

 

 大きく右手を開いてイメージを解き放つ。そして、その瞬間。一人の人間がこの場から姿を消した。

 

 「えっと……リリス……さん?」

 

 

 ────姿が消えたのは桃ではなくリリスの方だった。

 

 

 彼の使うテレポートの正式名称はクォンタム・ジャンプと呼ばれるものだ。その名の通り自らの体を量子化させ、「移動した結果」を作り上げているに過ぎない。そのため、ほかの人間の体を飛ばすと言った芸当は睦月の体に触れていないと基本不可能だ。

 そんな知識もなくリリスは自らの体をどこかへ飛ばしてしまったのだ。

 

 取り残された一同がその結果に唖然として、立ち尽くす。

 

 

 「今の……何!?」

 

 信じられないものを見たようなミカンが疑問をぶつける。

 

 「テレポーテーションだって」

 「いや、だって。じゃなくて……」

 

 彼女からしてみれば、いきなり睦月が消えたのだ。この町がいくら変な人々が集まるからと言って目の前から急に姿を消したら驚く。

 

 「解散……しようか?」

 「え!?ごせんぞと睦月君はどうするんですか?」

 「でも……いつ帰ってくるか分からないし……」

 

 なんて話し合いをしていると、姿を消した地点からズレることなく再びリリスが現れた。なにやら息を切らし冷や汗を浮かべている。

 

 「ど、どういうことだ……なぜ、余の方が飛ばされた……?」

 「お、お帰りなさい、どこまで行ってきたんですか?」

 「なんか知らん山の奥まで飛ばされた……」

 

 ぜーぜー息を切らしながら語るリリス。

 

 「これ以上、あなたに睦月を操作させたら睦月が痛みます」

 「この流れ、なんか前にも……」

 

 一連の行動を見た桃はこれ以上厄介なことを起こすまいとリリスを拘束しようとする。身体能力はほぼ一般人と変わらない睦月の体は力で簡単におせるとにらんだ桃は腕を押さえつけようと肉薄するが直前、半透明の壁に阻まれた。

 

 「フッフッフッ……シャミ子とは違うこの体!今の余は最強だ!!」

 「私のことさらっと馬鹿にしてません!?」

 「はぁ……めんど」

 

 展開されたバリアが接近させまいと桃の腕を弾いた。しかし、そんなことであきらめる彼女ではない。手刀にした右手をバリアに突き立て続けてそこに左手を合わせ────

 

 「フ……ッ!!」

 

 ジャッキの要領でこじ開けようと試みる。バリアからメキ……メキ……と少しずつ音を立てていく。これがバリアが瓦解していく音なのかは不明だが、これを割れる音と解釈したごせんぞは冷汗を流す。

 

 「こ、こうなったら……」

 

 最後の手段を使う。────ニヤリ、と笑みを浮かべ、

 

 「これが睦月の体なら、アレ(・・)が使えるよなぁ?」

 「まさか……」

 「そう──────『アクセス』がな!」

 

 声高らかに叫んで、位相次元から魔人を引き寄せるコード。いくつかの残像が睦月の体に重なって、圧倒的な力をもつ魔人が降臨。

 

 

 

 

 

 

 「………………………………アレ?」

 

 ────しなかった。

 

 「アクセス!……アクセス!!」

 

 なんども連呼し続けるものの、結果は同じ。

 

 「アクセスなら使えないよ。だって────」

 『変身コード不承認:脳波パターン不一致。』

 

 ふいにリリスの背後から響く合成音声。抑揚のない声ではあるが怒りを感じるのは気のせいだろうか?リリスが後ろを振り向くと……

 

 球体に近いボディを宙に浮かせているポットがいた。その姿を見て顔が真っ青になっていくリリス。

 

 『リリス』

 「ひゃいっ!!」

 

 これから何が起こるのか?それを想像していた彼女は上ずった声で、返事を返す。身体はガチガチとぎこちない動きを見せ、その場に固まった。

 

 『精神体への.zip方式での圧縮凍結を提案』

 「……」

 『反対意見を募集する』

 

 周囲に意見を求めるポット。しかし誰よりも早く口を開いたのはリリスだった。

 

 「ず…………ずみまぜんでじだ……」

 

 ────なんかこのやり取り前にもやった気がするな。涙ぐみながらポットに謝罪している彼女を見てなんだか哀れに思った桃だった。

 

 

 

 ♦

 

 

 

 まず感じたのは光。その感覚に思わず目を開ける。ぼんやりする頭で状況を把握しようとする。

 寝かされているのは、畳の上で────それから彼女、シャミ子が見えた。

 

 「あ、目が覚めましたか?睦月君」

 「……えっと、どうして───」

 

 睦月の記憶では確か最後に見たのは、ごせんぞだったハズだ。それから……それから?

 

 「何やってたんだっけ?俺」

 「そ、そのことについてはいろいろあって……」

 

 そう言いながら顔を赤らめるシャミ子。一体自分が寝ている間に何があったのか、首を傾げながら上体を起こしてゆっくりと立ち上がる。

 

 「その……覚えていないんですか?さっきの────こと」

 

 「さっき?……ってなに?」

 

 「覚えていないなら……別に……いい、です」

 

 真っ赤な顔のまま、俯く。彼女の頭の中にあの光景が焼き付く。顔は、どんな感じだった?服装は?伸びてくる手は?

 ひとつひとつを思い出すたびに胸の中が熱くなって、こういう感覚をなんと呼ぶのだろうか?

 

 (───俺、マジで何やった!?)

 

 一方で、顔を赤らめているシャミ子を見ていた睦月は内心激しく動揺していた。

 

 (もしかして寝ぼけて何か……とんでもないことをしでかしてしまったのか!?)

 

 身に覚えのない行為に狼狽し、さらに何か口にするのも憚られるようなことをしてしまったと思い、もしやの可能性として……考えただけでも頭の中が煮えそうな感覚に陥り、その熱が顔まで伝わる。そんな顔を彼女に見られたくない一心で顔を背けた。

 

 お互いに直視できない───そんな空間が場に流れる。

 

 「優子ー!そろそろ……」

 

 その空間を打ち破ったのは二人ではなくシャミ子の母、清子だった。

 

 「あら、ごめんなさい……もうちょっと空気読むべきでしたか?」

 「い、いえ!清子さん!大丈夫です!」

 「そ、そうです!平気です!おかーさん!!」

 

 傍から見れば部屋に男女が二人っきり。しかもお互いに顔を赤らめてそっぽを向き合っている。明らかに何かあったように見えるだろう。しかし、実際はなにも起こっていない。

 

 そんな空気を察したのか察してないのか、清子は話を切り出す。

 

 「睦月君、今日は久しぶりに晩御飯をうちで食べていきませんか?」

 「えっ、ああ……でも……」

 

 赤くなった顔が元に戻った睦月はその誘いに戸惑う。その迷いを押し出すようにシャミ子が口を開く。

 

 「わ、私……睦月君さえよければ、一緒に……食べ……たい、です」

 

 そういう彼女は体をもじもじと揺らし睦月の反応を伺う。彼女のしぐさに目を奪われつつ、返答を返そう。

 

 「じゃ、じゃあご一緒させてもらってもよろしいでしょうか?」

 「フフッ、そんなにかしこまらなくてもいいんですよ。もしかしたら────」

 

 

 

 ────家族になるかもしれませんから

 

 

 

 「かっ……ッ!!かッ……カゾッ!?」

 「おっ、おっ、おかーさん!!」

 

 

 清子のとんでもない発言に二人の声がばんだ荘に響き渡る。

 

 今日もばんだ荘は平穏な一日だったということだ。

 

 

 

 ♦

 

 

 

 加速する電子の光と情報が行き交う空間。そこに一体の宙に浮くロボット、ポットと今回の騒動の張本人であるリリスがいた。しかし、リリスの方は正座でポットの前に座っている。ばつの悪そうな顔のままポットとは視線を合わせないように、何を言い渡されるのか恐怖と不安が今の彼女の心境だった。

 

 『リリス』

 「ひゃいっ!!」

 『弁明を許可する』

 

 冷徹な合成音声がリリスの耳に届き、小さな悲鳴を上げた。果たして弁明したところで、彼からの判決は覆るだろうか?そればかりを気にしてリリスは震えるような声で語りだした。

 

 「だ、だって!ウガルルのことがうらやましいぞ!余は……余はあの間抜けな像に封印されて!だから、睦月の体で最強になって……」

 『……』

 「それに!ちゃんとシャミ子と睦月の仲だって取り持ったぞ!」

 

 リリスの言っていることは嘘ではない。事実、二人の距離が縮まったのは彼女のおかげであることには間違いない。しかし、その手段が問題だ。

 ポットの電子頭脳がリリスの強行手段を咎めるべきかそれとも契約に基づいて目的を達成したとこの件について目をつむるか?しばし考えたのちに出された結論は……

 

 

 

 『────リリス、今回の件における独断行動を不問とする』

 

 

 「ヤッタァァァァァァ!!」

 

 

 無罪に喚起を上げるリリス。

 

 『忠告:今後、越権行為を行った場合.zip形式での────』

 「うむうむ!分かっておる!」

 

 ────ホントに分かってるのかコイツ。人間ならそう思っているであろう言葉を口に出さない。そもそも、多分何回やっても懲りないだろう。数千年も封印されていた影響で精神力はちょっとやそっとじゃ折れない……だろう。

 

 今後、彼女が自身の肉体を持ち現実に干渉することができるようになれば行動力が半端ではないことが予想できる。仮に彼女を受肉させるとすれば……ウガルルを動かすために用意した時のシュミレーションデータと各関節部の可動域の設計図面は残っている。ウガルルと同レベルのボディを作成することが可能ではある。リリスに肉体を与えれば確実に調子に乗ることは火を見るよりも明らかだ。

 

 

 「で、ポットよ今回協力した謝礼ぐらいは用意してくれてもよいのではないか?」

 

 

 ……こういう風に。







 好感度は今回はボーナスシナリオなのであえて表示しません。たまにはこういうのも多少はね?

 次→こいつらK2の一也と宮坂さんレベルでくっつかねぇな?



 ※おま〇け

 知っておこう!リリスin睦月!


 Q.リリスinシャミ子とはどう違うの?

 A.超能力と一般人よりかは若干高めの身体能力があるためイージー!(なんてことは)ないです。操作性が激悪、超能力の制御が難しい、性差ゆえにバランスがとりにくいと壊滅的な状況だったのでああなった。



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5巻シナリオ
シャミ子のお誕生日まで




 シャミ子お誕生日おめでとう。そして────皆様、お待たせしました。アイスティーでよかったかな?(伝統芸能)

 ※前回までのあらすじ。睦月君が乗っ取られてリリスがどっか行ったり行かなかったりした。


 

 ついに始まった5巻シナリオはーじまーるよー!!前回は、ウガルルちゃんが外に出て来たところからでしたね。その間に睦月君がごせんぞに乗っ取られたりしてましたが何の問題もないね(レ)

 

 今回なにをするのか?と言いま────

 

 

 

 

 ────このゲームは全ての魔法少女を倒すゲームである。

 

 

 

 ファッ!?

 

 

 

 ……ば、バグってない?試走の時にはこんなのなかったハズなんですが……wikiにも何もないってことはゲームのAI君がバグってるんですかね?

 

 

 怖いけどこのまま何もしないのはRTAにならないので進めましょう。この先何が起こっても再走要求はしないでいただきたい!!(横暴)

 

 さて、今回は皆さんお楽しみのシャミ子のお誕生日イベントです!祝え!我が闇の女帝が生誕された特別な日である(ウォズ)。話は、桃が今日お誕生日だということを知ったところからスタートです。

 

 話を聞くにどうも桃は、グループチャットを読んでいなかったとのことで全然耳に情報が入ってこなかったそうです。しっかりしヴォォォォォォォ!!!

 

 睦月君もこの日までプレゼントを何にするか迷ってしまい今日という今日まで決めあぐねて伸ばすに伸ばしまくった結果今日を迎えてしまい今もまだ決まっていないそうです。ちなみに睦月君の心の中は幼馴染で一緒にいたのに贈り物が全く決まっていないことに対してすんごい自己嫌悪をしております。……お前(感情が)重いんだよ……。

 

 ここで一緒に桃と選んでもよいのですが、これ以上は桃√へ行きそうで怖いので別行動とします。

 

 まず、アクセサリーショップへ寄って何かないか探してみましょう。あちらこちら迷って指輪にするべきか、普通のネックレスにするべきか迷った結果、

 

 

>・指輪に……

 ・ネックレスがいいかな?

 

 

 この選択肢でどっちを選んでも購入は控えてしまいます。……指輪ってお前……(ドン引き)

 

 次に訪れたのはゲームショップでなにかゲームソフトを買うか悩みます。が!!ここでも何も選びません。優柔不断野郎この野郎!!

 

 ちなみにわれらが某先駆者兄貴はサファイアのネックレスなんてものを送りましたがそんなものCーガイムのクラフト機能を使用しないと得られません。しかも時間がかかるので誕生日パーティーに間に合わないのでキャンセルだ。

 

 じゃあなんでそのクラフト機能を使わないんだよ?とお思いの視聴者兄貴たちもいらっしゃるようですが材料を集めていないからです。(RTAでそんな時間なんて)ないです。

 

 どうしようかうんうん唸る睦月君ですが画材一式を贈呈することにしました。が!何を考えたかこれだけじゃ足りねぇんじゃないのか?と血迷った彼は、桜の形がかたどられたブレスレットにゲームソフトまでとにかく数撃てば当たる戦法をしだすこのたいらく……まあ資金はあるので問題ないと言えばないです。

 

 じゃあ……行こうか……

 

 場面は変わって、お誕生日会の会場。みんながそれぞれのプレゼントを持ち寄ってシャミ子に貢いでおります。

 

 そして、睦月くんの番がきました。じゃあ、これで渡して今回は終わりっ!!なんか睦月君がどもりながらプレゼントを渡しております。ストレスゲージをここで確認してみると……まあちょいブレてるけど問題ないだろ!お疲れっした!(ヤケクソ)

 

 

 

 

 

 

 「えっと……そのこれ……」

 

 シャミ子の目の前に買ったプレゼントを並べていく。中古のRPGのゲームソフトに色鮮やかな鉛筆、桜が形どられたブレスレットととにかく彼女が喜びそうなものを精一杯選定したつもりだ。

 

 「わぁ!ありがとうございます!!」

 

 目を輝かせて笑みを浮かべるシャミ子。

 

 「でも……これって全部でいくらしたんですか?」

 

 「ゲームソフトは中古品だからそこまででもないけれど、色鉛筆と桜のブレスレットで────」

 

 「ミャッッ!!??」

 

 「重っ」

 

 そう言って金額を教えるとシャミ子は一瞬で真っ白になるぐらいの衝撃を受けていた。周囲もその重さにちょっと引き気味なぐらいの値段だった。

 

 「気に入るかどうか……分からないけど……その……ゴメンね」

 

 申し訳なさそうな声に愁いを帯びた表情で睦月からの唐突な謝罪。

 

 「幼馴染なのに……僕は……何が喜びそうなのか分からなくて。だから、こうやってあてずっぽうみたいなことしちゃって」

 

 しゅん、とした空気が彼の体にまとわりついて声色に申し訳なさが入り混じっている。そんな空気を打ち破ったのはシャミ子の一言だった。

 

 「あてずっぽうとか、そんなこと考えなくてもいいです。睦月君が選んでくれたんですから、私嬉しいです」

 

 シャミ子はそのプレゼントをぎゅっと抱える。幼馴染に喜んでもらえて、睦月はほっと胸をなでおろした。自分の選択が間違いではなかったことへの安堵でもあるし失望されなかったことへの安心でもある。

 

 

 ────うまくやれたぞ、僕。

 

 

 心の中でガッツポーズを決めて特に一番の目玉である桜のブレスレットについて語ってみることにした。

 

 「シャミ子には桜のブレスレットが似合うかな?って思って買ってみたんだけど」

 

 「すごいキレイです!これやっぱり────」

 

 「────ヤバいよ……値段。だから、明日からお昼は食パンだ!」

 

 「胸張って言わなくてもいいですから!お弁当分けてあげますから!!」

 

 宙を舞えるぐらい軽くなった財布をひらひらさせ、虚無と笑みが混じった表情を見せる睦月。

 

 「本当はサファイアなんか作れたらって思ったんだ────」

 

 「サファイア作り出すってなに!?」

 

 「シャミ子の誕生石はサファイアだから……ホントはそれをあげようかと思ったんだけどさ」

 

 「あげるとかそういうこと以前にとんでもないことしようとしてません!?」

 

 とんでもないものをあげようと画策していた彼に対してミカンが遅い提案をする。

 

 「だったら、お花とかでもよかったんじゃない?」

 

 「それも考えたけど、花は食べられるヤツの方が喜ぶかな?って……」

 

 「いや、食べるためにあげるものじゃないのよ……」

 

 彼女はあきれ顔を浮かべた後、睦月に向き直りこう言った。

 

 「いい?睦月君、こういうのは値段とかじゃなくて何がその人を喜ばせるか、っていう気持ちなのよ。シャミ子にいろんなもの渡してたけど、睦月君自身はシャミ子なら喜ぶって思ったものを渡したんでしょ?シャミ子だって喜んでいるんだし自信持ちなさいな」

 

 ミカンの後押しに睦月は小さく頷く。その言葉に段々と自分の選択は間違いではなかったと心の中で確信に変わった。あれこれ買って散財こそしたもののシャミ子のために買ったのだし後悔はない。

 

 「ありがとう、陽夏木さん」

 

 よくってよ、と返事をもらったところでシャミ子へ視線を向ける桜のブレスレットを大切そうに眺めている。

 

 「睦月君、ありがとうございます。このブレスレット大切にしますね……飾っておきます!!」

 

 その言葉に一瞬、え?と疑問符が浮かんだ。飾るってこれは、身につけるものであって────

 

 「飾るものじゃないから!!」

 

 桃のツッコミが炸裂した。

 

 「え?でも大切なものだから……」

 

 「いや、使ってよ!オシャレのために買ったんだからさ!!」

 

 ……想像以上にシャミ子は結構ぶっ飛んでた。

 




・シャミ子
 友/16
 愛/4

・ちよもも
 友/13
 愛/3

・ミカン姉貴
 友/6
 愛/0


→■ 遊びは終わりだ


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ゆるキャン(全然緩くない)に行くまで




 火をつけろ 燃え残しすら残さぬように




 クライマックスが始まっちゃう!!なRTAはーじまーるよー!!前回はシャミ子のお誕生日をお祝いしたところでしたね。飾るな……飾るな……

 

 今回はおくおくたまへ向かいます。リリスの受肉イベントはもう終わりました。睦月君が乗っ取られた時のデータとウガルルの肉体を生成したデータが役にたったためほとんど見どころさんもなく、案の定睦月君が入る隙間が無かったのですっ飛ばします。*1

 

 ……ホントは睦月君の入浴シーンでTKB出てるシーンあるけど、本RTAでは全く関係ないのでカットしまスゥゥゥゥゥゥゥ……

 

 で、なにをするのか?というとキャンプ用具をそろえて、いざ鎌倉と行きましょう。今回なんでおくおくたまへ行くの?と言いますとリリスが受肉したためその慰安と行きます。

 

 これより!山へ進軍する!ハンニバルのごとく山越えをするのじゃ!その途中に小さな祠があるのでお祈りを忘れずに。先駆者兄貴のところではここでお祈りをしておかなければなりませんでしたが本ルートでは関係ありません。なんでって?

 

 

 こ れ か ら も っ と 恐 ろ し い こ と が 起 き る か ら で す 

 

 

 ……いや、お祈りはしなくてもいいならスルーすればよかったんじゃ(ガバ)

 

 ……まあ、恐ろしいことについてはあとで分かることになるので今はキャンプを楽しみましょう。キャンプ場についたらテントを立てます(意味深)その間にみんなでお肉焼いてろよな!!

 

 こ↑こ↓で火を起こすというミニゲームがあるのですが、関係ありません。睦月君は指先からレーザーを出せるのでそれで着火します。木の棒で火起こしなんてしません!……いいだろお前これRTAだぞ、北京原人じゃねーんだぞ!火打石とか木の棒なんか必要ねーんだよ!!(現代人)

 

 そこへ杏里姉貴がお肉を持ってきます。良いお肉だぜぇ?じゃ、これを焼いていくのですが、その途中ミカン姉貴&ウガルルがレモンかけようとしたり食べようとしたり妨害をくらいますが退けます。別にストーリーに関わらないのでかけられても食べられてもどうでもいいのですが……負けらんねぇんだよ、負けらんねぇんだよ!!!アンタたちにぃ!!!(アスカ)

 

 それはともかく、お肉が焼きあがったのでジュースで乾杯しましょう。リリス姉貴にはお酒、これで良し!!じゃあ、リリス姉貴があと3日の命で終わることに対してカンパーイ(卍解)!

 

 あとは、リリス姉貴がすっぽんぽんの裸踊りをしようとするのを阻止しましょう。ストレスゲージがヤバイことになりま────

 

 

 アッ!!(スタッカート)

 

 

 ストレスゲージが溜まりまくってるやん!!!

 

 これはいけません!!いつの間にかゲージがMAX寸前ッ!!管理し忘れかぁ?再送かぁ?とお思いの方々。慌てず騒がず落ち着いて(福ちゃん)

 

 これはこれから始まるイベントの布石なので何も問題ありません。睦月君が主人公の場合、シャミ子ルートあるいは桃ルートがトゥルーエンドに相当するのでこれが発生するということはもうすでにトゥルールート確定です。 

 

 

  た だ し 

 

 

 ここからは結構シナリオ的にキツイ、辛い展開があるので桃が好きというお方にはオススメできません。見たくなければ帰れ!(碇ゲンドウ)

 解説している間にそろそろ山の神にシャミ子が意識を幽閉されるのでここからヤバいことが……起こります。

 

 

・>もういい……全部、焼く

 

 

 はい、睦月君の暴走です。暴走状態になったということはNPCモードに入り一切の操作を受け付けなくなります。久々ですねこのモード。暴走したということは視点はいったんシャミ子へ移ります。

 

 

 なんかファンタジーな空間にシャミ子とデッカイ白いヘビがおります。これが山の神様です。これがとぐろ巻いて山になったらしいっすよ、つまりUN────(強制終了)

 

 ここで山の神から重要なワードの光の一族のことについて聞けますが原作通りなのでスルー。差違だけ言うのであれば、C-ガイムのことについて若干知っているようです。なんでもかつて交渉でスペースブリッジを設置する許可をもらったらしいっすよ。……その割にはあまり、C-ガイムを快く思ってないようですがね。

 曰く、「外」から来たからだと言っております。外って何の外だよ?まあいいや!

 

 

 視点は再び、睦月君側に移り暴走のその先を……見せてやるよ……(震え声)

 

 彼がなんか変なオーラまとって宙に浮いております。しかもその遥か頭上には太陽みたいな灼熱の玉が浮かんで────これデスボール?まあ、いいでしょう(注釈)(良くない)

 

 こうなった彼を元に戻す方法は……

 

 

 

 ────彼を殺しましょう。

 

 

 

 大丈夫!彼は再び復活するのでなんの問題もありません!!自爆保険に入っているので睦月君の自爆プロセスを発動します。……発動します。……発ど………………しない?なんで?(殺意)

 

 『コード拒絶:別プランでの阻止を提案中』

 

 は?………………じゃあ、物理的に殺す……なんていうのは……

 

 

 ああ、ダメですね……そりゃみんな彼を討てるわけがありませんよね。知ってます。

 

 Q.じゃあどうすんの?

 A.つみです。でなおしてまいれ。

 

 ………………アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!もうヤダぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!ここまで来たのに!!再走?ヤダ!!小生ヤダ!!何とかして……何とか……ナントカ……

 

 

 

 『────強制終了プロセス……生体プログラム強制停止』

 

 

 

 ……え?……え?────────あ、ああ!!そうだった!!

 

 

 ポット君には睦月君が暴走状態でも殺せるように自爆以外でも心停止させることができるんですね。

 

 ……じゃあ、普段から自爆じゃなくて心停止使えばいいんじゃない?とお思いの視聴者の方々に申し上げますと心停止だと生体サイクルが狂う!ので普段は自爆プロセス挟んでいるわけです。

 

 設定上では、自爆しなかったという結果を少しずつ別々の世界線から引き寄せて再生しているというからくりです。要は一から作った方が早いんですね。……それはそれでなんか業が深いですけど……まあいいでしょう。

 

 こうして地球は救われたのでどうでもいい!!こんな状態ではキャンプも続けられませんし終わり!閉廷!!帰りましょう!!

 

 

 

 ♦

 

 

 

 

 それは恐るべき轟音だった。

 

 それは神々しい輝きだった。

 

 それは世界を破壊する暴力だった。

 

 

 

 

 

 シャミ子が山の神────大蛇によって意識を幽閉された。それを聞いて睦月の中で何かがぐつぐつと沸きあがる。この感情が叩きつけられるべき場所は大蛇の体すなわち、今踏みしめている大地だ。

 

 

 「シャミ子を────返せ」

 

 

 怒り。それだけが彼の心を支配していた。

 

 「待て!!睦月!山を消しても────」

 

 リリスの制止も振り払い、

 

 

 「────アクセス」

 

 

 それは亜空間から魔人を呼び出す言葉。それが意味するのは睦月が本気になったということの他ならない。確実にこの山を消すつもりなのだろう。しかし、それはポットによって阻まれる。

 

 『変身コード:非承認』

 

 魔人は使用する本人の精神状態が安定していない場合ないし緊急事態以外には呼び出すことはできない。万が一、悪魔のささやきに乗せられその力を悪用されないようにだ。

 

 ポットの判断からして彼が冷静ではないのが見て取れる。そんな状態で使用するなどもってのほかだ。これで睦月があきらめてくれるか?答えは否だ。変身コードを拒否された彼は、ゆっくりと宙へ浮かびあがる。

 

 「もういい……」

 

 「────全部、焼く」

 

 そう言い放つ。ゆっくりと高度を上げていく彼の姿が月光によって生じた影で黒く染まっていく。

 

 「睦月……何を……」

 

 桃のつぶやきは宙に消え、彼の姿が月を背後に完全に真っ黒に変貌した後で彼の手から煌々とした光が一つ夜空に向かって放たれて────

 

 ゴウ、と小さな音が聞こえた気がする。それが太陽のように一段と大きくなり周囲をまるで昼間のように明るくして辺りを照らし出す。事情を知らぬ人間が見れば何かしらの自然現象かなにかだと思うだろう。

 

 「睦月……君?」

 

 困惑する一同をよそに冷静にポットは分析を始める。

 

 『推定:火球の表面温度5000℃以上』

 

 「それって……!」

 

 5000℃以上。太陽の表面温度はおおよそ6000℃といわれている。たった1000℃違うだけとはいえ、あんなものが落ちてくると想像すると悲惨な光景が脳裏に浮かび桃はゾッとした。

 

 こうしている間にも、彼は小さな太陽を落とすだろう。しかし、そう簡単にはいかない。

 

 『自爆シークエンスへ移行』

 

 ポットの電子音声が割り込み、火球を落とさせまいと睦月を崩壊させるコードを送信する。

 これならと一瞬の期待が舞い降りる……しかし、その希望は……

 

 『コード拒絶:別プランでの阻止を提案中』

 

 無情にも打ち砕かれる。

 

 「なんで!?」

 

 桃の金切り声にも似た声に対して淡々と

 

 『不明』

 

 ポットは述べた。

 

 

 

 

 ポットによる管理を外れ暴走を始める睦月を止める手段は現段階ではもうないだろう。ポットの提案を待つ?いつまでかかるか分からないものを頼る?

 

 大きく息を吸って吐いて……手を開いてから、強く手を握りしめる。

 

 

 

 打つ手はない彼を……

 

 「ミカン────睦月を……」

 

 絞りだして、声を放つ。

 

 「撃って」

 

 その判断に周囲は桃に一斉に視線を向けた。驚愕に困惑、そんな視線だろうがそれでも一度決めた決断は覆さないと決めた。

 

 「桃!なんで!」

 

 「────撃って」

 

 「そんなのできるわけないでしょ!!」

 

 「……撃って……じゃないと」

 

 「相手は……睦月くんよ!!そんなの────できるわけ……」

 

 

 

 「待ってよ……撃つとか、撃たないとか何言ってるの?」

 

 声を絞り出すミカンに困惑する杏里。状況がよく理解できていないウガルル。場は混沌を極めていた。ここにいるのは魔法少女にその使い魔と一般人だ。魔法少女たちは怪異を撃破経験こそある。────では人は?

 

 人の手で人を……そんなこと彼女らにできるわけがない。

 

 友を殺めるなど正気の沙汰ではない。

 

 このまま────彼がここに太陽を落として、みんな

 

 

 

 

 

 『────強制終了プロセス……生体プログラム強制停止』

 

 

 

 

 

 すべてが止まった。睦月は、急にその力を失い自由落下の形で地面へ真っ逆さまに落ちていく。ポットだけがその中で動いていた。

 

 あぶない!!────誰かがそう叫ぶ。彼が地面に落下するその寸前にポットは人よりも小さい手、マニピュレータをかざし落下寸前のところで体はピタリと止まる。

 

 「ポット……君?」

 

 震える声で桃は、呼びかけるが返事はない。そのまま彼を連れて空を飛んでいく。

 

 「────待ってよ……どこへ……」

 

 呼び止めようとする桃の制止も聞いてか聞こえずか、そのまま夜空に消えていく。残された彼女らは、ただ立ち尽くす。

 

 数秒、あるいは数分だったかもしれない。静かな場を破ったのはミカンだ。

 

 「ねぇ……桃、シャミ子のこと……」

 

 「……分かった」

 

 ミカンの声に小さく返事をしてからシャミ子の身体に向き直る。その身体に向けられる目は愁いを帯びている。あの時どうすればよかったのか?どうすればあの時……後悔が後からにじみ出してきて、胸を締め付ける。

 

 どこから間違えたのか?どこで間違えた?

 

 その擦り切れそうな心でシャミ子の救出に挑み続けた。

 

*1
ヒント:銭湯へ行くシーンがある







 次→すべてをぶちまける




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(闇に)落ちろ!甲斐 睦月……するまで





 あんなに一緒だったのに






 

 真相がわかる(分からない)RTAの32回はーじまるよー!!前回、睦月が暴走してキャンプが台無しになって……もうグッチャグチャでしたね。で今回なのですが、睦月君がアパートにいつの間にか帰ってきているところからスタートです。

 

 Good morning!!おはよう!ばんだ荘のみんなに声をかけましょう。……あれれ?おかしいね。みんなの像がなんかブレているよ。どうしたのかなぁ?(すっとぼけ)

 

 「&$'Q#'=~=)'&'''"#$'("」

 「!'("'(#'()"#$=~|))(#)"\'($%?>」

 「<<$()")%$#($>./」

 

 ……え?なに言ってんの?……え?待って……と、初見の方々は驚いておりますことでしょう。ネタバレしてしまうと睦月君は発狂してしまっております。いわゆる、らりるれろ!状態です。おっ、脳みそ大丈夫か?

 

 前回のアレによってもう心がダメなんやな……

 

 急に謎の言葉を発しだしたみんなに対し睦月君は逃げ出します。次第に化け物のような姿になっていき……

 

 「'&'%=(~|#」

 

 てなわけなので(逃げ……る必要は)ないです。初見は逃げてしまうイベントでしょうがRTA的には捕まった方が早いです。おとなしくするアル。逃げられへんぞ!と、いやいやと抵抗する睦月くんが超能力で反撃しようとしますが、急に意識が落ちます。墜ちたな(確信)

 

 このあと、また吉田一家の部屋にぶち込みましょう。こいついっつも吉田家にぶち込まれてんな?

 

 そこで話し合いの場を設けましょう。

 

 

 ♦

 

 

 操作キャラは変わってシャミ子となります。で、現在はポット君を呼び出してシャミ子、ごせんぞ、桃、ミカン姉貴、清子さん、さらに小倉ァが集まっております。どういうことなんだコルルァ!!と問い詰めているシーンに移り、尋問を開始。

 

 カツ丼食えよ……カツ丼食えよ!!と、カツ丼を勧めようとするのは置いておきましょう。ロボットなんで食えないし……と、だんまりしているポット君がいきなり流暢に語りだしました。キャアァァァァァァァァァァァァァァシャベッタァァァァァァァァァ!!

 

 あの事務的なボイスをやめられるなら……最初っからしっかり喋ってよ!!

 

 気を取り直して彼から告げられた真実は、今の睦月君は睦月君ではないということです。( ゚Д゚)ハァ?と思うかもしれませんが事実です。

 

 もっと詳しく説明するのであれば、睦月君は過去に肉体的にも精神的にも大きなタメージを負ってしまいました。幸い肉体の方は治りましたが精神はそう簡単には治りません。衰弱していく彼を何とか生き長らえさせるため、彼に人格矯正プログラムを植え付け♂ました。これによって一命をとりとめ普通に生活を送ることができていたんですね。

 

 しかし、そこへ桃が現れて人格修復に異常が発生。それが現在にまで及んでしまっている、こんな状態ですね。

 

 え?なんで桃がいるとおかしくなっているの?と疑問の兄貴たちいますよね?実は……過去に睦月君と桃は出会っております。ある事情で離ればなれになってしまったもののこうして再会できてよかったな!

 

────な訳ないんだよなぁ!睦月君がおかしくなってるんだからYO!!

 

 

 過去に二人の間に何かがあって、こうなってしまったんだよなぁ……で、実はミカン姉貴とも出会っております。ただし、一回だけなのでよく覚えていません。というか彼、桃にボコボコにされてギャン泣きしてたそうです。かわいいね♡

 

 じゃあ、ミカン姉貴の時のようにシャミ子が入って人格を修復……ってのはできない?と提案がありましたが、なぜか入ることができません。なんでぇ?と首をかしげる一同。

 

 『脳波レベル低下。心理空間への侵入路:形成不可』

 

 ポット君も何もできないという状況です。考えられる理由は彼自身が入られるのを拒んでいるからでしょうか。異様にまで高い防御力はそう言うことなんですねぇ……

 

 現状は放置しかありません。だって、どうしようもできないし……君らが……弱いからっ!!(キラ)

 もう一回人格を修復すればいいんじゃないか?と思う方もいらっしゃるでしょうが時間がかかる上、身体に負担がかかる施術を行えば廃人ルート待ったなしです。

 自爆してもいいのですが、無限ループ編に突入してしまうので……

 

 

 ………………詰んでね?これ?

 

 

 一応、シナリオ上問題はありません。このまま放置してもEDはもう決まっているので大丈夫だって、安心しろよ~

 

 じゃあ、今回はここまでです。ご視聴ありがとうございました。

 

 

 

 ♦

 

 

 

 この出会いは必然であったかもしれない、偶然で合ったかもしれない。こうして再びであったのだ。電子頭脳の中で馬鹿にしていた「運命」とやらを信じてみるのもありかもしれない。

 

 シリアルナンバー、12931。当機()の呼称名はポット。

 

 

 

 始まりは、当機()の元所有権者からの命令だった。

 

 「アイツを守れ」

 

 その命令に従って今日に至るまで、甲斐 睦月を守り続けて来た。

 

 出会った時の印象は、ひ弱な少年。前向きとは言い難いまさに守られるべき存在ともいえる、そんな子供だった。

 

 『事故』にさらされ家族を失った彼は、まるで抜け殻のようだった。ベッドの上で虚ろな目をして点滴に繋がれている彼を認識した際には、センサーで映さずとも衰弱しているとわかるほどであった。

 

 彼を────生かす。

 

 そう判断した瞬間に人格矯正プログラムを施した。これは長い時間をかけて人格を矯正及び、修正するものだ。鎧──C-ガイムの影響が未知数であることを考慮し安定させるためのプログラム。

 

 加えてもう一つ。人格のサンプリングとして周囲の人物からの性格も参考として収集を開始する。

 

 以前のような後ろ向きの性格ではなく、周囲に馴染めるように明るめの性格になるように矯正する。基本のベースは前所有者のものをベースに周囲の人物からの影響も与えてみる。

 

 結果として、彼は引っ込み思案な性格から明るい性格へと変化した。

 

 しかし、なにかしらのきっかけで矯正前の性格が顔をのぞかせることもあるようだ。心理的ストレスに弱く、動揺しやすい。これが彼に当てはまる。ストレスの蓄積はC-ガイム側にも影響を及ぼすことが発覚し”振り切れる”と制御が不能になる。

 

 ではどうするべきか?定期的なストレスのリセットを行うには、甲斐 睦月本人を

 

 

 ────殺す。

 

 

 人間の倫理観であれば禁忌ともいえる方法だ。命を簡単に消滅させる……それがいかに異質な行為であるか。だが、彼は普通ではない。C-ガイムを所持し、圧倒的な能力を持っている。それを利用するのだ。

 

 ”結果”を操る力を利用し、爆発しなかった結果を引き寄せ無傷の彼を顕現させる。これが世界を終わらせない方法なのだ。

 

 矛盾していると、頭脳回路に反芻する。町を守る、という命令は受けていない。

 

 優先するべきは睦月だ。

 

 なのに……なぜ、当機()は町を────世界も守ろうとするのだろうか?

 

 ……元所有権者(ハヤト)も町を選んだ時にはこんな気持ちだったのだろうか?

 

 

 

 ♦

 

 

 

 吉田家の居間にてポットは睦月の状態すべてを語る。これまで接してきた彼は偽りのものであったこと。それはこの場にいる者たちに衝撃を与える。特に絶句していたのがシャミ子と桃だ。

 

 「……これまでの睦月くんは……」

 

 長い間接してきた彼女にとってはこれまでの出来事も共に分かち合ったあの感動も経験も全部────

 

 一方の桃は黙ったまま、うつむき続ける。

 

 『桃』

 

 『すまなかった』

 

 『メタ子と協議の結果、君にはしばらく真実を語らないことにした』

 

 彼女には酷な真実だと、彼らは判断した。

 

 「私は────」

 

 『桃。君はもう何も背負う必要はない。君が睦月と再会してしまったのは……』

 

 「いいよ」

 

 桃がポットの言葉を遮る。

 

 「誰かを苦しめてばっかだね……私」

 

 大粒の涙が畳の上にポロポロと落ちていく。ミカンが桃を慰めようとそっと手を伸ばそうとする前に彼女は立ち上がり、逃げるように部屋を後にする。

 

 桃が去り部屋が静まり返る。雨でもないのにしっとりとした空気が辺りを包み込む。誰も何も言わない。言えない。これからどうすればいいのか、誰も分からないのだ。

 

 そんな最中、シャミ子がゆっくりと立ち上がる。

 

 「ポット君、私……睦月君の中に入ります」

 

 『進入路の形成は────』

 

 不可能という言葉をシャミ子が遮る。

 

 「ないなら……探しましょう、このままなんて嫌です」

 

 ポットを見つめつつ、はっきりとやりたいことを伝える。

 

 「睦月君を助けたいです、ポット君だって睦月君を守ってきたのなら……手立てを探しましょう!」

 

 シャミ子がここまで強気に出るのは幼馴染であるだけではない。築いてきた思い出がすべて嘘だったと否定したくないがためだ。彼女の中での睦月は昔から何も変わっていない。意地っ張りなところもあって、女の子がちょっとだけ苦手なところもあって。それから……と考えてもキリがない。彼の良いところ、悪いところを知っている。

 

 「私……また会いたいです」

 

 「睦月君に……会いたい!!」

 

 

 「私もこんなんじゃダメって思うわ!」

 

 次に声を挙げたのはミカンだ。

 

 「ポット君がどんな気持ちで抱えて来たのかわかる気がするもの」

 

 自分の中にウガルルを抱えて、いろんなものを傷つけてしまった彼女だから何となくポット()の気持ちを察することができる。重いものを背負ったまま生きていくことの大変さが。

 

 最も、ロボットだからそういう気持ちは薄いのかもしれないが。

 

 そして、やってしまったことの重さをこの前味わった。そのときポットはどういう心境だったのだろうか。

 

 「睦月君とポット君にはウガルルのお礼もあるしね」

 

 少しはにかみつつ、続けて

 

 「桃のことは任せなさいな」

 

 そう言って、部屋を出て行った。桃と付き合いの長い彼女なら、なんとか桃を立ち直らせてくれるだろう。そう信じてシャミ子はミカンを送り出した。

 

 「じゃあ、私はもうちょっと探ってみるね」

 

 次に声を挙げたのは小倉しおんだ。ノートパソコンをわきに抱え、ポットに向き合う。

 

 『小倉……しおん』

 

 「これまでシャミ子ちゃんが入ることができたのならそれの応用で何とかできないか探るね」

 

 ────後で、ごせん像も借りるから~

 

 声はほんわかしているがどこか真剣な声色もところどころに含まれている。PCと共にポットを伴い睦月が横になっている奥の部屋へ消えていった。

 

 残されたのは、シャミ子とリリス、清子のみだ。シャミ子は自分も遅れずにと小倉の後を追って、隣の部屋に行こうとして

 

 「優子、ちょっといいですか?」 

 

 清子に止められる。彼女の方に振り返るといつもよりも真剣な顔がそこにあった。

 

 「睦月君のことです」

 

 母の真剣な表情からの告発をシャミ子は受け止める。

 

 真実を。

 

 

 

 ♦

 

 

 

 桃は自室のベッドの上で膝を抱えてじっとしていた。聞こえる音は、たまに自分が動いて衣類がこすれる音だけ。

 

 あの時、なんで────もっとどうして────

 

 痛い。

 

 苦しい。

 

 でも、仕方がないんだ。すべてのことは自分がやってしまったのだから。引き金を引いたのは私なのだ。これは、罰なんだ。

 

 自分がやってしまったこと自責の念、それらが渦巻いて彼女を追い詰めていた。ドロリとしてこの感覚が身にまとわりついて体を重くする。

 

 

 桃は魔法少女であるが闇落ちは、しない。すでに、闇落ちは経験している。ゆえにこうして魔力の急激な消耗で消滅することができない。そのことも桃は知った上であえて苦しみを受け入れている。永遠に苦しんでしまえばいい、彼女はずっとそう考えている。

 

 部屋で一人つぶやく。

 

 

 「ゴメンなさい……」

 

 「私が────睦月を……」

 

 「────壊した」

 

 

 痛みも苦しみもまだ終わりそうにはない。

 

 







 夕暮れはもう違う色






 ※実は昨日(25日)投稿予定でしたが今回の内容があんまりにも……なので見送らせてもらいました。ご了承ください。いや、してもらう!




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