償還 (不明)
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償還

   「償還」

 

    古いコンクリート造りの大きい白い暗い家の俯瞰にタイトル文字

    枠外に この漫画はフィクションです の文字

 

    ドアノブと手のアップ

  (帰宅すると妹がいた)

 

    室内 テーブルに肘をついている女の姿

  (離婚して帰ってきた今日からこの家に住む と言う)(急な話に思考が固まる)

  (妻は戸惑いながらも同情的 子供たちは喜んだ)

    女 不敵な笑み

  (私には……眼を見てわかった 妹、礼子は)

    私のアップ 無表情

  (私に復讐するために帰ってきたのだ)

 

    室内俯瞰を数コマ流しながら

  (かつて10代の私は妹に手を出し数年間性的虐待を行った)

  (その後は何事も無かったかのように記憶から消し)(互いに口に出すことは無かった)

礼子「上手くいかなかったけど帰る家あったし、兄さんともまた家族に戻れてよかった」

私 「…細かい話と手続きはまた明日以降にして、今日は休んだらいい」

 

    風呂場 私が湯舟につかる姿

  (追い出すわけにもゆかない 相続時、不動産を共有名義としているからだ)

  (家の半分は妹の所有 住む権利は──ある)

  (妹は不動産使用料を受け取らず、固定資産税はこちら持ちと取り決めている)

  (この形を望んだのは出戻りする為だったのか?)

 

    礼子と子供たち2人 数コマ 

    下の女の子がヘアドライヤーを礼子に渡す 礼子ドライヤーで女の子の髪を乾かす

    上の男の子の頭を撫でる礼子 子供たち楽しそう

 

    夫婦の寝室

妻 「とりあえず客間に礼子さん入ってもらったけど、もうあの部屋礼子さんの部屋で

   いいんじゃない?使う事なかったし」

私 「うん…そうだね 丁度いいな」

  「全く連絡無しに突然来るなんて非常識な事を…本当にどうしようもない奴だ」

妻 「あなたが頭にくるのはわかるけどなるべく良くしてあげて」

    見合う二人

私 「いや頭にきてるわけじゃない呆れて脱力してるんだよ。君は納得してるのかい?」

妻 「してない してないけど気の毒で可哀そう」

  「離婚してつらかったでしょう、頼れるのはこの家だけ、親族は兄だけ」

    私 無言

妻 「それに礼子さんが相続でこの家の売却も買取も要求しなかったから私たち住み続けられたし

   遺産の現金が手元に残ったじゃない」

  「礼子さんは我が家の恩人だってわたしは思ってるから」

 

    客間 礼子の背中側立ち姿 ブラウン管テレビ ベッド 絨毯

    広縁に小さいテーブルと椅子2脚 礼子正面上半身

 

    夜の住宅の俯瞰

 

    朝の室内

子供「いただきます」

    テーブルに妻 子供2人 礼子の4人 食事終わりころに私が入ってくる

私 「みんなおはよう」

妻子「おはよう」

    私と礼子目が合う

礼子「兄さんおはよう」

私 「おはよう」

 

    テーブルに大人3人 それぞれにマグカップ

礼子「これから食器洗いは全部わたしにさせてください、居候するんだからそのくらいは

   貢献します」

私 「ああそれはいいアイデアだな 頼むよ」

妻 「急いで気負わなくてもいいですよ、少し暮らしに落ち着いてからにしませんか?」

礼子「ダイジョーブ 人間食器洗い機礼子にまかせて!」

  「わたし、食器洗い大好きで趣味にしてるくらいなんですよ…だって」

  「食器洗いは心のシャワー っていうでしょ」

 

    流し台 礼子の食器洗い姿(礼子ゴム手袋着用)オフ台詞重なる

オフ妻「今日礼子さん連れて役所に行って、そのあと必要な物買いに行ってきます」

オフ私「ありがとうたのむよ手間かけさせてすまない。行ってくるよ」

 

    車で出勤 車種トヨタマーク2白(7代目 X90型) 運転する私

  (食器洗いは心のシャワー? 初めて聞いたぞ)

  (そんな事はどうでもいい…とにかく普通に暮らそう)

 

    車で帰宅する妻と礼子 車種ダイハツストーリア 買い物の荷物

 

    夕方の住宅の俯瞰 帰宅する私の車

 

    室内 ブラウン管テレビ前のソファに4人 アイス皿に盛った丸形アイスを食べている

私 「ただいま」

一同「おかえりなさい」

妻 「すぐ御飯つくるね」

礼子「兄さんも食後のデザートにアイス食べるでしょ、今日買ってきたんだよ」

私 「いや 俺はいいよ」

 

    風呂場 シャワー浴びる私

  (特に問題なく暮らしているようだ あまり気にしても仕方ないな)

 

    流し台 食器洗い中の礼子後ろ姿 女子が横に立ち見ている

 

    夜の住宅の引き絵

 

    朝の住宅のアオリ絵 一家全員の数日分生活描写 スーツ姿の私にホコリブラシを

    掛ける妻 女子が礼子の髪を櫛でとく 全員で線香花火 妻と礼子楽しくお茶

    食器洗い 自室でテレビ見る礼子 テレビゲームする男子(PS1)4人でスイカ食べる

 

    ソファに男子と礼子並んで座りテレビゲーム 礼子観ているだけだが体が近い

    歓声 密着 ベタベタ触れる 男子、礼子をチラ見

私 「礼子 話があるちょっと来てくれ」

 

    夫婦の寝室 礼子腕くみ

礼子「何の話?」

私 「子供に触れすぎだぞ からかって刺激的な事はやめろ」

    礼子冷笑

礼子「上の子の性的興味をわたしに向けさせて下の子をガードしてあげてるんだよ、

   感謝しなさいよ」

    無言で見合う

私 「とにかくやめろ 二度とするな、わかったな」

礼子「んーでももう手遅れだと思うな~。熟女のフェロモンが脊髄に染みこんで

   今ごろ尾てい骨に達してるんじゃないかな~」

  「あんなカワイイ子がもじもじしながら夜中に訪ねてきたらどーしよー」

  「ダメ、帰って こんな事…わたしあなたの」

私 「だまれ!」

礼子「ジョ~ダンだよ冗談 なに怒ってんの?」

    私 礼子の襟首を掴み上げ顔を近づける

私 「おいお前!」

    礼子唾を吐く 私の顔面とメガネに唾がかかる 礼子アゴを上げて冷たい目

礼子「本性あらわしたね」

    私ハッとして手を放す

礼子「あらあら これからわたしをどうするの?」

    私の動きが止まり憔悴の表情

私 「子供 家族には関係ない話だ、家族には…そんな事は」「もう昔の話じゃないか…昔の」

    礼子無言で私を見据える

私 「恨みをぶつけるのは俺だけにしてくれ」「赦してくれ…なんでもするから」

礼子「ん?今なんでもするって言ったよね」

    礼子楽しそうに私のメガネを顔から取りメガネをティッシュで拭く 顔面の唾も拭いて

    メガネを直し立ち去る 去り際に半分振り返り

礼子「考えとく」

    私の棒立ち後ろ姿 ベッドに座りうなだれる私の室内俯瞰

 

    食器をすすぐ礼子の手元 鼻歌 綺麗に積みあがった食器 礼子満足そうな微笑

 

    夜の住宅の俯瞰 オフ台詞重なる

オフ妻「今年の帰省礼子さんいてくれるから安心して実家行けるわー」

   「いつもあなた一人残して行くの心配だったんだから」

 

    夫婦の寝室

妻 「気晴らしにどこか連れて行ってあげて。シーパラダイスとか花やしきとか」

私 「…子供じゃないんだぞ…」

妻 「どうしたの 調子悪いの?」

私 「疲れて眠い ねむいだけだよ」

 

    朝の室内 帰省出発の準備をする家族3人数コマ コマ奥に流し台の礼子 スーツ姿の私

礼子「兄さん今日仕事行くの?」

私 「行くよ、空港バスまで送ってから仕事 休みは明日からだ」

 

    車のトランクに鞄を入れる私と妻 

男子「いってきまーす」

女子「礼子ねえちゃん行ってきます」

妻 「行ってきます 後のことお願いします」

 

    車出発する 子供2人後部座席から手を振る 礼子手を振る

 

    礼子自室 スタンドライトの電球を掃除 クローゼットを開く 乱れ箱に浴衣

    室内俯瞰で浴衣を手に取る

 

    夕方 車を運転する私

  (帰りたくない なるべく遅く帰ろう)

 

    飲食店 自動券売機のボタン押す プラスチック券アップ エビフライカレーの文字

    着席し水を飲む 店内俯瞰でカレー食べる私

 

    ドアノブと手のアップ 玄関 リビング

私 「ただいま」

    無反応 風呂場から水音 引き返す私 夫婦の寝室横の洗面台で歯磨き

  (このまま顔あわせないで遅く風呂入ろう)

 

    夫婦の寝室 ネクタイを緩める オフ台詞

オフ礼子「おかえりなさい」    

私 「…ただいま」

    礼子バスローブ姿 頭タオル巻き 飲みかけコーラ瓶を持っている

礼子「夕ご飯食べるでしょ?」

私 「外で食べてきたよ ありがとう」

礼子「うんわかった 朝ご飯は普通に食べるよね」

私 「食べるけど1人でできるよ気を使わないで大丈夫。今日はもう休むよおやすみ」

礼子「ふーん…」

    礼子コーラを飲む

礼子「わたしを避けてるでしょう」

私 「そんな事ないさ」

    礼子バスローブをはだける 裸体を見せる

礼子「抱きなさい!」

    私 床に手をつく

私 「俺が悪かった赦してくれ」「ひどい事をした頭がどうかしてたんだ」

  「反省している傷つけた事赦してくれ」

    礼子アオリ絵

礼子「誰が謝れって言った?」

    礼子アオリアップ

礼子「なんでもするって言ったよね?」

私 「…言ったがそこまでなんでもするというわけでは…」

    礼子バスローブを直す

礼子「ま いいわ」「じゃあ選択肢あげる」

    礼子妻のベッドに座り足を組む

礼子「1 土地価格の半額で不動産を買い取り妹に出て行ってもらう。

      なお建物は古いので価値無しとする」

  「2 妻に過去を全部バラされる」

  「3 抱く」

  「10分あげる 好きなの選んで」「おすすめは3かな~ でも2もいいかも」

  「夫婦の愛情でどんな事だって乗り越えられる ちょっとロマンチックかも」

    私膝立ちし呆然 礼子コーラ飲みながら横目で見る

私 「3」「3だ」

    礼子コーラ瓶を私の口に押し付けコーラを飲ませる 全部飲ませた後

    瓶の側面下部を頬に押し当てる

礼子「なんだかんだ言って結局わたしが欲しいんでしょ変態」「夫婦のゴム借りるよ、どこ?」

    私ベッド下引き出しを開け奥の箱を開く 中にゴムの箱2個

    礼子開封済みの箱から何個も取り出す

私 「待ってくれ数が大きく変わるのはまずい やめてくれ」

礼子「…じゃあ予備の箱もらってく 後で補充しといて さ、お風呂行って」

 

    風呂場 湯船につかる私 

  (言いなりだ…弱みを握られて完全に言いなりじゃないか)

  (だがどうする事もできない 従うしかない)

    つかったまま栓を抜く 私動かない 水位が下がる 湯が無くなる

    排水口アップ 湯船から出る

 

    夫婦の寝室 礼子の姿が無い 私の後ろ姿

  (いない 自分の部屋か)

 

    階段を上る私 礼子の部屋を開ける 部屋無人 部屋中央まで歩く

    体を正面向けたまま振り返る 廊下を歩く ある部屋の前までくる

  (ここか)

    ドアを少し開ける絵

  (娘の部屋──かつては)

    机に向かう10代の礼子後ろ姿 ハッと45度振り返る10代礼子

    口を少し開けた鼻から肩までの絵 (このシーンのみ絵の線が細い)

10代礼子「…また…」

    10代礼子立ち上がる 私アップ呆然 焦点の合わない目 私の上半身正面

オフ礼子「ここも変わったね」

    女子のベッドに座る礼子正面

オフ私 「ああ変わったよ」

    私近づき礼子の両肩に手を置く 礼子バスローブをゆるめ立ち上がり

    私の首に手を回しキス 私少し引き気味に抱き合う

  (肌の相性…)(恐ろしい 気が遠くなる)

 

    ベッドで横になる私 ベッドに座る礼子後ろ姿 

礼子「望まない肉体関係を強要されたらどんな気分?」

    1コマ無言

私 「つらい…苦しい」

礼子「少しはわたしの気持ちがわかったでしょう」

    コマを色々またぎながら独白 並んで横になる 座る 礼子が後ろから抱きつく

    等の絵を数種類流す

  (礼子は泣きながら笑いながらいろいろ話してくれた)(元々は私をほのかに慕っていた)

  (でも暴行されて憎むようになった)(怖くて誰にも言えなかった)

  (夏休みに私が昼寝している時バットで殺そうとした)

  (女の子がこんな思いで生きてきたんだよ、わかる?)

  (必要とされて愛されてるっていつの間にか信じ込むようになってた)

  (何年も犯したくせに急に無視して壊れたおもちゃみたいに捨てた事ゆるせない)

  (男と付き合ってもセックスしても違和感を感じたのは兄さんのせい)

  (結婚したのも破綻したのも離婚したのも全部兄さんのせい)

  (自分だけ平和な家庭築いただって?そんなの通らないよ)

    ベッドに座る礼子手で顔を覆い上体を伏せて嗚咽 並んで座る私 震える礼子の背中

    私が背中に手を添える 礼子手を振り払う

礼子「汚い手でさわるな!」

    私ティッシュペーパーの箱を差し出す 礼子何枚も取り顔に当てる

    室内俯瞰 少し落ち着く

礼子「過去にさかのぼって優しくして」

私 「タイムスリップなんてできない 無理だ」

礼子「…全部塗りつぶして書き換えてよ」

私 「どうすればいい?」

礼子「抱いて」

    左手で礼子の左肩を抱きながらキスする 少し引きの絵で親密に抱き合う2人

 

    朝の住宅のアオリ絵 娘の部屋に私1人だけ寝ている 私目覚めて一瞬驚く

私 「ああ そうだったな」

 

    リビングに入る私 礼子ソファでテレビ 私普通の感じ コマ奥に礼子 目が合う

私 「おはよう」

    礼子穏やか

礼子「おはよう」「今からご飯作るからちょっと待ってて」「その間にシャワー浴びてきて」

    食事作り数コマ パンにピーナッツバターとブルーベリージャム ゆで卵 ナゲット

    インスタントコーヒー 野菜ジュース 私戻ってくる

礼子「できたよ たべよう」

私 「うんありがとう礼子」「いただきます」

礼子「はーい いただきます」

    俯瞰 楽しそうな朝食

礼子「バナナ半分こね」「ん どうしたの?」

私 「いつもと違う感じの食事でなんか新鮮」

  「2人だけで食べるのちょっとくすぐったくて楽しいよ」

礼子「何その子供みたいな話 大人が何言ってんの」

    2人で笑う 2人一緒に食器を流し台に運ぶ

礼子「でも確かにくすぐったいね」

    見つめ合い微笑む

私 「昼ごはんは俺が作るよ」

礼子「うん」

 

    シーツをバサッと干すアップ 礼子庭で洗濯物を干す 腕をあげて伸び

 

    リビングソファでテレビを見る私 テーブルで雑誌を見る礼子 私礼子の横に座る

私 「あの」「話してくれてありがとう」「今まで過去に向き合ってこなかった」

  「上手く言葉にできない…」

    私無言 礼子無言

礼子「わたしも…上手く言えない」

    私の手の上に礼子が手を重ねる 2人やや引き絵

 

    流し台 私がカップ焼きそばの湯を切る ソースを混ぜる 缶ウーロン茶をコップに注ぐ

礼子「作るってコレのこと?」

私 「そうだよ 半ドンの昼は楽が1番だっただろう」

礼子「ははっ、ああ懐かしい そうだったよね」「いただきまーす」

 

    礼子洗濯物をたたむ 見ている私 たたみ終えた礼子あくび

礼子「眠くなってきた 1回昼寝しよっと」

私 「俺も眠い 昼寝するよ」

礼子「あ、待って待って」「じゃあ腕枕して」「いいでしょ」

    礼子の部屋 ベッドで体を寄せて腕枕 眠そうに目を合わせる 寝る 部屋俯瞰

 

    スタンドライトと風景画額縁 ベッドの上で横向きに寝る礼子 スツールに私

私 「電子キーボードを弾いてくれないか。スワニー河 また聴いてみたいんだ」

礼子「もう弾けない ピアノ教室辞めてからすぐに忘れちゃった。向いてなかったしね」

私 「そうか…変な事いってごめん」

礼子「でもよく曲憶えてたね ほんとに昔の話なのに」

私 「発表会観に行ったんだから忘れないよ」「カッコ良かった」

礼子「あらっ」「兄上様、お世辞がお上手でございますこと」

    2人笑い合う

 

    夜の住宅俯瞰 リビング 時計9時 ソファに座る2人

私 「今晩 部屋に泊まりに行ってもいいかな?」

    無言

私 「…つい調子に乗ってしまった」「すまない」

    礼子立ち去る リビング出口で立ち止まり半分振り返る

礼子「待ってる」

    リビングに私1人 ソファに手をつく

 

    礼子の部屋のドアをノック

オフ礼子「どうぞ」

    私ドアを開ける 礼子立っている 2人歩み寄り抱擁 室内引き絵

 

    朝の住宅引き絵 雨降り 

    礼子の部屋 2人でテレビを観ている ベッドに座る私 スツールに礼子

私 「昭和の日曜日の朝、この部屋で一緒にテレビ観てたなぁ」

  「世界の旅大好きだった 毎週楽しかったね」

礼子「うん わたしも好き。世界の旅観た後、今日1日あの言葉遣い真似して過ごしますわよ

   って思ってもお昼ご飯たべたら元に戻ってたね」

    2人笑い合う

 

    数日分の生活描写 私テーブルの上に書類を広げる 礼子ソファで昼寝 

    おやつとココア 2人並んで立ち、窓から外の雨を見る

    「月曜は仕事に行くよ」「休み中に?」「自営業者は忙しいんだ」

    テレビを観る礼子ニュース画面に終戦55年の文字 回転寿司で食事

    娘の部屋 礼子床に膝をついてコロコロを掛ける 私、礼子胸元をチラチラ見る

    礼子ハッと顔を上げ胸元を手で抑え「エッチ」一瞬見合い、笑い合う

 

    住宅引き絵 室内 女子が駆け寄るアップ 女子が礼子に飛びつく

女子「礼子姉ちゃ~ん!ただいま」

礼子「お帰り~」

    礼子に話しかけ感謝する妻 礼子退室する 楽しそうな一家4人の様子

    礼子キッチンでサンドイッチを作る サンドイッチに食卓カバー

 

    夫婦の寝室

妻 「2人でどこかに遊びに行って来たの?」

私 「行ってないよ」

妻 「そう わたしたちだけ楽しんで来て、あなたの世話もしてもらってなんだか悪いな」

私 「子供じゃないんだよ 気にしなくていいさ」

 

    普段の暮らしに戻った一家の描写 食事 出勤 妻と子供たちと礼子買い物 就寝

    礼子自室で1人テレビ 夏休みの宿題する女子 等

 

    礼子ココアを作る 私テーブルで新聞を広げ読む 礼子私の横に立つ 手にマグカップ

礼子「平日昼間に外で会えない?」

    1コマ無言 互いに目を合わせない

私 「難しい 仕事が立て込んでるんだ」

礼子「あら冷たい」「嫌いになった?飽きちゃった?」「そもそも好きじゃない?」

私 「おいおい 困らせないでくれよ」

    礼子ココアを口にする 私新聞をめくる

私 「今日明日は無理だ 金曜なら時間作れるよ」

礼子「良かった」

   礼子立ち去る後ろ姿 私新聞を立て顔を隠す 礼子後ろ向きにベッドに倒れこむ ボフッ

   私、腕時計を外す 室内俯瞰どこかのホテルの部屋

   (このシーンは場面転換なしシームレスに繋ぐ)

 

    朝の住宅アオリ絵 オフ台詞重なる

オフ私「それじゃあ行ってくる今日1日子供たちたのむよ」

オフ妻「すいません礼子さんお願いしますね」

礼子「大丈夫まかせて いってらっしゃい」

    子供の世話を1日引き受ける描写数コマ トランプする ソファでテレビ

    冷凍ピザ食べる 等 夕方夫婦が帰宅

 

    昼間の住宅横から絵

    脱衣場 礼子浴衣姿でドライヤー使用 キッチン ジョッキに氷を入れコーラを注ぐ

    アイスクリームディッシャーでアイスをくり抜き2個乗せる 盆に乗せ自室に入る

    部屋の奥、広縁の椅子に浴衣姿の私が座っている

礼子「お待たせしましたコーラフロート大でございます。ごゆっくりどうぞ」

  「ロングスプーン1個しか無かった」

    ストロー2本で同時に飲む 目が合う 口元笑み アイスを食べる礼子

    礼子がスプーンで食べさせてあげる 2人引き絵

    ベッドに私と礼子並んで座る

私 「正直な気持ちを言うよ 礼子が帰ってきてくれて良かった」

    礼子の手を握る

私 「今とっても幸せだよ」

礼子「わたしも」

    見つめ合い微笑む

私 「妻には内緒で今の暮らしを続けたい 2人で普通に過ごしていれば…ん どうしたんだ」

礼子「ハハハッ もうとっくにバレてるよ」

私 「なんだって! そんなはずは無い、何も聞いてこないんだぞ、知るわけがない」

礼子「あ~も~鈍感鈍感 兄上様~女舐め過ぎでございます~」

  「そんなの見た目の雰囲気でわかるよ。それに…」

  「夫から同居女の匂いする あっ…」「でしょ」

    私、口と鼻に手を当てうなだれる 礼子横から抱きしめる

礼子「知らないふりしてくれてるんだよ」

    部屋俯瞰

礼子「ご厚意に甘えましょう」

私 「ああ」

 

    朝の室内 私テーブルでココアを飲み新聞読む 部屋に礼子と妻入ってくる

礼子「兄さん食器洗い終わってからカップ汚さないでよ」

私 「お前が早すぎるんだよ後でいいじゃないか」

礼子「それに歯磨きあとでココア飲んだら意味ないでしょ」

妻 「そーよそーよもっと言ってやって この人そういうトコがだらしないんだから」

私 「なんだお前たち女2人でグルになって 母親にでもなったつもりか」

礼子「そ~だよねえ」

    妻と礼子笑う

礼子「誰かが世話しないとシャキッと暮らせないんだから子供みたいなもんでしょ」

 

    仲良さそうな夫婦 妻と礼子楽しくおしゃべり

    礼子の部屋 礼子と女子が床に座りテレビを観る後ろ姿 数コマ流しながら

  (奇妙な話だが私には)(この生活が心地良く感じられる様になっていた)

 

    礼子の部屋 私と礼子立ち話

私 「週末出張で北海道行ってくる 同業者懇親旅行だから半分観光だけどね」

  「なにか欲しいお土産はあるかな?」

礼子「う~んそうだなぁ ちょっと待って」

  「そうだ熊が鮭くわえた人形 実物大のでっかいの欲しい!」

私 「無茶苦茶言うな 飛行機に乗らないだろ」

    2人笑い合う

礼子「お任せします」「わたしよりも家族優先で、お土産沢山買ってあげて」

    私 礼子の両肩を横からつかむ

私 「いつか2人で旅行に行きたい」

礼子「…気持ち悪い 変態」

私 「えっ」

    礼子クスクス笑いながら私の胸に顔をつける

礼子「うれしい」

    室内引き絵

 

    朝の住宅俯瞰 室内 家族の朝の暮らし引き絵 子供たち何か話す 妻何か話す

私 「じゃあ行ってくるよ」

    車ストーリアに旅行鞄をのせる私 妻が運転 車出発 男子手を振る

    女子が礼子の腕をつかみながら大きく手を振る 礼子胸元で小さく手を振る

    私、車の中から振り返り手を振る 女子と礼子のアップ 女子ジャンプして手を振る

    小さくなる礼子たち 車内の2人横顔

 

    羽田空港ロングショット 飛行機ロングショット

 

    旅行客大勢 私が旅行鞄を引っぱって歩く 私と誰かが握手 数人でビール乾杯

 

    ソファでテレビをみる妻と子供たち テレビ画面アップ パソコンのCM

    礼子自室で1人テレビをみる リモコン操作 テレビ消える

 

    土産物屋 私が買い物する バター飴 ホワイトクッキー等カゴに入れる

    熊のキーホルダーを手に取る 私、笑顔

 

    夜の住宅 風呂場 礼子シャワーを浴びる背中 横から目元のアップ 横顔 足と排水口

    礼子の部屋 ドアを閉める手 礼子立ち姿無表情 室内引き絵

 

    朝の住宅俯瞰 室内 妻が食事の準備 子供たち朝の支度

妻 「今朝礼子さん見た?」

    子供2人首を振る

妻 「あなたたち礼子さん起こしてきて」

    子供たち階段を上り礼子の部屋のドアを開ける 礼子の足

    クローゼットで首吊りした礼子 室内俯瞰

  (遺書は無かった)

  (警察により事件性のない自殺として判断され死が淡々と処理されていった)

    娘の部屋

  (世間一般的に言うならば離婚に苦しみ精神を病んだ末の自殺 といった所だろうか)

    キッチン

  (礼子の人生の真相を知るのは私だけ)(本当に申し訳無い事をした)

    重機が住宅を解体している俯瞰

  (最後にさかのぼって優しくし)(書き換えてあげられたと思いたい)

    更地横から絵 「売土地」看板のアップ 更地俯瞰、中央にポツンと看板 

    完

    枠外に この漫画はフィクションです の文字




あとがき

自分で読んだら病的で嫌な話だなと思った(小学生並みの感想)
読む人が不快な思いをする話を公開するのはやめようかとも考えましたが
わたしだけが嫌な思いをするのは違うと思います(半ギレ)
みんなで観てね!


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