(休止中)Arknights/crimson abyss(少しお知らせ) (黒乃敗者)
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お話と謝罪とお知らせと
えー……お久しぶり、になるんでしょうか。投稿者の黒乃敗者です。
これはタイトルのまんまお話と謝罪、それからお知らせになります。本当にそのまんまです。
まず最初に、なんのお知らせもなく休止及び非公開にしてしまい申し訳ありませんでした。
理由はあらすじの最後にも書いてある通り、ストーリーが思いつかず、また小説の出来の悪さとこことは全く関係のない事で心が折れてしまい休止及び非公開にしました。元々個人的な事で傷心気味だった時に気持ちを切り替えようとこの話を書き始めたのですが、逆効果で小説を書くことの難しさと出来の悪さに心の傷がむしろ深くなりそのままポッキリと折れました。やる前に気付いてちゃんとやるべきですが完全な見切り発車で書くべきではなかったです、はい、本当に。
本当にごめんなさい。
今は立ち直り元気な状態となりふとちゃんと謝罪と話をしなければと思いこの話を投稿しました。
次にちょっとしたお知らせを。
この小説「Arknights/crimson abyss」はタイトルにも入れている通りこのまま休止とします、再開するのはかなりに先になると思います。
理由は、これまた個人的なものでこの小説読み返しているとまた心が折れそうになるのと、しっかりとストーリーの大まかな筋を作り小説を書く技術を身に付けて、1から作り直したいと考えているからです。
ですので、それまでは休止にし続けます。
けどそれだと小説を書く腕を磨く事は出来ないので、別で小説を書きます。
書く予定の小説は1人の旅人に焦点を当て旅の中での出来事を少ない話数で完結するお話として書いていき、それを連載していく形にしようと考えています。
タイトルは「ある旅する狼の記録」になります。
はい、主人公はループスの予定です
まずは短いお話を大まかに考えられるようになってそれからしっかりやっていけるようになろう!という感じです。なので新しく書く小説はスローペースでやっていく事になります。
お話とお知らせはこのくらいになります、最後にも改めて…本当に申し訳ありませんでした。
楽しみにしている方もいたのにこれですから、何度謝っても足りません。
この小説はいつか必ず作り直し皆さんに届けます、絶対に。
自分の好きなモノと好きなモノを掛け合わせて書いた小説ですから尚更です。楽しみにしてくれていた方だっていましたから。必ず書き直します。
それでは、新しい小説で会いましょう。最後まで読んでいただきありがとうございました。
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プロファイル
プロファイル/α(現在ネタバレ注意)
今日はプロファイルも投稿します、第3話はゆっくり書くつもりなのでやっぱり遅れると思います。
まだ少し先の事も含めて書いています、ご注意を
ネタバレ注意と書かなくて本当にごめんなさい
オペレーターαのプロファイルを閲覧しますか? Y/N
【コードネーム】α
【陣営】ペンギン急便
【性別】女
【戦闘経験】非公開
【出身地】不明
【誕生日】6月15日
【種族】サルカズ
【身長】165cm
【鉱石病感染状況】メディカルチェックの結果、非感染者に認定。
【物理強度】標準
【戦場機動】優秀
【生理的耐性】優秀
【戦術立案】標準
【戦闘技術】卓越
【アーツ適正】標準
ペンギン急便アルバイトのサルカズ、色々と事情があるようだが彼女もペンギン急便のメンバーも話そうとしない。
造影検査の結果、臓器の輪郭は明瞭で異常陰影も認められない。循環器系源石顆粒検査においても、同じく鉱石病の兆候は認められない。以上の結果から、現時点で鉱石病未感染者と判定。
【源石融合率】0%
鉱石病の症状は見られない。
【血液中源石密度】0.12u/L
源石と接触する機会が少ない為、感染の可能性は低い。
ペンギン急便でアルバイトとして働くサルカズの女性、龍門内での配達の付き添いや事務所の掃除などを担当している。アルバイトとして働いてる理由は彼女曰く「割った窓とレコードの分のお金を稼いで返す為」らしい、アルバイトの身ではあるがロドスとペンギン急便の契約に基づきロドスに協力している。
αの印 | 変わったデザインのカエルのグッズ、彼女はこれがお気に入りだ。 |
資格証(説明) | ペンギン急便アルバイトのα、紅色の桜で敵を切り伏せる。 |
資格証(フレーバー) | 彼女に荷物を預けないで、トランスポーターじゃないから。 |
詳細
HP 2230 再配置 遅い
攻撃力 778 COST 22
防御力 377 ブロック 2
術耐性 0 攻撃速度 やや遅い
信頼度 200%
【職業】前衛
【攻撃範囲】■□
【募集タグ】近距離/火力/爆発力
【専門】剣術/操縦(バイク)/料理/掃除
散光
自動回復 手動発動 20秒
攻撃速度+30、1回の攻撃で2回ダメージを与える。
刀光波 自動回復 自動発動 15秒 攻撃範囲拡大、攻撃力+55%、攻撃力の100%で遠距離攻撃を行う。攻撃対象の周囲1マスにいる敵に攻撃力の50%のダメージを与える | □□ ■□□□ □□ |
深裂斬 攻撃回復 手動発動 範囲内の最大5体の敵に対して同時に攻撃力の350%の物理ダメージを10回与える。 | □□□ ■□□□ □□□ |
__以下投稿者からのプロファイル外の説明__
【オリジナルのαとの違い】
・構造体ではなくサルカズ
・角の形状と尻尾
・ショートパンツを履いている
・両腕は普通の人間の物
・足の傷跡がない
・鞘はアーム接続ではない
これらの違いはαをそのままアークナイツの世界に登場させるのは難しいと判断した為、アークナイツの世界に合わせた結果によるものです。ご了承ください、角とか尻尾とか絵で説明出来たら良いのですが生憎下手なアナログ絵しか描けないのでお許しください……
ーー投稿者
お話が進めば資料は解放していきます。
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深紅の目覚め
プロローグ
パニグレの二次創作小説読みたいけど全く見かけなくていっそ自分で書いてやるという所から始まり、アクナイも好きだから混ぜたろという謎の方向へ舵を切った結果生まれたノープラン小説です。小説なんて書いた事ないから駄文、読みずらい、グダグダetcあると思いますがどうか最後までお付き合いしてもらえると幸いです、ついでに感想を貰えたら泣いて喜びます。
では…arknights/crimson abyss、始まります。
___今の世の中には所謂「転生物」というのがこれでもかと流行っている、異世界に転生したり犬に転生したり戦艦のAIに転生したり魔法の杖に転生したり……本当色んな形での転生が描かれた作品が数え切れない程存在する、王道な物から何故それに転生した?ってのまで、そして面白いのからなんとも言えない物まで本当に沢山だ。俺も色々読んできた。
……ん、急に何でそんな話をするのか、そもそもお前は誰だ、だって?まぁそりゃそうか。
なんでこんな話をしたのか、それは____
「………はぁ」
俺がその転生をした挙句女になったからだよ
__プロローグ/始まりは突然やってくる__
「……なんでこんな事になったのかしら」
周りを見ればいかにもスラム街という感じの場所に自分は立っている。……昨日?なのかは分からないが自分はちゃんと自室のベッドで寝た筈だ、それが目が覚めて起き上がると全く見た事がない場所にいた。
今は十数分ほど経ち幾らか冷静になったが目が覚めてすぐの時はあまりに突然すぎる状況に混乱した、目が覚めたらスラム街なんだから当然だ、ただ混乱した理由はそれだけじゃない。
混乱したもう一つの理由…それはこの体にある。俺は至って普通の男子高校生の筈だった、少なくとも昨日(仮)までは。その筈なのに今の自分の喉から出る声は女性の声でそれも聞き覚えのある女性の声、そして目線の高さにも違和感がある。
…その目線を下に向ければ見えるのは真っ赤なマフラーと4枚の黒いドックタグ、そして決して大きくないが確かにある胸……俺は普通の男子高校生からスラム街で女に転生したらしい、息子の活躍機会なくサヨナラとか悲しすぎる。
…息子と永遠に別れた事に内心悲しみながら今の自分を確認する。
自分は女になってスラム街にいる、訳の分からない状況だが全てが全て分からない訳じゃない。少なくとも今の自分の体がなんなのか、誰なのかは分かる。さっき下を見た時に見えた4枚のドックタグ、そのうちの1枚を手に取りそこに書かれている文字を見て、読み上げる。
「……gray raven」
__グレイレイヴン隊、あるいは灰鴉小隊。
「パニシング:グレイレイヴン」というスマホゲームに登場する、プレイヤーが指揮官を務める部隊の名前。構造体と呼ばれる存在達を指揮し、パニシングという物に侵食された機械が蔓延る地球を人の手に取り戻すべく戦う物語を描いたゲームの中心となる部隊。これはその部隊のメンバーが所有するドックタグだ、だがこの体は…「私」はグレイレイヴン隊のメンバーではない。
傍にある建物の窓に自分の姿が反射する。
白髪のロングヘアーに赤い右目と髪に隠れた白い左目、そして特徴的すぎる角。
「よりによって彼女なのね…」
未確認構造体
……その正体はプレイヤーと共に戦うグレイレイヴン隊の隊長を務める「ルシア」という名前の構造体、厳密にはイコールではないが。
今の自分はそんな未確認構造体αになっていた。
______________
今の自分が誰なのかを確認してから十数分程が経過した、あれからしっかりと落ち着いていくつか調べ分かった事がある。
まず1つ目はここは「パニシング:グレイレイヴン」の世界では無いこと。
なぜそう判断出来たかと言えばこの体が生身だったからだ。そもそもパニシング:グレイレイヴン…以下はパニグレと呼ぼう、あのゲームの地球はパニシングに汚染されている、パニシングは機械を侵食し凶暴化させるだけではなく人間の体を破壊する力も持っている、そのせいで人類は地球から脱出し空中庭園と呼ばれる大型の宇宙移民艦で暮らす事になった。そのパニシングと侵食された機械達に対抗する為に生まれたのが構造体という「元人間のアンドロイド」そしてその内の一体がルシアなのだ。そして何より見上げれば建物の間に晴れた空が見える、ここは地上で自分は生身。ここがパニグレの世界なら既にパニシングでお陀仏になってなきゃおかしい、だからここはパニグレの世界じゃない可能性がかなり高い、高かった。
2つ目に、じゃあこの世界はなんなのか、偶然だがこれも分かった。
目を覚ました場所に破れた新聞の一部が落ちていたからそれを拾って読んだ、そこに答えになる物がハッキリと書かれていた。
「……
……ここはアークナイツの世界らしい、パニグレの世界じゃなかったのは嬉しいがこの世界も世界で危険が溢れている、構造体でない事を悔やみたくなる程度には。
あとどうでも良い事だが、どうやら今の自分の口は思った事をそのままではなくαの口調に直してから喋るらしい、違和感が半端なくてむず痒い感じがするがこの姿で自分の口調はちょっと嫌なので有難く思う。
さて、次にするのは自分の状態の確認だ。アークナイツには
まず1つ目は窓ガラスに写った自分の顔から角が生えてる事が分かってる、この時点で大分種族は絞られる。次に角の形状、これは動物的?というより、元のαの角の形状+ファンタジーって感じだった。これで鹿とかの角を持つ種族とかあの辺では無い事も分かった、となるとワイバーン系のヴイーヴルか悪魔系のサルカズに絞られるだろうか。
次に確認するのは尻尾、ヴイーヴルもサルカズも尻尾はあるがその形は大きく違う、個人でさらに大きく違うのだが竜系の尻尾ならヴイーヴル、そうじゃなければサルカズくらいの判断をする。さぁ結果は……
「………サルカズ、かしら?」
えー、結果はサルカズ?みたいだ。艶のある黒い尻尾の先端に諸刃のナイフが付いたような変わった形状の尻尾が生えてました、どことなく角と同じように機械っぽさを感じる……
まぁとりあえず大雑把な種族判別も終わり、とりあえず確認するべき事は……後は持ち物確認くらいだろうか?
αと言えば腰の後ろにアームで接続された鞘とそこに収められた刀があるのだが、尻尾を確認した際に腰の後ろに鞘をそのまま下げているのを確認出来た、そこに納まっている刀もだ。どちらもゲーム中と同じ見た目をしているが……まぁそのままではないだろう。
それ以外は……特に持ち物はないようだ、優しくない転生だなコレ…?刀1本でどうしろと、もう心折れそうだよ畜生。
「……寝て起きたら見知らぬ場所にいて持ち物は刀1本、しかもここはアークナイツの世界……普通に考えれば絶望的ね。けど何故かしら、大して怖くないわね、それどころかワクワクしてる自分がいる。」
_____心は折れそうだ、だがそれと同時に楽しくもある。普通の男子高校生だった自分が転生を経験するなんていう夢みたいな出来事、そして大好きなゲームの世界で大好きなゲームのキャラになっている。気分が高揚しない訳が無い、不安はあるが怖くない、頼れるものも無ければ常識や知識も通用しない。絶望的すぎるスタートだが、戻るなんて無理だろう………実際がどうかは分からないが。だったらせめて好きなように前へ進む事にしよう。自分はもうこの世界の住人で、この世界で生きるしかないのだから。
「……そろそろここに留まるのは終わりにするべきね、まずは働き先でも見つけようかしら?でもこんな素性の知れないサルカズを雇うような所は無さそうよね……どうしようかしら」
あぁ、この先自分がどう生きるのか、不安だけど楽しみだ。
………はい、えー……5000文字も行かないような処女作のこの小説を最後まで読んでいただきありがとうございます。ブレブレな上に読みずらいでしょうしそもそも小説として下の下ですが、これから頑張っていこうと思います。是非とも感想を書いていただければ嬉しいです。意見も待ってます。
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第2話
では、第2話始まります
この世界で目覚めてから1週間ほど経った、あれから更にいくつか調べたり住む場所をどうするか悩んだりしながら過ごしていた。
とりあえず分かった事としてここは
……さて、そんな風に1週間を過ごした俺が今何をしているのかと言えば……
「待てゴルァ!」
「待てって言われて待つ訳ないでしょッ!」
絶賛ガラの悪い人達に追われております。
……別に悪いことはしてないよ?
__第2話/テンプレと合言葉は__
事の発端はおよそ30分ほど前……
ここが龍門だと分かり迷いながらスラムを歩いていた、スラムは危険が多いがこの格好……αのあの服は目立つし上着は裾とかボロボロだから表を歩けば嫌な目線とか向けられたりするだろう、想像しただけでも気分が悪くなってくる。龍門は決してそんな汚れた国と言う訳では無いが光と影がハッキリしている国ではある、このスラムや貧困層、そして感染者が良い例だ。
これ程発展した国でも、というより発展した国だからこそその光と影の間の溝は深いのだろう。
そんな事を考えながら歩いていると先に見える分かれ道の一つから少し騒がしい声が聞こえてくる。これは別にそんな珍しいことでもない、スラムの治安は決して良い訳では無い、それに龍門はマフィアがいる。どこぞの急便が良くそのマフィア達をシバいて目の敵にされてるらしい。あんな風に騒がしいのをこの一週間でこれを含めて3回程聞いたし目にした、2回は小さな事が原因の喧嘩だった、今回もそうだろう。放っておいても問題は無い……ないがなんとなく気になるのでちょっと覗いてみる。
「………なんだか悪い事してる気分になるわね」
それ以上にαが曲がり角で覗き見してるって絵面がシュールだが。
さて、騒がしさの正体を覗いてみればそこにいたのはガラの悪そうな人が数人とその人達に絡まれてる明らかにスラムの人間ではない女性と幼い子供、テンプレみたいな組み合わせしてるな。女性と子供は見るからに表で暮らしてるような格好だ、女性の手には紙袋がある、買い物帰りに迷いでもしたんだろうか?、迷ったとして何故にスラムに…?
子供は女性の後ろに隠れてるけど女性の方は割とはっきり言い合ってる。というかあの女性そこそこ美人でスタイル良いな、アークナイツの世界は一般人の容姿偏差値も高いのだろうか?
会話の内容が気になるので某怖気るチワワが主人公の死にゲーの如く聞き耳をしてみれば聞こえてくる内容はこれまたまぁ割とテンプレな感じ、ガラの悪い人達は肩がどうこうとか言ってる、女性の方はぶつかっただけでしょうと。ホントに創作物で割と見るテンプレみたいな会話してるな……というかね、ガラの悪い人の内1人が分かりやすく女性の胸とか見てるっぽいんだよね。
「欲が目から漏れ出てるわね……見てるだけ
なのに背筋に寒気が走るわ」
あんな感じの視線を見るのは2度目だろうか、1週間の間に1度だけ同じような視線を向けられた事があるが気持ち悪くて仕方なかった、どうも今の体になってからそういうのに敏感になったっぽい。男性から欲に塗れた目線を向けられる女性ってこんな気持ちなんだなって思ったよ、思い出すだけでも鳥肌立ちそう。
さて、ケツから玉を抜かれるチワワみたいな聞き耳も終わり一旦覗き見をやめる。正直覗き見せずにそのまま歩いてれば良かったと少し後悔し始めてる、だってあの状況見たのに無視してサヨナラは……なんか嫌じゃん?私生粋の地球生まれの日本人だし、でも全く知らない人が急に現れて助けようとるっていうのも……(日本人特有のアレ)
とりあえずもう少し見てから考える事に……
「……ッ…!?」
どうするか悩んでいると体というか背筋に嫌な感覚が走る、「危険だ」と自分の中の何かが叫んでいるように感じ反射的にさっきの人達を見る。ガラの悪い人達の先頭に立って女性と話してた人……ソイツが手に何か光る物を持っているのが見えた、それを見た瞬間また嫌な感じがする。女性の表情もさっきまでと違い恐怖が見える。
なぜ急にこんな感覚がしたかは分からない、分からないが……
「…迷ってる暇はないって事ね……当たって砕けろとでも言いたいのかしら」
このままここで見てるだけでいれば最悪の結果になってしまう、そんな確信のようなものを抱きながら「私」は女性の元へと向かう。急がなければならないが走ってはいけない、冷静を装って、せっかくならαらしくだ。この世界で目覚めて初めての人助けなんだ、少しくらいカッコつけても良いだろ?
____________
side:女性
今日は夫の誕生日なのにこんな事になるなんて最悪だわ……
娘と一緒にプレゼントを買いに出かけた帰りに夫への連絡で一瞬目を離してしまったのが良くなかった、娘が「あそこにわたしと同じくらいの子がいた」と言って路地裏に走っていってしまって追い掛けてる内にスラムに入ってしまった上、そこの住人とぶつかって難癖をつけられて……本当に最悪。
ぶつかった肩を怪我しただの治療の為に金を払えだの言ってくる、そんな事で怪我する訳ないでしょうと言えば睨みつけてきて更にあーだこーだと言ってくる。そんな風に喋れるなら大丈夫じゃない、馬鹿じゃないのかしら。
そしてそれ以上に最悪で不快なのが後ろの男の目線、気付いてないとでも思ってるのか隠そうともしない欲に塗れた目線が本当に不快で仕方ない。早くここから去りたいけれど相手は男3人組で更にこっちには娘がいる、離れようとしても無理だと分かってるからどうしようも出来ず言い合い続けるしか出来ない。
そうしていれば男は苛ついた様子で懐から何かを取り出してきて、私はそれを見て息を飲んだ。それはただの果物ナイフだけれど、いまこの状況では恐ろしい凶器でしかない、男が言う通りにしろとナイフを突きつけてくる。さっきまでのように言い返せない、相手はスラムで暮らしてる男なのだ、嫌だと言い返せば本当に刺してくる可能性は十分有り得る……だから何も言えず冷や汗を流しながら黙る事しか出来ない。
娘と私だけでも助からないと嫌でも理解出来てしまう、助けてと大声で叫びたい、それすらも出来ない。
ただ祈るしか出来ない…助けてと神様に祈る事しか………
「女性をナンパするのに刃物を使うなんて、ここのやり方は随分と物騒なのね?」
綺麗な女性の声が響く、振り向けばそこには赤いサルカズの女性がいた。
どうやら、私と娘を助けてくれるのは神様じゃなくて悪魔みたい
____________
……そして今に至る、なんであそこから今こうして逃げてるかと言えば女性に逃げなさいって行ったら男達がギャーギャー言ってきた上にあの欲に塗れた視線を向けてきたのでとりあえずナイフ持ってる男を刀の鞘でぶん殴ったらブチ切れられて命懸けの逃走中が始まったという訳。あ、女性は子供連れてちゃんと逃げたから大丈夫。
そんな訳で1名頬が腫れてる男達と楽しくない鬼ごっこ中なんだが、一つ分かった事がある。どうもこの体は危機察知能力とかそういう類の能力がかなり鋭い、女性と子供の危険に気付いた時のあれとかがそう、こうやって逃げてる最中にも何度か似たような感覚がしてその度に詰みかけたりしたが何とか助かってる。分かれ道とかだと「右」って頭の中で聞こえてきてその通りにすれば助かって…そんな感じでひたすら逃げてる。
それはそうとアイツらやっぱ男ってだけあって結構走ってるのに元気だね、そんなに元気ならトランスポーターでも始めたら良いんじゃねぇのって思う、接客態度最悪そうだけど。まぁ「私」も同じだけ走ってるのに呼吸が大して乱れてないんだが。流石にαなだけある……今の所体のスペックの高さに救われてるだけだな自分?
まぁこの世界で目覚めて1週間の自分には有難いが。こうやってアレコレ考えられるだけの余裕が持てる訳だし、何より動きまくれる体って素晴らしい、前世の運動不足の体とはお別れをした(稲妻頑駄無感)
……おふざけはこの位にしてちょっと真面目に考えよう、相手は3人で自分は1人。恐らく1体1なら今の自分でも勝てるだろうが3対1になったら勝てる可能性はグンと下がるだろう、体のスペックが高くてもそれを動かす頭のスペックが圧倒的に足りてないからこれは仕方ない。誰かに助力を仰ぎたい所だが自分から面倒事に巻き込まれたがる人はそうそういない、いたらお人好しすぎるだけか馬鹿か汚い夏の夢的な変態の3択だろう。もしそんなのが出てくるなら強さ的には3番が頭5つ位抜き出てそうだから頼りたいが汚いのでやっぱりパス。
刀持ってんだから反撃すればなんて考えるが今の自分の体と頭の状態で刀を振ろう物ならそのまま首を切り落として某ゲステラ並のワンターンスリーキルを決めかねない、出来れば殺したくないし人が死ぬ所なんて見たくないのでこの選択肢もパス。手詰まりって訳でもないがこの状態から何を選べば良いんだよって感じで泣きそう。現在は刀でトタン板とかパイプ切り落として三馬鹿ナンパ男共の進路を妨害して逃走中、ごめんな家に住んでる人ら。恨むならカッコつけてエントリーした癖にこんな状態になってる俺を恨んでくれ。
「カッコつけてた癖に逃げてばっかじゃねぇか嬢ちゃんよぉ!」
「何時まで逃げてんだぁ?逃げきれねぇんだからさっさと諦めろよぉ!」
「人がアレコレ考えてる時にうるさいわね…!」
何も言い返せないのが悲しい、あの女性と子供は助かっただろうから良いけど今度は自分が打つ手無し、このまま逃げてても埒が明かない。時々体に走る感覚に従って逃げてるだけの自分と違って向こうはスラムの道くらい覚えてるだろう、向こうの方が有利だからこのまま逃げ続けるのも難しいはず、本当にどうすれば良いのか…
「………いえ、一つだけあるわね。これ以外にはないし賭けるしかなさそうだわ……ふふ、なんだか楽しくなってきたわね」
さっきから自分を助けてくれる感覚、勘や危機察知のようなそれだけはアイツらになくて「私」にあるアドバンテージだ。これ以外に手がないのなら全てを賭けて勝ち取ってやるしかない、そう考えるとなぜだか分からないがワクワク…というよりゾクゾクとした感覚と楽しさが湧いてくる。前世じゃ経験した事ないような状況で頭がイカれたか、だが悪くはない、この世界じゃ前世のままの頭で生きてけはしないだろうしいっそ楽しむくらいでいてやろう。
右だ左だ真っ直ぐだと告げてくる感覚に従いスラムを走り抜けていく、この感覚に従った先で出てくるのは鬼か蛇がそれとももっと別の恐ろしい何かなのか。前世じゃ絶対に感じる事の出来なかったスリル、命の危機がスペックの足りない頭を冴えさせてくれる、段々と勝ちの手に近付いてると理解出来る。だからって油断はしない、気を抜かずしっかりとだ勝たなきゃ賭けた意味が無い、油断も慢心もどこかのAUOだけがすれば良い。
「……もう少しね、さて何が出るのかしら…」
感覚が告げる、すぐそこに勝ち筋が迫ってると。今更だけど随分具体的に分かるよねこの感覚、なんか某エペの虚空おばさんのパッシブ味がある。
そんな訳でまた分かれ道を曲がってダッシュ、他と比べて左右に並ぶ建物の内一つだけ他よりしっかりしてるのが見えた、その建物の2回がゴールらしい。律儀に玄関から入ってたら追いつかれかねないのでちょっとショートカットさせてもらおう。
壁を蹴ってパイプを掴んで登ってそのまま勢いよく二階の窓からエントリー!ガッシャーンッと窓ガラスをぶち破ってお邪魔する。壁を蹴った時に軽くやらかした足首の痛みを我慢しつつ顔を上げれば驚いた顔でこっちを見る
どうやら感覚が示していた勝ち筋は龍門の問題児集団であるペンギン急便らしい、大当たりだが正直なぁ……あくまでトランスポーターの彼らが助けてくれるとは思いづらい、ただまぁもうお邪魔してしまったし冷静を装って両手を上に上げながら喋ろう。
「急にお邪魔してごめんなさい、ちょっとガラの悪い人達に追いかけられてて……良ければ助けてくれないかしら?」
「……ウチは近衛局じゃねぇぜ、助けて欲しいならそっちに行きな」
「…そうしたいけれど、近衛局のお世話にはあまりなりたくないの。少し事情があってね」
「…………」
なんかダメっぽい気がする、四六時中マフィアとどったんばったん大騒ぎしてるペンギン急便だけど迷子センターじゃなければ何でも屋でもない。トランスポーターでしかない彼らに助けを求めるのはやっぱり無理なんじゃ……
「ここか!?おう見つけたぞ女ァ!」
「…来るの早すぎじゃないかしら?」
とうとうガラ悪三銃士が部屋に入ってきた、というかドア蹴飛ばして入ってくるって大胆だな。あ、窓割って入ってきた自分じゃ人の事言えねぇや、HAHAHA
というか扉綺麗に飛ぶなぁ……そういや追っかけてる奴のうち1人はウルサス人だったっけ?扉は反対側の壁近くまで飛んでって……その落下地点には机の上に置かれたなんだか価値のありそうな箱が~……ってあれレコードじゃね?
「「「「「あっ」」」」」
吹っ飛んだ扉が見事に机ごとレコードを粉砕する、清々しい程に見事な粉砕っぷり。
「_*言葉になってないペンギンの絶叫*_」
「ボスがえらい声出しよるで…」
「あれこの間ボスが買ったばかりのやつじゃなかったっけ…?」
「……なん、えっと…ごめんなさい…?」
……そういや喧騒の掟でもエンペラーってレコードぶっ壊されたっけ、なんか凄く申し訳ない気持ちになってきた。うわ、めっちゃ虚無な表情してる……
「……………おい、嬢ちゃん」
「ハイッ」
「今回は特別だ、助けてやる……お前ら、今回は何やっても良い、アイツらを叩きのめせ!」
あー…皇帝がキレてらっしゃる………結果的に助かったけどご愁傷様ガラの悪い三連星……
あぁ…ボッコボコにされてる……南無…
この後窓割って侵入した事と結果的にレコードが粉砕される結果になった事をエンペラーに土下座して謝った、ホントごめんなさい。
合言葉は「ペンギン帝国万歳」
いかがでしたでしょうか第2話。始まりの舞台は龍門ということでやっぱりペンギン急便を登場させるべきかなと、だいぶ早すぎる気もしますが。エンペラーの口調分かんないよ……
あと次は第3話じゃなくてプロファイルにしようと思います、ちょっと書く事が出来なかったんですが服装や姿の1部がオリジナルのαとは違う所があるのでそこもプロファイルの後ろの部分に引っつけて投稿する予定です。
ところでベンギン急便ってアルバイト的な事出来ますかね?中の人的にもちょっと働いてみたい。
それはそうと……もう少し改行して書いた方が良いですかね?プレビュー見てると見にくいような気がするんです。どちらかと言うとキャラのセリフを増やすべき?投稿者なりきりチャットの生まれなのでどうしても描写説明や思ってる事の方を多く書いてしまうんです……
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