その邪眼で何を見る (Namu君)
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美堂 蛮

どーもNamu君です
GetBackersの美堂蛮がかっこよすぎて書いちゃいました。
GetBackersを熟読した訳では無いのでいやこれ蛮じゃないやんとかこんな蛮は見たくないなどありましたらブラウザバックお願いします!!


「あー、また読み終わった」

俺は学校の帰り道歩きながら漫画を読んでいた、今読んでいる漫画はGetBackers、結構昔の漫画だが俺はこの漫画が大好きだ。

 

何回読んでも興奮するバトル、様々な能力、読んでいて飽きることがない。

何より好きなのは主人公の1人である美堂 蛮だ、バトルの天才であり小さな頃から努力をしたくさんのことが出来る、仲間のためやプライドを傷つけられた時だけ本気を出すところなど、この美堂 蛮という男に俺は憧れる。

 

「また1から読むか」

 

と読んでい単行本をバックにしまい前を向く、信号は赤で危なく漫画に集中しすぎて飛び出すところだったと冷や汗をかく。

 

「ボールがー!」

 

そんな俺の横を小さな男の子が赤いボールを追いかけて道路に飛び出す。

そこにまさか人が飛び出すとは思っていなかったトラックが猛スピードで突っ込んでくる。ドライバーも驚愕の表情だ。

 

男の子はそんなトラックに気づかずボールを追いかけて行く。

 

「危ない!」

 

俺はいつの間にか道路に飛び出し男の子を反対側へと押す。

きっと蛮ならここで邪眼を使ったり驚異的な身体能力で颯爽と助けるのだろう、だが俺にはこれが精一杯だ。

少しは憧れる男に近ずけたかなと考えているころには俺は宙を舞っていた。

 

「早く起きんか」

 

『ガス』

 

長い棒のようなもので頭を叩かれ目が覚める、しがれたおじいさん声が聞こえ前を向くと、雲の上に乗り長い白い髭を撫でるおじいさんがいた。

 

「あなたは?」

 

と声を出そうとするが声が出ない、それどこか体がない意識だけここにあるみたいだ。

 

「お主は死んだんじゃよ、今ここにはお主の魂があるだけじゃ体などない」

 

おじいさんがこちらを向きながら声をかける、死んだという言葉に少し驚いたがトラックに跳ねられたのだそりゃそーかと納得する。

 

「意外と狼狽えんな」

 

おじいさんが少し驚いた顔をするがすぐに真顔に戻る。

というかなぜ自分はここに?これから天国か地獄に行くのだろうか。

おじいさんは天使かなにかなのかな?まさか神様だったりして。

 

「なんじゃわかっとるじゃないか、そーわしは神じゃ、それとお主には今から転生してもらう」

 

神様だったんだそれはびっくりだ

…え?転生?

 

「そうじゃ転生じゃ、お主には僕のヒーローアカデミアの世界に転生してもらう」

 

転生なんてほんとにあったんだ、でもなんで俺?なんでヒロアカ?

 

「お主な理由は特にない、日本で次に死んだものを転生させようと思ってただけじゃ

ヒロアカの理由も特にはない」

 

どーせ転生するならGetBackersの世界が良かったな。

 

「悪いのぉ今から転生先の変更はできないんじゃ、まぁ個性と見た目は決めて良いぞ」

 

まじ!それはとても嬉しいな、なら見た目はGetBackersの美堂 蛮で個性は蛮の邪眼がいいな

 

「うむわかった、ならもーめんどくさいから本物の美堂 蛮として送ってやるわい」

 

ん?どーゆーこと?

 

「見た目だけでなく美堂蛮と同じ才能ということじゃよ」

 

それは嬉しすぎるな!

 

「ではいってこい、わしを楽しませろ」

 

おじいさんのその言葉を最後に俺の意識は暗転した。

 

 

 

ここはどこだ?目の前が真っ暗だな。

 

「おぎゃーおぎゃー」

 

いきなり視界が明るくなって驚いてないてしまった、転生って言ってたけどまさか赤ちゃんから意識があるとは。

 

「元気な男の子ですよ〜」

 

看護師さんかな?の声が聞こえる、看護師の手からベットに寝る女の人の手に俺は渡される。

とても綺麗な女の人だな。

 

「生まれてきてくれてありがとう、あなたの名前は蛮よ、ほんとにありがとう」

 

女の人はやはり俺の母親のようだ、名前も蛮なのか、嬉しいな。これからの人生頑張ろう。

 

15年後

 

「蛮ー!!忘れ物してない?受験票もった?」

 

「もったよ、じゃあいってくる」

 

ドアを閉めた俺は中学の学生服を着て、いつもの丸いサングラスをして歩き出す。

 

俺が生まれてから15年がたった、今思えばあっという間だが中々濃い生活をしていたと思う。

幼稚園の時から遊んだりせず基本筋トレや勉強にあけくれた。

なんで遊ばないかって?そりゃ弱い美堂蛮とか頭の悪い美堂蛮なんて誰も見たくないし俺も見たいない。

美堂蛮として生まれたからには原作に負けない、いや原作以上を目指すそう決め特訓してきた。

 

個性だってちゃんと1日3回は使える、4回目は怖くて使えたことがない、個性だから成長すれば4回目も使えるようになるのか?

 

握力は200kgになった、これも原作通りだ、でもコンクリートを砕いたりは出来ないんだよなぁ、原作の蛮絶対もっと握力あるだろ。

 

そんなことを考えていると雄英高校の前に到着した。

校門の前のところで男女が話している、まぁ特に気にすることもないかと中へはいる。

 

午前の筆記試験を終えホールのようなところの自分の席に座り午後の実技が始まるのを待つ。

周りの席では答え合わせをしたりもう絶望している奴もいるが俺は大丈夫だ。

なんたって俺は美堂蛮だ、ちゃんと勉強だってしてきた、見直しもちゃんとしたし満点だろう。

 

「今日は俺のライヴにようこそー!!!

エヴィバディセイヘイ!!!」

 

「シーーン」

 

そんな俺の思考吹き飛ばすようなでかい声がホールに響く、あいつは確かプロヒーローのプレゼントマイクだったか。

 

「こいつあシヴィーーー!!!

受験生のリスナー!実技試験の概要をサクッとプレゼンするぜ!!アーユーレディ!?」

 

「シーーン」

 

相変わらずみんな無反応だな、まぁ俺もだが。

長い説明も簡単に言うと仮想ヴィランのロボを壊せってことだ、まぁ壊すだけなら俺には簡単だな。

まぁヒーローの試験に壊すだけなんてことは無いんだろうから困ってる奴がいたら助けてやるかね。

 

バスに乗せられ会場に到着した、そこには街があった、さすがにこれにはビックリだな。

いくらつぎ込んだらこんなの作れるんだ。

 

「はいスタートー!」

 

「え?」

 

いきなりのスタートの合図に皆戸惑うなか俺はすぐに反応し走り出す。

 

中に入ると直ぐに1ポイントのロボ3台と2ポイントのロボ2台が迫ってくる

 

「ブッコロス!」

 

「ガラクタが!!スネークバイト!」

 

どうやらロボは鉄という訳では無いようだ、これなら余裕だな。

指の形にえぐられ再起不能となったロボット五体を道端に捨て俺は走り出す。

 

そろそろ50秒経つかな、ロボのポイントも20位は稼げたはずだ。

 

 

俺はまた走り出しロボットを倒していく、途中危なそうな受験生を助け、あると思われる人助けポイント的な分もしっかりと稼ぐ。

 

残り時間も1分くらいだな、さぁ出て来いよ0ポイント!なんて考えていると

 

『ドギャーーーン』

 

地面が割れ下からとてつもなくでかいロボットがでてきた、こりゃ想像以上だな。

適当に瓦礫に挟まってるやつとか助けて終わるか、とロボットの方に走り出す。

 

「だ、誰か助けて」

 

向かった先に瓦礫に下半身を挟まれた耳たぶがイヤホンジャックみたいになっている女子がいた、助けようと思ったが0ポイントロボはその女子に向かって足を振り下ろしていた。

 

「今の俺なら助けられる!あの時とはちげー!」

 

俺は最大限の力で地面を蹴り中へと飛び上がる、いきなり目の前に現れた俺の方へと0ポイントロボの視線はむく。

 

そのまま振り下ろされたロボの足は女子を踏みつけ、ロボは右腕を大きく振り俺を吹っ飛ばす。

 

「グハッ」

 

ビルに背中から突撃し口から空気と血が漏れる、そのまま20m程の高さから俺は落下し意識を失った。

 

『パリーン』

 

「ジャスト1分だ、いい悪夢見れたかよ」

 

そう言葉を発する俺は右腕でロボの頭をつかみ凹ませる。

そしてそのままロボの背中の方へと押し倒す、後ろのところに人がいないのは確認済みだ。

 

『ドガーーーン』

 

倒されたロボはそのまま機能停止し動かなくなった。

ん?今の時間何があったかって?

飛び上がった俺はロボに邪眼をかけ、落ちてくる瓦礫を足場にもう一度飛び上がりそのまま倒しただけだ、ロボにも邪眼が聞くとはね俺もびっくりだよ。

 

着地した俺はイヤホンジャックの女子を瓦礫から引っ張り出しお姫様抱っこの状態で運ぶ。

 

「大丈夫か?」

 

「あ、ありがとう、あんた凄いんだね増強系の個性?」

 

「さー?どーだろーな」

 

そんな会話をしながら歩いていると、ハリボーを配る杖を着いたおばあさんがいた、あれは確かリカバリーガールだったか?

 

「おや、その子も怪我してるんだね

ほらハリボーおたべー」

 

「あ、ありがとうございます」

 

「チューーーーー」

 

おばあさんは女子にハリボーを渡すと、口が伸び足の当たりを吸い始めた。

 

「え、え、なに!?」

 

女子は慌てるがこれは回復をさせてるはずだ、俺は女子をおばあさんに任せ雄英高校を後にした。



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結果発表

すぐ投稿しましたが書きだめあんまり無いので普段は更新遅いと思います…



数日後

 

 

「ばーんー!雄英高校から合格発表来てるわよー!」

 

「そんなに叫ばなくても聞こえてるよ、ありがとさん」

 

母さんから合格発表の便箋を受け取り部屋に戻る、便箋の中には小さな機会があり、ボタンを押すと映像が流れ始めた。

 

「やぁ!今年から教鞭を取る事になったオールマイトだ!まず君の合格発表からだな!」

 

映像にはオールマイトが流れ始めた、教師になることは知っていたが、まさかここで出てくるとは思わず少しおどろく。

 

「美堂 蛮くん、君は合格だ!それもぶっちぎりの首席でね!」

 

自信があったとはいえやはり少しは嬉しいもんだな、それに首席とは、まぁ当然か

 

「まず筆記は文句ナシ満点!次に実技だかヴィランポイント100点!これだけでもぶっちぎりの1位だね!」

 

狙っていた訳では無いがちょうど100点か、2位のやつは何点なのか少し気になるな。

 

「だが私たちがみていたのはヴィランポイントだけではない!ヒーローポイント!これは君の行動からポイントを加算する!こっちも100点!合計200点だ!すごいな君は!

さぁこいよ!ここが君のヒーローアカデミアだ!教室で待っているよ!」

 

そう言い残し映像は終わった、やはりあったかヒーローポイント、まぁ合格してるからどーでもいいか。

俺のヒーローアカデミアか、少しワクワクするな。

 

数日前

 

「では次に美堂 蛮くんの映像です」

 

「この子はすごいな、ロボを片手で壊してる、ヴィランポイント100点か100点に乗るのは何年ぶりだ?」

 

「オールマイト以来じゃないかな!」

 

先生が呟いた言葉に根津校長が反応する。

 

「すごい力だな!増強系の個性か?」

 

「いや、個性は増強系じゃない、こいつの個性は邪眼、1分間相手に悪夢を見せる個性だ」

 

「うわ!なんだその個性チートか?」

 

マイクの疑問に相澤が答える。

 

「ヴィランポイントは十分としてヒーローポイントはどーしますか?」

 

相澤が根津校長に対し質問を投げかける。

 

「んー!この子察してるのかもしれないね」

 

「ヒーローポイントの存在をですか?」

 

「そ!ほかの受験生は自分のことで手一杯なのにこの子は周りを見て危なそうな子を助けてる!まるでそれも見られてるとわかっているような動きだね!」

 

「ただ余裕があってヒーローとして当然のことをしてるだけかも知らないぜ?」

 

根津校長の言葉にプレゼントマイクが言葉を返す。

 

「その可能性もあるけどね!時にオールマイト、君はこの子をどーみる?」

 

「わ、私ですか!?とても優秀な子だと思いますよ!戦闘の動きに無駄が全くありません、頭もいいようですし個性も強力です、とても頼もしいヒーローになれることでしょう!」

 

「それもそーなんだけどさ!どこか危ないところがないかい?」

 

「そう言われるとわざとほかの受験生がピンチになるまで助けてないようにも見えなくはないわね」

 

「こいつはとても頭がキレるやつで大きい怪我のしない程度までは助けてないのかもな」

 

オールマイト、根津校長、ミッドナイト、相澤の順で話す。

 

「ですが!彼はまだ金の卵これからどう成長し、どんなヒーローになるかは彼次第、間違った道に進まぬようにすることも我々教員の仕事でしょう!」

 

「オールマイトの言う通りだね!彼は相澤先生にお願いしようかな」

 

「はぁ、また手のかかりそうな、まぁ分かりました」

 

「それでは次の受験生に」



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個性把握テスト 前

めっちゃ適当な時間に投稿すいません…
5月はリアルが忙しくなるので更新遅くなると思います…すいません
書けば書くほど蛮じゃなくなってる気がするし、キャラの口調も難しいしでめっちゃ駄文ですがお楽しみください。


「ばーんー!今日から学校でしょ?がんばってね!」

 

「朝から声が大きいよ母さん、それじゃあ行ってくる」

 

「母さん嬉しいんだもの!行ってらっしゃい!気をつけてね!」

 

朝から元気な母さんに見送られ家を出る。

今日から学校が始まる、運のいいことに雄英高校までは片道30分程の距離に家はあるので通いやすくて助かる。

 

「朝日が眩しいな」

 

朝日に照らされ少し目を細める、いつものサングラスを忘れていることに気づきサングラスをかける。

 

「やっぱこれがねーと蛮じゃねーよな!」

 

電車に乗り雄英にはすぐに着いた。

校舎に入り教室に向かう、少し早くついたのか教室には誰もおらず静かだった。

 

「ふぁー、眠いし寝るか」

 

始業まではあと45分ほどあるので自分の席に座り眠りにつく。

サングラスは外し机に置いておいた。

 

「机に足をかけるな!雄英の先輩方や机の製作者の方に申し訳ないと思わないのか!」

 

そんな怒鳴り声を聞いて俺は目を覚ます、時計を見ると始業まではあと5分ほど、40分近く寝ていたみたいだ。

 

「思わねーよ!てめーどこ中だ?端役が!」

 

さらに続く怒鳴り声に少々イライラしてきた。

 

「おい、お前らうるせーよ喧嘩なら外でやれ」

 

急に声を上げた俺に驚いたように振り向く2人、机に足をかけていた方は「あぁん?」と俺を睨み、注意をしていた眼鏡の方は謝ってきた。

 

「すまない!注意に熱が入ってしまった」

 

「いや、大丈夫だ、俺もきれて悪いな」

 

メガネくんは素直謝ってきたな、根っからの良い奴のようだ。

 

「飯田天哉だ、よろしく!」

 

飯田は名乗りながら手を出してくる。

 

「俺は美堂 蛮だ、これからよろしくな」

 

俺はその手を握り返し握手を交わす、1人目の友達ってところかな。

 

「お友達ごっこがしたいならよそへ行け」

 

教室の前のドアの方から全く覇気の感じられない声が聞こえる、そこで話していた男女も話すのをやめそちらを向いていた。

 

「「な、なんかいるー」」

 

「はい、静かになるまで8秒かかりました。

時間は有限君たちは合理性に欠くね」

 

まったく覇気の感じられないやつはそう言いながら寝袋を脱ぎ教室に入ってくる。

 

「担任の相澤消太だ、早速だがこれ来てグラウンドに出ろ」

 

「「「え?」」」

 

担任だと言っていた男は体操着を見せながらいう。

クラスメイトたちはみな驚いていた。

 

体操着に着替えてグラウンドに出ると、体力測定の器具が並べてあった。

 

「「「「個性把握テスト?」」」」

 

「入学式は?ガイダンスは?」

 

全員の声が同時に聞こえる、それに続いて先程教室の前で男子と話していた女子が続く。

てかこいつらほんとに初対面か?なんでこんなに息ぴったりなんだよ。

 

「ヒーローになるならそんな悠長な行事出る時間ないよ、雄英は自由な校風が売り文句、それは先生側もまた然り」

 

この先生は本当に合理性というか効率だけを考えているんだな、と考えながら話を聞く。

 

「お前らも中学の頃からやってるだろ?個性使用禁止の体力テスト、国は未だ確実的な記録をとって平均を取り続けている合理的じゃない、まぁ文部科学省の怠慢だな」

 

こいつ本当に教師か?なんて思うがそれはその通りだなと聞き流す。

 

「個性的にわかりやすいのは爆豪だな、中学の時ソフトボール投げ何メートルだった?」

 

急に質問されたつんつん頭の爆豪は少し驚いながらも返事をする。

爆豪ってなまえすごいな、頭も爆豪って感じだ。

 

「67メートル」

 

「じゃあ、個性使ってやってみろ」

 

言われた通り爆豪は移動する、みんなもそれを見るため見やすい位置へと移動する、俺は特に興味無いので1番後ろだ。

 

「円から出なきゃ何してもいい、思い切っ切りやってみろ」

 

「んじゃまぁ」

 

教師の声を聞き爆豪はボールを持った腕を振り上げる。

投げるのと同時に手が爆発しボールを投げた。

 

「しねぇー!」

 

しね?俺もこれには笑いそうになった、みんなポカンとした表情だ、あいつ面白いな。

 

「まず自分の最大限を知る、それがヒーローの素地を知る合理的手段」

 

と相澤は話しながら記録を見せる、そこには705.2メートルと書いてあった。

 

「「うおー!!」」

 

「705メートルってまじかよ」

 

「なにこれ!おもしろそう!」

 

「個性思いっきり使えんだ!さすがヒーロー科!」

 

上から金髪の男子、エイリアンみたいなピンクの女子、醤油顔のパッとしない男子が声を出す。

こいつらこの教師の前でそんなこと言って大丈夫かね。

 

「面白そうか、ヒーローになるための3年間そんな腹づもりで過ごす気でいるのかい?」

 

教師の言葉にみな黙り息を飲む、覇気のないやつだが、言葉に重みがあるな。

 

「よし、8種目トータル成績最下位のやつは見込みなしと判断し除籍処分としよう」

 

「「「「はぁぁぁぁー???」」」」

 

やっぱりこうなった、まぁ俺には関係ないがな。

それにしても本当に除籍にして大丈夫なんかね?まぁあの顔は本気だが。

周りを見れば絶望してる奴もいるな、そんな自信がねーなら最初からヒーロー科なんか入らなければいいのに。

 

「生徒の移管は俺たちの自由、ようこそコレが雄英高校ヒーロー科だ!」

 

「最下位除籍って!まだ入学初日ですよ!?初日じゃなくても理不尽すぎる!」

 

先程入学式は?と質問していた女子だな、めんどくさいからこれから丸顔とでも呼ぼうかね。

 

「自然災害、大事故、そして身勝手なヴィランたち、いつどこから来るか分からない厄災、日本は理不尽に溢れている、そーゆーピンチを覆していくのがヒーロー、放課後マックで談笑したかったのならお生憎、これから3年間雄英は全力で君たちに苦難を与え続ける、さらに向こうへPlus Ultraさ、全力で乗り越えてこい。」

 

教師の言葉にみな息を飲む、それにしてもあの教師ウザったいな、ぶん殴りてー顔してやがる。

だがこの教師の挑発というか発破で皆気合いが入ったみたいだな、爆豪は腕を回したりしてやがる。

 

「さて、デモンストレーションは終わりこっからが本番だ」

 

最初の種目の場所へとみんなで移動する、最初は50メートル走みたいだな、出席番号順で並んで走るみたいだ。

1組目は欠伸をしている間に終わったみたいだな、次はカエルみたいな女子と飯田みたいだ、飯田は友達だししっかり見るか。

 

「位置についてよーい」「バン!!」

 

甲高いロボと声と教師が打つピストルで走り出す、飯田は足がエンジンのようになっていて足が早いみたいだ。

数歩で着くとタイムは3秒04、まぁまぁはえーな。

まぁあれがエンジンなら50メートルくらいじゃあ全速は出せないだろう。

 

「個性を最大限使い各記録の伸び代を見れば何ができ、何が出来ないかが浮き彫りになる」

 

なんてあの教師は考えているんだろうな。

 

適当に過ごしながら順番を待つとやっと俺の番が来た。

一緒に走るのは先程からビビりまくっている緑髪の男子だな、ずっと震えているから子犬と呼ぼう。

 

「よ、よよろしくねね」

 

ブハッ、思わず吹き出しそうになっちまった、こいつめちゃめちゃ面白いなめっちゃ震えてるし。

まぁ隣なんて気にせず少しは本気出しますかね。

 

「位置について、よーい」「バン!」

 

フライングになるギリギリに飛び出し50メートルを3歩で走る。

 

「2秒03」

 

「「2秒!?」」

 

「あいつめちゃくちゃはえーじゃねーか!」

 

「増強系の個性かしらケロン」

 

ちっ、2秒切りたかったんだかな、切れなかったか。周りは驚いてるみたいだがこんなもんだろ

 

「おい、美堂本気で走れ、本気でやんねーならお前は順位関係なく除籍にすんぞ」

 

「「「「え…?」」」」

 

「今の本気じゃねーのか!?」

 

「本気でやんねーなんて男じゃねーな!」

 

ありゃ本気じゃねーのバレてやがる。

 

「次がラストチャンスだ最後にもっかい走れちゃんと本気出せよ?」

 

「ほーい」

 

俺は言われた通り1番後ろに並び直す、爆豪は俺の事をめちゃめちゃ睨んでるな、なんかしたか?俺

 

全員終わりまた俺の番だ、はぁめんどくさい、最初から本気でやればよかった。

 

「面倒くさそうな顔してるな、最初から本気でやれ」

 

なんだあの教師心読む個性でもあんのか?

まぁ次は本気で走りますよ。

 

「位置について、よーい」「バン!」

 

またフライングぎりぎりに走り出し、今度は2歩で走りきる。

 

「1秒58」

 

「「「「はえー!!!」」」」

 

「あいつなんの個性なんだ!?」

 

「やっぱ増強系かな?」

 

「速くなる個性かも!」

 

俺の個性についてみんなが予想して話してるな、てかいつのまにそんな仲良くなったんだよ俺ぼっちじゃね?

 

「じゃあ次は握力だ、それと長座もやってくれ」

 

握力と長座は2人1組でやるらしい、飯田から声をかけてくれたから助かったが、危なくぼっちになる所だった、ありがとう飯田

 

「じゃあまず握力から測ろう、美堂くんが先でいいかい?」

 

「おう、それでいいぜ、せっかく友達になったんだ美堂くんなんてやめて蛮って呼んでくれ」

 

「わ、わかった!蛮くんと呼ばせてもらうよ、ぼ、俺のことも天哉でいいぞ!」

 

「りょーかい」

 

そんな軽口を叩きながら俺は握力を測る。

 

『ピピピ』

 

「測れたみたいだね、右の握力は240キロと…240!!!???!!??」

 

「お?中学の頃より40キロも増えてるな」

 

天哉は俺の記録を見て目がこれでもかと開かれ目が飛び出していた、お前メガネ割れるぞそれ。

 

「中学の頃よりってことは個性の力じゃないのか」

 

「そーだよ、天才だからな俺は」

 

「増強系の個性だと思っていたよ、すごいな君は」

 

「まぁな」

 

天哉とは仲良くなれそうな気がするな、ちょっと硬いが話していて不快感がない良い奴だ。

俺の左手、天哉の握力、2人の長座を測り集合場所へと向かう。

 

「次は立ち幅跳びだ、出席番号順で並べ

美堂は最後な、また手抜かれたら困るしみんなが見てりゃ少しは真面目にやるだろ」

 

50メートルのせいで目を付けられたなめんどくせぇ、まぁ言われた通りやるか。

またひと通り終わり俺の番がきた。

それにしても色んな個性がいて面白いな、見ていて飽きない。

特に爆豪の飛び方は傑作だ、なんだあの飛び方、姿勢良すぎだろ。

 

「ピッ」

 

教師の笛に合わせて飛ぶ、中学の時より記録が上がってるかね。

 

「15メートル」

 

おー、軽く上がってるな、まぁトレーニングはやめてねーし当たり前か。

本物の美堂 蛮なら何メートル飛ぶのやら。

 

周りではまた俺の個性の予想会が行われていた、この記録を見てもわかる訳ねーんだけどな

 

反復横跳び、ボール投げ、上体起こし、持久走と全種目が終わった。

 

反復横跳びでは小さいヤツがよくわからんはね方をして面白かったな

ボール投げは丸顔女子が無限を出していたなありゃ俺にも無理だ。

上体起こしでも小さつやつが凄かったがありゃいいのか?

持久走はバイクで走る女子がシュールだった。

あいつは喋方も特徴的だし撫子と呼ぼう。

あとボール投げの時子犬くんと教師と爆豪が揉めてたな、撫子ちゃんの体見てて気にしてなかったけど。




誤字脱字等ありましたらすいません
明日の朝後編出すと思います…

握力に関しては200キロじゃコンクリートは砕けないと思うので原作の設定より高くするつもりです!ちげーだろ!って思う人すいません


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個性把握テスト 後

どーも朝投稿するって言ったのにもう昼ですいません…
キャラの口調が難しすぎて不安です…
あと短めですいません


「んじゃあーぱぱっと結果発表

トータルは単純に各種目の評点を合計した数だ」

 

面白かった出来事を思い出していると教師が話し出した。

 

「口頭で説明するのは時間の無駄なので一括開示する」

 

教師が小さな機械のボタンを押すとフォログラムのようにランキングが出てきた。

さて俺は何位かね。

 

1位美堂 蛮

2位八百万 百

3位…

4位…

 

俺は1位みてーだな、2位の八百万は撫子ちゃんか?百って名前なのか、ちゃんと名前で呼ぼうかね。

最下位は緑谷、あー、あの子犬くんか可哀想に。

 

「ちなみに除籍は嘘な?」

 

「「「…」」」ポカン

 

「君らの個性を最大限引き出すための合理的虚偽」

 

「「「「はぁぁぁぁぁぁぁあ」」」」

 

教師が笑いながらそう言い、みな同様な反応をしている、子犬くんの顔面白すぎるだろ。

 

「あんなの嘘に決まってるじゃない、ちょっと考えればわかりますわ?」

 

「それはどーかな撫子ちゃん、あの時のそいつの顔は本気だったと思うぞ?」

 

急に話した俺に驚いたようにこちらを向く面々。

 

「撫子ちゃんとは私のことですの?」

 

「何無駄口叩いてる、本当に除籍にするぞ」

 

教師の言葉を聞き皆すぐに前を向く、あいつらみんな息ぴったしだなおもしれー。

 

「これにて終わりだ、教室にカリキュラムなどの書類があるから戻ったら目通しておけ」

 

教師はそれだけ言うと歩き出す、子犬くんを呼んで何か話していたが特に興味もないので聞き流した。

 

「あ、そうだ美堂、お前後で職員室こい、教師をそいつ呼ばわりとはいい度胸だな」

 

な!?まさか聞こえてたとは、入学初日からお呼び出しとはめんどうせーな。

 

「ちょっとヒヤッとしたけどな」

 

「俺はいつでも受けてたつぜ!」

 

赤髪くんと醤油顔くんがそんな話をしながら歩き出し、それに続いてみんな教室に戻り始める。

 

俺も帰ろうかねと歩き出すが呼び止められる。

 

「少しいいですの?」

 

俺を呼び止めたのは撫子ちゃん、じゃなくて百ちゃんだ。

 

「俺に何の用だい?」

 

「撫子ちゃんとはなんですの?それと先生が本気だったというのは?」

 

「撫子ちゃんって呼んだことは謝るわ悪いな、名前を知らなくて適当に呼んだだけだ

本気だったってのはそのままだよ、見込みながなければ全員除籍だったかもな?」

 

「そーゆー事でしたのね、私にはちゃんと八百万 百という名前がありますので八百万とでも呼んでください、それに全員除籍なんてありえませんわ」

 

「りょーかい、俺は美堂 蛮だ、蛮とでも呼んでくれ」

 

「分かりましたわ、それともうひとつ聞きたいことがありましたの」

 

「なんだ?答えられることならなんでもいいぞ」

 

「貴方の個性はなんですの?今日の体力テストを見ている限り増強系だと思いますが、なんの個性なのか知りたくて」

 

「んー、それはまだ秘密だな、増強系では無いってことだけ教えておいてやる」

 

「分かりましたわ、今後知れる事を期待してますわ」

 

八百万はそう言い残し歩き出して言った、八百万もお堅いことで、硬いやつが多いんかねヒーロー科ってのは

 

「ねぇ、ちょっといい?」

 

また俺は呼び止められる、なんだ俺人気者なのか?

 

「今度は誰だ?ん?お前入試の時の」

 

「そう、あんたに助けられたやつ、名前は耳郎 響香よろしく」

 

「おう、よろしくな、俺は美堂 蛮だそれで何の用だ?」

 

「入試の時のお礼と個性が気になってさ、まぁ今の話聞いてた感じ教えてくれないんだろ?」

 

「男ってのは秘密が多い方がいい男に見えるだろ?」

 

「それはウチにはわかんないけど、あと入試の時ありがとう、あの時助けてくれなかったらウチはここにはいないかもだし」

 

「そんなことねーんじゃねーか?今日のテストだって向いてる個性じゃねーのに頑張ってたじゃん」

 

「見てたの?」

 

「全員のはなんとなくな」

 

「そっか、ありがとうじゃあうちはこれで」

 

そう言い残し耳郎も歩いていく、なんだ俺ってやっぱモテんのか?まぁ蛮はかっこいいならな。

これから職員室に行くのか…めんどくせーな。

重い足取りの中俺も教室に向かった。

帰り職員室によると明日までの反省文3枚の課題が言い渡され、さらに重い足取りで俺は帰ることになった。




キャラの口調難しすぎん??
ヒロインどーしよ決まってない…


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戦闘訓練 前

どーもNamuです
更新不定期ですいません
書けば書くほど自分の駄文に悲しくなります…


「ふぁぁーまじでねみー」

 

今日も歩いて学校に向かう、入学初日は早く行き過ぎたため今日から30分ほど遅く家を出る。

今日から授業が始まるが勉強は小さな頃からやってきたからなんの不安もない、なによりヒーロー基礎学が楽しみだ、個性を使わずにどこまでやれるかね。

 

なんて考えて歩くとすぐに学校につき、てきとーに午前を過ごし、やっとヒーロー基礎学の時間だ。

 

「蛮くん!ヒーロー基礎学の時間だね!どんなことをやるのか楽しみだよ!」

 

天哉がハイテンションに話しかけてくる、こいつ授業も真面目に受けてんのに元気だな。

 

「あぁ楽しみだな、まぁどんなことでも俺には余裕だけどな」

 

「すごい自信だね、ぼ、俺にもその自信分けて欲しいよ」

 

天哉の言葉に俺が返事をする前に教室のドアが開く。

 

「わーたーしーがー!ふつーにドアから来た!」

 

『ガチャ!』とすごい音を上げながら大声でオールマイトが入ってくる。

めっちゃうるさいなあいつ。

 

「オ、オールマイトだ!」

 

「すげーや!ほんとに先生やってるんだ!」

 

「あれ、シルバーエイジのコスチュームね!」

 

「画風違いすぎて鳥肌が」

 

クラスのみんながそれぞれの反応をする、特に子犬くんなんてぷるぷる震えてるな、相変わらずあいつはおもしれー。

 

「私の担当はヒーロー基礎学!、ヒーローの素地を作るため様々な訓練を行う科目だ!

単位数も最も多いぞ!」

 

オールマイトの言葉に皆目を輝かせている、やはりヒーロー基礎学は心躍るよな。

 

「早速だが!今日はこれ!」

 

とオールマイトが掲げる手にはBATTLEと書かれていた。

 

「戦闘訓練!」

 

「せんとー!!!!」

 

「くんれん…」

 

爆豪は嬉しそうに子犬くんは不安そうに呟く。

 

「そしてそいつに伴ってー、こちら!」

 

言葉と共に指を指すオールマイト、そこには番号が書かれたアタッシュケースのようなものがあった。

 

「入学前に送って貰った個性届と、要望にそって誂えたコスチューム!」

 

「「「「「おおおぉぉぉー!」」」」」

 

ここで全員のテンションは最高潮になり声を上げる、まじでこいつら息ぴったしだな。

 

「着替えたら順次グラウンドβに集まるんだ」

 

「「「はーい!」」」

 

自分の出席番号の書いてあるアタッシュケースをそれぞれ手に取り更衣室へと向かう一同。

 

「コスチュームか!楽しみだね!これ蛮くんの分だ!」

 

天哉が自分の分と俺の分のアタッシュケースを持ってやってくる。

 

「さんきゅ、天哉はどんなコスチュームなんだ?」

 

「それは見てからのお楽しみさ!」

 

アタッシュケースを持って更衣室へと天哉と歩き出す、更衣室には既に何人か来ており話しながら着替えていた。

俺は自分のアタッシュケースを開けて中身を取り出す。

俺のコスチュームは長いワイシャツと黒いパンツ、そしてサングラスだけだ。

 

「それが蛮くんのコスチュームかい?なにか特別な仕様でも?」

 

「まぁ多少の頑丈さはあるがただの服だよ」

 

「それがコスチュームなんだね、蛮くんの個性が本当に分からないよ」

 

「コスチュームじゃ、特には変わらないってだけだ」

 

「蛮くんの個性は一体なんなんだい?」

 

「それは秘密だよ」

 

「そうか、わかった」

 

やはり天哉は良い奴だな、俺が話さないと分かればすぐに引いてくれる、特に話さない理由もないがまぁ、今後のお楽しみってことで。

 

「蛮くん、俺の着替えは時間がかかるから先に行っておいてくれ」

 

「あいよ」

 

更衣室を出てグラウンドβに着くとまだオールマイトしかいなかった。

 

「美堂少年が1番か!とてもシンプルなコスチュームだね!」

 

「俺の個性には特に何も必要ないので」

 

「それもそーだね!ハッハッハッハ」

 

オールマイトはふつーに話してるのに声がでけーな。

特にオールマイトと話すことも無く待っているとほぼ同時のタイミングでみんな入ってくる、なんだ?俺だけはぶか?。

 

「格好から入るってのも大切なことだぜ!少年少女!自覚するのだ今日から自分はヒーローなのだと!!」

 

コスチュームはそれぞれ特徴的で、爆豪のコスチュームは両手に手榴弾のようなデザインがあり、八百万はへその辺から首まで真ん中が開いていた、あれはめっちゃエロいな。

天哉は全身を包むスーツでロボットみたいだな、というか女子基本スタイルいいな、ヒーロー科入って正解だわ。

 

「いいじゃないかみんな、かっこいいぜ!」

 

みんなのコスチュームが派手すぎて逆に俺浮いてるな。

 

「さぁ始めようか!有精卵ども!」

 

 

 

「あ!デクくん!かっこいいね!地に足着いた感じ!」

 

丸顔ちゃんに話しかけられた子犬くんは丸顔ちゃんの格好を見てめっちゃ照れていた。

 

「要望ちゃんと書けばよかったよ、パツパツスーツなった…恥ずかしい」

 

「ヒーロー科最高!」

 

「あぁまったくだ」

 

「え!?」

 

2人で話していたが丸顔ちゃんの言葉に反復横跳びすごかったちっちゃいのが反応する、俺も次いでとばかりに反応しておく。

 

「君たちは?」

 

「俺は峰田実!よろしくな!」

 

「俺は美堂蛮だ」

 

「僕は緑谷出久!よろしくね!」

 

「私は麗日お茶子!よろしくね!」

 

子犬くん緑谷ってのか、まぁ子犬くんでいいか。

丸顔ちゃんは麗日ね、まぁこっちは麗日って呼ぼうかねいい体してるし。

 

「さぁ戦闘訓練のお時間だ!」

 

ザワザワと話していたがオールマイトの言葉で静かになりみなそちらをむく。

 

「先生!ここは入試の演習場ですが、また市街地演習をおこなうのでしょうか?」

 

天哉が手を挙げ質問する、相変わらず天哉はまじめだな、俺なんて後ろでバレないように座ってんのに。

 

「いや!もう2歩先に踏み込む!」

 

オールマイトはピースの形に二本指を立てて手をつきだす。

 

「ヴィラン退治は主に屋外で見られるが、統計でいえば屋内の方が凶悪ヴィラン出現率は高いんだ」

 

この言葉にみな息を飲む、てかそりゃそーだろ、外で暴れるやつなんてのは自分の個性を過信した馬鹿か本当の馬鹿か、まぁ馬鹿しかいねーよ。

 

「軟禁、監禁、裏商売、このヒーロー飽和社会、真に賢しいヴィランは闇に潜む、君らにはヴィラン組とヒーロー組に別れて2対2の屋内戦を行ってもらう!」

 

「基礎訓練無しに?」

 

「その基礎を知るための実践さ!」

 

カエルっぽい女子が質問し応えるオールマイト、まぁヒーロー科に来て、あの入試を突破したヤツらだからな、軽い戦闘くらいならできるだろ。

 

「ただし!今度はぶっ壊せばOKなロボじゃないないのがミソだ!」

 

「勝敗のシステムはどーなります?」

 

「ぶっ飛ばしてもいいんすか?」

 

「また、相澤先生みたいな除籍とかあるんですか?」

 

「分かれるとはどのような分かれ方をすればよろしいですか?」

 

「んんんー、聖徳太子ー」

 

オールマイトは1度に質問され困っていた、不慣れすぎるだろ、するとカンペを出して読み始めた。

演習の設定を説明するが長くて聞いてられねーな、まぁ要約するとヴィランは核を守ってヒーローは核を取りに行けばいいのね。

そしてお互いに捕まえればそれでもいいと。

 

「コンビ及び対戦相手はくじだ!」

 

「てきとーなのですか!」

 

「プロは!他事務所のヒーローと急造チームアップすることが多いし、そーゆー事じゃないかな?」

 

「そーか!先を見すえた計らい、失礼しました!」

 

「いーよ!早くやろう!」

 

天哉の質問に子犬くんが応える、天哉は素直に謝り頭を下げる、本当に天哉はまじめだ尊敬するわ。

 

俺のチームメイトはピンク色の体をした女子だった、こいつもスタイルいいな。

 

「私芦戸三奈!よろしく!」

 

「俺は美堂蛮だ、芦戸の個性は?」

 

「私の個性はね!酸!酸を出せるんだー!」

 

「そりゃまた強い個性だ、じゃあ芦戸ちゃんの個性を基準に作戦考えますかね」

 

「ん?蛮くんの個性は?」

 

「俺の個性はあんまこれに向かないんでね」

 

「そーなんだわかった!」

 

芦戸ちゃんも素直でいい子だな、ここの人はみんなこーなのか?いや、爆豪は絶対に違うな。

 

「最初の対戦相手はぁーー、こいつらだ!」

 

と掲げるオールマイトの手には黒い玉にDと白い玉にAと書かれていた。

 

「Aコンビがヒーロー!Dコンビがヴィランだ!」

 

Aコンビは子犬くんと麗日ちゃんだ、子犬くんめっちゃ嬉しそうだな。

Dコンビは爆豪と天哉か、天哉運がなかったなあいつはめんどくさそうだ。

 

「他のものはモニタールームへ向かってくれ」

 

「はい!」

 

4人を残し他の奴とモニタールームへと向かうがその前にと。

 

「天哉!がんばれよ」

 

「あー!蛮くん!しっかり見ててくれ活躍してみせる!」

 

「はは、期待してるぜ」

 

天哉に激励もしたしモニタールームで寝るかね。

 

モニタールームに着くとそこにはどでかいモニターがあり、演習をおこなう建物の中全てをカメラで見るみたいだな。

 

「ヴィランチームは先に入ってセッティングを、5分の後にヒーローチームが潜入でスタートする!」

 

モニター画面からオールマイトの声がする、説明してからこっちに来るみたいだ。

 

「おい八百万」

 

俺は近くにたっていた八百万に声をかける。

 

「あら美堂さん、なんですの?」

 

「寝るから俺の番になったら起こしてくれ」

 

「それ本気で言ってますの?」

 

「ああ、じゃあおやすみ」

 

俺はモニタールームの壁によりかかりながら座り込んで寝始める、八百万が何か言っていたが無視し寝始めた。




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タグ入れ忘れてたけど青山不在です
タグってどーやって増やすんすか、やり方がわからない…


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戦闘訓練 中

昨日の夜に続いて更新です
戦闘描写ってムズすぎませんか?
少し短めです


「蛮くん!蛮くん!」

 

俺は体を揺すられ天哉の声で目を覚ました。

 

「おん?天哉か起こしてくれてありがとうな」

 

「まさか寝てるとはね、次蛮くんたちの番だぞ」

 

「お、そーか、さんきゅ」

 

天哉に起こされた俺は芦戸と合流し演習する建物へと向かう。

 

「なぁ芦戸俺らどっち?」

 

「話聞いてなかったのー?私たちはヒーロー側!相手はF組の砂藤くんと口田くんだったかな?、なんかおっきい人2人!」

 

「そーか、さんきゅ」

 

「てか!クラスメイトなんだし芦戸じゃなくて三奈でいいよ!」

 

「りょーかい三奈ちゃん」

 

三奈ちゃんと話していると演習をする建物の前へと着いた。

 

「それじゃあ!スタートぉぉ!!」

 

どでかいオールマイトの声と共に演習がスタートした。

 

「相手の2人の個性わかったりするか?」

 

「んーわかんない!けど砂藤くんはパツパツのスーツしかきてなかったよ!」

 

「じゃあまぁ増強系の個性ってところか?ならまぁ脳筋だろうから核は1番上かね」

 

「なんでなんで!」

 

「ばかは高いところが好きって決まってんだよ」

 

笑いながら話す俺に三奈ちゃんは不思議そうだ。

話しながら建物の構造を思い出す、1番上なら階段はひとつしかなかったな。

 

「俺が正面からいくから、三奈ちゃんは反対側から酸で床壊して入ってくれ」

 

「りょーかい!どのタイミングでいけばいい?」

 

「俺がでかい音を出すからそしたらGOだ」

 

「わかった!」

 

三奈ちゃんは明るいヤツで頭悪そうだが馬鹿ではないようだな。

 

「途中で会ったらどーするの?」

 

「そんときゃ俺が相手するから三奈ちゃんは先に行ってくれ、まぁ多分2人とも核の所にいるさ」

 

「んー、わかった!」

 

2人で話しながら階段を上っていく、俺の予想通り途中では出会わず最上階の一つ下の階に着く。

 

「じゃあ作戦通り頼んだぜ」

 

「はーーい」

 

三奈ちゃんは返事をしながら滑るように移動していく、酸で溶かしながら進んでるのか器用だな。

 

階段を上ると最上階は開けていて、中心に核が、そこに2人の男子がいた。

 

「お!ヒーローが来たぞ!1人みたいだ、口田やるぞ!」

 

「ぼ、ぼく戦闘は」

 

片方の男子はめっちゃうるさくて、黄色パツパツのスーツを着ている、こっちが砂藤か、ならあっちの声の小さいのが口田だな。

 

「かかってこい、ヴィランども!」

 

俺は両手を広げ構えながら走り出した。

 

ーーー飯田sideーーーー

 

蛮くんの演習がスタートした、ヴィラン組は核を最上階にセットし待ち受けるみたいだ。

蛮くん達はまるでそれがわかっているかのように階段を上っていくと、蛮くんのペアの芦戸さんが最上階一つ下の階で蛮くんと少し話し、奥の方へと移動していった。

 

蛮くんが1人で階段を上るとヴィラン組の2人が待ち受けていた。

蛮くんはそれを確認すると1人で突っ込んでいく。

 

「美堂少年は1人で戦うみたいだね」

 

オールマイトが呟き一瞬そちらを見たがすぐにモニターへと視線を戻す。

 

危ない!さすがに無茶だ!いくら蛮くんの個性が強かろうと蛮くんに自信があろうと1人でなんて、それに砂藤くんは確か増強系の個性、近接戦闘は不利だ!

 

そんな僕の心配は杞憂に終わった、蛮くんは2対1の状況をものともせず2人を圧倒していく。

先に蛮くんと対峙した砂藤くんを片手でつかみ横へ投げ飛ばすと次に来た口田くんをまた片手でつかみ持ち上げた、それを砂藤くんの方へと投げる。

砂藤くんはすぐに立ち上がりそれを避け、核と蛮くんの間に立つ、だが最初とは違い核からは離れた位置に立っていた。

それを見た蛮くんは少し笑い右手を上げて、人差し指と中指を立て、クイクイと動かし挑発する、砂藤くんがそれにイライラしたように走りお互いに手でつかみ合う形に。

増強系の個性を持つ砂藤くんの方が有利のはずなのに手を掴まれた砂藤くんは苦しそうな声を出す。

蛮くんは「へっ」とまた笑い

 

「こんなもんか!増強系の個性ってのは!」

 

と声を出していた。

砂藤くんも負けじと力を込めている様だが蛮くんには叶わずまた持ち上げられてしまう。

蛮くんは今度は砂藤くんを、投げずに床へと叩きつけた。

『バン!!!』というすごい音と共に蛮くんたちが立っていた床は崩れる。その時

 

「ヒーローチームウィーーーーーン!!!」

 

オールマイトの大きな声がモニタールームに響いた。

よく見ると核に芦戸さんが触れていたのだ。

そうしてこの演習は蛮くんたちの圧勝で幕を閉じた。

蛮くん、君の個性は一体なんなんだい?

 

ーーー蛮sideーーーー

 

俺が砂藤を床へと叩きつけたタイミングで反対側から三奈ちゃんが登ってくる、ちゃんと反対側に行けたみたいだな。

 

「ヒーローチームウィーーーーーン!!!」

 

オールマイトのでかい声と共に俺たちの勝利が決定した。

やはり個性を使うまでもなかったか、まぁ少しは楽しめたけどな。

 

「講評をするから4人はモニタールームへ来てくれ」

 

オールマイトの声を聞き4人でモニタールームへと向かう。

 

「蛮くんすごいね!2人相手に勝っちゃうなんて!砂藤くんを持ち上げてたみたいだし増強系の個性?」

 

「さーな?」

 

「教えてくれてもいいのにーー!」

 

三奈ちゃんと話すとすぐにモニタールームへと着いた。

 

「それじゃあ講評だ!今戦のベストは美堂少年だな!わかるものはいるかい?!というかまぁわかりきったことだねハハハ」

 

みな驚きもせずに当然という反応だな、まぁ当然だけどな。

 

「ちなみに今回の作戦を考えたのはどちらなんだい?」

 

オールマイトの質問に三奈ちゃんが答える。

 

「蛮くんです!私は蛮くんの指示通りに動いただけですよ!」

 

「やはりそーか!美堂少年は強いだけじゃなく頭も働くんだな!」

 

「これにて演習は終わりだ」

 

オールマイトの言葉を聞き、俺たちの組が最後だったのでみな戻る準備を始める。

 

「と言いたいが、美堂少年、君個性使ってないだろ」




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戦闘訓練 後

来週忙しいので次の更新いつかわからないっす…


「と言いたいが、美堂少年、君個性使ってないだろ」

 

「「「「「はぁぁぁぁぁ!!」」」」」

 

オールマイトの言葉にみな声を出して驚く。

 

「個性を使ってない!?」

 

「増強系の砂藤より力があったのに!?」

 

「それであんなに強いのかよ!」

 

誰が喋ってたかはわからなかったがでかい声で喋るやつが多いな。

 

「相澤くんに言われてね、美堂少年が個性を使わなかったら使うを条件に加えてもう1戦やらせろと」

 

「まじかよ、相手はどーすんだ?」

 

「こちらから言い出したことだしね、美堂少年が決めていいぞ!」

 

オールマイトに言われ少し考える、どーせやるなら強い奴らがいいな。

 

「それってペアも新しくしていいのか?」

 

「あ、ああ構わないぞ!」

 

「ならそこの2色頭と八百万で」

 

「「「「…」」」」

 

「2色頭ってのは俺のことか?美堂」

 

俺の言葉にみんな静まり、2色頭が話しかけてきた。

 

「ああ、名前がわかんねーからな」

 

「俺の名前は轟焦凍だ、二度とそのふざけた呼び方するんじゃねーぞ」

 

「あいよ」

 

どーやら轟は少し怒ってるみたいだな、まぁ知ったこっちゃないが。

 

「どーしてその2人なんだい?」

 

オールマイトが聞いてくる。

 

「どーせやるなら強いやつがいいだろ?確かその2人推薦入学だよな?」

 

「そーか、わかった!八百万くんと轟少年お願いしてもいいかな?」

 

「分かりましたわ」「りょーかいっす」

 

2人はオールマイトに声をかけられ演習場へと向かう、俺もあとに続いて向かう。

 

「美堂少年!ペアはどーする?あとどちら側だい?」

 

「1人でいいよ、ヒーロー側だ」

 

オールマイトに話しかけられるが背中を向けたまま返事をして歩き出す。

 

「おい美堂」

 

「あ?」

 

歩いていると前にいる轟から声をかけられる。

 

「お前の個性がどんなか知らねーが、調子に乗るなよ、悪いが一瞬で終わる」

 

「おーおー、こわい、まぁどーせ勝てねーからせいぜい頑張れ」

 

俺は立ち止まり振り返る轟の肩に手を置きながらそういい歩いて通り過ぎる。

 

少し歩くと演習場につき、轟と八百万が先に入り準備をする。

 

5分程まちオールマイトのスタートの声を聞き俺はゆっくり歩き出した。

 

ーーーーモニタールームsideーーーー

 

「先生、美堂ちゃんの個性はなんなんですか?ケロン」

 

「それは始まってから説明しよう!」

 

「それではスタート!」

 

オールマイトが蛙水梅雨の質問に答えスタートの声を出す。

モニターに写る蛮は静かに歩き出し、建物の中へと入っていった。

蛮が建物に入るとすぐにブザーのようなものがなり建物全体が凍りつく。

 

「やっぱ轟の個性やべーな!これじゃあ美堂もどーすることもできねーよ!」

 

轟の個性を見て赤い髪の少年切島鋭児郎はその大きい声をモニタールームに響かせる。

モニタールームで見ている誰もがヴィランチームの勝利を確信した。

だがモニターには凍りついた床を手で掴むように砕きまた歩き出す蛮が映っていた。

 

「うひょー、氷砕いちゃったよ、ほんとにあれで増強系じゃねーの?」

 

金髪の少年上鳴電気が少し驚きながら声を出す、それに続いて何名かも増強系じゃないのか?違うならあの力は?と話していた。

 

「美堂少年の個性は増強系ではないよ、それに身体能力に個性は何も関係ない」

 

何度も増強系ではないと聞いていてもその言葉にみな驚く、今目にした力も個性把握テストでの驚異的な記録も全て個性ではない、つまり自力ということだ、人間が個性もなしにあんなことが出来るのか?とみな疑問に思う。

 

オールマイトは画面に映る蛮を見ながら考えた。

 

(美堂少年の個性はとても強い、それにその個性に慢心せず努力を続けたゆえあんな身体能力を手に入れたのだろう、一旦いつからどんな特訓をしているんだ、美堂少年は)

 

みなが話て居ると演習場では蛮と轟、八百万が対峙していた。

 

ーーーー轟sideーーーー

 

「おい美堂、氷どーした?」

 

俺はまさか美堂がここまで来るとは思っておらず驚きながら話しかける。

 

「氷?そんなもんこーしたよ」

 

美堂は話しながら横の柱に手を置きその柱を掴むように砕く、その力に俺も八百万も目を見開き驚く。

 

「お前本当に増強系の個性じゃねーのか?」

 

「何度も言ってるだろちげーよ」

 

美堂は俺の言葉に呆れたように返事をする。

 

「それにもー俺の勝ちだ」

 

そう呟く美堂の目を見て俺と八百万は萎縮され後ろに1歩下がってしまう、それを見た美堂は姿勢を低くし走り出す、それに合わせ、八百万が作戦通りに網を打ち出す、美堂の少し左側に打ち出すことによって美堂はこちら側、つまり俺の正面へと飛んでくる。

俺はそれに合わせて核に影響が出ない程度に正面に見える全てを凍らせる。

 

「いくら氷を砕く力があろうと体が動かせなきゃ意味ねーだろ」

 

そう言いながら氷を発生させ、その氷により美堂は全身を凍らされ、まるで氷の彫刻のように固る。

 

「これで俺たちの勝ちだ」

 

俺は勝利を確信し安心したのか少し笑みを浮かべた。

 

 

 

「ジャスト1分だ、いい悪夢(ゆめ)見れたかよ」

 

その言葉を聞き、俺と八百万の視界に映る全ての物がガラスがわれたように砕け散る。

後ろを向くと核に右手を当てながら、左手でサングラスを軽く持ち上げ笑みを浮かべる美堂の姿があった。

 

「ヒーローチームウィーーーーーン!!!」

 

俺たちが美堂の姿を確認すると同時にオールマイトの声が建物中に響いた。

 

ーーーー1分前モニタールームーーー

 

「とうとう美堂と轟たちが正面衝突か!熱い展開だな!男だぜ!」

 

切島はモニターに映る蛮達を見て男だぜ!と声を大にして叫んでいた。

 

「蛮くんは轟くんの氷と八百万くんの創造に対しどー対処するのだろうか」

 

飯田が疑問を声に出してつぶやく、それに答えられるものはその場にオールマイト一人しかいなかった、だがオールマイトは黙ってモニターを見ていた。

 

轟と蛮が少し話をし蛮は柱を砕いていた、それを見た芦戸は「やっぱりすご」と呟いていた。

すると蛮は静かにまるで散歩でもするかのように歩き出す。

それに対し轟達は何もせずぼーっと立ったままだった。

蛮は二人の間を通り過ぎそのまま核へと手を付けるのだった。

 

「な、なに!どーゆーこと!なんで2人とも何もしないの!?」

 

「いったいなにがどーなってんだー?」

 

「2人まるで美堂を見てないみたい」

 

麗日、上鳴、耳郎と続けて声を出す。その疑問に答えるようにオールマイトは話し始めた。

 

「美堂少年の個性は邪眼、美堂少年は目を合わせた相手に1分間夢を見せることが出来るのだ」

 

「「「「はぁぁぁぁぁぁぁ!」」」」

 

「なんだその個性!強すぎるだろ!」

 

「夢!夢ってなに!何見せるの!」

 

「そんな強固性なんでさっき使わなかったんだ?」

 

瀬呂、芦戸、常闇と順に声を出す、何も言っていなくともみな驚いてるようだ。

爆豪ただ1人だけはモニターに映る蛮の事を親の仇かのように睨みつけていた。

 

「ジャスト1分だ、いい悪夢(ゆめ)見れたかよ」

 

モニターから蛮の声が聞こえ、みなそちらをむく、モニターには驚きながら振り返る轟、八百万と姿と笑みを浮かべる蛮の姿が映っていた。

 

「ヒーローチームウィーーーーーン!!!」

 

オールマイトがそれを見て大きな声で蛮の勝利を宣言する。

 

 

ーーーー蛮sideーーーー

 

俺はオールマイトの声を聞き静かに歩き出す、轟を通り過ぎた頃急に肩を掴まれた。

 

「お、おいまて美堂!お前俺たちに何をした!」

 

いつも冷静な轟が俺の肩を掴みながら怒っているような焦っているような雰囲気で話しかけてくる。

 

「俺の個性は目が合った相手に1分間悪夢を見せる個性だ、お前らが見ていたのは夢だったんだよ」

 

「あれが夢?」

 

轟の後ろでまだ状況が掴めていなかったのか立ち尽くしていた八百万が小さく声を出す。

 

「じゃあ俺は先戻るぜ」

 

俺は轟の手を振り払いながら歩き出す、後ろの2人は立ち尽くしたままだった。

 

 

「おつかれさん!緑谷少年以外は大きな怪我もなし!しかし真剣に取り組んだ!初めての訓練にしちゃみんな上出来だったぜ!」

 

俺と轟、八百万がみんなのところに戻り、オールマイトが話し始めた。

 

「相澤先生の後でこんな真っ当な授業、なんか拍子抜けというか…」

 

とカエルのような女子が呟く、それに合わせみんなうんうんと頷いていた。

 

「真っ当な授業もまた私たちの自由さ!

それじゃあ私は緑谷少年に講評を聞かせねば!着替えて教室にお戻りー!!!」

 

と言葉がその場に残る速さでオールマイトは走り出した、オールマイトめっちゃ足速いな。

 

「オールマイトすっげ!」

 

「なんであんなに急いで」

 

「かっけぇ」

 

誰が言ってたかはわからないがかっこいいのか?あれ、まぁ戻りますかね。

それぞれ今日のことを話ながら教室へと歩き出した。




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UA5000、お気に入り100いきそうです!
ほんとにこんな駄作読んでくださりありがとうございます!


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特訓

ちょうどいいタイミングわかんなくて全部のせちゃいました
めっちゃ長いですが、許してください


みなコスチュームから制服へと着替え次の授業を受ける、子犬くんがいないが、天哉から聞いた話怪我したらしいからな、まぁどーでもいいが。

 

授業も終わり帰ろうとしたが天哉に呼び止められる。

 

「これからクラスのみんなでさっきの反省会をするんだ、蛮くんも一緒にしないかい?」

 

「あ?あぁいいぜ」

 

天哉に誘われ俺も残って反省会をすることに、クラスの大半のやつが残り話すみたいだ。

 

「おい美堂!増強系の個性じゃないのになんだあの力は!」

 

最初に声をかけてきたのは最初の相手だった砂藤とか言うやつだった、こいつ図体も声をデケーな。

 

「トレーニングの成果だよ」

 

「どんなトレーニングだよ!俺増強系の個性なのに力負けして立つ瀬ねーよ」

 

「はは、もっとトレーニングして力つけろ、まぁどんなに頑張っても俺には勝てねーよ」

 

「いや次は負けん!もっと鍛えるぜ!」

 

砂藤はそう会い残すと違うやつらの所へと向かっていった。

やっぱあいつ脳筋だな、てかここのヤツら素直すぎないか?

 

『ガラガラガラ』

 

ドアが開き子犬くんがコスチューム姿のまま入ってきた、右手の怪我はひでーみてーだな。

 

「おー緑谷きたー!おつかれー!いやー、何喋ってるか分かんなかったけど熱かったぜー!おめー!」

 

「あの爆豪と互角に渡り合うなんてなー!」

 

「よく避けたよ!」

 

「1戦目であんなのやられたから俺らも力入っちまったぜ!」

 

赤髪のうるせーやつと、醤油顔と、三奈ちゃんと砂藤が子犬くんに声をかけていた、あいつらほんと元気だな。

 

「おれは切島鋭児郎!今みんなで訓練の反省会してたんだ!」

 

「俺瀬呂範太!」

 

「私芦戸三奈!よく避けたよー!」

 

「蛙吹梅雨よ!梅雨ちゃんと呼んで!」

 

「俺砂藤!!」

 

赤髪のやつは切島で醤油顔が瀬呂ね、名前くらいは覚えとくか。

カエルのような女子が蛙水か、名前に蛙って入ってるの面白いな。

急に自己紹介された子犬くんは「あのー、そのー」と困ってんなコミュ障かよ。

 

「おいらは峰田ー!」

 

小さいのも増えてさらに騒々しくなったな、そろそろ帰ろーかね。

 

「常闇くん!机は腰掛けじゃないぞ!今すぐやめよう!」

 

天哉が机に座ってるやつに注意してるな、あいつまじで真面目だな。

てかあの座ってるやつすごい頭だな、カラス?マスクでも被ってんのか?あれ

 

「いいじゃんそのくらい」

 

「てかなにその手」

 

その場にいた耳郎としっぽのあるやつに弄られてるな、どんまい天哉。

 

「君たちぃー、偉大な先輩たちが使用してきた机を蔑ろにする行為を看過することはできない!」

 

あらら、天哉さらに熱くなってるよ、てかなんだあの手めっちゃ動くな。

 

「騒々しい」

 

「その辺にしてやってくれこいつは根っからの真面目なんだよ」

 

さすがに可哀想に思えたから俺は天哉を庇うように声をかける。

 

「あ、美堂」

 

「よー、耳郎、お前の個性すごいな」

 

「そ、そう?ありがとう」

 

耳郎褒められたのが嬉しかったのか、照れたように下を向いた、長い耳が赤くなってやがる、かわいいやつだな。

 

「てか!私の個性よりあんたの個性!何よ夢見せるって強すぎじゃない!」

 

「そーか?まぁ俺天才だしな」

 

「なによそれ」

 

俺の言葉に耳郎は呆れたような声を出す。

 

『ガラガラガラ』

 

「なぁ麗日、今度飯行かね?何好きなん」

 

「んー、お餅、あ、あれ?デクくん怪我治して貰えなかったの!?」

 

後ろのドアから明日用の教材を運んできた金髪と麗日が入ってくる。

デートのお誘いをしたがデクの方へと向かう麗日に金髪は少し不満そうだ。

 

麗日が加わりさらに騒々しくなる一同、子犬くんは爆豪のことを聞き教室から走って出ていった。

面白そうだしちょっと見に行ってみるかね。

 

廊下の窓から外を見ると帰る爆豪に話しかける子犬くん、爆豪はめっちゃ不機嫌そうだな。

 

「あぁん?」

 

爆豪の威圧的な態度に子犬くんは息を飲んでるな。

 

「これだけは君には言わなきゃいけないと思って、僕の個性は人から授かったものなんだ」

 

「あぁ?」

 

「誰からは絶対言えない!言わない、でもコミックみたいな話だけど本当で、おまけにまだろくに扱えもしなくて、全然ものにできてない仮物で、だから、使わず君に勝とうとした、けど、結局勝てなくてそれに頼った」

 

子犬くんは必死に言葉を選んで話してるな、爆豪はそんな子犬くんにイライラしてる、ほんとわかりやすいやつ。

 

「僕はまだまだでだから、だから、いつかこの個性をちゃんと自分のものにして、僕の力で君を超えるよ!」

 

すごいな、ぷるぷると震える子犬くんが前向きな発言をしてる、かっこいい所あるじゃねーか。

 

「はっ」

 

振り返って睨む爆豪に気づいてビビってやがる、やっぱあいつは子犬くんだな。

 

「なんだそりゃ、仮物?訳分かんねーこと言って、これ以上コケにしてどーするつもりだ、あぁ!だからなんだ!今日俺はてめーに負けた、そんだけだろがそんだけ!氷のやつや、うに頭のこと見て、かなわねーんじゃって思っちまった!くそっ!ポニーテルのやつ言うことに納得しちまった!くっそ!くっそくそ!、ああ!てめーもだでく!こっからだ!おれはこっから!いいか!おれはここで1番になってやる!!」

 

爆豪は今まで負けたことがなく、自分より上だと思ったやつがいなかったんだろーな、そして今日初めて敵わない、俺より上だと挫折したんだな、お前はすげーよ、挫折したのにその言葉が出せるお前は。

 

「俺は憧れる男を見ることにでしか上を見れねーのによ」

 

俺の呟きは誰にも聞かれることなく消えていった。

 

「俺に勝つなんて二度とねーからな!クソが!」

 

爆豪は涙を浮かべる表情を見られたくないのか、すぐに振り返り歩き出した。

子犬くんはほっとしたのか、安心の表情だな。

 

「いぃぃぃぃぃたぁぁぁぁぁあ!!!

ばく!ごう!少年!」

 

急に飛び出してきたオールマイトが走りながら爆豪に追いつき肩を掴んで話し出した。

 

「言っとくけど自尊心てのは大事なもんだ、君は間違いなくプロになれる能力を持っている!君はまだまだこれからー」

 

「離してくれよオールマイト、歩けねー」

 

オールマイトの言葉を遮るように話す爆豪、涙を見られたくないのか目を袖で擦りながらオールマイトの方をむく。

 

「言われなくても俺はあんたをも超えるヒーローになる」

 

「あっ、うん」

 

オールマイトが手を離すとゆっくりと歩き出す爆豪、オールマイト、来るのが遅かったな、あんためっちゃおもしれー。

 

そろそろ帰るかと荷物を取りに教室に戻る、そこにはもうみんなおらず帰ったようだ。

荷物を取り教室を出て靴を履き替え歩き出す。

 

「なぁ美堂!」

 

「んあ?」

 

下駄箱を出るとすぐに声をかけられる、そこには赤髪のうるせーやつ、切島がいた。

 

「お前の個性すごいな」

 

「あ?あー、天才だからな」

 

「個性でもないのにあの身体能力もすげー」

 

「まぁ、俺天才だからな」

 

「きっとすげートレーニングしたんだよな」

 

こいつ俺の話聞いてるか?、まぁ話くらい聞いてやるか。

 

「それで?」

 

「俺の個性は硬化っていって、体を硬くすることが出来るんだ、正直個性把握テストとか無理だと思った、自分に出来ることは人の前に立って盾になるくらいしかないって思ってる、だけど美堂は個性とは関係なくそんなにすげー身体能力をもってる、正直憧れた、お前みたいな男になりてーと思った」

 

こいつでかい声以外も出せるんだな、それにしても硬化、シンプルだがふつーにつえー個性だな。

 

「こんなこと急に言われても困ると思う、図々しいお願いだと思う、だけど頼む美堂!俺を鍛えてくれ!」

 

「あ?俺が鍛えなくてもお前の個性なら大丈夫だろ、それに俺と違ってお前は体の性質を変える個性、俺の鍛え方とは違うだろ」

 

「それはわかってる、俺も筋トレとかトレーニングは今までもしてきた、けどそれだけじゃダメなんだ、俺にも美堂みたいなどんな状況でも自分の最大限を発揮できるような、そんな男になりてーんだ!!」

 

こいつ、すげーな、同級生にここまで頼み込むなんてな、プライドとかそんなことよりも、もっと上に行きてー、もっと強くなりてー、そんな思いが伝わってくる。

 

「しょーがねーな、俺で良ければ鍛えてやるよ、早速今日からやるか」

 

「ほ、ほんとか!ありがとうな美堂!、ってえ今日から?」

 

「思い立ったが吉日だよ、さっそくグラウンドでもいいから借りに行くぞ」

 

「お、おう!!」

 

切島を連れ下駄箱に戻る、下駄箱には耳郎が立っていた。

 

「耳郎まだいたのか、帰り気をつけろよ」

 

「お!耳郎じゃねーか!じゃあまた明日な!」

 

「ちょっと待って!!!」

 

靴を履き替えた俺と切島に耳郎が後ろから声をかける。

 

「どーした?耳郎」

 

「うちも一緒に特訓?させてくれないかな!うちも今日の美堂を見てすごいと思った!個性は関係ないのにすごい身体能力だし、すごい作戦もすぐに思いついてたし!私も美堂みたいになりたい!自分の個性はこれだから出来ることはこれしかないって自分に決めつけてた自分を、そんな自分をもう無くしたい!」

 

耳郎も自分の気持ちをぶつけてきた、なんだコイツらいいじゃねーか。

 

「まかせろ、天才の俺がお前らを鍛えてやるよ」

 

「ほ、ほんとに!ありがとう!」

 

「あぁ、そーゆー熱いの好きだぜ」

 

「す、すき!?いいからそーゆーの!」

 

俺の言葉に照れる耳郎、こいつ褒められたりとか慣れてねーんだな。

 

「耳郎もやるか!一緒にがんばろーぜ!」

 

グラウンドを借りるために3人で職員室へと向かう。

 

「相澤先生!グラウンド借りれたりしますか?」

 

俺が話しかけるとめんどくさい事になるから、代わりに切島に話をさせる。

あいざわのやつ口の利き方とかめっちゃうるせーからな。

 

「は?今からか?どーした急に」

 

「いや、今日の反省を踏まえて特訓をしたいなと」

 

「その心意気は認めるが、ダメに決まってんだろ」

 

「なんでっすか!」

 

「まず生徒だけで使わせるわけがねーだろ、誰か引率してくれる先生はいるのか?」

 

「そ、それはいないっすけど、じゃ、じゃあ相澤先生引率してくださいよ!」

 

「俺も暇じゃねーんだよ」

 

「お願いします!」

 

「うちからもお願いします!」

 

相澤話を聞いて焦る切島、それに続いて耳郎も頭を下げる、はぁ、しかたねー

 

「相澤先生、こんなに熱意をもってやる気を出す生徒に手を貸さないなんて、教師としてどーなんですかね、それに本人にやる気があるんだそんなのを邪魔するなんて合理的じゃないっすよ」

 

俺もちゃんとした敬語?で相澤に話しかける、まぁこいつらがこんなにやりてーって言ってるからな、この位はしてやるか。

 

「美堂、お前もいたのか、はぁ、しょーがねーな今やってる仕事片付けたら行くから先グラウンド行ってろ」

 

「「あ、ありがとうございます!!」」

 

「さんきゅーな」

 

「おい美堂、口の利き方気をつけろよ」

 

許可を得た俺たちはグラウンドへ向かって歩き出す、体操着へと着替え外に出る。

 

「それじゃあまずお前らの個性教えてくれ」

 

「俺の個性はさっきも言ったが硬化だ!とにかく体を硬くできる!」

 

「うちの個性はイヤホンジャック、音の衝撃波を出したり、どっか刺せば音を聞いたりできる」

 

「2人ともいい個性じゃねーか、まぁ俺ほどじゃねーがな」

 

「お前の個性がおかしいんだよ!」

 

「はは、でだ、まずどーなりてーのか想像しろ」

 

「「え、想像?」」

 

「あぁ想像だ、こーなりたい、あーなりたいそーゆーもんがなきゃ今自分が何をすればいいのかわからねーだろ」

 

俺の言葉を聞き2人は少しのあいだ考えていた、先に話し始めたのは切島だった。

 

「俺はみんなを守りてー、それはヒーローになりたい理由だ、どんな凶悪なヴィランからでも、どんな災害からもみんなを守りてー、みんなが傷つくくらいならその傷全て俺が受けてやる!」

 

「そりゃその個性の力を1番発揮出来ることだな、ならそーなるために今のお前に何が足りない?」

 

「今の俺に足りないこと、個性の硬さもまだまだ足りない、だけど、今の俺に1番足りないことは速さだ!どれだけ硬くなれても、その場にいなきゃ何も出来ねー!だからどんな相手でもみんなの前に立てる速さが欲しい!」

 

「速さか、そりゃ必要だな、じゃあどーすれば速くなれるよ」

 

「どーすればって、足が速くなるしかねーんじゃねーか?」

 

「確かに足が速いのも速さだな、天哉の個性だったり俺だったり速いってのはその速さもある、だが、早くなる方法はもう1つある」

 

「なんだよ!それ以外の早くなる方法って!」

 

「判断の早さだよ」

 

「判断?」

 

「あぁ、判断だ、例えばだがヴィランが今攻めてきたとする、そしたら誰だってビックリするだろ?そして驚いて判断が遅くなり立ち止まる、そんなやつと冷静に状況を捉えらヴィランがどこから来てるのかを判断し俺たちの前に立つ、驚いて立ち止まってる者とすぐに判断できる者とどちらの方が速い?」

 

「それは、すぐに判断できたやつだ」

 

「そう、速さってのは足の速さっていう物理的な速さだけじゃない、冷静な判断をし1歩でも速く動けるやつも速いんだ」

 

「わかった気がするぜ!なら俺に今1番必要なものはどんな時でも冷静に判断できる判断力だ!」

 

「あぁ、そーだな」

 

切島は脳筋でバカだが、アホじゃない、判断の仕方や冷静さ、そんなもんを教えりゃすぐに出来るようになるだろう。

 

「それともう1つだな」

 

「ん?もう1つ?」

 

「あぁ、切島お前、走る時どー走る」

 

「走る時って言われてもな、急にそんなこと言われてもわかんねーわ」

 

「走る時に1歩の力を意識してみろ、そーすりゃ足も速くなる、それと常に考えろ、考えることが判断の早さにも関わってくる」

 

「あぁ!わかった!」

 

切島は俺の言葉を聞き、走り出した、今までの素早く次の足を出す走り方ではなく、1歩1歩に力を込めてより歩幅が大きくなる走り方だ、ぶつぶつと何かを言っているのは考えているんだろうな。

 

「次、うちいいかな?」

 

切島に説明し追えると、耳郎が手を挙げて話しかけてきた。

 

「あぁ、なんだ?」

 

「うちは個性を使う時にどうしても無防備になる、立ち止まったりして、そんな所がなくせれば強くなれるきがする」

 

「あぁいいんじゃねーか?」

 

「それにうちが無防備になると一緒にいる人まで危険に晒すことになる、だからうちは自分1人でそんな無防備を晒さないようになりたい」

 

「切島にもいったが、そのためにはどーする?」

 

「そのためにうちは、もっと強くなりたい!強くっていうのはその、相手の隙を付けるような、相手に隙を作らせるようなそんな強さ、そのための戦い方を教えて欲しい」

 

「いいじゃねーか、じゃあまず戦闘の基本からだな」

 

「戦闘の基本?」

 

「戦闘中に隙ができるのはどんな時だと思う」

 

「それは、さっき切島に言ってたやつ、驚いたりして動けないやつ」

 

「そう、それも隙のひとつだ、そしてもうひとつダメージを食らった時だな」

 

「ダメージ?」

 

「あぁ、どんなやつだって良い1発を食らえば隙を晒すもんさ」

 

「なら、うちは個性の力じゃなく戦えるようにならないといけない」

 

「あぁ、だから戦い方ってもんを教えてやるよ」

 

俺はそう言いながら耳郎の前2メートル程の距離に移動する

 

「さぁかかってこい、俺に1発入れてみろ」

 

「え!?スパーリングってこと??」

 

「俺も武術ができる訳じゃねー、なら実践あるのみだ」

 

「わかった!いくよ!!」

 

耳郎は俺の言葉を聞き、殴りかかってくる。

まず顔目掛けて右のストレート、容赦ねーなと思いながら俺はそれを右へと避ける。

そして俺は無防備な耳郎の側面から頭にチョップを入れる。

 

「痛!?このー!!!」

 

痛がる耳郎だが直ぐに切りかえまた殴りかかってくる。

俺は避けながらアドバイスを入れる。

 

「そんな大ぶり当たんねーよ!小さくてもいいから当てることを意識しろ!」

 

俺の声を聞き、耳郎は大ぶりのパンチをやめジャブの様な小さなパンチに切り替える。

本気で避けていない俺はこれには少し当たる、俺がわざとよろけた所に耳郎は大きく振りかぶったパンチを放つ、だが俺はそれを受け止める。

 

「あとな、女のお前の力じゃ男に抑えられて終わりだ、人間ってのは殴るより蹴りの方が力が出るんだよ、チャンスと思ったら殴るより蹴りこんでこい」

 

元々センスがいいのか、俺のアドバイスを聞いた耳郎はどんどんと攻撃を当てれるようになる、本気ではないとはいえ、始めたばかりにしてはずこいなこいつ。

 

「よし、1回終わりだ、おい切島!」

 

「なんだ?どーした!」

 

疲れが見え始めた耳郎を1度止め、切島を呼ぶ。

 

「お前もスパーリングすんぞ、これが一番判断の速さへと繋がると思うぜ」

 

「りょーかいした!」

 

「お前は硬くなれるからな、俺からも軽く攻撃するから、その時は避けるか硬くなるかしろ」

 

「わかったぜ!それじぁーいくぜ!!!」

 

そうして切島ともスパーリングを始める。

疲れが見え始めたら交代しスパーリングする、お互い休憩の時は見ることによって気づくこともあるようで、休憩前と後では違いがわかるほどだ。

途中から相澤もきて、休憩中は相澤にアドバイスを求めていた、相澤も2人の熱意が伝わったのか普段の覇気のなさと違い熱くなっていた。

 

「よし、結構やったし今日はこれくらいだな」

 

「はぁはぁはぁ、ありがとうな美堂」

 

「最後にお前らにいいものを見せてやるよ」

 

「いいもの?」

 

俺の言葉に耳郎が疑問をぶつける、2人がこちらを見たタイミングで邪眼を使う。

 

切島と耳郎の前には突然恐竜を擬人化したような大柄なヴィランが現れる、一瞬驚く2人だが、すぐに判断し切島は前へ耳郎はイヤホンジャックを地面に刺し索敵する。

ヴィランが殴りかかってくるが切島はそれを個性を使い受けきる、そこに耳郎が飛び出し、無防備なヴィランにイヤホンジャックを刺し爆音を体内に流す。

ヴィランは一瞬膨らんだようになり、そのまま気を失う。

 

「ジャスト1分だ、いい夢見れたかよ」

 

切島と耳郎の視界がガラスが割れたように砕け散る、目の前に笑みを浮かべながらたつを俺を見て驚いているようだ。

立ち尽くす切島の頭にチョップを入れる。

 

「いた!?何すんだよ!」

 

「今驚いて思考停止してたろ」

 

「あ、たしかに、くっそ!むずいな!」

 

「今のがあんたの邪眼?」

 

切島は自分が考えをやめていたことに気が付き悔しがる。

 

「あぁそーだ」

 

「夢だなんて全然気づかなかった」

 

耳郎は俺の個性に驚いているようだ。

 

「お前ら今急にヴィランが現れてもすぐに動けたな?、さっきまでのお前らにそんなこと出来たか?」

 

「絶対無理だったと思う」

 

「あぁ、俺も無理だ絶対驚いて固まっちまう」

 

「意識しただけでこんだけ変わるんだぜ?これから特訓し続けりゃもっと強くなれる、俺を頼ったんだ強くしてやるよ」

 

2人は俺の言葉を聞き、これからなりたい自分を改めて見つめ直し、覚悟を決めた表情になる。

 

そんな俺たちの掛け合いを見ていた相澤は何か考えているみたいだな。

 

「じゃあ、今日はこれくらいだな帰るぞ」

 

「おう!ありがとうな!、相澤先生もありがとうございました!」

 

「急に頼んだのにありがとうございました!」

 

相澤にお礼を言う2人、相澤は考えて聞いていなかったのか「あぁ」と生返事だけだ。

 

ーーーー相澤sideーーーー

 

俺はこの男を見くびっていたのかも知れない、この美堂蛮という男は口も悪くいつだって人を舐めた態度をとりやがる。

だが今こいつはクラスメイトに頼られ、そいつらを鍛えるために協力している。

個性を使いさっきまでの自分たちとの違いを教え、モチベーションの維持までしている。

こいつは俺が思うほど悪いやつでもないのかもしれないと考えるほどだ。




誤字脱字などありましたらすいません
書きだめ無くなったんで更新遅くなるかもっす、すいません


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過去

1週間?も空いてすいません…
駄文すぎてやばいっすね



「それじゃあ、母さん今日は遅刻の連絡たのむわ」

 

「そっか、今日は命日だもんね、わかったわ!」

 

「おう、それじゃいってくる」

 

今日は俺の大切な人の命日だ、毎年決まってこの日は学校に遅刻しあいつの墓に向かう。

 

電車を乗り継ぎ俺が昔住んでいた街に着く、特に何も無いふつーの街だ、都会と言うほど発展しておらず、田舎というほど何も無い訳でもない。

電車をおりた俺は途中の花屋で花束を買い墓場に向かう、歩きながら昔のことを思い出していた。

 

 

「今日から転校してきました!宇佐美耳です!よろしくお願いします!」

 

初めて見たあいつはとても活発そうな女の子だった、頭にはうさぎの耳があり、どこかうさぎを思わせるようだった。

 

「それじゃあ宇佐美さんの席は窓側の1番後ろね!美堂くん!色々教えてあげて」

 

「あぁ」

 

窓側の後から2番目に座っていた俺の後ろの席が宇佐美の席だった。

 

「私宇佐美 耳!耳って呼んで!君は?」

 

「おれは美堂蛮」

 

「じゃあ蛮くんだね!これからよろしくね!」

 

そう言いながら手を突き出してくる宇佐美、俺はそれを少し照れながら握り返した。

 

それから宇佐美は俺に色々聞いてきた、特に用事もない俺は相手をしていた。

 

「ねー蛮くんそこの誰?」

 

そう声をかけてくるのは隣のクラスで俺の幼馴染の渡我 被身子だ。

 

「今日からきた転校生だ」

 

「ふぅーん、私渡我 被身子!被身子って呼んで!」

 

一瞬真顔になる渡我だが、すぐに笑顔を作り宇佐美に握手を求める。

 

「私宇佐美耳!私は耳でいいよ!よろしくね!」

 

笑顔で握手をする2人はとても微笑ましい雰囲気だが、俺は渡我の笑顔が少し気になった。

 

俺はその頃から学校の後にひたすらトレーニングをしていて、渡我はそんな俺を毎日毎日見に来ていた。

2人で帰る俺たちに宇佐美は私も一緒に帰ると着いてきた、これからトレーニングをすることを伝えると面白そうと宇佐美も着いてくることに。

 

それからというもの、今まで2人で過ごしていた所が3人になった。

宇佐美はいつも楽しそうに、俺は特に変わることもなく過ごす、この時の俺は少しづつ変化する渡我に気づくことが出来ていなかった。

 

宇佐美が転校してきてから1ヶ月ほど経ったある日、いつも通り3人で過ごしている俺たちのところに不審な男があらわれた。

 

「君が宇佐美ちゃん?ネットで見たんだぁ、君が僕みたいなおじさんと遊んでくれるって」

 

太っていて油っこく清潔感のないその不審な男は宇佐美に近づきながら話しかける。

 

「え、な、何の話ですか?」

 

急なことにびっくりした宇佐美は近づいてくるおっさんを怖がりながら後ずさりしていた。

さすがに見てられなくなり間に入る。

 

「あんた誰だよおっさん、通報すんぞ?」

 

急に前に立った俺に驚くおっさん、通報という言葉にまずいと思ったのか慌てて帰っていった。

 

「なんだったんだよあれ」

 

「もしかしてこれじゃない?」

 

俺の独り言の疑問に渡我が携帯を見せながら答える、そこには宇佐美の顔写真と共にお金くれたらなんでもします!一瞬に遊びましょう!の言葉が。

それをみて宇佐美もビックリしている、一体誰がこんなイタズラをと当時の俺は軽い気持ちで受け止めていた。

 

だが次の日帰り道で宇佐美は学校に忘れ物をしたと1人で取りに戻る、俺と渡我は先にいつもの場所に向かうと伝え歩き出す。

いつまで経っても宇佐美が来ずさすがに心配になった俺は宇佐美を探しに学校に戻る。

下駄箱には上履きではなく靴が置いてある、まだ教室にいるのかなにやってんだと思いながら俺は教室に向かった。

教室に着いた俺はドアを開ける、するとそこには腕と足を縛られ服を破られた宇佐美とそれを取り囲む覆面の男が3人いた。

俺はあまりのことに驚き一瞬動きが止まる。

 

「お、おい!見られたらやべーだろ!」

 

「お、おう!あいつも縛ろう!」

 

覆面の男たちは俺に見られたことがまずいと思ったのか慌てて俺を取り押さえに向かってくる。

俺は宇佐美のことはただいつもいるやつ程度にしか思っていなかった。

俺がトレーニングするのを見ながら、俺と話してるだけで楽しそうな変なやつ、そんな風にしか思っていないと思っていた。

だが俺はいつもトレーニングする俺に付き合ってくれ、こんな俺と話してるだげで楽しそうな宇佐美が気に入っていたみたいだ。

人と遊ばない俺には友達ができない、あの男に追いつくためだから仕方がないことだと切り捨てていたことだが、どうやら俺は友達が欲しかったみたいだ。

なぜこの時宇佐美が気に入っていたことに気づいたのか、それはこんな状態の宇佐美を見て俺はとても切れていたからだ。

 

向かってくる覆面の男たち、何も考えていないのか1人づつ並んで向かってくる、俺はそれを一人ずつ相手した。

まず1人目は向かってくる頭を手で掴む、そのまま力を込めると『メキメキ』と音が鳴る。

 

「い、いてぇぇぇぇ」

 

あの男に憧れ目指しトレーニングをしていた俺はこの頃から中々の握力があった、俺は掴んだ男を横に投げ捨て次のやつに向かって走る。

りょうてをひろげ掴もうとしてくる男にタイミングを合わせ飛び上がる、走る勢いと飛んだ勢いをのせ顔面に右足の回し蹴りを入れる、男はそのまま気を失った。

次の男はそれをみて一瞬怯む、俺はそのすきに駆け寄りパンチを腹に数発入れる、「グハッ」と男の口から空気が漏れ膝を着く。

俺はちょうどいい高さに来た頭を掴み顔面に膝蹴りを入れ気絶させる。

 

「油断しなたな!ガキがァ!」

 

最初の男が後ろから飛びかかってくるが、俺は気づいておりタイミングよく後ろ回し蹴りをいれ、その男もそれで気を失った。

 

「大丈夫か?宇佐美」

 

「ば、ばんくん…」

 

宇佐美は突然にことに驚いていた、先程までの恐怖もありまだ体は震えていた。

俺は宇佐美の服が破られていることを思い出し、着ていたTシャツを脱ぎ宇佐美に被せた。

 

「汗臭いのは許してくれ」

 

宇佐美は被せられた服をつかみながら泣き始めた。

 

「ばんくん、怖かったよ」

 

だがまだ安心できていないのか小さく震えている、こんなことがあったのだ仕方ないだろう。

腕と足を縛っていたロープを解く、すると宇佐美は俺に抱きつきさらに泣き始わめた。

 

「ばんくん、ありがとう…」

 

俺はそのままの状態で宇佐美を安心させるため頭を撫で続けた。

ドアから覗く人物に気づくことなく…




お気に入り200弱
UA10000弱ありがとうございます!
誤字脱字ありましたらすいません


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過去

更新遅くてすいません…
自分の文才の無さに涙しそうです


宇佐美が落ち着いたら警察とヒーローを呼ぶ、すぐに駆けつけてもらい、宇佐美は警察が1度警察署に連れていった。

 

「このヴィランたちは君が?」

 

駆けつけたヒーローに話しかけられる、金髪でムキムキなヒーローだ

 

「ああ」

 

「そーか、君はすごいな!でも戦う前にヒーローに連絡入れような!」

 

ヒーローは終始笑顔で話しかけてきた。

 

俺も事情聴取のため警察と少し話し家まで送ってもらった。警察が親に今回のことを話、親には少し怒られながらもよくやったと褒めて貰えた。

その日の夜、宇佐美が両親と共にうちに来た。宇佐美の両親にとても感謝され、宇佐美本人にも再度感謝された。

次の日は土曜日で学校が休みの2日間宇佐美には会わなかった。

おれはいつもの場所でトレーニングをし、渡我もいつも通りに来ていた。

渡我に昨日のことを話すとそんなことがあったのか、と言っていたがそんなには驚いていなかった。

 

月曜日から学校が始まる、俺が学校に向かおうとすると宇佐美の両親と宇佐美本人が朝からうちに来ていた。

どうやら宇佐美がまだ1人で外を歩くのが怖いらしく学校まで一緒に行って欲しいそうだ、帰りも出来れば家まで送って欲しいと。

宇佐美の両親は共働きのようで俺ならば信頼出来ると頼ってくれたようだ。

俺が了承すると宇佐美の両親は仕事に向かった。

 

「蛮くんありがとう」

 

「きにすんなこんくらい」

 

「手繋いでもいいかな?怖くて」

 

横を見ると宇佐美は小さく震えていた、特に近くを大人の男が通る時は反対側に行くほどだ。あんなことがあったのだからしょうがないと思い、手くらいなら繋ぐぞと伝える。

 

「ありがとう!」

 

嬉しそうに俺の手を繋ぐ宇佐美、それで震えも収まったようだ。

 

「蛮くんあのさ!私の事耳って呼んでくれない?」

 

「あぁ別にいいぞ」

 

そんな会話をするとすぐに学校に着いた、学校の正門には俺を待っていたのか渡我が立っていた。

俺を見つけて笑顔で手を振る渡我だが俺と耳が手を繋ぐのを見ると一瞬表情が無くなった、だがすぐに笑顔に戻り話しかけてきた。

 

「おはよう!蛮くん!耳ちゃん!」

 

「おはよう! 被身子ちゃん!」

 

耳は渡我を見ると笑顔になり楽しそうだ、耳はさっきの渡我の表情に気づいていないようだった。

それからは俺が朝晩と耳を家まで送り、俺が耳と呼ぶようになったこと以外は特に変化もなく今まで通りの日常のつもりだった。

俺は耳と渡我の変化に気づけていなかった。

 

あんな事件があった日から1ヶ月ほど経った、耳はあれから俺がいないと震えて動けないようになってしまった。

両親がいる家にいる間は大丈夫だが、そーじゃない時は基本俺がいないと不安なようだ。

だがそんな耳も渡我と2人になっても安心できるようで俺がトレーニングしている時に2人で遊びに行くようになった。

今日は土曜日で耳は両親と出かけると言っていた、渡我も今日は来ておらず1人でトレーニングをしていた。

 

『ブーブーブー』

 

ベンチにおいてあった俺の携帯が鳴り出した、携帯なんていらないと言っていたのだが、あの事件のことがあって親も不安になったのか携帯を持っていろと渡された。

俺の携帯にある連絡先は親と耳と渡我の4人だけ、メールのようで携帯には宇佐美耳の文字が。

 

【蛮くん!急にごめんね!お母さんとお父さんと出かける予定が急に無くなっちゃって今から会えない?できれば家まで来て欲しいな!】

 

メールを確認すると俺は歩き出した、両親は共働きと言っていたからどちらかもしくは両方が急な仕事でも入ったのだろう。

ここに来るにしても耳を1人には出来ないから耳を迎えに耳の家に向かった。

 

「ピンポーン」

 

耳の家に着きインターホンを押す、しばらくすると

 

「はーい!あ、蛮くん?入ってきて大丈夫だよ!私の部屋に来て!」

 

インターホンから聞こえる耳の声を確認し家に入る、ドアを開けると玄関から左側に階段があり登ったすぐの所に耳の部屋がある。

耳の部屋に入ると耳はこちらを向いて座っていた。

 

「蛮くん!急に呼んでごめんね?」

 

そういう耳の表情はとても笑顔だ、笑顔なのだがどこか違和感があった。

耳のはいつも笑顔だ、どんな事でも楽しみどんな事でも嬉しそうにする、心から幸せを感じているようなそんな笑顔。

だが今の笑顔は仮面のような、耳の顔をした別人のような感じがした。

 

「おまえだれだ?」

 

俺はそう口に出していた、俺の言葉を聞くと耳から表情が無くなった。

 

「私ね、蛮くんが好きなんだ、いつもトレーニングでボロボロになって、怪我をして血を流してる、そんな蛮くんがとっても綺麗でとっても好きなの」

 

そういうと耳はまるで溶けた蝋燭の様にドロドロに変わる、そのドロドロがまた人の形になる、そこには裸の渡我がいた。

 

「そんな蛮くんになりたいなって私思ったの、蛮くんの血ってどんな味するのかなって!でもねなんか、耳ちゃんと蛮くんが仲良くなって、耳ちゃんに蛮くんを取られちゃうって思ったの!蛮くんは私の物なのに!私が蛮くんになるのに!私だけの蛮くんなのに!だから私耳ちゃんが邪魔だなって思ったの、蛮くんも耳ちゃんが好きみたいだし!だってそうでしょ、私の方が前から蛮くんのことが好きで私の方が前から蛮くんと一緒に居たのに蛮くんは私のこと被身子なんて呼んでくれたことない!なのに耳ちゃんは蛮くんに耳ちゃんって呼ばれてそんなのずるいじゃん!だから私耳ちゃんになるって決めたんだ!変だよね蛮くんが好きだから蛮くんになりたいのに蛮くんが好きだから蛮くんの好きな耳ちゃんになりたいって思ったんだ」

 

俺は渡我が何を言っているのか全くわからなかった、普段あまり喋らない渡我の勢いに押されたのか、渡我という人間がわからなくなった。

 

「耳はどーした?渡我」

 

「耳ちゃん?耳ちゃんなんてどーでもいいじゃん?それに今日から私が耳ちゃんになるの、だから耳ちゃんなんて忘れよ?でも蛮くんは私のこと被身子って呼んでね?」

 

俺は渡我の言葉を聞いて下の階に走り出した、リビングのドアを開けると鉄のような匂いが鼻を襲う。

リビングは血だらけで、そこには首から血を流し全身切り傷だらけの耳の両親が倒れていた。

 

「蛮くんに見られちゃった、なんか恥ずかしいな私まだ殺すの下手だから」

 

俺を追いかけてきた渡我は、照れながらそんなことを言っていた、だが俺の頭に渡我の言葉は入らず、耳を探していた。

 

両親の死体の少し奥にあるソファに耳はの頭が見えた。

 

「耳、大丈夫か?」

 

後ろから声をかけるが耳は反応しない。

 

「おい!耳!」

 

俺は叫びながらソファの前に回る、座っていた耳は首から血を流し、目をつぶっていた。

 

「耳、起きてくれ」

 

耳の方を揺する、だが耳が目を開けることはなかった。

 

「なにしてるの?それもう死んでるよ?」

 

渡我はそんな俺に話しかける、渡我の方へ振り返ると笑顔の渡我がいた。

 

「……、お前が耳を殺したんだよな」

 

「そーだよ?だって私の蛮くんを私から奪おうとするんだもん!」

 

プンプンと言いながら渡我が言う。

 

「渡我ぁぁぁぁぁぁ」

 

俺は気づくと渡我に向かって走る、俺は渡我を殺すつもりだった、鍛えた握力で渡我の頭を握り潰してやろうと。

 

「蛮くんから来てくれるなんて嬉しい!でも怒る蛮くんもかっこいいけどまだ足りないよ」

 

駆け寄る俺に渡我はタイミングよくナイフを俺の肩に突き刺す、どこからナイフを出したのか、いつ動いたのかも俺にはわからなかった。

 

「私も少し戦う練習したんだ!私相手の不意をついたりが得意みたい!どーお蛮くん!すごい?」

 

肩を刺されたじろぐ俺に渡我は笑顔で話しかける、もう一本ナイフを出し俺に斬りかかってくる。

 

俺は避けきることができず、どんどん傷が増えていく。

 

「やっぱり蛮くんはすごいね!いつもはすぐに殺せるのに蛮くんは全然殺せないよ!それにやっぱり血だらけの蛮くんは綺麗だね」

 

俺に斬りかかりながら渡我は楽しそうにまるで遊んでいるように話しかける、今の俺に答える余裕はなかった。

 

「むぅー、無視しないでよ蛮くん!」

 

渡我はそんな俺が気に入らないのか一旦距離をおく、満身創痍の俺と渡我は目が合う、すると渡我は照れる。

 

「蛮くん本当に綺麗だね、私やっぱり蛮くんになりたいな」

 

そう言い放ちナイフを構えながら斬りかかってくる。

 

『ピーポーピーポー』

 

それと同時にパトカーのサイレンが聞こえてきた、誰かが通報したのか、偶然通ったのかは分からないがその音を聞き渡我は斬りかかってくるのをやめた。

 

「邪魔が来ちゃった、今はまだ捕まりたくないししょーがないか」

 

渡我はナイフをしまうとリビングから出ていこうとする。

 

「まて!」

 

俺はそんな渡我に叫ぶ、今の俺に何が出来る訳でもないだが俺は耳を殺したこいつを許せない、逃がす訳にはいかない。

 

「蛮くん私がいなくなるの嫌なの?でもごめんね今は行かなきゃ、だからまたね?」

 

笑顔で手を振り渡我は去っていった、追いかけようとするが肩の傷が痛み一瞬目を離す、すると渡我はもうそこにはいなかった。

渡我がいなくなってすぐに警察が入ってくる、リビングに入ってくるとすぐに俺のところに来た。

 

「きみ!大丈夫かい?何があったんだい?」

 

警察の言葉を聴きながら、痛みが限界なのか俺は気を失った。

 

その後目を覚ますと俺は病院のベッドの上に寝ていた、横には母さんがいて俺の目が覚めたのを確認すると涙を流していた。

 

その後警察の事情聴取を受け、渡我はヴィランとして認められた。

母さんは俺が心配なのか、この街を離れることが決まり今の家へと引っ越した。

そんなことがあってから4年、俺は今でもこうして命日には墓参りをしている。

 

墓場に着いた俺は線香をあげて、花を供えた。

 

「耳1年ぶりだな、俺も今年で高校生だよ、俺はお前が死んじまった日からヒーローになることを決めたんだ、だから今は雄英に通ってるよ」

 

手を合わせながら話しかける、耳は死んでいなかったら今どんな高校生活を送っているのかそんなことを考えながら。

 

「じゃあ、今日も学校だからそろそろ行くわ」

 

最後に墓に声をかけ立ち上がり歩き出す。

 

「久しぶりですね!蛮くん!」

 

懐かしい声に驚き振り返ると、小学生の姿のままの耳がそこにいた。

 

「何の用だ渡我、殺すぞ」

 

「あはは!怖いなぁーでもそんな怒ってる蛮くんもかぁわいい!」

 

耳の姿をした渡我に俺は怒りを向ける。

 

「4年ぶりくらいですかね?会いたかったよ蛮くん!」

 

渡我は耳の姿のまま笑顔で話しかけてくる、俺はそんな渡我を今にも殺そうとする目で睨む。

 

「でも今日は残念ながら挨拶だけでなんですシュン」

 

俺は渡我の一挙一動にイライラする、こいつが生きているだけで俺はどうにかなりそうだ。

 

「ではでは!蛮くん!またね」

 

強い風が吹き前髪が視界を遮る、その瞬間まるで最初から何もいなかったかのように渡我の姿が消える。

俺は舌打ちを1回して歩き出す、学校に向かって。

 




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