ブライト博士が神浜で二度としてはいけないことの公式リスト (ryanzi)
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一枚目

もしブライト博士が違法行為をするようであれば、誰でも気軽にリストに加えろ


1.ブライト博士は二度と財団を設立しないでください。

 1.ザ・ファクトリーは破壊しました。諦めてください。

 2.「螺旋の小道」は立ち入り禁止です。方程式も没収します。

 3.もはや財団設立のために異常物の製造は許可されません。

 4.魔女および使い魔の収容は許可されません。

 5.キュゥべえもです。

 6.これが最後です、ブライト博士。この世界に財団は存在しません。

 

2.ブライト博士は「俺はこうなる前は首飾りだったんだ」と吹聴しないでください。事実ですが。

 1.「ソウルジェム」はもっと駄目です。とくに新人魔法少女に対しては。

 2.「グリーフシード」と言って痛い目に遭ったのを忘れないでください。

 3.「八雲みたまに作られた人造人間」はある意味事実ですが、控えてください。

 

3.このリストの編集権限は中央区の魔法少女だけに委ねられてはいません。神浜市の全魔法少女に編集権限があります。

 1.いいえ、これは中立とかそういう問題ではありません。東西関係も関係ありません。

 2.このリストの編集権限をわたしへのプレゼントにしないでくださいbyみたま

 

4.神浜市長選に二度と立候補しないでください。科学者の統治する完璧な都市というSFはどうかSFのままにしてください。というか、もしその日が来たら私たちはすぐに逃げますよ?

 1.確かにあなたという敵を前にすれば神浜市の人々は団結するでしょうけど。

 2.県知事選挙にも出馬しないでください。県外にまで逃げなくてはいけなくなります。

 3.衆議院選挙にもです。国外亡命の手筈を整えるの大変なんですよ?

 4.お前もういい加減にしろよ?宇宙に亡命しろってか?byななか

 

5.梓みふゆに頭が良くなる薬を与えないでください。これ以上彼女を堕落させてはいけません。

 

6.ええ、確かにあなたは八雲みたまの料理を食べても死なないでしょう。ですが、いくら死なないといっても、無理をして食べる理由にはなりません。

 1.みたま、これ以上は私でも庇いきれんby十七夜

 2.諦めないで、みたまさん。私と一緒に練習しましょうbyこのは

 3.もう諦めてくださいbyまなか

 

7.加賀見まさらはギアーズではありません。そもそも誰ですか?

 

8.「Keterが脱走した!」は私たちには意味がわかりません。

 1.なるほど、「魔女が暴走した」は効果的でした。今後は非常事態のみ許可します。

 

9.万々歳が50点であるということは確かに不思議ですが、異常ではありません

 

10.これは最終通告だ、ブライト。部外者が神浜について語るなby十七夜

 1.戸籍を作ってもらったから何だというのだ?それで市民気取りか?

 2.そうはいうがね、街の東西対立なんて世界スケールで考えるとくだらないぞ?

 3.このリストで喧嘩するんじゃないbyひなの

 

11.七海やちよの胸はまな板ではありません。誰もが同意することですが。

 1.最後の部分を書いた子は怒らないから名乗り出なさいbyやちよ

 

12.ブライト博士が神浜市内の教育機関に立ち入ることは永遠に許されません。

 1.ただし、博士の職場である神浜市立大学だけは例外です。

 2.ブライト博士が教育機関(学習塾など)を設立することは例外とは認められません。

 

13.まったく関係ない一般人に魔法少女になることを薦めないでください。

 1.今後、里見メディカルセンターに近づくことは禁止です。もちろん、環いろはさんにも。

 2.不安になったので宝崎市に行ったら、いろはさんは魔法少女になっていました。ブライト博士は本当に反省してください。

 

14.宿命の対決は魔女同士を争わせる理由になりません。

 1.魔法少女同士はなおさらです。

 2.私たちは血に飢えているわけではありません。

 3.だから、これ以上やちよさんと十七夜さんを争わせないでください。迷惑です。



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二枚目

15.ブライト博士が偉大なる作曲家ということはありえません。だから、あなたのいた世界の曲を平然とパクるのはみっともないのでやめてください。

 

16.ブライト博士はカラオケで史乃沙優希の曲を歌うことは許されません。

 1.これは女性アイドルの曲全般に言えることです。

 

17.ブライト博士は「またオレ何かやっちゃいました?」と言ってはいけません。

 1.ブライト博士はスマホから何も召喚できません。

 2.前の世界ではどうか知りませんが、今のあなたは死に戻りしません。

 3.本気で生きるのは結構ですが、何か違います。

 4.ラノベ閲覧は禁止です。博士はなろう系主人公ではありませんbyかこ

 

18.財団の設立は禁止しましたが、Lobotomy社の設立も同様です。今後、ブライト博士がキュゥべえとエンケファリンを主としたエネルギー取引することはと禁止されます。それと、コギトの製造も。

 1.ノスフェラトゥは没収します。というかラオルの方じゃないですかby麻友

 2.麻友さんからノスフェラトゥを没収しますbyまなか

 3.まなかさんからノスフェラトゥを没収しますわby阿見莉愛

 4.ノスフェラトゥはアタシと一緒にいたいんだよbyひなの

 5.いい加減にしてよ???ノス君が私のところに逃げてきたんだけど???by梨花

 6.あと、余談ですが、ブライト博士はAを名乗ることを禁止します。はいbyれん

 7.Bと名乗って、変なメッセージを送りつけるのはやめてください。

 8.セフィラにさせられたB(認識フィルターなし)の段ボールコスプレもだよ?あやめが爆笑しすぎて喉に餅を詰まらせるところだったんだけど???by葉月

 

19.神浜市は「都市」ではありませんし、ブライト博士は「翼」に所属する研究者では決してありませんし、魔法少女は「フィクサー」ではありません。

 1.七海やちよ、和泉十七夜の両者を「特色」扱いするのも同様です。

 2.魔女を見て「あれは都市の星クラスだ」と言わないでください。

 3.二度と郊外に研究所を建てないでください。誰も光の木なんて求めてません。

 

20.夏目書房は「図書館」ではありませんし、かこさんは「館長」でもありません。そういうわけで、ブライト博士が「指定司書」になることはありえません。

 1.八雲みたまを館長にするのも駄目です。何の当てつけのつもりかしら?byみたま

 2.黒スーツ、黒手袋、黒仮面といったファッションは禁止です。あなたは「黒い沈黙」ではありませんし、ありもしない理由で魔法少女に復讐しないでください。

 

21.Lobotomy Coporationが財団に影響を受けたという証拠はありません。

 

22.今後、プロムンのゲームをプレイすることは禁止されます。

 1.自分で二次創作のゲームを作るのも駄目です。

 2.プロムンに参加するのも駄目です。保澄雫も彼の密出国に協力してはいけません。

 

23.ブライト博士は今後いかなる理由があれど、「人間賛歌」という単語を使ってはいけません。

 

24.20と似たようなことを書きますが、夏目書房は「放浪者の図書館」ではありません。それに、蛇を飼っているからという理由で秋野かえでを「蛇の手」の構成員とみなしてはなりません。そもそも、私たちはその二つがどういったものかも知らないのですから。

 

25.ブライト博士は魔法少女ではありません。男性です。私たちは未だにあの事件から立ち直れていません。

 

26.常盤ななかの一派は決して暴力団ではありません。

 1.マフィアと言い換えても駄目です。

 2.機動部隊と言われるのはかっこいいけどさあ・・・byあきら

 

27.ブライト博士の講義が大学で人気だというのは理解しています。ですが、「授業の準備」という名目で異常物体を生成しないでください。

 

28.ブライト博士は他の教授の授業の邪魔をしないでください。いいですね?

 1.たとえ、その教授があなたに嫌がらせをしていてもです。

 2.これ以上、私のキャンパスライフを乱すようなら考えがあるわbyやちよ

 

29.ブライト博士の手でヴェールは捲られるべきではありません。マジな話、アンタのことまでバレたらこっちにまで風評被害が及ぶんだよ。



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三枚目

30.何か一つでも異常な性質を有していた場合、それは正常なものではありません。

 1.正常な部品が含まれていようと、それは異常な動きを見せました。

 

31.ブライト博士には何が正常か異常か判断する権利はありません。

 1.スペイン宗教裁判は異常を審査する適正な方法ではありませんし、期待していません。

 2.これは3でも述べたことですが、中央区の魔法少女だけに委ねるものではありません。

 3.安心してください、ブライト博士。正常性審査委員会が設立されました。

 4.もちろん、あなた抜きでねbyみたま

 

32.ブライト博士が結界内で全裸になっているのを見た魔法少女はすぐに調整屋でカウンセリングを受けることを推奨します。

 1.調整屋内で全裸になっていた場合は、そのトラウマと永遠に向き合ってください。

 

33.いいですか?包丁は問題に対する解決策にはならないし、「嘘だ」というセリフも同様です。

 1.バット振り回して「クールになれ」はまったく説得力がありません。

 2.あなたが「にぱ~」と笑っても可愛くありません。

 3.「~なのです」って何よ?殺すわよ?byレナ

 4.ふゆぅ、別にレナちゃんの推しと羽入ちゃんは関係ないよbyかえで

 

34.ブライト博士が何度主張しようと「神浜症候群」は存在しません。

 1.確かに私たちはついつい手を上げがちですが、関係ありません。

 2.神浜の民度が低く見えようと、寄生虫のせいではありません。

 

35.エージェント ストレルニコフとやらはこの世界にいません。だから、今すぐ、スターリンの変装をやめてください。

 

36.ミナミーランドとミナミーシーは決してディズニーリゾートの一部ではありません。

 

37.ディズニー社は「翼」ではないので、「D社」と呼称することは賢明な言動とはいえませんし、ミッキーマウスは「特異点」ではありません。

 1.あなたの世界ではウォルトディズニーは異常になったのでしょうが、ここでは違います。

 2.「著作権」も「特異点」とはいえません。

 

38.Hoi4を300時間プレイしたからといって、それでベテランを気取るのは何かが間違っている可能性があります。

 1.二木市という街の魔法少女二人に自分がベテランだと主張しに行ったのは本当に間違っていました。彼女たちはもっと長い時間それをプレイしていたのですから。おかげで知り合うことができましたが、今度から自重してください。

 

39.ええ、ブライト博士の組織結成能力は目を見張るものがあります。ですが、あなたが設立した史乃沙優希のファンクラブが数日でナチスのようになったことは許されるべきではありません。

 1.史乃沙優希さん、わかりますよ。ブライト博士は普段の奇行さえなければ立派な大人かもしれません。だからといって、彼をテーマに歌うべきではありませんでした。

 2.なんであの〔削除済み〕野郎がさゆさゆにモテてんのよ⁉byレナ

 

40.FM神浜に二度とあのクソッタレなポエムを投稿しないでください。

 

41.ローラースケートを使用して、魔女に「一人ジェットストリームアタック」を仕掛けるべきでありません。

 1.魔法少女を二人用意してもだめです。天音月夜、月咲の怪我の責任はあなたが負うべきです。

 

42.ブライト博士が仕事を休む理由として、「36.6℃の異常な体温」はもはや認められません。

 1.「友人の死」も同様よ。私が生きていることに驚いた先生のおかげねbyやちよ

 2.たいていの病気と怪我は治癒能力を持った魔法少女が治すので安心して仕事してください。

 

 

ブライト博士に告ぐ

我々はもはや我慢の限界だ。

いつまで貴様の奇行に我慢すればいい?

いつまで貴様の我儘に付き合えばいい?

いつまで偽りの希望に縋ればいい?

貴様はどうして死なない?この化物め。

他人の迷惑くらい考えたことはないのか?

貴様の提案した重曹浄化法などもはや必要ない。

我々は、マギウスの翼。救済を与える者たち。

Vive l'insurrection(反逆万歳)

 

43.これはブライト博士に対する誹謗中傷をするためのリストではありません。

 1.犯人が誰かはわからなかったので、以前からブライト博士を罵倒していたレナさんに罰を受けてもらいました。

 2.ふゆぅ・・・大満足だようbyかえで

 3.なんでホテルから二人が出てきたんだ?byあやめ

 4.エッチなのはいけないと思いますbyかこ

 

44.ブライト博士は〔十八歳未満閲覧禁止〕を撮影してはいけません。水波レナの処罰映像は没収します。ブライト博士に協力していた秋野かえでも色々な意味で反省してください。



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リスト外:ジャック・ブライト博士の華麗なる一日

ジャック・ブライト博士の一日は早い。

まず、棺桶の蓋をゆっくりと開けて、背伸びする。

 

「うーん、いい朝だ」

 

彼の現在の住居は調整屋である。

意外と住み心地がいい。

彼はゆっくりと起き上がると、コーヒーを淹れる。

おっと、もちろん同居人の分も。

 

「あら、おはよう」

 

「おはよう、みたま」

 

朝食を作る前に、博士専用郵便受けに向かう。

そこには今日も色々な手紙が詰まっている。

ブライト博士は理系なのでそういった質問の手紙が多い。

あと、普段の奇行さえなければ立派なので、そういった手紙も一枚か二枚はある。

だが、もっと多いのが呪詛に満ちた手紙の数々だ。

今日の極めつけは、カミソリの刃がぎっしりと詰まった手紙だ。

 

「ぎゃあああああ!」

 

「ど、どうした・・・の、よ」

 

みたまは表情を無にした。

彼女が見たのは、両手を真っ赤にしたブライト博士だった。

 

「おいおい、せっかくの美貌が台無しだぞ?」

 

「・・・そういう冗談を言ってる場合じゃないわよ!」

 

彼女は急いでガーゼを持ってきて止血した。

 

「すまんな、今日は仕事に行けそうにない」

 

「・・・」

 

「冗談だって」

 

「・・・朝食は交代してあげるわ」

 

そこに、十咎ももこがたまたまやってくる。

 

「ちょっ!何があったんだよ!」

 

ブライト博士が簡潔に伝える。

 

「手紙、カミソリの刃」

 

「・・・差出人は誰だよ」

 

「どうせ書いてないさ」

 

「そうだよなあ・・・朝食はアタシが作ってやるよ」

 

そういうわけで、危機は間一髪のところで回避された。

ももこの作ってくれた朝食を食べて、仕事にでかける。

みたまから早く帰るようにと言われる。

まあ、もちろん、彼女もそれが無駄だというのはわかっているが。

いつもブライト博士は仕事を終えると遊び回るのだから。

さて、大学での彼も優秀な問題児である。

 

「二葉教授!造反有理だ!」

 

「は?」

 

今日も医学部の二葉教授のところに突入した

厳格で完璧主義者な彼とブライトの仲は最悪であるのだ。

ヘルメット、口を覆うタオル、ゲバ棒といった装備で。

 

「授業は邪魔してないぞ!研究室にカチコミしているだけだからな!」

 

「なに言ってるかわかんないけど、俺たちもお供します!」

 

他の学生たちもゲバ棒を持って突入した。

二葉教授は生徒から不人気であった。ブライトはその反対だ。

二葉教授は数分も経たないうちに打ちのめされてしまった。

 

「ふむ、これが世界の選択か・・・よし、他の授業をしてない教授のところにも行くぞ!

これは・・・承認に対する挑戦なのである!立ち上がれ、生徒たちよ!」

 

「おー!わけがわからないけど!」

 

だが、そこにやちよが現れた。

彼女はブライトの首根っこを掴み、引きずっていった。

自然と生徒も解散していった。

 

「・・・そういうわけで、このたんこぶはやちよのせいなんだよ」

 

「自業自得だと思います。はい」

 

神浜市立大付属学校の屋上で弁当をれんと一緒に食べる。

 

「そもそも、どうしてここにいるんですか?」

 

ブライト博士は理不尽(本人談)にも教育機関に立ち入りを禁止されている。

唯一の例外は、神浜市立大学だけなのである。

 

「そりゃ・・・ここが大学の一部だからさ」

 

「そういわれると・・・そうですね、はい」

 

ブライト博士は包み袋をそっと渡した。

 

「これは私と一緒に弁当を食べてくれたお礼だ。

この中には、君の助けになるものが入っている」

 

「えっ、いいんですか・・・?」

 

後にれんは後悔した。やっぱりだめだったと。

仕事を終えたブライト博士は神浜市のあちこちで出没が報告される。

今日は栄区でウィンドウショッピングを楽しんでいた。

 

「・・・アナタ、ドクター・ブライトだヨネ?」

 

「そういう君は・・・バナナの妖精?」

 

「どこを見てそう思った?・・・噂には聞いてたけど、やっぱりエキセントリック」

 

「噂を聞いてるというと・・・君もやっぱり」

 

「ウン、そうだよ。アリナ・グレイっていうんだ」

 

彼女はまじまじとブライト博士を見つめた。

まるで、何かアートの題材を見るかのように。

 

「フーン、ドクターは死なないって聞いたけど」

 

「そりゃ私はハイパーすごい人造人間だからね」

 

「それってさ・・・死ねないってことだヨネ?それなら普段の奇行も納得がいくケド」

 

お前のことは全て知ってる、と言ってるかのような不気味な笑みだった。

 

「うっせえ、そのバナナ引っこ抜くぞ」

 

「・・・いつまでその余裕を保てるか、楽しみ」

 

なお、この様子を遠くから見ていた御園かりんの頭の中には緊急警報が鳴り響いていた。

それは、たまたま近くにいた白羽根、黒羽根も同様であった。

よりにもよって、あの二人が邂逅してしまったのだから。

どのくらい最悪なことかというと、「神の怒り」というBGMが合うくらいだ。

事実、かりんの頭の中に響いていた緊急警報もそれだった。

気分を悪くしたブライトはとりあえず参京区に向かった。

 

「こんな危ない怪物を集めておいて

だいぶやらかしてくれ・・・・」

 

最後まで言い切る前に、緑光のレーザーがブライトを包んだ。

 

「・・・お疲れ様です。どうぞお帰りください」

 

「かこ、客に向かって酷いじゃないか。本を手に入れに来たのに」

 

「ちゃんとお金で買ってください。ブックハンターは強盗と変わらないんですから。

というか、今絶対に私のことをアンジェラ扱いしていましたよね?」

 

「さあ、何のことやら・・・とりあえず、予約していた本を頼むよ。招待状も持ってきたし」

 

「ここは図書館じゃありませんよ???」

 

かこは携帯を取り出した。

 

「もしもし、ななかさん。ブライト博士が違反しました」

 

次の瞬間、ブライト博士の姿は消えていた。

代わりに、段ボール箱が残されていた。

 

「かこさん、ブライト博士はどこに?」

 

かこは段ボールを指さした。

 

「段ボールを残して、どこかに消えちゃったんです」

 

「なるほど、これは調査する必要がありますね」

 

ななかは日本刀を刺し込んだ。すると、悲鳴が上がった。

ゆっくりと抜くと、血が滴り落ちた。

 

「かこさん、これは間違いなく危険物です。

今からゆっくりと時間をかけて解体するので離れてください」

 

ゆっくりとななかは段ボールを斬っていった。

のこぎりでやるかのように、実にゆっくりと。

段ボールからは血がドバドバと流れていた。

 

「みたま、ただいま」

 

「おかえりって・・・朝よりも悪化してるじゃないの⁉」

 

みたまと夕食を一緒に食べた後、お風呂に入る。

明日の仕事の準備をして、そして就寝する。

ブライト博士は棺桶に入り、蓋を閉めた。

その蓋には、こう書かれていた。

 

ジャック・ブライト、漸く憩う

 

「・・・いつか本当におやすみって言えたらいいわね」

 

みたまも自分の寝室に向かおうとした。

すると、囁き声がなぜか棺桶から聞こえてきた。

 

「・・・いろはさん、それは大変だな。

もしかすると、何か君にとって大事なモノが消えてしまってるかもしれない。

私のいた世界では、再構築や過去改変は日常茶飯事だったからな」

 

『そ、そんな・・・』

 

「もしかすると、君が最近見ている夢と関係があるかもしれない。

神浜市に来てほしい、といいたいが・・・君との接近を禁止されてるんだよな。

そうだ、カルメンという人物から手紙をもらったというカバーストーリーでどうだ?

それで何人かの魔法少女は何かを察してくれて、協力してくれるだろうから」

 

『あっ、ありがとうございます!』

 

通話が終わったと同時に、みたまは蓋を開ける。

 

「これはどういうことかしら?」

 

「私は会ったわけじゃないぞ。電話してただけだ」

 

「ふーん・・・いつから連絡を取り合ってたの?」

 

「・・・」

 

こうしてブライト博士の一日は幕を閉じた。

これでも今日は大人しかった部類に入る。

やちよ以外のリーダー格魔法少女たちはしばし胃を休めることができた。



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四枚目

45.ブライト博士は「造反有理」と称して他の教授の研究室にカチコミしないでください。今は全共闘の時代じゃないんだよ!クソが!

 1.承認に対する挑戦は「有理」とはみなされません。

 

46.五十鈴れんに艦これの「浜風」の服装を送らないでください。神浜市立大付属学校の思春期の男子中学生の股間が大変なことになりました。

 1.ピンク色の染髪剤も同様です。先輩と呼ばれた男子高校生の股間が大変なことになりました。

 2.綾野梨花さんが大量出血(鼻血)で病院に送られました。反省してください

 

47.ブライト博士の神浜市立大付属学校への立ち入りは厳重に監視されます。

 

48.アリナ様の髪型を「バナナ」と揶揄しないでくださいおいしそうですがbyマギウスの翼一同

 1.ヴァアアアアアアアアアア!お前ら全員、覚悟してろよ⁉byアリナ

 2.先輩を怒らせちゃだめなの・・・byかりん

 

49.ブライト博士は「ブックハンター」ではありません。現代では強盗罪に当たります。

 1.そもそも、普通に客として来てくださいbyかこ

 

50.段ボール箱は身を隠すのに適切とはいえません。あなたは傭兵ではないのですから。

 1.余計な部分を書いたせいで、フェリシアちゃんが大怪我しましたbyかこ

 

51.ブライト博士は今度から勝手に環いろはさんと連絡を取らないでください。

 

52.ブライト博士は二度と毬子あやかと漫才コンビを組まないでください。加賀見まさらの顎は未だに治っていないのですから。

 1.問題ない。筆談できるからbyまさら

 2.わたしも顎が外れたけど、同じ感じかな?by雫

 3.問題しかないよ⁉byこころ

 4.なお、加賀見まさらと保澄雫の両名が笑っているところ(とくにまさら)を見た魔法少女は32と同じように永遠にその記憶と向き合ってください。

 

53.最近、神浜市の魔女が凶暴化しており、キュゥべえの姿も見かけなくなりました。だからといって、誰もブライト博士のことを疑っていません。どうせマギウスの翼とかいう謎の組織の仕業でしょうし。だから「切腹するんご」と言われても、誰もあなたのことを介錯するつもりはありません。どうせ死なないでしょうし。

 1.あの、その通りでございますけど・・・ちょっと博士が可哀想でございますby月夜

 2.別にいいよ、月夜ちゃんby月咲

 3.ねー

 

54.二度と純美雨にストリートファイトを挑まないでください。

 1.なんで負けるとわかっていて挑んだネ?by美雨

 2.そこにスカートがあるからと言ってたけど・・・byあきら

 

55.たとえ馬耳を付けて女装しようと、ブライト博士は「ウマ娘」になれません。近所の競馬場の経営危機はあなたのせいです。25でも似たようなことを述べましたよね?

 1.路線変更して、「ウマ息」になろうとしたのはいいアイデアだったかもしれません。ですが、そのせいで神浜市でギャンブル依存症になる若い女性が増えてしまいました。

 2.ええ、「ハリボテイオー」は面白かったですが、あなたに協力した騎手と相野みとの治療費はあなたが支払うべきです。

 3.ブライト博士は今後いかなる方法でも「うまぴょい」することは認められません。

 4.あと、麻友先輩も「うまぴょい」禁止で。せっかく競馬から離れた男性たちが戻ってしまいましたからbyまなか

 5.七瀬ゆきかは競馬場の半径50メートル以内に近づいてはいけません。

 

56.うん、そうだね。確かにマギウスは賢者を意味するよ。でもね、だからといって、ブライト博士、君が僕たちの仲間入りをできるというわけではないんだ。どうして君が僕たちの仲間になれないのかは、普段の君の日常をよーく振り返ればわかるんじゃないかな?一緒にされたくないんだよbyねむ

 1.そもそも博士は魔法少女ですらないじゃんby月咲

 2.白羽根にならなってやってもいいって、白羽根なめとんのか?by燦

 3.黒羽根にもなってほしくないですぅ。一緒にされたくないですしぃbyミユリ

 

57.ブライト博士はマギウスおよびマギウスの翼に所属する必要はありません。あなたの提言した重曹浄化法はとても役立っているのですから。

 1.あの・・・重曹最近高くなって、私の家の経済力では買うのが辛いというかbyとある黒羽根

 2.うむ、確かにそうではあるな・・・by十七夜



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五枚目

58.重曹の代用品として穀物酢を選んだのは正解でした。それは認めましょう。しかし、寿司酢も試したのはスシクイネ=Hai Irasshai=NICEGUY戦争という悲惨で滑稽極まる結果を招いたことを自覚してください。

 1.この戦争について、将来の魔法少女のために説明しましょう。寿司酢によるソウルジェム浄化実験に鶴乃由比と夏目かこが志願しましたが、前者は中華料理から寿司職人に路線を変更してしまい、後者はラーメンでさえも寿司だと認めてしまう闇寿司思想なるものに堕ちてしまいました。しかも、方向性の違う両者は互いに憎みあい、ついにはスシブレードという未知の競技で参京区を舞台に戦争を始めてしまいました。戦闘は三日三晩に及び、事態を重く見たマギウスによる魔法少女の派遣および重曹浄化法の噂を聞きつけた風見野市の魔法少女による怒りの介入によってようやく終結の目途がつきました。。多くの食資源が失われ、参京区が酢飯の匂いに包まれました。最終的に、ななか=杏子協定により、スシブレードは永久に禁止されることになりました。

 2.食い物を粗末にすんじゃねえby杏子

 3.ブライト博士に君は地獄行きだと伝えてくれ。僕たちはそれを取り除くが、何をしてきたかの記録は保ち続ける。彼の実験台となった魔法少女がこれを行い、彼が彼女たちを手伝ったということを。僕たちは戦争についての記録を白塗りにはしない。僕たちの所業をどのように埋め合わせることになるかは分からない、だが少なくとも記憶に留めておかなければならないのだbyねむ

 4.ねむ様が書いた後だから余計だと思うけど、戦争はどんなに滑稽なモノであっても悲惨だ。どうか、それだけは覚えてほしいby派遣隊員時雨(白羽根に昇格)

 

59.私たちにはブライト博士がいますが、クレフ、ギアーズ、コンドラキはいません。

 

60.自転車を赤く塗っても、最高速度が変わることなどありえません。

 1.もし変わったと感じても、それはあくまであなたの感想です。

 2.青い自転車に乗って「お前が勝ったのはメカの性能」と言うのはかっこよくないわ。だいたい、あれはおじさんが言うからかっこいいのよ。今の若い魔法少女は宇宙世紀シリーズを知らないから困るわbyみたま

 3.いいですよね宇宙世紀シリーズ!私は∀が好きです!byかのこ

 4.かのこちゃんが見当たらないけど、誰か心当たりはない?byひみか

 

61.何をどうやっても、あなたはガンダムにはなれません。段ボールにGUNDAMと書いても、それは逆効果です。

 1.その通り。ブライト博士はガンダムじゃない。僕こそがガンダムなんだby塁

 2.いいえ、あなたもガンダムではありません。

 3.ふっ、若さゆえの過ちというやつか・・・by塁

 4.阿見先輩と同じくらいイタイですよ!byまなか

 

62.ブライト博士は弾幕を撃つことを命令する権利はありません。

 1.当然、薄いということに文句を言う権利も。

 2.ビンタしなかったのは正解でした。でも、二度もプリンを食べたのは許しません。

 

63.ここ最近の重曹の値段高騰をうけて開発した「全てが生える木」は封印が決定されました。重曹だけでなく、他の商品にまで影響を及ぼす恐れがあるからです。

 1.悪用はしないとおっしゃられていますが、ブライト博士は日々の行いを振り返るべきです。

 

64.YMCAは今の子供には通用しません。出直してください。

 1.携帯のCMの元ネタってこれだったの?byレナ

 2.綾野梨花と五十鈴れんさんはシャレにならないので英語の本家を踊らないでください。

 3.ブライト博士がそれに加わった場合はなおさらです。

 4.八雲みたまはご自身の年齢を正直におっしゃってください。

 5.調整失敗するわよ?byみたま

 6.史乃沙優希はカバーしないでください。水波レナが発狂しました。

 

65.ブライト博士はフェントホープに当分出入りしないでください。そもそも、どうやって場所を突き止めたのですか?

 

66.ブライト博士と七瀬ゆきかが違法カジノで荒稼ぎしたお金は没収します。

 1.「世界の恵まれない子供たちのために稼いでいた」は返金の理由として認められません。それに、すでに募金しておきました。喜んでください。

 

67.ブライト博士は栗音を「くりね」と読んではいけません。

 1.待って、だから「粟根」だってばbyこころ

 2.諦めなさいby阿見莉愛

 

68.ブライト博士がどれほど待ちわびようと、環いろはさんには会わせません。彼女には私たちと一緒に行動してもらいます。

 

 

 

 

ブライト博士は現在、長旅に出ています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


TO: 七海やちよ; 都ひなの; 和泉十七夜

FROM: 八雲みたま

RE: ブライト博士が最近行方不明

優先度: 高

 

只今より、わたしたちは現状打開のために全注意を集めなければならないわ。

先ず以て流言を慎んでちょうだい。本件は未曾有の事態だから。

わかっていると思うけど、ブライト博士は行方不明よ。

他の魔法少女には旅行に出たと言っているけど、時間の問題ね。

あれが統制下にないということは、大きな不祥事になってしまうわ。

 

明日にはいろはさんが来るけど、神浜市は危険な状態になってる。

噂の実体化や、なんか色々ときな臭いマギウスの翼・・・。

各地域のリーダーは、万全を期して臨んでちょうだい。



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リスト外:懐かしいクソッタレな夢、ブライトとさな、ブライトに惹かれた少女、ななかの不安、そしてブライトのいなくなった夏目書房

少女: 誰だっ?!

 

ピエトロ: あ… あなたには見覚えがある。その、首飾りに。

 

(沈黙。少女は呻き、パイプを落とす。)

 

少女: ああ、クソ。私を殺すために派遣されたか? だったら暫くここで立ち往生だな。

 

ピエトロ: いや、わ… 私は… 逃げ延びた。あなたも逃げたのか?

 

(少女は前のめりになり、ピエトロの顔を見て目を細める。)

 

少女: ジーザス。酷い顔してるぞ、君。いつ最後に眠った?

 

ピエトロ: このスーツは… その、これを着てると寝る必要が無いんだ。

 

少女: 寝る必要はあるね。その顔、まるで… マジで物凄いザマだ。見ない方が良い。

 

(沈黙。)

 

ピエトロ: 一緒していいかな?

 

(少女は後ろに下がり、片手で芝居がかった身振りをしつつ店内を指す。)

 

少女: 勿論だとも。割れたガラスならこの通り山ほどある!

 

(ピエトロはよろめきながら店内に入り、床に座り込む。ガラスの砕ける音が聞こえる。)

 

(沈黙。)

 

少女: 今のはジョークだから。椅子を持って来ていいぞ。

 

ピエトロ: 大丈夫。このスーツは頑丈だ。

 

少女: (肩をすくめる) ご勝手に(Suit yourself)

 

(少女は反対側に座る。)

 

少女: 随分と素敵な小道具を手に入れたね。 (身振りで首飾りを指す) 交換しない?

 

ピエトロ: (笑う、続けて咳) まさか! あのファイルは読んだよ。

 

少女: 一応言ってみないとな。笑ったのは久しぶりだろ、え?

 

ピエトロ: それほど笑える事が無かった。

 

少女: 困らせルボットの奴がテレビに出演した時も?

 

(沈黙。)

 

ピエトロ: (含み笑い) オーケイ、あれは確かに少し面白かった。

 

(沈黙。)

 

少女: じゃあ、君も逃げたのか。いやその、私はとりあえず君が財団職員であり、この人生を通してイライラさせまくった大勢のうち1人が復讐に来たんではないと仮定しているけれども。

 

ピエトロ: その2つは同じでは?

 

少女: (笑う) なかなか言うじゃないか!

 

ピエトロ: ああ、私は財団職員だ。つまり、財団職員だった。騒動が始まった時、運良くこのスーツを着て脱出できた。君は?

 

(沈黙。)

 

少女: 私は上級スタッフだったからね - 誰よりも先に計画を聞かされたはずだが、生憎さっぱり思い出せない。多分2番目のファイルがマズかったんだと思う。

 

ピエトロ: 2番目のファイル? それを見たのか? (立ち上がる) 中身は何だった?!

 

少女: おおっと、一先ず落ち着きたまえよ。時間ならたっぷりある。ファイルは沢山の画像だけだった - 卵、木々、宗教的なあれこれ。それら自体は私にとって何の意味も無かったが、きっと何かが符号化されていたんだろう。私は想定通りの効果を受けられなかった - (首飾りを指で叩く) - 恐らくこいつのせいだ。

 

ピエトロ: (座る) じゃあ、やっぱりミームエージェントの仕業か…

 

少女: (眉をひそめる) それは分からない。私はこの身に起こり得るほぼ全ての出来事を、あー、実際に受けてきた。ミームエージェントを喰らうとどんな感じがするかは知っている。そういう感じではなかった - 何かを強制されるというより、むしろもっとこう、何かから解放されるような感覚だった。

 

ピエトロ: そ… そうか。つまり、あなたも何が起こっているかよく分かっていない?

 

(沈黙。)

 

少女: まぁね。

 

ピエトロ: 畜生… 畜生。

 

(沈黙。少女はポケットから小さなビール瓶を取り出して一口呷る。)

 

少女: (溜息) で、君は何処か行く当てがあるのかい。それとも落ち込んだ気分で彷徨い歩いてるだけかな?

 

ピエトロ: 579に向かっている。

 

少女: (笑う) 自殺願望があるなら、もっと簡単な方法が幾らでもあるぞ!

 

ピエトロ: 579が何なのか知っているのか?

 

少女: さっぱり - だからこそ懸念してるんだよ、私みたいな大物でさえ知らないんだ。

 

(沈黙。)

 

ピエトロ: 構わない。私はそこに行かなきゃならない。

 

少女: どうして?

 

ピエトロ: ただ行くだけだ。あなたは何処を目指している?

 

少女: 1437。まずは他所の世界に小便を垂れてやれるかどうか調べる。次にこの首飾りを投げ込んで、何処で目を覚ますかは成り行きに任せる。

 

ピエトロ: (含み笑い) 立派な計画だと思うよ。幸運を祈る。

 

少女: (立ち上がる) こちらも君の幸運を祈るけれど、その見込みが無いのはお互い承知だ。もうすぐ夜が明ける - 私は出発するよ。

 

ピエトロ: オーケイ。

 

(少女は立ち上がり、正面ドアへ向かう。彼女は店舗の入口で一瞬立ち止まる。)

 

少女:せめて探してる物が見つかると良いな。

 

(少女は去る。)

 

ピエトロ: 私もそう願ってる。

 

 

 

 

ずいぶんとクソッタレで懐かしい夢を見た。

まだ、この世界に来てからそれほど経ってないにも関わらず懐かしく思えた。

だが、職業柄、会話でさえも記録方式になってしまったようだ。

 

「・・・それで、私を永遠にスリープ状態に置くんじゃなかったのかい?」

 

ブライト博士は人型実体・・・名無し人工知能のウワサに話しかけた。

数日前、マギウスの翼の構成員となっていた梓みふゆによって閉じ込められたのだ。

不死であるだけで、戦闘能力は魔法少女には及ばない博士はあっけなく無力化されてしまった。

最期の頼みとして、自分のスリープ場所を墓石みたいにしてもらったのだが・・・。

 

「・・・この子が目覚めさせてほしいと頼んだのです。

人間離れしたあなただったら、見えると思います」

 

ウワサが指さしたのは、緑髪の少女だった。

 

「そうか君か・・・私はブライト博士だ。君は?」

 

「・・・二葉さなです。その、話は父から聞いています・・・」

 

二葉、聞きたくもない名字だった。

それに、あれの娘でもあるとは!

だが、少女からはあれとはまったく違う優しい雰囲気が感じ取れた。

 

「・・・君は本当にあれの娘かい?

あれの娘だったら、もっとイヤミったらしいビッチだろうに」

 

「・・・母の再婚相手です」

 

「なるほど、合点がいった。その、今から君の気分を害するかもしれんが、聞いてくれるか?」

 

「・・・どうぞ」

 

「君は家族の中で仲間外れなんだろう?

母は君の出来の悪さを疎く思っていて、

再婚相手の父が連れ込んだガキも君のことを馬鹿にしている」

 

彼女は不快というよりかは、驚愕の表情になった。

 

「ど、どうして・・・」

 

「時間だけが私に降り積もったからな。そういったことは推測できるんだ。

それで・・・今は外に出たくないというわけか。

だが、私を目覚めさせたのはどういうことか聞きたいな」

 

「・・・仲間外れにはしたくなかったんです」

 

 

 

 

アリナは月光の下である絵画を書き上げていた。

真紅の首飾り・・・ブライト博士を見たとき、そのイメージが浮かんだのだ。

彼女は一目で、ブライト博士の苦しみを理解することができた。

彼は死なないのではない。死ねないのだ。

幾星霜の時間が、ブライトの精神をすっかり殺したのだ。

そうでなければ、あんな奇行に走ることはないだろう。

あれは死にたいのに死ねないという現実からの逃避にすぎないのだ。

 

「不死っていうのも、考えモノだヨネ?」

 

アリナは不気味な笑みを浮かべながら、絵画にキスをする。

だが、これはまだ設計図にすぎない。

ブライト博士の真の姿こそ、彼女の芸術の完成形であるからだ。

根拠はないが、この絵画に書かれた首飾りこそが彼の真の姿であると確信していた。

 

 

 

 

「・・・さすがに怪しいですね」

 

常盤ななかはブライトの不在を訝しんだ。

各地域のリーダー格魔法少女の表情に焦りがあるのだ。

彼女たちはこっそりと誰かを探しているようだった。

つまり・・・あれが野放しにされてしまったということかもしれない。

 

「これは葉月さんと話し合う必要があるかもしれません」

 

 

 

ブライト博士が消えたのと入れ替わりに、環いろはがやってきた。

多くの魔法少女はほっとした。今度はまともなのがやってきた。

だが、同時にぽっかりと心に穴が開いた気分にもなった。

調整屋の次にそのあおりを受けたのは、夏目書房だった。

もとの静かで落ち着いた空間に戻ったが、何かが欠けていた。

そんな空間で夏目かこはブライト博士の書いた信用できない自叙伝を読んでいた。

顔を上げる。そこには誰もいないのに、暴れているブライト博士を想像できた。

引き出しに本を戻す。そこには数日前まで時空の乱れが発生していたが、今は元通りだ。

 

(ブライト博士、あなたがいなくなったら、店ががらんとしちゃいました。

でも・・・すぐになれると思います。だから・・・帰ってこないでくださいブライト博士)



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リスト外:帰ってきやがったブライト博士

環いろはさん、マジで助けてください。頼みます。

ブライト博士とさなさんが悪ノリを始めてしまいました。

二人はいざという時のために世界を復活させるための筐体を造っています。

彼がおかしいのかどうかわかりませんが、正気なんじゃないかと思います。

さなさんはブライト博士のおかげで明るくなりましたが、このままでは彼女のためになりません。

どうか、私を倒して彼女を解放してください。そしてブライト博士を追い出してください。

 

 

 

突如としてブライト博士の消息の手がかりを掴むことができた。

ご丁寧に、場所まで添付されていた。

既に何体かウワサは倒したのだが、これは色々な意味で厄介だ。

ウワサが倒してくれと懇願するのも予想外だが、

よりにもよってウワサにまで迷惑をかけていたとは思わなかった。

 

「・・・それで、本当に助けに行くのか?」

 

都ひなのが嫌そうに言った。

二葉さなという子は助けてもいいだろう。

だが、ブライト博士が問題だ。

さなを助けるというのは、彼もついてくるということだ。

クレーンゲームでいらない景品がついてくるより最悪である。

 

「助けるしかないじゃない・・・穀物酢まで高騰したわ。

そろそろ新しい浄化法を彼に編み出してもらう必要があるわ」

 

「あの・・・」

 

「どうしたの、環さん?」

 

「寿司酢は駄目でしょうか?」

 

やちよは溜息をついて、禁止リスト五枚目のコピーを渡した。

 

「・・・ごめんなさい」

 

「いいのよ、ちゃんと見せておくべきだったわね」

 

環いろはに禁止リストをじっくり見せることができていなかった。

ウワサとか妹の存在を思い出したとか、色々と忙しかったのだ。

だから、未だにいろはの中では「ちょっと変わった良い人」なのだ。

 

「ブライトは狂人だ。それだけはくれぐれも忘れるな」

 

十七夜は念を押すように言った。

魔法少女によって色々とブライト博士に対する態度は変わる。

いろはが神浜に来てから驚いたのはそれだった。

ある魔法少女はブライトに深く感謝していて、

ある魔法少女はブライトの功績を認めつつも、不満を抱えていた。

とくにマギウスの翼に所属している魔法少女は彼を毛嫌いしていた。

 

「やっちゃん、ワタシは反対ですよ!

せっかく、あそこに閉じ込めたっていうのに!

これ以上、ワタシの家に勝手に泊まられると困るんです!」

 

「そう・・・ちょっと話を聞かせてもらうわ」

 

「ええ、わたしも話が聞きたいわ」

 

「えっ、ワタシ被害者・・・」

 

みふゆはやちよとみたまに引きずられていった。

 

「・・・悪い奴じゃねえんだよ、博士って」

 

フェリシアがそう呟いた。

 

「確かに迷惑なこともたくさんするし、ヘンタイだし・・・。

でも、日常の相談に乗ってくれたり、一緒にイタズラしたり、

前にいた世界とかの面白い話もしてくれるんだよな」

 

「怪我した件は忘れないでございますよ」

 

「まあ、うちらもジェットストリームかけようとしたのは馬鹿だったけど」

 

「「ねー」」

 

「お前ら、どうしてここにいるんだよ」

 

すると、衣美里が息を切らしてみかづき荘に入ってきた。

 

「た、たいへんだよ、みゃーこ先輩、ろっはー!」

 

「ど、どうしたんですか?」

 

「あの暴力団・・・じゃなくて、ななかたちが先を越しちゃった!

今、電波塔の方に向かってるのを中央区の子たちが目撃してる!」

 

「・・・そうか」

 

ひなのはとくに驚いてもいなかった。

 

「いつかやるとは思っていたけど・・・まさか、今だとはな」

 

 

 

 

「おっす、おらブライト。おら、わくわくすっぞ」

 

「デカゴンボールの下手な真似はやめるネ」

 

かことあやめを除いた指定暴力団ななか組、アザレアがブライトと対峙した。

あの二人を抜いたのは、彼女たちがブライトと親しかったからだ。

 

「さゆさゆの純潔を汚したものには死を!」

 

「さゆさゆの純潔を汚したものには死を!」

 

「ちくわ大明神の純潔を汚したものには死を!」

 

「さゆさゆの・・・誰だ今の」

 

そして、史乃沙優希のファンである羽根たちも集結していた。

ちなみに、彼女たちはマギウスの指示なしで動いている。立派な命令違反だ。

 

「うわあ、大変なことになっちゃったぞ」

 

「ブライト博士・・・あなたは更紗帆奈の再来です。

このままあなたを放っておけば、全てを喰い尽くす飛蝗となるでしょう。

そうなる前に、あなたを早めに始末しなければいけない。

いくら不死のあなたといえど、殺され続ければ精神がもたないでしょう。

そうなれば、私たちはあなたの奇行に悩まされずに済む」

 

「新しい浄化法考えてやらないぞ?」

 

「いずれ重曹や穀物酢の値段も元に戻るでしょう。

そうなれば、もはや新しい浄化法など不要です」

 

ななかは刀を抜いた。

 

「まあ、待ってくれ。話をしよう。あれは今から7・・・」

 

「さようなら、ブライト博士」

 

斬撃は弾かれた。

盾を持った少女が、彼をかばったのだ。

 

「ブライト博士は私が絶対に守ります!

筐体計画の実現には・・・博士が必要なんです!」

 

「筐体計画・・・またろくでもなさそうな企てですね」

 

「今回はまともだぞ。私が言っても信用はなさそうだがな。

簡単に言えば、世界を救うための機械の製造だ」

 

「・・・そんな馬鹿げたもの、いくらあなたでも」

 

「なぜできないと?前にもやったことがあるんだぞ?」

 

「さすがに世界を守る組織とやらはやることがすごいね・・・」

 

あきらは肩をすくめて言った。

 

「とにかく、まだ私にはやることがあるんだ。

ここで殺されるわけにもいかない」

 

ブライト博士は壺に入り、ハンマーを手にした。

 

「私も何の対策もしなかったわけじゃない。

このE.G.Oとか奇跡論をもとにした魔法少女しつけ棒があればなんとかなる」

 

「魔法少女しつけ棒・・・お姉ちゃんしつけ棒なら買ってみたことはあるけど・・・」

 

「待って葉月、どういうこと???」

 

その時、リーダー格魔法少女が現れる。

 

「・・・ずいぶんと勝手をやってくれたな、ななか」

 

「あら、狂人に首輪も付けれなかったあなたたちに言われたくありませんね」

 

ブライトはその隙に逃げ出した。

壺に入った状態だったが、山を登る要領で進んでいった。

 

「危ないところだったね、さなくん」

 

「ええ、博士。でも、あと数分もあれば完成しますよ」

 

筐体はまさに完成しようとしていた。

だが、その筐体はあっけなく壊されてしまった。

 

「わーなにするだー⁉」

 

遠くからの攻撃だった・・・見慣れる魔法少女によるものだった。

 

「そこら辺に落ちてた紙を見たけど・・・こんなの絶対おかしいよ!

世界が終わった後に、たくさん人間を作ってやり直すなんて・・・」

 

「なぜおかしいと?前にもやったんだぞ?」

 

鹿目まどかの背筋は凍った。ブライト博士が別世界から来たというのは聞いたことがある。

そして、その世界で人類を守る組織で働いていたということも。

だが、彼の口ぶりから察するに、その世界は何度も滅んだに違いない。

そうでなければ「前にもやったんだぞ」とは言わないはずだ。

 

「・・・君、名前は?」

 

「鹿目まどかといいます」

 

「そうか、まどかくん・・・よーく考えてみるんだ。

私のいた世界と違って、この世界は魔女が野放しじゃないか。

こんな世界では、人類はいつ滅びても不思議じゃない。

というか、歴史すら簡単に書き換わるんだぞ?

たとえば私の知り合いの環いろはの妹がいい例だ。

ある日、ぱっと消えたんだ。この世界からな。

だからこそ、リセットボタンが必要なんだ」

 

だが、ブライト博士は別の魔法少女によって掴まれた。

 

「い、いつの間に・・・あやめ、どういうつもりだ!」

 

「どうもこうもないよ!博士を止めに来たんだよ!」

 

そして、かこがブライト博士に狙いを定めていた。

 

「あやめさん、遠慮などしませんよ!いいんですね!」

 

なお、かこの傍には眼鏡をかけた魔法少女もいた。

その魔法少女の近くに、縛られたさなが放置されていた。

この謎の早業は彼女が関わっているに違いない。

 

(まあ、もっとも、ほむらさんが寸前であやめさんを助けるんですがね)

 

あやめは必死にブライトを掴んでいた。

 

「かこ・・・まだかよ・・・お腹が空いてんだ・・・!」

 

ブライトはなおも逃げようとする。

 

「は、はやく・・・!」

 

だが、それ以上の力であやめがしがみついた。

 

「ま、まだそんな力が・・・!」

 

「へ、へへ・・・あちしもいっしょに死んでやる!」

 

「わ、私が悪かった!二度ともう悪戯はしない!」

 

「に、二度と騙されるもんか・・・!」

 

「う、嘘ではない・・・!私の言葉が信じられんのか・・・!」

 

だが、あやめは聞く耳を持たなかった。

 

「かこ・・・早くしろお・・・!」

 

そして、かこの持っていた栞状の武器が完全にチャージを済ませた。

 

「待たせましたね!覚悟はいいですか!」

 

「や、やれえええええ!」

 

「ま、まてえええええ!」

 

「煌道のページッ!!!」

 

「やめろおおお!!!」

 

ブライトの叫びも虚しく、緑色のレーザーが放たれる。

そのレーザーはブライト博士を貫通していった。

あやめは寸前のところで暁美ほむらに助けられた。

 

「・・・ふう、これでしばらく目覚めないはずです」

 

「あの・・・かこちゃん、本当に大丈夫なの?生き返るよね?」

 

「魔女に踏みつぶされても復活した人ですよ?

それにしても、意外と上手くいきましたね、フェリシアちゃん。

ありがとうございます。こんないい作戦を考え付いてくれて」

 

「おう、これからも任せてくれ!」

 

名無し人工知能のウワサことアイはその様子を見届けた。

そして、ようやくいろはが駆けつけた。

この後の戦いについては語るまでもないだろう。

そういうわけで、戦いの後のことについて説明しよう。

まず、各地域のリーダーはちょっと信頼が落ちた。あれを野放しにしたからだ。

マギウスおよびマギウスの翼も信頼が落ちた。あれに自由空間を与えたからだ。

いや、ウワサとかを放っている時点で信用はなかったのだが。

ななかたちはさすがにリーダー格には勝てなかった。

羽根たちは史乃沙優希がフェントホープにライブをしに行くということで引き下がった。

二葉さなは別れも経て強くなり、皆に受け入れられた。

 

「いやあ、今日は大変だったね。

私が帰ってきて夏目書房も賑やかになるだろうね」

 

「うれしくありません。これからまたずうっとブライト博士に悩まされたくありません」

 

それでも、賑やかなのも悪くなかった。

引き出しの中に時空間の乱れが生じたのは許せないが。

 

「それはそうと、あれはあるかね?」

 

「ありますよ。ちゃんと取っておきました」

 

かこはルールブックを渡した。

 

「これを何に使うんですか?」

 

「調整屋で歓迎会を開くそうなんだ。

それで、みたまからTRPGを提案されてね。

そのほうが友情を深めやすいっていうんだよ。

まあ、私の失踪やウワサとやらのせいで延期になってたらしいが」

 

「そうですか・・・あの、さっきはごめんなさい」

 

「いや、いいよ。私も暴走しすぎたし。

まあ、お詫びとして、今度ホテルで・・・」

 

まるで懲りてないブライト博士の顔はレーザーに包まれた。

それはそうと、ルールブックにはゲーム名が記されていた。

 

PARANOIA



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六枚目

69.筐体計画は永久に停止されます。 

 1.「前にもやったんだぞ」は言い訳になりません。マジな話、あなたの世界は狂っていたんですか?これが普通だと?

 2.コンティニューのための筐体もコインも、この世界に生きる私たちには必要ありません。これは私たちの決意です。

 

70.ブライト博士の魔法少女しつけ棒は没収します。

 1.いいえ、しつけられるのはあなたのほうです。

 

71.夏目書房の引き出しに時空間の乱れを生じさせてはいけません。

 1.夏目書房はタイムパトロールの支部ではありません。

 2.カルデアでもありません。

 

72.ブライト博士の選んだTRPGは凄惨な事態を引き起こしました。

 1.「雨降って地固まる」で許されるべきではありません。

 

73.ブライト博士は無断で梓みふゆの家に泊まってはいけません。

 1.たとえ日帰りだとしても、彼女と一緒にお風呂に入っていい理由になりません。

 2.彼女に寄生することは許されません。寄生虫に寄生するなんてどうかしてます。

 3.ひどくありませんか???byみふゆ

 

74.それは確かに私たちでさえもスカッとさせました。ですが、二葉さなの力を借りて、二葉教授の家で「ひとりCall of Duty」をすることは今後禁止されます。ええ、本当にスカッとしましたよ?でもね、逆に可哀想に思えてきましたよ。見えない相手に、ペイント弾を撃ち込まれることほど悲惨なことはないでしょう。

 1.あなたは大東学園でもそれをするべきではありません。

 2.水名学園はなおさらです。

 3.みたまのためだと?貴様の身勝手な行為こそがみたまの肩身を狭くしているのだぞ?by十七夜

 

75.ブライト博士は「ランナー」ではありません。そのアルバイトを今すぐやめてください。

 1.保澄雫も対抗しないでください。

 

76.ブライト博士も七瀬ゆきかも高層ビルから落ちたぐらいでは死なないでしょう。しかし、「鉄骨渡り」はあまりにも危険すぎました。事実、転落したあなたを治癒するのにかなりの手間がかかりました。あと、あなたに賭けた分のお金も返してください。

 1.「夜に駆ける」をBGMにしたのは面白かったのですが、「夜に賭ける」というギャグはよくよく考えたら面白くもないことが判明しました。

 

77.1において財団の設立を禁止したのは確かです。だからといって、「祭壇」を設立してもいい理由にはなりません。

 

78.ブライト博士が製造した「はてしないピザボックス」は調整屋で共有します。ブライト博士に使用権はありません。

 1.八雲みたまは決して開けないでください。

 2.お二人の籠城戦の結果、「ピザボックス」はみかづき荘で管理することが決定しました。

 3.七海やちよの暴食の結果、マギウスの翼に引き渡されました。

 4.厳正なる会議の結果、佐倉杏子に引き渡されることが決定しました。

 

79.ビッグブラザーは見てないし、神浜市は「エア・ストリップワン」ではありません。

 1.自分で101号室を作って、自分で入って、その後酒浸りになるのは許されません。

 2.魔法少女を101号室に入れるべきではありませんでした。

 

80.1984と偽って1Q84を渡してきたのは許さないよbyねむ

 

81.普段の奇行さえなければ、ブライト博士は魅力的ですが、顎を長くするのは逆効果です。

 1.御園かりんと矢宵かのこの共同制作犯罪である「学園ハンサム」はマリアナ海溝に封印されます。栄総合学園の生徒たちが笑いすぎて顎が外れてしまいました。

 2.危険物を公開するのはジャーナリスト精神ではないです。観鳥令は反省してください。



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七枚目

83.ブライト博士は「オッペンハイマー」を多用しないでください。そろそろこちらがゲシュタルト崩壊を引き起こしそうです。

 

84.ウワサの内容をブライト博士の賛美に改変することは認められません。

 1.わたしの賛美も駄目よbyみたま

 2.私に媚びを売るとは・・・元から失望していたがなby十七夜

 3.そろそろ賠償請求を求めるつもりだよ?by灯花

 

85.ブライト博士は今後もっと早く報告することが求められます。どうして環ういの存在を覚えていたことを報告しなかったのですか?

 1.だって、変人だと思われると嫌だしbyブライト

 2.安心してください。もとからみんなそう思っています。

 3.僕たちが忘れて、こんなのが覚えているなんて・・・byねむ

 4.・・・やっぱり最高byアリナ

 

86.マギウスの翼との親善野球での『ホームラン量産法』はブライト博士以外にも禁止します。あなたの手から離れていったバットが歪な球体でさえも吹っ飛ばしたのですから。ええ、私たちもまた歪な球体の上に住んでいるんですよ?

 

87.空穂夏樹に応援してもらうことは許しません。あなたはやる気が湧くと言っていますが、それは間違いなく「ヤル気」のことでしょう。

 1.うーん、確かにブライト博士って変人だけど、手堅いような・・・by夏樹

 2.確かにそれはそうでございますね・・・祖母に相談しようと思いますby月夜

 3.こんなの絶対おかしいよbyまどか

 

88.ブライト博士は梓みふゆの寄生行為を許してはなりません。

 1.他の魔法少女にも言っておきますが、大学教授であるブライト博士に寄生しても奇行に悩まされるだけです。そもそも、最近、ハーバード大学からお誘いを受けているようですから。彼についていくということは神浜を離れるということですよ?

 2.私からも忠告するでございます。魔法少女だけでなく、一般の方々からもブライト博士の奇行は認識されているでございます。祖母からキツイお叱りを受けたでございますby月夜

 

89.ブライト博士は段ボールで作ったモノリスに入るべきではありません。

 1.すごそうでまったくすごくない会話をすることもです。

 

90.高い場所で命令することは反感しか生みません。

 1.加賀見まさらはいくら高給だからといって、「予備」のバイトをするべきではありませんでした。栗音こころが怒り狂いました。

 2.「粟根」だっつのbyこころ

 3.「ほう、○○か」とかいうのはまるで頭が良くありません。

 

91.仕事に行くとき「逃げちゃだめだ」を連呼しないでください。

 1.「ふわあああああ」はうるさいです。

 2.ええ、確かにあなたは最低です。

 3.レナちゃんの首を絞めていた件についてちょっと話があるようbyかえで

 

92.ブライト博士は渚カオルほどかっこよくはありません。

 

93.七海やちよと八雲みたまをかけ合わせれば「葛城ミサト」になるという説は確かに間違いないでしょうが、それは公言するほどのことでもありません。

 1.サービスサービス!byみたま

 2.年を考えろよbyももこ

 3.ふゆぅ・・・ももこさんが行方不明だようbyかえで

 

94.来たるワルプルギスの夜との決戦にむけて開発した「ケーキ」は宇宙に飛ばしました。あとはキュゥべえがなんとかしてくれることでしょう。 

 1.真面目な話、あなたはあの「ケーキ」でどう戦うつもりだったんですか?

 

95.「全集中の呼吸」の訓練を今すぐやめてください。

 1.かっこいいじゃんかbyフェリシア

 2.このままではカオスになるからよbyやちよ

 

96.ブライト博士は魔法少女を平伏させることは許されません。

 1.むしろ十七夜先輩の方が似合ってるでございますby月夜

 2.ねー

 3.ほう?ちょっと一緒に話をしようか?by十七夜

 

97.魔法少女を鬼に勧誘するのは禁止されます。

 1.断られたからといって、ベッドに引きずり込もうとするのはなおさらです。

 

98.「今日もみたま様は美しい」は恥ずかしいわbyみたま

 

99.いくらなんでも「壊れたる神」の召喚はやりすぎです。ワルプルギスの夜は、私たちで倒してみせます。

 

100.アリナ・グレイの対処を柊ねむと共に遂行したのは確かに素晴らしかったです。ですが、ねむを安全な場所に避難させた後、火事場泥棒に及んだのは許せないことです。

 1.どさくさに紛れて二葉教授一家をボコボコにしたのもわかっています。

 2.あれからブライト博士がまた見当たらなくなったけど・・・byねむ

 3.ちっ、また逃してしまったかby十七夜

 

 

 

ブライト博士は先日以来行方不明となりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブライト博士のいなくなった調整屋。

もはや誰も眠ることのない棺桶が放置されていた。

みたまが思い出すのは、首飾りを拾った日のこと。

たまたま変なオーラを醸し出していたそれを見つけたのだ。

そして、なんか調整できそうな気がしたのだ。

 

「・・・まさか人間になるなんてね」

 

みたまは棺桶にもたれかかり、ため息をついた。

あの日、首飾りが人間になった時は心臓が止まりそうだった。

もっと心臓が止まりそうになったのは、男の記憶が流れ込んだ時だ。

それはここではないどこかに生きていた男の報われない物語。

そして、男は目覚めて、自分の状況を把握すると、こう言った。

 

「ありがとう、これでようやく他人の人生を奪わずに済むよ」

 

それからブライト博士はたくさん暴れて活躍した。

やっぱり死ねないので、その鬱憤を晴らすしかなかったのだ。

十七夜も心を読んで、そんなブライト博士の奇行を理解していた。

相野みとも心を繋げることで、ブライトの悲しみを理解していた。

アリナも・・・どうやら直感で理解したらしいが。

 

「・・・ブライト博士、わたしはあなたのことも嫌いだったわ。

とってもおかしくて、とっても優しかったあなたがね」

 

彼は年長者だったからこそ、みたまの憎しみも見抜いていた。

だからこそ、神浜の敵にもなろうとしていたのだ。

事実、一般市民からのヘイトは着実に集めつつあった。人気も集めていたが。

それに、水名学園や大東学園で「ひとりCall of Duty」してくれたのもスカッとした。

財団での話も、神浜市の問題なんてちっぽけだということも教えてくれた。

でも、悲しいことにそれが逆にみたまの心を傷つけていった。

あれの保護者として肩身が狭くなったのはもちろんである。

だが、それ以上にその優しさが余計にみたまにとって辛かったのだ。

 

「馬鹿な人・・・どうしてわたしみたいなのにかまったのかしら?」

 

もし、あの日、首飾りを拾っていなかったら、こんな寂しい思いはせずに済んだのに。

ああ、でも、彼はどこかの誰かを乗っ取って、結局は会う羽目になっただろう。

 

「・・・帰ってきたら、またごちそうを作ってあげるわね。おやすみ」

 

棺桶をこんと叩いて、みたまは立ち上がった。

こうして調整屋は静寂に包まれた。

これからも、人生は続いていくだろう。

だが、そこにブライト博士がいないというだけだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数分後、棺桶の扉が開かれた。

棺桶の内部は輝いており、そこからブライト博士と三人の少女が出てきた。

少女たちの服装は、洋風の和服と紅衛兵の帽子という変わった格好であった。

 

「・・・うむ、このままではまずいぞ、同志諸君。ワームホール作戦は成功した。

だが、このままでは我々は八雲みたまの反動的資本主義料理を喰わされることになる」

 

「それほど危険な代物なの?」

 

「そうだ、同志ちはる。彼女の料理は危険で、反動的だ」

 

「それでは、殺しましょう。同志ブライト」

 

「それも危険だ、同志すなお。彼女を殺せば、他の反動的分子も目覚めることになる」

 

「それじゃあ、棺桶もって安全な拠点に移ろうよ」

 

「その通りだ、同志静香。それでは、全員、静かに棺桶を持って逃げるぞ」

 

「「「おー(小声)」」」

 

関係ない話だが、霧峰村はブライトの協力により「改革」に成功した。

重曹の大量生産と神子柴の粛清は時女一族に新たな道を与える結果となった。

彼女たちは今となっては日の本に「赤き夜明け」をもたらすために戦っている。

神浜市の「夜明け」は近い・・・はず。



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激情版ブライト博士が神浜で二度としてはいけないことの公式リスト -82.ブライト博士がHoi4リレーに参加することを禁止します-

今回は長いです。ご注意ください。しかも、Hoi4ネタです。


うららかな昼下がりのカフェ。

それは突然の提案であった。

 

「そうだ、Hoi4でリレーしようぜ」

 

二木市に遊びに来たブライト博士がそう提案したのだ。

タピオカを飲んでいた笠音アオと智珠らんかは吹き出しそうになった。

 

「ごほっ・・・博士、本気なの?まだ初心者でしょ・・・?」

 

アオが不安そうに言った。

 

「大丈夫だ、私は君たちに会った時には300時間越えだっただろ?」

 

「あのね、Hoi4では違うんだよ???」

 

なお、今ではブライトも立派なベテランとなった。

あれからもっとやりこんだのだから。

今では核兵器プレイヤーとして愛されている。

 

「・・・ねえ、アオ。面白そうじゃん」

 

らんかは乗り気だった。

この二人は互いにHoi4プレイヤーだとわかって仲が良くなった。

 

「それにさ、四人ともHoi4実況者じゃん!

やってみたらさ、面白そうだと思うんだけど!」

 

「そ、そりゃそうだけど・・・」

 

「ぼくもらんかの言う通りだと思うな。

あと、もう二人くらいいたら面白そうだよ。

リアルの方でも知り合いの実況者がいるからその子も誘っていい?」

 

「いいとも、らんかも問題はないよな?」

 

「もちろん!」

 

「・・・こうなったら、わたしもやるっきゃないか!

わたしもリアルの方で、すごくやってそうな人を知ってるし・・・。

おっ、噂をすればなんとやら!ちょっと待ってて!」

 

アオはカフェの外に出ると、一人の少女を引きずってきた。

 

「蛇の宮のリーダーが何の用かしらぁ?」

 

「Hoi4でリレーやろうと思ってるんだけど・・・。

そもそも、Hoi4って知ってる?というか、やってる?」

 

「知ってるも何も、プレイヤーよ?実況もしてるし。

なんと300時間もやってるのよ!・・・何よ、その表情は?」

 

紅晴結菜という魔法少女兼Hoi4プレイヤーも加わった。

そして、後日、藍家ひめなという時雨がオフ会で知り合った実況者も。

なお、彼女もまたHoi4実況者である。

さて、Hoi4を知らない人のために説明しよう。

Hoi4とはHoi4である。

説明が終わったので、それぞれのチャンネル名と区画を紹介しよう。

 

第1区:らいんどチャンネル(智珠らんか)

 

第2区:蒸気財団(ジャック・ブライト)

 

第3区:しぐはぐ(宮尾時雨とアシスタントの安積はぐむ)

 

第4区:アオクマ(笠音アオ)

 

第5区:くれゆい(紅晴結菜)

 

第6区:アイカックZ(藍家ひめな)

 

この以上の六名による企画だった。

ルールは簡単で、ゲーム内で二年間やってデータを渡すだけ。

なお、MODは日本語化などの便利系MODである。

まあ、独立保障とかもなくなるのだが。

そして、プレイする国家はドイツである。

一番普通でやりやすい大国であったからだ。

そんなこんなで、それぞれのチャンネルも発表動画を出した。

視聴者が一番不安だったのは、二番目であった。

だが、とにもかくにもリレーは始まった。

まずは、らいんどチャンネルこと智珠らんかからだ。

 

「よーしっと・・・まずは撮れ高を目指して・・・」

 

彼女の最初の一手は、ある意味得のないものだった。

 

「ドイツで革命しちゃおうか!」

 

だが、ドイツに共産化ルートはないので、革命家を政治家として雇った。

すると、当然のごとく反乱が勃発した。

だが、すでに首都は既に手中にあり、反乱軍は二手に分かれていた。

一方はドイツ北部のハンブルク、一方は南部のラインラント。

 

「さて、主力はハンブルクか・・・じゃあ、先に南部やっちゃうか。

とりあえず、北部は防衛陣地で維持するとして・・・」

 

こうしてドイツを統一したのだが、すっかり焦土化してしまった。

復興と同時に、内乱がいつものように起きたスペインにも支援した。

ついうっかり機甲師団を二師団ほど全滅させてしまったが。

あと、ついでにオランダを秒で併合することにも成功した。

そんなこんなで二年間が経って、ブライト博士に渡す時が来た。

ちょっぴし嫌な予感がしたが、祈るしかなかった。

 

「さーてっと、私の出番だ」

 

「あら、何をやっているのかしら?」

 

「見ての通り、Hoi4さ・・・って、機甲師団ゼロじゃないか」

 

ブライト博士は状況をあらかた把握すると、さっそく戦艦を建造した。

 

「・・・素人のわたしが言うのもあれだけど、ドイツって戦艦必要かしら?」

 

「みたま、これにはとってもオッペンハイマーな作戦があるんだ」

 

「どんな作戦かしら?」

 

「いや、とくに作戦とかないな」

 

「縫い針どこにしまったかしら・・・」

 

次に空母を研究開発した。

あと、スロヴァニアを要求したらなぜかもらえた。

 

「よし、次はユーゴスラヴィアだ」

 

「スロヴェニア取ったばかりなのに追い討ちかけるのね」

 

「失った手足のオッペンハイマーについて、いかなる方法でも決定は覆せないんだ」

 

「ロシア大使館ネタはやめなさい。というか、オッペンハイマーって何なの?」

 

こうして、ユーゴスラヴィアは分裂した。

その間に空母研究も終了した。

使われないのも癪なので、乗せる飛行機も揃えてある。

 

「次にオッペンハイマー武蔵野美術大学に入るためにハンガリーを攻めるぞ」

 

「オッペンハイマー???」

 

「あの無駄に広かった国もなんということでしょう・・・。

こんなに使いやすいように分かれたぞ・・・」

 

時間的に後はルーマニアを攻めるだけだった。

だが、イタリアがなぜか宣戦布告してきた。

 

「ちくしょう!私のオッペンハイマーな計画が!」

 

「どう見てもイタリアが単独で世界を救おうと立ち上がったように見えるんだけど???」

 

「よし、雑魚でオッペンハイマーなイタリアなど一瞬で・・・無理」

 

「ギブアップRTAはやめなさい」

 

「面倒だからこのまま後ろに投げつけよう」

 

「えっ、どういうこと?」

 

「あとはオッペンハイマー的にお土産を付けるとするか」

 

こうしてドイツを中心とした陣営、『オッペンハイマー戦隊オッペンハイマー』が成立した。

あと、たくさん師団も提供することにした。

たとえば『キラキラ!あなたのオッペンハイマーを撃ち抜いちゃうぞ(物理)☆師団』である。

そんな師団を300師団も用意した。なお、最低限しか戦力がないので何も役に立たない。

あと、低級な士官もたっぷりと用意した。

 

「FBIはどの携帯番号だったかしら・・・」

 

「私が何をしたっていうんだ?」

 

「テロ準備罪どころか立派なテロをしてるじゃない」

 

「こんなにネタを用意してあげる親切なオッペンハイマー実況者だぞ、私は」

 

「親切という言葉を調べなおしたら?

あと、Hoi4ってどういうゲームかわかってる?」

 

「世界にいかにオッペンハイマーなダメージを与えるかってゲームだろ?」

 

「これは国際司法裁判所行き決定ね」

 

そんなこんなでゲームデータが時雨に渡った。

後に実況を見た視聴者はやっぱりと思ったそうだ。

なお、時雨は部活で忙しくて、締め切りをすぎてしまった。

そんなこんなで急いでやらなくてはならなかった。

だが、最初に画面いっぱいに現れたのは低級士官だった。

どう考えてもゴミとしかいいようのない師団に資源を費やしやがったのだ。

 

「あのクソ博士め・・・!」

 

「お、落ち着いて時雨!こんなゴミに費やすほどの余裕があるってこと・・・」

 

「ところがどっこい、イタリアに負けてるんだ」

 

「・・・もうイタリアに支配された方が世界平和のためじゃないかな?」

 

「そういうわけにもいかないから、二年間で無茶苦茶になったドイツをどうにかしないと」

 

こうしてイタリアと戦う羽目になった。

だが、蒸気財団(ブライト博士)の手のひらの上で踊らされるのも癪だった。

そういうわけで、ポーランドを全土占領することにした。

 

「このままだと第二次世界大戦になっちゃうんじゃないの?」

 

「いや、どっかの誰かさんがユーゴスラヴィアを無茶苦茶にするために、

事前に独立保障をなくすMODを入れてくれたから大丈夫だよ。

英仏も今回ばかりは弱腰でいてくれるよ。あー・・・ポーランド潰すの楽しいなあ」

 

「ポーランドだってこんなことのために生まれてきたんじゃないのに・・・」

 

「いや、このゲームではこんなことのために生まれてきたのさ」

 

(時雨がちょっと怖いよう)

 

そういうわけで、ポーランドは全土併合され、オッペンハイマー戦隊オッペンハイマーの一員となった。

あと、空母を護衛なしでイタリア海軍にぶつけた。当然、沈没してくれた。

そんなこんなで、イタリア戦も有利に進んでいた。

 

「これで戦犯の汚名を返上できるよ・・・」

 

だが、はぐむが余計なことを言ってしまった。

 

「それって、ネタにも真面目にも走らない中途半端なプレイじゃ・・・」

 

さっそく、オッペンハイマー戦隊オッペンハイマーを解体した。

 

「ごめん、ちょっと煽っただけなの!」

 

「次にスターリンにお願いしてコミンテルンに入るね」

 

そして、最後に日本に宣戦正当化工作をしてターンエンド。

急いで編集で動画を作成して、データをアオクマ(笠音アオ)に引き渡した。

 

「・・・なんかバルカン半島が神聖でもローマでもない帝国になってるし、

イタリア戦線がめっちゃ膠着してるんだけど???これは間違いなく博士の仕業だね。

まったく博士ったら・・・まあ、意外と憎めないんだけどね」

 

海軍もあちこちに散らばっていたが、まずはイタリア戦線の解決だ。

クロアチアを奪還すれば、三割くらいは殲滅できるので攻勢を開始した。

ドイツなのに歩兵しかいなかったのが辛い。

しかも、イタリアがどういうわけか大東亜共栄圏入りしている。

つまり、日本を倒さないとこの戦争は終わらないのだ。

仕方がないので、ロンメルに歩兵師団を任せてシベリア横断マラソンさせることにした。

 

「よし、スペインもイタリアも処分成功!あとは日本に強襲上陸だ!」

 

プレイ開始から一年経過(ゲーム内)、大東亜共栄圏は降伏した。

講和会議の結果、ドイツはイタリアから全植民地とヴェネツィアを獲得し傀儡化。

スペインも傀儡国にして、これでかつてのドイツ植民地が再来した。

日本や朝鮮ではそれぞれ共産主義国家が成立することとなった。

そういうわけで、後任に置き土産として中国陣営と戦争を開始した。

 

「とりあえず、あとは適当に削っておくか・・・」

 

そんなこんなで、動画を作っておいて、データをくれゆい(紅晴結菜)に渡した。

結菜は色々と確かめたのだが、散々たる状況であった。

 

「産業はまあまあ・・・原子力は世界最先端、陸上は大丈夫そう。

歩兵装備は・・・最低ね。戦車は現代なのに、砲兵は目も当てられないわね。

ドクトリンはまあいいとして、船が36年物・・・飛行機も・・・」

 

「酷い状況っすね」

 

結菜の馬ことアシスタントは煌里ひかるである。

 

「前任者の負の遺産はどうするっすか?」

 

「逃げるわよ」

 

「えっ」

 

とりあえず、仕方ないので中国を進撃していった。

 

「順調に包囲殲滅できて・・・」

 

「押してるっすね!」

 

「・・・包囲」

 

「わさびチューブのように押し出してるっす!」

 

「補給の問題ねえ・・・」

 

「そこじゃないっす、たぶん」

 

「でも、よく考えてみてほしいわ。

こんな中国戦を押し付けられて、寝首を掻き切らない私は、

ひどく穏健で優しいと思うのよ・・・。

とりあえず、この件はまた追及するべきね・・・」

 

こうして中国を占領して、分割した。

コミンテルン全参加国で民主主義に則って分割したのだ。

海軍もボロボロだったので再建した。

 

「これで私たちソビエトも勝利できるわあ・・・」

 

「結菜さん、これはドイツっすよ」

 

「じゃあ、ソ連に攻め込むわあ」

 

「へっ?」

 

結菜の目はとっくに死んでいた。

 

「どっかの誰かさんの負の遺産を押し付けられて・・・。

それでこのザマなのよ・・・笑えると思わない?」

 

「で、でも、かなり進撃してるっすよ!

スターリングラードまで一直線!こんなことできるのドイツだけっす!

ほらっ、降伏したっすよ・・・あれ、何してるっすか?」

 

「これが殺意なのねぇ・・・」

 

「待つっす。不穏なことは・・・」

 

プレイ国がソ連に交代した。

 

「ごめんなさい。もう、先輩の声が聞こえない」

 

「何してるっすかー⁉全てを無にしたっすね!

それはやったらいけないことっすよ!」

 

なお、こうしている間にドイツはベルギーに併合された。

師団を各国境に貼り付けたあと、アイカックZ(藍家ひめな)にデータが渡された。

 

「ときがみえるよ、ヒコ君・・・」

 

その後、彼女の必死の奮闘により世界に秩序が取り戻されたのはまた別の話。

しかし、これにより結菜との確執は決定的なものとなった。

ひめなが動画を投稿してから数日後、事件は起こった。

 

「ブライトのクソ野郎はいるかしらぁ!」

 

・・・何はともあれ、この話はここでおしまいだ。

 

 

激情版ブライト博士が神浜で二度としてはいけないことの公式リスト

-82.ブライト博士がHoi4リレーに参加することを禁止します-

 

 

 



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リスト外:再び帰ってきやがったブライト博士

「・・・今気づいたんだけど、魔法少女浄化システムって無意味な気がするよ」

 

「灯花ちゃん、それは言ってはいけないことだよ」

 

「だって、お姉さま。どう考えても重曹浄化法の方が便利じゃん。

あっちはドッペルなんて不安定なもの使わなくてもいいし。

まあ、マギウスのときのわたくしはそれが気に食わなかったから、

里見グループの総力を挙げて、重曹を買い占めていたからなんだけど」

 

「裁判受けようね、灯花ちゃん?」

 

そんなこんなで色々とあった。

だが、ブライト博士だけがそこにいなかった。

みたまも以前より寂しそうだった。

それでも世界は回り続ける。

まるで、彼がいなくても何ともないと宣告するかのように。

まあ、そんなある日のことであった。

 

「・・・最近、共産党の勢いがすごいわね」

 

静海このはは新聞を見て憂鬱になっていた。

共産主義が幅を利かせると、株とかができなくなるからだ。

街中でもやけに目についたのは、あるフレーズだった。

 

『共産党は三倍の輝き!』

 

このよくわからないフレーズが余計に不安をかきたてた。

何かとんでもないものが帰ってくる予感がしてきた。

 

「・・・三倍の輝き・・・bright・・・ブライト?」

 

ワルプルギスの夜との決戦以降、彼は行方不明になっていた。

だが、誰も死んだとは信じていなかった。いや、そう信じたいのだが。

どっかで生きているだろうというのはなんとなくわかっていた。

しかし、こんなことで知るとはこのはも思わなかった。

 

『共産党はブライト!』

 

もう悪夢でしかなかった。

そのことを葉月に伝えた。

 

「・・・いやいや、さすがにそんなこと」

 

「ないと言い切れる?」

 

「そうなんだよねー。あの博士のことだから、政党を陰で操っていても・・・」

 

葉月も不安になったので、ななかに会って、状況を伝えた。

 

「・・・やはりですか。実は、今、水徳寺に市外からの魔法少女が逃げてきてるんです。

彼女たち曰く、属していたグループが外からやってきた人間によって赤化してしまったと・・・」

 

「それ間違いなくブライト博士だよね???」

 

「ええ、彼女たちもそう言っていましたし」

 

そんなわけで、ななかと葉月の二人は水徳寺を訪れた。

水徳寺には意気消沈した魔法少女たちがたくさんいた。

 

「・・・これはひどい」

 

「葉月さん、安心してください。まだ数人くらいはまともなのがいますから」

 

そして、そのまともな一人がやってきた。

 

「・・・すまんな、こんなザマで」

 

「いいですよ、涼子さん。

葉月さん、この人は南津涼子さんです。

正統時女一族のリーダーです」

 

「リーダーなんてガラじゃねえんだけどな・・・」

 

「時女一族?」

 

「そうか・・・普通の魔法少女は知らねえもんな・・・」

 

「説明しよう!時女一族とは日本を守るために結集した魔法少女の一団なんDA!

他の魔法少女と違い、大人たちからの支援を期待できるのが強みなんDA!

ただ、神子柴とかいうババアに牛耳られてたから、私が改革したんDA!」

 

「へえ・・・って、ブライト博士⁉」

 

なぜかブライト博士が現れていた。

 

「てめえ・・・わざわざこちらに出向いてくるなんて覚悟はできてるんだろうな?」

 

意気消沈していた魔法少女たちもここぞとばかりに立ち上がった。

 

「やめてくれ、私は亡命しに来たんだ」

 

「ほう、理由を聞かせてもらおうじゃないか?」

 

「イデオロギー闘争だ」

 

だが、涼子はあまり意味が理解できなかった。

 

「ななか、イデオロギー闘争ってなんだ?」

 

「わかりやすく言えば、仲間割れですね。

共産主義にはよくあることなんですけど・・・それにしても、不思議ですね。

ブライト博士、あなたほどの人心把握能力なら裏切られることはないはずですよ?」

 

「裏切りなんてやわなもんじゃない。それは財団時代からやられてるから慣れてるし」

 

「何があったっていうのさ・・・」

 

葉月が呆れたように訊いた。

 

「あれは確か・・・ワルプルギスの夜を倒した後のことだな。

私は死亡ドッキリをやろうと、神浜から旅立ったんだ。

すると、なんやかんやで霧峰村なんて場所についたんだ。

そこを支配してたババアが気に食わなかったから、一致団結して改革したんだ。

まあ、ちょっと赤くしたのは悪かったと思ってるよ」

 

「涼子さん、落ち着いてください。まだ殴るには早いです」

 

「問題はその後なんだよ。協力してくれた魔法少女の一人が色々と狂った」

 

「「「なんで?(三代目)」」」

 

「理由はなんとなくわかるんだよ。

それはアジトを神浜に移してからのことだった。

もとから彼女は正義感が強かったというか・・・。

魔法少女になってからは、私の悪意も感じ取れるようになったと。

酷いと思わないかい?私は少々茶目っ気があるだけなのに・・・」

 

「ステイステイ、涼子さん。アタシもぶっ飛ばしたいけど」

 

「それでも彼女は私と協力して改革に臨んでくれたのだが・・・。

着実に彼女の私に対する敵意と好意が化学反応を起こしていたんだろうね。

しだいに、変なことを言い出すようになっていたんだよ。

ブライト博士はわたしがいないと駄目だとか、

このままでは外に出すのが恥ずかしいからわたしと家にいようとか・・・。

私は私で、裏から乗っ取った共産党をどうやって自分色に染めるか考えてばっかりで、

全然気にかけてあげられていなかったんだよ・・・はは、悪い癖だ」

 

ななかたちは冷や汗を流し始めていた。

もう第三者から見ても、まずい状況が進行していた。

博士が研究者でなければ、もっと周りのことを気にかけていられただろうに。

 

「しまいには、博士は悪人だから牢屋で一緒にいてあげるという始末。

そして、彼女はついに最悪のイデオロギーを提案してしまったんだ。

その名も・・・ちゃる×ブラ共産主義・・・もはや共産主義ですらなくなったんだ。

さすがに私も必死に弁論を展開したんだが、支持を集めたのは彼女の方だった。

すなおと静香はブラ×ちゃるを展開するばかりで、どうにもならなかった」

 

「・・・それで逃げ出したと」

 

「いえーす」

 

「そうですか・・・帰りましょう、葉月さん。

涼子さん、あとの処分は頼みますね」

 

「ちょっと待て!地雷を押し付けんじゃねえ!」

 

一枚のビラが風に運ばれて、その場に落ちた。

 

『共産党はちゃる×ブラで!もちろん、ブラ×ちゃるもOK!』

 

事態はとんでもないところまで進行していた。

 

「・・・葉月さん、これはデリケートな問題になってしまいました。

もはや、日本の政治に関わるレベルでカップリングが行われています。

そんな問題を解決するために、誰か生贄にしても問題はないはずです」

 

「そ、そうだね・・・涼子さんはどう思う?」

 

「アタシも・・・さすがにそう思うよ」

 

「待ってくれ!いくらなんでもひどすぎる!」

 

ななかもさすがにブライト博士が可哀想になってきた。

 

「そうですね・・・博士、前にKeterという概念を教えてくれたじゃないですか」

 

「そうだが・・・待て、それは嫌な予感がするぞ!」

 

だが、ななかは待たなかった。

 

Keter(ヤンデレ)にはKeter(ヤンデレ)をぶつければいいんです!

神浜市にも潜在的なKeter(ヤンデレ)は存在するのですから!」

 

彼女は電話をかけた。

 

「もしもし、さなさん?ブライトに泥棒猫が迫っています」

 

すると、さながいつの間にか傍にいた。

 

「安心してください、ブライト博士。

私はあなたの盾なんですから」

 

「安心できないんだが???」

 

そして、件の魔法少女・・・広江ちはるまでやってきた。

 

「・・・だめだよ、博士。

博士は悪人なんだから、お天道様の下を歩いちゃだめ。

わたしとずっと牢屋(おうち)にいようよ?」

 

「・・・ブライト博士をあなたなんかにはわたしません」

 

「・・・よし!」

 

「ななか、私にとっては全然よくないぞ」

 

何はともあれ、ブライト博士は帰ってきた。

・・・とんでもない地雷を抱えながら。



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八枚目

101.ブライト博士は他の自治体を勝手に「改革」しないでください。「革新自治体」の時代はもう終わったのですから。

 1.ええ、その村を支配していた人物が気に食わなかったとしてもです。その場所の問題は、その人たちに任せるべきだったのです。

 

102.4において立候補は禁止しましたが、裏から政党を乗っ取ることも許可していません。

 1.共産党をただのカップリング集団に更生させたのは評価できますが。

 

103.研究者の悪い癖として周りのことに気づけないということはわかっています。ですが、どうしてあんな地雷に気づかなかったのですか?

 1.はい、私たちも二葉さなのKeter性に気づけませんでした。

 

104.ブライト博士が私たちに死亡ドッキリを仕掛けることは許可されません。

 1.許さないわよbyみたま

 2.ふゆぅ・・・博士が死ぬわけないよbyかえで

 

105.語尾に「DA」を付けて話さないでください。「だ」はいいですが。

 1.ブライト博士は「馴れーション」にはなれません。

 

106.ブライト博士はジュラル星人でもなければ魔王でもありません。

 1.あなたのどこが聖人だというのですか?

 2.魔女にも反撃しないのは無謀です。

 

107.「君にチャージインしてあげよう」は立派なセクハラです。

 

108.冷静に考えたら、あなたは最初からキチガイでした。

 1.まだ小学生の子もこのリストを読むんですよ⁉byいろは

 2.史乃沙優希はチャージマン研!のOPをカバーしないでください。よくもあんなキチガイレコードをかわいそうなお友達(チャーケニスト)がファンになってしまいました。

 3.矢宵かのこも便乗しないでください。気が狂いそうです。

 

109.ブライト博士はヌードデッサンのモデルに濠太剌利を選んではいけません。自動ドアさんも自重してください。傍から見ると、アウトですから。

 1.阿見莉愛だっつの。誰が白豪主義で赤外線反応式よ?by阿見莉愛

 2.先輩が・・・漢字を読めた・・・だと?byまなか

 3.後輩でさえなかったら・・・by阿見莉愛

 

110.百合の間に挟まる行為は人類悪に匹敵します・・・はいbyれん

 

111.ブライト博士のワームホールは閉鎖します。地雷処理を済ませてください。

 

112.いくら状況が最悪だからといって、梢麻友に甘えてはいけません。

 1.しゃんとしなさいby阿見莉愛

 

113.いろはさんの付けている謎のブレスレットは「モンスタースカウト」には使えません。

 1.あれをドラクエと認定するのは間違っています。

 

112.ブライト博士の言う通り、環いろはも「トレーナーなんかじゃない」と認めています。

 1.あの広告詐欺を許せないのは私たちも一緒です。

 

113.どうして偶然出会った紅晴結菜に気軽に話しかけたのですか?彼女を宥めるのにかけた時間は永遠に帰ってきません。それに、彼女はどういうわけか知りませんがこちらのことを恨んでいました。また何かしでかしたのですか?失礼しました。あなたはHoi4リレーの一件以来、何も二木市にしでかしていませんでした。

 

114.「電波望遠鏡での戦い」の映像は没収します。

 

115.佐鳥かごめに魔法少女について間違った認識を与えないでください。

 1.環いろはは「えろは」ではありません。確かにそうですけど

 2.怒りますよ???byいろは



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九枚目

もしブライト博士が違法行為をするようであれば、市内か市外か問わず誰でも気軽にリストに加えろ。


116.これは神浜市の魔法少女の問題ですが、同時に神浜市に訪れた魔法少女たちの問題でもあります。だからこそ、彼女たちにもこのリストの編集権があるのです。

 

117.中央区は中立地帯にさせられましたなりましたが、それはブライト博士が中央区においてリストから自由になるということを意味しません。

 1.このリストの所有権はわたしたちに移行しました。特定のグループの意見しか書き込めなかったからです。このリストにおいては、各グループの動向に対する陰口は歓迎されませんbyヨヅル

 2.このリストだって私に対する陰口のようなものなんだがねbyブライト

 

118.ブライト博士にこのリストを編集する権利はありません。

 

119.ブライト博士は魔法少女ではありませんが、調整屋の掲げる中立には従ってもらいます。中央区で市外の魔法少女と二度と戦わないでください。

 1.神浜市の魔法少女と戦ってもいけません。

 

120.ブライト博士はFSPゲームの要領で魔法少女と戦わないでください。

 1.サバゲーのルールを押し付けるのも同じことです。

 

121.よくもあんなキチガイアニメを!byみたまブライト博士は小学生以下の魔法少女に「チャージマン研!」を見せてはいけません。

 1.素晴らしいアニメだったですのにby那由他

 2.里見那由他は病院に送られました。

 3.感染が疑われた矢宵かのこも同様です。

 

123.ブライト博士が製作したアニメの舞台が精神病院である必要性はありませんでした。

 1.修正版の舞台が里見メディカルセンターである必要も。

 2.お父様だったら、ミサイルで道連れにすると思うけどby灯花

 

124.南凪の海は「ソラリスの海」ではありません。

 

125.ネオマギウスとの抗争に用いた「シースーブレード」はどこからどう見ても「スシブレード」です。風見野市の魔法少女がもうすぐ駆けつけてくるので楽しみにしていてください。

 

126.博士の描いた「ファイナルブラスト」とかいう下劣すぎるファンタジーの面を被ったギャグ漫画はういちゃんの教育に良くないから廃棄するんよbyうらら

 1.ありがとうございます、うららさん。そして、さようならbyいろは

 2.リスト書いてるときに襲うなんて卑怯なんよー!byうらら

 

127.ブライト博士がアリナ・グレイ、御園かりんの病室を訪れることは禁止されます。

 1.ブライト博士の抱き心地よかったのに・・・byかりん

 2.これは画伯の命を守るためだ。今にも君を殺そうとしているのが二人いるんでなby十七夜

 

128.神浜を紹介する番組の素材で「神浜」という曲を作ったのは素晴らしいのですが、二番煎じとしかいいようがありません。もっとひねってください。

 1.体をひねっても意味はありません。頭をひねってください。

 2.グロ画像になるのでやめてください。

 

129.あなたはかっこいいのですが、どうあがいてもケセド様ほどのかっこよさにはなれませんbyみふゆ

 1.勉強の邪魔になるから消しといたよーby灯花

 2.ようやく45日目に辿り着いたのに!いいもん!ラオルやりますから!byみふゆ

 3.パソコンも壊してあげたわよbyやちよ

 

130.ふゆぅ・・・「ころんば」さんの曲を戦闘中に歌わないでほしいようbyかえで

 1.ふんふん!ふんふふふふん!んふふん憤怒!by月出里

 2.「○○○○の名前は出すな。お前を殺す」と書いていますbyヨヅル

 3.これだからマナーを知らないっていうのは・・・byレナ

 4.ブライト博士がなんと主張しようと、彼の名前を晒すのは表現の自由には当たりません。



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シン・ブラえもん 時雨のスシクイネ=Hai Irasshai=NICEGUY戦争 前編

この話は事前に作者の過去作である「レジアスがクビになったようです」を見ておくと楽しめるよ。

https://syosetu.org/novel/232767/


「あなたの言う通りでした、スカリエッティ。

リンカーコアを寿司酢に漬けると、性格が変貌してしまった」

 

「変貌したのは性格だけじゃないはずさ、フェイト・T・テスタロッサ」

 

「・・・アインハルトちゃんが、寿司の道を歩み始めました。

味はいいけど、あれは嫌な予感しかしません。

まさか、寿司を回すだけであんな魔力変動が起きるなんて・・・」

 

「ははは!まさか私の妄想がここまで当たるなんてね!」

 

「妄想だったの???」

 

「暇で暇で、頭の中で式を組み立てていたんだよ。

すると、一つの方程式が自然とできあがった。

私はこの式をスシブレード方程式と名付けることにした」

 

「・・・あと、もう一つ報告があります。

あなたの提案で始まった量子再生計画の顛末についてです。

やはり、青銅時代プロ以外の魔法少女まどか☆マギカも存在しました」

 

「やっぱりね。別の世界線だと地球で製作されていただろ?」

 

「はい。その通りです」

 

「そうかそうか・・・ははっ、これは少し面白いことになるかもしれない。

これはつまり、創作された世界というのが無限にあるということを意味するんだよ。

たとえ、この瞬間にも、保澄雫がここにやってきても不思議じゃないんだ。

これは面白いことになったね。羅輯監督の黒暗森林理論にも影響があるかもしれない」

 

 

 

 

 

それはともかく、神浜市では世紀の実験が行われようとしていた。

寿司酢によるソウルジェムの浄化実験だ。

ここ最近、ソウルジェムの浄化に効果があった重曹の値段が高騰している。

それをうけて、ブライト博士は代用品を考案した。穀物酢と寿司酢だ。

穀物酢はすでに実験済みで、何の副作用も確認されなかった。

そして、今日、寿司酢の実験が行われようとしていた。

実験に志願してくれたのは、鶴乃由比と夏目かこだ。

 

「さて、本当に覚悟はいいんだな?寿司酢だけは面白・・・嫌な予感がするんだ」

 

「大丈夫だよっ!ふんふん!」

 

「ええ、私も問題ありません。もう博士の奇行にも慣れましたから」

 

「そうか・・・それじゃあ、二人とも、寿司酢にソウルジェムを漬けてくれ」

 

二人はそれぞれの皿に用意された寿司酢にソウルジェムを浸す。

すると、ソウルジェムは寿司色の光を放ち、たちまち調整屋内部は真っ白になった。

光が収まると・・・別段何も変わっていないようであった。

ちょっと穢れをためていたソウルジェムがすっかり綺麗になったことを除いて。

 

「ど、どうだ・・・?」

 

二人はにっこりと笑った。

 

「うーん、とくに大丈夫かな?」

 

「私も大丈夫ですよ?」

 

ともかく、実験はこれで終了だ。

二人が帰っていったのを見送ったブライト博士はがっくりと肩を落とした。

 

「何か起こってほしかったのね?」

 

「そうなんだよ、みたま。私の予想だと、寿司好きになるはずだったんだよ」

 

だが、翌日、ブライト博士はものすごく嬉しくなった。

二人が本当に寿司を愛するようになったからだ。

鶴乃もかこも、それぞれの本業片手間に回転寿司を始めた。

前者は硬派な回転寿司で、後者は何でも出す普通の回転寿司という違いがあったが。

違いはあれど、鶴乃は高得点の寿司を提供したし、かこも美味しいラーメンを提供した。

通な神浜市民や魔法少女の食生活を豊かにしたのだ。

ブライト博士もそんな二人に発明したレーンを提供したりして応援した。

しかし、だんだんと運命の歯車は軋み始めていた。

両者の方向性はまったくもって違いすぎたのだ。

最初は、かえでからの相談であった。

 

「ほう、二人が顔を合わせるたびに険悪になると?」

 

「うん・・・最初は睨み合ったりだけだったんだけど、

次第にお互いの寿司の方向性について悪口を言い合ったりして・・・。

でも、顔さえ合わせなければ鶴乃ちゃんもかこちゃんもいつも通りなんだよ」

 

「そうか・・・これは面白・・・大変なことになったな」

 

「ふゆぅ、聞こえたよ?」

 

後日、ななかも刀を突きつけてブライト博士に相談した。

 

「なあ、これって相談じゃなくて脅迫というんじゃないかい?」

 

「そうとも言いますね。でも、あなたは許されないことをした」

 

「実験に犠牲はつきものなんだ!」

 

ブライト博士の首は数時間後にくっついた。

だが、すでに何もかもが手遅れになりつつあった。

口喧嘩どころか、つっかみあいの喧嘩になることもあった。

そして、ついにその時はやってきた。

最初はかこから仕掛けてきた。

万々歳に何十杯ものラーメンが回転しながら飛び込んできたのだ。

鶴乃の父親と客は里見メディカルセンターに担ぎ込まれた。

 

「・・・ついにやりやがったね」

 

鶴乃もすぐに夏目書房に赴いた。

すでにかこが待ち構えていた。

 

「鶴乃さん、あなたの寿司はあまりにも弱い。

そんな寿司で、私に勝てると思っているんですか?」

 

「ラーメンやマヨネーズに頼る奴に言われたくないよ。

・・・3・2・1・へいらっしゃい!」

 

鶴乃は冷え切った表情でマグロを投げつけた。

だが、かこの投げたラーメンで軌道は逸れた。

進路を変更したマグロはそのままフクロウ印の給水屋に命中した。

こうしてミザリーオウルのウワサは戦隊モノの怪人のごとく爆散した。

だが、ラーメンの椀にひびが入った。

 

「なるほど、口だけじゃなさそうですね」

 

かこはそう言うと、はるか上空に寿司を回す要領で飛び上がった。

そして、何百もの魔法陣を展開し、そこからラーメンを召喚した。

 

「これが新時代の寿司・・・闇寿司の力です!」

 

ラーメンが一気に鶴乃に向かって発射された。

汁と煙が地上を包んだ。

 

「やりましたか・・・?」

 

だが、その煙から鶴乃が飛び上がった。

 

「こんな寿司でもなんでもないラーメンでやられるもんか!」

 

「ラーメンは寿司です!どうしてそれがわからないんですか!」

 

鶴乃はサバの押し寿司をかこの顔にお見舞いした。

だが、かこは鼻血を流しただけで、ほとんど平然としていた。

 

「くっ、この化け物!」

 

「まだわからないんですね、私との実力の差が」

 

かこはステーキの鉄板で鶴乃を地上に叩き落とした。

巨大な噴煙が上がるが、今度ばかりはかこも油断しなかった。

案の定、噴煙より何百ものネタが対空砲のごとく発射された。

かこは超スピードで迫ってくるそれらを、見事に避けていった。

もはや、それは読者諸賢の知るスシブレードではなかった。

それは競技としてのスシブレードではなく、戦争としてのスシブレードだったからだ。

ルール無用。どちらか一方が死ぬまで、勝負は続けられる。

 

「わあ!寿司がいっぱい落ちてる!これでみんなに寿司を食べさせてあげられるよ!」

 

この戦争で得をしたのは眞尾ひみかぐらいであった。

そんなことはともかく、これはとにかく戦争だったのだ。

 

「・・・やっちゃった☆」

 

「この始末をどうしてくれるんだ?あれは私でもどうにもならんぞ?」

 

「十七夜くん、笑うしかないよ」

 

「ブライト、それがお前の答えか」

 

尻を腫らしたブライトが数分後に発見された。

 

 

 

 

「・・・というのが、スシクイネ=Hai Irasshai=NICEGUY戦争の始まりらしいな」

 

佐鳥かごめは一連の話を佐倉杏子から聞いていた。

彼女はたまたまブライト博士の制裁にやってきていたのだ。

「シースーブレード」をやらかした罰だ。

なお、ブライト博士だったものに杏子は腰かけていた。

どうせ数時間後には復活するだろうから何の問題もない。

 

「そうですか・・・寿司で?」

 

「そう、寿司で」

 

かごめは頭が痛くなりそうだった。

 

「まあ、あたしは市外から来たし、あまり知らねえんだ。

知っている奴に聞けば・・・おっ、ちょうどいいところに来たな」

 

杏子の視線の先には、一人の魔法少女がいた。

彼女の名前は宮尾時雨、神浜市の主力魔法少女の一人である。

今は、対ネオマギウスの役目を引き受けている。

 

「あいつは当時のマギウスの翼から派遣されて戦争に参加したんだよ」

 

 

つづく



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シン・ブラえもん 時雨のスシクイネ=Hai Irasshai=NICEGUY戦争 後編

https://syosetu.org/novel/232767/

くどいようだけど、「レジアスがクビになったようです」を参考に。


ホテルフェントホープ。そこでマギウスたちは緊急会議をしていた。

参京区で起きている戦争に対処するためだ。

事実、ウワサも一つやられてしまっている。

しかし、アリナと灯花あまり介入することに乗り気ではなかった。

ぶっちゃけ、この戦争で絶望の感情が集まればいいと思っていた。

 

「・・・そうか、じゃあ僕だけで対処するよ」

 

ねむだけだった。この戦争をなんとかしようとしたのは。

さすがにこれを放置していてはマギウスの評判の凋落に繋がりかねない。

そういうわけで、ねむは自分で動かせる羽根たちを招集した。

その中にはもちろん、時雨とはぐむがいた。

 

「知っての通り、参京区はあまりに悲惨なことになりつつある。

僕はそこにいる魔法少女の救援のために、君たちを派遣しようと思う。

強制はしない。僕は寿司にした。君たちも寿司にしてほしい」

 

だが、誰も去ることはなかった。

このままでは自分たちの区にまで飛び火するからだ。

事実、保澄雫も自分の地区が戦場になったので困っていた。

 

「そうか・・・諦めず、最後までこの街を見捨てずにやろう」

 

こうしてマギウスの派遣部隊は保澄雫の能力で参京区に移動した。

ねむは敬礼して、彼女たちを見送った。さすがに行く気はなかった。

時雨の鼻を突いたのは、硝煙と酢飯の匂い・・・。

街のあちこちで寿司のような光を放つ炎が上がっていた。

この争いを止めようとした環いろはが倒れていた。

落ちてくる寿司を腹いっぱい食べたやちよも倒れていた。

あと、グロ画像のようなフラれ方を体験したひなのも倒れている。

リーダー格魔法少女が二人もやられていた。一方は別件で倒れたが。

上空を飛び交うのはアナゴと茶碗蒸し・・・。

唖然とする派遣部隊の前に、一人の闇のスシブレーダーが現れた。

 

「ふゆぅ・・・へいらっしゃい」

 

白羽根はかこに洗脳されたかえでによって全滅した。

残された黒羽根たちは必死に逃げた

 

「お客逃してたまるか!」

 

だが、鶴乃に洗脳されたももこにまた一人、また一人と捕らえられていった。

時雨とはぐむは必死に逃げた。逃げるしかなかった。

跳んでくる江戸前寿司やラーメンやタイヤを撃ち落としたり叩き落としながら・・・。

この戦争で少しずつ動体視力も回避能力も上がっていく。

だが、ついに目を付けられてしまった。あの二人に。

 

「ふんふん!マギウスの翼なんかに邪魔させるもんか!」

 

「目障りなので、消えてもらいます」

 

寿司の弾幕が二人を襲う。二人は防ぎきれずに、吹っ飛ばされていく。

寿司煙に包まれた中、時雨はなんとか立ち上がる。

でも、もう限界だった。もう疲労も空腹も極限状態だった。

そんなとき、真横にマヨコ―ンがあるのを見つけた。

道に落ちているものを食べてはいけないのだが、背に腹は代えられなかった。

思い切って食べると、うまかった。

一貫だけ食べて、もう一貫ははぐむのために残しておいた。

江戸前寿司だろうと、闇寿司だろうと、おいしいのには変わりはないのだ。

こんなおいしいものを、彼女たちは戦争の手段に使っているのだ。

この戦争は、絶対に止めなければいけない。

時雨は寿司意に満たされた。

 

 

 

 

そのころ、ブライト博士はめっちゃくちゃ悩んでいた。

鶴乃とかこを直すためには、ソウルジェムを正常に戻さなくてはいけない。

だが、彼一人ではかなりの研究時間が必要だということが判明した。

 

「どうだ、ブライト?」

 

「駄目みたいだ」

 

「ほう?土葬か鳥葬か火葬のどれが好みだ?」

 

このままでは十七夜にグロ画像みたいなことをされる。

それはブライト博士も嫌だった。

だが、一人では無理なこともまた事実だ。

 

「ブライト博士、私にいい考えがあるよ」

 

「おっ、何だい雫?なんかボロボロだけど・・・」

 

「私の能力を使えば、博士に協力できそうな人を探せるかも。

あと、ちょっと敵前逃亡しただけだから気にしないで」

 

 

 

 

「それで、青銅時代プロはどうするつもりだい?」

 

「さすがに過去作の続きを封印されたのは打撃が大きかったようです・・・」

 

第九無人世界軌道上の収容所。

そこにはかつてミッドチルダを混乱に陥れたジェイル・スカリエッティが収容されていた。

だが、その混乱というのは読者諸賢の知っているJS事件とは異なる。

とにかく、まえがきにリンク貼っといたから見ておいて。

 

「そこで・・・」

 

「マギアレコードをほのぼのチックにリメイク。

さらに、別の世界だと明記して扉の向こうに影響がないように、と?」

 

「・・・そうです」

 

「ははは!そうだと思ったよ。

ほのぼのアニメだったらこちらに攻め込んでこないからね!」

 

「管理局も現在検討中です。

しかし、今の問題はスシブレーダー化したアインハルトちゃんです。

すでに彼女の覇王酢飯拳はかなりの被害をもたらしてるんです」

 

「そうはいっても、さすがの私でもスシブレーダー状態の解除の研究には長い時間がかかるんだ。

せめて、もう一人、すっごい研究者でもいてくれれば話は変わるんだがね・・・」

 

その時、収容房に穴が現われた。

 

「さて、最初に言った通り、保澄雫が現われそうだね。

たぶん、扉の向こうのほうとは別人だと思うけど」

 

スカリエッティの予想通り、入ってきた保澄雫はこちらのことを知らないようだった。

そして、さらにもう一人の白衣を男が入ってきた。

ブライト博士とスカリエッティは初対面にもかかわらず、固い握手を交わした。

 

出会ってはいけない二人が出会ってしまった

 

 

 

 

時雨の必死の応戦により、鶴乃とかこも少なからずダメージを負った。

戦っている途中で成長するのは、どこも同じであるようだ。

だが、時雨のダメージもそろそろ限界値に近づいていた。

 

「はあはあ・・・」

 

「寿司職人じゃないのに、よく頑張ったね」

 

「でも、これでおしまいです、さようなら」

 

意識がもう消えそうだった。

でも、まだ倒れるわけにはいかない。

 

「ぼくは・・・負けるわけにはいかない!

アンタらみたいに、寿司を、いや、食べ物を戦争に使う奴らなんかに!」

 

虚しい叫びだった。すでに武器のパチンコは壊れていた。

というか、この危険な神浜でよくパチンコで生き残れたな。

ともかく、何千という寿司が時雨に向かって飛んできた。

悲しいかな、今の彼女にできるのは、その中の一皿を殴ることだけ。

・・・でも、それが状況を変えた。

他の寿司たちが、殴られた寿司に向かって急発進したのだ。

こうして、時雨の殴った寿司は他の寿司によって貪り食われた。

 

(最悪です・・・よりによって「座標」が・・・あんな弱い魔法少女の手に・・・)

 

かこが冷や汗をかいている間、時雨はその隙を突いて、何千もの寿司を平らげた。

空腹には勝てなかったのだ。もちろん、はぐむの分も残した。

 

「げふっ・・・もうだめだ・・・」

 

満腹と疲労により、時雨は倒れた。

まだ意識はあるが、もう体が動いてくれないのだ。

 

「よく頑張ったな、あとはあたしに任せろ」

 

はぐむのために残した寿司の一つを、赤髪の少女が食べてしまった。

でも、もう文句を言う気力もない。

 

「・・・重曹でソウルジェムを浄化できるって聞いたから、

この街に来たけどよ、こんなに食い物を粗末にしやがって・・・!」

 

少女は変身して、槍を構えた。

 

「覚悟はいいか?」

 

二人は絶望した。

目の前の少女は寿司職人ではない。

それなのに、勝てる気がしないのだ。

 

「・・・げふっ、私も加勢します!」

 

残らず寿司を平らげたはぐむも少女の横に並んだ。

さあ、反撃の時だ(食い物を粗末にした罰だ)

 

 

 

 

ブライト博士とスカリエッティはついに研究に成功した。

これで、寿司職人を一般人に戻すことができるのだ。

とある魚から抽出した成分がそれを可能にしたのだ。

 

「これにソウルジェムを浸すだけで魔法少女を寿司職人に戻せるぞ!」

 

「ああ、リンカーコアにも効果があるだろうから管理局も万々歳だ!」

 

二人の研究者は狂喜乱舞した。

だが、みたまには不安があった。

 

「・・・副作用はあるのかしら?」

 

寿司酢でこうなったのだから、やっぱり不安にはなるのだ。

だが、ブライト博士の一言で誰もが安心した。

 

「あまり愉快じゃない副作用があるんだよ」

 

ブライト博士にとって愉快じゃないことは、まともなことを意味する。

そして、ちょうど赤髪の魔法少女こと佐倉杏子とはぐむが鶴乃とかこを連行してきた。

嬉しいことに、二人とも意識を失っている。抵抗される心配もない。

すぐに二人のソウルジェムを液体に浸した。

 

「これで精神は正常になるはずだ。まだ身体にはスシブレード成分が残っているだろうけど。

まあ、数時間もすれば、それも勝手に排出されてくれる。さて、そろそろ帰らないと・・・」

 

「ああ、さようなら、親友」

 

こうしてスカリエッティは元の世界に帰っていった。

ブライト博士は名残惜しそうに、手を振って見送った。

 

「わあ、こんなに魚がたくさん!」

 

たまたま調整屋に来たひみかが余った魚を見て喜んだ。

 

「全部持って帰っていいぞ。私の好みではないからな」

 

ひみかは家族のために全部持って帰っていった。

この後、ななかと杏子が話し合って、ななか=杏子協定が締結された。

これによりスシブレードは永遠に禁止されることになった。

果たして「座標」とは何だったのか?それはしばらく闇の中に葬られそうだ。

 

「ところでよ、博士」

 

「なんだい、杏子くん」

 

「あの魚って、何だったんだ?」

 

ブライト博士は溜息をついていった。

 

「バラムツっていう魚でね・・・」

 

 

 

終劇

 

 

 

 

 

 

「うっ、お腹が・・・」

「い、いや・・・見ないで、フェリシアちゃん」

「と、撮らないでください、ヴィヴィオさん・・・」

「「「「「「「「ギャアアアアアアア」」」」」」」」



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十枚目

ブライト「えー、前回、時系列を忘れた結果、いろはくんが出演してしまっていた。本当にすまなかった。えー・・・もう一生懸命ほんとに、少子化問題、高齢ェェエエ者ッハアアアァアーー!! 高齢者問題はー! 我が県のみウワッハッハーーン!! 我が県のッハアーーーー! 我が県ノミナラズ! 神浜みんなの、日本中の問題じゃないですか!!この世の中を! ウグッブーン!! ゴノ、ゴノ世のブッヒィフエエエーーーーンン!! ヒィェーーッフウンン!! ウゥ……ウゥ……。ア゛ーーーーーア゛ッア゛ーー!!!! ゴノ! 世の! 中ガッハッハアン!! ア゛ーー世の中を! ゥ変エダイ! その一心でええ!!」

いろは「・・・以上、謝罪会見でした。本当にすみませんでした」


131.「お許しください」はあなたを許す理由になりません。

 1.「てへぺろ」はなおさらです。

 

132.ネオマギウスの結成の理由の一つがあなたの抹殺であるのは確かですが、それはあなたが神だからではありません。

 1.悪魔だからというのは、ある意味正解です。

 

133.ブライト博士がサメ映画の上映会を開いたのはまったくもって間違っていました。

 

134.ブライト博士お手製の「カニ身乗せマッシュルーム」はマリアナ海溝に廃棄しました。

 1.あなたが逃げたのはわかってる。しかし、こちらにはGPSがあるわ。もうすぐ杏子さんが来てくれるだろうから喜んでちょうだいbyやちよ

 

135.ブライト博士は二度と「ジェイル・スカリエッティ」と手を組んではいけません。

 1.保澄雫もほいほいと彼に協力しないでください。

 

136.三体は確かに素晴らしいSF小説です。あのような宇宙文明の壮大な叙事詩があなたの心を奪ったのも理解できます。ですが、それをおすすめするときに「神浜市の東西対立すらちっぽけになる!」と宣伝したのはあまりにも無神経としかいいようがありませんでした。

 1.だから私はSFが好かんのだ。自分こそは物事を超越してるって考えがなby十七夜

 2.程心さんの境遇を見てると涙が・・・byみたま

 

137.夜明けの墓地で拳銃を持っても、あなたは三体世界と対話できるわけではありません。

 1.あなたが実際に撃った時、私たちは本当に焦りました。

 

138.ブライト博士は「面壁者」ではありません。

 1.「執剣者」ですらありません。

 

139.史乃沙優希さんに「智子」のコスプレをさせないでください。

 1.日本刀は確かに似合いますが。

 

140.二度と「なるたる」の監督のアニメを送り付けてほしくないんよ。ウチが事前に確認したからよかったものの、あんなのういちゃんに見せられないんよbyうらら

 1.ありがとうございます。それではあなたをしつけますねbyいろは

 2.恩を仇で返すなんてひどいんよー!byうらら

 

141.あした屋でお菓子を爆買いしたのは大人げないです。

 

142.しばらくブライト博士がHoi4をプレイすることを禁止します。コラボ企画におけるトラブルが今回の事件の一端であることが発覚したからです。

 1.ええ、確かに一端にすぎませんが、それでもあなたに憎悪が向けられていなければ、あなたの仲介が期待できたのです。

 

143.ブライト博士の「(社会的)Death Note」はマリアナ海溝に廃棄しました。

 1.結菜さんが授業中にオナラを我慢できなくなったのはブライト博士の仕業っすか・・・by結菜

 2.私が十億円の借金を背負う羽目になったのも・・・by明日香

 

144.ブライト博士の言う通り、確かにマリアナ海溝には多くの廃棄物が沈んでいます。ですが、それを理由にマリアナ海溝を「博物館」と呼ぶことは許されません。

 1.あれはむしろ「黒歴史」がふさわしいです。



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十一枚目

145.ブライト博士は「象は鼻が長い」の類似文章をコンピューターに解かせないでください。

 1.わたくしのコンピューターがどれくらいしたと思ってるの?by灯花

 

146.ブライト博士の作成した論文である「ポリンキー三角形の理論とその実践」は実体認識に重大な障害を与えることが発覚したため、マリアナ海溝に廃棄しました。

 

147.梅ジャムは失われたからこそ、さらに価値があるというものです。杏子さんに食べてもらいました。レシピは魔法少女にのみ公開とします。

 

148.二葉さなで毛利蘭の髪形を再現しないでください。どうやって再現したのですか?

 1.攻防一体は彼女の髪形を凶器に変える理由になりえません。

 

149.「ハーレム」はあなたの抱える地雷の処理にはなりえません。ちゃんと向き合ってください。

 

150.ブライト博士は前の世界における「宇宙の終わりの秘密」を教えないでください。キュゥべえに問い合わせたところ、あなたの言ったことは合っていましたが、色々な意味でショッキングすぎます。

 1.宇宙ってどうやって終わるんですか?by理子

 2.時の終わりとは、一週間の終わりなのだよbyブライト

 3.だからアンタに編集権はないって言っとるやないかbyリヴィア

 

151.ブライト博士はいくら酒瓶を集めたところで、「酩酊街」とやらに行くことはできません。

 1.アンタのことは何があっても忘れないぞ。つか、忘れられるかbyももこ

 2.ふゆぅ、日々の印象が強すぎて忘れたくても忘れられないんだようbyかえで

 

152.ブライト博士は「モンテスマ」の格好をして、ネオマギウスおよび二木市の魔法少女に「貴公の首は柱に吊るされるのがお似合いだ」ということは今後許可されません。とくに紅晴結菜と藍家ひめなの怒りを鎮めるのにはかなりの時間を割きました。

 1.「Your head would look good on the end of a pole.」も同様です。アシュリー・テイラーがいなければ、私たちは永遠にそれに気づかなかったでしょう。

 2.「蒸気財団」は中身もやっぱり変人デシタbyアシュリー・テイラー

 3.海外でも有名なのね・・・byみたま

 

153.「みて。こっちに素敵な汚物があるわ」という「軽蔑的侮辱」は行われるべきではありませんでした。

 1.最近の行動により、CivもEUもプレイ禁止が決定しました。

 

154.少なくとも、サスカッチはこの世界ではただのインチキです。小学生たちを怖がらせないでください。

 

155.ブライト博士は手製の戦車で魔法少女と戦わないでください。燃料切れになって、紅晴結菜に引きずり出されてボコボコにされたのに懲りたのなら。

 

156.ブライト博士の結成した「魔法少女赤軍」は解散されます。水樹塁も反省してください。

 

157.トゥヴァ共和国は次元のかなたにあるわけではありません。

 1.召喚されたわけでもありません。

 2.ちゃんと現実に存在します。

 

158.ブライト博士はサモトラケ人ではありません。

 1.そもそも、この世界にサモトラケは存在しません。

 

159.任天堂は超常団体ではありません。確かにすごいゲーム企業ですが。

 

160.ブライト博士は論文提出の期限が迫っているからといって、ブリヤート共和国に亡命してはいけません。

 1.里見グループの追跡能力をもってすれば、捕縛なんて簡単だよby灯花

 2.これよりブライト博士は論文を書き上げるまで、軟禁状態におかれます。

 3.「逃避エネルギー」を臨界点までためたブライト博士が逃げた先で観鳥令を助けたのは評価できます。それに、なんやかんやで交渉も決裂しなかったので。ですが、それはそれで、これはこれ。論文を完成させるまで、きっちりと八雲みたまが見張ってあげるので、どうか気兼ねなく取り掛かってください。




時の終わりは一週間の終わり・・・ http://scp-jp.wikidot.com/scp-4405

任天堂は超常団体に決まってるだろ! http://scp-jp.wikidot.com/nintendo-hub

逃避エネルギーって? http://scp-jp.wikidot.com/scp-4777-jp-j


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