大惨事スーパーロボット大戦乙π (一条和馬)
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第01話【出動!ゲッターロボ!!】

~ニューゲーム押したら流れるアレ~

人類が大宇宙に進出を初めて早数世紀。地球に残った民アースノイドと宇宙移民スペースノイドは、特に大きな争いもなく子を産み、育て、そして死んでいった。

銀河系のはるか先まで進出した人類は食料危機、資源枯渇の苦難から解き放たれ、不自由のない生活を手に入れる事に成功したが、その結果娯楽への興味、特に性的欲求への渇望がなくなってしまった。

特にエネルギー問題は宇宙から飛来した『ゲッター線』、そして日本の富士山から採掘されるジャパニウム鉱石から生み出される『光子力』の二つにより、地球圏から眠る夜が無くなったほどである。


時は、宇宙世紀0079


地球圏で一番地球から遠いスペースコロニー『地区B』の古いアーカイブや資料を統括していた『コミ家』が一念勃起。地球圏に住む人類の後退した性癖をこじらせる為、数世紀前の人類が趣味で作ったモビルスーツに女体型のガワを被せた『モデルスーツ』を使用し、進行を開始した。

コミ家は武器を使用しないデモ的な行進だったが、騒音騒ぎで迷惑だったし、それ以前に特にやることの無かった地球連邦政府は艦隊を率いて大規模な討伐作戦を決行。

しかし全裸の美女を模したモデルスーツ相手に連邦軍士官のほとんどが股間に多大なるショックを受けて惨敗。

後にルウム戦役と呼ばれたこの戦いの後「流石に全裸はあかんやろ」とモデルスーツにも下着の着用が義務つけられる『南極条約』が締結された。

そんな中、連邦政府も秘密裏にモデルスーツを開発する『V(ヴィキニ)作戦』が進められていた。

そして痴情……間違えた。地上でも不穏な影が動き始めるのだった…。


【浅間山・早乙女研究所】

 

「くそ!離せ!離しやがれ!!」

 

少年、流(ながれ)竜馬は多少血の気が多い事を除けば普通の高校生だった。しかしそんな彼はある日黒スーツの男に後ろから襲われ、気が付けば浅間山近くの森深くにあった早乙女研究所の前まで連れてこられていたのだ。

 

「この野郎…!俺に何をするつもりだ!?」

「それは“博士”に聞け」

「んだと…ッ!」

 

掴みかかろうとした矢先、ピストルの銃口を向けられた竜馬は渋々といった感じで研究所へと足を進めた。

 

因みにスーツの男はピストルなんて使いたくはなかったが、拉致をする際に大人三人掛かりで負けかけたのでその時にプライドの全ては捨てた。事実三人揃ってボロボロなのである。

 

「あなたが流竜馬くんね?」

 

 竜馬が研究所の正面玄関をくぐるや否や、声をかけてくる人物がいた。竜馬と同い年くらいの若さの少女だった。

 

「そういうアンタは誰だい?」

「早乙女ミチル。あなたを呼んだ早乙女博士の娘よ」

 

 軽く会釈するミチル。そのバストは豊満であった。しかし残念かな。宇宙進出によって現代からは考えられない贅沢三昧を謳歌している地球に住んでいた少年流竜馬の少年部分は特に彼女に反応しなかった!嗚呼、悲しいかな若者のおっぱい離れ!!

 

「で、その早乙女博士は俺をさらってまで何がしたかったんだ?」

「まずは博士の所に案内するわね。この研究所の地下にある“秘密の場所”にね」

「秘密……」

 

“宇宙人はいるのか?”という問いに対して“ノー”と答えられるようになってしまって早数世紀。大宇宙にロマンを感じなくなった世代の竜馬でも流石に“秘密”の二文字には心がときめく。

 

「つまんねぇモン見せられたら帰るからな」

「“これ”を見ても同じことが言えるかしら…?」

 

研究所内のエレベーターで下へ。下へ。更に下へ。

 

「なっ!……こ、こいつは!?」

 

辿り着いた先…。地下百階のフロアにて竜馬は“彼女”と対峙した。

 

「デ、デケェ……デケェ女の首と胸だけがある!?」

「そう!これこそが究極のマシン!その名も“ゲッターロボ”!!!!」

 

格納庫らしい広い場所に吊るされていたのは、腕がなく、ヘソから上しかない、赤い髪の少女だった。

 

これだけ書くと猟奇殺人っぽいのでもうちょっと補足すると、腕や下半身があるべき場所の断面から機械が見えているし、何よりサイズが人間離れしていた。全長にして10メートル以上。特に胸部に関しては片方だけでもフ○テレビの丸いアレに相当するデカさだ。それが二つあるんやで!?

 

「テメェが早乙女博士か!?」

「いかにも」

 

カツカツカツ、と下駄の鳴る音と共に影から現れた白衣の老人、早乙女博士は竜馬に聞かれる前に話を再開した。

 

「時に竜馬よ。“ゲッター線”が何かは知っておるな?」

「あン?そんなの幼稚園児でも分からぁ。ゲッター線ってのは宇宙で発見した無限のエネルギーで、今の地球が潤ってるのはそれのおかげだろ?」

「そうだな。だが!それこそが誤り!!人類の愚行と知れ!!!!!」

「耳元で叫ぶなよジジイ!」

「良いか竜馬よ!!ゲッター線とはただの万能エネルギーではない!“進化”を促すものだ!四足歩行だった人類の祖達が二本足で大地に立った時、何故乳房が大きくなったか!?それこそが進化!今までは雄を誘惑するのに必要だったのは尻だけだったのに対して、二足歩行により目線が高くなった事から必要になった進化なのだ!!つまりおっぱいが大きいロボットを作ればそれだけ人類は進化するのだ!!!!」

「……頭いたくなってきた」

 

ゲッター線ガンギマリの石川作画で迫る早乙女博士の熱量に軽い貧血を起こした竜馬がフラつく。しかし、その身体が地面に倒れる前に、彼の後頭部はやわらかく、暖かいクッションによって包まれた。

 

「大丈夫竜馬くん?」

「ミ、ミチルさん…」

 

ミチルのおっぱいである。羨ましきかなおっぱい枕!流石の流竜馬もDNAの奥底に眠る野生が刺激され、股間のモッコリちゃんがゲットワイルドである。

 

「さすが“ゲッター線に選ばれし者”流竜馬!まだ未完成のゲッターロボを前にそこまで勃起出来るとはな!!」

「あ?いや、これは違ッ…」

「否定しても無駄だ!健全な男子であれば女子のスカートめくりたいし体操着の臭い嗅ぎたいしリコーダー舐めたいに違いない!!」

「小学生かよ!!やってねぇわ!せいぜい学園の女子全員にナンパしたくらいで……なんでもないです」

「そのハングリーさこそワシが目をつけた理由よ!さぁ、このゲットマシン“イーグル号”に乗れ竜馬!そして来るべき“敵”に備えるのだ!!」

「敵…?敵ってなんだ!?」

「その名も…恐竜帝国!」

「恐竜帝国!?」

「百鬼帝国!!」

「百鬼帝国!?」

「インベーダー!!」

「インベーダー!?!?」

「……は、来なかったが。“いつかそれっぽいのが来るだろう”と開発を続けていた矢先!お前たちもニュースで見たことはあるだろう!“地区B”の“モデルスーツ”の事を!!」

「あぁ、あの騒音集団?」

「あれこそが人類の脅威!あれを放っておけば…」

「放っておけば…?」

「スペースノイド達の好きなように地球人の性癖が歪まされてしまう!それだけは断固として阻止せねばならない!!」

「俺帰っていい?」

 

しかし、この間ミチルのおっぱいに挟まれたままで身動きが取れなかった流竜馬、ここで帰ればこのおっぱいともお別れかという名残惜しさが渋々!いやマジで本当に渋々ながらイーグル号へと足を運ばせたのだった!

 

 

 

【イーグル号・コックピット】

 

「中は普通の機械なんだな…」

イーグル号のシートに腰掛けた竜馬は一息つくと、思い出すのはやはり、先程のミチルのおっぱい。

 

「……ミチルさんのおっぱい、デカくて柔らかかったなぁ」

『ふふふ。気が付いていたか!』

「ギャーッ!なんだジジイ!?」

 

恥ずかしい独り言に返事された事で取り乱す竜馬だが、早乙女博士はおろかミチルすら気にした様子はない。

 

『ミチルは小さい頃から高濃度のゲッター線を長く浴びすぎたせいか、発育が良くてな。これがゲッター線に関わった者の末路よ……因みにワシの大胸筋も凄いぞ?』

「知りたくないし見たくない見せんな!!!!あー!!!!あー……博士!!」

 

脱ぎ出した早乙女を止めるべく必死に脳ミソを回転させた竜馬。しかし先程から早乙女博士の狂言ばかり聞いていたせいか、まともな思考には至れなかった。

 

『なんじゃ?』

 

しかしこのままヒゲ面老人の大胸筋を見せられるよりはと意を決した竜馬は、喉元まで出かけていた狂言を口にする事にした。

 

「巨乳こそ人類の進化ってことはよ……貧乳派と戦争になるんじゃねぇか?」

『そんな事か…。安心するがいい竜馬。その為にゲッターは“三人乗り”なのだ』

「他にも巻き込まれた奴がいるのか……」

『いや!“まだ”集まっていない!竜馬よ、さっそくイーグル号で残りの候補二人を集めてくるのじゃ!!』

 

早乙女博士のその言葉の後、ディスプレイの下にあった溝から一枚の写真がビガビガ言いながら現像された。「変な所アナログだな」とは思ったが黙ってる方がスムーズに進行すると理解した竜馬は特に触れなかった。ある意味これも進行である。

 

「神(じん)隼人…これが名前か?こいつを見つけてくればいいんだな?三人目は?」

『候補を絞れてなくてな。まずは、この神隼人を連れてきてくれ』

「了解だぜ。あっ、そういえばこれどうやって操縦すんn『ゲッターロボ発進!!!!』

 

~続?~

 



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