バイオ8で泣いたので全てむちゃくちゃにする小説 (棚町薫の妻)
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エピローグ

 お↑ば↓さんだとぉ!?オネェさんだるおぉぉぉぉ!?(44歳)


 

 

 

 イーサン・ウィンターズ、彼はある村に来ていた

 

 いや、来たくて来たわけでも無く、もうここも村とすら呼べないような有様になっているが、便宜上"村に来た"と言っておこう

 

 

 彼はこの村に自身の娘を探しに入った。正確には、おそらく居るであろうこの村に

 

 

 

 しかし先程も言ったように、もうこの場所は村として機能していなかった

 

 この場に居るのは数少ないまともな人間と、理性もなく人を襲う多くのライカン共、そして全ての始まりのウイルスによって人間をやめている化物が5人と

 

 

 

 イレギュラーが1人、居るだけだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ぐーるぐるしている殺人マシーンから逃れたイーサンは、謎の太った商人のデュークを通り過ぎ、「ドミトレスク城」へと足を運んだ

 

 

 「ここにローズが?」

 

 そう疑問に思いながら城に入ったイーサン。そこには三姉妹からの歓迎が待っていた

 

 

 

 「ローズを探しているの?」

 

 城に入り、広間へ出て少しすると突如として黒い虫が大量に湧き、声が聞こえてきた

 

 

 

 「なんだ?」

 

 声がした方向を向くと、黒いフードを被った1人の女と大量の虫が。そして虫の中からそっくりな女がもう2人

 

 いや違う、彼女ら自身が虫なのだ。その虫が集まり、元の宿主の体を模倣しているだけの姿だ

 

 

 

 

 戸惑っている間に道を塞がれ、左から近づいてきた女に体制を崩され足を刺される

 

 

 「んん 男の血…」

 

 

 そして鎌のような物が足に刺さったまま、女はイーサンをとてつもない速度で引きずってゆく

 

 途中でもう1人がもう片方の足にも刺し、更に速度は上がってゆく

 

 

 

 

 

 高級そうな絨毯の上を引きずられ、やがて止まった

 

 

 「お母様 新しい獲物よ」

 

 「気の利く娘たちだこと。

  

  さあ 見せて頂戴」

 

 そこには、イーサンが最初に連れてゆかれた場所に居た巨大な貴族婦人

 

 

 

 「まあ…これはイーサン・ウィンターズ。

 

  弟の馬鹿らしいゲームから 逃げおおせたようね?」

 

 

 オルチーナ・ドミトレスクが居た

 

 

 

✛✛✛✛✛✛✛✛✛✛✛✛✛✛✛✛✛✛✛✛

 

 

 

 吟味させてもらおうかしら、その言葉を始まりにイーサンは血を吸われ、手のひらにチェーンフックを刺され、天井近くにぶら下げられた

 

 イーサンあわや絶体絶命か、と言った所で事は起きた

 

 

 

 

 バチイィィィィン!!

 

 

 何かを叩いたような、しかし叩いただけでは鳴らないような途轍もない大きな音と一緒に、出ていったはずのドミトレスクと虫三姉妹がドアを突き破り元の部屋へと戻ってきた

 

 

 

 「フゥ↑〜、やっぱ44歳巨人デカ尻はいい音を奏でるなぁ。そう思わないか、イーサン?」

 

 

 壊れたドアから入ってきたのは至って普通の男だった

 

 黒髪を短髪に切り上げ、寒村でも耐えられそうなコートを羽織っている

 

 

 「もういっちょ!」

 

 

 三姉妹を下敷きにして飛んできたドミトレスク。何とか起き上がろうとした所にもう一度スパンキングが入った

 

 

 

 

 

 

バチイィィィィン!!!

 

 

 今度はもっと大きな音で聞こえた。いや、聞こえていない

 

 側にあった窓ガラスが全て割れるほどの音に、耳は麻痺をしてほとんどは耳鳴りになった

 

 

 

 

 「ぎあぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

 

 被害はそれだけにすまない。先程のでさえ扉を突き破ぶるほどの強さだったのだ

 

 次は扉の代わりに、部屋の壁が飛んで行った

 

 

 

 「お母様!…あ、あぁあ!体が凍える!」

 

 「寒い、耐えられない!」

 

 「嫌ぁあ!」

 

 

 三姉妹達が必死に突き破られた扉から一心不乱に逃げる

 

 

 壁に穴が空いたことにより、虫三姉妹の弱点である冷気が外から入り込んできたのだ

 

 

 イーサンはまだ知る由もないことだが

 

 

 

 

 「な、なんなんだお前は」

 

 思わず吊るされたままイーサンが質問を投げかける

 

 

 「俺か?そーだな、俺は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 お前を救う男さ」

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 




 何か違っている点があったら教えてくだしぃ


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オルチーナ・ドミトレスク

 

 

 お前を救う男、そう言われてもイーサンは理解できなかった

 

 いきなり現れて、化物5人衆の1人のドミトレスクと、その三姉妹を一時とはいえ無力化した

 

 そんな男が自分を救うだって?まだ殺しに来たと言われたほうが納得できた

 

 

 

 

 「救いに来たってことは、ローズを助けるのを手伝ってくれるのか?」

 

 

 「のんのんのん、それはお前が助ける存在だろ?俺はお前を救いに来たのさ」

 

 

 ますます意味がわからなかった。もしかしたらクリス達が用意していた人材なのか、と思ったがどうにと違うようである

 

 

 

 ズキッ、と少しずつ落ち着いて余裕のできたイーサンに忘れていた手の痛みを思い出す

 

 

 「おれを救いに来たって言うなら、取り敢えずこれをどうにかしてくれ」

 

 「あぁ、そうだな。ん?」

 

 

 あくまでも無力化、しかも三姉妹とは違いただのケツ叩きである。その時間は、僅か数秒だろう

 

 「バラバラに切り刻んであげるわ!」

 

 

 突き破った壁から、顔に青筋をいくつも浮かべ、鋭く長く伸びた爪を構えたドミトレスクが現れた

 

 

 「悪いなイーサン。俺はこっちをどうにかするからよ、それは自分でどうにかしてくれ。じゃ!」

 

 そう言って崩れた壁を越えてドミトレスクと対峙した謎の男

 

 

 

 

 「冗談だろ!クソっ!あ、ああああぁぁ!」

 

 悪態を付きながら、自ら手を裂けさせることで刺さったチェーンフックから手のひらを脱出。普通の人は出来ないであろう激痛に耐えながら辺りを探し、薬品を見つけそれをかけた

 

 痛みに呻きながらどちらの手にも薬品をかけ恐ろしいスピードで再生するイーサンの体

 

 ふぅ、と一息ついた頃には傷は全てなくなり、後は血液だけが残った。そうはならんやろ

 

 

 

    

 

 

 崩れた壁の向こうの中庭の方では凄まじい音が鳴り響いている

 

 イーサンはそちらに近づかないようにしながら、ローズを探しに城の探索を始めた

 

 

 

✛✛✛✛✛✛✛✛✛✛✛✛✛✛✛✛✛✛✛✛

 

 

 

 寒空の下の中庭では、いつも静かなドミトレスク城とは異なり、定期的に破裂音が響いていた

 

 ただの破裂音では無い。近づいたモロアイカ達は次々と吹き飛ばされ、ドミトレスク城の破壊に努めている

 

 

 「くっ!この、よそ者が!」

 

 「そう邪険にするなよお母様〜、俺も家族に入れてくれてもいいのよ?ごめんやっぱりノーセンキューで」

 

 また一つ破裂音が鳴る。そして何故かドミトレスクの尻だけが丸出しになり、真っ赤に染まっている

 

 なんでやろなぁ

 

 

 

 

 「…そうか、ミランダ様が仰っていたイレギュラーはお前のことか。まさかわざわざ姿を現すとはね」

 

 「おいおいおい、情報が行き渡ってるならちゃんとおもてなししないと駄目だろぉ〜?何時でも叩けるケツと、可愛いお人形さん。それに観賞用魚と、ロボットの玩具を用意しておけよなぁ?」

 

 「こっちのことも伝わっているわけね」

 

 「あぁ、よぉ〜く知ってるぜ?お前らが何でそうなって、その大元が誰なのか何処にあるのか、他にも色々知ってるけどやっぱり一番の目玉情報はアンタのケツの叩き心地が良いって事だな」

 

 

 

 「今決めたわ…お前へのもてなしは、四肢を切り裂いて生きながらゆっくりと血を抜いてあげる!」

 

 

 激しい戦い、いや叩きあい、でもない物が半刻ほど続き、城の方から爆発音が聞こえた

 

 それに続き断末魔のようなものも

 

 

 

 「今の声、まさかイーサン・ウィンターズが!?」

 

 「おーおー、中々やるねぇ」

 

 

 今しがたした音は恐らく、イーサンが虫三姉妹の誰かを倒した音だろう

 

 どこかで書類を見つけたのか、今ではもう原型をとどめていない先程の部屋での経験からか、三姉妹の弱点を見つけ出したのだろう

 

 

 「許さないわ、イーサン・ウィンターズ!!潜り込んだねずみの分際で、私の娘を殺すだなんて!必ず体を引き裂いてやる!」

 

 

 「おいおい、デート中に他の男のこと考えるなんて酷いやつだなぁ。そんなに熱烈アプローチされてるとイーサンに嫉妬しそうだ」

 

 

 

 「少しでも寿命が惜しければ、今すぐそこを退きなさい!」

 

 「退かなかったら?」

 

 「…お前を殺したあとでイーサンを切り刻むわ」

 

 「それって、浮気じゃん!そうやって今までも男を捨てて来たのね!サイテー!」

 

 

 「…………その戯言にもそろそろ飽きてきたわ」

 

 「あ、それ一番来るやつ、まじでダメージ高いやつ」

 

 

✛✛✛✛✛✛✛✛✛✛✛✛✛✛✛✛✛✛✛✛

 

 

 「…イカれた魔女め」

 

 

 

 イーサンは城の探索を始めたあと、ドミトレスクとは会うことはなかったが、その娘の三姉妹達とは対面した

 

 そして半刻で三姉妹全て、十分に一体の中ボス撃破である

 

 

 常人ならありえないであろう速度だが、三年前には一夜にして何体もの異形の化物達を倒してきた男。年季と経験が段違いだ

 

 

 だが、不安が無くなることはなかった。それも当然だ、どこにいようとも破裂音とドミトレスクの怒声が聞こえてくるのだ

 

 

 奴等がベイカー邸に居たのと同じ存在だとすると、中々死なないのはわかっているが、どうにも考えてしまう

 

 何故奴等と同じ化物がここにいるのか、そんな奴等に攫われたローズは無事なのか、クリス達に撃たれたミアはどうなったのか、あの状態では流石に、嫌今考えることはそんな事ではない

 

 

 

 

 今はローズを探すことだけを考えよう。そして、まだ信頼は出来ないあの男に今は協力をしよう

 

 もし本当に自分を助けに来てくれたと言うのなら、あのドミトレスクを吹き飛ばした常識外れの力は大いに役に立つはずだ

 

 

 あの男と合流するためにも中庭へ。いや、先程屋上に続く部屋で見た書類。あの事が本当ならドミトレスクに効く武器があるはずだ

 

 それを探してから合流するとしよう

 

 

 

 

 

 そうと決めたイーサンはもう敵の居ない城を駆け抜けて、心なき四天使へと仮面を被せて扉を開いた

 

 続く礼拝塔へ進み、何かが入れてありそうな重い棺を開けた

 

 

 

 

 

 

 中に入っていたのは死体と、その死体の腕に包まれるように置いてある短剣

 

 これがドミトレスクに効く武器、「死花の短剣」なのだろうか

 

 

 もし本当に古今東西のあらゆる「毒」が塗られているのであれば、流石の奴等にも効果はあるだろう

 

 

 

 そう願いながら死体の腕を除け短剣を拾う。光の反射のせいか銀色に光っているように見える。中々良い装飾もしてある短剣だ

 

 

 

 

 

 

 

 短剣を見つけて、焦る気持ちも少しは収まってきたイーサンはあることに気が付いた

 

 どこにいようと聞こえてきたあの破裂音が聞こえなくなっているのだ

 

 

 

 もうドミトレスクを倒したのか?と思ったイーサンだったが、すぐにその考えは間違いだったことがわかる

 

 

 

 またしても大きな音がする。今度は破裂音ではなく、まるで思い切り何かを殴ったような音だ

 

 それと一緒に飛んでいるような、否、何かが投げられた様な風切り音がする

 

 そしてその音は段々と近くなり

 

 

 

 

 礼拝塔の入り口を壊しながら巨大な物が飛来して来た

 

 

 

 「マジかよ…」

 

 

 『ギィアアァ!血が、血が足りない!血を!』

 

 

 

 「こいつまさか、ドミトレスクか!?」

 

 

 

 

 飛んできたのは、白く触手が何本も生えていて花弁のように分割して開く大顎を持つ巨大な翼竜

 

 そして翼竜の背中部分から生えているかのように、上半身だけで両腕がなく、同じような触手が髪の毛の代わりになっている、まるでトルソーのような女がいる

 

 

 しかし、その体はいくつも抉られたような痕と下半身は小さい子供が粘土で何かを作ったかのようにぐちゃぐちゃに潰されている

 

 

 

 『イーサン・ウィンターズゥゥ!肉を、その血を寄越せえぇえぇぇぇ!!』

 

 下半身の無い体で前足だけ動かし、イーサンを喰らおうと襲いかかり、その足に喰らいついた

 

 

 「ゔあぁぁぁぁああ!」

 

 

 

 一息で腹まで飲み込み、その体を貪る翼竜の頭に、「死花の短剣」が突き刺さる

 

 

 

 『アァア!?アアアァァァァァ!!」

 

 

 刺さった頭部から、まるで拒絶反応を起こしたかのように筋が浮かびパキパキと音を立てて結晶のような物に変化してゆく

 

 

 

 

 

 『よくもぉ!イーサン・ウィンターズヴゥゥ!そしてあのイレギュラアァァァ!』

 

 

 叫んでいる間にもどんどんと結晶化は進み、ついにドミトレスクの体までへと伸びた

 

 

 

 『許さないぃぃ…呪って…やるぅ…………』

 

 パキン、と音が鳴りドミトレスクの上半身が砕けて散った

 

 

 

 

 「呪われてるのは お前だ」

 

 息を整えながらそう悪態をつき、回復薬を下半身にかける

 

 ズタズタになった下半身がみるみると再生して行く

 

 そうはならんやろ

 

 

 

 

 「それにしても、イレギュラー?あの男の事か?とにかく合流しよう」

 

 

 

 そう思い城へと戻ったイーサンだったが、イレギュラーと呼ばれた男の姿はどこにもなく、ただ破壊されたドミトレスク城が残るだけだった

 

 

 

 

 「これも、全部あの男がやったのか?あいつは一体…」

 

 




 適度なイ虐と「死花の短剣」なくさずにゲット。他の奴らに効くのかは知らんけど


 ドミトレスクが毒を受ける前から変異してますが、やろうと思えばできるやろの精神で書きました。この世は全部根性よ


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