小説家とドラゴン (リューオ)
しおりを挟む

はじめに、小説家あり。

飛行船が衝突して崩壊した城に、ボロボロの少年がいた

 

「こんな事して…、何の意味…が…」

 

磔にされた男は息絶える

 

「ただの…、自己満足だ…」

 

少年は何とか城を出る

 

(さすがに…、もう…無理…だ…)

 

街に着いた所で倒れる。そこに赤髪の青年とプリン頭の男性が少年を見る

 

「こんな所に人間が…」

 

「どうすんだ?このままだと死ぬぞ」

 

「もしかしたら、さっきの飛行船墜落の被害者かもしれない。病院に連れて行こう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~???サイド~

 

「…ん」

 

書店のカウンターで目が覚める

 

「またあの夢か…」

 

俺の名はトーマ・ダルク、小説家でダルク書店の店長をやってる

 

『復讐は果たしたのに、何で見るんだ…?』

 

コイツは俺が持ってる神器に封印されてる『原初の龍(プリミティブドラゴン)』で、名前が無かったようなんで、クリムと名付けた

 

「そうだよな…」

 

ピンポーンと入店音が鳴る

 

「やあトーマ君。繁盛してるかい?」

 

「ようトーマ、原稿はどうだ?」

 

「書き途中で寝てしまったから、まだだな」

 

この二人はサーゼクスとアザゼル。サーゼクスは書店を開店できるように手配してくれた悪魔で、アザゼルは俺を保護してくれたおっちゃんだ

 

「また、あの夢か?」

 

「まあな」

 

奥の部屋に行って制服に着替える

 

「これから学校に行くけど、店を頼んだぞ曹操」

 

「分かってるよ店長」

 

コイツは曹操、英雄派のリーダーだ。向こうから勧誘してきたんで、英雄派全員をうちの店員にした

 

「ふああああああああ…、眠い…」

 

「「「「きゃあああああああああああ!?」」」」

 

駒王学園に着くや否や悲鳴が聞こえる。何があったんだ?

 

『あそこ、凄い集まってるぞ』

 

クリムが指した方向を見ると、同級生で仲良き友人の兵藤一誠と、学園二大お姉様の一人のリアス・グレモリーが一緒に登校してた。リアスって確か、サーゼクスの妹だったよな?いつもサーゼクスが話してるし

 

『で、どうするんだ?』

 

どうするって、そりゃあもう…

 

「おーい、イッセー」

 

「あ、トー(ジブリ)はやお―――――――――!!」

 

制裁係として、ノーモーションで眉間に万年筆を投げるに決まってんでしょ

 

『ま、万年筆が刺さった…』

 

グレモリーはこの事に困惑してたようだ

 

 

 

 

 

================================================

 

 

 

 

 

放課後、俺は書き途中の原稿を書く

 

「イッセー、この前の彼女どうだったんだ?犯罪レベルの変態行為がバレて、別れたのは目に見えてるけどな」

 

「そこまで言われなくたっていいだろ!?」

 

「「「「きゃあああああああ!」」」」

 

教室にイケメンこと木場勇j…裕斗が入ってくる

 

「フン、イケメン王子かぁ…。死ね」

 

「同意」

 

木場がイッセーに近づく

 

「何だよ?」

 

「リアス・グレモリー先輩の使いで来たんだ」

 

「え、じゃあお前が…」

 

「僕について来てくれない?」

 

「違うだろうけど、俺は店番があるから。じゃあなフォックス。…フォックスじゃねえや」

 

俺はカバンを持って教室を出る




~トーマ・ダルク~
CV:内藤秀一郎
外見:ジャンヌオルタの男子版

ダルク書店の店長で、小説家をやってる
どうやら冥界の飛行船墜落事故と関わっているようで…?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

実体支配、原初の龍と共に。

数日後、アーシア…、アーシア…何だっけ?

 

『アルジェントだろ』

 

あ、それだ!アーシア・アルジェントが転校して数日が経過したある日、書店の二階にある俺の家にゴスロリの少女がいた。あ、今日は休業日だぞ?

 

「見つけた」

 

「おん?」

 

「原初の龍、久しい」

 

『な、お前…!?』

 

「知ってんのか?」

 

『コイツはこの世界で二番目に強い、無限の龍神(ウロボロス・ドラゴン)のオーフィスだ!』

 

ごめん、スケールが国家予算と同じくらい分かんねえし、どうやってこんな奴を生み出したんだ?

 

『ポケモンに例えると、俺がドラゴン界のアルセウスでありミュウで、コイツとグレートレッドはディアルガとパルキアみたいに生み出した。OK?』

 

おk、分身的な感じか

 

「二番目に強いドラゴンがうちに何の用だ?あ、俺はトーマ・ダルクね」

 

「我、トーマの力を借りに来た」

 

『力って俺の事か。何でだ?』

 

「我、静寂が欲しい」

 

「静寂?」

 

「次元の狭間、グレートレッドいる、グレートレッド、我より強い、だから、トーマの力、借りに来た」

 

グレートレッドって、不動の存在で赤龍神帝だったよな?

 

『ああ、禁手してるトーマすら勝てない相手だ』

 

「というわけですので、グレートレッド討伐は諦めた方が…」

 

「でも我、帰る場所は次元の狭間しかない」

 

「俺以外に協力者はいる?」

 

「いる」

 

オーフィスが協力者の説明をする

 

「…うん、騙されてるぞ。抜けてこい」

 

「そうする」

 

オーフィスは一瞬にして姿を消す

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~翌日~

 

朝起きると、布団が膨らんでた

 

「…何だ?」

 

布団を剥ぐとオーフィスがいた

 

「後は、カルデアに預けるか」

 

どういう訳か、物置部屋がカルデアと繋がってるのだ

 

 

 

 

 

================================================

 

 

 

 

 

時は飛んで夜―――

 

「曹操、紫式部、行ってくる」

 

「はぐれ悪魔の討伐か?」

 

「サーゼクスから頼まれたんだ」

 

「気を付けて下さいね」

 

「あーい」

 

俺は指定された場所に行く

 

「この辺りだな」

 

『気配を感じる…、すぐそこだ』

 

そこには、はぐれ悪魔のバイサーがいた

 

「うまそうな匂いがするぞ。甘いのかな?苦いのかな?」

 

「行くぞクリム、禁手!」

 

<Primitive Dragon Balance Breaker!>

 

禁手して、原初の龍の鎧(プリミティブドラゴン・スケイルメイル)を纏い、おっちゃんがレーヴァテインをベースに作ってくれた人工神器『火炎剣烈火』を持つ。後は任せたぞクリム

 

『了解。さあ、秒で終わらせるぜ!』

 

跳んで首を斬ると死ぬ。それを確認して禁手を解除する

 

『あっけねえな…。ん?グレモリーが来るぞ、いいのか?』

 

「いいよ。アイツらがどれくらいか見たいから、アヴィケブロンのゴーレムと戦わせるし」

 

アヴィケブロンから注文して作ってもらったゴーレムを召喚する

 

「よっと」

 

神器である全てを掴む腕(グラッピングアーム)を通気口に掴ませ、俺を引き上げて入る。クローショットみたいで便利なんだよね

※プリミティブドラゴンのあの腕のようなアレの事です

 

「インスタンス・ドミネーション!」

 

中指と薬指の間で開きながら発声すると、ゴーレムが動き出す。対象をジッと見ればいいだけなので、腕は曲げてても問題ない

 

「見せてもらおうか、グレモリー眷属の力とやらを」

 

『似てねえぞ』

 

グレモリー眷属とゴーレムとの戦いが始まる。うーむ…塔城子猫はルーク、木場はナイト、姫島はクイーンだろう

 

『けど、全然力を活かせてないな』

 

木場はスピードに頼り切ってる、エミヤみたいに剣を量産できないのか?

 

『いや無理だろ。塔城はどうなんだ?』

 

塔城はパワーに頼り切ってるから単調になってる、サンタカルナみたいにできないのか?

 

『いや無理だろ(二回目)。姫島は?』

 

ああ、何とも可哀想に…。電撃を同じ方向に飛ばしてるからワンパターン、テスラみたいにライトニング!ってできないのか…。南無阿弥陀仏…

 

『いや無理だろ(三回目)。というかそれは悲鳴嶼だ。んで、グレモリーは?』

 

滅びの魔力に頼り切ってr(ryあ、ホームランした。もっと他にやることあるだろ…

 

『いや無理だろ(四回目)。結果は?』

 

マジないわ

 

『んじゃ、撤退するか』

 

ゴーレムをカルデアに返して、俺は撤退する

 

「…部長、天井の通気口に誰かいます」

 

『オイ早く逃げるぞ!』

 

急いで通気口から外に出て逃げる。途中から後ろの通気口が消えたけど、俺は無事です



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

小説家と、公開トーク。

イッセーが休みに入って数日が経ったある日、書店にサーゼクスが来る

 

「やあ、トーマ君。少しいいかな?」

 

「どうしたんだ、サーゼクス」

 

「この後リアスの結婚式があるけど、ゲストとして君との対談をしたいのだがいいだろうか?」

 

「おk、公開トークね。ええで」

 

「では、行こうか」

 

式の会場へ転移した後、後ろにある椅子に座る

 

「今回は余興の一つとして、冥界でも話題になっている小説、『リベンジ・トゥ・ブリゲイツ』と『小説版:魔法少女マジカル☆レヴィアたん』の作者であるトーマ・ダルクをお呼びしました。今回はよろしくお願いします」

 

「よ、よろしくお願いします…」

 

ヤベェ…、スゲー緊張する…

 

『そういや、こういうイベントに出た事なかったもんな』

 

「早速聞くけど、『リベンジ・トゥ・ブリゲイツ』は飛行船墜落事故と関係していると聞いた事はあるが…」

 

「マジだ。飛行船墜落は俺の過去と直結してる、語っていいか?」

 

「構わないさ」

 

「小さい時、両親が謎の集団に殺されてね。復讐心が燃えた際に神器を覚醒した。それがこの全てを掴む腕(グラッピングアーム)だ」

 

全てを掴む腕(グラッピングアーム)を出す

 

「それが君の神器か…」

 

アームをしまって話を続ける

 

「んで、コイツを使ってその集団がいる飛行船を聞きつけて乗り込んだ。そして部下を倒し、その衝撃でブリッジが破壊され、飛行船が墜落する際クローを飛ばしてボスを磔にして飛行船と共にしようとしたが…、ボスが俺の背中や脚に腕を撃ち抜いて道連れにしようとした。気が付いた時は墜落した飛行船、衝突で同時に崩壊した城、磔にされて虫の息だったボスは息絶える。辛うじて城から脱出して街中で倒れた。気が付いた時は病院で、そこで会ったのが…」

 

「私とアザゼル…か」

 

「その後、アザゼルが俺を組織に入れてくれて、サーゼクスが書店を開店できるよう手配してくれて、俺は店長兼小説家を始めた。その時書いた小説が『リベンジ・トゥ・ブリゲイツ』だ。レヴィアたんのノベライズは…、まあ…、本人に頼まれて書いたんだよね…。もう関わりたくない」

 

「ははは、彼女に聞かれたら一溜りもないぞ?」

 

「妹はさておき、アイツはここにいないから大丈夫d「部長ォォォォォォォォッ!」アラーッ!?」

 

「トーマ君!?」

 

イッセーが乱入した拍子に驚いた俺は、某大手ハンバーガーチェーン店のピエロみたいな声を上げながら椅子ごと後ろに倒れる

 

「イッセー!?」

 

「おい貴様、ここがどこだと「俺は駒王学園オカルト研究部の兵藤一誠!部長、リアス・グレモリー様の処女は俺のものだ!」な、貴様…!」

 

起きようとしても、亀のようになってるので起き上がれない

 

「何考えてるのあの男!?」

 

ホントだよ!

 

「どういう事だ、ライザー?」

 

「おい、リアス殿。これは一体?」

 

上級悪魔は困惑する。そりゃそうか、俺も困惑してるし

 

『で、実際は?』

 

誰か起こして

 

『正直でよろしい』

 

「私が用意したもう一つの余興ですよ」

 

「お兄様」

 

お兄様?ああ、コイツがサーゼクスの妹か…。見えないけど

 

「ドラゴンの力が見たくて、ついグレイフィアに頼んでしまいましてね」

 

「サ、サーゼクス様!そ、そのような勝手は!」

 

「いいではないですか。この間の『レーディングゲーム』、実に楽しかった。しかしながら、ゲーム経験も無い妹が、フェニックス家の才児であるライザー君と戦うには少々分が悪かったかなと」

 

「…サーゼクス様は、この間の戦いが解せないと?」

 

なあクリム、俺の存在感が薄いから今の内にこっそり帰る?

 

『こっそり帰っちゃダメだろ』

 

「いえいえ、そのような事は。魔王の私がアレコレ言ってしまったら、旧家の顔が立ちますまい。上級悪魔同士の交流は大切なものですからね」

 

「ではサーゼクス。お主はどうしたいのかな?」

 

見えないけど、セリフから聞くにサーゼクスのオトンかな

 

「父上。私は可愛い妹の婚約パーティは派手にやりたいと思うのですよ。ドラゴン対フェニックス。最高の催しだとは思いませんか?伝説の生物同士で会場を盛り上げる。これに勝る演出は無いでしょう」

 

ほふく前進で椅子から脱出する

 

「ドラゴン使い君。お許しは出たよ。ライザー、リアスと私の前でその力を今一度見せてくれるかな?」

 

ホストもどきは不敵に笑う

 

「いいでしょう。サーゼクス様に頼まれたのなら断れるわけがない。このライザー、身を固める前の最後の炎をお見せしましょう!」

 

ライザーとイッセーの戦いが始まる。変態じゃなければ良い奴なんだけどな…、まあそれより

 

「サーゼクス、俺はもう書店に帰らせていただきます」

 

俺は書店へ転移する

 

「君は実家に帰る妻か何かか…?」



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

蹂躙する、二匹の龍。

早朝、おっちゃんが部屋に来て俺と話をする

 

「イッセーに会ったのか、どうだった?」

 

「アイツは鍛えればもっと強くなれる程の奴だ」

 

『ま、赤龍帝だもんな』

 

「で、本題は?」

 

「俺の組織の幹部のコカビエルがエクスカリバーを盗んだんだ」

 

「え?エクスカリバーって、湖の乙女に返却したんだろ?」

 

『偽物だろ。知らんけど』

 

「代わりに殺ってくれってか?」

 

「いや、ヴァーリと一緒に回収してくれ」

 

「おk、この事をヴァーリには?」

 

「お前から言ってくれ」

 

物置のドアを開けてカルデアに入ると、マシュに話しかけられる

 

「おはようございますトーマさん」

 

「おうマシュ、ヴァーリはどこだ?」

 

「ヴァーリさんなら食堂にいます。何でも究極のラーメンを作るとか…」

 

「おk、食堂か」

 

『究極のラーメンか…、食ってみたいものだ』

 

食堂に行くと、ヴァーリとエミヤがいた

 

「やっほー、ヴァーリ、エミヤ」

 

「トーマか、朝食はまだだぞ」

 

「いや、今回はヴァーリに用があるんだ」

 

「俺か?」

 

「おっちゃんからの連絡だ。かくかくしかじか…」

 

「四角いムーヴ。なるほど、コカビエルが…」

 

「じゃ、俺はこれで」

 

 

 

 

 

================================================

 

 

 

 

 

登校中、変な格好した二人組がいた。何だアイツら

 

『あの二人はエクソシストだ。あの青髪が持ってる剣がエクスカリバー(偽)だ』

 

「君、駒王学園の生徒か?」

 

「生徒と同時に書店の店長であり、小説家ですが何か?」

 

ツインテが俺に話す

 

「駒王学園のリアス・グレモリーに用があるんだけど、どこにいるか教えてくれないかな?」

 

「…そういや、リアス・グレモリーはいつも旧校舎にいるって聞いた事あるな…。そこに行けば会えるんじゃないか?知らんけど」

 

「分かったわ、ありがとうね!」

 

俺は歩き出そうとすると、青髪が俺の前に立つ

 

「待て」

 

「え、ちょ、何?俺学校あるからどいてくれよ」

 

青髪はどく所か、背負ってたエクスカリバー(偽)を抜いて俺に斬りかかり、真剣白刃取りする

 

「いきなり何すんだ!」

 

「やはりな、貴様…ただの人間ではないな」

 

コイツ、何で分かったんだ?

 

『恐らく、聖剣だろうな…』

 

聖剣スゲーなオイ

 

「貴様、何者だ?」

 

「普通の神器を持ってる書店の店長兼小説家だよ」

 

アームを出して自分が神器所有者だと教えると、青髪が俺に斬りかかってきて、聖剣を弾き飛ばす

 

「バカだろお前ら!?こんな人通りの多い所でよ!」

 

「貴様は原初の龍だ…。神を殺すその神器は教会にとって脅威!ここで仕留めさせてもらう!」

 

「ここで貴方を仕留めさせてもらうわ!アーメン!」

 

二人の斬撃を避けながら駒王学園へ走り、二人は俺を追ってくる

 

「待て!」

 

「待ちなさいよ!」

 

所でさ、俺の神器って神滅具なのか?

 

『龍の能力が全て使えるから、覇龍になれば神すらクリボー同然だ。…まあ、俺がかつて持ってた無限の王冠(マスタークラウン)が持つ無限の力があれば覇龍をデメリット無しで使えるぞ』

 

マスタークラウン、見つかるといいね

 

『そうだな。んでどうすんだ?』

 

知るk(ryあ…

 

「ギエピー!?」

 

『トーマァァァァァァァァァァァ!?』

 

勢いのあまり転ぶと、追いつかれる

 

「さあ、観念しろ!」

 

青髪が持つ剣が振り下ろされr(ガキンッ)…え?

 

「ご無事ですか、トーマ!」

 

「大丈夫か、トーマ!」

 

アルトリアとアーサーが助けに来てくれた

 

「ありがと、セイバー!プロト!後でエミヤに豪勢な料理にしてやれるか頼んでみる!」

 

何とか駒王学園へ走る。帰ったらカルデアで筋トレして、吉田沙保里みたいに強くなりたいな

 

『お前、倍加すりゃ風鳴弦十郎並に強いだろ。素でもハンマーだけで光の槍と滅びの魔力をホームランできるし、壁と天井走るし』

 

壁と天井は、映画のサイガ戦がカッコよくて真似したらできただけですが何か?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~数日後:駒王学園~

 

「ふふふ…、そんなに面白いか」

 

「誰だ!?」

 

夜、禁手した俺とヴァーリは上空で待機して、目を合わせて互いに頷く

 

「どっせいっ!」

 

俺が拳で結界を叩き割る。ちなみに声は変えてある

 

「へえ、アイツがコカビエルか…。なあ、折角だからアイツは二人でやろうぜ」

 

「体が…震えやがる…。何だアイツらは…!」

 

「バニシングドラゴンとプリミティブドラゴンか!?」

 

「バニシングドラゴンとプリミティブドラゴン?!じゃ、じゃあアイツらが…!」

 

「赤に惹かれたか、原初と白い竜よ!邪魔立てh「ちょせぇ!」ぐはぁっ!?」

 

俺とヴァーリは一気に近づいて翼を引きちぎる

 

「な、何をしたんだ!?」

 

「僕でも全然見えなかった…!」

 

「まるで薄汚いカラスの羽だ。アザゼルの羽はもっと薄暗く、常闇のようだぞ」

 

「き、貴様!俺の羽を!」

 

「はぁ?堕天使だから飛ぶ必要ないじゃん。なあ?」

 

「そうだな」

 

コカビエルは巨大な光の槍を飛ばす

 

「『DIVIDE!(ディバイド!)』」

 

俺とヴァーリの二人で光の槍を消滅させる

 

「何!?」

 

「我が名はアルビオン。我が神器『白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイディング)』の能力の一つ。触れた者の力を十秒毎に半減させていき、その力は俺の糧となる」

 

「俺はクリム。俺の神器『全てを掴む腕(グラッピングアーム)』…というよりかは神器に宿ってる彼自身の能力で、全てのドラゴンの力が使える。もちろん、ドライグとアルビオンの能力もな」

 

「力を半減に、全てのドラゴンの力を使う!?」

 

「急がねば人間すら倒せなくなるぞ?」

 

「なあ、遊んでないでとっとと殺ろうぜ」

 

「ふっ、そうだな」

 

二人で拳を構える

 

「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァァァァァァ!」

 

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァァァァァァ!」

 

コカビエルにラッシュを叩き込んで始末すると魔法陣が消える

 

「ふぃ~、こんなもんかな?さ、帰るぞ~」

 

「待て、あのはぐれ神父に聞き出したい事があるから連れて行くぞ」

 

「へ~い。…よいせっと」

 

『無視か、白いの』

 

はぐれ神父を拾うと、赤龍帝の声が聞こえる

 

『生きていたか、赤いの』

 

『せっかく出会ってもこの状況ではな』

 

『いいさ、いずれ戦う運命だ。こういう事もある』

 

『お前ら…、人が寝てる時にバカ騒ぎした癖によく言うじゃねえか…』

 

『な、何でお前もいるんだ!?』

 

赤龍帝が驚く、何やらかしたんだ二天竜よ…

 

『コイツが今代の「おーい、さっさと帰るぞ」ああ、分かった』

 

「おい!どういう事だ!お前らは何なんだ!?てか、お前らのせいで俺は…!俺は…!部長のお乳を吸えなk「昇竜拳!」ぐはっ!?」

 

イッセーに昇竜拳をかます

 

「あ、ヤベッ!いつもの癖で…。急いでずらかるぞ!」

 

「え、ちょま…」

 

俺はヴァーリを連れてずらかる

 

「トーマ、今のは良いアッパーだったぞ」

 

「赤龍帝はいつも変態行為をしてな、俺が粛清してんだ。ああもう!思い出しただけでムカつく!何でアイツがあんなに変態なんだよ!ふざけんな!変態がなけりゃいい奴なんだよ!」

 

「相当苦労してるんだな…」

 

その後、カルデアの食堂で俺が注文した料理が豪勢で美味しすぎてイライラがなくなった



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

踏まれしは、魔王少女。

登校中、イッセーに出会う

 

「どうしたんだトーマ、寝不足か?」

 

「最近、年考えろって思う女のせいで締め切りが…」

 

「お前も大へ(ryあぐっ!?」

 

「どうし…、ん?」

 

校門にヴァーリがいた

 

「お、ヴァーリじゃん!どうしたんだよこんな所で」

 

「ちょっと兵藤一誠に会いたくてな」

 

「やめとけやめとけ。アイツはスゲー変態だ」

 

トーマとヴァーリはハイタッチしながら話する

 

「なあトーマ、知ってる人か?」

 

「ああ、コイツはヴァーリ。俺の唯一無二の親友だ」

 

「唯一って…、俺は!?」

 

「お前は覗きを止めれば「何言ってんだ!覗きh「そういう所だよ!」ぐはっ!?」

 

イッセーにドロップキックを食らわせる

 

「分かった?コイツは相当な変態だ。いつもいつも俺が粛清しなきゃいけないんだ…。退学したい…」

 

はぁ…、きよひーに甘えたい…。ジャンヌと頼光?知らん

 

「だ、大丈夫か?」

 

「なあイッセー…、殺していいか…?」

 

「やめろよ!?」

 

「そ、相当重症みたいだね…」

 

「兵藤一誠、あまりトーマを困らせない方がいいよ。それじゃあ夕方」

 

「おーう…」

 

ヴァーリは去っていく

 

 

 

 

 

================================================

 

 

 

 

 

時は過ぎ、今日は公開授業だ。俺の親?死んでるよ(小説家と、公開トーク。を参照)?だからいない…筈だったんだけどな…

 

「おい見ろよ松田!滅茶苦茶美人だぞ!?」

 

「あの青緑髪の子は誰なんだ!?」

 

「お前ら、何故来たし…」

 

ま、地の文で紹介しますかね…

 

「あらあら、息子の公開授業に行くのは当たり前じゃないですか」

 

平安の神秘殺し:源頼光。イッセーは絶対に食い付く。性癖の意味で

 

「トーマの考えている事なんて、お姉ちゃんにはお見通しです!」

 

救国の聖処女:ジャンヌ・ダルク。ただいま水着のようにはっちゃけてる為、姉ブームしてる

 

「そうですよ!私にもお見通しですからね!」

 

英雄派の一人:ジャンヌ・ダルク。英霊のジャンヌの妹にされてる

 

「コイツだけじゃ心配だからついて来ただけよ」

 

竜の魔女:ジャンヌ・オルタ。まとも枠

 

「旦那様の学校生活を一目見ようかと思いまして♡」

 

嘘つき焼き殺すガール:清姫。特記事項なし

 

(うおおおおおお!?あの人のおっぱいデケー!)

 

イッセーは頼光にエロい目で見る、知ってた

そんでもって授業が始まり、俺の目の前には紙粘土がある

 

「いいですかー、今渡した紙粘土で好きなものを作ってみて下さい。動物でもいい。人でもいい。家でもいい。自分がいま脳に思い描いたありのままの表現を形作ってみてください。そういう英会話もある」

 

「はぁ…」

 

ただただ考えなしに粘土をこねてたら、変態トリオとヴァーリが出来上がってた

 

「お、トーマ。それ俺と元浜と山田か?スゲーそっくりじゃん!」

 

「考えなしにこねてたらいつの間にか出来てた」

 

…お、そうだ

 

「コイツらの頭をフックにねじ込んで吊るす」

 

フックをねじ込んだイッセーをクレーンのミニチュアに吊るし上げる

 

「そして首をちぎります」

 

「オイィィィィィィィィ!?俺達をグロ系でよく見る死体にするなァァァァァァァァァァァ!?」

 

「最後に色を塗って…、出来上がり!」

 

「「「俺達を死体にするなァァァァァァァァァァァ!?」」」

 

これを見た女子は変態トリオに対する恨みが晴れたと感謝された

 

 

 

 

 

================================================

 

 

 

 

 

その後、体育館で撮影会が行われてるようで、気になってこっそり見に行ったら魔法少女がいた。おいおいアイツ、クソ編集長じゃねえか…

 

『何でいるんだよ…』

 

アイツこそが俺にレヴィアたんの小説を書いてくれって頼まれた本人のセラフォルー・レヴィアタンだ

新作書く度に無理難題押し付けたり、締め切りを早めたりするせいで、30徹して死にかけた事もあった割りに貰える金は少ない。アイツ曰く、「本屋やってるから少なくてもいいでしょ」だとか。もうヤダ、こんな編集長…

俺の訴えを聞いたサーゼクスは労基に報告、今は担当を変えてもらったから徹夜しなくなったし、多く金が貰えるようになった

 

「トーーーーーーーーマく~~~~~~~ん!」

 

俺を見つけてハグしようと飛びついて来るので、正面から殴る

 

「ぐほぇっ!?」

 

「飛びつくな、編集長」

 

「ダルク君、グッジョブ」

 

会長のソーナ・シトリーは俺を見て親指を立て、俺は親指を立てる

実は俺と会長は互いにセラの愚痴を言い合って、気が合うようになったのだ



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

古の魔王は、敵か味方か。 ※敵です

数日後、どういう訳か俺は三大勢力の会談に参加する事になり、会場には俺(席はサーゼクスとおっちゃんの間)、ヴァーリ、おっちゃん、サーゼクス、会長、セラ、ミカエル(紹介してもらった)、ツインテがいた

 

「失礼します」

 

リアス・グレモリーやイッセー達が入ってくる

 

「え、トーマ!?何でここにいるんだよ!?」

 

「察しろ」

 

「察しろって言われてもな…」

 

「そろそろ初めていいかな?」

 

 

 

 

 

================================================

 

 

 

 

 

んで、会談は何事も無く進んで、和平を決める事になった

 

「俺は、トーマと戦えればそれでいい」

 

「ヴァーリ…、後でエミヤのラーメンを食おうぜ!」

 

「いいねぇ!」

 

「じゃ、赤龍帝…お前はどうだ?」

 

「和平がいいです!」

 

「最後にトーマ、お前はどうしたい?」

 

「俺は和平がいいが…、その前にここで色々不満を言わせてもらう!」

 

そう言って立ち上がる

 

「まず兵藤一誠!お前がやってる事は犯罪だって事分かってんのか!ちったぁ抑えろ!リアス・グレモリーも、この事見逃してんじゃねえ!」

 

「つ、次からそうするよ…」

 

「次にツインテと青髪!あの時はよくも俺を殺そうとしたな!忘れたとは言わせんぞ!」

 

「…そうなのか?」

 

「ああそうだ!神を殺す神器だからって襲ってきたんだ!以上!」

 

椅子に座ろうとした瞬間、何かが止まる感じがした直後、爆発音が聞こえる

 

『トーマ、窓を見ろ!』

 

窓を見ると、トップハットを被った奴が大量にいた。アイツら、どこかで見たような…?

 

「何でトップハットなんだ?」

 

…今、思い出した…。アイツが…、トップなのか…

 

「ヴァーリ、頼めるか?」

 

「ああ」

 

ヴァーリは外に出て禁手化する

 

禁手化(バランス・ブレイク)!」

 

<Vanishing Dragon Balance Breaker!>

 

スケイルメイルを纏って蹂躙する

 

「…」

 

「トーマ、何か知ってるのか?」

 

「元々、禍の団(カオス・ブリゲード)と言うテロリストが両親を殺して、復讐心に燃えた俺が飛行船を墜落させて壊滅させたんだが…」

 

「サーゼクス様」

 

「この魔法陣は…、まさか!」

 

魔法陣から知らん女が現れる

 

「ごきげんよう。現魔王サーゼクス殿、セラフォルー殿」

 

「貴女がどうしてここに!?」

 

「先代レヴィアタンの血を引く者、カテレア・レヴィアタン!?」

 

そういやコイツ、城から脱出する際に見かけたような?

 

「世界を彼らの為に…」

 

杖で部屋を爆破する

 

「三大勢力のトップ達が協力して防御結界とは…、見苦しいわね!」

 

「どういうつもりだ?カテレア」

 

「神と先代魔王がいなければ、彼らの手中に収める事など容易い事です」

 

「カテレアちゃん!どうしてこんな!」

 

「セラフォルー、私から『レヴィアタン』の座を奪っておいて、よくもぬけぬけと!私は正統なるレヴィアタンの血を引いていたのです!私こそが魔王に相応しかった!」

 

「カテレアちゃん…。わ、私は!」

 

「セラフォルー、安心なさい。今日、この場で貴女を殺して私が魔王レヴィアタンを名乗ります。そして、レジナルドには新世界の王になってもらいます」

 

禁手化(バランス・ブレイク)!」

 

<Primitive Dragon Balance Breaker!>

 

「ブースト・ヘキサゴン!」

 

鎧を纏って飛んでるカテレアを上へ殴り飛ばす

 

「ディバイド・トリプル!」

 

更にディバイドでカテレアの力を半減する

 

「ぐっ!?人間の癖に…!」

 

「順調そうだな、トーマ」

 

そこに禁手したおっちゃんとヴァーリが来る

 

「ソレもう出来たのか」

 

「まだまだ改良の余地はあるけどな」

 

「アイツにトドメをさすぞ」

 

「ブースト・ビリオン!トランスファー!」

 

二人に譲渡して、連携技でカテレアにダメージを与える

 

「「「はぁ!」」」

 

トドメのパンチでカテレアを消し飛ばす

 

「やったな」

 

「何で…、アイツが…」

 

 

 

 

 

~オカルト研究部~

 

「―――てなわけで、今日から俺がこのオカルト研究部の顧問に、ヴァーリはこの学園の生徒となった」

 

「俺はオカ研の幽霊部員として入る事になった」

 

「何で幽霊部員なのよ…」

 

「俺の家が何か答えよ」

 

「書店…あ」

 

「俺以外に店員はいるけど、書店やんなきゃいけないんだよ…。だから建前としてここに入部する事になった」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~おまけ:トーマの怪談話~

 

俺の前に変態トリオがいる

 

「お前らさ、またやったのか?」

 

「うるせぇ!文句あっか!」

 

「こんな話を聞いた事あるんだよね…」

 

初代のシオンタウンの曲を流す

 

「あそこには、覗きのせいで死んだ女子がいて覗いた者に憑りついて呪うとされて、その霊を見たって人がいるんだってさ。その呪いって言うのは、幻覚、幻聴、頭痛、吐き気…最後には死ぬみたいだよ?もしかしたら、お前らの後ろにも…」

 

「お、おい…。冗談だよな…?」

 

「ま、ただの怪談だよ。…呪い以外は」

 

「「「っ!?」」」

 

トリオは青ざめる



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

並行世界はキキカイカイ!

今回からはクレナイハルハさんの「もうやだ……助けてバーサーカー!!!!」とのコラボです
まさかラスダン少年の小説を書いてるって知ってもらえてるのは驚いたけど、よくよく考えたら他にラスダン少年書いてる人いなもんね…


「なあトーマ、お前は夏休み何するんだ?」

 

学校帰りの書店でイッセーが俺に話しかける

 

「え?おっちゃんとサーゼクスが、あの団体…トップパットクランの移動本部を見つけたから、ヴァーリと一緒に潰しに行くんだよ」

 

「トップパットクラン?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~夏休み:上空~

 

夏休みになった今、カルデア戦闘服を着てる俺とヴァーリはヘリの中にいた。ドアを開けると遠くで巨大な飛行船が飛んでた

 

「いよいよだな…」

 

「ああ…」

 

『…あそこだ』

 

「クリム?」

 

『あの飛行船に、マスタークラウンの力を感じる!』

 

「サーゼクス、あの飛行船にマスタークラウンという神器があるそうだ。俺はそれを取りに下から行く」

 

<任せたよ>

 

「ヴァーリ、お前はどこから行く?」

 

「上から行こう」

 

「了解」

 

俺はグラッピングアームで下から行くと、ドアが閉まってた。どうしよう?

 

『誰かが出てくるまで待とうか』

 

待って数分後、出てきた隙に中に入り、すぐさま通気口に入って移動する。その途中で王冠を見かける

 

『見ただろ?アレがマスタークラウンだ』

 

さっきのアレが…。向こう側にヴァーリが落ちてくる

 

「トーマ、そっちはどうだ?」

 

「大丈夫だ」

 

『次はどうするんだ?』

 

グラッピングアームでヴァーリをこっちへ運び、クローを壁に食い込ませて渡ろうとした瞬間、壁に激突する

 

「大丈夫か?」

 

「あ、ああ…」

 

<すまない皆。回避行動を取らざるを得なかった。鴨の群れが飛んできてね>

 

「じゃ、俺は行くから。気を付けろよ」

 

ドアを開けた先には金庫室へ続くドアがあった

 

『どうやって開けようか…』

 

そうだな…、ハックでもやるか。俺はハンドスキャナーを引き抜いて配線を弄ってドアを開け、金庫室に入る

 

「コレがマスタークラウンか…」

 

『どうする?』

 

「どうするも何も、引き抜くに決まってんでしょ」

 

腕だけ禁手して、マスタークラウンを掴んで引く抜くと警報が鳴る

 

<緊急事態!緊急事態!セントラルコアが停止して、高度が低下しています!中にいる人は直ちにポッドで脱出を!繰り返す!>

 

コレ、この飛行船の動力源だったんかい!?

 

「トーマ、やっと手に入れたんだな」

 

金庫室にヴァーリが入ってくる

 

「コレがこの飛行船の動力源なのは驚いたけどな…」

 

んで、金庫室にあるお金をいくらでも入る財布に入れた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~ナレーションサイド~

 

ブリッジではレジナルドと、サイボーグのライトハンドマンがいた

 

「マズイ!降下し続けている!」

 

「聖杯の力で別の世界に転移すればいいだろう」

 

「…そうか!」

 

レジナルドは飛行船ごと聖杯で別の世界に転移し、ポッドで脱出した。一方、トーマとヴァーリは転移した直後、脱出して山へ墜落する様子を見てた後、飛行船内を探す

 

「マズイ事になったな…」

 

「ああ、奴を逃してしまった…」

 

「こうなったら街を探すぞ!」

 

二人は極地用カルデア制服に着替えて別世界の駒王町に行って二手に分かれて探すが見つからなかった

 

「とは言ったものの…、見つかんねえな…」

 

「今日はこの辺にしとくか…」

 

今日は諦めて飛行船に戻る

 

「今日は見つからなかったな」

 

「早くアイツらを探し出しt「ほう?我の町にあんな物を落としたのは貴様らか?」っ!?」

 

道中で金髪の男に遭遇する

 

(トーマ、アイツは確か…!)

 

(英雄王…ギルガメッシュ…!?)



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

彼のねらい、知ってるかい?

余りの予想外の出来事と緊張感に、冷や汗をかいて息が荒くなる

 

「どうした?我の問いに答えよ」

 

二人は逃げようとするが

 

「おっと、こっから先は通行止めだぜ?」

 

クー・フーリンが退路を断つ

 

(マズイ…、詰んだ…!)

 

「ストォォォップなの!」

 

イリヤが間に入って制止する

 

「そこをどけ、イリヤ…。我はそこの雑種に聞かなければならないのだ」

 

「ギル兄の圧で二人が怖がっているから、話すに話せないの!」

 

「落としたのはコイツらだが、本来の持ち主はこの町に逃げているぜ?」

 

村正が霊体化を解く

 

「村正?」

 

「とりま助かった…」

 

「貴様は…、贋作者(フェイカー)!?」

 

「げっ、何でお前が…!?」

 

「村正お爺ちゃん!?」

 

「何だ、儂の事知ってんのか」

 

「とにかく、俺達は人探ししてんだ。じゃ、俺らはこれで」

 

「それはそれとして話は聞かせてもらうぜ?」

 

(どうする?)

 

(話をして、協力してもらえばいいだろ)

 

(確かに、三人で探すよりかは人手が多い方が見つけやすいからな)

 

『いいだろう、事の顛末を話す。その代わり…』

 

「今腕が喋らなかった!?」

 

『コイツの神器だ。さっきの話だが、三人を泊めてくれ。不時着してる飛行船じゃデカすぎる』

 

「分かったの」

 

こうしてイリヤの家に泊まる事になった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~イリヤ宅&トーマサイド~

 

なのイリヤの家に上がり、リビングで事情を話す事になった

 

「…何でさ」

 

サーヴァントが、アルトリア、ジャンヌ、ヘラクレス、マーリン、ジャックちゃん、アストルフォ、ジーク、シトナイ、魔法少女イリヤ、クロエ、美遊、アーチャーのエミヤ、アサシンのエミヤ、アイリスフィール、イシュタル、エレシュキガル。ここまではこっちのカルデアにもいるからいいんだ。けどね…まどか、ほむら、なのは、フェイトがいるんだよな…*1

 

「まーいっか…。話でもしますかね。言っとくけど面白い話じゃねえぞ?」

 

「元から期待などしておらぬ。さっさと語らんか雑種」

 

「はいはい、期待しなくて結構ですよ~…。まずは自己紹介だな。俺はトーマ・ダルク。しがない小説家であり、書店の店長であり、カルデアのマスターを一応やってる」

 

「俺はヴァーリ。トーマの親友で同じく、カルデアのマスターを一応やってる」

 

「言うまでもないが紹介させてもらう。儂は千子村正、セイバーだ」

 

『俺はクリム、元の世界の龍の始祖だ』

 

「トーマさん、ヴァーリさん、クリムさん、村正お爺ちゃん、よろしくお願いしますなの!」

 

「んじゃ本題に入るか。俺らはある人物を探している、ソイツらは俺が10歳の頃に壊滅させたテロリストの生き残りでな」

 

「待って待って!?10歳でテロリスト壊滅!?話がぶっ飛んでるの!?」

 

「ホントの話なんだけどな…。んで、名前がレジナルド・コッパーボトムとライトハンドマンだ」

 

イリヤに写真を見せる

 

「その二人を捕まえるか倒すのが俺らの任務だ。レジナルドがボスのトップパットクランというマフィアの移動本部を見つけたんだ」

 

『侵入中に俺のもう一つの神器を回収してもらった瞬間、飛行船が降下した。ボスが聖杯の力を使ったのか、この世界に転移して脱出した』

 

「今でもこの町のどこかに潜んでるかもしれない。レジナルドは聖杯を持ってるからライトハンドマンもだけど、お前らも知らない強力なサーヴァントを召喚してるだろう。だから…お願いだ!俺らと一緒にアイツらを探し出してくれ!」

 

「俺からも頼む!」

 

「お、おい…。土下座はやめろよ…」

 

俺とヴァーリは土下座して、村正は困惑する

 

「分かった!皆で一緒に探すの!」

 

「あぁ…、安心した…」

 

「それ、僕のセリフなんだけど」

*1
プリヤとなのはのコラボは実際にあって、ツヴァイ2巻に載ってるぞ!



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

巨大ロボの大破壊!

翌日、俺とヴァーリはレジナルドとライトハンドマンを探しに廃墟へ行く。イリヤ達は学校&仕事だそうだ

 

「廃墟を一つ一つ探しても、見つかんねえな…」

 

廃墟探索は諦めて、ヴァーリと合流しに行く

 

「トーマ、そっちはどうだ?」

 

「ダメだ、全く見つからない。そっちは?」

 

「こっちも見つからない。一体どこにいるんだ…?」

 

二人で悩んでると、学園の方で轟音が聞こえる

 

「何だ!?」

 

「学園の方だ!」

 

学園へ駆けつけると、巨大な騎士と天使を思わせるアーマーを装着してる青い人、そしてレジナルドとサイボーグになってるライトハンドマンがいた

 

「アーチャー、そのままあのサーヴァントを倒せ」

 

「君はマスターとしても優秀だから、僕は気に入ったよ」

 

「いいじゃないかセイバー、このまま蹂躙しろ!」

 

「グオオオオオオオオオ…!」

 

「このサーヴァント強すぎるの!?」

 

『セイバーは聖杯の力で召喚した影響で、尋常じゃない力を発揮していて、青いアーチャーは神性を持っています!』

 

「あんなデカブツに勝てる訳ないだろ、たわけぇ!」

 

「これでトドメだ!」

 

「グオオオオオオオオオ…!」

 

「「はああああああああああああああ!」」

 

ヴァーリと村正はオメガの剣を弾き飛ばし、俺はチャージショットを蹴り返す

 

「大丈夫か?」

 

「トーマさん!ヴァーリさん!村正おじいちゃん!」

 

「見つけたぞ!レジナルド、ライトハンドマン!」

 

「なっ!?お前…!?」

 

「あの時の少年か…、生きていたのか」

 

「何でェあのサーヴァント、デカすぎんだろ…」

 

俺には二体のサーヴァントに凄い見覚えがあった。

主にアーチャーインフェルノ

 

「トーマさん?どうかしたの?」

 

「俺はあのサーヴァントに見覚えがある。まず青のアーチャー、アイツはネオ・アルカディアの統治者、真名は『コピーエックス』だ」

 

「へえ、僕の事知ってるんだね?」

 

「次にデカいセイバー、戦争を終結させた最強最悪の破壊神『オメガ』だ」

 

「あれが…、オメガ…」

 

「あの騎士を真名看破したところ、真名は彼が言った通りですけど、クラスはセイバーではなくセイヴァーです」

 

そういや戦闘開始前の台詞で、我はメシアなりって言ってたな。そこからセイヴァーになったのか。セイバーかバーサーカーじゃないんだね

 

「とにかく、二体のサーヴァントを倒すぞ!このままだとこの町がマズイ事になる!」

 

「ブースト・マキシマム、トランスファー」

 

イリヤ達に倍加した力を譲渡する

 

「凄い…!力が漲るの!」

 

「ふはははははははは!我に力を譲渡するとはな!力を貸してやろうではないか!」

 

「私もお供します」

 

「お前ら…。さあ、ここが正念場だ!やるぞ!」

 

「行け、セイバー!あの少年を殺せ!」

 

「アーチャー、私と一緒にあの少年を倒すぞ。劣勢になったら宝具を使え」

 

「共同戦線?ふふ、悪くないね」

 

三対多のバトルが始まる

 

 

 

 

 

================================================

 

 

 

 

 

「ふん!」

 

「はぁ!」

 

「えーい!」

 

「■■■■―――!」

 

「オラァ!」

 

サーヴァントや俺の一斉攻撃を放ってオメガの剣を破壊して、オメガ自身にもダメージを与える

 

「グ…オオ…ゼェ…ロォ…!」

 

「ぐぬぬ…!令呪を持って命ずる!セイバー、力を解放しろ!」

 

レジナルドは令呪でオメガの力を解放させる

 

「オ…ウオオオオオオオッ!」

 

オメガは第二形態である巨大なロボになる

 

「きょ、巨大ロボォォォォォォォォ!?」

 

『大きすぎます!?』

 

「アレがオメガ第二形態だ」

 

とは言ったものの…、どうやって戦おうか…?ロクゼロは上半身付近に足場があったから戦えたからな…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~ナレーションサイド~

 

一方ヴァーリは、コピーエックスとライトハンドマンをフルボッコにする

 

「ふん!」

 

「ぐうっ!つ、強い…!」

 

「白龍皇の名は伊達じゃないか…!」

 

「弱いな。本物の英雄はそこまで弱くはないぞ」

 

「な、何だと…!」

 

「どんな奴かは知らないけど、本物のエックスはもっと強いはずだ」

 

「よーし、分かった。僕の…真の力を…、お前に見せてやろう!はああああああああああああああああああ!!」

 

コピーエックスは『シャイニング・トランスフォーム』で、エンジェルエックスに変形する

 

「悔い改めよ」

 

「その程度!」

 

『DIVIDE!』

 

光の輪を飛ばすが、ヴァーリはディバイドで消滅させる

 

「神よ!」

 

「ふん!」

 

「甘い!」

 

ライトハンドマンとエンジェルエックスのレーザーを避け、翼と腕をもぎ取り、余剰の力をビームにしてライトハンドマンを吹き飛ばす

 

「余分な力も使いようによっては使えるな」

 

「くっ!?裁「トドメだ」かはっ!?」

 

トドメに体を破壊して霊核をぶち抜いて握り潰す

 

「な…何故だ…。完璧なる…コピーの筈の…、この…僕が…何故…こんな、目に…。僕は…英雄じゃ…なかったのか…」

 

「所詮、お前は偽りでしかない。さらばだ」

 

コピーエックスを踏んで完全に破壊し、機能停止したライトハンドマンを拾ってトーマの所へ行く

 

「トーマ、そっちはどうだ?」

 

「巨大ロボさえどうにかなればなんだよな…」

 

ヴァーリはオメガを見上げる

 

「そうだな…」

 

突然、マスタークラウンから出た光がトーマとヴァーリの中に入る

 

「…これって!」

 

「ああ!」

 

「「アクセスコード・プリミティブ(バニシング)ドラゴン!」」

 

巨大化してドラゴンに変形して攻撃する

 

「オラァ!」

 

「喰らえ!」

 

オメガは剣を振り回したり、バスターで射撃する

 

「飛羽真さんとヴァーリさんが…、ドラゴンになっちゃったの…」

 

『どうやらさっきの王冠のようなものが力を与えたみたいですね』

 

「めんどくせぇ!ヴァーリ、合体だ!」

 

「了解!」

 

プリミティブドラゴンは人型に変形し、バニシングドラゴンはパーツになって背中と脚に合体する

 

「「白龍合体!ドラゴゼノン・ホワイト!」」

 

「巨大ロボ、凄くカッコいいの!」

 

イリヤは目を輝かせる中、オメガは剣で斬りかかってくる

 

「ふん!」

 

剣を弾いた隙を突いて斬る

 

「よし、このままトドメだ!」

 

「「グラッピングアーム・ディバイドストライク!」」

 

ギャリック砲を放ってオメガを破壊する

 

「やったー!オメガを「いや、まだだ」え?」

 

元に戻ったトーマはそう呟く

 

「あの巨大な姿のオメガは強すぎるエネルギーを抑え、暴走を制御する拘束具でしかないんだ」

 

「ど、どういう事だ―――」

 

雑種、と言い切る前にオメガのボディから本体が現れる

 

「っ!?な、何だ…この霊基…!?」

 

『他のサーヴァントとは比較できないほど強力です!』

 

「は…、ははははははははははは!いいぞ…、私が強力なサーヴァントを召喚して正解だった!さあ行けオメガ!コイツらを殺せ!」

 

「ふん!」

 

レジナルドはゼットセイバーで斬られる

 

「な、何故だ…」

 

「貴様に従うのはもう飽きた。死ぬがよい」

 

「わ、私は…」

 

レジナルドはそう言い残して倒れ、トーマはレジナルドを拾って安全圏まで引きずって放り投げる

 

「よっと…、これでレジナルドとライトハンドマンは回収完了だ。後はオメガだな…」

 

「トーマ、やるぞ」

 

「そうだよな」

 

全員、戦闘態勢に入る

 

「いいだろう、来い!」

 

 

 

 

 

================================================

 

 

 

 

 

「くっ!」

 

「ディバイド!」

 

『DIVIDE!』

 

「無駄だ!」

 

半減するも霊基が強すぎる為、効果が無かった

 

「ディバイド・ミリオン!」

 

「うっ!?力が…!」

 

「ふん!」

 

「ぐっ!?」

 

ディバイドをミリオンにしてやっと互角だった

 

「ディバイド!」

 

『DIVIDE!』

 

「行け!」

 

ギルが飛ばした武器が命中して片腕が飛ぶ

 

「この我の腕を、落としただと…!?」

 

「やああああああ!」

 

「っ!どぉりゃあ!」

 

「甘いな!」

 

「ぐっ!?」

 

オメガがチャージセイバーを放つが、村正がカウンターでゼットセイバーを弾き飛ばす

 

「オラァ!」

 

「んぬぅ!?」

 

「スイッチ!」

 

「これでトドメだ!」

 

オメガのを切り裂いてトドメを刺す

 

「この…我が…、この我がァァァァァァァァァァァ!」

 

叫んだあと爆発し、聖杯を回収する

 

「これで終わりなの?」

 

「聖杯とレジナルドとライトハンドマンを回収したから、ミッションコンプリートだ」

 

「お疲れ様なの!」

 

「ああ」

 

 

 

 

 

~飛行船~

 

金庫室に無限の魔力を込めた巨大なルビーを置いて飛行船を稼働させ、二人はレジナルドとライトハンドマンを抱えて脱出ポッドの前に立つ

 

「色々ありがとな。これは俺からのお礼だ」

 

イリヤ達に『リベンジ・トゥ・ブリゲイツ』と『小説版:魔法少女マジカル☆レヴィアたん』を渡す

 

「気持ちはありがたいけど、レヴィアたんにはいい思い出がないの…」

 

「いつも、追いかけまわされていますからね」

 

「リベンジ・トゥ・ブリゲイツ…。面白そうではないか」

 

「ちなみにそれ、ちょいちょい脚色してるけど俺の過去を元にしてるぞ」

 

ボタンを押して中に入り、ドアが閉じるとポッドが発射し、聖杯の力で開けたゲートに入る




コラボ編終了です
許可してくれたクレナイハルハさんありがとうございました
ちなみにコラボ回のサブタイはゼンカイジャー風にしてます


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

元の世界、俺らのセカイ

今日のクロスセイバー、カッコよかったな


~駒王町~

 

ポッドが地面に激突してめり込み、ドアが開く

 

「ん~!やっと着いた~!」

 

先に降りたトーマは背伸びする

 

「そうだな」

 

「さて、コイツらはサーゼクスの所へ転送するとして…。このポッドの下の奴どうするんだ?」

 

ポッドを持ち上げると、下には潰されて死んでるディオドラがいた

 

「埋めよう」

 

「おk」

 

二人でディオドラを埋めて、簀巻きにしてるレジナルドとライトハンドマンを引きずってアザゼルに会いに行く

 

「こっちだな」

 

気配を辿っていくと、イッセーの家に着く

 

「ここって…」

 

「赤龍帝の家だな」

 

「表札は兵藤だから合ってるぞ」

 

インターホンをダースベイダーのテーマのリズムで押す

 

「歓迎会中に、にインターホンでダースベイダーやってんの誰だよ!?…ってトーマとヴァーリ!?」

 

イッセーがドアを開けてツッコむ

 

「ようイッセー、おっちゃんいるか?」

 

「え、アザゼルなら中にいるけど…」

 

「上がらせてもらうぞ」

 

家に上がるとアザゼルがいた

 

「ようトーマにヴァーリ、無事に帰ってこれたようだな」

 

「まあな」

 

「コイツはお土産だ」

 

アザゼルに簀巻きのレジナルドとライトハンドマンを渡す

 

「確かに、レジナルドとライトハンドマンだな。それはそうとお前ら、大人気だぞ」

 

「「「え?」」」

 

ドラゴントリオはポカンとする

 

「テロリストから冥界を守った英雄の素顔という、ドキュメンタリー番組があってな…」

 

テレビにイッセーが禁手する様子が流れる

 

「戦いながらおっぱいおっぱい言ってるお前の紹介シーンが大受けでな、乳龍帝という愛称までできてる」

 

「ち、乳龍帝!?」

 

「特に子供に大人気でね、『おっぱいドラゴン』というイメージソングまで制作中だ」

 

続けて、トーマとヴァーリがドラゴゼノン・ホワイトとしてオメガと戦うシーンが流れる

 

「スゲェ!巨大ロボじゃねえか!」

 

「カッコいいです!」

 

「お前らも子供に大人気でね、『SSSS.DRAGOZENON』というアニメの企画を制作中だ」

 

「近いうちに覇権争いしそうだな」

 

「実はアレ、大きさは自由に調節できるんだ。…ん?」

 

トーマの懐から出てきたマスタークラウンが光り始め、イッセーに赤い光が宿る

 

「今の何だ?」

 

「お前にもドラゴゼノンの合体が出来るようになったんだ」

 

その後、オカ研で一大事があったがトーマは関わらなかった。本人曰く「こっちは店長やら、レヴィアたんの原稿やら、『SSSS.DRAGOZENON』の主人公の声をやらで忙しいんだよ!せめて退学させろ!」との事だ



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ライターがライダー!その名はリバイス!

番外的な話です、一応


~ダルク書店&トーマ兼ナレーションサイド~

 

「お前さん達、ベルト欲しくないか?」

 

おっちゃんが、俺とヴァーリとオーフィスを部屋に集めると、いきなりそんな事言いだした。ナニイテンダ!

 

「「「ベルト?」」」

 

「その名も、リバイスドライバー、ツーサイドライバー、リベラドライバーだ!」

 

トランクから出して俺らに見せる。スーパーヒーロー戦記に影響したなコイツ…

 

「早速だけど、はぐれ悪魔が暴れてるから、それを使って変身して倒してくれ」

 

 

 

 

 

==================================================

 

 

 

 

 

俺らは指定された場所に行くと、はぐれ悪魔が暴れてた。白昼堂々と

 

「真の自由とは何か?それは、まやかしの愛から目覚める事。それは、あまやかしの自分から目覚める事。人間共、心から感謝せよ。我が主のお力により、解放されるのだ」

 

「キック!キック!」

 

ショタが悪魔を蹴る

 

「たつや!」

 

悪魔は家族の方を見る

 

「ゆ、許して下さい!」

 

「では、貴様が代わりに我が主の生贄となるがよい」

 

「そんな…」

 

「家族…。フフフ、それはまやかしの幸せだ」

 

はぐれ悪魔は力を使おうとする

 

「やめろ!」

 

「ん?」

 

変身した俺が空中バイクで飛んでくる

 

「空を飛ぶのはいつ以来だったかな!」

 

「行くぞ」

 

モブ悪魔を弾き飛ばし、バイスことクリムは人型になる

 

「早く逃げろ!」

 

家族は逃げる

 

「…おい、駒王町で何やってんだ?」

 

「行け」

 

「ギィィィィィィィィ!」

 

「行くぞ、クリム」

 

「オーライ!」

 

俺らは悪魔を倒す

 

「方針転換だ。我が主の最初の生贄は貴様らにしよう」

 

更に悪魔を召喚する

 

「嘘だろ!?あのはぐれ悪魔、召喚できるのか!?」

 

「だったら殺るだけだ!」

 

召喚された悪魔を倒す

 

「フン、訳が分からない奴らめ。だが面白い」

 

俺らはプール内で敵を倒す

 

「なあ、やり過ぎじゃねえか?」

 

「え?ファン獲得の為には派手にやった方がいいと思ったんだけど」

 

「ファンは小説家だけで十分なんだけど」

 

金髪チョココロネのレイヴェル…だっけ?も俺のファンだって言ってたし

 

「トーマ、後で風呂入りたいんだけど」

 

「ドラゴンが入れるわけないd(ビュンッ!)おわっ!」

 

俺達に悪魔が突っ込む

 

「マスタークラウンの力で、人にもなれたんだよ!」

 

「程々にやってくれたらエミヤの飯も食わせたる」

 

脚を恐竜に変えて、敵を倒す

 

「ゼラァ!」

 

クリムは尻尾で薙ぎ払い、敵を倒す

 

『別の場所にもはぐれ悪魔が現れたという情報が来た!行ってくれ!』

 

通信を聞いた俺らは次の場所へ行く

 

 

 

 

 

==================================================

 

 

 

 

 

その場所に行くと、さっき助けた男性と後2人いた

 

「フハハハハハ!」

 

「アハハハハ!」

 

男2人と女性は悪魔と堕天使の翼を出す。あれ、コイツの顔どっかで見たような…?

 

「お前ら、悪魔と堕天使だったのか」

 

「俺達は禍の団の一員だ!」

 

「テメェの親を殺したのは俺らなんd(ドンッ!)がへっ!?」

 

無言で男女2人の悪魔に破壊殺・空式を放つ

 

「何か言ったか?」

 

「一応、お前の両親の顔だぞ…。少し躊躇えよ…」

 

「親が失う事より、ロマニと異聞帯の人々が失うのが大きい事を知ったから、両親程度何とも思ってない」

 

「現代っ子こわー…」

 

「特異点と異聞帯を攻略する内に、名前も、顔も、声も、性格も、何もかも忘れてしまったよ」

 

それに今は、サーヴァント達やヴァーリにオーフィスらがいるから、俺は一人じゃない

 

「行くぜ、クリム」

 

『ああ!』

 

リバイスドライバー!

 

「トーマ、俺も戦ってやるよ」

 

ツーサイドライバー!

 

「我も、戦う」

 

リベラドライバー!

 

ヴァーリとオーフィスも駆けつけてくれた

 

レックス!

バット! Confirmed!

コブラ!

 

ドライバーにスタンプを押し、オーフィスとヴァーリはセットする

 

Come on!レ・レ・レ・レックス! Come on!レ・レ・レ・レックス!

Eeny, meeny, miny, moe~! Eeny, meeny, miny, moe~! Eeny, meeny, miny, moe~! Eeny, meeny, miny, moe~!

What's Coming-up!? What's Coming-up!? What's Coming-up!? What's Coming-up!?

 

「「「変身!」」」

 

バディアップ! オーイング!ショーニング!ローリング!ゴーイング! 仮面ライダー!リバイ!バイス!リバイス!

バーサスアップ! Precious!Trust us!Justis!バット! 仮面ライダーラ・イ・ブ!

リベラルアップ! Ah Going my way! 仮面ライダー!蛇・蛇・蛇・ジャンヌ~!

 

俺とクリムはリバイとバイスに、ヴァーリはライブに、オーフィスはジャンヌに変身する

 

「「一気に行くぜ!」」

 

俺らはザコ悪魔を倒す

 

「クリム!」

 

レックスバイスタンプを起動させると、クリムの顔から火が出て尻尾で薙ぎ払う

 

「何度やっても、疑問に思うんだよね。ドラゴンは火を吐かないのに」

 

「それはお前だけだろ」

 

「よそ見してんじゃねえ!」

 

襲ってくるが、カウンターする

 

「クリム、ちょっと来て」

 

プテラ!

 

クリムに押印して、ホバーバイクにさせる

 

「空を飛ぶって、いつやっても楽しいな!」

 

バイクに乗ってザコ悪魔を倒す

 

「待て!」

 

堕天使が俺らへ追いかける

 

 

 

 

 

==================================================

 

 

 

 

 

「ふっ!ハッ!そらっ!」

 

<DIVIDE!>

 

ヴァーリはライブガンで撃ち、能力で力を奪う

 

必殺承認! バット!ジャスティスフィニッシュ!

 

「はああああああああああ!」

 

ライブガンに装填されたバットスタンプのスイッチを押し、トリガーを引くことで青緑色のエネルギー弾を飛ばしてはぐれ悪魔ごと男性の悪魔を倒す

 

「はっ!たっ!」

 

オーフィスは李書文から教わった八極拳でザコを倒す

 

コブラ!スタンピングスマッシュ!

 

敵を上空に吹き飛ばし自身も跳び上がり、コブラ状のエネルギーが足に纏わせて、回し蹴りを放ってはぐれ悪魔と女性の悪魔を倒す。

そして俺は、バイクから飛び降りてゲノムチェンジする

 

メガロドン!

 

ドライバーに押印する

 

Come on!メ・ガ・ロ・ドン! Come on!メ・ガ・ロ・ドン!

 

ドライバーにセットして傾ける

 

バディアップ! 潜るドンドン!ヨーイドン!ドボン! メガロドン! 通りすがりのハハハハンター!

 

俺とクリムは、メガロドンゲノムへゲノムチェンジした

 

「行くぞ、クリム」

 

「All light!」

 

「姿を変えた所で、テメェは死ぬんだよ!」

 

クリムは牙を飛ばして、ザコ悪魔を牽制する

 

「オラオラァ!」

 

蹴りで倒し、俺もザコ悪魔をドンドン倒す

 

「一気に決めるぞ」

 

「おう!」

 

リミックス!バディアップ!

 

全身が上下逆の状態で折り重なる

 

必殺!何トン?メガトン!メガロドン!

 

装甲が変形し、俺らはメガロドンになる

 

「あんな事できるのかよ!?」

 

「鮫…?」

 

ヴァーリは驚く。オーフィス、鮫じゃなくてメガロドンだから。

ザコ悪魔を蹴散らし、はぐれ悪魔を掴む

 

「クソッ!放s(ドボン)ゴボゴボ…!」

 

海中に潜り、引き摺り回した後に上空へと打ち上る

 

メガロドン!スタンピングフィニッシュ!

 

勢いよく突進して噛み砕き、着地する

 

「そういや、さっき倒した悪魔と堕天使って俺の両親を殺した本人だったんだな。知らんかった」

 

「俺も初耳なんだけど…」

 

「俺もだ…」

 

「我も…」



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

来店する、並行世界の剣士。

今回は、『聖剣達と過ごしていくハイスクールD×D』とのミニコラボです


~トーマの部屋~

 

『ボエ~♪』

 

「…ん」

 

ちゃぶ台で寝てるトーマは、スマホのアラームであるエリちゃんの歌声で起きる。徹夜でレヴィアたんの最終回を書いてた途中で寝落ちしてしまった

 

「また寝落ちしてしまったか…」

 

『朝食ってないだろ?食堂に行って来いよ』

 

「そうする…」

 

トーマはカルデアに行く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~トーマサイド~

 

朝飯を済ませ、いつも通り紫式部達と一緒に書店を営業する

 

「ありゅじしゃー」

 

おつりを受け取った客は店を出る

 

「さてと…」

 

書き途中である新作の小説版ドラゴゼノンを執筆する。

コーヒー飲んでる途中でピンポーンとチャイムが鳴る

 

「ぶふっ!?げほっ!げほっ!」

 

来店してきた客を見るとむせてしまう。何故なら…

 

「おおおおおおお!ペルソナがある!」

 

「お兄ちゃん、他の客に迷惑ですよ!」

 

「ふむ、スーパーヒーロー戦記か…」

 

「むっ!ここにセイバーの気配が!」

 

「ここは店の中なのでやめてください」

 

「本がいっぱい…!」

 

「ノブ!」

 

「ノッブ!」

 

うちのカルデアにいるサーヴァントがいたからだ

 

「だ、大丈夫ですか?」

 

「はぁ…、はぁ…、なわけないだろ…」

 

思わず咽たけど、冷静になって千里眼で見ると、こいつら並行世界の住人だな

 

「ラブラブ、いらっしゃい!」

 

「ウェ!?コブラが喋った!?」

 

「凄くかわいいです!」

 

「トーマ!」

 

ラブコフと並行世界の住人は俺の所に行く

ちなみに、ラブコフはここのマスコット的存在で、ラブコフに会いたいが為に本を買ってくれる客もいる。

ラブコフ目当てとは言え、それでもありがたい事この上ない

 

「お前がここの店長か?」

 

「俺はトーマ・ダルク。ここの店長兼小説家兼学生だ、よろしくな。アルトリア・ペンドラゴン、謎のヒロインX、エミヤ、そっちの世界のオーフィス、ちびノブ、刃王剣十聖刃の意思、そして並行世界のマスターの暗闇光刃」

 

「「「「「「「!?」」」」」」」

 

光刃一行は驚く

 

「な、何で俺がマスターだって事が分かったんだ?」

 

「千里眼で見たんだよ」

 

「あ、なるほど」

 

ちなみに、クラスは冠位相当のルーラーだ

 

「なーんかいい本無いかなー」

 

「~♪」

 

「おお、色んな本が勢ぞろいだな」

 

そこに、アスモデウスの一件(スーパーヒーロー戦記)で会ったアークワン(アルト)オーマジオウ(信彦)ソロモン(イズ)が来店する

 

「っ!?」

 

アルトリアはアークワンから何かを感じ取る

 

「どうかしたか?」

 

「…いえ、何でもありません(あの気配…、まさか彼が?)」

 

(あの青セイバー、俺を見てたけど…。俺がヴォーティガーンだと気付いた…のか?)

 

どうやら、アルトリアがアークワンの何かを感じたようだ

 

「む、貴方からセイバーの匂いが漂う気がします」

 

「き、気のせい…じゃないか?」

 

「…どうやら、そのようですね」

 

(あっぶねぇ~!危うくまた死ぬ所だったぞ!?)

 

ソロモンはセイバーだとバレかけたようだ。ソロモン(キャスター)なのに

 

「ノブ!」

 

「ノッブ!」

 

「お、ちびノブじゃねえか。どうした?」

 

「ノブノブ」

 

「へえ、本を買いに来たのか」

 

「ノブ?」

 

「俺は何となく寄ったけど、ウマ娘あったから買おうかと思って。金もあるし」

 

「ノブノブ?」

 

「え、何で言ってる事が分かるって?俺は信長の子孫だし、ちびノブを生み出した事もあるからな」

 

オーマジオウはちびノブと会話する

 

「店長、オススメの本は何だ?」

 

エミヤが俺に聞く

 

「オススメ…、謎解きかな?」

 

「謎解き…ですか?」

 

「ああ、ちょっと待ってろ」

 

バックヤードからある本を持ってくる

 

「その本がこれ、『LIBER PRIMUS』だ」

 

「リバー・プリムス…」

 

光刃一行はまじまじと本を見つめる

 

「やあトーマ君、あの小説の新刊無いかな?」

 

「すみません、トーマさん…」

 

「僕達もいるよ」

 

「邪魔をする」

 

「…お母様と一緒に来たけど、中々悪くないわね」

 

「トーマ、お客様ですか?」

 

正面から妖精ズが入ってくる

 

「どうやら並行世界のマスターのようだぞ。それとオベロン、前から入るのは止めろって言ってるし、あの本はまだ売ってないから帰れ。そして次で最終巻だ」

 

「そっか、それは残念だね」

 

オベロンは軽くがっかりする。嘘だね☆

 

「わ、私!?」

 

「おのれ、セイバーばかり増やす神!また二人増やすとは!」

 

「トーマ、コイツらは?」

 

「入ってきた順に、オベロン、キャスターのアルトリア、メリュジーヌ、バーゲスト、バーヴァン・シー、モルガンだ。コイツらは妖精國ブリテンで冒険してきた仲だ」

 

同じサーヴァントで戦った記憶が蘇るなぁ…(白目)

 

『アレはぐだぐだだったな…』

 

だね…

実はブリテン攻略前に召喚したら、バゲ子、トリ子、メリュ子、モルガン、オベロンが来て、ぐだぐだしながらも同じサーヴァントで戦ったのだ

 

「妖精國ですか、懐かしいですね」

 

「それで、何を買ってくんだ?」

 

「ああ、そうだった」

 

光刃はペルソナの小説、スーパーヒーロー戦記、料理本、LIBER PRIMUS、小説版:魔法少女レヴィアたん全巻をカウンターに置く。結局それ買うのね。

それと、スーパーヒーロー戦記はワンダーライドブックになるだろうし、助けになる筈だ

 

「えっと、3519えn「おいトーマ!」…ん?」

 

出禁にしてるイッセーが来店してきやがった

 

「お前こんな可愛い女子t「お前出禁にしてるだろ、出てけ」そうは行くか!」

 

「はぁ…」

 

溜め息つきながらクリムの力をイッセーに当てる

 

「もう一度言う、店から出てけ」

 

「けど…」

 

「はいはい、君は出て行こうね」

 

「貴方は出て行ってください」

 

オベロンとキャストリアはイッセーを引きずって店を出る

 

「トーマ、貴方は何者ですか?」

 

アルトリアが俺に聞いてくる

 

「端的に言うと、超越神の依り代だな。481円のお釣りだ」

 

「あ、どうも…」

 

「それと、これはおまけだ」

 

光刃に超越神モードの俺が描かれたカードを渡す

 

「クラスカード?」

 

「ルーラーのカードだ。クリムの力が内包されてる。近い内に巨大な組織と戦う事になるから、何か役に立つ筈だ」

 

夢幻召喚…は出来るかどうか知らんけど、まあ何とかなるだろ

 

「…あ、そうだ」

 

部屋から中にドライバーが入ってる4つの段ボールを持ってくる

 

「これも持ってってくれ」

 

「何だこれ?」

 

「俺らが使ってるドライバーだ。これも何かの役に立つ筈だ」

 

個人的な予想だけど、

光刃:リバイスドライバー(主人公だし)

アルトリア:ツーサイドライバー(オルタ的な意味で)

ヒロインX:ウィークエンドライバー(何となく)

もう一人の光刃:デモンズドライバー(何か合いそう)

刃王剣十聖刃の意思:リベラドライバー(青いから)

オーフィス:ラブコフポジなので無し

かな?

ちなみに、変身の仕方も同封してるから大丈夫…なのだろうか。

ベイルドライバー?無いぞ

 

「こんなに貰っていいのか?」

 

「大丈夫だ、問題ない」

 

光刃一行は店を出る

 

「少し不思議なお客さんでしたね」

 

「だな」

 

「ですが、禍の団に勝てるのでしょうか?」

 

「アイツらならヴァーリが相手でも大丈夫だろ。あのドライバーが無くてもな」




うちのオリキャラ達がトレーナーのウマ娘の小説書いてみたいな…


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ハロウィン編
はじまる、新しいハロウィン。


10月のカルデア、ヴァーリは禁手化して、俺はドラゴゼノンに変身してハロウィンを楽しむ。

今までのハロウィンの記憶が無かった時(ハロウィン・トリロジー)もあったけど、オカ研の奴らにハロウィン(トンチキ)を巻き込ませて記憶を取り戻した。オカ研の奴らの反応?チェイテピラミッド姫路城に唖然だったな

 

「「「「トリック・オア・トリート!」」」」

 

「!?な、なんだあ?」

 

イアソンは戸惑う。急だもんな

 

「そりゃもちろん!」

 

「ハロウィンだからな!」

 

「あー。早いな、もうそんな頃なのか…」

 

「もうそんな頃なのです!ちなみに、トーマさんとヴァーリさんと私は既に、こちらの皆さんへお菓子(トリート)を渡しています。イアソンさんも選びましょう!悪戯かお菓子(トリック・オア・トリート)か!」

 

お菓子と言っても、うまい棒とかそういうのだけど

 

「んな事急に言われてもな…。飴ちゃん常備してるタイプの英霊じゃねーし、オレ。ていうか待て、雨ちゃん常備した英霊の方が珍しくね?オレが追い詰められる感じになってるのが、そもそもおかしくないか?」

 

「…あれ?この人…お菓子、くれない?」

 

「うーん、そうね。困ったわ。私達の方に問題があるかもしれないわ。やっぱり、仮装をしたりして―――今日がハロウィンだって事が、ちゃんと伝わるようにしないといけないのかも」

 

「か、仮装…。うう…。となると私はお役に立てません!涙を飲んで、ここは3人にお任せします!」

 

ジャックは黒いローブを羽織る

 

「私達に任せて」

 

ナーサリーは本になる

 

「ええ、任せて!」

 

オーフィスは蛇になる

 

「我達なら、できる」

 

「な、なんだあ?霊基を変えたのか」

 

「黒い幽霊の仮装!」

 

「私は、呪いの本の仮装!」

 

「我は、毒蛇」

 

「…?」

 

そこにディオスクロイが来る

 

「フッ。なんと、恐るべき漆黒の亡霊の姿とは」

 

「兄様、兄様。呪いの本から漂う瘴気も大したものです!」

 

「まったくだ、ポルクス。妹よ。闇のサンタクロースらしきモノも、中々だ。こうも恐ろしい怪異を目にしてしまったからには、我らは覚悟を決めなければならんぞ。考えてもみるがいい!これらの怪異達が、口々に…」

 

「「「「トリック・オア・トリート!」」」」

 

「そう!このように、叫ぼうものなら!」

 

「ええ、兄様。そんな事があったら、私達…。きっと、偶然にも持ち合わせていたお菓子袋を一つずつ渡してしまいますね!」

 

「フッ。その通り!と言う訳で、我らもお菓子(トリート)を選ぶとしよう」

 

「はい。4人共、甘いモノを食べたらちゃんと歯を磨きましょうね!」

 

「「「「はーい!ありがとう!」」」」

 

4人は走り去る

 

「去って行った。…とりあえず助かったと考えていいよな、オレ。おー、怖」

 

「フッ。どうしたイアソン。顔色が悪いぞ。百戦錬磨の船長(キャプテン)ともあろう者が、子供には無力か?」

 

「もう。意地悪を言ってはだめですよ、兄様。むしろ、兄様の準備が良すぎるんです。ズボラな方ならさっきのイアソンくらいの反応でも、おかしくないというか―――」

 

「雨を準備してない程度でズボラは酷くねえかお前ら!」

 

「ズボラとは違う気がするが…」

 

「はい。イアソンさんはそうですね、どちらかというと…」

 

マシュは黙る

 

「おいその沈黙は何だシールダー。悪口雑言など気にもしないが、それはそれとしてどういう評価なのかは知っておきたい!」

 

「…何だろな」

 

「何だろね」

 

「イアソン様~!」

 

「その声、メディア・リリィか?」

 

メディア・リリィがデカい南瓜を持ってくる

 

「イアソン様!見て下さい、この見事な南瓜!」

 

「な、何だお前それ…。デカすぎない?」

 

「ええ、大きいですよね!私もビックリです。実は今、すぐそこで渡辺綱様が…」

 

 

『地下の菜園でな。畑仕事の手伝いをやっていたのだが―――見事な南瓜が採れた。エミヤ殿とブーディカ殿曰く、煮つけにすると旨いのだそうだ。イアソン殿と共に召し上がるといい』

 

 

「―――だ、そうです!」

 

「南瓜の煮付けねぇ…」

 

食堂に行った時、南瓜の煮付けを注文しようかな?何か腹減ってきたし。

まあ、メディア・リリィと渡辺綱は平安京の縁だしな

 

「イアソン、南瓜の煮付けに思う所があるのか?」

 

「あれ、イアソン様…。もしかして南瓜はお嫌いでしたか?」

 

「いや別に」

 

「はっはっはっは。見ろポルクス、イアソンは相も変わらずとしか言いようがない!」

 

「だめです兄様っ。指を差して笑っては失礼です!はあ。どうして他者の感情の機微には鋭いのに、自分の事は分からないんでしょうね、兄様は…」

 

「知らんな」

 

「ん?」

 

 

 

 

 

~食堂~

 

俺らは食堂に行く

 

「なんてーか、カルデアに秋の風が吹いてるな」

 

「そうだな」

 

「はい、トーマさん!ヴァーリさん!ハロウィンに、南瓜に、繊細な男心!ちなみに――男心の部分は女心とする事もあるようですが、江戸時代は男心バージョン、『男心と秋の空』が主だったそうです」

 

書店にある本に、そんな事書いてあったな

 

「カルデアには古今東西の英霊がいらっしゃいますし、男女の枠に収まる方ばかりではありません。ですので…この場合、人の心全てという意味でいかがでしょう?」

 

「その方向でいくか」

 

「そうだねぇ」

 

「はいっ」

 

俺らの目の前には、仮装した英霊が凄くいた

 

「見て下さい、トーマさん、ヴァーリさん。仮装している英霊の方々が、たくさん!」

 

どこも楽しそうだな。例えば…

 

「嗚呼―――

クリスティーヌ クリスティーヌ

吸血鬼よ 今宵は 我が裡にて眠れ

吸血鬼よ 今宵は 我が歌に揺蕩え

脈動する真紅き迸りに 私が 酔おう」

 

「聖なるかな、聖なるかな!おお、ハロウィン・ナイトに今こそ祝福あれ!これなるは道化師なれば、趣向を凝らして笑いの渦に落としてさしあげる!はははははははははははは!」

 

「ほら、もうちょっと頭下げなさい。そうそう。甘い物が大好きなのは分かるけど、あんまりいっぺんに頬張るものじゃないわ。いいこと、アステリオス?」

 

「うん、えうりゅあれ。わかった」

 

あそこのファントム達だったりとかな

 

「吸血鬼、道化師、ミイラ男!それに…エウリュアレさんは、アステリオスさんとお揃いのツノの仮装ですね!ハロウィンの仮装といえばモンスター系、という定番を押さえた見事な仮装です!」

 

「道化師って、怖いよな…。ペニーワイズとか」

 

「はい。人によっては相当に苦手だとか…。恐怖症の一種として定義される事もあるようです」

 

他にも…

 

「「ハッピー・ハロウィン♪」というわけで、ウサギさんつーかまえたっ♪」

 

「あー。しまった。つかまっちゃったかー」

 

アンメアとかもな

 

「わっ。わわっ。青いドレスを着た少女に紳士のウサギ!『不思議の国のアリス』の仮装です、トーマさん!ヴァーリさん!」

 

「マスター、気を付けてね?僕のお菓子を食べると…」

 

「大きくなったり小さくなったりして大変だから、やめといたほうがいいですわよ~」

 

「あ、言っちゃった」

 

「また今度な」

 

「ああっ…一口だけでも…」

 

「マシュ、ここは我慢だ。巨大化するのは俺とトーマとイッセーだけでいい」

 

「そ、そうですね。…あれ?トーマさんの場合は巨大ロボットなのでは?」

 

フッ、勘の良い後輩は嫌いだよ

 

「光あるところ遍く我が領土!見ているがいい、余は全てを手に入れるぞ!…本当にこれでいいのだな?」

 

「そういう感じでいいみたいだぜ。ファラオの兄さん、じゃなくて陛下」

 

「そうか。仮装の宴とは中々に面倒だが…ふむ。まあ、よい」

 

「たまにはな!」

 

「ソラを征く黄金の翼というのも中々に悪くない。フッ。――杯を持て!――我らの常勝を祝う後衛、下々にも許す!」

 

「ははーっ!ありがたき幸せです、ファラオ・オジマンディアス!」

 

「宇宙皇帝である!」

 

「宇宙皇帝オジマンディアス様!」

 

イケメンがやると、こうも映えが凄いな。写真(礼装)があった筈だから、駒王学園の女子に売りつけてやるか

 

「SF!きっとこれはSFの仮装です、ヴァーリさん!」

 

「今、ニトクリスの声がしたよな?どこだ?」

 

「あそこです!ファラオ・オジマンディアスの正面!3D惑星データの上に…小さく、ニトクリスさんがいらっしゃいます!」

 

「あ、ホントだ」

 

「メジェドじゃねえか!」

 

「ですね。小さくても神々しいです!」

 

イリヤが俺らの所に来る

 

「あっ、トーマさん!ヴァーリさん!マシュさん!トリック・オア・トリート!」

 

「そら、イリヤの分だ」

 

ヴァーリはイリヤに菓子袋を渡す

 

「えへへ…。ありがとう!えっと、ヴァーリさん、トーマさん。この格好、どう?ルビーのお薦めだったんだけど…」

 

ルビーにしてはマトモだなと思ったけど、黙っておこう

 

「よく似合ってるぞ」

 

「そうだな」

 

「はい。よくお似合いです!」

 

「えへへー。よかったぁ!あ、クロが呼んでるから行くね。それじゃあ、ハッピー・ハロウィン!」

 

イリヤはクロの所に行く。次はタマモキャットの所に行く

 

「おお!ようやく来たな!ここで会ったが100ループ目と覚悟するがいいワン!パンプキンアンデッドNECOスイーツである!肉球の表面吸着力…否、腕によりをかけて作った故、残さずオイシイするのだ、ご主人!」

 

「この量を食うのは無理だ…」

 

「え、俺は行けるぞ?」

 

「この量を食べ切れるんですか!?」

 

「マ」

 

塔城にもやろうかな。アイツはお菓子好きだから、気に入ってくれる筈だ

 

「知ってる知ってる。それを言うのは90ループ目の貴様故な?そこんトコちゃんと分かってるのがネココック。マシュと3人で一晩かけて食べるといい!」

 

「わ、私もいいのですか!?では頑張りますっ」

 

頑張れ(キャッツ)死ぬ気で頑張れ(ワンダフル キャッツ)♡」

 

次はマタ・ハリの所に行く。イッセーホイホイ

 

「冒険者達の酒場へようこそ!忙しくって、目が回りそう!中々席にご案内できなくてごめんなさいね。貴方達はお酒はまだダメかな?じゃ、その分お料理たくさん食べていきなさいな。というわけで、ご新規3名様、入りまーす!」

 

「マタ・ハリさん、酒場の看板娘の仮装ですね!食堂にやってきた英霊の皆さんを的確にさばいて、次々とお酒と料理を配膳している見事な看板娘ぶりです!外見だけではなく、中身まで完璧に!」

 

「叔父貴達が凄い勢いで話しかけている…!」

 

「イッセーも凄い勢いで話しかける。これ確定」

 

「は、はい。マタ・ハリさんの魅力にあてられた一部英霊および職員の方々が、次々を群がっています!――はっ。待って下さい、マスター。一部英霊および職員の方々に動きがあるようです。これは…?」

 

その方を見るとアイリがいた。コイツもイッセーホイホイ

 

「あらあらあら…?ええと、皆、何かしら?私、イリヤとシトナイを捜しているのだけど…。エミヤくんは厨房の方、でいいのかしらね?」

 

「…!」

 

「アイリさん、刺激的だな」

 

「はいっ!あまりのその、大胆かつ刺激的な仮装に一部英霊および職員の方々が引き寄せられています!この勢い、マタ・ハリさんに並ぶほどの…」

 

二つの礼装はまだあった筈だから、変態トリオにあげれば覗きもやめてくれるかな

 

「ト、トーマさん!ヴァーリさん!第3勢力!第3勢力です!一部英霊および職員の方々を惹き付ける、第3の存在が!」

 

「何!?」

 

「あちらをご覧ください…。ナイチンゲールさんです!ナイチンゲールさんが、とt「分かってる、皆まで言うな」

 

別の方を見ると、ナイチンゲールがいた。アイツの礼装もあったから3枚とも交渉材料にできるはずだ。もし無理なら、李書文の八極拳をプラスして滅菌…いや一瞬千撃だ

 

「――仮装?いいえ違います。この姿は絶対的完全滅菌の象徴。なおかつ素材は抗菌仕様。この度、私はカルデア医療班の班長を務めますので、はい。このように。私の前に集った皆様は、つまり健康に異常があるという認識で構いませんね?ならば対処します。殺してでも、皆様を――助けます」

 

「Oh...」

 

「完全滅菌モードになってるな」

 

「す、凄いです。物凄い気迫を感じます!ですがハロウィンの仮装というよりは、むしろハロウィン用の戦闘装備といった趣でしょうか。常在戦場の覚悟…。しかと受け取りました、ナイチンゲールさん!」

 

受け取らない方が良いと思うぞ。マシュ

 

「皆さん、凄いですね!素晴らしい仮装ばかりで感激してしまいます」

 

「…そういや、マシュは仮装しないのか?」

 

その言葉を聞いた俺は固まる

 

「そ…、そ、そそ、そ、それは…。わ、私の仮装は、その…」

 

「ヴァーリ、アレはカルデア七大兵器として封印されてる。いいな?」

 

「けd「いいな?」わ、分かった…」

 

 

 

 

 

~レイシフトする場所(名前分からん)~

 

「トリック・オア・レイシフト!」

 

パーティー中に呼ばれたから来てみると、ロリンチがそう言って来た

 

「特異点か」

 

「うん、ハロウィンパーティーの最中にごめんよ。私も心苦しいのだけど、このタイミングで微小特異点が発生してしまってね。今回もキミ達に何とかしてもらいたい!」

 

「では、私も―――」

 

「マシュにはやってほしい別任務があるので、残念ながら今回は別行動ってコトになる。同行サーヴァントはこちらで選出しておいたよ」

 

「そう、なのですね。残念です…」

 

「今回はどういったハロウィンだ?」

 

そうだ。肝心のソレを聞いてなかった

 

「んー。特異点の発生は中近東だから、ハロウィンとは限らないかもだ。年代的には…おっと、3世紀か。かなり古いぞ」

 

さ、3世紀!?

 

「現地に着いたら、まずは情報収集―――って今更だね。じゃあ早速、行ってみようか!」

 

俺とヴァーリはレイシフトする



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

姫であり、アイドル。

冬でもやります!


指定された時代、場所へのレイシフト――

初めての事ではない。

けれど。

妙な感覚があった―――ような―――?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺とヴァーリは洞窟に着く

 

「…洞窟だな」

 

俺は辺りを見渡す。ハロウィン関連は無いが、今回はそういうタイプなのか?

連絡しようにも繋がらないし、南瓜エネミーがいる

 

「ヴァーリ、ここから出よう」

 

「ああ」

 

外に出ると屋敷があった

 

「これって屋敷か?ここって3世紀の中近東だよな?」

 

「ロリンチが言ってたから、間違いは無いと思うんだけど…」

 

「1人~♪寂しく~屋敷のお掃除~♪お姉様とか~♪お母さまとか~♪そういうのは何故だか見かけないのだけど~♪気づいたらココにいたのだけど~♪だいたい~分かって~いるの~♪(アタシ)は~♪世界で~1番~美しいお姫様~♪アイドルでもあるの~♪」

 

歌声がした方を見ると、エリちゃんがいた

 

「つまり~(アタシ)は~♪世界で~1番~美しい~シンデレラ~♪」

 

「よう、エリちゃん」

 

エリちゃんは俺達に気づく

 

「あら?そこにいるのは子イヌ達じゃないの。いいわいいわ。役者が揃ったってコトなのね!そこに~いるのは~誰かしら~♪シンデレラに~どんな~御用~なのかしら~♪」

 

(他人の為に歌うエリザベートの歌は綺麗なんだよな…)

 

今回はミュージカル路線で行くのか。…のど飴あったかな。喉の味方である龍角散でもいいけど

 

「どうしたの~♪何を黙っているの~♪」

 

(この歌、凄く上手い!ってわけでもないが、鮮血魔嬢が発動する程でもない?)

 

「なあエリちゃん、今回はミュージカルなんだね」

 

「ええそうよ。アイドルといえば歌!歌といえばそう、ミュージカル!ミュージカル作品で大成するアイドルって、斬新だし素敵でしょう?なのでアンタ達も要所要所で合わせるように!いいわね?い・い。わ・ね~♪」

 

「了解だ~♪」

 

「分かった」

 

「トーマはいいとして、ヴァーリはノリが悪いわね…。リズム。リズム、大事よ?(アタシ)は~♪世界で~1番~美しい~お姫様~♪でもね~♪今は~屋敷のお掃除中~♪自分の才能にも気づかずに~♪ひたすらに~お掃除を~しているの~♪そこに現れたのがyou!そう、2人の魔法使い!知ってるわ。(アタシ)に魔法をかけてくれるんでしょう?」

 

「ま、魔法?何のだ?」

 

「バーカ。こういう魔法ってのはな、女の子に魔法をかけて素敵なドレスを着せるものなんだよ」

 

「トーマ分かってるじゃない。さあ!早く早く、ハリアップ!」

 

「では…、ンンンン急々如律令ですぞ」

 

『それ道満…』

 

「うさんくさい!」

 

すると、エリちゃんの衣装がドレスに変わる

 

「マジで衣装が変わったんだけどォォォォォォォォォォォォ!?」

 

ヴァーリは驚く。そんなに驚く事か?

 

『ヴァーリは童話とか読んでないだろうから…』

 

おk、納得

 

「やったぁ!いいわよ子イヌ、やるじゃない!見なさいな。ふふふふ、このドレス姿!純粋無敵(エレガント)傲慢無垢(アロガント)…、まさに完全無欠(パーフェクト)のエリザベート・シンデレラよ!さあ、分かってるわね子イヌ。これから…」

 

「これから…何だ?」

 

「チェイテ城―――いえ、チェイテシンデレラ城を探し出すわ!どこにあるかは分からないけど、きっとあるわ!だって今は―――ハロウィンなんだからね!」

 

「無茶苦茶な理屈だけど、どうも納得するんだよな…」

 

「諦めろヴァーリ、ハロウィンとはそういうものだ」

 

「ところで(アタシ)、どうしてあんな場所で放棄を動かしていたのかしら…?まあいいわ。ともかく、シンデレラといえばお城よ!行くわよ子イヌ達!って―――」

 

南瓜エネミーが邪魔をする

 

「来たわね、邪魔者!(アタシ)がチェイテシンデレラ城に行くのを邪魔して、ハロウィンを台無しにするつもりとみたわ!さあ、衝撃のデビュー・ライブ、ぶちかますわよ子イヌ達!」

 

「オラァ!」

 

ヴァーリは蹴り飛ばす

 

「転身火生斬!」

 

火炎剣烈火を振り抜き、炎を吐く大蛇を召喚してエネミーを焼き払い、エリちゃんは蹴りでエネミーを倒す

 

「魔法使いに~魔法を貰ったから~♪勇気も~魔力も~たっぷりなのよ~♪さあ、行くわ。チェイテシンデレラ城へ。こっちよ、来なさいトーマ!ヴァーリ!」

 

エリちゃんについて行くと、そこは砂漠だった。…うん

 

「砂漠100%」

 

「アキラ100%みたいに言うな」

 

全裸お盆やった方が良いか?

 

『やめろ』

 

「何でよー!!南瓜の山も無ければ、お菓子も無し!全然ハロウィンって感じじゃないし…。何より、(アタシ)のお城どこ!?チェイテシンデレラ城がないと~♪シンデレラがシンデレラになれないわ~♪」

 

「シンデレラと言えば、城と王子だからな」

 

夏の日のビールと枝豆みたいに外せない存在だ

 

『分かりやすいなオイ』

 

「そう!王子様も重要ね!でもお城が無いと、王子様も出てくる筈ないじゃない…うう…」

 

「そういや、レイシフト先は3世紀の中近東だったのを思い出した」

 

「ああ~♪どこへ~行って~しまったの~♪(アタシ)のお城~♪」

 

俺は気配を感知する

 

「…トーマ」

 

「分かってる、そこにいるのは誰だ?」

 

「…ほう、分かってたのか」

 

「へ?」

 

グレー髪の女性が現れる。…うん、イッセーホイホイ

 

「ならばこの事態の元凶と見たぞ。―――そこの女!何者か!大人しく、正体を明かすがいい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~チェイテシンデレラ城&ナレーションサイド~

 

「すーっ、すーっ…。むにゃむにゃ…」

 

誰かが寝てる所、近くに何か全体的にグレーの奴がいた

 

「ふっふふふー。なんて穏やかな眠りだろ…。でもまあ、お姫様(プリンセス)ってのは、大体そんなものだよねー。無力で無欲でか弱くて。そして王子様(助けが来るの)を待ち焦がれてる。あたしとは縁遠い存在だなー、まーじーで」

 

「ぴよぴよ…」

 

「…何だかイラっとするー。顔に落書きでもしてみよっか…?…ま、穏やかに眠ってるならそれに越した事は無いか。迂闊に傷つけちゃったら、それはそれで問題だし?」

 

「…カッ!!

 

寝てた者は目覚める

 

「ぴゃぁー!?びびびびっくりするじゃん!何、何、何で急に目覚めたの?おっかいーなー?眠り薬がバッチリ効いてる筈なんだけど。もう()()()()()()()()から、比較的、欲求には素直になってる筈だし…」

 

寝てた者こと、エリザベートは起きる

 

「…あの?」

 

「唄いたいから!!唄うわ!!ボエ~♪」

 

エリザベートは歌い始める

 

「ギャー!ウッソでしょ(セパヴレ)!?眠れ眠れ眠ってーーー!!」

 

グレーの人はエリザベートを物理的に眠らせる

 

「スヤァ…」

 

「ぜーぜー…。な、何とか眠った…。このサーヴァント…って、肉体面の欲求に“歌”があるのかな?ん~~、それとも余分な要素が混じっちゃってるせい…?まーともかく、とんでもない歌声をお持ちで…。どうしてカルデアのマスターは、平気なんだろね。歌の種類が違うとか?」

 

グレーの人は考えるも思い浮かばなかった

 

「…んー、分からん!分っかんない!分からんので、後はもう目覚めないようにお祈りするしかねーですわ。これさー、人選、間違えちゃった?もうちょいお姫様属性のサーヴァントを狙えば良かったとか?まー今更だけど。はぁ~…。陰謀、策謀、悪巧みも一苦労だわ…」




~トーマのヒミツ~
実は、キレるとオベロンみたいな口調になる。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

その時、女王が動いた。

ハマナスパークのポケモン、残ってるのはルギアとレックウザとミュウツーだけなんですよね
ビバ、まひ&みねうち


~トーマサイド~

 

前回の、ゼンカイジャーはァァァァァァ!

 

『いや、ゼンカイジャーじゃねえから』

 

やりたかっただけです、はい。

真面目に前回のあらすじ:イッセーに召喚されて欲しくない鯖1位が来た。

…というか、コイツ何者だ?

 

「何者か!大人しく、正体を明かすがいい!」

 

「ちょっとちょっと、いきなり何!?…こほん。でも、この突発的な舞台に対応できてこそ真のミュージカルアイドル。ならば歌で返すが道理というものね。そちらこそ~誰なのかしら~♪忘れてたらごめんなさい~♪」

 

「…怪しい奴!」

 

おまいう…!圧倒的おまいう…!

 

「むっ。怪しさで言えばアンタの方だってすこぶる怪しいわ。ビリビリの服で、鎖で…、まるで逃げ出してきた囚人みたいな…」

 

「―――私の姿を憐れむな」

 

「別に憐れんではいないけど。態度とか雰囲気から、アンタ自身がそう思っていないのは何となく分かるし。共演者の内に秘めた輝きを見抜くのも、ミュージカルスターの能力。漏れ出る高貴さ…、生まれつきの品格、そういうの、感じ取れるわ。ぶっちゃけ奴隷どころか、かなりいい身分の存在でしょう、アンタ?少なくとも人の上に立つ存在だ、って事くらいは…わ~か~る~わ♪」

 

上に立つ存在か…。真名を当てるヒントの一つになりそうだ、覚えておこう

 

「ほう。分かるのか…?」

 

「それより、サーヴァントっていうなら、アンタだって同じでしょう~♪こっちにとっては、アンタ腰が突然出てきた怪しげなサーヴァントー♪いきなり喧嘩蟹(ファイトクラブ)になる前に、すべき事があるんじゃない?」

 

「確かに…そうだ。気が逸っていたのかもしれない。謝罪しよう。女王としては即断即決であるべきだが、今は思慮深く動かねばならんだろうな」

 

「「女王?」」

 

3世紀の中近東に、砂漠に女王…、もしかして…?

 

「ああ、そうだ。この事態の元凶たる存在について、風の便り…のようなものを聞いていないワケでもなかったのだ。いきなり出会ったサーヴァントがその元凶だと勝手に思い込むとは、我ながら短絡的にも程がある。元凶は何という名だったか。うーん…、もう少しで思い出せそうな…。そう、確か…エ、エリ…」

 

「落ち着いた所で今の内に自己紹介でもしておこうかしら?主役の自己紹介タイムこそ序盤にたっぷりじっくり行われるものだものね!それ即ち観客の視線独り占めの独演(ソロ)パート。1時間くらいあってもいいと思うわ。トーマもそう思うわよね?」

 

「観客から叩かれてもいいんならどうぞ。俺は知らんから」

 

「ららら~、(アタシ)は、スーパーミュージカルアイドル~♪エリザベート・シンデレラァアア~♪」

 

「うん、そうだ、()()()()()()…。…何?」

 

「うん?」

 

「やっぱり貴様かぁぁぁ!」

 

巨乳サーヴァントはいきなり叫び出した

 

「おいエリザベート!お前また何かやらかしたのか!?」

 

(アタシ)、何もしてないわよ!?」

 

「それで誤魔化せると思ってんのか!」

 

ヴァーリはエリちゃんに詰め寄る

 

「この砂漠…麗しきパルミラ王国の異常は私が正さねばならない。何としても。()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

…なるほど、そういう事か

 

「さっきの言葉で確信になった。お前の真名はゼノビア、パルミラ王国の戦士であり女王だな?」

 

「そうだ!私はゼノビア。パルミラの戦士女王ゼノビア!いざ―――私の国を返してもらうぞ、エリザベートとやら!」

 

「はーい、戦闘入りまーす」

 

悲劇的(ドラマティック)~♪やっぱり一度は戦う運命なのね~♪」

 

 

 

 

 

==================================================

 

 

 

 

 

ゼノビアと戦うも、相手は中々強かった

 

「くっ…強いわね…!」

 

「全くだ…」

 

「だが、この戦いも悪くない!」

 

相変わらずだなヴァーリは

 

「ちょっと待って~♪可能なら話し合いで~♪」

 

「唄うな。ふざけるな。ふざけている=貴様が元凶と考えても差し支えなかろう」

 

「話を聞いてくれ」

 

俺が割って入る

 

「むう。戦士でありながら、我らの間に割って入るとは中々の度胸。いいだろう、少しだけだぞ」

 

よーし…、何とか収まった…

俺はその場に座り込む

 

「あー、まずは…」

 

ヴァーリはエリちゃんを見る

 

「な、何よ?最初の自己紹介パートで(アタシ)の魅力に、既にメロメロだったってわけかしらヴァーリ?それはいいけど、ちょっと情熱的に見つめすぎじゃない?この(アタシ)でも照れる時は照れるわよ?」

 

エリちゃんの照れてる顔なんて珍しいな

 

「…。ねえ、黙ってないで何とか言いなさいよー!」

 

「エリザベート、分裂したか?」

 

「かw「ますたぁ…?」っ!?い、今…、きよひーの声が聞こえた気が…」

 

「う。それを言われると、ちょっと言葉に詰まるわね。した記憶は無いけど、自然発生自然分離も有り得るし…。全否定する事は…難しいわね…」

 

「ホント、エリちゃんはフリーダムだな」

 

「ハイマットフルバーストしたらカッコいいぞ」

 

「ガンダムじゃねえか」

 

「褒めてるのよね~♪」

 

「「褒めてない」」

 

「つまり…やはり元凶…?」

 

ゼノビアは武器を出す

 

「ちーがーうーわーよー!100歩譲って、アンタの聞いた通り元凶の名前がエリザベートだったとしても、それは(アタシ)じゃないわ。多分、エリザベートはエリザベートでも別のエリザベートよ」

 

「お前は何を言っているんだ?同じ人間(サーヴァント)がそう何人もいるか!サーヴァントの仕組みとしては有り得る事でも、そうポンポンと発生する事態ではなかろう。しかも都合良く同じ場所にいるなd「否定できないのが現実なんだよね…」えー…」

 

「そうよ、この(アタシ)は史上まれに見る~♪視線の独占禁止法違反・ミュージカルアイドル、なんだから~♪…今の視線の独占禁止法違反、ちょっと我ながら良かったわね…。またどこかで使いましょう。めもめも」

 

「その歌はともかく…そうなのか?ホントに?」

 

「ホントなんだよね…」

 

「ああ…」

 

今の俺ら、死んで遠い目してるんだろうな…

 

「むう、お前達の目…。まったく嘘の無い目だ。これは信じざるを得ない、か。ひとまずはないいだろう。話を聞かせてみろ」

 

俺らは説明する

 

「というわけで、チェイテシンデレラ城に向かってるのよ~♪理由はハロウィンだしシンデレラだから。そうしなきゃダメなの。ゴールがそこなのは確実」

 

「ふむ。その城に事態の元凶…もう1人のエリザベートがいる可能性が高いか。そして城ならこの砂漠の先、遥か彼方に見えた記憶が無い訳でもない」

 

「ホント?なら案内して!退屈な移動も~、歌と踊りで楽しめる~♪それがミュージカルの醍醐味よ~♪」

 

「私が召喚された理由は、恐らく時代と土地の縁だろう。何故なら、今この時代には―――私の国、パルミラが存在する筈だからだ。そして私の記憶が確かならば、私の国はこんな様子ではなかった」

 

「どういう事だ?」

 

「まず、件の城だ。これがまた随分とメルヘンだ。国土の半分は、奇妙な森になっているらしい」

 

「ミスマッチにも程があるだろ」

 

それな

 

「そしてこの砂漠…見覚えが無い。何というか、生前に見た砂漠とは趣が違う。もちろん、ここは間違いなく私の国パルミラだ。それは感覚的に理解できている。その一方で―――どうしようもなく歪んでいる、とも。歪んでいるなら正さなくてはならない。何者かに襲われているなら守らねばならない。具体的に言うと!あの邪悪な城を!完膚なきまでに叩き壊す!」

 

「…そこまでする必要はないんじゃないかしら~♪」

 

「私の領地、私の国に、あのような悪趣味かつメルヘンな城を置き続ける訳にはいかない。有効射程距離に入り次第、バリスタで跡形も無く吹き飛ばしてやる…!」

 

そもそも、ゼノビアのバリスタで城を壊す事できるのか?

 

「せめて穏便に引っ越しという訳にはいかないかしら?あれ、一応(アタシ)のお城!」

 

「人の土地に勝手に上がり込んできた以上、敵対したと認識しても仕方なかろう。…今はお前達の顔を立てておくが…。民を守る為、慈しむ為ならば。私は一切の妥協をせず、叩き潰す。かつて愚かなローマの皇帝から民と国を守ったのと同じようにな」

 

「本に書いてあった通りだな」

 

「ふーん。アイツとも知り合いかしら?ローマ皇帝っていってもたくさんいるけど」

 

うちにはクィリヌスもいるからな

 

「ローマ皇帝と親しいような口ぶりだ。まさかアウレリアヌスではあるまいな」

 

「うちにアウレリアヌスはいないな」

 

「そんな名前の皇帝は知らないし、赤いのはライバルよライバル!でも~、ミュージカルスキルを手に入れた(アタシ)の方が~♪何周分も、先に進んでいるのは~、確・実~♪」

 

「まあ、ローマ皇帝といっても玉石混淆だろう。肯定全てを唾棄するつもりはない。ともあれ、一緒に行くのに異論はないぞ。協力して事態の解決にあたろうではないか」

 

「助かる」

 

「さて…城の方角は大凡分かっているが、問題が三つある」

 

問題が三つ?

 

「何ですって、三つも~♪一つくらいまけてほしいわ~♪」

 

「…まあ、纏めれば一つと言えるもかもしれないが」

 

「その問題ってのは何だ?」

 

「こほん。まず一つ、この砂漠はある特定のルートを辿らなければ、酷い砂嵐で進めない。二つ目…私も一度城の方に向かってはみたのだが、ルート先には高い岩山が立ち塞がっていた。山越えはかなりの労苦を伴うだろう。ましてお前達がいるのなら、尚更だ。進むなら山の中腹。洞窟だ。岩戸に閉ざされているが、隙間に空気の流れを感じた。きっと、山向こうまで洞窟が続いているのだ。もし岩戸を開ける事が出来れば、城への道は拓けよう」

 

クリムの体が復活さえすれば、山を越えて成層圏突破できるのに…

 

『気持ちだけで十分だぞトーマ。それと、俺はレックウザじゃねえ』

 

でも、成層圏突破は出来るんでしょう?

 

『否定しない』

 

「そして三つ目は…まあ、これは我らにとってはそれほど障害ではないかもしれない。風の便りで聞く限り、この辺りには多くの盗賊達がいるらしい。出会ってしまえば邪魔をされるかも…という所だ」

 

盗賊?もしかして、あの童話か?

 

「そんなの、話し合い(物理)で友達(ファン)にしちゃえばいいじゃない?ミ・ナ・ゴ・ロ・シ~♪じゃなくて、ミ・ナ・ヨ・ロ・シ~♪」

 

「いいなそれ」

 

「ああ。私の国で盗賊行為とはけしからん。見つけ次第、身柄を拘束し裁きを受けよう。パルミラの風紀と治安は私が守る!」

 

エリちゃんが俺とヴァーリに耳打ちする

 

「ねえトーマにヴァーリ。この人の服、風紀乱してない?」

 

「言うな」

 

「健康美は良いと思うぞ」

 

「そうね~♪ペンテシレイアやブーディカと気が合うタイプね~♪」

 

ブーディカといい、ゼノビアといい、頼光といい、イッセーに召喚されないか不安でいっぱいだ…

スパルタクスとレオニダスに、ペンテシレイア?アイツらはいいんだよ。

マッスル系だからイッセーも邪な事しないだろうし

 

「よし、出発だ!」



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

歌を唄いし、硝子の姫。

俺達は砂漠を歩く

 

「砂が服の中に入ってじゃりじゃりする…!」

 

「我慢しろ。正しい進路であっても砂嵐が無い訳ではない。これでもルート外よりは幾分マシだ。それに、私の読みではそろそろ晴れる。…ほらな?」

 

砂嵐が晴れて、ゼノビアは得意げな顔をする

 

「待って、砂嵐が晴れて分かったけど。誰かそこにいない?」

 

そこには斎藤さんがいた

 

「斎藤さんだな」

 

「やれやれ、砂嵐に巻き込まれてツイてないねぇ。ま、それはそれとしてコイツはラッキーかな?1人だけ手ぶらってのも恰好付かないし、どうしたもんかと思ってたのよ。んじゃま―――そこな道行く旅人さん。僕は三番隊隊長…じゃなかった、盗賊番号ナンバースリー。雇われのはぐれサーヴァントってやつ。というわけで。大人しく身ぐるみ剥がされてくれる?」

 

「「恐喝じゃねえか!」」

 

「警官やってた手前、ちょっと抵抗あるけど、一応、紳士的に話し合いからってね」

 

「シーフ、ローグ、盗賊ね~♪降りかかる火の粉は~~殺すわ~~♪話し合いは~その後に~♪」

 

「え?どういうノリ?」

 

「いい度胸だ。このパルミラの女王本人に対して盗賊行為とはな。やはり裁判の必要は無さそうだ。現場判断にて処置する。後始末は砂漠に埋めればOKだ。将来的にナツメヤシの苗床にでもなれば盗賊でもパルミラの役に立てたという事になる。喜べ」

 

メイヴも似たような事言ってた気がするな

 

「…あら?」

 

2人はじりじりと距離を詰める

 

「はーい、降参降参~!いやあ。確かに盗賊の一人ではあるけどさぁ。負ける戦いはしないってのが一ちゃんの信条ってわけ」

 

「速やかなる投降。いい判断だ。それでは埋めよう」

 

「苗床~苗床~♪」

 

「割とマジでやめたげてよぉ!」

 

「降伏したんだからそりゃないでしょ、情状酌量って知ってる?」

 

「そうねえ。盗賊っていっぱいいるんでしょう?折角だから、他の奴らの情報とか聞いてもいいんじゃない?」

 

「司法取引というヤツか。ふむ…。悪くない。パルミラが野蛮な地だと思われるのも癪だしな。それではきりきり吐いてもらおう。その身をナツメヤシの糧にしたくないのならばな」

 

「司法取引だか、脅迫なんだか…」

 

「どっちもどっちですが?」

 

「はは、そりゃそうだ。んじゃま、ペラペラ喋りますか」

 

斎藤さんから情報を聞く。

どうやら、これから向かう岩山は盗賊の本拠地で、洞窟に入る為の岩戸の開け方はボスしか知らないとの事。

肝心のボスは、岩との奥に籠りきりみたいで、斎藤さん達は出てきてもらう為の作戦に手分けして従事してる途中だったようだ

 

「ふん、やはりパルミラの治安と風紀の維持の為に捨て置けん集団だ。集まるというなら都合がいい。バリスタで一網打尽にしてくれる」

 

「どの道、行くしかないよね」

 

「だな」

 

「はいはい、ご案内しますよ。こっちは囚われの身なんでね」

 

俺達は斎藤さんについて行く。何か引っ掛かるな…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~岩山~

 

本拠地に着く

 

「はい、到着ー。あ、もう皆帰ってきてるみたいね。準備も始まってるか」

 

「あれって、宴の準備か?」

 

宴?天岩戸か?

 

「ていうかていうか~♪盗賊達、何か多くないかしら~?後色々おかしくないかしら~?」

 

確認できただけでも。エイリーク、メフィスト、ビリー、小太郎、聖杯怪盗、ミストレスC、ウィリアム、切嗣がいた。闇鍋か?

 

「まあ、盗賊っぽいのもそうでないのもいるけど。数は勿論、()()()()()()4()0()()()()()。当たり前でしょ?」

 

これで確定した。これは『アリババと40人の盗賊』だ

 

「どうしたのトーマ?まあ40人は多いわよね」

 

「さて、それじゃあ、行きますか」

 

斎藤さんは先に行く。さすが新選組3番隊隊長、縄もお手の物だな

 

「あれっ、いつの間にか縄が!?縛ってた筈なのに!」

 

「おーい。お客さんのご到着だよー」

 

「盗賊達の宴へようこそ!」

 

「詳しい事はよく分かりませんが、とりあえず私達が盗賊なのは確かですわ」

 

海賊も盗賊と似たようなもんじゃないのか?

 

「そうですね、って、それはそれとして、盗賊よりももっと奇妙な事がですね」

 

「はい、どうして着替えただけの私がここに並んで存在するんですかね!しかもよく見ると、向こうに遠い昔の私までいるんですが!」

 

それを言ったらアルトリアはどうなのさ

 

「まあまあ。何かここって夢の中っぽいし、そういう事もあるんじゃない?」

 

「そうですわねえ。深く考えなくてもよいのではないかと?」

 

げぇ…、水着アンメアまでいんじゃねえか…

 

「「「「はい、というわけでこれで4人ぶーん!」」」」

 

何がというわけだよ…

 

「嘘、ホントにこの調子で40人の盗賊がいるの?」

 

「正直、私だけでよかったと思うのだが。あるいはネモ達という手も…」

 

「かんら、から、から!そんな風情の無い事を言うものではないぞう?」

 

百貌の言う事も最もだけど、鬼一師匠の言う事もあるからな?

 

「こまった。イリヤとイリヤに挟まれてとても嬉し…いや大変、でもやっぱり嬉しい…ふふふ…」

 

「片っぽ私が引き受けようか?ダブルで魔力供給してもらえるなら、さすがに満腹になっちゃうわねえ…」

 

クロエはそれでいいんじゃないか?満腹になれば戦う時間も増えるだろうし

 

「…確かにこれは非常事態だね。困った」

 

「ヒャハハハハァ!何も困らねえよ、楽しいじゃねえか!」

 

ジキルとハイドはノーコメ

 

「オレもたくさんいてよさそうなモンだが。逃げたか…?」

 

ご愁傷様です…

 

「酒吞、しゅてーん!盗賊と言えば吾らだろう、どこにいるー!?」

 

「しゅてーん!「…あっ」」

 

鏡で自分を見た猫みたいになってんぞ

 

「と、とにかく40人の盗賊がいるのは分かったわ。でも何でパーティーなんてしてるの?」

 

「決まってンだろが!洞窟の中に閉じこもってるボスには、どうあっても出てきてもらう。ボスがいるだけで眼福…、じゃねえ、盗賊団としての示しがつかねえだろうが」

 

おい今、眼福って言ったぞコイツ

 

「だが、どう説得しても出てこない。力尽くでも無理となりゃあ…。()()()()()()と相場が決まってる。目の前でどんちゃんやりゃあ、気になって出てくるのが人情ってヤツだ。だが、おい斎藤ォ!」

 

「はいはい?」

 

「仕事はきっちり済ませたのか。酒でもツマミでもなんでもいい。宴席のアテになるようなモンを一人一つ用意してくる…。そういう話だったな?」

 

向こうでは、ガラテアを担いでる荊軻がいた

 

「私は用意してきたぞー。これ!…んー?ありゃー、とっても綺麗な彫像担いで盗んできたかと思ったら君か!」

 

「…恐縮です。おろしていただけますか?」

 

「まあいいや!酒の肴になるのは変わんないし!飲もう!飲もう!」

 

スゲー酔ってんなオイ

 

「はは、僕もアレと似た感じかな?酒の肴タイプ」

 

「おう、ならさっさと出しやがれ」

 

「や、だからほら。持って来たでしょ?()()。何でも盗賊団を砂漠の肥やしにせずにはいられない、戦に飢えてる系の女王様らしいんでね」

 

ま、そうなるわな

 

「ほう」

 

「貴様…」

 

「宴にゃ身体を動かすような余興も必要でしょ。好き嫌いとは別にさ」

 

「えー。40人のいるなんて~♪相手するのは大変そうじゃない~♪」

 

「なに、所詮は夢ってやつ?本物と比べりゃ、ささやかなもんですよ。きっちり40人…いや、ボス除いたら39人ですけどね?そういう祭りだと思って付き合ってもらいましょうか、―――ねぇっ!」

 

 

 

 

 

==================================================

 

 

 

 

 

俺らは何とか39人を相手する

 

「はぁはぁ…。戦うのはいいが、数が多い!」

 

「やっぱし39人いたか…!」

 

「一人一人は大した強さはではなかった、普通に数が多すぎて面倒だったな…」

 

「斎藤ォッ!岩戸の様子はどうだ?」

 

「はいはい。えーと、どれどれ?」

 

斎藤さんは岩戸の様子を見る

 

「なんの騒ぎかと思えば39人の盗賊が次々とワンパンで惨殺されるバトル…。なんと恐ろしい。死んでしまいます。やはり、とてもここからは出られません…」

 

ボスことシェヘラザードは岩戸をそっ閉じする

 

「ちいっ、ダメか!」

 

「ま、そりゃそうだ。いや、誰も惨殺されてませんけど?とはいえ、どうしたもんですかね。盗賊団はやはりボスがあっての盗賊団。上に立つ奴がいないと、どうも締りが悪いんだよねぇ」

 

「困ってるのは~、ららら、こ・ち・ら・よ~♪でも、いいかしら?(アタシ)は全力でアンタ達にダメ出しをしたいわ」

 

「ダメ出し?」

 

「何か気付いたのか?」

 

天岩戸(あまのいわと)作戦。それくらい知ってるわよ、日本の神話でしょう?楽しい宴で内側から開かせようってやつ。でも今回は足りないものがあるわ。はいトーマ、そのココロは?」

 

「合言葉だな」

 

「え?40人の盗賊と言えば、の合言葉がある?」

 

「افتح يا سمسم‎って言うんだけど」

 

「え、何だって?」

 

ヴァーリが聞き返す

 

「イフタフ・ヤー・シムシム。日本語に訳すと『開けゴマ』だ」

 

「そんなの知らなかったけどつまりアレね。心に響く歌詞って事ね?いいわ、アンタがそう言うなら歌詞に採用しましょう!そしてもっと基本的な事を言えば、宴自体の楽しさがもうダメダメよ。もっと本格的に…唄わないと!ふふん。というわけで、アンタ達はラッキーね。ここに真のミュージカルアイドルがいるのだもの。(アタシ)達は岩戸を開いて洞窟を抜けたい、アンタ達は岩戸からボスに出てきてもらいたい。利害は一致そてるわ。協力してこの(アタシ)の部隊を盛り上げるのよ!そうすれば必ず歌声に涙して外に出てくるわ!間違いない!」

 

「うーん。ここでこの盗賊団を壊滅させても、根本的な解決にはならないようだしな…。ひとまずやりたいようにさせてみるか」

 

「いい判断よ。さあ、それでは協力できるメンバーは準備なさい!イカレた奴らを紹介する~♪メンバー紹介パートの~、始まりよ~♪」

 

「では伴奏とバックコーラスは彼と私が。ご心配なく、サポートメンバーである事は理解しています」

 

「いや、場違いじゃね?何で俺ここにいんの?」

 

「突如現れた謎の童話系アイドルと突発コラボ!?ハァハァ、期間限定ユニット、推せる!」

 

「うん、スルーしてくれ…」

 

ミスクレーン、何でいんだよ…

それと、アスモデウスの時(スーパーヒーロー戦記)のオーマジオウもいんじゃん

 

「それなら私はバックダンサーね。踊るのは得意よ。あ、でも目立ちすぎるのは良くないわね。控えめ控えめ…」

 

元祖イッセーホイホイのマタ・ハリさん、それでいいんです。

それとヴリトラはさっさと見せろって顔してるな。

まあ、そんなこんなでエリちゃんのショーが始まる

 

「行くわよ!ららら、勇気を~、出して~♪扉を、開いて~♪怖い事は何もないのよーう、そう、合言葉は~♪ひ・ら・け、ゴマ~♪あるいはオープン・セサミ~♪」

 

「ああ…特に不快という訳では、ないというか。寧ろ今の所は済んだ歌声、なのですが」

 

「もひとつトドメに♪افتح يا سمسم~♪」

 

ネイティブ!俺と同レベル!

 

「(ブルブル)何でしょう、この不安感は。いつ調子が崩れるのか分からなくて逆に怖い、と言いましょうか。そう、まるで…ずっとロシアンルーレットをやらされているような気分で。これがずっと続くと、ああ、ああ、ドキドキしすぎて死んでしまいそうです…!」

 

「…私が思うに、彼女には根性がある。そして心の底から歌が好きなのだろう。どうあれその岩戸が開かない限りは唄い続ける。これは女王的予言だ。間違いない」

 

「アイドル志望だもんね」

 

「そんな…」

 

「その死にそうな未来の不安感から逃れたいというのであれば、岩戸を開けて我らを先に進ませるしかないのでは?開けば歌声は止まるだろう。我らには行くべき場所がある故、ここで足を止めはしない」

 

「俺らが行った後は、好きに籠ればいいさ。司法取引って奴だ、パルミラの女王は約束を違えたりはしないぞ。インディアン嘘つかなーい」

 

「パルミラの女王…。…苛烈では、あるのでしょうが。恐ろしき王とは、少し、違うようですね。信じて…みましょうか…」

 

「ああ、信じてくれ。さっき、チラリと見えた印象で言えば、さてはお前もローマに屈辱を与えられた系女子。そんな服の露出度だった。その悔しさ、無念、怒り…私なら分かってやれる。私はお前の姿を嘲笑ったりしない。私達は、仲間だ!」

 

時代どころか、地域すら違うんですがそれは

 

「この衣装は、その、別にそういうわけではないのですが…!?ふう。やはり、悪い人では、なさそうですね…」

 

不夜キャスは岩戸を開ける

 

「開いたわ!?やっぱり~♪(アタシ)の歌は、世界を救うのね~♪」

 

「と、止まらない…!?騙されましたー!?」

 

不夜キャスは閉じようとする

 

「待て待て待て。あれはただの、戦車は急には止まれない、というやつだ」

 

「開いたからさっさと行くぞ!時間をロスした分取り戻せ!」

 

「ホントはまだ唄い足りないけど…まあいっか。ミュージカルって途中休憩を挟む気もするし。後半戦は帰りにね?」

 

「よし行こかー」

 

俺達は先へ進む

 

「どうあれ、ホントに天岩戸を開けるとはね。いや、大したもんだ。さて副長、これからどうしま―――」

 

「よしお前ら。俺達はボスあっての盗賊団だ。ボスこそが俺達の象徴で!豊満で!眼福だ!全力で付き従え、付き従えねえ奴は腹を切れ!行くぞォオオオオ!」

 

「副長ってこういうとこあるよね。ま、面白いからいけいけー」

 

「ひ、ひぇえええ…何故そんな勢いでこっちに!?死んでしまいます…!」

 

 

 

 

 

~ナレーションサイド~

 

「( ˘ω˘)スヤァ…」

 

「ふっふふー、ぐっすり眠ってるねー。…いやホントよく寝るなこの子!やっぱりシンデレラだけじゃなくて○○姫も混じってる?メルヘンを基礎とした特異点だから?なのかぁ?ま、まあ眠ってるに越した事は無いし、もうちょっと睡眠誘導の香を強めにしとこっか…」

 

エリちゃんは起きる

 

「ぴゃぁぁ、起きた!」

 

「…ここどこかしら…」

 

「え、えっと…。ふふふ…。ここはチェイテシンデレラ城。そして貴女は囚われのお姫様なの。マドモアゼル・サンドヨリン…。そう―――シンデレラ?」

 

「そうなの!?(アタシ)、囚われなのね!!あ、でも閉じ込められるのは嫌ね。脱出していいかしら。(マイク)(マイク)…」

 

逆マリオ?

 

「囚われ、って言ってるでしょー!?脱出はNGで!このお城から出なければ、それでいいですから!ちゃんと“王子様”も助けに来る予定ですから!」

 

「王子様が!?(アタシ)の所に!?…そうね。なら少しは待ってもいいかしら…」

 

「ええ、ええ。それではお眠り下さいな」

 

「そうするわ、おやすみー。ところでアンタ…一体誰…ふにゃ…」

 

エリちゃんは寝る

 

「夢を見て夢を想い夢を描く。軸であり芯である貴女は、そうであるが故に全てを振り回す。ああ―――鮮血の貴婦人、エリザベート・バートリー。貴女という混沌(カオス)こそが、この特異点を掻き回す。お姫様(プリンセス)救いを求める者(プリンセス)ご褒美の概念(プリンセス)!速く速く速やかに。この可憐な少女を救いに来てね、王子様!」

 

「ふぁうううああああううう…。うへへへへ…。満員御礼札止め…。ドームコンサート…ドタキャン…はしない…」

 

「…よだれ…垂れてる…」




افتح يا سمسم←これ、読める人いる?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

灰色の者は、誰だ。

~小説版レヴィアたん~
トーマが書いた小説で、レヴィアたんの内容は鬱展開が殆ど。
理由は嫌がらせ。
レヴィアたんを書くのが飽きた為、近いうちに完結させる予定。


~妖しの森~

 

俺達は森に着く

 

「砂漠が終わったと思ったら、今度は森か」

 

「何か、メルヘン&ファンシーな感じ!いいじゃナイ、とっても(アタシ)好みよ」

 

「メルヘン…メルヘンなのか、コレ…?メルヘンという割には、どことなく不気味さが…」

 

「そう?とってもブラッディファンタジーで素敵だと思うけど…。まあ、人の感性はそれぞれって事ね。トーマとヴァーリはどう思う?」

 

「うーん、それなりにメルヘン…かな」

 

「俺は使い魔の森を思い出すな。サーゼクスに言われて使い魔の森に行ったんだけど、納得のいく使い魔はいなかったから諦めたんだ」

 

碌な使い魔がいなかったのが10割なんだよね

 

「そ、そうか…そういうものか…。当世のセンスは私には理解し難い…」

 

「ゼノビアはこの森に来た事は?」

 

「ない。砂漠のあそこで手間取っていてな。ただ、噂だけは聞いた事がある。この森は妖しの森。一度入り込めば―――生きて出られる保証バッチリの安全かつデンジャーな森である、と」

 

「何それ」

 

安全なのか危険なのかどっちだよ!?

 

「うむ、そうだな。まさに何ソレ?だ。妖しの森は分かるが、生きて出られるのは何故だ。分からない…」

 

「まあでも嬉し楽しいハロウィンだし、そういう事もあるんじゃ~ないかしら~♪まずはとにかく~森に入ってみましょうね~♪レッツラゴ~レッツラゴ~♪」

 

「ハァ…まあ、どの道避けられぬ森か。よし、万全の態勢を整えて…いざ、出陣!」

 

2人は跳んで行く

 

「忘れ物だよー!」

 

「す、すまない。先走ったな。弱き者お見捨てないのが真に強き戦士女王だ。よし、共に行こう。汝らの身は、私が守護る」

 

「まってそれは(アタシ)の役割~♪」

 

 

 

 

 

==================================================

 

 

 

 

 

俺らは森を歩く

 

「菓子のように何とも甘い匂いだな…」

 

「気持ち悪くなる…」

 

「吐きそ…」

 

「あら、花よ。花だわ。色とりどりの大きなメルヘンフラワー~♪」

 

「それ花じゃねえ!」

 

読者の人達は忘れ去られてるだろう、俺自身の神器であるグラッピングアームでエリちゃんを引き寄せる。ホントこれ便利だわ

 

「―――!」

 

「…今、何か聞こえなかったか?」

 

「え、そうk「―――!」あの中から聞こえるぞ!」

 

「助けるぞ、トーマ!ヴァーリ!」

 

「転身火生斬!」

 

「ディバイドショット!」

 

転身火生斬で花を焼き、ショットで倒すと中からコブラのゆるキャラが出てくる

 

「コブ~…」

 

「何だコイツ?」

 

「もしかして、モーフコブラ?」

 

「知ってるのか、ヴァーリ」

 

「様々な姿に変身できるから、そう名付けられたんだ。姿を見なくなったから絶滅したんじゃないかと思ったら、ここにいたのか…」

 

『恐らく、特異点であるここが住む環境に適したんだろう。何であの花?に食われてたかは知らん』

 

「ラブ~!」

 

モーフコブラは俺に抱き着く。どうやら俺に懐いてるようだ

 

「名前どうする?」

 

『コブラだし、ラブラブ言ってるからラブコフってどうだ?』

 

「お、いいね!」

 

「異論無し!」

 

「花じゃなくてどう見てもかなり海産物だが」

 

「そうね…そうして俯瞰してみれば、確かに花じゃなくてヒトデだわ…」

 

(俯瞰して見る必要あるか?)

 

俯瞰して見る必要ねえだろ

 

「む。森が騒がしいわね…」

 

「今の騒動で魔獣達の注意を引いてしまったか?静かに、用心して進む事にしよう」

 

「そうね~♪」

 

「静かに、用心して、だ!」

 

「はぁい」

 

 

 

 

 

==================================================

 

 

 

 

 

進む途中、エリちゃんとヴァーリが異変を感じとる

 

「…あれ?」

 

「…うん?」

 

「どうした?」

 

「この道、さっきも来なかった?」

 

「いや、似たような感じだし、気のせいだろ」

 

「ううん。この枝振り、何となく覚えてる。100%かって言われたら自信は無いけど」

 

「念の為、印的なのつけとくか」

 

「ラブ!」

 

ラブコフは鋸に変身して俺の手元に来る

 

「よっと」

 

鋸で枝を切って、それを松明にする。

木に突き刺して立てる。マイクラ感覚で作っちゃったけど、いいよね?

 

「これでよし。んじゃ、行こうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~30分後~

 

「ラブ、ラブラブ!」

 

ラブコフが裾を引っ張ってきて、指した方を見ると松明があった

 

「マジで戻ってきてるな」

 

「予想通りね~♪これで偶然ではないわ~♪」

 

「しかも、突き刺した松明が1メートル以上も上方に位置している。私達が1周ぐるっと回っている間に、()()()()()()()、という事になる。これは…マズイぞ。方向感覚が掴めないのは、魔術なり結界なりのせいかもしれないが…急速成長する木々は、その厄介さを加速させる」

 

「どうしようかしら~♪トーマ~ヴァーリ~名案をちょうだい~♪」

 

「名案って言われてもな…」

 

「ドラゴゼノンになるか、森を焼く以外は…」

 

クソッ!こんな時に、クリムの体が復活さえすれば…!

 

「高い所に登って、そこから向かうしかないか…?」

 

〈ふっふふふふ。その程度でこの迷妄の森を抜けられるとは思わない事ですねー』

 

黒い炎と同時に、グレーの奴が現れる

 

「「何者!(な~に~も~の~♪)」」

 

「「誰だお前は!」」

 

〈誰何の呼びかけ、めっちゃズレてるくない!?コホン…まーいーや。そんな不協和音(ディゾナンス)は置いといてー。ふっふふふー…。無策無謀、あまりにも甘々シロップ漬けな方針。放置プレイの予定だったけど、路線変更。容赦なく現実を突きつけるとしましょーか。あたしは…そうですね。ジェーン…と呼んでくだされば』

 

「おk、カラミティ・ジェーンね」

 

『いるのかー、ジェーン。そっかー。それはややこしくなるから…。じゃあ仕方ないな、ジャ…ジャック、ジャックで!』

 

「ジャックちゃんがいるんですがそれは」

 

別世界(イリヤんち)だとゲーマーだったんだよね。

うちの巴は、色ち厳選して5V&世界大会で総なめしてるから、バトルしたらどうなるんだか

 

『だよねー!いるよね、そりゃねー!これもう、しょうがねーな!あたしの名はジャック・ド・モレー!この特異点を引き起こした犯人であり、この特異点の主なんですぅー!』

 

ジャック・ド・モレー…。第23代目テンプル騎士団総長にして最後の総長だったな。だが、アイツは男の筈…

 

「デジマ~♪」

 

「貴様が黒幕という訳か」

 

「な、何だってー!?」

 

「ラブー!」

 

お前ら分かってねえだろ

 

「だが、わざわざ我らの前に姿を現したのは、どういう訳だ?」

 

『ふっふふふー。皆さんに絶望と微かな希望を与える為さ』

 

「どーうーいーうーこーとー♪」

 

『…()()()()()()()()()()唄うの?何で?まーそれはともかくだ。この迷妄な森には、あたしの魔術が敷かれている。一度、足を踏み入れたならば、もはや出る事は叶わず!』

 

モレーの後ろでエリちゃんがうろつく

 

『ふっふふー、彷徨って彷徨って行きつく先はこの世の果ての果て…。苦しみ、もがき、震え、病み患い、そしてその最後には絶望の嘆きが―――あの。ムッシュ?すみませんが、人がシリアスに話してるのに目線が浮つくのは失礼かと思うのですけど?』

 

「後ろのエリザベートが気になって話に全集中できないんだけど、どうにかしてくれないか?」

 

『え、後ろ?』

 

モレーは後ろを見る

 

『ぴぃやぁぁー!!ホントだーーメルシーー!!ノンノン、ちょっと出てきちゃダメだって!今は大事なお話してるから!』

 

『助けてトーマ、ヴァーリ~♪(アタシ)は~囚われの~♪』

 

『いーーいー-かーーらーー!』

 

あ、押し退けた。てか、あっちも歌うのね

 

『と、ともかくさぁー!その森から抜けられるなんて思わない事!永遠に彷徨い続けるがいいわ!このおいも(ピタツ)!ばかばなな!こんこんちき(アンドゥイユ)!』

 

『助けに来なさいよね~♪』

 

映像は消える

 

「話に聞いてはいたが、本当に2人もいるとは…。人は分裂しない筈だ。なのに、何故…!」

 

「プラナリアのようなもんだと思ってくだされば」

 

「そうか…そうするとしよう…。エリザプラナリア・バートリー…」

 

「褒められて嬉しいわ~♪」

 

「「褒めてない」」

 

「恐らくだけど、半減している(アタシ)のシンデレラとしての力…。言うなればシンデレラ・パゥワーみたいなもの?彼女と一つになれば、完全体になるのよ!ちなみに根拠は一切ないわ!!」

 

「無いのか!!まあ、いずれにせよまずはこの森を抜けてからの話だが…。しかし、あのモレーとかいう女の言葉が正しければ…我らはどうしたものか…」

 

「…?ねえ3人共。音が聞こえないかしら?」

 

耳を澄ますと、金属音が聞こえる

 

「この音!」

 

「どうやら誰かが戦っているようだな。剣の音からすると、魔獣同士の争いという訳でもあるまい。同じく迷子かもしれないが、何もせず、じっとしているよりかは良いだろう。行くぞ!」

 

「勇気凛々いざ進め~♪」

 

「いざ進め~♪」

 

(完全に嵌ってる…!)

 

えぇ…

 

 

 

 

 

==================================================

 

 

 

 

 

「はぁぁぁぁぁ!」

 

「うっらあああああ!ブッ殺せーーー!」

 

「斬る!」

 

駆けつけると、サーヴァント達が海産物を倒してた

 

「これは…。手伝う必要はなさそうだな。見事なものだ。清流の如き剣、波濤の如き剣。いずれ名だたる英雄と見た。応援は必要なさそうだが…」

 

「とりあえず加勢しとく?」

 

「そうだな。そこな者達!故あって、その戦いに我らも参加したい!応か否か返答を!」

 

「お?増援か?いやこっちの増援か!いいぜー、遠慮なくブッ飛ばせ!」

 

「ふむ。では、新手は我々の背後から来る。それを任せて構わないか」

 

どうやら、満場一致みたいだな

 

「無論だ。―――よし、現地は取れた。行こう!」

 

「いざ戦いよ~♪お姫様だけど~戦いなのよ~♪」

 

「何か歌いながら変なのが現れた!?」

 

「しかもおおよそ戦う服装ではないが。うん、世とは様々なモノなのだな…」

 

「そうよ~♪ロックもポップスも~♪場合によっては唄うのよ~♪」

 

 

 

 

 

==================================================

 

 

 

 

 

「憤怒咆哮炎!」

 

「ホロウハート・アルビオン!」

 

俺は火炎剣烈火を地面に突き刺し、そこを起点に無数の炎の槍が敵を突き刺して焼き上げる。

禁手したヴァーリは高く飛んだ後、魔力で生成した槍を投擲する。

…いつかメリュ子みたいなドラゴンに転身しそうだな

 

「お~わ~り~よ~♪」

 

エリちゃんは蹴りで倒す

 

「ラブ!」

 

ラブコフは剣に変身してエネミーを倒す。単独でもいけるんかい

 

「よーし、こちらも終わったぞ」

 

「礼を言う。助かった」

 

「いや。お前達の腕ならば、容易に返り討ちにできただろう。…うちの軍に入らないか?福利厚生はしっかりしているぞ」

 

「どんなに楽な戦いでも、常に紛れがあるものだ。それから…。助力には感謝するが、誘いには応じられない。既にこの刀は別のものに捧げている。すまん」

 

「そうか、残念だ。では謝礼代わりに一つ、頼みがあるのだが」

 

「おう?」

 

「実は~(アタシ)達~道に~迷っているの~♪どうしたらいいかしら~♪」

 

「なるほど、迷い子か。ならばついてこい。()()7()()、この迷妄の森に居を構えている」

 

「ロクデナシ共の集まりだが、まあ森をうろつくよりは安全だ!」

 

「そうだな。じき、夜になる。夜の森は恐ろしく危険だ」

 

「ほう。7人で住んでいるのか?」

 

なるほど、白雪姫か

 

「ああ。皆、良い奴だぞ」

 

「そうかぁ?悪人ぶってる義賊とか、微妙じゃね?」

 

「良い奴だと思うのだがな…」

 

「ま、いいや。腹減ってないか?メシだけは無限に食えるから安心してくれよな!」

 

「それはとても美味しい~森の果実~♪」

 

俺らは綱とモーさんについて行く



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

森を、焼け野原に変えて。

正月ウララでURA優勝しちゃった…

正月ガチャはパールヴァティーとマリーとナポレオンが来た
福袋はバニ上が来た


~森の一軒家~

 

「うむ!山海珍味、山盛りの米!もちろん日本酒もあるぞ!」

 

うますぎて馬になったわね…(大蛇丸)

 

「ラブ~♡」

 

ラブコフもお気に召したようだ

 

「うまい!うまい!うまい!うまい!うまい!うまい!」

 

ヴァーリに至っては煉獄さんになってる…

 

「具はワカメに豆腐か…。定番だが美味いな」

 

「サケか…悪くない、悪くないが。やはりここはコニャックだ!」

 

「酒なんて飲んでも剣が鈍るだけだっつーのに。どいつもこいつも」

 

「おかしいわね~♪イメージと違うわ~♪これただの宴会~♪」

 

「この見るからに怪しげな森に突っ込んできたのかよ…。オタクら、もうちょい用心深くなるべきじゃない?」

 

「返す言葉も無い…」

 

やっぱ森を焼くか伐採すればよかったな

 

「なあに、気にするな!不運は幸運に転じるもの。ここでアンタのような美しいお嬢さん(マドモアゼル)と出会えた事が、オレのとっては幸運だ!」

 

そしてナポレオンはここでもブレない!

 

「そのように軽薄な台詞は控えた方がいいだろう。いろいろ問題を招く」

 

「塩対応~♪ちなみに(アタシ)には何かないかしら~♪」

 

「おお、麗しの姫よ。その蜂蜜のような声は、オレに愛を囁く為にあるのかい?」

 

「ホ、ホントに口説いてきたわ!?トーマ、ヴァーリ、後は任せたわヨロシク!」

 

「ははは、照れずともよかろうに」

 

押し付けんなし

 

「こちらはどうだろう?ハーブのお茶だ」

 

「あんがと」

 

「どうも」

 

「コブ」

 

ゼノンズとラブコフはハーブティーを飲む。落ち着くなぁ…

 

「この森を出る、か…。難しくはあるが、もちろん不可能ではないね。とはいえ、今日はもう遅い。闇夜の森を歩くほど、不用心な事は無い。どうか本日は、こちらに宿泊を」

 

「む。それはありがたい、が―――」

 

「ははは、寝込みを襲うような男はいないさ。不安であれば、オレ達は外で寝てもいい」

 

俺がドラゴンに転身できれば外でも寝れるのに…

 

「その必要はない。これでも女王でな。人を見る目には自信があるし、見えなかったとしても問題は無い」

 

「というと?」

 

()()()()()()()

 

「ハッハッハ!それは勘弁して欲しいな!」

 

「これが赤龍帝だったら、挽き肉にされてたな」

 

「その挽き肉でハンバーグにしようず」

 

『アマゾンズかよ』

 

そこに、執事服を着たベティとモーさんが来る。女子にウケるなこれ

 

「アホか。そもそも寝なきゃいいじゃねえか」

 

「おや、睡眠は嫌いでしたか?」

 

「無防備なのがイヤなんだよ」

 

「トリスタン卿はいついかなる時でも睡眠は欠かせない方でしたね…」

 

「アイツはアイツで…何かこう…、ダメじゃないか…?」

 

「否定はしません」

 

確かに

 

「お前達の安眠は、この渡辺綱が請け合おう。ゆるりと休んでくれ」

 

「ありがとう~♪」

 

「(なぜ唄うのだろう)…無趣味の身ではあるが…。俺は童謡が好きだ」

 

「?」

 

2匹の猫がお互いのやってる事が理解できない顔してんな

 

「それにしてもこの家~♪何ともメルヘンね~♪」

 

「確かにそうだな。お前達、名のあるサーヴァントであろうに…。この家は少し狭すぎないか?」

 

「と言っても召喚されてから、オレ達7人は、ここを根城にしているしな。住めば都、作れば根城ってもんさ」

 

(アタシ)は気に入ってるわ。こんなメルヘンな小屋、中々無いもの!」

 

「ラブ、メルヘン!」

 

アリババと40人の盗賊に白雪姫、この特異点は童話系が集まってるのか?

けど…、モレーの目的は何だ?何故エリちゃんを分割した?

 

「どうしたのトーマ~♪まるで~♪まるで~♪…悩んでるみたいよ~♪」

 

「語彙を増やそう!」

 

即興(アドリブ)だとどうしてもね~♪シェヘラザードのようにはいかないわ~♪」

 

「…エリちゃん、ヴァーリ、俺が子供の頃から本を読んでたのは知ってるか?」

 

「グリゴリにいた時もそうだったな」

 

「カルデアの図書館でもずーっと本を読んでたわね」

 

「あらゆる本を読んだ俺だからすぐに分かった。この特異点は童話を元に作られてる。エリちゃんは『シンデレラ』、盗賊は『アリババと40人の盗賊』、そしてお前らは『白雪姫』に出る妖精だ。言っとくけど、ラブコフはマジで知らん」

 

コブラに関する童話はタイの『熊退治の勇者』だが、関係なさそうだ

 

「まあ妖精なんてガラじゃねえがな。連中もっと悪質だって話だし。っていうか、姫いねえじゃん」

 

(アタシ)がいるわ~♪」

 

「うんまあ…とりあえず姫は仮置きで…」

 

「となると、この先も童話に関する何かが出てくる可能性があるか…」

 

「候補とすれば、3匹の子豚、ジャックと豆の木、幸せの王子、ハーメルンの笛吹き男、アリとキリギリス、兎と亀、狼少年、肉を咥えた犬、金の斧銀の斧、マッチ売りの少女、人魚姫、裸の王様、醜いアヒルの子、赤い靴、親指姫、赤ずきん、狼と7匹の子ヤギ、ブレーメンの音楽隊、ヘンゼルとグレーテル、長靴を履いた猫、青い鳥、オズの魔法使い、不思議の国のアリス等があげられる。ただ、特異点の主の目的が何なのかが分からないんだよな…」

 

お伽噺(メルヘン)が世界の理を形作るとは。特異点はつくづく恐ろしい所だな…」

 

「まあいいか。今日はとりあえずウチで休もうぜ!」

 

「キングサイズのベッドとかあるかしら?シンデレラたるもの、そういう『何か凄いベッド』で寝るべきよね」

 

「揃って雑魚寝だ雑魚寝」

 

「お姫様なのに~♪雑魚寝~~~なのね~~~♪」

 

んで、皆で寝た

 

 

 

 

 

==================================================

 

 

 

 

 

「~♪」

 

微かに声が聞こえて、俺は起きて外に出るとエリちゃんがいた

 

「あら、トーマじゃない。どしたの?」

 

「お前の歌声が聞こえてな、そういうエリちゃんはどうしたんだ?」

 

「歌に時間も状況も関係無いもの。唄いたい時に唄うの。アイドルの時とは心持ちがちょっと違うわね。唄いたい時に気ままに唄う。シンデレラの(アタシ)はそういう感じなの。ダメかしら?」

 

「いや?むしろいいと思うぞ」

 

「ふふ。そーれーでーはーいーくおっくー♪ラララ~♪(アタシ)はシンデレラ、とっても不幸な女の子~♪何故か砂漠から森へと旅立ったわ~♪敵は怪しい眼鏡ジャック・ド・モレー♪今は7人の…妖精…じゃない、傭兵にまもられているの~♪森の闇は不気味だけど~♪唄えば闇も決して怖くないわ~♪(ズサリ)怖くないわ~♪」

 

「…何か怖くね?」

 

「そうね~♪(アタシ)も結構怖いわ~♪」

 

「エリちゃん後ろ!」

 

「見たくないわ~♪現実から目を逸らしたいわ~♪」

 

「ああもう!」

 

矢が飛んで来て、魔獣に突き刺さる

 

「いやソレから目を逸らしたらホント、ダメだからな!?」

 

ロビンが助けてくれた

 

「助かった!」

 

「みーどーりーのーあーりーがーとーうー♪」

 

家からモーさんが出てくる

 

「何だ何だ。やけに魔獣が暴れ…怯え?とにかく、何か変な感じじゃねえか。まあいいや、朝まで眠る義理はねえ」

 

モーさんは鎧をまとう

 

「ベディヴィエール!起きてこい!」

 

ベディは出てくる。既に起きてたようだ

 

「言われずとも、起きています。卿は一晩寝ずの番をするおつもりで?」

 

「まあな!アイツのアレな歌で魔獣がやたらけたたましかったからな!一騒動起きると思ってたんだ!」

 

「ハハハハハ!起きてみれば魔獣のナイトパーティーと来たか!いいとも、このナポレオンは元々短時間睡眠の男でね!夜通し付き合わせてもらうぜ!」

 

「無益な争いではあるが仕方なし、か」

 

「うむ!この迷妄の森の住人として、火の粉は払わねばな!」

 

「私は家を守る。皆は思う存分、迎撃を!」

 

全員参戦するようだ

 

「変わってほしい所だが、トラップ仕掛けたのはオレだからな…やれやれ」

 

「よーし。7人の傭兵、行くぞ!何言いたいか分からねえが、とりあえず手伝え!」

 

「おう!ラブコフも行けるか?」

 

「ラブ!」

 

「俺は眠いからパス…」

 

ヴァーリとラブコフはやる気満々だが、俺は別。夜中に起きたからクソ眠い。という訳で寝ます。( ˘ω˘)スヤァ…

 

「よーし、ならそこで見てろよお前!このモードレッドが、片っ端から叩き潰してやるからな!」

 

「トーマは隣に座りなさい~♪おやつとか~あるかしら~♪」

 

「そこは真面目に見学しろよなオメー!!」

 

 

 

 

 

==================================================

 

 

 

 

 

「これでも喰らうんだな!アディオス・アミーゴ!オレの国風に言うならば―――アデュー!」

 

「終わった…?」

 

砲撃で魔獣を倒し、俺はその爆発音で起きる

 

「終わった!」

 

「そうか…」

 

「今、ソイツ喋らなかったか!?」

 

…?今更だろ

 

「オーララ!これで終わりだな」

 

「何だ、アホらしい。戦ってたら朝が来たぞ。デオン、朝食だ朝食!」

 

「ああ、準備は出来ているとも」

 

「お腹空いたわ~♪トーストだけじゃ足りないわ~♪」

 

「では、魔獣の肉を」

 

「やったぜ」

 

「…朝からお肉はちょっと胃もたれしそう~♪」

 

「では、フルーツを…」

 

「そうそう、そこらへん~♪メルヘンな食べ物で生きていくの~♪」

 

「何でいちいち唄って踊るんだお前?」

 

「そういうサダメ(クラス)だからよ~♪」

 

「そうかー…。それなら仕方ねえかー…」

 

ゼノビアが起きてくる

 

「ふぁぁぁあ…。おはよう、何やら騒がしかったようだが」

 

「おま、寝てたのか!?」

 

「ね、寝ていたが!?何、敵襲?こんな近くで!?気づかず寝倒していた…不覚…!起こしてくれれば戦ったのに…」

 

起こしたけど、結局寝坊して遅刻する学生か?

 

「はっはっは!大物だな!その肝の据わり様は、さすが女王というところか!」

 

「普通、夜はぐっすり寝るものだろう。大事なのは規律、即ち早寝早起きだ!夜は基本的に体力の回復に努めるべきだし、そう、例えば夜這いなんてもってのほか!戦争中に夜間行動の予定があるとか、起きて戦う必要があるならもちろん戦うが…。その状況に気づけなかったとは、失態だ…」

 

「魔王少女のせいで、毎回クソ短い小説の締め切りに追われて、ロクに寝れてない俺よりマシだよ」

 

おかげでクソ眠いわ

 

「すやすやお休みだったわね~♪ねぼすけ女王様~♪」

 

「おいやめろ。唄われると子々孫々伝わりそうな気分になる!」

 

英雄派にゼノビアの子孫いないよな…?いたら相当ヤバい事になるぞ

※いません

 

 

 

 

 

==================================================

 

 

 

 

 

んで、森を抜ける方法を聞く

 

「それではこの森を抜ける方法ですが…。森の主を倒す事です」

 

「ラブ、主?」

 

「モレーに配置された敵だろう。どんな奴だ?」

 

「1人はサーヴァント、ヘクトール。そしてもう1人は、あの英雄ベオウルフの宿敵であるグレンデル。この2人…いえ、正確には1人と1頭と呼ぶべきですが…。彼らがタッグを組み、森から出させないようにしているのです」

 

うん、秒で分かった。ヘとルとグレとテルしか合ってねえよ。しょうもねえよ

 

「む、おかしくないか?なぜ英雄ヘクトールと、魔物であるグレンデルが組んでいるんだ?」

 

「そこがオレ達にも分かんないんだよな。ヘクトールとグレンデルなんて、仲良くできる要素一つもないぜ」

 

「どうしたトーマ。つまらない映画を見てるような顔してるけど、何か分かったのか?」

 

「おお、オマエの考えを聞かせてみてくれ!」

 

「ヘンゼルとグレーテル」

 

一同は黙る

 

「…何か言えよ!俺が滑ったみたいになってんじゃん!」

 

「ラブラブ、ダジャレ!」

 

「いやまさか…なあ。いくらここが童話配役の特異点だとしても…」

 

「ダジャレか。ダジャレなのか。しかもかなりしょうもねえぞ!!」

 

「ヘンゼルとグレーテルといえば、魔女を倒す兄妹の話だったね。子供の兄弟…。あの2人と何の関係も無い…」

 

「ウオッホン。…まあ、アイツらが何であるかはこの際、置いておこう。どうだい皆の衆。このお嬢さん(マドモアゼル)とそのマスター(メートル)と世界を救う為、森を抜ける旅の供回りに興じたい奴は?」

 

「もちろん構いませんが、全員という訳にはいかなさそうですね…」

 

「そうだね。森の魔獣が大挙にして砂漠に押し寄せたり、その逆も考えられる。それを抑え込む者も必要だね。同行できるのは3騎…いや、2騎かな」

 

「数としては妥当だが…。誰と誰が行く?」

 

「とりあえず…ジャンケンで決めっか」

 

「別に生きたくないですけどねぇ?」

 

マジで行きたくないって感じしてるな

 

「うるせえうるせえ、四の五の言わずにとっとと集まりやがれ!」

 

「「「「「「「せ・え・の…ジャンケンホイ!!」」」」」」」

 

結果はと言うと、モーさんとナポレオンが同行する事になった

 

「っつー訳でオレと」

 

「オレだ!よろしくな!」

 

「2人ともよろしく!」

 

「白馬の騎士は~♪もうちょっと繊細な感じの方が~♪」

 

「我儘言うな」

 

「はは。オレは乗ってたぞ!」

 

「そういや、白馬の皇帝って言われてたんだったな」

 

「だが残念ながらアーチャーでな。馬は持ってきていないのだ。皇帝では不足かな、灰被りのお嬢様?」

 

白馬…、白馬かぁ…。何だろ?キャス狐、ケルヌンノス、アルトリア、スーパー万代の店内POP、ボーボボを思い浮かぶんだけど…。何だ…?

 

「トーマ、ヴァーリ、(アタシ)でも分かるわ。この皇帝、誰にでもこういう事言う~♪」

 

「はっはっは。無闇に誰もって訳じゃあないさ」

 

「笑って誤魔化す皇帝殿は放置だ放置。んじゃ、迷妄の森脱出開始とするか!」

 

「ああ、それを聞きたかったのだ。どうやって脱出するつもりなんだ?」

 

「それなんだが…。あー、カルデアのマスター?」

 

「ん?」

 

「何だ?」

 

「環境保護って大事だよな?」

 

「急に変わったな」

 

あー、はいはい。俺と同じ事する気ですね分かります

 

「まあまあ、大事な事なんだ。何しろ今から―――()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「…おい。まさか…」

 

モーさんは宝具の準備をする

 

「そのまさかだ!迷妄の森は方向感覚がズラされる上に、1日経てば草木が生え替わっちまう!つまり逆に言えば!1()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()!」

 

「俺も協力する。火炎剣烈火も使えばよく燃えるだろうからな」

 

俺は火炎剣烈火に魔力を込める

 

「バンゾック~♪とっても蛮族(バンデット)~♪でも滅茶苦茶スッキリしそうね~♪やっちゃってー!」

 

「よーし、そっちの姫がそう言うんなら、やらない理由はねえな!宝具解放―――いくぞ!!『我が麗しき父への反逆(クラレント・ブラッドアーサー)』!」

 

「こっちは大技だ!蓋棺鉄囲山(がいかんてっちせん)!!」

 

モーさんの宝具と、俺の蓋棺鉄囲山が森を焼き払う

 

「コブ!焼け野原!」

 

「め、滅茶苦茶だな…!?」

 

「モタモタしていると木が生え替わっちまうぞ!進め!」

 

「ラブコフ!」

 

「ラブ!」

 

伊達メガネに変身したラブコフを掛けて俺らは猛ダッシュする

 

「ほらほら、走れ走れ!モタモタしていると森が復活しちまうぞ!」

 

「い~そ~が~し~い~♪とてもとてもせ~わ~し~な~い~♪」

 

「ちょっと速すぎるかもよBダッシュ!」

 

「…ん?」

 

ナポレオンは何かを感じとる

 

「ん?どうしたナポ公」

 

「いや、何か妙な音が…」

 

「妙な音?」

 

耳を澄ますとガサリと音が聞こえた

 

「オレにも聞こえたぞ。武器を構えろ!」

 

火炎剣烈火を構える

 

「分かった。しかし…どこにいるんだ?」

 

「どこって…どこだ?」

 

「なーんーにーもー♪みーえーなーいーわー♪」

 

「…思い出した」

 

「カルデアのマスター?」

 

「グレンデルはベオウルフでも手を焼いた魔物。そん中で厄介な能力が『姿を変える』能力と、『姿を消す』能力だ。この場合は―――」

 

グレンデルと思しき声が聞こえた

 

「マジで何かいる…!」

 

「姿を消す方だがな!」

 

グレンデルの攻撃を受け止める

 

「そこか!」

 

砲撃をグレンデルに当てる

 

「やったか!?」

 

「手応えはあったが…っ!」

 

攻撃がモーさんに当たる

 

「クソ、気を付けろテメエら!()()()()()()()!」

 

「チッ…しかも速い!」

 

「このっ…!」

 

剣撃がヘクトールによって防がれる

 

「…はぁ~…。いや、オジサンも大概ハチャメチャなサーヴァント生送ってるけどさぁ…。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、なんて理由で召喚されるとか…」

 

「おいマジかよ…」

 

やっぱりね☆

 

「お、カルデアの人か。そうなんだよマジでそうなんだよ…。聖杯戦争とかにもちょくちょくオジサン、召喚されててさぁ…。ひっどいマスターもいれば、一緒に戦いたくなるマスターもいたけどさぁ…。オジサンの中で歴代ひどいマスターランキング、ベスト3に入るよ、今回は…。まあ、そんなわけで。100パーセントやる気が出ないオジサンですが。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「うおっと!?」

 

モーさんが避けると打撃?が地面に当たる

 

「■■■■―――!」

 

「って訳で可愛くない妹と、極めてやる気のない兄ヘクトール。ヘクトールとグレンデル、いくぜ!…行きたくないなぁ…」

 

「ラブラブ、タバコ臭い!」

 

いつの間に元の姿に戻ったんだ?

 

「メンタルにダメージを与えに来たな、この蛇!オジサン一応王族なんで、そこらへんは気を遣ってるから!煙草の匂いついては…ごめんね!」

 

 

 

 

 

==================================================

 

 

 

 

 

「イノセンス・アロンダイト!」

 

「悪鬼滅殺炎!」

 

俺とヴァーリの技でグレンデルにダメージを与える

 

「そして怪物は~真っ二つよ~手足が無くなってバーラバラ~♪」

 

「残念ながら死んでねえよ。耐久の限界を超えてブッ倒れただけだ。瀕死の重傷ってヤツだが、グレンデルなら問題ねえだろうさ」

 

「ぐえー」

 

グレンデルは倒れ、ヘクトールは膝を着く

 

「勝負あり、だな」

 

「いやー、よくバッサリとやってくれた。これでオジサンもおおっぴらに退職できるわ。グレンデルも殺さなかったのか。まあ、どこかの不定形生物にグレンデルって忌名を押し付けただけの代物だ。放置しておいても問題ないぜ。駆除しても良いけどな」

 

「放置でいいか?蓋棺鉄囲山やったせいで魔力が無い」

 

「同じく」

 

とはいうものの、俺の中から妙な何かを感じるんだよね…

 

「悪意がある以上、駆除しておいてもいいと思うが―――まあいい、それはオレの役割じゃねえからな。ゼノビアだっけか?お前はどうなんだ?」

 

「2人とは、あくまでこの特異点解消までの付き合いのつもりだが…。不必要な殺害を認めるのは、女王としては愚行だと考える」

 

「本音はどうかしら~♪」

 

「いいんじゃないか?あれがまた暴れ出したら、ヘクトールが責任を持って抑える。そうだろう?」

 

「へいへい。ヘンゼルお兄さんとして、ちゃんと責任持ちますよっと」

 

「…さて、話が纏まった所で、お前に尋ねたい事がある。ジャック・ド・モレーとこの特異点について、何か知っている事は無いか?」

 

「何もかも話してスッキリしましょう~♪さもないとオアダイ~♪」

 

「ああ、そうだな。もう敗北した事だし、言っちまってもいいか。あとそこのシンデレラさんは脅さなくてもいいから。…もう理解していると思うけどさ、この特異点は童話の世界がモチーフにしているんだよね」

 

「やっぱりか…」

 

「やっぱり~そうだよね~♪」

 

「砂漠はアリババと40人の盗賊。この森は白雪姫。エリちゃんは攻撃で確信したが、シンデレラと()()()()()()()。メルヘンにおける姫の役割だな。赤ずきんは違うけど」

 

「そこのマスターの言う通りだ。何で分裂したかって?そこまではオジサン知らない」

 

「じゃあ~あの城で捕まっている(アタシ)は~囚われのお姫様なのね~♪」

 

「足止めの為に召喚されたオジサンが知っているのはこの位さ」

 

「ありがとな、ヘクトール」

 

「どういたしましてっと」

 

「さて、と。それじゃあカルデアのマスター。森は切り開いたぜ。さあ、どうする?」

 

「行くしかないっしょ」

 

俺らは城に行く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~ナレーションサイド~

 

「ふぁぁ…」

 

炎と共にモレーの幻影が映る

 

『はいヘンゼル君、メルシーメルシーありがとねー』

 

「…いきなりのご登場かよ。しかし負けちまったが、いいのかい?」

 

『いいのいいの!()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「へーえ。そいつは重畳」

 

おっと(ウップス)。まだマスター権はあたしに残っている事、忘れないでねー?』

 

「へいへい。ま、オジサンに出来る事は何もないけどね」

 

幻影は消える

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~城下町&トーマサイド~

 

やっと城下町に着く

 

「さて、と。森を抜けて辿り着いた街には、人っ子1人いやしねえ」

 

「ハロウィンなのに~♪トリック・オア・トリートもないなんて~♪…ハロウィン舐めてるわね。あのモレーって女。血まみれ(ミートソース)な~♪拷問をかけてあ~げ~る~♪」

 

「凄い歌だな!」

 

ホントやめてくれ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~城内&再びナレーションサイド~

 

「スヤァ…」

 

「ふぅ、暴れ出した時はどうなる事かと…」

 

コイツ、ヤバイもんね

 

「さーて…()()()()()()が、早く助けに来てくれないと。とっても困った事になるかもよ?あたしが」

 

お前かい




~蓋棺鉄囲山~
この場合は火炎剣烈火に魔力を込め、地面に突き刺して噴火させる炎技


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

再誕、超越せし者。

~城前~

 

やっとチェイテシンデレラ城に着く

 

「ふうむ。ここがチェイテシンデレラ城か?」

 

「とりあえず、辿り着く事には辿り着いたが。やっぱり誰もいやしねえ」

 

「せっかくの~♪シンデレラ城~なのに~ナイトの1人もナシ~♪不用心にも~程があるわ~♪…守備が薄いのはいいけど、(アタシ)を甘く見てるのは気に入らないわね。やっぱり拷問ね~♪」

 

「コブ…、不気味…」

 

「だよな…」

 

ハロウィンに不気味な要素入れちゃダメなのか?

 

「ま、行こうか」

 

「そうだな。とっとと元凶を倒して、特異点を修正しよう」

 

俺らは城内に入る

 

「ここはまだチェイテ城ね~♪」

 

「お前の故郷、という訳か」

 

「死に場所でもあるわ~♪…もとい、死に場所でもあるのだけど」

 

「籠城戦でも起きたか?」

 

「あまりその話は(アタシ)からしたくないわ~♪トーマにでも聞いてちょうだい~♪彼が詳しいから~♪」

 

「…ゼノビア、実はかくかくしかじか四角いムーヴって訳だ」

 

「…そうか…。このチェイテ城は彼女にとって、監獄でもあったのか」

 

「その言葉便利だな」

 

「ラブラブ、便利!」

 

言っちゃアカンぜよ

 

「ま、生前はどう考えても褒められた生き様じゃねえけどな、あのドラバカ。やらかした事が酷かった分、辛い死に方だった。因果応報ってやつだ」

 

「話を聞く限りでは、そのようだな。だが…虜囚の身となり、幽閉され、誰かからも顧みられる事がない。悪行とは別に、それには憐憫を抱いてしまう」

 

「あー、そりゃ…アレか」

 

「言葉を濁さずとも良い。そうだ。見ての通り、私も虜囚だった。後世に伝わっているように命乞いをしたかどうかは、正直に言って覚えていない。捏造なのか本当に心が折れたのか。大切な事だとは思うのだが。ただ私は私自身を信じている。その証明の為にここにいる」

 

証明…か

 

「生前に近い時代のパルミラに召喚された以上、きっと果たしてみせる。…いずれにせよ、だ。私にも、恥辱の過去があった事に違いは無い彼女(エリザベート)は―――」

 

「エリちゃんは前向きだ」

 

「そうだな。アイツ何なんだってくらい前向きだな。後ろ向いたら死ぬんじゃねえのってくらい。…いや本当に死にかねないな…」

 

「いい事だ。そんな最期であれば、前向きではなくとも仕方なかろうに」

 

「アイツは…、エリザベート・バートリーはアイドルだからな」

 

「アイドル…か」

 

「さっき聞いたが、今はミュージカルに挑戦中だとさ」

 

「カルデアでもよくライブやってるよ」

 

「あの歌をマトモに聞けるのはお前だけだと思うんだが。しかもアラームにしてるという」

 

エリちゃんの歌じゃないと起きれない気がする

 

「生前から唄っていたのか?」

 

「英霊になってからだとよ」

 

「…少し、話してみるか。エリザベート!」

 

ゼノビアはエリちゃんの所に行く

 

「な~に~か~し~ら~♪」

 

「あの2人、仲良くできるといいな」

 

「だよな」

 

「ラブラブ、仲良し!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~シンデレラの間~

 

俺らはモレーがいる所に着く

 

「…ほーう、来たねぇー?森の7騎を揃えてくるかと思ったけれど、追加戦力は結局2騎だけ、か。エリザベート・バートリー、女王ゼノビア、トーマ・ダルク、ヴァーリ・ルシファー、ラブコフ。加えて…反逆の騎士モードレッド、皇帝ナポレオン。悪くはないラインナップだけど、でも、残りの5騎を置いて来ちゃうとか、もしかして舐めてるー?あたし、舐められてるー?ああ、そーゆー意味じゃなくてさ?もーっと悪い意味でね。こっちの企みが、ほんの何手か先に進んでるってだけだから。絶対に逃せないチャンス、大切な現界の機会だもの、自分にやれる事を最大限やるんだ。舐めてかかってくれてもいいよ。その隙を見逃さないからさ!そーゆー事」

 

煽ってんな…。俺とヴァーリはその程度の挑発には乗らないが…

 

「…何ですって?聞いたわよ。コイツ、(アタシ)の事バカにしたわよね。お城を乗っ取った挙句、その物言い!許さないっていうか、元々許すつもりなんてこれっぽちも無いけど、大拷問!大決定!」

 

この通り、エリちゃんはまんまと乗っちゃうんだよね

 

「歌はどうした」

 

「はっ!そうだったわ~♪今回の(アタシ)は~ミュージカルアイドル~♪」

 

何とか冷静さを取り戻せたか。よかった

 

「もう1人のエリザベートは…奥の玉座でぐっすり眠っているようだな」

 

玉座を見ると、エリちゃんが寝てたのを確認する

 

「ええ。ご心配なくー。暇だから~寝るわ~♪と仰ったのでお望み通りにさせているだけで。手枷足枷も無し、拷問も不要。至極丁重に扱っております。一応、お城のお姫様ですから。こんなんでも」

 

「こんなんでもとかアンタ~♪とことん生意気な~スタイルで行く気ね~♪ちょっとだけ方向性~♪(アタシ)と被ってる気がして~腹立つわ~♪」

 

「か…被ってますかー、あたし!?」

 

「さ、さあ…」

 

「被ってねえよな?」

 

「逆に共通点あるかどうか聞きたいくらいだ」

 

「アイドル路線とか目指してるわけじゃなし、こちとらパリの中心で呪いを叫ぶ方だってのに…。この人に被るとか言われると、ど、動揺を抑えきれねー。お、の、れ」

 

…何か裏がありそうだな

 

(なあ、ナポ公。色々語っちゃいるがコイツ、一貫して根っこに余裕がありやがる。何か裏ねえか?)

 

(ありそうだ。城内に侵入されても、大して顔色を変えちゃいない。まず間違いなく仕掛けがある。でなけりゃ本物のバカだ)

 

(だろ)

 

(ま、警戒はするさ。そっちも頼む。…しかし、ジャック・ド・モレーか。テンプル騎士団最後の総長。団の本拠地、パリのタンプル塔は血に濡れすぎた。なんでまあオレがブッ壊した訳だが。そのへん謝る筋合いは―――まあ、無いな!)

 

「小悪魔系とか別に自称しないけど~♪他の誰かが~やろうとしてるの~見てると~♪イラッとするわ~♪イラッとするの~♪って事でジャック・ド・モレー!遂に追い詰めたわよ!」

 

「ほんとにー?」

 

あ、エリちゃんがイラついた

 

「ふむ。本気でイラついてないか?」

 

「…だ…。…大丈夫よ~♪(アタシ)はアイドル、ミュージカルアイドル~♪どんな時だて、唄って踊って♪楽しく行くのよ~♪さあ、お城を乗っ取った悪い魔女~♪もう1人の(アタシ)を返してちょうだいな~♪嫌だと言うなら~♪(アタシ)のナイト達が~黙っておかないの~♪」

 

「だとさ」

 

「はっはっは。ナイトとは、嬉しい事を言ってくれる。淑女の機体には無論応えよう!―――オーララ!」

 

「行くぞ、トーマ」

 

「モヤモヤ感があるのは否めないが…」

 

「「禁手化(バランスブレイク)!」」

 

<Vanishing Dragon Balance Breaker!>

<Primitive Dragon Balance Breaker!>

 

「ラブ!」

 

俺とヴァーリは禁手化して、ラブコフは剣になる。

久しぶりな気がするが、今までのエネミー相手には生身でも十分だったからな。

最後に禁手化(バランスブレイク)したのオベロンっきりだっけ?

※魔神柱やビースト、空想樹とかいったエネミーはちゃんと禁手化(バランスブレイク)してます。

 

「ウーララ!威勢がおよろしい事で、皇帝陛下!」

 

「面識はないがこちらこそだ総長殿!生前から女性だったのか?同じフランス英霊同士、語る事が無いでもないが―――今は敵味方!ここは突破させてもらう!行くぞ!」

 

「我が国の為!手加減はしない!」

 

「嫌な予感がするが…やるしかねえか!」

 

「ふっふふふ、母と仔の墜落の御名において!いざ、お相手つかまつる!」

 

 

 

 

 

==================================================

 

 

 

 

 

「オーララ!」

 

「らあっ!」

 

モーさんとナポレオンが攻撃する

 

「繋ぐぞ!」

 

「ラブ!」

 

「イノセンス・アロンダイト!」

 

「蓋棺鉄囲山!」

 

「き、きゅう~」

 

更に俺らがすかさず攻撃して、モレーを倒す

 

「やったわ!じゃなくて、やったわ~♪ついに悪の元凶を打ち倒してやったのね~♪ラララ~♪とっても(アタシ)、上機嫌~♪」

 

「よし、もう1人のエリザベートを確保だ!」

 

「ああ。すぐに!」

 

もう1人のエリちゃんがいる玉座に行く

 

「まだ眠っているようだな。おい起きろ…起きろ!」

 

「むにゃむにゃ。う~ん…」

 

もう1人のエリちゃんは起きる

 

「…ふえ?あれ、モレー倒れてる…。あれ、(アタシ)がもう1人いる…?」

 

「やっと目覚めたわね~♪もう1人の、分かたれてしまった(アタシ)~♪」

 

「そういう事なのね~♪全て~この一瞬に~理解したわ~♪今回の(アタシ)は~シンデレラ~♪ちょっと今だけは~眠り姫っぽかったけど~♪唄って踊る~アイドルシンデレラなのね~♪」

 

さすがエリちゃん、理解力パねぇな

 

「おお。これは」

 

「一目見ただけで分かり合ってんな…」

 

「まあ、こういうの慣れっこだし」

 

「「ラララ~♪(アタシ)達~ついに出逢えたのね~♪とっても~とっても嬉しいわ~♪」」

 

2人は歌い出す。何かエウリュアレとステンノみたいだな

 

「ねえ、もう1人の(アタシ)

 

「何かしら、もう1人の(アタシ)

 

「貴女、とっても魅力的で素敵だわ。まるで物語のお姫様のよう」

 

「ううん、貴女こそ何より素敵だわ。夜空に輝くお星様のよう」

 

「「ラララ~♪」」

 

「ラブ、息ピッタリ!」

 

「絶好調だな…」

 

「これは結構な見物だぞ。混乱もなくすんなりと唄い、踊ってみせるとは!」

 

「状況的に唄ってる余裕はない、という以外は完璧だ!」

 

「そうだけどな!」

 

せやな

 

「そろそろ戻ったらどうだ?」

 

「ええ、そうねヴァーリ!」

 

「2人でデュオるのは素敵な時間だけど、ちゃんとハロウィンを取り戻す為には、やっぱり、ただ1人の(アタシ)じゃなきゃね!」

 

「ええ!それじゃあ始めましょうか」

 

「行くわよ~」

 

「「―――シンデレラ合体!」」

 

エリちゃんは合体する

 

「ぷはーっ!合体も無事成功、完璧ね!さすが(アタシ)、自分との合体や分離なんて慣れたもの…。これで完全無敵の(アタシ)よ~♪ラララパーフェクトシンデレラ~♪」

 

淡が絡んでる時みたいな感じで俺の中に違和感があるが…、もしかして?

 

「なあ、聖杯は?」

 

「聖杯は~♪…はにゃ?聖杯どこかしら?こういう時って、大体ラスボスが持ってるものよね?」

 

「聖杯!砂漠を、我が国を変えてしまった要因―――エリザベートを分裂させたのも!」

 

「さっきモレーの懐は探ってみたが、見つからなかったぞー。体内に取り込んでるなら、さすがにセイバーのオレでも分かった筈だ。んー…ぶった斬って確かめてみるか?オレはいいぞ!」

 

「探そうか」

 

「ちぇー」

 

「起きてる異常はまるっと聖杯の力に因るもの、か。城内にあればいいが、どうだ?」

 

「分からん。カルデアってのに繋がりゃ分かるかもだが、通信途絶中だろ?」

 

「と来れば、城内の捜索だな」

 

「ハッ、城を荒らすのは得意だぜ!」

 

「お前ら、頼んだぞ!」

 

「お願い~♪聖杯を~見つけてちょうだいな~♪」

 

ヴァーリ達は聖杯を探しに行く。

俺?気掛かりな事があってそれどころじゃない

 

「…ねーな!」

 

「少なくとも、魔力を発しているものは見つからなかったぞ。何らかの隠蔽が掛けられている、と見るべきか?」

 

「だろうな。となれば、そこで寝ている総長殿を叩き起こすか。総長殿。総長殿。ジャック・ド・モレー総長殿。悪いが、起きてもらう」

 

モレーを叩き起こす

 

「気が付いたか。さて、尋問の時間だ」

 

「拷問の~お時間ね~♪」

 

「いや尋問だ。そりゃあ、必要が生じたら選択肢に入れるかもだが、いきなり拷問してもなぁ。物事には段階ってモノがあるだろう」

 

「拷問なら俺の蓋棺鉄囲山で上手に焼いとく?」

 

「焼くな焼くな」

 

「今は尋問だ!さあ、総長殿―――」

 

モレーは何も言わない

 

「コブ?」

 

「…モードレッド!」

 

「っ!」

 

「がっ!」

 

俺らは何かに背後から首を掴まれる

 

「ククー♪聖杯ゲット!暴れないでねカルデアのマスター?背後から貴方達の首をぎっちりと掴んでいるから。こちらの気分次第では、人間の頸椎程度たちまち、コキリといっちゃますので。皆さんもその辺り、状況はご理解いただけますー?」

 

「…悪い。()()()()に気取られて、出遅れた」

 

「くっ…!」

 

「あ、あわわわわわわわわわ…!何されてんのよヴァーリ!トーマ!」

 

「説明する筋合いは皆無ですけど、ふっふふ、ふっふふのふー。たいへん上機嫌なので説明いたしましょーか?皆さんがお城のあちこちひっくり返して探した聖杯は、()()―――彼ら。まー、あたしもビックリですよ。あたしが求めていた聖杯が、気づいたら何故か消えちゃっててね?あれこれ探して、あれこれ呪詛なんか仕掛けたりして…。ついこの前、ようやく判明した。聖杯は()()()()()()()()()と」

 

「やっぱりか。道理でモレーが妙に怪しかったり、蓋棺鉄囲山の威力がいつも以上に強かった訳だ」

 

『そう言えばそうだ…!』

 

「いや、蓋棺鉄囲山は変わんない気がするんだけど…」

 

…?マジで何言ってんだ?

 

「何言ってんだコイツみたいな顔するな!」

 

「続けていいかな?」

 

「『「ウイ」』」

 

「だから、わざわざこんな騒動を引き起こさなきゃいけなかったんだよねー。覚えておいてね、カルデアの二人。些細なミスを見逃していると、いつしか致命的な事故に繋がるのさ」

 

「分かる。誤字や脱字を見逃してると大変な事になるからな」

 

「なるほど。ジャック・ド・モレー総長殿。手を替え品を替えて城へ誘導していたのは―――」

 

「ウイ、ムッシュウ!この為ですとも!聖杯を取り込んだ彼らを手に入れる為だ!ふっふふふ!不安などノミ程でもなかった!こうなると読み抜いていたから!」

 

「そこのお姫様を助けるために、君達ならば絶対にここを訪れると!()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「ハロウィンの記憶が無くて、新しいパンツを履いたばかりの正月元旦の朝のように爽やかな気分になったのも、お前の仕業だったのか」

 

「だいせいかーい!あれ、あたしの仕業でーす!ほうら、君達はあたしのものとなった!この手の中にいる!それもこれも全て、そこのお姫様(プリンセス)のお陰だね!」

 

『いや、新しいパンツ云々はツッコめよ』

 

クリム、それは触れるだけ野暮ってもんだよ

 

「え…お姫様(プリンセス)…?」

 

「エリちゃんさん、喜ぶタイミングじゃないですよ」

 

「ホントそれ」

 

「ごめんなさい今のはさすがにエリザ反省!」

 

「では、カルデアのマスター?この仮面をどうぞ―――」

 

「仮面?」

 

「低所恐怖症になるのか?」

 

『アニカビのメタナイトかよ』

 

俺らは仮面をかぶる

 

「「『ぐっ!?』」」

 

何だ…これ…!

 

「ちょ。ちょっと待て、おい。デカくなってんぞ―――何だありゃ!?」

 

「仮面を被せられたトーマとヴァーリが!へ、変貌していくぞ…!」

 

「―――母と仔の墜落の御名において!際限なき解放。果てしない快楽。その心を解き放ち、究極の墜落へと誘われよ!いあ!いあ!森の王!豊穣の担い手よ!夜の洞に顕れ、星海の淵ぞ至りて讃えん!いあ!千の仔を孕みし森の黒山羊よ!精神と魂から解き放たれし若き肉体に!暗黒の地母神の祝福を!」

 

「「ぐわっ!」」

 

体から弾き飛ばされ、肉体が変わり、山羊みたいな見た目になる―――筈だった

 

「…え?」

 

マスタークラウンが反応し、仮面が割れてヴァーリの肉体は白いメリュジーヌが転身したドラゴンになる

 

「■■■■―――!」

 

「ア、アレが俺!?どうみてもメリュジーヌの色違いじゃねえか!?」

 

「ラブ!」

 

「ラブコフ?」

 

ラブコフが笛に変身して吹いた直後、俺の肉体は何故か消えて、金のポータルらしき何かが出現する

 

『トーマ、今も俺の事をドラゴンだと思ってるか?』

 

「ああ、プリミティブドラゴンって呼ばれてるし。ドラゴンなんだろうなって」

 

『それは違う。俺自身は()()()()()()()()()()()

 

「「…え?」」

 

その中から()()()()()()()彿()()()()生物が出てくる

 

『見ろ。あれが俺の本来の姿だ』

 

「ドドギュウウーン!!」

 

声と共にエネルギー弾を上に放つと、いくつかに分かれて天井や壁を吹っ飛ばす。…ってこれ、アルセウスの裁きの礫じゃねえか!?

 

「参ったな。こりゃ殴っていいモノかもよく分からんぞ!」

 

「くそ、撤退だ!」

 

「私が殿を!」

 

「おっと。美しきお嬢さん(マドモアゼル)、そいつはオレが務めよう」

 

「いいや、私は女王としての責任がある!」

 

「だがオレは皇帝だ!」

 

「…うんまあ…オレ達2人でW殿って事で」

 

「ならばよし!」

 

「で、でもトーマとヴァーリはどうするの!?」

 

「半透明の方!見るからに不安定そうだ!このままだと、存在自体が霧散してしまう恐れがある!何か適当な容れ物(うつわ)に確保しなければ…!」

 

「これを使え」

 

「その声!」

 

「わ…たしはいい。そら、さっさと行け」

 

俺とヴァーリは受け取った器に入る。

一方、ゼノビアとナポレオンは苦戦してた。

 

「くっ…この猛烈なパワーは…!」

 

「いかん、全員吹き飛ばされるぞ!」

 

「トーマ!ヴァーリ!(アタシ)にしっかり抱き締められなさい!」

 

ヴァーリのホロウハート・アルビオンでモレー諸共全員吹っ飛ぶ



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

降臨者(フォーリナー)であり、騎士。

前回の、ゼンカイジャーはァァァァァァ!

 

『だから、ゼンカイジャーじゃねえっての!』

 

あいサーセン。

真面目に前回のあらすじ:俺がアルセウス擬きに、ヴァーリがアルビオンになった。

さてさてさーて、俺らは森に落ちた訳ですけれども

 

「くっ…。無事か、エリザベート?」

 

「だ、だ、大丈夫よ~♪頭がクラクラするけど~♪死んでいないと思うわ、多分~♪」

 

「ラブゥ…」

 

「モードレッド!ナポレオン!」

 

モーさんとナポレオンが落ちてくる

 

「オーララ!派手に吹き飛んだぜ。…で、どういう事だいこの森は」

 

周りを見渡すと、最初の時とは何か違ってた

 

「うお、ヤベえなこの森。ファンシー通り越してブッ飛んだナイトメア状態だ。なあトーマ、ヴァーリ、お前らは大丈―――」

 

肝心の俺らはと言うと、かぼちゃ頭の2等身になってた

 

「…夫、じゃなさそうだな」

 

「お前ら…トーマとヴァーリなのか!?」

 

「え、えええええ!?トーマとヴァーリ!ホントに!?」

 

「頭が重いな…。何がどうなってんだ…」

 

「俺は問題ねえぞ。頭が重いけど」

 

『こっちもだ』

 

「ほら、オレの剣で姿を映してみろ」

 

「オーマイ…」

 

「…ぎゃあああああああああああああああああああああああ!」

 

ヴァーリは自分の姿を見るなりそう叫んだ。うるせぇ

 

 

 

 

 

==================================================

 

 

 

 

 

「落ち着いたか?」

 

「長年、ハロウィンやってたが…。とうとう俺らがカボチャ頭になるとは…」

 

『世も末だな』

 

ホントそれ

 

「に、人間にはめったにない経験だな!うん!」

 

「二人共、可哀想に…。これからはカボチャトーマと、カボチャヴァーリってよn「嫌ですけど」

 

(それはそれとして、割かし元気なのがスゲえなコイツら)

 

(ああ、大した少年だぜ…。相当の修羅場に慣れているんだろう…)

 

「にしても、吹っ飛ばされてきたもんだから場所が分かんねーな。ンだよこの森」

 

「これからの事を考える為にも、どこかに一度腰を落ち着けたいものだが…オレ達の根城とは、大分離れた場所にいるようだからな」

 

「探せば別の家くらいあるでしょう~♪童話の森には~、お菓子の家がつきものよ~♪」

 

…どうだか

 

「そう…かな?まあ、ずっとここにいても何も始まらん。とりあえず動いてみるか」

 

俺らは歩く

 

「ここも立地的には私の国の一部の筈だが…。ええい、奇怪で不快な森だ。森林資源は大事だが、いっそ焼き払ってしまおうか」

 

火炎剣烈火持ってるから俺も焼きたいけど、この体じゃ持てないな

 

「や、焼き払うのは~、止めましょうね~?」

 

「この前は焼いてスッキリと言っていなかったか?まあ、焼かないに越した事はないが…」

 

「そうそう、そうですともー。確かに奇怪な森だけど、これはこれで冒涜完マシマシでいいじゃないですかー」

 

「まあそういう気持ちは分らなくもないけど…。ど…ど?」

 

「いやあ、その…どうもどうも」

 

声の正体は俺らをヤバい奴にさせたモレーだった

 

「っ!モレー!」

 

「何でここにモレー!?い~る~の~!?」

 

「追いかけてきたか、テメエ!」

 

「待った待った!降参、降参しまーす!」

 

「うるせえブッ殺し確定だ!」

 

「落ち着け、モードレッド!ヴァーリ!さて、些か毒気が抜け落ちた総長殿。降参とはどういう事かな?」

 

「やー、言葉まんまの意味ですって。降参、降伏、大惨敗、あたしの負けでーす」

 

「へえ。じゃあ、この特異点は解決か。お疲れ解散さようなら。…って訳にはいかなそうだな。オイ」

 

「あー…実はーですねー…そのー…。大きい声では言えねーのですが…。ドラゴンのビーム?で…皆さんと同様に…吹き飛ばされました…」

 

「「「「「はぁ!?」」」」」

 

逆にあの攻撃で吹っ飛ばない方がおかしいだろ…。

近くの小屋に行って話を聞く。どうやらあの後、裁きの礫とホロウハート・アルビオンを食らって吹っ飛んだっぽい

 

「いやー、儀式の手順は充分だった筈だけど―――」

 

『マスタークラウンが仮面を割り、ラブコフが笛に変身して吹いた影響で俺の肉体が復活した訳だが…。あのままだと、ここら辺が無になる。お前だって見過ごせないだろ?』

 

まさかとは思うが、ラブコフって卑弥呼的なポジションだったのか?

 

「まー、そうですねー…。図々しい事は百も万も承知ですが…。つまりはですねー。あたし、ジャック・ド・モレー!皆さん、よろしくお願いしまーす!」

 

「なーにーがーよーろーしーくーだー!」

 

「な~に~が~よ~ろ~し~く~な~の~よ~♪」

 

「サラウンドで喧しくするな、お前達。よし、まずは説明しろ。貴様の本来の目的は何だったんだ?」

 

「それは勿論…『深淵の聖母』の召喚。この悲願に尽きる。けれど彼の御方は、現実に降臨するには存在強度があまりにも足りなかった。でもこの夢のような特異点なら引っ張り出せるかも―――だからここを利用させてもらった…という訳」

 

「夢のような特異点で神を…」

 

「ふっふふー、言いたい事は分かるよ。所詮、それは贋物(にせもの)だろう、とね。無辜の怪物たるこのジャック・ド・モレーの“妄想”に過ぎないものかもしれない。でもね、それが我が理想の神へと真に届く存在であるなら…本物と贋物(にせもの)に何の区別がある?“夢”の部隊であれば、贋物(にせもの)と本物の違いはいっそう曖昧模糊と化す。晩餐の贄を捧げ、(ふる)き典礼に則り儀式を辿れば必ずや秘跡は成る。ここに、理想の神が召喚される!―――される!筈だっただけどなー…」

 

「はっはっは、アルセウス擬きとアルビオンで残念だったな」

 

「う…うい。め、めるしー。巻き込まれた被害者にそう言われちゃうと…、こっちの立つ瀬が無いな。すげーな、カルデアのマスター。トーマとヴァーリ、か。ふっふふー」

 

「なら、次の質問だ。この特異点を解決するには、どうしたらいい?」

 

「解決するだけなら簡単。もう1回、あの城に戻って例のアルセウス擬きとドラゴンを、スカーンとボコればいい…はず」

 

それが出来れば苦労せんよ

 

「引っ掛かる言い方だな。つまり、それではもう一つの問題が解決しない、という事か?」

 

「げっ、お分かりで」

 

「分かるに決まっているだろう。もう一つの問題…。二つになったトーマとヴァーリを元に戻すには、どうしたらいい?」

 

「えーと、それは…」

 

「それは?」

 

「何というか…。現地に向かわないとハッキリした事はちょっと…」

 

「つまり何も分からない、と」

 

「ふ、ふふ、ふふっふ」

 

「アホ!」

 

『もういっぺん、裁きの礫とホロウハート・アルビオンを食らわせるか?』

 

「ぴいぃぃ、あれはやめて!こ、これからのモレーのご期待あれー!…てか、さっきその蛇アホって言ってなかった!?」

 

「つ・ま・り・は。結局もっかい城に行って、アルセウス擬きのトーマと、アルビオンのヴァーリを何とかする必要があるって事ね?」

 

すっかりアルセウス擬きで定着したな

 

「モレーの企みが成立すりゃあ、どうせロクでもない事になんだろ。コイツも放っときゃ元に戻る感じじゃねーし、寧ろイヤなオチになりそうだ。ま、止めるしかねーな」

 

「不確定要素が多いから、何もしなくたって儀式が失敗する可能性はある。けどまー、この夢みたいな世界に引きずり込まれたサーヴァントとマスターが全滅するだけ。気楽に気楽に」

 

「全く気楽になれん情報だなあ!まあいい、やはりもう一度あの城に行かねばならんのは確かなようだ。それなら―――」

 

ドスンと音が聞こえた

 

「ん?何だこの音は」

 

「あっ、まずいや。しっ―――皆、息を潜めて。儀式の発動で、メルヘンな世界は反転しちゃった。この森はもはや童話の森じゃない。殺人鬼や魔獣が闊歩する、世にも悍ましい、死の―――」

 

「コブコブ…」

 

「大丈夫だぞラブコフ。俺らがいる」

 

「ホーンテッド・フォレストって訳ね~♪ハロウィンらしくはあるけど~♪」

 

「唄うなー!バレるじゃん!」

 

「お前らも大概だぞ」

 

怪物は雄叫びを上げる

 

「何だ!?デカそうだぞ!」

 

「しーっ!だ、大丈夫。大丈夫なはず。森は反転しちゃったけどこの家にも役割がある。呪われた森の内側の家は、きっと安全地帯だから。殺人鬼も魔獣も中には入って来られない筈なので!外に出さえしなければ…」

 

「ホラー系は大抵、外に出ざるを得ない状況になるんだよね。ソースは夏のキャンプ」

 

「ミュージカルでも~、お約束は~、大事よ~♪」

 

突然、浮遊感を得る

 

「うおっ、コイツは…()()()()()()()()()()()()()()()!」

 

「家の中には入れねえけど家自体は壊せるのかよ!?意味ねえな!せっかく見つけた二つ目の家だが、外に出るしかねえぞ、南瓜マスター!」

 

「総員、脱出ゥゥゥゥゥゥ!」

 

家から脱出する

 

「家を持ち上げていたのはコイツか。何という巨大な樹怪!」

 

「殺人樹、邪悪な樹の怪異といった所だな!撃退するしかあるまい。ジャック・ド・モレー、アンタも手伝え!」

 

「えー?出身時代的にはあたしの方がフランスの先輩なのにー。それを顎で使おうとするなんて、何様ー?」

 

「初代フランス皇帝様さ!何度も言うようだが…かの総長殿がこうも麗しきお嬢さん(マドモアゼル)とは!―――世の中、分からんものだ!」

 

 

 

 

 

==================================================

 

 

 

 

 

俺とヴァーリの援護で木の怪物を倒す

 

「よし、仕留めた!」

 

「ふへー…つ、疲れた…」

 

「ヴァーリで弱体化させて、俺の炎で火傷状態にする事はできたな」

 

「ラブラブ!」

 

「ああ、安心しろ。問題なくできていたぞ。とは言え…。いつまでもそのまま、という訳にもいくまい。さて、どうしたものやら」

 

「絶対に大丈夫よ~♪いつだって愛と正義は勝利するわ~♪」

 

「いいねえ。愛はいい。実にいいモノだ!」

 

「うさんくせー」

 

「忌々しいが同意なんだよな…ったく」

 

「おや、もしかしてあたし達、気が合うのでは?」

 

「な訳ねーだろボケ」

 

「ですよねー」

 

「さーてと。さっきの騒動でこの森に何が起きたか。ひとまず散策といくか!」

 

そんな訳で、散策する事になった



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

操られし、5人のはぐれサーヴァント。

もう、ハロウィン特別編は抜こうかな


「―――さて、どうしたものか。困ったものだ。彼らはもう一度戻るつもりか。となると、当然こちらも戻らねばならぬ。このまま身を隠したまま、過ごせると良いが…そういう訳にもいくまいか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~妖の森~

 

「ふっふふ、やっぱり良いものですねー、こういう雰囲気。古典的(クラシック)たるゴシックホラーも、決して悪くないけど…。こんな正気度が削られちゃうファナティックな場所は、心が安らぎます。そう思いません?」

 

「何言ってだコイツ」

 

「おまえは何を言っているんだ」

 

使い魔の森を思い出しはするけどね!

 

「ちぇーだ。まー、それは置いといてですねー。これから先どうしましょ?あ、お腹減ってない?何か食べます?山羊のチーズとかどうよ?あの山羊共はさー、正直嫌いなんだけど、チーズだけは絶品だからさ」

 

「チーズで思い出したけど、ハイジが食ってたあのチーズは何なんだ?」

 

「特に決まってないみたいだぞ」

 

『そういや、長年謎だった千と千尋の序盤で千尋の父親が食ってたブヨブヨ、あれシーラカンスの胃袋っぽいぞ。確証はないけど』

 

「「マ?」」

 

何だよシーラカンスの胃袋って…

 

「…それで。コイツは何で馴れ馴れしくオレ達に話しかけてくるんだ」

 

「そんな事言われたって…あたしだって、どう対応したものやら、サッパリ分からねー!馴れ馴れしいですかー?そんなに胡散臭いですかー?ダメなら、こう…傅く感じでもロールできますケドー?これでも騎士やってましたからね、モレー」

 

「今のままでおk」

 

「よくねえが、まあオレの決める事でもないか。どうせ儀式も失敗するような間抜けなサーヴァントだ。放っておいても害はない、よな?」

 

「ぐぅぅぅぅ…挑発だとは分かっていても、事実だけにぐうの音も出ねえー。ああ、儀式が失敗さえしなければ…。触媒だって完璧で、いけると思ったのにー!」

 

「アホ!」

 

「うぐっ!?この蛇…、痛い所を…!」

 

「企みが瓦解した時点で罰を受けた。後は、こちらに協力する事で贖いになると見るべきさ。最も、これを押し付ける気は無い」

 

「とりあえず怪しげな事をやる時は、予め言えよ。事前告知無しは、一刀両断だ」

 

「事前にって、それこそ真性のバカでは「おまいう」ぐふっ!?」

 

俺の頭突きでダメージを受ける。使えるなこりゃ

 

「こ、こちらとしては、深淵の聖母の降臨が望めないと分かった時点で、諸々お手上げですが」

 

「アルセウス擬きの降臨が見れたからいいんじゃね?」

 

「それとこれとは全く別なんですけどー」

 

「しかし、そんなナリになっちまって、よくもまあ平気だな」

 

「二人共、大丈夫?痛いとかない?」

 

「俺は何とか大丈夫だ。トーマは…、問題なさそうだな」

 

「何か言った?」

 

俺はと言うと、ラブコフの頭の上で連邦に反省を促すダンスをひたすらしてた。モレーに向けて

 

「ともかく、何はなくともこいつら(マスター)を治さなきゃな」

 

「でも、コレはコレで可愛いわね。いついつまでも、このままだって(アタシ)はいいのよ?いーいーのーよー♪」

 

「こっちがよくねえよ!」

 

「帰ったらヴラドに頼んでみる」

 

「残念~♪」

 

「その為には、ともかくあたしの城に戻ってほしいですねー」

 

「モレー、アレは(アタシ)の城」

 

「あーたーしーよー」

 

(アーターシー)よー」

 

2人は喧嘩を始める

 

「実に不毛な争いだ…」

 

「ほんとそれ」

 

んで、時間が経過して二人は疲弊する

 

「ぜーぜーはーはー」

 

「ぜーはーぜーはー」

 

「息切らすまで殴り合う奴がいるか、アホ共」

 

「い、いや、これも入信の儀、イニシエーションって事で?」

 

「いにしえーしょん?」

 

「通過儀礼って意味だ」

 

「迎え入れの儀式が必要でしょ?まー、ぐだぐだしつつも流れるようにエクストリーム仲間入りも考慮したのですが―――どうにも誤解や禍根を残しちゃいそうだったので?」

 

「要はよろしくオナシャスって事か」

 

「まー、そんな感じで。面目ねーです。もちろん、お嫌なら大挙いたしますけど…(チラッ)」

 

チラ見した、あざといなコイツ

 

「あざとい~あざとい~あざとさ10連~♪」

 

「コブ、10連爆死!」

 

「な、何ですかー、エリザベート。そ、そんな直球すぎる皮肉なんて、痛くもかゆくも(ベシッ)げふぅ」

 

「大体、二人がこうなったの、アンタが原因でしょ!?」

 

「断じて違いますー!あたしにとっても計算違いでした!」

 

そこに敵が来る

 

「平和にやり合ってる所悪いが、敵が出たぞ!オラ、とっとと支度しろ支度!」

 

「「はーい!」」

 

 

 

 

 

==================================================

 

 

 

 

 

「邪魔邪魔!」

 

「悔い改めそして死ねーーー!」

 

「そらよっと!」

 

「悪鬼滅殺斬!」

 

「ぜりゃああああああああ!」

 

俺らは魔獣を問題なく倒す

 

「むぅ、出てくる敵も様変わりしているぞ、いつも狩っていた魔獣じゃない」

 

「嫌な予感がするな…。おい、カルデアの。一旦、オレ達の小屋に戻って構わないか?」

 

「場所分かるか?」

 

「…あ、ダメだ」

 

「オレ達がここを出てから数日。その間に、地形が完全に変わってしまったからな」

 

「俺の蓋棺鉄囲山いっとく?この状態でもやれるし」

 

「待て待て待て。森から出る時に使うのはいいが、小屋を諸共吹き飛ばす気か?」

 

「吹き飛ばされてもアイツらなら気付くって!いったれ!」

 

「判断、早すぎません?」

 

「せめてもう少し調べてから―――」

 

「2回目の蓋棺鉄囲山!」

 

蓋棺鉄囲山で辺りを焼き尽くす

 

「「やっちゃうのかー…」」

 

「やりやがったわ~♪滅茶苦茶だわ~♪」

 

「どうだ?」

 

樹木が即座に生え変わる

 

『ダメだったか…。雑草かよ』

 

「抜け替わる鮫の歯のようだな」

 

「とはいえ、今の一撃(噴火)で仲間は気づくはずだ。『お、この辺りを飲み込むマグマはカルデアのマスターに違いない!』ってな」

 

ふと、妙な音が聞こえた

 

「ちょっと待て、何か妙な音がしないか?」

 

「聞こえるわね~♪何だかとっても嫌な予感がするのよ~♪ヴァーリ、しっかり捕まってなさいね~♪」

 

「ああ」

 

音が大きくなるにつれ、モーさんに斬りかかる

 

「…って、うお!?テメエ、綱か!何しやがる!」

 

「ぬ、おっと!」

 

3人は砲撃を避ける。何か様子が変だな…

 

「…何だ、その殺気は。お前、そんな分かりやすい奴だったっけ?」

 

「それが困った事に、少々悩みを抱えていてな…」

 

「は、悩み?」

 

「先程、何か起きただろう?この特異点に影響を与えるような、厄介事が」

 

「まあ…な」

 

「その余波で洗脳された。すまん。なので倒せ」

 

『わーお、簡潔』

 

「うむ!洗脳された所で綱は綱、という訳だな!」

 

「俵藤太、貴様もか!?」

 

「いや、拙者は大丈夫だ。龍神様のご加護があったのだろう。だが、そちらの4人はちょっと難しいな。マスター無き()()()の身のままならん所だ」

 

「遺憾ながらその通りだ。もちろん、こちらも全力で抵抗させてもらう」

 

「あー、参った。頭バーサーカーって感じだ」

 

「それは辛そうだな。うむ、サクリと介錯してやろう」

 

「殺す手前で抑えてくれます?」

 

「すまない、不覚だった。だが、手を抜く訳にもいかないようだ。さあ、覚悟」

 

「同じく不覚を取りました。卿よ、どうぞお願いしたい」

 

「しゃあねえな、貸しだぞ」

 

「構いませんが…。借りの類を返された事、ありましたか?」

 

「無いな!」

 

「仕方ないわね。(アタシ)も戦うわ!」

 

「こんな姿だけど、俺もだ!」

 

それ以前に、どうやってアイツらを助けるんだ…?

そう思った時、どこからか声が聞こえる

 

「―――いや、それは違う。それでは彼らを救う事は出来ない」

 

「「「「「「「「!?」」」」」」」」

 

「(気配を感じなかったぞ…)何者か!姿を現せ!」

 

「わ…たしが誰かなど、どうでもいい。エリザベート・シンデレラ」

 

「え、あ、うん?」

 

「お前が成すべき事はただ一つ。唄え、シンデレラ」

 

「…うた?」

 

「その通りだ。唄え。世の為人の為に高らかに唄え。歌でこの持ちをボコボコにしてメロメロにするのだ」

 

「ぼこぼこ…めろめろ…」

 

「では、さらばだ…」

 

「待って!アナタ、一体―――」

 

「ふっ。どうやら今風に言うと…。王子様(プリンス)、というものらしい」

 

「な、な、な、何ですってーーー!?」

 

「だが、王子はこの世界の役に立てぬ。精々こうして手助けをする程度だ」

 

「城の時、助言してたよな?」

 

「ふっ。どうだったかな…」

 

王子の気配は消える

 

(気配は消えたな。敵じゃないみたいだが…)

 

「今の姿が見えなかった人が王子様なのね…!…おかしいわね、王子様と遭遇なんて最高に盛り上がるイベントなのに…。何故か(アタシ)の中で、さっぱり盛り上がらないわ、謎。モレー王子様について知ってる?」

 

「王子様がいた事は驚いてます。そもそも、二人が王子様だったのでは…?」

 

「ちょっと何言ってるか分かんないっすね…」

 

「同じく」

 

「つまりあたしの意味深な台詞は大体無意味だった!!他人に聞かれなくてホント良かった…!」

 

『トーマは割かし無慈悲な一面もあったりするからな。童話の王子役には不向きだ』

 

書店だと変態トリオを問答無用で出禁にして、学校だと殺書文直伝の无二打(にのうちいらず)で打ち込んでるからな

 

「あ、ボンヤリ覚えてるわソレ。『可憐な(アタシ)を救いに来てね、王子様!』みたいな事言ってなかった?」

 

「忘れてぇ!」

 

「あー…つまり、王子様は謎のままって事ね?」

 

「そういう事になります…」

 

「何と言うか…とことん穴だらけの計画だな…」

 

「凹むからやめて!」

 

「それで結局、(アタシ)どうすればいいのかしら!?」

 

「コブ、フルボッコ!」

 

「フルボッコね!大丈夫よ、(アタシ)の歌なら大抵のものは原子崩壊するわ!」

 

マキシマムハイパーサイクロンかよ

 

「大きく出たな…。いや原子崩壊だから小さく出たのか?…私は何を言っているのだ」

 

「正気に返るな正気に!」

 

「…ンッンッ。要するに~♪ブン殴り倒すって事でいいのよね~♪戦い~挑み~串刺し~拷問~槍~♪瀉血喀血冷酷流血~♪」

 

(瀉血と喀血あまり関係ないな…)

 

「要するに~♪ブン殴り倒すという事で構わないぞ~♪でも気を付けてほしいのは~♪殺さないでやってくれ~♪」

 

乗るんかい…

 

(((((((((乗った!?))))))))

 

「「それではいざ尋常に~♪正々堂々~勝負~♪」」

 

「…これは…やはり俺も乗る流れか…!」

 

「違うんじゃね?」

 

「…残念だが致し方ない。行くぞ!洗脳されているので、斬り刻んでやろう!…キャベツのように!」

 

「はっはっは。決め台詞も家庭的だなぁ、綱よ!」




~トーマの秘密~
実は、スカディ達のおかげで、ダルク書店に売ってある『LIBER PRIMUS』という本が読める。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

解放されし、5人のサーヴァント。

「ラララ~♪愛~翼~想い~夢~何かふわっとした何か~♪アルテマ~ウルティマ~ウルトラ~ハイパー~♪ラブ~ウィング~フィリン~エトセトラフンフフフ~♪」

 

歌詞クッソ酷いけどご機嫌だ…!そう思った瞬間、森が戻っていく

 

「おお、凄い光景だ。見てみろ、森が本来の姿を取り戻していくぞ…!」

 

「「うそでしょ…(スズカ)」」

 

「嘘でしょ!?さっきまで異形化してた筈なのに!…まさか。まさか、まさか…エリザベートの歌が、変異した環境を是正した…?」

 

(…マイナスにはマイナスをぶつける、という奴かな?)

 

「ジャスティス~フリーダム~ハート~♪ウオウウオウ~♪」

 

ちぇー(ズット)、即興の歌詞レベルが極低だけど、1周回って愛おしさすら感じちゃう…!これが…愛の歌…!」

 

多分、違うだろ…

 

「随分とまあ、ケッタイな形をした愛だなー…」

 

「愛は人それぞれ、と言う事だろう。深いな…」

 

「浅ぇよ!」

 

「でも、これで勝ったと思うなー!」

 

「ラブラブ、思いっきり負けた!」

 

「うんまあ…うん…。それを言われると弱い」

 

「ラララララ~♪」

 

操られた4人は倒れる

 

「お見事!神食い虫…ではなく、天女もかくやという威嚇音(うたごえ)であった!」

 

「あら、もう終わり?もっと唄ってもいいのだけど?」

 

「後にしろ後に。今はこいつらをどうにかしなきゃな」

 

「うむ。後は()()()するだけで事足りるか。よし、さーて朝だぞ皆の衆!起きろや起きろ!」

 

藤太は4人を叩き起こす

 

「ぐ、む…」

 

綱は起きる

 

「…ふぅ」

 

「大丈夫か?」

 

「ああ、ちょっと頭と背中が痛いが」

 

「頭はエリザベートの歌で、背中は藤太に叩き起こされただけだ」

 

「ちょっとヴァーリ?(アタシ)の歌は優しく包み込む歌よ?」

 

「…え、厳しく締め上げる?」

 

「いや。彼女の歌は心に強く響いた。それは間違いがない(歌詞はよく伝わらなかったが)」

 

「でしょう?」

 

エリちゃんはドヤ顔する

 

「俵藤太殿も、本当にかたじけない」

 

「ああ。君が向こう側にいてくれて本当に助かった」

 

「なに、今回はたまたま、拙者に天運があった。戦場とはそういうものだ。それより皆の衆、怪我はないか?パッと見では大丈夫そうだが」

 

「筋肉痛と打撲の痛みくらいっすかね。あー、やれやれ参った…」

 

「何があったんだ?」

 

「それを伺いたいのは私達の方だが…。こう、刹那の突風と共に世界が変わり果て、私も理性が欠損してしまい…」

 

「バーサーカーにでもなった気分でしたね。一体、何が起きたのでしょう?それよりも、二人のそのお体は…?それからこちらのサーヴァントはどちら様でしょう?」

 

「モレー、事情説明」

 

「えー、あたしが?まあやりますけどー…。当方の名はジャック・ド・モレーと申しまして―――」

 

モレーは5人に自身の計画や、アルセウス擬きで失敗した事を説明する

 

「マジかよ。オタク、バカなの?」

 

「ぴぃ…」

 

「客観的に事情を伺う限り、どう考えても貴方のヒューマンエラーですね」

 

デオンは溜め息をつく

 

やっべー(メルテ)、世間の風が冷てー…」

 

「むしろコレだけやらかして、何で温かくなると思えるんですかねえ!」

 

「ジャック・ド・モレー。一つ質問があるのですが。どうして彼女の歌で、森の木々が元に戻ったのでしょう?」

 

「それは…あたしにもよく…」

 

「あらやだ王子候補No.3(ベディヴィエール)!そんな事も知らないのかしら?」

 

「ええ、是非教えを乞いたい所です」

 

「いいわ、教えてあげる。答えは…愛よ」

 

「愛」

 

ベディヴィエールはやはりという頷きをする。てか、王子候補No.3ってオイ…

 

「もしくはエリザ粒子」

 

「エリザ粒子」

 

ベディヴィエールはやはりという頷きをする

 

「えりざりゅうしぃ?なあにそれえ」

 

「かくかくしかじか四角いムーヴ」

 

「なるほどなー…。すごーいなー…」

 

「幼児化してしまったようだが」

 

「人間、メンタルが耐えられないとそういう風になるものだ。なまじモレーが常識的であった事が災いしたんだろうな」

 

ハロウィンの記憶が無かった時のオカ研の奴らも、( ゚Д゚)←こんな顔してたな

 

「確かにあの歌を聴いた瞬間、鼻の奥をガツンとやられたような衝撃が」

 

「脳を素手で握りしめられるような衝撃が」

 

「除夜の鐘を頭に被せられた上に、ガンガン鳴らされたようなインパクトが」

 

安珍の最期かな?あっちは内側ジンギスカンだけど

 

『内側ジンギスカンって何だよ』

 

「ノーコメントで」

 

「ねえ、救われたのに酷い言い草じゃない?(アタシ)の悲しみを唄うわよ?」

 

「これがハロウィン…これが…ハロウィン…!」

 

「つまり…。この特異点を修正し、国を救う為には。エリザベートの歌が欠かせない、という訳か」

 

(アタシ)の歌が~♪またもや世界を救うのね~♪えーと凄いわ~♪うーんとビックリしたわ~♪」

 

いや語彙よ

 

「とことん語彙が貧弱だな、この世界を救う歌手!」

 

(またもや?つまり一度歌で救った経験があるのか…?俺も歌を学べば良かったか…)

 

「よし。とりあえずカルデアのマスター。モレーが道案内、エリエリが唄う。そしてトーマとオレが道を切り開く。それでいいか?」

 

「えっ、あたしまだ働かないとダメですか」

 

「働け」

 

「エリちゃん、行けるか?」

 

「もちろんよ~♪二人を南瓜(かぼちゃ)から解放しなきゃ、さすがに可哀想だもの~♪二人の為に唄ってあげるわ~♪」

 

「ラブラブ、やる気満々!」

 

「その代わり~♪」

 

「あん?」

 

「皆で(アタシ)を応援してね~♪でないと、唄う元気が出ないわ~♪」

 

「何だと…?つまりアレか?オレに!このオレに!『キャーエリチャーン』とか叫んでペンライト代わりにクラレント振れってか!!このオレに!!」

 

「え、そこまでやってくれるの!?」

 

「やるよ!いや、やらねえよ!えーとどっちがいいんだこういう場合。…えーあー…とりあえず…戦ってそっちが勝ったらやってやる、とか?」

 

「脳金の考えじゃねえか!?」

 

何か…うん、もういいや(思考放棄)。めんどくせ

 

「脳が筋肉だったら頭が頑丈になりそうだな!よーし、やるか!オラかかってこいやー!」

 

 

 

 

 

==================================================

 

 

 

 

 

結果、俺らが勝ちました

 

「キャーエリチャーン!」

 

「応援ありがとう~♪」

 

「モーさん、トーマ」

 

「あいよー、どっせい!」

 

「オラァ!」

 

俺とモーさんは森を焼き払う

 

「よし。これを繰り返せば、変異した森からも早晩脱出できそうだ。問題はモードレッドとトーマの魔力が保つかどうかだが…」

 

「心配するな。どうあれ勝負の結果だ。コイツも応援の一環って事で」

 

「この森を突破するまでは気合とかで何とか乗り切ってみせる」

 

「おお、その意気やよし。と言っても、2人じゃ辛かろう。宝具による広域破壊が可能なのは、オレも同じだ。オレ達3人で、道を切り開くとするか!」

 

「よーし、競争だ競争!」

 

「では、我々も手伝いしましょう」

 

「そうだね。何もしない訳にはいかない。私達も全力で森を伐採する。エリザベート・バートリーを守りながらね」

 

「それはつまり…。(アタシ)お姫様(プリンセス)って事かしら!…よね?」

 

「いや、シンデレラだから当然だろ」

 

「シンデレラ…!さあ7人の妖精…じゃなくて、7人の騎士?イケメン?行くわよ~♪」

 

「「「「「「「キャーエリチャーン!」」」」」」」

 

「カオスになってきたな…」

 

「「キャーエリチャーン!」」

 

「お前達も言うのか!?」

 

「コブ、ツッコミ不在!」

 

いや、ツッコミが俺とゼノビアがいるぞ…

 

「…こほんこほん、げふげふ。ふ、ふふ、つい口がグリッセして。なんというおバカな真似を」

 

「バカな真似では無いと思うわ~♪人は皆、唄う生き物なのよ~♪」

 

「エリちゃん、俺唄った事ないんだけど」

 

「こんなお気楽星人がいるパーティに、あたしの陰謀策謀が覆されたと思うと泣ける…。その癖、なんか真理突いているっぽいのも悔しい!」

 

「さあ、どんどん行くわよ二人共!アンタ達の体を取り戻す為にね!」



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

さようなら、メルヘンの世界。

ジャックリバイス、デザインかっこよくね?


ようやく、チェイテシンデレラ城に着いた

 

「さあ行くわよ~♪(アタシ)の7人のイケメン達~♪」

 

「「「「「「「「キャーエリチャーン!」」」」」」」」

 

「わ、私は言わないからな…」

 

「前回は勢いで言っちゃったけど、もう言わにゃい!さー、アルセウス擬きになってるトーマと白いアルビオンになってるヴァーリを打ち倒しましょう!そして聖杯をゲットです!」

 

はぁ…、何かもう疲れてきた…。手には負えない現実ってこういう事だったんだな…

 

『帰ったら清姫に癒してもらいな』

 

「(そうする…)モレー、お手柔らかにな…」

 

「心配いらないわ~♪(アタシ)とゼノビア~♪そして(アタシ)の7人のイケメンを信じるのよ~♪」

 

「さり気なくあたし除外されてません?うう、それでも頑張るー!」

 

「くっちゃべってないで行くぞ!超越神とドラゴン退治だ!」

 

「オーララ!」

 

「オニヴァ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~崩壊したシンデレラの間~

 

俺らはまた最上階に行くと、アルセウスとアルビオンが待機してた

 

「いたわ!もう1人のトーマとヴァーリ!」

 

「ドドギュウウーン!!」

 

「■■■■―――!」

 

やっぱし、どう見てもアルセウスだな…

 

「すっごくうるさいわ~♪きっと不安とか~あれこれで~怯えているのね~♪」

 

「こいつはまた…!」

 

「やっぱやべえな」

 

「大きい…!そして神の如き神々しさの咆哮!これは一筋縄ではいかないようだな…」

 

「問題は無い。より巨大な鬼を斬った事もある」

 

「はは、心強いな!かく言う(オレ)も、でかぶつには多少の心得がある。我ら無双の英傑ならば、何とでもなるさ!」

 

「そうは思えないが…。いいえ、やるだけやってみせるさ!」

 

「お力添えいたします、参りましょう」

 

「ああ!」

 

『目標:敵集団』

『行動:排除』

『行動:抹消』

『目標:捕捉』

 

 

 

 

 

==================================================

 

 

 

 

 

攻撃するも、効いてなかった

 

「あ~れ~れ~♪効いた感じじゃないわ~♪」

 

「おーい、お姫様!歌がまるで通用してねえぞー!」

 

「そんな事~言われても~♪…ど、どうしようクリム!!何で(アタシ)の歌が、効いてないのかしら!」

 

『本来の俺の強さは絶対で、傷のきの字も付けられない。…が、それは俺の魂とマスタークラウン込みでの話で、今回はどうも違うみたいなんだよな…』

 

『ヴァーリの体も似たような事になってるだろうな』

 

久しぶりにアルビオンの声を聞いたな

 

「あっ」

 

「モレー。今、『あっ』って言ったな?言ったよな?さあ、何を隠しているかさっさと答えろ!」

 

「い、いやその。あくまで推測…妄想なんだけど…。先日もお伝えした通り、ここは、メルヘンな夢世界なのです!これまでの貴方方の行動は確かに()()でした。でもこのアルセウス擬きと白いアルビオンは違う次元(ジャンル)から来た存在。言うなれば…定番と言えば定番ですが…。全てを終わらせる幕引きの神様(デウス・エクス・マキナ)というもの。どんな物語の世界でも『終わりの概念(ジ・エンド)』に、勝てる存在はおりません。…ですが、活路があるとすれば。()()()()()()()()()()()()()。それも、可能な限り()()()()()()にしてしまいましょう!」

 

「メチャクチャに…か?」

 

「コイツの話を聞く限り、それしか手は無いようだな」

 

「そうです。メチャクチャにしなければいけないのです。このモレーの呼び出してしまったアルセウス擬きと白いアルビオンは、この特異点の『メルヘン要素』故に―――()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

そういや、元を辿ればコイツが呼び出したんだっけ?失敗に終わったけど

 

「メチャクチャな終わり方で、この世界をメルヘンでなくさせる!だから、メルヘンとは真逆の行動が最大の武器。メルヘンの世界を破壊するには、()()()()()()()()()をするのが最も効果的!逆に、下手にメルヘンに乗っかると、そのまま取り込まれる危険がありますので!はいおしまい!助言おしまい!反メルヘンを成し遂げるまで、もはやプリンセスの歌は補助以上の意味なし!」

 

「ふむ、つまり…見覚えある物語だとしても、その物語のまま行動をしてはいけない?」

 

「ウイ!()()()のは最悪!」

 

「そうなのね~♪何だかよく分からないけど~分かったわ~♪優雅に~♪唄って~踊りながら~♪あのアルセウス擬きと白いアルビオンを降参させて~聖杯もゲットして~♪全部解決しちゃうのよ~♪」

 

「エリちゃん、ホントに意味分かって言ってる?」

 

「なあに~♪」

 

「シンデレラの時間は終わりって事なんだぞ?」

 

「…え?それって、え?もしかして―――ア、(アタシ)は…シンデレラプリンセスを…卒業しなきゃダメ…。…そういう事?なのかしら~♪」

 

エリちゃんは膝を着く

 

「コブ…、エリちゃん…」

 

「ああ…ショックは大きいわ…。ミュージカルとアイドル…いつも以上に完璧に相性が良くて…、これこそ最高の歌を届けられる究極フォームだと確信していただけに…。この姿を、捨てなくちゃいけないなんて…」

 

「ふん。下らん」

 

「はァー!?下らなくないわよ、死活問題!アイデンティティ!クライシス!でしょう!」

 

エリちゃんはゼノビアにキレる

 

「それが下らないと言ったのだ。いいか。私はパルミラの女王だ。この姿を見ろ。ローマに敗北し、黄金の鎖に繋がれ、屈辱的な凱旋式を経た私の姿だ。私を敗北者と呼ぶ者もいるだろう。奴隷とすら思う者もいるかもしれん。()()()()()()()()()()()()()

 

「―――!」

 

「自分が何であるかなど、自分で定義すればいい。自分の定義には誰にも逆らえない。それが衣装や姿に左右されるものであっってたまるか。その意思を示す為、私というサーヴァントは存在する。だから私は問うだけだ。お前は何なのだ、エリザベート・バートリー。ここで何をするのがお前なのだ、エリザベート・バートリー!」

 

「はぁ…。ふふ。ふふふ…そう、ね」

 

「…悪い、無神経な事言って」

 

「何を誤ってるのよ、トーマ。ハロウィンは楽しいモノでしょう?アンタ達二人がその姿のままだなんて、全然楽しくないわ。元に戻す為に必要だっていうなら、シンデレラにもミュージカルにも拘ったりしない。ええそうよ。拘る必要なんて無いんだもの。昔話も御伽噺も、物語は大好きだけど、それがなきゃ何もできないなんて(アタシ)は言わない。だって!(アタシ)は!昔はともかく!この霊基(イマ)は!それだけで十分!最ッ高の、アイドルになるって決めたんだから!」

 

エリちゃん、成長したな…

 

「その通りだ、エリザベート。例えどの様な姿だとしても。自らの在り方を決めるのは、自らの意志だけなのだから…!」

 

「うんうん!そうよね!」

 

「ま、眩しい…。これがアイドルの持つ輝き…」

 

「トーマ、ヴァーリ!悪いけど、もう2人のアンタ達をブッ飛ばすわ!」

 

「頼んだ!」

 

「失礼。ブッ飛ばすわ~♪」

 

「クリム!ラブコフ!お前らも協力してやってくれ!」

 

俺はレックスバイスタンプを俺自身に押印して、実体化した人型のクリムを実体化させてドライバーを投げ渡す

 

「了解!てか、ミュージカルに拘るのやめたんじゃなかったのか?」

 

「ええそう!ミュージカルもシンデレラもこれで卒業(おしまい)!だからこれが最後の―――卒業コンサート!ゼノビア!7人のイケメン!クリム!ラブコフ!皆、(アタシ)に力を貸して!」

 

「我が土地の平穏を取り戻す為だ。存分に使うがいい、この女王の力を!」

 

「「「「「「「キャーエリチャーン!」」」」」」」

 

「元より、そのつもりだ!」

 

クリムは腰にベルトを巻く

 

デモンズドライバー!

 

ホルダーからスパイダーバイスタンプを出す

 

スパイダー!

 

ドライバー上部のパッドに押印する

 

DEAL...!

 

「変身!」

 

そして、正面のモニターに押印する

 

DECIDE UP! DEEP.深く――― DROP.落ちる――― DENGER.危機――― 仮面RIDER DEONS!

 

クリムは仮面ライダーデモンズに変身する。*1

それを見たアルセウスは黄金の光に包まれると、神を思わせる姿になる。…え、もしかしてメガシンカ!?嘘だろオイ!?てか何で!?

 

「聖杯の力を無理矢理引き出したか…!」

 

「ドドギュウウーン!!」

 

「■■■■―――!」

『目標:敵集団』

『行動:排除』

『行動:抹消』

『目標:捕捉』

 

「いっくわよ~~♪」

 

 

 

 

 

==================================================

 

 

 

 

 

「はああああっ!」

 

ゼノビアが攻撃し

 

「思いっきり、やるわ!~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♪」

 

エリちゃんは歌う

 

「―――――!」

 

「■■■■―――!」

 

メガアルセウスとアルビオンは膝を突く

 

「膝を突いたぞ!」

 

「魔力もガクッと落ちてる!今の内に、聖杯を引き剥がしちゃえ!」

 

「エリザベート!クリム!」

 

「分かったわ!任せて!…ええっとぉ。何を、どうするんだっけ?」

 

「「「うおい!?」」」

 

「ごはーっ!?」

 

ロビンは思わず吹き出す。忘れるってどうなのさ…

 

「こ、ここで止まんのかよお前?!何でだよ!!」

 

「ははは!豪快なお嬢さん(マドモアゼル)だ!」

 

「いや全くだ。余程肝の据わった娘と見たぞ!」

 

「落ち着いてください、エリちゃんさん。答えは既に出ている筈です」

 

「確か…。メルヘン、がどうと…?」

 

()()()()()()()()()()()()、だ!英霊エリザベート・バートリー!」

 

「あっ、そう。そうだわ!そうだわ~♪メルヘンに無い行動しなきゃなの~♪なの~♪の~♪メルヘンに無い…行動…。…?具体的にはえっと、えっとどうすればいいの!?トーマ~!」

 

おっと、俺に選択を委ねるか。まあ一択なんだけど

 

「クリムと一緒にライダーキックだな」

 

「ライダーキック?飛んで蹴る奴ね!いいわ。やるわ!」

 

クリムはドライバーのサイドを押し込む

 

ADD

 

バッタ!スコーピオン!モグラ!コンドル!

 

4つのスタンプを押印して、モニターにも押印する

 

DOMINATE UP! バッタ!スコーピオン!モグラ!コンドル! GENOMIX!

 

ゲノミクス状態でサイドを2回押し込む

 

MORE

 

もう1度押し込む

 

バッタ!スコーピオン!モグラ!コンドル! デモンズレクイエム!

 

「「はああああああああああああああああああああああああ!」」

 

同時に跳んでアルビオンとアルセウスにキックを叩き込むが、2体は魔力を振り絞ってガードする

 

「後もう少しだ!」

 

そのガードを突き破って2体を貫くと爆発する

 

「ギュアア…!」

 

「■■…■■…!」

 

2体は俺とヴァーリの体に戻り、魂も元の体に入る。それを見たクリムは変身解除して俺の中に入る

 

「コブ、戻った!」

 

「やっぱ、いつもの体が落ち着くな!」

 

「そうだな」

 

「…なあトーマ、髪に黒と黄色が混ざってるけど?」

 

「マ?」

 

「マ」

 

「ラブコフ、手鏡になってくれ」

 

「ラブ!」

 

ラブコフが手鏡に変身して俺の目の前に行き、鏡に映った俺には黒と黄色のメッシュが確かにあった

 

『俺と言う超越神の依り代になった影響だな』

 

学校に何て言えばいいんだよ…

 

『いつもの姿をイメージすれば戻れるはずだ』

 

俺は念じると元の白い髪に戻る。良かった…

 

「この感じ―――終わったな」

 

「ああ。お役御免だ」

 

「特異点が…消えていく…」

 

「空間に、高密度の魔力塊が現れました。これが…」

 

「聖杯だな。エリちゃん」

 

「もちろんよトーマ!ええ、こんなにたくさん唄って踊ったんだもの!トロフィーは、‎(アタシ)にこそ相応しいわ!」

 

エリちゃんは元の霊基に戻る

 

「…魔法が解けちゃった。なんて、冗談だからね。本気にしたらブラッドバスよ」

 

「エリザベート…」

 

「…エリザベート・バートリー。そしてトーマとヴァーリ。正直な所を言うと、初めの内は…。お前達3人の事は、私の故郷で妙な事をしている貴人と見ていた」

 

「だろうね」

 

「まあ、傍から見れば異常なのは是非もないよネ!」

 

おいノッブになってるぞ

 

「原因がお前達でないと分かった上で、そんな風に見てしまっていたのだ。だが。今はちょっと違う」

 

ちょっとってオイ

 

(ちょっとって事はまだだいぶ変人のカテゴリに入れてるなコイツ。まあオレも賛成!)

 

「モーさん、今変な事考えてなかったか?」

 

「い、いや…」

 

「…そうかよ」

 

「あんなに楽し気にしていたのに、歌と踊りを自ら捨てて…煌びやかな姿さえ捨てて―――お前はお前自身の在り方に、堂々と胸を張ってみせた。その勇気と姿に私か敬服する、エリザベート。シンデレラと言う姫君の物語について、私は詳しくないが、お前は間違いなく、最高の姫君だ。思うままに唄い、踊り、最後には衣を捨てて私の故郷を救ってくれた。だから…。女王として、心から感謝しよう。ありがとう、プリンセス・エリザベート・バートリー」

 

お礼を言われたエリちゃんはそわそわする

 

『エリザ、ファンのコールには応えるべきだぞ』

 

「…ふ、ふん。えっと、ゼノビア」

 

「うむ」

 

「いつの間にかアンタ、すっかり‎(アタシ)のファンになってたって訳ね。いいわ。それなら、次会った時にはサインしてあげる。…握手もつけてあげてもいいわ。特別に!」

 

「ファンか。ふふ、確かにそういう事になるのかもしれないな。戦士女王と呼ばれる私であっても、芸事の大切さはよく分かっている。腕のいい芸人が得難いものだ。機会があれば我が王宮に招こう。ぜひ部下達も楽しませてやってくれ」

 

ゼノビアは座に還り始める

 

「王室御用達アイドル!?いい響きだわ…。覚悟しなさい、部下と言わず国民みーんな‎(アタシ)の虜にしてあげる!」

 

「ははは。皆の私への忠誠はその程度では揺るがんぞ。やれるものならやってみるがいい。…しかし最後に、一つだけ言いたい事がある。注意点、というか」

 

注意点?

 

「…シンデレラとしてのお前の衣装、脚や胸が危うすぎはしないだろうか?風紀的に、もう少し露出度は控えめでもいいと思うのだが…」

 

「アンタに言われたくはないんだけどー!?」

 

『「「禿同」」』

 

「それはそれ。これはこれ。まあ、いずれ再会したらお前の歌を聴きに行くよ」

 

綱達も座に還り始める

 

「ふむ。我々もそろそろ退去だな。お陰で無事に解決した。感謝する」

 

「召喚される機会があれば、私達も応援ライブに参加しよう」

 

「えー、って事はアレか。召喚されてやる事が、キャーエリチャーン!って叫ぶ事になるのか!…それはそれで面白そうだな!」

 

「何、どうせやるなら徹底的にだ。お揃いの法被、鉢巻、ペンライトを用意しなければな!」

 

ロビンは断りたい雰囲気出てんな

 

(武士が鎧や袴の色を統一するようなものなのか)

 

(その際には、絶対にトリスタン卿を連れて行きましょう)

 

「うむ。その際にはオレも盛大に大砲を撃とう!え、ダメか?」

 

「文句なしのハッピーエンドだしな、賑やかでいいんじゃねーか。オレは好きだぜ、そういうの!」

 

「何はともあれ、お前の歌声が聞ける日を楽しみにしているぞ。エリザベート・シンデレラ!」

 

「ええ、こちらこそ!カルデアに来た暁には、全員S席優先予約してあげるわ!」

 

「楽しみにしておこう。ではまた、な!」

 

全員退去し、俺達もカルデアに戻る

*1
ちなみにデモンズドライバーは、サーゼクスの共同開発らしく、元の種族のまま悪魔の力を引き出せるようにしたらしい



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

新たな脅威が、到来するとき、

~カルデア~

 

気が付くと、カルデアに戻ってた

 

「お帰りなさい。トーマさん、ヴァーリさん!」

 

「微小特異点の修復はこちらで確認できているよ。任務完了、ご苦労様。

通信状況とサーヴァントの同行ミスについては、こちらの不徳とする所だ。ごめんよ」

 

『大方、モレーが何かやったんだろ』

 

「あ。多分そうですね」

 

いつの間にかモレーがいた

 

「!?」

 

「メルヘンをテーマに特異点を弄ったんですが、その際にちょいちょいと。我が暗黒の地母神を喚びやすいように仕込んでたんで、そのせいではー?」

 

「だがそれも、マスタークラウンによって失敗に終わったけどなwww」

 

「へええ…」

 

「あっ。そ、その…。すみませんでした…モレーと申します…」

 

(モレー…。まさか英霊ジャック・ド・モレー!)

 

「あ、ちなみにコイツは特異点で出会ったモーフコブラのラブコフだ」

 

「コブ!」

 

「あっはっは。英霊モレー、どうしてカルデアに来たんだい?」

 

「折角だから、(アタシ)は2人とラブコフと一緒に戻ってきたんだけど…。…ていうか、何でいるのアンタ!?」

 

「あー、あたしはですね…。お伝えするのを忘れてた事があったので、おまけでついてきた感じです。聖杯も特異点ももうないし、そろそろ座に戻っちゃいますから、手短に」

 

「言ってない事?」

 

「ああ、思い出した。結局、王子様って誰だったの?」

 

「それですそれ。ゼノビアさんと7人のイケメンが退去していく最中、ばったり出逢って事情を聞いた次第で。それがですね?どうもエリちゃんさん、無意識に王子様を拒絶していたみたいでー」

 

「ほえ?王子様なんてメルヘンの頂点に立つ存在、(アタシ)は否定しないと思うけど…」

 

「はい、だから多分…王子様の人選が悪かったのだと」

 

「それはやっぱり、顔が好みじゃなかったとかかい?」

 

「ノー!断じてノー!ルックスはあくまで一要素にすぎないわ!そ、そりゃまあ好みはあるかもしれないけど、王子様属性ってアドバンテージは凄いし…」

 

「大体のサーヴァントなら王子役が合うよな…」

 

王子役ならプロトアーサーが適任だな。これだけは断言できる

 

「女性サーヴァントでもお似合いの方はいくらでもいらっしゃいますし…」

 

「うーん。それじゃあ、結局誰なんだい?」

 

「という訳でもう大丈夫です!出てきてください、王子様!」

 

「了解した」

 

この声…、確定ですわ

 

「こ、この渋カッコいい声は…!?」

 

「やっぱそうだよな」

 

「儂だ」

 

そう、王子役はアサシンの李書文だった

 

「やっぱりーーー!」

 

「エリちゃん、このイケオジのどこに文句あったんだ?」

 

「…だ、だってお祖父様としか思えないんだもの!カッコいいかどうかで言えばカッコいいでしょうけど!あと、どう見ても王子様じゃなくて王様でしょ!?」

 

「ぐうの音も出ないな」

 

「婚約破棄を宣言するより、婚約破棄した王子様を説教する側ですよねー」

 

「分かりみが深い」

 

「何でプロトアーサーじゃないんだよ」

 

「ついでに儂も孫としか思えん。メルヘン、ロマンス、あまりに儂には縁遠い」

 

「そもそも!どうして、この人が(アタシ)の王子様なワケ!?無意識にお爺ちゃんが王子様だと考えていた…とか?いや、そんな筈ないわ!こうして向かい合っても、王子様って感じが全くしないもの!」

 

「多分ですけど…特異点に来る直前に会ったとかじゃないですかー?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~回想&ナレーションサイド~

 

「今年のハロウィンは~♪何しようかしら~♪」

 

「む」

 

「ん?」

 

「そうか、ハロウィンが近い。なら菓子を用意する必要があるか。助かった。ではな」

 

李書文は歩いて行く

 

「はーい。何か分かんないけどいい事しちゃった?いいカルマ積んじゃった?ん~♪いい事しちゃったわ~♪」

 

突然、ノイズがかかる

 

「ん…。何だか、誰かにどこかへ呼ばれたような…」

 

エリちゃんはふらふらと歩いて行く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~トーマサイド~

 

「…で、エリちゃんは特異点へ」

 

「何それ!?」

 

「何じゃそりゃ…」

 

「コブ、適当!」

 

「ほら、夢なんて割とそんな感じでキャラ決まるでしょ?パルミラ帝国の特異点も、夢とそう変わらなかったって事」

 

「含畜のある言葉、なのかなぁ。う~ん?」

 

「どうなんでしょう?ただ、現実ではないという意味であれば…」

 

「お、話が分かる子がいるじゃない?」

 

モレーは座に帰り始める

 

「…って、あーもう時間切れかー。まあその、あたしは特に?貴方方と良い縁を結んだ訳でもありませんので、もう二度と会う事等は―――」

 

「あるんだよなぁ」

 

「…へえ?面白いねー。あ、皮肉じゃなくて、言葉通りの意味で。まー、アレだ。ドロドロの異端に“無辜”っちゃってるあたしだけど、相応しい覚悟があるなら、またお会いしましょうか。万が一、召喚された暁には、貴方方を守護する盾となりて努めましょう」

 

「た、た、盾ですか!?」

 

「ふっふふー。これは期待尾が持てそうだねー。それでは~じゃあね(オーボワ)~」

 

モレーは座に帰る

 

「…アレ、召喚されたらまた何かやらかすわよ」

 

「やらかすな…」

 

「その時は俺の超越神パワーで止めてやるよ」

 

『一瞬で消されそうだな』

 

「とはいえ…メルヘン特異点のお陰で、また(アタシ)のバリエーションも増えたワケだし。終わり良ければ全て良し。メルヘンの最期は、やっぱりハッピーエンドじゃなきゃね!それじゃあ最後に…」

 

エリちゃんがシンデレラ霊基になる

 

(アタシ)はプリンセス・ミュージカルアイドル!メルヘンの世界から来た、過剰歌劇なエリザベート・シンデレラよ!刃向かう敵は、ガラスの靴で切り刻むかカボチャの馬車で挽き潰すわ!というワケで、応援よろしくね!」

 

「こっちもよろしくな!」

 

「ええ、それじゃあ早速…。エリザベート・バートリー、追加ニューバージョンお披露目ライブ―――全員集めて唄うわよー!!」

 

その後、俺とヴァーリはゼノビアとモレーを召喚してライブを始めたのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~ダルク書店2階:トーマの部屋~

 

「あー…、つっかれた…。オカ研は明日でいいや…。ラブコフ、寝るぞ」

 

「ラブ!」

 

俺はラブコフを抱き枕にして寝る

 

 

 

 

 

==================================================

 

 

 

 

 

気が付くと、真っ黒な空間に俺とヴァーリとラブコフとモレーがいた

 

「コブ?」

 

「…あ、どーも。ジャック・ド・モレーでーす。とゆーわけで、此度のハロウィン事件は万事解決ですがー」

 

「うん、終わったねぇ」

 

「言っといた方がいいかなーって。ほら、あたし、座に戻るでしょ?もし召喚されたとしても、今回の記憶は持っては来られない。故にその前に、お伝えしておくべきかなー、ってね。そんな訳で、君達の脳の奥の方に伝言を残すぜ」

 

「言いたい事?何だ?」

 

「…」

 

モレーはもったいぶる

 

「…あ。これ、急いだ方がいいヤツだ。まごまごしてたら、黒い炎に焼かれちゃいそう。怖い怖い」

 

「それで、俺らに言いたい事は?」

 

「…では、お伝えしましょー。今回、あたしは我が神の為にメルヘン特異点を仕組んだ訳ですが…。実は、ですね?特異点のデザインには関わりましたけど、特異点の発生そのものには、モレーは関わってません」

 

「はぁ!?」

 

「コブ!?」

 

となると、第三者によるもの、と考えるのが自然か

 

「本当なの。あたしじゃなくて。というのも…。妙な星辰の働きがあったもので。別次元?別宇宙?まあそういうの。そこからの波動がぐにゃあ…と漏れてきて、色々と下準備ができちゃったのです」

 

星辰…。U-オルガマリーか?

 

「例えば―――英霊エリザベート・バートリーの肉体から、魂と精神を引き剥がしてくれたり。とかね」

 

「何…だと…?」

 

どういう事だ?

 

「あれ、何なんでしょうねー。()()()()の同類ではなさそうなんだけど…」

 

モレーが言うあたし達がフォーリナークラスだとすると、別の領域の存在になるのか?

 

「…っと。ダメだ、もう時間みたい。さよな―――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~ダルク書店~

 

学校が終わり、俺は会計のカウンターで小説を書きながらヴァーリと考察する。

ちなみに、召喚したサーヴァントを紹介したらイッセーが興奮してたんで、サーゼクスが開発したローリングバイスタンプで殴った

 

「トーマ、あれは何だったんだ?」

 

「それを含めて、いくつか謎が残ってる」

 

「謎?」

 

「一つ目は、いつ、誰に、何故俺とヴァーリに聖杯を埋め込んだか」

 

「聖杯が俺らにあったとなると、回収された後でもロリンチ達が大騒ぎする筈だが、その様子が一切無かったな」

 

『だが、判断材料が無いから考察の余地が無いな…』

 

「二つ目は、エリちゃんが分裂したのは何故か」

 

「モレーが言ってた通り、星辰の歪みによる影響だろ」

 

『だが、今回エリザベートは3人に分裂、カルデアと一緒に行動していた個体と、モレーの下に囚われていた個体(肉体)の他に、魂か精神に相当するもう1人のエリザがいなければ、おかしい話だ』

 

「言われてみれば確かに…」

 

「三つ目は、キスを選択してしまった世界線で見た、あの影は何か」

 

「影?」

 

ヴァーリにその世界線を見せる

 

「キングギドラじゃねえの?」

 

『首の数が多いだろうが』

 

「それに、エリちゃんは意味深な反応してた。他にも、別世界には魔獣赫がいて、それっぽいような気もするんだよな…」

 

「聖杯、3人に分かれたエリザベート、キングギドラ擬き、パルミラ国のゼノビア…」

 

『時代は違うが、パルミラと因縁あるローマに生まれ、エリザベートと同じ聖杯戦争に参加し、人が3つに分かれた現象と対峙したアイツが関係ありそうだ』

 

「…そうか。アイツとアイツの別側面の眷属もしくは乗騎とされるのが、多頭竜であり、聖杯を持ってたな」

 

『謎は深まるばかりだな…』

 

「けど、これだけは言える。いつしかビーストやヴェルパー級の脅威と戦う日が来るという事をな」



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

クリスマス編
生まれる、新たなるサンタ。


クリスマス編、開幕!


サンタクロース―――

もちろん知ってるわ。

ふふん。

ハロウィンの後にやってくる、

クリスマスにまつわる“何か”でしょう?

年の瀬に大体なんだか忙しく走り回って、

あれこれやっている連中。

トナカイ、だったかしら?

そういう使い魔的なモノを使ったり、

使わなかったりして…

プレゼントをくれたり?くれなかったり?

詳しくはよく分からないけど、

ちょっと似てるわよね。似てない?

何にって、ほら!アレよアレ!

―――魔法使い!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~ナレーションサイド~

 

カルデアで、エリちゃんとスカディが話をしてた。

ぐだぐだ?カットさせていただきます

 

「魔法使い、とな」

 

「そうそう。カボチャの馬車とかドレスとか、いろいろ作ってくれるカインド・ウィッチこないだのハロウィンの時にも、魔法使い役のトーマとヴァーリが(アタシ)の為に頑張ってくれたわ。脚本がドリブンしまくりで最後はカオスだったけど、最初は魔法使い役。だったわ。頼り甲斐のあるんだかないんだか、ふわふわした魔法使いだったけど…。ふふふふ。最後は文句なしのハッピーエンドだったわね!!」

 

最後の最後で伏線を残していったんですがそれは。

何だそりゃって人は、『新たな脅威が、到来するとき、』を見よう

 

「ええと…。お前の言う魔法使いというのは、当代の魔術師達の言うソレを指すものか?それとも、もっと別の…」

 

「難しい表記(ラベル)はノー・サンキュー。観客も求めていないわ。番号付け(ナンバリング)もやめてね?魔法使いは魔法使い。サンタクロースも同じようなものでしょう?誰かに素敵な贈り物をくれるヒト…、それが魔法使いの定義ってヤツ!」

 

「なるほど、そういう…。では私も古のルーン使いとして、クリスマスにあたり何かした方が良いのだろうか」

 

「もっちろん☆アナタなら理想の魔法使いになれる筈!(アタシ)は来年の対策(ようい)で忙しいから無理だけど…。興味がわいたのなら即アクション!しないと!暇な誰かが、きっと手伝ってくれるから!じゃあね~☆」

 

エリちゃんは部屋を出る

 

「うーん。聞けば、12月といえばクリスマス。クリスマスと言えば12月なのだという。いけないな。私ともあろう者が、これまでの12月をぼうっと過ごしていたようだ。クリスマスがよく分からない。うーん。冬。催し。…ヨールプッキにまつわるモノ、か?」

 

※ヨールプッキ:なまはげ的な何か

 

「確か…。救世主の教えに紐付いている行事、と聞いたような…」

 

イエスキリストの誕生を祝う日だった気がする。オメガ?アイツは破壊神だっての。

そこに、お疲れ気味のマルタが通りすがる

 

「…ふう」

 

「(おお、聖女マルタ!これはよい。まさに救世主の教えを継いだ聖女だと聞くぞ。クリスマスが何たるか、彼女に聞くとしよう)マルタ。マルタ。そこを行く聖女マルタよ。すまない、少し時間を貰えるだろうか。一つ疑問があるのだ」

 

「…ん。ぁ―――失礼しました。今、私の事を呼んだのですね?何かしらスカサハ=スカディ、北欧の女王様」

 

「…ふうむ。聖女マルタよ。何処となく疲れが見えるが、私の思い過ごしか?」

 

「え。鋭いですね、女王様。いいえ。一つの異聞帯の運営をするくらいだもの、そうでなくては務まりません。流石の慧眼です」

 

「愛し子を見つめるのには慣れているからな。ふふ。しかし、どうした事だ聖女マルタ。魔力の減衰という訳ではないが…。やはり、気疲れが見える」

 

「ええと…。そんなに大袈裟な事じゃないのですが、ライダー霊基でもルーラー霊基でも、何だかバトルの展開になってしまってばかりで。というのも―――」

 

はーい、回想入りまーす

 

 

 

 

 

==================================================

 

 

 

 

 

『こらー!そこの不良英霊達!とうとう見つけたわよ!貴方達、幼年系英霊に不良言葉教えたでしょう!覚えちゃったらどうするのです!説教しますから、そこに直りなさい!』

 

『やべっ、マルタだ―――』

 

『丁度いいや。腕試しといこうぜカイニス!』

 

『ふん。言われるまでもねーっての。オラ来いやマルタァ!』

 

『お説教タイムに開き直るとは良い度胸ね!いいわ、覚悟なさい二人共!』

 

ちなみに、トーマ監修の国語の授業もあったりする

 

 

 

 

 

==================================================

 

 

 

 

 

『…見つけたわよ、不良英霊達。よりにもよってシミュ―レーターまで使って、盛り場で遊ぶなどどういうつもりなのです。ここで会ったが100年目、覚悟してもらいます!』

 

『やべっ、またマルタだ!』

 

『ってなんだよルーラー霊基かよ!クソッ、やる気ゼンカイじゃねえか何が聖女サマだ!』

 

『はァ!?(ビキッ)』

 

マルタはキレる

 

『わ、私は!どこからどう見ても聖女でしょう!貴女達がそうやって揶揄うから、最近はタラスクも何だかしおらしくなって…』

 

『お、何か考え事始めたぞ!』

 

『やっほい逃げろー!』

 

カイニスとモーさんは逃走する

 

『…はっ。こらー!待ちなさーい!』

 

はーい、回想終わりまーす

 

 

 

 

 

==================================================

 

 

 

 

 

「こう…なんというか…。不良っぽい子達がねー。何だか、しょっちゅう私に絡みたがるのよねー。流石に、ちょっとだけ気疲れかしら」

 

「ふむふむ」

 

「ああでも勿論、二人に求められるなら応えるわよ。でも、私の根っこは多分、戦う事ではないと思うのです。竜を鎮めた聖女、だなんて伝説でも言われているけれど…」

 

聖水を振りかけて目の前に十字架を突き付けると竜は大人しくなった   byネット調べ

 

「…」

 

「私自身にとっては、私はただのベタニアの町娘で…。今日の御夕飯はどうしようかしらって頭を捻る毎日に、何を想った事もなくて…。でも、()()()に出逢って。気付いてみたら、随分遠くに来てしまったようで…―――」

 

「(!気づいた…気づいてしまった…。これが、魔法使いチャンス!というアレだな!)うん。うんうん。疲れているのだな。聖女マルタ。何処を歩いているのか分からなくなる感覚、多少ではあるが、私も憶えがある。ならば…聖女マルタよ!」

 

「は、はい」

 

「私に任せよ!」

 

「?」

 

「では早速、ルーンの力を用いるぞ。此度は私がシンデレラの魔法使いとなろう。第一や第二などではない、慣用的な表現の魔法使いだ。聖女マルタよ!」

 

「は、はいっ」

 

「お前は一度、生まれ変わるがいい。リフレッシュだ。そーーーーれ!」

 

マルタにルーン魔術を掛ける

 

「きゃああああああああああ!?」

 

そこに、トーマが駆けつける。ヴァーリはラーメン店巡りしてるから、今は出番がない

 

「今の悲鳴は何だ!」

 

「え、え、え…。…あれ、何ともない?いえ、何だかちょっと背が縮んでる?って―――あらトーマ。ご機嫌よう!」

 

「サンタマルタ…だと…」

 

まさかの非戦闘というね

 

「え?なあに?」

 

「可愛い響きを優先して、お前はサンタマルタと名乗るがよいぞ」

 

「お姉さん誰?まるで魔女のよう。じゃなくて、お母さ…でもなくて!スカサハ=スカディさんよね?あれれ?なんだか記憶が、というか私、霊基の感じが…。えっと…私、もしかして…―――」

 

「うむ、そうだ。原初のルーンによってお前の霊基は調整された。お前は正真正銘のマルタであり、英霊・聖女マルタとしての記憶を有してはいるが、些か、聖女としての実感は薄くなっているだろう。分かりやすく言えば…アレキサンダーやギル少年、或いは、妹の方のジャンヌや白いアルトリアのようなモノだ。可能性としての英霊サンタマルタ。それがお前だ」

 

「可能性…」

 

「なに、難しく考えるな。実に単純だ。なんだか疲れているようなので、リフレッシュの為幼くしてみたまでの事!」

 

「ざっくりしてんなオイ」

 

「幼さは若さ。未完成である事。それは可能性であり、星の輝きの萌芽だ。きっと力が湧いてくるに違いない」

 

「う、うん…?」

 

「難しい事は考えるな。己が心のままに、あればよい。それと―――一つ、使命を与えよう。ただ霊基を変えただけで放り出す訳にもいくまい?」

 

(スカサハ師匠より優しく感じるな)

 

「お前は、そうだな…。うん。こういうのはどうだ?お前は、今年のクリスマスを成功させる為にサンタクロースの霊基となった!という事で、一つ」

 

「なるほどぅ」

 

(今年のサンタ枠は決まったな)

 

「分かっている顔だな、トーマ。流石だぞ。私などよりも、余程クリスマスを分かっているだろうし…勿論、お前が案内役だ。いいな?」

 

「サンタ…。私が、サンタクロース…」

 

「そうだ」

 

「サンタクロース…!…って、何だっけ?あっ待って。待って知ってる気がする!」

 

「はいマルタ、答えてみて」

 

「ええと…。そう、そう、確か…知らない国のお菓子!」

 

ドタンッ!とトーマはコケる

 

「あれえ?」

 

「…むむ」

 

「う、うん?英霊としての記憶はあったと思うけど…」

 

「そうなのだが…。霊基に知識として備わっていたとしても、この年頃で知らなかった物事の実感は極薄い。時には『知らない』と口走る程に頭の彼方に記憶が飛んで行ったという事もあるだろう」

 

「サンタクロース、サンタクロース。うーん、何だったかしら。ここまで出掛かってるんだけど、出ないよ~」

 

「実は私もよく分からないのだ。何しろよく分からない魔嬢の教え故。だからこれは予想だが、ヨールプッキのようなモノ、のようだぞ?」

 

「よーるぷっき?」

 

「ドイツの古い怪異だ」

 

「詳しいな、トーマ。ならば私の適当な発言もバレてしまったな…。ヨールプッキとサンタクロースの真偽はどうあれ、実は私もよく分からない。うん。うん。ここは、詳しい者に聞くのがいいな!」

 

(ふ、不安しかねぇ…!)



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

サンタとは、一体何か。

やっと投稿できたよ!
ワクチンの副反応で(風呂上りの脱衣所で)倒れるわ、
胃腸炎(多分)になるわで、踏んだり蹴ったりだ…

アルセウス、チョー楽しいwww


~トーマサイド~

 

そんな訳で、歴代サンタにサンタとは何かを聞きに行った

 

「サンタクロースが何か、だと?下らん。一目瞭然。見た瞬間に即理解だろうに。難しい?分からない?…仕方あるまい。一言で答えてやる。多種多様!

 

オルタは一息ついた後、デカい声でそう言った。否定できねぇ

 

「悪のサンタクロースもいる。善のサンタクロースもいる。トナカイを扱うサンタクロースもいるだろうし、トナカイを連れていまいサンタも時にはいるだろう。最終的には心構えが全てだ。我思う故にサンタむサンタを楽しむ。詳しい事は赤い外套のアーチャーか、小さいサンタにでも聞くといい。その道のプロだからな」

 

そんな訳で(2回目)、俺の妹ポジであるジャンタリにサンタとは何かを聞く

 

「サンタクロースが何か、ですか?もちろん!私がお答えする事は容易くがあるのですが…私はまだサンタさんとしては修業の身。お師匠さんに聞いては?はっ!いけません、お師匠さんは来年の準備があるのでした。それでは…そうだ!歴代のサンタさんをご紹介します!きっとぴったりしっくり来る、貴方にとって理想のサンタさんがいる筈です!」

 

そんな訳で(3回目)、ナイチンサンタ達にも聞きに行った

 

「サンタクロース…。専門外ではありますが、大切な事は分かります。即ち殺菌!滅菌!無菌!以上です」

 

コイツはいつも通りで安心したわ

 

「ムーチョムーチョ!サンタといえばサンバ、カーニバルデース!アナタ達人類の営みが私は大好きデース!お祭り大好き、クリスマスもサンタも大好きネ!さあ一緒に!リングに上がりましょう!」

 

「サンタクロースについては、多くを語れる程の経験を持たないが…。一種の求道者ではないかと思っている。サンタの進む道こそが、勝利の為の道となるだろう」

 

異種格闘技か、ヴァーリが喜びそうだな

 

「待つのだ、お前達。すぐリングに上がろうとするのはよくないぞ。サンタクロースにとって大事なものはたくさんあるが、要約すれば一つだ。優しさ。楽しさ。寒さ。切なさ。…む…一つではないな…。こういう時はどう言えば…、ええーと…ええーと…」

 

「深く考える必要はありませんアルテラ。こういう時は私に頼ると良いでしょう。そう。即ち、サンタパワーです」

 

どういう事だよ

 

「サンタパワー」

 

「そう、サンタパワーだ。顧客を安心させる、力強い響だな」

 

「はい。面倒事が起きた時はサンタの責任になる、夢のようなワードです」

 

「そうか。夢はいいものだ。温かいからな。然るにマルタ。お前はまだサンタパワーが高まっていないようだが…。サンタの素質は十分のようじゃ。フォッフォッフォ。陰ながら応援しているぞ?」

 

「う、うん。頑張る!」

 

何とかなりそう…か?

 

 

 

 

 

==================================================

 

 

 

 

 

「…とりあえず、俺から説明するぞ。サンタクロースってのはな―――」

 

俺はホワイトボードを使って、サンタクロースを軽く説明をする

 

「…ふむふむ。赤白の服と白いお髭の、プレゼントをくれるお爺さん、と。ああ、それで私ってばこういう服なのね。お髭はないけど」

 

「うんうん。歴代サンタクロースとの交流で何か掴んだな?」

 

「ど、どうかしら。トーマの説明で辛うじて…。でもそうね。皆、何だか楽しそうだった気がするわ。私も、最新のサンタとして恥ずかしくないように、一人前のサンタにならなくちゃ。でも…うーん。私、出来る事と言えばお料理だけよ?」

 

「竜種を素手で捕まえたり…しないか」

 

『大元は別なのに、何気に危機感を感じる気がするのは気のせいか…?』

 

お前も一応は原初のドラゴンっつー立ち位置もあるだろ?多分それが原因かと

 

『あー…(納得)』

 

「ドラゴン!?無理無理、そ、そんなの無理よう!あ、でも聖女としての私はそういう聖女なのよね…。何だか別の人の事みたい。不思議。…サンタクロース。赤と白の服の何だか凄いお爺さん。お髭はなくても、プレゼントを用意したり配ったりはしなくちゃよね。でも私、そんなの到底できそうn「いや、諦めるのはまだ早い!」

 

「その声!」

 

声がした方を見ると、カルデアキッチン組がいた

 

「料理が上手くてなぜいけない!?汝に聖夜の資格あり!クリスマスと言えばプレゼントかもしれないが、何か忘れていないかね?クリスマスと言えば()()()()()だ」

 

「そうそう。はい、パーティーに必要なのは何かな~?」

 

マルタは思いつく

 

「ご馳走!ご馳走だわ!パーティーには、ええ、とっておきのご馳走が必要よね!」

 

「ワンダフル解答にキャット悦び炬燵が回る。雪やこんこん、庭バーベキュー。うむ。クリスマスも正月も、料理が出来れば大体の事は解決なのだな。見ればサンタマルタ、カルデアでも珍しい、お料理に特化したタイプの霊基!それなら何の心配もいらないワン!」

 

「そーゆー事!とっておきのご馳走を用意したパーティーだって、立派なプレゼントだよ。違う?」

 

ご馳走か…。パーティーが終わったら、なのイリヤにもあげようかな

 

「だそうだ。さあ、どうするサンタマルタ」

 

「…ええと、ええと」

 

「思ったままを言えばいいと思うぞ」

 

「うん―――うん!プレゼントを皆に用意するのは難しそうだけど…。お料理…、ご馳走…、それなら、私にもできるかも!全力で美味しいご馳走を作って!パーティーを成功させる、って事なら!うん!私、やってみるわ!と思ってみたのだけど…。ど、どうかしら…?」

 

「いいんじゃないか?」

 

「えへへ!」

 

「カルデアのサンタは千差万別、多種多様な存在だ。中には、料理好きなサンタクロースがいてもいい。僭越ながら私達も力になろう」

 

「ありがとな、サンタム」

 

「フッ、やめてくれないか。今回はあくまでプライベートでね」

 

「実はあたし達も丁度、クリスマスの献立どうしようって話してた所さね。協力するよ。厨房は丁度、紅閻魔ちゃんがいてくれてるしね」

 

「私はもっぱら根菜専門だが、それでよければ力になりましょう。聖なる乙女よ。レディ・キャット、貴方はどうです?」

 

「パーティーの準備と聞けば即ワンパン!肉球同時押しでキャットドライブ発動ときた!」

 

「…!皆さん!」

 

「おっと、そうだ。パーティー料理の献立、既に一つは決まっているな」

 

「お、何々?」

 

「マッシュだよ!ポテトでも何でもいい、マッシュだとも。ガウェイン卿の得意分野だ!」

 

パーシヴァルは歯を見せながら言う

 

「あはは。まあ、いいんじゃない?」

 

「はっはっはっはっは」

 

「目が笑ってないぞパーシヴァル卿。よーし、それじゃあ早速準備と行こうかワン?」

 

「地下倉庫で食材を見繕う、か?」

 

「私に任せろ、ふっふっふ。お前達が姿を見せた辺りで…。こんな流れになりそうだな、と思ったので既に準備をしておいたのだ」

 

や~なよか~ん…

 

『それってまさか…』

 

「うん。つまりだな。我がルーンを用いて、地下の食料保管庫を()()()()()()()()()のだ!」

 

「活性化ってまさか…」

 

「ふっふっふ。カルデア地下の食料保管庫は…。我がルーンによって活性化し、固有結界に似て非なる異常空間と化している。待ち受けるのは新鮮な食材達!さあ、サンタクロースと仲間達よ。征くがいい!人跡未踏の食料保管庫各エリアを巡り、最光の食材を手に入れて…、パーティーのご馳走を、完成させるのだ!」

 

スカディは凄く良い事したつもりだが、一つ言いたい…

 

「トリコかよ!?」



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

繋がる、第一のエリア。

ポケモンにハマって2か月くらい…
ようやく投稿です!


~食堂~

 

キッチンにいる紅閻魔に事情を話す

 

「―――事情は大体分かったでち。厨房はあちきに任せておくとよいでち。頼光様も捕まえておくので、問題は無いでち。生憎、クリスマス料理は閻魔亭でもまだサービス開始したばかりなので、コツを伝授する事は出来ないのでちが…。きっと楽しい一日になるでちょう。見事な感性、楽しみにしているでちよ、マルタ」

 

「はいっ!」

 

「食材集めが些か面倒になっているようだが…。まずは、メニューからかな」

 

「そうだねえ。ここは一つ、マルタに決めてもらおっか。ねえマルタ。パーティーに何を作りたい?」

 

「マッシュについては心配要らない。私がジャガイモをマッシュしておくからね」

 

何で円卓はいつもこうなんだ?

 

「うーん、うーん。そうね…。さあご飯だーっていう前に、皆で軽く摘まめるものが欲しいわね」

 

「んー、前菜かな?」

 

「お菓子という手もあるワン。カルデアには子供や子供っぽい英霊もちらほら棲息中」

 

「お菓子とお茶でまずは一息か。早めに集まる子は多そうだし、いいんじゃない?」

 

「折角だ。クリスマスに縁のあるモノがいい。例えば…そう、シュトレンはどうかな?本来は寝かせる時間が必要だが、そこは魔術で誤魔化す事もできる」

 

「ああ、いいね。シュトレンなら子供達も喜ぶだろう」

 

シュトレンか。小さい時は丸々一本食ったな、普通にうまかった

 

『一本丸々のカロリーって、相当ヤベーみたいだぞ』

 

うわマジか

 

「いいわね、シュトレン!美味しいのよね…。って、あれ?具体的にどういうのだったかしら?この霊基のせいかモヤっとしてるわぁ。自分の時代の事以外、実感ないっていうか…」

 

「面倒な霊基になっちゃったわねえ。よしよし」

 

ブーディカはマルタの頭を撫でる

 

「…!(弟妹の面倒ばっかり見てたから姉気質が染み付いてたけど…何だか…。大人にこうされるのも、何て言うか…。たまには…)」

 

何か、微笑ましいな

 

『トーマの口角が軽くだけど…、上がってるだと…!?』

 

お前、俺の事何だと思ってんだ?

 

『笑顔だけ不器用な小説家』

 

本ッッッ当に失礼だな!

 

「はわ!」

 

マルタは慌ててブーディカから離れる

 

「ト、トーマ?何か見た?見ちゃった?見たの?見てないわよね。見てないって言って。言ってくれたら嬉しいなあ」

 

「俺はレシピ本を見てただけだが?」

 

俺はわざと惚ける

 

「ほっ。うんうん、それでこそ!ええと、勘違いしないでね?背は縮んじゃったけど私は私、マルタです。貴方にとっては頼れるお姉さん役。OK?」

 

「返事の良いOKしたらズドンと来そうなんだが…、まあ分かったよ」

 

「?」

 

「なーにをこそこそ話してるのかな~。シュトレンの話、続けていいかな?」

 

「ザックリ説明は俺がやるよ。シュトレンは、ドイツ生まれの菓子パンだ。パーシヴァルなら分かるんじゃないか?」

 

「あるような無いような―――少なくとも、この霊基はシュトレンを知っているよ」

 

「うん?」

 

「パーシヴァルはブリテンの騎士だけど、伝説はドイツに馴染み深いから多分それ」

 

「知名度もドイツの方が高いのでは?フランスにおけるランスロット卿と言っても過言ではない。その辺り、トーマ程ではないが私は詳しくてね」

 

「分かるような分からないような…。まあでも、言わんとする事は分かったわ。トーマは高校生だけど、書店で働いている、みたいな事ね!」

 

「うーん、惜しい!」

 

「そういう事にしといて」

 

ぶっちゃけ俺もよく分からん

 

「え~そう?ともかく。まずはシュトレンでいく、かな?」

 

「ええ。丁度よさそうだし、シュトレンで決まり!よーし、それじゃあ!美味しいシュトレンを作りましょう!」

 

「「「「おー!」」」」

 

「話はまとまったでちか?シュトレン…ふむふむ、こういう料理でちか。あちきも楽しみになってきまちた。皆ちゃん、気を付けて行ってくるんでちよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~地下食料保管庫~

 

やってきました地下食料保管庫!

始めて来た時は火炎剣烈火を置いてきたから凄く寒かったし、ラブコフ連れてこなくて正解だったわ。

まあ、今は忘れずに持ってきてるけどな

 

「地下食料保管庫にご案内~」

 

キャットは走り回る

 

「キャット落ち着く!キャット!ともかく地下食料保管庫!厨房、ひいては人類史にとっての生命線!地下菜園もあるけど、やっぱり本命はここだよねえ」

 

「その通り。だが…、スカサハ=スカディのお陰で妙な事になっているようだな」

 

「こんなに奥行きないもんね、普段は。あはは。広い広い」

 

「そして寒い!サムゥーイ!あまりの寒さに躍動が止まらない!見てほしい、ニンジンも無しでこの加速!電動モーターフル回転だワン!」

 

「あっそうか、あなた猫なのよね。それじゃ寒い所はあまり「何の、キャットは犬属性の狐。ご主人様が北極に単身赴任しても尻尾は弾むぞ?」ええと…つまり…?」

 

「なに、感じるだけで済む事だ」

 

コイツもトンチキに近い存在だと俺は思うな

 

「…か…感性の存在って事ね?そういう事でいいのね?」

 

「はしゃいでいるだけだろう。この程度、サーヴァントにはさして意味も無い。寧ろトーマが心配だ。防寒対策はしているかね?」

 

「火炎剣烈火があるから大丈夫だ」

 

火炎剣烈火を見せる

 

「地下倉庫は元より低温状態だが、この様子は妙だ。普段よりも温度が下がっている。いや、下がり過ぎている。トーマ、油断しないように。いかにも危うい雰囲気だからね」

 

正面にエネミーがいた

 

「わっ。何かいるわ!」

 

「聖女殿。私の後ろに」

 

「スカサハ=スカディの使い魔、と言う訳ではないだろうが敵性反応だな。我々の出番のようだ。蹴散らすぞ!」

 

「了解!」

 

「冷凍マグロを…捌く!」

 

「俺らも行くぞクリム、サーゼクスからこっそりパクったプロトタイプのドライバーを使うぞ!」

 

『バレたらドヤされる未来が見えてらぁ…』

 

腰に赤いデモンズドライバーを装着し、懐からバイスタンプを出す

 

カブト!

 

カブトバイスタンプをパッドに押印する

 

DEAL...!

 

そしてアーキオーインジェクターに押印する

 

「…変身」

 

金色のカブトムシがドライバーから現れて俺の周囲を旋回し、同時に赤い目がついた赤黒い闇が出現して俺を一気に吞み込む

 

BANE UP! 破壊!(BREAK) 世界!(BROKE) 奇々怪々!(BROKEN) 仮面!(RIDER!)ベイル!

 

俺は仮面ライダーベイルに変身する

 

「うわ~何か悪役らしいな…」

 

「じゃ、じゃあ、私は皆の為にご飯を作るわ!腹が減ってはなんとやら、って貴方の故郷では言うのでしょう?」

 

「いやまあ確かに言うけど、ここで料理するのかよ」

 

ふむ、変身するとシグルド(津田健次郎)の声になるのか*1

 

「作っちゃうの!タラスク、タラスクおいでー!」

 

タラスクがキッチンカー仕様で来る

 

(姐さん!)

 

「おお、今回はこういう仕様か」

 

「皆が頑張れるようなお料理を作りたいの!力を貸して、タラスク!」

 

(うっす!)

 

さて、俺もやるか!

 

「仮面ライダーベイル。ライダーバトル、メイクデビューだ!」

 

『ウマ娘かよ』

 

おっきーとくろひーがやたら勧めてくるから、試しにやったらハマっちまったんだよ。

初回のガチャでマンハッタンカフェ来たし。

ちなみに俺が普段着てる礼装は、そのカフェの勝負服を元にしてる

 

 

 

 

 

==================================================

 

 

 

 

 

他のサーヴァントが倒す中、俺はパンチの衝撃波でエネミーを倒す

 

「…こんな所か」

 

「ふぅ…」

 

俺は変身解除する

 

「皆、バトルお疲れ様。お料理できてるから、食べていってね!お姉さん、腕によりを掛けました!」

 

見ると、マジで料理が出来てた

 

「わ。ホントにお料理できてる!凄い!」

 

「もぐもぐもぐもぐ(もぐもぐもぐもぐ)ほう…中々の味…例えるなら、そう…少年漫画雑誌には必ず一つあるジャンル…。何故か頻繁に対決するアレ…」

 

「食戟のソーマか?」

 

「うむ!そんなエキサイティングな味がする!」

 

「これは中々。オーブン搭載とはやりますね、タラスク」

 

(えへへへへ)

 

俺も料理を食う。

ここにインフェルノがいたらモンハンの話してただろうな

 

「よしよし。ありがとね、タラスク」

 

突然、空間が歪む

 

「お?」

 

「前方の空間が歪んでいるな。これは…」

 

『我がルーンの影響だな。より最適な場所にお前達を導いてくれるぞ』

 

スカディから通信が来る

 

「それはいいねえ。って、アンタがここを改造したんでしょーが」

 

『そうだぞ?何か問題があるか?』

 

「全く悪びれていない…。ランサーのスカサハを思わせるな…」

 

全くだ…

 

『トーマさん、聞こえますかトーマさん』

 

『ラブラブ!』

 

「マシュにラブコフ、管制室にいたのか」

 

『はい。マシュ・キリエライト、こちらからトーマさん達のサポートを行います!と言っても、スカサハ=スカディさん曰く、通信が繋がるのはこの辺りまでで…。ここから先の領域は、固有結界に似て非なる領域と化しているそうで、管制室からのサポートは行えないようです。すみません…』

 

『なので、現地にはナビを配置しておいた。まずはナビに会うのだぞ』

 

「ナビ?」

 

『会えば分かる。では、元気に行ってくるがいい!』

 

俺らは歪みに入る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~雪原~

 

歪みに入った先は雪原だった

 

『どこか見覚えがあるな…』

 

「あー…、やっぱクリムも?」

 

「何だか綺麗な所だね!でも、相変わらずちょっと寒いわね?ちょっとで済んでるのが変な感じ」

 

「それがサーヴァントというものだ。さて―――我々は招かれざる客のようだ。前方に魔力反応!」

 

前からエネミーが来る

 

「さっきの氷の獣?」

 

「や。今度は二足歩行みたいだね。―――来るよ!」

 

「総員、戦闘準備!」

 

<カブト!>

 

「変身!」

 

BANE UP! 仮面!(RIDER!)ベイル!

 

俺はまたベイルに変身する

 

「承った!先陣を切るぞ!」

 

 

 

 

 

==================================================

 

 

 

 

 

ゴーレムを倒すと、中からドライフルーツが出てくる

 

「お菓子ゴーレム、撃破!クッキーの中からドライフルーツとは!きのこパイに似た歓びを、アナタに。これはネコも止まるまい。もぐもぐ」

 

「いや、食うなよ」

 

『というか、食材が自律的に行動できるとはな』

 

「新鮮な食材が待ち受ける、と言うからどういう事かと思ったが…、なるほど。食材がエネミーとして活動する領域か。この辺りのエネミーを倒して回れば、シュトレンの食材は確保できそうだ」

 

「おっと、お待ちを!お菓子ゴーレムを構成する食材は、確かにシュトレンにバッチリ向いているかと。ですが!」

 

「お」

 

「おお」

 

ん?

 

「あら、サーヴァント反応?」

 

「せっかくですので、一番美味しいレアゴーレムを探してはいかがでしょう!おほん。もとい、一番美味しいレアお菓子ゴーレムを探しては!いかがでしょうか!」

 

「スカディが言ってたナビってガレスだったのか」

 

「えへへ、私です。廊下を歩いていたらお声掛けいただきまして、御役目を仰せつかりました!」

 

「…素晴らしい。素晴らしい!淑女の願いを果たす事は騎士道の本懐!英霊となっても騎士の礼儀あり!それでこそ円卓の騎士ガレス!私は感動している。ああ、ガレスの力を借りられるなら百人力だ」

 

「お、大袈裟ですよパーシヴァル卿!たまたまお声掛けいただいただけなのでーっ!」

 

満更でもなさそうだな

 

「でも、はい。やるからにはしっかり努めますっ。ガレスにお任せください皆様!」

 

「よろしくな、ガレス」

 

「はいっ。ここは、お菓子やケーキの特別食材エリア!並み居るお菓子ゴーレムは全て食材なのですが、その中に一体だけ、特別に美味しい…一番レアお菓子ゴーレムが存在するのです。ですので、ここは一つお任せください。ガレスがご案内いたします!」

*1
声のイメージはアフリカのサラリーマンに出るトカゲ



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

邂逅する、お菓子のゴーレム。

来週出る(8月4日現在)ジュウガ、とりあえず異星の神との最終決戦で出そうかな。
神器で異星の神の霊基の一部を奪って、ドライバーが変化した…的な


俺らは雪原を歩く。ちなみに俺はベイルに変身したままだ

 

「こっちです!足元、気を付けて下さいね。お手を。レディ」

 

「ありがとう、騎士さん。そんなに重そうな鎧を着て、大丈夫なの?」

 

「ガレスは鍛えていますので!ご心配なく、レディ」

 

重そうな鎧って、俺の禁手化にも言える気がするんだが…

 

『あれ、ああ見えてそんなに重くねえぞ』

 

む、言われてみれば…

 

『まあ、鍛えてて分かんなかったのかもな』

 

鍛えてもスタミナがなけりゃ意味ないんよ

 

『最長3分だもんな』

 

今はスタミナをメインに鍛えてるから、戦える時間は伸びつつあるぞ

 

「淑女を守る事も騎士の使命の一つ。立派な騎士ぶりだ、ガレス」

 

「そんな事は…!」

 

「ナビとマルタの相性は良いようだ。しかしまさか、サーヴァントを雇っていたとは」

 

「まあ、そうだよな」

 

「手際がいいと言えばいいんだろうけど、食材をポンと目の前に用意してはくれないってのが、世の中そんなに甘くないっていうか、女王様の厳しさっていうか」

 

『それな』

 

「サービス精神旺盛なのも困ったものだワン。それはそうと度々の衝動ですまないのだが…。このロケーション!駆け回らねば!キャットの沽券に関わるワン!」

 

キャットは駆け回り始める

 

「あ、ちょっと!キャットー!…行っちゃった」

 

「犬としての属性による影響だな」

 

『いや、その理屈はおかしい』

 

じゃあ、どう説明しろってんだ

 

「名前には相反しているが、語尾には合っているのがまた混乱の元だな…」

 

「でも、彼女が走って行った先は間違ってません。目指す場所もあっちです!レアお菓子ゴーレムは、このエリアの果てで瞑想しています」

 

「瞑想?」

 

「なんでも、自分の美味しさを極める為とか…?」

 

「?」

 

ここに巴がいたら「特攻と特防を1段階上げる技」って言いそうなのが否定できないな…。

そういや、ポケモンでジャックとバトルしたって言ってたな。

ジャック本人はポケモンは知ってるけどやってないって言ってたから、恐らくなのイリヤの所のジャックだろう

 

『ポケモンで思い出したけど。アイツ、「ノッブとアルトとバトルした事がある」とも言ってたな』

 

ノッブとアルト?…ああ、アスモデウスの騒動(スーパーヒーロー戦記)にいたオーマジオウと黒く禍々しいアークワンか。

その話も聞いたな。何でも、アルトの手持ちが「ミカルゲ(アーク)ムゲンダイナ(ボーティガン)ポリゴン2(べんざカバー)ザシアン(アーサー)ドヒドイデ(メイプル)キュウコン(ギーツ)」らしい。

ノッブの手持ちは「ロズレイド(オペラオー)ガブリアス(イナリワン)ミロカロス(カレンチャン)ルチャブル(エル)ディアルガ(ダイヤちゃん)ネクロズマ(キタちゃん)」みたいだ

 

『しかも、後者のポケモンの名前がウマ娘の名前なんだよな…。おまけに、一部のポケモンに名前がゲームやアニメの名前だし…』

 

アイツら、元気にしてるかな…

 

『元気にしてるだろ』

 

今度、千里眼(アルセウスの目)で見てみようかな

 

「求道者じみてるな…。どういうセッティングなんだ…」

 

「てか、レアお菓子ゴーレムが瞑想って何なんだよ…」

 

「食材エネミー…エネミーというと物騒ですが、要は食材に自己防衛機能を備えたモノだそうです。許可がある者が近づけば、自然に食材に戻る筈です」

 

「は?」

 

『さっきのエネミーは襲ってきたが?』

 

「!?スカディ殿に聞いたのと違うような…あれ?」

 

本来は襲うタイプじゃなかったのか

 

『この反応から見るに、そうみたいだな』

 

そこにお菓子ゴーレムが来る

 

「噂をすりゃお菓子ゴーレムか」

 

「あ、ゴーレム殿。こちらのマスター達は許可済みの方々なので、食材に戻ってもらって大丈夫ですよ。…ゴーレム殿?」

 

ガレスはゴーレムに近づく

 

「ガレス。私の見た所、それ以上近づくのは避けた方がいい」

 

「あれ?ガレスの声、届いてません?ゴーレム殿?」

 

ゴーレムは動き出す

 

「敵性反応ありかな!やっぱり襲い掛かってくるねえ、これは!」

 

「戦闘態勢!キャット君…はいないか。トーマ!」

 

「マルタは下がってろ!」

 

「お料理作っておくわ!」

 

「お願い!それちゃんと美味しいし!何だかんだであっちにダメージ行くみたいだから、こう、イイ感じ!」

 

「えへへ。私、頑張るわね!」

 

…俺も、自炊してみようかな

 

『前はセラフォルーのパワハラ擬きで徹夜続きだったけど、今なら出来るな』

 

レシピ本、家にあったっけ?…いや、エミヤに教えてもらえばいっか

 

 

 

 

 

==================================================

 

 

 

 

 

俺らはゴーレムを倒す。ふぅ、ちょっと疲れてきたな…

 

「さて、二度目の食材先頭からしばらく経つが…。近くにサーヴァントがいるな。キャット君か?」

 

「おーい、こっちだワン!なるほど味の差!こっちに座禅を組むお菓子ゴーレムがおる。十中八九、噂のレアエネミーとみた!」

 

キャットが俺らを呼ぶ

 

「座禅とは東方の確か…?」

 

「瞑想の一つだ。特殊な状況とは言え、ゴーレムが座禅って…」

 

『食材なのにゴーレムなのか、その問いに向かい合ってるのか…?』

 

「む…見えてみた。ねえトーマ。あれじゃないかな、雪原の真ん中で背中を向けて…。あっ、立ち上がって…振り向いた!」

 

「こちらに来るか?いや、その場に立ったまま―――」

 

「来たか。我は孤高のレアゴーレム。美味たらんとして遂に大悟へと至ったモノである」

 

「やはりか!」

 

うーん、柳生宗矩っぽいな

 

『言えてる』

 

「我が美味、もはや天に届く。聞けばクリスマス料理の食材を欲しているとか。ならば我こそが相応しい。料理人達よ!」

 

「は、はいっ」

 

「その覚悟を見せよ!覚悟充分であれば我が食材を料理せよ!だが!その覚悟不充分であれば!―――雪原に、お前達は散るであろうー!粉砂糖のように!パウダーシュガーのように!」

 

「やる気満々だアレ!」

 

「見事な名乗りであった!であれば、我らも騎士として応えねばならない!ガレス!貴公に任せよう!」

 

「はいっ!レアお菓子ゴーレム殿!!事情定かならざるもその挑戦、受け取らねば礼を失する!我らカルデア、全霊で以って、お応えしましょう!クリスマスパーティー成功の為、その美味の食材を受け取らせていただく!―――いざ、勝負です!」

 

 

 

 

 

==================================================

 

 

 

 

 

ベイリングインパクト!

 

「オラァァァァァァァ!」

 

赤黒いエネルギーを纏ったストレートでトドメをさす

 

「ふぅー…、はぁー…、ぜぇ…」

 

結構疲れてきた…。俺は地べたに座る

 

「見事…」

 

「そちらこそ、見事な戦いぶりでした。レアお菓子ゴーレム殿。それにいつの間にか馳せ参じていた、その他のお菓子ゴーレムの皆様!」

 

「完敗だ。我の食材を持っていけ」

 

「いいバトルだったぜ…!しっかし、羨ましいぜレアの旦那!クリスマスのパーティーに使ってもらえるなんて、さすがはオレ達のヒーローだ」

 

「日常の食料、おやつ、非常食、それにパーティー料理。オレ達の食材の望みは様々だが、オレは中でもパーティー料理志望でね。だが旨さは並だってんだから…」

 

マルタはゴーレムを掴む

 

「!?」

 

「食材ゲット!お菓子ゴーレムの食材、みんなちゃんと使わせていただくわ。皆、とっておきのシュトレンにしてあげる。お姉さんに任せて!」

 

「お嬢ちゃん…いいのかい?」

 

「もちろん。気持ち、大切だものね!」

 

「イイネが止まらん…。ハートフルな光景に唸る肉球スタンプなのだな」

 

「いい話っぽい雰囲気だけど、良かった…のかな?これ?」

 

「過程が何であれ、別にいいんじゃないか?」

 

「そっか!」

 

(とはいえ…。実際には、疑似人格以前の単なるプログラムだろう。無生物に疑似人格を付与する事は可能だが、術式以前に、人格のベースとなる魂なりが必要となる。スカサハ=スカディといえど、流石に魂までは使用していまい。しかし―――まあ、解説するタイミングは今ではあるまい。それこそ、気持ちの問題だ)

 

「まずは第一の食材、ゲットー!」

 

「一件落着だワン!」

 

「してないしてない。一件目が落着、ぐらいかな?」

 

「私のナビはここまでですが、次も頑張ってくださいね。しかし…何故、食材が襲って来るんでしょうね?」

 

「やっぱ仕様とは違うんだよな?」

 

「スカディ殿、戦闘の危険はないって言ってました。散歩のつもりで案内すればいいよって」

 

「おや。もしや北欧の女王は、散歩と武者修行を混合している?」

 

そんなんあってたまるか

 

「いやいやいや。そんな、ランサーのスカサハじゃあるまいし」

 

「確かめてみる必要があるな。まずは帰還するのがいいだろう、トーマ」

 

「それもそうだな」

 

俺は立ち上がって手を叩く

 

「はーい、撤収するよー」

 

「「「「了解!」」」」



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

繋がる、第二のエリア。

私はマルタ

ただのマルタ

お姉さんのマルタ

弟妹たちのことが大好きなマルタ

え?嫌いなもの?

嫌いなものはなんだろう

徴税人?

ほら、お父さんの機嫌が悪くなるから

でもそうね、他にはあんまり…

好きなものなら色々言えるわよ!

竈が好き

竈の匂いが好き

火を入れる時の『やったね』って感じが好き

それに、何よりね?

完成したお料理を振る舞った時の…

みんなの顔を見るのが

大好き!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~ナレーションサイド~

 

トーマはテーブル席でコーヒー飲みながら高速でドラゴゼノンの執筆する一方、キッチン組はシュトレンを作ってる

 

「スゲーいい匂いがするな」

 

「ん、いい匂い」

 

そこに、食堂にヴァーリと、なぎこさんの影響でパリピ気味になってるオーフィスが入ってくる

 

「クリスマスパーティーの準備してて、今はシュトレン作ってるぞ」

 

「パーティーの準備、マジテンアゲ!」

 

「何でだ?」

 

「実は…」

 

ヴァーリとオーフィスに説明する

 

「マルタが今年のサンタ枠で、スカディからの試練か…。面白そうだな」

 

「アタシも手伝いたい」

 

「食糧保管庫は寒いけど、オーフィス行ける?」

 

「大丈夫だ、問題ない」

 

オーフィスはドヤ顔で親指を立てる。

2人は(不安しかねぇ…)と思った。

一方、キッチン組はオーブンからシュトレンを出す

 

「焼き上がったわ!ええっと、それで、熱々の内に表面にバターを塗って…」

 

「冷めたら全体に砂糖をまぶす。今回は魔術で急速冷凍するとしよう」

 

「冷めたところにお砂糖っと」

 

「ここは景気よくまぶしちゃおう!とーうっ!」

 

「わっ、わっ。そんなに…!贅沢ぅ!でもいいわ、思い切りまぶしちゃう!当世って凄いのね!」

 

「そう。調理器具はお金をかければかける程ヤバイ。あと白物家電の進化もヤバい。台所を預かる者達よ。常に最新の調理器具をチェックしておけ。時間は金では買えぬが、手間は金で短縮できる。空いた時間で快適なキッチンライフなのだぞ?」

 

「(この猫さん、もしかしてとても頭がいいのでは…?)じゃなくて。ええ、これでひとまず―――完成~!」

 

「見せて見せて!」

 

オーフィスはシュトレン見たさにキッチンへ行く

 

「見事なシュトレンだ。エミヤ殿の指導とはいえ初めてでこの出来とは、お見事」

 

「凄く美味しそう」

 

「先生がいいからよ。エミヤ先生、ありがとう!」

 

「何、ある意味プロに教えているようなものだ。多少のアドバイス程度で彼女には充分だ」

 

「ふふふ。褒めるのもうまいんだねえ、先生?」

 

「何の話かな?」

 

「シュトレン完成お見事。はてさて、次はどうしたものか?」

 

「そうね。いよいよ、お食事のメニューを考えてみましょう。気になるのはやっぱり食材よね…。ここって。お肉は何があるの?新鮮なお野菜は採れる?難しい?」

 

「食材に関しては、一通り揃うと思って構わない。余程の希少食材でなければな」

 

「ふっふっふ。聞いて驚け見て震えよ。何でもあるワン!」

 

「何でも!?」

 

「そうそう。現代の科学と魔術の融合ってヤツ!お野菜、どれもこれも新鮮なんだから。葉野菜に根菜に…。あ、トマトもあるわね。トマト」

 

「トマト…。あ、知らない食材なのに知ってるわ!赤くて瑞々しくて、ちょっと酸味のあるアレね!」

 

夏の日のトマトはうまい。異論は認めん

 

「もちろん芋とニンジンも在るとも!」

 

「いいわね、いいわ。とってもいいわ。新鮮なお野菜があるならサラダが作れちゃう。よーし行きましょう!サラダの食材確保!」

 

マルタは少し考える

 

「皆は、苦手な食べ物ってある?」

 

「俺は何でも食うぞ」

 

「アタシは無い」

 

「セラフォルーが苦手…、というか嫌いだ。食べ物に関しては…、考えた事なかったな…」

 

※3人に苦手な食べ物は無し

 

「偉いわ三人共!こっちにおいでおいで」

 

マルタは3人に頭を撫でる

 

「よしよし。好き嫌いがないの、偉いわ!お姉さんが褒めてあげましょう」

 

「何か、慣れないな…」

 

「こういうの悪くないかも…」

 

「ったく、こっちは書いてる途中なんだけどな…」

 

トーマはそう言ってため息をつく

 

(うんうん。やっぱり私にはこっちが落ち着くわ。たまには自分がされるのもいいけど…。私、お姉さんだものね!それに―――)

 

「それでこそカルデアのマスター、たくましく育ってほしい。特異点修復のさなか、木の根や草や虫をモリモリ食べてきた猛者だけはある!」

 

「木の根…、草…、虫…。そ、そうなの?」

 

「へ?アタシはそんなもの食べてないけど?」

 

「「お前は何を言っているんだ」」

 

「そう?本当の本当は苦手なものがあったりしない?旅の途中で苦手になったものとか…。もしそうなら、お姉さんに言いなさいね」

 

「苦手な食材、抜いてくれたりか?」

 

「食べられるようになるまで付き合います!とことん!あ、アレルギーとかあったら別ね?」

 

「ふむ、成る程。アレルギーの概念は理解しているのか」

 

「ね。ちょっとびっくり。お料理するなら当世じゃ必須だものね。うんうん」

 

「では、次は野菜の確保で構わないな?」

 

「「「「「「おー!」」」」」」

 

「では、いざ出発―――の前に!スカサハ=スカディ!」

 

スカディに通信する

 

『うん?こちら管制室の私だが、何か用か?』

 

「もちろん用があるとも」

 

「さっき、ガレスちゃんから聞いたわよ。本当は食材が襲ってくるはずじゃないって話。実際は随分な勢いで襲ってきたじゃない?どういう事なの?」

 

『うん。どういう事だろう?』

 

「ふざけてねえよな?」

 

『ふ、ふざけてなどいるものか!状況そのもの(シチュエーション)を凝ってはみたが、それだけだ。普通に地下へ行くより楽しいかと思い…、工夫してみただけなのだ。何故、食材が自立行動している上に、暴れ回るというのか…。何故だろう…?』

 

『原初のルーンが、意図しない挙動をしているという可能性はありませんか?』

 

『ない…。と言いたいところだが、現状を見るとな』

 

『では、こちらで原因を探ってみましょう。ご協力お願いします』

 

『もちろんだ』

 

『ありがとうございます』

 

通信は切れる

 

「さて。管制室での調査結果を待つ、という手もなくはないが…。多少の荒っぽさを許容できるなら、引き続き、実力で食材を確保する事も出来る」

 

「もちろん後者で行くわ!立ち止まってなんていられないもの。さあ、行くわよ!」

 

((ルーラーのマルタに近いな))

 

「行くわよー!」

 

「「「「「「おー!」」」」」」

 

『珍しいなトーマ、今回凄い速さで執筆してる』

 

(何か今日は調子がいいからな。このまま書き終わらせる)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~地下食糧庫&ヴァーリサイド~

 

俺らは地下食糧庫に着く

 

「で、前回と同じく…」

 

例の如く、霜が立ち塞がる

 

「ははははは。評決エネミーが行く手を立ちはだかる、と!生前にも幾らかの怪異と戦いましたが、氷の獣というのは目新しい、槍持つ手に力が入る。当世の地下倉庫と言うのは実に、滾る!」

 

「違うからね?普通はこういうの湧いたりしないからね!ええい、立ちはだかるからには斬って捨てて進むわよ!氷、食材としてはそんなに沢山いらないしね!」

 

「ほう。氷をどのように食材に?」

 

「そのまま削ってかき氷とか、ああ、強いお酒を氷で割るのもいいわよー」

 

「ふむ…」

 

「よ、よーし、私もどんどんご飯作るわよー!タラスクー!」

 

マルタが呼ぶと、タラスクが来る

 

(うっす!)

 

「おお、キッチン仕様のタラスクか」

 

(スーパータラスクと呼んでくれ!)

 

「しかし改めて思うに、戦闘の度に料理を作るとなると―――」

 

「あーそうね確かに、あたし達些かカロリー摂取過多かもね!でもほら、英霊だし!」

 

「だーいじょうぶ!心配いらぬワン!野生はいつも育ち盛り(ハートフル)、いっぱい作ってくれるなら…。いっぱい食べるぞ!」

 

「キャット先生の頼もしいお言葉!」

 

「その通り!たくさん作って、たくさん食べる。ヴぁ―地とオーフィスも他人事の顔をしている場合じゃないぞ?さあ―――食事の時間だ!」

 

「マルタが戦えば戦うほどそうかもだけど、言い方どうにかなんなかったのか?」

 

「よーし、やるわよー!」

 

バット! CONFIRMED!

コブラ!

 

スタンプをドライバーにセットする

 

Eeny, meeny, miny, moe♪ Eeny, meeny, miny, moe♪ Eeny, meeny, miny, moe♪ Eeny, meeny, miny, moe♪ 

What's Coming-up!? What's Coming-up!? What's Coming-up!? What's Coming-up!?

 

「「変身!」」

 

VERSUS UP! MADNESS! HOPELESS! DARKNESS! バット! HAHA! 仮面ライダーエビル! イヤーッハッハァ!

LIBERAL UP! Ah Going my way! 仮面ライダー!蛇・蛇・蛇・ジャンヌ~!

 

2人はジャンヌとエビルに変身する

 

「今日はエビルにしたんだ」

 

「これでかき氷にしてやるよ!」

 

 

 

 

 

==================================================

 

 

 

 

 

コブラ!スタンピングスマッシュ!

必殺承認! バット!ダークネスフィニッシュ!

 

2人の必殺技で氷を一掃して戦闘終了する

 

「…できあがり!」

 

「そして戦闘終了なのだな(モグモグ)」

 

「美味しいねえ(モグモグ)」

 

(モグモグ)

 

「手が止まらないな(モグモグ)」

 

「それな(モグモグ)」

 

空間に歪みが発生する

 

「空間の歪みが見えるな。前回と同じく、エリアが切り替わるのか」

 

『その通り。ルーンの導きだ』

 

「導きって…よく分かってない癖にそう言っちゃうんだ?」

 

『よく分かっていないからこそ、導きという事にしておきたい気持ちがある…。…すまぬ』

 

「まあいいさね。さあ、第二の食材エリアだ!」

 

「行くよ!」

 

「ええ!」

 

『行ってらっしゃい、ヴァーリさん!オーフィスさん!』

 

『ラブラブ~!』



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

邂逅する、野菜室の主(ベジタブルキング)

~引き続きヴァーリサイド~

 

歪みに入ったは吹雪のエリアだった

 

「こら寒そうだな…」

 

「地下倉庫の一部が変質してるなら、見た目がどうあれ基本は寒いんじゃない?地下倉庫、基本的に冷蔵みたいなものな上に、今はルーンのせいかすっごく寒いし」

 

キャットは走り回り、オーフィスは雪像を作って走り回る

 

「キャットにオーフィス!?」

 

「サムゥーーイ!」

 

「雪像作り放題じゃん!」

 

「凄い勢いで走ってる!」

 

「まーた走り回りたくなったのね…、キャット」

 

「オーフィスはオーフィスで、ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲を持って走り回ってるし…。それはそれとして、完成度たけーなオイ」

 

「かんら、から、から!元気がよくて結構、冬はそうやって楽しまねばな!」

 

「その声は、鬼一師匠か」

 

「正解だぞ!流石はいずれ養子か嫁になる男だ」

 

「お嫁さん?」

 

脇にキャットとオーフィスを抱えた鬼一師匠とブラダマンテが来る

 

「よーし、よしよし。あんまりはしゃぎ過ぎると転んで怪我するぞ」

 

「ゴロゴロゴロゴロ…」

 

「はーい」

 

「ナイスキャッチです、鬼一法眼様。そしてようこそいらっしゃいました、皆さん!お野菜エリアのナビ担当を務めます、ブラダマンテです」

 

「僕もだぞ。ダブル担当という訳だ」

 

「お二人でナビ担当を引き受けたと見える。しかし、珍しい組み合わせだ」

 

「なに、そう珍しくもないさ。このブラダマンテという女武者、槍使いだろう?槍術ならばこの鬼一に心得があるからな、シミュレーターで何度か指南などをな」

 

「見事な槍捌き、感服です!先ほどもご指導いただいていたのです。たっぷり半日はシミュレーターを稼働して…」

 

「こんな所かと終えた所で、北欧の女王に声を掛けられたという訳だ。しかし野菜とはなぁ。いや、僕も天狗の端くれ、山菜とか好きだけども」

 

「あ、私は好きですよお野菜!」

 

「お、おう」

 

「私、好き嫌いとかないので!ともかく野菜は量です!サラダにせよ火を通すにせよ、ともかく種類と量がいる。それが野菜ってモノです。目立った主催はそりゃ大抵、お肉やお魚ですよね。主食は麦や米のような穀類や、お芋の類と来ます。副菜になりがちなお野菜ですが、元気に生きる為には必要な栄養はいっぱいです!なので―――ともかく種類と量です!火を通したら縮みますしね!」

 

ここにトーマがいたら、顔色悪くして『その話は止めてくれ、俺にはキツイ…』って言いそうだな。アイツ小食だから、並盛で満腹だし

 

「ブラダマンテ殿!」

 

「はい!」

 

「素晴らしいその通りまさにその通り!そう、食事は量!」

 

「はい!」

 

意気投合したのか、2人は熱く固い握手する

 

「パーシヴァルもともかく量を盛りまくる男。特に根菜を、特に芋を盛りまくる男。ブラダマンテの熱弁に対しては特にワカリミンGが深い、という感じなのだな」

 

「えっと、どういう事?」

 

「よく分かるって事か」

 

「多分そーかな?」

 

「分かった分かった。お前達の野菜に対する熱意、しかと受け止めた。よし、それでは野菜の収穫と行こう!(ピュイー)」

 

鬼一師匠が口笛を吹くとエネミーが来る

 

「わっ。何かいるわ!?」

 

「ははは。こうするとな、血気盛んな食材エネミーが寄って来るんだ」

 

「おお。それは手っ取り早い!」

 

「来ます!皆さん、戦闘準備を!」

 

「「変身!」」

 

仮面ライダーエビル!

仮面ライダー!蛇・蛇・蛇・ジャンヌ~!

 

俺はエビルに、オーフィスはジャンヌに変身する。

エビルブレードでお前らを刻んでやるよ!

 

 

 

 

 

==================================================

 

 

 

 

 

俺らは木を倒して野菜を採る

 

「野菜っていうか木!木よこれ!?」

 

「かんら、から、から!その通り!だが一通り叩きのめしてみるとあら不思議、ビタミン豊富なベジタブルになってしまうんだなぁ。いやあ、ルーンというのは凄いな!」

 

スカサハ仕込みですね。分かりますん

 

「有り得る話だ。スカサハ=スカディとは親交があるようだしな。そういえば、水着の霊基を始めたのもスカサハだったか…」

 

キャットは走り回りながらエネミーを倒し

 

「ふっ!」

 

オーフィスは八極拳で倒す。

関係無い話、オーフィスの愛バはメジロパーマーらしくて、近い内に体をメジロパーマーみたいにするらしい

 

「キャット一閃!ネコに小判を持たせるな!んむ、我ながら鮮やかな解答ランマ。お野菜、たっぷり採れたかワン?」

 

「えーっと、まだね!カルデアには職員もサーヴァントもいるんだし、新鮮なサラダ、皆にたっぷり行き渡らせなきゃ!もうちょっと採っていきたいわ」

 

「では引き続き、参りましょう!」

 

「うし、こっちも暖まってきたからな。もう一息行くぞオーフィス!」

 

「オッケーだよ」

 

 

 

 

 

==================================================

 

 

 

 

 

更に木を倒して野菜を採る。あらかた片付いたかな?

 

「ふうっ!どうでしょうマルタ様、食材の量は!」

 

「こんな所かしら?欲を言えばもうちょっと採っておきたいかも。他のお料理にも使うかもだし…。でも、一通りは大丈夫。サラダの分はね」

 

「では余分を私が刈り取ってくるとしよう!…と思いきや。周囲に適性体は見当たらないな。ううん、これは残念」

 

「なに、ちょうどいいさ。しばしの休憩、その後に再開しよう」

 

「アタシも賛成」

 

俺はまだ余裕だけど、まあいいか

 

「しかし、ずっと同じエネミーだねぇ…。前もそうだったけども。食材としては色んな野菜になるのよね、これ」

 

「元はそれぞれの食材であったものが、ルーンの影響で概念的なエネミーと化した状態だ鬼一法眼の言った通り、倒す事で多様な食材になっている。ルーンの影響下にあるのは個体ではなく、場そのもの、であるようだからね」

 

そういうものか

 

「ふむふむ。そういうもんなのね」

 

「前回と同じワン」

 

「そういう事。はー、驚きはしなくても慣れないわぁ」

 

「え…?こういうのってカルデアの普通、じゃないのね?そうなの?」

 

「さすがにね!違うかな!」

 

「こういうのあったら、マジヤバなんだけど!」

 

あってたまるか

 

「―――むっ。ご婦人方。ご注意を。新手のようだ」

 

「大型だな」

 

ズシンという音と共に地面が揺れる

 

「な、何?地面揺れてる…?」

 

「来たか。もう少し猶予があると思ったが、早かったな」

 

その音はだんだんと大きくなる

 

野菜室の主(ベジタブルキング)!このエリア最大のエネミーです!戦闘に反応したか、或いは強者に引き寄せられたか!」

 

「ここ冷蔵庫の野菜室だったのかよ!?」

 

「え、ちょ、せめてそこはベジータでよくない?」

 

野菜室の主(ベジタブルキング)は俺達の前に姿を見せる。

へぇ、コイツは倒し甲斐がありそうだな!

 

「大物とは面白い!騎士パーシヴァルがお相手しよう!」

 

 

 

 

 

==================================================

 

 

 

 

 

コブラ!スタンピングスマッシュ!

必殺承認! バット!ダークネスフィニッシュ!

 

「「はああああああああああああああああああ!!」」

 

スタンピングスマッシュとダークネスフィニッシュで野菜室の主(ベジタブルキング)を倒す

 

「敵性体、沈黙!」

 

「よーし、快勝だね!」

 

「これで他の料理に使うお野菜も十分かしら!第二の食材、ゲットね!野菜っぽくない見た目だったけど、お野菜…なのよね?」

 

「その筈だぞ。うむうむ、皆の衆ご苦労であった。今後の食材探索も頑張るといい。僕はここまでだが、気持ち的には見守っているぞ」

 

「私もナビの御役目はこれにて終わりですが、応援しています!」

 

「念の為、周囲を確認してから帰還するとしよう。回収し忘れた食材があっては困るからな」

 

「はーい!」

 

「そうするか」

 

「美味しいサラダを作りましょう!わくわく!」



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

繋がる、第三のエリア。

~トーマサイド~

 

2話分の小説が書き終わり、コーヒーを飲んでウマ娘してたらキッチン組とヴァーリが帰ってきて、サラダを作る。

オーフィスは体をパーマーにするとかでいない

 

「…うん。こんな所かしら。最後に特製ドレッシングかけて―――できたわ!名付けて、カルデア風特製サラダ!トマトっていう食材いいわねいいわね。お野菜なのにとってもジューシー!でも何より、決め手はドレッシングだわ。エミヤ達に教えてもらった特製和風ドレッシング!葉野菜にもキュウリにもトマトにも合って、それでいて食材の味を活かしてくれるお醤油?っていうのを使ってるのも面白いわ」

 

「ひとまず冷蔵庫に入れつつ、更に魔術で鮮度を維持しておこう。それなりに量があるが…。頼めるだろうか、紅女将」

 

「任せておくでち。引っ切り無しにお客様が来るお宿に比べれば、これぐらいはお安い御用でちよ!」

 

「ありがとう。ではお言葉に甘えて(…にしても旅館経営か…、憧れるな…)」

 

「それじゃあ、次のメニューを決めなきゃだ。どうするマルタ?」

 

「むむむむ…。まだ、メインのお料理には早いわよね。サラダの他に何か欲しい所かも。うーん、どうしましょう」

 

「卵料理というのはどうかな?」

 

「卵料理!豪勢にいくわね!」

 

「当世じゃそこまで豪勢じゃないかも?んー、オムレツやスクランブルエッグだと普段のメニューっぽいよね」

 

「卵か。懐かしい。鶏舎の鶏達が卵をたくさん産んだ時には、とりあえずガンガン茹でたもの…。或いは生で!ガンガン飲んだものだ!」

 

「パワフルだな」

 

ヴァーリの言う通りだけど、俺も飲まされて吐いたけどな

 

「騎士ならずとも卵はガンガンいくとも。そうだろう?」

 

「ご馳走向きな卵料理、っていうと何だろ?ガレットはちょっと違うよねえ」

 

「(ピーン)エッグベネディクトがいいぞ!何より名前がいい!間違いなくストロング!」

 

おお、ナイスアイデアだな

 

「あっ、いいかも!」

 

「えっぐべねでぃくと?」

 

「イングリッシュマフィンの上にハムやベーコン、ポーチドエッグを載せてソースをかけた料理だ。ポーチドエッグというのは、いわゆる落とし卵だな」

 

「あ、分かるわ。熱湯に生卵を入れて茹で上げるやつね。ふんふん…。…ソースってどういうのを使うの?」

 

「オランデーズソースだね。泡立てた卵黄に溶かしたバターを入れて、レモンの果汁と塩を少々。何にでも合うんだこれが」

 

「ふむふむ。…美味しそう」

 

「悪くはないな」

 

「ああ、決まりだな」

 

「二人の好物?なら、ええ、それにしましょう!ふっふっふ。お姉さんは弟妹の反応を見逃さないのです。えへん」

 

別に好物ってわけじゃないが…。まあいいか

 

「ならばメニューは決まったとみた!キッチンの者共!」

 

「ええ!エッグベネディクトを作りましょう!」

 

「卵なら、確か在庫が…」

 

「足りない足りない。もっともっとゲットしないとね!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~地下食糧庫~

 

「ふむ。流石に馴染んできたものの…」

 

「ああ。一旦ここで氷結エネミーと遭遇する。不必要な通過儀礼に思えるがな。或いは、氷結エネミーの存在が…何かしらの…」

 

鍵になってるとか何かだろうか?

 

「ま、任せて、どんどんご飯作るから!皆を応援するからね!」

 

「見て楽しい食べて美味しい!気持ちのいいバトルスタイルだねえ!流石は聖女、と言っても自覚が薄いんだっけ」

 

「うーん。それはそうなんだけど…。こうしてお料理するのって、聖女っぽくなくない?」

 

『聖とはいったい…うごご』

 

「そしてキッチンとは!」

 

氷結エネミーが襲って来る

 

「ほい来た、カチンコチンのアイスエネミーだワン!フライパンでかち割るのも良し、アタシの爪で鰹節にするのも良し、だ!」

 

「それかき氷にならない?」

 

「だよな?」

 

「おう」

 

「うむ。故に今回は自重するのだワン…」

 

「そう悲しまない、かわりに頑張るからさ!かち割りなら任せておいて!」

 

「来るぞ!トーマ!ヴァーリ!」

 

レックス!

 

「出番だクリム!」

 

レックスバイスタンプを自身に押印してクリムを実体化させる。

クリムの外見は、ショートヘアのウォロだ

 

「「「変身!」」」

 

俺はベイルに、クリムはデモンズに、ヴァーリはエビルに変身する

 

 

 

 

 

==================================================

 

 

 

 

 

ベイリングインパクト!

バット!ダークネスフィニッシュ!

モグラ! デモンズレクイエム!

 

「はぁ!」

 

「ぜらぁ!」

 

「ふん!」

 

3人の必殺技で氷結エネミーをかち割る

 

「ナイスかち割り!デリシャスなのだな!(シャクシャクモグモグ)」

 

「む?」

 

「ま、まさか。ここでエネミー倒しても氷食材落ちないの、キャットが全部食べちゃってるからだったり?」

 

キャットは氷を食う

 

「…可能性は否定できないが、氷は目下必要ない。放っておくとしよう」

 

空間に歪みが出現する

 

『来たな、ルーンの導き。その先にあるのは第三の食材エリアだ。チーズの保管庫として設定されたエリアではあるが、よい卵があるはずだ。まさに、これぞ卵というべきモノが待つだろう。気を付けて進めよ』

 

『トーマさん、クリムさん、ヴァーリさん、皆さんどうかお気を付けて。エネミー出現の原因についてはまだ不明です。幾つか検証を進めてはいますが…』

 

「食材はこっちで確保する」

 

「マシュ、根を詰めるなよ。じゃないと俺みたいに大惨事になるぞ」

 

「トーマが言うと説得力凄いな」

 

『…ありがとうございます。それでは改めて、お気を付けて!皆さん!』

 

『ラブラブ、ファイト~!』



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

邂逅する、巨大卵。

歪みの先は倉庫だった

 

「今度は屋内か。俺は火炎剣烈火の加護で寒くはないが、ヴァーリは大丈夫か?」

 

「手がかじかむくらい寒い」

 

「お姉さんが温めてあげましょう」

 

マルタはヴァーリの手を触る

 

「ひゃっ冷たい。防寒の礼装でしたっけ、ソレ持ってるのよね?」

 

「ヴァーリ、マルタ殿。貴方達には予備のマントを貸しておこう。二人が無闇に体を冷やしてはよくない」

 

パーシヴァルがマルタとヴァーリにマントを被せる

 

「まあ、紳士だわ。ありがとう、サー・パーシヴァル」

 

(ちぇー。あたし達は?)

 

(お前は戦士の女王だから同類騎士判定と見た。ちなみにアタシはふさふさあったか判定と見た)

 

(あ、そーいう。なるほどね)

 

「今回は倉庫か。屋内である事に意味はあるのか?」

 

『エミヤ、チーズの倉庫ってこんなに寒かったか?』

 

「プロセスチーズであれば、冷却の工程があるにはあるが…」

 

「あー、それな。寒いよなー。ゴールデンに気合入れねえとな、っと!」

 

やってきたのは、金時とスパルタクスだった。今回のナビはこの二人か

 

「よっ。トーマとヴァーリ!」

 

「零下という圧制にも我らが負ける事は無い。そうだろう?」

 

「ここのナビはお前らか」

 

「おう、オイラ達だぜ。寒いトコによく来たな!ま、思うさま食材をゲットしていくといいぜ」

 

「わあ、大きい二人ね!普段からよくご飯を食べてるのね、偉いわ。二人共こっち来て。いらっしゃい」

 

「「?」」

 

「ほらほら、いらっしゃい」

 

マルタは二人の頭を撫でる

 

「何だこれ?」

 

「これは圧制…ではない。だが圧制は在るのだ、間違いなく此処には圧制の気配が満ちているのだから!」

 

「スパルタクス、圧制感じまくってる?」

 

「女王にルーンで無理矢理引っ張ってこられた、とすれば、意に沿わぬ圧制と言えば圧制だな」

 

そうだったら災難だな

 

「圧制とは幅広いものだね…。しかし、かの東方の頼光四天王の坂田金時に、反逆の英雄スパルタクスとは。不思議と言えば不思議な組み合わせだ。それでいて力強く、頼もしい!」

 

「そうかい?オレっちはスパルタクスの旦那とウマ合うぜ?」

 

「最初はガレス、次に鬼一殿とブラダマンテ殿…。そして今回は坂田金時殿とスパルタクス殿。何か、意図のある人選なのかな?」

 

エミヤは何か閃く

 

「エミヤ、何か分かったのか?」

 

「いや、単に連想しただけだが―――ガレウのエリアには、求道者然としたボスエネミーが存在した。鬼一法眼とブラダマンテのエリアには、ランサー霊基のボスエネミー。鬼一法眼は一時的にランサー霊基になっていたな?」

 

「ナビに対応したボスがいるってわけか」

 

「いや、単に連想しただけだ。根拠は薄い」

 

「結構いいセンいってるんじゃない?じゃあ…今回は、金時とスパルタクスに対応する何か?バーサーカー系かな?」

 

「バーサーカー?チーズの連中はバーサーカーじゃねえ筈だ。アンタ達、チーズ探しに来たんだよな?とびきり美味いチーズをさ」

 

「いや、卵を探しに来ただけだ」

 

「卵?…チーズじゃなくて卵?」

 

圧制か!

 

「いやー、寧ろ圧制より叛逆になりそうだぜ。喜べ旦那!」

 

叛逆?

 

「へ。どゆこと?」

 

「卵を探すのが、叛逆になるの?」

 

「いやそれがよォ…。ここにいるのは大半がチーズのエネミーだ。見渡す限りチーズだろ?だから、その辺うろついてんのもやっぱチーズさ」

 

「とびきり美味い卵が欲しけりゃ話は別だ。覚悟しときな!美味い卵は、特別にゴールデンだ!無数のチーズの先に、ゴールデンエッグがいやがる!すこぶる強敵だぜ―――言わば、エリアの支配者だ!」

 

圧制ィ!

 

「!?」

 

「ああそうさ、圧制っちゃ圧制さ。そのゴールデンなエッグは、支配の証として、魔力ごと、周囲の温度を吸い取っちまってるのさ!だから此処は()()()()()()!」

 

「…熱や魔力を吸収する性質があるのか」

 

『そうなると早く倒さないと、俺らが氷漬けになってしまう』

 

それもそうだな。…凍結能力欲しいなぁ

 

「強敵のようだ。これは、腕が鳴るというもの。だが―――まずは無数のチーズとやらが先かな!トーマ、ヴァーリ、来るぞ!」

 

チーズエネミーが来る

 

「周囲に魔力反応、ってね!お熱い歓迎みたい」

 

「やるぞ!」

 

「おー!」

 

「卵への道を切り開く!行くぞ!」

 

「お料理頑張っちゃうぞ~。来なさい、タラスク!」

 

「「変身!」」

 

俺はベイルに、ヴァーリはライブに変身する

 

 

 

 

 

==================================================

 

 

 

 

 

俺らはチーズのエネミーを倒す

 

「…ふむ。こんな所か。それなりの歯応えではあったが、難敵と言うには些か脆い。チーズ、故かな」

 

「チーズにしちゃ硬かったけどね!あー、手が痺れた」

 

「殴っただけで粉砕したのに?」

 

『ベイルのスペックが異常なんだよ。骨格にダメージが行ったり、連撃で腕が最悪自壊するのに』

 

これはサーヴァントの皆が俺を鍛えてくれたお陰かもな

 

「俺としちゃ、射撃の訓練になったけどな」

 

(皆さんお疲れっした。あ、スープどうですかスープ)

 

俺とヴァーリは変身解除してスープを飲む

 

「あ、うまい」

 

「ホントだ」

 

「(ズズズ)ンマ~イ!短時間でドンドン腕を上げているな!エプロンの聖女、恐るべしだワン!」

 

「え、そう?お外で料理するのに慣れて来たっていうか…。この事コンビネーションが出来てるのかも。ありがとね、タラスク」

 

(こちらこそ!)

 

「よしよし。いい子、いい子」

 

(いつもこの霊基に…いやなんでも)

 

「へ。何?」

 

んで、俺らは移動を続ける

 

「さて、それなりに移動してきた筈だが、どうかな。坂田金時、スパルタクス」

 

「叛逆の意志は人々それぞれの胸の中にあり、支配者は常にそれを蹂躙せんと狙っているものだ。戦いは激しく、道は長い。しかし諦めるな、同志達よ」

 

「まだ先なのかな?それとも…」

 

「それとも、の方だぜ。チーズの群れはここまでさ。いやはや、あっという間に突っ切るとは大したもんだ。ここから先はまさに、諦めずに戦え―――だ。死ぬ気で頑張るこった。ここの卵はただの卵じゃねえ。ゴールデンエッグ!奴は、なんつーかガチだ!気を引き締めて戦うこった!スパルタクスの旦那もそう言ってる!」

 

諦めるな同志達よ!

 

「よし、卵をゲットするぞ!」

 

「ええ!」

 

ズゥンという音が聞こえ、俺とヴァーリは変身する

 

「来た来た、尻尾にビーンと来たぞ!あっちに大型の魔力反応アリ!」

 

「―――来るよ!さあ、叛逆しちゃおっか!」

 

 

 

 

 

==================================================

 

 

 

 

 

どうにかして巨大卵を倒す

 

「我を倒すか。人間。美事。美事である。ならば我が食材、我が誇り…。最高の料理にして…美味しくいただいてくださいね?」

 

「ぜえ、はあ…。私は皆の横でお料理してただけだけど、何だか凄かったのは、分かるわ」

 

(料理しつつダメージ与えてますけどね)

 

「約束するわ。貴方を使って…。ううん、貴方達食材皆、皆!とびきり最高に美味しい料理にするわ。ありがとね!」

 

巨大卵は笑う

 

「わ、笑ってる?」

 

「本懐という事なんだろう。あのサイズの微笑、凄まじい迫力があるが…」

 

「騎士道とは違うかもしれないが、堂々たるものだ。私としても何か得るものがあるよ」

 

「そ、そう?ホントに?」

 

「ああ。本当だとも」

 

「では…さらば…さらばだ…諸君!美味しいエッグベネディクトにしてね…!」

 

『まさか半年で二度も卵と戦う事になるとは…』

 

「世も末だな…」

 

「しばらくコロンブスの顔、見たくねぇ…」

 

巨大卵が大量の食材に変わる

 

「おお!巨大卵が、大量の食材に…!」

 

「おお、おお!圧制者であった支配者が皆の糧となっていく…。比喩ではなく真の意味で糧となるとは…。なんと美しい光景か…」

 

「今度こそ一件落着だワン!」

 

「いや、まだ3エリア目だからな?メインもまだだしさ」

 

「しかし、ここまでの量の食材とは素晴らしい。職員やサーヴァントに振るまって余りある量の卵!」

 

「検品しておこう。ん―――」

 

エミヤは解析する

 

「どう?どうかしら?」

 

「黄身も白身も、品質は最高だ。鮮度も申し分ない」

 

「やったあ!」

 

「へへっ。じゃ、オレ達はここまでだ。次のエリアでもうまい事やってくれ、二人共!それに、サンタ役のマルタの姐さん!クリスマスパーティーっての、楽しみにしてるぜ!」

 

「次なる叛逆、新たなる叛逆を!見事成し遂げるがいい!」

 

「ええ!楽しみにしていてね!」



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

繋がる、第四のエリア。

久しぶりに投稿するぜェェェェェェェェェェ!


マルタ達はキッチンでエッグベネディクトを作る。

俺とヴァーリはテーブル席で休む

 

「できた~!」

 

「ナイスエッグ!卵のトロトロ具合もばっちりなのだな!」

 

「試食の味も満点だったし、こっちもちゃんと保存しておかないとね?」

 

「問題ないとも。保温の魔術を掛けてある」

 

「卵料理完成だな」

 

「次はどうするんだ?」

 

「う~ん、そうね。メインにはまだ早いかしら」

 

「メインの前にもう一品くらい欲しいとこでちね。汁物―――スープ系はどうでち?」

 

「うむ。賛成しかない」

 

「冬の真っ最中だからな。熱いスープで体を温める…女将らしい気配りだ」

 

「スープ系、いいかもねえ。具沢山のシチューとかにするのはどう?」

 

…あれ、シチューで何か引っかかる気がするけど、思い出せない…

 

シチュー(ラグー)?」

 

「ああ、それはいい。腹の中から温めてこそ冬を生き延びられる」

 

「ふむふむ」

 

マルタは俺をチラ見する。何だ?

 

(おや、マルタ殿。トーマ殿の方をちらりと見たか?)

 

(トーマの好みが気になるんだね。分かりやすいマルタっていうのも、可愛いなぁ)

 

(愛らしさか。分かるとも。年若い姉弟を見ているかのようだ)

 

「悪くない…か?」

 

「分かったわ、シチューね!きっと大丈夫。スープ料理は得意だもの!とっておきの美味しいシチューにするから、楽しみにしていてね、トーマ」

 

「あ、ああ…」

 

何か俺に某ペンギン属性が付いてる気がするな。気のせいか?

 

「いい返事!んーもう、お姉さん心を掴むいい子!おいでおいでおいで。ほーら、よしよし」

 

「いでででで!」

 

マルタは俺の頭を強く撫でる。この感じ、前にどこかで…?

 

 

 

『お母さん!今日ね、先生に作文で褒められたんだ!』

 

『あら、それは凄いわね。トーマ』

 

『いてて!…えへへー』

 

 

 

一つ思い出した。母さんは撫でる力が()()()()()()()

 

「…トーマ。どうかしたか?」

 

「母さんは撫でる力が何故か強かったって事を思い出した」

 

「はぁ?お前の母親はあの時…」

 

「アレは赤の他人だ。俗に言う母を名乗る不審者だ」

 

「じゃあお前の母親は一体誰なんだ?」

 

「シチューで何か思い出せる気がするんだ」

 

「じゃあシチューで決定として―――野菜なら、サラダの時に採ったものが結構あるね。サラダ向きじゃない食材を利用しよっか」

 

「ニンジンやジャガイモ等の根菜が沢山あるとも。実に素晴らしい事だ」

 

「ジャガイモ、ジャガイモ。…知らない筈なのに、知ってるのよね。不思議だわ。バターに合うアレよね!」

 

「んー。そっか、そうよね。マルタ、無理してない?疲れてたりしない?」

 

「?」

 

「認識のずれがある霊基ってのは、あたし達より一層大変かと思って。どう?」

 

「確かに。認識や感覚のずれが続く状態であれば、意識の疲弊は十分に有り得る話だ」

 

「心配してくれてありがとう。でも、問題無いわ。気持ち的にはメイン料理まで止まりたくないし、メインまでいったら最後まで走り抜けたいし!平気。だから、いきましょう!」

 

「気力充分だな。では、食材確保に向かおう」

 

「野菜があるならお肉が欲しい!シチューは具沢山でなければな!」

 

「お肉は勿論必要ね!牛肉かしら…あ、ベーコンとかもいいかも!」

 

「肉類なら在庫がたっぷりあるな」

 

「普段から使うものだし、お肉の在庫なら他にもそれなりにね。お肉主体の料理にするなら別だけど、まだ地下在庫でゲットする程じゃないかな」

 

「そうなのね!じゃあ、その、皆が良ければなのだけど、まずはミルクが欲しいかも。どう?」

 

「あ、いいわね!」

 

「異議なしだ」

 

「ワン!」

 

「ご随意に」

 

「よーし!みんな大好き、ホワイトシチューを作りましょう!」

 

「…ほう、ホワイトシチューだと!」

 

来たのはライネスだった

 

「司馬懿?いや、ライネスか…?」

 

「ライネスだろ」

 

「うむ、自分の師匠を見分けられるようで、喜ばしい」

 

…っ!今、スカサハと鬼一法眼の気配を感じた

てか、俺はお前の師匠じゃないんだぞ

 

「気のせいか。カルデアのクリスマスは頓狂な事ばかりだが、ホワイトシチューとはやるじゃないか。軽く炙った仔牛に白ワイン、とろけるようなベシャメルソース。フランス料理ではブランケットと言ってね。モダンブリティッシュでも、たまにお目にかかるのさ。ただ、なにしろ仕込みが面倒なものでね。美味しいやつにありつくのは、意外と難しい…!」

 

「ほう…」

 

「ふむふむ?」

 

「つまり、だ。そういう事なら、私もレシピを提供できる。ぜひとも作ってくれたまえよ。パーティーの一参加者として楽しみにしている。せっかくだ。物理的な援助もしておこう」

 

ライネスは俺達に強化の魔術をかける

 

「これは…!」

 

「わっ。なんだか力が湧いてきたわ!ありがとう!」

 

「へえ、司馬懿っていうかライネス、お料理にも一家言あるとはね。ありがと!」

 

キャットはキャットで走り回る

 

「タマモキャット!強化を受けて滾るのは分かるが、まだ早い!」

 

「ははは。彼女は奔放な笑顔も素敵だね。しかしレディの祝福とは実にありがたい。騎士にとって素晴らしい励みになるというものだ。諸君、行くとしよう。―――さあ、ミルクの確保だ!」

 

 

 

 

 

==================================================

 

 

 

 

 

いつものように、地下食糧庫に行き、ミルクについてスカディに聞く

 

『…ホワイトシチュー?』

 

『別名クリームシチュー。20世紀初頭の日本で生まれた料理ですね。ミルクや乳製品を用いたシチューです。シチューそのものはフランス発祥で…ライネスさんの仰ったように、フランスには、乳製品を用いたブランケットという料理もあるそうです。ですが、ことホワイトシチューとなると日本の発祥とされていて―――現代でも定番のメニューだそうなので、トーマさんにとっては懐かしい味かもしれませんね』

 

『ふふ。トーマの故郷の味か。気を遣ったな、マルタ?サーヴァントの心遣いというモノか』

 

(もー。言わないでおいたのに…)

 

(まあ、仕方あるまい。当の本人は気にしていないようだ)

 

「ええそう、そうなの!折角だから故郷の味はどうかしらって。トーマも嬉しいかと思って。余計なお世話だったら、ごめんなさい」

 

正直、記憶さえ戻ればそれでいいけどな

 

「ホワイトシチュー、久しぶりに食うな」

 

「そうなの?じゃあ、いっそう気合入れなきゃだわ!」

 

マルタの拳が空を切る

 

「ん。気のせいだろうか?今、レディの拳が鋭く空を切っ「気のせいじゃない?」「気のせいだろう」そうだろうか―――」

 

「眠れる獅子を目覚めさせれば大山鳴動。ネズミが騒げばお店は閉まる。多少のビリビリは自然現象のようなもの。大きな心でスルーするがよい」

 

「そういうものか…。ご教示病み入る、レディ・キャット」

 

「なぁパーシヴァル、キャットの言葉が分かるのか?」

 

「ははは。みなは分からない、とでも?」

 

ブーディカがパーシヴァルに睨む

 

「んん?」

 

『ホワイトシチューといえば、日本では白米に合う料理とされているようですね』

 

「あー…、そう…なの、か?」

 

「は?シチューに白米は合わねえだろ!」

 

ヴァーリがキレる。コイツはかけない派なのか

俺?どうでもいい

 

「パンにも白米にも会うのがホワイトシチュー。最強の一角と言っても過言ではない」

 

『ああ確かに!金時が喜びそうな献立です』

 

「あれ、頼光?管制室にいるの?」

 

『紅閻魔様のご指示で、こちらにお弁当などを届けておりました。エネミーの反応のルーンに無いものだという事で、管制室の皆様、忙しくされているとの事。食事をする暇もないだろう、と紅閻魔様がお気を遣われたのです』

 

「おお…。幻のホテルの女主人だと聞いてはいたが、納得の心遣い。騎士パーシヴァル、感服いたしました」

 

『マスター御不在のカルデアは、どうか我らにお任せくださいませ。どうぞ後顧の憂いなく、存分にミルク探しをなさってくださいな!』

 

「ありがとう、頼光」

 

「ありがとう、黒髪の美人さん。―――あっ思い出した、源頼光さん、頼光さんね!」

 

そこにエネミーが来る

 

「お、来た来た。氷削りタイムかな?」

 

「ええい面倒だ!まとめてカチ割りかき氷にしてくれるワン!」

 

(どっちだよ)

 

(どっち?)

 

(どちらだ?)

 

(カチ割り氷とかき氷の、どちらなのだ?)

 

「とーーーーう!」

 

カチ割るのか、かき氷なのか、どっちだよ

 

 

 

 

 

==================================================

 

 

 

 

 

エリアへ繋ぐ道が開く

 

『来たな、ルーンの導きだ。さあ―――』

 

『ああ、噂の。では第四の食材エリアという訳ですね』

 

『その、私の台詞を取らないで欲しいのだが…』

 

『皆様いってらっしゃいませ!お気を付けて!』

 

「いってきまーす!」

 

『ああっまた…。う、うむ、気を付けるのだぞ!』



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

邂逅する、砂漠の神獣。

歪みに入った先は城のような場所だった

 

「今回も寒いけどまた屋内かよ」

 

「なんか豪華な感じだな」

 

「何だかお城の中みたい…。あ、見て。天井が高いわ!ちょっと高杉やしないかしら。どうやってお掃除するんだろ」

 

「ミルクは~どこだ~」

 

「そうねえ。ミルクっていうぐらいだから、牛系エネミーかな?」

 

牛系、いたかな

 

「…難しいな。獣人型のエネミーは大概が雄性体だろう」

 

「これまでのエリアから見るに、配置されてるエネミーは過去の記録を元にしてるだろうな」

 

「そもそも、雌のエネミーっていたっけ?」

 

「いや…いなかった気がするな」

 

「牛の雌型獣人とかは出てこないかも、って事ね」

 

「そうなるかな」

 

「となると、過去のエネミーの中からそれっぽいのを探した方が早いかもね」

 

「それなら話は早かろう。ゲイザーミルク一択だワン」

 

何でゲイザー!?

 

<立ったな。てか呼んだ?>

 

お前じゃねぇっての

 

「何それ!?っていうか、アレってミルク出すの!?」

 

「ゲイザーは良い食材だ。あの歯応えといったら、癖になりそうな程だね!」

 

「なるかー!」

 

「むむ。それではシャンタクミルク?ブーディカは時たまマニアックが過ぎるぞ?」

 

「卵生じゃないのシャンタク!?哺乳類アレ!?」

 

何かを叩くような音が聞こえた

 

「な、何の音?」

 

「まさに不機嫌なファラオが杖で床を突いた音!まるっと注意しろ、新サンタとご主人!」

 

姿を見せたのはニトクリスだった

 

「―――不敬です。畏れ多くもファラオが冬の宮殿と決めた地で、食材探しだのミルク探しだなんだと…。不敬にも程があるでしょう!」

 

「え、ファラオの冬の宮殿?」

 

「どういう事だよ?」

 

「たまにはシュミレーター内の玉座ではなく、どこか別の場所に玉座を置こうと、とあるファラオがお考えになったのです!それを…あろう事か土足で踏み入るなどと!まずは事前に用向きを書面でお願いします以上!」

 

「こ、これって―――」

 

「ナビどころか所有権を主張されている!こ、これが皇帝特権ならぬファラオ特権なのか!?」

 

「もう何でもありだな」

 

「分かるマン」

 

「不法侵入扱い…されてる?」

 

「疾く、去りませい!此処はファラオの冬の宮殿です!去らぬと言うならば致し方なし。ファラオの威光に平伏しつつ地上に戻るがいい!出ませい―――獅身獣(スフィンクス)!」

 

通路の奥からスフィンクスが現れる

 

「この凄まじい魔力…!」

 

「高魔力反応!本物のスフィンクスだよコレ!」

 

「神獣だと!?」

 

「ヴァーリ、禁手するぞ」

 

「ああ」

 

俺とヴァーリは禁手化して、俺は火炎剣烈火を構える

 

「…はっ。スフィンクスのミルクを貰えって事!?そういう事なの?」

 

「これまでの流れからすると、エリアボスは彼女(ニトクリス)に対応している可能性がある。そう考えると…雌性体のスフィンクスがボス、であれば辻褄は合うな。過去にも遭遇したエネミーだ。しかし…」

 

「神獣だしな」

 

「やるからには勝つしかない。そうだろう?」

 

「…だな」

 

「急降下を狙っているな。来るぞ!トーマ!ヴァーリ!」

 

「「戦闘態勢!」」

 

「おーー!」

 

 

 

 

 

==================================================

 

 

 

 

 

何とか神獣であるスフィンクスを倒す

 

「…ぜー、はー。全部片付いた、わね…?そうよね…ふう…。…さすがに、疲れたわ。ぜはー」

 

ブーディカは座り込み、キャットは寝る

 

「神獣との連戦は流石に骨が折れる。いやしかし、よく耐えたものだね2人共」

 

「俺は問題ないぞ」

 

「ぜぇ…はぁ…、げほっ!ごほっ!」

 

俺は疲労で咳き込む

 

「彼は3分以内なら戦えるらしいが…。トーマ、持久力が落ちたか?」

 

「さ、最近…、書店の方が…忙しくて…やれる…暇が…」

 

そもそも俺は持久力が無いから短期決戦向きなんだよ

 

「原稿はどうなんだ?」

 

『締め切りの1ヵ月以上前には終わってるぞ。しかも、一発OK貰ってるし』

 

「やっつけた!スフィンクスの群れをやっつけたのね!でも…あの…。とってもとっても言い難いのだけど…。皆、そのぅ…―――」

 

「全部雄じゃないか?」

 

「雌っぽい個体がいない気がしたのは、気のせいじゃなかったのか」

 

「大丈夫か?」

 

「何とかな」

 

キッチン組はショックを受ける

 

「気づいてしまったか。やれやれ」

 

「や、やっぱり雄よね?じゃあ、ミルク貰えないって事…。そんなぁ…」

 

「事情は詳しく聞きません。戦った以上、もはや貴方達は敵対者。ですのでこちらからは一つだけ、尋ねます。諦めますか?諦めるのであれば、追撃はしません」

 

その言葉にマルタは反応する

 

「こほん。では改めて、いえ最後に尋ねます。―――()()()()()?」

 

「意地でも諦めるかよ。だよな、マルタ!」

 

「うん!うん―――私、諦めない!皆に美味しいって言ってもらえるご馳走を作る!エミヤ、ブーディカ、タマモキャットさん!サー・パーシヴァルに、マシュに、頼光さんに…ここで諦めたりしたら、頑張ってもらってる皆に顔向けできないわ。それにね。かわいい2人の手前、お姉さん(サンタ)が挫けていられる訳ないもの!」

 

「オイ今変なルビがあったぞ」

 

空から何か聞こえる

 

『そう、その通り。姉の力は無限大です。マルタ様。貴女にカルデア姉選手権の参加資格ありと認めます。だから今は、一人のサンタ姉として頑張ってくださいね。私、応援していますので』

 

『何なのよ、何でまた空にいるのよアンタ!あと私も何でいるの!?』

 

『フフフ…さあ…?』

 

うん、無視しよう

 

「…何だったのかしら今の。でも、よく分からないけど力が湧いてきたわ!タラスク!来て!」

 

タラスクが呼ばれて来る

 

(アイヨー)

 

「…?えっと私にもよく分かりませんが、前にも増して気力全開になってしまいましたね?」

 

「ええ!」

 

「そうですか。では、仕方ありません。追撃というか本気で処断いたしますので、どうかお覚悟を。―――来ませい!」

 

大型のエネミーが来る

 

「大型の高魔力反応!新手か!」

 

「人智を超えた荒ぶるものの気配だ。或いは、先刻の群れ以上の存在かもしれない。ならば、退けないな。牙剥く万象から人を護ってこその騎士!―――さあ。来い!」

 

「ここが踏ん張り所だ!トーマ、行けるか?」

 

「多分行ける!」

 

「オッケー!」

 

「上だワン!」

 

「直上からの襲撃か!伏せろ!」

 

伏せて攻撃を回避する

 

 

 

 

 

==================================================

 

 

 

 

 

雌のスフィンクスを倒す

 

「…予想外ではありますが。貴方達は力を示しました。スフィンクスも、ミルクをやると言っています。ならば宜しい。神獣のミルクを採っていくとよいでしょう」

 

うん?ちょっと待て

 

「ここのスフィンクスは食材エネミーじゃないのか?」

 

「食材エネミー?ああ、そういえば。妙な魔術がエリアに掛かっていましたが、もちろん解除しましたので。ここにいるのは光輝のファラオの僕、正真正銘のスフィンクスのみですとも」

 

「オーマイ…」

 

「さあ、それでどうするのです?ミルクを採りますか?」

 

「やったー!」

 

「では早速いただこう!このニュキニュキのハンドでな!」

 

スフィンクスは姿勢を変える

 

「どうどう、暴れるな暴れるな。怖くない怖くない」

 

「あれ?スフィンクスのこの姿勢って…」

 

「あたし達がミルク搾りやすくなるように、姿勢、変えてくれたんだね」

 

「いやはや、桁違いだな。戦闘の後でこの余裕ぶりとは」

 

「はは。それを言うなら我々も似たようなものでは?神獣との死闘の後で早速食材の心配だ」

 

「…違いないが、トーマだけは余裕がないな」

 

俺は息を切らしながら横たわる

 

「トーマ、マジで大丈夫か?白目向いてるぞ」

 

「何とか…。マルタ…、シチューに…合うか…?」

 

「わあ…凄いわ…。凄い濃厚で香り高く…それでいて、ちっともしつこくない!」

 

「猫としてこう言わざるを得ない。―――甘ェジング、と」

 

「確かに。幾らでも飲めそうな喉越しの良さと味わい、極上のホワイトシチューになるだろう」

 

「やったあ!」

 

「トーマもこのミルクを飲んで骨の強度を上げろ」

 

「生乳で飲めと!?サーヴァントはともかく、俺らマスター組が飲んだら食中毒で最悪死ぬわ!」

 

うぁぁ…叫んだら余計疲れてきた…

 

「生乳じゃねぇよ。そういや、牧場だと生乳でも飲めたよな?」

 

「衛生上、搾ってそのままは無理だぞ…」

 

「(´・ω・`)ソンナー」

 

「そこは神獣のミルクだからね。神代の魔力濃度のようなものさ」

 

「皆お疲れ様!それじゃあ今回はここまでね。帰還しましょう!」

 

「ヴァーリ頼んだ…」

 

 

 

 

 

~玉座~

 

「宜しかったですか、ファラオ・オジマンディアス。よもや、神罰の一つも下す事なく…」

 

「構わん。それにな、フッ。此度の献立を聞いたかニトクリス!」

 

「た、確かホワイトシチューがどうとか―――」

 

「その通り!よりにもよって神獣の乳を用いたシチューとな!これぞカルデアの不遜、奔放!そうでなくてはカルデアの年末に相応しくはない。些かの興味もなく、単に神罰を下すだけではつまらん。―――なあ、黄金の?」

 

「フッ。伊達や酔狂、果てへと極まれば星の輝きとなろう。…今更だぞ太陽の」

 

「確かにな。さて。次は主菜となろうが…果たして無事に、欲する食材を獲得できるかな、カルデア!」



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

繋がる、第五のエリア。

サムレム楽しい!


厨房ではホワイトシチューが完成する

 

「完成ね!ホワイトシチュー!」

 

「いい匂い~♪」

 

「(スンスン)マジでいい匂いd(ズキッ)っ!」

 

俺もその匂いを嗅ぐと、頭に痛みが来て思い出す

 

「トーマっち、何か思い出した?」

 

「ジャンヌ・オルタとウニ頭の男性。多分、俺の両親なんだろうけど…」

 

「ジャンヌオルタって、こっちもいるっしょ?何で?」

 

パーマー姿で口調がややヘリオスのオーフィスは首を傾げる

 

「もしかして、駒王町で聖杯戦争があったのか?だとしたら、俺は人間とサーヴァントのハーフ?」

 

『だとしたら、体の頑丈さと身体能力は納得だ』

 

「おお…匂いだけでご飯が進む…。アメイ…ジング…」

 

「中々の出来栄えでち。よいレシピに、よい調理を行ったとみまちた。甘さを際立たせながらもコクがある。大人も子供も楽しめる味わい―――ヘルズキッチン評点、70点をあげるでち!」

 

結構高得点だな

 

「そうなんだ、そうなのね。よかったあ」

 

「新人にはあえて厳しい女将が70点とは…!期待の新人と言わざるを得ない…!」

 

「ふふ。よく分からないけどありがと!ライネスさんに感謝ね!」

 

「今回は魔術の出番は無いな。複数の大鍋を厨房内にそれぞれ保管して、パーティー開始直前に火を掛ければいい」

 

「では、いよいよお待ちかねの―――」

 

「メインのお料理に取り掛かりましょう!お肉料理ね!」

 

「ドイツ風にお魚でもいいんだけど、クリスマスと言えば、やっぱり…?ローストチキン…?または!ローストターキー?」

 

「えっと、ターキーって言うと…」

 

「七面鳥だ。世界のクリスマス料理の定番は様々だが、現代日本(マスターの故郷)であればやはり、ローストターキーやローストチキンだろう」

 

「うーん、うーん。カルデアではどっちがいいのかしら?」

 

『シャケだ!シャケを『それはこっちでやってね☆』へーい…』

 

何か声が聞こえた気がするが、気のせいだな

 

「ウチも聞こえたから気のせいじゃないよ。てか、さっきの声ってシャケ派じゃん!ウケる~!」

 

「悩むよねぇ。でもどっちもあっていいんじゃない?大人数だし、どうせ七面鳥の一羽や二羽じゃ足りない足りない。七面鳥も鶏もアリアリでどう?」

 

「悪くないな」

 

「どうあれ量があるのは良い事だね。私も賛成しよう」

 

「ねえトーマとオーフィス、貴方達はどっちがお好み?」

 

「ウチはチキン!」

 

「どっちももいいが、個人的にターキーかな」

 

前は小食だったが、今は身体能力が高いせいか空腹になる頻度が高くなり、色々食えるようになってきてるから、食えるものは食いたい

 

『健康体になって、アスクレピオスも上機嫌だったしな』

 

いつか、俺の胃を犠牲にしてモンハンワールドの定食を食いたい

 

「なるほどなるほど。分かったわ!私、ターキーを主に集めるつもりで攻める!」

 

「じゃ、チキン集めはあたし達に任せなさいな」

 

「はい!」

 

「話は決まったと見た!ならば、最高のターキー&チキンをゲットだワン!」

 

「道中気を付けるでちよ~」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~地下食料保管庫~

 

いつも通り、地下食糧保管庫に行く

 

「ローストチキンにローストターキー。なるほど、どっちもオーブン料理なのね。ふふ。オーブンならタラスクにも搭載してあるから、道すがら練習用に作れちゃうかもだわ」

 

「あ、そっか。そういえばタラスク凄いよねえ」

 

「えへへ」

 

「ああ、お陰で遠征中にも立派な食事が楽しめる。有難い。そして、大したものだ」

 

「えへへへへ。聞いた?褒められてるわよ、タラスク」

 

「タラスクが夏に続いて輝いてるな」

 

(あ、アキレウスの兄さんの水着霊基)

 

「アレってどういう経緯なの?アキレウスの肩に乗ってたよね、キミ」

 

(色々あったというか…。ご想像にお任せしますハハハハハ)

 

何となく訳ありなのは確かだな

 

「何を言っているかは分からないが、笑いが乾いているのは若干気になるな…」

 

(まあ、姐さんの命令とあらば何とでも!)

 

「その、姐さんっていうのやめない?何だかくすぐったいわ」

 

(でも姐さんは姐さんですし…)

 

「お姉さん」

 

(姐さん)

 

「お・姉・さ・ん」

 

(お…姐さん)

 

「ニュアンス違くない?んもー」

 

「仲良き事は恐ろしき事だワンオペ。そろそろ、いつものが来るタイミングだ皆の衆。ほら見ろ、耳をすませば~?」

 

いつも通り魔獣が来る

 

「ほい来たー!二番テーブルに入れ!」

 

「ほい来た二番テーブル、エミヤ君頼んだ!」

 

「意味が分からん!トーマ、オーフィス、戦闘態勢だ!」

 

「氷を砕いて新茶のバーに仕入れるよー!」

 

「お前が砕いたらかき氷になるだろうが」

 

俺は火炎剣烈火を構え、オーフィスは拳を構える

 

(うおおおおオーブン加熱…!)

 

 

 

 

 

=================================

 

 

 

 

 

「ヒノカミ神楽、輝輝恩光!」

 

新技を作る為に鬼滅の刃を読んで思いついた、輝輝恩光で霜の魔獣を倒すと導きが出現する

 

「輝輝恩光とか、トーマっちキマってんじゃ~ん!」

 

「来た来た、ルーンの導き!だったっけ?」

 

『マシュは状況解析の合間の休憩中故、私だけで開設するが、その先が第5の食材エリアだ。エネミーを配置したつもりは毛頭ないのだが、これまでの傾向を鑑みるに―――それなりの歯応えがある、食わせ物のエネミーが揃っているようだ』

 

「食わせ物!なるほど、北欧流の洒落―――というわけですか。中々のセンスですね、敬服しました。ユア・マジェスティ」

 

『え?あっ、い、いや、そういう意味ではなく!難敵がいるだろうという、ほら!』

 

キッチン組は笑ってる

 

『ううっ…。ええい、もういい!行ってくるがいい!道中気を付けるように!わーん!』



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

邂逅する、王種の鳥。

歪みの先はルルハワだった

 

「ルルハワとか久しぶりじゃん!」

 

「そだねー」

 

「??」

 

「ルルハワ、だよねえ。うわ陽射し強!」

 

「あっつあつなのだな!突然のホットリミットに体がサマータイムだワーーン!」

 

キャットは走り回る

 

「キャット、どうどう!どうどうどう!」

 

「落ち着いてー!タマモキャットー!」

 

「キャット君はしばらく使い物にならないか…。しかし何故ルルハワか、と口にするのは流石に愚問だな」

 

「確かに。記録は閲覧しているので予想はつく。なるほど、()()()()()()()が多そうだ」

 

もう察した。どうせアイツなんだろ?

 

「その通り―――惑わされるな。夏の日々の中に会った無数の刃!引き裂くが如く敵意、害意を奥底より呼び起こせ。心せよ、オーフォス、トーマ。此処はお前達の奥底ではないが、人の支配地ではない。逞しく羽ばたくモノ共の巣窟!一秒たりとも気を抜くな!刹那の内、首を持っていかれるぞ!」

 

今度のナビ役は夏仕様のエドモンのようだ

 

「ウェーイ巌窟王!あ、ルルハワ仕様じゃん!」

 

「…クク」

 

「エドモンがナビ?なのよね?って事は、ここのエリアのボスは―――」

 

「恩讐のターキー?」

 

「そういうホラー小説ありそう…」

 

なるほど、次の新作はホラー小説にするか

 

「来たぞ!魔力反応、前方…いや四方八方、囲まれている!」

 

「何と周到な!トーマ、オーフィス、これは過酷な戦いと見た!出し惜しみはしていられない!騎士パーシヴァル、全力で行かせていただこう!」

 

 

 

 

 

=================================

 

 

 

 

 

「転身火生斬!」

 

転身火生斬で鶏を倒す

 

「トーマっち、他の技ないの?」

 

「『極の番:隕』をやってもよかったが、魔力がカツカツになるから、あまり使いたくないんだよな」

 

(フーガ)があるだろ』

 

牙突のように突き出せば行ける?次の戦闘で試してみるか

それはそうと、宿儺の■ってどう発音するんだ?アーク?

 

『■の発音はアークの可能性が高いと言われてるな』

 

「…こんな所か」

 

走り回るキャットはやっと止まる

 

「お?暑さにはしゃいでいたらバトルが終わってるな?並み居るボーパルチキン軍団がバタンキュー!しかし、これは…ちょっとばかり偏っているような?」

 

「鶏、鶏、鶏、鶏…。鶏ばっかで七面鳥がいないわ!どうしよう!?」

 

「七面鳥なくてマジウケる~!」

 

「ローストチキンも美味しいし、クリスマスチキンも悪くないけど、折角だから当初の予定通り、チキンと七面鳥の両方を揃えて出したいよねぇ」

 

「このままじゃ帰れないわ。両方ゲットしなきゃ!」

 

「―――強欲だな。聖女マルタ。今は、聖女と呼ぶのは控えておくべきか?否。霊基にとっては遠くとも、聖女としての記憶も残ってはいるのだったな」

 

「聖女?え、ええ。実感は薄いんだけどね」

 

「ほう。ならばどうする。七面鳥は諦めて鶏肉で妥協するか、聖女?」

 

「…。聖女かどうか以前に、クリスマスのご馳走に両方用意するって決めたの。だから、最初に決めた想いは貫き通したいわ。我が儘かもしれないけど、そうしたい!」

 

「いいだろう!」

 

エドモンが指パッチンすると、地震が起きる

 

「うぇ、地震!?」

 

「かなりの魔力反応だ。複数。何を喚んだ、アヴェンジャー!」

 

「聖女の覚悟を受け取った!ならば俺は、この地の真の支配者を喚ぼう!来たれ!王種殺戮七面鳥(キングボーパルターキー)!」

 

巨大な七面鳥が襲って来る

 

 

 

 

 

=================================

 

 

 

 

 

「■、(フーガ)

 

剣をしまってフーガを発動して炎を出す。俺の魔術は炎なのか

弓矢のように構えて残りの数体に撃って倒す。本家と違って連射や散弾も出来るみたいだな

 

「これで最後みたいだな」

 

これなら剣が無い時でも大丈夫かもな

 

「ウェーイ!お疲れ!」

 

「終わった…。終わったのね?」

 

「やったね、七面鳥ゲット!とれとれだねえ!にしても、キングターキーだったっけ。見た感じチキンとそっくり同じじゃなかった?七面鳥っていうのはもっと、こう…」

 

「細かいコトは言いっこなしだブーディカ。ただのターキーではなくボーパルターキー、だワン!」

 

「まあ、純粋な鳥や七面鳥とは違って当然なのかな?お肉さえちゃんとしてれば何でもよし!」

 

「私は例によって、そのう、応援料理を作ってばっかりだったけど、食材ゲットできたなら何よりだわ。ほっ」

 

(結構アタック決まってましたよ姐さん)

 

「戦闘中に補給が出来るのは実にありがたい。改めて礼を言うよ、レディ」

 

「そうだな。…激しい戦闘のさなかに何かを口にできる傑物に限られる話、ではあるが」

 

「さーて、それじゃあ帰還しよっか。これでメインの食材もバッチリ!いよいよ次は、ラストになるかしら。クリスマス料理のラストと言えば、やっぱり…」

 

「アレっしょ!」

 

「だな」

 

「そうアレ!」

 

「何だか分からないけど、任せて!とびっきり美味しいアレを作ってみせるわ!頑張りましょうね、タラスク!トーマとオーフィスも!」

 

(うっす!)

 

「そうだな」

 

「はーい☆」

 

「よろしい!ふふふ!」

 

俺達は帰還する



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

邂逅する、魔神の柱(型のケーキ)。

私はマルタ

ただのマルタ

 

お姉さんのマルタ

弟妹達の事が大好きなマルタ

 

この日…

 

皆で、あの人をお出迎えしたの

 

お弟子さんと旅をしながら、

大切な事をしている、あの人

 

私の家にやってきた、特別なお客様

 

私はいつもお客様にそうするように、

お料理を拵えて…

 

それで…

 

同じ食卓に

つかせてもらったような気もするし、

 

近くに佇みながら、

そっとお話を聞いたような気もする。

 

それから…―――

 

 

 

 

 

~トーマサイド~

 

「出来たー!」

 

俺、ヴァーリ、オーフィスの3人で待ってると、チキンとターキーが焼き上がる

 

「完成!…って、ああっ、焼き上げちゃった!?」

 

「二度ある事はサンドマンなのだな!寄らば魔神柱の陰とも言う」

 

「パーティーの始まるタイミングにぴったり合わせて焼き上げなきゃなのに、またやっちゃったわ!あわわわわわ…。まだ食材はあるから、もう一回作る?でも作り上げちゃったこれは、ええと一番最初に3人に食べてほしいけど、パーティーの前にっていうのはウーン!」

 

「魔術で何とか出来るだろ」

 

「その通り。これまで通り、魔術で対応できる。焼き上がった状態で保存しておく。暇をしているキャスター達に維持を頼もう」

 

この時、一部のキャスターの鼻がむずったのを俺らは知らない

 

「シュトレン、特製サラダ、エッグベネディクト、ホワイトシチュー、七面鳥の丸焼き。ローストチキンも多数用意してある。これで一通りの料理が出来たわけだが…」

 

「さっきも言ったけど、クリスマスと言えばもう一つあるよね?特別なデザート!具体的に言うと―――はい、3人共。何だろうね?」

 

「k「クリスマスの締めにはケーキっしょ!」はぁ…」

 

答えようとしたらオーフィスが先に答えた

 

「そうだな」

 

「そうなのね、そうなのね。分かったわ。それじゃあ決まり、って事でいいかしら?」

 

全員賛同する

 

「最後に、クリスマスケーキを作ります。これが最後の食材探し。皆、力を貸して!」

 

 

 

 

 

=================================

 

 

 

 

 

そしていつも通り地下食糧庫に行く

俺は火炎魔術でヴァーリとオーフィスを暖める

 

「あったけぇ…」

 

「むっふっふ♪シュトレンがあると言えばあるのだが、やはりケーキはどーんとでっかいのが欲しい!なので我ら厨房英霊組、最後の食材確保の旅なのであった」

 

「次はどんなエリアかしらね?屋内かな、屋外?」

 

「最初と同じエリア、というパターンも有り得るだろう」

 

「そっか、必要な食材は似てるものね」

 

「シュトレンを作る際の卵とミルクについては、厨房にあるものを使ったが…。それらについてもすでに、地下から確保した最良の食材がある」

 

「新規エリアではない可能性か…。その辺りは、女王に聞けば判明するかな」

 

「そうだな。…の前に、お決まりの氷結エネミーだ。蹴散らしていくぞ!」

 

「ヴァーリ!オーフィス!迎撃するぞ!」

 

「おう!」

 

「おけまる!」

 

「いっくわよ!お料理、開始!」

 

 

 

 

 

=================================

 

 

 

 

 

オーフィスは八極拳で、ヴァーリはステゴロで、俺は火炎剣烈火で氷結エネミーを倒す

 

「はい突破!」

 

「心躍る寒々しさにも慣れた。我が肉球でかき氷にされたい獣はもういないか?」

 

「肉球、霜焼けしてない?大丈夫?」

 

マルタはキャットの様子を見るが、距離を取られる

 

「おっと気を付けるのだ!不用意に肉球に触れるイズデッドダイ!」

 

「!?」

 

「どうどう。まだ寒さでテンションが上がってない、キャット?」

 

そこにマシュからの通信が来る

 

『―――トーマさん!ヴァーリさん!オーフィスさん!状況解析、終了しました!大変長らくお待たせいたしました、皆さん。微弱なものですが…地下倉庫に、聖杯の反応が検知出来ました!』

 

「何!?」

 

「地下倉庫ってここだよね!?」

 

『はい、その通りです。詳細までは判明していませんが、恐らく、地下に格納した聖杯と…偶然、スカサハ=スカディさんのルーンで活性化した地下食料保管庫が結合状態にあるようです』

 

なるほどな…

 

「…理解はできる。納得もだ。氷結エネミーが発生した理由が、聖杯と言う事だな」

 

『その通りだ。…うっかりしていた。すまぬ』

 

「じゃあ、毎回飛んだ先の食材エリアのエネミーは何だ?」

 

『アレは私がルーンで自動設計したモノだ。スフィンクス以外はな。本来はエネミーではなく、自立稼働するので運搬が便利な存在の筈が…』

 

「なるほど。食材が歩いてくれるなら、それは便利だ」

 

『それがお前達に襲い掛かる羽目になった。よもや、聖杯の悪戯とは。私の不徳だ。すまぬ』

 

「カルデアじゃよくある事だ。気にするな」

 

「一度上げ出したらキリが無いしな」

 

「とりまスカスカ、気分アゲてこー!」

 

『…ん…』

 

「3人は優しいのね。それでこそだわ。お姉さんは鼻が高いです」

 

「あ、そうだ。ボスがナビの性質に似た傾向だったじゃない?そういうデザインになったのも、聖杯のせいじゃない?」

 

「だろうな。ファラオの冬の宮殿となった領域だけは、聖杯も手が出せなかったようだが…」

 

「聖杯―――カルデアの獲得してきた聖杯というのは、何というか、難儀なものが多いようですね。いやはや…。何とも…」

 

「ふむふむ。なぁーるほど」

 

マルタは少し考える

 

「お姉さん、大体分かったわ。聖杯っていうのは危ないモノなのね?スカサハ=スカディさんの好意を捻じ曲げて、襲い掛かってくるエネミーを作り上げちゃって…。そんなの放っておけないわ。お姉さん、ちょっと怒ってます」

 

「危険っちゃ危険だな」

 

「…聖杯、元のマルタ的にはどうなんだ?」

 

ヴァーリが気になった事を聞く

 

「確かに、妙な具合になっているな」

 

「へ?どゆこと?」

 

「元の霊基であれば、まずしない言い回しだ」

 

「そもそも聖杯自体の由来は諸説があり、アーサー王伝説などの聖杯伝説は、()()()()()()()()()()で、万能の願望機だ」

 

「万能の…願望機?救世主?あ―――」

 

マルタは倒れる

 

「マルぴ!」

 

「「マルタ!」」

 

何とか立ち上がる

 

「だ、大丈夫、ちょっとふらついただけ。ホント大丈夫…。でも何だろう…。何だか、少しだけ、記憶が繋がった感じだわ。聖杯…聖杯…―――。

(聖杯。聖なる杯。それは…。尊い物、大切な物。その辺に放ったりしてはいけない特別な器。地下(ここ)で悪さをしている聖杯。それは、本物なの…?本当に聖なる杯?いいえ、本物かどうかは分からないけど、そう謳っているのなら!放っておけない!放っておいてはいけない!)

どうしましょう、どうしましょう!」

 

マルタは慌てだす

 

「落ち着いて落ち着いて、はい、どうどう。記憶はぼんやりしたままだけど、聖杯が特別なモノだって事は思い出した感じ?」

 

「曲がりなりにも聖女マルタの影法師―――英霊だ。救世主に関わる器となれば慌てもするだろう」

 

「まずは聖杯を探し出す事が最優先だ。魔力リソースとしての聖杯はちょっとした事で暴走するケースが多い。このままだと事態が悪化する可能性がある!聖杯だと分かった以上、放っとけない」

 

「最後まで協力するぜ、トーマ」

 

「ウチも!」

 

「管制室。聖杯の位置は?」

 

『北東、50m先です!』

 

「行くぞ!」

 

「う、うん!」

 

俺達はその場所に行く

 

『聖杯の反応です!皆さんの前方すぐ、高魔力反応があります!』

 

俺らマスター組は微妙な顔で構える

 

「前方。アレか」

 

「アレ、の事…で、いいの…?」

 

肝心の聖杯はたくさんの目がある柱になってた。そう…

 

「「「魔神柱だコレ!」」」

 

キャット、ヴァーリ、オーフィスの言う通り、魔神柱の見た目になってたのだ。何でさ

 

「しかしこの質感、この甘ァ~い匂い!苺風味の生クリームに覆われたスポンジ体!つまり…ケーキだこれ!」

 

「何で魔神柱型のケーキなんだよ」

 

「すっごい魔力量。臨戦態勢、寄らば襲い掛かるって感じ」

 

「…これって。これって、ええっと()()()()わね!」

 

「マルタ!?」

 

「うんうん、分かるぞ。即ち!鴨が葱を背負って来たのだな!」

 

「食材というか、異形のケーキが動いてるけどな」

 

「あのね!お姉さん、分かっちゃったわ!()()()()()()()()()()()()()って!勘だけど、そう思うの。どうかしら!」

 

「―――面白い。何せ、ケーキで出来た魔神柱だ。食材エネミーと同質の存在に見えない事もない。スカサハ=スカディのルーンの効き具合次第ではあるが、これまでのエネミーと同じく、撃破すれば食材を落とす可能性は、頭ごなしに否定できない。むしろ私としても!撃破を勧めたい所では、ある!」

 

「エミヤンもノッてきたな!流石はサンタム!」

 

「おおっとノーコメント!」

 

「私は無論、聖女殿予感に従うとも。どうあれ聖杯で悪戯をするモノは放っておけない!」

 

「うし、撃破するぞ!」

 

「おけまる!」

 

どうやら満場一致のようだ。俺も撃破をするけど

 

「こっちはいつでも火炎魔術を撃てるぞ」

 

「食材確保と事態解決!いっぺんにやっちゃいましょう!この大きさ、この迫力…ええ、ええ!―――相手にとって不足なしってなものよね!」

 

「え、いつものマルタっぽくなってないか?」

 

「…じゃなくて、頑張りましょうね!」

 

「あはは、いよいよ根性見せて来たね!それでこそマルタ!」

 

「えーっと、えーっと。お料理全開でいくわね!タラスク!」

 

マルタに呼ばれたタラスクは駆けつける

 

(うおおーー!うおおおおー!)

 

「いっくわよー!」

 

 

 

 

 

=================================

 

 

 

 

 

「■、(フーガ)(ドウンッ!)」

 

『臨界状態です!魔神柱型ケーキ、消失します…!』

 

フーガでトドメをさすと、魔神柱は消える

 

『聖杯及び原初のルーンの影響によって拡大s手板地下食料保管庫、通常に戻りました!それに伴い、皆さんの現在地も微妙に変化して…地下ではありますが、地下食料保管庫とは異なる場所に―――あっ、聖杯です!聖杯が出現します!』

 

聖杯が出現する

 

「聖杯…これが…?」

 

「大規模な魔力リソースとしての存在だ。少なくとも、救世主の血を受けたソレではないさ」

 

「そう―――なのね。でも、これ以上悪さする前に止められて良かったわ。お姉さん一安心!」

 

「そんな事より聖杯だ!そんな事より食材だ!聖杯&食材、いっぺんにダブルゲットなのだな!」

 

「ええ!ダブルゲットね!」

 

「これで全食材ゲットしたな」

 

「あ゛ぁ゛~、つ゛っ゛か゛れ゛た゛ぁ゛…」

 

飯食って風呂入って寝たい…

 

「お疲れ様!それに、皆ありがとう!3人もここまで力を貸してくれて、本当にありがとう。結構大変な道のりだったと思うし、皆が大変だったのも見て来たけれど。それでもね、こう思うの。―――楽しかったわ!心から!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~食堂~

 

ヴァーリとオーフィスも他のサーヴァントと一緒にクリスマスパーティーで盛り上がる中、俺はコーヒー飲む。身に染みるなぁ…

 

「クリスマスケーキも完成っと!」

 

「無論、ここにあるだけではない―――厨房には無数のケーキがあるので、安心してもりもり食べるように。いいね?」

 

「おおおーめでたい、めでたいだワン!これにてクリスマス料理作戦一巻の終わりなのだな!」

 

「その通り。ここから先はクリスマスパーティーだ。いい具合に人も英霊も集まってきた頃合いだ。パーティー開催の宣言が必要だろう。今回の立役者はやはり―――」

 

「サンタマルタだな」

 

「そうですね!」

 

「はい、マイクでち。年に一度の晴れ舞台。気張るでちよ!」

 

「えっ、マイク?えっあっ(キーン)わっ。えーと、えーと…―――今年のサンタクロースをやっています、マルタです。スカサハ=スカディさんからは、サンタマルタと名付けていただきました。普段のサンタと多分違う感じだろうから、もし皆を驚かせちゃったら、ごめんなさい。今回のクリスマス、私は私に出来る事をやりました。それがこれです!とっておきの、クリスマスパーティー!心を込めて、厨房の皆と3人のマスターとで食材を集めて…全霊をかけてお料理したわ!皆、どうかたくさん食べて、たくさんたくさん楽しんで…普段の疲れを癒してね!メリー・クリスマス!」



目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。