廻戦 影法師 (赤猫project)
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報告書 (呪術廻戦サイド)
特級呪霊【仮呼称・主(master)】に関する記録・報告書①
・考察・推察は大歓迎です。感想欄にてお好きなように考察していただいて構いません。ただし喧嘩等が起こらないようご注意ください。
呪霊【仮呼称・主(master)】の報告書
呪霊の階級 【特級または特級以上】※現在階級に関する再審査を要求中
"特級呪霊【主(master)】"は現在、特級術師数名に監視させています。他階級の術師には"特級呪霊【主(master)】"が人間に危害を加えない限り"特級呪霊【主(master)】"への攻撃を一切しないよう徹底的な指導をしてください。
〈発見経緯〉
"特級呪霊【主(master)】"は神奈川県の■■■■市■■区■■■に存在する廃棄された寺にて別任務に当たっていた呪術高専の学生数名によって発見、確認されました。
外見は小学生程の身長・黒いローブのような外装をしており、対象の体には黒い靄が絶えず出ています。対象の素顔は黒い薄布のような物で隠されておりはっきり確認できておりませんが、橙色に似た髪色の少女と思われます。
〈特級呪霊【仮呼称・主(master)】に関する調査報告1〉
"特級呪霊【主(master)】"は所有物として黒い小さなジュラルミンケースに似た物を所持しており、ジュラルミンケースには謎のマークが施されているのが確認されております。
ジュラルミンケースの奪取は対象が強く否定的な為固く禁じられておりますが、"特級呪霊【主(master)】"が友好的に接している者に対しては少し調査する事ができます。
調査の結果、ジュラルミンケースは「戦闘時以外は使わない」、「"特級呪霊【主(master)】"以外は扱えない」、「"特級呪霊【主(master)】"以外ケースを開けられない」この三点の情報の取得に成功しました。現在も調査中です
また、ジュラルミンケースに施されたマークに関しては現在調査中ですが今の所有益な情報はでてきておりません。
"特級呪霊【主(master)】"は会話をすることができます。ですがそのしゃべり方は途切れ途切れでたどたどしい物です。基本的に人間に対して友好的な反応を示し、呪霊に対して敵対的な行動をすることがあります。現在対象は呪術高専の学生、特に一年
ただし"特級呪霊【主(master)】"を攻撃しようとする人間がいた場合"特級呪霊【主(master)】"は自己防衛の為、術式を人間に使用します。術式は強力な為、1級の術師では到底手に負えない程と追記します。
〈特級呪霊【仮呼称・主(master)】に関する調査報告2〉
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
[記録開始]
両面宿儺:ほぉ、貴様中々面白い体をしているな
虎杖悠仁:あっお前、また勝手に出てきやがって!
両面宿儺:長年この世を見て来たが、貴様のような異質な存在は初めて見た。
【主(master)】:……だ れ?(首を傾げる)
両面宿儺:それほどの呪いをため込んでいるとはな、呪力として扱ってはないが、その身に宿した呪いを呪力に変えれば俺の全盛期を軽く超える量とは面白い
伏黒恵:なっ⁉
虎杖悠仁:嘘だろ、昔のお前と同等⁉
釘崎野薔薇:嘘でしょ…
【主(master)】:……じゅ りょく?
両面宿儺:貴様。それほどの呪いを持ちながら、呪霊のくせに呪力を知らないとは言うまいな
(【主(master)】は首を傾げている)
両面宿儺:……貴様どのようにこれ程の呪いを集めた?これ程の呪い、さぞ人間共を殺したんだろうなァ(両面宿儺は笑いながら話す)
【主(master)】:あ なた は
両面宿儺:あん?
【主(master)】:あな た は かみを ころしたこと ある?
両面宿儺:……クッハッハハァ!! 成程、貴様"神すら恐れる業"を背負ったな!!これは愉快、愉快極まりない!!これ程の呪いを"人間の時に背負った"とは!クク面白い、面白いぞ貴様!
伏黒恵:宿儺が笑ってる…。
虎杖悠仁:お前……笑う事あるんだな。
両面宿儺:これ程愉快な事があるか、これは"楽しみ"がもう一つ増えた。
(両面宿儺の声が遠ざかる、おそらく引っ込んだ模様)
虎杖悠仁:お前昔何があったんだ?
【主(master)】:いわない……
虎杖悠仁:そっか……。
[記録終了]
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
この会話を機に【主(master)】の階級を特級に制定、現在対処法を検討中
両面宿儺、【主(master)】が口にした言葉『神を殺したことがある』、『神すら恐れる業』、『人間の時に背負った』この三点の言葉についての調査を虎杖悠仁含む呪術高専の学生および担任である特級術師、五条悟に一任するよう指令が出ました。
〈特級呪霊【仮呼称・主(master)】の術式に関する調査報告〉
"特級呪霊【主(master)】"が扱う術式は式神使いに似た能力と判明しました。
"特級呪霊【主(master)】"は武装のみの召喚、式神本体の召喚の二種類を使い分けます。式神本体が持つ武具は"武装のみの召喚された時の武具"と酷似した物だった為、武装のみの召喚は"式神が扱う武具しか召喚できない"可能性があります。
"特級呪霊【主(master)】"が術式を扱う際、所持しているジュラルミンケースが開き、中から札のような物を取り出し発動します。
式神の特徴として、人型の物が多く召喚されていますが、極稀に異形とも言える式神が召喚する時もあります。さらに式神との意思疎通が可能、会話にも応じます。
現在"特級呪霊【仮呼称・主(master)】"が呼び出した式神の分類分けで13、式神の数は約100を優に超えており、どの式神も1級、特級ほどの実力を持っており、まだ強力な式神が存在する可能性があります。
"特級呪霊【主(master)】"が式神を召喚した際、式神の事を「特定の名称」で呼ぶ事が確認されています。
現在確認された名称に関しては下記の通りです。
[名称リスト]
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
《セイバー(剣士)》現在確認された式神の数 40体
・刀や剣を主に扱う式神を呼ぶ名称、その名の通りの分類と思われる。
・姿は和風の服装をした式神や、鎧姿の洋風の騎士の式神など幅広い姿が確認されている。
《アーチャー(弓兵?)》現在確認された式神の数 38体
・弓や銃といった遠距離攻撃に長けた式神を呼ぶ際に呼ばれていた名称と思われる。
・だが《セイバー》と呼ばれる式神と比べて《アーチャー》と呼ばれた式神が扱う武器は多種多様。
・剣や銃、棺?に車輪?など様々な武器を扱う者が呼ばれていた為要検証。
※一体、近代の服装に類似した姿の式神を確認。現在類似した人間が居るか調査中
《ランサー(槍兵)》現在確認された式神の数 39体
・槍を扱う式神を呼ぶ際に呼ばれていた名称。
・《セイバー》と同じく槍を基本とした戦い方を用いる式神で、現在呼ばれた式神の全ては槍を扱っていたが《アーチャー》と同じく槍以外を使う式神が現れる可能性は有り。
《ライダー(騎兵)》現在確認された式神の総数 34体
・大型船や馬、中世の戦車など乗り物を呼び出す式神の名称。
・式神が新たに道具を呼びだすという珍しい式神、騎兵の名を持ちながら肉弾戦も得意とする者が多い。
・現在確認された《ライダー》と呼ばれる式神の中に、異形の姿の式神を2体確認。
《キャスター(魔術師)》現在確認された式神の総数 41体
・術式を基本戦闘を得意とする式神の名称。
・呼ばれた式神毎に扱う術式が違うらしく、中には反転術式による治癒を得意とする個体が居るとの情報あり。
・"特級呪霊【主(master)】"の証言によると「式神が扱う力は呪力では無く魔法」と言うが意味は不明、現在「魔法」に関して調査中。
《アサシン(暗殺者)》現在確認された式神の総数 36体
・暗殺や闇討ち、潜入などに長けた式神の名称。
・他の分類に比べ黒を基調とした式神が多くみられる。情報が少なく現在調査中
※一体、近代の服装に類似した姿の式神を確認。現在類似した人間が居るか調査中
《バーサーカー(狂戦士)》現在確認された式神の総数 34体 ※要警戒
・暴れるように戦う様子が多く確認されている式神の名称。
・式神のほとんどが人語を話せず獣に似た咆哮を口にする
・話せる個体も存在するが、その殆どが大きく性格が破綻、狂気にも似た思考を持つ者が多い。
《ルーラー(統治者?,支配者?)》現在確認された式神の総数 10体
・分類詳細不明。
聖人とも捉えられる言動や行動が多く、他の式神と比べて人心の心を案じている傾向が見られた。
《アヴェンジャー(復讐者?)》現在確認された式神の総数 10体
・式神の中で最も呪霊に近い力を持つ式神の名称。
・《アヴェンジャー》の扱う技にはどれも怒りや憎しみといった憎悪を強く感じる物が多い。
・理由は不明だが《ルーラー》の式神に対して苛立ちをあらわにする瞬間を多く確認した。要注意対象
《ムーンキャンサー(直訳:月の癌細胞?)》現在確認された式神の総数 4体
・分類詳細不明、一体の式神の証言によると月に大きな関係があると思われる。
《アルターエゴ(別人格? 他我?)》現在確認された式神の総数 9体
・分類詳細不明。
・《ムーンキャンサー》の分類で呼ばれる式神の1体に似た素顔の《アルターエゴ》の式神を3体確認。関係性は不明。
《フォーリナー(直訳:外から来た者?)》現在確認された式神の総数 8体 ※要警戒
・分類詳細不明。
・"特級呪霊【主(master)】"によると「外から来た神」に魅入られた者達を表すらしい。詳細は"特級呪霊【主(master)】"にもわからないとの事、現在調査中。
《シールダー(直訳:盾を持つ者?)》現在確認された式神の総数 1体
・盾を主体とした戦闘を行う式神、唯一1体しか確認されていません。
・"特級呪霊【主(master)】"によく信頼されており、時折《シールダー》は"特級呪霊【主(master)】"を呼ぶ際何故か"先輩"と呼ぶことを確認しており現在関係性を調べています。
・"特級呪霊【主(master)】"と《シールダー》が会話をする際、《シールダー》は少し悲しそうな表情を見せるそうです。
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以上が式神の分類となります。
〈特級呪霊【仮呼称・主(master)】に関する調査報告3〉2018/■■/■■ 追記
"特級呪霊【主(master)】"と接触した重要参考人を一人招集し事情聴取を行いました。下記に記録します
【重要参考人:虎杖悠仁】
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[記録開始]
ああ、なんとゆうか最初に会う前の事から話すんだけど……俺は別任務であの寺に行ってたんだよ、伏黒と釘崎と一緒にな。
相手は2級の呪霊数体で皆で対処したから任務自体は特に問題なく終わったんだよ。だけど寺の奥の本堂って言うのかな?その奥に伏黒が「妙な呪力を感じる」って言うから俺達見に行ったんだ。
そしたら本堂に掛け軸があったんだけど、その後ろが隠し扉みたいな物になっててよ。
ますます怪しいってことで新田さんに報告して、あと一応五条先生にも連絡した後隠し扉に向かったんだよ。あ、一応録画してたけど見る?
(虎杖悠仁はスマホを取り出し、記録映像を見せる)
※下記の文面から映像内の音声を記録した物となります
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[映像再生]
(映像には下に続く階段があり、周囲は掘られたような土壁でできていた)
虎杖悠仁:だいぶ下続いてんなぁ
釘崎野薔薇:ねぇ、ほんとに降りんのここ?めんどくさいんだけどぉ
伏黒恵:文句言うな、事前に危険が無いか調べる必要があるんだからな
虎杖悠仁:よし、さっさと終わらせようぜ!
釘崎野薔薇:はいはい、にしてもアンタ、やけにテンション高いわね
虎杖悠仁:なんかゲームでよくある隠しダンジョン探索みたいで面白そうじゃん!
釘崎野薔薇:子供ねぇ
虎杖悠仁:んだとぉ!!
伏黒恵:さっさと行くぞ…
(数分間階段を下りる映像と、反響する靴の音が聞こえる)
虎杖悠仁:まだ続いてんなぁ、いまどれくらいだ?
伏黒恵:何階の記載があるわけでもないのにわかるか。だがわかる事はある、ここまで下に降りるとなると"相当隠したい物がある"ってことだろうな
釘崎野薔薇:ねぇ、昔呪物を隠してたって事は無いの?よくあるやつ
伏黒恵:その可能性も含めて調べるんだ。っと、そろそろ階段終わるぞ
(一分後、階段を下りきると大きな広間に到着 広間の中心には超巨大な鍾乳石が柱の様にできている)
虎杖悠仁:お、広いとこに出たな!
伏黒恵:また隠しが無いか調べさせてみよう、『鵺』
釘崎野薔薇:鵺が自由に飛べる広さみたいね、これ自然にできたのかしら?
伏黒恵:どうだろうな……ん?鵺が何かみつけたみたいだ、行くぞ
(数秒走る映像)
伏黒恵:これは、この鍾乳石、隠匿術式みたいだ、中に何かあるな。
釘崎野薔薇:このバカでかいのが⁉
伏黒恵:このバカでかいのがだ、今解除する……
(伏黒が術式を練ると、鍾乳石にヒビが入り砕け散る。 映像には鍾乳石の中には木製の机と本などの書物、床には西洋の魔法陣に似た模様が描かれていた)
虎杖悠仁:お、なんか出てきた!ってなんか実験所みたいな感じだな
伏黒恵:たしかに、この書類と本は複数の外国語で書かれているな。英語にフランス、中国に……これはラテン語か?
釘崎野薔薇:あんた、それ読めんの?
伏黒恵:いやまったく、だが英語の本の表紙だけは絵を見て何とか……「grail」……聖杯?
虎杖悠仁:聖杯ってなんだ?
釘崎野薔薇:そりゃああれよ、聖なる盃よ!
伏黒恵:・・・・・。聖杯はキリスト教の儀式かなんかで使われる杯で、たしか聖遺物とか言われていた物だったな
虎杖悠仁:キリスト教?でもここ寺だよな、むしろ仏教なのになんでそんな物が?
釘崎野薔薇:その理由は、こいつにあるんじゃない?
伏黒恵:これは……なんだ?まるで魔法陣みたいな
虎杖悠仁:術式ってこんな西洋風の物ってあったりするのか?
伏黒恵:いや……そんな術式を使う術師は聞いたことない
釘崎野薔薇:まさか……"本当に魔術を使おうとしてた"とか?
虎杖悠仁:まさか!魔術なんて空想の…って言えないか、術師や呪いなんて存在するんだからなぁ
伏黒恵:とりあえず、此処にある本や資料は回収しよう、妙な呪いの正体はこの術式の様だったしな
???:だ…れ?
(突如背後から声がし、振り返る3人。後ろには"特級呪霊【主(master)】"が佇んでいた)
釘崎野薔薇:え、子供?
伏黒恵:いやありえない、帳は下ろしていたはずだ…呪霊だろうな
虎杖悠仁:なぁ伏黒、この子から呪力の感じするか?
伏黒恵:かすかにだがな……黒い靄を纏う子供……あきらかに呪霊だと思うがさほど強いわけじゃ…
虎杖悠仁:お前も強いとは思えないんだな、じゃあ何でこいつ"俺たちに誰って言った"んだ?
伏黒恵:はぁ?それって……まさか特級とでも言いたいのか?
特級呪霊【主(master)】:ねぇ…だれ…な…の?
釘崎野薔薇:と、とりあえず話かけてみる?
伏黒恵:そうするか……俺達はここを探索しているんだ
特級呪霊【主(master)】:……そう なんだ
虎杖悠仁:なぁ、ここの書類とか魔法陣みたいなのって君の物?
(特級呪霊【主(master)】は横に首を振っている)
特級呪霊【主(master)】:きづいたら…ここに…いた…。
釘崎野薔薇:そうなのね
伏黒恵:会話が成立している、やっぱ特級か?にしては感じる呪力が少ないが
虎杖悠仁:呪力量を隠せるタイプ……とか?
伏黒恵:可能性としてはありそうだな
釘崎野薔薇:ねぇ貴方は……"敵意はある"?
特級呪霊【主(master)】:ない…けど?
伏黒恵:敵意がない?そんな呪霊聞いたこと無いが
(突然待機していた鵺が特級呪霊【主(master)】に襲い掛かろうとした)
虎杖悠仁:ちょ、伏黒!?
伏黒恵:違う!俺の意志じゃねぇ!!
特級呪霊【主(master)】:…限定…召喚…《アーチャー》…。
(特級呪霊【主(master)】の抱えていたトランクから、一枚の札が飛び出し弓に変わる。そして伏黒の式神に狙う)
虎杖悠仁:ちょ君何を!
特級呪霊【主(master)】:…■■■■■■(ノイズ交じりの声により解読不能)
(特級呪霊【主(master)】は何かを口にし弓を放つ。赤い一閃が鵺の体を貫き、鵺は墜落した)
伏黒恵:鵺を一撃で瀕死に…。
虎杖悠仁:今の弓…だよなぁ?でも弓にしては威力が……
釘崎野薔薇:普通矢を放つとき、土煙なんか出る…?
伏黒恵:これは…五条先生に聞かないとな……。
(特級呪霊【主(master)】は3人の方をみて首を傾げる。ここで映像は終わった)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
※ここから先は事情聴取の際の記録となります
とまぁこんな感じかな、明らか異質な空間に異質な書物、異質な陣に、異質な呪霊……あの場所はまさしく混沌といえる空間だったね。
その後は俺達が一緒に来てほしいと言ったら、何も言わず後ろを付いてきたって感じかな。いろんな呪霊を見てきたけど、なんていうのかな…この子だけは他の呪霊と違って"人に近い"って感じがしたんだよね…
あ、鵺が暴走したのは"あの子の深意にある何かを感じたのかもしれない"って言ってたよ。あの後は鵺を呼んでも襲う事は無かったとも言ってた
[記録終了]
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"特級呪霊【主(master)】の深意"この部分に触れるのは非常にリスクがある為、現在調査は容認されていません
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特級呪霊【仮呼称・主(master)】に関する記録・報告書②
・考察・推察は大歓迎です。感想欄にてお好きなように考察していただいて構いません。ただし喧嘩等が起こらないようご注意ください。
〈廃寺の地下に関する調査報告〉
"特級呪霊【主(master)】"との接触した呪術高専の学生が向かった地下を後日、準2級~1級の呪術師数十名を連れた大規模な調査が行われました。調査員には記録用のカメラとレコーダーを持たせました
[調査結果]
・偽装していた鍾乳石のかけら
書類や謎の陣を秘匿していた術式に使われていた鍾乳石の一部。術師の解析によるとどうやらこの術式は中の状態の進行を低減させる効果もある模様、書類などが残っていたのもその効果のおかげと思われます。
鍾乳石の欠片には刻印型の隠匿術式を掛けた痕跡を確認。以前から存在していた小さい鍾乳石にこの刻印を施し術式により鍾乳石は中を空洞とし急激に成長。生徒の証言のような巨大鍾乳石の柱が形成されたようです。
術式に使われた呪いの量はかなりの物で、刻印の劣化具合から想定し、この術式は約70年前と想定されています。
・机に残されていた書類・書籍
机に残されていた書類は文字の風化が激しく現在復元中。
書籍の方は日本を含めた、英語、フランス語、中国語、ラテン語、の五か国語の本が発見されました。
どの本も、各国で有名な神話や、おとぎ話でしたが、どの本にも"共通するもの"が複数見つかりました。『聖なる杯』『願い』そして『呪い』です。この本を読み何を行おうとしていたのか歴史書などに詳しい者を集め考察中
・床に描かれた大きな赤い紋様
見た目は西洋の童話などで見られる"魔法陣"の様に見られます。残穢や呪いの反応は有りませんでした。
描くための材料として複数の血が使われています。
使われていた血を調べた結果<鳥類の血液>、<ネコ科の血液>、<人間の血液>が使われていた事が発覚。
人間の血をDNA検査した所、約20年前に行方不明となり捜索依頼が出されていた
現在遺体は見つかっておりません
2018年■■月■■日 追記
書類の一部が欠損していましたが、風化していた書類の部分的復元に成功。下記に記載します
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
19■■年7月19日
私の仮説が正しければ、この杯は西洋の術式の儀式によって生まれるはずだ。ならばこの儀式を私が行い成功すれば
私はあらゆる願いをかなえる杯、いや「聖杯」が創れるはず!
聖杯さえあれば、我が悲願の成就、"永遠の命"が手に入るはずだが、二つわからないことがある……
今後の課題はこの二つの解析と再現だな
19■■年10月28日
わからない、残り二つの要素がどうしても再現できぬ!
式神を用いた実験はすべて失敗、惜しいとこまで行くなんて夢のまた夢……
くそ!なぜ再現できない!この「魔の力」とやらは呪力では無いというのか!?
それに「過去の存在」が理解できぬ、過去の存在とは何を表しているというのだ!
諦めぬ、諦めぬ!私の60年にわたる労力を、こんな形で終わらせてたまるか!
20■■年■月■1日
だめだだめだだめだ
我が労力は全て徒労と化した
私の夢が
聖杯が
だがまだだ
我が執念
たとえ呪いとなろうとも
われは 手にいれる
年 月 日
わが ねがい
のろいと り も
おいも め よう
(紙の欠損がひどく部分的にしか復元できず)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
後日、この筆跡は、呪詛師の一人「俄全 幸之助(がぜん こうのすけ)」の筆跡と一致しました。
[筆跡者"俄全 幸之助(がぜん こうのすけ)"について]
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【
大阪を拠点としていた呪詛師。複数の呪術師の殺害・非呪術師の誘拐や大阪市に起こった軽度の"百鬼夜行"を起こした主犯である極悪人。
呪詛師"夏油 傑"と接触していた可能性のある人物でもある。
永遠の命を求める為に、外道に落ちた元1級呪術師。生死不明の為、現在も捜索中
使用する術式は《
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
〈特級呪霊【仮呼称・主(master)】に関する調査報告3〉
地下に現れた"特級呪霊【主(master)】"は以前地下に関して「見覚えがない」との会話がありました。
其の為発見時当日。地下からの脱出後、五条悟と合流し"特級呪霊【主(master)】"への簡単な事情聴取を"五条悟"同席の元"虎杖悠仁"が行いました。
下記に記載しております
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
[記録開始]
五条悟:はーい、記録しておくから悠仁ーよろしくー
虎杖悠仁:こうゆうのってせんせーがするんじゃないの?
五条悟:君達が最初に合ったんでしょ、僕だと少し抵抗あるかもしれないじゃん?
虎杖悠仁:まぁいいや。色々聞きたいけどいいよね
("特級呪霊【主(master)】"は頷く)
虎杖悠仁:よし、じゃあまずは……君は名前ってあるの
【主(master)】:……なまえ…。
虎杖悠仁:言いたくないの?
【主(master)】:……。
虎杖悠仁:じゃあこれ以上聞かないや、次の質問ね。君はあの場所に元からいたの?
("特級呪霊【主(master)】"は首を横に振り否定する)
【主(master)】:……きがついたら……そこに…。
虎杖悠仁:じゃあ元々別の所にいたのか、その場所わかる
【主(master)】:わからない……みずが…うねってたの…おぼえてる
虎杖悠仁:水がうねる?川とか海とかがある場所が元居た場所ってことかな
五条悟:んー、そうなるとここら辺じゃないね。川も海も遠い山の中だし
【主(master)】:……きいて…いい?
虎杖悠仁:ん、俺?
【主(master)】:ちがう…("特級呪霊【主(master)】"は五条悟の方に顔を向ける)
五条悟:あ、僕?いいよなんでもこの"最強呪術師 五条 悟"に聞いて!
【主(master)】:……じゅじゅつし?
五条悟:呪術師を知らないのね、呪術師とはこの世界に蔓延ってる"呪い"を払う人達の事さ
【主(master)】:ごじょう……さい…きょう?
五条悟:そう! 僕は呪術師の中で最強なのさ!
虎杖悠仁:この人いつもこんな感じだけど、実力は本当に最強なんだよ
【主(master)】:つよいわけ…その…まわりの…やつ?
五条悟:……へぇ、君"見えてる"んだ
虎杖悠仁:えっ、どうゆう事?
五条悟:この子ね、僕の周りの"無限"が見えてるんだよ
虎杖悠仁:えっ、マジ!
【主(master)】:むげん…へんなの……さわって…いい?
五条悟:触れるような物じゃないけど、良いよー
虎杖悠仁:軽っ!!そんなんで良いのかよ
五条悟:大丈夫、大丈夫♪この子からは殺意無いし、それに襲ってきたらすぐに"祓う"から
【主(master)】:ちょっと…まってて…
("特級呪霊【主(master)】"は持っていたケースを開けると二つの札を取り出す)
【主(master)】:【限定憑依】…まがんのアサシン…【限定憑依】…まがんのアーチャー。
("特級呪霊【主(master)】"が少し光ると、手元にドスのような短刀が握られている)
五条悟:わお、何もない所からいきなり刃物が!これが君の呪術?
【主(master)】:……これ……まじゅつ
五条悟:「まじゅつ」?呪術じゃないの?まじゅつ…魔術ってあの魔法の?
【主(master)】:まほう…ちがう…まじゅつ
虎杖悠仁:なにが違うのか?まぁいいや、とりあえず魔法も魔術も同じだろ意味的に
【主(master)】:……ちがうん…だけど…なぁ
五条悟:それは今いいけど、なんで刃物出したの?敵意…は今も感じないけど
【主(master)】:ごじょうの…むげん…かべ…みたい…。ごじょうが…いいなら…これで…ふれたい
五条悟:まぁ攻撃する意志は無いのはわかるし、良いよ全然♪
虎杖悠仁:いいの!?
("特級呪霊【主(master)】"が軽く頭を下げると、五条に接近し手をかざす)
【主(master)】:これが…むげん?…とまってる。
五条悟:へぇすごいね君、一回"手で触れただけなのに"もう"無限の性質"を理解できたのか。そう、無限はね近づくたびに遅くなっていくの、その性質があって僕の周りには無限でできた壁が形成されてるのっさ♪
虎杖悠仁:話しちゃって大丈夫なの?
五条悟:へーきへーき!
【主(master)】:じゃあ…これで…つついて…みていい?
五条悟:そのナイフだね、良いよー
("特級呪霊【主(master)】"が再度軽く頭を下げると、五条に当たらぬ位置にナイフを向け動かし
【主(master)】:……これが…むげん
五条悟:……、どう、面白かった?
【主(master)】:ありがとう……ごじょう
五条悟:いいのいいの♪さ、話がそれたけど今聞いておきたい事ある悠仁?
虎杖悠仁:えっあっえ!?急に言われても事前に聞いてくれって先生言われたやつは聞いたし、特にはないよ?
【主(master)】:くぎさき……あいたい…。
虎杖悠仁:釘崎に?まぁ質問する事は終わったし……先生もOKサイン出してるしいいよ
("特級呪霊【主(master)】"はてくてくと釘崎が待機している方角に足を進める)
虎杖悠仁:なんか普通の女の子って感じしますね五条先生。…あれ五条先生?なんかあったの
五条悟:……。君はさっきの無限のやり取りの時、気が付かなかった?
虎杖悠仁:へっ?いや何も?
五条悟:僕はさっき無限についてこういったよね、「無限は近づくたびに遅くなっていく」って
虎杖悠仁:うん、言ってた言ってた
五条悟:でもあの子が向けたナイフは、無限の中で"
虎杖悠仁:……え?は?どゆこと? 五条先生、無限解除したの?
五条悟:まさか今でも無下限呪術は解除してないさ。でもあの子は無限の中にナイフを入れた。まるで無限が無かったかの様にスルリと。それにナイフとは別の位置の無限が一瞬切れた感覚があった。
虎杖悠仁:五条先生の無限が……意味してないの?
五条悟:……これは…最強とか名乗る余裕なくなるかもなァ…
(五条は少し笑いながら言うが、顔から汗が流れているのを映像は記録していた)
[記録終了]
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
終盤の映像に残されていた「無限の術式が効かない」「無限が切れた感覚」について憶測ではありますが、その前に"特級呪霊【主(master)】"が取り出した二枚の札が関係しているかもしれません。
"特級呪霊【主(master)】"が口にした【まがんのアサシン】、【まがんのアーチャー】についてはこれから調査を開始します。
※五条悟の無限が破られたという情報は上層部と、一部術師しか知らされておりません。
この事は"これから先の呪術師と呪霊の均衡"を大きく脅かしかねない情報です。決して他者に伝えてはいけません。
これらの文面も特定の人物以外には見えぬよう術式を施しております、けして解呪してはなりません
【追加調査結果】
"特級呪霊【主(master)】"が口にした【まがんのアサシン】、【まがんのアーチャー】とゆう言葉。すべて調査完了したわけではありませんが、【まがん】の部分について有益な情報が見つかりました
[
"特級呪霊【主(master)】"が口にしていた「まがん」とは「
「
この結果を踏まえると"特級呪霊【主(master)】"が扱った式神の力は「
この調査結果を元に次回"特級呪霊【主(master)】"の調査で【魔眼に関する情報の入手】に変更するよう上層部に申請しました。 ――現在許諾待機中
ジジッ…
ジジィッ…
あーあーあー見えてるかな画面の前の諸君!
私は「レオナルド・ダ・ヴィンチ」、ただの天才さ!
今話しかけている私は"この特異点修正後の私"なんだけど、君はいくつか疑問があると思う。
何故マスターちゃんは無限を視認できたのか?
なぜあの場所にいたのか?本当に飛ばされたのか?
何故いきなり私が出てきたのか…とかね
皆様々な疑問が浮かんでいるだろうさ、 でも少し待ちたまえ諸君!
その疑問はこれからの報告書がきっと解決してくれるだろうさ!
気になる人はこれからも上がってくるであろう報告書をキチンと読むように!
ちなみに前回の報告書での質問ではー……何々?
『キャスターの欄で「呪力ではなく魔法」とありましたが、どちらかというと「魔力/魔術」ではないでしょうか? 魔術と違い、いかな資金や時間をつぎ込んでもまず実現不可能なものが我々の世界における魔法と定義されてますし。』と。
これは確かにその通りだね、我々魔術師とって"文明の力では再現できないものが魔法"、"再現できるものが魔術"と定義されているのは誰でも知っていることだ!
だがこの報告書によると、虎杖って少年が「魔法と魔術は同じようなもの」と言ってしまっている。だから以前の書類でも魔法と魔術の区別分けがされてなかったわけだ。彼らはマスターちゃんと最初に接触したから、この報告書をまとめた人物もそのまま彼の言葉をそのまま捉えて、魔術と魔法を区別しなかったのかもね……
まぁ細かいところは目を瞑ってやってくれ、どうやら向こうの世界は"魔術師は存在しない"みたいだからね♪
さて、長々話すのもあれだし私は戻るとしよう!あそうだ最後に一言預かってたんだった!
えっと……「これからも不定期に来るであろうダヴィンチちゃんが出てくる後書きは"本編とのかかわりは一切無い"ため気にしないように」…だってさ
じゃまたねー…
ジジッ
ジッ…
ジィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ…
プツンッ
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特級呪霊【仮呼称・主(master)】に関する記録・報告書③
・考察・推察は大歓迎です。感想欄にてお好きなように考察していただいて構いません。ただし喧嘩等が起こらないようご注意ください。
〈特級呪霊【仮呼称・主(master)】本体の戦闘能力〉
"特級呪霊【主(master)】"は小さい体ながら戦闘時パルクールに似たアクロバットな動きで攻撃を回避し不規則な動きで敵に行動パターンを読ませないような行動を行う為、戦闘経験はかなり積まれている可能性があります。
武具を召喚し戦闘した時、戦闘能力が飛躍的に向上します。おそらく召喚した武具の呪力が扱う人物を強化している可能性があります
又、"特級呪霊【主(master)】"は特定の式神の能力を使い姿・性格・技術を完璧なまでに真似る事が出来ます。
この変身の際、"特級呪霊【主(master)】"呪力は完璧なまでに隠匿され一般人と差異を感じない程に消えることが確認された為、監視員は厳重な監視を行ってください。
"特級呪霊【主(master)】"は白いドレスと黒い帽子を被った20前半程の女性に変身する事を好んでいます、この姿は式神【アサシン】"名称:革命のアサシン"の内の一体と一致しています。
<記録>
【"特級呪霊【主(master)】"の戦闘記録】
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
20■■年06月2■日 AM11:29
市街地にて"名称:革命のアサシン"に変身し町に擬態していた監視対象"特級呪霊【主(master)】"、
監視対象が人気のない路地裏にて2級呪霊に呪い殺されかけていた主婦(38)を確認すると一直線に路地裏に向かう。
対象はどこからか抜き身のナイフを取り出すと主婦の方に取りつこうとしていた二級呪霊の首と思われる個所にナイフで切り裂き主婦を通り超した。
呪霊はナイフの一撃で完全に消滅。主婦も彼女がナイフを持って居た事・ナイフが自分の近くで振られていた事を一切気づいておらず、主婦には起こった事に対して微塵も感じていなかった模様。
監視対象には高度な暗殺技術があると予測、これが監視対象自身の技量か式神の技量なのかは判断不可。
20■■年07月■■日 PM20:21
廃ビルに向かう"名称:革命のアサシン"に変身した監視対象。
廃ビルには準1級や2級呪霊が約20体程確認、監視対象は呪霊達に気付かれること無く呪霊達の横を通過、
すると横切られた呪霊達は首筋を深く切り裂かれており準一級を除く他呪霊は、謎の一撃で祓われていた。
準一級は何かに気づき横に跳躍し回避していた、呪霊は監視対象に攻撃しようとするが監視対象が消失。
呪霊が辺りを見渡し対象を捜索する。するといつの間にか背後に対象が立って居た、手元には謎の弦が竪琴の様に無数に張られている弓を手に持っていた。
対象は矢を構えるそぶり無く、弓を狙わず弦を竪琴の様に引く。すると呪霊の体は一瞬にバラバラに切り裂かれ消滅していった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
<追記>
対象の監視役からは今回の件の後、所属の変更を要求されました。
上層部は受諾し監視役は異動、後にカウンセリングを行う事が決定しました。
この数か月後、上層部は五条 悟以外の監視役の任命を急遽禁止する事にしました。
監視対象にストレスを与える行為・実験は全て永久的に凍結、すべてを五条悟・虎杖雄二・釘崎野薔薇・伏黒恵に一任する事となりました。
<<秘匿術式の解呪を確認......>>
<<解呪者○○ 〇〇確認。情報の開示を許可>>
□□月□□日 PM□□:31
上層部の全会一致で"特級呪霊【主(master)】"の秘匿処刑を決行。
1級呪術師12名、準一級呪術師20名、2級呪術師約40名の総勢72名の大規模部隊での処刑を決行
それにより"特級呪霊【主(master)】"は抵抗、呪術師側に大規模な損害を受けました。
"特級呪霊【主(master)】"が呼び出した二体の式神の手によって
1人を除き他71名全員意識不明の重体。そして重体の呪術師の八割が一般人と同等の0にまで呪力が消滅、今現在呪力は全く回復していません。
一人無傷だった1級呪術師は大きな心的外傷を受けていました。重度のうつ病とパニック障害を患い、1名は呪術師を引退、その後自室にて自殺を図り今現在精神病院にて隔離
そして今回の秘匿死刑に賛同した上層部の4名、その内3人が片腕・片足を失う重症、一人が頭部の破裂により死亡しました。
この一件は絶対に他呪術師に知らせてはいけません、絶対に"特級呪霊【主(master)】"には攻撃しないでください。攻撃を行おうとした呪術師が見つかり次第、速やかに"処断"するように
{■■■■■■■■■■■■}
■■:■■ ■■:■■■■
あれは警告だ
あれは未だ本気なぞ出していなかった……
あれは処刑に選んだ呪術師は殺そうと思えば殺せたハズ……なのにしなかった
対象が我々の監視と処刑に気付き、対象は我々の所在地を特定し警告を伝えてきたのだ。
対象は我々の位置を何故か確実に見つけ出す、奴はこう伝えたいのだ「私は常に見ている」と……
あの男に任せるしかない、今回は我々は絶対に手を出してはいけない
あれは災厄だ、あれは地獄そのものだ
あれは――
――祓ってはいけない
{■■■■■■■■■■■■}
■■:■■ ■■:■■■■
あの呪霊には悪意が無い――
あの呪霊には敵意が無い――
あの呪霊には――
――殺意が無い
それゆえに恐ろしい、奴はいかなる時でも殺意なく敵を屠る。
奴は何処かに戻ろうとしている、それは阻止するべきか見届けるべきか――
見届けるなら我々に危害は出ないだろう、ただこの星は不確定で最悪な結末を迎えるかもしれない……
阻止すれば確実に危険因子を処理できるだろう、ただ損害は世界規模になるだろうが……
どの手を取っても世界にとって最悪な結末を迎えるかもしれない……
ならば、まだ生き残れる可能性がある後者を選択するべきだ。
あれと戦うなら――
――宿儺の方がマシと思え。
{■■■■■■■■■■■■}
■■:■■ ■■:■■■■
人間は愚かな事をしてしまった
アレは過去の過ちを清算する為に生まれたのだ
特級は人間の恐怖の感情から生まれた物が多い、ではアレは何から生まれた?
今回の件で分かったのはアレの呪いは日本だけじゃない、
アレを形成した呪いの根源は――
――
アレは今まで地球で起こった全ての悪意を集めた存在……
あれこそが地球が抱いた"この星の人類への怒りと殺意"そのものだったのだ
宇宙に浮かぶこの星は何世紀も前の人類から恐れられていた
それが全て集約した存在だ、そうに違いない……でなければ……
私達は過ちを犯した――
あれこそがこの星が産み落とした、人類への呪いなのだ――!
"特級呪霊【主(master)】"への危害を加えてはいけません
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<秘匿済み> 記録映像#0000
・考察・推察は大歓迎です。感想欄にてお好きなように考察していただいて構いません。ただし喧嘩等が起こらないようご注意ください。
これは呪術師上層部が満場一致の賛成を得て下級・中級呪術師に秘匿された映像となります……
【再生】
(映像は深い森をかき分け進む映像から始まる1級呪術師一人の胴体カメラの映像)
「これより対象がいる廃寺に侵入する」
<何十人もの呪術師が山奥の廃寺を囲う様に集結、地道に距離を縮めながら廃寺玄関前に5人の1級呪術師が侵入>
「対象を補足」
<廃寺の奥で掛け軸を眺めて立つ特級呪霊【仮呼称・主(master)】の姿が見える。特級呪霊【仮呼称・主(master)】は侵入者に気付き振り返る>
「……だ…れ?」
「特級呪霊【仮呼称・主(master)】、呪術総監部からの名によりお前を処断する」
「……?」
<【仮呼称・主(master)】は現状を理解できていないのか言葉を出さず首を傾げる>
「呪霊は悉く……払われよ!」
<一人の術師が背中に背負った太刀に手を掛け呪力を流す、刀は術式によって刃だけが複製され6本の太刀の刃が周囲を漂う>
「せぇい‼‼」
<太刀を持った術師はおもむろに太刀を振り下ろす、その動きに合わせて浮遊する刃も同じく特級呪霊【仮呼称・主(master)】目掛け刃を振るい落とす>
「……。」
<周囲に埃が舞い上がるほどの衝撃が廃寺とカメラを揺らす、だが特級呪霊【仮呼称・主(master)】は傷一つ付いておらずその影から一本の黒い帯が伸び太刀を全て防いでいた>
「なっ……!」
「くぎさき……かんけいない?……えらいひと……おそってきた……?」
「あ ナたたちハ…………アア あぁ ナた" メ おsあeエ ロ ワ わタ……」
<黒い帯が攻撃を仕掛けた術師の喉を締め付ける>
「……ハァ……はぁ……あ…あぁ」
「がぁ……!」
「">F<R#WS……ころ…さない……ていど…に……呪え」
「……了解です、マスター」
<帯に締め付けられた呪術師が突然苦しみ始める、術師の体からは赤黒い煙が噴き出し始め帯に吸い取られていく。>
「がぁああ、あ”あ”あ”あ”ぁ”あ”あ”あ”あ”あ”ぁ”あ”ぁ”ぁ”あ”あ”あ”あ”ぁ”あ”ぁ”あ”あ”‼‼‼」
「あまり騒がないでください、耳に響きます……」
<呪術師から出た赤黒い煙が出なくなると帯は呪術師を廃寺の右側の壁に投げ捨てた。呪術師は壁を破り4~5m程吹き飛ばされる>
「な、なんだ……今の⁉」
「じょ、情報には無い力だぞ⁉」
「怖気ずくな!特級とはいえこの数だ……!必ず払える!」
<残った4人がそれぞれ術式を展開する中、特級呪霊【仮呼称・主(master)】の影からはさらに何本も黒帯が伸び周囲を漂う>
<そして、いつからいたのか特級呪霊【仮呼称・主(master)】の背後に首裏から手を伸ばし抱き着いた高校生程の身長をした何かが立って居る>
「なに……したの」
「ああ大丈夫です、ただあの人の呪い全て奪い術も使えない呪いも貯められない一般人に戻してあげただけです」
「そう……なら…いい。……ころす……くぎさき……きずつく…だめ」
「わかりました、注意します」
<黒い影と何か話しているが強いノイズの様なモノが掛かり解読が出来ない>
「な……」
「では……サーヴァントアヴェンジャー・桜……まいります♪」
<影から伸びた無数の黒帯が暴れまわり廃寺を粉々に粉砕する、映像はレンズが壊れ殆ど見ていないが響く轟音と呪術師の悲鳴だけは鮮明にカメラに収められていた>
以上の映像は特級呪術師、又は上層部の認可が下りた者のみ閲覧可能です。
一級以下の呪術師には閲覧した情報、の伝達は行ってはいけません、情報が漏れた場合術式による記憶消失・および改ざんを施し、流出した者を処断してください......
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【仮呼称・主(master)】 秘匿記録
※時系列は虎杖が死亡と通達が行われる前、七海との邂逅も行われていない時期になります。
・考察・推察は大歓迎です。感想欄にてお好きなように考察していただいて構いません。ただし喧嘩等が起こらないようご注意ください。
【とある監視カメラの映像記録】
再生します……
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(あるカフェにて)
七海 建人
「……なんですか、この書類は」
伊地知 潔高
「五条さんがこれを貴方に渡しておいてくれと」
七海 建人
「……呪霊に関する書類ですか(にしても書類が多い、5枚も必要なのだろうか……)」
「それで、これは何の資料なんです」
伊地知 潔高
「…七海さんは、最近確認された特級呪霊をご存じですか」
七海 建人
「ええ、子供程の大きさの呪霊でしたよね。明確な対処法が無く五条悟に監視を任せていると、上から報告は来ていました。脅威レベルは現状の宿儺と同等と聞いております」
伊地知 潔高
「はい。その呪霊に関する以前纏め上げられた資料4枚と最近作成された追加の資料1枚になります」
七海 建人
「そんなモノ、私が関わる事などないでしょう。わざわざ読む必要など…」
伊地知 潔高
「「絶対関わることになるから、読むべきだと伝えて」…読む必要などない、そう答えた時はこう伝えれば良いと…五条さんから」
七海 建人
「(……想定済みですか、あの男の嫌なニヤケ顔が目に浮かびますね)分かりました、後ほど読むと致しましょう」
伊地知 潔高
「いえ、この場で読んでいただきたいです。その書類は後ほど完全に処理することになりますので」
七海 建人
「(…この書類、それほど重要な事なのか。いったい、何が書かれて……)わかりました」
(七海が渡された書類を読み進める。以前の発見記録、能力調査等の資料を読み進めている)
(その最中、最後5枚目の資料に目を通した七海の表情はさらに険しく、硬いものへと変わった)
七海 建人
「これは……」
(その紙にはこう書かれていた――……)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
〈特級呪霊【仮呼称・主(master)】の術式について〉
特級呪霊【仮呼称・主(master)】の術式は召喚術式とは別の術式が確認されています。
この術式に関して、特級呪霊【仮呼称・主(master)】は知識を持っておらず、完全なる無意識下で発動・行使している可能性が示唆されています。この術式に関しての記憶は本人に自覚がなく、特級呪霊【仮呼称・主(master)】はかの術式は式神が行使したモノだと認識しております。
その威力は強力で、五条家に伝わる無下限呪術に匹敵する威力と範囲、対応力を有していると思われますが、その真意は未知数です。
※術式の名称は術式の第一発見者である「禪院 真希」「狗巻 棘」の二名の証言を下に、五条悟が仮称として命名したモノを記載していることを追記します。
【東京都立呪術高等専門学校 2年生 3名の証言による記述】
報告によると2年生3名の任務中に"特級呪霊【仮呼称・主(master)】"が突如合流。"特級呪霊【仮呼称・主(master)】"によると「嫌な気配を感じ取ったから、気になってきた」と説明を受けた。
その後仕方なく同行を許可した3人と共に呪霊の討伐を開始。2級程度の呪霊との交戦であったが、呪霊は独自の術式とし核を消さない限り消えない増殖性だと判明。
「禪院 真希」、「狗巻 棘」、「パンダ」の3人の尽力と"特級呪霊【仮呼称・主(master)】"の挟撃のかいもあり、増殖を繰り返し半径430mにも広がりを見せた呪霊を半径15mにまで押し返した。
だが呪霊の増殖は止まる事を知らず、2人の呪力と一人の体力は底を尽きかけていた。そんな中別所にて呪霊と対峙していた"特級呪霊【仮呼称・主(master)】"が合流。その際に"特級呪霊【仮呼称・主(master)】"は今まで見せたことの無い能力を発揮した。
"特級呪霊【仮呼称・主(master)】"が二言口にすると、左手の五指の先端から青い光を放ち、細長い糸状となって特級呪霊【仮呼称・主(master)】の周囲を漂い始めた。
その糸に関して、高密度の呪力と未知なるエネルギーを感じたと呪骸であるパンダが証言している。
その見た目が極小の水の糸の様に感じ、ほのかに冷気を帯びているのか寒さを感じると3人の証言が一致していた。
"特級呪霊【仮呼称・主(master)】"はその糸を操り、周囲の大地に向け糸を通すと、糸が繋がった無機物が動き始め、その形を人型へと変えていったという。その姿は以前報告書に上げていた式神の姿に酷似しており、土、水、木、岩、あらゆる糸が繋がれた無機物が式神を象った人形へと姿を変えた。
その数は数えられるだけでも50体は超えており、同じ姿をした式神姿の人形が確認されており、普段"特級呪霊【仮呼称・主(master)】"が使用している術式では同一の式神の多重召喚は行えない事が確認されている為、普段の術式では見られない現象であった。
その後、糸に繋がれた式神を象った人形の軍は呪霊を鏖殺。その性能は普段呼び出される式神との違いは内容に思われ、それぞれの式神が持つ能力等を振るい呪霊を払った。
この術式の正式名称は不明。その為"特級呪霊【仮呼称・主(master)】"が口にした言葉を術式の仮称とし、明記する。
「
この術式の恐ろしい箇所、それは術式の「規模」とその「性能」、そして人形が有する「性質」である。
【術式の規模・性能】
この術式の能力自体は単純、「無機物を自身と同じ式神同等の人形へと変質させる糸を無数に創り出す」というモノ。その他のオプションが1つを除き存在せず、この術式は前述した能力以外の応用性や利便性が存在しない。
それはつまり、前述した能力を極限まで磨き上げた能力という事になる。その真価は一人の特級呪霊が国を、世界を揺るがす大隊を形成できる可能性が浮上した。
式神によっては呪術師総出での対応が必須になる存在も確認されている"特級呪霊【仮呼称・主(master)】"の式神、そんな式神が同一の力を有する人形として軍団を形成できる。この事実は日本だけでない、世界各国の呪術界へこの脅威を発信しなければならない事案へと発展した。
【術式の性質】
この術式の性質にその継続能力があげられる。
術式で生成された人形50数体は、ほぼ無制限に増殖拡大する呪霊との戦闘を30分以上続けていた。それほどの継戦能力を発揮した理由は人形の「復元能力」によるものだ。
青い糸に繋がれ動き出す人形はどれだけ破壊されても周囲から同質の物質が存在している場合、自動的に周囲の物質を人形が取り込み破損個所を修復することが判明した。
この「復元能力」は糸そのモノが術式で断ち切られればその糸に繋がれた人形は崩れ去り元の物質へと戻る。
だが、糸は次なる人形を創り出すため再度周囲の物質を集め始める為、実質人形は減る事は殆どない。つまりどのような場所であっても、"特級呪霊【仮呼称・主(master)】"は最上級の軍団を創り上げけしかける事が可能であると考察される。
(※資料の末尾に現状術式の糸が人形を創り出した物質の詳細を記載)
それはつまり、"特級呪霊【仮呼称・主(master)】"を完全に祓うためには「ほぼ無尽蔵に生み出され、破壊しても戻ってくる人形と本体が使役する式神を押しのけ、式神の姿身と力・武装を宿すことが出来る本体を払う」事が前提条件となる事が判明した。
【今後の対応について】
"特級呪霊【仮呼称・主(master)】"の危険度を再分類中。その危険度は特級を超える者とし、新たな階級を設立中。
"特級呪霊【仮呼称・主(master)】"、そして現特級に分類される"両面宿儺"この二名の危険度を更新。"両面宿儺"が新たな階級に値する呪霊か上層部は後日会議を開くものとする。
"両面宿儺"の依り代である「虎杖 悠仁」の処遇関しては現在は現状維持とする。後日上層会議をもって秘匿処刑の強制敢行に対しての議論を行うものとする。
追記
上層部はこの報告を受け、"特級呪霊【仮呼称・主(master)】"を特級のさらに上、別名義の存在であると結論付け「"特級呪霊【仮呼称・主(master)】"への"無期限"討伐禁止令」を日本各地へ伝達。これを徹底させることを求めた。
※もしこの禁止令を破り、"特級呪霊【仮呼称・主(master)】"への呪霊払いを行う者が現れた場合、"特級呪霊【仮呼称・主(master)】"への危害が加えられる前に、件の呪術師を呪詛師へと断定し、生死問うことなく確実に処分せよ。
末尾に現状糸が人形を創り出した物質の詳細を記載する。
「山岳の土」「小川の水」「山で形成された霧」「樹木」「岸壁の岩」「川の中の小石」
「呪霊の攻撃により樹々に燃えた炎」「自動車」「バイク」「電柱」「コンクリート」「ガードレール」
「建物のガラス」「布製品」「プラスチックごみ」「車両から漏れ出たガソリン」「自動販売機」
等々……
※その他物質への適応能力については要検証
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
七海 建人
「……。」
伊地知 潔高
「ご、ご確認いただけたでしょうか?」
七海 建人
「……ええ。ただ到底理解しがたいですね、これほどの脅威が生まれていたとは(やはりあの男…この面倒事に一枚私を噛ませようとしていますね……今度会ったら殴りたい気分です…どうせ殴れませんが)」
伊地知 潔高
「いま本部ではこの呪霊に関する話題で持ち切りです。それに噂ではありますが、上層部の一部がかの特級を払おうとし逆に殺された……なんて噂が立っています」
七海 建人
「そんな噂、一体どこから流れて……いくら上層部の人間が汚泥の寄せ集めとはいえ、そこまで馬鹿の集まりと言う訳ではないはずですが」
伊地知 潔高
「噂の出どころは何とも…ですが、噂になっている上層部の人間の家系や組織が突如として静かになり、その後今度は一変して急にバタバタと組織・家系内が慌ただしくなったという話が流れているのは事実です。事実最近噂の上層の人の姿を見ていないという話しもチラホラ……」
七海 建人
「あながち嘘ではないと言う訳ですか。それで、何故私がこの呪霊の関わりを持つと?」
伊地知 潔高
「い、いえ……あの…そこまでは私にはなんとも……なにせあ、あの五条さんから言われただけですので……」
七海 建人
「……。(ムカッ)」
伊地知 潔高
「で、では私はこれにて失礼します……!」
(伊地知が七海の下から去る。彼が深く読み込んだ書類を受け取り去り際ライターで燃やし処分した)
七海 建人
「あの男……本当に余計な面倒事を連れ込む気じゃないでしょうね……」
七海 建人
「はぁ……これだから呪術師というのは、クソなのです」
(悪態を付きながら、七海は服装を整えこの場を去っていく)
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――再生を終了します。
カチッ……
カチカチッ……
※注意!この録画を完全に消去した場合、戻すことはできません。
はい◂ / いいえ
削除完了しました。録画は完全に消去されました――――……
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【カルデア 特異点C:《呪術■■■■ ■■■受胎■■》】記録ファイル (FGOサイド)
特異点 活動記録①
・考察・推察は大歓迎です。感想欄にてお好きなように考察していただいて構いません。ただし喧嘩等が起こらないようご注意ください。
2018年■■月■■日 記録者・間桐 桜
異変が起きたのは■■月■■日の昼頃、マスターはいつも通り英霊の皆様と体術の訓練をしていました。
メンバーはレオニダスさんにケイローンさんだったと思います。私はマシュさんと共にマスターさんの応援をしながら色々お話をしていました。12時を知らせる音色が聞こえ、マスター達は休憩を入れることになり、私はマシュさんと共にマスター達にお水やタオルなどを渡しに行きました。
もはや日課となりつつある名のあるサーヴァントとの稽古、そのおかげもあって、戦闘時の動き方等が大きく変わり、パルクールに似た動きもできるようになりました。それもあってか最近の訓練はよりビシバシと大変なものとなっていましたが…
その日の訓練後、私達と昼食をとろうという話になりまして一緒に向かう事にしました。その時、立ち上がろうとしたマスターがふらつき倒れそうになったのです。
最初は皆訓練の疲れのせいだろうと、思っていたのですが。マスターさんはどんどん顔色が悪くなっていき、ついには意識を失い倒れてしまいました。
マシュさんが必死に声をかけても一切返答はなく、私は急いで医務室のサーヴァントの皆さんを呼びに、ケイローンさんはスタッフの方々に報告という形で行動しました。
私は医務室に行くとナイチンゲールさん、アスクレピオスさんが居ましたのでマスターさんの容態を説明し、受け入れの準備をしてもらいました。
少しするとレオニダスさんとマシュさんがマスターさんを抱えて医務室に到着、すぐに診察の方が始まりました。
マスターさんの診察結果を待つ間、マシュさんはとても不安そうな顔をしていましたので、私は彼女をなだめることしかできませんでした。一方レオニダスさんは他の英霊の方、「溶岩遊泳部」(?)と呼ばれていたお三方に囲まれ怒鳴られていました。無理をさせ過ぎたのでは!とか、無茶な特訓を無理矢理させていたのでは?とかすごい剣幕で。さすがのレオニダスさんも対応しずらいご様子でした。後ほどケイローンさんが仲裁していので大丈夫だと思いますが
20分後、診察が終わったというアスクレピオスさんが診察室から出てきました。結論から言うとマスターさんは命に別状は無いとの事、その言葉を聞いて診察室に集まっていた英霊の皆さんは少し安心したお顔をしていました。
ですがアスクレピオスさんはこれは病や精神的疲労などのせいではなくマスターさんは"精神部分を何かに隔離された状態"だと言いました。どうゆう事かマシュさんが聞くと、マスターは以前からたまに"レム睡眠の様に眠りにつき、精神世界の特異点とも言える場所に行くととがあった"との話がありまして、今回はその重症版。睡眠ではなく意識を失った理由は、強引にその精神世界に引き込まれたからではないかと。
そんな話を聞かされた時、指令室から連絡が届きました。どうやらマスターさんの失神とほぼ同時刻に日本の関東周辺で特異点が"急に発生"したと。マスターさんがそこに居るのか確認はとれていないけど、絶対に無関係じゃない。ダヴィンチちゃんはそう言っていました。
マスターさんが居ない中誰がその特異点の調査をするのか、話してくれと頼まれ。会議をしようとしたところ。とあるサーヴァントが言いました。
「マスターとの繋がりが強くなっていくのを感じる、呼ばれてる気がする」と、そういったのは私の大先輩にあたる方、アンリマユさん。彼はそういうと私の方をみて「おまえさんも、繋がりが強くなった感じしないか?」と声をかけてきました。私はすぐさま目を瞑り、マスターとの繋がりを確認しました。
"強くなっている"、それもどんどん強くハッキリと。その事を伝えるとダヴィンチちゃんは「それが鍵になるかもしれない!至急二人で特異点に向かってくれ」と指示がありました。
私はマスターさんが居ない中でのレイシフトは初めて、少し不安がありました。ですがマシュさんや他の英霊の方達が私をみて「お願いします!」と言ってくれました。こんな悪に染まり、アヴェンジャーとして登録されてしまった私に…… 皆さんの思いをしっかり受け止め、私はアンリマユさんと共にコフィンに入りレイシフトを開始しました。必ず助け出すと決意を決めて
ここから先は、出発前にマシュさんから頂いた多機能通信機にて記録した映像を下記に添付しますのでご確認ください。
追記:これからの方針として活動記録の方は映像で取る事にし、現地調査記録の方は文面にて纏めることにしました。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
[映像記録再生]
桜:さて、レイシフトが完了したと思ったら、一面暗闇ですね。アンリマユさんは、青い模様が目立つので大丈夫そうですね
アンリマユ:え、俺っちを懐中電灯かなんかにしようとしてる?
桜:フフッ、冗談です。でも本当に周りは暗くて何も見えませんね
アンリマユ:だなぁ、ここが町なのか森なのかすらわからねぇ。なぁ嬢ちゃん、嬢ちゃんが操ってる触手みたいな影使って辺り捜索できねぇ?
桜:いいですけど…、それをして誰か現地人が影に触れたら、下手したら死人がでますよ?
アンリマユ:大丈夫、大丈夫。だって此処"人間の存在"感じないもん
桜:えっ?なんで人が居ないと分かるんですか?
アンリマユ:なんて言うかな…ひとの生気っつうの?それが全くないんだわ。むしろ感じるのは人間の悪意だね
桜:人間の悪意、ですか…
(突然周りの雰囲気が変わり、赤茶色の石で構成された洞窟のような景色に切り替わる)
アンリマユ:こりゃ、敵さんのおうちっぽいな!
(視線の奥からペタペタと裸足で歩いてくる何かが近づいてくる。複数の目を持ち、灰色の皮膚をもった人型のエネミーだった)
エネミー:キィイヒヒヒヒィ!!
アンリマユ:おうおうお前がここの主か?
桜:これは、対話は出来なさそうですね
エネミー:キィイイイイ!
(エネミーがオレンジ色のオーラのような物を手に纏い、弓を引き絞るような動作でオーラの塊を引っ張る)
桜:それを撃ち込むと?
(エネミーは笑いながらオーラの塊を撃ち込む)
桜:えいっ
(桜は足元から影の触手を一本出すとペシッと簡単にオーラの塊を弾く)
エネミー:イィイイ!?
アンリマユ:なんだ?あっさり弾いちまったがもしかしてあいつ弱い?
桜:どうでしょう、エネルギーの弾に触れた時呪詛のような物を少し感じましたが
アンリマユ:こいつは呪いをオーラとして出せて、それを具現化して撃ち込んだと?
桜:おそらくそうでしょうね
エネミー:ギィイイイアアアァアアアア‼‼
(エネミーは自分を無視されて腹を立てたのか、オーラを拳にまとってアンリマユに殴りかかる)
アンリマユ:おっと!
(アンリマユはエネミーの攻撃を簡単に躱すと、奇形の短剣を取り出す)
アンリマユ:…ほぉ、お前面白いねぇ。存在そのものが"呪詛で形成"されてるのか
エネミー:ギィイイ!!
アンリマユ:騒ぐな騒ぐな、言っとくがお前は俺っちに勝てねぇぜ?"
(アンリマユはエネミーの攻撃を奇形の短剣で数回切り付けると、エネミーから炎が現れ消え去った)
アンリマユ:いやぁ勝てた勝てた!まさか俺が勝てる奴が"人間"以外にも見つかるとはなァアッハッハァ!!
桜:楽しそうですねぇ、毎回思いますけどそんな弱さで本当に私の先輩だったんですか?
アンリマユ:おうさ、ってもお前さんの体に籠ってた"
桜:そうなんですか…と、あの敵さん倒したら周りの風景が変わってきましたよ?
アンリマユ:こりゃあ俺達はさっきまでアイツの固有結界に似た何かに居たっぽいなぁ、ここはぁ……森か?
桜:みたいですね……あちらの山の方にはお寺らしき物も見えますので、しっかりここは日本なのは確認できました
アンリマユ:あそうだ、戦闘してて忘れてたがカルデアに通信は?
桜:……ダメみたいですね、通信以外の機能は変わらず使えますが。というかいつの間にか自動的に映像記録とってますね
アンリマユ:たしかダヴィンチが言うには、『周囲の魔力を少しずつ収集して稼働する装置だから、ほぼ半永久的に使える物』って話よな。
桜:そうですね…それで魔力で気づきましたが、ここ魔力の質と量が明らかに違います。
アンリマユ:すげぇ質のいい魔力がただよってるよな此処、それと"呪いの感覚が強い"のも異常だ…。
桜:この呪いの量、現実ではありえません。もしかしてこの"呪い"の多さが私達を引き付けた理由?
アンリマユ:だろうなぁ、呪いの塊である俺と呪いの塊をその身に宿した嬢ちゃん。一番莫大な呪いをその身に宿した者同士、この世界は相性がいいんだろうなぁ
桜:……私は好きでこんな体になったわけでは無いです。
アンリマユ:っとそうだった、悪い悪い……。で、この先はどう動く?
桜:とりあえず、先ほど見えたお寺に向かいましょう。この辺りが何処なのかわかるかもしれません
アンリマユ:了解ー♪じゃ前よろしく!
桜:……貴方が前に出たらどうです?この世界と相性いいんですから
アンリマユ:相性は確かにいいが、それでも俺は"史上最弱の英霊"だからな
桜:はぁ…そうですか
(会話の後数分間森を歩む映像の為割愛――重要になりそうな映像記録はありませんでした)
(寺に続いているであろう階段を発見。現在登っている最中、会話は無いため省略―― 4分後、階段最上到着。)
アンリマユ:さて、階段上って本殿登場!ってすごいボロボロだなぁ
桜:ですね、大分昔に廃棄されたようですね…っ!今感じましたか?
アンリマユ:……あぁ一瞬だが感じた、マスターの繋がりの感覚。こりゃあここでビンゴだな
桜:本殿らしき建物から感じました…行きましょう
(本殿に入る二人、中はボロボロに朽ちている柱や畳が見える。本殿の奥に進むと周囲と比べて変に綺麗に残っているエリアが現れる)
アンリマユ:おーい嬢ちゃん、こっち来いよぉ!
桜:これは……あきらかにここだけ風化が進んでないですね
アンリマユ:滝が描かれた掛け軸みたいだが、"魔力の方"は感じねぇな
桜:ですね、魔力の方は…でも
二人:呪いの方は強く感じる
アンリマユ:この掛け軸の辺りから呪いが濃いが、掛け軸自体が呪われてるのか?
桜:いいえ、多分その後ろに…
(桜が掛け軸をめくり後ろの木の壁を押すと、壁が動き地下へと続く階段が現れた)
桜:これですね、呪いの感じも強く感じますが
アンリマユ:"マスターのつながりも強く感じる"だろ?んじゃさっさとおりてマスターと合流しようぜ
桜:えぇ行きましょう……待っててくださいね、
(二人は階段を下り始める――)
[映像停止……長時間映像の為、分割した続きはリストからご確認ください]
[映像終了]
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マスターの戦闘技能・身体検査記録
・考察・推察は大歓迎です。感想欄にてお好きなように考察していただいて構いません。ただし喧嘩等が起こらないようご注意ください。
マスターの身体検査記録①
呪術に長けたサーヴァントである「蘆屋道満」、魔術の観点からキャスタークラスを複数呼び出し、マスターの身体の検査を開始
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【キャスタークラスの見解】
・現在のマスターの状態は英霊のソレに近い状態になっている
・今のマスターの場合、英霊は魔力で構成された体をもって行動するが、今のマスターは呪いによって構成されている
・だが英霊で言う「霊核」の部分は今のマスターには存在せず、もし死亡・あるいは浄化された場合マスターがどうなるかは現状不明。
・呪いの質は"
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【蘆屋道満の見解】
・まずマスターが持つ呪詛は現状、マスターの身体には害を出しておらずむしろ強化に近いモノを与えているらしい
・だが精神の面はいくらか変質している可能性はあるとの事、要注意
・呪いの質は"
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
〔呪詛の質・量について〕
「蘆屋道満」の調査によると現在マスターが抱えている呪いの量は世界中の呪詛を集めた"
そして"呪詛の質"、「蘆屋道満」曰く呪いには簡単に分けて2種類存在するらしい。
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・1つは【嗜好性を含んだ呪詛】
人類が必ず思う"他者への不満"や"殺意"、"他者が不幸に陥れと願う願望"によって生まれた呪詛の殆どがこの分類。
・"他者への意図的な悪意"を向けた呪詛は、呪詛その物に"他者を傷つけたい"という"嗜好性に似た性質"が加わっている事が多い。
「蘆屋道満」が扱う"呪詛を含んだ術式"や"
・もう一つは【純粋な呪詛】
【純粋な呪詛】とは人類が他者を妬み嫌い殺意を抱き生み出す【嗜好性を含んだ呪詛】とは相反する存在との事で、あらゆる生きとし生ける物全てが感じる"自然への恐怖"や、"死と言う概念への恐怖"から生まれるのが【純粋な呪詛】に分類される。
・これは何故か"妖や神霊が抱く恐怖"からも発生するらしいが理由は不明。
現状わかるのはマスターが持つ呪いの約6割が全てこの【純粋な呪詛】に分類される物だそうだ。
・そして「蘆屋道満」はその【純粋な呪詛】の割合が多いのが不可思議と言う。
数多の生物は死の恐怖を感じその身に【純粋な呪詛】を持つ事はあるが、大抵は生物が多く感じる他者への殺意や不満で生まれた【嗜好性を含んだ呪詛】をため込んでいるのが殆どらしく、【純粋な呪詛】の割合が多いのは神霊や妖、そして……
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【マスターの現状況】
マスターは数多の特異点や異聞帯をめぐり、その世界で生きる他者がその世界で感じた恐怖や殺意で生まれた呪詛、戦いを挑んだ神代の神々等の世界を守る為に生み出した怒りや殺意の呪詛を全てその身で受け止めていたと考えられる。
特異点、異聞帯は無かった事、消滅といった似た結末にたどり着く為特異点・異聞帯で発生した呪詛はその世界が"変わっていった原因"・"その世界を統治していた存在を倒した者"……つまりマスターに集約されてしまっていた可能性がある。
【純粋な呪詛】の割合が多いのは、特異点で倒したティアマトやゲーティア、異聞帯で倒した神霊やゼウス等の神々がマスターに向けた怒りや憎悪が原因と思われる。
それらの呪詛はマスターの魂の奥で静かにため込まれていたが今回の"呪いが蔓延っている特異点"にて今まで受けた呪詛が活性化、表に現れたのではと考えられるがこれらはあくまで仮説、本当の原因は不明
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【英霊召喚と謎のカードについて】
マスターが特異点に到着した際最初から手元に置かれていたジュラルミンケース。
中に入っているのは裏に英霊のクラスが描かれたカード、表には何も描かれておらず白や黒の背景があるだけ……だがマスターがカードを使用する際に手に持ったカードにはカードの絵が現れる
※英雄が白、反英雄が黒の背景のカードに絵が浮かび上がる模様、守護者は属性が善で白・悪で黒
カードが持つ力は「イリヤ」・「クロエ」・「美遊」が扱う「
このカードを使って英霊を召喚した場合、英霊の言語は他者には激しいノイズの様に聞こえ、顔にはまるで黒いクレヨンで滅茶苦茶に描いたような謎のモザイクが掛かった様に見えているらしい。
マスターや他サーヴァントには顔の異常は見られないが、声はノイズが混じっているらしい。だが、第三者よりノイズは少ないらしく上手く聞こえていなくても言葉は伝わる様だ。
〔マスターの戦闘能力について〕
この特異点にてマスターは呪いを扱った戦闘技能「
〔
能力に関しては「
"ルビー"・"サファイヤ"の話によると「イリヤ」・「クロエ」・「美遊」の3人が扱う「
〔詳細〕
※「イリヤ」・「クロエ」・「美遊」の提案により名称を変更
【限定召喚
内容は『
【限定憑依
内容は「
だが「
【限定召喚
カードを媒介とし英霊を召喚する能力。最大12体と、以前の倍の数まで同時使役可能
この能力による召喚だと上記の異常がみられるが戦闘面は変化なし
宝具は威力の調整が可能で、英霊が"20%","50%","100%"の三段階で調整が出来る様
※一部英霊の"100%"宝具は生前の全盛期並の出力並の様ですのでマスター様に迷惑かけないように、調子に乗らず注意して使用する様に!
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