剣と魔法の世界で勘違いして念能力発現させた俺の話し聞く? (ふろなかさたかた)
しおりを挟む

~プロローグ~

拙い文章ですが、
よろしければよろしくお願いします。


 HUNTER×HUNTERの世界に転生した。

 

 気がつくと知らない女性にだきかかえられていた。

 

 自分の身長から考えると、この女性はいったいどんなに大きな体をしているのかと驚き、困惑した。

 

 ギネス記録だろう、と。

 

 しかしなにも驚く必要はなかった。

 自分の身体が小さくなっていただけなんやから!

 ハッハッハッハッハ、はぁ!?

 

 俺のマグナムみたいに大きくなることはあるかもしれないけど、小さくなるわけ無いじゃないか!

 驚く必要しかねえよ!

 

 とかなんとか、1人ノリツッコミと言う恥ずかしい思考でもって少しでも落ち着けるかと思ったがそんなことはできなかった。

 

 その後は気が狂いそうな思いをしながら生き続けた。

 まあ、赤ん坊なのでなにも出来なかっただけ、とも言うが。

 しかし、良い歳しているのに赤ちゃんから人生やり直すのは軽く死ねたね、恥ずかしくて。

 

 そうは言いつつも何とか頭の中を真っ白にして何も考えないようにしたりして乗り切りつつも、両親が使っているどこかの国の言葉を覚えようと悪戦苦闘したりしていた。

 

 特に意識しなくても言葉を覚えるシワシワいっぱいのベイビーブレインはやっぱり優秀で、えっちらおっちら言葉を覚え始めた2歳と少しの僕ちんは、とんでもねえ話を耳にしておったまげる事となった。

 

 

 「まただ、今年の新成人になった奴から3人がここから出ていくそうだ……」

 

 「そう……」

 

 新しい俺の父親は、何とも悩ましそうにそんな話を新しい俺の母親としている。

 

 「何がハンターだ!何が魔獣を討伐して英雄になる、だ!これまで私たち大人がどれ程お前らのためにしてきたと思ってるんだっ!!!」

 

 うん?

 ハンター?魔獣?

 ふむふむこれはこれは、そそりますねぇ!!

 これぞ異世界って奴が来たぁぁ!

 我が家の暮らしが余りにも酷いので時代逆行転生パターンかと思っていたんだが、これは勝つる!

 逆行転生はそれはそれで良いんだが、やっぱり今は異世界にかぎるぜ。

 異世界で俺Tueeeeeeして、

 ハーレム王に、俺はなる!! デデン

 

 「順調だってこちらに仕送りをくれる子も居るみたいだけど、それもたったの一人。何がハンター試験よ……。ハンターになるどころか、それ以前の問題じゃない。とんだ、とんだ親不孝じゃないの…うぅ……」

 

 ハンター試験!?

 

 寝耳に水とはこの事か……(たぶん違う)

 

 その言葉から受けた俺の衝撃はとてもじゃないが言葉にはできないものであった。

 

 "ハンター試験"

 

 別に俺が有識者ニキじゃなくてもわかる、わかってしまった。

 ハンター、魔獣、ハンター試験……

 これらの言葉から導き出される答えは1つだ。

 

 なんとまさか、この世界はーー

 

 HUNTER×HUNTER……なのか?

 

 

 

◇◇◇

 

 HUNTER×HUNTERは、面白いから好きだ。

 

 特に念能力が出てきてからは多彩な"発"とその戦闘シーン、戦闘描写、心理描写に引き込まれていった。

 

 念能力はもちろん制約と誓約とか言わずもがなでカッコ良く、

 カイトがピトーにやられた時の衝撃、

 ゴンがゴンさんに覚醒したときの興奮、

 クラピカの覚悟やレオリオの熱い思いにキルアの実家とのいざこざ、

 なんとも現実的なネテロと王の戦いの決着、

 キメラアント編一番のみどころの王とコムギの最後の軍儀など。

 

 沢山の見所に溢れた漫画だ。

 

 だけどそれは見ているからであって、その当事者になりたい訳じゃ決してない。

 

 だってこの世界はめちゃくちゃ危ない世界じゃねえかよぉ!!

 しかも、全然ストーリー覚えていないし、ど、どどっどないせいっちゅうねん!

 

 綺麗だからって一族を辱しめながら殺して目玉を抜き取るキチガイ集団にバトルジャンキーが目白押し(めじろおし)

 マフィアみたいな非合法組織が幅を利かせていたりもするんだぞ!

 

 極めつけは念能力。

 修めているものとそうでないものとの格差がえぐい。

 だからまずは念能力者であることが前提だと思ってる。

 

 仮に念能力を修めたとしても、だいたいが初見殺しで、ジャイアントキリングなんて当たり前。

 つまりどれだけ強くなって死の危機は回避できないってことだ。

 

 それに、念能力を使えば完全犯罪なんて朝めし前だ。

 特に罪がなくても爆弾にされたり操り人形にされたりとポンポン殺されちゃうのがこの世界。

 

 さらに、人の住む世界なんて外の世界(暗黒大陸)から見ればほんの小さな領域に過ぎなくて、その外の世界にはキメラアントみたいな化物がうじゃうじゃ。

 

 あんだけカッコ良くて頼りになったカイトがキメラアントに一瞬で片腕を持ってかれた時はあまりの衝撃にその他は展開を信じられなかった。

 そして久しぶりに登場したらお人形にされちゃっていたって言う。

 HUNTER×HUNTERは、物語の主人公サイドのレギュラーにも厳しい世界です。

 

 1000万人に一人の天才(主人公)が人生を棒に振って倒せる化け物(ボスキャラの幹部)ばかりの世界……

 

 ドコ、ヤサイセイカツ ドコ?

 アッ 冷蔵庫の中……

 オワタ?

 オデ ノ ダイニ ノ ジンセイ ヘイマク?

 

 

 




最後までお読みいただき、
ありがとうございました。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

オーラを目覚めさせる

 少し独自設定を加えております。
 念能力の会得方法で、無理やり"精孔"を開いた際に溢れ出るオーラを押さえられなかったときのデメリットについてです。
 私が軽く調べた限りでは詳しい記述はなく、他の二次創作やネット記述では気絶するのみと言う扱いを目にしました。
 しかし、心源流において禁術とされる事から、気絶するだけなら禁術にはしないだろうと思いました。
 なので溢れ出るオーラを制御できなかった場合、生命エネルギーを全て放出しきり死んでしまうと言うことにいたします。
 無防備な無能力者が悪意あるオーラを受けるのが危険なので、と言う解釈もありますが、やはりただ気絶するだけであればそれはほぼノーリスクと同じではないでしょうか。
 それは個人的につまらないなと思ったので、死ぬことにします。
 才能がなければ死にます。
 せめて50万人に1人、出来るなら1000万人に1人の才能をもって出直してきてください。
 


 『本当の天才は、この世界を憂えて生まれる前に死ぬ』、と言う言葉を聞いたことがある。

 

 ドコで聞いたのかなあってGoogle先生に聞いてみたけど残念、精神科医への電話番号と自己啓発本へのリンクしか出てこなかったぜ……

 別にワイは自殺志願者ではないんやがな。

 

 とまあ何が言いたいのかって言うと、例えこの世界がどんな世界でも、今日も一日頑張るぞい!と言う話である。

 

 閑話休題(余談はそこそこに)

 

 幼子の利点は考える時間が沢山あることだな。

 食う寝る排泄以外の時間は全部自由時間だ。

 俺は他の誰も持ち得ない利点を1つ持っている。

 

 それは赤子の頃にはすでに物心どころかある程度成熟した精神と思考回路を持ち合わせていることだ。

 

 つまり、そろそろハイハイを卒業しようと言う今からでも"念能力"の修行を始められるって言うことだ。

 

 前にちょこっとだけ話したが、"念能力"とは、HUNTER×HUNTERの世界で途中から出てきたいわゆる超能力のようなものだ。

 

 それは、ハンター試験に合格した後、裏ハンター試験としてハンター教会から派遣された指南役が教え、習得して始めて一人前のハンターとして認められる。

 

 しかし、その裏ハンター試験のことは公表されていない。

 

 何故なら、念能力はとても強力な力で、危険だからだ。

 それこそ、修めた者とそれ以外とではそもそも戦いにならない。

 ただの人では知覚することも出来ず、悪用方法なんて無限にある。

 

 だから、念能力を求めて悪人が集まらないように、裏ハンター試験のことは表沙汰にされていない。

 

 これくらいは漫画一周しただけの俺でも覚えている。

 

 そして、念能力は誰にでも習得可能である。

 ココ重要!

 

 某奇妙な冒険の超能力は、矢に選ばれなければ即死する。

 超科学の学園の都心じゃあ才能必須の格差社会。

 でもここは凡人万歳、努力万歳、感謝の正拳突き万歳、制約と誓約のジャイアントキリング万歳のHUNTER×HUNTERの世界!

 

 誰であろうと念能力を習得することは可能で、その必殺技の"発"の相性次第でいくらでも戦える!

 まぁ、逆に言えばどんなに強くても相性で負けたり、最悪核爆弾で塵にされるけどね(爆笑不可避)

 

 とは言えとはいえトワイエ、ここで問題がある。

 念能力ってどないして習得すればええんや?

 

 ……いや、だって漫画じゃあ時間がなくてオーラをぶつけてもらって無理やり目覚めさせる!ってパターンだったが……

 

 俺の周りに念能力を使える人が居るのか居ないのかはともかく、どこにまだ歩くことも出来ない幼児にそんなことをするのか。

 

 そもそも、無理やり目覚めさせた場合、目覚めたオーラ(生命エネルギー?)を上手く押さえ込めなければオーラが枯渇して死んでしまう。

 

 そりゃあ1000万人に一人の天才からすればオラオラいけるんだろうけど……流石にね

 

 初めてやることに自信満々に出来ます!なんて言えるような人生送ってきてないからなあ……

 

 

 

 まあ長々と話したが、念能力を習得するためにはオーラ(生命エネルギー)を目覚めさせなければいけない。

 

 そしてその方法は2つあり、

 ・他人のオーラを受け無理やり目覚めさせる

 ・じっくり目覚めさせる

の2つの方法があり、前者は簡単で早いが才能がないと枯れて死ぬ。

 後者は、難しく時間がかかるが安全。

 

 当然、幼児の俺に念能力のマブダチなんて要るはずもなく、後者の方法を取るんやがどうやってじっくりと目覚めさせんの?と言う話である。

 

 やけど、うっすらとどういう感じで目覚めさせるのかは想像してはいる。

 

 実は、異世界と言うことでずっとその~、

 あぁっと、まぁ……ね、魔法の練習をしてたり?

 

 いや、だって定番じゃん!

 お腹の中になんかエネルギー的な物を感じ取って、それを動かして呪文を唱えたら魔法が!

 消費しまくって超回復で魔力量チート!!

 俺つええええええしたかったんだよ!

 わるいかよっ!

 

 まあ、そもそも逆行なのか異世界なのかわからんかったし、全然進歩がなくて2日で止めたけど。

 

 でもココがHUNTER×HUNTERの世界だとわかったのならこっちのものや。

 10万人に一人の天才が作中に登場したけど、そのキャラは先生が居てもオーラを目覚めさせるのに半年かかったそうな。

 

 つまり、手探りでやる凡人のワイなら2年、いや、1年もあればいけるはずやで!!

 

 と言うことで瞑想して自分の中の生命エネルギーを感じ取るんやで!

 

 

 

◇◇◇

 

 

 あれから3年と数ヶ月経ち、俺は6歳になった。

 

 えっ、オーラは目覚めたんかって?

 ハハハ、もろちんさ。

 ついこの前ね……。

 

 想像を絶する苦行だったわ。

 半年で少しは何かを掴めると思ってたけど全く。(3歳)

 1年が過ぎ、さらに半年すぎた頃ポッキリ心が折れしまった。(4歳)

 自分には無理だ、やっぱり俺は無能だった、生まれ変わってもその性根は変わらないと、酷く自己嫌悪に陥ってドンドン辛くなり、そのまま瞑想でオーラを感じ取る訓練はやらなくなった。

 

 そんな感じで ウジウジ し始めた俺に、3歳の頃から家族ぐるみでよく遊んでいたアーティカはマウントポジションでボコボコにぶん殴ってきた。

 

 

 

 正直全く意味がわからなかった。

 なんで?なんで殴られてるの俺?

 

 さらには、痛みとショックで俺が泣いてしまう前に殴っている当の本人アーティカが大号泣し始めた。

 

 なんで?

 

 しかもその手を止めることはなく。

 

 だからなんで?

 

 余りに訳がわからず、泣くに泣けない(心の中では幼女にボコられて情けなくて泣きそうな)俺に彼女は、

 

 「なに諦めてんのよ!あんたがアタシに諦めない強さを教えてくれたんでしょ!なのにあんたが先に諦めてどうすんのよ!」

 

と言ってくれたが……

 

 ゲフッ、

 がフッ、

 ウグッ、

 ウゲッ、

 ちょっ、ちょっと、

 何て言ってるか、

 聞こえなっ、聞こえなっ……ぃ……ガクッ

 

 どうやら彼女の言葉は届かなかったようだ。

 

 

◇◇◇

 

 

 初めて会った時、アーティカは瞑想してる俺に何してるの?と声をかけてきた。

 

 いつもちょこんと座っている俺に『何してるの?』と、両親や近所のガキンチョが訪ねてくるのは当然だろう。

 

 そして俺は当然のように『自分の中のオーラを感じでそれを目覚めさせるんやで、みたらわかるやん』と、ありのままに答えた。

 

 そして両親や周りの大人たちは苦笑いを浮かべ生ぬるい目や理解不能といった目を向けてきた。

 子供たちは素直で、『意味わかんなーい』『オーラってなんなんだよ』と、バカにしてきた。

 

 当然IQ53万の俺は、バカ正直に答えるものではなかったとすぐさま学習したが、それでも自分をバカにする奴らを好きになれるはずはなかった。

 

 だから、今回は眠たくてとかそんな感じで上手くごまかそうと思ったが、やっぱり正直に話すことにした。

 

 それは別に彼女に何かを感じたわけではなかった。

 ただ、何故か偽りたくないと思ったからだ。

 こういうことは、前世でも時たまあった。

 こうすれば賢く生きていけるな、そう思ってもなぜだかそうしたくなくて痛い目をみたことが何度もあった。

 でも、そうしたときの自分は何故かすごくいい気分だった。

 自分で自分の事をカッコ良く思えたからかもしれない。

 

 「オーラを目覚めさせるために自分の中のオーラを感じようとしているんだ。」

 

 あーあ、またバカにされるかな?まあいい、後で俺が念能力を習得したらそれで痛い目に合わせてやる!と、暗い感情をぐるぐるさせていたが、彼女はそんなことはせずにいくつか質問をしてきただけでバカにしてくるようなことはなかった。

 

 少しバカにした風な周りの人たちと違い、彼女はバカにすることもなく真剣に話をしてくれた。

 

 子供ゆえの純粋さか、なんとなく嬉しかった。

 

 

 

◇◇◇

 

 それから彼女が僕をボコボコにするのはいつもの事となった。

 

 えっ、ママン?パパン?あんたの息子ボコボコにされてるんやが?

 

 

 アーティカの拳はめっちゃくちゃ痛くて、でも俺の心に響いて、俺は立ち上がる!!

 

 そんな胸熱展開が起こるはずだったのかもしれないけど、あの時俺は殴られ過ぎて彼女の言いたいことは何一つ聞こえてないし、その前に落ちてしまった。

 

 故にその後も無意味な瞑想なんてする必要もなくなったのだが、刻まれたアーティカに対する恐怖心はそれを許してくれなかった。

 

 まじで、あいつは特訓してないと容赦なくその拳を振るようになった。

 初めはただただ力一杯だった拳は、より痛烈に、より鋭く、より早く、より力強くなっていき、そのうちどこかから「お前の拳なら世界を取れる」って謎のトレーナーでも現れるんじゃねえかと思ったほどだ。

 

 その拳から逃れるには、一刻も早くオーラを目覚めさせなければと、寝る間も惜しんで生命エネルギーを感じようと頑張らざるをえなかった。

 

 お陰でその後半年ほどでオーラらしき物を感られるようになり、さらに半年でオーラが目覚めたと言える程オーラを纏えるようになった。

 

 正直、泣いた。

 なぜなら、これでもう殴られてもオーラを纏えるから殴られても大丈夫だと安心した。

 

 安心していたらまたマウントで殴られた。

 直接的な痛みはなくなったが、逆に今まで感じる以前の話だった凄まじい衝撃を感じるようになった。

 こんなパワーて殴られていたのか、よく死ななかったな……

 

 そんなこんなで、少しでも時間があれば瞑想をしていたから、両親には良く寝る子供と言う意味で"ジェイダ"と呼ばれ初めた。

 寝てるんじゃねえ、瞑想だ!

 それに、俺がボコボコにされている間なんで助けてくれねえんだよおおおおおおお!!

 

 あ、忘れていたが俺の名前は"ノア"だ。

 

 大船にのったつもりで任せてくれよ!

 まあ、何を任せるねん?って話なんだが。




最後まで目を通していただき、
ありがとうございました。

前書きの事なのですが、あれは作者の意見ではありません。
あれは、裏試験の試験管の『ひよっこ』さんがそう話していましたので、作者は何も悪くありません。
ひよっこさんは、強化系能力者でプロハンターで青筋建てながら「ズシッッ!!!!」と大声で叫んだりします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

説明回~四大行

今回は説明回です。
主人公の周りに軽く触れつつ、どうしても欠かせない念能力の説明です。


あまりのアクセスに正直嬉しくて泣きそうです。
感想や、評価を付けてくださる方もいらして、ありがとうございます。
これから返信していくつもりです。

本日は、今回の第3話で撃ち止めとなりますが、これからもよろしくお願い致します。


 オッス! オラはノア。

 

 何とかオーラを目覚めさせれたのは良いが、まだまだ念能力を習得したとは言えねえ状態だ。

 

 何故ならオーラを目覚めさせるのは念能力の基礎以前の話だからだ。

 

 この後は、念能力の基礎能力と言える"四大行(よんたいぎょう)"を使いこなせるように特訓だ!

 

 オラ ワックワクすっぞ!!

 

 

◇◇◇

 

 ドラゴンの桜の二期で言っていた通り、人を動かす力の中でもネガティブな感情の持つ力はすごいと思った。

 

 俺Tsueeeeしたいとか、念能力習得してえとかそんな思いじゃあ、ちっとも進歩しなかったが、殴られたくない殴られたくない殴られたくないって思ったらすぐにオーラを目覚めさせることが出来た。

 

 あれ、なんだか視界がぼやけるな、珍しく雨か?

 

 

 閑話休題(作者はすぐ余計な話をする)

 

 

 そもそも、念能力とはなんぞ?と言う疑問を持ってはいないだろうか?

 大丈夫だ、俺も全くわかってない。

 オーラ(生命エネルギー)を使っていろんな事が出来る……とかくらいしかわからん!((ドヤッ

 

 オーラはただ放出し纏っているだけでも、軽いオーラによる攻撃を弾いたり、肉体を活性化させ寿命を伸ばし健康を保ち若さも保ってくれる。

 

 だが、当然それだけじゃあない。

 それが、念能力の四大行だ!!

 

 四大行とは、

 

 ・体から溢れるオーラを制御し体の周囲に留める【(テン)

 ・オーラが体の外に出ないよう内に留める【(ゼツ)

 ・体からオーラを溢れさせるのではなく自らオーラを練り上げる【(レン)

 ・オーラを上手く使うことで完全オリジナルの超能力を発揮する【(ハツ)

 

 この四つが四大行と呼ばれる念能力の基礎、基本技だ。

 

 【纏】はすでに習得済みだ。

 体から自然と放出されるオーラをただ浪費してしまわないように体の周囲に纏うのだ。

 これは、瞑想でオーラを感じつつゆっくりとオーラを目覚めさせたので、自然と使えるようになった。

 だからまだオーラが目覚めたばかりだが、オーラの扱いはそれなりにできる。

 

 次に【絶】だが、これももうすでに出来ている。

 ただオーラの放出を止めるだけでなく、内側に引き留める感じだ。

 この絶はかなり有用で、尾行するときはもちろん、オーラを消費したときはこの絶の状態を保ち続けるとオーラの自然回復が早くなったりもする。

 だけど、逆に言えばオーラが全く纏わないので、不意討ちを受けたら即死するし、達人からすれば逆にオーラが無さすぎて位置がばれてしまうらしい。

 

 

 そして【練】。

 意図的にオーラを沢山作り出す。

 これは念能力者における基本的な戦闘態勢で、例えるならブオンブオンと、エンジンをふかしているみたいな?

 まあ、問題なく出来る。

 

 そして、最後に【発】。

 いわゆる必殺技。

 念能力の念能力足るゆえん。

 これは、オーラを利用して人それぞれ全く異なるオリジナルの能力を作りあげたもの。

 何故必殺技が基本能力に含まれるのか……。

 これは当然そんなもんありゃしない。

 もっとオーラを上手く扱えるようになったら編み出したいと思ってる。

 以上!

 

 

◇◇◇

 

 思っていた以上にオーラは優秀だと思う。

 

 今までは少ししか触れなかったが、俺の生まれた場所はかなりの田舎と言う話だけしていたと思う。

 

 HUNTER×HUNTERの世界は、わりと現代に近い世界観で、普通にビルがバンバン建って、車もビュンビュン。

 飛行機はあるかどうかはわからないが、飛行船は登場したし、エレベーターは当たり前。

 

 だけど俺の生まれた場所は基本は平屋ばかりで、町の真ん中にオアシスと宮殿が在るくらい。

 

 水洗トイレ?

 シャワー?

 なにそれ美味しいの?な世界だ。

 

 あ?オアシス?

 

 良いところに目を付けたにぇ~。

 

 そう、俺の生まれた場所は砂漠のど真ん中の町ですねー、はい。

 

 この町?国?の名前は"ガルシア"。

 まあ、すぐに出てこなくなるので覚えなくて良いが、砂漠のど真ん中のオアシスを中心に作られた町で、オアシスを管理するお偉いさんに支配されている町か、国や。

 どっちかは知らないし、聞いたこともない。

 

 

 オアシスの水は砂漠の真ん中とは思えないほど多く、きれいで、美しい。

 

 水の配給にアーティカと共につれていってもらった時は、感動で少し言葉を失うほどにきれいだった。

 

 そう思うのは俺だけじゃなく、ガルシアの人間は皆が宮殿に住むお偉いさんとかではなく、そのオアシスを崇め奉っている。

 

 つまり、うちの町?国?は住人の全てがオアシスを崇めている宗教国家に近いような気がする。

 

 正直、海に囲まれた国出身(魂は)の俺としてはあのオアシスで目茶苦茶泳ぎたいが、そんなことしたら一族10親等まで皆殺し不可避で神回避不可能だ。

 

 そんな砂漠に囲まれたガルシアでの生活は、現代日本に馴れ親しんだ身としては辛い。

 トイレは決して清潔ではなく近寄りたくないし、夏はとてつもなく暑く、なのに冬の夜は極寒だ。

 雪は降らないが風が吹きすさび、とても辛い。

 

 うちの家は、父が商人か何かをしており比較的とても裕福だ。

 服は艷やかな白を基調とした服を着て、家もしっかりとしておりすきま風とは無縁だ。

 夏の暑さは変わらないが、冬は遠慮なく薪を炊いて暖かい毛布にくるまって眠る。

 

 それでも辛いものは辛い。

 が、オーラに目覚めてからは全く世界が変わった。

 別に涼しくなったわけではないが、前ほど暑さや寒さを感じなくなったのだ。

 

 さらに、ほとんど常に舞っている砂ぼこりも、少しオーラの放出量を増やして纏の範囲を広げてやれば、弾いてくれる!

 

 他にも単純に力が倍以上に跳ね上がったから、オアシスがみたいって理由もあるけど、毎朝の水の配給に行くママンに付いていっている。

 

 毎朝2往復しているから、二人で水瓶を1つづつ運んだら1回で済むのだ!

 重い水瓶を運ぶのはとても大変な作業だ。

 こういうのは父親の仕事では?と思うがいつもママンがしている。

 近所の家でも水の配給は大体がその家の母親が行ってるみたいだ。

 

 だけど、水瓶1つで30キロ以上在るんじゃないかと俺は睨んでるんだけど、流石にそんなことないよね…………

 

 うちのママンどころか近所のママンは皆ゴリラなのかもしれない件……

 

 

 

 とかなんとか、主婦のマル秘テクニック的な感じで、生活のお役立ちアイテム的な使い方ばかりしている今日この頃の俺だぁけど、特訓は特訓でしっかりやっている。

 

 主に【絶】と【(ケン)】を交互にやってる。

 

 【堅】は四大行の応用技の1つであり、纏の上位互換だ。

 練でオーラを増やし、それを纏で体に纏う。

 これによって、練によって増えたオーラの分だけ防御力も攻撃力も跳ね上がる!

 戦闘中は基本的に常にこの【堅】の状態を維持し続けることで不測の事態に対応する事が出来る。

 

 確か、HUNTER×HUNTERの作中で主人公たちも【堅】の持続時間を伸ばす特訓をしていたと思う。

 なぜなら、念能力者同士の戦いでは基本的にこの状態を維持し続けることが望ましいからだ。

 そして、本領を発揮できる時間が数秒しか無いようでは、そもそも話しにならない。

 

 

 とは言え、ほんとになかなか持続時間が延びない。

 確か主人公たちは結構サクサク持続時間延びてたようなきがするけどなぁ。

 まあ時計なんて物がないから正確な時間はわからないんだけれども。

 やっぱり才能がないんかと思う。

 

 でも、取っ掛かりさえ掴めなかったあのときとは違って、少しずつは持続時間が延びているのでやりがいは感じている。

 

 べっ、別に時々愉悦に潤んだ瞳でこちらを見つめてくる幼馴染みなんて存在しない。

 そんな暴力を振るう暗い喜びに幼馴染みが目覚めるわけがない、ないったらない。

 そもそも彼女の家はうちの家からかなり離れていて、6歳と少しの子供が一人でこれるような距離じゃない。

 そして、今日は彼女の両親はうちに遊びには来ていない。

 はい、QED。

 証明完了!

 文句は受け付けません!




最後まで目を通していただきありがとうございます。

 
◇四大行◇(ノア君こと作者のイメージ)
・【纏】:自然にオーラを纏う。
    軽い肉体活性、防御効果、回復効果。
・【絶】:オーラを放出しないようにする。
    オーラの自然回復促進、気配遮断。
・【練】:オーラを垂れ流すのではなく、
    通常以上に生み出す。
    エンジンをふかすみたいな?
    念能力者の戦闘態勢。
・【発】:オーラを巧みに扱い自分だけの
    オリジナルの超能力を発揮する。
    1人1つしか使えない訳じゃないが、
    いくつでも作れるわけではない。
    (メモリの量は才能依存)
    必殺技、初見殺し。

◇四大行の応用技◇
・【(ケン)】:纏と練の応用技。
    纏よりも沢山のオーラを全身に纏う。
    纏の上位互換的な性能。
    その分オーラの消費が激しい。 


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ミズミシキ×ミズウミシキ

初めに、HUNTER×HUNTERと言う作品に感謝を。
次に、作者の駄文をお読みいただき、感想、評価、誤字報告等を送っていただぎ、誠にありがとうございます。


 今日で俺も13歳だ。

 うん?はしょりすぎだって?

 それは許してくれ。

 四大行の【纏】【練】【絶】、その応用技の【堅】【周】【流】の特訓をしていただけで、あとはこんな砂漠地帯でも育つ麦や豆、家畜の世話くらいしか話す事はなかったからな。

 

 実は昨日、とても良いこと(・・・・)があって、今の俺は最高にHigh!!ってやつなんだ!

 念能力の修行自体は相変わらず亀の歩みだけど、今回はその息抜きも兼ねてな……

 コップにヒタヒタまで水をいれて、その上に葉っぱを浮かべてオーラで包んでいる、と言えばいったい何をしようとしているのか伝わるか?

 

 えっ、そんなことしてなんの意味があるんや?頭おかしくなったんか?ってか?

 

 おいおいおい、冗談はよしてくれよ兄弟。

 

 まさかお前、HUNTER×HUNTER読んでないなんて言うんじゃねえだろうな?

 

 おれも鬼じゃあねえ、今すぐ全巻布教用・布教用・読書用・布教用・保存用・布教用・布教用、合わせて10セット買って来るか、Google先生に質問してきなさい。(足し算すら出来てない)

 

 

 閑話休題(ここから一度ナレーション説明)

 

 

 

◇◇◇

 

 人それぞれ得手不得手があるように念能力にも得手不得手が存在する。 

術者は生まれつき必ず強化系・変化系・放出系・操作系・具現化系・特質系、このどれかに属している。 

 

 【水見式】

 

 それは、水で満ちたグラスに葉を浮かべ、グラス全体に対して練を行う。その時起きた現象により属する系統を判別する。

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

 やはりこの瞬間は緊張してしまう。

 

 もし念能力が使えたら……

 

 そんな妄想をしたことある奴ならきっとわかってくれるだろう。

 まさか自分がこの瞬間を向かえることになろうとは。

 すごく嬉しい、楽しみだしワクワクするけど、同じくらい緊張する……

 

 スリザリンは嫌だ

 スリザリンは嫌だ

 ……いや、組分け帽子は関係なかったわ

 

 いかんいかん、心を落ち着かすんだ。

 無心……とはいかなくても、オーラコントロールを乱さない程度に心を落ち着けるんだ……

 

 

 正直、オーラの扱いの修行は上手く行っていない。

 【堅】は一番集中的に鍛えている甲斐(かい)あって上達したが、更なる四大行の応用技の【流】や【周】は出来るだけで使いこなせているなんて口が()けても言えやしない出来栄(できば)えだ。

 

 【円】や【隠】に至っては未だに習得できていない……

 

 分類的には手に持つ道具にも体と同じようにオーラを纏わせる【(シュウ)】と言える水見式をするには、そこそこ集中しなければならない。

 

 「スゥゥゥゥ フゥゥゥゥ……」

 

落ち着いて深呼吸を繰り返す……

 

 

 「……ねえ」

 

 

 集中……集中……集中……

 

 スゥゥゥゥゥゥ……

 

 

 「……ねえってば」

 

 

 このコップも、その中の水も葉っぱも自分の一部のように感じるんだ……

 

 「ハァッ……」

 

 シュゥゥゥゥゥゥゥ

 

 よしっ!

 

 良いぞ、良い感じだ……

 

 

 「なに無視してんのよ、馬鹿ノア!!!」

 

 

 ガシィィィッ

 

 ポカッ ポカッ 

 ズムッ ズムッ ズムッ 

 

 ((( ガクガクブルブル)))

 

 ドサッズサァァァァ     チーン

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 「……いやぁ、ビックリしたよ。

  うっぷ…………突然話しかけてくるんだからさ」

 

 「ふんっ!さっきから何度も声かけてたわよ!!」

 

 

 コップに集中していただけに、突然の外界からの刺激にビックリして顔を上げると、そこには珠のように綺麗ですべすべのほっぺを可愛らしく膨らました幼馴染みの少女がいた。

 

 初対面の時は幼かったこともあるがちょこんとしていて、ついつい甘やかしたくなる可愛らしい女の子だったが、今やスラリと大きく成長し、砂漠の民らしい小麦色の肌と合わさって活発なイメージを抱かせる。

 

 すごく丁寧に手入れをしているのだろう長い黒髪は、クセなど1つもなくサラサラと風になびいている。

 

 あわせてパッチリとした瞳は愛嬌があり、もう少し年を取ればモテモテだなあなんて呑気に考えてしまった。

 

 ここで『おはよう、今日も可愛いね』なんて軟弱てナンパなセリフが吐ければ良かったのだろうが、前世も含めてそんな言葉が出てくるような生き方なんざしてない。

 

 つまり何を言いたいのかというと、自分があの水見式をするってことに興奮しすぎてあのアーティカを無視し続けた俺は、次の瞬間には人間から哀れなサンドバッグに格下げを食らったということだ。

 

 呑気に上げて彼女を見たまま固まった両頬に往復ストレートを2発食らい、そのままキッツいボディ3連打の(まと)としてお腹を差し出し崩れ落ちたと言うだけの話だ。

 

 アイエー 

 アーティカ ナンデー 

 サヨナラー⭐

 

 

 しばらくえずいていて、落ち着いたと思ったが、話し始めるとまた少しえずいてしまう。

 

 なんて衝撃力を持った拳なんだ……

 

 【纏】なんて目じゃない固さを誇る俺様の【堅】を易々と突破してくるとは、やるじゃねぇか……ガクッ

 

 

 「それでどうしたの、アーティカ?僕に何かよう?」

 

 

 「ふんっ、何か用がなくっちゃ話しかけたらいけないの!?」

 

 

 だからその用はなんだって聞いてるんでしょうがぁぁぁ!!!!!

 

 まあしかし、アーティカとは違い大人な僕はそれを口に出してしまうような馬鹿な真似はしない。

 

 ……決してアーティカにビビってる訳じゃあないのだ!

 

 所詮ヤツは無能力者…………だよね?

 

 

 「いいいいやいやいやいや!!全くそんなことないよです、本当に!そそ、それでどうしたの?」

 

 

 くそぉ!!

 前世のナードな自分とはおさらばして、今世ではもっとヤンキーみたいにオラオラする予定だったのにっ!

 

 ヤンキーみたいなオラオラ系はモテるから『偉大なるノアの箱船ハーレム出発進行ドンドンパフパフ~イエーイ!!』計画がぁ……

 

 

 

 「えっ、コップに葉っぱ浮かべてずっと見てるのよ、従僕が。声をかけないのは優しさを越えて暴力でしょ……」

 

 「……いったい何時から僕は君の従僕になったんだよ……。それを言うならサンドバックの間違いでしょ」

 

 「ああん?」

 

 「…………」

 

 

 恐怖政治、ここに極まれり

 

 

 まあでも、確かに今の僕を過剰にして例えると、

 

 ちっちゃい子供が虫を殺して遊んでたり、拾ってきたエッチな本をめちゃめちゃ読んでいる。

 

 そんな感じの行動に見えたのかもしれない。

 

 そしてそれを見たお母さんが、

 

 

 『わあ、すごい闘争心!

 

  未来は偉大な独裁者ね!!(^o^ゞ』

 

 『あらあら~、もうそんな年頃なのね。

 

  お赤飯炊かなきゃ!!(*≧∀≦*)っ』

 

 

 確かにそれは優しさ越えて暴力かも……。

 

 

 とは言え、あのアーティカが、(ボク)が意味不明な行動をしていたので

 

『見ないフリをしていられないほどあんたはヤバくて心配で声をかけた』

 

 そう言いたかったと言うのか!?

 

 アーティカが?

 

 あの「手加減」の「て」の字どころか、その前の"カギカッコ"すらどこかに捨ててきたような彼女が?

 

 アーティカも、成長している……のか?

 

 ボブでなくとも(いぶか)しむだろう

 

 

 

 

 

 

 

 「これは水見式(みずみしき)って言う儀式?みたいなやつなんだ」

 

 

 「露骨に話をそらしたわね……。まあいいわ、それで、それが儀式?」

 

 

 「そうそう。オーラを目覚めさせて念能力を使えるようには誰でもなれるけど、そのオーラの得意不得意はみんな同じじゃなくて、人それぞれ得意不得意が系統ごとに極端にわかれちゃうんだ。でも、当然そんな得意不得意なんてそのままじゃわからないんだけれど、この水見式をすれば自分の得意不得意がわかるんだ!」(ネチャネチャしてて凄い早口)

 

 

 「(そ、そう言う設定なのね。)ボソッ。スゴイワネ……」

 

 

 「でしょ!!いったい誰がこんなの考え出したんだろうね!!」

 

 

 「ソウネ……(いや、あんたでしょ)ボソッ」

 

 

 

 わぁ、例え相手がアーティカだとしても、興味をもってもらえるとすんげえ嬉しいわ。

 

 アーティカも興味ありそうだしもう少し詳しく教えてあげようかな?

 などと、暴走気味な事を考えていると

 

 

 

 「ノアも少しは気落ちしているかと思ったけど、元気そうで良かったわ……」

 

 

 

 少年を案じる少女の思いは届かないーー

 

 

 

 

 

 




 私事ですがこの度は、更新が滞り申し訳ありません。
 これからも糞ザコ更新かもしれませんが、少しでも皆様に楽しんでいただけるように頑張ります!!
今後とも、よろしくお願い致します!!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。