ピキピキはお姉ちゃん (水城伊鈴)
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Peaky P-keyに出会う前
誰メインとかではなく、ピキピキメインで書いていくつもりです。
投稿頻度については、僕の性癖を書くつもりなので、本編の「犬寄しのぶと幼馴染くん」のモチベが低下した時に息抜き程度で書くつもりです。
ある日の朝、小鳥のさえずりと共に僕は目を覚ます。
響子「籠里〜!朝だぞ〜って、もう起きてる。」
籠里「ん〜……。」
目を擦り、しっかりと目を開くと、お姉ちゃんが優しい顔をして僕の顔を覗く。
響子「おはよう!そろそろ着替えないと、遅れちゃうよ?」
籠里「うん、おはよう〜。お姉ちゃんは平気なの?」
響子「今日はしのぶが迎えに来るとか言ってたし、それまではゆっくり出来るかも。」
籠里「げっ、しのぶさん……。」
お姉ちゃんがその名前を出すと、僕はしかめっ面をしてしまう。
響子「もう、しのぶの事はごめんって。可愛い顔が台無しだよ?」
そう言い、僕の頬を突っつく。
しのぶさんとは誰かと言うと、お姉ちゃんが結成したDJユニットのPeaky P-keyのDJをやっている人だ。そして僕がしのぶさんを嫌っている理由、それはお姉ちゃんが中学生の時、DJしのびんと言う謎のDJにハマりだし、それから会話をする度に「しのびんさんが〜」と付け、僕に見向きもしなくなっている時期があった。今は、いつも通り仲良くやって行けているが、その頃の事もあってしのぶさんは少し苦手なのだ。
ピンポーン
響子「お、しのぶ来たみたい。じゃあ、遅刻しないようにね。」
籠里「うん、行ってらっしゃい。」
お姉ちゃんは去り際に手を振り、家を出ていった。
籠里「僕も準備しなきゃ。」
手早く着替えを済ませ、朝ごはんを食べてから、僕も家を出た。
………………………………
楓「おはよう〜こもりん!」
籠里「こもりんって言うのやめてよ……おはよう。」
僕のことを「こもりん」と弄ってくるこの女の子は、春野楓。基本友達の少ない僕に、唯一仲良くしてくれる子だ。
楓「えぇー、こもりんって可愛いと思うんだけどなぁー。」
籠里「可愛いけど呼ばれるのはなんか違うじゃん。恥ずかしいよ。」
楓「こもりんは可愛いねぇ〜。ほんとに異性とは思えないよ。」
籠里「僕は男だよ!女扱いやめてって何回言わなきゃいけないの……。」
楓「本当は嬉しいくせにー、照れ隠しな奴め。」
恥ずかしそうな顔をする僕を見て、ケラケラと笑う楓に、少し睨んでみせた。
楓「あっ、そう言えばさー、この前のピキピキのライブ、良かったね。」
籠里「楓、ピキピキのこと知ってたんだ?」
楓「失礼だな〜私は前からファンだったよ。」
籠里「へぇ〜、もっと早く言ってくれれば良かったのに。」
楓「いや〜、言っても良かったけど、お姉さんの話になるとこもりん、止まらないからさ〜。」
籠里「うっ……。それを言われると耳が痛いかも……。」
楓「こもりんはシスコンなんだから。」
認めざるを得ないことを言われ、つい何も言えなくなってしまった。
先生「ホームルーム始めるぞー。自分の席に戻れー。」
楓「先生来ちゃった。」
籠里「だね、じゃあまた後で。」
僕は軽く手を振って自席に戻ると、先生がホームルームを始めた。
〜昼休み〜
楓「こもりんってお姉さんがピキピキのリーダーなのに他のメンバーのこと全然知らないねー。」
確かに、僕ってお姉ちゃんのことしか知らないなぁ。しのぶさんとかはどんな人かめちゃくちゃ聞いてるけど実際に会ったことないし、他の人に関しては聞いたこともないや。
籠里「お姉ちゃん自身、あんまりそこらへんのこと話さないからなぁ。でも、確かに僕も気になるかも。」
楓「帰ったら聞いてみればー?」
籠里「聞いたことあるよ〜。でも、毎回はぐらかされるんだよね……。」
僕はダラ〜と机に項垂れる。お姉ちゃんは隠し事はあんまりしない人だけど、ピキピキの人たちについては結構口が固いのだ。何回「これはまだ早いかな」と言われたことか……。
楓「まぁーわかると良いねー。」
籠里「そんな適当に言われても……。」
ふわふわとした顔をしながらそう言う楓に、呆れた顔で見つめる。
この時の僕は知らない、帰ったら家にピキピキの人たちがいたと言うことに……。
〜帰宅後〜
籠里「え、えぇ!?」
To be continue……
次回はピキピキのあの子が出てきますよ〜お楽しみに!
お気に入り等、お願いします!
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ピキピキ現る
楓「ピキピキってどんな人たちなんだろうねー。」
学校の授業が終わり、家に帰っている途中、楓は僕とは明後日の方向を眺めながらそう言う。
籠里「クールな人たちだと思うけど、お姉ちゃんは第三者のイメージとは全然違うからなぁ。」
楓「えー?響子さんが一番クールなんじゃないの?ライブとか見てて思うけど。」
籠里「ライブはね、家にいる時はクールと言うよりユーモアのある人って感じだよ。」
楓「へぇ〜、面白い人なんだ。あんまイメージないなー。」
籠里「でしょ?だってこの前なんて……。」
僕がお姉ちゃんについて話そうとすると、楓は割り込むように喋り出す。
楓「はいはい、ストーップ。これ以上は長くなるから禁止。」
籠里「なんでさ!?」
楓「こもりんはお姉さんとかピキピキの話になると長いんだから、今その話始めたら私、帰るの遅くなっちゃうよ。」
籠里「た、確かにそうだけどさぁ……。」
楓に少し冷たく離された僕は、しゅん……とした顔で彼女を見つめる。
楓「今度の休みとかに聞いてあげるから、そんな顔しないでよー。罪悪感半端ないじゃん。」
籠里「罪悪感って、そこまで思われるような顔してた?」
楓「こもりんの顔は女の子に引けを取らない可愛さだからねー。悲しい顔されると困惑しちゃうのよ。」
籠里「だから僕は男だって……」
楓「じゃあ、私こっちだからまた明日ね〜。」
言葉を言い切る前に、楓は手を振り、いつも別れる角を曲がって行ってしまった。いつになったら楓はちゃんと僕のことを男として見てくれるのかな……。などと考えながら、僕は家についた。
籠里(なんか騒がしい?)
ドアを開けると、お姉ちゃんと誰かがわいわいと話している声が聞こえてくる。
籠里「ただいまー。なんか騒がしく……な……」
響子「あっ!おかえり、ちょうど籠里について話してたとこだよ。」
???「あの子が籠里って子?」
???「すっごい可愛い子ね〜♪」
⁇?「……。」
見覚えのある声と顔をした人たちが僕の家で、しかも目の前で話していて、びっくりして口をパクパクとさせてしまう。
籠里「ピ、ピピ、ピキピキ!?な、なんでこんなところに……!?」
お姉ちゃんの部屋が空いてると思い、中を覗くと、ピキピキのメンバー全員がこちらを興味津々で見つめてくる。
響子「とりあえず着替えておいで。話はそれから、ね?」
籠里「う、うん。」
………………………………
お姉ちゃんの言う通り、手を洗い、私服に着替え終えてからもう一度部屋へ行く。
響子「戻ってきた。ごめんね、急に呼び止めちゃって。」
籠里「全然良いけど、ちょっと頭がこんがらがってるよ……。」
響子「この前のライブの打ち上げがなかなか出来なくてね。それの埋め合わせを今日しようってなったの。」
籠里「それでうちに泊まるってことになったの?」
響子「まぁ、そういう事だね。」
由香「それにしても、可愛い"妹"だね!」
籠里「んぇ?」
絵空「そうよね♪どこと無くしのぶに似てるかも?」
しのぶ「はぁ!?全然似てないだろ!……って、お前もなんか言えっての。」
籠里「……。」
妹って言われた……。少し複雑な気持ちで押し黙っていると、お姉ちゃんは「あはは……」と苦笑いしながら僕をサポートする。
響子「由香たち勘違いしてるけど、籠里って男の子だよ?」
由香、絵空「「えっ、弟なの!?」」
響子「そうだよ……。あと、女の子扱いされるの苦手なんだよね?」
お姉ちゃんは意思確認を取るかのように僕の方を見る。
籠里「う、うん」
しのぶ「そう言うのは最初に言えっての。初見じゃ流石に女にしか見えないぞ?」
由香「ご、ごめん!可愛かったからつい……。」
籠里「だ、大丈夫です。もう結構言われ慣れてるので。」
額に汗を浮かべ、苦笑いしながら答える。もう知ってたことだけど、やっぱり女の子に見えちゃうのか……。
絵空「でもこんなに可愛い男の子って言うのも罪よね〜♪」
ギュッ!
籠里「!?」
ええええ絵空さん!?僕は、びっくりしすぎて声も出せず、顔を真っ赤にした。
う、うぅ……絵空さん、柔らかい……///
響子「籠里、困惑してるから、それ以上はやめてね……。」
絵空「はーい」
少し残念そうな返事をし、抱き着いていた腕を解く。
響子「ほら、籠里も座ったら?」
籠里「う、うん……。」
お姉ちゃんが座りなよと促すので、僕はお姉ちゃんにくっつくように、横に座る。
由香「籠里ちゃ……くんって、ほんとに響子のこと大好きなんだね。」
籠里「は、はい。お姉ちゃん、優しいから……。」
絵空「じゃあ、私たちのことも響子みたいにお姉ちゃんって甘えてきてもいいのよ?」
しのぶ「事ある毎に色仕掛けすんなっての。」
絵空さんが僕に詰め寄って来ると、呆れた顔をしたしのぶさんが、絵空さんの肩を掴んで僕から引き離す。
絵空「えぇ〜、そう言うしのぶはさっきから無言だけど、もしかして籠里くんの事気になってるんじゃない?」
しのぶ「別にそんな事ないっての!ち、ちょっと色々あるんだよ……。」
色々ってなんだろう……。確かにさっきから黙ってたけど、僕のこと嫌いなのかな……。
響子「まぁ、籠里も来たことだし、さっきの話の続きしようか。」
籠里「なんの話ししてたの……?」
それから、あまりにも長く感じる夜が始まった。
語彙力死んでるかも。
次回「刺激が強すぎる!」
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