夏休み、グループ課題で僕の部屋を訪れた結城明日奈と桐ヶ谷直葉 (黒胡椒サラミ)
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①(明日奈・直葉)

 日本中を騒がせた「SAO事件」。僕は、その被害者の一人だった。僕は特に名のあるプレイヤーじゃなかったけど、事件の終息まで何とか生き残り、現実世界に帰還することができた。そしてその後、事件の被害者を集めた高校に通い直すことになった。

 僕だけが「違う時間」を過ごしていたせいで、家族の仲はギクシャクし、それを解消するためにも、僕は自分から頼み込んで、アパートで独り暮らしをすることになった。

 灰色の高校生活の始まりである。

 ゲーム内でも「モブ」扱いだった俺は、きっと現実世界でもモブのままだ。普通のレールから外れ、前途の希望も見いだせない。そうやって鬱々としたまま、卒業までの日々を過ごし、卒業後も生きていかなければならない。

 ある日まで、僕はそう思っていた。

 

「す、直葉ちゃん……! めっちゃ締まるよ……! 直葉ちゃんのマンコヤバ過ぎ……! 締まり過ぎてチンポ折れる……!」

「――あっ♡ あっ♡あっ♡あっ♡ んあっ♡ 先輩っ、やめてくださいっ! あっ♡」

「なんでだよ! 直葉ちゃんも乗り気だったろ⁉ ほら、もっと突いてやるからさ! もっと感じて!」

「――んぐぅっ♡ んっ♡あっ♡あっ♡あっ♡ こ、これダメっ♡ 先輩に後ろからパンパンされてっ♡ おマンコビリビリしてるっ♡ ダメっ♡ ダメダメダメっ♡ イっ♡ あっ♡ んぅ~~~~~~っ!!??♡♡♡♡」

「う、あああっ! 吸われる……!! 出る、出すぞ直葉!! ――オっ!!!!」

「あっ♡ ああ……。出されちゃってる……先輩のおチンチン、あたしのナカでドクドクってしてる……」

 

 彼女は愕然とした表情で呟いたが、俺は彼女の膣内に精液を吐き出すことに夢中だった。

 真夏のある日、クーラーの性能も追いつかない、うだるような酷暑の中で、僕は下の学年の女子生徒――桐ヶ谷直葉を犯していた。

 僕に四つん這いにされた直葉は、学生服を着たままだ。でも、その上着ははだけていて、めくりあげられたブラの下から、彼女の年齢には似合わない豊満なおっぱいが丸出しになっている。スカートもお尻の上までめくられていて、露わになった白いショーツの隙間から、女性器までもが見えていた。そして、そのピンク色のマンコの中に、僕はガチガチに勃起したチンポを突っ込んでいた。

 ここは僕が一人暮らしをしている部屋である。ベッドの他には、勉強机と小さい本棚、カーペットの上の四角いテーブルしか置いていない。テレビすらないのは、あの事件以来、電子機器が少しだけトラウマになっていたからだ。

 そんな何もない部屋にいるのは、僕と、直葉と、そしてもう一人。

 

「はぁ……、はぁ……、はぁ……――んぅっ♡ 直葉ちゃんまで、セックスされちゃった……」

 

 僕と同い年の、栗色の髪の美少女、結城明日奈である。壁に寄りかかるように座っている明日奈の髪と着衣は少し乱れていて、脱げかかったショーツが右足首に引っかかっている。彼女のマンコからドロドロと流れ出ているのは、さっき僕が吐き出した精液だ。

 僕は今日この部屋で、明日奈と直葉という二人の美少女を犯した。生のチンポでマンコを好き放題に耕して、膣内射精までしてしまった。正直言って、腰が抜けそうなくらい気持ち良かった。

 でも、僕らがこうなってしまったのに、大層な理由なんてない。発端は、少し前にさかのぼる。

 

「君は一人暮らしなんだよね? じゃあ、君の部屋で集合しよっか」

「えっ……でもそんな、いいの結城さん」

「うん、もちろん。そっちのほうが、邪魔が入らなくて集中できるでしょ?」

 

 学校でそんな会話があった。

 夏休みのグループ課題を、どこでやろうかという相談の最中だった。結城明日奈は、図書館とかではなく、僕の部屋を集合場所に決めてしまった。

 

「直葉ちゃんも、それでいいよね?」

 

 僕らのグループには、僕と結城明日奈の他に、下級生の桐ケ谷直葉がいた。学年をまたいだグループ課題というのも変な感じだけど、この学校は、事件の影響で年齢通りの学年にはいない生徒も多いし、生徒たちへのカウンセリングも重視しているから、多様なコミュニケーション機会を図るためという名目で、こういう特殊な活動を行うこともあった。

 結城明日奈と桐ヶ谷直葉のことを、僕はこの学校に入る前から知っていた。例のゲームの中で。

 モブ同然だった僕とは違い、彼女たちは二人とも、他のプレイヤーたちに一目置かれるような実力の持ち主だった。僕が知らない事件の核心にも、ある程度触れてきたようだ。そんな「ヒロイン格」の彼女たちのことを、僕は遠目に何度か見たことがあった。

 結城明日奈が僕の部屋で課題を行おうと提案した時、僕の頭には、彼女たちと関連するある人物の顔がよぎった。桐ヶ谷和人。彼女たちがあのゲームのヒロインなら、まさに「主人公」だったヤツである。現実世界でも、桐ヶ谷和人は桐ヶ谷直葉の義理の兄で、結城明日奈とも付き合っていることを、僕は知っていた。恵まれているくせに、それを分かっていないようなスカしたヤツだ。正直、桐ヶ谷和人に対して、僕は良い印象を持っていなかった。それが、単なる「モブ」の「主人公」に対する嫉妬であったとしても。

 

「結城さん……、明日奈……、もう一回するよ。まだまだチンポおさまんないからさ」

「あ……♡ や……♡」

「ほら、お尻向けて。直葉みたいにバックで犯してあげる」

「ダメ……! もうダメだよ、○○君。やめて……!」

「どうして? セックス誘ってきたのは明日奈だろ? せっかくだから、細かいこと考えないで楽しもうよ。ほら、逃げないで。ああ、やっぱりマンコグズグズじゃん。挿れるよ?」

「ンっ……♡ ああ……っ♡」

「うあ……明日奈のマンコも締まる……! チンポ入れて腰振るの気持ち良すぎだろ……!」

「んっ♡ あっ♡あっ♡あっ♡あっ♡あっ♡」

 

 その桐ヶ谷和人のヒロインたちと、僕がどうしてこういうことになっているかというと、それは僕にも良く分からなかった。

 彼女たちが僕の部屋に来たのは、今日で三回目だ。夏休み中盤に入り、グループ課題も完成に近づいていた。結城明日奈が、僕をからかうようなことを言ってきたのは、三度も訪れた部屋ということで、無意識の緊張が解けていたからかもしれない。

 

 ○○君って、彼女はいるの?

 

 始まりは、その一言だった。振り返ってみれば何でもない台詞だ。

 

 いないの? じゃあ、直葉ちゃんはどう?

 ――え? わたしですか?

 

 明日奈の悪ノリは、直葉にも飛び火した。直葉はすぐに可能性を否定するようなことを言い、それでその話は終わりになったように見えたけど、部屋には妙な空気が流れた。そして、その妙な空気のまま、僕らは課題をやり終えた。

 僕が流し台のほうに移動して冷蔵庫を漁っていたのは、冷たい飲み物とお菓子でも振舞って、せめて僕なりに二人をねぎらおうと思ったからだ。それに気をとられていたせいで、僕は明日奈と直葉が、ベッドの下に隠してあった「ある物」を、偶然発見したことに気付かなかった。

 

 これって、エッチな本だよね。

 

 そう言った明日奈と直葉が見ている物に気付いて、僕は危うく、手に持ったマグカップを落としかけた。男の生理現象だから仕方ない。電子機器が苦手な僕は、こんな時代でも紙の本を使っていた。

 

 ○○君って、こういう女の子が好きなんだ。

 

 それはまさに、僕が頻繁に「使用」している女優のページだった。髪の質感や顔立ちの雰囲気が大幅に劣化しているとはいえ、その女優は結城明日奈に似ていた。バクバクと心臓が跳ねる中、僕は立ち尽くしたまま、明日奈と直葉の声を聴いていた。

 

 男の子って、こういうのを見てするの?

 

 桐ヶ谷和人という恋人を持っているゆえの余裕か、それとも「義理の妹」である直葉に、大人ぶったところを見せたかったのか。その時の明日奈の心理は、今となってはどうでもいい。話の流れは、それからどんどんと不可思議な方向に向かっていって、気付けば僕は、明日奈と二人に挟まれて座り、三人でエッチな本を眺めるという奇妙な状況に陥っていた。

 クーラーは故障気味で、部屋の中は暑かった。明日奈も直葉も汗ばんでいて、身体からは良い匂いが漂ってきていた。たまに僕に囁きかけてくる明日奈と、固唾をのんだようにエロ本を眺める直葉。僕の理性が崩壊したのは、どのタイミングだったかすらも覚えていない。

 気付けば、僕は明日奈の身体をまさぐっていて、そのまま強引に彼女を犯した。僕をからかった負い目が働いたのか、明日奈の抵抗はやけに弱く、剣道の有段者である直葉も、あまりの出来事に何もできず固まっていた。

 それからは、さっきの通りだ。僕は明日奈を犯した直後、放心状態になっていた直葉も犯し、その胎内に精液を吐き出してやった。今は、明日奈を二回目に犯している最中だ。

 

「あっ♡ んっ♡あっ♡ ああっ♡ やめっ♡ もうっ♡ んっ――♡ くぅ~~~~っ♡♡♡」

「またイッた? やっぱり処女じゃなかったんだね、明日奈。桐ヶ谷と僕と、どっちがいい?」

 

 一線を踏み外して「キレて」しまった僕は、童貞を失ったばかりだっていうのに、妙に強気で明日奈を責めていた。どうせこんな人生なら、なるようになれ、せめて気持ちのいいほうを選ぼう。そんな感じで、むしろ晴れやかな、余計なものから解放されたような気分だった。

 

「――ああ、明日奈のマンコ、やっぱりすごい……っ! オナニーと全然違う……! こうやってチンポ締めつけるの、桐ヶ谷に仕込まれたの? ああ、そんな顔しないでいいよ。ほら、高校生なんだからこれくらい普通さ。一回二回他のヤツとセックスしたって、浮気になんかならないよ」

 

 僕は四つん這いにした明日奈の腰を掴み、半笑いで自分の腰を振りながら、適当に喋っていた。これまでそれなりに真面目に生きて来たほうだけど、こっちのほうが全然いいなと思った。今までどちらかと言えば嫌いだったチャラい系の奴らなんかも、こんな気持ちだったのかもしれない。

 

「あっ♡ いっ♡うっ♡ あ゛ーっ♡ あ゛ーっ♡」

「ははっ、明日奈もノッてきたね! 僕のチンポそんなにイイ? ここが弱い感じなんだろ? もっと突いてあげるよ」

「らめっ♡ そこやめっ♡ ――う゛っ♡ あ゛っ♡」

「直葉、見てごらん。チンポ突っ込まれて、明日奈は気持ち良さそうだろ? せっかくヤっちゃったんだから、君も楽しもうよ」

「あ、明日奈さん……」

 

 直葉は、僕に乱される明日奈を恐れの目で見ていたけど、その瞳の奥に、隠しきれない情欲の炎みたいなものが宿っていることを、僕は見逃さなかった。なんだかんだ言って、僕らはみんな思春期のオスとメスだ。溢れる性欲には逆らえない。

 

「ちょっと待ってて。今もう一回明日奈に出すから――――うっ!!!! ……ああ~…………ドクドク出る……ヤッバいくらい射精してるよ……」

「あっ♡ うっ♡ イっ♡ ~~~~~っっ♡♡♡♡」

「ああ……イキマンコ痙攣してる……! チンポ絞られる……! ああ……」

 

 腰をグリグリと押し付けて明日奈の中に出し切ると、僕は彼女からチンポを引き抜き、直葉のほうを向いた。そして、できるだけ軽い調子で直葉を誘った。

 

「ほら直葉、暑いだろ? 僕も脱ぐからさ、君も脱いで」

「え……え……?」

「ほらほら」

 

 僕は無造作に制服を脱ぎ捨てると、直葉の背後に回って、着崩れた彼女の制服も脱がせにかかった。彼女のシャツのボタンを外し、ブラを脱がせながら、下級生とは思えない大きさのおっぱいを、手のひら全体で円を描くように揉みしだく。

 

「やっぱ直葉の胸はおっきいね。何センチ?」

「え……? ええ……? あ……っ♡」

「もう一回セックスしよっか、ほら、ベッドに寝て」

 

 実は僕にはヤリチンの才能があったのかもしれない。なし崩し的に女の子を言いくるめるタイミングを、僕は何となく掴んでいた。混乱している直葉をベッドまで移動させると、彼女のスカートとショーツも脱がせてしまう。黒いソックスだけを残して、直葉は全裸になった。そして、直葉の重力に負けないハリのあるおっぱいを堪能しながら、僕は彼女にも二回目の中出しをすべく、ガチガチのままのチンポをマンコに突っ込んだ。

 

「あっっ♡♡ はぁんっ――♡♡ 先輩のが、また――っ♡♡」

「うああ……ヌルっヌルだぁ……。これって僕のザーメンだけじゃないよね? 明日奈がヤられちゃってる間、直葉も期待してたんだろ?」

「ち、ちが――あっ♡♡♡」

「違わない違わない。素直になって、セックス楽しもうよ」

 

 その言葉通り、僕はこの二人とのセックスを楽しんでいた。このあとにどうなるかなんて知らない。適当に誤魔化して言いくるめようと思うけど、彼女たちが僕を訴える可能性だってある。明日奈の彼氏で直葉の兄である桐ヶ谷が知れば、それこそ大激怒だろう。でも、そんなことも僕には関係なかった。

 

「あ゛~~~っ♡♡ お゛っ♡♡ あ゛~~~~~っ♡♡♡」

「直葉もイってるね! 滅茶苦茶トロ顔になってるよ! じゃあもう一発出すから! ――ううっ!!!!」

 

 僕のチンポは気持ち良くなれているし、何だかんだ彼女たちだって気持ち良さそうだ。だから、別にこれで良いじゃないかと思った。

 僕はそのあとも、日が沈み始めるくらいまでの時間、金タマの中が文字通り空になるまで、明日奈と直葉を犯し続けた。

 

「はあ……はあ……はあ……。あ~~、ヤッたぁ……」

「ハァっ♡ ハァっ♡ ハァっ♡ ハァっ♡」

「――ンぅっ♡ はっ♡ はっ♡ はっ♡」

 

 中も外も僕の精液でドロドロに穢された明日奈と直葉は、カーペットの上であおむけになり、荒い呼吸に胸を上下させている。僕はその二人のあいだに、自分の両腕を左右の裸体に乗っけるように倒れ込んで、大きく深呼吸した。

 

「二人とも、ありがとうね。滅茶苦茶気持ち良かったよ……」

 

 僕は彼女たちに心の底から感謝しつつ、心地よいまどろみに身を任せていた。

 

 

 

 

 

 

 

==

 

 そして、あれから一週間経った。今のところ、僕の部屋には警察は来ていない。逮捕されても別にいいやと思っていたのに、なんだか拍子抜けした気分だ。僕が唯一持っている電子機器のスマホにも、悪いことを知らせる電話とかはかかってきていない。

 

「ん……?」

 

 でも、まさに今、そのスマホが細かく震えた。

 このスマホは、最低限の連絡にしか使っていない。連絡先を知っている人間も、ほぼいない。親も僕には連絡をよこさないから、これは普通なら鳴らないスマホのはずなのだ。僕が無表情にそれを手に取ると、SNSの通知が二つ来ていた。

 そう言えば、学校の課題をやるために、彼女たちとはSNSでもグループを作っていた。二つのアカウントから、ほぼ同時に届いたメッセージは、奇しくもほとんど同じ内容だった。

 

 もう一度、部屋に行ってもいいですか。

 

「……ああ、もちろん」

 

 僕は薄ら笑いを浮かべて、そのメッセージに返信した。



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②(明日奈)

 僕が勢いに任せて結城明日奈と桐ケ谷直葉を犯してしまってから、しばらく経った。理性も良識もぶん投げてする、人の彼女と人の義妹とのセックスは、腰が溶けそうなくらい気持ち良かった。そして、それは明日奈と直葉も僕と同様だったらしい。彼女たちと僕の関係は、今も続いている。

 僕はアパートで一人暮らしなのをいいことに、彼女たちを部屋に連れ込んで、夏休みのあいだ中、隙あらばヤリまくっていた。

 

「――んぃ゛っ♡ あ゛っ♡ お゛おおっっ♡♡♡」

「ああ……! 明日奈のマンコめっちゃ締め付けてくる……! チンポ奥に挿れっぱなしでグリグリされるの、そんなにイイ?」

「――ん゛っ♡♡ お゛っ♡♡ ――ひぐっ♡♡」

 

 今日は直葉はおらず、明日奈だけが部屋に来ている。僕はクーラーが壊れた蒸し暑い部屋のベッドの上で、汗だくになりながら明日奈と繋がっていた。明日奈も僕も全裸である。仰向けになった僕の上に、明日奈も仰向けになって乗っかっている。その明日奈のマンコには、僕の勃起チンポが深々と突き刺さっていた。

 僕はチンポを挿入しながらも、激しいピストンを行うことなく、せいぜい腰をゆるゆると動かす程度に留めていた。そうして、明日奈の裸体のすべすべむっちりとした肌触りと、その心地よい重みを感じながら、彼女のマンコに僕自身のカタチを教え込み、身体でこの感覚を憶えこませようとしていたのだ。

 

「明日奈のマンコ、挿れるたびに僕のチンポに馴染んでくよ? ぎゅうぎゅうに絞ってきて……浮気チンポそんなにハマった? 桐ケ谷は、まだ僕らの関係に気付いてないの?」

「――んぅっ♡ か、和人くんのことは、言わないでよ……」

 

 既にイキまくって朦朧とし、情けない喘ぎ声を漏らすだけになっていた明日奈が、その名前を聞いただけで正気を取り戻し、抗議するような声色で僕に言った。

 

「あなたには、無理やりセックスされただけなんだから……」

 

 この体勢では見えないけど、きっと明日奈は、僕を睨むような眼をしているのだろう。それとも、歯を食いしばって涙をこらえているのだろうか。はいはいと、僕は心の中で適当に返事をした。確かに最初は無理やりだったかもしれないが、明日奈が今日ここに居るのは、彼女自身の意志だ。

 

「明日奈、別に君が桐ケ谷のことが好きで、僕のことが嫌いでもどうでもいいんだ」

「――んっ♡ あっ♡ ――それっ♡ ダメっ♡」

 

 僕は喋りながら、手をゆっくりと動かして、明日奈の乳首の先端をくすぐった。決して強い刺激を与えることなく、指の腹や手のひらを、乳首に触れるか触れないかのギリギリのところで移動させた。

 

「とにかくエッチして気持ち良くなれれば、僕も君も幸せだろ? じゃあそれでいいじゃないか」

 

 僕は明日奈をハメたけど、それで明日奈を桐ケ谷から奪って、自分の彼女にしてやろうなんていう気は持ち合わせていなかった。そういうのは面倒だ。とにかく、彼女のマンコにチンポを突っ込ませてもらえればそれでいい。僕にとって、彼女は高嶺の花。彼女にとっては、僕はただの同級生。そんな結城明日奈とセフレ関係になれたというだけで、僕は十分だった。

 僕は無駄話をやめて、腰と手の動きを段々と大きくしていく。もともと、単なるセックスフレンドである僕らが、行為の最中に言葉を交わすことは少ない。ただ、お互いのカラダに集中して、セックスで得られる快楽が最大限になるよう努力するだけだ。

 

「んんっ……はぁ……はぁ……っ♡」

 

 僕の上に乗っかっている明日奈の呼吸が、再び荒く、湿り気を帯びたものになっていく。僕と明日奈のカラダの相性は相当良いらしく、何だかんだ、明日奈も僕とのセックスにドはまりしていた。そうでなければ、自分から僕の部屋のドアを叩いたりはしない。

 僕にとっても、明日奈の肉体は最高としか言いようがない。ゲームのアバターはたいてい理想化されているものなのに、それを必要としない抜群のプロポーション。適度に胸があって、腰は細く、脚はすらっと長い。肌が恐ろしくきめ細やかで、触れている部分が吸い付いて溶けてしまいそうな錯覚すら覚える。単に抱き枕にしているだけでも一級品だった。

 そんな明日奈のおっぱいを好き放題に揉み、うなじや首筋に舌を這わせ、マンコにチンポを挿入することができているのだ。まさに夢見心地である。

 はじめてハメた時と違い、今はコンドーム越しのセックスだという点は少し不満だった。しかしこれも、僕ら二人が純粋にセックスの快楽だけを貪っているということの象徴のようで、逆に僕を興奮させる。その興奮で普段よりも二回りくらい大きくガチガチに勃起したチンポで、僕は明日奈の中をかき混ぜていく。

 

「はぁ……っ♡ んぅっ……♡ それっ♡ そこっ♡ ――あっ♡ あああっ♡」

 

 明日奈はどんどんと昂っていく。控えめだった声が大きくなり、普段の凛とした彼女の印象から大きく外れた、無節操で淫らなものに変わっていく。

 

「――ん゛っ♡ ううっ♡ お゛っ♡ あ゛っ♡」

 

 身体全体をのけ反らせ、手足を悶えくねらせて、大きな声で感じる明日奈。彼女はきっと、こういう下品な自分を、愛しの和人君の前では晒すことができないのだろう。そうして内側に溜め込んだ欲求不満を、彼女は僕の身体を使って解消しているのだ。

 

「明日奈、中がきゅ~ってしてきたよ。イキそうなんだね」

 

 僕は明日奈の耳元で囁いた。でも、明日奈は答えなかった。答える代わりに、犬のように舌を出してはぁはぁと呼吸しながら、シーツを手でぎゅっと握りしめた。僕は腰を浮かせ、亀頭をグリグリと明日奈の奥に押し付けるような動きをする。マンコのざわつきと締め付けが止まらない。

 

「――お゛っ♡♡ イ゛っ♡♡ ンぅ~~~っ♡♡ ~~~~~~っっ♡♡♡♡」

「出すよ、明日奈!! ――ううっ!!!!」

 

 明日奈が深くイったタイミングで、僕も自分の欲望を、彼女の中で解き放った。僕は明日奈の暴れる腰を、両腕で抱え込んで固定する。それでも跳ねる明日奈の下半身と一緒に、僕もガクンガクンと腰を震わせていた。

 

「あ゛ああっ♡♡♡ んおお゛っ♡♡♡ イッぐ♡♡♡ んイっ♡♡♡」

 

 同時イキのタイミングは完璧だった。熱い部屋で散々焦らしてからの絶頂は、重く長く続いた。二人で快感の泥沼に浸かっていると、これが浮気セックスだとかもどうでも良くなる。僕という存在がどろどろのぐちゃぐちゃに溶けて、同じく溶けた明日奈と混ざり合ってくような感じがする。

 イった瞬間に明日奈から発散されたフェロモンは、僕の鼻から入り込んで、頭をバカにしていく。自分の名前すらも思い出せず、ただ目の前のメスを貪るだけの動物になったような。自分という人間がひどく低俗で劣悪なものになったようで、それゆえに退廃的で心地いい。

 

「ふぅ……っ、ふぅ……っ、ふぅ……っ」

「はっ……♡ はっ……♡ はっ……♡ はっ……♡」

 

 思う存分イキまくると、僕らはベッドの上で折り重なったまま、両手両足を投げ出して放心状態に陥った。

 

「――ンっ♡♡」

 

 明日奈が余韻アクメして身体を震わせた拍子に、彼女の中からゴム付きチンポがズルリと抜けた。まだ硬く、ビィンと天井を向いたチンポの先に、「こぶ」のように膨らんだ精液溜まりがぶら下がっている。

 

「ふぅ……ふぅ……はぁ……」

「はぁ……はぁ……」

 

 お互いに呼吸が収まったあとも、僕らはそのまま、二十分くらいぼーっと天井を見ていた。

 

「シャワー、浴びないと……」

 

 気だるい声で明日奈がつぶやいた。彼女はまだ、仰向けで僕の上に乗っている。明日奈がそう言うのも無理はなく、僕らは全身汗まみれのベトベトだった。

 僕の部屋にもユニットバスくらいある。僕は言った。

 

「適当に使っていいよ」

「……分かったわ」

 

 明日奈はやっぱり気だるげだ。どうしようもない思春期の性衝動が収まって、彼女の頭を覆っているのは後悔だろうか。明日奈は僕の身体から降りると、ベッド脇に腰掛けた。僕は寝たまま彼女の身体に視線をやっていた。明日奈の汗で濡れた栗色の髪と、ベッドに手を突いて腰掛けた背中のラインが、とても綺麗だと思った。

 

「どうしてこの部屋、こんなに暑いの……?」

「ああ……窓が西向きだから……。クーラーも故障してるみたいだし」

「…………直さないと熱中症になるわよ?」

 

 セックスを終えたあとのセックスフレンドの会話というのは、なんて言うか微妙な感じだ。恋人同士みたいにベタベタとピロートークするのも変だし、距離感が難しい。明日奈は、彼女にしては低い声でぼそぼそと喋っている。僕の部屋は、日が傾いてきて西日が差し、余計に暑くなっていた。

 カーペットの上には、僕ら二人が着ていた服が、乱雑に脱ぎ散らかされている。それがまた、この部屋の退廃的な空気に拍車をかけていた。明日奈は性欲が昂ってどうしようもない時にここに来るから、彼女が部屋に入ったら、前置き無しですぐにセックスを始める。明日奈のスカートが玄関近くに落ちているのはそういう理由だ。

 

「水でシャワー浴びたらいいんじゃない?」

「クーラー直したほうが、絶対にいいでしょ……」

 

 明日奈は髪を一度かき上げてから立ちあがると、裸のままユニットバスのほうに行った。それからすぐに、僕の耳に水音が聞こえてくる。上半身を起こした僕は、窓の外を眺めたりしながらその水音を聞いていた。

 この音が止まれば、明日奈は服を着て家に帰る。たぶん明日あたりは桐ケ谷と会ったりして、普通にデートしたりもするんだろうか。

 

「…………」

 

 しばらくぼんやりとしてから、僕は立ち上がり、ユニットバスのほうへと歩いた。

 

「――いやっ! 今日はもう終わりだって――あっ♡ んぅうっ♡」

 

 水音に混じり、パンパンと肉を打ち付け合う音が響き始めたのは、それからすぐあとだ。

 

==

 

「はぁっ♡ はぁっ♡ はぁっ♡ はぁっ♡ ――イっ♡ んおっ♡ あっ♡あっ♡あっ♡あっ♡あっ♡」

 

 パン、パン、パン、パン、と。リズムをとるような音が、シャワー音と明日奈の喘ぎ声に混じって反響する。

 僕はぬるま湯くらいのシャワーを身体に浴びながら、バスルームの壁に明日奈の手を突かせ、立ちバックで彼女を犯していた。

 

「――ふ、深いぃっ♡ これっ♡ 奥に届いちゃって――あっ♡ んっ♡あっ♡あっ♡あっ♡あっ♡ 深いよぉ――っ♡♡」

 

 パン、パン、パン、パン、と。速すぎず遅すぎない一定のリズムで、まるでメトロノームのように腰を振る。明日奈のむっちりとしたお尻の肉を鷲掴みにし、新しいコンドームを装着したチンポを、彼女のナカで出し入れする。もとより、一発出したくらいで、目の前に極上のエサをぶら下げられた思春期の性欲が満足するはずがない。僕のチンポはガチガチで、ミチミチと締め付けてくる明日奈のマンコを、無理やり押し広げるように蹂躙していた。

 明日奈は僕のピストンにあわせ、抑えきれない喜悦の声を上げる。彼女もたぶん、すんなり帰してもらえるとは思っていなかっただろう。いや、むしろ、こうなることをどこかで予感し、期待していた。そうでなければ、狭いマンコの中をスムーズにチンポが出入りできるだけの潤滑油が、奥からこんなにも溢れてくるはずがない。

 安アパートのユニットバスにはつきものの、青いビニール製のちゃちなバスルームカーテンを閉めたことで、僕らは2立方メートルくらいの狭い空間の中に、疑似的に閉じ込もった。その中で反響する肉と肉がぶつかる音と、明日奈の喘ぎ声は、僕らの「犯している」、「犯されている」という実感をさらに増幅させていく。

 明日奈の背中にシャワーが降り注ぎ、背骨のくぼみに沿って、お尻にまで水が流れている。この体勢だと、すぼんだお尻の穴まで丸見えだ。僕はいたずら心を引かれて、その穴にそっと指を這わせてみた。

 

「――ひっ!?♡♡ ぐぅっ⁉♡♡」

「うあっ!?」

 

 明日奈の身体が強張って、マンコが思いっきり締まる。チンポが千切れるような気がして、僕は思わずうめき声を上げた。その拍子に、僕の親指の第一関節くらいが、明日奈の尻穴に滑り込む。

 

「――あ゛ぅうっ!?♡ んぎぃっ♡♡♡」

「やっば……何だこれ……! マンコが、さっきよりキツく……! で、出る……!!」

「あ゛おッ⁉♡♡ イっ♡♡ ――っ♡♡ ~~~~~っっ♡♡♡♡」

「や、ヤバ……! 搾り取られる……うっ!! ううう……!!」

 

 ドクドクとザーメンを吐き出していたところに、一段と強い刺激が肉竿に与えられ、そのまま次の射精を開始してしまったような感覚。オナニーでは得たことの無い、まったく未知の体験だった。頭がジンジンと痺れ、思考力が低下する。歯を食いしばった口の端から、ヨダレが垂れて浴槽の中に落ちていく。明日奈も、壁のタイルに爪が食い込みそうなくらい拳に力を籠め、足の指を丸まらせてアクメしまくっていた。

 そして、あまりに強い絶頂のせいで、足腰に力が入らなくなったためだろう。イキ終わった僕らは、同時にズルっと足を滑らせた。

 

「――きゃっ!」

「――うわっ!?」

 

 悲惨な転倒だけは何とか防いだものの、僕は狭い浴槽の底に尻もちをつき、明日奈の大きなお尻が、僕の下腹部のあたりをプレスした。そこにシャワーが降り注いで、僕らは二人とも頭から水をかぶる。僕は思いっきりむせてしまった。

 

「げほっ、げほっ! ――ごほっ」

「だ、大丈夫?」

「う、うん、なんとか」

 

 僕は顔を上げた。するとそこに、琥珀かトパーズを思わせる輝きが飛び込んできた。

 

「あ――」

「ほんとに大丈夫?」

 

 それは明日奈の瞳だった。彼女は心配するような顔で、至近距離から僕の顔を覗き込んでいる。ズルいくらいに整った顔が、すぐ目の前にあった。

 

「あ、ああ、大丈夫」

 

 僕はもう一度繰り返した。

 状況は変わっていない。浴槽の底に尻もちをついた僕の上に、明日奈が乗っかっている。僕が彼女を横向きにして抱っこするような体勢だ。倒れないよう咄嗟にしがみついたのだろう。明日奈の手は、僕の首の後ろに回されていた。

 

「……変なトコ、触ったよね」

「え?」

「私の……お尻の……あな」

「あ~っと」

 

 明日奈の顔が近い。ていうか、僕らの頭には、まだシャワーが降り注いでいる。それでも、僕は彼女から目を離せなかった。

 

「変なことするから、バチが当たったんじゃないの?」

 

 明日奈の桃色の唇が動く。そう言えば、セックスはしてもここには触れるなと彼女に厳命されている。そこだけは、桐ケ谷のものとして取っておきたいのだろうか。キスよりずっと取り返しのつかないことをしておいて、女子の心理というのは分からない。でも、そんな明日奈の唇から目を離せない僕も、彼女のことは言えないのかもしれない。

 

「……もう一回する気なの?」

 

 明日奈の唇が、また動いた。彼女のお尻には、そそり立った僕のチンポが押し付けられている。僕は何も言わなかったし、明日奈もそれで黙ってしまったが、お互いにその気になっていたのは、これで何度か肌を合わせた僕らには、良く分かっていた。

 ただし、僕のチンポにハマったコンドームは、さっきの連続射精でパンパンだ。僕はビニールカーテンの外に手を伸ばすと、洗面台の上に置いておいた予備を、手探りで手に取る。その時にシャワーを止めればよかったのに、そんなことは忘れていた。

 

「ア……っ♡」

 

 コンドームを付け治すと、狭い浴槽の中で明日奈が腰を浮かせ、僕のチンポに手を添えて、割れ目の中に飲み込んでいく。

 さっきよりもゆっくりとした動きで、お互いのカタチを感じるように、僕らは腰を揺らしはじめた。

 

 

 

 

 

==

 

「じゃあ……帰るね」

「うん」

 

 ユニットバスでのセックスが終わり、どうにかそこから脱出した時には、外はもう夜になっていた。服を整えた明日奈を、僕は玄関先まで見送った。

 友達の家に居ることにでもして泊まっていけばいいと言ったけど、明日奈はそこまで僕に気を許したわけではなかった。しかしまあ、それはそうだ。僕らはただのセックスフレンドなのだから。

 

「また来るときは連絡してよ。僕はいつでも空いてるから」

「…………」

 

 僕は適当な軽い調子でそう言った。

 明日奈は返事をしなかったけれど、振り返る前に、彼女は少しだけ頷いたように見えた。



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③(直葉)

「お兄ちゃんには、明日奈さんがいるし……」

 

 桐ヶ谷に隠れて僕とセックスしていることについて、どう思っているのか。桐ヶ谷の妹である直葉に聞いたら、彼女はそんなふうに答えた。直葉だって、明日奈がセフレとして、僕に抱かれていることを知っているはずなのに、その辺はどう考えているんだろうとは追求しなかった。大事なのは、直葉も僕とのセフレ関係を継続しているということだ。

 

「でもさぁ直葉、君がこれだけセックスにハマるなんて、お兄ちゃんが知ったら悲しむんじゃないの?」

「――あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡」

「って、聞いてないか。――うっ……! その腰遣い、すっごくイイよ……!」

「あっ♡ ああっ♡ あっ♡ あっ♡ あんっ♡」

 

 相変わらず、僕らがヤるのは僕の部屋の中でだ。

 僕はカーペットの上に仰向けに寝っ転がっていて、その上に直葉が跨り、騎乗位で腰を振っている。明日奈も直葉も僕のセフレという点では同じなのだが、どっちかと言うと、直葉のほうがセックスに対して積極的だ。これはちょっと意外だった。喘ぎ声は明日奈より可愛らしいけれど、腰つきは結構エグい。剣道をやってて鍛えられてるから、マンコの締まりも強いし持久力もある。直葉が童顔なのもあって、そのギャップが、余計に僕のチンポを硬くする。

 少し前まで、僕にとっての桐ケ谷直葉という少女は、「桐ケ谷和人の妹で、剣道は強いらしいけど大人しい感じの子」以外の印象が無かった。どこかから漏れてきた噂で、桐ヶ谷と直葉は実の兄妹じゃないらしいという話を聞いた。こんな可愛い子が義妹で、しかも明らかに慕われているというのに、それでもあんなスカした顔をしている桐ヶ谷は、やっぱり気に入らない。その話を聞いた時はそう思った。

 でも、僕は最近、あれだけ気に入らなかった桐ヶ谷のことも許せるようになっていた。あいつの彼女と妹が、僕のチンポでヒィヒィ言ってると思えば、あいつの性格が多少気に入らなかろうと些細なことだ。

 

「あっ♡ んっ♡ んんッ!♡♡ ん――っ♡♡ んぅ――っ♡♡ ――んはぁっ♡ はぁっ♡ はぁっ♡」

「あーあ、またイったね? 直葉のマンコ、ビクンビクンしてるよ」

「だっ、だって……先輩のが硬くて……あたし、また……――ンぅっ♡」

 

 明日奈と違って初物だった直葉のマンコは、僕のモノにすっかりと馴染んでいる。竿全体に隙間なくフィットしてきて居心地がいい。直葉のほうも、僕のチンポで膣イキするためのコツのようなものを掴んだみたいだ。お陰で僕らは、今日も蒸し暑い部屋で汗だくセックスをして、お互いにとても気持ち良くなれている。

 使用済みコンドームが散らばり、ゴミ箱にも丸めたティッシュが満載されている僕の部屋は、もう淫臭ですごい事になっていた。

 

「まだ腰振れそう? さっき出したばっかだから、イクまでもう少しかかりそうなんだけど、僕」

「は、はい、がんばります。――んっ♡ んっ♡ んっ♡ ――んっ♡んっ♡んっ♡んっ♡んっ♡」

 

 二、三回動きを試すように腰を振ってから、直葉は上下運動のペースを上げる。時折前後の動きも加わるので、僕のチンポを飽きさせない。今日は既に何発か射精しているので、ギチギチに締めてくる直葉のマンコを愉しむ余裕もある。直葉はかなり胸があるので、腰つきにあわせてぶるんぶるんと揺れるおっぱいを見るのは、目にも優しい。

 献身的な後輩のお陰で、僕は何もせずに仰向けで寝っ転がっているだけで、睾丸から尿道へ、みるみると射精感がせり上がってきた。

 

「あー出そう。出るかも。出すよ直葉」

「あっ♡あっ♡あっ♡ はっ♡ いっ♡ どうぞっ♡ ――んんっ♡♡♡♡」

 

 僕のチンポがビクビク震えているのを察知した直葉は、射精の瞬間、一番深くまで勢いよく腰を下ろした。根本まで納まった僕のチンポを、直葉の後輩妹マンコが握りしめてくる。最高に気持ち良くなれる形で、僕は射精を開始した。

 

「あー……出てる……ドクドク出てる……」

「~ぅ~っ♡♡ ~~ぁ~っ♡♡♡」

 

 僕と直葉は、繋がったまま、しばらく全身を痙攣させていた。

 

==

 

「いっそクーラーは消して、窓を開けたほうが涼しいのかなぁ……。直葉はどう思う?」

「んっ♡ んぐっ♡ じゅるぅ……っ♡ ――え?」

 

 僕のチンポから口を離した直葉が、小首を傾げる。どうやら、お掃除フェラに集中していて聞いていなかったようだ。何でもないよと僕が言うと、直葉は再びフェラに戻った。

 

「はぁむ……♡ んぐっ♡ れろぉ……♡」

「いいよ直葉……もっとしゃぶって、吸い付いて」

「じゅるぅ♡ あむ……♡ じゅるるる……っ♡」

 

 苦手なヤツの可愛い妹の口内は、とても暖かく、舌の感触がヌルヌルとしてたまらない。マンコとは違った感じだけど、直葉のフェラも絶品だった。最初やらせたときは歯を立ててきて痛かったけど、チンポしゃぶりにもだいぶ慣れたようである。何も知らなかった女の子をエロく調教している実感があって、支配欲が満たされる。

 僕は、窓際の壁に背中を寄りかからせて、脚を投げ出し床に座っている。直葉は半分うつぶせのような姿勢で、僕のチンポにしゃぶりついていた。気持ち良いけど、それにしても暑い。やっぱりクーラーの修理を考えるべきなんだろうか。そんなことを思いながら、僕は手を伸ばして窓を開けた。けっこう強い風が入ってきて、むわっとした室内の空気と外気が入れ替わっていく。ついでに、何人かの子どもたちが、外ではしゃいでいる声が遠くから聞こえた。きっと小学生くらいだろう。こんな炎天下で、元気なものだ。

 

「やっぱり外のほうが涼しいかもなぁ……。今日は風もあるし。ねぇ直葉、今度は外でヤってみない?」

「ん……ちゅぷ……♡ え? それはちょっと……」

「えー、夜とかなら、きっと誰にも見られないから大丈夫さ。ね、どう?」

「れろ……♡ そんなことばっかり言ってたら、もうエッチしませんよ? ちゅ……っ♡」

「う~ん、分かったよ」

 

 そう言いながら、僕はなんとか直葉を外に連れ出せないかと考えていた。せっかくだから、学生でいるあいだ、ヤれるうちに色々なことをヤってみたい。

 真夏の午後の室内に、だらだらとした空気が流れる。直葉はチンポを舐めしゃぶるのに一生懸命で、僕は少し手持無沙汰だ。そう言えば宿題もやらないとなぁとか、あっちこっちに思考が飛んで、そのどれもがぼんやりとしていた。

 

「あ、直葉、ちょっと待った」

「――?」

「上目遣いで見ないで……もう出そうだからチンポ離して。直葉の中でイキたい」

「――……もう、仕方ないですね」

 

 直葉に僕の汚いザーメンを飲んでもらうのも魅力的だけど、今は直葉のキツキツマンコの中で射精したい気分だった。直葉は僕のワガママに呆れた口ぶりだったけど、表情は決して嫌がっていなかった。それに、彼女は「あたしがつけてあげますね」と、自分の手で僕のチンポにコンドームを着せてくれた。

 そして対面座位で繋がろうとする直前、僕は直葉に尋ねた。

 

「セックスは気持ちいいだろ、直葉」

「……急になに言ってるんですか。もう挿れちゃいますよ……? ――んっ♡ ああっ♡」

「ヤバ……フェラされてたからすぐにイキそう」

「んっ♡ んっ♡ んんっ♡ いいですよ、イってください。先輩のタイミングで射精してください」

「でも、それだと直葉がイけないだろ? ――うあっ」

「そんなの別に……、ていうか、最初の時に無理やりエッチしてきたくせに……」

 

 ジト目になった直葉が、抗議するように僕のチンポを絞り上げる。僕は口から情けない声を出して、首をのけ反らせて天井を見た。これは――耐えられない。出る。

 

「うっ! おっ! ああっ!」

「はぁ……っん♡ 先輩の……♡ ビクビク、してますよ……っ♡」

「おっ、おお、うっ」

「……ふふっ」

 

 いつもより敏感になってしまって、腰がキツくなるくらいの快感が僕を襲う。そのせいで僕が情けない声を出し続けていたら、直葉はちょっと笑った。何か下に見られたような気がして、少し悔しい。けど、直葉のナカでイクのは止められなかった。

 前までの直葉はその名前の通り、真っ直ぐな可愛い後輩だと思っていたのに、僕とエッチを繰り返したことで、変な方向にスイッチが入ったのだろうか。今も彼女は、射精し終わった僕の耳元で、ゾクっとするほど淫靡な声で囁く。

 

「あ~あ、あたしより先にイっちゃいましたね、先輩」

「はぁ……はぁ……分かったよ、負けたよ。はぁ……いつも直葉が先にイクくせに……」

「先輩の、まだ元気ですけど……もう一回しますか?」

「いや、ちょっと休もう。やっぱ暑いよ」

「汗だくですもんね、あたしたち。……クーラー、なんで直さないんですか?」

 

 直葉は立ち上がり、僕のチンポをマンコから引き抜いた。僕は壁にぐでっと寄りかかって、怠惰な調子で直葉に言う。

 

「直葉、飲み物持ってきて」

「もう、それくらい自分で……はいはい、分かりました」

「スポドリが良いな」

 

 まさに長時間の激しい運動を行ったあとなので、身体が水分を欲していた。直葉の形の良いお尻が、冷蔵庫のほうに遠ざかっていく。

 暑さがお互いの恥じらいを麻痺させていて、僕らはすっかり裸族だった。直葉は裸のまま、ペットボトルを一つとマグカップを二つ持ってきた。そしてテーブルの傍に腰を下ろすと、マグカップにスポーツドリンクを注いだ。僕も壁際から離れ、テーブルの横に座る。二人して無言で水分補給をしたけど、その時もやっぱり裸だった。

 直葉は両手でマグカップを持って、結構な勢いでそれを飲んだ。相当喉が渇いていたのだろう。彼女はさも美味しそうに喉を鳴らす。直葉は何も着ていないから、鎖骨、へそ、胸、乳首、全部が丸見えだ。彼女の口から入った冷たいスポーツドリンクが、喉を通って体内に吸収されていく様子まで分かるような気がした。

 

「――はぁ……美味しい……、――? なに見てるんですか、先輩」

「直葉を見てる」

「あ……もう……」

 

 直葉は、自分が男の前で裸だったことに、ようやく気付いたかのように、頬を赤く染めて胸を腕で隠すような仕草をした。直葉は僕が胸を見ているのだと思ったみたいだけど、それは違う。

 僕が見ていたのは、直葉の唇だ。

 

「柔らかそうだよね」

「だから……そういうのやめてください、先輩。結構からかわれるんですから」

「触ってもいい?」

「さっきもいっぱい触りましたよね。好きにしたらいいんじゃないですか?」

「いや、おっぱいじゃなくって」

「え?」

「直葉の唇。キスしてもいい?」

 

 ようやくそこで、直葉は僕が言っていることを理解した。

 

「……え?」

 

 呆気にとられたような、意表を突かれたような表情をして、直葉は自分の唇に指先を添えた。スポーツドリンクで濡れた彼女の唇は、桃色で、潤っていて、やっぱりとても柔らかそうだ。今の僕には、それが彼女のたわわなおっぱいよりも魅力的に見えた。

 

「キス……?」

 

 僕らは今まで、性欲の命じるまま、これだけ何度も激しくサカり合っておきながら、キスをしたことが無かった。まあ、明日奈は桐ケ谷に操を立ててるからしょうがないとして、直葉が僕とキスできない理由は無いはずだ。僕としては、あのプルプルとした唇とキスできたら気持ち良いだろうなと思って何となく提案しただけなのだけれど、直葉はしばらく目を見開いたまま固まっていた。

 直葉の瞳は、真っ直ぐに僕のほうに向いている。

 

「いいだろ別に、キスくらい」

「え……あ……うん……」

「じゃあするね」

 

 許可をもらったので、僕は直葉のほうに身体を近づけた。既に僕に身体を許し、処女を捧げてしまったこの子が、どうしてキスくらいでこんなに戸惑うのか、僕には分からない――ってことはない。少なくとも、この時点では分かっていた。分かっていながら分からないふりをして、キスくらいなんでもないという雰囲気を出しながら、直葉の唇を奪おうとしていた。

 この子もきっと、明日奈と同じなんだろう。流されて僕という男に身体を任せてしまったけれど、唇だけは守り通すことで、誰かに言い訳をしたかったのだ。そして、直葉が言い訳をしたい相手というのも、きっと明日奈と同じ。

 

「君のお兄ちゃんには、明日奈っていう彼女がいるんだしさ」

「――――!!」

 

 唇が触れる直前、僕は直葉に囁きかけた。直葉が大切なお兄ちゃんのことを頭に思い浮かべた瞬間、僕は彼女の唇に、自分の唇を重ねていた。

 

「ん……っ!!」

 

 その時、直葉の身体は硬直し、彼女は硬く目を閉じた。その唇も、まるで僕を拒むかのように引き結ばれる。僕は直葉の唇を塞いだまま、安物の木製テーブルを手でどけながら、身体全体を彼女に寄せる。直葉の裸体を抱きしめて、片手で胸を揉みしだき、彼女の心ではなく肉体のほうを開かせようと試みる。

 

「んあ……っ♡ はぁ……っ♡」

 

 拒むには、直葉は自分の身体の弱点を、これまで僕に晒し過ぎた。直葉の身体はすぐに火照りはじめ、吐息に熱いものが混じると同時に、引き結ばれていた唇もほどけていく。それをさらにこじ開けるように、僕はその隙間に自分の舌をねじ込んだ。

 

「……ちゅ♡ ちゅ♡ ちゅぅ……♡ ちゅる……♡ せんぱい……っ♡」

「どう、直葉」

「ふぁ……? せんぱい……?」

「なんか脳にビリビリ来るんだけど、君はどう?」

「はい……あたま、ジンジンします……――ちゅ♡ ちゅう……っ♡」

 

 これは凄い。ヤバい。語彙が急速に消滅するくらい、脳に直接クる。口が頭に近い場所にあるからなんだろうか。思考がまとまらない。ぼーっとする。もっとこの子とキスをして、舌を絡め合わせたい。

 僕らのファーストキスは、そのまま自然な流れでディープキスへと移行していく。最初は僕の舌が一方的に侵入しているだけだったけど、直葉も徐々に、僕の舌に自分の舌を絡め、逆に僕の口内へと逆侵入してくる。

 純粋な粘膜と粘膜の接触。味覚を司る、身体の中でも特に敏感な器官で互いを感じるという行為。相手の顔に触れそうなくらい鼻が近づいているので、嗅覚もダイレクトに刺激される。舌と舌が交わる音は、頭蓋骨を伝って聴覚に響く。目を開ければ彼女しか見えない。裸で抱き合っているから、触覚の全てが直葉で満たされている。

 まるで麻薬だ。キスというのは、こういう行為だったのか。確かにこれは、そこら辺の男と、おいそれとはできない。僕は頭の片隅で、明日奈や直葉がキスをためらう理由を何となく納得した。

 僕はキスをしながら、直葉の身体をカーペットに押し倒した。より密着できる姿勢に持っていき、さらにガチガチになっていたチンポを、直葉のマンコの入り口にあてがう。コンドームはしていない。ナマだったけど、それはどうでも良かった。

 ずるりと、直葉のマンコは驚くくらいスムーズに、まるで自ら望むように、すんなりと僕のチンポを受け入れた。僕が塞いだ直葉の唇の隙間から、溶けたように甘い音色が漏れる。

 

「ん~っ♡ んぅ~~っ♡♡」

 

 

(うわっ、キツいっ!? それに、ドロドロで……っ!)

 

 挿入のはじめはスムーズだったのに、マンコの内部は今までよりも狭くキツく感じられた。それに、亀頭の先に何かが吸い付いてきている。「何か」が降りてきているせいで、直葉の膣内はいつもより浅い。僕はその「何か」を亀頭で押し返しながら、根本までチンポをねじ込んだ。

 

「――っ!?♡♡ ~~っっ!!♡♡ ――っっっ!?!?♡♡♡♡」

 

 僕にプレスされた直葉の身体は、心配になるくらいガクビクと痙攣している。それなのに、まるで無意識の動きのように、直葉の両脚は僕の腰にガシっと絡みついてきていた。ザラザラとしたゼラチン質の壁が、まるで雑巾でも絞るかのように、僕のチンポを容赦なく絞ってくる。

 

(こ、こんなの我慢できるわけ――っ!! で、出る!! ――ううううっっ!!!!)

 

 今日何度目の発射か数えていないけれど、その射精は、今までで一番――もしかしたら人生で一番の量が出た。ぶりゅぶりゅと、射精している音が耳に伝わってくるような気さえした。僕の心臓は荒れ狂い、脳内では快楽物質が異常分泌されていて、網膜に無数の星が輝いて、視界を白く染めていた。

 

「――んっ、ぐぅっ、直葉、直葉……!」

「んぅ♡ むちゅ……♡ せんぱい……♡ せんぱぁい……♡」

 

 経験したことの無い快楽に理性を溶かした僕らは、抱き締め合いながらお互いを呼び、舌と舌を交わらせながら腰を振るだけの機械になっていた。射精したのに萎えない。もっともっと射精したい。そうやってこのメスを支配したい。それだけが、僕を突き動かしていた。

 僕らの衝動が収まり、二人で力尽きてカーペットに倒れ込んだのは、外が暗くなりはじめた頃だった。

 

 

 

 

 

==

「あ……」

「直葉、どうした……?」

 

 出し過ぎてチンポが勃たなくなってからも、電気も付けない薄暗い部屋の中で、僕と直葉は互いのカラダをペッティングしていた。そこに直葉のスマホ画面が点灯した。

 

「着信……お母さんから……」

「そっか……」

「ん……♡ あぁ……っ♡ せんぱい、もう離して……帰らなきゃ」

 

 名残惜しいけど、直葉の言う通りだった。ここで彼女の家族に怪しまれて、直葉とセックスできなくなるのは、僕としても嫌だった。そこからさらに十分くらいキスをしてから、僕は直葉を解放した。

 

「直葉、『お前』さ、今度はここに泊まりに来いよ。着替えとかも持ってきな」

 

 服を着た直葉が玄関のドアを開ける前に、僕は彼女にそう言った。僕の直葉に対する言葉遣いは、より一段と横柄なものになっていた。直葉はそれに気を悪くした様子も無く、そして僕の提案に驚いた様子も無く、ただ頬を赤らめて、コクリと頷いた。

 

「……はい、先輩――あ、ん♡」

 

 僕は直葉の肩を掴み、再び唇を塞いだ。

 直葉の手元では、またスマホが彼女の家族からの着信を知らせていた。

 着信画面の「おにいちゃん」の文字を見る事もなく、僕らはしばらくキスを続けた。



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④(明日奈)

 クーラーを修理する前に、僕の部屋に物が増えた。新しいマグカップと、皿と、スプーンやなんかのカトラリーだ。シンプルなデザインだけど、いつも使っている百均じゃなくて、駅ビルの、それなりにちゃんとした店で買ってみた。

 

「ふ~ん、結構いい感じなんじゃないかしら」

「そう?」

「壊れたクーラーを修理するのが、普通なら先だと思うけどね」

「う~ん、調子が悪いだけで、ちょっとは涼しくなるからなぁ」

「はいはい……」

「喫茶店とか行く?」

「それは絶対にイヤ」

 

 明日奈はきっぱりと断った。まあ、それはそうだろう。僕と明日奈は単なるセフレである。しかも、明日奈には桐ヶ谷というれっきとした恋人がいる。つまり、僕が明日奈とこんな風に話せるのも、この部屋の中だけというわけだ。

 

「でも、どうしてこんなもの買ったの? それなら扇風機でも買えばいいのに」

「あ、そっか」

 

 それはいいアイデアだと思い、僕が手のひらに拳を打ち付けると、明日奈は呆れたように少しため息をついた。さっきまでセックスしていたから、髪が少しほつれている。桐ケ谷といるときの、キラキラとした彼女とは全然違う、ダウナーで気だるげな感じ。それでも明日奈は美少女だった。そんな美少女とセックスできて、こうやってくだらないことをくっちゃべっている。例え彼女が僕に一ミリも好意を抱いていないとしても、それで充分過ぎる。

 ちなみに、マグカップや皿を新調したのは、今度泊まりに来る直葉のためだ。彼女とも所詮は身体だけの関係だけど、最低限、女の子が食事をするときにイヤじゃないくらいの食器でもそろえておこうと思った。

 

「……ねぇ」

「え?」

「あなた、もう直葉ちゃんには手を出してないわよね?」

「うん、もちろん」

 

 明日奈は勘が鋭い。でも、僕はしれっと嘘をついた。適当に、欲望に素直に生きると決めたら、嘘をつくのも簡単だ。何せ彼女は、「直葉ちゃんを僕から守るために」僕に抱かれているのだ。その前提を崩してしまうのはマズいだろう。幸い、明日奈はそれ以上追及してこなかった。

 

「それより、もう一回ヤろうよ。バックからハメてあげる。明日奈もバック好きでしょ?」

「ちょっとはムードを考えなさいよ……」

 

 明日奈はそうつぶやいたけれど、セフレにムードを重視されたら、それはそれで困らないだろうか。僕がそう思ったら、明日奈もそう考えたらしい。彼女は「やっぱり何でもない」と首を振って、カーペットからベッドに上がった。そして素直に四つん這いになるあたり、僕と彼女は距離が近づいたと言って良いのだろうか。難しい問題だ。

 

「桐ヶ谷とは、あんまりバックでしないの?」

「だから、いちいち和人君のことを言わないでって……まあ、和人君は、正面から抱き締めてくれることが多いけど……――んっ♡」

「へぇ~」

 

 桐ヶ谷とのセックスについても話すあたり、やっぱり、今日の明日奈は妙に素直だ。ひょっとしたら、ヤツと何かあったのだろうか。明日奈の腰を掴み、マンコにゴム付きチンポを挿入しながら、僕はそんなことを考えていた。

 

「あっ♡ ああっ♡ はぁっ♡」

「でも、明日奈はバックが一番好きなんだよね」

「そんな――ことっ、別にっ、ああんっ♡♡」

「分かるよ。他の体位の時と、アソコの締まり方が違うから」

「――んお゛っ♡ んっ♡あっ♡あっ♡あっ♡あっ♡あっ♡ イ゛っ♡ ん゛おおっ♡」

「ほら、背中側のトコ擦るだけで、そんな声が出ちゃうし」

「ひ、人の身体で、遊ばないで――んオ゛っ♡♡♡ ~~~~~っ♡♡♡」

「ごめんごめん、今からちゃんとするから、明日奈も頭空っぽにして、気持ち良くなることだけに集中して……――よっ!! ほらっ!!」

「んぐぅっ!!??♡♡♡♡ おっ♡ おっ♡おっ♡おっ♡おっ♡おっ♡んおっ♡」

 

 僕が乱暴に突き始めると、明日奈はみっともない声を出してイキヨガる。チンポが与えてくれる快楽に集中するため、上半身だけベッドに突っ伏して、お尻を高く上げる。僕は明日奈がいくら下品に喘いでも気にしないけど、明日奈はやっぱり恥ずかしいようで、枕を抱えてそこに顔を埋めてしまった。

 

「――んんっ♡♡ むぅっ♡♡ んっ♡♡ んんぅっ♡♡」

 

 明日奈は凄く感じている。僕のチンポも気持ちイイ。顔が見えない女の子にチンポをハメるっていうのは、セックスじゃなくて、その子のカラダを使ってオナニーしているみたいだ。だからついつい、ピストンも身勝手になってしまう。でも、明日奈はそういう乱暴さも嫌いじゃないようだ。優しい和人君は、明日奈をオナホール扱いなんて絶対にしないだろう。

 

「んむぅ~~っ♡♡ ん゛っ♡♡ ん゛ぅ~~~~っ♡♡♡」

 

(ああ……! 人の彼女のマンコ、やっぱり最高だ! ゴム越しでも、吸い付いてくるの分かる……! ていうかキツくてゴム外れそう……! クソっ、もう出る!!)

 

「うううっ!!!!」

「――っっっっ!?!?♡♡♡ ~~っ~~~っっ♡♡♡♡」

 

 特に言葉をかけなくても、僕が射精する瞬間に、明日奈は一番深くイク。コンドームをしているから何の遠慮も無い。明日奈の一番奥にチンポを押し付けて、僕はザーメンを発射した。明日奈の滑らかなお尻が、僕の目の前でブルブルと震えている。明日奈は枕により強くしがみつき、絶頂の波に意識を浚われないよう堪えている。汗の浮いたうなじや、背骨と肩甲骨のラインがとても悩ましい。

 何度出しても飽きる気配すら見えない身体。これの所有権が桐ヶ谷にあるのは残念だけど、僕もヤツに内緒で存分に使い倒させてもらっているから、おあいこと言ったところだろうか。

 

「――うっ!! はぁ……はぁ……はぁ~~。……あ~、イったぁ……」

「ハッ♡ ハッ♡ ハッ♡ ハぁッ♡ わ、わたしも……たくさん……」

「明日奈、やっぱりバック好きだよね?」

「うん……」

「一回抜くよ? ゴム取り換えるから」

「うん……――あっ♡ んぅっ♡」

 

 チンポを引き抜くと、明日奈のマン肉が僕の竿を追いかけてくる。イったばかりで敏感になっていたので、たったそれだけの動きで、僕らは腰をガクガク震わせた。亀頭が抜けると、勃起したままの僕のチンポはブルンと上に跳ね上がる。そしてその瞬間、ゴムの先端が明日奈のマンコに食いつかれ、ずるぅっと外れてしまった。

 

「あ……やっぱり外れた」

「ちょっと、危ない……。もう、中に入っちゃったらどうするの?」

「ごめんごめん、明日奈の締まりが良すぎるからさぁ。あ~あ、シーツに零れちゃった」

 

 そのままバックで二回戦目に突入しようと思っていたのに、いったん中断する流れが生まれた。明日奈はうつ伏せから仰向けになり、僕はティッシュで零れたザーメンを拭きとる。シーツは汗やよだれや愛液で酷いことになっているから、どっちにしても洗わないといけないんだけど。明日奈は仰向けのまま、息を整えつつ僕の動きを見ていた。

 

「ねぇ、次はどんな格好でするの?」

「う~ん、また後ろから? ていうか、なんか今日は積極的だね、明日奈」

「別に……そういう気分の時もあるでしょ」

「桐ヶ谷となんかあった?」

「さあ……」

 

 明日奈は誤魔化したけど、完全に否定しないのが何かあった証拠のようなものだ。それに、表情が少しムッとしている。僕も多少は察することができる。学校でも、桐ヶ谷の周囲にはなぜかカワイイ女子が多く、「彼女」としては、何かと気苦労があるのだろう。

 僕に彼らの恋愛事情は関係ないけど、それで明日奈が僕との浮気セックスでストレス解消しようと思ってくれるのなら、感謝でしかない。実際、明日奈が僕の部屋を訪れる頻度は上がっている。今は直葉とほぼ交代で、鉢合わせたらどうしようかというペースだ。まあ、鉢合わせたら鉢合わせたで、適当に3Pに持ち込むつもりなんだけど。

 

「そんなことより、するならしましょう?」

「はは、もちろんするよ。よっと!」

「あ……っ」

 

 どこか自暴自棄になって、それゆえにいつもより淫らな感じを見せている明日奈を、僕は正面からベッドに押し倒した。

 

「ねぇ明日奈、キスしてみない?」

「え……」

 

 上から覆いかぶさって、明日奈の瞳を見つめながら、僕は何度目かになる提案をした。いつもなら、それはダメだとすぐに拒否する明日奈が、今日は少し戸惑った。

 

「それは……ダメ」

「ふ~ん」

「あっ♡」

「じゃあ、このままセックスしよっか」

 

 させてくれないなら、無理に固執しない。代わりに直葉とたくさんしよう。僕はあっさりと唇を諦め、明日奈の首筋に吸い付いた。手ではおっぱいとマンコを弄る。

 

「んっ♡ やぁっ♡ 痕、のこさないでっ、ああんっ♡♡」

 

 キスマークを付けるつもりはなかったけど、そう言われると、付けてみたいという欲望に駆られる。大好きな和人君の前で、モブのような僕に付けられたキスマークがバレないかと気が気じゃない明日奈っていうのもソソるだろう。僕がわざと大きな音を立てて、鎖骨や胸元に吸い付くと、明日奈は甲高い喘ぎ声を上げながら大きく身をよじった。

 

「はぁっ♡ はぁっ♡ はぁっ♡」

「準備できたね? じゃあ挿れるよ」

「う――んっ、んはぁっ♡♡♡」

 

 明日奈の片脚を抱え込んでの側位。正常位より、さらに奥までチンポが届く。チンポが根本までハマった瞬間、明日奈は八の字に眉を寄せながら、悩ましい吐息を漏らした。

 

「あっ♡ ああっ♡ ああああっ♡ それっ♡ おくっ♡ イイっ♡」

 

 行き止まりに押し付けながら、円を描くように腰を動かすと、明日奈は胸をビクビクと震わせながら、気持ち良さそうな声で鳴いた。明日奈は今、そんな風にチンポを奥に押し付けられての、弱くても連続的な快感を求めている。ガチなピストンによる獣アクメはさっき味わったから、別の刺激を欲しているのだ。そんなことも、彼女とたくさん身体を重ねた僕には、読み取れるようになっていた。

 安物のシングルベッドに二人分の体重は重く、しかもそれが激しく運動しているので、ギシギシという悲鳴は耳障りなくらいだ。でも、これもセックスの音だ。僕は今、結城明日奈とセックスしている。その事実は、何度確認しても、僕の頭を沸騰しそうなくらい興奮させる。チンポもパンパンで破裂しそうなくらいだった。

 

「ハぁっ♡ ンっ♡ おっ♡ おおおっ♡ イ゛っ――⁉♡♡♡♡」

「うううっ!!!!」

「はぁっ♡ はぁっ♡ はぁっ♡ 出てる……? あなたもイってる……? んんぅっ!!♡♡♡」

「うん、めっちゃ出てる……まだ出る……ああ……」

「はぁ……♡ はぁ……♡ はぁ……♡ また、一緒にイっちゃったね……。あっ♡ あああっ♡♡ なんか、熱いよ……――んぅっ♡」

 

 明日奈はゴム越しに僕の精液の熱を感じているのだろう。僕にも、ザーメンが溜まって、ゴムの先端が膨らんでいっているのが分かる。そうやって、繋がった部分で何が起こっているのか想像しながら腰をぷるぷる震わせていると、やがてそれも止まった。思う存分イったあとの心地よい虚脱感が、僕らを包む。

 明日奈からチンポを抜くと、僕は彼女の横にごろりと転がった。

 

「はぁ~……すっごい気持ち良かったぁ……」

「うん……」

 

 それだけで、あとは言葉を交わすこともなく、両手を満足に広げる事すらできない狭いベッドの上で、僕らは身体を寄せ合うようにしながら、ぼんやりと天井を眺めていた。たぶん、三十分くらいはそのままそうしていたと思う。

 次に何か喋ったのは、明日奈のほうだった。

 

「はぁ……暑いね……」

「そうだね……」

「シャワー浴びようよ……」

「そうしよっか……」

 

 あとから気付いたけど、明日奈はこの時、僕に対してかなり砕けた口調で話すようになっていた。それ以前は単なる同級生に対する口調で、半ば無理やり初エッチしてからは、明らかに壁のある喋り方だったのに。でも、この時点の僕はそれに気付かず、普通に彼女と喋っていた。

 

「早く行きましょ」

「え……? 一人で浴びるんじゃないの? 僕も行っていいの?」

「あ……っ。いや、それは……君がまた乱入してきたら困るから」

 

 明日奈は照れた顔を背けた。僕は、そんな彼女の表情に、何か胸がざわつくのを感じながら、明日奈の腰を捕まえた。

 

「じゃあ一緒に浴びようか。身体を洗ってあげるよ」

「エッチなことはしないでよ……?」

「もちろん」

 

 そして僕は、明日奈の腰を抱いたまま移動し、ユニットバスの扉を開けた。

 

「――んぅっ♡ きゃっ♡ そんなヌルヌルしないで♡ ――あっ♡ おっぱい、揉んじゃイヤぁっ♡」

 

 もちろん、エッチなことをしないという約束は守らなかった。

 

==

 

 例えばシャボン玉のように、「泡」というのは人間の心をときめかせて、童心に帰らせる効果を持っているのだろうか。ボディソープを泡立てて、明日奈のカラダを洗っているうち、僕はいつの間にかタオルを使わなくなり、彼女の皮膚に直に両手を這い回らせていた。

 

「きゃっ♡ んふっ、くすぐったいってば、やめてっ、やめてよ、あはっ」

「明日奈も僕をくすぐってるだろ? お互い様さ」

「それは君が先に始めたから……んぅっ♡ おっぱいヌルヌルするの、そんなに楽しい?」

「楽しい」

「真顔で言うことかな、あっ♡ ああんっ♡」

 

 泡だらけになってくすぐり合いっこをするのは、本当にマジで楽しい。歳が歳だから風俗に行ったことはないけど、ソープとかにもこういう魅力があるんだろうか。

 明日奈のおっぱいや太ももはいつもスベスベだけど、石鹸でさらにスベスベになっている。引き締まったお腹に手を這わせるのも、それだけで何か楽しい。僕が彼女にそうしているように、明日奈のほっそりとした手指も、僕の身体の表面を滑っていく。腋をくすぐられたり、お返しと言わんばかりに胸を揉まれたりするのも楽しくてたまらない。ガッチガチになったチンポに指が触れると、ビクンビクンと大きく跳ねる。

 その時、明日奈は笑顔になっていた。苦笑に近い笑顔だけど、それでも笑顔は笑顔だった。鼻の頭に白い泡を乗せて笑う彼女は、どこか無邪気に見えた。

 

「ふふ……っ、ねぇ、もうちゃんと洗いましょ? ○○く――あっ」

 

 明日奈の笑顔が止まった。

 僕が彼女を、強い力で抱きしめたからだ。

 

「どうしたの……?」

 

 僕にも分からない。ただ、無性に涙が零れそうだ。それを誤魔化すために、僕はさらに強く彼女の身体にすがりつく。

 

「…………」

 

 明日奈はしばらく、僕にされるままになっていたけれど、やがて何を思ったのか、彼女も僕の背中に手を回してきた。

 

「もういい?」

「……うん」

 

 僕は明日奈から離れた。せっかくいい雰囲気だったのに、僕のほうからそれを壊すような真似をしたのは失敗だった。僕は気分を切り替えるように適当な笑いを浮かべると、明日奈に言った。

 

「ははっ、明日奈、せっかくだしさ、僕らで何か新しいことやってみない?」

「新しいこと? って何? ――あっ♡」

「例えば――」

 

 僕は再び明日奈の肢体をまさぐる。おっぱいやお尻を揉み、筋肉が弛緩したところを狙って、彼女のお尻の穴――アナルの表面に指を滑り込ませた。

 

「ひっ♡ ぐっ♡」

「こことかさ」

「な、にっ♡ これっ♡」

 

 明日奈は異物感に全身を緊張させる。彼女の指が僕の二の腕に食い込み、痛いくらいだ。でも、アナルを撫でられて、明日奈は確かに反応していた。前に偶然弄った時に、彼女はここの才能もあるんじゃないかと思ったけど、やっぱりそうみたいだ。

 

「あっ、へんだよっ、これぇっ♡」

「和人君には、こんなとこ弄ってもらえないだろ?」

「やめてっ! 汚いよぉっ――んっ♡ あっ♡」

「明日奈に汚いとこなんて無いさ」

 

 結構真面目に、僕はその言葉を囁いていた。

 

「今度から、こっちも挑戦してみようよ。ローションとか買っとくから」

「そんっ、なっ、あっ♡」

「ああ、マンコも濡れてるね。取りあえず、今はこっちにチンポ突っ込んであげるよ。マンコで感じながら、お尻も気持ち良くなれるようにしよっか」

「――あっ♡ いっ♡ んおお゛っ♡♡♡」

 

 すぼまったお尻の穴に人差し指の第一関節を差し込むと、明日奈は汚い声を漏らす。

 でも、そんな声も、やっぱり明日奈だから汚くない。それに、彼女がこういう声を上げられるのは、桐ヶ谷の前じゃなく、僕の前でだけだ。だから僕は、うっとりとその声に耳を傾けていた。

 

「ハァっ♡ ハァっ♡ ハァっ♡」

「ああ……出した……今日はもう無理……」

「ハァっ♡ ハァっ♡ ハァっ♡ ヒっ♡♡」

「明日奈もいっぱい感じてたね……嬉しいよ」

 

 それから二時間くらい経って、アナルを弄りながらのセックスで、明日奈は限界を迎えていた。でも、それは僕も同じだった。チンポを食い千切りそうなくらい締め付けてくる明日奈のナカで、イっても精液が出ないくらいまでイキ続けた。

 ユニットバスの浴槽に倒れ掛かるようにしている明日奈の頬を、僕はそっと撫でた。

 

「またおいでよ、今度はもっと、もっと気持ち良くするから」

「――んっ、ぐっ♡」

 

 明日奈はぎゅっと目をつぶり、目尻に涙を浮かべながら唾を飲み込む。そんな彼女を、僕は再び抱き締めた。明日奈のほうも、まるで縋り付くように、僕の背中に腕を回した。



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⑤(直葉)

「直葉、ちゃんと着替えとか持ってきたか?」

「は、はい、先輩」

 

 相変わらず暑い夏。地面には太陽が照り付け、蝉がひっきりなしに鳴いている。僕はアパートの部屋の扉を開けて、部屋の内側から、外に立っている直葉に話しかけている。直葉は私服のワンピース姿で、足はサンダル、手には大きめのバッグを持っていた。

 直葉の顔は、いつもより緊張している。顔が首元までほんのりと赤くなっているのは、猛暑のせいだけではなさそうだ。この子は僕の部屋に、ただ遊びに来たわけじゃない。彼女はここに、僕とセックスするために来たのだ。しかも、今日はここに泊まる用意までして。まだ親と同居している学生なのに、セックスするために男の部屋に泊まりにくる。直葉をここまでエッチな子にしてしまったのは、僕だ。

 

「家の人にはなんて言ってきたんだ?」

「友達の家に泊まるって……」

「そっか、じゃあおいで」

「……お邪魔します」

 

 僕が身体を玄関脇に避けると、その横を直葉の身体が通過する。ふわりと揺れた髪から、朝ついたばかりらしいリンスの匂いが漂ってきた。

 そして、直葉の姿が完全に飲み込まれると、僕の部屋のドアはバタンと閉じた。

 

「直葉、今日はここに何しに来たのか、ちゃんと分かってるか?」

 

 直葉が部屋のカーペットの上に立つと、僕は彼女からバッグを取り上げ、それを壁際に置きながら、彼女に尋ねた。薄い水色のワンピース姿の直葉は、少しうつむき、恥ずかしそうに小声でつぶやく。

 

「先輩と、セックスしにきました……」

「ただのセックス?」

「いいえ、違います……」

 

 直葉の声は、泣きそうなくらい震えている。僕のチンポは、もうズボンの中ではち切れそうなくらい膨らんでいた。

 

「今日は一日中……先輩の部屋にお泊りして、一晩中……ずぅっと、セックスしてもらいます。――アっ♡ はぁ……っ♡」

 

 直葉が甲高い声を上げる。僕は単に、後ろから彼女の両肩に手を置いただけだ。それだけで、直葉の膝は一瞬ガクガクっと震え、彼女は危うくバランスを崩しそうになった。僕はそんな直葉の耳元で、ヒソヒソと囁いた。

 

「直葉はエッチな子だな」

「――あっ♡ ひっ♡ は、はい、直葉はエッチです。先輩に、こんなエッチな子にされちゃいましたぁ……っ。初めてセックスされてから、カラダのうずうず、止まらないんです……!」

「もうスケベなトロ顔になっちゃってるぞ? チンポ欲しいなら、ちゃんと欲しいって言ってごらん」

「は、はい。お、おチンポ、先輩のおチンポ、ください。エッチな直葉に、いっぱいください」

 

 直葉はこうしている間も、僕の手によってどんどんエッチで淫らな子に育っていっている。義理の兄貴がこの子――いや、こいつの変化に気付くころには、きっと手遅れになっているだろう。こいつはもう、僕のセフレというより、僕の女だ。

 僕の女である直葉に対して、僕は高圧的な態度で命令した。

 

「自分で脱いでみろよ、直葉」

「――! は、はい」

 

 そこからしばらく、僕はベッドに腰掛けて、直葉のストリップショーを鑑賞した。直葉は最初はためらっていたけれど、やがてワンピースのボタンに手をかけると、真っ赤になりながらもそれを脱ぎだした。着込んでいないから、すぐに下着姿になってしまう。小柄だけど大きな直葉のおっぱいは、ブラに包まれていても相変わらずのド迫力だ。お尻も大きくて、いかにも元気な赤ちゃんを産めそうである。それなのに腰はくびれていて、剣道で鍛えられたお腹も引き締まっているから凄い。

 直葉が下着姿になると、僕はそこでいったん止まるように指示した。

 

「直葉の下着は、少し子供っぽいな」

「そうですか……?」

「直葉はもう大人の女なんだから、もっとエロいのを付けてみろよ」

「あの、先輩、恥ずかしいです……あんまり見ないで……」

「もうたくさんエッチしただろ? それなのに下着姿で恥ずかしいの?」

「だ、だって、なんかいつもと違います……」

「これからここに泊まって、一晩中エッチするから?」

「んくっ……♡ は、はい、そうです」

 

 僕は直葉をソフトに言葉責めしていく。このくらいでも、直葉は被虐的な快感を味わっているようだ。自分がダメにされていく快感。堕ちていく快感と言い換えればいいだろうか。直葉ほどではないにせよ、僕もそれを味わっていた。

 僕と直葉が本当の恋人関係なら、ここまでの背徳感は伴わないはずだ。僕は直葉の処女を奪って、そのあと何度も彼女とセックスした。直葉は僕に唇を許したし、僕の部屋に泊まることも了承した。でも、僕らは決して恋人じゃない。そのことは直葉だって分かっている。分かっているからこそ、直葉はあれほど淫靡な顔をして、ショーツの股間に縦スジ状の濡れ染みが浮き上がってきているのだろう。

 

「直葉、僕のズボンも脱がせてくれよ」

「はい……♡」

 

 直葉の中で限界を超えた羞恥心は、やがて曖昧になっていく。直葉は下着姿のまま、ベッドに腰掛ける僕の足元に跪いた。そして、ズボンのジッパーを下ろし、窮屈に閉じ込められていたモノを解放する。トランクスの前を押し上げるそのモノに、直葉は愛おしそうに鼻を近づけた。

 

「すん、すん……はぁっ♡ 先輩のおチンチンの匂いだぁ……♡ すっごく濃いよぉ……っ♡ すん、すん……」

「直葉が来るまで、朝からずっとムラムラしてたんだ」

「あたし、このおチンチンで、今から泣かされちゃうんですね♡ すん……あっ♡ お腹のナカ、じわぁって熱くなってきました……♡」

 

 直葉もだいぶノって来たようだ。彼女の蕩けたような笑みを見て、僕はニヤリと笑った。直葉に僕の服を脱がせて、僕は直葉の下着を脱がせた。これから余計な事は全部忘れてセックスするんだから、身に着けるものなんか無くていい。最初はどういう体位がいいか直葉に尋ねると、彼女は再び恥じらいを取り戻したように頬を染めた。

 

「キスしながら、して欲しいです」

「ああ、いいよ」

 

 僕は笑いが大きくなるのを堪えられなかった。この前のキスハメセックスを、直葉はずいぶんお気に召したようだ。でも、唇を含めて、この子の全部を貪りたい気分なのは僕も同じだ。僕らはカーペットの上で、対面座位で繋がることにした。

 

「ん……♡ ちゅ……♡ はぷぁ……♡」

 

 真っ裸で正面から抱き合って、僕らは舌と舌を絡め合うキスをした。僕の五感の全部が、直葉で染められていく。そして、それは直葉も同じだろう。彼女の口と舌の動きは前回よりも積極的で、自分から頭の角度を変え、ちょうどいい形を探している。僕の胸にあたってつぶれた直葉のおっぱいは、乳首が既に立っていた。

 この対面座位という姿勢だと、動きの主導権を握るのは、むしろ上にいる直葉のほうだ。直葉はキスを続けたまま、腰を浮かせ、トロトロと雫を垂らす割れ目で、僕のチンポの先をとらえようと試みる。

 そして、下の口でも僕らがキスをした瞬間、直葉の上の口の動きは今までより激しくなった。僕の口内の唾液が舐めつくされるかと思うくらい、彼女は夢中で舌を動かす。そしてそのまま、一気に腰を沈めた。

 

「んんっ♡ ちゅるぅ♡ ちゅるるるっ♡♡ ――んんぅ~~~~~っ♡♡♡♡」

 

 前回さよならを言ってから、数十時間も離れていた僕らは、再び一つに繋がった。彼女の身体が僕を待ちわびていたことは、中の動きだけで良く分かる。ぴっちりぎゅぅっと締め付けてきて、チンポが痛いくらいだ。奥に侵入した亀頭の先が、下がっていた直葉の「何か」にぶつかって押し返す。その瞬間、直葉は呆気なくイってしまった。

 

「む――っ!!??♡♡♡ ん~~~っ♡♡♡ ~~~~っっ♡♡♡♡」

 

 呼吸が困難になるほど、直葉は僕の口に吸い付き、両腕で硬く抱き締めてくる。彼女の両脚は僕の腰を完全にホールドしており、岩に貼り付いた貝のようになっていた。

 僕らは単に挿入して繋がっただけだ。それだけで、一往復もピストンしていない。でも、たったそれだけなのに、直葉は繰り返し絶頂し、僕も彼女の締め付けに耐え切れず、精液を吐き出してしまった。

 

(ううっ、チンポ絞られる――⁉ 直葉――!!)

 

 不思議だ。これだけ激しくて、どうかすると辛くて苦しいくらいの快感なのに、相手とキスしているというだけで安心できる。泥の津波のような快楽の中、自分がどこにいるかすら覚束なくなっても、しがみつく相手がいると思うだけで怖くない。カラダは確かに気持ちいい。でも、カラダの気持ち良さ以外に、心が満たされていくような気がする。

 これには、明らかに依存性がある。

 絶頂が収まると、僕と直葉はいったん唇を離した。二人の間に、唾液でできた銀色の端がかかる。

 

「はぁ……はぁ……せんぱい……」

「ふぅ……挿れただけでイっちゃったな、直葉」

「はい……凄かったぁ……」

 

 うっとりとした表情で、直葉は僕の鎖骨のあたりに頬ずりした。僕はそんな直葉の頭を抱え、髪を撫でてやる。直葉はまるで、子猫のように喉を鳴らしていた。

 

「――んぅっ♡ あっ♡ んっ♡ んっ♡ んっ♡」

 

 やがて、僕らは緩やかに腰の動きを再開する。すぐ耳元で鼻にかかった直葉の喘ぎ声が聞こえ、熱い吐息がゴソゴソと耳を鳴らす。脳が痺れていく。

 

「先輩のおチンポ、先っぽが膨らんで、あたしのお腹ゴリゴリしてますよ……♡ これ、とってもイイです……っ♡」

「直葉、お前のマンコも、ザラついてて気持ち良いぞ」

 

 やっぱり一回イってからくらいのほうが、落ち着いて互いの性器を愉しめる。僕らはあくまでゆっくりと動いた。こうして抱き締めていると改めて分かる。直葉の「女」の身体は、僕の「男」の身体と明らかに、構造からして違う。鍛えられて筋肉がついていても、細く、むっちりとしていて、きめ細やかな肌に触れた部分が吸い付くようだ。耳元で囁かれる直葉の甘え声も、そこに確かに生身の女の子がいて、それを抱いているのだという実感を増幅させる。

 それに今日のセックスは、直葉の門限が来てもお開きにしなくてもいい。この子は、僕の部屋で一夜を過ごし、朝になるまで帰らないのだ。まだ時間はたっぷりとある。そう思うと、性急ではないスローペースなセックスを楽しむ心の余裕もできた。

 

「直葉のおっぱい、柔らかい……」

「先輩の胸、けっこう逞しいんですね……男の人って感じです」

 

 僕らは互いの身体に関する感想を述べあったり、時にはくだらない話をしながら、二人だけの世界に没入していった。

 

==

 

「直葉、直葉おきろ」

「……ふぁ? せんぱい……?」

「ほら、しっかりしろよ。イキすぎて疲れたのか? ぽーっとなってるぞ」

「せんぱぁい……♡♡」

 

 夕方、小休止のついでにベッドで眠ってしまった直葉が、僕に肩を揺すられて目を覚ました。そのまましゃっきりと起きるかと思ったら、彼女は寝起きの蕩けた表情のまま、僕の手を捕まえて頬ずりを始める。そして、それに飽き足らず、僕の首に縋り付いて熱烈なキスをしてきた。

 

「ん……っ♡ ちゅ……っ♡ せんぱい♡ ちゅぅ……♡ せんぱい……♡」

 

 僕はしばらく、すっかりキス魔になった直葉のしたいようにさせてやった。

 

「直葉、晩御飯は何が食べたい?」

「え? え~っと」

 

 直葉が完全に目を覚ますと、僕は彼女にそう尋ねた。夕食には少し早い時刻だけど、昼も食べずにセックスしてたから、これくらいで丁度いい。

 

「一応、食材は買ったんだけど。コンビニとかのほうが良いか? それとも、どっか食べに行く?」

「食材……。先輩が作るんですか? ……作れるんですか?」

「だって一人暮らしだし。最近は面倒だからあんまりだけど……まあ、やろうと思えば」

「へー……」

 

 それから何となくの流れで、夕食は僕が作ることになった。と言っても、本当に大したものは作れない。それでもカップラーメンとかじゃなく、パスタを茹でてサラダも作ろうと思ったのは、やっぱり相手が女子だからだ。いくら何でも裸で火を使う気にはなれず、僕はシャツとトランクスを身に着けて料理を始めた。

 

「あたし、パジャマとか持ってきたんですけど、よく考えたら要りませんでしたね。先輩の部屋、暑いし……。それに、どうせ裸になるし……」

「え? 何か言った?」

「何でもないです。あの、シャツとかお借りしてもいいですか?」

 

 そういうやり取りがあって、直葉は僕のTシャツを借りて、裸の上にそれを着た。ダボっとした生地をおっぱいが持ち上げて、かなりエロいことになってしまった。僕の服を女の子が着ているという事実にも興奮する。でも、今は栄養補給が優先だから、僕は出来るだけ、カーペットの上にぺたんと座っている直葉を見ないようにしながら、料理を進めた。

 

「できたぞ、ほら」

「わ……普通にちゃんとしてる」

「なんか酷いコメントだな、それ」

「ふふ、ごめんなさい。……美味しそう」

 

 茹でたパスタに、一応フライパンでトマトソースを作ってぶっかけた。サラダはトマトを切って、レタスを千切っただけの代物だ。あとは、マグカップに注いだ冷たいジュースだけ。でも、直葉は意外に喜んでくれた。新しく買った皿に、パスタの小麦色とトマトソースの赤が映えている。マグカップも、直葉の小さな手に丁度いい。買っておいてよかったと思った。

 食べていると、どうしても無言の時間が生まれる。この部屋にはテレビも無いから、フォークやスプーンが皿に当たるカチャカチャという音が、やけに大きく聞こえた。

 

「先輩は、どうして一人暮らしなんですか?」

 

 食べている途中に、二人の間であった発言はそれだけだ。

 直葉の問いに、僕は答えなかった。

 

「片付きましたよ、先輩」

 

 食べ終わると、洗い物は直葉がしてくれた。最後の皿を置くと、布巾で手を拭きながら、彼女はそう言った。ベッドに寄りかかる形で座っている僕の横に、直葉は寄ってきた。肩が触れ合う位置に、彼女も座った。

 

「ん……♡ ちゅ……♡ はぁっ♡ ちゅぅ……♡ あ……♡ せんぱい……」

 

 そして、僕らは再び舌を交わらせる。食事の前までヤリまくっていたことを身体が覚えていて、キスしているだけで、すぐにセックスできる状態まで興奮が高まっていく。セックスしたら食欲を満たし、食欲が満たされたらすぐにセックス。まるで野生動物になった気分だ。それとも、猿山の猿だろうか。

 Tシャツの上から分かるくらい、直葉の乳首は立っている。それをカリカリと指で引っ掻きながら、彼女の身体をカーペットに押し倒した。

 

「ふふ、先輩のおチンチン……硬くなってますね。あたしの太ももに、擦れちゃってます」

「直葉のここも、もう準備できてるだろ」

「あっ――♡ イヤっ、そんな、ぐちゅぐちゅしないでっ♡ 音、立てないでくださいっ♡ ――ヒィっう♡♡♡♡」

 

 直葉が一際大きく鳴いて、全身を弓なりにさせたのは、僕の手が彼女のマンコを弄っていたからだけじゃない。美味しそうに見えた耳たぶを甘噛みすると、直葉は面白いくらい身体を跳ねさせた。

 

「あ……ここも直葉の弱点かぁ」

「ア――っ♡♡ ヒッ――♡♡ 耳元で、こしょこしょしないでっ♡♡」

「どうして? さっきはお前が僕にやったじゃん」

「――アっ♡♡ んぅ~~~っ♡♡」

 

 耳の穴に向かって息を吹きかけると、直葉はガチンと歯を鳴らしてのけ反った。マンコからじゅわっと汁があふれ出し、僕の指を食い千切りそうになる。僕は指先を曲げて膣内も刺激しながら、直葉の耳を責めた。

 

「はぁっ♡ はぁっ♡ はぁっ♡ ひぃっ♡」

「直葉、もう我慢できないからチンポ挿入するぞ」

「はぁっ♡ はぁっ♡ ご、ゴム……」

「分かってる。ちゃんと付けたから。ほら、行くぞ」

「あああ……っ♡♡ いいいっ……♡♡♡」

「あー……キッツ……なんかスイッチ入っちゃった? 直葉」

「わ、分かんないぃっ♡♡ せ、せんぱいぃっ♡♡」

 

 直葉が両手を伸ばしてきたから、僕は彼女に覆いかぶさり、彼女の身体を抱きしめた。直葉の腕も、すぐに僕の背中に絡んでくる。直葉の指が、僕の背中に少し食い込んだ。

 

「はぁっ!♡♡ はぁっ!♡♡ はぁっ!♡♡ せんぱいっ、もっとぎゅってしてっ!!♡♡」

「してるよ?」

「違う! もっと! もっとぎゅってしてっ!!」

 

 なんだか、直葉は駄々っ子になってしまった。でも、ワガママな直葉も可愛かった。

 快感の火花が、直葉の瞳の中でバチバチ跳ね回っているように見える。マンコが締まり過ぎて、チンポが動かし辛いくらいだ。仕方ないから、前後運動ではなく円を描いてこねくり回す。直葉は歯をカチカチと鳴らし、首をのけ反らせた。

 

「う゛~~~っ!!♡♡ あう゛~~~っ!!♡♡」

「直葉……! もっと感じて、直葉!」

「はひぃっ⁉♡♡ みみっ、噛んじゃやらぁっ!!」

 

 どこでどうスイッチが入るかなんて、本人にも誰にも分からない。でも、今の直葉の身体には、明らかに火が付いていた。マッチの炎くらいだった火は、あっという間に延焼し、直葉の身体全体を焼き焦がしていく。どうせこの状態になったなら、楽しまないと損だ。

 

「はぁっ、はぁっ、はぁっ、直葉! 直葉!」

「い゛っ♡ いっ♡いっ♡いっ♡いっ♡ せんぱい、せんぱいっ!!」

 

 カーペットの上を揉み合うように転げまわり、時には背中がテーブルにぶつかったりもした。だけど、僕らはそんなことも一向に介さずに、相手を芯まで貪って、とにかく気持ち良くなることだけに集中していた。

 

「なぁ直葉、お願いだよっ!」

「あっ♡ ああっ♡ イっ♡ うっ♡ おっ♡おっ♡おっ♡おっ♡」

「好きって言ってみなよ! 僕のことをさ!」

 

 僕は腰を振りながら、いつの間にか、そんなことを口走っていた。

 

「一回だけ、言ってみてよ!」

「――っ♡♡ ~~~~っ♡♡♡」

 

 直葉は涙を流すくらいものすごく感じていたのに、僕の要求に対して、彼女は首を横に振った。ここまで僕に何もかもを許しても、彼女はまだ、誰かのために何かをとっておいている。「好き」という言葉も、彼女はきっと、大好きなお兄ちゃんのために。そんな直葉の様子を見て、僕は――

 

「言うまで止めないからな! 言うまで!!」

 

 それが僕にとってのスイッチだったのかもしれない。僕の中で、プツンと何かが切れた音がした。まるで、初めて彼女を犯した、あのときのように。

 僕は身をよじる直葉の身体を強引に押さえ、荒々しい抽挿を繰り返す。これまで見つけた直葉の弱点を攻めまくり、彼女の絶頂が途切れないよう、一瞬も休ませなかった。チンポはガッチガチで、今にも発射しそうだったけれど、お尻と足に力を入れて何とか堪えた。直葉が僕の言うことを聞くまで、絶対に射精したくない。半ば意地のようなものだった。

 

「あ゛っ♡♡ ひっ♡♡ お゛っ♡♡ んぉお゛っ♡♡ せんぱっ、イクっ、もうイってりゅのっ♡♡ ヤメっ♡♡ んぃいっ!!??♡♡♡♡」

「直葉! ふっ! ふっ! ふっ! 直葉ぁ!!」

「んぅううっっ!??!♡♡♡ お゛っ♡♡ うう゛ううう~~~っ!!♡♡♡♡」

 

 人間がセックスをしているというより、発情期の猫どうしがサカり合っているような。僕の背中のところどころが、直葉に引っかかれて血がにじんでいた。時間も忘れて、とにかくひたすら、直葉に「あの言葉」を言わせたかった。そして――

 

「すきです……」

 

 僕は無理やり、彼女にそれを口にさせることに成功した。

 

「せんぱい、すき……だいすきです…………あっ♡」

 

 その時、直葉の中でも、何かの糸が音を立てて切れた。その音を、僕は確かに聞いた。僕は今日一番の力を込めて、直葉を硬く抱き締める。今まで我慢していた射精感が、津波のように轟々とせり上がってくる。気付けば、ゴムが破裂しそうな勢いで、僕は射精していた。

 

「せんぱい……」

 

 僕は歯を食いしばりながら、直葉の中に出していた。正直、ゴムがあることを忘れて、彼女の子宮の中に吐き出しているつもりだった。

 

「せんぱい、大丈夫ですよ……」

 

 もっともっと出したい。もっともっと精液を出して、直葉の中に塗り込んで、僕の匂いが取れないようにしてしまいたい。もっと、もっと。

 

「今夜は、あたしが一緒にいますから……」

 

 直葉にそっと抱きしめられながらの射精は、魂が抜けそうなくらい心地よかった。

 

「あっ♡あっ♡あっ♡あっ♡あっ♡ せんぱい、好きっ♡ 好きですっ♡」

 

 例え演技だとしても、別にそれでいい。その言葉を聞きながら、僕は直葉を犯し続けた。深夜になっても、ベッドをギシギシ鳴らしながら。腰を振り過ぎて疲れたけど、疲れたという感覚は、その時は無かった。ありったけのコンドームを消費して、ひたすら直葉のマンコの中でイった。



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⑥(直葉)

 不思議な感覚だ。朝起きたら、頭のすぐ横に他人の寝息を感じるなんて。僕は僕の部屋で、下級生の桐ヶ谷直葉と朝を迎えた。全身が気だるい。流石に昨日はサカり過ぎた。朝っぱらから、やけに蝉がうるさく鳴いていると思ったら、少し目に入った時計は、もう10時半に届きそうだ。

 僕と直葉の裸体は、シングルベッドの上で密着している。直葉の身体は暖かく、汗をかいた肌がじっとりとしていて、真夏の熱帯夜の中では不快なはずなのに、ぜんぜん不快じゃなかった。僕は安心したように、はぁっと息を吐いた。

 僕の二の腕に乗った直葉の頭は、小さいのに確かに重い。髪の毛はしっとり汗ばんでいる。そんな色々が、ああ、ここに生きた女の子が居るんだなぁと、僕に思わせてくれる。

 

「せんぱい……」

「……直葉、おはよう」

「……おはようございます」

 

 僕に続いて、直葉がぼんやりと目を開けた。お互いに起床の挨拶を交わしたけど、僕らはどちらもベッドから起き上がらなかった。

 

「……あたし、寝坊しちゃいました」

「あー……」

 

 そんなやり取りの後に、さらに五分くらいの間が開く。喋ることが無いんじゃなくて、この無言の時を噛み締めている感じだ。少なくとも、僕はそうだった。

 直葉はどうなのだろうか。眠りから目覚めて冷静になり、後悔に襲われて真っ青になっている――そんな感じには見えなかった。いそいそと立ち上がって、着替えて部屋を出ていこうともしない。直葉がそうできないように、僕が彼女の頭を抱え込んで、自分の胸に引き寄せたから、そうしないのだろうか。

 直葉の柔らかい手のひらが、僕の心臓の上あたりに乗っている。二人の身体の上には、腰のあたりのタオルケット一枚だけしか、かかっていない。

 

「今日の夕方までには帰るからって、お母さんたちに言ってあるんです」

「……そっか」

 

 じゃあ、夕方までは、直葉は僕のものだ。それを主張するように、彼女の頭を抱いた手に力を籠めると、直葉は「先輩」と言いかけて、悩まし気なため息を漏らした。

 

「先輩のここ、もう元気ですけど……」

 

 11時を過ぎると、直葉がそう言った。彼女の右手は、僕の胸から股間へと移動している。直葉の指が、朝立ちしたチンポの裏筋に、そっと添えられた。昨晩あれだけヤリまくったのに、もうこれだけギンギンになるのかと、僕も自分で呆れていた。直葉もちょっと呆れ気味の様子で笑うと、僕の耳元で囁いた。

 

「ふふっ……もう一回、しますか……?」

「いや、もうちょっとこのまま……」

「はい、わかりました」

 

 今日もセックスしまくってやろうと思っていたのに、相変わらず性欲は滾っているのに、この穏やかな時間を、もうしばらく手放したくないという気持ちもあった。僕らはそのまま、二人で寝落ちしてしまい。再び目が覚めたのは、昼の二時くらいだった。

 

「ん……♡ ちゅ……♡ せんぱい……♡」

「直葉……」

「ちゅ……♡ ふふっ、せんぱい……♡」

 

 思う存分惰眠を貪ってから、僕らはベッドで、イチャイチャと互いを呼び合いながらキスをした。

 

「ちゅぅ……♡ はぁ~……今日も暑いですね……んっ♡ はむ……♡」

「ほんと、勘弁してほしいよな……」

「ちゅ……♡ はぁ……♡ シャワー、浴びますか……? ちゅるぅ……♡」

「まだ、もうちょっと……んっ」

「じゅるるっ♡ せんぱい……っ♡ ちゅぅう……っ♡♡」

 

 一日で最も暑い時間帯に、相変わらずクーラーの出力が不安定な部屋で、僕と直葉はベッドに寝転んだまま、ますます密着していた。肌の触れ合う面積ができるだけ大きくなるように、両腕を相手の背中に回しているのはもちろん、両脚も絡み合っていた。

 僕は、ガチガチのチンポを直葉の身体に擦り付け、彼女の肌にカウパーを塗り付けている。直葉のほうも股間を僕の太ももに擦り付けて、奥から溢れた液体でべっとべとに汚しているからお互い様だ。肌の多くが触れ合って、互いの体液が混ざり合って、さらに頭が暑さでぼーっとしているせいで、二つの身体のどこからが僕で、どこからが直葉なのかも曖昧になっていた。

 

「――んっ♡ ふぅっ♡ せんぱっ♡ んぅうっ♡ ちゅ♡ ンぅっ♡」

 

 キスは段々と激しくなり、僕らの腰はカクカクとみっともなく動く。挿れてないのに、相手の身体に性器を擦り付けるだけで気持ち良くなってしまっている。どうせなら挿れたい。でも、そのために相手から一瞬離れるのも惜しい。そんな風に葛藤していると、僕らは同時に絶頂してしまった。

 

「はっ――あっ、ぐぅ……!」

「あ゛ーっ♡♡ んぅ~~っ♡♡ ~~~~っ♡♡」

 

 直葉のお腹に、僕の精液がたぱたぱと降りかかる。直葉は僕の太ももにマンコとクリトリスを擦り付けながら、切ない顔でアクメしていた。

 

「え、えへへ、あたしイっちゃいました、先輩」

「あ、ああ、僕も……ううっ!」

「わぁ……まだ出てる……。先輩のおチンポ、跳ね回ってる……。あたしのおなかに、白いのがいっぱい……」

「はぁ……はぁ……」

「射精するのって、やっぱり疲れるんですか……? 先輩、苦しそう……え? 何ですか?」

「直葉、挿れたい。マンコで射精したい」

「……はい♡」

 

 やっぱりナカでイかないと、本当に射精したという気になれない。僕の要求に、直葉は柔らかい微笑みで答えた。直葉は僕の顔を両手で挟むと、キスをして僕の口内の唾液を吸い上げる。そうしてから、いったん離れてベッドを降り、そこらへんに落ちていた未開封のコンドームを手に取った。

 

「あたしが付けてあげますね。あ、でも……」

 

 直葉はそう言うとカーペットに跪いて、ベッドに仰向けになった僕のチンポに顔を近づけ、そこに舌を這わせ始める。

 

「れぇ……♡ れろぉ……♡ おチンポに、せーえきがついてるから……♡ じゅるぅ……♡ 先に、綺麗にしますね……♡ あむ……♡」

「や、ヤバいよ直葉っ、それっ、イったばっかりだから敏感でっ」

 

 直葉に主導権を奪われて、僕は情けなく腰をガクガク震わせた。直葉はチンポに付着したザーメンを舐めとり、その代わりに自分の唾液でベタベタにすると、うっとりとそれを見てから、コンドームを嵌める。

 はじめてフェラチオさせたのも、それどころか、コンドームをはじめて見たのもついこの前なのに、この子は本当にエッチに積極的になった。それくらい、セックスにドはまりしたということなのだろう。

 それに、初めて男の部屋に泊まったことで、彼女はまた何かの垣根を飛び越えたのかもしれない。それとも、また一段と深い崖に堕ちたというのが正しいか。とにかく直葉は、妖艶にも見える微笑みを浮かべたまま、ベッドに這い上がると僕の腰に跨ってきた。

 

「先輩は、そのまま寝ててくださいね。今日は、あたしがしてあげます。ふふっ♡ 先輩のおチンポ、やっぱり元気なまま……♡ ――んっ……♡ ハぁん……っ♡ 」

「うああ……直葉……っ!」

 

 直葉は騎乗位の格好で、僕のチンポを自分のマンコの奥深くにまで飲み込んだ。熱くざらついたヒダが、竿全体を強く擦りあげる。僕は思わず、両手でシーツをぎゅっと握っていた。

 

「先輩、感じてくれてるんですね。昨日あんなにしてもらったから、今日はあたしが、先輩にお返しします。――んっ……♡ んっ……♡ んっ……♡ あっ♡ んっ♡ んっ♡ んっ♡ んっ♡」

 

 鼻にかかった甘い声を漏らしながら、直葉が腰を振りたくる。最初は遠慮しがちにゆっくりと、それから徐々に動きのペースを上げていく。夏休みに入る前は間違いなく処女だった女の子が、今はもう、立派な「女」に成長していた。直葉のあどけない顔立ちは何一つ変わっていないだけに、それがなおさら僕の劣情を煽る。

 

「あっ♡ あっ♡あっ♡あっ♡ はぁっ♡ これっ、あたしもスゴいですっ♡ いつもと、当たる角度が違って♡ せんぱいのがっ♡」

 

 直葉は膝立ちのような姿勢で、腰の上下運動を繰り返す。確かに、いつもとチンポの先が当たる場所が違う。そうやって、直葉はまた僕の前に、自分の弱点を晒してしまっている。

 彼女の両手は僕の胸のあたりに置かれているけれど、そこに体重はかかっていない。ただ純粋に僕の胸を触りたいかのように、さわさわと表面上を這い回っている。二の腕に挟まれ寄せられた直葉のおっぱいは、より一層巨乳に見えた。それが彼女の腰つきにあわせてぶるぶると揺れるから、エロいなんてもんじゃない。見ているだけで射精しそうだった。

 

「あっ♡ せんぱいっ♡♡ せんぱいっ♡♡ せんぱいっ♡♡ せんぱいぃっ♡♡」

 

 直葉は何かを堪えるように、眉根を寄せて目をつぶり、時折首を振ったりする。膣内のざわつきから、彼女もこの行為で、今まで得たことのない快楽を得ているということが、僕にも伝わってきた。

 彼女の声に含まれる糖分は、初めはコーヒーカップに入った角砂糖一個くらいだったのが、今は瓶ごとシロップをぶちまけたみたいになっている。感覚全てが直葉に包まれて、その何もかもがどろりと濃厚で、思考すら麻痺していく。

 

「せんぱいのっ、ビクビクしてますっ♡ 出したい、出したいって♡ いいですよせんぱい、出してくださいっ♡ ナカで思いっきりっ♡ 直葉のナカで出してくださいっ♡」

「あ……っ! ううう……っ! 直葉……!」

「我慢しないで♡ 出しましょ♡ いっぱい♡ い~っぱい出しましょ♡ あっ♡ あっ♡あっ♡あっ♡あっ♡ ああっ♡」

 

 自分でも気づかない間に、僕の両手は直葉の両手と繋がっていた。指のあいだに指を絡ませて、ちょっとやそっとじゃ解けないようになっていた。繋がった手を支えにして、直葉の腰の動きはさらに奔放になった。チンポがマンコを往復するたびぐちょぐちょと音が鳴り、僕の恥骨と直葉のお尻がぶつかり合うパンパンという音も、大きさを増していた。

 耐えられるはずが無かった。直葉のナカで、僕の欲望は爆発した。

 

「あ、ぐぅっ!! うああっ!!」

「んっ~~~っ♡♡♡♡ んぅ~~~~~っ♡♡♡♡」

 

 唐突に訪れた絶頂に見えたけど、僕の射精にあわせて、直葉もちゃんとイっていた。僕は口を大きく開けて、そこからどうにか酸素を取り込みながら、過呼吸すら引き起こしそうな腰のガクガクに流されまいと踏ん張っていた。直葉は直葉で、目をつぶってうつむき、背骨から脳天まで駆け上がるような電流に耐えていた。

 普通のセックスでこんな風に感じられるものなのだろうか。それとも、僕らの身体の相性が奇跡的なくらい良すぎるのだろうか。分からないけれど、ここにあるのが、他の何にも代えがたい快楽だということだけは明確だった。

 

 

 

 

==

 

「ふふっ」

「どうした直葉、何か可笑しかった?」

「ううん、ただ、これって何ご飯なのかな~って思っただけ」

 

 時計が差す時刻は、午後の五時だった。もぐもぐとカップラーメンを食べながら、直葉は妙に楽しそうな顔をしていた。昼食には遅く、夕食には早い時間だ。

 そもそも、昨日の午前から今日のこの時間にかけて、僕らが何かを食べたのは、今を含めて二回だけだ。セックスを最優先にしたせいで、完璧に生活のリズムが崩れている。直葉はしっかりしてそうだから、こういう堕落した生活は経験したことが無かったのだろう。僕としても、食事だけはちゃんと提供するつもりだったのに、結局こんな栄養補給のことしか考えていない感じのメニューになったのは、少し彼女に申し訳なかった。僕は肌着のシャツとトランクス、直葉は僕から借りたTシャツだけという服装も、堕落とか退廃とかいう表現が相応しい。

 一応は使用済みコンドームの類は片付けたし、二人してシャワーを浴びたから、身体も綺麗になっているはずだ。でも、直葉の身体にたくさんかかった僕の精液の匂いは、きっと石鹸くらいじゃ、こびりついて落とせないに違いない。

 僕らはまだ、お互いの思春期の性欲を解消するための、都合の良いセックスフレンドでしかないのかもしれない。だけどこうしているあいだにも、桐ヶ谷直葉という女の子が、着々と僕の「女」に変わっていっているような気がして、僕の心には、暗い満足感がふつふつと沸き上がってきていた。

 

「ふぅ~、ごちそうさまでした」

「お粗末様」

 

 食べ終わった直葉が手を合わせると、僕は敢えて優しい笑顔を浮かべ、そう言った。タイムリミットは近かった。直葉は立ち上がると、ここに来た時と同じ、薄い青のワンピースに着替え始めた。彼女が着替えるのを、僕は止めようとしなかった。

 

「じゃあ……さようなら」

「うん」

 

 バッグを持った直葉を、僕は立って見送ろうとした。ドアを開ける前に、僕は直葉に顔を近づけ、一つだけ尋ねてみた。

 

「楽しかった?」

「あ……っ」

 

 平静に戻っていたように思えた直葉の顔が、ぽうっと赤くなる。大きくてきれいな瞳も潤んでいる。その一言だけで、およそ一日と半日かけてこの部屋で行われたことが、彼女の頭の中でフラッシュバックしたのだろう。

 直葉は僕の胸に額を押し付けるようにしなだれかかると、熱い吐息を漏らしながらつぶやいた。

 

「はい……楽しかったです」

「またおいで」

「はい……――んっ♡」

 

 キスをしたのは僕のほうからじゃない。バッグを床に落とした直葉は、僕の首に手を回し、かかとを少し上げて、名残を惜しむように唇を押し付けてきた。

 

「……また、来ます」

 

 そして、耳まで真っ赤になってしまった直葉は、その言葉を残し、バッグを胸に抱えて小走りで逃げるように去っていった。



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⑦(明日奈)

 前は僕も、週末や祝日が楽しみだった。学校が休みの日、何をしようか。どうやって過ごそうか。そんなことを考えてワクワクしていた。たいていの場合は、ほとんどの時間をゲームに費やして、親に怒られるだけだったけれど。

 僕はゲームをやらなくなった。やりたくなくなった。休みの日も楽しみじゃなくなった。部屋に帰っても、誰も居ない。何もない一人の部屋で、やることはない。だから、夏休みも嫌だった。

 でも、今はそうでもない。やることができたから。

 夏休みは、まだまだこれからだ。

 

「ほら明日奈、もっと力抜いて」

「んあっ、お゛っ、ぐうぅ~……っ!」

「よーし、全部入ったよ。結構すんなりいったね」

 

 と言っても、僕がやってることは、実に不健全で倫理観にもとる行為だ。僕は今、人の彼女のお尻の穴――アナルを絶賛開発中である。そう言うとちょっと間抜けな感じがするけど、やってみると意外に熱中する。

 

「い゛っ、あっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ……。こんなの、どこで買ったの……?」

「キツい?」

「――んっ。慣れると大丈夫……かも」

 

 カーペットに横向きに寝た明日奈のお尻には、僕が近所の怪しいビデオショップで手に入れてきたアナルプラグが、ずっぽりと入っている。

 

「でもなんか、スースーする……んぅっ」

「ローションのせいかなぁ。明日奈が暑い暑いっていうから、『夏向きの清涼感』ってやつを買ってみたんだけど」

「バカみたい……はぁっ、はぁっ」

「息が荒いよ? 興奮してる?」

「恥ずかしいだけ……! もうっ」

 

 明日奈は顔を真っ赤にして、両手で顔を覆ってしまった。恋人に隠れてセフレと浮気エッチするだけで飽き足らず、ついに変態プレイにまで手を出してしまったのだから無理もないか。

 でも、そのおかげと言うべきだろうか。これまで明日奈とセックスした時は、彼女はいつも、なんだか重苦しい雰囲気をまとわせていた気がするけれど、今日はそうでもない。ある種のバカバカしさが、イイ感じに空気をやわらげている。楽しくエッチできるなら、それに越したことはない。

 

「どうしてこうなったの……? まさか、ホントにお尻の穴でしたいなんて――……変態」

「いいじゃん変態で。どうせこの部屋の中だけのことなんだし、二人で変態になっちゃおうよ。ほら、おっぱい揉んであげる。少しは気がまぎれるかも」

「あっ♡ やっ、あんっ♡ ちょっと、あっ♡ ああっ♡」

 

 明日奈の背後に回り、後ろから両乳首の周りをしゅりしゅりと指で刺激する。そうすると、すぐに乳首が立ってきた。

 

「すぐにチンポ挿れるのは無理だろうけど……少しずつ慣らしていこっか。大丈夫、明日奈は才能が有るみたいだし」

「うれしくっ、ないよ! ああっ♡ あああっ♡」

 

 明日奈はやっぱり興奮している。少し胸を揉まれ、首筋にキスされただけで、喉をのけ反らせて感じ始めた。

 そもそも、僕がどうして明日奈のアナルを開発しようと思ったのか。それは、純粋に興味が有ったからというのもあるけど、それよりも大きな理由が存在する。

 明日奈はさっき、変態だと言った。言葉通り、彼女はお尻の穴でシたがる僕を変態だと思っている。そして彼女は、大好きな和人君に僕のような変態であってほしくない。つまり、明日奈は絶対に、お尻の穴を和人君に触らせない。本当なら見せるのも嫌なはずだ。

 だから、「ここ」は僕がもらう。僕は別に、明日奈にとって変態のセックスフレンドで構わない。その代わりに、明日奈の後ろの処女は僕がもらう。それ以外にも、明日奈が和人君とは汚くてできないようなことを、たくさんさせてもらう。そういうわけだ。

 

「汗だくだね、明日奈。どんな感じで弄ってほしい? 正直に言ってみな」

「あっ♡ ああっ♡ んぅっ♡ 乳首の先っ、引っ掻いてっ――あお゛っ!?♡♡ おう゛うっ!?♡♡ そ、それぇっ! あっ♡ んぃ゛っ!?♡♡」

 

 もっと欲望を素直に口にすればいい。桐ヶ谷の前で恥ずかしくて言えなかったことを、正直に曝け出せばいい。明日奈は美人で、性格が良くて、スタイルも良くて、成績優秀で、運動もできて、誰もが憧れるお金持ちのお嬢様で、好き合っている大切な恋人もいる。そんな結城明日奈を全部忘れて、汚い部分も見せればいい。

 どうせここには僕しかいない。明日奈の身体にしか興味の無い、ただのセックスフレンドしか。ここで起こったことは、この場限りの記憶でしかない。だから明日奈には、気軽に、軽率に、そしてできれば自分から、道を踏み外してもらいたい。

 明日奈がアナルプラグを装着し、彼女のイメージから外れた濁音混じりの汚い喘ぎ声を漏らすのを、僕はとても満足しながら聞いていた。この結城明日奈は、桐ヶ谷のものでもない、誰のものでもない、僕だけのものだからだ。

 

「明日奈、腋汗も凄いよ……」

「ひゃぅっ⁉ そんな、汚いからぁっ!」

 

 明日奈が手を頭の上にあげて身をよじっていたせいで、丸見えになっていた腋も舐める。しょっぱい。それに、確かに他の部分に流れる汗よりも匂いが濃い気がする。明日奈の体臭はそれ自体が花の香りのように甘くて、汗がほのかにすっぱくて、男を惑わせるフェロモンに満ちている。不快だとは微塵も思わない。だけど、僕は明日奈の羞恥心を煽るために、舌で舐める傍ら、わざと鼻を鳴らして匂いを嗅いだ。

 

「良い匂いだよ、明日奈。めちゃくちゃ興奮して、チンポガチガチになる。ほら」

「もう、押し付けないで……! 最低……っ!」

「イヤなの? でもさ、じゃあどうして逃げないの? ホントは明日奈も、こういうことやってみたかったんでしょ? なら楽しもうよ」

「はぁっ♡ はぁっ♡ はぁっ♡ はぁっ♡」

「マンコも濡れまくってるしさぁ。おっぱいの奥で心臓バクバクだよ? 認めたら? 自分は変態だって」

 

 明日奈は身をよじった挙句、うつ伏せになって這いずり、僕から逃げようとしている。でも、本気じゃない。その気になれば、彼女は僕を叩きのめすことだって普通にできるはずだ。僕に背後から覆いかぶさられ、胸や股間をまさぐられるのを、明日奈は本気では嫌がっていない。

 せっかくだ、明日奈が無理やり風味で犯されたいなら、それも叶えてあげよう。僕はカーペットを這いずる明日奈を上から押さえつけると、ニヤニヤしながら、寝バックでマンコにチンポを挿入した。

 

「んお゛っ♡♡ んぅ~~っ!?♡♡」

「やっば、いつもよりキッツ……! 明日奈、締め過ぎてチンポ入れにくいよ、もっと緩めて。でないと無理やり押し込むぞ?」

「あ゛っ♡ んぅ゛っ♡♡ い゛っ♡♡ あ゛っ♡♡ ――ん゛おっ!?♡♡」

「あ~っ! 入ったぁ……!!」

 

 締め付けて押し返してくるマン肉をかき分け、ワインのコルク抜きをグリグリとねじ込むようにチンポを挿入する。アナルに入っているオモチャのせいか、それとも無理やり風味というシチュエーションのせいか、マンコが三割増しくらいにキツい。どうかするとチンポが痛いくらいだ。

 

「ははっ、このまま床に押さえつけてヤってあげるよ。桐ヶ谷が絶対やんない、乱暴な感じでね!」

 

 僕も楽しくなってきた。明日奈を初めて犯したあの日を思い出す。僕は明日奈に全体重をかけて、僕の身体とカーペットの間でプレスしながら、バチュバチュと音を鳴らして雑に腰を振りまくった。

 

「んお゛っ♡♡ あ゛ーっ♡♡ い゛っううっ♡♡♡」

「おっおっおっおっ! チンポめっちゃ扱かれる! やっば!」

 

 普段よりIQを半分以下に下げて行うセックスは、確かに気持ちいい。優しく求めあうようなセックスと異なる良さが、ここには有る。このままお互いの最も下劣な部分を曝け出して、ケダモノになってしまおう。僕は喘ぎまくる明日奈の口に右手の指を突っ込み、口内も蹂躙し始めた。

 

「むぐぅ! もごっ、んむぅううっ♡♡」

 

 明日奈の舌を捕まえ、歯茎や奥歯の形も指でなぞる。手指にべっとりと付着した彼女の唾液を、僕はじゅるりと音を立てて啜った。

 

「明日奈っ! 明日奈っ!! 明日奈っ!!」

 

 僕は明日奈の背中に唇をつけると、そこでも音を立ててキスマークを付けていく。桐ヶ谷にバレたら、それがなんだって言うんだ? 明日奈から目を離したお前が悪い。それだけのことだろ? 明日奈もそうだ。僕に身体を許した明日奈が悪い。

 僕はほとんどトランス状態で腰を振りたくり、明日奈の胸を愛撫し、背中から首筋にキスマークを付けていく。やがて彼女の背筋が、僕の体重を押し返すくらいの力で大きくのけ反った。

 

「んぃい゛い゛い~~~~~~っ!?!?♡♡♡♡」

 

 ガチイキ絶叫にしか聞こえないアクメ声。歯をカチカチと鳴らしながら、明日奈はチンポでイってしまった。そして、彼女がイクなら僕もイク。そういうものだ。気付いた時には、僕の亀頭の先から、大量のザーメンが噴き出ていた。

 

「あおっ!? ぐぅっ!! おおおっ!!」

「お゛っ♡♡♡ んおお゛~~~~~~っ!!??♡♡♡♡」

 

 絶叫しながら射精し、膣イキする。今の僕らは、本当にケダモノと変わらない。知性の匂いの欠片も無い。でも、そんなみっともない彼女だからこそ、今だけは僕の明日奈だ。ずっと遠くから眺めていた、桐ヶ谷の隣に居るキラキラした幸せそうな君じゃなくても、今だけは僕だけの君だ。

 

「明日奈っ!! 明日奈っ!! 明日奈ぁっ!!」

 

 射精が終わる前から、僕は再び腰を振りだす。前後に振るだけじゃなく、押し付けるようにして円を描く。その時ついでに、アナルプラグの先をお腹で押してやる。お尻の穴に差し込まれたプラグが、さらにグリっと侵入し、明日奈は情けないイキ声をあげる。

 

「お゛っあぉおおっ!?!?♡♡♡♡ い゛ぅううウ~~っっ♡♡♡♡♡」

「また出るっ! 明日奈っ!! 君の中に!! 明日奈っ!! ――ううっ!!!!」

 

 抜かずのまま、一発目からほとんど間を置かず、僕は二発目を解き放っていた。一発目のザーメンを溜め込んでいたゴムの先が、明日奈のナカでさらに膨らんでいく。僕は明日奈を精一杯の力で床に縫い留めたまま、これ以上ないくらい腰を押し付け、金タマを空にする勢いで射精していた。

 

 

 

 

==

 

「私のお尻が、もしもがばがばになっちゃったら、君のせいだからね?」

「うん……」

「どうしたの?」

 

 明日奈は小首を傾げ、怪訝な表情で僕を見る。でも、そうしたいのは僕のほうだった。僕はまた、彼女に酷いことをした。頬を張り倒されてもおかしくないし、警察を呼ばれたって不思議じゃない。なのにどうして、明日奈は僕と一緒にシャワーを浴びているんだろう。

 

「ほら、手を挙げて。腋の下が洗えないから」

「うん……」

 

 しかも彼女は、ボディソープを付けたスポンジを使って、僕の身体を甲斐甲斐しく洗っている。まるで、しっかり者の姉が、出来の悪い小学校低学年の弟にするように。どうして明日奈は、あんなことをされても、僕のことを嫌いにならないんだろう。好きの反対は無関心というけれど、やっぱり僕という人間は、彼女にとって好悪の対象外なモブでしかないんだろうか。

 

「ほら、背中」

「うん……」

「この傷、なに?」

「うん……え?」

「何かに引っ掻かれたみたいな……」

 

 僕のフワフワとした思考が、背中を這う明日奈の指の感触によって現実に引き戻された。明日奈がじっと見ているのは、もちろん直葉が僕の背中を引っ搔いた傷だ。こういう時、僕は適当に答えることにしている。

 

「あ~っと、寝てる間に自分で引っ掻いたかな? 寝相が悪いんだよね、僕」

「ふ~ん……」

 

 明日奈はしばらく、僕の背中を洗いながら撫でていた。

 

「いてっ」

 

 弱い痛みを感じて、僕は首だけで振り返った。

 

「なんかした?」

「してない。それよりも、このスポンジは買ったの? 前はタオルしか無かったよね」

「え? ああ、うん、駅前の雑貨屋で」

「どうして?」

「まあ……なんとなく?」

 

 なんとなく、女の子が身体を洗うには、タオルよりもこっちのほうが良いのかなと思っただけだ。

 

「次は絶対クーラーを直してよね」

 

 それは、次が有るってことだろうか。

 

「ほら、しゃがんで。頭も洗うから」

「うん」

 

 何かフワフワとしたまま、僕は明日奈に全身を洗ってもらった。そのフワフワは、決して嫌な感覚じゃなかった。髪をタオルで拭いてもらってから、僕は明日奈に、次は僕が君を洗おうかと聞いてみた。

 

「イヤ。絶対にエッチなことするつもりだよね?」

「しないよ」

「嘘ばっかり」

 

 何度か僕にシャワー中に乱入されて、明日奈は学習したようだ。髪も洗いたいから出ていってと言われると、僕はすごすごと出ていくしかなかった。明日奈が自分の身体を洗っているあいだ、僕は大人しく部屋の片づけをしていた。僕が脱がせてその辺に散らかした明日奈の服も、一応は畳んで重ねてみた。

 明日奈のシャワーは長く、片づけが済んでからも結構な時間、僕は一人でカーペットの上に座っていた。やがて、ユニットバスのドアが開き、そこから明日奈が、バスタオルで身体を拭きながら出てきた。

 

「ふぅ……少しさっぱりしたかも」

「…………」

「……なぁに?」

「あ……いや……綺麗だなって」

「そういう風に褒めたら、女の子は喜ぶって思ってる?」

 

 明日奈の濡れた髪や、丸みを帯びた肩が綺麗だと思ったのは、本当だ。でも、確かに僕が言っていいことじゃない。明日奈はその時はじめて、少し気を悪くしたようだった。

 

「やっぱり、替えの下着とか持ってきたほうが良いのかな。どうしても汗かくし……そのまま着るのって、なんか気持ち悪いよね」

「え? ああ、うん、いいんじゃない?」

「うん」

 

 なんだろう、妙に会話のリズムが定まらないけど、明日奈はやっぱり、まだこの部屋に来るつもりのようだ。その意味を考えるには、今日の僕の頭はフワフワし過ぎている。僕はそのまま、着衣を整えた明日奈を玄関のドアまで見送った。

 

「じゃあ、またね」

 

 やけにすっきりとした表情で、少しだけ微笑んで、明日奈は去っていった。



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⑧(直葉)

「先輩……今日も凄かったです」

「直葉も可愛かったぞ。たくさんエッチな声で鳴いててさ」

「もう……先輩のいじわる」

 

 真夏の午後、僕は裸でベッドで仰向けになり、同じく生まれたままの姿の直葉を腕枕していた。直葉は身体を少し横向きにして、そのたわわなおっぱいを僕に押し付けるように寝ている。直葉の右手は、僕の胸の上に置かれており、彼女はそれまで快感の余韻が残る声で、今日のセックスの感想を僕の耳元で囁いていた。

 

「でも、ほんとにいっぱいエッチな声でちゃいました……。先輩のおチンチンが、おくにズンズンってくるたびに、胸がきゅうってなって……」

「直葉、お前もすっかりセックスが大好きになったなぁ」

「はい……♡ あたしは先輩とのセックスが大好きです……♡ ――ん♡ ちゅ♡」

 

 僕の頭に、伸び上がった直葉の頭が影を落とす。直葉はそのまま僕に覆いかぶさるように、キスの雨を降らせてきた。

 すっかりヤリ部屋となった室内には、丸めたティッシュと3個の使用済みコンドームが転がっている。

 これで三度目のお泊り。しかも、前回からそれほど間を置かず。いくら友達の家に泊まるっていっても、これまであまり外泊をしなかった子がそんなことをすれば、家族に怪しまれるに違いない。それは直葉だって分かっているはずだ。でも、直葉は僕の部屋に、また泊まりに来た。来てしまった。いや、来ざるを得なかった。

 今やあいつの可愛い義妹は、僕のチンポをハメられなければ、3日も我慢できない身体になってしまったのだ。

 

「せんぱい……♡ ちゅ……っ♡ せんぱい♡ ちゅぅ……っ♡」

 

 直葉は甘く蕩けるような声を出しながら、僕を唇でついばんでいく。彼女がキスする箇所は、口から首筋、鎖骨から胸へと、段々と下に移動していく。僕は直葉の潤った唇の質感や、身体を這い回る直葉の手の感触、押し付けられる膨らみの柔らかさなどを感じながら、力を抜いた姿勢のまま、彼女のしたいようにさせていた。

 

「あ……ん♡ ちゅるぅ……っ♡ はぁ……っ♡ れろぉ……♡」

 

 直葉の身体が視界から消えてしばらくすると、僕のチンポが暖かな粘膜に触れた。直葉の舌が、チンポの裏筋を付け根からカリの段差まで舐め上げる。僕は思わず、腰を浮かせてわずかに身をよじった。

 

「せんぱいの……おチンポ……♡」

 

 直葉のうっとりとした表情が目に浮かぶ。竿にぴとりと当たったのは、直葉の頬の感触だ。彼女は僕のチンポに頬ずりをしてから、亀頭に唾液をトロリと垂らした。そして、ぱくりとそれを頬張った。

 亀頭部分だけが直葉の口内に侵入し、暖かく湿った空気に包まれている。そして、小学校低学年の児童が縁日でりんご飴を舐めるように、直葉は夢中で舌を動かす。彼女が小学生と違うのは、ただ舐めるだけじゃないという点だ。

 時には舌先で亀頭をつつくように、時にはカリ首に舌でマフラーを巻くように。真面目で努力家の直葉ちゃんがこんな技術を持っていると知ったら、彼女の友達は腰を抜かしてしまうだろう。ちょっと童顔だけど、美少女の桐ヶ谷さんに密かに憧れている同級生の男子も多いはずだ。そんな子が学校のモブっぽい先輩の部屋で、美味しそうにチンポを頬張っていると知ったら、彼らは絶望してしまうんじゃないだろうか。

 

「先輩、なに考えてるんですか?」

「ん?」

「おチンチン、さっきより膨らみましたよ。おっきくて、あたしの口に入らないくらい」

「いやぁ、直葉は本当にエロくなったな~って」

「もう……今日の先輩、やっぱり意地悪です。先輩のせいでこうなったんだから……」

「悪い悪い。ほら、フェラ続けて」

「ん……♡ はい♡」

 

 僕が手を伸ばすと、直葉はそこにあごを乗せるようにしてきた。僕は飼い猫にしてやるように、彼女のあごの下を指でくすぐる。直葉は嬉しそうに眼を細めて、すっかり機嫌を良くした。そして、僕のチンポに対するフェラ奉仕へと戻っていく。チンポを舐めしゃぶる直葉のヒップが、ゆらゆらと揺れているのが見えた。

 直葉が持っていた淫らな才能を、ここまで開花させたのは僕だ。

 彼女は僕に犯されるまで、義理の兄である桐ヶ谷和人に、異性に対しての愛情を抱いていた。それが叶えられなかったのは、家族のことと、それ以上に明日奈の存在があったからだ。「明日奈さんという素敵な恋人がいるから、自分はお兄ちゃんとは付き合ったりできない」。直葉はそれを理解しながら、さりとて自分の想いを捨てることもできなかった。そしてそれこそ、彼女自身が考える以上のフラストレーション――欲求不満が、直葉の中に溜まっていく原因になったのだろう。

 これは、直葉に直接聞いたわけじゃない。態度や言葉の端々からの、単なる僕の妄想だ。でも、僕に犯されたあの日から、直葉は何かふっ切れたように、肉の繋がりがもたらしてくれる快楽にのめり込んでいった。

 

「うっ……直葉、それいい……っ」

「んぐっ♡ じゅっ♡ れろぉっ♡」

 

 直葉のフェラは「献身的」の一言だ。僕が気持ち良くなることだけを配慮して、一生懸命に舌を動かしてくるので、とても健気で可愛らしい。フェラの時に下品にザーメンを吸いつくしてくる、彼女の将来の「お義姉さん」に見せてやりたいくらいだ。そんなことを考えて苦笑した僕の顔を、フェラに夢中の直葉は見ることができなかった。

 そして僕は、直葉の次のスイッチを入れるために、魔法のキーワードを口にした。

 

「直葉、好きだ」

「――♡♡♡」

 

 僕がその言葉を口にした瞬間、直葉の舌の動きはさらに活発になった。口内に溢れる唾液も、量と熱さを増す。

 

「大好きだよ、直葉」

 

 可能な限り優しく、誠実かつ真摯な声で、直葉の耳にはっきりと届くように、僕はそれを囁いた。すると、僕のチンポが、直葉の口内のさらに深いところに飲み込まれた。

 

「んっ、ぐぅ……!」

 

 チンポに塞がれた喉の隙間から、直葉は凄く苦しそうな声を漏らす。でも、彼女が喉奥まで使って僕に奉仕しようとするのは、僕が強制したからじゃない。直葉自身が、それを望んでやっているのだ。

 直葉の喉が、反射的にチンポを吐き出そうと蠢いて、それが逆に僕の快感となる。直葉は本当に苦しんでいる。しかし、そんな苦しみと引き換えにしてでも、彼女は僕を気持ち良くしようと頑張っている。

 そのひた向きさにじんわりと胸が温かくなり、心地よい射精感が込み上げてきた。

 

「直葉、出る……! ううっ!!」

「んぶぅっ⁉ ぶふっ⁉」

 

 直葉の喉奥に押し付けられた鈴口から、熱い欲望の塊が食道に直接噴射される。突然の出来事に鼻から息を漏らしながらも、直葉は暴れまわるペニスを一生懸命頬張って、ごくごくとザーメンを飲み干していく。だけど、直葉の小さなお腹に、やがて限界が来た。

 

「――んっ、ぐぅっ⁉ ゲホっ!! ゲホっ!!」

 

 直葉はチンポから口を離すと、眉を寄せて喉を抑え、今までの呼吸を取り戻すかのように激しくえずいた。直葉が飲み切れなかったザーメンの残りが、チンポからぶびゅるぶびゅると空中に吐き出され、僕の下腹部に降りかかった。

 

「ゲホっ!! ゴホっ!! はぁっ、はぁっ、はぁっ……! ご、ごめんなさい先輩、あたし、最後まで――」

「大丈夫だよ、直葉」

 

 僕に酷いことをされたのに、直葉は顔色を変えて謝ろうとする。そんな彼女の頭と背中を、僕の腕が包む。ベッドに座る直葉を抱き寄せながら、僕は彼女に囁いた。

 

「ありがとう、頑張ってくれて。僕を気持ち良くしようとしてくれたんだよな? ありがとう、大好きだよ、直葉」

「せん……ぱい……。ああ…………」

 

 熱い吐息と一緒に直葉が漏らした声は、誰かに抱きしめられ、愛を囁かれる心地よさに酔っているようにも、堕ちていく自分自身を嘆いているようにも聞こえた。直葉は体重を全て僕に預けている。ずっしりとした人の重み、肌の感触、確かな体温が心地いい。これに依存したくなる気持ちは、僕も良く分かる。分かってあげられるからこそ、直葉は僕にコントロールされてしまう。

 抱き締める腕に力を込めて、僕は本気で嘘をついた。

 

「ごめんな直葉、お前が優しいからって調子に乗って」

「先輩、そんなこと……」

「お前のことが好きだから、つい甘えちゃうんだ。ダメだよな、こんなの。ごめん、大好きだよ」

 

 僕は本当に彼女のことが好きなんじゃないかと、僕自身で思い込んでしまいそうになるくらい、本気の嘘だ。

 直葉は聡明な女の子だ。軽薄で最低な僕の嘘くらい、思考がはっきりとした状態なら、彼女ならすぐに見破れたはずだ。でも、これまで何度も肉体を重ねてきたという事実、それによって溺れそうなくらいの快楽を得てきたという、直葉の身体に染み込んでしまった経験が、彼女の判断を誤らせる。

 

「……あたしも、先輩のことが」

 

 ためらいがちに、怖々とした調子で、例えそれが彼女にとっての本心でなくとも、それを言ってしまったらどうなるのだろうという好奇心にも突き動かされて、直葉は唇を動かした。

 

「好きです」

 

 僕に強制されて言うのではなく、正真正銘、自らの意志で。

 

「大好きです、先輩」

「僕もだ、直葉」

「大好きなの」

「僕もお前が大好きだよ、直葉」

 

 お兄ちゃんに言いたかったであろう台詞を直葉は口にして、お兄ちゃんの口から聞きたかったであろう言葉を、僕は直葉に与えてやった。そのまま好きだと囁きながら、僕は直葉の首筋に、唇で痕を残す。

 

「ん……ああっ」

 

 さっきとは違い、今度は直葉のほうが、僕にされるままになっている。彼女の身体は、ぷるぷると小刻みに震えていて、少し押すと、簡単にベッドの上に倒れた。

 首につけた最初のキスマーク以外は、鎖骨の下あたりを中心に、服を着ていたら見えない場所につけていく。そんな「証」が増えていく様子を、直葉は顔を覆った両手の隙間から、息を荒くして凝視していた。

 

「乳首……もう立ってるね」

「――あっ♡ きゅぅっ⁉」

 

 わざと前歯を立て、存在を主張するピンク色の乳首にカリっと噛みついた。ビクリと大きく震える直葉に構わず、僕は彼女の乳房にも自分の歯型を残した。前に背中にキスマークをつけた時は、どこか遠慮する気持ちが有ったけど、今度はそうじゃない。直葉が絶対に人前で服を脱げなくなるくらい、大っぴらにまんべんなく、僕という「男」の痕を残していく。直葉が後戻りする道なんか、無くしてしまえと思っていた。

 

「好きだよ、直葉」

 

 何十回もその言葉を繰り返す。

 

「あたしも、先輩が好きです」

 

 直葉にも、何十回と復唱させる。

 そして僕は、恥じらいで閉じられた彼女の股を手で広げ、その中心に顔を埋めた。

 

「あっ!? ああっ♡ せんぱいっ♡ そんなの――っ♡♡ ひぅっ!?♡♡」

 

 肥大したクリトリスを舌で舐めると、直葉は面白いくらいに腰を跳ねさせた。マンコも午前からの行為で既にドロドロになっている。僕はそこにも無遠慮に舌を伸ばした。

 

「あっ♡ んぅっ♡ んん~~~っっ♡♡」

 

 凄い力で直葉の脚が閉じようとするけれど、僕はそれを許さない。彼女の膝をガシッと掴んで、無理やりこじ開ける。直葉に口で気持ち良くしてもらったお返しに、僕も直葉を良くしてやる。両手で頭を押されても、僕はクンニを止めなかった。

 

「あおっ♡♡ いっ♡♡ ああああっ♡♡ せんぱいっ、そんなの汚いっ」

 

 直葉の抗議の声も無視した。むしろ僕は、音を立てて彼女の奥からあふれ出る愛液を啜った。M字に開かせた直葉の太ももを抱え込み、ひたすら彼女に奉仕した。壁際に置かれたベッドの上で、直葉はその壁に背中を預け、時には壁紙を爪で削りながら、身もだえしてイキまくった。

 

「あ゛……♡ あ゛……う゛あ…………っ♡♡♡」

 

 どれくらい時間が経ったのか、時計を見ていないから分からない。直葉がぐったりとして、ぴくりぴくりとしか動かなくなっても、舐め回し続けてあごがガクガクになるまで、僕は彼女を責め立てた。

 

「ひぅっ!?!?♡♡♡」

 

 途中、直葉はマンコの上あたりから透明な液体を噴き出し、それが僕の顔にかかった。おしっことは違うみたいだったけど、例えそうでも構わなかった。とにかく、今は直葉に気持ち良くなってもらう。それだけに集中していた。

 そして、直葉の瞳からハイライトが消えたころ、僕はようやく身体を起こし、彼女の耳に口を近づけた。

 

「う……あ゛……」

「直葉、大好きだ」

「は……っ♡ ひっ♡」

「大好きだよ」

「うう゛…………っ」

 

 再び何度も何度も好きだと囁くと、最終的に、直葉は涙を流し始めた。それでも、僕は彼女に囁くのを止めない。しゃくり上げる直葉の耳を通って、その単語が脳に焼き付くまで繰り返した。

 

「直葉、もう一回チンポ挿れるぞ」

「はい……っ、お願いします……」

 

 直葉の思考をグチャグチャにしてから、とっくの昔に復活していたチンポを、彼女の膣内に挿入する。彼女のマンコはいつもより緩やかになっているようだったけど、熱さとうねりが半端じゃなかった。無数のザラついたヒダがざわざわと蠢き、チンポ全体を甘やかしてくる。

 そして直葉は、挿入だけで深い絶頂を迎えてしまった。

 

「あ゛っ♡♡ い゛い゛~~~~~っ♡♡♡ ぅ~~~~~~っ♡♡♡」

 

 足の指を丸め、目をぎゅっとつぶり、僕の背中に爪を立てて、直葉はどうにか快感を外に逃がそうとしているようだった。でも、出口なんかどこにもない。感極まって、直葉は僕の肩に噛みついた。僕の背中と肩に滲んだ血が、たらりとシーツに落ちていく。

 そして、直葉が気持ち良くなっているという事実から、そんな痛みなんかどうでも良くなるほどの充足感を得て、僕は腰をゆっくりと揺らしていた。身体を密着させ過ぎたせいで、僕と直葉の動きは制限されていた。腰もグリグリと押し付けるようにしか動かせない。でも、直葉はそれが好きらしく、僕の肩に複数の歯型を並べた。

 多分、僕はどこかで射精していた。だけど、それが曖昧になるくらい、挿入しているという事実だけで気持ち良かった。僕らはまるで、蛹になりかけの芋虫のように、その場でもぞもぞと身体を動かしていた。いつまでも、いつまでも途切れることの無い満足感に包まれながら。

 

 

 

 

 

==

 

「直葉、何が食べたい?」

「う~ん……先輩の手料理なら、なんでも」

「それだと逆に作りづらいんだけどなぁ……」

「えへへ……」

 

 直葉が笑うと、息が胸にかかってくすぐったい。お互いの身体に沢山の痕を残すセックスを終えて、僕らはまだ抱き合っていた。ベッドに寝転んで正面から抱き締め合い、暑苦しいのにタオルケットでお互いを包んでいる。

 

「て言っても、僕もそんなにレパートリー持ってないけどさ」

「じゃあ、今日はあたしも手伝います。一緒に作りましょう?」

「そうしよっか。冷蔵庫に鶏肉が有るから、照り焼きでも……あ」

「どうしました?」

 

 そう言えば、醤油を切らしていたんだった。

 

「直葉は使う? 醤油」

「え……どうでしょう、食材を見てみないと……でも、たぶん、はい」

「仕方ないかぁ」

 

 そこでようやく、僕は二人でくるまったタオルケットからもぞもぞと脱出した。

 

「待ってて、そこのコンビニで買ってくる。ついでに飲み物とかも。あー……シャワー浴びてから」

 

 適当に服を着てと思ったけど、改めて自分の身体を見ると酷い惨状だ。とにかく血まみれである。これで外には出られない。

 

「あ……っ! それ、あたしが……ごめんなさい……つい……」

 

 直葉は顔を真っ赤にして謝ったけど、上半身を起こしてはらりと落ちたタオルケットの下から、僕の歯型やキスマークまみれになった自分の身体が出てきたのを見て、さらに真っ赤になってしまった。

 僕はそんな直葉の前で、何かをごまかすように後頭部を掻いて笑いながら、もう片方の手を彼女に差し伸べた。

 

「一緒に浴びようか」

「……はい」

 

 それから僕らは、ユニットバスでイチャイチャイチャイチャしながらお互いの身体を洗った。

 

「あれ?」

「どうかした?」

「いえ……あの……。やっぱり何でもないです」

 

 直葉は終始はにかんだような微笑みを浮かべていたけど、それが一瞬途切れた瞬間があった。洗面所に置かれた、二本の歯ブラシを見た時だ。本当に一瞬、彼女の瞳の中で、何かものすごい色が閃いた気がした。

 身体を拭いて、ようやくラフな服装に身を包むと、僕は玄関まで見送りに出た直葉に言った。

 

「じゃあ、行ってくるね」

「はい、いってらっしゃい」

「…………」

「……? 先輩、どうしました?」

「いや、何でも」

 

 僕はサンダル履きでドアを開けた。いくらクーラーが故障気味でも、部屋の中よりずっと暑い空気が、むわっと入ってきた。外は真っ暗だ。どこかの草むらで虫の声が聞こえる。ここは色々と不便な安アパートだから、最寄りのコンビニまで歩いて十分くらいだ。僕は部屋の前の通路を歩きだした。

 

「あのっ」

 

 でも、十歩も行かないくらいのうちに、僕の背中を声が追いかけてきた。振り返ると、僕の部屋のドアから直葉が半身を出している。

 

「……あたしも一緒に、行っていいですか?」

 

 彼女はしばらく悩むようなそぶりを見せてから、僕にそう言った。



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⑨(直葉)







 微妙な空気と距離感だ。夜の道路を歩く僕の後ろを、直葉が黙ってついてきている。ここは住宅地――というほど家も密集していない、田んぼや畑の多い郊外だ。日が沈めば、ほとんど車は通らない。それでも僕らは道路脇に寄って、サンダルでじゃりじゃりとアスファルトを踏みしめながら歩いていた。

 

「…………」

「…………」

 

 僕らの関係は、しょせんあの部屋の中だけでのこと。だから、こうして彼女と外の空気の中を歩くとは思わなかった。僕も直葉も、何も言わない。足音だけが、やけに大きく響いている。アスファルトは昼間の余熱を残していて、地面からむんむんと暑さが昇ってくるような感じがする。

 コンビニまでは徒歩十分。その近辺まで行けば、景色がガラッと変わる。それなりに人通りが多い通りに出て、チェーンの定食屋やラーメン屋なんかもある。ちなみに、明日奈のお尻を開発するためにオモチャを購入した怪しいDVD屋は、その大通りからさらに路地に入ったところにある。

 足音からして、直葉は僕の5メートルくらい離れた後ろにいるようだ。直葉としては、外で僕と歩いている様子を、万一にも誰かに見られたくないはずだ。だから、もしも知り合いとすれ違っても、「僕と一緒に歩いている」とは思われない距離を、彼女は保とうとしている。

 別にそれで正しいと思う。セックスの最中に好きだ好きだと言わせてみても、あの子が本当に好きなヤツは、僕とは別にいる。僕はその代用品で、「好き」という言葉は単なるプレイの一環だ。直葉がそう割り切っているなら、むしろそっちのほうがありがたい。

 そう思っていたのだけれど――

 

「……っ」

 

 足音が少し早くなり、直葉の気配が近づいた気がした。不思議なことに、僕の鼓動は早くなった。さらに数分間は無言で歩いた。田畑の多いゾーンを抜けて、まさに住宅地っぽいエリアに入る。そこにある大きめの公園を横切った頃には、直葉の身体は、僕の真横にあった。

 

「直葉?」

「暗い……ですから」

 

 答えのような、答えになっていないような。直葉はそう言うと、さらに僕の近くに身体を寄せた。今の直葉は自前の私服姿だ。太ももまで見えるホットパンツに、Tシャツを着ている。直葉は少し背が低い。横を見ると、胸元の隙間から鎖骨とおっぱいの北半球の一部が見えた。住宅地を抜けて、大通り沿いのコンビニまで、僕らは肩が触れ合うか触れ合わないかのギリギリの距離を保ったまま、歩き続けた。

 

「っしゃいませー」

 

 自動ドアが開くと入店の電子音が鳴り、やる気のないバイトの声がした。僕は入り口の買い物カゴを手に取り、直葉は両手を後ろに組んで、商品棚を物色し始めた。僕はカゴに、目当てだった醤油と、ペットボトル飲料を何本かと、ついでに切らしていたゴミ袋と、スナック菓子を入れていく。

 

「直葉、ほかに何か要る?」

「んー……」

 

 直葉は小さいチョコレート菓子の箱に目を止めた。それからちらりと僕に視線を向けてくる。僕が頷くと、直葉はその箱をカゴの中に入れた。これで買いたいものはそろった。じゃあレジに行こうかという時に、直葉はまた、さっきとは違う商品棚の何かに目を止めた。

 

「あ……っ」

 

 彼女の頬が赤くなったので、何を見つけたのかと思ったら、それはあれだ。僕らが大量に消費している、コンドームの箱だった。直葉の恥じらう顔に嗜虐心を刺激された僕は、彼女の横に立って言った。

 

「そっか……これもそろそろ無くなるよね?」

「ぁ……ぅ……」

「明日の朝までもたないかもしれないし、買っとこうか」

「そん……なに……?」

 

 僕は、買い物カゴを直葉のほうに少し傾けた。君が自由に選んでいいよ、という仕草だ。直葉は陳列されたゴムと、買い物カゴと、僕の顔と、それからレジのほうであくびをしている男のアルバイトの顔を交互に見て、さらに顔を真っ赤にしていく。僕は優しく微笑んでいたつもりだったけど、そこには意地悪でいやらしい色が浮かんでいたに違いない。

 直葉は僕にすがるような眼をした。でも、僕は彼女に意地悪を続けた。

 

「ほら、直葉」

「……はい」

 

 直葉の手は、最初に5個入りの小さな箱に向かって伸びていった。けど、箱に触れる瞬間、ぴくりと弾かれたように指が動き、それからその指が怖々と横にスライドして、12個入りの箱を掴んだ。

 

「じゃあ、これ……」

「あ~……」

 

 なるほど。僕は直葉の耳に口を寄せ、ねっとりと囁いた。

 

「これは頑張らなきゃな……。ね、直葉」

「ん……っ」

 

 直葉はぎゅっと目をつぶり身体をこわばらせ、ゴクリと唾を飲み込んだ。

 会計を済ませるため、僕らはレジの前に立った。他に客はいないから並ぶ必要はない。顔が真っ赤のままの直葉が逃げないように、彼女の手首を掴んだまま、僕は買い物カゴをカウンターに置いた。

 男子大学生らしいアルバイトは、商品にバーコードリーダーを当てながら、ちらちらと直葉に視線を向けている。ただでさえ、直葉は人目を引くくらいの美少女だ。しかも、小柄な身体に似合わない胸のたわわな膨らみに、目を奪われない男はいないと断言できる。その膨らみがTシャツを大きく持ち上げている様子が、学生バイトは気になって仕方ないようだった。

 コンビニのラジオ放送をBGMに、ピッ、ピッと電子音が鳴る。直葉はもう首筋まで赤くしている。できればこの店員が、「あの商品」をスルーしてくれることを祈りながら。でも、当然そうはいかない。

 

「あ」

 

 バイト店員の口から声が出て、直葉はばっとうつむいた。僕に掴まれた手が、逃げたそうに引っ張られる。直葉が手に取ってカゴに入れた、12個入りのコンドームの箱。どこかいかがわしいデザインのその箱と、直葉のあどけない顔とを、店員はまじまじと見比べていた。

 

「――円になります」

 

 そして、会計は無事に終わった。直葉にとっては無事じゃなかったのかもしれないけど。自動ドアから出る時も、直葉は僕に手首を掴まれたまま、首を真っ赤にしてうなだれていた。

 

「帰るぞ、直葉」

「うん……」

 

 僕らはさっき通って来た道を逆にたどり、僕の部屋への帰途に就いた。行きと同じく、歩き始めてからしばらくは無言だった。違うのは、直葉の手首が僕に掴まれ、連行されるような形になっているという点だ。今の直葉はどこかふにゃふにゃとしていて、身体に力が入っていない。僕が半ば強引に引っ張ると、簡単に身体を寄せてきた。

 

「は……ぁっ……」

 

 直葉の口から、ため息とも喘ぎ声ともつかない音が漏れる。僕が彼女の手首を離し、その代わりに、細い腰をぐいっと抱き寄せたからだ。暗くて遠目からは顔が判別しにくく、さらに人通りもそれほど多くないとはいえ、それこそ万一知り合いに会ってしまえば、完全に言い訳不能の状態である。

 今の直葉は、学生の身でありながら男と夜遊びをする、エッチでいけない子だ。たぶんこれまで、彼女はそういう男にうつつを抜かすような子を、むしろ軽蔑して生きてきたに違いない。今、自分がそんな子になってみて、彼女は何を考えているのだろうか。ぜひとも頭の中を覗いてみたいと思った。

 

「せんぱい……」

「ははっ、直葉、こんなとこでそんな甘ったるい声を出していいの?」

「だって……」

「あー……でも、僕もムラムラしてきたな」

 

 直葉が発散するフェロモンにあてられて、歩きながらチンポが勃起してきた。下着の生地に擦れて痛い。このまま歩いても、部屋に着くまであと5分はかかる。僕も直葉も既にハメ合う準備が整っているというのに、5分も耐えなきゃならないなんて拷問だ。

 その時ちょうど、僕らは住宅街の中の公園を通りかかった。結構大きな公園だけど、こんな夜中に人はいない。おあつらえ向きに、綺麗目な多目的トイレまである。僕がそのトイレのほうに足の向きを変えても、直葉は何も言わずに従った。

 

「直葉、下を脱いでお尻向けて」

「はい、先輩……」

 

 洗面台のところに買い物袋を置くと、僕は短い言葉で直葉に命令した。それでも、直葉はやっぱり抗議しない。むしろ自分からいそいそと、ホットパンツとショーツを足首にかかるまで下ろしてしまった。そして、便器の蓋に手を突くと、お尻を高々と上げる。マンコからは、白濁した本気汁がトロリと零れ出ていた。

 僕もズボンを下ろすと、さっき買ったコンドームを手早く勃起チンポに装着し、直葉のお尻を掴んだ。そして、前戯すらせず、一気に直葉のマンコに挿入した。

 

「あ゛っ♡♡ うっ、う~~~~っっ♡♡♡」

 

 まさに「ぶち込む」という表現が相応しい挿入の衝撃に、直葉はつま先立ちになってイキ悶えた。

 

「おチンポきたぁ……っ♡ せんぱいの、おチンポぉ♡ う゛ぅ~~~っ♡♡♡」

「もうスイッチ入っちゃってるじゃないか。ガンガンピストンするから、ちゃんとマンコ締めろよ?」

「はいっ♡ はいぃっ♡ ――あ゛っ♡ お゛っ♡お゛っ♡お゛っ♡う゛っ♡お゛っ♡」

 

 直葉のイキ声が多目的トイレの中に響く。彼女はチンポに奥を突かれるたびに、浅い絶頂を味わっているようだ。

 僕らは、二人とも下半身だけを露出した、一番手早く繋がれる格好で交わっている。僕は公園の多目的トイレという公共施設を、直葉の中でザーメンを排泄するという目的のために使用している。今の桐ヶ谷直葉は、単なる僕の性処理トイレだ。そして直葉のほうも、抑えられない思春期の肉欲を解消するために、僕のチンポを道具として使っている。その背徳感によって、すぐに射精欲求が込み上げてきた。

 

「あ~クソっ! 直葉! もう出るぞ!」

「は、はいっ♡ イってくだしゃいっ♡ 出してくだしゃいぃっ♡ 大好きなせんぱいのおチンポ、直葉で気持ち良くなってぇっ!!」

「クソっ! 可愛いこと言いやがって! そんなにチンポに犯されるのが好きなのかよ!! どうせ誰のチンポでもいいんだろ!!」

 

 本当は「お兄ちゃん」のチンポが良いんだろう。

 

「ち、違うもんっ! あ゛っ♡あっ♡あっ♡あっ♡ ――せんぱいだからだもんっ! おう゛っ♡ んぃいいっ♡♡♡♡」

 

 指の痕がつくくらいお尻を強く握りしめ、鉄みたいに硬くなったチンポで、直葉の中を乱暴にごちゅごちゅとかき回す。直葉が手をついている便器がガタガタと揺れる。早く射精したい。でも、もっともっとこのマンコを楽しみたい。直葉の喘ぎ声を聞いていたい。そんな葛藤も、限界を迎えた射精衝動によって押し流されてしまう。

 最後の瞬間、僕は直葉のお尻に恥骨を強く叩きつけた。直葉のつま先が、一瞬だけ宙に浮く。それと同時に、僕は亀頭の先からザーメンを噴射していた。

 

「おおううう゛っ!!!!」

「んぅ~~~~~~~っ!???♡♡♡♡」

「ううううっ!!!!」

「~~~~っっ!!♡♡♡ ~~~~っっ!!♡♡」

 

 本来なら有り得ない場所で交わっているという事実が、僕らの感覚を鋭敏にしていたのだろうか。僕と直葉の腰はガクビクと震え、膝も馬鹿みたいに笑っていた。そうやって僕らは、お互いに立っているのがやっとの状態になりながら、身体を支配しているどうしようもない性衝動が通り過ぎるまで、腰とお尻を密着させていた。

 

「んちゅ……っ♡ ちゅる……♡ ――んっ♡ はい、綺麗になりましたよ、先輩」

「ありがとう、直葉」

 

 事後、僕はトイレの蓋に座り、股の間に跪いた直葉にお掃除フェラをさせていた。ゴムを外し亀頭に付着していた精液を全て舐めとると、直葉は髪をかき上げながらにっこりと微笑んだ。

 

「こっちおいで、キスしよう」

「え、でも……口を洗わないと」

「いいよ別に」

「あっ」

 

 僕はためらっている直葉の手を引いて、自分の膝の上に抱え込んだ。そして正面から彼女を抱っこし、口づけを始める。

 

「もう一回しよっか」

「……はい♡」

 

 そして僕らは、トイレの上で対面座位になり、二個目のコンドームを消費した。

 事が終わると、僕らは慌ててトイレの中を片付け、誰かに見られないように、いそいそとそこを出た。いくら何でも大胆になり過ぎたという気持ちや、ここを清掃する人に申し訳ないという気持ちが、2回戦までヤり終えてからようやく芽生えた感じだ。

 

「えへへ……」

「直葉、歩きにくい」

「んふふっ」

 

 そこから帰り道、直葉は僕の腕にべったりとくっついてきて、歩きづらいくらいだった。拳で額を小突いてみても、ふやけた顔で笑い、さらにべったりすり寄ってくる。お陰で五分くらいの道のりが、十五分以上もかかってしまった。

 直葉の変わりようは、ストックホルム症候群という奴のせいだろうか。それとも、嫌いな男に抱かれる事実から心を守るために、自分で自分をだましているのだろうか。だとしたら僕の思うつぼだ。そんな風に考えながら、僕は直葉の歩調にあわせ、この帰り道ができるだけ長く続くように、ゆっくりと歩いていた。

 

「ただいま」

「おかえりなさい」

「…………」

「どうしました、先輩」

「……いや、一緒に帰ってきたのに、それは変でしょ」

 

 部屋のドアを開けて、すぐ隣から聞こえた「おかえりなさい」に、僕は苦笑しながらツッコミを入れた。

 

「…………」

「……どうしました? 先輩」

「いや……」

 

 なぜか胸がぐっと詰まってしまったなんて、心配そうな表情で僕を見上げている少女に、言えるはずがない。僕はその場の空気をごまかすために、咄嗟に思いついた言葉を口にしていた。

 

「ただいま」

「おかえりなさい、先輩」

 

 そして、僕らは一緒にドアをくぐり、一緒に遅い夕食の支度を始めた。

 夕食後のベッドの上で、僕は本当にコンビニで買ったコンドームを使いつくすまで、直葉を抱いた。絶対に、絶対にこの子をアイツのところには帰したくない。絶対に僕のモノにしてみせる。直葉のナカで射精するたび、その思いがひたすらつのっていった。



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⑩(明日奈)

「あ゛おっ、う゛っ、うううっ、う~~~っ♡」

 

 お尻の穴にねじ込んだアナルプラグをグリっとひねった瞬間、カーペットにうつぶせていた明日奈は、少しだけ甘い音色が混じった声を響かせ、背中をのけ反らせた。

 

「おっ、今のは気持ち良かったんじゃない?」

「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ――わ、分かんないよ。で、でも、へ、変な感じ」

「う~ん、つまりもうちょっとって感じかなぁ? じゃあ、次はマンコをイカせながらやってみるね?」

「え? う、うん。――んっ♡♡ はぁおっ!?♡♡♡」

 

 僕は右手でアナルプラグをひねりながら、左手の指を明日奈のマンコに差し入れた。彼女のイカせかたはおおむね心得ている。指をくの字に曲げ、Gスポットのあたりを押してやると、明日奈は面白いくらいビクンビクンと腰を跳ねさせた。

 楽しい浮気セックスの合間合間に行う明日奈のアナル開発は、とても順調だった。明日奈のお尻の穴は、最初に使ったものより二回り大きなアナルプラグを飲み込めるようになっていた。お尻をいじる時に前の穴でもこまめにイカせるようにしたから、「アナルに何かを入れられるのは気持ちイイこと」という摺り込みもできつつあった。

 

「そろそろチンポいけるかなぁ……。どう? 明日奈」

「はぁっ……はぁっ……はぁっ……♡ 君って、私の身体のこと、オモチャか何かだと思ってない? もうちょっと思いやりとか……」

「ははは、オモチャってことは無いけどさ。僕らはセフレじゃん。逆に変に思いやられたら、明日奈だって迷惑じゃない?」

「そうかもしれないけど……」

「そもそも僕らみたいな思春期真っ盛りの男子と女子が、一人だけとセックスして満足できるわけないよな。桐ヶ谷の手が回らないぶん、僕が明日奈の性欲解消に付き合ってあげる」

「それって真顔で言うセリフ……?」

 

 明日奈には、浮気セックスという意味をあまり真面目に考えてもらいたくない。軽く適当に、スポーツ感覚でエッチを楽しんでもらいたい。少なくとも、完全に後戻りできなくなるくらいまでは。その方針に従って、僕はあたかも自分がチャラいヤリチンであるかのように振舞っていた。

 

「――ん? あれ?」

 

 僕は自分で自分の思考に首をひねった。人の彼女と浮気エッチを繰り返し、さらにそいつの義妹ともセックスしまくっている僕は、本当にチャラいヤリチンなのかもしれない。

 

「う~ん」

「なぁに? 今度はなに難しい顔で唸ってるの?」

「ん? いやぁ、自分のことは自分じゃ分からないもんだなぁって」

「……さっきの流れからどうしてそうなったのか、一回頭を割って見てみたいわ」

 

 明日奈がジト目で僕を睨む。彼女が僕の前で見せる表情にも、着実にレパートリーが増えていた。明日奈はうつ伏せの状態から横寝になると、胡坐をかいている僕の膝を枕にした。

 

「ねぇ、もうこれ抜いていい?」

「まだダメだよ。できるだけ長い時間慣らさないと。明日奈も早くアナルセックスしてみたいでしょ?」

「別にしたくないんですけど……はぁ、もう」

「抱っこしておっぱい揉んであげるから、それでしばらく我慢して」

「それだって、君が揉みたいだけだよね? ……はいはい」

 

 明日奈は大儀そうに身体を起こすと、僕の膝に後ろ向きに腰掛けた。

 

「――んしょ。はい、お好きにどうぞ。――あっ♡ んっ♡ もう、どうして男の子って、こんなにおっぱいが好きなの……?」

「桐ヶ谷もそうなの?」

「まあ……そうかも。――んぅっ♡ ああっ♡ そこ、クリクリされるのやぁ♡」

「桐ヶ谷と僕と、どっちが上手い?」

「和人君に決まってるでしょ……あっ♡ ああっ♡ そうっ♡ それっ♡」

 

 そう言われたら、本気を出さない訳にいかない。僕には直葉のおっぱいを揉んで培ったテクニックもある。僕は自分が楽しむためというよりも、明日奈を気持ち良くすることだけに神経を集中させて、ふわふわの乳房を揉んだりピンク色の乳輪や乳首を刺激した。

 

「あっ♡ あっ♡ んぅっ♡ ああっ♡ あああっ♡♡」

「肌がしっとりしてきたよ。息もあがってる。おっぱいどんな感じ?」

「な、なんだか、奥がジンジンする感じっ♡♡」

「それでいいよ。ほら、力を抜いて、僕に体重を預けるんだ。おっぱいだけに集中して」

「うっ、うん。はぁ……はぁ……はぁ……んっ♡♡ んんぅっ♡♡♡」

「イキそうだろ? そうなんだろ? ほら、おっぱいだけでイっちゃいな」

「そ、そんなの――あっ♡♡ んぅ~~~~~っ♡♡♡♡」

 

 僕にやわやわと揉まれ続け、明日奈はついに胸だけでイってしまった。乳首イキでもなく、乳房で感じるオーガズムだ。明日奈は、僕の肩に後頭部を乗せるようにのけ反って、自分の右手の人差し指を咥え、しばらくピクピクと痙攣していた。やがて彼女の身体から、どっと力が抜ける。

 

「和人君と、どっちが上手かった?」

「はぁ……っ、はぁ……っ、はぁ……――んっ♡♡」

 

 明日奈は何も言わなかったけど、耳元で囁いた僕の頭を、艶めかしく伸びてきた彼女の左手が撫でた。それが彼女の答えのような気がして、僕はニヤリと笑うと、次は乳首で彼女を絶頂させるべく、指の間でコリコリと刺激し始めた。

 

「ハっ♡ あぉっ♡♡ んぅうっ!?♡♡」

 

 胸イキで感度が上がった明日奈は、僕の膝の上でさらに激しく身もだえした。僕の股間にグリグリとお尻を押し付けるたび、アナルプラグに刺激が加わり、明日奈は何が何だか分からないという風に頭をイヤイヤと振ったりする。僕の勃起チンポも我慢汁をダラダラ垂れ流して、早く挿入させろと訴えていた。

 

「あっ♡ イ゛っ♡♡♡ あ゛~~~っ♡♡♡」

「明日奈、乳首もイケた?」

 

 明日奈はほとんど涙目になりながら、コクコクと頷いた。僕は明日奈のあごに手を添えると、無理やりこっちのほうを振り向かせた。そして、彼女の顔に自分の唇を近づけていく。

 

「ん~~~っ!!」

 

 キスだけは絶対にするな。そこだけは愛しい「和人君」のものだ。それが、明日奈が僕との関係に引いた大切な防衛線だ。彼女はきっと、僕がそのラインを踏み越えようとしていると感じたのだろう。でも、それで明日奈が唇を守るために顔を逸らしたかというと、そんなことはない。彼女はただ、目をぎゅっとつぶり、噛み締めるように唇を引き結んだだけだ。

 今や、明日奈の抵抗力はほぼ皆無である。このまま強引に唇を奪えないことはない。でも――

 

「お疲れ様、明日奈」

「あ……」

 

 僕は明日奈の唇ではなく、彼女の目から零れた涙に合わせるように、頬のあたりに軽くキスをした。明日奈がぽかんと口を開けたのは、拍子抜けしたからだろうか。それとも、期待外れだったからだろうか。

 僕はこの状況に似つかわしくない爽やかな笑顔で微笑むと、よしよしと明日奈の髪を撫でた。強張っていた彼女の身体が、へにゃっと弛緩する。僕は軽薄な口調で、彼女をからかった。

 

「明日奈はやっぱりエロいよなぁ。おっぱいだけでイッちゃうなんて」

「え……? う、うん……」

「ていうか、もうチンポ限界なんだけど。ハメていい?」

「う、うん、いいよ……」

「よ~し、セックスするぞ~」

「あっ……」

 

 価値観と倫理観が倒錯した状態に長く置かれて、明日奈は明らかに正常な判断能力を失っていた。唇を奪われなかったことに安堵して、それより堅く守り通さなければならないものを、簡単に僕に奪われてしまう。僕は明日奈を再びカーペットに転がすと、すらっとした脚の片方を抱え込んで、側位でチンポをハメた。

 

「あ゛っ♡ ひあっ♡♡ んお゛おっ♡♡」

「ヤッバいな~、明日奈のナカぬるぬるなんだけど。マジでチンポ気持ちイイよ?」

「あ゛っ♡ お゛っ♡あ゛っ♡あ゛っ♡あ゛っ♡」

「っはは、明日奈もうガチイキしてないか? マンコがすっごい絞り上げてくる。――ああそっか、忘れてた。お尻も弄ってあげるからね」

「ひぐぅっ!?!?♡♡♡♡」

 

 僕がアナルプラグを強くねじ込むと、明日奈は獣じみた嬌声を上げた。「和人君」が聞いたら、ドン引きするのは間違いない。自分の彼女が別の男のチンポに貫かれ、半分白目を向いて、口の端からよだれを垂れ流してアヘヨガっているのを見たら、どう思うだろうか。ひょっとしたら「和人君」には、この「メス」としか言いようのない状態の明日奈が、明日奈だとは分からないかもしれない。

 僕は乱暴に腰を振り、アナルプラグを弄って明日奈を鳴かせながら、僕しか見られない彼女のこんなみっともない痴態を、うっとりと眺めていた。

 明日奈は身をよじりつつ、声が枯れそうな勢いで叫ぶ。隣の部屋に聞こえるかもなんていう心配をする余裕すら、今の明日奈には残されていない。

 

「あ゛あ゛あ゛あ゛っ!?♡♡♡♡ やめっ♡♡ もうやめぇっ!!♡♡♡ ゆるひてぇっ!!♡♡♡」

 

 あの場所で、「閃光のアスナ」と呼ばれていた時の彼女を、僕は知っている。モブ同然の僕よりも、はるかに強くて凛々しかった。速くて、綺麗で、輝いていて、余りに遠く、直接話すことすらできなかった。正直言って、僕はあのころ、確かに彼女に憧れていた。

 そんなアスナが、今は僕に組み敷かれ、恋人には見せられない汚い部分を曝け出し、ペニスで突かれて許しを請い願っている。桐ヶ谷がどうとかを抜きにしても、チンポがギンギンにならないわけがない。

 

「ははははっ! 明日奈、今の君、本当にみっともないよ! 本当に!」

 

 僕は狂ったように笑いながら、明日奈を犯した。そこには、大切な思い出の品を自分の手で粉々にしているような、そんな暗い悦びがあった。

 

「よだれまみれで、ひっどい顔だよ! 明日奈! 明日奈! 綺麗だよ明日奈!」

 

 矛盾したことを叫んでいたけど、僕は本気だった。今の彼女は、あの時よりも絶対に綺麗だ。そしてあの時とは違い、今は僕の手が、明日奈に届いている。温もりを持った身体に、確かに触れている。

 

「はははっ! もっとイケよ明日奈!! ああああっ、締まる! 出る! 僕も出すぞ!」

「あ゛♡お゛♡お゛♡お゛♡お゛♡ い゛っっっ~~~~~~!?!?♡♡♡♡」

「おおおおっ!!!! うううっ!!!! うっ!!!!」

 

 獣のように荒れ狂っていた僕らの身体が、突然ピタリと停止した。腰が小刻みに震えている以外は、何の動きもない。僕も明日奈も、まるで魂が抜けてしまったように、ぽかんと口を開けた表情になって、口の端からよだれを零していた。

 静止した身体の内部では、明日奈の膣内が激しく蠢き、ビクビクと暴れながらザーメンを吐き出す僕のチンポを扱き上げている。寿命が十年縮むと思うくらい、圧倒的な射精感が僕の全身を支配していた。

 

 

 

==

 

「あー、あー。……ンんっ。ねぇ、変じゃない? 枯れてない?」

「枯れてないよ。いつもの明日奈の声だ」

「本当? あー」

 

 シャワーを浴びてから、僕はベッドに寄りかかって座り、ぼんやりと休憩していた。ユニットバスのほうでは、明日奈が鏡を見ながら発声練習している。

 

「ねぇ、本当に大丈夫かな?」

「ホントにホント」

「う~ん」

 

 ようやく満足したのか、ドライヤーの音が再び響き始める。それからしばらくして、つやつやの髪を輝かせながら、洗面所から明日奈が出てきた。上はキャミソールで、下はショーツだけというラフ過ぎる格好だ。もっとも、僕はその下も全部見ているから、明日奈も羞恥心がマヒしているのかもしれない。

 

「ふう、さっぱりした」

「ドライヤーなんて持ってきてたの?」

「うん、無いと不便じゃない? そもそも、君は今までどうしてたの?」

「適当にタオルで拭いて……」

「ちょっと待って、持ってくるから」

 

 明日奈は洗面所に引き返し、ドライヤーを手に持ってきた。そしてその辺のコンセントにプラグを差し込むと、僕の髪に温風を当て始める。

 

「あつ……」

「だから、クーラーを直せばいいでしょ?」

「そう思って、電気屋さんに電話してみたんだ」

「え、そうなの? それで?」

「夏一杯は予定が空いてないってさ」

「はぁ~……」

 

 明日奈はこれ見よがしに大きなため息をついた。でも、そこで僕は思い出した。クーラーが修理できないと知ってから、代わりに駅前の雑貨屋で買ったものがある。

 

「え~っと」

「なに探してるの?」

「あった」

 

 僕が机の引き出しから取り出したのは、それが入った小さな箱である。明日奈は立ち上がり、僕が両手に持ったそれを、怪訝そうに見る。僕は少し得意げな顔をしてから、箱を開いた。明日奈の怪訝な表情が、さらに怪訝になった。

 

「風鈴……?」

「うん。いいだろ?」

「……はぁ」

 

 明日奈はまた小さくため息をついた。少し思い描いていた反応と違うなと、僕が首を傾げると、彼女はクスリと笑った。

 

「悔しいけど、ちょっといいかもって思っちゃった」

「窓のとこに吊るそうかなって」

「うん」

 

 風鈴を吊るすのに、それほど手間は要らなかった。吊るし終わると、音を聞くために、わざと窓を少し開けてみる。むわっとした空気が入って来たけど、凛とした音色が、それをかき消した気がした。

 

「ねぇ、まだする?」

「何が?」

「だから、セックス……」

「あ……。う~ん、やめとこう」

「え……?」

 

 明日奈は驚いた顔をした。でも、その日の僕は、それ以上彼女とセックスしなかった。二人でなんとなくベッドに寄りかかって座り、風鈴の音に耳を傾けながら、なんとなく他愛ない話をした。射精一回だけで物凄く疲労してしまったからということもあるし、なんとなく、彼女と話したい気分だったから。

 

「宿題はやってる?」

「ずっと前に終わった」

「え、意外かも……」

「それ以外にやること無いし」

「……ふぅん」

 

 日が傾き、西日が差してくると、さすがに開けていた窓とカーテンを閉じた。夕飯を食べていかないかという僕の誘いに対して、明日奈は首を横に振った。

 

「今日は早く帰るって言ってきたから」

「そっか。じゃあ……」

「うん、またね。お夕飯は、今度ご馳走になるわ」

「あ、そうだ、ドライヤー忘れてるよ」

「置いておいて」

 

 確かに、ドライヤーくらい、明日奈の家には何本もありそうだ。やっぱりお嬢様なんだねと僕が言うと、明日奈は苦笑いをした。そして、玄関で靴を履いて立ちっぱなしだった明日奈は、ようやくドアのほうを振り向きかけて、やめた。それから少し白々しい口調で、「……あ、そうだ」と言った。

 

「ん?」

「洗面所にゴミ袋が有ったんだけど」

「あ……出し忘れた奴だ」

「うん、それでね」

 

 そして明日奈は、何を思ったのか僕に顔を近づけると、タンクトップシャツから露出した肩に、突然ガリっと噛みついた。

 

「いてっ!?」

「……直葉ちゃんとは、あんなにシてるんだね」

「いった……え?」

 

 予想もしていなかった痛みに気を奪われた僕には、明日奈のつぶやきが聞き取れなかった。そして、困惑する僕を部屋に残して、明日奈は出ていった。

 

「何なんだよ……」

 

 しばらくしてから、僕は洗面所に入り、肩の傷の具合を確かめるために鏡をのぞいた。そしてようやく、間抜けな僕は自分の過ちに気付いた。僕の右肩には、確かに明日奈の歯形がしっかりとついていたけど、左肩の周辺にはそれ以上に、直葉が付けた噛み痕が残っていた。

 洗面所の下に置かれた透明ゴミ袋には、他のゴミに混じって、大量の使用済みコンドームが入っている。これはやってしまったかなと思ったけど、僕は明日奈の言葉を思い出して、むしろ口に笑いを浮かべた。

 それでも、明日奈はまた来ると言ったのだ。



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⑪(明日奈)

「明日奈?」

「…………」

「あのさ」

「…………」

「う~ん……」

 

 僕は唸りながら、首の後ろをぽりぽりと掻いた

 声をかけても、何も返事がない。明日奈は壁際で両ひざを抱え込み、そこに顔を埋めるようにして座っている。今日の昼過ぎ、彼女は僕の部屋に突然やってきて、それから一時間くらいこの調子だ。

 何か有ったんだろうってことは、一々聞かなくても分かる。

 

(もしかして、桐ヶ谷と喧嘩したのかな)

 

 一番有りそうなのがそれだ。僕という浮気相手の存在を嗅ぎつけて、桐ヶ谷が明日奈を責めなじったりしたのだろうか。

 でも、もしそうなら、明日奈はこんな風に不機嫌にはならないはずだ。だって、悪いのは浮気した彼女のほうなのだから。例え僕に無理やり襲われたのがこの関係のスタートだとしても、それを断ち切るチャンスは、明日奈にはいくらでもあった。そして明日奈は、その事実を恋人になじられて、逆切れしたりする性格じゃない。

 つまり、明日奈が不機嫌なのは――それ以上に悲しんでいるのは、別の理由だ。

 明日奈ではなく、桐ヶ谷が浮気したのだろうか。それは有り得そうだ。桐ヶ谷の周囲には、明日奈の他にも可愛い女の子がいるらしい。それについて、明日奈がやきもきしていたのを聞いたことがある。

 桐ヶ谷の浮気が明日奈の不機嫌の原因だとしたら、それは僕にとって喜ばしいことだ。そうなら、大義名分を得た明日奈は、僕との浮気セックスにより一層のめり込んでくれるだろう。

 だけど、こんな感じで予想を巡らせてみたところで、肝心の明日奈が一言もしゃべらないから、実際の理由は分からない。立っていた僕は、明日奈の向かいに座り、それからしばらくのあいだ、うつむく彼女を眺めていた。

 

(結局……何も知らないんだな、僕は)

 

 明日奈を慰める言葉が思い浮かばないのは、彼女のことについて、僕が何も知らないからだ。桐ヶ谷の彼女で、いいところのお嬢様で、「閃光のアスナ」と同一人物だっていうこと以外には、何も。つまり、しょせんはこれが――

 

「セフレの限界ってやつだよなぁ」

「……?」

「おっ」

 

 僕の口から突いて出た言葉に、明日奈が初めて身じろぎした。

 

「いやぁ、僕は君のこと、なんにも知らないな~って。だから、なんて言えばいいか分かんないや」

「…………」

「はははっ」

 

 自虐的というより、単なる軽薄で無責任な笑い。でもなんとなく、今の明日奈はこういう感じを求めてるんじゃないかと思った。親身に優しく相談に乗ってほしいのなら、きっと彼女は僕の部屋には来ない。それこそ、和人君のところに行くだろう。

 腹が立って悲しくてむしゃくしゃするけど、誰にぶつけるわけにもいかない。だから、自分が不機嫌に膝を抱えているあいだ、とりあえずその辺に、石ころのように適当に転がっている人間が居ればいい。明日奈にだって、そんな気分の時もあるはずだ。そして僕は、その「石ころ」にぴったりとあてはまる。

 なので、僕はそれきり明日奈を放っておくことにした。今日はもう、彼女には話しかけない。セックスさせてくれるわけでもなさそうだし、とりあえず明日奈は無視して、自分のしたいように時間をつぶすとしよう。

 僕は立ち上がると、窓に少しだけ隙間を開けた。窓際に吊るした風鈴が、チリンと柔らかく鳴り始めた。あとは冷蔵庫を開けて、夕食のための材料を確認する。ちょうど食材がそろっているし、なんだか凝ったものを作りたい気分だから、ハンバーグでも作ってみようか。そう思った。

 

==

 

「……ごちそうさまでした」

「お粗末様。味はどうだった? 結構うまくできたと思うんだけど」

「……しょっぱかった」

「え~、そうかなぁ? これくらいでちょうど良くない?」

「……良くない」

 

 ハンバーグを食べ終えても、明日奈は相変わらず仏頂面だ。自分の不機嫌を隠そうともしていない。でも、顔を上げて喋るようになっただけ、ちょっとだけ持ち直したようだ。僕はへらへらと笑ったまま、明日奈から厳しい評価を得た皿を下げ、洗い物を始めた。明日奈はそれを手伝おうともせず、僕に背を向けるように、ごろんとカーペットに横たわった。

 二人分の洗い物くらい、すぐに終わる。最後の皿を拭き終わると、僕は明日奈のいるカーペットの上に戻ってきて、その辺に座った。

 

「…………」

「…………」

 

 この部屋にはテレビすら無いから、二人が会話しなければひたすら静かだ。虫が入ってこないように窓も閉じたので、風鈴の音もやんでいる。でも、同じ沈黙でも、一人で部屋にいるときのうすら寒い静寂と、誰かがそこにいるときの静けさとは、やっぱり違う。

 もう夜だから、そろそろ明日奈は帰らなければならない。セックスできなかったのは返す返すも残念だけど、彼女が帰ると言うまで、せいぜいこの静けさ噛み締めていよう。そう思って黙っていると、明日奈が口を開いた。

 

「ねぇ」

 

 僕から見ると、明日奈の背中から声が聞こえるようだ。ようやく帰る気になってくれたのかと、僕が腰を浮かせかけたとき、予想外のことを言われた。

 

「君って、家の人とかは?」

「…………」

「どうして一人暮らししてるの?」

「……聞きたいの?」

「……うん」

「他の皆と同じだよ」

 

 へらへら笑って受け流すべきなのに、自分の声が強張っているのを感じる。

 別に特別なことでも何でもない。僕らがいた「あの場所」では、たくさんの人が死んだ。そのたくさんの中に、友達や家族がいたって、別に何も自慢するようなことじゃない。それとも、例えば僕が単なるモブじゃなく、「閃光のアスナ」や「黒の剣士」くらい強ければ、そうとは限らなかったのだろうか。

 

「……怒ってる?」

「怒ってないよ」

「…………」

「怒ったってしょうがないさ」

 

 それは本当だ。今さら僕が、イカれた開発者とかを責めたって、不毛なだけだ。どうしてあんなゲームに手を出したのかって後悔したところで、誰も帰ってこない。まして、なんでもっと早く解決してくれなかったんだって、他プレイヤーを逆恨みするのが筋違いだってことも、本当は分かっている。分かっているんだ。

 

「……大丈夫?」

 

 妙なことに、いつの間にか明日奈がこっちを向いて、心配そうな瞳を僕に向けている。さっきまでの不機嫌は、どこかに行ってしまったようだ。良かった。

 もちろん大丈夫だよ。機嫌を直した彼女に向かって、僕はそう言おうとした。

 

「ああ、もちろん。もちろ――」

「…………」

「…………あれ? ……あ、あれっ?」

 

 なぜか、僕の目から涙が零れていた。わけも無いのに、どんどんと吹き零れて止まらない。僕は泣いているのを明日奈から隠すために、咄嗟に抱え込んだ膝に、顔を埋めた。

 僕がうつむいているあいだ、明日奈は何も慰めの言葉をかけてこなかったけど、それでも、僕のすぐ傍に誰かがいて、僕を見守ってくれているという気配は伝わってきた。

 

==

 

「はぁっ♡ あ……っ♡ んっ♡ ああ……っ♡」

 

 ベッドが小刻みにギシギシと軋む音と、明日奈の控え目な喘ぎ声が、真っ暗な部屋の中で鳴り続けている。もう深夜と呼べる時間、僕はベッドの上で、なぜか帰らなかった明日奈とセックスしていた。

 

 もう遅いし、泊まっていったら?

 

 今までも、明日奈が帰る時には、僕はその台詞を口にしてきた。僕がそう言っても、明日奈は絶対にイヤと答える。分かっているけど、これはただの定型文のからかいみたいなものだ。その誘いに彼女が「うん」と答えるとは、思っていなかった。

 

「あっ♡ あ……っ♡ ああっ♡ んぅ……っ♡」

「明日奈、気持ちいい?」

「うん……気持ちいいよ。――あっ♡」

 

 窓から差し込む星明りのお陰で、明日奈の裸体と表情が、かろうじて僕にも見える。正常位の姿勢で僕に貫かれるたび、彼女はとても悩まし気に眉を寄せて、熱い吐息を漏らしていた。明日奈とこんな風に「普通の」エッチをするのは、もしかしたら初めてだったかもしれない。

 

「君も気持ちいい? 私、ちゃんと君を気持ちよくできてる?」

「ああ、気持ちいいよ。気持ちよすぎて、明日奈のナカにずっといたい」

「……今日だけなら、許してあげる」

 

 まるで疑似的な恋人同士のように、僕らはお互いを思いやる言葉を口にしながら、優しく相手の身体を扱う。性欲を発散するための貪るような行為ではなく、互いの存在を確かめ、温もりを分け合うための営み。それによって、肉体より先に、心が気持ち良くなってしまっている。

 結城明日奈という少女に全部を包み込まれるような心地よさの中にあって、薄いゴムの感触だけが忌まわしい。それさえなければ、僕はきっと、彼女と本当に一つになれるのに。

 

「あっ♡ ん……っ♡ ……ふふっ、君も、今日はなんだか優しいね。……もしかして、私を慰めてくれてるの?」

「僕は、明日奈とセックスしたいだけだよ」

「そう……そうなんだよね。……でも、ホントに? ――あっ♡ んっ……♡ んっ……♡ んっ……♡」

 

 奥のほうの弱点を亀頭でトントンと小突くと、僕の胸に添えられていた明日奈の手が、きゅっと握りしめられる。僕は彼女の頭の左右に両手をついて腰を振る。決して激しいピストンではなく、むしろ緩やかに、一定のリズムを保って、明日奈の快感をじっくりと呼び覚ますように。

 暗闇の中で、明日奈の汗ばんだ白い胸が揺れている。

 

「ああ……っ♡ ああ……っ♡ あああ……っ♡」

 

 明日奈の喘ぎは、少しずつ糖度と音量を増していく。ナカもざわざわと蠢いて、限界が近いのが分かる。

 

「明日奈、イキそう?」

「うん……っ、もうすぐイク……っ。ねぇっ、君も……」

「うん、僕もイクよ。明日奈と一緒に」

「――ふふっ」

 

 明日奈はなんだか満足そうに微笑むと、僕の首に腕を回してきた。

 

「んっ♡ ああっ♡ イクっ、イクよっ♡ ねぇ、一緒にイこ? ね?」

「うん、一緒にイこう。二人で一緒に気持ち良くなろう……!」

 

 僕ら二人は、互いの顔がくっつきそうな距離で喋っている。明日奈の濡れた唇が動くたびに、僕の唇に彼女の熱い吐息がかかる。同じように、きっと彼女にも、僕の呼吸は伝わっている。あと1センチ、もしかしたらあと5ミリ、それくらい前に唇を突き出せば、確かに届く距離に僕らはいた。

 それでも、その5ミリから先には、どうしても近づけない。僕は今すぐにでも明日奈の唇にむしゃぶりつきたかった。明日奈も時折、苦しそうな切なそうな表情で、言葉も出さずに唇を動かす。もしかしたら、僕らはお互いに、できれば相手のほうから近づいて欲しいと思っていたのかもしれない。

 そして、そんな意地の張り合いも、終わる時が来た。

 

「んぅ……っ♡」

 

 勝ったのは明日奈でも僕でもなかった。僕らは二人とも、相手に負けた。

 一緒に絶頂を迎えた瞬間、僕らの唇は、初めて交わっていた。全く同時に、明日奈は僕のほうに、僕は明日奈のほうに唇を近づけていた。僕の唇と前歯のあいだから、明日奈の舌が一気に侵入してくる。僕も彼女に向けてそうしていた。口と舌と頭を動かし、ねちっこく絡み合うようなキス。限界まで溜めて堤防を決壊させた水は、濁流となって色々なものを押し流してしまった。

 脳を麻痺させる甘い痺れと、腰を溶かすような激しい快感が、同時に僕らを襲った。

 

「……!!♡♡ …………!!♡♡♡ ……!!!!♡♡♡♡」

 

 呼吸さえ困難になるほど口を押し付けあって、互いに肩と腰を震わせる。信じられないくらい早くなった鼓動が、熱帯夜の蒸し暑さが気にならなくなるくらい全身を火照らせる。あちこちで肌と肌が触れ合い、二人の汗が一つの液体として混ざり合っていく。

 一見ゆるやかに見えたセックスの行きつく先で、僕と明日奈は、二人とも快楽の渦に飲み込まれ、他の全部を忘れてしまった。

 

「はぁっ♡ はぁっ♡ はぁっ♡ あああっ♡♡♡ んっ♡ ちゅぅ……っ♡ んむぅ……♡♡ あっ♡」

 

 一時間後、僕らはまだセックスを続けていた。深い深い絶頂の波は、過ぎ去ったようで過ぎ去っていなかった。頭のてっぺんまで快楽に溺れて、僕らはそのまま浮き上がってこれなかった。

 明日奈のナカを往復するペニスが、ずっと射精を続けているような錯覚すら覚える。さっきとは逆に、離れていると息が苦しくなるから、呼吸するために相手の口を吸う。鼻から口から、そして肌から、明日奈を構成する成分が僕に浸透してくる気がする。

 

「うう……っ!!!! ぐぅ……っ!!!!」

 

 ひとしきり腰を振ると、亀頭からドプドプと精液があふれ出す。明日奈のナカで射精して、射精して、射精しきって、一滴も出なくなると、名残惜しそうに吸い付いてくるマン肉を振り切ってペニスを引き抜く。コンドームの先には、ダマになった大量の精液がぶら下がっている。コンドームを外し、適当に投げ捨て、次のコンドームを装着する。そして再び、明日奈のナカに戻る。この手順を、僕は何度も繰り返した。

 三時間後、ベッドはまだ軋んでいた。疲労困憊し、身体を四つん這いに保つことすらできなくなっても、僕は明日奈の上にへばりつくように覆いかぶさって、腰だけは揺すり続けていた。もう、同じコンドームの中に何回かザーメンを吐き出している。

 

「ん……♡ ちゅ……♡ ちゅぅ……♡」

 

 それからどれだけ経ったのかわからない。疲れて腰を振れなくなった代わりに、僕らはハメ合ったまま、キスだけを続けていた。明日奈の身体が僕の上に乗っている。いつの間に互いの身体の上下が逆転したのか、それも判然としないくらい夢中で交わっていた。明日奈のおっぱいは、ひしゃげるくらい僕の胸に押し当てられ、僕らの両手は、互いの指を絡め合っていた。

 さらにしばらくして、部屋の中の音は止んだ。

 僕らは、セックスしたまま力尽き、眠りに落ちてしまった。

 それでも、僕は僕の夢の中で、そして多分、明日奈は明日奈の夢のなかで、朝が来るまでお互いとセックスし続けていた。

 

==

 

「……ねぇ」

「……ん?」

「起きないの……?」

「ん…………。もうちょっと、このまま……」

 

 昼を過ぎても、僕らはまだベッドから動かなかった。目覚めてから一時間くらい、僕らは抱き締め合ったままベッドで寝転がっている。

 さすがにもうセックスはしていない。裸の明日奈を抱きしめていても、チンポがぴくりとすら動かないくらい、射精し尽くした。僕は明日奈にとって単なるセックスフレンドだから、セックスできなくなれば離れるべきなのだろうけど、そうしたくなかった。そして、そんな僕のワガママを、明日奈も許容していた。

 

「……じゃあ、もうちょっとだけだよ?」

 

 そう言うと、明日奈は黙った。

 僕らは互いの胸を押し付け合うように抱き合っている。そこから明日奈の鼓動が伝わってきて、彼女が生きた女の子なんだということを、確かに教えてくれる。その実感は、直葉の時と同じだ。そしてそれを実感すると、僕の中には、性欲とは異なる別の思いが溢れてくる。

 そのまま抱き合って数十分後、明日奈が久しぶりに口を開いた。

 

「……あのね」

「……なに?」

「キス……しちゃったことなんだけど」

「…………」

「……あれは、忘れて欲しいなって――――あっ、んぅ――⁉」

「嫌だ」

 

 恋人のために大切にとっておいた唇を、勢いで明け渡したことを無かったことにして欲しい。そう言いかけた明日奈の唇を、僕は乱暴にふさいだ。

 

「ン――っ♡ はぁ……っ♡ ちゅ……♡ ちゅぅ……♡」

 

 セックスの合間のキスではなく、キスのためのキス。昨夜はあれだけ激しく求めあったのに、今の明日奈は僕から何とか逃れようと、僕の腕の中で身体をくねらせている。でも、その抵抗は本当に弱々しい。舌を絡めるたび、それがさらに弱くなっていく。

 

「あ……っ♡ んぅ……っ♡ いやぁ……っ♡ はなして……っ」

「離さない」

「――んんぅっ♡」

 

 短い言葉を挟んで、またキスに戻る。

 絶対に嫌だ。絶対に手放したくない。明日奈も直葉も、一度手に入れたものを失いたくない。絶対に、絶対に、絶対にだ。桐ヶ谷がどうとかも関係ない。ただ手放したくないだけだ。

 それから僕は、明日奈が何かを言おうとするたび、その唇を唇でふさいだ。彼女が諦めて、自ら舌を絡めてくるようになるまで、ずっと。



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⑫(直葉)

 前回から少し間が開いて、直葉が僕の部屋に来た。間が開いたと言っても4日間だ。家の都合で、どうしても来られなかったらしい。でも、既に僕のチンポ無しでは3日も我慢できなくなった直葉にとっては、相当長い時間だったようだ。

 玄関のドアがノックされ、僕がカギを外してガチャリとドアを開けると、ワンピース姿の小柄な直葉の身体が、僕に向かって飛び込んできた。

 

「先輩――っ!」

「うわっ」

「先輩! 先輩! 先輩!」

 

 直葉はお泊まり道具の入ったバッグを部屋の外側に落とし、身一つで僕に縋り付いた。驚いた僕の胸に手のひらを添えて、ため息をつきながら頬ずりする。時おり僕の胸に鼻を埋め、目一杯に息を吸い込む。まるで一年間も飼い主に会えなかった飼い犬のような仕草だ。僕は、そんな直葉の頭を抱え、よしよしと髪を撫でた。

 

「んぅ……先輩……」

「久しぶり、直葉。僕も直葉に会いたかったよ」

「せんぱい……」

 

 直葉はうっとりとした表情で、彼女に向けて微笑んでいる僕を見上げた。そして、彼女はそっと目を閉じると、つま先立ちになって唇を僕に差し出す。僕は直葉のあごを指で持ち上げ、唇を与えてやった。

 

「ん……ちゅ……♡」

 

 優しくついばむようなバードキス。それを何度も繰り返す。今は昼間で、玄関のドアは開いたままだ。ほとんど往来と変わらない場所で、僕らは愛し合う恋人のようなキスに浸っていた。

 

「会いたかったです……先輩」

 

 15分以上キスをして、直葉はようやく落ち着いた。バッグも部屋の中に入れ、玄関のドアも閉じた。それでも僕らは離れがたく、部屋の中央に二人で立って、抱き合ったままだった。その時、ようやく直葉が口にしたのが、さっきのセリフだ。それに対して、僕は直葉の耳元で優しく囁いた。

 

「おかえり、直葉」

「はい、先輩」

 

 直葉は別に旅行とかに行っていたわけではない。それでも僕が口にするのは、「おかえり」という単語である。直葉も、まるでそれが当たり前であるかのごとく、ほっとしたように息を吐きながら頷いた。

 

「先輩、あたしがいないあいだ、寂しくありませんでしたか?」

「寂しかったよ」

 

 腕に力を込めながら、僕は本気でそう言った。例え直葉がいないあいだは明日奈とヤリまくっていたとしても、直葉とヤレないのは、それとは違う問題だ。

 

「直葉は?」

「寂しかったです……。ずっと先輩の声が聞きたかったです。先輩は?」

「僕もだよ」

 

 僕らはハグしたまま、延々と似たようなやり取りを続けた。離れていた時の寂しさと切なさ、また会えたことの嬉しさと喜びについて、言葉にして何度も確かめ合った。

 

「先輩……もう一回キスしてもらってもいいですか?」

「ああ、もちろん」

「――んぅ♡」

 

 言葉のやり取りに満足すると、再び唇を押し付け合った。今度はさっきのとは違う、お互いの舌で相手の口内をねぶりあうような、大人のキスだ。長々とキスしてから直葉から離れると、二つの舌の先端に、つぅっと光る橋が架かった。直葉の表情は全体的に緩み、瞳は潤み、頬は赤らんでいる。

 

「先輩、お願いします……あたし、もうガマンできません」

「何が? 何が我慢できないのか、ちゃんと口で言ってくれないと」

「またそんなイジワルするんですね……?」

 

 直葉は可愛らしくぷくっと頬を膨らませた。でも、彼女はきちんと正直に口にした。

 

「先輩に、セックスしてもらいたいです。裸で抱き合って、キスして、あたしのナカで、いっぱいおチンチン気持ち良くなってもらいたいです」

「直葉が気持ち良くなりたいだけなんじゃないのか?」

「違います……! 違わないけど、違います。あたしは先輩と一緒に気持ち良くなりたいんです……!」

「ははは、怒らなくても分かってるさ。ああ、僕も直葉と気持ち良くなりたいよ。しばらく会えなかったぶん、直葉のマンコでたくさんチンポ扱きたいよ」

「ありがとうございます、先輩……」

 

 直葉は本当に嬉しそうに礼を言うと、また僕の胸に頬ずりをした。だけど、そんな直葉の表情が、僕の一言で一気に曇る。

 

「でも、ダメ」

「え……」

 

 直葉は僕を見上げた。どうしてこんなにお預けされるのか分からない。自分に何か落ち度があったのだろうか。そんな表情だった。僕は直葉を安心させるために微笑むと、彼女の背中をさすりながら言った。

 

「せっかく久しぶりなんだから、直葉とセックス以外のこともしたいな、って思ってさ。例えば、一緒に外に出かけたりとか」

「あ……」

 

 直葉の顔が、今度はパっと明るくなった。僕の一言一言でこんなにも感情を揺さぶられる彼女のことが、可愛くないわけがない。僕はかがみこんでもう一度直葉にキスすると、「どうかな?」と彼女に問いかけた。

 

「はい、あたしも先輩とお出かけしたいです」

「じゃあ、そうしよっか」

「はいっ!」

 

 ということで、今まで部屋に閉じこもって来た僕らは、初めて日の当たる場所での「デート」に出かけることになった。そうは言っても、最初から計画していたことではないし、この真夏の太陽の下を長時間歩くのは嫌だ。だから手近な場所で、駅近くの商業施設を一緒にぶらつくことにした。

 駅前まで移動する最中、直葉は僕の左腕に両手を絡め、僕に寄りかかるようにして歩いていた。直葉は「今日も暑いですね」とか言いながら、全然離れようとしない。住宅街から大通りに出て、人通りが増えても僕にくっついたままだった。

 

「えへへっ、先輩っ」

 

 僕の腕が当たっている部分の服の生地に汗が染みていくのも構わずに、そんな風に、無邪気な笑顔で僕を呼ぶ。その笑顔は、ベッドの上はもちろん、学校で見るときの直葉よりも、ずっと幼い印象だ。

 直葉は、昼間に僕と外を歩くということを、本当に嫌がっていなかった。この辺で他の生徒を見たことはあまりないけれど、誰か知り合いに遭遇する可能性は十分にあるというのに、それも気にしていないようだった。以前までなら、「お兄ちゃん」に見つかることを恐れて、二人での外出など絶対に断ったに違いないのに。

 直葉は、本当に僕のモノになりつつある。それを実感できて、僕はこのデートから、セックスとは別の方向での強い満足感を味わっていた。

 駅前のショッピングセンターに着くと、僕らはガンガンに効いたエアコンで涼みながら、適当にいろんな店を見て回った。

 

「あ、このフライパン使いやすそう。どうですか先輩」

「ちょっと大きくない?」

「先輩の部屋のって一人用ですよね? あれだと、二人分作るのに手間がかかるんですよね……」

「そっかぁ。まあ、そんな高くないしな……。じゃあ、これ買おっかな」

 

 最初に見たのは、キッチン系の雑貨店だ。平日午前中の店内にいるのは主婦が中心で、高校生くらいのカップルなんかは僕らしかいない。僕と直葉は、まるで同棲している恋人のような会話をしながら、商品を眺めていく

 

「このエプロンとか、直葉に似合うんじゃないかな」

「着てほしいんですか?」

「駄目?」

「いいえ、ふふっ、いいですよ、着てあげますね」

 

 他にも直葉の服を見たりして、昼ごはんもそのショッピングセンターで食べた。ただそれだけなのに、正直、もの凄く楽しかった。それからもあちこち見て回って、最後は地下の生鮮食品売り場に行って、二人で夕飯の食材を買い足した。ショッピングカートを押して、野菜や肉売り場を眺めながら歩く直葉の後ろをついていくだけで、なんだかとても、一言では言い表せないくらい胸がいっぱいになった。僕は左手に、直葉は右手に買った商品の袋を下げて、腕を組んで帰り道を歩くだけで、ずっとこの時間が続けばいいのにと思った。

 

「先輩」

「ん?」

「一緒にお出かけできて、楽しかったです」

 

 直葉は僕の肩に頭を預けている。夏の夕焼けが、雲を茜色に染めていた。

 

「ただいま」

 

 鍵を開けてアパートの部屋のドアをくぐるとき、僕は隣にいる直葉にそう言った。

 

「おかえりなさい」

 

 直葉は、僕が期待していた通りの言葉を返してくれた。

 

==

 

「あっ♡ んぅ……♡ せんぱい、くすぐったい……♡ えへへっ、もうガマンできないんですか?」

 

 首筋に顔を埋めてキスを繰り返す僕に対し、直葉は赤ん坊に向けるような口調でそう言った。今朝お預けをした僕に対する、彼女なりのお返しらしい。僕は返事をせず、直葉の首や鎖骨を吸い続けた。

 

「あ――っ♡ ふぁあっ♡♡」

 

 直葉の声はどんどん高くなっていく。テーブルの上には、二人で作って食べた夕食の皿が、片付けもされずに乗っている。そのテーブルの横で、僕と直葉は身体を押し付け合っていた。

 

「直葉、キスマーク全部消えちゃったから、もう一回念入りに付けなおすぞ」

「は、はいっ、お願いしま――んぅうっ♡♡」

 

 今日の穏やかなデートの時間は、逆に僕らの身体に火をつけることになった。僕のチンポは既に信じられないくらいガチガチだし、直葉もどこを撫でても声が出るくらい出来上がっていた。

 

「せんぱいっ♡ ――ちゅ♡ おチンポっ♡ ――ちゅぅ♡ おチンポくださいっ♡」

 

 まだ完全に服を脱がせていない段階から、直葉は必死なおねだりを繰り返した。僕の顔のあちこちにキスをする直葉は、切なさで壊れてしまいそうな表情をしている。これ以上焦らすのはさすがに可哀そうだ。僕は直葉から服を全てはぎ取りつつ、自分も裸になった。そしてゴムを装着すると、もう濡れそぼっている直葉のマンコに、正面からおもむろに勃起チンポをぶち込んだ。

 

「ああああっ♡♡♡ おチンポぉ♡♡ せんぱいのおチンポだぁ♡♡ しゅ、しゅごいよぉっ♡♡」

 

 軽くトリップ状態に陥っていた直葉は、マンコにチンポを突き刺されただけで、首と背中をのけ反らせて悦んだ。昼はあんなに可愛かった直葉が、僕のチンポでこうも簡単にアヘヨガり、淫らなメスへと変わってしまう。やっぱり、愛おしくてたまらない。もっと鳴かせたくなる。

 

「あっ♡あっ♡あっ♡あっ♡ せんぱっ、最初からはげしっ♡♡ ――んおっ!?♡♡ おっ♡♡ おっ♡おっ♡おっ♡おっ♡」

 

 直葉のナカは熱くてドロドロだ。4日も逢えなかった僕のチンポに、熱烈に絡みついて全力で射精をおねだりしてくる。僕はすぐイってしまわないように歯を食いしばり、こみ上げる射精衝動を必死に堪えて腰を振った。

 

「あっ♡あっ♡あっ♡あっ♡んっ♡ おっ♡おっ♡おっ♡おっ♡ ――せ、せんぱいっ♡ 大好きっ♡ 大好きぃっ♡ ――ちゅぅ……っ♡♡♡♡」

 

 僕の首に、直葉の白い腕がしゅるりと巻き付いてくる。かと思うと、強く引き寄せられて唇同士が合わさる。小細工も何もない、正常位でのキスハメセックス。4日もお互いに逢うことを我慢した僕らには、これが最も自然な交わり方だった。

 射精したい。直葉のナカで射精したい。僕はもう、脳ではなくチンポに思考を支配されていた。その思考が命じてくる。我慢などせず、このメスの中で全てを吐き出せと。僕はあっけなく、そのいとも甘美な誘惑に負けてしまった。

 

「――うっ!!!! あっ、ぅ……っ!!!!」

「…………♡♡♡♡」

 直葉に唇を塞がれたまま、僕は呻きながらドクンドクンとザーメンを発射した。ドクンドクン、ドクンドクン、ドクンドクンと、直葉たちとセックスし始めてから日に日に量を増す白濁した粘液が、直葉のナカでゴムの先端を膨らませていった。

 

「はぁっ……はぁっ……はぁっ……ふぅ……」

「あっ♡ はぁ……♡ はぁ……♡ はぁ……♡」

「……気持ち良かった? 直葉」

「……はい、とっても」

 

 直葉は僕の身体の下で、蕩けた微笑みを浮かべた。

 

「先輩はどうでしたか?」

「ああ、僕も良かったよ」

 

 そう、彼女と同じく、僕もとても気持ち良かった。それは間違いない。でも、何かが違うという気もする。こんな射精では、直葉を僕のモノにはできない。そんな気がする。

 

「……先輩」

 

 難しい顔をする僕の下で、直葉もまた、微笑みを消して僕を見ていた。彼女がちらりと視線をやったのは、僕の左肩だ。そこには一つだけ、直葉が付けたのではない噛み痕が残っている。それを見た時の直葉は、とても暗い情念のようなものを、瞳の中に燃やしていたように見えた。

 

「あの、先輩」

「ん?」

「もし……先輩さえ良ければ……」

 

 その次の台詞を、直葉はどういう気持ちで口にしたのだろうか。それは分からないけれど、僕がいつか彼女に要求しようと考えていたことを、直葉は自ら、僕に提案してきた。

 

「先輩さえ良ければ……次は、つけずにしませんか?」

 

 頭にカッと血が上って、僕は逆に冷静になった。何をつけずに何をするのかなど、一々聞き返すまでもない。色々なものを僕に許してきた直葉が、最後に残していた大切なもの。女の子にとって、最も重要なかけがえのない場所に到達する資格を、直葉は僕に与えようとしている。

 

「…………いいのか?」

「……はい」

 

 先輩にならいいですと、直葉は確かに頷いた。

 僕は直葉のマンコにはまりっぱなしだったチンポを引き抜くと、そいつからコンドームを外した。赤黒く膨張した亀頭には精液の残滓が付着し、バキバキに硬くなった竿にはミミズのような血管が浮いている。こんなに激しく勃起したのは、僕の人生でも初かもしれない。

 

「直葉のマンコに、生で挿入するぞ? 射精したら、直葉の子宮に僕の精液が入る。それでいいのか?」

 

 僕が厳しい声と表情でそう言うと、直葉はゴクリと唾を飲み込んだ。彼女は言葉で返事する代わりに、頬を赤らめながら、自分で脚をM字に広げた。僕は無言で、直葉の割れ目に亀頭をあてがった。

 初めての時も、僕は生で直葉を犯した。でもあの時のことは、まさに無我夢中で我を忘れていたので、どこか現実離れした記憶になっている。だけど、今夜の直葉は、自分から僕に生挿入を許した。これが意味するのは、一体何なのだろうか。亀頭と割れ目がキスをして、いざ挿入しようとする直前、僕は直葉に確認した。

 

「直葉、今から、お前を僕のモノにする。それでいいな?」

「は……い」

「セフレとは違うよ? 一生離さないからな? それでもいいのか?」

「はい」

「『お兄ちゃん』にも返さない。桐ヶ谷直葉がこの世で一番好きなのは、桐ヶ谷和人じゃなくて、僕だ。それでいいな?」

「はい……っ。あたしの一番は、先輩です……!」

「……よし」

 

 直葉が安全日とかを考慮に入れているのかどうか、それも僕には関係なかった。むしろ、危険日なら本当に僕の子どもを孕ませてやる。桐ヶ谷直葉の人生を、取り返しのつかないめちゃくちゃなものにして、僕を愛するしか選択肢が残らないようにしてやる。

 僕は改めて、直葉の割れ目に亀頭を押し付けた。そして、とてもゆっくりとした速度で、腰を前に突き出していく。僕のチンポには、今まで必ずつけていたコンドームがついていない。「ナマ」の感触と温かさに、チンポの先端から根本までが、徐々に飲み込まれていった。

 

「直葉」

「は……いっ」

「どんな感じだ?」

「先輩のが、あったかいです」

 

 直葉の目の端には涙が浮いていたが、その表情はとても満たされて見えた。僕は頷くと、ゆっくりと腰を前後させる。何も隔てるものが無い今、チンポを包む肉ヒダの感触が、あまりにもリアルで刺激的だ。

 そして、こうしているあいだにも、僕のチンポに付着していたザーメンの残滓は、直葉の膣内に塗り込まれていく。これが奥の子宮まで届いてしまえば、直葉はちゃんと妊娠してしまう。彼女の身体は、既に「母親」になってもいいように完成されているのだから。

 僕はさらに腰を振る。気持ち良くなりたいという欲望もあったが、それ以上に、ドロドロの新鮮なザーメンを直葉の奥で発射して、彼女が妊娠する確率を上げてやろうと思っていた。なぜなら、直葉はさっき僕のセフレじゃなくなったからだ。桐ヶ谷直葉は僕のモノで、僕の女で、僕の可愛い恋人だ。それを自分の種で妊娠させたいと思うのは、僕が哺乳類のオスとして生まれた以上、当然の理屈だった。

 僕が直葉の腰を掴んでピストンしているあいだ、彼女は始終ガクガクと全身を震わせていた。食いしばった歯のあいだからは、断続的なイキ声が漏れ続けている。直葉が生き地獄のような快楽に翻弄されていても、僕は容赦しなかった。生でする以上、子宮への種付けが済むまで、セックスは終わらない。いや、それ以前に、僕らがしている行為はもうセックスとは呼べない。僕らは何度もセックスをしてきたこの部屋で、初めての交尾を行っているのだ。

 脳内麻薬が溢れすぎ、時間間隔すら曖昧になった。何時間も腰を振り続けていたような気もするし、反対に一瞬で限界に達してしまったような気もする。でもとにかく、ドバドバと湧き出る多幸感が、直葉以外の全てを僕の視界から消し去った。

 睾丸が凄まじい勢いで精液を生産している。これが種付けのための本番射精だと、肉体が理解しているからだ。尿道にはザーメンがミチミチに溢れかえり、裏筋がパンパンになっている。亀頭が充血して傘を広げていくのは、発射した精液が逆流しないよう栓をするためだ。

 そして、直葉の肉体も、僕の遺伝子を受け入れるために精一杯活動していた。膣壁は柔らかく、それでいて隙間なくチンポ全体に絡みつき、ストローでも吸うように吸い付いてくる。奥から僕の亀頭を迎え入れるように降りてきているのは、彼女の子宮口なんだと分かった。僕はそこに亀頭を押し付け、鈴口でキスをして、口を開けて入れてもらおうと試みる。できるだけ深いところで、直接ザーメンを注ぎ込むために。

 もう音が聞こえなくなっていた。直葉が舌を出して泣き叫んでいるのに、それも聞こえない。射精する。射精する。射精して種付けする。それだけに意識を集中していた。

 

「――あっ」

 

 唯一、射精する瞬間に、何かが途切れたような直葉の声だけが聞こえた。その瞬間、僕らはきつく抱き合って、腕や脚でお互いを固定し、完全に身動き取れない状態になった。チンポが爆発して直葉のナカで溶けたようになって、そこからザーメンがドバドバと吐き出されていった。

 僕の遺伝情報を詰め込んだ精子たちは、ゴムに遮られることなく、女の子としての直葉の、一番大切な部屋へと侵入していく。桐ヶ谷和人ではなく、僕が直葉のつがいに選ばれた瞬間だ。

 途端に、いま抱き締めている直葉のことが、これまでとは全く異なるものになった気がした。直葉は僕のモノだ。これまで口に出して言ってきたことが、口に出さなくてもよくなるくらい、完全に腑に落ちた。この少女は、僕のモノだ。この瞬間からは、誰もそれを否定できない。それが完全に理解できた。

 桐ヶ谷直葉は、僕のモノだ。

 

「せんぱい……。これで直葉は、あなたのモノです……♡」

 

 長い長い子宮への射精が終わったころ、ようやく音が戻ってきて、直葉がそう囁いているのが聞こえた。



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⑬(明日奈)

「ああ……!! 出るよ明日奈……!!」

「うん、いいよ……! 私もすぐイクから……! んっ♡ あっ♡あっ♡あっ♡ イっ――くぅ……!!♡♡♡♡」

「うぐっ!!!! あああっ!!!! うああ……!!」

 

 僕と明日奈は、その日も僕の部屋で汗だくになってヤリまくっていた。壁に明日奈を押し付けた立ちバックの体位で、明日奈のくびれた腰を掴んで無遠慮にピストンする。明日奈のマンコを思う存分に堪能すると、彼女のお尻が波打つくらい恥骨を力強く打ち付けて、一番奥で欲望を解き放った。

 ガクガク、ビクビクと身体を震わせ、お尻に力を入れて射精できるだけ射精すると、絶頂し終わった明日奈と共に全身を弛緩させる。

 

「はぁ……っ、はぁ……っ、はぁ……っ、イ、イっちゃった……」

「ふぅ……ふぅ……僕も……めっちゃ出たぁ……」

 

 セフレ同士の性欲解消という図式は、以前までと変わらない。だけど、僕と明日奈の関係には、前とは確実に違う部分があった。

 

「明日奈、こっちに顔むけて」

「うん……」

 

 僕の言葉に、明日奈は素直に従う。明日奈は立ちバックでチンポをハメたまま後ろを向くと唇を少し突き出してキス顔になった。

 

「ん……♡ ちゅ……♡」

 

 思う存分イキ快楽を貪ったあとは、キスをしながら余韻を楽しむ。いったん唇を許して以来、それが僕と明日奈の当たり前になっていた。

 ハメながらのキスは、脳に直接キく麻薬のようなものだ。舌を絡め合っているだけで、強制的に多幸感がドバドバと溢れてくる。続けていたらマズい。このままやめられなくなってしまうというのは明日奈も理解しているだろうけど、この幸福な感覚に抗うのは難しい。

 キスを終えて顔を離すと、二人の唇のあいだに銀色の橋がかかる。明日奈は少しだけ口を開けて、すっかりトロ顔になっていた。

 

「もっかいする?」

「うん……♡ あっ♡ あっ♡あっ♡あっ♡あっ♡」

 

 明日奈の了承を得ると、僕は早速腰振りを再開した。彼女はとにかく、獣のように乱暴にハメ犯される、本能むき出しのセックスがお好みだ。さっきよりも速いペースでガン突きすると、明日奈の綺麗な顔から理性の色がはぎとられていき、喘ぎ声も動物じみた下品なものへと変わっていく。

 

「お゛っ♡お゛っ♡お゛っ♡お゛っ♡ んぉお゛っ♡♡ ひっ♡♡ おひぃっ♡♡♡」

 

 壁に手を突いた明日奈のおっぱいが、僕のピストンに合わせぷるぷると揺れ、カーペットに汗の玉をまき散らす。僕はこんな風に、直葉とも明日奈とも部屋のあちこちでハメまくっているから、彼女たちの体臭は、すでに部屋に染みついて取れなくなってしまった。そのかぐわしい匂いを深呼吸するだけで、明日奈のマンコにハマっている僕のチンポは、さらにギンギンになる。

 

「んお゛っ♡お゛っ♡お゛っ♡ おチンポっ♡ すごいぃっ♡♡ わたしの奥、ゴリゴリさりぇてるぅっ♡♡♡ おチンポっ♡ おチンポぉっ♡」

 

 僕の前だけでは、明日奈は何も取り繕わなくていい。明日奈の家族や友達、そして恋人である桐ヶ谷が、明日奈に対して抱いている綺麗な幻想を維持することなんか、微塵も考えなくていい。明日奈は僕の前でだけ、浅ましく性の快楽を貪る、みっともない女の子でいられる。

 僕は明日奈がどんな「自分」を曝け出しても、全てを肯定して受け入れる覚悟だった。彼女のストレスのはけ口になって、彼女がどんな醜さを抱えていても、全部受け止めるつもりだった。

 

「イイよ明日奈! もっと素直になって! チンポに集中して、気持ち良くなることだけ考えて!」

「あ゛♡ い゛っ♡ い゛っ♡ い゛~~~~~っ♡♡♡♡」

「またイった? そうなんでしょ? もっとイカせてあげるよ!」

「んぅぅお゛っ!?!?♡♡♡ お゛っ♡ あ゛っ♡ やっ、やめひぇっ♡♡♡ いまイッてりゅっ! もうイッてりゅからっ! もうイクのムリらからぁっ! ――んぃいいいっ♡♡♡♡」

 

 僕は逃げようとした明日奈の両手首を掴んで、彼女の身体を自分のほうに無理やり引き寄せながら、バチュバチュと音を鳴らして腰を叩きつけた。他人の彼女をロデオのように乗り回し、チンポでアヘヨガらせる快感は、何度味わっても頭がバカになるくらいの凄まじさだ。

 

「イ゛っっっ♡♡♡ ぐぅううううううっ!?!?♡♡♡♡」

「うおおおおっ!!!!」

 

 明日奈がもう一段深いところで絶頂した瞬間、僕のチンポは亀頭の先から大量のザーメンを噴射していた。

 

「はぁ~……はぁ~……はぁ~……」

「ひっ♡ ……おひっ♡ ……んひゅぅっ♡♡」

 

 僕は天井を向きながら膝をガクガクと震わせ、腰が砕けそうなほどの射精快感に打ち震えていた。明日奈はガックリと床を向いて、だらんと垂らした舌から、ヨダレをぽたぽたと垂らしている。

 相手に対する思いやりとかを排除したセックスでしか味わえない快楽があるのも事実だ。明日奈には桐ヶ谷という恋人がいるから、僕らのセックスは、とにかく快楽を追求したものでいい。明日奈は、それにどっぷりハマってしまっていた。

 

==

 

「君って、いっぱい精液出すよね……」

「……は?」

 

 セックス合間の小休止の最中に、明日奈が急に妙なことを言い出したので、僕もさすがに困惑した。

 僕らは裸のまま、ベッドの上で並んで仰向けになっている。二人とも汗だくなだけでなく、既に全身が色々な体液でドロッドロだ。明日奈が使用済みコンドームの一つを手にとって、ザーメンだまりを指でつついていたりしたから、何をしているのかと思っていたところに、さっきのセリフが飛んできた。

 

「出す量って、人によって違うんだね……」

「当たり前だろ……? 桐ヶ谷のは少ないの?」

「……君よりは」

 

 優越感を感じる部分なのかどうか分からない。僕は苦笑しながら、上半身を起こした。明日奈はまだ、精液で水風船のようになったコンドームを玩具にして遊んでいる。

 

「何? 精液が気になるの?」

「う~ん……」

 

 明日奈たち女子にとっては、それを自分のお腹の中に流し込めば、ゆくゆくは赤ちゃんに育ってしまう不思議な液体だ。何か思うところがあるのかもしれない。

 

「じゃあさ、飲んでみる?」

「え?」

 

 次に豆鉄砲を食らったような顔をしたのは、明日奈だった。

 

「別に驚かなくてもいいじゃん。フェラの時は飲んでるでしょ?」

「そ、そうだけど……」

「改めて味わってみなよ」

 

 僕は強引にその提案を押し通した。僕は明日奈からコンドームを受け取ると、彼女を起き上がらせ、ベッドの上に座らせた。そしてさらに、天井を向いて口を開けさせる。僕は縛ってあったコンドームの口を解き、明日奈の口に、自分の吐き出したザーメンを注ぎ込んだ。

 明日奈の赤い舌の上に、粘っこい白濁がドロドロと落ちていく。

 

「ん……っ、んぷっ」

「吐き出しちゃダメだよ、頑張って。ほら、全部乗った。そのままよ~く味わってみて」

「んぐっ……」

 

 明日奈は口を閉じると、ネバどろザーメンをモグモグと咀嚼する。僕は、明日奈に簡単にそれを飲み込ませないで、30回くらい噛ませてみた。

 

「よし、いいよ。飲み込んで」

「ん――ぐっ。ハァ……ハァ……」

 

 涙目の明日奈が、僕の精液臭い息を吐いている。彼女の胃の中にも、僕の精液が満ちているはずだ。そう思うと、ムラムラと得体のしれない欲望が沸き上がってくる。僕はもう一個の使用済みコンドームを手に取って、明日奈に言った。

 

「じゃあ、もう一回ね」

 

==

 

「ふぅ、苦かったぁ……」

「そんなに?」

「君も一回飲んでみたら?」

「それは遠慮しとく」

 

 明日奈に使用済みコンドームのザーメンを飲ませるという特殊プレイを行ったあと、僕は彼女にフェラで抜いてもらい、改めて新鮮な精液を明日奈の口内に注ぎ込んだ。食道と胃をザーメンまみれにされて、明日奈は僕に抗議したものの、本気では嫌がっていないようだった。

 そして今は、身体に付着した色々な汚れを洗い落とすために、二人でお風呂に入っている。アパートのユニットバスは狭く、そもそも湯船にお湯を張って浸かることを、あまり想定していない。でも、明日奈がどうしてもと言うので、僕はさっきの償いがてら、バスタブにお湯を溜めて入浴できる準備を整えた。

 一人ずつでなく二人で一緒に入ったのは、特にやり取りが有ったわけじゃない自然な流れだ。狭いバスタブに無理やり身体を沈めた僕に、背中を向けて抱っこされるような形で、明日奈もお湯に浸かっている。

 

「今日は泊まってく?」

「うん」

「じゃあ朝までセックスできるね。そろそろお尻にチンポ入るか試してみようよ」

「いいけど……無理そうだったらすぐにやめてよね?」

 

 肉体関係というものが、そんなに軽いものであるわけがないのに、明日奈の倫理観は、僕によってすっかり破壊されてしまっていた。だから彼女はこんな風に答える。お湯に浸かりながらも、僕らはお互いの身体をまさぐり、やわやわと愛撫を続けていた。

 風呂に入ってさっぱりすると、僕はバスタオルで明日奈の身体を拭き、明日奈は僕の身体を拭いた。そして窓を開け、ベッドに寄りかかって並んで座り、風鈴の音に耳を傾けながら、セックスを再開するまでの夕涼みをした。

 

「ねぇ」

「なに?」

「それって……直葉ちゃんだよね。その、身体のキスマークとか」

「うん、そうだよ」

 

 明日奈の問いかけに、僕は悪びれずに答えた。僕は明日奈とセフレでありながら、直葉ともセックスしている。明日奈の前で、ハッキリそれを認めたのは初めてだった。でもそれを言うなら、明日奈も今日まで、直葉が僕に抱かれているということを暗に知りながら、見て見ぬふりを続けてきた。なぜなら、そうしないと「直葉を守るために僕に抱かれている」という言い訳が使えなくなるからだ。

 でも、そんな言い訳はもう通用しない。明日奈は僕に抱かれたくて抱かれている。愛情とかではなく、純粋に快楽を求めるためのセックスでも、抱かれたくて抱かれているという事実は同じだ。明日奈は今、それを言葉にして認めてしまった。やっぱり、倫理観がガタガタになっている証拠だ。

 僕はついでに、明日奈に色んなことを教えてあげた。

 

「明日奈が部屋に来ないときは、直葉とセックスしまくってる。泊まりがけで、一晩に何回もヤッてるよ?」

「そんなに……たくさん……」

「うん、昨日も朝までヤッてたけど、寝バックで4回中に出したら、イキ過ぎて直葉が気絶しちゃったんだ」

「え……? そ、それって……」

「そう、中出し。コンドーム無しの生チンポをマンコにハメて、子宮に直に精液出しまくってる。だから今は明日奈にしかコンドーム使ってないよ?」

 

 僕の告白を聞いて、さすがに明日奈は驚いたようだった。僕の顔と、裸でベッドに寄りかかっている僕の勃起チンポとを交互に眺め、それから唾をゴクリと飲み込んだ。

 

「そ、そんなのしたら、赤ちゃんが……」

「ああ、できるかもね。直葉が安全日だからって言うから中に出してるけど、危険日でも外に出せるか分かんないし。でも、たぶん直葉もいいって言うよ? それくらい生セックス気持ちいいし。――なに? ひょっとして、明日奈も生でしてみたいの?」

「…………」

 

 明日奈は答えなかった。でも、彼女の顔は見るからに紅潮して、呼吸が荒くなっている。せっかくお風呂で汗を流したのに、肌がじっとりと湿っていた。

 

「僕も直葉に中出しするの大好きだけど、直葉は僕よりもドはまりしちゃってるんだ。幸せで頭がトンじゃうくらい気持ちいいんだってさ」

「…………っ」

「どうして唾を飲み込んだの? やっぱり明日奈もヤッてみたい?」

「そ、そんなこと……」

「…………分かってる」

「――え?」

 

 僕は少しずつ明日奈の耳に口を近づけながら、誘うように囁きかけた。

 

「明日奈には大切な『和人君』がいるもんな。浮気相手のセフレに生出しさせて、和人君と違う遺伝子で赤ちゃんデキちゃったって知られたらマズいもんな。……でもさぁ、桐ヶ谷は案外、気付かないかもよ? ほら、あいつってけっこう鈍感なとこあるじゃん?」

「…………」

 

 恋人を侮辱するような言葉を僕に吐かれたというのに、明日奈はうつむいて黙り込んでしまった。僕はそれ以上誘いをかけるのをやめ、明日奈を抱きしめて、彼女の髪をよしよしと撫でた。しばらくすると、明日奈は僕にすがるように体重を預けてきた。

 あとはじっくり、明日奈が自分の心の中で考えればいい。桐ヶ谷に対する不貞と、僕が今まで彼女に与えてきた以上の、未知の快楽とを秤にかけて。

 

==

 

「じゃあ、いくよ?」

「うん……っ」

 

 深夜のベッドの上で、明日奈が緊張に表情をこわばらせている。

 生セックスするかどうかは置いておいて、僕らは今日、これまで明日奈のアナルをじっくり開発してきた成果を試そうとしていた。M字開脚する明日奈のお尻の穴には、既にローションがたっぷりと塗りたくられている。僕の勃起チンポに装着されたコンドームも同様だ。

 今から行うのは、僕らの初のアナルセックスなのだから、慎重になるに越したことはない。

 

「明日奈、怖い?」

「ちょっとだけ……」

「大丈夫だから安心して、力を抜いて」

「……うん」

 

 頷いたけど、明日奈はやっぱり緊張している。普通なら性行為に使わない場所を、僕のチンポに捧げようとしているのだから当然だろう。

 

「優しくするから」

 

 やっていることの変態性はともかく、僕は本気でそう言った。

 ベッドの上で小刻みに震える明日奈は、まるで初夜を迎えた未経験の乙女のようだ。そんな彼女を見ていると、なんだかまるで、彼女が桐ヶ谷に捧げてしまった処女を、改めて僕にくれようとしているように思えてくる。明日奈が最初から気持ち良くなれるか分からないけれど、彼女のために精一杯尽くそうと思ってしまう。

 

「明日奈、絶対に優しくするから」

「うん。…………ん♡ ちゅ……♡」

 

 キスで麻酔をかけ、最後の準備を整える。マンコも濡れ濡れだけど、今はこっちではなく、その下でヒクヒクと疼いている控え目なアナルに用がある。

 

「明日奈、一個だけお願いしていい?」

「なぁに?」

 

 アナルに亀頭を添えてから、僕は明日奈に耳打ちした。できるなら、挿入する前に明日奈に言ってもらいたい台詞があった。

 

「それを言えばいいの?」

「うん」

「……わかった。じゃあ、言うね。…………私のお尻の穴のはじめて、君に、あげる」

「……ありがとう。明日奈……僕も、一個だけ言わせて」

「……?」

「君のことが、好きだ。初めて『あそこ』で会った時から、ずっと好きだったんだ」

「――え? ……あっ、んぅ……っ♡♡」

 

 明日奈が何か言う前に、僕は彼女の口を塞いだ。そして、明日奈の両手を自分の両手で捕まえて、全ての指を絡ませる。そして腰を動かし、明日奈のアナルへの侵入を試みた。

 

「んぅっ……あっ♡ くぅ……っ」

「痛い?」

「痛く、ない……かも。わかん、ない」

「このままゆっくり挿れるね」

「うん……っ」

 

 拡張してきたお陰で、明日奈のアナルは、思ったよりも素直に僕を受け入れてくれた。それでも、スムーズな挿入とはいかない。抵抗は前の穴よりもキツい。チンポが千切れそうなくらいぎゅうぎゅうと締め付けてくるうえ、異物を排除しようと腸内が蠕動する。

 

「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ」

「明日奈、力を抜いて」

「う、うん……っ、あっ、んぅっ、はぁっ……はぁっ……はぁっ……」

 

 明日奈が深呼吸を繰り返すと、そんなキツいアナルの中に、僕のチンポが1ミリずつ埋まっていく。明日奈の指は、爪が突き立ちそうなくらい力を込めて、僕の手を握りしめている。そうやって、できるだけゆっくりと、長い時間をかけて、僕は根元まで彼女の中に入り込んだ。

 

「入った……」

「……うん」

「今日はこれだけで、動かないでおくね」

「うん」

 

 明日奈の返事は、徐々に涙声になっていく。僕は彼女の目尻にキスを落とし、ただじっとして、彼女の後ろの穴が、僕に馴染むのを待っていた。

 そのあと、僕らは普通のセックスもした。明日奈は生ではさせてくれなかったけど、彼女はこれまでで一番乱れて、僕のチンポでイキまくっていた。僕もそんな彼女の中で、数えきれないくらいイった。



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⑭(直葉)

 僕は今日、直葉とプールに行った。アパートから歩いて三十分くらいの距離にある、そこまで大きくない自治体の施設で、ウォータースライダーなんかが有るわけでもないけど、二人で夏らしいことをしてみたかった。集合場所を僕の部屋じゃなく駅にしたのもその一環で、より「デート」っぽい雰囲気を味わうためだった。

 

「お待たせしましたか? 先輩」

「ううん、今来たとこ」

「えへへっ、じゃあ行きましょっ、先輩っ♪」

 

 そんなベタなやり取りから始まって、僕らは腕を組んでプールへと向かった。道の途中、直葉はずっと、スキップしだしそうなくらいルンルンで、ときおり鼻歌を歌ったりしていた。

 知り合いには会わなかったけど、すれ違う若い男は、たいてい直葉を振り返っていた。直葉は、キレイな腕と脚を大胆に出したコーデをしている。暑いから薄着なんだと言えばそれまでだけど、こんなに彼女が大胆になれるのは、僕という「男」を知ってしまったから――というのは、あながち間違いじゃないだろう。

 僕のモノになると宣言した女の子を、僕が子宮に何度も精液を吐き出した美少女を、誰も彼もが振り返るっていうのは、どうしても自尊心が満たされる。ただ――

 

「直葉、ナンパとかについてくなよ?」

 

 そういう心配はせざるを得ない。

 

「もしあたしがナンパされたら、先輩が助けてくれますか?」

「直葉のほうが僕より強いじゃん」

「も~、そういう問題じゃないですよ……」

「怒った?」

「怒ってません。えへへ、先輩♡」

 

 ニコニコ顔の直葉が、僕の腕にすがり付く。完璧に浮かれたバカップルの構図だ。その時すれ違ったサラリーマンに舌打ちされたけど、気にならなかった。

 プールに着くと、更衣室の前で別れ、出口で待ち合わせた。先に着替え終わって直葉を待っていると、出てきた水着姿の美少女に、目を奪われてしまった。

 

「先輩、どうですか? ……ねぇ、先輩」

「…………え? あ、ごめん。滅茶くちゃ可愛かったから……つい」

「あ……」

 

 改めて僕が彼女を眺めると、直葉はモジモジと身体をすり合わせながらうつむいてしまった。散々セックスしたのに、夏の太陽の下で見る彼女の水着姿は、とても可愛く綺麗だった。溌溂とした健康美と、適度なスケベさが同居している、布面積が少なめの大胆なビキニ。今日、僕に見せるために用意してくれたのだろうか。

 

「先輩が喜んでくれると思って、買ったんです。……似合ってますか?」

 

 ああ、やっぱりそうだ。僕は直葉の水着姿を手放しで絶賛した。可愛い可愛いと何度も繰り返すうち、直葉は真っ赤にした顔を上げて、はにかむ笑顔を見せてくれた。

 それにしても、水着になった直葉は凄い。僕らの学校にはプール授業があって、その時から凄いと噂されていたけれど、こうして改めて目の前にしてみると、凄いとしか表現のしようがないのが分かる。どこのグラビアアイドルかと思うほどのスタイルだ。いや、グラビアアイドルでも、こんなスタイルの良い子は10年に一度出てくるかどうかだろう。

 豊満なおっぱいが一番に目を引くけど、それ以外も凄い。お尻が大きくて太ももがやや太めなのも、男心をくすぐってくる。しかも贅肉でぶよぶよなのではなく、筋肉できゅっと引き締まって張りがある。お腹と腰回りはスッキリとへこんでいて、腹筋に十字のラインが見える。スポーツ少女らしい肉体だ。

 

「最近、ちょっと無駄なお肉がついちゃったかもって思ってたんですけど……」

 

 直葉はそう言って二の腕を摘まんだ。全然許容範囲内だ。というか、それぐらいのほうが逆に興奮する。僕との性行為に夢中になって、日常の鍛錬が疎かになった結果だと思うと、なお興奮する。

 もうこの場で抱き着きたい。押し倒して、プールサイドで生ハメして、子宮に精液を注ぎ込んであげたい。そんなことを考えていると、僕のすぐ傍に寄って来た直葉が、こしょこしょと耳打ちした。

 

「先輩、ちょっと大きくしてませんか……? 駄目ですよ、こんなところで」

「直葉が悪い。そんな可愛い格好するから」

「えへへ……ごめんなさい」

「今はプールで遊ぶけど、帰ったらお仕置きだぞ? 直葉がもう無理ってなってもハメまくるからね?」

「ふふ……♡ は~い♡ お願いしま~す♡」

 

 ちょっと小悪魔っぽい笑みを浮かべて、直葉は僕から離れた。僕はチンポのイラつきを抑えるのに必死だった。

 それから僕らは、普通の恋人同士のようにプールをエンジョイした。直葉はこのプールデートが相当楽しみだったようで、ビーチボールなんかも用意していた。お互い無邪気にはしゃいでいるように見えて、僕らの頭の片隅には、帰ってから行う激しいセックスのことが染みついて離れなかった。屈託のない笑顔の合間合間に、直葉はゾクッとするくらい妖艶な瞳で僕を見たし、僕も、ギラついた目で彼女を眺めるのを完全に押さえ込むのは不可能だった。

 プールには僕らの他にも何組ものカップルがいたけど、女の子の中で、直葉が一番可愛いのは明白だった。それはもう圧倒的に可愛かった。この子とこうしてずっと遊んでいたい。でも、早く帰ってこの子の身体をハメ倒したい。僕の下半身には、発散できない悶々が溜まりまくっていった。

 

「あの、先輩」

 

 プールでしこたま遊び倒してから、手をつないで歩く帰り道、直葉はか細い声で僕に呼びかけた。つないだ手が汗ばんでいて、直葉の指が、僕に何かを訴えるように艶めかしく動いている。

 

「どうしたの、直葉」

「あの……あたし、もうガマンできなくて」

 

 一瞬、トイレかなと思った。けど、そうじゃない。トイレなら、こんなに顔を赤くしたりはしない。それによく見ると、直葉のホットパンツから太ももにかけて、汗ではない液体が密かに流れ落ちている。

 僕は直葉の耳元に口を寄せ、囁いた。

 

「……まだ外だし、明るいよ? それなのに、僕のチンポハメられたくなったの?」

「うぅ……」

「チンポでおマンコほじくり返されて、奥にザーメン流し込まれたくなっちゃったんだ? 直葉はいやらしいなぁ」

「うう……はい……そうなんです……♡♡ 直葉は、先輩と一緒にいると、すぐにセックスしたくなるダメな子なんです……!」

「部屋に戻るまでガマンできない?」

「無理です……。一回だけ、一回だけでいいですから、あたしにおチンポください……ね?」

 

 駅近くで、周囲に人が多かった。でも、そんな歩道の真ん中で、こんな美少女が男に生ハメ懇願しているとは、誰も考えていないだろう。

 

「せんぱい……♡ ね? せんぱいの熱いの、いっぱいください……♡ ね?」

 

 直葉はどんどんトロけてきて、僕にしなだれかかってくる。いくら何でもこのままだと注目を集めてしまう。とにかく、発情した直葉を満足させなければならなかった。というか、僕のチンポも限界だ。直葉の子宮に一発注ぎ込んでからじゃないと、アパートまでもたない。

 じゃあどこでハメるかが問題だ。こんな明るい街中で、人に見られずセックスできる場所なんてどこにあるだろう。ラブホテルでもあればいいけど、それも見当たらない。じゃあネットカフェの個室か、いっそ路地裏とかで――などと考えていると、この辺にちょうどいい場所が有るのを思い出した。

 

「直葉、こっちおいで」

 

 僕は少しよろよろと歩く直葉を引っ張って、その場所へと向かった。

 

「ここなら誰も来ないだろ」

 

 僕が直葉を連れてきたのは、寂れた感じの神社だった。街中にしては大きめの神社で、お宮の向こうには雑木林がある。それでも人がおらずガランとしているのは、観光名所でもなく、お祭りとかをやっているわけでもないからだろう。

 罰当たりには違いないけど、少しここを使わせてもらおう。

 

「直葉、下を降ろして、そこの木に手をついて。バックからハメてあげる」

「はいっ。――あ、その前に」

「ん?」

「虫よけスプレー、先輩も使ってください」

 

 発情しまくっているはずなのに、直葉は女の子らしいことを気にした。バッグからスプレーを取り出すと、彼女は僕の脚を中心にそれを振りかけた。

 

「ありがとう、直葉」

「どういたしまして。――あ、あと……」

「まだなんかある?」

「キスしてください……」

「ああ、いいよ」

 

 直葉の瞳を潤ませてのおねだりを、僕は快諾した。明るい場所でのデートは楽しいけど、人目があると、いつでもどこでもキスはできない。それが凄く辛いことだっていうのは、こうして部屋の外に出かけるようになったから分かったことだ。

 しばらくキスできなかったうっ憤を晴らすため、僕らは鼻息を荒くして、互いの舌で互いの口内を貪った。そしてようやく気持ちが収まると、直葉はホットパンツとショーツを降ろし、木の幹に両手をついて、お尻を高々と上げた。

 

「濡れてるね」

「はい……っ、もう準備できてますから、おチンポください……!」

「ふふ、欲しかったら、もっとエロく誘ってみてよ」

「先輩のイジワル……!」

 

 直葉はそう言って怒ったけど、すぐにおねだりの言葉を口にしだした。そうしながら、片手の指でマンコを広げ、お尻を揺らす。

 

「あたしはもう、先輩がいないと、寂しくてしかたないんです。先輩のおチンポと繋がりたくて、ずぅっとそればっかり考えてるんです。直葉は先輩のことが、大好きなんです……! だから、だからエッチしてください……! お願いします……!」

 

 その言葉は、エッチなおねだりというよりも、直葉の必死で本気な様子が伝わってきた。彼女がとにかく僕と一つになりたがっているというのが、よく分かった。僕はニヤニヤ笑いを消して、直葉の背後から覆いかぶさるようにチンポを挿入した。

 

「くそっ! 直葉! どうしてそんなに可愛いんだよ!」

「ああっ♡ んぃいっ♡ おチンポきたぁっ♡♡」

「犯してやる! 直葉のマンコでチンポ扱いて、子宮がいっぱいになるまでザーメン注いでやるからな! 覚悟しろよ!」

「――んおっ♡♡ おっ♡ おっ♡ おっ♡ おっ♡ おっ♡ すごいっ♡ ガチガチっ♡」

「うあああっ! 締まり過ぎ……! なんでこんなに僕のチンポにぴったりなんだ……!?」

「んふっ、んふふっ♡♡ それは、あたしのおマンコが、あっ♡♡ せんぱいのおチンポしか、知らないからですよっ♡♡ あっ♡ ああっ♡♡ 奥にあたるぅ♡」

「クソっ、おっぱい揉ませろ直葉!」

「は、はいっ♡ 直葉の身体は、全部先輩のモノですから、お好きに使ってくださいっ♡♡ ――あおっ!?♡♡♡ んきゅぅっ♡♡」

 

 僕らがしているのは、完全に発情した動物同士の交尾だった。僕は手のひらにあまるサイズの直葉の巨乳を握りしめながら、サカりのついた野良犬みたいに腰を振った。直葉も膝をガクガクと震わせ、舌を垂らしてアヘヨガっていた。

 でも、このセックスは、少し前までの快楽だけを追求する行為とは、厳密に言うと違う。僕は直葉の、「直葉は僕のモノだ」という言葉を疑っていなかった。直葉にとって一番大切なものが、「お兄ちゃん」ではなく「僕」になったのだということを理解していた。だから、ただ腰を振るだけでも、こんなに心が満たされている。

 

「せんぱいっ、すきっ♡♡ だいしゅきっ♡♡♡ すき、すき、すき!!♡♡♡ せんぱいぃっ!!♡♡」

「ああ、僕も好きだ! 好きだ! 直葉が大好きだ!! 愛してるよ直葉!!」

「ああああ……っ!!♡♡♡ うれしぃっ♡♡ うれしいよぉっ♡♡ あああああっ♡♡♡」

 

 僕は桐ヶ谷直葉が好きだ。直葉を本気で愛している。

 明日奈にも好きだと言ったのに、他の子にも軽々しくその台詞を言えてしまう僕は、やっぱり最低だ。でも、本当に好きだ。仮想世界で初めて会ったときから憧れていた明日奈のことも、桐ヶ谷の妹として現実世界で知った直葉のことも、どっちも好きだ。絶対に他の奴に渡したくない。

 直葉に対する止めどない独占欲が、僕の腰の動きをさらに激しくさせる。

 

「んお゛っ♡ お゛っ♡お゛っ♡お゛っ♡お゛っ♡ い゛っ♡」

 

 直葉は半分白目をむいて、喉の奥からアヘ声を漏らしている。僕のピストンが激し過ぎるせいで、彼女が手を突いている木の枝が、わさわさと少し揺れた。この激しい交尾の音を聞きつけて、誰かが様子を見に来たとしても、僕らは止まらなかったに違いない。

 僕は、直葉のマンコに当たり前のように生でチンポをハメて、子宮の奥に種付けするために射精を目指した。性器の粘膜同士が溶け合って一つになって、ヤバいくらいの一体感だ。僕の身体の延長上に、直葉がいる。僕と直葉は本当に一つの存在だ。そう思えた。

 下半身全体を麻痺させるような甘い痺れがのぼってくる。チンポが膨らんで、溜め込んだ欲望がそこから一気に噴き出てしまう。

 

「あっ!!!! うっ!!!? ぐぅ……!!!!」

「イ゛っ♡ ア゛っ♡ う゛ぅ~~~~~っ♡♡♡ お゛~~♡♡ お゛~~~っ♡♡♡」

 

 もの凄く濃いのが出た。直葉を孕ませて母体にするための、ドロドロの白濁粘液だ。学生の身分で妊娠させる、妊娠してしまうことのリスクを、僕らは当然承知している。それでも、この中出しの誘惑には抗えない。生物としての本能が満たされて、肉体の細胞全部が喜んでいるのが分かってしまう。

 

「ふぅ……ふぅ……ふぅ……ねぇ、直葉」

「ハァ……♡ ハァ……♡ ハァ……♡ な、なんですか、先輩……」

「もしデキちゃったら、産んでくれる?」

「はい、もちろんです……♡」

 

 僕の質問に、直葉はノータイムで、しかもとても幸せそうな微笑みを浮かべて答えた。

 振り向いた直葉と濃厚なキスをして、僕は再び腰を振り始めた。

 

==

 

 神社の雑木林でサカってから、僕らはアパートへの帰途を再開した。普通に日が傾き始めるまで、抜かずで何発も本気交尾をしてしまった。今から帰れば、夕飯の支度にはちょうどいい時間だろう。

 

「……えへへ」

 

 僕らは手をつないでいる。僕は右手で直葉の左手を掴み、左肩には直葉のバッグを代わりに持っている。直葉はだらしない笑顔を浮かべながら、空いている手でお腹のあたりをさすっていた。

 

「ちゃんと、大丈夫な日のはずなんですけど。……えへへ」

 

 万が一当たってしまったらどうしようという恐怖ではなく、当たってしまったほうが幸せになれるんじゃないかと考えている、ふやけた笑みだ。その万が一を、たぶん、僕も少し期待している部分があった。

 でも、この子のことを真剣に考えるなら、学生のうちに妊娠するのは避けたほうがいいに決まっている。

 

「直葉、帰ったらご飯食べて、それからちょっと勉強しよっか」

「え? いいですけど、急にどうしたんですか?」

「いや、まあ、ちゃんと勉強しといたほうが、将来のためになるかなってさ」

 

 柄にもない責任感のようなものが芽生えて、僕は思わずそんなことを言っていた。直葉はしばらくそんな僕の顔を眺めてから、僕の腕に縋り付き、穏やかな顔で目を閉じてつぶやいた。

 

「はい、そうですね」

 

 これから先、もしも新しい家族ができるなら、やっぱりこんな子がいい。僕は本気でそう思いながら、彼女と一緒に夕焼けの帰り道を歩いた。



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⑮(明日奈)

 仮想世界の「閃光のアスナ」は、一時期までは、冷ややかさすらまとうストイックなプレイヤーとして知られていた。僕を含め、あの時のアスナの強さや、抑えきれないカリスマのようなものに憧れていたプレイヤーは多かったはずだ。

 現実世界で結城明日奈と言えば、遠目から見たことがある人は、成績優秀で品行方正な彼女の、凛とした雰囲気の横顔を思い浮かべるだろう。もしくは、少し彼女に近いクラスメイトなんかは、誰にでも優しい聖母のような笑顔を思い出すかもしれない。

 恋人の桐ヶ谷はどうなんだろうか。あいつは明日奈のことを、自分のことが大好きで、自分のために命すら投げ出してくれて、どんな時も自分を支えてくれる献身的な少女だと思っているのかもしれない。

 悔しいけど、たぶんそれは間違っていないのだろう。

 

「お゛…………うああ゛…………」

 

 でも、その明日奈は今、使用済みコンドームが散乱したベッドの上で仰向けに両手両足を投げ出し、潰れたカエルのようになっている。僕のチンポで好き勝手にイカされた挙句、全身を汗でテカテカにして、腰から下を激しくビクンビクン痙攣させている。顔は涙とヨダレでぐしゃぐしゃだ。綺麗なマンコは名残惜しそうにヒクヒクと蠢き、アナルからは僕の精液がドロリと溢れてきている。

 ここには、凛々しさも優しさも何もない。明日奈を形作っている――言い換えれば縛り付けているイメージはどこにもなく、ただむき出しの「明日奈」そのものがここにいる。

 この明日奈を知っているのは、間違いなく僕だけだ。

 

「ほら明日奈、休憩終わり。もう一回するよ」

「もう゛…………ゆ゛るして…………」

「ダメ」

 

 それにしても、ちょっとヤリ過ぎたかもしれない。彼女が今日この部屋に来たのは、午前中の早い時間だった。そして、今は午後の5時を回っている。そのあいだ、ほぼノンストップでイカせまくった。でも、これは明日奈が悪い。僕は性欲というより怒りでチンポを硬くして、再び明日奈にハメようと、彼女の上にのしかかった。

 明日奈の顔に、僕に対する恐怖の色が浮かんだ。そして彼女は、とても無様に僕に許しを請う。

 

「おねがいです……っ。ゆる゛しでください……っ。――あ゛っ♡ おお゛お゛……♡♡ やらぁ……っ、もうイグのやらぁ……っ。――んい゛っ!?♡♡♡♡」

「だから、ダメ。明日奈が悪いよ。反省するまで、ずっとイカせ続けるからね?」

「お゛~~っ!?♡♡ ん゛お~~~っ!?♡♡♡」

 

 こうなっている理由はシンプルだ。

 今日の午前、お泊まり道具を持って、部屋のドアの前に立っている明日奈を見た瞬間、僕の中にどうしようもない黒い怒りが込み上げてきた。

 

「明日奈さ、桐ヶ谷とセックスしたでしょ?」

「――っ!!」

 

 明日奈の雰囲気とか匂いとかで、僕は一発でそれを確信してしまった。明日奈は、僕に抱かれていないあいだに、桐ヶ谷に抱かれた。明日奈がビクっと震えたのは、図星を突かれたからということも有っただろうけど、僕が浮かべた笑顔の裏にある、怒りの色に気付いたからだったに違いない。

 

「おいで」

「あっ――」

 

 僕は明日奈の手首を掴むと、強引に部屋の中に引き込んだ。そして、レイプするみたいに乱暴に服を脱がせ、彼女の身体に残った桐ヶ谷の痕跡を消すべく、ひたすらセックスし、ひたすら愛撫した。その挙句が、今の明日奈の無様な格好だ。

 今の明日奈の肉体には、抵抗する余力は欠片も残されていない。僕はチンポをハメたまま彼女の身体を仰向けからうつ伏せにひっくり返すと、寝バック状態で亀頭をポルチオに押し付けた。

 

「明日奈、ちゃんと僕に謝って」

「ごめ゛んなさい゛っ、ごめ゛んなさい゛っ、ごめ゛んなさい゛ぃっ! ん゛っお゛おおっ♡♡♡♡」

「まだ足りない」

「ごめ゛んなさい゛っ、ゆ゛るしてください゛っ、ごめ゛んなさい゛っ、ごめ゛んなさい゛っ、ごめ゛んなさい゛っ、もう゛ゆる゛しでぇっ……!! ん゛っ♡♡ ぎぃいいっ♡♡♡♡」

 

 明日奈は別に悪いことをしていない。彼女に悪い点があるとすれば、それは、恋人がありながら僕というセフレと浮気セックスしていることだ。明日奈と僕は、むしろ明日奈の恋人の桐ヶ谷に手を突いて詫びなければならない立場だ。

 でも、そんなことはどうでもいい。それはただの、世の中の人間が作り上げた建前だ。僕には怒る理由があるし、明日奈も僕に悪いことをしたと思っているから謝っている。僕らの関係では、それが正しい。

 

「――っ!!」

 

 僕は明日奈のナカで射精した。ドックンドックンと、竿がポンプのように脈動して、コンドームの先端にザーメンを送り出す。滅茶くちゃ気持ちいいはずなのに、全然満たされない。

 

「お゛ひっ♡♡♡」

 

 射精が終わると、チンポをマンコから引き抜いた。明日奈のドロドロマンコの中に入っていたコンドームは、ベッタベタにテカっている。湯気を出しそうな重たいザーメン溜まりが、コンドームの先端にぶら下がっていた。でも、こんなんじゃやっぱり満足できない。

 僕は外したコンドームを、腹いせに明日奈の背中にべしゃりと投げつけた。こういうことをもう何回も続けているので、明日奈のお尻や太もも、ついでに顔も、使用済みコンドームと僕の精液まみれだ。

 

「しゃぶれよ、明日奈」

「う゛……あ゛…………はい゛……」

 

 僕が乱暴に命令すると、明日奈は素直に従った。彼女は力の入らない両手両足で何とか四つん這いになると、朦朧とした瞳を僕のチンポに向けた。そして、まるでご機嫌を取るように、ビクビクと怒りで震えている亀頭の先に、恭しいキスを捧げる。それから唇をすぼめ、尿道に残ったザーメンをチュウっと吸い上げた。そして、亀頭全体に舌を這わせ、竿にもキスを繰り返す。

 

「『和人君』には昨日抱かれたんだろ? 和人君のもこんな風にしゃぶってやったのか?」

「ちがい……ます。お口でしたのは、あなただけ……です」

 

 明日奈も、今の僕には逆らわないほうが良いと理解している。彼女は丁寧な言葉遣いで言い訳した。

 

「明日奈のほうから誘ったのか? それとも、和人君から?」

「――!!」

「正直に答えたほうがいいよ」

「……わ、私から……です。――ひっ! ごめんなさいっ! ごめんなさいっ!」

 

 こんなに卑屈に誰かに許しを請うなんて、明日奈の今までの人生で無かったことだろう。

 明日奈によれば、昨日は愛しの和人君とのデートだったそうだ。僕に散々ハメ犯されたことを隠して、彼女は前々から約束していた和人君との楽しいデートを満喫した。ショッピングをして、ロマンチックな映画も見に行ったそうだ。

 

「ふ~ん。で? 和人君とどんな風にセックスしたんだ? チンポ舐めながら説明してよ」

「はい……ちゅっ、デートの最後に、んちゅぅ……あの、私のお部屋に行って……」

「いちいち僕の顔色窺わなくてもいいって」

「で、でも、こんなにおチンポ、怒ってるみたいに硬くなって……」

「さっさと説明しないと、またハメ潰すよ?」

 

 説明してもハメ潰すつもりだったけど、僕はそう言った。

 明日奈にフェラさせながら説明させたところによると、桐ヶ谷はデートの最後に明日奈の部屋に上がり込んで、そこで明日奈に誘われるまま、セックスに応じたらしい。

 

「和人君は、あんまり自分からしたいって言わないから……」

 

 だから、明日奈が勇気を出して誘ったのだそうだ。そういうところにも腹が立つ。明日奈という最高の美少女を恋人にしておいて、「自分はガッツいてません」という面をする桐ヶ谷のことが、やっぱり僕は嫌いなんだと改めて思った。明日奈を大切にしていると言えば聞こえはいいけど、明日奈に僕という悪い虫が近づいていることにも気づかず、不安に思った明日奈に自分から抱いて欲しいと言わせるなんて最低最悪だ。

 

「何回シたの?」

「……一回だけ。和人君が、一回射精して、それで終わりました」

「明日奈はイった? 桐ヶ谷のでイケた?」

「………………」

「ふぅん……」

 

 その沈黙が明日奈の答えだ。僕は明日奈の頭をポンポンと優しくたたいた。すると彼女は、僕のチンポをぺろぺろと舐めるのを止め、上目遣いに僕を見た。

 

「桐ヶ谷のチンポと僕のチンポ、どっちがよかった?」

「…………あなたの、です」

「桐ヶ谷と僕、どっちが明日奈を気持ち良くできる?」

「……あなた、です」

「明日奈の身体のこと、桐ヶ谷と僕のどっちが良く知ってる?」

「あなたです」

 

 それは当然の回答だった。明日奈の身体は、マンコだけじゃなくおっぱいやそれ以外の隅々まで、僕によって開発されまくった。僕が、僕専用にカスタマイズした。桐ヶ谷の変に遠慮するようなセックスでは得られない快感を、明日奈は僕によって知ってしまった。

 明日奈はもう戻れない。

 

「わかった」

 

 僕はまだ怒っていたけれど、穏やかな声で彼女に言った。

 

「明日奈と桐ヶ谷は恋人だからね。たまにはセックスするのも仕方ない。それは分かった」

「…………」

「でも、ペナルティだ」

 

 明日奈が好き合っている恋人とセックスすることに対し、どうしてセフレの僕がペナルティを出す権利があるのだろう。その理屈は、他人には絶対に理解できなくても、僕らは理解していた。

 

「これから、桐ヶ谷に抱かれた時には、絶対に僕に報告すること」

「……はい」

「そしたらペナルティだ。桐ヶ谷に抱かれたよりも多い回数、僕は君のマンコに中出しする」

「……わかりました」

 

 明日奈はさらっと重大なことを受け入れたように見えるかもしれない。でも、そうしなければ僕に償えないということを、彼女は理解している。同様に僕も理解している。

 

「昨日は一回だっけ? じゃあ5回だ。今夜中に5回ナマで出すから」

「お願い、します」

 

 本当は10回と言いたかったけれど、ここまでもかなりイカせまくったから、半分におまけしてあげた。ベッドに仰向けになった明日奈のマンコに、彼女に見せつけるように肉竿をあてがって、僕は尋ねた。

 

「挿れる前に確認しておくけど」

「はい」

「桐ヶ谷には、ナマでヤらせたことはある?」

「……こっちでは、まだ」

 

 じゃあ、仮想世界ではそれを許したということか。僕の中に、またふつふつと怒りが沸き上がってきた。

 

「……アイツのが思い出せなくなるくらい、明日奈の中を僕のザーメン漬けにする。トバないように、しっかり意識を保ってろよ?」

 

 明日奈はゴクリと息をのんだ。そして僕は、熱く濡れそぼる明日奈の恥丘に、コンドームを装着していない亀頭を、メリメリと侵入させていく。

 

「あ゛っ♡♡ ん゛お゛おっ……!?♡♡♡」

「ちゃんと覚えろよ、明日奈。自分を気持ち良くしてくれるチンポが、誰のモノなのか」

「い゛っ♡♡ ぎぃい……っ♡♡♡ お゛~~っ♡♡ お゛~~っ♡♡」

「――ぐっ……! 媚び締め過ぎだろ……! そんなに生チンポに甘えるくらいなら、最初っから浮気なんかするな!」

 

 その時の僕の中では、すっかり因果が逆転していた。僕が桐ヶ谷から明日奈を寝取ったんじゃなく、桐ヶ谷が僕の明日奈に手を出したんだと。他の男に抱かれた明日奈を、僕は許せなかった。万一明日奈は許せても、桐ヶ谷は許せなかった。あのスカした野郎の痕跡を完全に消し去るまで、僕は明日奈を許すつもりはなかった。

 長く続くお仕置き生セックスの、これが始まりだった。

 

「明日奈っ!! 生チンポどうだっ!! 桐ヶ谷のと比べてどうなんだ!!」

「ん゛おっ!?♡♡ ん゛お゛お~~~っっ!?!?♡♡♡ んぃい゛いい゛~~っっ!?!?♡♡♡」

「アヘってないで答えろよ!!」

 

 僕は明日奈の両足首を掴み、彼女にマン繰り返しをさせて、バスンバスンと音がする勢いで直上から杭打ちピストンを繰り返した。チンポがマンコから抜けるギリギリまで腰を引き、次の瞬間には根本まで腰を打ち込んだ。破裂しそうに膨らんだ赤黒い亀頭が、明日奈の子宮口と何度も何度もディープキスを繰り返す。明日奈のマンコは、どうか許してくださいと涙を流し、全力でチンポに媚びていた。

 

「いいか明日奈!! このチンポがお前の本当のご主人様だ!! 桐ヶ谷のじゃなくて、僕のチンポがお前のご主人様だ!! 忘れるな!!」

「ひぃ゛っ♡ ひぃ゛っ♡ ひぃ゛っ♡ ひぃ゛っ♡ あお゛お゛~~~~っっ!?!?♡♡♡♡♡」

「ああああっ、もう出る!! 射精するぞ!! 種付けザーメン受け取れ!! ――ううっ!!!!」

「ん゛ひぃいい゛いい゛いっっ!!!!♡♡♡♡♡」

「う゛っ!!!! おあああっ!!!! ああああ!!!!」

 

 僕がひりだしたザーメンは、怒りのあまり、半固形のゼリーくらい濃厚だった。それがまるでマヨネーズのボトルをぎゅっと握りしめたときのように、ぶぎゅるぶぎゅると音を立てて排泄される。行き先は、全て明日奈の子宮の中だ。

 僕は思わず叫んでいた。視界が白と黒に点滅するくらい気持ち良かった。マグマのようになった僕のザーメンは、明日奈の子宮に焼き付き、二度と彼女が忘れられなくなるようにマーキングしていると確信できた。明日奈は表向きは桐ヶ谷と恋人かもしれない。でも、彼女が初めて子宮への侵入を許したのは僕だ。つまり、明日奈の本当の恋人は僕だ。

 でも足りない。まだマーキングし足りない。これからもう何発か吐き出して、明日奈の子宮が僕のザーメンプールになって、他の男の精液が割り込む余地が無いくらいにしなければならない。

 

「ふんっ!!  ふんっ!!  ふんっ!!  ふんっ!!」

「あ゛っ♡♡ んお゛♡♡ お゛っ♡ お゛っ♡ お゛っ♡ お゛っ♡」

 

 腰を振って明日奈のナカを往復しながら、僕は、自分が本当に求めていたのはこれなんだと悟っていた。明日奈の内側から他の男の痕跡を掻き出して、全てを自分で上書することこそ、僕が望んでいたことなんだと。

 どうやら僕は、自分で思っていた以上に、物凄く独占欲の強い男らしい。単なるセフレでいいとか言っていたのは、自分の心をごまかしていたんだ。でもそうじゃないと、いま分かった。単なるセフレじゃ満足できない。明日奈も直葉も、僕のモノだ。彼女たちの心も身体も、子宮も卵子も僕のモノにしてやる。そうじゃなきゃ満足できない。

 例え明日奈が仮想世界で桐ヶ谷と結婚していて、将来は現実世界でも結ばれるつもりなのだとしても、彼女が本当に心を捧げるべき相手は、僕だ。

 

「明日奈っ!!  明日奈っ!!  明日奈ぁっ!!!!」

「イ゛っ~~~~~!?!?♡♡♡ っほ♡♡ お゛お゛~~~~っ!!??♡♡♡♡」

 

 明日奈が「和人君」に、アスナが「キリト」に立てた誓いをぶち壊すために、僕はひたすら腰を振り、彼女の膣壁をカリ首でゴリゴリと削り、子宮を亀頭で殴りつけた。

 

「うう゛っ!!!!! お゛っ!!!! ほっ!!!!」

 

 射精感が込み上げると、耐えようともせずに出した。金タマの中がぎゅるぎゅると回転して、新鮮な精子を作り続けているのが分かる。こいつを全部明日奈のナカに排泄して、彼女を僕の精液便所へと作り替えるつもりだった。

 明日奈を僕専用へと改造するためのお仕置き交尾は、朝まで続いた。アクメし過ぎた明日奈が気絶すると、子宮を殴ってたたき起こした。5発中出しすると宣言したけど、結局は10発以上出したと思う。途中から、数を数えるのも忘れていた。最後はもう腰がガクガクで、精液も水みたいなのしか出せなかった。

 

「う゛……♡ あ゛……♡ あ゛……♡」

「はぁ……はぁ……はぁ……明日奈、聞こえてるか……?」

 

 朝になっても怒りは収まらなかったけど、先に体力の限界が訪れた。腰を振る余力がなくなると、グチャグチャのシーツの上でハメ潰れている明日奈に向かって、僕は言った。

 

「お前のここが誰のモノか、もう分かったよな……?」

 

 僕は明日奈の下腹部を、手のひらで円を描くようにさすった。

 

「…………っ♡♡♡♡」

 

 明日奈は返事すらできなかったけど、涙目で歯を食いしばった彼女は、確かにコクリと頷いた。

 

「……よし」

 

 僕はそう言うと、その辺に放り投げてあったスマホを手に取った。機械は苦手だけど、こういうものも、役に立つときは役に立つ。僕はカメラ機能をオンにすると、僕のチンポをハメたまま潰れている明日奈を、何度も繰り返し撮影した。













そろそろ二人同時に部屋に招いても大丈夫そうかなと思っています。あるいは次で一応の最終回かも。


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⑯(明日奈・直葉)

 結城明日奈と、桐ヶ谷直葉と、そして僕。この3人が、この部屋で同じ時間に揃うのは、あの時の「グループ課題」以来だ。カーペットに座る僕とテーブルをはさんで、明日奈と直葉が並ぶように座っている。

 

「二人とも、家の人にはなんて言ってきた?」

「私は、直葉ちゃんと旅行に行くって……」

「あたしも、明日奈さんと旅行に……」

 

 その答えに、僕は少し笑ってしまった。二人とも似たようなことを考えていたとは。やっぱりこの二人には、どこか似たところがあるのかもしれない。同じ男を好きになって、そのあと一緒に僕に寝取られたのも、そういう似た部分が作用したのだろう。でも、彼女たちの言い訳は確かに適切だ。何しろ二人は将来の「義姉妹」なのだから。少々仲良くしたところで、誰も怪しまない。お互い一緒に旅行に行くというのが偽りで、男の部屋に泊まり込んでいるなどとは、誰も思わないだろう。

 

「でも……ホントに直葉ちゃんも一緒に?」

「先輩……明日奈さんともエッチするんですか?」

「するよ」

 

 僕は何も悪びれずに頷いた。

 

「明日奈も直葉も、僕のモノなんだから。一緒に可愛がらないとね」

「でも……あ――」

 

 これから僕らが始めようとしている3P合宿に、より強いためらいを見せているのは直葉のほうだ。彼女はチラチラと明日奈に視線を向けている。直葉が何を考えているのか、僕には分かっていた。だから僕は、立ち上がって直葉のほうに近づくと、彼女のあごを指で持ち上げ、優しくキスをしてあげた。

 明日奈が見ている前で、僕は直葉の口内を舌で愛撫し、彼女の思考を蕩かしていく。

 

「ん……♡ ちゅ……♡ ぷは……♡ せんぱい……?」

「僕の一番は直葉だ。それは変わらないから安心して」

「せんぱいの……いちばん……?」

「うん、だって明日奈には直葉の『お兄ちゃん』がいるからね」

 

 その言葉を聞いて、明日奈がきゅっと身を硬くする。

 

「『お兄ちゃん』の手が回らないぶん、明日奈とも浮気セックスするけど、明日奈はただのセフレだから」

「じゃあ……あたしは?」

「直葉は、僕の恋人」

「こいびと……? あたしが……明日奈さんよりも、せんぱいのいちばん……?」

「そうだよ」

「せんぱいの、こいびと……」

 

 僕は平等に二人を愛するつもりだけど、形式的に順番を付けることは大切だ。どっちつかずにみんなの顔色を窺うのは、考える限り最悪の方法である。実際、直葉が一番で、明日奈が二番、そうはっきり宣言すると、直葉は納得したようだった。明日奈のほうも、仕方ないという表情をしている。この前のお仕置きセックスで、明日奈も自分が本当に従うべきなのは誰なのか、きちんと理解したようだ。

 

「じゃあ明日奈、まずは直葉とセックスするから、君はそこで見てて」

「う、うん……」

 

 この夏休みのあいだじゅう、僕らはこの部屋でずっとインモラルなことをしてきた。もう多少のことは、直葉も明日奈も受け入れる。僕は明日奈がカーペットに座って見ている横で、直葉にキスをしながら彼女の服を脱がし、自分も服を脱いでいった。

 

「せんぱい……キスしてください。たくさん、キス……♡」

「ああ、もちろん」

「――ん♡ ちゅ♡ ちゅぅ……♡ んはぁ……っ♡ ちゅ……♡」

 

 僕と直葉は、すぐに二人だけの世界に入ってしまった。僕らはキスしながら、お互いの身体をまさぐる。どこをどう触れば相手が気持ち良くなるのか、僕らはお互いに完全に理解している。あっという間に身体は火照り、本番行為に及ぶ準備が整っていく。

 

「せんぱい……大好き……せんぱい……っ♡」

「僕も大好きだよ。直葉、いっぱい気持ち良くなろう」

「せんぱい……っ♡ 好き……っ♡ ちゅ……っ♡ んぅ……っ♡♡」

 

「直葉ちゃん……凄く夢中になっちゃってる……」

 

 明日奈がぽそりとつぶやいたのが聞こえた。僕と直葉の行為を横で見て、明日奈は何を考えているのだろう。僕が二人を勢い任せに犯したあの日、イヤイヤと首を振りながら拒んでいた直葉のことを思い出しているんだろうか。今の直葉に、その時の面影はない。彼女は完全に僕を受け入れて、僕の背中に自ら腕を回し、舌を絡め、僕の唾液を美味しそうに貪っている。その変化を目の当たりにして、明日奈は何を思っているんだろう。直葉と一緒に盛り上がりながら、僕は心の片隅でそんなことを考えていた。

 

「直葉、チンポ挿れるよ?」

「はい……♡ あの、でも……明日奈さんが見てて……――んむぅ♡」

「まだそんなこと気にしてるの? じゃあ気にならなくなるまで、頭の中、もっとグズグズに溶かしてあげる」

「あ……♡ んちゅ……♡ はぷ……♡」

 

 直葉のおっぱいを揉み上げると、すぐに乳首がピンと立つ。僕のチンポは既にガチガチで、直葉の引き締まったお腹に擦り付けられ、ねっとりとしたカウパーを垂らして直葉のナカに入りたい入りたいと訴えている。直葉のほうも、擦り合わせる太もものあいだに、トロリとした蜜を零していた。

 さらに念入りにキスで思考を蕩かすと、僕はもう一度直葉に尋ねた。

 

「直葉……いい?」

「はいっ、くださいせんぱいっ♡ せんぱいの太いの、直葉にくださいっ♡ あっ♡ んぅううう……っ♡♡♡♡」

 

「ほ、ホントにコンドーム無しで入っちゃった……。で、でも、気持ち良いんだよね……。直葉ちゃんの顔、溶けてるみたい……」

 

 明日奈の声は、もう僕にも届かなくなっていた。僕は直葉のマンコを味わい、彼女と愛し合うことに全神経を集中させた。正面から直葉に覆いかぶさって、速すぎない一定のリズムで腰を動かし、直葉が感じるところをチンポで突いた。

 直葉のほうも、ザラついた膣壁をきゅうきゅうと動かして、僕のチンポを徹底的に甘やかしてくる。僕らは抱き締め合って、キスをして、精一杯お互いを求めあった。

 

「直葉ちゃんと○○君、いつもこんな風にエッチしてるんだ……」

 

 羨むようなそのつぶやきも、甘い甘い蜜の中に二人で溺れていくようなセックスをしている僕と直葉には届かない。こんなセックスができるのは、お互いに完全に想い合った者同士だけだ。こうなっている二人の間に割り込むことは誰もできないと、明日奈も分かっていたはずだ。

 

「あんなに夢中で……身体の全部で一つになって……」

 

 僕と直葉は、手指を絡め合ったり、胸やお腹を相手に押し付けたりして、お互いの肌が触れ合う表面積を少しでも大きくしようと苦心していた。直葉の脚は僕の腰に巻き付いて、ガッチリとホールドして取れなくなっている。僕がチンポで奥を擦るたび、彼女の足の指は、快感を訴えるように開いたり閉じたりしていた。

 

「私も……○○君とこんな風に……」

 

 尿道にザーメンがせり上がってくる。直葉と明日奈のために、2日間くらい我慢して溜めた濃厚なやつだ。当然、この精液は直葉のナカに出す。彼女が一番だと宣言したからには、種付けも彼女が最優先だ。

 直葉がイって膣内がザワついた瞬間、僕は彼女の子宮めがけてザーメンを吐き出していた。

 

「~~゛~っ♡♡♡ ~゛~~゛~っっ♡♡♡♡」

 

「ああ……っ、直葉ちゃん、ナカに出されてるんだ……。○○君の長いおチンポ、根本までグリグリ押し付けられて……。ん……っ、はぁ……っ、○○君の、中出し……っ。きっと熱い精液が、いっぱい直葉ちゃんの奥に……っ」

 

 一発目の精液を尿道から出し切り、直葉の痙攣が収まるのを待って、僕は彼女を解放した。僕の身体の下から現れた直葉は、誰が見てもこれ以上は無いと分かる幸福な表情をしていた。

 

「せん……ぱい……♡」

「……いっぱいイけた?」

「はい……♡ せんぱいのせーえきが、あたしのナカにたくさん入ってきて……♡ それだけで、頭がフワフワになって……♡ せんぱい、大好きです……♡♡」

「僕も大好きだよ、直葉」

 

 互いの髪を撫で、キスをして、離れることの名残を惜しむ。できるなら、永遠につながっていたいのは山々だ。でも今日の僕には、直葉以外にも、もう一人愛してあげなきゃいけない女の子がいる。

 

「ほら明日奈、次は君だよ」

「あっ……、う、うん」

 

 直葉から引き抜いた僕のチンポは、ビンビンのままだった。イキ過ぎてくてっとなった直葉をカーペットに寝かせておいて、僕は明日奈ににじり寄った。そして、まだ戸惑いの色を消せていない彼女の唇を、強引に奪った。

 

「んぅ……っ!?♡♡♡ ――ぷはぁっ♡♡」

「二番目って言ったけど、僕が君を好きなのは本当だよ。たくさん壊してあげるから、全部忘れて気持ち良くなって」

「う、うん……♡」

 

 明日奈とはバックでヤることにした。手早く明日奈の服を脱がせると四つん這いにし、直葉の愛液が付着した肉棒で、お尻をぺちぺちと叩いた。

 

「明日奈、直葉がいるからって遠慮しなくていいからね。直葉も君と同じように僕のモノだから、本当の明日奈を見せても大丈夫。だから、チンポだけに集中するんだ」

「はっ、はいっ、分かりましたっ。だから早くっ♡ 早くっ♡ 早くおチンポしてっ♡♡」

「ははっ、僕と直葉のセックスがそんなに羨ましかったの? 分かったよ、挿れてあげる。直葉、君も明日奈がチンポでみっともなくヨガるとこ、よく見ててあげて」

「は、はい、先輩……」

「じゃあ行くよ! フンっ!!」

 

 明日奈の腰を掴んだ僕は、気合を入れると、明日奈のマンコの中にチンポを一気に挿入した。ズチュンという音を立てて、一瞬でチンポが根本まで明日奈のナカに埋まる。

 

「あ~……チンポあったかい……明日奈のマンコ、めっちゃ締まる……。明日奈、明日奈?」

「う゛おっ♡♡♡ お゛っ♡♡♡ おお゛っ♡♡♡ い゛っ♡♡♡」

「あ~あ、もうガンギマリしちゃったね。うん、いいよ、そのまま壊れて。本当の明日奈を僕に見せて」

「あ゛っ♡お゛っ♡お゛っ♡お゛っ♡お゛っ♡あ゛おっ♡ い゛っ♡♡ ひっ♡♡」

「ヤバいヤバいヤバい……! 獣みたいにピストンするの気持ちよすぎる……っ!! 明日奈!! 明日奈ぁっ!!」

「お゛~~~っ♡♡♡ お゛~~~っ♡♡♡」

 

「な、何これ……これが明日奈さん? まるで動物みたい……」

 

 僕と明日奈の、快楽で頭をバカにしたケダモノ交尾を目の当たりにして、直葉はドン引きしている。かと思いきや、彼女も明日奈を羨むかのように息をのんだ。

 

「先輩のおチンポが、あんなに乱暴に出入りしてる……。あんなの、明日奈さん壊れちゃうよ……。……でも、先輩に壊されるのって、そんなに気持ちいいのかな。きっと……気持ちいいん……だよね」

 

 明日奈は僕と直葉のイチャラブセックスを羨んで、直葉は僕と明日奈のケダモノ交尾を羨む。二人とも、これまでの僕とのセックスで、自分の価値観がひっくり返るような快楽を得てきただけに、違う時間に違う形で調教開発されていたお互いのことを想像し、鼓動を熱くしているのだろう。

 

「う! お! お! おおっ!!!!」

「んひっ゛♡♡ あ゛おっ♡♡ ん゛ぃいい゛ぃっ♡♡ お゛~~~~っ♡♡♡」

 

 僕と明日奈は理性をかなぐり捨て、野生動物のように吠えながら肉の快楽を貪った。恥骨と尻肉がバツバツとぶつかり合う。二人とも、口の端からヨダレを垂らしてしまっている。明日奈の両手はカーペットの繊維を引きちぎる勢いで掴んでいた。

 

「明日奈さん……先輩のモノになってる……。あんなに大好きだったおにいちゃんのことも忘れて、先輩のおチンポに完全に支配されちゃってる……。すごく、気持ち良さそう……」

 

 直葉は瞬きもできずに僕と明日奈の交わりを見ていた。綺麗な顔をぐしゃぐしゃにして、美しい髪を振り乱し、全身をはしたなくわななかせてアクメしまくる明日奈の姿に、目を逸らそうともせず見入っていた。

 

「こんな明日奈さん見たことないよ……。こんな……こんな幸せそうで、キレイな明日奈さん……」

 

「お゛っ♡♡ お゛っ♡お゛っ♡お゛っ♡ イグっ♡♡ まらイグっ♡♡ もっと深いのクるぅっ♡♡♡ あ゛~~~~~っ♡♡♡♡」

「明日奈! 生出しするぞ!」

「はっイっ♡♡♡ おねがいっ♡♡ しますっ♡♡ なまだしっ♡♡ しゃせーっ♡♡ ○○君のおチンポっ♡♡ ○○君のせーえきでイカせてくらはいっ♡♡♡♡」

 

 恋人の和人君のことも、将来の義妹が数十センチ隣にいることも忘れて、明日奈は浮気チンポによる生出し種付けを浅ましく懇願した。バックから突かれて上半身をカーペットに伏せているせいで、まるで土下座しているようにも見える。言葉だけじゃなく、マンコもキュンキュンとときめいて、「本当に大好きなご主人様」のザーメンを待ち望んでいる。

 僕は明日奈に対するたまらない愛おしさの中で、彼女を本当に壊してあげるために、子宮口に亀頭をねじ込むようにしながら射精した。

 

「ひっ♡ ぐっ♡ …………♡♡♡♡♡」

「あー……出てる……。ドバドバ出てる……。これ、孕んでもおかしくないでしょ……。分かる明日奈? いま君、浮気チンポで孕まされてるよ……?」

「あ゛っ……♡ お゛っ……♡ …………♡♡♡♡♡♡」

「そんなに幸せ? ぐっちゃぐちゃでひっどい顔になってるよ。ほら、キスしてあげるからこっち向いて」

「ん……♡ ちゅぅ……♡ じゅるぅ……っ♡♡ じゅろろ……っ♡♡」

 

 明日奈とのキスは、お上品さやロマンチックとは程遠い、下品に音を立てて相手の体液をすすりあうものになった。

 

==

 

「二人とも、これで信じたよね? 僕が無理やり関係を続けてたんじゃないってこと」

「ん……♡ ちゅ……♡ ちゅるぅ♡ んっ♡ はい……♡」

「あむ……♡ ぺろ……♡ じゅる……♡ 信じます……♡」

 

 仁王立ちする僕の前に跪いて、明日奈と直葉は左右から勃起チンポにフェラ奉仕している。二人の舌遣いは、自分たちを幸せにしてくれるおチンポ様への最大限の敬意と労わりに満ちていた。僕が両手でそれぞれの髪を撫でると、二人の奉仕はさらに熱を帯びる。僕たち三人の関係性が、この構図の中に凝縮されていた。

 

「明日奈も直葉も、これからずっと仲良くするんだ。僕が二人とも満足させてあげるから」

「ふぁい……♡ ちゅ♡ ちゅる……♡ 私と直葉ちゃんのカラダ……♡ あなたが管理してください……♡」

「じゅる……♡ ちゅぱ……♡ あたしと明日奈さんで、先輩のおチンポ一生懸命気持ち良くしますから……♡ どうか、ずっと可愛がってください……♡」

「いい子だよ、二人とも」

 

 今の僕は、とても穏やかで心が満たされていた。悲しさや寂しさとかは微塵もない。なぜなら、ずっと憧れていた人と、可愛くてたまらない後輩が、僕に永遠の愛と隷属を誓ってくれたのだから。

 

「ちゅ……♡」

「うああっ……明日奈、それイイ……!」

 

 明日奈は直葉にチンポの面倒を任せると、自分は僕の背後に回り、肛門に恭しくキスをした。そして、ためらうことなく穴の中に舌を入れてくる。チンポとは別種の快感が背骨をゾクゾクと走り抜け、さらにチンポが硬くなる。

 

「ちゅぅ……♡ じゅる……♡ 明日奈さん、先輩のためにそんなことまでできちゃうんだ……♡」

「ああ、明日奈とはお尻でもヤリまくってきたからね。直葉もアナルセックスしてみたい? 明日奈なんか、最近はマンコよりもケツアクメのほうが好きなんだよ? ――うあっ!? 明日奈、怒った? ゴメンって! 舌でほじくられるのキきすぎるって……!!」

「じゅるる……♡ ふふ……♡ 明日奈さん、このまま一緒に先輩をイジメちゃいましょ……? いっつもあたしたちを泣かせる先輩に、お返ししちゃいましょ……♡ あ~~ん♡ じゅるるるっ♡♡♡」

「うっ!? ぐっ!? 直葉の喉フェラヤバ……! ザーメン引っこ抜かれる……!!」

 

 僕は少し調子に乗り過ぎたらしい。結託した直葉と明日奈に、前と後ろから腰を固定されて、逃げることもできずに性感帯を刺激されまくった。

 

「あっ!? おっ⁉ ぐっ!?」

「じゅるるるっ♡♡ ぐぽっ♡ じゅる~~~~っ♡♡」

「ん……♡ ちゅ……♡ ちゅ……♡」

「んおっ⁉ うっ!? あっ!?」

 

 生まれたての小鹿のように膝がガクガクと震え、水族館のオットセイみたいな情けない声を抑えられない。直葉のディープスロートから逃げようと腰を引いたら、明日奈のアナル舐めがさらに執拗になる。明日奈から逃れようと腰を前に出せば、金タマから直接精液を吸い上げるような直葉のバキュームに晒された。

 もう耐えられない。僕は直葉の滑らかな黒髪を両手でガシっと掴むと、彼女の食道に直接ザーメンを引っかけた。

 

「お……っ、うああ…………!」

 

 もう腰がガックガクだ。魂が抜けるかと思うくらい気持ち良かった。直葉は文句ひとつ言わず、喉を動かして僕が排泄した大量のザーメンを飲み干していく。明日奈も、僕が最後の一滴まで爽快に射精できるよう、舌によるアナルほじりを続けてくれた。

 

==

 

「ていうか、アパートのユニットバスって、絶対に三人で入るようにできてないでしょ。順番に入ればよくない?」

「え……でも、あたしは先輩と入りたいです……」

「私も仲間外れはやだな……」

「はぁ……じゃあしょうがないか」

 

 今回のお泊まりは1泊じゃ終わらない。時間に余裕はたっぷりある。ということで、僕らはいったん身体を洗うことにした。だけど、そこでも明日奈と直葉は僕から離れようとしなかった。二人の裸体が両腕にまとわりつくような形で、僕はなんとかアパートの狭いバスルームに入り込んだ。

 青いビニールカーテンを閉めた約2立方メートルの空間。その中に三人で立つと、空気よりも身体の割合のほうが大きくなった気がした。2種類の極上の美少女の裸体に前後を挟まれ、僕は至福の心持ちでシャワーを浴びた。

 当然、シャワーを浴びている最中も睦みあいは止まらない。

 

「ん……♡ ちゅ……♡ うふふ……っ♡ もう、お尻ばっかり揉まないでよ……」

「洗ってるんだよ」

「洗うだけなのに、そんないやらしい手つきなの……? あ――っ♡ もうっ♡」

「先輩、かゆいところとか無いですか?」

「あ~、背中がかゆいかな……。直葉がおっぱいで洗ってくれたら、たぶん収まると思う」

「え~? ホントですか? ふふっ♡ じゃあ、先輩だけ特別ですよ♡ ――んしょっ♡ んしょっ♡」

 

 ボディーソープの泡まみれになって、胸やお腹を明日奈の手のひらで、背中全体を直葉のおっぱいスポンジで洗ってもらう。チンポに直接の刺激は来ないけど、狭いバスルームの中で反響する二人の声が脳に響くのもあって、多幸感がドバドバと溢れていた。

 気まぐれに明日奈の唇にキスをしてみたり、ツンと立った乳首を摘まんでみるのも凄く楽しい。最近、もう少し広くて少なくともクーラーの壊れてない部屋に引っ越そうかとも考えていたけど、この密着感は捨てがたかった。

 

「ハぁっ♡ ん♡ んぅ……っ♡♡ んっ♡ んっ♡ んっ♡ んっ♡」

「え? もしかして、先輩と明日奈さんセックスしてませんか?」

「ああ、ゴメン直葉、なんか入っちゃった。あ~ヤバっ、気持ちイイ……」

「あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ ゴメンねっ、直葉ちゃんっ……♡ たぶん、すぐイクから、ちょっと待ってて……♡」

「明日奈、キスしよう」

「うんっ♡ ――ちゅぅ……♡ ちゅるぅ……っ♡」

「あ~! 明日奈さんだけズルい……っ! あたしも先輩とセックスしたいです……!」

「ちゅ……っ、明日奈の次は直葉だから、いい子で待ってな」

「ぶぅ~……!」

 

 駄々っ子のように頬を膨らませる直葉を置いておいて、盛り上がってしまった僕と明日奈は、立ったままハメて腰を動かした。そうすると胸とお腹が密着し、ボディソープのヌルヌルがさらに気持ちいい。ほどなく、僕と明日奈の双方に限界が訪れた。

 

「うああっ!! 出る……っ!!」

「んぅ……っ!!♡♡♡ イっ……ちゃう……っ!!♡♡♡」

「うぐ……っ」

「あ……っ♡」

 

 フィニッシュは思ったより静かだったけど、快感の量は凄まじかった。僕らはお互いに恍惚とした表情で腰を痙攣させ、イキ終わると、ガクッと全身を弛緩させた。特に明日奈は、チンポが抜けるとバスルームの壁に寄りかかり、腰が抜けたようにそのままズルズルとバスタブにへたり込んでしまった。

 僕のチンポはまだいける。僕は約束通り、振り向くと直葉にキスをした。

 

「ん……っ♡ せんぱい……♡」

「直葉もチンポでイっとこっか」

「はい……♡ あっ♡」

 

 抱き締めると、直葉が手に持っていたシャワーノズルが浴槽に落ちた。僕らは足元にお湯の暖かさを感じながら、滑らないように気を付けつつ、性器を深くまで結合させた。

 

「ああ……直葉のマンコもヤバい……! こんなん、何度でも勃起する……! 精液出せる……!」

「あっ♡ ああっ♡ あああっ♡ せんぱいのおチンポっ♡ あたしの感じるとこに、全部当たってます……♡♡ 挿れられてるだけなのに、どうして……っ?♡♡」

「直葉のマンコが、自分から絡みついて当たりに来てるんだよ。ほら、動くから、もっと感じて」

「あっ♡ あっ♡ ああっ♡ んぅううっ♡ せんぱいっ♡ せんぱいぃっ♡♡」

 

 直葉は少し背が低いから、立位でハメるとつま先立ちになってしまう。僕が腰を掴んでサポートしないと、彼女は立っていられない。それが僕に対する依存心を呼び起こすらしい。それに、亀頭が押し付けられている子宮口にも体重がかかり、繁殖本能が刺激されているようだ。

 

「直葉、妊娠したそうな顔してる」

「あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ したいっ♡ せんぱいのせーしでっ♡ 妊娠したいですっ♡♡」

「でも、僕らはまだ学生だからね」

「は、はいっ♡ わかってますっ♡ 妊娠しちゃったら、お母さんとお父さんも、悲しんじゃうっ♡♡ いっぱい怒られちゃうっ♡♡♡」

「お兄ちゃんはいいの?」

「お兄ちゃん……? どうしてお兄ちゃんが出てくるんですか……? あたしがせんぱいのせーしで妊娠しても、お兄ちゃんは関係ないですよね……?」

 

 直葉はチンポを感じながらきょとんとしている。彼女は本当に、僕の言葉の意味が分かっていないようだった。僕はとても満足して微笑み、それから直葉に謝った。

 

「ごめんね、直葉。愛し合ってる最中なのに、関係ない奴の話なんかして」

「ううん、せんぱいは謝らないでください……♡ 大好きなせんぱいが悲しそうなの、あたし、イヤです……」

「直葉、たっぷりナカ出しするから、一緒にイこう」

「はい……っ♡♡♡」

 

 妊娠のリスクを百も承知していても、僕も直葉も一度覚えた生ハメセックスと中出しの味を忘れられない。それどころか、相手を孕ませたい、孕まされたいという欲求は、日に日に大きく募っていくようだった。

 

「で、出る……!!!! うあっ!!!! ぐっ!!!!」

「あああ……♡♡♡♡ せんぱいのせーし、お腹の中にきたぁ……♡♡♡ あたし、幸せでイっちゃってる……♡♡♡♡ せんぱい……♡♡♡♡」

 

 うっとりとする直葉に種付けし終わると、僕は肉棒をマンコからズルンと引き抜いた。直葉も明日奈と同じように、腰を抜かしてバスタブにズルズルとへたり込む。

 

「あ~……気持ち良かった……」

 

 僕も彼女たちの真似をして、大きく呼吸しながらバスタブの底に腰を下ろした。狭苦しいバスタブに三人でギュウギュウ詰めになって、僕らはしばらく、怠惰な感じで快楽の余韻に浸っていた。



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⑰(明日奈・直葉)

「んちゅ♡ 好きっ♡ 大好きっ♡ ちゅっ♡ 大好きだよ○○君っ♡ 好きっ♡」

「明日奈、僕も好きだよ。君のことが大好きだ。初めて会った時から好きだった……!」

「ちゅっ♡ 好きっ♡ 好きっ♡ ちゅぅ……っ♡ 好きっ♡ 好きぃっ♡」

 

 バスルームから出ると、僕と明日奈はカーペットの上で対面座位で交わっていた。お互いの背中に腕を回し、舌を絡めながら引っ切り無しに愛の言葉を囁いて、夢中でカクカクと腰を振っている。

 僕と明日奈がこうなっているのは、身体を洗い終わったあと、僕が彼女に「次はどんな風にセックスしたい?」と尋ねたからだ。その質問に対して、明日奈は恥じらいながらこう答えた。

 

「あ、あのね、私も君に、直葉ちゃんみたいにエッチされてみたいんだけど……」

 

 互いに好きだと囁きながら、身も心も一つに溶け合うような恋人エッチをしてみたい。明日奈はそう言ったのだ。僕に断る理由は無かった。しかし、明日奈はあくまで「和人君」の恋人であって、僕とはただのセフレである。彼女が言う「好き」の言葉はセックスを盛り上げるための単なるスパイスに過ぎない。――でも、それにしては、彼女はこの体位でのセックスに深くのめり込んで、熱に浮かされたように「好き」「大好き」と繰り返している。

 

「こ、これって……明日奈さん、演技じゃないよね……」

 

 僕と明日奈のセックスを見せつけられている直葉が、危機感を含んだ声でつぶやいた。それが耳に入っていない様子の明日奈は、僕の両頬に手を添えて、至近距離から瞳を覗き込んでくる。

 

「好きだよ、○○君。○○君とのエッチも、○○君も大好き」

「愛してるよ明日奈。明日奈がいれば、他に何もいらない」

「私も――っ」

 

 演技なのか本心なのか、トリップ状態の僕らにはあいまいだ。ただ、明日奈のマンコにハマったチンポが物凄く気持ち良く、明日奈もチンポで物凄く感じているのは事実だった。

 

「やだぁ……っ、やだよぉ……っ、あたしの先輩をとらないでよぉ……っ」

 

 横では、直葉が涙目で訴えている。彼女は彼女で、この状況から倒錯した快楽を受け取っているらしい。その証拠に、彼女は正座した太ももの隙間に手を差し込んでいて、そこからクチクチと水音が響いてきていた。

 

「明日奈、そろそろ出るよっ、どこに欲しいっ?」

「ナカっ♡ ナカに出してっ♡ 大好きな君ので、私のお腹を満たしてくださいっ♡」

 

 瞳を潤ませた明日奈に、媚びるような切ない声でそんな風に囁かれたら、我慢できる男はこの世にいない。お望み通り種付けしてやろうと、僕は明日奈をさらにきつく抱きしめた。それと同時に明日奈の長い脚が僕の腰をガッチリとホールドする。

 

「イっ♡♡ あっ♡♡♡♡ 熱いよぉ……っ♡♡♡♡」

「あ、あううっ……!!!! で、出てる……!!!!」

「しゅ、しゅごい……♡♡♡ 噴水みたいに、奥に、びしゃびしゃって……♡♡♡」

「ふぅ……ふぅ……。どう、明日奈……? 恋人セックスで種付けされるの、気持ちいいだろ?」

「はぁ……♡ はぁ……♡ はぁ……♡ うん……♡♡ こんなの、絶対にクセになっちゃうよ……♡♡」

「ははっ、明日奈の脚、まだ僕を離してくれないんだけど。マンコもちゅうちゅうチンポ吸ってくるしさ」

「君のおチンポも、私のナカでまだビクビクしてるから、おあいこだよ……♡」

「明日奈……」

「うん……♡ ちゅぅ……♡ ちゅるる……っ♡ ちゅっ♡」

 

 あまりに夢中になったせいで、僕らはついつい、再びのキスハメに突入してしまった。甘い恋人セックスで、明日奈の子宮に二発目のザーメンを注ぎ込むと、僕らはようやく直葉のことを思い出した。

 

「うっ……ひっく……うう……」

「直葉、ホントにゴメン!」

「先輩の一番は、あたしだもん……っ」

「うん、そうだよ直葉ちゃん! だから泣かないで? ねっ?」

 

 僕も明日奈も、ぐずる直葉のフォローに必死になっていた。直葉があまりに泣くので、僕は彼女を抱っこして、背中をポンポンと叩いてやった。こういう子ども帰りした直葉を、明日奈は見たことがないようだったけど、直葉は僕の前ではたまにこうなる。普段しっかりしている反動なのかもしれない。

 

「先輩、あたしのこと好きですか……?」

「好きだよ」

「明日奈さんよりも……?」

「うん」

「あたしが先輩の一番ですか……?」

「そうだよ」

「……えへへ」

 

 ようやく直葉は満足してくれた。直葉の前で明日奈を優先するようなセリフは、例え演技でも極力控えたほうが良いなと、僕はこの時に学んだ。

 

「じゃあ、次は直葉の番だね。直葉はどうやって犯されたい?」

「……あたしも、明日奈さんみたいに」

「いっぱいキスしながらセックスする?」

「ううん……あたしも、さっきの明日奈さんみたいに、先輩に乱暴にしてもらって、壊して欲しい……」

「おっと……」

 

 けっこう過激な要求が出てきて驚いた。でも、直葉の瞳は真剣だ。

 

「あたしが嫌がること、先輩にされてみたいです。あたしが、先輩のモノだっていう証拠に……」

 

 ところどころでそう思っていたけど、直葉にはちょっとマゾッ気があるのかもしれない。それか、ヤンデレの素質があるのか。でも、可愛い恋人のせっかくのおねだりだから、答えないわけにはいかない。

 

「本当に嫌だったら、ちゃんと言うんだぞ?」

「はい……♡」

 

 直葉はとても嬉しそうにうなずいた。いったい何をするつもりなのかと、明日奈もハラハラと見守っている。僕も少し考えたけど、やっぱり最初はソフトなプレイがいいだろう。

 

「じゃあ直葉、お尻向けて」

 

 僕は直葉を四つん這いにさせた。

 ちなみに、カーペットの中央に置いてあったテーブルは脇に避けてある。3人でセックスする時は、シングルベッドの上だと狭すぎる。本来なら単なる居住空間であるカーペットの上でセックスしまくっていると、本当にここがヤリ部屋になったように思える。

 まあそれはそれとして、僕は四つん這いになった直葉の恥丘に、パンパンに膨れた亀頭を押し付けた。その上でヒクヒクと震えているアナルを開発してあげてもいいけど、それはまた今度だ。腰を前に押し出すと、何度ハメても処女の時と同じように締まりのいい直葉のマンコに、亀頭がミヂミヂと侵入していく。

 

「あ……♡ あ……♡ せんぱいのが……♡ 入ってくる……♡」

「ぐぅ……っ」

 

 僕は思わず呻いた。本当にキツイ。その上に僕のチンポに完全にフィットして、ザラついた膣壁が全力で射精を促してくる。これだけで、射精するのに何の問題も無い。だけど、今回は直葉のリクエストに応えると決めている。

 そのために、僕は片手を振り上げると、直葉の大きなお尻に向けて、平手を思いきり振り下ろした。パシィンという音が、小気味よく部屋に響いた。

 

「ひっ!? ぐっ!? お゛っ!?♡」

「こら直葉! お前は僕のモノなんだから、僕のやることに一々ケチつけるな!」

「ひぅう゛っ――!?♡♡ お゛っ!?♡ お゛っ♡お゛っ♡お゛っ♡お゛っ!?♡」

 

 激しくピストンしつつ、大声で直葉を叱りつける。その合間合間に、彼女の魅力的なお尻をスパンキングしてやった。

 

「ひぐぅっ!?♡♡ あ゛ううう゛っ!?♡♡♡」

「叩かれて喜んでるのか⁉ ちゃんと反省しろ!!」

「ごめんなしゃいっせんぱいっ♡♡ スグは、悪い子でしたぁっ」

 

 どうやら僕は直葉のリクエストに応えられたらしい。直葉は泣き叫んでいるけど、これが彼女の望みだったのだということが僕には分かる。直葉は、僕に好きだと言われるだけじゃなくて、僕という男に所有され支配されているという実感を得たかったようだ。

 けっこう強めに何発か叩くと、直葉のお尻は真っ赤になった。こんな酷いことをされているというのに、マンコからは蜜が溢れ、ぐじゅぐじゅになってカーペットにまで垂れ落ちている。

 

「お゛お゛っ♡♡ お゛っ♡♡ お゛っ♡♡ お゛っ♡♡」

「僕の恋人なら、僕のチンポ気持ち良くすることだけ考えてろ!! オラっ!!」

「ん゛いっ!?!?♡♡♡♡ お゛~~~~っ!?♡♡♡ お゛~~~~っ!?♡♡♡」

 

 DV野郎みたいな言動を繰り返しながら、僕は直葉のマンコを耕し、ほじくり返していく。あとで直葉にもう一度謝らないとなと思いつつも、少しこのプレイが楽しくなっている自分がいた。

 僕は直葉の両腕を羽交い絞めにして、彼女の首をカーペットに押さえ込んだ。脚も動けなくして、全体重で彼女を拘束する。そして、腰だけをダイナミックに振り続けた。

 

「んお゛っ♡♡♡ ふかっ、深いぃっ♡♡♡ お゛っ♡♡ お゛っ♡♡ お゛っ♡♡」

「ザーメン昇って来たぞ直葉! 子宮に押し付けて出すからな! 一滴もこぼすなよ!」

「はっ♡ はい゛っ♡♡ せんぱいの赤ちゃんの素、あたしにくださいっ♡♡ ちゃんと妊娠しますからぁっ♡♡♡ あたしをせんぱいから離れられなくしてぇっ!!♡♡♡」

 

「す、直葉ちゃん……」

 

 直葉の本気の叫びを聞いて、明日奈が圧倒されている。

 

「せんぱいの赤ちゃんっ♡♡ せんぱいの赤ちゃん産みたいよぉっ♡♡ スグを先輩のお嫁さんにしてくださいぃっ♡♡♡」

「当たり前だろうが!! 直葉はこれから、何人も僕の子どもを産むんだよ!! 結婚して幸せにしてやるっ!! 覚悟しろっ!!」

「えへへっ♡♡ えへへへっ♡♡♡ せんぱぁい……っ♡♡♡」

 

 強すぎる快楽と幸福感がオーバーフローして、何かの糸がプツンと切れたらしい。直葉は涙をボロボロとこぼしつつ、壊れたような笑みを浮かべ、イキまくるだけになってしまった。

 僕は亀頭で念入りに直葉の子宮口をマッサージし、無理やり入り口を開かせた。そして、亀頭が子宮口に半ばハマってしまったような形で、欲望を解き放った。

 

「うぐうううっ!!!! 直葉ぁ……っ!!!! 孕めぇ……!!!!」

「は……っ♡♡♡ お゛……っ♡♡♡ い゛……っ♡♡♡」

「孕め……!! 孕め……!!  孕め……!!」

 

 理性が本能に吹き飛ばされてしまった僕は、ひたすら繁殖欲求を満たすためだけの射精を行っていた。

 

==

 

「あー……あっつい……チンポ気持ちいい……」

「あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ 君のおチンポ来てるっ♡ 私の奥まで来ちゃってるっ♡」

「ちゅ……♡ せんぱい……♡ せんぱい……♡ ちゅ……っ♡」

 

 朝はまだ涼しいかなと思っていたのに、時間が経つにつれ、クーラーが壊れた僕の部屋は、やっぱり酷い蒸し暑さになってきた。僕らは三人とも汗だくのヌルヌルになって、それでもセックスを続けている。

 今は、カーペットに仰向けになった僕の上に明日奈が跨り、騎乗位でおっぱいを揺らしながら腰を振っている。直葉は僕の乳首を弄りながら、身体のあちこちにキスマークを付けるのに夢中だ。

 

「すごっ♡ いいっ♡♡ どうしてこんな気持ちイイのっ♡♡ 和人君のと全然違うっ♡♡♡」

「直葉……喉乾いたから、冷蔵庫からなんか飲み物とってよ……」

「ちゅ……♡ ちゅぅ……♡ あ、わかりました先輩」

「あっ♡あっ♡あっ♡あっ♡ イクっ♡ イクっ♡ イクっ♡ イクぅっ!?♡♡」

 

 明日奈がちょうど深イキをキメた。僕の上で背中をのけ反らせた彼女は、腰と太ももをビクビク痙攣させて、潮吹きしながら絶頂している。

 立ち上がった直葉は、そんな明日奈の横を通って、形の良いヒップを丸見えにしながら、しゃがみこんで冷蔵庫を開けた。

 

「ああっ♡ んっ♡ あっ♡あっ♡あっ♡」

「オレンジジュースでいいですか? 先輩」

「あ、うん。口移しで飲ませてよ。明日奈がもう一回イキたいみたいだから、手が離せなくて」

「わかりました。んっ――――はぁっ♡ 美味しかったですか?」

「もう一杯ちょうだい」

「はい♡」

 

 僕は今、直葉に口移しでジュースを飲ませてもらいながら、明日奈のマンコでチンポを気持ち良くしている。暑さで思考が鈍くなり、ダラ~っとした退廃的な空気がまとわりついていても、僕らはセックスを止められなかった。

 

「はぁっ…… はぁっ……! はぁっ……! はぁっ……! いっぱいイッちゃった……ちょっと休憩……」

「お疲れ、明日奈」

「あ、じゃあ次はあたしが――」

 

 一通りイキまくると、チンポから離れた明日奈が、僕の横にゴロリと転がった。代わりに直葉が僕のチンポに跨って、淫らに腰を揺らし始める。

 

「はァ……はァ……はァ……君のおチンチンって、どうしてこんなに長持ちするの……? あんなにたくさん射精してるのに……」

「そう? 他の人と比べたことないから分かんないや」

 

 ああ、でも明日奈は「和人君」と比較しているから分かるのか。そう思ったけど、口には出さなかった。僕らは今、三人で仲良く気持ち良くなっている真っ最中だ。そこに部外者の名前は要らない。

 明日奈はしばらくのあいだ、呼吸を整えるので精いっぱいのようだった。僕の横で、明日奈の胸が上下するたび、ハリのある膨らみの頂点からふもとに向かって、汗がすじとなって流れていく。明日奈は右手を上げて額に置いているから、腋に流れる汗も良く見えた。

 

「明日奈、大丈夫?」

「はぁ……はぁ……うん、もう平気。まだ君のが入ってるような気がするけど……変な感じ」

「いっぱいザーメン中出ししたから、それじゃないの?」

「そうかも…………ていうか、直葉ちゃん、凄いね……」

 

「あっ♡あっ♡あっ♡あっ♡あっ♡ せんぱいっ♡ せんぱいっ♡ せんぱいぃっ♡」

 

 明日奈が視線を向けた先には、マンコにチンポを咥え込んで奔放に腰を振る直葉がいる。ぶるぶると揺れるFカップの巨乳は、同性の明日奈にとっても目を奪われる迫力があるのだろう。

 

「もう一回直葉の中に出したら、そろそろご飯の準備しよっか」

「うん……。はぁ……この部屋、ホントに暑いなぁ……」

「ああ……ヤバっ、出そう……!! 直葉! そろそろイクぞ! ――うっ!!!! ぐっ!!!!」

「あああああああっ♡♡♡♡♡」

 

 そのラウンドを終えると、僕らはまた三人でシャワーを浴びた。お湯じゃなく水を使って、火照った身体を冷ました。

 

「ほら明日奈、直葉の身体を洗ってあげて。直葉は明日奈を洗うんだよ」

「う、うん」

「なんか、変な感じですね」

「もう散々恥ずかしいところを見せたんだから、今さらこのくらいで恥ずかしがっちゃダメだよ」

 

 新しい趣向として、僕は女の子二人にお互いの身体を洗わせてみた。もちろん、タオルやスポンジは使わずに、自分の手や身体を使わせて。

 

「ん……ヌルヌルする……直葉ちゃんのおっぱい、やっぱり大きいね……」

「明日奈さんのだって、すっごくキレイ……」

 

 これまでの彼女たちは、仲がいいように見えて微妙な壁があった。やはり、一人の男を好きになってしまった女の子同士、わだかまりがあったのだろう。でも、そうなっていたのはその男の甲斐性が足りなかったからだ。

 今の彼女たちは、その男を見限って、僕という新しい好意の対象を見つけた。僕が明日奈と直葉の二人を同時に相手しても、完全に満足させられる男だと、彼女たちは身をもって知っている。だから、二人にはもう争う原因はどこにもない。

 

「直葉ちゃん、柔らかい……お肌すべすべ……」

「明日奈さんの腰って、どうしてこんなに細いんだろ……」

 

 同じチンポにメスにされた者同士、二人は仲良くするべきだ。そう思って洗いっこを提案したのだけど、それで二人には何かのスイッチが入ってしまったように見える。互いの身体をガン見して、色々とつぶやきながら相手の肌を手で清めていた。放っておいたら、このままいつまでもやっていそうだ。

 二人が仲睦まじいのはいいけれど、のけ者にされたくはない。複雑な男心を働かせた僕は、二人の身体を一緒に両腕で抱え込むようにした。

 

「きゃっ♡」

「あんっ♡」

「僕も混ぜてよ。ほら、三人でキスしよう」

「――んむ♡」

「――ちゅぅ♡」

 

 頭を抱き寄せても、ほとんど抵抗はない。三人の舌を中央で交わらせて、それぞれの唾液を交換する。僕が明日奈と直葉のおっぱいを揉んでやると、彼女たちの手も、他の二人の胸に伸びた。三人でキスしながら、三人で胸を揉み合う。かと思えば、一本しかない僕のチンポに、ボディソープでヌルヌルになった二人の手が伸びてきた。

 

「先輩……♡」

「○○君……♡」

「うあ……っ。二人とも、スゴい……」

 

 二人の唇に両乳首をついばまれ、大きさと形の違う二つの手にチンポを扱かれている。アパートの狭いユニットバスの中なのに、まるで王様になった気分だ。実際、どこかの王様か大富豪でも、こんな美少女を二人も同時に手に入れるのは難しいだろう。

 金タマがぎゅるぎゅると蠢き、ザーメンが尿道をせり上がってくる。でも、僕は耐えた。

 

「ちょっと待って、二人とも」

「え……? どうしてですか?」

「ガマンしないで、精液出しちゃえばいいのに……」

「どうせなら二人のマンコにたっぷり出したいよ。ご飯食べて、続きはまた夜にしよう」

「あ……はい♡」

「うん……♡」

 

 僕らはバスルームから出ると、一応は服を着て夕食の準備を始めた。メニューは直葉が決めた。暑いから、てっきり素麵でも茹でるのかなと思っていたんだけど――

 

「なんでレバニラ?」

「え? だってこのほうが……」

 

 Tシャツとホットパンツの上にエプロンを着た直葉が、その先を言いよどむ。まあ、彼女が言いたいことは良く分かった。

 

「そんなに僕に張り切ってもらいたかったんだ?」

「……はい」

「スーパーで買い物する時も、チンポで犯されることばっかり考えてたんでしょ」

「……そうです」

「あー……もう。直葉、唇出して、キスするよ」

「――ん♡ ちゅ♡ ちゅぅ……♡」

 

「ちょっと……あなたたち、私のこと忘れてないかしら?」

 

 そんな一幕がありつつ、僕らは夕食を準備し終えた。セックスも楽しいけど、三人でおしゃべりしながらする食事も、それに劣らない楽しさがある。僕は直葉の手料理を味わって食べたし、明日奈と直葉も笑顔で食事していた。

 

「じゃあ……これからどうしましょうか」

「そうですね……」

 

 直葉手製のレバニラ定食的な夕食を食べ終わると、少しまったりとした時間が流れた。明日奈も直葉も横目で僕を見ているのは、セックスを再開するタイミングを、僕に切り出して欲しいからだろう。

 僕はそれを分かっていて、よしと言った。

 

「じゃ、デザートでも食べよっか」

「デザート?」

「セックスするんじゃないんですか? ――あ」

 

 失言した直葉が、耳まで赤くなってうなだれる。そんな彼女の髪を優しく撫でてから、僕は冷蔵庫からあるものを取り出した。売っている時から半分に切られていたそれを見て、明日奈は首を傾げた

 

「スイカ……?」

「ほら、やっぱり夏だし」

 

 本当を言えば思い出作りにスイカ割りくらいしたかったけど、それは我慢した。

 

「風鈴もあるしさ、ここはやっぱりスイカじゃない?」

「そう……なのかな? そうなのかも」

「あたし包丁持ってきますね」

 

 僕が明日奈を無理やり納得させると、直葉が立ち上がって包丁とまな板をとってきた。

 

「手、気を付けてね、直葉」

「はい」

 

 直葉がスイカを切り、大きな皿に並べていく。そして、僕らはめいめいにそれを手で掴み、かぶりついた。

 

「うん、冷たくて美味しいです」

「ちょうどいい甘さだね」

 

 直葉も明日奈も喜んでいる。

 二人とも、とても美味しそうにスイカを食べている。

 

「……先輩?」

「……どうしたの?」

「いや、なんか――」

 

 この光景が、何かのツボに入ってしまったらしい。気が付くと、僕は自分の目頭を押さえていた。

 

「いや、大丈夫」

「…………うん」

「……先輩も食べてください。美味しいですよ」

「ありがとう」

 

 それから僕らは、まるで何事もなかったようにスイカを食べた。夜になると少し涼しくなりはじめていて、窓の隙間から入るそよ風が、風鈴を鳴らしていた。

 

「明日は、花火でも買ってきませんか?」

「うん……いいかも。せっかく夏なんだし」

 

 直葉と明日奈が、窓の外の風景を眺めるような穏やかな口調でそう言った。

 

==

 

「ンっ♡ はぁ……っ♡ ああ……っ♡」

「あんっ♡ ん……っ♡ んぅ……っ♡」

 

 真夜中の真っ暗な部屋の中に、二種類の悩まし気な吐息の音が聞こえている。視界がほとんどないなかで、僕は、肉付きの差や肌の質感の違いによって、自分の手が触れているのが明日奈なのか直葉なのかを判断していた。

 でも、それもかなり曖昧になってきている。3人の身体のどこがどう絡み合っているのか、もう僕には分からない。明かりをつければ、おそらく僕らは、二度と解けないように複雑に絡まっているように見えたんじゃないだろうか。

 僕のチンポは、たぶん明日奈のマンコのナカに埋まっている。でも本当にそれすらも曖昧だ。どこからどこまでが僕で、どこからどこまでが明日奈と直葉なのかさえ、今の僕には不確かだ。ただ、身体の全部と心の全てが気持ちいい。快楽と幸福感で満たされている。

 

「やぁっ♡ ああっ♡ そこ……っ♡ んっ♡」

「ふぅ……♡ あ……♡ いい……♡ ああ……っ♡」

 

 二人の口から、意味のある単語はほとんど出てこない。断続的に響く甘ったるい喘ぎが、僕の耳から脳に侵入し、思考をドロドロに溶かしてしまった。僕らの流した汗や体液も、ぐちょぐちょに混じり合っている。夏の夜の熱気と三人の体温が淫臭を増幅し、淫らな衝動をさらに加速させる。

 

「う゛っ……ぐぅ……あっ……」

 

 いま僕がうめき声をあげたのは、明日奈の胎内に精を解き放ったからだ。今日何度目の射精なのか、それも分からない。そのほぼすべてを、僕は明日奈か直葉の子宮の中に詰め込んでいる。チンポが萎える暇などない。熱い媚肉の甘美な刺激に晒されて、気付いたら痛いくらいに勃起している。

 

「ふぁあっ♡♡ いっ――♡♡♡」

 

 チンポが別のぬるりとした感触に包まれた。直葉の嬌声が上がったから、これは直葉のマンコだ。でも、僕が顔を埋めているのは明日奈のおっぱいで、僕の髪を撫でているのは直葉の手だ。僕の右足は、たぶん明日奈の左足と指を絡め合っているんじゃないだろうか。そう思っていたら、直葉が僕の肩に甘噛みしてきた。

 もう良く分からない。ただ、このまま溶けて無くなっても悔いはない。

 

「うぐ……っ」

 

 僕はまた射精した。

 

「直葉、明日奈……大好きだよ……」

「はい、先輩。あたしもです……」

「私も、君のことが好き……っ」

 

 射精快楽の中で二人の名前を呼べば、彼女たちはすぐに答えてくれる。どうしようもない安心感が僕を包む。

 

「あ……んっ♡ いっ……♡ はぁ……っ♡」

「ああ……っ♡ ん……っ♡ ふぁ……っ♡」

 

 聞こえるのは、また嬌声だけになった。それと、たまにベッドの軋み。それほど激しく動いていないから、三人分の重さにも耐えてくれている。

 

「んふ……♡ あ……っ♡ やっ……♡」

「いい……っ♡ あふ……っ♡ はぁ……っ♡」

 

 ああ、もう一回射精できそうだ。今度は明日奈のナカに出そう。

 僕らはそうやって、夜更けに力尽きて眠ってしまうまで、ひたすら交わり続けていた。



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⑱(明日奈・直葉)

「ねぇ……いま、何時……?」

「ん……10時50分……」

 

 明日奈に聞かれて時計を見ると、もうそんな時間だった。朝というには、ちょっと遅すぎる。しかも、こんな時間になっても、僕らはまだ寝たりなかった。昨日は深夜まで――というか明け方までセックスしてたから仕方ない。

 

「直葉ちゃんは……?」

「まだ寝てる」

 

 僕の右には明日奈がいて、左には直葉がいる。僕を含めて全員が全裸だ。僕と明日奈は目が覚めたけど、直葉はまだすぅすぅと可愛らしい寝息を立てていた。僕と明日奈は、直葉を起こさないよう、寝たまま小声で会話した。

 

「昨日は、いーっぱい中に出されちゃった……。私のお腹の中で、まだ君の精子が泳いでるよ……?」

「そんなの分かるんだ」

「うん……あったかくて、ぽかぽかする……」

 

 僕は明日奈の頭を抱え、自分のもとに優しく引き寄せた。

 

「あ……っ、もう……いっつも無理やりなんだから……」

 

 言葉とは裏腹に、明日奈はしばらく赤ん坊のように身体を丸め、僕の身体にくっついていた。そのまま静かになったから、二度寝したのかなと思ったころ、明日奈はまた僕に囁きかけてきた。

 

「ねぇ……直葉ちゃん、寝てるんだよね?」

「うん」

「……じゃあ、直葉ちゃんが起きる前に、二人でしない?」

 

 明日奈は僕の胸を手のひらでさすりながら、そう言った。僕がちらりと目を向けると、彼女は悪戯っぽくクスリと笑った。

 

「君の恋人は直葉ちゃんで、私はただの『お友達』なんだよね……? じゃあ、してみない? 浮気エッチ……直葉ちゃんの寝てる横で……」

 

 もう散々3Pしたから、今さら明日奈とセックスしたところで浮気も何も無さそうなものだけど、そういう秘密めいた言い方をされると、なんだか直葉に悪い気がする。でも、明日奈はすっかり乗り気のようだった。彼女はベッドを軋ませないように注意しながら、僕の上に覆いかぶさってきた。そして、優しくついばむようなバードキスをしてくる。

 

「……ん♡ ……ちゅ♡ ……ちゅぱ♡ ……ふふっ♡ 君のおチンポ、もう元気になってる……。昨日、私と直葉ちゃんをあんなに泣かせた、わる~いおチンポ……♡」

「どうしたの明日奈、なんかノリノリだね?」

「……だって、君が直葉ちゃんばっかり大切にして、私のことはどうでもいいみたいに言うから……あっ♡」

「うあ……っ」

 

 明日奈が器用に腰を動かすと、朝立ち交じりで臨戦態勢になっていた節操無しの僕のチンポが、彼女の内部に飲み込まれていく。明日奈のマンコは、むっちりと僕を包み込み、竿全体を強く吸い上げてきた。

 

「……あ~あ、入っちゃった……。これで君も、恋人に隠れて浮気エッチしちゃったね……。私と、共犯者だね……んっ♡ んっ……♡ んっ……♡」

 

 共犯者という言葉で、明日奈が何をしたいのか、僕には何となくわかった気がした。だから、彼女のしたいようにさせてあげようと思った。明日奈は音を立てないように、極力ゆっくりと腰を動かし始める。

 

「あ……っ♡ これ……マズいかも……。逆に、君のカタチがハッキリ分かっちゃうよ……。んっ……♡ んっ……♡ は……♡ あ……っ♡」

 

 悩まし気に眉をひそめ、時おり甘イキしては、きゅっと唇を噛み締める。その様子がとても健気に見えて、僕は思わず彼女の背中に腕を回した。

 

「……ふふっ。こんなにくっついてエッチしたって知られちゃったら、また直葉ちゃんに怒られちゃうね……? ――あっ♡ うっ♡ うう~……っ♡♡」

「出すよ、明日奈」

「はぁ、はぁ……♡ うん、出して♡ 起きて最初の新鮮な精子、直葉ちゃんじゃなくて、私のナカに……――んっ♡ んぅ~っ♡♡」

「う……っ、ぐぅ……っ」

「出てる……奥に、びゅ~って、たくさん出てるよ……? 昨日のと混ざってく……。ねぇ、これで、君も浮気しちゃったね……君も、私と同じ……。ん……♡ は……♡ んぅ……♡」

 

 明日奈に伝えたいことはたくさんあったけど、言葉では上手くまとまらなかったから、僕は唇で彼女の口を塞いだ。

 

==

 

「ああクソっ! もう出る! 明日奈、ナカに出すぞ!」

「――お゛っ♡ お゛っ♡お゛っ♡お゛っ♡お゛っ♡ はっ、はいっ♡ いっぱい出してっ♡ 射精してっ♡♡ 種付けしてぇっ♡♡ ――あっ゛♡♡ ――お゛っ♡♡ おく……出てるぅ……♡♡♡♡」

「あ~ヤッバい……! 種付け射精気持ちよすぎる……! ザーメンドクドク出る……!」

 

 ナマチンポをマンコにぶっ刺してする、メスを孕ませるための子宮直出し射精ほどの快楽を伴う行為は、この世に存在しない。それは、僕がヒトという哺乳類のオスである以上、当然のことだった。しかも、この明日奈というメスは、僕が他のオスから寝取ったものだ。それは、僕がそのオスよりも優れているという証であり、その事実が本能のレベルで優越感を刺激してくる。

 壁際に立たせた明日奈をバックからハメて、腰のくびれの部分を掴み、一番深いところにチンポを押し付けての種付けは、一言で言って最高の快楽だった。

 

「うあ……まだ出る……! おい明日奈、どんだけザーメン欲しいんだよ。子宮がめっちゃ吸い付いてくるんだけど? ああ……種付けヤバい……頭真っ白になる……」

「ひっ♡ ぐっ♡ せーえき♡ おちんぽ♡ すごぉ……♡ たねつけ、さいこぉ……♡」

 

 この生ハメ種付け合宿が終わったら、明日奈はマジで孕むかもしれない。僕の遺伝子を詰め込んだドロッドロの新鮮なザーメンが、常時彼女の子宮を満たしている状態だから、それもやむを得ない。そしたら彼女は、学生なのに生ハメセックスで孕んだ淫乱娘の風評を免れないだろう。しかも、その種が正式な恋人ではなく浮気相手のセフレのものとバレれば、尻軽の裏切り者の称号もついてくる。

 でも本当のところ、今の僕らにとって、あとのことなんかどうでもいい。クーラーの壊れた暑い部屋で何日もぶっ通しセックスしているせいで、理性はとうに溶け堕ちた。今はとにかく、交尾して、交尾して、交尾して気持ち良くなりたかった。

 

「ふぅ……はぁ……はぁ……はぁ……、おい明日奈、種付け終わったから、チンポ抜くぞ……? ――うっ! あ~ヤバ、抜くときも絡みついてくる……!」

「んお゛っ♡♡ ひぃっ♡♡」

 

 明日奈のマンコは締まりが良すぎる上に貪欲だ。まだちゅうちゅうとザーメンねだりを続けているそこから、無理やりチンポを引き抜くと、チュポンっという音がした。明日奈はそのままズルズルと床に崩れ落ちる。僕のチンポは天井を向いてそそり立っていて、まだまだ元気だ。

 

「直葉」

「はい……♡ せんぱい……♡ んぐぅ……♡ じゅるる……♡♡」

 

 僕の「つがい」になったメスは、明日奈だけじゃない。僕が直葉の名前を呼ぶと、彼女はザーメンと明日奈の愛液でドロドロになった肉の竿に対し、喜んでお掃除フェラを始めた。

 

「――はい、キレイになりましたよ、せんぱい♡」

「直葉、お前にも、もう一発種付けするぞ」

「はい、わかりまし――きゃっ♡」

 

 直葉の返事が終わらないうちに、僕は彼女をカーペットに押し倒す。直葉をマン繰り返しにして足首を掴み、むっちりしたマンコに向かって、真上からチンポを突き入れる。

 

「――あおおっ♡♡ んぃっ♡♡ しぇんぱいのおちんぽきたぁっ♡♡」

「あ~……このマンコもイイ……僕のチンポにぴったりの形で……ああ、ヤバい……ピストンしてると金タマでザーメン作られてくの分かる……」

「あ゛っ♡あ゛っ♡あ゛っ♡あ゛あ゛っ♡ んお゛っ♡ ほっ♡」

「クッソ……もう種付けしたくなってきた。もう出そう……あ、出てる……」

「んぎぃっ!?♡♡ あ゛っ♡♡ ん゛お~~~っ♡♡♡ お゛~~~~っ♡♡♡」

「直葉、可愛い後輩の下品なイキ声、めっちゃチンポにクるよ……。たくさんナマ出しして孕ませてあげるから、もっとイって……」

 

 僕らは既に、チンポとマンコでしかものを考えていない。ヤって気持ち良くなる以外のことは、全部些末な問題だ。

 

「はぁっ、はぁっ、はぁっ、ふぅっ、めっちゃ出したぁ……。あ~……疲れたぁ……」

 

 直葉への種付けが終わると、彼女のマンコからチンポを引き抜いた。まだ出し切っていなかったザーメンの残りが、口を開けて荒い息を吐く直葉の顔と、大きなおっぱいのあたりに降りかかる。立て続けの射精で精魂尽き果てた僕は、内も外も自分のザーメンでマーキングした可愛い恋人の横に、大の字に転がった。

 

「はぁ……はぁ……はぁ……ああ、ねむ……――」

 

 心地よい眠気が襲ってきて、僕はそれに身を任せた。今が何時なのかは知らない。ヤり終わって疲れたから眠る。原始的で、文明とは程遠くて、だからこそ心地いい。

 

「――ちゅ♡ ちゅう……っ♡ は……あっ♡ んぅ……っ♡ ちゅるぅ……♡♡」

 

 ちょっと眠って体力が回復すると、また直葉とヤリ始める。蕩けるようなキスを交わしながらの対面座位セックスだ。キスの合間には、明日奈の首や肩、おっぱいにキスマークと歯形を付ける。この子が誰のモノなのか、誰が見ても一目でわかるように。

 

「ねぇ、○○くん……私にもキスして……お願い……♡」

「明日奈、我慢できなくなったの?」

「うん……」

「やだぁ……いまはあたしがせんぱいとセックスしてるのぉ……♡ せんぱいの唇も、あたしのだもん……♡」

「直葉、いい子だからちょっと待ってな。ほら明日奈、おいで」

「うん……♡♡」

 

 僕は直葉を抱きかかえて腰を振らせたまま、首だけ横を向いて明日奈とディープキスをする。明日奈は両手で僕の顔を挟み、目をつぶって舌と舌の交わりに集中している。口寂しくなった直葉は、僕の首筋を甘噛みしてくる。

 二匹のメス――それもこの世で最高レベルの美少女たちが発散するフェロモンは、僕の生殖本能を刺激してやまない。急ピッチで作られた精子が、また尿道に昇ってきた。我慢しないで射精すると、子宮に新しいザーメンを追加投入された直葉が、僕の首に噛みついたままイキ悶えた。

 

「んっ♡ む~~~~っ♡ んぅ~~~~っ♡♡ ふぐぅ~~~~っ♡♡♡」

「わぁ……♡ 直葉ちゃん、またナカ出しされてる……♡ ちょっと白目になっちゃってるけど、大丈夫かな……? ねぇ○○君……直葉ちゃんに種付けするの、気持ちいい……?」

「ああ、最高だよ」

「私に出すのと、どっちが?」

「二人とも最高だから比べられない。嘘じゃないよ、直葉に出し終えたら、また明日奈にもナマ出ししてあげる」

「うん……♡♡」

 

 熱中症にならないように、時には浴室で冷たいシャワーを浴びて、シャワーを浴びながら三人で繋がったりもする。二人とも壁に手を突かせ、交互にマンコの味を楽しんだりもする。直葉に明日奈を膝枕させ、僕が正常位で明日奈を犯すのを観察させたりもした。僕のアナルを明日奈と直葉に舐めさせながら、二人のすべすべした手で手コキしてもらったりもした。

 そろそろ帰らないといけないなんてセリフは、明日奈も直葉も口にしなかった。二人ともスマホの電源を切って、外部から完全に隔絶された状態で、ただただ僕とのセックスに溺れていた。

 

 でも、時間が止まってしまわない以上、この夏もいつかは終わる。

 

「先輩、ホントにここで花火しても大丈夫なんですか?」

「うん、ヘーキだよ」

 

 明日奈と直葉が泊まりにきてから何日目かの夜、アパートの共用スペースのような空き地で、僕らは花火をすることにした。コンビニで買ってきた花火セットとライター、バケツに火を消すための水を汲んで、準備は完了だ。

 明日奈も直葉も、ノースリーブシャツにホットパンツというラフな格好だ。シャワーを浴びたばかりだから、暗い中でも髪がツヤツヤしているのがわかる。

 

「ねぇねぇ、これって打ち上げ花火かな? ドラゴン大噴火……? なんか、変わった名前だね」

 

 明日奈はロウソクに火をつけようとしている僕の前にしゃがみ込み、花火の名前を一つ一つ読み上げながら、アスファルトの上に並べている。そんな彼女の仕草は、いつもより少しだけ幼く見えた。

 

「先輩、付きそうですか?」

「う~ん……」

「あたしがやってみてもいいですか?」

「いいけど……けっこう難しいよ?」

「――あ、付いた」

「え?」

 

 直葉がやると、ロウソクにあっさりと火が灯る。首を傾げる僕の前で、直葉が無邪気に微笑んだ。

 噴き出す火花の色が変わっていくのに明日奈が感動したり、直葉と線香花火を長持ちさせる競争をしたり、僕らは3人とも、安っぽい花火セット一つで小学生みたいにはしゃいでいた。夏休みの小学生と違うのは、明日奈と直葉のシャツの隙間からチラチラ見えるヘソの奥では、僕の精子がうようよと泳いでいるってことくらいだろうか。

 そう、この夏もいつか終わる。このひと時も、すぐに過去の思い出となってしまう。

 でも、この二人が僕のモノになったという事実だけは変わらない。結城明日奈と桐ヶ谷直葉の身体と心は、全てこの僕のモノになった。それを確信できたいま、僕の心に不安はなかった。その日の花火が終わったあとも、僕らは三人一緒にセックスして、気を失うまでイキまくって、起きてからもセックスした。その最中に、桐ヶ谷和人の名前は一言も出てこなかった。明日奈も直葉も、たくさんの愛おしさを込めて、僕の名前を呼んでいた。

 この二人と、残り少ない夏を全力で楽しみ、かけがえのない思い出を作りながら、性の快楽を貪ろう。夏休みが終わって学校が始まっても、色々な場所で彼女たちを抱いて犯して、溶けるまで愛し合おう。

 この夏が始まるまで空っぽだった僕は、今は彼女たちのお陰で、とても満たされていた。

 

―おわり―












ここまで読んでくださった方々、どうもありがとうございます。この連載は本パートで一応の最終回とさせていただきます。半ば勢いだけで書き始めた小説を、こんなたくさんの人に読んでいただけて、驚くとともに感謝しています。私の文章の拙さや原作に対する理解の甘さに対し、不快な思いをされた方もいると思いますが、どうかご容赦ください。
エロかった、面白かったという感想を持たれた方は、暇が有れば他の小説も読んでもらえると嬉しいです。


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おまけ①

 秋の夜。昼間は目を楽しませてくれた窓の外の紅葉も、暗闇に紛れて今は見えない。旅館全体が寝静まったように、ひっそりとした空気が漂っている。――ただし「僕ら」の部屋は、完全にその例外だった。

 十二畳の和室に敷かれた布団は3組ある。それは川の字に並べられているものの、掛布団は雑にめくられ、部屋の端に追いやられていた。そして、白いシーツの敷布団の上では、もう数時間にわたって濃厚な痴態が繰り広げられていた。

 

「あ゛っ♡♡ う゛う゛……っ♡♡ う゛うー……っ♡♡」

「ふぅ……はぁ……どう明日奈、気持ちいい?」

「う゛……あ゛……♡♡ や、やめ゛へぇ……っ♡♡♡ もうイギらぐないよぉ……っ♡♡♡」

「ああ……気持ちいいんだね? もっとしてあげるから、そのままイキまくっていいよ」

「ま……まっれ……お゛ねがぃ……ゆるひて……あっ、やっ、いっうぅう゛う゛~~~~~っっ♡♡♡♡♡」

 

 もがくように手を伸ばし、布団を掴んで逃げようとした栗色の髪の女の子の身体を、僕は体重をかけて拘束する。僕はいま、この山奥の静かな旅館で、結城明日奈を寝バックでハメ犯していた。

 勃起チンポの亀頭の先を、明日奈のポルチオに押し付けて、グリグリと腰を動かし執拗に圧迫する。明日奈はほとんど身動きが取れない状態で、みっともなく涙と涎を垂らしながら、全身をずっと痙攣させていた。

 ――特に腰から下なんかは、ガクガク、ビクビクと途切れることなく震え、もう別の生き物のようだ。足をピンと張り、かと思えば指をぎゅうっと丸め、何とか快感を外に逃そうと悶えている。

 マンコから漏れたイキ汁でシーツはぐしょぐしょになり、部屋にはメスのカラダから発散されたフェロモンが濃厚に満ちていた。

 

「はぁ……っ、はぁ……っ、はぁ……っ、はぁ……っ、あ、明日奈さん……」

 

 僕と明日奈が折り重なって交尾している横では、明日奈と同じく僕のハメ穴になった少女――桐ヶ谷直葉が、仰向けになって呼吸を荒くし、小柄な身体に似合わないたわわな胸を上下させている。

 直葉は明日奈がこうなる前に、僕に散々犯された。彼女の股のあいだからは、僕が吐き出した欲望の塊が、ドロリと溢れ出てきている。疲労困憊し、既に子宮に僕の遺伝子をたくさん詰め込んであげたにも関わらず、直葉は心から羨ましそうな表情で、現在進行形で僕に「支配」される明日奈のことを眺めていた。

 

「明日奈、そろそろ出すぞ……このまま、子宮に押し付けたまま射精する。イキながら、子宮でちゃんと飲むんだ」

「は、はい……っ♡♡♡ う゛ああ……♡♡♡ ぐぅ~~~~~~っ♡♡♡ わ、わかりました……っ♡♡♡ あなたのせいえきで……♡ 明日奈に、たねつけしてください……っ。――ひっ♡♡♡ お゛~~~~っ♡♡♡♡」

「うああ……出る……! ううっ!!!!」

「あ゛……っ♡♡ ぐぅ……っっ♡♡ お゛く゛……きてる゛…………♡♡♡♡ う゛っ、あ゛あ゛……♡♡♡♡」

 

 常夜灯しか光源のない暗い室内にも関わらず、僕の視界は、至近距離で花火でも打ちあがったかのように白く明滅する。チンポ全体を明日奈のイキ膣に締め付けられて、物凄い勢いで射精が始まった。

 容姿、才能、性格のどれをとっても極上の美少女の子宮に、チンポをぴったり押し付けながらの、避妊具無しのナマ射精。ドクドク、ドクドク、ドクドクと、まるで寿命を削っているような快感と共に、僕の遺伝子情報の塊を、明日奈のナカに流し込んでいく。

 本当は、明日奈には操を立てるべき恋人がいる。桐ヶ谷和人という名前で、明日奈と「和人君」は、誰もが認める相思相愛のカップルだった。

 でも、今はこの通りだ。明日奈は「和人君」よりも僕の寝取りチンポのほうを選んで、この秋の連休の小旅行で、ぶっ通しの種付け交尾をされている。普段は凛々しく、時に優しい聖母のような明日奈が、堕ちて蕩け切った子宮で、浮気相手である僕の精子を従順に受け入れている。

 

「あ゛……っ♡♡♡ お゛……っ♡♡♡」

 

 この時間までイキまくった挙句、明日奈はもう、大声で喘ぐ余力すら失った。四肢からは力が抜け、ただ腰だけが激しく荒れ狂って、彼女が感じている快楽の大きさを主張していた。

 

「よしよし、明日奈、種付けでちゃんとイケたね。いい子だよ……」

 

 僕は気持ち良く明日奈の中に射精しながら、彼女の身体に背中から覆いかぶさる。そしてわざと体重をかけて彼女を押し潰し、その滑らかな栗色の髪を撫でてあげた。

 

「あっ♡ あたま、なでなでしないりぇっ♡♡♡ あ゛っ♡ ああ゛っ♡ うっい゛♡ うっうう……♡♡♡」

 

 これも日ごろの調教の成果だ。明日奈は僕に種付けされながら頭を撫でられるだけで、追いアクメしてしまうようになっていた。そんな明日奈がしくしく、しくしくと涙を零しているのは、身体も精神も完璧に僕に隷属してしまった自分自身を嘆く心が、まだ彼女の中に残っているからだろうか。

 そんなところにも「閃光のアスナ」の気丈さを感じ、僕はさらに彼女のことが愛おしくてたまらなくなる。絶対に彼女のことを手放したくないという執着を新たにする。

 

「わかってるだろうけど、明日奈、お前は僕のモノだからな? お前を孕ませていいのは、僕だけだ」

「あ゛……ぐぅ……♡♡♡」

「だから、僕の許可がない限り、『和人君』に生ハメさせるなよ?」

 

 明日奈の恋人である桐ヶ谷和人が彼女と生セックスできるのは、明日奈が僕の種をお腹に宿してからだ。浮気相手の間男風情にそんな命令をされて、明日奈が拒否したり怒ったりするかと言えば、もちろんそんなことはない。

 

「は……い……♡♡♡ わかり、ました……♡♡♡ わかってます……♡♡♡ わたしは……あなたの赤ちゃんしか、産みません……♡♡♡」

「ああ……本当にいい子だね、明日奈。大好きだよ」

「はい゛……♡♡♡ わたし、も……♡♡♡」

 

 本当に、なんて愛おしいんだろう。明日奈が僕の子供を産んでくれるその日が、待ち遠しくてしょうがない。僕はそのまま明日奈の髪を撫でながら、射精が止んでもチンポを子宮に押し付けていた。

 

 僕らがいまここにいることに、難しい事情など何も無い。

 夏休みが終わってしばらく経ち、紅葉も見ごろになってきた時期に訪れる秋の連休。以前までの僕なら、宿題以外にすることもなく、アパートの狭い部屋にぼんやり閉じこもっていただろう。でも、それは以前までの話であって、今の僕は違う。

 結城明日奈と桐ヶ谷直葉は、二人とも僕のセックスフレンドだ。――いや、セフレというより、僕の「オンナ」って表現したほうが適切だろうか。それとも性奴隷、ペット、はたまた恋人――その全部に当てはまっているという気もする。はじめは無理やりから始まった関係だけど、いまは彼女たちも、僕のモノであることを望んでいる。

 で、僕はその二人と、秋の連休を利用して、この温泉街に生ハメ種付け旅行にやってきた。表向き、明日奈には桐ヶ谷和人っていう「恋人」がいて、彼女に僕というご主人様がいることは、まだ「和人君」には秘密にしてある。だから、明日奈と直葉には、女子二人きりで旅行に行くってことにさせて、僕は現地の駅で彼女たちと合流した。

 いまごろ和人君は、きっと自分の大切な恋人と可愛い義妹が、二人で仲良く小旅行を楽しんでいる姿でも想像していることだろう。いや、それとも二人のことなんか忘れて、得意のゲームにのめり込んでいるだろうか。

 まあ、それはどっちでもいい。どっちにしても、僕はこの連休のあいだ、明日奈と直葉にナマでチンポをハメまくり、その子宮に自分のザーメンを注ぎまくるだけだ。夏休み終了後、普通の学校生活が続いて思うようにセックスできなかったぶんを、この数日間で取り戻すつもりだった。

 そして、性欲が溜まっていたのは僕だけでなく、彼女たちも同じだったらしい。旅館にチェックインして部屋に移動すると、途端に二人のほうから僕の身体にまとわりついてきた。

 

「せんぱぁい……♡♡ キス……♡♡ ちゅーしましょう……? ね……♡♡」

「あ……ずるいよ……私も君とキスしたいな……♡♡」

 

 まるで王様になった気分だ。明日奈も直葉も、男なら誰でも振り返るような美少女である。その二人が僕に縋り付き、潤んだ瞳で僕を見つめ、熱い吐息を漏らしながら、もうガマンできないという切羽詰まった声で媚びてくる。

 僕は二人に平等に唇を分け与えると、跪いてチンポに奉仕するように命令した。

 命令されると、直葉は嬉々として――明日奈は少し不満そうに頬を膨らませながらも、二人して畳に三つ指をつく。

 

「先輩の逞しいおチンポ、直葉のお口でしゃぶらせてくださぁい……♡♡ 重たいせーえき、た~くさん飲ませてぇ……♡♡」

「き、君のことだから……しばらく私たちに種付け射精できなくて、溜まってるんだよね……? まずはお口で出させてあげるから、そのあとで……♡♡」

 

「う~ん、直葉かなぁ。明日奈はおあずけ」

 

「やったぁっ♡」

「ええ……恥ずかしかったのに……」

「ふふっ、明日奈さん、ごめんなさーい」

 

 僕に犯されてから、直葉は本当に逞しくなったなぁと思う。「お兄ちゃん」に対する想いとかを吹っ切って、色々な意味で強くなったのかもしれない。当然、僕という新たな想いの対象を見つけたことも大きいだろう。

 明日奈が正座して見ている前で、直葉は僕の服を丁寧な手つきで脱がせていく。ズボンとトランクスが下ろされて、その下から出てきたモノがビィンと天井に向けて跳ね上がると、直葉も明日奈も、表情をうっとりと蕩けさせた。

 直葉はずっしりと重たくなった睾丸を手でマッサージし、青筋の浮かんだ竿に愛おしそうに頬ずりしながら囁いた。

 

「先輩の、すっごい……♡ またおっきくなったみたい……♡ 見てるだけで妊娠しちゃいそうです……♡」

「直葉、お前、今日は危険日なのか?」

「……残念だけど、違います…………でも、安全日でも妊娠できるくらい、たっぷりナカ出ししてくださいね……♡♡♡」

「ちょ、ちょっと直葉ちゃん、流石に妊娠は……」

「え~……♡ 明日奈さんも、このあいだ先輩に『孕ませてください……♡ 赤ちゃん産ませてください……♡』っておねだりしながら、いっぱいナカ出ししてもらってたのに……♡」

「そ、それは……」

「うふふっ♡ 明日奈さんの気持ち、あたしにもわかるけど……♡」

 

 明日奈を狼狽えさせてから、ゾクッとするほど淫靡に笑い、直葉はチンポに赤い舌を這わせ始めた。本当にこの子は逞しくなったものだ。

 直葉は、まるで幼い子供が甘いキャンディを舐めしゃぶるように、夢中で僕のモノに奉仕した。どこをどうしたら僕が感じるのか、彼女は全て知っている。さすがは僕の「恋人」だ。何もせずぼーっと突っ立っているだけで、強い射精衝動がせり上がってくる。

 

「直葉、もう出るぞ……っ!」

「はい、いつでもどうぞ♡ やっぱり溜まってたんですね、先輩♡ ン♡ ちゅ♡ ちゅぅ……♡ じゅる……♡ らひて……♡ たくさんらひてくらはい……♡」

「明日奈、お前も混ぜて欲しいんだろ? もう射精するけど、ザーメンだけでも飲んどく?」

「そ、そんな人を変態みたいに――」

「飲みたくないのか?」

「…………飲みたい、です」

 

 僕は苦笑し、明日奈を手招きする。彼女は僕の足元まで畳の上を這い寄ってきて、直葉の横に並んだ。僕の亀頭にかぶりついていた直葉は、ちゅぽんと音を鳴らして口を離すと、ほっそりした指で輪っかを作り、手で竿に刺激を加える。

 明日奈はあーんと口を開け、あごの下に両手で受け皿を作った。

 

「直葉、明日奈! 出すぞ! うううっ!!!!」

 

 僕は直葉に手コキされて、空中に精を解き放った。ぶびゅるぶびゅるとチンポが脈動し、白く粘っこい塊が空を飛ぶ。それは明日奈の綺麗な顔にボタボタと降りかかり、彼女を「僕」で染め上げていく。

 

「う、ああ……っ、直葉、もっと扱いて……! まだ出る……!」

「はい、先輩……♡ たくさん、た~くさん出してください……♡ うわぁ……♡ 明日奈さんの顔、先輩ので真っ白になってく……♡」

「うっぐ……!! あお……!!」

 

 僕はいま、かつては遠くから憧れているしかできなかった結城明日奈という高嶺の花を、自分自身の色に染め上げているんだ。顔にぶっかけるのは、ビジュアル的な意味で「汚している」感がわかりやすくて、膣内射精とは違った意味で興奮する。しばらくぶりの射精ということもあって、なかなかザーメンが途切れなかった。

 

「先輩、お疲れ様でした♡」

「ふぅ……っ、はぁ……っ、はぁ……っ、明日奈――」

「――んぐっ♡ ずるる……♡♡ ずう……っ♡♡」

 

 僕の射精が終わると、僕が命令する前に、明日奈は喉を鳴らして精液を飲み始めた。ホカホカと湯気を立て、もはや固形物じみた粘っこさをもったそれを、時にはモグモグと咀嚼しながら嚥下していく。

 そんな明日奈はとんでもなく下品で――でもどこか、高級なディナーに向かうお嬢様然とした気品も感じさせるから不思議だ。

 

「ンっぐ……♡ ぷはぁ……♡ んもう、出し過ぎ……――けぷっ♡」

 

 可愛らしいザーメンげっぷを漏らしてしまい、明日奈は「やだ」と言って頬を赤らめる。その顔を見ていると、チンポが硬く反り返ったまま鎮まりそうになかった。

 

「先輩、まだカチカチですね……♡ このまますぐセックスしちゃいますか……?」

「当然だろ、直葉。夕飯まで時間あるから、お前と明日奈に一発ずつ種付けして、それから三人でお風呂に入ろう」

「はぁい♡」

 

 直葉は嬉しそうに微笑み、服を脱ぎ始める。明日奈もウェットティッシュで顔を拭くと、同じように生まれたままの姿になった。

 僕らが三人で愛し合うのを止められる人間は、ここにはいない。「和人君」には申し訳ないけど、明日奈と直葉だって僕に愛されたがっている。だから仕方なかった。

 

「ここにいる間、セックスしまくるからね。二人とも、覚悟しなよ?」

 

 明日奈と直葉を二人同時に両手で抱き寄せ、僕は囁いた。

 連休は長い。まだまだこれから楽しめそうだ。



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