ありふれない怪異能の少年と仲間達は異世界最強 (カオスサイン)
しおりを挟む
プロローグ&キャラ設定集
プロローグ
Side?
「経文よーし、霊水晶よーし、日記よーし!おっとコイツを忘れちまう所だったぜ!」
俺の名は宮ノ下 刹那、普通とは違う能力を持ってはいるがそれ以外は至って普通な学生だ。
「オイオイ、そいつは奴をキサマの霊力で抑えているモノだろう。
ま、お前のポカで他の人間共がどうなろうと知ったこっちゃないけどな」
「肝に命じておくさ」
俺の目の前に降りてきたうちで飼っている黒猫ミーヤが語りかけてきた。
ミーヤの体には俺や母さん達が生まれ育った町で眠っていたがその場所が老朽化していた事で長年凍結されていた開発プロジェクトが再始動した事によって眠りから目を覚ましたある存在が取り憑いていた。
「それにしてもお前は又眠る気は無いのか?天邪鬼」
「さつき以上に面白い人間だと思っているキサマの行く末を俺様は見てみたいからな。当分はこの体が駄目にならん限りはその気はない」
「そっか…」
「…それにしてもそいつも学校に連れて行くのか?」
天邪鬼は俺のバッグの中に入ってゴトゴトと動いている物体に目を向け言う。
「クラスメイトの一人がなんでかコイツの事を相当偉く気に入っちゃったようでね…家に居らせてる俺も大概だけど…オバケが学校行くのは当たり前なんだろ?」
「…それはそうだな…そいつをオバケと呼んでいいのかは微妙な所だが」
「ダーリン学校遅刻しちゃうよー?百音ちゃんも待ってるよー」
「今行くぜ」
天邪鬼との会話を一通り終えた所で俺の恋人の一人で同棲している藍鬼が声をかけてくる。
実は彼女は兄姉達を追って人間の世界にやって来た地獄の鬼の一人である事は秘密だ。
「おはようせっ君!」
「ああおはよう!」
百音は家族ぐるみで付き合いのある幼馴染である恋ヶ窪 百音だ。
ある人に単身弟子入り修行してそれを終えて引っ越し先で偶然再会した時に藍鬼の事を紹介したら思いっ切りに泣かれてしまったのは痛い思い出だ。(そしてその時の百音の目は怖かった…)
「あ!ハニ君も学校行くんだね!」
「ああ、ってか連れて行かなきゃメッチャ不機嫌になって俺がわりをくうからな…コイツの眼力ビームは俺の刀でも斬れる気がしねえよ…って天邪鬼の奴何時の間に!?…急ぐぞ皆!」
「あ、待ってよー」
俺達は登校を急いだ。
「おはすよー、ってまたか…」
教室に着くと溜息と呆れが出た。
それというのもクラスメイトの一人が陰湿な苛めを受け続けているからだ。
「檜山グループ今度は何をやっているんだ?!」
「ヤベッ!?また天之河の奴にチクられるぞ!」
苛めの主犯グループ連中は俺に気付くとそそくさとクモのこ散らして逃げていく。
「ハジメ大丈夫か?」
「う、うんありがとう刹那君」
連中から苛めを受けていたクラスメイトである南雲ハジメ君の無事を確認し安堵する。
連中、霊絡みで歪んでいるのなら俺が対処可能なんだが単純に性根が腐り切っているだけの札付きの不良で学校側も半ば放置してしまっている状態だ。
あの人ならばそんな事にはしないのだが…
「いい加減に学校側が強制的に動くようにするしかないか…まずはPTAを動かして…」
「そ、そこまで大事にしないでもいいんだけど…」
「だけどよ…アイツ等一度ブチ込まれただけじゃ絶対変わらないと思うぞ」
「僕は大丈夫だから…」
「そこまで言うなら今回迄は見逃してやるよ」
爺ちゃんと同じ名前という事もあって放っておけねえんだよな。
そして昼休み
「出てきて良いぞハニ太郎」
俺は屋上へと出る扉の前でカバンを開けて連れてきていた一見只の埴輪にしか見えないやつを覗き込んで声をかける。
するとゴトゴト音を立てながら埴輪が動き出して鞄から出てくる。
「はいはい今開けてやるからな」
動く埴輪、ハニ太郎が早く扉を開けろといわんばかりの勢いでソワソワしていた。
俺が扉を開けてやるとその体でどうやって其処迄のスピードが出せるのか疑問に感じるかの様な動きで屋上へと飛び出していった。
「あ!ハニ太くんだ!連れて来てくれたんだね!」
ハニ太郎と俺の前に居たのはクラスメイトの一人でマドンナ的存在である白崎 香織さんだった。
そう彼女には以前勝手についてきたハニ太郎の事がバレて以来こうして頻繁に顔を合わさせてあげている。
白崎さん自身もハニ太郎もお互いの事を物凄く気に入っている。
「ふふ♪ハニ太くんにもお弁当作ってきたから食べる?」
白崎さんのその言葉を聞いたハニ太郎は何時もよりも激しい動きで喜びを表現していた。
無論彼が口をつけられるのは土系統のモノだ。
白崎さんはわざわざ作ってきたらしい、幸せ者め。
「白崎さんお待たせって何その埴輪?」
「ふぇ!?ハジメ君!?こ、これはなんでもないの!」
屋上にやってきたハジメにこの異様な光景を見られて焦る白崎さんだったが
「可愛い埴輪だね。白崎さんがそんな可愛らしい趣味を持っていたなんて意外だったなあ」
「へ?…」
「ああ…」
どうやらハニ太郎が動いている所はギリ見られなかったらしく彼は白崎さんが変わった趣味を持っていると思っているようだった。
変わった趣味なのは否定出来ないけど…。
「~///-…」
「あ…」
白崎さんはそれを聞いて顔を真っ赤にして教室に戻っていってしまった。
「え?僕何か悪い事言ったかな?」
「そういう所だと思うぞハジメ…」
そして教室に戻って昼休みが終わる直前の事だった。
「『珍しいな、煮干の気分にでもなってねだりにきたのか?』」
「『そう、俺様は焼魚が食べた…って違う!』」
只の猫のフリして教室に入って来ていた天邪鬼と俺は霊力通信で会話する。
「『違うのか?だったらもう先生来るから出た方が』」
「『いいや、なんだか良くねえ事が起きる感じがしてな…』」
「『何?…藍や百音は何か感じるか?』」
「『特に何も?…』」
「『ん~?確かにさっきからこの周囲に妙な感じがしてきてはいるのよね…』」
俺はそう言われて周囲の気を探るがこれといって霊の気配は感じない。
だけど天邪鬼にここまで言わせる事はそう滅多な事ではない。
藍や百音にも確認を取ってみると藍がそう言った。
俺はいつでも臨戦態勢が執れるように準備しようとしていた時だった。
「なっ!?…」
「魔法陣!?」
「さっきから感じていた変な感じはこれね!」
教室を包み込むかのように謎の魔法陣が突如として俺達の足元に出現したのだ。
「皆早く教室から出…」
異変に気が付いた担任の愛子先生が警告するが既に遅し俺達は魔法陣が発した光に包まれた。
光が止んだ時は俺達の姿は教室から消えしまっていた。
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
本編
EPⅠ「異世界とステータス」
Side刹那
「…」
よもや流石に地球外の異世界にクラス毎召喚されるとは予想外だった。
俺達の召喚を促したという創造神の野郎をぶった斬ってやろうかと思ったが出てくる事はなかった。
神託を聞いたとかいう名前負けなジジイも胡散臭さMAXだしそれが戦争の為って…いっその事犠牲にされた者達の霊に攻められて落とされた方が身の為じゃないか?
「従僕、やっと見つけたー!」
「か、花梨!?居たのか!?」
「む…何が言いたいのだ?」
「いやだってお前…」
割り当てられた部屋に居た俺を訪ねて来たのはクラスメイト兼俺の恋人の一人である白里 花梨だった。
俺は彼女まで居た事に驚いた。
何故なら彼女は普段は教室にほとんど来ないからである。
なんでも成績が優秀過ぎて講義の単位免除されているからだ。
だから彼女の顔をよく知っているのは先生方と委員長さん、俺達以外にはいない。
後は俺達だけが知っている彼女の秘密…
そんな彼女が珍しく居たのは
「休息の時だというのにわわわの書庫が不浄を払っている最中で使えぬかった…」
花梨はしょんぼりしてそう言った。
見ての通り見事なまでに現役な中二病だ。
「ああ、図書室が清掃中だったから昼休み終わるまで教室で過ごしていたら今回の異世界召喚に巻き込まれちまった訳か…でもよかった!糞みたいな召喚だったとはいえお前を独りぼっちにしないで…」
「じゅ、従僕…わ、わわわ達が結びし縁の契約はそう簡単には断てぬものよ!そんなに悲観するでないわ!///~」
俺は花梨の話を理解し彼女を抱き締めた。
花梨は中二言葉で濁すが嬉しそうにそう言った。
「にしてもこれからどうするかだな…あ、花梨は何時も俺の傍に居てくれよ」
「う、うむ!」
「あ、花梨ちゃんもお泊り?シャワーの順番どうする?」
「わわわが浴びる…」
考えるのは後に回して俺は花梨を部屋に居させる事にし、藍も帰ってきたのでそのまま翌朝を迎えた。
翌日、俺達は大広間の様な場所に招集させられた。
「よし、全員配布されたステータスプレートは行き渡ったな?始めるぞ」
俺達が召喚されたこの国、ハイリヒ王国直属の騎士団長だというメルドという男に講義を受ける事になった。
「さて…」
俺達が貰ったステプレの説明を聞いて早速見てみる。
【宮ノ下 刹那 17 天職:霊媒師、犬神使い
体力:1555
霊(妖)力:7000
耐久:2000
魔耐:7700
俊敏:3333
技能:・霊力解放・我流刀術・白山名君の術・東山真君の術・??etc…】
といったのが俺の現在の力だ。
百音達のも見せてもらおう。
【恋ヶ窪 百音 17 天職:陰陽師
体力:1500
霊力:5555
魔耐:1700
耐久:777
俊敏:3000
技能:・式神召喚・霊力解放・陰陽術】
【白里 花梨 17 天職:精霊術師
体力:1700
霊力:6666
魔耐:5555
耐久:1200
俊敏:3400
技能:・精霊術・召喚・導力解放・?】
【藍鬼 17 天職:?
体力:測定不能
霊力:測定不能
魔耐:測定不能
耐久:5000
俊敏:4000
技能:・???】
といった感じでうん何時も通りだな!
「んン?」
そうこうとしている内にステ提示が進みハジメの番となっていたのだが彼のステを見たメルドは少々困惑していた。
「錬成師っていうのはな国お抱えの十人に一人は持っている天職なんだが…」
「ぎゃははー!非戦職って事かよ南雲ぉ、しかもなんだこの低ステはよお全部が10だってさー!」
「そんなんで足引っ張られるとか嫌だなあー!」
メルドが説明するとそこで檜山グループがハジメをけなし始めた。
「いい加減にしろよなテメエ等!」
「な、なんだよ?宮ノ下」
「ハジメはな今迄一体何を学んできたのか分からないテメエ等なんかよりもずっと知識には長けてるんだよ!それも理解出来ん連中が!」
俺はブチ切れて檜山達を論破しながらじっとさせているハニ太郎を突き出しながら脅しをかける。
それを見ている白崎さんは苦笑いしている。
「埴輪?もしかしてそれがお前の武器か?だははー!」
ハニ太郎を見た檜山は爆笑するが残念!既にテメエ等が無様に踊るのは確定事項である!
「「!?」」
檜山達は急激に冷や汗を流し始めて気絶した。
「え!?何が起きたの!?」
「あ、あはは…」
「当然の報いね」
そう、ハニ太郎の石化ビームを彼等の股間にズボンの隙間をぬって撃ち込ませたのだ。
玉筋が石にされた彼等は声を上げる事も出来ず白目を向いた。
気絶した檜山達は放っておいて話は進み俺達は大迷宮という名の未知のダンジョンに潜る事となった。
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
EPⅡ「大迷宮」
Side刹那
「どうだった聖教会とかいう連中の動向は?」
「全然駄目、アイツ等夜な夜な変なお祈りを捧げ続けてるだけ」
「そんなに簡単には尻尾を出さないか…」
元の世界でとある事件で出会って俺と契約したいぬかみであるひなこにあの胡散臭さMAX爺さんが所属している聖堂教会連中の事を調べて貰っていたが進展は何もなかったようだ。
「まああの連中はしばらくの間は泳がせておくしかないか…ならばここは…」
ひなこからの報告を聞いた俺が思案を巡らせていた時の事であった。
\ドゴン!/
「!?…アイツ等かああああー!」
小規模ではあったが爆発音が城内にある図書館の方角から聞こえてきた。
俺はすぐに犯人にあたりをつけて急行した。
「南雲~、逃げていてばかりじゃあ訓練にならないだろう~?」
「うあああ!?」
やっぱりか!檜山グループの奴等がハジメに対して訓練だと称して彼を包囲して魔法で追い詰めていた。
「おらおら!どんどんいくぞ~!」
「白山名君の名において告げる!蛙よあの馬鹿達にお仕置きせよ!」
俺は即座に懐から蛙を模ったこけしを取り出して檜山達のガラ空きな背中へと目掛けて投げ入れてやった。
「「!?」」
ボンッ!と蛙こけしが弾けると檜山達は声にならない悲鳴を上げて気絶した。
「ハジメ大丈夫…という訳ではなさそうだな…白崎さんの所へ行って回復して貰おう」
「う、うん…」
軽傷のハジメを背負って俺は白崎さんの所へ連れていって治療してもらうのだった。
そして数日後、俺達はこの世界のダンジョンであるオルクス大迷宮へと潜り入る事になった。
「此処迄は順調のようだな…」
数時間も経たない内に二桁の階層にまで上がってきていた。
だが嫌な予感は拭えない、不安要素があるからだ。
檜山達コイツ等なんでついてきてんの?全然戦闘せずに逃げ回ってばっかだし…
「あれ何だろう?」
粗方の魔物を倒し終えた所で白崎さんが何かに気が付く。
「綺麗…!」
「ほおう~、グランツ鉱石じゃないか!しかもかなり高品質の」
それを見たメルド団長がそう言う。
「だったら俺達で採集しようぜえ!」
そこで檜山がそんな事を言いながら拾いに向かっていこうとしていた。
「こらまだ安全確認は済んで…」
「団長トラップです!」
「なんだとお!?」
やっぱりかああああ…檜山のアホが鉱石に触れたせいで仕掛けられていたトラップが作動し周囲が光に包み込まれた。
「きょ、強制転移のトラップだ!…」
ハジメがそう呟くも手遅れだ。
俺達は強制的に別の階層に飛ばされてしまった。
恐らくこの階層は…
「なんだ!?」
周囲の状況を把握していたその時物凄い地響きが鳴り渡った。
「アレは…ベヒモスだと!?…」
地響きの正体は巨大な猪の様な魔物だったようだ。
やはり俺達が居た地点から二倍近くのレベル差がある階層だったか。
まあ俺の敵ではないのだが…まずは…
「トラウムソルジャーまで!これでは退避出来ん!」
露払いだな!
「刹那君、ベヒモスの足止めは僕に任せてもらえないかな?」
「何、やれるのか?」
「何とかやってみせる!」
「そうか!」
ハジメがそう言い出し俺は彼の提案を受け入れ取り巻きの排除に出た。
「まずは積み上げてやる!東山真君の名において命ずる!風よシンフォニーを奏でよ!」
風の仙人の力を行使しトラウムソルジャーの軍勢を巻き上げて積み重ねていく。
「今だ!宮ノ下の後に続け!」
好機と見たメルドが合図を出してクラスメイト達がそれぞれ攻撃を仕掛けていく。
「むっ!?…」
その最中で放たれた魔法の動きに不審感を感じ取った俺は己の<逢魔ヶ刻>を振るって斬った。
だが…
「何!?…」
だが斬り裂いた筈の火球は分断しただけで一つが描き消えただけでもう一つの玉はある地点へと向かっていた。
そう、ベヒモスを抑えていたハジメが居る地点だったのだ。
「ハジメ今すぐ其処から退避しろ!」
「え?…」
俺が警告するもそれよりも早く火球は彼等の足元へと着弾しその足場を崩壊させた。
「ハジメ―!」
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
EPⅢ「捜索準備」
Side刹那
「…」
ハジメがベヒモスと共に落ちてしまった。
迷宮から帰還した直後、俺には犯人が分かり切っていたので即刻締め上げにかかった。
「お前等覚悟は出来ているよなあ?!」
「ひいい!?」
「な、なんだよ?…」
「しらばくっれても無駄だ!一週間程度ぐらい気絶しておくかあ!」
「「あぎゃ!?…」」
ハジメを奈落に突き落とした犯人である檜山グループにお仕置きし霊気の波動をぶつけて気絶させる。
「さてと…」
メルド団長からの報告を聞いてハジメの事を罵っていた連中には守護霊をその辺に彷徨っていた低級霊に強制交代させてお仕置きしておいたし後はハジメの捜索に向かうとしよう。
「ひなこ、白崎さん達を呼んできてくれ」
「うん!」
ひなこに白崎さん達を呼びに行かせてその間に準備を進める。
「呼んできたよー!」
「御苦労様ひなこ」
「えへへ~!」
呼んできてくれたひなこを撫で回し俺は白崎さん達に向き直る。
「単刀直入に言おう、ハジメは死んでいないいやまだ生き永らえられているって所か」
「ホント!?…」
「ああ間違い無いぜ」
「何故分かるの?」
其処で白崎さんの親友である八重樫 雫さんが聞いてくる。
「俺や百音、花梨は血筋柄強い霊能力を持っている。
ハジメの霊魂の気配がしないからさ」
「そうなのね、それで南雲君の事を捜索しに向かうと」
「ああ、だからこそ急を要する。
白崎さんも行きたいだろうから八重樫さん達はこの国の上層部連中の監視をしてて欲しいんだ。
何人かはもう機能しないだろうが油断は出来ない。
頼めるか?」
「分かったわ」
「その代わりといってはなんだがコイツを置いていく」
「?あ!最近何時も教室に来ていた黒猫さん巻き込まれてたんだ…でもなんでこの猫さんを?」
呼んでいないにも関わらず何時の間にか俺の背後にいてカキカキしながら欠伸していた天邪鬼に視線を向けてそう言う。
何時も彼に餌付けしてくれていた山田 妙子が疑問を口にする。
「この俺様にガキ共のお守をしろと?」
「ね、猫さんが喋った!?」
喋った天邪鬼に白崎さん達は驚く。
「あのなあ、俺様だってこんな訳も分からねえ世界に飛ばされる時に使った結界で妖力の大半を散らされてるんだよ!それなのにガキのお守りなんかやっている暇があるか!」
「でも藍はどうもなかったみたいだぞ」
「同じ鬼でも地獄出身の小娘と一緒にするんじゃねえ!(# ゚Д゚)」
「いやだったら檜山達とかこの国の屑上層部共脅かして稼げばいいだろ…それに今ここで断ったらお前どうすんの?」
「ああ!?…」
俺の言葉に天邪鬼ははっと気が付く。
山田さんが天邪鬼の事を目が笑ってないとてもイイ笑顔をしていた。
「え、えっと猫さんのお名前は?」
「俺様は猫なんかじゃねえ!こんな也だが天下の大妖怪天邪鬼様さあ!」
「猫としての名前はミーヤ」
白崎さんが天邪鬼に名前を聞くと彼はドヤ顔で答える。
「じゃあ天邪鬼君ーコレ要らないんだ?」
「そ、そいつはあ!」
山田さんが天邪鬼に向けて五個入りの缶詰めを取り出し見せてきた。
見るからに俺が普段あげていた物よりも高価な猫缶だ。
「…分かったよ可能な範囲でお前達を守ってやらあ!」
「やった!」
天邪鬼…お前完全にミーヤに精神引っ張られていないか(;^ω^)
天邪鬼との契約を取り付けた所で準備を進めた俺達は翌日ハイリヒ王国を後にしたのだった。
目次 感想へのリンク しおりを挟む