やぁ、みんな大好き!マーリンお姉ちゃんだよ~♪ (クレナイハルハ)
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〔マーリンの保育日誌1〕幼女マーリン爆誕!?

???side

 

 

目の前には綺麗な花畑が広がっており、風が吹くと花びらが舞う光景に最近の若者なら映えるとか言うんだろうかと、考える事を放棄した頭で考える

 

「はぁ、なんでこんなことに…………」

 

身長160はあったはずなのに、今は目線は遥かに低く、自分の口からは長年連れ添った低い声ではなく、高く何処か舌足らずな声が出た

 

どうも、神様にあれよこれよと決められ転生した男です

 

今となっては元男になっちゃったけど

 

何でも、神様の話だと年内に人が死ぬ数は決まっていて僕は年内に決められた人以外で死んじゃった魂らしいです

 

実は僕、前世では長い間保育士として働いてたのですが、ボールを取ろうと道路に出てしまった子供を助けて死んでしまいました

 

僕は子供が笑顔になるのが好きで保育士になったので、あの子が笑顔になれるならと死んだことを受け入れたのですが

 

なんでも年内に死ぬはずでは無い魂の僕はどうやら天国にも地獄にも引き取り先が無いらしく

 

緊急処置として転生、と言う形になったんだけど、神様が転生特典を決めるとか言ってガチャガチャを回して出たのが

 

『Fateのプロトマーリンの全て』と『幼女化』だった

 

まぁ、そんなマーリン(幼女)になってしまったのだけど、前世ではアニメやゲームは好きだったのでマーリンの力はとんでもない事は理解している

 

花の魔術師 マーリン

 

Fateの有名キャラクターアーサー王こと『アルトリア・ペンドラゴン』の誕生を予言し

 

剣を教え、全ての遠き理想郷(アヴァロン)に幽閉された夢魔と人の混血児

 

更にはマーリンは魔術で遠くや色々な世界を視ることが出来る

 

うーん、改めて見てもチートだなぁ

 

そう言えば下手したら私アルトリア辺りに殺されないかな?

 

ただでさえネットでのマーリンの評価は『ろくでなし』やら『胡散臭い』やら言われてるし

 

アルトリアからよっぽどヘイトを買ってるだろうし

 

取りあえずこの姿で何ができるのか、試すのを頑張ってみようかな

 

マーリンになっちゃったとは言え保育士に戻れない訳じゃないんだし

 

まずは魔術の練習かな。

 

魔術の使用に馴れないとね、後は保育士を続けるための準備かな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やぁ、みんな元気かい?みんな大好きマーリンお姉ちゃんだよ?

 

転生してから………うーんどれくらいたったかなぁ?

 

十年は経ったような気がする

 

最初の方は一人で寂しいと思うことはあったけど、もう馴れたかな。体の方もすっかり馴れたよ、女性として最低限の暮らしは出来るぐらいはね

 

あと、取りあえず私の出来ることを調べて分かったのだけど

 

本物のマーリンは幽閉されてるけど私の場合は幽閉されていると言う訳じゃない

 

転生特典でマーリンに関する全てだから、普通に現代の世界に出ることが出来るし

 

そんなこんなで、私は現代の世界に言って色々な建物を見たりしている

 

理由としてはなんだけど、このチートなマーリンボディなら色々なアニメとかの世界で可哀想な事になっちゃったりする子を保護(拉致)して少しの間だけ育ててあげたり、メンタルカウンセリングとかして保育士に似たことをやろうかなと思ってね

 

だったら早速、全ての遠き理想郷(アヴァロン)に人が何人も寝られそうな大きな保育園を作ろうと思ってね

 

考えてみれば、マーリン並みの魔術師なら建物をそのまま投影魔術で全ての遠き理想郷(アヴァロン)に建てたりするのもいけるのでは?

 

と思い、早速私の保育園に相応しい建物を探すとしようかな

 

ついでに私は自信に認識阻害の魔術をかけているので周りから私は認識されていない

 

さてさて、久しぶりの現代

 

楽しむとしよう!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ありがとうございましたー」

 

ふぅ、中々に儲かったね。

 

いやぁ、流石はマーリンボディ、たまたま拾った五百円をパチンコで一気大金にしてしまうんだから

 

さて、なんでも保育園を見るはずがこんなことになっているかと言うとだね

 

私って、なんも食べなくても少しは生活できるんだよね

 

でも保護する予定の子供達は違うだろ?子供にはちゃあんと栄養バランスを考えてご飯を沢山食べさせてあげないと

 

その為には…………ね?お金が必要な訳で、私はずっとアヴァロンで色々と試して訳でね?お金が無いわけでね?

 

少しは申し訳無いんだけど、ちょっと魔術を掛けて稼がせてもらったよ

 

稼いだパチンコ店は裏で少し色々としてたから沢山の金を稼がれてもしかたないよね?

 

さて取りあえず業務用スーパーに言って大量の食料や調味料を買いますかね

 

ん?どうしてそんなにすぐ買う必要があるのか?

 

いやぁ、試しに目を使って色々な世界を見たんだけど早めに助けた方が良さそうでね

 

やっぱり子供を笑顔にする仕事(今世無免許)だからね

 

色々と早くしないとと言うわけさ

 

さて、スーパーに入ったは良いものの

 

体が幼いせいかカゴは一つしか持てないし、押し車は手が届かないし

 

試しに飛んで押し車に手を伸ばしても駄目だった

 

うぅ、なんでこんな体になっちゃったのかなぁ

 

取りあえずそんなときは認識阻害の魔術で押し車にカゴを乗せて自動運転開始!

 

物は私が選べば勝手にカゴに入っていく優れもの!

 

いやぁ、魔術って便利だねぇ

 

よぉし!子供達の食生活を守るためにも、一切手を抜かないぞ!値引き?そんなの知るか!高くても量が多ければ良い!

 

マーリンお姉ちゃんは良いものを作って良いものを食べさせてあげたいの!

 

そんな訳でね?大量に食材+料理本&お菓子本を買った訳ですが

 

スーパーの一番大きい袋を両手にそれぞれ4つづつ持ってます

 

うん、買いすぎちゃった

 

前世とおんなじ感じで買い物してたけどさ、私って幼女だから身長低いわけだよ?

 

つまりはそんなに沢山の量は持てない

 

そんな訳で、速アヴァロンに行き花畑にスーパーの袋を下ろす

 

「はぁ、久々の運動?は体に来るねぇ~」

 

そう言ってまた現代に近い世界に向かい色々な建物を見て回る

 

アヴァロンだと時間がゆっくり進むから、少しは食材に余裕があるんだよね

 

うーん、どうせならどっかの旅館とかホテルを鑑定しちゃった方が言いかな?保護した子達には個人の生活スペースも与えてあげたいからねぇ

 

それにホテルだと稀に大浴場や温泉が付いてたりしてお得だからねぇ

 

お湯は私が魔術で入れて上げれば良いし

 

でも、それだと子供達の遊ぶスペースが無いし………そうだ、保育園とホテルを頑張って繋げれば最高の建物が出来るじゃないか!!

 

マーリンお姉ちゃんったら頭良い!

 

早速条件に該当するホテルと保育園を見つけ創造理念を鑑定

 

もしワンランク下がったとしても色々と魔術で補強すれば崩れなく、掃除も必要ない

 

完璧な保護施設の完成だ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数日後、アヴァロンには大きな建物が建っていた

 

2階建てのホテルのような建物に、渡り廊下で保育園兼孤児院のような建物が繋がっている

 

ホテルのような建物には大浴場が広がり、業務用冷蔵庫には大量の食材が入っている

 

保育園には沢山のおもちゃが並び、外には沢山の遊具が設置され

 

保育園には『保育園&孤児院あゔぁろん!』と丸い文字で描かれた看板が付いている

 

「はぁ、少し疲れたなぁ」

 

そう呟き、アヴァロンに設置された巨大な建築物を眺める

 

それにしても、良くここまで頑張ったなぁ

 

魔術と現代の知識を生かして少しだけ頑張って工事したかいがあったよ

 

もはや日曜大工を越えた仕上がり、匠も口を明けて驚くだろうね!

 

あ、緑色の匠は来ないでね?

 

建物壊れたら困るから

 

さてさて、早速あの子を拉致(保護)しに行くとしよう!

 

 

 

 

 

 







みんなも大好きマーリン先生を本当に保育士の先生にしてみました!

僕の作品を読んでいる読者さんからすると、イリヤ→クロエって来たら次は美遊だろ!!

と思うかもですが選ばれたのはマーリンでした

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〔マーリンの保育日誌2〕運命を壊された少女

???side

 

 

──その日、少女は自信の運命を壊された

 

唯一の家族は目の前で惨殺され、知りもしない男が少女の名前を知っており

 

そして少女と言う天然の聖杯を狙う

 

───その日、少女は絶望した

 

目の前の自信に温もりを、愛情を注いでくれた兄を殺され知りもしない男に襲われる

 

本来ならば救われるはずの少女は救われず、知りもしない男から追いかけられる

 

少女は魔術を使えない

 

必死に走る少女の頭の中では兄が最期に放った言葉が反芻する

 

『ごめんな………海に連れてくの、ダメそうだ。逃げ、ろ………』

 

そう言って瞳を閉じていく兄の姿に、少女は涙を流しながら駆け出し何度転んで膝に傷が出来ても立ち上がり再び走り出す

 

だが、少女には分かっていた

 

このまま投げ続けても、どうせ逃げられない

 

あの男に捕まり、そして…………

 

その後の事を想像し、少女は喉に込み上げてくる気持ち悪さと吐き気を抑え込む

 

少女の名は『遡月 美遊』後の美遊・エーデフェルトと呼ばれるはずの『衛宮 美遊』

 

………この世界に転生した1人の転生者によって兄を惨殺され、救いも希望もない絶望へと引きずり込まれようとしている『Fate/Kaleid linerプリズマ☆イリヤ~雪下の誓い~』のifの世界

 

本来の美遊とは違う平行世界の少女

 

「グフフゥ、ドォコにいるのかなぁ~?美遊ちゃ~ん」

 

あの男のねっとりした口調の独特な声が聞こえ思わず叫び声をあげそうになるのを押さえ、足を止めてしまう

 

「み~つけたァ」

 

「ひっ!?」

 

そう言ってニタリと笑う

 

恐怖心に思わず足がすくんで地面に座り込んでしまう

 

いや、嫌………

 

そう思い足を動かそうと足に力を入れるが、橋が動かない

 

あまりの恐怖に足がすくんでいる

 

助けてくれる、自分にとってのヒーロー(お兄ちゃん)はもういない

 

男が段々と近付いてくる

 

「はぁ、はぁ、ようやく捕まえ──」

 

そう言って男と私の距離が2メートルぐらいの距離まで近付いてきた

 

その時だ

 

「『武装完全支配術(エンハンス・アーマメント)』凍てつくせ、青薔薇」

 

その場に恐らくは私より少し幼く、舌足らずな声が聞こえた

 

すると突如として目の前まで迫っていた男の足元から氷で出来た蔓のような物が現れて男の体へと絡み付く

 

「な、なんだ!?これはァア!?」

 

そう言うなか、段々と男が足から上へと段々と凍らされていく

 

私が呆然として、気が付くと男は氷塊の中にいた

 

「大丈夫かい?」

 

先程と同じ声が背後から聞こえ、思わず振り返る

 

そこには幻のような風景が広がっていた

 

荒れていたはずの道には色とりどりの花が咲き、そこには少し大きそうな白いフード付のローブを纏い腰まで伸びる綺麗な銀髪、私より身長が低く幼女だと思われる少女が左手に大きな杖を

 

右手には青薔薇の装飾が付いた綺麗な水色の剣を持って佇んでいた

 

「だ、誰!?」

 

思わず私はその子に向けてそう叫ぶ

 

この少女が敵である可能性も少なからず存在し少女は思わず身構える

 

「おや?これは失礼。私は───」

 

そのときだった、ピシリと言う音が聞こえ私は思わず振り返ると先ほどの男が凍らされている氷塊に少しヒビが入っていた

 

「ちっ、腐っても転生者と言う訳か……やれやれ、先にあちらをどうにかしないとね」

 

白いローブの少女がそう言って私の近くに歩み寄る

 

それに連れ足元の花も少女が歩いた場所を追いかけるように咲いていく

 

少女はまるで私を守るかのように前に出る

 

「このまま出てこられたら厄介だし、直ぐに終わらせるとしよう」

 

そう言って少女が右手に持った剣を逆手に持ち地面に突き刺す

 

「『記憶解放術(リリース・リコレクション)』……咲き誇れ、青薔薇」

 

そう言うと剣の刺さった所から先程と同じ氷の蔓が再び氷塊へと絡みつく

 

そして綺麗な青い薔薇が蔓から何輪も咲いた

 

すると何故か中にいたあの男が何処か苦しそうな顔をする

 

「さて、これじゃあ死なないだろうし。彼の弔いにもならない、徹底的にやらないとね」

 

そう言って少女が左手大きな杖を掲げると、空中に粒子のような何かが集まり2つの形を作る

 

片方は先程少女の持っていた青薔薇の装飾が施された剣と似ているが色は青ではなく赤色の剣

 

もう片方はどちらとも違う真っ黒でシンプルなデザインの剣

 

そして少女が手に持っていた青薔薇の装飾が施された剣を宙へと放る

 

すると合計3つの剣が宙に浮き、男の方へとその剣先を向ける

 

「みちゃダメだよ」

 

そう言って突如として少女が私の顔を覆うように抱きしめ耳を塞ぐ

 

「さて………夜空、青薔薇、赤薔薇!」

 

微かに少女がそう言ったのは聞こえたがその後は何も聞こえなかった

 

しばらくして少女が離れる、視界の端にさっきの男が倒れているのが見えた

 

「さて、改めて自己紹介だ」

 

そう言って少女は優しそうで、少しだけ胡散臭い笑みを浮かべて言った

 

「私はマーリン、人呼んで花の魔術師。遡月美遊ちゃん、君を助けに来たのさ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マーリンside

 

 

ふぅ、どうにか助けが間に合って良かった

 

やっぱり世界を越える魔術、いや魔法になるのかな?

 

それを実行するのが大変で、助けるのが凄くギリギリになってしまった

 

美遊ちゃんを襲おうとした奴に関してはアヴァロンにある自室に飾っている

 

投影魔術で投影した『ソードアート・オンライン』に出てくる剣

 

青薔薇の剣の武装完全支配術(エンハンス・アーマメント)で拘束した後

 

記憶解放術(リリース・リコレクション)で生命力を吸い出しながら赤薔薇の剣と夜空の剣と宙に放した青薔薇の剣で貫いて殺した

 

思ったより殺したことに関する罪悪感のようなものを感じなかったのは、さっきの奴がよっぽど悪党で変態だったからなのか

 

それともこの体が夢魔だからなのかは分からない

 

改めて自身が人でなくなったのだと感じる

 

まぁ、さっきの奴に関してはこの子の唯一の救いである衛宮士郎を美遊ちゃんの前で殺したことには少し頭には来てたから

 

あのあと更にアヴァロンからFFの合体剣を取り出して『超究武神覇斬ver5』を撃っても良かったかな?

 

一応、アルトリアに剣を与えただけあってこの体になってから剣とかは結構使えるしSAOの剣に至ってはソードスキルを使える

 

流石はチートマーリンボディ

 

でも、見た目幼女だし幼女がFFの合体剣持ってたら違和感が凄いな

 

取りあえず美遊ちゃんには謝罪しないとね

 

酷く攻められるかもしれないけど、仕方ない

 

結果的に衛宮士郎と言う人間を助けることが出来なかった私は既にある程度文句を言われる覚悟は出来ている

 

「美遊ちゃん、ごめんね」

 

そう言って座り込む美遊ちゃんの目の前に立つ

 

「え?」

 

「ごめんね……君しか助けてあげられなくて、もっと早く来てあげられなくて、本当にごめんね」

 

そう言って美遊ちゃんを抱き締める

 

「──たが、貴女がもっと早く助けに来てくれたら!!」

 

美遊ちゃんはまるで抑えていた感情を吐き出すように目から涙を流しながらに近付き私の胸に握った拳を叩きつける

 

「貴女が早く助けて来てくれたら!!お兄ちゃんは殺されなくて済んだのに!」

 

「………うん」

 

「お兄ちゃんと、ずっと一緒に入れたのに!!」

 

「……うん」

 

「返して………お兄ちゃんを返してよぉ……」

 

そう言って何度も何度も私の胸に拳を叩き付けてくる美遊ちゃん

 

私は何度も謝罪しながら、美遊ちゃんが落ち着くまで頭を撫で続けた

 

それしか、今の私に出来る事がない

 

流石のマーリンでも魂を操作することは出来ないし、人の蘇生なんで出来ないのだから

 

少しして美遊ちゃんが落ち着き、私を叩くのを止めて泣き止んだので話しかけてみる

 

「落ち着いた?」

 

そう言うとコクりと頷くので私は抱きしめていた手を放す

 

「君は彼らに捕まりたくないんだよね?」

 

そう問うと同じように頷くので、頭を撫でながら優しい声色で言う

 

「なら、私と来ないかい?」

 

「え?」

 

「私と来れば、誰も君には手を出せないし私が出させない。遡月美遊ちゃん、私と一緒にアヴァロンに来ないかい?実は君みたいは境遇の子供を自立できるまで助けて育てる事を始めたんだ」

 

「そうなんですか」

 

「でも君が最初だからアヴァロンには君と私しかいない。美遊ちゃん、君はどうする?」

 

「マーリンさんに、付いていきます」

 

「良いんだね?」

 

「お兄ちゃんも、私を逃がそうとしてくれたから。きっとあの人達に捕まらない方が安心してくれると思います」

 

そう言って少し悲しそうに美遊ちゃんが笑った

 

「分かったよ。それじゃあ行こうか」

 

そう言って美遊ちゃんの手を握ってアヴァロンへと転移する

 

転移したのは『保育園&孤児院あゔぁろん』の前

 

美遊ちゃんはどちらかと言うと花畑の方に気を取られちゃってるみたいだけどね

 

「改めて美遊ちゃん。ようこそ、そしてお帰り『保育園&孤児院あゔぁろん』へ。」

 

「はい!」

 

そう言って笑う美遊ちゃんを、必ず不自由なくに暮らせて、楽しく過ごせるよう頑張らないと!

 

こうして、『保育園&孤児院あゔぁろん』に

 

1人の少女『遡月美遊』ちゃんが入居した

 

後に美遊ちゃんがあゔぁろんの広さに驚き、個人の部屋を貰えること

 

マーリンの料理が非常に上手いことに次々と驚かせられる事になるが、それはまた後のお話

 

 

 







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〔マーリンの保育日誌3〕救いがないならお姉ちゃんにまかせたまえー!

マーリンside

 

 

やぁ、皆大好きマーリンお姉ちゃんだよ

 

さてさて、美遊ちゃんが入居してから数日

 

彼女もこの生活に馴れてきただろうから、そろそろ他の子も探さないとね

 

そんな訳で、自室にて私は目を使って色々な世界を視ていた

 

取りあえず、皆も気になっていると思うけど

 

なぜ私がソードアート・オンラインに出てきた空想物の剣である夜空の剣や青薔薇の剣、赤薔薇の剣を使っていたか

 

そして合体剣や他にも沢山の剣をコレクションしているのかを教えておこう!

 

ネットで言う『皆さんの為にぃ~~!』って奴だね、初めての使ったよ

 

さてさて、まずは皆ソードアート・オンラインやファイナルファンタジーを空想物で投影なんて出来ない、出きる筈がない

 

そう思ってるよね?

 

じゃあ、聞くけどあの映像やゲームやアニメ、物語が空想の物だなんて

 

誰が決めたんだい?

 

数ある並行世界、並行世界のifの世界

 

そんな風に沢山の世界が存在しているんだけど

 

その中には空想物であるソードアート・オンラインのアインクラッドが現実の世界として存在している世界や

 

アンダーワールドが現実世界であり、ゲームではない世界が存在しているんだ

 

つまりは本物の夜空の剣や青薔薇の剣が実在する世界を覗いたときに視てコピーしたのさ

 

いやぁ、楽しかったぁ!

 

少なからずアニメの世界を覗けるからね

 

他にも沢山の世界の様々な剣をコレクションさせて貰ったよ

 

今後で出す機会があったら他の剣も使う予定さ

 

まぁ、夜空の剣や青薔薇の剣が取り出せたのはこれが理由さ。

 

でもそれじゃただの粗悪品(デッドコピー)で、つまらない

 

だから色んな魔術を使って出来るだけオリジナルに近くしたのさ

 

さて改めて色んな世界を視ようかな

 

うーん、考えるならまどマギの杏子ちゃんやポケモンのビートやリリなののフェイトちゃん当たりかな

 

でも、フェイトちゃんはあの後に幸せになるからなぁ

 

助けない方が良いのかも

 

お、そんなこと考えてたら次のターゲット見つけた

 

そう言えばこの子はその世界でも救いがなかったな

 

いや、少なかったと言うべきか

 

「そう言えば、彼女の場合も彼しか救いが無かったんだね。美遊ちゃんと同じか」

 

仕方ないか

 

さてさて、次の子は決めた

 

そう考えて部屋に飾っている青薔薇の剣を鞘に入れてから手にとって腰につける

 

「今回も君には頑張って貰うよ」

 

そう呟き、部屋を出て美遊ちゃんの部屋の前にむかい扉をノックする

 

すると少ししてからドアが開き、美遊ちゃんが出てくる

 

「マーリンさん?」

 

「やぁ、マーリンお姉ちゃんだけど。美遊ちゃん、少しだけ外の世界に行ってくるから留守番を頼んだよ。なぁに、少ししたら帰ってくるよ」

 

「そうですか、行ってらっしゃい。マーリンさん」

 

「あぁ、少し行ってくる」

 

そう言って建物の外に出て転移魔術を使う

 

次に私が助けるのは《Fate/stay night》に置いて最も過酷な運命を背負った少女

 

『間桐 桜』ちゃんの救済だ

 

計画はこうだ、今覗いた世界だと桜ちゃんは今日に間桐の屋敷に引き取られて蔵のマキリの虫の中に入れられる

 

なら蔵の中に入って直ぐにマキリの虫を殺し桜ちゃんをアヴァロンに連れ帰る

 

今回は割りと本気で拉致だ

 

それに今回、転移して救えば桜ちゃんの女性としての諸々も無事に済む

 

さて、転移するとそこは凄く暗くジメットしていて私の前には恐怖からなのか、それとも絶望からなのか目をつむり動かない桜ちゃん(少女)

 

ついでだが私の出現にあのキチガイが驚いたのを千里眼で確認した

 

てか、めっちゃ虫キモイんですけどォオ!!

 

めっちゃキモイ!マジで!キモイんですけどぉ!?

 

ふぅ、ステイクール………落ち着いて私

 

一瞬パニックした物の、私は直ぐに青薔薇の剣を抜刀して地面に突き刺し詠唱する

 

「『武装完全支配術(エンハンス・アーマメント)』凍てつくせ、青薔薇!!」

 

そう言うと共に青薔薇の剣を指した地面を中心として

 

何処かで機械的でデータのような魔方陣が薄く光ながら広がり一瞬に地面が凍結し、氷が出現し

 

それと同時に私と桜ちゃんへと群がってくるマキリの虫が氷の蔓に絡め取られ、地面からの冷気で凍りつき

 

次々と虫が凍らされていく

 

そしてこの蔵の全ての虫が凍りついた

 

記憶解放術(リリース・リコレクション)』……咲き誇れ、青薔薇」

 

その詠唱と共に、この蔵を冷たい風が吹き

 

次々のマキリの虫を縛り上げた薔薇の蔓に着いたツボミからは次々の青薔薇が咲いて生命力を吸い上げていき

 

次々と虫が死んでいく

 

一息着いて青薔薇の剣を地面から引き抜いた、その時だ

 

「綺麗………」

 

そんな声が聞こえ、振り替えると身を開いた桜ちゃんが周囲に青い薔薇が咲き乱れまるで花畑のようになった地下を見ていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桜side

 

 

蔵に入った瞬間、私はこの後に自分の身に起こることを想像して目を瞑った

 

迫り来るマキリの虫の足音に

 

私はただ何も出来ずたすけてと、救いを求める

 

そんな私を救ってくれる人なんて誰もいない

 

そんなときだった

 

武装完全支配術(エンハンス・アーマメント)』凍てつくせ、青薔薇」

 

この場にいない

 

そして私の聞いたことのない声と共に私はふと肌寒く感じた

 

まるで急に冬になったかのような

 

聞こえてきた声は幼く舌足らずだけど、どこか安心する声

 

私は目を開く、そこには先ほどまで私へと迫ってきていた虫達が氷の蔓のような物に掴まり凍っている風景

 

そして私と同じくらいの、白いフード付きのローブを着て腰まで伸びる綺麗な銀髪の少女だった

 

その少女は逆手にもった綺麗な水色の刀身に青い薔薇の装飾が施された剣を地面に突き刺していた

 

そして刺さった地面を中心として氷が出来ている

 

もしかしてあれをやったのは、この子?

 

記憶解放術(リリース・リコレクション)』……咲き誇れ、青薔薇」

 

女の子がそう言うと、マキリの虫を閉じ込めていた氷塊の上に絡み付いていた氷で出来た蔓のような何かについた蕾が、ゆっくりと開き開花する

 

他の氷塊からも次々と青薔薇が咲いて行くのはまるで奇跡のようで

 

……………あ

 

ふと、前に読んだ本についていた青い薔薇の花言葉を思い出した

 

青薔薇の花言葉は()()

 

気が付けば私はついさっきまで絶望していたのに、この子のお陰で僅かだが希望を得られた

 

まるで、奇跡が起こったように私には思えた

 

「綺麗………」

 

思わず口からそう言葉が溢れた

 

すると私の前に立っていた女の子が振り向く

 

「やぁ、間桐 桜ちゃん」

 

「え、なんで私の名前………」

 

教えていない筈の私の名前を呼んだ女の子に思わず身構える

 

女の子は笑った

 

優しそうで思わず安心してしまうけど

 

少しだけ胡散臭い笑顔

 

「私はマーリン、人呼んで花の魔術師。強くて可愛い、ただのお姉ちゃんさ!」

 

「マーリン………!?それって」

 

頭の中に少し前に読んだ本に出てきた

 

アーサー王を導いた、凄い魔術師

 

本だとおじいちゃんなのに、本当はこんなに小さな女の子と言う事実に凄く驚くと同時に

 

なんでそんな人が私に?と言う疑問が浮かぶ

 

「間に合って良かった、良く恐いのを我慢したね」

 

そう言ってマーリンさんが私の頭を優しく撫でると少し真剣な顔になる

 

「実はね………ここで話すと邪魔が入るから、邪魔が無いところで話そっか」

 

そう言ってマーリンさんが私の手を掴む

 

すると、いつの間にか私はさっきまでいた所とは全く違う場所にいた

 

「わぁ!」

 

風で花びらが舞い、一面に咲き乱れる色とりどりの花が並ぶ畑に立っていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マーリンside

 

 

「さて、ここなら安心して話せるね」

 

「ここは、一体何処ですか?」

 

「此処は人々が望んだ、全て遠き理想郷(アヴァロン)だよ。」

 

「アヴァロン………」

 

そう言うと桜ちゃんが回りをキョロキョロと見渡す

 

「実はね桜ちゃん、私は君みたいな酷い目に会ってしまうかもしれない子達を保護して、一人立ち出来るまで育てているんだ。まぁ、始めたばかりだから君の他にあと一人しかいないんだけどね」

 

「そうなんですね………」

 

「さて、桜ちゃん。私は君をここに迎え入れたいと思ってるけど、君はどうしたい?」

 

「え?」

 

「一応、君の意思を聞いておこうと思ってね。君はどうしたい?ここで暮らすか、外の世界に帰るか」

 

そう言って二本指を立てて、桜ちゃんに改めて問うと、桜ちゃんは直ぐに頷いた

 

「今日からお願いします、マーリンさん」

 

「分かったよ、着いてきてね」

 

そう言って『保育園&孤児院あゔぁろん!』の前まで来ると桜ちゃんがまたもや驚きの声をあげる

 

「どうだい、凄いだろ?現代の建物を投影魔術で投影して、色々と手を加えて二つの建物を繋げたんだ」

 

そう言って私は『保育園&孤児院あゔぁろん!』の園に一歩入り振り替える

 

「ようこそ!そして、お帰り。桜ちゃん」

 

「はい!」

 

そう言うと桜ちゃんが少しだけ呆然としたが、直ぐに笑顔で頷いた

 

さて、桜ちゃんも迎え入れたことだし歓迎会でも開こうかな、と

 

笑う桜ちゃんを見てそう思ったのだった

 

 

 






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〔マーリンの保育日誌4〕月と桜の出会い

美遊side

 

 

私がマーリンさんに引き取られてから少し立ち、この生活に慣れてきました

 

最初こそは、この施設に凄く驚いた

 

花畑の広がるなかこんなに大きな建物があって

 

更には私の部屋となったこの部屋、本当に私の個室なのだろうか?

 

少し子供には豪華すぎると思うほどだった

 

私のような引き取られた子供の部屋にはテレビが設置されていて、他には電気ポッド

 

小さな冷蔵庫、勉強机と椅子

 

そして、シャワーと浴槽トイレが完備された個室内の部屋

 

前にテレビで見たビジネスホテルみたいな感じで、何でか聞いたら皆でお風呂に入るのが苦手な子もいるから

 

それに、風邪を引いたりした時に便利でしょ?

 

と返された

 

この人は本当に保護する子供の事をちゃんと考えているんだと思った。

 

他にも大浴場には何故か脱衣所に冷蔵庫が置かれており、中には瓶の牛乳やらコーヒー牛乳が入れられていて

 

浴槽には適当な温泉からお湯を転移させて入れて魔術で保温しているらしい

 

何でそんなに大変な事をしているのか聞いたら

 

マーリンさんは苦笑いしたあと、何処か悲しそうな顔をして話してくれた

 

『美遊ちゃん、ここに来る子供はね?少なからず心の何処かに闇を抱えていたり、傷付いていたり、そんな感じの子達なんだ。だからね、その子達にとって心から安心できて、楽しく過ごせて、癒せるような、私はそんな場所を作ってあげたいんだ』

 

と、そう話してくれた

 

また、ご飯は毎回食堂に集まってマーリンさんが作ってくれるご飯を食べる

 

マーリンさんの作るご飯はお兄ちゃんとは違って、美味しくて何処か安心する

 

そんな感じがする

 

今日は、図書室から借りてきた小説を1巻から9巻まで借りてきて読んでいた

 

基本的に、マーリンさんは引き取った子達には自由に過ごして貰うらしくて

 

自由にさせて貰ってる

 

そして最初から私は個室を貰ったのだけど、お兄ちゃんが目の前で殺されてしまった事を夢で見てしまい

 

寝ているマーリンさんを起こして、その後数日は一緒に寝て貰っていた

 

最近は大丈夫だけど、マーリンさんは『怖い夢を見たりしたら遠慮しないで私を頼って良いんだよ?』と優しく言ってくれた

 

そんなマーリンさんが、出掛けていった

 

直ぐに戻ると言われ、私は部屋で本を読んでマーリンさんの帰りを待つ

 

私は基本的にテレビはあまり使わず、お茶を飲みながら本を読んでいる事が多い

 

その時だ、部屋の扉がノックされるので私は本にしおりを挟んで扉を空ける

 

「やぁ、ただいま戻ったよ」

 

そう言って笑うマーリンさんの後ろに翠緑の髪を小さなツインテールにした私と同じくらいの少女が立っていた

 

「お帰りない、マーリンさん。あの、後ろの子は?」

 

「さっき拉……新しく保護したんだ」

 

「あの、間桐 桜……です。その、よろしくお願いします」

 

…………え?

 

間桐桜って、確か

 

頭の中に浮かぶのはお兄ちゃんと一緒にいた、お兄ちゃんの学校の後輩で良く家に来ていた紫色の髪の人

 

なのに、目の前にいるのは髪の色が全く違う桜さんだった

 

「遡月 美遊です。よろしく」

 

「美遊ちゃん、よろしくお願いします」

 

「さてさて、今日は桜ちゃんの歓迎会でも開こうかな…………沢山料理を作らないとね。所で美遊ちゃん出来ればで良いんだけど、桜ちゃんにこの建物を案内して貰えないかな?」

 

「分かりました」

 

「助かるよ、私は食堂にいるから何か会ったらきてね。それじゃあ私は料理しに行くからねー!」

 

そう言ってマーリンさんが去っていくのを見届け、私は部屋の鍵を持ってから部屋の外に出る

 

「桜さん、まずはこの建物を案内するから着いてきて」

 

「は、はい。」

 

そう言って二人で歩く

 

「まずは一階から紹介しましょう」

 

そう言ってエレベーターで子供用の個室がある2階から下の1階に下がる

 

「まずは一階です、一階には大浴場です」

 

そう言って湯と書かれた暖簾の女湯に入る

 

そこには脱衣所が広がっており、棚には籠が入っていてその中に着替えを入れるように作られている

 

「わぁ!凄いですね、まるで銭湯に来たみたいです」

 

「お風呂の浴槽にはマーリンさんが何処かの温泉からお湯を持ってきて入れています。また、そこの冷蔵庫に飲み物が入っているのでお風呂から上がったら飲むのも良いですよ」

 

そう言って大浴場を出て、次に向かったのは図書室

 

「ここは図書室です、沢山の本があるので桜さんの好きな本もあると思います。」

 

「凄い、こんなに沢山本があるなんて」

 

「マーリンさんが子供には沢山の本を読んでほしいからね、と。この隣にある遊具室にはマーリンさんが買ってきてくれたゲームやDVDがあるので、見たいときは自分の部屋に借りていくんです」

 

そう言って図書室を出て少し歩くとドアに『マーリン』とまるっこい文字で書かれた名前の付いた扉の前に付く

 

「ここはマーリンさんの部屋です。何か困ったことがあったりしたらここに来ればマーリンさんが出てくれます」

 

「ここですね、しっかりと覚えないと……」

 

 

「次に食堂です、基本的に私たちはここでご飯を食べます。料理は全てマーリンさんの手作りで、とても美味しいんです。もし皆と一緒に食べるのが嫌ならマーリンさんに言えば自分の部屋まで届けて貰えます」

 

「へ、マーリンさんってお料理も出来るんですか!?」

 

そんな風に話しながら、私たちは食堂に入ると沢山の料理が並んでいてマーリンさんがエプロンを付けた姿で出迎えてくれた

 

やっぱりマーリンさんがエプロンを着ると、まるで親の料理を手伝う子供のように見えてしまい、思わず笑ってしまう

 

「さて、残りの紹介は後にして。ご飯をたべようか二人とも!ほら座って座って!」

 

「はい、行きますよ。桜さん」

 

「あの、美遊ちゃん。私達、おんなじくらいの年齢だよね?なら『さん』じゃなくて『ちゃん』って呼んでくれませんか?」

 

戸惑ってしまう、頭のなかで紫髪で年上だった女の人が今は同い年でしかも、ちゃんずけで呼ぶよう頼まれる

 

少し困っちゃったけど、私は頷いた

 

その日、私はこの場所で初めて友達を作った

 

 




やぁ、『保育園&孤児院あゔぁろん!』の管理人

強くて優しいマーリンお姉ちゃんだよ

新しく、活動報告で私に救ってほしい子達を大募集だ

詳しくは活動報告にきてくれ!
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=259391&uid=276685

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〔マーリンの保育日誌5〕白と黒の猫

 

マーリンside

 

 

やぁ、みんなのお母さんでありお姉ちゃん

 

マーリンだよ?

 

さてさて桜ちゃんを引き取った次の日、出来るならあと二人は増やしたい

 

そう考えながら数々の世界を覗いていく

 

それにしても、色々な世界がある

 

本当に色々な世界がね

 

例えばダンまちのベル君が女の子だったり、ポケモンでレッドとサトシが両方存在する世界

 

さてさて、そんな世界を覗きつつ何をしているかと言うと

 

「ふぅ、花畑を見ながら入る温泉は最高だねぇ」

 

大浴場の男湯の方に入ってます

 

まだ男の子で助けてる子が居ないからなんだけどね

 

「それにしても、世界は本当に沢山あるね。一つの世界のifだけで億を越えそうだよ」

 

少しだけだるいけど、他ならぬ子供達のためだ

 

頑張るしかないか

 

それにしても、やっぱり温泉は持ってくるで正解だ

 

魔術で保温できるし、何より花畑が見える風呂場は最高だね

 

さて、今日のご飯の献立でも考えつつ風呂から上がりいつものフード付の白いローブの服を着る

 

さて、次助ける子達も見付けた

 

今回はいつもより戦闘よりな気がしなし、平和に終わる………と、良いんだけどね

 

さて、次助けるのはハイスクールD×Dの世界の後に『塔城 小猫』となる猫又の『白音』、そしてその姉である『黒歌』だ

 

一応、説明すると原作にて『塔城小猫』の姉『黒歌』の主であった男が『白音』に対して無理な仙術の実験を行おうとしたのを止めるため

 

『黒歌』は仕方なく主を殺し、実験を止めたがはぐれ悪魔となり『白音』の前から消えた

 

そして1人の白音はやがて、グレモリー眷族となり、後に姉である黒歌との戦いとなる

 

私が助けにいく世界線は黒歌が白音を連れたまま悪魔から逃げ酷く痩せている世界

 

さて、助ける理由はもう十分だろう

 

悲しさなんていらない

 

残念だけどその世界にも転生者がいるから原作が崩壊している

 

そいつらの狙いは主人公である兵藤一誠の立場になること

 

原作開始からでしか動こうとしていないし、やるなら今か

 

さぁ、救済の物語を作るとしよう

 

私の、この手で

 

考えとしては主を殺しある程度は白音を黒歌は連れて逃げている

 

なら追いかけてきている奴をさくっと殺せば良い

 

そしてアヴァロンに勧誘しよう

 

白音ちゃんは保護、黒歌ちゃんも同じだ

 

一応、彼女は子供じゃないけど姉妹で一緒の方が良いだろう

 

「あまり対人は想定してないんだけどね」

 

そう言って私自室の大きく、所々に細工がされた私の身長の倍くらいある銀色の刀身に赤い柄を背中に付ける

 

確かに男の方のマーリンは筋力がBだったし、結構重い剣も楽に持てる

 

「行こうかな」

 

そう言って外に出て廊下を歩くと少し先の図書室に桜ちゃんが入って行くのが見えた

 

ちょうど言い、美遊ちゃんへの伝言を頼もう

 

「桜ちゃん、ちょっと良いかな?」

 

「はい?何ですかマーリンさん………あのその剣は?」

 

「気になるかい?まぁ、これから新しい子を保護してくるのに必要でね。少しでも彼女達を守れるよう対人ならとこの剣を選んだのさ」

 

「いや、そうじゃなくて………持てるんですか?」

 

「え?普通に持てるし振り回せるけど」

 

それに、もしかしたら合体剣を使っている私を見て驚いて油断させることも出きるだろうし

 

「凄いですね………」

 

「まぁね。さて、少し外に行くから美遊ちゃんにその事を伝えてもらおうと思ってね。それじゃあ頼んだよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

黒歌side

 

 

白音を抱えて、ひたすらに森の中を走る

 

着ている着物が汚れるのも惜しまずひたすらに駆ける

 

「まて!主殺しの黒歌!!」

 

私を追いかけてくる賞金稼ぎがそう声を荒げる

 

仙術で眠らせた白音は暫くは目覚めないはず

 

私は仙術で体を強化して出来るだけ早く白音を傷付けないように逃げる

 

こうなったのは、私が白音に無理な仙術の実験をさせると聴かなかった主を殺して白音と逃げ出した日からだ

 

毎日のように賞金稼ぎの悪魔が私を探しては襲撃してくる

 

私は白音に本当の事はまだ話せていない

 

あの日、戸惑う白音の手を引き逃げ出した日から

 

急いで逃げたしたから手持ちも少なく、白音にご飯をあげようとしても、賞金稼ぎに襲撃されたせいで食べられなくなる事が多く

 

私はみるみる痩せていく白音を見て、思わず涙を流した

 

白音はご飯を沢山食べる子で、ご飯が大好きだからせめてと、私のご飯を全部白音に与えてきた

 

ふと悪魔の声が聞こえなくなり私は近くの木の上に飛び乗って隠れる

 

ふと、私のお腹から音がなる

 

正直、もう限界だ

 

仙術を使うのももう辛い、せめて

 

せめて白音だけでも

 

「やぁ、黒歌ちゃん」

 

「っ!?」

 

隣から幼なく舌足らずな声が聞こえ、すぐに私は下に落ちて白音を抱き締めて逃げる

 

「へ?ちょっ、ちょっとまっておくれよ!」

 

その声が聞こえるが私は走る

 

渡さない、逃げ延びてみせる

 

絶対に白音は私が守って見せる!

 

「絶対に守ってみせ────」

 

その時だ、私の前から炎が飛んでくる思わず横に飛ぶ

 

ゴロゴロと転がり、どうにか炎を避ける

 

「白音は!?」

 

自信の手の中にいる白音の安否を確認する

 

「スゥー、スゥー」

 

良かった、どこも怪我してない。無事だ

 

思わず安堵するがすぐにその安堵は消えた

 

私は後ろに気配を感じて振り替えるとそこには剣を持った男の悪魔が二人と杖を持った悪魔がいた

 

「ようやく追い詰めたぞ!主殺しの黒歌!!」

 

「ようやく年貢のお下げ時だな!」

 

「動いたら、魔法を使う。動くな」

 

思わず白音をギュッと抱き締める

 

ごめんね、白音

 

お姉ちゃんね、もうダメみたい

 

せめて、白音だけは守るから

 

ごめんね、きっと許してくれないと思うけど

 

白音を守るにはこれれしか

 

私は白音をそっと、地面に下ろして最後の力で仙術を───

 

「諦めるのは、まだ速いんじゃ無いかな?」

 

先程聴いた、幼い声が背中から聞こえた

 

そこには真っ白なフード付きのローブを羽織り背中に彼女の背丈異常に大きな剣を付けた銀髪の少女が立っていた

 

な、なんで冥界に人間がいるの!?

 

「悪いけど、そこの三人の悪魔さん方。お引きとり願えないかな?私は彼女達にとても重要なお話に来たんだ」

 

そう言って私の前に少女が出る

 

「黒歌さん、君は白音さんの近くに居てね」

 

「さっきの声のこかにゃ?………」

 

「逃げられてしまって、自己紹介は出来なかったけどね。助太刀させて貰うよ」

 

そう言って少女は私にウインクして更に前に歩いていく

 

「き、危険にゃ!普通の人間が悪魔に敵うなんて」

 

そう言うが少女は黙って悪魔の前に出る

 

「貴方にも、魔法を撃つ。嫌だったらどけ」

 

そう言って1人が杖を構え、他の二人も剣を構える

 

「悪いな嬢ちゃん、なんでここに人間がいるかはわからねぇが俺らはそいつの賞金が欲しくてね」

 

「どうだ?なんだったら今からでも仲間にならねぇか?」

 

そう言うがずっと少女は悪魔の方を向いたまま何も話さない

 

あの子も、賞金を聞いたらきっと私を捕まえるに決まってる…………

 

もし、そうなったら

 

「そいつには大量の賞金がかけられ──」

 

私は、死ぬ

 

暗い感情に心を揺さぶられ思わず俯いてしまう

 

「興味ないね」

 

少女の声が聞こえた瞬間、私は頭が真っ白になった

 

「「はぁ!?」」

 

「!?」

 

なんといった?少女は賞金を前にして

 

「悪いけど、私は彼女達を助ける為に来たんだ」

 

そう言って少女は背に付けた大剣の柄を片手で掴んで正面に構える

 

「チッ、なら怪我しても問題ねぇよな?」

 

「後悔するなら、今のうちだぞ」

 

「邪魔、消す!」

 

それぞれが剣を構え、少女へと走る

 

まずい、あの子じゃあ、悪魔のしかも賞金稼ぎに勝てるわけ

 

その時だ、少女が悪魔達へと駆け寄りながらその剣を振るうその瞬間

 

思わず目を瞑り少女の苦しむ声が聞こえ、胸を貫かれた

 

少しの間でも味方してくれた少女の姿を幻視した

 

その時だ、金属の擦れる小さな音が聞こえたと思ったら先程の悪魔二人の苦しむ声が聞こえた

 

思わず目を開くと、そこには走りよってきた二人の剣士の悪魔がそれぞれ肩や横腹が着られて吹き飛ばされている

 

そして少女の手には先程まで無かったハンドガードまで刃が付いた二つ目の剣が握られていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マーリンside

 

 

悪魔が剣で左右から袈裟懸けを仕掛けてくる

 

私は、何も持っていない左手を合体剣に向け

 

刀のように反り返った片刃だけの合体剣第2の刃『オーガニクス』を少し合体剣からずらして左手で柄を握りそのまま前に進みながら体を捻り攻撃を仕掛けてきたそれぞれの悪魔の肩と横腹を斬り付けて、二人を吹きとばし着地する

 

「な、何がおこったの……………」

 

「お前、どこから剣を!?」

 

さて、せっかくの合体剣だ

 

クラウドのロールプレイでもして倒すとしよう

 

「何一つ、奪わせはしない。彼女達に降りかかる物は全て断ち切る」

 

そう言ってオーガニクスと残りの合体剣を構える

 

「ッ!」

 

相手の奥にいた悪魔が私に向けて炎の玉を放つが私はそれを合体剣を横凪に振るうことで打ち消す

 

そして合体時鍔元にある、 短めの剣『ルーンブレイド』を二つ取り出して魔法使いの悪魔へと投げ付ける

 

「っぅう!!??」

 

するとルーンブレイドは高速で飛び、杖を持った悪魔の肩と杖を切り裂いてブーメランの用に私に戻ってくるのをキャッチしてそれぞれを合体剣に戻し元の剣にする

 

「まだやるのか?」

 

そう言って合体剣の刃先を向けると、悪魔達はそれぞれの傷口を押さえながらも走り去っていく

 

私は合体剣を背中に仕舞いながら呟く

 

「悪く思うな」

 

さて、クラウドのロールプレイもそろそろ止めて真剣に勧誘するとしよう

 

「さて、流石にそろそろ名前を名乗った方が良いかな?」

 

そう言いながら振り向くと寝ている白音を抱き締めた黒歌がいた

 

「私はマーリン、人呼んで花の魔術師。ただの綺麗なお姉ちゃんさ」

 

「は、はぁ?」

 

「一応、ここに来たのはさっきもいった通り君たち姉妹を保護するためさ」

 

「保護って、誰の差し金?」

 

「私に指示する人なんて居ないよ?正真正銘、私の意思さ。実は私はね、君たちの様に酷い目に会ってしまうかもしれない、又はあってしまっている子達を保護して、一人立ち出来るまで育てているんだ」

 

出来るだけ優しい笑顔でいつも通り説明する

 

「引き取る先はアヴァロン。もう誰からも襲われず、平和に暮らせる子供達の幻想の場所」

 

「もう、誰にも襲われず住む………」

 

そう言って黒歌さんが白音さんの方をチラリと見る

 

「それに、君たちに不自由はさせないつもりさ。一応、君たちに以外にも二人の子供を育てているよ。さて、どうする?一応とは言え、僕は君たちを別の世界に招待しようとしているよ。このままこの世界に残るか、私と来るかすぐに答えを教えてくれ」

 

そう言いながら一応、私たちを囲むように認識阻害の魔術を使っておく

 

暫く黒歌さんが考えたあと、口を開いた

 

「じゃあ、お世話になろうかにゃ」

 

「その言葉をまっていたよ」

 

そう言って黒歌さんと白音さんの手を掴み即座にアヴァロンへと転移する

 

「にゃっ!?きゅ、急に目の前に花畑が!?これって幻じゃにゃいんよね!?」

 

お、やっと黒歌さんが語尾ににゃの付いた状態で話してくれた

 

一応、ずっと回りを警戒してたから気が抜けなくてずっと語尾に何も付けずに話していたのだろう

 

「ん、姉様?」

 

そう言いながら眠っていた白音ちゃんが目を覚まし体を起こした

 

「白音、おきたにゃん?」

 

「はい。あの、ここは?」

 

そう言いながらキョロキョロと辺りを見回す白音さんの視線が私に来る

 

「ここは全て遠き理想郷(アヴァロン)、人々の最後の理想郷さ。」

 

「誰、ですか?」

 

私は何時も通りの笑顔を浮かべながら説明する

 

「私はマーリン、人呼んで花の魔術師。ただの綺麗なお姉ちゃんさ。一応、今からは君たちのママかな?お母さんって呼んでも良いんだよ?」

 

アヴァロンじゃ誰もそう呼んでくれないんだよなぁ

 

美遊ちゃんも桜ちゃんもさん付けで呼ぶし

 

「ママ、ですか?」

 

「ちょ、そんなの聞いてないにゃ!」

 

「あ、やっぱりダメかい?」

 

「ダメな事はないんにゃけど、自分よりも幼い見た目の子をママとかお母さんって呼ぶのは少し抵抗があるというかにゃ……」

 

おうふ、確かに私は見た目幼女だけど一応マーリンの年齢を考えるなら君らの倍は生きてるんだけどなぁ

 

その時だ、お腹の鳴る音が響き渡る

 

「お腹が、すきました」

 

そう言ってお腹を押さえる白音ちゃん、やれやれ歓迎会の準備は少し早くしないとね

 

すると再びお腹が鳴る音がする、見ると黒歌さんが顔を真っ赤にしてお腹を押さえていた

 

「帰ってすぐにご飯を用意するよ、マーリンママにまっかせなさい!」

 

「本当、ママ?」

 

ぐぅ!?こ、こんなに早く呼んで貰えるなんて!?想定外だ!

 

「もちろんだよ、白音ちゃん。君が満足するまで沢山作ってあげるとも!」

 

そう言うと白音ちゃんは心なしか嬉しそうな表情を浮かべる

 

それにしても無垢な瞳でいわれるとこんなにも心に来るなんて

 

「言っとくけど白音は沢山食べるにゃよ?」

 

「問題ないよ、黒歌ちゃん。」

 

そう言って白音ちゃんの頭を撫でてから二人を連れて『保育園&孤児院あゔぁろん!』へと向かい、入り口に入って直ぐに振り向く

 

「さて、改めてようこそ『保育園&孤児院あゔぁろん!』へ。そしてお帰り、白音ちゃんに黒歌ちゃん」

 

「にゃはは、よろしく頼むにゃあ」

 

「ただいま、です」

 

今日、新たに二人の子供達が入居し『保育園&孤児院あゔぁろん!』は更に賑やかになった

 

つい先程まで絶望していた黒歌ちゃんは、今はご飯を食べて泣きながら嬉しそうに笑っている

 

うんうん、やっぱり綺麗で可愛い子には笑顔が一番だよ

 

ついでだが、白音ちゃんは私の作った大量のご飯には敵わなかったみたいだね

 

何故か今度こそ食べきるからと、何故かフードファイターみたいになってて驚いたよ

 

 

 






活動報告で私に救ってほしい子達を大募集中だ!

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〔マーリンの保育日誌6〕立花家救済

 

マーリンside

 

 

やぁ、みんな大好きマーリンお姉ちゃんからワンランクレベルアップしてマーリンママになったマーリンママだよ?

 

いやぁ、美遊ちゃん達の視線が痛いけど是非もないよネ!

 

さてさて、今僕は何をしに来ているかというと近くの町にある業務用スーパーで食材を大量に買っているのさ!

 

ついでに美遊ちゃんと桜ちゃんは読書

 

白音ちゃんと黒歌ちゃんは二人で仲良くゲームをしていたよ

 

そんなのを見てたらね、どんどん新しいものを用意したくなっちゃうのさ!

 

それにしても思ったより食材の食材の消費が凄くてねぇ

 

早めに買い足すついで、急遽とある子を助けにに来たのさ

 

ついでに沢山の食材を購入してアヴァロンの食堂に送ってある

 

それにしてもこの世界じゃ、こんなに酷いことをするのか

 

そう思いつつ、私は私の手の中で眠っている酷く傷付いた少女を見つめる

 

私が買い物のついでに来た世界、ここは『戦姫絶唱シンフォギア』の世界

 

先程私は大勢に苛められていた中学生ぐらいの少女、後にシンフォギアの主人公となる立花響ちゃんだ

 

彼女はまるで仮面ライダークウガの変身者である五代 雄介のようでとても清らかで優しい心を持っている

 

こうなったのは目で視たツヴァイウィングのライブにて生き残り、死んでしまった人の親な友達、恋人に攻められてこのようなことになってしまった

 

流石にマーリンの私でも、堪忍袋の緒が切れそうになったよ

 

取りあえずに一回ずつ今回持ってきた短剣『バルバットの宝剣』を使って

 

苛めていた奴らに操った炎を操作して威嚇して逃がした後に、気絶した彼女を取りあえず抱き締めて起きるのを待っている状況だ

 

取りあえず苦しそうな顔したのですぐに魔術で夢を楽しい物に変える

 

はぁ、取りあえず近くの公園のベンチに寝かせて膝枕しつつ頭を撫でているものの

 

この子の親についてはまだ視れてないんだよねぇ

 

このまま拉致ったとしてもん”ん”!保護したとしてもダメだ

 

この子の親については、まずは立花響の父親である『立花 (アキラ)』の救済が先だ

 

その救済処置の後に響ちゃんに関する説明をしよう

 

その前に、まずはこの子に起きて貰わないと行けないんだよなぁ

 

「その前に」

 

立花響ちゃんの体に向けて手を翳し魔術を行使する

 

治療魔術で身体中にあった怪我や傷を修復する

 

「これで良し、起きてくれ」

 

そう言って立花響ちゃんの体を揺すると、ゆっくりと目を覚ました

 

「あれ?」

 

「やぁ、寝心地はどうだい?一応、膝の柔らかさには自信があるんだけど」

 

そう言って出来るだけ優しい笑みを浮かべる

 

「は、はぁ?あれ、私何でこうなってるの!?」

 

そう言って飛び起きる響ちゃん

 

「君が倒れていたから、私が看病していたのさ。調子はどうだい?」

 

「へ、あれ?痣が………」

 

そう言って腕や足などを擦る響ちゃん、そりゃあ無いに決まってるさ

 

マーリンお姉ちゃんが直してあげたのだから

 

「酷い怪我をしていたからね、少し治療させて貰ったよ。ところで、君は立花響ちゃんで会ってるのかな?」

 

「なんで私の名前を!?」

 

「実は私は君のお父さんとあ母さんの友達でね」

 

「へ?いや、お父さんもお母さんも子供の知友達がいるなんて………」

 

ここは適当に誤魔化すとしよう、チョロそうだし

 

「むぅ?こんな見た目だけど、私は20を越えてるんだよ」

 

「ぇええええええええ!?ほ、本当ですか!?」

 

うん、やっぱり驚くよね

 

分かるとも!!

 

「君のお父さんとお母さんに話をしに来たは良いんだけど迷ってしまってね。出来れば、案内して貰えないかな?」

 

「それなら任せてください!!」

 

そう言ってベンチから立ち上がって歩き出す響ちゃんの後ろを歩いて追いかける

 

おや、先程の威嚇で諦めたと思っていたがまだ邪魔な虫がいるとは

 

取りあえず幻術をかけて、私と響ちゃんを見えないようにする

 

「あれ?急に立ち止まってどうしたんですか?」

 

「何でもないよ。慌てない慌てない、転んじゃうからね」

 

「へ?うきゃあ!?」

 

そう言って転ぶ響ちゃんに少しだけ驚く

 

あれ?響ちゃんって運動神経良かったような?

 

まぁ、良いだろう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、家に付いたは良いもの………

 

思ったより状況は悪いようだ

 

見たところ、ガラスは所々割れており色々な所にやれ『人殺し』やら『出ていけ』やらそろそろマーリンお姉ちゃんの堪忍袋の緒がプッツンするよ?

 

それを見て、響ちゃんの顔も少し暗くなってしまっている

 

響ちゃんの許可のついでにこの家の強化もしてから帰るとしようか

 

さて、交渉の時間だ

 

響ちゃんと一緒に玄関に入る

 

「お父さんお母さんただいまー!お母さん達の友達を連れてきたよー!」

 

そう言うとすぐに優しそうな女の人と、某電車ライダーの鬼を想像してしまう声の男の人が出てきた

 

そしてずくに響を母親が抱き締めて私を睨んでくる

 

オヤオヤ、警戒されてる

 

これでも見た目、可愛い幼女なんだけど

 

「貴方は誰ですか?」

 

「え?お父さんとお母さんの友達じゃないの!?」

 

「家に、一体何のようですか!」

 

そう言って響ちゃんの母親が私に向かって言う

 

私は右手にいつもマーリンが持っている大きな杖を何もない空間から取り出して持つ

 

「立花 響ちゃん。君の両親の友人を偽って案内させたことをまず謝罪するよ、改めて自己紹介しよう」

 

突然と大きな杖が出現したことに三人は目を見開いて驚いていた

 

「私はマーリン、人呼んで花の魔術師。強くて可愛い、ただのお姉ちゃんさ」

 

「花の、魔術師?」

 

「一体どこからそれを…………」

 

「実はね、私は色々な世界で酷い目に会ってしまった子や会ってしまう子を保護して育てているのさ。君たちの娘である立花響ちゃんを少し間だけ、一年ぐらい引き取らせて貰えないだろうか?もちろん危害は加えないし、なに不自由はさせないと誓うよ」

 

「そんなの、信じられる訳ない」

 

「なら、定期的に連絡をとれるようにするよ?これなら問題ないだろう?何かあっても君たちに情報が本人から聞けるわけだしね」

 

これなら、何かあっても立花響本人から話を聞けるわけだし、心配はないはずだ

 

「それと、預かる間にこの街全体に幻術を掛けさせて貰う。幻術で立花響がこの家に住んでいると錯覚させるから世間はからの目は問題ないよ、でも響ちゃんを預かるまでは君たちにも幻術にかかっていて貰うよ」

 

「どうして、ですか?」

 

「その方が自然だからね、あとこの家はこれ以上壊されない様に少しだけてを加えさせて貰うよ」

 

そう言うと少しづつだが、私の言葉を信じてくれ始めているようだ

 

「取りあえず、少し響達と話をさせてくれ」

 

「分かったよ。ならその間私はこの家を修理させて貰うよ」

 

そう言うって私は玄関から外に出る

 

ハァァァァァ、疲れたぁ

 

今までの子は親がいなかったり、死んでたりで交渉は簡単だったけど

 

今回はいつもより大変だ

 

さて、まずはゴミの掃除からだ

 

杖を掲げて、家中に張られた張り紙が集まり束ねられ私の手に収まる

 

「全く、こんなことに使ったら資源の無駄使いじゃないか。懲役百万年だね」

 

そう言いながらローブの内ポケットに固定したバルバットの宝剣を鞘から抜く

 

そして紙の近くに剣を向け

 

「燃やし尽くせ、アモン」

 

すると剣の柄に描かれた魔方陣から炎が溢れ、張り付けられていた紙達を空中で燃やす

 

次に家の割れた窓ガラスに近付き、流体魔術を発動しガラスを修復、そしてこのまま強化魔術でガラスの強度をダイヤの倍ぐらいまであげる

 

マイクラの世界だと、ダイヤは良くとれるんだよねぇ………凄く疲れるけど

 

そんな感じで家中のガラスを修復&強化し家全体に薄くランクEXの魔力障壁を張り

 

更にこの障壁の近くに全ての石を砕く概念を付与しておく

 

ふっ、これ問題はない

 

さて、次は立花 洸の未来を救うとしよう

 

まず会社へと向かいながら幻術を自信にかけ自分に対する認識を阻害する

 

たしか立花洸を追い詰めた社長さんは、立花響は生き残ったのに何故自分娘は死んでのかと言う八つ当たりしてくるキチガイだ

 

堂々と会社へと入り社長室に入り社長に魔術をかけ眠らせる

 

あいにくと、夢を操作するのはマーリンお姉ちゃんの得意分野でね

 

さっそくそのキチガイ社長の夢に侵入し、夢を書き換える

 

失った娘と出会える

 

この社長にとっての最高の幻想の世界にね。

 

夢から現実に戻り、このキチガイ社長の未来を視る

 

おやおや、睡眠薬の大量接種で死亡とは

 

ただ幸せな夢を見られるようにしてあげただけなのに、人間はこんなにも脆い物なのか(徹底的に煽っていくスタイル)

 

さて、そろそろ答えが出た頃かな

 

そう思いながらゆっくりと立花宅に転移する

 

そして、玄関から家に入る

 

「さて、そろそろ決まったかい?」

 

そう言うと大きなリュックとバックを持った響ちゃんと両親が現れた

 

「どうやら、少しの間引き取って育てる形で良さそうだね?」

 

「よ、よろしくお願いします。マーリンさん」

 

「あぁ、責任もって預かるよ。それじゃあまた一年後ね」

 

「お父さん、お母さん!言ってくるね!」

 

そう言って外に出た瞬間、この街に幻術をかける

 

これで立花響の両親も響と暮らす幻術を見るので問題ない

 

「さて、さっそく行くよ」

 

そう言って立花響の片手を掴み、アヴァロンへと転移する

 

すると、花畑に驚く響ちゃんを先導していつも通り、『保育園&孤児院あゔぁろん!』に一歩入って振り返る

 

「ようこそ、そしてお帰り立花響ちゃん」

 

「はい、よろしくお願いします!!」

 

こうしてアヴァロンに新たな住人が入居した

 

ついでだが、今日買った食材の半分を今日の夕食で使い切ってしまった

 

途中から白音ちゃんと響ちゃんのフードファイトになったし

 

もっと食材を大量に仕入れないと、みんなにも買い物を手伝ってもらおうかな………

 

 

 

 

 





やぁ、みんなマーリンお姉ちゃんだよ?

活動報告で私に救ってほしい子達をまだまだ募集中だよ

詳しくは活動報告にきてくれ!
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=259391&uid=276685

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幕間の物語:美遊

 

美遊side

 

 

朝、目覚まし時計のアラームが部屋に鳴り響き私は目を覚ました

 

枕元に置いている目覚まし時計のアラームを止めて体を起こす

 

夢を見た

 

お兄ちゃんが私を救おうと並行世界に飛ばす為に黄金の鎧を纏った金髪の女の人と戦っている夢

 

私にはどうしてそんな夢を見るのか分からない

 

でも、何故か目から涙が流れていた

 

私は頬に伝っている涙を脱ぐってベットから降りて洗面所に向かい少しだけ涙の後が残っている顔を洗いタオルで拭く

 

最近、マーリンさんは色々な人を保護して連れてくる

 

いや、どちらかと言うと世間的には拉致となるかもしれない

 

でも、私にとっては

 

いや、私だけじゃない

 

このアヴァロンに住んでいる桜さんや響さん

 

白音さんや黒歌さんからすればマーリンさんの行動は救いだ

 

あの人のお陰で私は生きているのだから

 

普段の服に着替えていると部屋の扉からノックが聞こえ、私は扉を開ける

 

「やぁ、おはよう美遊ちゃん。使ったタオルを貰いに来たよ」

 

「おはようございますマーリンさん。今持ってきますね」

 

そう言って私は洗面台にかけられたタオルを取ってマーリンさんの持っていた籠に入れる

 

籠の中身を見るに、私以外のタオルは回収し終わっていたようだ

 

「ありがとう。今日のご飯は食堂に準備してあるからね、それじゃあ私ははこれで」

 

そう言ってマーリンさんは私の頭を撫でて扉の前から消えた

 

恐らくは魔術で洗濯をする部屋に飛んだのだろう

 

先ほどのマーリンさんは、どうみても小さな子がお母さんを手伝うためにカゴを持っているようにしか見えない

 

私はそんな様子に少しだけ笑いながら、部屋に戻って鍵を持ってから部屋を出る

 

「あ、美遊ちゃん。おはようございます」

 

そう話しかけてくるのは私の隣に部屋に住む桜さん。

 

「おはようございます」

 

そう言って二人でエレベーターに乗って食堂のある下の階に向かう

 

「今日のマーリンさんのご飯は何が出るのか、楽しみですね」

 

「そうだね」

 

ここに来て暮らし初めてから分かったのだけど、マーリンさんは私たちのご飯に対して手を抜かない

 

しかも作る料理はバリエーションが豊かで和食の日もあれば洋食の日もあって

 

パンの日もあればごはん、ナン、麺の日もある

 

「そう言えば美遊ちゃん。前から気になってたんですけど、マーリンさんって何時ごはんを食べてるんですか?」

 

「え?」

 

「何時もマーリンさんってご飯の時は私たちが食べるのを見ているだけで、マーリンさんがご飯を食べているのを私は見たことがなくて」

 

そう言えば、確かに私はマーリンさんが食事をしているのを見たことがない

 

マーリンさんはここに私とマーリンさんしか居なかった時も料理は何時も私に食べさせるだけで、マーリンさんは食べていなかった

 

なら、一体いつマーリンさんはご飯を食べているの?

 

それに、もし食べていなかったとしたらさすがに変だ

 

どの生き物も、ご飯は必要だ。食べないと生きられないはず

 

もしかしたら皆が部屋に戻った時に食べている?

 

すると、エレベーターが止まり扉が開き私たちはエレベーターから降りる

 

「お、来たにゃんね」

 

「おはようございます。桜さん、美遊さん」

 

するとそこには先に起きてきていたのか少し前に新しく入居した白音さんと黒歌さんがいた

 

「おはようございます白音ちゃん、黒歌さん」

 

「桜は今日も元気にゃんね、美遊ちゃんも」

 

「ありがとうございます。所で、そろそろご飯の時間ですよね?」

 

「む、そうにゃんね。でもあの子がまだ来てないし」

 

「うわぁぁあ遅れたぁぁぁぁぁあ!!!!」

 

階段の方からそんな叫び声が聞こえ、私は思わず口を開けポカーンとしてしまう

 

「どうやら、来たみたいですね?」

 

「そ、そうですね。」

 

すると会談から私や桜ちゃんより身長が少しだけ高く、寝癖がそのままの女の子、最近新たに入居した立花響さんが降りてきた

 

「す、すいません!二度寝しちゃって遅れました!」

 

「いやいや、そもそも遅れてないから。取り敢えずこっちくるにゃ、寝癖直すから」

 

そう言って黒歌さんが取り出した櫛で響さんの寝癖を直す

 

「ありがとう黒歌さん!」

 

「これぐらいお姉ちゃんなら当然にゃ。それじゃ皆が集まったし食堂にいくにゃ」

 

そう言って歩いていく黒歌さんに着いていき、食堂に入ると、厨房からマーリンさんが出てきた

 

「やぁ、おはようみんな。ご飯はもう出来てるからご飯ならテーブルに用意してあるよ。今日も沢山食べてくれ!」

 

そう言ってマーリンさんはまた厨房に戻っていく

 

テーブルに座って置いてある料理を見る

 

ご飯、味噌汁、卵焼き、焼き魚。朝から本当にマーリンさんは手を抜かない

 

「やったー!ご飯&ご飯!」

 

「今日も美味しそうですね!」

 

そう言ってそれぞれがそれぞれの好きな席に座る

 

字に表すならこんな感じです

 

私 、桜さん、響さん

    机

黒歌さん、白音さん

 

「それじゃ、手をあわせるにゃ」

 

黒歌さんの声に皆がパン!と手を合わせる

 

「「「「「いただきます!」」」」」

 

そう言って皆で一斉に食べ始める

 

「んー美味しいーー!」

 

「そうですね」

 

「朝から凄く豪華にゃんねぇ………」

 

「モグモグ………お魚、美味しいです」

 

ご飯を食べながらふと響さんの方を見る

 

立花 響、最近マーリンさんが連れてきた一年間だけの入居者

 

こんなに元気で明るい人なのに、どうしてマーリンさんに選ばれたのか

 

恐らく、響さんも過去は私たちと同じように抱えているものがあるのかもしれない

 

そして、何でか分からないけど響さんといると良くお兄ちゃんの事を思い出す

 

何で、なんだろう?

 

そんな事を思いながらも私は朝御飯を食べた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最近、桜さんと図書室でマーリンさんに着いて調べていた

 

調べている理由は、ただ自分を助けてくれた人物を知りたい

 

それだけだった

 

花の魔術師マーリンについて分かったことは

 

『ブリテンの騎士王、アーサー王の誕生を予言し、王を生み出し、導いた存在』

 

『ウェールズ王妃と夢魔の間に生まれた混血児』

 

それしか分からなかった

 

そして、部屋の本を調べていく内に図書館の奥の方にまるで隠すかのように置かれたある一冊の本を見つけ私と桜さんは時が止まったかのような錯覚を覚えていた

 

そこにあったのは『Fate/stay night』と言う小説と共に描かれたお兄ちゃんや桜さん達のイラスト

 

そして『Fate/Kaleid linerプリズマ☆イリヤ』と描かれた何冊かの小説と表紙に描かれている私とイリヤ

 

その内容は更に私達を驚かせることになった

 

本来なら私はお兄ちゃんに助けられ、別世界に飛ばされそこでイリヤと出会う

 

桜さんの場合は本来ならば蟲に身体中を変えられ、他にも沢山の悲しみと苦しみ、絶望するほどの運命を味わう

 

それを見た私たちはそっと、その本を閉じ私達は体を震わせた

 

見た内容はとても誰かが考えた空想の話ではなく、私と桜さんのあり得たかもしれない可能性の風景だと私たちはそう感じた

 

その日、私と桜さんは改めてマーリンさんに感謝した

 

あのような事になる以前に私達を救いだしてくれた

 

私たちにとっての親である、あの人に

 

 

 







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〔マーリンの保育日誌7〕それは後に白き殺戮者と呼ばれる者の始まり

今回はオリジナルキャラを入れています

どうか、楽しんでよんでね





 

???side

 

 

身体中の痣が痛む

 

目の前が霞む

 

お腹が減った

 

もう何も感じられない

 

『○○○!』

 

その声と共に綺麗な銀髪で手に杖のような物を持ち、魔法使いのようなローブを纏った半透明の少女が現れて僕に振れる

 

「ごめんね、ボクが弱いから。こんなことになっちゃって、本当にごめんね」

 

そう言ってスボンのポケットから一枚のカードを取り出す

 

目の前の少女と全く同じ姿が描かれた一枚のカード

 

40枚入っていたはずのカードはどうにか守りきったこのカード一枚しか残っていない

 

〔貴方のこのカードはリスペクト精神に反しています〕

 

悔しい、ボクをいじめた奴等が憎い

 

〔相手の魔法を封じるな!どうどうと戦え卑怯もの!〕

 

力があれば復讐出来るのに、ボクはその力がない

 

〔お前なんかがこんなレアカードを使うなんて勿体ないね!この俺が使ってあげるよ〕

 

そう思い、ながらもだんだんと意識が薄れていく

 

『○○○○!○○○○○!!』

 

ごめんね、泣かせちゃって

 

こんな弱くて情けないデュエリストで、ごめんね

 

目蓋が下がっていき、意識が途切れる瞬間

 

微かに残った嗅覚で花のような匂いがした気がした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マーリンside

 

 

私は自分の部屋にて新たに子供達が楽しめるような遊びや遊具を考えていた

 

ホームズのように両手をあわせて椅子に座っている

 

ゲームはもう買い与えちゃったし、すごろくとかのボードゲーム?いやせっかくだし現代に行ってカードゲーム

 

バディファイトか遊戯王を与えてみるのも良いかもしれないな

 

確かに遊戯王の世界だとブラックマジシャンとかガール、ブルーアイズホワイトドラゴンとか希少価値

 

なら現実、以前に生活していた世界でそういうカードを買いまくってその世界で大会出て景品売れば儲けられるかな?

 

我ながらとても良い考えだね

 

この施設の動かす資金も増えるし、良いね

 

「マーリンさん!」

 

その時だった

 

部屋の扉が開かれ、慌てた様子の桜ちゃんと美遊ちゃんが入ってきた

 

「おや?どうしたんだい二人とも、そんなに慌てて。前みたいにゲームが壊れたのかい?」

 

「それが、園の前に子供が倒れてたんです!!

 

「………なんだって?」

 

桜ちゃんの問いに思わず目を見開く

 

園の前に子供?そんなはずない

 

基本的にアヴァロンたどり着く事が出きるのは不可能だ

 

あり得るとしたら、神々の悪戯か

 

それともその子供の運命がここへと導いたのか

 

どちらにしても、まずはその子を会ってみないとね

 

「しかもその子、身体中が痣が」

 

「直ぐに案内してくれ」

 

「は、はい」

 

なんでも、その子を見つけた美遊と桜ちゃんはまず近くにいた黒歌さんに報告

 

そして黒歌さんが空き部屋のベットへと運んでいる間に報告に来たらしい

 

しかもその子は腕に大きな盾のような機会を着けていて赤い服を着ていたらしい

 

………まさか、ね

 

そんな事を考えながら、子供が運ばれた部屋に入る

 

「来たにゃんね、マーリン!」

 

「助けてくださいマーリンさん!この子、さっきからずっと魘されてて」

 

そこには眠っている1人の少年の額に濡れたタオルを当てている黒歌さん、そして響ちゃんが入っていた

 

「まず、皆外に出てくれるかい?まずその子の傷を直し、悪夢にも介入するからね」

 

そう言うと皆が部屋から出ていくので改めて、ベットに眠る少年を見る

 

白い髪に幸薄な顔の少年が苦しそうに眠っていた

 

掛け布団を剥がすと、彼の着ていた服が見える

 

この赤い服、いや制服を見る限り間違いない

 

遊戯王GXの、デュエルアカデミアのオシリスレッドの制服だ

 

この子は一体………

 

そんな事を考えつつ、彼の制服を脱がすと身体中に切り傷や痣が出来ていた

 

取り敢えず汚れていた制服を脱がす

 

「さて、まずは……」

 

『……マスターに何をする気ですか』

 

背後から静かかつ、はっきりとした声が聞こえた

 

おかしい、皆は部屋の外に出たはず

 

ゆっくりと振り返るとそこには白音ちゃんぐらいの身長で白いローブに小さな杖を持った銀髪の少女が立っていた

 

いや、私はその存在と名前を知っている

 

カードの精霊、武藤遊戯が使っていたエースカード

 

「これは驚いたね、“サイレント・マジシャンLV,4”……サイレントマジシャンと読んでも良いかい?」

 

『何故、貴女が私の名前や存在を知っているのか分かりませんがマスターには手出しさせません!』

 

「安心したまえ、私は彼を治療するだけさ」

 

『そんなの信じられるわけ』

 

「慌てない慌てない、呪文噛むからね」

 

そう言っていつもの大きな杖を構えて少年の肌に触れ、治癒系統の魔術を使用する

 

するとだんだんと少年の体にあった痣が消えていく

 

『これは高等魔術、貴女は何者なのですか!?』

 

「私はマーリン。ただの綺麗なお姉ちゃんさ、少し夢にも細工させて貰うよ」

 

次に少年の見ている夢を消すと少年は先ほどまで魘されていたのが嘘のように眠りだした

 

「取り敢えず、サイレントマジシャン君。少し彼について聞かせてくれるかい?」

 

『………分かったわ。貴女はマスターを助けてくれたし、信用するわ』

 

その後、精霊の彼女に話を聞いたところ

 

彼の名前白上 遊我(しらかみ ゆうが)と言うらしい

 

使うデッキは彼女がメインのサイマジデッキだったのだが、なんでもアカデミアの教師にデッキを否定されたり、強力なカードを禁止され

 

オベリスクブルーのクラスに強力なカードをいくつも奪われてしまい、彼女のカード『サイレント・マジシャンLV,4』一枚しかないらしい

 

なるほどね、世界は私を怒らせたいらしい

 

せっかくだしアカデミアを滅ぼすか?

 

神の怒りとして、ゴットバンドクラッシャーブッパしてやろうか?

 

魔術なめんな、オベリスクに実体持たせて放てば奴らは死ぬ!

 

でも、それだと十代君達の物語その物がぶっ壊れてしまうから

 

仕方ない

 

あの世界で高額なら、現実の世界の最高レアのサイマジ&デッキを用意してあげよう

 

「サイレントマジシャン君、少しの間私は彼を預かり治療する。お礼はいらないよ、ここはアヴァロン、人類最後の理想郷、私は色々な世界で酷い目に会ってしまった子や会ってしまう子を保護して育てている世界から切り離されたような場所さ」

 

『最後の理想郷………』

 

「一応、彼がこの場に残るかどうかは彼の気持ちを尊重するからね」

 

『はい。最終的な判断はマスターに任せます、ありがとうございます、マスターを治療していただき』

 

私は部屋からでる

 

すると外には美遊ちゃん達が心配そうに待っていた

 

「マーリンさん、あのこは?」

 

「なぁに、もう大丈夫さ。体も直したし、悪夢も消した」

 

そう言うと皆が安堵したように息をつく

 

さて、白上 遊我………彼は決闘者

 

まし彼があの世界に戻ると言うのならデッキが無いのは不味い

 

それに私はサイレントマジシャンが前世でのマイフェイバリットカード

 

そして最強デッキだった

 

俺のサイマジは最強なんだ!って奴だね

 

でもレッドアイズデッキには勝てなかったよぉ

 

私の頭には調べなくても彼を強くできる

 

今から彼のカードを強化するカードを大量に買い込んで彼の治療が終わった暁にプレゼントさせて貰おう

 

そして私が作ったカードをデュエルディスクで発動できるかもしりたい

 

せっかくだし彼を助けるフィールド魔法でも作ろうかな

 

「みんな、悪いんだけだ私は急いで買い物にいかなきゃいけないんだ。少しの間、彼とアヴァロンを頼むよ」

 

「「「「「はい!」」」」」

 

皆が頷いたのを見て、早速現実の世界に転移する

 

すると先ほどまでの静かな空間から沢山の車の走る音と人の喋り声が聞こえる

 

「転移は問題ないね、あとは狙うカードがあるカードをショップを千里眼で見つけるだけ」

 

まず、彼のカード事情を思いだそう

 

まず、彼の持つカードは『サイレント・マジシャンLV,4』一枚のみ

 

ならば『サイレント・マジシャンLV,4』二枚

 

『サイレント・マジシャンLV,8』三枚

 

『沈黙の魔導師 サイレント・マジシャン』三枚

 

『サイレントバーニング』三枚は必須だ

 

遊戯王がわからない人に説明するとしたら、『サイレントマジシャンLV,4』は相手にカードを引くことで自信に魔力カウンターを1個積み、魔力カウンターが5個乗った『サイレントマジシャンLV,4』生け贄にして『サイレントマジシャンLV,8』を召還すると言う効果がある

 

でもそれだと高確率で魔力カウンターが溜まる前に相手に『サイレントマジシャンLV,4』破壊されてしまう

 

そこで、私がいつも行っている召還方法を使う

 

召還した『サイレントマジシャンLV,4』を生け贄に『沈黙の魔導師 サイレントマジシャン』を呼び出す

 

このカード『沈黙の魔導師 サイレント・マジシャン』は『サイレントマジシャンLV,8』よりも攻撃力が低い

 

でも自信の手札の多さによって『沈黙の魔導師 サイレント・マジシャン』攻撃力が上がる

 

もし破壊されたとしても『沈黙の魔導師 サイレント・マジシャン』は破壊されたとき

 

このカード以外のサイレントマジシャンを召還条件を無視して召還出来る

 

つまりは

『サイレント・マジシャンLV,4』

        ↓

『沈黙の魔導師 サイレント・マジシャン』

        ↓

『サイレント・マジシャンLV,8』

 

となる訳だ

 

そして次にサイレントマジシャン専用の速攻魔法カード『サイレントバーニング』の説明だ

 

このカードは相手より手札が多く、自信の場にサイレントマジシャンの何れかがいるなら発動できる

 

自分と相手に手札が合計6枚になるようカードを引かせることが出来る

 

もう気付いた人もいると思うけど、そうすることで魔力カウンターを一気に溜めて『サイレント・マジシャンLV,8』を召還する

 

そして発動し墓地と言われる場所に落ちたこのカードを除外することで、デッキからサイレントマジシャンの何れかを手札に戻すことが出来る

 

こうしてサイレントマジシャンを出して戦うのが私の戦い方だ

 

そしてそんなサイレントマジシャンをサポートするのに私が買うカードはすでに決まっている

 

まず『沈黙の魔導剣士 サイレント・パラディン』

このカードは召還すると、デッキの『サイレント・マジシャンLV,4』または『サイレント・ソードマンLV,3』を手札に加えることができ、破壊されたら墓地の光属性のレベルモンスター、つまりは『サイレント・マジシャンLV,4』または『サイレントマジシャンLV,8』を手札に戻すことが出来る効果を持つ

 

次に『黒き森のウィッチ』

このカードは破壊されたらデッキから特定の守備力以下モンスターを手札に加える効果がある。つまりは『サイレント・マジシャンLV,4』『沈黙の魔導師 サイレント・マジシャン』のどちらかを手札に加えることが出来る

 

続いて『魔導戦士ブレイカー』

このカードは効果で乗せた魔力カウンターをら使うことでサイレントマジシャンが苦手とする罠カードを破壊することが出来る

 

こんな感じかな

 

あとは魔法、トラップを適当に見繕っておこう

 

『聖なるバリア ミラーフォース』に『ダブルアップチャンス』に『ガードブロック』『ドレインシールド』『光の護封剣』『光の護符霊剣』

 

確かGXだと『強欲な壺』は禁止じゃなかったしそれも買っておこう

 

そんな事を考えながら千里眼で見つけた大型のカードショップに入る

 

「いらっしゃいませー」

 

そんな、店員に軽く頭を下げてから大量の飾られたケースからサイレント・マジシャンや他のカードの場所をチェックしていく

 

「店員さん、ショーケースのこのカードを貰えるかい?それぞれ三枚の奴もあるからね」

 

「おいおい、そんなにお金使って大丈夫なのか?そもそもそんなにお金なんてあるのかい?」

 

「安心してくれ、こう見えて私は成人しているし、お金にも余裕があるのさ♪」

 

「なら大丈夫ですが」

 

そう言って店員さんがそれぞれのレアカードをショーケースから取り出していく

 

その間にカードのショーケースを眺めていると一枚のモンスターカードが目に入る

 

「店員さん、何故このカードはレアなのに他のとは違って安いんだい?」

 

「ん?あぁ、そのカードか。なんでも最近禁止カードになったらしくてね、だからか売値も下がってるんだよ」

 

ほう、それは良い事を聞いた

 

なら彼への私からのプレゼントにさせて貰おうかな

 

そう思い、ショーケースから出して貰ったそのカードを手に取る

 

「ッ!?」

 

次の瞬間、目の前にそのカードのモンスターが目の前に現れた

 

思わず叫び声をあげそうになるが、店員さんは素知らぬ顔でショーケースからカードを取り出している

 

私はそっと簡易的な結界を張り、そのモンスターと私を囲む

 

これで彼と話しても大丈夫だろう

 

「はじめまして、現代に何故か存在するカードの精霊よ。私はマーリン、君を購入したいと考えているんだ」

 

『■■■■!?』

 

「ん?また前の持ち主のように売られるのは嫌?それなら問題ないさ、君をプレゼントする予定の彼は力を欲している。君のように全てを滅ぼすほどの強大な力をね、君には彼の助けになって欲しいのさ」

 

『■■■■■■■■』

 

「何故か?君の知るアニメの遊戯王の世界で彼は沢山の人に傷つけられ、デッキのカードを奪われたのさ。彼の持つ精霊の宿ったカードを一枚だけを死守してね」

 

『■■■■■■■■!!』

 

「君が怒るのも分かる、私もそういった境遇の子を救うためにそう言う子供を保護する活動をしている」

 

『■■■■』

 

「なんだって?つまりはその子に力を貸すのも守るのも良い、でもマスターは私だって?」

 

そう問いかけると、同意するように目の前のモンスターは頷く

 

「やれやれ、仕方ないね。私と相乗りする覚悟はあるかい?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カードショップを出た私は早速中身を確認

 

よし、これだけあれば大丈夫だろう

 

『■■■■■■』

 

うん、それじゃあ戻ろうか

 

ついでに現代に来たんだし、私の生前のデッキも回収していこうかな

 

 





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〔マーリンの保育日誌8〕

 

マーリンside

 

 

カードを購入し終えた私は遊戯王の世界の遊戯王のカードを発行している海馬コーポレーションへと来ていた

 

まさか、ここに来ることがあるとはね

 

1遊戯王ファンとして少し嬉しい反面、あのようにサイバー流を放っておいているのに少しだけ怒りを感じている自分もいる

 

まず、ダメ元で受付でフィールド魔法カードを見せて貰おう

 

それで鑑定さえ出来れば作り出せる

 

マーリンボディがいかにチートなのかを知らしめてやる!

 

早速、受付?っぽい所に向かう

 

身長が低いせいで受付が私のちょうど目ぐらいの高さにある

 

「すいません」

 

「子ども?………はい、何でしょうか」

 

「少し聞きたいんだけどフィールド魔法のカードの文字やイラストをデザインされる前の物を見せて貰えないかな?」

 

「は、はぁ?少々お待ち下さい」

 

そう言って電話を取る受付さんの人を他所に私はあの子とサイレントマジシャンの為のフィールドカード

 

ぶっ壊れ性能ではなく、普通にありそうな効果を考えなければならない

 

まず、風景のイラストを考えていると電話が終わったらしく電話の受話器を置くお姉さんを見て思考を一度停止する

 

「少し待っていて下さいね」

 

そう言ってお姉さんが走っていき、数分後お姉さんが一枚の遊戯王カードを持ってきた

 

それは私の頼んだ通りフィールド魔法のカードだが、文字もイラストも入っていない物

 

「見るだけなら良いとのことです、どうぞ」

 

そう言って渡され、私は早速は魔術回路を開きカードを鑑定する

 

………よし、これで大丈夫だ

 

「ありがとう、助かったよお姉さん」

 

そう言って海馬コーポレーションを出て近くの物陰に隠れる

 

そして近くに誰もいないことを確認しアヴァロンへと転移する

 

すると目の前には見慣れた花畑と家

 

うん、車とかの音がないってこれだけ静かなんだね

 

町からアヴァロンに戻るといつもそう感じるなぁ

 

そう考えながら保育園&孤児院あゔぁろんに入る

 

「ただいま」

 

そう言って園へと入る

 

買ったカードが入った袋を置くために自室へと向かう

 

「ママ、お帰り」

 

「おや、白音ちゃん。ただいま、帰ってきたことはみんなにも伝えておいてね。私は部屋に戻るから」

 

「わかりました」

 

「よろしくね」

 

そう言いながらギリギリ身長が私の方が勝っているのて頭を撫でてあげ自分の部屋へと入る

 

「さて、まずは」

 

そう言いながら買ってきたカード達をスリーブから出していく

 

あの世界の決闘者はスリーブを付けてないからね

 

一応外しておかないと

 

そう考えながら淡々とカードをスリーブから外す作業を繰り返す

 

作業をしつつ、先ほどのオリジナルカードに付いて思考する

 

全部のカードにスリーブから外し終えると、私はカードを1つに纏めて机の上に起き

 

早速、先程見たフィールド魔法のカードを投影し目をつむり考えたときカードの内容をこのカードに魔術でそれらしく作り上げていく

 

「投影開始。対象を再構築、想像、模写転載、投影再開」

 

目をつむりこのカードに合うイラストと同時にカードの効果を想像しカードへと書き入れ、やがて一枚のカードが出来上がった

 

〔カード名〕沈黙の領域(サイレント・フィールド)

〔魔法〕フィールド魔法

〔効果〕

自分フィールドに『サイレント』と名の付くモンスターが存在する場合、このカードを発動する事ができる。

①自分フィールドの『サイレント』と名の付くモンスターの数まで相手フィールドのカードを破壊する事ができる

②1ターンに一度、『サイレント』と名の付くモンスターへの効果を無効にする

③このカードがフィールドから離れた時、墓地の『サイレント』と名の付くモンスターを条件を無視して特殊召還する

 

ついでだが、カードイラストは月の出た夜にサイレントマジシャンやサイレントパラディン、サイレントソードマンが並んで構えている姿が描かれた物になっている

 

我ながら改心の出来だと思う

 

これでサイレントマジシャンの苦手とする罠カードやモンスターカードを無効にする事が出来るし、おまけにサイレント・ソードマンLEVEL-7やサイレント・マジシャン8を簡単に召還出来る

 

①の効果だけでもう禁止確定だけど、あの子が復讐を望む時点で私はこのカードを与えよう

 

「ふぅ」

 

慣れない魔術の使い方をしたからなのか、少し精神的に疲れたかな

 

そう考えながら一息付く

 

それにしてもこの体になってから色んな事が出来るようになったなぁ

 

流石はマーリンボディ

 

そう考えながら出来上がったカードを先ほどのカードの所に置いておく

 

「ま、マーリンさん!」

 

その声と共に響ちゃんが部屋に入ってくる……

 

「どうしたんだい響ちゃん。そんなに慌てて……あれ?もしかしてノックした?」

 

私思ったよりもボーっとしてたのかな?

 

ノックの音に気付かないなんて

 

「…………あ」

 

うん、違うようだ

 

「それで、どうしたんだい?」

 

「そうだ!眠ってたあの子が起きたから知らせに来たんです!!」

 

なるほど、白上 遊我君が起きたようだね

 

しかし名前的には彼は主人公とも見れるな

 

遊戯王歴代主人公の名前に『()』の文字が入っているように、かれにも遊の文字がある

 

「なるほど、早速向かうとするよ」

 

「は、はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ノックをして部屋に入ると、白髪で幸薄そうな少年が濁った目で私を見つめていた

 

近くではサイレントマジシャンLEVEL4が彼を見て悲しそうな顔をする

 

『マスター………』

 

あぁ、ダメだ

 

こんな風景を見るのが、心から苦しい

 

回りの大人がしっかりとしないせいでこうして子どもが傷ついている光景を見ると

 

怒りでどうにかなりそうになる

 

 

深呼吸し、出来るだけ彼を刺激しないよう出来るだけ優しい声で話しかける

 

「やぁ、こんにちわ」

 

「…………ぁ」

 

うーん、これは完璧に心が折れて無になっちゃってるな

 

暫くは面倒を見てあげた方が良いかも

 

「私はこの保育園&孤児院あゔぁろんの院長をしているマーリンと言う。お姉ちゃんに君の名前を教えてくれないかい?」

 

「しら、かみ……ゆぅ………が」

 

取り敢えずちょっとずつなら話せるみたいだね

 

それに一応サイレントマジシャンから名前は聞いてるし聞こえたことにしよう

 

「白上 遊我君だね。君の事情は君のカードの精霊のサイレントマジシャンLEVEL4から聞いた、今はゆっくりと休みなさい」

 

そう言いながら頭を撫でようと手を伸ばすと、ピクリと遊我君が震える

 

「大丈夫、頭を撫でるだけさ」

 

出来るだけ優しい声色でそう言いながら頭を撫でる

 

取り敢えずカードの精霊が見えることに納得はして貰えたかな

 

「ご飯は食べられるかい?それともここで眠るかい?トイレとお風呂ならこの部屋に備え付きのを使って良いからね?」

 

そう言うとご飯と言う単語に反応したのが見えた

 

「お腹が空いてるんだね?」

 

そう聞いた瞬間、くぅと小さくお腹が鳴る

 

「あと少しでご飯だから、作ったら持ってくるから少しだけ我慢しておくれ。サイレントマジシャンちゃん、彼に何かあったら伝えてくれ」

 

『はい、マーリンさん』

 

転位魔術で厨房に転移した私は早速晩御飯の用意を始める

 

今日の献立は鯖の味噌煮にご飯、そしてつみれ汁かな

 

脳裏で白音ちゃんや響ちゃん、桜ちゃん達が幸せそうで美味しそうにご飯を食べる風景を思い浮かべる

 

私は、彼の心が完治するまで絶対にお世話して彼の笑顔を取り戻す

 

そう言えば、前にいくつか見付けていた世界があったね

 

明日辺りにでも向かってみるかな

 

今日もまた、アヴァロンは平和である

 

 




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〔マーリンの保育日誌9〕あれから1ヶ月

 

 

マーリンside

 

 

朝、台所というか厨房と言った方が良いと思える場所にて食材を切る音が響き渡る

 

やぁ、久しぶり。マーリンお姉ちゃんだよ?

 

あれからここで1ヶ月かな?

 

色々な事があったよ

 

まぁ、アヴァロンの子達は皆優しい心を持って元気にすくすくと育ってくれている

 

一応、助けた遊戯王世界の子は無事話せるぐらいにまでは回復して響ちゃん達と仲良くしてる

 

「おはようございます!」

 

厨房の入り口から元気な声が聞こえ、入り口を見ると眩しい笑顔で此方をみる立花響ちゃん

 

「おはよう響ちゃん、今日も元気そうで良かったよ」

 

「はい!マーリンさんマーリンさん!今日の朝御飯はご飯ですか?」

 

「そうだよ?内には日本人が多いからね、それに昨日はパンだったからね」

 

「やったー!ご飯だー!!」

 

「うんうん、元気そうで何より。席に座って待っていてくれよ?」

 

「はー、朝から元気にゃんね響は」

 

すると、食堂の入り口から黒歌ちゃんが少しだけ眠そうに入ってくる

 

「あ!黒歌さん!はい、今日も元気ですよ!黒歌さんは元気ですか?」

 

「まぁ、普通にゃんね~」

 

そんな会話をしながらテーブルに座る二人はこの孤児院でも一番年齢の高い組だ

 

他の子は小さい子が多いからね

 

はいそこ!ロリコンとか言わない、マーリンお姉ちゃんとの約束だよ?イイネ?

 

「おはようございます。あれ?黒歌さんに響さんももう起きて来てたんだ」

 

そう言って食堂に入ってくるのは、背中まで流れる綺麗な金髪で優しそうな顔、白い制服を着た高校生ぐらいの少女が入ってきた

 

「シャルさん!おはようございます!!」

 

「はよにゃ~シャルル」

 

『シャルロット・デュノア』

 

IS〈インフィニット・ストラトス〉に出てきた少女で、原作だと主人公の学校にスパイとして男装で送り込まれるヒロインの一人だ

 

原作では父親からは酷い扱いをされていたので、乗り込んで了承を得て連れて帰ってきたのさ

 

え?ISにどう対抗したのか?超究武神覇斬を連続でお見舞いしてやったのさ

 

それからはこのアヴァロンにて皆と仲良く暮らしており、黒歌ちゃんと一緒にみんなに勉強を教えていたりする

 

「母さん、おはよう」

 

「シャルちゃんおはよう!マーリンお母さんはご飯の準備をしてるから、黒歌ちゃん達と話しておいで」

 

「手伝わなくても大丈夫?」

 

「問題ないよ、行っておいで」

 

そう言うと二人の座るテーブルへと向かうシャルロットちゃんを見送りつつ更に料理を続ける

 

すると更に二人が食堂へと入ってくる

 

「あの、おはようございます」

 

『おはようございます。マーリンさん』

 

「遊我くんにサイレントマジシャン、おはよう!すぐにご飯が出来るから座って待っててくれ!」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

『行きましょう、マスター』

 

「うん」

 

そう言って他のテーブルへと向かう遊我くんを見送りながらおかずを大量に生産していく

 

ついでに今日の朝御飯は白米に味噌汁、そして紅鮭だ

 

すると食堂の外から賑やかな声が聞こえてくる

 

「おはようございますマーリンさん!皆さん!」

 

「おはよう」

 

「おはようございます」

 

そう言って入ってきたのはアヴァロンに初期の頃から過ごしている桜ちゃんと美遊ちゃん、白音ちゃん

 

そして、赤いリボンを着けた女の子のユイちゃんと青いリボンを着けた女の子ハルちゃんが手を繋いで入ってきた

 

「おはようございます!」

 

「おはようございます」

 

この二人は深夜廻と言うゲームに出てくるキャラクターなんだけど、最後が悲しいしさらには片方の子はDVを受けていた

 

だから助けた、助けてけど一応ホラゲーだから投影したルールブレイカーを少しだけ刺して厄払いもした

 

ちゃんと二人の怪我も直したし、大丈夫

 

二人はひとつの部屋で過ごしているけど、時々それでも不安になるらしく一緒に寝てあげたりしているのだ

 

原作が始まる時点で救われないからかなり頑張ったよ

 

さてご飯も出来たので次々とご飯を盛り、味噌汁を装い鮭を更に乗せた皿をお盆に乗せる

 

「はいはい皆ー!ご飯が出来たよ!自分の分を持っていってねー!おかわりもあるからね」

 

「「「「「「はーい!」」」」」」

 

そう言って皆が集まり一人一人に朝御飯を渡していく

 

そう言ってそれぞれがテーブルに座り御飯を食べている

 

ふぅ、取り敢えず朝のご飯は終わりと……

 

それにしても、皆をアヴァロンに引き取ってからは一度も外に出してない

 

いや、出さないようにしていた

 

響ちゃんは例のLIVEと苛めで他人を怖がるかも?と考えなりハルちゃんとユイちゃんは夜に連れ出すと泣く可能性もある

 

でも、一度くらいは外にお出かけ

 

旅行とかさせて上げたいなぁ

 

まぁ、そうする場合は何処に向かうかを考えないとね

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

深夜、皆が寝静まった頃

 

私は色々な世界を覗いていた

 

アイドルでマスターな世界のLIVE、現実の某D社の夢の国、死神の町観光、異世界観光、秘密道具ミュージアム見学、ポケットなモンスター世界でキャンプ、音楽の天使がいる教会、フレンズのいる動物園

 

この中で一番皆が楽しめそうな場所は何処だろうか

 

アイドルでマスターのLIVEはワンチャン響ちゃんのトラウマを蘇らせちゃうし

 

現実だとみんながアニメのキャラで有名だからなぁすぐに人だかりが生まれるし

 

死神の町はまず必ず事件が起こるしなぁ

 

「はぁ……せめてあと一人はここを管理する人手が欲しい。出来れば腕が立って子供好き、まぁそんなのは無理だけどね。適当な英霊でも召還しようか………」

 

頬杖をついてそんな事考えながら暗くなっているアヴァロンの景色を眺める

 

花畑が月光により、昼とはまた違った綺麗さになる

 

昼は元気ハツラツとして活発な感じだが、夜だと妙に美しく儚い印象に変わる

 

あ、そうだレースを見に行けば良いんだ!最近なにかと有名だし

 

事故さえ起きなければ楽しいはずだし、ウイニングライブは避ければ良い

 

そう考えたら温泉とか良いかも………ちょうど良い場所も探せば良いし

 

うーん、悩むなぁ

 

そう考えつつ、無くなってきた食料やお金を稼ぐ方法を考える

 

前はパチンコだったし、今度はカジノでも行って旅行代でも稼ぎますか!

 

さて、早速イカサマやら色々とやってる違法カジノへと行きますか!

 

そんな事を考えながら私は旅行先を考えつつ、みんなの洗濯物を始めた

 

一応元男だし今は女の子なのでセーフである、色々とみれて眼福でした

 

今日もアヴァロンは平和である

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フォウフォフォフォーウ……フォウ?フォウ?フォウ?フォウ?(こっちはロクデナシじゃなくて変態なのか。あいつよりはましか?蹴るか?処す?処す)」

 

 

 

 

 

 






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〔マーリンの保育日誌10〕新たなカード

マーリンside

 

やぁやぁみんな、ご機嫌いかがかな?

 

みんなのマーリンママだよ?

 

さて、今私は何をしているかと言うとね、遊戯王をする準備をしている。

 

と言うのも、何も遊びの為じゃないよ?このアヴァロンにて保護しているデュエルアカデミア、つまりは遊戯王GXの世界から転移してきた決闘者(デュエリスト)である白上 遊我くんに、私の買いまくったサイマジカード&サポートのマジック、トラップを上げてデッキを完成させる為だ。

 

そろそろ彼も心も安定したし、この場所での生活にも慣れてきたことだろう、彼がもし元の世界に向かうのならデッキが必要になる。

 

だからこそ、早めにカードを買い、オリジナルカードも作った。取り敢えず彼には遊戯王をして貰おうと思っている訳である。

 

違うよ?遊戯王やるフレンズか転生したことに寄って消えちゃって、やっと遊戯王できる人物が現れて遊戯王熱が爆熱まで上がってるとか違うよ?久しぶりにドライトロンやウィッチクラフトを回したいとか、そんなんじゃないんだからね!

 

そうして私は自分の部屋に閉まっておいていたサイレントマジシャン強化カード達の入ったデッキケースを取り出してポケットへと入れる。ついでに自分のデッキケースもポケットへと仕舞う。

 

さぁて、ご対面だね。君たちのマスターとなる人達と。

 

そう呟きながら、手に持ったデッキケースに触れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

白上 遊我side

 

 

ボクとサイレントマジシャンがアヴァロンに来てから、だいぶ時間が過ぎた。

 

デュエルアカデミアでのボクの扱いがどうなっているのだろうか?退学、だろうか?オシリスレッドのボクはきっと、いなくなっても誰にも心配されない。

 

そう考えたら、この世界で暮らすのも良いかな。そう感じた、マーリンさんは言っていた。ここに残るか、元の世界に帰るかは自由だと。

 

このまま、この世界でサイレントマジシャンと共にマーリンさんの元で平和に過ごして行きたい、そう思う一方で、アカデミアの生徒やボクの大切なカードを奪っていったアイツらに仕返しが、復讐がしたいと思っているボクがいた。

 

でも、今のボクにはお金なんて無い。サイレントマジシャン、ボクがパックを買って偶然引き当てることの出来たカード。

 

元の世界に戻ったとしても、ボクのデッキに入っていたカード達を揃えるのには、一体どれだけの額が掛かるだろう?10万?いや100万?それ以上かもしれない。

 

思わずため息を付いた。

 

『どうしたのですか?ユーガ、ため息をしたら幸せが逃げますよ?』

 

そう言いながらボクの事を見つめるサイレントマジシャンに何でも無いよ、そう言おうとして、止めた。

 

「アイツらに、仕返しが出来たらって。考えたんだ……もし、ボクに力があれば君や他のカード達も守れたのにって。」

 

『……』

 

「もし、元の世界に帰ったらデッキを作るのに一体どれだけのお金と時間がかかるか」

 

『そう、ですね。』

 

サイレントマジシャンもそう言って目を伏せる。

 

「いつか、仕返し出来たらなぁ」

 

『そうですね、マスターを傷付けたヤツラを許すことなんてできません』

 

「はぁ、デッキがあれば………」

 

その時だった、部屋の入り口からコンコンとノックされた音がなり響く。

 

「やぁ、マーリンお姉ちゃんだけども今良いかい?」

 

「は、はい!」

 

その声と共に入ってきたのは、腰ぐらいまで伸びたふわふわした髪に白いローブを羽織っている少女。この施設を管理してボクを保護してくれている?マーリンさんだった。

 

何かボクに用事があるのだろうか?

 

「遊我くんにちょっとお話があってね」

 

「お話、ですか?」

 

そう言いながらチラリとサイレントマジシャンを見たマーリンに、不思議に思いつつ部屋に入れて椅子に向かい合って座る。

 

まさか、この人は彼女のカードを狙っている?いや、まさかそんなことをあり得ない。この人は彼女も見えている、それに盗むならボクが眠っているところを盗めばいいはずだ。

 

なら、話って一体………。

 

『あの、話って一体?』

 

「サイレントマジシャンちゃんにも関わる事だからね、遊我くん」

 

そう言いながらマーリンさんはその容姿からはあり得ない程に、真剣な様子で服のポケット?からカードケースを取り出して、机の上に置いた。

 

『カードケース?』

 

「えっと、これって?」

 

そう言いながら首を傾げると、マーリンさんは楽しそうに、笑いながら口を開いた。

 

「私から君へのプレゼントさ!」

 

「プレゼント?それって、どういう──」

 

そう聞こうとしたとき、マーリンさんは思い出したと言った様子で手のひらに拳をぶつけ、席をたった。

 

「っと、そろそろ洗濯しないと……本当なら一緒に見ていたかったんだけど、仕方ない。また来るね、あ!カードケースの中身が君へのプレゼントだからね」

 

そう言いながら小走りで部屋を出ていくマーリンさんを見届ける。扉がガチャンと閉まりボクはプレゼントだと言って渡されたカードケースにてを伸ばした。

 

「何だろう、プレゼントって」

 

持ち上げてみると、デッキ1つ分くらいの重さとカードが倒れる音が聞こえる。デッキケースを開ける。

 

『え!?』

 

「これって!?」

 

カードケースの1番前に置かれていたのは『サイレントマジシャンLv4』と描かれたカードだった。

 

「さ、サイレントマジシャンのカード!?……」

 

カードを全部手に取り、カードを捲るとそこにも同じく『サイレントマジシャンLv4』のカードがあった。

 

そして更に捲れば3枚の『サイレントマジシャンLv8』のカードが入っていた。

 

『8の姿の私まであるなんて……』

 

あの日無くしたはずのカード達、彼女のデッキに必要不可欠のカードがそこにはあった。

 

更に捲れば『サイレントバーニング』が3枚あった。この下には何が?そう思いながら更にカードを捲ると、そこには見たことのないカードがあった。Lv4でもLv8でもない、レベルの表記が存在しない、彼女のカード。

 

「『沈黙の魔術師サイレントマジシャン』、こんなカード、見たこと無い……」

 

『私もこんな姿があるなんて……』

 

効果を読んでみて、ボク達はまた驚いた。このカードは破壊されると『サイレントマジシャン』を特殊召喚できる。今まで『レベルアップ』や相手にドローさせる系統のカードでサイレントマジシャンを特殊召喚していた。でもこの効果があれば、『レベルアップ』のカードを使わず、別のカードを入れる事が出来る。

 

そう思いながら、更にカードを捲った。その時だった。

 

『初めまして、新たなマスター』

 

「うわ!?」

 

目の前にサイレントマジシャンと同じように半透明となった金髪で片目を隠したポニーテールの少女が現れた。見ると彼女の着ている服は先程の『沈黙の魔術師サイレントマジシャン』のような青と白の服を着ている。

 

カードを見ると『沈黙の魔導剣士サイレント・パラディン』と書かれていた。このカードは2枚あった、効果を見るとサイレントマジシャンとソードマンを手札に加える効果がある見たいだ。

 

「また、見たこと無いカード……」

 

『マスター、早くカードを捲って下さい。彼も待ってます!』

 

『ま、待って下さい!彼ってまさか──』

 

彼?サイレントマジシャンが何か言おうとしている中、ボクはカードを捲った。

 

『君が、ボクの新しいマスターなんだね』

 

そしてさっきのサイレント・パラディンと同じように現れたのはサイレント・マジシャンと同じくらいの少年だった。青と白のコートに黒と銀のヘルメット?を着けた金髪の少年は笑顔を浮かべながらそう言った。

 

「さ、サイレント・ソードマン!?」

 

あのデュエルキング、武藤遊戯がサイレントマジシャンと一緒に使っていたカードがあるなんて。

 

『なんか私の時と反応違くないですか?マスター……』

 

そう言って何処か不機嫌な様子でサイレント・パラディン。

 

『仕方ないですよ、サイレント・パラディンなんてカード私たち知りませんでしたから。』

 

『へ?可笑しくないですか?サイレントマジシャンデッキ組むなら私必須ですよ!?』

 

『ボクのデッキの時もだね』

 

「そ、そんな!?少なくともサイレントソードマンなんて、武藤遊戯さんが使ってるだけで数百万、いやそれ以上の額があるのに、ボクかんかが買えるわけ無いよ……」

 

『そうですよ!そもそも世界でサイレントマジシャンを持っているのはユーガと武藤遊戯ぐらいしか──』

 

『?何で()()()()()()()が出てくるんです?それに、世界でマスターと武藤遊戯だけとか、今の世の中では私や貴方、ソードマンさんのカードなんて珍しくもないでしょうに……そりゃあ私達みたいなカードの精霊の宿ったカードは珍しいでしょうけど』

 

そう言って肩を竦めたサイレントパラディン、そしてサイレントソードマンも不思議そうに首を傾げている。

 

「どういう事?それに武藤遊戯さんがアニメの主人公だなんて……」

 

ボクの呟きに、何度も頷くサイレントマジシャン。

 

『あー、もしかしてこれ……』

 

『もしかしたら、あの人が言っていた事は本当なのかも知れないね。』

 

『一体…どういう』

 

『まぁまぁ!そんな事は後ですよ!!早く他のカードも見ましょうよ!』

 

サイレントパラディンがそう言って早くカードを捲るよう急かしてくる。取り敢えず、さっきの事は後で考えよう。そう思いながらカードを捲ると『サイレント・ソードマンLv5』『サイレント・ソードマンLv7』そしてさっきのサイレント・マジシャンと同じように知らないカードである『沈黙の剣士サイレント・ソードマン』があった。サイレントマジシャンの方と同じ効果を持っていてとてつもなく強いカード。

 

更にカードを捲る、底からは驚きの連続だった。あの武藤遊戯が使っていた『光の護封剣』や『光の護封霊剣』、更には『聖なるバリアミラーフォース』に『ドレインシールド』や『使者蘇生』、『強欲な壺』や『マジックシリンダー』等の沢山のカードが全てレアの加工された物ばかりだ。

 

しかも、これだけ沢山のカードがあればきっとボクのデッキはアイツらを倒せるくらい強いデッキが出来上がる。

 

これだけの、しかもレアカードをマーリンさんは買ってボクにプレゼントしてくれた。そう考えると、マーリンさんは凄いお金持ちなのかな?そんな疑問が浮かんだ。

 

 






新たなカード達で新たなデッキを完成させた白上遊我、彼は新たなカード達と共にマーリンとデュエルする。

次回,遊我VSマーリン、白き殺戮者の旅立ち



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