青春を傍観せし者 (暇けんぴ)
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番外編
幕間 厄・災・夢・中


バゲ子が当たったよ!!!
やったね!
この調子でモルガンとトリ子も当たるといいな!

水着は完全に捨てます。。。


ー彼方sideー

 

鬼島がキャンサーとなった日から数日。

 

正直アイツがキャンサーになると厄介なことになりそうな気がする。

 

元々芸をやって生きて来た男だ。

他人の芸なんかは見て盗むことも達者だろう。

そうなるとペガサスの時からやっていた武人狩り。

これが大きく活かされることになるだろう。

 

しかもああいう奴に限って飲み込みが早い。

まあそれは芸をやっていく上で自然と身に付いたのだろうが中々厄介だ。

もしかしたらフォーゼやメテオも苦戦するだろう。。。

 

 

そう思った僕は一人特訓をしている。

今のままでも大丈夫だろうけど、備えておく分には問題ないはず。

 

それでいくつか習得した物もある。

まずは僕が使っている杖を槍に変えることが出来た。

まあ杖だとどうしても近接では威力が出せないからね~。

 

そう思って間合いはそのままで近接に特化した形を考えたら槍になったんだよ。

モチーフは某妖精國の女王が持ってた奴。

あの形は惹かれるものがあった。。。

 

そして次に固有結界で映し出せる心象風景を増やした。

と言っても二個しか増やせてないんだけどね。。。

 

一個は某オカンなアーチャーの本家固有結界の様な世界。

その代わり武器は全てが宝具。

 

もう一個はブラックホールがあちこちにある宇宙空間。

これは僕の能力を考えたらふと思い浮かんだ。

 

それで今はもう一つの世界を創り上げようと考えている。

だが中々思い浮かばない。。。

 

そう言えばキャンサーってカニだよな。。。

カニと言えば、焼きガニ食べてみたいな~。

鍋しか食べたことないからな~。。。

 

ふとそんなことを考えていると突然目の前が真っ暗になった。。。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

熱さを感じてふと目が覚める。

 

あれ?何してたんだっけ...?

確か新しい心象風景を創ろうと思って考えてたんだよね。。。

それでふと焼きガニのことを思ったらいきなり目の前が真っ暗になって。。。

 

てかここどこなの?

意識ははっきりしてるし自分のことも分かるから記憶喪失じゃないはずだけど。。。

 

辺りを見回すと建物は崩れ、至る所が燃え上っている。

空は赤く染まり、夕焼けと言うにはちょっと禍々しすぎるような色だった。

 

てか熱い!?

めっちゃ熱いんだけど!?

そりゃ辺り一面炎の中だから熱いだろうけどいくらなんでも熱すぎる!

 

そう思ってると一つの気配を感じた。

僕は咄嗟に身構えると前方から大きな影が見える。

まるで動物の様な感じがするけど。。。

 

するといきなり炎の中から黒い犬が飛び出してきた。

僕は咄嗟に杖を出して応戦する。

 

黒い犬は噛みついてくるが、杖を前に出して何とか防ぐ。

だがそこにもう一体黒い犬が現れ、僕の背後から噛みついてくる。

僕は身を屈め、杖を咥えていた犬の顎を地面にぶつける。

そして後ろから来た犬に後ろ蹴りを喰らわせる。

 

犬たちはそれぞれ攻撃を喰らって地面に倒れ伏す。

何とか凌いだと思ったけど、前にはまだ気配が残っている。

おそらくこの犬たちのボスみたいなものだろう。。。

 

それにしてもこの黒い犬どこかで見た覚えが。。。

 

そう思ってると炎の中から僕が感じていた気配の正体が姿を現す。

それを見た僕は驚いた。。。

だって、その姿が最近見たものとそっくりだったから。。。

 

 

獣の厄災。

 

僕の技の元ネタが集まるゲームで出て来たボスの一つ。

その姿はまさに獣そのもので、全てを喰らいつくすかの様な姿をしている。

 

曰くその獣は全てを焼き尽くし食らいつくす。

曰くその獣は厄災の一つ。

曰くその獣は妖精達と自分に絶望した者の姿。

 

まあその通りで獣の厄災は元は騎士として同胞達の為に戦ったバーゲストという女。

だが彼女は信じていた領民に裏切られ、また自分の所業に絶望した。

そして醜い妖精の様な生き物は生かしてはいけないという使命感の下、獣へとなり果てた。

 

 

その彼女がまさか目の前に居るだなんて。。。

実際に見れてすごく嬉しいんだけど、今はそんなことを思ってる場合じゃない。

 

明らかな殺意をこっちに向けている。

どうやら次はボス戦のようだ。。。

 

僕は杖を槍に変える。

獣も戦闘態勢と言わんばかりに身を構える。

 

仕掛けたのは僕からだった。

 

僕は一直線に駆け出す。

獣はそれを見て前足を振り下ろしてくる。

僕はそれを避けて槍で足を刺したりしていく。

 

だがやはり皮膚の感触が変な感じがする。

まるで泥の様なそれでいて肉の様な。。。

何とも気持ち悪い感触だ。

 

一旦離脱して、槍の形を変えることにした。

と言ってもぶっつけ本番だから上手く行くかわからない。

 

そぎ落とすようなイメージをする。

すると槍の先端が幅広くなっていき、片刃の形状になっていく。

どうやら薙刀になったようだ。

確かにこれなら何とかなりそうだ。

 

後は薙刀に振動を加える。

これでより簡単にそぎ落とすことが出来るはずだ。

 

すると獣が目の前に現れる。

まさかあの距離を一瞬で来たってこと!?

 

僕は直ぐに横に逃げる。

するとさっき僕が居た場所にクレーターが出来上がっていた。

え...それ女の子が出していい威力じゃないって。。。

 

僕は全力で薙刀を振るっていく。

やはり効果はあったようで、あの気持ち悪い皮膚も剥がれていっている。

だがやはり獣にダメージが行くようで、全力で僕を振り払おうとする。

 

だけどやられる訳にはいかないんでね!!

僕は思い切り前足に薙刀を振るう。

すると前足が見事に両断された。

 

良し!これで一気に攻めれる!

僕は一気に心臓部を攻撃する。

といっても普通の生物にとってだから、これが効くかどうかはわからないんだけどね!

 

すると獣が途端に苦しみだした。

それと同時に削いだ皮膚の間から何かが見えてくる。

良く見るとそれは誰かの腕のようだった。

 

もしかしてと思い僕は一気にその周りの皮膚も削いでいく。

するとどんどん腕が見えてきて、ついには顔が見えた。

僕は顔を見た瞬間、腕を全力で引き抜きに行く。

 

その間も獣が暴れるが、僕は足と皮膚を結界で固定し振り落とされないようにする。

やがて身体も見えて来た。

もう少しで引き抜くことが出来る。

 

そう思った矢先に獣が身体全体に赤い稲妻を走らせる。

それが僕に当たり、えげつない痛みを感じる。

核が引き抜かれそうになってるんだ。そりゃ抵抗ぐらいするよね。。。

 

でもここで諦めたらダメな気がする。

そう思って僕は片手で胸ポケットから回復薬を取り出し、口に咥える。

そして口で器用に蓋を開けて飲む。

 

その間にも電撃が身体に当たるがそんなの気にしてられない。

最後のひと踏ん張りで全力で引き抜く。

 

すると彼女の身体が完全に獣から出てくる。

僕は残った力で何とか抱き留めながら地面に落ちる。

 

ふと獣を見ると、呻き声をあげながらも身体がどんどん崩壊していっていた。

その間も稲妻を発生させていたが、やがてどんどん威力も弱くなり。

そして獣は泥と化して消えていった。。。

 

それより今は彼女だ。

僕の知ってる通りだとしたらかなりマズい。

 

取り敢えず僕はスイッチを押して変身しようとする。

だがスイッチを押しても反応しない。。。

 

あれ?もう一回スイッチを押してみるけど変身できない。。。

もしかしてここじゃ変身できないの!?

マジで~...嫌な予感がすんごいしてるんだけど。。。

 

そう思ってると彼女が目を覚ました。

 

???「んぅ。。。こ、こは?」

 

彼方「お目覚めかな?騎士サマ?」

 

???「貴様は一体...、それより何故こんなに熱いんだ。。。」

 

彼方「あー...、それはあんまり聞かない方が。。。」

 

???「ん?...グッ!?アァ、アアアアアア!!!!!」

 

彼方「っ!?ちょっと!?また獣になるとか辞めてよ!?僕結構疲れてるんだよ!?」

 

突然苦しみ出した彼女を必死に落ち着かせようとする。

いくら何でも連戦はキツイって!

いくら現実じゃないからって死にたくないよ!?

 

そう思いながらも必死に落ち着かせようと抱きしめて背中を撫でたりする。

すると彼女も落ち着いて来たのか、段々呻き声が聞こえなくなってくる。

そしてようやく落ち着いた彼女は僕の背中を叩いて離れるように合図してくる。

 

彼方「少しは落ち着いたかな?」

 

???「あ、ああ//済まなかった、いきなり見苦しい姿を見せてしまって...//」

 

彼方「全然。それよりバーゲストはもう大丈夫?」

 

バーゲスト「ああ。おかげでだいぶ落ち着いた。全部思い出した。。。」

 

彼方「...そっか。どう思った?」

 

バーゲスト「...あんな醜い化け物は存在してはいけない。それは私も同じだ。だから私は奴らを殺し尽くした後に自らの命を絶とうと思っていた。」

 

彼方「。。。」

 

やはり彼女にとっては辛いものか。。。

実際彼女は理性を無くした獣になり果てた後もその使命感を持ち続けていた。

それは本能からなのか、彼女の最後の願いなのかはさておき。。。

 

バーゲスト「だが...今ではそんなことも思い浮かばない。ただ何もない...、空っぽの様な感じしかしないのだ。。。私はこれから一体、どうすればいいのだろうか...?」

 

彼方「うーん、どうすればいいんだろうね~。」

 

バーゲスト「え...?」

 

彼方「いや僕にはバーゲストの思ってることや過去は分からない。そりゃそうだよね~、本人じゃないんだから。だから君が何をしたいかなんて僕には分からないよ。」

 

バーゲスト「...それは、そうだな。。。」

 

彼方「だけど可能性を見せることは出来る。」

 

バーゲスト「え?」

 

彼方「君がこれからどうしていきたいのか。その未来の可能性を一緒に考えたりすることは僕にも出来る。だからもうちょっとだけ生きてみてもいいんじゃない?まあそれでも見つからなかったらそれは死のうが何をしようが君の自由だよ。僕は君を縛り付けることはしたくないからね~。それで、どうかな?」

 

僕は彼女に一つの提案をする。

正直助けてあげたいっていうのが本音だ。

だけど他人に用意された道をただ歩くことは果たして幸福なのだろうか?

僕は違うと思う。

 

それだといつまで経っても自立しないで居る。

むしろどんどんその人に依存していく。

それは双方にもマイナスなことだ。

 

だから僕はあえて彼女には答えを与えない。

時々ヒントを与えて、一緒に答えを考えていく。

そんな関係で居たい。

 

まあこれは僕の我儘なんだけどね。。。

 

バーゲスト「...貴公はずっと一緒に居てくれるのだろうか。」

 

彼方「え?」

 

バーゲスト「一緒に考えていくと言っただろう?ならばその時が来るまでずっと一緒に居てくれるだろうか?」

 

彼方「...もちろんだよ!君が望むならね?」

 

バーゲスト「...ならばその誘い、受けよう。」

 

彼方「...後悔はしない?」

 

バーゲスト「私は弱肉強食を掟としている。私は貴公に負けたんだ。ならば従うまでだ。それに...、後悔するかどうかは貴公次第であろう?」

 

彼方「ハハッ!そりゃそうだ!」

 

どうやら少しは前に向いていくようだ。

なら僕はしっかり支えてあげましょうか!

 

バーゲスト「そう言えば貴公の名は何という?」

 

彼方「ん?そう言えば言ってなかったっけ?僕は彼方。我望彼方だよ。」

 

バーゲスト「彼方。。。うむ、我がマスターの名はしかと覚えた。」

 

彼方「え?マスター?」

 

バーゲスト「そうであろう?弱肉強食に則って、彼方が私のマスターとなったのだ。なんら可笑しくはないぞ?」

 

彼方「そっか~。。。まぁ、いっか!てかその口調辛くないの?別に崩してもいいんだよ?」

 

バーゲスト「だ、だが。。。」

 

彼方「いいっていいって!自然体のバーゲストの方が好きなんだからさ~。」

 

バーゲスト「なっ!?//自然体の私が、好き!?//はわぁ!?//」

 

あれ?何かショートしちゃってるよこの子。

なんか...めっちゃ良いっす!

流石僕の推しちゃんだ!

 

そう思いながらバーゲストが復帰するのを待ってると何やら風を切る音が聞こえてくる。

その後に身体中に伝わってくる咆哮のような音も聞こえて来た。。。

もしかして...連続でボス戦!?

 

彼方「今度はアルビオンかよ!?まだ回復しきれてないのに!」

 

バーゲスト「なっ!?アルビオンですって!?ということはまさか、メリュジーヌが!?」

 

彼方「今度は厄介だよ!まあそれでも助けるけどね!」

 

バーゲスト「メリュジーヌのことも助けようとするのですか!?何故!?」

 

彼方「君達妖精騎士達は色んな過去を背負ってる。僕はそれを一緒に背負っていきたいんだ。僕だってそれなりに背負ってるモノがあるしね。だから彼女のことも助けるよ。あんな害悪そのものを愛してしまったとしてもね。」

 

僕はそう言って杖を槍に変える。

念のためスイッチを押してみる。

けどやっぱり変身は出来ない。

 

その代わりアレは使えるみたい。。。

ならなんとかなるかな~?

 

バーゲストは困惑していたが、何やら自分なりに納得したのか顔を引き締める。

 

バーゲスト「仕方ない主についたものだ!私も一緒にやります!その代わり終わったら聞きたいことがあるので!」

 

彼方「そっか。しっかりついてきてよ!」

 

僕達がそう言い合うと同時に地面に衝撃が起きる。

前方からもの凄い土煙が迫ってくる。

 

僕達はお互いの距離を詰めて離れないようにする。

腕で顔を覆って何とか土煙を凌ぐ。

 

煙が晴れた先に居たのは、メカメカしい姿をした竜だった。

ドラゴン・ゾディアーツとどっちが硬いんだろう。。。

いや完全にアッチの方だな。

 

僕らの目の前に居るのは炎の厄災。

 

救いようのない恩人の為に自らの手で恩人を手にかける。

恩人の本性を分かっていながらも救われた恩の為に見て見ぬフリをしてきた。

それ故に二つのことに板挟みになり、絶望と哀しみを味わうことに。

そして本来の姿の竜へと姿を変えていった。

 

そんな炎の厄災もとい純血竜アルビオン。

僕らの目の前に居るソイツは身体の赤い部分を発光させ、こちらを威嚇している。

 

僕達はそんなことを気にすることもなく、バーゲストは鎧を纏っていた姿から最終再臨の時の黒犬公としての姿に変化する。

僕もいつでも行けるように槍に力を込める。

 

するとアルビオンはいきなり宝具である『誰も知らぬ、無垢なる鼓動(ホロウハート・アルビオン)』を撃ってきた!?

僕は取り敢えずバーゲストの前に立って結界を幾重も展開する。

それだけだと足りない気がしたから今まで練習してきたアレを発動させる。

 

彼方「『熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)』!!!」

 

僕は憧れて来た防御宝具を展開する。

本家とは違い黄金に輝く七枚の花弁の様な盾が展開される。

これでギリギリなはずだ!

 

バーゲスト「マスター!私の魔力も使いたまえ!」

 

バーゲストがそう言い僕の肩に手を置くと全身に力がみなぎる。

僕はその力を『ロー・アイアス』に注ぐ。

すると黄金色だった盾に赤黒い稲妻が迸る。

さっきよりも更に強くなった気がする。

 

そして宝具のビームがやって来た。

僕が展開した結界はことごとくあっさり破壊される。

しかも威力は全然殺せてないし。。。

 

僕は残ってる結界を強化する。

しかしビームの威力は全然弱くならず。。。

でもちょっとばかりビームが小さくなった気がする。

 

そしてついに最後の結界も破壊して『ロー・アイアス』にぶつかる。

するとさっきまであっさり結界を破っていたビームがせり止まる。

だけどやっぱりビームの威力が強いからか、体力がごっそり持ってかれる。

 

だけどビームの威力が段々弱まっていく。

その間に一枚やられたが、このままだと問題ないはず。。。

 

しかしそこでアルビオンが更に威力を上げて来た。

急に威力が上がって、一気に三枚持っていかれた。

 

僕はもっと力を込める。

すると盾が一回り大きくなる。

盾にぶつかっているビームの威力も落ちていく。

 

これで何とかなると思ったんだけど。。。

急にビームが止まる。。。

どうしてだろうと思った瞬間もの凄い音が聞こえてくる。

 

何だと思って見てみると、アルビオンが空中を旋回している。

こりゃ大技が来るぞ。。。

そう思っていると空中を猛スピードで移動しながら何かを出す。

あれってアロンダイトじゃねえか!?

 

アルビオンはアロンダイトに宝具のビームを当ててこっちに射出してくる。

あのアロンダイトも宝具レベル。

まさかの宝具×宝具をしてくるとは思わなかった。。。

 

僕は固有結界を発動して宝具の世界を投影する。

その中から僕の等身大くらいある盾を取る。

 

かつて女神アテナが英雄ペルセウスに授けたとする盾。

その名も『イージスの盾』。

 

この盾には二つの説がある。

一つはメドゥーサの首をはめ込んで相手を石化させる能力を付加させた盾。

もう一つはメドゥーサの石化を跳ね返したとされる青銅鏡の様な性質を持つ盾。

 

僕はその内の一つの性質を利用することにする。

まあ僕が取った盾にはどう見ても首がはめ込まれていない。

寧ろ僕の顔を映すぐらい綺麗な盾。

 

ということは『跳ね返す』という性質があるはず。

僕はその性質を使ってアロンダイトをアルビオンに跳ね返そうと思っている。

だがそれだけだと盾が耐えきれない気がする。

だから。。。

 

彼方「『熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)』!!!」

 

僕は盾に『ロー・アイアス』の力を加える。

それによって盾を中心に七枚の盾が展開される。

その色はさっきと違って透明感が増している。

 

そしてアロンダイトに向かって盾を構える。

正直盾の耐久は大丈夫だろうけど、後は僕が耐えれるかどうか。。。

まあこれは最悪『天の鎖』を使って地面と僕の身体を固定させれば何とかなるはず。。。

 

そう思ってるとアロンダイトが目の前に来ていた。

そしてアロンダイトと盾が衝突する。

 

すると身体から一気に力が抜ける感覚がした。

マジかよ!?どんだけ持ってかれるの!?

 

すると『ロー・アイアス』が三枚持っていかれていた。

だがちゃんとイージスの性質が働いているのか、アロンダイトの感触がどんどん軽くなっている感じがする。

だけどやっぱりアロンダイトの射出力とビームの威力が強すぎて身体が吹っ飛びそうになる。

そこを『天の鎖』を使って身体を支えて何とか耐える。

 

だがアルビオンも負けたくないのか更にビームの威力を強めてくる。

それによって身体一気に吹っ飛びそうになる。

『ロー・アイアス』も二枚持っていかれた。

 

そこをバーゲストがやってきて僕の身体を支えてくれる。

 

バーゲスト「マスター!貴方は前方だけ集中してください!私が全力で支えるので!」

 

彼方「ああ!おぅらああああぁぁぁぁ!!!!!」

 

僕は盾に全力を込める。

するとイージスが展開して、前方に鏡の様なものが何枚も展開される。

それによってアロンダイトが一気に離れていく。

 

僕は更に力を入れる。

すると鏡が一つに重なっていき、伸縮していく。

そして僕がイメージすると、伸縮された鏡が解放され一気にアロンダイトを跳ね返す。

 

跳ね返されたアロンダイトはビームの威力に全然負けず、むしろどんどん勢いを増していく。

イージスの性質が一気に発動されたのだろう。

アロンダイトはそのままアルビオンのビーム射出口へと突き刺さる。

 

アルビオンの身体を貫通したアロンダイトは泥になって消えていく。

それと同時にアルビオンの身体が泥となって溶けてかけている。

畳み掛けるとしたら今だな。

 

僕はバーゲストから『妖精剣ガラティーン』を借りる。

そして巨大化したバーゲストによってアルビオンの下へと投げ飛ばされる。

アルビオンの下へと辿り着く瞬間に一気にガラティーンを振り下ろす。

 

ガラティーンはアルビオンの身体を真っ二つに切った。

宝具を展開しすぎて限界だった僕は地面に倒れてしまう。

だけども何とか気力でアルビオンの下へと向かう。

 

完全に泥となったアルビオンは竜核を残して消えていった。

僕は泥状の竜核を何とかキャッチする。

そして自分の出せる力全てを竜核に注ぐ。

 

途中右胸が痛くなったが、この炎の中で肺を酷使したんだろうと思いすぐに忘れる。

ただひたすら竜核に力を注ぐ。

 

もうそろそろ限界だなっと思った時に竜核が白く光りだした。

それを見た僕は身体の力を抜いてしまう。

 

意識が朦朧として倒れそうになった僕を誰かが支えた。

ふと見てみると純白の翼を持った綺麗な女の子が居た。。。

 

???「ありがとう。私を再びこの姿に戻してくれて。」

 

彼方「そりゃ...良かったよ...メリュ、ジー、ヌ。。。」

 

限界を迎えた僕の意識は暗闇の中へと消えていった。。。

 

 

 

 

to be continued...

 

 

 




いかがだったでしょうか~。


番外編を入れてみましたがどうでしたか?
時間軸としましては本文にも書いてある通りペガサス回とキッグナス回の間です。
まあこの間しかなかったんですけどね。。。


毎度のこと彼方くんチート回でした。
今回はFateの宝具をバンバン出してみました!
正直言って何このチートと思ったそこのあなた!
僕も思っている!笑

取り敢えず妖精騎士達との出会いの物語を書いてみようと思いました。
彼女達はこれからの本編にも登場してきます。
どんな登場の仕方をするのかは...現在構想中です笑




話は変わって前回の。。。

感想に前回の誤字ったところを見てちょっとした考察をしてくださった方が居ましたが。。。
正直その展開は考えてなかった!!!

ちょっとアリかな~とは思いましたが、そうなるとまた設定練るのに時間がいるな~と思い今作ではお見送りに。
そう、今作では。。。

まあ、いつかは出るかもね。
とだけ言っておきます!笑



次回も番外編の続き!
もちろん出てくるのはゲーム内ではガウェイン、デメテル、キリ様以来の絶望をもたらした神様と!
まあ自分の推しが出ます笑
彼方くんとどういう絡みをするのでしょうか~。


ではでは次回もお楽しみに~。


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幕間 厄・災・契・約

ー彼方sideー

 

アルビオンと戦って意識を失った後。

 

頭に柔らかい感触を感じながらも意識が戻って来た僕。

依然周りは熱いから多分まだ現実には戻ってないだろうな。。。

 

それにしてもこの感触って一体?

そう思った僕は目を開ける。

 

すると目の前にはそれはそれは立派なブツがあった。。。

これって...もしかして。。。

 

するとどこかで聞いた可愛い声が聞こえる。

 

???「あ!起きたんだねぇ!あれから二時間ぐらい寝てたから心配したよ。」

 

声のする方に向くと本来はあり得ない姿をしたメリュジーヌが居た。

彼女はさっき戦ったアルビオンの核みたいなもの。

 

元はアルビオンが力尽きる際に切り落とした左腕。

泥の中をフォリアの様にアメーバで漂ってたところに恩人に掬い上げられる。

 

その彼女は本来目の前に居る純白に輝く竜と妖精を兼ね備えたような姿になるはずがない。

ゲーム内では最終再臨のイラストでしか出てこない姿だが。。。

 

メリュジーヌ「ああ、この姿はマスターの力のおかげなんだ。マスターの魔力と僕の本来の魔力が合わさって、二度となると思ってなかったこの姿になることが出来た。改めて言うね。ありがとう、マスター。」

 

彼方「マジか。。。てかいつの間に君のマスターになったの、僕?そんな契約はしてないはずだけど。。。」

 

メリュジーヌ「ウソ...、ちゃんとマスターと魔力のパスは繋がってるよ?もちろんバーゲストも繋がってるようだけど。。。」

 

バーゲスト「ええ。私がマスターについて行くと言った時から主従関係、いわばマスターとサーヴァントとしての関係は出来ています。現にアルビオンと戦った時も私の魔力をマスターに渡すことが出来ました。」

 

彼方「うっそ。。。僕いつの間にそんな魔力なんて使えるようになったんだろ。。。」

 

メリュジーヌ「多分胸を見たらわかると思うよ。そこに魔力が集まってるよ。」

 

メリュジーヌの言葉を聞いて僕は服を脱いで確かめる。

するとメリュジーヌの言ったことが現実となった感覚がした。

 

僕の右胸には令呪の様な紋章が刻まれていた。

しかも何故か一画消えてるし。。。

もしかしてアルビオンと戦った時に感じた痛みって令呪を使ったから?

 

僕とうとう一般人辞めたよ。。。

いやゾディアーツになったりフォリアに憑依されてる時点で辞めてるけども。

 

ともかく僕が彼女達のマスターになった事実は変わらないんだし。。。

受け入れるしかないよね。。。

 

彼方「まあ...、二人ともこれからよろしくね?」

 

二人「「うん!(ええ!)」」

 

取り敢えずまずは僕の体力を回復させないと。。。

僕は虚空から全快に出来る量の薬瓶を出す。

そしてそれを全部飲んでいく。

 

二人とも大量の薬を飲んでる僕を見てちょっと心配そうにしている。

まあ傍から見たらちょっとヤバいヤツだもんね。。。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

全部飲んで何とか体力を回復させた。

 

その間ずっと二人は喋っていた。

お互い話したいことがあったんだろう。

 

そしてそれぞれ一息ついたとこでバーゲストがあることを聞いてきた。

 

バーゲスト「そう言えばアルビオンと戦う前に言ったこと覚えてますか?」

 

彼方「確か聞きたいことがあるって言ってたよね?」

 

バーゲスト「ええ。マスターは私達が名乗っても居ないのに名前を知っていた。それにメリュジーヌがアルビオンだということも。。。何故そのことを知っていたのですか?」

 

彼方「あー、それは~。。。」

 

メリュジーヌ「マスター、教えて?マスターのことをちゃんと知りたいの。。。」

 

彼方「...分かった。」

 

それから僕は彼女達に話した。

彼女達はゲームの中の存在だということを。

彼女達の人生は全て物語の中の出来事だと。

 

それらを知った彼女は最初は落ち込んだものの、この世界に自分達が存在しているのだからそれでいいと言った。

それを聞いた僕は驚いた。

 

だってだれでも自分がこの世に存在しないと言われたら信じれないはず。

最悪発狂して暴れまくるってのもあり得る。

だけど二人はそれを受け入れて前を向いている。

 

二人に感心していた僕はいつの間にか二人の頭を撫でていた。

身長差が激しい二人だけど僕の身長が丁度良い感じになっていてそこまで辛くない。

撫でられてる二人は顔を赤らめていて非常に可愛かったです、まる。

 

 

しばらく撫でていると全身が震えあがるような寒気がした。

二人も感じたらしく即座に戦闘態勢に入る。

 

僕もスイッチを取りだしてオンにする。

するとやっと変身出来た。

 

二人はオレの姿を見て驚いている。

そりゃ自分のマスターが異形になったんだからな。

 

だが二人の反応は。。。

 

バーゲスト「私達と同じように異形に。。。それにしても...カッコいい//あの肉体に抱かれてみたい...//」

 

メリュジーヌ「わぁ!マスターも変身できるんだね!私達と同じでカッコいい!」

 

なんで二人とも目を輝かせてんだ?

しかもバゲ子はなんか顔赤くしてるし。。。

 

何とも言えない気持ちになってると全身の悪寒が更に強くなる。

すると地面から禍々しい黒い腕の様なモノが無数に生えて来た。

 

やっぱバゲ子、メリュジーヌと来たら最後は。。。

正直一番厄介なヤツなんだがな。。。

 

そう思ってると黒い腕は一か所に集まっていく。

ということはそこにアイツが。。。

 

そう思ってると禍々しい気配がこっちに向かってるのを感じる。

オレ達はお互いの身体を近づけ、いつでも交戦出来るようにする。

 

そして炎の中から現れたのは。。。

 

トト〇の様なサイズのモ〇ゾーだった。

 

は?

ちょっと待て!?

アイツって本来もっとデカくなかったか!?

キャメロット丸々のサイズだったはずだが。。。

 

今目の前に居るのはト〇ロぐらいの大きさのケルヌンノスだった。。。

なんでここでイレギュラー発生すんだよ。

 

 

呪いの厄災・ケルヌンノス。

 

大事な仕事をサボった六人の妖精達を改心させる為に人間の巫女と共に現れた神。

だが妖精達は口うるさい神が鬱陶しくなり、また自分達の所為で世界が海だけとなったにも関わらず傲慢にも大地を求めた結果。。。

神は裏切られるという形で殺された。

 

残された神の遺体は大地となり、残された巫女は人間のコピーを作る為にひたすら生かされた。

身体をバラバラにされて尊厳を失われても。

ただ妖精達の欲望の為に。。。

 

ケルヌンノスの怒りと呪いは大地となった遺体に残り、妖精達は後に苦しむことになる。

まあ自業自得だけどな。。。

 

 

正直ケルヌンノスの怒りは当たり前の物だ。

自分が殺されただけならまだしも、大切な巫女の尊厳を傷つけ罪を重ねていく。

そりゃ怒るわ呪うわ。

 

そうしてブリテン島を崩壊に導いたはずの神が何故か目の前でただ立っている。

隣に居る二人も警戒はしながらも困惑している。

 

するとケルヌンノスはとことことこっちに歩いてくる。

ケルヌンノス特有の呪いを感じるが、思ってたよりも弱い。

もっと近づくだけで息苦しくなるものだと思ってたが。。。

 

オレ達が困惑してる間にケルヌンノスはどんどん近づいている。

そして遂に席一つ分空いた距離になる。

 

するとケルヌンノスは口を開ける。

中を見ると、一人の少女が眠っていた。

 

いや...確かにケルヌンノスの神核にバーヴァン・シーが取り込まれたのは知ってたが。。。

どう見たってそういう取り込まれ方じゃねえだろ。。。

 

それにしてもなんでケルヌンノスは自身の中に居るトリ子を見せたんだ?

まさか。。。

 

ケルヌンノスに取り込まれたことによって巫女の性質を引き継いだトリ子。

別人だとは言え巫女と同じような人生を歩んできたトリ子のことを巫女と重ねたとしたら。。。

もしかしてトリ子を救ってほしいのか?

 

オピュクス「トリ子を救ってやって欲しいのか?」

 

するとケルヌンノスはうんうんと頷いた。

そうか。。。ならやらねえとな。。。

 

オレはケルヌンノスの中からトリ子の身体を掴む。

正直絵面はアレだが助ける為だ、仕方なし。

 

子猫を持つように身体を持ち上げ、ケルヌンノスの中から出してやる。

よくあるトリ子の身体にケルヌンノスの体液が付いてるっていう生々しいものは無い。

 

トリ子を取り出してオレは変身を解除する。

 

そしてバーヴァン・シーを僕の膝の上に寝させる。

するとケルヌンノスの身体がト〇ロサイズから僕の膝ぐらいのサイズに変化した。

え!?どういう構造なの、ケルヌンノス!?

 

ケルヌンノスの中から出て来たバーヴァン・シーは第一、第二再臨の時の姿になっている。

正直露出度が高くてドキドキしてます。。。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

それから数時間。。。

 

バーヴァン・シーが起きるまで三人で雑談をしていた。

主になんでケルヌンノスがなんでこんな感じになってるのかについてだったけど。。。

 

結果は本人(?)にもわからないとのこと。

多分自分の力はこの世界に求められてないからと言っていたけど。。。

なんか可哀そうになってヌンノスを撫でてあげた。

それに喜んでぴょんぴょんしていた。

可愛い。

 

するとバーヴァン・シーが目を覚ました。

 

バーヴァン・シー「おかあ、さま。。。あれ?ここは?」

 

彼方「あ、起きた?自分のことちゃんとわかる?」

 

バーヴァン・シー「私は、バーヴァン・シー。。。お母様の...、あれ?お母様は?お母様はどこなの!?」

 

彼方「落ち着いて、ここは君が居たとことはちょっと違うから。」

 

バーヴァン・シー「え。。。じゃあ、お母様にはもう会えないの...?」

 

彼方「あー、どうなんだろ?今の僕って多分魔術回路あるよね?」

 

メリュジーヌ「うん、あるよ。多分僕達が戦ったカルデアのマスターよりもあるよ。たくさんね。」

 

彼方「マジか。どんだけチートマンになったらいいんだろ。。。だとしたら、モルガンを召喚することも出来るかもだけど。。。」

 

バーヴァン・シー「ならお願い!お母様に会わせて!私の所為で、お母様が...!」

 

彼方「それは違うよ?モルガンは醜い妖精達の手で殺されたんだ。決してバーヴァン・シーの所為じゃないんだよ。君はモルガンの期待に応えようとしただけだもんね。。。ただ純粋なだけだもんね。。。」

 

僕は泣き叫ぶ彼女を抱きしめて必死に宥める。

 

確かに彼女はたくさんの妖精や人間を殺してきたかもしれない。

だが元を辿れば妖精達が彼女にしてきたことが全部返ってだけ。

正直自業自得な話である。

 

それに今の彼女の精神は不安定過ぎる。

とにかく今は彼女を落ち着かせるしかない。

 

そう思い僕は必死に彼女を宥める。

すると最初は驚いていたが、次第に僕の胸の中で泣くだけだった。

 

 

しばらくして彼女が落ち着いて。。。

 

バーヴァン・シー「さっきのことは、その、忘れろ!!//あんな恥ずかしい姿お母様に見せらんねーよ!」

 

彼方「はいはい、分かったよ。」

 

バーヴァン・シー「ふにゅぅ~。。。って!それ辞めろ!//」

 

モルガンさん、お宅の娘さん可愛すぎやしませんか?

僕に撫でられて可愛い反応しながらツンデレをかましてくるバーヴァン・シーがめっちゃ可愛い。

もうずっと愛でたい。

 

そう思ってると後ろから視線が感じる。

ふと見てみると二人がジト目で頬を膨らませてた。

 

え?何?君達もしてほしいの?

そうアイコンタクトすると二人ともうんうんと頷く。

 

僕は二人においでと手招きする。

すると二人は土煙が舞う勢いで僕の下に来て、二人揃って正座する。

その様を見て僕とバーヴァン・シーはちょっと引いた。。。

 

取り敢えずバーヴァン・シーを膝に抱きかかえたまま、二人を撫でる。

すると二人の顔がとろけるような錯覚が見えるぐらい幸せそうな顔をしてる。

それを見たバーヴァン・シーは驚いていた。

 

バーヴァン・シー「二人とも惚れやすいヤツだって思ってたけど、まさかここまで惚けるなんて。。。まあ、分かんねーこともねーけど...//」

 

そう言ってバーヴァン・シーは顔を僕の胸に埋めてくる。

もうこの子達可愛すぎませんか!?

そう思うとこっちを見てたヌンノスがうんうんと同意していた。

やはり神にもわかるようだ。

何かリア充爆発しろって呪いが来そう。。。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

しばらく三人を愛でていて。。。

 

あの後バーヴァン・シーにも二人に話したことを話した。

その時にちょっと絶望したような顔をしたが、思ったより早く復帰した。

彼女が言うには、自分のことを肯定してくれる人が居ると分かったからそこまで衝撃は受けなかったらしい。

 

これで少しは彼女も救われたのかな?

隣に居るヌンノスはうんうんと頷いてくれる。

 

そう言えばヌンノスはどうやらバーヴァン・シーと同じ霊基ということらしい。

まあ言ったらオリオンや北斎のようなパターンらしい。

 

それからしばらくして落ち着き。

取り敢えずスイッチをまた押してみると、今度は完全に力が戻った感じがした。

どうやらやっと本領発揮できるみたい。

と言ってももうやることはないだろうけど。。。

 

そう思ってるとバーヴァン・シーがふと提案してくる。

 

バーヴァン・シー「ねえ?お母様を召喚することってやっぱできないの?」

 

彼方「ん?どうして?」

 

バーヴァン・シー「それは...、お母様も一人きりだったからさ。。。カナタならお母様のことも助けてくれそうだから。」

 

彼方「...なるほどね~。」

 

まあ、モルガンのことも分かるっちゃ分かる。

まあ最初の六人の妖精の様に本来の役目を放棄し自らの欲望に走ったけど、しっかり王としての責務は果たしていた。

実際彼女は何度と妖精達を救ってきたが、妖精達の性質故にかその恩を仇で返され続ける。

結果彼女は一部を除いて全ての妖精を信じないとする。

 

まあ彼女がこうなるのが分かるが故にバーヴァン・シーの願いを叶えてあげたいと思う。

だがいくら何でも僕の力で果たして彼女を助けることが出来るのだろうか。。。

 

そう思ってると三人がそれぞれ僕の手を取る。

 

バーゲスト「マスターは厄災となり果てた私達を助けてくれた。それだけで充分ではないでしょうか?」

 

メリュジーヌ「マスターがこの姿を取り戻してくれたんだよ?私は本当に感謝してるんだ。」

 

バーヴァン・シー「カナタが居なかったら多分、私は狂ってたと思う。それこそコイツらの比じゃねえ程に。そんな私を救ってくれたんだから、お母様もきっと救えるよ。」

 

彼方「皆。。。分かったよ。取り敢えず召喚出来たらの話だからね?」

 

三人「「「そこは自身を持って(ください)(よ)!」」」

 

ハハッ!ほんといいサーヴァント達だよ。。。

よし!そうとなったら僕、頑張っちゃうぞぉ!

 

僕は取り敢えず結界を展開して辺りを更地にする。

いや魔法陣が歪んだりしたらなんかヤバそうじゃん?

 

そして僕は自分の血で魔法陣を書き上げる。

もちろんその後にちゃんと止血して増血剤を飲んだ。

 

それから召喚の詠唱を唱える。

 

彼方「素に銀と鉄。礎に石と契約の大公。降り立つ風には壁を。四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ。」

 

閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)。繰り返すつどに五度。ただ満たされる刻を破却する。」

 

「———告げる。汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ。」

 

「誓いを此処に。我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者。」

 

「汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よーーー!」

 

詠唱を唱え終えると魔法陣が光りだす。

そしてゲームでよく見る光の球が現れ、勢いよく周りだす。

すると三つの輪に別れた。

 

だが普通のとは違う点が。。。

三つの輪がそれぞれ色づいているのだ。

 

上は白、真ん中は青、そして下は黒。

正直言ってこんなの確定演出じゃんと思いながらも見る。

バーヴァン・シーはその色に見覚えがあるのか目をキラキラさせながら見ている。

 

やがて三つの光の輪は収束し、光の柱が現れる。

そしてその中から人影が見える。

 

柱が消えるとその姿がハッキリ見える。

するとバーヴァン・シーは真っ先にその下へと走っていった。

 

???「私を召喚したのですか...バーサーカー、モルガn「お母様!!!」っ!?バーヴァン・シー!?何故貴方が!?」

 

バーヴァン・シー「お母様!会いたかったわ!」

 

モルガンが召喚された際のセリフを言ってる途中にバーヴァン・シーが思い切り抱き着いた。

それに驚いたモルガンが困惑しながらもデレている。

実に尊い光景だね~。。。

 

モルガン「ちょっ、マスター!貴方もどうにかしてください!召喚されていきなり予想外のことで冷静ではいられません!」

 

バーヴァン・シー「お母様!大好きよ!」

 

彼方「ハハハ...こればかりはどうにか出来る気がしない、かな...?」

 

バーゲスト「マスター、しばらく様子を見るしかないと。」

 

メリュジーヌ「あんなバーヴァン・シー見たことないからね。好きにさせた方が良いんじゃない?」

 

彼方「それもそうだね。感動の再会なんだし。」

 

モルガン「ちょっと!?いくら私でも流石にこれは!」

 

バーヴァン・シー「お母様ー!!!」

 

モルガン「なっ!?あああああああああ!!!」

 

...

 

..

 

 

 

 

彼方「落ち着いたかな?」

 

バーヴァン・シー「その...見苦しいとこ見せてごめんなさい。。。」

 

モルガン「はぁ。。。別に私は責めている訳ではない。ただもう少し時と場合を考えなさい。」

 

彼方「まあまあ、モルガンもバーヴァン・シーのことが大好きなんだからさ。君のことを思って言ってるんだよ?ただ初めての娘だから扱いが分かってないだけなんだよ。」

 

モルガン「ちょっとマスター!何を言ってるのですか!?」

 

バーヴァン・シー「そうなのねお母様!私も大好きよ、お母様!!!」

 

モルガン「えっ、わ、私も貴方のことは好きですよ。。。」

 

彼方「うんうん、やっぱ母娘は仲がいいのが一番だね!」

 

バーゲスト「陛下があんな押されてるなんて。。。」

 

メリュジーヌ「なんかネタ枠になってるね。。。」

 

メリュジーヌよ、それは言ってはいけないことだよ。

僕も薄々思ってたことなんだからさ。。。

 

そんなモルガンがバーヴァン・シーから離脱してこっちに来る。

 

モルガン「改めて、バーサーカー、モルガン。よろしくお願いします、マスター。」

 

彼方「うん、よろしくねモルガン。ほんとなんで来てくれたのか分からないけどね。。。」

 

モルガン「どうやらここでは私以外は来れないみたいですね。」

 

彼方「What?マジで?」

 

モルガン「ええ。アルトリア・キャスターが行こうとしましたが何かに塞がれたように行けませんでしたから。」

 

てことはこれって出来レースなの?

モルガン確定じゃなくてモルガンしか出ないガチャだったの?

じゃあ宝具レベル上げ放題じゃん。。。

 

彼方「なんかすごいこと聞いたけど。。。取り敢えず君が来てくれて良かったよ。まあここでしか活動できないからちょっと窮屈かもだけど、ちゃんと会いにくるからね。」

 

モルガン「別に私は貴方に会いに来てほしいなど思ってません。」

 

バーヴァン・シー「お母様はこう言ってるけど本当は来てほしーのよ。」

 

モルガン「っ!?バーヴァン・シー!!何を言ってるのです!」

 

バーヴァン・シー「だってさっき言ってたじゃない。私を救ってくれたカナタなら信頼できるって。」

 

モルガン「そ、それは...その。。。」

 

彼方「え~、そんな嬉しいこと言ってくれたんだね~?なら僕もちゃんとモルガンの信頼に応えないとね~?」

 

バーヴァン・シー「安心してお母様!カナタならお母様のことも分かってくれるわよ!」

 

モルガン「なっ!二人揃って...べ、別に私は、その...//って!?//マスター!?何を!?//」

 

照れてるモルガンを見てつい抱きしめてしまう僕。

だってしょうがないじゃないか。(え〇り風)

こんな可愛い姿見せられたら男は我慢できなくなるって。

 

彼方「モルガンの期待に応えれるように頑張るから。ちゃんと僕のこと見てね?」

 

モルガン「は、はい...//」

 

彼方「それじゃ、そろそろ行くね。。。」

 

僕がそう言うと僕の身体から光の粒子が出てくる。

薄々気づいてたけど、やることやったら現実に戻ってくるんだろうと。

 

三人はそれぞれ悲しそうにするが、また来ると分かってるからかそこまで悲しそうにしていない。

だがモルガンは何故かものすごく寂しそうにする。

あれ?寂しがり屋ってメリュジーヌじゃないの?

 

モルガン「もう行ってしまうのですか。。。」

 

彼方「なんでそんな顔するの?」

 

モルガン「っ!?別に平常ですが。。。」

 

彼方「もしかして...大切な人達と別れたことを思い出してるの?」

 

モルガン「っ...ええ。どうしても思い出してしまいます。。。」

 

彼方「そっか。。。じゃあまた来たら真っ先にモルガンのとこに行くから。」

 

僕はそう言うと同時に意識が無くなった。。。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ん?あれ?

さっきまでモルガンを慰めてたはずだけど。。。

 

目を覚ましたらいつの間にか家の庭に戻っていた。

しかもいつの間にか変身解けてるし。。。

 

でも何となく違和感を感じる。。。

僕はふと服を脱いで右胸を見てみる。

 

そこにはやっぱり令呪があった。

どうやらちゃんと契約は出来たみたいだね。。。

 

よし!もうちょっと特訓しますか!

 

 

 

 

to be continued...

 




番外編完!!!


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10周年記念 青・春・再・会

もちろんだけどネタバレあるよ。
それを承知で見てね。


ー彼方sideー

 

僕達ライダー部の戦いが終わって早10年。。。

皆それぞれの道に進んでいた。

 

ユウちゃんは最年少宇宙飛行士として宇宙に行った。

賢吾くんは江本さんが教授を務めていた大学で研究を。

JKは情報通の腕を活かすために雑誌記者に。

友ちゃんは小説家になり、ベストセラーを続出させている。

隼はアメフトの道を進み、本場アメリカでも大活躍している。

美羽はその容姿を武器にモデルとして活動している。

流ちゃんはまさかのインターポールで活動していて、インガと共に活動していたりしている。

 

ちなみに僕とフォリアはそれぞれ医者の道に進んで、今はクリニックを経営している。

若くしてクリニックを経営してるけど、地域の間では評判がいいらしい。

 

そして弦ちゃんはというとまさかの教師になった。

なんで教師になったのか聞いたらある写真を見ながら決断したとか言ってたな~。

今は立派に教師してて、新天高でも生徒からの人望が厚い教師として有名になっている。

 

皆それぞれの道に進んでいたけど、大人になってからも色々あったな~。

 

まずは突然平行世界の地球が現れて僕達の地球と衝突するというような事件もあった。

あの時はほんとに大変だった。

突然わけわからないことが起きてびっくりしてたら実はその地球がフォリアが居たであろう平行世界の地球だったとか。

ライダー達と一緒に戦ったけど、その後に何故か時空の歪みに巻き込まれてフォリアと一緒にビルド達の世界に迷い込んでしまった。

 

おかげで戦争に巻き込まれる羽目になったし、アレのおかげでモルガン達が現実に顕現することが出来るようになった。

そのおかげで皆『単独行動EX』のスキルを取得した。

もしこれが『単独顕現EX』だったらどうしようかと思った。

 

まあ僕が白パネルを取り込んだことによって力が増幅したことによって無事に元の世界に戻れたんだけど。

まあその時にモルガン達の戸籍だったりを用意するのにもまた苦労した。

あと時間の流れが違ってて、あっちの世界での一年が元の世界だと一週間だったのは驚いたよね。。。

 

そしてその後にまた事件が。

弦ちゃんが担任のクラスの数人が突然新人類同盟と宣言して宇宙から帰って来るユウちゃんを殺害すると言った。

僕はそれを何とか未然に防いで、無事救出。

次いでに首謀者も流ちゃん達インターポールに引き渡すことが出来た。

 

まあその後に弦ちゃん達ライダー組が過去に行ったこともあったけど。

どうやらその時に弦ちゃんがクラス写真を落として、高校生だった弦ちゃんが拾ったことで今の弦ちゃんに繋がったらしい。

 

といったことがあったな~。。。

今は何事も起きてなく、平和に暮らしている。

そして今日はライダー部設立10周年記念ということでラビットハッチで集まることになっている。

 

ちなみに叔父さん達によって爆破されたラビットハッチだったが、僕とモルガンが協力して投影して元通りの姿になった。

もちろん機能はちゃんと起動するし、ラビットハッチと学校のライダー部室のロッカーとを繋げたりもした。

 

ということでフォリアと一緒に新天高に向かう。。。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

新天高に到着すると校門のところで美羽と友ちゃんに会った。

 

彼方「美羽~!友ちゃ~ん!」

 

美羽、友子「「彼方(先輩)!」」

 

彼方「二人とも仕事先から直で来たの?」

 

美羽「ええ。一旦家に帰る時間がなかったからね。」

 

友子「私も帰りたかったのですが、どうしてもイベントの都合で時間がなくて。。。」

 

彼方「そっか。まあ今日は久しぶりに皆に会うからね~。楽しもっか。」

 

美羽、友子「「ええ(はい)!」」

 

フォリア「そう言えば出迎えは誰がしてくれるんですか?」

 

彼方「確かあの人だった気がするけど。。。」

 

そう言ってると学生時代に聞きなれたサスペンダーの音が。。。

 

大杉「おおー!我望に野座間に風城じゃないか!久しぶりだな!」

 

彼方「大杉せんせー!」

 

フォリア「お久しぶりです。」

 

大杉「お前ら久しぶりだな~。あの頃とは見違えるほど成長したな~!おぉ、野座間!お前の小説読んだぞ!アレ面白いな!」

 

友子「ありがとうございます。大杉先生は相変わらずですね。」

 

美羽「そうね。少しはたくましくなってるかと思ったけど、よりみすぼらしくなったわね。」

 

彼方「コラコラ。そこまで言わないの。事実だけど。。。」

 

大杉「おおい!?我望、お前そんなこと思ってたのか!?」

 

フォリア「そんなことよりも先生。ライダー部の部室はどこですか?」

 

大杉「そんなこと。。。おぉ、そうだったな。他の奴らはもう集まってるぞ。ほら、こっちだ!」

 

どうやら僕達が最後のようだ。

ユウちゃんと弦ちゃん以外の皆とは五年前の事件以来会ってないからどうなってるんだろうかな~?

そう思いながらライダー部室の前に立つ。

そして扉を開けると。。。

 

弦太朗「おう彼方!それにフォリアに美羽に友子!皆久しぶりだな!」

 

ユウキ「皆久しぶり~!二年ぶりぐらいかな?」

 

隼「皆久しぶりだな。昨日アメリカから帰って来たばかりだが、俺は元気だぞ。」

 

JK「先輩達結構大人な感じになりましたね~。俺も先輩の様な大人になりたいっすよ~。」

 

賢吾「久しぶりだな皆。五年前のあの時以来か。」

 

流星「俺もさっき帰って来たばかりだが皆の顔が見れて嬉しいよ。」

 

弦ちゃん達が出迎えてくれた。

皆各々言葉を投げかけてくる。

ホント皆大人になったな~って思う。

 

彼方「皆久しぶり~!わざわざ待ってくれてたんだね~。」

 

フォリア「久しぶりですね。相変わらず皆癖がありますね。」

 

美羽「久しぶりね。やっぱり私が居ないとまとまらないかしらね~?」

 

友子「何か、戻って来た感じがありますね。。。」

 

弦太朗「よし!皆揃ったことだし、ラビットハッチに行くか!」

 

JK「ほんとに行けるんですか~?彼方先輩が直してくれたみたいっすけどちょっと信じれないと言うか。。。」

 

隼「確かにあの時爆破したラビットハッチが元通りになってるとは思えないよな。。。」

 

彼方「それは行けばわかるよ~。皆びっくりすると思うけどね~。」

 

ユウキ「私は宇宙から見てみたけど凄かったよ!」

 

大杉「お前ら!早く行くぞ!」

 

大杉せんせーがそう言いロッカーの扉を開ける。

するとロッカーから光が溢れてくる。

それを見て皆驚く。

 

すると大杉が我先にとロッカーに入っていく。

それを追って皆がぎゅうぎゅうになりながらも入っていく。

 

ユウキ「彼方くん、ありがとね。」

 

彼方「ん?」

 

ユウキ「私達の思い出の場所を直してくれて。」

 

彼方「ハハッ。別に気にしなくていいよ。僕もあの場所は高校生活の中で一番居たからね。大事な場所だから直したかっただけだよ。」

 

ユウキ「それでもだよ!これはお礼ね!」

 

そう言ってユウちゃんがキスしてきた。

ホントあれだけ賢吾くんのヒロインムーブしてたのにまさか僕と付き合うなんてね~。

まあ僕も嬉しかったけどね。

 

彼方「ありがと。さ、早く行こっか!」

 

ユウキ「うん!」

 

僕とユウちゃんは皆を追ってロッカーの中に入っていく。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ロッカーの中を進むと見慣れたドアが。

大杉が開けると、そこにはあの頃と変わらない場所が。

 

皆は一斉に中に走りだしそれぞれラビットハッチの中を見まわる。

まさか本当にラビットハッチが復活してるとは思わなかったんだろうな~。

 

弦太朗「俺も最初見た時は驚いたぜ!本当にラビットハッチがあるんだからな!」

 

賢吾「ああ。俺も父さんと皆との思い出の場所が戻って来たことに驚いたよ。」

 

ユウキ「だよね!ここは私達の青春を過ごしてきた場所だもんね!」

 

美羽「だとしたらここでまたライダー部を再開しようかしら?」

 

隼「それはいいな!離れていても心は一つだしな!」

 

JK「まあ半分が海外とかですから中々来れないかもですけどライダー部復活もいいっすね!」

 

友子「また皆と。。。いいかも。。。」

 

流星「ならまた秘密の仮面ライダー二号として活動しようかな?」

 

フォリア「フフフ♪ここからの景色は昔を思い出して好きなんですよね。」

 

彼方「さ!早く準備してパーティーを始めよう!」

 

皆「「「「「「「「「「おう(はい)!!!」」」」」」」」」」

 

それから僕達はラビットハッチの中を飾りつけて、中央のテーブルにそれぞれ持ってきた料理などを並べる。

そして皆でグラスを持って掲げる。

 

彼方「音頭は弦ちゃんが取りなよ。」

 

弦太朗「いいのか?」

 

賢吾「ああ。弦太朗が居なければライダー部は無いからな。」

 

ユウキ「そうだね!」

 

流星「期待してるぞ?」

 

弦太朗「よっし!じゃあ皆!こうやってまたここに集まれて俺はすんげー感動してる!またこうやって皆で集まろうぜ!そんじゃ、乾杯!!!」

 

皆「「「「「「「「「「乾杯!!!」」」」」」」」」」

 

お互いのグラスをぶつけて乾杯する。

そして皆何故か一気に飲み干す。

前からあったけど何故かこれが習慣みたいな感じになったよね~。

 

それから皆積もる話があるのかそれぞれ話している。

ある者は現状を。

ある者は過去を懐かしむ。

またある者は未来に期待を膨らませる。

 

皆の笑顔を見て僕は幸せな気分になる。

かつて自分の手で助けれる人は全員助ける。

そう思ってた僕を身近で助けてくれた人達の笑顔を見ると、今までの人生がいい人生だったと思える。

これからもそう思えるように生きていきたいなと思う。

 

...

 

..

 

 

 

ふと月面に出たくなって月面に出てみる。

ラビットハッチを建て直す時に来たけど、やっぱりこの宇宙服を着て出るのはまた違う感覚がする。

 

そんな風に黄昏てると宇宙に長く住んでる彼女がやって来る。

 

ユウキ「こんな所で黄昏ててどうしたの?」

 

彼方「あれ?なんで黄昏てるって分かったの?」

 

ユウキ「これでもライダー部創設の時からずっと一緒に居たんだから。彼方くんのことはそれなりにわかるつもりだよ?」

 

彼方「そんな照れることを言わないでよ~。」

 

ユウキ「フフッ。やっぱり彼方くんには黄昏てる姿は似合わないな~。」

 

彼方「そう?じゃあどんな姿が似合うのかな?」

 

ユウキ「う~ん...ふざけてる時かな?」

 

聞いたかフォリア!やっぱり僕はふざけてなんぼだぞ!

ユウちゃん!君は僕の天使だよ!ちゃんと僕のこと分かってくれてるじゃん!

 

僕は思わず抱き着いた。

だっていっつもふざけてるとフォリアに冷たい目で見られるんだもん。。。

 

ユウキ「わわっ!?どうしたの!?いきなり抱き着いてきて!?」

 

彼方「ユウちゃんだけだよ~。ふざけてる時の僕を肯定してくれるのは~。」

 

ユウキ「ええっ!?多分皆分かってくれると思うけどな~。。。」

 

彼方「分かってても言葉にしてくれなきゃ伝わらないんだよ~。ちゃんと言ってくれたユウちゃんにはご褒美だよ~。」

 

ユウキ「わわっ!?ご、ご褒美なら後でしてよ!?今は宇宙服着てる状態だからちょっと苦しいよ!」

 

彼方「なら今日は久しぶりにうちに来る?」

 

ユウキ「えっ、いいの!?やった~!実家にはよく帰るけど彼方くんの家には中々行ってないからね~!」

 

彼方「そうだね~。もう三年ぐらい来てない?」

 

ユウキ「それぐらいだね~。そろそろ皆のところに戻らない?」

 

彼方「そうだね~。皆と騒ぎたくなってきた!」

 

ユウキ「じゃあ私のオリジナルソングを皆で歌おうよ!」

 

彼方「お!いいね!久しぶりにはやぶさくん聴きたいよ!」

 

ユウキ「よ~し!張り切って歌うぞ~!」

 

彼方「ハハハ!じゃ、早く帰ろっか!」

 

そう言って僕達はラビットハッチに戻る。

戻って宇宙服を脱いでると左右の腕に美羽と友ちゃんが抱き着いてくる。

あれ?どうしたの?

 

美羽「ユウキとばっかりズルいじゃない。私達のこともちゃんと構ってちょうだい。」

 

友子「(うんうん)」

 

彼方「あ~ごめん。ちゃんと二人のことも愛してるからね~。」

 

僕はそう言って腕を引き抜いて二人を抱きよせる。

すると二人は納得したのかさっきまでのぶすっとした表情が和らいだ。

 

フォリア「早くしてください。皆待ってますよ。」

 

彼方「うん、今行くよ~。」

 

僕は三人を連れて中に戻る。

 

それから皆でユウちゃんのオリジナルソングを歌いまくった。

はやぶさくんで始まりはやぶさくんで終わる。

皆楽しそうにしてた。

 

驚いたのはあの流ちゃんがはっちゃけてた。

多分普段の仕事のストレスを発散してるのかな~?

思えば宇宙飛行士選抜模擬試験の時のあの流ちゃんもストレスが限界まで溜まってのことだもんね~。

 

そうして一晩明けていった。。。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

目が覚めると一瞬どこか分からなかった。

そして目をこすって意識を覚醒させるとパーティーしてたことを思い出す。

皆それぞれ大胆な感じで寝てた。

 

弦ちゃんと賢吾くんと流ちゃんは三人並んで床に大の字になって寝てる。

隼とJKはテーブルの上で顔に落書きされたまま幸せそうに眠ってる。

美羽と友ちゃんとフォリアは三人で百合百合しく抱き合いながら寝ている。

そして大杉せんせーは一人寂しく体育座りしながら寝ていた...

いやなんで?

 

そして僕はと言うと何故かユウちゃんと抱き合いながら寝ていた。

あれ?なんでだっけ?

昨日飲み過ぎたからか思い出せない。

てか頭が痛い。

多分二日酔いになってるだろうな~...

 

僕は取り敢えず虚空から二日酔いに効く薬を人数分出す。

大人になってから酒を飲むようになってよく二日酔いをするようになった。

まあ飲む量を調整すればいいだけの話なんだけどついついね。

 

取り敢えず薬を飲んでから身体をゆっくり起こす。

ユウちゃんががっしり抱き着いてたからユウちゃんごと起こした。

すると薬が効いてきたのか頭がすっきりしてきた。

 

そういえば昨日パーティーも大詰めに入った時に皆どんちゃん騒ぎしていた。

すると突然腕相撲大会になった。

なんでそうなったのかは覚えてないし思い出したくない。

 

まあ優勝は現役の隼になったんだけど、皆終わった途端糸が切れたかの様に眠りについた。

ただ僕とユウちゃんだけは寝れなくて二人で飲んでいたんだっけ...

 

そしたらユウちゃんがずっと宇宙に行ってて離れ離れだったから寂しかったと言ってきて急に甘えたモードに入った。

以前起こったジェミニ事件の後からちょくちょくこういうモードになった。

もしかしたら闇ユウちゃんと融合した影響からかな?

 

結局その後一時間ぐらいユウちゃんに甘えられた。

そして二人とも眠気がマックスになったのかお互い抱き着きながら寝たんだった。

 

思い出した僕はちょっと悶えてしまった...

だって言ったらひたすらイチャイチャしてたんだよ!?

しかも二人きりの時じゃなくて皆が居る中で!

もしかしたら誰かに見られてるかもしれないじゃん!?

 

そう思うと急に恥ずかしくなってきた。。。

しかも今もユウちゃんが抱き着いてるから身体に女性特有の感触が...

 

僕は早くこの状況から脱出したくてユウちゃんを起こすことにする。

 

彼方「起きて。ユウちゃん起きて。」

 

ユウキ「んん...彼方、くん...しゅきぃ...」

 

っ!?いきなり何言ってんの!?

そんな言い方されたら誰でも悶えるよ!?

 

彼方「っ、ユウちゃん?もう朝だよ?早く起きて?」

 

ユウキ「んん...まだだめぇ~...もっと一緒に...」

 

彼方「うん、後で一緒に居れるからね?取り敢えず起きよっか?」

 

ユウキ「んぅ...ふわぁ~...おはよぉ~。」

 

彼方「うんおはよ。取り敢えずまずはこれを飲んで。」

 

ユウキ「んぅ...これは...?」

 

彼方「二日酔いに効く薬。昨日結構飲んだでしょ?だからそれ飲んだ方が良いよ。」

 

ユウキ「う...」

 

そう言って僕は何とかユウちゃんに薬を飲ませる。

しばらくすると意識がハッキリして来たのか目をこすって顔を赤くしてる。

 

ユウキ「か、彼方くん!ご、ごめんね!?起きたらこんなことしてて...」

 

彼方「大丈夫だよ。ユウちゃんの可愛い姿が見れたから無問題(モーマンタイ)だよ。それより頭痛くない?」

 

ユウキ「う、うん。彼方くんがくれた薬のおかげで痛くなくなったよ!」

 

彼方「それなら良かった。それよりそろそろ皆を起こそうか。」

 

ユウキ「そうだね!」

 

僕はユウちゃんに薬を半分渡して、二人で皆を起こしていく。

皆近づくと酒臭い...

まあ結構飲んだな~って自覚はあるからね。

帰ったら風呂に入らないと...

 

そうして皆を起こし終わった僕らはテーブルの周りを片付ける。

流石にハッチの中全部を片付けるのは無理だから、次に来た時に片付けることにした。

最悪ライダー部の部員が何とかしてくれるだろう。

え?後輩に後片付けをさせるのかって?

フッ、これが大人なんだよ。(悪い笑み)

 

大方片付け終えると皆の意識もはっきりしたみたいで一斉に起きてくる。

 

弦太朗「おぉ...おはよぉ皆~。そろそろ帰るか~?」

 

賢吾「そうだな...久しぶりに騒ぎ過ぎたからか疲れがな...」

 

流星「俺も仕事に閊えるからな...早く帰りたいとは思う...」

 

隼「俺も久しぶりに帰って来たから家でゆっくりしたいのもあるな。」

 

JK「俺も仕事が溜まってるんでそろそろ帰りたいな~って。」

 

友子「私も次の小説を書かなきゃだから...」

 

美羽「そういえば明日は撮影があるのよね。早く帰って休みたいわ。」

 

大杉「俺も久しぶりにお前たちと話せたからな。そろそろ帰ろうかと思ってたんだ。」

 

フォリア「私も今日は休診日ですけど明日からまた仕事ですからね...」

 

ユウキ「そうだね!また皆で集まれるから今日は帰ろっか!」

 

彼方「じゃあ今日はここでお開きだね!」

 

弦太朗「よぉし!じゃあ今日は解散!また皆会おうな!」

 

皆「「「「「「「「「「ああ(うん)!!」」」」」」」」」」

 

そうして今回のパーティーは解散となった。

久しぶりに皆で集まれて楽しかったな~。

また皆で集まれる時には...多分親とかになってるかな~?

そしたらお互いの子供を連れてきて遊ばせるのもいいな~。

 

そんなことを考えながら家に帰った。

 

 

 

 

to be continued...

 




多分章分けみたいな感じで別枠な感じにすると思います。
まあ後日談みたいなもんだからね~。



この三日間連日投稿じゃんって思ったよね。


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特別編:束の間のハロウィン

ー彼方sideー

 

エボルトとの戦いが始まった中、僕は夢の中であることをしていた。

それは...

 

 

彼方、フォリア「「ハッピーハロウィーン!!!」」

 

 

皆「「「「「「イエーイ!!!」」」」」」

 

 

そう、キャメロット城でハロウィンを楽しんでいた。

 

...

 

..

 

 

 

彼方「それにしてもエボルトとの戦いが始まったって時に僕達は何楽しんでるんだろね~。」

 

フォリア「まあいいじゃないですか。せっかくのハロウィンなんですから。」

 

カーマ「でもでも~、ハロウィンってもう過ぎてるんじゃないんですか~?」

 

キアラ「フフフ、そんな無粋なことを言うだなんて。今日はハロウィンですよ?ハロウィン。」

 

うん、なんかメタいことを言ってるビースト二人は無視しよう。

決して渋ハロや道頓堀どうなるんだろうとか思っていない。

思っていないたら思っていない!

 

バーゲスト「それにしてもマスター...その//この衣装は些か露出が激しいのでは...//」

 

彼方「いや、大丈夫だ。バーゲストにぴったりの衣装だから!眼福ありがとうございます!」

 

バーゲスト「なっ!?//似合ってるだなんて、そんな...//」

 

そう。皆それぞれハロウィンにちなんで仮装をしている。

バーゲストはFGOの中でもずば抜けてエッ!!なデンジャラス・ビーストの衣装を着ている。

もちろんバーゲスト用にと衣装の色を紫から黒に変えているんだけど...

 

なんか想像以上にアレ過ぎて鼻血が出そうになってる。

しかも恥ずかしがってるのがまたいいっ!

もう大好き!バーゲスト愛してる!

 

...ちょっとキャラ崩壊しちゃったかな。

まあ可愛いすぎるバーゲストが悪い、うん。

 

他の皆もそれぞれ仮装している。

フォリアは元の世界で明日那さんが着ていたピンクのナース服を着ている。

明日那さんとは違い、スタイルが良すぎる所為で清楚感ゼロである。

 

モルガンとバーヴァン・シーはお互いをイメージした仮装をしている。

母娘でキャッキャッしてるのを見て心が浄化されていく感じがしている。

てぇてぇ...

 

そしてメリュジーヌは猫耳と尻尾を着けて、純白のランジェリーを着ている。

本人の主張では子猫のコンセプトらしい...

いや君がそれを着るとロリコン大歓喜するよ?

絶対に見せないけどね~...目つぶししてやる。

 

そして問題のビースト二人組なんだけど...

それが想像してたよりもマシだった...

 

キアラはただ霊基を変えて人魚の仮装...ていうか人魚に。

そしてカーマは依り代の記憶を見たからか、闇桜の仮装をしている。

 

二人とも僕の予想の斜め上を突いて、してやったりな表情をしている。

...後で仕返ししてやる。

 

そして肝心僕はというと...

 

 

何故かかぼちゃ頭で小さくなっていた。

 

 

いや僕も現状を理解していないよ!?

だってハロウィンやろうってなってその後にいきなり眠たくなったから寝て起きたらこの姿になってたんだよ!

決して謎の黒い組織の幹部に毒薬を飲まされたわけじゃない!...はず。

 

そして僕は絶賛キアラの谷間に挟まれているのである。

おいそこ!羨ましいとか言ったな!

全然楽しくないぞ!

 

だってこの姿だと感覚無いんだもん!

だからキアラの希望が楽しめないし、いつも匂ってくる甘い香りも匂えないんだよ!

正直この状況辛いんだよ!

何が好きでこんな半殺しな目に遭わなきゃなんないんだよ!

 

彼方「てかなんで僕こんななってるの?いやほんとに。」

 

フォリア「私も衣装に着替えてみたらその姿の貴方が居たのですから...」

 

カーマ「でも可愛いですよね~。半殺し状態のマスターは♪」

 

キアラ「可哀そうに...せっかく楽しませようとしたのに逆に苦しめる目になるなんて...」

 

彼方「ん?おい待てそこの女神。お前なんで僕が感覚無いの知ってるんだ?僕はそのこと一言も話してないぞ?」

 

カーマ「えっ!?いや、その、いつものマスターなら楽しんでるはずなのにと思ってですね~...」

 

嘘がバレバレな態度をとるカーマ。

絶対コイツが犯人だろ。

この愉快犯め...

 

彼方「...キアラ、僕を戻せるか?」

 

キアラ「もちろんですわ♪元の姿でたっぷり私の愛を堪能してください♪」

 

そう言うと何故かキアラはこの状態で僕にかけられた魔術(?)を解除する。

するといきなり視界が白くなる。

そして視界が晴れるとさっきよりも目線が高くなった気が...しない。

でも感触はちゃんとあるんだよな...

 

キアラ「あっ//マスター、そこはダメですわ//」

 

...うん、戻ったみたいだわ。

僕は直ぐにワープしてキアラから離れる。

 

キアラの方を見ると顔を赤くして胸を隠している。

なんでそのポーズが似合うんだよ...

 

そんなことは置いといて僕は犯人の下に行く。

僕に気付いたカーマは逃げ出そうとするが、ワープゲートを展開して僕の前に出てくる。

それを見てギョッとした表情になる。

 

カーマ「ま、マスター。これはその、今日はハロウィンなんですから楽しまないと~と思ってですね?ほら?マスターも好きでしょ?こういうサプライズ?ってやつ。」

 

彼方「確かにサプライズは好きだよ?でも僕どっちかて言うとされる側よりもする側の方が好きなんだ~。」

 

カーマ「え...それを早く言ってくれば良かったのに~...アハハ...」

 

彼方「さてさてカーマちゃん?こんなことしたんだからされる覚悟もあるよね~?」

 

カーマ「えっ!?いや、ちょっとその覚悟は無いですね~...いやほんと嫌ですよ!?凄い悪い顔してますよ!?」

 

彼方「別に酷いことはしないよ?ただちょ~っと恥ずかしいカッコしてもらうだけだからさ♪」

 

カーマ「恥ずかしいカッコってなんですか!?何を着させる気なんですか!?」

 

彼方「まあまあ~。キアラ~、こっち来て~。」

 

キアラ「はい、マスター♪」

 

彼方「カーマにこれ着させて頂戴な~。」

 

そう言って僕は虚空からある衣装を取り出す。

それを見たキアラと僕は悪い笑顔をする。

 

キアラはカーマを連れて部屋から出ていく。

そして待つこと数分...

 

キアラが笑顔で入ってきてカーマに入って来るように言う。

そして入って来たカーマが着ていたのは...

 

黄色い帽子にスモッグといった所謂園児の服装だった。

それを着たカーマは顔を真っ赤にしている。

 

僕はそれをバレない様に写真を撮る。

なんか目覚めていけないものに目覚めそうになった。

ていうか多分これの場合ロリコンじゃなくて父性の方だと思う。てかそうでありたい。

 

彼方「カーマは体験したことないでしょ?幼稚園児は。」

 

カーマ「...//私をここまでコケにするなんて...//絶対し返してやりますから!//」

 

彼方「やれるものならやってみな~。」

 

僕はそう言ってカーマを高い高いする。

それに驚くカーマ。

 

カーマ「ちょっ!?マスター!?いきなりするのは辞めてくださいよ!?きゃっ!?ちょっとマスター!?」

 

彼方「ほれほれ~、高い高ーい。」

 

カーマ「子供扱いしないでくださいよー!!!」

 

今年のハロウィンは楽しかった。

今度はビルドくん達と一緒にやりたいな~。

この戦いが終わったらそれが叶うのかな...

 

そう思いながら慌てるカーマを高い高いする僕だった。

 

 

 

 

to be continued...




すんごい短いけど許してちょ?


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フォーゼ編
青・春・傍・観


フォーゼ「宇宙キターーーーーー!!!」

 

 

 

オリオン座を身体に宿した異形を前に宇宙服に似たスーツを身にまとった仮面の戦士。

仮面ライダーフォーゼ。

その身にまとったスーツでコズミックエナジーの力を引き出すアストロスイッチを使い、異形のゾディアーツと闘えるシステムである。

 

 

フォーゼシステムを使いオリオンゾディアーツと闘う、青春リーゼントこと如月弦太朗。

その闘いを離れた場所から見る一人の異形。

 

その身には黒い刺繍が入った金色のクロークを羽織っており、クロークからはみ出した部分からは所々蛇の意匠が見える。顔に当たる部分はフードとマスクを被った用に見え、姿を見えなくしているように見える。

その異形はフォーゼの闘いを見て何処か楽しそうにする。

 

 

???「遂にフォーゼが現れたか。。。これから楽しくなるね~。」

 

 

蛇遣い座を宿す彼はフォーゼに何を期待するのか。

 

 

これは最も宇宙に近いゾディアーツである彼が、フォーゼとその仲間たち、そしてゾディアーツたちの闘いを通し、自身が望むもの見ようとする傍観者の物語である。。。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー???邸ー

 

???sideー

 

 

朝は好きだ。

鳥たちが鳴き、花は咲き、空は青くなり、人間たちは活動を始める。

すべての始まりを告げる朝はとても神秘的で大好きだ。

 

 

そして僕の一日も始まる。

 

 

「最も宇宙に近い男」であり、僕が通う天ノ川学園の創設者兼理事長の我望光明。

その甥である僕、我望彼方は叔父さんが作ってくれた朝食を食べている。

 

元々は両親と一緒に3人で暮らしていたが、交通事故により両親は他界。

親戚中をたらい回しにされていたところを叔父さんが引き取ってくれた。

それからは叔父さんに色々学び、叔父さんの友人である江本さんと歌星さんから宇宙の魅力を教えてもらい、そこからは宇宙を目指すようになっていった。

 

ただ17年前に起こった...というか起こした爆発事故により歌星さんは去り、叔父さんと江本さんはそれぞれの道へと進んだ。

事故のことを知った当初は叔父さんたちを責めた。

だって三人は仲の良かった親友同士であったんだから。だからなんで見捨てたんだと散々責めた。

 

ただ叔父さんたちにも深い理由があったと知ったときから、二度とこのようなことは起こさせまいと決意し、叔父さんを全面的に協力するようになった。

たとえ多くの人を巻き込んででも。。。

 

 

叔父さんの料理の腕前は正直言ってプロ級、いやプロさえも超える程だ。

どうやったらそんなに美味く作れるんだと聞いたら、

 

「ただ練習しただけだよ。効率よく、要領よくね。」

 

と返ってきた。

まあ僕も我望家の血を引いてるからなのか、今となっては叔父さんに次ぐ腕となっている。

いつかは超えたい。

 

 

我望「彼方。今日から二学期が始まるが、準備はできてるかな?」

 

彼方「もちろんだよ、叔父さん。学校の準備はばっちりだよ。」

 

我望「そうか。なら...あっちの方はどうかね?」

 

彼方「そのことなら()()()()()()が主体となって動くって話だよ。一応、僕も監視しておくから大丈夫だと思うけど。」

 

我望「なら良い。うちの学園には星の導きに惹かれる者がたくさんいるからね。」

 

彼方「そうだね。僕も裏で動くけどあくまでバックアップって形だからね。まあ頑張ってみるよ。それとごちそうさまでした。今日も美味しかったよ。」

 

我望「念には念をだ。用心に越したことはない。もしフォーゼが現れたら私たちの計画にも支障が出る。そこのフォローをしっかり頼むよ。あとお粗末様だ。たまには彼方の作った朝ごはんも食べたいよ。」

 

彼方「あー、そういえば最近は作ってなかったっけ?明後日ぐらいには作るよ。じゃあ行ってきまーす。」

 

 

朝食を食べ終えてすぐに家を出た僕は面白そうな生徒がいないか探すために遠回りして登校する。まあ、家から学校まで徒歩5分ぐらいだから時間が有り余るっていうのもある。

それに今日は二学期の始業日だ。多くの生徒が早めに来るから学校近くの通学路は絶好のスポットなのだ。

 

 

家を出てからそれなりの時間が経った頃、僕は二人の生徒を見つけた。

歌星賢吾と城島ユウキだ。

 

歌星賢吾は名前の通り叔父さんの友人だった歌星緑郎の息子だ。まあ、本当の息子って訳ではないけど。

 

彼は人間ではない。これを聞くとは?と言われるのがほとんどだろうけど、事実である。

彼はコアスイッチから産まれたコアチャイルドという存在だ。

そもそもコアスイッチというのは叔父さんの目的の一つでもある「プレゼンター」という存在が作り出した、知的生命体の形をコピーし文明を真似て、いずれはサンプルとして彼らの元へと帰る運命にある存在。

その存在を作り出す機能を持つ一種のアストロスイッチだ。

 

そのコアスイッチは過去に叔父さんたちが発見したのだが、歌星さんと叔父さん、江本さんと対立したときに失われたものだと思われた。

それが爆発事故の際に歌星さんが起動させ、歌星賢吾が産まれてきた。

これによりコアスイッチは力を失ったものの、存在している。

 

 

叔父さんはまだこのことを知らず、すでに計画の中から存在を除外している。

僕はこのことを危惧している。

 

コアスイッチがもし覚醒でもすれば、計画は一気に白紙になる。

そうなれば今までの叔父さんの努力や決断がすべてパーになる。

それだけは絶対に阻止しなければならない。

 

 

その歌星賢吾と一緒にいる城島ユウキ。

彼女は叔父さんと同じ「星からのメッセージ」が聴こえる少女である。

 

 

叔父さんは子供のころに「星からのメッセージ」を聴いたことがあるという。

かく言う僕も聴いたことがある。というか今でもハッキリと聞こえる。

その正体は「プレゼンター」からのメッセージである。

 

「プレゼンター」が特定の人物に「星からのメッセージ」として働きかけている。

この「星からのメッセージ」は特定の条件を満たした者が聞こえるということがある程度わかっている。

それが一体どういった条件かはわからないが。。。

僕の推測としては、宇宙や自分の望む物に対する気持ちが一定の値を超えているのではないのかと思う。

また、その思いは善意や純粋さによって()()が働きかける頻度が増えるのだと思う。

実際叔父さんが聞けていたのは子供のころだったみたいで、それ以来はなかなか聞けていなかったという。

 

 

まあそれもあってかなぜかは知らないが僕に対する()()が非常に多い。

2、3日に一回ぐらいの頻度で干渉してくる。

しかもその内容がものすごいカミングアウトから、それ今聞かなきゃいけないことか?って内容のものまである。

 

例えば、さっき話したコアスイッチのことから、ゾディアーツが十二使徒へ進化するにはや、フォーゼシステムについての重大なこと。

それと違って、最近の政治はどうかとか、便意を催すとはどんな感覚なのかとか、鼻くそをほじくる快感とはとか。。。

正直言って、後半に関してはクソどうでもいいことだらけだから、いつも若干キレ気味で応えている。

 

 

ともかく、プレゼンターからの働きかけがあった彼女は星の輝きを宿しているに違いない。

それに彼女からは十二使徒特有の輝きが見える。多分だが、彼女はホロスコープスへの進化ができる人間だ。

まああの溢れ出んばかりの善性からして、あの星座だと思うが。。。あれはちょっと厄介だからなあ。()()とも何とかしたいところではある。

 

 

 

そんな二人を観察していると一人の女子が歌星に手紙を渡す。まあ、大方ラブレターみたいなもんだと思う。

あいつ普段は「保健室の主」って呼ばれているが、インテリだし容姿もそれなりにイケてるからモテる方だと思う。まああの性格がなければの話だが。

 

 

案の定、あいつは女子からのラブレターを川に投げ捨てた。

あいつはいつも相手を平気で傷つけるような振り方するからなぁ。もうちっと非リアの気持ちでも考えろ。モテないやつの気持ちがわからないのかあいつ(とかいうこの人は学年で一番モテてます。)

 

あーあ、女子ちゃん泣いて行っちゃったよ~。

ほんと城島に対してのデレをもうちっと他人にも出したらいいのに。ツンだけのヒロインなんて嫌われるぞ?

 

 

 

そんなことを思ってたら、どこからかいきなり特徴的な学ランを着たリーゼントくんが来た。

なんじゃあのかっこ。今時あんなヤンキー漫画見たいなかっこするやついるんだな。

 

リーゼントくんが歌星に説教してるけど、どこ吹く風~。

ろくに聞いてないねありゃ。

そしたら急に橋から川に飛び降りた。

 

いやいやいや、あそこ結構高さあるとこだよ!?

なのに足痺れるくらいで済むなんて、人間辞めてる説あるねこりゃ。

そして必死にラブレターを探してるけど、このままじゃ遅刻しそうだから残念だけど彼を見続けられない。

 

 

それにしても面白いな~、あのリーゼントくん。

ちょっとばかし覗いてみたら、一面宇宙が広がってたもん。

ありゃ間違いなく大物になれる。それこそ叔父さんが危惧している()()()()になりうるかも。

これからが面白くなるかもしれないね~。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー2年B組教室ー

 

ー彼方sideー

 

 

教室に着いて一通り周りの奴らと喋った後、担任の園田紗理奈先生がやってきた。

 

園ちゃん今日も可愛いな~。

表だったら生徒思いの良い先生だけど、()()()()()()になったら結構惨いことも平気でやっちゃうんだよな~。

それにちょっとしたヤンデレ気質もありそうだし。

まあ、そこも含めて可愛いんだよね~。

 

 

園田「はい!今日はこの2年B組に新しいクラスメイトが増えます。」

 

 

サプライズ的な感じの発表により、周りはどんな奴が来るのか楽しみにしている。

このクラスの良いところは、よくラノベなんかであるカースト上位であることを威張り散らすやつや、陰キャに対してのいじめがないところだ。

学校全体としてはカースト制度は根強くあり、その象徴たる『キング』と『クイーン』がいるのだが...

 

ともかく新しくきたやつがどんな星の運命を持っているのか視てやろうじゃないか。

 

 

何処か濡れている様な音を出しながら入ってきたのは、朝見ていたあのリーゼントくんだった。

 

まさか転校生が彼だったとは。

どうやらこれから面白いことがたくさんありそうだ。

僕の()()()()も喜んでいる様に震えている。

 

 

リーゼントくんは黒板にでっかく自分の名前を書きこっちを向く。

 

 

弦太朗「如月弦太朗だ!俺の夢は、この学校の全員と友達になることだ!」

 

そう言って自分の席に向かう。

道中クラスメイト達に「よろしく!」と言いながらハイタッチをしていく。

いやその元気はいいんだけど、あんま濡れた手でやってほしくないな~、、、なんてのんきに考える。

 

 

そうして城島の隣の空席に着く。

ん?城島の顔がまるでどこかであった気がするんだけどな~みたいな顔をしている。うん、わかりやすすぎか。

 

二人が顔を見つめあっていると、

 

「ユウキ!?」「弦ちゃん!」

 

と二人して大声で呼び合い、何やら洋画とかでよくやるような拳同士をぶつけ合う。なにそれ、かっこいいやりたい。

そんでもって二人で教室中が注目している中、身の上話を仲良く話している。

いやそういうのって興奮するのはわかるけど、早くしないと授業始まっちゃうよ?

 

案の定、園ちゃんから注意を受けちゃってるし。

あー、園ちゃんちょっとイラってしてそう。またあとで愚痴聞いてあげよ。

 

そう思いながらリーゼントくんを見てたらちょっと待ってと言って、学ランの内ポケットからあるものを歌星の机にたたき出す。

 

 

弦太朗「歌星賢吾様。お前宛てだよな。」

 

賢吾「わざわざ持ってきたのか、お節介だなあ。」

 

弦太朗「ああ、お節介だ。。。友達だからな。」

 

け「君と友人になった覚えはないが。」

 

なんてやり取りをやる。

なんか色々言い合ってるけど、リーゼントくんってなかなかぶっ飛んでるね。

まあそんぐらいぶっ飛んでるぐらいじゃないと、フォーゼの器にはなれないか。

てか、えらく青春節なこと言うな~。うん、これから彼のことを青春リーゼントくんって呼ぼう。ちょっと長いけどぴったりでしょ。

 

 

結局歌星が折れてそのまま保健室に行った。

あーあ、すぐキレちゃうんだから~。

それに園ちゃんめっちゃ小さく舌打ちしちゃったよ?もう彼女怒らせたらとんでもないんだから~。

 

そんな感じで授業は始まった。

なんか朝だけでこんなに濃い時間を過ごせるなんて。。。

これは朝が偉大過ぎるのか、それとも青春リーゼントくんがすごすぎるのか。。。

 

まあこれからを考えたら、青春リーゼントくんの周りにいたら退屈しなさそうだから昼休みぐらいにちょっと接触してみますかね~。

 

 

 

という感じで迎えた朝。

後々考えてみると、こんな朝を迎えたのは後にも先にも今日だけだった。

それがすべての始まりだと告げるものだと気づいたのは当分先の話ではあるが。。。

 

 

 

to be continued...




自分得な小説を読んでくださってありがとうございます。

個人的に一番楽しめる仮面ライダーであるフォーゼを題材にした小説。
楽しんでくれてったらな〜と思います。


ちなみにヒロインどうしたらいいんだろう。。。
候補が何人もいて迷う。。。
いっそ、ハーレムにしちゃう?


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異・形・見・参

ヒロイン候補のアンケートやってま〜す(❁´ω`❁)
是非是非投票してください〜


ーカフェテリアー

 

ー彼方sideー

 

 

 

授業が終わり昼休みになった。

いつも通りカフェテリアに行って昼飯を食べている。

それと、青春リーゼントくんは初日だろうからここに来るだろうと思ってきたのもある。

 

ここのスペシャルカレーライスはほんとに美味い。

毎日食べていても飽きないんのは、さすが叔父さんが集めてきたシェフたちだなと思う。

そう思いながら、約5kgもあるカレーライスをペロリと完食した。

 

 

 

食べ終えて彼を待っていたら来た来た。

広さに驚いているのか、初めてでビビっているのかきょろきょろしている。

そして教室の時と同じようにカフェテリアにいるやつらに挨拶をしながら席を探す。

 

ようやく見つけたのか座った席は...、まさかの『クイーン』の特等席だった。

あちゃ~、初っ端からやらかすね~。

 

 

ネタを見つけたかのように1年の情報通JK(ジェイク)がリーゼントくんのとこによっておちょくる。

あいつこういうのにはすぐに来るよな~。中々のクズっぷりはよく聞くけど。

 

JKを追いやってどーんと座っているところに城島が慌てて来た。

まあそりゃ『ギーク』の彼女は友達を心配するに決まってるよな~。

 

 

 

城島が必死にリーゼントくんを説得しようとしているが時すでに遅し。

『クイーン』のお出ましである。

 

 

この天ノ川学園にあるヒエラルキーで女子の頂点である存在。

それが『クイーン』である。

文字通り女王様であり、毎年クイーンフェスで生徒による投票で決められ、教師からも一目置かれる存在である。

 

今代のクイーンは2年連続で選ばれている風城美羽。

有力者である親を持つ、高飛車なお嬢様だ。

まあ見た目は一級であるから、ここの生徒たちは選ぶだろうな。

 

 

そのクイーンには取り巻きである二人の女子がおり、彼女らのこと『サイドキックス』と呼ぶ。

常にクイーンと行動してる故か、彼女らのカーストもトップの次に高い。

 

 

 

クイーンたちが来たことによりカフェテリア内は騒然とする。

まあ学校でトップのグループが来たんだから当たり前のことではあるが。

 

そんな中、彼女たちはリーゼントくんたちがいる特等席の前へ。

リーゼントくんはのんきに見惚れているが、そんな余裕はない。

なんせ、スクールカーストのトップとワーストが対峙しているんだから。

 

 

美羽「『トラッシュ』と『ギーク』が、なんでその席にいるのかしら。」

 

ユウキ「うぅ...、ごめんなさい!」

 

弦太朗「『トラッシュ』?」

 

美羽「そう。『トラッシュ』の中の『トラッシュ』。」

 

弦太朗「それは..、『漢の中の漢』。そういうことか?」

 

 

これにはクイーンたちは吹き出す。

いやwww、漢の中の漢ってwww

やっぱあいつ面白いな~。もうちっとこの茶番見ていたい。

 

そう思っていたらもう一人のトップがリーゼントくんの肩を掴み、投げ飛ばす。

あーあー、思いっきり机に当たってんじゃん。。。汚した分ちゃんと掃除しろよ、ほんと。

 

城島がリーゼントくんに駆け付ける中、風城は『キング』に寄り添う。

いやそこ見せつけられても嫌気しかしないんですが。

 

 

『クイーン』ともう一人、男子のヒエラルキーでトップの存在。

それが『キング』である。

 

『キング』はカーストの中でトップのクラスである『ジョック』の中からトップであるものが選ばれる。

その『ジョック』のメンバーはほとんどがアメフト部であり、必然的にキャプテンである、大文字隼が選ばれることになる。

 

その大文字は正直言って、クズの中のクズであると言っても過言ではないやつだ。

『キング』であるのをいいことに学園内では好き放題し、自分の気に入らないものはとことん排除する。

正に悪役中の悪役をしている。

 

そう役を演じているのだ。

 

正直、彼にそこまでの悪意があるのかと疑わしき場面が何回かあり、独自に調べてみたらどうやら操り人形なだけのようだ。

 

まぁまだその状態で居るのを良しとしているのだから救えないのではあるが。

 

 

大文字がリーゼントくんにアメフト部の奴らを嗾ける。

あいつらはアメフト部でもそれなりに腕が経つことで有名だ。

 

そんな奴らに物怖じせず、優位に立っているリーゼントくん。

って投げ飛ばされた1人がトレーを持った女子の方へ飛んでいく。

 

彼方「お家に帰ってろって!」

 

全速力で間に入って飛んできたやつをテキトーにアメフト部らへんに蹴り返す。

まあアメフト部が乱闘騒ぎ起こしてちょっとイラついてたのもあるけど。

とりあえず女子の様子を確認しておかないと。

 

彼方「大丈夫?」

 

女子「は、はい!ありがとうございます!」

 

なんか顔赤くして言われたけど、さすがにこんなんで惚れるわけないから多分興奮してるんだろな。

 

ともかく女子の無事も確認したし、ついでにストレス発散でアメフト部蹴散らしますか。

 

 

手頃なアメフト部を見つけてボコしていく。

そしたらいつの間にかリーゼントくんと背中合わせに。

なにこれ、めっちゃかっこいい。こういうのやってみたかった!

 

弦太朗「おう!お前中々やるじゃねえか!」

 

彼方「そっちこそ!転校初日から面白いことするじゃん。」

 

弦太朗「お前とは良いダチになれそうだな!俺は如月弦太朗だ!」

 

彼方「お~奇遇だね~。僕もなんとなくそう感じるよ。僕は我望彼方!よろしくね~。」

 

弦太朗「おう!」

 

 

まさかのいきなり友達になるとは思わなかったな~。

でもこれで毎日充実するだろうな~。

よし!気分もいいし、アメフト部全員イってしまお!

 

そう気分が上がった矢先に...

 

 

城島がアメフト部の一人に捕まった。

ちょっとほんとどこまで汚いの?

いい加減このアメフト部一回全部潰したほうがいいんじゃない?

 

()()()()()()から()()()()()()に全部潰すよう言ってもらおうかな..

いや、直接僕が介入した方がスムーズにいきそう。

 

 

大文字「来い。ここではレディの食事の邪魔になる。」

 

そう言って城島を外に連れていく。

いや、邪魔してんのそっちじゃん。

ほんとマジでイラついてくる。

 

 

アメフト部について行ってきたのは部活棟の裏。

絶好の暴力場所だ。

 

僕らはそれぞれアメフト部に抑えられ、大文字のタックルを受ける。

正直こんなの()()()()の特訓に比べたら、塵以下だけど痛がらないとこの場はやり過ごせない。

城島が人質になってる限り、下手に手を出せない。

 

リーゼントくんもなかなか根性があるようだ。

まだまだ耐えれるって煽っている。

 

それに乗ったのか()()()()()()を見張らせに行かせ、もう一発タックルを食らわす。

それでも耐えてるリーゼントくんはすげえなって思う。

 

 

もう一発っと思った矢先、ナニカが校舎の方から黒い霧を纏い、霧の中からオリオン座の星座の輝きを表しながらやってくる。

やがて霧が晴れ見えた姿は、かの英雄を思わせるような屈強な肉体を持ち、全体は人ではない正に()()たらしめる姿をしている。

 

ここで動いたのか()()()()()()は。

 

 

 

彼の姿にビビったアメフト部は全員一目散に逃げてった。

学園の『キング』があんなヘタレでいいのかよwww

 

逃げ遅れたのか、はたまた立ち向かう覚悟があるのか、リーゼントくんは鉄パイプを持ってオリオンに挑む。

が、さすがに人間ではない肉体相手にただの鉄パイプではダメージは皆無。

 

さすがにこのままだと彼が危ない。

僕のお気に入りになった彼をこのまま傷つけるわけにはいかないから、誰にも悟られないように建物の陰に隠れ、ポケットから()()()()を出す。

金色のボディに黒曜石のような輝きを持つ棘が散りばめられたスイッチの天面にあるシンボルが示すのはU字に真ん中を一本の曲線が走る。

 

そのスイッチを押し、僕は異形へと化す。

 

全体は蛇の鱗のようなものが表面を覆い、腕や脚にはそれぞれ蛇が巻き付いている。

腰にはローブを纏い、ベルトのようなものを巻いており、そのベルトに複数の試験管がついていて中には液体のようなrものが入っている。

胸には大胆に蛇の意匠があり、今にも噛みついてきそうな表情をしている。

顔には、口と鼻を覆うように管が何本もついたガスマスクようなものを着け、片目には某宇宙の帝王がつけてそうなスカウターのようなものが。

頭にはフードのようなものを目深にかぶっており、その顔を頑なに見せないというような印象付ける。

 

 

変身を終えた()()は、虚空から金色に黒の刺繍を入れたクロークを取り出し羽織り、オリオンのもとへ行く。

オリオンが胸の星座からビームを出そうと力を溜めている。

 

打たせるわけにはいかないので、一本のフラスコを取り出しオリオンに向かって投げる。

痺れの効果を持つフラスコは見事に命中し、オリオンがチャージしていたエネルギーは離散。

ここでお仕置きするとしようとした矢先にいきなりゴリラのような機械がオリオンをぶっ飛ばす。

 

一体何なのかとゴリラを見ると、以前歌星さんが残した資料の中にあった『パワーダイザー』というものであった。

確かアレには操縦者が必要なはず。一目見ようとダイザーに近づいた瞬間、オリオンがビームをこちらに向かって飛ばしてくる。

 

あれぐらいのビームは怖くない。

また虚空から蛇が巻き付いた杖を取り出し、ビームに向かってかざす。

そうすると、ビームは何かに阻まれたかのようにオレの目の前を中心に二つに割れる。

割れた先にはあらかじめ星屑を冠す『ダスタード』を配置させ、ビームを相殺させる。

オレのダスタードは他のホロスコープスのより強いからこれぐらいのものは余裕で耐えれる。

 

 

ビームが止むとそこにはオリオンがいなかった。

ダスタードを見られないうちに消し、オレも建物の陰に隠れ変身を解除する。

 

戻るとちょうどダイザーが帰るところだったからバレないように後をつける。

するとダイザーの中から歌星が出てきた。

やっぱり操縦者は彼だったか。

ゾディアーツやフォーゼ関連の事を知ってるとしたら彼と城島ぐらいしかいない。

 

追ってきたのか城島もやってきて、2人で倉庫にダイザーを隠す。

そしてそのまま部活棟の使われてないところに行く。

そして×印にテープが貼られた扉を開け部屋に入った。

すぐさま僕もバレないように部屋に入ると彼らはどこにもいなかった。

 

もしかして秘密の隠し扉でもあるのか?

だとしたら叔父さんがその事を知っているはず。

だけど一体どこだ?

 

そう考えてたらいきなり扉が開いた。

一体誰だと思い咄嗟に身構えたら、

 

弦太朗「おぉ!お前なんでいんだ?」

 

彼方「いやいやそれはこっちのセリフだよ?多分歌星たちを追ってきたんでしょ?」

 

弦太朗「おう!お前もなんだな。でもどこにも居ねえぞ?」

 

まさかのリーゼントくんだった。

彼も追いかけてたとは思わなかったな~。

 

 

それにしてもほんとどこに行ったんだ?

それらしいものなんてさっきの扉と後は...

 

まさかとは思いつつも部屋にあったロッカーを開けてみると中から光が差し込んできた。

 

弦太朗「おわ!一体なんだ..、ってなんだそれは!?」

 

彼方「わからない。。。でもわかるのは歌星らはこの先のどこかへ行ったってことかな。」

 

弦太朗「そうみたいだな。よっしゃ!行ってみようぜ!」

 

彼方「ちょっ!さすがに危ないでしょ!」

 

 

僕の制止を聞かずに走っていくリーゼントくん。

それにしてもこの先に何があるんだ?

 

もしかして()()()が前に言ってた場所のことか?

だとしたらフォーゼはそこで作られているのかも。。。

ならば行くしかないか。

 

 

そうして僕らは光の中へと進んでいった。

その先に待つものがとんでもないものだと知らずに。。。

 

 

 

to be continued...




早速主人公が変身しました〜。

正直もうちっと延ばしてもいいかなって思いましたが、ここは一思いにって感じで出しちゃいました笑


ヒロインアンケの方は原作3話目に入るぐらいで閉めようかなっておもいます。
それまでにストック作っとかないと…



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変・身・傍・観

やっと原作1話目が終わりますね〜www

ヒロインアンケート急にですが締め切りました。
概要は後書きの方で書いてます。



そして遂に!原作主人公が変身します!
ではでは第3話どうぞ!


ー彼方sideー

 

 

光の中を進んでいくと扉が見えてくる。

その扉は学校の物とは全く違い、ちょっとした近未来感漂うものである。

 

この扉の先に歌星と城島は居るんだろう。

一体彼らは何を隠してるんだ?

物によっては叔父さんに報告しないといけない。

それは僕としてもちょっと避けたいところである。

 

 

リーゼントくんと僕は一緒に扉を開ける。

 

 

目の前に広がるのはまるで宇宙基地のような空間が広がっていた。

扉近くの壁には何やらボタンが沢山ある。

奥のところにはモニターがついたパソコン?みたいなものも。

 

やはりここは()()()が言っていた基地であった。

ということはここでフォーゼが作られていることになる。

 

 

と考えていると奥の部屋から歌星と城島が出てきた。

何やらベルトみたいなものを持っている。

あれがフォーゼに変身するためのものか。

 

 

弦太朗「おい!さっさと中に入ろうぜ!ってうぉぉお!?」

 

扉から中を観察してたらリーゼントくんが中に入っていった。

するといきなりリーゼントくんが宙に浮いた。

ええええ!!!なんで宙に浮いてんの!?なに!?超能力でも使ってんの!?

これがあると思ったから慎重に行こうと思ってたのに!

 

彼方「ちょっ!なんで浮いちゃってんの!?いいから早く降りなよ!?」

 

弦太朗「いや、どうなってんか俺もさっぱりなんだって!お前こそ早く降ろしてくれよ!」

 

彼方「いやそこは自力で何とかしてよ!ってうわっ!?」

 

リーゼントくんと言い合ってたら僕まで浮いちゃったし!?

もしかして無重力空間だったりなの!?なんで!?

 

 

てんやわんやしてたら歌星が慣れたように無重力内を進み、扉近くのレバーを下げた。

瞬間、一気に重力を感じて僕とリーゼントくんは真っ逆さまに落ちた。

背中から落ちて痛い。

 

弦太朗「なんか..、秘密基地みたいでカッコいいな!」

 

賢吾「後をつけて来たのか。」

 

弦太朗「まさかあのゴリラはお前が操縦していたとはなぁ。」

 

なんか場違い感が半端ない発言しちゃってるし。

いや確かに秘密基地感あってカッコいいけど。てか秘密基地なんだけど、たぶん。

しかもダイザーの後つけてたの僕だけじゃないんだね。行動力あるね~。

 

 

なんて思ってたら、何を思ったのかリーゼントくんが歌星からドライバーを奪っちゃった。

ええ!?いきなりどうしたん!?

 

奪い返そうとする歌星を避けてドライバーを掲げた。

 

弦太朗「話は聞いた。これならあのバケモンが倒せんだろ?」

 

え、さっきのあのてんやわんやの中で聞いてたの?それともあれの前?

意外と侮れんな~と思った。

 

 

 

ー一方そのころー

 

ー2年B組教室ー

 

教室では授業が行われていた。

4つの空席を残して。

 

園田「またいないし。」

 

いつもいない歌星に加え城島に転入してきたばかりの如月が居らず、若干イラついている園ちゃん先生。

あとお気に入りである彼方がいなくて、もしかして嫌われたのかとしゅんとなっているのは乙女の秘密である。

 

 

すると突然何かが割れるような音が聞こえ、さらに生徒たちの悲鳴が聞こえる。

騒ぎの元にいるのは、オリオンゾディアーツとその姿に逃げ惑う生徒たちだった。

 

オリオンは、まるで行き場のない怒りを吐き出すかのように咆哮するのだった。

 

 

 

ー彼方sideー

 

賢吾「返せ!それは俺のもn...うっ。」

 

リーゼントくんにドライバーを返すように言うも、途中で頭痛が起こったのか頭を抑えて膝を折る。

 

弦太朗「ほらみろ!今のお前じゃ無理だ!」

 

賢吾「だが君にも無理だ!」

 

弦太朗「やってみなくちゃわからねえだろ!」

 

賢吾「ふざけるな!」

 

弦太朗「ここは俺に任せろ!」

 

 

リーゼントくんのどこから湧いてくるのかわからない自信で自分に任せろと言う。

歌星も身体が弱いんだから無理しなくてもいいのに。。。

 

やはり父親の研究であるフォーゼだから思い入れがあるのだろう。

まあ気持ちはわからなくもないが、適材適所だろう。

フォーゼとなって戦うとなればリーゼントくんが一番だろう。

あのバカさ加減はちょっと不安になるが。

 

 

歌星の制止を振り切って出ていくリーゼントくん。

城島は彼を見てしばらく考えたあと追いかける。

一人残された歌星は自分の身体の弱さに嘆く。

 

彼方「自分の身体を恨むのもいいけど、今自分ができることを考えなよ。じゃなきゃ取り返しのつかないことになっちゃうよ?」

 

賢吾「?君は一体何を経験したんだ?」

 

彼方「うーん、簡単には言えない程の事。かな?まあ僕は彼を追いかけるから。君も追いかけるなら直ぐに来なよ?」

 

賢吾「今自分にできること...か。」

 

なんか説教まがいのことしちゃったけど、これぐらいのことで挫けちゃったらダメだよ。

少なくともこれからのことを考えたらね。

 

 

 

 

ー校舎内ー

 

ーNOsideー

 

生徒たちが廊下を必死に駆ける中、キモいで有名な大杉忠太は生徒たちに注意する。

 

大杉「廊下走んじゃないよ!」

 

園田「どうしました!?」

 

大杉「園田先生!いやちょっとね、m」

 

大杉が自分が惚れている園田に聞かれ良い格好をしようとするも、突如廊下の奥から咆哮が聞こえる。

一体なんだと思い二人が廊下を見るとそこにはオリオンゾディアーツがいた。

 

生徒たちが悲鳴を上げながら必死に逃げ、大杉も教師でありながら今まで見たことのない怪物に恐怖し、意中の園田を置いて一人で逃げ去る。

それに驚き、呆れながらも園田も必死に逃げていく。

 

 

悲鳴を聞きつけ、階段を必死に駆け上る弦太朗。

廊下に出ると、そこには男子生徒を壁に投げつけながらこちらに向かってくるオリオンの姿が。

 

弦太朗は自信満々にドライバーを掲げるも、使い方を聞かずに一直線に来たため、必死にドライバーを掲げたり振ったりしている。

そこにユウキが駆けつけ、弦太朗からドライバーを取り、腰に押し当てる。

すると、ドライバーからベルトが出てきて弦太朗の腰にピッタリと巻きつく。

 

ユウキ「そしたらスイッチを入れて!」

 

弦太朗「スイッチ?」

 

ユウキ「そう!それがあなたに宇宙のパワーをくれる!変身よ、弦ちゃん!」

 

弦太朗はユウキの言っていることに戸惑う中、ユウキはドライバーのスイッチを入れる。

すると、ユウキは弦太朗の元から離れ、壁から顔を出して弦太朗の様子を見る。

 

弦太朗「おい!なんで逃げんだよ!」

 

ユウキに問いかけるも何も返ってこず。すると、

 

 

『Three!』

 

『Two!』

 

『One!』

 

ドライバーからカウントダウンが鳴り、待機音が流れる。

一体何が起こっているのかわからない弦太朗は狼狽える。

 

ユウキ「いいから早く!変身!って言ってレバーを入れて!こう!」

 

弦太朗「えっ!?」

 

ユウキ「いいから早く〜!」

 

ユウキが変身への手順を教えながらも催促する。

その様子に戸惑いながらもユウキに言われた通りにポーズを決めレバーを引く。

 

するとドライバーを中心に勢いよく風が吹いてくる。

ユウキも風圧に耐えれず、壁に隠れながらもフォーゼの変身に興奮する。

 

ドライバーからゲートのようなものが弦太朗の上に現れ、そこから光が指す。

弦太朗がポーズをとり続ける中、ゲートが閉じると同時に弦太朗にアーマーが装着され変身が完了する。

変身が終わると、弦太朗は掲げていた手を振り落とし、溢れていた蒸気を払う。

 

 

変身した弦太朗の姿は一言で言うと宇宙服というような印象づけるものだった。

白を基調とし、黒やオレンジの差し色が入ったアーマー。

手足にはそれぞれ〇、×、△、□といった図形が黄色、オレンジ、黒、青と象られている。

背中には噴射口のようなものが着いている。

シンプルなフォームになっているが、その力は無限の可能性を秘めている。

 

フォーゼ「うぉ?なんだかわかんねえけど、宇宙キターーーーーー!!!」

 

ユウキ「そう!それがフォーゼよ!」

 

フォーゼ「これがフォーゼか。分かった!タイマン張らしてもらうぜ!」

 

フォーゼとなった弦太朗は、全身から感じる宇宙の力に思わず「宇宙キター」なんてことを口にする。

ユウキに名前を教えられた弦太朗は、ヤンキーぽくタイマンという言葉を使いオリオンに宣戦布告する。

 

 

最初の一発っといったパンチを放つも、オリオンの頑丈な腕によってガードされむしろ自分にダメージがいく。

だがそれをもろともせず、すぐさま腹にパンチを決めると、フォーゼとなったことにより力が増幅し、強制的に肉体を進化させたゾディアーツにも充分なダメージを与える。

ダメージが入り喜ぶも、その隙を突かれオリオンに壁に叩きつけられ、壁もろとも教室の中へ倒れ込む。

 

オリオンが追撃をしようと壁に近づくと、穴からフォーゼが不意打ちを決め、オリオンが壁に叩きつけられる。

フォーゼがこれでもかと言わんばかりに追撃し、周りの壁や備品を壊しながらも着実にオリオンへとダメージを与えていく。

 

混戦状態となっているフォーゼとオリオンは掴み合いながらも校舎内へと移動する。

 

 

 

ー屋上ー

 

ー彼方sideー

 

歌星を置いて基地から出た僕はとりあえずリーゼントくんを追いかけることにする。

すると、校舎の方から悲鳴が聞こえる。

もしかしてと思い悲鳴の方へ向かうと生徒たちが校舎の中から逃げてきていた。

 

オリオンが出たかと思い、一先ず誰かに聞こうと思うとちょうど校舎から園ちゃんが走ってきた。

悲鳴をあげて一応怖がってます風を演じているのだろう。ほんとはあなたが仕掛けた子なのに。

 

彼方「園ちゃん!園ちゃん!どうしたのって聞くのは野暮だろうからとりまオリオンくんはどこに?」

 

園田「ふぁ!?彼方くん!どこ行ってたのよ!彼なら2階か3階の方に行ったわよ!それよりなんで教室にいなかったの!」

 

彼方「ちょっと野暮用があって行けなかったの!それよりまだ校舎の中にいるんだね!なら屋上から見た方がいいか。」

 

園田「屋上に行くの?なら私も連れてってよ。君のことだからまた面白い子でも見つけたのでしょ?

 

彼方「え?来るの?まあいいけどその代わり叔父さんには内緒にしてよ?まだ序盤なんだから。」

 

園田「分かってるわよ。とりあえず行きましょう?今なら誰にも見られずに行けるわ。」

 

彼方「それなら()()使うから僕に掴まってて。」

 

園ちゃんの可愛い反応は脳内メモリーに保存しつつ、彼の初陣を屋上から見てようと思ったらまさか園ちゃんもついてくるとは。

別に来てもいいんだけど園ちゃん、叔父さんに結構心酔しちゃってるからな〜。

まあ一応釘刺しといたから大丈夫だろうけど。

 

とりあえず園ちゃんを連れて人気のない場所へと行き、僕はポケットからスイッチを出して押す。

ゾディアーツへと変身したオレは、自身の力を使い屋上へとワープした。

 

園田「いつ見てもその力はずるいわよね〜。」

 

彼方「仕方ないだろ。そういう特性の星なんだから。まあ自分でもチートだとは思ってるが。」

 

園田「まさか最後の星座を宿すなんて我望様も予想してなかったでしょうね。」

 

彼方「まぁ叔父さんも知った時は滅多に見ないような顔してたからな。おかげでこの力を使いこなす為の訓練に全力で協力してくれたよ。」

 

ほんといつ使っても思うこのチート性。

まぁそりゃ星座が星座なだけに仕方ない。

 

 

オレの星座はへびつかい座、オピュクスである。

その存在は13番目の黄道十二星座とも言われている。

12なのになんで13番目なのか?

一説には一時的にだが黄道にへびつかい座が食いこんでいるからとか言うのもある。

 

そういうこともあり、オレらの中では最後の星座なんて呼ばれている。

実際その力はさっき言ってた通りチートそのものである。

 

基本はモデルとなっているギリシャ神話の医神アスクレピオスに通ずるもの。

例えば腰に巻かれている試験管やフラスコの中身を思うがままに変え、味方にとっては良薬、敵にとっては毒薬となる。

それと医療器具であるメスや注射器などによる物理攻撃。

そしてアスクレピオスが使っていたとされる蛇が巻きついている杖。

オレはこの杖を「蛇の杖(ゴルゴ・ロッド)」と呼んでいる。

 

蛇の杖の権能は、最上級の薬を作ること。

これは一見なにも特別な事とは感じないが、内容はえげつない。

1番楽なものは相手を絶対に殺す毒を作ることである。

 

これはどの生物にも通用し、もちろんオレらゾディアーツにも通用する。

これにちょっとでも触れると時間を掛けて細胞を壊死していき、24時間経てば何も残すことなくこの世をさる。

何も残すことなくというのは身体だけでなく、そのものに関わる全てである。

名前から関わった物の記憶。果ては存在その物が消え去る。

 

これだけ聞けば分かるだろうチート性。

これが1番楽なものだ。

 

極端なものをあげると不老不死の薬を作り出すことが出来る。

かつてアスクレピオスが作り上げたという不老不死の薬。

その薬は死者をも蘇らせるという。

そんな物を作り上げると私利私欲に塗れた人間が寄ってくる。

 

だがそんなことはさせない。

この薬は製造者であるオレの信頼を得るか、ある程度の善性を持っていないと、先程言った毒薬になる。

 

このことにより、未だ不老不死となったものはいない。

オレを除いては。

 

 

これらだけだと先程したワープの要素はない。

それもそのはず。

これらは全て基本能力である。

 

オレらホロスコープスには超新星といった進化がある。

その進化により、あるものは強大な力を持つ肉体を。またあるものは全てを見通す瞳を。

などといった力が手に入る。

 

このオピュクスの超新星は、全ホロスコープスの能力である。

もちろん超新星もである。

 

分かっている。チートである。

これこそが正に最後の星座と言われる所以である。

 

 

このことを知っているのはオレが信頼している幹部だけだ。

今のところだと叔父さんに園ちゃん。それとレオさんとヴァルゴさんだけである。

あの天秤野郎はいけ好かないから教えねぇ。レオさんも嫌っているからな。

 

オレの能力はこんぐらいだ。

これほどのチートを持っていると、オレの力を狙って集ってくる奴らがいる。

だからこそオレはあくまで傍観者(バランスメーカー)を名乗る。

でないとこの力に溺れてしまいそうだからである。

 

 

物思いにふけていると校舎の中から今日一日中聞いたあの声が聞こえる。

 

「宇宙キターーーーーー!!!」

 

ははっ!遂に!変身したか!

 

園田「もしかしてフォーゼが覚醒したの!?」

 

彼方「あぁ!遂に!やっぱりアイツには素質があったか!やはり宇宙を持つものは面白い!」

 

園田「彼方くん…?もしかして喜んでいるの?」

 

彼方「あぁ。これでオレの計画も始まったんだ。誰にも邪魔させない。」

 

園ちゃんもフォーゼの存在に気づいたようでオレと同じ方向を向く。

オレは喜びを抑えられていないのか、園ちゃんに聞かれた。

そりゃそうだ。これでやっと念願が叶うんだから。

 

これでもう叔父さんが傷つかなくて済むんだから。

 

フォーゼはオリオン相手に優位に戦っている。

そして混戦になったのか更に校舎の中へと入っていった。

 

 

彼方「園ちゃん。オレはこれからアイツらとつるむことが多くなるから。前より時間取れないかもよ?」

 

園田「そう…、でもそれが彼方くんのやりたいことなら別にいいわよ?」

 

彼方「あぁ〜もうほんといい女だね園ちゃんは。ありがと。」

 

そう言って園ちゃんの頭を撫でる。

ほんといい人だよ。だからあの天秤野郎に着いてってるのが気に食わない。

いつかアイツから奪ってやる。

 

 

オリオンとフォーゼが戦ってる中、オレは場違いな感じのことを思っていた。

園ちゃんのヒロイン力が高いのが悪いのだ。

 

 

 

to be continued...の前に!

 

 

ーおまけー

 

 

ー屋上ー

 

ー園ちゃんsideー

 

フォーゼが覚醒した。

私たちの計画に大きな障害が現れた。

すぐにでも排除しなければ…、と思うのが普通なのだろう。

でも、私のお気に入りの彼方くんが喜んでいる。

 

ゾディアーツ態なっていても滲み出てくる喜びが彼の状態を表している。

実際に彼の身体や杖に象られている蛇が喜びを表すかのように動いている。

ここまで感情を顕にしている彼は初めてだ。

 

もしかしたらフォーゼに彼を奪われるかもしれない。

 

この思考はホロスコープスとしてのものか、それとも1人の女性としてのものかは分からない。

でも、彼を奪われるかもと思うと全身から寒気がする。

 

速水校長に導かれてホロスコープスの仲間入りしたのは嬉しかった。

でもあの人のやり方は今となっては嫌気がさす。

常に上からで進化するまでもとても遅い。

正直彼に師事していたあの頃の自分を疑いたくなる。

 

それに比べて彼は常に寄り添ってくれる。

例えば、私は表と裏を使い分けているがどうしてもストレスが溜まってしまうことがある。

その時に誰にも聞かれないところで彼に愚痴を聞いてもらっている。

ただ聞くだけでなく、同意してくれたり一緒に愚痴を零すこともある。

 

そうしていくうちに彼に惹かれていったのだろう。

以前までは我望様に依存している所があったけれど、今はただ忠誠を誓っているだけ。

自分の身を委ねるとしたら彼方くんにしたいと思っている。

 

それほどまでに彼に惹かれているからこそ彼の思いを尊重したい。

だから私は言った。

 

園田「そう…、でもそれが彼方くんのやりたいことなら別にいいわよ?」

 

そう言うと彼はありがとうと言ってくれた。

そして私の頭を撫でてくれた。

ゾディアーツ態だからゴツゴツして違和感がするだろうけど、不思議とそれを感じない。

それほど彼は暖かい。正に太陽のような存在だ。

 

いつか彼と一緒に過ごしたいという気持ちを胸に秘めて。

今はただ彼に頭を撫でてもらう為に身を委ねる。

 

 

 

to be continued...




なかなか1話から抜け出すことが出来ない…

やっぱりもうちょっと文字数増やした方がいいのかな?
皆さんに聞きますけど文字数どんぐらいがいいですかね?
今のままがいいですか?それとも倍かそれ以上がいいですか?
ご意見お願いいたしますm(*_ _)m

ヒロインアンケの方ですが、園ちゃん√が圧倒的なのですがハーレム√も追いかけてきてってなり…。
結果自分得のこの小説ではハーレム√で行くことにしました!

それに伴って、ハーレム要員のアンケを取ります!
園ちゃんはメインヒロインということで確定してますので外しています。
ヒロインアンケの方では意外に闇ユウキやピスケスちゃんが多かったですね。
やっぱり闇系や後輩系をヒロインにしたい人がいらっしゃったのかな…。
それと違い年上系は全然入らず笑
まぁ一応アンケの候補には入れてますがどうなる事やら。
キック先生が入ってたのにちょっとだけ驚きました笑


そして!おまけとして園ちゃんサイドをちょっと入れてみました!
どうですか?個人的にはちょいキュンな感じで入れてみたんですが…
反応が気になりますね〜笑

ということで今回はここまで!
次回には1話を脱出出来るはず!
ではではまた次回!


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撃・破・対・立

やっと1話が終わったー!
いや〜1話で大体3、4話使うとなるとこれからはどんぐらい書くことになるんだろう…。


それでは今回もどうぞ!


ー屋上ー

 

ー彼方sideー

 

しばらく園ちゃんといちゃいちゃしてると何かが崩れる音と共にフォーゼが右手をロケットに変えてオリオンと一緒に飛んでいた。

どうやらそろそろ終わりそうだ。

 

彼方「そろそろ終わりそうだな。スイッチの回収に行くけど園ちゃんはどうする?」

 

園田「私もついていくわ。一応彼は私の担当なのだから。まぁ彼方くんになら任せてもいいけどね。」

 

彼方「いやそこはちゃんと最後まで見てあげな。念のために変身しときな。バレたなんて知られたら即()()()行きだからな。」

 

信頼してくれてるのは嬉しいが流石に自分の生徒はちゃんと見てほしい。

 

フォーゼがゾディアーツスイッチのことをあまり知らないだろうが、念には念をだ。

もし歌星が来たらスイッチが回収されるかもしれん。

そのために園ちゃんにも変身してもらう。

 

園ちゃんは内ポケットから赤いスイッチを出す。

これが本来のホロスコープススイッチだ。

なんでかオレのだけ金色になってるが、それもまた蛇遣い故なのかもしれん。

 

スイッチを押すと黒いモヤと共に蠍座の星座が現れる。

モヤが晴れるとそこには蠍を象ったゾディアーツがいる。

 

そう、サソリちゃんは園ちゃんである。

裏表が激しい園ちゃんにはぴったりの星座であると思う。

なんでか知らないがこの状態になると園ちゃんの声が可愛い声からイケボな男声になる。

まぁ正体を隠すためだと思うけど。

 

園ちゃんがオレのとは真逆の金色の刺繍が入った黒のクロークを羽織ると準備が整ったのか近づく。

それを合図とし、オレはフォーゼたちが行ったであろう場所へとワープする。

 

 

 

ーグラウンド前ー

 

ーNOsideー

 

ロケットを使いフォーゼはオリオンを連れ場所を変える。

不時着といった感じで地面に降りると、ロケットに振り回されたままオリオンにパンチを食らわす。

ロケットの勢いもあってか、オリオンは吹っ飛ばされる。

 

ロケットスイッチをオフにして完全に静止するも、振り回されたせいか若干酔っている感じである。

気持ち悪いと言うものの、向かってくるオリオンの攻撃を受け流し、着実にオリオンにダメージを与える。

 

他にも攻撃の手段がないかとベルトを探り、青色のランチャースイッチをオンにする。

 

『Launcher! ON』

 

音声と共に右足にミサイルが装填されたモジュールが装着される。

変化した右足を覗こうとあげ、よしといった風に右足を下ろした瞬間、ミサイルが乱発射される。

破壊力は凄まじいものの、制御されてないミサイルはオリオンに当たらず周りを破壊する。

 

さすがにこれはまずいと思った瞬間、ベルトに装填されてるレーダースイッチから着信音のような音が流れる。

一体なんだと思ったフォーゼは、レーダースイッチをオンにする。

すると左手にモニターを搭載した小型レーダーのようなモジュールが装着される。

 

装着されると自動でモニターが作動し、ラビットハッチにいる賢吾から連絡を受ける。

 

賢吾「レーダーで狙え。学校を破壊する気か。」

 

賢吾がフォーゼにレーダーを使い、ランチャーで攻撃するよう指示する。

オリオンから一旦離れ、言われた通りにレーダーでオリオンにロックオンする。

 

フォーゼ「ロックオン!食らえ!」

 

フォーゼがミサイルを発射する。

様々な軌道を描きながらも、オリオンへと命中していく。

ランチャーの破壊力にオリオンも中々再起できない。

 

その間に賢吾はランチャーを入れ替え接近戦に持ち込むように言う。

その指示に従い、ランチャースイッチを抜き、チェンソースイッチを装填、オンする。

 

『Chainsaw! ON』

 

ランチャーモジュールが収まり、代わりにチェンソーモジュールが装着される。

そしてオリオンにチェンソーを用いた蹴り技を放つ。

 

オリオンは反撃できず、フォーゼに攻められ続ける。

そしてフォーゼは背中の噴射口を使い、前宙しての回転キックを放つ。

これにはオリオンも大打撃を受けるが、隙を狙い自身の星座からエネルギー弾を放つ。

 

これをもろに受け、一気に形勢逆転する。

今の状態だと危険だと感じたのか、チェンソースイッチをオフにし、放たれるエネルギー弾からひたすら回避することに徹する。

 

パターンを見切ったのか、ロケットスイッチを再びオンにし、空中で回避する。

まだ触ってないドリルスイッチを見て、オンにする。

 

『Drill! ON』

 

左足に膝から下を覆う大きなドリルモジュールが装着される。

それを見てトドメをさせると踏んだフォーゼは一気に決めようとする。

しかし賢吾から待つように言われるも、うざったくなりレーダースイッチをオフにする。

 

そしてレバーを引きトドメを刺しにいく。

 

『Rocket! Drill! LIMIT BREAK!!』

 

ドリルの回転数が一気に上がり、ロケットの推進力を使って一気にオリオンに迫る。

オリオンはせめてもの抵抗かエネルギー弾を放つも、避けていく。

 

フォーゼ「食らえ!ロケットドリルキーーック!!!」

 

エネルギー弾を受けてもそのまま一直線に進み、オリオンにドリルをぶつける。

そのままロケットの推進力を使って一気にオリオンを貫く。

 

オリオンを貫通し、地面に着陸するもドリルの回転でしばらく回る。

回転が終わり、フォーゼはオリオンを背に決めポーズをとる。

 

胸を貫かれたオリオンはダメージが限界を超え、爆発する。

爆発で飛ばされたスイッチは人目のつかないところへと飛んでいく。

 

フォーゼ「ふぅ。やったぜ。」

 

 

 

 

ー謁見の間ー

 

一面が赤く暗い部屋の中でドーム状の椅子に座る一人の男。

その手にはゾディアーツスイッチが握られている。

 

光が映った顔は、我望彼方の叔父であり天ノ川学園理事長である我望光明である。

 

我望「そうか。フォーゼが私の学園に..。」

 

そう呟き、瞳が赤く光る。

 

その我望の前には3体のゾディアーツたちが。

いずれも幹部の証であるクロークを羽織っている。

 

彼らが本格的に動き出す...。

 

 

 

 

ーグラウンド前ー

 

ー彼方sideー

 

グラウンド前へとワープしたオレたちは、フォーゼがオリオンを倒すところを見届けた。

 

彼方「初陣にしては上出来じゃん。これはこっちもうかうかしてられないね、サソリちゃん。」

 

園田「そうね。私たちも早く残りのホロスコープスを集めないといけないわ。」

 

オリオンの爆破後こっちに飛んできたスイッチを拾いながら言う。

確かに残りの奴らを覚醒させないといけないが、中々厳しいところだ。

 

天ノ川学園都市上空にあるコズミックエナジーが降り注ぐ穴、人呼んで「ザ・ホール」。

そのザ・ホールは日本に2つあり、一つは先ほど言った天ノ川学園の上空。

そしてもう一つは京都の上空にある。

太古から京都の上空にはザ・ホールが存在し、当時の陰陽師たちなどはその力を制御していた。

その仕組みを利用したのがフォーゼでもある。

 

二つに分散されているため、ホロスコープスへの覚醒に至るまではその者の実力がない限り難しいものである。

だとすれば、フォーゼたちにバレずに育てていくか、京都のザ・ホールを潰してここにコズミックエナジーを集中させるしかない。

どちらもフォーゼの誕生により困難となってしまったが。。。

 

 

覚醒への近道を考えていると、城島がフォーゼの元にやってきて朝やってた友情の証?みたいなやつをやって喜び合ってる。

まだ完全に倒したわけじゃないのに。

 

するとそこへダイザーに乗った歌星がやってきた。

リーゼントを呼ぶ声には怒気を感じられる。

 

フォーゼ「おう賢吾!やったぜ!まぁ、俺様にかかればざっとこんなもんだ。」

 

賢吾「名前で呼ぶな!」

 

呑気にVサインをしたらいきなりダイザーで捕まれ、そのまま振り回される。

どうやらだいぶご立腹のようだ。

そりゃ自分の父親の形見を勝手に使われ、自分の言うことも聞かずに好き放題やられたら怒るわな。

 

しばらく振り回されるもなんとか離脱し、言い合いながら正面衝突する。

なんか子供の喧嘩を見てる気分だな。いやまぁ、まだ子供なんだけどね。

 

ユウキ「全く、もうストップストップ!二人とも落ち着いてってもう!」

 

城島の一声で二人とも掴み合いをやめる。

え、女ってこわっ。ってちょっと!?なんでサソリちゃんこっちをジト目で見てんの!?

さすがにその姿でジト目されると迫力ありすぎなんだが。

 

園田「今なんか要らないこと考えてたでしょ。表情見えなくてもわかるんだからね?」

 

おぅふ。まさか読まれていたとは。

これは気をつけんと。。。

 

彼方「悪かったよ。さすがにそれで睨まれたら冷や汗かくわ。」

 

園田「わかってくれたいいのよ。それより帰りましょ?我望様への報告とこれを彼に返してあげないと。」

 

彼方「そうだな。あいつらを追いかけんのはまた後ででもできるしな。」

 

園田「それは明日ね?今日は愚痴に付き合ってくれるんでしょ?」

 

彼方「あ、忘れてた。わかったよ、いつもの場所でな?」

 

そういや今日サソリちゃんの愚痴聞くの忘れてた。

まぁ仕方ないか。今日はストレス多そうだし。

 

とりあえずオレらは報告をするために謁見の間へとワープする。

 

 

 

 

ー弦太朗sideー

 

せっかくあの怪物野郎を倒したってのに賢吾がわけわかんねぇカタカナばっか使いやがって俺を攻めやがった。

それにドライバーを持っていきやがった。

 

アイツ身体弱え癖に一人でやろうとしやがる。

ぜってぇアイツを認めさしてやる!

 

そういやさっき戦ってた時に誰かに見られてる気がしたんだけどな〜。

う〜ん...、ん?なんだありゃ?

 

誰かの落としもんかこれ?って生徒手帳じゃねえか!

これはさすがに落とした奴も困ってんだろ!

名前はっと..、我望彼方...。って昼休みのアイツじゃねぇか!

 

これは届けてやらねえとな!

ってもなんでこんなとこに落ちてたんだ?

もしかしてさっきのってアイツなのか?

 

 

 

 

ー謁見の間ー

 

ー彼方sideー

 

謁見の間へとワープしたオレたちはそれぞれ変身を解除する。

 

すでにそこには全員集まってるようだった。

多分、フォーゼのことについて皆さん聞きたいんだろう。

 

 

彼方、園田「「ただいま戻りました。」」

 

我望「ご苦労。それで、どうだったフォーゼは?」

 

園田「はい、彼の順応力は相当高いです。初めての戦闘でオリオンを倒しました。」

 

彼方「そしてサポートとしての城島ユウキと歌星賢吾の存在も危険だと思われます。」

 

我望「そうか。やはりフォーゼとなるに相応しい器だったと言うことかな?」

 

彼方、園田「そう思われます。」

 

我望「そうか。ならばしばらくは様子見をするとしよう。なぁに。彼はあくまで緩衝材だよ。ゾディアーツの進化を促すためのね。」

 

彼方、園田「承知致しました。」

 

僕らが同意すると後ろの3人も頷く。

 

そこで僕がある提案をする。

 

彼方「一つよろしいでしょうか。」

 

我望「なんだね、彼方?」

 

彼方「僕がフォーゼたちと行動を共にし、彼らの活動と目的を随時報告するというのはどうでしょうか。」

 

この提案に全員が動揺する。

それもそうだ。

いくらホロスコープスの僕でも彼らと行動するというのは一種の裏切り行為に近い。

もしかしたら二重スパイになる可能性もある。

 

そんな可能性が存在するなら即却下されるだろう。

しかし...

 

我望「ほう...、それは面白い。やってみなさい。」

 

園田「そうですね。彼らの行動がわかれば私たちも対処しやすくなります。」

 

まさか許可が出るとは。。。

 

しかしやっぱり反対意見は出てくるようだ。

 

杖を持ち、天秤の受け皿を重ね合わせたような頭部に二本の触覚が生えている。

頭部から大きな赤い瞳を覗かせているのは天秤座、リブラゾディアーツ。

 

こいつの叔父さんへの忠誠心は半端ないが、かまってちゃんかって言うぐらいアピールをする。

これによく巻き込まれるのが他の幹部たちである。

だからか、育てられた園ちゃんでさえも辟易している。

 

 

そんな奴だからか..、

 

リブラ「我望様。それはなりません。ただでさえ強大な力を持っているからと調子に乗っているコイツに任せるのは不安要素しかありません。」

 

ちっ。ほんとコイツはいらんことしか言わねえな。

だがそれに待ったをかけるのが二人いた。

 

一人は正に王者と言わんばかりの獰猛な獅子を象った頭部を持つ最強格のホロスコープスである獅子座、レオゾディアーツ。

もう一人はピンク色の髪のようなものが顔を覆い、隙間から覗く顔は陶器のように白く、舞踏会などで使われる仮面のような印象を受ける乙女座、ヴァルゴゾディアーツ。

 

この二人が天秤野郎の意見に待ったをかける。

 

レオ「それはただの言いがかりだろう。実際にコイツは成果を出している、お前よりもな。そんな奴の提案を蹴るぐらいならお前にはよっぽどの考えがあるのだろう?」

 

ヴァルゴ「全くだ。いい加減嫉妬で動くのはやめた方がいい。そのうちどこかから毒を入れられることになるぞ。」

 

二人が擁護してくれるとは思ってもいなかった。

合理的主義である二人がこのような作戦に良しとするなんて。

やはりこれまで成果をあげといて良かった。

 

我望「まぁそのことは置いておこうじゃないか。とりあえずは彼方がフォーゼと接触し、行動を共にする。これでいいかね?」

 

園田、レオ、ヴァルゴ「「「はい。」」」

 

鶴の一声と言うかのように提案は可決された。

これで僕もちょっと動きやすくなる。

 

我望「ではこれで終わりにしよう。皆ご苦労だったよ。」

 

叔父さんが締めの言葉を言い、今日の謁見は終わった。

終わると皆それぞれ去っていった。

園ちゃんとは後で別々で待ち合わせしている。

 

皆が去ってから僕は叔父さんに聞いた。

 

彼方「叔父さん。なんで僕の案に賛成したんだ?リブラが言っていた懸念はあったはずだけど?」

 

我望「その事なら心配していないよ。彼方が何を考えているのかは分からないが、周りの事を考えてくれているというのは長年一緒に暮らしているから分かっている。とりあえずは好きにするといい。」

 

彼方「叔父さん…。ありがとうございます。」

 

まさか叔父さんがそこまで見てくれているとは思っていなかった。

やっぱり見てくれる人はちゃんと見てくれているんだな。

 

そう思うとより僕の決意は固まった。

明日からはより一層気を引き締めて行かないとな。

 

 

 

ーおまけー

 

ー放課後ー

 

ー彼方sideー

 

僕は空き教室で園ちゃんを待っている。

約束していた愚痴会の為に。

 

いつも愚痴会を開くときは園ちゃんが空き教室を見つけてくれてそこでやっている。

机と椅子をそれぞれ二つずつ隣り合わせに置く。

どうやらこの配置が良いらしい。

いや僕も別にいいんだけど、園ちゃんから女性特有のいい匂いがしてちょっとばかし落ち着かない。

 

今日はちょっと多そうだなぁと思いながらも座りながら待つ。

しばらくすると園ちゃんがやってきた。

 

園田「ごめんね遅くなって。大杉先生に捕まっちゃって。」

 

彼方「また捕まってたの?いい加減諦めさせたらいいのに〜。もう園ちゃんったら悪女〜笑」

 

園田「ちょっと!悪女って言い方はやめてよ!ただ断っても面倒くさそうだからやらないだけよ。」

 

いつもこんな感じで始まる。

ちょっとした軽口の言い合いで始まるこの時間が大好きだ。

 

彼方「それで?今日は結構溜まってそうだとは思ってるけど?最初はどれから行くの?」

 

園田「最初はあの転校生からね。なんなのアイツ。自己紹介の時からいきなり好き勝手して。時間は守らないし歌星をまたサボらせるし。ほんとなんで貧乏くじ引いたんだろ。」

 

彼方「あー、リーゼントくんはちょっとアホだからね〜。あれを直せって言われても多分一生無理な気がするよ?それならもうスルーしたらいいんじゃない?」

 

園田「そうもいかないのよ。転校生だから教師たち皆聞いてくるのよ。そんなところで初日から好き放題してますなんて言えないでしょ?オマケに昼休みの後はサボるし…。そういえば彼方くんもいなかったけどどこに行ってたの!?」

 

彼方「あー、それはその〜…。またアメフト部の奴らに絡まれてて?ちょっとやってたらオリオンくんが来ちゃって〜。そしたら歌星とか城島とかが来てさ。もしかしたら何か隠してるかも〜って思って後をつけてたんだ。だから居なかった…と言うか居れなかった?って感じかな?」

 

園田「うー…、それなら別にいいんだけど。てっきり彼方くんに嫌われちゃったかと思ったから。だからサボったのかなって…。」

 

うっ!そんなこと言われたら罪悪感が半端ない…。

まさかそんな可愛いこと思ってたなんて、、もう園ちゃん√入ってもいいよな?いいよね?答えは聞いてない!

 

って落ち着け落ち着け!今はまだ早い!

そのうちだ!出来れば天秤野郎を一回ボコしてからだ。

 

彼方「それはほんとにごめん。まさかそんなに考えてたとは思わなかったんだよ。ほんとごめんね?土日どっか連れてってあげるから。」

 

園田「ほんと?嫌ったりしてない?」

 

彼方「もちろん。逆に僕が嫌われてないか心配してるよ。」

 

園田「私が嫌うことはないわよ。だって好きなんだから…(ボソッ)」

 

ァァァァァ!ほんとなんでそんな事言うのぉぉぉ!!!

これじゃあ我慢できないじゃん!

もう可愛すぎて抱きつきたい!

 

そう思ってたらいつの間にか抱きついてた。

 

彼方「ありがとう園ちゃん。ほんといい女性だよ。僕も好きだよ(ボソッ)」

 

園田「っ!///そんなこと言われると…、本気にしちゃうよ?」

 

彼方「それは本気にしてもいいって聞いてるようなもんじゃん笑。まぁそのうちね。今はこれで我慢させて。」

 

園田「……うん。///」

 

それからいつの間にか愚痴会からただ抱きついてるだけになっていた。

まぁいつもの事なんだけど。

ほんと僕の理理性持ってくれぇ!!!

 

 

 

to be continued...




読んでくださってありがとうございます!
お気に入りや感想を見ると達成感が出てきますね笑
皆さんが読んでくださってると実感出来てとても嬉しゅうございます。


さてさて今回もおまけで園ちゃんとのイチャイチャ回を書きましたがいかがでしょうか!
もう書いてて思いましたね。
お前らはよ付き合え!!!
一体二人はいつ結ばれるんでしょうね〜。

そしてヒロインなんですが、前回と今回のアンケの結果を見て、双方0だったヒロインは除外と言うふうにします。
まぁ髪の毛ちゃんとインガと鉄人さんなんですけどね。

それ以外の全員をハーレム要員とすることにしました!
まぁこれはほぼ自分がやりたいからってのがあるんですが笑
もうどう接点を作ろうか、どう惚れさせてやろうかって考えてるとワクワクが止まらないんですな〜笑笑


アンケートは前回までとしてこの回が上がると同時に締め切らせてもらいます。
投票してくださった皆様!ありがとうございました!

ではではまた次回もお楽しみに!


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月・面・着・陸

どうも暇けんぴです。


今回は原作二話の約前半部分をお届けします。

そしてヒロインたちとの絡みもちょっと入れてるのですが、違和感ないかな~。


まぁそんなこんなで見てってください!



ちなみに今回のおまけは恋愛要素マシマシにしたつもりです笑。


ー校門前ー

 

ー彼方sideー

 

昨日は大忙しだったなぁ~。

リーゼントくんが転校してきたり、フォーゼが誕生したり。

これからはもっと忙しくなるんだろうけどね。

ちょっとくらいは休ませてほしいもんだな~。

園ちゃんとの愚痴会の頻度上げようかな?

 

なんて考えてたら後ろから勢いよく肩を叩かれる。

わぉ!いきなりなんだー?と思い振り返ると。

 

弦太朗「よっ!朝から疲れた顔してんな!」

 

彼方「おぉう。おはよ~リーゼントくん!そりゃ~昨日は結構疲れたからね~。主に君のせいで。」

 

弦太朗「リーゼントくん?それって俺のことか?」

 

彼方「そうだよ?その目立つリーゼントで。ダメだったかい?」

 

弦太朗「全然だめじゃねえぜ!初めて呼ばれたからな!てかなんで俺のせいなんだ?」

 

彼方「いや昨日昼休みの後の授業サボったでしょ?まぁ僕も一緒だったけど。そのことで園ちゃん先生にしごかれたんよ。」

 

嘘は言ってない。

確かに昨日の愚痴会で小言を言われたよ?そのあとにイチャイチャしてたけど。

だって園ちゃんに言われたら誰だってああなるって。

 

弦太朗「おぉ..、それは悪かったな。あとで園ちゃんにも謝っとく。そういやこれ落としてたぞ?」

 

彼方「ん?あっ、それ昨日ずっと探してたんだよね~。どこにあったの?」

 

弦太朗「グラウンドの前のとこだ。ちょうど怪物が暴れてたとこだよ。お前、いたんだろ?」

 

彼方「え?僕そんなとこ見てないけどな~。まぁいいや、ありがとね~。」

 

危ない危ない。

意外と鋭いなキミ。

 

これは後で昨日のことを言っちゃうか。

もちろん嘘を交えてね?

 

 

それからリーゼントくんとだべりながら歩いてたら大杉が突っかかってきた。

 

大杉「おっ、ちょちょちょちょちょ!おいお前、制服如何した。」

 

弦太朗「あぁ、昨日転校してきたっすから。」

 

大杉「おぉ、貴様かぁ。園田先生を困らせている転校生っていうのは。」

 

いやどこ情報だよ。

なんでそのこと知ってんの?もしかして昨日のやつ見られてた?

それともただの妄想なのか。

...十中八九妄想だろうな。

 

園ちゃんも早く振ったらいいのに〜。

そしたらもうちっとは一緒にいられる時間が増えるのに…、って何考えてんだろ僕。

 

 

リーゼントくんと大杉が揉めてると校門から二台の黒い高級車が入ってき停まる。

そして中から出てきたのは、キングとクイーンだった。

それぞれ別々の車から出てきて、すぐに腕を組む。

 

相変わらず見せつけがすごいな〜。

ほんとにあんなラブラブなんかな〜?

 

二人を見た大杉は急いで二人の元にいきゴマをする。

あの変わりようは尊敬できるわ。

大文字もよく尊敬してない奴に対してあんなこと言えるよな〜。

 

大杉が最後に謎にサスペンダーを鳴らしてから小走りで去っていった。

それに入れ替わるようにアメフト部の三浦とサイドキックスがやってくる。

 

三浦が大文字にかばんを持つと言い、なぜか風城のまで持ってる。

うわ〜平気であんな態度を取るなんて傲慢極まりないな。

 

そこでなぜかリーゼントくんがアイツらに声をかける。

ちょっとぉ!?なんで声かけちゃの?一緒にいる僕まで飛び火しちゃうじゃん!?

 

美羽「ウップス。あら、昨日のトラッシュくん。それに『ルーラー』くんまでいるじゃない。」

 

弦太朗「昨日の借りはいずれ返すが、それよりも怪物のことだ。なんか心当たりないか?」

 

おぉ、なんか真面目に聞き込んでんじゃん。

ちょっと勘違いしてたかもね。

 

それに大文字が気に食わないのか、文句を言おうとするも三浦に遮られる。

ぷぷっw遮られてやんのwww

 

大文字「トラッシュを相手にするな。行くぞ三浦。」

 

ちょいおこな感じで退場していくキング(笑)。

それに乗じて風城も大文字の後を追う。

ってあれ?なんでサイドキックスの二人はまだいんの?

 

サイドキックスの一人、佐久間珠恵が話しかけてくる。

 

珠恵「どうしてルーラーくんがトラッシュと一緒にいるの?私たちと一緒にいた方がいいんじゃないの?」

 

彼方「別に誰と居ようが関係ないでしょ〜?それとも僕のことが好きだから一緒にいたいの?」

 

珠恵「っ!///別にそう言うのじゃないわよ!ただキミの立場を心配してあげてんの!」

 

え、何このツンデレ具合。

なんか図星っぽい反応されたけどさすがに返しに困る。

どう答えようか悩んでいると、もう一人の繁野ジュンが、

 

ジュン「も〜珠恵!そんな言い方はダメでしょ!さすがに彼方くんが困っちゃうよ?」

 

なんて言ってくる。

いや言い方って何?もしかして純粋にカーストを高めるために自分のグループに入れようとしてんの?

びっくりしたー!てっきり好きだとか思われてんのかと思ったわ。

 

彼方「別になんでもいいけどさ。どっかのグループに入ろうとか思わないよ?あくまで『ルーラー』らしく中立に居たいからね〜。」

 

そう。なぜか知らないが僕は『ルーラー』と呼ばれている。

まぁ自覚はしている。

いつも何かしら騒ぎがあったら真っ先に言って仲裁するからだ。

その時はどちらか一方に加担せずに公平にジャッジしているから、いつからか『裁定者』をもじって『ルーラー』と呼ばれるようになった。

 

まぁ僕も今の立場が嫌いじゃないから好きでやってるんだけどね。

 

珠恵「ふーん、そ。まぁもし入りたくなったんならいつでも言ってきていいわよ。美羽のことなら説得してあげるから。」

 

ジュン「うんうん!彼方くんが入ったら面白そうな気がするよ!じゃあまたね!」

 

そう言って二人は校舎に入っていった。

なんかいつの間にかあの二人に信頼されてたんだな〜。

 

弦太朗「なんかお前人気だな!」

 

そうなんか違う感想をもらったw

 

 

そうして僕たちも教室に入って授業の準備をしたのだが、リーゼントくんがどこかに行っちゃった。

多分聞き込みにでも行ったのかな?

案外真面目にフォーゼする気なんだな〜。

 

そしたらいつの間にかチャイムが鳴る時間になっていた。

ってあれ?まだ帰ってこないけど、もしかして...。

よく見たら歌星もいないし。

転校早々朝からサボり決め込むとかほんと勘弁してくれよ〜。

 

 

授業が始まっても一向に戻ってくる気配はない。

城島も授業を真面目に受けながらもどこかそわそわしている。

 

彼方「城島〜。そんなにそわそわしてたらバレちゃうよ?」

 

ユウキ「えっ!?あたしそんなにそわそわしてた?」

 

うんうんと頷くとあちゃーっとリアクションする城島。

うん、コイツノリいいやつだ。

 

そう思ってたら園ちゃんがこっちを見た。

あっ、一瞬ちょっとだけむくれた。

 

園田「歌星君はまた保健室として..、そっちの転校生は?」

 

ユウキ「うぅん、さぁ〜...。」

 

園田「えっ!?早速サボり!?全く、困ったものね。」

 

うーん、また今日も愚痴会ありそう..。

ここは。。。

 

彼方「先生。僕が転校生くんを探してきますよ。」

 

園田「えっ!でも授業が...。」

 

彼方「そのまま進めても大丈夫ですよ。後で聞きに行きますから。」

 

園田「そう..、じゃあよろしくね?」

 

よし!これで園ちゃんの許可が取れた。

多分だけどあそこにいるに違いない。

 

とりあえず城島に口パクで、

「リーゼントくんのことは任せといて」

と伝え教室を出る。

 

 

さてさて、もし彼が行くとすると昨日のことが関係しているところのはずだろうから多分あそこだろう。

ただあそこまで普通に行くともしかしたら大杉なんかが突っかかってくるかもしれない。

 

そう思いトイレの中へと行き、そこでスイッチを押す。

そして能力であの部屋までワープする。

 

ワープしたら変身解除し、ロッカーを開ける。

ロッカーを開けると中から光が漏れ出てくる。

そう。昨日行った基地に向かう。

 

多分あそこでドライバーを探してるか、ゾディアーツに関する何かを探してるに違いない。

 

そう考察し、基地に向かうために光の中を進む。

やがて基地の入り口が見えた。

ドアの前に立つと自動で開き、その中では...。

 

予想通りリーゼントくんが中を漁っていた。

アーケード筐体のようなパソコン?なにかについているスイッチをひたすらにオンオフしていた。

いやいや!?そんなことしてここ爆発したらどうすんの!?

 

彼方「ちょっちょい!?そんなに弄って大丈夫なの!?」

 

弦太朗「ん?おう!彼方じゃねえか!お前もここ探りにきたんか?」

 

僕のツッコミというか指摘を華麗にスルーして、自分と同じなのか聞いてきた。

いやいや、そういいながら弄る手は止めないのね。。。

 

彼方「園ちゃん先生に連れ戻すように言われたんだよ。まぁそれは建前で、ほんとは君と同じだよ。」

 

弦太朗「あ!そういや授業あったの忘れてた!」

 

彼方「いやいや、じゃあなんで学校にきたのさ!?」

 

こいつ...天然ボケをかましてくるなんて。

とりあえず僕も何かないかを探ると、リーゼントくんがあるスイッチを押す。

すると窓のシャッターが開き外の景色が見えるのだが...。

 

そこに映っているのはなんと地球だった。

 

 

リーゼントくんも窓に映るものに驚いている。

一人で何か言っているが、なぜか知らないが涙を流す。

 

弦太朗「あれ...。なんで俺泣いてんだ。」

 

彼方「宇宙に感動したんじゃない?」

 

弦太朗「宇宙に...?そうかもしれねえな。」

 

多分だがここは月面だ。

だとしたらここの正体が分かった。

 

 

かつて叔父さんたちが月面で研究していた場所。

その名も『ラビットハッチ』。

 

月面でも膨大な面積を誇る研究所兼宇宙基地であったが、17年前の爆発事故により大半が消滅。

残った場所はメインとなっていたここだけとなった。

 

そこに繋がっているとわかればすぐにでも襲撃するだろう。

だがそれをするにはまだ早い。

 

なぜここが機能しているのか。

なぜここと学園が繋がっているのか。

そして、歌星は最初からここの存在を知っていたのか。

もし知らなかったとしたら絶対にバックがいるはずだ。

 

もっとも、たぶん彼はその存在を知らないのだろう。

知っていたら全力でリーゼントくんを排除するか勧誘するかのどちらかをするはず。

 

 

ここがどこかわかったのならとりあえず一通り見ておこう。

そうすれば何か見つかるはずだ。

 

そうして授業のことを忘れ、何時間も探索をする。

リーゼントくんも飽きたのか、中央のスペースにある椅子の上で寝転がっている。

 

すると突然ドアが開いた。

 

誰か来たのかと思い見たら鞄を持った城島だった。

あ、そういや授業のこと忘れてた。

これまた園ちゃん怒らせたかもしんね。

 

城島は僕とリーゼントくんを見ると怒った顔をする。

 

ユウキ「弦ちゃん!それに彼方くん!なにやってんの!」

 

弦太朗「ユウキ!お前授業は!」

 

ユウキ「もう終わったよ!あんたこそ勝手に入って。なにやってんの!」

 

弦太朗「俺はただ..、怪物の正体を探す手がかりはないかなって..。」

 

彼方「みーとぅー。」

 

ユウキ「それでこんな泥棒みたいな真似?彼方くんも止めてよ?園田先生結構怒ってたよ?」

 

彼方「マジ?忘れてた~、で済まないよな~。あとで園ちゃんに謝りに行こ。」

 

やっぱ怒ってるよね~。

はぁ、ほんと土下座する覚悟で謝りに行こ。もし毒を打たれたらえげつないことになる。

 

リーゼントくんが男の意地だ!とか言ってるけど、それに巻き込むのだけはやめてね?

 

ユウキ「ここは月。月面基地ラビットハッチ。アストロスイッチのパワーが、月面と学校を繋いでくれてるの。」

 

弦太朗「やっぱ宇宙なんだ!」

 

それな~。

やっぱラビットハッチだったんだね~。まあ漁ってた時にわかったんだけどね。

 

リーゼントくんが地球に見惚れてると、いきなり城島が脱ぎだした。

いや、もちろんブレザーをだよ?そのあとにリボン外して、ボタンも外しだしたけど。

 

ユウキ「なにやってんの?弦ちゃんも早く脱いで?彼方くんもね?」

 

弦太朗「それは...、あ、どういうことかな。」

 

なんかリーゼントくんがやらしいこと考えてるけど、多分宇宙服に着替えるだけだからね?

あんたら幼馴染だからってそんなことになるわけなかろうが。

だとしたら僕もとっくに()()()とそうなってるよ!

まあ、あっちはそういう風に思ってないみたいだけど。。。

 

 

宇宙服に着替えた僕達は月面に出る。

城島を先頭にちょっとした山を無重力の中登っていく。

 

ユウキ「宇宙飛行士はね、パートナーに命を託すの。それは絶対的な信頼がなきゃできないこと。」

 

   「多分、賢吾くんと友達になるってことはそれと似たようなことじゃないかな?」

 

弦太朗「えっ。」

 

ユウキ「フォーゼの使い方、あたしがどうして教えたと思う?弦ちゃんなら、賢吾くん助けてくれるって思ったからだよ。」

 

   「小学校の時、いっつも自分のことより友達のことに一生懸命になってたあの弦ちゃんならって。」

 

   「でも、今の弦ちゃんなんか違うよ?」

 

彼方「ま、意気地になってもしょうがないんじゃない?自分のやりたいことを一直線にやるのが君らしいと思うけどね~。」

 

 

山を登り終えた僕たちが見たものは、ラビットハッチの後ろにできた巨大なクレーターだった。

 

ここが爆発事故の跡地。

城島が何が起こったかを説明する。

それと歌星のことについて話す。

 

やはり歌星が背負ってるものは大きい。

それも一人で抱えるには限界が来る。

その時に仲間がそばにいれば..、乗り越えられるはずだ。

 

僕と違ってね。。。

 

 

 

 

ースタジアム前ー

 

ーNOsideー

 

スタジアムの前にバスが停まる。

その中から現れたのは、風城たちチア部と大文字たちアメフト部。

 

今からアメフト部の試合が行われる。

それに応援に来た生徒たちが続々とスタジアムに入っていく。

 

その様子を一人のゴスメイクをした女子が見ている。

 

???「。。。」

 

 

スタジアムに入った生徒たちは皆、大文字たちに声援を送る。

それに対してファンサービスなのかお決まりのポーズを決める。

その隣で風城が腕に抱き着いてアピールをしている。

 

その中サイドキックスの二人は彼方について話してた。

 

ジュン「それにしても朝は残念だったね~、珠惠~。」

 

珠惠「別に~?また誘ったらいいだけじゃない。それよりジュンの方こそ残念じゃなかったの?幼馴染なんでしょ?」

 

ジュン「うーん、確かに残念だったけど彼方くんなら関係なく遊んだりしてくれるから別にそこまでだよ?」

 

彼方とジュンは小学校以来の幼馴染であった。

いつも二人で過ごしていて、周りからはお似合いのカップルとか言われていたが、実際は友達関係に留まっている。

どちらかが否定するのではなく、どちらも素直になれないだけであるのだが。

 

珠惠「まぁ今度のクイーンフェスの時に応援してくれるらしいから頑張らないと。」

 

ジュン「そうだね!頑張ってお菓子とか奢ってもらお~!」

 

試合の前のパフォーマンスにではなく、クイーンフェスに意気込む二人であった。

 

 

 

ーおまけー

 

 

ー中学校ー

 

ー彼方sideー

 

放課後。

 

いつもどおり退屈な授業が終わりさっさと家に帰ろうとするとあいつがやってくる。

 

ジュン「ねぇねぇ!今日帰りにカラオケに行こ!」

 

彼方「また?もう今週三回目だよ?どんだけ歌うの好きなの?」

 

ジュン「いいじゃん!カラオケ楽しいし、あそこの料理美味しいし!」

 

いやどちらかというと料理目当てで行ってません?

 

いつも通りジュンが教室にやってきて遊びに誘う。

まぁほかにやることないからいいんだけどさ~。

たまにはゲーセンとかに行かないのかな~?

 

 

そんな風に思っても逆らえるはずもなく。

なくなくカラオケに来たんだが。。。

 

いつも通り最初はジュンが歌っていく。

その間に僕が料理を注文する。

メニューなんかもう覚えちゃったから迷うことなく注文できちゃったよ。。。

 

そしてジュンが歌い終えるとここから僕の怒涛の30分メドレーが始まる。

いっつも料理が来てから30分はジュンがひたすら食べ、僕がひたすら歌い続ける。

それが終わると今度は交代して、ジュンが歌い続け僕がひたすら食べる。

正直これなんの特訓っていうようなことをしているが、そんな時間が楽しいと思ってしまう僕ガイル。

 

僕がアニメやボカロを歌っているとジュンが食べながらも笑顔で合いの手を入れたりしてくれる。

なんて優しい子やぁ。お兄さんそんな子好きだぞ☆

うん、やっぱきもいなこれ。

 

 

なんてしながら終わったカラオケ。

いい時間になりお互い帰っているなか、ジュンが突然提案する。

 

ジュン「ねぇ!プリクラ撮りに行こうよ!」

 

彼方「え!今から!?」

 

ジュン「うん!なんか撮りたくなっちゃった!」

 

可愛い。

と思いつつ僕は了承し、近くのゲーセンに寄る。

 

筐体を見つけ二人で中に入っていく。

いやこんな狭い空間で二人きりとかドキドキが止まらんわ。

 

一人ドキドキしている中、ジュンは慣れた手つきで操作している。

操作を終えいざプリクラを撮るとなったのだが。。。

 

彼方「なぁ。これ絶対モード間違えたよね?そうだよね?そうだと言って?」

 

ジュン「あはは。。。ごめんごめん。間違えちゃった。。」

 

なぜか恋人モードなんかにしてらっしゃるこの人。

ポーズを取れと言ってくるが、密着度高めのやつばっかで僕の理性がどんどんすり減っていく。

だっていつもあんなに食べてるのに全然太ってなく、むしろ抜群の体系であるジュンがこんなに近くにいると、間違いでも起こしそうになる。

 

だけどそれは絶対にしたくない。

だって、ただ一人の幼馴染なんだから。

 

そう思い必死にこらえてる中、最後の一枚となる。

だがそれがとんでもないものだった。

 

機械が出してきたお題は「キス」だった。。。

 

いやなに言ってんの!?馬鹿なの!?これ作ったやつ馬鹿なんじゃないの!?

恋人関係でもないやつとキスなんてできるわけねぇだろ!?

 

ジュン「なんか、とんでもないものが来ちゃったね?」

 

彼方「ほんとこれ作ったやつ呪ってやる。」

 

ジュン「えぇ!そんなに!?」

 

彼方「当たり前だ。こんな事させるやつはきっとサイコパスに違いない。」

 

ジュン「あはは。。。さすがにそれは言いすぎじゃない?それに別にあたしはしてもいいと思ってるよ?」

 

彼方「いやいや言い過ぎじゃn....、ってふぁ!?何言ってんの!?」

 

ジュン「だから..、その..、「5秒前!」って早くしないと!」

 

彼方「いやいやそんなの別にしなくたっていいんだy「んっ!」んぐ!」

 

必死に説得しようとしたらなんか唇に柔らかい感触が。。。

え。。。うそん。。。

 

もしかして。。。しちゃったの。。。?

 

意識が飛んでる中、ジュンは顔を赤らめながらも写真に落書きしている。

呆然とした状態で出てきた僕たちはそのまま何も言わずに帰る。

 

 

帰り道の中。

 

僕たちはお互い気まずいなか歩いてる。

さっきの感触がまだ残っている。

ほんとなんでジュンはあんなことしたんだ?

 

そう思ってると分かれ道に着く。

ここでいつも別れている。

 

お互い気まずいなか、控え気味にさよならの挨拶をする。

 

それで終わりだと思い、帰ろうとするとジュンに声を掛けられる。

 

ジュン「ねぇ!これ!今日のプリクラ!ちゃんと大事に持っててね!」

 

そう言って今日撮ったやつを渡してくる。

そしてそのまま走って帰っていく。

 

なんだったんだ?

そう思いつつ写真を見てると一つの写真が目に入る。

 

そこにはお互いキスしていて、そこに落書きでハートとともに「好きだよ」と書いてある。

 

それを見た瞬間顔が真っ赤になるのを感じた。

急いで家に帰ってそのまま部屋に入り、布団にくるまって悶えている。

 

彼方「なんで!なんであんな可愛いこというんだよ!!あぁ!もう!好き!!!」

 

布団のなかで必死に悶えてる様子を叔父さんが見ていたらしく。。。

翌日の朝に、

 

我望「立派に青春しているじゃないか、彼方。ちゃんとやるときは避妊をするんだよ?」

 

とニヤニヤしながら言ってきた。

それに顔を真っ赤にした僕は、そのままご飯をかきこんで家を出ていく。

 

 

学校でジュンと会ったときに昨日のことを聞いたらはぐらかされたときはちょっとショックだった。

ぴえん。

 

 

 

to be continued...

 

 

 




いかがだったでしょうか!

とりあえず主人公と大食いちゃんを幼馴染設定にしました!
一人は枠を作っておきたかったのですが、誰が一番いいかと考えたらちょうど同じ学年だしっと思って決めました!

カメレオンちゃんがちょっとツンデレぽくなっちゃいましたが、まあそこはご愛敬。


そしておまけですが!
はい!そうです!完全に自己満足なやつにしました!

そのおかげでちょっとばかり手抜き感を感じます!笑
まぁ、そういうことですよ。
本編内でも言ってた「あの子」は大食いちゃんだったわけですよ。

ほんでなんであんなこと思ったんだろっていう風に考えたら自然とああなってました笑
まぁそれ以外で接点作ろうにもちょっと大変かなって思い、ご都合主義に。。。


そんなわけでいかがだったでしょうか!

次回はおまけを入れることはできないかな?
入れるとしても愚痴会の様子になりそうなんですが、そうなると前回と同じ感じになってしまうんですよ。

なので回想で入れることにして、その分本編をちょっとばかし長くします!
もしかしたら2話の後編全部入れれるかもですね。

ではでは次回もお楽しみに~!


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宇・宙・上・等

やっと二話が終わったーーー。


前回の後書きで話した通り今回はおまけはありません。



では本編どうぞ〜。


ーバイクレース場ー

 

ー彼方sideー

 

月面を楽しんだ後、僕たちは歌星がいるであろう場所へと向かった。

城島が言うには、この時間帯だとフォーゼ専用のバイクの練習をしているという。

どうやら歌星は自分がフォーゼにならなければならないという使命感に追われているようだ。

 

それを聞いて何を思ったのか、リーゼントくんはいきなり自転車に乗って全速力で練習場へ向かう。

それをみた僕たちは急いで後を追う。

 

自転車に追いつかないものの、見失わないように必死に食らいつく。

練習場に着くと、歌星はバイクに乗ってオフロードの道を走っている。

 

そこにリーゼントくんが自転車で乱入。

必死に食らいつくもやはり自転車でオフロードは厳しすぎた。

操縦ができなくなり、柵にぶつかって大きく飛ぶ。

 

これにさすがの歌星も止まる。

やっと追いついてきた城島と僕はただ二人を見守る。

 

弦太朗「お前の代わりは務まらねえが、お前を助けることはできる!」

 

賢吾「何を言っている?」

 

リーゼントくんは自分が知ったことを話す。

歌星は触れられたくないことに触れられ胸倉を掴む。

 

それでも必死に説得するリーゼントくん。

諦めないことを悟ったのか掴んでた胸倉を離す。

 

 

すると演歌調の着信音が鳴る。

一体誰のだと思い、周りを見るとどうやらリーゼントくんのもののようだ。

いや、そこまで昭和なの?なんかすごいな。

 

携帯を取り出し応答する。

 

弦太朗「なんだ?今立て込んでんだ!」

 

一体誰からの着信だ?

もしかして彼の友達から?

ほんと仲いいんだな~。

 

と思っていたがどうやら違うみたいだ。

 

弦太朗「誰だお前!?....ほんとか!?ちょっと待ってろ!!今すぐ行く!」

 

そう言って通話を切る。

 

一体誰だ?

もしかして天秤野郎が早速動いたのか!?

 

弦太朗「今、怪物の正体を知ってるって女から電話があった。」

 

それを聞いた僕と城島は彼のもとに集まる。

 

弦太朗「スタジアムに来ればわかるって。俺ちょっと行ってくる!」

 

ユウキ「あっ、弦ちゃんちょっと待って!」

 

そう言いリーゼントくんとそれを追う城島は走り去っていった。

いや自転車は?どうすんの?

 

彼方「とりあえず僕も先行ってるから。信じてみてもいいんじゃないの?」

 

何か考え込む歌星に助言みたいなことを言う。

さて!自転車を調節して、全力でスタジアムに行く。

 

 

 

ースタジアムー

 

 

スタジアムに着いた僕たちは電話の女を探す。

多分スタジアムの分かりやすいところで待ち伏せているのだろうが。。。

 

するとリーゼントくんが見つけたみたいで、ダッシュして女に向かっていく。

ゴスの恰好をした女は壁沿いに立っていて、そこに思いっきり突撃して問い詰める。

いや、やることが完全に強姦魔のそれじゃん。

 

肩を激しく揺さぶってるのを見て、さすがにダメだと思い僕と城島は二人を引き離す。

リーゼントくんの顔を見ると瞳孔が開きかけてるぐらい必死な顔だった。

 

彼方「君がこのバカを呼び出したのかい?」

 

弦太朗「おい!バカってなんだよ!」

 

彼方「うっさい、バカ。いきなり女の子に掴みかかるやつがいるかっての。それで?」

 

ゴスっ子「そ、そう。」

 

ユウキ「なんで?」

 

ゴスっ子「怪物、探してるの、見てたから。あなた、面白いから、応援しようかなって。」

 

弦太朗「面白いだとおい!」

 

彼方「お前はいい加減落ち着かんかい、ドアホ!」

 

いやもう瞳孔開いちゃってるから一回ビンタして落ち着かせる。

まぁ確かにコイツ面白いけど、言い方考えないと危ないぞ?

 

城島も必死に宥めながらも質問していく。

 

ゴスっ子曰く、どうやら学校に爆破予告が届いてたらしい。

その発信源を探ったらわかったらしい。

この子、なかなか優秀だな。

 

弦太朗「っ、なら、早く言え!」

 

まぁそう言うのもわかる。

もしかしたらもっと早くにオリオンくんの正体が分かったかもしれない。

まぁ僕はどっちでもいいんだけど。。。

 

ゴスっ子も自分で突き止めたものの自信がなく、リーゼントくんを観察してたらわかるかもしれないと思ったらしい。

この子、もうちょっと自信持ったら化けるのにな~。

 

弦太朗「で。誰なんだよ怪物は?」

 

 

 

 

ースタジアム内廊下ー

 

ーNOsideー

 

アメフト部が鼓舞しながらグラウンドに向かっていく。

それを後ろから悠々と歩きながら見る大文字。

 

その後ろの角から三浦が現れる。

その様子はいつもとは違い不気味である。

 

三浦は大文字の名前を呼ぶ。

大文字は思わぬ人物の登場に不審がる。

 

大文字「なんでお前がここにいる!学校で部室の掃除をしてろと言ったはずだ!」

 

三浦「分かってますよ。でも先輩も試合に出ることはできない。」

 

下に見ていた相手がいきなり歯向かってきたことにいら立ちを覚える大文字。

キレ気味になんの真似か聞く。

そんな大文字に三浦は憎悪のこもった目で恨み節を唱える。

そして懐からゾディアーツスイッチを出す。

 

そこに弦太朗たちが現れる。

 

 

ー彼方sideー

 

ゴスっ子から正体を聞いた僕らはすぐにスタジアムの中へと向かった。

 

廊下をしばらく走ってると大文字と三浦を見つけた。

三浦の手にはゾディアーツスイッチが。

ちゃんと園ちゃんが返したようだ。

 

リーゼントくんは三浦にスイッチを手放すように言う。

だが三浦はそれを拒否する。

 

三浦は自分が好きなアメフトをさせてもらえず、雑用ばかり命じる大文字にどんどん怒りをため込んでいった。

その結果スイッチに手をだしたようだ。

 

リーゼントくんがそんな力より自分の力で大文字を思い知らせろと言う。

確かにこっちの方が良いのだろう。

ただそれ以上に三浦の憎しみが大きく、たとえ異形になろうとも絶対に潰すという意思を持たせる。

 

三浦は大文字を学校ごと潰す気でいるらしい。

さすがに学校を潰すと言われれば僕も黙っていない。

 

だがそこでリーゼントくんが自分にやれという。

え?コイツはどこまでお人好しなんだ?

さすがに自分が傷つくのは嫌なはず。

 

だがそれを全く気にする様子のない彼は堂々と宣言する。

こんなに広い器を持っているとはな。

 

 

だが痺れを切らしたのか、大文字が三浦を突き飛ばす。

三浦を煽る大文字にさらに憎悪を滾らせる。

 

『LAST ONE』

 

するとスイッチが彼の意思をくみ取ったのか「ラストワン」という音声とともに禍々しく変形する。

スイッチがあるドームは赤く充血した目玉のようになり、持ち手が棘状の突起で覆われる。

 

感情が昂ったことにより、人間へと戻れなくなるラストワンの域へ達したようだ。

本来なら喜ぶべきなのだが、彼が学校も潰すと言った今、素直に祝福している場合ではない。

園ちゃんや叔父さんには申し訳ないが、ここで潰させてもらう。

 

大文字が悪役らしいセリフを吐き、三浦に退部を言い渡す。

それに激怒した三浦は大文字を突き飛ばし、叫びながらスイッチを押す。

 

三浦からひと際強い黒煙が吹き出し、星座の輝きも増す。

黒煙が晴れると同時にオリオンがあらわれ、さらに三浦の身体が繭にくるまれ出てくる。

 

三浦は完全にゾディアーツとなった。

彼を元に戻すにはオリオンを倒し、スイッチを切るしかない。

 

大文字はオリオンとなった三浦に恐怖し腰が抜ける。

さすがに見捨てることはできないため、僕はリーゼントくんとともにオリオンの注意を引く。

 

その間に城島が大文字を連れて角に隠れる。

それを見計らった僕はリーゼントくんに変身するように言う。

だがドライバーは歌星が持っているため変身できない。

 

リーゼントくんがオリオンに突き飛ばされたため、僕が代わりにオリオンを食い止める。

すると城島たちが隠れている角から歌星が走ってきた。

その片手にはフォーゼドライバーが握られている。

 

歌星はリーゼントくんに駆け寄るとドライバーを差し出す。

ドライバーを使うように言う。

どうやら吹っ切れたようだ。

 

ドライバーを受け取ったリーゼントくんは体勢を立て直し、ドライバーを腰に装着する。

スイッチを入れ変身シークエンスに入る。

 

 

『THREE』

 

 

『TWO』

 

 

『ONE』

 

 

カウントダウンが鳴り響く。

そしてリーゼントくんはレバーを引き、言う。

 

弦太朗「変身!」

 

する音楽が流れると共にゲートが頭上に現れ、彼の周りに勢いよく蒸気が溢れ出す。。

僕は風圧に耐えるためにオリオンの後ろに回り込む。

 

音楽が鳴りやみ、フォーゼとなったリーゼントくんが腕を振り下ろす。

それによって周りに吹き荒れてた蒸気が晴れる。

 

フォーゼ「宇宙キターーー!!!」

 

オリオン「邪魔をするな!」

 

定番となったセリフを言うとともにオリオンがフォーゼに襲い掛かる。

そこを僕が後ろから蹴って体勢を崩させる。

 

そこにフォーゼが一気に叩き込むも、オリオンの身体の強度が増しているためになかなかダメージが入らない。

歌星はそのことをフォーゼに説明するとフォーゼに言うと指示をくれと促す。

どうやら自分が手足をなり、歌星に(ブレーン)になれということみたいだ。

 

歌星は了承し、ハンバーガー型の何かにスイッチを入れて起動する。

すると変形してロボットになる。

そして歌星はカバン型のパソコンを起動し、ロボットを介してオリオンを分析する。

 

どうやらいいチームになりそうだ。

僕もフォーゼに加勢して注意を分散させる。

これによって強化されたオリオンでも、幾分かはマシになる。

 

 

スタジアムの外に出て乱闘するもなかなか有効打を決めれないまま。

フォーゼが果敢に挑むも、武器を持ったオリオン相手に押されていく。

 

フォーゼが吹っ飛ばされ追い込まれていく。

そこでフォーゼは後ろにあった歌星が載っていたバイクを見る。

そしてそのままバイクに跨り、オリオンに突っ込んでいく。

 

バイクにはジェット噴射口が備わっていて、ジェットを使った攻撃やバイクアクションによる攻撃でオリオンを徐々に追い詰めていく。

オリオンは徐々に弱っていくも、まだ余力は充分に残っている様子だ。

 

僕はこのままだとダメだと思い、気づかれないように物陰に隠れる。

そしてスイッチを押し変身する。

 

オピュクスとなったオレはフォーゼに加勢する。

オリオンの周りにフラスコを投げる。

するとオリオンの動きが急激に鈍る。

 

フラスコの中に神経毒を入れておいた。

これでオリオンはしばらく動けない。

 

フォーゼ「お前!いきなり来て誰なんだ!お前も怪物の仲間か!」

 

オピュクス「オレはどちらでもない。ただの傍観者さ。」

 

フォーゼ「あん?んなこと言われてもわかんねえよ!」

 

オピュクス「なら簡単に言ってやる。今はオマエの味方だ。これでいいだろ。」

 

フォーゼ「お、おう。。。だったらいっちょやってやろうぜ!」

 

切り替え早すぎだろ。

オマエ将来詐欺師に壷買わされる奴だな。

 

そう思いながらもフォーゼと共にオリオンに攻撃する。

接近戦も得意なオレは次々に打撃を入れていく。

フォーゼもオレと変わるがわる攻撃していき、オリオンは防御の体勢をとれないでいる。

 

そしてオレたちはオリオンにダブルキックを放つ。

一気にオリオンはぶっ飛ばされ立ち上がれなくなる。

 

フォーゼ「よっしゃ!一気にトドメだ!」

 

オピュクス「それはダメだ。」

 

フォーゼ「は?なんでだよ!」

 

オピュクス「オリオンの中には膨大なエネルギーが溜まっている。ここで倒すとスタジアム全体を巻き込むほどの大爆発が起きるぞ?」

 

オレがフォーゼに言うと同時にフォーゼのベルトに挿さっているスイッチから着信音のようなものがなる。

フォーゼがスイッチをオンにすると左手にモニターがついたレーダーのようなものが現れる。

そこから歌星の声が聞こえる。

 

賢吾「そいつの言う通りだ。ここでやるのは不味い。」

 

フォーゼ「じゃあどうすんだよ。」

 

賢吾「宇宙(そら)でやれ。」

 

オピュクス「ハハッ!宇宙でか!それなら誰にも被害はないな!」

 

するとダイザーとバイクが自動でこっちに走ってきた。

 

賢吾「マシンをダイザーにセットしろ。」

 

フォーゼ「わかった!」

 

歌星の指示でフォーゼはバイクを変形したダイザーにセットする。

 

オピュクス「宇宙に飛ばすなら任せろ。オマエはオリオンに向かって突っ走れ。」

 

フォーゼ「おう!」

 

オレはオリオンを片手で持ち上げ、そのまま上へと投げる。

そこに大量のエネルギー弾をぶつけ一気に打ち上げる。

 

オピュクス「今だ!行け!」

 

ダイザーは発射台へとなり、フォーゼをマシンごと打ち上げる。

打ち上がったフォーゼはオリオンを巻き込み一気に上空へと登っていく。

 

オレはラプラスの瞳を使い、宇宙での様子を見る。

どうやらフォーゼはトドメを刺したみたいだ。

 

爆発したところから飛んできたスイッチを掴んだ瞬間、一気に落ちていく。

こりゃやべえと思ったオレは杖をだし、ワープを使ってフォーゼをここに引き寄せる。

ワープゲートから出てきたフォーゼはいきなり転移したことに驚く。

 

フォーゼ「お前がやってくれたのか?サンキューな!」

 

オピュクス「礼なんていい。早くオリオンの生徒のところに行け。

 

フォーゼ「おぉ、そうだった!ありがとな!」

 

そう言ってフォーゼはスタジアムの中へ入っていく。

溜め息を吐き、オレは変身を解除する。

 

彼方「ほんと世話が焼けるね〜。」

 

 

途中でフォーゼと合流した僕は三浦のところへ戻る。

もちろんありそうな言い訳をして納得させた。

じゃないと僕ちゃん疑われちゃうもん⭐︎...、やっぱきもいね。

 

フォーゼがスイッチをオフにするとスイッチは消滅する。

それと同時に繭にくるまった三浦の身体が目を覚ます。

 

三浦と友達宣言をしたフォーゼは城島たちと共に三浦を病院へと送る。

するとゴスっ子がえらく驚いた様子だ。

 

ゴスっ子「か、仮面ライダー。。。」

 

彼方「え?何それ?」

 

ゴスっ子「そ、そういう都市伝説。ネットで見た。」

 

そう言って抱えてるタブレットの画面を僕らに見せる。

そこには複数の動画と一件の記事がある。

動画にはフォーゼと似た、仮面を被りスーツを身に纏った戦士が怪物と戦っている様子。

記事にはここから近い街の風都を仮面ライダーが救うといった文面が書かれている。

 

そういえば叔父さんが資金援助を受けている財団Xという組織から聞いたことがある。

何やら財団が支援していた「ガイアメモリ」を使った組織が仮面ライダーによって潰されたとか。

 

どうやら至るところに仮面ライダーはいるらしい。

 

リーゼントくんは自分もその戦士たちの一人として言われたことに自慢げになる。

調子乗りだなコイツ。

 

 

 

ラビットハッチに戻った僕ら。

 

歌星はリーゼントくんにフォーゼドライバーを託すという。

どうやら少しは進歩したようだ。

 

それに城島とリーゼントくんが喜び合い、友情の証をする。

そして歌星とも友達宣言をするも、拒否られた。

まぁ「まだ」って言ってるあたり素直じゃないよね〜。

 

歌星「それともう一つ。なんだあれは?」

 

そう言い、天井を指さす。

 

そこには「つかむぜ、宇宙!!仮面ライダー部」と共にフォーゼの頭部を模したロゴが描かれた旗が貼られている。

いつの間に貼ったんだろ。

 

リーゼントくんによると、学校をゾディアーツから守る部活としたみたいだ。

城島がそれに乗り部員第一号と言う。

 

彼方「なら僕、部員二号〜。」

 

面白そうだから乗っておく。

 

それに怒った歌星はドライバーを返せとリーゼントくんを追いかける。

それに必死に逃げるリーゼントくん。

その様子を見て僕と城島は笑い合う。

 

これからの活動が楽しみだな〜。

 

 

 

To be continued...




読んでくださってありがとうございます。

主人公くんも絡んでくるとなるとなかなか変えるのが難しいですね。
戦闘シーンもうまく書けているのかわかりません笑
それに繋ぎもちゃんとできてるかなーって心配ですね。


次回はクイーンフェスということで。
ヒロインたちとの絡みがたくさん見られると思います。
何個かはもう頭の中に浮かんでいるのですが、果たしてうまく書けるかどうか笑


ではでは次回もお楽しみに〜。


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女・王・選・挙

どうも~。

今回はほぼオリジナルな感じの回でございます。
一応違和感がないようにしたんですが所々違和感は感じるかも。。。

それでもいいって方はぜひ読んでってください!


それでは今回もどうぞー!


ーラビットハッチー

 

ー彼方sideー

オリオンの件が終わり数日が過ぎた。

 

僕らは仮面ライダー部としての活動を本格的にスタートした。

といっても、ゾディアーツが出なければずっとアストロスイッチの開発だけなんだけど。。

当面はいつどんなゾディアーツが現れても対処できるようにとのことらしい。

まぁ理には適っている。

 

ということで今ちょうど9番目のスイッチが完成したみたいだ。

 

賢吾「NO.9、ホッピングスイッチ。戦闘に使えるか試してくれ。」

 

と言いフォーゼに渡す。

フォーゼはラボの隣にある実験室に入る。

 

実験室に入ったフォーゼはホッピングスイッチをベルトに装填し、オンにする。

 

 

『Hopping! ON』

 

 

左足にホッピングを模したモジュールが装着される。

そして早速ホッピングを使うも、制御できず部屋中を跳びまわる。

さすがの歌星もこれはダメだと思ったのか使えないと言う。

 

 

実験を終えた僕たちはラビットハッチを出る。

 

リーゼントくんはまだクラクラするようだ。

それでも気にせず、「目眩は心の格闘だ!」とか言っている。

相変わらず変なこと言うな~。

城島も気にしないでいるし、これが通常運転なんだろう。

 

校内を歩いているとたくさんの生徒が掲示板の前に集まっている。

みんなそれぞれうちわなんかを持ち、まるで芸能人の出待ち状態みたいになっている。

あー、もうすぐそんな時期か~。

 

リーゼントくんも気になっているようだ。

城島がクイーンフェスについて説明する。

まぁ今年も風城がダントツだろうがな。

 

リーゼントくんがフェスに対し、いろいろ変わってると感想を言う。

確かに一般の高校と比べると変わっているかもしれない。

まぁ生徒の自主性を尊重しているのがこの学校の校風だし、それに通ずるイベントを行うことでよりよい輝きが見えるからね~。

叔父さんたちも積極的にホロスコープスを増やしたいという目論見もある。

 

 

突然掲示板の前にいた生徒たちが一斉にある方向へと向かう。

なんだと思って見てみると、どうやら風城が来たようだ。

珠ちゃんもジュンも大変だな~、マネージャーみたいな役割して。

 

生徒たちは風城へのプレゼントを渡すも、風城本人は受け取らずサイドキックスの二人に受け取らせる。

それにカチンときたのかリーゼントくんが文句を言いに行く。

僕も面白そうだからついていく。

 

弦太朗「あんたのプレゼントだろ。ちゃんと自分の手で受け取れよ。」

 

彼方「そうだそうだ~。」

 

風城「あら?私に意見する気?」

 

珠惠「そうよ。トラッシュ如きがおこがましいわね?」

 

お~珠ちゃん悪役ムーブ似合ってんじゃん。

やっぱサイドキックスやるのにそんぐらいしないとだめなのかな~?

 

リーゼントくんはトラッシュ発言を拒否し、毎度おなじみの宣言をする。

それに笑う風城と生徒たち。

あ、ジュンバナナの皮捨てた。あとで言っとこ。

 

風城はクイーン宣言をし、それに対してリーゼントくんが何か言おうと前に出たらバナナの皮で滑った。

すんでのところで僕が持ち上げる。

 

彼方「気を付けなよ~?クイーンの周りには何が落っこちてるかわかんないからね~?」

 

ちょっとした皮肉を込めて注意する。

それにムッとする風城と負い目を感じてる珠ちゃんとジュン。

ありゃ、ちょっと言い過ぎたかな?

 

リーゼントくんは風城に賭けを持ち出す。

もし風城がクイーンになれなかったらリーゼントくんと友達になる。

逆にもし風城がクイーンになったらリーゼントくんが転校することになる。

 

おぉっと、中々どでかいことするじゃない。

そしたら対立候補がいるよね~。。。

まぁ今回の責任とらすってことにして珠ちゃんとジュンにお願いしとこ。

あの二人なら申し分ないしね。

 

城島がリーゼントくんに駆け寄り大丈夫なのかと聞く。

やってみるしかないと答えるがどうなることやら。。。

 

 

 

リーゼントくんは対立候補を探し行くらしい。

僕は彼と別行動をとることにする。

まぁさっき散々に言われたサイドキックスの二人にお願いするって言ったらなんか言いそうだからね~。

 

 

そんなこんなでチア部の部室前に着いた。

もしかしたら誰か着替えてるかもしれないから近くの女子に言って珠ちゃんとジュンを呼んでくれるように頼んだ。

そしたら直ぐに二人が出てきた。

 

ん?珠ちゃんの輝きが増してる?

もしかして…。

 

珠恵「どうしたの私たちを呼んで?」

 

ジュン「もしかしてバイキングのチケットが当たったとか?」

 

彼方「いやそーゆーのじゃないよ。てかなんでバイキング?」

 

ジュン「だって行ってみたいんだもん。」

 

珠恵「また今度三人で行ったらいいでしょ?それで?用があるんでしょ?」

 

彼方「あ、そうそう。さっきリーゼントくんが言ってたあの賭けにさ、珠ちゃんとジュンも協力してくれないかな〜って思ってさ。」

 

珠恵「協力って…、まさか美羽の対抗馬としてってこと?」

 

彼方「さっすが珠ちゃん、あったまいい〜。まっ、そゆことよ。」

 

ジュン「え〜。でも私たちが出たらさすがに不味いよね?」

 

彼方「別に言わなきゃいいじゃん。二人ともサイドキックスの枠で出るんでしょ?そのついでにと思ってさ?」

 

珠恵「タダでって言うわけじゃないんでしょ?」

 

ジュン「そうだよ〜、なんにもなしってのはダメだよ?」

 

うぐっ!全然考えてなかった…。

どうしよ…、何かいい案は無いのか?

 

珠恵「だったら今度一緒にデートしてもらいましょ?それでいいよね、ジュン。」

 

ジュン「そうだね!一日中付き合ってもらお、珠恵!」

 

彼方「えっ、マジですか?」

 

珠恵、ジュン「「マジ!」」

 

アッ、ハイ。ワカリマシター。

せっかくの休日がー。。。

 

てか二人と一緒にデートってなんかやばくないか?

僕一応中立な立場保ってんですけど?

え?拒否権はない?そっすか…。

 

役得と言うべきかなんなのか。

とりあえず二人が協力してくれるのはありがたい。

これで風城が悔しがる姿が見えるのなら大喜びだ。

 

 

ジュンには部活に行ってもらい、珠ちゃんには屋上についてきてもらった。

なんで珠ちゃんだけかって言うのは。。。

 

珠恵「なんで私だけここに連れてきたの?もしかして…、告白、とか?」

 

彼方「あー、そうゆうのだと良かったんだけど違うんだな〜。てかなんで告白?」

 

珠恵「あっ///別に、深い意味は無くて、その…。とりあえず理由を言いなさいよ!」

 

彼方「はいはい。珠ちゃんさ〜…、スイッチ持ってるでしょ?」

 

珠恵「っ、スイッチ?なにそれ?そんなの持ってないわよ。」

 

彼方「はいダウト。僕にはバレバレだよ?だって僕も持ってるんだもん。」

 

そう言ってポケットからスイッチを出す。

もちろん普通のゾディアーツスイッチとは違うけど、似通っている部分もあるから分かるだろう。

 

珠ちゃんは僕の手にあるスイッチを見て、観念したのか自分のスイッチを出す。

やっぱり。

さっき部室前で見た時の輝きはスイッチの影響だったのか。

 

彼方「まぁ別に持ってるからって特に何も言わないけどさ。一体誰を恨んでんの?」

 

珠恵「っ!なんでそのこと!」

 

彼方「珠ちゃんにスイッチ渡した人、あの人大体恨みとか憎しみとかそんなん持ってる人に渡す傾向があるからさ。誰か恨んでんのかな〜って。まぁ…、多分風城だとは思うけどね。」

 

珠恵「…、そこまで分かっちゃうのね。ほんと、あんたってこういう時の頭の回転半端じゃないわね。」

 

彼方「いや〜そんなに褒められても///とにかく、動くんならちゃんとバレないように動きなよ?この前から僕たちを倒す輩も現れたし。」

 

珠恵「え、それって…。もしかしてあのトラッシュのこと?」

 

彼方「そうそう。あと歌星と城島もね?」

 

珠恵「寄りによってあの三人が…。多分大丈夫だと思う。」

 

彼方「そ?ならいいけど。あーと。リーゼントくんのことトラッシュって言うのやめといた方がいいよ?彼結構面白いから。」

 

珠恵「そうなの?…、彼方が面白いって言うのなら多分ほんとのことなんだろうからやめるけど。そんなに気に入ってるの?」

 

彼方「まぁこれから面白くなるかなって期待させてくれる位には。何?嫉妬しちゃったの?」

 

珠恵「っ///別にそんなんじゃないわよ!ただ…、最近付き合い悪いから…。」

 

あー、そういや彼が転校してきてからずっと彼と一緒だったからな〜。

そりゃ珠恵も心配するわけだな。もしかしたらジュンもかも。

 

彼方「なら今度のデートとはまた別の日に二人きりで行こうよ?」

 

珠恵「え?いいの?」

 

彼方「全然いいよ?こんなに可愛い珠恵と一緒に行けるんだから全然問題ないよ。」

 

なんで僕こんなナンパ師みたいなことしてるんだろうね〜。

でもほんとに思ってることだからしゃーないよね?

 

珠恵「っ///ちゃんと!ジュンとも二人きりで行ってあげなよ?じゃないとあの子拗ねちゃうから。」

 

彼方「それもそっか。中学の時も何回かそーゆーのあったもんね?」

 

中学時代、たまに珠ちゃんと二人きりで遊びに行ったとき。

次の日に学校でジュンに問い詰められたことがある。

その時はずっと泣きそうな顔で聞いてきたから罪悪感が半端なかった。

 

それからちょくちょく二人で遊びに行くことも増えたけど。

今年になってからそれも少なくなっている。

 

もうちょっと二人との時間も作らないとかもしれないね〜。

 

彼方「まっ、ともかくフェスのことは頼んだよ?僕もちょっと動くかもだから。」

 

珠恵「うん。ちゃんと応援してよね?」

 

彼方「もちに決まってんじゃん。大好きな二人のこと応援しないわけないでしょ?クイーンになったらいっぱいもてなしてやるよ。」

 

珠恵「あら?それは期待しておこうかしら?」

 

そう言い、二人で笑い合う。

この空間も大事にしないとだな。

 

彼方「僕の方は見つかったから後はリーゼントくんの方かな〜。」

 

珠恵「彼も候補を集めてるの?」

 

彼方「うん。僕と別々でそれぞれ候補を集めてるよ。まぁ集まるかどうかは分からないけどね〜。」

 

珠恵「そう…。」

 

すると電話がかかってきた。

どうやらリーゼントくんからのようだ。

 

彼方「はいは〜い、どうしたの〜?え?候補が見つかったの?やったじゃ〜ん。うんうん…、うちの教室だね?オッケー、すぐ行くよ。」

 

そう言って通話を切る。

 

珠恵「候補が見つかったの?」

 

彼方「そうみたい。一緒に行く?それとも…、潰しに行く?」

 

珠恵「えっ?なんで、潰すの?」

 

彼方「だって珠ちゃんすんごい潰したそうな顔してたよ?別に僕はそれに対してなんにも思わないよ?僕だって学校に害を与えるやつは潰すし。」

 

珠恵「どんだけこの学校のこと好きなのよ。まぁでも…そうね、潰した方がいいかもね?」

 

彼方「ハハッ、珠ちゃんすんごいいい笑顔だよ?まぁいいや。そーゆーことなら…。」

 

僕はある人に電話をかける。

 

彼方「もしもしサソリちゃん?今からカメレオンちゃんと一緒にフェスに出る子潰しに行くんだけど…。うん、フォーゼも居るよ?…分かった。じゃあフォーゼが動いたタイミングで来てね〜。…これでよしっと!」

 

珠恵「誰に電話してたの?もしかして、あのサソリの怪物?」

 

彼方「ん?そうだよ?リーゼントくん、珠ちゃんの邪魔するだろうからさせない為にね。一応僕も居るけど念の為にだよ。それにアイツらにどれだけ恐ろしいもん相手にしてるか見せつけてあげないと。」

 

珠恵「なんでアンタはそんなに悪知恵が働くの?…まぁそこがかっこいいとこなんだけど(ボソッ)」

 

悪知恵だなんてそんな〜///

って照れてる場合じゃなかった。

そうと決まればラプラスの瞳でリーゼントくんを見つけないと…、あ、いた!

ふんふん、JKが情報提供者ってとこかな?

あらら〜、嫌なもんに目つけられたね〜。

 

それと…、対抗馬の子はっと…。

あれは多分1年かな?

僕あーいう陽キャ陽キャみたいな感じの子苦手なんだよな〜。

珠ちゃんとジュンは自然とそんなに嫌な気分にならないけどなんでだろ?

やっぱ僕ちゃん惚れちゃってんのかな?笑

ま、そんなことはどうでも良くて。

 

僕はスイッチを押して変身する。

 

オピュクスに変身したオレを見た珠ちゃんもカメレオンへと変身する。

どうやら園ちゃんも準備万端のようだ。

 

オレは珠ちゃんと共に二年A組の教室へとワープした。

カメレオンちゃんは驚いてたけど、落ち着かせる。

そしてカメレオンちゃんは透明になって隣の教室へと行く。

 

すると隣からものすごい音が聞こえてきた。

様子を見ようとA組の教室から出たら丁度対抗馬の女子と対面する。

彼女は悲鳴を上げて反対方向へと逃げていった。

 

それと同時にフォーゼの変身音が聞こえる。

フッ、始まったようだ。

 

オレはとりあえずサポートという形で支援する。

フラスコに煙幕薬をセットし、フォーゼが殴りかかってくる瞬間に投げる。

すると投下地点から煙幕が発動し、教室中を煙でいっぱいにする。

 

そのタイミングでカメレオンちゃんは透明し逃げていく。

そこに入れ替わりでオレとサソリちゃんが入っていく。

 

煙が晴れるとオレたちが居たって言う演出だ。

そして煙が晴れ、フォーゼはオレたちを見て動揺する。

 

それもそのはず。

オリオンの時は協力してくれた相手が今度は敵だ。

 

フォーゼ「お前!なんであのカメレオン野郎を逃がしたんだ!俺たちの味方じゃなかったのか!」

 

オピュクス「味方なのはオリオンの時だけだ。本来はこっち側なんでな?」

 

スコーピオン「そうだ。彼は我らの崇高なるお方のお気に入りだ。そう簡単に貴様が勝てる相手ではない。」

 

フォーゼ「クッソ!勝てるかどうかはやってみなきゃわかんねえだろ!」

 

そう言ってこちらに突撃してくる。

オレとサソリちゃんはそれぞれ左右に避け、フォーゼが空ぶった所にダブルタイキックを放つ。

相乗効果もあり、一気に教室の端へと飛んで行った。

 

野次馬野郎が机に隠れてビビっている。

 

オピュクス「そこの野次馬!オレたちに殺されたくなかったらさっさと失せろ。さもなきゃ…。」

 

そう言ってオレはフラスコの中に誰が見ても危険だと分かる毒を生成する。

サソリちゃんも自身の針から毒液を垂らす。

それにビビったアイツは叫びながら全速で教室から出ていく。

 

さて、メインの時間だ。

 

今回の目的はあくまで痛めつけるだけだ。

なのでオレとサソリちゃんはフォーゼに対して袋叩きにする。

そしてトドメの1発にダブルパンチをお見舞する。

 

ダメージが限界を超え、フォーゼの変身が解除される。

リーゼントくんはその場に膝から崩れ落ちる。

 

オピュクス「これに懲りたらオレらに歯向かうんじゃねえぞ?特に今回は邪魔されたくないんでな。」

 

スコーピオン「貴様の命が助かったのだ。賢明な判断をするよう祈るよ。」

 

そう言ってオレらはその場からワープした。

 

 

オレは途中でカメレオンちゃんを回収して屋上へとワープする。

そしてオレたちはそれぞれ変身解除する。

 

あ、園ちゃんがサソリちゃんってこと言ってなかった。

そのことに気づくのが遅く、珠ちゃんは園ちゃんを見て驚く。

園ちゃんは僕の方をジト目で見て、なんで説明してないの?と目線で訴えかける。

 

彼方「あー、珠ちゃん…。実は園ちゃんはサソリちゃんでした〜…、アハハ……。」

 

珠恵「……はっ!なんで園田先生がってことは置いとくとしてなんでその事を教えなかったのよ?」

 

園田「そうよ。先に話しておかないと口止めしづらいじゃない。」

 

二人に責められ萎縮する僕。

あ、これ将来嫁さんの尻に敷かれるなと悟った瞬間である。

 

彼方「あの…、ほんとすんません。ついノリノリになっちゃって…。」

 

珠恵「だからって忘れてるのはどうかと思うわよ。まぁ私は誰かに言うつもりはないから良かったけどね。」

 

園田「本当よ。佐久間さんだから良かったものの他の人だったら脅されてるかもしれないのよ?」

 

彼方「本当に申し訳ない!後で埋め合わせするから。本当に。」

 

二人は息ぴったりにため息を吐く。

ほんと僕何やってんだろ。

ガチ凹みしてる僕に二人は抱きついてくる。

 

え?え?Why?

 

珠恵「お気に入りのあんたがそんな凹んでる姿を見たい訳ないじゃない。分かってくれたらそれでいいのよ。」

 

園田「そうよ?貴方はいつも頑張ってくれてるんだから、間違えちゃうことだってあるわよ。」

 

彼方「いやほんとそんな甘いこと言われると…、僕甘えちゃうよ?」

 

珠恵、園田「「いいわよ!」」

 

あぁぁぁ!ほんといい女たちだよ!

なんでこんなに優しくしてくれるのかなぁ!もう!

 

僕たちは数十分もずっと抱き合っていた。

気づいた時には赤面していた。僕もだけど。。。

 

 

 

 

ーおまけー

 

結局あの後園ちゃんに埋め合わせをどうするか聞いたらデートしたいと言われた。

ほんと最近デートするのが流行ってるんかな?

僕には拒否権なんぞなく、すんなり決まっていった。

まぁ珠ちゃんからデートすることを聞いた園ちゃんのリアクションは面白かったからチャラです、はい。

 

そして僕は珠ちゃんと下校している。

まぁ僕の家と珠ちゃんの家が近いから一生に帰ることも少なくはない。

 

僕たちは今日のことを振り返っていた。

 

珠恵「そういえば彼方ってなんであんなに強いの?」

 

ふと話の途中でそう聞かれた。

確かに星座の力もあるけれど、僕自身ちゃんと力をつけている。

じゃないと生身で戦わないといけない時に何も出来ないからね〜。

 

そう珠ちゃんに伝えると納得した。

相変わらず珠ちゃんの理解力にはすごいな〜。

 

彼方「まぁそんぐらいしないといけないってのはおかしいんだけどね~笑」

 

珠惠「そう?彼方のことだからそのぐらい普通だと思ってた。」

 

彼方「いやいや普通ではない、よね?あり?でもゾディアーツとして動いてるんだからそう考えると普通なのか?」

 

珠惠「ふふっ、変なところで真面目なのは相変わらずね。」

 

真面目で何が悪いんだい!

いやほんと普通の概念がわからなくなってきたかも。

まぁ今が楽しけりゃそれでいいんだけど。

 

話し込んでる内に珠ちゃんの家に着いた。

 

彼方「じゃあね~。フェス応援してるから~。」

 

珠惠「ありがと。クイーンになってみせるから。」

 

彼方「そうなったら僕もキングにでもなろうかな?」

 

珠惠「あら?私の王様にでもなってくれるの?」

 

彼方「うーん、やっぱみんなの王様の方が良いかな笑」

 

珠惠「そこはなるって言ってほしいところよ笑」

 

お互い軽口を言い合ってから別れた。

あー、こーゆーのやっぱ楽しいな~。

 

今度のデートでちょっとばかし気合入れてやっちゃおかな?

 

 

 

to be continued...

 

 

 




いかがだったでしょうか~?

今回のおまけはちょっと無理やり感パないですけどどうだったでしょうか。。。
ヒロインとの絡みを作りたいがために勢いで書いたんですけど笑

次回はフェスの一次に移れるかなって思います!


ではでは次回もお楽しみに!!


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女・王・陥・落

あの…ほんと……。

いつの間にか内容繰り返してるような感じになってました…。
なんであんな風になってたんだろ…。

ほんと感想や質問で教えてくださった方々ありがとうございます!

では今回の話をどうぞ!


 

ー体育館ー

 

ー彼方sideー

 

さっき現れた怪物に会場にいた生徒たちは騒然としたままだ。

だが風城はその中でパフォーマンスの続きをするという。

おそらく生徒たちを安心させるためだと思われるが。。。

多分勇敢なクイーンという印象付けるためでもあるだろ。

 

そして音楽が流れるのかと思われたが。。。

 

舞台横の壁に設置されているスクリーンに映ったのは隠し撮りされたと思われる映像。

そこには風城がプールサイドで誰かに渡されたプレゼントをみてありえないと言うシーンだった。

風城以外はうまく見えないように撮影されているが。。。

 

十中八九珠ちゃんの仕掛けだろう。

それからも字が読めないからと手紙を破り捨て、写真を集めて編集されたDVDを折り捨てる。

その姿はまさに悪女そのものだ。

 

これに応援していた生徒たちは全員非難する。

城島やジュンでさえ苦い顔をしている。

 

そして風城が生徒たちのことを最低と言っているシーンが繰り返される。

マジかよ。。。そんなこと言ってたんだ。。。

 

会場中からの非難に風城は覇気を失くしていく。

俯き肩を落とすが全部自業自得だ。

 

そこにフォーゼのままリーゼントくんがやってくるが、この状況に戸惑っている。

それもそのはず。

先ほどまで生徒たちから歓声を受けていたのが、帰ってきたら真逆の反応をされている。

正に女王の座から落ちた様子を見せつけられているのだ。

 

フォーゼは後ろに現れたカメレオンを追ってどこかに行った。

一方会場はというと。。。

 

 

風城が生徒を貶すビデオが流れてからは一気にブーイングの嵐。

生徒たちは持っていた風城のうちわを捨て、体育館を去っていく。

生徒たちだけでなく教師たちもどうやら失望したようだ。

 

会場に貼られていた風城のポスター関連などは破り捨てられる。

そして。。。

 

クイーンの傍に居るべきであるキングの大文字も風城を一睨みして背中を向ける。

風城は完全に心の拠り所を失った。

スカートの裾を掴み、ただ俯くだけ。

 

そこに珠ちゃんが怪我を負ったフリをしながら風城に呼びかける。

だがその呼びかけにも応じず。

 

リーゼントくんが去っていく生徒たちの中から現れ、風城のところへ走ってくる。

舞台に飛び乗り風城を見るも、動揺を隠しきれないまま語り掛ける。

だが風城には憐みの目で見られたように感じたらしく、リーゼントくんに怒鳴りつけ会場を去っていく。

それにはさすがの彼でも何も言えなくなる。

 

珠ちゃんはその様子を見て口角を上げる。

僕はその顔を見られないように珠ちゃんを連れだす。

 

彼方「珠ちゃん人に見せたらいけない顔になってるよ?あれ見られたら犯人ですって言っちゃってるからね?」

 

珠惠「え、嘘!ごめん、美羽のあんな姿を見たらつい。。。」

 

彼方「別に責めてるわけじゃないんだけどね。それにしても..、えぐいことするね~。」

 

珠惠「そう?私的にはもうちょっとやってやりたかったけど。まぁこれで美羽も終りね。」

 

彼方「だといいんだけどね~。彼が何かしそうな予感がするけど。。。」

 

珠惠「まさか?さすがにここからどうやってクイーンになれるって言うのよ。」

 

彼方「まぁそうだけどね~。。。」

 

珠惠「それよりも明後日の二次審査、応援してよね?」

 

彼方「ん?もちろん~!珠ちゃんの晴れ姿見せてちょーだいね?」

 

珠惠「もちろんよ。」

 

 

それから数分話し込んで僕らは別れた。

明日は多分ゾディアーツの捜索が待ってるだろうから僕も早めに帰りたい。

 

帰る準備をして帰ろうとしたら、後ろからジュンに呼び止められた。

 

ジュン「彼方くん!ちょっと話したい事があるんだけど。。。」

 

彼方「どうしたんだ?帰り道で話す?」

 

ジュン「うん。。。」

 

そう言い僕らは一緒に下校する。

 

ジュン「彼方くんはさ..、今日のことどう思ってるの?」

 

彼方「今日のことって、風城のこと?」

 

ジュン「うん。美羽あれから元気なくしちゃったみたいで。。」

 

彼方「うーん、ジュンには悪いけど自業自得かなって思うんだ。だってあんなこと言ってたのは事実なんでしょ?」

 

ジュン「それは..、うん。私もあの時とめときゃ良かったなって思うんだ。」

 

彼方「それはしゃーないよ。実際あれは風城が思ってたことなんだし。だけどさ、何が一番許せないかってずっと隠してたことが許せないんだ。」

 

ジュン「え?みんなのこと悪く言ってたことじゃなくて?」

 

僕の意外な理由にジュンは驚きを隠せないでいる。

まあ普通考えたら、自分が悪く言われてることに対して怒るはずだ。

でも僕は特に何も言われてないし、別に言われようがどうとも思わない。

 

彼方「別に悪口を言ってることには何にも思わないよ?だってみんなそれぞれ溜め込んでるものがあるだろうから、どこかで出さないと持たないもん。でもね?それを隠し続けてずっと偽りの表情で生徒たちを騙してたのが許せないんだよ。」

 

ジュン「なんでなの?普通なら自分の悪口言ってる人を応援したくないよ?」

 

彼方「まあ普通ならね?でもさ?自分が応援してる人がずっと嘘を吐いてましたって知ったらどうする?ずっと信じてたものが全部嘘ってことになるんだ。それはずっと応援してくれた人の時間を無駄にさせたってことなんだよ。だからどんなに悪口を平気で言う人でも、芯がしっかりしてたらその人のことを応援したくなるんだよ。」

 

ジュン「へ~、そこまで考えてたなんてね~。彼方くんはもし美羽が戻ってきたらどう思う?」

 

彼方「まああのまま変わってなかったら嫌ってるだろうけど、もし変わったのなら。。。僕は応援したくなるかもね?」

 

ジュン「!!そうなんだね!やっぱ彼方くんはちゃんと見てるね!」

 

彼方「見てるってどういうこと?」

 

ジュン「だって珠惠のこともそうだけど私のこともいつも見てくれてるでしょ?だから美羽とか他の子のことも見てくれてるんだろうなって!」

 

彼方「いやだって二人はずっと付き合ってきた幼馴染なんだからちゃんと見るに決まってんじゃん。それに僕は今回応援してるのは珠ちゃんとジュンの二人なんだからね?相手に塩を蒔く育館ー

 

ー彼方sideー

 

 

クイーンフェス当日。

 

会場である体育館にはたくさんの生徒で賑わっていた。

そのほとんどが風城を応援している。

 

もう出来レース確定じゃんと思いながらも僕は控室の方へと向かう。

もちろん珠ちゃんとジュンを応援するためだ。

 

ちなみにリーゼントくんは結局あの女子を候補にできなかったらしい。

それもそうだ。僕たちが脅したも同然のことしたからね~。

その代わりになんと城島を候補に出してきた。

いやwwwほんとwww

確かに悪くはないかもだけどまさかあの格好で出る気だとはwww

 

とにかく僕もこのフェスは負けられないからね。

風城をぎゃふんと言わせたいし珠ちゃん達を応援してるし。

 

控室に着いた僕は珠ちゃんとジュンを探す。

多分風城と一緒にストレッチをしてるはずだが。。。

あ、いた。

 

案の定風城と共にストレッチをしていた。

珠ちゃん達も僕を見つけたみたいで手を振ってくる。

僕は珠ちゃん達のところに行く。

 

彼方「やっほ~、準備はできてるか~い?」

 

珠惠「もちろんよ。この日のためにしっかり準備してきたわ。」

 

ジュン「うん!さっきもお菓子いっぱい食べたから大丈夫だよ!」

 

うん、ジュンは相変わらずである。

珠ちゃんも体調は良さそうだしワンチャンあるかもな。

 

風城「あら?トラッシュといたルーラー君じゃない?応援に来てくれたの?」

 

彼方「あぁ珠ちゃんとジュンをね~。僕が選んだのは二人だから。」

 

風城「珠惠とジュンを?あなたならできるだろうけど、それでもクイーンになるのは私よ。」

 

彼方「あーはいはい、どうぞ勝手に言ってくださーい。僕は二人以外興味ないんで~。」

 

風城「っ!しっかり見ておきなさい!この私が選ばれるところを。」

 

あるあるな捨て台詞を吐いて風城は舞台袖へと行った。

 

ジュン「彼方くん、あんなこと言って大丈夫なの?美羽に逆らったら。。。」

 

彼方「大丈夫大丈夫。どうせ今に落ちるさ。。そーれーよーりーも!二人がクイーンになるの楽しみにしてるよ?」

 

珠惠「クイーンが二人なんてあるわけないでしょ?まぁ、そりゃジュンと一緒になれたら嬉しいけど。」

 

ジュン「あーそれいいね!私も珠惠と一緒にクイーンになって彼方くんと一緒に過ごしたい!」

 

珠ちゃんのツンデレ頂きました。。。

てかジュンよ。さらっと僕を加えるのやめて?なんか好きって言われてるみたいで照れちゃう///

 

彼方「そろそろ行かなくていいの?多分もうすぐだと思うよ。」

 

珠惠「もうそんな時間?じゃあ行ってくるわね。」

 

ジュン「ちゃんと応援してね!」

 

彼方「舞台袖のとこで見てるよ。」

 

そう言って三人で舞台袖へと向かった。

 

 

舞台袖に着くともう城島のパフォーマンスが始まっていた。

 

城島は小惑星探査機「はやぶさ」を模した手作りの衣装を着て、オリジナルの歌を歌う。

そして最後にはカプセルを模したピンポン玉を口から発射させる。

一部のコアなやつにはウケるだろうが、さすがにそんな堂々することではないだろ。。。

 

案の定、城島のパフォーマンスに会場全体からブーイングが巻き起こる。

まぁあくまで前座だもんな。そりゃ前座の癖になにやってくれとんねんって思うよな。

 

城島は泣きそうになりながらも、堪えて舞台袖へと戻ってくる。

戻ってきた城島をリーゼントくんが励ます。

こういうときの純粋な励ましって心にじーんと来るよね~。

 

風城がザ・悪役をやってパフォーマンスに挑む。

珠ちゃんとジュンもサイドキックスとして一緒に出る。

 

僕は小さな声で頑張れと告げる。

それに二人は笑顔で返してくれる。

 

 

風城たちが出てきたことで観客のボルテージが一気に高まる。

会場全体が沸き、歓声が鳴りやまない。

 

風城たちは音楽に合わせて踊りを披露する。

チア部で鍛え抜かれた身体と持ち前の美貌をもって観客を魅了する。

いや珠ちゃんもジュンも負けてないな~。

やっぱサイドキックスとしての実力があるのかな~?

 

パフォーマンスを終えると紙吹雪が舞う。

会場はその演出により一層沸き起こる。

 

余韻に浸っていると突然珠ちゃんが首を抑えて苦しみ出す。

どうやらここで動くようだ。

 

僕は舞台袖から飛び出し、珠ちゃんを下手へと連れていく。

珠ちゃんと一緒に地下への階段を下りる。

 

彼方「ここで動くんだね?サポートは必要?」

 

珠惠「今はいいわ。仕掛けも用意しておいたから。」

 

彼方「それは面白そうだね~。ジュンも突き飛ばすんならこっち側にしてよ?」

 

珠惠「分かったわ。」

 

そう言い、珠ちゃんは衣装に忍ばせていたスイッチを取り出しオンにする。

カメレオンへと変身した珠ちゃんは透明化して舞台へと戻っていく。

 

僕もそれに続いて舞台へと戻っていくとリーゼントくんが舞台の上で珠ちゃんを探していた。

僕はラプラスの瞳で珠ちゃんを見つけると、みんなにバレないように小さく頷く。

珠ちゃんはそれに頷き返すと、ジュンを僕の方に思いっきり突き飛ばした。

思ったより勢いがあったが難なく受け止める。

 

彼方「大丈夫か?」

 

ジュン「うん。」

 

一応大丈夫か確認して、ジュンを下手の方へと避難させる。

するとリーゼントくんが突然黒板消しを持ってきて舞台の上でたたき合わせる。

 

どうやらチョークの粉で珠ちゃんを探そうとしているみたいだ。

中々機転が利くじゃん。

 

そうして粉が万遍なく舞い、珠ちゃんの姿が現れる。

何もない場所から現れた怪物に会場は騒然とする。

 

珠ちゃんは風城を掴み、舞台の壁へと突き飛ばす。

そして体育館から逃げ出す。

リーゼントくんは珠ちゃんを追っていく。

 

僕も追うべきかと思ったが、珠ちゃんが言っていた仕掛けが気になり残ることにする。

 

 

 

 

ーNOsideー

 

カメレオンを追った弦太朗はフォーゼに変身する。

 

通学路である橋へと逃げたカメレオンはフォーゼに攻撃を仕掛ける。

カメレオンの身体能力を活かした闘い方でフォーゼを翻弄するも、フォーゼも果敢に挑む。

だが中々攻撃が入らない。

 

フォーゼはカメレオンに掴みかかるとその状態で攻撃する。

フォーゼは正体を知らないから平然とできるものの、もしこれが生身の状態だと通報案件である。

 

そんなことを考えず攻撃を続けるフォーゼを蹴飛ばして解放される。

フォーゼも何か機転が欲しいところ。

そこでホッピングスイッチを出す。

 

フォーゼを追ってきた賢吾は使わないように言うが、それを無視してベルトへと装填しオンにする。

 

『Hopping! ON』

 

左足へと装着されたホッピングモジュールを使い、カメレオンを攻撃する。

 

以前実験で使用した時と比べ、ちゃんと使いこなしている。

そのことに驚く賢吾。

フォーゼは賢吾にこの世に無駄なものは無いと告げる。

 

フォーゼはホッピングスイッチをオフにし、チェンソースイッチを装填しオンにする。

 

『Chainsaw! ON』

 

左足のホッピングモジュールが消え、右足にチェンソーモジュールが装着される。

装着されると同時に収納されていたブレードが展開され、刃を回転させる。

 

チェンソーを使い次々とカメレオンに蹴り技を入れる。

これにより徐々にカメレオンにダメージが溜まっていく。

カメレオンは逃れようとジャンプする。

そこにフォーゼが背中の噴射口を使って大ジャンプし、ブレードを使った回し蹴りを決める。

これを受けたカメレオンは橋の下を流れる小川へと落ちる。

 

フォーゼ「よし!リミットブレイクだ!」

 

中々立てないカメレオンを見てとどめを刺そうとする。

チェンソースイッチをオフにし、先ほど装填したホッピングスイッチを抜いてドリルスイッチを装填する。

そしてロケットスイッチとドリルスイッチをオンにしレバーを引く。

 

Rocket! Drill! LIMIT BREAK

 

ロケットの推進力を使い、橋をくぐって一気にカメレオンへと向かっていく。

 

フォーゼ「ライダーロケットドリルキーック!!」

 

トドメを刺そうと突き進むフォーゼ。

カメレオンは何とか立ち上がり、背中にあるカメレオンの舌を模した触手を使い、周りの壁を壊す。

壁が壊されたことによって土煙が立ち込める。

それによってカメレオンの姿は煙の中へと消えていく。

 

それでも突き進むフォーゼ。

爆発音が聞こえ、賢吾はやったかと思う。

 

フォーゼは川に倒れこむ。

賢吾がやったかと聞くが、どうやら逃がしてしまったらしい。

そこには崩れた壁とフォーゼしか居なかった。

 

 

 

 

ー体育館ー

 

ー彼方sideー

 

さっき現れた怪物に会場にいた生徒たちは騒然としたままだ。

だが風城はその中でパフォーマンスの続きをするという。

おそらく生徒たちを安心させるためだと思われるが。。。

多分勇敢なクイーンという印象付けるためでもあるだろ。

 

そして音楽が流れるのかと思われたが。。。

 

舞台横の壁に設置されているスクリーンに映ったのは隠し撮りされたと思われる映像。

そこには風城がプールサイドで誰かに渡されたプレゼントをみてありえないと言うシーンだった。

風城以外はうまく見えないように撮影されているが。。。

 

十中八九珠ちゃんの仕掛けだろう。

それからも字が読めないからと手紙を破り捨て、写真を集めて編集されたDVDを折り捨てる。

その姿はまさに悪女そのものだ。

 

これに応援していた生徒たちは全員非難する。

城島やジュンでさえ苦い顔をしている。

 

そして風城が生徒たちのことを最低と言っているシーンが繰り返される。

マジかよ。。。そんなこと言ってたんだ。。。

 

会場中からの非難に風城は覇気を失くしていく。

俯き肩を落とすが全部自業自得だ。

 

そこにフォーゼのままリーゼントくんがやってくるが、この状況に戸惑っている。

それもそのはず。

先ほどまで生徒たちから歓声を受けていたのが、帰ってきたら真逆の反応をされている。

正に女王の座から落ちた様子を見せつけられているのだ。

 

フォーゼは後ろに現れたカメレオンを追ってどこかに行った。

一方会場はというと。。。

 

 

風城が生徒を貶すビデオが流れてからは一気にブーイングの嵐。

生徒たちは持っていた風城のうちわを捨て、体育館を去っていく。

生徒たちだけでなく教師たちもどうやら失望したようだ。

 

会場に貼られていた風城のポスター関連などは破り捨てられる。

そして。。。

 

クイーンの傍に居るべきであるキングの大文字も風城を一睨みして背中を向ける。

風城は完全に心の拠り所を失った。

スカートの裾を掴み、ただ俯くだけ。

 

そこに珠ちゃんが怪我を負ったフリをしながら風城に呼びかける。

だがその呼びかけにも応じず。

 

リーゼントくんが去っていく生徒たちの中から現れ、風城のところへ走ってくる。

舞台に飛び乗り風城を見るも、動揺を隠しきれないまま語り掛ける。

だが風城には憐みの目で見られたように感じたらしく、リーゼントくんに怒鳴りつけ会場を去っていく。

それにはさすがの彼でも何も言えなくなる。

 

珠ちゃんはその様子を見て口角を上げる。

僕はその顔を見られないように珠ちゃんを連れだす。

 

彼方「珠ちゃん人に見せたらいけない顔になってるよ?あれ見られたら犯人ですって言っちゃってるからね?」

 

珠惠「え、嘘!ごめん、美羽のあんな姿を見たらつい。。。」

 

彼方「別に責めてるわけじゃないんだけどね。それにしても..、えぐいことするね~。」

 

珠惠「そう?私的にはもうちょっとやってやりたかったけど。まぁこれで美羽も終りね。」

 

彼方「だといいんだけどね~。彼が何かしそうな予感がするけど。。。」

 

珠惠「まさか?さすがにここからどうやってクイーンになれるって言うのよ。」

 

彼方「まぁそうだけどね~。。。」

 

珠惠「それよりも明後日の二次審査、応援してよね?」

 

彼方「ん?もちろん~!珠ちゃんの晴れ姿見せてちょーだいね?」

 

珠惠「もちろんよ。」

 

 

それから数分話し込んで僕らは別れた。

明日は多分ゾディアーツの捜索が待ってるだろうから僕も早めに帰りたい。

 

帰る準備をして帰ろうとしたら、後ろからジュンに呼び止められた。

 

ジュン「彼方くん!ちょっと話したい事があるんだけど。。。」

 

彼方「どうしたんだ?帰り道で話す?」

 

ジュン「うん。。。」

 

そう言い僕らは一緒に下校する。

 

ジュン「彼方くんはさ..、今日のことどう思ってるの?」

 

彼方「今日のことって、風城のこと?」

 

ジュン「うん。美羽あれから元気なくしちゃったみたいで。。」

 

彼方「うーん、ジュンには悪いけど自業自得かなって思うんだ。だってあんなこと言ってたのは事実なんでしょ?」

 

ジュン「それは..、うん。私もあの時とめときゃ良かったなって思うんだ。」

 

彼方「それはしゃーないよ。実際あれは風城が思ってたことなんだし。だけどさ、何が一番許せないかってずっと隠してたことが許せないんだ。」

 

ジュン「え?みんなのこと悪く言ってたことじゃなくて?」

 

僕の意外な理由にジュンは驚きを隠せないでいる。

まあ普通考えたら、自分が悪く言われてることに対して怒るはずだ。

でも僕は特に何も言われてないし、別に言われようがどうとも思わない。

 

彼方「別に悪口を言ってることには何にも思わないよ?だってみんなそれぞれ溜め込んでるものがあるだろうから、どこかで出さないと持たないもん。でもね?それを隠し続けてずっと偽りの表情で生徒たちを騙してたのが許せないんだよ。」

 

ジュン「なんでなの?普通なら自分の悪口言ってる人を応援したくないよ?」

 

彼方「まあ普通ならね?でもさ?自分が応援してる人がずっと嘘を吐いてましたって知ったらどうする?ずっと信じてたものが全部嘘ってことになるんだ。それはずっと応援してくれた人の時間を無駄にさせたってことなんだよ。だからどんなに悪口を平気で言う人でも、芯がしっかりしてたらその人のことを応援したくなるんだよ。」

 

ジュン「へ~、そこまで考えてたなんてね~。彼方くんはもし美羽が戻ってきたらどう思う?」

 

彼方「まああのまま変わってなかったら嫌ってるだろうけど、もし変わったのなら。。。僕は応援したくなるかもね?」

 

ジュン「!!そうなんだね!やっぱ彼方くんはちゃんと見てるね!」

 

彼方「見てるってどういうこと?」

 

ジュン「だって珠惠のこともそうだけど私のこともいつも見てくれてるでしょ?だから美羽とか他の子のことも見てくれてるんだろうなって!」

 

彼方「いやだって二人はずっと付き合ってきた幼馴染なんだからちゃんと見るに決まってんじゃん。それに僕は今回応援してるのは珠ちゃんとジュンの二人なんだからね?相手に塩を送ることなんてしないでよ?」

 

ジュン「わかってるよ!私も珠惠も美羽に負けないように頑張るからね!」

 

彼方「ハハッ!二人が勝てるように応援してるよ。」

 

ジュン「うん!」

 

やっぱジュンにはバレてるみたいだな~。

今回珠ちゃんの手助けをしてるけど、やっぱり心のどこかでは風城のことを思ってるのかもしれないな。

 

明日はちょっと風城のこと気にかけてやろうかな?

あまりにも敵がしょぼいと二人も勝ちごたえがないだろうし。

 

 

ルーラーと言われている僕の天秤はいつもブレまくりだ。

でもそんぐらいが丁度いい。

だって平衡なのも一方に偏るのもどちらも面白くない。

 

僕は自分が面白いと思った方に傾かせるのが合っている。

 

 

明日はどうすっかな~。

 

 

 

 

to be continued...

 

 

 

 




最後まで読んでくださりありがとうございます!

昨日か一昨日には一話目のPV数が1000を突破したということで。
ほんとに皆さん読んでくださってありがとうございます!
まさか始めて一週間以内に達成できるとは思いませんでした笑
これも皆さんが読んでくださってるおかげです。

次回は多分前半部分で終わると思います。
良くて美羽が大怪我するところまで行けると思いますが。。。


話は変わって、今回は文字数を大幅に増やしましたがいかがだったでしょうか。
自分のミスで途中から同じことの繰り返しという感じになってしまったのですが…。
それでもいつもよりも多い感じにしてみました。

もしこれからもこれぐらいの字が良いと思ったらぜひ感想や意見をくれたらなと思います。



ーここからは個人的な話ー

いや最近この小説を書き始めてからもっと色んなものを書きたくなってきまして笑

例えばなんですが一個思い浮かんでいるのが。
ワンピース×アーク様というような感じのものを思い浮かんでまして。

まぁ当初はワンピースではなくありふれにしようかなと思いましたが、ワンピースが好きすぎまして笑
個人的に好きなのはロビンさんですね~。
やっぱあの大人なお姉さんてのが好きでして。それに重い過去を持ってらっしゃって。
個人的にすごく刺さる人なんですよね~。

なんでもしかしたらどこかのタイミングでこの小説も投稿するかもしれません。
当面はこの小説を書くことに集中してますが。

あ、もちろんアーク様が出てくるってことはアズも出てきます。
なんならメインヒロインです。
だって大好きなんだもん!笑

あとふと小説の設定固めるためにネットの中さまよって居たら見つけちゃったんですよ…。
小説版のこと忘れてた!!!

どーしよー!!!と思ってたんですが、そこは何とかして小説版のとごちゃ混ぜにならないようにします。
小説版は読んでいないのでネットに溢れてるネタバレを拾いまくって何とかします!

あ、ちなみにこの小説では小説版は書きませんのでそこら辺は悪しからず。




ということで今回はここまでに笑
また自分の独り言みたいなものに付き合ってくれたらありがたいです笑

ではではまた次回~!


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変・幻・暗・躍

どうも皆さん。

またまた一日抜いてすみません!
多分今後は二日に一話のペースになるかと思います。
理由としましては、主に執筆のペースが追いつかないのとリアルでも忙しくなってきたというところでして。。。

今後はその分ちょっと多めに書いていこうを思います!

さて今回はオリジナル展開が多めの回となっております!
是非楽しんでくださったらなと思います!


それでは本編へどうぞ!


ー2年B組教室ー

 

ー彼方sideー

 

 

クイーンフェスの翌日。

 

風城に対する生徒たちの反応は依然変わらず。

昨日のビデオによって一気に最底辺へと落ちている。

 

教室でも昨日のことがちらほら聞こえてくる。

それぐらい衝撃のことだと裏付けている。

 

だがそれに納得のいってない生徒が一人。。。

 

弦太朗「あ~~、なんかすっきりしねえなぁ!」

 

リーゼントくんはそう言いさっきからずっと貧乏ゆすりしている。

 

城島と歌星は自身の人気の無さを嘆き、自分に入れた謎の一人について考察している。

城島に票入れたやついたんだ。リーゼントくんと歌星はわかるけど。。。

あと一人って、もしかしてあのゴスっ子?

あの子ならなんか面白そうだからって入れそうな感じする。

 

そう考えていると急に寒気がした。

城島と歌星も感じたみたいで窓を覗く。

どうやらほんとにいたみたい。

恐ろしい。。。

 

弦太朗「うぅんああ!なんかすっきりしねえなぁ!!!」

 

そう言って教室の扉を乱暴に開けて出ていく。

うわぁ~、あれとことん追求していくやつだね。

 

賢吾「とにかく、狙いは風城美羽だということははっきりした。」

 

ユウキ「怪物の正体は風城先輩に恨みを持ってるやつっていうことだね!」

 

歌星たちはカメレオンの正体について考察していく。

その中で候補に挙がったのが珠ちゃんとジュン。

まぁいつも風城と行動しているから考えとしては妥当だね。

歌星は何かがおかしいと睨んでいる。

どうやら答えにたどり着きそうな気がするな

 

彼方「僕も二人にそれとなく聞いてみるよ~。一応幼馴染だから君たちよりかは警戒されないと思うから。」

 

賢吾「そうだな。君が聞いてくれた方が相手もボロを出すかもしれないな。」

 

ユウキ「そうだね!頼んだよ彼方くん!」

 

僕は二人にそう言って教室を後にする。

これで堂々と珠ちゃんと風城に接触できる。

 

 

チア部の部室に向かった僕は部室の扉をノックしようとする。

すると突然扉が開き、中から風城が思いつめた表情で出てきた。

 

美羽「っ!何よ。アンタも私のことを笑いに来たの?」

 

彼方「いんや?ただ珠ちゃんにちょっと話を聞きたくてね。」

 

美羽「そ。なら中にいるから聞いてきたらいいなじゃい。」

 

彼方「言われなくても~。あぁ、あんまり思いつめなくてもいいんじゃないの~?」

 

美羽「は?アンタなんかに言われなくてもそのつもりよ。」

 

彼方「そっか。まぁ大文字なんかに期待しても無駄ってことだけ言っておくね?」

 

美羽「なんでよ!隼ならきっと..。」

 

彼方「アイツはあくまでキングだ。失墜したクイーンより次のクイーンへの媚売りで忙しいんだよ。」

 

美羽「そんな。。。だって、今まで。。」

 

彼方「人間そんなもんだよ。ま、付き合う相手を間違えたってだけでしょ。」

 

そう言って僕は部室の中に入る。

風城を追い込むつもりはなかったが、現実を見なければならない。

キングとは所詮そういうもんだ。いつだって自分の立場の心配だ。

だから僕はこのヒエラルキーが大っ嫌いだ。

 

 

部室に入って珠ちゃんを呼ぼうとしたら声が聞こえた。

何やら不穏な感じがしたから隠れて聞いた。

 

どうやら珠ちゃんがジュンに誰に付くのか考えた方が良いと言っているみたいだ。

ありゃりゃ、どうやら感情が昂っているようだ。

まあそれもスイッチの影響だろうけど。。。

 

さすがに聞いていたのがバレたらまずいから僕は一度ドアの元に戻って、音を出すように開ける。

そして珠ちゃんとジュンを大きく聞こえるように呼ぶ

それに気づいた珠ちゃんが素知らぬ顔してやってくる。

遅れて不安そうな顔したジュンも来た。

 

珠惠「どうしたの?わざわざ部室に来るなんて。まさか覗きに来たんじゃないわよね?」

 

ジュン「えっ!そうなの、彼方くん..?」

 

彼方「いやいやするわけないでしょ!?なんで珠ちゃんそんなボケしちゃうの?あとジュンも真面目に聞かないで?なんか罪悪感がすごいから!」

 

珠惠「ふふっ。冗談じゃない。あなたがそんなことするわけないでしょ。」

 

ジュン「なんだ~冗談だったんだね~。彼方くんにされたら恥ずかしくて見れないよ~///」

 

彼方「ほんと身体に悪い冗談はやめてよ?って漫才をしに来たんじゃなくて。。例の怪物について聞きにきたんだよ~。」

 

カメレオンのことについてと言うと珠ちゃんは顔を強張らせる。

 

珠惠「怪物のことって?」

 

彼方「いや~、あの怪物の目的が風城だってのはわかったんだけど一体誰なんだろってね~。ほら?風城に恨み持ってる生徒って結構居そうじゃん?」

 

珠惠「確かに美羽に対してだと結構いるわね。校内を歩いていても悪口は聞こえてくるし。」

 

ジュン「うん、美羽の悪口って学校中で言われてたりするから誰だってわからないんだよね~。」

 

彼方「そっか~。これじゃ候補は絞れないな~。」

 

珠惠「私たちに聞きに来たってことは私たちもその候補の中にいるの?」

 

彼方「あー、まあ一応ね?言ったら第一容疑者って感じで?でも二人ともアリバイはあるからなんとも言えないしね~。」

 

ジュン「私も珠惠もあの時怪物に襲われたから何にもできないしね。」

 

彼方「そうそう。だから他で誰がいるかなって。でも特に思いあたらないからね~。まぁ今日はこんなところでいっかな。」

 

珠惠「そうなのね。まぁ私たちもまた狙われるかもしれないから気を付けておくわ。」

 

ジュン「そうだね!また襲われたりなんて思うと怖いからね!」

 

彼方「気を付けてよ?帰り道とかで襲われないように二人で一緒に帰るとかしなよ?僕は当分無理そうだから。」

 

ジュン「怪物探しのせいで?」

 

彼方「そゆこと。まあ帰りは無理でも行きの時は一緒に行けるからその時は一緒に行くよ。」

 

珠惠「行きが一緒にいれるなら別に問題はないわ。ねぇ?」

 

ジュン「うん!行きだけでも充分嬉しいよ!」

 

彼方「そっか。じゃあまた明日ね~。」

 

ジュン「うん!バイバーイ!」

 

珠惠「また明日ね。」

 

そう言って僕は部室を後にする。

やっぱり珠ちゃんは他の生徒へ注目させようとしてたな~。

まあジュンがあの場にいたから仕方ないだろうけど。

 

それにしても風城の話をしてた時のあの表情。

相当侵食されてるようだったな。

もしかした風城に対して大怪我をさせるかもしれない。

さすがにそんなことしてまでは取ってほしくないからな~。

 

とりあえず風城を探してみるか。

さっきの様子だとボロボロだったようだからな~。

 

 

夕方になっても校内を探しているとようやく見つけた。

携帯を持って何やら暗い表情をしてベンチに座っている。

大方、大文字に連絡しても冷たく返されたか無視されたかのどっちかだろう。

 

彼方「クイーンがそんな顔してどう勝つっていうのかな~?」

 

僕は挑発気味に風城へ声をかける。

 

美羽「っ!いきなり何よ!私がどうなろうと勝手でしょ!」

 

彼方「まあそうだけどさ。あんまり張り合いのない相手だと面白くないでしょ?」

 

そう言って僕は風城の隣に座る。

風城は若干距離を開けるように座りなおす。

 

美羽「あんたが面白くなくたってどうでもいいわよ。私はただ。。」

 

彼方「どうでもいいんだろうけどそんな顔してられても困るんだけど?いつも煽ってる相手にそんな顔されるの嫌なんだけど。」

 

美羽「あんたどこまで自分勝手なのよ。。てかやっぱり煽ってたのね!いつも馬鹿にされてると思ってたら。」

 

彼方「いやだって反応が良いからついつい。それにクイーンに対して煽るのなんて誰もやらないでしょ?」

 

美羽「そんな命知らずなこと誰もやらないわよ。あんたって度胸があるというか、バカというか。」

 

彼方「おいこらバカってなんだバカって。そんなん言われたことないわ。」

 

美羽「そりゃみんなあんたが怖いから言うわけないじゃない。あんたの立場って私の次に高いのよ?」

 

彼方「え、なにそれ初めて知ったんだけど。僕そんなんになりたくないのに。」

 

美羽「なってしまったんだからしょうがないじゃない。てかなりたくないならなんであんなに目立つことするのよ。」

 

彼方「いやだって放っておけないじゃん?」

 

美羽「どこまでお人好しなんだか。」

 

彼方「どこまでも高飛車で自分本位なお前に言われたくない。」

 

美羽「なんですって?」

 

彼方「お?やるか?口でも腕でも負けないぞ?」

 

「「・・・ハハッ!」」

 

お互い喧嘩口調になりながらもいつのまにか笑っていた。

なんだ~、そんな風に笑うこともあるんだね~。

どうやら素の彼女は年相応の女の子だ。

 

そうして一通り笑い終えると静かになる。

僕はこの空気の中であえてあの事を聞く。

 

彼方「それで?フェスにはまだ出るの?」

 

美羽「..フェスは辞退するわ。」

 

彼方「ん?どうして?まだ終わってないのに?」

 

美羽「それは..。あれだけのことを生徒たちの前でバレたのだから。今更出てきたところでみんな私には入れないわよ。。。」

 

彼方「みんな入れなくても僕は入れるよ?」

 

美羽「え?なんで?珠惠とジュンを応援してるんじゃ。」

 

彼方「確かに二人を応援してるけどだからといってあんたに票を入れないというわけじゃない。あんたが一番クイーンに相応しいってのが一番納得してるんだ。やってることは矛盾してたけどね。」

 

美羽「何よ。。。まるで私のことを見てるって言ってるようじゃない。。。」

 

彼方「そうだよ?少なくとも僕にリーゼントくんはちゃんと努力しているところを見てるよ。あんたがクイーンとして居続けるために。」

 

美羽「っ、そんなこと言われると、私、希望を持っちゃうじゃない。。。」

 

そう言い涙を流す風城。

 

彼方「希望を持っちゃいけないなんて誰が言ったの?」

 

美羽「え..?」

 

彼方「あんたが希望を持っちゃいけないなんて誰が言ったんだって聞いてんだよ。あんたはクイーンなんだ。だったら堂々と自分の希望をみんなに言えばいい。そんぐらいのことできないで何がクイーンだ。あんたが必死に守り続けようとした地位は希望を持ったぐらいで簡単に崩れるもんなのか?違うだろが。だったらもがけよ。あがけよ。必死に食らいついてでもクイーンってもんを掴み取れよ。そんぐらいしてくれんとこっちは面白くないんだよ。」

 

僕は自分の本心を風城に伝えた。

いつまでもうじうじしている風城を見るのがなぜか嫌だと思った。

そう思うと自然とあんなことを言ってしまった。

風城も僕が言ったことに唖然としている。

そりゃ普段彼女に接するときのような口調ではないから混乱するのも無理はない。

 

美羽「そ、そこまで期待されると、逆に恥ずかしいというか。。。」

 

彼方「今更恥ずかしがってどうすんのさ?大勢の生徒を信者にしてきたのに今更何言ってんだか。」

 

美羽「それとこれとは話は別よ!でも、ちょっとは、勇気が出たかもしれないわ。。。」

 

彼方「ハハッ!ならよかった。よし!そんじゃいっちょ珠ちゃん達の踏み台を頑張ってくれよ?」

 

美羽「フフッ。あら?踏み台になるつもりなんてないわよ?あなたこそ私がクイーンに返り咲く姿をしっかりと見なさいよ?」

 

お互い挑発し合いながらもその顔は笑顔になっている。

どうやら風城も元気になったようだ。

いや~、らしくないことをするのも疲れるね~。

 

彼方「そんじゃ僕はこれで失礼するよ?ここでクイーンと話しているとこを見られたら何言われるか分かったもんじゃないからね~。」

 

美羽「私もそろそろ帰るとするわ。あんたと一緒に話してるなんて知られるとたまったもんじゃないわ。」

 

彼方「はいはいそうですかー。...ちゃんとフェスに出てこいよ?」

 

美羽「...もちろんよ。」

 

そう言って僕らは別れた。

さてと。。。あとは珠ちゃんが何かアクションを起こすかを見張ってないと。。。

 

 

ラビットハッチに向かった僕は途中でリーゼントくんに会う。

 

弦太朗「おう彼方!そっちはどうだった?」

 

彼方「特に収穫なしだよ。そっちは何か分かったの?昼休みからずっといなかったけど。」

 

弦太朗「ずっと美羽の居場所を探してたけどやっと見つかってな!今から行くんだけどお前も来るか?」

 

風城のところにか。

さっき別れたばっかだけどもしかしたら珠ちゃんが狙ってくるかもしれない。

 

彼方「うん。もしカメレオンが現れたら厄介だしね。」

 

弦太朗「よっしゃ!じゃあ行こうぜ!」

 

そう言って僕らが向かった先は校内にあるボーリング場だった。

 

 

 

ボーリング場に入ると風城が貸切っていた。

複数のレーンを使い、連続でストライクを決める。

おお、すげえな。今度教えてもらおかな。

 

しかし一つのレーンでその流れが止まる。

うまく集中できていないみたいだ。

そこにリーゼントくんがずかずかと入り込む。

てかシューズぐらい履き替えなよ。

 

リーゼントくんは風城に声をかけるが、思いもよらない声に風城をびっくりして持っていた球を離してしまう。

そのボールはキレイな放物線を描き、リーゼントくんの足に着地する。

突然降ってきた球に反応できず、リーゼントくんはその場で転んでしまう。

 

美羽「ウップス!...あなた!それに彼方も!」

 

彼方「おっといつから呼び捨てするようになっちゃったの?僕初耳だよ?」

 

美羽「別にそろそろ名前で呼んであげてもいいかと思っただけよ///」

 

何そのツンデレ。しかもほんとに照れてるようだからちょっと可愛いと思ってしまう。

っじゃなくて!

 

リーゼントくんは風城にクイーンフェスに出るように説得する。

いやそれさっき僕がやったから意味ないよ?

 

美羽「そんなことさっき彼方に言われたわ。」

 

弦太朗「へ?お、おい彼方、いつの間にこいつと話してたんだ?」

 

彼方「あー、まあちょっとした成り行きでね~。あはは。。。」

 

美羽「あら?あんな堂々と私が挫けてる顔を見たくないなんて言ったくせに~。もしかして照れちゃってるの?」

 

彼方「はぁ!?別に照れてねえし!てか僕そんなこと言ってないから!ただ捻り潰すだけだと面白くないから発破かけてやろって思っただけだから!」

 

弦太朗「お前照れてんのか?」

 

彼方「だから照れてないって言ったよね!?バカなの!?なんで聞いてないの!?いやもう絶対バカでしょ君!」

 

弦太朗「ああん!?誰がバカだと!?」

 

彼方「君だよ君!授業はサボるわ!シリアスな空気を平気でぶち壊すわ!バカじゃなかったらただの非常識人間だよ!」

 

弦太朗「お前!俺が気にしてること言うなよ!」

 

彼方「へえ~気にしてたんだぁ!だったらちゃんと直せよ!このバカ!」

 

弦太朗「またバカって言ったなぁ!?」

 

なんかアホらしい言い合いをしてたら風城が吹き出した。

それはもうお笑いで総ウケをとったとき並みに大爆笑している。

これのどこがおもしろかったんだろう?

 

 

するといきなり後ろからカメレオンが現れ、触手を伸ばしてくる。

僕は咄嗟に風城を抱き込み、背中を向ける。

だが痛みはこず。一体なんだと思って振り返るとそこには歌星が使ってたバーガードロイドがいた。

 

賢吾「気をつけろ如月!我望!」

 

歌星がバーガードロイドを持ってこっちに歩いてくる。

 

賢吾「お前の正体はわかった。これ以上そのスイッチを悪用するのはやめろ。佐久間珠惠。」

 

どうやら歌星は正体を突き止めたようだ。

歌星の言ったことにリーゼントくんと風城は驚いた様子でカメレオンを見る。

 

カメレオンはスイッチを押してオフにする。

黒いモヤが現れそこにカメレオン座の輝きが放つ。

そしてモヤが晴れ、そこにいたのは珠ちゃんだった。

まぁ僕は最初から知ってたんだけどね?

 

珠惠「よくわかったわね?」

 

美羽「珠惠、あなただったの!?」

 

歌星は自身の推理を説明する。

風城は襲われた時のことを言うが、歌星はそれを演技と言って両断する。

歌星は珠ちゃんにスイッチを誰からもらったのか聞く。

珠ちゃんはある人からもらったと言う。

大方サソリちゃんだろう。

歌星もどうやらそう思っていたらしい。

 

風城はなぜスイッチに頼ったのか聞く。

珠ちゃんは泣きながらも自分がクイーンになりたかったと言う。

まあそれも演技だけどね。

 

珠ちゃんと風城は共に歩み寄る。

それを見てリーゼントくんは歌星の肩を叩いて後を去ろうとする。

しかし。。。

 

珠惠「でももっと酷いことするけどね。」

 

そう言って珠ちゃんはスイッチを押す。

慌てて駆け寄った僕とリーゼントくんはスイッチから出てくるモヤによって吹き飛ばされる。

風城は僕らに向かって走るも、カメレオンは触手を伸ばし風城を攻撃する。

それによって風城は吹っ飛ばされる。

何度も攻撃された身体はそこら中に傷があった。

 

カメレオン「フハハっ。それじゃあクイーンフェスは無理そうね?」

 

リーゼントくんはその行為に怒り、ドライバーを装着する。

スイッチを入れて待機状態に入る。

 

『THREE』

 

 

『TWO』

 

 

『ONE』

 

カウントダウンが鳴り響く。

そして。

 

弦太朗「変身!」

 

と言うと同時にレバーを引く。

ドライバーからゲートが現れ、リーゼントくんの周りには蒸気が吹き荒れる。

変身音が鳴りやむと同時に掲げていた手を振り下ろす。

すると蒸気は晴れ、そこにはフォーゼがいた。

 

フォーゼ「宇宙キターーー!!」

 

バッカみたいとカメレオンは言うが、フォーゼは気にせずそのまま攻撃していく。

カメレオンはなかなか反撃できず、フォーゼは攻撃していく。

そしてカメレオンはその場から逃げていく。

 

彼方「僕たちが風城を病院に連れていく!お前はそのままアイツを追え!」

 

フォーゼ「おう!わかった!」

 

そう言いフォーゼはカメレオンを追っていった。

 

彼方「僕が風城についていくから君は城島と連絡してフォーゼを追っていってきて。」

 

賢吾「分かった。俺たちもできる限り早く病院に行くようにする!」

 

彼方「うん!頼んだよ!」

 

歌星もこの場から去っていく。

 

そして僕もすぐに救急車を呼ぶ。

その間に風城の手当をしておく。

 

美羽「悪いわね、こんなことさせて。」

 

彼方「おとなしくされてろ。怪我人は休んでるのが仕事だ。」

 

美羽「フフッ。それにしても手慣れてるわね。」

 

彼方「職業柄ってやつにしといてくれ。それ以上は何も聞くな。」

 

美羽「そう。。。」

 

そう言って風城は眠った。

 

それからすぐに救急車が来て、僕も一緒に乗り病院へと向かった。

病院に入ってからは風城の治療を待っていた。

その間に風城の両親が来て娘の容態はどうなのか聞いてきた。

僕は珠ちゃんが正体というところは伏せ、それ以外を嘘偽り無くご両親に話した。

すると僕に風城を頼むと言い帰っていった。

普通そこは大文字に言うべきなんじゃ。。。

 

それから治療は終わり風城は個室へと連れられて行った。

僕もついて行き、今日一日付きっ切りにすることにした。

一応病院からの許可は得たから大丈夫だ。

 

治療が終わったことをリーゼントくんたちに連絡する。

10分も経たないうちに彼らはやってきた。

どうやらカメレオンは逃したらしい。

途中でサソリちゃんが来てそのままカメレオンを連れて行ったのかもと。。。

 

賢吾「佐久間珠惠はクイーンフェス会場に現れるはずだ。。」

 

ユウキ「みんなに知らせてクイーンフェス中止にさせようよ!」

 

彼方、弦太朗「「ダメだ!」」

 

ユウキ「んんーなんで!?」

 

彼方「なんでとかじゃない。とにかく中止にさせるのは絶対ダメだよ。。」

 

中止にしたら風城が二度と立ち上がれる機会が来ない。

そうなったらつまんない。。。

だから絶対に中止にだけはさせない。。。

 

彼方「どうせ校長の方針でフェスは中止にならないさ。それよりも今は明日をどうするかじゃないの?」

 

賢吾「ああそうだな。仮に佐久間が現れたとして、他の生徒を襲う可能性は?」

 

彼方「あるかもしれない。今の珠ちゃんだとやりかねない。」

 

ユウキ「だったら他の出場者の警護でもするの?」

 

賢吾「今はそれしか方法が無い。最悪ボロを出したらそこを叩き込むだけだ。」

 

彼方「そこはフォーゼに頼るしかないよ。だから君たちは明日の朝から出場者を見張っててよ。僕は万が一のためにここに残る。」

 

ユウキ「え、でもそれは無理なんじゃ。。。」

 

彼方「病院から許可は取ってる。だからさ、ね?」

 

弦太朗「...わかった。俺が何としてもあのカメレオン野郎を止めてみせる!」

 

彼方「頼んだよ。。。じゃ!そういうことで君たちは帰った帰った~。」

 

僕はそう言ってリーゼントくんたちを病室から追い出した。

まぁさすがにこんな夜遅くまで居させるわけにもいかないし。

それに、これからすることを見られるわけにもいかないからね~。

 

 

僕はポケットからスイッチを出してオンにする。

 

オピュクスになったオレは試験管にある薬を調薬する。

綺麗な黄色になったそれを風城に飲ませる。

意識がない状態だから少し頭を上げて飲ませた。

 

すると風城の身体から黄色の光が出てきて、目に見えていた傷が塞がっていく。

そして風城の意識が戻っていき、目を覚ます。

 

美羽「んんっ。ここは..。ん?あなたは...。」

 

オピュクス「オレのことは気にすんな。今はゆっくり休め、クイーン様。」

 

美羽「その言いぐさ..。まるで、彼方みたい、じゃない。。。」

 

そう言って風城は眠る。

オレは変身を解き、ベッドの近くにある椅子に座る。

 

一瞬バレたかなって思ったけどどうやら意識はあやふやだったようだ。

多分この様子だと明日の朝まで眠ってるだろうな。

 

そう思い僕も寝ることにした。

いつも取ってる昼寝を抜いてきたからすんごく眠い。

何か視線を感じつつも眠気には勝てず深く落ちていった。。。

 

 

 

 

 

 

美羽「ありがとね、彼方。」

 

 

 

to be continued...

 




いかがだったでしょうか~。


唐突に出てきた美羽のヒロインムーブ。
そうです。書いていたらいつの間にかヒロインになっていました笑
まぁ簡単に言いますと、

・なんかこのまま美羽アンチなのはちょっと違うよな~

・それに大文字の彼女にしておくのはもったいなくね?

・だったら主人公のヒロインにしちゃうか!

・ちょうどいいじゃん!フェスで傷心中のとこ救ったらいいじゃん!

って感じです笑


まあなったものはしゃーないですよね?笑
これからは美羽もヒロインに加わりますので。
もしかしたら友子も。。。
いや、友子はやっぱ流星くんとがいいなぁ。



ということで今回はここまで!
次回はフェス完結編!
ではでは次回もお楽しみに~。


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女・王・復・活

どうもこんにちは~。

前回お伝えした通りこれからは二日に一回の投稿となります。
その分内容も詰めてはいるつもりなので楽しんでいただけたらと思います。

それと、一話のUAと二話のPVが両方1000を超えました~。
皆さん本当にありがとうございます!
これからも楽しんでいただけたらと思います。


では本編をどうぞ~。


ーフェス当日ー

 

ー彼方sideー

 

病室で朝を迎える。

 

僕はどうやら昨日風城を治療してからすぐに眠ったらしい。

それに誰か知らないが僕が寝てる間に病室にあったブランケットをかけててくれたみたいだ。

もしかして歌星たちが一度来たのかな?

 

風城の方を見ているとぐっすりと眠っている。

ほんと気持ちよさそうに寝ているからちょっとばかしいたずらをしたくなる。

無難に落書きが良いんだろうが生憎マジックペンを持っていない。

ならテキトーなところをこしょこしょしてやろう。

 

僕はそう決め、無難に脇腹をこしょこしょしようと近づいた。

片方をこしょこしょしたらちょっとだけ反応がある。

強くするとだんだん声が漏れてくる。

やばい、リアクション良すぎwww

 

調子に乗った僕は両側を同時に攻めてやろうと、風城を覆いかぶさる体勢になる。

自然と顔が近づくがそんなのは気にしてられない。

てかコイツ唇綺麗だな。

おっと邪念が入った。

 

そうしてくすぐってやろうとした瞬間風城が目を覚ます。

自然になったとはいえお互いの顔の距離は近い。

それこそ鼻息が間近で当たるぐらいには。。。

 

フリーズした僕と風城。

お互いの吐息が当たってる中、僕は思考が真面に出来なくなっている。

クイーンに選ばれるぐらいの美貌を持つ風城を前にして徐々に理性が崩れていく。

段々顔が近づいていき、鼻先が当たる。

それを意に介さずそのまま距離を縮める。

 

そして自然と唇が重なった。。。

 

触れ合った時間は数秒か数分か。。。

時間なんて感じられないぐらい夢中になっていた。

 

がそこに僕の携帯が鳴った。

僕と風城は意識を覚醒させ、急いで離れた。

 

僕は携帯を見ると歌星からの電話だった。

 

彼方「はいはいどうしたの~?」

 

賢吾「一応風城美羽の容態がどうか確認の電話だ。」

 

彼方「なるほどね~。風城は目を覚ましてるよ。どうやらそこまで重症じゃないみたいだし、フェスに出ようと思えば出れるよ。」

 

賢吾「そうか、ならよかった。だが、クイーンフェスに出るのは辞めておいた方がいいんじゃないか?」

 

彼方「う~ん、本人は今すぐにでも出てやるって感じだけど?まあ最悪は僕が傍で見ているから大丈夫だよ。」

 

賢吾「さすがにそれはどうかと思うが、君が言うと妙な説得力があるな。なら頼むぞ。俺たちも一応出場者を見張っているからな。」

 

彼方「任せてちょうだいな~。そっちも頼んだよ~。」

 

冷静を装ってなんとか歌星との通話を乗り切った。

まああんなこと言ったけど最悪はオピュクスとなって戦えばなんとかなるだろ。

 

さて、カメレオン対策についてはなんとでもなる。

それよりも今のこの空気が一番キツイ。。。

風城は顔を真っ赤にして俯かせてるし。。

僕は僕で顔を真っ赤にしているだろう。。

いやもうほんとなんであんなことしたんだ数分前の僕!?

理性さん!?ちゃんと耐えて!?

 

美羽「ね、ねえ!さっきの電話って。。。」

 

彼方「ふぇ!?あ、あ~、さっきのは歌星からあんたの容態はどうだって聞かれただけ。」

 

美羽「そう。。それでフェスのことだけど。。。」

 

彼方「出るんでしょ?ボロボロになっても。」

 

美羽「フッ、もちろんよ!それにボロボロじゃないわよ。」

 

そう言って腕に付けてる点滴を勢いよく外す。

いやそれって針とか刺さって痛いんじゃないの!?

よくそんな勢いよく外すね!?僕怖くてできないよ!?

 

彼方「そんな勢いよく外して痛くないの?」

 

美羽「全然?むしろ力が溢れてくる感じがするわ。」

 

彼方「えー、いつの間に回復してんの?もしかして不死身の女王様なの?」

 

美羽「あら?さすがに不死身ではないわよ。それにこれについてはあなたが一番知ってるんじゃなくて?」

 

彼方「は?どういうこと?」

 

僕は風城の言ってる意味が分からなかった。

昨日のあれに関してはこいつは寝ていたのだからバレるはずがない。

 

美羽「あら?とぼけるつもりかしら?ねえ、金色の怪物くん?」

 

彼方「っ!?」

 

僕はすぐに風城をベッドに押し倒した。

なぜ知っている!?

もしかして昨日のあの視線はこいつなのか!?

だとしたらなんとしてでも口封じをしなければ!

記憶操作が一番楽か?

 

美羽「きゃっ!いきなりなにするのよ!」

 

彼方「黙れ!お前まさか見ていたのか?だとしたら説明がいく。どうなんだ?」

 

美羽「ええそうよ。あなたが私に薬みたいなものを飲ませたところから見ていたわ。その後に珠惠が持ってたようなスイッチを使ってもとに戻ったところもね?」

 

彼方「それってほとんど見てるようなもんじゃねえかよ。。。なんでよりによって風城なんだよぉぉ。。。」

 

美羽「何よその言いぐさ。まるで誰にでも喋るみたいじゃない。」

 

彼方「その通りなんだよ!あんた何かとお喋りだろうが!」

 

美羽「それはくだらないことだけよ?このことはさすがに簡単に話さないわよ。」

 

彼方「ほんとにか?とても信じきれないんだが?」

 

美羽「あら?あなたが怪物ってことよりもさっきのキスの方がキツイのではないかしら?」

 

彼方「っ///お前!ほんと!何言っちゃってんの!?」

 

美羽「別に言いふらさないわよ。それよりなんであなたがそのスイッチを持ってるのかしら?」

 

彼方「ならいいけど。僕がスイッチを持ってる理由?そんなの言えるわけないだろ。」

 

美羽「何故かしら?何か後ろめたいことでもあるのかしら?」

 

彼方「さあね?とりあえずそれ以上は聞かないでくれとしか言えないかな。」

 

美羽「そう。。。ならいいわ。そんなことよりもフェスのことよ。どうするつもりなの?」

 

彼方「そんなことって。。。フェスについては一つ作戦がある。」

 

美羽「作戦?」

 

彼方「ああ。まぁその前に一つ聞かせて?この前のビデオのことについてはどう思ってる?」

 

美羽「あれに関しては嘘はないわ。全部本当に思ってることよ。」

 

彼方「ふーん。まぁ隠し撮りだからそうだろうけどさ。じゃあ、なんでそう思ったの?」

 

美羽「だって、全部自己満足じゃない。応援してる自分に酔ってるだけ。そんなの輝いてないじゃない!私は輝くために努力を惜しまない。だから努力しない人間が大っ嫌いなのよ!」

 

彼方「輝いてない、ね。。。なんか天高生らしいこと言ってるね?」

 

美羽「どういうことよ?私はただ自分がそう思ってるだけよ。」

 

彼方「星の元に集まるってやつかな。。。ハハッ!やっぱそういうの面白いな~。それで?大っ嫌いな人間は全員あんたを嫌ってるよ?こっからどう逆転する?」

 

美羽「別に嫌ったままでいいわよ。私は一番輝いてる場所であるクイーンを目指すだけ。」

 

彼方「そっか。。。ちなみにさ?今まで応援してきた人たちのことはバカにしてたの?」

 

美羽「今まではね。でも今は、そんな人たちを輝かせるように導きたい。そんなクイーンになりたいと思ってる。」

 

彼方「いいじゃん!そんなクイーン見てみたいよ!よし!じゃあ今すぐフェスに行こ!」

 

美羽「えっ!今すぐ!?」

 

彼方「そ!あ、でもその前に作戦を言うの忘れてた。」

 

美羽「そうよ、作戦って何なのよ。」

 

彼方「まあ簡単なことだけどね?ただ怪我したフリをするだけ。」

 

美羽「え?それだけなの?ていうかなんで怪我をしたフリを?」

 

彼方「まあ一つは周りの印象を良くするため。騙すような感じになっちゃうけど、大怪我を負ってもクイーンを目指し続ける。そんな姿って輝いてるじゃん?」

 

美羽「まあ、確かにね。。。」

 

彼方「あとは珠ちゃんを油断させるため。怪我をした風城なら大した抵抗はできないと思って襲ってくると思う。そこをリーゼントくんがやっつけるっていう。」

 

美羽「あなたがあの姿になって戦えばいいじゃない?」

 

彼方「いや~、一応僕ってどっち側かって言ったらあっち側だからさ?下手に動けないんだ~。」

 

美羽「えぇ。。。でも、もしもの時は守ってよ?」

 

彼方「あ~、まあもしもの時はね?そん時はあれを使ってでも助けてあげるよ。」

 

美羽「襲われた前提なのね。。。まあ分かったわ。」

 

よし!風城がやる気を出せばもう問題はない。

ならあとは晴れ舞台に着ていく衣装だな。

 

彼方「ならこれに着替えなよ。」

 

美羽「え、これは。。。」

 

僕が渡したのは風城をイメージした淡いピンクのドレスだった。

そしてドレスの上にはクイーンに相応しいティアラを添えている。

 

彼方「クイーンにぴったりでしょ?」

 

美羽「フフッ、気が利くのね?」

 

彼方「誰に言ってんの?学校一気が利く男だよ?」

 

僕はそう言って病室を出る。

別に着替えを見る趣味はない。

まあ風城の着替えはちょっとプレミア感があるが。。。

 

 

着替え終わった風城を連れて僕は病院の屋上へと向かう。

あらかじめ退院手続きはしてあるからいつでも出れる。

屋上に着いた僕は風城を抱き寄せる。

 

彼方「会場までエスコートしてあげるよ、女王様。」

 

そう言って僕はポケットからスイッチを出して押す。

 

金色の輝きに包まれたオレと風城はそのまま学校の部室棟へとワープした。

ワープしたときの風城の反応はテンプレ通りで却って面白い。

 

変身を解除した僕は虚空からあるものを取り出す。

それをみた風城は意図を分かったのか笑う。

僕もそれに笑い返し、会場となる体育館へと向かう。

 

 

 

 

ー体育館ー

 

ーNOsideー

クイーンフェス二次審査当日。

 

会場にはすでに多くの生徒で賑わっていた。

そして檀上には出場者たちがそれぞれ華やかなドレスを着ている。

そんな中で出場者の一人の佐久間珠惠がスピーチをしている。

 

美羽のことをネガティブに言い、自分はそれを反面教師とし、強いクイーンになりたいと宣言する。

それに会場中が歓声を上げる。

誰もが珠惠が次期クイーンだと確信したその時。

 

「誰が逃げたって?」

 

その声に会場全体が静まる。

生徒たちは声のする方へ向く。

そこには全身に包帯を巻き松葉づえを突いている美羽とその横で美羽を支えながら赤い筒のような物を持っている彼方が居た。

 

その姿に数人は笑顔になり、残りの大多数が怪訝な顔をする。

それもそのはず。

何せ自分たちのことを悪く言っていたクイーンが今更ノコノコと帰ってきたのだ。

しかもルーラーの名を持つ影響力の強い人間を連れて。

 

珠惠「美羽、なぜここに。」

 

美羽「スピーチをしに来たに決まってるじゃない。」

 

珠惠「フッ、大した根性ねぇ?でも、今頃現れたってみんなあなたの言葉に耳を貸さないと思う。そうよね、みんな?」

 

その言葉に会場全体は美羽を非難する声であふれる。

だが彼方が足を思いきり床に叩きつけたことによって静まる。

 

彼方「女王の凱旋だ!!!口を慎め!!!」

 

彼方はそう言って美羽の前に立ち、持っていた筒をステージに向かって転がす。

すると筒が通った後には赤い絨毯が。

そう。彼方が持っていたものはレッドカーペットだったのだ。

敷き終えた彼方は美羽の手を引きカーペットの上へと促す。

美羽はそれを受け、一歩一歩確実にステージへと歩いていく。

 

美羽は自身の胸の内を明かしながら歩く。

自身を応援する人が大嫌いだった、バカにしていた。

だって輝いていなかったから。

自分は輝くための努力を惜しまない。

一番輝いてると思えるクイーンの座に就くためなら必死に努力する。

それが一番輝いてるんだと思えるから。

 

ステージの前に辿り着いた美羽を迎えたのは弦太朗だった。

そして弦太朗と美羽は友情の証を結ぶ。

 

ステージに上がった美羽は珠惠にマイクから退くように言う。

そこは今から自分がスピーチをする場所なのだからと。

それを受けた珠惠は舞台袖へと走っていく。

 

会場は帰ってきたクイーンに拍手を送る。

最初からビデオを信用していなかった者。

周りの空気に合わせる者。

落ちたクイーンを助けず新しいクイーンに媚を売っていた者。

皆それぞれ拍手を送っている。

 

 

一方舞台袖では珠惠がスイッチを握りしめていた。

 

美羽への憎悪を昂らせていたその時。

 

『LAST ONE』

 

重々しい音声と共にスイッチは禍々しく変化する。

そのスイッチを見て押そうとする珠惠を賢吾が止める。

 

賢吾「よせ!人間に戻れなくなるぞ。」

 

そう言い制止する。

しかし、珠惠は自身の腕を掴んでいた賢吾を離し、スイッチを掲げ押す。

一際強い黒いモヤが現れカメレオン座の星座の輝きが増す。

そして現れたカメレオンは触手を伸ばす。

伸びた先には美羽がいる。

触手は美羽に絡み締め付ける。

そして美羽と共に触手は舞台の上へと消えていった。

 

それを見て弦太朗と彼方は舞台上へと駆け出す。

 

 

 

 

ー彼方sideー

 

風城が連れ去られた。

 

僕とリーゼントくんはすぐに舞台上へと向かった。

そこには風城の腕を掴み強引に引っ張っているカメレオンの姿があった。

 

弦太朗「そこまでだ!」

 

声に気づいた二人はこっちを見る。

 

リーゼントくんはドライバーを装着しスイッチを入れていく。

 

『THREE』

 

『TWO』

 

『ONE』

 

カウントダウンが鳴り響く。

 

弦太朗「変身!」

 

レバーを引き右手を掲げる。

ドライバーからゲートが現れリーゼントくんを包む。

変身音が鳴り終わると同時に掲げていた右手を振り下ろす。

 

フォーゼ「宇宙キター、痛ぁ。。。美羽を返せ!」

 

お決まりのセリフ言いポーズを決めようとしたら鉄骨に手が当たってやんのwww

それを誤魔化すように風城を返せと言う。

やばい、ドジっ子なの?天然なの?www

 

返せと言われたカメレオンはそのまま風城を前に出し、どうぞと言う。

うわ~、珠ちゃんも酷いね~。

フォーゼはそのまま信じ、風城のところに歩いた瞬間カメレオンの触手で攻撃される。

 

美羽「もー!女の言葉を簡単に信じすぎ!」

 

カメレオンに連れ去られながらもフォーゼに文句を言う。

あれ?文句言うぐらいの気力は残ってんのか。

それを言われたフォーゼは静かに勉強しますと言う。

 

彼方「女の言葉を勉強するより先にゾディアーツを倒すことに専念しろよ。」

 

そう言って僕はフォーゼを蹴りだす。

躓きかけたフォーゼはちょっと怒りながらも言われた通りにカメレオンを追いかける。

 

 

カメレオンを追いかけた僕たち。

 

フォーゼはカメレオンを攻撃しようとするが、そのたびに風城を前に出され中々攻撃ができない状況。

珠ちゃんの悪女ぶりが炸裂してるね~。

だがこのままだといつまで経っても埒が明かない。

 

カメレオン「動かないで!美羽を突き落とされたくなかったら動かないで。そして変身を解きなさい。」

 

カメレオンも痺れを切らしたのか風城を柵に追いやり、フォーゼに変身を解除するように言う。

それに対してフォーゼは狼狽える。

そこに風城がカメレオンを煽る。

案の定カメレオンは煽りに怒る。

 

そこで風城がフォーゼを見た。

いや、よく見たら僕の方を向いている。

どうやらその時のようだ。

駆け付けてきた歌星がフォーゼと喋ってる間に僕は一歩引く。

そしてポケットから風城に見えるようにスイッチを出す。

スイッチを見た風城は笑いながら頷く。

 

全く。。。わかりにくいサインを出しやがる。。。

僕はスイッチを押し変身する。

 

オピュクスに変身したオレはただその時を待つ。

どうやらフォーゼの方も何か策があるようだ。

 

風城はさらに煽る。

それに完全にキレたカメレオンは風城を橋から突き落とす。

それなりの高さがあり、落ちたら骨折などの重症は確実。

オレはワープゲートを風城の前とオレの前に出し、風城をオレのところにワープさせる。

どうやらフォーゼもマジックハンドのようなもので助け出そうとしたみたいだが、一足遅かったようだ。

 

ワープゲートから出てきた風城はその勢いのままオレに抱き着く。

 

オピュクス、美羽「「ウップス。。。」」

 

病室でのこともありちょっと緊張する。

 

突然現れたワープゲートにフォーゼとカメレオンは驚く。

風城がどこに行ったのか周りを見渡す。

そこにオレが映ったようだ。

 

フォーゼ「お前!あの薬野郎!なんで美羽がそっちにいるんだ!」

 

賢吾「まさかあのワープゲートはお前が作ったものなのか?」

 

オピュクス「Exactly(その通りだ)。お前の伸びる腕よりもオレのワープの方が早かったみたいだがな?」

 

フォーゼ「それよりなんで美羽を助けたんだ!お前カメレオンの味方だったんじゃなかったのか!?」

 

オピュクス「最初はそのつもりだったさ。だが、あまりにも酷いようだからな?オレが直々に潰しに来たんだよ。天高生を傷つけるのはさすがに許せんからなぁ?」

 

カメレオン「なんで美羽なのよ!?私を応援するって言ったじゃない!?」

 

オピュクス「ちゃんと応援してるぞ?ただあくまで正々堂々と勝負をする場合だ。相手を重症に追いやってフェスを辞退せざるを得ない状態にしてまで勝てとは言っていない。そんなのは卑怯モンのやることだ。それにコイツのことだ。どうせ何回挫けたって立ち上がってくる。コイツはそういうクイーンだ。」

 

カメレオン「そんな。。。なんで。。。もう、美羽なんて居なかったらよかったのよ!!!」

 

カメレオンは逆上し、触手を伸ばしこちらに向かってくる。

オレは杖を出し、その触手に向かって一振るいする。

すると触手はすべて切れる。

 

オピュクス「お前如きの力でオレに歯向かえるとでも?フォーゼ、再び共闘だ。」

 

フォーゼ「もうわけわかんねえが、とりあえずアイツを倒せばいいんだな!」

 

オピュクス「その通りだ!」

 

オレとフォーゼはカメレオンに向かう。

代わり替わりカメレオンに攻撃していく。

カメレオンは防ぎきれず、ダメージを負っていく。

 

場所を変えるべく、オレはカメレオンを橋の下に突き落とす。

 

『Drill! ON』

 

フォーゼはドリルを足に装着する。

 

フォーゼ「ライダーダブルドリルキーック!!」

 

オレとフォーゼは橋からカメレオンに向けてキックを放つ。

それにカメレオンは吹っ飛ばされ、大ダメージを負う。

 

オレは杖を使いカメレオンの周りにワープゲートを作り出す。

そこから爆薬入りのフラスコを大量発射させる。

それによってカメレオンは空中に放り出される。

 

オピュクス「今だ!いつもの奴で決めろ!」

 

フォーゼ「おう!」

 

オレの合図とともにフォーゼは右手にロケットを装着し飛ぶ。

そしてレバー引いて必殺技を放つ。

 

『Rocket! Drill! LIMIT BREAK』

 

一気に加速したフォーゼはカメレオンを貫く。

カメレオンは断末魔を上げ、爆発する。

着地したフォーゼは飛んできたスイッチをオフにする。

するとスイッチは消滅した。

 

オピュクス「クイーンは先に連れて帰ってるぞー。」

 

オレはそう言い残し、風城を連れて舞台上へとワープする。

そしてスイッチを取り出し変身を解除する。

 

彼方「ふう~、疲れたな~。」

 

美羽「お疲れ様。いい働きだったわ。」

 

彼方「ありがたき幸せ、ってなんで上から言ってんだよ。ほんとあんな無茶すんなよ?ヒヤヒヤしたわ。」

 

美羽「あら?心配してくれたの?でも大丈夫よ。あなたが助けてくれるって信じてたもの。」

 

彼方「っ///ほんと、なんでそんなこと言うかね~。」

 

美羽「フフッ、照れちゃって。でもほんとに信じていたわよ。あなたが助けてくれるって。」

 

彼方「ならもう無茶するな。女王様は女王様らしく踏ん反り返って指示すりゃいいんだよ。」

 

美羽「ならあなたは私のナイトにでもなるのかしら?」

 

彼方「僕はルーラーのままだよ。それよりも早く珠ちゃんのところに行くぞ。」

 

美羽「そうね。早く行ってあげないと。」

 

ほんと風城相手だと僕のペースが崩れる。

あんまり長く話したくない。

でも、そんな会話が好きな僕がいるんだよな~。

やっぱ意識しちゃってんのかな~?

 

僕と風城は舞台袖にいる珠ちゃんのところへ向かった。

そこには城島とジュンがいた。

どうやら二人は珠ちゃんの身体を見てくれてたようだ。

 

遅れてリーゼントくんたちもやってきた。

風城にあの怪物に何かやられなかったか聞いたが、なにもないと言われ納得する。

いや、そこ納得したらダメでしょ普通。

 

城島が珠ちゃんに声をかける。

すると珠ちゃんは意識を取り戻した。

リーゼントくんが友達宣言をしようとしたが風城に邪魔と一蹴されるwww

 

美羽「カメレオンなんてみっともない。私に勝とうと思ったら本気で努力しなさい?」

 

珠ちゃんはそれに頷く。

それを見て風城は珠ちゃんに抱き着く。

おぉ~、この百合百合は中々尊いのぉ~。

 

彼方「まぁ一件落着かな?」

 

 

 

 

全てが落ち着いた今、僕らはラビットハッチに向かっている。

 

歌星と城島は先に行っているそうだ。

それにしても。。。

 

彼方「なんで着いてくんのさ?あんたはチア部に入ってるんじゃなかったの?」

 

美羽「あら?クイーンである私には学園の全てを知る義務があるのよ?ならあなたたちの所属している仮面ライダー部というのも知っておかないと。でしょ?」

 

彼方「要はチア部に行き辛いからしばらく他の部活に居させてってことね。もぉ~、素直じゃないんだから~このツンデレクイーン。」

 

美羽「なんでそうなるのよ!?別にチア部のみんなは今まで通りに接してくれてるわ!私はただ仮面ライダー部のことを知っておかなくちゃいけないのよ!それにツンデレクイーンって何よ!いつ私がデレたのよ!」

 

彼方「はいはい、そーゆーことにしといてあげますから、女王様~。」

 

弦太朗「お前ら、実はすんげえ仲いいんじゃねえのか?」

 

彼方、美羽「「どこがだよ!!って!なんで被ってんだよ!!」」

 

そう言い僕らは口論しながらラビットハッチに向かう。

 

例の扉が見え、リーゼントくんが先に開ける。

歌星たちに挨拶しているが、僕らの口論は丸聞こえのようで。。。

 

賢吾「なんで風城美羽がここにいるんだ!?」

 

彼方「あ~、なんて言うか、口止め料?」

 

美羽「みたいなものね。」

 

賢吾「意味が分からない!!!」

 

風城がさっき言ってたクイーンだからどうのこうの言い出した。

てか歌星って良いツッコミするな~。これからもどんどんボケていこ~。

そこにいきなり風城が部長宣言し、城島と言い合う。

風城って常にだれかと口論しないと生きてけないのか?

 

賢吾「我望。この責任はお前がしっかり取れよ?」

 

弦太朗「あー、そうだな!俺は特に関わってないしな!彼方、頑張れよ!」

 

そう言って二人はラビットハッチを出る。

ぉおい!!!なんで僕だけ残すの!?お前らも道連れにさせろぉ!!

 

ユウキ「彼方くん!あとは任せたよ!じゃあね!」

 

そう言って城島も出ていく。

だからなんで僕だけなんだよ!!!

 

美羽「あら?皆帰ったのかしら?なら私たちだけでゆっくりお喋りでもしましょ?」

 

彼方「さっさと帰れよ!?」

 

ほんとなんで僕がこんな役割をしなきゃならないんだよ。。。

 

 

 

 

ーおまけー

 

ー彼方sideー

 

僕と風城以外みんな出ていったラビットハッチ内。

僕と風城は人一人分開けて座っている。

 

彼方「てかなんで僕が怪物だってことみんなに言わなかったんだよ?別に隠してたって何にも無いだろ?」

 

美羽「あら?逆にみんなに言って欲しかったのかしら?」

 

彼方「いや別に言って欲しくないけどさ。なんで黙ってたんだろうな~って。」

 

美羽「だってあなたが隠しているっていうことは相当のことなのでしょ?ならバラすわけにはいかないわ。」

 

彼方「なんでそんな信頼されてんかわかんないけど、まあ、ありがと。。。」

 

美羽「フフッ、別に礼を言われるほどのことでもないわ。」

 

彼方「ほんとそんぐらいの態度で他の生徒にも接したらいいのに。」

 

美羽「誰にでもこんな態度を取るなんて嫌よ。私が気に入った相手だけよ?」

 

彼方「あんたに気に入られるなんて。。。僕ってばツイてないな。。。」

 

美羽「なんでそんなに嫌がるのよ。あなたのことを気に入ってるのよ?名前で呼ぶほどに。」

 

彼方「ソウデスネー。そのおかげで注目されることになるんだよ。。。」

 

美羽「別に注目されたって特に思わないでしょ?それこそ全校生徒の前でキスするぐらいには。」

 

彼方「ほんとそれは忘れろよ!いつまでも話に出さないでくれ。。。恥ずか死ぬ。。。」

 

美羽「そんなに、忘れたいことなの...?」

 

彼方「そりゃ理性を保たんとやってしまったんだからさ。。。嫌だろ?好きでも相手にキスされてさ。」

 

美羽「別に..、嫌じゃなかったわよ。。。」

 

彼方「ふぁっ!?何言ってんの!?」

 

美羽「だから、別に嫌じゃなかったって言ってるのよ!むしろ、その、良かったというか。。。」

 

風城が衝撃的なことを言いやがった。

なんでそんな乙女な反応するんだよ!こっちも意識してしまうじゃないか!?

そりゃクイーンに選ばれるぐらいだから綺麗だし?今回の件でちょくちょく見せてきたデレが僕的にはドストライク過ぎて何回もこいつ可愛いな~とは思ったけども!?

それでもキスをしたっていうのはまた別問題で!!

あーもう!ほんと可愛すぎる!!僕なんでこんなチョロいの!?

もしかして前から好きだったんじゃないよな?さすがにそれはないはず。てかそれだとほんと誰かに後ろから刺されてしまうわ!?

 

美羽「あなたは...、彼方はどうだったの?」

 

風城がわざわざ名前に言い直して聞いてくる。

その上目遣いは辞めてくれません?ほんともう風城√に行っちゃいそうで怖い。

 

彼方「どうだったって、聞かれても。。その、あー、大変気持ちようございました。。。///」

 

美羽「そう///だったら...、もう一回しない、かしら?」

 

彼方「へ?なんて?」

 

美羽「だから、もう一回..、キスを、しないかしらって。。。」

 

彼方「なに言ってんだよ。あれは事故みたいなもんだr...、っ!!」

 

僕が事故だと言おうとしたら風城が急に距離を詰めてくる。

いや近い近いいい匂い!?

キスの話をしているからか、風城の唇に目が行ってしまう。。。

めっちゃ柔らかかったなぁ…、って何考えてんだ僕!?

やばいやばいこのままじゃまた理性が崩れ去っていく。

どうにかして話題を変えないと。。。

 

彼方「そ、そういや大文字からなんか連絡があったりはしたの?」

 

美羽「隼から?一応さすが美羽だって言われたけど?」

 

彼方「ほーん。やっぱキングはクイーンを見捨てなかったみたいだな〜。」

 

美羽「そうかしらね?ただ私が勝ったからそう言ってるだけよ。そんな男よりも、あなたの方が素敵よ?」

 

そう言ってどんどん近づいてくる。

それはもうお互いの息が触れ合うぐらい近い。

いやこれ以上はダメだって!?

 

彼方「なんで僕なんか?あんたにはキングが居るだろ。」

 

美羽「あんなカッコだけのキングなんて要らないわよ。それよりもちゃんと私を見てくれる人の方が良いのよ。彼方。あなたが良いのよ。」

 

彼方「うっ…、僕には他にも女性はいるよ?そんな男でも良いの?クイーンが狙ってる男は女たらしって言われちゃうよ?」

 

美羽「それがどうしたって言うのよ。そんなこと言う人は輝いてないわ。そんな人よりもめいいっぱい輝いてるあなたの傍に居たいの。」

 

彼方「……、後悔はしないんだな?」

 

美羽「する訳ないじゃない。私が惚れたんだからそれが理由じゃ不満かしら?」

 

彼方「はぁ…、なんでそんな理由なんかな〜。しかも妙に説得力があるのがムカつく。まぁ、それがあんたらしいからかな?」

 

美羽「フフっ、そうよ。」

 

そう言って風城は僕に近づく。

僕も風城に近づいていき、やがてそれは重なった。

 

甘い。

 

一言で言えばそんな感覚だった。

今までこんな感覚を感じたことはなかった。

もっと味わっていたい。離したくない。

そういう思いが頭の中を支配する。

 

それが行動に出たのか気づけば風城を抱いていた。

風城も僕を抱き返し、お互いのめり込んでいった。

時間の流れを気にせずただひたすらお互いを求めあった。

だんだん息がしづらくなったがそれでも気にせずに続ける。

何回も何回も離れてはくっつき離れてはくっつき。

お互いの気が済むまでやっていた。

 

何分か何時間かたったその時。

二人の携帯が同時に鳴る。

それに驚いて僕たちはやっと離れる。

その時にお互い「あっ…」と言ってしまったのはここだけの秘密。

 

携帯を見てみるとリーゼントくんから早く帰れよ!っていうメールだった。

風城の方もどうやら城島から同じような内容のメールが送られてきたようだった。

お互い意識してしまいちょっとした沈黙が流れる。

だけどその沈黙は決して苦しくないものだった。

 

彼方「とりあえず帰ろっか?明日も学校あるんだし。」

 

美羽「そうね、帰りましょうか。」

 

彼方「荷物でも持ってやろうか、お嬢さま?」

 

美羽「いいわ。そのかわり…、こうさせてもらうわ。」

 

そう言って僕の腕に抱きついてきた。

何故か僕はそれをすんなり受け入れそのままラビットハッチを出ていく。

そして校門に着くと風城の迎えが来ていた。

 

彼方「ではお嬢さま。私めはここでお暇させていただきます。」

 

美羽「ご苦労さま。褒美にこれをあげるわ。」

 

そう言って軽いキスをしてきた。

 

美羽「フフっ、これからはもっと攻めるからね?」

 

彼方「はぁ…、臨むところだよ。美羽。」

 

美羽「っ!フフっ、楽しみにしてなさいね。それじゃあ。」

 

はぁ〜…、好きになってしまったもんはしょうがないよね?

僕は悪くない。悪いのはあんなに可愛い美羽の方だ。

いつの間にか名前で呼ぶのも抵抗がない。

それほどまでに毒されてしまったようだ。

 

だが柄にもなく、喜んでいる自分がいる。

ーー、さぁ!明日も頑張ろーっと!

 

 

 

to be continued...




いかがだったでしょうか~。

美羽ちゃんのヒロイン力が高すぎ案件について笑
ほんとヒロインにしようと思ったら進んで進んで...
いつの間にかこんな甘々になってしまいました笑

今回は会話文も増やしてみましたがどうでしたか?
所々地の文も入れて諄くならないようにしようと思ったのですが。
是非感想なんかで教えてもらえると嬉しいです。


さてさて次回はJK回なんですが~。
相当なアンチ回になりそうな予感が。。。
まぁどうなっていくかはお楽しみってところになりますかね?


ではでは次回もお楽しみに~。


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友・情・表・裏

どうもこんにちは~。

今回から始まりますJK編!
正直どうなってくのかは自分でもわからないのですが、そこまでアンチ成分は入ってないと思います。
入っていたとしても局所的な感じだと思います。

そして今回のおまけは初期の話で上がってたあの設定をちょっとだけ掘り下げるじゃないですけど、まあこんな感じだよってものにしました。
あと今回は超ご都合主義が入ります。
僕にはこれしか思いつかなかったんだ。。。


それでは本編どうぞ!


ー彼方sideー

 

クイーンフェスが終わって数日。

結局クイーンは美羽がなった。まああの湧きようだとそうだろうと思ったけど。

ちなみになんで僕が名前で呼んでるかっていうと、まぁ、その、前回のおまけを見たらわかるよ。

って何言ってんだ僕?

 

授業が始まる前に僕は仮面ライダー部組と喋ってたらJK(ヘタレくん)が来た。

リーゼントくんに挨拶していきなり飛び掛かってきた。

え?コイツもしかしてホモなの?サピエンスじゃない方のホモなの?

 

賢吾「君は我々にはもう関わりたくないんじゃなかったか?」

 

JK「そんなことないっすよ?俺と如月先輩は大親友っすから!」

 

ふーん、関わりたくなかったんだ~。

大方フェスの対抗馬集めの時に僕たちにビビったんだろうけど。

それにしても手のひら返しがすごいね~。

大親友とか思ってもない癖に~。

 

城島も胡散臭いって言ってるし、リーゼントくんも言葉にしてないがなんか嫌そうな顔をしている。

コイツとことん信用されてないな~。

まあコイツ自身、人を駒のように使ってるからな~。そりゃ信用されるわけないわな。

 

コイツはどうやらリーゼントくんをパーティーに誘いたいらしい。

多分コイツ主催のやつだろう。

一回行ってみたけど正直言って上っ面な関係の奴らばっかだなあって感じだ。

そんぐらいつまんなかった。

まあ言ったら合コンとかそんな感じのもんだって思ったらいい。

実際あれの後にお持ち帰りしてる奴とかいるらしいし。

一夜限りの関係なんて築きたくない。

 

てかコイツ、リーゼントくんにハブられてるしwww

友達になるのは一番最後でいいってwww

彼結構勘が鋭いとこあるからそれにビビッと来たのかな?

コイツも必死に食らいつくが塩対応されてる。

 

そしたらチャイムが鳴って大杉が来た。

コイツは大杉を見て隠れて出ようとする。

ちょうどコイツが来て退屈してたから憂さ晴らしでもしよ。

 

彼方「大杉せんせー!JKが教室に戻ろうとしませーん!」

 

僕はそう言ってコイツの上に座る。

 

JK「ちょっ!?先輩何やってんすか!早く退いてくださいよ!」

 

彼方「嫌だ。ちょっと憂さ晴らしに付き合え。」

 

大杉「どうした我望?っておいJK。お前何やってんだ。早く教室戻れ。」

 

彼方「そうだそうだ早く戻れ~?」

 

僕はそう言って立ち上がる。

するとコイツはすぐに逃げていった。

おもしろwww

 

すると今度は大杉がリーゼントくんの制服にいちゃもんを付ける。

あらら~、結構言われてるね~。

でもまぁこの人も悪意があって言ってるわけじゃないもんな~。

ほんとに僕らのこと考えてくれてんのはわかりづらいけどね?

 

彼方「せんせー、確か校則で制服に関してはよっぽどのもんじゃない限り基本許されてますよ~?ほら。」

 

そう言って僕は生徒手帳のあるページを見せる。

そこには基本的に制服に関して常時着用する義務はないと書かれている。

それを見た大杉は狼狽えるも渋々分かったという。

まあ校則わかってなかったのはあれだけど、ルールを守ろうとしてるってのは伝わったよ?

 

そうして授業が始まった。

 

 

 

 

ー昼休みー

 

カフェテリアでリーゼントくんたちと一緒に昼を食べようと思ったが、教室にジュンが来て一緒に食べようと誘われた。

別に断る理由もないからリーゼントくんたちに一言謝って一緒に中庭に向かった。

ジュンが僕を連れてテーブルのある場所へと向かったらそこに美羽も居た。

どうやら美羽もジュンに誘われたみたいだった。

 

僕らはそれぞれ用意していた弁当を食べた。

お互いのおかずを交換したりもして楽しかったですまる

ジュンがデザートのドーナツを食べて僕が美羽と話してた時に大文字がこっちにやってくる。

 

隼「ハーイ、ハニー。」

 

彼方「ジュンそれにハチミツかけたら美味いんじゃね?」

 

美羽「なら今度私が家のシェフが使っているハチミツを持ってきてあげましょうか?」

 

ジュン「それいいね!そうだ!彼方くん、今度美羽の家に遊びに行こうよ!」

 

彼方「なら珠ちゃんも連れてで行こっか。いつメンで行った方が楽しいでしょ?」

 

美羽「そうね。今度パパとママにも言っておくわ。」

 

隼「美羽!僕が呼んだのを聞いてるのかい!」

 

美羽「あら、隼。。。何の用?」

 

あからさまにテンションを下げる美羽。

そりゃ裏切ったキングなんか構うわけないよな~。

それなのにノコノコ現れちゃって~。どんな面して来たんだか。

 

隼「嫌だなあ。キングとクイーンはいつもペアじゃないか。君の傍に居るのは、当然だろ?」

 

そう言って美羽の肩に手を置くが、すぐさま振りほどく。

相当嫌ってんじゃん。

 

美羽「あなたの傍にはクイーンが必要ね。でもそれは私とは限らない。」

 

ジュン「やだ!あたし!?」

 

彼方「いやそこらへんの子でしょ?」

 

隼「何を言ってるんだ、君はこの学園の、そして僕のクイーンだ。」

 

彼方「うわクッサ。今時そんなセリフ吐くやついるんかい。」

 

ジュン「え、臭いの?やだ、臭い移っちゃうじゃん。」

 

ブフォッwww

ジュンwwwその返しは予想外過ぎるwww

思わず美羽も身体を逸らしてんじゃんかwww

やばいwww面白過ぎるwww

 

隼「んん!!それに、とても心配しているんだよ?実は最近妙な噂がある。」

 

美羽「噂?」

 

ジュン「なになに~?」

 

彼方「キングがクイーンから乗り換えようとした噂?」

 

隼「っ!フン!..クイーンである君が、よりにもよってギークやトラッシュと一緒に居るって。特にあの転校生の如月とかいうのには気を付けた方がいい。奴はトラッシュの中のトラッシュだ。」

 

彼方、美羽「「それは、漢の中の漢って意味か(かしら)?...ウップス!ハハッ!(フフッ!)」」

 

なんか被っちゃったな~。

それでお互い笑っちゃったし。

なんか前の頃じゃ想像つかないぐらいの関係になってるな~。

 

大文字は怪訝そうな顔をする。

それを気にせず美羽は荷物をまとめ立つ。

僕もまとめて置いた荷物を持って立つ。

 

美羽「ジュン。しばらくチアリーダー部には顔出さないから。あとお願いね。」

 

隼「美羽!」

 

ジュン「わかった、頑張る!」

 

彼方「僕も行くね~。またどっか遊びに行こうね~。」

 

ジュン「うん!また連絡するね!」

 

僕と美羽は並んでその場を去っていく。

そして向かうのはラビットハッチだ。

美羽がスキップして行くから僕もそれに合わせて歩く速度を速める。

 

ロッカーの前に着き、レデイファーストとか言って美羽を先に行かせる。

それに美羽が乗ってありがとうと言う。

ラビットハッチに着いた僕らは荷物を机に置いて、月面に出るために宇宙服に着替える。

もちろん着替えは別々の部屋でしたよ?

決して、

 

美羽「あら?一緒に着替えるの?私は大歓迎だけど?」

 

とか言われてないから。

それにちょっと想像しちゃったりなんてしてないからね!

...いや誰に向けてのツンデレだよ。。。

 

宇宙服に着替えた僕らは月面に出る。

 

美羽「星見えないな~。意外に暗いんだ~。」

 

彼方「まあ月には大気がないからね~。光が屈折しないんだよ。」

 

美羽「そうなのね。ほんと彼方は宇宙に詳しいわよね~。」

 

彼方「まあ叔父さんの影響もあって宇宙は大好きなんだよね~。いつか人類が到達してない銀河の彼方とか行ってみたいし。」

 

美羽「いいじゃない。じゃあそうする為に頑張らないとね~?」

 

彼方「そうだね~。まあ僕の夢であって将来の進路ではないけどね~。」

 

美羽「あらそうなの?なら将来の進路って?」

 

賢吾「そろそろ戻ってこい。スイッチのテストをするぞ。」

 

美羽「は~い。また今度教えてね?」

 

彼方「りょうか~い。まぁ二人きりの時にでも話すよ。」

 

歌星に呼ばれ僕たちはラビットハッチに戻った。

 

 

歌星はラボで10番のスイッチの開発をしている。

その間僕と美羽はテーブルを囲むように置いてある椅子に隣同士で座ってくつろいでいる。

美羽は歌星が持ってきたバーガーとポテトを食べている。

僕もポテトを摘まんでいるが、勝手に食べて大丈夫なの?

まあ歌星も特に言ってこないから大丈夫なんだろうけど。

 

美羽「はあ~、せっかく仮面ライダー部の部長として宇宙と対話しようと思ったのに。」

 

賢吾「そんな部は無いし君は部長じゃないし宇宙は喋らない。第一、素人が勝手に月面に出たら、命の保証はできない。」

 

彼方「本当に宇宙は喋らないのかな~?てか僕は叔父さんから訓練を受けたりしてたから大丈夫だよ。それに美羽のことをちゃんと見てるからもしもの時も大丈夫だって。」

 

賢吾「宇宙は喋らない。それは常識だ。」

 

彼方「そうかな~。叔父さんは話したことがあるって言ってたけど。」

 

賢吾「それは一種のイマジナリーフレンドの類のものだろう。多分だが話したと言っても幼少期の頃だろう。」

 

彼方「まあそうなんだろうけどね~。でも、本当に対話ができないっていうの常識なのかな。。。」

 

美羽「ふーん。まあユウキから宇宙服の扱いは教えてもらったし、彼方もいるから問題ないわよ。」

 

宇宙と対話ができないのなら僕の頭の中で今も鳴り響いてるこのウザい声の正体は何だろうね~。

まあ宇宙ってほどのもんじゃないんだけど。。。

てかうっさい!お前ちょっと黙ってろまじで!あとで話す時間作ってやるからさぁ!

ほんとプレゼンターってこっちの都合考えないからウゼェ。

 

てか美羽は何弄ってんの?

ん?よく見たらそれポテトじゃなくて新しいフードロイドじゃん。

美羽がシザーススイッチをフードロイドに装填し、オンにしたらポテトがハサミの形状になった可愛いロボットに変形する。

 

彼方、美羽「「可愛い~!」」

 

僕と美羽は同時に反応する。

そんぐらい可愛い。この子家で飼いたい、てか飼わせろ歌星。

ポテトちゃんはそこらへんを跳びまわってる、

 

僕らはポテトちゃんを見て癒されていたが、突然ラボの方から金色の光が眩しく光っているのが見えた。

僕らは気になってラボに駆け寄る。

 

美羽「何それ!」

 

賢吾「エレキスイッチだ。このポテンシャル、普通じゃないぞ!」

 

モニターを見るとゲージがすべて振り切っており、『CAUTION』の表示が出ている。

警告音も鳴り響き、それだけでこのスイッチのヤバさが伝わる。

もしかしたらフォーゼが一気に強化されるのかもしれないな。。。

 

彼方「もしかしたらフォーゼのステイツが変化するんじゃないのか。」

 

美羽「ステイツ?何それ?」

 

彼方「うーん、わかりやすく言うと形態っていえばいいのかな?フォーゼの基本のステイツがベースステイツ。それがノーマルなんだけど、もしかしたらこのエレキスイッチによってフォーゼの強化形態が誕生するかもしれないってこと。そうすればゾディアーツとの闘いも大幅に有利になるかもね。」

 

賢吾「我望の言う通りだ。このエレキスイッチのポテンシャルを考えればその可能性が大いにあり得る。俺は今から調整に入る。君たちは待っていてくれ。」

 

歌星にそう言われ僕たちはラボを出る。

フォーゼの強化形態か~。これは叔父さんに報告案件になるな~。

 

美羽「ねえ、フォーゼが強化されちゃってもいいの?」

 

美羽が歌星に聞こえないように傍に来て小声で聞いてくる。

ううん、近い近い柔らかいいい匂い!?

あと耳元で囁かないで!ドキドキしちゃうから!

 

彼方「別に大丈夫だよ。強化の度合いにもよるけど、あれぐらいでやられるぐらいヤワじゃないしね。」

 

僕も小声で答える。

その時にちょっとビクッてなるのやめてね?可愛いけども。

それにちょっと顔を赤らめるのもやめて?すんごい抱きしめたくなっちゃうから。

 

美羽「そう。ならいいんだけど。あなたがやってることが間違いじゃないっていうのは信じてるからね。」

 

彼方「お、おう。なんかそんな信頼されると照れるな~。」

 

美羽「照れてもいいのよ。私は何があっても信じてるから。」

 

彼方「っ!ハハッ。さすがクイーン。すんごい安心するね。」

 

僕らが話しているときにラボから歌星が出てきた。

 

賢吾「ゾディアーツが現れた!今如月が変身した!」

 

彼方「おっけー!すぐ行こ!場所は?」

 

賢吾「カフェテリアの入り口だ!」

 

美羽「仮面ライダー部、出動ね!」

 

賢吾「そんな部は無いと言っているだろう!」

 

歌星がツッコミながらも僕らは現場へと走る。

校舎内を移動してカフェテリアに入る。

城島が一緒に居たはずだから城島を探せばいいんだろうけど。

 

どうやら歌星が見つけたみたいだ。

僕たちは城島のところへ駆けつけた。

城島は空を見ている。

もしかして空で戦ってるのかな?

 

賢吾「フォーゼは?」

 

ユウキ「あっち!」

 

そう言って城島は空を指さした。

あ~、めっちゃちっちゃいけど見えるっちゃ見える。

てかよくそんな制御できるね~。僕ならちびっちゃう。

 

美羽が歌星に新しいスイッチを使うよう指示する。

それに何故と反発する歌星。

美羽は自分が仮面ライダー部の部長だからと主張する。

それに対し歌星はそもそも部は存在しないし美羽は部長でもないと。

それに乗じて城島も美羽を威嚇する。

 

彼方「そんなのはどーでもいいから早くフォーゼに指示しないと。そろそろ来るよ。」

 

そう言うと同時にゾディアーツが落ちてきた。

その後をフォーゼがゆっくり降下してくる。

どうやら相手はユニコーンのようだ。

 

フォーゼ「おい!新しいスイッチがあるなら喧嘩してないでくれよ!」

 

彼方「あ~、はいはいっと。おっ、さんきゅ。ほい!これ使っちゃいな!」

 

僕はそう言ってポテトちゃんが持ってきてくれたエレキスイッチを渡す。

フォーゼは何かを感じたのかエレキスイッチを見て驚く。

 

賢吾「エレキスイッチだ!他のスイッチとはパワーが違う。その力、見せてくれ!」

 

フォーゼ「分かった!」

 

そう言いフォーゼはロケットスイッチをオフにしドライバーから抜く。

そしてそこにエレキスイッチを装填しオンにする。

 

『Elek! ON』

 

するとフォーゼの右手が金色に染まり、手には何か剣のような物を持っている。

ん?強化形態っていう感じじゃなさそうだな。

あれ程のパワーを持ってるスイッチならステイツが変化してもおかしくないはずなんだけど。。。

 

フォーゼは新しいモジュールに戸惑うも歌星の指示に従う。

剣に付いているコンセントのような物をソケットに挿す。

すると剣全体に電気が走る。

 

それに驚くフォーゼにユニコーンは攻撃してくる。

フォーゼはそれに気づかず、剣を横に倒すと偶然ユニコーンに当たる。

え?なにそれ。そんな偶然あるの?

ユニコーンは流れてきた電気に身体中が痺れる。

どうやら力はすごいみたいだね~。

 

フォーゼは調子に乗って続けてユニコーンに攻撃するが、どうやら電気がフォーゼにも流れてるようだ。

もしかして逆流してるのか?

ユニコーンを圧倒しつつもフォーゼもダメージを受け、満足に戦えていない。

もしかしたら今の彼ではステイツ変化をもたらすあのスイッチには対応できないのかな?

 

電気の逆流が止まらなくなり、フォーゼは攻撃の手を止めてしまう。

その隙を見てユニコーンはここから逃げ出した。

追いかけようとするも逆流によってダメージを受け続けるフォーゼ。

さすがに耐えれなくなり、エレキスイッチをオフにし変身を解除する。

 

僕たちは駆け寄り大丈夫か聞く。

その時リーゼントくんは気になることを言った。

 

弦太朗「コイツに、喰われるかと思った。。。」

 

賢吾「喰われる?スイッチにか?」

 

弦太朗「なんか、怖えな。。。」

 

そう言ってエレキスイッチを見つめる。

やっぱ強化形態になる力はあるみたいだ。

だが、それを受け入れる器が成ってないから今回のようなことが起きた。

どうやらしばらくはエレキは使えないかな?

 

ん?あそこに隠れてるのって、ヘタレか?

なんでここにいるんだ?それにリーゼントくんの方を見て、笑った?

...もしかしたら彼を利用しようとしてんじゃないのか?

ダスタードに後を吐かせるか。。。

 

 

 

 

放課後、リーゼントくんを除く僕らはラビットハッチに居た。

ラビットハッチに向かう前に僕は気づかれないようにダスタードを出し、ヘタレを見張るように行かせた。

 

ラビットハッチに戻った僕らは各々自由にする。

城島はなんかヘッドホンを付けてノリノリで作業をしている。

そんなんでちゃんとスイッチャー探しできんの?

美羽は化粧を直している。

わ~、こんなとこも努力してるんだね~。

 

歌星がラボから出てきてスイッチの調整が終わったことを城島に伝えるもヘッドホンをして聞こえていない。

ヘッドホンから漏れ出てる音楽にノリノリになってる城島を見て、歌星は諦めて椅子に座る。

 

美羽「何それ?」

 

賢吾「ビートにチェーンアレイ。」

 

美羽「さっきみたいにエネルギーが逆流したのは、エレキスイッチだけなの?」

 

意外に鋭い質問をする美羽。

 

賢吾「あぁ、あんなパワーは初めて見た。...で、君はいつまでここに居るつもりだ。」

 

美羽「学園の平和を守るのはクイーンの義務でしょ。それとも、私がいたらお邪魔かしら?」

 

あー、また始まった。

ほんと歌星もいい加減認めたらいいのにな~。

もしかして二人きりで城島とイチャイチャできなくなったから怒ってるのかな~?

美羽が歌星のことを名前で呼び、それに対して歌星が狼狽える。

あれ?案外初心なのかな?

え?僕はって?もちろんピュアピュアですが何か?

 

二人が言い争いしてる中、城島がスイッチャーを発見したと大声で言う。

まあ城島にしたらいつも通りなんだろうけど、ちょっとボリュームを下げてくれると嬉しいかな?

 

美羽がスイッチャーという単語に疑問を持つ。

あ、そっか。美羽は知らなかったっけ?

僕がゾディアーツに変身する者のことをスイッチャーと呼ぶってことを美羽に伝えたらわかったようだ。

どうやらバーガーちゃんが偵察していたら見つけたようだ。偉いぞ!バーガーちゃん!

 

モニターに映し出された映像を見ると、そこにはヘタレと男子が映っている。

どうやらヘタレを睨んでる男子がスイッチャーのようだ。

そうと決まればあとは正体を探るだけ。

だけど、多分それをしなくてもあのヘタレを吐けてたら自然と見つかるだろう。

 

彼方「じゃあ僕は今からヘタレくんが主催するパーティーに行ってくるわ。多分スイッチャーもそこに来るだろうし。」

 

美羽「JKに恨みを持ってるなら会場に来る可能性は高いわね。気を付けてね。」

 

ユウキ「弦ちゃんもそこに行ってるはずだから向こうで合流してね!」

 

賢吾「ついでにこのスイッチを渡してくれ。」

 

彼方「りょうか~い。じゃあ行ってきま~す!」

 

そう言って僕はパーティー会場であるカラオケに向かった。

 

 

 

 

ーおまけー

 

ー彼方sideー

 

風呂を上がった僕はタオルで髪を拭きながら部屋に帰る。

はぁ~、今日も疲れたな~。

久しぶりに園ちゃんと愚痴会開いたけど、やっぱ溜まってるよね~。

園ちゃんが抱いてたトラウマは克服できたって言ってたけど、まだ裏表が激しいのは変わんないみたいだな~。

まあそこが園ちゃんの可愛いとこなんだけど。

 

僕はタオルを椅子に掛け、ベッドに寝転ぶ。

そろそろ園ちゃんとデートしたいな~。どこに行ったら喜ぶんだろ~。

そうだ。プリクラでも撮ろ。

 

そう考えてたらいきなり頭の中であの声が鳴り響く。

そう『プレゼンター』の声だ。

 

『キミは恋愛には奥手なのかい?』

 

うぜえ。なんでアンタがそれ気にすんだよ。

関係なくないか?てかアンタらって恋愛とかすんの?

 

『いや。そもそもボクたちは生殖行動を取らない。』

 

は?マジ?じゃあどうやって種を残してんのさ?

 

『キミはSOLUを知ってるかい?』

 

あー確か叔父さんの話によると、地球外生命体の一種で大量のコズミックエナジーを内包してるスライムみたいなやつだろ?

 

『そうだ。ボクたちはカレらの様に分離をしたりして種を残していってるんだ。といってもそこまで増えてはいないけどね。』

 

それはなんでだ?まさか宇宙が出来た頃からずっと生きてるとか言わないよな?

 

『その通りだよ?よくわかったね。』

 

マジかよ!?じゃあ今までずっと宇宙の歴史を視ていたってことじゃんか!?

何それ!すんげえ夢があるじゃん!?

 

『キミたちの言う夢はあるかもしれないけど、長い時間生きているっていうのも退屈なものだよ。』

 

あー、まぁもし自分が不老不死になったとしても出会いと別れを繰り返してそのうち心がすり減っていって死にたくなるかもしれないからな〜。

そう思うとやっぱ人間として生を終えたいな。。。

 

『でもキミの力があれば不老不死に出来るじゃないか。』

 

あれは最終手段みたいなもんだからな〜。

だってあれ使ったら僕の身体次第だけど下手したら即死なんだよ?

もし使うとしても大切な人に使いたいからな〜。

だとしたら僕の場合どんだけ死ぬ思いしなきゃいけないんだろ…。

 

『ハハハ、まぁその力もその内進化するだろうね。かつてのカレもそうだったからね。』

 

あーそっか、長生きだからアスクレピオスの事も見てきたんか〜。

いいな〜、僕一回彼の元で修行してみたいんだよな〜。

 

『それはなんでだい?』

 

そりゃもっと医術を学んで僕が助けられる範囲を大きくするためだよ。

今のままだとまだ僕の周りしか助けられないし。

僕はもっと多くの人を、それこそ出来るなら銀河中の人々を助けたいからね。

 

『!銀河中とはまた大きく出たね。どうしてそんなに助けたいんだい?』

 

そりゃ一番の理由はやっぱ叔父さんの事があったからな〜。

もうこれ以上誰かを犠牲にする人を増やしたくないんだよ…。

叔父さんはさ、今でも苦しんでんだよ。

だけどもう後戻りは出来ないところまで来たからさ。だから進むだけしか出来ないんだよ。罪を背負って。

だから僕はこれ以上そんな人を出さないためにも力が欲しいんだよ。

 

『ふむ。キミは本当に興味深いよ。さすがボクらの声を聴ける人間だね。』

 

よせやい!褒められてもなんも出んぞ!

 

『まぁそんなことは置いといて。』

 

おいゴラァ?なんで置いといてなんだよ?

僕結構いい話したよね?だよね?

結構恥ずかしいことまで言った気がするんだけど?

 

『キミは恋人に誰を選ぶつもりだい?』

 

っ!...痛いとこついてくるじゃないの。。。

僕は正直言って誰も選べないよ。

だってみんな僕の事を想ってくれてる。それと同じぐらい僕もみんなの事を想っている。

だけどその想いをさ、蔑ろにしてまで一人を選ぶってのは出来ないんだ。。。

優柔不断って言われても仕方ないけど。僕は失いたくないからね。

 

『そうか。キミは大きい人間になれるだろうね。キミを想うカノジョ達は幸せ者だね。』

 

そうは言っても現実どうにもならない。

ここで生まれて住んでる以上一人に絞らなきゃいけない。

それがここで生きていく為のルールなんだから。。。

 

『ふむ...。そうか。ならキミにちょっとしたプレゼントをあげよう。』

 

は?プレゼント?何?コアスイッチでもくれんの?

 

『ハハハ、さすがにそれは無理だよ。でもキミにとっては特別な物になるだろうね。じゃあ今はこれで失礼するよ。またね?』

 

そう言ってプレゼンターの声は鳴り止んだ。

一体プレゼントってなんだ?

もしかして僕の力のことか?でもそれに干渉出来るとは思えない。

もし出来るのだとしたら今すぐゾディアーツスイッチの機能を止めて欲しいけどね。

 

僕はプレゼンターからのプレゼントについて深く考え、気づいたら眠っていた。

 

 

次の朝。

 

僕はいつも通りのルーティンを終え、朝ごはんを食べてる最中テレビを見ているとあるニュースが耳に入る。

 

キャスター『ここで速報です。たった今、国会で協議されてました法案、《一夫多妻制度》が可決されました。繰り返します。国会で協議されていた《一夫多妻制度》が可決されました。』

 

これに僕は思わず口の中に入れていた物を噴き出しそうになった。

それもそのはず。

昨日あんな話をした後にこんなこと言われたら誰でもビックリするだろう。

 

『ハハハ、どうだい?ボクからのプレゼントは?』

 

ふと頭の中にプレゼンターの声が響く。

 

いきなり過ぎてビビるだろうが!?

てかこれってマジなの?

 

『ああ、本当さ。ボクがちょこっとだけ介入したけど元からこの制度は協議されていたようだよ。なんせ仮面ライダーが生まれてくるほど人間が死んでいるんだ。日本政府も黙っては居られなかったのだろう。遅かれ早かれ決まっていたことさ。』

 

oh......、そんなことがあったなんて知らなかったな。

まぁ、ともかくありがとうな?僕の為に態々。

 

『気にしないでくれ。キミには幸せであって欲しいのだよ。なんせボク達が選んだ人間だからね。じゃあまたね。』

 

そう言ってプレゼンターはメッセージを切る。

携帯を見たら園ちゃん達からメールが来てる。

内容を見たらみんなニュースで言っていたことについてだった。

 

はぁ…、僕は幸せになっていいんだろうか。。。

 

 

 

 

to be continued...




いかがだったでしょうか~。

しばらくは美羽ちゃんとのイチャイチャが多めになるかもしれません笑
でも忘れてませんよ!絶対園ちゃんとのイチャイチャも出してやるからな!!!


さて今回のおまけですがいかがでしたでしょうか?
はい、プレゼンターとの会話風景?を書いてみました。
正直設定をゴリゴリでオリジナルな感じにしちゃってますけど大丈夫かな?笑
口調のイメージとしてはナルトの波風ミナトのような喋り方をする速水奨さんです笑
そんなイメージだっていう感じですけどね。

そしてハーレム√を堂々とするためにゴリ押ししました。
正直これしか思いつかなかったんや。。。

ちなみにこのおまけはJK編の後って設定です。
多分そうした方が落ち着いてんじゃね感が自分の中であったので。


次回はまああのシーンを書くと思います。
まあそこはちょっとオリジナル要素を加えちゃいますが。
自然と行くかな~、どうだろ?


ではでは次回もお楽しみに~。


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友・情・裏・切

暑い...ただ暑い...


ー彼方sideー

 

カラオケに着いた僕は店員に聞いて会場となっている階に向かった。

 

階段で向かっているとその途中でスイッチャーに遭遇した。

どうやら僕の狙いは当たったようだ。

僕は彼に接触するべく声をかける。

 

彼方「そこの君~、ちょっと話さないかい?」

 

???「あなたは、二年の我望先輩じゃないですか。」

 

彼方「僕のことを先輩呼びするってことは君は一年かな?一体あのヘタレくんにどんな恨みを持ってるんだい?」

 

???「ヘタレくんってJKのことですか?確かにアイツにぴったりですね。俺はアイツに裏切られたんですよ。」

 

彼方「裏切られた?」

 

???「そうです。アイツは俺のことを親友だと言っていた。だからアイツが不良に目を付けられたとき必死で助けた。怪我をして、決まってたインターハイも出られなかった。だが後悔はしていなかった。友達を助けたんだから。でもアイツは俺のことを親友呼ばわりされて気持ち悪かったと笑いながら言ってたんだ。だから俺はアイツのことを絶対に許さない!」

 

ふーん、やっぱアイツ相当のクズだね~。

こりゃ今回の件は擁護できないな~。

 

彼方「そっか~。まあ君の気持ちはよくわかったよ~。でもさ?僕は君の話を聞いてじゃあスイッチ使いなって言うほど人間出来てないんだよね~。...早くスイッチを手放しな。」

 

???「いくら先輩だからといっても容赦しませんよ。」

 

そう言って一年くんはスイッチを取り出し、オンにする。

黒いモヤが現れ、そこからユニコーン座の輝きが放たれる。

そしてモヤが晴れるとそこにはユニコーンゾディアーツが居た。

 

さてさてどうしようかな。。。

とりあえずリーゼントくんのとこにおびき寄せるとするか。

ならまずは上に上がらないと。

 

彼方「ハハッ!だったらお馬さんらしく僕を追いかけてみなよ?まぁ追いつけるかの話だけどね?」

 

僕はそう言ってパルクールの要領で壁を蹴って前にいるユニコーンを抜いた。

それに驚いたユニコーンは静止するも直ぐに気を取り戻し僕を追いかけてくる。

僕は二段飛ばしをしながら駆け登り、踊り場では壁を蹴ってロスを減らす。

効率よく登っている僕と違い、ユニコーンはただひたすら登ってくるだけだから差は開いてくる。

 

そのうちパーティーの歓声が聞こえてき、ゴールが近いことを悟った僕は大声で叫ぶ。

 

彼方「怪物だーーー!!!怪物が現れたぞーーー!!!」

 

思いっきり叫びながら駆け登っていく。

そして僕が目的の階に着いた時には既に大勢の客があちこちに逃げていってた。

ふと後ろを見ると、踊り場に設置されている鏡にユニコーンが映った。

どうやらそこまで離せなかったようだ。

 

僕は直ぐにその場から離れ、リーゼントくんを探す。

多分ヘタレと一緒に居るはずだからヘタレが出てきた部屋に行けばいいはず。

僕は必死に探しているとヘタレを見つけた。

どうやら部屋から出てきたばっかりのようだ。

 

彼方「どけ!ヘタレ野郎!お前邪魔だからさっさとどっか行け!」

 

僕は目の前にいるヘタレにそう言い部屋に入る。

そこにはリーゼントくんと彼にあーんしてるギャルがいた。

 

弦太朗「おう、彼方じゃねえか!お前もパーティーに誘われたのか?」

 

彼方「何バカなこと言ってんのかな?さっきから僕が叫んでるの聞こえてなかったの?ユニコーンが現れたんだけど?」

 

弦太朗「おっ、マジか!?どこにいるんだ!?」

 

彼方「もうすぐそこに来てるよ。早くフォーゼに変身しな。あとこれ、歌星から預かったスイッチ。一応エレキみたいに逆流はしないから。思いっきり暴れなよ?」

 

弦太朗「おう!サンキューな!っしゃ!いっちょやるか!」

 

リーゼントくんはそう言い、受け取ったスイッチをドライバーに装填して腰に装着する。

そしてスイッチを入れていきいつもの待機ポーズに入る。

そしてカウントダウンが始まる。

 

『THREE』

 

彼方「君はこっちに逃げよっか?」

 

ギャル「なんなの~?」

 

『TWO』

 

彼方「怪物が現れたんだ。ここは危険だから早く逃げないと、ね?」

 

ギャル「怪物~?ん~、ひゃぁ。。。」

 

『ONE』

 

彼方「嘘!?気絶しちゃったよ!?」

 

弦太朗「変身!」

 

ギャルちゃんが気絶してる間にリーゼントくんはレバーを引く。

僕は風圧からギャルちゃんを守るために、部屋の中に連れ戻す。

そして椅子に寝かせたところで変身が完了したようだ。

 

フォーゼ「宇宙キターーー!!!タイマン張らしてもらうぜ!」

 

そう言ってフォーゼはユニコーンに掴みかかる。

そしてそのまま階段の方へと行った。

僕はとりあえず風邪ひかないように制服のブレザーをギャルちゃんに掛け、二人を追いかけようとする。

 

その道中でサソリちゃんに会った。

 

彼方「おぉ、サソリちゃん!こんなところでどうしたの?」

 

スコーピオン「あら、彼方くん。ユニコーンの様子を見たくて来たのよ。」

 

彼方「そっか。じゃあ僕は一応フォーゼの援護をしないとだから先に行ってるね~。」

 

スコーピオン「あっ、彼方くん!」

 

彼方「ん?どうしたの?」

 

スコーピオン「今度開いてる日ある?その、デートに誘おうと思って。。」

 

彼方「えっ、デート?」

 

スコーピオン「うん、最近二人きりで会うことが減ったから、その、デートに行きたいなって思って。」

 

彼方「あー、そういやここんとこずっと仮面ライダー部に付きっきりだったからね~。うん。いいよ。家に帰ったら連絡するよ。」

 

スコーピオン「分かったわ。じゃあまたあとでね。」

 

彼方「うん。」

 

僕らはそう言って別れた。

それにしてもデートか~。どこに行こっかな~。

そろそろ決めないといけないのかな。。。

 

僕はそんなことを考えながらもフォーゼたちを追っていった。

 

 

フォーゼたちは屋上で戦っていた。

フォーゼはチェンソーを使って、足技で果敢に攻めるもユニコーンにはダメージが溜まっていないように見える。

 

フォーゼ「やるなぁ、コイツ。」

 

彼方「新しいスイッチを使いなよ!それで少しは優位に立てるはずだよ!」

 

フォーゼ「おっ!わかったぜ!」

 

そう言ってフォーゼはビートスイッチをオンにする。

 

『Beat! ON』

 

ドライバーから音声が鳴り、右足にスピーカーのようなモジュールが装着される。

僕はこれから何が起こるか予想し、咄嗟に耳を塞いだ。

 

その瞬間、スピーカーから重低音が大音量で鳴り響く。

ほんと腹からくる音で、これは耳を塞いでないとしばらく動けなくなるやつだ。

ユニコーンはそれを諸に受けて動けなくなり膝をつく。

 

そこを狙って今度はチェーンアレイスイッチをオンにする。

 

『Chain array! ON』

 

音声と共に、右手に取っ手のようなものが装着され、その取っ手の先にはイボがついた鉄球が鎖で繋がれている。

フォーゼはこれを使い、向かってくるユニコーンを迎撃する。

チェーンアレイという扱いが難しいものであるが、それでも難なく攻撃を当てていき、ユニコーンは後退していく。

そして遂には屋上に設置されている金網に背中がぶつかるほど追いつめられる。

 

追いつめられたユニコーンは突如、自身の星座を光らせる。

それによって頭についているユニコーンの象徴である角が長くなる。

それを見てフォーゼは回していたチェーンアレイを中途半端に止めてしまい、鉄球が股に当たる。

オゥ...ご愁傷様です。。。

 

ユニコーンは顔に手を翳す。

するとユニコーンの顔が変形して取れ、レイピアのようなものになった。

うっそ、何それめっちゃカッコいいんですけど。。。

陰に隠れてみてるサソリちゃんの方を向くと自慢げにしている。

くぅ~、羨ましい。僕もあんな変形したい...、ってそういやそんな感じのやつ持ってたわ。

うん、何のためにフードしてんねんって話だよね。

 

そしてユニコーンはフェンシングの構えを取り、フォーゼに攻撃する。

フォーゼはチェーンアレイで対抗するも剣相手には不利である。

鎖を絡め取られチェーンアレイを投げ返し、さらに一突きしてくる。

これを諸に受けたフォーゼは地面を転がる。

 

フォーゼは反撃しようと、今度は真っ直ぐに鉄球を投げる。

これだとさっきのような防御はできないため攻撃が効くと思ったが。

ユニコーンは斬撃を飛ばし迎撃をするも鉄球の勢いは止まらない。

そのまま当たると思ったが剣を鉄球に突き刺したとき、剣が伸縮してバネの様になり鉄球を弾き返す。

まさかこんな応用力を持ってるとはな...。

もしワームホールがここに集中していたら最輝星が輝くだろうが。

 

攻撃を跳ね返されたフォーゼは倒れる。

そこをユニコーンは一気に攻めていく。

体勢を立て直すも攻撃を捌けきれずダメージを負っていくフォーゼ。

今度はフォーゼが際に追いやられてしまう。

何か反撃の手はないかと考えたときにレーダーの着信音が鳴る。

フォーゼはレーダースイッチをオンにし、左手にレーダーを装着する。

 

レーダーのモニターから歌星が映し出されエレキを使うよう指示する。

だがフォーゼはエレキを使うことに躊躇う。

歌星に怖いのかと言われ、やむなくエレキを使うことにしたようだ。

 

チェーンアレイとビートをオフにしエレキを取りだそうとしているようだが中々出さない。

もしかして、失くしたのか?それとも...。

僕はラプラスの瞳を使いヘタレを追跡させているダスタードの視覚を共有する。

そこで見えたのはヘタレが男の奴と一緒に話している様子。

その手にはエレキスイッチが握られていた。

どうやらアイツはリーゼントくんからエレキスイッチを盗ったようだ。

 

フォーゼは慌て、モニターからも歌星の慌てる声が聞こえる。

まぁ、こうなると思って対策はバッチリ取ってあるんだけどね~。

 

彼方「フォーゼ!チミが探しているのはこれぞ?」

 

僕はそう言って懐からスイッチを出す。

 

フォーゼ「あああああ!!!なんで彼方がエレキスイッチ持ってんだよ!俺失くしたと思っただろ!」

 

賢吾「失くしたのか!?」

 

フォーゼ「あ、いや違うんだ賢吾!彼方に預けてたのを忘れてたんだ。俺、失くしやすいからさ...。」

 

彼方「そーゆーことだよ~。ほら!早くこれでパパっと倒しチャイナ!」

 

僕はそう言ってエレキスイッチをフォーゼに投げ渡す。

フォーゼはそれを受け取りドライバーに装填しオンにする。

 

『Elek! ON』

 

音声と共にモジュールが展開されるが前回と同じ右手だけだ。

どうやらまだ器が成ってないと判断されてるようだ。

 

フォーゼ「またこれか!あぁ!もうこれでやってやる!」

 

フォーゼはそう言い右手に持っている剣に付いているコンセントをソケットに挿す。

そしてユニコーンに攻撃するも前回と同じでエネルギーが逆流する。

それでも耐性がついてるのか怯まずに攻撃していく。

ユニコーンは自身の剣伝いに流れてくる電気に動きが鈍くなる。

フォーゼはそこをついて攻撃するも徐々に逆流するエネルギーは強くなる。

それに耐えきれなくなりフォーゼは強制的に変身解除してしまう。

 

弦太朗「クソっ!なんでコイツは言うこと聞かねえんだ!」

 

リーゼントくんはエレキが思うように扱えないことに苛立つ。

それを見たユニコーンは興冷めしたのか変身を解除する。

 

???「俺の狙いはJKだ。邪魔は辞めた方が良い、次は容赦しない。あなたもだ、我望先輩。」

 

スイッチャーくんはそう言ってその場から去る。

リーゼントくんはそれに苛立つも、自分が負けたことに悔しがる。

 

彼方「どうやらまだエレキは扱えないようだね~。お主もまだまだ未熟よのう?」

 

弦太朗「うっせ!コイツはとんでもねえだけだ!それにしてもなんでお前が持ってたんだ?」

 

彼方「あ~、君のことだから誰かに盗られたり失くしたりしそうだから僕が代わりに持ってたんだよ。」

 

弦太朗「そっか、ありがとな!」

 

彼方「どういたしまして~。今日はもう帰ろっか?」

 

弦太朗「そうだな。じゃあまた明日な!」

 

そう言ってリーゼントくんは去っていく。

いや~あんな言い訳が通用してよかった~。

 

なぜヘタレが盗ったはずのエレキスイッチを僕が持っていたかって?

簡単な話さ。

ヘタレが持っていたやつがダミーだっただけだよ。

 

僕が型を作りそこにコズミックエナジーをちょっとだけ貯めただけ。

力はあるも起動しない不良品っていうわけだ。

それをリーゼントくんが持っていた本物とすり替えただけさ。

本当は叔父さんに見せようかと思ったけど、やっぱりアイツが盗ったからリーゼントくんに渡すことにした。

まあまた盗られることはないだろうからもうしないけどね。

 

 

僕は屋上に残ってたサソリちゃんの元に行く。

サソリちゃんは近づく僕に気づき変身を解く。

 

彼方「いや~ユニコーンくんはすごいね~。あんな進化の仕方するとは思わなかったよ~。」

 

園田「そうでしょ?彼はフェンシング部だからああいう進化の形になったのよ。」

 

彼方「フェンシング部なのね~。だからあの構えをしてたんだね~。」

 

園田「もしかしたらホロスコープスにも進化するかもしれないわ。」

 

彼方「あーそれは無いかもね。」

 

園田「え?もしかして...。」

 

彼方「そ。視ちゃったからさ。彼は良くて最輝星が輝くぐらいだよ。」

 

園田「...そっか。また見つけられなかったのね。」

 

彼方「まあそんなに落ち込まないで、ね?園ちゃんはちゃんとやってるんだから叔父さんも責めたりはしないよ。」

 

園田「ならいいのだけど。。。」

 

あー、また余計なことした。。。

僕ってばこーゆーのはやめよって前にも思ったのに。なんでまたやってしまうんだろほんと。

僕は園ちゃんを抱き寄せ頭を撫でた。

園ちゃんはいきなりのことに驚いてた。

 

彼方「ほんとごめんね...、園ちゃんだって一生懸命やってんのに僕がそれを潰して。」

 

園田「..別に潰してなんかいないわよ。今回はハズレだったとしても、新しい進化をしたっていう収穫はあったのだから。」

 

彼方「っ、ほんと園ちゃんは優しいなぁ。僕が傷つけてしまったのに庇ってくれるなんて。」

 

園田「庇ってるつもりは無いわよ。私はただあなたがいてくれるだけで元気が出るのだから。ただ、あなたが笑ってくれてればいいのだから。」

 

彼方「僕も同じだね。園ちゃんが笑っていれる場所になりたいからね。園ちゃんが幸せになってくれると僕も嬉しくなるから。」

 

僕たちは互いに見つめ合う。

ただ相手の幸せを願うだけ。それだけで心が満たされる。

人によっては依存なんて言うかもしれないけど、僕はそう思わない。

 

だって、好きな人が幸せでいてくれたらそれだけでいいって思えるのが普通でしょ?

 

だったら僕はその為に力を使う。

傍に居て支えてたい。

彼女が僕だけに見せる笑顔を守りたい。

そう思うと僕の中にある想いが止まらなくなってくる。

 

互いに見つめあった僕たちの顔は徐々に近づいてく。

美羽の時もこんな感じだった気がする。

ただ今回違うのは、僕の理性がハッキリしている事だ。

僕は理性を保ったまま園ちゃんと触れようとしている。

だってそれは園ちゃんが一番好きだからだと思う。

だから僕はその場の勢いとかではなく、心の底から園ちゃんと触れたいと思う。

 

僕たちの顔は近づいていき遂にお互いの息が間近で触れ合うぐらいにまで近づいた。

 

彼方「園ちゃん。。。」

 

園田「ちゃんと名前で呼んで?」

 

彼方「っ、紗理奈...ちゃん///」

 

園田「フフっ、今はそれでいいわ。彼方くん。」

 

お互い笑い合い、そして口付けする。

ただ触れただけのそれは、もっとと欲深く求め合っていく。

徐々に熱を帯び、どちらからでもなく舌を絡めあっていく。

それは深く深く絡み合い、絶対に離さないと言うかのような程のものだった。

 

 

数分後、息が持たなくなったのか僕たちは口付けを辞める。

僕たちの間には銀色の橋が掛けられていた。

しばらくお互いを見つめ合う。

あー...ほんと綺麗だな...。

僕には勿体ないぐらいだと思ってしまう。

でもその考えを捨て、僕は彼女を全力で求めることを決意する。

 

彼方「とりあえず今日は帰ろうか。また、今度デートに誘うからさ。その時に、その、もう一回。。。」

 

紗理奈「フフっ、そうね。また今度にね、彼方くん。」

 

彼方「紗理奈ちゃん。」

 

そしてもう一回口付けする。

今度は熱くならないように触れるだけ。

そして二人で笑い合う。

 

 

 

 

翌朝。

 

教室で僕たち仮面ライダー部はスイッチャーについて話していた。

そこでわかったのは、

・スイッチャーの名前は新田文博

・フェンシング部所属の一年生

・JKに並々ならぬ恨みを持っている

・独自の進化を遂げた

この四つだった。

そしてどうやら新田は学校も部活も休んでいるようだ。

ということは本格的に動き出すと見ていいかもしれない。

 

 

授業が終わり僕らは各々自由にする。

そこで僕はリーゼントくんにちょっとした頼みを伝え、一緒に帰ることにする。

そして下校中、僕はリーゼントくんとヘタレと一緒に帰っていた。

 

JK「とりあえず昨日集まった奴らに聞いてみましょっか?」

 

弦太朗「あぁ、すまねえな。」

 

そして僕らはある物を探してあちこち回った。

まあ主にヘタレについて行っただけなんだけどね。

だがまだ見つからず。

僕らはそれぞれ別れて探すも中々見つからない。

 

そこで僕はダスタードの視覚共有をした。

もちろん対象はあのヘタレと昨日ヘタレと一緒にいた男。

そこに映ったのは男が昨日のギャルちゃんと一緒に歩いてヘタレに電話をしている様子だった。

話してる内容はリーゼントくんを利用して新田をやっつけてもらおうということ。

ふーんそんなこと考えてたらとんでもない返しが来るんじゃないの?

そう思いながらも二人の会話を聞き、そして終わったと同時に共有を切ろうとした。

その瞬間男の方に映ったのは新田の姿だった。

 

僕は急いで一目のつかない所に行き、オピュクスに変身する。

そして急いで彼らの近くの物陰にワープする。

変身を解除した僕は急いで二人のところに向かった。

そこに居たのはユニコーンに変身した新田が二人の首を押さえつけているところだった。

僕は全力でダッシュしてその勢いを乗せてドロップキックを放つ。

ユニコーンは反応できず諸に受け吹っ飛ばされる。

 

彼方「大丈夫かな二人とも。」

 

ギャル「昨日のイケメンくんじゃん!」

 

彼方「え?覚えてくれてたの?やだ~、僕ちゃん嬉し~。」

 

僕は一応二人の安否を確認する。

したらギャルちゃんが覚えていたようだ。

そんなやり取りをしていたら吹っ飛ばされたユニコーンが戻ってきた。

 

ユニコーン「またあなたか!今度邪魔したら容赦しないと言ったはずですよ。」

 

彼方「天高生を傷つけるやつを許すとでも?君の狙いはあのヘタレじゃなかったのかい?」

 

ユニコーン「狙いは変わってませんよ。ただ俺は準備をするだけです。」

 

彼方「準備だと?一体何をするつもりなのさ?」

 

ユニコーン「俺はただJKと関わるなと忠告に来ただけです。ちょっと野蛮になりますけどね!」

 

そう言ってユニコーンは顔を変形させ、手に持った剣から斬撃をこちらに放ってくる。

僕は二人を抱えて横に飛ぶ。

何とか斬撃は避けれたが街中でぶっ放すとかどうかしてるよ。

 

ユニコーン「これで分かったでしょう?俺の邪魔をしたらあんな風になるって。先輩も気を付けるべきですよ。」

 

そう言ってユニコーンはどっかに行った。

何をするつもりなんだろう?

とりあえず僕は二人を安全な場所に連れてった後にワープしてリーゼントくんたちの所に戻った。

 

その後も探すも見つからず、僕らは河川敷を歩いていた。

すると新田が前から歩いてきた。

ヘタレは慌ててリーゼントくんの後ろに隠れる。

 

新田「まだ一緒だったんだぁ。気を付けた方がいい。あなたも利用されるだけですよ。」

 

弦太朗「利用だと?」

 

ヘタレはその言葉に慌てる。

新田は昨日僕に言ったことをリーゼントくんにも言う。

リーゼントくんはその話を聞いてヘタレのことを幻滅する。

ヘタレは言いがかりと言うが、それはその場しのぎの言い訳だろう。

 

新田はヘタレへの憎悪を滾らせながらユニコーンへと変身する。

だがリーゼントくんはそれでもヘタレを助けると言う。

だって天高の全員と友達になるからだって。

ほんとつくづくお人好しだよね~。

 

そうしてドライバーを腰に装着し変身する。

いつものセリフを言いフォーゼはユニコーンに向かって走る。

だがそれを顔を変形させた剣で一突きする。

それを受けて怯んだフォーゼにさらに攻撃をしていく。

攻撃を捌き切れないフォーゼは遂に倒れてしまう。

 

それを見たヘタレは当てにならないと言って逃げようとする。

それを見たユニコーンは逃がすかと剣を投げて足を絡ませる。

つまずいたヘタレはそのまま河川敷の草むらの中へと転がっていく。

そして止まったはいいがその拍子に盗んでいたエレキスイッチが転がり落ちる。

ヘタレは慌ててスイッチを拾いフォーゼを見る。

 

フォーゼ「なんでお前が..、どういうことだよ!ずっとお前が持ってたのか!」

 

ヘタレはそう言われ、開き直ったのか盗んだことを堂々と言う。

 

JK「友情なんて信じてるやつは、大馬鹿野郎だ!」

 

フォーゼ「お前...、じゃあ、友達面してたのも全部嘘か!」

 

ユニコーン「だから言ってるでしょ、そういう奴なんですよアイツは。他人を利用することしか考えない男。そしてアンタh「アッハハハハハハハハハハ!!!!」っ!何がおかしいんですか!我望先輩!」

 

彼方「これが笑わずにいられるかっての?リーゼントくん名演技だよ!さすが友情劇場の座長さんだ!」

 

僕がそういうとフォーゼはさっきまで出していた戸惑いを感じさせる空気を一変させる。

 

フォーゼ「だろ!俺にかかればどうってことないぜ!」

 

ユニコーン「どういうことだ!アンタはアイツに裏切られたはずだ!」

 

彼方「いーや?裏切られてなんかいないよ?だってアイツが持ってんの偽物だもん。」

 

僕がそう言うとヘタレは驚きスイッチを二度見する。

 

彼方「アイツが盗むなんてことは予想できた。だから僕が予め偽物を持たせてたんだよ。それを盗って喜んでる様を見てたら可笑しくて可笑しくてwww。」

 

フォーゼ「そーゆーことだ!本物のエレキスイッチは俺が持ってる!」

 

そう言ってフォーゼはエレキスイッチを装填しオンにする。

そしてユニコーンに攻撃するがやはりエネルギーの逆流はしているようだ。

だが徐々に耐性を付けているフォーゼは気にせずにユニコーンに攻撃する。

得物を失くしたユニコーンはなすすべもなく攻撃される。

 

だがやはりエネルギーの逆流には耐えきれなくなる。

逆流したエネルギーが蓄積されていき、そしてフォーゼは変身解除を余儀なくされる。

 

ユニコーンはその隙にヘタレを気絶させ連れ去っていく。

リーゼントくんは追いかけようとするも疲労とダメージが蓄積されたのか気絶する。

僕らは仕方なく撤退することとなった。

 

 

 

 

to be continued...

 




いかがだったでしょうか~。

前書きのあれは部屋が暑すぎてちょっとイカれただけです笑


さて今回は飛ばし気味で進んでいきましたがどうでしたか?
ちょっと吹っ飛ばし気味すぎて話がごちゃってるんじゃないかって思っちゃいますが...
何とかなりましたかね〜?笑笑


そして園ちゃんとのイチャイチャをちょっと出してみました〜。
どうでしたか?
メインヒロインだからこそ出来るあの表現。
正直言って書いてる時にもっともっとって思っちゃいました笑
まぁこのJK編が終わってからはもっと出せると思いますので楽しみにしてて下さい〜。


ではではまた次回もお楽しみに〜。


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電・撃・一・途

前書き...書くことねえ...


ー彼方sideー

 

気絶したリーゼントくんを背負ってラビットハッチに帰ってきた。

その道中で美羽に連絡して手当の準備をしてもらったからラビットハッチに着いてすぐに手当が出来た。

そして今は床に敷いたブランケットの上で眠っている。

 

賢吾「それにしても何故エレキスイッチが使えないんだ。。。」

 

彼方「多分だけどリーゼントくんが器に成ってないからだと思うよ。」

 

美羽「器?」

 

彼方「そ。力を受け入れる器。それがどう大きかったらいいのかはわかんないけど、エレキの膨大な力を受け止めきれるほどの器にまだ成ってないんだと思う。」

 

美羽「じゃあその器が出来たら。。。」

 

賢吾「エレキステイツの誕生ということか。」

 

彼方「そのためにも彼には早く受け入れてもらわないとね。」

 

僕たちはエレキスイッチに関する考察を議論していた。

といっても美羽はところどころわからなそうにしてたけど。

 

弦太朗「んん..、ここは、天国か...。」

 

ユウキ「ラビットハッチだよ。」

 

お?どうやらリーゼントくんが起きたようだ。

 

彼方「やっと起きたのかい?君をここまで運ぶの大変だったんだからね~?」

 

弦太朗「おぉ、彼方。サンキューな。。。っ!」

 

リーゼントくんは僕に礼を言うといきなり立ち上がってどこかに行こうとする。

それを城島が止めどこに行くつもりなのか聞く。

リーゼントくんはヘタレがユニコーンに捕まったんだから助けにいかなきゃと言う。

なんでそこまで助けようとするんだ?

 

これにはさすがの歌星も堪忍袋の緒が切れたのかリーゼントくんに掴みかかる。

 

賢吾「いい加減にしろ!騙されて怪我までして、今度は騙した奴を助けに行くと言う。俺は!いつまでそんな愚かな男にフォーゼを預けなければいけないんだ!」

 

そう言って歌星はリーゼントくんを壁に突き飛ばす。

城島が仲裁に入ろうとするがそれを美羽が止める。

そうだ。ここで仲裁に入ったところでこの問題が長引くだけだ。

ならここは当人同士で話し合わせるのが一番だ。

 

弦太朗「..賢吾。今度の件は、謝っても謝り足りねえ。でも俺は行く!あんな奴だからこそ、助けに行かなきゃならねえ!」

 

賢吾「助けても変わらないぞ。ああいう男は何にも変わらない!」

 

弦太朗「それならそれでもかまわねえ!」

 

そう言ってリーゼントくんは飛び出そうとする。

 

彼方「ちょっと待ちなよ。はいこれ。バーガーちゃんから送られてきた位置。そこにアイツは居るよ。」

 

弦太朗「すまねえ。」

 

彼は僕から地図をもらい、ラビットハッチを出る。

 

美羽「あれが弦太朗よね。。。で、賢吾君。あなたはどうする?」

 

美羽が歌星に聞く。

歌星はしばらく黙るもすぐに準備をし何も言わずにラビットハッチを出る。

それに僕らは笑い合い、僕らも歌星を追いかける。

 

 

 

 

ー町はずれの倉庫ー

 

ー彼方sideー

 

ヘタレが捕まっているであろう場所に着いた。

入り口に着くと中から叫び声が聞こえてきた。

多分いつものを言ってるんだろう。

僕らは急いで中へと向かった。

 

階段を上るとそこには背中の噴射口を使ってホバリングしながら攻撃を避けてるフォーゼが居た。

だが避けてるだけではダメなようで、ユニコーンの剣に当たりダメージを負う。

 

賢吾「如月!ロケットを使え!」

 

歌星が指示するがそこにユニコーンが歌星に向かってくる。

フォーゼは慌てず冷静にロケットをオンにし、ユニコーンを巻き込んで飛んでいく。

僕はその間にポテトちゃんにヘタレを縛っている縄を切るように言う。

ポテトちゃんは言う通りにヘタレの縄を切り戻ってきたので僕は撫でてあげる。

解放されたヘタレはフォーゼが飛んで行った方の向かった。

 

着地したフォーゼはユニコーンに攻撃しようとするが、ユニコーンが自棄になったのか斬撃をあたりかまわず放つ。

それにより爆発が起こり僕たちも巻き込まれそうになる。

 

彼方「今すぐここから離れるぞ!」

 

そう言って僕らは外に出る。

途中で美羽が階段を踏み外し落ちそうになるが助けて、そのまま抱えて離れる。

後ろからフォーゼとヘタレが転がってきた。

おぉ、案外度胸あるじゃん。

 

美羽「ね、ねぇ//そろそろ、降ろして、くれない?///」

 

彼方「え?...あっ///」

 

僕は美羽をお姫様抱っこしている状態でずっといた。

そのことに我慢が出来なくなり美羽は降ろしてと言う。

僕は慌てて降ろすが、お互い熱が引かない。

 

フォーゼがヘタレに腕を差し出す。

どうやらいつもの友情の証をやるようだ。

ヘタレはそれに応じ、友情の証をやる。

 

フォーゼは懐からエレキスイッチを取り出し、ロケットと入れ替える。

 

賢吾「使えるのか?」

 

フォーゼ「ああ。コツは掴んだ。」

 

ユウキ、美羽「「頑張って!」」

 

え、なにそれ可愛い。今度僕にもやって。

ってふざけてる場合じゃないや。

 

どうやらエレキを受け入れる器に成ったようだ。

ユニコーンがフォーゼに突撃してくるがそれをいなし、ユニコーンを突き飛ばす。

そしてエレキスイッチをオンにする。

 

『Elek! ON』

 

右手にモジュールが装着され、前回と同じな様に感じる。

だが、モジュールからエネルギーが出て、全身に行きまるでエネルギーを纏うかのように見える。

 

フォーゼ「癖があるやつは、ネジくれてひん曲がった部分も含めて受け入れる!」

 

フォーゼがそう言うと同時にフォーゼを囲むように雷神が叩く太鼓のようなエネルギーが現れる。

そこからエネルギーがフォーゼに注がれ、フォーゼは電気に包まれる。

雷のような音が鳴ったと同時に電気が晴れ、エレクトリックな音が鳴り響く。

姿を現したフォーゼは胴衣に太鼓のような意匠を纏い、全身が金色に変わっている。

複眼は青くなり、マスク前面を横断する稲妻のマークが走っている。

 

生身でも感じ取れるパワーに僕は驚く。

これは、使い方次第ではホロスコープスともいい勝負ができるのでは。

そう思わせる程のパワーを感じた。

 

フォーゼはモジュールに付いてるコンセントをソケットに挿し、ユニコーンに攻撃する。

以前みたいにエネルギーの逆流は無く、以前以上のダメージをユニコーンに与える。

エレキの威力にユニコーンは手も足も出ない。

 

フォーゼはソケットを挿し変え、斬撃を飛ばす。

分かりやすい斬撃をユニコーンは避け、空中から一突きをしようとする。

だがこれがフォーゼの狙いで、またソケットを挿し変え攻撃を放つ。

モジュールから出た斬撃はユニコーンに絡み、ロープで縛ったかの様に縮む。

ユニコーンは大量の電撃を食らい痺れて動けない。

 

賢吾「今だ!リミットブレイクだ!エレキスイッチをロッドに!」

 

歌星の指示に従いエレキスイッチをロッドに装填する。

すると警告音が鳴り響き。

 

『LIMIT BREAK』

 

という音声と共にフォーゼはユニコーンへ向かっていく。

ユニコーンもそれに反応し攻撃をしようと向かってくる。

ユニコーンは一突きするもフォーゼはそれを避け、高出力の電撃を纏ったロッドで切り伏せる。

それによってユニコーンは爆発する。

そして飛んできたスイッチを解除し、スイッチを消滅させる。

 

エレキの力は普通ではなかったようだ。

これは叔父さんに報告をしないといけないかもだな。。。

 

 

目が覚めたのか新田がこちらに来る。

ヘタレが見つけ新田に掴みかかる。

だがそれをリーゼントくんが待ったをかける。

 

リーゼントくんは新田を励まし、彼ならもう一度やり直せると言う。

それに新田は反応をしないがどうやら心に響いたようだ。

これで彼も過去から一歩踏み出せるだろう。

 

 

 

 

ーラビットハッチー

 

僕らはJKを連れてラビットハッチに戻ってきた。

ん?僕がなんでJK呼びしてるって?

あの後アイツも仮面ライダー部に入れるってリーゼントくんが言い出して、どうせならヘタレ呼びからJKにしないとこれから部活メンバーになるんだしっと思ってね。

まあアイツも少しはやるとこあるっていうのも見れたからそれもあってだけどね。

 

何も言われずに連れて来られたJKはどこなのかと疑問に思う。

僕はスイッチを押して窓を展開させる。

窓から映った地球を見たJKは驚く。

 

そこからJKは金稼ぎの方策をばんばん喋っていった。

いやここアミューズメントにするのはいいけど、そしたら僕たちの部室がなくなっちゃうからね?

てかそもそもここ秘密なんだからそんな大々的にするわけないでしょ。

 

案の定それに起こった歌星はJKの首根っこを掴み出てけ!と言い追い出す。

みんなは歌星を宥めようとするが、そこにJKが戻ってきてハーイとか言うwww

それに完全にキレた歌星がJKを追っかけて行ったwww

ヤバいこれは面白すぎるよwww

止めようとしてリーゼントくんと城島は追いかけていった。

 

美羽「それにしてもとんだ問題児が入ってきたわね。」

 

彼方「いや問題児ってカテゴリで見たらみんなそうでしょ。」

 

美羽「フフッ、あら?あなたも問題児っていう自覚があるのね?」

 

彼方「そりゃしょっちゅうアメフト部と喧嘩してるし最近は授業をサボり気味だし。そろそろあの地獄補修に呼ばれてもいいころだと思ってるもん。」

 

美羽「ええ...それはちょっとまずいんじゃないの?」

 

彼方「うーん、そうは言っても園ちゃんには許してもらってるし、テストの点数はちゃんと学年一位をキープできてるしさ?僕はそこまで問題とは思ってないんだよね~。」

 

美羽「それ先生たちに聞かれたらたまったものじゃないでしょうね。」

 

彼方「ハハッ、間違いにゃい。」

 

ほんとあの補修だけは嫌なんだよね~。だって特にやることないのにずっと縛られるじゃん?

まあそれが嫌なら真面目にしろって話なんだろうけどね~。。。

 

美羽「そういえば、前に彼方の進路について話してたじゃない?あれ聞きそびれたから教えてちょうだい?」

 

彼方「ん-?そういやそうだっけ?まぁ今ならいっか。...僕の将来はさ、医者になることなんだよ。」

 

美羽「医者?まあたまに見る手当の仕方もそうだけどあなたのあの力を見ればわからないこともないけど、どうしてなの?」

 

彼方「まあ端的に言えばさ?僕の力で誰かを助けたいんだよ。もちろん世界中とかは言わないよ?ただ僕の力が届く範囲に居る人は全員助ける。それが僕の望みさ。」

 

美羽「そう...スケールが大きいのかそうじゃないのか分からないわね。」

 

彼方 「別に大きくないでしょ?簡単な話、ライダー部を助けれるか天高生全員助けれるかの違いだよ。」

 

美羽「そう言われるとなんかそこまで大きく感じなくなるわね。さすが彼方ね。説得力が違うわ。」

 

彼方「僕の例えで分かるなんて中々やるね〜。彼方検定2級は取れるよ。」

 

美羽「あら?クイーンなら目指すは特級よ。」

 

彼方「特級?何それまた新しいの作ったの?」

 

美羽「違うわよ。特級は、あなたの彼女よ。」

 

彼方「ふぁ?」

 

いやほんとふぁ?なんだけど。。。

いきなり何言い出してんだこのクイーン。

なんでこんな告白されてんだろ僕。ダメだ頭が回んない。

 

彼方「何言ってんの?どしたの?大丈夫か?」

 

美羽「私は至って普通よ?あなたが好きなのだからあなたのクイーンになりたいのよ。」

 

美羽は堂々と言ってくる。

ほんとなんでそんな恥ずかし気なく言えんのよ?

言われてる方はめっちゃ恥ずかしいんだけど???

 

彼方「ほんとなんで平気そうに言えるんだよ。。。」

 

美羽「だって正直に言わないと気持ちは伝わらないでしょ?特にあなたの場合ライバルが多いもの。」

 

彼方「ライバルって、そんなに僕のこと好きな人はいないでしょ?まあ、何人かは自覚してるけど。。。」

 

美羽「あなたの場合もっと増えそうなのよ。ほら?あなたの魅力って、天井知らずじゃない?」

 

彼方「いや、僕そんな誑しみたいなことしたくないんだけど。。。」

 

ほんとなんで女誑しなことを堂々としなきゃいけないんだよ。

まぁ、選ばなきゃなんないんだろうけど誰かを選ぶってことはできないんだよな~。。。

だって皆大好きだからな~。

 

彼方「ほんと誰を選べってんだよ。。。」

 

美羽「そんなに悩むほどなの?」

 

彼方「だって皆大好きなんだもん。僕が誰か一人を選ぶってことはできないよ。」

 

美羽「私のことも大好きなのね?」

 

からかってくるな~。

そんなにからかってくるのなら。。。

 

僕は美羽の耳元に近づいて囁く。

 

彼方「大好きだけど?それとも、愛してるって言って欲しいの?」

 

美羽「っ///」

 

ベタな返しをしてやると美羽は顔を真っ赤にする。

そんな美羽が可愛くて僕は頭を撫でながら耳元から離れる。

 

彼方「ハハッ!からかいすぎるからだよ~。」

 

美羽「もう!あんなことされると照れるじゃない!」

 

彼方「照れてもいいじゃ~ん。てかそんな美羽も可愛いよ?」

 

美羽「///もう、そんなこと言われると、嬉しくなるじゃない。」

 

ヤバい、可愛い、抱きしめたい。

何この可愛い生き物。絶対誰にも渡さない渡したくない。

ダメだな、僕もう完全に美羽にメロメロじゃん。

 

恥ずかしくなってきた僕は早く帰ろうと思い荷物をまとめようとするといきなり手を引かれる。

いきなりのことでなんだと思い美羽の方を見るとキスされた。

わぉ。。。こんなことしてくれるなんて。。。

 

目を瞑ってキスする美羽が愛おしく感じ、僕は美羽を抱きしめる。

そして何度もキスを繰り返す。

ほんとやりだしたら止まらなくなる。

それぐらいこの時間を楽しんでいたいと思えるものだった。

 

だけどそろそろ終わらないと時間的にヤバい。

叔父さん遅帰りすると結構怖いからな~。

僕はやむなくキスを終える。

 

少しの静寂が流れるがその静寂が心地よく感じる。

目を開けた美羽は微笑んでくる。

いや、ほんとその笑顔は反則だって。。。

 

彼方「帰ろっか?」

 

美羽「そうね。」

 

僕たちはそう言いラビットハッチを出た。。。

 

 

 

 

to be continued...

 

 

 




いかがだったでしょうか~。


今回はちょっと短めです。
前回に詰めすぎて今回の分がすごく短くなっちゃいました笑

それはともかく今回はエレキステイツ初登場回ですがどうだったでしょうか?
ちゃんと書けてたかな?
途中で諦めた感じが否めないかもですがそこはご愛敬。

次回はビリーアイリッシュ回ですね~。
はい、面白くないですね~。

まあ大文字回なんですが、ちょっとアンチアンチしちゃってたからどうやってライダー部入りをしっくりさせようかな。。。
まあ彼方くんならなんとかしてくれるでしょう(他人事感)。


ではでは次回もお楽しみに~。


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地・獄・補・習

ー彼方sideー

 

僕ら仮面ライダー部はヤンキーたちの溜まり場でスイッチの試験をしている。

まあ、たまには広い場所でやりたいし、今回試すスイッチがスイッチなだけにね。。。

 

フォーゼは歌星から渡されたスパイクスイッチをドライバーに装填する。

ん?誰かケータイ鳴ってない?あ、美羽のか。

多分あれだろう。大文字からだろうな~。

だって今日はなんかアメフト部主催のセレモニーかなんかあってチア部がそこでパフォーマンスするってジュンが言ってたな。

当然チア部の部長である美羽は行かなきゃなんないんだけど、

 

美羽「どうせまた退屈な話を聞かされるのよ。だったら仮面ライダー部の方を優先するに決まってるでしょ?」

 

と言うことで行かなかった。

 

多分それに怒った大文字が電話をよこしてきたんだろう。

テキトーに話して切りなよって思う。

 

『Spike! ON』

 

ドライバーから音声が流れ、左足に深緑色のトゲトゲのモジュールが装着される。

フォーゼはひと思いに地面に向かって足を振り下ろすのだが、その時に棘が大きくなった。

このままじゃ巻き込まれると思って僕らは一斉に非難したが衝撃が大きすぎて倒れてしまう。

 

僕らは立ち上がってフォーゼの方を見ると足が見事に地面に埋まっていた。

こりゃやられたらたまんないね。

 

ユウキ「弦ちゃん!私たちに穴空ける気!」

 

フォーゼ「ハハッ!わりいわりい!」

 

いやもっと悪びれろよ。

まあ無事だったからよかったけどさ。

 

歌星は次の試験へと促し、スモークスイッチを渡す。

JKが嫌な予感がすると言ってるが僕もそんな感じがする。

僕は念のためガスマスクをバレないように虚空から出して、他のみんなに渡す。

全員察したのか渡されたらすぐに装着した。

僕も装着し準備ができたところでフォーゼがスイッチを装填しオンにする。

 

『Smoke! ON』

 

音声と共に右足に噴出口のようなモジュールが装着され、そこから煙が勢いよく出てくる。

ちょ!?なんで制御できてないの!?

フォーゼが慌てて足を振り回す。それに応じて煙があちこちに流れていく。

みんなもガスマスクをしているのを忘れ、慌てて避難する。

 

僕は冷静になり直ぐにフォーゼに近づいてスイッチをオフにする。

ついでに変身も解除させる。

すると煙は風に流され消えていきみんな落ち着いた。

 

美羽「まあでも、敵の撹乱には有効か。よし、続きは日曜日ね。」

 

美羽はリーゼントくんからスイッチを受け取り、次の活動日時を告げる。

日曜か~。まあ朝からってのは嫌だけどどうせやることないからいっか。

 

JK「え?日曜日なのに部活あるんすか?結構、ハードな部っすね~。」

 

彼方「まあ僕は暇だから全然おっけーだけどね~。」

 

弦太朗「部活は青春の大通りだ!あ、でも次の日曜日俺無理だ...。」

 

ユウキ「ぁあ、私も...。」

 

賢吾「そもそも、部活とは認めてないが...、俺もだ。」

 

ん?三人揃って無理ってなんかあんのかな?

もしかして。。。

 

彼方「補習に呼び出されたの?」

 

弦太朗「あぁ。休日特別補習とかいうやつだ。」

 

JK「休日特別補習!?それって、超問題児しか呼ばれないやつですよ!別名、『地獄補習』。」

 

弦太朗「な、なにぃ!?地獄補習!?」

 

JKが怖がらせるように言ったが本当のことだ。

佐竹先生が担当する地獄補習は相当厳しいと有名なやつだ。

呼び出されるのは主に担任が手に負えないと音を上げる生徒ばかり。

いわゆる超問題児たちだ。

その生徒たちを更生させるための補習だとか。

 

そんな補習に呼び出されるとは。。。

大方授業を抜け出したかと思えば必ず怪物騒ぎの中にいるからな~。

あれ?だとしたらなんで僕は呼び出されてないんだろ?

多分園ちゃんが気を利かせてくれたのかな?

だったらよかった~。僕も呼ばれるんじゃないかとヒヤヒヤしてたからな~。

 

彼方「とりあえず日曜は僕と美羽とJKでゾディアーツが現れないか見張ってるよ。もし現れたら僕がダイザーを使って何とかするから、歌星はその時に許可だけ出せるようにしといて。」

 

賢吾「分かった。念のためにバガミールに見張らせるようにしておく。もしもの時はバガミールから俺に連絡をくれ。直ぐにダイザーを向かわせる。」

 

美羽「どうやらうまくいきそうね?弦太朗たちはちゃんと補習を終わらせてくるのよ?」

 

弦太朗「おう!」

 

そうしてこの日は解散となった。

 

 

 

 

ー日曜日ー

 

僕はラビットハッチで適当に過ごしていた。

まあ今日はメインの三人がいないから特にすることはないからな~。

スイッチの開発とか僕あんまり得意じゃないし~。

まぁゾディアーツが出たらテキトーに追い返せばいいんだから。

 

そう思うと途端に退屈感が増し、適当にその場でバク宙なんかやってたら美羽が来た。

その手にはいつも通り化粧道具が入ったスーツケースと朝食を持っていた。

 

彼方「おっはよ~美羽。」

 

美羽「おはよ彼方。」

 

彼方「ほんと今日はやることないんじゃないの?」

 

美羽「ゾディアーツが出ないか見張るのも立派な部活動よ?」

 

彼方「それはバーガーちゃんがやってくれてるでしょ?」

 

美羽「も、もし出てきたときの為にここで英気を養うのよ。」

 

彼方「ふーん...ま、いっか。てか朝飯ちょっとちょうだ~い。僕今日ちょっと少なかったかもだから。」

 

美羽「あら?なら昨日にでも言ってくれたらよかったのに。彼方の分も用意して持ってきたのに。」

 

彼方「いやさすがにそれは悪いよ~。それにいつも朝は家で食べるから。」

 

美羽「別に気にしなくてもいいのに。とりあえずこれ、はい。半分こでいいわね?」

 

彼方「お、さんきゅー。半分もくれるなんて太っ腹じゃないの~。」

 

美羽「私も持ってきて多いと思ったから丁度良かったのよ。それより食べましょ。」

 

彼方、美羽「「いただきま~す。」」

 

そう言って僕らは食べ始める。

うん、美羽がくれたサンドイッチ美味い。さすがプロのシェフの味だな。

喋りながら食べてお互い完食した。

 

彼方「ん~ごちそうさま~。いや~美味しかった~。」

 

美羽「フフッお粗末様。それ私が作ったのよ。」

 

彼方「うぇ!?美羽が作ったの!?てっきり美羽んとこのシェフが作ったもんだと思った。」

 

美羽「レシピを教えてもらったのよ。それでたまにはと思って作ったのよ。」

 

彼方「いやレシピ通りに作ったからってこんな美味いなんて。。。意外と才能あるのか?」

 

美羽「まあそうかもね?あなたのお口に合って良かったわ。」

 

彼方「こりゃいい嫁さんになるね~。」

 

美羽「もう、嫁さんだなんて///まだ早いわよ!///」

 

おっと冗談のつもりだけど顔真っ赤にしてらっしゃる。

うん、すんごい可愛い。

堪らず僕は美羽を抱きしめ、軽いキスをした。

 

彼方「ほんと可愛いやつめ~。なら結婚したら毎晩美羽の作った料理でも食べようかな~。」

 

美羽「もうー///そうして欲しいならちゃんと愛してね?」

 

彼方「もちろん♪」

 

そう言ってもう一度キスをした。

最近自分からキスしに行ってるけど、いよいよ理性は崩れ去っていったようだ。

まあ仕方ないんだけどね?

この間のハーレム√突入許可が出てから自分の中にあったストッパーみたいなものが無くなったからな~。

それもあってか平気でイチャイチャしてしまう。

まぁみんなの前とかだと自重はするけどね?

 

そうやってたまにイチャイチャしながら過ごしていたらJKがやってきた。

ちょっと遅れてんじゃないの~?

 

JK「ていっと~、ちゅーっす!」

 

彼方「はい五分遅れ~。ジュース奢り決定ね~。」

 

JK「ちょっとそれないっすよ~。俺だってこうして日曜だってのに出て来たんすから~。」

 

彼方「それとこれとは話は別ね~。美羽何飲みたい~?」

 

美羽「う~ん、あそこのオレンジジュースはどう?」

 

彼方「お、いいじゃん。あそこ高めだから普段あんま飲みに行けないんだよね~。ってことであとでよろね?」

 

JK「あそこってどこっすか~?高めって言ってましたけどどれぐらいするんすか?」

 

彼方「一個870円。」

 

JK「えぇ!?オレンジジュースでですか!?それはいくら何でも高すぎですよ!」

 

彼方「うるさい、遅れた奴が悪い。嫌なら次から遅れてくるな。」

 

美羽「そうね。これを教訓に遅刻癖をなくしなさい?」

 

JK「二人とも酷いっすよ~。俺だって今月ちょっとピンチなんすから。」

 

ポテトちゃんと遊びながらJKを弄ってたらポテトちゃんが何かを伝えようとしている。

何だろと思い、ポテトちゃんの視線の先にあるモニターを見るとそこにはゾディアーツが映っていた。

どうやらバーガーちゃんが見つけたようだ。

 

美羽「バガミールが何か見つけたようね。」

 

彼方「とりあえず現地に行ってみないとだね~。」

 

そう言って僕らはバーガーちゃんから送られてきた位置情報を頼りにショッピングパークに向かった。

 

 

 

 

ショッピングパークに着いた僕らはどこにいるのか探そうとするが、突然前からものすごい音が聞こえた。

音と共に何かが崩れたのか土煙が舞っている。

僕らは急いでそこに向かうとバーガーちゃんが円柱に立っていた。

その視線の先にはゾディアーツが居た。

あの姿にあの星座だと、猟犬くんかな?

 

僕らは姿を確認してどうするか考えているといきなり美羽がゾディアーツに向かって歩き出す。

ちょっ!?何やってんの!?

 

美羽「ちょっとあなた辞めなさい!スイッチの悪用は私たちが許さないわ!」

 

彼方「ちょっ!?ゾディアーツ相手に前に出るなよ!?危ないだろ!?」

 

JK「そうですよ!?早く逃げないと!?」

 

僕は前に出た美羽の手を掴み強引にでもゾディアーツから逃げた。

その間にバガミールで歌星に連絡を取る。

 

美羽「街でゾディアーツが暴れてるわ!仮面ライダー部、緊急出動よ!」

 

彼方「とりまダイザーを出してくれ!あとはこっちでどうにかするから!」

 

賢吾「分かった。ダイザーをそっちに向かわせる。頼んだぞ!」

 

なんか他の声も聞こえるがとりあえずダイザーの出動はできたみたいだ。

あとはダイザーが来れば何とかなるはず。

 

僕らは逃げるもゾディアーツの攻撃で転んでしまう。

JKはいち早く立って逃げていく。相変わらず逃げ足はピカイチだな。

僕は美羽を立たせて全力で逃げる。

だがゾディアーツが持っていた鎖でこちらに攻撃してくる。

必死に避けるもあまりの攻撃の多さに疲れが溜まったのか足がもつれてしまう。

美羽も巻き込んで転んでしまった僕らにゾディアーツが迫ってくる。

早くダイザーが来てほしいところだが、最悪は僕が何とかするしか。。。

 

そう思っているとゾディアーツがいきなり吹っ飛ばされた。

何だと思って見てみるとダイザーが突っ込んできたようだ。

僕は直ぐに美羽を安全な場所に座らせ、ダイザーに乗り込む。

 

今回が初めてだけど何となくわかる気がする。

ゾディアーツはこちらに襲い掛かってくるがダイザーのパワーを活かし思いっきりぶっ飛ばす。

おお~、壁にめり込んでるじゃん。

すぐに復活し、また襲い掛かってくるヤツを僕は地面に叩き伏せそして掴んでハンマー投げの容量で屋上に投げる。

投げられたゾディアーツはこのままじゃだめだと思ったのか、棘をこちらに乱射してくる。

その範囲の中に美羽が居て、危ないと思った僕は美羽に覆いかぶさり棘から守る。

意外に棘の威力が強く、ダイザー越しでもすんごく痛い。

 

音が鳴りやみ、僕は痛みを何とか耐え屋上の方を見るとゾディアーツはもういなかった。

さすがに逃げられたか。

僕は疲れ果てダイザーから転げ落ちてしまった。

 

美羽「彼方!?大丈夫なの!?」

 

彼方「はぁ、はぁ...、なんとか、ね。。。ほんと、マジ、疲れるは、これ。。。」

 

美羽「はぁ、一瞬倒れたと思ったじゃない。無事でよかったわ。」

 

彼方「ハハッ...、でも、マジ疲れすぎて、動けないや。。。タクシー呼んで帰ろっか。。。」

 

美羽「フフッ、そうね。JKだけ歩かせて帰りましょうか。」

 

僕らはそう言って、美羽の肩を借りて何とかタクシーで学園に戻ってこれた。

学園に戻ったころには体力が回復してて、歩けるぐらいにはマシになった。

ちなみにJKは歩きで帰らした。

すんごい泣き言言ってたけどちゃんとしてくるあたり社畜属性入ってる説がある。

 

 

 

 

ラビットハッチに戻った僕ら、JKが撮影したスイッチャーと思われる人物をモニターで見ていた。

 

美羽「この子が正体?やっぱり天高の生徒なのかしら?」

 

JK「んー私服だとよく分かんないすね。まあ探してみますか~、これ系の連中のルートで。」

 

そう言い腕を鳴らす。

まあJKの長所っていったらそれしかないもんね~。

 

美羽「頼むわ。あなたの()()の長所、その顔の広さを活かす時よ。」

 

彼方「美羽それ地味に傷つけちゃってるから。そんな事実言ってあげるな。」

 

JK「いや先輩も結構ヒドイこと言ってますからね!?まあ俺はこれから聞いてきますわ。」

 

彼方、美羽「「いってら~。」」

 

JK「いや適当すぎません!?しかもそれってるし!?とにかく行ってきますね!」

 

JKはそう言ってスイッチャー探しに行った。

まあ彼ならなんとかしてくれるだろ。

 

それにしてもなんか退屈だな~。

あ、そーだ!リーゼントくんたちのこと見に行こっと。

 

彼方「美羽~。僕ちょっとリーゼントくんたちのとこ行ってくるね~。」

 

美羽「えー、それじゃあ私一人になるじゃない。嫌よー。」

 

もーしょうがない子だにゃ~。

僕は美羽にキスをして頭を撫でた。

 

彼方「これで我慢してちょ?じゃあね~。」

 

美羽「もう///仕方ないわね///」

 

真っ赤になってる美羽可愛い~。

僕は美羽を見てラビットハッチを出た。

 

 

 

 

職員室で紗理奈ちゃんに地獄補習の場所を聞いて教室に向かった。

その時の紗理奈ちゃんの笑顔が可愛すぎて思わず抱きしめそうになったってのはここだけの秘密ね?

まあやったら大杉からすんごい嫉妬の目で見られそうだけどね。

 

教室に着いた僕は扉を開けるとそこは何とも言えないカオスが巻き起こっていた。

まず超問題児が呼ばれるはずのこの補習に大文字がいるとは思わなかった。

遂にやらかしたのか?だとしたら存分にいじれるなぁ?

そしてあのゴスっ子ちゃんが呪詛みたいなのを唱えながら何かをひたすら書いている。

あー、まああの子はなんかしでかすの容易に想像できるね。

 

そしてこれが大本命。

なんとリーゼントくんが逆立ちをしながら教科書を読んでいた。

しかもその状態で城島が何かを食べさせている。

もうこれだけで情報量が多すぎる。

なんで逆立ちさせられてんの?なにやらかしたの?

てか何食わしてんの?なんか変なグミみたいなやつだけど。。。

 

とりあえず...、

 

彼方「これなんてカオス?」

 

弦太朗「おう!彼方じゃねえか!どうしたんだ?」

 

彼方「いやその状態で話しかけないでよ、なんか怖い。」

 

ユウキ「彼方くんも補習に呼ばれたの?」

 

彼方「いやさすがにそんなヘマしてないからね?ただ君らがどうしてんのか見に来ただけだよ。まぁ...、思わぬネタが手に入ったけどね~。」

 

僕はそう言って大文字の方を見る。

 

彼方「おいおいおいwwwどうしたんだよキング様~?www何やらかしたんだ~?もしかして遂に部員でも消したのか?www」

 

僕はすんごいむかつく顔で煽ってやる。

それにキレた大文字は僕に掴みかかってくるが、単調すぎる動きだから簡単に避けれる。

 

彼方「すぐ暴力に走るのってヤバい奴の証拠だよ~?てか城島が持ってるそれって何?なんか失敗作のグミ?」

 

ユウキ「違うよ!私のお手製宇宙食だよ!はい、弦ちゃん。彼方くんもいる?」

 

弦太朗「んぐ...ん?宇宙の味がする!」

 

彼方「え!?何それ食べてみたい!」

 

ユウキ「はいどうぞ!」

 

彼方「んぐ...、おぉ!すんごい宇宙!?なんかよくわかんないけど宇宙って感じがする!!!」

 

ほんと言葉にできない味なんだよね~。

まあ一応言っておくけどめっちゃ美味い。

ほんとこんな宇宙食なら何個でも食べれる。

 

すると歌星の鞄型パソコンから着信音が鳴る。

もしかしてJKからかな?

歌星は鞄を開けるとJKからの映像が映っていた。

 

JK「う、歌星さん!ば、バケモン!バケモンが!た、助けて!!!」

 

賢吾「ハウンドが見つかった!JKが危ない!」

 

リーゼントくんは逆立ちを辞め、教室から出ようとするがその前に大文字が立ちふさがる。

 

隼「この場は通さん!」

 

そう言ってリーゼントくんに向かってタックルしてくる。

だがリーゼントくんはジャンプしてタックルを避ける。

そしてそのまま城島と共に教室を出て行ってハウンドのところへ向かった。

歌星も向かおうとするが大文字がタックルしようとする。

それに気づいた僕は大文字に向けてドロップキックを放つ。

 

彼方「ゴラお前、なに邪魔しようとしてんだ。お前のせいで怪物逃がしたらどう責任とるんだ?被害の請求全部お前んとこに送ってやってもいいんだぞ?...歌星、さっさと行ってやれ。」

 

賢吾「あぁ、わかった。助かった。」

 

そう言い歌星は教室を出ていった。

 

彼方「さてさてさーて?さーたけ先生?僕をここに呼びますか~?」

 

僕は先ほどから教室の後ろに居た佐竹先生に聞く。

ずっと見てたの知ってたからね~。

 

佐竹「我望。お前はどうして大文字に暴力を振るった?」

 

彼方「うーん、さっき言ってた通りのことですよ?ゴスっ子ちゃん、今怪物が暴れてないかネットで調べてみてよ。」

 

ゴスっ子「え、う、うん。わかった。」

 

そう言ってゴスっ子ちゃんはタブレットで検索する。

 

ゴスっ子「あ、あった。はい、これ。」

 

彼方「さんきゅー。ほら、これ見てくださいよ。怪物が暴れまくってるんですよ?リーゼントくんたちはその怪物を止める手段を持っている。だから行かせたんですよ?これでいいですか?」

 

佐竹「...仕方ない。今回だけ目を瞑ってやる。お前の評判も悪くはないからな。」

 

彼方「ありがとうございま~す。...はい、これ。貸してくれてありがとね。」

 

ゴスっ子「べ、別に。なんか、面白そうだったから。」

 

彼方「ハハッ!確かに面白いね~。君中々いい感性してるね~。」

 

ゴスっ子「フフフ、そんなこと、初めて言われた。」

 

彼方「そうか~?まああんま他人なんて気にしない方が良いよ?じゃあね~。」

 

あのゴスっ子はどこか危ない感じがするんだよね~。

なんて言うか、取り付かれてるような感じがする。

案外魔女に取り付かれてたりして。。。

ハハッ!もしかしたらあの魔女先輩の連れだったりするかもね~。

 

 

 

 

 

僕はJKが襲われている現場に向かった。

僕が着いたらそこには既にフォーゼが戦っていた。

お?どうやらスモークを使って攻撃を撹乱してるみたいだ。

やっぱ戦いの中だと使えるんだよね~。

 

僕はJKと城島の所に行き、一緒に戦闘を見た。

次はスパイクを使ってハウンドに攻撃していく。

うわ~、あの攻撃はマジで痛そう。

 

その次に新スイッチのウインチを使った。

左手に装着したウインチを使ってハウンドを遠距離攻撃していく。

ハウンドは逃げようとするもウインチに絡め捕られ、地面に叩きつけられる。

 

そしてトドメを決めるためにエレキを使った。

全身が金色に染まったフォーゼはロッドを使い、ハウンドを縛っているウインチに電気を流した。

高電圧の電気が流れハウンドは大ダメージを食らう。

ウインチをオフにしたフォーゼはトドメを刺すためにエレキをドライバーから抜き、ロッドに挿す。

警告音が鳴り響き、リミットブレイクを決めると思われたが、突如現れたラグビーボールが右手に当たりロッドを落としてしまう。

地面に落下した衝撃でエレキスイッチが切れ、ベースステイツに戻ってしまうフォーゼ。

 

一体誰がボールを当てたのかと思ったが、考えられるのはただ一人。

落ちたボールを拾った人物は大文字だった。

やはり大文字だったか。

あん時脅したのに懲りなかったかあの野郎。

 

隼「このぉ!クズどもめ!」

 

彼方「クズはどっちだっつーの。アンタに言ったよな?次邪魔したらどうなるかわかってるよなって?アンタ何してくれてんだ?」

 

隼「黙れ!何が仮面ライダー部だ!そんなもの、俺は絶対に認めない!!!」

 

アンタが認めるとかいう問題じゃないんだけど?

 

隼「天高のキングである俺が不愉快に思うものは、学園にあってはならない!消えちまえ、仮面ライダー部!!!」

 

そう言って持っているボールをフォーゼに投げてくる。

だがそんなボールでどうにかなるわけもなく、フォーゼは払いのける。

 

案の定ハウンドはこの隙に逃げようとする。

フォーゼはそれに気づき、ロケットを使って追いかけようとする。

ロケットを装着して追いかけるフォーゼに、狂ったのか大文字が掴みかかる。

 

ロケットで加速しているフォーゼに掴みかかるのはほぼ自殺行為みたいなもんだ。

フォーゼも必死に払いのけようとするが、意地がなんでもと言わんばかりに離さない。

一体何の恨みがあってあんな行動を取ったんだか。

 

空中で制御が効いてないフォーゼを見てチャンスと思ったのか、ハウンドはフォーゼに向かって棘を発射する。

フォーゼは何とか避けようとするも当たってしまう。

おいおいマジで大丈夫かよ。。。

 

 

 

 

ーおまけー

 

今日は約束してたジュンとのデートの日だ。

 

正直久しぶりに二人で遊ぶからちょっとばかし緊張している。

遠足前の小学生みたいに中々寝れなかった。

なんでこんな緊張してんだろ?

 

天高の校門前で待ち合わせをしてる僕は予定よりも早く来てしまった。

まあ待つ時間も嫌いじゃないからいいんだけどね。

 

テキトーに時間をつぶしているとジュンが走ってきた。

 

ジュン「おまたせー!ちょっと遅れちゃった!」

 

彼方「大丈夫だよ~。とりま落ち着こっか。」

 

走ってきたジュンを落ち着かせるため一緒に深呼吸した。

いやー、深呼吸って気持ちいね~。決してラマーズ法とかしたらダメだよ?

 

ジュン「ふ~...、うん!落ち着いた!お待たせ彼方くん!」

 

彼方「そりゃよかった。服似合ってるね~。それって新作のやつ?」

 

ジュン「そうなんだ!せっかくのデートだから着てみたんだ!どうかな?」

 

彼方「バッチしだよ。ジュンに合ってると思うよ。」

 

ジュン「ほんと?良かった~。あ!彼方くんもカッコいいよ!」

 

彼方「ありがと~。そんじゃ行こっか?」

 

ジュン「うん!ちゃんと手を繋いでね!」

 

そう言って僕らは手を繋いで駅前に向かった。

なんで最初から駅前にしなかったのかって?

ジュンのナンパ対策だよ。駅前だったらナンパするサルどもがいっぱいいるでしょ?

もし遅れたらジュンに迷惑かかっちゃうから天高前にしただけだよ。

 

 

駅前に着いた僕らは中学の頃によく通っていたカラオケに行くことにした。

カラオケに入って僕らは久しぶりに()()をやった。

()()が分からない人は5話のおまけを見てちょーだい。

って僕何言ってんだ?

 

一時間ぶっ通しでやった後、僕らはショッピングパークに来ていた。

なんでもジュンが買いたい服があるそうだ。

僕らはお互い服を着せ合いっこして時間を過ごしていた。

それぞれ5セットぐらい買ったけどそこはお家柄~。

まあそれと今日の為に叔父さんが特別に小遣いを出してくれたからってのもあるけどね。

 

服を買った後、適当にぶらぶらしてウィンドウショッピングなんかして過ごしていた。

そしたらあっという間に夕方になってた。

そろそろ帰らないといけない時間になり、二人で帰っている。

 

ジュン「今日は楽しかったねー!」

 

彼方「ほんと久しぶりにカラオケ行ったね~。」

 

ジュン「相変わらず彼方くん歌上手いね!」

 

彼方「そう?普通に歌ってるだけなんだけどね~。」

 

ジュン「それで90点代後半ばっかってすごいよ~!」

 

そう、何故かずっと90点台後半を取ってたんだよね~。

なんでだろ?普通に声真似して歌ってたんだけどな~。

 

彼方「それにしても服買い過ぎたかもな~。」

 

ジュン「でも無いよりはマシだよ!それに全部彼方くんに似合ってるしね!」

 

彼方「いや~ジュンのセンスには頭が上がらないよ~。僕もジュンに似合う服選んだけどどうだろ?」

 

ジュン「全部センスいいよ~。さすが彼方くんだね!」

 

そんな褒められると照れるな~。

まあでも選んだ服が気に入ってもらって良かった~。

僕そういうセンスあるかわからないんだよね~。

 

そうこう話してる内にジュンの家の前に着いた。

 

ジュン「今日はありがとね~!すっごい楽しかったよ!」

 

彼方「僕も楽しかったよ~。また空いてる日にでもデートしよっか。」

 

ジュン「うん!今度はプリクラ撮りたいね!」

 

プリクラか~、っ!!///

ヤバいあの時のこと思い出した。

ジュンも思い出したのか顔真っ赤にしてる。

うん、可愛い。なんか抱きしめたい。。。

 

そう思うと僕はジュンを抱きしめ、キスをする。

いきなりのことにジュンは驚く。

可愛い。驚いてるジュン可愛いな~。

ヤバいな、語彙力が急激に低下してる。

 

彼方「ハハッ、前はジュンからしてくれた今度は僕からね~。」

 

ジュン「っ///もう!いきなりはびっくりするからやめてよ!///」

 

彼方「じゃあ言ってからだといいの?」

 

ジュン「///それは...うん...。//」

 

ヤバい可愛すぎる。

僕は我慢できず、またキスをする。

ジュンは驚くも、今度はジュンからも求めてくる。

それから数分間キスをしていた。

 

彼方「はぁ...なんか、いいね。こういうの。」

 

ジュン「そうだね///また、してね?」

 

彼方「もちろんだよ~。じゃあね?」

 

そう言って僕はジュンの頭を撫でる。

 

ジュン「うん!またね!」

 

そう言ってジュンは家の中に入っていった。

 

いやーなんか幸せだな~って思える時間だったな。

次もこんな感じでデートしたいな~。。。

 

 

 

 

to be continued...

 









イチャイチャ回なおまけ。。。
ちゃんとできたかな?


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王・様・改・心

すんごいギリギリに出来た。。。


ー彼方sideー

 

 

フォーゼは掴みかかった大文字と共にハウンドの攻撃に命中する。

それによって軌道が大きく変わり、木へと落ちていった。

大文字は木の枝にもたれ掛かり気を失ったようだ。

フォーゼは何とか着地できたが、大文字の行動に憤慨している。

 

彼方「とりあえず今はハウンドだよ!これを使いな!」

 

僕はそう言いシザーススイッチをフォーゼに投げる。

フォーゼはそれを掴みドライバーに装填してオンにする。

 

『Scisseors! ON』

 

音声と共に左腕に大きなハサミのモジュールが装着される。

 

ハウンドは鎖を使ってフォーゼを縛るも、シザースによって鎖は簡単に切られる。

フォーゼはハウンドに走っていきシザースで攻撃していく。

ハウンドは手も足も出ない状況だったが、そこにサソリちゃんが乱入しフォーゼに攻撃する。

相変わらず綺麗な足技でフォーゼを翻弄する。

 

そしてある程度フォーゼを突き放したところで、腕から針を乱射する。

フォーゼの周りに着弾し、辺りは土煙で覆われる。

煙が晴れるとそこにはハウンドもサソリちゃんも居なかった。

 

ユウキ「あー逃げられちゃった!スコーピオンを追っ払わないとハウンドも倒せないよー!」

 

 

確かにサソリちゃんがハウンドを守ってる限りはフォーゼ一人だと厳しいだろう。

まあとりあえず学校に戻るか。

そう思い僕らは学校に戻った。

 

 

 

 

リーゼントくんたちは補習に戻り、僕とJKはラビットハッチに戻った。

そして今はサソリちゃん対策について話している。

 

JK「蠍座のゾディアーツか...。また出てきたら、今度こそ弦太朗さんヤバいっすよね?」

 

美羽「パワーダイザーがちゃんと使えれば...。」

 

JK「ま、とりあえず俺はネタ探しに行ってきますわ、部長。」

 

JKはそう言いラビットハッチを出ていった。

それにしてもパワーダイザーか~。

僕は一応使えるっちゃ使えるが、戦った後の疲労が半端ない。

それこそ前見たいに一人じゃ歩けない程に。

 

彼方「正直あれはスタミナがバカいるからね~。」

 

美羽「そんなにキツイの?」

 

彼方「ここだけの話、ゾディアーツ態で戦った後よりもキツイ。」

 

美羽「嘘...。それじゃあ手の打ちようが無いじゃない。」

 

彼方「最終手段で僕がオピュクスになって一緒に戦うって手があるけど、それをすると僕が裏切り者だってなっちゃうからね~。。。」

 

美羽「あなたはどちら側なの?」

 

美羽は真剣な顔で僕に聞いてきた。

 

彼方「天秤って感じかな~。どちらにも傾く。言ったら一番危険な存在ってところかな。」

 

美羽「そう。。。でも、私はあなたがどんな選択をしようと裏切ったりはしないわ。」

 

彼方「...ありがと。」

 

僕はそう言い美羽の頭を撫でた。

ほんとそう言ってくれるのはありがたい。

ちょっとは重荷が軽くなった感じがする。

 

彼方「とりあえずはまたハウンドが出たときにサソリちゃんも一緒に出てこないことを祈るしかないね。」

 

美羽「そうね。。。」

 

僕らはどうするか考え込む。

と、そこにモニターが着信音が鳴る。

僕らは急いでモニターの前に行き、モニターを見るとそこにはハウンドが現れた位置が映っていた。

僕はラボから歌星に連絡する。

 

彼方「またハウンドが出た。今度は東出口の店だ。」

 

賢吾「分かった。俺がダイザーでフォローする!」

 

歌星との連絡を終えた僕はすぐさま現場に向かいにラビットハッチを出る。

校舎を出たときにダイザーが僕の横を通り過ぎた。

ん?今さっき連絡したところなのにもう歌星は出たのか?

それにしてはあの荒っぽい走行。。。

そういえば、さっき歌星との通信を切ったとき美羽が居なかったよな。。。

もしかして!?

 

僕は急いでダイザーを追いかける。

途中で歌星たちと大文字と合流する。

 

彼方「歌星!ダイザーはどうした!」

 

賢吾「今向かってるところだ!だが何故か勝手に動いたようだ!」

 

彼方「くっ!早く行かないと嫌な予感がする!」

 

賢吾「おい!どういうことだ!」

 

歌星が聞いてくるが僕はそれを無視して走るスピードを速める。

どうか無事でいてくれ、美羽!

 

 

 

 

僕が現場に着いた頃にはハウンドの姿はなく、フォーゼと倒れているダイザーだけしかいなかった。

って倒れているだと!?

よく聞くとダイザーから警告音が聞こえる。

もしかして相当なダメージを受けたんじゃ。

 

弦太朗「すまねえ賢吾。せっかく無理して助けてくれたのに。」

 

変身を解除したリーゼントくんはダイザーに向けて謝罪する。

だがその謝罪は無意味だ。

 

彼方「ダイザーの中に居るのは歌星じゃない!美羽だ!」

 

弦太朗「おぉ彼方...って、えっ!?美羽が!?」

 

僕はダイザーに駆け付けコックピットを開けさせる。

中から汗だくで疲労困憊の美羽が出てきた。

僕は倒れそうな美羽を抱きかかえ地面に降りる。

それと同時に歌星たちが着いたようだ。

 

美羽「...悪いわね賢吾くん。少なくとも君よりは体力あるかなって思ったんだけど..、無理だったみたい。」

 

彼方「なんでこんな無茶をしたんだ!」

 

美羽「ごめんね彼方。少しは力になりたかったの。。。」

 

美羽はそう言うと気を失った。

どこかやるせない気持ちがこみ上げてくる。。。

僕がもっと早く来れたら。

いや、その前に美羽を止めれてればよかった。。。

 

考えたら考える程後悔しか出てこない。

とりあえずは美羽を安静にさせないと。

 

 

 

 

僕らはとりあえず美羽を保健室で寝かせた。

予め保健室の先生に美羽のことを言っておいたら快く了承してくれた。

もちろんダイザーのことは言ってないが。

 

隼「美羽が誰かの為にあんなに懸命になるのなんか見たことない。」

 

弦太朗「ずっと付き合ってたんだろ。お前ら。」

 

彼方「もっとも、本気で付き合ってたんかは知らないけどな。」

 

保健室は静寂に包まれる。

美羽がもたらす影響は大きいようだ。

 

と、そこにクイーンフェスの時の候補潰しに合った女子がやってきた。

確か名前は...、広田玲子だっけ?

彼女が大文字に向けてハートが半分に欠けたストラップをかざす。

あれって、美羽と付き合ってた頃に付けてたやつだよな?

もしかしてコイツ、乗り換えたのか?

 

玲子「さっき見ちゃったし。そこのトラッシュたちと掃除させられてる、学園のキングの姿。」

 

その言葉に大文字は驚く。

どうやら見られてないと思ってたようだ。

まあ外に居るんなら見られる可能性は大だろうな。

 

玲子「サ・ヨ・ナ・ラ。」

 

そう言って広田はストラップを大文字に投げつけ保健室を去る。

どうやら今までのツケが回ってきたようだな。

 

保健室はまたしても静寂に包まれた。。。

 

彼方「とりあえず君らは早く補習に戻りな。美羽は僕が看てるから。」

 

隼「だが...。」

 

彼方「いいから早く行け。早く補習を終わらしてくんないと仮面ライダー部に支障を来す。それに、お前が今更どの面して美羽の前に立つって言うんだ?」

 

隼「くっ。。。」

 

大文字は保健室から出ていった。

美羽は僕が守ると決めたんだ。

だから誰にも邪魔はさせない。

 

彼方「君たちも早く行ったら?またハウンドが出たらJKを餌にして何とかするから。」

 

弦太朗「おう。早く終わらせてやるぜ!」

 

賢吾「あぁ。頼んだぞ。」

 

ユウキ「なんかJKが可哀そうになってきた気がする。。。」

 

城島よ、そこはツッコんではいけない。

そういう大人な事情があるんだ(ないです)。

彼らも補習へと戻っていった。

 

 

さてと...。

とりあえず保健室の鍵を閉めてっと。

窓のカーテンも閉めて~、誰かが来ないかチェックして~。

よしっ。誰もいないね。

 

僕はポケットからスイッチを取り出しオピュクスに変身する。

 

虚空から一つの瓶を出す。

その中には丸薬が入っている。

もちろんオレが作ったやつだ。

 

それを美羽に飲ませる。

すると美羽の身体に流れてた汗は引いていき、呼吸も整っていく。

オレが飲ませた薬は風邪薬みたいなものだ。

即効性で飲んだらすぐに効いてくるやつだ。

それぐらいの効能の薬は簡単にできるから、いつも大量に作ってこうやって瓶に入れて持っている。

必要に応じて薬を取り出し直ぐに効くからオレも重宝している。

 

美羽「ん...、ここ、は...?」

 

と考えているうちに美羽が目を覚ます。

オレはスイッチを取り出し変身を解除する。

 

彼方「目が覚めた?ここは保健室だよ。」

 

美羽「彼方...、ここまで運んでくれたの?」

 

彼方「もちろん、お姫様抱っこでね。」

 

美羽「っ///それは、恥ずかしいわ///」

 

彼方「まあそれは置いといて...、次からはあんな無茶をしたらダメだよ?」

 

美羽「...ごめんなさい。私はちゃんとライダー部として、皆の役に立ってるか不安になって...。」

 

彼方「大丈夫。美羽の存在が、僕たちを支えてくれてるんだから。さっきだってほんとお通夜みたいな雰囲気になってたんだよ?」

 

美羽「それは大げさじゃない?そこまで心配されるとは思わないわよ。」

 

彼方「大げさじゃないよ。それほど美羽の存在が皆を支えてくれてたんだから。クイーンらしくドカッと座って指示してたらいいんだよ。」

 

そう言い僕は頭を撫でる。

美羽に倒れられると部の雰囲気が一気に悪くなっちゃうんだから。

それにいつも的確な指示を出したりしてるんだし。

ちゃんと皆の役に立ってんだから。

 

彼方「とりあえず今は寝てなよ。今度ハウンドが出たら一発殴ってやる。。。」

 

美羽「それであなたが怪我したらダメじゃない。それこそ部の雰囲気はどん底になっちゃうわよ。」

 

彼方「そんなになっちゃうかな~?まあそんぐらい信頼してくれてるってことかな?」

 

美羽「フフッ、そういうことよ。とにかく、後は頼んだわよ?」

 

彼方「任せてよ。僕が一発殴り飛ばしてやるからさ。」

 

美羽「それが出来たらフォーゼはいらないんじゃない?」

 

彼方「それを言っちゃおしまいよ?」

 

そう言い僕たちは笑った。

そして僕は保健室を出て、情報集めしてるJKと合流することにした。

 

 

 

 

JKと合流した僕はとある教室に向かう。

そこにはリーゼントくんたちが居た。

ん?なんでアメフトの格好してんの?ライダー部からアメフト部に転向するの?

佐竹先生も居てどうやら今からテストをするみたいだ。

 

佐竹「さあテストの時間だ。何か言い残すことはあるか?」

 

そこにJKが入っていく。

 

JK「ちょい待ち~。問題児用の追試を受けなきゃいけない生徒がもう一人いるっすよ?」

 

ん?どゆことだ?

そもそもなんでJKがここに来たんだ?

まさか...、やっぱり天高生だったのか。

まあスイッチを持ってる時点で天高生なのはわかってた話だけど。

 

佐竹「どういうことだ。」

 

JK「天ノ川学園一年生、佐竹輝彦。」

 

彼方「ん?佐竹って...まっさか~?あんたの息子さんが超不良生徒だなんてことあるはずないですよね~、先生?」

 

JK「とりあえず俺と一緒に来てもらうっすよ?皆さんもー。」

 

僕たちはJKの言う通りにした。

JKが向かった先は玄関だった。

 

そこに居たのはいたって普通の生徒だった。

いや?なんかどっかで見た気が...。

僕はラプラスの瞳を使って彼を見てみる。

するとそこに映ったのは猟犬座だった。

ってことは彼があのハウンド!?見た目全然違うじゃん!

 

JK「コイツ、仮面優等生って奴です。私生活ではヤンキー趣味。学校と私生活が、真逆だったんですよ。」

 

弦太朗「アンタの息子自体が、バットボーイだったのか。」

 

佐竹「だから私は不良が大っ嫌いなんだ。」

 

輝彦「オレは親父の人形じゃない。」

 

そう言い自分の鞄の中から鎖を出す。

親父の人形ね~...、僕にはそんなの分からないな~。

だってそんなことされる前に死んじゃったんだもん。。。

 

佐竹「輝彦、お前!」

 

輝彦「親父!アンタの鎖を引きちぎる時が来たようだぜ。」

 

そう言いスイッチを取り出す。

 

輝彦「片っ端からこの力で狩ってやるんだ!」

 

『LAST ONE』

 

彼のスイッチはラストワンを迎えたようだ。

彼は歌星の制止を聞かずにスイッチを押す。

より一層強いモヤと共にゾディアーツ態と肉体が分離する。

 

ハウンドとなった彼は建物を壊しながら出ていく。

先生は肉体が離れたことに驚きながらも必死に呼びかける。

 

弦太朗「任せてくれ佐竹先生!あんた風に言えば、俺たちが輝彦を白く洗い流してみせる!」

 

佐竹「如月...。」

 

リーゼントくんは頷き、ハウンドを追っていく。

それに続いて大文字も追っていく。

何か思うとこがあったのかな~?

...もし大文字がダイザーを使えば...、ワンチャンあるかもだね~。

 

 

 

 

僕たちはフォーゼたちが戦ってるとこに駆け付けた。

フォーゼが果敢に攻撃するが、なんか固そうな音がする。

 

賢吾「ラストワンのパワーが暴走して、装甲が極限まで向上している!」

 

その通りのようで、ハウンドの方には全然ダメージがいってないようだ。

 

フォーゼは一旦離脱し、エレキで対抗するようだ。

エレキステイツに変身したフォーゼはホバリングしながらロッドで攻撃していく。

どうやらエレキのパワーは効くようだ。

 

だがそこにサソリちゃんが乱入してくる。

足技でフォーゼを翻弄していく。

これじゃ前と同じになる。

そう思った歌星はダイザーを呼び寄せる。

 

賢吾「もう俺はどうなってもいい...。ダイザーしかない!」

 

そう言う歌星を僕は止める。

 

彼方「どうなってもいいとか言うんじゃないよ?君のことを必要とする人間が目の前にいるんだ。そう簡単に命を捨てるようなことを言うんじゃない。」

 

隼「そうだぞ歌星。保健室の常連やチアリーダーには重すぎる道具だ。運動部のお手本を見ろ!」

 

いつの間にか来ていた大文字が歌星を説得する。

それを受けた歌星はダイザーを搭乗待機状態にし、大文字に託す。

大文字はダイザーに乗り、アメフトの構えを取る。

 

隼「うぉぉぉぉおおおおおおおお!!!」

 

咆哮と共に一気に走っていく。

ダイザーであのスピードは中々出せない。

やっぱアメフト部主将なだけあるな~。

 

それにしても向こうで構え取ってるサソリちゃん綺麗だな~。

あのモデル歩きは様になってるわ~。

...ってもたもたしてたらハウンドの奴殴る機会失くすじゃん!

 

僕は歌星たちがダイザーに夢中になってる隙に離れ、変身する。

 

変身したオレはダイザーに吹っ飛ばされたサソリちゃん達の下へワープする。

突然現れたオレに場は騒然とする。

 

フォーゼ「お前は!あの薬野郎!なんでここに来たんだ!」

 

オピュクス「ちょっと用事があってな。なーに、すぐ済むさ。」

 

そう言ってオレはハウンドに近づく。

ハウンドは一体何が起こってるかわからない様子。

だがオレが同じゾディアーツと分かって安心している。

 

オレはそんなヤツの首を掴み思いっきり殴る。

コズミックエナジーを詰め込んだパンチだったからか地面にのめりこんだ。

 

一同『えっ!!!』

 

突然の行動に全員驚く。

 

ハウンド「っ、何しやがるんだ!」

 

オピュクス「あ?んなのオレの女に手を出したからに決まってんだろ。これを殴らずにどうすんだ。」

 

スコーピオン「まさか、あのクイーンのこと...。」

 

フォーゼ「女?お前の知り合いがそいつにやられたのか?」

 

オピュクス「あぁ。倒れるまでやりやがってなぁ。一発殴ってやんないと気が済まないだろ?」

 

フォーゼ「おう!大事なダチやられたらそんぐらいしてやらないとな!」

 

オピュクス「ハハッ!ダチじゃねえけどな。とりあえず帰るぞ、サソリちゃん。」

 

スコーピオン「なんで!私はまだ彼を。」

 

オピュクス「何も言わせねえ。さっさと行くぞ。」

 

オレはそう言いサソリちゃんを連れてワープする。

もちろんフォーゼたちのことを見れるぐらいの距離のとこだけど。

そしてオレとサソリちゃんは変身を解除する。

 

紗理奈「なんで彼のこと殴ったのよ。」

 

彼方「美羽がやられた。それだけだよ。」

 

紗理奈「っ...、なら、仕方ない、のよね...。」

 

なんかすんごい不機嫌だな~。

まさか?

 

彼方「嫉妬しちゃったの~?僕に大事にされてる美羽に~?」

 

紗理奈「なっ!///別に、そんなんじゃないわよ!///」

 

彼方「も~、素直じゃないんだから~。うりうり~。」

 

そう言って僕は紗理奈ちゃんの頭を雑目に撫でる。

顔を真っ赤にしてる紗理奈ちゃんが可愛すぎる。

紗理奈ちゃんも顔を真っ赤にしていやいやって言ってるけど満更じゃないようだし。

 

しばらく紗理奈ちゃんで遊んでると爆発音が聞こえた。

僕達は音がした方を見るとどうやらフォーゼがトドメを刺したようだ。

 

彼方「やっぱハウンドもダメだったね〜。」

 

紗理奈「まぁ仕方ないわよ。あれはフォーゼの新しい姿の性能を試す捨て駒みたいなものなのだから。」

 

うっわ平気で捨て駒って言っちゃってるよ。

まぁそうじゃなきゃあんなに長引かせるわけないよね〜。

それに価値が無きゃ僕に着いてくるわけないしね。

 

彼方「まぁ犬っころにはこれで充分でしょ。これで大体どれぐらいのパワーがあるか分かっただろうし。それにしても大文字のあの力はパないね〜。もしライダー部に入ったら大きな戦力になるかもだね。」

 

紗理奈「ライダー部の戦力増強になっちゃったのね。まあそれでも私にはまだ敵わないみたいだけど。」

 

彼方「そう簡単にホロスコープスを倒されたら面目丸つぶれだよ~。まあ、そのうち倒しそうな予感はするけどね。」

 

紗理奈「まあ期待しておきましょ。そう言えばあの子があなたに会いたがってたわよ?」

 

彼方「あの子って?」

 

誰だろ?子ってことは女子なんだろうけど。。。

 

紗理奈「夜に学校の屋上で待ってるですって。あなたあんなゴスにも慕われてるのね~。」

 

彼方「ゴス?あ~魔女先輩か~。それにしてもなんで紗理奈ちゃんに伝えたんだろ?」

 

紗理奈「そこは女の秘密よ♪」

 

うん、可愛い。

とりあえずいい加減戻らないと怪しまれそうだから戻ることにした。

紗理奈ちゃんも叔父さんへの報告があるようだから丁度良かった。

 

 

 

 

合流した僕らはラビットハッチに戻っていった。

佐竹先生もあの不良に対する執念は消えたようだった。

これからはちゃんとした厳しい先生になるだろうね~。

 

そして今は月面に出てる大文字と美羽の会話を歌星と一緒にラボで聞いていた。

 

隼『二人で月に...信じられないな。』

 

彼方「なに黄昏てんだろうね~。」

 

賢吾「君は水を差すようなことしか言わないのか?」

 

彼方「ちょっと~、そんな酷いことしてないでしょ~。それなら歌星の方がしてるよ?いつもそんな部はないって言ってるし。」

 

賢吾「事実を言ってるだけだ!」

 

どうだかね~。その割にはちゃんと部活やってる癖に~。

そう思いながら僕は片手に持ってたオレンジジュースを飲んだ。

もちろんこれは約束してたJKの奢りだ。

 

隼『なあ美羽、もう一度付き合わないか?』

 

それを聞いた瞬間、僕は飲んでたジュースを吹き出した。

 

賢吾「ちょっ!お前!いきなりなにしてるんだ!」

 

彼方「だって!しょうがないだろ!だって!!」

 

賢吾「理由になってない!」

 

美羽『む~り~。ムードで私は落とせないわよ?それに、私彼方と付き合ってるし。』

 

隼『え?』

 

賢吾「は?」

 

JK「え、マジ?」

 

ユウキ「嘘!?」

 

弦太朗「おお!マジか!」

 

彼方「なんでバラしちゃったの!?ねえ!?」

 

美羽『だって本当のことなんだもん。』

 

隼『おい彼方!いつから付き合ってたんだ!?』

 

JK「詳しく教えてくださいよ~、先輩!」

 

彼方「あーやかましい!フェスの時からだよ!これで文句無いだろ!!」

 

賢吾「フェスの時...、吊り橋効果というやつか。」

 

彼方「なんでそんなロマンないこと言っちゃうの!?てかそんなんじゃないし!あれは...、恥ずかしい///」

 

美羽『ちょっと///もう///』

 

隼「何をしたんだ!?え!?一体何があったんだ!?』

 

JK「先輩の照れ顔ゲット~。これでしばらくは金困んねえわ。」

 

彼方「おいコラJK!何勝手に写真撮ってんだゴラ!今すぐ消しやがれ!!!」

 

そう言って僕は逃げるJKを追いかける。

そこに月面から帰ってきた大文字が加わってくる。

てかお前のタックルはシャレになんないから辞めて!?

 

賢吾「お前らいい加減しろ!!!」

 

歌星が鬼の形相で僕たちを追ってくる。

結局僕らは三人揃って歌星に説教食らった。

理不尽だ。。。

 

 

 

 

ーおまけー

 

ー夜の校舎、屋上ー

 

僕は紗理奈ちゃんに言われた通りに屋上にやってきた。

そこで待ってたのは、ゴス前回の衣装を着た魔女先輩だった。

すんごい似合ってるね~その衣装。やっぱにじみ出てるものがあるのかな?

 

彼方「どうしたの魔女先輩~。わざわざこんな時間に呼んで~。」

 

律子「どうやら来たようだね。アンタが私と同類の力持ってるって聞いたよ?」

 

彼方「ふーん...。それってサソリちゃんにかな?」

 

律子「さすがだね。それを知ってある提案をしたいんだよ。」

 

彼方「提案?」

 

一体なんだろ?

ゾディアーツであるのは分かったけど、それを利用して一体何するつもりなんだろ?

 

律子「私たちの復讐に協力しておくれ?」

 

彼方「復讐?一体誰に?」

 

律子「この学校にさ。」

 

は?

 

彼方「何があってそう思ったのかは知らないけど、天高を潰そうとか考えてるんだったら辞めなよ?僕、どうなっちゃうかわかんないからさ。」

 

律子「アンタがなんでそんなに学校にこだわるのか知らないけど、これは私たちの望みなのさ。」

 

彼方「どうしてそう願ったんだ?」

 

律子「私は昔から見える体質でねぇ、事あるごとに不可思議なことが起こると全て私のせいにされたさ。私が気持ち悪いからだとさ?それを三年間ずっと受けてきてねぇ。もう耐えられなくなったのさ?そこにこのスイッチが手に入ったんだ。だから復讐をするなら絶好の機会だと思ってね?」

 

やっぱりこの学校でもそんなのはあるのか。

いや、この学校だからこそこんなにハッキリ出てくるもんなんだろうな。

なんせヒエラルキーがハッキリしている。

その弊害で彼女が苦しんだんだろう。

 

だからといってそれとこれとは話は別だ。

確かに魔女先輩のことは面白いから好きだが、学校を壊すとか言うのなら容赦はしない。

 

彼方「それには確かに同感することはあるけどさ?だからといってそれを許しちゃうのは僕としてはどうなんだって話になっちゃうんだよね~。」

 

律子「...そうかい。アンタなら分かってくれると思ったんだけどねぇ...。もういいよ。帰りな。」

 

彼方「先輩...、誰かに話してみればいいのに。案外分かってくれる人はいるかもよ?少なくとも僕は先輩の気持ちは分かったし。過去にそーゆーの見てきたからね。でもそっか...もうちょっと早く話してくれたらよかったのに。遅すぎだよ。。。」

 

僕はやるせない気持ちになった。

また誰かを助けることができない。

しかも自分の手が届く範囲でだ。

悔しくてたまらない。

だからこそ、先輩の後始末は僕が着ける。

 

そう思いながら、僕は屋上を去っていった。。。

 

 

 

 

to be continued...

 






一言だけ言わせてください。。。






大文字編結構関わらせるの大変なんだ。。。


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魔・女・降・臨



遅れてごめんなさーーーーーーーーーい!!!!



ー校門前ー

 

ー彼方sideー

 

いつも通りの朝を迎える。

 

ってことを考えてる暇は無く。

先日魔女先輩に言われた天高破壊宣言。

正直今回はスイッチを使ってでも止めたいと思うけど、天秤野郎とかにバレると厄介なんだよな~。

とりあえずフォーゼが何とかしてくれるだろうけど。

 

どうにかできないか考えてるとリーゼントくんと城島が走ってくる。

なんか全力疾走してるけどどうしたんだろ?

あ、なんか城島が勝ったぽい。

てことは競争でもしてたのかな?

朝から元気だな~。

 

僕は芝生で転がってる二人に話しかける。

 

彼方「おっはよ~。朝っぱら元気だね~。」

 

弦太朗「よう、彼方!お前も一緒に走るか?ざっと二割はパワーが増した学園生活が送れるぞ!」

 

ユウキ「これをやると一日の入りが違うんだよね~。」

 

賢吾「朝から全力疾走しても疲れるだけだぞ。」

 

相変わらずだね~歌星は。

 

ゴスっ子「フッ...」

 

ん?あ、ゴスっ子ちゃんじゃん。

朝からなんかオーラ出してるね~。

 

弦太朗「お前!」

 

ゴスっ子「笑える。超無意味。」

 

おぉ...サラッと毒吐くね...。

なんか、逆に清々しい気がする。

いや、気のせいだろ。気のせいだよね?

 

弦太朗「いや、これは圧倒的に効果がある。俺が保証してやる。」

 

ユウキ「結構スカッとするよ!一緒にやらない?」

 

まあスイッチの入り方は人それぞれだからね~。

朝から全力ダッシュも気合を入れるっていう見方からすれば理に適ってるかもね。

まああのゴスっ子ちゃんは貧血の方がマシって言いそうだけどw

 

ゴスっ子「そんな無駄な時間は人類に課されていない。はい。」

 

そう言ってゴスっ子ちゃんは持っていた本を城島に渡す。

 

ユウキ「月世界の魔女?」

 

ゴスっ子「2021年、神の裁きが下り、世界は破滅する。」

 

弦太朗「世界が破滅!?」

 

あーそれ魔女先輩が読んでて面白そうだったから読んでみたんだよね~。

まあ内容は面白かったけどあれを現実に置き換えるのは違うよね。

てか2021年ってやけに具体的だね。そんな強大なウイルスに世界が混沌と化すわけでもないんだし。。。

あれ?なんでそんなこと思ったんだろ?わかんないな~。

 

鵜呑みにしたリーゼントくんを歌星が小突く。

そしてゴスっ子ちゃんの理論を一蹴する。

まあ確かに根暗って思われても仕方ないけど、それで腫物扱いってのは違う気がするな~。

趣味や没頭する物なんて人それぞれなんだから、それを否定するのは違うよね。

まあよっぽどのカルト教団とか戦争屋とかはまた別の話になってくるけど。

 

リーゼントくんはそれを聞いて要は友達がいないやつと言い、友達になろうと肩を掴む。

だがゴスっ子ちゃんが首にぶら下げてる瓶みたいなやつの中に入ってる蝉の抜け殻にビビってる。

いや、そこにビビってちゃオカルト趣味の子たちと友達にはなれないよ?

てか彼女らにも友達はいるからね?共通の趣味を持った友達が。

 

「フフハハハ!」

 

ゴスっ子ちゃんがリーゼントくんに怒ってると突然悪者っぽい笑い声がする。

その方を見ると魔女先輩と彼女を慕ってる二人の女子が来た。

相変わらず様になってんな~と思いながら見てる。

 

律子「笑えるねぇアンタたち。」

 

いや確かにお笑いのような行動しかしてないけど、その中に僕を入れないでほしいな~。

 

弦太朗「お前の仲間か?」

 

律子「私たちは魔女さ。」

 

弦太朗「えぇ!魔女!?っおわ!」

 

リーゼントくんは魔女と言うことに素直に驚くが、それをまたしても歌星が小突く。

 

賢吾「だから真に受けるなって。」

 

どうやらゴスっ子ちゃんは新人らしい。しかも大型ルーキー。

まるでドラフト一位っていうかのような期待されてるみたいだね~。

 

律子「逆らうと、呪うよ?」

 

おぉ~魔女先輩の定番セリフ。

あれ結構カッコいいんだよね。

まあ、今となっちゃそのセリフは現実になるんだけどね。。。

 

てかゴスっ子ちゃんはなに城島を勧誘してるの?

確かに変わり者だけど渡さないよ?

だって彼女の星がすんごい面白いんだもん。

 

ゴスっ子ちゃんは魔女先輩たちと校舎に入っていった。

その時になんか雲がどうたらか言ってたけど。。。

って急に雨降りだしたんだけど!?

嘘!?まさか天気が変わることを察知したの!?

もしかして彼女も魔女先輩と同じような体質なのかな?

 

歌星はなんか否定してるけど、案外感覚派ってのはすごいこと起こすんだよ?

直ぐ近くに居るのにな~。。。

そう思いながら僕は城島と一緒にこけてるリーゼントくんを見た。

 

 

 

 

放課後、僕はラビットハッチに向かわず三年の教室の周りを歩いていた。

朝、城島が誘われてた魔女の密会ってやつに興味があるから魔女先輩に連れてってもらおと思って探してるけどどこにいるんだろ?

紗理奈ちゃんとかにどこのクラスか聞いたら良かった。

そう思い教室を探してると一つの教室に魔女先輩がいるのを見つけた。

だけどその雰囲気はどこかよろしくない。

 

どうやら先輩のことを寄ってたかって虐めてるようだ。

まだこんなことしてるバカがいるんだね~。

そう思いながら僕は胸ポケットにケータイを録画状態にして入れ教室に入っていく。

 

彼方「な~にやってるんですか~?寄ってたかって一人の女子を虐めてるみたいに見えたんですけど~。」

 

モブ1「なんだ我望かよ。お前には関係ないだろ。」

 

彼方「関係ないだろうけどだからってこんな綺麗な女子を虐めるようなイタイヤツらを見過ごすわけないでしょ~。馬鹿なんですか~先輩?」

 

モブ2「うっせんだよ!さっさとどっか行けよ!」

 

そう言い男子が僕に向かって殴りかかってくる。

僕はそれを合気道の要領で綺麗に投げてやった。

だが他の男子が構わずまとまって僕に殴りかかってくる。

 

...ちょっと本気を出そうかな?

 

僕は教室にある机の上に腕の力で登り、ウインドミルの要領で野郎どもの顔面を蹴り上げていく。

よくよく見たらそのほとんどがアメフト部だったからさらに追い打ちで倒れた野郎どもを勢い良く踏んでいった。

ほとんどがゲロを吐き、戦闘不能となっている。

残っていた奴らはその様を見てビクビクと怯えていた。

 

彼方「ふぅ~、こんなんになりたくなかったらいじめは辞めようね?」

 

僕はとびっきりの笑顔で教室中に聞こえるように言った。

誰も動けない今の内に僕は魔女先輩の腕を取って屋上へと行った。

 

彼方「ふぅ~、ここまで来たらとりまどうにかなるかな?」

 

律子「はぁ、はぁ、なんでいきなりあんなことしたのさ。てかなんで教室に来たのさ?」

 

彼方「魔女の密会ってやつに連れてってもらおと思って先輩探してたらあんなとこ見ちゃったから。ついついやっちゃった。」

 

律子「アンタには関係なかっただろ?」

 

彼方「関係無いからってあんなの見逃せるわけないでしょうに。それに、先輩があんなことされてたんだから怒るのも無理ないでしょ。」

 

律子「アンタ...お人好しが過ぎるよ。」

 

彼方「そーゆー先輩こそ、僕の心配しちゃってさ。先輩の方こそお人好しなんじゃないの?」

 

律子「べ、別にアンタのこと心配してるわけじゃないさ!そ、それに、アンタだからこそ心配するんだよ。。。」

 

うぐっ!照れてる先輩が可愛い。。。

ヤバい、またなんか目覚めそうな感じがする。

僕ってどんだけ惚れっぽいんだ!?もう何人も侍らせちゃってるんだよ!?どんだけ増えるんだよ!?

 

彼方「とにかく、またあんなことされたら僕に相談してよ?次やった奴はメッタメタのギッタギタにしてやるからさ。」

 

律子「フハハハ、アンタはやっぱ面白いね。流石私のお気に入りだよ。」

 

あらやだ僕ちゃん先輩のお気に入りなんだ。なんか嬉しいかも〜。

ま、先輩が元気になったようで良かった〜。

それにしても、ほんと次やったやつはマジで地獄見せてやろ...。

 

律子「そういやアンタ、私たちの密会に参加したかったんだったね?いいよ、特別に許可してあげる。着いてきな。」

 

彼方「マシ?やった〜!先輩たちがどんなことしてんのか気になってたんだ〜。」

 

律子「ハハハ、アンタも変わりもんだよ。私たちのことを気になるだなんて。」

 

彼方「そうかな〜?別に普通じゃないの?こーゆーオカルト系って結構興味あったしね〜。」

 

律子「普通、ねぇ...。」

 

ん?どうしたんだろ?

 

律子「私が普通なんて言われるとは思わなかっただけさ。なんせこんな格好をして気持ち悪い物が見えるんだからねぇ。」

 

彼方「気持ち悪いね~...。そんなこと言ったらバケモンに変身する僕も気持ち悪いね~。」

 

律子「っ!」

 

彼方「ハハッ。結局他人がどう言おうと本人とその周りが分かってくれてればいいんだと思うよ?少なくとも僕は先輩のことをあざ笑おうとは思わないけどね。」

 

律子「...そうかい。やっぱりアンタには私と一緒にアレをやって欲しかったけどねぇ。」

 

彼方「学校を壊すってやつ?...アレだけは何としてでも止めるよ。僕もそうだし、叔父さんの望みでもあるんだ。壊させはしない。」

 

絶対にね。。。

 

律子「そうかい。ともかく、アンタを今から魔女の密会に連れてってやるよ。そろそろ行かないと遅れるからねぇ。」

 

彼方「おぉ~待ってました~。楽しみだな~♪」

 

僕たちはとある教室へと向かった。

 

 

 

 

僕たちが教室に着いた時には全員揃っていた。

てかリーゼントくんと歌星も来たんだね〜。多分城島とリーゼントくんがゴリ押したんだろうけど。

 

弦太朗「よう彼方!お前も魔女の密会ってやつに興味があったのか?」

 

彼方「うん、魔女の密会って響きが面白そうじゃん?だから魔女先輩に言って連れてきてもらったんだ〜。」

 

弦太朗「そうか!俺も面白そうだからユウキについて行ったんだ!」

 

律子「アンタたち煩いよ。そろそろ始めるから静かにしな。」

 

彼方、弦太朗「「は、はい...。」」

 

魔女先輩の迫力が凄い...。

 

 

そうして始まった魔女の密会。

城島を入れた五人が円を作り、呪文を唱えている。

正直これで何が起こるんだろうと思っている。

体内に循環する魔力がどうたらこうたらとかなのかな?

それとも魔術回路を認識するため〜とかかな?

僕やっぱ一回投影魔術使ってみたいんだよね〜。だって金ピカ王の宝具はワープ使えばバビれるしさ〜。

リブラの幻術を上手く使えばいけそうな気がするんだけどな〜。

今度あの人に稽古つけてもらおっと。

 

そう思ってる内に儀式は進んでいった。

どうやら城島に魅力的になれる魔法をかけるようだ。

魔女先輩が城島に青い粉を掛ける。

城島はそれを真に受け僕たちに向かってモデルポーズをする。

だけど特に変わった様子はない。

なのにリーゼントくんは純粋なのか魅力的になったとか言ってる。

 

賢吾「こんなにお香を焚いたら、息苦しいのも当然だ。」

 

彼方「ド正論は辞めよっか。流石にそれはロマンが無いよ。。。」

 

ユウキ「えぇ...、こんなこと言ってますけど。」

 

慌ててる城島を他所に歌星は僕たちに小声で話かける。

 

賢吾「そろそろ帰ろう。...折角二十番までのスイッチがロールアウトしたんだ。時間の無駄だ。」

 

弦太朗「待てって。まだ友子の胸の内を聞いてねぇ。」

 

二十番までのスイッチが出来たんだ~。

多分だけど、No.20のスイッチもエレキと同じでステイツ変化を起こすスイッチな気がするんだけど。。。

 

律子「そこの二人!アンタたちの所為でちっとも力が高まらない。彼女も冴えない女のままじゃないか。」

 

ユウキ「えっ!私、冴えない女なんだ。。。」

 

おぉ...、サラッと城島を傷つけたよこの人。

てかなんで力が出ないんだろうね~。

もしかしてスイッチが邪魔してたり?なんてね~。

 

そう考えてるとゴスっ子ちゃんがいきなりリーゼントくんに近づき、何かが邪魔していると言いリーゼントくんの学ランを手当たり次第に漁る。

ポケットからたくさん出てくるスイッチ達。だがどれも違うという。

もしかしてコズミックエナジーのパワーを感じることができるのか?

だとしたらとんでもない逸材だぞこりゃ。

 

ゴスっ子ちゃんはポケットから一つのスイッチを取り、それが邪魔しているという。

そのスイッチには20と書かれていた。

ということは...。

 

賢吾「二十番を選んだ...だと...。」

 

歌星もどうやら気づいたらしい。

やはりステイツ変化をもたらすスイッチに反応したということは彼女の感覚はかなりすごいものだ。

もしかしたら紗理奈ちゃんも狙ってるかもしれない。

 

結局リーゼントくんと歌星の二人は魔女先輩に追い出された。

てか僕は居ていいの?

 

彼方「え、僕は居てもいいの?」

 

律子「アンタは何も気にしないでいいのさ。それにアンタにはアイツらとは違うものがあるみたいだしねぇ。」

 

おいおいもしかして僕のことばらすわけじゃないよね?

先輩はどうやら僕のことをからかって面白がってるし。

絶対仕返ししてやる。。。

 

 

その間城島はずっと自分が美しくなれると信じて何度も美しさカモーンとか言ってる。

正直そこまでしてまで欲しいものなのかと思ってしまう僕ガイル。

 

そこにゴスっ子ちゃんが城島に近づき呪文を唱える。

すると首に付けていた魔法陣か何かが描かれた首飾りが光り、城島に変化が起こる。

なんと城島がちょっとギャルギャルしてたのだ。

うっそぉ。。。なんでそんな変わるの?

 

だがそれも一瞬の出来事だった。

それでも一瞬だけ城島を美人(?)に出来たんだ、何か引っかかる気がするが。。。

 

律子「フハハハハ!じゃあ、極めつけを見学させてやろうよ。訓練じゃなくて、実践をね?ゆり。」

 

先輩は意味深な言葉を言い、倉持に問いかける。

それに対し倉持は笑う。

一体何するんだろ?

 

 

 

 

先輩に連れて来られた場所は水泳部が使ってるプールだった。

どうやらここで何かをやるらしい。

 

水泳部の部員が先輩たちに対して差別的な発言をしている。

どうやら倉持は以前、水泳部だったらしいが部員たちからの虐めで退部したらしい。

ほんとこーゆーとこは腐ってるよな~陽キャ連中って。

この学校の陽キャは特にその傾向が多い。

実際アメフト部を筆頭に様々な部活でそんなことが行われてる。

オリオンだった三浦もその一人だ。

まあ彼に関しては大文字も嫌々やったということもあるが。

 

それにしてもこいつら平気でそんなこと言うとはな。

すると倉持が先輩に何かの許可をもらう。

一体何を?先輩たちは離れていくが。。。

まさか!?だとしたら...ここにいる全員が危ない!?

 

倉持は呪文を唱えだした。

 

彼方「全員今すぐここから逃げろ!!!」

 

僕はすぐさま全力で叫び、プールに居る全員に聞こえるように言う。

だが僕の言葉に誰一人耳を傾けない。

すると掃除用具が勝手に動き、さっき倉持に対してクズな発言をしてた二人に当たる。

まるでポルターガイストのような現象が起こる。

 

ゆり「私の恨み、思い知れ!!」

 

倉持はそう言い腕を掲げる。

それと同時にプールに複数の竜巻が起こる。

その竜巻に巻き込まれプールにいた生徒たちが打ち上げられる。

僕はすぐさま打ち上げられた生徒たちに駆け寄り、避難するように言う。

 

倉持は勢いを止めず、徐々にこっちに近づいてくる。

するとその後ろにリーゼントくんと歌星が現れる。

どうやら追い出された後にこっそりついてきたらしい。

 

リーゼントくんはこの現象に驚いているみたいだが、歌星がドライバーをリーゼントくんの腰に装着させる。

まさかここで変身するの!?でもなんで?

よくわからないがリーゼントくんはそのままフォーゼに変身した。

 

倉持はフォーゼに気づき、水をフォーゼにぶつける。

フォーゼは勢いのある水に手も足も出ない。

とそこでスイッチを変えたみたいだ。

腕にフォーゼのマスクを模したシールドのモジュールが装着される。

それで水を防いだフォーゼは今度は左足にガトリングガンのモジュールを装着する。

そしてガトリングを起動させ、モジュールから銃弾が放たれる。

 

おいおい!いくらなんでも生身の人間にそれは危険すぎるだろ!?

僕はガトリングの弾が迫ってる倉持を押し倒す。

すると直後に僕らの頭上を銃弾が通り過ぎていく。

 

彼方「バカ!いくらなんでも生身の人間に銃を撃つやつがいるか!」

 

フォーゼ「すまねえ!危うくやっちまうとこだった!」

 

フォーゼは慌ててガトリングをオフにする。

全く、アイツはバカなのかちゃんと考えているのかよくわからない。

 

フォーゼは歌星にどうするべきか聞く。

歌星はバーガーちゃんに装填されてるカメラスイッチを使うよう言う。

カメラ?一体何を撮ろうと思ってんだろ?

フォーゼは言われた通りにシールドスイッチを抜き、カメラスイッチを装填しオンにする。

 

『Camera! ON』

 

音声と共に左腕に大きいテレビカメラ型のモジュールが装着される。

どうやらバーガーちゃんより高性能なカメラでより精密な情報の分析画像を記録できるみたいだ。

フォーゼは倉持にカメラを向け映像を撮る。

 

倉持はフォーゼに向かって水をぶつけていく。

次第にその勢いは増していき、フォーゼも勢いに耐えきれず倒れてしまう。

と思ったら倉持が水に包まれていく。

まさか逃げる気か?そうはさせないよ~。

 

僕は倉持を包んだ水の中に飛び込んでいった。

どうやら転移前のようで倉持がまだそこにいた。

 

ゆり「っ!なんでここにいるの!早く出て行って!」

 

彼方「絶対出ていくもんか!ゾディアーツの正体を掴んでやるのさ!」

 

僕らは押し合っていたがどうやら転移されたようだ。

よく見るとそこはさっき居た魔女の密会で使ってた部屋だった。

 

僕は辺りを見回すと岡村の横にゾディアーツが居た。

星座からして祭壇座、アルターか。

 

アルター「おや?どうしてアンタも一緒に来れたんだい?」

 

彼方「僕が無理やり水の中に飛び込んだからね、先輩。」

 

アルター「フフハハハハ!」

 

アルターは高笑いし、スイッチを解除する。

モヤから現れたのは魔女先輩だった。

まあスイッチを持ってたのは知ってたけどね。

 

律子「アンタのその度胸は相変わらずすごいもんだねぇ。怖い物なんてないんじゃないのかい?」

 

彼方「そんなことないよ?僕にだって怖い物はあるさ~。例えば...悪意とか?」

 

それを言った瞬間、この場の空気は張り詰める。

 

彼方「知ってるでしょ?僕が大っ嫌いな人種は何かって。」

 

律子「そうだね。実際今日も私はアンタに助けられたしねぇ。」

 

彼方「そーそー。あーゆー奴らは自己中で平気で周りを傷つけるから怖くて仕方ないんだよ。大事な人たちが傷つけられないかって。だから僕はあーゆーのを片っ端から潰していってるんだけど中々消えないからね~。ほんと人間の悪意は恐ろしいよ~。」

 

律子「アンタがどういう考えでいるかは分かった。だからもう一度だけ聞くよ?私たちと一緒に、学校に復讐しないかい?」

 

彼方「生憎学校に恨みなんてものは無いからね~。それにこの学校を壊すような真似をする気なら容赦しないからね?」

 

律子「...そうかい。やっぱりアンタはこっちに付かないのね。だったらもういいよ。今度は私も容赦しないからね。」

 

彼方「...そーゆーことで捉えるよ。じゃあね。。。」

 

僕はそう言い教室を出た。

 

やっぱ先輩の目的は変わらないか。。。

こうなったらオピュクスのことがバレてでも止めるしかないな。。。

僕はそう考えながら家に帰っていった。

 

 

 

 

to be continued...




いかがだったでしょうか~。

久しぶりにあとがき書いた気がする。


いやーほんと遅れてすみません。
用事が連チャンであったり書いてたデータが消えたりと色々ありまして。
ほんとデータ消えたときはやる気が一気に失せましたね笑
それぐらい自分でも良かったと思えるものだったので。
もうあれは二度と書けないな。。。


それは置いといて。
彼方くんのゾディアーツバレはいつの方がいいのかなーとずっと考えてまして。
出来れば映画編なんかでも絡ませていきたいという思いもあってアリエスぐらいが期限的に思ってまして。
そう考えると今回の友子回でバラすのがいいのかなって思いまして。
もしかしたらそーゆー感じになるとだけ言っておきますね笑



ではでは次回もお楽しみに~。


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消・火・活・動

正直に言います。


今回終わり方が中途半端!!!


ー学校ー

 

ー彼方sideー

 

僕は次の復讐がどこで行われるのかを探っていた。

もちろん授業はあるが、そんなのに構ってる暇は無い。

なんせ昨日のプールの件でもあれぐらいのことを起こしたんだ。次の復讐だと火事とか起こす可能性もある。

それに先輩の星座が祭壇座であることもあり、火が関わってくるのは間違いないはず。

 

一応昨日僕が帰った後のことをJKから聞いた。

どうやらあの後ゴスっ子ちゃんが行きつけのオカルトショップに行き彼女と会ったみたい。

そこで彼女が言っていたこと...。

 

『これでこの星にさよなら出来る。』

 

これは相当深いものがありそうな気がする。

もし彼女が先輩の計画の鍵だとしたらとんでもないことになりかねない。

そう思い、僕は余計に次の復讐を止めなければと思った。

 

 

昨日JKが集めた情報通りだと多分岡村が向かう場所はアメフト部のはず。

そう思い僕はアメフト部の部室に駆け付けた。

 

そこではすでに岡村とアメフト部の一人が言い合い、それを大文字が止めようとしていた。

とそこに倉持とゴスっ子ちゃんが現れた。

まさか...!?

僕は急いで駆け付ける。

 

僕が走ってる間にも彼女たちは呪文を唱え始める。

そして大文字と部員が部室に飛ばされた。

その後に部室の閉まった。

まさか僕の予想が当たるわけじゃないよな!

 

だが予想通りのことになってしまう。

岡村たちがまた呪文を唱えると部室から火が出てくる。

その火はあっという間に勢いを増し、部室全体から火が出てくる。

まずい、このままだと大文字たちが焼け死ぬ。

 

僕は急いで物陰に行く。

幸いこの火事騒ぎのおかげで生徒たちは皆逃げていった。

スイッチを起動し変身する。

 

 

変身したオレは部室の中を視て、大文字たちを見つける。

どうやら部室の真ん中あたりで身を縮めている。

だがそれも持ちそうにない。

オレは大文字たちを覆うようにバリアを張る。

これで酸素不足になることはないし、二酸化炭素中毒も起こさない。

 

オレは屋根に飛んだ岡村たちを見る。

そこには先輩も居た。

 

オピュクス「これがオマエのやりたかった復讐か?」

 

雅美「アンタ誰よ!」

 

律子「ふーん、それがアンタの姿かい。」

 

そこに歌星を除いたライダー部が来る。

 

弦太朗「おぉ!薬野郎!なんでここにいんだ!まさか、これはお前の仕業なのか!」

 

オピュクス「んなわけあるかよ。そこの魔女っ子どもの仕業に決まってんだろ。男に振られた恨みで部室ごと燃やすかね、普通。」

 

オレがそう言うとライダー部は屋根に居る魔女たちを見る。

すると美羽が前に出る。

 

美羽「冗談は辞めなさいよ岡村雅美!あなたそもそも男の子にかまけてサボりまくってた幽霊部員でしょ!それが振られたから復讐だなんて自分勝手もいいとこだわ!」

 

JK「もう辞めて!正論だけど文字通り火に油注いじゃうから!」

 

ほんと美羽はズバっと言うよね。

ま、そこがいいとこでもあるんだけど。

でもJKの言う通りそれはさすがに悪手過ぎる。

 

雅美「うるさい!アンタの彼氏も一緒に燃やしてやったわよ!」

 

ん?彼氏?オレ燃やされてねえぞ?

まさか、まだ大文字と付き合ってると思ってたのか?

ハハハッ!それはさすがにツボってしまうぞ!

 

美羽「彼氏?あぁ彼方...、えっ!?まさかあの中に!?...ってあれ?でも...。」

 

雅美「はぁ!?大文字じゃないの!?」

 

美羽「隼とはフェスの時に別れたわよ。てか隼があの中に居るの!?」

 

なんかぐだってないか?

てかオレならここに居るぞ?全然火事なんて巻き込まれてないぞ?

はぁ...、仕方ない。

 

オピュクス「オマエらそんなコントする暇あるのかよ。まあ今回はオレがなんとかしてやるよ。」

 

オレはそう言い杖を取り出し部室棟の燃えてる場所と燃えてない場所を見つけ、燃えてる場所だけを結界で覆う。

そして結界内にワープで大量の消火液が入ったフラスコを投下する。

大文字たちにはバリアを張ってるから被害は行かない。

どうよ、リスク管理はちゃんとしてるぞ?

消火が終われば後はアイツらを助けるだけ。

 

オピュクス「おい男ども!ガタイのいいアメフト部が二人もこん中に居るんだ!ちょっとは手伝え!」

 

オレはそう言い閉ざされている部室の扉を強引に開ける。

その中では大文字たちが何とかなったと安心していた。

オレはバリアを解除し、リーゼントくんとJKにそれぞれ一人づつ運ばせた。

外に出たオレたちはリーゼントくんは城島と美羽に大文字を任せ、それ以外は保健室に向かった。

 

ゴスっ子「なんで!なんで私たちの邪魔をするの!あなたは怪物でしょ。」

 

オピュクス「あ?んなのこの学園が好きだからに決まってんだろ。オレが居るのに火事なんて起こさせてたまるかっての。」

 

弦太朗「おぉ、良いこと言うじゃねえか!お前とも友達にならねえとな!」

 

オピュクス「そーゆーの今いい。それよりアンタらのリーダーはどこ行った?」

 

ゴスっ子「え、そういえば、律子さんが居ない。。。」

 

一体どこに行ったんだ?

まさか他の所で火事を起こそうと思ってるのか!?

 

賢吾「如月!避けろ!」

 

弦太朗「ん?って、うぉ!」

 

いきなり現れた火の玉がリーゼントくんの方に向かってくる。

歌星が指示し、リーゼントくんは慌てて避ける。

オレは火の玉が出てきた方を見ると、そこにはアルターが居た。

 

賢吾「祭壇座、アルターゾディアーツだ。超高熱も念動力も、そいつの仕業だ。」

 

アルター「フフフ、ご明察。」

 

ゴスっ子「あの声は、律子さん?」

 

どうやらゴスっ子はアルターの正体が分かったようだな。

まあ声を一切変えてないからな。

 

歌星はアルターの能力によってゴスっ子たちがあたかも魔女のように見せていたことを言う。

それを聞きゴスっ子は絶望する。

まあ信じてた物が全部嘘っぱちって言われたんだからそりゃ凹むだろ。

だが今はアルターをどうにかすることに専念しないとだ。

 

オピュクス「早く変身しろ。コイツは待ってくれないぞ。」

 

オレはそう言いアルターに攻撃を仕掛ける。

アルターは空を飛んで火の玉をオレに打ってくる。

オレはそれを杖で打ち返す。

だが中々当たらない。

そこにフォーゼがやってきた。

 

賢吾「二十番を使え!新たなステイツの力でアルターを倒すんだ!」

 

フォーゼ「おう!」

 

フォーゼは指示に従いファイヤースイッチを装填し、オンにする。

 

『Fire! ON』

 

アルターがスイッチをオンにしたと同時に火の玉をフォーゼに打ってきた。

だがその火の玉は当たることなく、むしろフォーゼに吸収される。

フォーゼを炎が覆い、ゲートが現れる。

そのゲートがフォーゼを通るとフォーゼは真紅に染まった。

その装いはまるで消防士のようだ。

これがファイヤーステイツか。

 

だがそんなことを気にする余裕はない。

さっきからアルターがオレに向けて火炎弾をぶっ放してくる。

 

賢吾「火炎弾で対抗しろ!ヒーハックガンは点火と鎮火、両方の力がある。」

 

フォーゼ「これでアイツを撃ち落としゃいいんだな!」

 

フォーゼはファイヤーステイツのモジュールである大型銃でアルターを狙う。

アルターはそれに気づきフォーゼに火炎弾を撃っていく。

フォーゼもそれを相殺するように火炎弾を撃つ。

段々フォーゼの方が押していき、アルターに火炎弾が当たる。

火炎弾に当たったアルターは力を維持できなくなり地面に落ちる。

 

接近戦に変えたアルターは銃を持つフォーゼの方に狙いを定め、杖を振るっていく。

それに反応したオレは杖でフォーゼへの攻撃を止め、アルターを攻撃していく。

 

オピュクス「オマエはその銃で援護しろ!接近戦はオレの得意分野だ。」

 

フォーゼ「おう!任せとけ!」

 

オレは棍術の要領で杖を振るい、アルターに攻撃を入れていく。

アルターが攻撃を受け、怯んでるところにフォーゼが火炎弾を撃っていく。

そこにまたオレが杖で攻撃を入れていき、攻撃の手を常に止めないでいた。

杖で一気に突き放したところにフォーゼが連続で火炎弾を当てる。

アルターは満身創痍に思えた。

 

フォーゼ「どうだ!このステイツならお前なんて怖くねえ!魔女じゃないと分かれば尚更だ!」

 

アルター「そぉ?言っておくけど、さっきまでの炎は友子たちに力を分け与えてただけなの。」

 

そう言いアルターは頭の炎を大きくする。

そしてその炎をオレたちに振るってくる。

さっきまでとは違い力が数段上がってる炎にオレたちは手こずる。

そしてアルターはまた空を飛び、オレたちに火炎弾を飛ばしてくる。

オレはなんとか撃ち落としたが、フォーゼは余裕がなかったのか被弾する。

アルターはそれを気にせずゴスっ子の方に飛び変身を解除した。

 

律子「力の差は分かったでしょ?二度と私たちの邪魔をするんじゃない。アンタもだよ、そこのフード被ってる奴。フハハハハ!」

 

先輩はそう言い帰っていく。

ゴスっ子もついて行こうとするがそれを歌星とフォーゼが呼び止める。

 

賢吾「行くな野座間!人間に戻れなくなるぞ!」

 

フォーゼ「友子!お前のやりたいことはこんなことなのか!そいつらと同じ、恨みを晴らすことなのか!」

 

友子「貴方と私は、分かり合えない。。。」

 

ゴスっ子はそう言い、先輩と一緒に帰っていった。

アイツの闇は中々深そうだな。

フォーゼは変身を解除し、やるせない表情をしながらファイヤースイッチを握り締めている。

オレもさっさと帰らないといけないな。

 

オピュクス「オマエは自分のやることをやってろ。オレもやるべきことは決まってるからな。」

 

弦太朗「ちょ、お前のやるべきことってなんだよ?」

 

オピュクス「決まってんだろ?天高を守ることだ。それ以外何があるんだよ。」

 

オレはそう言いワープする。

 

 

 

 

学校に帰った僕はリーゼントくんたちと合流し、校舎に入る。

するとそこに待ち伏せしてたのかタイミングよく大杉が来て、リーゼントくんの耳を引っ張りながら連れていく。

僕らは慌ててリーゼントくんを追う。

 

どうやら大杉は今回のボヤ騒ぎがリーゼントくんの仕業だと思ってるみたいだ。

まあ確かに全部の現場にいたから疑われても仕方ないけど、流石にそれは言いがかり過ぎない?

 

紗理奈「待ってください大杉先生!」

 

教室に連れて行こうと階段を上っていく大杉を紗理奈ちゃんが止める。

その声に反応してリーゼントくんをすぐさま突き放し、紗理奈ちゃんの方に向く。

いや露骨過ぎでしょ。てかリーゼントくん大丈夫?結構痛そうな音したけど。

 

紗理奈ちゃんの後ろには二人の生徒と美羽がいた。

どうやら二人はあのボヤ騒ぎの現場に居たようで、紗理奈ちゃんに状況を話していたようだ。

美羽も同じだろう。

 

大杉は男子生徒の魔女発言に動揺し、信じないと言いながら廊下に歩いていく。

すると廊下の奥の方からなにやら声が聞こえてくる。

城島はそれに気づき、大杉に声のする方に向かせる。

 

そこには廊下を歩いてくる魔女先輩たちと、今回の騒ぎがあってか彼女らに怯える生徒たちが居た。

うわぁ、すんごい悪役ムーブ。

これ相当噂が広まってるんだろな~。

まあ実際あの現場には結構な生徒たちが居たから話が広まるのも不自然ではないか。

 

律子「結構結構。支配者か分かったみたいねぇ、みんな。」

 

大杉もさっきの信じない発言を直ぐに撤回し、必死に来ないでと言う。

いや、アンタ度胸なさすぎじゃない?しかもどさくさに紛れて紗理奈ちゃんにしがみついてるし。

なんかイラついたから大杉をドロップキックしたった。

てか先輩、自分が支配者発言したら黙ってない人が一人...、あちゃ~。

案の定紗理奈ちゃんが皆が怯えてる中、一人先輩の前に立つ。

 

紗理奈「あ、鵜坂さん。あなたたちじゃないわよね、学校のあちこちに火を点けたの。違うわよね。」

 

律子「園田先生。アンタ本当に良い先生ねぇ珍しく。もっと早くにアンタみたいな先生に会えてりゃ、魔女になんかなんなかったかもねぇ?」

 

おぉ、なんかいきなり魔女先輩が紗理奈ちゃんに抱き着いたんだけど。

なんか...良い。すごい写真撮りたい。

これが百合の素晴らしさってやつか...、って何言ってんだろ僕。

 

それにしても先輩のあの言葉。

やっぱり他の教師たちは見て見ぬふりをしてたのか。

こりゃ叔父さんに相談してみようかな。あの天秤は形だけみたいなもんだからな。

 

律子「優しくしてくれた礼に教えてあげる。今すぐ逃げなよ?遠くへ、必死に!」

 

そう言った瞬間大杉を含めた廊下にいた生徒たちが一斉に逃げていった。

いや何鵜呑みにしちゃってんの。

そんな態度を取っちゃうからこうなったんじゃないの?

 

律子「私たちが最高の儀式を始める前に!フハハハ!」

 

そう言って先輩たちは去っていった。

それにしても最高の儀式?一体何をするつもりなんだろう?

学校を壊すための儀式何だろうけど、それにしても思いつかない。

とりあえず僕らはラビットハッチに向かった。

 

 

 

 

ラビットハッチに集まった僕らは先輩の目的について話し合う。

祭壇座の伝説通りだと、何かを生け贄に捧げるんだろうが。。。

復讐を果たしてないのは魔女先輩とゴスっ子ちゃんだけ。

それにしてもゴスっ子ちゃんは一体何に対しての復讐なんだろ?

 

美羽「彼女たち狙いって何なんだろ?律子は最高の儀式って言ってたけど。」

 

そうだ、先輩が言っていた最高の儀式っていうのも気になる。

一体何をしようとしてるんだ?

 

弦太朗「友子は、この星にさよなら、だ。」

 

この星にさよなら?

ふーん...似たもの同士って訳か。

そりゃシンパシーも感じて魔女になりたがるわけだ。

 

リーゼントくんはどうやらゴスっ子ちゃんの家に行くみたいだ。

僕も気になることがあるから一緒に行ってみよう。

そう思い、僕とリーゼントくんと城島の三人で行くことになった。

 

 

ゴスっ子ちゃんの家に着いたのはいいけど、どうやら今は風呂に入ってるみたいだ。

まあお袋さんが上がっていいと言ったから上がらせてもらおう。

そう思い僕らは家に上がる。

ちなみにリーゼントくんには一応玄関の外で待っててもらってる。

だっていきなり学ランリーゼントが来たらお袋さんに心配させちゃうからね~。

 

彼方「リーゼントくんも上がってきなよ~。上がってもいいって言われたからね~。」

 

僕がそう言うとリーゼントくんは玄関に入ってくる。

それを見た瞬間、お袋さんは狼狽える。

まあそりゃそうだよね...。

お袋さんは僕らのことをまともなお友達って言ってたし、どうやら今までもずっと気の合う仲間たちと一緒に居たのだろう。

リーゼントくんはそんなことを気にする様子もなく階段を上がっていく。

 

ゴスっ子ちゃんの部屋に入ると、そこは案の定オカルトしてた。

まあ個人的にはすんごいカッコいいとしか思わないけど。

自分の趣味に生きていくのも悪くない生き方だと思うけどね~。

でも、それが逃げの為なら辞めた方がいいと思う。

 

リーゼントくんはゴスっ子ちゃんの思いに気づいたようだ。

ゴスっ子ちゃんは自分を変えたいと思ってる。

だから魔女になろうとしている。

 

友子「え、なに...。」

 

そう考えた僕たちの前に風呂上りのゴスっ子ちゃんが帰ってきた。

ってすっぴん結構美人じゃん。

まああのゴスメイクも良いとは思うけどね。

 

弦太朗「友子!?お前すっぴんの方が美人じゃん!」

 

あー...、そーゆーこと言わない方がいいよ?

デリカシー無いって言われてホッケースティックとかで頭ぶん殴られるよ?

城島も思い切り頷いちゃってるし。。。

ダメだこの二人...。

 

友子「ハッ!ア、ウァ、見られた...。素顔見られたああああああ!」

 

ゴスっ子ちゃんはすっぴんを見られたことがショック過ぎてその場から逃げ出す。

慌ててそれを追う僕たち。

城島は玄関でお袋さんに捕まったようだ。

僕らは必死にゴスっ子ちゃんを追いかける。

てか足速くね!?一体どんなトレーニングしてるんだろ。

 

弦太朗「待て友子!逃げんな!どこまで逃げてんだよ!」

 

リーゼントくんがその言葉を発するとゴスっ子ちゃnは止まった。

どうやら逃げるって言葉に反応したようだ。

リーゼントくんがゴスっ子ちゃんの肩に手を置くと、慌ててその手を離しリーゼントくんを突き放す。

そして道路の側溝に行き、溜まってる泥を顔に付ける。

え、それちょっとカッコよくない?

 

彼方「ちょっとそれカッコいいじゃん。僕にもやってよ!」

 

友子「えっ...、はい。」

 

そう言ってゴスっ子ちゃんは僕の顔にも同じように泥を付けた。

なんか海外のスポーツ選手とかってこんなのやってなかったっけ?

あれちょっと憧れがあるんだよね~。

 

リーゼントくんはなんか勝手に引いてるけど、そんなんで引いてちゃんなんにもできないよ?

ゴスっ子ちゃんは余った泥を手に持ちながら立ち上がる。

 

友子「私が、どこに逃げられるっていうの?笑わせないで。この世のどこにも逃げ場の無い人間の気持ちが、アンタなんかに分かるもんか!」

 

弦太朗「分かる!分かってやるとも!」

 

友子「...偽善者!」

 

そう言いゴスっ子ちゃんはリーゼントくんの顔に思いっきり泥を投げる。

顔面が泥まみれになったリーゼントくんは壁にもたれ掛かる。

 

彼方「ハハハッ!何その顔!w 面白すぎだよwww」

 

友子「...ともかく、儀式のときにあのスイッチで月世界の魔女になる!」

 

弦太朗「月に行っても何にも変わんねえぞ?」

 

友子「月にしか!...月にしか私の心の理想郷は無いの!」

 

いや、月にはクレーターとラビットハッチしかないよ?

決して餅ついてるウサギさんなんていないよ?

居たとしてもそれどんだけデカいのって話だからね?

 

弦太朗「月にそんなものは無ぇ!わかんねえやつだなぁ!」

 

リーゼントくんはそう言いドライバーを装着する。

えっ!?なんでいきなり変身するの!?どこにそんな要素があったの!?ねえ!?

 

弦太朗「変身!」

 

ゴスっ子ちゃんも驚いて彼を見るけどそんなことはお構いなしで変身しちゃった。

そしてそのままロケットを装着する。

まさか...、このまま連れてく気なの!?

 

僕は慌ててゴスっ子ちゃんの前に庇うように立つ。

だがそんなことは関係ないと言わんばかりにフォーゼは僕もろとも掴み、ロケットで学校に飛んでいく。

ゴスっ子ちゃんが全力で嫌がり、暴れるがそれは却って危ないよ!?

てかそもそもフォーゼで連れてく方も危ないけどね!?

 

フラフラしながらも部室棟前に着いたフォーゼはそのままゴスっ子ちゃんを引きづっていく。

いや女の子をそんな扱いしたらダメでしょ!?

僕は慌てて後を追い、ゴスっ子ちゃんの足を持つ。

 

彼方「ちょっと強引すぎない!?あと女の子を引きづっていくとか流石にないよ!」

 

フォーゼ「おぉ、悪りぃ...。でもこんぐらいしねえとコイツも分かんねえだろ?」

 

彼方「はぁ...、とにかく月面に出せばいいんでしょ?」

 

フォーゼ「おう!」

 

僕らはゴスっ子ちゃんをラビットハッチまで運び、宇宙服に着替えさせる。

流石に女子が着替えてるとこには突撃しなかったフォーゼを褒めてやりたい。いややっぱやめよう。頭に乗るだけだ。

そしてゴスっ子ちゃんは見事月面に上陸したのだった。

 

友子「月に来ちゃった...、こんな簡単にぃ!」

 

フォーゼ「うぃぃ、どうだ?お前の願いは叶えちまったぜ!ざまあみろぉ~!」

 

彼方「いや煽りすぎね?君跳びまわってるけど今ここで僕が思いっきり蹴ったら宇宙を漂うことになるからね?分かってる?」

 

フォーゼ「え、あ、その、はい...。すんませんした。」

 

はぁ...全く。

こーゆーのは調子に乗らせるとバカやるからちゃんと〆ないと。

ハッチに戻ったらとりあえず十字固めで決まりだな。

 

ゴスっ子ちゃんはその間ずっと泣いてる。

そりゃそうか。ずっと願ってた月に簡単に行けてしまったんだから。

しかも魔女にならずに。

 

フォーゼ「泣くなって!俺はただ、友子に分かって欲しかっただけだ。月に来たって...、お前はお前だぞって。」

 

彼方「そうだよ。何者になろうと君は君なんだから。もっと自分を認めてあげてもいいんじゃない?」

 

フォーゼ「いつでも変わらねえ!月はこんなだし!地球はいつでって地球だ!」

 

彼方「なんでそんなフワッとしてるのかな...。まあ彼が言いたいのは、君も変わらなくたっていいんじゃないのってこと。変わることを責めるつもりはないけど、変わらないことで手に入れる物もあるんじゃないの?大切な仲間とか。」

 

ゴスっ子ちゃんはその言葉に何を思ったのかはわからないけど、泣き止んだみたいだ。

ほんと女の子に泣かれても困るしね。

 

ユウキ「コラーーーー!!!」

 

そう思ってると突然城島の叫び声が聞こえる。

相当怒ってるというのは声からも分かる。

後ろを見ると仁王立ちしてる城島が居た。

 

ユウキ「女の子をいきなり宇宙に放り出すなんて!アームストロングキーーーック!!!」

 

城島はあまりにも怒ってるのか、こっちに向かって回転キックを放ってくる。

僕はゴスっ子ちゃんに当たると危ないと思い、彼女を連れてその場から離れる。

フォーゼはいきなりのことに反応できず、そのまま城島のキックを受けることとなった。

重力が地球の六分の一の月だとキックを受けたフォーゼの身体は止まることが無く、そのまま地球へと飛んで行った。

 

いやさすがに危ないよね!?どうすんの!?

 

 

 

 

to be continued...

 




いかがだったでしょうか~。

オリジナル要素が満載な今回だったと思いますがどうだったでしょうか。
いやーちょいちょい彼方くん活躍させないと、やっぱチートなんだから出さないのはもったいないと思いまして笑

そしてこれを書いてるときに思ったんです。。。
友子もヒロインにしてぇ!!!
ああいうゴスっ子もいいんですよ!
それに魔女先輩と同じような経験をしてる友子にもちょっとはね?
まあそうなったら流星くんどうすんのって話になっちゃうんですが。
まあ流星くんのヒロインはインガにしたらいいでしょ。
映画でキスしちゃってんだし。そのまま付き合っちゃえよ。



それはさておき、ただいまアンケ実施中です!
内容はオリヒロ追加するかどうかって感じです。
正直これは小説の内容にも影響が出てきまして。
あ、もちろん公式の方の小説ですよ?

まあ言ったらSOLUから生まれた撫子と同じ感じで彼方くんにも映画でイチャイチャってしてほしいんすわ。
まあ多分ですけど映画ではそんなに出てこないと思います。
多分よくあるメテオの登場シーンみたいな感じでおまけで出てくると思いますので。

是非アンケの投票よろしくお願いします!


ではでは次回もお楽しみに~。


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魔・女・救・済


ほんと遅れて済まないと思っている。


ーラビットハッチー

 

ー彼方sideー

 

月面からハッチに戻った僕らはゴスっ子ちゃんが落ち着けるようにした。

結局あの後、リーゼントくんは何とか戻ってこれたようだった。

ほんと一歩間違えたら宇宙のゴミになってたからね~。

ちょっとだけきつく城島を叱った。

まあリーゼントくんが帰るまで無重力の中逆さま正座で居させただけだけどね。

 

反省し終えた城島がゴスっ子ちゃんが付けていた首飾りをゴスっ子ちゃんに渡す。

まあ彼女がそれを捨てようが捨てまいが、前よりは一歩踏み出せたはずだ。

 

友子「今のままの私でいい...、そんなこと初めて言われた。」

 

弦太朗「そのままで何が悪い!むしろ、問題児大歓迎!!」

 

彼方「その通~り。人と違うってのは立派な個性なんだから、誰かに強制されて無個性になるなんてもったいないよ~。問題児だと言われようがそんなの気にしない気にしな~い。」

 

弦太朗「その通りだ!それに、この部にゃお前よりも問題児が山ほど居るからな。」

 

隼「お前がよく言う。まあ俺も褒められた人間じゃないけどな。」

 

ん?それは暗に僕が問題児って言ってるよね?

いやいやいや、僕そんな問題行動起こしてないよ!?勝手に同類化しないで!?

 

隼「見栄っ張りの権力主義者だ。」

 

美羽「私は自信過剰の高飛車女。」

 

JK「見ての通り、俺は長い物に巻かれるチャラ男。」

 

ユウキ「私は我を忘れる宇宙オタク!」

 

みんなそれぞれ自分のことを言っていく。

こう言われるとほんとなんでこのメンバーでこんな仲いいんだろって思う。

 

そして次と言わんばかりに皆に見られてる歌星は戸惑いながらも。

 

賢吾「俺は...、学校一のサボり魔。...保健室の主だ!」

 

と言う。

その言葉に皆笑い出す。

だって保健室の主ってのがパワーワード過ぎるんだもんwww

 

賢吾「お前ら!そういう我望もだ!」

 

彼方「え、僕!?僕は特に変わったとこないよ?」

 

全員「「「「「「嘘だ!!!」」」」」」

 

えぇ!?全否定!?

なんでよ!?僕は一番優等生だよ!?

 

隼「あんなにアメフト部にカチコミに来ててよく言うなぁ。」

 

JK「ほんとっすよ。俺の時だってあんなダマし方した癖に~。」

 

美羽「私を口説き落とすぐらい周りとは違うじゃない。」

 

ユウキ「そうだよ~。しかもそんなことしておいて成績はいいんだもん。」

 

賢吾「充分問題児だな。」

 

弦太朗「彼方が一番の問題児かもな!」

 

彼方「お前に言われたかねえよ!!!」

 

いやほんとリーゼントくんにだけは言われたくない!!!

彼が一番の問題児でしょ!!

だって僕先生たちに目付けられるようなことしてないもん!

え?扱いきれないから無視してる?やかましいわ!

 

僕らはお互いに笑い合う。

だけどその空間は一番幸せに感じてしまう。

大切な仲間が居るということがどれほど幸せなのかわかる瞬間だ。

 

弦太朗「でも皆、すげーとこは超すげーんだ!それが俺たち、仮面ライダー部だ!」

 

そう言い天井に貼られてる旗を指す。

それを見たゴスっ子ちゃんはみんなを見渡す。

それに応じてみんなは微笑みかける。

 

彼方「黒くて不気味で霊感少女。」

 

弦太朗「勘が鋭くて油断がならねえ。」

 

彼方、弦太朗「「そこが君(お前)の魅力だ。」」

 

その言葉にゴスっ子ちゃんは涙を流す。

やがてその涙が止まらなくなり、今まで溜めてたものが全て流れてくる。

僕らはそれをただ見てあげるだけだった。

 

 

 

 

ようやく泣き止んだゴスっ子ちゃん。

...てかなんで僕がゴスっ子ちゃんの頭撫でてんの?

確か途中から止まりそうにないから皆どうしようか迷ってた時に...。

 

美羽「彼方、あなたが撫でてあげなさい。きっと彼女も泣き止むわ。」

 

彼方「え、なんで?僕がしてもなんの意味もないでしょ?むしろさらに泣いちゃうんじゃないの?」

 

美羽「そんなことないわよ?あなたが撫でるととても落ち着くのよ。だからやりなさい。これは部長命令よ。」

 

彼方「えぇ...。」

 

僕は助けを求めみんなに目線をやるが、全員目を逸らす。

仕方なく僕はゴスっ子ちゃんの隣に座り、頭を撫でる。

するといきなりのことにびっくりして僕の方を見てくる。

 

彼方「まぁ、その、好きなだけ泣きなよ。思いっきり泣いた後は心がすっきりするよ。」

 

僕がそう言うとゴスっ子ちゃんは頷き、何故か僕の胸に顔を埋めて泣く。

ここで服が濡れちゃうとか言う輩は処されるから気をつけようね。...って何言ってんだろ。

結局その後はずっとゴスっ子ちゃんを抱きしめる形でなでなでしてた。

ほんと僕セクハラとかで訴えられないよね?

 

 

そしてさっきのとこに戻るって感じだよ。

別に嫌って訳じゃないんだよ?

でもさ、女の子に抱きつかれてってなると理性が削れていっちゃうからさ...。

 

泣き止んだゴスっ子ちゃんは顔を上げ僕を見る。

結構泣いたからメイクがちょっと崩れてる。

でもそんなことが気にならないぐらいに涙目上目遣いがグッとくる。

そんなことしたらほんとイチコロなんだからね?他の男にやったらだめだよ?

え?僕はって?...ちょっと良いなって思っちゃいました。

 

彼方「もう大丈夫?」

 

僕がそう聞くと彼女は頷く。

 

彼方「よし、じゃあ魔女先輩を止めに行かないとだね。」

 

そう言い僕はみんなを見つめる。

それにみんなは答えてくれる。

 

 

とりあえずラビットハッチを出た僕らは先輩の目的をゴスっ子ちゃんに聞く。

 

美羽「学校を全て燃やす!?正気なの?」

 

友子「律子さんは本気。魔力を溜め込んだ杖を学校に突き刺すつもりなの。...一瞬で学校が燃え尽きる。」

 

ユウキ「学校が!?」

 

彼方「最高の儀式ってそーゆーことね...。」

 

僕らは急いで魔女の密会をしていた教室に向かう。

 

教室に着くとそこはもぬけの殻となっていた。

ゴスっ子ちゃんも予想外だったらしく戸惑っている。

と机の上に置かれてる開かれた鞄の下に駆け寄る。

そしてその中を探すが目当ての物が見つからないようだ。

 

友子「スイッチがない!」

 

まさか最高の儀式でゴスっ子ちゃんをゾディアーツにするつもりなのか?

だとしたら学校は一瞬で消え去るかもしれないぞ。

先輩はそれを狙って誘いこもうとしてるのか?

 

そう考えていると突如教室にあった縄が僕たちに襲い掛かる。

僕は咄嗟に反応できたが、ゴスっ子ちゃん以外のみんなが縄で縛られる。

やっぱり僕らがここに来ることは想定内のようだ。

僕はゴスっ子ちゃんの前に立ち、教室の扉から来るであろう先輩たちを待つ。

すると案の定、扉から倉持と岡村が来た。

 

雅美「友子、まーた迷わされちゃった?コイツ等に。」

 

由利「フフフ、ちなみにアンタのスイッチはここ。」

 

倉持はそう言いスイッチを取り出す。

あくまでゴスっ子ちゃんに押させたいようだ。

ライダー部のみんなは必死で説得するが、ゴスっ子ちゃんは首飾りを付けスイッチを取る。

僕は行かせまいと駆け寄るが二人の念動力によって突き飛ばされる。

そしてゴスっ子ちゃんは倉持たちと一緒に屋上に向かった。

 

弦太朗「彼方!大丈夫か!」

 

彼方「痛つつ...、なんとかね。でも彼女が連れていかれちゃった。ごめんね。」

 

弦太朗「気にすんな!今から行きゃなんとか間に合う!って俺縛られてるんだった。」

 

彼方「そこは心配ないよ。ほら。」

 

僕がそう言うと同時に皆を縛っていた縄がほどかれる。

皆は驚いているが歌星は分かったようだ。

 

賢吾「なるほど、ポテチョキンで縄を切らせたのか。」

 

え、ポテトちゃんの名前ってそんなだったの?

なんか、センスがすごいと思うけど...。」

 

彼方「その通り。さっき突き飛ばされる前にポテトちゃんに忍んでもらってたんだ~。」

 

弦太朗「おぉ!流石だな!とりあえず早く友子のとこに行かなきゃ!」

 

彼方「僕が行く。みんなは外で待っててくれ。」

 

ユウキ「なんで!彼方くん一人だと危ないよ!」

 

賢吾「いくら何でも無茶だぞ。相手はアルターに岡村と倉持の二人だぞ。数的にも不利だ。」

 

JK「そうっすよ!流石に先輩でも無理っすよ!」

 

彼方「それでも行くよ。僕はこの学校を壊されるのを黙って見てるほど穏やかじゃないんでね。」

 

僕はそう言い咄嗟に殺気を出してしまう。

それに威圧されたのかみんな黙ってしまう。

 

弦太朗「俺は信じてるぜ。友子を救ってくれるって。ゾディアーツの方は任せろ!俺がやっつけてやるからな!」

 

彼方「ハハッ!流石だね君は。その言葉で安心できるなんて。...頼んだよ。僕が君のとこまで連れて行ってやる。」

 

弦太朗「おう。」

 

僕はそう言い屋上へと向かった。

やっぱ彼は期待を裏切らない漢のようだ。

 

 

 

 

屋上に着くとゴスっ子ちゃんがアルターの杖を持っていた。

まさか、ワザとついて行って従ったフリをしたのか?

ほんとそんぐらいの度胸があるなら充分ここでも生きていけるだろうに!

 

友子「月には、もう行ったから。何にもない、冷たい所だった!」

 

律子「は?」

 

いきなりのことに先輩は理解できないようだ。

そりゃそうか。いきなり月に行ったことあるって言われても皆びっくりするよな。

だって大人ならまだしも高校生である僕らが言っても信じられないよな。

 

友子「でも...、暖かかった。私は、変わらない。変わらなくてもいい。初めてそう言ってくれる人に出会えたから!」

 

そう言い、首に掛けてた首飾りを引きちぎり床に叩きつける。

どうやら一歩進めたようだ。

 

彼方「流石だねゴスっ子ちゃん。ちゃんと言いたいこと言えるじゃん。」

 

友子「先輩...。」

 

律子「彼方...、アンタが友子を。」

 

彼方「僕だけじゃないよ。ライダー部のみんなが彼女を救ったのさ。」

 

律子「そう...、そうかい。結局私は裏切られるだけなのね...。だったら。」

 

先輩はそう言いスイッチを掲げる。

 

『LAST ONE』

 

するとスイッチはラストワンを迎え、変化する。

先輩はそのままスイッチを押し、アルターに変身した。

 

アルター「これが上手な人間の捨て方のお手本さ。フフッ。」

 

彼方「ゴスっ子ちゃん逃げて。今すぐ外に逃げるんだ。」

 

友子「え、でも、先輩は。」

 

彼方「いいから!早く!僕のことは大丈夫。先輩を止めるのは後輩の務めだからね。」

 

ゴスっ子ちゃんは聞くとすぐに屋上から去る。

それを倉持と岡村は追いかける。

僕はその二人を止めない。だって、先輩が居るから。

 

アルター「アンタは逃げないのかい?友子と一緒に。」

 

彼方「生憎先輩を止める力は持ってるからね。」

 

僕はそう言いスイッチを取り出す。

 

アルター「ふーん、私のとは違うんだねぇ。まあ、変わったところで私を止められはしないよ。」

 

彼方「どうかな?」

 

そう言いスイッチを押す。

 

オピュクスに変身したオレはアルターを通さないように前に立つ。

 

オピュクス「ここからは一歩も通させねえぞ。アンタの為にもな。」

 

アルター「私の為?ならそこ退きな!」

 

そう言いアルターはオレに頭の炎を振るってくる。

オレは杖の先に結界を張り、それで炎をはじいている。

炎が来なくなったと思い、オレは勢いよく前に出るとそこにはアルターはいなかった。

まさか炎で意識をずらしてその隙に逃げるとは...。

とりあえずオレはゴスっ子が向かってる校舎の外の方に向かった。

 

ゴスっ子を探してると校舎の中から出てくる彼女の姿を見つけた。

直ぐに駆け寄ろうとしたら、その後ろからアルターがゴスっ子に向けて火炎弾を放つ。

オレはワープを使いゴスっ子に当たりそうだった火炎弾をはじいた。

 

友子「あの時の...怪物...。」

 

オピュクス「大丈夫か?さっさと立ってアイツらから逃げろ。」

 

友子「っ、うん。」

 

ゴスっ子は頷き逃げていく。

アルターはそれを見て倉持と岡村を寄越す。

今度は通すわけにはいかず二人を止めようとするが、そこに火炎弾が飛んでくる。

オレは咄嗟に防御するが、その隙に二人に逃げられる。

 

アルター「友子を捕まえる邪魔はさせないよ?」

 

オピュクス「だった儀式の邪魔ぐらいさせろよ。」

 

アルター「それはさせるわけにはいかないのさ!」

 

そう言いアルターは炎を縦横無尽に放つ。

その炎は学校中に飛んでいく。

まさか学校を燃やす気か!?

 

アルター「これでアンタは私の前から離れなきゃいけなくなる。どうするのさ?」

 

オピュクス「ちっ。だったら...、おいゴラリーゼント!!!こっちに来い!!!」

 

アルター「なんだい?今更助太刀を頼むのかい?」

 

オピュクス「フッ、その通りだ。」

 

弦太朗「オッラァ!!!」

 

オレの声を聞きつけたのかリーゼントがアルターに飛び蹴りを食らわす。

いきなりの攻撃にアルターはなすすべもなく怯む。

 

弦太朗「へへっ。まさかお前もいるとはな。」

 

オピュクス「今はそんなことはどうでもいい。早く変身しろ。アルターが学校中に炎をばらまきやがった。」

 

弦太朗「何!?今すぐ消しに行かねえと!」

 

オピュクス「鎮火はオレに任せろ。お前はアルターを任せるぞ。」

 

弦太朗「分かったぜ!」

 

オレはそれを聞き、ワープして学校中にばらまかれた炎の下に行く。

幸いまだそれほど燃え広がってなかったから直ぐに消せた。

全ての炎を消せたとき、いつものフォーゼのセリフが聞こえてきた。

どうやら闘いが始まったみたいだな。

 

 

オレが闘いの場に着くと、そこにはエレキに変身したフォーゼとアルターが戦っていた。

フォーゼはホバリングをしながらロッドで攻撃をしていくが、中々アルターにダメージが行かない。

寧ろアルターの方がフォーゼを押して行ってる。

やはりラストワンによってパワーアップされてるか。

 

フォーゼは弾き飛ばされてしまう。

飛ばされたフォーゼにアルターは火炎弾を放っていく。

それに怯んだフォーゼを見て、アルターは杖に力を込める。

 

アルター「皆消し飛べ!」

 

アルターはそう言い杖を投げる。

その方向にあるのは屋上の魔法陣。

まさか、ここで学校を破壊するつもりか!?

 

そんなことをさせるわけにはいかないからオレは投げられた杖に狙いを定め杖を投げる。

杖を弾き、その瞬間オレは自分の杖と場所を変える。

某黄色い閃光が使う飛雷神の術をコピーしたこの技を使い、場所を変える。

そしてオレはアルターの杖を掴み、思いっきりへし折った。

 

アルター「なっ!?...よくも!」

 

オピュクス「オレがやらせると思ったか。」

 

フォーゼ「サンキュー薬野郎!」

 

アルターは怒り狂いフォーゼを攻撃する。

徒手であるにも関わらず、アルターはフォーゼを翻弄し投げ飛ばす。

そして頭の炎を滾らせフォーゼに振るっていく。

前とは違い炎の練度が桁違いだ。

 

フォーゼはエレキをオフにし、ファイヤーをオンにする。

ファイヤーに変身したフォーゼは銃で応戦するが、やっぱりアルターの炎には敵わない。

フォーゼはシールドを装着し炎を防ぎながら応戦するが、やはり威力負けするのか全然勢いが衰えていかない。

 

友子「弦太朗さーーーん!!!盾で攻撃を防いじゃダメーーー!!」

 

ゴスっ子がいきなり大声でそう言う。

それに従いフォーゼはシールドをオフにする。

一体どうするつもりだ?

ファイヤー...、ってことは炎を吸収するとかか?

まさか本当にそれなのか?

 

フォーゼは腕を広げ堂々とアルターに近づいていく。

アルターは杖の代わりに頭を振るい火炎弾を放つが、フォーゼはびくともしない。

よく見るとアルターの炎をファイヤースイッチが吸収している。

まさかそれを当てるとは、ゴスっ子の勘はものすごいな。

 

フォーゼはアルターに一気に近づき、後ろに回って蹴りつける。

アルターは火炎弾で体力を消耗したのか簡単に倒れる。

 

賢吾「如月!溜めた力を敵に向けて撃ち出せ!」

 

歌星の指示に従いフォーゼはファイヤースイッチを銃に装填する。

すると警報のような音が鳴り響く。

 

『LIMIT BREAK』

 

フォーゼ「ライダー爆熱シューーーート!!!」

 

フォーゼはホバリングし、高度から一気に火炎放射を放つ。

アルターも対抗し火炎放射を放つが、圧倒的な力に負け、アルターは火炎放射に飲み込まれる。

そして爆発し、スイッチが飛んでいく。

フォーゼはそれをキャッチしオフにする。

 

どうやら終わったようだな。

先輩を回収しに行くとするか。

そう思い、オレは屋上にワープした。

そこには繭にくるまれた先輩が目を覚ましていた。

 

律子「んん...私は...。」

 

オピュクス「やっと起きたか。」

 

律子「彼方...。」

 

オピュクス「ちょっとついてきてもらうぞ。」

 

オレはそう言い、まだ力が入らない先輩を抱っこしてワープする。

場所はテキトーに魔女の密会をしてた教室にした。

ワープしたオレは変身を解除する。

 

彼方「ふぅ、ほんとどうなることかと思ったよ。」

 

律子「ごめん...、てか降ろしな。」

 

彼方「え?ってあっ!ごめん!」

 

僕はお姫様抱っこしていた先輩を直ぐに降ろした。

先輩はまだ力が入らず立ち上がれないようだ。

僕は先輩を支えて壁にもたれかかる。

 

彼方「とりあえず先輩の復讐は阻止できたね。」

 

律子「なんで、私を連れてきたのさ。別に放っていおいていいのに。」

 

彼方「そんなことするわけないでしょ。」

 

僕は真剣なトーンで先輩に言う。

そのことに先輩は驚いてこっちを見る。

 

彼方「誰が放っておくかよ。今にも壊れそうだった先輩のことを放っておけるわけないでしょ。」

 

律子「壊れそうだった?私が?」

 

彼方「そうだよ。もう耐えきれなかったんでしょ?虐めに。だから学校を壊そうとした。違う?」

 

律子「それは...。」

 

彼方「分からなくもないよ。僕だって虐められた事はあるんだからさ。先輩の気持ちが痛いほどわかる。」

 

律子「えっ...アンタがかい?」

 

先輩は僕の言ったことに驚く。

それもそっか。だって、僕が虐められてたなんて言ったんだから。

 

彼方「今はもうそんなことされる前に叩きのめしてるけど、昔はまだそんなに力がなかったからね~。」

 

律子「なんで虐められたんだい?」

 

彼方「まぁ昔からモテてたってのもあるけど、一番はやっぱ先輩と同じ理由かな。」

 

律子「私と同じって...、アンタも見えるのかい?」

 

彼方「見えるってわけじゃなくて聞こえるんだ。宇宙からの声が。」

 

今もうるさいぐらいに聞こえるんだよね~、プレゼンターの声が。

 

律子「宇宙から?」

 

彼方「そ。僕の叔父さんもそうだけど宇宙からの声が聞こえるんだよ。昔っから。僕はその主と喋ることができて時々話したりするんだよ。ただ、ある日それを見た奴がいてさ。そいつが皆に言いふらしたんだよ。ありもしないことを添えてね。そいつは学年でもトップの位置にいたから皆はすぐにそいつが言ったことを信じた。そこから僕への虐めは始まった。」

 

先輩はそれを聞き思うところがあるのか苦い表情をする。

先輩も同じような感じで虐められていったのだろう。

 

彼方「最初の内はそんなに気にするほどのことじゃなかったんだけど、それが気に食わなかったのか段々エスカレートしていってね。酷い物だと水をぶっかけられたり長時間集団リンチにあったりだったり色々されたんだ。」

 

律子「そんなに...。そん時は誰かに話したりなんか...。」

 

彼方「できるわけないよ。その時は両親も働き詰めで遅くに帰っていたし、相談できる友達もいなけりゃ教師は自分の保身のために見て見ぬふりをしてる。正直よく壊れなかったなって思うよ。」

 

ほんとあの頃は毎日が地獄だと思ってたからな。

でも死んだら親は悲しむだろうしそれは嫌だったからただひたすら我慢してた。

そんな時にあの悲劇が起こった。

 

彼方「そんな時に両親が事故に巻き込まれて死んでった。その時の僕に絶望感が襲ったよ。だって今まで生きる希望だった両親が死んでしまったんだから。その日からずっと僕はただされるがままになった。もう我慢する気力もなくなった。僕のことも親戚中にたらい回しにされて余計に疲れていったんだ。そんな時に叔父さんに出会ったんだ。」

 

あの絶望から救ってくれたのは間違いなく叔父さんたちだ。

あの三人に出会ってなかったら今頃僕はこの世に居ないかもしれない。

 

彼方「叔父さんはそれまで僕のことを話は聞いてたみたいだけど丁度宇宙飛行士関連のことで忙しくて会えなかったんだ。それで引き取ってもらうことになるまでずっと会えずにいて、最初会った時はどう接したらいいかわからなかった。どうせまた他の親戚と同じで放り出されると思った。...でも違った。叔父さんも僕と同じだった。」

 

叔父さんも僕と同じプレゼンターからのメッセージを聞き、宇宙を目指した男だ。

その志に惹かれ集まった友人たち。

僕と同じ経験をしてもそれをバネに変えて突き進んでいった。

そんな人に僕は憧れていった。

 

彼方「叔父さんの姿を見て僕は憧れていった。それから僕は強くなろうとした。身体も精神も両方強くなって叔父さんみたいになりたいと思った。そこからずっと鍛錬をやってきて今の僕が出来たんだ。もちろん虐めていた奴らは全員見返してやった。今後の生活で肩身が狭い思いをするほどにはね。」

 

律子「アンタが強い理由にはそんなことがあったなんてね...。私もアンタみたいに救ってくれる人が居たら良かったんだけどね。」

 

彼方「居ないことないでしょ?」

 

律子「え...?」

 

彼方「ゴスっ子ちゃんが居るじゃん。彼女もまた僕らと同じだったけど、前に進むことができた。ライダー部の皆がそうであったように、先輩にとってゴスっ子ちゃんが希望になってくれるはずだよ。それに僕も居るからね?先輩のことが大好きなんだから僕にもちょっとは守らせてほしいな。」

 

律子「そっか...、私にもちゃんと居るんだね。良かった。ほんとアンタには救われてばっかだね。」

 

彼方「ハハッ、先輩のことを救えたなら何よりだよ。先輩には笑顔でいてほしいからさ。」

 

律子「フフッ、アンタ中々クサいこと言ってんじゃないよ。なまじ似合うだけに何にも言えないじゃないか。」

 

彼方「えぇ、そんなこと言われても...。僕だって狙って言ってるんじゃないんだからさ~。」

 

律子「ハハッ、狙って言ってたら呪うとこだよ。」

 

彼方「え!?なんで呪うのさ!?僕そんなに嫌な人間じゃないでしょ!?」

 

律子「呪うわけないじゃないか。それにアンタが嫌なわけあるか。アンタは一番大好きだよ。」

 

彼方「え?」

 

いやサラッと結構なこと言ってない?

なんか一瞬ドキッとしちゃったんだけど。

 

律子「アンタが居ないと私もどうなってたかわからない。私を救ってくれたのは紛れもないアンタだよ。こんな私とずっと友達でいてくれたんだから道を外さずに済んだ。そんなアンタが愛しくてたまらないのだよ。アンタは私の王子様なのさ。」

 

そう言って先輩は僕にキスをした。

What?

 

律子「ん、これが私の呪いさ。アンタを虜にしてみせる呪いだよ。」

 

彼方「っ!?ほんと、先輩ってなんでそんなに呪いが好きなのかなぁ...。なら僕は。」

 

僕も意趣返しでキスしてやる。

先輩もいきなりで驚いているが、すぐに幸せそうな顔をする。

あー、こりゃ確かに呪いの効果出てくるわ。

すんごい先輩に見惚れちゃってるもん。

 

彼方「はぁ、これは先輩の呪いを解呪したって証さ。先輩の不幸を払ってやるよ。」

 

律子「っ///アンタはほんとなんでこんなに嬉しいことをしてくれるのかね。」

 

彼方「そりゃ、先輩の後輩ですから?いや、今は彼氏かな?」

 

律子「っ///ってことは...。」

 

彼方「もちろん。先輩のことが大好きだよ?じゃないと助けたりしないよ。」

 

律子「うっ...良かった...願いが叶って、良かった...。」

 

先輩はそう言い涙をこぼす。

次第にその涙を多くなっていき号泣していく。

僕は先輩をそっと抱きしめ、子供をあやすように先輩を撫でる。

 

どうやら今まで溜めてたものが溢れてきたようだ。

そりゃ今まで散々酷い目に合ってきたんだ。

今だけは泣いたっていいでしょ。。。

 

 

 

 

to be continued...

 

 




いかがだったでしょうか~。

前書きでも言った通り、ほんと遅れてすんません。
時間が中々取れないんです。
あとオリ展開を不自然なく入れようと思うとすんごい時間がかかっちゃって。
次はそんなことは無いと思います、多分。


さてさてどうだったでしょうか。
律子のヒロイン入りをするためにちょっと長くなっちゃいましたけど。
ほんとああいう虐めってなくならないですよね~。
まあ人間だから仕方ないんでしょうけど、受ける側にとってはしょうもないことで虐めてくれるなって思いますよね。



話は変わりましてアンケのことで。
ほんと前回を投稿してからたくさんの方に投票いただいて。
ほんと皆さんありがとうございます!

今のところ一票差でオリヒロ入れるが勝ってますね。
ただ今後どうなるかわからないですね~。

一応期限としましては三浦くん復帰回が投稿されたタイミングで終了しようと思っています。
まだまだたくさんの投票お待ちしています。


ではではまた次回もお楽しみに~。


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陰・湿・誘・導

あのね?すんごい今更なこと言うね?

彼方くんの制服実は改造してあって、ブレザーが白衣みたいになってるの。

ほんと今更でごめんね?


ーラビットハッチー

 

ー彼方sideー

 

魔女騒動から数日。

 

あの日の次の日に歌星がゴスっ子ちゃんから未使用のゾディアーツスイッチをサンプルとして貰おうとしたら川に投げ捨てて無いって言われたらしい。

まさかそんな思い切ったことをするとは思わなかった。

本人曰く、過去との決別の為らしいけど。。。

 

そんなこんなで彼女もライダー部に入部してまた一段と賑やかになった。

実際今もゴスっ子ちゃんとリーゼントくんが悪ノリしてJKを驚かしてる。

ほんと暗闇の中でゴスっ子ちゃんの顔にライト当てるのは効果抜群だから辞めたげなさいw

 

ちなみに大文字はアメフト部に顔を出しに行ったみたいで、城島はなんか迷惑な人が居るからそれの対処してくると言っていた。

城島によると、毎日鬼電鬼メール鬼ラブレターともはやそこらのストーカーも絶叫もののストーカーをされているみたい。

実際今日も朝一緒に登校してロッカーに荷物をまとめようとして開けたらラブレターとプレゼントが雪崩てきた。

これが毎日あるらしい。

ほんと苦労してるんだね~。

それでいい加減我慢できなくなったらしくそのストーカー野郎に文句を言ってくると普段の城島とは思えないぐらいのオーラを出していた。

 

僕はそんなことを思いながらリーゼントくんたちの遊びを見ていた。

フォーゼに変身していたリーゼントくんはシェイク型のフードロイドにライトスイッチを装填する。

するとシェイク型だった形が変形しペンギンになる。

うっわめっちゃ可愛い!

よし!ペンギンちゃんと命名しよう!

え?フラシェキーって名前があるって?そんなことは気にしなさんな~。

 

美羽たちがペンギンちゃんに見惚れてる頃、ゴスっ子ちゃんがおもむろにスケッチブックに何かを描き始めた。

なんかグロッキーなウサギを書いてるけど、一体。。。

 

彼方「な~に描いてんの?」

 

友子「おまじないです。ロッカーの扉の裏に貼ろうと思いまして。」

 

彼方「そっか。このグロッキーうさちゃんが僕らを守ってくれるのかな~?」

 

友子「私たちの身代わりってことですか?フフッ、それも面白いですね。」

 

彼方「そんな酷なこと言ってないよ。。。流石ゴスっ子ちゃん、発想がエグイ。」

 

友子「それとそのゴスっ子ちゃんて呼び方辞めてください。私にもちゃんと名前があるので。」

 

彼方「え?名前呼びしてってこと?」

 

友子「...はい///」

 

おっふ。一瞬可愛いと思っちゃった。

まあこれから長い付き合いになるだろうし、名前で呼んであげてもいいか。

 

彼方「せめて、友ちゃんでいいかな~?友子って呼ぶのはちょっと語呂が悪いと言うかなんて言うか。」

 

友子「はい///...特別に許してあげます。。。」

 

うん、小動物的な可愛さがある。

僕は咄嗟に頭を撫でてたが、彼女も嫌じゃなさそうだし手を止めない。

とそこにリーゼントくんがラーメンを食べに行こうと言う。

久々にラーメン食べに行きたいな~。

そう思ってると美羽からまさかのラーメン初見発言。

やっぱお嬢さまって違うな~と思いながら皆で食べに行くことに。

 

歌星はハッチに残って作業を続けるようだ。

だがリーゼントくんが歌星のカバンを持って行っちゃった。

まあ来ない歌星が悪いから僕もリーゼントくんについて行く。

 

いつもの道を通りロッカーを開けようとすると何やら人影が。

誰だと思い見てると城島とまさかの大杉だった。

城島は僕に気づいたのか大杉の注意を引きながらこっちにハンドサインで閉じるように言う。

僕は慌てて扉を閉める。

 

美羽「どうしたの?」

 

彼方「大杉が居る。。。」

 

全員「「「「えぇ!?」」」」

 

どうしようかと思い、僕は大文字に電話する。

 

隼『どうしたんだ彼方。お前からなんて珍しいじゃないか。』

 

彼方「今ラビットハッチへのロッカーのとこに大杉が居てさ。」

 

隼『マジか!?どうするんだ?』

 

彼方「とりあえず園ちゃんが呼んでたって言って大杉を追っ払ってくれない?」

 

隼『分かった、すぐに行く。』

 

そう言い僕は電話を切った。

流石キング、困ってる民の下に直ぐ駆けつけてくれる。

 

彼方「とりま大文字に追っ払うように頼んだから。直ぐ来ると思うよ。」

 

弦太朗「ふぅ、良かったー。大杉にバレたらとんでもねえことになるからな。」

 

美羽「ほんとよ。でもなんで大杉先生があそこに居たのかしら?」

 

彼方「多分たまたま通りかかったとこに城島が入ってくのを見ちゃったからじゃない?城島が必死に大杉の相手してたし。」

 

JK「だとしたらそれ最悪っすよ。もしかしたら目付けれれるかもしれませんし。」

 

友子「やっぱり、おまじないが必要。」

 

彼方「かもね。」

 

友ちゃんはそう言いさっきのイラストを僕に渡す。

僕はそれを扉の裏に貼る。

どうかこれ以上厄介なことが起きませんように。

そうして僕らはしばらく待つ。

 

やがて大杉の声が無くなっていったのを感じとり、皆一斉に動き出す。

だが扉は閉まった状態だからどこにも逃げ場はなくぎゅうぎゅう詰めに。

城島がやっと扉を開けてくれたが、その時には既に遅し。

僕らはロッカーいっぱいに詰まっていた。

 

 

あの後僕らはそれぞれ用事があったのを思い出し、結局ラーメンを食べに行くのは僕とリーゼントくんと城島の三人だけだった。

まあ美羽と大文字はそれぞれ部活を兼用してるから仕方ないか。

JKと友ちゃんはそれぞれやることがあるからとそそくさと行ってしまった。

次の時は何か奢らせよう...JKに。

 

弦太朗「それにしてもさっきはヤバかったな~。」

 

ユウキ「あー、こんな時は宇宙気分吸収しに行きたーーい!」

 

弦太朗「え、ラーメンだろ?」

 

彼方「じゃあ宇宙気分吸収しに行った後にラーメンでいいんじゃない?」

 

弦太朗「おぉ!その手があったか!流石彼方!」

 

ユウキ「いいじゃんそれ!」

 

彼方「よし!じゃあ早く行こっか~。」

 

弦太朗、ユウキ「「おー!」」

 

結局僕らはJAXAに行くことになった。

そうして僕らは雑談しながら歩いていると視線を感じた。

僕が目立っているのは分かっているが、この視線はまるで嫉妬のようなものだ。

僕は立ち止まってその視線の元を見ると一人の生徒が望遠鏡で僕らを見ていた。

なんだアイツ?もしかして城島が言ってたストーカーか?

 

急に立ち止まった僕に二人は疑問に思う。

 

弦太朗「どうしたんだ彼方?なんかあんのか?」

 

彼方「ねえ城島、君が言ってた奴ってアイツのこと?」

 

そう言って僕はストーカーを指さす。

城島はそれを見て血相を変える。

 

ユウキ「う、うん。なんで彼方くんが知ってるの?」

 

彼方「いや、気持ち悪い視線を受けてたからね~。どうせ城島と一緒に居る僕らに嫉妬してるんだろうけど。」

 

ユウキ「えぇ...、そんなこと言われてもだよ。。。」

 

弦太朗「なんの話だ?」

 

彼方「まあ端的に言えば城島がストーカーされてるって話だ。で、その犯人がアイツってことだよ。」

 

弦太朗「何!?それほんとかユウキ!?」

 

ユウキ「う、うん。ずっとされてて我慢できなかったから今日文句を言いに行ったんだ。」

 

彼方「まあ気にしない方がいいよ。あーゆーのってただの構ってちゃんだから。最悪園ちゃんとかに言ったら対処してくれるよ。」

 

弦太朗「それもそうだな。早く宇宙を感じに行こうぜ!」

 

ユウキ「うん!そうだね!」

 

そう言い二人は走っていった。

放課後だってのに元気だね~。

まあとりあえずあのストーカーには気を着けとくか。

アイツから羅針盤座の輝きが見えるからな~。

厄介なことにならなきゃいいんだけど。。。

 

 

 

 

JAXAにやって来た僕らは展示物を見ていた。

相変わらず城島は宇宙オタクぶりを発揮している。

匂いを嗅いじゃってるもん。もう重度だよ。

 

弦太朗「でもさ、よく考えたらユウキの夢叶ってるよな?」

 

ユウキ「え?」

 

弦太朗「宇宙飛行士になって宇宙に行くって夢だよ。だって毎日月行ってるぜ、俺たち。」

 

ユウキ「んー、でも違うな~。それとこれとは別!ちゃんと自力で行かなきゃ、行ったことにはならない。」

 

彼方「そうだね~。自分の夢は自分の力で掴み取る。だからこそやりがいがあるんだよね~。」

 

ユウキ「そうそう!自力で行った宇宙の景色はきっと凄いと思うんだ~。それより、これ見て!」

 

城島はそう言い一冊の本をリーゼントくんに見せる。

ん?これって叔父さんの本じゃん。やっぱ城島は持ってるよね~。

 

弦太朗「『遥かなる銀河の呼び声』?誰これ?」

 

彼方「おいおい、僕らの学校の理事長だよ。ついでに僕の叔父さんでもあるけどね。」

 

弦太朗「そうなのか!?」

 

ユウキ「そ、我望光明さん。宇宙飛行士で科学者。宇宙開発の未来の人材を育成する為に天ノ川学園都市を創ったの。今でも、NASAやロシア宇宙航空局に強いコネクションを持ってる、日本で一番宇宙に近い人だよ!」

 

そう。叔父さんは日本で一番宇宙に近い人と言われてる。

また、日本で一番宇宙を求めてる人でもあると僕は思ってるけどね。

天ノ川学園都市を創った理由も城島が言ってたこともあるけど、星の導きに惹かれる者を見つける為でもある。

まあそんなことを知ってるのは幹部たちだけだけどね。

 

ユウキ「だから私は天高に来たの!宇宙って素晴らしい。でも、とっても怖い所でもある。だから、甘く見ずに自分の力で挑戦したい。」

 

彼方「すごいね~、そんだけ強い意志があるなら案外すごい宇宙飛行士になっちゃったりして。」

 

弦太朗「おぉ、そうかもしれねえな!ユウキならきっとなれるぜ!」

 

ユウキ「えぇ、そうかな~。そんなに褒められると照れるよ~。」

 

そう言い三人で笑った。

 

 

ユウキ「やー、やっぱJAXAは楽しいなー!」

 

弦太朗「楽しかったな!よっしゃ次はラーメン屋に行こうぜ!」

 

ユウキ「うん!」

 

彼方「君たちほんと元気だね~。疲れなんて知らないんじゃないの?」

 

ユウキ「そんなことないよ!JAXAで宇宙気分をいっぱい吸収したから疲れも吹っ飛んだんだよ!」

 

弦太朗「そうだぜ!常に元気じゃねえと、青春を全力で楽しめねえからな!」

 

彼方「ほんとすごいよ君たち。。。早くラーメン食べに行こ~。」

 

弦太朗「おう!そうd...「見つけたよ、ユウキ。」っ!なんだ貴様!」

 

声がした方に振り返るとゾディアーツが居た。

多分城島のストーカーだろう。

星座が羅針盤座を表している。

ピクシス・ゾディアーツか。

 

ピクシス「僕は羅針盤だ。望む物はなんでも見つけられる。どこに隠れようと、どんな物でも、このダンシングホーンが示してくれる。もう逃げることはできない。」

 

そう言いピクシスは変身を解除する。

モヤから現れたのは、さっき学校で見たストーカー野郎だった。

無駄にイラつくドヤ顔をしている。

殴りたい、このドヤ顔。

 

ユウキ「牧瀬くん!あなたゾディアーツに!」

 

牧瀬「へぇ~、このスイッチのことを知ってるのか。そう...、僕は人間を超える力を手に入れた。」

 

そう言いストーカーは未来だいありーと書かれてる痛々しい装飾がされてる本を掲げる。

 

牧瀬「ほらご覧、ユウキ。これは僕と君の未来だいありー。今日は今から二人で、天体観測だぁ!」

 

そう言いストーカーは本のページを見せてくる。

そこには無駄に美化されたストーカーと城島が手を繋ぎラブラブであるような絵が描かれてる。

隣のページには二人が食事をしてるところが描かれてあり、他のカップルが羨ましがってる様子が描かれてる。

正直言って気持ち悪い。

城島もあまりの気持ち悪さに引いている。

 

城島はあまりの気持ち悪さに僕らの後ろに隠れる。

 

ユウキ「弦ちゃん、彼方くん...、怖いよあの人。」

 

弦太朗「大丈夫だ。俺たちがついてる!」

 

彼方「あんなきもいのさっさと消え失せてほしいよ、ほんと。」

 

牧瀬「きっさまら~!邪魔だな!」

 

そう言いストーカーはスイッチを押しゾディアーツに変身する。

そして僕らに向かってくる。

僕は慌てて城島を離し、ピクシスに攻撃する。

いきなりの攻撃にピクシスは反応できず、吹っ飛ぶ。

 

彼方「リーゼントくん、コイツど素人みたいだよ。」

 

弦太朗「そのようだな。さっさと終わらせてやる!」

 

そう言いドライバーを装着する。

 

弦太朗「変身!」

 

あ、やべ、離れないと。

僕は慌てて城島の下に行く。

だが寸でのところで間に合わず、変身時の風圧で飛ばされる。

 

彼方「痛っ、ほんともうちょっとタイミング考えてよ!」

 

フォーゼ「宇宙...、ってワリぃ。っ!宇宙キターーーー!!!」

 

まあ謝ってくれたから許すけどね。

フォーゼはピクシスに向かっていく。

ピクシスは腕の突起で攻撃してくるが、大振りなため簡単に避けれる。

その隙をついてフォーゼはピクシスに頭突きする。

 

ピクシス「痛いじゃないかー!!!」

 

そう言い、ピクシスは激昂しさらに攻撃の手を増やす。

さっきと変わらない大振りだが、その数が増したこともありフォーゼは徐々に攻撃を受けていく。

そして強振した腕によってフォーゼは吹っ飛ばされる。

ピクシスは倒れたフォーゼに向かって迫ってくるが、そこにダイザーが現れ、変形してピクシスを吹っ飛ばす。

 

ダイザー「待たせたな、弦太朗。」

 

ユウキ「先輩!ナイスアシスト!」

 

彼方「はいはい、君は危ないからもうちょっと下がろうか~。」

 

ダイザーの活躍に興奮した城島をなんとか落ち着かせ、下がらせる。

ピクシスはフォーゼに攻撃しようとするが、ダイザーに阻まれ遊ばれている。

その間にフォーゼはファイヤーステイツに変身する。

そして銃から火炎放射をピクシスに噴射する。

ピクシスは高温度の火炎放射に攻撃できないでいる。

 

城島はその間にバーガーちゃんで歌星に連絡する。

 

ユウキ「賢吾くん、ゾディアーツよ!」

 

賢吾『分かった!すぐ行く!』

 

歌星もこっちに向かうようだ。

僕らは念のため、バーガーちゃんで戦闘を記録する。

 

フォーゼの方もどうやら大詰めのようだ。

ダイザーがピクシスにタックルし、ぶっ飛ばす。

怯んだピクシスにフォーゼは火炎放射を決めようとする。

だがそこにピクシスが腕を振る。

するとどこからか車が一人でにこっちに向かってくる。

僕らは慌てて避けたが、その車はフォーゼとピクシスとの間に入り、火炎放射が阻まれた。

 

火炎放射を受けた車は爆発し、辺りに煙が立ち込める。

煙が晴れるとピクシスが居ない。

どこに行ったかと思うと、ピクシスの声が聞こえた。

声のする方を向くとピクシスはいつの間にか公園の噴水の上に居た。

 

ピクシス「ユウキ、こんな男とつるんでるとはがっかりだ。」

 

その言葉に城島は怒る。

だがここからじゃどうにもできないから苛立っている。

そういう僕もちょっと苛立ってる。

アイツ、煽りスキルのレベルカンストしてるだろ、絶対。

 

ピクシス「見損なったよ!」

 

そう言いピクシスは去っていった。

それにしてもあの能力。

もしかして腕の羅針盤が引き寄せたのか?

だとしたら飛び道具は全部使えないことになる。

どう対処するべきか。。。

 

と、そこにレーダースイッチから着信音が鳴る。

フォーゼはレーダーを起動しモジュールのモニターを見る。

どうやら歌星からの通信らしい。

ん?それにしてもさっき連絡したときにこっちに来るって言ってなかったか?

 

フォーゼ「どうした賢吾?」

 

賢吾『困ったことになった。』

 

フォーゼ「どうした?」

 

賢吾『ラビットハッチから...、出られなくなった。』

 

フォーゼ「出られなくなったって。...えぇ!?」

 

彼方、ユウキ「「嘘!?」」

 

どうやら厄介ごとはピクシスだけじゃないらしい。。。

 

 

 

 

ーおまけー

 

今日は珠ちゃんとのデートの日。

ずっと前に約束してから結構経ってしまったからな~。

珠ちゃんも話を出したときにちょっと不機嫌だったけど、日にちが決まったら喜んでたからね~。

 

待ち合わせは前にジュンとデートした時と同じように天高の校門前。

珠ちゃんも野郎どもが目を引く美女だから駅前だとナンパされかねないからね~。

いつも通り待ち合わせの30分前に着き、珠ちゃんを待つ。

この待ち時間は嫌いじゃないからいつも早めに来てるんだよね~。

 

そうこうしてるうちに待ち合わせの10分前ぐらいに珠ちゃんが来た。

今日はちょっと暑いから珠ちゃんは白の半袖に茶色のガウチョパンツで来てる。

シンプルだけど丁度いい可愛さがある。

 

珠惠「お待たせ。長い時間待ったでしょ?」

 

彼方「そんなことないよ?さっき来たばっかだし。」

 

珠惠「貴方のさっきは何十分も前でしょ。」

 

彼方「あらら、バレてた?」

 

珠惠「何年一緒に居ると思ってるのよ。」

 

彼方「だよね~。」

 

中学からとはいえ、もう5年ぐらい一緒に居るのか。

もうすぐ小学校丸々の付き合いになるのね~。

まあこの先もずっと一緒に居るんだからあんま関係ないか?

 

彼方「そんじゃ行こっか~。」

 

珠惠「そうね。エスコート頼むわよ、キング様?」

 

彼方「ハハッ、仰せのままに、クイーン様。」

 

クイーンフェスの時のようなやり取りをして僕らはデートを始める。

そういえば最近珠ちゃんとあんまり話したりしてなかったな〜。

まぁ色々あって忙しかったってのもあるしね。

特に魔女騒動の時はほんと疲れた。

学校全体をワープで移動するのはいいけど、あれも結構集中しないとだから疲れるんだよね〜。

 

そう思いながらも僕らはショッピングモールにやって来た。

まぁ無難に行くとしたらここぐらいしかないよね。

 

彼方「さてさて、最初はどうする?」

 

珠恵「彼方に任せるわ。今日は私を楽しませてくれるんでしょ?」

 

彼方「そっか~。うーん...、じゃあ映画でも観に行こっか?」

 

珠惠「いいわね。丁度見たい映画があったのよ。」

 

僕らはショッピングモールの中にある映画館に行った。

珠ちゃんが見たい映画は恋愛物の映画だった。

やっぱ女子高生ってこういう恋愛物が好きなのかな~?

ポップコーンとドリンクを買って映画館の中に入る。

丁度いい位置の席が取れたからそこで二人並んで座る。

映画が始まるまで雑談を楽しんでいた。

 

映画が始まり自然と会話が無くなる。

どうやら内容的には〇ガイルのような感じのストーリーのようだ。

これは泣いちゃうよ?僕あれ結構グッとくるものがあったんだ。

そしてクライマックスの告白からのキスシーン。

ここに至るまでのストーリーがもうエモすぎて僕は自然とスクリーンに夢中になっていた。

ふと珠ちゃんを見ていると静かに涙を流していた。

でもその様子がもの凄く美しかった。

 

 

珠惠「やっぱいい映画だったわね~。」

 

彼方「ほんとああいう感じのストーリーはグッとくるんだよね~。」

 

珠惠「彼方が好きそうだったから一緒に観たかったのよ。あれと似たようなの読んでたでしょ?」

 

彼方「よく知ってるね~。流石僕の彼女様だね~。ほんと嬉しいよ~。」

 

そう言い僕は珠ちゃんの頭を撫でる。

ほんとよく見ててくれて嬉しい。

男の子はそういうのされるとほんと好きになっちゃうから。

ってもう好きになってたんだった。好きレベルがカンストしちゃうね☆

 

丁度いい時間というのもあってそのままフードコートでランチを取ることにした。

珠ちゃんはカルボナーラを食べて、僕はきつねうどんを食べた。

ここのフードコートにあるうどん屋さんがすんごい美味いんだよね~。

 

昼食を取った後は適当にウィンドウショッピングをしていた。

まあ特にこれといったものは無かったけど、珠ちゃんにプレゼントすることがあったらという時の為に彼女の反応は見てたりした。

誕生日とかにはあれを買ってあげたらいいかな~?

 

そうして僕らは今カフェで休憩中だ。

まあどこかで休憩しようと思ってたから丁度良かったんだけどね。

お互いコーヒーを飲んで一息つく。

 

彼方「それにしても今日はいつもより機嫌がいいね~。」

 

珠惠「あらそう?やっぱり彼方とデートしてるのが一番なんじゃない?」

 

彼方「いや~、そう言われると嬉しいよ~。」

 

珠惠「フフッ、本当よ。てっきり忘れてると思ったんだから。」

 

彼方「それはごめんって。色々忙しいのもあったからさ。」

 

珠惠「まあ美羽から色々聞いてるわよ。この前の魔女騒動の時なんてすごい頑張ったって聞いたわよ?」

 

彼方「うーん、学校が潰すとか言われたら全力でどうにかしないとじゃん?だからあれは結構頑張ったよね。中でも一番しんどかったのは学校中にばらまかれた炎を消すのがね。ほんとあれは疲れた。」

 

珠惠「あらあら、お疲れ様。ほんと彼方のおかげで平和に暮らせてるわ。」

 

彼方「僕だけじゃないけどね。それでも良かったよ。」

 

珠惠「まあ学校の平和を守るのも良いけど、私との時間もちゃんと守ってよね?」

 

彼方「もちろん。この時間は絶対に守るよ。」

 

珠惠「フフッ、ならよかった。」

 

それからも雑談して、一時間ぐらい経った。

流石に時間的にそろそろ帰らないとと思い、僕らはカフェを出た。

 

最後に何かやりたいなーと思ってたら、ゲーセンコーナーが目に入った。

そうだ、プリクラ撮ろ。

 

彼方「ねえ、最後にプリクラ撮らない?」

 

珠惠「プリクラ?珍しいわね?」

 

彼方「せっかくのデートなんだから記録に残したくてね~。どう?」

 

珠惠「いいわね。行きましょ。」

 

そう言い僕らはプリクラの筐体の中に入った。

入ったはいいけどプリクラした回数があんまりないから操作は分からないんだよね~。。。

 

彼方「僕あんまり操作わかんないから珠ちゃんやってくれない?」

 

珠惠「なんでプリクラ撮ろうって言ったのよ。。。」

 

彼方「だってどうせなら最後に何かしたいな~って思ったから。」

 

珠惠「はぁ...、仕方ないわね。ついでにこれで操作覚えなさいよ?」

 

彼方「は~い。」

 

ほんと頼りになる珠ちゃん。

珠ちゃんに操作の方法を教えてもらいながら撮影していった。

最初は並んでピースをやったりしていったけど、段々プリクラ側からの要求が激しくなってくる。

ハグをしろだとかあすなろ抱きとか言ってくる。

僕らは若干恥ずかしがりながらもポーズをとる。

 

そして最後に自由に撮ってみよう!なんて言いやがる。

最後の最後でこっちに投げてくるとはコイツやりやがる。

 

彼方「どうする?」

 

珠惠「うーん...、キス、とかしてみる?」

 

彼方「あー...いいよ?」

 

珠惠「え!?///」

 

プリクラ『5秒前!』

 

彼方「ほらカウント始まったよ。」

 

珠惠「いや、でも、キスは、ちょっと///」

 

プリクラ『3!2!1!』

 

彼方「ほら!」

 

僕は無理やり珠ちゃんを抱き寄せ、キスした。

いきなりだったから珠ちゃんは驚いて目を見開いてる。

そしてシャッターの音が聞こえた。

ちょっといたずら心でやったけど、どんな顔が写ってるか楽しみだな~。

 

 

あの後珠ちゃんはずっと顔を真っ赤にして俯いてたから落書きは僕がやった。

ちょっとやりすぎかなってぐらいにしたから珠ちゃんの反応が楽しみだな~。

 

そして筐体から出てきた写真に写ってたのは、珠ちゃんにキスしてる僕とキスされて顔を赤らめてる珠ちゃんだった。

僕と珠ちゃんはそれぞれ出てきた写真を見た。

珠ちゃんは案の定、顔を真っ赤にして頭から湯気が出てるような感じになってる。

 

彼方「そんなになるような落書きしてないでしょ?」

 

珠惠「何言ってるのよ!?///愛してるって大きく書いてるじゃない!///」

 

そう、あのキスの写真に真ん中に大きく愛してると書いた。

しかもご丁寧にキラキラしたデコをして。

まあ、そういうことだよ。

今の僕の気持ちを表してみたんだよ。

だってこうしないと照れちゃうもん!

 

彼方「まあいいじゃない。初デートの記念に。」

 

珠惠「もう...///そんなこと言われたら許しちゃうじゃない///」

 

珠ちゃんは顔を赤くしながらめっちゃ可愛いことを言う。

それを思いっきり喰らって悶絶している。

そんな僕らはお互い顔を真っ赤にしながら帰っていった。

 

 

 

 

帰宅中。

 

僕らはお互い恥ずかしいがカンストして無言で帰ってる。

でもちゃんと手を繋いでるあたりやっぱ好きなんだな~って思う。

 

そして珠ちゃんの家の前に着いて。。。

 

珠惠「あっ...もう着いたわね。」

 

彼方「そうだね~。今日は楽しかったよ~。」

 

珠惠「私も楽しかったわ。最後にあんなことされたけど。。。」

 

彼方「それは言わない約束じゃん。。。まあおかげで可愛い珠ちゃん見れたからいいけど。」

 

珠惠「もう!///からかわないで!」

 

彼方「ハハッ!まあいいじゃん。いい思い出になったんだから。」

 

珠惠「もう...///」

 

珠ちゃんの可愛いが天元突破してすんごい抱きしめたい。

でも流石にそれしたら珠ちゃんがショートしちゃうから何とか踏みとどまる。

 

彼方「じゃあまたね~。学校でも話す機会増やすから、また話そうね~。」

 

珠惠「あっ、待って!」

 

彼方「ん~?どうしt「んっ。。。」んぐ!?」

 

珠ちゃんが待ってと言うからなんだろと思い振り返ったらキスしてきた。

ほんとこーゆー時に限って初心なことされるとたまらんのよ。

ほんと可愛すぎる。

 

僕は珠ちゃんを抱きしめ、しばらくキスを交わす。

数分ぐらい続けて、お互い息が出来なくなったから唇を離す。

 

珠惠「はぁ、はぁ...、私からもしたかったのよ。」

 

そう言い珠ちゃんは家の中に入っていった。

いや僕にもなんか言わせて!?

結局僕は家に帰ってから布団に身体をくるめて悶絶した。

 

 

 

 

to be continued...

 





アンケまだまだ待ってるよ!!!


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月・戸・破・壊

遂にUA数が一万超えたよ!

みんなありがとう!



ー学校ー

 

ー彼方sideー

 

歌星からラビットハッチから出られなくなったという連絡を受けた僕たちは学校に戻りロッカーのある場所に向かった。

部室棟に入るとJKが部屋から僕たちを呼んでくる。

どうやら僕らが最後のようだ。

 

部屋に入ると、ロッカーがあった場所には何も無かった。

まるでそこだけ何かがあったような跡だけがあり、それ以外には何も無い。

それにしてもなんでいきなりこんなことが...。

まさか、大杉にここのこと知られたからじゃないのか?

だとしたら今すぐ大杉の所に行って聞かないと。

 

 

僕は職員室に急いで向かった。

もしかしたら大杉が間違えて廃品扱いにしたら大変なことになる。

あのロッカーが無いと歌星は二度と地球には帰ってこれない。

 

職員室に着くと大杉を探した。

あの貧相な顔を直ぐに見つけ、大杉の下に駆け寄る。

いきなりの来訪にびっくりしたようだが、そんなのんきなことを気にしてる場合ではない。

 

彼方「大杉先生、さっき城島がいた場所にあったロッカーをどこにやりました?」

 

大杉「ロッカー?あぁ、あれなら廃品回収に出したぞ?」

 

マジか、もう手遅れだったか。

 

彼方「どこの業者ですか?」

 

大杉「知らないよ。偶々、あのー、トラックが通ってさ。。。」

 

彼方「本当にですか?なんか隠してることとかないですか?」

 

大杉「ないって!俺はなんもしてないって!」

 

なんか隠してる気がするけど。。。

このまま聞いてても無駄か。

 

彼方「そっすか...。失礼しました。」

 

僕は職員室を後にし、城島たちに連絡を入れた。

僕らは聞き込みを終わり次第、二年B組の教室に集まることにした。

 

 

 

 

教室に集まったはいい物の、誰一人として有力な情報を集めれてない。

あとはJKだけが来てないが、頼むから何かいい情報を持ってきてくれ。。。

そう思ってるとドアが開きJKが入ってきた。

 

JK「ダメだ!トラックの目撃者は...、見つかんなかったっす。。。」

 

マジか。。。

廃品回収だからそう目立つところには来てないだろうけど、一人ぐらい見てる生徒が居てもいいはずだけどな~。。。

 

美羽「友子、廃品業者のリストアップは?」

 

友子「検索、引っかかんなかった。。。」

 

何一つ情報を掴めなかったか。。。

まあ確かにロッカーひとつ消えたぐらい誰も気にしないだろうけど。

それにしたって情報が無さすぎるでしょ。

 

そう思ってると歌星のカバンから着信音が。

そういえばリーゼントくんがカバン持って行ってたな。

持って行っておいて良かった。

 

賢吾『ロッカーは見つかったか?』

 

僕たちはカバンの下に行く。

モニターから見える歌星の顔には焦りが見える。

それもそうだ。

もしかしたら自分が二度と地球に戻れないかもしれない。

そう思うと焦るのも必然だ。

 

ユウキ「ごめん、まだ。。。」

 

美羽「ねえ、なんでゲートはあのロッカーなの?」

 

そういえばあのロッカーがゲートの理由を聞いてなかったな。

そもそもなんで学校とラビットハッチが繋がってるのかも聞いてない。

まあ僕は()()()から聞いてるけど、城島以外のみんなは聞いたことがないだろう。

そして歌星は語った。

 

 

去年の歌星の誕生日。

歌星は差出人不明のプレゼントをもらったそうだ。

歌星はいつもあのロッカーがあった廃部室で一人になっていたようだ。

 

そこでプレゼントを開けると、中には手紙とスイッチが入っていたそうだ。

手紙には意味深なことが書かれていたらしい。

よくわからないままスイッチをオンにしたらしい。

 

だがそこに城島が入ってきて、慌ててプレゼントをロッカーの中に入れたらしい。

その頃から城島との関係が始まったらしい。

城島は歌星が歌星博士の息子だということを知り、話が聞きたかったらしい。

相変わらずの宇宙オタクぶり。

 

とそこにロッカーからいきなり光が漏れてきたらしい。

一体何が起こったのかわからない歌星とその現象に興味を持った城島はロッカーを開ける。

すると中には光の空間があり、城島はその中を進んでいく。

慌てて歌星も城島の後を追っていく。

二人はやがて一つのドアの前に辿り着き、ドアを開ける。

ドアの先に広がっていたのは、ラビットハッチだった。

 

ラビットハッチが月にあると知った歌星たちは、ラボのパソコンから歌星博士の研究とゾディアーツの存在を知る。

そして、自分が父親の意思を引き継ぎ、ゾディアーツから人々を守ると決意する。

城島はそれに賛同し、その日から二人きりの活動が始まった。

 

 

とここまでが歌星が話した内容だ。

やはり聞いてて凄い内容だったと思う。

ある程度は聞いていたが、改めて聞くと歌星の決意の硬さがよくわかる。

 

リーゼントくんは絶対に探し出すと言い、通信を切る。

だが城島が彼女一人で何とかすると言い教室を出ていった。

一体何するつもりなんだろう?

誰か探し物のプロにでも心当たりが...、って。

探しものと言えば確か。。。

 

ピクシス『僕は羅針盤だ。望む物はなんでも見つけられる。どこに隠れようと、どんな物でも、このダンシングホーンが示してくれる。』

 

ハッ!

まさかあのストーカーの力を使ってロッカーを探し出すというのか!?

だとしても危険すぎる。

あの手のイカレ野郎は自分の思い通りにならないと何をしでかすかわからない。

僕は急いで城島を探しに行った。

 

 

確かあのストーカーの名前、牧瀬って言ったよな。

なら牧瀬の所属している部活を聞けばどこにいるのかわかるはず。

誰か知ってそうな人いないかな~?

 

そう考えてると前から紗理奈ちゃんがやって来た。

 

紗理奈「あら、彼方くん。どうしたのそんなに慌てて?」

 

彼方「丁度いいとこだよ!ねえ、牧瀬ってやつの所属してる部活って知らない?」

 

紗理奈「牧瀬君?確か、天文部だったと思うわよ?」

 

彼方「天文部だね!?ありがとう!」

 

紗理奈「あっ、もう、ちょっとは話してもいいじゃない...。あんなキモい男探すより。」

 

僕は紗理奈ちゃんに教えてもらった天文部に向かった。

って言っても天文部の部室がどこにあるのか知らなかったからちょっと手間取ったけど。

僕は天文部の部室に着き、ドアを開けるがそこには誰も居なかった。

クソ、もうすでに行ったか。

 

僕は部室の窓から学園中を見渡す。

すると両腕を構えてながら歩いてるピクシスとそれに続く城島の姿を見つけた。

僕は急いで二人の後を追う。。。

 

 

 

 

二人の後を追って辿り着いたのは、ゴミ収集場だった。

だうやら廃品回収に出されたロッカーがここに流れ着いたようだ。

僕はここに入っていった二人を探していると、ロッカーを蹴り倒すピクシスの姿を見つけた。

瞬間、僕はピクシスへ向かって全力で走り、全体重を乗せたドロップキックを放つ。

ピクシスはいきなりの攻撃に反応できず、ゴミ山の中へと飛んでいった。

 

ユウキ「彼方くん!?どうしてここに!?」

 

彼方「城島とピクシスの後を追ったんだよ。そしたらロッカーを蹴り倒すあのクズの姿が見えたからね。それよりも大丈夫?」

 

ユウキ「うん、私は大丈夫。でも、ロッカーが...。」

 

ピクシス「何するんだーーー!!!」

 

ピクシスがゴミ山から出てきた。

ちっ、アイツもうちょっとのびてたらいいのに。

 

ユウキ「牧瀬くん!なんであんなことするの!」

 

ピクシス「フン。もうお前に興味はない。あんな男とくっついてる女なんか汚れている!ただ、僕は、僕に屈辱を与えたお前を許さない!」

 

ユウキ「ダマしたの!?」

 

彼方「オマエの方が汚れてるだろうが。そんなキモい考え方しかできないから女の子に振られるんだろうが。実際お前のこと聞いたら、皆キモいヤツとしか言ってなかったぞ。」

 

ピクシス「ええい、黙れ!お前たちが探してたロッカーがどうなってもいいのか!?」

 

ピクシスはそう言い、ロッカーを持ち上げる。

ロッカーはさっき蹴り倒された衝撃でか、扉が半開きになっている。

ん?そう言えばロッカーの扉の裏に友ちゃんが描いたおまじないが貼ってあったはず。。。

でもあのロッカーには...、まさか大杉のやつすり替えたのか?

 

ピクシスはロッカーに殴りかかろうとするがその時、バイクのエンジン音が聞こえた。

音が鳴る方を向くと、リーゼントくんがバイクに乗ってこっちに向かってきた。

全速力のままピクシスに突っ込み、ピクシスは吹っ飛ばされる。

ピクシスの耐久力ってクソだよな。

 

ピクシス「折れるじゃないか!」

 

弦太朗「させるかこの野郎!」

 

ユウキ「弦ちゃん!」

 

彼方「ナイスタイミング!」

 

リーゼントくんはバーガーちゃんに城島をつけさせていたことを言う。

ほんとこーゆー時は人一倍機転が利くよね~。

そういうとこ勉強にも活かせばいいのに。

 

そしてリーゼントくんはドライバーを装着し、変身する。

いつものセリフをポーズをとり、ピクシスに向かっていく。

てか、城島も一緒にやってんじゃないよ。あんた一応ストーカーに狙われてるんだよ?

 

 

ピクシスはフォーゼに攻撃するが、全てカウンターされダメージを負っていく。

攻撃が当たらないからか、段々雑になっていく。

この分だと苦労はしないだろう、何もなければ。

 

ライダー部のみんなも来たようだ。

大文字とJKがロッカーを回収しに行こうとするが、ピクシスが割って入り邪魔をする。

城島がバーガーちゃん伝いで歌星にロッカーを見つけたことを報告する。

それに安堵する歌星。

 

フォーゼはロケットを装着し、ピクシスに向かっていく。

だが、ピクシスの能力で無理やり軌道を変えられ、ゴミ山に不時着する。

そうだ、ピクシスのあの誘導が厄介だ。

あれの所為で遠距離攻撃が出来ず、しかもさっきのような物理もやりにくい。

これはフォーゼにとって今までとは一味違う厄介さを持つ相手になる。

 

ピクシスはゴミ山に突っ込んだフォーゼに見向きもせず、ロッカーに向かってくる。

僕はピクシスに駆け寄り行かせないと攻撃をする。

ピクシスの進行を止めているが、生身だとダメージがあんまり入らない。

 

フォーゼ「ロッカーに手出しはさせねえ!」

 

フォーゼはそう言い、レーダーとランチャーを装着する。

ってまずい!あのままだとピクシスの誘導でロッカーが破壊されてしまう。

 

フォーゼ「ロックオン!喰らえ!」

 

彼方「やめろ!ピクシスに飛び道具は絶対にダメだ!」

 

だが僕の制止が届くことはなく、ランチャーモジュールからミサイルが発射されてしまう。

ピクシスは自身に向かってくるミサイルに腕を掲げ、ロッカーの方に向ける。

僕は何とか照準をずらそうとピクシスに体当たりするが、既にミサイルの行き先は決められたようだ。

ミサイルはロッカーへと向かっていき、そして着弾する。

ロッカーのあった場所は大爆発し、爆炎で包まれる。

 

彼方「クソっ。。。」

 

爆炎が晴れると、そこには跡形もなく破壊されたロッカーがあった。

これだともうゲートとして機能はしない。。。

これがあのロッカーだとしたらの話だが。

 

ロッカーが破壊されたことに、みんな言葉が出なくなる。

 

ピクシス「そうそう、言ってなかったね。僕の能力はもう一つあって、指示した相手を思いのままに操れるのさぁ。さっきのミサイルの様にね。」

 

フォーゼ「何。。。」

 

彼方「きっさまぁああああ!!!」

 

僕はピクシスに殴りかかる。

だが僕の拳はピクシスに届かず、ピクシスの誘導によって身体があらぬ方向に向かっていく。

フォーゼはその間にロッカーをファイヤーステイツに変身して消火したようだが、無意味だ。

 

フォーゼ「貴様という奴は!その性根、叩きのめしてやる!」

 

フォーゼはそう言い、火炎弾をピクシスに撃つ。

だがそれは悪手で、ピクシスは火炎弾を誘導しライダー部のみんなの周りに着弾させる。

 

ピクシス「いいのかなぁ?今度はその攻撃で、君の仲間を傷つけることになるかもしれないよ?」

 

彼方「うっせえわ!お前のその汚い口を閉じやがれ!」

 

僕はピクシスが油断している隙に、ピクシスの股間を思いっきり蹴りつけてやった。

いくらゾディアーツになったといえど、人間の弱点を無くしたわけではない。

股間を蹴られたことに悶絶するピクシスは変身解除をする。

 

牧瀬「くっそぉぉ!我望!貴様この僕に向かってこんなことをするなんて!どうなっても知らないぞ!」

 

彼方「やれるもんならやってみろよ。そん時は僕がオマエを全力でぶっ潰す。肉体的にも精神的にも社会的にもな。」

 

牧瀬「ぐっ...、まあいい。まだまだ僕の輝く星座は、たくさん居るんだあ。。。」

 

ストーカーはそう言い、美羽を下卑た目で見る。

まさか、美羽のことを狙ってるのか?

絶対に許さない。。。

アイツのスイッチを破壊したら、痺れ薬で一週間痺れさせた後に下剤で苦しめてやる。

 

ストーカーはそう言い去っていった。

 

 

 

 

僕らは歌星のカバン型のパソコンからダイザーを呼び寄せ、宇宙にフォーゼを打ち上げる準備をする。

だが、ダイザーからの打ち上げだと月までたどり着くほどの勢いはない。

 

実際、フォーゼはパラシュートを展開しながら戻って来た。

月に行けたならこんな短時間で戻ってくるはずがない。

僕のワープを使えば行けないこともないが、流石にみんなにバラすわけにはいかない。

 

レーダーに着信が入り、応答すると歌星が八つ当たり気味で僕らに言ってくる。

確かに今のフォーゼだと月に行けないことは分かってはいるが、何としてでも歌星を助けようとする努力は認識してほしいものだ。

まあ今の歌星にはそんなことする余裕がないのだろう。

モニター越しから歌星の悲痛の叫びが聞こえてくる。

やはりもう手はないのだろうか。。。

 

友子「やっぱおかしい。。。」

 

彼方「え?」

 

友ちゃんは僕の方を見て頷き、どこかに行く。

もしかして気づいたのか?

だとしたら一人で行かせるわけにもいかず、僕は友ちゃんについて行くことにする。

 

彼方「そっちはそっちで何かないか探しといてよ。僕は友ちゃんに着いてるから。」

 

弦太朗「分かった。頼んだぞ。」

 

僕はリーゼントくんに伝え、友ちゃんについて行く。

 

 

僕らが向かったのは、さっきいた収集場だった。

友ちゃんは破壊されたロッカーの扉を見て、何かに気づく。

 

友子「この扉、私が書いたおまじないのイラストがない。。。」

 

彼方「やっぱり?どうりでおかしいと思ったんだよね。」

 

友子「まさか先輩、気づいてたんですか?」

 

彼方「うん。だけどあのストーカーを油断させる為にもみんなには黙ってたんだ。ごめんね?」

 

友子「いえ。先輩がそうしたのなら、きっと意味があると思うので。」

 

彼方「そっか、ありがとね。それよりも早く学校に戻ろう。大杉のことだから多分ロッカーを隠してるよ。」

 

友ちゃんは頷き、僕らは学校に急いで戻る。

まあ友ちゃんがちょっと辛そうだったから途中でタクシー呼んだけどね。

 

 

 

 

学校に着き、大杉を探しているとJKがこっちにやってくる。

 

JK「彼方先輩、ヤバいっすよ!」

 

彼方「どうしたんだ?何がヤバいんだよ?」

 

JK「あの牧瀬って奴、相当ヤバいんすよ。奴が狙った女の子が行方不明になってるし天文部の部室でヤバいもん見つけたんすよ。」

 

彼方「マジか。。。だとしたら早く行かないと。でも、ロッカーのことがあるからな。。。」

 

友子「ロッカーのことは任せてください。大杉先生相手なら私一人でも大丈夫ですので。」

 

彼方「そう?じゃあ頼むよ?絶対無理はしたらダメだからね?」

 

友子「はい。先輩の方こそ気を付けて。」

 

彼方「うん。じゃあJKさっさと行くよ。」

 

JK「あ、はいっす!」

 

僕らは友ちゃんと別れて天文部の部室に行く。

 

 

 

 

僕らは途中でリーゼントくんと大文字と合流する。

城島と美羽がどこに行ったのか聞いたら、城島は当てがあると言い一人でどっかに行ったらしい。

美羽はその城島の後を追ったんだとか。

 

僕らはJKの先導により天文部の部室に到着する。

勢いよく扉を開け中に入り、JKがホワイトボードの前に立つ。

一見普通に天文部らしい内容に見えるのだが、JKが裏返すとそこには大量の女子生徒の写真が星座のように貼られていた。

その中に美羽が居て、星座の中でも一等星のような感じで貼られている。

 

これだけでも充分ヤバいのに、JKはアイツの未来だいありーを手に取り一つのページを見せてくる。

そこに描いているのは。。。

 

『今日は僕の星座たちと楽しいバス旅行。みんな流れ星になっちゃえ!」

 

まさかの犯行予告であった。

多分アイツが目を付けた女子が気に食わなくなったんだろう、城島のときのように。

それでみんなまとめて殺してしまえって訳か。

 

彼方「僕は美羽の傍についとくよ。もしストーカーが行動を起こしたなら、絶対美羽も関わってくるはずだから。」

 

弦太朗「だったら俺たちは早く牧瀬のところに行かねえとだな!そっちは任せたぞ、彼方!」

 

彼方「そっちも任せたよ。」

 

僕は急いで城島と美羽を探しに行った。

 

 

とりあえず職員室に行き紗理奈ちゃんを探しているが見当たらない。

大杉ならきっとっていうか絶対知ってるだろうから、大杉に紗理奈ちゃんがどこにいるか聞く。

 

大杉「園田先生?あー、ならさっき城島と一緒に理事長室に行ったぞ。なんか城島が理事長に会わせてくれなんて言ってきたけど。」

 

叔父さんに?

まさか、叔父さんのパイプを使って月に有人探査機を送ってくれと言いに行くつもりじゃないだろうな。

 

彼方「そうっすか、ありがとうございます。あとロッカーすり替えるとか最低ですね!」

 

大杉「おお、ってなんでそれ知ってんだよ!おい!我望!?」

 

僕は急いで理事長室に向かう。

多分美羽をそこにいるだろう。

 

 

理事長室に着くと中から話し声が聞こえる。

多分城島と美羽が叔父さんに話しているんだろう。

とりあえず早く行かないと二人ともマークされてしまう。

 

彼方「失礼しま~す。」

 

ユウキ、美羽「「彼方(くん)!?」」

 

我望「おぉ、彼方じゃないか。どうしたんだね?」

 

彼方「いえいえ、二人が理事長に直談判するしないって言い争ってたのを聞いてたので止めにきたんですよ。まぁ、美羽が止めに来てたようなので意味なかったけど。」

 

ユウキ「彼方くんまで!」

 

彼方「さあさあ、早く行くよ二人とも。みんな待ってるんだから。」

 

僕はそう言い、二人の手を取り引っ張っていく。

城島は抵抗し、叔父さんと話しをしようとするがさせない。

ラビットハッチのことが知られたら叔父さんは今すぐにでも潰しに行く。

それだけは阻止しないといけないんだから。。。

 

 

 

 

僕は二人を校舎まで引き釣り出す。

 

彼方「いくら歌星の為だからって無茶しすぎだよ?叔父さんといえどもそこまでの権力は持ってないんだから。」

 

美羽「そうよ。それに学校とラビットハッチが繋がってることが先生たちに知れたら、大変なことになるわ。」

 

ユウキ「でも!」

 

美羽「ゾディアーツ退治もできなくなる!」

 

ユウキ「じゃあ...、賢吾くんがどうなってもいいんですか?」

 

彼方「城島...。」

 

ユウキ「このままじゃ、賢吾くん、死んじゃうんですよ?」

 

城島の言葉に僕たちは何も言えなくなる。

そうだ、このままだと歌星はあそこで死ぬことになる。

また叔父さんたちの思い出の場所に血を流させるわけにはいかない。

 

ユウキ「私、私...、もうなにもできない。」

 

城島はそう言い涙を流す。

美羽はそっと抱きしめ、肩を貸す。

そんな二人を見ていられない。。。

なんとしてでもロッカーを見つけないと。

 

歌星のカバンから着信音が鳴る。

今も歌星は助けを求めている。

だけど僕たちにはロッカーを見つけ出すしか。。。

しかも今は美羽たちが狙われてる状況。

どうするべきなのか。。。

 

 

 

 

to be continued...

 

 




いかがだったでしょうか~。

前書きでもお伝えしましたが、総UA数が一万を超えました!
ほんと皆さんのおかげでございます!


今回はちょっと中途半端な終わり方になってしまいました。
ほんと次はマシマシにしますのでどうかご勘弁を。。。


それと変わってアンケなのですが。
皆さんほんとたくさんの投票ありがとうございます。
オリヒロ追加票が上回ってますね~。
まだまだ皆さんの投票を受け付けてますので、投票の方お願いします。

ちなみにオリヒロの設定は既に決まっています。
あとは出し方なんですよね。
まあいくつか考えてしっくり来たのにします。

ネタバレしちゃうと、元ネタのキャラの名前が関係あるかも?
まあそれだけですwww


ではでは次回もお楽しみに~。


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月・面・宣・誓

今回は短めです!
前回中途半端なところで終わったからね!


ではどうぞ!!!


 

ー彼方sideー

 

理事長室から二人を連れだし、話をしていた。

そしたらいきなり美羽が一人でに動き出した。

不自然な動きはまるで何かに操られてるようだ。

もしかしたらピクシスが動いたのかもしれない。

 

美羽「キャー!何これ!うわっ!きゃっ!」

 

ユウキ「うぅ、美羽先輩!ちょっとどこ行くんですか?」

 

美羽「opus!わかんないわよ!身体が勝手にぃぃぃい!」

 

彼方「まずい!ピクシスの仕業だ!急いで止めるぞ!」

 

ユウキ「えぇ!?ちょっと、どういうこと!?」

 

僕は急いで美羽に駆け寄り、必死に止めようとする。

城島も来て二人で美羽を止めようとするが、全然止まらない。

ピクシスの力が強まってるのか?

 

彼方「クソ、こうなったら一旦離すぞ。」

 

ユウキ「え!?なんで!?」

 

彼方「ピクシスの狙い通りなら他の女子も同じように操られてるはずだ。だったらみんなまとめて助けた方がいい。」

 

ユウキ「そうなの?なら...、分かった。」

 

彼方「ごめん美羽、ちょっとだけ我慢してて。...僕が何とかするから。」

 

美羽「彼方...。わかったわ。頼んだわよ!」

 

僕らは美羽を抑えるのやめる。

それによって美羽が引き寄せられていくスピードが上がる。

僕らは見失わない程度に追いかける。

 

 

追いかけた先にあったのは天高のバスと、バスの中に入っていく女子たち。

そして彼女らを操っているピクシスだった。

ピクシスは全員を乗せたのか、バスに乗りバスを操る。

バスは勝手に走行していく。

僕らは慌ててバスを追いかけるが、流石に人の足だと追いつかない。

 

彼方「城島はここにいてリーゼントくんに連絡して!僕はあのバスを追いかけるから!」

 

ユウキ「彼方くん、どうやって追いかけるの!?流石にバスには追いつけないよ!」

 

彼方「ハハッ、僕らにはまだあれがあるだろ?」

 

僕はそう言い、城島からカバンを取り操作する。

するとダイザーが僕らの前に現れる。

 

彼方「僕はこれで行く。ダイザーの力なら何とか止めれるはずさ。まあ後でどっと疲れるから嫌なんだけどね。」

 

ユウキ「だったら大文字先輩に頼んだら...。」

 

彼方「おそらく足止めを食らってるよ。」

 

ユウキ「え?」

 

彼方「僕らは天文部の部室に行ってあのストーカーの目的を知った。その後に別れたけど未だに来ないってことは多分スコーピオンあたりに足止めされてるはず。だとしたら動けるのは僕か君しかいない。」

 

ユウキ「そんな...。」

 

彼方「任せときなって。流石の僕も今回ばかりはちょっと許せないからねぇ。じゃあ行ってくるよ。」

 

僕はダイザーに乗りバスを追いかける。

ダイザーのスピードならすぐにバスに追いつけた。

僕はダイザーに搭載されてる拡声器をオンにし、バスに聞こえるように言う。

 

彼方「おいゴラ牧瀬!モテねえからって集団殺害なんてするとはなあ!それでも男かてめえ!」

 

僕はなるべくアイツを挑発するように言う。

ラストワンを迎えさせてからの方がやりやすい。

 

そう考えてると案の定アイツは勝手に怒り、ラストワンを迎えたスイッチを押す。

バスの中は騒然としてるようだ。

とダイザーに着信が入る。

誰からだと思い見てみるとフォーゼからだった。

 

フォーゼ『待たせたな彼方!ここからは俺がやる!』

 

彼方「遅いよ!僕と入れ替わりでピクシスをバスから追い出してやれ!」

 

フォーゼ『おう!』

 

僕はダイザーを減速させ、道を開ける。

すると後ろからバイクを運転してるフォーゼが猛スピードで追い抜いていく。

フォーゼはバイクのサドルを蹴ってバスの上に乗る。

フォーゼはウインチを装着し、バスの中にフックを投げる。

フックは見事にピクシスを巻き付ける。

そしてロケットを装着したフォーゼはロケットの勢いで一気にピクシスをバスの外に追い出す。

 

ピクシスを追い出したはいい物のバスは止まらない。

美羽がブレーキを踏んでるみたいだが、誘導の所為でかブレーキが利かない。

こうなったら僕が止めるしかない。

 

僕はダイザーをオート操縦にして、ダイザーから降りる。

ダイザーはそのままバスに向かって発進する。

僕はそれを見送ってから、スイッチを取りだし変身する。

 

オピュクスになったオレはワープを使い、バスの目的地である建設途中の橋の先に転移する。

バスまでの距離はおよそ250m。

オレは何枚も弾性のある結界を展開する。

これでバスの速度は落ちるはず。

 

バスが結界にぶつかると速度を落としていく。

だが速度を落としながらも確実に進んでいく。

そうしてバスはオレの目前まで迫ってきた。

だがそこでバスは止まった。

 

だがこのまま結界を解除してもまたバスは動くだろうから、オレはジョッキの要領でバスの下から小さい結界を展開させる。

するとバスは宙に浮き、いくらエンジンを噴かそうが噴かそうがタイヤが地面に接してないから微塵も動かない。

だがこのままの状態だとピクシスがやられるまでずっとこの状態じゃないといけない。

そんなのめんどいからオレはダスタードを呼び寄せる。

 

オピュクス「タイヤを外せ。」

 

オレはダスタードにタイヤを外すように命じる。

ダスタードの作業が捗るように、オレは回転しているそれぞれのタイヤの四点を結界を展開し止める。

するとタイヤは固定され、勝手に止まる。

 

ダスタードはその間にタイヤを外していく。

そして全部のタイヤが外し終え、バスは完全に動かなくなった。

ダスタードを星屑に返し、オレは全ての結界を解除する。

そしてバスの中にワープしてドアを開ける。

中に居た女子は美羽を除いて全員オレにビビっていたが、ドアが開いたことでオレに構わず一目散に逃げてった。

 

バスの中に残ったのは、オレと繭にくるまれたストーカーと美羽だけだった。

オレはバスの外を確認し、変身を解除する。

 

彼方「ふぅ...、頭使ったな~。」

 

美羽「お疲れ様、彼方。あなたの力ってほんと便利よね。」

 

彼方「まあ便利だけど、その分頭使ったり体力使ったりするから結構キツイんだよね~。」

 

美羽「そうなのね。膝枕してあげましょうか?」

 

彼方「ぜひって言いたいとこだけどその前にやらなきゃいけないことがあるから。」

 

僕はそう言って、外に待機していたダイザーに乗り込み、オート操縦を解除する。

そして、操縦の切り替えのログを消去する。

一応、僕の正体がバレないようにするためだ。

 

それを終えると、僕はバスに戻って今度はストーカーの方に行く。

ストーカーは依然眠ったまま。

だけど僕はそんなのお構いなしで、ブレザーに忍ばせた二つの薬を取り出す。

それぞれ試験管に入ってて、一つは青、もう一つは黄色の液体が入ってる。

 

美羽「それは一体?」

 

彼方「痺れ薬と下剤。ちょっとお仕置きをしないとだからね~。」

 

この時の僕の顔は相当悪い顔だったと思う。(後日談)

 

僕は試験管を蓋していたコルク栓を抜き、ストーカーの口に注ぐ。

ちょっと零れちゃったけど、ちゃんと口の中に入ったみたい。

あとは触るのは嫌だけど、ストーカーの頭を鷲掴みにして持ち上げ、薬を喉を通させる。

ちゃんと喉を通ったのを確認した僕は頭を離し、虚空から出した消毒液で手を消毒する。

 

美羽「そこまでやるなんて、あなたも中々酷いわよね。。。」

 

彼方「え?だってこんなキモいの嫌でしょ?」

 

美羽「ええ、そうよ。」

 

うん、美羽も酷いですよ?

 

まあそんなことは置いといて。

僕も疲れたから美羽に膝枕をお願いした。

美羽は喜んで引き受けてくれて、僕らはバスの座席に座り、膝枕を堪能した。

 

あ~~~、幸せ~。

チアで鍛えていながら程よい肉付きをしてる脚がもうたまらんです~。

...うん、ちょっと変態すぎた。

 

 

 

 

ストーカーが起きるまでイチャイチャしていた僕たち。

どうやら無事フォーゼがピクシスをやっつけたみたいだ。

ストーカーが起きて僕たちを見て真っ先に逃げようとした。

だが僕がそう簡単に逃がすわけもなくて。。。

 

パチン!

 

僕が指を鳴らすと、ストーカーは突然動けなくなる。

まるで身体が痺れてるかのように痙攣しながらその場で横たわる。

 

美羽「え!?あの薬の効果って一時間じゃなかったの!?」

 

彼方「あ~、それ僕の任意でいつからってのが決められるんだよ~。だから今からぴったり一時間はずっと動けないよ?それと...、あれも効いてきただろうし。」

 

美羽「あれって、まさか...!?」

 

牧瀬「え!?あれって何!?何だよ!?」

 

ストーカーはあれのことが気になりずっと僕にうるさく聞いてくるが、そんなに暴れるとヤバいよ?

そう思ってると、ストーカーの方からすごい匂いがしてきた。

ありゃりゃ、ほんとはもうちょっと持つはずだったのに~。

 

美羽も思いっきり嫌そうな顔をして鼻をつまんでる。

おいゴラ!その臭い匂いを出すな!美羽が嫌がってるだろ!(張本人)

 

ストーカーは自分が漏らしたことに気づき、必死にもがくがあれは動けば動くほどどんどん酷くなっていくように設計した。

だからそんな風に暴れてると...、あーやっちゃった。

ストーカーは顔面がびしょ濡れになって必死に助けを求めるが、自業自得だよね~。

僕らはダイザーに乗って学校に帰っていった。

 

 

 

 

学校に帰った僕たちは友ちゃんが見つけたロッカーを元居た廃部室に動かした。

やっぱり大杉がすり替えたようだった。

そのことを紗理奈ちゃんにバラシて、しばらく冷たい目で見られるようにしてやった。

ザマァ(^ω^)

 

ロッカーの扉を開けると、そこから光が漏れだしてきた。

どうやら繋がったみたいだ。

僕らはそのことに大喜びした。

 

そしてあることを思いついた。

僕はそれをみんなに話すと、みんなはニヤリと悪い笑顔をした。

 

 

僕らはラビットハッチに着くと、リーゼントくんがフォーゼに変身して一足先に月面に出る。

どうやら歌星は月面に出てるようだ。

僕らも月面に出る準備をし、宇宙服に着替える。

そして月面に出て歌星を驚かそうとする。

 

歌星はフォーゼがここに居ることに驚いているようだ。

宇宙服に搭載されてる通信機から会話が聞こえてくる。

どうやら歌星はリーゼントくんのことを友達と認めるようだ。

彼は一歩成長したのかな~。

 

ユウキ「賢吾く~ん!お~い!!」

 

彼方「びっくりしたか~い!」

 

美羽「一緒に帰ろう!」

 

隼「よっ!」

 

JK「ナーイスツンデレ~!」

 

友子「来たよ~!」

 

僕らは一斉に歌星の下に行く。

歌星は安心したかのような顔をして、良い笑顔をしている。

そして歌星はリーゼントくんに手を差し出す。

まさか!?ついにあの歌星が!?

 

賢吾「今度君に会ったら、これをしようと決めてた。」

 

フォーゼ「...!」

 

そして二人は友情の証を交わす。

いや~、こんな青春見れるだなんてお兄さん思わなかったよ!

って僕同い年じゃん。。。

 

賢吾「よし!学園と地球の自由と平和を守る仮面ライダー部、ここに正式スタートだ!」

 

やっと認めたんだ~。

まあ紆余曲折あったけど、これでみんなの絆は深まったようだね~。

僕もちゃんと自分のこと話せる日が来るといいけどね。。。

 

僕らは仮面ライダー部の旗の下に集まる。

 

フォーゼ「仮面ライダー部...」

 

全員「「「「「「「「いぇーい(うおぉー)!!!」」」」」」」」

 

僕らは腕を掲げる。

これからもたくさん困難が待ち受けてるだろう。

ホロスコープスも増えるかもしれない。

だけど彼らなら乗り越えられるだろう。

 

僕はそう信じたい。。。

 

 

 

 

to be continued...

 




いかがだったでしょうか~。

前回の終わりどころがあまりに中途半端だったために今回は短めになりました。

そう言えば最近彼方くん視点だけしか書いてないですけど、前見たいにオフ視点が欲しいってのはありますか?
ありましたらぜひ教えてほしいです。


そしてアンケの方ですが。
次回がアップされると同時に〆切とさせていただきます。
今の所はオリヒロ追加が圧倒的ですね。
僕の方もオリヒロ導入の構想を考えていってますが、もしかしたらすごいキャラになりそうです笑
具体的に何がすごいってもうドМになっちゃうかも。。。


ではでは次回もお楽しみに~。


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学・校・拒・絶

遅れてすみませーーーーん!!!




ー廃部室ー

 

ー彼方sideー

 

ピクシスの件から数日が経ち。

僕たちは二度とロッカーが誰かに持っていかれないようにと、壁に取り付ける作業をしている。

と言ってもほとんどリーゼントくんがやってくれてるんだけどね。

わざわざ作業着を着てやってるあたり、慣れてるのかな?

 

ドライバーでネジを固定して作業が終わる。

これでもうロッカーを持っていかれることもないだろう。

 

弦太朗「よぉし、オッケーだ!これで二度と持ってかれねe、っう...痛。。。」

 

あらら、気抜いて天井に頭ぶつけちゃってるよ。

まあ石頭だから大丈夫か。

 

すると城島が入ってきて、手に持ってるステッカーを見せる。

どうやらライダー部のロゴをステッカーにしたようだ。

それを歌星のカバンに貼る。

色合いも合ってて、なんか特別感がある。

 

一方、友ちゃんはロッカーの隣におまじない用の物を大量に設置している。

いや、そんなに置くと逆に呪われない?

なんか友ちゃんから黒いオーラが出てるし。

それにみんなビビっちゃってるよ。。。

 

弦太朗「まっ、新スイッチも24番まで仕上がったし!充実しすぎて怖いくらいだぜライダー部!!!」

 

リーゼントくんはテンション高めでそう言う。

でもそれってなんかフラグ臭するんだけど大丈夫?

またなんか厄介なことが起こりそうな予感がするんだけど。。。

 

すると外から何やら大声が聞こえてくる。

大杉の声も聞こえるけど、一体何があったんだろ?

僕たちは廃部室の窓から覗くと、校舎の中から保護者に押し出される大杉とそれを宥めようとする紗理奈ちゃんの姿が。

聞こえてくる声から察するに、怪物騒ぎのせいで安心して学校に送り出せないというような感じのことらしい。

まあ、最近は特に多いからね~。僕が言えることじゃないけども。

 

 

僕らは騒ぎの下に駆け付ける。

いつの間にか大杉と紗理奈ちゃんが保護者のおばちゃんたちに囲まれてる。

と大文字がオリオンだった三浦のお袋さんを見つける。

どうやら三浦はすっかり引きこもりになったようだ。

退院したのは大文字から聞いてたけど、まさか引きこもってるとはね~。

 

と思ってると紗理奈ちゃんがおばちゃん連中らに押しつぶされそうになる。

大杉が慌てて入り込むも、汚いとか言われて追い出される。

Oh...大杉ドンマイ。。。

流石にこれは見過ごせないと思い、リーゼントくんが行こうとするが、その時エンジン音が聞こえてくる。

 

音のする方を見ると、一台の赤いスポーツカーがやってくる。

うわ...、アイツかよ。。。

 

スポーツカーは僕らの前に停まり、運転手が降りてくる。

何故かグローブを着け、サングラスを掛けてる痛々しいヤツ。

 

???「重いねぇ。。。」

 

弦太朗「え?」

 

???「生徒たちを預かる我々の責任は、実に重い。」

 

嘘つけ。そんなこと微塵も思ってないだろうが。

グローブを外しながらおばちゃん連中の前に歩いていく男。

周りにいた女子生徒はどこに見惚れたのか知らないが、次々と倒れていく。

いや、アイツの本性知ったら別の意味で倒れちゃうよ?

 

おばちゃん連中の前に立ち、グラサンを外す。

リーゼントくんはアイツのことを知らないみたいで、アイツに誰だと聞く。

それにスリッパで思いっきり城島に叩かれる。

いつの間にスリッパ出したんだよwwwどこの関西出身の所長だよwww

 

弦太朗「あんな若いのかうちの校長。」

 

賢吾「若くて二枚目、物理学の博士号を持ち、うちの学校の人気の一つさ。」

 

彼方「ほんと顔だけって感じだけどねー。」

 

弦太朗「なんだ?彼方、校長のこと知ってるのか?」

 

彼方「叔父さん関係で時々会うんだよ。まあ、僕はあんま好きじゃないけどね。上っ面って感じで。」

 

ユウキ「えーそうかなー?生徒思いの良い校長先生って感じだけどね?」

 

彼方「ふーん、つまんねえの。。。」

 

ほんとつまんない。

見た目に騙されてるバカばっか。。。

...おっと、危ない危ない。

危うくオピュクスの時の人格が出るとこだった。

 

速水「校長の速水です。まずは一つ、信じていただきたい。この学校の生徒は、何者にも負けないということを。この学校は宇宙時代を生きる若者達の為の学校です。」

 

いきなり演説しだしたんですけど、何アレ。

何者にも負けないとか何ふざけたこと言ってんだ。

なら政府の圧力にも負けないのか?テロ集団にも負けないのか?

そういうのは一部の人間であって、全員ではない。

それを分かって言ってるんだから質が悪すぎる。

 

速水「宇宙に夢を、星に願いを。」

 

出ましたお決まりのセリフ。

あれ言ったらホロスコープスだってバレかねないのに。。。

自分が考えたフレーズだからってそう簡単に人前で出すなよ。

 

そう思ってるとふと隣から違和感が感じ、見てみる。

すると友ちゃんが速水を見て、怯えるような反応を出している。

そういえば友ちゃんもスイッチを渡された人間だ。

もしかしたらサソリちゃんから渡された時のことを思い出したのかも。

 

僕は友ちゃんを抱き寄せ安心させる。

 

彼方「大丈夫。あれはアイツが考えたお気に入りのフレーズなだけだから。何も考えなくていい。」

 

友子「先輩...、でも...。」

 

彼方「だったらここを離れよう。ラビットハッチに戻ってゆっくり休んだ方がいいよ。」

 

友子「はい...そうします。」

 

彼方「うん、僕も着いてくよ。ここに居たくないしね。」

 

そう言い僕らはラビットハッチに向かう。

速水の視線が気になったが、どうせ下らんことだろ。

それより今は友ちゃんを落ち着かせることが一番だ。

 

友子「先輩はどうしてそんなに校長のことが嫌いなんですか?」

 

彼方「え?そんなに嫌いムード出してた?」

 

友子「はい。校長のことをつまんないって。。。」

 

彼方「ありゃ、あれ聞こえてた?まあなんて言うか、そもそもアイツの顔が胡散臭いからね。」

 

友子「それは思いました。まるで仮面をつけてるような感じだと..。」

 

ほう?そんなこと分かったんだぁ~。

これは意外に観察眼も鋭いかもしれない。

やっぱりこの子は面白い子だ。

 

彼方「それがわかるのは合格だね~。」

 

友子「合、格?」

 

彼方「そ。元々君の見る目は中々の物だと思ってたけど、経験上培ってきたものもあるのかもね。思ったよりも鋭い観察眼を持ってて益々気に入ったよ。」

 

友子「それは...、そう言われると照れます。。。」

 

彼方「ハハッ、このぐらいで照れてちゃこの先持たないよ?」

 

友子「え!?これ以上言われるんですか...?」

 

彼方「さあ〜?どうかな?」

 

友子「むぅ...、先輩意地悪です。」

 

友ちゃんは頬を膨らまして言う。

ダメだよそれ、可愛いだけだよ。

 

尊いものを見た僕は友ちゃんの頭を撫でる。

友ちゃんは最初はビクッとしてたが、直ぐに幸せそうな顔をして撫でられる。

アァ〜、小動物的な可愛さが癒されるぅ〜。

 

僕らそんなことをしながらラビットハッチに向かった。

 

 

 

 

ラビットハッチでリーゼントくん達を待った僕たち。

どうやら美羽とJKはまだ来ていないみたいだ。

僕らはその間ずっと雑談をしていたが、ふと友ちゃんから聞かれる。

 

友子「彼方先輩...、昔虐められてたのって本当ですか?」

 

彼方「ん?誰から聞いたの〜?律子からかな?」

 

その事を話したのは律子ぐらいな気がする。

あぁ、僕が律子のことを名前で呼んでるのは、あの教室での出来事の後名前で呼んで欲しいって言われたからだよ。

初めて呼んだ時はちょっと照れてて可愛かったです、まる。

 

友子「実は先輩と律子さんが話してたのを聞いてたんです。」

 

彼方「ありゃ?そうなの?ちなみにどこから聞いてたの?」

 

友子「それは...、律子さんの復讐が終わったってところから。」

 

ふぅ...、てっきりワープしたとこ見られたかと思った。

それにしてもまさか見られてたなんてね〜。

あの時は気抜いてたのかな?まぁ相当疲れてたってのもあるし。

 

彼方「そっか〜。で?どう思ったの?」

 

友子「その...、先輩も私と同じ経験をした事にびっくりして。でも、同時に安心感がありました。同じ経験をした先輩だから私のことを受け入れてくれたんだって。」

 

彼方「うーん、少なくとも僕だけじゃなくてライダー部のみんなも受け入れてくれてるよ?」

 

友子「それは分かってます。でも、一番親身になってくれる人が先輩なので。それにとても安心できるんです。」

 

彼方「そっか〜...、まぁ友ちゃんが安心できるならそれでいっか。」

 

まぁ後輩に頼られるのも良いしね〜。

頼れる先輩ってのは憧れるからね〜。

 

 

そう思ってるとケータイから音が鳴る。

なんだろと思い見るとメールが一件。

 

『謁見の間に集まれ』

 

捨てメアドから届いたそれは幹部の招集だった。

最近行ってなかったからそろそろ参加しろってことかな?

それとも、また新しいことでもするのかな?

 

取り敢えずこのメールが来たからには行かない訳にはいかず。

僕は友ちゃんに今日は帰ると言い、ラビットハッチを出る。

その時に友ちゃんが悲しそうな顔をしててちょっと罪悪感があったのはここだけの話。

 

 

 

 

謁見の間に続く扉の前に着くと紗理奈ちゃんが居た。

どうやら僕たち二人だけ呼ばれたかもしれない。

全員呼ばれたなら先に入ってるはずだし。

 

取り敢えず僕らはゾディアーツに変身して扉を開け、中に入る。

この扉はラビットハッチに繋がるロッカーと同じ様な機能をしていて、謁見の間と学校を繋いでいる。

まあオレたちの存在を知られないようにするための策である。

 

中に入ると、叔父さん以外は誰も居なかった。

それにしてもなんでオレも呼んだんだ?

主に活動しているのはサソリちゃんだけのはずだが?

 

我望「よく来たね二人とも。」

 

スコーピオン「我望様の招集となれば。して、今回はどのような?」

 

我望「今回の君の使命は、一度星の定めを手放した者をもう一度呼び戻せるか。その検証だ。」

 

スコーピオン「必ずやご期待に応えます。」

 

我望「そしてオピュクス。君はスコーピオンの護衛をしたまえ。」

 

オピュクス「護衛ですか?」

 

我望「フォーゼも力を付けてきている。スコーピオンがやられるのも時間の問題だ。それに今回の検証は今後の活動にも関わってくる。フォーゼに邪魔されるわけにはいかないのだよ。」

 

なるほど、それほど今回のは重要なことと言うことか。

今回はライダー部には着けないな。

叔父さんが重要視するのはもちろん、オレも今回の検証の結果は必要だ。

これによって今後の動きも変わってくる。

 

オピュクス「分かりました。では随時スコーピオンと行動します。」

 

我望「うむ、頼んだよ。」

 

そうして謁見は終了となった。

オレとサソリちゃんは学校に戻り、変身を解除する。

 

彼方「とりあえずまずはターゲットを誰にするかだね~。まあ丁度いいターゲットは一人いるけど。」

 

紗理奈「誰なの?」

 

彼方「三浦俊也。オリオンだった男子だよ。」

 

紗理奈「三浦君ね~。彼は確か今不登校だったわよね。」

 

彼方「そ。おそらく精神が不安定の状態の今だからこそ、スイッチを握らせるには丁度いいんだよ。まあ一つ懸念することがあるとしたら、フォーゼぐらいだけど。」

 

紗理奈「まさかフォーゼも狙ってるの?」

 

彼方「不登校の生徒を復帰させよう、ってなってるらしい。それで第一候補に挙がったのが三浦ってわけ。もしかしたら邪魔が入るかもだけど、今回は僕もついてるから。」

 

紗理奈「ええ。とりあえずまずは彼と接触しましょう。」

 

彼方「だね。」

 

僕らは三浦をターゲットに決め、三浦の実家の近くに行くことにした。

もしかしたらライダー部のメンツもいるかもだけど、そこは警戒していたら何とかなる。

 

 

 

 

三浦の実家は写真屋を営んでるようだ。

ライダー部のメンツが三浦の実家に入っていったのを見た僕は、別の場所に待機している紗理奈ちゃんに接触するタイミングを伝える為に息を潜ます。

 

すると三浦が勢いよく出ていった。

それを追いかけるリーゼントくん。

接触するなら今か。場所は線路の近くらへんに走っていったな。

僕は紗理奈ちゃんに電話する。

 

彼方「そっちに行った。接触お願い。」

 

紗理奈『分かったわ。彼方くんもすぐに来てね。』

 

彼方「了解。」

 

そう言い電話を切る。

僕は気づかれないように物陰に行き、変身する。

 

そしてサソリちゃんのとこにワープする。

 

 

ワープした先では、サソリちゃんが既に三浦に接触していた。

オレは見られないように遠目からその様子を見る。

三浦はスイッチを見て中毒者のような反応をする。

やはり星に魅入られた者はそう簡単にスイッチを手放せないか。。。

 

そう思ってるとリーゼントが走って来た。

チッ、もうちょっとで検証が完了しそうだったのに。

 

スコーピオン「また邪魔か。...落ちこぼれの生徒め。」

 

弦太朗「あ?なんつったサソリ野郎!」

 

スコーピオン「やっとお前を始末できる日が来た、と言ったのさ。」

 

サラッと毒づいてんじゃねえよほんと。

スコーピオンになると性格がスイッチされるのはオレと同じだが、サソリちゃんの場合は蠍らしく毒が強くなる。

やっぱ星座に惹かれるってのもあるのか?

 

リーゼントはフォーゼに変身し、サソリちゃんに攻撃していく。

だが軽々と防がれ、サソリちゃんの足技を食らっていく。

だが前とは違い、ちょっとだけだが攻撃を捌いていっている。

どうやら成長していってるだけあるようだな。

 

その内に駆け寄ってきたライダー部のメンツは三浦を強引に連れていく。

その間も三浦は手を伸ばし、スイッチを求めている。

ほんと麻薬やってんじゃねえのかってぐらいの反応だな。

 

サソリちゃんは蹴りを入れていくが、フォーゼは苦しんでる様子がない。

サソリちゃんは蠍のような構えをし、フォーゼと相対する。

そこでフォーゼは新スイッチのハンマーを取り出し、ドライバーに装填する。

だがサソリちゃんはスイッチを入れる隙を与えんと、飛び出していく。

 

『Hammer! ON』

 

サソリちゃんが飛び出したと同時にフォーゼはハンマーをオンにし、左手にモジュールを装着する。

そして飛んできたサソリちゃんをハンマーで弾き飛ばす。

サソリちゃんはそれでも果敢に攻めるが、フォーゼも慣れて来たのかハンマーで攻撃を相殺していき、徐々にダメージを与えていく。

 

そしてフォーゼはファイヤーステイツに変身する。

ファイヤーとハンマーで遠近両刀となったフォーゼはサソリちゃんを翻弄していく。

マズいな。このままじゃやられるぞ。

 

サソリちゃんは焦ったのか、フォーゼに突進していく。

だがフォーゼはどっしりと構え、銃で火炎弾をサソリちゃんに当てる。

火炎弾を受けたサソリちゃんは大きく吹っ飛ばされた。

そろそろ助太刀するか。。。

 

サソリちゃんは頭に血が上ってそうだ。

フォーゼは冷静になってないサソリちゃんを見て、トドメをさそうとする。

ランチャーとガトリングをオンにし、両足にそれぞれ装着する。

そしてレバーを引き、リミットブレイクを決めに行く。

 

『Fire! Launcher! Gatling! LIMIT BREAK

 

それぞれのモジュールから一斉に発射される。

オレはサソリちゃんに当たる直前にワープし、高出力の必殺を異空間にワープさせる。

そしてそれをフォーゼの前に展開し、自らが放った必殺で倒れさせる。

 

フォーゼ「な!?うわああああああ!!!」

 

いきなりの攻撃になす術もなく直撃する。

かろうじて変身は解除されてないが、それでも大ダメージを受けたはずだ。

 

オピュクス「スコーピオン、少し落ち着け。」

 

スコーピオン「オピュクス...、私は冷静だ。」

 

オピュクス「んなわけねえだろが。誰がどう見てもカンカンって感じだったぞ。オレたちがするべきことを忘れるな。」

 

スコーピオン「...あぁ。」

 

フォーゼ「薬野郎!お前どうして!」

 

オピュクス「前にも言ったはずだ。時と場合によっては敵でも味方でもあると。今回は敵だったってだけだ。それにオレのお気に入りのサソリちゃんをこんだけ痛めつけたんだ。ちょっとは出てきたくなるもんだろ?」

 

フォーゼ「お前...。」

 

オピュクス「今回のは邪魔される訳にはいかないでな。取り敢えずコイツらと遊んでろ。」

 

オレはそう言って、ダスタード達を召喚する。

オレのダスタードは普通の奴らと違い、暗殺者のような恰好をしている。

その姿の通り、コイツらは隠密や潜伏などに徹している能力である。

だが裏作業をさせる時には、簡単にやられないように並みのゾディアーツ以上の強さにしている。

まあ今のフォーゼには雑魚レベルでいいだろう。

 

オピュクス「オレの星屑達、ダスタード。オマエにはコイツらで充分だろ。」

 

オレはそう言い、サソリちゃんを連れてワープする。

オレが居なくなっても、潜伏用に一体ダスタードを潜ませているから後でどうなったかは分かる。

 

 

 

 

ーNO sideー

 

オピュクス達がワープした後。

フォーゼはダスタード達相手に苦戦していた。

 

フォーゼ「くっそぉ、ちょこまかとしやがって!」

 

雑魚とは言えど、機動力は並みのゾディアーツと同等の物であるダスタード達。

集団での戦術にフォーゼは翻弄されていた。

 

銃で攻撃してもすぐに避けられ、まとまったところを突いても攻撃を往なされる。

ただただ体力が消耗していくだけであった。

そんなフォーゼを見てダスタード達は戦う価値が無いと判断したのか、影の中に入り全員撤退する。

正に完全敗北となったフォーゼであった。

 

フォーゼ「くっそぉ!次はぜってえ勝ってやる!」

 

フォーゼはそう言いながら三浦に駆け寄る。

恋人である麻里に抑えつけられてる三浦は、未だ手を伸ばし何かを求めている様だった。

 

フォーゼ「まあ怪物は追っ払ったぞ。これで安心だな!」

 

フォーゼはそう言い、いつもの友情の証をしようと三浦に腕を出す。

だが三浦は激昂し、フォーゼが出した腕を払う。

 

三浦「お前に俺の気持ちがわかるか!余計なことをするんじゃない!」

 

フォーゼ「大丈夫だ!またアイツらが来ても、必ず俺が守ってやる!」

 

三浦「そうじゃないんだ!そうじゃ。。。」

 

三浦はそう言い、その場から逃げ出す。

麻里は三浦を追いかけるが、その他の面々は追いかけることが出来ず。

フォーゼも三浦の言葉にどこか引っかかるようだ。。。

 

 

 

 

ー彼方sideー

 

学校にワープしたオレたちはとりあえず変身を解除する。

 

彼方「フォーゼの邪魔が入ったけど、アイツはダスタード相手に何もできなかったみたいだよ。」

 

紗理奈「そりゃ、彼方くんのダスタードは私のと比べて桁違いなんだもの。いくら雑魚って言ってもあれには中々勝てないわよ。」

 

彼方「そうかな?レオさんのタテガミ付きには未だに敵わないよ。」

 

紗理奈「それは比べる物が違う気が...。」

 

そう?あの人のはほんとに強いからね~。

オピュクスに覚醒した頃なんて手も足も出なかったからね。

今でこそ僕だと倒せるけど、僕の中でも選りすぐりのダスタードでも勝率は半分を切っている。

やっぱ力付けないとなのかな~?

 

彼方「とりあえず職員室に戻ったら?まだ仕事残ってるんでしょ?」

 

紗理奈「でも直ぐに終わるわよ。なら一緒に帰らない?」

 

彼方「いいよ~。どうせ今日は暇だし、たまには紗理奈ちゃんと帰りたいし。」

 

紗理奈「分かったわ。じゃあ直ぐに終わらせてくる。」

 

彼方「じゃあ校門でね~。」

 

僕らはそう言い別れた。

それにしてもフォーゼの奴、あのダスタードにも勝てなかったどころか何もできなかったとはね~。

今のフォーゼなら、戦い方次第ではそこまで苦戦する相手でもないはずなんだけどな~。

まあ初見だったからなのかな?

 

僕はそう思いながら、紗理奈ちゃんが来るまで適当に時間を潰していた。。。

 

 

 

 

to be continued...

 




いかがだったでしょうか~。

ほんと遅れてごめんなさい。
用事があるの忘れてた。。。


さて今回から三浦君回に突入しました~。
これが終わると劇場版回に入るのですが、どのように絡ませていくのかをずっと練っています笑
あとオリヒロ投票ありがとうございました。
次回の方で詳細を伝えたいと思いますが、まあとりあえずはオリヒロ導入ということになります。
本当にたくさんの投票ありがとうございました!

そしてここから始まる園ちゃんの悪女劇。
ああいう表裏が激しいキャラは好きです笑
まあそれでメインヒロインにしたってのもありますけどね。


ではでは次回もお楽しみに~。


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誘・惑・猛・毒

なんかネタがなかったんです。。。




ー彼方sideー

 

叔父さんに指令された検証を始めた次の日。

結局ライダー部は三浦に逃げられたらしい。

まああの様子だとスイッチに魅入られたままだろうね~。

 

そしてリーゼントくんたちはいない。

何やら三浦を復帰させる為の作戦を実行するんだとか。

正直そんなのをしたところで意味がないと思うけど。

 

僕は紗理奈ちゃんに連絡して三浦が現れそうな場所の近くに一緒にスタンバイする。

三浦には僕のダスタードを潜伏させてるから、共感覚で三浦の行動を把握できる。

 

そんな僕に送られた映像は、JKと友ちゃんを除いたライダー部の面々が劇をやっている。

何やら青春劇場と謳っているいるが、いやなんでそうなった?

どうやら学校は楽しいってアピールしたいらしいけど、歌星を起用している時点でグダるのは目に見えてる。

実際グダってるし。

 

でもそれを楽しんでる様子を見て三浦は苦しむ。

そして怖いのは学校ではなくスイッチだと言う。

やはりスイッチの誘惑には勝てないようだね~。

 

そして三浦はそこから逃げ去っていく。

ライダー部のみんなも追いかけるようだけど、今が丁度いいだろう。

 

僕らはそれぞれダスタードを出し、橋の下にスタンバイさせる。

そして三浦が橋に来たタイミングで僕と紗理奈ちゃんが三浦に話しかける。

 

紗理奈「あ、三浦君!丁度良かった!理事長先生がね、君のことすごーく心配していて。一度会いたいって。」

 

彼方「そうだよ。怪物騒ぎに巻き込まれた生徒に対して一人一人カウンセリングをするって言っててさ。三浦も被害者の一人なんだからと思って言ってみたんだよ。」

 

三浦「理事長が?」

 

僕らはそう言い、三浦の腕を掴んで引き留める。

これで乗ってくれたらいいんだけど、まあそうはいかないだろうね。

 

弦太朗「おい三浦!」

 

リーゼントくんたちが走って来た。

やっぱ無理だったか~。

三浦はリーゼントくんたちの姿を見ると逃げ出そうとする。

 

弦太朗「落ち着いてくれ!スイッチなんか俺がぶっ潰す!必ず守ってやるから!」

 

紗理奈「スイッチ?」

 

ユウキ「あー先生!何でもないんです!」

 

あらら~、スイッチのこと堂々と言っちゃって~。

それに本質を見極めれてないね~。

スイッチを無くせば済む話じゃないんだよ。

三浦の心の問題なのだよね~。

 

三浦「違うんだ!スイッチが怖いんじゃない!ほんとに怖いのは!」

 

おっと、何を言うつもりか知らないけどそれ以上は言わせないよ?

僕は影に潜ったダスタードに合図を出す。

それを受けたダスタードは橋の下に潜ませたダスタード達に指示をだす。

指示を受けたダスタード達は一斉に川から橋に飛び出て来た。

 

紗理奈「怪物!?」

 

ユウキ「あの時の暗殺者に今度は忍者!?」

 

紗理奈ちゃんちゃんと演技してるじゃん。

ほんと教師辞めて女優になってもいけるんじゃないのかな?

 

ダスタードはあっという間に僕らを囲んだ。

そして半分のダスタードが煙幕を投げる。

残り半分は三浦を連れて川に逃げていく。

 

だがどうやら直ぐに気づかれたらしく、リーゼントくんは橋から勢いよく川に飛び降りる。

痛がってたけどそりゃそうでしょ。高さどんだけあると思ってるの?

 

紗理奈「如月くん!?」

 

彼方「園ちゃんこっち!」

 

僕は紗理奈ちゃんを逃がすていでその場から離れる。

ダスタード達は爆薬をリーゼントくんに投げるが、リーゼントくんはそれに臆せず三浦に向かっていく。

ドライバーを装着してフォーゼに変身し、ダスタード達を背中の噴射口を使って追いかけていった。

 

取り敢えず僕らも追わないとだね。

僕らはライダー部のみんなから見えない所に行き、変身する。

そしてフォーゼたちが向かった林の中にワープする。

 

 

 

 

ワープすると既に混戦状態だった。

フォーゼはダスタード達のアクロバティックな動きについて行けず、攻撃を食らっていく。

これはまたやられるだけか?

 

そう思ったが、ハンマーを装着し一体のダスタードを倒した。

ふーん、適応力は高いようだな。

だがハンマーだけの単調な攻撃だけじゃいけるわけでもなく。

ダスタード達も瞬時に適応し、フォーゼを翻弄していく。

 

オレのアサシン達は銃を使い遠距離から。

サソリちゃんの忍者達は刀を使い近距離からそれぞれ攻撃していく。

一応誰とでも連携は取れるように訓練はさせているからな。

これぐらいのことは造作もない。

 

そこに歌星たちが現れ、ダスタードの考察を述べる。

やはり解析能力はピカイチだな~。流石は歌星博士の息子。

 

歌星はフォーゼにエレキで対抗するように指示を出す。

言われた通りにエレキステイツに変身し、ダスタード達の攻撃を何とか捌いていく。

だが捌いていくだけで肝心の攻撃はできていない。

どうにかと思い、出したのが23番のウォータースイッチだった。

水?もしかして感電させるのか?

 

『Water! ON』

 

フォーゼはウォーターを装填し、オンにする。

音声と共に、左足にデカい蛇口のようなモジュールが装着される。

いやいや形よ...、どうにかならんかったのか?

 

フォーゼ「いやいやないだろ、これは。。。」

 

スコーピオン「あれは...、ふざけているのか?」

 

オピュクス「いや真面目だろ。フォーゼも戸惑ってるがな。。。」

 

その場の空気は何とも言えないものになった。

 

だがダスタード達がそんなことを考えるはずもなく。

忍者の奴が奇襲をかけるが慌ててフォーゼは避ける。

だがそれによって倒れてしまったフォーゼは次に来る攻撃を防ぐ手が無い。

 

そう思われたが、何と向かってきたダスタードに左足の蛇口から高圧の水流が出て、そのまま木にぶつけて消滅させた。

おいおいマジかよ。。。

フォーゼも意外な強さに自身がついてきたのか、向かってくるダスタードに対し水で無力化させていく。

何度か立ち上がるもその度に水流を当てられ、終いには木と挟み撃ちになり、逃げ場を無くした中での水流によって消滅した奴もいる。

こりゃ一気に形勢逆転したな。。。

 

オレのアサシン達も何とか立ち上がろうとするが、地面がぬかるんでしまいうまく立ち上がれない。

そこをチャンスだと思ったのか、一気に決めに行くフォーゼ。

 

『~♪ ~♪ LIMIT BREAK』

 

ロッドにエレキスイッチを挿し、リミットブレイクを決めに行く。

フォーゼはダスタード達を切り伏せていき、全員高圧の電気と共に消滅した。

やっぱり今のフォーゼだとやり方次第で勝てるんだな。

これも一つ収穫があったようだな。

 

ダスタード達が消滅した跡には、星屑が残っていく。

その星屑に三浦は駆け寄り、必死にかき集めようとする。

まるで何かにすがるように。

 

三浦「星の...、星の力が!」

 

慌ててフォーゼが駆け寄るが、三浦はそこで膝を着く。

 

三浦「ダメなんだ...。学校に行って気が付くと、またスイッチを探してる。」

 

スコーピオン「フフフ、星の定めに魅入られた男ってわけね。」

 

オピュクス「哀れだな。あそこまで行くともはや重症だな。ありゃ使いもんにならんぞ。好き勝手暴れて終わり。せいぜい捨て駒程度の奴だな。」

 

スコーピオン「捨て駒でも使えるものは使える。それに今回の検証もある。最悪切り捨てればいい。」

 

オピュクス「ま、そんなとこか。。。」

 

切り捨てるのはやりたくはないが、検証の為なら仕方ない。

三浦はおぼつかない足取りでその場から離れていく。

フォーゼたちはそれをただ見るしかできなかった。。。

 

オピュクス「さて、ここからはオレ達の仕事だな。」

 

スコーピオン「そうね。」

 

オレ達は三浦を追うように歩いて行った。。

 

 

夕日が世界を照らしてる中、三浦は川の畔で虚空を見つめている。

そんな彼を紗理奈ちゃんがゆっくりと近寄る。

スコーピオンに変身しながら近づき、スイッチを差し出す。

 

三浦はスイッチに見惚れ、スイッチを手に取る。

するといきなりラストワンへと変化する。

どうやら一度星の定めを手放した者でも、星の力は残るようだ。

 

だがそこにペンギンちゃん達がフラッシュで目くらましをして妨害する。

そこにフォーゼたちも現れる。

 

スコーピオン「もう遅いフォーゼ。」

 

フォーゼ「なんだと!?」

 

スコーピオン「お前たちが邪魔しなければ、彼はスイッチを押していた。」

 

三浦はその事実に頭を抱える。

認めたくなくても認めるしかない。

何せラストワンを迎えたという事実があるのだから。

 

スコーピオン「そうだオリオン。スイッチが欲しければ、明日の放課後取りに来たまえ。初めて君にスイッチを渡した場所に、な?」

 

フォーゼ「目を覚ませ、三浦!」

 

オレは潮時だろと思い、サソリちゃんをオレの下にワープさせる。

フォーゼは変身を解除しながら三浦に駆け寄る。

そして必死に三浦を説得するが、三浦は説得に応じずその場を離れる。

オレ達は変身を解除し、ライダー部たちの下に走っていく。

 

ユウキ「先生、彼方くん...。」

 

紗理奈「三浦君は大丈夫?」

 

彼方「何かあったの?」

 

だが皆は返事をせず、ただ三浦が行った方を見る。

僕たちもそれに順じて見る。

だがそこには立ち尽くすリーゼントくんしかいなかった。

 

てか紗理奈ちゃんスイッチしまいなさい!バレたらどうすんの!?

僕は慌てて皆にバレないように紗理奈ちゃんの手を握り、スイッチを取る。

そして僕のポケットに入れる。

紗理奈ちゃんはびっくりして僕の方を見るが、僕はそれを無視する。

 

 

結局今日はそのまま解散となった。

まあこれ以上何をやっても三浦には通じないと判断したんだろう。

僕は紗理奈ちゃんと二人で学校に戻ると言って皆と別れた。

 

その帰り道、僕は紗理奈ちゃんにスイッチを返す。

 

彼方「ほんと気を付けてよ?あんな堂々と出してて見られたらどうなるかわかったもんじゃないんだから。」

 

紗理奈「ごめんなさい。あまりにも嬉しくってつい。。。」

 

彼方「まあ今回の検証は上手く行きそうだからね~。気持ちは分かるけど油断したらダメだよ?」

 

紗理奈「うん。。。」

 

ありゃりゃすっかり落ち込んじゃったよ。。。

まあ反省してるようだからもういっか。

いつまでも暗いのは嫌だからね~。

 

僕は紗理奈ちゃんの頭を撫でる。

それに驚きこっちを見る紗理奈ちゃん。

 

彼方「まあなんにせよ上手く行ったんだし。これはそのご褒美だよ。」

 

紗理奈「ありがとう...///」

 

はぁ~、もう可愛すぎませんか!?

照れてる紗理奈ちゃんの破壊力が凄すぎる。。。

 

彼方「ま、取り敢えず叔父さんに報告しに行こっか?」

 

紗理奈「そうね。」

 

僕たちは学園に戻った。。

 

 

 

 

ー謁見の間ー

 

オレ達は変身した状態で叔父さんを待っていた。

サソリちゃんはその間、天井に広がってる星雲を見ていたが。

そこにはオリオン座が輝いていた。

 

スコーピオン「美しい...。」

 

我望「冬の空にオリオンは映えるね。」

 

スコーピオン「っ!理事長。」

 

叔父さんは目を赤く光らせながら謁見の間に入って来た。

オレ達は頭を下げる。

 

我望「三浦俊也の心を闇に呼び戻せたんだね、スコーピオン。オピュクスも護衛ご苦労だった。」

 

スコーピオン「彼は幸福です。この世界を救う偉大なる救世主、我望光明先生に選ばれて。」

 

サソリちゃんはそう言い、変身を解除する。

そして悪い笑みを浮かべる。

ほんと表の顔と違い過ぎるだろ。

 

我望「まさか教師がゾディアーツだとは思うまい。」

 

オピュクス「それは自分も同じです。フォーゼたちの中に敵がいるとは思いません。」

 

そう言いオレも変身を解除する。

 

我望「ああそうだね。だが気を付けたまえ。フォーゼが私の見立て通りの男ならまだ一波乱ある。これは、用心の為の君へのプレゼントだ。」

 

叔父さんはそう言い紗理奈ちゃんの前に立つ。

まさか、あの力を?

 

叔父さんは手のひらに赤い球体のエネルギーを生み出す。

そして赤いエネルギーは弾け、中から一回り小さい白いエネルギーが出てくる。

まるで星の誕生のような輝きを放つ。

 

我望「十二星座の使徒のみ使える究極の力、『超新星』。」

 

叔父さんはそのエネルギーを紗理奈ちゃんの中に入れる。

すると紗理奈ちゃんは呻き声をあげ、頭がだらんと下がる。

 

我望「君には期待してるよ、スコーピオン。」

 

叔父さんはそう言い、謁見の間を去っていく。

紗理奈ちゃんはその間ずっと下を見つめるまま。

もしかして力に呑まれたか?

 

紗理奈「あなたは太陽。私はその一番近くにお控えする十二星座の使徒。全ての障害は、打ち砕く...。フォーゼ。」

 

Oh...、なんか、変わっちゃったな~。

こりゃ一回やられないと暴走し続けちゃうんじゃない?

まあ今回は紗理奈ちゃんのサポートだから何にも言わないけど、どうなっちゃうんだろ?

 

 

 

 

ーおまけー

 

ーある日ー

 

僕は今ヴァルゴさんに稽古してもらってる。

というのも前から思っていた、どっかの正義の味方を目指した守護者の様に自身の心象風景を現実に投影する術をヴァルゴさんの協力の下編み出そうとしたからだ。

ヴァルゴさんは空間を司るゾディアーツ。今回のこれには打ってつけって訳だけども。

 

さっきから何回も試しているが成功しない。

全く投影の片鱗も表さず、ずっと力を高めてるだけになっていた。

それで今は休憩していたってとこだけど。。。

 

ヴァルゴ「君のその熱心な姿勢は称賛するべきだろうが、これは実現しないものだぞ。」

 

彼方「まあ普通そう思うでしょうけどね~。でも、僕たちゾディアーツが存在しているってことは、可能性は無いって訳でもないでしょ?こんなでたらめな力が存在するんだから。」

 

ヴァルゴ「フッ、君も言うようになったな。」

 

彼方「いや~それほどでも~。」

 

ヴァルゴ「そんな口を叩けるということは訓練を再開してもいいということだな。」

 

彼方「えっ、ちょ、それは。」

 

ヴァルゴ「さっさと立て。いつまでも休んでる暇は無いぞ。」

 

はぁ...、それもそっか。

僕は仕方なく休憩を辞め、スイッチで変身する。

 

オピュクス「それにしても一体何がダメなんだ?」

 

ヴァルゴ「現実を心象風景に書き換えるのだろう?ならば根底に強いイメージを持たなければならない。それを結界内に映し出すということなのではないのか?」

 

強いイメージねえ。。。

オレは一体何を映し出したいんだ?

武器か?生物か?世界か?

いやどれもピンと来ねえな。。。

 

オレの中で最も強い武器...それは。。。

...薬?

そうだ!薬はなんにでもなれる!

剣や銃など偏った特性を持たない、どうにでも変えることができる物。

 

そう思うとオレの周りは一瞬世界が変わった。

工場のような場所で周りには薬液の滝が流れていた。

これがオレの心象風景。。。

 

ヴァルゴ「まさかこれほどとはな。。。小さいものから徐々にと考えていたが、これ程だとそのまま世界を書き換えることを訓練していった方が良いな。」

 

オピュクス「オレもこれほどとは思わなかった。。。これがオレの心象風景か。。。今度はもっとイメージを強く。。。」

 

オレはさっきの風景をイメージした。

さらにそこに具体性を持たせることにした。

毒薬の滝が流れ、周りには様々な薬液が入ったフラスコや試験管。

それをさっきの世界の中に加えていく。

 

すると周りの雰囲気が変わった気がした。

オレはふと見上げてみると、見事に世界はオレのイメージ通りの世界となった。

 

オレは試しに周りに散りばめられたフラスコを手に取る。

するとそれはちゃんと持つことができ、投げてみると落下地点一帯が燃える。

どうやら着火薬のようだった。

だがそれはいつもオレが作るものよりも数倍力が増してるように感じる。

確か元ネタになった奴は贋作のはずだが、オレの場合は全てオレのオリジナルだから力が増すのか?

 

オレはその後も何回か投影を繰り返し、さらにイメージを固めていった。

 

数時間が経ち、訓練の成果を見ると最初の頃とは劇的な違いを見せていた。

ヴァルゴさんとも実戦を交え訓練したが、心象風景を意のままに操ることに成功した。

後半になるとヴァルゴさんとの実戦ではオレの投影を駆使した戦法に翻弄され、勝ち越すことができた。

 

まさかここまでできるとは思わなかったな。

最後の実戦が終わり、オレは変身を解除する。

 

彼方「いや~、こんなに早く使えるようになるとは思いませんでしたよ~。」

 

ヴァルゴ「お前の潜在能力は高いからな。それに吸収する力も高いから直ぐに飲み込んでいったのだろう。そして応用を利かせ、いつの間にか世界内に入ったもの全てがお前の意のままに操れるようになっていた。」

 

彼方「それには流石にびっくりしましたけどね~。まさか元ネタを超えちゃうなんてね~。」

 

ヴァルゴ「ある意味お前だからできたことだろう。訓練を怠るなよ。その力はこれから大いに役立つことができる。」

 

彼方「はい。これがあればもっと救える。」

 

ヴァルゴ「精々力に吞み込まれないことだな。」

 

ヴァルゴさんはそう言いその場を去っていった。

確かにその通りだな。

調子に乗ってると暴走しかねない。

 

これはあくまで救うために使う力なんだから。

それを間違えちゃだめだよね。

 

僕はその日から投影をずっと練習した。。。

 

 

 

 

to be continued...

 

 




(改)一部誤字直しました。ほんとやるならちゃんとやれって話ですよね、すいません。

いかがだったでしょうか~。

ちょっと終わらせ方が微妙でしたね...。
まあ仕方ないっちゃ仕方ないんですが。。。(んなわけない)


園ちゃんヒロインムーブを増やしてみました~。
やっぱメインヒロインだからどんどんイチャイチャしていって欲しいですね~。

そして次回には三浦君回が終わり、その次には劇場版に入っていきます!
まあ序盤は今回の様にゾディアーツ側としての行動となるでしょうけども。
楽しみしてくれたらなと思います!


そしておまけの方ですけども。
まあデート回ばっかだとあれですからね~。
ちょっとした彼方くん強化クエを入れてみました笑

結果チートだったのがもっとチートに笑
まあ彼方くんクオリティだから仕方ないんですよ笑
さてこの力を使う時が来るのでしょうか?
まあ使わなきゃ何のために出したんだって話ですけども。


ではでは次回もお楽しみに~。


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毒・針・猛・襲

前回とかと比べると長めかもです。

それでも見てってくださいな~。


ー彼方sideー

 

三浦にスイッチを渡す約束をした次の日。

 

リーゼントくんは何とかして三浦が行きそうな場所を探している。

ライダー部のみんなも何とか探そうとしてるみたいだけどそう簡単に見つからないみたいだ。

まあ一番印象に残るのは紗理奈ちゃんなんだけど...。

 

 

朝、職員室に行って紗理奈ちゃんと今日のことについて打ち合わせみたいなのをしようと思って行ったら。。。

いつもは清純な感じの装いだったのが一転、黒一色のスーツにメイクも変わっててすんごい悪女感がするんですけど。。。

 

僕は戸惑いながらも紗理奈ちゃんを呼ぶ。

そしていつも愚痴会で使う空き教室に入る。

 

彼方「紗理奈ちゃんどうしたのその格好。なんかすごい闇堕ち感がするよ?」

 

紗理奈「そう?今日は大事な日だから気合入れる為に着てみたの。どう?」

 

彼方「まあいつもの紗理奈ちゃんは可愛い系だけど、今日の紗理奈ちゃんは美しい系だね~。どっちも好きだよ。」

 

紗理奈「フフッ、嬉しいわ。流石私の好きな彼方くん。」

 

紗理奈ちゃんはそう言ってキスしてきた。

いつもより大人なキスを。。。

っていや何してんの!?何で!?もしかして姿だけじゃなく性格も変わった!?

 

凄い積極的な紗理奈ちゃんに戸惑ったけど、やられっぱなしてのは嫌だから僕もやり返した。

舌を入れて唾液を絡ませていく。

最初はやられっぱなしの紗理奈ちゃんも次第にやり返してき、互いの舌が絡み合う。

濃厚な大人の口づけをした二人はチャイムが鳴るまでずっと続けていた。。。

 

 

チャイムが鳴ってハッと意識を取り戻す。

つい勢いでやってたけど、朝っぱら何やってんだろ!?

紗理奈ちゃんもつい表の顔に戻っちゃってるし。

 

彼方「ち、チャイムも鳴ったことだしそろそろ教室に行くね?」

 

紗理奈「え、ええ。私もそろそろ職員室に行かないと。。。」

 

彼方「そう言えば、今日どうすんの?リーゼントくんたち多分必死に探すよ?」

 

紗理奈「それはいい考えがあるから。昼休みにメールするから、メールが来たら資料室の前に来て。」

 

彼方「資料室?ふーん、何となくわかった気がするけど...まあ気を付けてね。」

 

紗理奈「ええ。彼方くんもサポート頼むわよ?」

 

彼方「もちろん。」

 

僕はそう言い、最後に軽くキスした。

ちょっとした意趣返しだ。

驚いた紗理奈ちゃんを置いて僕は教室に戻った。。。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

とここまでがさっきまでの話。

ほんとなんであんなことしちゃったんだろ、と思いながら一応三浦が行きそうな場所を探しまわってる。

まあそういうフリなんだけどね。

 

そう思ってるとケータイが鳴る。

多分紗理奈ちゃんからのメールだと思うけど。

僕はケータイを出し、メールを見ると。

 

『来て』

 

とだけ書かれていた。

どうやらお時間のようだ。

 

 

僕は資料室の前に行く。

そこには紗理奈ちゃんだけが居た。

紗理奈ちゃんは僕を見つけると人差し指を口の前に当て、静かにとジェスチャーで伝えてくる。

僕はそれを受け、声を潜めて話しかける。

 

彼方「それで?一体何したの?」

 

紗理奈「フォーゼを毒で再起不能にしたのよ。」

 

彼方「ワォ、マジ?」

 

紗理奈「えぇ。それで彼方くんにバレないようにどうにかしてほしいのよ。」

 

彼方「オッケー。なら紗理奈ちゃんはもう戻りな。いつまでもここにいたら怪しまれるだけだし。」

 

紗理奈「分かったわ。それじゃあ、頼むわね。」

 

紗理奈ちゃんはそう言って、この場を去っていった。

さて...、取り敢えず様子を見ないとだね。

僕はスイッチを取りだし、変身する。

 

そしてオレは資料室の中に入っていく。

するとリーゼントの呻き声が聞こえてくる。

こりゃ相当の奴打たれたな?

 

オレは呻き声のする方に行くとリーゼントが顔面を蒼白にして苦しんでいた。

オレは直ぐに瞳を使って体内を見る。

すると体内にはサソリちゃんのコズミックエナジーで満ち溢れていた。

その性質は劇毒であり、遅効性。

こりゃサソリちゃんの中で一番エゲつい毒を打たれたな。

 

オレに気づいたのかリーゼントは必死に構えようとするが、すぐに倒れてしまう。

 

オピュクス「そんな身体だとオレには敵わねえぞ。」

 

弦太朗「はぁ、はぁ...、何の用だ薬野郎。オレは、今、ちょっとやべえからな...。」

 

オピュクス「フン、弱り切った奴を殺るような奴じゃないぞ、オレは。なに、ちょっと手助けしてやろうと思ってな。」

 

弦太朗「手だ、すけ...?」

 

オレは一本の空の試験管を取り出す。

そして力を込めると試験管の中に水色の液体が精製される。

これはコイツの毒を和らげる薬だ。

完全に治すのではオレ達の検証が直ぐに邪魔されるからな。

 

オピュクス「これはオマエが打たれた毒を和らげる薬だ。完全に治すのではなくな。」

 

弦太朗「はぁ、なんでそんなもん、俺にやるんだ...?」

 

オピュクス「オレはオマエに期待してんだよ。こんなところでくたばれてもつまらんからな。どうすんだ?飲むか?飲まねえか?」

 

弦太朗「はぁ、ハッ!飲んで、やろうじゃねえか...。」

 

リーゼントはそう言い、オレから薬を奪い取りそのまま一気に飲み干す。

すると顔色がちょっと戻り、さっきまでよりは健康に見える。

まあ即効性だから効いてくれなきゃ困るがな。

 

弦太朗「おぉ!?ちょっとはマシになったな!これで探しに...、ってうわっ!?」

 

リーゼントは立ち上がり、そのまま走っていこうとするが直ぐに倒れる。

バカが。あくまで和らげるだけであってすぐ動けるもんじゃない。

 

オピュクス「バカが。すぐ動けるわけねえだろ。まあちょっとは休んでろ。じゃあな。」

 

弦太朗「ありがとな!」

 

ありがとね...、フッ、敵に礼なんか言いやがって。

オレはそのまま資料室を出て、変身を解除する。

 

そして僕は慌てて来たように資料室に入る。

まあ僕がオピュクスだってバレないようにだけどね。

ちょっとわざとらしすぎるかな?

 

彼方「リーゼントくーん?いるのー?」

 

弦太朗「おう!彼方!すまねえがこっちきてくれねえか!」

 

彼方「え?うん、わかったよ~!」

 

僕はそう答え、リーゼントくんの下に行く。

 

弦太朗「すまねえが肩貸してくれ。さっきスコーピオンに毒やられた。」

 

彼方「うっそ!?大丈夫なの!?」

 

弦太朗「ああ、その後薬野郎が来てなんか飲ませてくれたからな。おかげでだいぶマシになった。」

 

彼方「そっか。でもその様子だとまだ動けないんじゃないの?」

 

弦太朗「ああ。とりあえずラビットハッチまで連れてってくれ。」

 

彼方「オッケー。しっかり捕まってなよ?」

 

僕はそう言いリーゼントくんをラビットハッチまで連れて行った。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

ラビットハッチに着き、取り敢えずリーゼントくんを椅子に寝かせた。

いつもとは違う様子のリーゼントくんに、ラビットハッチに居たJKと城島以外の面々は驚く。

僕は状況を話し、取り敢えず休ませる。

 

賢吾「まさかスコーピオンがそこまでしてくるとはな。」

 

彼方「それだけ今回は邪魔されたくないのかな?」

 

美羽「それともフォーゼを潰しに来てるのか。」

 

友子「どっちもな気がする。。。」

 

隼「このままやられっぱなしはダメだ!」

 

美羽「でもどうするの?」

 

とそこに城島がやって来た。

城島はリーゼントくんの下に駆け寄る。

 

ユウキ「弦ちゃん!」

 

弦太朗「ユウキ...、大したことねえ。ちょっとしんでえぐらいだ...、何がホロスコープスだ。負けてられるか!」

 

賢吾「ホロスコープス。奴ら幹部たちの名前か。」

 

隼「そいつらなんだな...。この学校にスイッチをばらまき、怪物を生み出してるすべての元凶は!」

 

いや、ばらまいてるのはごく一部だけよ?

半数以上は主に叔父さんの護衛とかだからね?

ってそんなこと言えるわけないんだけどね~。

 

そして歌星はリーゼントくんに打たれた毒の解析結果を告げる。

まあどの薬も効果はないだろうね。

と思っていたが一つだけ彼らに残された手段。

 

それはメディカルスイッチを使うこと。

だが肝心のフォーゼが毒に侵されてるため、この方法はできない。

そう思ってると突然友ちゃんが歌星のパソコンを弄る。

歌星が止めようとするが、一行に離れない。

 

友子「弦太朗さんが元気にならないと、このざわざわは止まらないから。」

 

友ちゃんはそう言い、モニターを見せる。

そこにはフォーゼに変身しなくとも、ベルトからメディカルの力を使うことができる方法が映されていた。

確かにその方法は理にかなってるが、それは命がけのやり方だ。

 

だが歌星はそれを気に留めない。

ほんと成長したね~。。。

ライダー部のみんなが意気込み、リーゼントくんの方を見るが、そこには居るはずの彼が居なかった。

あれ!?どこ行ったの!?

 

僕は急いでラビットハッチを出てリーゼントくんを探すことにする。

だがそろそろ約束の時間もあり、満足に探せなかった。

 

僕は取り敢えず紗理奈ちゃんと合流しようと思い、校舎の周りを探す。

すると紗理奈ちゃんが生徒に挨拶をしていた。

 

紗理奈「そろそろデートの時間ね...。」

 

ふと紗理奈ちゃんが呟いたのが聞こえ、僕はちょっとだけムッとなる。

僕はいたずらしてやろうと、後ろからひっそりと近寄り、

 

彼方「デートって誰とかな?浮気かな?かな?」

 

と紗理奈ちゃんの耳元で囁く。

するといいリアクションをしてくれる紗理奈ちゃん。

 

紗理奈「もう!いきなり耳元でそんなこと言わないでよ!」

 

彼方「ハハッ、ごめんごめん。でもさ~、そんなこと言ってたら誰だって嫉妬しちゃうでしょ?」

 

紗理奈「もう...、あくまでスコーピオンとしてよ。分かってるでしょ?」

 

彼方「分かってるけどね~。でもどっちの紗理奈ちゃんも好きなんだからさ。独り占めしたいに決まってんじゃん?」

 

僕は最後だけ周りに聞こえないように耳元で言う。

すると紗理奈ちゃんは照れたのか、顔を真っ赤にして僕の胸をポカポカ叩いてくる。

ハハハ、全然痛くない。むしろめっちゃ可愛い。癒される。

 

彼方「そろそろ時間だから行こっか?」

 

紗理奈「そうね。彼は来てるかしら?」

 

彼方「まあよっぽどじゃない限り来てるだろうね~。捨て駒くんは。」

 

紗理奈「フフフ、結構酷いこと言うわね?」

 

彼方「だってしょうがないじゃん。結局今のまま変身しても暴走するだけだろうから。」

 

紗理奈「まあとにかく行きましょ。暴走以前に今回は戻せるかどうかなのだから。」

 

彼方「それもそうだね~。」

 

僕らは空き教室に行き、そこで変身する。

まあ生身のままで行っても不自然だしね。

 

変身したオレらはサソリちゃんに教えてもらった約束の場所である屋上にワープする。

そこには既に三浦が来ていた。

だがそこにJKに肩を貸してもらってるリーゼントとJKがやって来た。

 

三浦はリーゼントが持っていたアルバムから零れた写真を見る。

そこには夕日に照らされている、ラグビーボールを磨いている三浦が写っていた。

他にも青春劇場の裏側であろう写真があった。

 

三浦は自身が写っている写真を見て、自分にもこんな時があったのだと気づく。

ほう...、これはもしかして。

 

だがサソリちゃんは苛立ってるようで、自身の頭部の針をJKに刺す。

リーゼントと同じ毒を打たれたJKは苦しみだす。

 

スコーピオン「よく来られたな。もう充分苦しんだだろう。」

 

そう言いサソリちゃんはリーゼントたちの前に現れる。

三浦はその場から動けず、ライダー部の二人も毒の所為で満足に動けないでいる。

サソリちゃんはそこを突き、二人を屋上から落とす。

 

二人は真っ逆さまに落ちていったが、そこをダイザーが駆け付け二人をキャッチし地面に降ろす。

それを見たサソリちゃんはさらに激昂する。

こりゃ『超新星』を使うんじゃないか?

 

スコーピオン「愚かな。我が王から頂いた力を見よ!超・新・星!」

 

サソリちゃんは自身の星座から、叔父さんから授かった白いエネルギー体を出す。

そしてそれを自身の身体に取り込み、屋上から飛び降りる。

 

『超新星』の力を使ったサソリちゃんは、下半身が巨大なサソリの様に変化する。

スコーピオンの場合は巨大化なのか。

 

ダイザーが果敢に挑むが、巨大化した割に素早い動きで尻尾を叩きつけられ校舎に激突する。

さらに尻尾でダイザーを刺され、身動きが取れないまま振り回され、強制的に大文字がダイザーから離脱させられる。

そして離脱された大文字を尻尾でかする程度だが、毒を打ちこんだ。

これでライダー部の主力はアウトだな。

 

そしてサソリちゃんは元の姿に戻る。

その間にオレはダスタードを呼び、三浦を連れ去る。

そしてオレもサソリちゃんの下にワープし、儀式に使う場所にワープする。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

星がよく見える場所として叔父さんが選んだ儀式の場所。

ドームの様に並べられた石柱は何処か不思議なものを感じさせる。

 

そこにはサソリちゃんと三浦が居た。

オレは少し離れた場所から儀式を見届ける。

 

スコーピオン「見たまえ。この空の向こうに星の海が待っている。我々の進化を、星々も望んでいるのだ。さあ、星に願いを。」

 

ほんとなんであんなロマンチックなことが言えんだろうな。

オレはとてもじゃないが恥ずかしくて無理だ。

まああんなこと言ってるサソリちゃんも大好きだがな。

 

いや何惚気てんだ。

今は儀式に集中しねえと。

どうなるかを見届けねえとな。

 

三浦は手を伸ばすが、何処か躊躇している様子だ。

もしかしてさっきリーゼントが持ってた写真で何かが変わったのか?

 

サソリちゃんは徐々に詰め寄り、三浦は石柱にもたれる。

だが三浦は抵抗しようとしているのか、その瞳は前の時のような虚ろにはなっていなかった。

 

三浦「俺の願いは...たった一つだけだ。」

 

三浦はそう言い、写真を握りしめる。

 

三浦「また昔みたいに笑いたい。」

 

スコーピオン「ん?」

 

三浦「そんな物に負けない心になって、また...。また学校に行きたい!」

 

ほう、まさか意思が変わるとはな。

これもリーゼントたちの影響によるものなのか?

もしかしたらスイッチに囚われた奴らを救うための一歩かもしれないな。

 

三浦「如月達と笑いたい!それだけだ!」

 

そう言いサソリちゃんが差し出していたスイッチを弾く。

どうやらスイッチの呪縛から逃れられたようだな。

 

だがそれにサソリちゃんは激昂する。

それもそうだ。

自分が魅入られた物が否定されたようなもんだからな。

 

スコーピオン「これほどのチャンスを与えながら、星の力の有難みが分からん虫けらめ!許さん...!」

 

女性が虫けらなんて言葉を言ってはいけません!

って何言ってんだオレ。

まあ汚い言葉を使おうとも、オレはサソリちゃんを嫌いになったりしないがな。

 

サソリちゃんは拳を握りしめ、三浦に殴りかかろうとするが、そこにリーゼントが現れサソリちゃんをドロップキックする。

いきなりの攻撃に受け身が取れず、吹っ飛ばされてしまう。

 

弦太朗「虫けらはお前だ!サソリ野郎!」

 

三浦「如月!?」

 

弦太朗「おぉ!いい笑顔じゃねえか、三浦!」

 

リーゼントはそう言い、三浦と友情の証を交わす。

まさか復活するとはな。

もしかしてあの方法を実践したのか?

よく見たら後ろに居る歌星が疲れた感じを出してる。

また無茶なことを。。。

 

スコーピオン「バカな!?どうやって私の毒を!?」

 

弦太朗「知らねえのか?ダチは青春の特効薬だ。なんでも治っちまうんだよ!」

 

リーゼントはそう言い、ドライバーを取り出し装着する。

そして変身したフォーゼは、メディカルを装着し、左腕のモジュールから二つの薬瓶を城島に投げる。

大文字とJKに飲ませるのか。

 

そしてフォーゼはエレキステイツに変身し、サソリちゃんが呼び出したダスタード達の相手をする。

エレキで応戦するが、中々有効打は打てず。

ただ体力を消耗していくだけだと考えたフォーゼはファイヤーステイツに変身する。

 

フォーゼは向かってくるダスタードを全員銃で撃ち倒す。

そしてダスタード達が起き上がれないところを一気にリミットブレイクで決めた。

 

ダスタード達が消えた先にはサソリちゃんが立っていた。

サソリちゃんは『超新星』を使い、ノヴァへと変化した。

 

フォーゼは背中の噴出口を使いホバリングしながら銃で攻撃するが、サソリちゃんには全然効いてない。

ノヴァになったことで装甲も一段と硬くなったからな。

だがサソリちゃんの攻撃を回避できてるとこを見ると、やっぱり適応力は高いのが分かる。

 

だがそれも尻尾の薙ぎ払いで一気にぶっ飛ばされたフォーゼ。

ファイヤースイッチが抜けてしまい、ベースに戻される。

そしてサソリちゃんは激昂しすぎたのか、パワーが暴走している。

このままだと街が吹き飛び兼ねんな。

 

オレはすぐさま結界をサソリちゃんの周りに展開する。

そのことにサソリちゃんは驚いている。

 

スコーピオン「オピュクス!?何故だ!?」

 

オピュクス「これ以上暴走する気か?このままだと街が吹き飛び兼ねんだろが。」

 

スコーピオン「そんなことは知るかァァァ!!!」

 

ちっ、完全にイカレてやがる。

こりゃ一回倒さないと頭冷やさないな。

 

オピュクス「フォーゼ!オリオンの時を覚えてるか!」

 

フォーゼ「オリオンの時って...?」

 

賢吾「そうか!宇宙で決めれば問題は無い!」

 

オピュクス「そういうことだ!オレが飛ばすのを手伝ってやる!ちょっとお灸を据えないとなんでな!」

 

フォーゼ「おう!頼んだぜ!」

 

賢吾「ならばこれがいるな。」

 

歌星はそう言いパソコンを操作する。

するとバイクとダイザーがやって来た。

 

オレはサソリちゃんを囲んでる結界の下に結界を展開し伸ばす。

それに乗じてサソリちゃんも上に上がっていく。

オレは下の結界にある薬液を大量に投下する。

そしてオレはその結界の中に炎を投下する。

すると薬液はものすごい勢いで爆発する。

 

オレは直ぐにサソリちゃんの結界の底面を解除する。

するとサソリちゃんは爆発の勢いで空高く打ち上げられる。

よし、準備は整った。後は宙に打ち上げるだけだ。

 

オピュクス「今だ!行け!」

 

フォーゼ「おう!」

 

フォーゼはダイザーから発射され、サソリちゃんを巻き込んで宇宙へと飛んでいった。

オレは瞳を使って宇宙を見る。

するとフォーゼと思われるコズミックエナジーが増幅した。

もしかしてリミットブレイクを重複したか?

とてもじゃないがスイッチが耐えきれないぞ。

 

だがサソリちゃんのコズミックエナジーが弾けた。

どうやらやりやがったらしい。

オレはサソリちゃんが落下するのを見て、落下予測地点にワープした。

 

 

ワープした直後に大きな衝撃と共に目の前が暗くなった。

どうやら思ったより近かったようだ。

すると聞きなれた鐘の音が聞こえる。

マズいな。アイツには任せられんから早く行かないと。

 

オレは直ぐに落下でできたクレーターに行く。

するとそこにはフォーゼと倒れてるリーゼントがいた。

オレは直ぐにリーゼントの方をオレの下にワープさせる。

 

ほんと悪趣味な奴。

あとでなんか嫌がらせしてやろう。

 

フォーゼ「うぉ!?いきなり消えた!?」

 

???「っ!?そこに居るのか、オピュクス。」

 

フォーゼ「え?」

 

ちっ、なんですぐに見つけんだよほんと。

 

オピュクス「うっせえリブラ。オマエなんかに構ってる暇は無え。それにオレのサソリちゃんをオマエに預けるわけにはいかないんでな。」

 

リブラ「フン、今回はお前の失態でもあるんだぞ。」

 

オピュクス「ハハハ!どうかな?それと一つ言っておくぞ。オマエのやり方はもう通じねえぞ、そこのフォーゼのおかげでな。」

 

フォーゼ「何?俺のおかげってどういうことだ!?」

 

丁度いいや、コイツにネタバレしてやろう。

 

オピュクス「いいことを教えてやるよ。そこの触覚野郎のやり方はじっくり育てることだ。オマエが現れる前はそれで良かったかもしれないが、今はダメだな。何せコイツの生徒は皆暴れまわりたい奴らばっかだからなぁ?」

 

リブラ「オピュクス!それ以上余計なこと言うな!」

 

オピュクス「うっせえ、黙りやがれ。」

 

オレはそう言い、リブラの周りにワープを展開し中からメスを出す。

メスの先には触れるだけで痺れる毒を付けている。

つまり一歩も動くなってことだ。

 

リブラ「っ!?」

 

オピュクス「オマエに構うのもダリいんだよ。帰らせてもらうぞ。」

 

オレはそう言って学校にワープする。

リブラが掛けていた幻術を解き、紗理奈ちゃんを壁にもたれ掛けさせる。

そしてオレは変身を解除する。

 

ほんとなんであんな暴走したのかね~。

ちょっと感情を制御させることを覚えさせなきゃダメかな?

メントレでもやらせた方が良いかもね。

 

僕は紗理奈ちゃんが起きるまでずっと傍に居た。。。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

紗理奈ちゃんが起きた後、僕らは謁見の間に向かった。

そこには叔父さんとリブラが居た。

相変わらず腰巾着してるな~。

 

我望「スコーピオン、君は使命を果たせなかった。よってスコーピオンスイッチは一時没収だ。」

 

紗理奈「はい。。。」

 

紗理奈ちゃんは大人しく叔父さんにスイッチを渡すのだった。

この機会にちょっと鍛えなおそうかな。

 

リブラ「彼女には、再教育を施します。」

 

リブラはそう言い変身を解除する。

モヤが晴れ、そこに居たのは速水だった。

ほんとそのすまし顔イラつく。

 

我望「以後は君に一任するよ、リブラ。」

 

速水「重いですね、その責任。」

 

彼方「ちょっと待ってくださいよ~。」

 

我望「ん?どうしたんだね?」

 

彼方「リブラのやり方ではこの先ホロスコープスは生まれないかと。」

 

速水「何故そんなことが言える?」

 

彼方「さっきも言ったじゃないですか~。あなたのやり方はじっくり育て上げること。だけどそれは今の状況下ではできない。何故ならフォーゼが居るんだから。フォーゼが居ることで今まで伸び伸びと育成させてた生徒たちは全てやられていく。フォーゼによってね。」

 

我望「なるほど。確かにフォーゼたちの察知能力は目を引くものがある。となるとリブラの様にじっくり熟成させる方法は完全に崩れるということになるね。」

 

彼方「そういうことです。なので紗理奈ちゃんは僕が鍛えなおします。彼女の弱点は今回で分かったので。」

 

速水「それは無用だ。彼女も元は私の生徒だったからね。私が再教育を施す。」

 

彼方「アンタのやり方では無理だって言わなかったか?それにアンタはこれまでの行動を見て来たわけでもない。ならここはずっと傍にいた僕が適任だろ?」

 

我望「確かに彼方は教える力はある。私が鍛えたからね。ではスコーピオンの再教育は彼方に任せることにする。」

 

彼方「分かりました。ではこれで失礼します。行くよ~、紗理奈ちゃん♪」

 

僕は紗理奈ちゃんを連れて謁見の間を出た。。。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

ー翌日ー

 

朝、登校すると紗理奈ちゃんが暗い顔をして校門の所に立っていた。

あらあら~、そんな顔しちゃって~。

 

僕は紗理奈ちゃんに気づかれないように近づく。

そして頬にキスをする。

 

紗理奈「きゃっ!」

 

彼方「おっはよ~、暗い顔してると気分上がらないよ~?」

 

紗理奈「もう!いきなりしないで!」

 

彼方「ごめんって~。...露骨に顔に出してちゃダメでしょ?」

 

紗理奈「っ!」

 

ほんとメンタルが弱いよね~。

もうちょっと強かったらさらに強くなるはずなんだけどな~。

まあそこは追々ってとこかな。

 

彼方「特訓は今日から始めるから。いつもの教室で待ってるね~。」

 

紗理奈「ちょっと!もう!」

 

僕は紗理奈ちゃんに伝え教室に行った。

そう言えば叔父さんが財団Xが何か動き出したって言ってたな~。

なんかSOLUがどうたらって言ってたような。

もしかしたらとんでもないことが起きそうな気がするけど。。。大丈夫かな?

 

 

 

 

to be continued...

 

 




いかがだったでしょうか~。

のっけからなんてことしてるんだって思ったそこのあなた!
僕もそう思ってる。。。


いやほんとなんでいきなり大人な感じから入ったんだろ。。。
でもあの園ちゃんだとそういうのしそうでしょ?だからした!後悔はない!

ってのは冗談で笑
まあ今回でスコーピオンは一旦退場になっちゃいますね~。
まあ復活回までおまけとかで特訓の様子を書いていきたいなと思います。

そして次回は遂に劇場版回です!
正直に言うと序盤はライダー部との絡みないです!
まあ彼方くんの位置があれなんでね。

まあ後半にはあの熱いシーンでもしっかり絡ませますのでお楽しみに!


そしてリブラの方法を全否定する彼方くん笑
でもほんとその通りだなって思うんです。
彼のやり方でホロスコープスになったのってスコーピオンぐらいじゃないですか?
後半のは京都のザ・ホールが消えた影響もあって彼でもサクサク進化させれましたけど。
そういうのもあってリブラをちょっと嫌がらせさせました笑


ではでは次回もお楽しみに~。


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MOVIE対戦編 撫・子・降・臨

長くなってもた。。。
でも劇場版回だから仕方ないよね!

ってことで本編どぞ!


ー彼方sideー

 

今日は天高学園祭当日。

たくさんの生徒が出店や見世物をやったり、それを楽しんだりしている。

 

僕たち仮面ライダー部も何かやろうとなって、仮面ライダーの調査結果を発表するということになった。

正直言ってやりたくない。

何故かと言うと、仮面ライダーのコスプレをするからだ。しかも低クオリティの。

 

伝説の七人ライダーと呼ばれている仮面ライダー達の活躍を発表するにはどうするべきか、という話し合いから始まってあーだこーだうるせえ!ってなって最終的にコスプレをして発表しよう!となった。

正直なんで!?って思ったけど、そこは頑張った。

絶対コスプレなんてしたくないから僕は司会進行という謎ポジを務めることで落ち着いた。

意外にも歌星が嫌がらなかったのは驚いた。

 

でも当日、僕は研究発表に出られなくなった。

というのも実は昨日...。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ー謁見の間ー

 

オレは叔父さんに招集され、謁見の間にやって来た。

オレ意外にも、ヴァルゴさんとレオさんが招集されていた。

一体何があったんだろう。

 

そう考えてると叔父さんが謁見の間に入って来た。

オレ達は頭を下げ、叔父さんの許しを待つ。

 

我望「いきなり招集をかけてすまないね。今日は君たちに話しがある。」

 

ヴァルゴ「何でしょうか。」

 

我望「君たちは今日隕石が降って来たことは知ってるかね?」

 

レオ「いくつもの隕石が世界各地に落ちて来たことは世界中でも知られています。」

 

確か今日ラビットハッチに居たときに揺れを感じたけどあれは隕石だったのか。

それにしても世界各地に落ちて来たなんて珍しいな。

 

我望「その隕石の中にSOLUが付着していたらしくてね。財団Xが回収しに行ったそうだ。」

 

財団Xか。。。あそこはそういうことには敏感だからな。

特に兵器関連のことは直ぐに察知するからな。

多分SOLUが内包してるだろうエネルギーが狙いだろうな。

 

我望「だが仮面ライダーの邪魔が入り、SOLUが逃げ出したそうだ。そこでオピュクスとヴァルゴにはSOLUの回収を頼みたい。レオには財団との接触時の護衛を頼む。」

 

レオ、ヴァルゴ「「御意。」」

 

オピュクス「護衛にはオレも行かせてください。何やら嫌な予感がします。」

 

我望「ほう...、分かった。君も護衛を頼む。だがその前にSOLUの回収を頼むよ。」

 

オピュクス「御意。」

 

そうして謁見は終わった。。。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ってのが昨日あったこと。

それで今日は一日中空けなきゃいけなくなった。

まあ僕もあれをやりたくなかったから丁度良かったんだけどね。

 

僕はヴァルゴさんと共に屋上から学校全体を見渡していた。

正直ここに現れるとは思わないが、ザ・ホールの影響も考えると可能性はある。

 

彼方「ほんと現れるまでが退屈ですね~。」

 

ヴァルゴ「しっかりしろ。SOLUが内包しているコズミックエナジーは凄まじい物だ。財団はそれを欲しがってるのだろう。」

 

彼方「ほんとあそこはそういうのにすぐ飛びつきますからね~。まあ、そのおかげで僕たちも計画を実行出来てるんですけど。」

 

ヴァルゴ「スポンサーなのだから仕方ないだろう。それよりもしっかり見張れ。」

 

彼方「は~い。」

 

僕はそう言ってスイッチを押す。

 

変身したオレはラプラスの瞳を使い、コズミックエナジーの反応を見る。

学校中を視るが、特にこれといった反応はない。

見慣れたフォーゼやホロスコープスの反応しかない。

こりゃ来ねえんじゃねえかと思い空を見ると、一人の少女が落ちていた。

 

はぁ!?なんで落ちてんだ!?

オレは咄嗟にヴァルゴさんを呼び、少女を見るように言う。

ヴァルゴさんも流石に驚くことのようで、少女の正体を探ろうとワープしていった。

 

オレはもしかしてと思い、少女を瞳で視る。

すると、少女の中にはとんでもない量のコズミックエナジーが反応した。

こりゃもしかしてあの少女はSOLUが擬態したもんじゃないのか?

 

『その通りだよ。』

 

そう思ってると突然頭の中に声が響く。

この声は、『プレゼンター』か。

 

『カノジョはキミ達が探しているSOLUだよ。どうやら逃げ出してきたようだね。』

 

マジかよ。早く行かねえとじゃねえか。

オレはダスタードを召喚し、少女を追うように言う。

 

指示した後に少女の方を見ると、リーゼントが落ちて来た少女を抱えていた。

マジか...、よりによってアイツがか。。。

こりゃ一波乱あるぞ。。。

 

オレはそう思いながらヴァルゴさんの下にワープした。

 

 

ヴァルゴさんと合流したオレは、ヴァルゴさんにある提案をする。

フォーゼがSOLUと一緒に居るのならば、ダスタード達を使いオレ達の下におびき寄せるのはどうかと。

ヴァルゴさんは賛成してくれ、ダスタードを召喚する。

オレも召喚していたダスタード達を集め、おびき出すように指示を出す。

そしてオレ達は学校から離れた場所にワープして待機する。

 

その間オレは共感覚を使い、偵察用のダスタードと視覚を共有する。

そこに映ったのは、ダスタード達と闘うフォーゼとライダー部と一緒に居るSOLUの姿だった。

すると突然SOLUが前に出てフォーゼドライバーに似た物を取り出す。

ってはぁ!?何でSOLUがドライバーを持ってんだ!?

 

『多分だがフォーゼドライバーをコピーしたんじゃないかな?』

 

コピー?それにしてはちょっと不器用な感じだぞ?

まあ多分だが簡潔にコピーしたものなんだろう。

SOLUはドライバーを装着してスイッチを入れる。

 

するとフォーゼと同じようにゲートが現れ、まさかの仮面ライダーに変身した。

いやコピー能力高すぎだろ。。。

SOLUはフォーゼと共闘していく。

だが闘い方はまるで模倣してるような物だった。

 

ともかくオレはダスタードにおびき出すように命令を出す。

ダスタード達はフォーゼ達と闘いながらもこっちにおびき出していった。

 

フォーゼ達がダスタードをあらかた倒した時。

オレはダスタード達を消して、ヴァルゴさんと共に姿を現す。

 

ヴァルゴ「彼女を渡してもらおうか。」

 

オピュクス「ソイツはオレ達にとって重要なモンなんでなぁ。」

 

フォーゼ「絶対に断る!」

 

フォーゼはヴァルゴさんに向かって走ってくるが、マントを外し星座を輝かせて発生させたエネルギーによって後退させられる。

やっぱあの人の力は凄まじいな。

オレもマントを外し、臨戦態勢に入る。

 

フォーゼはエレキステイツに変身し、ヴァルゴさんと交戦する。

オレはその間、SOLUの下に歩み寄る。

 

オピュクス「一緒に来てもらうぞ。」

 

だがSOLUの前にライダー部のメンツが立ちふさがる。

 

賢吾「絶対に渡さないぞ。」

 

ユウキ「なんで彼女を狙ってるの!」

 

美羽「何か目的でもあるのかしら?」

 

JK「なんかヤバそうな感じっすけどね~。」

 

隼「レディーを守るのがキングの務めだからな。」

 

オピュクス「チッ、オマエらに用はないんだよ。」

 

オレはワープを展開し、ライダー部のメンツをワープさせた。

そしてSOLUの下に行こうとすると、ヴァルゴさんによって吹っ飛ばされたフォーゼがこっちに飛んできた。

オレは慌てて回避するが、邪魔が入ったな。。。

 

フォーゼはSOLUに一緒に戦おうと言い、エレキを解除してロケットを装着する。

するとSOLUもドライバーに装填してるロケットをオンにして装着する。

まさかダブルロケットとはな。。。

 

フォーゼとSOLUはヴァルゴさんに向かってロケットで飛んでいく。

そして。。。

 

フォーゼ、なでしこ「「ダブルライダーロケットパーンチ!!!」」

 

二人のロケットパンチは見事に当たり、ヴァルゴさんはダメージを受ける。

そして無理だと判断したのか、その場から退いた。

ってオレを残さないで!?

 

フォーゼ「次はお前だ、薬野郎!」

 

オピュクス「いーや、やめとくわ。なんかこれ以上は無理っぽそうだからな。」

 

オレはそう言いワープした。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ワープしたオレは変身を解除する。

 

そして叔父さんの護衛の為に理事長室に行く。

 

彼方「失礼します。」

 

僕はそう言い扉を開け中に入る。

中には叔父さんと立神さんがいた。

立神さんは叔父さんの秘書兼ボディガードを務めている。

その腕は確かなもので、僕は一度も勝てたことがない。

 

叔父さんは僕に気づいたようで。

 

我望「おぉ、彼方。そろそろ時間かね?」

 

彼方「いや、SOLUの回収に失敗したから取り敢えず護衛の方に専念しようと思って。」

 

我望「なるほど。やはりフォーゼが?」

 

彼方「だけだったら良かったんだけどね~。」

 

立神「ヴァルゴも居たのだろ?ならば簡単なはずだが。」

 

彼方「SOLUがフォーゼをコピーしちゃって仮面ライダーに変身したんだよ。」

 

我望「ほう...、SOLUがか。。。これは著しい進化じゃないか。」

 

彼方「コズミックエナジーの量も凄かったしね。そりゃ財団も狙うわって思ったよ。」

 

立神「我望様。そろそろ時間です。」

 

我望「分かった。では彼方もついてきたまえ。」

 

彼方「はい。」

 

僕は叔父さんについて行き、地下の駐車場から車に乗り込んだ。

僕たちは車の中で財団に対する牽制を考えた。

多分だが財団の方から脅しのような物が来るだろうという判断からだ。

 

そこで僕は叔父さんに一体ダスタードを影に潜ませることにする。

共感覚を使って然るべきタイミングを計り、そこでレオさんとそれぞれ現れるという手筈だ。

レオさんは自身の力である神速を使って行くという。

なら僕はいつも通りワープを使うとするかな。

 

そう考えながら車に揺られていった。。。

 

 

今回の相手である財団所属のレム・カンナギ。

彼は財団のアンノウンエネルギー開発担当の幹部であり、自身の研究である究極生命体『ミュータミット』を研究開発している。

既にその成果は出ているようで、カンナギ自身究極生命体へと改造しているようだ。

 

そんな相手と対峙している叔父さん。

正直空気は張り詰めている。

 

そんな中、カンナギは僕たちが起こしたSOLUの回収の件について問いただしてくる。

叔父さんはあくまで好意だと伝えるが、カンナギはそれを別の方に捉えたのか紛らわしいことはするなと言ってくる。

それに順じてカンナギの後ろに控えていた二人が威嚇をすると同時に二人の顔に異形が浮かび上がる。

これがミュータミットか。

 

叔父さんはカンナギの前に立つ。

僕らはそれを合図と取り、スイッチを取りだし変身して叔父さんたちの場に現れる。

 

突然現れたオレ達にカンナギは静かにこちらを見るだけ。

オレ達はそれぞれ威嚇をするように声を出す。

 

我望「私のゾディアーツとどちらが優秀でしょうな?」

 

カンナギは叔父さんを睨みつけるだけ。

そこにはどんな意思があるのか知らないが、どうせ碌なことは考えてないだろうな。

 

叔父さんがその場を去ると共にレオさんも叔父さんについて行く。

そしてオレも去ろうとするが、その前に言っておきたいことがある。

 

オピュクス「アンタらの邪魔をしたなら謝るさ。だがな...、そちらさんもオレらの邪魔すんじゃねえぞ?アンタちょっと臭いからなぁ?」

 

オレはそう言い、固有結界を展開する。

辺り一面が薬液至る所から溢れ出し、薬瓶が散りばめられた工場のような空間に変わる。

これがオレの心象風景を描き出した固有結界。

 

カンナギ達は突然変わった世界に動揺する。

部下の二人の内の男の方が薬液に触れるが、その瞬間触れた指先が溶ける。

慌てて指を離すが、溶けてしまった指は二度と戻らない。

いくら究極生命体と言えど、オレの薬には敵わないようだな。

 

オピュクス「気を付けろよ?この空間にある物は全て危ねえヤツばっかだからな。オマエの指を溶かしたそれもな?」

 

オレがそう言うと男はこっちを睨んでくる。

だがそんなの知ったことか。自分でやったんだろうが。

 

カンナギ「これが君の力か。究極生命体をもってしても再生できない程の劇薬。実に素晴らしいじゃないか。だが、その力はこちらに向けるべき物ではない。」

 

カンナギがそう言うと同時に女の方がこっちに向かってきた。

そして足技でオレを攻撃してくるが、サソリちゃんのより下手くそ過ぎて余裕で避けれる。

向こうはそのことに焦ったのか更に攻撃してくるが、オレは技と技の間を縫って足払いする。

見事に引っかかった女は綺麗に宙に浮き、落ちていくがその先にはオレが生成した薬液が。

オレは咄嗟に女を抱き止め、何とか薬液に落とさずにすんだ。

 

オピュクス「足元はちゃんと見な。でないとその綺麗な顔が悲惨なことになるぞ。」

 

オレはそう言って固有結界を解除する。

結界を解除するとさっきまで辺りを漂っていた薬の匂いが一気に消える。

 

結界を解除し終えると、オレは抱きかかえてた女を降ろす。

女は身に染みたのか、攻撃してこない。

カンナギ達からもこれ以上抵抗する意思は見られない。

 

オピュクス「ま、そゆことだから。オレを怒らせんじゃないぞ~。」

 

オレはそう言って叔父さんと共に来た車の中にワープした。

そして変身を解除する。

 

我望「遅かったじゃないか。何をしていたんだ?」

 

彼方「ちょっと牽制しただけだよ。なんかしてきそうだったからね。」

 

我望「そうか。まあ向こうもこれ以上は干渉してこないだろう。」

 

彼方「だといいけどね~。...ん?」

 

僕はケータイを取り出す。

美羽からメールが届いたようだ。

 

僕はメールを開けると今すぐラビットハッチに来てと書いてあった。

もしかしてSOLU関連のことか?

僕は叔父さんに行って車を止めてもらい、僕は車から降りて変身する。

そしてそのまま学校にワープした。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

学校に着いた僕は急いでラビットハッチに向かった。

着くとそこにはSOLUと数人が居て、テーブルの上にはバーガーちゃんが二体いた。

え!?なんで!?いつの間に増やしたの!?

いや、よく見るとどうやらSOLUの擬態のようだ。

 

彼方「そういえばリーゼントくんは?確かその子と一緒に居たはずだけど。」

 

美羽「弦太朗はちょっとね...。」

 

賢吾「ともかく我望に来てもらったのは実は...。」

 

そう言い歌星がSOLUのことについて説明してくる。

まあ一応知らない体で話を聞いてるけどね~。

 

そしてSOLUを大学の研究室に送るとか言う。

どういうことか聞くと、元々SOLUは大学の研究室から逃げ出したものだと。

それで学校の方に捜索依頼が出されていたらしい。

ちょっと怪しいな~。

もしかしたら財団が絡んでんじゃないの~?

 

賢吾「そろそろ時間だな。彼女をカプセルに入れて渡しに行くぞ。」

 

歌星はそう言い、SOLUを特製のカプセルの中に入れていく。

僕は咄嗟に二体いたバーガーちゃんの内、SOLUの方を回収した。

ちょっと面白そうだから僕が持っておこっと。

 

そして僕たちは学園の地下駐車場に向かった。

 

 

駐車場に着くと一台の白い車が停まっていた。

その前にはなんと財団Xの者達が。

よく見たらカンナギの部下の二人もいるじゃんか。

やっぱ黒だな。

 

歌星は素直に女にカプセルを渡す。

歌星は研究結果に期待してると言うが、その結果はとんでもないことを引き起こすものだよ?

女は部下にカプセルを預ける。

 

すると駐車場の出口の方からリーゼントくんの声が聞こえる。

あらまどうしたの?

そしてリーゼントくんはカプセルを財団の者から奪い取る。

 

賢吾「よせ、如月。」

 

弦太朗「撫子は渡さねえ!」

 

女「それは我々の資料です。貴方の物ではない。」

 

彼方「財団の物でもないけどね~...。」

 

弦太朗「俺はまだ、コイツに好きだって言ってねえ!」

 

賢吾「落ち着け。それはSOLUだ。知性はないんだ!」

 

弦太朗「いやある!コイツは宇宙に帰りたがってた!月に行ってはしゃいでた!俺に笑いかけた!」

 

ほう...、やっぱ生物としての本能はあるんだね~。

 

賢吾「だからそれは反射行動だ!」

 

弦太朗「だったらお前はなんだ!俺が笑いかけたらお前も笑う。それも反射か!違うだろ!ダチだからだろ!」

 

いや~妙に説得力あるね~。

彼だからこそできるものだろうけどね~。

 

美羽「言ってることめちゃくちゃね。」

 

彼方「まあそれがリーゼントくんだからね~。」

 

ほんとそれだけで納得できるなんてすごいよね~。

 

弦太朗「俺は撫子と友達の印できなかった。なんかわけわかんねえけど、ダチとは違う。もっともっと熱いんだ!ここが!ギュッとするんだ!」

 

リーゼントくんはそう言い、胸を掴む。

もしかしてSOLUに恋しちゃったの!?恋の規模が宇宙ってマジ!?

いや...これは凄すぎるわ。。。

 

弦太朗「俺のこの気持ちは誤魔化せねえ!好きなモンは好きだ!聞いてるか撫子!お前のことが好きだ!」

 

告白も一直線だなんて。

ほんと真っ直ぐしてるね~。

 

リーゼントくんの告白に反応して、SOLUはカプセルから飛び出す。

そして少女の姿に変わる。

 

SOLUはリーゼントくんに抱き着く。

いやこれどんなアオハル?

なんか空気が甘いんですけど。。。

 

賢吾「この世に奇跡なんて無い。SOLUの進化が早いんだ。ただ、その進化を促したのは、アイツかもしれないな。」

 

出ました歌星のツンデレ!

ほんと素直に認めてあげればいいのに~、このこの~。

 

すると財団の女が突然リーゼントくんに襲い掛かってくる。

他の奴らも歌星たち男性陣に襲い掛かってくる。

あれ?これもしかして今僕フリー?

 

女は足技を使いリーゼントくんを倒すと、そのままSOLUを掴み車の中に入っていこうとする。

僕は見つからないように先に車の中に入っていく。

そしてそのままダスタードを呼び出し、一緒に影の中に潜む。

 

女達が車に乗り込むとそのまま発進する。

するとリーゼントくんが必死に追いかけ、車の中に入って来た。

そしてそのまま財団員の男達と混戦状態になる。

だが数的に不利なのか団員達に押されていく。

そして車から蹴り落された。

 

僕は油断してる今がチャンスだと思い、ダスタードともに影から出ていく。

そして団員達を後ろから思い切り蹴り落す。

ダスタードを消滅させ、後は女だけになった。

 

女は警戒してこっちを睨みつけるが、僕はそんなの気にせず近寄る。

そしてそのまま女をSOLUと一緒に壁ドンする。

そして女の耳元に近づき。。。

 

彼方「解放してくれなきゃ薬漬けにしちゃうよ?」

 

僕はそう言い耳を甘噛みする。

それによって女は顔を赤らめ、拘束を緩める。

SOLUはそれに気づき、拘束を解き車から飛び降りる。

 

SOLUに逃げられ追いかけようとする女を僕は止める。

 

彼方「どこ行こうとしてんの~?もうちょっと僕と居ようよ~、究極生命体さん?」

 

女「っ!?なんでそれを。。。」

 

彼方「なんでって言われてもね~...、こういうことだからさ?」

 

僕は車の扉を閉め、外から見えないようにスイッチを取りだす。

そしてスイッチを押して変身する。

 

女は変身したオレを見て驚愕の顔をする。

 

女「まさか貴方があの時のゾディアーツだったなんてね。」

 

オピュクス「そゆことだ。んで言ったよな?オレの邪魔すんなって。だからアンタにはここで大人しくしてもらうぞ。」

 

女「くっ!」

 

おっと?くっころ来るか?オレあれ結構憧れなんだよな~。

てかよく見たらコイツにも星の輝きがあるんだよな。既に見つかった奴だけど。

まあ面白そうだからな~。これが終わって生きてたら拾ってやるか。

 

そう考えてたらいきなり車が大きく揺れ、転倒する。

オレは咄嗟に女を抱きかかえ、外にワープする。

 

どうやらダイザーがミサイルで車を転倒させたようだな。

SOLUも変身して財団員と闘ってるしな。

ん?あの怪物は一体なんだ?

 

女「あれは私と一緒にいたカタルの力よ。サドンダス。それがあの力の名前よ。」

 

オピュクス「ほう...、ゾディアーツみたいなもんか。オマエもあんなんになるのか?」

 

女「私は変身できないわ。というかオマエ呼びは辞めなさい。ソラリスという名前があるのだから。」

 

オピュクス「ふーん...、オマエの場合はスイッチを使えばどうにかなるかもな~。もしかしたら面白い進化をしそうだからな~。」

 

オレはそう言い闘いを見る。

どうやらSOLUは財団員を倒したようだ。

そしてフォーゼとSOLUでサドンダスに攻撃する。

二人の連携攻撃によってサドンダスは倒れる。

あの二人のコンビはいいもんだな~。

 

闘いが終わると二人はお互い褒め合う。

そしてSOLUの方から友情の印を求める。

まあまずは友達からってのは基本だからな~。

ってオレの場合それすっ飛ばししたのあるくないか?

 

二人は印を交わしてる時、SOLUの身体が止まり変身が解除する。

一体なんだと思い、見てみるとカンナギが口から念動力のようなものを発生させている。

そしてその隣にいつの間にかソラリスとカタルが付いていた。

てかアイツ生きてたのかよ。

 

SOLUはカンナギに拘束される。

フォーゼは取り返そうとカンナギに向かっていくが、咆哮によって生まれた衝撃波でぶっ飛ばされる。

その力は強大で、さっきの戦闘のダメージもあってか変身が解除されてしまう。

 

カンナギはSOLUに何かの機械を打ち込む。

するとSOLUは形を保てなくなっていき、そしてエネルギーへと変わっていった。

それと同時に機械に装填されていたスイッチに色が付く。

もしかしてあのスイッチにSOLUのエネルギーが溜まったのか?

 

カンナギ「SOLUは!エネルギー量子に変換された!」

 

弦太朗「まさか...、その中に撫子を!」

 

カンナギ「この中にあるのは純粋なエネルギーのみだ!解りやすく言えば、君が求めている彼女は、死んだということだ。」

 

弦太朗「...うおおおぉぉぉぉぉ!!!」

 

リーゼントはSOLUを取り返そうとカンナギに向かっていくが、ソラリスとカタルによってやられ、最後にカンナギによって蹴り飛ばされる。

どうやら歌星もカンナギ達が普通の人間ではないと気づいたようだ。

 

カンナギ「嘆くな若者よ!君もここで滅びる!愛する者に殉じたまえ!」

 

カンナギはそう言い部下に抹殺するよう命令すると、その場をソラリスと共に去る。

残ったカタルはサドンダスに変身し、リーゼントを殺そうとする。

だがそれをダイザーが阻む。

 

隼「弦太朗には手を出させない!」

 

だがダイザーはサドンダスの熱線にやられ、大文字が強制離脱させられる。

その隙を埋めるかのように歌星がバイクともに出て、サドンダスを翻弄する。

ウィリーをして車輪でダメージを与えようとするが、サドンダスに吹き飛ばされる。

美羽たちもフードロイド達を使って錯乱させようとするが全て弾かれ、美羽たちの近くに熱線を発射され爆発に巻き込まれる。

 

オレはそれを見て限界が来た。

オレの女を傷つけるとはやってくれるじゃないか。

 

オレは固有結界を展開し、辺りを心象風景に書き換える。

いきなり世界が変わったことに全員驚く。

オレはそんな中サドンダスに向かって歩き出す。

 

オピュクス「オレのモンに手出してただで済むと思うなよ、改造されたモルモット如きが!」

 

オレはどっかの金ぴか王の様に空中に無数のワープを展開する。

そこからメスやハサミやらを出す。

それぞれの先端にはアイツを蝕む毒を塗ってある。

 

オピュクス「オレを怒らせるなって言ったよなぁ?聞き分けのない獣にはこれで充分だろ。」

 

オレはそう言い一斉に射出させる。

サドンダスは全てを避けきれず、身体に毒を浸透していく。

それによって動きが鈍くなっていく。

 

オピュクス「フォーゼ。いつまでも泣くな。敵を取りたいなら必死に食らいつけ。そんぐらいしなきゃアイツは取れねえぞ。」

 

弦太朗「...おう!怒りは収まらねえが涙は止まった!ありがとよ、みんな。」

 

リーゼントはそう言いドライバーを装着する。

 

『THREE』

 

『TWO』

 

『ONE』

 

ライダー部のメンツがカウントダウンを共に言い、フォーゼはレバーを掴む。

そして...。

 

弦太朗「変身!!!」

 

レバーを引きゲートが現れる。

そしてフォーゼに変身したリーゼントはライダー部全員でいつものセリフを言う。

 

「「「「「「「宇宙...キターーーーー!!!」」」」」」」

 

気合が入ったフォーゼはファイヤーステイツに変身し、サドンダスに火炎弾を撃っていく。

だがそれは当たらず、逆に熱線を撃たれる。

だがそれをフォーゼは避け、モジュールである銃にファイヤースイッチを装填しリミットブレイクを放つ。

 

フォーゼ「ライダー爆熱シューーート!!!」

 

フォーゼは熱線を撃たれながらも、高度の火炎放射を放つ。

それをもろに受けたサドンダスは爆発に呑まれる。

 

着地したフォーゼは地面に落ちている一つのスイッチを拾う。

それは。。。

 

オピュクス「SOLUが遺した物か。オマエに使って欲しかったんだろうな。」

 

フォーゼ「撫子が俺に!」

 

フォーゼはファイヤーをオフにして抜き、SOLUが遺したスイッチを装填しオンにする。

 

『Rocket SUPER!』

 

『Rocket! ON』

 

ドライバーから煙が出、フォーゼの両腕にロケットが装着される。

それと共にフォーゼの身体が全身オレンジ色に染まり、複眼が青に染まる。

正にフォーゼとSOLUの力と言える姿になったな。

 

フォーゼ「うだうだしてるつもりはねえ!一気に決める!」

 

フォーゼはそう言い、両腕のロケットを構え発射する。

フォーゼは高速でサドンダスに激突し、そのまま一気に宇宙へと飛んでいった。

凄まじい力だな。フォーゼ単体で宇宙に行くとはな。。。

 

オレは瞳を使って宇宙を見る。

するとフォーゼのコズミックエナジーが増加し、サドンダスを倒したようだ。

アイツはもうこの地球には戻ってこれないだろうな。。。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

弦太朗「賢吾、奴らの正体を探ってくれ。撫子の力を悪用する奴は、絶対に止めないと!」

 

宇宙から戻って来たフォーゼは歌星にそう言う。

コイツが次に行くとしたらあそこか。。。

なら先に行ってコイツらの手助けをしてやるか。。。

 

オレはそう思い、カンナギが基地としてる場所にワープした。

 

 

 

 

to be continued...

 




いかがだったでしょうか~。

操作ミスっていつもの時間より早く出してしまった。。。
ほんとすみません。


今回から二回に渡ってMOVIE対戦回です!
ということでまずはフォーゼ編から!

だいぶオリジナル要素を織り込みましたがどうだったでしょうか。
彼方くんを活かせるにはこれしかなかったんだ。。。

そしてなんであんなことしちゃったんでしょうね。。。
何かこのお姉さん活躍させたいな~って思ったらフラグ建っちゃった笑
多分今後の本編でちょびっとずつ出るかもしれません。
てか以前考えてたヒロインの内の一人と交代となるかも。
あ、交代ってヒロイン枠って意味ですよ?ちゃんとその人も出ますから!

ということで次回はあれこれ混ぜていきますんで、楽しんでくれたらなと思います。


ではでは次回もお楽しみに~。


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MOVIE対戦編 覚・醒・ノ・時

ミスって投稿しちまったよ!?
ほんとごめんなさい。。。


 

ー彼方sideー

 

カンナギのアジトへとワープしたオレは、カンナギ達が何かの準備をしているとこを見つける。

オレはその方向にゆっくりと歩み寄る。

 

オピュクス「よおカンナギ。SOLUを手に入れた気分はどうだ?」

 

オレの声にそこに居た全員がこっちを向く。

おぉ、なんか人気者みたいで悪くねえな。

 

カンナギ「ここに辿り着くとは流石は真打だな。だが私はもう誰にも止められないよ!」

 

オピュクス「誰がそんなこと決めるんだ?そんなの誰も決めれねえよ!」

 

そう叫ぶと同時に、後ろからフォーゼと見知らぬ仮面ライダーがバイクでやってきた。

 

フォーゼ「おぉ!薬野郎じゃねえか!どうしてお前がここに!?」

 

???「君は一体...、なんでカンナギと敵対してるんだい?」

 

オピュクス「あのオッサンが気に食わねえからな。ちょっと懲らしめてやろうと思ってな。」

 

カンナギ「よくここまで来られたな若き仮面ライダー達!フォーゼ、オーズ!」

 

オーズ「貴方の野望は、俺たちが止める!」

 

どうやら見知らぬ仮面ライダーはオーズと言うらしい。

そういや財団からの資料の中にそんなことが書いてあったな。

 

カンナギ「ハッ。時間だな、行くぞ。」

 

カンナギはそう言い、部下たちと共に宇宙船エクソダスに乗り込もうとする。

フォーゼ達はそれを止めようとするが、カンナギが横切った先には無数の怪人たちが。

どうやらオレ達が来ることを想定してたらしいな。

 

カンナギ「君たちがどんなにあがこうと、私を止められないよ。」

 

カンナギはそう言いエクソダスに向かっていく。

オレはさせるかと思い、咄嗟に固有結界を展開する。

しかしオレの力が足りないのか、カンナギは取り込めなかった。

 

取り敢えず部下が持ってるアタッシュケースの中に何か入ってんだろと思い、オレは部下たちを攻撃する。

部下たちはそれぞれガイアメモリと呼ばれるものを使い変身する。

だが変身したところで固有体じゃないからオレには関係ない。

 

オレは部下たちを結界で閉じ込め、そのまま結界を圧縮することで消滅させる。

無事アタッシュケースを回収したオレは、それを開ける。

中には四つのスイッチと三つのメダルが入っていた。

これはフォーゼ達に使わせるか。

 

オピュクス「フォーゼ、オーズ!これを使え!」

 

オレはそれぞれにスイッチとメダルを投げる。

それを受け取りそれぞれ驚くが、二人はそれぞれのドライバーに装填していく。

そして二人はそれぞれ必殺モーションをする。

 

『Rider man! Ⅰ Go! V three! Ⅱ Go! LIMIT BREAK』

 

『X!アマゾン!ストロンガー!スキャニングチャージ!』

 

音声が鳴ると共にドライバーから光が溢れてくる。

そしてそれぞれのドライバーからスイッチとメダルが抜けると、光となりそしてその光は栄光の七人ライダーの姿へと変わる。

はぁ!?なんで七人ライダーが!?まさかスイッチとメダルに封印されてたのか!?

てかオレがここに居るとなんかアイツらと間違えられそうだから逃げるか!

 

オレは取り敢えずエクソダスへとワープした。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ーNO sideー

 

光と共に現れた七人ライダーはフォーゼ達の下に集まる。

 

一号「よくやってくれた、フォーゼ、オーズ!」

 

二号「君達のおかげで、カンナギの罠から解放された!」

 

オーズ「成功してよかったです!」

 

フォーゼ「俺、如月弦太朗!全てのライダーと友達になる男っす!」

 

アマゾン「トモダチ...」

 

ストロンガー「余計な挨拶はいい。君たちはカンナギを追え。」

 

サラッと毒を吐かれるフォーゼである。

トモダチ発言に反応するアマゾンはちょっと可愛い(そうじゃない?)

 

V3「奴が宇宙でコズミックエナジーをフルチャージしたら!」

 

ライダーマン「いくら我々でも敵わない!」

 

X「倒せるとしたら、大気圏内に居る間!」

 

アマゾン「アノウチュウセンヲ、トバシテハナラナイ!」

 

そして七人ライダー達はカンナギが用意した者達に向かう。

 

ストロンガー「ここは俺たちが食い止める!カンナギを頼む!」

 

七人ライダー達に託されたフォーゼとオーズは、発射準備に入ったエクソダスの下に向かう。

だが途中、空中にワームホールが生まれ、その中から仮面ライダーアクアが出てくる。

 

オーズ「ミハル君!どうして...。」

 

アクア「これを渡したくて。」

 

アクアはそう言いオーズの手に三枚のメダルを置く。

タトバに使用するコアメダルだが、それぞれの生物のモールドが金色で彩られている。

まるでタトバがパワーアップしたような物を感じさせる。

 

 

アクアからメダルを受け取ったフォーゼ達は、フォーゼのロケットでエクソダスに一気に向かう。

フォーゼに手を引かれるオーズは、ロケットによる高速移動に狼狽える。

そんなオーズを気にする素振りを見せず、フォーゼは左足に展開したドリルを回転させエクソダスに向かっていく。

大方エクソダスに強制的に突入するのだろう。

 

見事エクソダスの機体を貫通させたフォーゼ達はエクソダスに侵入したのだった。。。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ー彼方sideー

 

エクソダスにワープしたオレはカンナギと対峙する。

 

カンナギ「まさか私が用意した者達を退けるとはな!」

 

オピュクス「いや、ただめんどいからワープしてきただけだ。生憎ここは一度来た事があるからな。」

 

カンナギ「なるほどぉ、私の策が通じなかったというわけか。だがそれもどうでもいいことだ!私の偉大な計画はまもなく!完了するのだからな!」

 

オピュクス「オレがそれをさせるとでも?」

 

オレはそう言い、カンナギに向けて薬瓶を投げようとするがカンナギの咆哮によってオレは吹っ飛ばされる。

クソっ!アイツの力はソラリス達の比じゃねえな!

 

カンナギ「ハハハ!流石の君でも私には敵わないようだね!」

 

その言葉と同時に身体を浮遊感が襲う。

まさか離陸したのか?

 

それと同時にフォーゼとオーズが入って来た。

どうやらなんとかなったみたいだな。

 

カンナギ「ハハハ!まさかスイッチとメダルからライダー達を復元するとはな。」

 

フォーゼ「やってみなくちゃ分かんねえだろ!」

 

カンナギ「だがそうやって群れたがるのは、力の無い者の証だ。」

 

カンナギはそう言い、ドライバーを取り出す。

その中には三枚のメダルとSOLUのエネルギーが詰まったスイッチが装填されている。

まさかそれを使って変身するのか!?だとしたらとんでもねえことになるぞ!?

 

カンナギはドライバーを腰に装着する。

 

カンナギ「真の王は、一人で世界を制圧する!見たまえ!これが新しい地球の、いや!銀河をも掴む、王の姿だ!」

 

カンナギはそう言い、スイッチをオンにする。

 

『サメ!クジラ!オオカミウオ!』

 

音声と共にメダルが大きく映され、それらがカンナギの周りを回る。

そしてカンナギの上にはフォーゼに変身する時に現れるゲートが現れ、そこからエネルギーを注いでいる。

それらが収まるとそこにはホロスコープスのようなマントを着、機械と生物を混ぜたような姿をしたカンナギが居た。

 

カンナギは溢れ出るパワーを抑えきれないのか、身体から機械的な蒸気と触手が出てきている。

正にコアメダルとアストロスイッチを組み合わせた力らしいな。

 

フォーゼはその姿に怯むことなくカンナギに立ち向かっていく。

それに続いてオレとオーズも行く。

 

オレ達はそれぞれカンナギに攻撃を仕掛けるが全て避けられ、逆に攻撃を受ける。

フォーゼとオーズがそれぞれ組手を交わすが、全て捌かれ攻撃を食らう。

ただの頭でっかちかと思ったが、アイツ相当武術も長けてるぞ。

 

オレもカンナギに棍術を用いて杖で攻撃するが、まるで未来を見ているかの様に全ての攻撃が捌かれる。

それでも一矢報いようとバビってみるが、それも全て避けられる。

動揺してしまったオレの隙をついて、カンナギははっけいを繰り出す。

それによってオレは大きく退けられてしまう。

 

カンナギは更に追い打ちとばかりに、羽織っていたマントを刃に変えこちらに飛ばしてくる。

逃げ場の無いこのエクソダスの中ではどうしようもできず、オレ達はもろに受けてしまう。

 

カンナギ「分かっていることは一つ。君たちは、絶対に私には勝てない。」

 

オーズ「分かっていることは、もう一つある。この世に、絶対は無い!」

 

カンナギ「ところがあるのだね。」

 

カンナギはそう言うと、立ち上がったオレ達をレオさんの神速を思わせる速さで攻撃する。

反応できないオレ達は壁に弾き飛ばされる。

 

フォーゼ「時間を止められんのか!?」

 

するとフォーゼがぶつかったエクソダスの搭乗口が開かれる。

そしてカンナギはフォーゼに近づいていく。

 

カンナギ「その通り!これが、時間を超えて来たコアメダルの力だ!」

 

カンナギはそう言い、フォーゼを外に突き飛ばす。

オレはワープを使いフォーゼを戻そうとするが、それをカンナギが邪魔をする。

オーズもフォーゼを助けようとするが、カンナギに首を掴まれてしまう。

これじゃあどうにもできないぞ!

 

機体の縁を掴み何とか耐えていたフォーゼも風圧に負け、落ちて行ってしまう。

オーズの方もカンナギに首を掴まれてどうしようもできないでいる。

こうなったら...オレが!

 

カンナギ「そろそろ大気圏離脱だ。終わりにしよう。」

 

カンナギはそう言いオーズにトドメを刺そうとするが、オーズはカンナギを蹴り何とか離脱する。

そしてオーズは金色に縁どられたメダルを取り出す。

 

オーズ「使わせてもらうよ、ミハル君!」

 

オーズはそう言い、ドライバーにメダルを装填する。

そしてドライバーを傾け、メダルをスキャンする。

 

『スーパータカ!スーパートラ!スーパーバッタ!』

『スーパー!バ!スーパー!』

 

ハイテンションな音声と共にメダルがでかでかと眩しく映される。

あまりの眩しさに目を瞑ってしまいそうになる。

赤黄緑に彩られた四対の羽が浮かび上がり、光が消えるとそこには黒を基調とした姿ではなく、それぞれのコアメダルの色を基調としたオーズがいた。

 

頭はタカの羽を思わせる造形が大きくなり、真紅に染まっている。

胴体はトラを思わせる黄色と黒のカラーリングがされ、腕にはトラの爪を模したクローが付いている。

下半身はバッタの脚を思わせる造形がされ、緑と黒が逆転したようなカラーリングをしている。

 

誰がどう見てもパワーアップしたとも言えるオーズの姿。

カンナギはそれでもオーズを消すべく時間を止めオーズに向かうが、オーズもカンナギと同じ速さでカンナギと対峙する。

まさかあのコアメダルも未来から来たということか?

 

カンナギは自身が止めた時間の中にオーズが着いてきたことに驚き、オーズの攻撃を受けてしまう。

 

カンナギ「バカな!?何故時間が止まらない!?」

 

オーズ「俺が使ってるのも、未来のコアメダルだから。」

 

ちっ、オレは何もできないのか。。。

時間を超える闘いを前にして何もできなくていいのか。。。

そんなの絶対に嫌だ!

オレは...もう誰にも失わせるわけにはいかねえんだ!!!

 

オレはそう思うと、突如身体が光り出す。

一体何が起こったんだ!?

するとオレの最輝星から赤い球体が出てくる。

これはもしかして!?

 

球体はどんどん大きくなり、やがて破裂する。

すると中からブラックホールが生まれ、全てを飲み込もうとする。

オレの中からどんどんコズミックエナジーが吸い出されてるのが分かる。

オレは必死に抗っていると、ブラックホールは活動を辞め、その中から黒い球体が出てくる。

 

これがオレの『超新星』...なのか?

全てを飲み込もうとするような真っ黒な球体。

だがオレはそれに臆することなく、体内に取り込む。

 

するとオレの視界は暗転する。。。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ここは...、確か僕はカンナギと戦ってたはずじゃ...。

そういえばいつの間にか変身が解除されている。。。

ここは...。

 

そう思っていると目の前に真っ黒なワームホールが現れ、その中から何かが出てくる。

赤黒いスライムのような形をし、形状がよくわからないもの。

だが意思があるのか、スライムは僕の周りを跳びまわる。

そして一通り終えたのか、僕の目の前に戻り姿を変える。

 

そこには某賭け狂ってる主人公の姿をした銀髪の女が居た。

って何でぇ!?なんで空想のヤツが目の前に居るの!?てか肌白っ!きめ細か!綺麗過ぎでしょ!?

 

女は目を開けると、まるで血見たいな赤色をした瞳を覗く。

だがその瞳を見て恐怖を覚えるどころか、どこか惹きつけられるものがある。

もしかして彼女の力が滲み出てるのか?

 

???「どうやら覚醒したみたいですね。この時をどれほど待ちわびていたでしょう。」

 

女はそう言い妖艶に笑う。

僕はその笑顔にドキッとする。

いや確かに美形なんだけどそれとはまた違う何かが。。。

 

彼方「君はもしかして僕の力...、『超新星』なのか?」

 

???「フフフ、それとはまた違いますわ。でもそうですね、遠からずと言っておきましょうか。」

 

どういうことだ?

確かに『超新星』に人格があるだなんて聞いたことは無いけど、そうじゃなきゃ今ここに居ることの説明がつかない。

多分ここは僕の精神世界やらなんたらだろう。よくラノベで出てくる。

だとしても彼女が干渉してくる理由は『超新星』以外見当たらない。

 

???「流石意地悪が過ぎましたわね。私は貴方の中にずっと潜んでいましたの。貴方のご両親が死んだときから。」

 

彼方「えっ。。。」

 

何だって...!?

てことは大体七、八年は僕の中に居たということか!?

なんで今まで気づかなかったんだろ!?え、こわ!?

 

彼方「何かいきなりとんでもないこと聞いたけどそれは一旦置いといて。君の正体は一体なんなの?」

 

???「フフフ、あの事を聞いてもすぐに切り替えられるなんて。流石私が選んだだけありますわね。私の名前はフォリア。ここよりも遥か遠くの宇宙で星狩りをしていました。」

 

彼方「星狩り...?それって、星を消すってこと?」

 

フォリア「ええ。破壊し吸収して自身のエネルギーへと変えるのです。まあやり方は人それぞれなんですけどね。私の場合はコアを飲み込んで自然崩壊していくのを眺めてましたね。」

 

彼方「いややり方がエグイな...。てか人それぞれってことはもしかして他にも居るの?グループみたいな感じで?」

 

フォリア「ええ。私の一族は星狩り族だなんて呼ばれてますよ。まあ中には自分ごと星を破壊するイカレたのもいますけどね。」

 

彼方「いやソイツ頭のネジ絶対無いだろ。」

 

フォリア「ちなみにそれは一族の王です。」

 

彼方「王様!?何やってんの王様!?自分諸とも心中しちゃうの!?えぇ!?」

 

フォリア「流石地球人のツッコミは面白いですね。」

 

いやそんなこと言う余裕あるの!?

もしかしてそれが日常的なのかな?そうじゃなきゃあんな当然みたいな顔しないし。

 

彼方「てかその星狩りがなんで僕の中に居た、っていうか寄生してたのさ。もしかして地球狙ってんの?」

 

フォリア「いえ、そんなことありません。今この宇宙に居る一族は私だけですので。」

 

そうしてフォリアから語られたのは何ともスケールがデカい内容だった。

 

 

元々星狩り族と呼ばれているブラッド族という種族は、星を破壊してそのエネルギーを吸収して自身の力を高めていた。

フォリアもその一人でたくさんの星を破壊してきたらしい。

本人曰く万は余裕で超えてるという。いやどんだけ破壊してきたの。。。

 

そんなフォリアはある日心中大好きな王と一緒に星狩りに行ったらしい。

そして星を破壊したはいいものの、いつものフォリアのやり方では起きないあることが起こった。

それはブラックホールが発生したのだ。

 

本来フォリアは惑星のコアを飲み込むことで、重力を失った地盤を自然崩壊させていくやり方。

そのやり方ではブラックホールが生まれなかった。

だから毎回星が崩壊していく様を眺めていられた。

 

だが王がやったのは全く違う方法。

星をコアから爆発させていくのだ。

そうして巨大な爆発を生み出して、自分ごと巻き込ませることで快楽を得ていたのだ。

その方法ではブラックホールはしょっちゅう生まれるんだそうだ。

 

王はブラックホールの対処の仕方を分かっていたが、フォリアは初めての事態にどうすればいいのかわからずそのままブラックホールに飲み込まれたらしい。

自分は死んだと思っていたが意識を取り戻し、目を開けると月に居たんだとか。

何が起こってるのかわからず、しかも身体を維持できないでいたため、取り敢えず月に居た人間に寄生したようだ。

 

その人間がまさかの叔父さんだった。

ほんとびっくりしたよ、そんな偶然があるだなんて。

それで叔父さんに寄生してる内に僕に会って、その時に僕の潜在能力を見たらしい。

それを見てフォリアは寄生先を叔父さんから僕に移したらしい。

 

そして僕の記憶なんかを見て彼女は僕について行こうと思ったらしい。

なんかそう思ってくれるのは嬉しいんだけど、それを語ってる時の様子がちょっとね。。。

まるで心酔してるような感じで、案外見た目に合ってるなって思っちゃったよ。。。

 

 

フォリア「それからずっと貴方のことを身体の中から見てたのです。ほんとなんであんなに女を侍らせてしまうんだろうと思いましたがね。」

 

彼方「あのそんな目で見ないで...、なんかすごい罪悪感湧いてきちゃってるから。いや、ほんとごめん。」

 

なんで僕謝ってるんだろ。。。

てかいつまでも呑気に話してる場合じゃない!

カンナギを倒さないと!

 

彼方「てか早く起きないと!カンナギ倒しに行かなきゃ!」

 

フォリア「その心配はございません。ここは外とは時間の流れが違いますので。外ではまだ一秒も経ってません。」

 

彼方「そっか...ならいいけど。てか結局君はなんで出てきたの?確か僕は。。。」

 

フォリア「はい、新たな力に目覚めようとしています。ですが私の影響を受けたのか、星狩りの力が生まれちゃったのです。」

 

彼方「星狩りの力ってことは、星を滅ぼす力。。。」

 

フォリア「はい。その力を使う覚悟はあるのか、それを確かめに来ました。」

 

そっか、星を容易に滅ぼせるってことは力に溺れてしまう。

その可能性がある限り『超新星』を使わせるわけにはいかないってことか。。。

ちゃんと考えてくれてるんだな。。。

 

僕はフォリアの頭を撫でる。

 

彼方「ありがと、僕のこと考えてくれて。」

 

フォリア「!?い、いえ!?ただ、私は///」

 

彼方「でも覚悟ならオピュクスの力を持った時から決まってるよ。僕の中に居たなら分かってるでしょ?」

 

フォリア「...ええ。ですが。」

 

彼方「大丈夫。もしもの時は君が僕の身体を操って無理やりにでも止めてよ。それに僕を止めれるのはもう一人居るしね。」

 

彼なら、彼らならきっと。。。

 

フォリア「...分かりました。ですが貴方を絶対に暴走させたりしません。それだけは覚えておいてください。」

 

彼方「ハハッ、分かったよ。...じゃあ、行ってきます。」

 

フォリア「はい!いってらっしゃいませ!」

 

彼女がそう言うと視界は白くなる。。。

 

 

 

 

to be continued...

 




いかがだったでしょうか~。

ほんといきなり投稿して驚かせちゃってすみません。
パソコンでやるとエンター押したらはい投稿ってなっちゃうんでほんと苦労します。。。


前回の後書きで今回で終わると言ったよね。。。
あれは嘘さ!

ということでちょっと引き伸ばしました。
書いてたら尺的に長くなるなと思ったので。

それに彼方くんパワーアップさせたいじゃないですか~?
まあ時期的に早いんだろうけど、ちょうどサソリちゃん回の後だから出してもいっかってなってね。
まあでも本編では出しませんけどね。

そして気になる超新星の能力ですが、散々ヒント出てるのでわかりますよね?
あの激マズコーヒー製造機の能力です笑
蛇繋がりだし笑

そして新しく出て来たオリヒロのフォリアさん!
キャラは定まってたんですが名前がどうしても決まらなくって。
取り敢えずキャラの性質をどっかの言語に翻訳しよってなって響きが良さそうなものから選びました!

彼女は今は寄生してますが、今後どうなるのか!?
って言いますけど大体わかりますよね。じゃなきゃあんなアンケ取らないし。

てことで次回もお楽しみにしてください!


ではでは次回もお楽しみに~。


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MOVIE対戦編 宇・宙・決・戦

エボルトだと思ったでしょ!違いましたーーー!!!

まあ能力はエボルトみたいなもんだけどね。

それでは本編GO!!!


ー彼方sideー

 

目を開けると、意識が無くなる前と同じ光景だった。

パワーアップしたオーズがカンナギを圧倒している。

 

そしてオレの前に黒い球体が浮かんでいる。

だが目覚める前とは違い、太陽のプロミネンスの様な赤黒い物が球体から発生している。

もしかして力の覚醒を自覚したからなのか?

 

オレは意思を固め、球体を体内に入れる。

 

すると身体の中から力が溢れ出て、身体をフォリアの様な赤黒いスライムが覆う。

その中でオレの身体には変化が起きていた。

 

全体の色が金色から、ブラックホールをイメージさせる白を基調とし黒のラインが入る。

腕や脚などに象られていた蛇の造形がより獰猛になり、全てを飲み込まんとする表情をしている。

腰に纏っているローブは黒を基調に白のラインが入ってあり、先端に行くと血の色とのグラデーションが入っている。

胸部に象られていた蛇は竜の如く険しくなり、口にはブラックホールを思わせる物を咥えている。

 

そして顔に着けているガスマスクの様なものは、管の中には血小板が見える何かで一杯で、マスクにも赤黒いヒビの様なラインが入っている。

そしてスカウターの様なものが取れ、それによって隠された目は赤黒く光っている。

ローブはボロボロになり、まるで歴戦を渡って来た猛者の様に黒くなっていた。

 

姿が変わるとスライムは結晶になり、オレはそれを全身に力を入れて壊す。

結晶が光りを反射し、幻想的なものを感じさせる。

これがオレの新しい姿。。。

 

カンナギとオーズはこっちを見て驚いている。

そりゃいきなり姿変えたんだからな。。。

 

『でもそのお姿、素敵ですよ。』

 

マジ?褒められると照れるわ~...ってWHAT!?

なんでフォリアの声が聞こえるんだ!?

 

フォリア『どうやらこの姿の時は私と意思疎通ができるみたいですよ。』

 

マジか...、てことは。。。

フォリア、作戦がある。乗るか?

 

フォリア『はい!お任せください!』

 

流石は星狩り族だ。対応力が違うな!

 

 

カンナギ「君も力を手に入れるとはな。だが、私には追いつけないよ!」

 

カンナギはそう言い、時間を止めて来た。

だがそれは無意味だ。

 

カンナギが目の前に現れたが、オレはそれを瞬間移動し後ろに回り込む。

そしてカンナギを思いっきり殴りつける。

するとカンナギは思った以上に吹っ飛んだ。

 

おぉ...ちょっと力加減ミスったか?

 

フォリア『初めてなんですから仕方無いですよ。今後慣らしていきましょう。』

 

そうだな。

 

カンナギ「何故だ!?君には未来の力は無いはずだ!?」

 

オピュクス「んなもん決まってんだろ。宇宙に時間の概念は通用しねえんだよ。」

 

宇宙舐めてんじゃねえぞ。こちとら色んな星を吸収してきた姉さまが居るんだぞ。

 

フォリア『そんな///照れますわ///』

 

ほんとあのキャラの姿でそんなことされたら可愛くて悶えるぞ?悶えさせるつもりなのか?

 

オレはカンナギをフルボッコにしていく。

カンナギが時を止めようとすると、オレはカンナギの背後に小さなブラックホールを生成する。

ブラックホールに引き寄せられ身動きができないカンナギを、オレは殴り蹴りでほんと虐めで訴えられるぐらい攻撃していく。

その様に流石のオーズも引いていた。(フォリア談)

 

そしてオレはカンナギを思いっきり蹴り上げると、カンナギはエクソダスの機体を破って吹っ飛んでいった。

ありゃりゃ...こりゃ戦うのめんどくなるぞ?

 

オピュクス「何してんだオーズ。早く追いかけるぞー。」

 

オーズ「えっ、あぁ。。。君結構えげつないことするね。。。」

 

オピュクス「イラついたんだから仕方ないだろ?ストレス発散だよ、ストレス発散。」

 

オーズ「えぇ...、ストレス発散でやられるのって、なんか、堪えるな。。。」

 

そんな引かないでもらえます?オレだって自分で言ってて何言ってんだろって思っちまったじゃないか!

...はよ追いかけよ。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

オレ達は機体の外に出ると、カンナギがマントを刃に変えて待っていた。

あぁ、なんだろこの小物感。。。不意打ちすりゃいいのに。。。

 

オーズは追ってきたフォーゼの手を掴み、何とか機体に持ち上げる。

するとフォーゼはデカい声を出す。

 

フォーゼ「うぉぉぉ!!!お前なんだその格好!?めっちゃかっこいいじゃねえか!!」

 

オピュクス「え、あ、あぁ。。。なんか、ありがと。。。」

 

ほんとコミュ障かオレは!?

なんでどもるんだよ!?会話慣れてねえのか!?好きな人の前に立つ女子なのか!?

まあこの姿で純粋な善意を向けられるなんてこと無いからな。そりゃどもるわ。

 

カンナギ「最後によく目に焼き付けておけ!この世界の王を...!」

 

カンナギはこちらを見ている。

どうやらこれが最終決戦のようだな...!

 

フォーゼはロケットステイツに変身し、ロケットを吹かす。

オーズも飛び掛かる準備をする。

それに倣ってオレも動ける体勢に入る。

 

フォーゼ「決着だ、カンナギ!!」

 

フォーゼは一気にカンナギに飛んでいく。

カンナギは飛んでくるフォーゼに向かって刃を放つ。

フォーゼは避けるが、刃はフォーゼを追尾していく。

 

オレとオーズはその間にカンナギに攻撃を仕掛ける。

オーズがカンナギとやり合ってる間にオレはカンナギの後ろに回り込み、思いっきり蹴る。

カンナギは反応できず、それを諸に受けオーズの方に吹っ飛んでいく。

オーズはそれに反応してこっちに蹴り返していく。

 

それをオレ達はそれを繰り返していく。

いわば人間サッカーボールの完成ってとこだな。

 

そこに刃を破壊したフォーゼも加わってくる。

だがカンナギは何とか切り返し、オレ達は大きく飛ばされる。

オレ達は何とか踏みとどまり、また構えなおす。

 

カンナギ「味わってみるかね!君の恋人だった存在の力を!SOLUを変換した、コズミックエナジーの力だ!」

 

カンナギは両腕にコズミックエナジーを集め、高濃度の光線を放ってくる。

オレとフォーゼが前に出て何とか受け止めるが、凄まじいパワーで手が出ない。。。

 

すると光線の中からエナジーが離れ、それからSOLUの声がする。

 

フォーゼ「なでしこ...!?お前生きてたのか!」

 

なでしこ「生きる?それは少し違う。それよりも弦太朗!このコズミックエナジーを使って!そこの助けてくれたあなたも!」

 

SOLUはそう言い、俺たちの中に入っていく。

すると身体の中から力が溢れてくる。。。

これがSOLUのコズミックエナジーの力か!

 

フォリア『コズミックエナジーを吸収してるわ!』

 

フォーゼ「おお!エナジーを吸収していく!うぉぉ!うおぉぉぉ!!!宇宙...、宇宙、キターーーーー!!!!!」

 

フォーゼは光線から吸収したエナジーを一気に解放する。

するとエナジーの余波がフォーゼから溢れ、それはエクソダスを優に覆う程のものとなる。

 

オレもエナジーが溢れ出てき、今なら何でもできそうだ。

 

フォリア『なら面白いことができますよ。』

 

面白いこと?いいじゃねえか!やろう!

 

オーズ「今だ、トドメを!」

 

フォーゼ「分かった!」

 

オピュクス「決めるぞ!」

 

フォーゼは左手のロケットを分解し、ドリルをオンにしてレバーを引く。

オーズもメダルをスキャンする。

 

『Rocket! Drill! LIMIT BREAK』

 

『スキャニングチャージ!』

 

二人は体勢を低く構え、飛び出す準備をする。

オレも何かしようと思ってると、胸の蛇が赤く光る。

そして胸から巨大な赤黒い蛇のエネルギー体が出てくる。

 

フォリア『私もお供します!』

 

フォリアの粋な計らいによってオレも飛び出す体勢に入る。

そして三人同時に飛び出した。

 

オーズは脚をバッタの様な形に変え、赤い羽根の様なオーラを背中に纏いカンナギへと向かっていく。

フォーゼはドリルを装着してダブルロケットの推進力で一気に進んでいく。

オレは跳ぶと同時に蛇が背中を押し、そして蛇が放ったエネルギー砲に背中を押され一気にカンナギへと突き進む。

 

オーズ「うぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」

 

フォーゼ「ライダーダブルロケットドリルキーック!!!!!」

 

オピュクス「オゥラァァァァアアアア!!!!!」

 

そして三人のキックがカンナギに突き刺さる。

カンナギはあまりの衝撃に動けない。

 

カンナギ「何故、仮面ライダー如きに!?ただの怪物如きに!?銀河の王になるべき私が!?」

 

オーズ「セイヤーーー!!!!!」

 

フォーゼ「だぁああああああ!!!!!」

 

オピュクス「ぅらああああああ!!!!!」

 

三人のキックによってカンナギは大きくぶっ飛び、宇宙に投げ出される。

そこにエクソダスが衝突し、機体全体にヒビが入った。

 

キックを放ったオレ達は何とか機体に着陸した。

 

フォーゼ「やったぜ。」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

燃え盛るエクソダスの機体の中、オレ達は残ったSOLUのエネルギーを前にしている。

 

フォーゼ「なでしこ。。。」

 

なでしこ「今の私は、意思を持つエナジー体。肉体は消滅した。」

 

フォーゼ「えっ。。。」

 

なでしこ「でもありがと!私にも記憶ができた!友達の記憶が。」

 

フォーゼ「そうだな!お前も俺のダチだ!大事な大事なダチだ!」

 

フォーゼはそう言い、エナジー体であるSOLUと友情の印を交わす。

一度は出来なかった印をちゃんと結べたようだな。

そしてSOLUはフォーゼに近づき。。。

 

 

エクソダスは爆破して、オレ達は何とか爆破から逃れた。

オーズは羽を出して滑空し、フォーゼはパラシュートで滑空している。

オレはと言うと蛇のエナジー体に乗っている。

どうやらコイツは自由自在に飛べるようだ。

 

爆破したエクソダスからSOLUのエネルギーと思われるものが宇宙へと飛び立っていく。

オレ達はただそれを眺めている。

 

オーズ「青春ってつらいな。」

 

まあこれも別れもあっての青春だからな。

オレも誰かと別れるってことがあるのか。。。

それが嫌な別れ方じゃなきゃいいんだけどな。。。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ーおまけ...と言う名の続きー

 

ー彼方sideー

 

カンナギ事件が終わりを迎えた。

と思っていたが、どうやらまだ終わっていなかったようだ。

各地ではカンナギの部下だった者が再び立ち上がるために動いているらしい。

 

そしてオレはある人からのツテでオレが探している人物が終われているとの情報が入った。

オレは直ぐにワープして、現場へと向かった。

するとそこには一人の女がガイアメモリで変身した財団員たちに追われている。

 

女の正体はカンナギの部下だったソラリス。

どうやらオレが言ったことを信じてたようだな。

財団には戻らず逃亡しているらしい。

 

そんなに思われちゃ助けなくちゃならんな。

オレは財団員たちの前に姿を現す。

 

オピュクス「おいおい、男が寄ってたかって女を追いかけまわすとは物騒だなぁ?」

 

マスカレードA「貴様は!カンナギ様の仇!ここで討ってやる!」

 

マスカレードB、C、D「「「おう!」」」

 

何か雑魚ムーブやってんけど、正直コイツらなんかハエと同じだもんな。

わざわざ相手するのもめんどくさいから適当にブラックホール作って吸収した。

 

あれからどれぐらい強くなったかを確かめる為に色々やってると、どうやら『超新星』を使わなくてもブラックホールを作り出せるようになっていた。

もちろん規模は『超新星』と比べると大幅に下がるが、それでも人間は吸収できる程の力を持っている。

 

オレは吸収し終えると、周りを確認しもう追手が来ないかを確認する。

そしてソラリスの下へ行く。

 

オピュクス「よ~、危ないとこだったな~。そんな身体でよく逃げれてたな。」

 

ソラリス「貴方に、認められたようだからね。。。でも、もう、きついわ。。。」

 

オピュクス「そりゃそうだろ。その様子だと仮面ライダーにでもやられたんだろ?そんな状態でよく生きてたなってレベルだぞ。」

 

オレはそう言いながら薬を創る。

強制的に進化させるために変に身体を弄ってるから普通のやつでは効かない。

だからオレはコズミックエナジーを内包した細胞維持薬を創る。

これで細胞から崩れ落ちることはない。

 

オピュクス「ほら、これ飲め。応急処置程度だがいくらかマシになる。」

 

オレはそう言いソラリスに薬を飲ませる。

するとところどころ爛れてた皮膚が綺麗になっていき、身体の色も黄土色だったのが健康的な肌色に戻った。

 

ソラリス「ありがと...ここまでしてくれて。」

 

オピュクス「言っただろ?オマエは面白そうな進化をしそうだからな。手放すのは勿体ない。んで?どうすんだ?」

 

ソラリス「どうするって。。。」

 

オピュクス「ついてくるか?それとも一人で逃げ続けるか?」

 

ソラリス「それは...、貴方について行きたいわ。」

 

オピュクス「そうか。素直なヤツは好きだぞ。」

 

オレはそう言ってソラリスの頭を撫でてやる。

コイツはコイツで苦労してんだろ。

なにせ自身の身体を人体実験に使ったんだからな。

それが望んでやったのか、望まれずやられたのかは知らないがな。

 

とにかくまずはコイツの療養をしないとだな。

オレはソラリスを抱きかかえ、家へとワープする。

 

家の中には誰も居ない。

そりゃそうだ。だってオレ引っ越したんだもん。

取り敢えずオレは変身を解除する。

 

そしてソラリスをベッドまで運び寝かせる。

多分ずっと休めなかっただろうからまずは寝かせないと。

汚れてるから寝かせたくないなんて言う奴はブラックホールにぶち込みの刑だよ☆。

 

そう言えばなんで引っ越したか言ってなかったよね。。。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

カンナギ事件が起こる前。

 

僕は家で叔父さんと話しをする。

 

彼方「叔父さん。実はお願いがあるんだ。」

 

我望「なんだね?できる範囲でならば聞こうじゃないか。」

 

彼方「ありがと。実は一人暮らしを始めたいんだ。」

 

我望「ほう?それはなんでだね?」

 

彼方「いや~学校でフォーゼたちと共に活動してるのはいいんだけど、もし僕がゾディアーツだとバレたら必然的に叔父さんも疑われるでしょ?そうなった時に離れて暮らしてた方が疑われないと思うんだ。」

 

我望「なるほど。一緒に住んでいれば私もゾディアーツであることが疑われるが、離れて暮らしていれば彼方が勝手にゾディアーツになったと言えるということか。」

 

彼方「そういうこと。それにこれ以上叔父さんに迷惑をかけれないからね。で...、どうかな?」

 

我望「私は別に迷惑だなんて思っていないよ。でもその思いは受け取ろう。良いぞ。家は私が用意しよう。」

 

彼方「ありがとう、叔父さん。」

 

そう言って叔父さんは直ぐに動いてくれ、次の日に僕は大きな一軒家に住むことになった。

いや、マンションの一室とかで良かったんだけどな。。。

 

我望「どうせなら将来を考えて買ったんだよ。一夫多妻制度も正式に決まったことだし、彼方にはたくさんの女性が寄り添うことになるだろう?」

 

彼方「いや何言ってんの。。。てか理由のほとんどがそれでしょ?」

 

我望「ハハハ!まあそうとも言う。」

 

ほんと変なとこで気遣ってくるんだから。。。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

てのがあったんだよね~...、って誰に言ってんだろ?

 

僕は取り敢えずソラリスが起きたときの為に、着替えと風呂を用意しておいた。

まあ当分先だとは思うけど、風呂はいつでも沸かせる状態にしておいたから大丈夫でしょ。

 

 

それから6時間後。

今日は週末だったから学校は無く、一日中ソラリスの面倒を見れる。

まあ平日でも面倒は見るつもりだけどね。

 

僕は様子を見る為に部屋に行くと、ソラリスは起きていた。

 

彼方「おはよ~。ぐっすり眠れた?」

 

ソラリス「ええ。本当にありがと。」

 

彼方「別にいいよ~。これから一緒に住むんだから。取り敢えず風呂沸かしてくるから入りなよ?着替えはそこに置いといたから。」

 

僕はそう言い部屋を出る。

そして風呂を沸かして朝食の準備をする。

その間にソラリスは部屋から出て来た。

 

ソラリス「何か手伝うことはあるかしら?」

 

彼方「特にないかな~。それより今は安静にしておかないと。まだ疲れ溜まってるでしょ?」

 

ソラリス「でも...。」

 

彼方「でもじゃないです~。そんな疲れた顔してたら綺麗な顔も台無しだよ~?」

 

僕はそう言い強引にソファに座らせる。

どうやら真面目ちゃんのようだね~。

 

そうしてる内に風呂が沸いたみたいで、僕は彼女に風呂に入るように言う。

彼女は言う通りに風呂に入っていき、僕はその間に朝食を作る。

 

作り終えると同時にソラリスが風呂場から出て来た。

僕の服を貸したけどそれほど気にならないみたいで良かった。

それにしてもなんでだろ、服の所為かそれとも風呂上りの所為かちょっとエロイ。。。

 

僕は頭を振って朝食をテーブルに運ぶ。

そして椅子に座り、二人で朝食を食べる。

 

彼方、ソラリス「「いただきます。」」

 

うん、うまく作れた。

僕は自分の料理の出来に満足しながら食べる。

彼女の方を見ると、彼女も気に入ったようでしっかり食べている。

二人で雑談しながら食べていき、あっという間に完食した。

 

ソラリス「ごちそうさま。ありがと、こんな美味しい朝食を作ってくれて。」

 

彼方「いやいや~、気に入ってくれたなら良かったよ~。それで?この後はどうするの?」

 

ソラリス「そうね、取り敢えず服を買いに行きたいわ。」

 

彼方「そっか。女性物の服無いんだったね。それじゃ着てた服はどうするの?」

 

ソラリス「あれは捨てるわ。もう過去にすがっても意味は無いしね。それに。貴方と住むのだからちゃんとした服を着ないと。」

 

彼方「ふーん、まあそーゆーことなら分かったよ。後で捨てとくね。」

 

それから僕らは片付けをして、買い物に出かけた。

途中試着してた時に誘惑されたのは驚いたけどね。。。

ほんと理性働かなかったら襲ってたよ。。。

 

 

 

 

to be continued...

 




いかがだったでしょうか~。


彼方くんパワーアップしてさらにチートと化しました笑
まああれぐらいチートじゃなきゃ主人公務まりませんからね笑

そして能力がまんまエボルトwww
見た目もフェーズ4に寄せてもう完全にブラッド族化しちゃったかもwww


そしてカンナギの部下の女の人はヒロインにしちゃいました。
まあ前々回であんなことしちゃったらなるしかないよね!!!

結局フォリアさんは超新星中しか出られないみたいな形になりましたがご心配なく。
ちゃんと表に出しますよ!その為の伏線(?)は一応入れてるんですから笑


次回はちょっと休憩な感じで日常回となります。
まあ言ったら幕間ですよ。
そこできっちりフォリアさん出させますのでぜひお楽しみにしてください!


ではでは次回もお楽しみに~。


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日・常・回・1

今回すんごい短い!
でもみてね。


 

ー彼方sideー

 

カンナギ事件から数日が経ち。。。

僕たちはいつも通りの生活に戻っていた。

 

リーゼントくんはいつもの調子に戻り、相変わらず青春していた。

僕も『超新星』の力を使いこなす為に特訓をしていた。

その結果色んなことができるようになった。

 

まず、『超新星』を使わなくてもブラックホールを使えるようになった。

これに関してはソラリスを助けに行った時に使ったけど、あれから更に規模を大きくすることができた。

今なら学校全体を飲み込めるぐらいには。

ほんと僕どんどん人間辞めてってる気がする。。。

 

そして薬の生成も大幅にパワーアップした。

今までならある程度時間を掛けていた薬も今なら数秒で出来るようになった。

更に理論上は可能とされていた『死者蘇生の薬』と『不老不死の薬』は数十分かけて作れるようになった。

その上位互換の『死者蘇生と不老不死の薬』に関しては一日中倒れるのを覚悟すれば、作れることができた。

前までなら死ぬか生きても身体のどこかに異常が現れるはずだったのに。。。

 

まあ何よりも驚いたのが、僕もフォリアの様にスライム態になれるようになった。

これに関しては『超新星』の時じゃないとできないのだが、それでも戦い方にバラエティが増えた。

出来た時はフォリアとソラリスの二人に引かれたけど。。。

ほんとあの視線を受けるのは辛かった。。。

 

 

そんな感じで僕も大幅にパワーアップした。

それで今日も訓練をし終えて、家に入ろうとしたんだけど。。。

なんか家の中から知らない気配がする。

でもソラリスとは敵対してない感じだけど。。。

 

僕は警戒しながら家の扉を開け中に入ると、そこには居るはずの無いヤツが居た。

アニメの中から出て来たような美貌を持ち、綺麗な銀髪をなびかせている。

瞳は血のように真っ赤だが、どこか惹かれるものがある。

 

そう、フォリアが居た。

 

いやなんでぇぇぇ!?

さっきまで普通に僕の訓練見てたよね!?え!?

 

彼方「なんでフォリアが居るの!?なんで外に出れてるの!?」

 

フォリア「あら、おかえりなさい。」

 

ソラリス「おかえりなさい。」

 

彼方「うん、ただいま。...じゃなくて!!!なんでフォリアが外に出れてるのか聞いてるの!?」

 

フォリア「あ~、貴方が『超新星』の力を上手く使えるようになって何故か私の身体も回復していったのよ。それでスライム態なら外に出れるようになったのだけれどやっぱり外に出たならこの姿で出たいじゃない?それで貴方が持ち帰っていたSOLUを吸収したのよ。そうしたら力が戻ってこの姿で居られるようになったのよ。」

 

Oh...なんということでしょう。。。

いや確かにフォリアとはノヴァじゃなくても会話できるようになったけど。

てかSOLU持ち帰ってたこと忘れてたよ。。。

 

だが驚きはこれで終わらなかった。。。

 

フォリア「それにこれも作れたのよ。」

 

フォリアはそう言ってゾディアーツスイッチを出す。

うっそ...まさかSOLUのコピー能力を使えるように...?

 

フォリア「貴方の力を分析してゾディアーツの力をコピーしたのよ。それにちゃんと貴方に合わせた星座になったのよ?」

 

フォリアはそう言うので、僕はラプラスの瞳を使ってフォリアを視る。

するとフォリアの中に蛇座の輝きが見えた。

いや、どこまで合わせてるの...。

 

彼方「なんか驚きすぎて逆にリアクション取れないよ。。。」

 

フォリア「フフフ、別にいいじゃない。まあこれからは私も一緒に暮らすことになったからよろしくね。」

 

ソラリス「フォリアのことは別にいいんじゃないかしら。それにこちらの戦力も増えたのだし。貴方の計画も一歩進んだのじゃないの?」

 

まあ確かにそうだけど。。。

まあせっかくなら叔父さんに相談してフォリアを天高に転入させるか。。。

なんかその方面白そうだし。。。

 

結局その後、叔父さんにフォリアのことを一部隠しつつ話して天高に行けないか頼んだら、行けるようにしてくれると言ってくれた。

しかも明日からだそうだ。

これは明日が楽しみだな~。。。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ー次の日ー

 

僕達は朝食を食べ、学校に行く準備をする。

今日からはフォリアも一緒に登校するから彼女の支度ができるのを待つ。

 

ソラリス「今日からフォリアも登校ね。私一人だけ寂しく家に居ることになるのね。」

 

彼方「その言い方はちょっとあれじゃない?笑」

 

ソラリス「事実でしょ?」

 

彼方「まあそうだけどね~。。。でも帰ったらちゃんと構ってあげるから。」

 

僕はそう言いソラリスを撫でる。

ほんと今までの分が爆発したのか知らないけど、こんな風に甘えてくる。

いや別にいいんだけど、今までとのギャップがありすぎて正直悶えまくってます。。。

 

そんな僕の心境を知らないソラリスは抱き着いてきて、僕の胸に頭を摺り寄せる。

Oh...地味に主張してくるモノが理性を削ってくるぅ!!!

 

僕は理性を何とか保ちながら頭を撫でてると、準備が出来たのかフォリアが部屋から出て来た。

 

フォリア「お待たせしました~。どうです?似合いますか?」

 

フォリアはそう言いその場でくるっと回転する。

どうやら初めての制服でちょっと興奮してるようだ。

フォリアの制服はちょっとだけ改造してあって、スカートに黒のレースのフリルがついている。

ちなみに僕はブレザーを白衣風に長くしてある。

 

彼方「うん、似合ってるよ~。そのフリルも丁度いいんじゃない。」

 

フォリア「そうですか。ありがとうございます。それで...、いつまで抱き合ってるんですか?」

 

彼方「あ...、なに?ヤキモチ焼いたの?フォリアもこっち来たらいいじゃん。」

 

フォリア「なら遠慮なく!」

 

フォリアはそう言って僕に飛びついてきた。

僕はソラリスが挟まれないようにちょっと横にずらし、何とか抱き留めた。

 

彼方「そんな勢いよく来たら危ないでしょ?」

 

フォリア「えへへ、ついつい。」

 

フォリアはそう言いふやけた笑顔を見せてくる。

うん、可愛い。

僕らは数分程この時間を楽しんでた。

 

 

そろそろ時間になり僕らは離れ、玄関に行く。

ここから学校まではそう遠くなく、5分ぐらいの近さだからそこまで急がなくてもいい。

でも今日はフォリアの転入初日だから早めに行かないとだからね~。

 

僕らは靴を履き、ソラリスに挨拶する。

 

彼方「それじゃ行ってくるね~。」

 

フォリア「行ってきます。」

 

ソラリス「いってらっしゃい。」

 

ソラリスはそう言い僕らを送ってくれた。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

学校に着くと取り敢えず職員室に向かう。

途中、何人もの男子生徒がフォリアに釘付けになってたな~。

まあ容姿は最高峰のレベルだもんな~。

 

僕らはそんな視線を気にせず、職員室に着く。

僕は担任の紗理奈ちゃんを探す。

すると紗理奈ちゃんがこっちに気づいたみたいでこっちにやってくる。

途中、隣に居るフォリアを見てちょっとムッとしてたな~。

 

彼方「おはよ~園ちゃん。」

 

紗理奈「おはよう彼方くん。隣の彼女は?」

 

フォリア「本日転入しました、フォリア・エーデル・ブラッドです。よろしくお願いします。」

 

紗理奈「あぁ、あなたが今日来る転校生!よろしくね。園田紗理奈です。」

 

彼方「僕の知り合いでこっちに引っ越してきたからそれで案内役を任されたのさ~。」

 

紗理奈「そういうことね。てっきり浮気でもしてるのかと思ったじゃない。」

 

彼方「浮気って、こんなとこで何言ってんの~。マジで辞めて、周りにバレるから...。」

 

紗理奈「別にバレてもいいじゃない...。」

 

彼方「今度の特訓の量三倍にしてやる。」

 

紗理奈「ごめんなさい冗談よ~。」

 

彼方「仕方ない。二倍で許してあげる~。」

 

紗理奈「ちょっとー!」

 

フォリア「フフフ、二人とも仲がいいんですね。」

 

おっとっと、フォリアを置いてけぼりにしちゃった。

ついつい紗理奈ちゃんと話してると熱中しちゃうんだよね~。

 

彼方「まあずっと担任だったからね~。自然と仲良くもなるよね~。」

 

紗理奈「そうね~。態度はちょっとあれだけど、自慢の生徒よ。」

 

あれって何でしょうね~?

マジで二倍にしてやろ。。。

 

紗理奈「あっ、そろそろ時間じゃない?教室には私が連れて行ってあげるから彼方くんは先に教室に行ったら?」

 

彼方「マジか、もうこんな時間なの?それじゃあ僕は先に行ってるね~。」

 

フォリア「はい、後でまた会いましょう~。」

 

彼方「じゃあね~。」

 

僕は二人と別れ、先に教室に行く。

教室に着くとどこから聞いてきたのか転入生の話でいっぱいだった。

僕は席に着くとリーゼントくんたちが話しかけてくる。

 

弦太朗「よっ彼方!お前今日転入生が来るの知ってるか?」

 

彼方「うん。さっき職員室に行ってたからね~。」

 

ユウキ「どんな子が来るんだろうね!」

 

弦太朗「可愛い女子だったりしてな!」

 

うん、めっちゃ可愛いです。

 

ユウキ「いやいやめっちゃイケメンかもだよ!」

 

残念ながら違います。

 

賢吾「どっちでもいいだろう。ライダー部の活動に変わりはないんだからな。」

 

あーそれはどうかな~。

どうせならライダー部に入れようと思ってるしな~。

 

そう思ってるとチャイムが鳴った。

僕達は席に着き、それと同時に紗理奈ちゃんが入ってくる。

 

紗理奈「皆おはよ~!今日は如月くんに続き、また新しい仲間が増えます!入ってきて!」

 

教室の扉が開き、フォリアが入ってくる。

すると教室中から歓声が上がる。

男女問わず、皆がフォリアに釘付けになっている。

 

フォリア「初めまして。本日からこの教室に入ります、フォリア・エーデル・ブラッドと言います。お気軽にフォリアと呼んでください。」

 

フォリアはそう言い綺麗なお辞儀をする。

ほんとああいう所作は綺麗だよな~。

もしかしてブラッド族の中でも上流階級の出身だったのかな?

 

周りは興奮して歓声を上げる中、フォリアは僕の隣にある空席に座る。

まあ臨時で追加された席なんだけどね~。

フォリアは座るとこっちを見て微笑みかけて来た。

僕も微笑み返すと上機嫌になったのか鼻歌を歌う。

 

なんか後ろの方で騒がしいけど多分勘違いしたんでしょ。

 

教室が騒がしい中、授業が始まった。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

授業が終わり昼休み。

 

フォリアと一緒に昼を食べに行こうとするが、そこにリーゼントくんたちが来る。

 

弦太朗「よっ転入生!俺は如月弦太朗!天高の生徒全員と友達になる男だ!よろしくな!」

 

ユウキ「私は城島ユウキ。よろしくね!」

 

フォリア「はい、二人ともよろしくお願いします。それにしても私嬉しいです。まさか貴方に出会えるなんて。」

 

フォリアはそう言いリーゼントくんに近づく。

ん?何言うつもりなの?まさか?

 

フォリア「仮面ライダーである貴方に会えるなんて。。。」

 

弦太朗「っ!?なんでそれを!」

 

リーゼントくんは驚いてフォリアに迫ってくるが、それを僕が抑える。

 

彼方「はいはい落ち着いて~。どうやら君が戦ってるところを見たらしいんだ。それでどうしても会いたいんだーってさ。」

 

フォリア「そうなんです!仮面ライダーの戦いを見て感動したんです!それで後を追ったら貴方が仮面ライダーだと分かって!」

 

弦太朗「え、いや~そんな言われると照れるな~。」

 

ユウキ「バカ!照れてる場合じゃないよ!」

 

賢吾「マズいな...、このままじゃ誰かにバレてしまう。。。」

 

彼方「こうなったらライダー部に入れる?」

 

弦太朗「おぉ!それいいな!な!そうしようぜ、賢吾!」

 

ユウキ「まあ確かにそれならいいかもだけど。」

 

賢吾「仕方ないだろ今回は。どっかの誰かの責任ってことにすれば。」

 

弦太朗「おい!」

 

彼方「んじゃ僕はフォリアをあそこに連れてくね~。」

 

僕は騒いでいるリーゼントくんたちを置いて、フォリアをラビットハッチに連れていく。

 

フォリア「これでいいんですか?」

 

彼方「バッチリ。流石だね~。」

 

フォリア「もう~、そんなに褒めなくても~///」

 

彼方「でもあんなに迫ったのはちょっとね~。」

 

フォリア「あら?もしかして妬いてるの?」

 

彼方「べっつに~。フォリアのことだからさぞモテてたんだろうなーって思ってただけですー。」

 

フォリア「フフフ。確かにモテたけど、好きなのは後にも先にも貴方だけよ?」

 

フォリアはそう言って腕を絡めてくる。

あー、こうされたらもうなんにも言えないよな~。

 

僕達はそんなことをしながらラビットハッチに向かった。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ラビットハッチに着くと、既にリーゼントくんたち以外が来ていたようだ。

皆隣にいるフォリアに驚いている。

 

美羽「ウップス!?彼方、誰その子?」

 

JK「なんで噂の転入生がいるんすか!?」

 

彼方「簡単に言うと正体バレた。」

 

皆「「「えぇぇぇぇええ!?」」」

 

友子「弦太朗さん...マイナス10点。。。」

 

隼「なんでバレてるんだ。。。」

 

彼方「まあたまたまなんだけどね~。だからバレたならいっそのことライダー部に入れよーってなったわけ。ちなみに歌星も賛成してるよ。」

 

美羽「嘘!?あの賢吾君が!?」

 

JK「あのカタブツで融通が利かない歌星先輩が!?」

 

隼「弦太朗にツンデレ発揮しまくっている賢吾がか!?」

 

 

賢吾「お前ら全員出ていけ!!!」

 

 

おっと、いつの間にか来ていた歌星がガチギレした。

それによって美羽と大文字とJKが歌星に追いかけまわされている。

こりゃしばらく続きそうだな~。

 

フォリア「ライダー部はやっぱり面白いわね。」

 

彼方「こんなことばっかは辞めてほしいけどね。。。」

 

ほんと君たち新部員歓迎するどころじゃないじゃん。。。

 

 

 

 

 

to be continued...

 




いかがだったでしょうか~。

冒頭でも言った通り短いです。
まあ言ったら補完みたいな感じです、はい。

一応彼方くんは更にパワーアップして完全に人外チート化しました。
正直やりすぎかなって思いましたけど、よく考えたらまあいっかってなって。

だってジオウにエボルト出て来た時もフェーズ1で普通にブラックホール作っちゃってたからなら彼方くんもって思ったんだもん!
...ただの言い訳です笑


次回からまた本編に戻りますので。
ちゃんとフォリアのゾディアーツ態も出しますよ!
一応ググったけど蛇はいなかったから良かった。。。


ではでは次回もお楽しみに~。


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最・輝・不・能

一つ感想であった質問に答えますね。。。


その通りだよ。


 

ー彼方sideー

 

世間はクリスマスで盛り上がってる中、僕は今日も学校に居る。

 

今年のクリスマスはどうしようか叔父さんに相談しようと理事長室に向かってると、校長室の前で盗み聞きのような格好をしている大杉が居た。

僕は大杉の様子をケータイで撮影してネタにしようと思ってると、突然校長室の扉が開く。

すると大杉は扉に寄りかかってたから思い切りこけた。

 

その後に大杉が泣き叫びがら校長室から出て来た。

大杉があんなになるってことは多分紗理奈ちゃんが居るのかな?

僕は校長室の扉が閉まるのを見て、扉の前に行き聞き耳を立てる。

 

速水『貴方は我々の使命をまだ一度も果たしていない。』

 

紗理奈『使命の為に、何人もスイッチャーを作ってきました。』

 

速水『やり方が良くないのですよ、子犬ちゃん?』

 

紗理奈『その呼び方、辞めてください。。。』

 

あ?何子犬ちゃん呼びしてるんだあのすかし野郎。

僕はイラついたから思いっきり校長室の扉を蹴り開けた。

 

彼方「やっはろ~、二人とも元気ー?」

 

紗理奈「彼方くん!?」

 

速水「どうして君がここに居るんだい?というか何故そんな開け方で扉を開けたんだい?」

 

彼方「うっせぇすかし天秤。お前なんかどうでもええわ。てか何紗理奈ちゃんに接触してきとんねん。てか紗理奈ちゃんの指導は僕が任されてたとちゃうんかい?どうなんやゴラ。」

 

ついつい昔関西に住んでた癖で関西弁が出ちゃったけど、それぐらいおこだよ僕は。

 

速水「なに、君だけでは負担が大きいと思ってね。私が手伝ってあげようと。」

 

彼方「お前の手伝いとかいらんねん。ほんま余計な事すんなや。お前の頭スコーンとかち割って脳みそチューチュー吸った後にブラックホールで吸い込んだろかドアホが......怖かったぁ。」

 

僕がそう言うと二人ともちょっとこけた。

おぉ~、どうやら新喜劇のノリは分かったみたい。

 

彼方「とにかく紗理奈ちゃんは僕がもらってくで。次余計なことしたらほんまにやったるからな?ええな?」

 

僕はそう言い紗理奈ちゃんの腕を引いていつもの教室に向かう。

 

 

教室に着くと僕は紗理奈ちゃんの腕を離す。

ちょっと強引に連れてきたから腕痛めてるかな?

 

彼方「ごめんね、ついあの野郎が子犬ちゃんて呼んだからなんかムカついちゃって。。。」

 

紗理奈「全然気にしてないわ。それよりかっこよかったよ。」

 

彼方「おっふ。。。あざす。。。」

 

そんな直に褒められるとなんも言えなくなっちゃうよ~///

 

彼方「それにしてもあの野郎動き出すのかな?」

 

紗理奈「多分だけどそうだと思うわ。一人有望な生徒が居るって言っていたし。」

 

彼方「有望な生徒ね~。。。今となっちゃどうなのかわからないけどね~。」

 

紗理奈「まあどうせフォーゼがやっつけるわよ。」

 

彼方「そうだね。僕達は静観しよっか。」

 

紗理奈「それよりも聞きたいことがあるの。」

 

彼方「ん?なになに?」

 

紗理奈「フォリアさんと一緒に住んでるってホントなの?」

 

おっとぉ?どこから漏れたんだ?

 

紗理奈「彼女から言ってきたのよ。その後に悪い笑顔を向けて来たけどね。」

 

おっとだいぶおこな感じ?

取り敢えず落ち着かせないと。

 

彼方「まあ確かに一緒に住んでるけどやましい関係じゃないよ?紗理奈ちゃんと同じ関係ってだけで。」

 

紗理奈「むぅ。。。それでも一緒に住んでるのってだいぶ有利じゃない。もしかして...もうやっちゃったの?」

 

彼方「ブフッ!!!いきなりなに言ってんの!?ナニなんてしてないから!初めては紗理奈ちゃんって決めてんだから!」

 

ほんといきなり何聞いてんの!?

清純派で通ってんだからそこは貫いてよ!?

 

紗理奈「初めては私って...///私も初めては彼方くんのつもりよ...?///」

 

彼方「え、あ...///」

 

何この空気!!!

お互い照れちゃってるよ!!!仕方ないよ!!!

 

彼方「とにかく!紗理奈ちゃんが大好きだってのは分かってくれた?」

 

紗理奈「うん///私も大好きよ。」

 

そう言い紗理奈ちゃんはキスしてくる。

僕もキスをし返してお互い別れる。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

僕は暇つぶしにラビットハッチに向かった。

ハッチに着くと、そこには怪我をしたリーゼントくんと治療している友ちゃんがいた。

 

彼方「やっはろ~。どしたのその怪我?」

 

弦太朗「おう彼方!ちょっとゾディアーツと戦ってな。。。」

 

彼方「そっか。てことは歌星が今分析してるのかな?それで、友ちゃんは治療を?」

 

友子「ムカデとヤモリで作ったもので。。。」

 

彼方「Oh...、確かに効き目はあるけどこれまた中々なやつで。。。」

 

弦太朗「マジか!?それ余計に悪くなるんじゃ。。。」

 

するとラボから歌星が出て来た。

 

賢吾「しかし、あのゾディアーツ行動理由がよく分からん。」

 

彼方「どゆこと?」

 

賢吾「何故あのビルを破壊したのかが分からないんだ。衝動的な破壊。ただそれだけなのか?...調査が必要だな。」

 

彼方「なるほどね~。。。それにしても他の皆は?」

 

友子「部長と大文字先輩は明後日の仮面ライダー部クリスマスパーティーの準備中。」

 

そういえば明後日だっけ?

どんな衣装用意しよっかな~。

 

友子「JKはJKナイトクリスマスのチケット。売りさばくんだって。」

 

アイツはこーゆーのに目がないからね~。

またなんか奢ってもらお。

 

賢吾「どいつもこいつもクリスマスか。」

 

弦太朗「いいじゃねえか!俺に任せとけって!クリスマスまでにきっちり片を付けやる。」

 

リーゼントくんはそう言いどっかに行った。

僕も家でクリスマスの準備しないとだな~。

 

彼方「それじゃあ僕も準備に行かないと~。」

 

友子「準備なら先輩たちが。。。」

 

彼方「違う違う。うちでやるクリスマスの準備をね~。もちろんライダー部のやつもちゃんと出るから。じゃあね~。」

 

僕は別の所で暇つぶしをしようと考えた。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

暇つぶしの場所を探していると途中でフォリアに会った。

 

彼方「やっほ~、学校には馴染めた?」

 

フォリア「ええ、だいぶ馴染めました。これも彼方のおかげですね。」

 

彼方「そうかな~?フォリアの人付き合いの良さもあるんじゃない?」

 

フォリア「それより何をしてましたの?」

 

彼方「ちょっと暇つぶしできる場所をね~。とりま屋上にでも行く?」

 

フォリア「そうですね。眺めることは好きですからね。」

 

彼方「フォリアの場合眺める物のスケールが違いすぎるけどね。。。」

 

ほんと星が崩壊するのを眺めるとかどんな趣味よ。

だいぶサイコパスな考えだよね~。

もしかしてブラッド族ってサイコパス集団だったりして。。。

 

 

屋上に行くと一人の生徒が絵を描いていた。

だが校庭から聞こえる城島の歌に苛立っているのか、筆を折っている。

そして我慢の限界か、スイッチを取りだした。

 

僕はすかさずその様子を写真に撮る。

もしかしてコイツがすかし野郎の言っていた生徒か?

 

スイッチを押し変身すると、その身にはペルセウス座の輝きが。

これまた厄介なやつが出て来たね~。

っても伝説は強力なものだが、それを使う本人があれだと活かしきれないんじゃないのかな?

 

僕達は取り敢えず陰に隠れ、様子を見る。

すると校庭に居るはずの城島の声が聞こえる。

そして城島はペルセウスと交戦するが、圧倒的な差がある。

こりゃアイツの幻術だな。

 

読み通り城島がペルセウスの大剣を指で止めると姿がリブラへと変わる。

そして二人は会話をしてペルセウスだった生徒が変身を解除し、こちらに向かってくる。

僕達は慌てて扉の上に上る。

 

上から覗いていると変身を解除したすかしは自慢げな笑みを零す。

なんかイラついたから僕はアイツの自慢の生徒をおちょくりに行こうと思った。

僕はリーゼントくんにスイッチャーの写真を送ってその場を後にした。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

校舎をうろついていると、ペルセウスの姿が目に入る。

どうやら次のターゲットを見つけたようだ。

 

丁度いいや。アイツをおちょくってやるチャンスだ。

僕はフォリアに合図してスイッチを押す。

フォリアもスイッチを取りだし変身する。

 

黒いモヤと共に蛇座の輝きが現れる。

そしてモヤが晴れるとそこには赤黒い蛇が居た。

 

全身が鱗のような物に覆われている。

四肢にはそれぞれ蛇をが象られていて、オレの身体と同じ形をしている。

もちろん胸にも蛇が居て、その表情はこちらを狙うかのような笑みを浮かべている。

顔は女性らしい唇を出し、目には目隠しの様な黒い蛇が巻き付いている。

そして頭には髪の毛の様に無数の蛇が生えている。

 

正に蛇遣いのパートナーとでもいうような姿をしたフォリアが居た。

ゾディアーツとして言うのならサーペント・ゾディアーツが誕生した。

 

サーペント「フフフ、この姿だと感情が昂りますわね。」

 

オピュクス「オマエに相応しいなって思ったな。」

 

サーペント「そうですか?それは嬉しいですわね。」

 

オピュクス「とりあえずペルセウスをやるぞ。逸話通りならオマエの敵みたいなもんだからな。」

 

サーペント「そうですわね。特に何かされたわけでもないのにすごくイラつきますわ。」

 

オレ達はそう言うと、教室に入っていったペルセウスを追う。

教室に入ると、そこには城島が居た。

まさかアイツだったか。。。

 

城島「えぇぇ!?お医者さんだけじゃなくなんか蛇っぽいのキターー!?」

 

オピュクス「うっせえ。オマエ狙われてんの忘れてねえか?」

 

城島「ああそうだったー!!!」

 

城島は叫びながら逃げていった。

ペルセウスはそれを追いかけようとするが、オレ達が間に入る。

 

ペルセウス「誰なんだ!お前たちも僕の邪魔をするのか!」

 

オピュクス「オマエの邪魔ってよりはオマエのせんせーの邪魔だな。」

 

サーペント「私も貴方に恨みはないのですが、貴方の星座が気に食わないので。」

 

ペルセウス「だったらお前たちも石になれ!」

 

ペルセウスはそう言って左腕で殴ってくる。

ほぉ、左腕にはゴルゴンの能力があるのか。

 

オレ達は左右に避け、煽りながら城島の後を追っかける。

ペルセウスは挑発にまんまと乗りオレ達を追いかけてくる。

 

 

しばらく走ってると前に走ってた城島がこける。

オレ達は見捨てるわけにはいかず城島の前で止まる。

追いかけてきたペルセウスは左腕を突き出しながらこっちに歩いてくる。

 

ユウキ「やだやだやだやだ来ないで来ないで来ないで!」

 

オピュクス「落ち着けバカ。さっさと立て。」

 

オレはそう言って城島を無理やり立たせる。

城島はそそくさと逃げていく。

そしてオレはペルセウスに杖を向ける。

 

オピュクス「弱いもん虐めして楽しいか?」

 

ペルセウス「アイツは邪魔な存在だ!僕の集中を乱す者は誰であろうと許さない!」

 

サーペント「まるで癇癪を起こした幼稚園児の様ですわねぇ。」

 

オピュクス「幼稚園児は他のもんに興味向けたら済むが、なまじ成長しただけに我儘がえげつねえだろうな。」

 

ペルセウス「黙れ!お前たちも邪魔者だ!邪魔な物は全て石に変える!」

 

ペルセウスはそう言い左腕を向ける。

すると腕に象られているゴルゴンの目からビームが出て来た。

オレは咄嗟に結界を展開したが、ビームが当たった所は石になっていた。

まさかここで進化するとはなぁ?

 

だがこんな程度ではオレ達の相手にはならない。

 

オピュクス「丁度いい。オマエの初陣だ。派手にやってこいよ。」

 

サーペント「フフフ、よろしいのですの?」

 

オピュクス「どうせ陰に隠れて見てるだろうからな。間抜けな顔にしてやろうじゃねえか。」

 

サーペント「フフフ、貴方も意地悪な人ですわね。」

 

オピュクス「オマエが一番知ってるだろが。」

 

サーペントはそう言うと前に出る。

そして頭に生やしている蛇たちを起こしペルセウスに向ける。

 

サーペント「貴方だけじゃないのですよ?本物の力を見せてあげますわよ!」

 

サーペントはそう言うと蛇たちの目から一斉にビームが出てくる。

ペルセウスは大剣で受け止めるが、一瞬で石に変わる。

 

サーペントは怯んだペルセウスに一気に詰め寄り足技を繰り出す。

ペルセウスの大剣は石にされたこともあり大破し、攻撃をもろに受ける。

更にサーペントが髪の毛を拳の形に固め、ペルセウスを殴りつける。

この怒涛のラッシュによってペルセウスはあっという間に追いつめられる。

 

いつの間にかリーゼントたちも啞然としている。

 

弦太朗「なんだアイツ...、めっちゃ強えぞ。。。」

 

賢吾「あの星座は蛇座か?もしかしたらスコーピオンと同等かそれ以上の強さだぞ。」

 

あー、まあコイツの場合場数が違うからな。

一応星狩りしてた時も何度も戦ったみたいだし。

そりゃそうだ。自分の星を消されるってのに戦わない奴が居るかって話だわな。

 

サーペントはトドメを決めるため、目に巻き付いていた蛇を外す。

するとその目には何かの紋様が入っていて禍々しさを感じる。

 

サーペントはその目をペルセウスに向けるとペルセウスはまるで石化したかのように動かなくなる。

そしてサーペントはペルセウスに向かって飛び込み、足に蛇を巻き付けてキックする。

ダメージに耐えきれなくなったペルセウスは強制的に変身が解除する。

 

弦太朗「やっぱお前だったか、元山!」

 

阿部「まさか元山が怪物だったなんて。。。」

 

ん?よく見たらリーゼントの横にグリークラブの部長の阿部がいるじゃねえか。

スイッチャーと知り合いなのか?

 

元山「クッ!僕の絵を完成させる為に邪魔な物は許せない!」

 

弦太朗「ビル破壊...、あれはまさか!?」

 

元山「富士山を描くのに邪魔だった!」

 

は?そんな理由で破壊したのか?

マジで問題児じゃねえか、コイツ。

 

オピュクス「そんなことで破壊するとかマジで聞き分けの無いガキじゃねえか。」

 

元山「黙れ!完璧な美しさを手に入れる為なら全て排斥する!」

 

元山はそう言いスイッチを掲げる。

すると。

 

『LAST ONE』

 

すかしたような音声と共にスイッチが変化する。

 

元山「人間を捨てれば、より完璧な絵を仕上げられるようになる!」

 

弦太朗「やめろ元山!」

 

元山はスイッチを押す。

黒いモヤからペルセウスと繭にくるまれた元山の身体が出てくる。

 

ペルセウス「消えろ、邪魔者!」

 

オピュクス「オマエが消えろ!」

 

オレは油断してる隙にペルセウスに攻撃する。

フォリアとソラリスとで鍛えた武術でペルセウスを圧倒する。

ペルセウスは左腕で掴もうとしてくるが、オレはそれをワープでペルセウス自身にワープさせる。

それによって石化するが、やはり石化を解除する能力もあったのか自分の石化を解除する。

 

ペルセウスは左腕からビームを出しながら大剣にオーラを纏い攻撃してくる。

あぁ!!!避けるのが煩わしい!!!

オレは左腕を結界で囲み、ビームを結界内で反射させる。

すると左腕自体が石になり、ペルセウスはそれを戻そうとするが戻せない。

どうやら左腕が鍵のようだな。

 

ペルセウス「クソ!こうなったら!」

 

ペルセウスは大剣にオーラを集め、衝撃波を繰り出してくる。

オレはそれを杖で両断する。

この程度のものなら杖を向けるだけでどうにかなる。

 

ペルセウス「何!?」

 

オピュクス「お遊びはおしまいか?なら決めさせてもらうぞー。」

 

オレは右脚にコズミックエナジーを集める。

すると右脚を中心に星座早見盤の様なフィールドが現れる。

オレはそれを右脚に集めるイメージをする。

するとフィールドが一気にオレの脚に集まり同時にエナジーが高まる。

 

オピュクス「そうだな~、なんて言った方がいい?」

 

サーペント「そうですわね。安直にギャラクティックフィニッシュでいいんじゃないですか?」

 

オピュクス「安直だな~。」

 

サーペント「なら私の同類には自分の名前を入れるヤツが居ますわよ。」

 

オピュクス「なんか星ごと消されそうだからツッコむの辞めとくわ。」

 

アイツの同類とかヤベーイサイコパスに決まってる。

 

オピュクス「んじゃま...、ギャラクティックフィニッシュ。」

 

オレはペルセウスに向かって跳び蹴りを放つ。

ペルセウスは膨大なコズミックエナジーによる攻撃に耐えきれず、爆破する。

爆破の中からスイッチが飛んでいった。

なんか手ごたえがなかったな。。。

 

 

そう思ってると突然スイッチが一人でに動き出し、宙に浮く。

そして周りの炎を吸い出し、コズミックエナジーが高まっていく。

まさか、ラストワンを超えたのか!?

 

黄金の輝きを放ちながら復活したペルセウス。

その身は黄金のオーラを纏っていて、ペルセウス座の最輝星は輝いている。

まさか素質があったとはな。いや、今まで力が溜まっていたんだろう。

 

ペルセウスは雄たけびを上げ終えると自身の身を見る。

 

ペルセウス「これがラストワンを超える力か!」

 

賢吾「何だと!?」

 

弦太朗「やめろ!目を覚ませ元山!」

 

ペルセウスはリーゼントに向かって左腕を向けビームを出す。

咄嗟のことで反応できず、リーゼントの左腕は石になってしまう。

 

弦太朗「元山!お前、クリスマスプレゼントの絵はどうすんだ!幼稚園の子供たちの笑顔はどうすんだ!」

 

ペルセウス「っ。。。僕は人間を超えた。」

 

弦太朗「人間に戻れなくてもいいのか!!!」

 

ペルセウス「フン、なんだこんなもの!」

 

ペルセウスはそう言い自分の身体を蹴る。

 

何しやがったアイツ!!!

 

オレはワープし、ペルセウスの胸元を掴む。

 

オピュクス「おいテメエ!!!今何したんだ?何したって聞いてんだ!!!」

 

ペルセウス「ぐっ!なんだ!あんな身体いらないんだ!完璧な肉体であるこの身体さえあれば!」

 

オピュクス「ふざけてんとちゃうぞゴラ!!!オマエ人間辞めたい言うけどな?そんな醜い面で一体子供たちに何届けるつもりや?オマエのそんな歪んだ目で一体何を見るんや!!!冗談言うてんとちゃうぞ?オマエなんか子供たちに何か贈る資格なんかあるかボケ!!!」

 

オレは思いっきりペルセウスをぶん殴る。

自分の身体を捨てるやつなんざに美しいもんなんか描けるわけねえだろ。

 

ペルセウスは大剣にオーラを纏い衝撃波を出して爆発を起こす。

オレは結界を展開して爆破をしのぐが、煙が晴れるとそこにはペルセウスはいなかった。

 

あるのはペルセウスが捨てた自身の肉体だけだった。。。

 

 

 

 

to be continued...

 




いかがだったでしょうか~。


今回からゾディアーツがバンバン最輝星に目覚めるやつですね~。
まあそれでもキャンサーが出てきてから最輝星が出て来なくなった気がしますけどもwww


そしてフォリアのゾディアーツ態初登場!!!
まあぶっちゃけるとちょっとだけライダーオマージュ入れましたよ、はい。
だって蛇系の女性って言われたら彼女しか思いつかなかったんだもん!

あと彼方くんと同じように性格変わる系です。
口調がお嬢様風になっただけに見えますが、これからどんどん出していきます。
まあこのゾディアーツ態のキャラが名前の由来と言えますからね~。
是非楽しみにしてください。


そして次回はまあぶっちゃけ彼方くん無双しちゃうかも回ですね~笑
まあ一応全身プラネタリウムくんは出します。はいwww


ではでは次回もお楽しみに~。


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正・邪・葛・藤

なんで出せなかったかって?

ライブ見るために働いてたんじゃあああ!!!
RASとモニカの見逃し配信みたいんじゃあああああ!!!



ー彼方sideー

 

ペルセウスが最輝星に目覚め去っていった後。

場の空気は混沌と化していた。

 

オレは取り敢えず元山の身体を持ち上げ、リーゼントに押し付ける。

 

オピュクス「これはオマエ達が持っていた方が良いだろ。早くペルセウスを見つけろ。あの状態のままだと人間に戻れなくなるぞ。」

 

オレはそう言いサーペントの下に向かう。

そんなオレにリーゼントが問いかけてくる。

 

弦太朗「なんで教えてくれたんだ。お前も幹部じゃねえのか。」

 

オピュクス「オレはどっちかていうとイレギュラーだからなぁ。幹部の様な立場であるが他のヤツらよりは自由だ。」

 

賢吾「それでも幹部みたいなものだろ。ホロスコープスを増やしたくないのか?」

 

オピュクス「どっちでもいい。ま、あの人の命令だから従ってるってだけであってオレはどうでもいいんだよ。現にコイツはオレ意外誰も知らないしな。」

 

オレはそう言いサーペントを指す。

まあコイツの場合ゾディアーツと判定できるかどうかも怪しいグレーゾーンみたいなもんだけどな。

なんぜスイッチを自分で作り出してるし星を弄ってるし。

 

サーペント「あら?私は星を弄るよりも崩壊させる方が好きですわよ?」

 

オピュクス「バカ、こんなとこでそれ言うな。なまじ出来るからややこしいんだよ。」

 

賢吾「星を崩壊させれるだと...!?どういうことだ!」

 

オピュクス「別に。まあヒントをやるとしたならこの宇宙にはオレ達には理解できんもんがあるってことだ。コイツもそうだし、オマエ達が使ってるスイッチもな。」

 

オレはそう言いサーペントごとワープする。

取り敢えず屋上にワープしたオレ達は変身を解除する。

 

 

彼方「これからホロスコープスが新たに生まれる気がするな。。。」

 

フォリア「素直に喜べないですね。貴方の願いは...。」

 

彼方「まあこればっかりは星の定めだから仕方ないけどね。僕は自分がやるべきことをするだけだよ。取り敢えずラビットハッチに行こっか。」

 

フォリア「はい。」

 

僕達はラビットハッチに向かった。。。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ラビットハッチに戻ると同時にリーゼントくん達も戻って来た。

僕達以外はリーゼントくんの左手が石になってることに驚いてる。

歌星が訳を話すと皆納得したが、同時に憂鬱なムードになる。

 

そりゃそうだ。今回のはライダー部にとって新しいパターンだから。

今までとは違いラストワンを超えホロスコープスになりうるかもしれないんだ。

ライダー部に緊張が走る。。。

 

そんな中リーゼントくんがクリスマス会をやるべきだと言う。

こういう時こそ折れちゃいけないとまともなことを言うが、君の場合ちょっとシャレにならないよ?

その腕折れちゃったら二度と戻らないからね?気を付けてよ?

 

弦太朗「阿部ちゃんとこ行って励ましてこい、ユウキ!お前の元気、分けてやれ!」

 

ユウキ「あ、みんな...いい?」

 

城島は控えめに聞いてくる。

 

美羽「許可するわユウキ。これも立派なライダー部の活動よ。」

 

彼方「はやぶさくんソングで園児たちを楽しませてきなよ~。」

 

他のみんなも頷く。

 

ユウキ「ありがと~!城島ユウキ、歌ってきます!」

 

城島はそう言いはやぶさくんソングを歌いながら出ていった。

ほんとあんなポジティブ思考は羨ましいよ~。

 

だが城島が言ったことでまた空気は重くなる。

なんせフォーゼの装備が一か所使えなくなったのだから。

取り敢えず25番のスイッチを試すこととなった。

 

フォーゼは実験室に行き、25番のペンスイッチをオンにする。

 

『Pen! ON』

 

音声と共に右足にでっかい筆のモジュールが装着される。

それにしてもペンって一体何に使うの?

落書きとかで相手倒せるの?

 

フォーゼもそう思ったのかラボから見える窓ガラスに落書きしていく。

そして出来たのが『バカ』と大きく描かれた落書きだけだった。

これにはみんな呆れかえっていた。

 

フォーゼは変身を解除すると、どこかに行こうとする。

歌星が聞くと思いついたことがあると言ってペンギンちゃんを連れて出ていった。

何思いついたんだろ?

 

それにしてもこの落書きどうしよ?

油性か水性か分からないし、そもそもコズミックエナジーで出来たインクだろうから普通のやり方で落とせるのかな?

僕はふと落書きに触ってみると、落書きがカランという音と共に落ちた。

うっそ...、もしかしてあれって結構使えるかも?

 

僕は落書きの強度を確かめ、ペンの使い道を模索する。

すると、突然ラボの方から警告音のような音がなる。

 

僕は慌ててラボに行くとどうやらペンギンちゃんからの通信の様だ。

フォーゼがもう一人のフォーゼ?と戦っている。

ありゃ天秤野郎の幻術だろうね~。

 

美羽「賢吾君。隼と一緒に現地に向かって。」

 

彼方「おっと。これ持っていきなよ。」

 

僕はペンスイッチを歌星に投げ渡す。

 

賢吾「どうしてこれを?」

 

彼方「あの落書き、固まってたんだ。多分ペンの力は描いたものを具現化する能力。上手く使えばペルセウスの腕を封印出来る。」

 

賢吾「なるほどな。わかった。」

 

歌星たちはラビットハッチを出ていった。

さてさて、僕も行こうとしようかな~。

 

それを察したのか、フォリアもついてくる。

僕はフォリアと目くばせして、ラビットハッチを出ていく。

僕達の後を追うものを知らずに。。。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

僕達はラビットハッチを後にし、リーゼントくんが戦ってる場所に向かった。

もちろん歌星たちも行ってるが、僕達は先回りしていく。

 

そこに居たのは石にされたリーゼントくんだけだった。

ちっ、遅かったか。。。

僕は周囲を見渡し、誰も居ないことを確認すると変身する。

 

そして石化を解く薬液を生成し、それをリーゼントにぶっかける。

すると石に光のヒビが入っていく。

これだと数秒で石化は解けるだろうと判断したオレはフォリアを連れて、城島たちが居る星ノ子幼稚園へと向かった。

 

 

幼稚園に着くと、ペルセウスが幼稚園の中を見ていた。

だがその様子は何かに狼狽えている様子だった。

 

すると後ろから気配を感じ、オレは慌ててフォリアを連れて陰に隠れる。

現れたのは歌星と大文字に肩を借りたリーゼントだった。

どうやら天秤野郎から相当ダメージを負ったみたいだ。

 

リーゼントはペルセウスを説得していく。

するとペルセウスは正気に戻ったのか、涙が出るはずのないゾディアーツの身体から涙を流している。

そして負の感情が涙と共に流れていった所為か、最輝星の輝きが失われた。

これであとはスイッチを破壊するだけだな。

 

そう思ってると天秤野郎が現れ、ペルセウスを自分の駒として操った。

アイツらしいやり方だが、流石に気に食わん。

 

オピュクス「フォリア、中に入れ。」

 

フォリア「ということは()()を使うのですね?」

 

オピュクス「アイツにはちょっとしたお灸を据えないとなんでな。」

 

フォリア「フフフ、分かりました。存分に戦ってくださいな。」

 

フォリアはそう言うとスライム態になり、オレの身体の中に入っていった。

これはブラッド族に特性らしく、相手の身体に入り寄生出来る。

コイツはそれで叔父さんの中に入り地球にやってきたわけだが。

 

フォリアが中に入ったことで、全身に力を感じる。

コイツと融合することで『超新星』が使える。

アイツを懲らしめるのには強大な力でねじ伏せるしかない。

 

操られたペルセウスはリーゼントに向かって乱雑な攻撃をしていく。

リーゼントはそれを避けながら変身し、ペルセウスと対峙する。

そこに天秤野郎が縮地を使いながらフォーゼに近寄り、攻撃する。

不意の攻撃にフォーゼはペースを崩され、ペルセウスと天秤野郎の両方から攻撃を受けていく。

 

オレは流石にヤバいかと思い、ワープを使ってフォーゼ達の間に入る。

そしてエナジーを溜めて、それをオーラの様にして周囲に放つ。

一種の衝撃波によってフォーゼ達は一斉に吹っ飛ばされる。

 

フォーゼ「うわぁ!つてて...って薬野郎じゃねえか!今度は何の用だ!」

 

リブラ「オピュクス!貴様またも邪魔をするつもりか!」

 

オピュクス「どいつもこいつもうるせえ。一回黙れ。」

 

オレはありったけの威圧を放つ。

するとどっかの海賊が使う覇気みたいに周囲にピリピリした空気が張り詰めていく。

臆されたリブラに向かって杖を向ける。

 

オピュクス「前からオマエのやり方が気に食わなかったが、もう我慢の限界でな。一度オマエを徹底的に潰してやろうと思ったんだよ。」

 

リブラ「お前にとやかく言われる筋合いはないが?」

 

オピュクス「碌に使徒を増やせてないヤツが何を言ってんだか。フォーゼ!オマエはペルセウスの相手でもしろ。アイツを正気に戻させてやれ。」

 

フォーゼ「っ!?おう!そっちは任せたぜ!」

 

フォーゼはそう言うとペルセウスを掴んでその場を離れていった。

オレはそれを見送ると天秤野郎と対峙する。

 

リブラ「前から貴様が気に食わなかったんだ。丁度いい。誰が上か決めようじゃないか。」

 

オピュクス「今から負ける準備でもしてんのか?御託はいい。さっさとかかってこいよ。」

 

リブラ「っ!貴様!」

 

リブラはこっちに向かって頭の触覚から電撃を出しながら向かってくる。

オレは電撃を結界で防ぎながらいくつものワープを展開していく。

そしてそこから薬瓶を天秤野郎に発射していく。

天秤野郎はそれを避けながらもこっちに向かってくるが、オレはアイツの足元を結界で封じ込める。

 

すると天秤野郎は動けなくなり、その隙を突いてオレは思いっきり殴る。

殴ると同時に結界を解除することでアイツは吹っ飛んだ。

 

リブラ「ぐっ!まだこんなものではない!」

 

天秤野郎はそう言うと大量のダスタードを召喚する。

流石にオレは相手にするのが面倒になり、一気にケリをつけることにする。

 

オピュクス「ならこっちも()()をやるか。。。『超新星』。」

 

オレはそう口にすると、同時に亜空間の中に入る。

そして次に出た瞬間には、身体が変わっていた。

 

リブラ「何!?何故貴様が『超新星』を!?」

 

オピュクス「んなもん目覚めたからに決まってんだろ。来い!サーペント!」

 

オレはそう叫ぶと、胸の蛇の目が光り赤黒いスライムが出てくる。

スライムはどんどん巨大化していき、蛇の形になっていく。

ある程度形が決まったのかスライムは結晶になり、そして弾ける。

 

結晶が弾けるとそこには血の様な禍々しい色をした巨大なエネルギー体の蛇が居た。

 

『キシャアアアアアアアアアア!!!!!』

 

蛇は咆哮すると、ダスタード達は一斉に硬直する。

正に蛇に睨まれた蛙のようになった。

そして蛇はダスタード達に向かって進撃していく。

その様はまさに蹂躙。

動けないダスタード達はただただやられていくだけだった。

 

そして数秒経つと残ったのはリブラだけになった。

オレは蛇を身体に戻させる。

 

フォリア『これぐらい造作もないですね。むしろ物足りないぐらいです。』

 

そりゃあんな雑魚だらけだったら仕方ないよな。

 

リブラ「まさかダスタード達がやられるとは。。。こうなったら仕方ない。」

 

リブラはそう言い杖を鳴らして姿を消す。

チッ、逃げられたか。。。

 

オレはフォーゼの方を見るとどうやらペルセウスを倒したようだ。

これで解決だな。

オレは変身を解除する。

それと同時に身体からフォリアが出てくる。

 

彼方「じゃ、僕らも帰ろっか?」

 

フォリア「そうですね。」

 

僕達はそう言い帰ろうとした。

 

「待ってください!」

 

すると誰かが僕達を呼び止める。

誰だ?まさかゾディアーツの姿を見られたか!?

 

僕は声のした方を向くと、そこには友ちゃんが居た。

 

友子「先輩...、ゾディアーツだったんですか...?」

 

彼方「あー...まさか見られたとはね~。。。どこまで見たの?」

 

友子「先輩たちがラビットハッチを出たところから。。。」

 

マジ!?結構見られてるくない?

ワープ使っとけばよかった。。。

...ん?てことはフォリアのことも。。。

 

彼方「まさかフォリアのことも?」

 

友子「赤いスライムみたいになったのも見ました。。。」

 

マジか...そこまで見られたの!?

もうこれほとんど見られてるようなもんじゃん。。。

どうしよっかな~。。。

 

フォリア「とりあえずこのことは誰にも言わないでください。また機会を作りますので、その時にでも。」

 

彼方「そうだね~。友ちゃんも気になるだろうけど、取り敢えずは皆には内緒にしてくれない?」

 

ナイスアシスト!

今回はフォリアに救われた!

 

友子「まぁ...そういうことでしたら。。。でも、絶対教えてくださいよ?」

 

友ちゃんはそう言い身体から黒いオーラを出していた。

いや生身でそんなオーラ出せるとかある意味君人間辞めてるくない?

 

僕は全力で頷き、何とか黙ってくれるよう説得出来た。

それにしてもまさか美羽以外にも見られちゃったとはね~。

もういっそのことライダー部の皆に話すべきかな...?

いや、でも僕は彼らを巻き込むことはできない。

 

取り敢えず友ちゃんと話す時には美羽も呼ぶことにしよう。

美羽も僕のこと知ってるから話す時には居た方が良いだろうし。。。

取り敢えず今は明後日のクリスマス会のことを考えないと。。。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ークリスマスー

 

いい天気で迎えれたクリスマス。

 

僕とフォリアはライダー部のクリスマスパーティーに参加している。

もちろん場所はラビットハッチで。

 

皆それぞれクリスマスにちなんだ衣装を着ている。

JKはトナカイの衣装を着せられ、歌星は普通に制服を着ている。

それ以外の皆はサンタの衣装を着ている。

友ちゃんは自分の趣味に合わせて黒いサンタコスで居る。

 

そして僕はサンタ衣装の上に白衣を着ている。

子供たちに薬をプレゼントするDr.サンタ?って感じかな~?

いや薬プレゼントされても微妙か。。。どっちかっていうとお年寄りの方が喜ぶね。。。

 

そしてフォリアは何を思ったのか白いサンタコスをしている。

お前の腹は真っ黒だろってツッコミをしたら特大のハリセンで叩かれた。

今も頭がヒリヒリする。。。

 

皆思い思いに楽しんでいると美羽がケーキを出してくる。

どうやらライダー部に合わせてホールケーキにそれぞれをイメージしたろうそくが立てられてる。

ぷっ、JKのろうそくが派手で折れ曲がってるってどんな皮肉だよwww

そして僕のろうそくは...金色?

もしかしてゾディアーツの時の身体の色で決めた!?

フォリアのろうそくは白くて丁度いい長さの物だった。

だから腹は黒いって...イタイ!!!

 

フォリアがすんごい笑顔で特大ハリセンを頭にぶっこみやがった!!!

めっちゃ痛い!!!頭がグラグラする!!!

 

僕はあまりの痛さに何故か気持ち悪くなって横になる。

そこにニコニコ顔のフォリアがやってくる。

 

彼方「マジでやってくれたな。。。」

 

フォリア「あら?余計なことを考えなければ良かったのですよ♪」

 

彼方「なんで考えてたことが分かるんだよ。。。」

 

フォリア「それは...、私ですもの?」

 

彼方「それで納得できるんだから質が悪いよな。。。」

 

フォリア「あら?いつもサイコパスだって思ってるじゃないですか~。」

 

彼方「いやほんとあんな話聞いたらそう思うって。」

 

とそこに友ちゃんがやって来た。

 

友子「彼方先輩、災難でしたね。。。」

 

彼方「ほんと労わってくれるのは友ちゃんだけだよ~、およよ。」

 

フォリア「あら?まるで私は血も涙もない女って言ってるみたいじゃないですか。」

 

彼方「お前の場合血しかないんじゃないのか?ブラッド族っていうぐらいだし。」

 

フォリア「あら?どちらかというと血を流した方が多いですよ?他人の血をですけど。」

 

彼方「怖いよそれは。。。」

 

友子「流石にそれは私でも怖すぎます。。。」

 

ほらー友ちゃんも引いちゃったよ~。

てかこんな話してて大丈夫なのか?

 

友子「大丈夫ですよ。どうせ後で話してくれるんですし。」

 

彼方「うん、なんで心が読めてるのかな?かな?」

 

フォリア「私が伝授したのですよ♪」

 

彼方「お前か!?すべての元凶はお前だったのか!?」

 

友子「先輩うるさいです。というかそんなに騒ぐほど元気になったんですね。」

 

彼方「え?ってうぷっ。。。思い出したらちょっと気持ち悪くなってきた。。。」

 

フォリア「吐くならどっか行ってくださいね。」

 

友子「ここで吐かれても迷惑です。」

 

彼方「二人とも辛辣すぎない!?僕のこと嫌いなの!?」

 

フォリア「嫌いじゃないですよ?むしろ好きですよ♪」

 

友子「別に嫌いじゃないです。私も先輩のことが...って何言わせるんですか///」

 

可愛い...うちで飼いたい。。。

...ハッ!?僕は一体何を考えてたんだ。。。

友ちゃんの照れ顔が可愛すぎてめでたくなった。

 

僕は友ちゃんの頭を撫でながら立つ。

 

彼方「よし!可愛いもん見れたから元気ふっかーつ!」

 

僕がそう言うと同時に皆の大きい声が聞こえてくる。

なんだろと思い見てみると、リーゼントくんが月面に落書きをしている。。。

いや、流石にそれはだめでしょ。。。

色々大きな問題になっちゃうから。。。

 

今年の最後もなんとも閉まらない感じになったな~。。。

 

 

 

 

to be continued...

 




いかがだったでしょうか~。

冒頭は荒れちゃってすみません笑
いやほんと書き溜めしとけよって話ですよね。
でもそれしちゃうといまいち書いたやーつが思い出せなくなっちゃうんですよね~。
ないですかそういうこと?...え、ないって?あっそ。


さてさて今回は彼方くんのチートぶりを全面に出したような気がします。
というか今回は彼方くんが活躍したのか?笑
どちらかというとフォリアの方だった気がしますね笑

そしてなんと友ちゃんにバレちゃいました。
ライダー部全員にバレるのはメテオと同じようにアリエス回でやろうと思ったんですが、よくよく考えたらこんなに動いて怪しまれないのかなって思って一人にばらしました笑
まあここはまた次回ぐらいにでも回収していけたらと思います。

そして次回はメテオ登場回ですね~。
ただその後には園ちゃんの退場が待っている。。。
今作のメイン(一応)である園ちゃんが退場するはずがない!
そう思っていると思いますが、まあ展開は予測できますよね。
ズバリそういうことです笑
楽しみにしててください。


ではでは次回もお楽しみに~。


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流・星・登・場

もう遅れたか遅れてないかの区別がつかなくなってきた。。。



にしてもモニカのライブ最高過ぎん?マジヤバいね!!!


ー彼方sideー

 

寒くなったこの季節。

学校では模範服であるコートを羽織ってる生徒が目に映る。

かく言う僕も白衣サイズに改造したコートを着ている。

フォリアも学校のコートを着ている。

 

早く温まりたいと思いながら教室に着くといつも通りの騒がしさ。

席に着くと城島と歌星が何か話している。

リーゼントくんはまだ来てないから、多分遅刻だね~。

 

ユウキ「おはよう彼方くん、フォリアちゃん!」

 

彼方「おっはよ~二人とも。」

 

フォリア「おはようございます。」

 

ユウキ「ねえねえ聞いた!黒い仮面ライダーの話!」

 

彼方、フォリア「「黒い仮面ライダー?」」

 

城島によると、フォーゼがペルセウスと戦った時に助けてくれたそうだ。

そういやあの時は天秤野郎と戦ってたから全然気づかなかったな~。

多分だけど()()()の刺客だろうね~

 

賢吾「ラビットハッチのデータには何もなかった。父さんが開発したものじゃないということだ。」

 

彼方「僕達も今知ったからね~。でも面白そうだね~、その黒い仮面ライダー。」

 

ユウキ「だよね!」

 

それから城島達と話しているとチャイムが鳴る。

紗理奈ちゃんが教室に入ってくると、紗理奈ちゃんの後ろから見慣れない生徒が。

そういやリーゼントくん以外に山田くんが居ないね~。

転校したのかな?

 

紗理奈「今日から、山田君の代わりに新しい友達が入ります!」

 

紗理奈ちゃんに紹介され、転校生くんがはにかみながら周りを見渡す。

ん?なんかあの表情違和感あるな~。

 

そう思ってると扉が勢いよく開き、リーゼントくんが慌てた様子で入ってくる。

こりゃグレーゾーンか?

 

弦太朗「おっと!セーフだよね、園ちゃん!」

 

リーゼントくんは転校生くんの肩を掴みながら紗理奈ちゃんに聞く。

うーん、チャイムが鳴った後だけど予鈴だからな~。

でもチャイムはチャイムだからアウトかな~?

 

紗理奈「ちっ。。。」

 

紗理奈ちゃんが苦笑いすると聞こえないように舌打ちする。

こんな大勢の前でしたらバレるでしょうが。。。

こりゃ後でお仕置きしないとだね~。

 

弦太朗「...ってお前誰!?」

 

リーゼントくんは今気づいたのか、転校生くんを見て問いかける。

転校生くんはなんだコイツという目から分かりやすい笑顔を向ける。

コイツ...猫被ってるな。

 

???「あのー...「昴星高校からの交換編入生よ。」」

 

おっと紗理奈ちゃんが割り込んでいった。

さっきの仕返しのつもりかな?かな?

 

紗理奈「理事長の方針で、他校の優秀な生徒に天高を知ってもらうの。」

 

へぇ~優秀な生徒ね~...、猫被ることにおいては優秀だろうけどね~。

まあその上が隣に居るんだけど。。。

 

流星「朔田流星です。半年間、一緒に勉強させてください。」

 

編入生くんはそう言うと綺麗なお辞儀をする。

それを見てリーゼントくんはいつもの友達宣言をするが、それを受けて編入生くんは冷ややかな目をリーゼントくんに向ける。

が、慌ててリーゼントくんに合わせに行く。

 

彼方「脆い仮面だな。。。」

 

フォリア「それは仮面ライダーと掛けてますの?」

 

彼方「あーやっぱり?」

 

フォリア「ええ。彼でしょうね。あの様子からすると。」

 

彼方「だよね~。エナジーが見えるもん。」

 

そう。僕は彼が入って来た時にまさかと思い、瞳を使って彼を視た。

すると彼からコズミックエナジーの反応が見えた。

要するに彼は城島が言っていた黒い仮面ライダーくんなんだろう。

 

リーゼントくんは編入生くんを連れて自分の席に向かう。

そして歌星の隣に座ってる女子に席を移動してもらうように頼む。

流石に数か月も付き合うと慣れたのか、女子は納得して移動してくれたようだけど。

その席に編入生くんを座らせる。

こりゃまた紗理奈ちゃんのストレス案件だぞ~。

 

紗理奈ちゃんの方を見ると、案の定また舌打ちをしていた。

こりゃちょっときつめのお仕置きしないとだね~。。。

 

フォリア「アッチ方面のお仕置きですか?」

 

彼方「ナニ言っちゃってるのかな?かな?」

 

フォリア「フフフ、冗談ですよ。。。」

 

彼方「お前の場合冗談に聞こえないんだけど。。。」

 

ほんとフォリアは僕と某英霊とマスターみたいにパスが繋がってるから思ってることが筒抜けなんだよな。。。

ほんと早くどうでもいいことは遮断できるようにしないと。。。

 

フォリア「果たして出来るのでしょうかね、フフフ。。。」

 

マジでやってやる!!!

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

授業が終わり昼休み。

 

僕は紗理奈ちゃんを呼んでいつもの教室に向かった。

呼びに職員室に行った時にすかし野郎が紗理奈ちゃんに接触しようとしたから妨害してやったw

性格悪いのは自覚してるけどこれは止められないよ~。

紗理奈ちゃんも吹き出してたしね。

 

そんなこんなで教室に着いた僕達。

 

彼方「さてさて~。なんで紗理奈ちゃんを呼んだのかわかるかな~?」

 

紗理奈「もしかして...、朝のこと...?」

 

彼方「正解。ちゃんと我慢してって言ってるのに聞いてくれないんだからさ~。」

 

紗理奈「うっ...ごめんなさい。。。」

 

彼方「まあ反省してるようだから許してあげるよ。でもお仕置きはしないとだね~。」

 

僕はそう言って紗理奈ちゃんを抱き寄せる。

突然のことにびっくりした紗理奈ちゃんだが、顔を真っ赤にしながら抱き着いてくる。

 

だがそのままの状態でしばらくいると。。。

紗理奈ちゃんがもぞもぞしだした。

大方この続きをやりたいんだろうけど、それだとお仕置きにならないからね~。

それにこれは一種の訓練みたいなものだからね~。

 

そう思ってると紗理奈ちゃんは目尻に涙を溜めながらこっちを見てくる。

うっそ...そんな顔もできるの。。。

 

紗理奈「なんで何もしてくれないのよ。。。」

 

彼方「ん?」

 

ちょっとした意地悪で聞き返す。

 

紗理奈「だから、その...、キス、とかしないの?」

 

彼方「さぁ?それは紗理奈ちゃん次第かな~?」

 

紗理奈「うぅ。。。彼方くんの意地悪。。。」

 

うぐっ。。。そう言われると流石に罪悪感が。。。

流石に観念した僕は紗理奈ちゃんを強く抱きしめキスをする。

やっと出来たことに嬉しいのか舌を入れてくる。

 

そのままずっと交わりあっているといつもセットしているアラームが鳴る。

僕達はお互い離れる。

その間には銀色の橋が繋がっている。

 

お互いの顔を見合ってもう一度だけキスをする。

今度は深いものじゃなく、軽く触れるぐらいのものだった。

 

彼方「ふぅ...、それでちゃんと反省した?」

 

紗理奈「えぇ。。。流石にあの場でやるのは良くなかったわね。」

 

彼方「それもそうだし、あれぐらいのことは我慢しないと。じゃなきゃまた暴走しちゃってフォーゼにやられるよ?」

 

紗理奈「うっ!...気を付けます。。。」

 

彼方「うん。ま、あれだけキスを我慢出来たんだから少しは良くなったんじゃない?」

 

紗理奈「まさかお仕置きって。。。」

 

彼方「ハハハ、さーてなんのことやら~。そろそろ授業が始まるからまたね~。」

 

紗理奈「え、ちょっと!?もう!」

 

紗理奈ちゃんを置いて僕は教室を出る。

慌てて紗理奈ちゃんが追いかけてくる。

ちょっと弄りたくなっちゃうのが紗理奈ちゃんのいいところだね~。

まあ他のヤツにはやらせないけど。

 

紗理奈「もう!待ってくれてもいいじゃない!」

 

彼方「ハハッ、ちょっと意地悪したくなっただけだよ~。」

 

紗理奈「むぅ。。。」

 

彼方「も~そんな顔しないの~。午後の授業も頑張ってね。」

 

僕は紗理奈ちゃんの頭を撫でる。

相変わらずサラサラな髪だな~。一日中撫でてられる。

紗理奈ちゃんも撫でられて嬉しいのか目を細めている。

そんな顔したら誰かに撮られちゃうよ?

 

そんなことを思いながら廊下を歩いていた。。。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ー放課後ー

 

なんか昼休みの時にゾディアーツが出たらしい。

その時は丁度紗理奈ちゃんとキャッキャウフフしてたから全然気づかなかったけど。

それで作戦会議をするからラビットハッチに集合って言われたけど正直行く気になれない。

 

だから適当にふけようと思ってたら編入生くんがリーゼントくん達の後をつけているのが目に入った。

これはもしかしたらライダー部の存在がバレるかも?

そう思った僕は編入生くんの後をつけることにした。

 

僕は念のためフォリアにラビットハッチの中で注意しとけと伝えといた。

こういう時はパスは便利だな~。

そう思いながら編入生くんが出てくるのを待っていた。

 

だがいつまで待っても出て来ず。

むしろライダー部の皆が出て来た。

どうやらスイッチャーが分かったらしく向かうらしい。

 

その時にフォリアと目くばせし、ハッチの中には彼一人だけだと分かった。

それを受け取った僕はそそくさとハッチに向かう。

 

扉を開けると案の定編入生くんがハッチの中を誰かと通信しながら写真を撮っていた。

地球が見える窓が開けられてることから、ここが月面だということが知られちゃったんだろう。

 

彼方「やあやあ秘密の編入生く~ん。」

 

流星「なっ!?や、やあ!君は、確か...、我望君!だったよね!」

 

彼方「そーゆーのいいから。早く通信変わって。」

 

流星「そーゆーのってどういうことかな?」

 

あーもーじれったいな~。

僕は編入生くんが持っていたスイッチを奪い、起動する。

 

彼方「あーもしもーし。聞こえてます~?」

 

???『やあ我望君。まさかこんな形で接触するとは思わなかったよ。』

 

彼方「いや~、僕もこんな方法は取りたくなかったんですけどね~。どっかの誰かさんがコソコソと動き回っちゃうから~。」

 

流星「タチバナさん!コイツと知り合いなのか!?」

 

彼方「ちょっと~、コイツ呼ばわりはないんじゃないの?黒い仮面ライダーくん!」

 

流星「なっ!?何故それを!?」

 

タチバナ『私が事前に彼に知らせていたからだ。彼は我々の協力者だ。大きな存在となりうる人物だよ。』

 

流星「協力者...?」

 

彼方「まあ言ったらスパイよスパイ。」

 

僕はそう言ってスイッチを見せる。

それを見て驚いた様子の編入生くん。

 

流星「それは!?見たことないゾディアーツスイッチだと!?」

 

彼方「僕だけが使える物さ。幹部の中には他のホロスコープスのスイッチを使える者もいるけど、これだけは僕だけしか使えないんだよね~。なんでだろ?」

 

タチバナ『それは君の力が強大なのだろう。現に君は他の誰にも負けない力を持っているじゃないか。君のパートナーもそうだろう?』

 

彼方「アイツの場合は桁違いですよ。星狩りしてきたんですから。」

 

流星「星狩り...?どういうことだ?」

 

彼方「そのまんま。色んな星を崩壊させてきたんだよ。アイツの場合は星が自然崩壊するのを眺めるのが好きなサイコパスだけど。」

 

フォリア『サイコパスサイコパスうるさいですよ?一回身をもって体験しますか?』

 

マジですみませんでした!!!

ごめんなさいやめてください流石に死んじゃいます!!!

 

フォリア『あの薬を使えば死なないじゃないですか。。。』

 

いや、アレは流石に人間辞めちゃうからさ。。。

僕だって人間らしく死にたい気持ちはあるんだから。

 

フォリア『そうですね。なら私は一人看取りますよ。』

 

うぅ。。。その言い方されると弱るな。。。

でも、流石に僕だけだと紗理奈ちゃんや美羽たちが死んでいくのを見るのは辛いし。。。

 

タチバナ『彼が言っていることは本当のことだ。私たちにはまだまだ分からないことだらけということだ。』

 

流星「にわかに信じがたいことだが本当のようだな。。。」

 

彼方「そゆこと~。それで?君の目的は何なのさ?」

 

流星「俺の目的はアリエスを見つけること。それだけだ。」

 

アリエスね~。。。

大方生体エネルギーを操る能力が欲しいんだろう。

誰か昏睡状態の人でもいるのかな?

 

彼方「家族かお友達でも助けたいの?」

 

流星「っ!?どうしてそれを。。。」

 

彼方「アリエスの能力を知ってれば誰だって考えつくでしょ。でもそれだったら僕でもどうにか出来そうだけどね~。」

 

流星「どういうことだ!?まさかお前も生命を司る能力を持っているのか!?二郎をどうにか出来るのか!?」

 

そう言って僕の肩を掴み必死に聞いてくる。

ふーん、二郎っていう人が助けたい人なんだね~。

 

彼方「まあそんな感じかな~。君は蛇遣い座の逸話を知ってるかい?」

 

流星「蛇遣い座...?」

 

タチバナ『ギリシャ神話の医神、アスクレピオスのことだな。』

 

流星「医神...!?まさか!?」

 

彼方「その二郎君ってのを治療できるかもね。」

 

流星「頼む!二郎を救ってやってくれ!俺はもう二度とあんな思いをしたくないんだ!」

 

彼方「...君はどうして二郎君を助けたいの?」

 

流星「...俺は一度アイツを見放してしまった。その所為でアイツはずっと眠ったままだ。もうアイツを苦しませたくないんだ。。。俺がしたことは許されないことだが、もし二郎を助けれるなら。。。俺はどんなことをしてでも助けたい!贖罪とは言わないが、俺が背負うべき罪なんだ!」

 

...そっか。

 

彼方「分かったよ。。。取り敢えず考えとくね。」

 

流星「何故だ!!!お願いだから二郎を助けてくれ!頼む!」

 

彼方「君はどんなことをしてでもって言ったけど、それは誰かを殺してでもってことかな?」

 

流星「っ...、場合による。。。」

 

彼方「ふーん。。。そんなことされても嬉しくないんだけどな~。多分二郎君も嫌だと思うよ?もしかしたら起きるのを拒むかもね。」

 

流星「何故だ!?俺はこんなにも二郎のことを...!」

 

彼方「一方的な押し付けなんか嫌やろが。そんなんも分からんのかこのボケ。お前がどう思ってんかは分かったけど、そんな思いのままやったら周りの奴ら離れてくで。自分は何を望んでんかちゃんと考えてから出直してこいや。」

 

流石の僕もこの分からず屋にはイラついた。

自分の為に他人を犠牲にされて喜ぶ奴なんて居ない。

そうじゃない奴はただ自己中心的な奴でしかない。

 

自分の友達に十字架を背負わせる気なら僕は協力なんてしない。

自分が何をしでかそうとしたのかわからない奴に誰かを救うことなんて出来ない。

 

僕は肩を掴んでいる手を掴み、背負い投げする。

咄嗟のことに反応できなかった編入生くんは床に叩きつけられる。

 

彼方「タチバナさん。。。僕はコイツとは協力できません。それでもいいですね?」

 

タチバナ『...仕方ない。だが彼がもし協力するに相応しいと判断したなら協力してほしい。私は歓迎するが。。。』

 

流星「...」

 

彼方「まあいいですよ。リーゼントくん達と関わってたら嫌でも変わりますよ。彼にはそんな力があるんで。」

 

そうじゃなきゃこの癖者だらけのライダー部になってない。

 

フォリア『ちょっとピンチなんですけど。。。私が出てもいいですか?』

 

フォリアからパスが繋がってくる。

ピンチってどゆことよ?

 

フォリア『JKが人質に取られて手が出せないのですよ。フォーゼも変身を解かないといけない状況なので。』

 

Oh...JK。。。

後でお仕置きしてやろう。。。

いいよ。どうせなら相手を煽ってきなよ。

 

フォリア『分かりました。存分に煽ってきますね。』

 

あ、ドンマイゾディアーツ。。。

アイツの煽りはマジで腹に来る。。。

どんぐらいかっていうと二、三日引きこもりたくなるぐらい。

 

取り合えず僕も現場に向かうとしますか~。

 

彼方「どうやら僕の仲間がピンチみたいだからね~。僕は行かせてもらうね~。」

 

流星「っ!俺も行く!リンクスがアリエスになるか確かめなければ!」

 

彼方「ふーん。まあ勝手にすれば?僕は先に行かせてもらうから。」

 

僕は編入生くんを置いてラビットハッチを出た。。。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

現場に着くとサーペントがゾディアーツ交戦していた。

あの姿はリンクスかな?

 

リンクスはサーペントにやられる一方。

その間はサーペントの煽りがエグイエグイ。

正直リンクスに同情しかけたよ。。。

 

そしてサーペントがフォーゼとダブルキックを放つ。

それによってダメージが限界を超え、リンクスは爆破する。

が、スイッチに炎が集まりリンクスが復活する。

そしてリンクスの最輝星は輝いている。

 

チッ、極端な奴がなったな。。。

僕あんなのが幹部になるとか嫌だよ?

 

サーペント『なら倒しても構わないのですわね?』

 

構わないよ~、やっちゃって~。

 

フォーゼ達がリンクスに向かう。

とその時、青い球体がフォーゼ達とリンクスの間に降り立つ。

地面に着くと衝撃波が起き、フォーゼ達が吹き飛ばされてしまう。

 

青い球体が消えるとそこには黒い仮面ライダーが居た。

あれが城島が言っていた仮面ライダーか。

 

メテオ「俺は仮面ライダーメテオ。お前の運命(さだめ)は俺が決める。」

 

メテオはそう言うと右手に着けている装備を起動する。

 

『Saturn! Ready?』

 

そう音声が鳴るとメテオは人差し指を装備にかざす。

 

『OK! Saturn!』

 

音声と共に右手に土星が現れる。

メテオはそれをフォーゼ達に向かって振りかざした。

すると土星は三つに分割され、猛回転しながら襲い掛かってくる。

 

僕は慌ててサーペントに戻るようにパスを繋げる。

サーペントは髪の毛である蛇からビームを出し、なんとか相殺する。

その隙に僕の身体にバレないように入り込む。

 

フォリア『危なかったです。それにしてもいきなり何をしてくるんですか、あのライダー。』

 

リンクスの最輝星が輝いたからだろ。

アイツの狙いはアリエス・ゾディアーツだからな。

どうせリンクスがアリエスに覚醒するかもしれないとでも思ってるんじゃないの?

 

フォリア『楽観的ですね。そんな簡単に覚醒していたら今頃ホロスコープスは全員揃ってるはずですよ。』

 

マジそれな。

 

メテオはリンクスに近づく。

リンクスはやられんじゃないかと警戒する。

 

メテオ「行け。」

 

リンクス「何?」

 

メテオ「早く行け。」

 

リンクスはメテオに言われ逃げるのだった。

フォーゼはリンクスを逃がすまいと、ロケットとドリルを起動しリミットブレイクを放つ。

だがそれをメテオがリミットブレイクでフォーゼの邪魔をする。

横から強力なキックを食らったフォーゼは倒れてしまう。

 

賢吾「馬鹿な!?フォーゼのリミットブレイクを弾くなんて!?」

 

フォーゼ「おい!何しやがんだ!お前、俺たちの味方じゃなかったのか!」

 

メテオ「誰がそんなことを言った?俺は俺の為に動いてるだけだ。」

 

何勝手なことを言ってるんだろ?

 

メテオ「そのゾディアーツは当たりだ。お前の安い友情とやらで今倒される訳にはいかない。」

 

フォーゼ「な、なんだと!!!」

 

フォーゼとメテオは対峙する。

まるで水と油だね。

 

それにしても気に食わないね。

安い友情とか言ってるけど、じゃあ君のは安くないと言いたいのかな?かな?

 

賢吾「お前の狙いはなんだ?」

 

メテオ「俺はアリエス・ゾディアーツを探している。」

 

そこからメテオはリンクスがアリエスになりうる可能性を秘めていると話し、それまで放置しておけと言う。

それに激昂したフォーゼはメテオに何故アリエスを探しているのか問う。

だがそれにメテオは答える気がないと言う。

 

流石にキレていいよね?いいよね?

僕はメテオに向かって跳び蹴りを放った。

 

いきなりの攻撃に反応できなかったメテオは吹っ飛ぶがすぐに体勢を立て直す。

だが僕は隙を与えるつもりは無く、足技や八極拳など色んな武術を使いメテオを翻弄する。

余裕がなくなったメテオの隙を突き、頭部に思い切り蹴りを入れる。

軽い脳震盪を起こしたメテオは起き上がれずにいる。

 

メテオ「貴様!一体何を!」

 

彼方「うっさい黙っとけや。」

 

僕は殺意を込めた威圧を放つ。

それを受けたメテオは言葉を発せなくなる。

 

彼方「お前さっきから聞いてたらなんやねん。お前の目的達成する為に多くの生徒に犠牲になれ言うてんのか?おい?お前そんなことまでして何がしたいねん。お前に振り回された奴らはどないすんねん!あんまり舐めた口聞いてんとちゃうぞ?僕のダチを傷つけたりしたら絶対許さへんからな?」

 

僕はそう言うとその場を後にする。

流石にこんな空気の中に居れるほどメンタル出来てないもん。。。

 

 

 

 

to be continued...

 




いかがだったでしょうか~。


メテオ初登場回でしたが、正直全然フォーカスあてれませんでした。
むしろいつも通り彼方くん回でしたwww

彼方くんワンピースの世界行ったら間違いなく四皇レベルになるよ。。。
そんぐらいの覇気は持ってます、はい。


そして園ちゃんと絡ませました~。
まあきっかけは豊富だったのであとは内容を考えるぐらいでしたね。
それでも次回には多分。。。

スコーピオンは退場となってしまうのでしょうか。。。
そこは次回をお楽しみにしてくださいとしか言えない。。。



ではでは次回もお楽しみに~。


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弦・流・対・決

感想とかほんとありがとうございます。

今回ちょっとあれかもだけど...見てってくだしい。


ー友子sideー

 

先輩が黒い仮面ライダーを倒して去っていった。。。

 

正直あの仮面ライダーの言ってることを聞いて嫌な思いで一杯だった。

だって私たちが信じてる仮面ライダーは人知れず悪と戦う正義のヒーロー。

なのにあの仮面ライダーがやってることは正反対のこと。

自分勝手な理由で他人を傷つけるなんて許されない。

 

そう思ってた時に先輩の言葉が心に刺さった。

やっぱり先輩は凄い人だ。

あの人はゾディアーツだけど、心は仮面ライダーそのものだ。

 

そう思うと胸が熱くなる。

なんでだろう...?

弦太朗さんのことやフォーゼのことを思ってもこうはならないのに。

 

私が悩んでいるとメテオが去っていった。

私たちの敵だとハッキリ言って。。。

 

何か胸がざわつく。

この感覚になるといつも嫌なことが起きる。

まさか...誰かが居なくなるなんてことが起きないよね。。。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

ー彼方sideー

 

僕は紗理奈ちゃんと謁見の間に居る。

どうやら紗理奈ちゃんもメテオを見たらしく、叔父さんにメテオの正体を聞きに行くらしい。

多分だけど叔父さんも流石に知らないと思う。

そうじゃないとタチバナさんが行動してきた意味がない。

 

そう思いながらも叔父さんに聞く。

 

彼方「新たな仮面ライダー、メテオが現れました。」

 

我望「メテオか。。。私の宇宙に落ちて来た招かれざる隕石だ。」

 

紗理奈「理事長もご存じないのですか?」

 

我望「想定しないことが起こるのも、また宇宙の真理だ。未知の事象は観察し、考察し、その上で判断すればいい。」

 

すると紗理奈ちゃんが神妙な面持ちで叔父さんに聞く。

 

紗理奈「お願いがあります。もう一度だけチャンスをください。ホロスコープスとしての誇りを、取り戻させてください。」

 

紗理奈ちゃんはそう言い、跪いて頭を下げる。

まあメテオを倒すってことなら僕もやりたいし、人数が多い方が良い。

それに...紗理奈ちゃんにチャンスを与えてやりたいってのが一番大きいしね。

 

彼方「僕からもお願いします。今の所フォーゼとメテオは協力関係ではありませんが、もし共闘することがあったならばこちらも戦力が多い方が有利です。何よりラストワンを超えようとしている者の邪魔をするアイツらを放っておくわけにもいきません。」

 

僕はもっともらしいこと叔父さんに告げる。

それを聞いてしばらく考える叔父さん。

正直このままスイッチを返してもどうなるか分からない。

フォーゼは紗理奈ちゃんを倒した時以上に強くなってるし、不確定要素のメテオまで現れた。

それでもチャンスを与えるメリットが無いように見える。

 

だがそうなった場合は僕が全力で彼女を守る。

もし失敗したら今度は永遠の牢獄と言われるダークネビュラに追放されるかもしれない。

そうなった時のことを考えないと。。。

 

我望「仕方ない。もう一度だけチャンスを与えよう、スコーピオン。だが、今度失敗したら君はダークネビュラ行きだ。それを肝に銘じるがいい。」

 

叔父さんはそう言ってスコーピオンスイッチを紗理奈ちゃんに返す。

紗理奈ちゃんはパアと嬉しそうな笑顔になる。

 

紗理奈「はい!今度こそは必ず!」

 

彼方「ありがとうございます、叔父さん。」

 

我望「なに、彼方がサポートに付けばいい話だ。それにメテオの実力も見極めたいところでもある。頼んだよ。」

 

彼方、紗理奈「「はい。」」

 

そう言い僕達は謁見の間を出た。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ー翌日ー

 

朝、教室でリーゼントくん達と話す。

どうやら昨日あの後に編入生くんがラビットハッチに現れたようだ。

そして自分も仮面ライダー部に入れてほしいと。

だがそれをリーゼントくんが断ったらしい。

リーゼントくんによると本当の顔を見せてないからだそうだ。

ほんと人の行動とかには機敏だよね~。

 

そして授業が始まる。

一限目から大杉か~。

しかもテストだし。

 

やる気が出ないな~と思っていたら突如窓からダスタード達が侵入してくる。

いきなり現れた怪物に教室は騒然とする。

 

彼方「皆逃げろ!今すぐ校舎の外に行け!」

 

僕は声を張り上げ、皆を校舎から避難するように言う。

コイツらのオーラからしてあの天秤野郎が絡んでる。

てことはリンクスの仕業だろう。

 

彼方「リーゼントくん!多分天秤野郎の刺客だ!」

 

弦太朗「てことはリンクスも絡んでるな!」

 

彼方「そゆこと!取り敢えずコイツらをやっつけるよ!」

 

弦太朗「おう!」

 

僕らはダスタード達をやっつけていく。

編入生くんはどうやらどさくさに紛れて逃げたようだ。

僕もこれに乗じて紗理奈ちゃんに合流しようかな。

 

僕はダスタード達を次々と薙ぎ払いながら紗理奈ちゃんを探す。

すると天秤野郎が僕の前に現れた。

 

彼方「なんのつもりかな?」

 

リブラ「貴様は今回動かなくていい。私が全て導くのだよ。」

 

彼方「何小物臭いこと言ってんの?それにお前の役目は僕達のお膳立てだよ?」

 

僕がそう言うとサーペントと共に紗理奈ちゃんが現れる。

そのことに天秤野郎は驚く。

 

彼方「お前が来る前から合流できるように連れてきてもらったんだよ。どうせリンクス絡みだろうからフォーゼとメテオが必然的に現れる。なら合流して後を追った方が合理的だからね。」

 

サーペント「貴方のお粗末な作戦は台無しということですわね、彼方様。」

 

彼方「そゆこと~。相変わらず毒吐くね~。」

 

サーペント「あら?毒ならもっと強烈な物をお持ちの方がいらっしゃるじゃないですか。」

 

そう言って紗理奈ちゃんの方を見る。

それに驚く紗理奈ちゃん。

 

紗理奈「え、私!?」

 

彼方「まあ星座的にも中身的にも...かな?」

 

紗理奈「酷い!」

 

そんな漫才なことをしていると天秤野郎が杖を鳴らす。

それうるさいんだけど~。

 

リブラ「いつまでも遊んでいられると思うな。貴様は邪魔だ。ここで退場してもらおう。」

 

彼方「お前こそ邪魔なんだよ。早くあっちを追いかけたいんだけど。」

 

僕はそう言って変身する。

 

最初から飛ばしていくつもりだ。

 

オピュクス「サーペント、来い。」

 

サーペント「ただいま。」

 

サーペントはそう言うとオレの中に入っていく。

初めて見たのか二人とも驚いている。

 

リブラ「どういうことだ!?蛇座の能力にそんなものは無いはずだ!」

 

紗理奈「え!?なんで!?どういうこと!?」

 

オピュクス「ちょっと落ち着きな紗理奈ちゃん。ここからが本番だからな。」

 

オレはそう言うと力を高める。

そして。。。

 

オピュクス「ブラッドアップ」

 

いちいち『超新星』って言うのもあれだし、そもそもこれには合わない。

そう思いオレはこの変化に合う名前を考えた。

まあフォリアがブラッド族ってのもあって安直だが『ブラッドアップ』ってことにした。

 

オレが口にすると、身体を赤黒いスライムが覆いそれが結晶になる。

リブラはそこを突いてこようとするが、それよりも早く結晶が弾ける。

弾けた結晶から姿を現したオレはノヴァ態になっていた。

 

オピュクス「これがオレの『超新星』だ。」

 

紗理奈「彼方くんの、『超新星』。。。」

 

リブラ「この姿は...!?」

 

オレはリブラに動く隙を与えない。

オレはリブラをワープを使った攻撃でダメージを与えていく。

どこから来るのかわからない攻撃にリブラは翻弄され、攻撃を防げないでいる。

 

ある程度ダメージを与えるとリブラは膝を着いた。

 

リブラ「くっ!この私がこうもあっさりと!?」

 

オピュクス「おいおい、こんなんでへばってんじゃねえぞ。」

 

オレはそう言い右足に力を溜める。

すると右足にブラックホールが纏われ、地面がえぐれていく。

そしてオレはリブラに向かって大きくジャンプする。

 

オピュクス「トドメだ。ブラックホールフィニッシュ!

 

オレは前回転をつけたキックを放つ。

するとブラックホールがリブラに展開され、リブラはブラックホールの中に入りブラックホールが閉じられる。

そして逆再生をするかの様に戻り、大爆発を起こす。

 

大ダメージを受けたリブラは変身を解除してしまう。

地面を大きく転がり、服装は焼け焦げている。

 

速水「グハッ!?おのれ...!!!」

 

オピュクス「オマエに構ってる暇は無い。紗理奈ちゃん、行くぞ。」

 

紗理奈「え、ええ。。。」

 

オレは紗理奈ちゃんを抱き寄せるとワープする。。。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

フォーゼ達が戦っている港付近にワープすると、丁度リンクスがフォーゼに倒されたところだった。

フォーゼはリンクスのスイッチを切り、消滅させる。

そして変身を解除するが、そこに編入生が来てリーゼントを思いっきり殴った。

どうやら目星を付けていたリンクスがやられ、怒ってるようだな。

 

するとリーゼントはやっと本当の姿を見せたと喜んだ。

そしてメテオと会った時のことを話している。

 

紗理奈「今度こそ、仕留めましょう。。。」

 

紗理奈ちゃんはリーゼントたちを見てチャンスだと思ったのかスイッチを掲げる。

そしてスイッチを押し、スコーピオンへと変身した。

 

オレは『超新星』を解除し、マントを羽織る。

そして二人の下へと歩いて行った。。。

 

 

二人の下へ行くとリーゼントはマジだと警戒し、編入生を逃がす。

そして変身してオレ達と対峙する。

 

フォーゼ「ダブルでタイマン張らしてもらうぜ!」

 

オピュクス「そんな余裕があるのか?」

 

スコーピオン「今日という今日は容赦しない!」

 

サソリちゃんはそう言いマントを外しながらフォーゼに向かう。

オレもマントを外し、フォーゼに向かう。

 

サソリちゃんは足技で、オレは八極拳でフォーゼに攻撃していく。

完璧なコンビを組んでるオレ達の攻撃に手も足も出ないフォーゼはただやられていくばかり。

 

とそこに青い球体が降ってくる。

球体はオレとサソリちゃんに当たり着陸する。

その際にサソリちゃんがオレと離れてしまう。

 

球体からメテオが現れる。

 

スコーピオン「出て来たなメテオ。お前は私の獲物だ!」

 

メテオ「それはどうかな?お前の運命(さだめ)は、俺が決める。」

 

サソリちゃんがメテオに向かうと同時にオレもフォーゼに向かう。

オレは虚空から杖を出し、棍術でフォーゼを翻弄していく。

だが数回も相手しているからか、徐々に攻撃を捌いて行っている

 

ファイヤーステイツに変身したフォーゼは火炎弾を撃って距離を保とうとする。

オレは杖で火炎弾を弾くが、足元を狙われたりと上手く弾き返せないでいる。

一際大きい火炎弾を受けて後退したところでフォーゼがリミットブレイクを放とうとしてくる。

 

フォーゼ「ライダー爆熱シューート!!!」

 

だがオレはそれをワープで避けた。

サソリちゃんの近くにワープすると、メテオが腕の装備にスイッチを入れてリミットブレイクを放とうとしていた。

既に満身創痍なサソリちゃんはおぼつかない足でメテオに向かっていく。

 

オピュクス「ダメだ!今すぐ離れろ!」

 

だがオレの制止も空しく、メテオのリミットブレイクがサソリちゃんに放たれてしまう。

数々の連撃を食らい宙に浮いたサソリちゃんにトドメの一発を放つメテオ。

 

スコーピオン「認めない...!私の進化がこんなところで終わるだなんて!!!」

 

メテオ「それがお前の限界だ。」

 

スコーピオン「うわああああぁぁぁ!!!!!」

 

ダメージが限界を迎えたのか爆破したサソリちゃん。

オレは急いでサソリちゃんの下にワープし、フォリアに覆ってもらう。

流石にフォーゼ達に正体をバレるわけにもいかない。

 

メテオ「何!?」

 

ユウキ「え...?」

 

賢吾「あれはスライム?誰か分からないな。」

 

フォーゼ「どうなってんだ!?」

 

オピュクス「オマエ達に正体を知られる訳にはいかないんでな。」

 

オレはそう言うとワープする。

失敗したからには逃れられないあの場所に。。。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ーNO sideー

 

ー謁見の間ー

 

謁見の間に連れられた紗理奈。

その傍らには彼方が立っていたが、目を瞑りどこか苦しそうな表情をしている。

椅子に座ってる我望の隣には速水が堂々と立っていた。

服は焼け焦げたままで傷も処置されていないが、気に食わない相手が失敗したことに優越に浸っている。

 

紗理奈「お許しください理事長!」

 

紗理奈は我望に向かい土下座をする勢いで許しを請う。

だがその言葉は空しく我望から言い渡されるのは。。。

 

我望「園田君。残念だが君はもうこの学園には居られない。...ダークネビュラ行きだ。」

 

紗理奈「なっ!?」

 

無慈悲にも言い渡された判決。

紗理奈は必死に許しを請おうとするが、そこに恐ろしく響く笑い声がする。

笑い声と共に現れたのはヴァルゴ・ゾディアーツ。

処刑人としての役割を果たすべく紗理奈に近づく。

 

紗理奈「ヴァルゴ!?待って!それだけは!」

 

紗理奈は必死に制止を求めるが、ヴァルゴはそれを聞き入れず杖を掲げる。

すると謁見の間の天井に広がる星空が歪みだし、大きなワームホールが展開される。

禍々しさを醸し出すワームホールは対象を吸い込もうとする。

 

紗理奈は必死にあがくが抵抗は空しくどんどん吸い込まれていく。

最後に彼方の方に手を伸ばし助けを請う。

 

紗理奈「彼方くん!!」

 

彼方はそれを見て手を伸ばそうとするが時は既に遅く。

彼方の腕は紗理奈に届かず空を切った。

 

ダークネビュラへと送り込まれた紗理奈の跡には、スコーピオンスイッチしか残らなかった。

我望はスイッチを拾い天井を見つめる。

速水はダークネビュラがどれほどの物かを改めて知り、表情を強張らせている。

 

我望「リブラ。引き続き使命を果たしたまえ。」

 

速水「っ!はい。」

 

我望「彼方、少し残りたまえ。それ以外の者は解散だ。」

 

我望の一声で彼方以外の物は謁見の間を出ていった。

速水は出ていく時に彼方の下に行き。。。

 

速水「貴様もお叱りを受けろ。」

 

と呟き出ていった。

 

未だ心ここにあらずな状態の彼方を見る我望。

その目は子供を見つめる親の目であった。

 

我望「彼方。済まなかった。ケジメだとはいえ君の恋人をダークネビュラに送り込んでしまって。」

 

我望は甥の恋人を牢獄に送ってしまったことに少しばかり後悔していた。

無情にも思える判決を言い渡した我望だが、それはあくまで長としての判決であって彼方の叔父としての物ではなかった。

 

それを聞いた彼方は俯かせていた顔を上げる。

だがその表情には先ほど漂わせていた雰囲気が消えていた。

それを不思議に思った我望。

 

彼方「大丈夫だよ叔父さん。組織の長としての役割は間違っていないんだから。それに。。。」

 

彼方は言葉を区切ると突如彼方の隣にワープホールが開かれる。

その中からサーペント・ゾディアーツとダークネビュラへ行ったはずの紗理奈が抱えられていた。

 

我望「どういうことだ!?」

 

彼方「ダークネビュラとここの境目にワープホールを展開させたんだよ。それでサーペントに紗理奈ちゃんを助けさせてここに居てるってわけ。」

 

我望「何と言うか...私の想像以上のことをやってのけたな。。。」

 

流石の我望も彼方がやってのけたことに言葉が出ない様子。

それもそのはず。

あそこまで絶望した表情をしておきながら、裏ではちゃっかり紗理奈を助け出しているのだから。

彼方の演技力もそうだし手際の良さも目を見張るものがある。

 

だがそれでもタブーを犯したようなもの。

彼方に対して厳しいことを言わなければならない我望は、気を引き締める。

 

我望「だが彼方。お前がやったことはやってはならないことだと分かっているな?」

 

彼方「それは分かってるつもりだよ。どちらにしろもう紗理奈ちゃんは前線には出れないからね。僕が引き取って僕のサポートを取らせる形にさせるよ。スイッチも叔父さんがそのまま持っていて。」

 

我望「そこまで織り込み済みだということか。」

 

彼方「そうしないとこんなことできないからね。とにかく紗理奈ちゃんのことはこれでいいかな?」

 

我望「ああ。お前もきっちりケジメをつけているようだからね。早く帰りなさい。」

 

彼方「はい。叔父さんもお疲れ様。」

 

彼方はそう言うとサーペントと共にワープした。

一人残った我望は椅子に腰かけ溜息を零す。

 

我望「私でさえ欺くとはね。。。恐ろしい子だよ、私の甥っ子は。。。」

 

そう告げるが、その顔は暖かい親の顔だった。。。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ー彼方sideー

 

家にワープした僕達。

 

正直今回のことは上手く行くか微妙だったが何とか行ってよかった。

これで紗理奈ちゃんを守ることが出来た。

演技だったとはいえ紗理奈ちゃんのあんな顔を見るのは耐え難いものだった。

 

僕は変身を解除したフォリアから紗理奈ちゃんを受け取り、家の中に入る。

するとソラリスが迎えに来る。

 

ソラリス「おかえりなさい。その方は?」

 

彼方「ただいま。今日から同居者になる人だよ。取り敢えず彼女を寝かすから。」

 

ソラリス「分かったわ。ご飯の準備は出来てるわよ。」

 

彼方「後で食べるよ。フォリアとソラリスは先に食べておいて。」

 

ソラリス「そう...、分かったわ。」

 

ソラリスはそう言うとフォリアと一緒に家の中に入っていった。

僕も取り敢えず紗理奈ちゃんを寝かせる為にベッドを置いてある空き部屋に向かう。

 

部屋に入りベッドに紗理奈ちゃんを寝かせた僕は、家の中から椅子を持ってきてベッドの傍に座る。

眠っている紗理奈ちゃんだがその表情は苦しそうな顔をしている。

僕がさせてしまったんだと思うと、胸が痛む。

助けだす為だとはいえ、見放すような真似をしてしまったことを悔いている。

 

僕は紗理奈ちゃんの手を取り祈るように握っていると紗理奈ちゃんが目を覚ます。

 

紗理奈「ん...ここ、は...?」

 

彼方「起きた?」

 

紗理奈「彼方、くん?...!?彼方くん!」

 

紗理奈ちゃんは意識がはっきりしたのか僕に飛びついてくる。

僕は倒れないように抱き留める。

 

紗理奈ちゃんは必死に離さないとでもいうように強く抱きしめてくる。

僕はその様子を見て心が痛む。

 

彼方「ごめん...ほんとにごめん。。。」

 

紗理奈「ううん...助けてくれたのでしょ?あの時彼方くんの目を見たらそんな気がしてたの。だからそこまで怖くなかったわ。」

 

彼方「でも僕は...、紗理奈ちゃんを見捨てるような真似を。。。」

 

紗理奈「そんなこと気にしてないわ。私を助ける為には仕方なかったことなんでしょ?ならいいわよ。好きな人が助けてくれた。それだけで充分許せるわよ。。。」

 

紗理奈ちゃんはそう言って優しく抱きしめてくる。

僕はそれに思わず涙をこぼす。

 

彼方「ありがと...ほんとありがとね。。。大好きだよ、紗理奈ちゃん。。。」

 

紗理奈「フフッ、私も大好きよ。彼方くん。。。ん。。。」

 

紗理奈ちゃんはそう言うとキスしてくる。

僕はそれを受け入れキスをし返す。

やがてそれは激しくなっていき、お互いを求めあっていく。

 

長い間口づけを交わしていた僕達は一度離れる。

もちろん僕達の間には銀色の橋が出来上がって。。。

 

紗理奈「ねえ...今日はずっと一緒に居たいの。」

 

彼方「っ...それって。。。」

 

紗理奈「...ええ。私を、好きにして。」

 

僕はその言葉と共に紗理奈ちゃんに飛びつく。

そのまま口づけを与えていく。

紗理奈ちゃんもそれに応じて僕の身体に口づけを落としていく。

 

こうして僕達二人は溶けあっていった。。。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ーおまけー

 

ふと目が覚めるといつもの部屋の景色じゃなかった。

それにやけにスースーするし。。。

 

そう思っているとふと身体に感じる柔らかい感触を思いだす。

あれ?何だろこれ?

そう思い重たい瞼を開けると、目の前には幸せそうな表情をして眠ってる紗理奈ちゃんが居た。

よく見てみると肌色だらけだけど。。。

 

ってあれ?紗理奈ちゃんもしかして裸...!?

ついでに僕も裸!?

なんでぇ!?どゆこと!?

 

彼方「どうなってんのぉぉぉぉ!?」

 

 

衝撃的な目覚めによって叫んでしまった僕。

あの後叫び声によって目覚めた紗理奈ちゃんから聞いた激しかったね発言。

これによってもうひと叫びしちゃったんだけど。。。

 

よくよく思い出したらそうだ、自分から襲ってんだ。

まさか高二で卒業するとは思わなかった。

皆...僕飛び級しました。。。

 

ってボケは置いといて。

まあこうなったからには責任はもちろん取るわけで。

取り敢えずは今日から紗理奈ちゃんはこの家に住むことを伝えた。

もちろん立場的に非常に危険な立場だから納得してくれたし、むしろ嬉しいと言われたまで。

 

取り敢えず適当に服を着た僕らはリビングに行ってお互い自己紹介して。

そこから紗理奈ちゃんと今後暮らす為に必要な物を買いに行った。

 

正直言って女性陣の仲はどうなるか分からなかったけど、予想と違って皆仲良くしている。

やっぱラバーズの結束力ってすごいんだね。。。

とあるラノベのラバーズは暴力だらけで正直怖すぎたけども。

 

その晩は何故か知らないけど皆仲良く僕の部屋にやって来た。

しかも僕を誘ってるかのようなランジェリーを着て。

そういうことかと聞いたら皆誘うような顔で頷いたから皆揃って食べちゃいました。

 

え?感想?

そりゃ...大変おいしゅうございました。

 

 

 

 

to be continued...

 




いかがだったでしょうか~。


スコーピオンは退場していきましたね。
まあ園ちゃんは退場しませんでしたが。

ここで補足しておくと、あのワープの能力はフォリアも使えます。
まあ言ったらエボルトと同じようなスペックと思ってくれて構わないです。
まあ現時点だと、大体フェーズ1あたりの力しかないですが。。。
それでも充分強いですねw


そしてフォーゼもどんどん強くなってますね。
原作よりは多分強くなってると思います。
だってリブラより強い相手に対応していってるんですから。

原作のこの時点と比べると幾分かは強くなってると思います。
それに対して彼方くんの強さも引きだたせていけるように頑張っていきます。


さてさて次回から園ちゃんは裏方に回ります。
言ったらソラリスと同じ立ち位置です。
まあおまけや本編内でもちゃんと絡ませていきますのでお楽しみにしてください。

そして次回はドラゴン&マグネット回。
流星くんは名言を残しますが、この小説の中ではどうなんでしょうかね~。
ちょっとアンチ気味になっちゃってますが、ちゃんと和解させていきますよ。


ではでは次回もお楽しみに~。


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鋼・竜・無・双

もうすぐ2万UA行くよ!
みんなありがとう!

それと今回のおまけは忘れてたあれ!


ー彼方sideー

 

僕が大人の階段を上った日から数日。

 

あの夜から皆の甘え度が増してきた。

別にされてる方は気分が悪いもんじゃないけど、体力が持たない。

いくら訓練しても未だにアレはキツイってなるよ。。。

だって朝までぶっ通しだよ?

 

そんな日常を送ってるけど、ライダー部の方は順調のようだ。

編入生くんもすっかりライダー部に馴染んだというか入り込めたというか。

愛想だけはいいから皆から好かれてるけど、僕とフォリアはまだ警戒している。

何かやらかさないかを監視しているが、タチバナさんも監視しているから当面は大丈夫だろう。

 

そして今はラボで編入生くんがスイッチのロールアウトを行っている。

どうやら優等生なのは確かなようで、タチバナさんに教え込まれたのか難なくやっている。

そのおかげで29番までのスイッチがロールアウト出来た。

と言っても歌星が最終調整手前ぐらいまでやっていたからそこまで難しくもないけどね。

 

お?どうやら28番の最終調整が終わったようだ。

リーゼントくんにスイッチを渡して実験するように言う。

それを受けたリーゼントくんは実験室に行き変身する。

そして早速渡されたスイッチを起動する。

 

『Hand! ON』

 

音声と共に右足に腕が付いたモジュールが装着される。

ん?どうやら歌星と城島が来たようだ。

ってあれ?何か歌星の顔が険しいけど。。。

 

歌星が見つめる先には編入生くんが。

まさか...嫉妬?

 

歌星はラボに突っ込んでいきそうな勢いで行くから慌てて僕が止める。

 

彼方「落ち着いて落ち着いて。」

 

賢吾「何故だ。あそこは俺の。。。」

 

彼方「直ぐにキレるのは良くないよ?それにアレはリーゼントくんがやらせたんだよ。」

 

賢吾「如月が...?」

 

そう言うと実験室の方からリーゼントくんが出て来た。

どうやら実験が終わったようだ。

 

弦太朗「あぁ賢吾。俺が流星に言ったんだ、やってみろって。」

 

賢吾「如月...お前が?」

 

弦太朗「俺はコイツの心の中身がもっと見たい!その為にも部の中で役割がいるだろって思ったんだ。」

 

JK「したら!意外と機械系の要領が良かったんですよ~!」

 

美羽「そうなの!」

 

隼「あっという間に新スイッチを幾つか調節しちまった。」

 

友子「新しい出会いが刺激に変わったのよ。エビフライにかかった納豆のように。。。」

 

いやそれどんな刺激?

なんか合わなそうで合いそうな何とも言えない組み合わせだね。。。

 

だがこの空気は悪い。

皆が編入生くんを褒めている。

だがそれは今の場合悪手だ。

 

歌星の気持ちを考えないで皆言っている。

その内爆発してしまうかもしれないね。。。

 

フォリア『この状況は最も悪いものですね』

 

フォリアも分かるみたいだね。

 

フォリア『よくあることですよ。兄弟とかなら尚更。私たちの王とかもそれですし。」

 

え?あのサイコパス王って兄弟いたの?

 

フォリア『ええ。弟が居ましたよ。彼の場合はゲームメイカーというようなところですかね。人々が苦しみもがく様を見て愉しんでましたね。』

 

うん、やっぱサイコパスの弟はサイコパスだった。

しかも周りに一番害を与えるやつだ。

 

案の定リーゼントくんが手を差し出してもその手を歌星は取らなかった。

こりゃヒビが入っちゃったかな?

後でケアしとかないと今後の活動に響くぞ。。。

 

美羽「今は30番と31番を最終調整中よ!」

 

賢吾「30番31番だと!?」

 

歌星はそれを聞くとラボに駆け寄る。

おっといきなり地雷踏み抜いちゃったか~。

今までを振り返ると、多分その二つはステイツチェンジの力を持つはずだ。

しかも今までと違って二つのスイッチを使うということはそれだけ強力な物。

 

歌星はラボに入り、機械に入っているブランク状態のスイッチを見る。

 

賢吾「マグネット...NとS。」

 

流星「その二つのスイッチどうやらペアのようです。」

 

マグネットだからスイッチが二つなのね。

これは上手く使えばゾディアーツを倒すのもスイッチャーを探すのも大幅に捗るぞ。

 

賢吾「これだけはよせ!」

 

すると歌星が声を荒げスイッチの開発を止めるように言う。

確かに今回の場合はスイッチが二つという未知の要素がある。

安易にスイッチを完成させたところでスイッチの力を発揮できない可能性がある。

それこそエレキの時のような状況になるだろう。

 

いきなり変わった歌星に皆困惑する。

その様子を見て歌星は一旦は熱が冷める。

だが釈然としないというような表情をしている。

 

舞い降りた隕石は厄介なクレーターを作ってくれたな。。。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

結局あの後もギスギスしたままだった。

だけどそんな歌星を放っておいて、編入生くんは歌星が居ない間に例の二つのスイッチをロールアウトさせた。

正直言って不安定な力を持つ二つのスイッチを使えばどうなるかは見るまでもない。

 

そう思いながらもリーゼントくんに渡すところを見た僕だった。

だけどもう一つ嫌な気分にさせる奴が。。。

 

 

僕は今リーゼントくんと二人で大杉に呼ばれている。

教室に向かうと座れと言われ、用意されてある椅子に座る。

 

そこから始まる愚痴の数々。

というか主に紗理奈ちゃんへの想い。

どんだけ紗理奈ちゃんのこと好きなんだよ。

てかどんなに想っても無理だよ。。。

だって...頂いちゃったんだもん☆

 

...なんか悪いヤツみたいな感じになってない?

でも仕方ないでしょ!?だって紗理奈ちゃんは僕の彼女なんだもん!

それを言って何が悪いんだ!

 

まあ流石に声に出して言わないけどね。

だって言ったら絶対めんどくさいことになる。

主に目の前の人が。

 

結局大杉は泣きながら教室を去っていった。

それを見たリーゼントくんは紗理奈ちゃんに何かあったと心配する。

ごめんね、めっちゃ元気だよ。

 

そこに城島と編入生くんが来てライダー部の出番だってなる。

いや、どうやっても意味ないから。

ちゃんと僕の家でお留守番してるから。

はぁ...帰ったら紗理奈ちゃんを愛でよ。

 

そう思ってると教室に歌星が入ってくる。

鬼の形相かというような感じで入ってきて、リーゼントくんが手に持っているマグネットスイッチを取ろうとする。

リーゼントくんはそれに抵抗する。

 

歌星はリーゼントくんのことを身を案じてスイッチを調整すべきだというがそれを聞かないリーゼントくん。

流星を信じろの一点張りで抵抗する。

だからそれは悪手なんだって。

なんで人の行動や感情には機敏なのに、こういうとこは鈍感なんだろ?

 

歌星は例の頭痛によって倒れてしまう。

リーゼントくんはそれを見て手を差し出すが、歌星はそれを払いのける。

 

賢吾「友達面して触るな!」

 

弦太朗「え...?」

 

賢吾「君とは、もう友達じゃないと言ったんだ。。。君とは、絶交だ!」

 

歌星は立ち上がりそう言うと教室を出ていく。

ありゃりゃ、溝が出来上がっちゃった。

まあ今回はどっちかっていうとリーゼントくんが悪いからね~。

 

彼方「ダメだこりゃ。歌星の気持ちわかってないんだもんね~。」

 

ユウキ「うぅ...なんで~。賢吾君。。。」

 

そして元凶さんは冷めた目で見てらっしゃる。

ほんとアンタが余計なことしたんだよ?

ちょっと嫌味でも言って帰ろっと。

 

彼方「ほんと期待の新人ぶってるけど、今まで頑張って来た彼には誰も耳貸さないなんてね~。結局君たちの絆ってそんなもんなんだね。」

 

弦太朗「それって。。。」

 

ユウキ「どういうこと...?」

 

流星「。。。」

 

僕は何も言わず教室を去る。

そして歌星を追いかけた。

 

彼方「お~い!」

 

賢吾「っ...、我望か。お前は引き留めに来たのか?」

 

彼方「別に~。あれはリーゼントくんが悪いからね~。」

 

賢吾「...てっきり俺に仲直りをしろと言ってくるかと思ったが。」

 

彼方「無理無理。今の君たちにそれは悪手だよ。多分お互いのこと信頼しきれてなかったんだよ。というかお互い一方通行すぎ。ちゃんと言葉にすればいいのに。」

 

賢吾「俺はアイツの為を思って!」

 

彼方「それは分かってる。君が今までやってきたことは凄いことだよ。フォーゼシステムを完成させ、スイッチをロールアウトしていく。40個ある内の31個まで出来上がった。それだけでも充分すごいことだよ。でも彼を思ってるんだったらちゃんと言葉にして伝えないと。いくら信頼しているからって伝えきれてなくて別れることもあるんだから。」

 

賢吾「...俺は。」

 

彼方「ま、ゆっくり考えたらいいよ。幸い時間は出来たんだし。」

 

賢吾「ああ。。。」

 

歌星はやっと冷静になったようだ。

正直二人に信頼関係は固い物になっているが、どこか突けば崩れ去るような危うさを持っていた。

それが今回起こってしまっただけだ。

 

まあ彼らには一度頭を冷やしてそれぞれの悪かったところを見つめ返してもらわないと。

歌星にはもうちょっと頭を柔らかくしてほしいな。

 

そう思いながら歩いていると陸上部が部活しているグラウンドに出た。

すると歌星が一人の女子を見る。

見てみると実戦形式で走っているが、周りと比べて遅い。

だけどあのフォームって合ってなくない?

 

そう思いながら見てると歌星が声をかける。

 

賢吾「どうした江川!らしくない。」

 

江川「賢吾君!それに我望君も!」

 

江川はこっちに走ってくる。

どうやら歌星と江川は知り合いらしい。

それにしても僕ってそんなに有名なの?

 

二人は僕を置いて話している。

あらあら~、何やらいい雰囲気じゃないの~。

 

歌星は江川の不調の原因が分かったと言い、それを聞いた江川は教えてと請う。

だがそこに乱入者が現れる。

 

陸上部部長の野本仁。

数々の大会でトップを掴んできたこの男。

ほんと怖い。今も歌星に睨みんでるけどマジ怖い。

 

野本「部外者のアドバイスは困る。それに、うちの部は恋愛禁止だ。」

 

賢吾「彼女とは一年の時の旧友だ。そんな仲じゃない。」

 

野本「友達なら、江川の心を乱すようなことはしないでくれ。」

 

あららやっぱ周りからみてもいい雰囲気になってたんだね。

それにしてもストイックなのはわかるけど、流石に人に頼む態度じゃないでしょ。

それに今のはどっちかっていうと野本が江川の心を乱したんじゃないの?

実際歌星の観察眼は結構優れてるんだよ?

多分記録が伸びると思うんだけどな~。

 

野本「我望、お前も関わらないでくれ。医者志望なのは知ってるが別にスポーツドクターになるわけじゃないだろ。」

 

彼方「まあ確かにスポーツドクターにはならないけど、それでも一通りは知識として入ってるんだよ?それに患者は色んな人が来るからね。どれにでも対応できるようにしてるんだけど。」

 

賢吾「それってどのぐらいだ...?」

 

彼方「まあ一応全ての科は一通り。まあ流石に専門科には負けるけどね。」

 

賢吾「何だと...!?それって途方もないことじゃ。」

 

彼方「そうだけど、それで救えるなら喜んで自分を虐めるよ。」

 

野本「とにかく、お前らはうちの部員には関わらないでくれ。俺らには専属のトレーナーも居る。お前の助けは不要だ。」

 

彼方「はいは~い。」

 

僕がそう言うと野本はこっちを睨みつけながら去っていった。

ほんとなんで僕にまで飛び火するのかな~。

 

賢吾「それにしてもお前、すごいな。。。」

 

彼方「いやいやそれを言うなら歌星の方だって。一人でフォーゼ関連の物を作って来たんだから。そっちの方が凄いよ。」

 

賢吾「いや、俺はただ自分のやれることをやってるだけだ。それしかやれないからな。」

 

彼方「それは僕も同じだよ。僕がやれるのは助けることだけだから。人それぞれそういうとこがあるんじゃないの?」

 

賢吾「確かにそれはあるかもな。。。」

 

ちょっとしたヒントを与えたつもりだけど分かってくれたかな?

まあ人それぞれ向き不向きがあるんだからね~。

それを理解し合うのも大切だと思うけど。

 

そう思ってると突然爆破音が聞こえる。

僕らはすぐさま音のする方に向かう。

 

するとそこには爆破され燃え上っている車があった。

もしかしてゾディアーツの仕業か?

 

そう思ってるとリーゼントくん達も音を聞きつけて来たようだ。

鉢合わせてちょっと気まずい空気になるが、今はそんなことを気にしてる場合じゃない。

 

すると燃え上った車を投げ捨て出てくる怪物の姿が。

その身は鱗で覆われ、鉄の鎧を着ているかのような音を出している。

腕には龍を象った皮膚が付いている。

 

星座からしてりゅう座、ドラゴン・ゾディアーツってとこかな?

ドラゴンは雄たけびを上げながらこちらを威嚇する。

 

それを見たリーゼントくんはフォーゼに変身する。

変身したフォーゼはドラゴンに向かって一発殴るが、硬すぎる肉体に逆にダメージを与えられる。

やはりドラゴンなだけあって簡単に傷つくような身体を持ってないか。。。

 

今度はドラゴンが一発殴り返す。

硬さもあってか威力のあるパンチにフォーゼは吹っ飛ぶ。

 

ドラゴン「わが師マスター・リブラの命により、お前を倒す!」

 

ドラゴンはそう言いフォーゼにゆっくり近づく。

ドラゴンはバトルジャンキーの様なことを言うが、その中に気になるフレーズが。

高いハードル...?そんなことを普通言うか?

流石に厨二じゃないから言わないだろう。。。

 

もしかしたらスイッチャーは陸上部関係の奴かもしれないね。

そう思いながらも戦闘を見る。

 

フォーゼはエレキやファイヤーを使いながら戦うが全然歯が立たず。

エレキの場合はむしろエネルギーを逆に利用された。

まあ鉄の身体なら電気を流すこともできるからね。

 

一方的な戦いを見た編入生くんはマグネットを使うように言う。

こうなりゃ実戦でテストなんて言うが、正直いい手とは思えない。

歌星もフォーゼに辞めるように言う。

 

だがフォーゼはそれを聞かず、マグネットスイッチをドライバーに装填して起動する。

するとベースに戻ったフォーゼの両腕にそれぞれN極とS極の様なモジュールが装着される。

 

がしかし。

案の定力が安定せず、コントロールできない磁気によって両腕は引き合い、そして周りにある金属製の物を引き寄せる。

流石のドラゴンも身体が鉄な所為で引き寄せられるが、近くの看板に捕まりなんとか耐えている。

そしてドラゴンはそのまま逃げていった。

 

だがのんびりしている暇はない。

マグネットの磁気が二台のトラックを引き寄せている。

このままじゃフォーゼはトラックにサンドイッチされる。

 

僕はすぐさまフォーゼに近づき、ドライバーを探す。

色んなもので埋め尽くされてドライバーが埋もれていたが、何とか見つけた。

そして僕はマグネットスイッチをオフにし、ついでに変身も解除させる。

 

変身が解除されたことにより、発生していた磁気は止み、リーゼントくんにくっついていたものが全て取れる。

何とかなり一息つくが、もう一山ありそうな気がする。。。

 

賢吾「こうなることは分かっていた...、分かっていたのに!!!」

 

歌星の怒りは再発する。

それを見てリーゼントくんは気まずそうにする。

 

取り敢えずドラゴンの対策を考えないといけないから、二人を無理やりラビットハッチに連れていく。

ほんと早く仲直りしてーーー!!!

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ーおまけー

 

今日は美羽とのデートの日。

 

話には上がってたけどここ最近忙しくてお互い中々時間が取れなかった。

だけど何とか時間を作れることができ、デートが出来ることになった。

 

ちなみにフォリアたちは家でくつろいでいる。

まあデートがあることをちゃんと言ってきたからね。

 

そんなこんなで定番の待ち合わせ場所となった校門前で待っている。

と言ってもさっき来たばっかなんだけどね。

 

いつものように本を読んで待ってようと思うと美羽の声が聞こえた。

僕は本を閉じて声のする方を見ると、美羽が手を振りながらこっちに来ている。

 

寒くなってきたからか、ピンクのニットに白のコートを羽織ってる。

足はストッキングに長めのスカートと防寒はしっかりしてるみたい。

 

美羽「ごめん~、待った?」

 

彼方「全然。さっき来たばっかだから。」

 

美羽「そう。それじゃあ早速行きましょ?」

 

彼方「そうだね~。」

 

僕らは手を繋いでデートを開始した。

 

 

今日は美羽が行かなそうなところを行くということになっている。

まああのラーメンを知らない美羽だからどの程度まで知らないのかはわからないけどね。

 

取り敢えずファミレスに入って軽めに昼を食べる。

だがここでまさかのお嬢様が発動した。。。

 

美羽「ねえ彼方。このドリンクバーってどうすればいいの?お金はいるのかしら?」

 

彼方「え?まさか、ドリンクバーを知らないの?」

 

美羽「え、ええ。今までファミレスに来たことがないから。。。」

 

まさかのファーストファミレスだったとは。。。

いや一応この可能性は考えたんだよ?

でも珠ちゃんとジュンと一緒に来たことはあるだろうと思ってたけど。。。

 

僕は取り敢えずドリンクバーの使い方を教えた。

その時にあの値段でいくらでも飲み放題なの!?と驚かれたのは笑っちゃったけど。

一応金銭感覚は普通なんだと思った。

 

その後も美羽はちょくちょく知らないことを見つけては僕に聞いてきた。

その時の美羽の瞳がまるで玩具を見つけた子供みたいで思わず抱き寄せてよしよししちゃった。

僕は悪くない。可愛い美羽が悪い。

 

そうしながら来たのはゲーセン。

案の定美羽はゲーセンを話に聞くだけで来たことはなかったみたいだった。

 

彼方「さてさて。まずは何からやりたい?」

 

美羽「そうね...、あっ!あれなんかはどうかしら?」

 

そう言い美羽が指さしたのは某配管工と愉快な仲間たちがレースをするゲームだった。

確かにあれだったら楽しめそうだな。

 

僕は頷き、二人でゲームする。

最初は僕が勝っていたが、後半からコツを掴んだのか徐々に美羽が勝ち越していく。

それを見て本気になった僕が最終的に勝ち越したんだけどね。

それにしても最後の赤甲羅は危なかった。。。

咄嗟にバナナを生け贄に出来たからよかったけど。。。

 

その後も色んなゲームをして楽しんだ僕達。

とそこで美羽の足が止まる。

どうしたんだろと思い見てみると、美羽はクレーンゲームの景品であるぬいぐるみを見ていた。

 

彼方「あれが欲しいの?」

 

美羽「え、ええ。どうやって取るのかしら?」

 

彼方「これはこの二つのボタンを押してクレーンの位置を調節するんだ。それで後はあれが取れるかって感じかな。」

 

美羽「そう。。。一回やってみるわ!」

 

美羽はそう言い早速五百円を入れていく。

あ、失敗する前提なのね。。。

いや、どっちかっていうといっぱい取るっていうことかな?

 

それから美羽はクレーンゲームに挑戦していくが、ことごとく掠っていく。

たまに掴んだりするが、重さで直ぐにアームが外れてしまう。

 

そうこうしていく内に遂に一葉さん一人分が消費されようとしていた。

そこで僕が一回変わってやってみるとあら不思議、簡単に取れちゃった。

美羽は最初は悔しがっていたが、やっぱり取れたことが嬉しいのか喜んでいた。

 

まだできる回数は残っていたから、僕は店員さんを呼んで景品を移動してもらう。

そこからは僕の無双が始まった。

 

移動されたぬいぐるみをことごとく取っていき、残っていた回数分全部取れてしまった。

美羽はその様に唖然としていて、目の焦点が合っていなかった。

僕は慌てて美羽を呼び戻し、半分ずつ持って帰ることにした。

 

 

そして帰路に立つ僕達。

お互いの手にはゲーセンで取ったぬいぐるみがぎっしり詰まった袋が握られていた。

ほんと取り過ぎたってのは分かってる。

あの後取り過ぎたから流石に気を利かせたのか、店員さんが他のぬいぐるみと交換してくれた。

まあ同じぬいぐるみが何体も飾ってあるってよっぽどのマニアじゃないからね~。

使用、保存、観賞、布教って四拍子を揃えるつもりはないしね。。。

 

お互いの手を握りながら歩いていると美羽が話しかけてくる。

 

美羽「今日はとっても楽しかったわ。色んな事も知れたしね。」

 

彼方「あそこまで知らなかったのは驚いたよ。」

 

美羽「だって今まで行ったことないんだもの。」

 

彼方「そこは流石お嬢様だよね。。。」

 

美羽「もう!」

 

彼方「ハハッ!ついつい苛めたくなっちゃうんだよ。」

 

ほんと美羽っていつも上からな感じで行ってくるけどたまにポンコツ出してくるからね~。

そこを突くと加虐心がうずいちゃうんだよね~。

 

そうしてると校門前に着く。

流石に今日は荷物が多いから美羽は車を呼んだらしい。

まあ仕方ないよね。

 

その校門前には車が一台停まっていた。

美羽の家の車だ。

 

デートはここまでらしい。

 

彼方「今日はここまでみたいだね。」

 

美羽「そうね。ねえ彼方。。。」

 

彼方「何?」

 

僕は名前を呼ばれ美羽の方を向くと、唇に柔らかい感触が。

僕は瞬時に理解し、美羽を抱き寄せる。

すると美羽も僕の意思が伝わったのか抱き着いてくる。

 

そうして少しの間キスをしていると、車の方から咳払いが聞こえてくる。

それを聞いた僕達は咄嗟に離れる。

お互い顔が赤くなっている。

 

彼方「僕達っていつもこんな終わり方してない?」

 

美羽「そう言えばそうね。いつかは満足するまでしたいわね。」

 

彼方「確かに。」

 

美羽「そう言えばいつかにお泊りの話をしてたわね。今度しましょうよ。」

 

彼方「いいね~。どうせなら珠ちゃんとジュンも呼ばない?」

 

美羽「そうね。あの二人はうちに何回も来たことあるからね。それじゃあまた今度話しましょ。」

 

彼方「うん。じゃあね~。」

 

美羽はこっちに手を振りながら車に乗っていく。

車が発進してもしばらくこっちに手を振り続けていた。

ほんとああいうとこは可愛いよね。

 

さーて...、このぬいぐるみはフォリアとソラリスにそれぞれ何個かあげるか。。。

流石に僕の部屋に全部はいらないかな。。。

 

 

 

 

to be continued...

 




いかがだったでしょうか~。


今回は書いてる途中でこりゃ長くなるなと思い、三話完結という形にしました。
なのでそこらへんはご理解ください。


さて冒頭ではちょっとアレな事情を話した彼方くん。
正直言うとどういう形で始めたらいいか悩みましたね。
でもまあ今回はこんな形で落ち着いた...のかな?笑

そして彼方くんは賢吾のメンタルサポートをしています。
まあそこは医者志望の彼方くん。心理学とかも学んだりしていたりします。
まあ患者さんのケアは大事ですもんね。

そのおかげで賢吾は原作よりも冷静ではあります。
まあ弦ちゃんがやらかすと直ぐに発火するのでそこまで意味はないかもですが。。。
それでもそこまで酷くはなりません。
そして今後は弦ちゃんに対してドストレートに想いを伝えていきます。

ほんとなんでメインヒロインが賢吾じゃないんだろう。。。
ツンデレ発揮し過ぎでしょ。。。


そして文字に余裕が出来たのでおまけを入れました~。
久しぶりのデート回はどうでしたか~?

正直ファッションには疎すぎて周りから引かれるレベルかもなんでそこは許してください。。。

美羽はお嬢さまキャラということでもしかしたらあんなことを知らないかもと思い色々出しました。
まあラーメンを知らなかったんですからこれぐらいはあり得るかもと。。。

ドリンクバーの件は分かる人にはわかるネタですね。
自分あの作品好きなんですよ。特に主人公が。

そして彼方くんの無双は闘いだけにあらず笑
クレーンゲームでも無双してしまいましたね笑
まあその前に美羽が一葉さん使い果たしたところを見てコツは分かったんだと思います。

どれだけ取ったのかは伏せときますね。
まあラウワンとかでもらうような袋がぎちぎちになるぐらいとだけ言っておきます。
ちなみにサイズはまあ...プラモぐらいの高さだとだけ言っておきます。。。



ではでは次回もお楽しみに~。


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友・情・反・発

ー彼方sideー

 

ドラゴンが去った後。

取り敢えず僕は二人をラビットハッチに連れて行った。

 

リーゼントくんがやらかしたのは確かだが、それをあの場で言い争っても解決はしない。

今はマグネットスイッチの制御をどうするかを考えるべきなはず。

 

まああの強力な磁気なら相手に向かって飛ばすこともできるはず。

例えばコントローラーの様な形にして操るとか。

だがそうなるとフォーゼの身体には砲台が装着されることになる。

流石にそれだと攻撃のバリエーションが薄い。。。

 

そう考えながら目の前で起こってる修羅場を眺める。

 

フォリア『ああいう修羅場は大好きです!』

 

はいはい、お前はほんとそういうの好きよな。

負の感情が渦巻いてるところとか。

 

フォリア『流石私の彼氏ですね~。知ってもらえて嬉しいですよ。』

 

うっせ、照れるやないかい。

 

それにしてもと思い僕はマグネットスイッチを取る。

この何かに接続できそうなジョイント。。。

ほんとに僕が考えてるコントローラーみたいに出来るんじゃないの?

 

友子「この二つのスイッチ、今までの物とは全然癖が違う。」

 

友ちゃんは僕が持っているスイッチを見てそう言う。

確かに今回のはエレキの様にはいかないからね~。

 

弦太朗「でもそいつらが仕上がれば、勝てるんだろ?」

 

美羽「問題はその方法でしょ?...可能なの、賢吾君。」

 

美羽は歌星に聞く。

多分歌星は教室に来る前に考え付いているはずだ。

僕の考えと同じかもしれないけど。

 

賢吾「君はどう思う?...朔田。」

 

歌星はなんと編入生くんに聞いた。

まあ編入生くんも考えているだろう。

多分タチバナさんの助力を借りて。

 

流星「この二つだけは制御端末を付けるべきかもしれません。携帯電話の様な情報機器か、或いはコントロールレバー。」

 

編入生くんはそう言い設計図を見せてくる。

いやそんな物まで用意してるのかよ。

 

賢吾「俺も同意見だ。」

 

歌星が言った言葉に全員驚く。

何せ歌星が編入生くんのことを認めたと取れるような言葉だからだ。

 

歌星はカバン型パソコンを開き、操作する。

そしてモニターを僕達に見せる。

 

そこに映っていたのは3Dモデルを使った設計像だった。

その名もNSマグフォン。

ラビットハッチに残されていた星間連絡用の試作情報端末と組み合わせた物だという。

 

流石は歌星だ。

考え付いてからの行動が早い。

それにこっちの方が具体的だ。

 

彼方「やっぱりこういう形になるんだね~。」

 

ユウキ「え!?彼方くんも思いついてたの!?」

 

彼方「いや、この二つのスイッチにそれぞれ接続できそうなジョイントが付いてるでしょ?ってことは何かしらの制御端末が必要だろうな~と思ってさ。そうなると多分コントローラー型の物になるだろうから。」

 

美羽「それにしてもなんでそんな形になるの?」

 

彼方「あの強力な磁気を保有してるんだからそれを敵に向かって飛ばすことも可能だろうな~と思ったんだよ。でもそれだと砲台は固定されるはず。だから僕もこの可能性は低かったんだ。」

 

賢吾「多分だが砲台は自立可動が可能なはずだ。そこでこのNSマグフォンを使って砲台を自在に操ることもできる。」

 

そりゃそうだ。じゃなきゃ攻撃元であるフォーゼ本体を狙えば終わりなんだから。

 

流星「流石です歌星くん!早速作りましょう!」

 

そう言い編入生くんは僕からスイッチを取ろうとする。

僕はそれを避けて歌星に渡す。

 

彼方「残念ながらこれは歌星に任せるべきだよ。」

 

ユウキ「えぇ~なんで~。」

 

JK「流星先輩もできるじゃないすか~。」

 

彼方「まだ来て日が浅い奴に出来るとでも?いくら優秀だからってリーゼントくんのことを歌星以上にわかるわけないでしょ。歌星の方がずっと一緒に戦ってきたんだから。」

 

そう。いくら天才だろうが使用者のことを考えてなければそれはただのガラクタ。自己満足の創作物なだけだ。

それならずっと一緒に戦ってきてリーゼントくんの癖や行動パターンなんかを分かってる歌星の方がより完璧に仕上げれるはずだ。

 

弦太朗「まあまあ!流星を許してやってくれ!確かに読めねえところがある!でも何かに必死なのは確かなんだ!それに!流星がもっと活躍できるようになれば!」

 

そう言いリーゼントくんは歌星からマグネットスイッチを取る。

言ってることは完全にアウトだ。

レッドカードを出され今すぐ退場レベルの物。

 

こんなこと言われたら流石に誰でも怒る。

それはもちろんこの人物も。。。

 

賢吾「流星、流星か!君は!自分を傷つける奴と守ろうとする友達の区別もつかないのか!!!コイツは!君を実験台にしたんだぞ!」

 

流星「危険性が分からなかっただけです!次は絶対失敗しません!」

 

彼方「いやいや危険性が分からなかったってのは嘘でしょ。少なくとも今までの10番、20番のスイッチはステイツチェンジの力を持つスイッチなんだ。今回もそのケースに当たることぐらい君でもわかるはずだよ?それに今回の場合それが二つ同時に使用するケースだ。ならその力は今までよりも強いものに決まってるでしょ。なんで君がそれを分からないの?何?優秀なのは机の上の勉強だけなのかな?そんなの誰でも出来るんだから自慢にならないよ?」

 

ほんとこういう嘘吐くやつは大嫌いだ。

危険性ぐらいメテオであるはずの彼なら分かるはずだ。

 

弦太朗「力を合わせれば何とかなるって!それが俺たち仮面ライダー部だろ!」

 

賢吾「もういい!分かった!こんな部...、俺の方から出ていく!」

 

歌星はそう言ってコートを持って出ていった。

流石に火に油を注ぎ過ぎた。

ていうか火山を揺らしまくって噴火させたって方が合ってるかな?

 

取り敢えず歌星のケアをしないと流石にマズい。

このままじゃ僕達はラビットハッチを追い出される。

そうなると彼は以前の様に無茶をするはずだ。

そうなると彼には以前以上の負担がかかるはずだ。

 

そんなことはさせない。

少なくとも僕が居る場所では絶対に。

 

僕は歌星のカバン型パソコンを持って追いかける。

 

弦太朗「おい彼方!お前も行っちまうのか...?」

 

彼方「...少なくとも今回は完全に君が悪いんだよ?そこの人を実験台にしても心を痛めるどころか使えないと思ってそうな仮面野郎を信じた君がね。なんでずっと一緒に戦ってきた仲間を信じれないんだろうね。あの時の君は何だったんだろうね。失望したよ。。。」

 

弦太朗「彼方。。。」

 

流星「っ。。。」

 

僕はそう言って編入生くんを睨むとハッチを出ていく。

どうせまた勝手にNSマグフォンを作るだろう。

そして欠陥品をフォーゼに使わせ、フォーゼはドラゴンにやられるオチだ。

 

そんなことはさせない。

その為にも歌星にはせめてこのパソコンを持ってもらわないと。

どうせドラゴンは歌星の近くに現れるはずだ。

 

何せ今の彼は多分江川と関わるかもしれない。

そうすると陸上部関連の奴がスイッチャーのドラゴンが現れる。

その時に歌星にマグフォンの調整を頼めばいい。

 

そう考えながら僕は歌星の後を追う。。。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ーフォリアsideー

 

まさか彼があそこまで怒るとはね。

あのメテオの少年には良い物を持ってないのは知ってたけど、まさかここで爆発するなんてね。

 

私も流石に彼方も怒るとは思わなかったわ。

まあ確かに彼方の言い分は正しい。正しすぎる。

それだけにフォーゼの彼は何も言えないわね。

 

流星「...取り敢えず僕は歌星くんが残した設計図を使ってマグフォンを作ります。」

 

メテオはそう言うとマグネットスイッチを持ってラボに入った。

パスが繋がってるからこの先の未来が予測できてしまう。

多分だけど彼方の思ってる通りになってしまうわね。

 

ほんと余計なことしてくれるわね。。。

 

そう思ってると友子ちゃんが私の制服の袖を掴んでくる。

 

フォリア「どうしたの?」

 

友子「彼方先輩...本気で怒ってますよね?」

 

あらあら。彼女には分かったみたいね。

やはり彼女は人の感情には機敏みたいね。

 

美羽「あそこまで怒った彼方はメテオの時以来ね。」

 

美羽さんもこちらにやってきた。

やはり彼方の彼女だけあってわかるのだろう。

 

フォリア「まあ流石に怒っても仕方ないですよ。何せ友達を分かってあげれない人が居るんだもの。」

 

私はそう言ってフォーゼの方を見る。

二人もあっちを見て苦笑いする。

 

友子「彼方先輩、帰ってきますよね...?私嫌です。帰ってこないなんてこと、あったら。」

 

美羽「それは私も一緒よ。でも多分だけど賢吾君のフォローをしに行ってるはずよ。彼はそういう人なんだから。」

 

フォリア「美羽さんの言う通りですよ。彼のことを信じていて。大丈夫よ。もしもの時は私が無理やりにでも連れ戻しますよ。」

 

友子「フォリア先輩...なんか怖い。。。」

 

美羽「私も同じことを思ったわ。。。」

 

あら酷い。私そんなに怖いかしら?

後で彼方にも聞いてみましょ。。。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ー彼方sideー

 

何とか歌星に追いつき、二人で河川敷に行く。

 

道中、僕達の間に会話はなかった。

気まずさからとかではなく、彼も僕なら大丈夫だと思ってかリラックスしていた。

まああの中で唯一と言ってもいい味方だったからね。

 

ほんとその役目は本来リーゼントくんのはずなんだけどな~。。。

 

河川敷に着くと、歌星は愚痴りながら石を川に投げる。

いや溜まってんな~。

てかいつの間にかリーゼントくんへのものから編入生くんへのものに変わっちゃってるよ。。。

 

彼方「ほんとごめんね。まさかあんなことになるとは思わなくてさ。」

 

賢吾「別に我望が謝ることじゃないだろ。アイツが分からず屋だっただけだ。それに俺は嬉しかったぞ。お前だけでも分かってくれて。」

 

うん、そのデレは僕に見せるものじゃない。

リーゼントくんにでも見せてくれ。流石の僕もその気は無い。

 

彼方「それにしてもまたすごいことしたね。あの戦闘を見ただけですぐにマグフォンの設計をしたんだから。」

 

賢吾「それは朔田も同じだろ。」

 

彼方「彼の場合はただの設計図だけ。だけど君の場合はちゃんとフォーゼのモジュールとしての機能も想定済み。それに加えて連絡機器にもなってる。ちゃんと二つを両立させたんだからすごいよ。僕もあそこまでは思いつかなかった。」

 

賢吾「いくらなんでも褒めすぎだ。俺はただできることをしただけだ。」

 

彼方「そのできることが凄いんだよ。でもさ。あまり詰めすぎてもダメだよ?君は少々無茶をしすぎる傾向がある。リーゼントくんが来る前もそうだったでしょ?」

 

賢吾「っ!?何故それを。。。」

 

彼方「大体見てればわかる。君は人の為に無茶を出来る人間だって。だけどそれは危なすぎる。いつか自分を滅ぼしちゃう。そうなる前に誰かに相談するべきだよ。少なくとも今はそう。」

 

賢吾「相談、か。。。思えば、俺にはそんなやつが居なかったな。」

 

彼方「なら探せばいいんだよ。それに候補なら居るじゃん。ライダー部の皆が。」

 

賢吾「だが俺は...!」

 

彼方「自分の気持ちを出すことも大切だよ?まあ一回じっくり考えてみるといいよ。君にとってライダー部の皆は。リーゼントくんがどんな存在か。。。」

 

賢吾「如月が。。。」

 

うん!何とか収まったみたいだね。

ほんとまたいつ噴火するかわからないから要注意だね。

 

そう思ってると視線を感じた。

歌星も感じたらしく、僕を見て頷く。

それを見て僕も頷き返す。

 

賢吾「申し訳ないが、その看板は君が隠れるには小さい。」

 

???「あ、はは...、バレたか。。。」

 

声と共に後ろにあった看板から江川が出てくる。

何それ可愛いじゃん。今度美羽とかにもやってもらお。

 

そこから江川は卑屈になりながらこっちに歩いてくる。

それを聞いた歌星は否定し、ポジティブに捉えてることを言う。

まーた始まったよ、二人のイチャイチャ。

この際二人付き合ったらいいんじゃないの?

 

そこから歌星は江川にアドバイスし、フォームの改善をさせた。

すると前の時とは違い、段違いに早くなった江川。

それを受けて、明日の選抜メンバーを決める記録測定に向けて他の競技のアドバイスも欲しいと言う。

 

だが歌星は野本に言われたことを出し、無理なことを言う。

それを聞いた江川は陸上部に仮入部という形を取ればいいと言う。

それを聞いた歌星は一瞬迷うが、その方向で行くことを決めた。

 

やっぱりライダー部のことが引っかかってるようだ。。。

 

その後も江川と歌星は競技の練習をしていた。

僕はそれを眺めているだけだと流石に気まずいから記録係をしている。

まあこれも大事なことだからね!決して暇だからじゃないよ!

 

砲丸投げの練習を終えた後、休憩を取ることに。

江川は水分補給の為に蛇口のある所に向かう。

その間に僕と歌星は練習に使った道具を片付けようとするが、何かの気配を感じた。

 

気配のする方を向くと、ドラゴンがこっちに向かって歩いてきていた。

 

ドラゴン「フォーゼの仲間だったな。お前がメテオか?」

 

賢吾「貴様!ドラゴン・ゾディアーツ!」

 

するとドラゴンは力を溜め、衝撃波をこちらに繰り出してくる。

咄嗟に防御の構えを取ったが、風圧が凄くて吹っ飛ばされる。

 

ドラゴンは僕達にゆっくりと歩み寄ってくる。

僕は歌星を逃がす為にドラゴンと対峙することにした。

 

彼方「歌星、早く逃げろ。今のお前にはちょっと無理な相手だよ。」

 

賢吾「我望!?しかしお前も!」

 

ドラゴン「ごちゃごちゃうるせえな!どっちでもいいから潰してやるよ!」

 

ドラゴンはそう言うと鉄球を投げてくる。

僕は慌てて鉄球を蹴り返すが、重すぎてそこまで飛ばなかった。

だが歌星の方に被害が行かなくてよかった。

 

ドラゴン「ほう?中々やるようだな。もしかしてお前がメテオか?」

 

彼方「ほざけ。メテオならとっくに変身してるっての。」

 

ドラゴン「メテオじゃねえならお前には用はねえ!」

 

ドラゴンはそう言うと同時に僕に殴りかかってくる。

とその時、空からフォーゼがロケットを使い飛んできた。

 

賢吾「如月!?」

 

フォーゼ「賢吾、彼方逃げろ!タイマン張らしてもらうぜ!」

 

フォーゼはそう言うとドラゴンに向かって殴りかかる。

だがしかし、ドラゴンの強靭な肉体にはダメージが通らず。

 

フォーゼはチェーンアレイを使って攻撃するが、全てを鉄球で防がれる。

あの投げ方...、やっぱり陸上部の中に居るな。。。

もしかして江川なのか...?いやでも彼女にはそんな気配がなかった。

だとしたら...野本?

 

僕がそう考えていると、ドラゴンの後ろにメテオが降ってくる。

何だ?また邪魔しに来たのか?

 

いや、この状況だともしかしてマグフォンを使わせるつもりなのか?

多分強引にでも使わせるつもりだ。

僕はいつでも調整させれるように、歌星のパソコンを持つ。

 

メテオはフォーゼと共にドラゴンと対峙する。

だがやはりドラゴンの強靭な身体にはダメージが行かず。

反撃されたフォーゼとメテオは吹っ飛ばされる。

 

メテオ「おい!今日は何か新作が無いのか!」

 

フォーゼ「あっ。あ、そうだった!」

 

フォーゼはそう言うとマグフォンを取り出す。

ヤバい!このままじゃまた失敗する。

 

賢吾「もう完成させたのか!?やめろ如月!まだ早い!」

 

彼方「フォーゼ!それをこっちに!今すぐ調整するから!」

 

フォーゼ「絶対に成功させてみせる!お前と仲直りするためにも!」

 

メテオ「早くしろ!」

 

メテオはドラゴンと取っ組み合い、フォーゼに時間を作る。

その間にフォーゼはマグフォンを二つに割ろうとするが、中々割れない。

 

僕は嫌な予感がし、慌ててフォーゼの方に駆け寄る。

だが間に合わず、マグフォンは電気を走らせどこかに飛んで行ってしまった。

 

エレキがそうであったように、使用者の感情を機敏に捉えるのだろう。

今の状態のフォーゼには相応しくないと判断したのか、マグフォンはフォーゼの手から離れたのだ。

こりゃ大噴火するぞ...、後ろの奴が。

 

賢吾「朔田なんか信じるからだ。如月、自業自得だ!君は、大馬鹿だ!!!」

 

フォーゼ「賢吾。。。」

 

だが今はそんなことを気にしてる場合じゃない。

ドラゴンはメテオを叩きのめしている。

 

それに気づいたフォーゼはエレキステイツに変身し、メテオを援護するが以前と同じように攻撃が通じない。

そこで同時にリミットブレイクを放つことにしたようだ。

 

それぞれスイッチを入れ、リミットブレイクを発動させる。

それを見たドラゴンは両手に炎を出し、それを一つにまとめて某格闘家の波動拳の様に放った。

 

それぞれの技がぶつかり大爆発した。

だが煙の中からドラゴンの姿が見える。

どうやらダメージは与えられたようだが、決定打にはならなかったようだ。

 

ドラゴン「これはまた超えられないハードルだ。」

 

ドラゴンはそう言うと鉄球をフォーゼ達の方に投げる。

不意打ちを食らわせたドラゴンはフォーゼ達が食らってる隙に逃げていった。

メテオも去っていき、残ったのは気まずいメンバーだけ。。。

 

変身を解除したリーゼントくんは歩いてくる歌星に狼狽えながら名前を呼ぶ。

 

弦太朗「賢吾。。。俺...、無我夢中で、賢吾が作ったマグフォンで、挽回しなきゃって。。。」

 

賢吾「朔田が作ったマグフォンだろ。俺の話は一つも聞いちゃくれない。君には、心底愛想が尽きた。」

 

歌星のその言葉にリーゼントくんは何も言えなくなる。

まあそりゃそうだよね~。

僕達の注意も聞かず、ただ編入生くんを信じろって言うだけ。

そんなこと言われ続けられたら誰でも愛想が尽くよ。

 

僕は遠目からこっちを見ている編入生くんに威圧を掛ける。

それを感じた編入生くんは狼狽える。

 

ほんと...邪魔しかしやがらねえよな。。。

 

弦太朗「頼む...、また力を貸してくれ!」

 

賢吾「断る。俺はもう陸上部の人間だ。」

 

歌星はそう言うとリーゼントくんに背を向け去っていく。

その後ろ姿を見て名前を呼ぼうとするが、出てこないリーゼントくん。

 

彼方「取り敢えず僕達はラビットハッチに戻ろうか。今行ったとこで刺激するだけだし。」

 

弦太朗「でも!」

 

彼方「今の君に歌星を引き戻せると?むしろ反発するでしょ?磁石の様に。皮肉だよね...、磁石によって引き離されるんだから。それとも...舞い降りた隕石によって。かな?」

 

僕はそう言い編入生くんをチラ見する。

視線を感じた編入生くんは慌ててその場を去っていった。

そしてリーゼントくんは更に落ち込んでいく。

 

とにかくマグフォンが無いとどうにもならないよね、これ。。。

 

 

 

 

to be continued...

 




いかがだったでしょうか~。


今回彼方くんには賢吾のサポートに回る形になってますが、その影響かちょっとしたアンチ気味に。。。
でも流石に仕方ないと思うんですよね~。
嫉妬してる相手のことを嫌と言う程聞かされるんですから。

ほんとどうなっていくんでしょうかね~。
まあ予想通りになるんですけどね。


このドラゴン回が終わったあたりに日常回でも挟もうかなと思っています。
内容はまあつい最近フラグが建ったあれですね。
オチは出ているんで後は内容だけですけど。


ではでは次回もお楽しみに~。


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超・絶・磁・力

コロナワクチン二回目打ってきました。。。

昨日半日地獄だった。。。
でもその後は特に何にもなかったですよ。

早く収まらないかな~


ー彼方sideー

 

ラビットハッチに戻った僕達は、取り敢えず歌星とマグフォンをどうにかしないといけないと話し合った。

そこでメンバーを二つのグループに分けることにした。

 

マグフォンを捜索する『ここほれワンワン隊』には、美羽、リーゼントくん、友ちゃん、JK、そして僕が。

歌星を説得する『おねがい賢吾くん隊』には、城島と大文字、フォリア、そして編入生くん。

 

正直言ってこの面子で大丈夫かと思ったが、まあ何とかなるでしょ。

リーゼントくんはマグフォンが無いと歌星と会う資格がないと言う。

確かにそうかもだけど、根本的なとこを分からないとダメだよ?

 

その為にも僕がマグフォン捜索隊の方に居る。

リーゼントくんとちょっとしたO・HA・NA・SHIをする為にね。

 

歌星の方は最悪フォリアに任せるつもりだ。

フォリアなら歌星の噴火を抑えれることが出来るだろう。

なんせ火種が行こうとしてるんだから。。。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

そんなこんなでマグフォンの捜索を始める僕達。

取り敢えず方角を割り出してそこから落下地点を予測。

落下地点であろう湖の畔に拠点を建て、捜索を開始した。

 

リーゼントくんはフォーゼに変身して、スクリューとライトを使って湖の中を探す。

その間に僕達は拠点で待機...ってことになってるけど流石にダメかと思い、僕は単独で探している。

もし湖に無かった場合を考え、取り敢えず磁気に反応しそうなダウジングを使って探す。

 

すると突然ダウジングが反応を示す。

そこは山の中だった。

僕は取り敢えず掘ろうと思ったが流石に一人で掘るのは無理だと思い、新型フードロイドを出す。

 

城島の命名だと、ホルワンコフだったっけ?

まあここはワンちゃんって名前にしますか。

 

僕はワンちゃんを起動し、ダウジングが反応した場所を掘るように頼む。

するとワンちゃんは勢いよく掘っていき、僕の身体は土まみれになってしまった。

 

とその時、フォリアからパスが通った。

 

フォリア『ドラゴンが現れました。どうします?』

 

多分メテオがやってくれるだろ。

それよりそっちはどう?

 

フォリア『聞く耳持たず。。。ですが、少し面白いことが。」

 

面白いこと?

それって歌星関係?それともドラゴン関係?

 

フォリア『歌星さんがフォーゼのことをどうなってもいいと言うとメテオが血相を変えて詰め寄りまして。その言葉は絶対に不幸にすると言っていたのですよ。中々興味深くありません?』

 

大方二郎君関係だと思うよ。

多分編入生くんがその言葉をきっかけに二郎君は眠ってしまったって感じかな?

まあいいんじゃない、ほっといて。

それよりもマグフォンが見つかりそうだから、リーゼントくんをそっちに寄越すよ。

 

フォリア『分かりました。ではこちらも適当に合わせておきますね。』

 

うぃ~。

そう言ってパスは途切れた。

 

フォリアとパスを繋げてた間に、ワンちゃんがもの凄い大きな穴を作っていた。

いやどんだけ掘ってんの!?

てかマグフォンそんな深いとこに行っちゃったの!?

 

ヒッキーなマグフォンをワンちゃんが掘り当てるまでの間に僕は美羽に電話する。

 

美羽『もしもし?どこに居るのよ!?』

 

彼方「一人で探してた。それでもうすぐ見つかりそう。」

 

美羽『嘘!?今すぐそっちに行くわ!』

 

彼方「大丈夫だよ。僕の居場所わからないでしょ?それよりこっちは見つけたんだからリーゼントくんを歌星のとこに行かせたら?」

 

美羽『そうね。弦太朗今賢吾君のことですごく落ち込んでるから。』

 

ありゃりゃ。大方城島辺りから聞いたか?

 

彼方「なるほどね。取り敢えず見つかったそっちに戻るから。」

 

美羽『分かったわ。風邪をひかないようにね?』

 

彼方「そっちもね。」

 

そう言い僕は電話を切った。

それと同時にワンちゃんがマグフォンを咥えて出て来た。

 

彼方「おぉ~!よくやったよワンちゃん!よしよし、偉い子偉い子!君は天才だよ!もういつまでも撫でちゃう!」

 

僕はそう言いながらワンちゃんを撫でまくる。

それに喜んでいるのかワンちゃんは鳴き声のような音声を出しながらぴょんぴょんしてる。

あ~、癒されるんじゃ~。。。

 

...っと危ない危ない。

早く美羽たちの所に戻らないと。

 

 

美羽たちのところに戻ると美羽と友ちゃんが駆け寄って来た。

そして思いっきり僕にダイブしてきた。

僕は慌てて二人を抱き止める。

 

彼方「どうしたの二人とも!?」

 

美羽「一人だけどっか行くから心配したのよ!」

 

友子「そうです!また何かに巻き込まれてないかって!」

 

彼方「...ごめん。」

 

あちゃー、二人を心配させちゃったか~。。。

こればっかりは反省しないとだね。

 

JK「まあ無事に戻って来たんだからいいじゃないすか~。それに先輩ならヒョイと戻ってくるって言ったじゃないすか。」

 

彼方「ほう?JKそんなこと言ってたのか~。。。」

 

JK「え?え?」

 

彼方「これはちょっとお仕置きしないとだね~。」

 

美羽「そうね。私たちの不安を煽るなんていい度胸じゃない。」

 

友子「呪いの力...恐るべし。。。」

 

JK「え!?え!?いやああああああああああ!!!!!」

 

その日、湖の畔ではこの世とは思えない地獄絵図が広がっていたとか。。。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

JKへのお仕置きが終わって一休み。

そう言えば結局リーゼントくんと話してないや。。。

 

そう思ってるとフォリアからパスが繋がる。

 

フォリア『野本が江川に詰め寄っています。直ぐに助けた方がいいんじゃ?』

 

マジか!?てことはやっぱドラゴンは野本か!

知り合いが危険な目に遭うのは見過ごせない!

 

彼方「ちょっとリーゼントくん達のとこ行ってくる!」

 

僕はそう言うと返事を聞かずに直ぐに物陰に走る。

皆が来てないことを確認して、変身する。

そのままフォリアの気配をたどり、近くにワープする。

 

ワープして変身を解除した僕は、観客席のとこに出る。

するとリーゼントくん達の前に居る野本がスイッチを掲げていた。

僕は押させないと野本に向かってキックする。

 

だが遅かったのか野本がスイッチを押してしまう。

ラストワンへと至った野本の身体は繭にくるまれ出てくる。

 

だが僕のキックの勢いは止まらず、ドラゴンに当たるがびくともしない。

コイツ...更に固くなってやがる。

 

ドラゴン「我望じゃねえか。お前も江川が変わった原因だったよなぁ!」

 

ドラゴンはそう言うと僕を掴み、思いっきりグラウンドに投げやがった。

僕は咄嗟に受け身を取って何とか最小限にダメージを抑えたが、それでも痛む。

こりゃ薬飲まないと。。。

 

僕はブレザーのポケットに手を入れ、虚空から治療薬を出す。

それを飲むと一気に痛みが引いた。

はぁ...、取り敢えずマグフォンを歌星に渡さないとだな。。。

 

そう思い歌星の方を見ると、フォーゼが歌星と何か話していた。

多分謝罪でもしてるんだろうけど、歌星の反応が今までと違う。

ひょっとしたらあるんじゃないの?

 

僕は急いで歌星の下に向かう。

するとそれに気づいたドラゴンが僕に向かって鉄球を投げてくる。

僕は慌てて避けるが腕に掠ってしまう。

 

それでも僕は歌星の下に行き、マグフォンとパソコンを渡す。

 

彼方「早くマグフォンの調整を!君にしかできないことだから!」

 

賢吾「っ!...ああ!」

 

歌星はそう言うとコードを取り出してマグフォンとパソコンに繋ぐ。

 

賢吾「如月!今からマグフォンの最終調整に入る!それまで時間を稼いでくれ!」

 

フォーゼ「っ!?おう!頼んだぜ賢吾!」

 

メテオ「フォーゼ!エレキスイッチを貸せ!」

 

フォーゼ「な、何!?なんでだ!?」

 

メテオ「早くしろ!やられたいのか!」

 

フォーゼ「あぁ。。。」

 

フォーゼは渋々メテオにエレキスイッチを貸す。

受け取ったメテオはベルトに装填し、オンにする。

するとメテオの身体に電気が走る。

 

そしてメテオはドラゴンに攻撃していく。

どうやらフォーゼのスイッチも使えるようだ。

 

メテオは攻撃していくが、やはり相性的な問題なのか全然ダメージが効かない。

どうしようかと思っていると後ろからサーペントが現れた。

 

サーペント「助太刀しますわよ、メテオ。」

 

メテオ「お前は!?何故だ!?」

 

サーペント「気まぐれと言ったら納得しますか!」

 

そう言いながらサーペントはドラゴンに蹴りを入れる。

そして頭の蛇からビームを出してメテオを援護している。

ドラゴンは迂闊に手を出せず、防戦一方と化している。

 

その間にフォーゼはこっちにやってくる。

 

フォーゼ「でも割れねえんだそれ!俺が馬鹿な所為だ!お前のアドバイスをちゃんと聞かなかった...俺の所為だ。」

 

その言葉に江川がどこか納得したような目でフォーゼと歌星を見ている。

多分歌星のことを一番必要としているのが誰か分かったみたいなことを思ってるんだろうな~。。。

僕はそっと江川に近づき。。。

 

彼方「いつでもアドバイスをもらいに来なよ。彼なら拒んだりしないから。」

 

江川「え...、うん。ありがとう。」

 

よっしこれでいいでしょ。

その間に歌星はフォーゼのことを思って危険なマグネットスイッチを使わせたくなかったことを言う。

そのことに城島と大文字が驚く。

いや、それ以外考えられないでしょ。

 

そしてマグフォンはそんなフォーゼの精神的な力みを感じ取って吸着してしまった。

だからその感度調整さえすれば終わると言う。

これで新たなフォーゼの姿が見れるってわけね。

 

そして二人はまた友情の証を交わす。

一度は離れてしまったけど再び親友になれたようだ。

 

僕はパスを繋いでサーペントに準備が整ったことを言う。

 

サーペント『分かりましたわ。ここで撤退しますわ。』

 

お疲れ様。

 

サーペントはそう言うと一際強い攻撃をドラゴンに放ち、煙を立たせる。

その間に去っていったようだ。

 

それに乗じてメテオもリミットブレイクを発動したが、ドラゴンの身体を貫けなかった。

やはりメテオでもダメだったか。

だがそれを見たフォーゼはドラゴンの方へと歩んでいく。

 

フォーゼ「今度こそ割れる!俺のダチが!俺の為に仕上げてくれたこのマグフォン!俺に使えない道理は無え!」

 

フォーゼはそう言うと一呼吸置いて、マグフォンを分割させた。

どうやら成功したみたいだ。

そしてマグネットスイッチをそれぞれドライバーに装填して、オンにする。

 

『N!S!Magnet! ON』

 

音声と共にマグネットモジュールが両手に装着され、磁石のようなエネルギー体が現れる。

エネルギー体はフォーゼを挟みこみ、それと同時にフォーゼのボディが銀色に変わり、マグネットの様な線が入る。

そして肩に砲台が装着され、頭がヘルメットの様な物に覆われる。

全体的によりハイテクな宇宙服みたいな感じになったフォーゼ。

 

賢吾「フォーゼ、マグネットステイツ!」

 

フォーゼはマグフォンを操作し、ドラゴンに砲台の照準を合わせる。

そして一気に超電磁砲を発射し、ドラゴンにダメージを与えていく。

エレキやメテオでも攻撃が通らなかった装甲が容易く貫通される。

 

ドラゴンは鉄球を構え、遠距離には遠距離をということにしたらしい。

それを見たフォーゼはレバーを引き、マグフォンを構える。

 

フォーゼ「ソイツはもう効かねえぞ!」

 

すると肩の砲台が離脱し、マグネット型のユニットに合体する。

そしてドラゴンが投げた鉄球をユニットが磁気を発生させて吸着させる。

そしてフォーゼは超電磁砲で威力を増して鉄球を跳ね返した。

 

賢吾「決めろ!如月!」

 

フォーゼ「喰らえ!これが俺達の青春の磁力だ!」

 

フォーゼはそう言うとマグフォンに付いてるカバー付きのボタンを押す。

すると音声が鳴り響き。。。

 

『~♪ ~♪ LIMIT BREAK』

 

フォーゼ「ライダー超電磁ボンバー!!!」

 

ユニットから赤と青のエネルギーが混ざった紫の光弾が放たれる。

ドラゴンに着弾すると、ものすごい磁場の歪みが発生し、一種のブラックホールが発生しドラゴンの身体が圧縮されていく。

そして最後にエネルギーごと潰され爆発する。

それと共にスイッチが飛んできた。

 

スイッチを回収したフォーゼはオフにして消滅させる。

これで一件落着かな?

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ー後日ー

 

いつも通りラビットハッチでくつろいでいると歌星が入ってくる。

 

賢吾「江川が見事大会でトップを取ったそうだ!」

 

皆「「「「「「「「おー!」」」」」」」」

 

賢吾「このメダルはお礼にと言ってくれた。」

 

歌星はそう言ってラボに行く。

いや~中々青春してるじゃないですか~。

 

あの後も江川は歌星にアドバイスをもらいに行っていたそうだ。

その内に二人の仲も深まっていき、今ではたまに遊びに行ったりするそうだ。

いや~、これは二人の今後に期待ですな~。

 

ラボに行った歌星はメダルを飾ろうとするが、もう自分一人だけの場所じゃないと遠慮する。

そこにリーゼントくんと編入生くんが入っていき、やっぱりそこは歌星が一番だと言う。

なんやかんやあったけどあの三人は仲よくなったよね~。

 

だがそこで何が拗れたのか、何故か双方の気持ちを汲み取れと喧嘩になった。。。

なんでこんな喧嘩になったの?

ちょっと?誰が止めるの!?

 

これって俗に言う『喧嘩するほど仲がいい』ってやつなの!?

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ーおまけー

 

二人の喧嘩を何とか僕達。

取り敢えず今日はこれでお開きとなり、各々家へ帰っていった。

僕とフォリアも家に帰ろうかと思ったが、校門のところで友ちゃんと美羽が立っていた。

 

彼方「どうしたの二人とも。誰か待ってるの?」

 

友子「先輩を待っていたんです。あの時の話をしようと思いまして。」

 

そう言えば僕の正体を知られた時に後日話すって言ってたな。。。

すっかり忘れてた。。。

 

彼方「ごめん、すっかり忘れてた。。。それで美羽も待ってたんだね。」

 

美羽「ええ。友子にいきなり呼ばれて何だと思ったら驚いたわよ。いつそんなヘマを犯したの?というかまさかフォリアもだったなんて。」

 

彼方「まああれは完全に注意不足だったね。フォリアの件に関しては後で話すよ。それより場所変えない?」

 

フォリア「そうですね。どうせなら家に来てもらいましょう。多分遅くなると思いますから。」

 

え!?いやいやいや流石にマズいって。

だって紗理奈ちゃん居るじゃん!?

 

フォリア『そこは何とかなりますから。最悪そのことも話すべきかと。』

 

はあ...仕方ないか。。。

 

彼方「そうしよっか。んじゃついてきてよ。」

 

僕はそう言い友ちゃん達を家に招いた。

 

 

家の前に着くと二人とも驚いてた。

 

美羽「前に引っ越したことは聞いてたけど...、まさかこんな家に住んでたとはね。」

 

友子「先輩一体どうやって。。。」

 

彼方「叔父さんが用意してくれたんだよ。将来も見越してって。」

 

美羽「ほんと理事長の行動力よ。。。」

 

友ちゃんもうんうんと頷いてる。

いや僕も時々思うよ。。。

 

そう思いながら玄関に入ると、早速僕が懸念していたことが起こった。

いや、まあ仕方ないんだろうけど。。。

 

ソラリス「お帰りなさい。あら?貴女たちは。。。」

 

美羽「え!?あの時の人!?」

 

友子「なんで...!?」

 

ヤバい、カンナギ事件のことで二人とも警戒してる。

僕は二人に理由を話して何とか納得してもらった。

ここでこれだと次はもっとヤバいだろうな。。。

 

そう思いながらもリビングに入ると紗理奈ちゃんが料理していた。

やったー!今日は紗理奈ちゃんの料理だ!

 

そう思ってると二人ともさっきよりびっくりしていた。

 

美羽「園田先生!?病欠で休んでたんじゃ!?」

 

友子「というかなんで先輩の家に?」

 

紗理奈「あら、風城さんに野座間さん!久しぶりね!」

 

そこから二人は紗理奈ちゃんに質問攻めしていった。

まあ居るはずがない人が居たんだからそりゃ驚くわな。

 

その時に紗理奈ちゃんが僕の彼女ってことも話したみたいで二人とも更に驚いてた。

そりゃ教師と生徒って間柄だったから中々言えないよね~。

そう思いながら紗理奈ちゃんが作ったご飯を食べた。

 

 

晩御飯を食べて二人には僕の部屋に来てもらう。

もちろんフォリアも一緒に。

 

彼方「さてさて。まずはどっから話すべきかな~?」

 

美羽「まず友子。貴方は本当のことを知ってどうしたいの?」

 

友子「それは...、先輩の力に少しでもなれたらと。。。私のことを、守ってくれた先輩の負担を少しでも和らげたいと。。。」

 

マジか...、そんなこと思ってくれてたんだ。

健気な子やで。ほんと。

 

彼方「そっか。それじゃ取り敢えず全部話すよ。まずは...。」

 

そこから僕は叔父さんのことを省いてホロスコープスに居ること。

フォリアもゾディアーツであること。

そしてフォリアが地球外生命体であることを話した。

 

内容が内容なだけに二人とも終始驚きっぱなしだった。

 

美羽「まさかそんなことがあったとはね。。。それにしても貴方また強くなったのね。」

 

彼方「あの時は必死だったからね。これもフォリアのおかげだよ。」

 

フォリア「いえいえ。私の見込み通りの男だっただけですよ。」

 

友子「先輩...、やっぱりすごいです。。。」

 

いやそんなに褒められても照れるだけだよ~。

ほんと褒められ慣れてないから。

 

彼方「まあこれで全部かな?それで。改めて二人に聞くけど。これを知ってどうするの?」

 

僕は改めて二人に聞く。

二人がどんな選択をしようと僕は拒まない。

 

美羽「私は今まで通りよ。私の彼氏は最強って自慢できるわね。」

 

ハハハ...美羽はいつも通りだな~。

 

友子「私も先輩に協力します。もしかしたらオカルトの力でもっと強くなれるかも。。。」

 

マジで!?それ興味あるある!!

 

彼方「そっか。二人ともありがとね。」

 

そう言うと二人とも僕に笑いかける。

ほんといい子達だよ。

 

その後しばらく雑談して、二人を家に送った。

これからはもうちょっと精神的負担が減るのかな?

やっぱ誰か話せる人が居るってのもいいもんだね~。。。

 

 

 

 

to be continued...

 




いかがだったでしょうか~。


ドラゴン編完結です~。
所々オリ展開入れましたが大丈夫ですかね?

マグフォンは彼方くんが見つけたことにしてサクサクっと行くようにしてみました。
そして遂に登場マグネットステイツ!
超電磁砲とか強すぎだろって今でも思いますw


おまけに関してはほぼ消化って感じに近いかもです。
最後なんか無理くりになってしまったんですよね。。。
低評価は甘んじて受ける!笑

友子ちゃんはそろそろ本格的に動き出します。
多分あの人と一緒にヒロイン化していくと思います。
そこはお楽しみに~。


ではでは次回もお楽しみに~。


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日・常・回・2

昨日出せなくてごめそ。。。


ー彼方sideー

 

マグフォン騒動から数日。

 

結局あれからあの三人の関係は以前よりも良くなっていた。

元々信頼関係が強かった二人に突然やって来た編入生くんの存在により不安定になってしまった。

それが一度は壊れてしまったが、再び繋がり、より強いものとなった。

また編入生くんへの信頼度も大きくなっていった。

 

結果としては良かったと思える事件だったな~と思ってる僕は車の中で揺られている。

隣に珠ちゃんとジュンを添えて。

 

 

今日は以前、美羽と話していたお泊り会だ。

忙しかった僕らもようやく都合ができ、チア部の方も特に活動が無いことで皆フリーの時間が出来た。

そこで以前から考えてたお泊り会のことを三人に話したら、三人とも快諾してくれた。

 

ということで今は美羽の家から迎えをもらって、美羽の家に向かっている。

正直誰の家でも良かったんだけど、一番広くて楽しめそうなのが美羽の家だったということで決まった。

まあ二人はちょくちょく遊びに行ってるみたいだから正直羨ましかった。

一回行ってみたかったんだよね~。

 

そう思いながら車に揺られること数分。

どうやら着いたようで、車の扉が開く。

 

順番に降りていくと、目の前にはザ・屋敷という建物が建っていた。

改めて思うけど、すごい家に住んでるよな~。

そう思いながら玄関を開けると美羽が待っていた。

 

美羽「よく来たわね皆!今日は楽しんで頂戴!」

 

彼方「やっほ美羽~。それにしても凄いとこに住んでるんだね~。」

 

美羽「いらっしゃい彼方。驚くのはまだ早いわよ?」

 

美羽はそう言いながら抱き着いてくる。

僕は抱き返して、某夢の国のネズミがするような鼻を擦り合わせる。

 

珠惠「んん!そろそろ荷物を置きたいのだけど!」

 

ジュン「ムー!」

 

おっと。僕達は珠ちゃんの言葉に離れる。

珠ちゃんはちょっと青筋が見えそうな笑顔をし、ジュンはむくれている。

あちゃちゃ、こりゃアレをやらないと。

 

僕は二人を抱きしめ頬を摺り寄せる。

 

彼方「ごめんごめん。二人のことも忘れてないよ?」

 

そうすると二人とも頬を赤らめる。

うん。安定の可愛さ。

 

珠惠「別に、忘れられてたからとかじゃないから///」

 

ジュン「うん!///」

 

あぁ~癒されるんじゃ~。

ここが僕のユートピアなのか~。。。

ってトリップしてる場合じゃないや。

 

前見たら美羽がジト目で見てきてるし。

そろそろやめないと今日一日これしてるだけで終わっちゃう。

 

僕は二人から離れ、荷物を持つ。

 

彼方「取り敢えず荷物を置きに行こっか。またあとでたっぷりしてあげるからさ。」

 

三人「「「うん!」」」

 

そうして僕達は美羽の部屋に行き、荷物を置いた。

他の部屋じゃないのか聞いたら、自分の部屋が一番落ち着くからと言った。

まあ確かに落ち着くだろうけど、初めて入った僕からしたらちょっと緊張するんだけどな~。。。

 

そんなことを気にせずに遊ぶことにした。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

何して遊ぼうかと事前に話し合ってた時に満場一致になったものがある。

それが。。。

 

目の前にあるプールだ。

 

クイーンフェスの時にプールがあるのは知ってたけどまさかこんなに広いとは思わなかった。

しかもちゃんと温水にも切り替えられるという優れもの。

僕も家にプール作ろかな。。。(実はあることに気づいていない)

 

そう思いながらプールの中でキャッキャ楽しんでる美羽たちを眺めていた。

いや~、水の中ではしゃぐ彼女たちを見るのって何と言うか...最高だね!

 

そう思いながらビーチチェアでくつろいでいると。。。

 

美羽「彼方!あなたもこっちに来なさいよ!」

 

珠惠「一人だけそこに居るのは寂しいでしょ。」

 

ジュン「一緒に遊ぼうよ!」

 

と三人からお誘いが。

しゃーない。思いっきり飛び込んでやるか。

 

僕はビーチチェアから降りて準備運動を始める。

三人はその様子に不思議がるが、プールに入る前の準備運動だと思ったのか気にした素振りをしていない。

僕はプールサイドからの距離を計算し、助走を取る。

そして。。。

 

僕は助走をつけて思いっきりプールに飛び込んだ。

丁度三人の前に着水出来るように飛び込んだから、三人に水しぶきがかかる。

大量の水しぶきを浴びた美羽たちは、顔中びしょ濡れになった。

 

水面に上がると三人から一斉に水を浴びせられる。

 

彼方「ちょっ!?いきなり何!?」

 

美羽「何じゃないわよ!」

 

珠惠「よくもやったわね!」

 

ジュン「彼方くんもびしょ濡れになっちゃえ~!」

 

どうやら飛び込んだのを怒ってるらしい。

まあ結構水しぶき飛んだからね~。

それにしたって溺れるぐらいかけられる覚えはないんですけど!?

 

やられっぱなしなのは癪だから僕も負けじとやり返す。

そうこうしてる内にお互い疲れてプールに浮かぶ。

 

彼方「はぁ、はぁ、ほんと...、ずっとやってると、疲れる、な。。。」

 

美羽「そう、はぁ、はぁ、ね。。。」

 

珠惠「もう...、はぁ、はぁ、休みたい。。。」

 

ジュン「えー、もっとやろうよー!」

 

何故かジュンだけが元気だった。

いやなんで全然疲れてないの!?

半時間ぐらいずっとやってたんだよ!?もしかして手抜いた!?

 

ジュン「ちゃんと全力でやったよ!」

 

彼方「どこから、そんな元気が...、来るんだよ。。。」

 

美羽「あれで、結構...、スタミナは部の中で、一番だものね。。。」

 

珠惠「あんだけ食べてれば、そりゃ、スタミナ付くでしょ。。。」

 

とにかく休みたい。。。

そう思ってるとふと目に入るものが。

 

僕はプールサイドに上がり、あるものを取りだす。

それをプールに浮かべ美羽たちの下に持っていく。

 

美羽「彼方、それって。。。」

 

珠惠「丁度いい時に持ってくるじゃない。。。」

 

彼方「いや、僕も休みたくてさ。」

 

そう。僕が持ってきたのは大きなフロートマットだ。

決してアレに使うわけじゃないよ!?

 

丁度四人が寝れるぐらいの特大マットを持ってきた僕は、順番に美羽たちをマットに乗せる。

そして最後に僕が乗って寝転がる。

すると何故か真ん中へと寄せられ、そのサイドを珠ちゃんと美羽。

そして僕の上にジュンが寝転がって来た。

 

いやいやただでさえ水着なのにそんな上に乗ってこられると。。。

僕は必死に理性を保ちながらゆったりしていた。

 

するとさっきので疲れたのか皆眠ってしまった。

まだ時間的には余裕があるから僕もひと眠りすることに。

幸い僕の上には抱き枕に成れるジュンが居る。

 

僕は遠慮なんて言葉を知らないかの様にジュンに抱き着きながら寝た。。。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

しばらくしてふと起きると、腕の感触が増えていた。

あれ?と思い見てみると、いつの間にか三人とも抱きしめていたみたいだ。

まあ特に苦しくもないからいいんだけどさ。

 

それにしても今何時だろ?

そう思い、腕に着けてる防水の時計を見ると、あれから3時間も寝ていた。

まあ昼寝にしてはちょっと長すぎたかもしれないけど、ぐっすり眠れたからいいや。

 

取り敢えず僕は三人を起こすことにした。

いつまでも濡れたままだと風邪を引いてしまう。

そうならない為にも早くシャワーを浴びに行かないと。

 

彼方「皆起きて。そろそろ起きないとダメだよ~。」

 

美羽「んん。。。何よ。。。もうちょっとだけ。。。」

 

珠惠「ふわぁ~。。。おはよ...彼方。」

 

ジュン「んー!よく寝れたよ!」

 

美羽だけ僕の腕の中で眠り続けている。

いやその様子が可愛くていつまでも寝させてあげたいんだけど、これまた二人からの視線がね?

もうジト目ジト目で。。。

 

僕は二人にマットをプールサイドまで押してもらうように頼み、美羽を抱きかかえる。

こりゃしばらく起きなさそうだから強引にでも連れていくしかない。

 

二人に押してもらいプールサイドに上がった僕は取り敢えず美羽を抱きかかえそのまま風呂へと行く。

申し訳ないが二人にはマットの片付けをしてもらった。

本来なら僕がすべきなんだけど、二人も分かってくれたみたいで快く引き受けてくれた。

 

僕は風呂に行き、取り敢えず水着を外すわけにはいかないのでそれ以外のとこを洗うことにした。

肌を傷つけないように優しく洗っていると、美羽が起きたようだ。

 

美羽「んん...、あれ?ここは。。。って彼方?」

 

彼方「おはよ美羽。ぐっすり眠れた?」

 

美羽「ええ。ってここは?」

 

彼方「ああ、風呂だよ。いつまでもあのままじゃ身体冷やすからね。」

 

美羽「え!?じゃ、じゃあ...、私の身体を。。。」

 

彼方「うん、自分のことよく見てみよっか。流石にそれはしないよ?」

 

そう言うと美羽は自分を見て驚く。

恋人だからって流石にそんなことはしないよ。

やるならちゃんとムード守りたいし。

 

美羽「なんだ。。。てっきりこれから襲われるのかと思ったのに。。。」

 

彼方「何?襲われたかったの?」

 

美羽「あ、逆に襲っちゃえばいいのよね!」

 

美羽はそう言うとそそくさと水着を脱ぎだす。。。

ってえ!?なんで!?いきなり何してんの!?

 

彼方「ちょ、美羽!?何してんの!?」

 

美羽「ナニはこれからするんでしょうが。」

 

彼方「うん、そのナニじゃないから!てか何言っちゃってんの!?」

 

そうツッコんでると風呂の扉が開き。。。

 

珠惠「あら美羽、起きたのね。」

 

ジュン「皆でお風呂だよー!」

 

なんと珠ちゃんとジュンが裸で風呂に入って来た。

なんでぇ!?何してんの!?

 

彼方「二人とも!?なんで脱いできたの!?」

 

珠惠「なんでってシャワー浴びるのだから当然でしょ?」

 

ジュン「皆で洗い合うんだよ!」

 

美羽「そういうことよ。」

 

彼方「え。。。これっておかしいの僕だけなの?なんで?皆裸なの?これは、僕も脱がなきゃなの?」

 

僕は動転して意識が朦朧としていた。

そこに悪魔の囁きが聞こえてくる。。。

 

美羽「ええ、そうよ。皆で洗い合おうじゃない。楽しいわよ?」

 

珠惠「私たちの裸を見たのだから貴方も見せないと。」

 

ジュン「ねえ、嫌なの?」

 

その瞬間僕はもうどうなってもいいやと思った。

直ぐに水着を脱ぎ、彼女たちに水を掛けた。

 

彼方「もうどうなってもいいや!早く洗うぞぉぉぉぉおおおお!!!」

 

美羽「キャッ!急に乗り気になったじゃない!」

 

珠惠「面白くなったわね。」

 

ジュン「背中洗うよ!」

 

それから僕達は仲良く洗い合いっこしましたとさ。

めでたしめでたし。。。

 

なんでか知らないけど皆恥じることなく前から後ろから洗ったからな。。。

ちなみにアレには至ってないよ?

だって...ムードがないじゃん?

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

風呂を上がったら丁度いい時間になり、晩御飯を作ることにした。

いつもなら美羽の家で雇っている専属のシェフに作ってもらうのだが、今回は折角だからと皆で作ることにした。

そうなると何がいいかとなり、定番のカレーを作ることとなった。

 

ジュンが居るから大量に作らないと行けず、下ごしらえが大変だった。

大量の野菜を切っていく中でなんと美羽が料理をあまりしたことない事実が発覚。

最初は不格好な野菜だらけだったが、僕達が教えた成果が出たのか後半は綺麗な形になっていた。

 

そして作ったカレーを皆で食べたんだが、ジュンの食べる量とスピードがもの凄かった。。。

いやあの身体の何処に15杯もカレーが入るんだ?

しかもそれを三十分で食べ終わるし。。。

 

いやまあ味はとても美味しかったからお代わりする気持ちはわかるよ?

実際美羽と珠ちゃんも三杯ぐらいお代わりしてたし。

なのにあの速さと量は桁違いだよ。。。

 

そう思いながら洗い物していた僕だった。。。

 

 

洗い物を終えてもう一回風呂に入った僕らは美羽の部屋でそれぞれくつろいでいた。

 

ジュンは美羽と喋っていて、珠ちゃんは本を読んでいる。

僕はそれを片目に先日デートで取ったぬいぐるみを愛でている。

何気にこのくまのぬいぐるみお気に入りなんだよね~。

 

そう思ってると美羽たちからトランプのお誘いを受け、皆で大富豪をやった。

案の定ルールを知らない美羽にルールを教え、いざ勝負をする。

序盤は僕と美羽の2トップ状態だったが途中で番狂わせが起きた。

 

ジュン「ねえねえ!都落ちも入れようよ!」

 

ジュンのその一言で全てが狂った。

いやまああの時の僕は調子に乗ってたからどうせやられるとしても美羽ぐらいしかいないだろうと思って承諾したけども。。。

 

ほんとあれはえげつなかった。

都落ちをルールに追加して再開した僕達。

 

だがここでジュンが一気に勝ち上がってきた。

だっていきなり革命してくるんだよ!?

ずっと上位に居た僕と美羽には当然不利だし、珠ちゃんもその時に限っていい手札だった為に驚いたみたい。

 

そこからジュンはあれやこれやと番狂わせを連発していき、見事に逆転した。

結果的に言うと一位がジュン。二位は安定の動きをしていった珠ちゃん。三位に何とか食らいついた僕。

そして...、ビリは都落ちから終始動揺していた美羽だった。

 

ビリになった美羽には罰ゲームが待っていた。

しかも罰ゲームの内容は美羽が決めたもの。

まさか自分が受けることになるとは思っておらず、高笑いしながら内容決めてたもんね~。

 

その罰ゲームの内容は。。。

 

美羽「うぅ。。。なんで私がこんな格好をしないといけないのよ。。。」

 

僕が愛でていたぬいぐるみのコスプレだった。

しかもちょっと露出多めにされてるやつ。

 

衣装と恥ずかしがっている美羽とのダブルコンボを決められた僕は静かに鼻血を出すのだった。。。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

色々はしゃいですっかり疲れてしまった僕達。

結局あの後に何故かもう何回もやることになり、僕以外が罰ゲームを受けることに。

 

そういうことで珠ちゃんとジュンもコスプレをしている。

最初は皆恥ずかしがっていたが、深夜テンションの域に達したのか、後半から特に気にしなくなっていった。

だが、僕だけはずっと気にしていた。

 

だってあんな魅力的な三人に露出高めの衣装を着せるのはヤバいって!

ずっと理性を抑えるのに必死だった。

 

だがもっと辛いのは今の現状。

時間も時間だから寝ようとなったのはいいんだけどまさかさ。。。

 

皆一緒に一つのベッドで寝るとは思わなかったよ!

しかもあのコスプレ衣装のままで!

 

三人ともこのままの方が楽だからいいって言ってたけど、流石に理性が持たないよ。。。

しかも今度は美羽が僕の上に乗って寝てるし。。。

柔らかい物が当たってるんですけど。。。

 

そう思いながら理性と戦っているとふと美羽と目が合う。

え?寝てなかったの?

 

美羽「フフフ、彼方。貴方もの凄く熱くなってるわよ?」

 

彼方「ちょっと美羽さん?何言ってんの?」

 

珠惠「あら?何緊張してるのよ?もしかして。。。」

 

ジュン「私たちと寝るので緊張してるの?」

 

すると珠ちゃんとジュンがギュッと腕に抱き着いてくる。

それぞれに幸せな感触が。。。

じゃなくて!!!

 

彼方「いやいや皆さん?当たっちゃってるんだけど?」

 

三人「「「当ててるの。」」」

 

あ、はい。。。

 

美羽「ねえ彼方。私考えてたのよ。いつ貴方に捧げようかと。」

 

彼方「捧げるって?」

 

美羽「私の初めてよ。」

 

彼方「What?」

 

初めて?あ~、おつかい?あれって意外に感動するんだよね~。

 

美羽「わかってるでしょ?私は冗談のつもりじゃないわよ。」

 

珠惠「美羽もそうだけど私もよ。貴方と繋がりたいのは。」

 

ジュン「私だって!彼方くんには全てもらって欲しんだよ!」

 

三人の気持ちを聞いた僕は考える。

まあ直ぐに結論は出たんだけど。

 

彼方「そっか。。。じゃあさ。」

 

そう言って僕は三人を抱き寄せる。

 

彼方「楽しもっか?」

 

三人「「「うん!」」」

 

それから僕達は重なり合った。

 

朝まで続いたのはここだけの話。

三人ともおいしゅうございましたとさ。。。

 

 

 

 

to be continued...

 



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進・路・誤・導

FGOが6周年ですね。。。
コヤンが全然来やん。。。

人権鯖欲しいよ。。。


ー彼方sideー

 

楽しいお泊り会から数日。

今日はめんどくさい進路指導がある。

 

正直将来設計はちゃんとしてるつもりだから適当に答えるしかないんだよね~。

フォリアも最近興味があると言って医学関連の本を読み始めてるし。

もしかしたらフォリアもその道に進むかもしれないね~。

 

そんなことを考えてるといきなり警報が鳴りだす。

もしかしてゾディアーツか?と思いながら廊下に出る。

リーゼントくん達も可能性を疑ってるが、それなら警報と共に悲鳴が上がるはず。。。

 

そう思ってると大杉が教室に戻るように廊下を歩きながら言っている。

すると警報も鳴りやんだ。

誰かのいたずらかなんかかな?

 

そう思ってると大杉がリーゼントくんに絡みだした。

まあ教師たちからの評価からしたら第一候補に挙がっても仕方ないかな?

 

どうやら何者かによって火災報知器のスイッチが壊されてたみたい。

しかも壊されたスイッチは何処かに消えたらしく。

大方証拠隠滅でも企んだんじゃないの?

 

そう思いながらも大杉の愚痴を聞かされてると廊下の奥からあの野郎が歩いてくる。

 

速水「園田先生は辞職しました。」

 

大杉「ええええええ!?」

 

速水「やっぱり体調が思わしくないということです。残念ですね。」

 

弦太朗「辞めたんだ...園ちゃん。。。」

 

ちょっとしたお通夜ムードが流れる。

まあ紗理奈ちゃん皆に人気だったからね~。

良い先生なだけあって余計にね~。

まあ今頃僕の家で家事やってるだろうけど。

 

速水「二年B組の新しい担任、宇津木遥先生。」

 

おぉ~、はるちゃん先生じゃん!

相変わらず学校辞めたいって思ってんのかな~?

 

遥「辞めたい。。。」

 

速水「えっ...?」

 

どうやらまだ学校を辞めたいと思っていたようだ。

その気持ちが口から出ちゃったようだけど。

 

周りの違和感に気づいたはるちゃん先生は慌てて取り繕った。

でもわかる人には誤魔化しきれないよ、今のは。

そう思ってると野郎がとんでもないことを言いやがった。

 

速水「こちらが二年B組の問題児達です。特にこの四人。。。」

 

そう言いこっちを見てくる。

誰が問題児だと、ゴラ?

 

弦太朗「んぅええ!?俺たちのどこが問題児なんすか!?」

 

速水「そういう態度も含めてね。」

 

彼方「だったらアンタは詐欺師だろ。。。」

 

速水「...我望、口を慎みたまえ。」

 

彼方「図星だからってキレちゃダメだよ~、校・長・センセ。」

 

速水「ちっ。。。君が交換編入生の朔田君か。どうですか?天ノ川学園は?」

 

あらら話逸らしたよ。

てかはるちゃん先生笑っちゃダメでしょ。

確かに面白いけども。

 

それから編入生と一言、二言交わした速水はどっかに行った。

あの時の編入生くんの顔...、気づいたかな?

 

すると崩れ落ちていた大杉が立ち上がり、はるちゃん先生に慰めてくれと頼みに行く。

その際に先生の肩に触れた。

ありゃりゃ。やっちゃったね。

 

はるちゃん先生は大杉の手を払いのけ、独特のフォームと共にハイキックを繰り出す。

あまりの風圧に大杉の髪は乱れる。

相変わらずすごいよね~、あのキックは。

 

大杉は腰が抜けたのか廊下に座り込む。

すると慌ててはるちゃん先生が謝る。

 

すると今度はリーゼントくんがキックに感動したのか先生の下に行く。

だがはるちゃん先生は関係ないと突っぱねた。

 

そしてそのまま廊下を歩いてった。

その際に僕に笑いかけたあの顔はしっかりと記憶したよ。。。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

放課後。

 

いよいよ進路相談が始まる。

まさかの僕が最後という一番だるいやつ。

ただ担任がはるちゃん先生に変わったからそれほど気負うことは無くなったかもしれない。

 

そう思いながら待ってると次々と終わっていく生徒たち。

残すは僕含め四人となった。

 

まず最初は城島らしいが...、何その格好?

 

彼方「ちょ、ちょ、城島。その格好は一体なんぞ?」

 

ユウキ「え?宇宙だよ?先生に私の気持ちを知ってもらうにはこれが一番かなって!」

 

彼方「そ、そう。。。まあ、頑張って。。。」

 

ユウキ「うん!城島ユウキ、行きまーす!」

 

そう言って教室へ入っていった。

何とも言えない空気を残していって。。。

 

賢吾「まあ彼女のああいうところはいいところだと思うがな。」

 

弦太朗「そうだぜ!ユウキの明るい性格は周りも明るくする!」

 

彼方「いや取り繕うとしてるのバレバレだから。まあ何にも言わないよ。」

 

そう話していると教室の扉が開く。

え?早すぎない?

いや今までの奴らも早いな~とは思ってたけど。

あの城島でこの早さは以上じゃないかな?

 

『はい、次ー!』

 

あ、はるちゃん先生の声が聞こえる。

取り敢えず次の順番である歌星が教室に入った。

 

彼方「ちょい、城島。早すぎない?」

 

ユウキ「うん。。。なんか先生適当に終わりみたいな感じでさ~。。。」

 

彼方「ふーん。。。ま、先にラビットハッチ行ってたら?」

 

ユウキ「うん。そうするね!じゃあ後でね!」

 

城島はそう言いいつもの調子で去っていった。

するとまたしても異常な早さで歌星が教室から出て来た。

それと入れ替わりでリーゼントくんが入っていった。

 

彼方「歌星も早かったね~。」

 

賢吾「あ、ああ。。。留年のことを言われるかと思ったが何にも言われなかった。。。」

 

はるちゃん先生流石にテキトー過ぎじゃない?

もうちょっとちゃんとしないと怒られるよ?

 

その後、歌星もラビットハッチに向かっていった。

残るは僕一人。

 

そう思ってるといきなり教室の扉が開き、リーゼントくんが押し出されてきた。

何やってんの!?てかリーゼント崩れてるし!?

もしかしてあのハイキック受けたの!?

 

そう思ってるとはるちゃん先生が僕の腕を掴んで強引に教室に入れた。

 

遥「取り敢えず座って。それと進路希望の用紙と。」

 

取り敢えず従っておく。

てかめっちゃイラついてるな~。。。

一体何やらかしたんだよ。。。

 

それからはるちゃん先生は用紙をじっくり見る。

一応医学部があり、面白そうな大学を選んでみたけど。。。

 

遥「海外の大学も視野に入れてるのね。」

 

彼方「まあ海外の方が水準が高いからね。まあ一応そっちも視野に入れて勉強してるからどれでもって感じだけど。。。」

 

遥「そう。まあ貴方が行きたいと思った所に行くといいわ。」

 

なーんか投げやりなんだよな~。。。

 

彼方「ねえはるちゃん先生。。。」

 

遥「ん?どうしたの?」

 

彼方「この後ジム行ってもいい?」

 

遥「どうしたの?もしかしてキック始めるの?」

 

彼方「いや久しぶりに戦いたい(やりたい)な~って思ってさ。」

 

遥「そう。。。良いわよ。なら明日の5時に集合ね。」

 

彼方「おっけー...ってそんな早くに大丈夫なの?」

 

遥「大丈夫よ。仕事はもう終わらせてるし。」

 

彼方「相変わらず早いね~。まだ辞めたいって思ってるの?」

 

遥「ええ。。。やっぱりキックの方が魅力的だもの。」

 

彼方「そっか。ま、先生のやりたいことをやればいいんじゃない?それにこの学校の校風は自由なとこだからね~。キック部なんて作ってみたらどう?案外楽しいかもよ?」

 

遥「部活ねぇ。。。なんか緩く感じるなぁ。。。」

 

彼方「。。。ま、先生が決めなよ~。それじゃ、またあとでね~。」

 

僕はそう言い教室を後にする。

はるちゃん先生には辞めてほしくないけど、それを決めるのは先生自身だからな~。

案外リーゼントくんが絡んできそうだけどね~。。。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ー次の日ー

 

先生との約束通り5時にジムに行く。

中に入ると今日も盛り上がっていた。

ここのジムってキックボクサー達の間では結構有名らしい。

 

取り敢えず身体を温めようと思ってリングを見ると、はるちゃん先生がスパーリングしていた。

僕は急いで着替えてウォーミングアップを終わらせる。

すると丁度向こうも終わったのかはるちゃん先生がこっちにやってくる。

 

遥「前よりキレが良くなってない?」

 

彼方「そう?毎日トレーニングしてるからかな~?」

 

遥「どんだけやってるの?」

 

彼方「えーと、朝に35キロ走ってその後に筋トレ一時間。ほんで夕方に帰ってからまた35キロ走って筋トレ一時間って感じかな?」

 

遥「貴方...、ストイック過ぎない?」

 

彼方「え、そう...?」

 

これぐらいやらないと持たないよ?

ちなみに暇なときは大体トレーニングだしな~。

だってそうしないと身体がスイッチの力についていけなくなる。

僕の場合スイッチがスイッチだから尚更ね。

 

遥「まあ取り敢えずリングに上がりましょ。久しぶりにやるんだから。」

 

彼方「そうだね~。手加減は無しだよね?」

 

遥「もちろん。」

 

はるちゃん先生すんごい嬉しそうだな~。

学校に居る時と違って生き生きしてるよね~。

 

そう思いながらもリングに上がる。

軽く跳んで感覚を慣らす。

 

コーチ「おう兄ちゃん!久しぶりじゃねえか!」

 

彼方「あ、コーチ!お久しぶりです~。」

 

コーチ「相変わらず良く鍛えてるじゃねえか!どうだ!キックやるか!」

 

彼方「いや~流石に皆さんと違って本気じゃないんで。でもキックの凄さはいつも実感してますよ!」

 

コーチ「そうか~。ま!お前さんならいい相手になるからな!これからも来いよな!」

 

彼方「はい!」

 

あの人凄い熱い人なんだよな~。

でも凄い良い人だから大勢のボクサー達に愛されてるんだよね~。

 

そう思いながら足のプロテクターを調整する。

 

遥「本気だからってここまで準備する?」

 

彼方「いや~やってみたいじゃん?キックを相殺させるの。」

 

遥「出来るならね?」

 

彼方「よっし、やってやるよ。」

 

そう。今回は全身の至るところにプロテクターを付けている。

本気でやり合うが、流石にマズいと判断した僕がプロテクターを付けることを言った。

だってもしキックの相殺なんかして脛やったら一大事じゃん?

 

そして両者共に準備が出来た。

相変わらずリングのはるちゃん先生の気合が凄い。

ここまでビンビン伝わってくる。

 

『ゴン!』

 

ゴングの音が鳴り、試合が始まる。

 

僕は先制を取るために一気に間合いを詰めて蹴りを放つ。

だがそれに反応して、先生は身を屈めてそこからパンチを放ってくる。

僕はそれを最小限で避け、上からパンチを叩き込む。

 

体勢が崩れるかと思ったが、威力を殺したのかそのまま体勢を整える先生。

そして今度は先生から攻撃が来る。

 

下段の蹴りを放ってきたから、僕はステップで避ける。

がそこに裏拳が顔面にヒットした。

予想外の攻撃で諸に受けてしまったが、これぐらいでダウンする僕じゃない。

 

僕は何とか倒れるのを阻止し、ブリッジの体勢からドロップキックを放つ。

見事にヒットして、先生は下がっていく。

 

お互いにダメージを受け、疲労が溜まって来た。

 

彼方「いっちょ力比べしてみる?」

 

遥「いいわね。やりましょ。」

 

僕達はそう言うと呼吸を整える。

そしてその時が来るまで待つ。

 

ふとジムのドアが開く音がする。

その音を合図に僕達はそれぞれキックの構えを取る。

 

僕は右脚を後ろに置いて力を溜める。

はるちゃん先生は独特のステップを踏む。

 

そして、一気にキックを繰り出す。

 

お互いのキックがぶつかり合い、激しい衝撃が来る。

だがお互い負けたくないの一心で力を入れる。

 

それも終わりを迎える。

互いに力を出し切り、後は気力だけの勝負。

そして二人の脚は離れていった。

 

引き分けとなって終わったのだ。

 

 

ごっつしんど!!!

 

僕と先生はお互い疲れてリング上で寝転ぶ。

お互い滝汗を流し、息が乱れまくってる。

 

直ぐにジムの人たちがタオルやら水やら酸素補給やらしに来てくれた。

ほんとありがとござます。。。

すると。。。

 

弦太朗「すっげぇぇぇぇぇええええ!!!!!」

 

僕はジム内に響き渡る声がした方を向く。

そこにはリーゼントくんと城島と友ちゃんが居た。

どしたの?

 

はるちゃん先生も気づいたみたいで何とか立ち上がりロープにもたれ掛かる。

 

遥「貴方確か...2Bの。。。」

 

弦太朗「如月弦太朗っす。担任になったんだから覚えてくれよ。」

 

遥「どうしてここに。」

 

弦太朗「遥先生、キック教えてくれ。」

 

遥「え?」

 

弦太朗「さっきのキック、凄かったじゃねえか。あれもう一度、見せてくれ。」

 

いやあの後にもう一度って鬼なの!?

流石に疲れて無理だよ。

 

先生はリングを降り、リーゼントくんと対峙する。

あらら、またおこになってるよ~。

 

遥「そんなことの為に私の後を付けまわしたの?ふざけないで。。。ここが私の本当の場所!アンタたちに土足で踏み込まれたくない!」

 

弦太朗「先生。。。」

 

遥「先生って呼ぶな!元々教師なんか向いてないの。キックで食べられればとっくに辞めてるわ!」

 

弦太朗「でも!」

 

あまりにしつこいリーゼントくんに痺れを切らした先生はキックをお見舞いする。

強すぎる風圧にリーゼントくんの髪型が大きく崩れる。

だが、キックを受けた彼の顔にはどこか愁いが漂う。

なんだあの顔は?

 

遥「どう?これで満足?だったらとっとと帰りなさい!」

 

そう言ってはるちゃん先生は奥に行ってしまった。

 

彼方「なんでそんな顔してんの?」

 

弦太朗「なんでって、その。。。」

 

彼方「もしかしてゾディアーツ絡み?」

 

弦太朗「っ!?あ、ああ。」

 

彼方「そっか。じゃあ多分はるちゃん先生じゃないよ。」

 

弦太朗「なんでだよ!?」

 

彼方「だって最近ずっと一緒に居たもん。それにアリバイはここの人たちがしてくれる。」

 

弦太朗「そっか。。。ワリイな。」

 

リーゼントくんはそう言うと城島達を連れて帰った。

それにしてもまたゾディアーツか。

しかもはるちゃん先生のキックを使うなんて。。。

 

すると奥からはるちゃん先生が帰って来た。

 

遥「あれ?帰ったの?如月って子。」

 

彼方「うん。なんかよくわかんないけど帰ってったよ。」

 

遥「そう。それにしても先生先生しつこいわね、あの子。」

 

彼方「まあ先生なんだから仕方無いじゃん。」

 

遥「嫌よ。私辞めるつもりなのに。」

 

彼方「そ。まあもうちょっと待ってみたら?何か面白そうなこと起きそうな気がするし。案外退屈じゃないかもよ?」

 

遥「ふーん...一応そうするわ。」

 

彼方「それよりもっかいやらない?」

 

遥「いいわね!今度は何か賭けましょ。」

 

彼方「じゃあ帰りに何か奢ってもらう!」

 

遥「乗った!」

 

それから僕達はもう一回リングに上がり試合した。

今度はキックのやり合いをせず、純粋に勝負をつける闘いをした。

 

結果は僕の勝ちだった。

いや負けた時の先生、凄く悔しそうだったな~。

 

もちろん帰りにラーメン奢ってもらった。

凄く美味しかったです、まる。

 

 

 

 

to be continued...

 

 




いかがだったでしょうか~。


今回はちょっと内容薄めな感じでお送りしました笑
いや時間が無くて無くて。。。
主に石集めで。


今回から遥先生回です。
映画の時の先生が凄く印象的でしたね~。

そして彼方くんとは知り合いだった設定にしました。
と言っても偶々行ったジムで息が合ったみたいな感じですけども。


それにしても最近思うんですよね。。。
TSってありじゃねって。。。

ほんとなんでもっと早くに気付かなかったんだろ。
でもフォーゼでTSさせるとしたら誰?ってなっちゃうんですよね~。
まあ何人かは候補に出てますけども。

最悪アンケでありかなしかだけ聞きますね。
一応設定練らなきゃなんないので。


ではでは次回もお楽しみに~。


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馬・脚・一・蹴

ー彼方sideー

 

はるちゃん先生とジムで戦いあった(やりあった)翌日。

 

いつも通りリーゼントくん達と登校してると、校舎の近くで人だかりができていた。

何だろと思い見てみると落研が芸披露していた。

 

ちょうどJKが見ていたので聞くと明日の落研の発表会の予行みたいなものらしい。

すると落語を披露していた鬼島がこっちにやってくる。

 

鬼島「おぉ!お前さんが噂の転校生!いや、個性的だねぇ。今度アタシの落語聞きに来てよ。」

 

弦太朗「...誰?」

 

流星「鬼島君。宇津木先生が扇を持ってたって教えてくれた。」

 

扇?何のことだろ?

 

フォリア『昨日現れたペガサス・ゾディアーツが落としたものです。宇津木先生に没収されたと聞いたのです。』

 

はるちゃん先生が?

没収されたのは多分本当だろうけど、ペガサスがって。。。

 

まさかそのことでリーゼントくん昨日ジム来たの?

だとしたら辻褄が合うわ。

どうせペガサスがはるちゃん先生のキック真似たんでしょ?

 

JK「そうそう。宇津木先生の癖も教えてくれたんすよ。」

 

鬼島「あぁ、あの先生ね。何かを誤魔化す時、こう左の手で右の頬を撫でるから。」

 

弦太朗「は~そうなんだ!すげえよく見てんな!」

 

鬼島「観察と模倣が芸の基本!落語はすげえよ?この舌先だけで世界を作っちまう!あ!他にそんな芸は動くほどだ!歩かないよ!あるか?ないよってねぇ!」

 

コイツ...ちょっときな臭いな。。。

もしかしてコイツがペガサスなのか...?

はるちゃん先生のキックを真似ることも出来るな。。。

 

すると鬼島が稽古に戻ると言う。

だが今から稽古したら遅れるんじゃない?

 

歌星がそう指摘すると鬼島は腕時計を見る。

するとJKが覗きこみ、時計が遅れてることを言う。

そしてJKが軽いノリで小突くと、左の脇腹を抑えて痛がる。

 

こりゃ益々怪しくなったな。。。

僕は隣で鬼島を見つめる編入生くんに聞こえるように呟く。

 

彼方「昨日の戦い、映像は撮ってるか?」

 

流星「っ!?いや。バガミールなどは使ってないはずだ。だがメテオのカメラ越しにタチバナさんが記録してるかもしれない。」

 

彼方「そうか。後で見せてくれ。アイツは怪しい。」

 

流星「ああ。俺もそう思う。」

 

なんやかんや編入生くんも丸くなってきた気がする。

これもリーゼントくん達と過ごしてる影響かな?

 

すると大杉が大声でリーゼントくんを呼びながらこっちに来る。

どうやらはるちゃん先生が今日休むらしい。

それでリーゼントくんがまたやらかしたと疑ってるようだ。

 

するとリーゼントくんは急にお腹が痛くなったから早退すると言い、走ってどっかに行ってしまった。

こりゃジムに行くつもりだな?

 

彼方「大杉先生!アイツを連れ戻してきます!」

 

大杉「え!?ちょ、我望まで!」

 

僕はリーゼントくんを追いかけていく。

彼一人だとまた厄介なことになりかねない。

僕も行かないと流石にマズくなる気がする。。。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ジムに着くとリーゼントくんがボクサー達に囲まれてた。

どうやら昨日の件で反感を買ったらしい。

まああんな態度だと良く思われないよね。

 

するとリーゼントくんの前に立ってた男が思いっきり殴ろうとした。

僕は慌ててリーゼントくんのとこに行き拳を止めようとする。

すると僕の手と重なって誰かが拳を止める。

 

誰だと思い見てみるとはるちゃん先生だった。

すると先生は手が重なったことに驚き、乙女な反応をする。

何それ、可愛い。

 

遥「辞めなさい。」

 

弦太朗「先生。。。」

 

遥「アンタも先生って呼ぶな。何度言ったらわかるの?もう私に付きまとわないで。」

 

弦太朗「何度でも付きまとう。先生がスイッチを手放すまで。」

 

彼方「え、ひょっとしてストーカーするつもり?辞めなよ?」

 

遥「え?そうなの?」

 

先生はそう言い自分に身体を抱きしめる。

流石にその発言は引くよ?

 

弦太朗「違えって!?とにかく早くスイッチを出してくれ!持ってんだろ?」

 

すると先生は鬼島が言っていた誤魔化す時の仕草を取る。

ん?はるちゃん先生がスイッチを持ってないはずだけど。。。

なんか話が食い違ってる?

 

はるちゃん先生はリーゼントくんの顔を見て怒る。

 

遥「何その顔。。。私を憐れんでるの?」

 

弦太朗「なんでゾディアーツなんかに成っちまったんだよ!」

 

遥「ゾディアーツ?何それ。。。マーシャルアーツの一種?」

 

いやどんだけ格闘技好きなんだよ。

ゾディアーツって聞いてその返しが来るとは思わなかったよ。

 

弦太朗「逃げんな、先生!」

 

遥「逃げてなんかないわよ!...逃げてキックが出来ると思う?」

 

弦太朗「だったら教えてくれよ!先生の本気がどこにあるのか。」

 

そう言うとお互い見つめ合う。

そして痺れを切らしたのかはるちゃん先生はリングに上がれと言う。

そこで自分の本気を教えてやると言って。

 

 

リングの上で戦いが繰り広げられる。

と言っても一方的な試合な感じがするけど。

 

リーゼントくんは得意の喧嘩殺法で攻めていくが、先生はそれを最小限の動きで避けていく。

大振りなパンチも先生には聞かず、すぐにカウンターを決められる。

だが持ち前のタフさで何とか続けれている感じがする。

このままだとスタミナ切れで負けるな。。。

 

試合中に言葉を交わすが、そんな余裕かましてる場合じゃない。

案の定最後は先生のハイキックが頭にクリーンヒットして倒れ伏す。

ありゃりゃ。こりゃ気絶しちゃったかな?

 

はるちゃん先生はそそくさとリングを降りて帰る準備をする。

僕はその間にバケツに水を溜めてコーチに渡す。

するとコーチは躊躇なくリーゼントくんの顔面に水をぶっかける。

 

意識を取り戻したリーゼントくんははるちゃん先生を見つけるとロープにもたれ掛かりながらも真っ直ぐ見据える。

 

弦太朗「迷ってんなら来いよ、学校!明日、進路指導だぜ!俺、待ってるから!」

 

リーゼントくんはそう言って拳を掲げる。

先生はそれを見ると、少し考えた後にジムを出る。

僕はその後を追いかける。

 

 

彼方「はーるちゃん先生!」

 

遥「彼方くん。。。」

 

彼方「さっきは激しかったね~。そんなにイラついたの?」

 

遥「それは...、あの子がしつこいから。。。」

 

彼方「まあ分からなくもないけどね~。」

 

遥「それにスイッチスイッチって何度もしつこく言ってくるし。」

 

彼方「そのことだけどさ。先生多分勘違いしてるよ。いや彼もだけど。」

 

遥「え?」

 

彼方「先生が思ってるスイッチってどれのこと言ってるの?」

 

遥「それは...その。。。」

 

彼方「大丈夫大丈夫。大方予想はついてるから。」

 

遥「そう。。。なら。。。」

 

そう言ってはるちゃん先生は鞄からあるものを取り出す。

それは。。。

 

火災報知器のスイッチだった。

 

いや何となくそんな予感はしてたんだよ?

だって先生からコズミックエナジー感じないしさ?

いくら何でも犯人って疑われる物を落としたりしないしさ。

 

それにしても。。。

 

彼方「なんで壊しちゃったのかな?かな?」

 

流石に学校の物壊しちゃダメでしょ。

それに結構大事な物を。

 

遥「うっ。。。それは...、むしゃくしゃして回し蹴りしたらつい。。。」

 

彼方「ついで済む話かな、ついで!」

 

遥「うっ。。。ごめん...なさい。。。」

 

彼方「もう。。。叔父さんに何とか話つけるよ。僕が壊しちゃったって。」

 

遥「ほんとにごめんね?それにしてもじゃああの子が言ってたスイッチって?」

 

彼方「ん?ああこれのことだよ。怪物に変身できるスイッチ。」

 

そう言って僕はスイッチを出す。

 

遥「そう、怪物に。。。って、え!?怪物に!?なんで貴方が持ってるの!?」

 

ん?...あ!?

なんで僕見せちゃったの!?

どうしよ!なんて言い訳しよ!?

 

彼方「これはレプリカだよ?こーゆーのが出回ってるから注意してね~って的な感じの。。。」

 

遥「。。。」

 

うっ。。。先生がジト目でこっち見てくる。

辞めて!そんな目で見ないで!

 

遥「ほんとのこと言ってちょうだい。」

 

彼方「いやいやほんとだって。実際何人もの生徒がこれに手出してんだからさ。」

 

遥「彼方。」

 

彼方「はい!僕もです!」

 

怖い!底冷えするような声で呼ばれたら誰でも認めるって!

 

すると先生はため息を吐いた。

あれ?何か思ってた反応と違う?

 

遥「貴方が怪物だろうと関係ないわ。それにどうせ学校で噂されてるようなことはしてないんでしょ?なら別にどうでもいいわ。」

 

彼方「いやいやどうでもいいって。。。でも...ありがと。。。」

 

遥「っ///別に、そんなんじゃないわよ。。。」

 

怪物だろうと関係ないか。。。

なんか言われると凄く嬉しくなるな。。。

 

彼方「明日の進路指導、僕も一緒に行くよ。」

 

遥「え?なんでよ。」

 

彼方「先生の進路が気になったから?」

 

遥「私の進路。。。」

 

彼方「それと生徒に進路指導される先生の姿が見たいから。」

 

遥「なっ!?ちょっと!」

 

彼方「ハハッ!冗談だって!冗談!」

 

遥「冗談で済むか!」

 

彼方「痛っ!ちょ!?いきなりキックは辞めて!?しかも頭狙うとか!」

 

遥「そんなこと考える頭は蹴ったら治るわよ!」

 

彼方「昔のテレビとちゃうわ!ちょ!?ほんまに辞めて!?」

 

なんでこんな目に遭わなきゃなんないの!?

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ー次の日ー

 

僕は途中ではるちゃん先生と会い、教室に向かう。

今日は進路指導だ。

 

正直言ってリーゼントくんのことだからまたとんでもなことやらかすんだろうけど。

まあ多分はるちゃん先生を導く何かするだろう。

 

二人で教室の前に立ち、扉を開ける。

すると、中にはフォーゼがヤンキー座りをしていた。。。

 

一旦扉を閉め、もう一回開けると。。。

やっぱりフォーゼがヤンキー座りしていた。。。

 

...取り敢えず僕は履いていた上履きを脱いでそれを持ち、思いきりフォーゼを叩く。

 

彼方「出オチが凄いんじゃあ!!!」

 

ほんと何してんの!?

なんで進路指導でフォーゼに変身してんの!?

もしかしてまだはるちゃん先生のこと疑ってたの!?

 

見てみな!先生驚きすぎて唖然としてるよ!

え!?僕のやったことに驚いたって!?

なんで!?当たり前のツッコミしただけだよ!

 

フォーゼ「痛っ!?何すんだよ彼方!」

 

彼方「それはこっちのセリフじゃあ!なんでフォーゼに変身してんの!?」

 

フォーゼ「先生の進路指導だからだ!」

 

もしかしてまだ先生ゾディアーツ説信じてるのかよ。。。

 

彼方「あのね?そのことなんだけど。。。」

 

フォーゼ「さ!遥先生!スイッチを出してもらうぜ!」

 

彼方「人の話を聞けぇぇぇぇぇえ!!!」

 

遥「どういうことよ!?」

 

フォーゼ「正々堂々戦おう!だから早く変身しやがれ!ほら!スイッチを出せ!」

 

遥「スイッチって。。。」

 

フォーゼ「ほらどうした!来い!」

 

彼方「お前は一旦黙っとけぇぇぇえええええ!!!!!」

 

我慢の限界で僕はフォーゼを思いっきりドロップキックした。

コイツ人の話聞かなさすぎ!

 

彼方「先生はゾディアーツじゃないっての!スイッチは持ってない!持ってるのは火災報知器のスイッチだよ!」

 

遥「そうよ!これで満足!」

 

フォーゼ「そうそうこれこれ...ってええ!?」

 

彼方「何度も言おうとしたじゃないの。。。」

 

遥「こりゃ問題児扱いされるわ。。。」

 

フォーゼ「その...すんません。。。」

 

そしてリーゼントくんは変身を解いた。

ほんとなんで僕の話を聞かないかな~?

 

取り敢えず反省させる為に正座させようと思ったらマグフォンから着信音が鳴る。

リーゼントくんが出ると、どうやら本物のスイッチャーが分かったようだ。

と言っても僕は既に知っている。

 

 

昨日はるちゃん先生と別れた後、編入生くんと会っていた。

朝に言っていたメテオの記録をもらうために。

 

どうやらデータはあったようで、早速それを持って行っていたPCに繋げ見てみる。

するとある人物が取っていた行動とそれに関する理由の裏付けが取れたのだ。

それを確認した僕達は、編入生くんに導くように頼んだ。

 

 

リーゼントくんは通話を切ると直ぐに教室を出ていった。

いや結局何やりたかったんだろ。。。

 

教室に取り残された僕達二人。。。

どうしようかと迷ってると、ふと床に落ちてる物に目が付く。

 

それを拾うと、そこには辞職願と書かれていた。

それを見たはるちゃん先生は気まずそうな顔をする。

 

遥「それ...出しそびれていたやつ。辞めようと思って書いたものの、ずっと辞める決心がつかなかったの。」

 

彼方「心の何処かでキック一本じゃ無理だって思ってたから?」

 

遥「そう。心の何処かで思ってたの。キック一本で生きていけないって。」

 

彼方「でも辞めなかったのは偉いじゃん。」

 

遥「え?」

 

彼方「迷いながらも二つの道を歩き続ける。それだけでも充分すごいことだよ。いつかわかるんじゃないの?どうなりたいかって。」

 

遥「どうなりたいか。。。」

 

彼方「ま、それがいつになるかわかんないけどね~。先生次第だからさ。でも僕は信じてるよ。先生なら出来るって。」

 

一つに絞るか、二つを歩き続けるか。。。

その決断は人生を左右するものだ。

でもいつかは決めなければいけない。

 

その時に下した判断はきっと後悔しないものだと思う。

だっていっぱい悩んだんだから。

 

彼方「それより僕達も行こっか?」

 

遥「え?どこに?」

 

彼方「リーゼントくんのとこ。先生も見てみればわかるよ。彼の進路。」

 

遥「。。。」

 

僕は先生の手を掴み走り出す。

多分このままだとうじうじしてそうだったから仕方ない。

仕方ないったら仕方ない!

 

 

先生を連れて現場に向かうと既にフォーゼとペガサスが戦っていた。

だが戦況はよろしくない。。。

やはり他人の技を模倣するのが得意な鬼島だ。

多分これまで襲ってきたやつらの技もコピーしてるのだろう。

 

このままだとフォーゼの体力が尽きる方が早い。

ここは僕が出るしかないのか?

 

そう思ってるとはるちゃん先生が前に出て喝を入れる。

 

遥「何やってるの!腰が入ってないわよ、如月君!」

 

フォーゼ「っ!先生!?初めて名前を...!」

 

遥「貴方の担任なんだから当たり前でしょ?」

 

どうやら吹っ切れたみたいだ。

先生は二つの道を真っ直ぐ行くことにしたみたいだ。リーゼントくんの様に。

 

リーゼントくんはその言葉を聞いて気合を入れる。

そして先生と友情の証を交わす。

 

気合を入れなおしたフォーゼはスパイクを装着してペガサスに挑む。

だがいくら気合を入れなおしたところでペガサスとの差は埋まらない。

 

そこにはるちゃん先生が自分の技をフォーゼに見せる。

それを見たフォーゼは見事に模倣し、ペガサスを圧倒していく。

 

攻撃を受け続けたペガサスは分が悪いと判断したのかここから逃げた。

フォーゼは逃がすまいとステルスとホイールを使ってペガサスに気付かれないように追いかける。

僕達もその後を追って追いかけた。

 

倉庫に逃げ込んだペガサスはフォーゼと格闘戦をしていた。

ペガサスの動きを完全に読んだフォーゼはホバリングを使いながら確実にダメージを与えていく。

 

ペガサスは脚から蹄形の光弾を出すもフォーゼに防がれる。

フォーゼは自身の後ろで起こった爆発の勢いに乗り、ペガサスに大打撃を与える。

それによって大きく吹っ飛ばされたペガサス。

 

その隙にフォーゼはマグフォンを取り出し、分割。

そしてドライバーに装填してオンにする。

 

『N! S! Magnet! ON』

 

マグネットステイツに変身したフォーゼ。

そこにペガサスが立ち上がり、またもや光弾を繰り出す。

 

フォーゼはそれを強化された背中のスラスターで後ろに避ける。

そしてレバーを引きリミットブレイクを放つ。

 

肩の砲台がマグネット型に合体し、砲口から電磁砲を放つ。

高濃度の電磁砲を間近に食らったペガサスは爆発した。

 

復活する気配もなくこれで終わり...ってアレは!?

僕ははるちゃん先生を庇うように立ち、警戒する。

 

遥「どうしたの?戦いはもう。。。」

 

彼方「気を引き締めろ!ヤバいの生まれる!」

 

フォーゼ「生まれる?それってどういう...っ!?」

 

僕の発言に不思議に思った皆が爆発の方を見る。

すると爆発の中からひと際大きい黒いモヤが現れる。

 

すると立ち上がっていた炎は吸収されペガサスが蘇る。

最輝星が輝いただけかと思うが、纏ってるオーラが違う。

最輝星だけなら黄金のオーラを纏うはず。

だがペガサスは黄金ではなく、赤色のオーラを纏っている。

 

これは...新たなホロスコープスが誕生する!

 

すると何処から来たのかヴァルゴさんが鬼島の肉体を持って現れる。

そして持っていた肉体をペガサスに投げつける。

すると肉体はペガサスに吸収され、黒いモヤがペガサスを包む。

 

そしてペガサスの肉体は灰と化し、中から別の物が出てくる。

全身を赤い甲羅で覆い、左腕に大きなハサミを持つ。

かに座、キャンサー・ゾディアーツが誕生した瞬間だった。。。

 

キャンサー「うぉぉぉお!!!力が満ち満ちるぜぇ!」

 

オーラを昂らせながら言うキャンサー。

そんなキャンサーにヴァルゴさんが近づく。

 

ヴァルゴ「来たまえ、新たな同胞よ。かに座の使徒、キャンサー。」

 

すると杖を振るい、その場からワープした。

まさかここでホロスコープスが誕生するとは。。。

アイツは侮れん奴だったかもな。。。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ペガサスとの戦いから後日。

 

僕達は今体育館に居る。

何故かって?それは。。。

 

遥「ちょっと休憩しない!ほら!」

 

弦太朗「うぅ、うらぁ!」

 

遥「学校にキックボクシング部作るから!如月君にも協力してもらうわよ!」

 

弦太朗「でも俺には仮面ライダー部があんのに!」

 

遥「いいからもっと強くなりなさい!ほら!彼方くんを見て!」

 

そう。何故かはるちゃん先生の指導のもとキックの練習をしている。

僕は組む相手が居ないから一人でサンドバック相手にやってるけど。。。

 

なんでこうなった?

 

遥「彼方くん!貴方はうちの部のエースだからね!」

 

彼方「え!?ちょ、それ聞いてないよ!?てか僕ライダー部に入ってるから!」

 

遥「兼部もありなんでしょ?ならいいじゃない!もっと強くなりなさい!」

 

彼方「そんなのありかよぉぉぉ!!!」

 

僕は何とも言えない気持ちを思い切りサンドバックにぶつけた。

あ。。。思い切りやり過ぎて壊しちゃった。。。

 

っ!?ふとはるちゃん先生の方を見ると。。。

鬼の形相だった。。。

 

遥「それ、壊したわね?」

 

彼方「えっと、その。。。」

 

遥「入部、するよね?」

 

彼方「でも僕には。。。」

 

遥「弁償するか、入部するか...決めて?」

 

彼方「え?いや弁償はちょっと。。。」

 

遥「じゃあ入部ね?決まりよね?そうよね?」

 

彼方「...はい。」

 

理不尽な。。。

 

 

 

 

to be continued...

 

 




FGOずっとやってた。。。
バゲ子。。。



あ、アンケやってるから投票よろです。


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白・鳥・同・盟

相変わらずコヤンは来やんのですよ。。。


ー彼方sideー

 

深夜の街中。

僕は一人歩いている。

 

というのも速水が面白いサンプルを実験中だと言っていた。

どういうものか一目見てみようと思い、瞳を使って探している。

 

としてると引ったくりの現場を目撃した。

僕は警察に電話しようとするとどこからか白い羽根が落ちて来た。

一体これは...?

 

すると引ったくり犯の前から何者かが現れる。

白いボディに嘴の様な口。

そしてその身には星座が。

 

特徴から見て白鳥座、キグナス・ゾディアーツか。。。

にしてもいきなり何だ?

一体何の目的が。。。

 

キグナス「小さな親切大きなお世話。それでも必ずやってくる。。。愛と正義の名のもとに。」

 

するとキグナスが変な口上を口にする。

それにイラついた犯人が警棒を取り出しキグナスに襲い掛かる。

だがキグナスはそれを優雅な動きで翻弄し、犯人を倒していく。

 

キグナス「我が名はキッグナス!白鳥の勇者。」

 

キグナスもといキッグナスは犯人から鞄を奪い取ると、それを被害者の女性に渡す。

そして変な走り方でその場を去っていく。

僕は後をつけることにした。

 

 

しばらくすると人気の無い所に行き、キッグナスは変身を解除する。

スイッチャーは変な恰好をした青年だった。

あれは...もしかしてキッグナスを模倣してるのか?

 

すると青年は突然誰も居ない所を見て話しかけている。

まるでキッグナスと話しているみたいに。。。

 

まさか自分がゾディアーツであることに気付いてないのか?

それとも...、二重人格なのか?

 

これが速水が言ってた面白いサンプルってことか。。。

もしかしたら双子座に覚醒するかもな。。。

なんせあの星座はそういう側面を持つ星座だからな。。。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

僕は今校内をリーゼントくん達と歩いている。

二人ほど増えているけど。。。

 

その二人は昨日僕が見た青年と太っちょの男子だった。

キッグナスのコスプレをしてるのが江口。

そして太っちょが母部田というらしい。

母部田って変わった苗字だな~。。。

 

二人は『醜いアヒルの子の会』というものに入ってるらしい。

その会はキッグナスに助けられた生徒によって設立されたらしい。

それに興味を持ったリーゼントくんが行こうと言って向かってるとこだ。

 

それにしても醜いアヒルの子ね~。。。

まるで()()()みたいだな。。。

 

そう思ってるとテスト用紙を持って歩いてた大杉が風によってテスト用紙を落としてしまう。

僕達はそれを見て拾うのを手伝うのだが。。。

何故かキッグナスに憧れてるという江口が拾うのを手伝わない。。。

もしかしたらそういうとこがキッグナスの人格を生み出したのかもな。。。

 

そして拾っている最中にテスト用紙を踏む奴が。

誰だと思い見上げると、そこにはキャンサーが居た。

 

僕は急いで大杉に逃げるように言い、その場から一歩下がる。

そして警戒していると、キャンサーは変身を解除した。

 

鬼島「挨拶に来たんだよ。お前さん達には散々お世話になったからねぇ。特にそこの二人。よくも正体ばらしてくれたな。。。」

 

いや僕その場に居なかったんですけど?

僕は小声で編入生くんに聞くと、鬼島に迫った時に僕の名を出したらしい。

完全に僕被害者じゃん!?何してくれてんの!?

 

すると鬼島はキャンサーに変身し、ハサミを向けてくる。

そこにリーゼントくんが前に立ち変身する。

 

フォーゼはキャンサーと交戦するが、相変わらず模倣した動きで往なされる。

そしてキャンサーはハサミで思い切り振り払ってくる。

慌ててフォーゼは避けるが、後ろにあった柱はスパンと綺麗に切れた。

あのハサミ、相当な切れ味だな。。。

 

フォーゼはハンマーを使って応戦するが、キャンサー特有の硬い甲羅で全然ダメージが行かない。

むしろ衝撃が帰ってフォーゼにダメージが行く。

 

打撃が無理なら斬撃と、今度はチェーンソーを使って攻撃するがそれも刃が通らず。

伊達に十二使徒随一の硬さを名乗ってるだけあるか。。。

 

フォーゼはその後もドリルで削ろうとするがそれも効かず。

ここはフォーゼ隋一の攻撃力を誇るマグネットで行くことに。

 

マグネットステイツに変身したフォーゼは砲台から超電磁砲を連発する。

全てキャンサーに当たるが、それすらも甲羅を通さず。。。

無敵の鎧を手に入れたキャンサーだった。

 

遊びは終わりだと言い、キャンサーは再びフォーゼに攻撃する。

攻撃が通らず動揺してるフォーゼに大きなハサミでの攻撃が当たる。

このままやられていく一方だと思われたが、そこに羽根が舞い落ちる。

これは。。。

 

すると昨夜聞いたクサいセリフと共にキッグナスがフォーゼの隣に舞い降りる。

正に理想的なヒーローの登場だな。

 

キッグナスはキャンサーに攻撃する。

それに乗じてフォーゼも攻撃するが、キャンサーのカウンターを食らう。

何やってんの。。。

 

流石に分が悪いと判断したかキャンサーは逃げようとする。

 

キャンサー「ここは引くとするか。。。えー、ドロンと消えたいところだけどその能力は無いので、マラソンランナーとかけて曲がった松と解きます。」

 

ユウキ「そ、その心は!」

 

キャンサー「走ら()にゃならない!」

 

そう言ってそのまま走っていった。。。

慌てて追おうとするフォーゼだが無理だと判断したのか諦めた。

 

フォーゼ「助かったぜキッグナス!噂通りの強さだな!」

 

キッグナス「フォーゼ、君も強い。30ポイントだ。」

 

フォーゼ「よしっ!じゃあ俺とダチになろうぜ!」

 

キッグナス「ヒーローとは孤独なもの。友など、必要ない。」

 

キッグナスはそう言って独特な走り方で去っていった。

孤独なもの、ね~。。。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

キャンサーと戦った後、僕達は江口達と共に古びた建物にやって来た。

どうやらここが『醜いアヒルの子の会』の会場らしいが。。。

 

リーゼントくん達もちょっと引きながら入っていく。

扉を開けるとそこには一つのステージがあり、それを囲むように椅子が並べられている。

そしてそのステージの上で踊ってるのが...ミサちじゃん!

 

彼女は鳥居崎ミサ。

バレエ部に所属しており、以前は周りから落ちこぼれと罵られていたが。。。

今踊ってる姿を見るとすっかりその様子は無くなったようだ。

 

それにしても『白鳥の湖』か。。。

正にキッグナスの同好会に相応しい物を選んだな。

 

一通り演技が終わるとこっちに気付いたのか檀上をゆっくり歩いてくる。

 

ミサ「おう江口、やっと来たね。で?遅刻の理由は?」

 

江口「見学者を連れてきたんだ。」

 

弦太朗「よろしく!」

 

あれ?彼女前はこんな性格だったっけ?

前はもっとひ弱と言うか守ってあげたくなると言うか。。。

今とは真反対な性格だったはず。。。

 

するとミサちはとんでもなことを言いだす。

 

ミサ「不良。アホ。ゴス。イケメン。それに。。。そこの以外は全員ダメだ。会の品格が落ちるからね、帰んな!」

 

ちょっと!?いきなり何言ってんのあの子!?

ねえ!前のミサちは!?あの頃の可愛いミサちはどこに!?

あんなS嬢じゃ無かったのに!

 

城島はリーゼントくんに帰ろうと言うが彼はそれを断る。

そしてもう一度キッグナスに会って友達になると堂々と宣言した。

 

するとミサちはそれを気に入ったのか、キッグナスみたいにポイントをあげ見学を許可すると言った。

それに大喜びなリーゼントくん達と、片やどうでもよさげな編入生くんと居づらそうにしてる友ちゃん。

僕とフォリアはどちらでもなく、この会がどういったものか探ろうと考えている。

 

 

ミサ「じゃあ始めよう!正義の心を分かち合う時間だ!」

 

ミサちの号令と共に始まったのは会の皆がそれぞれ今日行った親切を発表し合う時間。

正直言ってこれをして何になると思うが、彼らはこれをモチベーションに親切を行っている。

動機は不純と言われるかもしれないが、これをきっかけに助け合いが広がるのは悪くないと思う。

 

そしてミサちはそれぞれにポイントをあげている。

もちろん独断だろうけど、実際ポイントの基準は相応しいものだろう。

 

そして江口の番になったのだが。。。

江口はさっきあった大杉の件を正直に話す。

すると周りからは非難の声が。

当然ミサちも彼を非難する。

 

だがミサちはただ突き放すだけではなく、キッグナスならと言って江口を励ます。

なるほど。。。こうされるとミサちとキッグナスは見てくれてると思い込むな。。。

いつの間に人心掌握なんて覚えたんだろ?

 

するとミサちは会員に向かって言葉を投げかける。

それに対して皆答える。

そして最後にはキッグナスコールが。

 

まるでカルト教団みたいだな。。。

これ見てたら某ライダーを思い出しちゃったよ。

彼は王としての在り方をしっかり持ってたからな~。そこはすんごい尊敬できる。

 

ふと隣を見てみると編入生くんが立ち上がり扉に向かう。

それと友ちゃんが居づらそうにしている。

まあこれ見てたらかつての自分を思い出しちゃうよね。。。

 

すると今度は変なダンスが始まった。

リーゼントくん達は乗り気で踊ってるけど。。。

友ちゃんが完全にアウトになってる。

 

彼方「友ちゃん。外に出る?」

 

友子「え?」

 

彼方「ここに居るの嫌でしょ?昔を思い出して。」

 

友子「...はい。」

 

彼方「じゃあ出よっか。僕もこんなのはちょっとね。。。」

 

僕はフォリアに一言言ってから友ちゃんと一緒に出ようとする。

するといつの間に来てたのかミサちが扉の前に立ちふさがる。

 

ミサ「途中退出は困るね。それが規則だ!」

 

彼方「彼女の具合が悪くてね。それともこの状態のまま放置しろと?」

 

ミサ「それは。。。」

 

彼方「あとで話そう。ミサちには聞きたいことがある。」

 

ミサ「。。。」

 

僕はそう呟いてからミサちの横を通り過ぎ、そのまま出ていった。

 

 

友子「あの会見てると、前の自分を思い出しちゃって。。。」

 

彼方「それは僕も思ったよ。友ちゃんにとっては嫌な記憶思い出させちゃったなって。」

 

友子「ありもしないものにすがっても自分が強くなれるわけじゃないのに。。。」

 

彼方「そうだね~。キッグナスも本当に正義のヒーローなのか怪しいし。。。」

 

僕達が話していると突然羽根が舞い落ち、キッグナスが現れた。

何故だ?まさか自分のことを悪く言われたからか?

 

キッグナス「私の会を侮辱したな?許せぬ。」

 

キッグナスはそう言うと羽根をこっちに飛ばしてきた。

僕は慌てて友ちゃんを抱いてその場から避ける。

すると羽根が着弾したところには小規模な爆発が。

 

するとキッグナスは僕に攻撃してくる。

僕はそれを必死に避けるがアイツの攻撃のキレが凄い。。。

 

彼方「友ちゃん!ソフトちゃんを!」

 

僕がそう言うと友ちゃんは鞄の中からソフトちゃんを取り出し、スイッチを装填してオンにする。

するとソフトちゃんはキッグナスに向けて冷気を放つ。

キッグナスが怯んだ隙に友ちゃんがリーゼントくんに連絡する。

 

だがその間にキッグナスは再起し、ソフトちゃんを掴んで投げ捨てる。

野郎!僕の可愛い可愛いソフトちゃんを!

 

僕はキッグナスに攻撃するが、中々通らない。

それどころかキッグナスの攻撃がこっちに通ってきてる。

コイツ...どこでこんな技を?

 

キッグナス「考え事とは随分余裕じゃないか。」

 

と考え事してたらキッグナスの攻撃を諸に受けてしまう。

怯んでるところを蹴りで一気に吹っ飛ばされてしまった。

 

それを見た友ちゃんはソフトちゃんにリーゼントくんを呼んできてもらうよう頼む。

マジかよ。。。電話出なかったのかよ。。。

 

取り敢えずリーゼントくんが来るまでの時間稼ぎをしないと。。。

だがここでスイッチを使ってもコイツの場合ばらしてしまうかもしれない。。。

そう考えた僕は虚空から杖を取り出す。

 

友子「えっ...あれって。。。」

 

キッグナス「ほぉ?中々面白い力を持ってるじゃないか。まさか君もこっち側かね?」

 

彼方「ごちゃごちゃうっせえ。今の()()は頭にキテんだよぉ!」

 

感情が昂りすぎてオレが出てきちまったか。。。

でもそんなの気にしてる場合じゃねえな。

 

オレは杖を振るいキッグナスを攻撃する。

流石に間合いが変わったからか攻撃が良く通る。

 

徐々にダメージが溜まっていき、そろそろいいだろってとこでオレは杖に力を込める。

すると杖の先端が槍の様に細長くなる。

某楽園の妖精が持っていた槍を意識してみたら出来たってとこだ。

 

オレはそれを構える。

するとキッグナスは突然友ちゃんのとこに飛び、友ちゃんを盾にするように前に突きだす。

 

彼方「これ以上オレを怒らせるんじゃねえよ。。。」

 

オレは槍を構えてキッグナスに突撃する。

がしかし...、友ちゃんを前に出されてしまい攻撃が出来なくなる。

 

彼方「チッ。。。」

 

オレは力を抜き、槍を杖に戻してしまう。

するとキッグナスはオレの背後に飛び、攻撃してくる。

だがオレはそれを往なし、攻撃するとキッグナスはまたもや友ちゃんを掴む。

 

キッグナス「攻撃をかわすな!じっとしてろ!」

 

彼方「ヤロォ...!テメエ...絶対ぶっ潰してやる...!」

 

キッグナス「フン!やれるものならやってみな!」

 

するとキッグナスは友ちゃんを乱暴に放し、こっちに回転しながら飛んでくる。

オレは最小限食らい、ダメージを減らすが今度は回転キックを放ってきた。

オレはそれをマトモに食らい倒れてしまう。

 

その際に杖を離してしまい、杖はそのまま虚空へと還っていった。

そしてキッグナスがこっちに飛んできて、オレの右手を思い切り踏みつけやがった。

 

キッグナス「さっきは随分と私を殴ってくれたなぁ?悪い手だ!」

 

彼方「ぐああ!!!」

 

友子「辞めて!もう辞めて!辞めてよ!」

 

するとバイクの音が聞こえて来た。

やっと来たのかよ。。。

 

フォーゼ「キッグナス!これどういうことだ!?」

 

キッグナス「ヒーローとして、悪を懲らしめてるところだ。」

 

友子「嘘よ!私を盾にして先輩を!」

 

彼方「ぐあぁ!!!んのヤロォ...!」

 

フォーゼ「キッグナス!たとえゾディアーツでも、お前とは本気でダチに成れると思ってたのに!」

 

キッグナス「友など必要ない。ヒーローは一人居れば充分だ!」

 

彼方「ぐはぁ!?」

 

コイツ!今度は腹を踏んできやがった!

マジでラストワン迎えたら覚えてろよ...!

 

フォーゼは近づこうとするがキッグナスが羽根を飛ばして遠ざける。

すると歌星がやってきてフォーゼにスイッチを投げ渡す。

それを受け取ったフォーゼはドライバーに装填し、オンにする。

 

『Giant Foot! ON』

 

音声と共に右足に一回り大きな靴が装着される。

そしてフォーゼは歌星の指示通りに地面を強く踏む。

すると、キッグナスの頭上に巨大な足の様な幻が浮かび上がる。

オレはキッグナスが動揺してる間に横に転がり避けた。

そして幻はそのままキッグナスへと降り、キッグナスは地面へと押しつぶされる。

 

歌星から理論を聞いたフォーゼはとにかく凄いと判断し、そのまま踏み続ける。

馬鹿みたいに踏み続けると、辺り一帯は土煙で覆われる。

一通りやって辞めると、そこにはキッグナスが居なかった。

あのバカ...、逃がしてるじゃねえか。。。

 

キッグナス「フフフ、私に逆らったな?マイナス100ポイントだ!」

 

するとキッグナスはフォーゼの後ろに居て、そこから羽根を纏った回し蹴りを放つ。

それを諸に受けたフォーゼは大きく吹っ飛び、逆にキッグナスは優雅に着地した。

 

するとキッグナスの周りに羽根が舞い落ち、まるで彼を祝福してるかのようだった。

まさにヒーローとしての演出に相応しいな。

 

キッグナス「フォーゼ。今まで私はお前の分身だった。だがこれからは!私がお前だ。」

 

フォーゼ「分身!?お前が俺...、一体どういう意味だ!」

 

だがキッグナスはそれを無視してフォーゼに殴りかかってくる。

フォーゼはそれを捌き、何とか往なしていくがやはりキッグナスの方が分がある。

またしてもフォーゼはキッグナスに吹っ飛ばされてしまう。

 

キッグナス「私を崇める人間たち、醜いアヒルの子は更に増え続け、いずれこの学園を、この街全てを埋め尽くすだろう。」

 

彼方「それがテメエの野望か!」

 

キッグナス「フッ!」

 

キッグナスは両手を広げると、翼の様なエネルギーを繰り出して来た。

それを受けたオレ達は爆発に呑まれてしまう。

 

何とか耐えたが、煙が晴れるとそこにはキッグナスはいなかった。

はぁ...はぁ...右手が痛むな。。。

 

フォーゼ「キッグナスめ!アイツ、一体ナニモンなんだ!」

 

あんな偽善者にミサちが。。。

僕が何とかしないと。。。

 

キッグナスは僕が潰す...!

 

 

 

 

to be continued...

 

 




いかがだったでしょうか~。


今回はかなりオリ展開にしたと思います。
まあ言ったらメテオの代わりに彼方くんが戦ったってだけですけども。

そして今回のヒロインのミサが出てきました。
彼女もオリ設定で性格が変わっちゃったねな感じに。
どうなるんでしょうね~。。。


それにしてもキッグナスって結構クズですよね。
あれほど悪意に満ちた奴は滅亡すればいいのに。。。

まあ彼方くんがフルボッコする予定ですけども。
それも結構苦しませてから笑
ハンムラビ法典な彼方くんで行きたいと思います笑




ここからはちょっとした雑談。

皆さんfgoの六章プレイされましたか?
まだの方はちょっとネタバレになっちゃうかもですけども。。。

いや~ブリテンの妖精たちって少数以外はほんとアレでしたね~。
ストーリー読んでて凄く胸糞感じましたね。
そりゃモルガンもああ言うわって感じで笑

まあ総じて言うと。

マイクマジ漢!
パーシヴァル惚れてまうやろ!
村正イケメソすぎぃ!

の三本でしたね笑





ではでは次回もお楽しみに~。


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愛・情・発・熱

用事がごった返して疲れ果ててた。
ごめそ


ー彼方sideー

 

キッグナスにやられた後、取り敢えず解散となった僕達。

 

友ちゃんがちょっとしたトラウマになってないか気になったがどうやら大丈夫らしい。

そのかわり今度からあんな無茶はしないでと言われた。

参ったな。。。あんな風に言われたら滅多に出来ないな。。。

まあほんとにヤバい時以外はしないことにしよう。

 

そして皆と別れた僕は一人『醜いアヒルの子の会』の集会所の前で待っていた。

もちろんその人物は彼女なんだけど。。。

 

そう思ってると集会所から出て来た。

さっきここから出る時に話そうと言ったミサち。

どうやら向こうも気づいたみたいでこっちにやってくる。

 

ミサ「待たせたね。それで?どこに行く?」

 

彼方「ちょうどよさげな場所を知ってるからそこに行こっか。」

 

僕はそう言い人があまり来なさそうな展望台に来た。

正直学校の屋上とかでも良かったが、あそこだと誰かに聞かれそうでマズい。

そう思い、僕が知ってる中で落ち着けて人が来ない場所を選んだ。

 

展望台にある椅子に二人並んで座る。

初めて会った時はビクビクして距離を開けようとしてたけど、今は全然気にしなくなってるな~。

 

彼方「さてと。。。どっから聞くべきかな...?」

 

ミサ「聞きたいことを聞けばいいじゃない。」

 

彼方「そっか。じゃあ、まずはいつキッグナスと出会った?」

 

ミサ「大体一か月ぐらい前さ。私が襲われていたところを助けてもらったのさ。」

 

彼方「ふーん。。。そっからなんで会を設立したの?」

 

ミサ「助けてもらった日から数日経ったある日に学校の色んなところでキッグナスの噂を聞いてね。同士を募りたくて会を設立したのさ。」

 

彼方「あのミサちがね~。前はそんなことしなさそうな子だったのに~。」

 

ミサ「べ、別にあの時のことは出さなくたっていいだろ!それに...、あの時の私は嫌いだ。。。」

 

彼方「...なんで?」

 

ミサ「...あの頃はずっと彼方に助けられていた。。。別にそれが嫌ってわけではなかった。私が助けてほしいと思った時に必ず現れてくれたからな。でもある日言われたんだ。。。お前のせいで彼方が迷惑してるって。。。」

 

彼方「全然迷惑じゃなかったよ。むしろあの時は必死に抵抗しようとしてたミサちを応援したくって。。。」

 

ミサ「ああ、分かってるさ。分かってるがそれでも心のどこかでは思ってしまってたんだ。。。私が居ない方が彼方は幸せになれるんじゃないかって。。。」

 

彼方「んなわけ!?」

 

ミサ「そう思うと申し訳ない気持ちで一杯になってきてね。。。でも弱い自分を変えれない。。。そんな時にキッグナスに会ったのさ。」

 

彼方「...それが切っ掛けで今の性格に?」

 

ミサ「そうだな。。。私もキッグナスの様に強くなれば彼方の隣に立てるはずだって。そう思ってから私は努力した。その中で私は会を設立し、どんどん会のメンバーも増えていった。それに伴う責任も増えて来た。そうしてると自然と今の感じになってしまったんだ。。。正直言って幻滅しただろ?昔とは違って高圧的な私に。。。」

 

彼方「...そんなわけないだろ。。。」

 

ミサ「えっ...?」

 

彼方「僕がミサちのこと幻滅するとでも思ったの?んなわけないじゃない。自分の助けも要らなくなるほど強く成長した姿を見て、最初はちょっとびっくりしたけど。。。それでもミサちは変わってないと思ったよ。あの頃の可愛くて芯が強い綺麗な女の子だって。」

 

ミサ「っ!?...ありがと。。。ありがと。。。」

 

ミサちは僕に抱き着いてきて涙を流す。

僕はそれを受け止めることに徹した。

まさか自分が彼女にそれほどの責任を感じさせてたなんて。。。

 

僕はミサちをあの会から抜けさせようと決意した。

そして彼女をこれからも守っていこうと決意する。

なんでミサちがこんなことを思わなくちゃいけない。。。

 

僕はミサちを抱きしめる力を強くしていく。。。

 

 

あれからしばらく経ち、ミサちが顔を真っ赤にして俯いている。

僕は気にしてないけど、彼女にとっては結構恥ずかしい出来事らしい。

こりゃ黒歴史になっちゃったかな?

 

そう思ってるとミサちはひと段落着いたのかこっちを見る。

 

ミサ「彼方。。。私はこのままでいいのかな...?正直わからないんだ。どっちの私が本当の私なんだろうって。」

 

彼方「...どっちも本当のミサちだよ?周りからの悪意に耐えていた過去も、努力して強くあろうとした今も。どっちも僕は大好きだよ?」

 

ミサ「...そっか。。。どっちも私か。。。ありがと。彼方に言われて初めて気づいたよ。」

 

ミサちはそう言って僕に抱き着いてくる。

僕はそれを優しく抱き止める。

ちょっと恥ずかしいけど気にしない気にしない。。。

あ、良い匂い。。。

 

するとミサちが顔を上げてこっちを見てくる。

ちょ、その目潤ませるの辞めて!直視できないから!

 

ミサ「ねえ...右手どうしたの?」

 

彼方「っ!?...なんでもないよ?」

 

ミサ「嘘だ。。。私を抱きしめる時ちょっと痛がってた。誰にやられたんだ?」

 

彼方「別に誰にもやられてないよ。ただ階段からずっこけただけだって。。。」

 

ミサ「もしかして...、キッグナスが?」

 

彼方「っ!?」

 

なんでその結論に至った!?

キッグナスに妄信状態だったはずのミサちがそれを思いつくはずないのに。。。

 

ミサ「アンタが仕切りにキッグナスの話をしたがらなかった。最初の質問以外。。。もしかして私を気遣ってと思ったけど。。。」

 

彼方「...その通りだよ。。。あの時一緒だった友ちゃんを盾にされて仕方なくね。。。」

 

ミサ「そんな。。。やっぱりあの噂は本当だったの。。。」

 

彼方「噂?」

 

ミサ「キッグナスの黒い噂。。。自分が称えられるのはいいけど、自分のことや会のことを侮辱すると制裁が下されるって。。。」

 

マジか。。。

あの時言った言葉の背景にそんなことがあったとはな。。。

とにかくアイツはマジでギッタギタのメッタメタにぶっ潰す。

 

彼方「そんな噂があったなんてね。。。それは他の会のメンバーも知ってるの?」

 

ミサ「多分皆知ってる。でも、キッグナスはそんなことするはずないと否定してるよ。私もさっきまでそうだったからね。。。」

 

彼方「ん?さっきまで?てことは今は。。。」

 

ミサ「アンタの方を信じる。私を見てくれてるアンタをね。」

 

なんでそんな嬉しいことを言ってくれるかね。。。

ほんと惚れちゃうよ?

いや...、前から惚れてはいたけどさ。。。

 

彼方「...ほんといい子だよ。あんな鳥には勿体ないくらいに。。。」

 

ミサ「それは私のことが...///」

 

彼方「えっ!?あ、いや、それは...///」

 

二人「「...///」」

 

何故かお互い顔を真っ赤にして黙ってしまう。。。

いやほんと恥ずかしい。。。

まさか聞こえてるなんて思わなかった。。。

これほとんど告白したみたいなもんじゃん...///

 

彼方「んん!//とにかく、ミサちにはキッグナスとは関わらないでほしい。なんか嫌な予感がするからね。。。」

 

ミサ「あ、ああ//分かったよ。彼方の言うことだ、多分その予感は当たるだろうな。。。」

 

彼方「そっか。。。そんな信頼されると嬉しいって言うか。。。」

 

ミサ「それは好きな人だから当たり前だろ。。。って、はぅ...///」

 

彼方「What!?」

 

そんな...///

もうこれってそういうことだよね?そうだよね?

もう言っちゃってもいいんだよね!?

 

僕は恥ずかしがってるミサちを思い切り抱きしめる。

そしてミサちの顎を上げてこっちに顔を向けさせる。

その時のミサちの表情がとても綺麗だった。。。

 

彼方「ミサち...あの時から好きだった。僕と付き合ってください。」

 

ミサ「彼方。。。はい!」

 

返事を聞くと僕はミサちにキスをする。

僕達はこの一回を大切にするかの様にずっと重ねていた。。。

 

そうしてしばらくして僕達は離れる。

たった一回のキスだが、込める想いは何十回分も詰まっている。

 

二人「「...ハハッ!」」

 

想いが伝わったからかついつい笑ってしまう。

ほんとはもっとこの時間を楽しみたいけど、伝えるべきことを伝えなきゃいけない。

 

彼方「ミサち。もし江口が困ってたら助けてやってくれない?」

 

ミサ「?何故江口なんだ?」

 

彼方「ここだけの話だが、彼がキッグナスだ。ま、本人は自覚無しだけどね。」

 

ミサ「えっ!?それは本当なのか!?あの如何にもひ弱そうな江口が!?」

 

うん、結構キツイこと言うんだね。。。

それ本人の前で言ったらダメだよ?

多分泣いちゃうから。それより闇堕ちしちゃうかもだから。

 

彼方「ギャップはあるだろうけど実際事実だしね。とにかく彼をこれ以上キッグナスに変身させるわけにはいかないんだ。」

 

ミサ「...大勢の人が傷つくかもしれない。。。」

 

彼方「そゆこと。これはミサちにしか頼めないことだから。お願いね?」

 

ミサ「ああ、任せとけ。私が成長したところも見せてあげるよ。」

 

彼方「ハハッ!頼もしいな。」

 

その後僕はミサちの家まで送っていき帰った。

え?道中何してたかって?

そんなの決まってるじゃないか。。。

 

可愛いミサちを愛でてたんだよ!

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ー翌日ー

 

僕は今友ちゃんと一緒にある場所に来ている。

その場所は昨日キッグナスと戦った場所だ。

何故来てるかって?

それは。。。

 

あそこで寝転がってる友ちゃんに聞いて?

 

 

友ちゃんと一緒にキッグナスの正体探しをしに行く僕。

そこで友ちゃんは昨日キッグナスが現れた場所に在る残留思念を頼りに探すと言う。

僕も彼女のそういう力に長けていることを知ってるためこれはいけると思ったけど。。。

 

まさかあんな風にやるとは思わなかったよ。。。

やはりオカルトは難しい。。。

 

すると友ちゃんが突然立ち上がる。

どうしたんだろ?

 

友子「次です。」

 

あ、ここにはなかったのね。。。

これ、大丈夫かな~。。。

 

 

それから昨日想定出来うる場所に行ってみたが結局成果は出ず。

後はどこだろうと思ってると友ちゃんが面白い場所を選択した。

それは江口が最初にキッグナスに出会った場所。

 

ある意味彼の原点である場所ならと友ちゃんは選んだみたいだ。

これはもしかしたら面白いものが見れそうだ。。。

 

現場に着き、友ちゃんが早速始めようとするとそこに江口が現れる。

誰かを探してるような素振りを見せてるが。。。

友ちゃんが江口を呼ぼうとするが僕はそれを辞めさせ物陰に隠れる。

 

友子「んー!んー!」

 

あ、隠れる時に口塞いでたんだった。

僕が手を離すと友ちゃんがずんっと近づいてきた。

 

友子「何するんですか//突然こんなとこに連れてきて。。。」

 

彼方「江口の様子をバーガーちゃんで撮ってみな。面白いものが見れるよ。。。」

 

友子「えっ...?」

 

僕はバーガーちゃんを起動し、江口の様子を撮影するように頼む。

するとバーガーちゃんは江口から死角になるところを進み、撮影する。

それを不思議に思う友ちゃんだがこの後の出来事でその理由が分かる。

 

江口は突然何もない所を見て話しだす。

その相手はキッグナスのようだが誰も居ない。。。

 

すると突然江口が殴られたような動きをする。

だがその様子から演技だとは見られない。。。

まるでそこにキッグナスが居るかのように。。。

 

しばらくすると江口はどこかに行った。

僕はそれを見るとバーガーちゃんを回収する。

 

彼方「ね?面白いものが見れたでしょ?」

 

友子「えぇ。。。でもなんで江口君は。。。」

 

彼方「スイッチによる二重人格化。」

 

友子「え...?」

 

彼方「珍しいケースだが決して起こらないことじゃない。むしろ今後を考えるとこのケースはもう一度現れる。必ずね。」

 

友子「それはなんでですか?」

 

彼方「ある星座が関わってくるからさ。人格が二人要するような星座がね。。。」

 

友子「二人。。。っ!?もしかして...、ふたご座?」

 

彼方「そう。あの星座は少し特殊でね。スイッチを押した瞬間に二つの人格に別れてしまう。今回の江口の場合は特殊だが、ジェミニの場合は必然となる。」

 

友子「その...人格が二つになるとどうなるんですか...?」

 

彼方「新たに生まれた人格が元の人格を消そうとする。元の人格の存在感を奪い、そして最後は存在が弱い方が消える。」

 

友子「っ!?それじゃあもしそうなったら。。。」

 

彼方「元の人格を戻すのは難しいだろうね。よっぽどのことが無い限り。ま、これはあくまで先の話さ。取り合えず今は江口のことを皆に知らせないと。」

 

友子「...はい!」

 

それから帰ろうとするがそこで友ちゃんがとんでもな爆弾を投下した。

 

友子「それにしてもさっきあんなことしましたけど。。。普段からやってるんですか?」

 

彼方「What!?なんで!?」

 

友子「あまりにも手際が良かったので。。。」

 

彼方「な訳ないじゃん!?まるで普段から痴漢してるみたいな言い方だけど!?」

 

すると友ちゃんは咄嗟に自分の身を抱え一歩後退る。

辞めて!?身に覚えのない罪悪感が沸いてくるから!

 

彼方「僕は何もやってないから!」

 

友子「...それはそれで何と言うか。。。」

 

彼方「えぇ。。。」

 

友子「先輩になら別にされてもいいと言うか...//」

 

それを聞いた瞬間僕は友ちゃんに抱き着いた。

何この可愛い生き物。ずっと愛でたい。

てかもういいよね!?

 

ずっと友ちゃんからの好意に気付かないフリしてたけどさ。。。

流石にこんなグッとくること言われたらもう我慢できないよ。。。

 

僕は友ちゃんの頭を撫でながらこっち見てと言う。

それに反応した友ちゃんは顔を赤くしながらもこっちを見る。

 

彼方「友ちゃんさ。。。あんなこと言われたら男は誰でもこんな風になっちゃうんだよ?もうちょっと気を付けないと。」

 

友子「それは///でも、先輩になら別にいいと言うか、その。。。」

 

彼方「。。。」

 

僕はちょっとしたいたずらで友ちゃんの頬にキスをする。

これで少しは自覚してもらいたい。

 

友子「なっ///先輩!?何してるんですか!?///」

 

彼方「そんなこと言われたら我慢できなくなるでしょうが。。。」

 

友子「っ///うぅ...//」

 

彼方「もう何されても文句言わないでよ。。。」

 

僕はそう言うと友ちゃんにキスする。

友ちゃんは驚いたが、すぐに受け入れた。

てことはもうそういうことでいいんですよね?

 

彼方「はぁ。。。好きだよ、友ちゃん。」

 

友子「えっ...?それって、本当ですか?」

 

彼方「まさか好きじゃない相手にキスするほど軽くないよ。」

 

友子「あぅ...///先輩...、私も...好きです。///」

 

彼方「そっか。それはやったね。」

 

僕は思い切り抱きしめる。

友ちゃんはそれに応えるかのように抱きしめてくる。

 

マジ可愛い。マジ天使。いや、友ちゃんの場合は堕天使か?

まあどっちでもいいや。

 

 

それからしばらくイチャイチャしてたが、バーガーちゃんに邪魔された。。。

解せぬ。。。

 

あ、そういや江口のこと伝えなきゃだったんだ。

僕は友ちゃんに言い、二人で慌てながら学校に帰っていった。。。

 

 

 

 

to be continued...

 

 

 




いかがだったでしょうか~。


昨日は更新できず申し訳ありませんでした。
前書きでも言った通り用事が連続して起きてしまって。。。
ほんと書き溜めしないとですね。


今回は全くもって本編に動きがありませんでしたね笑
最初はこれで終わるはずだったのに。。。
いつの間にか幕間みたいな感じに。。。

次はちゃんと終わらせます。
彼方くん無双と共に。


話は変わりますが、アンケ受付中です。
それで具体的にTSするの誰になんの?というような質問を受けました。

正直一人ぐらいしか居なくて。。。
近いうちに出てくる後輩なハル君を対象にしようかなと思っています。
後輩ヒロインをもうちっと増やしたいなと思ってまして。。。

これを踏まえて是非投票していただけたらと思います。


ではでは次回もお楽しみに~。




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英・雄・願・望

オベロンPU来ましたね~。
彼のキャラ結構好きなんですよ~。
でも来てくれない。。。


ー彼方sideー

 

キッグナスの正体の核心を突く証拠を得た僕達はラビットハッチに戻る。

どうやらミサちが疑われてたみたいだが、全然違う。

 

ハッチに入って来た僕達の雰囲気を感じてか、皆神妙な面持ちになる。

 

友子「これ、見てもらえますか?」

 

友ちゃんにそう言われ、皆モニターの前に集まる。

僕はバーガーちゃんをケーブルに接続し、モニターに映す。

 

そして映像を見た彼らは各々反応を示す。

と言っても驚愕の一言だけどね。

 

フォリア『それにしても面白いものが撮れましたね。』

 

確かにそうだが、これを放っておくわけにはいかない。

 

フォリア『それは何故?』

 

もし仮にこのまま放置しておくと新たな十二使徒が生まれる。

確実にね。。。

 

フォリア『なるほど。。。』

 

賢吾「でも、これでやっとキッグナスの正体が分かった。」

 

美羽「よし!今すぐスイッチを取り上げるわよ!」

 

弦太朗「待ってくれ、それじゃダメだ。」

 

確かにただスイッチを取り上げるだけじゃダメだ。

だがどうすればいいのやら。。。

 

そう思ってるとリーゼントくんが何やらいい考えがあると言うが。。。

取り敢えず僕は別行動を取ることにする。

と言ってもある場所を見張るだけだけどね。。。

 

僕がそのことを言うと皆了承してくれた。

そして僕達はそれぞれ行動に出る。。。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

『醜いアヒルの子の会』の集会所の前で僕は見張っている。

と言っても中から出てくるのを見張ってるわけじゃない。

 

もし失敗してここに江口が来た時のことを想定してのことだ。

流石に失敗してほしくないが、速水が貴重なサンプルと思ってるぐらいだ。

また襲撃があってもおかしくはない。

 

そう思ってると突然フォリアからパスが繋がる。

どうか良いニュースであってくれ。。。

 

フォリア『江口君がキャンサーに連れていかれました!』

 

チッ!やっぱ邪魔が入ったか!

分かった。こっちは任せといて。

 

そう言ってから僕はパスを切る。

すると集会所の中から声が聞こえる。

まさか、直接中に移動したのかよ!?

 

僕は急いで集会所の中に入る。

そしてバレないように扉を開けるとそこには叫び声をあげながら黒いモヤに包まれた江口の姿が。

遅かったか。。。

 

僕は一度扉を閉め、変身する。

 

すると中から叫び声が聞こえた。

あの声は!?

 

オレは扉を蹴り破ると、キッグナスがミサちの首を絞めていた。

あのヤロォ!!!

 

キッグナス「ん?お前は誰だ?」

 

オピュクス「んなこたどうでもいいだろ。彼女から手を離せ。」

 

キッグナス「フッ。何故そんなこと聞かなければならない?私は今制裁を下してるところだ。邪魔をするな!」

 

そう言いキッグナスは羽根を飛ばしてくる。

だがオレはそれを全てキッグナスの脚にワープさせる。

自分の攻撃が返された奴は激昂する。

 

キッグナス「貴様!この女がどうなってもいいのか!」

 

ミサ「キャっ!!!」

 

キッグナスは友ちゃんの時と同じようにミサちを盾にする。

それにブチ切れたオレは誰も見れない程の速さでワープし、キッグナスの顎を思い切り蹴り上げる。

その時にキッグナスの腕からミサちが解放されるが、バランスを崩し倒れこむ。

そこをオレが支え、抱き寄せる。

 

オピュクス「大丈夫だぞ、ミサち。」

 

ミサ「えっ。。。その呼び方は。。。」

 

オピュクス「早くこっから離れろ。オレはもう我慢できねえからな。」

 

そう言うとミサちはステージから降りていく。

それを見たオレはキッグナスと対峙する。

 

キッグナス「おのれぇ...!私の邪魔をするなど、マイナス100ポイントだ!」

 

オピュクス「オマエのポイントなんざどうでもいい。オレは今最っっ高に怒ってんだよ。。。オマエはただ倒すだけじゃ済まさねえぞ。」

 

するとフォーゼがバイクに乗ってやってくる。

 

フォーゼ「キッグナス!いや、キグナス・ゾディアーツ!お前を倒してダチを...、江口を取り戻す!」

 

キッグナス「揃いも揃って私の邪魔を!!!」

 

そしてフォーゼがキッグナスに向かっていく。

オレもそれに追随しようとするが突然目の前にハサミが現れる。

オレは上体を逸らして何とか回避する。

 

キャンサー「ほぉ~?これを避けるとはちったぁやるじゃないの。」

 

オピュクス「何邪魔してくれてんだ、キャンサー。」

 

キャンサー「アンタこそ余計な邪魔だっての。同類の邪魔をするなんて一体どういう了見さぁ?」

 

オピュクス「そりゃアイツがオレをキレさせたからに決まってんだろ。なんだ?オマエもオレを怒らせにきたのか?」

 

オレはそう言うと杖を槍に変え、先端に力を溜める。

槍からは禍々しい赤と黒のオーラが渦巻いて出ている。

 

それを見たキャンサーが一歩後退る。

フン、こんぐらいでビビりやがって。

 

キャンサー「流石にヤバそうだな。。。ならアタシャフォーゼの相手でもするかねぇ。」

 

そう言ってキャンサーはフォーゼの所に行き、フォーゼを連れて外に出ていった。

それを追ってキッグナスも出ていく。

オレもそれを追いかけるのだった。

 

 

周りに倉庫が建ち並ぶ広場へと出て来たオレ達。

キッグナスはキャンサーと交戦しているフォーゼに向かって回転キックを放とうとしている。

オレはそれを槍を投げて阻止する。

 

槍が当たったキッグナスは小規模な爆発と共に地面に倒れる。

オレは槍を自分の下に帰らせる。

それを見たキッグナスはこれ以上ないほど激昂させる。

 

キッグナス「また貴様か!何度私の邪魔をすれば気が済むんだ!」

 

オピュクス「んなこた知るか。ただオマエをいたぶれりゃそれでいいんだよ。」

 

キッグナス「フン!まさに外道だな!そんな悪は正義のヒーローである私が倒す!」

 

オピュクス「三下なセリフ言ってんじゃねえぞ鳥野郎...!」

 

オレは威圧すると共に固有結界を発動する。

以前とは違い一つだけの心象風景だけでなく、複合することが可能になった。

 

そんな固有結界は、前と同じ薬液が溢れている工場に、様々な宝具が地面に突き刺さってる白と黒の世界。

それに辺り一面ブラックホールで覆いつくされてる宇宙に、そこに居る生物を滅ぼそうとしている厄災を振りまく者達。

 

正にカオスと言った世界を映し出す。

そんな世界を見てキッグナスは腰を抜かす。

 

キッグナス「な、なんだこれは!?一体これは、なんなんだ!!!」

 

オピュクス「おいおい、ビビり過ぎて同じことしか言えなくなったのか?オマエには今からこれらの世界全てを味わってもらう。オレを怒らせた罰だな。」

 

オレはそう言うとキッグナスをそれぞれの世界にワープさせる。

劇薬である薬液を思う存分ぶっかけ、某英雄王の様に宝具を一斉にキッグナスに向け乱射する。

延々とブラックホールに吸収され続け、厄災達に葬られる。

 

その全てを受けてる間に消滅させないように、オレはキッグナスに治癒を施していた。

まあ肉体は健全でも、精神はズタボロだろうな。

 

そして一通りやらせたオレは固有結界を解除する。

キッグナスにはもはやさっきまでの威勢は無く、ただただ生を請うだけだった。

 

オレはそんなヤツを見て、せめてもの慈悲をやろうと思った。

オレは槍に力を込める。

すると槍の先端は鋭く尖り、先端を中心に赤と黒のオーラが渦巻く。

 

かの有名な神槍、ロンゴミニアドをイメージした技。

オレはそこにブラックホールの力を加える。

 

何もかも消す槍、それをキッグナスに向ける。

それを見たキッグナスは生存本能故か、こっちに背を向け必死に逃げようとする。

だが甘いな。。。

これは何もかも消す槍だ。標的を消すまで決して止まらない槍。

 

オレはそれを投擲する。

すると槍は神速の速さでキッグナスを貫く。

 

貫かれた箇所からブラックホールが広がり、キッグナスを飲み込み閉じた。

再び開かれると中からスイッチが出てくる。

オレはそれを掴み、オフにして消滅させる。

 

これでオレの戦いは終わりだ。

ふとフォーゼの方を見ると、高台から速水が見ていた。

ちょっと弄ってやろうか。。。

 

そう思いオレはワープする。

 

 

速水「キグナスが倒されて、江口の人格が復活したのか。。。」

 

オピュクス「いい実験だったと思うけどな。」

 

速水「っ!?貴様...!」

 

オピュクス「おいおい、逆恨みはよせよ?元はと言えばアイツがオレをキレさせたんだからな。」

 

速水「だがアイツは間違いなく十二使徒に目覚める素質があった!」

 

オピュクス「いや無いな。」

 

速水「っ!?何故だ。」

 

オピュクス「キッグナスとしての人格はあくまで信者を集めるもの。そこに進化は無い。ただ停滞を求めていただけ。そんなだといつまで経っても進化しない。最輝星も輝きはしない。」

 

速水「チッ。。。やはりサンプルなだけか。。。」

 

オピュクス「ま、面白い実験だっただけだ。一歩近づけたんじゃないか?ジェミニに。」

 

速水「...フン!」

 

速水は論破された所為か機嫌を悪くして帰ってった。

アイツのあの顔は何度見ても面白いな。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ー翌日ー

 

放課後にいつも通りラビットハッチに集まる僕ら。

皆はテーブルの上でフードロイド達に相撲させている。

いや面白いけど歌星に怒られない?

 

そう言えば例の同好会は解散したらしい。

まあ会長であるミサちが辞めたからね。

そこから辞める者が一斉に出たらしい。

 

大方キッグナスの裏を見て皆失望したんだろう。

まあ勝手に期待してる方もだけど。。。

 

それからミサちはバレエ部で頑張ってるらしい。

同好会の時の様な高圧的な態度ではなく、前の様ないじめられっ子でもなく。

皆から信頼されてるらしい。

次期部長とまで言われてるほど実力も信望も得たようだ。

今度コンクールに参加するから来てほしいと言われたな~。

 

まあそれよりも僕はもっと重大な問題にぶつかってるんだけどね。。。

 

そして江口はまたヒーローを目指すようだ。

今度は何かに縋らず、自分の力で人助けをするようだ。

 

まあその時に着ていた江口の服がアレだったんだけど。。。

だって、今度はフォーゼのコスプレなんだもん。

でも、そこが彼らしいとこかもしれないな。。。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ーおまけー

 

キッグナス事件が終わってのんびりしていると珠ちゃんがこっちに来るのが見える。

僕は手を振りながら珠ちゃんに近寄る。

 

彼方「やっほ~。どうしたの~?」

 

珠惠「実は、卒業式が近いじゃない?それで、卒業式の後のプロムのことで話があるの。。。」

 

彼方「もしかしてプロムのパートナーに?」

 

珠惠「うん。他にも誘われてるのは分かってるけど、やっぱり彼方と一緒に行きたくて。。。」

 

彼方「そっか。。。まあ僕も考えとくよ。三年の皆には悔いの無いように卒業してほしいしね。」

 

珠惠「そう。ありがとうね。」

 

珠ちゃんはそう言って去っていった。

それにしてもプロムか~。

 

去年に一回プロムに誘われたから出てみたけど、確かに三年にとっては大事な思い出の一つになるイベントだなと思った。

特にプロムで流れる伝統のナンバー。

あれは大切な人と踊りたいと思えるようなナンバーだった。

 

そう思うと珠ちゃんが真剣に誘ってきたのも分かる気がする。

多分他の彼女たちも誘ってきそうだな~。

 

そう思いながら屋上に行くと律子が居た。

何故か先輩呼びから名前呼びにしろって言われたんだよね~。

それでいざ名前呼びしたらちょっと照れてたのすごく可愛かったです、まる。

 

彼方「やっほ、律子~。一人で黄昏てるの?」

 

律子「ひゃっ!びっくりしたじゃないか!まったく。。。」

 

彼方「ハハッ!ついつい驚かしたくなっちゃってね~。」

 

律子「相変わらずそのSな感じ引っ込めないのね。」

 

彼方「いや~これも一つの個性?ですから~。それより何悩んでんの?」

 

律子「...別に。悩んでなんかないさ。」

 

彼方「はい嘘。悩んでなかったらこんなとこで黄昏てなんか無いっての。」

 

律子「はぁ。。。実はアンタをプロムに誘おうと思ってね。」

 

彼方「...やっぱ律子も?」

 

彼方「その様子だと他にも誘われたみたいね。別に期待はしてないさ。私は主役にはなれないからね。」

 

彼方「。。。」

 

僕は律子の言葉にムッとする。

彼女のこれまでの出来事でそんな風に思ってしまったのだろうけどそんなこと思わせたくないな。。。

 

そう思い僕は後ろから律子に抱き着く。

俗に言うあすなろ抱きってやつ?知らないけど。

突然されて律子はびっくりしている。

 

律子「ちょ!?いきなり何すんのさ!?」

 

彼方「自分の彼女がそんなこと言ってて悲しまない奴が居るわけないだろ。。。」

 

律子「...でも本当のことだから仕方ないじゃないか。私だって彼方と一緒にプロムに出たいさ。でもアンタの周りには私以上に素敵なやつが居るじゃないか。。。」

 

彼方「確かに彼女達は素敵だけど、その中に律子も居るからね?」

 

律子「お世辞なんて。。。」

 

彼方「お世辞じゃない。強がりで自分がヒールだって思ってるけど実はただの寂しがり屋で、自分が気に入ったモノにはとことん構うとこ。それにふとした時に見せる可愛い表情。そんなとこが好きだよ。」

 

律子「うぅ...//そんなに言わなくてもいいじゃないか...///」

 

彼方「ハハッ。こんぐらい言わないと分からないかなって。も~、そんなに照れちゃって~。益々好きになっちゃうね。」

 

律子「だから!//そんなことをホイホイと言うんじゃないよ!」

 

彼方「あれ~?満更じゃない癖に~。」

 

律子「うぅ...///」

 

それからしばらく律子を愛でていた。

ほんと照れると一気に可愛くなるから辞められないんだ、これが。

 

すると律子がこっちを向いてきた。

顔真っ赤にして目をうるうるさせながらこっちを見上げてきてるけど。。。

それ破壊力凄いから遠慮してもらっていいですか?え、ダメ?

 

律子「アンタがそこまで言うんなら...、私とプロムに出な。じゃないと、呪うよ...?」

 

彼方「...必ず出るようにする。どんな形であれ、律子達にとって最高のプロムにするよ。」

 

律子「そ。やっぱ私の彼氏は最高だね。」

 

彼方「そんな褒められても。。。」

 

律子「私をこんなにさせれるのはアンタしか居なんだよ。だから胸張りな!」

 

彼方「痛っ。。。はぁ...、すっかり元気になったね。」

 

律子「ハハハ、それもアンタのおかげだよ。プロム、楽しみにしてるよ。」

 

律子はそう言うと颯爽と去っていった。

なんであんなカッコいいの?ギャップありすぎじゃないですか?

そこに痺れる!憧れる!

 

 

なんてこともありながらラビットハッチでのんびりしている。

正直皆と一緒にプロムに出たいけど、パートナーは一人だけだしな~。。。

いや...、そんなん誰が決めたんだ?

だったら初めての複数人のパートナーと一緒に踊った奴っていうの良いかもね。。。

 

フォリア『なんでそんな下らないことを思い浮かぶんですか。。。』

 

うっさい。男は誰だって初めてって奴に憧れるの。

 

フォリア『私の初めても見事に獲得しましたものね。』

 

おまっ!?そんなことここで言うんじゃありません!

何平然と下ネタ言っちゃってんの!?誰の影響だ!?

 

フォリア『紗理奈さんから教えてもらいました。こう言えば彼方くんはダウンするって。』

 

紗理奈ちゃん!?!?!?

何そんなことバラシてんの!?しかも一番教えちゃダメなヤツに!?

 

フォリア『酷いですわ。私だけ仲間外れですか?』

 

違うわ。お前に知られると何弄られるか分かったもんじゃない。

 

フォリア『あら?流石私の伴侶ですね。私のことをよく知ってらっしゃる。』

 

自覚済みなのが尚更質悪いよな。。。

ほんとなんでこんな奴に取りつかれたんだ。。。

 

フォリア『満更でもない癖に。』

 

うん、それを言っちゃおしまいよ?

 

そう思いながらくつろいでると解散となった。

結局今日は何もしなかったな~。

まあ平和だってことだからいいんだけどね~。

 

そうして校門にフォリアと向かってると美羽に呼び止められる。

 

美羽「彼方。今日放課後何処かに行かないかしら?」

 

彼方「...もしかして大事な話?」

 

美羽「っ。。。ええ、そうよ。」

 

彼方「そっか。フォリア、先に帰っておいて。晩ご飯には間に合うように帰ってくるよ。」

 

フォリア「分かりました。じゃあお先に。」

 

フォリアも悟ったのだろう。

僕と美羽を二人きりにしてくれた。

ほんと出来るなら他のことにもこういう対応してほしいけど。。。

 

彼方「じゃ、行こっか。良い場所知ってるから。」

 

美羽「ええ。」

 

僕達は街が一望できる丘にやって来た。

丁度夕方だったのもあり、景色がとても綺麗だ。

 

美羽「こんな所があったのね。。。」

 

彼方「僕のおすすめスポットの一つさ。悩んでる時は大体こことかに来て空っぽにするんだ。」

 

美羽「空っぽに?」

 

彼方「そう。一度空っぽにしてもう一度考えなおすんだ。そうしたら悩んでたのが嘘みたいにすっきりするんだよ。」

 

美羽「へぇ~、彼方にも悩みごとがあったのね。」

 

彼方「それはどういう意味かな~?」

 

美羽「貴方みたいな人は悩みなんてないと思ってたわ。いつも自由気ままに生きてるし。」

 

彼方「僕にだって悩みはあるよ?例えばプロムをどうしようとか。」

 

美羽「...やっぱり他にも誘われてるのね。」

 

彼方「そりゃ皆高校最後の思い出だからね。大切な人と一緒に居たいって気持ちは分かるんだ。。。」

 

美羽「珠惠から聞いていたけどやはり皆そうよね。。。私も一度プロムに出たことあったけど、確かにあれは高校最後に相応しいものね。」

 

彼方「だから皆にとって悔いの無い最後にしてあげたい。そう思って考えてたら一つ面白いのを思いついてね~。」

 

美羽「?何かしら?」

 

彼方「皆で一緒に出る。」

 

美羽「えっ!?でもそんなこと今まで...!」

 

彼方「ないよ。でも新しい法律も出来たんだ。いつまでも古臭い考えを持っててもダメだなっと思ってさ。」

 

美羽「...相変わらずめちゃくちゃね。」

 

彼方「これしか方法が無いんだから仕方無いでしょ?大丈夫。ちゃんと皆とも踊れるように練習するからさ。」

 

美羽「貴方がそう言うと出来ちゃう気がするのはなんででしょうね。。。」

 

彼方「僕、失敗しないので。」

 

美羽「ほんとに失敗してないから質が悪いわ。」

 

彼方「ハハッ!まあそういうことだからさ。心配しなくてもいいよ。僕は皆と一緒に最後の思い出を作ってほしいから。」

 

美羽「...そう。ならしっかり練習しておくこと!本番で失敗なんて黒歴史になっちゃうわよ!」

 

彼方「そうやってフラグ建てるのは辞めてほしいけどね。。。まあ、全力でそのフラグを折ってあげるよ。」

 

それにしても三人と一緒に踊る...か。。。

中々難しいけど、うちには丁度三人居るから協力してもらお。

最悪は一人ずつ交代でやるしかないけど、それはそれで何かな~。

 

ま、頑張りますか!

 

 

その後僕達はちょっと買い食いしてから家に帰った。

家に帰った後、フォリア達にプロムのことを話したら喜んで協力してくれると言ってくれた。

その日から僕は練習をしているが。。。

その成果は本番までのお楽しみということで。。。

 

 

 

 

to be continued...

 




いかがだったでしょうか~。


正直に言います。
前回中途半端な所で切ってしまって、本編の内容が凄く浅くなってしまった。。。

さて今回は彼方くん無双回でしたけども、ちゃんと無双できてますかね~?
正直戦闘描写もうちょっと入れた方が良いかもですけど、自分の文章力だと出来るはずもなく。。。

そして彼方くんはしばらく固有結界は使ってませんでしたが、ちゃんとパワーアップしてます!
そうじゃないと出した意味が無いから!

その結果チート結界の出来上がりで。。。
まあそれぞれモチーフなんかはありますけども。
分かった人はどれぐらい居たのでしょうか。。。

まあオリジナル要素も居れてましたが、全てライダーかFGO関連ですね。
何故かって?そんなの作者の趣味だからに決まってるじゃないですか。

その結果精神がズタボロになったキッグナス笑
正直江口君への障害があるんじゃないかと思われますが、あくまでキッグナスへのダメージなので。
はい、ご都合主義です!!!笑


ということで次回はいよいよ卒業式回!
おまけでも話題を出したプロムをどうしようかと考えましたが、そこは彼方くん!
斜め上の解決法を出しました。
まあ前例が無いだけで、天高だったらアリだろうな~と思いながら書きました。




さてさて話は変わりましてアンケの方ですが。
皆さんたくさんのご投票ありがとうございます!

前回が投稿されるまでは結構接戦な感じでしたが、そこから一転一気に差が開きましたね。
やっぱり基本原作に寄り添った方が良いかもですね。

このアンケは一応卒業式回が終わるまで受け付けることにしてます。
まだまだたくさんの投票お待ちしてます!


ではでは次回もお楽しみに~。


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卒・業・後・髪

ー彼方sideー

 

もう世間は卒業シーズン。

我が天高ももうすぐ卒業式が開かれる。

 

正直三年とお別れするのは悲しいが、ポジティブに送り出そうと思う。

彼らにはいい思い出だったと言えるような最後を送ってもらいたい。

 

そう思いながら登校してると、校門近くの桜を見てセンチメンタルな表情をしている美羽が。

その仕草はさながら恋する乙女そのもの。

どうしたんだろと思い僕は美羽に声をかける。

 

彼方「おっはよ~、美羽。どうしたの?そんな顔して。」

 

美羽「あぁ、おはよう彼方。もうすぐ卒業だと考えるとちょっとね。。。」

 

彼方「やっぱ悲しい?」

 

美羽「ええ。ここで過ごしてきた時間はかけがえのないものだわ。特にこの半年。ライダー部に入ってからは毎日が楽しかったもの。それが終わると思うとね。。。」

 

彼方「そっか。。。まあ卒業してからも学校に来ることは出来るんだからさ。最悪部長じゃなくて会長とかの役職に就いてライダー部に来ればいいじゃん。皆はいつでも大歓迎だしさ。」

 

美羽「彼方。。。フフッ、相変わらず誰も思いつかないようなことを言うわね。そこが彼方の凄いところなのだろうけど。」

 

彼方「思いつかないんじゃなくて行動しないだけだよ。あれ?もしかして美羽は出来ないのかな~?」

 

美羽「何ですって!いいわよ!やってやるわよ!毎日来てあげるんだから!」

 

彼方「いやいやちゃんと大学の方も大事にしなよ?単位取れてなかったとかシャレになんないからね?」

 

美羽「それは...//もう!ちょっと不安になっちゃったじゃない!」

 

彼方「ハハッ!まあまあ、美羽なら何とかやっていけるって。それよりプロムの練習はどうなの?」

 

美羽「ええ。パパが講師を雇ってくれてその人と練習してるわ。」

 

彼方「そっか。僕もフォリア達と練習してるけど中々難しいね~。」

 

美羽「そこは出来ないとは言わないのね。。。」

 

彼方「コツを掴んだら何とかなるしね。それに皆の為に頑張らないとだからさ。」

 

美羽「...頑張ってね。」

 

彼方「もちろん。」

 

僕達はそう言いながら校舎に入っていった。。。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

僕は今校内を歩いている。

というのもどうやらまたゾディアーツが現れたらしい。

しかも現れたのが今まで倒してきたゾディアーツらしいのだが。。。

 

僕は取り敢えずフォリアにも手伝ってもらい学校中で聞き込みをしている。

すると三年の教室から言い合いの声が。。。

しかもあの声って...律子!?

 

僕は急いで教室に行くと、珠ちゃんと律子と野本が一人の女子生徒に写真を撮られている。

どうやら本人の了承を得ずに勝手に撮ってるみたいだが。。。

 

女子の方を見ると腕には新聞部の腕章が。。。

もしかしてあの朝の噂を聞いてやって来たのか!?

だとしてもなんでこんなピンポイントなところを?

 

取り敢えず僕は彼女達の間に入って仲裁をする。

 

彼方「はいはい落ち着いて~!そこの人カメラ下げて。珠ちゃん達も一旦落ち着いて。」

 

とそこに声を聞いたのかリーゼントくん達がやってくる。

 

弦太朗「まあ待て待て!揉め事は俺が抑える!お前ら全員...って、律子じゃねえか!珠惠に野本も!」

 

律子「なぁんだ如月じゃん!それに彼方も。」

 

珠惠「貴方もしつこい人ね。それに相変わらずこういうのにはすぐ駆け付けるわね、彼方。」

 

野本「相変わらずお節介な助っ人か。お前も。」

 

弦太朗「で!アンタ誰だっけ?」

 

彼方「徳田弥生。新聞部所属でそこのチャラ男君に次ぐ学園の情報通だよ~。」

 

JK「ちょっと先輩!?何すかその呼び名!?いくら何でも酷いですって!」

 

彼方「だったら少しは言動直せ。」

 

JK「それを言われたらなんも言えないっていうか~。。。」

 

弦太朗「JK並みの情報通!?」

 

律子「私達を取材したいらしいよ、この子。」

 

徳田「私は学校中を取材して掴んでるのよ。怪物の正体はこの学校を恨んでる生徒だって。」

 

彼方「いや確かに皆怪物事件に巻き込まれたけど、それとどう関係があるの?少なくとも彼女達はそんなことをする人間じゃないけど?」

 

弦太朗「ああ!彼方の言う通りだ!皆いい奴らだ!ずっと付き合ってる俺が良く知ってる!」

 

徳田「私、さっきもバッチリ写真撮ったのよね~。」

 

徳田はそう言ってカメラを見せてくる。

カメラに写っていたのは、逃げ惑う生徒たちとその元凶らしきアルター・ゾディアーツ。

どうやら噂は本当らしい。

 

彼方「この写真っていつ撮ったの?」

 

徳田「今言ったじゃない。さっきって。」

 

僕はそれを聞いてカメラの履歴を見てみると、確かにさっき撮ったようだ。

ということは少なくとも律子達じゃないってことだな。。。

 

徳田「以前も火の怪物が出て騒動になったわよね?卒業までに絶対証拠掴んでやるから。。。」

 

徳田はそう言って律子達を一瞥した後、カメラを持って教室を出ていった。

なんでそんなに必死になってるんだろ?

もしかして彼女が?

 

そう思ってるとリーゼントくんが律子を掴んで詰め寄る。

 

弦太朗「オイオイオイオイオイオイオイ!まさかまたやらかしたんじゃねえだろな?」

 

すると律子は怒ってリーゼントくんの足を思い切り踏んづける。

あの靴ヒールあるから痛そうだな~。。。

 

律子「フン!結局ずーっと私は悪役か!」

 

弦太朗「痛っ!?おい律子!」

 

律子「アンタを見直した私が馬鹿だったよ!」

 

律子はそう言うと教室から出ていった。

あちゃ~。。。歌星の時と同じやらかししてるよ。。。

 

すると珠ちゃんも怒って持っていた紙を投げつける。

 

珠惠「私も幻滅!」

 

そう言って出ていった。

 

野本「馬鹿だな~如月。彼女達は二人ともお前に感謝してたのに。ま、それは俺もだが。。。」

 

そう言って野本も出ていった。

 

はぁ~...、こりゃ三人の誤解を解きに行かないとだな~。。。

取り敢えずムカついたから一発拳骨食らわせてやる。

 

そう思い僕はリーゼントくんの後ろに立って思い切り拳骨してやった。

 

弦太朗「いってぇぇぇ!!!何すんだよ彼方!」

 

彼方「一つの情報だけで全てを判断するなんて馬鹿のやることだよ。また歌星の時の様になりたいの?少しはその癖治しなよ。」

 

僕はそう言って三人を追いかけてった。。。

 

 

幸い遠くに行ってなかったようで直ぐに見つかった。

 

彼方「待って三人とも~!」

 

すると三人は止まってくれた。

 

彼方「はぁ、はぁ、さっきはリーゼントくんがごめんね?彼バカだから直ぐに結論出しちゃって。。。」

 

野本「別に気にしてないさ。どうせアイツのことだ。今頃後悔してるだろ?」

 

珠惠「そうね。彼が馬鹿だってのは出会った時から分かってたことだし。」

 

律子「まあ今回は呪うだけで済ましてあげるさ。」

 

彼方「ほんとごめんね~。まあいくら君たちが疑われてもアリバイはあるんだしさ。」

 

三人「「「えっ?」」」

 

そう。三人にはちゃんとしたアリバイがある。

誰にも誤魔化しが効かない証拠が。

 

彼方「さっき僕と電話してたじゃん。」

 

珠惠「そう言えばそうね。それがどうしたの?」

 

彼方「あの時三人一緒だって言ってたじゃん?それにあの時他にも声が聞こえてたから多分他の生徒も見てるはずだし。その時にあの写真が撮影されたんだ。」

 

律子「てことは私達が無実だってのは証明されるってことだね?」

 

彼方「そゆこと。流石に言われっぱなしってのも癪だしね。偶々だったけどこれ以上ない証拠だよ。」

 

野本「お前にはほんと助けられてるな。」

 

彼方「べっつに~。ただ友達と彼女が疑われてるのが気に食わないだけだしさ。」

 

珠惠「そういうのをハッキリ言えるのが凄いわよ。。。」

 

そうかな~?

その凄いのもう一人居るんだけどな~。

 

その後三人と雑談して別れた。

するとフォリアからパスが繋がる。

 

フォリア『ゾディアーツが現れました!今度はカメレオンです!』

 

カメレオンだと...?

よし、すぐに行く。

 

僕は急いでフォリアの所に向かった。

 

 

現場に向かうとカメレオンがプロム会場に飾られている横断幕を裂いたところだった。

それにしてもカメレオンの姿で暴れるなんて中々怒らしてくれるじゃないか~。

 

僕は二階からカメレオンに向かってドロップキックを放つ。

死角からの攻撃に反応できず、諸に頭部に直撃する。

 

レオさんみたいに複数のスイッチを使える奴は限られるはずだ。

今回がそのケースだとは考えにくい。

なんせそんなのが居たら速水が黙って逃すはずがない。

ということはゾディアーツの能力による分身か擬態の可能性が大だ。

 

どちらにしてもコイツに躊躇する理由はない。

僕は倒れたカメレオンに向かっていく。

カメレオンはそれに気づき、逃げていく。

 

すると後ろからエレキに変身したフォーゼが現れる。

 

フォーゼ「おぉ、彼方!カメレオンはどこに!?」

 

彼方「向こうだよ!早く!」

 

フォーゼ「ああ!」

 

フォーゼは僕と一緒にカメレオンを追いかけていく。

 

外に出たカメレオンと対峙するフォーゼ。

エレキで着実にダメージを与えていく。

 

そこにカメレオンが透明化してフォーゼを混乱させようとする。

だが一度戦ったことのある相手。

対策を知ってるフォーゼはペンスイッチを装填して起動する。

 

カメレオンは舌で攻撃してくるがそれをペンで弾き、更にインクを飛ばす。

見事にカメレオンの胴体に付いたインクはカメレオンがどこに居るのか一目でわかる。

 

カメレオンはそれに気づかず、フォーゼに襲い掛かってくる。

だがフォーゼは正確にカウンターし、カメレオンは透明化を解除して倒れる。

 

フォーゼは更に追い打ちをかけていき、カメレオンにダメージを与えていく。

そこにメテオが青いエネルギーと共にやってくる。

 

メテオ「何をモタモタしている、フォーゼ。」

 

フォーゼ「別に?モタモタしてねえし?」

 

フォーゼとメテオは共闘してカメレオンと戦う。

どちらか一方の攻撃をかわしても、もう一方の攻撃が当たる。

時には同時攻撃にやられたりと戦況は一方的だ。

 

それにしてもおかしいな。。。

いくら何でもこれは弱すぎない?

 

もしかしたらと思い瞳で視てみる。

すると、カメレオンの身体はダスタードと同じ構造だというのが分かった。

ということはあのカメレオンは偽物でただの分身。

やはり僕の説は当たってたみたいだね。

 

僕は急いでバーガーちゃんを取り出し、撮影する。

本当はフォーゼでカメラを使えば一番いいのだろうけど仕方ない。

 

そう思ってるとメテオがリミットブレイクでカメレオンを倒した。

爆発跡に行ってみるとスイッチャーの痕跡が無い。

まあ当たり前なんだけど。

 

だがフォーゼ達はそのことに気付いていないから不思議に感じている。

まあ戦ってる感触はあっただろうからね~。

僕もドロップキックした時に確かに手ごたえは感じた。

 

そう思いながら見てると、跡地に髪の毛が落ちていた。

髪の毛...?もしかして今回のゾディアーツって。。。

 

どうやら城島も気づいたらしく不思議に思っている。

 

すると突然髪の毛が発火して消えた。

証拠隠滅ってとこかな?

 

するとJK達が慌ただしくこっちにやってくる。

何事かと思いそっちを見る。

 

JKと大文字が掲げてるのはさっきカメレオンが裂いた横断幕。

そして友ちゃんが見せたチラシ。

もしかして。。。

 

友子「一番の狙いは、プロムみたい。」

 

やっぱりプロムだったか。

てことはゾディアーツの願いってプロムの開催させないこと?

でもなんで?

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

あの後それぞれで行動することになった。

友ちゃんは律子に会いに。

美羽は珠ちゃんに。

そしてリーゼントくんは野本に。

 

その間残った僕達はラビットハッチで分析をする。

取り敢えずラボでバーガーちゃんで撮影した映像を基にカメレオンの身体を分析する。

すると僕が視た通り、カメレオンの身体はダスタードを同じ構造をしていることが判明した。

 

これを歌星たちに伝えると皆驚いた。

 

賢吾「ということはやはりあのゾディアーツは偽物だったのか。」

 

ユウキ「じゃあこれで三年の先輩たちの疑いは晴れるね!」

 

JK「でもだからってこれを堂々と言うわけにはいかないっしょ?」

 

彼方「あ~、そこはちゃんとアリバイあるから。」

 

JK、ユウキ「「え?」」

 

彼方「徳田が撮影したって言う時間に僕、律子達と電話してたんだよね~。それにその時周りが騒がしかったから多分他にも証言出てくるよ。だからいざとなったらこれで攻めて来た相手を潰すだけだから。」

 

JK「最後が恐ろしいっすよ、先輩。。。」

 

流星「と、とにかく!これで敵の正体に一歩近づけましたね!」

 

彼方「更に近づける証拠がこちら~。」

 

僕はそう言ってモニターに映像を映す。

 

ユウキ「これってカメレオンを倒した時にあった髪の毛だよね?」

 

彼方「そうそう。あの謎の髪の毛も分析したらコズミックエナジーで出来ていた。てことは今回のゾディアーツは髪の毛を扱う奴ってことになるかもね~。」

 

賢吾「髪の毛。。。そう言えばそんな星座があったな。」

 

歌星はそう言って星座が書かれている本を取り出す。

そしてあるページを皆に見せる。

 

賢吾「やはりあった。髪の毛座、コーマだ。」

 

JK「髪の毛?そんな星座あるんすか?」

 

彼方「かなりマイナーな星座だけどね~。さ!後はスイッチャーを探すだけだ!」

 

JK「じゃあ俺探しに行ってきますね~!」

gen

そう言ってJKが出ていった。

いや行動力あり過ぎでしょ。。。

 

さてさて。。。僕がやるべきことは。。。

そう思ってると突然警告音が鳴る。

またゾディアーツ~?

 

そう思いながらモニターを見ると、今度はドラゴンだった。

取り敢えずリーゼントくんに連絡したから僕達も現地に行くことに。

 

 

現地に着くと美羽が既に来ていた。

そしてフォーゼはマグネットステイツに変身してドラゴンと戦っている。

 

電磁砲を放つがドラゴンには全然効いてない様子。

それもそうだ。本来のドラゴンは鋼鉄の身体だが、今回は違う。

フォーゼはレバーを引いて砲台を合体させ、電磁波を放つ。

 

だがそれを受けても平然と歩いてくるドラゴン。

驚いているフォーゼだが一気に砲撃で決めようとする。

マズい!このままじゃ髪の毛ごと爆発してしまう!

 

ユウキ「弦ちゃん!ダメ!燃やしちゃったら尻尾が掴めない!」

 

フォーゼ「え?」

 

友子「どういう意味?」

 

彼方「合体させた砲台をドラゴンにブチ当てるんだ!」

 

フォーゼ「お、おう!」

 

フォーゼは僕の指示通りに砲台をドラゴンにぶつける。

するとドラゴンは爆発し、後には髪の毛だけが残った。

 

ユウキ「弦ちゃんそれ捕まえて!」

 

すると髪の毛は一人でに動きだした。

フォーゼは自在に動く髪の毛に戸惑いながらも捕まえる。

 

ユウキ「それが復活ゾディアーツの正体よ!」

 

流星「姿や能力は真似しても、元は髪の毛だから磁力に反応しなかったんですね。」

 

フォーゼは必死に掴むが、髪の毛の力が強かったのか離してしまう。

そして髪の毛は建物の二階の廊下に向かっていく。

するとそこにゾディアーツが現れ、髪の毛を吸収した。

 

賢吾「やはりコーマ!髪の毛座のゾディアーツだ。」

 

彼方「アイツは自分の髪の毛で分身を作れる。それで律子達に罪を擦り付けてたのだよ。」

 

フォーゼ「じゃあ!やっぱり珠惠達じゃなかったんだな。」

 

賢吾「我望のおかげだ。カメレオンと髪の毛に着目して正体を特定した。」

 

JK「これでライダー部も安泰ですね~!」

 

彼方「なわけあるかっての。美羽達が居なくなったら持たないよ。」

 

ほんと、今のライダー部のメンバーがベストなんだから。

誰か一人でも抜けたらその内崩壊する。。。

ま、皆はそんなこと考えてなさそうだけどね~。。。

 

するとコーマは髪の毛を繰り出して、アルターを繰り出す。

あくまで分身は自立型ってことか。。。

 

フォーゼ「2対1ってことか!」

 

すると横からハサミで攻撃される。

 

キャンサー「3対1の間違いじゃありません~?」

 

フォーゼ「鬼島!」

 

キャンサー「アタシの手駒、面白いヤツでしょ?これこそ正に!真打って奴。」

 

その言葉を引き金にゾディアーツ達が一気に攻めてくる。

こりゃマズいな。。。

 

彼方「サーペントで何とかできないか?」

 

フォリア「...分かりました。何とかしてみます。」

 

僕はフォリアに耳打ちして何とか状況を変えるよう頼む。

了承したフォリアは皆に気付かれないように行き、変身する。

 

サーペントはフォーゼ達の間に入る。

 

フォーゼ「ああ!?お前はあの時の!」

 

サーペント「今はそんなことを言ってる場合じゃありませんわよ?私がキャンサーを相手するので後は頼みますわよ。」

 

フォーゼ「お、おう!そっちは任せたぜ!」

 

キャンサー「そんなことさせるわけないでしょ!」

 

サーペント「それは私の言葉ですわ!」

 

フォーゼを妨害しようとしたキャンサーを頭の蛇で食い止めるサーペント。

これなら何とかなりそうだな。。。

しかし念には念を。。。

 

ユウキ「よぉーし!こうなったら、新シフトで行こう!」

 

城島がそう言うと歌星はパソコンを操作してダイザーを呼び出す。

そしてその中に入るのは。。。

 

まさかの僕だった。。。

 

なんで!?ここは編入生くんかJKの流れじゃなかった!?

僕これやった後すんごい疲れちゃうんだけど!?

 

だがそんな僕の言うことは聞かれず。。。

僕は仕方なしに偽アルターにストレスをぶつけることにする。

どっちにしろ僕の彼女に罪着せることしてるんだからいいよね?答えは聞いてないっと!

 

僕はアルターに向かって思いっきり拳を振り下ろす。

すると突然の攻撃に反応できなかった偽アルターは諸に攻撃を受けてしまう。

 

振り下ろした拳を上げるとそこには髪の毛しかなかった。。。

え?もしかしてワンパンで終わり?

ちょっと!?なんで!?もっと耐えてよ!僕のサンドバッグになってよ!!!

 

フォーゼ「マジかよ!やるじゃねえか彼方!」

 

彼方「褒められても嬉しくないよ!もうちょっと手ごたえあると思ったのに~!!!」

 

キャンサー「おいおいこりゃマジかい。。。」

 

サーペント「フフフ、よそ見している場合ですの!」

 

サーペントもキャンサーを追い込んでいく。

フォーゼもそれを見て一気に決めようとする。

 

フォーゼ「これで終わりだー!!!」

 

『LIMIT BREAK』

 

フォーゼがリミットブレイクで超電磁砲をコーマに放つ。

するとそこにサーペントから逃げて来たキャンサーがコーマの前に立って背中を向ける。

超電磁砲はキャンサーに当たるが、キャンサーの甲羅にはヒビ一つ入らず。。。

 

マジかよ、アイツの甲羅硬すぎん?

 

キャンサー「こんなところでやられちゃダメでしょぉ。アンタはまだまだ化けると、アタシャ見てるよぉ!」

 

キャンサーは泡を吹き出してコーマと一緒にその場から逃げていった。。。

 

それにしても...、やっぱダイザーの後の疲れが半端ない。。。

こりゃ一日一回じゃないと持たないよ。。。

 

そう思いながらダイザーを降りた。

ダイザーを降りたら皆から褒められた。

それと友ちゃんからムカデドリンクを貰った。。。

 

僕はそれを何とか力を振り絞って開けて飲む。

まさか蓋開けるのにこんなに力入れるなんて。。。

もうちょっと鍛える量増やそうかな。。。

 

そう思いながら飲んでると、皆はすっかり美羽達が引退してもいけると思い込んでる。。。

それは流石に無いよ~。

このままだと僕はいつかぶっ倒れてしまう。

それに動揺してライダー部は機能しなくなる。

 

そんな危うい状況でとてもじゃないがゾディアーツとは戦えない。

ただでさえキャンサーに苦戦しているのに、これからは更に強い敵とも対峙しなきゃいけない。

今のホロスコープスはリブラとキャンサーを除けばどれもボス級。

そんな奴らに勝てるなんて思えない。

 

そう思うとリーゼントくんが美羽に何かを聞く。

そういえばさっきなんか美羽と大文字が揉めてたよな。。。

 

美羽「ほっといてよ!!」

 

その言葉に皆美羽を見る。。。

何があったんだろ?

 

美羽「よくやったじゃない、皆。仮面ライダー部も引き継ぎ完了ね。...さよなら、私引退するわ!」

 

美羽はそう言うとこの場から去っていく。

あんな顔をするなんて。。。

僕は急いで追いかけようとするが上手く力が入らない。

 

すると今度は大文字が何も言わずに去っていく。

 

一体何があったわけ...!?

 

 

 

 

to be continued...

 




しばらく爆死阻止の旅に出ます。。。
内容変になるかもだけど許してちょ☆



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有・終・輪・舞

今回ちょっと長め。

結局コヤンは来てくれませんでした。
でもオベロンは必ず引き寄せます。
何が何でも引きます!!!


ー彼方sideー

 

僕は皆にバレないようにフォリアに中に入ってもらってラビットハッチに向かう。

僕自身の体力は限界だけど、フォリアの分を分けてもらってるからしばらくは大丈夫なはずだ。

 

それにしてもいきなり退部するなんて。。。

やはり卒業することでライダー部と別れるのが辛いのか。。。

 

そう思いながらも何とかラビットハッチに到着する。

ドアを開けると美羽が荷物をまとめていた。

 

美羽「彼方。。。」

 

彼方「はぁ、はぁ。。。何とか辿り着いた。。。」

 

美羽「貴方ダイザーを使った後だから動けないんじゃなかったの?」

 

彼方「まあそこはフォリアの力を借りて何とかね。。。」

 

美羽「もう。。。また無茶して。。。」

 

無茶っていうかあの時は強引にさせられたからね~。

ほんと大文字がどういう鍛え方してるのか気になったもん。

 

それにしても美羽の物が無くなっただけでだいぶ寂しく感じるな~。。。

それだけライダー部の中でも存在が大きかったんだろうな。。。

 

彼方「なんで急に退部なんてしようと思ったの?」

 

美羽「それは。。。この部はもう私が居なくてもやっていけると思ったからよ。」

 

彼方「ほんとにそう思ってるの?」

 

美羽「それは。。。」

 

彼方「ま、あくまで僕の意見だけどさ。あの体制じゃいつかライダー部は崩壊しちゃうよ。だから僕は美羽と大文字には居なくなってほしくない。まあ、卒業するななんて無理は言わないけど前も言ったみたいに顔を出したりは出来るんだからさ。」

 

美羽「そうかもしれないけど、あの子達はもう。。。」

 

彼方「はぁ。。。な~にうじうじしてんの?それでも天高のクイーンなの?クイーンは堂々としてればいいの!あの時言ったことは嘘だったの?僕が惚れた女の子はそんなに弱い子だったの?」

 

美羽「。。。」

 

そんなことを話してると突然電話が鳴る。

どうやら友ちゃんからみたいだけど。。。

 

僕が電話に出ると慌てたような声をしていた。

念の為僕は美羽にも聞こえるようにスピーカーにする。

 

彼方「もしもし?どうしたの?」

 

友子「大変なんです!律子さん達が卒業式に出ないって!」

 

彼方、美羽「「えっ!?」」

 

友子「直ぐ来てください!」

 

彼方「分かった!すぐに行く!」

 

僕はそう言って通話を切る。

なんでまたそんなことに!?

 

僕は何とか力を振り絞って立ち上がる。

 

美羽「彼方!」

 

咄嗟に呼ばれ美羽の方を見る。

 

美羽「お願い。珠惠達を助けてあげて。」

 

彼方「...もちろん!その後は美羽のことも助けるからね!」

 

僕はそう言ってハッチを出る。。。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

騒ぎの下に辿り着くと、そこでは大勢の生徒が律子達に集っていた。

皆好き放題言ってくれる。。。

 

僕はちょっとキレそうになってる。

すると掲示板に貼られているあるモノが目に入る。

それを見た僕は完全にキレた。

 

僕は二階から飛び降りて大きな声を出す。

 

彼方「お前ら全員一旦黙れ!!!」

 

するとさっきまで律子達に集っていた生徒達が一斉に僕を見る。

 

彼方「さてさてさ~て?な~んでこんな騒ぎになってるのかな~?」

 

モブ「アイツらが怪物だからだ!卒業式を中止にしようとしてるみたいだしな!」

 

モブ「そうよ!コイツらの所為で私達学生最後の生活楽しめないじゃない!」

 

モブ「「「そうだ!そうだ!」」」

 

彼方「ふ~ん。それで?珠ちゃんや律子、野本が怪物だって証拠は?」

 

モブ「あそこに貼ってある記事が証拠じゃねえか!」

 

そう言って生徒達は記事を見せてくる。

そこには徳田も居た。

 

彼方「へ~、よく撮れてるじゃな~い。で?ここにはどこにも彼女達が怪物だって確固たる証拠が載ってないけど?」

 

徳田「...天高を愛し、その魅力を隅々まで伝え続けて三年間。この徳田弥生の新聞と、貴方みたいな変人の言うことの、皆どっちを信じるかしら?」

 

徳田がそう言うとさっきまで黙ってた生徒達がまた騒ぎ出す。

あ~、も~うるっさいな~。。。

 

僕は思いっきり掲示板に貼られている新聞を殴りつける。

力加減を間違えたからか、掲示板ごと貫通しちゃったみたいだけど。。。

おかげで皆また黙ってくれたみたい。

 

彼方「いや発信する人間の問題じゃなくてさ~、情報の真偽の問題を言ってんだけど?なんでそんなことも分かんないの~?」

 

徳田「っ!でも実際この写真もあるじゃない!」

 

彼方「じゃあ一つおもろいこと言ったるわ。アンタが撮った今回の騒動の最初の写真。あれ撮ったのって昨日とか言ってたよな?」

 

徳田「ええそうよ!実際それは本当のことなんだから!」

 

彼方「じゃあその写真出してな?」

 

僕がそう言うと徳田はカメラを操作してあの時見せてもらった写真を映す。

僕はそれを受け取ってもう一回日付と時間を見る。

うん、操作はしてないみたいだね~。

 

彼方「これ撮ったんが確か昼過ぎみたいやな。そん時僕珠ちゃん達と電話しててん。ちゃんと証拠はあんで?ほら。」

 

僕はそう言うとケータイを取り出して通話履歴を見せる。

もちろん操作なんてしてないから、徳田が写真を撮った時刻と僕が通話してた時刻は重なっている。

 

徳田「っ!?で、でも!一人と電話してたからって他の二人のアリバイは無いわよ!」

 

彼方「残念ながらアリバイはあるんよな~。丁度そん時珠ちゃんと一緒に二人も居ってん。やから二人とも話したし、そん時他の生徒の声も聞こえたから聞き込みしたら証言なんて出てくるよ?」

 

徳田「そんな...!?それじゃあ。。。」

 

彼方「碌に証拠も集めんとこんなに堂々と怪物の罪を擦り付けるなんてね~。これワンチャン訴えれるレベルやからね?な~にがしたいんかわからんけど、あんまり調子乗ってこんなことばっかほざいてるんやったら僕が潰すよ?」

 

徳田「っ!?」

 

僕が威圧を込めながら言うと徳田はすっかり怯えてしまった。

あれれ?やりすぎちゃったかな?

 

そう思ってるといつの間にかライダー部二年組の皆も来てたみたい。

僕の様子にすんごい驚いてるけど。。。

 

すると大杉が卒業式の看板を持って入ってくる。

それを見て驚いた顔をした徳田が大杉に迫る。

 

徳田「なんで卒業式の準備をしてるんですか!?あれだけの騒動が起こってるのに!」

 

大杉「いや~それがちゃんと明日あるんだよ~。プロムも。いや~俺もそう思うけど、そういう学校なんだわここ。」

 

大杉はそう言うとさっさと準備に取り掛かりに行った。

それを聞いた周りの生徒は一安心したみたいな感じになっている。

あんだけ騒いでおきながら本人達には謝罪無しとか。。。

 

僕は珠ちゃんと律子の腕を引き、野本についてこいと言ってその場を離れる。

いつまでもあんな気持ち悪い場所に居たくはない。

 

そう思いながらある程度落ち着ける場所に連れてくる。

三人とも助かったと言うような顔をしてる。

 

野本「済まなかったな我望。何度も助けられて。」

 

彼方「別に気にしなくてもいいよ。皆とはぶつかり合ったけど、今はこうして親しい仲になってるんだし。」

 

律子「それよりもアンタ腕は大丈夫なのかい?」

 

珠惠「そうよ。掲示板ごと貫通してたみたいだけど。。。」

 

彼方「ん?あ~、腕なら大丈夫だよ?ほら~。血も出てないし、怪我もしてないから安心して。」

 

野本「お前が規格外なのはいつものことだったな。」

 

ちょっと?聞き捨てならないこと言われたんですけど?

僕が人外な訳...、いや最近自分でも思ってたんだった。。。

 

僕が凹んでいると三人とも笑い出す。

 

彼方「ちょっと!何笑ってんだよ!」

 

律子「アンタがそんなことで凹むなんてねぇ?」

 

珠惠「意外に可愛いところもあるのね。」

 

野本「すまんな。つい面白くてな笑」

 

彼方「よーし!お前ら全員なんか奢れぇ!!!」

 

この後も色々話まくって別れた。

珠ちゃんと律子の二人にプロムの準備は出来たかと聞くと大丈夫って言っていた。

明日はバッチリ決めるぞぉー!

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

卒業式の朝。

 

僕は美羽達と最後の学校の日の朝を過ごしたかったが、そう言うわけにもいかなくなった。

コーマの狙いがプロム及び卒業式の妨害とならば僕達が出なければならない。

 

多分だが朝に仕掛けてくるだろうと考え、僕はあるものを用意して向かう。

 

 

卒業式の会場の入り口。

そこに一人の女子生徒が佇んていた。

スイッチを握りしめて。。。

 

賢吾「君がコーマだったんだな。徳田弥生。」

 

そう、コーマの正体は徳田だった。

何故天高を愛してる彼女が卒業式を妨害しようとしたのかはわからないけど。。。

もしかしてヤンデレな考えだったりして?

 

賢吾「何故卒業式を狙う?」

 

ユウキ「貴女、天高を愛してるって言ってたよね?」

 

徳田「大好きよ、天高がだーい好き!だから今のままが良い、このままずーっと卒業なんて無ければいい!」

 

ワオ。。。まさかのヤンデレだったよ。当たったよ。。。

ここまで天高を愛してくれてるなんて。。。

なんか...嬉しいな。。。

 

徳田「そう思ったら、今まで押せなかったスイッチが押せたの。鵜坂さん達も卒業なんかさせない。プロムでいい思いなんてさせない。」

 

徳田はそう言ってスイッチを押す。

 

コーマ「同じ天高のゾディアーツ仲間としてね?フフフフフ、ハハハハハ!!!」

 

何だって...?

律子達の邪魔をすると言ったのか...?

 

だったら僕が阻止しないとだよねぇ?ねぇ?

 

コーマは頭を揺らし、オーラを増幅させる。

そして身体全体を回転させてどこかに飛んでいく。

 

それを見た僕は必死に追いかける。

ちょっとしたお仕置きをしないとだねぇ...?

 

 

僕はコーマを追いかける途中で杖を取り出す。

そして僕は服を制服から全身真っ黒のスーツに着替え、顔には仮面を着ける。

ちょっとした勝負服って奴さ?

あ~、着替えはもちろん某鯖の様に早着替えしたよ。

 

僕は杖に力を込め槍に変える。

そしてそれをコーマに向かって投げる。

 

見事に命中し、コーマは地面に倒れる。

僕は地面に刺さった槍を抜き、杖に戻す。

 

コーマ「くっ!アンタ誰よ!」

 

彼方「お前に明かすと思ってるのぉ?そんなしけたことするわけないじゃぁん?」

 

僕はそう言いながらスイッチを取りだす。

あ、もちろん声は変えてるよ?

ちょっと煽りが効きやすい声にしてるから今頃コーマは怒り心頭だよ~。

 

そう思いながら僕はスイッチを押す。

 

変身したオレを見てコーマは驚く。

 

コーマ「まさか同類!?何故私の邪魔をするの!」

 

オピュクス「オマエ如きがオレの女達の最後を邪魔してんじゃねえよ。オレがぶっ潰してやる。」

 

コーマ「うるさいわね!私は天高を愛してるだけなのよ!!!」

 

歪んだ愛を増幅させてるコーマが髪を操ってオレに攻撃してくる。

だがオレは髪を結界で固定させて消滅させる。

だが何度もコーマの髪は生えてくる。

 

そんな時にメテオが現れる。

 

メテオ「また会ったな、オピュクス。」

 

オピュクス「丁度いい。オマエリミットブレイクの準備しろ。オレが道を作ってやる。」

 

メテオ「フン。仕方なく話に乗ってやる。」

 

メテオはそう言うと腕の装備にスイッチを装填する。

すると待機音の様な音楽が流れる。

 

コーマはそれを聞いて危険と判断したのか、髪を伸ばして阻止しようとしてくる。

だがオレはそれを結界で封じ、消滅させる。

今度はちょっとした毒と一緒にな。

 

コーマはまた髪を生やそうとするが、何故か生えてこない。

そのことに困惑している隙にメテオがリミットブレイクを決めた。

 

爆発して終わったかと思ったが、相手はまだラストワンに至ってない。

警戒するべきかもな。。。

 

すると爆発の中から徳田の姿が見える。

その手にはスイッチが握りしめられている。

 

徳田「こんなとこでやられる訳にはいかないね。プロムを潰すまでは!」

 

徳田はそう言うと再びスイッチを押して変身する。

だがさっきよりもオーラが増幅している。

 

マズいな。完全に暴走状態になっている。

ありゃ自分でも制御できてない奴だぞ。

 

コーマは身体を回転させて消えていった。

プロムを邪魔させるわけにはいかねえ。。。

だがどうすれば。。。

 

ま、リーゼントくん辺りが何とかしてくれそうな気がする!

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

卒業式は無事に行われた。

珠ちゃん達三人もちゃんと卒業式に出てくれて良かった。

 

そして今はプロム会場で美羽達を待っている。

え?僕の姿はって?

さっきコーマと対峙した時に着てた全身ブラックのスーツだよ?

これぐらいしか着るものが無かったからね~。

 

すると階段から純白のドレスに身を包む美羽の姿が。

 

いや...なんて言うか...その。。。

大変麗しゅうございます。

 

美羽「お待たせ。さ、行きましょうか?」

 

彼方「そうだね。あ、美羽。」

 

美羽「何?」

 

彼方「綺麗だよ。」

 

僕はそう言って頬にキスをする。

ちょっとキザっぽいけどついしたくなっちゃった。

 

キスに照れた美羽は顔を真っ赤にしながら着いてくる。

すると今度はテラス席で会話をしていた珠ちゃんと野本を発見する。

 

珠ちゃんは濃い緑青色のドレスにファーを着ている。

野本はブルーのシャツに灰色のジャケットを羽織っている。

 

彼方「やっほ~珠ちゃん、それに野本も~。」

 

珠惠「ちょっと遅いんじゃないの~?」

 

野本「危うく俺がプロムを一緒に回っていたぞ?」

 

美羽「あら?そうしたら彼方を独り占めできるわね~?」

 

珠惠「美羽?」

 

美羽「あら?何かしら珠惠?」

 

何か二人の笑顔が笑ってないんだけど!?

僕は二人の間に入って二人を抱きしめる。

 

二人「「キャッ!」」

 

彼方「はいはいそこまで~。せっかくのプロムなんだから楽しまないと~。ね?」

 

美羽「も、もう。。。仕方ないわね...//」

 

珠惠「彼方がそう言うなら...//」

 

うん、二人ともぐっかわです!

 

そんな二人を連れて会場の中に入る。

野本は別の人と待ち合わせしてるみたいであそこで別れた。

 

中に入ると皆それぞれ踊ったりオードブルを食べたりして楽しんでいる。

とそこに見たことある黒いドレスが。。。

あれ?その隣い居るのって...?

 

僕は近づくと、やはり律子だったようだ。。。

って編入生くん!?なんでここに居るの!?

 

律子「ん?あ~、彼方!遅いじゃないか!」

 

彼方「ごめんごめん。って何で編入生くんと一緒に?」

 

流星「ちょっとライダー部の皆に頼まれまして。。。」

 

彼方「あ~、護衛ってヤツ?大変だね~。」

 

美羽「護衛?」

 

そう。会場に入ってからちょっとした違和感を感じていた。

まるで誰かに見られてるかの様な感じ。

 

その正体はフードロイド達のようだ。

良く見たら皆それぞれ化けているし。

 

どうやらライダー部なりに考えたようだね~。

それで編入生くんも次いでに護衛に着けたって感じかな~?

 

それにしても律子が僕と一緒に踊ること知らなかったのかな?

ま、いいや。

どうせ暇になるだろうからコーマの足止めでも頼もうかな。

一応フォリアに頼んでいるけど、念には念をだし。

 

彼方「美羽達は先に食事でも選んで来たら?」

 

美羽「いいの?」

 

彼方「うん。僕も後で選ぶから。」

 

美羽「分かったわ。」

 

珠惠「後でね?」

 

律子「次いでにアンタのも選んできてやるよ。」

 

彼方「ありがとね。」

 

よし、美羽達はそれぞれオードブルを取りに行った。

今の内に。。。

 

彼方「さてさて。。。君にはちょっとお願いがあるんだよ。」

 

流星「何かな?」

 

彼方「律子の護衛はもうしなくていいよ。僕が一緒にいるから。」

 

流星「え?でも部長が。。。」

 

彼方「知ってる?僕はやれば何でもできちゃう男なんだよ?」

 

流星「...なんだそれ。」

 

え、冷たくない?

いや、スベるの覚悟で言ったけどあまりにも冷たすぎませんか?

 

彼方「んん!とにかく、君にはコーマの足止めをお願いしたいんだ~。」

 

流星「だがコーマならフォーゼが何とかするだろ。」

 

彼方「今までの戦闘を思い出しなよ。一人介入してきそうなのが居るだろ?」

 

流星「...キャンサーか。」

 

彼方「そ。一応対策はしてるけど、念のためにね~。じゃ、頼むよ~。」

 

僕はそう言って美羽達の下に向かう。

ふと振り返ると編入生くんが出口に行くのを見えたから聞いてくれるみたいだ。

 

美羽達と合流すると、ちょうど音楽が鳴りやむ。

そしてここから伝統のナンバーが始まる。

 

この日の為に必死に考えて結局僕はそれぞれと一対一で踊ることにした。

流石に三人と踊るためにはこれしか考え付かなかった。

 

最初は珠ちゃん。

多分この三人の中だと一番付き合いが古い。

まあ中学の頃からの付き合いだからね~。

 

彼方「だいぶ練習してきたの?」

 

珠惠「ええ。わざわざ美羽に教えてもらったわ。」

 

彼方「そっか。それは嬉しいね~。」

 

珠惠「あら?私は今が一番嬉しいわ。貴方と一緒に踊れて。」

 

彼方「ハハッ!そりゃよかった。高校最後は素敵な思い出にしてほしいからね。」

 

珠惠「そう。あ、そろそろ代わるわね。」

 

珠ちゃんはそう言って離れていく。

そして入れ替わりで律子がやってくる。

 

律子「ちゃんとエスコートしな?」

 

彼方「仰せのままに~。」

 

僕達はダンスを始める。

お?初めてのはずだけどだいぶ上手いね~。

もしかして練習したのかな?

 

彼方「もしかして練習したの?」

 

律子「っ、悪いかい?アンタを楽しませようと思って、柄にもなくやったのさ。。。」

 

彼方「全然。むしろもっと好きになった。」

 

僕は律子を抱き寄せて踊る。

律子は急に近くなった僕を見て顔を赤らめる。

 

律子「いきなりそんなこと言うんじゃないよ//」

 

彼方「ごめんごめん。つい嬉しくなっちゃってね~。」

 

律子「そう。なら、良かったさ。。。」

 

ほんと最高だよ。

こりゃ僕もいい思い出になったな~。

 

そう思うとどうやら交代の時間になったようだ。

律子は僕にキスをして離れていった。

だからそんなことされたら照れちゃうでしょ!

 

ちょっと悶絶してると美羽がやってくる。

 

美羽「あら?何悶えてるの?もしかして律子に何かされた?」

 

彼方「...ちょっとね。」

 

美羽「そう。じゃあ私はもっとしないとね!」

 

美羽はそう言うと思い切り抱き着いてくる。

僕は美羽を何とか抱き留める。

 

彼方「いきなり抱き着いて。。。ヒール履いてるんだから危ないでしょ?」

 

美羽「私を絶対受け止めてくれる人が目の前に居るからついね。」

 

彼方「はぁ。。。そんなこと言われたら許すしかないよね~。」

 

美羽「フフッ。さぁ、踊りましょ?」

 

そして僕達は踊り始める。

やはり慣れてるな~。

一番踊りやすいと思ってしまう。

 

そう思ってるとフォリアからパスが繋がる。

 

フォリア『無事コーマを倒しましたよ。キャンサーには逃げられてしまいましたが。。。』

 

いや、大丈夫だ。

どうせキャンサーはどこかで退場するよ。

そういう男だろうからね~。

 

とにかくありがと。

家に帰ったらたくさん可愛がってあげる。

 

フォリア『あら?今日は美羽さんの家に泊まるのですよ?』

 

What!?

何それ聞いてないよ!?

 

フォリア『フフフ。詳しくは本人に聞いてください。』

 

そう言うとパスが切れる。

 

一体どういうこと!?

 

美羽「彼方?どうしたの?」

 

彼方「え?あ~、どうやら無事コーマを倒したみたいだよ。」

 

美羽「えっ!?そうなの?」

 

彼方「そうそう。これで安心してプロムを楽しめるね。」

 

美羽「そうね。。。これで最後だものね。。。」

 

彼方「...まあ明日からまた来ればいいじゃん。」

 

美羽「え?」

 

彼方「どうせ考えてたんでしょ?ちょくちょく遊びに来てやろうって。だったら毎日来なよ。」

 

美羽「...フフッ。そうね。そうするわ!やっぱり私が居ないとダメだものねぇ?」

 

彼方「ハハッ!いつもの調子に戻って来たね。」

 

美羽「フフフ。でもまだ今日は終わってないわよ?これから珠惠と律子も連れて私の家に行くわよ!」

 

彼方「あっ!そう言えばその話僕聞いてないんだけど!?」

 

美羽「言ってないからよ!さ!早く行きましょ!」

 

美羽はそう言うと僕の腕を引っ張っていく。

えぇ、もうすでに決定事項なのね。。。

 

 

結局あの後三人と一緒に美羽の家に泊まった。

 

高校最後の日だから僕とずっと居たいって言われた時は悶えたね。

そして夜も頑張ったよ。。。

ほんと日付が変わるまで。。。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ー翌日ー

 

僕は一足先にラビットハッチに居る。

まあ理由は隣に居る人なんだけどね。

 

そう思ってるとドアが開き、一年生組が入ってくる。

 

友子、JK「「えっ!?」」

 

二人は驚いてフリーズしている。

そりゃ卒業したはずの二人が居るからね~。

 

そう思ってると今度は二年組が入って来た。

ありゃりゃ、城島が勢い余って友ちゃん達を巻き込んじゃってるよ。。。

 

二年組「「「「えっ!?な、なんで!?」」」」

 

美羽「高校は卒業してもライダー部は卒業しないことにしたわ。まだまだ私達が居ないって分かったもの。」

 

隼「二人とも大学のキャンパスが近いんだ。今まで通りの活動でも大丈夫そうだぞ。」

 

彼方「ってことらしいよ~。」

 

そう言えば大文字は結局プロムには一緒に行きたい子と行けたらしい。

でも編入生くんの言葉に気付き、一人ダイザーに乗ってフォーゼ達と共闘したらしい。

相変わらずエースは違うね~。

 

それから美羽が部長から会長へとランクアップした。

それによってまたしても新部長となった城島の立場は霞んでいったとさ。。。

 

ま、何はともあれ。。。

 

弦太朗「仮面ライダー部...ふっかーーーつ!!!」

 

てことだね~。。。

 

 

 

 

to be continued...

 

 




いかがだったでしょうか~。


卒業編完結です~。

相変わらず彼方くんがチートしてますがどうでしたか?
やっぱ主人公だから活躍させないと~。

そしてプロムは無事行われました~。
まあその裏ではライダー部の活躍があったのですが。。。
流石にそれを入れるとすごく長くなりそうだったので、今回はちょっと割愛させていただくことに。。。


次回はいよいよメテオ強化回ですね~。

メテオストームカッコいいですよね~。
まああの回で一番印象に残ってるのは鬼島の煽りの全身プラネタリウムですけども笑

あれ聞いてそうだよな~って思いましたね~笑



話は変わってアンケの投票ありがとうございました!
今回の投稿と同時に〆させてもらいました。

結果はTS無しが多かったので無しの方向で行かせてもらいます。
やっぱりキャラは原作準拠のが良かったんですかね~?

それでも一時は有りも拮抗しててどうなるんだろうと思いました。

たくさんのご投票ありがとうございました!



ではでは次回もお楽しみに~。


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変・身・却・下

なんでか知らないけど今回は直ぐに出来た。。。
なんでだろ?


ー彼方sideー

 

春休みに入り、すっかりのんびりムードが満喫しているラビットハッチ。

皆それぞれ思い思いに過ごしている。

 

だが僕はちょっと気を抜けれない。。。

何故かって?この後ある奴に呼び出されてるんだよ。

 

まあ何とかなるだろうとは思ってるけどね~。

 

そう思ってるとリーゼントくんが皆でご飯を食べに行こうと言う。

しかもリーゼントくんの家で。

そう言えばリーゼントくんって普段どんなとこで暮らしてるのか知らなかったな~。

 

そこで城島が特製の宇宙鍋を振るうと言うが。。。

宇宙鍋って何?

なんか闇鍋感が漂ってくるんだけど。。。

 

そんなこんなで二時間後にリーゼントくんの家に集合となった。

その空いてる時間の内にさっさと済ませよーっと。

 

呼ばれた場所に向かってると前に編入生くんが歩いていた。

スイッチを取りだしてどうやらタチバナさんと交信してるようだ。

 

話を聞いてるとどうやら編入生くんも呼び出されてるみたいだ。

なんで僕達だけだろ?

 

そう思いながら交信を切ったタイミングで編入生くんに声をかける。

 

彼方「やっほ~。君も呼び出されてるクチ~?」

 

流星「...君もってことは我望も鬼島に呼び出されてるのか?」

 

彼方「そうそう~。それにしてもなんで僕達二人だけなんだろうね~。」

 

流星「さあな。もしかしたら俺がメテオだってことを突き止めたんじゃないのか?」

 

彼方「それだったら嫌だね~。あの軽口野郎のことだから直ぐにバラシそうだけどね~。」

 

流星「そう言うお前は幹部達にバラシてないのか?」

 

彼方「僕が?んなことしないよ~。僕は一応これでもゾディアーツとは敵対するつもりなんだからさ。」

 

流星「...スパイみたいなものか。」

 

彼方「どっちかって言うと二重スパイみたいなもんだけどね~。」

 

そうこう言っている内に呼び出された体育館へと着いた。

中に入ると、何人もの生徒がキャンサーの前で倒れている。

その中で唯一立っている生徒がつまらないギャグを披露している。

 

だがそのギャグはキャンサーのお気に召さなかったのか、ダメだと言われる。

そして生徒の中から輪っかみたいなものを取り出す。

そしてそれをハサミで切ってしまう。

 

すると突然糸が切れたように生徒は倒れてしまう。

そして切った輪っかはキャンサーに吸収される。

 

もしかして鬼島自身にキャンサーの能力が変化したのか...!?

だとしたらこのままじゃとんでもないことになるぞ!?

 

するとキャンサーはこっちを向く。

咄嗟に僕達は身構える。

 

キャンサー「はっはっはっはっ!一生眠りっぱなしだよ。あのコの生体エネルギーは、アタシが切っちゃったからぁ。」

 

そう言ってキャンサーは変身を解除する。

 

まさかキャンサーのハサミをそういう使い方するなんて。。。

生体活動の操作は本来僕かアリエスしか使えないはずだが。。。

鬼島の性質を読み取ったスイッチが生体エネルギーを『切る』といった形にするとは。。。

 

コイツの進化の早さは凄まじいな。

もしかしたら自力で『超新星』に辿り着くかもしれないな。。。

 

流星「生体エネルギー...?」

 

鬼島「ま、魂みたいなもんかな?賭けをしてたんだよ。アタシを笑わせられるかどうか。名付けて!『地獄大喜利』!負けたら、魂を貰う。勝ったら、コレをやるって言う趣向だぁ。」

 

鬼島はそう言ってスイッチを掲げる。

言ったらコイツのお眼鏡に叶ったらスイッチが貰えるってやつか。。。

 

コイツは人を見る目はある。

と言ってもコイツにとって面白いと思うモノを見る目だが。。。

 

実際コーマだった徳田は天高への思いが増幅してフォーゼを圧倒したこともある。

ラストワンに至ってない状態であの力だった。

そういう点ではコイツの選んだ者は強いゾディアーツになるだろう。。。

 

鬼島「おたくら仮面ライダー部にゃ残念な話かもしれないが、人を超える力が欲しいと思う連中は結構居るんだよねぇ。」

 

まあ実際僕もそれが理由でスイッチに手を出したしね。

今はちゃんと理性を保ってられるが、やはり以前より感情的になりやすくはなった。

そんな物がばらまかれたら溜まったもんじゃない。

 

彼方「僕達を呼び出したのはこれをやれってことかな~?」

 

鬼島「違う違う!こんなことしなくても、流ちゃんとかなちゃんにはスイッチあげるよぉ!アタシャねぇ、こう見えてもアンタらのこと評価してんだよぉ?」

 

ふーん。。。

オマエ如きが評価ねえ~。。。

 

流星「評価?僕を?」

 

鬼島「そう。一度はムカついたけどねぇ。アタシがペガサス・ゾディアーツだったことを見抜いたのも、アンタ達だしねぇ!ねえ流ちゃん、かなちゃん。アタシと組んで、おもしろ~いことしようよぉ。頭はキレるし、腹も据わってる。何よりアンタら、嘘つきでしょ?」

 

ほぉ...?

やはりコイツの観察眼は中々のモノだね~。

芸人として備わって来たモノがこういう形で出てくるとはね~。。。

 

鬼島「おんなじニオイがするんだけどなぁ~。。。」

 

流星「...好意は嬉しいが、断るよ。」

 

編入生くんはそう言うとこの場から立ち去る。

 

彼方「君が面白いことを思いつくのは分かったけど~。。。あんまり傲慢になるのもダメだよ?」

 

僕は鬼島に近づいて言う。

 

彼方「キミはチカラを使いこなせてないんだからさぁ。。。ネェ...?」

 

僕はそう言うと鬼島から離れ、この場を立ち去る。

鬼島は多分僕達を追ってくるだろう。。。

アイツは何か感づいているからね~。

 

僕は物陰に隠れてスイッチを取りだし変身する。

 

そしてにフォリアにパスを繋げる。

 

オピュクス『フォリア、体育館裏に来い。』

 

フォリア『分かりました。』

 

オレがそう言うと目の前にフォリアが現れる。

何でもブラッド族はこういうのが得意らしい。

 

オピュクス「オレの中に今すぐ入れ。鬼島が感づいていやがる。」

 

フォリア「っ!?なるほど。。。なら失礼しますね。」

 

フォリアはそう言うとスライム状になり、オレの中に入っていく。

そしてオレは()()を使う。

 

オピュクス「ブラッドアップ」

 

そう言うとオレの全身を結晶が覆っていく。

その中でオレの身体は変化し、結晶を弾くと共に姿を変える。

 

この時のオレは絶対的な防御を手にする。

その硬さはキャンサーの甲羅をも上回る程。

 

オレは強化を済ますと、ワープをしてキャンサーを見下ろす場所に出る。

するとメテオとキャンサーが交戦しようとしていた。

 

プッw一人プラネタリウムはウケるな。

そう思ってると二人は交戦した。

 

だがキャンサーはただメテオから逃げるような感じでいる。

実際攻撃を仕掛けているのはメテオだけで、キャンサーはそれを躱すか防御しかしていない。

何が狙いだ?

 

オレはダスタードを呼び出し、二人の後をつけさせる。

そしてオレは共感覚でダスタードの視覚を共有させる。

 

キャンサーはどんどん校舎の中に逃げていき、メテオはそれを追いかける。

とそこでメテオが技を繰り出し、キャンサーがそれを受けるがワザと受けたかの様に見える。

もしかして。。。

 

オレが考えていると、キャンサーは図書室へと逃げ込んだ。

メテオも追って図書室の中に入る。

マズい!アイツの狙いは油断させることだ!

 

オレは直ぐにダスタードと位置を交換させ、メテオを追いかける。

するとそこには既に変身を解除させた編入生しか居なかった。

チッ!遅かったか!

 

するとキャンサーの声が響き渡る。

どうやら正体がバレたようだ。

 

キャンサーは一しきり喋ると、その場を離れていった。

オレは杖を取り出し、キャンサーごと屋上へとワープさせる。

 

突然ワープしたことに驚いているキャンサー。

オレは後ろからゆっくり歩いていく。

 

キャンサー「んん?あ~、アンタかい。」

 

オピュクス「おふざけが過ぎるぞ、キャンサー。」

 

キャンサー「何だい全部見てたのかい。で?どうするんだい?あの方にこのことを伝えるのかい?」

 

オピュクス「いいや。その前にオマエに力の使い方ってモンを教えてやる。」

 

オレはそう言うと固有結界を発動させる。

今回は厄災の世界だ。

 

突然辺り一帯が焼け野原となった場所に変わったことに混乱しているキャンサー。

 

キャンサー「何だいここは?まさかまたお得意のワープってやつか?」

 

オピュクス「いいや、違うな。ここはオレの世界だ。オレが思い描いたモノは全て投影される。」

 

オレがそう言うとオレの後ろから獣が歩いてくる。

全身を真っ黒の何かで構成されており、その身は身体から溶けているものもある。

その身には真っ赤な線が走っており、まるで喰らってきたモノの血を表しているかの様。

獣の如き顔には、口からも血の様な肉の様なナニかが爛れ出てきている。

そして頭から背に掛けて一筋のトサカの様な赤い筋が入っている。

 

かつて本能を抑えきれず、愛するモノを軒並み喰らっていた者。

信じていた自分の領地の領民から掲げていた信念を無残に破られてしまった者。

この世の悪意を現したかの様な所業を見て絶望した者。

その者はこの世に邪悪な生き物が合ってはいけないと自身を厄災と化してもその使命感により醜い生き物を喰らってきた。

 

オレはそんな獣を愛おしそうに撫でる。

オレがこの心象風景をイメージした際に最初に現れたのが()()だった。

その時オレの中にイメージが入り込んできた。

それを見て、オレは()()を大切にしようと決めた。

 

生前は苦しみに苦しみ、最後に死にも勝るような絶望を味わった彼女。

せめて自分の世界の中ではその全てを忘れてほしいと。

夢の中で彼女とずっと一緒に居た。

 

オレは獣を撫でるとキャンサーを射抜くかの様に見る。

 

オピュクス「オマエには今から彼女に喰らってもらう。安心しろ。ちゃんと殺しはしないからな。」

 

オレがそう言うとキャンサーは逃げ出した。

だが直ぐに獣に食らいつかれた。

 

必死に抜け出そうとしているが、その牙は全てを焼き尽くし、食らいつくす。

故にキャンサーの甲羅であったとしても、絶大なダメージが入る。

 

オレはそれを一時間程味わせた。

そして一時間が経ったとき、オレは彼女に辞めるように言った。

すると彼女はすんなり聞いて咥えていたキャンサーをペッと吐き捨てる。

そして尻尾を振ってこっちにやってくる。

 

オレはそれを見て目いっぱい撫でてやる。

すると彼女はその容姿とは似合わないような可愛い声を出してくる。

だがオレは今はやることがある。

 

取り敢えずまた夢の中で会うと言って彼女と別れ、結界を解除する。

目の前のキャンサーはまさにカニが泡を吹いてるようになっている。

 

オレは薬を取り出してぶっかけてやる。

すると正気を取り戻したのか、こっちを見て慌てて後退る。

 

キャンサー「分かった!分かった!アタシが悪かった!だからもう辞めてくれ!」

 

オピュクス「...フン。」

 

オレはキャンサーを適当なところにワープさせた。

そして変身を解除する。

 

さてさてと~。

そろそろリーゼントくんの家に行かないとだね~。

 

フォリア『そうですね。』

 

僕はフォリアの力を使い、リーゼントくんの家の近くに移動する。

そして身体からフォリアを出す。

 

フォリア「ふぅ。。。相変わらずエグイことをしますよねぇ?」

 

彼方「べっつに~。アイツにはあんぐらいしないと何やってくるかわからないからね~。」

 

フォリア「はぁ。。。」

 

なんで呆れてるの?

ちょっと?流石に悲しくなってくるんですけど?

 

僕達はリーゼントくんの家に着いた。

どうやらバイク関係の店をやってるみたいだ。

 

中に入ると、どうやらリーゼントくんが何か話しているみたいだ。

内容は彼の両親について。

今のリーゼントくんがあるのはどうやらご両親あってのことのようだ。

 

僕は一区切りつきそうなところで中に入る。

 

彼方「やっほ~!遅くなってごめんね~。」

 

弦太朗「おう彼方!お前遅いじゃねえか!」

 

ユウキ「どこに行ってたの?」

 

彼方「ん?何かいいお土産が無いか探し回ってたんだよ~。そしたらちょっと疲れて寝たらいつの間にかこんな時間にね~。。。」

 

フォリア「私もそんなところです。」

 

弦太朗「そうか!まあ食えよ!ユウキお手製の宇宙鍋だぞ!見た目はあれだけど、中々イケるぞ!」

 

リーゼントくんはそう言うと鍋が入ったお椀を渡してくる。

僕達は意を決して食べてみるが、結構美味かった。。。

何か...、見た目とは真逆な味だった。。。

 

だがここで編入生くんが突然出ていった。

リーゼントくんに友達の重さが分かってないと言って。。。

 

やっぱりさっきのことがショックだったのかな~?

でもアレは彼が油断していたから起こったこと。

多分タチバナさんから何かしらのアクションがあるはずだ。

 

それが彼にとって最後のチャンスかもしれないね。。。

 

とにかく今の彼は非常に危険な状態だ。

もしかしたら鬼島に会いに行くかもしれない。

 

僕はそう考え直ぐにお椀の中身を平らげて家を出る。

何か皆が言ってる気がしたけどそんなの関係ない。

 

僕はダスタードに共感覚を使って視覚共有させる。

すると編入生くんが鬼島と話してるとこが見えた。

 

僕は直ぐに物陰に隠れ、ダスタードと位置を変える。

そして僕は車の陰に隠れて様子を探る。

 

すると編入生くんが鬼島を倒すと言ってドライバーを装着する。

そして変身しようとするが。。。

 

何も起こらない。

 

何回やっても何も起こらない。

どうやらタチバナさんによって変身できなくされたようだ。

 

その様子を見て鬼島は大笑いする。

そしてキャンサーに変身して編入生くんに攻撃する。

 

僕は咄嗟に二人の間に入ってキャンサーの攻撃を受け止める。

そのことに二人とも驚いたようだ。

 

流星「なっ!?何故ここに!?」

 

キャンサー「おやぁ?かなちゃんなんで来たの?まさかアタシと手を組むの?」

 

彼方「なわけあるかい。弱いものいじめすんのが楽しい思ってる奴を捌いたろ思っただけじゃ。」

 

キャンサー「ふーん。でも、捌かれるのはかなちゃんのほうだよ!」

 

キャンサーはそう言ってハサミを振るってくる。

僕は咄嗟に編入生くんと共に横に避ける。

 

流星「なんで来た!?俺一人でなんとか。。。」

 

彼方「なるわけないやろ。今オマエ変身できやんの忘れてんのか。」

 

流星「それは...!」

 

彼方「生身で倒せるほどホロスコープスは単純やないで。それにアイツのことや。尚更一筋も二筋も行かんわ。」

 

キャンサー「いやぁ~分かってるねぇ~?やっぱりアンタこっち側の人間でしょ?例えば正体不明に幹部とかぁ?」

 

彼方「へぇ~?それってつまり。。。またあの地獄を味わいたいってわけ?」

 

僕が威圧を込めてキャンサーに向かって言う。

するとキャンサーは突然狼狽える。

その様子に編入生くんが驚いている。

 

キャンサー「その言いぐさ。。。まさか!?アンタがあのとんでも野郎だってのかい!?」

 

彼方「だとしたらどないすんの~?僕のこと誰かにバラすん~?それで信じる人が居るとでも~?」

 

キャンサー「グぅ。。。下手に手を出せば厄介なことになりそうだな。。。」

 

とそこにバイクの音がする。

振り返るとリーゼントくんが友ちゃんを乗せて来た。

 

キャンサー「鬱陶しいが、今回ばかりは助かったか。。。」

 

弦太朗「大丈夫か流星、彼方!」

 

彼方「ちょっと腕が痺れたぐらいかな~。」

 

流星「。。。」

 

弦太朗「カニ野郎!俺が相手だ!」

 

リーゼントくんはそう言って変身した。

 

フォーゼはキャンサーに思い切り振りかぶっていく。

だがキャンサーはそれを避け、まるで遊ぶかの様に動く。

その動きに翻弄されるフォーゼ。

 

広い場所に出ると、フォーゼは更に攻撃の手を加える。

だがそれでもキャンサーには避けられてしまう。

 

そこで歌星が何やら指示を出したようだ。

フォーゼはスイッチを入れ替え、それぞれオンにする。

 

フォーゼはウォーターを使いキャンサーを濡らし、そこをフリーズで冷気を放って凍らせる。

すると見事にキャンサーの下半身は氷で埋まった。

 

流石に動けないキャンサー。

それを見て一気に決めようとするフォーゼ。

 

マグネットステイツに変身してリミットブレイクを決めに行く。

 

フォーゼ「ライダー超電磁ボンバーーー!!!」

 

合体した砲台から超電磁砲が発射される。

見事にキャンサーに命中し、爆発が起こる。。。

だがしかし。。。

 

キャンサー「やーらーれーたー!...てのは嘘なわけで。」

 

キャンサーの身体には傷一つ付いていない。

コーマの時も思ったがやはりアイツの甲羅は硬いな。。。

 

キャンサー「アタシの話はここからだぁ!」

 

キャンサーの身体からモヤが発生し、星座が一際輝く。

そしてモヤが晴れ、キャンサーの前に星座が現れる。

 

『超新星』に目覚めたか。。。

 

キャンサー「超~、新~、星~。」

 

キャンサーの中にエネルギーが入り込む。

するとキャンサーは赤黒いオーラを出しながら身体を変化させる。

 

どうやらキャンサーはスコーピオンと同じタイプの進化のようだな。。。

だが、まだ不安定な感じだ。

あの状態で居れるのも数分が限界ってとこだろ。。。

 

フォーゼは迫ってくるキャンサー・ノヴァに電磁砲を撃つが全然聞いていない。

ただでさえ硬かったあの甲羅が更に硬度が増したんだ。

これじゃあ生半可な攻撃じゃ傷一つ付かないぞ。

 

キャンサー「悪いが、これでオチをつけさせてもらう...、うっ、あっ!?」

 

キャンサー・ノヴァはトドメを刺そうとしたが、急に身体が光りだし、元の姿に戻ってしまう。

どうやら許容オーバーのようだな。

まあアイツのことだから直ぐに慣れて、次の時には満足のいく状態で出来るだろう。

だがそうなった時に果たしてフォーゼは勝てるのだろうか。。。

 

するとヴァルゴさんが現れてキャンサーに退くように言う。

やはりヴァルゴさんには分かっていたか。。。

 

キャンサーは素直に言うことを聞き、帰るかと思ったが。。。

 

キャンサー「だが、その前に!」

 

キャンサーがそう言うと、僕と編入生くんの身体からあの例の輪っかを取り出す。

 

キャンサー「よっと。午後三時!二年B組で待ってる!...はっはっはっ!」

 

キャンサーがそう言うと同時にヴァルゴさんが転移させた。

クッソ...、まさか人質を取られたなんて。。。

 

取り敢えず僕達は行かなければならないみたいだ。。。

それにしても...、力が...、入らないな。。。

 

。。。

 

 

 

 

to be continued...

 




いかがだったでしょうか~。


今回もちょっとチート彼方くんを出してしまいましたね笑
まあ物語の進行上仕方ないかな~って笑


ちょっと裏話というかなんというか。。。

彼方くんの固有結界で出て来た世界。
FGOプレイヤーの皆さまならまるわかりだと思いますが。。。

一応LB6章を未クリアの方にはネタバレ要素だとだけ言っておきます。



まあご想像通りなのですが、ブリテン島ですね~笑
プレイしてるとどうしても出したくなりまして笑

ということはあの獣も。。。
はい、バゲ子ですね笑

ほんとバゲ子には幸せになってもらいたい。。。
ということで出してみました笑
もちろん他の娘達も出てますので。

まあキッグナス回で出ましたもんね笑
また番外編でそこらの掘り下げ回を書きたいなと思います。
というか書きたい欲が強すぎて今回結構早くできました笑



ではでは次回もお楽しみに~。




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星・嵐・再・起

ー彼方sideー

 

ふと目が覚める。。。

ここは...?

 

すると目の前に結界内に居た獣が現れる。

あ~...そう言えば夢の中で会おうって言ったっけ?

てことはここは夢の中か。。。

 

確か鬼島に魂を抜き取られて。。。

ってあぁ!?

そうだ!魂抜かれたんだった!

 

ここに居る暇なんてないよ!

確か教室で待ってるとか言ってたし!

 

どうしよ。。。

今のままだとフォーゼ達じゃ勝てないしな。。。

でも僕が出てもそれはなんかアレな気がするし。。。

 

そう思ってると彼女がこっちに向かって歩いてくる。

だがその姿は段々獣から一人の女性へと変わっていく。

 

え?嘘?

いや確かに僕はこの彼女の正体は知ってるけど。。。

まさかこんな形で会うなんて思ってなかったよ?

 

???「少し休まれてはどうだ?最近の貴方は少々頑張り過ぎだ。たまには昔の様に傍観をしてもいいのでは?」

 

彼方「...でも僕にはやるべきことがあるからね。そう易々と休んでるわけにはいかないんだよ。」

 

???「貴女は責任感が強い御方だ。だが少しは余裕を持たないとその内崩壊してしまうのでは?...私の様に。」

 

彼方「...自分から説教垂れて何しょげてんの。()()()()()?」

 

僕はそう言い彼女の頭を優しく撫でる。

すると彼女は犬の様に鳴いて僕にすり寄る。

 

まあ...たまには休むようにしようかな?

彼女にはあまり心配かけたくないし。

それに彼女がこれほど心配してるってことは()()()()も心配してるってことだろうし。

 

彼方「ありがとね。でも僕はもう行くよ。今度はゆっくりしに来るからさ、他の娘達も呼んできなよ。」

 

バーゲスト「ですが。。。彼女達も呼ぶと貴方と一緒に居れないじゃないですか。。。」

 

彼方「ハハッ、僕に構ってもらえないから寂しいの?なら今度二人きりの時間作ってあげるからさ。ね?」

 

バーゲスト「...貴方は狡い御方だ。そう言われると納得するしかないじゃないですか。」

 

彼方「そうしてくれると助かるかな?じゃあね。」

 

僕はそう言って彼女を目いっぱい抱きしめる。

こうすると彼女は喜ぶからね。

 

そして離れると視界が白くなっていく。

なんかバーゲストが言ってる気がするがよくわからないな。。。

まあ今度会った時に聞いてみよう。。。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

目が覚めるとそこは見慣れたラビットハッチだった。

目の前にはフォリアが心配そうな顔をしていた。

 

フォリア「っ!やっと起きたのですね。」

 

彼方「あ、ああ。。。でもやっぱまだ力入んないけどね。。。」

 

フォリア「そうですか。。。なら私が中に入ります。そうすれば少しはマシになるでしょう。」

 

彼方「ごめんね。。。つい油断しちゃった。。。」

 

フォリア「いえいえ。ちょっと抜けてるぐらいが良いんですよ、貴方は。」

 

フォリアはそう言うと身体をスライム状に変えて僕の中に入ってくる。

するとさっきよりも力が入る感じがする。

 

良し!それじゃあさっさと行こう!

...いや待てよ。

 

...今回は傍観を貫くか。

バーゲストにも言われたしな。。。

 

ならと思い僕はスイッチを取りだして変身する。

 

そしてオレは自身の身体に纏うように結界を展開する。

するとオレの身体は周りの背景と同化した。

まあカメレオンみたいなもんだ。

 

そうしてオレは教室に向かう。

するとそこでは編入生とライダー部のメンツ。

そしてキャンサーが話していた。

 

どうやら編入生の奴は行かなきゃならんとこがあるらしい。

ならオレはちょっと介入させてもらおうか?

 

リーゼントからバイクの鍵を貰った編入生は廊下を走っていく。

そこをオレがバイクの場所までワープさせる。

 

いきなりのことで驚いている編入生。

オレはそんなヤツの前に姿を現す。

 

流星「っ!?びっくりした。。。」

 

オピュクス「オマエのダチのとこに行かなきゃなんないんだろ?オレが送ってってやるよ。ほら、バイクに乗れ。」

 

流星「何故お前も俺に協力するんだ。。。」

 

オピュクス「あ?んなの仲間だからに決まってんだろ。それ以外になんかあるか?」

 

流星「っ!?いや。。。今はいい。それよりも二郎の所に連れて行ってくれ!」

 

オピュクス「了解~。しっかりダチ救って来いよ。」

 

流星「もちろんだ。」

 

オレはワープを展開する。

すると編入生は意図を読んだのか、バイクに乗ってワープをくぐる。

まあ帰りは自分で来てもらうがな。。。

 

そう思いながら教室の方へワープする。

すると友ちゃん以外のヤツは全員倒れていた。

 

よく見たらJKが変な恰好をしている。

まさか『地獄大喜利』をやったんじゃねえだろうな...!?

 

キャンサー「おぉ~これはこれは蛇遣いのぉ!一番遅れてきたが、まあ来ただけ良しとしよう!それで?やっぱりアタシと組むのかい?」

 

オピュクス「なんでオレが組まなきゃなんねえんだよ。オマエみたいな雑魚と。」

 

友子「雑魚って。。。どんだけ強いの。。。」

 

キャンサー「はっはっはっ!アタシを雑魚だって?笑わせるねぇ~!これでも『超新星』は使いこなせるようになったんだよ?今ならあの犬っころにも勝てるさぁ!」

 

ほぉ...?

アイツのことを犬っころだと...?

 

オピュクス「...ハハハハハ!!!オマエこそ笑わせんじゃねえよ!あの厄災を犬っころと呼ぶなんざ初めて聞いたぞ!オマエいつから自分が強くなったと勘違いしたんだ?アイツは全てを焼き付くす獣だぞ?オマエなんざ一瞬で焼きガニだ!...それを身をもって味わったはずだが?」

 

オレは最大級の威圧をキャンサーに放つ。

するとキャンサーは恐怖の余りに腰を抜かしやがった。

なんだ...威勢がいいだけか。。。

 

すると編入生が戻って来た。

おおーグッドタイミーング!

 

流星「約束通り戻って来たぞ、鬼島!」

 

キャンサー「ん?あ、あぁ、戻って来たのかい、流ちゃん。アンタも結構馬鹿だねぇ。」

 

流星「馬鹿で結構。やるべきことをやるだけだ。さぁ!僕のリングと交換のはずだ!皆を元に戻せ!」

 

キャンサー「...アタシを笑わせたらね?」

 

オピュクス「ならさっさと戻せ。オマエは笑ったぞ?」

 

キャンサー、流星「「は?」」

 

オピュクス「ん?もう忘れたのか?さっきオレがオマエのことを雑魚って言った時大笑いしてたじゃねえか。なんだ?オマエの頭の中に詰まってるのは脳みそじゃなくてカニみそなのか?」

 

キャンサー「なっ!?ち、違う!そんな!?」

 

オピュクス「オマエちゃんと約束は守れよ?男に二言は無いよな...?」

 

オレがそう言うとキャンサーの中からリングが出て来た。

そしてリングはそれぞれ元の宿主達の下へと帰る。

もちろんオレにもな。

 

すると皆変なことをしながら起きてきた。

え?まさかそんなことで笑わせようとしたのか...!?

 

弦太朗「流星!それに...薬野郎まで!まさか俺達を助けてくれたのか?」

 

オピュクス「ちょっとした助っ人だ。あくまでコイツを倒すのはオマエらの役目だ。」

 

弦太朗「ああ分かってる!俺がきっちり倒してやるよ!」

 

リーゼントはそう言うとフォーゼに変身する。

そしてロケットを装着してキャンサーと別の場所に移動する。

それをライダー部のメンツは追っていく。

 

だが一人だけ別方向に行くヤツが。

それに気づいた友ちゃんが疑問に思う。

 

オピュクス「オレが行く。友ちゃんはしっかり見守ってこい。」

 

友子「先輩...、はい!」

 

友ちゃんはそう言って走っていった。

さてさて?オレはあっちを追いかけますかね~。

 

 

オピュクス「どこに行くつもりだ?」

 

オレは目の前に走ってくる編入生に問いかける。

予め先回りしておいた。

 

流星「っ!?タチバナさんとの待ち合わせ場所だ。」

 

オピュクス「タチバナさんが?もしかしてメテオに変身できるようにか?」

 

流星「ああ。約束の時間には間に合わないが、行くだけ行ってみるさ。それでタチバナさんを何とか説得して見せる。」

 

オピュクス「...ふーん。場所は?」

 

流星「え?」

 

オピュクス「場所はって聞いてんだよ。」

 

流星「...何故そこまでする。二郎のことは助かったが、君にはもうそこまでする理由はないはずだ!」

 

オピュクス「今回の戦い、メテオが居ないと間違いなく負ける。理由はこんだけでいいだろ?で?場所は?」

 

流星「...さざ波埠頭の灯台だ。フッ、君もお人好しだな。」

 

オピュクス「うっさい。ほら、さっさと行け。帰りはいらねえだろ?」

 

流星「どうしてだ?」

 

オピュクス「どうしてって、オマエお得意の隕石の様にくるヤツやるんだろ?」

 

流星「フッ。それは俺が再びメテオになると確信してのことか?」

 

オピュクス「ハハハ!まあそういうことだ!タチバナさんならわかってくれんだろ。」

 

流星「...ありがとう。」

 

編入生はそう言うとオレが展開したワープゲートをくぐっていった。

さてさて~、後は傍観でもしますかね~。

 

オレはフォーゼ達が戦ってる場所へワープした。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ワープすると、そこには一方的な戦いが繰り広がっていた。

『超新星』を発動したキャンサー・ノヴァがフォーゼ相手に一方的な戦いをしていた。

 

フォーゼが色んなモジュールを使い攻撃するが、全てダメージが通らない。

キャンサーも攻撃が効かないと分かってるからか、煽るかの様に堂々と攻撃を受けている。

 

ライダーキックも弾かれて倒れてしまうフォーゼ。

そこに『超新星』を解除したキャンサーがやってきて、フォーゼの頭を掴む。

そしてハサミでフォーゼを切り裂く。

それによってフォーゼの変身が強制解除されてしまう。

 

そしてキャンサーは完全にトドメを刺そうとリーゼントに詰め寄る。

とそこに青い流星が舞い降りる。

煙が晴れるとそこにはメテオが立っていた。

 

どうやらメテオ復活のようだな。。。

 

メテオ「復活じゃない。。。進化だ!」

 

メテオはそう言うと片手に握っていた新しいスイッチをドライバーに装填する。

そしてスイッチを起動させる。

 

『Meteo Storm! Meteo, oh,ready?』

 

メテオはスイッチの上部を回転させる。

 

するとそこから中心に青と黄色の嵐が巻き起こる。

するとメテオの姿が変化し、黒を基調とした姿が、青に変わる。

そして肩には片方しかなかったアーマーが両肩に付き、金色に変わっている。

頭部は隕石が増えたかの様に両方に耳みたいな形状になっている。

 

メテオ「仮面ライダーメテオストーム!俺の運命(さだめ)は嵐を呼ぶぜ!」

 

メテオはロッドを構える。

それに対しキャンサーはダスタードを呼び出す。

 

しかし、強化したメテオには無駄なことのようだ。

メテオはそれぞれを一撃で倒した。

 

それを見たキャンサーは『超新星』を発動し、ノヴァになる。

そしてメテオに攻撃するが、ロッドによって攻撃が弾かれる。

ほぉ。。。ノヴァとなったホロスコープスの攻撃を弾いたか。。。

 

キャンサー・ノヴァに数撃与えた後、ロッドを再び構える。

するとドライバーからスイッチを取り外し、ロッドの先端に装填させる。

するとエレキギターの様な音声が鳴り響く。

 

『~♪ LIMIT BREAK!』

 

メテオはリミットブレイクを決めようとする。

だがそこで歌星がリミットブレイクの危険性を伝える。

確かに今のキャンサー・ノヴァには膨大なエナジーが内包されている。

それを暴発させれば街一つ分あっという間に消え去るだろう。

 

だがメテオはそれに対し心配いらないと言う。

そして上部を回転させて下に向ける。

 

メテオ「メテオストームパニッシャー!!!」

 

と叫ぶと同時にスイッチのボタンを押す。

するとスイッチの上部の回転する箇所がコマとなってキャンサーに向かっていく。

 

キャンサー・ノヴァはコマ如きで何が出来ると油断している。

だがコマはあっさりと身体を貫いた。

ん?キャンサー・ノヴァのエナジーが溢れ出ない?

まさか吸収して威力に変えているのか?

 

歌星も同じ考察をしたようだ。

そして四肢をもがれたキャンサー・ノヴァはやられる間際に謎かけをする。

だがそれを遮るかの様にコマが身体を貫通させて舌を切断する。

 

そして爆発した。。。

また一人ホロスコープスがやられたか。。。

 

さてと?最後まで傍観するんだ。

鬼島の末路を見るとするか。

 

オレはそう思い、鬼島の傍にワープする。

 

 

ワープをすると天高の校門の前で転がりながらも校舎に向かっている。

だが転んだ拍子にスイッチを落としたようだ。

それを速水が拾いあげる。

 

速水「我々ホロスコープスに失敗は許されない。」

 

鬼島「ま、待って!まだ、き、切り札がある!俺は、メテオの正体を突き止めたんだ!それを理事長に報告すれば!」

 

速水「ほぉ...?」

 

速水はそう言いスイッチを押す。

 

リブラ「だが、その必要はない。」

 

鬼島「何故。。。」

 

リブラ「これ以上君の手柄は要らない。」

 

リブラはそう言うとリブラの杖であるディケを鳴らす。

ほほぉ。。。アイツにしては面白いことをするじゃねえか。。。

 

するとそこにヴァルゴさんがやってくる。

 

ヴァルゴ「そこで何をしている、リブラ。」

 

リブラ「刑事がまた学園を嗅ぎまわっていてねぇ。」

 

オレも聞いていたが最近警察が学園を嗅ぎまわっているらしい。

過去にも何度か刑事が速水や叔父さんの下に来ているらしい。

その度に叔父さんが追い返してるのだとか。

 

リブラは幻術を使って鬼島をその刑事の姿にしている。

中々面白いじゃねえか。。。

 

リブラの言葉に自分がどうなっているのか気づいた鬼島は慌てている。

 

リブラ「これ以上我望様の御手を煩わせるのも申し訳ない。ヴァルゴ、この刑事をダークネビュラに。」

 

鬼島「よ、よせ!やめろ!」

 

ヴァルゴ「承知した。」

 

ヴァルゴさんは気づいているのか気づいていないのか。

鬼島を問答無用でダークネビュラへと送ったのだった。

 

その跡に鬼島の扇子が落ちたのだが。。。

それに気づいたリブラが道端の小石の様に蹴り捨てた。

 

まあ、鬼島には妥当な末路だったな。

これでしばらくは何も起こらないはずだ。

少なくとも春休みの間はな。。。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ーその後ー

 

僕達はラビットハッチで編入生くんを待っている。

どうやら念のために二郎くんの様子を見に行ってるらしい。

 

僕達はその結果を知るためにラビットハッチに集まっている。

 

それにしても鬼島はここで退場したわけだが。。。

なんか嫌な予感がするんだよね~。。。

 

フォリア『新たなホロスコープスが生まれたとかですか?』

 

多分ね~。

でも天高にはそんなことなかったはずだし。。。

もしかしてまた鬼島の様に偶然スイッチを拾った奴が覚醒したとかかな?

 

だとしたら厄介だな~。

何せそう言うことはつまり天高上空に広がるザ・ホールが活性化してるってことにもなる。

もしかしたら叔父さんが動くかもしれない。。。

 

フォリア『動く...とは?』

 

多分だがもう一つのザ・ホールを潰しに行くかもしれない。

 

フォリア『もう一つと言うと...確か京都にありましたよね?』

 

ああ。

前々から話には上がっていたがいよいよ実行するかもしれないからね。

気を付けないと。。。

 

そう思ってるとハッチのドアが開き、編入生くんが入ってくる。

それを見た皆は一斉に編入生くんの下に行く。

 

どうやら二郎くんの容体は大丈夫だったようだ。

それを聞いて皆安心する。

 

いいね~。

これって青春な感じがするね~。

 

リーゼントくんは改めて友情の証を交わそうとする。

だがそれを編入生くんは頭を下げて拒否する。

 

まだその時じゃないとか思ってるのかな~?

そろそろリーゼントくんには話してもいいのに。。。

 

彼なら受け入れてくれるはずだよ?

まあそれは僕にも言えることなんだけどね。。。

 

 

...いつになったら皆に僕の秘密を明かそうかな。

皆は...、僕を受け入れてくれるかな...?

 

 

 

 

to be continued...

 




いかがだったでしょうか~。

今回はちょっと急ぎ足になっちゃったかもしれません。
そこはお許しを~。。。


メテオストーム登場ですね~。
正直僕の文章力では上手く表現できませんでした。。。

でもまあ何となく強さはわかりますよね?ね?


次はいよいよ新学期!
後輩達が来ますね~!

もちろんオリ設定混ぜ込みますよ!
まあ大体ありきたりなヤツですけども。。。


あ、そういや次回は番外編です。
正直これを書きたいがためにキャンサー回の内容が薄めになったと言ってもいいぐらいです笑

だからといって濃い内容は求めないで!
多分できないから!笑


まあそこはお楽しみにですね~。



ではでは次回もお楽しみに~。


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後・輩・無・言

最近後書きの内容が思い浮かばない。


ー彼方sideー

 

春休みが終わっていよいよ新学期。

僕達は今日から三年生になる。

 

今日は入学式で新一年生達がやってくる。

天高の場合は入学式と同時に新学期が始まる。

他の学校とは違い、入学式と始業式が一緒なのだ。

 

 

登校しているとたくさんの新一年生達が見える。

皆胸に『入学おめでとう』と書かれてるリボンを着けている。

これを見ると進級したんだな~と思う。

 

そう思いながら学校に着くと、校門でリーゼントくんが気合入っていた。

まあ新学期だから気分は上がるよね~。

それにリーゼントくんのことだから一年生の皆と全員友達になるーって思ってそうだな~。

 

まあでも一年生達からの第一印象は完全に変人扱いされただろうな~。

実際皆彼を避けてるし。。。

まあ天高の制服じゃなくてヤンキーそのものの格好だからちょっと怖いと思ってしまうかもね~。

 

そう思ってるとリーゼントくんが一人の新入生に狙いを定めて突進していく。

あれ?あの男子ってひょっとして。。。

 

するとリーゼントくんは男子生徒の手を取って何処かに走りだす。

突っ走っていく所為か、男子生徒は足をもたつかせながら引っ張られる。

 

途中障害となるテーブルなんかもあるが、リーゼントくんは難なく飛び越える。

だが連れている生徒は運動神経があまり良くないのか、諸にぶつかったりして離れてしまう。

あーあ。皆に迷惑かけちゃって~。

 

僕はリーゼントくんがぶつかった生徒達に謝りに行く。

 

彼方「ほんとごめんね~。彼にはキツく言っておくから。」

 

モブ「大丈夫ですよ。それより飛び切り叱ってやってください。」

 

彼方「任されました~。じゃあね。」

 

僕はリーゼントくんの方へ向かう。

するとリーゼントくんの前に一人の女子生徒が。。。

って蘭じゃん!

 

僕は三人の下に向かう。

するとリーゼントくんが蘭の肩に手を置く。

あ!それやったら。。。

 

蘭はその手を掴んで要領よく投げ飛ばす。

合気道ってやつですね~...じゃなくて!

僕は慌ててリーゼントくんの下に駆け寄る。

 

彼方「も~何やってんの!?いきなり新入生連れて突っ走るとか普通無いからね~?あ、君普通じゃなかった。。。」

 

弦太朗「おい!?誰が普通じゃねえって!?」

 

彼方「いやどう考えたって君でしょ、君しかいないでしょ。現に君だけ浮いてるよ?」

 

弦太朗「んだと!?...って、確かに。。。」

 

そう、周りからの視線がリーゼントくんに集中している。

ほんと新学期早々なにやらかしてくれてるんだろ。。。

 

それはそうと。。。

 

彼方「それにしても久しぶりだね~、蘭にハル。」

 

ハル「彼方先輩!」

 

蘭「...お久しぶりです、先輩。。。」

 

彼方「二人とも天高に来たんだね~。」

 

ハル「先輩が凄く自慢してきましたから。」

 

彼方「ハハッ、だって叔父さんが創立したんだからね~。そりゃ後輩にいい場所だって自慢したくなるよ~。」

 

弦太朗「彼方...知り合いなのか?」

 

彼方「ん?ああ、彼らは同じ中学だったんだ。よく僕の後ろついてきてたよね~。」

 

ハル「ちょっと先輩!そのことは恥ずかしいから言わないでください!」

 

彼方「あれ~?よく迷子になってたのは誰だったかな~?」

 

ハル「先輩!」

 

彼方「ハハッ、ごめんごめんって。。。それにしても蘭、どうしたの?全然話に入ってこないけど。。。」

 

蘭「い、いえ、別に。。。私達はこれで失礼します。行こ、ハル。」

 

ハル「ちょ、蘭!じゃ、じゃあ先輩!また!」

 

彼方「う、うん...また。。。」

 

弦太朗「なんだ?お前避けられてんじゃねえのか?」

 

彼方「君じゃないんだから黙ってなさい。それよりさっきのアレはどういうつもりだったのかな?かな?」

 

弦太朗「そ、それは。。。」

 

それから僕の説教がチャイムが鳴るまで続いた。。。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

新しい学年になってクラス替えはもちろんあるものの。

僕達ライダー部組は見事に一緒のクラスになった。

しかも僕とフォリアと編入生くんは席が去年と同じ位置になった。

 

しかし...ちょっとした問題がある。

それは。。。

 

大杉「おはよう!三年B組!!!今日からこの大杉が!お前らの新しい担任だ!!」

 

大杉はそうやってサスペンダーを鳴らす。

 

そう、まず問題その一。

大杉が担任になった。

 

去年は紗理奈ちゃんとはるちゃん先生が担任だったから凄い良かったんだけど。。。

まさか今年は大杉だなんて。。。

まあここはそこまで関係ない。

だが問題はもう一つあって。。。

 

弦太朗「あのー。。。なんで俺達三人だけ席替えなのかな!?」

 

そう。問題その二はまさかの席替え。

しかもよりによってライダー部創立メンバーの三人。

 

大杉曰く問題児を一番目につく席に集める為だとか。

しかも放課後まで監視するとか言い出す。

これじゃあライダー部の活動も充分に出来ない。

 

もしゾディアーツが出てきても、大杉によってフォーゼが出れなくなるかもしれない。

まあそうなったらメテオに出てもらうしかないんだけどさ。。。

 

彼方「もしもの時は君が出てくれ。。。」

 

流星「そうするしかないようだな。。。」

 

しかも終いにはリーゼントくん達の所為で紗理奈ちゃんが学校を辞めたとか言い出す。

いやそれ完全に八つ当たりじゃん。。。

 

フォリア「弁護しないのですか?」

 

彼方「いや別に大杉相手に誤魔化す必要もないでしょ。勝手に妄想させとけばいいんじゃないの?」

 

流星「お前も酷い奴だな。。。」

 

うっせ。なんで大杉に僕の彼女のことを説明しなきゃならないのさ。

勝手に絶望してればいいんだよ。

 

なんか勝手に合成写真取り出してサスペンダー鳴らしまくってるし。。。

皆引いてるじゃん。

早くやることやって解散しようよ...?

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

放課後。

 

大杉は真っ先にリーゼントくん達の後をつけに行った。

しかもその様子がストーカーそのもの。

新入生に見られたらどうするんだろ?

変態教師が居るって騒がれるんじゃないの?

 

まあそんな変質者に後をつけられてるなんて噂されたくないから僕達はちょっと遅れて帰ってるんだけどね。

編入生くんも一緒に居るのは中々珍しいんじゃない?

 

そう思ってたら大杉がフードロイド達による妨害を受けた。

それに乗じてリーゼントくん達は一気に逃げてった。

大杉もリーゼントくん達よりも自分を優先したのかどっかに行った。

 

彼方「はぁ~、これが毎日となると大変だね~。。。」

 

フォリア「流石にキツイですね。」

 

流星「どうなることやら。。。」

 

そう思ってるとふと蘭とハルが目に入る。

僕は二人に挨拶しようとする。

だがハルがポケットからあるモノを出す。

それを見た僕達は驚く。

 

流星「何故新入生がスイッチを...!?」

 

フォリア「よりにもよって。。。」

 

彼方「...後をつけるよ。」

 

流星、フォリア「「ああ(ええ)。」」

 

僕達は二人の後をつける。

 

...

 

..

 

 

 

二人は屋上で昼を食べている。

僕達はそれを扉の陰に隠れて見ている。

 

ハルはリーゼントくんのことについて話している。

だがそれを蘭はバッサリ切り捨てる。

そしてハルのことは自分が守ると言う。

 

あれ?前はそんなこと言わなかったのに。。。

僕が卒業してからなんかあったのかな...?

 

するとハルは突然スイッチを取りだす。

 

ハル「僕も強くなりたい!」

 

そしてハルはスイッチを押す。

黒いモヤが出てきて星座が輝く。

あの星座は。。。

 

そしてモヤが晴れると虫がそのまま擬人化したような姿になったハルが居た。

あの姿はハエ座、ムスカ・ゾディアーツか。

あぁ、目が!目がぁぁあ!

ってふざけてる場合じゃないね。

 

僕は直ぐに蘭の前に立つ。

 

蘭「先輩。。。ハルが、怪物に。。。」

 

彼方「ハル。今すぐそのスイッチを切って僕に渡してくれないかな?」

 

ムスカ「先輩。。。なんだか急に力が満ち溢れてきたんです。。。なんだかすごく。。。」

 

彼方「ハル。それは危険な物なんだ。使い続けばハルはどんどん危険な状態になるんだ。だから早くスイッチを切ってくれないか?」

 

ムスカ「...ヤダね。先輩の言うことでもこれは聞けない!はは!ははは!」

 

ムスカはそう言うと超人的な跳躍で何処かに行った。

マズい!?早く追いかけないと。

 

彼方「フォリア、編入生くん!今すぐ彼を追いかけて!」

 

フォリア「分かりました!」

 

流星「君は!」

 

彼方「僕は蘭を。。。」

 

流星「...分かった。」

 

二人はそう言って行った。

 

さて?

取り敢えず蘭を落ち着かせないと。。。

 

彼方「蘭?大丈夫か?」

 

蘭「先輩...ハルが、ハルが。。。」

 

彼方「大丈夫だよ?今彼らがハルを助けに行ったから。ハルはちゃんと元に戻るから。」

 

蘭「本当、ですか...?」

 

彼方「ああ。僕を信じてくれないか?」

 

蘭「先輩を。。。でも。。。」

 

彼方「...僕が卒業した後に何かあったの?」

 

蘭「っ!...それは。」

 

彼方「もしかしてその所為で先輩を信じれなくなったのかな?」

 

蘭「...はい。彼方先輩は違うって分かってても、どうしても。。。」

 

彼方「...そっか。じゃあ別に信じなくていいよ。」

 

蘭「え?」

 

彼方「信じれないなら信じなくたっていいよ。その代わりちゃんとハルを連れ戻してくる。いくら言葉にしたところでちゃんと行動しないと証明できないからね。その代わり!僕が連れ戻して来たらちゃんと蘭達に遭ったことを話してよ?」

 

蘭「先輩。。。ごめんなさい。。。」

 

彼方「謝らなくていいよ~。君は先輩に対してトラウマがあるだけだから。それは君の所為じゃない。そのトラウマを植え付けた奴らの所為なんだから。それに、ちょっと変わったかもだけど、蘭は僕の可愛い後輩ってことに変わりないんだからね。後輩の為なら僕、頑張っちゃうんだから。」

 

蘭「先輩。。。」

 

彼方「蘭は蘭のしたいことをすればいい。僕も僕のしたいことをするだけだから。」

 

僕はそう言って屋上を出る。

だがしかし。。。

 

大杉「おお、我望。如月達を見てないか?」

 

彼方「...見てません。てかなんでここに来たんすか?」

 

大杉「なんでって、アイツらがここに居るかもだろ。」

 

彼方「彼らならもう帰りました。今頃どっかで飯食ってんじゃないすか。」

 

大杉「そ、そうか。。。じゃ、じゃあお前も気を付けて帰れよ。怪物騒ぎがまた起こるかもしれないからな。」

 

彼方「ええ。気を付けますよ。怪物騒ぎが起こってるんでね。じゃあ。」

 

大杉「ちょ、ちょっと待て!怪物騒ぎだって!?新学期早々だぞ!?」

 

うっさい。僕は早く行かなきゃなんないんだ。

僕は大杉の言葉を無視して階段を駆け下りる。

 

...

 

..

 

 

 

フォリアから教えてもらった場所に行くと既にフォーゼとメテオがムスカと戦っていた。

あれ?蘭も来たんだ。。。

 

メテオはムスカ相手に一方的な戦いをする。

まあつい先日まで闘いなんて知らない一般人だったんだ。

そう簡単にメテオと同等に戦えるわけない。

 

メテオが蹴りを入れるとムスカは吹っ飛んでいく。

それを見てメテオは見切りをつけたのか帰っていった。

ムスカも負けて悔しいのかそのまま何処かへ跳んでいった。

 

フォーゼは変身を解除して蘭の方を見る。

蘭はフォーゼの正体を見て驚いていた。

 

帰ろうとした蘭をリーゼントくんが呼び止めてムスカの正体を聞く。

だが蘭はそれに答えず帰ろうとする。

それを止めようとしたリーゼントくんは朝と同じように合気道で投げられる。

 

弦太朗「やっぱそうなんだよな。。。だったら無視しねえで話せ!『先輩』として相談乗るぜ!」

 

蘭「っ。。。」

 

だが蘭はそのまま帰っていった。

やっぱり何かあったんだな。。。

 

後で個人的に調べてみるか。

確か蘭とハルは水泳部だったよな。。。

だったら同じ水泳部だった後輩に聞いてみるか。。。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ー翌日ー

 

あの後蘭達と同じ水泳部だった後輩から聞いた話だけど。。。

僕の予想は当たっていた。

 

二人は水泳部に入っていたが、蘭は部の中でも期待の星だったらしい。

それに反して、ハルは元々あんまり運動神経が良くなかったから部の中でもあまり良くは思われてなかったらしい。

だが蘭と仲がいいからと蘭の前では普通に相手していたとか。

 

だが一部の連中はそれでも我慢できなかったのか、ある日蘭が部活から帰った後にハルをいびったらしい。

その際にハルと蘭が大切にしてたストラップを引きちぎってプールに投げたとか。

その様子を偶々忘れ物を取りに来た蘭が見て激怒。

以来『先輩』というものを信じなくなったとか。。。

 

これを聞いた僕は直ぐに後輩に当時の水泳部全員の名前を集めさせた。

そしてそれぞれの高校の裏サイトに匿名でこのことを投稿した。

今頃これが広がって本人達は大騒ぎだろう。

 

尚、その際にハルに対して真摯に接していた人物は外している。

そりゃ流石にとばっちりだからね。

 

まあ流石の僕も怒りが収まらなかったよ。

折角中学校生活の大半を使って虐めとかを無くしていったのに。

僕が卒業した途端こんなことが起こったんだからさ。

 

まあこれに関しては僕も蘭達に顔を見せてればもうちょっと良くなったのかもしれないけど。。。

後悔してる暇は無い。

 

取り合えず蘭とハルを探そうと校舎を歩いてると蘭が切羽詰まった表情で廊下を走ってるのが見えた。

僕は慌ててそれを追う。

 

蘭の行き先は職員室。

誰かを必死に探しているようだけど。。。

 

そこに大杉に耳をつねられているリーゼントくんがやって来る。

また懲りずに蘭に話しかけるけど、ほんと肩掴んだらやられるって忘れてるの?

 

見事に投げられたリーゼントくん。

流石に職員室でやったのがマズかったのか大杉が蘭に注意するが。。。

あーあ、今の蘭に触れたらダメだよ~。。。

 

案の定大杉も投げられて。。。

するとマグフォンの着信音が鳴り響く。

いやなんでそんな音デカいの!?

 

すると何かの拍子で通話に出たのか城島の声が鳴り響く。

僕は慌ててマグフォンを取る。

 

彼方「お前いちいち声がデカい!相手の耳を破壊する気か!」

 

ユウキ『え!?彼方くん!?なんでマグフォンに出てるの?!』

 

彼方「今それどころじゃないの!後で掛け直すから!」

 

そう言って僕は強制的に通話を終了させる。

そしてマグフォンをリーゼントくんに返してから急いで職員室を出る。

その時に蘭も一緒に出て来た。

 

蘭「今の電話ってハルのことですよね?」

 

彼方「そうだけど?それを知ってどうするの?」

 

蘭「ハルを助けに行くだけです。」

 

彼方「それはどういう意味でかな?」

 

僕はふと足を止める。

それに続いて蘭も止める。

 

蘭「どういう意味って。。。」

 

彼方「ハルをスイッチから助けたいのか、ただ暴れてるハルを助けたいのか。」

 

蘭「それはもちろんっ!」

 

彼方「今の君だとまだ本質を理解してないよ。ちゃんとハルの言うことを聞いてみなよ?じゃないとハルは二度と戻ってこなくなる。。。」

 

僕はそれだけ言うと蘭を置いて走り出す。

酷かもしれないが、今の蘭にハルを会わせても嫌な予感しかしない。

 

とにかく早く行かないと。。。

 

...

 

..

 

 

 

現場に着くとムスカがライダー部に襲い掛かってた。

皆は何とか避けるが、ムスカが粘液を出してそれがJKにかかってしまう。

 

するとムスカは僕についてきた蘭に話しかける。

 

ムスカ「凄いだろ、蘭。これが僕の力だよ!」

 

蘭「...ハルは悪くない。」

 

ムスカ「それ...どういう意味?」

 

蘭「ハルは、スイッチの所為でおかしくなってるだけだもの!大丈夫、ハルは私が守る!」

 

ムスカ「...違う。これからは、僕が蘭を守るんだ!うわぁぁぁぁあああ!!!」

 

ムスカがそう叫ぶと身体が変化した。

何もなかった腕と脚に鎧の様なモノに変化した。

 

まさか...感情が昂ったことによって進化するとは。。。

いや、今までも同じ様なケースがあった。

だが今回はそれが著しく変化しただけか。。。

 

するとムスカはライダー部の方に向かっていく。

 

ムスカ「てめえら、ごちゃごちゃうるせえぞ!」

 

そう言うと近くにあった柱を簡単に壊す。

まさか進化したことによって力も増したのか。。。

このままだと危ないな。。。

 

僕は一旦物陰に隠れる。

するとそこに編入生くんもやってくる。

 

流星「アイツはもしかしたらアリエスになるかもしれない。」

 

彼方「だから倒すなって?それは無理な話だよ。」

 

流星「いいや、もっと感情を昂らせれば更に進化するだろう。なら逆にアイツを倒すだけだ。」

 

彼方「ふーん。まあ倒してくれるなら別にいいんだけどね!」

 

僕達はそう言うとそれぞれ戦闘準備をする。

編入生くんはドライバーを出して変身を。

僕は礼装に着替えて適当に剣を投影する。

 

僕が出るとムスカの粘液によって捕らえられた友ちゃんがムスカに襲われそうになっている。

僕は足に魔術を使って全速力でその間に入る。

そしてムスカを斬る。

 

彼方「キミは一体何をしてるのかな~?」

 

ムスカ「誰だてめえ!」

 

彼方「誰だっていいだろ。キミを倒すだけなんだから。」

 

ムスカ「うるせえええ!!!」

 

ムスカは殴りかかってくるが、そこにメテオが現れて蹴りを放つ。

 

メテオ「お前はその子を。俺はアイツをやる。」

 

彼方「言われなくても。」

 

そう言うとメテオはムスカと戦う。

その間に僕は分解液を創ってそれをJKと友ちゃんの足元にかける。

すると足に絡みついていた粘液が溶けていった。

 

JK「おわっ!?動ける!?」

 

友子「...ありがとう。」

 

彼方「どういたしまして~。」

 

二人を歌星の下に届けた僕はムスカの方を見る。

するとムスカはいつの間にかフォーゼと戦っていて、メテオはダスタードと戦っていた。

ここにダスタードが居るってことはおそらく速水の仕業だろう。

取り敢えずメテオの方を手伝うとしますか。

 

僕は黒鍵を十本程投影してそれをダスタード達に投擲する。

すると見事に当たって半分ぐらいのダスタードが消滅した。

 

メテオ「っ!?流石と言わざるを得ないな。」

 

彼方「目の前のことに集中したら?」

 

僕は適当に刀を二本投影して二刀流でダスタード達を相手する。

所詮はただの雑兵、僕の相手になるわけない。

 

そうしてやっと倒し終えた僕達。

ムスカの方に行こうとして見たら。。。

 

蘭がムスカの前に立っていた。。。

 

まさかまだハルは自分が守ると思ってるのか...?

それは逆にハルを遠ざける行為なのに?

 

フォーゼが倒れてるムスカにトドメを刺そうとするがそれを蘭が妨害する。

何度もハルは自分が守ると言って。。。

 

それに怒ったムスカは蘭を突き飛ばしてフォーゼに攻撃する。

アイツ...!

 

僕はムスカの死角にワープして思い切り斬る。

不意打ちを喰らったムスカはフォーゼから離れて倒れる。

 

ムスカ「痛え。。。何すんだ!」

 

彼方「うっせえ。オマエ自分が思ってくれてる人を傷つけて何がしてえんだ。」

 

ムスカ「っ、蘭。。。ぅぅうう、黙れ!黙れ!」

 

そう言ってムスカがこっちに向かってくる。

だがそこにメテオがロッドで攻撃しようとする。

 

蘭「ハル!危ない!」

 

だが蘭の一言で気づいたムスカは、身体を無数のハエにして何処かに飛び去っていった。。。

メテオはそれを見て去っていった。

 

さて?

僕は蘭の元に行き、強引に立たせる。

蘭はいつものように合気道で僕を投げようとする。

 

だが僕はその動きを読んで逆に蘭を担ぐ。

その動きに蘭もフォーゼも驚く。

 

彼方「キミは少し頭を冷やす必要があるね~。。。じゃあ、フォーゼ。またね~。」

 

僕はそう言うと蘭を連れてワープした。。。

 

 

 

 

to be continued...

 

 




次も見てね。


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先・輩・無・用

結局オベロンは来なかったよ。。。
チッキショ――――――――――!!!


ー彼方sideー

 

蘭を連れて屋上にワープした僕。

 

幸い屋上には誰も居なかったから良かった。

僕は蘭を座らせると礼装を制服に戻す。

それを見た蘭は驚いていた。

 

蘭「先輩!?」

 

彼方「ハハッ、驚いた?僕にも事情があるからね~。」

 

蘭「先輩、あんなに強かったんですね。。。」

 

彼方「そうかな~?だったら嬉しいんだけどね。」

 

僕は取り敢えず蘭を落ち着かせる。

そうしないと彼女が気づけてないことも分からないままになるからね。

 

 

そうしてしばらく落ち着かせて話せる状態に。

 

彼方「蘭。まず、なんでハルがあんなに怒ってるのかわかる?」

 

蘭「それは、スイッチの所為で暴走してるからじゃ。。。」

 

彼方「まあ確かにスイッチの影響で感情の起伏が激しくなるよ。でも、それだけじゃないんだ。」

 

蘭「え。。。」

 

彼方「僕がまだ卒業する前にね、一回ハルに相談されたことがあるんだ。どうしたらもっと男らしくなれますかって。」

 

蘭「なんでですか?」

 

彼方「元々ハルってどちらかと言うと弟みたいな感じだったでしょ?」

 

蘭「はい。それでハルより強い私が守らなきゃって。」

 

彼方「でもね。ハルはそんなこと望んでなかったんだ。僕だって蘭を守ってあげたい。今まで守ってくれたから今度は僕が守ってあげるんだって。」

 

蘭「そんなことをハルが。。。」

 

彼方「そ。だから僕はハルに自分に教えれることは教えたんだ。でもその後に君達が孤立してしまうことがあった。」

 

蘭「それは。。。」

 

彼方「ああ、心配しないで。それ知ってるから。」

 

蘭「え。でもあれは先輩が卒業した後に。。。」

 

彼方「昨日後輩から聞いたから。それで一応その事件の主犯とかは全員晒し上げたから。今頃大変なんじゃない?」

 

蘭「何か、先輩の後ろから鬼が見えます。。。」

 

鬼だなんて酷いな~。

僕はただ可愛い後輩がやられたんだからちょっとしたお返しをしただけなのに。

 

彼方「ま、それは置いといて。蘭はその日からより一層ハルを守ろうとした。でもそれがハルにとっては苦しかったんだ。いつまで経っても男である自分が女の子に守られてるっていうコンプレックスにね。」

 

蘭「そんな。。。私はハルの為と思って。。。」

 

彼方「まあ蘭もよかれと思ってやってたからね。多分だけど、お互いの気持ちが交差してたんじゃなかったのかな。二人とも相手を守ってやりたいって気持ちが。」

 

蘭「私...どうすればいいんですか。。。」

 

彼方「ハルとしっかり話してみなよ。多分それだけでも変わってくると思うよ。少なくとも前よりはね。」

 

蘭「...はい。ハルのこと、もっと信じてあげようと思います。」

 

彼方「そっか。良かった~。これでハルが元に戻る可能性も出て来たよ~。」

 

蘭「あっ!そういえばハルはどうなってしまうんですか!?」

 

彼方「今のままだといずれ人間に戻れなくなる。」

 

蘭「えっ。。。」

 

彼方「大丈夫。リーゼントくん達が戻してくれるからさ。」

 

蘭「あの先輩は。。。」

 

彼方「...君が『先輩』というものに対して拒絶感があるのは分かってる。でも少なくとも彼は君が出会ってきた先輩とは違うよ。なんせ一直線だからね。」

 

蘭「一直線...?」

 

彼方「そ。まあ言ったらただのバカなんだけどね。でもバカだから裏も表もない。だから信じれるんだよ。君も一回ちゃんろ話してみたらいいよ。面白いからさ。」

 

蘭「でも。。。」

 

蘭はそれでも信じれそうにないといった表情だった。

まさかここまで拒絶するなんて。。。

 

僕は座ってる蘭の目線に合わせる。

 

彼方「ちょっと厳しいこと言うかもだけど、いつまでも殻に籠ってるな。蘭だって分かってるんだろ、彼はそんなヤツじゃないって。ならそれを貫け。迷うな。いつまでも迷ってたら誰も来なくなるぞ。そんなの嫌だろ?」

 

蘭「...はい!」

 

彼方「...よし!じゃあ今度はちゃんと話すんだよ?」

 

僕はそう言って蘭の頭を撫でてやる。

相変わらず綺麗な髪の毛だな。

 

蘭「っ...//」

 

彼方「よし!じゃあ取り敢えずハルを探そっか!」

 

蘭「はい!」

 

僕達はそう言ってハルを探しに行った。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

取り敢えずハルのことは闇雲に探すよりもラビットハッチで待機していた方が居場所が分かる。

そう思ってラビットハッチに向かってると編入生くんが真剣な顔をして歩いていた。

 

彼方「おーい!どうしたのそんな顔して?」

 

流星「...俺が前に居た学校でゾディアーツが覚醒したらしい。」

 

彼方「えっ...!?それってありえないんじゃ。。。」

 

流星「ああ。タチバナさんも調査してるところだ。それで今すぐ昴星高校に行かなければならない。」

 

彼方「そっか。なら僕がワープを繋ぐよ。」

 

流星「流石にそこまでしなくても。。。」

 

彼方「もしかしたらアリエスかもしれないだろ。今はフォーゼが居るから中々覚醒しないが、それまでに四人もの使徒が覚醒している。ということは何も障害が無い昴星だとアリエスが覚醒していてもなんら可笑しくない。」

 

流星「...分かった。頼む!」

 

彼方「うん。」

 

僕達は物陰に行く。

そしてそれぞれ変身して、ワープゲートを開く。

メテオを昴星の送り込んでから変身を解除し、ハルを探すことにした。

 

すると通学路の小川で蘭が何かを探しているのが見える。

心なしかなんか泣いたような感じが見える。

僕は橋から飛び降りて蘭の下に向かう。

 

彼方「蘭!どうした!?何かあったの?」

 

蘭「先輩っ...!」

 

蘭はそう言うと僕に抱き着いてきた。

何が何だか分からないが、取り敢えず蘭を落ち着かせないといけないと思った。

 

僕は蘭の背中をゆっくり撫でながら宥める。

 

彼方「大丈夫。僕が居るから。今はすっきりするまで泣きな。」

 

蘭「っ...ハルが...ハルがっ。。。」

 

蘭はそれからしばらく泣いた。

どうやらハルと何かあったらしい。

さっきのムスカとの戦いから見てもハルの精神はどんどん汚染されていってる。

多分ラストワンを迎えた時にはもう。。。

 

蘭「先輩...、私、ハルに嫌われたのかな。。。」

 

彼方「...少なくとも嫌ってはないよ。」

 

蘭「え。。。」

 

彼方「だって嫌ってたら蘭を守ろうとしないでしょ?ハルの行動原理は蘭を守ることなんだから。多分その気持ちが暴走してるだけだよ。だからちゃんとハルと向き合わなきゃ。そうしないとハルに伝えたいことも伝えられないよ?」

 

蘭「ハル。。。」

 

彼方「僕もついてるから。蘭なら大丈夫だよ。僕の後輩の中で一番頼れる女の子なんだからさ。」

 

蘭「...はい!私、もう一度ハルと話してみます!」

 

彼方「よし!その意気だ!」

 

蘭「あっ!でもその前にアレを探さないと。。。」

 

彼方「アレって?」

 

蘭「ハルと私で同じストラップを付けてるんです。それぞれの名前を入れて。。。それをハルが川に投げて。。。」

 

彼方「...なら僕が探すよ。」

 

蘭「えっ...?」

 

彼方「僕が探すからさ。蘭は早くハルの所に行きな。多分その方が良い気がするからさ。」

 

蘭「で、でも。。。」

 

彼方「こーゆー時こそ!頼れる先輩を信じなさい!それとも僕は頼れないかい?」

 

蘭「...いえ。世界一頼れる先輩です!」

 

彼方「...も~、嬉しいこと言ってくれるじゃない!」

 

僕は蘭を抱きしめて頭をわしゃわしゃと撫でてやる。

ほんとこの後輩は嬉しいこと言ってくれる!

 

彼方「ふぅ~。さ!早く行ってきな!それでハルにガツンと言ってやれ!」

 

蘭「はい!」

 

蘭はそう言うとハルを探しに行った。。。

さ~て!僕も探すとしますか!

 

するといつも聞くあの声が聞こえてくる。

 

弦太朗「おーい!彼方!お前そんなとこで何やってんだー!」

 

彼方「ん?あ~、リーゼントくん!ちょっと探し物をね~!」

 

弦太朗「そうかー!なら俺も手伝ってやる!」

 

リーゼントくんはそう言うと橋から思い切りジャンプしてきた。

えっ!?大丈夫なの!?

僕も大概人間辞めてると思ってたけど、君もちょっと辞めかけてるよね?

 

弦太朗「それで?一体何探してんだ?」

 

彼方「蘭とハルが付けてたストラップあるでしょ?アレを探してるんだ。」

 

弦太朗「あ~あれか!でもなんでお前が探してるんだ?」

 

彼方「ハルがちょっとね~。ま、二人にとって大事な物だから探さないとね。」

 

弦太朗「そうか!じゃあ探すか!」

 

彼方「うん!」

 

それから二人で探してるとライダー部の皆もやってきて一緒に探してくれた。

普段こういう汚れ仕事をやらなさそうな歌星や友ちゃんまでやってくれた。

ほんとライダー部の皆はいい人ばかりだな~。。。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

探しものを見つけた僕達は学校に向かう。

すると蘭が絶望した表情で地面に座り込んでいた。。。

一体何があったんだ...?

 

僕は蘭に駆け寄る。

 

彼方「蘭!一体どうしたの?」

 

蘭「先輩。。。ハルが、もう。。。」

 

そう言って蘭はある場所を見る。

それを追って見ると、繭にくるまれたハルの身体が。。。

もうラストワンを迎えたか。。。

 

賢吾「遂にラストワンのスイッチを。。。」

 

友子「怪物はどこ?」

 

蘭「職員室に居た、あの感じの悪い教師を追いかけてる。」

 

JK「それって...大杉先生のことだよね?」

 

プフッw

いやこの雰囲気で笑っちゃいけないのは分かってるけど、まさか大杉がここまで言われるなんてw

ちょっと同情してしまうな~www

 

蘭「早く止めないと、きっと大変なことに!お願いです!ハルを助けて!」

 

弦太朗「最初から素直にそう言えよ!後輩。」

 

蘭「ごめんなさい。怖かったんです。また、信用して裏切られるのが。。。」

 

彼方「ライダー部の皆はそんなことしないよ。癖はあるけど信用は出来るからね。」

 

弦太朗「そんな言い方はねえだろ!...心配すんな!必ず助けてやる!」

 

リーゼントくんはそう言うと手を差し出す。

いきなりのことに蘭は戸惑っていたが、リーゼントくんは強引に友情の証を交わす。

これで少しは蘭の心も開けたかな?

 

弦太朗「お前のダチは、俺達のダチだ!」

 

彼方「とにかくハルを追いかけないとだね!」

 

僕がそう言うと歌星がパソコンを開いて操作する。

すると丁度フードロイド達が大杉を見つけたみたいだ。

どうやら近くの林の中に逃げてるらしい。

 

居場所が分かった僕達は、リーゼントくんがバイクで行き、それ以外は走って向かった。

 

...

 

..

 

 

 

現場に到着するとフォーゼが無数のハエになったムスカに苦戦していた。

何か打開策は無いのか。。。

 

するとフォーゼが例のスイッチはと聞く。

例のスイッチって一体なんだろ?

 

それに歌星はハッチから消えていたと答える。

それってもしかして誰かが持ち出したってこと?

一体誰が。。。

 

そう思ってると突然大杉がフォーゼに受け取れと言って何かを投げ渡した。

良く見たらスイッチみたいだけど。。。

もしかして大杉にハッチが見つかったの!?

え!?僕それ聞いてないよ!?

 

スイッチを受け取ったフォーゼはドライバーに装填してオンにする。

 

『Net! ON』

 

音声と共に右足に虫取り網の様なモジュールが装着される。

フォーゼは右脚を振るとそれに応じてネット型のエネルギーがハエを捕まえていく。

 

ハエをまとめて閉じ込めると、ムスカの身体に戻る。

てかやっぱり進化してたんだな。。。

不完全だった身体は完全体と言えるような変化をしていた。

 

だが理性は蒸発してもはや暴れるだけ。

そんなムスカをリミットブレイクしても精神は崩壊したままだから無意味になる。

 

僕は蘭に近づく。

 

彼方「蘭、君に重大な役割を任せる。」

 

蘭「えっ。」

 

彼方「ハルの心を元に戻すんだ。今のままだと倒してもハルの精神は崩壊したまま。もしかしたらずっと眠ったままかもしれない。」

 

蘭「そんな!ハルが!」

 

彼方「だから君にやってもらいたいことがあるんだ。ハルの心を元に戻すために、自分の気持ちを素直に話すんだ。」

 

蘭「でも...ハルは。。。」

 

彼方「大丈夫。蘭の気持ちは絶対に届く、いや届かせる。だって君達は親友なんでしょ?」

 

蘭「...はい!今度こそ、ハルを!」

 

彼方「...よし!じゃあ行ってきな!」

 

僕は蘭の背中を押してハルの所へ向かわせる。

城島とかは止めようとするがフォーゼがそれを制止する。

 

蘭「ハル、気づいてあげなくてごめんね。」

 

ムスカ「ウゥ...ウゥウ。。。」

 

蘭「ハルは、守るなんて言われたくなかったんだよね。逆に、私を守りたかったんだよね。」

 

ムスカ「ウゥア...アァァ。。。」

 

蘭「ほんとごめん。。。もう、守るなんて言わないから!」

 

ムスカ「ウゥ...ウアァ!ウゥ......蘭。。。」

 

蘭「っ!」

 

僕は蘭を立ち上がらせて下がらせる。

 

彼方「よくやった蘭。後は彼に任せて。」

 

ムスカ「先輩。。。」

 

フォーゼ「任せろ後輩!...下がってろ。」

 

フォーゼはそう言って城島を下がらせる。

そしてマグネットステイツに変身してレバーを引く。

 

フォーゼ「ライダー超電磁ボンバーーー!!!」

 

合体した砲台から放たれた超電磁砲はムスカに当たり、爆発する。

そして爆発からスイッチが飛んできた。

僕はそれをキャッチしてオフにする。

スイッチは消滅した。

 

これで一件落着かな。。。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

学校に戻った僕達は無事に身体に魂が戻ったハルを起こす。

ハルはJKと友ちゃんに支えられながらこっちに来る。

すると蘭はハルに近づき、アレを渡す。

 

ハル「蘭。。。まだ、友達でいてくれるの?」

 

蘭「当たり前でしょ?私達の高校生活は今からよ。」

 

ハル「僕、スイッチなんかに頼らなくても、強くなる。」

 

弦太朗「良かったな!後輩。」

 

ほんと良かったよ~。

一時はどうなることやと思ったからね~。

 

すると蘭が意外な提案をしてくる。

 

蘭「先輩!私達も仮面ライダー部に入部させてください!」

 

弦太朗、ユウキ「「えっ!?」」

 

これは誰も予想できなかった。

まさか新学期早々、新入部員が出来るとは。。。

 

リーゼントくんと城島はどうしようかと慌てる。

いや、城島よ...君は部長になったんじゃ。。。

 

結局最終決断は歌星に委ねられた。

もう歌星が部長の方が良いんじゃないの?

 

歌星「そうだな。。。取り敢えず仮入部だ。彼の身体が回復して元気になったら、二人で正式に入部したらいい。

 

ユウキ「そうそう。」

 

城島よ。。。お願いだからもうちょっと威厳を出して?

何か。。。可哀そうになってきたよ?

 

友ちゃんが歓迎すると言い、二人は揃って頭を下げる。

これでライダー部も順調にスタートが切れたね~。

 

...って思ったけどよく考えたら一番大事なこと忘れてない?

そう思った僕は後ろに視線を感じた。

 

彼方「ねえ...僕達まだ問題残ってるよ。ほら。。。」

 

僕はそう言って視線を促す。

皆の視線の先には、自転車に乗ってなんかヤバそうな顔してサスペンダーを鳴らす大杉が居た。

まだこれが残ってたんだ。。。

 

...

 

..

 

 

 

僕達は取り敢えず蘭とハルと別れてラビットハッチに行く。

既に美羽と大文字も来ていたようだ。

 

だけど空気は何とも言えないもので。。。

 

大杉「仮面ライダー部など俺は認めん!何故なら顧問の居ない部活は禁止されてるからだ!」

 

ユウキ「やっぱり。。。」

 

ん?今の言い方なんかおかしくない?

こんな怪しい部活は認めないだったら分かるけど、顧問の居ない部活って。。。

もしかしてこれ...ワンチャンあるかも!?

 

大杉「よってこれからは...俺が顧問になる!」

 

皆「「「「「「「「ええっ!?」」」」」」」」

 

やっぱりそういう展開!?

もしかしたらって思ったけどなんで!?

 

大杉「人知れずお前らがこの学園を守るなら!顧問である俺がお前らを守る。生徒を守るのが、教師の役目だ!」

 

...いや実は真面目だってのは分かってたけどさ。

ここまでってなるとなんか感動を覚えるよね。。。

だって今大杉にちょっとグッときちゃったもん。。。

 

フォリア「これはまた面白いことになりそうですね。。。」

 

彼方「なんかのフラグになるようなことは言わないでね?」

 

フォリア「フフフ♪」

 

やだこの人怖い~。

なんかほんとフラグ臭しかしないから今すぐ全力で折りに行きたい。

 

なんかリーゼントくんと城島と大杉の三人で盛り上がってるし。

やっぱあの三人合うじゃん。

バカ同士だからかな?

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

あの後あの三人で大盛り上がりしてなんか歓迎会ムードになってた。

流石にそれに参加するほどの元気は残ってなかったから先に帰ろうと思ってたんだけど。。。

 

僕は今編入生くんに屋上に呼び出されてる。

多分だけど昴星に関してのことだと思うけど。。。

 

一体何かと考えながら屋上で待ってると扉が開く音がした。

振り返ると編入生くんがただならぬ雰囲気で来た。

 

流星「急に呼び出してすまないな。」

 

彼方「別に。どうせ帰ろうと思ってたからね。それで?どうだったの?」

 

流星「話が早くて助かる。実は向こうでリブラと交戦した。」

 

彼方「リブラが?なんであそこに。。。」

 

流星「大方覚醒したヤツに会いに行ったのだろう。」

 

彼方「だけどどうして昴星で?もしかして昴星でもスイッチをばらまいて?いや...あるいは。」

 

流星「もしそうだとしたらとんでもないことになるぞ!」

 

彼方「いや、その可能性は低い。だって昴星にはザ・ホールの影響がない。そんな所でゾディアーツが覚醒するなんて到底無理だ。」

 

流星「だとしたら他に。。。」

 

彼方「一つだけ可能性があるとしたら。。。君と入れ違いで昴星に来た生徒。」

 

流星「...はっ!?もしかして昴星に来る前からスイッチを!?」

 

彼方「可能性はある。だとしたら少なくともザ・ホールの影響を受けてた人間だから覚醒するのも可能だと思う。それに何者にも邪魔されないから覚醒するのも不思議じゃない。」

 

流星「なら覚醒したゾディアーツの正体は。。。」

 

彼方「うん。こうなったら僕達が動くしかないね。」

 

流星「俺は昴星に戻ることは出来るが、お前はどうするんだ?」

 

彼方「適当な理由言って叔父さんに頼んでみるよ。叔父さんなら昴星にちょっとだけ行くことも許可できそうだしね。」

 

流星「なるほどな。だとしてもフォーゼはいいのか?少なくとも十二使徒に覚醒したヤツだ。俺とお前だけでどうにか出来るかは分からないぞ。」

 

彼方「まあもしかしたらどうにかなりそうだしね。ほら、リーゼントくんならやりそうでしょ?」

 

流星「...まあな。」

 

彼方「とにかく僕の方でもリーゼントくん達が行けるように頼んでみるよ。最悪は僕達だけで挑むことになるだろうけど。」

 

流星「そこは任せた。俺はただアリエスかどうかを見るだけだ。」

 

彼方「...まだアリエスを探してるの?」

 

流星「...今のところそれが一番二郎を助けることが出来る道だからな。」

 

彼方「そっか。。。目覚めるといいね、二郎くん。」

 

流星「...ああ。」

 

僕達はそうして別れた。

 

それにしても昴星でか。。。

なんか嫌な予感がするんだけどな~。

この予感が外れてくれますように。。。

 

 

 

 

to be continued...

 

 




次回アリエス編。見てね。


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昴・星・王・国

サブ垢で石集めて何とかモルガン引きたいです。
トリ子とバゲ子は来てるんです。。。

お願いだから来て!!!


ー彼方sideー

 

ムスカ騒動の翌日。

 

一難去ってまた一難と言うべきなのか。。。

昴星高校で覚醒したというゾディアーツに関しての情報が出て来た以上気が緩めない。

 

今もラビットハッチで集まってるが、編入生くんが彼と交換留学した生徒のことを聞いてる。

城島が言うには山田竜守という演劇部の生徒らしいが。。。

十中八九彼がゾディアーツだろう。

 

そう思ってるとラボの方で何やら盛り上がってる声が聞こえる。

行ってみると歌星が何やら形が違うスイッチを持っていた。

そのスイッチに書かれてる番号は40。

 

歌星が言うにはフォーゼに関するアストロスイッチは全部で40個。

39番までのスイッチがロールアウトし、そのデータが集まると40番・コズミックスイッチが現れるらしい。

そしてそのコズミックスイッチはフォーゼのスイッチの中でも最強らしい。

 

早速フォーゼが実験室に入りテストする。

最後のスイッチということもあって皆のテンションも上がってる。

大文字なんて記念にと言ってカメラも用意してる。

 

そしてフォーゼがスイッチをドライバーに装填しようとするのだが。。。

何故か電撃が走ってスイッチが装填されない。

まるで拒絶してるかの様な反応だけど。。。

 

フォーゼは何かがおかしいと思い、ボタン部分を覆っているカバーを外しボタンを押す。

だがその際に聞こえた音声が。。。

 

『Danger』

 

すんごい不穏な音声が鳴り響く。

フォーゼはそれを気にせずにボタンを押し続ける。

その間もずっと『Danger』と鳴りっぱなしなんだけど。。。

 

フォーゼ「デンジャーってどういう意味だ?」

 

まさかの意味を理解していなかったフォーゼ。。。

てかdangerって中学で習う単語だよ!?今まで何勉強してきたの!?よく天高入れたね!?

 

フォーゼの発言に慌てて皆下がる。

皆必死にボタンを押すのを辞めさせようとするが。。。

 

『Good bye!』

 

という音声と共にスイッチから爆発が起こる。

いきなりのことに皆驚く。

そして実験室から出て来たフォーゼを皆慌てて迎えに行く。

 

フォーゼはふらつきながらも歌星にスイッチが壊れてるのではないかと聞く。

だが傍から見てもスイッチには特に損傷は見当たらない。

てかあの爆発で無事とかヤバいわ。。。

 

歌星がカバーを閉じるとちゃんと『system recover』という音声が鳴る。

ということは特に異常はなさそうだね~。

 

歌星とリーゼントくんが話してる横で編入生くんがハッチから出ていこうとする。

それを気になったリーゼントくんが呼び止めるけど特に反応がない。。。

やっぱり昴星のことが気になるのかな?

 

ユウキ「ぁあ~流星くん待って!なんか事件なら、弦ちゃんも居ないと危ないよ?」

 

流星「...他校の生徒がうろうろしてたら変でしょ。昴星に行けるのは僕だけだ。」

 

弦太朗「昴星に行く?何があった?」

 

流星「。。。」

 

...

 

..

 

 

 

ということがあり現在。

僕達ライダー部三年組は昴星高校の校門に立っている。

 

どうやら大杉が速水に直談判しに行ったらしい。

あ、僕は編入生くんに行った通りにちゃんと叔父さんに頼んだ。

そしたら普通にOKを出してもらえた。

それにどうやら叔父さんも昴星に居るゾディアーツに会いたいらしい。

時間があったら連れてきてほしいと頼まれた。

 

雨が降る中、昴星の生徒達はいちいち僕達の前に立ち止まって挨拶する。

それを見て城島とリーゼントくんは楽しそうな学校だと言うけど。。。

 

フォリア「気持ち悪いですね、この空気。」

 

彼方「だね。どう見たって強制的にやらされてるようにしか見えない。」

 

そう。

確かに数人は僕達に普通に挨拶しに来たけど、それ以外はなんかやらされてる感があった。

まるで何者かに強制されてるように。。。

 

そう思ってるとふと後ろから声がかかる。

振り返ってみると編入生くんのことを良く知ってそうな口調の三人が居た。

 

その内の女子一人を見てリーゼントくんが編入生くんの彼女と勘違いするもバッサリと切り捨てる。

それを聞いてがっかりと言う白川さん(編入生くんによると)。

そして彼女は編入生くんに借りていた本を返す。

だがそれを見た編入生くんの反応がおかしい。

 

流星「えっ?本なんて貸してたっけ?」

 

白川「っ。。。」

 

白川さんは何かありそうな表情をして去っていった。

一体何があるんだこの学校は。。。

 

歌星がどこから調べようか編入生くんに聞くと、素の反応でお節介だと返した。

それを聞いたリーゼントくんが本当の編入生くんだと言う。

まあ確かにリーゼントくんの言う通り、二郎くんのことになると素に戻るよね~。

 

そしてリーゼントくんがなんでも受け止めるぜと言うが、編入生くんは受け止められるわけがないとバッサリ切っていく。

相変わらずだね~。

そろそろ信用してもいいとは思うんだけど。。。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

教室の前で山田と会った僕達。

お互いちょっと会話を交わしてそのまま中に入る。

僕達の席は固められていた。

まあこれはありがたいけどね。

 

そうして授業が始まったんだけど。。。

 

正直言って何これの一言に尽きる。

 

英語の授業なんだけど、先生の英語の能力が低すぎる。

発音が素人どころじゃないレベルに酷い物。

まるで他の教科を担当してるんじゃと疑う程のレベルだった。

 

それを山田が手を挙げて指摘するんだけど。。。

その時の先生の反応に違和感が。。。

 

先生「な、なんでしょう。おうさ...いや、山田君!」

 

山田のことを王様と呼びそうになってたけど。。。

もしかして彼のゾディアーツとしての能力と何か関係があるのかな?

それに山田の指摘に対してすんごい謝ってたし。。。

 

フォリア「何かありますね、これは。」

 

彼方「ああ。間違いなく山田がキーだな。」

 

...

 

..

 

 

 

そんな授業が終わり僕達は一旦集まることに。

ただ、城島は宇宙研究部を見に行くと言って即座にどこかに行ってしまったけど。。。

 

すると編入生くんが何かを見つけたようだ。

今朝白川さんが編入生くんに渡した本にあることが書かれていた。

 

『逃げて、流星くん 眠らされる』

 

眠らされる...?

もしかして...覚醒したゾディアーツの正体って!?

 

フォリア「何か悪い予感がしますね。」

 

彼方「予感どころか確定で起こるでしょ。少なくとも。。。」

 

僕はそう言って編入生くんのことを見る。

彼関連のことで間違いなく一波乱起きる。

それもこれまでにないほどの。。。

 

すると城島の悲鳴が聞こえた。

僕達は直ぐに悲鳴が聞こえた方に向かう。

 

部屋に入るとそこにはあるゾディアーツが居た。。。

 

歌星「牡羊座、アリエス・ゾディアーツ!」

 

そう、編入生くんが探し求めていたアリエスが現れた。

まさか山田が覚醒したのがアリエスだったとは。。。

眠らされるという言葉でもしかしてとは思ったけど。。。

 

アリエス「如何にも、余がアリエスだ。そして。。。」

 

アリエスはそう言うとスイッチを押す。

モヤから出て来たのは。。。

 

山田「余は君達の知人でもある。」

 

僕達の予想通り山田だった。

そのことにリーゼントくん達は驚いているが。。。

編入生くんの様子がおかしい。

馬鹿なことを考えてなければいいけど。。。

 

そう思ってる間に山田は再びアリエスに変身し、リーゼントくんもフォーゼに変身する。

そして二人とも外に出ていった。

それを慌てて追いかける僕達。

 

フォーゼはハンマーを使いアリエスに攻撃する。

がしかし、アリエスが杖で防ぎ、杖の先を回転させると何やらオーラが現れる。

そのオーラがハンマーに当たる。

 

フォーゼがハンマーで攻撃しようとした次の瞬間。。。

何故かハンマーが消えてしまった。

 

フォーゼがいくらスイッチをオンにしようがハンマーモジュールは現れてこない。

フォーゼはランチャーをオンにして攻撃するが、全弾を弾かれてしまいまたオーラを当てられてしまう。

そしてランチャーモジュールも強制的に解除されてしまう。

 

フォーゼ「すんげえ眠い。。。」

 

アリエスと戦っているフォーゼはそんなことを言う。

やはりアリエスによって生体活動を鈍らされているのか。。。

 

そう思ってると僕達のところにもオーラが現れる。

不意打ちでオーラに当たってしまい、皆眠くなってしまう。

 

僕達は何とか校舎の陰に隠れるが、そこで見たものは。。。

 

大勢の生徒が眠っている姿だった。

 

歌星は慌ててパソコンを起動し分析する。

そしてその結果をフォーゼに伝える。

 

アストロスイッチが起動してもそれを受ける肉体の機能が眠らされれば意味がない。

だからモジュールが現れなかったのか。。。

 

歌星はフォーゼに逃げるように言う。

だが時すでに遅し。

 

アリエスに吹っ飛ばされたフォーゼは変身を強制解除されてしまう。

遂に肉体がフォーゼの力も受け止めれなくなったらしい。

そしてリーゼントくんは眠ってしまう。。。

 

城島も耐えきれなくなり倒れてしまう。

僕は慌てて城島の身体を支えるが、既に彼女は眠ってしまっていた。

 

アリエスがこっちに向かってくる。。。

僕の意識も持たなくなってきている。。。

 

するとそこにメテオが現れる。

もしかして。。。

 

だがそんなことを考える前に眠気がピークに達する。

僕は何とか耐えようとするが。。。

メテオが何処かに行ったのと同時に意識を手放した。。。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「どうやら今回の相手は癖があるようですね、マスター。」

 

ふとそんな声が聞こえて目が覚める。

そこは何処かの城の部屋のような場所だった。

 

てかさっきから頭に感じるこの感触は...?

前にもあったような。。。

 

ふと目線を上げると、バーゲストには至らないものの充分魅力的なお山とその間から見えるモルガンの顔が。。。

あ、ここはあそこの中か。

 

モルガン「目覚めましたか、マスター。それにしてもあんなもの跳ね返せないとは。。。」

 

彼方「うっさい。僕はモルガンみたいに天才じゃないんだから。てかそんなこと練習してないし。」

 

モルガン「フフフ。私を褒めるのは嬉しいですが、貴方も充分天才の類に入りますよ。」

 

...ちょっと自覚してることを言わないでくれるかな?

そんなこと言われると僕調子に乗っちゃうからね?

 

モルガン「冗談はさておき。」

 

え、もう褒めてくれないの?

 

モルガン「マスター、ふざけるのもそこまでに。」

 

彼方「はいはい。で?」

 

モルガン「今回は厄介になりそうですね。おそらく彼が裏切ると思います。」

 

彼方「やっぱり?一応釘は刺しておいたつもりだったんだけど。。。」

 

モルガン「人間は望んでいた物を前にして我慢することができないですから。彼も我慢できなかったのでしょう。」

 

彼方「やっぱ僕がやった方が良かったのかな。。。」

 

モルガン「今は後悔よりも先のことを。」

 

彼方「...ああ。取り敢えず最悪のケースを防がないと。」

 

モルガン「ライダー部の全滅ですね。」

 

彼方「流石モルガン。裏切りだけで全滅とはならないと思うけど、もしアリエスが条件を出したらと考えたらね。」

 

モルガン「フォーゼの抹殺。。。」

 

彼方「そうでないと願うばかりかな~、それだけは。」

 

モルガン「そうなった場合はどうするのです?」

 

彼方「...皆にバレてでも力を使う。」

 

モルガン「...やはりそれしかないようですね。」

 

彼方「まあその時が来ないことを祈るよ。」

 

モルガン「ええ。私としても夫である貴方が辛い目に遭うのは嫌です。」

 

彼方「...ありがと、モルガン。」

 

僕はモルガンの頭を撫でる。

ほんといい嫁さんだよ。。。

 

そう思ってると視界がぼやけてくる。

そろそろか。。。

 

モルガン「どうやら目覚めのようですね。」

 

彼方「そうみたいだね。まあ、頑張って来るよ。」

 

モルガン「なら最後にこれを。。。」

 

そう言うとモルガンはキスをしてくる。

触れるだけだったけどそれだけで力が湧いてきた気がする。

 

モルガン「頑張ってください。」

 

頬を赤らめながら言うモルガンを最後に意識が切れた。。。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

はっ!?

何さっきの可愛いモルガン。

愛でたかったのに!

 

そう思ってるとふと周りの異様な空気を感じる。

身体を起こしてみると、殺風景な倉庫に縛られた先生と生徒達。

そしてダスタードに刀を突きつけられている歌星と城島と僕。

 

彼方「これどういう状況?」

 

ユウキ「やっと起きた!今までずっと眠ってたんだよ!」

 

賢吾「肝が据わってると言うべきか、何と言うべきか。。。」

 

彼方「...なんかすんません。」

 

それから二人に状況を聞いた。

どうやら今から行われるのは公開処刑らしい。

 

山田が描いた台本を演じきれなかった者を処刑することで学校内の者に気を引き締めさせるというものらしい。

ただ首を切るとかそういうのではなく、アリエスの能力である眠りの刑らしい。

まあどっちにしても永遠に目覚めないんだから対して差はないが。。。

 

するとそこにリーゼントくんが突撃してきた。

良く見たらその後ろにフォリアと今朝会った白川さんと二人の男子も居る。

どうやら彼女達がリーゼントくんとフォリアを匿ってくれたらしい。

 

山田「また来たのか如月君。...彼女達が手助けしたんだな。。。」

 

山田はそう言うとスイッチを押して変身する。

 

アリエス「余は不愉快だ。」

 

弦太朗「こっちはその百倍不愉快だ!!」

 

そう言ってリーゼントくんはフォーゼに変身する。

 

フォーゼはアリエスが繰り出す杖の攻撃を躱していく。

杖に当たったらマズいと分かってるようだ。

 

フォーゼの方を見ていたら反対方向から雄たけびの様な声が聞こえる。

振り返ってみるとダイザーが来てダスタード達を蹴散らした。

そしてライダー部の皆が拘束されていた先生と生徒達を逃がす。

 

それに乗じて白川さん達も鉄パイプを持ってこっちに向かってくる。

二人がダスタードを捕らえると、白川さんがダスタードの顔面に向かってフルスイング!

見事に伸びたダスタード達。。。

 

パソコンを受け取った歌星は三人に逃げるように言う。

そして三人はライダー部とすれ違いで逃げていった。

 

賢吾「っ、如月!後ろだ!」

 

歌星はフォーゼに迫っていたアリエスの存在を注意する。

それに気づいたフォーゼは見事にカウンターを食らわす。

 

そして新しくロールアウトした39番のスイッチを装填し、オンにする。

 

『Stamper! ON』

 

音声と共に左足にスタンパーのモジュールが装着される。

 

フォーゼは向かってくるアリエスを躱してスタンパーを押し付ける。

するとアリエスは吹っ飛ばされ、攻撃された箇所にライダー部のアイコンがスタンプされている。

 

スタンパーを解除したフォーゼはマグネットステイツに変身する。

そして電磁砲をアリエスに乱射する。

だがアリエスには効いていないようだ。

アリエスは攻撃の準備か、角に電気を溜め込む。

 

すると歌星が時計を見る。

ん?なんでだろ?

 

賢吾「3!2!1!」

 

ユウキ「いっけーー!」

 

するとアリエスに刻印されてたスタンプが大きくなり、アリエスに衝撃が起こる。

それによって角に集中していた電気が解放される。

そして隙が出来たアリエスに一気に電磁砲を放つ。

アリエスは諸に受け、大きく吹っ飛ばされた。

 

歌星によるとスタンパーは押し込んだ強さによって時間差攻撃ができるらしい。

ぶっつけ本番でよくそれができたなって思う。

 

フォーゼ「リミットブレイクでトドメだ!」

 

そう言うとフォーゼはレバーを引く。

 

『~♪ ~♪ LIMIT BREAK』

 

フォーゼ「ライダー超電磁ボンバーーー!!!」

 

音声と共に合体した砲台から赤と青の超電磁砲が発射される。

二つのビームは交わりアリエスに向かっていく。

これで決まったと思った瞬間。。。

 

青と黄色の球体がビームを跳ね除けた。。。

そして球体の中から出て来たのは。。。

 

『~♪ LIMIT BREAK』

 

音声と共にメテオがフォーゼの方に振り向く。

 

メテオ「メテオストームパニッシャー!!!」

 

そう言うとロッドの先からコマを発射する。

コマは超電磁砲とぶつかり合うが、簡単に弾きフォーゼに激突する。

フォーゼは吹っ飛ばされ石壁にぶつかる。

 

賢吾「何するんだメテオ!?」

 

まさかのメテオの裏切りに全員驚く。

確かに彼の狙いはアリエスだったが、まさかその為にフォーゼに敵対するとは思わなかったのだろう。

 

コマは合体した砲台を攻撃し、メテオはフォーゼを攻撃する。

不意打ちで大ダメージを喰らったフォーゼはメテオの攻撃に手を出せないで袋叩きにされる。

だが何とかロッドを掴み、袋叩きの状態から脱出する。

 

フォーゼ「メテオ!なんでだ!なんで!?」

 

メテオ「ダチに関することなら、何でも受け止めると言ったよな!!!」

 

メテオはそう言ってなおも攻撃する。

フォーゼは避けるので精いっぱいだが、メテオの言葉を聞いて誰なのか勘づいたらしい。

 

メテオはスイッチをドライバーに装填してリミットブレイクの待機状態にする。

ロッドを手放したメテオは構えを取る。

 

メテオ「だったら受け止めて死んでくれ。如月!!!」

 

メテオはそう言うとジャンプしてキックを放つ。

周りに爆発が起こる中、メテオのキックはフォーゼに命中する。

 

ダメージが許容量を超えたのか、マグネットステイツが解除されてしまう。

倒れてるフォーゼをメテオは立ち上がらせ胸に手を突き出す。

まさか、あの構えは!?

 

彼方「辞めろ!メテオ!!!」

 

僕は辞めさせようと二人の所に向かう。

だが、メテオは拳をフォーゼに叩き込んだ。

 

メテオストームの様なエネルギーと共に衝撃が起こる。

そしてフォーゼの変身がショートを起こしたかの様に解除され、全身から煙を放ちながらリーゼントくんが出てくる。

 

僕は倒れるリーゼントくんを何とか受け止める。

だが彼の身体が全然動かない。

 

彼方「おい!しっかりしろ!」

 

僕はリーゼントくんに呼びかけるが全然返事をしない。

まだ息はしてるはずだ。今すぐ治療をすれば。。。

 

すると目の前に居たメテオの変身が解除される。

おそらくタチバナさんが強制解除させたのだろう。

 

メテオの正体に皆驚きと困惑を見せる。

リーゼントくんも何とか顔を上げて編入生くんの方を見る。

 

アリエス「よくやったねぇ、朔田君。取引成立だ。」

 

取引...だと?

 

流星「...俺は山田と手を組んだ。二郎を救う為には、どうしてもアリエスの力が必要なんだ。」

 

弦太朗「そうか。。。話が繋がった。。。」

 

リーゼントくんは何とか力を振り絞って喋る。

だがその瞬間も脈が弱まっている。。。

 

弦太朗「お前のホントの心...ホントの思いが受け止められて。。。嬉しいぜ。。。たとえそれが...殺意でも...な。。。」

 

リーゼントくんがそう言うと編入生くんの方に伸ばしていた手が落ちる。

それを見て僕は急いで彼の脈を確かめる。

だが。。。

 

彼方「そんな...死んでるだと。。。」

 

賢吾「っ!?如月ぃぃぃ!!!」

 

歌星は直ぐにこっちにやってきてリーゼントくんの身体を確かめる。

だが彼にも現実が伝わったようで、編入生くんの胸に掴みかかる。

 

賢吾「朔田、貴様!今までアリエスに近づくために、俺達をずっと騙してきたんだな!」

 

流星「親友を救うにはそれしかなかった。」

 

賢吾「自分の友達を救う為に、他人の友達を奪っていい訳がない!俺はお前を絶対に許さないぞ!」

 

そう言って編入生くんを突き飛ばす。

歌星の言うことはもっともだ。

 

リーゼントくんを殺されたことに怒った大文字はダイザーで突っ込んでくるが、ダイザーにオーラが発生する。

するとダイザーは力を無くしたように屈み、中から大文字が出てくる。

その大文字はアリエスの力で眠っている。

 

するとライダー部の皆にもオーラが発生して眠ってしまう。

僕達にもオーラが発生して眠ってしまいそうになる。

だがその前にアイツを一発でもぶん殴らないと...!

 

僕は魔術を発動して眠気を吹っ飛ばす。

そして編入生くんに近づき思い切りぶん殴る。

 

彼方「お前がしたことは許されないことだ。悪魔に魂を売るなんてお前が一番してはいけないことだろうが。」

 

すると突然アリエスの近くで爆発が起こる。

なんだと思い後ろを見てみると、メテオが使っているバイクが一人でに走って来た。

そしてパソコンの着信音が鳴る。

 

歌星は眠気をこらえて何とか開く。

そこに映ったのはタチバナさんだった。

 

タチバナ『歌星賢吾君、我望君、今だ!如月君を連れて逃げろ!』

 

賢吾「貴方は。。。」

 

タチバナ『早くしたまえ!』

 

僕達はタチバナさんの指示に従い、ビークルモードになったダイザーに乗って退避するのだった。。。

 

まさか彼が死ぬだなんて。。。

まだ彼は必要だ。

 

かくなるうえは...アレを使うしかない...!

 

 

 

 

to be continued...

 

 




次回も見てね


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超・宇・宙・剣

ー彼方sideー

 

タチバナさんの助けもあって何とかラビットハッチに逃げて来れた僕と歌星。

 

ハッチに行くと大杉も居たから事情を説明する。

そして今は歌星が以前やった方法でメディカルを使ってリーゼントくんを回復させようとしているが。。。

 

賢吾「ダメだ。心臓が動かない。」

 

大杉「信じられないよぉ!こんな殺しても死ななそうな如月が!」

 

するとパソコンから着信音が鳴る。

多分タチバナさんからだろう。

 

歌星はパソコンを開いて通話に出る。

 

タチバナ『私はタチバナ。朔田流星のクライアントだ。』

 

賢吾「っ!俺は朔田やアンタを絶対に許さない!アンタらの所為で!如月は死んだ!」

 

タチバナ『まだだ!』

 

タチバナさんの言葉に全員が驚く。

まだだってどういうことだ...?

 

タチバナ『如月弦太朗はここで終わるような男ではない。』

 

賢吾「えっ?」

 

タチバナ『彼に最後の宇宙の力を与えられるのは、君達しか居ない。』

 

賢吾「...何言ってる。」

 

タチバナ『君は自分の手で、奇跡の扉を開いたことがあるじゃないか。』

 

賢吾「まさか!?アンタが俺に、あのゲートスイッチを。。。」

 

そういうことね。

なら賭けてみるしかない。

 

それに最悪僕の力を使えば、多分。。。

 

...

 

..

 

 

 

歌星がタチバナさんの助言に従い、外壁を見に行った後。

どうやら何かを掴んだみたいで、リーゼントくんにドライバーを装着する。

そしてドライバーには一か所スイッチが装填されていない所が。。。

 

すると歌星はコズミックスイッチを取りだす。

もしかしてコズミックの力でリーゼントくんを...?

 

賢吾「如月。今からコズミックスイッチで君に、最後の宇宙の力を注ぎこむ!」

 

歌星はそう言うとコズミックスイッチをドライバーに装填しようとする。

だが案の定コズミックスイッチは電気を発生させてドライバーから離れようとする。

 

その様子に大杉が悲観的になる。

だがそれを歌星が一喝し再びドライバーに装填しようとする。

だがそれでもコズミックスイッチは入らない。。。

 

こうなったら...あの力を使うしかない。。。

 

彼方「歌星、先生。先に謝っとく。今まで騙しててごめん。」

 

賢吾「...?君は一体何を。。。」

 

大杉「騙しててってまさか!お前やっぱり園田先生と関係があったのか!?」

 

彼方「いやそれじゃないから。。。てかなんでそう考えたの?」

 

大杉「お前は前々から園田先生と「今はそんなことどうでもいいです。」っておい!俺にとっては大事な問題なんだよ!」

 

賢吾「我望。君は一体何を隠してきたんだ?」

 

歌星の問に僕はスイッチを出して答える。

それを見た歌星と先生は驚く。

 

彼方「これが答えだよ。」

 

僕はそう言ってスイッチを押す。

 

オピュクスに変身したオレを見て歌星は更に驚く。

 

賢吾「まさかオピュクスの正体が我望だったとはな。。。ということは君も...!」

 

オピュクス「勘違いすんな。今まで妨害してきたのはオレ個人の考えでだ。それにオレはどっちかっていうと反ゾディアーツだしな。」

 

賢吾「...何故今ここで正体を明かす。そんなことをする必要はないはずだが。」

 

オピュクス「オレの力でリーゼントを救うモノを生み出す。結果はどうかは分からんが、多分上手くいくはずだ。」

 

賢吾「如月を救うモノ...?」

 

オピュクス「蘇生薬だ。」

 

賢吾「っ!?バカな!?死者を蘇生させることが出来るなんてありえない!」

 

オピュクス「オマエはそのありえないことを今からするんだろうが。別に信じれないなら信じなくていい。オレはただコイツを救うだけだ。」

 

賢吾「...何故だ。何故君はそうまでして如月を救おうとする?」

 

オピュクス「...コイツが居ると学校が面白くなる。それだけじゃダメか?」

 

賢吾「...フッ。君らしい答えだな。」

 

オピュクス「オレだからな。ともかく早くやるぞ。」

 

賢吾「ああ、頼む!」

 

歌星の言葉を聞いてオレは作成にかかる。

と言ってもそこまで時間はかからない。

 

今のオレなら五分もすれば出来上がった。

水色に輝くそれを見て二人は驚きの表情を見せる。

 

賢吾「それが、蘇生薬。。。」

 

大杉「それで本当に如月が生き返るのか!?」

 

オピュクス「やってみなくちゃわからねえ。オレが言えることは信じろってことだけだな。」

 

オレはそう言うと蘇生薬をリーゼントに飲ませる。

だがしかし...脈が戻ってこない。。。

 

オピュクス「何故だ!?確かに薬は出来たはずだ!?」

 

大杉「蘇生薬を飲ませても生き返らないなんてぇ!」

 

一体何故だ!?

 

賢吾「待て!まだ方法がある!」

 

オピュクス、大杉「「っ!?」」

 

賢吾「このスイッチの力でブーストを掛ける。それなら上手く可能性がある。」

 

オピュクス「だがそれはドライバーに挿さんねえじゃねか。」

 

賢吾「父さんが残していた。最後に不可能を超えるのは人間同士の絆だと。このスイッチと君の力で如月を蘇らせるぞ!」

 

オピュクス「それしかねえようだな!」

 

オレ達はそう言うと二人でコズミックスイッチをドライバーに装填させようとする。

スイッチは反発するがオレ達はそれでも諦めない。

絶対にフォーゼを蘇らせる!

 

するとオレ達の想いが届いたのかコズミックスイッチがドライバーに装填される。

オレ達は直ぐにスイッチを入れる。

 

『THREE』

 

『TWO』

 

『ONE』

 

オピュクス、賢吾「「変身!!!」」

 

そしてレバーを引く。

するとリーゼントの叫び声の様な幻聴が聞こえた。

もしかして。。。

 

するとリーゼントが起き上がって覗き込んでいた大杉とデコをぶつける。

それを無視して歌星は手を差し出す。

手を取ったリーゼントは歌星の力を借りて起き上がる。

 

弦太朗「賢吾。。。感じたよ。お前と皆の...手の温もりを。。。」

 

賢吾「そうか。。。」

 

弦太朗「もちろんお前もだぜ。薬野郎。」

 

オピュクス「いい加減その呼び名は辞めろ。後。。。」

 

オレはそう言って変身を解除する。

 

彼方「おかえり。」

 

弦太朗「っ。。。やっぱりな!ありがとよ、彼方!」

 

僕達はそう言って友情の証を交わす。

そういや僕これやったことあったっけ?

 

賢吾「それより、行くんだろ?バカな君のことだ!どうせ皆だけでなく、朔田も助けに行くと言うに決まってる!」

 

弦太朗「おう!ダチは全部救う!」

 

賢吾「それでいい。助けに行こう!」

 

彼方「うん。」

 

弦太朗「おう!」

 

弦太朗、賢吾、彼方「「「新しい力で!」」」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

タチバナさんに皆の居場所を教えてもらった僕達は直ぐに向かった。

 

現地に着くと編入生くんが膝をつきそうなところだった。

慌ててリーゼントくんが駆け寄り支える。

リーゼントくんの姿を見た皆は驚いていた。

 

さてさて、僕もいっちょ暴れますかね~。

 

彼方「特別に全員呼ぶとしようかな~。」

 

賢吾「君の力、見せてくれ。」

 

彼方「ハハッ!驚きすぎて顎外れないようにね~。」

 

僕はそう言ってリーゼントくん達の前に立つ。

 

彼方「皆~...下がってな。」

 

僕はそう言うと固有結界を展開する。

すると周りが一瞬で炎に包まれた世界に変化する。

 

アリエス「なんだ!?ここは!?」

 

彼方「ようこそ僕の世界へ。ここは僕の思い通りになる世界。いわば...この世界では僕が王だ。」

 

アリエス「何!?王は余である!余一人だけで充分だ!」

 

するとアリエスがこっちにダスタードを差し向けてくる。

だがそんな雑兵を仕向けたところで無意味だ。

 

ダスタード達は突然ビームによって行く手を阻まれる。

その後、一人の獣によって蹂躙される。

 

僕の隣に現れたのはバーゲストとメリュジーヌだ。

二人とも厄災としての姿で来ている。

二人は僕と特訓して厄災の姿のままでも理性を保っていられることが出来るようになった。

 

彼方「ありがとう二人とも。」

 

僕は二人の身体を撫でてあげる。

二人とも嬉しそうにする。

 

アリエスの方を見ると放心状態だった。

まあ一瞬でやられたらそうなるか。

やっぱ傲慢なだけで王の器なんて無かったみたいだね~。

 

僕は結界を解除する。

すると元の場所に戻る。

 

彼方「さてさて。僕は道を切り開いた。ここからは主役のご登場だよ。」

 

僕はそう言うとちょっと芝居がかった感じで後ろに下がる。

そして僕の後ろからリーゼントくんが歩いてくる。

 

弦太朗「今目を覚まさしてやるぜ、山田!」

 

アリエス「このアリエスの力を忘れたか?」

 

賢吾「残念だが君の力はもう如月には効かん!」

 

弦太朗「今から俺の身体は、ちょー強くなる!」

 

リーゼントくんはそう言うとドライバーを装着して空いてるスロットにコズミックスイッチを装填する。

そして変身した。

 

アリエスが攻撃し爆発が起こる中変身を果たしたフォーゼ。

フォーゼはコズミックスイッチのカバーを展開してボタンを押す。

 

『Cosmic! ON』

 

歌星がパソコンを開くと中に収納されていたスイッチが一斉にフォーゼの下に行く。

フードロイド達も集まってそれぞれのスイッチがフォーゼに。

 

スイッチはフォーゼに吸収され、壮大な音楽と共にフォーゼが変化する。

全体的にロケットの様なデザインになり、青のベースに黒の挿し色。

右手にはロケットを模した剣が握られている。

 

その身から溢れてくるコズミックエナジーの量に驚く。

最強最後の力とはまさしくこれのことだと思う。

 

フォーゼ「宇宙ーーーーーーーキターーーーーーー!!!!!」

 

フォーゼは溜めに溜めていつものセリフを言う。

アリエスはそんなことを気にせず攻撃するが。。。

アリエスの攻撃がフォーゼに届く前にバリアの様なもので阻まれる。

 

コズミックステイツにはアストロスイッチ全ての力が備わっている。

アリエス程度の攻撃だと傷一つ付かないだろうな。

 

フォーゼは剣を構え、ロケットの様なカバーを展開し刀身を露わにする。

そして剣にロケットスイッチを装填してオンにする。

更に胸のパネルにあるエレキのアイコンをタッチする。

 

フォーゼは背中のスラスターと剣からジェットを噴射させながらアリエスに向かう。

剣にはエレキの力も纏っていて刀身から電気が走っている。

一撃が必殺級の攻撃を二度食らわされてアリエスに大ダメージが入る。

 

次にフォーゼはランチャーを装着してフリーズの力を与える。

発射されたミサイルが着弾すると爆発が起きるはずが、爆発の様な氷が現れる。

その氷はアリエスを簡単に凍らせる程のもの。

 

そしてファイヤースイッチを出してロケットと交換で剣に装填する。

ファイヤーの力を纏った剣を何撃も振り下ろす。

一撃で凍結したアリエスを溶かし、アリエスにダメージを与えていく。

 

アリエスは感情が昂って無意識のうちに『超新星』を発動させる。

マントが短くなり、角が大きくなる。

 

アリエスは角から電撃を無差別に放電する。

その中のいくつかがライダー部の方に向かっていく。

フォーゼが止めようとするも間に合わない。

 

僕はスイッチを押して変身する。

そしてライダー部の前に結界を展開する。

 

オピュクス「オレの仲間に手ェ出してんじゃねえぞ、王様気取り。」

 

オレの姿を見たライダー部のメンツは驚いている。

 

ユウキ「彼方くんが...オピュクスだったなんて。。。」

 

隼「そんな、彼方が。。。」

 

JK「ウソでしょ。。。」

 

美羽「こうなるのね。。。」

 

友子「先輩。。。」

 

だがオレはそんなことを気にする必要はない。

オレは杖を槍に変えてアリエスの角にめがけて投擲する。

 

槍は見事に当たり角を折ってやった。

アリエスはそのことに動揺している。

今がチャンスだな。

 

オピュクス「トドメを刺せ!フォーゼ!」

 

フォーゼ「おう!」

 

フォーゼはそう言うと刀身を一回カバーで覆う。

そしてコズミックスイッチを剣に挿す。

 

『~♪ ~♪ ~♪ LIMIT BREAK』

 

フォーゼ「皆の絆で宇宙を掴む!」

 

するとアリエスの後ろに白いワープゲートが展開される。

そしてフォーゼはスラスターからジェットを最大限に噴射させてアリエスに向かっていく。

アリエスの攻撃を避けながらフォーゼは突っ込んでいき、アリエスごとワープゲートを通っていく。

 

オレは瞳を使って宙を見上げる。

すると小規模なコズミックエナジーの爆発が起きて、アリエスの反応が消えた。

無事アリエスを倒したようだな。

 

オレは確認すると変身を解除する。

そしてライダー部の皆の方を向くと。。。

 

皆笑いかけてくれた。

 

やっぱり持つべきものは信頼できる仲間...かな?

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ーラビットハッチー

 

あの後編入生くんは二郎君の所に行き、無事回復したそうだ。

アリエスによって一時的に意識を取り戻したが、親友の様子に苦しんで自ら回復を拒んだそう。

だけど無事に僕らと和解した彼は二郎君に語り掛け、なんとか意識が回復したそうだ。

 

それと変わって山田は叔父さん達の手によって病院送りに。

今までの行いに対しての皮肉か、彼は眠りっぱなしに。。。

 

そしてタチバナさんからも正式に協力関係になるといったメッセージが送られたそう。

その際にゾディアーツ達に対しての秘密保持の為、これからもメテオの正体は隠したいそう。

まあもしメテオの正体がバレたら、最悪は二郎君が人質になりかねないからね。

 

こうして無事に今回の事件は終わった。

あ、ちなみに僕のことを皆に伝えた時は終始驚きっぱなしだった。

まあ美羽と友ちゃんは知ってたから全然驚いていなかったけど。

 

それにフォリアの正体も皆に話すとこれまたびっくり。

なんなら一番驚いていた。

まあこれに関してはリーゼントくんも歌星も知らなかったことだからね~。

おかげで皆から質問攻めにあった。

 

とそこにドアが開いて。。。

 

大杉「え、何々何々?今秘密とか言わなかったか?」

 

一番秘密を伝えてはいけない人がやって来た。

失礼かもだけどライダー部の中で一番秘密を守れそうにないからね~。

 

皆は慌てて隠そうとする。

それに感づいた大杉が皆を追いかけまわしてる。

 

ハハッ!やっぱライダー部は面白いな~。

 

 

 

 

to be continued...

 




内容薄くてごめんね。


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古・都・騒・乱

明日でフォーゼ10周年ですね。
おめでとうございます!!!


ー彼方sideー

 

アリエス事件から数日。

 

僕達の学年は遂に修学旅行に行く時期になって来た。

例年ならNASAへの見学旅行なんだけど。。。

 

大杉「今年は京都へゴーだ!!!」

 

皆「「「「「ええっ!?」」」」」

 

ユウキ「あれ?NASAへの見学旅行じゃなかったんですか?」

 

大杉「俺に聞くな!校長の方針だ!」

 

そう。今年は行き先を変更して京都に行くことに。

と言ってもこれには理由がある。

 

叔父さんが遂に京都上空にあるザ・ホールを消滅させに行くのだ。

その為に修学旅行という形で京都に行き、ザ・ホールを安定させている石碑を壊すという計画だ。

まあ叔父さん自らが行くつもりらしいけど、流石に一人でやるのは大変だから修学旅行に同行する速水に任せるんだろうけど。。。

 

ということで修学旅行で行動する班に分かれて行き先を挙げているんだけど。。。

なんか一人多くない?

 

弦ちゃんが点呼したら案の定一人多いし。。。

あ、僕が弦ちゃん呼びしてるのは、アリエス事件の後に皆とちゃんと向き合うために改めて呼び名を変えてみた。

それでリーゼントくんから城島も呼んでる弦ちゃん。

編入生くんからは鬼島が呼んでいた流ちゃんと呼ぶことにした。

まあその時に流ちゃんはちょっと苦笑いしてたけど。。。

 

話を戻して、僕達の班にやって来たのは高村優希奈。

大杉せんせーが言うにはどうしても入りたいと言ってきたから入れたらしい。

 

それに対してユウちゃんが机の下で猛反論。

もし京都でゾディアーツと出くわしたらどうするのだと。

だが大杉は流石に修学旅行にまで来ないだろと言う。

 

いや、普通はそうなんだけど。。。

今回は残念ながらゾディアーツも同行します。

しかもホロスコープスの中で一番厄介そうな人が。。。

 

一方件の人物、高村は弦ちゃんみたいな青春謳歌しようみたいなことを言う。

それに共感した弦ちゃんがいつものヤツをやろうとしたのだが、それを跳ね除ける。

 

高村「アタシ、そーゆーのじゃない~。」

 

アレ?ひょっとしてこの子...弦ちゃんLOVE?

でも弦ちゃんにはSOLUもとい撫子ちゃんが居たはずだけど。。。

これはひょっとして三角関係になるかも~?

 

フォリア「そんな下世話なことは考えないで。」

 

彼方「なんで考えてることがバレて...あ、君はそういう人でしたよね。。。」

 

フォリア「私がヤバい人みたいに言わないでください。貴方よりはマシです。」

 

いや貴方も充分ヤバい人だからね?

何なら僕と会う前はサイコパスなことやりまくってたじゃないですか~。

 

フォリア「家に帰ったら覚えておいてくださいね?」

 

とめっちゃ良い笑顔で言われた。。。

あ、これヤバいやつ。。。

 

ホントこの修学旅行どうなっちゃうんだろうね~。。。

...その前に今日どうなっちゃうんだろう、僕。。。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

やって来たよ、京都!!!

 

 

いや~新幹線の中は楽しかったな~。

ちょうど席がライダー部組で固まったから良かった。

おかげで皆に忠告することも出来た。。。

 

...

 

..

 

 

 

彼方『今回の修学旅行には間違いなくゾディアーツが現れる。』

 

四人『『『『えっ!?』』』』

 

彼方『賢吾くんは知ってるだろ?京都上空にあるもの。』

 

賢吾『...ザ・ホールのことか?』

 

弦太朗『ザ・ホール?なんだそりゃ?』

 

彼方『簡単に言ったら宇宙からコズミックエナジーが降ってくる場所ってとこかな。』

 

賢吾『ザ・ホールは現在、天高と京都の二か所の上空にある。それがどうした?』

 

彼方『奴らの狙いは京都上空にあるザ・ホールの消滅。』

 

弦太朗『なんでそのザ・ホールってヤツを消滅させようとするんだ?』

 

彼方『コズミックエナジーが出てくる場所が二つあるとその量も二等分されてしまう。そこで京都にあるのを消滅させて天高の上空にあるモノだけにしようとしてるんだよ。そうしたら量も今の量から倍になるしね。奴らの狙いはそこだよ。』

 

流星『もしかして降ってくるコズミックエナジーの量を多くしてゾディアーツの覚醒を促そうとしてるのか?』

 

彼方『そういうこと。そうなればどうなるかはわかるよね?』

 

賢吾『今まで以上のペースでホロスコープスが誕生する。最悪の場合は...十二使徒が揃ってしまうかもしれない。』

 

ユウキ『で、でも、私達がやっつけた幹部も居るよね?』

 

彼方『スイッチャーはやっつけてもスイッチは回収されてるよ。それにホロスコープスの中には複数のゾディアーツに変身できる人も居るしね。』

 

弦太朗『じゃあソイツがもし今までの幹部達のスイッチを使ったらどうなるんだ?』

 

彼方『...おそらく今までのが比じゃない強さになるよ。それほどあの人はヤバい。正直言って化け物レベルだよ。』

 

ユウキ『彼方くんでも勝てないの?』

 

彼方『さあ?最近は手合わせしてないから分からないけど、『超新星』に目覚める前の僕だったら負け越してるね。』

 

弦太朗『『超新星』に目覚める前ってそれでも強かったじゃねえか。。。』

 

賢吾『ということはおそらくホロスコープスの中でも一番の強さだろうな。』

 

彼方『そして今回の旅行にはその人が出る可能性がある。』

 

四人『『『『えっ!?』』』』

 

弦太朗『じゃあ俺達もしかしたら。。。』

 

彼方『あまりネガティブなことは言いたくないけど。。。』

 

フォリア『十中八九負けるでしょうね。』

 

賢吾『...とにかく今は京都にある石碑だ。もしソイツが来ても何とかして守らなければならない。』

 

ユウキ『うん!そうだね!』

 

弦太朗『おう!俺達で絶対守るぞ!』

 

皆『『『『『『おー!!!』』』』』』

 

ユウキ『そう言えばその凄い人の星座って?』

 

彼方『あの人の星座は。。。』

 

...

 

..

 

 

 

取り敢えず皆も警戒したから大丈夫だろうけど。。。

そう思ってると賢吾くんが一人で何処かに向かう。

どうやら誰かと会う約束をしていたみたいだ。

 

それを見た大杉せんせーが何か言ってたけど、いつもの学生時代の寂しい記憶だろうからそっとしておく。

すると高村が弦ちゃんを連れて先に行く。

ユウちゃんも慌てて追いかけて行く。

 

僕とフォリアと流ちゃんは何とも言えない感じで居た。

まあ追いかけるんだけどね。。。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

僕達は今伏見稲荷の千本鳥居を歩いている。

鳥居がずらりと並んでいて神秘的な感じがする。

 

それにしても道中大変だったな~。。。

 

高村が独自に作成したしおりを配られたと思ったらユウちゃんがオリジナルの歌の歌詞本を取り出したり。

ユウちゃんのあの本、ちょっとした問題集ぐらいあったけどそんなに歌思いつくんだね。。。

 

それに高村が弦ちゃんに好きな人が居ないか聞いたり。。。

弦ちゃんは居ないって言ってたけど、じゃあ撫子ちゃんは!?

まさか君がそんな男だとは思ってなかったよ!

え?撫子は別だって?

...ふーん、なんかつまんないな~。

 

フォリア「なに考えてるんですか。貴方最近ふざけ度が増してるんじゃないですか?」

 

彼方「そうかな~?なんか皆に正体ばらしたし別にいいかな~って思ってるからかな~。」

 

フォリア「だからといってそんなことばかり考えてて、ゾディアーツが来たらどうするんですか。」

 

彼方「その時はシャキッと切り替えるよ。」

 

それに現実逃避ぐらいしたくなるって~。

現に今も目の前で高村の進撃と流ちゃんの徹底防御のやり合いを見てたらなんか...ね...?

 

流ちゃんは弦ちゃんに対して恩返ししてるだけって言ってるけど、正直言ってその言い方は腐女子歓喜だよ?

狙われちゃうよ?そこに僕を巻き込まないでね?巻き込むなら賢吾くんで頼むね?いやほんとに!?

 

すると高村が二つに別れている鳥居を発見。

自分と弦ちゃんを二人きりにして後は別の鳥居に行けとか言ってる。

いやそんなに見え見えだと逆に嫌われちゃうよ?

 

そう思ってると高村が居る鳥居とは反対の方から天秤野郎がやって来る。

まさかここで襲撃してくるとは思わなかった。。。

 

ユウキ「ええ!?ほんとにゾディアーツが来たなんてえええ!?」

 

彼方「ここは僕とユウちゃんとフォリアで彼女を連れて逃げるから、二人はアイツを頼んだよ。」

 

フォリア「私達は今回は大きく動けませんからね。。。」

 

弦太朗「ああ、分かってる!優希奈を頼んだぞ!」

 

彼方「任せんしゃい。」

 

僕はそう言うと二人を連れて高村を奥に連れ込む。

その際に散々文句を言ってきたが、そこは君を戦いに巻き込まないようにしたんだから許してほしい。

 

ある程度奥に進み御社があるところまで来た。

すると高村が弦ちゃんの前でとは全然違う態度でユウちゃんに高村は脅しをする。

どうやら高村と弦ちゃんの恋のキューピッドになって欲しいみたいだ。

それを聞いてなんで私がというような反応をしてるユウちゃんに高村は。。。

 

高村「断った時は...アンタの可愛いはやぶさくんがどうなっても知らないわよー。」

 

と言ってはやぶさくんを人質に取って脅す。

それに慌てるユウちゃん。

なんか流石に可哀そうだと思い助け船を出す。

 

彼方「なら僕達も協力するよ~。だからはやぶさくんは返してあげなよ。」

 

高村「そんなこと言ってしないんでしょ!」

 

彼方「いやいやちゃんとするよ?それにユウちゃんが好きなのは弦ちゃんじゃなくて賢吾くんの方だからさ。」

 

ユウキ「ちょ、ちょ、彼方くん!?何言ってるの!?私別に賢吾くんのことは...!」

 

彼方「ね?あの慌てよう。どう見たって意識してる人の反応でしょ?だからはやぶさくんを返してあげても何も問題はないんだよ?」

 

高村「...なら仕方ないわね。ほら。」

 

そう言って高村ははやぶさくんをユウちゃんに投げつける。

慌てながらも何とかキャッチしたユウちゃん。

ごめんね~。高村を納得させるにはこれしかなかったんだよ~。

 

フォリア『詐欺師が。。。』

 

彼方『その詐欺師に惚れたのはどこの地球外生命体だ?』

 

フォリア『...もう。』

 

可愛い反応ありがとうございまーす!

 

そんなことで何とか高村を納得させた僕達。

そして高村が弦ちゃんを探して突っ走っていく。

何とか追いついた僕達は弦ちゃんを見つける。

 

高村は弦ちゃんに次の目的地を言うがそこに流ちゃんが待ったをかける。

天秤野郎が出たこともあって二人は用事があって別行動を取りたいと言う。

だがそれを高村は一蹴。

そのまま弦ちゃんを連れて走っていく。

 

暴走気味な高村を追いかけていくユウちゃんとフォリア。

僕達も仕方ないと思い追いかけようとするが、ふと目に入ったものが。

何かと思い近づいてみると何かの石碑のような。。。

って石碑!?

 

流星「彼方。。。これはまずいんじゃ。。。」

 

彼方「ヤバい。既に一つやられたね。。。」

 

流星「でもこんな所に石碑なんてあったか?」

 

彼方「多分何かしらの反動で現れたんだと思う。」

 

マジかと思い空を見上げてみると京都タワーの上空辺りに穴が。。。

まさか...ザ・ホールなのか...?

 

彼方「流ちゃん...アレ。。。」

 

流星「ん?...なっ!?アレがザ・ホールなのか!?でも来た時にはなかったぞ!?」

 

彼方「さっきの戦闘でおかしなことはなかった?」

 

流星「おかしなこと。。。そう言えば、さっきリブラにリミットブレイクを放った時に光の柱が出て来た。」

 

彼方「もしかして高出力のコズミックエナジーに反応したのかもしれない。。。」

 

流星「...だからリブラが本気を出してこいと言ってきたのか。」

 

彼方「すっかり敵の罠に嵌ったってところだね。。。」

 

流星「取り敢えず残りの石碑も探すぞ。」

 

彼方「うん。」

 

もしかしたらこれから行く場所にも石碑があるかもしれない。

その時は僕達が何としても止めないと。。。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

無事映画村にやって来た僕達。

それぞれ別れてコスプレをやってみることに。

 

そうして衣装屋から出て来た僕達。

皆の選んだ衣装は。。。

 

弦太朗「宮本武蔵!」

 

流星「沖田総司。」

 

彼方「坂本龍馬~。」

 

フォリア「おりょうです。」

 

高村「舞子どす。」

 

ユウキ「へいらっしゃーい!鯛は活きが良いよ!」

 

高村以外四人「「「「えっ?」」」」

 

何故かユウちゃんが魚屋の格好をしていた。

しかもちょんまげの。。。

 

フォリア「高村さんに脅されてたのですよ。。。」

 

あ、ご愁傷さま。。。

何か可哀そうだから高村が見てない隙に着替えさせてあげよ。。。

ホント...ユウちゃん今回の旅行不遇過ぎだよ。。。

 

そしてユウちゃんが棒読みチックに提案を出す。

男女のペアに別れて行動しようと言うのだ。

ということで弦ちゃんと高村、流ちゃんとフォリア。

そして僕とユウちゃんのペアになった。

 

何故かユウちゃんとペアになったんだけど。。。

高村が言うには協力すると言ったからにはちゃんとやれということらしい。

ということで僕達は取り敢えず一旦映画村の中を探索することに。

 

ユウキ「ごめんね?彼方くん。私の所為で修学旅行こんなになっちゃって。。。」

 

彼方「全然気にしないで。僕も流石にユウちゃんが可哀そうと思ったからね。今ぐらいは楽しみなよ。」

 

ユウキ「彼方くん。。。ありがとね!」

 

彼方「じゃ早速!まずはお着換えから行きましょか!」

 

ユウキ「え?えぇぇぇぇぇ!?」

 

僕はユウちゃんをさっきの衣装屋まで連れて行く。

そしてスタッフさんに城島に似合いそうな衣装を頼んだ。

 

そうして待つこと数分。。。

ユウちゃんの声が聞こえて見てみると、さっきとは別人の様な姿だった。

ユウちゃんはさっきぼそっと零していたお姫様の衣装を纏っている。

 

ユウキ「ど、どうかな~?」

 

彼方「うん、似合ってるじゃん。さっきとは違い過ぎて一瞬誰かと思っちゃったよ~。」

 

ユウキ「それってさっきの姿も似合ってたってこと?」

 

彼方「あ~そうとも言うかな~?」

 

ユウキ「も~!女の子にそんなこと言っちゃダメだよ!」

 

彼方「ごめんごめん。ま、それよりも今度こそ周ろっか?」

 

ユウキ「うん!」

 

そうして僕達は映画村を周っていく。

途中で江戸じゃなくて明治な感じのお茶屋さんで軽食を食べたりもした。

 

そうして楽しんでいると辺りが騒がしくなる。

前方からたくさんの人が逃げてくるけど...もしかして?

 

彼方「ユウちゃん。もしかしたらまた天秤野郎が出たかもしれない。」

 

ユウキ「もー、またー!?」

 

彼方「その格好じゃ走りにくいだろうから少し我慢してね。」

 

僕はそう言ってユウちゃんを抱きかかえる。

いきなりの行動に驚くユウちゃん。

 

ユウキ「え!?ちょっと、ええ!?なんで!?」

 

彼方「これしか思いつかなかったから!とにかく早く行くよ!」

 

ユウキ「う、うん!」

 

僕はユウちゃんを抱えて騒ぎの下に走る。

途中なんかヤジを飛ばしてくる人が居たけど余裕だね!?

貴方逃げてるんじゃないの!?

 

そう思いながらも騒ぎの下に着くと、コズミックステイツに変身したフォーゼがダスタード達と戦っていた。

あと後ろに御用改めしそうな衣装を着ている賢吾くんも。。。

 

彼方「弦ちゃん、一発踏みつけちゃいな!」

 

フォーゼ「おっし!やってやるか!」

 

そう言うとフォーゼはジャイアントフットを装着して、それにフリーズの力を纏わせる。

するとモジュールが凍り付く。

フォーゼは勢いよく足踏むと、空中につららがスパイクとなった足が現れダスタード達を一撃で倒す。

 

だがまだ奥からダスタード達が出てくる。

フォーゼは一気に片を着けようと、バリズンソードを展開しファイヤースイッチを装填する。

そして炎の剣となったソードを一振りして全員消滅させた。

 

ダスタード達を倒した僕達は天秤野郎を追う。

するとやはりそこには石碑があった。

 

フォーゼと合流してきたメテオは天秤野郎と対峙するが。。。

そこに重厚な音が聞こえてくる。

なんだと思い音のする方を見ると。。。

 

フォーゼ「新しいマント付きか。」

 

メテオ「何だ?この威圧感は。。。」

 

賢吾「アイツが我望が言っていた奴か。。。」

 

彼方「ああ。。。」

 

マントを脱ぎ捨て歩いてくるのはレオさんだった。。。

それにしても相変わらずあの圧にはビビッてしまう。。。

 

するとレオさんは口元に何かを溜め込み始める。

マズい!あれはヤバい。

 

そう思った僕は賢吾くんとユウちゃんの前に立って宝具を展開する。

 

彼方「『熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)』!」

 

黄金の七枚の花弁の盾が現れる。

するとレオさんが咆哮と共に口元に溜めていたエネルギーを放つ。

防御を取れなかったフォーゼとメテオは諸に食らい倒れてしまう。

 

一方僕達の方は何とか盾が防いだが、それでも二枚持っていかれた。。。

まあこの状態だから仕方ないんだろうけど、それにしても威力が高すぎる。

アレだって挨拶替わりみたいなもんだしね。。。

 

そこからレオさんは両腕に鋭い爪の様な手甲を装備し、二人に攻撃する。

フォーゼ達は応戦しようとするが片腕で弾かれもう片腕で攻撃されるといった一方的な戦いになってしまう。

 

経験の差が違い過ぎる故か、フォーゼ達はもはや蹂躙されてると言ってもいいぐらいのやられようだった。

そしてトドメと言わんばかりに咆哮をしてフォーゼ達を倒す。

 

すると今度はこっちに向かってきた。

流石に二人を巻き込むわけにはいかない。

 

僕はロー・アイアスを解除してアーチャーが使っていた夫婦剣『干将・莫邪』を投影する。

そしてレオさんと対峙する。

 

レオ「貴様と戦うのも久しいな。」

 

彼方「前とは違うってとこを見せてやりますよ。」

 

レオ「ふん!」

 

一言ずつ交わすとレオさんが斬りかかって来る。

僕はそれを受け流し、出来た隙に攻撃する。

だがレオさんも片腕で防ぎもう片方で攻撃してくる。

僕も何とかそれを受け流す形で防ぐ。

 

するとレオさんが咆哮をする準備をする。

僕は両腕を支えにして力づくで身体を持ち上げて口元に向かって蹴りを入れる。

すると溜めていたエネルギーが暴発して小規模な爆発が起きる。

 

至近距離で爆発を受けてしまって僕は大きく吹き飛ばされた。

壁にぶつかってなんとか止まれた僕はレオさんの方を見る。

がそこには誰も居なかった。。。

 

ユウキ「彼方くん!大丈夫!?」

 

するとユウちゃんがこっちに走ってくる。

僕は何とか身体を起こす。

だけどやっぱあのやり方はマズったかな~。。。

 

彼方「大丈夫だよ。痛み止めと回復薬は持ってるからそれを飲めば明日の朝には治ってるよ。。。」

 

ユウキ「良かった~。いきなり爆発したから心配したよ!」

 

彼方「ごめんごめん。」

 

すると変身を解除した二人もやってくる。

 

流星「だが尋常じゃない強さだぞ、しし座は。。。」

 

弦太朗「ああ。彼方に教えてもらってたが想像以上の強さだったな。。。」

 

すると賢吾くんが何かを見て走り出す。

僕も慌てて行こうとするが痛みで立ち上がれない。

ユウちゃんに支えてもらい何とか歩いて行くと先ほど見た石碑が壊されていた。

僕達が戦ってる間に天秤野郎がやったのか。。。

 

高村「弦太朗ーーーーー!!!」

 

すると高村が足を引きずりながらこっちにやって来る。

弦ちゃんは慌ててこっちを見る。

 

彼方「ごめんだけど僕怪我人だからどうにもできないわ。」

 

弦太朗「そ、そんな~。。。」

 

すると高村が怪我をしたからおぶって嵐山に連れて行ってと言う。

流石にそれはマズく、流ちゃんが止めようとしたが一蹴。

 

結局なし崩し的な感じで弦ちゃんは高村をおぶって嵐山に向かっていった。

それを見て流ちゃんが彼女も強敵だと言った。

確かに。。。ほんと強敵だわ。。。

 

それにしてもフォリアどこにいるんだろ?

 

...

 

..

 

 

 

フォリア「ここはどこですかーーーーーー!?」

 

と一人忍者屋敷で叫ぶフォリアだった。。。

 

 

 

 

to be continued...

 




アンケで10周年記念話の投稿を受け付けています。

一応書いていますがネタが定まらない。。。
まあ頑張って書いてみます。


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天・穴・攻・防

ー彼方sideー

 

宿に帰った僕達は取り敢えず作戦会議をする。

まあユウちゃんとフォリアには高村の対応をしてもらっている。

部屋は別れていると言ってもいつ進撃してくるか分からないからね~。

 

弦ちゃんはと言うとあの後嵐山に行ってなんと人力車まで引かされたらしい。

正直言ってこれは一種の虐めじゃねってぐらいのスパルタだ。

 

取り敢えず僕達は残りの石碑について話し合う。

 

彼方「取り敢えず今の段階で壊された石碑は二つ。後は...何個だっけ?」

 

賢吾「二つだ。千年前、この都の人間はザ・ホールを青龍、白虎、朱雀、玄武。『四神相応』という四つのパワーポイントで制御した。都の東西南北の四か所に〇、×、△、□の石碑を置いて。」

 

弦太朗「おぉ!フォーゼと同じだ!」

 

賢吾「そうだ。父さんは石碑の形を、フォーゼのスイッチデザインに取り入れたんだ。」

 

弦太朗「へぇ~。」

 

彼方「てことは残り二つ...リブラ達が破壊した石碑は伏見稲荷と映画村の。だとすると残りの二つは...」

 

流星「□が北。△が東だな。」

 

賢吾「石碑が破壊されれば、ザ・ホールは消滅する。」

 

彼方「そして天高にコズミックエナジーを集中させる。」

 

流星「それが奴らの狙いか。」

 

弦太朗「そんなことさせてたまるか!残りの△と□は絶対守る!」

 

取り敢えず僕達は二つのグループに別れて行動することになった...

 

...

 

..

 

 

 

朝、僕達は高村に悟られないようにこっそりと宿を出る。

女子達には僕がフォリアにパスで伝えたから高村に見られるなどということはない...はず...

正直言って彼女の行動力は僕らの想像を超えるものだから何が起こってもおかしくないと思う。

 

弦太朗「なんか...優希奈だけ置いてきぼりも可哀そうな気がするけどな...

 

流星「リブラ達の先回りをするんだ。彼女は危険には巻き込めないよ。

 

ユウキ「うん...って、雨だよーーmぐっ!?」

 

彼方「バカ!何やってんの!?高村にバレちゃうでしょうが!?

 

僕は大声を出したユウちゃんの口を慌てて抑える。

女の子にこんなことしちゃいけないんだろうけど、流石にマズいと思って強制的に黙らせる。

 

皆もしーっとジェスチャーで伝える。

するとユウちゃんも気づいたのかごめんとジェスチャーで伝えてくる。

それを見て僕は手を離す。

 

ユウキ「ごめん...

 

彼方「とにかく早く行こっか。じゃあ僕達は北を。

 

賢吾「じゃあ俺達は東を。

 

そう言って賢吾くん達は行った。

僕と弦ちゃんとユウちゃんは北の方に向かおうとしたんだけど...

弦ちゃんが驚いた顔をしたかと思ったらいきなり顔に枕が飛んできた。

えっ!?と思って飛んできた方向を見ると...

 

高村「置いてきぼりは許さないから!今日は清水寺よ!」

 

あー...こりゃどうするべきかな~...

まあ、こっち優先してもいいよね?てかそうしないとダメだよ?

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

僕達は高村のしおりを無視して目的の石碑を探す。

それに不満の様な高村だが、今は聞く必要はない。

 

ふと高村が大文字焼きを指さす。

それを見た僕とユウちゃんが同時にあることを言い出す。

 

彼方、ユウキ「「大文字...?キラーン。」」

 

彼方「ってユウちゃんも思った?」

 

ユウキ「うん。彼方くんも思っちゃったんだね。」

 

彼方「そりゃうちで大文字と言ったらね~...」

 

隼しか居ないよね~。

あ~、今頃ラビットハッチでくつろいでるんだろうな~。

いいな~。この修学旅行の間は学校平和なんだから。

 

彼方「ほんと修学旅行の間だけ学校が平和って皮肉だよな~...」

 

ユウキ「ま、まあ私達がちゃんと石碑を守ったらもっと平和になるんだから頑張ろうよ!」

 

彼方「ユウちゃん...君は素直だね~。」

 

そう言って思わず頭を撫でてしまう。

だってこんな純粋な子を見るとついつい子供をあやすようにしてしまうよ。

 

ユウキ「えっ、えっ!?いきなりどうしたの!?」

 

彼方「...なんか子供ぽかったからつい。」

 

ユウキ「もう!私は子供じゃないよ!もう立派な高校生だよ!」

 

彼方「うんうん、そうだね~。」

 

何か怒ってる姿が可愛い。

某ファミレス店員のちっちゃくないよ!が口癖の先輩みたいだ...

 

僕達がそんなことをしてるといつの間にか弦ちゃんがフォーゼに変身していた。

いや、なんで?

 

どうやら高村にこれ以上隠すことはできないと思ったらしい。

だがそこで思わぬ答えが返ってくる。

 

高村「知ってるよ。」

 

フォーゼ「え?えええええ!?」

 

フォーゼは驚きのあまり川に落ちてしまう。

それより知ってるってどゆこと?

 

彼方「知ってるって?」

 

高村「弦太朗のことずっと見てたから!変身して、怪物と戦ってたことも知ってたよ!」

 

まさか見られてたとは...

まあ確かに人の目につく所で変身はしてたけど、まさかこんな近くに居るとは...

 

高村は修学旅行ぐらい仮面ライダーを辞めて普通の高校生になろうと言う。

修学旅行も楽しめないなんて可哀そうだと...

 

だがこれが弦ちゃんにとっての普通。

高校生でありながら仮面ライダー。

二つの道を行くのが弦ちゃんの普通。

 

だが高村にはそれが理解できないのか、変身を解除した弦ちゃんの手からドライバーを強奪。

そのまま逃げていく。

 

僕は慌てて追いかけようとしたがユウちゃんも慌てて追いかけようとしたため足が縺れ合ってこけてしまう。

弦ちゃんだけが無事だったから先に追いかけさせる。

 

ユウキ「ご、ごめん!彼方くん!また私やっちゃって...」

 

彼方「別に大丈夫だよ。それよりも濡れてたら風邪ひいちゃうよ?」

 

僕はそう言って虚空から替えのブレザーを取りだす。

といっても僕使用だから白衣みたいになってるけど...

 

彼方「取り敢えず早くこれに着替えなよ。ちょっとはマシになるよ。」

 

ユウキ「で、でも...」

 

彼方「いいからいいから~。」

 

僕はユウちゃんから強引にブレザーを脱がせて、代わりに替えのやつを着せる。

その後に独学で学んだルーン魔術を使ってブレザーにヒーターみたいな処置を施す。

 

ユウキ「わわっ!?いきなり暖かくなってきたー!?」

 

彼方「ちょっとした魔術だよ。それよりも早く行こ!もしかしたら高村が行った先に石碑があるかもだから!」

 

ユウキ「う、うん!」

 

僕達は万が一のことが無いように急ぐ。

 

...

 

..

 

 

 

僕達が追いつくと弦ちゃんが生身で天秤野郎と戦っていた。

まだフォーゼドライバーは高村が持ってるのか...!?

 

僕は高村の下に駆け寄る。

 

彼方「高村!早くドライバーを弦ちゃんに!」

 

高村「嫌だよ!なんでよ!弦太朗が戦わなくてもいいじゃん!なんでいつも弦太朗が戦わなくちゃいけないのよ!」

 

彼方「...それが弦ちゃんの普通だからだよ。」

 

高村「えっ...」

 

彼方「弦ちゃんはフォーゼじゃなくても戦う。大切なダチを助ける為ならどんな相手でも立ち向かう。...だからこそフォーゼに相応しいんだよ、彼は。」

 

ユウキ「優希奈ちゃん...弦ちゃんを信じてあげて...」

 

高村「...」

 

すると高村が突然立って、リブラを押しのけながら弦ちゃんの下に行く。

そしてドライバーを腰に装着させる。

 

高村「一つだけ約束して!この戦いが終わったら、一緒に写真を撮って!とびっきりの笑顔で!」

 

弦太朗「ああ!任せとけ!」

 

そう言って弦ちゃんと高村は友情の証を交わす。

どうやら振り切れたようだね~。

 

弦ちゃんは高村を後ろに下がらせて、フォーゼに変身する。

そして天秤野郎と交戦する。

 

僕はその間に石碑に結界を展開しておく。

何かの拍子で壊れても嫌だしね。

 

彼方「これで大丈夫なはず...弦ちゃん!思いっきりやっちゃいな!」

 

フォーゼ「おう!」

 

フォーゼはそう答えるとコズミックステイツに変身する。

フォーゼはバリズンソードで天秤野郎をどんどん斬りつけていく。

流石にコズミックとなったフォーゼ相手に手も足も出せない天秤野郎。

 

フォーゼはトドメを決める為にバリズンソードのカバーを戻し、コズミックスイッチを装填する。

 

『~♪ ~♪ ~♪ LIMIT BREAK』

 

天秤野郎の後ろにワープゲートが開き、フォーゼは天秤野郎に突っ込んでワープゲートに入っていく。

その際に最後の足掻きかの様に天秤野郎がディケを投げて来たが当然結界を張っているから石碑には当たらず。

僕とユウちゃんは思わずセーフとハモった。

 

これならもう石碑は壊されることはないだろうと思い、結界を解除する。

そして宙を瞳で視ると、天秤野郎の反応が消えたことが分かった。

だけどその消え方がおかしかった...

いつもの爆発的にエナジーが放出され消えるのではなく、瞬間的に消え去った...

もしかしたらヴァルゴさんが回収したのかもしれない...

 

そう考えてるといきなりディケから電撃が走る。

まさか!?

僕は咄嗟に二人の前に立って『ロー・アイアス』を展開する。

 

すると思ってた通り、ディケから電気が石碑に渡りそして爆裂した。

自爆的な爆裂の仕方だったから破片がこっちに飛んでくる。

だがその全てを盾で防いだ。

幸いただの爆発した時に放出されただけだから盾は一枚も割れることはなかった。

 

僕は『ロー・アイアス』を解除して二人の安否を確認する。

 

彼方「二人とも大丈夫?」

 

ユウキ「う、うん。でも...石碑が...」

 

高村「私も大丈夫だけど...」

 

彼方「二人が大丈夫なら良かった。石碑に関しては...っ!?」

 

僕は咄嗟に空を見上げる。

それに釣られて二人も見上げる。

 

京都タワー上空に存在していたザ・ホールが消え去ったのだ...

まさかあれが最後の一個だったなんて...

 

ユウキ「ね、ねえ!あれってもしかして...」

 

彼方「ああ...ザ・ホールが消失した。これでコズミックエナジーは天高に一極化されたよ...」

 

ユウキ「それってかなりマズいんじゃ...」

 

彼方「...これからはもっと厳しい戦いが待ってるだろうね...ホロスコープスが連続で覚醒するぞ...!」

 

叔父さんの計画は見事成功。

だが、それを僕達は喜べない。

何せホロスコープスが全員揃うととんでもないことが起こるんだから...

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

修学旅行から帰って来た僕達。

 

ラビットハッチにて居残り組の皆にお土産を渡していた。

皆それぞれ気に入った物を取っていく。

 

とそこでユウちゃんがある物を取り出す。

 

隼「宇宙?なんだこれ?」

 

友子「京都なのに...」

 

ユウキ「うぅ、え...一生懸命探したんだよ~?」

 

美羽「わざわざそれ買ってきたの?」

 

ユウキ「うん...」

 

まさかの宇宙と大きく刺繍されたフラッグだった。

まあ京都には宇宙京都大学があるからね~...無関係とは言えないけども...

まさかそれをチョイスするとは思わなかった。

しかも皆へのお土産に。

 

ユウちゃん...流石にそれはフォローできないわ...

ドンマイ...

 

すると賢吾くんが一枚の写真を見せてくる。

それには弦ちゃんと高村が清水寺を背にとびっきりの笑顔で写っている。

どうやら例の約束の写真のようだ。

 

それを見て皆弦ちゃんの写真を回していく。

それを取り返そうと奮闘する弦ちゃん。

 

なんかライダー部らしいオチというかなんというか...

まあいつもの場所に戻って来たな~って感じがするね!

 

...

 

..

 

 

 

今日の活動も終わり帰ろうとしている僕。

今日はフォリアは美羽と一緒に遊びに行くみたいだ。

まあ二人にはダスタードを影に忍ばせてるから大丈夫だろうけど...

 

すると後ろからユウちゃんに声を掛けられる。

 

ユウキ「彼方く~ん!一緒に帰ろ!」

 

彼方「あれ?弦ちゃん達は?」

 

ユウキ「弦ちゃん達は今日は三人で遊びに行くんだって!彼方くんのことも誘いたかったみたいだけど先に帰ったから三人で行ったよ。」

 

彼方「そうだったんだ。電話で誘ってくれても良かったのに。」

 

ユウキ「まあ修学旅行明けで疲れてると思ったんじゃない?」

 

彼方「そうかな?気遣わなくてよかったのに~。それよりユウちゃんはなんで?」

 

ユウキ「何気に彼方くんと帰ることあんまりなかったからかな!」

 

彼方「あ~、そういえばそうだっけ?何か珍しいね~。」

 

ユウキ「そうだね!取り敢えず帰ろーよ!」

 

彼方「そうだね~。」

 

僕達は一緒に帰ることにした。

聞いたらユウちゃんの家と僕の家が徒歩5分圏内と思ったよりも近かった。

 

ユウキ「彼方くん...修学旅行の間ごめんね...?」

 

彼方「ん?いきなりどうしたの?特にユウちゃんに迷惑かけられた覚えはないけど...」

 

ユウキ「いや映画村でわざわざ私と一緒に周ったのもだし、二日目なんて私の所為で優希奈ちゃんにバレちゃったり、川に落ちちゃったり...」

 

あー、多分色々自分の所為で被害被ったと思ってるのかな~?

まあ確かに二日目のあれはユウちゃんが原因かもしれないけど、結果的には高村と弦ちゃんの仲は深まったんだしそこまで怒ったりとかはしてないんだけどな~。

 

彼方「別に全然気にしてないよ。むしろユウちゃんの方が災難だったと言うかさ、何かと楽しみにしてただろうけど全然行けなかっただろうからさ。」

 

ユウキ「ううん!私はそこまで気にしてないよ!それにちゃんと行きたかった所も行けたし!彼方くんのおかげで楽しめたよ!それよりも彼方くんの方が行きたい所行けなかったんじゃないの?」

 

彼方「いや~それが僕行きたい場所がなかったんだよね~。前に叔父さんに連れて行ってもらったりもしたことあるから粗方行ったことあるんだよね~...」

 

ユウキ「ええ!?そうなの!?流石理事長の甥っ子...良いな~...」

 

彼方「いやいいことなんてそんなにないんだよ?叔父さん事あるごとに宇宙の話するし、叔父さんの親友の人も言葉はアレだけど君みたいな宇宙バカだし。何時間もずっと宇宙の話を聞かされるんだよ?まあ僕も宇宙好きだから退屈じゃないけど、常に新しいことだらけだから学校の勉強より宇宙の勉強の方がしてるかもだしね~。」

 

ユウキ「羨ましいよ!ただでさえ理事長は世界で一番宇宙に近い男って呼ばれてる人なんだよ!?しかもその親友の人で宇宙バカって言われるぐらいならきっと凄いことを知ってるんだろうな~!私!そんな人達と話してみたいもん!」

 

彼方「そ、そう...?やっぱユウちゃんも充分宇宙バカだね。あの人に匹敵するぐらい...」

 

ユウキ「え、そうかな~//」

 

そこ照れるとこじゃない気がするんですけど?

やっぱり普通とは違うな...

 

彼方「それだけ宇宙が好きならそろそろ来る()()が楽しみなんじゃない?」

 

ユウキ「ふぇ?アレって?」

 

彼方「宇宙飛行士選抜試験。」

 

ユウキ「...あああああ!?!?」

 

うわっ!?

いきなり近くで大声出さないで!?

てかその反応ってもしかして忘れてたの!?

君一番忘れちゃダメな人じゃないの!?

 

ユウキ「ど、どうしよ~!そのことすっかり忘れてたよ~!?このままじゃ私、一次試験で落ちちゃうよ~...」

 

彼方「えっ!?もしかして...全く勉強してないの...?」

 

ユウキ「い、いや毎日勉強してるんだけど中々覚えれなくて...私全然頭良くないからいつも赤点ギリギリなんだよ...」

 

彼方「マジか...もしよかったらだけど、僕が教えよっか?」

 

ユウキ「え?」

 

彼方「いや、流石にこんなに宇宙目指してるのに夢に辿り着けないなんて流石に可哀そうだからさ...それに、ユウちゃんには宇宙に行ってほしいなって思ってるし。」

 

ユウキ「な、なんで?私よりも賢吾くんとかの方が相応しいよぉ...」

 

彼方「そんなことないと思うけどね~...それにどのことにも言えることだけど、相応しいからなったんじゃなくて自分の手で掴み取ったからなったんだと思うんだよね~。僕が今まであった中でユウちゃんが一番夢に向かって一直進なんだよ。そんなユウちゃんの夢が叶ったら皆嬉しいと思うよ。人の幸せは自分の幸せって言うような人達だしね~。」

 

ユウキ「...ありがとう!私頑張ってみるね!もちろん彼方くんにも受かってほしいけど、私だって負けないよ!」

 

彼方「お?今まで定期テストで勝てなかったのにいきなり勝とうって言うの?」

 

ユウキ「定期テストとはまた違うよ。宇宙に行く覚悟があるのかを試すんだから。私は誰よりもその覚悟があるよ!」

 

彼方「ハハッ!いつものユウちゃんらしくなったね。よーし!やるからには全力で行くよ。」

 

ユウキ「望むところだよ!」

 

彼方「じゃあ勝った方は何か奢るってことで!」

 

ユウキ「えぇ...なんでそんなしょぼいの...」

 

彼方「後腐れなくていいでしょ?」

 

ユウキ「フフッ。そうだね!じゃあ!早速明日から勉強教えてよ!」

 

彼方「おっけー。初っ端からハード目に行くよ~。」

 

ユウキ「わわっ...お、お手柔らかに~...」

 

彼方「おいおい...」

 

宣言していきなりハードルを下げるのはどうかな...

まあそのヘタレっぷりがユウちゃんらしいけどね。

 

それにしても宇宙飛行士選抜試験か~...

な~んか一波乱ありそうな気がするんだよね~。

まあライダー部に入ってからずっと騒動の中だったから多分あり得るんだろうけど...

 

ほんとユウちゃんには受かってほしいな~...

 

 

 

 

to be continued...




文字が余っちゃったからちょっとしたフラグを...
まあ...そゆことよ...


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怪・人・放・送

今回短いよ。


ー彼方sideー

 

修学旅行を終えて数日。

 

やはり京都のザ・ホールが消滅した影響からか、天高上空に降り注ぐコズミックエナジーの量が日に日に増している。

こうなると残りのホロスコープスも立て続けに覚醒するだろう.

そうなると叔父さんの計画もいよいよ終盤に...

 

そう考えながら昼飯を食べてるといきなり大きな声が聞こえる。

ふと見てみると女子生徒が男子生徒に向かって水をぶっかけていた。

それを見て周りから拍手が。

え?なんで?

 

フォリア「どうやらアレを実行したみたいですね...」

 

彼方「アレって?」

 

フォリア「最近流行っているネットラジオ『ミルキーナイトカーニバル』。そこで出たアドバイスを彼女が実行したのですよ。」

 

彼方「あ~最近フォリアがよく聴いてるやつ?あれってそんなに面白いの?」

 

フォリア「私は面白いと思いますけど?彼方は?」

 

彼方「な~んかそこまで響かないんだよね~。癖があるって言うか~ちょっとノリがキツイって言うか~。」

 

フォリア「フフッ、ふざけてる時の貴方のノリの方がキツイですけどね。」

 

彼方「ちょっと!?なんでそんなこと言っちゃうのかな!?」

 

ほんと最近フォリアからの当たりがキツイんですけど...

僕ほんと泣いちゃうよ!?いいんだね!?

 

フォリア「泣いたら私が慰めてあげるだけですよ。」

 

彼方「うん、泣かせた張本人に慰められても全然治まらないからね?分かって言ってるよね?」

 

ホントこのドSは...

 

それにしてもジーンってヤツの声どっかで聞いたことがあるような気がするんだけどな~...

な~んか身近で聞いたような...

ま、いっか。どうせ正体知ったところで別にどうでもいいし。

 

...

 

..

 

 

 

そう思ってた時期が僕にもありました...

でも今はその真逆ですわ。

なんでかって?

 

ユウキ「皆でバンドやろうよ~!イェーイ!」

 

ユウちゃんと友ちゃんがフォーゼのビートにコードを繋いでベースとギターを弾いているからだ。

ほんとあの~そんな大音量でやらないでくれます~?

てかユウちゃんはバンドやってる暇ないでしょ?

勉強はどうすんの?

 

そう思ってたら、真っ先に怒りそうな賢吾くんまで乗り気になってる...

いやいや君は皆を叱らなきゃダメでしょ?

フォリアもキーボードをやるって言ってノリノリだし...

ライダー部の活動に支障がなかったらいいんだけどね~...

 

すると弦ちゃんがジーンを探そうと言い出す。

いやいやそんな誰かも分からない人探せるわけないじゃん!?

 

そう思ってたらジーンが出没するであろう場所を友ちゃんが特定。

そのまま皆で行くことに...

なんで僕も?

 

そう思いながら楽器屋に到着する。

そして中に入るとギターの音色と誰かの歌声が。

どうやらジーンの歌声のようだ。

 

弦ちゃんが探すとそこにJKが現れる。

なんでここに居るのか聞くと、一瞬何か戸惑ったような表情をしてからいきなりこっちに叫びながら来る。

すると奥からゾディアーツが出て来た。

しかもマント付きの...

 

あの容姿からすると多分やぎ座、カプリコーンだと思う。

その手には歪な形のギターを持っている。

もしかしてアイツの武器はギターなのか?

 

そう考えてると変身した弦ちゃんが外に連れ出す。

僕達もそれを追って行く。

 

フォーゼと交戦したカプリコーンはギターを斧の様に使って攻撃する。

だが戦い方が素人同然の様な動きで簡単に避けられる。

すると今度はギターをかき鳴らす。

するとそこから音色が現れ、フォーゼを攻撃する。

まさか遠近どっちもいけるとはな...

 

とそこにメテオが現れる。

二人でカプリコーンを相手にするが、ギターが出される攻撃に苦戦する。

 

とそこでカプリコーンがギターのチューニングが出来てなかったのか、確かめる。

その隙を逃す前にフォーゼはコズミックステイツに変身して一気に決めるつもりだ。

 

カプリコーンはギターを鳴らして攻撃するも、チューニングが合ってないからか威力がそこまでない。

やはりアイツまだ力に目覚めたばかりだから慣れてないな。

 

だが怯んでるカプリコーンに攻撃しようとしたフォーゼにJKが邪魔をするかのように割り込んでくる。

ギターの所為で身体が勝手に動いたとか言っているが、そんな能力はないはずだ...

あったとしても覚醒したてのヤツに扱いきれるはずがない。

 

とそこでフォーゼに異変が。

急に全身に赤黒い電気が走り、複眼やパネルが点滅する。

一体何が...?

 

メテオが代わりにトドメを刺そうとするが、そこに天秤野郎がやってきてカプリコーンと共に消えていった。

どうやら逃がしたようだな...

 

弦太朗「賢吾。なんかまたコズミックスイッチの調子が変だぞ?」

 

賢吾「そのようだな。調べてみよう。」

 

そう言って賢吾くんと流ちゃんが帰っていった。

 

ユウキ「ん?それはそうと~、ジーン居なかったよね?」

 

友子「うん...でも、さっき聞いた歌はジーンにしては上手すぎたし...」

 

ユウちゃん達がそう話してるのを聞いてJKは何やら思いつめた表情をしていた...

ん?ジーン...JK...

あ~そういうことか...

 

だとしたらなんであそこにJKが居たかもわかる。

ということはJKは今悪魔の誘惑に悩まされてるってところか...

もしかしたらこれは火種になりそうな気がする...

 

それに気になることが...

カプリコーンがギターを弾いていた時に僕のスイッチが共鳴の様な反応をしていた...

もしかしたらカプリコーンはあらゆるスイッチと共鳴する力を持ってるかもしれない。

 

もしその力が今より強くなったら...

()()()()()()が見つかるかもしれない...

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ー数日後ー

 

僕とフォリアはラビットハッチに来ているんだが...

目の前の光景に戸惑っている。

何故かって?それは...

 

ユウキ「僕の名前ははやぶさくん!」

 

賢吾、友子「「はやぶさ!」」

 

三人が大音量で演奏しているからだ。

しかも何かに取り憑かれたかの様にひたすら演奏するだけ。

もうここ三十分ぐらいはずっと演奏している。

 

するとドアが開き美羽と隼がやって来た。

二人もこの惨状に驚く。

 

美羽「ちょっと!?これは一体何!?」

 

隼「なんで二人とも止めないんだ!?」

 

彼方「止めても聞かないんだよ!もう三十分前ぐらいからずっとこれだよ!」

 

美羽「えぇ!?それって大丈夫なの!?」

 

彼方「大丈夫じゃないよ!身体壊すかもしれないから止めようとしてるんだけどさっきから聞く耳持ってくれないんだよ!」

 

すると今度は残りのライダー部組もやって来る。

そして案の定皆耳を塞ぎ、驚いている。

 

すると流ちゃんが皆をラボの方に呼び寄せる。

ラボに入って何とか音が聞こえなくなった。

 

流星「実は気になる情報が。ここ数日、何人かの生徒達が尋常じゃなく興奮してるみたいなんだ...」

 

隼「つまり...こういう状態か?」

 

隼はそう言ってユウちゃん達の方を見る。

まあまさしくあんな感じだろうね...

それにしてもなんで...?

 

流ちゃんの話によると、中には熱狂しすぎて怪我した生徒もいるらしい。

そしてどうやらその全員が同じラジオ番組を聴いていたらしい。

ん?ラジオ?もしかして...

 

流星「ジーンとかいう覆面DJの番組だ。」

 

マジかよ...

JK一体何やらかしたんだ?

 

フォリア『そう言えば先日の番組はタイトルが変わってましたね...』

 

彼方『タイトルが?どんなのに?』

 

フォリア『確か...『ダークナイトカーニバル』と言ったはずです。』

 

ダークナイトカーニバルね~...

もしかしてカプリコーンのヤツとやったのか?

だとしたら今回の騒動の原因も分かる。

 

するとJKが自白した。

どうやら僕の予想通りラジオ内でカプリコーンがギターを弾いたらしい。

それにしても数日でこれだけの力を手に入れるとは...

まさか誰かに鍛えられたのか?

 

するとJKがハッチを飛び出した。

今夜の放送は無いと言って...

 

信じるべきなんだろうが、果たして本当に辞めるのだろうか...

 

...

 

..

 

 

 

僕達はラビットハッチだと落ち着けないから教室に行ってラジオが始まるかどうかを確かめる。

もうすぐその時間に...

僕達は信じていながらも不安を感じる...

 

そして、放送時間の8時に...

サイトに映ったのは...

 

『ジーンゴッドのダークナイトカーニバル!』

 

どうやら放送を辞めなかったらしい...

やはり悪魔の誘惑を振り切れなかったか...

 

弦太朗「今からでも俺が止める!」

 

そう言うと弦ちゃんは教室を出ていく。

僕と流ちゃんもそれを追いかけて行く。

 

しばらくしてとあるビルの屋上にある部屋に入る。

JKがくつろぐ為に作ったのかパリピな内装の部屋の中にはJKとカプリコーンが居た。

 

弦太朗「JK!もう辞めろ!お前...楽器店に居たやぎ座のゾディアーツ!」

 

JK「よく...ここが分かったっすね...」

 

流星「ナゲジャロイドで、番組の発信源を掴める。」

 

そう。ナゲットちゃん達が電波を辿ってくれたおかげでここを見つけることが出来た。

いや~やっぱりこの子達有能だわ~。

 

するとカプリコーンがこっちに襲い掛かって来る。

僕と流ちゃんは避けれたが、弦ちゃんは捕まりそのまま地面へと落とされる。

だが無事だった弦ちゃんはフォーゼに変身する。

いやなんで生身であんな高さから落ちて平気なの?

 

流ちゃんもメテオに変身して戦いに参戦して行った。

なら僕もたまには戦おうかな~。

 

僕は礼装を戦闘用に変える。

そして槍オルタのロンゴミニアドを投影する。

もちろん生身の状態だから性能はいくらか落ちる。

でも充分戦えるでしょ。

 

僕が向かうと二人がカプリコーンが生み出した音色で縛られていた。

やはり力が上がっているな。

 

僕はロンゴミニアドを一振りして音色を切断する。

二人は解放されたことに驚いている。

 

フォーゼ「おぉ!?サンキューな!」

 

メテオ「助かった。」

 

彼方「二人ともしっかりしなよ。アイツの力は確実に上がってる。多分レオ辺りに鍛えられたはずだ。」

 

カプリコーン「その通りだぜ!レオ先輩の指導でチューニングをバッチリ合わせたからな~!」

 

メテオ「いい気になるな!」

 

メテオはそう言うとメテオストームスイッチを装填して、メテオストームへと変身する。

僕とフォーゼもカプリコーンに攻撃する。

まだ拙いとこもあるが、カプリコーンの戦闘能力も上がっている...

おそらくそこもレオさんに指導されたのだろう。

 

僕とメテオでカプリコーンの相手をする。

フォーゼはやって来たJKと話している。

 

カプリコーンと戦っている中、JKのある一言が聞こえてくる。

 

JK「俺...ライダー部辞めます...」

 

僕はそれを聞いてふとJKの方を見る。

するとフォーゼにまたしても異変が。

赤黒い電気が走り、パネルもおかしい。

 

するとドライバーからコズミックスイッチが自動的に抜ける。

そしてフォーゼから全てのアストロスイッチが出てきて、それと同時にコズミックステイツが解除される。

力が抜けたのか、フォーゼは膝を着く。

 

もしかしてJKのあの言葉に何か関係があるのか...?

そう言えばコズミックに変身していた時にいつも言うあの言葉...

 

フォーゼ『皆の絆で宇宙を掴む!』

 

...まさか!

JKとの絆が壊れたというのか!?

だとしたらフォーゼは今後コズミックになれないかもしれない...

そうなったら今後の戦いに影響してしまう。

 

JKはそのまま去っていく。

だがカプリコーンはその隙を突いて攻撃してこようとする。

僕は急いでフォーゼの前に立ち何とか防いだ。

 

彼方「今は目の前のことに集中しろ!君達の絆はそう簡単に壊れるようなもんじゃないだろ!」

 

フォーゼ「っ!おう!」

 

意識をカプリコーンに戻したフォーゼはマグネットステイツに変身してリミットブレイクを放つ。

だがカプリコーンはそれを弾く。

 

僕達は何とか爆発に巻き込まれなかったが、煙が晴れるとそこにはカプリコーンはいなかった。

どうやら逃げたようだ。

 

それを確認した二人は変身を解除、僕は礼装から制服に変える。

 

弦太朗「コズミックは、絆の力...俺がライダー部の仲間と心をつなぎ合わせて初めてなれる...」

 

やはり弦ちゃんも気づいたようだ...

 

弦太朗「JKのヤツ...行っちまった。だから...」

 

彼方「行ったならもう一度引き戻したらいいだけの話だよ。」

 

弦太朗「でも!アイツはもう...」

 

彼方「今のJKは悪魔に魅入られてるだけだよ。それは偽りの繋がりだ。いつかは絶対に切れる。だけど僕達の友情は絶対に切れない。だって君が僕達を結び合わせてくれたんだから。君なら絶対JKともう一度絆を結べるはずだよ。」

 

弦太朗「彼方...」

 

流星「そうだな。弦太朗のおかげで俺はライダー部の皆と真の絆を結べた。そんなお前が今更何を迷ってるんだ。いつもの一直線はどうしたんだ?」

 

弦太朗「流星...」

 

彼方「君はただ自分を信じればいいだけだよ。そしたら自然とどうにかなるんだよ。」

 

弦太朗「...そうだな!俺は諦めねえ!カプリコーンをぶっ倒して、もう一度JKとの絆を取り戻す!」

 

その意気だよ...

後はJKの方だな...

アイツは今相当焦ってるような気がする。

少しは頭冷やさせてやらないとだね~...

 

 

 

 

to be continued...

 




そろそろ劇場版だね。


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本・気・伝・歌

ー彼方sideー

 

僕達は今職員室に向かっている。

というのも何故か今日の校内放送でジーンが特集されるからだ。

ここでもしJKが歌えば学校中に被害が広がる。

 

ということで僕達は数少ないテレビがある職員室に向かった。

職員室に着くと既に大勢の生徒で溢れていた。

 

そしてテレビを見ると丁度JKが映し出されたところだった。

周りの反応は驚きで一杯だった。

そりゃ人気DJの正体がJKだったんだから。

 

JKは何故今まで覆面DJとしてきたのにいきなり顔を出したのか問われると、キャスターの生徒の手からマイクを取る。

そして高らかに宣言したのだ。

 

JK『俺は生まれ変わった。これからトークより歌で俺のメッセージを伝える。GODと一緒に!』

 

JKがそう言うと放送室の中に悲鳴が聞こえ生徒達が逃げていった。

どうやら放送室にカプリコーンが現れたみたいだ。

そしてギターの音色が聞こえ、JKが歌い出す。

 

職員室に居た生徒は一斉に歓声を上げる。

しかもさっきまで関心がなかった大杉せんせーまで一緒になってだ。

 

するとそこに賢吾くんとユウちゃんと友ちゃんまでやって来た。

それぞれ楽器を持ってきて。

そして何かに取り憑かれたかの様に熱狂する。

 

流星「弦太朗!彼方!この熱狂ぶり...普通じゃない!」

 

弦太朗「ああ。きっとこのギターと歌の所為だ。」

 

僕達は今すぐ放送室に乗り込もうとする。

だがその時、ライダー部の三人が急に意識を失う。

僕と弦ちゃんは慌てて受け止める。

 

彼方「流ちゃんは先に!僕達は後から行くよ!」

 

流星「...分かった!」

 

そう言って流ちゃんは放送室に向かった。

僕は受け止めたユウちゃんと友ちゃんの顔を見てみる。

すると二人の顔は真っ青で目の下に大きい隈が出来ていた...

 

やはりカプリコーンの能力でずっと興奮状態なんだろう...

このままじゃ本当に身体を壊してしまう...

 

僕は取り敢えず二人を肩に担ぐ。

二人には悪いけど、流石に移動の手段がない。

 

彼方「弦ちゃん!取り敢えず三人をラビットハッチに連れて行こう。僕なら何とかできそうな気がするから。」

 

弦太朗「おう!」

 

それから僕達は三人をラビットハッチに運んだ。

丁度美羽と隼も居たみたいだ。

 

美羽「どうしたの二人とも!?なんで賢吾くん達が運ばれてるの?」

 

彼方「三人とも急に気を失った。恐らく身体の疲労が溜まってるんだと思う。このままじゃ危険だから急いで運んできた。取り敢えず三人を寝かせれる場所を。」

 

隼「わ、分かった!」

 

それから二人が直ぐに毛布を取り出して床に敷く。

僕達はその上に三人を寝かせる。

 

弦太朗「それで。どうすんだ、彼方。」

 

彼方「前に君がスコーピオンの毒にやられた時があったでしょ?その時に使った薬の応用みたいなものを使う。」

 

弦太朗「ん~...?あっ!あの時のヤツか!」

 

彼方「そ。スコーピオンの毒もカプリコーンの洗脳もどっちもコズミックエナジーによるもの。僕達ゾディアーツと弦ちゃん達仮面ライダーは常にコズミックエナジーに覆われてるから被害はないけどね。」

 

美羽「つまりカプリコーンのコズミックエナジーを取り除けばいいってことね!」

 

彼方「そゆこと。まあ今回は体内にあるコズミックエナジーを排出するように作るけどね。」

 

隼「排出ってその...アレでか?」

 

彼方「流石にそれは無いよ隼...」

 

美羽「ええ...」

 

フォリア「ありえないです...」

 

隼「悪かったからそんな目で見ないでくれ!!!」

 

いやだってあのイントネーションは完全にダメなヤツだよ。

流石に女子にそれをさせるわけないでしょうが...

 

僕は取り敢えず変身する。

そして薬瓶を三つ取り出して薬液を創造する。

そして変身を解除する。

 

弦太朗「早えんだな...」

 

彼方「まあ毎日鍛えてるからね。こんぐらいの物ならすぐに作れるよ。」

 

僕は三人に薬液を飲ませる。

すると身体から黒いオーラが出てくる。

これがカプリコーンによって体内に蓄積されたコズミックエナジーだ。

 

すると三人の顔色が戻って来た。

僕は次いでに虚空から栄養剤を三つ取り出して三人に与える。

すると完全に顔色が戻り、目の下にあった大きな隈も無くなった。

 

ユウキ「んぅ...あれぇ?なんでラビットハッチに?てかさっき何してたんだろ...?」

 

賢吾「うっ...記憶が曖昧だな...」

 

友子「まだちょっとフラフラします...」

 

彼方「三人ともおはよ~。」

 

弦太朗「おお!?ほんとに戻った!?」

 

賢吾「ん?なんで俺はここに居るんだ?」

 

彼方「三人ともカプリコーンに洗脳されてたんだよ。」

 

三人「「「えっ!?」」」

 

彼方「そのせいでずっと興奮状態でヤバかったんだよ。どんぐらいかって言うと薬物中毒者みたいな感じで。」

 

ほんとにあの三人は麻薬をやってると言われてもおかしくなかった。

良かったね、通報されなくて。

 

彼方「とにかくもうジーンの放送を聞かない方が良い。僕達変身組ならまだしも、他の皆は無防備な状態だから常に気を付けた方が良いよ。」

 

賢吾「そのようだな。ここまで力があるとは俺も思わなかった。」

 

ユウキ「ちょっと惜しい気もするけど、こんなに危険だと被害が凄いもんね!」

 

友子「まさか私があんなことをするなんて...」

 

でも何にも無しだとちょっと不安だな...

今回の校内放送に出たってことはこれからライブまでの間に毎日学校内で放送する可能性もある。

そうなったら三人はまただけど、美羽と隼の二人も洗脳にかかる恐れがある...

どうにか結界を張れないかと思ってると一つのアイデアが思い浮かぶ。

 

僕は直ぐにそれを投影する。

その様子を見て皆不思議がっている。

 

僕は皆にそれぞれブレスレットを渡す。

と言ってもただ投影しただけじゃないんだけど。

 

弦太朗「彼方、これは?」

 

彼方「まあお守りみたいな感じ。これに魔術で結界を施してるから身に着けてるとカプリコーンの洗脳から守れるよ。これで何とかなると思うから。」

 

弦太朗「おぉ!?すげえな!」

 

賢吾「魔術か...科学しか信じないと思っていたが、実際に見てしまうと信じざるを得ないな...」

 

ユウキ「おぉ~まさか魔術で作られたなんて思えないよ~。」

 

美羽「ほんと規格外にも程があるわよ...」

 

隼「もうなんでもできるんじゃないのか...?」

 

友子「魔術...後でいっぱい聞かせてください!」

 

フォリア「おしゃれですね。これは普段から着けましょうか。」

 

彼方「じゃあこれで取り敢えずライブまでは何とかなった...でも問題はそのライブだけど...」

 

賢吾「奴らの歌を直に聴くと更に熱狂的になってその内死者も出るかもしれないな...」

 

弦太朗「絶対に止めねえと!」

 

美羽「だったらまずはJKをとっ捕まえるべきね。JKの所に乗り込みましょ。」

 

弦太朗「あぁ!俺は他にやりたいことがある。そっちは任せていいか?」

 

彼方「うん。取り敢えず乗り込むのは僕と流ちゃんと美羽と隼で行こう。」

 

ユウキ「え!?私達も行くよ?」

 

彼方「ユウちゃん達は病み上がりみたいなもんなんだから。しっかり休まないとダメでしょ。」

 

賢吾「その通りだ。俺達はここでJK達の行動を見張ってることにする。そっちは任せたぞ。」

 

流星「ああ。」

 

彼方「任せてちょーだい。」

 

そう言って僕達はJKが以前放送していたビルに向かった。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

番組が放送中、僕達はその時間なら絶対に居るだろうとビルに乗り込む。

屋上に着き、部屋に入るがそこには...

 

一通りの機材と共にJK達は居なかった。

 

多分また邪魔されると思ったのだろう。

完全にやられたな...

 

すると外から聞き覚えのある唸り声が...

僕達は外に出るとそこにはレオさんが居た。

どうやら罠に引っかかった()()()を狩りに来たようだ...

 

するとレオさんが左手を構える。

そこから衝撃波が飛んでくる。

 

僕と流ちゃんは避けれたが、美羽と隼は巻き込まれそのまま壁に叩きつけられて気を失う。

僕は流ちゃんを先に物陰に逃がす。

まだメテオの正体を知られる時じゃない。

 

そして僕はスイッチを押して変身する。

 

レオ「何故何度も邪魔をする。京都の時は見逃したが、今回は見逃す訳にはいかんぞ。」

 

オピュクス「オレがこうしたってことは分かってるだろ。オレはアンタらを裏切る。」

 

レオ「...我望様の甥だからと今まで育ててきたが、裏切るのならば容赦しないぞ。」

 

オピュクス「オレもアンタとは一回本気で戦ってみたかったんだよ...」

 

レオ「フン。小僧が生意気に言いおって!」

 

レオさんがそう言うと手甲を装備して攻撃してくる。

オレはそれをロンゴミニアドを投影して何とか防ぐ。

流石にレオさんと戦うのに贋作だと意味がないから今回は本物だ。

 

ロンゴミニアドのオーラに警戒したのかレオさんは一回離れる。

やっぱ分かっちまうか...

 

レオ「何だその槍は...コズミックエナジーとはまた違う力か...」

 

オピュクス「そう簡単に種明かしをするわけ無いだろが!」

 

オレは先端に空気を集めそれを放つ。

まあ言ったら『風王鉄槌(ストライク・エア)』をオレなりにやってみたもんだ。

 

不可視の攻撃を受けたレオさんはスイッチを取りだして押す。

するとキャンサーに変身した。

まさか他の幹部のスイッチを渡されてたとはな...

 

オレは再び『風王鉄槌(ストライク・エア)』を放って攻撃するが攻撃が通らない。

やはり鬼島の時とよりも格段にパワーアップしてるか...

 

するとメテオがやって来た。

 

メテオ「!?何故ここにキャンサーが!?」

 

オピュクス「スイッチャーの特異体質だ。他の幹部のスイッチも使える。しかも数段とパワーアップしてな。」

 

メテオ「なるほどな...だが俺には関係ない!」

 

そう言ってメテオストームに変身すると、一気にリミットブレイクを決めに行く。

 

メテオ「メテオストームパニッシャー!!!」

 

射出したコマはまっすぐキャンサーに向かうが、簡単に弾かれる。

そしてキャンサーのハサミによって弾き飛ばされた。

 

キャンサー(レオ)「フン、効かんな。その程度の攻撃でこの俺に傷一つ付けれると思ってるのか?」

 

メテオ「クソっ!ならば!」

 

メテオはそう言って肉弾戦で攻めるが、再びレオに変身したレオさんに圧倒される。

圧倒的な実力差を前に、メテオは手も足も出ない。

すると突然メテオが球体に包まれ、どこかへ飛び去った。

大方タチバナさんが強制離脱させたのだろう。

 

レオ「フン。腰抜けが。」

 

オピュクス「アンタを前に仕方ねえだろ。」

 

レオ「興が冷めた。貴様との勝負は次に持ち越してやる。」

 

オピュクス「次はいつになるだろうな。カプリコーンのこともあるしな。」

 

レオ「...昔の好で一つ教えてやる。カプリコーンの力は分かってるだろう?」

 

オピュクス「洗脳させる力のことか?それとも...スイッチの共鳴か?」

 

レオ「流石だな。スイッチを共鳴させる力を伸ばせば、失われたはずのコアスイッチの存在が分かるはずだ。」

 

オピュクス「っ!?コアスイッチだと!?まさか叔父さんはそれを!?」

 

レオ「まだだ。だが直に分かるだろう。」

 

オピュクス「...絶対に渡さねえ。」

 

レオ「ほう?やはり貴様は知っていたか。」

 

オピュクス「だとしたらどうする?」

 

レオ「...次に会った時に吐かせてやる。」

 

オピュクス「...絶対に吐くもんか。」

 

オレはそう言うとメテオが向かった場所にワープする。

ワープして直ぐに変身を解除する。

そしてしばらく探してると傷だらけの流ちゃんを見つけた。

僕は急いで流ちゃんの下に駆け寄る。

 

彼方「流ちゃん!大丈夫か!?」

 

流星「彼方...レオは...」

 

彼方「...興が冷めたと言って去っていったよ。それより怪我は?」

 

流星「少し痛む程度だ。気にするな...」

 

いや明らかに嘘でしょうが。

どっからどう見ても重症ですって感じじゃん。

 

すると流ちゃんは倒れかける。

僕は慌てて流ちゃんを支える。

 

彼方「無理はダメだよ。取り敢えず美羽達と一緒に病院で様子を見なきゃ。」

 

流星「だが...ライブは三日後だぞ...」

 

彼方「三日もあれば回復するでしょ。最悪は僕が回復させるよ。じゃないとキツイからね。」

 

流星「どういう...ことだ...」

 

彼方「奴らにとってカプリコーンは重要な存在となった。何故かはちょっと言えないけど、奴らはカプリコーンの力を使ってあるスイッチを探そうとしてる。」

 

流星「あるスイッチ...?」

 

彼方「ああ。その為にもアイツらは何としてもカプリコーンを守るだろう。だとしたら当日もレオが出てくるのは確実。僕が行けばいいんだろうけど、ライブ会場に集まる人達のこともあるから迂闊に動けないんだよ。それに...君がリベンジしたがってるしね。」

 

流星「フッ...バレてたか...」

 

彼方「目を見たら分かるよ。とにかくまずは病院で安静!そしてしっかり休んでレオを倒すんだ。分かったな?」

 

流星「ああ。」

 

そう言うと流ちゃんは意識を失う。

僕は取り敢えず美羽と隼の下にワープして二人も運ぶ。

どうやら二人は強い衝撃で気絶してるだけだった。

 

そして病院へ運んで入院させた後、ラビットハッチで作戦会議を行った。

だけど特にいい案は浮かばず...

当日はどうなるのだろうか...

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ーライブ当日ー

 

僕は今ライブ会場に来ている。

中から歓声のようなものは聞こえてこないが、それは果たして防音が整ってるからかそれとも客の様子がおかしいのか...

取り敢えず中に入ろうとする。

 

すると突然蠍の尻尾が襲い掛かって来る。

僕は慌てて避けた。

もしかしてと思い、尻尾が来た方向を見ると...

 

スコーピオン(レオ)「言ったはずだ。次は容赦しないと。」

 

やはりあの人だったか...

それにしてもスコーピオンとはね~...

なんかちょっとイラって来た。

 

僕はパスを繋げてフォリアを呼ぶ。

すると僕の隣にワープが展開してフォリアがやって来る。

 

フォリア「そういうことですか...」

 

彼方「そーゆーことだよ。フォリア...入れ。」

 

フォリア「はい。」

 

フォリアはそう言うとスライム状になって僕の中に入って来る。

それを見たレオさんは興味深そうに見てくる。

 

スコーピオン(レオ)「ほう...ソイツはSOLUの類か?」

 

彼方「アンタに教える気はない。」

 

僕はそう言いスイッチを取りだす。

だが今回は最初っから全力で行く。

流ちゃんには悪いけどちょっとね~...

 

彼方「ブラッドアップ。」

 

僕はそう言ってスイッチを押す。

するといつもの黒いモヤじゃなく、赤黒いスライムが現れ僕を覆い結晶になる。

そう。直接『超新星』を使ったからこうなっている。

 

結晶が弾け、中からオレが現れる。

どうやらレオさんもオレが本気だということがわかったみたいだ。

 

スコーピオン(レオ)「それが貴様の『超新星』か。だが、俺に敵うものかな?」

 

オピュクス「うっせえ。今すぐ尻尾巻いて逃げた方が良かったって思わせてやる。」

 

オレはそう言うと周りに被害を出さない為に固有結界を展開する。

最近はよく使う厄災の世界だ。

いきなり一面炎の世界になって動揺するが、すぐに冷静になるレオさん。

やはり経験してきた場数が違うか...

 

スコーピオン(レオ)「これがヴァルゴが言っていた固有結界というやつか。確かに厄介だな。」

 

オピュクス「もっと厄介なのが来るけどな!」

 

オレがそう言うとオレの後ろに巨大な城が現れる。

かつて大穴を囲う様に作られた城塞都市。

その城塞を投影したものだ。

 

だがただ投影しただけではない。

オレとモルガンで改良をした物だ。

 

その改良した所はと言うと...

 

レオさんの周りに水色の巨大な槍が降って来る。

その数は五...十...五十...百...五百...千...五千...一万...そして一万二千...

総勢一万二千の槍が降り注ぐ。

大量の宝具にレオさんは避けることだけに徹するしかできない。

 

スコーピオン(レオ)「クッ!この姿では無理か!」

 

そう言うとレオさんはスイッチを押してレオに変身する。

そして神速で何とかロンゴミニアドの大群から避けきれる。

だがその避けた先には...

 

モルガン「堕ちよ!『はや辿り着けぬ理想郷(ロードレス・キャメロット)』!」

 

オピュクス「喰らえ!『最果てにて輝ける槍(ロンゴミニアド)』!」

 

オレとモルガンはそれぞれ宝具を展開する。

完全に隙を突かれたレオさんは諸に受ける。

 

大きく吹っ飛ばされたレオさんは結界の範囲外にまでぶっ飛ばされ、建物の壁にぶつかって瓦礫に埋もれる。

アレ?もしかしてやり過ぎたか?

 

モルガン「私はマスターに全力で行けと言われましたので。」

 

オピュクス「いや言ったけどよ...流石にダブル宝具はやり過ぎたか...」

 

モルガン「油断してるよりはマシですよ。」

 

オピュクス「だな。オレは様子を見に行く。ありがとな、モルガン。」

 

モルガン「いえ。これも妻の役目ですから。」

 

何サラッとハズイこと言ってんだか...

オレは逃げるように結界を解除する。

そしてレオさんが吹っ飛んでいった場所へ向かったのだが...

 

そこには瓦礫しかなかった。

やはり逃げられたか...

だが重症は負わせれたはずだ。

 

するといきなりメテオが現れた。

アレ?もしかしてオレやらかしたか?

 

メテオ「レオはどこに行った!?」

 

オピュクス「...」

 

メテオ「おい!答えろ!」

 

オピュクス「...ちょっとガチになってやったら逃げてった。」

 

メテオ「は!?」

 

オピュクス「いや、アイツ...サソリちゃんのスイッチ使いやがってさ...それでオレの大切な彼女のスイッチ使いやがってってキレちまってよ...」

 

メテオ「それで叩きのめしたと言うのか?お前は...」

 

オピュクス「ハッ!どうせ彼女が居ねえヤツには分からねえよ!」

 

メテオ「何だと!俺にリベンジさせてやると言ったのはどこのどいつだ!」

 

オピュクス「来るのが遅えんだよ!リベンジしてえならもっと早く来いや!」

 

メテオ「何だと!やるか!」

 

オピュクス「ああいいぜ?やってやろうじゃねえか!」

 

そう言ってオレ達が詰め寄ってると突然真横にワープゲートが展開される。

アレ?このワープゲートって...

 

オレ達は横を見ると、もの凄い勢いでこっちに向かってくるフォーゼとカプリコーンの姿が。

オレ達は慌てて離れると、その間フォーゼ達が通ってワープゲートの中に入っていった。

 

...なんか冷めたな。

オレは変身を解除する。

向こうも同じことを考えたのか変身を解除した。

 

彼方「なんか...こういうオチって無くない?」

 

流星「ああ...俺達はネタ要員じゃなかったはずだが...」

 

彼方、流星「「はぁ...」」

 

僕達は何とも言えない気持ちになって帰った...

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

あれから数日経った。

 

どうやらカプリコーンのスイッチャーは記憶操作の処理で済んだらしい。

JKが記憶を失っていたと言っていたが、どうやら仲良くやっているそうだ。

 

そしてその肝心のJKはと言うと、ラビットハッチにやってくるなり謝り倒しされた。

それはもう綺麗な土下座で何度も謝られた。

それを見るともう許すしかないと思っちゃったよね~。

 

結局皆も許したし。

またライダー部はこの十人でやっていくことに。

その時にJKが感極まって弦ちゃんに飛びついてたよね~。

ほんと許されないと思ってたみたいだから仕方ないか...

 

それにしても...

あの時感じたスイッチの存在...

まあ僕はどこにあるかは分かっているが、確実に叔父さんに知られたな...

コアスイッチの在り処が。

 

多分だがこの学園内にあるということは感じてるはずだ。

だとしたらいつ襲撃が来てもおかしくない。

それこそ十二使徒が揃えばすぐにでも来るだろう。

いや、その前に最後の十二使徒の時点で来るかもしれない。

 

そうなったら僕は皆を守れるのだろうか...

 

僕は最後の戦いが近づいているのを肌で感じた...

 

 

 

 

to be continued...




そういやリバイス初回から面白かったな~。


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星・徒・選・抜

ー彼方sideー

 

僕は今JAXAの中を走り回っている。

と言うのも...

 

ユウちゃんが逃げ出したからだ。

 

5分前、僕はいつも通りユウちゃんに勉強を教えていたんだけど、いきなり頭に鉢巻を巻いて手にはやぶさくんと御幣(神主さんが持ってる棒に紙ついたヤーツ)を。

そして「か~み~さ~ま~」と言って突然走り出した。

突然のことで一瞬フリーズしたんだけど、すぐに追いかける。

追いかけて行くとユウちゃんの行き先がJAXAだったことが分かる。

だけどその途中で見失って探している。

 

と言ったところなんだけど...

闇雲に探しても意味がないやと思い取り敢えずユウちゃんが行きそうな場所に行く。

 

そして着いたのがここの名物である実物のH2ロケット。

ユウちゃんがJAXAに行くと必ず見るものだからここに来るとは思うけど...

 

するとロケットの前で何かを言ってる女子を見つける。

何か...あれって...

 

???「宇宙ーーー行くぞーーー!!!」

 

フォーゼの「宇宙キター」に似てるね~。

もしかしてフォーゼを見て真似してるのかな?

 

それにしても彼女なんか違和感が...

僕はふと瞳で彼女を見てみる。

すると彼女から水瓶座の輝きが...

 

まさかとは思ったがゾディアーツだったとは。

とてもじゃないがあの様子からは見れない。

 

取り敢えずゾディアーツだということは置いといて彼女は面白そうだから接触してみる。

 

彼方「もしも~し?」

 

???「チュウしてよ!」

 

彼方「What?」

 

思わず英語が出てしまう...

だって声掛けたらいきなり振り返ってチュウしてよなんて言われる、普通!?

えっ!?もしかして彼女そういう人!?

 

だが僕の予想は意外な理由で外れる。

 

???「近づく時は、チュウしてよ!気合入れてんだからさー!」

 

彼方「ん?ひょっとして...『注意』してよって言いたいの?」

 

???「ハッ!?ごめんごめん!それそれ!ごめーん!難しいな~日本語は...」

 

彼方「ひょっとして海外に住んでたの?」

 

エリーヌ「うん!私、エリーヌ須田。先月天高に転校してきた!」

 

彼方「僕は我望彼方。よろしくね~。」

 

エリーヌ「あ~!我望先生よく彼方のこと話してたよ!」

 

彼方「ほんと?エリーヌの様子からしたら褒めてくれてたのかな~。」

 

エリーヌ「うん!自慢の甥っ子だってすっごく褒めてた!」

 

なんか叔父さんに褒められてると思うと照れるな~...

 

彼方「そういえばさっきやってたアレは何?」

 

エリーヌ「あのね!さっきの、宇宙~行くぞ~!ってFighting pose!」

 

彼方「へぇ~。僕の知り合いにも似たようなことする人が居るんだ。その人のは...宇宙~キター!なんだ。」

 

正直アレをやるのは恥ずかしいよ...

でも何となくやった方が面白そうだからやっただけだから!

決して普段からアレをやりたいとは思ってないからね!

...誰に言ってんだろ。

 

するとエリーヌが楽しそうにファイティングポーズをやる。

僕も流れに乗って僕のじゃないのにやる。

それを繰り返すとエリーヌは子供の様に楽しそうにしてる。

 

エリーヌ「彼方面白い!」

 

彼方「エリーヌの方こそ面白いよ。これからよろしくね~。」

 

エリーヌ「うん!」

 

そう言って僕達は握手を交わそうとする。

するとユウちゃんがもの凄い勢いで「神様~!」と言いながら僕達の間を通る。

そして謎の舞をやっている...

いや...神頼みはまだ早いよ...

 

彼方「ユウちゃん...流石に神頼みは早いんじゃ...」

 

ユウキ「私が宇宙飛行士になれるかどうかの日が近づいてるんだよ!こうなったら神頼みするしかないよ!」

 

そう言ってユウちゃんはロケットに向かって何かを唱える。

だがそれを見たエリーヌがユウちゃんの手を取る。

 

エリーヌ「ロケットは、神じゃない。Mechanicだよ。」

 

ユウキ「知ってるよ!でも、私には神様なの~...」

 

エリーヌのド正論を受けてもなお辞めないユウちゃん。

てかエリーヌってやっぱ天然だよね...?

 

するとエリーヌがちょっと怒った様子でまたユウちゃんの手を取る。

 

エリーヌ「神頼みじゃ宇宙は行けない。実力で行くんだ。」

 

まるで何かを体験したかの様な表情で言う。

もしかして身内でそういう人が居たのか...?

 

ユウちゃんは狼狽えた様子で、「お、オッケー。」と言ってまたロケットに願う。

それを見たエリーヌは先ほどの楽しそうな雰囲気から一転、無の様な感じで帰っていく。

 

エリーヌ「バーイ、彼方。」

 

彼方「エリーヌ...」

 

エリーヌのただならない様子に不安を覚える。

この二人...衝突しそうだな~...

 

ってそんなこと考えてる場合じゃない!

 

彼方「ユウちゃん!神頼みしてる暇があったら勉強するよ!」

 

ユウキ「でも!もうこれしかないんだよ!」

 

彼方「それはユウちゃん次第でしょ!とにかく行くよ!」

 

ユウキ「あああ!待ってぇ~ロケット様~!!!」

 

僕はユウちゃんを引きずって行く。

自分から言っといて途中で逃げ出すなんて...

こりゃお仕置きが必要かな~?

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ー翌日ー

 

教室が静まり返っている中、皆ケータイを取り出し放送を見る。

そこには速水が映っている。

 

速水『今年もこの日が来たね。宇宙時代の人材育成という我望光明理事長の理念に基づき、宇宙飛行士になる為の資質をテストする。』

 

そう。今日は待ちに待った宇宙飛行士選抜試験の日だ。

毎年開催しているこのテストで合格した生徒は特別奨学生となれる。

これによって宇宙への切符が掴めるか掴めないかが大きく関わってくる。

 

最初は学力テスト。

この為にユウちゃんに勉強を教えて来た。

まあ本人はどうなるか分からないけど...

 

早速始まったテスト。

数学、英語、物理と言ったどれも宇宙飛行士になる為に必須の教科だ。

そして選抜試験と言うだけあって問題のレベルも高い。

まあ言ったら大学レベルの物もちょっとだけ混じっている。

 

まあ僕もこの日の為に勉強してきたから一応解ける。

そうして最後まで解いていき、そこでボーナス問題の存在を見つける。

 

『この三教科を合わせて一言』

 

う~ん...ただの感想じゃないはずなんだけどな~...

まあ多分発想力とひらめきが試されてるんだろうけど...

 

ん?三教科を合わせて?

もしかして...物理的にってことかな~?

 

僕はふと三教科の用紙を合わせてみる。

う~ん...特に見つからない...

いくら考えても分からないな~...

こりゃもうお手上げだな...

 

そう思って用紙を上に掲げてみる。

すると...

 

彼方「あっ...」

 

...

 

..

 

 

 

僕達三年組と友ちゃんは一つの教室に呼ばれる。

なんだろうと思い行ってみると、そこには十数人ぐらいの生徒が。

よく見たら生徒会の杉浦くんも居る。

ってあれはエリーヌじゃん。

 

僕はエリーヌに近づき挨拶する。

 

彼方「やっほ~エリーヌ。君も居るってことはもしかして...」

 

エリーヌ「うん。彼方の思ってる通りだよ。」

 

ほっ...どうやら学力テストは受かったみたいだ...

後ろでは速水から聞かされたのか弦ちゃんとユウちゃんが大喜びしてる。

 

速水「ちなみにボーナス問題を解けたのは三人だけだ。如月君と城島君。そして我望君だ。」

 

弦太朗「ああ()のことっすか?」

 

杉浦「星ってなんのことだい?」

 

彼方「三教科を合わせて一言。って見た時になんかおかしいな~と思ってね~。色々考えてみたんだけど分からなかったからジョークな感じで用紙を合わせてお手上げってしたの。そしたら丁度三枚を重ねて空白の部分が星の字になっててね~。それがボーナス問題の答えだよ。まあ言ったら一種の救済処置みたいなもんだよ。」

 

僕が解説すると皆納得したように頷いていた。

まあ一部は聞いてなかったみたいだけど...

 

エリーヌとユウちゃんの間で火花がバチバチしてるよ...

ほんとどうなるんだろ...

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

一次試験の会場に案内された僕達。

その試験内容はと言うと、実際に宇宙飛行士での訓練にも使われる閉鎖環境施設での耐久テスト。

ここでだいぶふるいにかけられるだろう。

 

そうして三つのグループに別れた僕達。

第一グループはフォリアを除いたライダー部組とエリーヌ。

第二グループは杉浦とフォリアとその他。

第三グループはその他となっている。

 

早速試験が始まる。

エリーヌの指示により課題である千羽鶴一万羽を折っている。

その間に自己紹介をして、順調に折って行くんだけど...

 

時間が経つにつれ皆の集中力が落ちていく。

エリーヌや賢吾くんは変わらず保てているが、弦ちゃんやユウちゃんは正直もう眠そうにしている。

友ちゃんと流ちゃんだって折り目が粗くなってきている。

僕はというとこういう長時間の作業は医者になってからは毎日のことだから慣れている。

 

だけど体感時間でもうすぐ終わりを迎えるだろうと思える時間。

エリーヌと僕以外はもうダウン状態。

友ちゃんなんて床に寝ちゃっている...

このままだとまずいね~。

 

するとエリーヌが皆を起こしていく。

僕も起こしますか~。

 

エリーヌ「皆!起きて!」

 

彼方「皆起きよっか~。起きないと実験台にするよ~...」

 

僕がそう言うと皆一斉に起きた。

えぇ~...そんなに実験台になるの嫌かな~?

 

エリーヌ「彼方...今とても怖い顔してたよ...」

 

ウソ!?僕いつもと変わらない様にしてたのに。

やっぱりずっと寝てないからかストレスが溜まってるのかな...?

 

すると突然警報が鳴りだす。

緊急事態と言っているが、多分これもテストの一環だろう。

皆パニックになってる中、エリーヌは淡々とまた鶴を折り始める。

 

すると今度はいきなり煙が噴射する。

まあ流石にこれはやりすぎだろと思っていたが、ここで思わぬ物を目にしてしまう。

 

流ちゃんがいきなり煙の中に向かっていき、そして...

 

流星「ホワチャーーー!!!」

 

と折り紙を破り捨てる。

えぇ...いくら何でもその壊れ方は無いよ...

 

弦ちゃんが必死に落ち着かせようとするが、なんか言ってる間に床に倒れてしまう。

ヤバい、これは面白過ぎる...

思わず机を叩いて笑ってしまう。

 

そして更に部屋が暗転し、赤色灯の明かりだけとなる。

もはやカオス状態となっているが、流石にこれ以上はダメだ。

一旦皆を落ち着かせなくちゃ。

 

僕と同じことを思ったのか賢吾くんも落ち着くように呼び掛ける。

気分転換に奴さんを折ってもいいと言う。

なら僕は奴さんじゃなくてお猿さんでも折ろうかな~。

 

そう思ってちょっとだけ集中して折ったら、どこかの助っ人団の部長みたいなクオリティの猿が出来てしまった...

これを見て皆凄いと言ってくれるけど一番驚いてるのは僕だからね?

 

弦太朗「それどうやって折ったんだよ!」

 

ユウキ「凄い!凄い!」

 

賢吾「たった一枚でこれほどの物とは...」

 

流星「手先器用すぎだろ...」

 

彼方「いや一番驚いてるの僕だからね?何か勝手に出来ちゃったし...」

 

友子「それ...天才が言うことですよ...」

 

エリーヌ「凄いね彼方!宇宙に行く素質一杯持ってる!」

 

彼方「いやまあ僕は宇宙じゃなくて医学を進みたいんだけどね~。」

 

エリーヌ「宇宙でも医学を学べるよ!最先端の医学を研究して、将来凄い人に成れる!」

 

彼方「そうかな~。まあそれも面白そうだけどね~。」

 

エリーヌはその後も皆を褒めていく。

だけどユウちゃんだけは否定する。

やっぱりこの二人は相性が悪いか...

 

まあエリーヌはまだ知り合ってちょっとしか数日しか経ってないからな~...

ユウちゃんの良さとかも見えてこないんだろう。

表面だけで人を判断したら勿体ないのに...

 

ユウちゃんはエリーヌに対抗しようと、奴さんをはやぶさくんに乗せて有人はやぶさくんというキャラ付けをして皆を和ませていく。

持ち前の明るさで皆の雰囲気も明るくなっていく。

 

だがそこで賢吾くんがいつもの目眩を起こしてしまう。

去年もこれが起こってしまい棄権してしまったらしい。

今すぐ薬を取りたいが、部屋中をカメラで監視されているとなると出せない...

 

どうしようかと考えていると、扉が開く音がする。

誰だと思い見てみると、そこにはゾディアーツが居た。

 

あの姿からして...水瓶座、アクエリアスか。

だとしたらスイッチャーは...

 

するとアクエリアスは突然両肩の壺から水を出し、それで賢吾くんを覆う。

直ぐに水は消えたが、皆は攻撃されたと思っている。

だがアクエリアスの力は傷つける力ではなく癒す力。

もしかしたら賢吾くんの目眩のことを聞いてエリーヌが...?

 

だがそんなことを知らず、フォーゼに変身した弦ちゃんはアクエリアスと共に外に出ていった。

賢吾くん自身、突然目眩が消えたことに驚いているが...

 

...

 

..

 

 

 

無事二次試験へと進んだ。

まあ流ちゃんは脱落しちゃったけど、それ以外のライダー部組は皆駒を進めることが出来た。

だがやはり問題はアクエリアスのことで...

 

僕はエリーヌの真意を確かめようと、エリーヌと出会った場所に行く。

思ってた通り、そこにはエリーヌが居た。

僕が声をかけるとエリーヌは戦闘態勢で僕を警戒する。

 

彼方「君の目的はなんだい?」

 

エリーヌ「宇宙に行ける人になること。宇宙には、選ばれ抜いた本当に凄い人が行くべき。賢吾はその資格があると思ったから助けた!」

 

エリーヌはそう言うと僕から逃げ出す。

慌てて僕はそれを追う。

 

ある程度追っていき、池の前に。

するとエリーヌはこっちに振り返ってスイッチを取りだす。

 

彼方「スイッチが無くても君は充分凄いじゃないか。お願い、スイッチを捨ててくれ。」

 

エリーヌ「捨てない!ゾディアーツは人間が宇宙で生きる為の身体だから!でもこのテストは人間の力だけで勝ち抜くよ。実力で行くんだ!パパの代わりに!」

 

彼方「パパの代わりに...?」

 

それからエリーヌは話した。

一度も宇宙には行けなかった父親の姿。

父の最後のチャンスを奪った男は口先だけのパフォーマー。

ユウちゃんとその男の姿が重なったから負けたくないという気持ちが強くなったみたいだ。

 

彼方「...でも僕はユウちゃんの力を信じてる。君はまだ彼女の本当の姿を見ていないだけだ...もし、ユウちゃんが最終試験に受かれば...その時はスイッチを捨ててくれ。」

 

エリーヌ「...いいよ、してあげる!」

 

エリーヌにも伝わればいいのだが...

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

二次試験の説明を受ける僕達。

今回のグループは見事に半分に別れた。

 

僕と弦ちゃんとユウちゃんがBチーム。

フォリアと賢吾くんと友ちゃんがAチームに。

それぞれBにエリーヌ、Aに杉浦とリーダー格が居る。

 

正直言ってこのグループ分けには意図的なものが仕組まれてそうだけど...

まあもしエリーヌとユウちゃんがぶつかれば、僕と弦ちゃんが間に入ればいい。

 

そうして二次試験が始まった。

場所は先ほどと同じ閉鎖環境施設の中へ。

それぞれが持ち寄ったパーツを使って宇宙ステーションのマスコットロボットを作ること。

制限時間は三時間と丁度いい長さ。

 

そして始まると直ぐにエリーヌが設計図を書き上げる。

皆はエリーヌ設計の近づいてきて懐く犬ロボで同意した。

早速パーツを探して組み立てていくのだが...

 

ここでハプニングが。

 

犬ロボを作るのに必要なカメラのパーツが無くなったのだ。

さっき確認した時にはあったはずなんだけど...

 

エリーヌはパーツが無いことでパニック状態に。

とそこにユウちゃんが犬ロボから猫ロボに変更しようと提案する。

その提案にエリーヌはそれを却下しようとするが、他の皆が提案に乗ったことで変更することに。

エリーヌはそれに不機嫌になっていく。

 

彼方「エリーヌ、今はロボを完成させることを優先しよう。」

 

エリーヌ「...そうだね。」

 

エリーヌを何とか落ち着かせ、ユウちゃんの指示通りに組み立てていく...

 

...

 

..

 

 

 

そしていよいよ発表の時。

まずはAチームからの発表だけど...正直言ってクオリティが高い。

ボールを見かけるとがむしゃらに追いかけるアメフトロボットというコンセプトに。

そしてボールをキャッチすると音声が流れ、クラッカーが放たれる。

Aチームのロボット相手に僕達の猫ロボがどこまで行けるか分からないが、ユウちゃんに任せることに。

 

そして僕達Bチームの発表に。

 

ユウちゃんは迷子の子猫というコンセプトで、カメラを失った欠点を音声認識によって見事にカバーした。

マスコットキャラとしてだとこっちの方が良い気がする。

 

だがそれを見てエリーヌはずっと黙ったまま。

そこに審査員達の言葉を聞いて何処かに行く。

僕はこのままだとまずい気がしてエリーヌを追いかける。

 

エリーヌが向かった先はさっき居た閉鎖環境施設に。

中に入るとエリーヌがはやぶさくんを蹴る。

あ~あ~物に当たったらダメなのに~。

 

だがそこでとんでもない物を見つける。

 

まさか失くしたと思っていたカメラパーツがはやぶさくんの中から出て来たのだ。

それを見たエリーヌはスイッチを押してアクエリアスに変身する。

 

彼方「エリーヌ!辞めろ!ユウちゃんを襲うのだけは辞めろ!」

 

アクエリアス「でも!ユウキはわざとカメラパーツを隠した!私に勝つために卑怯なことするなんて!絶対に許さない!」

 

彼方「落ち着けエリーヌ!これがもし指示とかだったらどうするんだ!決めつけるのは早いだろ!」

 

アクエリアス「そんなことありえない!そんな指示なんで出す必要があるの!」

 

彼方「これは宇宙飛行士の選抜試験だぞ!お前も宇宙を目指してんなら聞いたことぐらいあるだろ!訓練の中で閉鎖環境という過酷な中で裏切り者が発生するような指示が出されることを!多分箱とかに書いてあるはずだ!」

 

アクエリアス「...それでも許せない!」

 

そう言ってアクエリアスが鞭を振るってきた。

僕は慌てて結界を展開してガードする。

 

するとここに一番来てはいけない人が...

 

ユウキ「ぞ、ぞ、ぞ、ゾディアーツ出たぁぁぁぁ!!!」

 

アクエリアス「許せない...お前だけは!」

 

彼方「ユウちゃん逃げて!」

 

僕はユウちゃんに向かって行くアクエリアスを押して外に出ていく。

そして僕達は建物の廊下で向かい合う。

 

彼方「落ち着けエリーヌ!」

 

アクエリアス「邪魔するなら彼方でも容赦しない!」

 

彼方「くっ...聞く耳持たずか...」

 

僕はスイッチを取りだし変身する。

 

アクエリアス「そんな...彼方が裏切り者だったなんて...」

 

オピュクス「ほぉ...?もうそのことが知れ渡ってるのか。だがそんなことよりもまずはオマエだ!」

 

オレは杖を取り出してアクエリアスに向かう。

アクエリアスが鞭で攻撃してくるが、オレは鞭が一番伸びきった状態の時に先端に結界を展開する。

鞭を動かせなくなって動揺するアクエリアスの隙を突いて攻撃する。

 

諸に攻撃を喰らったはずだが、肩の壺から水が出て傷を回復させる。

どうにかしようと考えてるその間にアクエリアスがダスタードを出してきやがった。

オレは取り合えずこの狭い廊下から広場へと移動する。

 

そしてダスタードを消していっているんだが、キリがない...

とそこに天秤野郎と戦っているメテオが合流してくる。

 

メテオ「どうする、この状況。」

 

オピュクス「んなもんこれで終わりだ。」

 

オレは自分の周りにワープを展開する。

そしてそこから強酸を放出する。

コズミックエナジーで作った物だからゾディアーツにも効く。

 

あっという間にダスタード達は消えさり、リブラとアクエリアスも重症になった。

だがアクエリアスは力で回復した。

回復の上限は無しかよ...

 

アクエリアス「ユウキの味方する奴は私の敵だ!」

 

オピュクス「だからアレは審査員からの指示かもしれねえって言ってるだろうが!何回言ったら分かるんだこの石頭が!」

 

アクエリアス「うるさい!どうせ自分の実力じゃ勝てないから卑怯な手を使ったんだ!」

 

オピュクス「オマエはスイッチに寄せられ過ぎなんだよ!いい加減頭冷やしやがれ!今のオマエは本当のオマエじゃねえだろが!」

 

アクエリアス「っ!?」

 

するとアクエリアスは自分を液状化させて消えた。

オレ達は取り敢えず変身を解除する。

 

流星「彼方、お前アクエリアスの正体がエリーヌだと知ってたのか?」

 

彼方「エリーヌは根は真っ直ぐな子なんだよ。多分今回の選抜試験とゾディアーツスイッチによって自分の感情がコントロール出来ていないんだ。頼む。彼女のことはユウちゃん達には黙っててくれ。」

 

流星「甘いぞ。相手はゾディアーツだ!」

 

彼方「僕だってゾディアーツさ。それに、僕は一度決めたら止まらないってこと忘れた?」

 

僕はそう言って流ちゃんと別れる。

 

今のエリーヌは危険な状態だ。

多分今回のユウちゃんの行動は僕の仮設が正しいはず。

だけどエリーヌは視野が狭まっていてそのことを判断できなくなっている。

 

このままじゃ手を汚す真似もしてしまうかもしれない...

あんな真っ直ぐな子にそんなことはさせない...絶対に...

 

 

 

 

to be continued...




今回弦ちゃんの出番全然ないね。
まあ弦ちゃんの立ち位置を彼方くんに置き換えてるからね。

次回の後は劇場版だよ。
みてね。


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勝・者・決・定

ー彼方sideー

 

僕が試験で使う部屋に入ると丁度二次試験の合格者を発表するところだった。

 

僕は空いていたエリーヌの隣に座る。

するとエリーヌが呟く。

 

エリーヌ「卑怯者は必ず落ちる。」

 

卑怯者じゃない気がするんだけどな~...

まあ...結果を聞けば分かるはずだ...

 

速水「まず、エリーヌ須田君。歌星賢吾君。我望彼方君。」

 

僕も受かったか...

後はユウちゃんが受かるかどうか...

 

速水「そして...城島ユウキ君。」

 

...受かったか。

まあ当の本人は聞こえてないらしいけど...

 

彼方「ユウちゃん...受かったよ...」

 

ユウキ「うぇ...?え、な、う、わ、受かったぁぁぁ!?」

 

エリーヌ「賢吾や彼方は分かる宇宙に行くに相応しい!でもユウキはダメ!私のプランを妨害したんだよ!」

 

速水「厳正な審査の結果でa「そんなの納得いかない!」彼女には!宇宙飛行士にとって大切な物があったとi「納得いかない!」...」

 

彼方「エリーヌ!」

 

僕は部屋を出ていくエリーヌを追いかける。

 

彼方「エリーヌ!待てって!ちょっと落ち着け!」

 

エリーヌ「先に喧嘩を吹きかけてきたのは向こうだ!あんな卑怯者!ちゃんと戦う価値無い!」

 

彼方「いや!ユウちゃんは絶対にエリーヌの良いライバルになる!」

 

エリーヌ「ライバル!?」

 

彼方「初めて会った時にそう思ったんだよ!君はどこかユウちゃんに似てるなって!」

 

エリーヌ「あんな子と一緒にしないで!」

 

彼方「僕が!必ず合格の真実を掴んでみせるから!だからユウちゃんとは真剣に戦ってくれ。二人に後悔してほしくないんだ...」

 

エリーヌ「...」

 

僕は真実を知るためにあの人にコンタクトを取ろうと思う。

今となっては気まずいけど...二人の為だ。

そんなことで気負ってる場合じゃない。

 

僕はあの部屋に向かって走り出す。

 

...

 

..

 

 

 

僕は扉をノックする。

すると中から返事が返ってくる。

 

そして扉を開ける。

中には...叔父さんとレオさんが居た。

 

立神「っ!?貴様!一体何のつもりだ!」

 

彼方「ここに来る資格はないと分かってますよ。ただ...どうしても叔父さんに頼みたいことがあるんでね。」

 

我望「...いいだろう。今回は特別に力を貸そう。」

 

立神「我望様!?良いのですか!?」

 

我望「大切な身内だ。一回ぐらい力を貸しても良いだろう。」

 

彼方「...ありがとうございます。」

 

まさか叔父さんが協力してくれるとは思わなかった。

失敗した者や裏切り者には容赦しない叔父さんがだ...

 

我望「それで?頼みたいこととは何かね?」

 

彼方「...今回の選抜試験の審査員の方々と話す場所を設けてほしいと思っています。」

 

我望「ほぉ...何故だね?君は最終試験まで残ったじゃないか。」

 

彼方「僕のことじゃないです。二人の友達の為に...」

 

我望「...そうか。分かった。良いだろう。日向さん達には今夜駐車場で時間を作ってもらえるように頼もう。」

 

彼方「ありがとうございます。」

 

よし...これでエリーヌに証明できる...

 

僕は叔父さんに礼を言って部屋を出ようとする。

がそこで叔父さんに呼び止められる。

 

我望「彼方。」

 

彼方「っ...はい。」

 

我望「次の時にはもう私達は敵同士だ。分かっているね?」

 

彼方「...はい。貴方を止めてみせますよ。」

 

我望「フッ。やれるものならやってみなさい。」

 

彼方「...失礼します。」

 

僕は部屋を出る。

...何かありそうだな...

一応それぞれにダスタードを二人ぐらい影に忍ばすか...

 

僕はダスタード達を出して、叔父さんとレオさんを見張るように指示する。

な~んか不安なんだよね~...

 

ま、取り敢えず日向さん達に会う時間まで適当に暇つぶしでもしとくか~...

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ー翌日ー

 

遂に最終試験。

試験内容はサバイバルレース。

ペアを組み、10キロの重さのリュックを背負って指定時間以内にゴールを目指す。

ちなみにペア分けは、僕とエリーヌ、賢吾くんとユウちゃんだ。

 

隣に居るエリーヌはずっとユウちゃんのことを睨んじゃってるけど...

まあ真実を話したら分かってくれるはずだ...

 

そして試験が始まった。

ユウちゃん達は最初の吊り橋で手こずっている。

僕達はその間にどんどん進んでいく。

 

ある程度進んで地図を確認する。

そしてエリーヌにこのままのペースで行くかどうかを聞こうとしたんだけど...

 

エリーヌが居ない...

 

もしかしてと思い、慌てて来た道を引き返す。

まさかユウちゃんを闇討ちなんてしてないよな!?

 

僕は必死にエリーヌの名を叫びながら走る。

流石にそこまで遠くに行ってないはずだけど...

 

すると前からエリーヌの姿が見える。

僕はエリーヌの下に駆け付ける。

 

彼方「エリーヌ!」

 

エリーヌ「ごめん。さあ急ご!」

 

彼方「待て!」

 

エリーヌ「っ...」

 

彼方「まさかユウちゃんを闇討ちしたりしてないよな...?」

 

エリーヌ「...闇討ち?」

 

彼方「知らないうちに相手にやられてることだよ。やってないよな?」

 

エリーヌ「それがどうしたの...」

 

彼方「エリーヌ!!!」

 

エリーヌ「っ!?」

 

彼方「僕は真実を掴むから真剣に戦ってくれって頼んだよな!?」

 

エリーヌ「だってあっちから卑怯なことを!」

 

彼方「これを見ろ。」

 

僕はそう言ってポケットから一枚の緑色の紙を出す。

 

エリーヌ「それは...?」

 

彼方「指令書だ。昨日日向さんに聞きに行った。なんでユウちゃんを合格させたのか。答えは覚悟があるからだってさ。」

 

エリーヌ「覚悟?なんで!?」

 

彼方「あの試験では予測外の事態をチームがどう切り抜けるか見る為にこの指令が出された。それも秘密裏にだ。これはユウちゃんの箱の裏に貼ってあったんだ。」

 

エリーヌ「それじゃあ...」

 

彼方「ユウちゃんはカメラパーツが無くなったことによってピンチとなったところを敢えて別の案を出した。嫌われ者になろうとチームを、エリーヌのロボを守る為に。その覚悟に日向さんは惚れこんだと言っていたよ。」

 

エリーヌ「ユウキが私のロボットを守った...?」

 

彼方「違うよ。僕達皆をだ。それが彼女の力だよ。」

 

エリーヌ「...彼方...私...!」

 

するとエリーヌが突然来た道を戻っていった。

僕も慌ててそれを追いかける。

 

しばらくするとちょっとした崖並みの急こう配の坂の下にユウちゃんが。

どうやらここから落ちたことで足を痛めたようだ。

 

するとエリーヌが上手く坂を下りてユウちゃんの傍に立つ。

それを見たユウちゃんがエリーヌに早く行くように言う。

君は...そこまで優しいなんて...

 

エリーヌはアクエリアスに変身し、ユウちゃんの怪我を治す。

最初は驚いていたものの怪我が治ったことでアクエリアスを見るユウちゃん。

 

賢吾「エリーヌがアクエリアスだったのか...」

 

流星「通じたようだな、彼方の想い。」

 

弦太朗「良かったな、二人とも。」

 

彼方「...ああ。っていつの間に居たの!?」

 

何かいつの間にか僕の隣に三人が居た。

あれ?僕最近警戒心薄れてない?

 

その間にエリーヌはユウちゃんに改めて勝負を宣言する。

今度は本当の実力で。

それにうんと答えるユウちゃん。

 

取り敢えずまずは二人をあそこからこっちに戻さないとだね。

まあ今回は仕方ないということで...

 

僕はワープを展開する。

 

彼方「二人とも~!それを通ってきな!こっちに戻れるから!ここを登るのも大変でしょ?」

 

ユウちゃん「えぇ~...そんなズルみたいなことしていいのかな~...」

 

彼方「まあ~たまたまワープがあって通ったら戻れました~って感じに解釈したらいいんだよ。問題はバレなきゃ問題にならないしね!」

 

賢吾「それは流石にダメだろ...」

 

流星「その考え方はな...」

 

なんでさ!

正々堂々と勝負するんだったらスタートラインぐらい同じにしないとでしょ!

 

結局二人はワープを通ってこっちに戻ってこれた。

そしてここに居る皆でゴールへと目指していく。

 

...

 

..

 

 

 

ゴールまでもう少し。

あとはこの丘を登っていくだけ。

 

僕達は並んで走っていた。

もうエリーヌとユウちゃんの間にギスギスしたものはない。

二人とも良いライバルとして競い合っている。

 

そしてゴールが見えた頃。

何故かゴールにはライダー部の皆も居る。

わざわざ応援しに来てくれたのかな~?

 

僕達はラストスパートで全力で走る。

そして見事全員揃ってゴールした。

 

皆で喜び合ってる中、エリーヌとユウちゃんも友情の証を交わしている。

いや~これはいい気分だね~。

 

日向「おめでとう!四人全員合格です!」

 

まさかのサープラーイズ。

四人全員合格できたことで更に喜ぶ。

 

だが一人だけ。

エリーヌは神妙な表情をしてこの場を去ろうとする。

 

彼方「エリーヌ!どうしたの?」

 

エリーヌ「彼方...私は皆と一緒に居れないよ...」

 

彼方「なんで...」

 

エリーヌ「だって、君は仮面ライダー部。私はゾディアーツ。ホロスコープスのボスは私の大好きな人。その人を裏切れない。これ、私のプライド!覚悟だよ!」

 

彼方「エリーヌ...分かったよ...全力で相手させてもらう...!」

 

そうだ...

僕達はあくまで敵同士なんだ...

嫌だな...エリーヌと戦うなんて...

 

...

 

..

 

 

 

豪雨の中、僕とエリーヌは向かい合う。

お互いの覚悟を掛けた戦い...

 

ユウちゃんが辞めてと言ってくるがそれは出来ない。

この戦いだけは誰にも邪魔されたくない。

 

僕達はお互い変身する。

 

オレの中にフォリアは入っていないが...アレをやるしかない。

いつまでもアイツにばっか頼ってるわけにもいかないしな...

 

オピュクス『ブラッドアップ』

 

すると結晶がオレを包む。

そして弾けるとオレは『超新星』を使う時の姿に成れた。

 

オレは『干将・莫邪』を投影する。

アクエリアスの攻略方はこれしかない...

 

そしてアクエリアスから動き出した。

アクエリアスはマントを取って鞭を振るってくる。

 

オレもアクエリアスに向かっていき、鞭を全て斬っていく。

そして夫婦剣をブーメランのように投げる。

その間、オレはオルタが使うエクスカリバーを投影して薙ぎ払う。

 

すると投げた夫婦剣が、お互いを引き寄せる性質によって丁度アクエリアスの肩を交差する。

両肩を同時にやられたことにより回復が出来なくなる。

 

オレは『干将・莫邪』を消して、聖剣に力を込め構える。

すると剣に黒いオーラが纏われていく。

 

オピュクス「『卑王鉄槌』、極光は反転する。光を呑め...『約束された勝利の剣(エクスカリバー・モルガン)』!!!」

 

オレはアクエリアスに向かって行く。

アクエリアスも向かってくる。

 

そしてオレ達は交差する。

その時にオレは鞭を避け、聖剣をアクエリアスに当てる。

そして一気に放出して斬りつける。

 

そしてアクエリアスは爆発した。

オレは爆発から強制的に変身を解除されたエリーヌを助ける。

 

エリーヌ「...はぁ...はぁ...ありがとう...彼方...」

 

オピュクス「...バカヤロ。」

 

するとエリーヌの身体が消えていく。

もしかしてヴァルゴさんの仕業か...

 

オレはエリーヌに結界を張って転送を阻止する。

彼女は絶対に連れて行かせない...

 

オレは気配を探知し、ヴァルゴさんの方を見る。

そしてオレはエリーヌからスイッチを取り、それをヴァルゴさんに投げる。

 

オピュクス「...それでいいだろ。」

 

ヴァルゴ「...」

 

ヴァルゴさんは何も言わずに去っていく。

 

...今はなんも言えないな。

オレはエリーヌを連れてワープする。

皆には悪いが、今のオレはまともに話が出来ない。

 

家にワープしたオレは変身を解除し、ドアを開ける。

 

紗理奈「おかえりなさ...ってどうしたの!?そんなに濡れて!彼女の方も!?」

 

彼方「僕は大丈夫。先にエリーヌの方を頼む...」

 

紗理奈「...分かったわ。」

 

そう言って紗理奈ちゃんはエリーヌを連れて中に入る。

すると突然身体中の力が抜けて倒れてしまう。

どうやらそうとう気を張ってたみたいだ...

まあ仕方ないか...

 

そして意識が無くなる...

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

目を覚ますと僕の部屋に居た。

どうやらベッドまで運んでくれたみたいだ。

でも一つだけいい?

 

なんで隣でエリーヌが寝てるの!?

 

いや起きたら横で友達の女子が寝てるとか無いから!

僕達そんな関係になった覚えないよ!

 

僕が慌ててるとその物音で目が覚めたのかエリーヌがこっちを見てくる。

 

エリーヌ「彼方...昨日は激しかったね...」

 

おいぃぃぃぃぃ!!!!!

誰だエリーヌにそんなこと教えた奴はぁぁぁぁ!!!!!

彼女素直なんだから意味も知らずに言っちゃうからぁぁぁぁぁ!!!!!

 

彼方「エリーヌ。それ誰に教えてもらった。」

 

エリーヌ「え?フォリアが彼方が起きたらこう言ったら元気になるって。」

 

あんのドS宇宙人がぁぁぁぁぁ!!!!!

今夜一晩中お仕置きしてやる!!!!!

 

彼方「エリーヌよ...その意味を聞いたのか...?」

 

エリーヌ「?聞いてないよ?」

 

彼方「あのね?それってつまり...かくかくしかじかダイ〇ツム〇ブ...ってことなの。」

 

エリーヌ「えっ!?私それ知らなかった!」

 

彼方「うん。フォリアに騙されたんだよ。」

 

エリーヌ「そんな!本当だと信じちゃったよ!」

 

うん、純粋の塊だな...

それにしてもなんでだろ...エリーヌを騙してるフォリアが簡単に想像できちゃう...

 

まあとにかくエリーヌが無事でよかった。

あんな大雨に打たれて風邪でも引いたかと思ったけど、大丈夫のようだ。

 

彼方「ま、取り敢えずおはよ。」

 

エリーヌ「うん!おはよう!」

 

彼方「スイッチは無くなったけど...大丈夫?」

 

エリーヌ「うん...あの勝負で負けたから仕方ないよ...」

 

彼方「まあエリーヌが連れていかれるよりマシだけど...」

 

エリーヌ「多分処刑されると思うよ...」

 

彼方「良くて記憶消去、最悪はダークネビュラ行きだからね...ほんと連れて行かれなくてよかったよ。」

 

エリーヌ「彼方...」

 

彼方「記憶が無くなったらまた仲良くなったら良いけどさ。この試験中に会った思い出を忘れられるのは辛いからさ...」

 

エリーヌ「...私も辛いよ。ユウキや弦太朗に賢吾...それに彼方との思い出を忘れるなんて...」

 

彼方「エリーヌ...」

 

たった数日だけどそれでも僕達にとっては大切な思い出だ。

忘れたくないに決まってる。

 

エリーヌ「彼方...好きだよ...」

 

彼方「え?」

 

エリーヌ「私があんなに暴れてもずっと守ってくれてた。ユウキのことを誤解して怒ってもずっと考えてくれた。そんな彼方が好きになったの。」

 

いきなりエリーヌに告白されるとは...

しかも朝のベッドの中で...

 

なんかシチュエーションが微妙だけど、エリーヌの言葉を嬉しく感じる。

多分エリーヌのことも大事になってるんだろう。

友達としてじゃなく、大切な人として...

 

彼方「エリーヌ...僕も好きだよ。」

 

エリーヌ「彼方...」

 

彼方「君の元気な姿をずっと見てたいって思ったんだ~。エリーヌ、僕と付き合ってください。」

 

エリーヌ「...うん!」

 

そう言ってエリーヌが抱き着いてきた。

僕は寝起きの身体で何とか受け止める。

朝っぱらから何やってんだろ...

 

するとエリーヌが軽いキスをしてきた。

いきなりのことで一瞬ポカンとなったけど、徐々に照れてしまう。

 

僕は照れ隠しみたいな感じでエリーヌにキスし返す。

するとエリーヌが顔を赤くして僕の胸に顔を埋めてくる。

何この可愛い生き物。

 

しばらくエリーヌを可愛がってると扉が開く音がする。

エリーヌは気づいていないようで、猫の様にすり寄っている。

 

扉の方を見るとフォリアと紗理奈ちゃんとソラリスがニヤニヤしながらこっちを覗いている...

あの顔腹立つな...

 

するとフォリアがスケッチブックを取り出してあるページを見せてくる。

そこに書かれていたのが...

 

『昨夜はお楽しみでしたね』

 

...よし。

僕は一旦エリーヌを離す。

エリーヌは不思議そうな顔してこっちを見てくるが、今はそれどころじゃない。

 

僕はベッドから降りて三人の方に向かう。

三人はまだニヤニヤしている。

 

僕は三人の後ろにワープを展開する。

そしてそこから弱めに設定したスタンガンを放出する。

綺麗に当たった三人は痺れて立てなくなった。

 

フォリア「ちょっ!?いきなり何を!?」

 

紗理奈「彼方くん!?」

 

ソラリス「動けない!?」

 

彼方「いや~こんなもの見せられたらイラっとくるに決まってるでしょ~。ねぇ~?三人共?」

 

多分今の僕は後ろから『ゴゴゴ』という文字が浮かび上がっているのだろう。

そんぐらいの威圧を放ってるからね~。

 

三人は夜にお仕置きするとして...

取り敢えずはエリーヌを起こして家まで送った。

その時にエリーヌにお守りのブレスレットを渡した。

もしホロスコープスの誰かに襲撃された時の為にだ。

 

そうして帰ったらソラリスから気になる情報が。

 

ソラリス「彼方。財団に潜入させてるのから気になる情報が。」

 

彼方「財団関係で?何々?」

 

ソラリス「近々財団が我望に対して研究成果を引き渡すように言ってるらしいの。その対象がホロスコープススイッチらしいの。」

 

彼方「なんでホロスコープススイッチを...まさかダミーか...?」

 

ソラリス「多分そうだと思うわ。財団はそれを研究して財団だけで開発できるようにするらしいの。」

 

彼方「それは阻止した方が良いかもしれないね...財団に渡したらまともなことに使われないからね~...」

 

ソラリス「なら襲撃の準備をしておくわ。数日後らしいけど詳しい日程はまた聞いておくわ。」

 

彼方「うん、ありがとう。」

 

叔父さんがもうホロスコープススイッチを複製出来てたなんて...

これが何かきっかけになりそうな気がするけど...

取り敢えず取引を阻止しないと...

 

 

 

 

to be continued...




最後らへん突っ走った感じだけど...まあそういうことじゃ。

次回から劇場版だよ。
見てね。


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劇場版編 鉄・人・襲・撃

ー彼方sideー

 

僕は今ある場所に来ている。

ソラリスが掴んでいた財団Xと叔父さんの取引場所に潜入している。

取引内容が内容だけに襲撃することに決めた。

 

一応念には念を入れる為に、取引場所となる立体駐車場の周りにダスタード達を配置させている。

それとフォリアも来ていて、僕とは別の場所で待機している。

挟み撃ちの様にして襲撃すれば少しは成功率も上がるだろうと思った。

それに戦闘用の礼装に着替えているから叔父さん達にはバレないだろう。

 

すると一台の白い車がやって来た。

白ということは恐らく...

 

車から白い服を着た五人が出てくる。

今回の取引相手である財団Xだ。

恐らくリーダーであろう女が前に出て待っている。

 

すると反対側から黒塗りの車が一台やって来た。

中から現れたのはレオさん、速水、そして叔父さんだ。

速水の手にはアタッシュケースが。

 

我望「お待たせしたね。財団Xの諸君。」

 

速水が前に出てケースを開ける。

僕は視覚強化薬を飲んで中身を見る。

そこには十二のホロスコープススイッチが入ってあった。

 

中身を確認した財団は小切手を渡し、ケースを受け取る。

襲撃するなら今かと思っていると、突然煙幕弾が。

何事だと思い周りを見ていると、一人の女が財団員からケースを奪った。

 

???「このスイッチ、私が使わせてもらうわ。」

 

女がそう言うと財団員が彼女に襲いかかる。

女は攻撃を捌いていき、邪魔になったのかアタッシュケースを地面に放る。

僕はその隙にアタッシュケースを取る。

 

速水「貴様!何者だ!」

 

彼方「さあ~?何者でしょう~?」

 

速水の問にふざけた口調で答える。

真面目に答えてやる義理はない。

 

そう思ってると女がレオさんにやられているところが目に入る。

彼女が何をしようとしてるのか分からないが、この取引をめちゃくちゃにしてくれたのは助かった。

ならちょっと手助けしてあげよう。

 

僕はケースを虚空に入れ、二人の間に入る。

そしてレオさんの腹に一発蹴りを入れる。

すると力加減を間違えちゃったのか、予想以上に吹っ飛んだ。

 

彼方「あらら、やりすぎちゃったかな~...それより、大丈夫かい?Ms.レディ?」

 

???「余計なお世話よ。」

 

あら?振られちゃった?

 

すると突然車が僕達の方に向かってくる。

見ると財団員が乗っていた。

 

僕は慌てて彼女を抱えて横に避ける。

車は他の車にぶつかるが、それでもなおこっちに向かって走って来る。

どうしようかと考えてると、突如目の前に何かが現れ、車を片手で止めた。

 

黒い身体に金色のラインが入った装甲。

機械の様に見えるけど...

 

我望「ほぉ...宇宙鉄人か。」

 

宇宙鉄人...?

何か聞いたことあるような気がするけど今はそれどころじゃない。

 

速水とレオさんがそれぞれ変身してダスタードを出してくる。

宇宙鉄人は女に銃を渡す。

う~ん...普通の銃じゃ時間かかりそうだな~。

 

僕はある物を投影してそれに魔術を施す。

そしてそれを女に投げる。

 

???「これは?」

 

彼方「サイレンサーみたいに先に着けてみなよ。面白いことなるから。」

 

???「ふーん...」

 

女は僕の言った通りに銃口に取り付ける。

そしてダスタード達に向かって撃つ。

するとダスタード達に着弾した瞬間小規模な爆発が起こった。

 

僕はアレに衝撃があると爆発するような魔術を施す。

もちろんそれは出口ギリギリのところにやったから誤爆することはない。

 

女は気に入ったのかどんどんダスタードを撃っていく。

その間に鉄人は天秤野郎とレオさん二人を相手している。

ちょっと手伝ってやりますかね~。

 

僕は適当に鉄パイプを投影する。

そしてある宝具を発動する。

すると鉄パイプは真っ黒に染まり、赤い血管の様な模様が浮かびあがる。

 

僕は天秤野郎に襲い掛かるが、気配を察知したのか防がれる。

 

リブラ「貴様!その仮面を剥ぎ取ってやる!」

 

彼方「お~怖い怖い~。まあ出来たらの話だけどね~。」

 

僕はそう言って鉄パイプを思い切り振るう。

すると斬撃が発生して天秤野郎に直撃する。

 

ノックバックしたところを一瞬で距離を詰めて脇腹を攻撃する。

思い切り振りかぶったから車の中に突っ込んでいった。

 

終わったと思って鉄人の方を見ると、駐車場の外からヘリが現れ鉄人に銃撃している。

その流れ弾が僕に当たりそうで慌てて結界を展開する。

すると鉄人が装甲から銃撃してヘリを撃ち落とした。

 

そして鉄人が叔父さんの方に向かうと、復帰した天秤野郎とレオさんがその前に立ちはだかる。

すると女が鉄人の隣にやって来る。

 

???「邪魔するなら誰だろうと容赦しない。」

 

我望「あのスイッチで何をするつもりかね。」

 

???「宇宙で戦争よ。行くわよ、ブラックナイト。」

 

そう言うとブラックナイトと呼ばれた鉄人は前に出て叔父さん達に向かって銃撃する。

と言っても撹乱の為の銃撃だろう。

 

すると隣にワープが展開され、フォリアが出てくる。

 

フォリア「私達も行きましょう。」

 

彼方「まあ彼女を追ってみようか。」

 

フォリア「いや目的は果たしたじゃ...」

 

彼方「彼女が何故襲撃したか気になるからね~。」

 

僕はそう言うとワープを展開して彼女が逃げていったであろう場所へと向かった。

 

...

 

..

 

 

 

彼方「やっほ~レディ~。さっきぶり~。」

 

???「貴方は...」

 

僕が後ろから声をかけると驚いた様子の女と前に出て守ろうとするブラックナイト。

一応フォリアは僕の中に入って貰ってる。

 

彼方「君のお目当ての物はこれでしょ?」

 

僕はそう言って虚空からアタッシュケースを取り出す。

さっきの取引で奪った物だ。

 

???「...なんでそれを見せるの。」

 

彼方「それは君の目的が知りたいからかな~。」

 

???「さっきも言ったでしょ。宇宙で戦争するのよ。」

 

彼方「誰と?」

 

???「それは...」

 

彼方「それを聞けない限り渡すことはできないかな~。」

 

???「貴方は一体何者なの?」

 

彼方「僕?僕はそうだな~...こーゆー者って言ったらいいかな?」

 

僕はそう言ってスイッチを取りだす。

それを見たブラックナイトはこっちに向かってくる。

僕は結界を展開してブラックナイトを閉じ込める。

 

彼方「そう怒らないの~。僕は彼らとは敵だからね~。」

 

???「敵なのに敵の力を使うのね。」

 

うっせ。そんな返し来るとは思ってなかった。

 

彼方「とにかく...君の本当の目的を教えて頂戴な?」

 

???「...仕方ないわね。」

 

それから女は話し始めた。

 

彼女の名はインガ・ブリンク。

アリシア連邦の工作員として活動しているらしい。

 

彼女の父であるブリンク博士は宇宙鉄人の生みの親。

宇宙鉄人は全部で三体居るらしく、その内の一体がブラックナイトだそうだ。

 

そのブラックナイト以外の宇宙鉄人が博士を殺し、人類を滅ぼそうと画策したらしい。

そこで博士は衛星兵器XV-Ⅱを使うことで彼らの能力を制限し、変身機能を奪って息を引き取ったらしい。

 

だが今その二人の鉄人がXV-Ⅱを破壊しようとしているらしい。

そこで彼らが弱体化している今、破壊しようと考えたらしい。

その為にも戦力確保の為に、工作員としての能力を使って今回の取引を知り襲撃したそうだ。

 

インガ「これが私の目的よ。」

 

彼方「そっか。ならこれを渡すよ。」

 

インガ「いいの?こんな簡単に信用して。私が騙そうとしてるとは思わないの?」

 

彼方「ブラックナイトを見れば分かるよ。君のことを信頼してるんだから嘘だとは思わなかったよ。」

 

インガ「そう...ありがとう。」

 

おっふ...

礼を言ったインガの笑顔がギャップがあり過ぎてちょっと惚れそうになった...

 

彼方「それじゃあその宇宙鉄人兄弟を倒しに行くの?」

 

インガ「ええ。多分奴らは行動を起こすはずよ。確か仮面ライダー部とかいうのに協力を要請するつもりだったわ。」

 

彼方「っ!?仮面ライダー部だって!?」

 

まさか...僕達に...

多分相手のことだ。インガのことで嘘を言ってXV-Ⅱを破壊するように言うはずだ。

何も知らない弦ちゃん達はそれを聞いて進んでやろうとするはずだ...

 

どうしよう...

 

インガ「どうしたの?もしかして...」

 

僕は礼装から制服に着替えた。

それを見て不思議そうにしているインガ。

 

彼方「自己紹介はまだだったね。僕は我望彼方。仮面ライダー部に所属している高校三年生だ。」

 

インガ「っ!まさか貴方が所属してるなんて...じゃあ...貴方は私達の敵なの?」

 

彼方「いや。僕達は学園の平和を守る仮面ライダー部だ。宇宙鉄人達の好きにはさせないよ。」

 

インガ「でもアイツらは貴方たちに接触してくるはずよ。」

 

彼方「...何も知らないフリして乗り込むことにする。そしたら内部から防げるでしょ?それに君の計画も手助けする。」

 

インガ「...なんでそこまで協力するの。」

 

彼方「そりゃ大切な人を守る為に決まってるでしょ?それに...君が無実だってこともちゃんと伝えないとでしょ?」

 

インガ「彼方...」

 

彼方「取り敢えずその鉄人からの接触に警戒しておくよ。もし接触があったらコイツを使って連絡させるよ。」

 

そう言って僕は影からダスタードを出す。

それを見てインガが驚く。

 

インガ「なんでソイツを経由してなの?」

 

彼方「相手は宇宙鉄人って言うぐらいだから多分信号とかはバレると思うんだ。だからコイツをインガの影に忍ばせていつでも連絡を取れるようにするよ。」

 

インガ「でもどうやって連絡を取るの?」

 

彼方「僕の共感覚を使って意識を繋げるんだ。それで連絡は行けるよ。後はコイツに案内させるから。」

 

インガ「それは心配ないわ。アイツらが使うルートは抑えてあるのよ。」

 

彼方「流石だね。じゃあまたね~。」

 

インガ「ええ。」

 

僕はそう言って家にワープした。

それにしても宇宙鉄人か~...

叔父さんが知ってたってことは、何かしら研究に関わってたのかな?

 

とにかく明日は大変な一日になりそうだな~...

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ー翌日ー

 

僕達は今情報の授業を受けている。

その中で実際にプログラミングをしているんだけど...

 

弦太朗「おりゃあああ!!!」

 

機械音痴気質がある弦ちゃんは力一杯エンターキーを押してパソコンをショートさせた。

相変わらずな感じの弦ちゃんだ。

分からないから取り敢えずがむしゃらにやろうとする。

それをユウちゃんや流ちゃんが何とか止める。

 

弦ちゃんはコンピューターだってちゃんと言い聞かせれば何とかなるとか言ってるけど...

それで何とかなったら苦労しないよ...

終いにはマウスと友情の証交わしちゃってるし...

 

フォリア「脳筋ってレベルを超えてますね...」

 

彼方「まあそこが弦ちゃんらしいとこでもあるんだけどね~。」

 

小松先生が備品関係で校長に何か言われないか心配している。

とそこに大杉せんせーが慌てた様子で入って来る。

 

大杉「おい!如月、歌星、城島、朔田に我望、ブラッドちょっと来てくれ!」

 

いきなり僕達を呼び出した大杉せんせーに小松先生が小言を零す。

だが大杉せんせーは責任を小松先生に押し付けてさっさと出ていく。

 

そして連れられたのがラビットハッチ。

一体何事だろうと思いながらもついて行く。

緊急だと言っていたけど...

 

ハッチに着くとどうやら僕達以外の全員集まっているようだ。

だけど皆凄い不信感を出してるけど...

 

美羽「大杉先生。これどういうことですか!」

 

隼「ラビットハッチは秘密のはずなのに!彼女が。」

 

そう言って隼の見た先を見ると...

そこにはスーツを着た女が居た。

 

いや誰?マジで...

何かこっち見てすんごい笑顔なってるけど...

 

???「わぁ~、やっと皆さんが揃った!」

 

大杉「バレてるんだよ彼女には!ライダー部も!如月と朔田のこともな!」

 

え?流ちゃんのことまで?

まだ流ちゃんは表立って活動してないはずだけど...

 

もしかして彼女が鉄人からの刺客なのか...?

そして女が名刺を出そうとするが、そこでドジって転んでしまう。

 

床に散らばった名刺を拾っていると彼女と頭をぶつける。

イッタ!?女性の頭ってあんなに固かった!?

鉄にぶつけたみたいな感じなんだけど!?

 

すると今度は大杉せんせーにぶつかって上に乗ってしまうし...

なんか...凄いドジっ子だな...

 

ふと名刺を見てみると、彼女は『OSTO Legacy』本部長秘書、白山静というらしい。

『OSTO』は聞いたことあるけど、『OSTO Legacy』は聞いたことないな...

 

白山さんが言うには『OSTO』の後継団体みたいだ。

その本部長秘書が一体何の用だ...?

彼女が言うには地球の危機らしいけど...

 

彼女は大杉せんせーに上目使いで頼む。

それにまんまと乗っかるせんせーだけど...

アンタほんと威厳もクソもないよ?

 

...

 

..

 

 

 

そうして僕達は今、目隠しをした状態でバスに乗っている。

どうやら本部の場所は極秘らしいからこの対応をしているのだとか。

 

すると突然バスに衝撃が起こる。

何事だと思い目隠しを外して前を見る。

そこにはブラックナイトが立っていた。

 

僕はあらかじめラビットハッチから出る時に共感覚を使ってインガに連絡を取っていた。

それを受けた彼女は直ぐに行くと言ってたけど...

こんなに早いとは思わなかったよ!?

 

弦ちゃんがブラックナイトの対応をする為にフォーゼに変身。

そしてバイクでブラックナイトと交戦した。

 

あれ?そういえばインガはどこに?

てっきりブラックナイトと一緒に来ると思ってたけど...

 

すると後ろから一台のバイクが。

どうやらインガのようだ。

 

インガはサブマシンガンでバスの後ろの護衛の車を射撃。

するとインガはバイクの車体を持ち上げて一気に大ジャンプする。

見事に前に出たインガはそのままバスに銃撃してくる。

って!僕達が乗ってること忘れてない!?

 

後部ドアが外れると一気にバイクを加速してそこからジャンプでバスの中に入って来た。

そして銃で皆を威嚇する。

 

インガ「妙な助っ人を頼んだみたいだけど、無駄なことよ。」

 

賢吾「辞めろ!なんでこんなことを!」

 

インガ「子供はお黙り!」

 

うーん...埒が明かなそうだから取り敢えずインガの相手をするか。

僕はインガに襲いかかり、窓から銃を落とさせる。

 

彼方「僕に合わせろ...

 

インガ「分かったわ...

 

彼方「子供呼ばわりは辞めてほしいな~。」

 

インガ「邪魔をする者は誰だろうと潰す。」

 

するとインガが殴りかかって来る。

僕は捌いていくが、やはり前線で戦っているからか技量が違う。

レオさんよりは甘いがそれでも充分トップレベル。

 

そこから掴み合いになってお互い引き離そうとするが離れない。

そのまま揉みくちゃになってバスから車のボンネットに落ちてしまう。

 

インガがマウントを取って僕に殴りかかってくるが、それを何とか避けていく。

てか手痛くない?大丈夫なの?

 

彼方「手痛くないの?すんごい力入れて殴ってるけど。」

 

インガ「痛いわよ!大人しく殴られなさい!」

 

彼方「ヤダ怖い。そんなこと言われるの初めてだわ。」

 

どうやらインガはやるならガチでやるタイプらしい。

まあその方が演技だってことがバレないからいいんだけど。

 

僕は何とかインガを蹴って車から落とす。

受け身を取ったインガは流れるような動作で銃を抜き、撃ってくる。

このままじゃ危ないと判断した僕は結構な速度で走ってる車から飛び降りる。

 

だがインガは射撃を辞めず、車は見事にお釈迦になりましたとさ。

まあ敵だから仕方ないんだろうけど...

 

すると今度はこっちにやって来る。

そこからまた交戦するんだけど、バスの中の狭い空間とは違って身体を充分に動かせるからか中々攻撃が入らない。

 

すると僕の攻撃を捌いたインガが、腹に手を添える。

この構え...まさか...

 

そしてインガは添えた手を折り、拳を放ってくる。

流ちゃんが弦ちゃんにトドメを刺した時と同じ技だ。

 

衝撃で僕は吹っ飛ばされてしまう。

痛っ...マジで本気でやって来たぞあの女...

後でいたずらしてやる...!

 

僕がそんなことを考えてる間にフォーゼが戻って来た。

分が悪いと判断したインガはブラックナイトを呼び寄せる。

 

インガ「今度邪魔したらほんとに死ぬわよ。」

 

彼方「...やれるもんならやってみろ。」

 

インガ「...ごめん。」

 

インガはそう言うとブラックナイトに抱きかかえられ、そのまま飛んでいった。

...最後の謝って来るのズルくない?

 

そんな下らないことを考えながら痛みに悶えるのだった...

 

 

 

 

to be continued...




お察しの通り三話構成にしたよ。
次回も見てね。


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劇場版編 宇・宙・出・発

ー彼方sideー

 

無事『OSTO Legacy』の本部に辿り着いた僕達仮面ライダー部は、大きな劇場の様な場所で説明を受けている。

 

数種類の映像を見せられる僕達。

まずは小さな島が巨大な光線で一瞬で消え去る映像。

次にその攻撃を行ったであろう衛星兵器XV-Ⅱの映像。

そして二体の鉄人、グランダインとスカイダインによって殺戮がされている映像。

 

これらの映像は真実の物もあるだろうが、インガから聞いた話とすり合わせると嘘が混ざっている。

実際、白川さんはインガ達もグランダインとスカイダインの一味だと言っている。

だがそれは全くの嘘だ。

 

すると突然ローラースケートに乗って現れる一人の男性が。

彼はここの本部長である冴葉晴海というらしい。

 

冴葉からXV-Ⅱを破壊してほしいと頼まれる。

地球の危機から守る為にと言われるが...

 

だがそれにユウちゃんと美羽がやる気になる。

まあそりゃこんな一方的な情報だけ聞くと破壊することが当然と思ってしまう。

 

とそこに弦ちゃんが何とXV-Ⅱと友達になると言いだす。

確かに意思を持つ衛星兵器だけど、流石に機械相手には無理なんじゃ...

でも弦ちゃんなら案外友達になれるかもしれないね~。

 

だがそこに冴葉が無理だと断言する。

だけどそれでも弦ちゃんはやってみなくちゃ分からないと答える。

ほんとポジティブ思考が凄いな~...

 

...

 

..

 

 

 

そこから宇宙に行くための訓練が始まった。

基礎トレーニングから始まり、選抜試験でも経験した閉鎖環境訓練。

そう言えば流ちゃんはどうやら閉所恐怖症らしい。

だからあの時パニックになったんだね~。

 

そのことで皆で流ちゃんを弄ったら一人ずつ拳骨喰らった。

解せぬ...

 

そして減圧訓練や水中無重力訓練。

更には耐重力飛行訓練も行った。

凄いG(重力)が掛かってたけどそこまでキツイものじゃなかった。

そしたら何故か僕の機体だけ、皆のよりも重力を倍増された。

解せぬよ...

 

そして射撃訓練に格闘訓練も。

この二つはXV-Ⅱに侵入することを想定してのこと。

まあ多分何も起こらないだろうけど、念には念をって感じかな~。

 

数日の訓練期間を終えて、ついに明日は作戦を決行する日。

皆は中庭で集まっている。

僕はと言うとインガに会いに行っている。

まあ多分襲撃を掛けるなら明日だろうな~と思ってだけど。

 

ダスタードを辿ってワープすると目の前にインガが居た。

 

インガ「どうしたの?」

 

彼方「作戦会議ってところかな~。それにしてもあの時はやってくれたね~。」

 

インガ「それは...その...ごめんなさい...」

 

彼方「う~ん、どうしようかな~...」

 

僕はそう言って威圧をちょ~~っとだけ出しながらインガに迫る。

インガは冷や汗を出しながら後退っている。

ブラックナイトはと言うと何故か顔を逸らしている。

もしかして僕のやりたいことバレてる?

 

インガは何とか距離を保ちながら逃げていたが、壁にぶつかってしまう。

僕は壁を背にしたインガにどんどん迫る。

そして距離が目と鼻の先になった。

 

インガ「彼方...」

 

彼方「...」

 

僕は顔を近づける。

インガは何かを覚悟したのか目を瞑る。

そして二人の影は重なる...

 

...

 

彼方「ふーっ。」

 

インガ「キャッ!?」

 

僕はインガの耳に息を吹きかける。

するとインガは可愛らしい反応をする。

 

これが僕のいたずらだ。

あの時僕に本気で倒そうとしてきたお返しだ。

 

インガ「...//彼方!//」

 

インガは顔を真っ赤にしてプルプルとしながら怒る。

いやそんな可愛い顔されても怖くないんだけど...

 

彼方「あの時のお返しだよ~。いや~良い物見させてもらったな~。」

 

インガ「忘れなさい!//今すぐ忘れなさい!//」

 

彼方「それよりも明日のことなんだけどさ~...」

 

インガ「ちょっと!」

 

ありゃ話題転換できなかったか。

まあ別にいいんだけど。

 

彼方「僕は痛かったんだからいいじゃん。あれ次の日まで続いたんだからね?痛み止め飲んだからマシだったけど、多分今日まで痛み引くやつだからね?」

 

インガ「それは...悪かったわよ...」

 

彼方「だから驚かされたぐらいいいじゃん~。痛み分けってことでさ。」

 

インガ「仕方ないわね...それで作戦だけど、明日はこの子達に出てもらうわ。」

 

インガはそう言うと見覚えのあるアタッシュケースを取り出す。

ここでスイッチを使うのか。

それにしてもどう使うんだろ?

 

彼方「てかどう使うの、そのスイッチ達。まさかインガ一人で全部使えるとかないよね?」

 

レオさんみたいに特異体質なのかな~?

 

インガ「違うわよ。貴方達が出すダスタードの様にスイッチにコズミックエナジーを注ぐのよ。そうしたらスイッチがゾディアーツへと変化するのよ。もちろんダミーだから能力は落ちるけどね。」

 

彼方「へ~そんな使い方もあったんだね~。ちょっと面白そうだからこれが終わったら使ってみよかな~。」

 

インガ「貴方なら面白い使い方をしそうだわね。」

 

彼方「そうかな~?それよりそれじゃあインガはどうするの?」

 

インガ「ブラックナイトと一緒に宇宙船に潜入するわ。」

 

彼方「そっか。じゃあそれは僕に任せてよ。」

 

インガ「どうするの?」

 

彼方「適当に良さそうなスペースを見つけたらそこにワープを開くからそこから入りなよ。ダスタードを媒介にしたらインガの方から繋がるはずだから。」

 

インガ「なるほどね。分かったわ。それじゃあ明日は頼むわよ?」

 

彼方「ああ。宇宙船は飛ばしたくないけど、最悪はXV-Ⅱの中に入って奴らを弱体化させるしか...」

 

インガ「そうね...父さんの過ちを償う為にも...」

 

彼方「...」

 

インガの目的の理由がそれだとな...

これが終わった後の彼女には何も残らない。

何とかしてあげたいけどな~...

 

...今は目の前のことに集中するか。

 

彼方「それじゃあ僕はそろそろ帰るよ~。」

 

インガ「ええ。頼むわね。」

 

彼方「ああ。あ、そうだ~。」

 

僕はインガにあるものを渡す。

インガはそれを不思議そうに見つめる。

 

インガ「これは...?」

 

彼方「お守りだよ。もしもの時はそれが君を守ってくれるよ。」

 

インガにブレスレットを渡す。

もちろんこれには魔術を施してあり、誰かに致死レベルの攻撃をされても守ることが出来る。

もしかしたら鉄人兄妹がインガを殺そうとするかもしれないからね~。

 

インガ「...ありがとう。」

 

彼方「気にしないでいいよ。僕がやりたかっただけだから。じゃあね~。」

 

そう言って僕は帰った。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

遂にこの日が来た。

 

XV-Ⅱに乗り込む今日。

僕達はそれぞれ宇宙での活動服に着替え、空港に来ている。

 

ふと目の前のロケットを見ると見覚えがある感じがする。

あれは確か...

 

弦太朗「あれはエクソダスじゃねえか。」

 

白川「財団Xが作っていた大気圏離脱機。レム・カンナギが使っていた物と同型機種になります。今はこれしか宇宙に行ける機体がないんで。」

 

なるほどね~。

あの時はただカンナギを倒すことだけに集中してたけど...

よくよく考えたらよくこの機体を作り上げたなと思うよ。

そこも財団の力なのかな?

 

僕達はエクソダスに乗り込もうとする。

すると突然横から攻撃される。

皆は何とか無事のようだ。

 

攻撃がした方を見るとそこには...

 

ユウキ「ホロスコープスキターーー!!!

 

インガが用意した十二体のホロスコープス達。

まだ僕達が出会ってない奴らも居る。

え?ネタバレになるんじゃないかって?

そこは...何も言わないでね?

 

流星「皆は先に。俺達が足止めしてる内に発射準備を。」

 

白川「エクソダスの操縦はコンピュータ制御。変更は効きません。」

 

弦太朗「分かった。」

 

そう言って僕達三人以外の皆はエクソダスへと向かった。

 

流星「ダミーが相手なら隠れて変身する必要はない。」

 

彼方「確かにね~。」

 

弦太朗「なるほど!だったら一緒にやるか!」

 

そう言って二人はドライバーを装着して変身の準備をする。

僕はスイッチを構え、力を溜める。

最初から一気に飛ばそうと思う。

 

『THREE』

 

『TWO』

 

『ONE』

 

弦太朗、流星「「変身!」」

 

彼方「ブラッドアップ

 

僕達は変身する。

 

フォーゼ「宇宙キターーー!!!」

 

メテオ「お前達の運命(さだめ)は俺が決める!」

 

オピュクス「消えろ。」

 

フォーゼ「いや怖えよ...」

 

うっせぇ。これしか思いつかなかったんだよ。

 

するとゾディアーツ達が向かってくる。

俺達もそれぞれ相手をする。

フォーゼは五体、メテオは三体、残りの四体はオレという感じだ。

 

オレはサジタリウス、ジェミニ、ピスケス、そしてカプリコーンと対峙する。

数で不利だとかいうのは関係ねえ。

何故かって?()()()()が居るからだ。

 

オピュクス「来い!オマエら!」

 

オレはそう言うとワープを展開する。

そこから獣と竜が出てきてゾディアーツ達を蹂躙する。

 

バーヴァン・シー「ハハハ!ザマァねえな!」

 

モルガン「言葉を直しなさい、バーヴァン・シー。」

 

オピュクス「流石にやりすぎか?」

 

バーヴァン・シー「そんなことねえって!ほら見ろよ。」

 

トリ子に言われ見てみると、まだ残っていやがる。

なんだ、案外しぶといんだな。

 

オレは二人に戻って来るように言う。

すると二人は戻ってきてそれぞれ妖精態に戻る。

 

バーゲスト「どうしますか、マスター。」

 

メリュジーヌ「一気にやっつけちゃうのかい?」

 

オピュクス「そうだな。一気に宝具で殺るか。」

 

バーヴァン・シー「いいじゃんそれ!さっすがカナタ!」

 

モルガン「もはや死体蹴りに近い気がしますけどね...」

 

モルガンがなんか言った気がするが気にしねえ。

オレ達は一斉に宝具を展開する。

 

バーゲスト「この剣は法の立証、あらゆる不正を正す地熱の城壁!跪け!『捕食する日輪の角(ブラックドッグ・ガラティーン)』!!!」

 

メリュジーヌ「朽ちる骸より出でよ、炎の息、鉄の翼、黄昏の空に、産声の様に!『誰も知らぬ、無垢なる鼓動(ホロウハート・アルビオン)』!!!」

 

バーヴァン・シー「ショータイムね!ほ~ら、もうおしまい。これが貴方の成れの果て。『痛幻の哭奏(フェッチ・フェイルノート)』」

 

モルガン「それは絶えず見た滅びの夢。報いは無く、救いは無い。最果てに在りながら、鳥は明日を謳うでしょう。『はや辿り着けぬ理想郷(ロードレス・キャメロット)』」

 

オピュクス「そこに至るは数多の研鑽、築きに築いた刀塚。縁起を以て宿業絶つ。八重垣作るは千子の刃。『無元の剣製(つむかりむらまさ)』!!!」

 

五人それぞれ宝具を放つ。

ゾディアーツ達は避けれるはずもなく、喰らってしまう。

 

もはや宝具の所為かゾディアーツが倒されたからか分からない爆発が起こる。

流石にやり過ぎたかもしれねえな...

 

爆発が晴れるとそこにはスイッチが残っていた。

複製品だとは言え一回こっきりじゃねえんだな。

 

モルガン「やりすぎですよ。」

 

オピュクス「...辞めろ。オレが一番自覚してる。」

 

メリュジーヌ「まあいいんじゃないかな?私達も外に出れるようになったんだし。」

 

バーゲスト「ええ。実戦でどの程度戦えるのかも分かりましたしね。」

 

バーヴァン・シー「さっすがカナタだな!カッコよかったよ!」

 

トリ子ォ!オマエだけだ!天使は!

オレはゾディアーツ態のごつごつな手でトリ子を撫でてやる。

それでも嬉しそうにしてるから癒される。

 

オピュクス「そろそろオレは戻らねえとだな。じゃあな、皆。」

 

モルガン「ええ。また出して下さい。」

 

バーゲスト「マスターが呼ぶのならいつでも。」

 

メリュジーヌ「今度は一緒に空を飛ぼうよ。」

 

バーヴァン・シー「いつかデートしたいな!」

 

そう言って四人は消えた。

最後の二人可愛すぎねえか?

 

そう思いながら変身を解く。

すると僕のダスタードが現れてスイッチを回収していく。

もしかしてインガの指示か?

 

取り敢えず僕はエクソダスへと向かう。

 

中に入って取り敢えず良さそうなスペースを探す。

すると丁度人二人分ぐらい隠れれそうなスペースを見つけた。

これならインガとブラックナイトが隠れれるな。

 

僕はスペースの端っこにワープを展開する。

そしてそれをインガに就けているダスタードに伝えてから皆の所に行く。

 

搭乗席に行くと既に弦ちゃんと流ちゃんも居た。

どうやら僕が一番遅かったみたいだ。

 

ユウキ「彼方くん早く早く!」

 

白川「もうすぐ出発します!急いで!」

 

僕は直ぐにフォリアの隣の席に着き、安全バーを降ろす。

するとエクソダスが動きだす。

発射されたことによって起こるG(重力)がもの凄い掛かる。

カンナギの時は気にしてなかったけどもの凄いな...

 

僕達は今、宇宙へ飛び立とうとしていた...

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

大気圏を超えて機体が安定した中、僕達は作戦会議を行っている。

 

白川「XV-Ⅱを機能停止させるには、四か所のエネルギー管理装置を同時に爆破する必要があります。」

 

そう言い僕達はそれぞれ複数人のグループに分けられる。

弦ちゃんとユウちゃん。

賢吾君、フォリアと白川さん。

美羽、隼、JK。

そして僕と友ちゃんと流ちゃんの四グループに分かれる。

 

しばらくするとXV-Ⅱの姿がハッキリ見えるようになった。

もうすぐか...

正直この作戦がどう作用するのか分からないが、嫌な予感がする...

 

すると突然機体が火花を出し、揺れ始める。

ふと窓の外を見ると、XV-Ⅱから攻撃されていた。

多分自動防衛システムの類だろう。

 

取り敢えず僕は席に戻って、安全バーを降ろす。

どうやらこのまま強行突入するみたいだ。

 

もの凄い衝撃を受けながらも必死に耐える。

すると一際大きい衝撃が起こり、その後静かになる。

どうやらXV-Ⅱに突入出来るみたいだ。

 

僕達は準備を整える。

爆弾は友ちゃんが持つみたいだ。

流ちゃんは銃を持っていて、僕は素手で行く。

まあ僕の場合は投影魔術があるから要らないんだけどね。

 

そして皆の準備が出来ていざ乗り込む。

するとドアが開いた途端、弦ちゃんが何者かに蹴られる。

そして白川さんが左腕を撃たれる。

 

ドアの先にはインガとブラックナイトが居た。

どうやらここで食い止めるみたいだ。

だが、僕達は今爆弾を持っている。

もしこのまま食い止められたら強行突破の手段として爆弾を爆発させるかもしれない。

 

その危険性を考えると、今は作戦通りにする方が良いかもしれない。

そう考えた僕はインガの隙を突いて襲い、銃を叩き落とす。

そしてインガを床に倒して抑える。

 

彼方「ここは僕に任せて皆は先に!」

 

弦ちゃん「頼んだぜ、彼方!」

 

そうしてインガを抑えてる間に皆が中に向かう。

ブラックナイトが向かおうとしていたが、それを何とか抑える。

 

皆が行ったことを確認すると僕は力を緩める。

いやマジで機械相手に生身はキツイよ...

 

インガ「どうして先に行かせたの?」

 

彼方「彼らは今爆弾を持ってるんだ。もしあれで脅迫されたらマズいからね。最悪は僕が二体を食い止める。僕の責任としてね。」

 

インガ「別に貴方にはそんな責任ないじゃない。これは父さんの罪を背負った私がやらないと...」

 

彼方「それは違うよ。僕は自分からこの件に突っ込んだんだ。ならそれ相応の覚悟と責任はいる。それに...君が背負う物をちょっとは軽減してあげたいなと思ったから。」

 

インガ「え...」

 

彼方「父親の罪とか別に背負わなくてもいいんだよ。僕達が協力して止めればそれで終わり。だけどその後はどうするの?今のインガには何がある?それをちゃんと見つけないと...後悔すると思うからさ。」

 

インガ「彼方...」

 

彼方「取り敢えず僕達は爆発後に備えて中に入るよ。次いでに君のことを皆知っておいた方がいいだろうからね。友ちゃんと流ちゃんだけでも知っておいた方が良い。ほら。」

 

僕はそう言ってインガの手を取る。

床に倒れてたインガを起こし、ブラックナイトと共に流ちゃん達の下へと急ぐ。

 

...

 

..

 

 

 

流ちゃん達が行くルートを辿っていくと二人が見えた。

丁度爆弾を設置したところのようだ。

 

二人が振り返り僕達を見ると驚いた様子になる。

そりゃそうか。だってさっきまで戦ってたはずの人と一緒に居るんだから。

 

流星「彼方!どうしてその女と一緒にいる!」

 

友子「先輩!もしかして...」

 

彼方「はいはい、二人とも落ち着いて。誤解だよ。」

 

流星「誤解...?どういうことだ?」

 

それから僕達は爆破の場所を離れて二人に真実を話す。

白川さんによって伝えられたことと異なっていたことに二人は驚いている。

 

流星「ということは...俺達は利用されていたのか...?」

 

インガ「ええ。全てあの女によってね。」

 

彼方「そういや聞いてなかったけど、グランダインとスカイダインの人間態の姿って何なの?」

 

インガ「そういえば伝えてなかったわね。これが二体の人間態の姿よ。」

 

そう言ってインガはタブレットを差し出す。

パネルに映っていたものを見た僕達は驚く。

まさか...あの人達とは...

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

XV-Ⅱのブレインルームに急ぐ僕達。

このままだと弦ちゃん達が危ない。

 

何とか辿り着いた僕達は中央のメインコンピューターの所に急ぐ。

僕達が着くと皆驚いた表情をする。

 

流星「その女を信じるな、弦太朗。」

 

すると白川さんは銃をインガに向ける。

それを僕は迷わず白川さんに銃を撃つことで阻止する。

 

皆驚いて、彼女から離れる。

すると彼女はフッと笑って今までとは違う表情を見せる。

 

白川「ここまで来てたとは...流石にしつこいわね?インガ・ブリンク。」

 

弦太朗「おい、どういうことだ?」

 

彼方「僕達は騙されてたんだよ。インガ達は宇宙鉄人の覚醒を阻止しようとしていただけだ。」

 

???「その通り!」

 

するとローラースケートに乗って冴葉さんが現れた。

どうやらエクソダスに潜んでいたようだな...

 

賢吾くんが何故と聞くが、それにXV-Ⅱを手中に収めるためにと言う。

やはり最初から全て手のひらの上だってことか...

 

すると白川さんが冴葉さんの隣に立ち、上着を脱ぐ。

すると左腕の怪我をしていた箇所から機械の腕が見える。

それに驚く皆。

 

そしてパネルを出して何かを操作する二人。

僕は止めようとするが、それをメインコンピューターから伸びてくる触覚の様な物に阻まれる。

そして二人を触覚が囲む。

 

冴葉「インダー...グランダイン!」

 

そう言うと身体が変形し、青を基調としたゴツイ鉄人態へと変化する。

 

白川「インダー...スカイダイン!」

 

白川さんも同じく変形し、赤を基調としたスレンダーな鉄人態へと変化する。

これが二人の本当の姿か...

 

弦太朗「アンタ達が敵の親玉だったのか!」

 

グランダイン「ご苦労だったな、妹よ。」

 

スカイダイン「いいえ、兄さんのお役に立てて嬉しいわ。」

 

賢吾「...兄妹?」

 

グランダイン、スカイダイン「「そう。我々こそ人類を凌駕する機械生命体、宇宙鉄人キョーダイン!」」

 

二体の言葉に身構える。

そしてインガは真実を話していく。

 

自身の父親が機械生命体の研究者でブラックナイトを含めた三体を生み出した者だと。

ある日二体が暴走し父親を殺したが、最後の抵抗でXV-Ⅱの中にある活動を抑制させる妨害電波装置を起動した。

そのことによって二体は本来の力を出せなくなってしまう。

そして僕達ライダー部に近づき、利用して装置を破壊させた。

 

弦太朗「うわああああああ!!!!!俺は大馬鹿だ!!!XV-Ⅱ...お前はあの時、レーザー光線からユウキを守ってくれたんだよな。なのに俺は諦めて、お前を破壊した!ダチになれたのに!」

 

そう言い弦ちゃんは涙を流す。

そんなことがあったなんて...

 

だが二体はそんな様子を見ても何にも思わないような態度を取る。

そして大量のダスタードを出す。

まああの二体もコズミックエナジーがエネルギーだから出せるよな。

 

ダスタード達が僕達に襲い掛かって来る。

ライダー組と僕達ゾディアーツ組、それとインガとブラックナイトが対処をする。

 

ある程度倒していくと隙が出来る。

今の内に皆を逃がさないと。

 

彼方「皆!今の内に早くエクソダスに!」

 

ユウキ「でも弦ちゃんは!?」

 

弦太朗「コイツがあれば地球に帰れる!先に行け!」

 

賢吾「ああ!」

 

そう言って皆はブレインルームから脱出する。

だがそうはさせないとキョーダインが襲い掛かろうとする。

それをブラックナイトがいち早く察知して前に出る。

 

キョーダインは容赦なく攻撃し、今までの戦闘のダメージもあったのか爆発して破壊される。

それを見たインガが止まってしまう。

そこに襲い掛かって来たダスタードを僕が何とか退ける。

 

弦太朗「テメエら許せねえ!」

 

そう言って弦ちゃんはドライバーを装着し、変身する。

怒りの形相である弦ちゃんの姿はどこか怖い...

 

 

 

 

 

フォーゼ「頭にキターーーーー!!!!!

 

 

 

 

to be continued...



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劇場版編 対・決・鉄・人

劇場版編の結だから長めだよ。


ー彼方sideー

 

フォーゼ「頭にキターーーーー!!!!!

 

怒りに震えるフォーゼはキョーダインに突っ込んでいく。

流石の僕もアレにはキレる。

 

するとインガがブラックナイトの仇を撃とうと銃を向ける。

だがそれを僕は止める。

気持ちは分かるが生身の人間が立ち向かえる程簡単な相手じゃない。

 

彼方「インガ、君も逃げろ。」

 

インガ「私は父さんの過ちを償わなければならない!」

 

そう言って僕の腕を振り解く。

だがそれでも僕はインガを止める。

 

彼方「それは僕達も同じだ。さっきも言ったでしょ?これは僕の責任でもあるって。君だけに背負わせるわけにはいかない。」

 

インガ「なぜそこまで...?」

 

彼方「...昔の僕も一人で背負ってたんだ。叔父さんを止めないとって。でもそれだと限界があるって分かったんだ。一人で背負い続けるより、皆で一緒に背負っていく。仲間の存在があるだけで楽になれる。それをライダー部が教えてくれた。インガ...今日から僕達は君の仲間だよ。もう一人で背負う必要は無いんだ。」

 

インガ「...ありがとう、彼方。」

 

僕はインガの頭を撫でてやる。

これで少しは安心できるといいけど。

 

フォーゼ「早く行け!俺のダチを、無事に地球に届けてくれ!」

 

インガ「...分かった!」

 

インガはそう言って走っていく。

さ~てと?僕もそろそろ暴れるとしますか~。

 

流星「中々カッコいいじゃないか。」

 

彼方「うっせ。素面じゃあんなのできないよ。」

 

僕達はそう言い合いながら変身の準備をする。

 

彼方、流星「「変身!」」

 

そう言って僕達は変身する。

 

オレはダスタードを三体ぐらい出す。

 

オピュクス「インガ達を守れ。」

 

オレがそう言うとダスタード達は影に潜って行った。

さてと...暴れるか。

 

オレ達はそれぞれグランダイン、スカイダインと交戦する。

だが鉄人だけあってか全然ダメージが入らねえ。

それに人口知能の特性故にか、オレ達の攻撃パターンを学習してやがる。

 

苦戦を強いられてるオレ達にキョーダインが必殺技を放ってくる。

 

キョーダイン「「グラヴィトンXブラスター!」」

 

強大なコズミックエナジーによるビームによって僕達は変身が解けてしまう。

 

スカイダイン「痛いってどんな感じ?ねえ?」

 

そう言って僕と流ちゃんを持ち上げ蹴って来る。

このアマ...絶対ぶっ壊してやる...

 

グランダイン「君達下等生物が我々機械生命体と友達になるなど、絶対に不可能だ!」

 

そう言うと僕達をブレインルームから落とす。

そこが見えないほど深い場所へ落ちていく...

 

クッソ...意識が...

 

...

 

..

 

 

 

ふと目が覚める。

辺りは真っ白な場所だ。

ここは...いや、よく見たら何処かの部屋みたいに見える。

 

隣には弦ちゃんと流ちゃんも居る。

どうやら二人も目覚めたようだ。

 

するとブレインルームに居た触覚の先が浮いている。

あれは...確かスカイダインに撃ち落とされたやつじゃ...

 

弦太朗「お前が、助けてくれたのか?」

 

流星「君は、XV-Ⅱか?」

 

XV-Ⅱ「そうだ。後5分で私は爆発する。君達は逃げろ。」

 

弦太朗「何だと!?」

 

XV-Ⅱ「マザーコンピューターはグランダインに掌握されている。だが、自爆コードだけはこちらで制御できる。」

 

流星「その手があったか。」

 

弦太朗、彼方「「ダメだ!」」

 

弦太朗「そんなことは認めねえ!」

 

流星「弦太朗!彼方!」

 

弦太朗「俺はお前とダチになる為に来たんだ!そのお前が自分で死のうとしてんのを黙って見てる訳にはいかねえだろ!」

 

彼方「そうだ!たとえ機械だろうが分かりあえるってのはブラックナイトとインガを見て分かってるんだ。それに、自ら命を絶とうとしてる奴を見逃す程、僕は腐ってないからな!」

 

XV-Ⅱ「友達?私はただの衛星兵器だ。」

 

弦太朗「ただの衛星兵器じゃねえ!だってお前、人殺しが嫌なんだろ?」

 

XV-Ⅱ「だが、私が居ると人類に危害を及ぼす。」

 

彼方「アンタに気持ちがあるんなら人間だろうが機械だろうが関係ないんだよ!」

 

弦太朗「俺は、お前を爆発させない!そして...人類も救う!」

 

XV-Ⅱ「それは非論理的だ。」

 

流星「いい加減にしろ、二人共!いつものやり方じゃ通用しないんだ!」

 

弦太朗、彼方「「黙って見てろ!」」

 

弦太朗「俺が動くのは理屈じゃねえんだ、『気持ち』なんだよ!」

 

彼方「XV-Ⅱ、上手くいったら自爆は辞めれくれよ。」

 

そして僕達は変身する。

 

『Cosmic! ON』

 

『ブラッドアップ』

 

そしてオレ達はそれぞれワープゲートを開いて通る。

行き先はXV-Ⅱの目の前。

 

フォーゼ「要は地球から狙いを外せばいいんだろ!」

 

オピュクス「オレ達がやってやらァ!」

 

そしてオレ達はXV-Ⅱとぶつかる。

全力でやるがちょっとしか動きやがらねえ!

 

フォーゼ「ちょっとすっ飛ばすぜ、XV-Ⅱ!!!」

 

オピュクス「やってやらあああ!!!」

 

フォーゼ、オピュクス「「うおおおおおおおおおお!!!」」

 

オレ達は何段階もギアを上げる。

もう後のことなど考えてる暇はねえ!

今は...XV-Ⅱを何とかすることしか...

 

フォーゼ「行っけええええええええええええええ!!!」

 

オピュクス「おぅらあああああああああああ!!!」

 

オレ達は全力でワープにXV-Ⅱを押し込む。

オレ達二人のコズミックエナジーで何とかXV-Ⅱをワープドライブさせることに成功する。

行き先はあそこしかねえ!

 

ワープゲートが再び開くとそこは月面だった。

近くにラビットハッチがあるが、今はそれを考える程余裕はない。

 

何とか月面に叩き込んだオレ達。

もう...力が出ねえ...

 

オレ達はワープを通ってXV-Ⅱの中へと入る。

すると限界が来たのか、オレ達の変身が解けてしまう。

 

何故かフォーゼのスイッチが全て消えた。

多分ラビットハッチに強制送還されたんだろう。

僕のスイッチも突然動いてブラックホールの中へ消えた。

 

お互い力を出し切ったからか、地面に倒れてしまう。

そこに流ちゃんとXV-Ⅱがやって来る。

 

弦太朗「自爆は辞めろよな、XV-Ⅱ。」

 

XV-Ⅱ「...今、自爆装置を停止した。」

 

彼方「よし...」

 

弦太朗「これでお前ともダチだな。」

 

そう言って弦ちゃんが友情の証を交わす。

遂に機械とも友達になったか~。

 

すると嫌な声が聞こえてくる。

 

グランダイン「小賢しい真似を。」

 

そう言うと僕達を殴って来る。

油断してたから大きく吹っ飛ばされた。

 

そしてXV-Ⅱを蹴り、機能停止させた。

それに怒る僕達。

そんな中流ちゃんが立ち上がる。

 

流星「俺はもう二度とお前を殺させはしない。銀河中の誰にもな!」

 

そう言って流ちゃんは変身して立ち向かう。

だが、満身創痍の僕達と違い、あっちは全然消耗していない。

その為かもはやリンチと呼ばれる程の物が繰り広げられていた。

 

このままじゃ抵抗できない...

どうすればいいんだ...

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ーフォリアsideー

 

今私は全力で走っている。

 

というのも地球に帰還した後、ラビットハッチに向かう。

大杉先生が居ましたが気にする余裕はありません。

 

すると突然大きな地震の様な揺れが発生しました。

一体何が起きてるのかと思い、揺れに耐えながらも何とか窓の外を見てみる。

 

そしたらなんとXV-Ⅱが月面に現れたんです。

よく見るとコズミックのリミットブレイクで発生するワープゲートに見えます。

ってアレ!?もしかして彼方も一緒に!?

 

まさか衛星軌道上からここまでワープさせたのですか!?

二人ともなんて無茶を...

 

すると突然ラボのスイッチラックに全てのアストロスイッチが火花を出しながら現れたのです。

それだけでなく、私の前に小型のブラックホールが現れて中から彼方のスイッチが現れたのです。

もしかしてと思いスイッチを押しても起動しません。

 

皆それに驚いていると、今度はJKがXV-Ⅱから映像が送られてきたと言います。

急いで向かい見てみると、そこにはフォーゼにメテオ、彼方がリンチに遭ってる姿でした。

これを見た私は悔しくて今すぐに乗り込んでやろうと思いました。

ですがそれをしたところで私には何も...

 

そう思っていると突然XV-Ⅱからデータが送られてきたのです。

歌星さんが見てみると、そこには新しいスイッチの設計図があったのです。

XV-Ⅱはこれを私達に完成させろと言うのでしょうが、それをするには膨大な量のコズミックエナジーが...

 

皆無理だと考えていた中、歌星さんは出来ると言いました。

コズミックスイッチと同じ『絆』の力で。

 

賢吾「ああ。弦太朗のことを強く想う人間がこの40個のスイッチを同時にオンにすれば、強力なコズミックエナジーが解放される。」

 

インガ「40人...」

 

ユウキ「...皆に頼もう!天高の皆に!」

 

それから皆それぞれスイッチを持ってラビットハッチを出ていきました。

私も行こうとするとまたXV-Ⅱからデータが。

 

歌星さんがそれを開くと、そこには彼方のゾディアーツスイッチを復活させる方法が。

どうやら十二個のホロスコープススイッチを同時に押さなければならないらしいのですが...

そもそもホロスコープススイッチは全て我望の下に...

どうすればいいのですか...

 

インガ「スイッチならあるわよ。」

 

フォリア「えっ...?」

 

インガさんがおかしなことを...

ってそう言えばあの取引の時に...

 

するとインガさんの影からダスタードが。

その手にはアタッシュケースが握られています。

 

インガさんがケースを受け取り、開けると中には十二個のホロスコープススイッチが。

あれ?でも確かエクソダスに乗り込む時にコピーが居たはずじゃ...

 

インガ「あのコピーはブラックナイトがコズミックエナジーを注入して出来たのよ。このスイッチは持ってあと一回だけ。使うなら今しかないはずよ。」

 

フォリア「...はい!」

 

インガ「私が一個押すわ。後は頼めるかしら?」

 

フォリア「任せてください!大切な人の為なら!」

 

私はそう言うとスイッチを持ってラビットハッチを出ました。

 

そして今現在家に向かっています。

あの二人なら絶対協力してくれるはずです!

 

家に帰りリビングに行くと二人が待っていました。

 

紗理奈「ニュースで見たわ。彼方くんが危ないのでしょ?」

 

ソラリス「私達に出来ることなら何でも言ってちょうだい。」

 

フォリア「二人とも...このスイッチを、押してください。」

 

紗理奈「それは!?なんでここに?」

 

フォリア「それは複製品です。彼方のスイッチが壊れてしまって、唯一直す方法がこのホロスコープススイッチを十二個同時に押すこと。既に三つは出来ますので残り九個。お願いします!」

 

ソラリス「任せなさい。愛する人の為ですもの。」

 

紗理奈「そうね!彼方くんが頑張ってるなら支えてあげないと。」

 

フォリア「っ...ありがとうございます!」

 

私は二人にそれぞれ二つずつスイッチを渡して家を出ます。

残りは五個...

取り敢えずあの人に頼んでみましょう。

 

私は学校にダスタードを経由してワープする。

そして学校内を駆け回りあの人を探す。

するとある教室の中に探していた人が。

 

フォリア「エリーヌさん!」

 

エリーヌ「フォリア!弦太朗と彼方がピンチだって?」

 

フォリア「ええ。エリーヌさんにはこれを押してほしいのです...」

 

エリーヌ「それってスイッチ!?...分かった!」

 

フォリア「ありがとうございます!」

 

そして私は校内を周ります。

でも後誰にこのスイッチ達を...

 

そう思ってると後ろからある人に声を掛けられました。

 

我望「困っているようだね、フォリア君。」

 

フォリア「っ!?理事長。」

 

まさか我望だったとは。

しかも隣にはレオが...

でも今はなりふり構っていられない。

 

フォリア「お願いします!彼方の為にこのスイッチを押してください!」

 

そう言って私はスイッチを差し出すのでした。

 

立神「っ!?どこでこのスイッチを!貴様!」

 

我望「まあ待てレオ。彼方なら宇宙鉄人など叩き潰せるだろう?何故それが出来ていないのかね?」

 

フォリア「彼方のスイッチは壊れていて...」

 

そう言って彼方のスイッチを取りだします。

押しても何も反応しない...

このままじゃ彼方が...

 

立神「アイツ...それほどまで...」

 

我望「...いいだろう。私達も協力しよう。」

 

フォリア「え...」

 

立神「よろしいのですか?」

 

我望「大事な甥っ子だ。敵ではあるが、今だけは一人の肉親として協力してやろうではないか。」

 

立神「分かりました。」

 

フォリア「あ、ありがとうございます!」

 

我望「私のことはいい。君は早く行きたまえ。」

 

フォリア「失礼します!」

 

そう言って私はラビットハッチに戻っていきます。

 

...

 

..

 

 

 

ラビットハッチに着き、まずはアストロスイッチの方を。

予めスイッチを渡した人達の下にはダスタードを置いておきました。

なのでダスタードを経由してパスで合図を出せます。

 

皆がスイッチを押した結果、ラボから強烈な光が。

眩しすぎて目を瞑り、しばらくすると光が収まったようです。

中を見るとXV-Ⅱの設計図通り、新たなスイッチが。

 

次は私の出番のようですね。

インガさんにもう一つスイッチを渡して、パスを繋げます。

 

フォリア『皆さん。お願いします!彼方の為に!』

 

彼方...貴方が居ないとダメなんですよ...

 

フォリア『スイッチ、オン!』

 

インガ「オン。」

 

紗理奈『オン!』

 

ソラリス『オン。』

 

エリーヌ『オン!』

 

立神『オン』

 

我望『オン!』

 

するとスイッチが光り出して十二のスイッチがここに集まったのです。

そして彼方のスイッチの周りを浮遊して光を強めていきます。

するとスイッチ達が血の様に溶けていき、彼方のスイッチに吸収されます。

そしてスイッチが結晶に包まれてまるで『超新星』を発動する時のような感じに...

 

内側からひと際眩しい光を放つと結晶が割れ、中から完全に復活したかのような彼方のスイッチが現れました。

私はそれを掴み、私は変身します。

 

そしてインガさんと歌星さんと三人でXV-Ⅱに乗り込みます。

待ってて下さい...彼方...

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ー彼方sideー

 

僕達は何とか奴らから逃げれた。

そしてブレインルームに辿り着いたのだが、奴らから逃げれていない。

むしろ遊ばれているようだ。

 

グランダイン「お前達を倒して、再びXV-Ⅱを地球の衛星軌道に戻す。」

 

スカイダイン「ごめんねぇ。貴方達がやったことは全部無駄になっちゃうけど。ま、すぐ死んじゃうからいいよねぇ?」

 

僕らにトドメを刺す気か...

何とか抵抗したいところだが...

 

賢吾「それは困るな!」

 

その声と同時にキョーダインが攻撃を受ける。

見ると賢吾くんとインガが宇宙服を纏いやって来た。

 

賢吾「俺の親友は、永遠に学園のヒーローなんだよ!」

 

弦太朗「賢吾...!」

 

「そうですわよ!」

 

すると今度はサーペントがやってきて頭の蛇でキョーダインを攻撃する。

 

サーペント「彼方は誰にも殺らせはしませんわよ!」

 

彼方「フォリア!」

 

僕達は三人の手を借りて何とか立ち上がる。

 

賢吾「これを使え、如月。フュージョンスイッチだ。」

 

賢吾くんはそう言って一つのスイッチを弦ちゃんに渡す。

起動部分が地球儀の様になっている。

見てるだけで力を感じる。

 

弦太朗「おう...感じるぜ!ものすげえパワーを...!」

 

すると変身を解除したフォリアが僕にある物を渡す。

 

フォリア「はい、貴方のスイッチです。皆の想いが込められてると思います。」

 

彼方「フォリア...ありがとう。」

 

僕はフォリアから自身のスイッチを貰う。

どうやらフォリアが頑張ってくれたみたいだ。

力が伝わってくる。

 

弦太朗「勝負だ...宇宙鉄人!」

 

彼方「お前達の好きにはさせない!」

 

僕達はそれぞれ構える。

 

『THREE』

 

『TWO』

 

『ONE』

 

弦太朗、彼方「「変身!!!」」

 

僕達は変身する。

 

そしてフォーゼはフュージョンスイッチを起動する。

 

『Fusion! ON』

 

するとメテオの変身が解除され、ドライバーからメテオスイッチが抜ける。

それがフォーゼドライバーに装填され、更に空きスロットにそれぞれクリアになったランチャーとドリルスイッチが装填された。

 

そしてフォーゼの周りをメテオストームに変身する時に起こるような紫と金色の嵐が発生する。

嵐が晴れるとそこにはメテオとフォーゼを正にフュージョンしたような姿をしたフォーゼが居た。

 

紫を基調とした銀河の様なスーツにメテオストームの様な肩パーツ。

右手にはメテオギャラクシーが装着され、正に二人が合体した姿に見える。

 

こんなの見せられたらオレもやるしかねえな!

 

オピュクス「フォリア、オレ達も行くぞ。」

 

フォリア「はい!」

 

フォリアはそう言うとオレの中に入っていく。

感じる...今までにないぐらいの力が...

 

するとオレの身体に魔力が溢れ出てくるのを感じる。

これは...まさか!?

 

モルガン『我が夫よ、こんな所で負けていてはダメですよ。』

 

バーヴァン・シー「カナタはすっごい強いんだから!私を救ってくれたカナタのことを信じてるから!』

 

メリュジーヌ『私達の魔力を受け取ってよ、マスター。私も、この宙を飛んでみたいから。』

 

バーゲスト『貴方はここで負けるような人じゃないはずです。私達を救ってくれたマスターなら...大丈夫ですよ。』

 

皆...ありがとな...

 

オレは全身から力を溢れさせる。

そしてそれを今...解放する...

 

オピュクス「『グランドアップ』...!」

 

そう言うとオレを結晶が包みこむ。

だがいつもと違い、結晶には水色の線が走っている。

まるで魔術回路みたいだな...

 

するとオレの身体が急激に変化する。

今までのゾディアーツ達の様な怪物と呼ばれる身体ではなく、まるで仮面ライダーの様な姿に。

今までの意匠はそのままに、全体的にシュッとなる。

だが左半身は十二使徒それぞれのモチーフとなった意匠が象られている。

 

結晶が弾けオレの姿が現れると皆驚いていた。

 

フォーゼ「おおお!!!なんか仮面ライダーみてえだな!」

 

賢吾「『超新星』を超えた更なる進化か...」

 

インガ「カッコいい...」

 

流星「規格外が更に規格外になったな。」

 

おいコラ流星、後で覚えとけよ。

 

グランダイン「フォーゼがメテオと合体したところで、我々に敵うわけがない。」

 

スカイダイン「私達の計画を邪魔した報い、受けさせてあげるわ。」

 

そう言ってこっちに向かってくる。

 

フォーゼ「タイマン張らせてもらうぜ!」

 

オピュクス「塵になりやがれ。」

 

オレとフォーゼはそれぞれグランダインとスカイダインを相手する。

フォーゼはメテオを彷彿させる拳を使った戦い方をしてスカイダインに攻撃する。

オレは単純に上がった力でグランダインの攻撃を諸ともせず、カウンターを入れまくる。

 

すると今度はグランダインがフォーゼに攻撃していき、スカイダインがこっちに向かってくる。

ジェットで飛びながら攻撃してくるが、そんぐらいの速さはぬるすぎる。

オレは普通に避け、キャンサーの力を使い左腕に大きなハサミを出して攻撃する。

キャンサーよりも威力が段違いに増したハサミによってスカイダインのボディに大きな傷が。

あちゃ...女に傷つけてしまったな...

 

スカイダイン「クッ!このォ!」

 

そう言って再び攻撃してくるが、今度はレオの力で左腕に巨大な爪を装備。

そして向かってくるスカイダインにすれ違いざまに攻撃を入れる。

 

フォーゼの方を見てると、グランダインを壁に押し付けランチャーとメテオギャラクシーのリミットブレイクの二重攻撃をしている。

並みのホロスコープスでもありゃやられるな。

その点宇宙鉄人の力は上位のホロスコープスに匹敵するってことか...

 

グランダイン「馬鹿な...二つが一つになっただけで!」

 

フォーゼ「二つじゃねえ!天高の仲間とXV-Ⅱの想い、俺の全てのダチが一つになったパワーなんだ!人間を切り捨てようとするお前達が!俺達の絆に敵うわけねえんだよ!」

 

オピュクス「人間を下等生物と蔑んでるが、オマエ達は誰の手によって生まれたんだ?それを忘れてる時点で、オマエ達がオレ達に勝てるわけねえだろが!」

 

すると二体がジェット噴射して飛んでいく。

オレとフォーゼは逃がすまいと追いかける。

 

月面で出て来たオレ達。

キョーダインは何か言ってんな...

 

すると二体がそれぞれ戦闘機と車に変形した。

なんでオマエらそこまでロマン詰まってんだ?

そして二体が合体してこっちに突っ込んでくる。

 

フォーゼ「だったらこっちも突っ込むぜ!」

 

そう言うとフォーゼはバリズンソードを持ち、ダイザーに乗って突っ込んでいく。

ええ...オレだけ取り残されてんじゃねえか...

 

メリュジーヌ『マスター、私に乗って!』

 

すると目の前にワープが展開され、そこから純白のアルビオンと化したメリュジーヌが現れる。

 

オピュクス「ナイスだメリュジーヌ!後でいっぱい可愛がってやらあ!」

 

メリュジーヌに乗ったオレはサジタリウスの力で左腕に『ギルガメッシュ』を装備。

魔力を込めて巨大な弓と化す。

てかコレってあの英雄王の名前使ってんだよな...

なんか「雑種如きが!」とか言ってやられそうな気がするが...

 

オレは意識を戻してカーチェイスしているフォーゼ達を追う。

弓を構え、魔力を込める。

すると巨大な二本の矢が現れ、オレはそれを目一杯引く。

 

オピュクス「二大神に奉る...『訴状の矢文(ポイボス・カタストロフェ)』!!!」

 

オレは矢を宙に向かって放つ。

すると二本だった矢が無数に分かれキョーダインを襲う。

 

するとスカイダインが分離してこっちに向かって飛んでくる。

オレが邪魔だと判断したらしい。

 

スカイダイン「喰らえ!スカイミサイル!」

 

無数のミサイルを撃ってくる。

だがオレ達には届かない。

 

オピュクス「メリュジーヌ。」

 

メリュジーヌ「うん。」

 

メリュジーヌがビームを放出して全てのミサイルを撃ち落とした。

その間にオレは聖槍を投影する。

それを見たメリュジーヌが苦い顔をする。

 

メリュジーヌ「それは...」

 

オピュクス「安心しろ。オレはオマエの前から消えねえよ。」

 

メリュジーヌ「うん!」

 

そしてオレは宝具を展開する。

 

オピュクス「聖槍、二重拘束解除。カウントダウン『光さす運命の槍(ロンギヌス・カウントゼロ)』!」

 

オレはロンギヌスでスカイダインを薙ぎ払い、月面に叩き落とす。

そのままぶっ刺しても良かったんだがそれじゃあ面白くない。

 

スカイダインはもの凄い速さで地面に追突する。

だがオレの宝具を受けても無事なようで、変形を解除されても立っている。

とそこにフォーゼにやられたグランダインも変形を解除される。

 

オレはメリュジーヌからフォーゼの居る場所に降りる。

そしてトドメの準備をする。

 

フォーゼ「これで終わらせる!ダチの想いは、鉄をも砕くぜ!」

 

オピュクス「次に生まれたらオマエらは人間の想いを知るがいい。オマエらの常識を覆す程のモンだからな!」

 

そう言うとオレ達は同時にジャンプする。

フォーゼの左足にはドリルが装着される。

 

オレも右足に魔力を集中させる。

そしてそれを一気に爆発させる。

その様はまるで宇宙を作りだしたとされるビッグバンの様だ。

 

フォーゼ「ライダーフュージョンドリルキーック!!!

 

オピュクス「ビックバンフィニッシュ!!!

 

オレ達は必殺のキックを放つ。

だがそれに抵抗しようとキョーダインも必殺技を放ってくる。

 

キョーダイン「「グラヴィトンXブラスター!!!」」

 

それぞれの必殺技がぶつかり合う。

だがオレ達の方が力が強く、ビームを跳ね除ける。

 

それぞれ着地して、後ろ回し蹴りで二体にトドメを刺す。

限界を迎えた二体は爆発したのだった。

 

フォーゼ「やったぜ。」

 

オピュクス「ああ。」

 

...

 

..

 

 

 

無事に宇宙鉄人達を倒した僕達。

 

僕達は今月面でXV-Ⅱと最後のお別れをしている。

キョーダインの支配から解放されたXV-Ⅱは未来を探しに宇宙の中心に向かうらしい。

弦ちゃんはそれにきっと面白い奴らが待ってると言って応援する。

 

そして弦ちゃんはXV-Ⅱと友情の証を交わす。

まあ体格差があり過ぎて時々飛ばされながらもやってたけどね。

 

そして僕達はXV-Ⅱを送り出す。

XV-Ⅱはロボット形態から衛星形態に変形して発進して行った。

また会えるかな~...

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

この街で一番星が見える丘でインガと二人で夜空を眺めている。

戦いが終わってちょっと星が見たくなって行こうと思ってたらインガも一緒に行きたいと言ってきた。

 

二人で寝転びながら星を眺めているとインガが話し出す。

 

インガ「父さんのお墓に報告しに行かないとね...」

 

彼方「そうだね~。親父さんには悪いけど、人類は救われたからね~。」

 

インガ「そうね。改めてありがとう、彼方。」

 

彼方「いいよ気にしないで。僕はただやりたかっただけだからさ。あ~そういえばこれ。」

 

そう言って僕はUSBメモリをインガに渡す。

 

インガ「これは...?」

 

彼方「宇宙鉄人達のデータ、いわばバックアップってとこかな。」

 

インガ「どうしてこれを...!?」

 

彼方「う~ん...まず、ブラックナイトがあのままだと嫌だなと思ってさ。せっかく僕とも仲良くなれてたからさ。」

 

インガ「そう...良かったわね、ブラックナイト...」

 

彼方「それとグランダインとスカイダインは多分進化が早すぎたんだよ。だから自分達よりも成長が遅すぎる人類を切り捨てようとした。でも、早すぎる進化は何も成長できないからね~。だから今度は人類の進化をちゃんと学んでほしいなと思ってさ。」

 

実際キャンサーだった鬼島はポテンシャルが高かったが故に傲慢になった。

そしてそれが成長を遅らせることとなった。

 

あのキョーダイン達もそれ故に結論を急いでしまったんだろう。

人口知能はちゃんと真摯に学ばせなければいけないと誰かが言ってた気がする。

本当にその通りだと思う。

 

だから僕はあの二体にもチャンスを与えたいと思っている。

まあ最終的にはインガが決めるべきだと思ってるけどね。

 

彼方「ま、これをどうするかは君次第だよ。」

 

インガ「え?」

 

彼方「彼らはいわば君の家族みたいなものでしょ?君の父親が作ったんだから。なら君が決めるべきだよ。」

 

インガ「...分かったわ。しばらく考えてみる。」

 

彼方「そっか...まあ何かあったら連絡してね。もう君一人で背負う必要はないんだからさ。」

 

インガ「ありがと...ねえ、彼方...」

 

彼方「ん~?どうしたの~?」

 

インガが僕のこと呼ぶからなんだろと思い振り向く。

するとインガが僕に顔を近づける。

そしてキスをした。

 

インガ「フフッ、昨日の仕返しよ。まあ...それと私の気持ちもだけどね。」

 

そう言ってインガは微笑む。

ヤバい...チョロいって分かってるけどすんごい可愛い...

ナニコレホレテマウヤロ。

 

彼方「...//」

 

僕は急に照れてしまいインガに背を向ける。

流石にこんな顔見られたくない。

 

珍しく照れてしまった僕をインガが背中越しに抱き着いてくる。

ちょっとドキッとするけど、もういいやと開き直りこっちに回してきた腕を握る。

するとより強く抱きしめてくるインガ。

 

僕はインガの方に振り向き、抱き着く。

そして意趣返しでキスをする。

 

彼方「お返しだよ。」

 

インガ「...そう。」

 

そう言うとインガは思い切り抱き着いてきた。

どうやらそう捉えたらしい。

まあそういう意味でもあるけどさ...

 

ギャップ萌えな彼女を抱きながら見る星空は何故か綺麗だった...

 

 

 

 

to be continued...

 




オチはこれしか思いつかなかったんじゃ。
許してくだしい。


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学・園・法・度

ー彼方sideー

 

宇宙での戦いを終えていつもの学園生活に戻った僕の日常。

 

あの後インガはインターポールに所属することに決めたらしい。

その為に今動いている。

何故か拠点を僕の家にして...

 

まあ前に進むことが出来たみたいだから良かったけどね~。

 

話は変わって今日から宇宙飛行士選抜試験で合格した者が受けられる特別課外授業が始まる。

と言っても僕とエリーヌは辞退したんだけどね。

 

僕は単純にどこまでやっていけるかを試したかっただけだから。

まあそもそも僕は宇宙飛行士を目指してるんじゃなくて医者を目指してるからね。

 

エリーヌは途中でゾディアーツの力を使ったりしたから。

次は本当の実力で掴み取りたいと言っていた。

 

そんな訳で僕達が辞退して出来た二枠には、友ちゃんと杉浦が採用された。

僕達の次に優秀だった杉浦と友ちゃん。

そんな二人と賢吾くんとユウちゃんは日本科学未来館で特別授業を受けている。

今頃ユウちゃんが興奮してるんだろうな~。

 

そう思いながら弦ちゃん達と歩いていると、突然ヤンキーグループの番が出てくる。

何かから逃げてるようだけど...

それになんか破壊音が聞こえてくるけど...

 

番「弦太朗!助けてくれ!」

 

そう言って番は弦ちゃんの後ろに隠れる。

弦ちゃんはゾディアーツだと思いドライバーを取り出す。

 

だが出て来たのは警棒を持った男子生徒達。

生徒会の腕章を着けてるけど...あんな奴ら居たっけ?

 

慌ててドライバーを隠し、見られないように隅に逃げる弦ちゃん。

そして男子生徒達に取り押さえられて連れて行かれた番。

一体なんで...?

 

弦太朗「おい!どこ連れてく!」

 

沖「待ちなさい!私は生徒会風紀委員長の沖荘子です。その髪型!服装!今すぐ正しなさい!」

 

弦太朗「この学ランは俺の青春のシンボル!脱ぐ気はないぜ!」

 

流星「髪型や服装の自由は、校則で認められているはずだ。」

 

その通り。

この学校は生徒の自由と個性を尊重する校風だ。

その為校則でも髪型や服装の自由は明記されているはずだが...

 

沖「昨日まではね。今日からはアレを守ってもらいます。」

 

そう言って沖が指した方向には掲示板にでかでかと貼られている紙だった。

『天ノ川学園法度』...?

今更こんな明治なこと誰がするんだ?

 

流星「学園指定以外の服装は一切禁止、茶髪・リーゼントなど乱れた髪型は一切禁止...」

 

JK「あっ!アクセサリー禁止、化粧禁止、アルバイト禁止、喧嘩禁止、恋愛禁止、禁止禁止!?禁止!?禁止~!?」

 

どこの軍隊なんだこれは...

というか一体これは誰が決めたんだ...?

こんな天高を侮辱するようなことを決めたのは...!

 

弦太朗「生徒の個性を尊重するのがこの学園の良さだったはずだぞ!誰がこんな規則を決めたんだ、校長か!?」

 

沖「生徒会です。」

 

JK「生徒会長は確か3年E組の壬生彩加...」

 

彼方「あ~あの真面目ちゃんか~。ん?でも流石の彼女もこんなことはしないはずだけど?」

 

確かにあの会長ちゃんはルールを守らないなら厳しく罰則するべきだ~とは言ってたけど...

それはあくまでルールを破った者に対してだ。

彼女自身は学園の規則には特に不満を持ってなかったはずだけど...

 

沖「壬生会長は怪我で入院中です...今は、会長代行として杉浦さんが就任しました。」

 

彼方「杉浦が...?」

 

なら尚のこと可笑しいぞ?

だって杉浦は会長ちゃんとよく揉めてたぐらい自由を尊重していたはずだぞ?

実際選抜試験の時も持ち前のカリスマを使いながらもチームの意見を尊重していた。

そんな彼がいきなりこんな規則を...

 

もしかしてだが...

 

沖「とにかく今すぐその制服を直しなさい!」

 

そう言って沖は行った。

これは大変なことになったな~...

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

あの後、弦ちゃん達と別れて僕は今怪しい病院に来ている。

どこからどう見ても廃病院じゃないのってぐらいボロボロなんだけど...

 

僕はナースステーションに向かう。

 

彼方「すみません、ここに壬生彩加さんが入院されていると聞いたのですが。病室はどちらでしょうか?」

 

そう聞くとかなりお歳がいったナースさんが顎で指す。

そこは廊下の奥の部屋で扉が開いている。

 

僕は礼を言って部屋に向かう。

一応ノックして部屋に入る。

そこには痛々しい姿の会長ちゃんが居た。

 

彼方「やっほ会長ちゃん。怪我のことを聞いてお見舞いに来たよ。」

 

壬生「我望君...」

 

彼方「これ、一応欲しいかなと思って。何か食べる?」

 

僕はそう言って持ってきた果物を見せる。

かなりの怪我をしたそうだが一応食べれるものを持って行こうと思い買ってきた。

 

壬生「そうね...じゃあ、リンゴを...」

 

彼方「りょーかい。じゃあちょっと待ってて。」

 

僕はそう断って、ナースステーションで皿と果物ナイフを借りる。

そしてリンゴを切って会長ちゃんに渡す。

 

壬生「ありがとね。それにしてもいい気味でしょ?私がこんな姿になって。」

 

彼方「え?なんでそう思うの?」

 

壬生「...貴方とは度々衝突してたじゃない。その相手がこんな姿になってるんだもの。気分がいいでしょ?」

 

彼方「...んなわけないだろ。」

 

壬生「...」

 

彼方「確かに衝突することはあったけど基本的に僕は君の考えは正しいと思っていたよ。だけどその中でも色々食い違ってたから衝突してただけであって、別に相手が怪我したから喜ぶようなことはしないよ。ましてやそんなことするのは僕も君も嫌うような奴と同じだ。」

 

壬生「...ごめんなさい。少し気が動転してたわ...」

 

彼方「...仕方ないことだと思う。そんな怪我をしたら。そういえばなんでそんな怪我を?」

 

壬生「...私が貴方と一緒に指導していた奴らが居たでしょ?アイツらの所為よ。」

 

彼方「...あの四人か...」

 

そこから会長ちゃんが話してくれた。

 

僕達は衝突し合ってたものの度々校則違反をする生徒に対しては協力して指導していた。

まあ主に僕は力で抑え、彼女は言葉で抑えていた。

だがその中でも札付きのワルである鴨居、新山、木藤、梅沢の四人は僕らが何回注意や指導しても聞かなかった。

時には僕がねじ伏せて対処したこともあった。

それでもあの四人は改心しなかった。

 

だがそれでも杉浦は自主性を尊重すべきだと言う。

そして四人にアウトドア同好会を作らせることを提案する。

生徒会はその提案に乗ってみたものの...

 

壬生「でも、その期待はあっさり裏切られた。」

 

四人は遅い放課後に学校の屋上でBBQをしたり花火を点火したり大騒ぎしていた。

それを偶々見つけた会長ちゃんは四人に注意するも聞く耳持たず。

それどころか会長ちゃんに対して花火を投げつける始末。

それに驚いた会長ちゃんは階段を踏み外して入院する羽目に。

 

彼方「そんなことが...」

 

壬生「私から話を聞いて、杉浦君は絶句したわ。」

 

彼方「だからゾディアーツになったのか...」

 

壬生「私は思ったわ。やっぱり厳しく行くべきじゃなかったのかってね。」

 

彼方「...そうだね。僕もあの四人を何としてでもねじ伏せてればよかったと思ってるよ。」

 

ホント...何度こんなことを経験すればいいんだ...

今回のこともだが、アリエスの時も自分が力を隠さずやってればと思うことが何度もある。

これから先もこのような経験をするんだろうけど...

それでも後悔してしまう。

 

彼方「ほんとにごめん...僕が...もっとやってれば...」

 

壬生「っ...別に貴方に謝られることはないわ。衝突していたけれども、貴方の行動原理は理解出来たもの。私も信じてみたいとは思ったけど...」

 

彼方「...だからといって杉浦を止めない理由にはならない。」

 

壬生「彼は気づいたのよ。本当の正義が何か。」

 

彼方「ほんとにそうかな...?」

 

壬生「...」

 

彼方「杉浦は今学校中の生徒を洗脳して奴隷の様に操っている。それが本当の正義なのか?」

 

壬生「っ!?どういうことよ!」

 

彼方「杉浦のアレはもはや私怨だ。怪我した君の為にね...」

 

壬生「私の為...」

 

彼方「まあどっちにしろ今の学校は嫌なんでね。僕は杉浦を止めるよ。」

 

壬生「なんで!...なんで、貴方はそんなに自由を守るの?」

 

彼方「...好きだから。それ以外ないでしょ?君も僕も、学校が好きだから。それだけだよ。」

 

僕はそう言って病院を去る。

とにかく杉浦の暴走を止めないと...

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ラビットハッチに戻った僕。

そこで見たのは...

 

彼方「まさか制服を着る弦ちゃんを見れるとは思わなかったよ...てかやっぱイケメンなんだね~。」

 

髪を下し、学ランではなく制服を着ている弦ちゃんの姿だった。

なんか隅っこにとてもじゃないが見れないJKの姿もあるけど。

 

弦太朗「変な感じしかしねえぜ...これじゃあ宇宙...来ねえ~...」

 

どうやら杉浦の能力で歯向かえないらしい。

それで生徒達を洗脳していってるのか。

 

今はまだいいけど、このまま能力が成長していったらその内...

学校中が杉浦の支配下となるだろう。

アリエスの時の山田みたいな感じになる。

 

そんな学校は誰も望まない。

今すぐにでも辞めさせてやる...

 

弦太朗「一刻も早く杉浦からスイッチを取り上げないと!」

 

友子「でもどうやって...?」

 

JK「奴には一切歯向かえないんすよ?」

 

弦太朗「歯向かえねえなら従うまでだ!」

 

皆「「「「「「「「は?」」」」」」」」

 

あ~、そ~ゆ~ことね~。

やっぱ弦ちゃんの発想は面白いな~。

 

弦太朗「俺は生徒会に入るぜ!」

 

その言葉にまた驚く皆。

大杉せんせーなんて真に受けて弦ちゃんが真面目人間になったと思い込んでるし。

そんな訳ないのにね~。

 

弦太朗「中に潜り込んで、急に杉浦が規則の鬼になっちまった理由を調べる。俺は杉浦の本当の心が知りてえんだ!」

 

そう言って弦ちゃんはJKを連れて生徒会室に向かった。

JKよ...哀れ...

 

それにしても今の校則だと僕も違反者になっちゃうんだよね~。

まあ直す気なんて無いけどね。

だって誰かに言われて直すようなら最初からしないからね~。

 

...

 

..

 

 

 

僕は一人で生徒会室に向かっている。

皆と一緒じゃ話せないことがちょ~っとあるからね~。

 

僕は扉を開けて生徒会室の中に入る。

幸い今は杉浦しか居ないようだ。

 

杉浦「何の用かね、我望君。まず君はその制服を直したまえ。」

 

彼方「それはどうでもいいからちょ~っと話したいことがあるんだよね~。会長ちゃんについて。」

 

杉浦「...分かった。別の場所で話そう。」

 

彼方「りょ~か~い。」

 

僕は杉浦について行って屋上に向かった。

まあ僕としてもいつ戻って来るか分からない生徒会室で話すよりはよかったけどね。

 

杉浦「それで?会長について話とはなにかね?」

 

彼方「お前は本当にこれが正しいと思ってるのか?」

 

杉浦「ああ。今まで自由だ個性だ言って逃がしていたが、それではダメだと気づいたのさ。だから今こそ縛り付けることで完璧な学園となるのだよ。」

 

彼方「そんな学校の何が良いんだ?」

 

杉浦「何?」

 

彼方「そんなのただの刑務所じゃん。そんなことしたいならここじゃなくてどっかの刑務所でやればいい。そうだろ?」

 

杉浦「違う!僕は規則正しい学校を作りたいだけだ!」

 

彼方「誰の為にだ!」

 

杉浦「それは...!」

 

彼方「お前が誰の為にそんな学校を作りたいんだ?皆の為か?生徒会の為か?会長ちゃんの為か?それとも、自分の為か?」

 

杉浦「っ...」

 

彼方「今のお前には誰もついてこない。そんな独裁者はここには不必要だ。」

 

僕はそう言って屋上を出ようとする。

だがそこに何かが飛んできた。

僕は慌てて避ける。

 

僕は振り返るとそこには牡牛座、タウラスが居た。

杉浦の星座か...

 

タウラス「僕に歯向かう者は何者だろうと処罰する!」

 

タウラスはそう言って杖から光の輪を出してくる。

恐らくアレに触れると洗脳されてしまうな。

 

僕はそれを避けて屋上から飛び降りる。

そして地面に着地する寸前にワープを開いてハッチに戻る。

幸い誰も居なかったからよかったけど高さミスってちょっと痛い...

 

まあぶっつけ本番でやったからちょっと怖かったけど何とかできてよかった。

さて...こうなったら杉浦の暴走は拍車がかかるな...

そうなると僕達だけじゃどうにもならないな...

 

やっぱり彼女に協力してもらうしかないのかな~。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

また会長ちゃんの入院してる病院に行くと中から弦ちゃんとユウちゃんが出て来た。

もしかして会いに来たのかな?

 

弦太朗「おう、彼方。どうしてここに?」

 

彼方「ちょっと用があってね~。弦ちゃん達はどうして?」

 

ユウキ「壬生会長に会いに来たんだ~。まあ...特になかったんだけどね...」

 

彼方「そっか...」

 

多分塞ぎ込んだのかな?

二人とも微妙な顔をしてる。

 

彼方「まあ二人とも戻ったら?僕も何となしに聞き出してみるよ。」

 

弦太朗「おう!頼んだぜ!」

 

そうやって僕達は別れた。

そして病室に入る。

一応ノックはしておく。

 

病室に入ると、会長ちゃんは布団を被って塞ぎ込んでいた。

う~ん...今の状態じゃ難しいかな~...

まあやってみるか。

 

彼方「やっほ~会長ちゃん。ちょっといいかな~?」

 

壬生「...何の用かしら?」

 

彼方「君に頼みたいことがある。」

 

壬生「...何。」

 

彼方「杉浦の暴走を止める為に協力してほしい。」

 

壬生「暴走...?どういうこと?」

 

彼方「今の杉浦は独裁者だよ。自分が気に入らなかった者は問答無用で奴隷に変える。無実な生徒でもだ。」

 

壬生「そんな...どうして...」

 

彼方「...大方君に見てほしいからじゃない?」

 

壬生「え?」

 

彼方「杉浦とも対立したりしていた君だけど怪我をしたと聞いた時には大急ぎで駆け付けたと聞いた。それに君から話を聞いた時もあの四人を早速奴隷にしてたしね。そう考えたら杉浦が君に惚の字なのもすぐに考え付くしね~。」

 

壬生「杉浦君が...私に...?」

 

彼方「ま、それは置いといて。杉浦の暴走を止めるには君しかできない。頼む、力を貸してくれ。」

 

壬生「...フフフ、いつも力を貸してと言うのはこっちの方だったのにね。」

 

彼方「あれ?そうだっけ?」

 

壬生「いいわ。私も悩んでいたのよ。結局何が一番理想なのか。そう考えてた時にふと貴方を思い出したわ。貴方の周りは皆笑顔だった。もしかしたらそれが一番理想の学校かもしれない。そう思ったわ。だから...私も協力させてほしいの。」

 

彼方「...分かった。」

 

よし、上手くいった。

後はどうやって杉浦を止めるかだけど...

 

それから僕達はどうやって止めるか話し合った...

 

...

 

..

 

 

 

結局あの後会長ちゃんと話あって作戦を明日決行することにした。

それで作戦に協力してもらう為にフォリアに話して協力してもらえることに。

後はどのタイミングでやろうかと考えていたら丁度いい報告が。

 

流ちゃんが杉浦と対決をするらしい。メテオとしてだが。

これによって杉浦は時間が取られる。

その間に作戦の準備も出来るから丁度良かった。

 

ということで流ちゃんは今美羽と隼、賢吾くんとゴルフの打ちっぱなし場で練習しているらしいんだけど...

美羽曰くド素人にも程がある、だそうだ。

 

こりゃどうなるんだろな~と思いながら眠った...

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ー翌日ー

 

今日も朝から風紀委員が校内で取り締まりまくっている。

正直言って以前の学校の雰囲気はもう無い。

窮屈とした学園生活を送らされている。

 

僕は作戦の準備のこともあるが、風紀委員から逃げる為に屋上から学園を見ている。

ほんと前までならこんなぼっちみたいなことしてないのにな~。

 

そう思いながら眺めていると、駐輪場の方からホイールを装着しているフォーゼが誰かを連れて走っている。

それを追うタウラスが近くに居る生徒全員を奴隷にした。

まずいな...暴走が始まったか...

 

僕は急いで病院に向かった...

 

...

 

..

 

 

 

壬生「ね、ねえ...これで、いいのかしら?」

 

彼方「大丈夫大丈夫。この作戦は上手くいくはずだから。」

 

フォリア「まあ絶対ではないですけどね。」

 

彼方「余計なこと言うな。」

 

僕達は何とか会長ちゃんを連れだして再び屋上に居る。

ユウちゃん達が奴隷達から必死に逃げているけど今は対応できない。

 

僕達は急いで準備をする。

会長ちゃんの準備が整い、僕達は花火を点火して隠れる。

 

すると花火の音を聞きつけたタウラスが屋上にやって来た。

どうやら冷静になってないらしく僕達が居ることに気付いていない。

 

タウラス「ここで何をしている!?」

 

壬生「見れば分かるでしょ~?花火~、バ~ベキュ~。」

 

タウラス「明らかな法度違反だ!処刑してやる!」

 

壬生「杉浦君...貴方こそ何をやっているの。」

 

会長ちゃんにはギャルの格好をして杉浦をおびき寄せて貰った。

その様子に驚いているタウラス。

 

タウラス「彩加君!?なんで君がそんな愚かなことを!?」

 

彼方「君の為だよ、杉浦。」

 

タウラス「何!?」

 

彼方「君はスイッチの力で暴走している。」

 

タウラス「違う!僕は自分の正義を信じて行動している。何も間違ったことをしてはいない!」

 

彼方「だったら!会長ちゃんを処罰してみろよ。」

 

タウラス「っ!」

 

彼方「君の行動が本当に正義なら、迷わず出来るはずだけど?君の好きな彼女を処刑してみろよ!」

 

タウラス「くっ...はぁ!」

 

会長ちゃんは目を閉じて待つ。

それを見てタウラスは杖を突きだすが、何もできない。

 

彼方「...」

 

タウラス「無理だ!」

 

タウラスはそう言って杖を床に投げつける。

すると杖は折れて消え去る。

 

そして変身を解除して膝を着く杉浦。

少し泣いてるようにも見える。

 

杉浦「彼女を傷つけるなんて!僕に出来るはずがない!」

 

壬生「全部私の為だったんだね、杉浦君。もういいよ。もうすぐ退院できそうなの。私が生徒会長に戻るから。ありがとう。」

 

杉浦はその言葉に泣き崩れる。

あんなことしなくてもちゃんと彼女は見てくれてたのに...

 

彼方「杉浦...これでもう君は元に戻った、いや成長出来た。さ!今度は会長ちゃんと!僕達皆で!学校を良くしていこうよ!今の君なら出来るでしょ?」

 

杉浦「...僕を許してくれるのか...?」

 

彼方「そこはちゃ~んと謝らないと。特に彼女とかそうなんじゃない?」

 

僕はそう言って屋上にやって来た沖を指す。

彼女を見た杉浦は沖に謝る。

それを許した沖は今までの責任を取ってくださいと言って杉浦に抱き着く。

あら?もしかして生徒会って杉浦のハーレムだったの?

 

壬生「私は杉浦君はただの仲間としか見てないわよ。」

 

彼方、杉浦「「えっ!?」」

 

壬生「彼はあくまで仲間よ。それに私一度も恋愛はしたことがないから...」

 

それを聞くと僕達は思わず笑ってしまった。

だって彼女なんやかんや人気はあるのにまさか一度も恋愛をしたことない超ピュアピュアだったなんて。

 

一通り笑った僕達は杉浦を立たせる。

 

彼方「さ、スイッチを渡して。もう君にはスイッチの力は必要ないでしょ?」

 

杉浦「ああ。」

 

そう言ってスイッチを渡そうとしたその時。

 

ヴァルゴ「それは困る。

 

すると突然ヴァルゴさんが現れる。

処刑人として来たのか...

 

ヴァルゴ「タウラス、最後のチャンスをやる。ホロスコープスの幹部として、そいつらを倒せ!」

 

すると杉浦は僕達から離れスイッチを押す。

まさか...いや、大丈夫なはずだ...

 

タウラス「僕はもう...お前達の仲間なんかじゃない!」

 

そう言ってヴァルゴさんに突進するタウラス。

その拍子で倒れそうになった会長ちゃんを支える。

 

タウラスは果敢に攻めるが、冷静さを失ってるからか大振りでしか攻撃しない。

それを難なく往なし、カウンターするヴァルゴさん。

 

ヴァルゴ「使命に失敗した幹部は、私がこの闇に送る!」

 

そう言って杖をかざす。

すると上空に巨大な闇の穴が開く。

皆それを見て驚いている。

 

タウラス「う、うわあああああああ!!!」

 

タウラスは闇の中へと吞み込まれたいった...はずもなく。

僕が寸前に後ろにワープさせた。

 

タウラス「ああああ...はっ!?ど、どうして!?」

 

彼方「感謝しなよ~?せっかく助けてあげたんだから~。」

 

ヴァルゴ「...貴様か、オピュクス。」

 

彼方「生憎もう力を出し惜しみするのは辞めたんでね~。」

 

僕はそう言ってスイッチを押す。

 

タウラス「我望君が...同じゾディアーツだったなんて...!?」

 

オピュクス「オマエは休んでろ。オレが相手するからなァ。」

 

ヴァルゴ「貴様に戦いを教えたのは誰か忘れたか?」

 

オピュクス「その教え子に負け越されてるのはダレか忘れたのか?」

 

ヴァルゴ「っ...!」

 

オピュクス「...!」

 

ヴァルゴさんはダークネビュラを閉じて戦闘態勢に入る。

するとそこにコズミックに変身したフォーゼとメテオストームが来る。

 

フォーゼ「俺達も行くぜ!」

 

メテオ「ああ!」

 

オピュクス「おう。」

 

オレ達三人はヴァルゴさんに向かって行く。

だがそれを一閃。

ただそれだけで倒されてしまう。

クッソ...やっぱ本気出してなかったか...

 

ヴァルゴ「貴様らが私に敵うとでも思っているのか?」

 

オピュクス「やっぱあん時本気出してなかったか...!」

 

ヴァルゴ「お前達に言っておく。我らホロスコープスの崇高なる目的は最終段階へと近づいた。」

 

メテオ「最終段階...?」

 

オピュクス「まさか...!?」

 

ヴァルゴ「これからも我らに歯向かうと言うならば命の保証はない。これは貰って行くぞ。」

 

そう言ったヴァルゴさんの手にはいつの間にかタウラスのスイッチが。

やられたか!?

 

そしてヴァルゴさんは転移した...

 

それにしてもヴァルゴさんが言ってた最終段階...

マズいことになったかもしれねえな...

 

 

 

 

to be continued...

 




ほんとあれだね...杉浦君ごめんね...
君の回はこの一話で終わっちゃったよ...


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部・活・崩・壊

今回短いよ


ー彼方sideー

 

タウラスの一件から数日。

ヴァルゴさんが言っていた最終段階について僕達はどういうことなのか考えていた。

だけどそれよりももっと深刻なことが...

 

僕と弦ちゃんとユウちゃんは今屋上に向かっている。

ある場所から帰ってきてるんだけど。

 

屋上に着くと皆集まっていた。

ある一人を除いて...

 

流星「どうだった?」

 

ユウキ「やっぱり友子ちゃん、家にも帰ってないって。」

 

弦太朗「お袋さん心配してたよ。」

 

隼「もう3日...音沙汰無しか...」

 

美羽「嫌なことは考えたくないけど...」

 

恐らく何者かに襲撃された可能性がある...

一体誰だ...?

 

すると賢吾くんのパソコンから着信音が。

もしかしてと思い開けてみるが、相手はタチバナさんだった。

 

タチバナ『野座間君はホロスコープスに襲われた可能性が大きい。』

 

流星「でも、何故友子ちゃんが...?」

 

タチバナ『野座間君だけではない。これからは、君達一人一人ターゲットになると思っておいた方がいい。』

 

彼方「ホロスコープスの計画が最終段階に入ったから...」

 

タチバナ『そうだ。フォーゼとメテオ、ゾディアーツの二人とスイッチ開発者の歌星君以外は手を引いた方がいい。』

 

弦太朗「友子のことも見捨てておけねえ。必ず俺達で見つけ出す。」

 

タチバナ『今までの様にはいかない。』

 

賢吾「コズミックステイツは皆の絆の力だ。」

 

タチバナ『そうだったな...だったら如月君一人でコズミックになる方法を考える必要がある。』

 

賢吾「話が逆だ。」

 

タチバナ『君達に忠告しておこう。友情は、危険だ。』

 

弦太朗「友情が、危険...?」

 

タチバナ『ああ。友情はその甘さ故に道を見誤る。全員死にたくなければ、よく考えたまえ。』

 

タチバナさんはそう言って通信を切った。

 

友情が危険...ねえ~...

あの人の過去から来る言葉は重みが違う。

だがそれでも僕達は友情を大切にする。

 

僕達の絆は、絶対に壊れないことを...

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ー翌日ー

 

朝から期末だなんて嫌だな~...

 

今日は期末テストの日。

大杉せんせーが相変わらず寒いギャグを言ってるけど全然和まない。

むしろその脅しは素直に刺さるから辞めてね?

 

一応成績はトップに居るけど油断したらすぐに落ちてしまう。

そのプレッシャーと戦いながらテストをしなきゃだから辛いよ~。

 

すると教室にヴァルゴさんが現れる。

どういうつもりだ...?

 

皆悲鳴を上げて騒ぎになっている。

僕と大杉せんせーでライダー部組以外を教室から逃がす。

 

だがその間もヴァルゴさんは動かない。

弦ちゃんはフォーゼに変身して戦おうとする。

 

だがそれを無視してユウちゃんの下に転移する。

まさか...!

僕とフォーゼは慌ててヴァルゴさんの下に行くが転移に巻き込まれる。

 

どこかの地下のようだけど今はそれどころじゃない。

ユウちゃんを取り返さないと。

 

するとメテオも現れ、フォーゼと二人でヴァルゴさんに向かって行く。

だがユウちゃんを盾にされ思うように攻撃できない。

こうなったら...!

 

僕は隙を見てユウちゃんを僕の下にワープさせる。

ヴァルゴさんの力だと防がれるかもしれなかったが上手くいって良かった。

 

彼方「大丈夫?」

 

ユウキ「うん...」

 

フォーゼ達はそれぞれリミットブレイクで攻撃するが難なく防がれる。

そして小型のブラックホールの様な重力弾を撃ってくる。

二人は何とか避けるが、着弾した所が綺麗に抉られている。

 

そして二人を倒したヴァルゴさんはこっちに向かってくる。

僕はユウちゃんの前に立ち、ロンゴミニアドを投影して構える。

 

すると杖にさっきよりもヤバい感じの重力弾を出して攻撃してくる。

何とか受け止めるが流し切れず、ロンゴミニアド諸とも近くの柱を抉り取る。

本来の宝具じゃないとはいえ、あのロンゴミニアドを消すなんて...

 

すると僕達に迫って来るヴァルゴさん。

僕はなおもユウちゃんの前に出て守る。

 

ヴァルゴ「無力なものよ。大人しく去れ!次に私の前に姿を見せたら、お前を消す!」

 

彼方「...させるかァ!!!」

 

僕は咄嗟に魔力を込めて拳で殴り飛ばす。

隙を突かれたにも関わらずダメージは入っていないように見える。

 

フォーゼ「何故ユウキを狙った!?...そうか、友子もお前が!」

 

ヴァルゴ「野座間友子とやらはダークネビュラに送った。」

 

何だと...!?

 

フォーゼ「友子を返せ!」

 

そう言ってヴァルゴさんに向かって行くが返り討ちに遭ってしまう。

そしてそのまま転移して消えた...

 

ユウキ「消される...私達も...!」

 

彼方「ユウちゃん...」

 

僕は震えるユウちゃんを宥める。

それにしても友ちゃんをダークネビュラに...

覚えてろよヴァルゴ...!

 

...

 

..

 

 

 

ラビットハッチに集まっているがその空気は重い...

それもそうだ。皆それぞれヴァルゴに脅されたらしい。

 

美羽「ごめん弦太朗、彼方。私下りる。」

 

弦太朗「美羽...」

 

美羽「今までも危険は一杯乗り越えて来た...でも今回はいつもと違う。私、ジュンの命まで危険に晒せない。」

 

ジュンを利用して脅されたのか...

あの野郎...

 

隼「タチバナさんの言う通りだ。ヴァルゴは、本気で俺達を殺す気でいる。」

 

弦太朗「隼...」

 

すると壁を打ち付ける音が。

見ると流ちゃんが友ちゃんの机を見て震えていた。

なんやかんやいい関係だったもんね...

 

弦太朗「...分かった。いいよ!怖いヤツは出て行けばいい!」

 

流星「っ!...弦太朗!」

 

弦太朗「だってコイツら!本気で言ってる...本気なら俺には止められねえ...」

 

弦ちゃんだってほんとは辛いのだろう。

今まで一緒に戦ってきたんだから...

 

JK「じゃあ、そうします。」

 

流星「JK!」

 

JK「まずヘタレるとすりゃ俺かな~って思ってたんすけどね~。美羽さんが口火斬ってくれて~助かりました~。」

 

あくまでJKはああいう態度でいるのだろう。

今だって牛乳パックを握っている手が震えている。

よっぽど悔しいんだろうな...

 

そして三人はラビットハッチを去って行った。

すると大杉せんせーが仮面ライダー部は解散だと言う。

それに戸惑う弦ちゃん。

 

大杉「お前らが何をしようと俺は知らん!...ただし、絶対に死ぬな...それは校則違反だ...」

 

流星「...そんな校則ないですよ。」

 

大杉「今俺が作ったんだ!分かったな!校則守れよ!」

 

そう言ってせんせーも出ていく。

ああいうとこはカッコいいんだけどね...

ほんと良い先生だよ...

 

彼方「ユウちゃん、君も良いんだよ。」

 

ユウキ「彼方くん...?」

 

彼方「無理はしない方がいいよ。君は巻き込まれただけなんだから。自分の夢を追っていいんだよ。」

 

僕はそう言ってユウちゃんの頭を雑に撫でる。

彼女も罪悪感で逃げれないんだろう。

だけど時には逃げることも必要だ。

そうしないと心が持たない。

 

彼方「僕達は大丈夫だから。ユウちゃんは宇宙飛行士になる夢を追いかけなよ。」

 

ユウキ「彼方くん...!皆ごめん!私、やっぱり宇宙飛行士になりたい!せっかく特待生になれたし、夢を諦めたくない!だから...本当にごめん...!」

 

ユウちゃんはそう言って去って行った。

 

賢吾「...残ったのはこの五人か。」

 

弦太朗「仕方ねえ!...仕方ねえけど...やっぱちょっと寂しいな。」

 

彼方「だね...」

 

すると突然ハッチのドアが開く。

そしてドアの向こう側からタチバナさんがやって来た。

わーお生タチバナさんだ...

 

タチバナ「随分静かになったね。私の言葉を理解してもらえて、嬉しい。」

 

流星「タチバナさん!?」

 

弦太朗「うぉおおお!?本物のタチバナさんだ!?」

 

タチバナ「直接会うのは初めてだね。」

 

賢吾「朔田もか?」

 

流星「ああ。今までは通信だけだった。」

 

へ~流ちゃんも会ったことは無かったんだ~。

あのフォリアもびっくりしちゃってるよ。

 

タチバナ「私の存在は極秘だからね。直接の接触は避けて来た。」

 

彼方「それだけ緊急事態ってことだね~。」

 

タチバナ「そういうことだ。」

 

ふ~ん...

 

弦太朗「てか、なんでそんな仮面着けてんですか。ラビットハッチは無礼講!顔蒸れるでしょそれ?」

 

ずこっ!?

うっそぉぉぉ!?今それ聞くぅ!?

普通こんなシリアスな空気でそんなこと聞かないって!?

流石弦ちゃんだわ!尊敬したくないわ!

 

そしていつもの調子でタチバナさんもダチっす!って言う。

ほんとぶれないな~...

 

だがそれを冷たく返すタチバナさん。

そしてまた友情は危険だと言い張る。

どうやらよっぽどのことが過去にあったらしいね~...

 

すると話題を変えるようにコズミックに変身してみろと言う。

それを聞いた弦ちゃんはフォーゼに変身して実験室に入る。

僕達はそれをラボから見届ける。

 

そしてコズミックスイッチを起動するのだが...

最後の最後でエラーの様になり、変身できない。

まあ想定内だよね...

 

タチバナ「分かったかね、如月君。今の君に必要なのは友情ではなく、非情だ。」

 

フォーゼ「非情...?」

 

タチバナ「さ、行こう。」

 

フォーゼ「行くって、どこへ?」

 

タチバナ「特訓だよ。」

 

そう言って僕達はタチバナさんについて行く...

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

 

タチバナさんに連れて来られた場所は何もなく、まさに特訓に相応しい場所だった。

 

タチバナ「ホロスコープスにはヴァルゴ以上の存在も居る。」

 

彼方「...サジタリウス。」

 

タチバナ「彼らとの戦いに勝利するには、自分一人でフォーゼの全ての力を引き出す強さが必要だ。如月君、その手で力を掴め。何者をも凌駕する力を。この命がけの特訓で。」

 

そう言ってタチバナさんは一つの壺を取り出す。

へ?もしかして力って悪徳商法に負けない力ってこと?

 

フォリア「それは寒すぎますよ。」

 

彼方「...酷くない?」

 

弦太朗「えっ、つ、壺?」

 

流石の皆もずっこけそうになる。

そりゃいきなり壺出されたら力抜けるよ。

 

タチバナ「そうだ。私からこの壺を奪い、破壊しろ。」

 

弦太朗「何をやるかと思ったら、そんなの簡単じゃねえか!」

 

いや弦ちゃんが思ってる様なのだと流石にヌルゲー過ぎるよ。

あのタチバナさんのことだ、きっと一筋も二筋も行かないはずだ。

 

弦ちゃんはそんなことも考えず突っ込んでいく。

するとタチバナさんは背負っていたジェットパックを使って飛ぶ。

まあそりゃそうだよね~。

弦ちゃんが何か言ってるけどそれぐらい考えなさいよ...

 

タチバナ「変身しても構わない。」

 

タチバナさんからの挑発ともとれる言葉に弦ちゃんはドライバーを取り出しフォーゼに変身する。

タチバナさんはその間に崖の上に降り立つ。

 

タチバナ「流星!君はメテオになって如月君を妨害してくれ。」

 

流星「だが、貴方がM-BUSに居なくて変身認証は?」

 

タチバナ「大丈夫。変身システムはオートにしてある。」

 

フォーゼ「構わねえ!本気で来い!流星!」

 

そりゃそうか。

ここに来るぐらいだからそれぐらいの対応はしてあるか。

 

そうして流ちゃんもメテオに変身してロケットで追おうとするフォーゼを攻撃する。

それにしても僕達は何をすればいいんだろ?

取り敢えず特訓の様子でも見とこうかな~。

 

...

 

..

 

 

 

なんかもう...凄いの一言だよ...

フォーゼが迫っていく度にトラップが発動して...

どうりでここを選んだはずだよ。

 

普通崖から棘なんか出てこないからね?

しかもメテオのバイクから光線出すわ、終いにはM-BUSからレーザー出すわで...

やりすぎじゃないですかって思ったよ。

しかもパワーダイザーまで借りてなんかあの人凄いわ...

 

そう思ってるとナゲットちゃん達が賢吾くんの周りに集まる。

あれ?そう言えば一人居なくない?

 

それに違和感を覚えた賢吾くんはバーガーちゃんを起動して何やら調べる。

するとあることが分かったようで...

 

その間にダイザーをウインチを使って上手く行動不能にしたフォーゼ。

ダイザーから逃げたタチバナさんを見たフォーゼはあるスイッチを取りだす。

あれは...

 

フォーゼ「なでしこ...」

 

『Rocket SUPER! Rocket! ON』

 

いつしかのSOLUの力を使ってロケットステイツに変身したフォーゼはダブルロケットでタチバナさんを猛スピードで追いかけていく。

タチバナさんと猛スピードのチェイスを繰り広げる。

それに驚いているメテオ。

そう言えばあの後に流ちゃん来たんだっけ。

 

追走劇はフォーゼの勝利となり、フォーゼはタチバナさんの身体を掴む。

それに観念したのか、タチバナさんはゆっくり降りて来た。

だけど壺はメテオの手の中にあり、フォーゼは驚く。

 

とそこに特訓を中止するように言う賢吾くん。

さっきのアレのことだろう。

 

賢吾「タチバナさん、アンタは何者だ?」

 

タチバナ「...」

 

賢吾「貴方の手にコズミックエナジーの反応がある。それはヴァルゴ追跡の為に送ったナゲロパの物だ。」

 

ということは...

 

賢吾「ヴァルゴが破壊したツナゲットの反応が、何故貴方にある?タチバナさん!」

 

メテオ「まさか...貴方は!」

 

タチバナ「流石は歌星緑郎の息子だ。確かに私は...」

 

そう言ってスイッチを取りだし押す。

黒いモヤから現れたのは...

 

ヴァルゴ「ヴァルゴ・ゾディアーツだ。」

 

タチバナさんがヴァルゴだったのは知らなかった...

いや元々正体は知らなかったんだけどさ。

何かと話は聞いていたけどまさかね~...

 

フォーゼ「どういうことだよ!?」

 

メテオ「タチバナさん...アンタ敵だったのか!?」

 

ヴァルゴが何かを言おうとしたその時。

天秤野郎の杖の音がした。

 

ヴァルゴ「リブラか...

 

だがそれには気づかずメテオはメテオストームへと変身し、ヴァルゴに襲い掛かる。

メテオは怒りのままに突っ込んでいく。

 

とそこに天秤野郎が現れメテオの攻撃を防ぐ。

だがそれを気にすることなく、メテオはリミットブレイクを放つ。

それに弾かれる天秤野郎だったがそこをヴァルゴが防ぐ。

 

そして空中にダークネビュラを展開し、メテオを送り込んでいった...

 

フォーゼ「っ!メテオォォォォォォ!!!!!」

 

メテオが消えたことに激怒するフォーゼ。

ヴァルゴに突っ込んでいく。

それを防いだ天秤野郎は更に追撃しようとしたがそれをヴァルゴが止める。

そしてロケットで突っ込んでくるフォーゼを避けるように転移して逃げていった...

 

だがこれで益々分からなくなった。

何故タチバナさんが友ちゃんをダークネビュラに送ったのか...

そもそも接点はなかったはずだけど...

 

何かを見落としている気がするんだけどな~...

 

 

 

 

to be continued...

 




そういやUA数40000超えました。
皆さんありがとうございます。



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射・手・君・臨

ー彼方sideー

 

ヴァルゴ基、タチバナさんが去った後。

僕達の間にあったのは何とも言えない空気だった。

 

弦太朗「タチバナさんがヴァルゴだったなんて...」

 

賢吾「何がコズミックになる特訓だ!朔田までダークネビュラに...危うく君までやられるとこだった!」

 

するとワンちゃんの声がする。

何かを見つけたような声だ。

 

僕達は向かうとそこにはメテオストームのコマが。

今もずっと回り続けている。

 

賢吾「これは...」

 

弦太朗「流星...」

 

もしかしたら...

あの人なら可能性はあるけど...

だとしたら今までも。

 

...

 

..

 

 

 

僕達はあの後別れた。

賢吾くんは何とか一人でもコズミックになれないかと模索しに。

弦ちゃんと僕はと言うと...

 

皆の下に。

それぞれ別れて会いに行ってる。

 

そして今はジュン達チア部を見守っている美羽に会いに。

すると美羽は突然走り出して何かを拾い上げる。

あれって...

 

美羽「松ぼっくり?」

 

彼方「見間違えるよね~それ~。」

 

美羽「っ!彼方...」

 

彼方「僕もこの時期になるとよく間違えるんだよ。誰が落としたんだって。」

 

美羽「...何のつもりなの。」

 

彼方「...美羽が元気か見にね。次いでにジュンがちゃんと部長やれてるかも。もう気にしなくていいよ。美羽達が元気で居てくれるだけで僕は満足だから。じゃ~ね~。」

 

そう言って僕は美羽の下を去る。

次はあの子の所かな~...

 

そうして着いたのはJAXA。

あの子のことだから多分ここに来てるだろうと思って。

 

案の定、展示されているはやぶさの前に居る。

 

ユウキ「見ててねはやぶさくん。私、絶対宇宙飛行士になるから!」

 

彼方「うん、ユウちゃんなら絶対なれるよ。」

 

ユウキ「彼方くん...」

 

彼方「夢に向かって真っすぐに、一直線に飛びなよ。大丈夫、ユウちゃんなら出来るって信じてるから。じゃあね~。」

 

僕はそう言ってユウちゃんの下を去る。

取り敢えずはこれで全員かな~?

弦ちゃんの方も隼とJKに会ったって言ってたし。

 

さてさて帰るとしますか~。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

 

ー翌日ー

 

僕達は今ラビットハッチに集まってる。

賢吾くんは昨日からずっと籠りっぱなしの様だ。

 

賢吾「ダメだ...今の俺にはお前一人の力でコズミックステイツになる方法は見当がつかない...」

 

弦太朗「そうか。まあ食え!なんか食わねえと持たねえぞ!」

 

賢吾「ああ...ありがとう...」

 

弦太朗「よーし!腹も膨れたし、特訓の続きにでも行くか!」

 

賢吾「特訓ってまさか...!?」

 

弦太朗「そう。タチバナさんとの特訓だ!まだ終わってねえだろ!アレをやりきれば、あの人ともダチになれる。」

 

相変わらず一直線だな~。

でも今となったらこの一直線さが逆に凄いと思える。

どんな状況でも決して折れない。

そんな強さがあるんだから。

 

賢吾「君のバカはブラックホール級だな!彼はヴァルゴ・ゾディアーツだ!友達になんかなれるわけがない、なる必要もない!」

 

弦太朗「いーやダチになれるし、寧ろならなきゃならねえ!」

 

賢吾「奴は、朔田も野座間も消し去った敵の幹部なんだぞ!」

 

彼方「二人とも生きてるよ。」

 

賢吾「何...?」

 

弦太朗「これがその証拠だ!」

 

そう言って弦ちゃんは未だ回り続けるコマを指す。

あれから一日も経ったがずっと回っている。

ということはだ。

 

彼方「アストロスイッチは使用者の気持ちに応えてくれる。フォーゼもそうだしメテオもそうだ。コレが回ってるってことはまだ流ちゃんの心がまだ消えてないって証拠だよ。」

 

賢吾「そうか...確かにその通りだ...」

 

弦太朗「友子も同じだ。」

 

そう言って賢吾くんの手からコズミックスイッチを取る。

 

弦太朗「コイツからアイツの気持ちが感じられる。ヴァルゴは二人を消してはいない。」

 

すると賢吾くんは覚悟を決めてのかパソコンを持つ。

 

賢吾「地獄まで付き合うぞ、如月。」

 

弦太朗「地獄なんかには付き合わせねえよ!俺が居る限りな。」

 

そう言って二人は手を握る。

...あれ?僕は?もしかして空気なの?

 

フォリア「私なんてずっと空気ですよ...」

 

彼方「あ...その...ご愁傷様?」

 

僕は珍しく拗ねてるフォリアを慰めていた。

いやナニコレ?

 

...

 

..

 

 

 

そしてやって来た特訓場。

そこには昨日のまま壺が置いてあった。

 

すると空からタチバナさんが降りて来た。

 

弦太朗「来たなタチバナさん!」

 

タチバナ「本当に待っていたとはね。」

 

弦太朗「きっと来ると思ってたぜ!」

 

タチバナ「いいだろう、続きをやろう。この壺を壊してみろ。」

 

そう言ってヴァルゴに変身する。

 

ヴァルゴ「ただし、本当に命がけだぞ。」

 

弦太朗「上等だ!本気でやり合って初めて本音が分かる。」

 

そう言って弦ちゃんはフォーゼに変身する。

するとヴァルゴが空から攻撃を仕掛けてくる。

フォーゼはそれを避けて、ボードとステルスを装着する。

 

背中のスラスターからジェットを噴射してヴァルゴに近づく。

その際にステルスで透明になって近づいていく。

だがそう簡単に行くわけもなく、ヴァルゴによって墜落される。

 

すると今度は遠距離系で揃えていく。

マグネットステイツに変身し、更にランチャーとガトリングを装着する。

そして一気に決める気かリミットブレイクを放つ。

 

フォーゼ「ライダー超電磁ボンバー!一斉掃射!!!」

 

そうして一斉に攻撃をする。

だがヴァルゴは自身の前にワープゲートを展開。

そして一度攻撃を吸収し、それをそのまんまフォーゼに跳ね返した。

 

フォーゼは自身のリミットブレイクを受けてステイツを強制解除され、近くの倉庫に吹っ飛ぶ。

僕達はフォーゼの後を追う。

 

フォーゼ「アンタ確かに、ホロスコープスだ。でも...良い人だな!」

 

ヴァルゴ「何だと...?」

 

フォーゼ「この特訓は本気で俺を、フォーゼを強くしようとしてる。それに、流星や友子だって生きてるんだろ?」

 

ヴァルゴ「友情など捨て去れ!」

 

そう言ってヴァルゴは攻撃を仕掛ける。

 

ヴァルゴ「友など信じれば裏切られる!己の心の弱さになるだけだ!」

 

そう言って攻撃するが、それを受け止めるフォーゼ。

 

フォーゼ「そんなことはねえ!絆は...力をくれる!」

 

ヴァルゴ「人間の絆など、強大な力に必ず屈する!私がそうだった!」

 

フォーゼ「何...?」

 

するとフォーゼを蹴り放し、ヴァルゴは杖にエネルギーを溜める。

 

ヴァルゴ「友を捨て去り、そのことに悩んだ。だがそれを振り切った時!この力を手に入れたのだ!」

 

そう言ってヴァルゴはエネルギーを溜めた杖で切りかかる。

だがそれを白刃取りの要領で止めるフォーゼ。

それに驚くヴァルゴ。

 

フォーゼ「それで分かったぜ。アンタがその力を振るう時、どっか悲しそうだった訳が。」

 

ヴァルゴ「私が悲しそう...?甘く見られたものだな!」

 

フォーゼはヴァルゴに押し切られ、攻撃を受けてしまう。

それによって地面を転がるフォーゼ。

その間にヴァルゴは更にエネルギーを杖に溜め込む。

 

ヴァルゴ「ならば教えてやろう!絶対的な力の恐怖を!これがもたらす絶望を!何もできない己の無力さを!非情になれ!如月弦太朗!自分一人で戦うのだ!」

 

どこか苦しそうに言うヴァルゴ。

彼のその言葉に僕はある人を思い出す。

もしかしてタチバナさんの正体って...

 

するとフォーゼはコズミックスイッチを取りだし装填、起動する。

今までなら無理だったんだろうけど...

今の弦ちゃんなら出来る気がする...!

 

『Cosmic! ON』

 

ヴァルゴによって放たれた最大級の重力弾。

だがそれをフォーゼの下に集まるスイッチ達が防いでいく。

そして爆炎と共に消滅。

その中からコズミックステイツとなったフォーゼが姿を現す。

 

賢吾「コズミックに変わった!?」

 

フォーゼはバリズンソードを展開し、コズミックスイッチを装填。

一気にリミットブレイクを決める。

 

フォーゼ「ライダー超銀河フィニッシュ!!!」

 

放たれた斬撃は真っ直ぐヴァルゴの下へ。

寸での所でヴァルゴは転移したが、その手に持っていた壺は綺麗に両断された。

それに喜ぶフォーゼ。

そこは忘れてなかったんだね~...

 

僕達はフォーゼの下に行く。

そして割れた壺を見る。

 

ヴァルゴ「分かってくれたようだな。」

 

すると後ろから声が掛けられる。

いやそれはびっくりするから辞めてよ...

 

ヴァルゴ「君は友情を捨て、非情になる覚悟を決めたことでコズミックの力を手に入れた。」

 

それが違うんだよね~...

 

フォーゼ「それは違うな、タチバナさん。俺はやっぱり、友情の絆でコズミックになったんだ。」

 

ヴァルゴ「何...?」

 

フォーゼ「この間コズミックにならなかったのは、俺自身が俺の心を疑ってたからだ。アイツらが戦いの場に居なければ、絆が崩れるんじゃないかって。」

 

そう言って変身を解除する弦ちゃん。

 

弦太朗「だけど違った。アイツらに会ってそれが分かった。皆が一緒に居なくてもいい。それぞれがそれぞれの道を信じて進んでれば、俺は絆を信じられる。」

 

弦ちゃんはそういう奴だ。

だからこそ彼はコズミックに変身出来たのだろう。

 

するとユウちゃんの声が聞こえた。

見てみるとユウちゃん、JK、美羽、隼が来ていた。

どうやってここが分かったんだろ...?

 

フォリア「私が教えたのですよ。」

 

ふーん。

 

弦太朗「お前ら来てたのか!?」

 

ユウキ「死ぬのは怖いけど...逃げるのはもっと嫌だ!ライダー部もやる!宇宙飛行士にもなる!それが私の一直線だよ!」

 

JK「弦太朗さん!ズルいっすよあんな真剣に応援されちゃ。逃げる気も無くなるっすよ!」

 

美羽「ジュンに叱られたわ。あんな怪物から逃げるんじゃなくって早くやっつけて。それがクイーン、風城美羽だって。」

 

隼「俺だって天高のキングだった男だ。ハニーも守る。お前も守る。それぐらいやってやるよ!」

 

弦太朗「お前ら...!」

 

ほんと最高の仲間だね...

 

ヴァルゴ「信じられん...あの恐怖をたかが高校生が克服したというのか...!?」

 

賢吾「貴方は俺達をフォーゼの弱点と言うかもしれない。でも、如月は俺達の青さも甘さも弱さもひっくるめて強さに変えてくれる。これが如月弦太朗だ!これがフォーゼの強さなんだ!」

 

弦太朗「友情は危険なんかじゃねえ。友情は...ダチだ!」

 

ヴァルゴ「友情が、ダチ...?」

 

うん、僕も分からないよ?

まあなんとな~く言わんとしてることは分かる気がするけどね~。

 

弦太朗「ああ!怖がって避ければ力にはならねえ!でも、信じて受け止めればこんなに力強いヤツは居ねえ!だから友情は俺のダチなんだ!」

 

ヴァルゴ「...フッ、負けたよ如月君。君達の言う友情を、もう一度信じてみても良いのかもしれん。」

 

ヴァルゴはそう言うと杖をかざす。

すると上空にダークネビュラが現れ、そこからメテオと抱えられてる友ちゃんが降って来た。

 

弦太朗「流星...友子...!」

 

ユウキ「友子ちゃん!良かった~!」

 

友子「大丈夫。生きてるから。」

 

僕は思わず友ちゃんに抱き着いてしまった。

だって居なくなったあの日から必死に探してたんだから...

皆の前では全然見せてなかったけどまたやったと思って後悔していたんだから...

 

彼方「ほんとに良かった...無事で...」

 

友子「彼方先輩...」

 

ある程度抱き着いて離れる。

すると空気を読んでからかヴァルゴが喋り出す。

あ、なんかすんません...

 

ヴァルゴ「ダークネビュラに飛ばしたフリをしなければ、皆処刑されていた...」

 

そう言って変身を解除するヴァルゴ。

だけど友ちゃんはタチバナさんの姿を見てどこか違う反応をする。

まさか...友ちゃんが飛ばされたのって正体がバレたから?

 

タチバナ「二人にはM-BUSで眠って貰っていた。私が処刑した幹部も皆、そこで眠っている。」

 

賢吾「教えてくれ、タチバナさん。何故俺にゲートスイッチをくれた?俺にフォーゼシステムを見つけさせた?」

 

流星「それに...俺をメテオにしたのは何故だ?」

 

友子「話してください、江本先生。」

 

やっぱり...

皆は友ちゃんの言葉に驚いている。

 

するとタチバナさんはマスクを外す。

マスクを外すとあの日から若干老けた江本さんの姿が。

 

賢吾「江本教授...!?貴方がヴァルゴで、タチバナさんだったのか!?」

 

彼方「どうりで急に天高に来たと思ったよ...」

 

江本「私は裏切り者だ。メテオの支援者であることが彼らに知られてはならなかった。だから、タチバナの仮面を被った。」

 

そりゃそうだ。

叔父さんに裏切り者だとバレたらあるのは死のみ。

たとえ旧友だとしても容赦はしない。

だから仮面を被るしかなかったてことか。

 

江本「賢吾君にフォーゼシステム、流星君にメテオドライバーを送ったのは...」

 

すると弦ちゃんが江本さんに手を差し出す。

これは~...いつものアレですな~?

 

弦太朗「一緒に戦う仲間が欲しかったから、だろ?」

 

それを聞いた江本さんは笑顔で答える。

 

江本「ああ。如月君、何があっても君の友達のことは守ってやってくれ。どんなことになってもだ!」

 

そう言って江本さんは弦ちゃんの手を握る。

 

弦太朗「分かった!約束するぜ!」

 

そう言って友情の証を交わす。

そしてお互い笑顔になる。

 

だがその時何かが来るのが見えた。

僕は慌てて江本さんをどかす。

するとさっきまで江本さんが居た場所を赤い何かが高速で通った。

更にそれが来た方向からいきなり爆発が起こる。

 

爆発によって起こった炎の中を何かが歩いている。

目を凝らすとそれは僕が一番危険視している者だった。

 

彼方「...サジタリウス。」

 

江本「私を処刑しに来たか...」

 

マントを捨てながら炎の中を歩いてくる存在。

叔父さんが変身したサジタリウス・ゾディアーツが現れたのだ。

 

江本さんは立ちながらヴァルゴに変身する。

旧友同士が対峙している中、僕は直ぐに変身する準備をする。

もう誰も死なせない...絶対に...

 

サジタリウス「残念だよ、ヴァルゴ。私が宇宙の真理に到達するパートナーは君だと思っていたが...だが、君が私を裏切ることも星の定めだったのだな。」

 

そう言うとサジタリウスは左腕を構える。

すると辺りの炎が左腕に吸収され、サジタリウスの弓である『ギルガメッシュ』が展開される。

そしてサジタリウスは弓を引く。

 

僕は慌てて変身し、宝具を展開する。

 

サジタリウス「フッ!」

 

オピュクス「『熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)』!!!」

 

寸での差でオレが展開するのが早かったからか、矢を全部防ぐことが出来た...

と思っていたが一本だけ漏らしてしまい、それがヴァルゴの腹に突き刺さってしまう。

 

ヴァルゴ「グッ...うぅ...」

 

流星「タチバナさん!」

 

賢吾「江本さん!」

 

弦太朗「っ!...このヤロォ!!!」

 

弦太朗と流星はそれぞれコズミックとメテオストームを起動する。

そして二人は同時に変身する。

 

弦太朗、流星「「変身!!!」」

 

そしてサジタリウスに向かって走り出す。

二人に相手できるかどうか分からないが、今はヴァルゴを治療しねえと...

 

オピュクス「ブラッドアップ

 

オレの怒りが影響したのかいつもより力が増してくる。

オレは直ぐに治療薬を創造し、それをヴァルゴの傷口に塗る。

すると傷は直ぐに塞ぎ、回復したようだ。

 

ヴァルゴ「済まない、彼方君。」

 

オピュクス「礼を言うのは後だ。今はアンタを生かすことが最優先だ。」

 

ヴァルゴ「君達は安全な場所へ。」

 

そう言うとヴァルゴは賢吾とフォリア以外を転移させる。

何故賢吾を残した...?

 

ヴァルゴ「賢吾君...君は、私と...」

 

そう言って転移しようとする。

オレは慌てて傍に寄り一緒に転移する。

フォリアにはフォーゼ達のサポートを伝える。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

 

どこかのビルの屋上に転移したオレ達。

賢吾は何故自分だけ別なのか分かっていない様子だ。

まあそれはオレもなんだが。

 

ヴァルゴ「彼方君も来てしまったか。まあいい。賢吾君、君に伝えなければならないことがある!私は友情より力に屈した。」

 

そう言いながら変身を解除する江本さん。

 

江本「歌星緑郎を殺したのは、私だ。」

 

それを聞いた賢吾は驚いた顔をする。

そりゃそうだ。今まで知らなかった父親の死因が分かったのだから。

 

賢吾「父さんを、貴方が...」

 

江本「聞いてくれ賢吾君。歌星は、君を...「逃がしはしませんよ。」っ!」

 

声の方を見るとレオと天秤野郎が来ていた。

嗅ぎつけやがったか...

 

江本「レオ!リブラ!」

 

レオ「よくもあのお方を裏切ったな!貴様とそこの裏切り者は許さん!」

 

そう言って向かってくるレオ。

オレはレオの攻撃を受け流して対処する。

すると江本さんもヴァルゴに変身してリブラと応戦する。

 

ヴァルゴ「賢吾君!コイツらの目的は十二個のホロスコープススイッチを集めることだ!」

 

だが先ほどの攻撃でのダメージが回復しきれなかったのかリブラの攻撃を受けてしまうヴァルゴ。

オレはレオを突き放し、リブラに応戦する。

その間もヴァルゴは賢吾に必死に伝えようとする。

 

ヴァルゴ「君達仮面ライダー部は、それを阻止してくれ!頼む!」

 

そう言うとヴァルゴは二人の下へ行き転移する。

オレは慌ててヴァルゴのコズミックエナジーを探知し、ワープする。

 

するとレオがヴァルゴに連撃を繰り出していた。

オレはそれを防ぐ。

 

レオ「っ!?貴様っ!!!」

 

オピュクス「オレを...怒らせんじゃねえぞぉぉぉぉ!!!!!」

 

オレは怒りのままに固有結界を投影する。

もちろん世界はあそこに決まっている。

 

いつもよりもより禍々しい世界が投影された。

炎は黒く燃え上がり、その間から黒い手が生えている。

空は血の様に赤黒く、気味が悪い。

 

だがオレはそんなことを気にせず、()()()の名を叫ぶ。

 

オピュクス「来い!ケルヌンノス!!!!!」

 

すると大地は揺れる。

そして空に突如大穴が開きそこから巨大な神が現れる。

身体から常に濃い呪いが。

その目は赤く光り、レオとリブラを捉えている。

 

するとケルヌンノスは口を開き咆哮する。

すると空から赤黒い隕石が。

ケルヌンノスの周りに赤黒い球体が何個も現れ、そこからレーザーが。

そしてケルヌンノスから全てを消さんとする衝撃波が。

 

オーバーキルなんて生易しいものではない攻撃が二人に襲い掛かる。

二人は必死に避けていたが、衝撃波でやられてしまう。

 

オレはそんな二人を見て結界を解除する。

そしてヴァルゴに変身を解除させ、スイッチを渡してもらう。

 

オピュクス「テメエらの狙いはこれだろが。んなもんくれてやる。」

 

そう言って変身解除された二人に向かってスイッチを投げ捨てる。

そしてオレは江本さんを連れてM-BUSへとワープした。

 

江本「何故、私を生かしてくれたんだ?私は君達の敵だったんだぞ?」

 

オレは変身を解除して答える。

 

彼方「関係ないですよ。弦ちゃんの友達で、僕にとって宇宙に興味を持たせてくれた恩人を助けるのに...それに...江本さんに死なれたら悲しむ人はたくさん居るんでね...」

 

江本「...そうか。ありがとう、彼方君。君にそう言ってもらえるだけでも嬉しいよ。」

 

彼方「...そうですか。」

 

良かった...今度はちゃんと救えて...

 

彼方「...これからどうするんですか。」

 

江本「私はここに残ることにするよ。我望は本格的に動き出すだろう。何せサジタリウスが動いたからね。」

 

彼方「じゃあ今まで通り後方支援という形で?」

 

江本「ああ。それと通信は極力避けることにする。本当に緊急の時以外は私からは通信しないことにするよ。」

 

彼方「...ヴァルゴのスイッチがあっちに回ったからですよね?」

 

江本「あれは仕方ないことさ。私の命が助かったんだ。あれぐらいの代償は仕方ないと思ってるよ。」

 

彼方「分かりました。僕達も叔父さん達の計画を止めれるように頑張ります。」

 

江本「ああ、頼んだよ。彼方君。」

 

僕はそう言ってワープをしようとした。

とその時に江本さんに一つ聞かれる。

 

江本「そうだ、彼方君!君は賢吾君に関する真実について知っているかね?」

 

 

 

 

to be continued...




オチが思いつかなかったんです...


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双・子・明・暗

ー彼方sideー

 

江本さんの件から数日。

 

あの後僕の方からライダー部の皆に江本さんの今後について話した。

皆はそれを理解してくれ、今後どのように対策するか相談した。

 

それにしてもあの時江本さんに聞かれたこと...

 

『君は賢吾君に関する真実を知っているかね?』

 

あの言葉の意味って...

僕は一応知ってるって答えたけど、その時の江本さんの顔が何とも言えない表情をしていた。

一体何を伝えたかったんだろ...

 

そんなことを考えていたが、ラビットハッチの空気は最悪だ。

何故って?

ユウちゃんが賢吾くんのアメリカ研修の申し込み用紙を破り捨てたそうだ。

 

あのユウちゃんがするはずないとは思うんだけど...

でも弦ちゃんはこの目で見たと言ってるし...

 

弦太朗「確かにお前だったぞ!」

 

ユウキ「私を疑うの、弦ちゃん!」

 

弦太朗「いやユウキはそんなことしないってのは分かってる。でも、あまりにお前にそっくりだったんだ。」

 

ユウキ「そ・れ・を!疑ってるって言うんじゃ!あーもう知らないよ!例のチケットの話だって、無しだからね!」

 

弦太朗「例のチケット?...なんだっけ?」

 

ユウキ「え、忘れてる...?酷いよ!それでも友達!?」

 

そう言ってユウちゃんは弦ちゃんの顔を抑える。

いやまあそれは弦ちゃんが悪いよ...

ちゃんと約束事とかは覚えとかないと...

 

フォリア『私との約束は覚えてますか?』

 

彼方『え?...あ~...えっと...あっ!デートに行くヤツでしょ!大丈夫!ちゃんと覚えてるから!』

 

するとフォリアがジト目で見つめてくる。

えぇ...それってどっちの意味なんだよ...

正解なの?間違ってるの?怖いよ...

 

すると間に入った美羽が何とか辞めさせるが、代わりに今度は美羽がターゲットに。

まああんな感じで疑われたらイラっと来るよね~。

 

僕が止めようとしたその時。

ユウちゃんに水がかかる。

何だと思い見てみると大杉せんせーが変な恰好をしてユウちゃんに水鉄砲を向けていた。

 

大杉「城島!天ノ川署の大杉だ!動くな!」

 

そう言われて賢吾くんとフォリア以外皆手を上げてしまう。

うん、僕も上げたよ。何となくノリでね。

 

大杉「校舎に落書きした容疑で逮捕する!」

 

そう言ってユウちゃんを〆て水鉄砲をかけまくる。

それにしても落書きって...

 

僕達は現場に向かった。

するとそこにあったのは壁に大きくロケットと星が描かれてあった。

ロケットには『宇宙流行れ!!』といった文字が。

確かにこれだとユウちゃんが疑われるだろうけど...

いくら何でもこんなことはしないはずだけど...

 

すると警備員さんがやって来てユウちゃんを叱る。

どうやら警備員さんはその目で落書きしていた現場を見たらしい。

だけどもユウちゃんにはその覚えがない...

 

なんかおかしいと思っていたその時。

後ろの方からなんか聞こえるなと思い見てみる。

すると大勢の生徒がユウちゃんに向かって走ってきていた。

 

咄嗟に避けてようとしたが巻き込まれてしまった。

なんで僕だけ?

 

そして皆それぞれユウちゃんに文句を言う。

それぞれ楽器や旗、身体に落書きされていた。

でもユウちゃんは知らないと本気で言っている。

取り敢えず皆を落ち着かせる。

 

ユウちゃん「そうだ!これはきっとドッペルさんの仕業です!」

 

皆「「「「「ドッペル!?」」」」」

 

いきなりユウちゃんがそんなことを言い出す。

いやいやいくら何でもそれは...

いや待てよ?

 

僕は咄嗟に皆が友ちゃんの説明に夢中になってる間にユウちゃんを瞳で視てみる。

するとユウちゃんにふたご座の星座が...

まさか...分裂したのか...?

 

だとしたらこのままじゃユウちゃんが危ない...

僕は取り敢えずユウちゃんを連れて逃げることにする。

 

彼方「ユウちゃん!逃げるよ!」

 

ユウキ「えっ!?えええええ!?」

 

僕はユウちゃんの手を引いて逃げ出す。

取り敢えず今は一緒に居た方がいい。

もしかしたら()()()()()()()()()()が行動してるかもしれないし。

 

僕達は物陰に隠れ、そこからワープして屋上に逃げ込む。

だけどこのままじゃ見つかるかもだから屋上の扉の上に逃げ込む。

すると案の定何人かやって来たが、僕達を見つけれず帰って行った。

取り敢えず安心かな...

 

彼方「ふぅ...何とか撒いたね...」

 

ユウキ「どうして...私なにもしてないのに...」

 

彼方「そうだ。ユウちゃんは何もしていない。」

 

ユウキ「えっ...?彼方くん...信じてくれるの?」

 

彼方「ああ。だけどその前にちょっと聞きたいことがあるんだ。あの申し込み用紙を誰に貰ったの?」

 

ユウキ「えっと...確か校長先生からだよ?」

 

彼方「...じゃあその時他に誰か居た?」

 

ユウキ「えーっと...そう言えばその時理事長に会ったんだ!それで理事長が私の話を聞いてくれて~!」

 

彼方「叔父さんが...何の話を?」

 

ユウキ「え?えっと...これを聞いて信じないかもだけど...その...私、宇宙の声が聞こえるんだ...」

 

『プレゼンター』か...

どうやらユウちゃんも叔父さんや僕と同じ人間みたいだ...

それからユウちゃんの話を聞くと...

 

小さい頃に宇宙から声が聞こえたとか。

その声は『聞こえたならおいで。ここで待ってるから。』と言ったそうだ。

その時から理屈ではなく何故か宇宙が好きになっていったそうだ。

 

ユウキ「でもこの話、うちの両親も信じなかったから...彼方くんも笑うよね?こんな馬鹿な話...」

 

彼方「全然?むしろ同じだな~って思ったよ。」

 

ユウキ「え...」

 

彼方「僕なんてしょっちゅう聞こえるんだよ。だから全然笑わない。叔父さんもそうだったからね。」

 

ユウキ「...そっか...私と同じなんだ...良かった...」

 

そう言うとユウちゃんは何故か泣き出した。

え?僕なんか変なこと言った?

 

彼方「ちょっと...どうしたの?なんで泣いてるの?僕なんかやらかしちゃった?」

 

ユウキ「ううん。ただ嬉しくって。私にも仲間が居たんだなって。」

 

彼方「...そっか。」

 

多分どこかで望んでいたんだろう。

自分と同じ人間が居てほしいって。

それが叶ったんだから嬉しいんだろうな...

僕も叔父さんと話した時はそんな風に思ったしね~。

 

彼方「じゃあユウちゃんは尚更宇宙に行かないとね。それで声の主に会って言ってやってよ。寝ようとする時に話しかけるな!って。」

 

ユウキ「フフッ!彼方くんそんな時に声を聞いたんだね!」

 

彼方「ほんといい迷惑だよ?おかげですっかり目覚めるんだもん。」

 

ユウキ「じゃあ私がちゃんと伝えておくね!彼方くんが文句ばっかり言ってたって!」

 

彼方「ちょ、それは語弊がありません?ちょっ、ほんとに辞めてね?何か仕返しが怖いから!」

 

ユウキ「どうしよっかな~。」

 

彼方「ちょっと!?ねえ!?ユウちゃんてば!?」

 

いつの間にか笑っていたユウちゃん。

取り敢えず気を紛らわせれてよかった...

 

その後落ち着くまで話した僕達。

そろそろ皆も落ち着いてるだろうと思い校舎を出る。

 

ユウキ「こうなったら自分の無実は自分で晴らそ...って、えぇ~...」

 

彼方「え?ちょ、なんで流ちゃん構えてるの?」

 

何故か弦ちゃんと流ちゃんが変身していた。

しかも他の皆も鬼の形相かと言うぐらいの表情で迫ってきてるし...

てかなんで隼はそんな真っ白なの?

ちょっとウケるw

 

って流ちゃん襲ってきたし!?

僕は取り敢えず流ちゃんを投げ飛ばして拳骨喰らわせたけど...

一体どうなってんの...?

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

友子「ゾディアーツスイッチは持ってないみたい...」

 

ユウキ「いい加減にしてよ皆ー!!!私が美羽先輩を突き落とそうとするはずないでしょ!?」

 

ラビットハッチに戻った僕達。

そこで何故かユウちゃんは縛られている。

いや僕も止めようとしたんだけど流ちゃんの圧で無理だった...

 

皆が言うにはどうやらユウちゃんがジェミニ・ゾディアーツに変身したらしい。

そして美羽を高い所から突き落とそうとした、というか突き落としたらしい。

それ以外にもJKや隼にいたずらをしたとか...

 

でもその時って僕と一緒に居たんだからアリバイはあるはずなんだけど...

なんで皆そのこと忘れてんの?

 

賢吾くんはどこか疑ってるようだけど、今はジェミニの分析をしてるし...

一番信じなきゃいけない弦ちゃんもあやふやだし...

 

弦太朗「ジェミニ...双子座か...ユウキ、まさか双子の姉妹とか居ないよな?」

 

ユウキ「一人っ子だって忘れたの!?幼馴染の癖に!」

 

弦太朗「あっ...いやぁ...いや...」

 

弦ちゃんはユウちゃんの言葉に狼狽える。

そりゃ友情お化けの弦ちゃんがあんなこと言われたら堪えるよね~。

 

ユウキ「いい加減早く縄解いてよ!」

 

弦太朗「ああワリぃ...」

 

彼方「僕も手伝うよ。」

 

僕はユウちゃんの縄を解くのを手伝う。

流石にずっとこのままはキツイだろうからね。

 

ユウキ「いっそ流星くんみたいにきっぱり疑ってくれた方が気持ちいいよ!」

 

そう言われて驚く流ちゃん。

まあそうだよね~、あやふやな態度でいられるのって結構辛いからね~。

 

とそこに賢吾くんが弦ちゃんをフォローする。

 

賢吾「如月は君が大事なんだよ。ほら、昔からの友達なんだろ?」

 

弦太朗「そうとも!ユウキの疑いは、俺が晴らしてやる!」

 

ユウキ「最初に私を疑ったのは弦ちゃんだよ!それに、昔からの友達もちょっと怪しくなってきた!...大事なことも忘れちゃうしね!」

 

ユウちゃんはそう言うと解け掛けていた縄を自分で解いてハッチを出て行った。

弦ちゃんはそれを追おうとするけどショックだったのか足が止まってしまう。

取り敢えず流ちゃんは一発叩いておこう。

 

...

 

..

 

 

 

あの後弦ちゃんは必死に例のチケットのことを思い出そうとしている。

多分小さい頃の約束だからあやふやなんだろうけどね~。

まあ人によってはその頃の約束が大事だって人も居るしね。

 

すると大杉せんせーが何枚かの紙を持って入って来た。

 

大杉「おお!お前ら大変だ!歌星に言われた通り、学校の監視カメラを見てみたんだ!そしたら!」

 

そう言ってせんせーが紙を渡してくる。

それを見てみるとそこには...

 

白マスクを着けたような少女が映っていた。

どれも犯行現場に居る。

やっぱりユウちゃんじゃなかった...

ということはコイツがもう一人のユウちゃんってことか...

 

美羽「Upps!?」

 

隼「どういうことなんだ!?」

 

彼方「...もう一人のユウちゃんだよ。」

 

弦太朗「もう一人の、ユウキ...?」

 

彼方「ジェミニは特殊な星座でね。スイッチを押した瞬間に光と闇、二つの人格に分裂するんだよ。」

 

JK「じゃあ俺達や美羽先輩を突き落とそうとしたのって...」

 

彼方「闇の人格の方。恐らく本人は自覚してないだろうけど、今まで溜まってた物があったんだろうね~。賢吾くんを出し抜いて宇宙に行きたい。学校を宇宙で流行らせたい。自分を疑ってきた仲間達を虐めてやりたいっていうのが...」

 

賢吾「このままだとどうなるんだ?」

 

彼方「...二つの人格はより優れた人間になる為に淘汰し合う。そして存在が薄い方が...消える。」

 

弦太朗「じゃあユウキが危ねえじゃねえか!?」

 

そう言うと弦ちゃんはハッチを出て行った。

僕と賢吾くんと流ちゃんも急いで後を追う。

 

...

 

..

 

 

 

弦太朗「おばさん失礼します!」

 

そう言って弦ちゃんは慌てて靴を脱いで階段を上る。

僕達もそれに続いて急いで上る。

 

階段を上ってユウちゃんの部屋を見る。

すると中では二人が争った形跡があった。

 

闇ユウキ「あはははは!あ~来た来た!」

 

ユウキ「コイツは偽物だよ!」

 

するともう一人のユウちゃんがジェミニに変身して窓から逃げて行った。

弦ちゃんと流ちゃんはドライバーを装着して追いかける。

僕と賢吾くんでユウちゃんの様子を確かめる。

 

賢吾「大丈夫か、ユウキ?」

 

ユウキ「うん...でも...あの子が言ってた。私が消えるって...」

 

彼方「それは存在が濃い方だ。ユウちゃんがしっかり意識を保っていたら消えることはないよ。」

 

ユウキ「でも...」

 

彼方「取り敢えず弦ちゃん達の所に行くよ。」

 

僕はユウちゃんを立たせて一緒に向かう。

 

現場に着くとフォーゼがコズミックに変身していた。

 

賢吾「如月!足止めして攻撃しろ!」

 

フォーゼ「分かった!」

 

フォーゼはランチャーを起動し、それにネットの力を付与する。

すると発射されたランチャーはジェミニに当たり、爆発の代わりにネットが展開され捕縛される。

 

ユウキ「早くやっつけて!ソイツ...変なこと言ってた...ソイツも私だって...もうすぐ私が消えちゃうって!」

 

フォーゼ「何だって!?」

 

メテオ「これで決めるぞ!」

 

そう言いメテオストームスイッチを取りだしたメテオだが、そこに矢が当たる。

フォーゼやこっちにも飛んできて、僕達は何とか避ける。

矢が飛んできた方向を見ると、赤黒いモヤと共にサジタリウスが現れた。

 

フォーゼ「射手座ヤロォ!」

 

するとサジタリウスは右手からオーラを出し、それをネットに浴びせる。

するとネットが簡単に溶けていった。

コズミックエナジーの扱いは向こうが上か...

 

サジタリウス「おぉ、ジェミニよ。」

 

ジェミニ「サジタリウス様~♪」

 

サジタリウス「ジェミニは私の物だ。私は彼女と共に、宇宙へ旅立つ。」

 

賢吾「宇宙へ...?」

 

...江本さんが裏切った今、叔父さんはジェミニを選んだのか...

まあ理由は分からなくもないけど...

 

サジタリウス「そう。ジェミニはやっと見つけた私の宝だ。同じ星からの声を聞いた者同士だ。」

 

彼方「っ...僕のことはもう居ない扱いか...

 

フォーゼ「星からの、声...?」

 

サジタリウス「やはり闇の君が真の君かな?」

 

ジェミニ「うん!」

 

...なんかジェミニの妹感に尊さを感じてる僕が居るんだけど...

いや、今はそんな呑気なことを言ってる場合じゃない。

今もなおジェミニの存在がどんどん濃くなっている...

このままじゃユウちゃんとの立場が入れ替わるの直ぐかもしれない...

 

サジタリウス「光と闇。二つに割れた彼女が淘汰し合っている。どちらか濃い方が残り、もう一方は消滅する。後十二時間で、新しい城島ユウキの誕生だ。」

 

あのね?こういうこと言うのもアレなんだけどさ...

叔父さんの年齢でそんなことしたら犯罪スレスレじゃない?

...いや忘れよう。叔父さんにそんな趣味は無いはずだ...

 

フォーゼ、メテオ「「っ!?」」

 

賢吾「ユウキが...消える...」

 

するとユウちゃんが突然顔を抱えて逃げていく。

もしかして...

僕はユウちゃんを追いかける。

すると近くに止まっていたバイクのミラーに映っていたのは...

 

白いマスクを着けたような顔のユウちゃんだった。

 

まさかもう存在の立場が入れ替わったなんて...

このままじゃ本当にユウちゃんが...

 

ユウキ「嘘!?私の方がこんな顔に...!これじゃあ...皆の傍には居られない!」

 

彼方「落ち着けユウちゃん!気をしっかり持たないと呑まれるぞ!」

 

ユウキ「彼方くん!でも!私が!」

 

彼方「大丈夫。僕は君が本物だって分かってるから。」

 

僕はユウちゃんを抱きしめる。

気休めかもだけど今はこうしないと彼女の気が持たないから。

 

ふとフォーゼ達の方を見るとジェミニが二人に別れたいた。

あの力の感じからすると『超新星』なのか?

 

すると一体がフォーゼに引っ付く。

そしてジェミニの身体が点滅する。

 

賢吾「いかん如月!それはただの分身体じゃない!爆発エネルギーの塊だ!」

 

っ!?このままだとフォーゼが!

しかしユウちゃんをほっとけない...

 

するとメテオが分身体に飛びついて全身を使って抑えつける。

そして分身体はメテオを巻き込んで大爆発した...

威力が凄まじく、こっちにも爆風が来た。

 

フォーゼ「っ!流星!!!」

 

爆発が晴れるとそこには全身ボロボロの流ちゃんの姿が...

また...また守れなかったのか...

 

フォーゼ「流星!?おい!おい流星!」

 

ジェミニ「アハハ!出た出た!分身爆弾!」

 

サジタリウス「後十二時間。止められるものなら止めてみたまえ。私とジェミニが、『プレゼンター』に会いに行くことを。」

 

彼方「...『偽・螺旋剣(カラドボルグⅡ)』!」

 

僕は逃げようとするサジタリウスに向かって射撃する。

矢となった剣は見事にサジタリウスの身体を貫通させた。

 

サジタリウス「グッ!?」

 

彼方「流星をこんなにしやがって...絶対に許さねえぞ...」

 

サジタリウス「クッ!裏切り者が...やれるものならやってみるがいい。本当に私を手にかける覚悟があるのならばだがね。」

 

そう言ってサジタリウスはジェミニを連れて消えた...

僕は自分の拳を握りしめることしかできなかった...

 

 

 

 

to be continued...

 




筆が進む話と進まない話がありまして...
今回は割と進む話でした。その割には中身無いですけど...


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星・運・儀・式

たまには長めもいいでしょ?


ーホロスコープスsideー

 

ホロスコープス達の謁見の間。

そこには長である我望光明と彼に擦り寄る闇ユウキ。

そして脇に控える速水と立神の姿があった。

 

我望「ジェミニ。新しい君の誕生の儀式を行おう。」

 

闇ユウキ「嬉しい、一緒に観ましょう。古いワタシの最後を...愚民共を切り捨てて!星に昇る私達の前途を祝して!」

 

我望「頼もしいね。選ばれし人間はそうでなくては。」

 

長とそのパートナーの様子を脇で見守る二人。

 

立神「大変なご寵愛振りだな...」

 

速水「『プレゼンター』からの声か...私には全く覚えがない。」

 

二人は闇ユウキがはしゃぐ様を見て呟く。

とそこに我望が速水を呼ぶ。

それに応え我望の前に立つ速水。

 

我望「ピスケスはまだかね?発見を急ぎたまえ。」

 

速水「...心得ております。」

 

我望「これだから星の声が聞こえない者はねぇ?フフハハハ。」

 

闇ユウキ「アッハハハハハ!」

 

最後のピースを見つけれない者に対し差別的な発言をする我望。

無意識故かそれとも意識的にか...

速水に掛かるプレッシャーは重くなっていく。

だがそれに反して速水の扱いは軽くなっていっていたのだった。

 

速水『我望様が必要なのは私ではなく、私のスイッチだけなのか...』

 

速水はそう思いながらピスケスを探しに行くのだった。

 

我望「近いな...闇が完全に勝利する時が...」

 

そう言い我望は闇ユウキを撫でる。

その様は親子と捉えるべきか、それとも...

 

闇ユウキ「ええ。サジタリウス様...」

 

闇ユウキと我望は不敵に笑うのだった。

とそこに闇ユウキが一つの提案をする。

 

闇ユウキ「ねえサジタリウス様。あのコに会ってもいいかしら?」

 

我望「ん?誰のことかね?」

 

闇ユウキ「ほらぁ、あの裏切り者の。」

 

我望「ああ、アイツか...何故だね?」

 

闇ユウキ「フフフ♪古いワタシの心を潰すなら徹底的にしないと、でしょう?」

 

我望「なるほど。今の彼女が信じられるのは彼だけ。それさえも盗ってしまおうというのか。いや、君は恐ろしいね。だが、それでこそ私のパートナーだ。良いだろう、やって見なさい。期待しているよ?」

 

闇ユウキ「フフフ、ありがとうございます。サジタリウス様♪」

 

闇が彼女の光を奪おうとしていた...

 

闇ユウキ『あのコが好きな男を奪う♪あぁ~、なんて面白そうなのかしら♪』

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ー彼方sideー

 

もう日が暮れる時間帯。

僕達は未だにユウちゃんを探していた。

 

あの後ユウちゃんは僕達の前から姿を消した。

大方あの姿では自分だと信じてもらえないと思ったからだろう。

直ぐにでも追うべきだったんだろうけど、流ちゃんのこともあったからできなかった。

その流ちゃんはと言うと現在フォリアと友ちゃんが付いてくれている。

 

そして残りのメンバーでユウちゃんを探しているのだけど...

 

隼「ダメだ!ユウキの奴見つからない。」

 

結局見つかっていない...

もうあれから数時間が経っている。

流石にあの状態で野宿はしないだろうけど...

 

JK「もう疑いも晴れたんだから逃げる必要もないでしょうに。疑ってた俺が言うのも何ですけど。」

 

美羽「私も同罪ね。」

 

弦太朗「俺の所為だ!友達友達言ってる癖に...相手が一番苦しい時に限っていつもこうだ!」

 

賢吾「お前だけの所為でも無いさ...」

 

多分僕達の中で一番苦しいのは間違いなく弦ちゃんだろう。

幼馴染で一番の親友と言ってもいいユウちゃんの助けになれないんだから...

 

とそこで賢吾くんがあることを話す。

 

賢吾「一つ気になることがある。サジタリウスが言ってた、『プレゼンター』という言葉。」

 

JK「何なんすか?その『プレゼンター』って。」

 

彼方「人類に対して働きかける宇宙からの意思。」

 

美羽「宇宙からの意思...?」

 

賢吾「命名者は江本さんだ。特定の条件を満たした者に届く、宇宙からのメッセージの様な物らしい。」

 

隼「ユウキに特別な力があったってことか!?」

 

彼方「『プレゼンター』の声を聞いた者には何かしらの潜在能力がある。実際、僕も声を聞いたことがあるしね。多からず少なからずゾディアーツになる人間には干渉があるかもね。」

 

賢吾「星からの声に魅入られた人間...それがゾディアーツ...」

 

それを聞いた皆は神妙な表情になる。

ユウちゃんが少なからずゾディアーツになる素質があったということなんだから。

 

すると弦ちゃんのケータイから着信音が鳴る。

弦ちゃんは電話に出るが驚いた表情をする。

 

弦太朗「ユウキが帰って来た!?」

 

僕達はそれを聞いて急いでユウちゃんの家に向かう。

 

...

 

..

 

 

 

ユウちゃんの家の前に着いたと同時に家からユウちゃんが出て来た。

と言っても皆はユウちゃんの存在が薄くなっていることに気付かず追いかけていく。

僕も後を追おうとしたその時...

 

闇ユウキ「ねぇ~?君が彼方くん?」

 

もう一人のユウちゃんに声を掛けられる。

姿を見るにこっちの方が濃いようだ。

 

彼方「...君の方が存在が濃くなってるみたいだね。」

 

闇ユウキ「そうよ。今の時点でこれなんだから私の勝ちは確定よ!それに~...あの子にはスイッチを持たせたからぁ~♪」

 

なっ!?だとしたら皆が間違ってユウちゃんを襲ってしまう!

僕は急いで向かおうとするがそれをもう一人のユウちゃんが抱き着いてきて行かせようとしない。

 

彼方「何のつもりだ!僕を止めたところで今の君には何にも武器が無いんだぞ!」

 

闇ユウキ「その前に~♪ワタシのことは闇ユウキって呼んでよ~♪いつまでももう一人のワタシとか呼ばれるのは嫌よ~♪」

 

彼方「君ってそんなキャラだったけ?」

 

闇ユウキ「ワタシはどんどん成長していってるのよ。存在が濃くなっていくにつれてね。」

 

彼方「...あの妹感好きだったのに...」

 

闇ユウキ「あら~♪それって~、あのコよりもワタシの方が好きってこと?」

 

いやなんでそんな話になるの?

てか僕は別にどっちも好きだし、別に差別化しようとは思ってないんだけど...

 

彼方「別に二人共好きだけど?これでいいかな?」

 

闇ユウキ「なっ...//そんなハッキリ言われるとは思わなかった...

 

ん?何か照れてらっしゃる?

抱き着く力が弱まってるし今の内に!

 

僕は闇ユウちゃんの腕を引きはがし、魔術を使って強化した足で皆の所に向かう。

何か後ろから聞こえたけど気にしない気にしない。

 

皆が見えてきて全速力で走る。

何とか着いたがそこでは...

 

ジェミニとフォーゼが戦っていた。

 

彼方「辞めろ!彼女は本物だ!」

 

フォーゼ「はっ!?何言ってんだ彼方!?確かにジェミニに変身したじゃねえか!」

 

彼方「スイッチを渡されたとしたら?例えばスイッチを持ってる方が存在が濃くなるに決まってるとか言われて...」

 

賢吾「っ!やはりそうか!どうりで弱すぎるはずだ!ソイツは本物のユウキだ!」

 

フォーゼ「何っ!?」

 

フォーゼは慌てて攻撃を辞める。

だがそこに乱入者が。

 

闇ユウちゃんがフォーゼの傍に現れ、レバーを引く。

 

『LIMIT BREAK』

 

そしてリミットブレイクが発動してしまい、ジェミニを攻撃する。

それによって爆発し、ジェミニの変身が解除してしまう。

そこに闇ユウちゃんが現れ、落ちたスイッチを拾い変身する。

 

賢吾「本物のユウキを返せ!」

 

ジェミニ「ヤダよ~♪貴方達に前のユウキを始末させるのも面白そうだと思ったんだけどね~...」

 

ユウキ「っ...!」

 

ジェミニ「でもいいわ。後十時間、もう打つ手なしよね~?」

 

フォーゼ「何だと!?」

 

フォーゼはジェミニに向かって走って行くが、ジェミニは笑いながら消えた。

あの感じだと完全に力を使いこなしているようだった。

 

弦ちゃんは変身を解除してユウちゃんに謝ろうとするが...

またしてもユウちゃんが消えていた。

 

僕達はまた手分けして探すことにする。

とその時賢吾くんのパソコンから着信音が鳴る。

賢吾くんは起動し見てみるとバーガーちゃんからの映像だった。

 

僕達は直ぐに現場に向かったが既に誰も居なかった。

映像を見てみるとレオと天秤野郎がユウちゃんを連れ去って行った。

ジェミニ誕生の儀式の為の生け贄として...

 

JK「どうするんすか...どうすりゃ止められるんすか!?」

 

彼方「そんなの乗り込んで倒せばいい。」

 

弦太朗「...そうだ!そうだここだ!」

 

そう言って弦ちゃんは走り出す。

僕達も急いで追う。

 

丘の上のベンチで座っていた弦ちゃん。

どうしたのか聞いたらユウちゃんとの約束を思い出したらしい。

 

弦ちゃんによると...

小さい頃、ユウちゃんが『プレゼンター』の声を聞いたことを弦ちゃんに話したらしいが、弦ちゃんも他の皆同様信じず。

それに傷ついたユウちゃんは一人この丘に。

それを追った弦ちゃんはお祖父さんに音波を計測する装置を持っていったらしい。

弦ちゃんなりにユウちゃんが聞いた声を聞こうとしたらしい。

その時にユウちゃんに謝ったらしい。

まあ結局弦ちゃんには聞こえなかったらしいけど。

 

JK「で、結局約束って何だったんですか?」

 

弦太朗「俺が転校する時、ユウキは俺に思い出を詰めた金の小箱をくれたんだ。あの中に約束の物が入ってる...あれさえあれば!ユウキを元気にしてやれる...」

 

賢吾「どこにあるんだ、その小箱は?」

 

弦太朗「...俺ん家だ!」

 

そう言って弦ちゃんは走って行った。

それを追って賢吾くんも行った。

 

僕も何かするべきだろうけど...

すると何かを感じた。

その方向を見ると上空には星座の輝きが。

アレは...僕を呼んでいるのか...?

 

僕は取り敢えず向かうことにした。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ワープするとそこは学校の屋上だった。

ほんとここは便利な場所だな...

 

僕は呼んだ奴を呼ぶ。

 

彼方「お望み通り来たよ~。闇ユウちゃん...」

 

すると笑い声が響き渡る。

そして目の前に薄いピンクの渦が起こる。

それが収まるとそこにはジェミニが居た。

 

ジェミニ「アハハハハ!彼方くんなら来てくれると思ってたよ~♪」

 

そう言ってジェミニは変身を解除する。

 

彼方「一体何が目的なの?今更戻ってこいって言うのかな?それは叔父さんが許さないはずだけど。」

 

闇ユウキ「違う違う~♪そんなことしたらサジタリウス様に嫌われちゃうよ~。」

 

彼方「だろうね。それで?目的は何?」

 

闇ユウキ「フフフ♪彼方くんとお話したかったんだ~♪」

 

彼方「え?」

 

闇ユウキ「あのコの記憶を見てるとね~、いっつも彼方くんが助けてくれてたんだ~。それを見て興味を持ったってこと♪」

 

いやそれはいくらなんでも端的過ぎない?

僕がユウちゃんを助けた回数なんてそんなにないでしょうに...

 

彼方「君がそんなに興味を示す程のことをやった覚えは無いけど?」

 

闇ユウキ「そうかしら?例えば修学旅行のこととか。」

 

彼方「修学旅行って...特にユウちゃんを助けたりなんてしてないはずだけど?」

 

闇ユウキ「あのコが一人だけ変な衣装着させられた時に態々着替えさせてあげたじゃない。それに川に落ちた時も温めてくれたし~♪」

 

彼方「あー、そういえばそんなこともあったね~。でもそれがなんでユウちゃんが助けられたってことになるの?別に普通のことでしょ?」

 

闇ユウキ「あのコはいつだって変人扱いされてるのよ?今でこそライダー部って仲間が居るみたいだけど...それでもずっと疎外されたんだから優しくされたら気になっちゃうわよ~♪」

 

彼方「要はそーゆー免疫がなかっただけでしょ?でも僕は普通のことをやっただけ。君なら少なくとも分かるでしょうに。」

 

闇ユウキ「忘れたの?ワタシはあのコの半身。黒い部分だって。」

 

あーすっかり忘れてたわ。

てかほんとキャラが妹から悪女になってるよね~。

ユウちゃんの顔でだけどなんで違和感ないんだろ...

 

闇ユウキ「そ・れ・で~♪彼方くんは~もしワタシが危険な時は助けてくれるのかな~?」

 

彼方「...君がユウちゃんの存在を消そうとしなかったらね。僕の仲間に手を出さないのなら迷わず助けるよ。」

 

闇ユウキ「...なんで。」

 

彼方「なんでって言われても...う~ん...君が助けを求めてるから?」

 

何か緑なデク君な感じのこと言っちゃったけど...

でもそうとしか言えないんだよね~。

 

闇ユウキ「ふ~ん...そりゃあのコも気になるわけだ...

 

彼方「これでいいかな?どっちにしろ今の君は僕達の敵だ。倒すべき相手なんだからそんな話は意味ないよ。」

 

闇ユウキ「ぶー!つまんな~い!彼方くんなら面白いことしてくれると思ってたのに~!」

 

いやいきなり妹ムーブしないでよ...

ギャップが激しすぎるわ...

 

彼方「面白いことって...僕は芸人じゃないんだから無茶振りしないでよ...」

 

闇ユウキ「...なんかつまんないの~。ま、あのコを助けたいのなら明日来てみたら~?」

 

何だろう、このメスガキ感は...

すんごいウザい顔で煽って来るんだけど...

多分構ってちゃんなんだろうけど無視だ無視...

 

闇ユウキ「あれれ~?どうしたのかな~?もしかしてサジタリウス様にやられるのが怖くなったのかな~?」

 

イラっ...

流石に今のはイラっと来たね~...

 

僕は闇ユウちゃんを床に押し倒し、上から跨る。

そして顔を近づける。

 

彼方「調子乗ってんじゃないよ?君のことは今すぐにでも倒せるんだよ?それを分かって言ってるのかな?かな?」

 

闇ユウキ「っ!何よ!そんなことできない癖に!」

 

彼方「ふーん...ならやってやるよ。君が二度と出たくないってぐらいのことしてから。」

 

そう言って僕は更に身体を近づける。

闇ユウちゃんは必死に逃げようとするが逃げれないように抑えているから無意味だ。

 

そして二人が触れあいそうな瞬間。

闇ユウちゃんは怖さからか目を瞑る。

それを見た僕は直ぐに顔を横にずらし、耳に息を吹きかける。

 

闇ユウキ「ひゃっ!?///」

 

リアクションを見た僕は跨るのを辞めて立ち上がる。

仕返しはこれぐらいでいいでしょ。

 

彼方「ほんと危機感なさすぎでしょ。明日絶対に止めに行くから。覚悟してなよ?」

 

僕はそう言ってその場を後にした。

儀式をするなら恐らくあそこだろう。

ならばあらかじめ作戦を立てておくか...

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ー闇ユウキsideー

 

彼方くんが行った後もワタシは動けずにいた。

何故か胸の鼓動が早くなっていってる...

さっき受けた辱めの所為なのだろうか...

 

闇ユウキ「あんなことされたら益々欲しくなっちゃうじゃない♪」

 

ワタシはあのコと同じ気持ちを抱いちゃった♪

だってしょーがないでしょ?

彼方くんがその気にさせたのだから~。

 

明日の儀式で一つになった時...

ワタシはアナタを手に入れるわ...彼方くん♪

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ー彼方sideー

 

ー翌日ー

 

僕は家で襲撃の準備をしている。

今日の儀式は多分ホロスコープス全員が出揃っているはず。

ならばそれなりに準備をしないといけない。

 

僕は武器を次々に投影していく。

もちろん全て本物の宝具だ。

それを虚空に収納していく。

 

百を超えたあたりで作業を終えた僕はダスタードと共感覚で繋がる。

すると美羽達に付けているダスタードから声が聞こえてくる。

 

ユウキ『私も仲間を蹴落としたり、いけない事をしたいって思う心があったの...人を踏みにじってでも宇宙に行きたい...それも、私なんだ!』

 

僕はそれを聞いた瞬間怒りが湧いてきたのを覚える。

彼女にここまで言わせるなんて...

 

僕はワープを展開し、儀式の場所の上空に繋ぐ。

そして虚空からある宝具を出してそこから飛び降りる。

 

彼方「諦めてるんじゃないぞユウちゃん!!!『誰も知らぬ、無垢なる鼓動(ホロウハート・アルビオン)』!!!!!」

 

僕は持っていたアロンダイトを巨大化して地面に向かって投げつける。

アロンダイトが着地する前に僕は結界をユウちゃんと美羽達に展開する。

 

アロンダイトが着地するともの凄い衝撃波が起こる。

そのせいで辺り一帯が土煙に包まれる。

僕はその間にアロンダイトの上に着陸して、巨大化を解除する。

 

煙が晴れるとサジタリウスが右手からオーラを出して防いでいた。

と言っても威力が強かったからか疲労しているようだ。

 

僕はユウちゃんの傍に寄り立たせる。

すると存在の流れが変わったように感じる。

 

ユウキ「彼方...くん...」

 

彼方「助けに来たよ...今度こそ...!」

 

弦太朗「ユウキ!」

 

すると今度は弦ちゃんと賢吾くんがやって来た。

どうやら探し物は見つかったみたいだね。

 

弦太朗「ユウキ!悪かった!俺はダメなヤツだ。こんな大事な約束を忘れちまうなんて!」

 

弦ちゃんはそう言い、金色の星のシールがいっぱい貼られた小箱を出す。

それが例の約束の...

 

弦太朗「お前と俺の絆だ!」

 

ユウキ「...最初に私を信じてくれた仲間。それは...弦ちゃん!」

 

弦太朗「っ!おう!」

 

弦ちゃんは箱から一枚の紙を出す。

それには子供の字で『宇宙いきチケット』と書かれていた。

 

弦太朗「このチケット、一生有効なんだろ!絶対俺を連れてってくれ!」

 

ユウキ「...うん!」

 

するとユウちゃんが苦しみだす。

よく見ると闇ユウちゃんも苦しみだしていた。

どうやら立場が逆転するようだ。

 

リブラ「マズい!今逆転されたら...!」

 

するとユウちゃんは顔を上げる。

そこには元に戻っていたユウちゃんの顔が。

 

僕は思わず抱きしめてしまう。

 

彼方「良かった!元のユウちゃんに戻って!」

 

ユウキ「っ!彼方くん...弦ちゃん...!」

 

闇ユウキ「そんな馬鹿な!!!」

 

すると闇ユウちゃんはスイッチを押してジェミニに変身する。

それでもなお逆流は止まらない。

 

ジェミニ「うっ!?変身しても逆流が止まらない!?何故急に!?闇の心の方が強いはずなのに!」

 

弦太朗「誰の心にだって、そりゃ黒い部分はある。でもな、それをお互い乗り越え合う為にダチは居るんだ!」

 

ジェミニ「っ!」

 

弦太朗「打ち砕いてやるぜジェミニ!ダチの力で!」

 

そう言って弦ちゃんは変身した。

そして最初からコズミックに変身する。

フォーゼはスラスターからジェットを出してジェミ二達に向かって行く。

ジェミニはそれを避けるが、壁をキックして僕達を連れて外に。

 

着地したフォーゼはユウちゃんと友情の証を交わす。

だがそこにジェミニが割り込む。

フォーゼはそれを回避して攻撃していく。

 

だが今度はレオがこっちを睨んでくる。

 

レオ「ならば今一度...!」

 

そう言ってこっちに向かってくる。

僕は変身してアロンダイトを投擲する。

それを避けたレオは爪を出して襲い掛かって来る。

 

レオ「裏切り者と共に散れ!」

 

オピュクス「させると思ってるか獅子公がァ!」

 

オレは拳に力を込めて殴りつける。

それを爪で防いだレオは驚く。

なんせ爪が破壊されたんだからな。

 

レオ「なっ!?貴様ァ!!!」

 

オピュクス「うっせんだよォ!」

 

オレ達はお互いを殴りつける。

だがそこに矢が飛んでくる。

オレは慌ててユウちゃんを賢吾達の下に送る。

そして矢を殴って防ぐ。

 

サジタリウス「無粋の極みだ...許し難い...!」

 

サジタリウスを見たレオはカプリコーンに変身してユウちゃん達に攻撃する。

オレとフォーゼは慌てて防ごうとするが、そこをジェミニが間に入って行かせない。

 

オレは結界を展開しようとした瞬間...

 

賢吾の身体からバリアが現れ、攻撃を防いだ。

それを見たサジタリウスは興味深い物を見た目をする。

 

オレはジェミニの制止を振り切り、賢吾達を逃がす。

そしてサジタリウスと対峙する...

だがそこにジェミニが割り込んできて攻撃してくる。

 

ジェミニ「サジタリウス様!ここは十二使徒の誇りにかけて、フォーゼとオピュクスは私が!『超新星』!!!」

 

そう言うとジェミニは分身体を出した。

その間にカプリコーンがサジタリウスを連れて消えた。

 

するとジェミニはオレ達に襲い掛かる。

分身の方がフォーゼに行ってしまいどうすべき考える。

だがそれを邪魔するかの様にジェミニが攻撃してくる。

 

ジェミニ「アンタだけは絶対にワタシが手に入れるのよ!」

 

オピュクス「...オマエがそこまでオレに執着する理由はなんだ?」

 

ジェミニ「あのコのモノを奪えばワタシの存在が濃くなるからよ!」

 

そう言ってジェミニが攻撃してくる。

オレはそれを捌きながら分身をどうしようか考える。

すると流星がやってきてメテオストームスイッチをフォーゼに投げ渡す。

 

フォーゼ「サンキュー流星!」

 

そう言ってフォーゼはバリズンソードにスイッチを装填し、オンにする。

 

Meteo! ON

 

そしてスイッチの回転部分を回す。

それと同時に分身が爆発したが、爆発が全てスイッチに吸い込まれた。

キャンサー・ノヴァを倒した時と同じ原理か...

 

ジェミニ「何!?」

 

そしてそれを剣先に纏ってジェミニに斬撃を放つ。

ってオレんとこじゃねえか!?

オレは慌ててワープして避ける。

斬撃が命中したジェミニは今までのダメージもあってか立てないで居る。

 

とそこをフォーゼバリズンソードを閉じ、リミットブレイクの準備をしている。

だがオレはそこでフォーゼに提案する。

 

オピュクス「トドメはオレにやらせろ。アイツはオレが片を着ける。」

 

フォーゼ「...分かった。」

 

フォーゼはそう言うと下がってくれた。

オレはそれを見て背中に翼を出す。

宇宙鉄人達との戦いの後に自由に十二使徒の力が使えるようになった。

 

そしてオレはワープを展開してジェミニを連れて宇宙に飛び立つ。

宇宙にワープしたことに驚いているジェミニ。

 

ジェミニ「そんな!?ワープしたっていうの!?」

 

オピュクス「...オマエがあのいたずらっ子のままだったら良かったのにな...」

 

ジェミニ「っ!?情けなの!ワタシに情けを掛けると言うの!」

 

オピュクス「...違えよ。オマエと一緒に居るのも悪かねえと思っただけだ。」

 

ジェミニ「え...」

 

オピュクス「だが過去には戻れない。オマエを倒して、ユウちゃんを救う!」

 

オレはジェミニの力で分身を出す。

そして虚空からそれぞれ剣と盾を出す。

 

ジェミニ「ワタシと同じ力!?」

 

ジェミニには皮肉だがこの技を送ろう...

オレ達はジェミニに向かって高速で飛ぶ。

 

オピュクス「畏れよ」

 

オピュクス(分身)「崇めよ。」

 

オピュクス「天にて輝くもの、導きの星!」

 

オピュクス(分身)「我らは此処に降り立たん!」

 

オピュクス、分身「「『双神賛歌(デュオスクレス・テュンダリダイ)』!!!」

 

交互に攻撃していき、トドメに二人で交差しながら同時に攻撃する。

完全・完璧なコンビネーションによる攻撃は宝具にまで昇華された。

その攻撃を受けジェミニは爆発した。

その爆炎があの仮面を思わせたが...

 

ホント...いたずらっ子のままなら妹として扱ってやろうと思ってたんだけどな...

まあそれはもう敵わねえ夢だ。

オレはワープして皆の下に戻った。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ーラビットハッチー

 

無事元に戻ったユウちゃん。

すっかり元気を取り戻したユウちゃんは弦ちゃんに送っていた宇宙行チケットを皆の分も作ったと言って渡していく。

一人一人装飾が違って見てて楽しい。

 

それにしても宇宙旅行を簡単に渡すな~。

まあユウちゃんならほんとに連れて行きかねないからね~。

ま、大事に取っておこうかな。

 

皆に渡していき僕の番となった。

ユウちゃんは元気よく差し出してくる。

あれ?よく見たら二つ一緒だけど...

 

ユウキ「フォリアちゃんに頼まれてペアチケットにしたんだ!」

 

彼方「お前どんだけ僕のこと好きなの?」

 

フォリア「べ、別に私はただ...貴方と一緒に故郷に行きたいなと...//

 

可愛いこと言ってくれるじゃないの~。

てか貴女の故郷って別世界じゃなかったでしたっけ?

 

フォリア『うるさい!//』

 

そう言ってフォリアが足を蹴って来る。

地味に痛いんですけど?

 

ユウキ「フフフ♪二人ともラブラブだね!...彼方くん、ありがとね。ずっと私に着いてくれて。」

 

彼方「気にしないでよ。仲間のピンチにはいつでも駆け付けるからさ。」

 

ユウキ「うん!ありがとう!」

 

そう言ってユウちゃんは離れていった。

その間もずっと足蹴られてるんだけど...

 

彼方「いい加減蹴るのを辞めろー!!!」

 

僕はフォリアの頭を雑に撫でまくる。

時々爪を立てることで、髪型崩れる+痛いの二段重ねじゃあ!!!

 

フォリア「ちょっ!?痛いですよ!?爪を立てないで...痛い!」

 

皆「「「「「「「「ハハハハハ!」」」」」」」」

 

僕達の様子を見て皆笑っていた。

こんな平和な日々が続くといいな...

 

 

 

 

to be continued...




久しぶりにおまけも出したいな~...
近いうちに出そうと思います~。


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天・秤・離・反

ー彼方sideー

 

夏休みのある日。

 

僕達は今学校に来ている。

いやラビットハッチじゃなくて食堂にだけど。

その理由はと言うと...

 

皆「「「「「「「「歌星賢吾君!誕生日おめでとう!!!」」」」」」」」

 

そう言って僕達はクラッカーを鳴らす。

 

そう。今日は賢吾くんの誕生日である。

それでいつも通りラビットハッチとかで祝おうとも思ったけど、たまには場所を変えようということで食堂に。

皆それぞれジュースや食事を持ち合わせて来た。

 

そして皆で食べようとしたその時...

 

ユウキ「うわああああああ!ま、間に合った!」

 

彼方「間に合ってないから。しっかりしてよ~?」

 

ユウキ「えへへ~。」

 

一人だけ遅刻してきたユウちゃんがやっと来た。

もう三十分ぐらい遅れてるけど、まあタイミング的に良いから許そう。

 

ユウキ「これライダー部からのプレゼント!」

 

そう言ってユウちゃんは小袋を渡す。

皆で徹夜で作ったプレゼントだ。

 

賢吾「キーホルダー?」

 

賢吾くんが中から取り出したのはキーホルダーだった。

それぞれライダー部の皆のイラストが入ったアクリルキーホルダーだ。

 

弦太朗「気に入っただろ!」

 

ユウキ「賢吾くん一人暮らしだから鍵失くすと困るでしょ?これで仮面ライダー部が見張ってくれるよ~!」

 

相変わらずなユウちゃんコンセプト。

でもまあこんだけ大きなキーホルダーを付けてたら失くしてもすぐ見つかるよね~。

 

賢吾「ありがとう。こんなに賑やかな誕生日は、生まれて初めてだよ。」

 

賢吾くんのデレに皆笑う。

まあ最初の頃はツンばっかだったからね~。

そう思ったら賢吾くんってすごい熱い男になったよね~。

皆もそれぞれ思い思いに言う。

 

賢吾「これだけ我が強いメンバーに囲まれていれば、変化も必然だ。でも、人間らしいっていうのも悪くないな。」

 

その言葉に皆賢吾くんを弄る。

そして改めて乾杯する。

 

「おー?賢吾君の誕生日かね?」

 

聞き覚えのある声に振り向くと叔父さんが調理服を着て厨房に立っていた。

皆も驚いて叔父さんに聞いている。

 

我望「丁度いい。君達に頼みたいことがある。」

 

そう言って叔父さんは鍋を持ってきた。

そして中身を皿に取り分けていく。

 

我望「新メニュー、特製野菜スープだ。栄養バランスを考えて作ってみた。」

 

するとスープを飲んだ弦ちゃんがもの凄いリアクションを取る。

まあ叔父さんの料理はプロ顔負けだからね~。

 

そう思って僕も食べてみる。

ん~相変わらず美味しいな~。

ほんと...もう一回ぐらい叔父さんの料理を食べてみたいな...

 

隼「これ、理事長が作ったんですか?」

 

我望「もちろん!この学園は私の宇宙だ。それを構成する君達の可能性を限界まで伸ばす。その為には、どんな苦労も厭わない。」

 

弦太朗「偉いぜ理事長!流石元宇宙飛行士!」

 

流星「でも、なんで理事長が態々?」

 

我望「何でも一人でやらないと気が済まないんだ。どうしても人に任せられなくてね。」

 

それを聞いた弦ちゃんは寂しいと言って叔父さんに近づく。

そしていつものダチ宣言をして手を出す。

だがそれを叔父さんは跳ね除ける。

 

我望「フッ、若いということは素晴らしい。自分の価値観だけが絶対だと思い込める。人間には、友達を必要としない人種も居る。」

 

賢吾「それは。どういう意味d...グッ!」

 

叔父さんの言葉の意味を聞こうとした賢吾くんがいつもの頭痛で倒れそうになる。

それを叔父さんが受け止めて何とかなった。

だがその時の叔父さんの顔が驚いた顔をしていた。

 

もしかしたら...気づいたのか...

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

あの後別れた僕達。

 

僕と弦ちゃんとユウちゃんはある病院に来ている。

後輩の様子を見ようと思ってね~。

 

病室に入ると蘭とハルが話していた。

僕はそっと近づき、蘭を驚かそうと肩を叩く。

すると得意の合気道で投げようとしてくるので、僕はその勢いを流して蘭をお姫様抱っこする。

 

蘭「キャッ!って彼方先輩!?」

 

彼方「やっほ、蘭。相変わらず合気道凄いね~。練習してるの?」

 

蘭「はい!いつでもライダー部の活動ができるよう稽古してるんです!...ってそろそろ降ろしてくれませんか?//ちょっと恥ずかしいです...//」

 

彼方「おっと、ごめんごめん。」

 

僕は蘭を降ろしてあげる。

その間もずっと顔を真っ赤にして可愛かったからつい頭を撫でてしまう。

 

ハル「先輩達のおかげで僕は怪物から人間に戻ることが出来た。その恩は早く返したいんです!」

 

弦太朗「なら早く元気にならねえとな!」

 

ユウキ「そうだね!はいこれ!ユウキ特製宇宙グミ!これを食べれば元気になるぞよ~!」

 

彼方「二人とも期待してるからね~。」

 

僕達はそう言って病室から出た。

丁度蘭も帰るとこだったらしく、蘭とも一緒に病院を出る。

 

蘭「学校で怪物になるスイッチをばらまくなんてほんとに許せない!私も一緒に戦いますから!」

 

弦太朗「おっ!勇ましいな!ま、お前の出来ることをやればいいから、気にすんなよ!」

 

そう言って僕達は帰ろうとした時、一台の白い車が僕達の前に停まる。

そして中から速水が出て来た。

一体何の用だ...?

 

ユウキ「校長先生!?」

 

速水「やっと見つけたよ、黒木蘭君。」

 

蘭「え、私?」

 

速水「急用がある。私に着いてきなさい。」

 

弦太朗「校長!蘭が何かしたんすか?」

 

速水「黒木君はアメリカへの特別留学が決まったんだ。だが先方の都合で大至急渡米しなければならない。さぁ、乗って!」

 

蘭「でも、そんな...」

 

ユウキ「え、凄いよ~!頑張ってきなって~!」

 

速水「時間が無い!さあ!」

 

そう言ってユウちゃんに後押しされた蘭は車に乗り込む。

それにしたってそんな重要なことがなんで直前まで知らされなかったんだ?

 

車は発進したが何か違和感がある。

それになんでこのタイミングで...?

速水にはピスケスを探すという使命があるはずなのに...

 

まさか!?

 

彼方「弦ちゃん!早く追いかけるぞ!」

 

ユウキ「ええ!?どうしたの、彼方くん?」

 

彼方「蘭が危ない!彼女が最後の十二使徒だ!」

 

弦太朗、ユウキ「「えっ!?」」

 

彼方「とにかく早く!」

 

僕はゴールデンベアー号を投影して走らせる。

後ろからユウちゃんを乗せた弦ちゃんがバイクで追ってくる。

 

猛スピードでバイクを走らせる。

するとトンネルを抜けた海岸でレオの姿が見えた。

僕はエミヤオルタが使う銃剣に改造された干将・莫邪を投影して撃つ。

 

レオ「グッ!?」

 

彼方「蘭に触んじゃねえよ忠犬おっさんが!」

 

蘭「彼方先輩!」

 

弦太朗「どうも様子がおかしいと思ったんだ。どうなってんだ!」

 

速水「仕方がない...如月弦太朗!その子を守りたかったら、私と共に戦え!」

 

そう言って速水はリブラに変身する。

それを見た弦ちゃん達は驚いていた。

あれ?そう言えば何気に正体知らなかったんだっけ?

 

レオ「貴様!我らホロスコープスを裏切るつもりか!」

 

リブラ「ああ。自分の愚かさに気付いたようだよ。」

 

そう言ってリブラはレオに襲い掛かる。

それにしてもおかしい...あの速水が叔父さんを裏切るだなんて...

アイツの忠誠具合は立神と同じ程のもののはず...

もしかして...

 

取り敢えず蘭をこっちに来させる。

そして弦ちゃんが変身して戦いに参加する。

 

浜辺で戦ってる三人。

するとレオはアクエリアスに変身して鞭を振るってくる。

だがその動きがおかしいのだ。

 

普通振るうなら大振りだけではなく、緩急を入れないと攻撃は通らない。

なのにずっと大振りで攻撃しているのだ。

 

それをリブラが杖で弾くと何かが飛んでくる。

僕は慌てて結界を展開してそれを目前で防いだ。

よく見てみると雫の様に見える破片...

するとそいつが動き出した。

僕は慌てて干将・莫邪で撃って消滅させたが...

 

浜辺の方を見るとコズミックに変身したフォーゼがリミットブレイクの準備をする。

するとリブラがアクエリアスの背後に周り、抑えつける。

 

リブラ「今だ、フォーゼ!トドメを!」

 

フォーゼ「っ、おう!」

 

フォーゼはアクエリアスを縦一文字に斬るが、能力で再生してしまう。

そのままレオに戻るとリブラをフォーゼに投げつける。

いや能力のこと忘れてたの...?

 

レオ「裏切りは許さんぞ、リブラ。覚えておくがいい!」

 

そう言うとレオは去って行った。

それを確認したフォーゼは変身を解除した速水に問いかける。

 

弦太朗「何がどうなってんだ、校長!」

 

速水「...さっきは嘘を吐いて悪かった。一刻も早くあの子を逃がしたかったんだ。」

 

蘭「アンタがハルにスイッチを渡したんですか!」

 

速水「...ああ。」

 

すると蘭は速水の下に行き投げようとする。

だがそれを往なした速水。

 

僕はそれを見て飛び蹴りを速水に喰らわす。

何かイラっと来た。

 

速水「...相変わらず血の気の多い奴だな...オピュクス。」

 

彼方「お前がしてきたことと比べたらマシだろうが。」

 

速水「フン。だが今は彼女の心配をした方がいい。彼女が最後のホロスコープスだからな。」

 

フォーゼ、ユウキ「「えっ!?」」

 

速水「君こそピスケス、うお座のゾディアーツだ。」

 

フォーゼ「蘭がピスケス...!?」

 

そう言い、変身を解除しながらこっちに来る。

それにしても蘭が...

 

速水「だが心配するな。私が何としても君を守る。十二個のスイッチが揃うと、私の命も危ないのだから。」

 

彼方「自分の命の為に奴らを裏切ったんだ~?」

 

速水「その通りだ!私は我が身を守る為ならなんだってする!...こうなったら君達に全てを話す。一緒に戦ってくれ。」

 

ユウキ「そんなこと言ったって...校長先生がリブラで、生徒達をゾディアーツにしてたんですよね!?」

 

彼方「ああ。ハルもユウちゃんもゾディアーツにしたのはコイツだ。」

 

速水「信用されないのは分かってる。」

 

弦太朗「いや、信じる!」

 

えっ!?

なんでまた君はそんなこと言うのかな!?

コイツ絶対何か隠してるじゃん!!!

 

弦太朗「アンタは必死だ。言ってることは信用できねえが、必死で蘭を守ろうとしてた。その態度は信用できる。今日からアンタも、俺のダチだ!」

 

そう言って手を差し出す弦ちゃん。

速水はそれを掴もうとするが...

 

賢吾『待て如月。今の話は聞いた。信じるに至る情報が欲しい。速水校長、貴方達のボス、サジタリウスの正体は誰だ?』

 

バーガーちゃんからの通信で聞く賢吾くん。

それに迷わず答える速水。

 

速水「サジタリウスの正体は...我望光明だ。」

 

弦太朗「っ!?そんな...」

 

ユウキ「嘘...彼方くん...」

 

蘭「先輩...」

 

皆が僕を見つめるが僕はそれよりも引っかかることが...

何故速水はこのタイミングで裏切った?

あの速水が叔父さんを裏切るなんてことはあり得ないはずだ...

 

それにあの時のアクエリアスの破片。

アクエリアスの能力は治癒のはず。

なのにあんな破片を生み出したということは進化しているはず...

だとしたらもしかしてコイツは...

 

...

 

..

 

 

 

学校だとまずいと判断した僕達は、以前JKがライブを開催しようとしていたライブハウスに集まっている。

そこで速水の話を聞く僕達。

 

主に語られたのは叔父さんが天高を創設した理由。

そして叔父さんの目的。

それに伴って起こりうる壮大な被害。

 

速水「だからこそ、彼女をピスケスにしてはいけない。」

 

弦太朗「...その通りだな。」

 

だがそこで蘭が異を唱える。

 

蘭「ちょっと待ってください!本当にこの人を信用するんですか?私は、そう簡単に信用できません!」

 

彼方「僕も同じだね~。今まで散々やって来たんだ。それにコイツにとって人を騙すことなんて朝飯前なんだよ。だから僕は信用できないね。」

 

流星「...リブラスイッチを渡してもらおうか。」

 

速水「なるほど...当然か。」

 

そう言って流ちゃんにスイッチを渡す速水。

やけに素直だな...?

 

速水「確かに、私は我望に心酔していた。私を理解してくれるのは、彼だけだ。そう思っていた。だが、我望の支配を逃れた今、よく分かった。私がスイッチを配ることで、どれだけの生徒を傷つけてきたか。どれだけの生徒の夢を食い物にしてきたか!...出来るなら、その罪滅ぼしをさせてくれ...」

 

そう言って頭を下げる速水。

それを見てどうすべきか悩む皆。

だがそこで賢吾くんは取り敢えず蘭を隠すことに。

そして速水には頼みたいことがあると言って別行動させる。

 

今はそれがベストだろう。

それに...どうもクサいんだよね~あの芝居が...

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

美羽の家の別荘にやって来た僕達。

 

賢吾くんとJKとフォリアは速水を連れて別行動を取っている。

そして僕達はもしもの襲撃に備えてライダー組とゾディアーツ組が居る。

 

まあ今はそんな気負いせず、純粋に夏休みを満喫してる感じがする。

すると友ちゃんが何かを感じ取ったのか、蘭のポケットからある物を取り出す。

アレは!?

 

僕は直ぐに友ちゃんからそれを取る。

そして小型のブラックホールを生成してその中に入れて閉じる。

 

蘭「先輩...それは...?」

 

彼方「おそらくアクエリアスの能力だ。多分だが連中にはもうバレてる。直ぐに逃げる準備を!」

 

皆「「「「「「「「えっ!?」」」」」」」」

 

すると二階の方から嫌な気配がする。

僕は直ぐに皆を立たせる。

そして階段に現れたのは...

 

アリエス(レオ)「待たせたな。フン!」

 

アリエスはそう言うと杖の先端を回してオーラを放つ。

アレに触れるとまずい!

 

僕達は直ぐに逃げるが、美羽と友ちゃんと隼が逃げ遅れて眠ってしまう。

取り敢えずまずは逃げることを優先した僕達。

外に出て逃げようとしたが、ヴァルゴの能力で先回りされてしまった。

 

ヴァルゴ(レオ)「鬼ごっこはここまでだ。」

 

そう言ってヴァルゴは変身を解除する。

何のつもりだ...?

 

立神「挨拶がまだだったな。立神吼だ。覚えておけ。」

 

弦太朗「アンタ、理事長の秘書の!」

 

流星「そうか!お前がレオ・ゾディアーツか!」

 

立神「分かったらその女を置いて逃げろ。」

 

そう言ってスイッチを取りだす。

そしてこちらに向かってゆっくり歩いてくる。

 

立神「さあ、スイッチを押してもらおうか。」

 

弦太朗「そうはさせるか!」

 

そう言って弦ちゃんと流ちゃんはドライバーを装着する。

それを見た立神は鬱陶しそうな顔して自身のスイッチを取りだす。

そして三人は同時に変身した。

 

ライダー組はレオに攻撃するが、全てを捌かれていく。

そしてカウンターを喰らい一方的な戦いに。

その際にメテオがリブラスイッチを落としてしまい、それをレオに奪われてしまう。

 

そしてレオの背後から二体のダスタードが現れる。

それぞれ赤と白のタテガミを着けている。

レオの自慢のダスタードか...

 

レオ「貴様らの相手はコイツらだ。」

 

そう言ってレオはこっちに向かってくる。

フォーゼ達はそれを阻止しようとするが、ダスタード達によって阻まれる。

 

僕はユウちゃんと蘭を連れて逃げる。

ある程度逃げたところで広場に着き、そこの柱が集まっている所に隠れる。

正直弄ばれている感はあるが、今はどうすることも出来ない。

 

すると目の前にレオが現れ、ユウちゃんを突き飛ばす。

僕は慌てて庇い、何とかユウちゃんが地面に身体を打つことは無かった。

だが代わりに僕が下敷きになってしまい、おまけに変なところを打ったせいか動きづらい。

 

その間にもレオが蘭に寄って来るが、そこに速水が現れレオに飛び掛かる。

 

レオ「速水!?貴様!」

 

速水「立神、私の生徒に手を出させない。」

 

レオ「俺達の敵に回るとは、貴様の天秤は本当に壊れたようだな?」

 

そう言ってレオが速水に襲い掛かる。

それを避けようとするがあっさり投げ飛ばされる速水。

速水はそれでも蘭を庇ってレオの攻撃を受け続ける。

 

そこにJKと賢吾くんが現れる。

だがそこで賢吾くんの発作が起きてしまう。

JKは何とか蘭を連れて行こうとするが、蘭は何と投げ飛ばしてしまう。

 

そして落ちているスイッチを拾う。

まさか...!?

 

速水「止せ!黒木!」

 

彼方「ダメだ蘭!押したらダメだ!」

 

蘭「でも、私も戦えるんでしょ!その力があるのに、見てみない振りは私にはできない!」

 

そう言って蘭はスイッチを押す。

すると直ぐに覚醒してピスケス・ゾディアーツに変身した。

 

その時に丁度起きたユウちゃんに僕は退いてもらう。

そして虚空から痛み止めを出し、それを飲む。

 

レオ「おお、遂に現れたぞ最後の使徒が!」

 

ピスケス「使徒じゃない!姿が変わっても、私は仮面ライダー部だ!」

 

そう言ってピスケスはレオと戦う。

元々武道の心得はある蘭はレオと何とか戦っている。

更にそこにピスケスは自身の能力を使い、水中を泳ぐかの様に地面に潜り込んで翻弄している。

 

僕は蘭達の方に走りながら変身する。

そしてピスケスの力を使い、オレも地面に潜りながらレオを攻撃していく。

 

ピスケス「彼方先輩!」

 

オピュクス「こうなったら仕方ねえ。今はコイツを倒すことに専念しろ。」

 

ピスケス「はい!」

 

レオ「何度邪魔をすれば気が済むんだ、この裏切り者が!」

 

オピュクス「最初っからオメエらの仲間になったつもりなんざねえんだよ、猫野郎が!」

 

オレはピスケスと共闘してレオを追い込んでいく。

レオは翻弄されて上手く攻撃が出来ていない。

その隙に俺達はダブルパンチを喰らわせ吹っ飛ばす。

 

フォーゼ「蘭!辞めろ!」

 

ピスケス「弦太朗さん!」

 

その時フォーゼがピスケスに辞めるように言いながら走って来る。

だがその時あの人の声が聞こえた。

 

遂に揃ったね、十二個のスイッチが!

 

その声の主を見るオレ達。

 

レオ「我望様...」

 

フォーゼ「理事長!アンタが本当にサジタリウスなのか!?」

 

我望「ああそうだ。私は人類の進化の頂点に立ち、宇宙最高の知性『プレゼンター』に会う。」

 

フォーゼ「その為にどんな犠牲を出してもか!?」

 

我望「人類の進化は常に犠牲を強いて来た。今回も同様だ。残された者達に災厄が訪れようと、必ず再び立ち上がり、私の後を追ってきてくれることを信じているよ。」

 

フォーゼ「なんて自分勝手な...」

 

オピュクス「孤独が故、だな...

 

我望「自分勝手?君の貧しい価値観ではそういう言葉になるのかな?だが違う。」

 

そう言って叔父さんはフォーゼの肩を叩く。

だがその圧はとんでもなく重厚なものだった。

 

我望「君の価値観だけが絶対ではないのだよ。」

 

そう言って目を赤く染める叔父さん。

その言葉に重みが増した...

 

だがアンタのその価値観も絶対ではない...

そのことを教えてやる...絶対に!

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ーおまけー

 

ジェミニを倒した後。

無事に皆の下に帰り、僕達は家に帰った。

だけどその時にユウちゃんに呼び止められて一緒に帰ろうと誘われて一緒に帰ることに。

 

ユウキ「彼方くん。ほんとにありがとうね!私を助けてくれて!」

 

彼方「大事な仲間なんだから、助けるのは当たり前だよ。ま、助けれて良かったよ。」

 

僕がそう言うとユウちゃんは抱き着いてきた。

What!?何故!?

 

彼方「おわっ!?いきなりどうしたの!?」

 

ユウキ「えへへ!嬉しくってさ!ずっと彼方くんは私の為に動いてくれてたでしょ?それが凄い嬉しかったんだ!」

 

彼方「...さっきも言ったけど大切な仲間なんだから必死に動くに決まってるでしょ?」

 

ユウキ「そうだけどさ~なんか違うんだよ。それに...さっき助けに来てくれた時の彼方くん、かっこよかったよ?」

 

っ!そんな真っ直ぐに言われると言い返せない...

 

ユウキ「...あの子が倒された時に流れてきたんだ...あの子の気持ちが...」

 

彼方「...」

 

ユウキ「もしかしたら彼方くんと一緒に居れたかもって。多分...サジタリウスのパートナーとして宇宙に旅立つことよりももっと楽しいことがあったかもって...」

 

彼方「そんなことを...」

 

ユウキ「あの子の気持ち、分かるんだ...今までは友達で同じ仮面ライダー部の仲間として楽しく過ごしていたけど...もっと一緒に居たいって...ずっと一緒に居たいって...」

 

彼方「っ、それって...」

 

ユウキ「フフッ♪前から芽生えてたのが一気に大きくなっちゃって、止まらないんだ!だから言うね?彼方くん...好きだよ。」

 

彼方「っ!」

 

告白した時のユウちゃんの笑顔で僕の理性は崩れた。

ユウちゃんらしい真っ直ぐな気持ちをぶつけられた僕はその気持ちに真っ直ぐ答えることにした。

 

彼方「僕も好きだよ、ユウちゃん。」

 

ユウキ「っ!~~!!!//」

 

ユウちゃんに答えを伝えると更に強く抱き着いてきて、僕の胸に頭を擦りつけてくる。

いや前から思ってたけど動きがほんと可愛くないですか?

 

ユウキ「彼方くん...大好きだよ...」

 

彼方「ユウちゃん...」

 

僕達は自然と顔を合わせる。

そしてお互いどんどん惹かれ合って行く。

そして僕達の影は重なった...

 

 

 

 

to be continued...

 

 

 

 




おまけはまあ...補足(?)みたいな感じです、はい。

オチに関しては許してくだしい。変に加えるよりはもうシンプルに切った方がいいと思ったんです、はい。


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孤・高・射・手

ー彼方sideー

 

我望「私は、我が内なるフロンティアスピリットに従っている。そうだ、開拓者は孤独を恐れてはいけない。」

 

フォーゼ「アンタには、歌星博士という親友が居たじゃねえか!」

 

我望「彼が立派な科学者だったことは事実だ。が、私に友が居たことは一度もない。過去も未来も含めて一度もね...私は人類の進化の頂点に立つ、サジタリウス・ゾディアーツ。」

 

そう言って叔父さんは変身した。

 

サジタリウス「ひれ伏せ、未熟なる若者共。」

 

それを聞いたフォーゼとメテオはサジタリウスに突っ込む。

だが攻撃を捌かれてカウンターを受ける。

オレはピスケスを守るように立つ。

 

するとサジタリウスは『ギルガメッシュ』を展開してフォーゼ達に矢を放つ。

強大な破壊力がある矢の雨を受けてフォーゼ達は変身を解除される。

そしてサジタリウスはこっちにやって来る。

 

サジタリウス「良く目覚めたな、最後のホロスコープスよ。さあ来たまえ、ピスケス!」

 

オピュクス「誰が連れて行かせるか、サジタリウス。」

 

サジタリウス「...また貴様か。確かにお前は強いが、私がお前を導いてやったことを忘れたのか?」

 

オピュクス「忘れるわけねえだろ。あん時にオレはアンタの助けになれることが出来ると心の底から思った!でもな、アンタの計画は間違っている!そのことを分からせるのも身内の役目だろうが。」

 

サジタリウス「身内、か...ならば貴様はもう私とは家族ではない。赤の他人だ。」

 

オピュクス「なっ...!?」

 

サジタリウス「身内に裏切り者が居るとは思いたくもない。消え失せろ。」

 

そう言ってサジタリウスが矢を放ってくる。

だがオレは放心状態で動けないでいた。

 

するとピスケスがオレを連れて地面に潜り逃げる。

そして地面から出て変身を解除した。

 

蘭「先輩!しっかりしてください!」

 

オピュクス「蘭...」

 

サジタリウス「どうした?せっかくの美しい姿を捨て、平凡な人間の姿に戻るとは。」

 

蘭「やだ!私は、先輩達と一緒に戦う!」

 

そう言ってスイッチを握りしめる蘭。

ん...?よく見たら...青い?

 

サジタリウス「...いいだろう。だったら少し時間をやろう。」

 

そう言って離れていくサジタリウス。

多分、蘭のスイッチが完全に覚醒しきれていないからだろう...

 

サジタリウス「十二個の使徒スイッチが揃った時、ワープゲートであるダークネビュラが誕生し、我々ゾディアーツを宇宙の深淵に誘ってくれるんだ。改めて考えたまえ。選ばれた存在になるか、私に逆らい滅ぶか。」

 

そう言い放つサジタリウスの圧に誰も動けない。

オレは何とか蘭を庇う様に立ててるが、それでも意識が朧気だ...

 

サジタリウス「裏切りの報いもまた今度にしてやる。来るべき処刑の時まで、己の愚かさを呪い眠れぬ夜を過ごせ。」

 

賢吾「待て!」

 

去って行くサジタリウスに賢吾が待ったをかける。

 

賢吾「我望!俺達は必ず、お前をと...うっ...」

 

賢吾は途中で倒れてしまう。

だが微かに波動を感じた。

...覚醒の時は近いか...

 

サジタリウス達もそれを感じ取ったらしい。

だが大人しく去って行った。

オレはそれを見ると意識が薄れていく。

 

蘭「っ!先輩!彼方先輩!起きて!」

 

最後に蘭の声を聞いて意識を失った...

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ふとなんか汚い声で目が覚めていく。

なんか白いな...うーん...ここはどこだ...?

話し声は聞こえるんだけど...

 

そう朧気に考えてるとある言葉が聞こえてくる。

 

「俺の愛しい園田先生が!?」

 

それを聞いて僕の意識がハッキリと目覚めた。

 

彼方「紗理奈ちゃんはオレの女じゃゴラァァァア!!!!!

 

そう言って僕は乖離剣を投影する。

誰だ俺の愛しい園田先生って言ったのは!!!

出てこい!世界ごと消し去ってやる!

 

美羽「落ち着いて!大杉先生のいつものヤツよ!だからその剣を早くしまって!」

 

友子「ヤバい感じしかしないですから!」

 

フォリア「いくら何でも乖離剣はマズいでしょう!?ていうか世界ごと消さないでください!」

 

彼方「え...あ、なんだ...大杉のいつものやつか...紛らわしいなぁ~。」

 

皆(それよりそのヤバそうなヤツを早くしまえ!?)

 

僕は取り敢えず乖離剣を虚空にしまう。

もちろん本物じゃないから世界を消すなんてことはできない。

まあ太陽系を消すぐらいなら出来るだろうけど...

 

蘭「あの...ハルの病院に行きたいんですけど...」

 

美羽「今はダメ。ラビットハッチを出るのは危険よ。」

 

速水「だが、いつまでもここに閉じこもってる訳にはいかないだろう。私に考えがある。協力してくれないか?」

 

そう言って速水が提案したのは、叔父さんがスイッチを保管している場所からスイッチを奪うこと。

これで相手の戦力を大幅に奪うということなのだが...

そんな不用心なことをするはずがない...

 

だけど弦ちゃんは速水を信じ提案に乗ることにする。

弦ちゃんと流ちゃんが速水と共に作戦に出て行った。

 

そしてJKと友ちゃんがハルの所に。

蘭が手紙だけでも渡したいということで二人が向かうことに。

 

残りのメンバーはラビットハッチで待機ということになった。

 

フォリア「貴方は大丈夫なのですか?精神的に相当参ってるみたいでしたけど。」

 

ふとフォリアがそんなことを聞いてきた。

多分叔父さんに絶縁を言い渡された時のことを言ってるのだろう。

それを聞いた皆も僕の方を見る。

 

彼方「...正直まだちょっと動揺してるかな。」

 

蘭「先輩...」

 

彼方「叔父さんは僕にとってたった一人だけの血の繋がった家族だからさ...それに、叔父さんが今の僕を作ってくれたみたいなとこもあるから余計にね...」

 

隼「彼方...」

 

美羽「...いつまでクヨクヨしてるつもりなの。」

 

ふと美羽がそんなことを言ってきた。

確かに美羽の言いたいことは分かるけど、そう簡単にいく問題じゃないんだ...

これは僕にとって...

 

美羽「貴方の家族ならここに居るじゃない。」

 

そんなことを言われて僕は顔を上げる。

すると皆が笑いかけてくれる。

 

隼「そうだな。俺達は家族も同然だ。」

 

フォリア「実際に一緒に住んでいるのに家族じゃないとでも?」

 

蘭「私も先輩の家族ですよ!」

 

彼方「皆...」

 

美羽「フフッ、少しは目が覚めたかしら?いつまでもそんなウジウジしてられるとこっちも気分が下がるのよ。」

 

彼方「美羽...ありがと。」

 

僕はそう言って美羽を抱きしめる。

彼女らしいやり方だが、おかげで元気が出て来た。

 

まだ割り切れていない部分はあるが、覚悟は出来た。

次に叔父さんと対峙する時には答えを出す...出させる...

それがどういうものになろうと、僕は仲間達を...家族を傷つけさせはしない...!

 

そう決意するとハッチのモニターが起動する。

JKからの通信の様だ。

だが様子がおかしい...

 

JK『こちらJK...ちょっとヤバいことになったっす...っ!うっ!』

 

JKが何者かに突き飛ばされたようだ。

そしてモニターに映ったのは...

 

JKを気絶させた立神の姿だった...

 

立神『黒木蘭聞こえているか?草尾ハルは預かった。』

 

蘭「ハル!」

 

皆モニターの前に集まる。

そこには人質となったハルと友ちゃんの姿が。

 

立神『返して欲しければお前一人でピスケススイッチを持ってさざなみ海岸に来い。』

 

そう言ってバーガーちゃんを投げたのか映像が乱れ、そして通信が途切れる。

それを見た蘭はラボの方に駆け寄りスイッチを取りだす。

 

隼と美羽とフォリアが蘭を止めようとするが合気道で見事に投げられる。

だがそんな蘭の前に僕は立つ。

 

蘭「先輩!私は行かなければならないんです!だからそこを退いてください!」

 

彼方「次に変身したらスイッチが覚醒する。そうなったらお前は用済みになるんだぞ。それでも行くのか?」

 

蘭「そうだとしても私が行かないと!もう親友を失うのは嫌なんです!これしか方法が無いんです!」

 

彼方「...なら僕も行く。」

 

蘭「えっ...でも、私一人で行かないと...」

 

彼方「蘭の影に潜んでるよ。そしたらアイツでもバレないはずだからさ。蘭...ハルを助けるぞ。」

 

蘭「はい!」

 

僕達は立神が指定した場所に向かった...

 

...

 

..

 

 

 

さざなみ海岸に着いた僕達。

砂浜には立神と抵抗するハルの姿が。

 

僕は蘭の影に潜んでいるからどうにもできないが、戦いが始まったどさくさに紛れてハルを救出しないと...

蘭は堤防から砂浜に降りて立神と対峙する。

 

蘭「ハルを放して!」

 

立神「助けたければ、俺に勝つことだ。」

 

そう言って立神はスイッチを出す。

出来レースってことか...

 

蘭はスイッチを取りだして覚悟を決める。

すると青かったスイッチが赤く染まりあがった。

 

蘭「ごめんハル...」

 

ハル「蘭!なんで!」

 

立神はハルを突き放しスイッチを押す。

それに伴って蘭もスイッチを押す。

よし今だ。

僕もスイッチを押して変身する。

上手く誤魔化せたようだな。

 

そしてピスケスはレオに向かって行く。

その時に自分を液状化して分裂させる。

覚醒したことによって目覚めた力か...

 

オレはその間に影から出てハルの下に行く。

そしてそのまま丁度やって来たJKと友ちゃんの下にワープさせる。

 

ハル「っ!?彼方先輩!」

 

オピュクス「オレが着いてるから安心しろ。」

 

そう言ってオレは砂浜の方を見る。

するとどこから現れたのか、フォーゼがレオ達の下に歩いていく。

それを見てJK達は喜ぶが、何かがおかしい...

 

瞳でフォーゼを見てみるとその身体には天秤座の輝きが...

そういうことか...

 

オレは足に魔力を込めて一気に放出する。

それと同時に飛び出したことで、ブーストされた状態でフォーゼに向かって行く。

そして空中でロンゴミニアドを投影し、魔力を込める。

 

オピュクス「突き立て!喰らえ!十三の牙!『最果てにて輝ける槍(ロンゴミニアド)』...!!!」

 

オレは着地した瞬間に宝具を展開する。

宝具はフォーゼに直撃し、ついでにレオも巻き込んだ。

それを確認したオレは投影を解除し、ピスケスの下に行く。

 

オピュクス「大丈夫か、蘭。」

 

ピスケス「はい...でもなんで弦太朗さんを...」

 

オピュクス「アレは偽物だ。」

 

ピスケス「えっ!?」

 

オピュクス「オマエも知ってるだろ。一人幻術に優れているヤツが居るって...」

 

ピスケス「...まさか!?」

 

煙が晴れるとそこにはレオとリブラが居た。

やはりアイツは最初からオレ達を騙していたみたいだな。

 

リブラ「フン、やはり貴様か...」

 

オピュクス「嘘吐きは報われねえって知らねえのか。」

 

リブラ「それは黒木を守ってから言え。フン!」

 

リブラはそう言うと瞳を輝かせる。

するとピスケスが突然電撃にやられる。

それによって変身を解除される。

 

それを見たレオが神速で蘭からスイッチを奪う。

よく見ると蘭の傍にはディケがあった。

アイツ...!

 

オレは蘭の様子を見る。

どうやら軽いショック状態になってるだけの様だ。

オレは回復薬を取り出して蘭に飲ませる。

すると直ぐに回復し、蘭が目を覚ます。

 

蘭「先輩...ごめんなさい...私...」

 

オピュクス「オマエなんも悪くねえ。悪いのは全部アイツらだ...!」

 

オレはそう言って変身を解除した速水達を睨む。

とそこに弦太朗と流星も合流してきた。

 

弦太朗「校長!生きてたのか!」

 

流星「貴様!やっぱりスイッチ目当てか!」

 

速水「ああ!このピスケススイッチはスイッチャーが自分の意思で押さないと覚醒しないという厄介な物でね。黒木君に押させるには、手間がかかったよ。」

 

そう言いピスケススイッチを立神に投げ渡す。

やはり最初から芝居だったわけか...

そりゃそうだ、叔父さんに心酔してるアイツが裏切るわけがない。

 

そのことを告げる速水に弦太朗は激怒する。

そりゃそうだ。

ダチを大事にする弦太朗からしたら真反対のことをやったんだからな。

 

弦太朗は天高の生徒達、つまり自分達はヤツらにとって何なのかを問う。

それに速水はただの駒だと告げる。

それに激怒した弦太朗はフォーゼに変身する。

同時に流星も激怒し、変身してフォーゼと合流する。

 

そしてライダー達とホロスコープス達との戦いが始まる。

オレはその間蘭を看る。

どうせ()()が出てくるはずだ。

その時まで力を溜める。

 

フォーゼとメテオはそれぞれコズミック、メテオストームに変身してリブラ達と交戦する。

だがそこに矢が放たれフォーゼ達は攻撃の手を止めてしまう。

来たか...!

 

フォーゼ「我望!テメエ!」

 

サジタリウス「私の野望を君如きが止める?そんなことはあり得ん。ゾディアーツは生体ワープの為の超進化生命体だ。そしてその頂点がこのサジタリウス。」

 

フォーゼ「そんなの、やってみなくちゃ分かんねえだろ!」

 

そう言ってフォーゼとメテオはサジタリウスに向かう。

だが二人とも攻撃をことごとく捌かれ、コズミックエナジーを纏った回し蹴りによって蹴り飛ばされる。

そしてサジタリウスは追い打ちに『ギルガメッシュ』を展開して無数の矢を放つ。

だがその攻撃はフォーゼ達に届かなかった。

 

サジタリウス「何!?ぐッ...!」

 

サジタリウスが放った矢は全てオレがサジタリウスの下にワープさせた。

そしてオレはフォーゼ達の前にワープして『超新星』を発動する。

 

フォーゼ「彼方...」

 

サジタリウス「...貴様はもう立ち上がれないと思ったのだがな。」

 

オピュクス「舐めてんじゃねえぞ...アンタに聞きたいことがある。」

 

サジタリウス「何かね?」

 

オピュクス「アンタにとって家族はなんだ。」

 

サジタリウス「フン。そんなものただ血が繋がっているだけの他人だ。それに、そんな関係は私には必要ない。人類の頂点に立つ私にはね。」

 

そうサジタリウスははっきり言った。

そうか...

 

オピュクス「そうか...なら今ここでオマエの野望を止めてやる。たとえオマエを殺してでもな!!!」

 

そう言ってオレは全身に溜め込んでいた魔力を放出する。

 

サジタリウス「っ!?これほどとは...だがゾディアーツの頂点である私に敵う者は誰一人居ない!」

 

オピュクス「忘れたのか?オレの存在がイレギュラーだってことを。オマエ達にとってな!!!」

 

そう言ってオレはレオの神速を使ってサジタリウスの懐に潜り込み蹴りを入れる。

ノーガードで喰らったサジタリウスは岩に大きく吹っ飛ばされる。

 

サジタリウス「ぐッ!?」

 

レオ「なっ!?俺の力か!?」

 

オピュクス「更に叩き込んでやる!」

 

オレは更に攻撃を繰り出そうとするがそれをレオに止められる。

オレはレオを振り切ろうとするが中々できないで居た。

 

するとサジタリウスはスイッチが入ったケースに自分達のスイッチを入れていく。

まさか!?

オレは慌ててそれを阻止しようとするがそれをレオが邪魔してくる。

 

レオ「行かせるか!」

 

オピュクス「そこを退きやがれ!!!」

 

サジタリウス「フン、そこで私の旅立ちを大人しく見ていたまえ。フハハハハ!」

 

そう言ってサジタリウスは自分のスイッチをケースに入れる。

すると十二個集まったスイッチが共鳴してサジタリウスの頭上で円を描く。

そしてサジタリウスを連れて浮かび上がり、その上空からダークネビュラが展開される。

そこから発生する激しい稲妻に手も足も出ない。

 

オレは仕方なく皆の下に行き結界を展開する。

このままじゃ手が出せない...

 

サジタリウス「さあ来いダークネビュラ!私を『プレゼンター』の下へと誘うがいい。」

 

賢吾「それはどうかな!」

 

すると賢吾とユウキがこの惨状の中現れる。

そして賢吾は今がサジタリウスを倒すチャンスだと言う。

 

どうやら江本さんがスイッチを集めるのに協力していたのは、この瞬間の為だと言う。

サジタリウスがワープゲートを開く為に十二個のスイッチを使う時、サジタリウスの力はゼロになる。

つまり一番の隙を見せる時だそうだ。

 

賢吾「行け如月!サジタリウスを倒せ!!!」

 

フォーゼ「分かった!」

 

フォーゼはコズミックスイッチをバリズンソードに装填してリミットブレイクの準備をする。

それに気づいたレオが阻止しようとするが、それをメテオが阻止する。

フォーゼはスラスターからジェットを噴出してサジタリウスの下へと飛ぶ。

 

フォーゼ「ライダー超銀河フィニーッ...っ!校長!」

 

リブラ「そうはいくか!!!」

 

フォーゼはリミットブレイクを放つもののリブラによって阻まれる。

フォーゼは一瞬動揺するもののそのまま振りぬく。

身体で受け止めていたリブラは耐えきれずダークネビュラに呑まれて行きながら爆発した。

 

フォーゼ「友達は居ないと言ったな...だけど速水は、身を挺してお前を守ったぞ!ダチに助けられたんじゃねえのか!」

 

サジタリウス「彼は私という太陽を周る衛星だ。私を守るのは当然のことだ。友達などではない!」

 

フォーゼ「貴様っ...!!!」

 

オレはそれを聞いて自分の中でナニカが切れるような音がした。

そして次の瞬間、オレは手をサジタリウスの方に掲げる。

すると手から光が溢れ、辺りを包みこむ。

 

オピュクス、賢吾「友達(ダチ)を何だと思ってんだァァア!!!!!」

 

賢吾とオレの身体から光が溢れ出す。

自分の中で抑えきれなくなった何かが溢れ出してくる。

 

その光を浴びたホロスコープススイッチが何故か機能停止し、サジタリウスは地面に落とされる。

それにより展開されていたダークネビュラは閉じた。

それと同時にオレと賢吾の意識は途絶えた...

 

 

 

 

to be continued...

 




なんか...ここに来てチートするのごめんね。


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親・友・別・離

ー彼方sideー

 

サジタリウス達との戦いの後意識を失った僕。

どうやらラビットハッチに運ばれていたみたいで弦ちゃん達が看てくれていた。

 

そして僕と一緒に意識を失っていた賢吾くんは目が覚めると直ぐに月面に出た。

僕と弦ちゃんとユウちゃんも賢吾くんの後を追って月面を出る。

そこで賢吾くんは地球を眺めていた。

 

フォーゼ「賢吾...」

 

ユウキ「大丈夫なの?身体の方は...」

 

賢吾「...全部理解したよ。俺は何故フォーゼになれなかったか。時々起こる発作が何だったのか。そもそも、俺が何者だったのか。」

 

フォーゼ「何者って...?」

 

そういうことか...

どうやら賢吾くんは自分の存在を理解したようだ...

 

賢吾くんは宇宙服のヘルメットを取る。

それを見て慌てて止めようとするユウちゃん達だが、賢吾くんは平気そうにしている。

それに賢吾くんの顔が光り輝く。

 

賢吾「俺はこの月で生まれた。」

 

フォーゼ「賢吾...」

 

突然の出来事に驚く二人。

 

賢吾「俺はコアスイッチから生まれたコアチャイルド。この身体は、コズミックエナジーがマテリアライズされたものだ。」

 

そう言って賢吾くんはコアスイッチを見せる。

どうやら完全に覚醒したようだ...

そして僕もその影響を受けたみたいだ...

 

...

 

..

 

 

 

ラビットハッチに戻った僕達は全員で賢吾くんの話を聞く。

賢吾くんがコアチャイルドだということを聞いた他のメンバーは驚いていた。

 

賢吾「今の俺はコアスイッチの中の情報を全て把握している。あの時に、頭の中に流れ込んできた。」

 

そう言って賢吾くんは全てが二十年前の月面から始まったことを告げる。

まずコアスイッチが何故存在するのかを話す賢吾くん。

大方理解した皆を見て、賢吾くんは二十年前の真実を話す。

 

コアスイッチの発見によって『プレゼンター』の存在が明確化された。

それによって叔父さんと歌星博士は『プレゼンター』に会いに行く為の方法を考える。

だがそこで別れた二人の意見。

歌星博士はフォーゼシステムによる安全なワープ航法。

対する叔父さんはゾディアーツスイッチによる人類の強制進化。

 

叔父さんは幼い頃に『プレゼンター』からの声を聞いたこともあり、自分が会いに行くことを優先する。

だがゾディアーツスイッチによる強制進化では人体に大きな悪影響を及ぼしてしまう。

それを危惧した歌星博士は安全にワープできるフォーゼシステムを推す。

だがフォーゼシステムを完成させるには長い年月をかけてしまうことになる。

そうなれば自分達の世代では『プレゼンター』に会えないままである。

だが歌星博士は次の世代に託すことも自分達の立派な仕事だと言う。

 

彼方「叔父さんの場合はどうしても自分の気持ちが強すぎた故にゾディアーツスイッチしかないという風に考えてしまった。当然強制進化によるワープドライブを耐え抜く身体を作り上げるんだからそれ相応のリスクもある。」

 

弦太朗「それはなんだ...?」

 

彼方「...ゾディアーツ化が過度に進行すると肉体が消滅する可能性もある。特に叔父さんや立神なんかはその域に達してるはずだ。」

 

流星「じゃあもしゾディアーツスイッチを失えば...」

 

彼方「ああ。二人は消滅する。」

 

ユウキ「...それって、彼方くんは大丈夫なの?」

 

彼方「僕は大丈夫だよ。このスイッチの特性で、スイッチャーの健康状態は常に最適化される。つまり常に全快で居られるってことだよ。それはもちろんゾディアーツ化も含まれる。まあその所為か、コイツは選り好みする癖があるんだけどね。多分この世界でコイツを使えるのは僕一人だけだよ。」

 

流星「じゃあ我望や立神には使えないということか...」

 

彼方「ああ。その点はラッキーだったよ。そういう意味でもコイツは()()()()()()なんだよ...」

 

賢吾「話を続けるぞ...」

 

そう言って賢吾くんは自身の出生の真実を話す。

叔父さん達の襲撃の前日、コアチャイルドが誕生したこと。

そのことを隠した歌星博士によって一人月面に取り残された賢吾くん。

そこに改心した江本さんが賢吾くんを発見し、歌星博士の親戚と名乗る家庭に預けられる。

 

以上の話を聞いたものの皆まだついて行けてない様子。

現に大杉せんせーはちょっとパニックになってる。

 

賢吾「...俺は出発の準備だ。」

 

そう言ってどこかに行こうとする賢吾くん。

それを止めてどういうことか聞く弦ちゃん。

 

賢吾「『プレゼンター』が求めているのは知的生命体のサンプルだ。コアチャイルドは他の惑星で接触した知的生命体の形を真似、その文明を吸収し『プレゼンター』の母星に戻る。」

 

ユウキ「それって、宇宙に行っちゃうってこと?もう二度と会えないの?」

 

賢吾「ああ、そうだ。それが俺の役目だったんだ。そんなに驚くことじゃない。」

 

そう言って賢吾くんはユウちゃんの問にあっさり答える。

だがその様子はどこか作っている感じがする...

多分だが自分の使命を理解しても納得していないのだろう。

 

そしてハッチを出ようとする賢吾くんを止めようとする弦ちゃん。

だがそれをコアスイッチの力で止める賢吾くん。

その時の表情が動揺していたように見えるが...

 

ハッチを出て行こうとする賢吾くんを誰も止めることはできなかった...

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

あの後、僕と弦ちゃんとユウちゃんで賢吾くんの家に向かっている。

やっぱりあのままお別れは嫌だからね。

 

そして賢吾くんの家に入る。

中はもう荷物が纏められていた。

 

賢吾「この部屋ともお別れだ。」

 

そう言って部屋を一周見回した後、弦ちゃんを見つめる。

 

賢吾「如月。フォーゼドライバーを返してくれ。」

 

弦太朗「えっ...」

 

突然の申し出に驚く弦ちゃん。

多分自分とはもう縁を切ると思ったのかな?

でも賢吾くんの狙いは違う。

 

賢吾「覚醒したコアチャイルドがフォーゼドライバーを使うとワープゲートが開く。今まで使えなかったのは、まだ帰還する準備が出来ていなかったから。ストッパーがかかっていたんだ。」

 

ユウキ「じゃあ、あの発作もコアチャイルドだったから?」

 

彼方「おそらくコズミックエナジー変換の副作用だろうね。」

 

賢吾「...ああ。この姿も人間という知性体のサンプル以上の意味はない。」

 

弦太朗「...違えよ。サンプルなんかじゃねえよ!お前は俺のダチだ!」

 

賢吾「友情か...それも記憶させてもらった。君という非常識な存在は、きっと『プレゼンター』も興味を持つことだろう。」

 

ユウキ「そんな...」

 

彼方「...」

 

あくまでコアチャイルドという立場を装うか...

ふと下を見ると、ゴミ箱の中には僕達が送ったキーホルダーが...

多分自分とのケジメをつける為だろう。

 

弦太朗「ほんとにそうなのか?俺やユウキや彼方やライダー部の連中との思い出は!...ほんとにただのサンプルなのか?」

 

賢吾「...そうだ。コアチャイルドとして覚醒した時に、人間の感情は失くした...」

 

そう言いながらも表情はどこか歪に見える。

それを見た僕は賢吾くんの腕を掴む。

 

彼方「...いい加減なこと言ってんじゃねえぞ。ちょっと来い。」

 

そう言って僕は賢吾くんを連れだす。

それを追いかけてくる弦ちゃん達。

 

そんなに忘れたって言うなら思い出させてやる...

君が紡いできた友情を...

 

...

 

..

 

 

 

JAXAにやってきた僕達。

僕達は大きな地球の模型の前で立ち並ぶ。

 

弦太朗「賢吾...俺は初めてラビットハッチから地球を見た時、泣いちまった。綺麗で、青くて、でも宇宙の暗闇で一人だけポツンと輝いてるのが寂しそうで...俺はあれを見た時、堪らなく大切に思えた。さっき...地球を眺めていたお前の顔は、同じように見えた。感情が無いなんて思えない!」

 

賢吾「...それは。」

 

弦太朗「俺はお前の全てを受け入れる!お前がやらなきゃならないことだったら、全力で応援する!だから...無理すんな。芝居は辞めろ!自分の心に素直になれ、賢吾!」

 

賢吾「...」

 

彼方「僕はコアスイッチと同期したから分かってるんだよ...君が無理してるってことを。頭で理解しても心が納得できない。それは仕方ないことなんだよ。だって君は、歌星賢吾なんだから。自分の心を偽るな。お前の本心はなんだ。」

 

賢吾「っ...だって...そうでもしないと辛いじゃないか...俺はサンプルだ!だったら、サンプルらしく振舞うしかないだろ!...俺も...俺もお前達と別れたくない...」

 

遂に自分の心をさらけ出した賢吾くん。

彼は膝を着いて自分の運命を悔やむ。

それを見た僕達は賢吾くんを立たせ抱きしめる。

 

弦太朗「...行ってこい、賢吾。」

 

賢吾「え...?」

 

弦太朗「ただし...人間としてだ!」

 

そう言って弦ちゃんは賢吾くんにフォーゼドライバーを渡す。

 

弦太朗「俺達全てのダチの代表として...胸張って行ってこい!!!『プレゼンター』ともダチになれ!」

 

ユウキ「...待ってるからね。私達も自分達も力で必ず賢吾くんに会いに行くから!」

 

彼方「まあ先に僕が会いに行くかもだけど...その時は元気で迎えてよ?僕達の大切な友達として。」

 

弦太朗「別れは心の骨折だ!今は痛いが...治ればもっと強くなる!俺達は...俺達はダチだ!ずっと...ずっと...」

 

僕達は涙を流しながらも賢吾くんを見送る覚悟を決める。

賢吾くんも覚悟を決めたようだ。

 

とその時フォリアからパスが繋がる。

 

フォリア『大変です!ラビットハッチが襲撃されました!』

 

彼方「何!?」

 

僕は咄嗟に声を出してしまい皆僕を見つめてくる。

 

彼方「どうやらラビットハッチが襲撃されたみたいだ!」

 

弦太朗「なんだって!?」

 

フォリア『レオが乗り込んできてメテオが応戦したんですが...キャア!?』

 

彼方『フォリア!?おい返事をしろ!フォリア!!!』

 

僕は必死に返事を求めるがフォリアとのパスが切れてしまう。

立神が来たということは恐らく叔父さんも居るはずだ...

 

僕は居ても立っても居られず走り出す。

それを見た弦ちゃん達も慌てて僕を追いかける。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ハッチの扉を開けるとそこは荒れ果てていた。

以前の様な景色は無く、ことごとくを破壊されていた。

天井に貼っていたライダー部の旗は焼け焦げている。

 

するとモニターの近くで倒れこんでいた美羽達を見つける。

全員生きているみたいだが怪我が酷かった。

 

ユウキ「皆!」

 

ユウちゃんはそれを見て皆の下に駆け寄る。

だが流ちゃんとフォリアの姿はまだ見ていない...

 

するとラボの方から扉が開くような音が聞こえる。

僕達はその方向を見ると、そこから叔父さんが現れた。

 

我望「やあ遅かったね、歌星賢吾君。」

 

賢吾「我望...」

 

すると今度は実験室の方から音が聞こえてきた。

そっちを見ると流ちゃんが立神によって叩き伏せられていた。

だがまだフォリアの姿は見えていない...

僕はふと嫌な予感がよぎった...

 

彼方「おい...フォリアはどこだ...」

 

我望「ああ、あの地球外生命体のことか。彼女なら私自らの手によって消し去ったよ。私達の仲間にならなかったからね。」

 

僕はそれを聞いて頭が真っ白になった。

フォリアが消えた...?

そう理解した瞬間、頭の中が真っ赤に染まりあがった...

 

我望「そんなことよりも賢吾君。さあ、コアスイッチを渡してもらおうか。」

 

賢吾「それは出来ません。」

 

我望「...何?」

 

彼方「...本当は分かってだろ?アンタは選ばれた人間じゃねえって。選ばれたのは賢吾とオレだ。」

 

ナニカが混じったような声がする。

だがそんなことが気にならない程今のボクの頭は冷静じゃない。

 

我望「...言うなァァァァァ!!!!!」

 

そう言ってガ望はサジタリウスに変身した。

そしてサジタリウスは賢ゴに向かって矢を放つ。

だがそれを防ぐ賢ゴ。

 

サジタリウス「何!?」

 

賢吾「ゾディアーツでは俺は止められない!」

 

弦太朗「任せろ賢吾!」

 

そう言ってゲン太朗がフォーゼに変身する。

ボクもスイッチを取りだして変身する。

 

フォーゼとオレでサジタリウスを攻撃する。

だがそこにレオが乱入してくる。

 

レオ「フン!我望様の邪魔はさせるか!」

 

オピュクス「オマエ...ジャマだァ!!!

 

オレはレオを捻じ伏せて月面に投げ捨てる。

だがそれと同時にサジタリウスがフォーゼを連れて月面に出て行った。

オレはその後を追う。

 

月面に出たフォーゼはサジタリウスと復帰したレオと交戦していた。

オレはそこに乱入してサジタリウスを攻撃する。

 

サジタリウス「ぐッ!?貴様...暴走しているな?」

 

オピュクス「からナンだ?オマエはどオレコロされるカラ関係ネエだろガァ!!!

 

オレは自身の魔力を最大限放出する。

それによってサジタリウスとレオは吹っ飛ばされいった。

だがオレはまだ物足りず追いかけようとする。

 

とそこに賢吾がやってきてオレに光を浴びせる。

するとさっきまで真っ赤に染まりあがっていた頭の中が真っ白になった。

あれ...?オレはさっきまで何を...

 

賢吾「フォリアが居なくなったことで暴走していたんだろう。オレがコアスイッチの力でそれを治した。」

 

オピュクス「賢吾...すまねえ...」

 

賢吾「別にいい。お前と同期しているから気持ちはわかる。だがまだ希望は残ってるはずだ。」

 

オピュクス「...何故だ?」

 

賢吾「アイツの種族はブラッド族。どんなに身体の損傷が激しくても遺伝子が残ってさえいれば回復する。つまり...お前が居る限りアイツは死なないという訳だ。」

 

オピュクス「っ!」

 

そうだ...フォリアが消されたことばかり頭に残ってて肝心なことを忘れていた。

そうか...アイツはまだ生きてるのか...

良かった...アイツとはなんだかんだ長い付き合いだからな...

生きててくれて良かった...

 

そう思ってるとメテオとフォーゼがやって来る。

メテオは自身のコズミックエナジーを増幅して青い球体のバリアを拡大させる。

そしてオレ達に頷く。

それを見たオレとフォーゼは変身を解除する。

 

弦太朗「賢吾...これで行け。」

 

そう言って弦ちゃんはフォーゼドライバーを差し出す。

それを大事そうに受け取る賢吾くん。

 

弦太朗「お前は、お前のやらなきゃならないことをやれ。」

 

彼方「自分の存在を誇りに思ってよ?仮面ライダーとゾディアーツと友達になれた男だって。」

 

賢吾「...お前達と会えて、本当に良かったよ...弦太朗、彼方。」

 

弦太朗「っ!初めて俺の名前呼んでくれたな!」

 

彼方「嬉しいよ~、賢吾くんがこんな立派に成長して~。」

 

賢吾「フッ、そうだな。俺も嬉しいよ...」

 

そう言って賢吾くんは僕と弦ちゃん、それぞれと友情の証を交わす。

そして僕達は賢吾くんを残して、エネルギーバリアに囲まれてハッチに戻る。

賢吾くんは一人月面でフォーゼドライバーを手に立つ。

 

ハッチに戻った僕達は何とか生きていたモニターから月面の様子を見る。

賢吾君はスイッチを入れレバーを引く。

するといつものフォーゼの変身時に現れるゲートが展開される。

だが今回はフォーゼのアーマーは装着されず、賢吾くんの身体がワープされようとしている。

 

弦太朗「行け...行けえええ賢吾ぉぉぉ!!!」

 

だがそこで吹き飛ばしたはずのサジタリウスが戻って来た。

そしてサジタリウスは『超新星』を発動させる。

するとサジタリウスの身体は炎に包まれ、装甲が弾けるとそこには全身が赤くなり異形というよりスーツの様な姿になったサジタリウスの姿が...

あれは僕が宇宙鉄人達と戦った時になった姿に似ている気がする...

 

流星「なんだ、あの我望の姿は!?」

 

弦太朗「辞めろ!!!賢吾に手を出すな!!!」

 

僕は急いで変身し、月面にワープする。

 

するとサジタリウス・ノヴァが膨大なコズミックエナジーを纏い、キックを放つ。

オレは急いで賢吾の下に行こうとする。

賢吾はコアスイッチの力でバリアを展開するが、それを容易く割られキックを受けてしまう。

 

オピュクス「やらせねえぞ、このヤローーー!!!」

 

サジタリウス「フン、今の貴様なんぞ怖くない。」

 

そう言うとサジタリウスは賢吾にしたキックをオレに向かって放ってくる。

オレは結界を展開するが、それを破って来る。

そしてキックを受けるも寸前に後ろに跳んだことによって威力を殺すことが出来た。

だがそれでもラビットハッチの壁を貫通して中に飛ばされた。

 

オレは何とか立ち上がり壁に出来た穴を結界で閉じる。

すると今まで同期していたコアスイッチの反応が切れる。

まさかと思い結界越しに見てみるとサジタリウス・ノヴァがコアスイッチを握り潰していた。

それによって賢吾は消滅した...

 

 

 

 

弦太朗「賢吾ーーーーーー!!!

 

 

 

 

to be continued...

 




フォリアがまさかの退場...

でも賢吾君が言ってたよね。ブラッド族だって。
...そういうことですよ。


次回もお楽しみにね。


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青・春・銀・河

ー彼方sideー

 

月面でのサジタリウス達との戦いの末、賢吾は消滅した...

その事実を受け止めきれず、オレ達は今も燃え盛るラビットハッチに残っている。

 

オレは流石に精神的にきつく、変身を解除する。

流ちゃんは床に倒れこみ、弦ちゃんはモニターを何度も叩きつける。

 

すると扉が開き、そこから立神と叔父さんが入って来る。

 

我望「コアチャイルドは消えた。」

 

弦太朗「よくも賢吾を!!!」

 

そう言って叔父さんに殴りかかる弦ちゃん。

だがそれを立神に封じられ、殴り飛ばされる。

僕達は慌てて弦ちゃんの下に行き、無事か確かめる。

 

すると叔父さんがフォーゼドライバーを投げてくる。

 

我望「君の親友とやらの形見だ。それを使って救いたいものを救うがいい。ただし、今度目障りなことをすれば、容赦はしない...!」

 

そう言って叔父さん達はラビットハッチを去る。

僕達は絶望に落ちるが、今はここから逃げることを考えないといけない。

 

彼方「取り敢えず逃げるよ、二人とも!」

 

僕はそう言って二人を立たせる。

すると弦ちゃんはテーブルの所に行き、旗を取る。

そしてハッチを出ると光の道が途切れようとしていた。

僕達は何とか爆発から逃れることが出来た。

 

そして廃部室から出ると皆が待っていた。

だが僕達は逃げるように伝える。

 

彼方「皆!ここから逃げろ!爆発に巻き込まれる!」

 

僕がそう言うと皆は慌てて逃げる。

僕達も痛む身体に鞭を打って何とか逃げる。

すると後ろから爆風が来て吹き飛ばされる。

 

それでも何とか受け身を取ってある程度逃げる。

そして振り返ると、廃部室があった建物は爆発した。

それを見て皆は絶望する...

 

JK「これで、永遠にラビットハッチと、お別れになっちゃいましたね...」

 

その言葉がやけに頭に響いた...

 

...

 

..

 

 

 

教室に集まった僕達。

辺りはすっかり暗くなっているが、大杉せんせーが特別に貸してくれている。

だがその空気は重く暗いものだった。

 

流星「俺達に...俺達に我望を止めることはできないのか!」

 

流ちゃんは一人悔しそうに言う。

気持ちは痛い程分かる。

なにせ目の前で賢吾くんを殺されたんだから...

 

するとユウちゃんが何かを思い出したかの様にポケットを漁る。

そこから取り出したのは一枚の手紙だった。

 

ユウキ「これ...賢吾くんから渡された。」

 

弦太朗「賢吾から?」

 

ユウキ「うん...」

 

そう言って見せてくる。

そこに書かれているのは『仮面ライダー部の友人達へ』。

...やっぱり忘れ切れてなかったじゃんか...

 

そしてユウちゃんは手紙を開け、中から便箋を取り出し読み上げる。

そこには皆へのメッセージが込められていた。

それぞれ一人一人真剣に考えたであろうメッセージに、本人達は涙を流す。

 

そしてそのメッセージは僕の番に。

 

賢吾『我望...いや、彼方。俺が如月と絶交した時や、アリエスの時...それ以外の時もいつもお前に助けられた。俺は心からそれを感謝している。最初はどこか掴めない奴だとは思っていたが、ある意味それが君の良い所かもしれない。君の夢を聞いた俺は純粋に応援したいと思った。それに...お前が居てくれたから弦太朗達とも出会えた。お前は俺の親友だ、彼方。』

 

...賢吾くん、かっこよすぎないか君は...

君がコアチャイルドだという運命はある意味間違いじゃないかもしれないな...

 

そしてフォリアの分も読まれた。

ここには居ないがフォリアに聞かせたかった...

いや、多分聞いているだろう...僕を通して。

 

そして最後に弦ちゃんの分。

そのメッセージは本当に全てが詰め込まれていたように感じた。

弦ちゃんへの想いを全て書き出す。

ある意味賢吾くんらしいやり方だと思った。

 

賢吾『最後に、もし俺が我望に消されても彼を恨まないでくれ。』

 

その言葉に顔を上げる。

賢吾くん...

 

賢吾『人を恨むのは君達らしくない。恨まずにただ我望を止めてくれ。我望の絶望に光を与えてくれ。君達ならきっと出来る。』

 

それを聞いて立ち上がる弦ちゃん。

 

弦太朗「分かったよ賢吾。お前の言葉...胸に染みたぜ...」

 

彼方「賢吾くん...君は優しい人だな...」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

始業式の日。

 

僕達は弦ちゃんを除いて屋上に集まる。

すると校内放送が始まった。

 

我望『理事長の我望光明だ。今日は君達に別れを告げようと思う。私は選ばれた生徒達にスイッチを配り、ゾディアーツへと進化させた。君達の愚かなる欲望をゾディアーツとして顕現させることで、私は宇宙へ羽ばたく力を得た。』

 

叔父さんの放送により学園内の生徒、教師含め全員が動揺している。

 

我望『私の進化に協力してくれたこの学園のモルモット達に心から感謝する。一時間後、私は宇宙の深淵に旅立つ。その時にこの地上は壊滅する。残り少ない人生を好きに使うがいい。』

 

そう言って放送は終了した。

えらく好き勝手言ってくれるじゃないか...

 

そう思ってると弦ちゃんがやって来た。

 

隼「来たな、弦太朗。」

 

JK「いい調子でしたね~理事長。」

 

美羽「いよいよね。」

 

ユウキ「行こう!私達の学園を、私達の手に取り戻そう!」

 

そう言って皆歩き出す。

だがそれを弦ちゃんは制止する。

 

弦太朗「ちょっと待った。我望のとこ行くのは、俺と流星と彼方だけでいい。」

 

隼「何言ってる!俺達も戦うぞ!」

 

美羽「そうよ!これは私達仮面ライダー部全員の戦いよ。」

 

彼方「その通りだよ。だから皆にやってもらいたいことがあるんだ。」

 

友子「やってもらいたいこと?」

 

そう聞かれると僕と弦ちゃんは皆に笑顔を見せる。

 

...

 

..

 

 

 

バイクに乗ってサジタリウス達の下に向かうフォーゼとメテオ。

その後ろをラムレイに乗って追うオレ。

いや、バイクも出せるっちゃ出せるが、正直コイツの方が速い。

 

ダークネビュラの真下にやって来たオレ達。

そこでは既にサジタリウス・ノヴァがワープの準備に入っており、それをレオが見守っていた。

そこにやって来たオレ達を見てレオは大量のダスタードを出す。

 

オレ達はそれぞれダスタードを蹴散らしていく。

するとレオがメテオをバイクから落として交戦する。

それを見たオレとフォーゼはサジタリウスに向かう。

 

『Rocket SUPER! Rocket! ON』

 

オピュクス「オゥラアアアアア!!!」

 

フォーゼはロケットステイツに変身し、オレは背中にアルビオンの翼は生やす。

それぞれバイクとラムレイから飛んでサジタリウスに体当たりする。

 

サジタリウス「私の邪魔をするか!」

 

オピュクス「賢吾は言った!恨みじゃ前に進めねえ!」

 

フォーゼ「だから俺は、アンタの怒りも!アンタの絶望も!全部ひっくるめてダチになる!」

 

そう言ってオレ達はサジタリウスを蹴る。

そしてそれぞれ必殺技を発動する。

 

フォーゼ「ライダーきりもみクラッシャーーー!!!」

 

オピュクス「『デュケイダイト』!!!」

 

フォーゼはダブルロケットによる超高速回転をしながら突撃する。

オレはメリュジーヌが使うアロンダイトを投影し、それを巨大化させ慣性を無力化して一気にサジタリウスに直進する。

オレ達二人の必殺技を喰らって地面に落としたものの、まだ立っている。

 

オレ達はそれぞれ強化状態を解除する。

 

フォーゼ「仮面ライダーフォーゼ!最後の...タイマン張らせてもらうぜ!!!」

 

オピュクス「彼方に散れ...!!!」

 

オレ達はサジタリウスに突っ込む。

お互い攻撃を繰り出すが、捌いたり防いだりする。

何とか隙を見つけて攻撃するもそれを防がれ、逆にコズミックエナジーを込めた拳でカウンターを喰らってしまう。

 

どうすればいい...

するとオレの中で何かが動いた気がした。

オレはそれが何か分からず動揺する。

 

その間にフォーゼはエレキに変身してサジタリウスと交戦している。

だがオレは身体の中の熱にどうすることも出来なかった。

 

すると突然意識が離れ、何かの光景を見る。

それは星が崩壊していく様を宇宙から眺める画だった...

もしかしてこれは...

 

すると意識が戻り、突然手からブラックホールが生成される。

フォリアが居なくなってからずっと使えなかったはずなのに...

そう思ってるとブラックホールは大きくなり、オレの目の前に移動する。

そして中から見知った姿が現れる。

 

オピュクス「オマエは...まさか...」

 

「フフフ♪相変わらず突然のことには対応できないのですね♪」

 

オピュクス「フォリア...!」

 

目の前には目を赤く光らせたフォリアが居た。

フォリアはオレの声を聞くと目の光を戻し、オレに抱き着いてくる。

 

フォリア「怖かった...消えてしまうかと...もう二度と貴方に会えないかと...」

 

オピュクス「...オレも同じだ。オマエが居なくなってからどこか力が入らなかった...オマエがそれほど大きな存在になってたんだよ...」

 

フォリア「フフフ♪それは嬉しいですね。でも今は戦いに集中しないと...」

 

オピュクス「そうだったな...」

 

オレ達はふとフォーゼ達の方を見ると、メテオがレオを倒したようだ。

一方フォーゼはコズミックに変身してサジタリウスと交戦している。

オレも戦いに参戦しないとだな...

 

フォリア「今の貴方なら私の力を100%使えるはずです。」

 

オピュクス「えっ?もしかして今まで全部使えてなかったのか?」

 

フォリア「まあ...だいたい50%というところでしょうかね~。」

 

オピュクス「マジかよ...」

 

コイツ...オレをチートの権化にしときながらあれで半分の力って...

恐ろしや星狩り族。

 

フォリア「フフフ♪私こう見えて結構強いのですよ。」

 

オピュクス「いやそりゃ分かってたが...はぁ...クヨクヨ言っててもしゃーねえな。来い!」

 

フォリア「はい♪」

 

そう言うとフォリアは何故かキスしやがった。

WHAT!?

オレは放そうとするがフォリアがさっさとアメーバ状になってオレの身体に入った。

アイツ...!帰ったらお仕置きしてやる...!!!

 

それは置いといてフォリアが入ったことにより身体中に力が沸き上がる。

オレはふと右手を開き掲げる。

すると手の平からブラックホールが現れ、更にその周りを周るように惑星が現れる。

 

オレはそれをフォーゼのリミットブレイクのタイミングに合わせて挟み撃ちの様に放つ。

するとリミットブレイクとオレの技に挟み撃ちされサジタリウスは大打撃を受ける。

それを見た後、オレはフォーゼの下に合流する。

 

フォーゼ「アンタが作った学校は、明日を信じる希望の銀河になってんだ!天高は...俺達の青春銀河だ!」

 

サジタリウス「何だと!!!」

 

そう言って二人は跳びあがりキックを放つ。

お互いのキックが当たり弾き飛ばされる。

だがフォーゼは受け身を取ってバリズンソードを持つ。

そしてカバーを閉じ、コズミックスイッチを装填する。

 

フォーゼ「アンタに贈り物がある。受け取ってもらうぜ!」

 

そう言ってスラスターからジェットを噴射してサジタリウスの下に向かう。

オレはそ背中にアルビオンの翼を展開して追いかける。

オレ達はサジタリウスの放ってくる矢を避け、身体に激突してワープドライブする。

ワープした先は、天高の体育館だった。

 

オレ達は変身を解除し、サジタリウスを見つめる。

サジタリウスは天高にワープしてきたことに困惑している。

 

サジタリウス「天高だと...?何故ここに?」

 

そう言うサジタリウスは檀上の方を見る。

そこにはそれぞれ天高の学旗とライダー部の旗が壁に貼られ、その上には卒業式と書かれた看板が。

看板には『我望理事長、ありがとうございました 仮面ライダー部』と書かれている。

 

そして檀上には制服を着た仮面ライダー部の皆が。

流ちゃんはさっきの場所で一人僕達を信じてくれている。

 

ユウキ「一同、礼!」

 

ユウちゃんの号令により檀上の皆は頭を下げる。

それが終わると司会を務めるユウちゃんが進める。

 

ユウキ「開会の言葉。ただいまより、我望光明理事長からの卒業式を行います。」

 

サジタリウス「貴様!何を言っている!」

 

弦太朗、彼方「「俺(僕)達の想いを、受け取ってもらうぜ理事長!」」

 

僕達はそう言ってサジタリウスに殴りかかる。

いきなりのことで困惑している状態のサジタリウスは攻撃を簡単に受けてしまう。

だが直ぐに対応して僕達を薙ぎ払う。

それでも直ぐに立ち上がり、サジタリウスと交戦する僕達。

 

ユウキ「続きまして卒業生、別れの言葉!」

 

美羽「ありがとう、我望理事長。感謝しています。天高を創ってくれて。」

 

隼「俺達はここでかけがえのない人達と出会えた。新しい自分に生まれ変われた。」

 

友子「私達はここで自分の醜さを、自分の弱さを突きつけられた。でも、それを超える自分の強さを身に着けられた。」

 

JK「俺達はちっぽけな人間です...けどちっぽけな手でも、皆で掴んだら大きなモノが掴める。」

 

ユウキ「それを学んだこの学園を!私達は私達の手で掴み直す!学園も地球も宇宙も!皆々、私達は私達の手で掴む!」

 

ユウちゃん達の言葉を背に僕達は戦う。

その一撃一撃に全力で、想いを込めて叩き込む

 

弦太朗、彼方「「希望を!ずっと!仲間と!それが俺(僕)達の絆だ!だから今日...天高はアンタの支配から卒業する!!!」」

 

僕達はそう言うとドライバーとスイッチを取りだし構える。

 

皆『スリー!ツー!ワン!

 

弦太朗、彼方「「変身!!!」」

 

フォーゼ「宇宙...!!!」

 

皆『宇宙...!!!』

 

全員『キターーーーー!!!』

 

オレ達は変身し、サジタリウスと対峙する。

サジタリウスはそれに苛立つ。

 

ユウキ「卒業キック、授与!」

 

ユウちゃんの言葉を合図にオレ達はそれぞれ力を込める。

そして必殺キックを放つ。

 

Rocket! Drill! LIMIT BREAK

 

フォーゼ「ライダーロケットドリルキーック!!!」

 

オピュクス「ギャラクシーフィニーッシュ!!!」

 

オレ達のキックがサジタリウスにぶつかるが押しきれていない。

それを悟ったオレ達は更に力を込める。

 

フォーゼ、オピュクス「「青春銀河大・大・大ドリルダブルキックだ!!!!!」」

 

皆『行けぇぇぇぇぇえええ!!!!!』

 

皆の声を背に、オレ達は最大のキックを放つ。

それに力負けたサジタリウスは貫かれる。

サジタリウスを貫き着地したオレ達は変身を解除する。

 

弦太朗「卒業生代表。仮面ライダーフォーゼ、如月弦太朗...!」

 

彼方「同じく卒業生代表。オピュクス・ゾディアーツ、我望彼方...!」

 

僕達はそれぞれ口にする。

するとサジタリウスは大爆発した。

爆発が晴れると変身が解除された叔父さんが倒れこむ。

 

僕達は叔父さんの下に歩いていく。

叔父さんは攻撃されるのかと思い、必死に立ち上がろうとする。

 

我望「負けただと...この私が...!?」

 

すると弦ちゃんは屈んで叔父さんに言う。

 

弦太朗「ダチになってくれ!理事長。」

 

我望「如月...」

 

弦ちゃんの誘いに戸惑う叔父さん。

 

弦太朗「賢吾も、きっと賢吾の親父さんも、それを望んでる。」

 

叔父さんはその言葉を聞くと立ち上がる。

僕達は二人をただ見守る。

 

我望「まったく...君は何者なんだ?」

 

弦太朗「俺は如月弦太朗!天高の連中全員と友達になる男だ!」

 

弦ちゃんはそう言って手を差し出す。

叔父さんはその手を見て自分の手を差し出す。

それを掴んだ弦ちゃんは友情の証を交わす。

 

叔父さんはそれに笑みを零す。

だがその後に身体からモヤが溢れ出てくる。

...やはりゾディアーツ化が進んでいたか...

 

弦太朗「理事長!?」

 

我望「これも、自業自得だ...超進化の、無理が来たということだ...」

 

苦しむ叔父さんの様子を見て皆戸惑う。

正直救う手立てはある。

だけどそれを叔父さんが望むかどうかだ...

 

我望「如月君...最後の頼みだ...君達が、『プレゼンター』に会え。私が出来なかったことを、成し遂げてくれ!」

 

叔父さんは弦ちゃんの肩を掴みながらそう頼む。

...次の世代に夢を託す、か...

 

弦ちゃんはそれに答える。

叔父さんはそれを聞いて満足そうに笑い、この場から去って行く。

 

ユウキ「っ!一同、礼!」

 

ユウちゃんの号令により僕達は叔父さんに頭を下げる。

これで僕達は叔父さんの支配から卒業したのだった...

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ーとある公園ー

 

僕はとある公園に向かう。

そこには叔父さんが遊具にもたれ掛かっていた。

 

ここは叔父さんが昔を思い出すと言ってよく小さい頃に連れてきてもらっていた場所だ。

多分最後にここで()()()に語り掛けると思った。

 

僕はゆっくり叔父さんに近づく。

 

彼方「叔父さん...」

 

我望「...彼方か...済まなかったな...お前を...家族ではないと言ってしまって...」

 

彼方「っ!それって...」

 

我望「...ああ。お前は私にとって、かけがえのない家族だよ。都合が良いのは分かっているが、それでもこれだけは伝えたかった...」

 

彼方「っ...叔父さん...!」

 

僕は叔父さんの言葉に涙が零れる。

覚悟を決めたとはいえ、やっぱりどこか悲しかったあの言葉。

だけどまた叔父さんと家族になれたことに純粋に喜んだ。

 

彼方「叔父さんはもうこの世界に悔いはないの...?」

 

我望「...ああ。もうないさ。彼らには私の生徒達が...お前が会いに行くんだからな。それだけで私は満足さ...」

 

彼方「そっか...」

 

我望「ああ。それと、お前にこれを渡しておく。」

 

そう言って叔父さんはポケットの中からある物を取り出す。

それを見て僕は驚いた。

 

彼方「それって...コアスイッチ!?」

 

叔父さんが取り出したのはスイッチが入った状態のコアスイッチだった。

どうしてこれを...

 

我望「アクエリアスの力で直したのさ...多分賢吾君は生き返ったはずだろう。だが何故かこれは消えなかった。多分だが...お前に託す為だと私は思っている。だから受け取ってくれ...」

 

彼方「僕に...コアスイッチが...」

 

僕は叔父さんの手からコアスイッチを受け取る。

するとコアスイッチが僕の身体の中に入り込んだ。

だけど特に違和感を感じない...

 

我望「やはりお前が『プレゼンター』に選ばれた人間なんだろうな...」

 

彼方「...叔父さんもでしょ?やり方を間違えただけで...多分彼らは叔父さんを認めてくれると思うよ。」

 

我望「...そうか。ハハハッ!それは嬉しいな...」

 

叔父さんはそう言って大笑いする。

だが途端に身体からモヤを出し、苦しみだす。

もう時間が無いというのか...

 

我望「...約束は果たせなかったな。だが、私の家族と生徒が必ず行く。その時はよろしく頼む...」

 

叔父さんは空を見上げながらそう言い消えていった...

僕はそれを一人涙を流しながら見届けていた...

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ー数日後ー

 

僕とフォリアはいつも通りに登校している。

 

叔父さんが消えた後、家に帰ってちょっと陰鬱気味な僕をフォリア達が慰めてくれた。

そのおかげで今はすっかり元気だ。

 

そう思ってると橋にもたれている弦ちゃんとユウちゃんを見つける。

弦ちゃんは何故か手に持っている手紙を川に投げようとした。

するとそれを止める一人の男が。

 

二人はその姿を見て驚いている。

だって止めたのが賢吾くんだったのだから。

 

何か面白そうだからフォリアに僕の後ろに隠れてもらいながら三人の下に行く。

ちなみに三人は抱き合っている。

 

彼方「おっはよ~三人共~。朝から熱いハグハグしてるね~。」

 

弦太朗「彼方!見ろよ!賢吾が戻って来たんだぞ!」

 

ユウキ「そうだよ!賢吾くんが戻って来たんだよ~!」

 

賢吾「久しぶりだな、彼方。」

 

彼方「久しぶり~賢吾くん。叔父さんに聞いてたけどまさかほんとに生き返ってるなんてね~。」

 

フォリア「そうですわね。流石の私もびっくりしました。」

 

弦太朗「だよな!賢吾にフォリアが戻って来たんだから...ってえええええ!?フォリアも戻って来たのか!?」

 

ユウキ「うっそおおおおお!?フォリアちゃん大丈夫なの!?」

 

フォリア「ええ。理事長との最終決戦の時に蘇ってたんですよ?如月さんは知ってるはずでは...?」

 

弦太朗「えっ!?あ、いや、その...なっ!」

 

彼方「どうせ戦いに集中してたから知らなかったってオチでしょ?まったく...」

 

弦太朗「ハハハ、ごめんごめん。でもこれで仮面ライダー部は完全復活だな!」

 

ユウキ「そうだよ!また皆と一緒に学園生活を送れるなんて最高だよ!」

 

賢吾「ああ。俺も嬉しいよ。」

 

彼方「皆も驚くだろうね~。」

 

フォリア「フフフ♪どういう風に驚かせてあげましょうかね。」

 

僕達の日常が戻って来た。

ゾディアーツとの戦いは終わったけど、その中で紡いできた絆は終わらない。

そんなことを思いながら今日も一日が始まった。

 

う~ん、やっぱりこういう朝は好きだな~。

始まりを感じるね~!

 

僕はそう思いながら皆と一緒に登校した。

これからもまだまだ繰り広げられる戦いを知らずに...

 

 

 

 

 

to be continued...

 

 




はい、ということでフォーゼ本編は無事最終回まで行けました。
これも読者の皆さんが読んでくださっているおかげです。
本当にありがとうございました。

一応平ジェネFINALも書く予定ですので楽しみにしていてください。

さて現在アンケ実施中です。
この物語の続編を書くにあたって、新しいシリーズとして出すのか、それとも新章という風に続けて出すのか。
どっちがいいかを投票受付中です。

まあ言ったら新しいタイトルつけて続編出すか、手抜きで続編出すかの違いですね笑
是非皆さんの投票をお待ちしています。


改めて本当にここまで読んでくださりありがとうございます。
お気に入り登録や頂いた感想が励みになりました。
まだまだ続いていきますので引き続きよろしくお願いします。


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平ジェネFINAL編 平・行・衝・突

そういや映画編って言ってもそこまで主になって出てこないんだった...
なのでちょっと短めだけど...許してね。


ー彼方sideー

 

仮面ライダー部としてゾディアーツと戦ったあの日々から五年。

僕達はそれぞれの道を進んだ。

 

僕とフォリアは医学の道に。

美羽はモデルになり、隼はアメリカへ。

JKは記者となり、友ちゃんは売れっ子小説家。

流ちゃんはインターポールに入った。

 

ユウちゃんは最年少宇宙飛行士となり、賢吾くんは江本さんが教授を務める大学で一緒にコズミックエナジーの研究をしている。

そして弦ちゃんはというと教師となり、母校である天高に勤めている。

 

そんな中、僕と弦ちゃんはロシアに来ている。

何故かと言うと、宇宙に飛び立つユウちゃんとそのサポートをする賢吾くんを見送りに来たんだ。

本来は来れなかったけど何とか都合を合わせて二人とも来た。

 

まあ飛び級制度のある海外の大学に行ったおかげで大学はとっくに卒業している。

そして研修先である聖都大学附属病院には特別に許可を貰った。

まだ半年しか経ってないけど将来有望だからって理由ですんなり許可を貰えた。

正直それってどうなのって思っちゃったけどね?

 

そんな僕達は発射台が見える丘からロケットが飛び立った跡を眺めている。

 

弦太朗「遂に宇宙に行ったんだな...」

 

彼方「そうだね~...ユウちゃんの夢が叶ったわけだ。」

 

弦太朗「すげえな...俺もいつか行きてえな...」

 

彼方「ユウちゃんから貰った宇宙行チケットの有効期限は切れてないんだからその内連れてってもらえるんじゃない?」

 

弦太朗「ハハ!確かにそうだな!ユウキならやりかねねえな!」

 

彼方「確かにユウちゃんならやりかねないね~。」

 

僕達はそんな会話をする。

すると突如空の様子が変わる。

 

さっきまで晴天だったのが雲が立ち込め、雷を発生させている。

何か悪い予感がする...

 

そう思ってると突然空にもう一個の地球が現れた。

 

弦太朗、彼方「「えええええええ!?」」

 

弦太朗「どうなってんだありゃ...」

 

彼方「嫌な予感がする...」

 

弦太朗「どうにかしねえとヤベえんじゃねえか?」

 

彼方「だよね...」

 

すると上空に現れていた地球は消えた。

一体何が起こってるんだ...?

 

そう思ってると僕のスマホが鳴る。

誰からだと思い見てみるとJKからだった。

 

彼方「もしもしJK?どうしたの~?」

 

JK『先輩さっきの見ましたか!?』

 

彼方「あ~もうひとつの地球?」

 

JK『そうっす!それがどうやら色々あるみたいなんですけど、一番ヤバいのがあと24時間でこの世界が終わるらしいんすよ!』

 

彼方「は?あと24時間で世界が終わる?」

 

弦太朗「んだ、そりゃ?」

 

JK『どうやら『エニグマ』ってのが関係あるらしいんですけど何が何だかで~。』

 

彼方「エニグマ、ね~...」

 

確か『エニグマ』は西洋語で謎とかいう意味だったはず...

でも今回の事件は正に謎だらけで語源がヒントにはならない。

だとしたら一体...

こんなことしでかしそうな奴、または奴らに心当たりなんて...いや待てよ?

確か一つこういうのを好んでやる奴らが居たはず...

 

彼方「アイツらの仕業か...?」

 

弦太朗「多分な...」

 

JK『え!?アイツらってどいつらですか!?』

 

弦太朗、彼方「「財団Xだ。」」

 

JKはそれを聞いて理解したようだ。

僕達は何かとお世話になったからね~...

ということは財団を追って行けば今回の事件の鍵が掴めるはず...

 

彼方「JK、今日本にある財団の支部の中で一番天高に近い場所を探して。」

 

JK『え、なんで天高なんすか?』

 

彼方「あそこは日本の中でザ・ホールの影響を一番受ける場所だ。だとしたら財団が天高を利用しないはずがない。コズミックエナジーの力でもなければあんなこと出来るはずがないからね。」

 

弦太朗「そういうことか...」

 

JK『分かりました。彼方さん達も急いで帰ってきてくださいよ?』

 

そう言って通話は切れた。

 

それにしてもまた財団Xか~...

またカンナギみたいな奴が企んだのかな~?

 

弦太朗「早く日本に戻らねえとだな...」

 

彼方「そこは僕のワープを使えば問題ないから大丈夫だよ。それよりも連中の狙いだよ。」

 

弦太朗「ああ。もしかしたらまたカンナギみてえな奴がやったかもしれねえな。」

 

彼方「だろうね。取り敢えず弦ちゃんは天高でいい?」

 

弦太朗「おう。彼方はどうすんだ?」

 

彼方「一回病院の方に戻るよ。多分こんな事態だから大勢の負傷者が来てると思う。それに...こういう事態には慣れてる人達も居るしね。」

 

弦太朗「...なるほどな。また今度紹介してくれよ!んじゃ頼む!」

 

彼方「いいよ~。弦ちゃんならあの人とか合いそうだしね~。」

 

僕達はそう言いながらワープした。

 

...

 

..

 

 

 

弦ちゃんを天高に送った後、僕は聖都大附属病院にワープした。

そして中に入ると想定通り、臨時避難所となり大勢の人が押し寄せていた。

 

僕は取り敢えず人込みの中を通り、病院の地下に行く。

ここの病院は、以前日本中を脅かしたバグスターウイルスの治療を専門とした特別部署を設立した。

その名も電脳救命センター、通称『CR』と呼ばれている。

 

そしてCRはこの病院の地下に設立されている。

僕はCRの待機所に行く。

そこには院長をはじめ、複数のドクター達が居た。

 

彼方「鏡院長、ただいま戻りました。」

 

鏡「ん?おお!我望君!ちょうどいいところに戻って来た!大変なことになったんだよ~!」

 

彼方「ええ、学生時代の後輩から聞いてます。それで一応顔を出しておこうと。」

 

飛彩「顔を出しておくとはどういうことだ?」

 

貴利矢「どっかにでも行くのか~?」

 

彼方「ん~、まあちょっとエニグマのある場所にでも行こうかと。」

 

全員『はあ!?

 

僕が本当のことを言うと皆さん驚かれていた。

あれ?そんなにおかしなこと言ったっけ?

 

大我「お前正気か?ただの研修医がエニグマがある場所に行って何が出来んだ。」

 

ニコ「てかなんでエニグマのこと知ってんのよ!」

 

彼方「ああ~、さっき言った後輩から聞いたからだよ。場所なんて大体想像できるからね。」

 

明日那「そのエニグマの場所ってどこなの?」

 

彼方「僕の母校ですよ?」

 

全員『はあ!?

 

またもや皆さん驚いている。

今日はなんかリアクションがいいな~。

あの飛彩先生に大我先生まで驚いてるし。

 

彼方「じゃ、そういうことなんで僕はこれで。あ、そうそう。同期のフォリアも連れて行くんでそこのとこよろしくお願いしま~す。」

 

飛彩「おい!まだ話は終わってないぞ!」

 

彼方「大丈夫ですよ~。アイツらが関わってるってなると色んな仮面ライダーが集まると思いますし。それに僕はそんなやわな人間じゃないですから~。」

 

僕はそう言ってCRを出た。

すると丁度いいタイミングでJKから電話が来る。

 

彼方「もしもし~、何か分かった?」

 

JK『ええ。まず先輩が聞いてきた財団の支部に関してはとっくに弦太朗さんに教えてあります。それで肝心のエニグマなんですけど、先輩の予想通りでしたよ。』

 

彼方「やっぱりね~。流石JK~、今度何か奢ってあげるよ。」

 

JK『それはありがたいですけど早く来てくださいよ。俺も天高に向かってるんで。』

 

彼方「おっけ~。んじゃ僕もすぐ行くよ。」

 

僕はそう言って電話を切り、フォリアにパスを繋げる。

 

彼方『フォリア~、ちょっとついてきてくれない?』

 

フォリア『大体共有してますのでわかりましたよ。後で甘えさせてくださいね?』

 

彼方『もちろん。たくさん甘えさせてあげるよ~。』

 

フォリア『やった♪じゃあ迎えに来てくださいね。屋上で待ってますので。』

 

彼方『おっけ~。』

 

僕はパスを切ると屋上にワープしてフォリアと合流してから天高にワープした。

その姿を誰かに見られていたことを知らずに...

 

貴利矢「な~んか怪しいと思ってたらそんな力を持ってたとはね~...何者なんだ...?」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

天高にワープした僕達はJKと合流する。

すると丁度弦ちゃんから連絡が入り、今からこっちに来ると言う。

僕達はそれを受けて待っていると、丁度階段から弦ちゃんと二人の男が現れる。

一人は見知った...というか職場の人で、もう一人はなんか違和感を感じる。

 

永夢「えっ!?彼方君!?どうしてここに!?」

 

彼方「弦ちゃんのダチだからですよ~。」

 

弦太朗「おう!彼方は俺のすっげえ頼れるダチだぜ!」

 

そう言って僕らは友情の証を交わす。

それを見てぽけーっとしてるもう一人を見てフォリアは何か考え込んでいる。

ん?そう言えばどこかフォリアと似てる感じがする気が...

 

JK「燈台下暗しとはこのことだね~。」

 

永夢「どういうことですか?」

 

彼方「元々天高は宇宙のエネルギーが集まる場所なんですよ。今はちょっと弱くなりましたけどそれでもエニグマを起動するには充分な量が降って来る。もう一つの地球...多分平行世界の地球を持ってくるぐらいなんですからこれぐらいしないとできないでしょ?」

 

JK「で、タイムリミットである今日の昼の12時ってのが、太陽系のあらゆる惑星のエネルギーが一番集まる瞬間ってわけ!」

 

龍我「あーそうか!確かにスカイウォールも元々は火星で見つかったパンドラボックスの影響だった...」

 

フォリア「パンドラボックス...」

 

彼方「ん?どうしたの、フォリア?」

 

フォリア「...いえ、何も。」

 

永夢「それで!エニグマはどこに?」

 

弦太朗「あそこだ!」

 

そう言って弦ちゃんが指さした方向には何もなかった...

だけど確かに感じるんだよね~、コズミックエナジーが。

 

永夢「...なにもありませんけど。」

 

彼方「まあ見ててくださいな~。」

 

そう言って僕は一丁の銃を投影し、さっき弦ちゃんが指さした方向に撃つ。

すると弾は虚空にぶつかり、そこからエニグマが現れる。

 

二人が驚いていると、聞き覚えのある音がする。

すると左右からレオ、ヴァルゴ、スコーピオン、キャンサーが現れた。

瞳で視てみるとどれもダミーだ。

やっぱ財団が関わってるよね~...

 

弦太朗「どうやら大正解だったみたいだな~。ここは俺に任せろ!」

 

龍我「アンタもか...」

 

弦太朗「あ?」

 

もう一人の呼びかけに弦ちゃんは不思議がる。

 

龍我「アンタも仮面ライダーだから戦うのか。」

 

弦太朗「...あったりめえだろ?天高の生徒も先生達も、俺のダチは全員...俺が守る!」

 

そう言って弦ちゃんはドライバーを装着し、スイッチを入れる。

 

『THREE』

 

『TWO』

 

『ONE』

 

弦太朗「変身!

 

弦ちゃんはレバーを引き変身する。

 

フォーゼ「宇宙...キターーー!!!」

 

変身したフォーゼはお決まりのセリフを言う。

その際にフォーゼの声のデカさに二人は驚いていた。

 

フォーゼ「1!2!3!4!まとめてタイマン張らせてもらうぜ!」

 

そう言ってフォーゼはゾディアーツ達に向かって行く。

正直僕も戦いたいけど、今は二人を連れて行くことが優先事項かな~?

 

彼方「さてさて、邪魔者は弦ちゃんが相手してくれてるから僕達はエニグマに行こっか~。」

 

フォリア「そうですね。何か面白そうなことが起きそうな気がしますし。」

 

龍我「おい!お前らも行くのかよ!」

 

永夢「そうだよ!いくらなんでも君達は無茶だよ!」

 

彼方「...こういう無茶は高校時代に一杯して来たんで。」

 

フォリア「そうですね。私達の学生生活はちょっとばかり騒がしいものでしたから。」

 

僕達はそう言うとエニグマに向かう。

途中弦ちゃんがレオとキャンサーをこっちに飛ばしてきた時はびっくりした。

慌ててエニグマに蹴り飛ばしたけど。

 

彼方「ちょっと!?危ないじゃんか!」

 

フォーゼ「ワリイ!彼方なら大丈夫だろ!」

 

彼方「そういう問題じゃないよ!」

 

僕はそう言いながらエニグマの中に入る。

エニグマの中には制御コンピューターがあり、モニターのカウントダウンには残り3分余りしかない。

すると永夢先生が入って来たから僕は聞く。

 

彼方「それで、敵の狙いは何なんですか?」

 

永夢「...敵の狙いは二つの世界を衝突させること。それによって二つの世界の最上が融合し、不老不死の力を手に入れるとか言っていた...」

 

彼方「なるほどね~...つまり、このタイムリミットが狂えば逆に不完全な融合になる、ということだ...なら向こうの世界の仮面ライダーはこう考えるだろうね。」

 

僕はそう呟いてコンピューターを操作する。

それを見て永夢先生が聞いてくる。

 

永夢「ちょっと、どうするつもりなの?」

 

彼方「出力を最大にしてエニグマを起動させるんですよ。」

 

永夢「でもそうしたら世界が衝突してしまう...」

 

彼方「いやそれがそうでもないんですよ~。」

 

永夢「え...?」

 

彼方「タイムリミットよりも早く融合させることでその、最上とかいう奴の野望は完全に崩れる。まあ永夢先生風に言うとしたら...裏技ってやつですよ。」

 

永夢「裏技...」

 

僕はそう言いながら操作を進める。

そしてエンターキーを押して起動させる。

するとエニグマが動き出した。

僕達は慌てて外に出る。

 

外に出た僕達はエニグマを見る。

するとエニグマはナニカに持ち上げられどんどん上昇していく。

それと同時にもう一つの地球が再び現れ、向こうのエニグマも見えてくる

 

そして目の様な部分からビームを照射させる。

すると二つのエニグマからのビームがぶつかり合い、世界の境界を破壊した。

それにより街に降り注ぐ衝撃によって崩壊していく。

 

世界の衝突が始まった今、僕達はどうなるのか分からなかった...

 

 

 

 

to be continued...

 




区切るとしたらここしかなかったんですよ...
フルを書くとなるとちょっとオーバーしそうな気がして...

次回も見てください。


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平ジェネFINAL編 平・行・転・移

ー彼方sideー

 

エニグマを起動したことによって世界の衝突が始まった。

それをただ眺めるだけの僕達。

 

とそこに向こうの地球の方から何かがやって来るのが見える。

エニグマを伝ってバイクで降りて来たソイツは僕達の前で止まる。

 

戦兎「少し太った?」

 

龍我「...ふ、太ってねえよ!てか他に言うことねえのかよ!」

 

...なんだろ、気が合いそうな気がする。

なんかノリがっていうかなんというか...

 

すると何もない場所からいきなり人が現れた。

ソイツは永夢先生を見ると笑顔になる。

 

パラド「永夢!」

 

永夢「パラド!」

 

どうやら二人は知り合いの様だ。

僕もそこまで知らないからね~。

 

すると突然大きな音が響く。

上空を見ると二つのエニグマが手を結ぶような形で合体する。

それによって世界同士が引き寄せられる。

 

戦兎「二つの世界が衝突するまで時間が無い。君のボトルだ。」

 

そう言って男はボトルを二本出す。

ふ~ん、アレが向こうの世界の仮面ライダーのアイテムか...

 

永夢先生はそれを受け取り振る。

するとボトルから粒子が出てきて永夢先生の中に入って行く。

そして永夢先生は力を取り戻したのか雰囲気が少し変わった。

 

永夢「行きましょう。」

 

戦兎「ああ。」

 

二人はそう言うと前に出る。

 

戦兎「最上!」

 

男がそう叫ぶとエニグマの指が展開されそこから声が聞こえてくる。

 

最上L「愚かな真似を...」

 

そういうとエニグマから二人の男が現れる。

装いは全然違うが顔はそっくり。

平行世界の同一存在ってやつか...

 

最上L「エグゼイドの力を返す為に、自らエニグマを合体させるとはな。」

 

最上R「精々私の前でひれ伏すがいい!」

 

二人はそう言うとそれぞれ紫の歯車やパイプがむき出しになっている銃を取り出す。

そしてそれぞれ銃にボトルを装填する。

 

ギアエンジン!

 

ギアリモコン!

 

ファンキーマッチ!

 

最上『バイカイザー

 

二人はそう言うと引き金を引く。

するとそれぞれの銃から赤と青の歯車のエネルギーが現れる。

そして二人の半身が無くなり、融合する。

そこに歯車が装着された。

 

パーフェクト!

 

バイカイザーへと変身を遂げた二人。

バイカイザーは自身を見て溢れる力に酔いしれる。

 

バイカイザー「フハハハ、遂に手に入れたぞ、帝王の力を!」

 

バイカイザーがそう言い両手を広げるとエニグマの目から大量のロボットが出て来た。

全機体銃剣を装備している。

 

龍我「ラスボスだけじゃねえのかよ!」

 

彼方「ラスボスまでの最後の砦ってとこかな...」

 

するとバイクの音が聞こえてくる。

僕達は振り返るとそこには四人の仮面ライダーがバイクに乗ってやって来た。

永夢先生はそれを見るとエニグマの方に振り返りパラドに向かって拳を突き出す。

 

永夢「パラド、行くぞ!」

 

パラド「ああ!」

 

パラドはそう言うと目を赤く光らせ、自身の身体を赤と青の粒子に変える。

そして永夢先生の身体の中に入る。

 

そして永夢先生達はそれぞれドライバーを装着して構える。

 

MIGHTY ACTION X!

 

ラビット!タンク!ベストマッチ!

 

戦兎、永夢「「変身!」」

 

ガッチャーン!レベルアップ!

 

Are You Ready?

 

MIGHTY JUMP!MIGHTY KICK! MIGHTY MIGHTY ACTION X!

 

鋼のムーンサルト!ラビットタンク!イエーイ!

 

二人は仮面ライダーに変身し、バイクに乗り込む。

 

エグゼイド「世界の運命は!」

 

皆『〇×△□hいhbかd!えっ?〇×!△□ghrtsl!』

 

ビルド「ハハッ!最っ高じゃねえか!行くぞ!」

 

何とも決まらない仮面ライダー達はバイクを発進させ、ロボット達の下へ向かう。

さてさて...僕も手伝っちゃおうかな~。

 

彼方「そんじゃ僕達も行こっか?」

 

フォリア「そうですね。」

 

龍我「おい!どこに行くんだよ!」

 

彼方「ん?そんなの決まってんじゃん。アイツらぶっ潰しに行くんだよ。」

 

龍我「生身で相手出来る奴じゃねえぞ!」

 

彼方「...誰が生身って言ったんだよ。僕にはこれがあるから。」

 

そう言って僕はスイッチを取りだす。

それを見たアイツは驚いた顔をする。

 

龍我「それって...!」

 

彼方「ま、僕はもちろん正義の味方だからあんな三下帝王の味方なんてしないよ...来い、フォリア。」

 

フォリア「フフフ♪久しぶりですね、これ。」

 

そう言ってフォリアはアメーバ状になり僕の身体に入って行く。

そして僕はスイッチを押し変身する。

 

変身したオレを見て驚いてる奴を置いてオレはロボット達の前にワープする。

いきなり現れたオレにロボット達は攻撃しようとする。

だがオレは攻撃を受ける前に黒化した聖剣を投影し、宝具を開放する。

 

オピュクス「卑王鉄槌、極光は反転する。鉄屑となり果てろ。『約束された勝利の剣(エクスカリバー・モルガン)』!!!」

 

オレは腰に構えた聖剣を上に薙ぎ払う。

それによって巨大な黒いビームがロボット達を呑み込む。

オレは更に魔力を込めてビームを巨大化させる。

それによって射程外に居たロボットも全て呑み込んだ。

 

ビームが消えるとそこには何もなかった。

するとバイクのブレーキ音が後ろから聞こえる。

 

ビルド「たった一人でアレだけのガーディアンを倒すなんて...」

 

フォーゼ「すげえだろ!?さっすが俺のダチだぜ!」

 

エグゼイド「彼方君...凄いな...」

 

オピュクス「エニグマまでの道は作ったぞ?後は任せるわ。」

 

オーズ「君は行かないのかい?」

 

オピュクス「別に行ってもいいが二人程自分でやっつけたいって顔してるヤツ居るだろ?」

 

オレはそう言って前の二人を見る。

すると二人とも恥ずかしいのか顔を逸らす。

 

オピュクス「それにオレは世界の衝突で起こる災害を防がないとだからな。」

 

ゴースト「え、でもどうやって?」

 

鎧武「神様でもねえ限り無理じゃねえのか?」

 

オピュクス「おいおい、流石に二つの世界は無理だ。こっちの世界だけでも何とかするさ。」

 

オレはそう言うと上空に最大限の魔力を込めて宝具を展開する。

 

オピュクス「『熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)』!!!」

 

すると上空に七枚の花弁を模した盾が複数現れる。

それらが上空から降って来るビルの残骸や隕石などを食い止める。

だが流石にこのサイズはやったことねえから厳しいな...

 

ビルド「嘘でしょ...」

 

エグゼイド「これは裏ボスとかいうレベルじゃないな...」

 

フォーゼ「お前また強くなってんのか!?」

 

オピュクス「いいからさっさと行け!早くエニグマを止めてくれねえといつまでもこうしなきゃいけねえんだよ!」

 

ビルド「あ、ああ!助かる!」

 

エグゼイド「直ぐにクリアしてやる!」

 

フォーゼ「頼んだぜ、彼方!」

 

そう言うと仮面ライダー達はエニグマに向かってバイクを走らせる。

それを見送ったオレは少しばかり力を入れる。

 

オピュクス「流石に一人じゃ厳しいか...こうなったら...」

 

『私が行くよ、マスター。』

 

『私も出ましょう。』

 

仕方ねえ...今はあの二人の力が居るな。

 

オレはそう判断するとワープゲートを二つ展開する。

ゲートから一人の羽を生やした純白の少女と、槍を持った黒と青を基調とした美女が現れる。

 

オピュクス「頼んだぞ、メリュジーヌ、モルガン。」

 

メリュジーヌ「任せてマスター!頑張ったらご褒美もお願いね?」

 

モルガン「これぐらい簡単なことですよ。私も何か褒美が欲しいですね。」

 

オピュクス「分かった分かった。二人とも可愛がってやるから今は頼むわ。」

 

メリュジーヌ「やった!じゃあ行ってくるね!」

 

モルガン「フフ♪流石私の夫です。では参りましょうか。」

 

メリュジーヌは翼を広げて空を飛ぶ。

そして空中で魔法陣を展開し、それをくぐるとメリュジーヌは純白の機龍、アルビオンへと変わった。

アルビオンはそのまま空中を飛び回りながらレーザーを発射して瓦礫を破壊していく。

 

一方モルガンはキャメロットの城壁を投影する。

そしてそこからロンゴミニアドを射出して降って来る隕石や瓦礫を破壊する。

 

二人のおかげでさっきまで感じていた負担が和らいだ。

オレは魔力を高めて更に宝具を展開していく。

 

するとライダー達がエニグマを支えていたロボット達を切り裂く。

それによってエニグマは支えを無くしたが、今度は自立可動し始める。

完全に破壊しないとダメなのか...

 

するとエニグマがまき散らしているロボットがオレ達に向かってくる。

チッ...今邪魔されたらダリいんだよ...

 

オレはワープゲートを二つ展開する。

丁度あの二人が不満そうにしてたから良かったわ...

 

ゲートから出て来たのは赤いドレスを纏ったメスガキと男なら誰でも釘付けになる身体を持った女騎士だった。

 

オピュクス「悪かったな、トリ子にバゲ子。オマエらもうずいていただろ?」

 

バーヴァン・シー「も~!おっせーぞカナタ!罰として明日一日私と一緒に居ろ!」

 

バーゲスト「なっ!?それはうらやまs...じゃなくてダメだ、バーヴァン・シー!貴様が独り占めなどズル...羨ましいじゃないか!」

 

オピュクス「いや後半本音隠せてねえぞ、バゲ子...はぁ...二人ともちゃんと時間を作ってやるから今はアイツらを頼むわ...」

 

バーヴァン・シー「言ったな!絶対だぞ!」

 

バーゲスト「破ったらどうなるか...分かってますよね?」

 

オピュクス「当ったり前だ。オマエら怒らせたら流石のオレでも苦労するぞ。」

 

バーヴァン・シー「フフフ♪じゃあさっさと殺してこよ~っと。」

 

バーゲスト「私も力を使うとしましょう。来い!ブラックドッグ!」

 

トリ子はフェイルノートでロボットを残虐に壊していく。

バゲ子はブラックドッグを引き連れて薙ぎ払ったり引きちぎったりしている。

 

だがそれでも何体か壊し損ねたヤツらが漏れ、こっちに向かってくる。

オレは宝具を展開しながらも何とか対処するが流石にまどろっこしい...

 

オピュクス「あーもうめんどくさい!『ブラッドアップ』!」

 

オレは『超新星』を発動する。

それによって幾分か楽になった。

 

そしてオレはブラックホールを何個も生成して四方向に放つ。

それによってバゲ子達が討ち漏らしたヤツらを完全に消していく。

 

そうして戦っていると上空を飛んでいたエニグマが爆発した。

よく見てみると爆発から金色と赤と青の光が見える。

恐らくあの二人がやったんだろう。

 

エニグマが破壊されたことにより世界の衝突が収まる。

それによって地面が崩壊していた場所なんかが戻って行く。

どうやら世界が元に戻りつつあるようだ。

 

オレは宝具を解除し、四人に大丈夫だと念話で伝える。

すると四人は戻って来た。

 

オピュクス「お疲れさん、四人共。」

 

モルガン「どうやら終わったようですね。」

 

メリュジーヌ「久しぶりに青空の下で飛んだから気持ちよかったよ。」

 

バーヴァン・シー「ちゃんと殺したぞ~!」

 

バーゲスト「これで元通りになりますね。」

 

オピュクス「ああ。だ~疲れた~。早く帰って寝たい...」

 

だがそこに聞きなれない声がする。

 

残念ながらお前はまだ休めないぞ。

 

オレ達はその声に警戒する。

すると突然背中に激痛が走る。

 

オレはその方向を見てみると何か触手の様な物で刺されたいた。

どうやら毒を打たれたみたいだ...

 

即効性のあるものなのか力が無くなっていき、変身を解除してしまう。

それによってモルガン達を現界出来なくなり、彼女達は光の粒子となって消える。

 

ほ~う?どうやらお前は少し異質な存在みたいだなぁ?お前の中に居るのは俺の同族か?

 

声のする方を見ると血の色に染まったレザースーツに上半身はパイプの様な物がむき出しになっている。

そして胸に堂々とある水色のコブラの意匠。

それは顔にもあり、頭部に煙突の様な意匠もある。

 

仮面ライダーとは言えない怪人が僕を担ぐ。

そしてバイカイザーが持っていた物と似ている銃を取り出し、煙を噴射する。

そこから僕の意識は途絶えてった...

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ふと眩しく感じ、目を覚ます。

そこはどこか秘密基地の様な感じがする場所だった。

 

周りにはコンピューターや実験機材があり、中でも目立つ丸々人一人が入れるような機械があった。

もしかして僕は何かの実験材料になるのかと考える。

そう考えた僕は逃げようとするが、縛られているうえに上手く力が入らない。

 

とそこに何者かが入って来た音がする。

その方向を見ると僕を連れ去った怪人だった。

 

「よお?お目覚めか?」

 

彼方「お前は誰だ。」

 

ブラッドスターク「俺の名は『ブラッドスターク』。ただのゲームメイカーだ。」

 

彼方「そのゲームメイカーさんは何の目的で僕を拉致したのかな?ことによっちゃ僕はお前を斬るぞ...!」

 

ブラッドスターク「お~お~、怖い怖い。そんなに警戒すんな。お前は俺と同じ感じがしてな~?例えば...地球外生命体が憑依してるとか。」

 

彼方「っ!まさかお前...」

 

ブラッドスターク「...なるほどな。何故そっちの世界に同族が居たのか知らないが、面白くなりそうだ。」

 

まさかコイツはあの心中大好き王サマじゃないだろな...

だとしたらヤバい気しかしないけど...

てかコイツ今サラッと重要なこと言ってなかったか...?

 

彼方「ちょっと待って!今サラッとそっちの世界って言ったか?...だとしたら今僕が居るのって...」

 

ブラッドスターク「ほぅ?頭の回転は早いみたいだな...そうだ。お前が今いるのはエニグマによって現れたお前達にとってのもう一つの地球ってやつだ。」

 

嘘だろ...

時間の流れが違うっていうことは聞いてたけども...

それでも向こうで何日も居ないとなったら弦ちゃん達が心配するに違いない...

何とかして渡る方法を探さないと...

 

彼方「...もう一つだけ聞く。お前は心中大好き王サマか?」

 

ブラッドスターク「...は?」

 

彼方「だから聞いてるだろ。お前は星の爆発と共に心中するので快楽を感じるキモい野郎かって。」

 

ブラッドスターク「...そういうことか。残念ながら俺はあんな奴とは違う。まあ、肉親だがな。」

 

彼方「え、じゃあお前も絶対サイコパスじゃん。てかブラッド族全員サイコパスじゃん。」

 

ブラッドスターク「...お前今の自分の状況分かってるのか?...まあいい。お前はこれからの戦いを面白くしてくれそうだからな。解放してやる。」

 

ブラッドスターク、って長いな...スタークでいいか。

スタークはそう言うと縄を解く。

いきなりなんだ...?

 

ブラッドスターク「それと、お前が外に出たらコイツに会え。多分お前を見たら面白そうだからと協力するだろう。」

 

スタークはそう言うと一枚の写真を渡してくる。

そこにはスーツを着た女性の姿が。

その裏にはその女性の物であろう電話番号が。

 

ブラッドスターク「コイツも俺達の同族だ。だから隠す必要は無いぞ。」

 

彼方「...何故そこまでする。お前にとって僕は敵だろ。」

 

ブラッドスターク「お前の世界に帰ることができない今、お前はこの国では何者でもない。一歩間違えれば犯罪者になる。それを分かって言ってるのか?」

 

彼方「...だとしてもここまで協力する意味が分からない。」

 

ブラッドスターク「フッ、そんなの面白いからに決まってるだろ。言っただろ?俺はゲームメイカーだと。今は俺の力も充分じゃないしな。ゲームを楽しんでるんだよ。」

 

彼方「...お前も大概サイコパス野郎だな。気持ち悪い...」

 

ブラッドスターク「酷いね~。これでも命の恩人みたいなもんだろう?まあいい、お前がどう動くか楽しみにしている。それとこれを使え。」

 

そう言ってスタークは小瓶を僕に投げてくる。

僕は何とかキャッチして中身を見る。

何か液体が入ってるようだけど...

 

ブラッドスターク「ソイツは解毒剤だ。今の状態だと動きずらいだろ?俺からのプレゼントだ。じゃあな~、Ciao!」

 

スタークはそう言うと煙を出して消えた...

取り敢えず僕は解毒剤を飲んで、外に出ることにする。

 

施設内を歩いていくと外の明かりが見えて来た。

僕は明かりに向かって走って行く。

そして外を出た先に見えたのは...

 

謎の赤いオーラを出した大きな壁が大地を分断していた...

 

何だここは...これが平行世界の日本なのか...?

僕は何か気持ち悪い物を感じながらこの世界でどう生きていくか考えていった...

 

 

 

 

to be continued...?




ということで平ジェネFINAL編完です。

彼方君sideを書くにあたってどうしようと悩んだ結果、取り敢えずレジェンドライダー達と同じようにガーディアンを倒すだけにしようと決めました。

それにしても五年の年月が経った彼方君。
その間も鍛えていた結果チートがチートしましたね笑

ちなみにエグゼイドのストーリーに絡むかも?と思った方も居るかもしれません。
残念ながら全然関わりません。普通に研修医してました。
まあ一応CRの面々とは面識があるぐらいの感じです。


話は別ですが、感想で彼方君の過去回を書いてほしいというリクエストがありました。
これに関しては次章で回想という形で書いていけたらと思っています。

それと皆さん感想ありがとうございました。
フォーゼ編最終回に関する感想を見てニヤニヤしてます笑
いやほんと皆さんにウケて貰えてよかったです。


話は戻ってオチは何とビルドの世界に連れ去られてしまった彼方君!
どうやって連れて行こうかと考えた結果、丁度いいキャラが居たんですね~これが笑

スタークには同族だと知られた彼方君はどう生きていくのでしょうか~。
という展開です。
ちなみにフォリアもちゃんとついていますよ。


ではでは次回からビルド編!
是非お楽しみに~!


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ビルド編
ブラッドな協力関係


ー彼方sideー

 

ブラッドスタークに協力者を教えてもらった僕は取り敢えず人気の無い場所に行く。

誰かに見られる可能性を下げる為だ。

 

そうして人気の無い場所に着くと、僕はスマホを確認してみる。

どうやらこっちの世界でも使えるみたいだ。

 

それを確認した僕はスタークから貰った写真の裏側に書かれてある番号に電話を掛ける。

何回かコール音が鳴った後、電話を出る音がする。

 

『もしもし、どちら様でしょうか?』

 

彼方「...ブラッド族。」

 

『っ!?どこの誰かは知らないけどなんでそれを知ってるのかしら?』

 

彼方「同族だとしたら?」

 

『...そういうことね。大方エボルトが私のことを話したんでしょ?』

 

エボルト...?

それがスタークの名前なのか?

中々カッコいい名前持ってるじゃないの。

 

彼方「そういうこと。僕のことを話したら面白そうだから協力してくれるだろって。」

 

『ふーん...エボルトがそんなこと言うなんて、少し興味が湧いてきたわね。今から東都先端物質学研究所に来なさい。そこで会いましょう?』

 

彼方「...えーっと、その~...」

 

『何?会えない理由でもあるの?』

 

彼方「いや、その...研究所ってどこ?」

 

『...はっ!?』

 

僕の言葉に驚いている協力者候補。

まあそりゃ多分有名だろう研究所がどこにあるのか知らないって言うんだから驚きだよね...

 

『そんなもの調べなさいよ!そもそも研究所の場所ぐらい東都の人間なら分かるはずでしょ?』

 

彼方「いやそもそも僕この世界の人間じゃないし。」

 

『はぁ!?』

 

さっきよりも一際大きい驚きの声に思わず耳からスマホを離してしまう。

まあそりゃサラッとヤバいこと言ったからね~。

 

『もう色々情報があり過ぎて頭がパンクしそうね...詳しいことは会って話すわよ。取り敢えず研究所に来ること。いいわね?』

 

彼方「いやだから研究所の場所を知らな...って切れてるし...」

 

言葉の途中で切られたことでちょっとムカついたけど直ぐに流す。

...いややっぱり会った時ちょっと仕返ししてやろう。

 

そんなことを考えてるとスマホに一通のメールが。

それを開くと恐らくさっきまで話していた協力者候補から送られたであろう研究所への地図が入っていた。

何気に今の僕の位置が特定されてて怖いと思った。

 

取り敢えず研究所に向かうことにする。

 

...

 

..

 

 

 

研究所前に辿り着いた僕。

どうやって中に入ろうかと思ってると中から一人の女性が現れる。

協力者候補だ。

 

協力者候補は入り口の前で悩んでいる僕を見つけてこっちにやって来る。

 

「貴方がエボルトの言っていた人間ね。」

 

彼方「そうだよ。取り敢えず話すのにいい場所ってない?」

 

「そうね...ついてきなさい。」

 

そう言って協力者候補は研究所の中に入って行く。

それを追いかけて僕も入って行く。

 

ある程度中に入って行くと誰にも使われていない部屋に入る。

そして部屋の中にあるロッカーを開ける。

するとロッカーの中には階段があり、そこから地下に通じているようだ。

ロッカーの中を通って行くということに懐かしさを感じる僕。

 

僕達は階段を降りると、結構高級感漂う家具が置かれている部屋に着く。

いや場所のギャップが違い過ぎない?

 

「ここなら私達以外は誰も来ないわ。」

 

彼方「ふーん...星狩り様はそれなりに貴族っぽいんだね~...」

 

「フフフ、そんなことを本人の目の前で言うなんて中々肝が据わってるじゃない?」

 

彼方「まあ色々場数は踏んできたつもりだからね。取り敢えず自己紹介しとこっか。もしかしたらこれから協力関係になるかもだから。」

 

涼香「そうね。この姿での私の名前は才賀涼香よ。ブラッド族での名はゾーラ。よろしくね?」

 

彼方「僕は我望彼方。ブラッド族じゃないただの人間...てのは若干違うかもだけど...取り敢えずよろしく。」

 

涼香「それで...貴方の中に居るのはいつになったら出てくるのかしら?」

 

彼方「まあまあそんなに急かさなくても。まあそろそろ出てきてほしいのは同感だけどね~。出てきなよ、フォリア。」

 

僕がフォリアの名を呼ぶと身体から赤黒いアメーバが出てくる。

そしてそれは人の形になる。

 

フォリア「はぁ...取り敢えず久しぶりとでも言いましょうか?ゾーラ...」

 

涼香「そうね、まさかキルバスに巻き込まれて消えたかと思ったのだけど...平行世界に飛ばされちゃったなんてね~?」

 

フォリア「おかげで彼方と出会いましたからそれだけはキルバスに感謝しますよ...他はゴミ屑野郎ですけど。」

 

涼香「...それは同意ね。アイツいっつも私にすり寄ってきてキモかったわ...」

 

フォリア「私が飛ばされる前はずっと私に粘着してきた癖に...屑が...」

 

彼方「お~い?そんな昔のクズ野郎のこと話されたら僕怒るよ~?」

 

フォリア「それはそれでご褒美というか...」

 

彼方「...フォリア、ステイ。」

 

フォリア「ん//はい//」

 

フォリアは何故か顔を赤らめながら後ろに下がる。

それを見た涼香は驚いた顔をしていた。

 

涼香「まさかあのダウナーなフォリアがここまで感情を出してるなんてね...私と居る時でも見せて欲しかったわ。」

 

彼方「え、そうだったの!?ちょっと、その頃のフォリアのこと教えてよ!」

 

涼香「ええ、良いわよ。せっかくだから積る話でもしましょう。」

 

そう言って僕達は何時間も話し込んだ。

まあ主にフォリアのことについてだけど。

もしかして涼香って百合なの?それはそれでなんか可愛い感じがするけど...

 

もちろん僕達のことも話した。

主にゾディアーツだったり仮面ライダーだったり平行世界にことだったり。

それに応えて涼香もこの地球にやって来た目的を話してくれた。

 

どうやら火星の文明を滅ぼしたエボルトが火星の女王によって肉体を消滅させられ力が弱まった時に偶然発見したのが地球だったらしい。

そしてエボルトが地球に来たと同時に涼香の他に二人のブラッド族が地球に来た。

そして地球を滅ぼす為に表ではエボルトが動き、涼香達三人は裏で動いているのだとか。

 

彼方「いや~なんかめんどくさいねそれ~。」

 

涼香「...どういうことかしら?」

 

彼方「いやだって態々四人でやる必要が無いじゃん?だって成功しても褒美とかは四分の一だし、失敗した時は絶対切り捨てられるじゃん。そんなデメリットしかないのによく乗ったね~。」

 

フォリア「確かにそうですね。私もキルバスが余りにしつこいからあの時はタッグを組みましたが、普段はソロで行きますからね。」

 

涼香「...そう言えばそうね。はぁ...私って思ったより貧乏くじを引きやすいのかな~?」

 

彼方「まあ最悪裏切ったらいいんじゃないの?」

 

涼香「それが出来たらいいんだけどね~。一緒に来たヤツがアレだとね~...」

 

フォリア「誰と一緒なんです?」

 

涼香「...ジブルとヴラドよ。」

 

フォリア「それは...ご愁傷様...」

 

彼方「いやいや二人だけで納得しないで?誰なのその二人?」

 

フォリア「ジブルは詐欺師みたいな奴です。アイツは味方が騙されても別にいいと考える程自分本位の奴ですね。」

 

涼香「その上計画とかは大体相手を絶望させてから洗脳して利用したりするからね~。あのやり方はちょっと嫌いなのよ。」

 

彼方「うわ...なんか...いかにも三下がやりそうなことじゃん...」

 

フォリア「...ジブルのことは置いといて、ヴラドの方は正に冷酷の言葉に尽きますね。」

 

涼香「アイツは自分以外は全て駒程度にしか考えて無いからね。そのくせ星を破壊する時はコアを爆発させるっていう一番えげつないやり方するし。」

 

フォリア「ええ。楽に死なせてあげればいいのに。」

 

涼香「まだエボルトの方がマシよね。ブラックホールで吸収するだけなんだから。」

 

彼方「いや僕からしたらブラッド族皆エグイよ...?」

 

涼香「...ま、彼方達の言う通りこのまんまじゃ私にメリットなんてないわね~。でも裏切ったら裏切ってでメリットが無いように思うんだけど?」

 

彼方「う~ん...なら僕の中に入ればいいんじゃない?」

 

涼香「は?貴方正気なの?」

 

彼方「いやだって別に乗っ取られる程僕弱くないし...それに涼香なら使われることはあっても裏切られないだろうな~なんて思ってるからさ。」

 

そう言った僕の言葉に涼香は顔を真っ赤にして驚く。

あれ?もしかして案外初心なのかな?

 

涼香「何バカなこと言ってるのよ//んん!とにかく、私が貴方の中に入ってもいいけどそれで得るメリットって何よ?」

 

彼方「いや~もし残りのそのクズ野郎共が僕に掛かってきても何とかなるだろうし。それこそよっぽどの相手じゃない限り大丈夫だろうからさ。」

 

フォリア「確かに彼方の実力は私が保証しますよ。実際私の力を100%使いこなせているので。」

 

涼香「へぇ~...それは面白そうね。いいわ。その話乗ってあげる。その代わりちゃんと私を守りなさいよ?」

 

彼方「ハハッ、それはもちろんだよ。僕はクズ野郎以外は裏切らないから。」

 

涼香「つくづく面白い人間ね、貴方。それじゃあ取り敢えずここは貴方が好きに使っていいわよ。」

 

彼方「えっ!?こんな高級そうな部屋を!?」

 

涼香「ええ。ここに来るのも私かエボルトぐらいでしょうし。エボルトはまだマシな方だから別に気にしなくていいわよ。」

 

彼方「え~...僕ああいう奴って絶対ラスボスな感じするんだけど...」

 

フォリア「それは合ってますよ。多分エボルトはキルバスを除くとブラッド族の中で最強ですから。」

 

彼方「やっぱりか~...なら今の内に倒した方がいいのかな?」

 

涼香「それはダメよ。せめてエボルトを倒すのが大義名分になるぐらいじゃないと。それかヴラド達を先に倒してからじゃないと。ヴラドは洗脳能力もあるから、動かれると厄介なことになるわよ。」

 

彼方「なるほどね~。じゃ、しゃーないか...」

 

涼香「とにかく今すぐ裏切るのは早いから私もアイツらの計画を進めるわ。それでもし貴方に飛び火しそうになった時は...」

 

彼方「大丈夫。エボルトが本気で殺しにかかってこない限り大丈夫だよ...多分。」

 

フォリア「そうですね、エボルトだけは分からないですから...もしかしたら地球滅亡から支配にコロっと勝手に変えそうですしね...」

 

涼香「...ありえるわね。まあそこは様子見していくしかないわね。取り敢えずそういうことだから。」

 

彼方「おっけ~。それじゃ、まあよろしく。」

 

そう言って僕は手を差し出す。

それを見た涼香は笑顔で手を繋いできた。

 

涼香「こちらこそよろしく?彼方君♪」

 

そう言って涼香は耳元で囁いてくる。

あ、そういったら会った時に仕返してやろうと思ってたんだった...

 

僕はそのまま涼香を抱いて近くにあるソファに押し倒す。

そして顔をグンと近づける。

いきなりのことで涼香は驚いている。

心なしかちょっと顔を赤くしている。

 

僕はそれを見て顔を近づけていく。

涼香は慌てていて逃げようとするが、僕の拘束から逃れられず受け入れようと目を瞑る。

それを見た僕は顔をちょっとずらして耳に息を吹きかける。

 

涼香「ひゃっ!?//」

 

良いリアクションを取ってくれた涼香を見て僕は拘束を解いて立ち上がる。

 

彼方「電話の時の仕返し。次もやられたくなかったらちゃんと対応してね~?」

 

涼香「っ!//いきなり何するのよ!//ちょっと期待しちゃったじゃない...//

 

彼方「ん?どしたの?」

 

涼香「何でもないわ。それじゃ私は帰るから。また暇な時に来るわね~。」

 

涼香はなんでもない風を装って出て行こうとする。

なんか癪だから最後にやってやろう。

 

彼方「耳真っ赤にしてどこに帰るの~?」

 

それを聞いた涼香は肩をビクッとさせ慌てて階段を上っていった。

それを見て僕達は爆笑した。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

それからしばらくのんびりしていると階段の方から扉が開く音がした。

なんだ案外暇人なんだな~と思い見てみると階段から下りてきたのはスターク...いやエボルトだった。

 

エボルト「よぉ~、無事に協力関係を結べたみたいだな。」

 

彼方「アンタのおかげでね...エボルト...」

 

エボルト「...そこまで聞いたのか。ま、お前の中には同族が居たんだもんな。」

 

エボルトがそう言うと僕の中からフォリアが出てくる。

フォリアを見たエボルトは驚いた様子だった。

 

エボルト「まさかソイツの中に居たのがお前だったとはなぁ?フォリア。」

 

フォリア「貴方のその話し方は相変わらずですね。」

 

エボルト「これが俺だからなぁ?ま、そんなことを言いに来たんじゃねえんだ。取り敢えずこれを見ろ。」

 

そう言ってエボルトが渡してきたのは数種類の書類だった。

そこにはエニグマの件で出会った仮面ライダーの二人が書いてある。

 

エボルト「ソイツらが現時点でのこの世界の仮面ライダーだ。」

 

エボルトはそう言うと勝手にソファにふんぞり返る。

そして「案外いいなこれ。」とか言っている。

 

それを無視しながら書類を読んでいると気になることが。

 

彼方「もしかしてこの万丈龍我って...お前の血縁か何かか?」

 

エボルト「...ほぉ~?どうしてそう思った?」

 

彼方「...アイツに会った時に何かを感じた。今覚えば多分それは同族故の反応だったんだろう。そしてそれと同じのをお前にも感じた。ってことはお前とは何かしらの関係があると考えるだろ。」

 

エボルト「なるほど...頭の回転はもしかしたら戦兎以上かもしれないな...その答えは正解だ。万丈は俺の細胞から生まれたいわば片割れだ。」

 

彼方「...なるほど、ブラッド族の特性か。」

 

エボルト「Exactly!流石だな~。アイツはまだ成長途中だが、充分に成長しきった時、俺と融合することで完全復活するってわけだ。今の俺は本来の力の数パーセントも無いからなぁ。」

 

彼方「それは僕に倒せって言ってるのかな?」

 

エボルト「おいおい~、それは悪手だって言われなかったのか?今俺を倒したらヴラドの奴が本格的に動き出すぜ?そうなったらお前は戦いにくくなる。それは嫌だろ?」

 

フォリア「相変わらず悪知恵は働くのですね。」

 

エボルト「策略って言って欲しいなぁ。ま、そんなことより俺はある話を持ってきたんだ。」

 

彼方「ある話...?」

 

エボルト「俺に協力しろ。」

 

彼方「...どういう意味だ。」

 

エボルト「な~に、簡単なことだ。俺の計画で必要な時にお前の力を借りるってことだ。例えばだが、桐生戦兎や万丈龍我と戦うとかな。」

 

彼方「それで僕に何のメリットがあるんだ?」

 

エボルト「そうだな...最終的にはお前の世界に帰る手がかりが見つかるはずだ。」

 

彼方「っ!それはエニグマの様に平行世界間を移動できるということか!?」

 

エボルト「あくまで手がかりだ。俺が出来るとしても空間移動の話だ。時空までは俺ではどうにもできない。だが、お前なら可能性があるだろ?」

 

彼方「...それほど期待されても何だけどな。」

 

エボルト「ハッハッハッ!お前の場合は期待じゃなくて確信だ。お前ならやってしまうと確信してんだよ!ま、それも俺に協力したらの話だが。」

 

彼方「...分かった。お前に協力してやる。」

 

エボルト「ほぉ?お前はどうやら賢い人間のようだな?気に入った!これからよろしく、『相棒』?」

 

そう言いエボルトは右手を差し出してくる。

...なんか嫌だと思ってしまう。

 

彼方「その言い方は辞めろ。あくまで僕達の関係は『ビジネス』だろ。」

 

エボルト「つれないね~...まあいいだろ。早速だがこれをお前に渡しておく。」

 

そう言ってエボルトが渡してきたのは、最上が持っていた紫の銃と一本の黒と金のボトル。

ボトルの表面にはスタークの様なコブラの意匠が象られている。

 

エボルト「それはネビュラスチームガンとコブラロストフルボトルだ。今のお前はアイツらに姿がバレてるだろ?これを使えば俺みたいな感じになる。」

 

フォリア「何故貴方がロストフルボトルを持ってるのですか?これは黒いパンドラパネルが無いと手に入らないはずじゃ。」

 

エボルト「コブラは俺の象徴のようなもんだ。ストックはいくつも持ってる。その内の一つがこれだったわけだ。ま、今はあのパンドラパネルは無いがな。」

 

彼方「それはパンドラボックスとかと関係してるのか?」

 

エボルト「ああ。あれともう一つが無いとできないが、まだまだ先の話だ。」

 

彼方「ふーん...ま、お前がくれるって言うならありがたく使わせてもらうよ...一応聞いとくけど、リスクは無いよな?」

 

エボルト「それに関しては無い。本来、普通の人間ならネビュラガスを摂取しないと変身できないが、お前の場合はフォリアと融合したことによって人間とは異なる身体になっている。それによってなんの代償無しに変身できるわけだ。」

 

彼方「...一応聞いとくけどネビュラガスを摂取した人間はどうなる。」

 

エボルト「大抵の人間はスマッシュって怪物になるか、消滅するかだ。だがその中でも人間のままで居れる奴が居る。そいつらは『仮面ライダー』としての素質があるってモンだな。それかスマッシュに自由になれるかだ。言ったらお前が持ってるソイツと一緒みたいなもんだ。」

 

彼方「なるほどね...もしネビュラガスを大量に摂取したらどうなる。」

 

エボルト「ソイツは身体が持たなくなっちまうな。最悪負けたら、或いは負荷がかかり過ぎたら消滅だ。」

 

彼方「...そう聞くとほんとフォリアが居て良かったと思うよ。」

 

フォリア「私もそう思いますよ...」

 

いやマジでそうじゃなかったら消滅ルートまっしぐらじゃん...

流石に紗理奈ちゃん達を置いて死ぬなんて無理だよ。

 

エボルト「取り敢えずこれから行動する時はそれを使え。戦闘力の保証はしてやる。大体仮面ライダーに成れる基準がハザードレベル3.0だとしたら、ソイツは5.0の力を発揮する。」

 

彼方「それ結構チートじゃない?いや、でも序盤でだから中盤、終盤じゃ役立たずってオチになるか...」

 

エボルト「その時はまた新しいのをくれてやる。どうせお前が全力を出せばそれは耐えきれないからな。」

 

彼方「えらい羽振りが良いな。」

 

エボルト「言っただろ?お前は『相棒』になったんだからな。これぐらいしてやるよ。じゃあな。何かあったらここに来るか連絡してやるよ。Ciao!」

 

エボルトはそう言って煙を出して消えた。

それにしてもなんか...二重スパイの様な感じだな...

 

ま、取り敢えずは僕達の安全は確保できた...

なら後は然るべきタイミングを計ってエボルト達を倒して元の世界に戻らないとだな...

 

久しぶりにやるな~、こういうこと。

ゾディアーツとの戦いの日々を思い出すな~...

 

はぁ...皆に会いたいな...

 

 

 

 

to be continued...

 




完全なオリジナル回。

いや~、フォーゼだとタイトル決めは割とやりやすかったんですけど、ビルドは決めづらいですね!
タイトルだけで一日練ったよ笑

ということで新章始まりました~。
感想とかでエグゼイド組との絡みがどうやってああなったのみたいなことも聞きました。
あの~...ビルド編が終わってからか途中でちょっとした過去編みたいなの入れるのでそこで勘弁してくだしい笑


しょっぱなからオリジナル怪人登場の予感が出ましたね~。
いや~、自分の表現力よ頑張れ!笑

次回辺りに登場するかもですね~。
是非楽しみにしてくださ~い。



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ライダーウォーズ開戦

ー彼方sideー

 

エボルトから貰った銃の性能を確かめているとスマホに一通のメールが届く。

 

『テレビを見てみろ』

 

メールにはそれだけ書かれていて、それを見た僕はテレビを点ける。

そこには衝撃の内容が放送されていた。

 

北都が東都に武力行使をすると発表した。

それによって今、東都の街には北都からの軍勢が破壊活動を行っている。

中にはスマッシュも利用されていて、街は混沌と化していた。

 

更に東都政府はこれに対して仮面ライダーを軍事兵器として起用することを発表。

これはもし戦争が終わった際に何かしら悪影響を及ぼすんじゃないかと思っている。

 

そんなことを考えてると着信音が鳴る。

非通知設定だが多分アイツだろう。

 

彼方「もしもし。これも全てアンタの計画通りか?」

 

エボルト『流石だな。答えはYESだ。今回の戦争で戦兎と万丈のハザードレベルを上げる。その為に実験相手を用意したからなぁ。』

 

彼方「もしかして第三の仮面ライダーか?」

 

エボルト『そこまで考えるとはな...その通りだ。ソイツにはビルドドライバーではなく葛城が開発を躊躇したスクラッシュドライバーを使わせている。』

 

彼方「確かハザードレベルが4.0以上じゃないと変身できないんだったよな。だとしたら確かに丁度いい実験相手だな。」

 

エボルト『更にソイツを慕ってる奴らに人体実験を施し、意思があるスマッシュ、ハードスマッシュにさせてやった。今のビルドとクローズだと苦戦するぐらいの強さだ。』

 

彼方「使えるものは使える時に使いまくるって感じか?だとしたら今回の戦争はいい刺激になるな。」

 

エボルト『そういうことだ。そこでお前にはちょっとばかり動いて欲しい。』

 

彼方「初仕事ってやつか~。何をすればいい?」

 

エボルト『影から見てるだけでいい。だがもし介入する時には俺が渡してやった奴を使え。丁度いい実戦テストになるだろ。』

 

彼方「はいはい。取り敢えず僕は東都の方で動くから、アンタは北都の方で動いてるのか?」

 

エボルト『ああ。北都の首相を動かすのは案外簡単だったからなぁ。そろそろ次の行動に移すところだ。』

 

彼方「お前の行動の早さと計画の練度には脱帽だわ。」

 

エボルト『おっ!お前が褒めてくれるとは珍しいじゃないか!これは明日はネビュラガスが降るのか?』

 

彼方「縁起の悪いことを言うな。お前ならやり兼ねんから怖いわ。」

 

エボルト『ハッハッハッ!まあそう怒るなよ。そんじゃあ頼んだぞ。Ciao!』

 

そう言って通話が切れる。

はぁ~...どうやって探ろうかな...

取り敢えず外に出るか...

 

僕はワープで人気のない場所に出る。

そして変身してダスタードを十体ぐらい生み出す。

 

オピュクス「コイツらを探せ。もし戦闘中だったらオレを呼べ。いいな?」

 

オレが写真を見せてそう言うとダスタードを頷き、影に潜った。

それを見たオレは変身を解除して取り敢えず街中を歩くことにした。

 

...

 

..

 

 

 

街中を歩いていると戦争が起こっていると実感させられる。

至る所が破壊され、逃げ惑う人々。

 

そんな光景を見ている時、一体のダスタードから反応があった。

僕は直ぐに近くの建物の屋根にワープすると、ビルドくんと筋肉バカくんがアホっぽそうな三人組に絡まれていた。

 

すると三人組の一人が前に出てボトルを取り出し、それを身体に挿す。

ソイツは赤色のスマッシュとなった。

これがエボルトが言っていたハードスマッシュか。

 

筋肉バカくんはクローズに変身して交戦する。

それを見た残りの二人組もスマッシュに変身する。

 

それにしてもあの三人組は舐めてるな...

遊び感覚で侵略なんて中々ふざけたことしてるね~...

 

ビルドも参戦するが、ハードスマッシュの強さに困惑する二人。

するとクローズは赤いスマッシュの攻撃に倒れ、変身が解除してしまう。

 

それを見たビルドが筋肉バカくんの下に行こうとするがその行く手を阻止する赤いスマッシュ。

すると三人組が力を溜めて一斉攻撃しようとする。

 

仕方ないね~...ちょっとアイツらの強さを体験しておくか...

 

僕はネビュラスチームガンを取り出し、コブラロストフルボトルを数回振ってキャップを合わせる。

そしてネビュラスチームガンに装填する。

 

ロストマッチ!

 

すると重めの機械の様な待機音が流れる。

 

彼方「...『凝血』。」

 

僕はそう言いトリガーを引く。

すると銃口から赤黒い煙が出てくる。

その煙は僕を纏い結晶になる。

 

その結晶が弾けると、スタークに似たアーマーを纏った姿になる。

だが色が金と白といった色に変わっている。

そしてマスクも頭の煙突型のユニットが三本に変わっている。

更にバイザーと胸のコブラが水色から金色に変わっていた。

 

確かエボルトが言うにはこの姿のことを...

なんて言うか...ハズイな...

 

まあいいやと思った僕はスチームブレードを取り出し、ビルドの前に飛び降り三人の攻撃を薙ぎ払う。

簡単にやられたスマッシュ達は何がなんだかわかっていない様子だ。

 

キャッスル「なんだテメエ!?」

 

オウル「なんか見たことないの現れたんですけど~!?」

 

スタッグ「何かアイツに似てるな。」

 

ビルド「誰だお前は...」

 

スマッシュ達のことを無視して僕はビルドの方を向く。

するとビルドは警戒して戦闘態勢に入る。

 

ドクトル「僕は『ブラッドドクトル』。気軽にドクトルと呼んでくれ。」

 

多分僕が医者だからこう名付けたんだろうけど...

まんますぎない?アイツネーミングセンスないんじゃないの?

 

ビルド「ドクトル...医者か...」

 

キャッスル「あ?医者?だったら俺達を治してくれよ!」

 

オウル「そうだよ!医者なら患者を助けなきゃ!」

 

スタッグ「やってることは医者とは真反対だけどな!」

 

ドクトル「はぁ...うるさい患者には少し眠ってもらおうか?」

 

僕はそう言うとスチームブレードのバルブを回す。

 

デビルスチーム!

 

そして僕はトリガーを押し薙ぎ払う。

するとブレードからネビュラガスが斬撃となって現れ、三人に当たる。

すると三人は苦しみだす。

 

ビルド「おい!何をした!」

 

ドクトル「あまりにうるさいから眠ってもらうんだよ。言ったら麻酔薬さ。ただし、副作用はあるけどね。」

 

ビルド「まさか...ネビュラガスを!」

 

ドクトル「ほぉ?流石は天っ才物理学者だね~。ま、君には関係ないことだろ?なんせ、アイツらは北都からやってきた君の敵だ。敵に塩を送る真似はしない方が賢明だよ。じゃあね~。」

 

僕はそう言いネビュラスチームガンから煙を出して消える。

あの仮面ライダーはただ甘いだけだな。

弦ちゃんだとしっかり自分で守り通すけど...

アイツは覚悟が中途半端だ。

いつか破綻するな、ありゃ。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ビルド達に挨拶した後、僕は街中を歩いていた。

 

それにしてもあのスマッシュ達にネビュラガス投与して良かったのかな...?

それでビルド達が倒せなくなったなんてなったらダメな気がするけど...

ま、それもアイツらを成長させる為だからいっか。

 

そう思いながら歩いていると一人の少女が目に入る。

その目の先には今回の戦争による被害を受けた子供達。

 

よく見たらエボルトから貰った資料にあった少女じゃないか?

確か名前は...石動美空だっけ?

 

僕は彼女と接触することにする。

彼女もまたビルド達には必要不可欠な存在だからだ。

 

彼方「やあお嬢さん。どしたの、そんな思いつめた表情して?」

 

美空「っ!?誰、ですか...?」

 

彼方「う~ん...ただの医者かな?」

 

美空「...ならあの人達を助けなくていいんですか。」

 

彼方「彼らには救急隊員が着いてる。でも君には誰も着いていないように見えるけど?君もどこか痛いんじゃないの?例えば...心とか。」

 

美空「っ...ちょっと着いてきてくれませんか?」

 

彼方「...ここじゃ話しにくいよね~。いいよ。君が話したいと思った時に話すといいよ。」

 

こうして僕は石動美空と接触した。

いや~、まさか小児科研修でのテクニックがここで活かされるとは...

 

そうして僕達は街が見渡せる丘の上の公園にやって来た。

そしてベンチに座った僕達は話していく。

 

美空「...正義の為だと信じてこの力を使ってたつもりが、軍事兵器に加担してたなんて思わなかったんです...あたしがボトルを浄化した所為で、パンドラボックスを巡る戦争が起きた。見ましたよね?ここに来るまでにも傷ついた人がたくさん居て...皆あたしの所為...あたしの所為で傷ついたんです...あたしの所為で泣いてるの...しんどいよ...苦しいよ...こんなの受け止められるわけない!」

 

彼方「...君の所為じゃないでしょ。」

 

美空「あたしの所為なの!なんでこんな力があるのよ...なんで外れないの...なんで!」

 

そう言って彼女は自身の左手に着いているバングルを外そうとベンチに叩きつける。

だが一向に外れる気配がしない。

ただ彼女自身を傷つけてるだけ。

 

僕は彼女を無理やりにでも止める。

そして落ち着かせるように言い聞かせる。

 

彼方「少なくとも君自身は信じてたんでしょ?自分の力は正義の為に使ってるんだって。いつだってそうだ。その力を悪用する奴の所為で皆苦しむ。信じてきたものを裏切られた気持ちになる。でも間違ってないんだよ。君のその気持ちは間違ってないんだよ...」

 

美空「でも...あたしが皆を傷つけて...」

 

彼方「だからそれは君の力を悪用した奴らだ。君は被害者だろ?誰にも君を責める権利は無い。むしろ守られるべき側なんだよ。だから自分を傷つけるようなことは辞めろ。それをしたって誰も喜ばないし、悲しむ人が増えるだけだ...」

 

美空「うぅ...あたし...あたし...」

 

僕は彼女を抱き寄せる。

そして背中をゆっくり叩いていく。

 

彼方「泣きたいなら泣けばいいんだよ。人間溜め込んでばかりじゃいつかは崩壊する。君はまだこんなところで終わるべきじゃないだろ?少なくとも自分の責任だと思うことがあるんなら、その責任を果たすべきなんじゃないの?」

 

美空「っ...あたしの、責任...」

 

彼方「誰もそんなものは無いと言うかもしれないけど、もし自分でちょっとでも思うんなら...果たそうとその力を使うべきじゃないの?」

 

美空「...うん...うん...!」

 

彼方「じゃあ今はちょっとだけ休も。前を進む為にちょっとだけ...」

 

美空「うん...ぅ、うわああああああ!」

 

そして彼女は僕の胸の中で泣いた。

それは今まで溜め込んできたモノを全て吐き出すように思えた。

でもこれで少しは前に進めるかもしれない。

 

そう思いながらも一つだけ考えていたことがある...

 

エボルトになんて言い訳しよう...

 

そう思ってると無粋極まりない拍手が聞こえる。

 

「いや~、泣けるねぇ?」

 

そう言った黄色のニット帽を被った三バカの一人はボトルを取り出し振る。

それに合わせて残りの奴もボトルを取り出し振る。

そして三人が一斉にスマッシュに変身した。

 

はぁ...ホントなんでこういうチョイ役って邪魔ばっかりするんだろうね~?

なんかエボルトみたいな思考になって来たかもって思うけどほんと苛立ってくる。

 

今すぐにでも消したいな...

 

僕は彼女...美空ちゃんを後ろに立たせる。

そしてネビュラスチームガンとボトルを取り出す。

 

彼方「ほんとお前達みたいな脇役はさっさと退場すればいいのに...少なくともお前らは早期退場する役なんだからさ?」

 

そう言って僕はボトルを装填する。

 

キャッスル「その銃とボトル!まさか、お前!?」

 

オウル「何かムカつくこと言ってくれるね!」

 

スタッグ「お前の方が脇役だろうが!」

 

そう言って三人は僕に向かって攻撃してくる。

その寸前で僕はトリガーを引く。

 

彼方「はぁ...『凝血』。」

 

すると銃口から煙が出てきて三人を覆う。

その煙は三人にダメージを与え吹っ飛ばすと僕に纏わりつき、結晶となる。

そして結晶が弾け、変身した僕が現れた。

 

美空「っ!?そんな...貴方も...」

 

ドクトル「少なくともスターク達とは一緒にしないでよ?これでも僕はアイツらみたいな自分至上主義じゃないから。君の様な人を守る側だからさ。」

 

キャッスル「ごちゃごちゃうるせえな!さっきの借りを返してやる!」

 

オウル「あれから身体だるいんだけど!」

 

スタッグ「そのボトルも寄越しやがれ!」

 

ドクトル「誰がお前らなんかに渡すんだよ...そんな勿体ないことするわけないでしょうが...それよりお前らのボトルを寄越せよ。」

 

キャッスル「やれるもんならやってみろ!」

 

そう言って三人は僕に向かってくる。

取り敢えず美空ちゃんだけでも避難させないと。

 

そう思った僕は美空ちゃんを巻き込まないように三人を僕と共に森の中にワープさせる。

突然場所が変わったことで三人共驚いているが、そんなことに気を遣うほど僕は優しくない。

 

僕はボトルを一旦外し、再装填してトリガー押す。

 

ファンキーアタック!ロストマッチ!

 

音声と共にコブラの形をしたエネルギーが何体も現れ、スマッシュ達を襲う。

キャッスルスマッシュは自身の肩に装着された防壁で防ごうとするが、意味をなさず。

三人共変身解除をされてしまう。

 

赤羽「クソっ!こんな強いヤツが居るなんて聞いてねえぞ!」

 

黄羽「流石に反則でしょ...」

 

青羽「お前なんかズルしてんじゃねえのか?」

 

ドクトル「お前ら相手にズルするわけないでしょうが。さてと...ボトルを回収しようかな~...」

 

僕はそう言い三人に近づく。

三人は後退り、僕から逃げようとする。

 

すると突然背中に衝撃が渡った。

僕は反応できずに態勢を崩してしまうが、すぐに僕に攻撃してきた奴の足を掴み、三人の前に投げ飛ばす。

ソイツは北都のシンボルが入ったモッズコートを着ている。

 

三羽ガラス「「「カシラ!?大丈夫ですか!?」」」

 

カシラ?「痛ああああああああ!?クソ...やったと思ったのによ...」

 

ドクトル「誰だお前は。」

 

背中に来た衝撃の強さからしてただ者じゃないことは分かっている。

もしかしたらコイツが北都の...

 

一海「あ?俺は猿渡一海。またの名を、仮面ライダーグリスだ。」

 

そう言って猿渡...う~んカズミンはスクラッシュドライバーを取り出す。

これは面白くなりそうだな...

僕はダスタードにパスを繋いで指示を出す。

 

するとカズミンはドライバーを装着してロボットスクラッシュゼリーを取り出す。

 

一海「心の火、心火だ。心火を燃やしてぶっ潰す!」

 

そう言ってカズミンはキャップを揃え、ドライバーに装填する。

 

ロボットゼリー!

 

すると工場の様な機械的な待機音が流れる。

それに合わせてカズミンは左手をこっちに突き刺す。

 

一海「変身!

 

そう言ってカズミンは右手でレバーを倒す。

 

潰れる!流れる!溢れ出る!

 

するとゼリーが押し潰され、成分がドライバーに充填される。

そしてカズミンの周りにビーカーの様な枠が形成される。

 

そしてその中がゼリーが満たされていく。

すると枠が一気に収縮し、カズミンがスーツに覆われる。

そしてマスクのヘッドから金色のゼリーが溢れ、胸部、肩部、頭部を覆って行く。

そのゼリーが固まり、アーマーとなった。

 

ロボットイングリス!ブラァ!

 

グリス「仮面ライダーグリス、見参!」

 

そう言ってグリスは腕に専用武器、ツインブレイカーを装備する。

そしてこっちに向かってくるかというところで僕が待っていた奴らが現れる。

 

戦兎「なっ!?この前の奴に...っ!それはスクラッシュドライバーか!?」

 

龍我「なんか怪しい野郎追いかけてたら新しい仮面ライダーに会うなんてな。」

 

グリス「誰だ、お前ら?」

 

ドクトル「さっさと変身しなよ。あ、もちろん本気でかかってきなよ?」

 

僕がそう言うとビルドくん達はドライバーを装着し、変身する。

 

シュワッと弾ける!ラビットタンクスパークリング!イェイイェーイ!

 

Wake up burning! Get CROSS-Z DRAGON! Yeah!

 

グリス「ほぉ?お前らがビルドにクローズか。面白そうじゃねえか!」

 

そう言ってグリスがかかって来た。

僕はそれをビルド達の方に往なす。

 

だがグリスはそれに動揺せず、すぐに攻撃に入る。

ビルド達はそれに動揺して一歩遅れてしまい攻撃を受けてしまった。

あらら~、ああいうところはまだまだなんだね~。

 

そう思いながらグリスとビルド達の戦いを眺めていると美空ちゃんがこっちにやって来る。

え、ちょ、なんでこっちに来ちゃうの!?

戦いに巻き込まれるよ!?

 

ドクトル「ちょ、なんでこっち来てんの!?戦いに巻き込まれたいの!?」

 

美空「それより戦兎達を助けてください!お願いですから!」

 

ドクトル「...それは出来ない。」

 

美空「なんでっ!」

 

ドクトル「これは彼らを強くする為だよ。言い方は悪いけどグリス達はただの刺激剤だ。その内ビルド達は勝つ。現にクローズの方はスクラッシュドライバーを使えば可能性はあるからね~。」

 

美空「うそ...それじゃあ結局この戦争って...」

 

ドクトル「...君を利用していた連中の思惑はこれだったってことだ。僕もその内の一人だったって訳だ。」

 

僕はそう言って変身を解除する。

そして両手を広げて美空ちゃんの前に立つ。

 

彼方「さ、殴りたいなら殴るがいい。君にはその権利がある。君の力を自分達の為に使った僕を殴る権利が。」

 

美空「そんな...あたしを騙してたなんて...」

 

彼方「ちなみに嘘は言ってないからね。美空ちゃんに言ったことは全て本当のことだ。」

 

美空「そんな...あたし...あたし...殴るなんてできないよ...」

 

そう言って美空ちゃんは膝を着いた。

ちょっと酷いことしちゃったな...

 

美空「あたしのことを救ってくれた人を殴るなんてできないよ...」

 

彼方「...ごめんね。今はこれしか言えないよ...」

 

僕はそう零して再度変身する。

ネビュラスチームガンとスチームブレードを合体させてライフルモードに切り替える。

そしてボトルを再装填してグリスに狙いを定める。

 

ファンキーアタック!ロストマッチ!

 

そしてトリガーを引く。

すると大きなコブラのエネルギー体が現れ、グリスに喰らいつく。

そして頭を大きく揺らして地面に叩きつけてグリスを変身解除させる。

 

一海「つっ!?クソ...」

 

三羽ガラス「「「カシラ!?」」」

 

ビルド「なっ!?何故俺達を助けた...?」

 

ドリトル「...せめてもの罪滅ぼしなだけだ。お前達にはまだまだ成長してもらわなきゃ困る。特に...クローズ。」

 

クローズ「あ?」

 

ドリトル「君の成長はスタークの狙いでもある。その為にもコイツらを使ってお前達を早く成長させないとねぇ?」

 

クローズ「なっ!?マスターが俺を...」

 

ビルド「スターク...」

 

ドリトル「...じゃあね~。」

 

僕はそう言ってビルド達に背を向ける。

そして美空ちゃんの傍に行って一言だけ伝える。

 

ドリトル「ほんとにごめん...

 

美空「っ!待って!」

 

美空ちゃんは制止の声をかけてくるが、僕はそれを無視して煙を出す。

そして拠点へと戻って来た。

 

戻って変身を解除すると誰かの気配がする。

よく見てみると二人の影が見える。

 

エボルト「よぉ~、随分と面白いことしたじゃねえか?」

 

涼香「...」

 

何故か二人ともそれぞれ別の威圧を僕に向けてくる。

やっぱエボルトへの言い訳考えといた方が良かったかも...

 

 

 

 

to be continued...

 




時系列的にはこの辺りなんですよね~。

それにしても彼方君はエボルトに協力的ですが、理由は簡単です。元の世界に戻る手がかりを知ってるから。
それだけでエボルトに協力してるので、白パネルの存在を知ったらあっさり裏切っちゃいますよ。
それこそ劇場版編が終わったら裏切る準備を進めていくぐらいには。


話は変わって彼方君が遂に変身しましたね~。
ま、まだライダーではないですが。

見た目は本編に書いてある通り、マッドローグがナイトローグの派生の様に、ドリトルはスタークの派生という感じにしてます。
なので感じとしては少しスタークよりもゴテゴテしてると思ってくれるといいです。

そして変身アイテムはどうしてもこれしか思いつかなかった...
まあロストマッチって結局なんぞや?と思ったので彼方君の変身アイテムにしました。
ここら辺はいつものご都合主義ですね~、はい~。


そして早くもヒロインとの接触。
このビルド編も一応ハーレム路線で行くつもりですが、如何せんビルドの人物でヒロイン候補が少ない少ない。

何とか捻り出して、才賀さんだったんですよ...
ホント一応アンケでも取ろうかと思ってますが、美空ちゃんと紗羽さんの二人を彼方君のヒロインにすべきかそうじゃないか...あるいは片方だけか。

そこら辺のアンケを次の話辺りで出そうかなと思ってます。
もしかしたら途中で出すかも。

その時は投票お願いします。


てな感じで次回も見てね。


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黄金のソルジャー

ーNO sideー

 

一人勝ちして帰って行ったドクトル。

その後ろ姿を眺めるだけだったビルド達は咄嗟にグリスが落とした北都のボトルを見つけ、回収する。

 

それに気づいた三羽ガラスが止めに入ろうとするもドクトルにやられたダメージがまだ残っているのか倒れてしまう。

それを見た一海は三人の前に立ち守ろうとする。

 

一海「まだボトルを取る気か、テメエら...!」

 

だがその問にビルドは変身を解除して答える。

それに準じてクローズも変身を解除する。

 

戦兎「俺はお前達とこれ以上戦うつもりはない。」

 

一海「んだと...?」

 

龍我「いいのか?今ここでアイツらを倒した方が戦争が終わるんじゃねえのか。」

 

戦兎「...多分それでも終わらないだろう。それこそ今度は西都が攻め込んでくるはずだ。どっちにしろ同じだ。」

 

龍我「ふーん...」

 

戦兎の考えはあくまで慎重派。

スタークが何を考えているのか分からない上に戦争が起こっている今、むやみやたらに敵を倒すのは良くないと判断する。

 

それを感じ取ったのか、一海は三羽ガラスを立たせて帰って行く。

それを戦兎達は見送っていた。

 

美空「...」

 

美空はどこか違うことを考えているようだが...

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ー彼方sideー

 

拠点に帰ったらブラッド族が威圧かけて来た件について...

 

いやマジでなんなの?

ちょっと二人とも怖すぎじゃないですか?

 

エボルト「取り敢えず座れよ。話はそれからだ。」

 

彼方「...分かった。」

 

僕はエボルトに言われた通り二人の対面に座る。

するとソファに踏ん反り返っていたエボルトが姿勢を前に倒す。

 

エボルト「さて...色々言いたいことはあるが、面白いことをしたじゃないか?どうだった?」

 

彼方「...どれについて言ってるのか分からないんだけど?」

 

エボルト「まずはハードスマッシュについてだ。何故ネビュラガスを投与した?」

 

彼方「アイツらを行動不能にするのに手っ取り早いのがネビュラガスを投与することだっただけだ。アイツらはビルドの刺激剤なんだろ?ならその刺激が多少強くなっただけだ。どうせアイツらのハザードレベルは対して変わんないよ。」

 

エボルト「...ま、そこはいいだろ。アイツらにはもっと良いのを用意してある。」

 

彼方「もっと良いの?」

 

エボルト「それはまた後で、だ。それで...なんで美空と接触した?」

 

涼香「そうね?私もそれは聞きたいわね?」

 

何故か二人からもの凄い圧で聞かれるんだけど...

もしかして...

 

彼方「二人とも美空ちゃんのことが好きなの?」

 

エボルト、涼香「「...は?」」

 

僕の言葉に二人ともポカンとする。

いやエボルト、お前スタークの面で首傾げるのやめろ!なんかキモい!

ほんで涼香はなんか知らないけど可愛い!

...じゃなくて!

 

彼方「え、違うの?二人ともすんごい圧かけてきてるけど...」

 

エボルト「違うな。何故ベルナージュを目覚めさせるようなことをしたんだと聞きたかったんだよ...」

 

涼香「べ、別に貴方と仲良さそうにしてたのを見て嫉妬したわけじゃないから...//別に...抱きしめられて羨ましいな~と思ったわけじゃないんだから...//

 

段々尻すぼみになっていく涼香。

ちょっと赤面してるのもあってか、僕とエボルトは涼香のことを何故か娘を見る目で見てしまう。

それに気づいた涼香はうがーっと唸った。

 

エボルト「ま、自滅してるコイツは置いといてだ。お前のアレが切っ掛けでベルナージュに目覚められると厄介だ。それこそまた封印されるかもしれないしなぁ。」

 

彼方「確か火星の王妃だっけ?流石にまだ大丈夫だろ。恐らくだけど美空ちゃんの身の危険に合わせて覚醒するような気がするんだけどね...それか、パンドラボックスの力を感じた時か...」

 

エボルト「なるほどな...だとしたらアレを使うのは辞めておいた方がいいか...」

 

彼方「アレって何だ?」

 

エボルト「...葛城巧が完成させたアイテム、『ハザードトリガー』だ。」

 

そう言ってエボルトは懐から何かを取り出す。

赤いベースカラーで確かにトリガーの形をしている。

真ん中にはメーターが着いていて、ボタンにセーフティーカバーが被さっている。

何かに接続する為なのか、トリガーの先端には端子が付けられている。

 

彼方「それが何だっていうの?もしかしてスマッシュを強化させるのか?」

 

エボルト「その通りだ。これを使えばハードスマッシュは更に強いハザードスマッシュへと強化できる。だが、もし倒されると肉体は消滅してしまうがな?」

 

彼方「...禁断のアイテムってとこか。」

 

エボルト「そういうことだ。これはビルドにも使えるみたいだからなぁ。戦兎がこれを使えば大幅なパワーアップとなる。だがその分代償もある。」

 

彼方「もしかして暴走するとかか?」

 

エボルト「勘が良いのか何なのか...そうだ。ある一定時間を超えると脳に信号が送られ、目に入る物全てを破壊するようになる。いわば、自我が無くなるってことだ。」

 

彼方「ハイリスクハイリターンだな。」

 

エボルト「ああ。これを使って戦兎をパワーアップさせるつもりだったが...ベルナージュのことを考えるとどうするか考えるべきだな...」

 

彼方「別に渡してもいいんじゃない?その時に美空ちゃんを離してたらいいだけなんだし。」

 

エボルト「...お前がやるのか?」

 

彼方「まあ僕達の中だと僕ぐらいしか居ないだろうからね。もしそんなことが起こった場合は僕がやるよ。」

 

エボルト「...まあいいだろう。それじゃあ俺はそれだけだ。あぁ、近いうちにアイツらに接触する。その時に少し餌を撒いておく。」

 

彼方「トリガーを使わせる為にか...」

 

エボルト「そういうことだ。じゃ、俺はこれからやらないといけないことがあるんでね。Ciao!」

 

エボルトはそう言って煙を出して帰って行った。

いや屋内で使うなよ...

 

そして残った涼香はというとずっとこっちを見ていた。

なんか怖いよ?

 

彼方「ちょっ、そんな見つめられても怖いよ?」

 

涼香「...はぁ。そうね...流石にずっとこのままってのも疲れるからいいわ。それよりも話があるのよ。」

 

彼方「話って?」

 

涼香「前にアイツらを裏切るにあたって貴方に憑依したらって言ったじゃない?それを試しておこうと思ってね。」

 

彼方「あ~、そう言えばそんな話したっけ。いいよ。試せる内に試しておかないと、いざ本番ってなった時に失敗なんてことがあったら嫌だからね。」

 

涼香「そうね。じゃあ早速やるわよ。」

 

涼香はそう言うと目を赤く光らせ、身体をアメーバ状に変える。

そして僕の中に入って行った。

 

すると身体の中から力が湧いてくる感じがしてきた。

僕は力を出してみようとする。

すると両腕にハサミ型のブレードが現れる。

どうやら持つことが出来るようで、持ってみると何となく使い方が分かった。

 

涼香『フフフ、どうやら馴染んだようね。』

 

彼方「みたいだね。やっぱフォリアも居るからその分馴染むのが早いのかな?」

 

フォリア『私は場所が狭く感じて嫌ですけどね。』

 

涼香『何よ。いいじゃない別に。』

 

フォリア『なんか彼方が汚されてるみたいで嫌です。』

 

涼香『何バカなこと言ってるのよ!私のどこが汚れてるって言うのよ!』

 

フォリア『...全部?』

 

涼香『フォリア!?アンタ舐めてるわよね!?ブラッド族の中でも強い方だからってちょっと度が過ぎるんじゃないの!?』

 

彼方「二人とも喧嘩は辞めなよ...」

 

フォリア『別に舐めてませんよ?事実を言ってるだけですから。』

 

涼香『そういう態度が気に食わないのよ!彼方の女だからって良い気になって!』

 

フォリア『事実ですけど何か?貴方は別に彼方の『()()()()()()()()()』なんですから別にどうだっていいでしょう?』

 

涼香『...あったま来たわ...前からその態度が気に食わなかったのよ...ここから出ていけ!』

 

フォリア『なっ!そっちこそ出て行きなさい!ぽっと出の貴方がそう簡単に入っていい場所じゃないんですよ!』

 

涼香『うるさいわね!そっちこそたまには外の空気でも吸ったらいいんじゃないの!』

 

そう言って身体からアメーバが出たり入ったり...

なんかいい加減辞めてほしい。

さっきから身体がだるくなってきてるし...

 

彼方「二人とも辞めろ...

 

フォリア、涼香『『ひっ!?』』

 

すると二人が僕の中から出てきて頭を下げる。

 

フォリア、涼香「「ごめんなさい...」」

 

彼方「...はぁ。別にそこまで怒ってないよ。でも調子が急に悪くなってきたから辞めて欲しかったんだよ。」

 

涼香「調子が急に?もしかして力がまだ完全に馴染んでないのかしら?」

 

彼方「多分そうだと思う。でも多分直ぐに治ると思うよ。僕はどうやらブラッド族とは相性いいみたいだから。」

 

涼香「なっ!相性がいいって、そんな...//急に言われても...//」

 

フォリア「...何照れてるんですか。」

 

彼方「...なんかトリップしてない?」

 

彼方、フォリア「「...はぁ。」」

 

結局トリップから戻って来たのは数分後だった。

気付いた涼香は恥ずかしくなったのか直ぐに帰って行った。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ー翌日ー

 

今日はどうしようかと思いながらテレビを見るといきなり番組が変わった。

そこには昨日出会ったカズミンが映っていた。

どういうことだ?

 

一海『レディースアーンドジェントルマン。北都の仮面ライダー、グリスだ。』

 

そう言ってカズミンはスタジオのセットにもたれ掛かっている。

わずかにだが、スタッフの悲鳴のようなものが聞こえる。

もしかしてテレビ局を占拠したのか...?

 

一海『いよいよ戦争が始まったな。だが、スカイウォールが邪魔して戦車や戦艦はおろか、戦闘機すら飛ばせない。だから...俺達が最高の兵器ってことになる。』

 

そう言ってカズミンはドライバーを掲げる。

そしてそのまま装着して変身した。

 

グリス『俺達の目的は、あくまで東都政府が保管しているパンドラボックスと仮面ライダービルドが持っているボトルだ。そいつを回収できれば直ぐに引き上げる。だが、拒否した場合は力づくで奪い取る。』

 

完全に宣戦布告ってわけだ...

態々テレビ局を占拠してねえ...

 

グリス『今日から、原則として民間人は襲わない。大人しく家に居れば危害を加えることはないってことだ。けど、戦場に足を踏み入れたら命の保証はねえからな?』

 

そう言って放送が切れた。

命の保証は無い、ねぇ~...

半端な奴が何気取ってんだか...

 

彼方「...フォリア、行くぞ。」

 

フォリア「いいのですか?エボルトが黙ってませんよ?」

 

彼方「多分今回のはアイツらの独断だ。なら北都側として懲らしめるのは間違ってないはずでしょ?」

 

フォリア「...そういうことは直ぐ思いつくんですよね...全く...」

 

彼方「理屈は通ってるでしょ?」

 

僕がそう言うと同時にスマホの着信音が鳴る。

誰だと思い見てみると非通知だった。

ってことはアイツか...

 

彼方「もしもし?どうした?」

 

エボルト『さっきの放送を見ただろ?』

 

彼方「アレはアイツらの独断だろ?多分。」

 

エボルト『ああ。それでお前が動くだろうと思ってな。北都側としての大義名分で懲らしめても良いぞ。』

 

彼方「そりゃよかった。丁度考えてた理由を使えるからね~。」

 

エボルト『ハッハッハッ!流石だな。そういうのは直ぐ思いつくなんて、案外こっち側じゃねえのか?』

 

彼方「残念。どっちかっていうと仮面ライダー側だけどね。」

 

エボルト『なのにこっちに着いてるなんてなぁ?』

 

彼方「今の仮面ライダーは分裂してるでしょ?そんないがみ合った正義に加担するなんて馬鹿のやることだよ。」

 

エボルト『なるほどね~...ま、こっちの首相さんには俺から話しておくよ。』

 

彼方「サンキュー。」

 

僕はそう言って通話を切った。

そしてフォリアと共にワープした。

 

...

 

..

 

 

 

ワープすると、グリスがクローズ?に向かって必殺技を放っていた。

それにしてもあのクローズ?が着けているベルトってスクラッシュドライバーだよな...?

もしかしてビルドくんが作り上げたのかな?

エボルトはビルドくんからデータを盗ったって言ってたし。

 

グリスの攻撃を受けたクローズは変身解除に追い込まれる。

あ、やっぱり筋肉バカくんが変身してたんだ。

 

するとグリスは筋肉バカくんに向かってライダーキックを放つ。

だがそこにビルドが入り込み、腕に装着されているスマホ型の盾で受け止める。

だがスパークリングじゃない限り、あのキックは受け止められない。

ビルドは防ぎきれず、キックを受けて変身解除してしまう。

 

龍我「なんで...」

 

戦兎「死んでも誰も文句を言わねえだと?なら俺が言ってやるよ...!ふざけんな!俺は誰も死なせない!敵も、味方も、それが...俺の戦い方だ!」

 

そう言って立ち上がろうとするが、グリスが背中を蹴り地面に踏みつける。

 

グリス「何寝言言ってんだ?戦争の意味が分かってんのか?俺達はな...殺し合いをしてんだよ!!!」

 

そう言ってグリスはビルドくんの腹を蹴る。

それによって持っていたボトルを落としてしまう。

それに三羽ガラスが寄ってたかる。

 

はぁ...気持ち悪い...

あんなの見てるとやっぱダメなんだよね~...

感情が抑えられないんだよ...

 

僕は戦闘礼装に着替える。

そしてネビュラスチームガンを持ってグリス達の前に降りる。

 

グリス「あ?お前...あの煙野郎か?」

 

彼方「煙野郎とかダサいので呼ばないでくれるかな?ただでさえ油臭いのが移りそうなのに、そこにお前らみたいな醜いモノまで移りそうじゃないか。」

 

グリス「んだと、ゴラァ!」

 

彼方「お前らみたいなの見てるとどうしても感情が抑えられないんだよ...昔からの悪い癖なんだけどね...どうしても潰したくなってしまう...!」

 

僕はそう言うと固有結界を展開する。

僕達の周りが薬液やガスが充満した工場に変わる。

 

グリス「なんだここは...?」

 

キャッスル「カシラ!ソイツ変な力持ってんだ!」

 

黄羽「一瞬でワープするんだよ!」

 

青羽「気を付けてくれ!」

 

グリス「ふーん...んなのワープする前に倒しゃいい話だろが!」

 

そう言ってグリスは攻撃してくるが、僕はネビュラスチームガンで小突いて捌いていく。

余裕そうな僕を見て苛立っているグリス。

だけど僕は君以上に昂ってるんだよね~?

 

彼方「はぁ...結局君もそんなものか...」

 

僕はそう言ってグリスの前に魔術式を展開し、そこから特大のビームを発射する。

諸に受けたグリスは薬液が入ったタンクにぶつかり、そこから薬液を被る。

確かアレって...神経毒だっけ?

 

僕の予想は当たりみたいでグリスは毒にやられて動けないで居る。

それを見て三バカ達がグリスの下に集まって来る。

 

キャッスル「こうなったら俺達でカシラを守るしかねえ!」

 

黄羽、青羽「「うん(おう)!」」

 

キャッスルスマッシュの言葉に応じ、残りの二人もスマッシュに変身する。

はぁ...そんなのいいって...

君達は脇役らしくさっさと散ればいいのに...

 

僕は虚空からロンゴミニアドを出し、宝具を開放する。

 

彼方「さっさと消えなよ。『最果てにて輝ける槍(ロンゴミニアド)』...!」

 

僕は槍から暴風を三バカに突き刺す。

三バカは嵐の中に閉じ込められたままグリスに向かって行く。

動けないでいるグリスには避けようもなく、宝具が直撃する。

 

直撃したのを確認した僕はロンゴミニアドを虚空に戻し、結界を解除する。

すると元の世界に戻り、煙は晴れて倒れこんでいるカズミン達の姿があった。

 

一海「てっめえ...!」

 

彼方「イキってるのが悪いんだよ。その力の重みを分かってもない癖に好き勝手に使ってさ。何が踏み入れたら命の保証は無いだ。それは君達のことじゃないのかな~?僕の琴線に触れたらどうなるかわかってくれたかな?」

 

一海「...チッ。」

 

彼方「はぁ...一応北都政府からの正式な命令の下、君達を懲らしめに来たんだけどね...そういう態度で居るなら僕達もそれなりの対応に出るしかないかなぁ?」

 

一海「何だと...!?」

 

彼方「...ま、今日はいっか。どうせ君達は刺激剤なだけなんだから。役目が終わったらポイだよ。」

 

僕はそう言ってカズミン達の下を離れてビルドくん達の下に行く。

ビルドくんは警戒してるけど、筋肉バカくんは動けないでいるようだ。

 

彼方「別に攻撃しようなんて思ってないよ。ただ...今の君じゃそこの筋肉バカくんは止められないよ?」

 

戦兎「...どういうことだ。」

 

彼方「知ってるんでしょ?スクラッシュドライバーの副作用。変身する度にパンドラボックスの光の様に好戦的になってしまうって。いずれ彼はこの中の誰よりも強くなる。その時に今の君には彼を止めれるかな?」

 

戦兎「...止めてみせるさ。この身をかけてでもな...!」

 

彼方「...ふーん、ちょっとは仮面ライダーになってきてるんだね~。いや~、君の成長に期待が高まるな~。良し!今回は特別にお家に送ってあげる!確か...『nascita』でいいんだっけ?」

 

戦兎「っ!?なんでそれを!」

 

彼方「は~い、二名様お帰りで~す。」

 

僕はそう言ってワープゲートを展開してその中に二人を入れる。

いや~、たまにはいいこともすべきだよね~。

 

そう思ってると一台の車が走って来る。

車は僕の前で止まると、中から美空ちゃんが出てくる。

それを見た僕は礼装から普段着に着替える。

 

彼方「あれ?どうしたの、美空ちゃん?ビルドくん達ならさっきお家に送ってってあげたところだけど。」

 

美空「えっ!?そうだったんだ...」

 

彼方「もしかしてビルドくん達を助けに来たの?」

 

美空「う、うん...このボトルを渡して...」

 

そう言って美空ちゃんが見せてきたのはロケットとパンダだった。

ロケットか...なっつかしいな~...

 

美空「あの~...大丈夫ですか...?」

 

彼方「え?あ~、大丈夫大丈夫。ちょっと懐かしいものを思い出してただけだよ...」

 

美空「そう...」

 

彼方「そんじゃあ僕もそろそろお暇させてもらおうかな~。」

 

美空「えっ!ちょっと...」

 

彼方「ん?どうしたの?」

 

美空「えっと、その...」

 

紗羽「美空ちゃん!戦兎君達が居ないなら帰ろ?」

 

美空「紗羽さん...」

 

紗羽...?確かスタークから貰った資料にあった情報屋の...

へぇ~...彼女が難波の...

 

僕は車の運転席の方に歩いていく。

紗羽さんは車の中で僕のことを警戒している。

その体勢が訓練されたものに見える。

 

彼方「やっほ~、初めまして~。」

 

紗羽「...貴方は何者なの?」

 

彼方「何者...う~ん...迷子?」

 

紗羽「え?」

 

紗羽さんは僕の答えにズッコケてしまう。

いやだって何者って聞かれたらこう答えるしかないよね...?

 

彼方「うん、迷子だけど?」

 

紗羽「いや貴方みたいな迷子居るわけないでしょ?」

 

彼方「あ~...まあ一応迷子じゃないか...じゃあ、医者?」

 

紗羽「えぇ...」

 

僕の答えに紗羽さんは困った様子になる。

まあ僕自身も何て言ったらいいか分からないからね~。

 

彼方「ま、そんなことはいいや。なんか面白そうだからこれあげるよ。」

 

そう言って僕はさっきどさくさに紛れて三バカから奪い取ったボトルを渡す。

それを見て紗羽さんは驚いている。

 

紗羽「えっ!?これって北都のボトルじゃ...」

 

彼方「まあアイツらに対しての罰みたいなもんだから。ビルドくんに渡しといてよ。」

 

紗羽「そんな簡単に言われても...」

 

彼方「じゃ、そろそろ帰るね~。」

 

紗羽「えっ!ちょっと!」

 

僕は紗羽さんの制止を聞かずに煙を出して消える。

いや~中々面白かったな~。

あの人ツッコミ枠で生きるな~。

今度会ったらボケ倒そうかな~...

 

 

 

 

to be continued...




タイトルがこれしかなかったんだ...
まあ許してよ...


あ、アンケ始めます。
内容は見てね。


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禁断のビースト

ー彼方sideー

 

僕は今ある場所に向かっている。

というのもエボルトがカズミン達の回収に行くからその間に邪魔が入らない様にしろとのことだからだ。

ま、個人的にも一回行っておきたかったから丁度良かったんだけどね。

 

そう思いながらスマホを見ながら歩いていると、丁度目的地に着いた。

正直なんでこんな所選んだんだろと思う場所だけど...

 

僕は『nascita』に入った。

一応『open』って札が上がってたけど...誰も居ないってどゆこと?

 

彼方「すみませ~ん、誰かいます~?」

 

僕は若干遅かったかと思いながらも一応声をかける。

すると奥から「はーい」と答えが返って来る。

そして数秒待つと奥から美空ちゃんが出て来た。

 

美空「えっ、なんで...」

 

彼方「ここのコーヒーが美味しいって聞いたんだけど...一杯貰える?」

 

美空「えっ、あ、いや、その~うちのコーヒーはなんて言うか...」

 

ん?何であやふやなんだろ?

もしかして...マズいの?

 

そう思ってると今度は奥から紗羽さんがやって来た。

紗羽さんは僕を見て驚いた様子だ。

 

紗羽「えっ!?なんでここが...」

 

彼方「いやここのコーヒーはおすすめだって聞いたんだけど...なんか渋ってる感じだけど、まさか...」

 

紗羽「あ~...それはその、ここのコーヒーはこれしかないんだ~...」

 

そう言って紗羽さんが出したのはなんと缶コーヒー。

え...嘘...

やっぱ僕の読み合ってたんじゃ...

 

彼方「缶コーヒーって...まさか...」

 

紗羽「いや丁度豆切らしてるから仕方なくだよ?仕方なくだから!ねっ!」

 

彼方「いやでも流石にコーヒー売りにして豆切らすのはちょっと無理があるんじゃ...」

 

紗羽「切らしてるの!分かった!」

 

彼方「...はい。」

 

僕は圧に負けて缶コーヒーを受け取る。

いや...こんなはずじゃないよね...?

 

...

 

..

 

 

 

何故か美空ちゃんと紗羽さんも缶コーヒーを飲んで僕と一緒にくつろいでいる。

いや、客来た時どうすんの?

 

彼方「ねぇ...こんなくつろいでて大丈夫なの?もしお客さんが来たりしたら...」

 

美空「うち客来ないから...」

 

彼方「What?それマジ?」

 

美空「何なら初めてのお客さんかも。」

 

うっそ...それって大丈夫なのか...?

いやエボルトの奴今までどうやって経営してきたんだよ...

もしかして...アイツコネ使って何とか店作ったな...?

 

彼方「...よくお店を経営出来てたね...」

 

紗羽「私もずっと思ってた...」

 

美空「お父さんどうやってたんだろ...」

 

三人「「「...」」」

 

なんでこんな沈んだ空気になっちゃってるんだろう...

これも全てエボルトって奴の所為なんだ...

 

紗羽「...そう言えば貴方の名前って?」

 

彼方「あれ?言ってなかったけ?僕は我望彼方。研修医だよ。」

 

美空「お医者さん...」

 

紗羽「どこの病院で勤めてるの?」

 

彼方「あ~...それはちょっと言えないかな~...」

 

紗羽「え、なんで?」

 

彼方「あ~、研修医だったんだけどちょっとやらかしちゃって追い出されちゃったんだよね~...」

 

紗羽「...ふーん。」

 

咄嗟に思いついたことだけどどうにかなったのかな...?

紗羽さんが疑うような目をしてきてるけど...

多分後でバレるやつだな...

ま、今はバレてもいいように動くしかないか。

 

彼方「それより二人はなんでビルドくん達と一緒に行動してるの?」

 

美空「なんでって言われても...」

 

紗羽「戦兎君に救われたからかな~?」

 

彼方「ふ~ん...立派に仮面ライダーしてるんだね~...」

 

美空「え?仮面ライダーに詳しいの?」

 

彼方「いや~、何となく仮面ライダーってヒーローって印象だからさ。美空ちゃんや紗羽さんが救われてるって分かるとやっぱヒーローなんだなって思ったわけよ。」

 

美空「へ~...あたしにとっては彼方さんもヒーローですけど。」

 

彼方「え?」

 

なんでだろ?

僕そんなこと言われるようなことしたっけな...?

 

美空「自分の所為で戦争が起こったんじゃないかって苦しんでた時にそうじゃないって教えてくれたのは彼方さんでしたよ?」

 

彼方「あ~そう言えばそんなこともあったね~。」

 

美空「まだ2、3日前の話ですよ~。」

 

紗羽「へ~、中々カッコいいじゃない~。」

 

彼方「別にただ思ったことを言っただけだよ。ま、その後で裏切ったみたいになったけどね。」

 

美空「あれは...」

 

紗羽「そう言えば貴方は結局どこからの刺客なの?」

 

彼方「ハッキリ聞くね~。ま、言うとしたら今はスタークかな~。アイツに拉致られたから仕方なくって感じだけど。」

 

紗羽「拉致られた...?」

 

彼方「やっちった...ま、スタークには一宿一飯の恩があるってことだよ。」

 

美空「お父さん...」

 

紗羽「じゃあその恩が無くなったらどうするの?」

 

彼方「ん~...状況次第じゃないかな~?今はどこも居づらいしね~...ま、その時が来たらビルドくん達と一緒に戦うと思うよ。」

 

僕はそう言うと缶コーヒーを飲み干す。

するとスマホの通知音が鳴る。

二人に見えない様に見ると、エボルトから仕事が終わったとのメールだった。

 

それを見た僕は帰る準備をする。

 

彼方「それじゃあ僕は帰るよ。コーヒーご馳走様~。」

 

美空「もう帰っちゃうの...?」

 

彼方「...今はビルドくん達に顔を見せることはできないからね~。まあその時はスタークにでも顔を変えてもらってもいいかもだけどそれは嫌だからさ。」

 

紗羽「なんか余裕があるよね?」

 

彼方「そう?強がってるだけだよ。いきなり連れて来られたのがこんな世界だから。」

 

美空「こんな世界...?」

 

紗羽「連れて来られた...?」

 

彼方「...じゃ、二人ともバイバイ~。」

 

僕は二人から追及されると思い、さっさと店を出る。

そして直ぐにワープを開いて地下室に戻る。

多分見られてないと思うけど...

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ーNO sideー

 

『nascita』から出て行った彼方を追いかける二人。

ドアを開けるが、そこには既に誰も居なかった。

マスターみたいにスチームガンを使って消えたのだろうと納得した二人は店の中に戻る。

 

美空「結局よくわからなかったね...」

 

紗羽「所々怪しい部分はあったけどね...」

 

美空「...紗羽さん。一回あの人のこと調べてくれない?」

 

紗羽「うん。私も丁度調べようと思ってたの。」

 

美空「なんかあの人のことが気になるっていうか...放っておけないっていうか...」

 

紗羽「あれ?もしかして美空ちゃん、恋しちゃった?」

 

美空「なっ!?そんな訳ないし!あるわけないじゃん!」

 

紗羽の言葉に慌てる美空を見て面白がる紗羽。

だが同時に彼方の言葉の意味を考えていた。

 

紗羽(『拉致られた』に『連れて来られた』...それに『この世界』って言ってたけど...まさかね...)

 

以前起こった最上魁星によるエニグマ事件。

平行世界の地球と衝突する危機が起こったわけだが、その時にビルド達は平行世界のライダー達と共に戦った。

もし彼がその世界から連れて来られたとしたら情報は全くないに等しい。

 

そんなことを考えていると店のドアが開く。

戦兎と龍我が帰って来たのだ。

 

美空「おかえり~。」

 

戦兎「ただいま~。」

 

龍我「あー、疲れたー。」

 

紗羽「あ、戦兎君。我望彼方って人知ってる?」

 

戦兎「我望彼方?んー...どっかで聞いた覚えがあるような...」

 

龍我「おい、それってアイツじゃねえのか?」

 

戦兎「アイツ?」

 

龍我「ほらエニグマとかいうのでもう一つの世界に行った時に会った奴!」

 

戦兎「...あ!大量のガーディアンを一人で倒した奴か!」

 

紗羽「えっ!?そんなに強いの!?」

 

戦兎「ああ。そのおかげで俺とエグゼイドは最上の下に辿り着けたんだ。それで?ソイツがどうしたんだ?」

 

紗羽「いやその...実は...」

 

美空「ドクトルとかいうの。アレ彼方さんだったんだよ。」

 

龍我「は?アイツは向こうの世界に居るはずだろ?」

 

紗羽「なんか連れて来られたとか言ってたけど...」

 

戦兎「...もしかしてあの時の万丈みたいに誰かによってこっちに。」

 

紗羽「その可能性はあるわね...」

 

戦兎「...紗羽さん、一応ソイツのことも調べてくれ。」

 

紗羽「うん。じゃあ行ってくるね。」

 

紗羽はそう言うと荷物を持って店を出た。

残った三人は彼方のことについて考えていたのだった...

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ー彼方sideー

 

ー翌日ー

 

地下室でちょっとした訓練をしている。

こっちに来てからずっと使っていなかった魔術回路のリハビリだ。

 

すると突然目の前に召喚陣が現れる。

そしてそこから光の柱が出てきて、周りが眩しくなる。

その光が止むとモルガンが立っていた。

 

モルガン「我が夫...何故いつになっても会いに来ないのです...」

 

彼方「いやそれは悪かったけど...なんで現界出来てるの?」

 

モルガン「それは...我が夫への愛故にです。」

 

モルガンの答えに思わずズッコケてしまう。

どうやらモルガンは『単独行動EX』のスキルを獲得したらしい...

いやそこまでして会いたいなんてなんか...惚れ直すじゃん...

 

僕はたまらずモルガンに抱き着く。

モルガンはちょっと驚いたけど、すぐに抱き着き返してきた。

 

彼方「ごめんね...そんなに会いたいって思わせちゃって...」

 

モルガン「別にいいのですよ。私はいつか貴方の隣に立って戦いたいと思っていたのですから。」

 

彼方「そっか...嬉しいよ。」

 

僕はモルガンを抱き寄せる。

ほんといい女王様だよ...

 

そう思ってると突然目の前が光りだす。

いやまさかあの三人も来るのかと思ったけど何かが違う。

ゾディアーツの力に近いモノを感じる...

 

そう思ってると突然周りが宇宙に変わる。

そして周りから無数の視線を感じる。

まるで愛おしいモノを見るような目で...

 

それを感じて一瞬嫌な予感がする。

もしかしてと何かを思い浮かぶが、流石にそれはあってほしくないと願う。

 

だがそれは違う意味で裏切られた。

 

宇宙だった空間に無数の黒と赤の触手の様なモノが蠢く。

アレってまさか...魔神柱じゃないよな...?

 

そう思ってると目の前に、触手の中から女性の手が出てくる。

その隣に青い炎が現れる。

それを見た瞬間絶望を感じてしまう...

 

モルガン「我が夫...アレが何か分かってるのですね...?」

 

彼方「多分...いや間違いなくヤバい奴らだ...なんでこの世界に現れるのかな...」

 

モルガン「我が夫がそれほど警戒するとは...もしかして...獣ですか?」

 

彼方「...ああ。バーゲストもおっかなびっくりするぐらいの獣だよ...」

 

そう会話していると手の上から光が現れる。

それに合わせて青い炎が激しく燃え上がる。

そしてそれぞれの中から禍々しい女性が現れる。

 

???「何故かここに呼び出されたかと思ったら面白い人が居ますね?」

 

???「あの人は私を愉しませてくれるのでしょうか?」

 

それぞれが僕を見てそんなことを言う。

それを聞いた僕は寒気がした...

 

彼方「何の縁か知らないけどどうして現れるのかねぇ...殺生院キアラにカーママーラ...!」

 

カーマ「あら?私のことを知ってるのですか...ならより一層私のことが知りたくなるように愛に溺れさせてあげますよ。」

 

キアラ「私のことをご存知なのですね...なら私がどうすれば悦ぶかも分かっているはず。楽しみですわねぇ...!」

 

やっば、余計なこと言ったかも...

まさかビーストが召喚されるとは思ってもなかった...

しかもよりによって蛹の状態で...

 

彼方「まさかビーストⅢが二人とも来るなんてね...もしかして人類を滅ぼしに来たのか...?」

 

僕は核心をつく問いを投げかける。

答えによっては全力で倒しにいかなければならない...

だが二人の答えは予想外だった。

 

カーマ「いえ。別にこの世界の人間を愛そうだなんて思ってません。だってあんな闘争心まみれだとつまんないですもの。」

 

キアラ「私も同じですわ。有象無象に愛されるだけなのは飽きたのですよ。」

 

カーマ、キアラ「「私が愛したい(されたい)のは貴方なんですよ。」」

 

彼方、モルガン「「...は?」」

 

...

 

..

 

 

 

第一再臨の霊基に変わった二人を対面に僕とモルガンは座っている。

霊基が変わっても尚ビーストとしての圧を感じる。

正直警戒を無闇に解けないでいる。

 

彼方「それで...なんで僕の元に現れたの?」

 

モルガン「お二人と我が夫の間に縁は無いはずですが...」

 

カーマ「共通点があるんですよ。まあまさか彼女まで来るとは思いませんでしたけど...」

 

キアラ「それは私もですよ。まさかL(ラプス)R(ラプチャー)の両方を引き寄せるとは思いませんでしたよ。」

 

彼方「共通点...?」

 

そういえば二人が召喚された時に感じた力...

確かゾディアーツに似たようなモノを感じたけど...

 

モルガン「...宇宙ですか?」

 

彼方「宇宙?」

 

カーマ「ええ、そうですよ。無辺際の領域を手にした私の体は宇宙と同じですからね。」

 

キアラ「私の胎内(なか)は一つの宇宙であり極楽浄土なのですよ。」

 

彼方「あ、そういうことか...」

 

確かにそれなら僕達の間に共通点はある。

でもそれだけで無数の世界の中から僕の下に来るなんて...

正直なんで僕を選んだのかもわからないし...

 

彼方「それで...なんで僕を選んだの?」

 

カーマ「まぁカルデアを落とそうとしてる時にちょっとだけ世界を見てたんですよ。そうしたら面白そうな人が居たものですから、カルデアの事を諦めて貴方の下に来たってわけです。」

 

キアラ「私も同じようなものですわね。平行世界の私を探している時に貴方を見つけまして。その時に貴方なら私の事を愉しませてくれると本能で感じたのです。だから平行世界の私と融合した後、SE.RA.PHを後にして貴方の下に参上したのです。」

 

彼方「...いや僕そんな2人に気に入られるほどの魅力あった?」

 

モルガン「...やはり分かるのか。我が夫の魅力を...」

 

あれ?なんかモルガンが壊れてる気が...

 

それにしてもまさか間接的にだけどカルデアを救ったって事になるのかな...?

だとしたらなんか狙われそうで怖いんだけど...

 

カーマ「あぁ、もしカルデアが貴方の事を狙ったら私達が追い返しますよ。」

 

キアラ「そうですわね。せっかく見つかったのにそう易々と手放す訳にはいかないですもの。」

 

わ〜お...これほど心強いものないわ〜...

もうこの2人ならエボルトとかブラッド族の2人とか簡単にやっつけれるんじゃないの?

てかこの2人と契約するの怖いんだけど...

 

彼方「2人の気持ちは有難いんだけどさ...流石にビースト2人と契約するのはちょっと怖いというか許容オーバーっていうか...」

 

カーマ「あ、もう契約は済んでるんで離しませんよ?」

 

彼方「What!?いつの間に!?」

 

キアラ「私達が召喚された時に直ぐにやったのですよ。ほら、胸に刻まれているでしょう?」

 

キアラの言葉を聞いて僕は服を捲る。

するとそれぞれの胸にキアラのデコルテにある紋章とビースト時にカーマが着けていたネックレスの花がそれぞれ令呪となって刻まれていた。

しかも通常の令呪とは違って魔力の質と量が全然違う...

言ったら並のゾディアーツとサジタリウス・ノヴァぐらい違う。

 

彼方「どうりでなんか違和感を感じてたわけだ...てか2人とも僕と居るのは強制なのね...」

 

カーマ「フフフ、貴方をどうやって愛に溺れさせてあげようか楽しみですよ。」

 

キアラ「愉しませてくださいね?」

 

2人はそう言うと霊体化した。

僕達はその後しばらく動けなかった。

 

するとスマホの着信音が鳴る。

見てみるとエボルトからのようだ。

 

彼方「もしもし?どうした?」

 

エボルト『やっと出たか。さっきまで何回もかけてたんだぞ?』

 

彼方「マジ?それは...ごめん...」

 

多分あの2人が邪魔されたく無いから結界でも張ってたんだろ。

 

エボルト『もういい。簡潔に言うぞ?戦兎にハザードトリガーを渡した。』

 

彼方「...ビルドの強化の為か。」

 

エボルト『そうだ。それに、アイツならハザードの欠点を解決できるだろうと思ってな?』

 

彼方「そのデータを盗んでまた新たな仮面ライダーを生み出そうってわけか。」

 

エボルト『そういうことだ。アイツらのハザードレベルの目標値は5.0。つまりお前と同等の力って訳だ。』

 

彼方「その状態の筋肉バカくんと融合して完全復活すると...えらく壮大な計画だな...」

 

エボルト『それぐらいしないと俺も本格的に動けないからなぁ?お前もハザードになったビルドの相手を頼むぞ〜。』

 

彼方「マジかよ...まあ変身解除まで追い込んでいいんだったらやるけどさ...」

 

エボルト『それでいい。アイツに強くなってもらう為なら別に構わない。』

 

彼方「あっそ。じゃあ頃合いを見て戦ってみるよ。」

 

エボルト『頼んだぞ〜、Ciao!』

 

エボルトはそう言って通話を切った。

それにしてもカーマ達のことはバレてないみたいだな...

いやほんとバレたら潰しに来そうで怖いわ...

 

それにしても...

今の僕にはアレは拘束具じゃ無いのかな〜...

 

そう思いながらスチームガンを見つめる。

どうにか改造できないかやってみるか...

そう考え、僕は作業道具を投影して作業に入った...

 

 

 

 

to be continued...

 

 

 

 

 




なんかもう...わやだね笑



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ハザードは止まらない

ー彼方sideー

 

ネビュラスチームガンの改造を始めて数時間。

久しぶりに弄ったからか思ったよりも時間が掛かってしまった。

まあモルガンの助けもあったからまだ十数時間まで掛からなかっただけ良かったかもしれない。

おかげで出力を五倍ぐらいまで上げれることが出来た。

 

一応簡単な計測でハザードレベルを測ると5.5まで上がっていた。

5.0でさえ結構な人外レベルなのに5.5って...

 

僕達は数時間の作業で疲れてるのもあって、仮眠を取ることにした。

モルガンは娘に癒やされたいと言って、バーヴァン・シー達の下に帰った。

 

僕も眠すぎてベッドにダイブしてすぐに眠りについた。

だがしばらくして違和感を感じる。

何かに前後と顔を挟まれてるような...

 

ふと目を覚ますと何故か顔が胸の谷間に挟まっていた...

いや今まで二十数年生きてきたけどさ...流石にこんな経験無いんだけど?

 

ちょっと顔を離してみると見覚えのある紋章が見える。

てことは今僕を胸に挟んでるのはキアラだな...?

そんでもって背中に抱き着いているのはカーマだな...

 

僕はキアラを抱き寄せる。

すると意外にも可愛い声を出すキアラ。

顔を合わせるとちょっと赤くしている。

 

キアラ「あら、起きましたか?//」

 

彼方「結構びっくりする起こし方だけどね?」

 

キアラ「フフフ、貴方に愛されたいからちょっとした悪戯ですわ。」

 

彼方「ふ〜ん...ならちょっと付き合ってあげるよ...」

 

僕はそう言って顔を近づける。

慣れてるキアラはすぐに察したようで、余興だと思い目を瞑る。

だが僕は途中でバレないように手を近づけ、デコピンする。

 

キアラ「痛っ!?」

 

彼方「そう簡単に身体を許すと思ってるの?んなわけないじゃん〜。ま、目覚まししてくれてありがとね。」

 

僕はそう言って背中に抱き着いてるカーマの腕を外して起き上がる。

何故かいつの間にかパンイチにされてるし...ど変態どもが...

 

僕は二人を放っておいてシャワーで汗を流す。

流し終えると同時にダスタードから面白い光景を見せられる。

...遂にベルナージュの力が開放されてきたか。

 

僕はエボルトに伝えるか迷ったが、今後のことを考えて今は伝えないことにした。

多分だが、この後にエボルトに毒を打たれて入院中の東都首相の下に行くだろうから僕はそこに先回りすることにする。

着替えた僕は二人に出かけるとだけ言ってスチームガンで病室へと移動する。

 

...

 

..

 

 

 

病室に移動した僕は見つからなさそうな場所に椅子を置いて座る。

そしてしばらく待つとナースに変装した美空ちゃんと紗羽さんが入ってくる。

だがドアのところで警備していた護衛の奴らにバレて捕まってしまう。

 

僕はそれを見てゴム銃を投影して護衛の額にゴム弾を撃つ。

見事に必中し、気絶した護衛の奴らを縛り上げ、病室の中に入れる。

その作業を見て驚いてる二人。

 

彼方「ん?ああ、やっほ〜二人とも。そこの人治療するなら早くしなよ?さっきの騒ぎを聞きつけた人が来たらめんどいからね〜。」

 

紗羽「いや、どうやって病室に入ってきたの?」

 

彼方「そりゃこれ使ってだよ。」

 

そう言って僕はスチームガンを振りかざす。

それを見て納得といった顔をする二人。

 

紗羽「っ!とにかく美空ちゃん、お願い!」

 

美空「う、うん!」

 

美空ちゃんはベッドで寝てる首相の横に屈み、腕に着けているバングルをかざす。

するとバングルから光が出てきて、その光が首相の身体を包み込む。

へ〜、これがベルナージュの力か...

 

紗羽「それにしても...病院でその格好ってちょっとアレじゃない?」

 

彼方「え?そうかな〜...」

 

紗羽さんが指摘してきた僕の格好。

全身黒一色のスーツに白衣ならぬ黒衣だからだ。

まあ...ここに来たのはついでみたいなもんだからね〜。

 

彼方「う〜ん、まあこれは一つの勝負服だからね〜。ここに来たのはついでみたいなもんだしさ。」

 

紗羽「ついで?どこかに行くの?」

 

彼方「戦争の最前線、かな?」

 

僕がそう言うと紗羽さんは黙ってしまう。

まあ今の戦局を分かってるから何も言えないのだろう。

 

そんなことを考えてると光が止んだ。

見てみると美空ちゃんは気絶して、首相さんが目を覚ましていた。

 

泰山「私は...」

 

紗羽「首相、お目覚めになられて急で申し訳ないのですが今すぐ政府官邸に一緒に来てほしんです。」

 

泰山「君は...そういうことか。分かった。すぐに用意する。」

 

首相さんはそう言うと着替え始めようとする。

僕は慌てて美空ちゃんをおぶって、紗羽さんを連れて病室を出る。

 

それにしても力を使うと眠ってしまうのか...

多分まだ覚醒して間もないのだろう。

だとしたら無闇矢鱈に使う物じゃないな。

 

彼方「紗羽さん、僕は美空ちゃんを店に連れてっていくよ。紗羽さんは今のうちに着替えといたら?」

 

紗羽「え、いいの?」

 

彼方「流石にこの状態で彼女を一人にするのは危ないからね〜。」

 

紗羽「...分かった。ごめんね?」

 

紗羽さんはそう言うとどこかに向かっていった。

僕は美空ちゃんをおぶってドアを開ける。

だけどドアを開けた先は店だ。

まあドアの境界線にワープゲートを開いただけなんだけどね。

 

僕はとりあえず寝かせれる場所を探す。

すると地下の方に何か広い空間があるのが見える。

 

僕はどこから行けるか探してるとまさかの冷蔵庫から地下への階段が繋がっていた。

いや、まあロッカーと月面が繋がってるっておっかなびっくりを体験したけど、冷蔵庫から地下はちょっと慣れないな〜。

 

そんなことを思いながら地下に入る。

そこには工具や器材が置かれた机にクリアボード。

寝室もあり、秘密基地と生活部屋が混じったような感じがする。

 

だが中でも一番気になるのが壁にある大きな機械。

これがエボルトが言っていた浄化装置か...

確か美空ちゃんの力を使ってスマッシュから抜き取った成分を浄化するんだよな...

 

とりあえず美空ちゃんをベッドに寝かせた僕は浄化装置を眺める。

何故かここにブラッド族と同じ力を感じるんだよな...

 

フォリア『もしかしたらアレが組み込まれてるからかもしれません。』

 

フォリアがそう言うと何故か瞳が強制発動される。

すると浄化装置の中に何かとんでもないブラッド族の力が見える。

 

僕は一つ一つ配列とかを覚えながら解体していく。

すると中からビルドドライバーに似た何かが分裂してる物を発見した。

 

フォリア『これはエボルドライバーですね。』

 

彼方『エボルドライバー?もしかして...エボルトが使うやつか?』

 

フォリア『ええ。力を失う前のエボルトはこれを使って星を狩ってました。まさかこんな所にあっただなんて...』

 

彼方『葛城巧か、それとも他の誰かか...とりあえずSOLUの力でコピーできるか?』

 

フォリア『やってみますね。』

 

フォリアはそう言うと僕の身体の中から出てきて、そのままエボルドライバーを包み込む。

しばらくすると離れ、そしてもう一つのエボルドライバーを作り上げた。

 

フォリア『あくまでコピーですけどね。』

 

彼方『大丈夫だ。これを基盤として後は本物を解析すればなんとかなるよ。』

 

フォリア『まさか投影するつもりじゃ...』

 

彼方『そういうことだ。ま、流石にパーツだけだけどね。多分地球上じゃ手に入らないだろうし。』

 

フォリア『どうしてそんな手間のかかることを?』

 

彼方『スチームガンを改造して分かったけど、今の技術だけで改造するより魔術を使いながらする方が効率が良いことが分かった。だからパーツだけ投影して、一つ一つに魔術を使えば多分僕がフルパワーを出しても耐え切れるものができると思う。』

 

フォリア『なるほど...だとしたら彼方もいよいよ仮面ライダーになるのですね。』

 

彼方『っ!そうか...僕が...』

 

フォリアの言葉に少し動揺してしまう。

今までずっとどこか一歩後ろから見ていた仮面ライダーの勇姿。

多分どこかで憧れていた部分があったと思う。

 

だからこそもしかしたら自分が仮面ライダーになれると思うとこう、なんとも言えない高揚感がする。

弦ちゃん...流ちゃん...ようやく君達と並べる日が来るよ...

 

そんなことを思っているとエボルトからメールが届く。

どうやら筋肉バカくんと北都勢が衝突するようだ。

 

取り敢えず僕はエボルドライバーにちょっとした魔術を刻印して浄化装置に戻す。

そして何もなかったかのように完璧に浄化装置を直した。

 

ちゃんと大丈夫か確認した後、エボルトから送られた座標にワープした。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

座標にワープすると、既に戦闘が始まっていた。

クローズがハザードスマッシュ達相手に互角に戦えている。

だがやはりスクラッシュドライバーの副作用に当てられているのか、興奮状態になっている。

 

とそこにビルドが空からやってきてクローズに激突する。

多分これ以上スクラッシュドライバーを使わせない為だろう...

だけど彼は止まらないよ?君を助ける為に使っているんだから。

 

案の定止めようとするビルドを突き飛ばすクローズ。

だがやはり根底にあるものは変わっていないようだ。

 

クローズ「俺は勝つ!戦争を終わらせる為に、勝ち続ける!」

 

ビルド「万丈!」

 

クローズはまたスマッシュ達と戦い始める。

数の差があっても決して諦めない。

そこは確かに彼自身の強さだろう。

だが...戦争はそんなに甘い物じゃない。

 

変身を解除したビルドくんがどうするのか見ているとどうやら覚悟が決まったみたいだ。

ビルドくんはハザードトリガーを取り出す。

セーフティカバーを外し、スイッチを押す。

 

ハザードオン!

 

戦兎「俺がお前を止めてみせる...この身を賭けても!」

 

そう言ってビルドくんはドライバーにトリガーを接続する。

そしてラビットボトルとタンクボトルを装填する。

 

ラビット!タンク!スーパーベストマッチ!

 

そしてレバーを回す。

すると音声と共に鋳型のようなフレームが現れる。

所々に黒と黄色の警告ラインがあり、その時点でハザードの危険性を表している。

 

戦兎「変身...」

 

レバーを回し終え、その言葉を口にするとフレームが勢いよく合体しプレスされる。

そしてチンと音が鳴るとフレームが開き、中から黒い煙を出しながら現れたのは複眼以外は真っ黒なビルドだった。

 

アンコントロールスイッチ!ブラックハザード!ヤベーイ!

 

少し離れたこの距離からでも伝わる圧...

全体的に尖った造形になり、複眼だけがボトルの色を表している。

かえってそれが更に恐怖感を醸し出している。

 

新たな姿になったビルドに気づいたハザードスマッシュ達はビルドに向かっていく。

ビルドはそれに対し、黒いオーラを出した拳で対抗する。

 

...

 

..

 

 

 

近くの倉庫に移動したビルド達。

ダスタード達を影に潜ませ、戦いの様子を見る。

 

ハザードになったビルドの力は格段と上がった。

以前まで苦戦を強いられていたハザードスマッシュ達が簡単に捻り潰されている。

 

とそこに追い討ちをかけようとするクローズをビルドが止める。

だが聞く耳持たずか、攻撃されるビルド。

クローズを蹴り飛ばすがそこでビルドの動きが止まる。

 

どこか様子がおかしい...

頭痛がしているのか頭を抱えるような仕草をとるビルド。

もしかして...これがエボルトが言っていたハザードの最大の副作用。

 

するとクローズがビルドに向かってツインブレイカーで乱射する。

ビルドに当たった一発の弾が跳ね返ってビルドの頭上のランプに当たる。

 

だがビルドは何も反応しない。

そのビルドを照らす一つの揺れるランプが奇妙さを表している。

始まるのか...暴走が

 

ビルドは顔を上げると真っ直ぐクローズを見つめる。

それをどこかおかしく感じるクローズ。

 

すると突然ビルドは走り出し、クローズを殴り上げる。

そしてすぐさまトリガーのスイッチを押し、レバーを回す。

 

マックスハザードオン!

 

Ready go!オーバーフロー!ヤベーイ!

 

ビルドは身体から黒と紫のオーラを出しながら怒涛の攻撃をクローズに浴びせる。

許容オーバーのダメージを受けたクローズは変身を解除してしまう。

 

すると今度は側に倒れていたキャッスルとオウルに攻撃を仕掛ける。

二人とも反応できずに倉庫から弾き出される。

 

二人に向かってゆっくり歩いてくるビルドに背後からスタッグが奇襲をかけるもあっさりカウンターされる。

そして二人を倒す一歩手前まで攻撃するハザード。

二人はなんとか直前に変身を解除したおかげで消滅せずに済んだが、身体から粒子が出ていた。

 

するとビルドはスタッグの頭を掴む。

そしてトリガーのスイッチを押し、レバーを回す。

 

するとビルドから黒いオーラが現れ、それが腕を伝ってスタッグに行き渡る。

それによって動けなくなるスタッグ。

 

それを見たグリスが止めようとする。

だが今止められてはコイツらの為にはならない。

そう考えた僕はグリスに向かって射撃する。

 

それによって足を止められたグリス。

その間にビルドはもう一回レバーを回す。

確実にトドメを刺す為に...

 

Ready go!ハザードフィニッシュ!

 

右足にドス黒いオーラを集めるビルド。

そしてスタッグに向けてひと蹴り浴びせる。

すると小規模の爆発が起こる。

 

それを見た全員が動きを止めてしまう。

そしてスタッグは力無く膝を着き、倒れる。

完全に再起不能となったのだ。

 

だがそれでもビルドは止まらない。

生身の三バカに向かっていくが僕が間に入りそれを止める。

そしてドライバーからトリガーを抜いて、蹴りを入れる。

 

トリガーが外れたことにより変身が解除されたビルド。

ハザードの副作用か、意識が混濁し頭を抱えている。

だがそれはすぐに覚めてしまう。

 

一海「おい!」

 

カズミンの声かけに全員がそちらを向く。

カズミンはスタッグに駆け寄り、必死に声かける。

 

一海「おい...おい!おい!しっかりしろ!」

 

スタッグ「心配だなぁ...カシラは、俺が居ないと何にもできないから...」

 

そう言ってスタッグは自身のドッグタグを取り出す。

そしてその片方を千切って、残りをカズミンに渡す。

 

スタッグ「何があっても、一緒ですよ...」

 

そう言ってスタッグは青い粒子となって消滅した...

北都勢は泣き、悔しみ、怒りを覚える。

一方ビルドくんと筋肉バカくんはこの事態を受け止めきれないでいる。

 

戦兎「俺がやったのか!?」

 

その言葉に三バカの二人が襲い掛かろうとする。

僕はスチームガンで二人の元に行き、鳩尾を殴る。

それによって痛みに悶えて膝を着く二人。

 

赤羽「てめえは...!」

 

黄羽「何しに来た...!」

 

万丈「っ!どうしてお前がここにいんだよ...!」

 

戦兎「...我望彼方!」

 

初めて二人に顔を晒す僕。

まあ今はそんなことどうでもいい。

 

彼方「...お前ら戦争舐めすぎだろ。自分が命を奪う、奪われる。そんな覚悟ぐらいしてないで戦争に参加してるのか?だったとしたら今すぐ辞めろ!武器を捨てろ!二度と表に出てくんな!」

 

威圧を込めた僕の言葉に全員動けなくなる。

 

彼方「おいビルド。お前は本当に敵も味方も全員守れると思ってたのか?だとしたら能天気もいいとこだな?だってそうだろ?それって相手と真剣に戦ってないんだからさ。」

 

戦兎「っ!?そんなことはない!俺は、俺は...」

 

彼方「いつまで正義のヒーローを気取ってんだ?今の国民のお前への認識は『兵器』だ。自分達を守ってくれ、相手を駆逐する兵器だ。そんなこともわかってないのか?まだそこの筋肉バカの方が理解してるぞ。」

 

僕がそう言うとビルドくんは崩れ落ちる。

そして「俺は...俺は...」と壊れたおもちゃのようにただそう呟くだけだった。

 

彼方「はぁ...それとそこのバカ二人。お前達はこの戦争のこと何にもわかってなかっただろ?自分達は弱い奴らを倒すだけ〜みたいな感じでゲーム感覚でやってただろ?その認識が間違ってるってのに気づかなかったのか?僕よりも弱い癖にさも自分達は強いんだ〜みたいな顔してさ。お前らの頭はそれを見てどう思えばいいんだ?唯一この戦争の重みを、覚悟を知ってる恩人に対して何にも思わないのか?だとしたらさ...お前ら正真正銘ただの兵器だよな。人はお前らのことこう言うだろうね〜...『バケモノ』って。」

 

それを聞いた二人は顔を下げ、ただひたすら拳を握りしめる。

理解したのだろう。今までの自分達の甘さを。

それを理解したからこそ悔しくて堪らないのにだろうな。

自分達がもっとしっかりしてれば、青色くんは消滅せずに済んだかもしれないのに、って。

 

それぞれが味わった戦争の本質。

それを見届けた僕はこの場から去った...

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

地下室に戻った僕は勝負服から普段着に着替えていた。

するとカーマが僕にすり寄ってきた。

 

カーマ「随分説教してあげたんですねぇ?態々モルモット君達に。」

 

彼方「はぁ...少なくとも今はモルモットなんて思ってないんだけど?」

 

カーマ「へぇ...またなんで認識を改めたんですか?所詮は私達とは関係ないんですよ?」

 

彼方「うーん...多分今のカーマにはわからないと思うけどさ〜、ライダーは助け合いなんだよ。ま、これはある人の言葉なんだけどね。」

 

カーマ「助け合い...そんな緩いことで満足するんですか?」

 

彼方「満足するしないの話じゃないよ。僕は自分の手が届く人は助ける。それが根底にあるんだよ。だから僕の手が届く彼らを助けたいって思うのは自然とそうなっちゃうんだよね。だからずっと力をつけてるんだよ。」

 

カーマ「...つまんないですねぇ〜。そんなのただの自己満足じゃないですか。そんな綺麗事なんか誰も賛同しませんよ?」

 

彼方「別にそれでもいいけど?他人に言われて簡単に変わる信念なんて捨てればいい。そんなもの持ってるところで邪魔でしかないから。自己満足だろうと綺麗事だろうと僕はその道を行く。ま、いつかは分かるかもね?」

 

僕はそう言って着替えを済ませ、作業台に行く。

解析したエボルドライバーを組み立てる作業に入るんだ。

 

いつできるかわからないけど、これができたら大幅な戦力アップに繋がるはず。

それこそ...元の世界に戻る手がかりになるはずだ...

 

 

 

 

to be continued...

 

 



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涙のビクトリー

ー彼方sideー

 

なんとかエボルドライバーを作り上げようとしたが、やはり地球外の技術もあったからか出来上がらなかった。

と言ってもある程度のところまでは出来ている。

だがこれからは少し忙しくなるから作業出来そうにないんだよな〜...

 

だって今から代表戦を見なければならないんだから。

しかもその場で。

 

というのも東都と北都でこれ以上不毛な侵略行為を辞めさせる為に、一対一の仮面ライダー達による代表戦を行うことになったらしい。

北都はもちろんグリスが。

だが一方で東都の方はというとビルドくんがあの時からすっかり死人同然となったらしい。

 

その為代表戦にはクローズが出るのかと思われたが...

エボルトがパパ心をくすぐられたのか、態々北都と西都それぞれ二十本ずつボトルを貸したらしい。

まあ恐らくこのままじゃビルドが機能しなくなり、クローズの成長が見込めなくなると思ったからだろう。

 

結果、ビルドくんは代表戦に出場する意思を露わにした。

ということで決まったんだけど、何故かその場に僕も呼ばれた。

どうやら首相さんを助けた一人と勘違いされたらしく、まあどうせならと思い見にきた訳だ。

 

僕の隣には美空ちゃんと紗羽さんが。

その反対側には三バカの二人が居る。

そしてステージ上には変身した仮面ライダー達が。

 

「...始めえええええ!!!」

 

試合開始の合図が今鳴る。

そしてライダー達は一斉に踏み込み、第一撃を放つ。

 

グリスは圧倒的実力差でどんどん攻めていくが、その攻撃をビルドがボトルの特性と技術を使い捌いていく。

あくまで実力勝負。ハザードレベルの差は関係ない。

 

するとビルドはボトルを変える。

 

ローズ!ヘリコプター!ベストマッチ!

 

ビルド「ビルドアップ!」

 

ローズコプター!

 

姿が変わったビルドを見て三バカの二人は驚く。

そりゃ北都のボトルを使ってるんだからね〜。

 

ビルドは左手にヘリコプターの羽を生やして空中から花びらや茨などで攻撃する。

グリスも何故ビルドが北都のボトルを持ってるのかわからず動揺している。

 

すると今度はトラとUFOを使ってトラユーフォーに変身するビルド。

ボトルの性質を上手く使い、グリスを翻弄していく。

 

だが今度は西都のボトルを使ったから、誰がボトルを渡したのかわかった様子のグリス。

多分今頃アイツが何かしらのリアクションを取ってるだろう。

 

その後もビルドはベストマッチのボトルを駆使してグリスを追い込んでいく。

だがそこでやられる程の男じゃないようだ。

 

グリスは感情を昂らせ、この試合の中でもハザードレベルを上げていっている。

多分青色くんが消滅したことで余計に覚悟が固まったようだ。

 

形勢が逆転されるビルド。

さっきまで優勢だったが一気にグリスに追い詰められてしまう。

 

スパークリングに変身したビルドは必殺を放つ。

それを受け止めたグリスは耐え抜き、キックを放つ。

ビルドも応戦しようとキックを放つが、グリスの勢いに押されてしまう。

 

グリスは雄叫びを上げる中、ビルドはハザードトリガーを取り出す。

だがやはり躊躇している様子。

 

とそこに紗羽さんが美空ちゃんが手にしているものに気がつく。

何なのか聞かれた美空ちゃんは答える。

 

もしもビルドがハザードを使い暴走した時に使えと頼まれたらしい。

どうやら自爆装置のようで、暴走した自分を止める為の最後の手段を美空ちゃんに託したのだ。

しかもその時の説得の文句が絶対に断れないようにしたものだった。

 

『責任』...

自責の念がある美空ちゃんにとって、その言葉は重いものだ。

それを使うなんてねぇ...

 

それを聞いた僕はスイッチを取り上げる。

 

美空「ちょっと!?どうするつもりなんです!?」

 

紗羽「彼方君!?」

 

彼方「全く...女の子を後悔させるようなことしたらダメでしょうに...」

 

そう言って僕はスイッチをブラックホールの中に入れ、消滅させる。

それを見た周りは驚いていた。

 

彼方「君を止めるのはこんな野暮な機械じゃなくてベストマッチな相棒じゃないのかな〜?」

 

僕はそう言ってこの場を去る。

それを追いかけてきた紗羽さん。

 

紗羽「どこに行くの!?」

 

彼方「筋肉バカくんを呼んでくるんだよ。」

 

僕はそう言ってワープする。

 

...

 

..

 

 

 

何日ぶりかに来た『nascita』。

地下室に入るとお目当ての人物が一人で居た。

 

龍我「っ!お前!どうしてここに!?」

 

彼方「前に美空ちゃんを送る為に来たんだよ。それよりもあそこに行かなくていいの?」

 

僕はそう言ってテレビに映っている試合会場を指す。

だがそれを聞いて顔を逸らす筋肉バカくん。

 

龍我「俺にはどうしようもねえよ...」

 

彼方「ビルドが死んでもか?」

 

龍我「っ!?どういうことだそれ!」

 

彼方「彼はハザードを使う時に美空ちゃんにあるものを渡した。自爆装置だ。」

 

龍我「んだと...!?」

 

彼方「誰かを傷つけてしまう前に自分を消滅させれば誰も傷つかない。自己犠牲がどうこうって話どころじゃないよね〜...そんな中君はどうする?」

 

龍我「俺は...」

 

彼方「君は彼を救いたいと、助けたいと思ったから戦争を終わらせようとしたんじゃないのか?だったらその意思を強く持て。そうすれば力は手に入るさ。」

 

龍我「...戦兎。俺はお前を...」

 

彼方「いつだって力を手に入れる時は強い気持ちを持った時だ。覚悟を決めた君になら、スクラッシュドライバーを使いこなすことができるんじゃないの?」

 

僕はそう言って地下室を後にする。

すると冷蔵庫を開いた所で紗羽さんとぶつかってしまう。

 

紗羽「イッタ〜イ!って彼方君!?」

 

彼方「イツツ...紗羽さん、ちょっと注意してよ〜...」

 

そうやって立ちあがろうとするも足が縺れてしまって紗羽さんを巻き込んで転んでしまう。

すると何故か紗羽さんに冷蔵庫を背に壁ドンされる体勢になってしまう。

自然と見つめあってしまう感じになり、紗羽さんは顔を赤くしてしまう。

 

紗羽「か、彼方君!?これは別に!その!違うから!誤解しないでね!?」

 

彼方「いや紗羽さん落ち着きなよ。そんな可愛い反応されてもなんも言えないんだけど...」

 

紗羽「か、可愛い!?私が!?ちょ、ちょっと!?」

 

何故か紗羽さんがショートしてしまう。

あれ...僕なんかやらかしたっけ...?

 

すると足元の冷蔵庫が開く。

あ、そういやまだ筋肉バカくん居たんだった。

 

龍我「おい!何してんだよ!さっさと行くぞ!」

 

紗羽「え?...あっ!そ、そうだね!早く行こ!」

 

彼方「僕が送ろうか?」

 

龍我「お、マジか!?ありがてえ〜。」

 

紗羽「さっきのワープで?」

 

彼方「そういうこと。」

 

僕はそう言ってワープゲートを開く。

一応スマホで状況を確認してみると、ハザードになったビルドがグリスにトドメを刺して変身解除させたところだった。

だがあの動きからして多分暴走してるだろうな...

 

彼方「もう既に暴走してるみたいだよ。さてさて、筋肉バカくん。」

 

龍我「筋肉バカって呼ぶな!」

 

彼方「覚悟はできてるかい?」

 

龍我「...ったりめえだ!」

 

そう言ってスクラッシュドライバーを装着する。

 

彼方「よし!なら相棒を救うヒーローになってこい!」

 

龍我「っしゃあ!」

 

僕は彼の背中を押してワープゲートに送り込む。

それを見送った僕達は後を追う。

 

するとビルドとクローズが戦っていた。

クローズは果敢に攻撃するもダメージが効いてないのか、それとも痛みを感じていないのか止まらないビルド。

今度はクローズの方が暴走しそうになる。

だがそれでも必死に抗いながらビルドを止めようとする。

 

するとクローズは自身の拳を止める。

どうやら戦闘衝動を抑えれるようになったな。

 

クローズ「俺しか居ねえだろおおおおおおお!!!」

 

クローズはそう叫びながら拳を自身の胸に打ち付ける。

全身を青いオーラが包み込み、そのオーラが弾けた。

するとさっきまでの荒々しさが消えた。

 

どうやら自分で制御できるようになったみたいだな。

クローズは二段必殺技を放つ。

 

クローズ「目を覚ませええええ!!!戦兎ォォォ!!!」

 

そう言ってクローズが放った龍のオーラを跳ね除けたビルドと拳を叩き込み合う。

するとお互い許容オーバーだったのか変身が解除される。

殻を破ったようだねぇ...

 

隣を見てみると美空ちゃんが今にも泣き出しそうだった。

それを見て僕と紗羽さんは抱き寄せる。

すると安心したのか涙を流す美空ちゃん。

 

美空「ありがとう...万丈。」

 

...さてと。

そろそろ向こうは仕事を終わらせただろう。

 

そう思ってるとメールが届く。

見てみると、『完了』の二文字が書かれてあった。

完了ねぇ...

 

名残惜しいけど、僕はやらなきゃならないことがある...

僕は美空ちゃん達から離れ、ステージに降り立つ。

 

戦兎「お前は...」

 

龍我「おー!さっきはありがとよ!」

 

一海「...てめえ何する気だ。」

 

彼方「...『凝血』。」

 

僕はスチームガンを取り出し、変身する。

いきなりのことにこの場に居る全員驚いている。

だけどそんなことは気にせず、全国に中継しているであろうカメラに視線を合わせる。

 

ドクトル「んん!さてさて、東都と北都が自身を賭けて戦った代表戦。実に素晴らしい戦いでしたよ。その裏で何が起こっているのかも知らずにねぇ?」

 

戦兎「なん、だと...」

 

龍我「どういうことだよ!?」

 

一海「俺達が戦ってる間に何をやったんだ...?」

 

ドクトル「これをご覧ください。」

 

そう言って僕はスチームガンから煙を出し、それをスクリーンにしてある映像を見せる。

それを見たこの場の全員が驚いていた。

 

ドクトル「これは北都がもし代表戦で負けた時に備えて東都に進軍させていたんですよ。ま、それも全滅ですけどねぇ。」

 

一海「なんだと...!」

 

ドクトル「この機会に西都が北都に進軍し、北都官邸を制圧しました。」

 

僕の言葉を聞き、カズミンはスマホを取り出し電話をかける。

 

一海「首相、北都が乗っ取られたって本当か?」

 

エボルト『ああ、本当だ。』

 

一海「...スターク。」

 

どうやらもう拘束をしているみたいだな。

今頃椅子に踏ん反り返ってるんだろうな。

 

ドクトル「北都は西都の仮面ライダーによって制圧された。さ〜て?ビルド、クローズ、グリス。君達はどうする?」

 

そう言って僕は世界を遮断させる結界を展開する。

それによってこれから先の話は誰にも聞かれない。

更に時空を歪めているから外の世界からしたら一瞬の出来事となる。

 

ドクトル「御堂首相は君達を歓迎するみたいだよ?兵器としてだけど。」

 

戦兎「ふざけるな。誰がそんな誘いに乗るか。」

 

龍我「そうだ!俺達は兵器なんかじゃねえ!」

 

一海「...故郷傷つけられて飲むわけねえだろゴラァ!」

 

ドクトル「ふむ...まあ君達ならそう答えると思っていた。」

 

そう言って僕は変身を解除する。

その様子に怪しむ三人。

 

彼方「ま、これはあくまで建前だよ。こうしないとスタークがうるさいからね〜。それこそ僕が消されるかもしれないからさ。」

 

その言葉に全員お笑いみたいにズッコケる。

あれ?ボケかなんかと勘違いしたのかな?

 

龍我「じゃ、じゃあ今までのって...」

 

彼方「君達を強くする為の演技ってことかな?まあ青色くんが消滅した時とかは君達に覚悟を決めさせる為に介入したけどさ。」

 

赤羽「じゃあアンタが助けることもできたじゃねえか!」

 

彼方「それで?あの時も言ったけど君達は知らなきゃなんないんだよ。命を奪うということ。命を奪われるということを。結果君達の覚悟は強まった。」

 

赤羽「それは...」

 

戦兎「じゃあお前がスタークと組んでいるのも...」

 

彼方「今はまだその時じゃないからだよ。」

 

龍我「ん?でもお前すっげえ強えんだからスタークを倒すこともできるだろ?」

 

彼方「それができたら苦労しないよ...裏切るとしたらもうちょっと後だからね...」

 

一海「スタークにはそれだけの切り札があるってことか...」

 

戦兎「待てよ?じゃあお前はスタークの狙いを知ってるのか?」

 

彼方「ん?もちろん。だけどそれを今ここで言うにはちょっとばかり役者不足かな...」

 

一海「それはどういう意味だ?」

 

彼方「今の君達ではスタークには絶対に勝てない。精々捨て駒扱いで終わりだよ。だからもっと戦力を増やしたいんだ。」

 

戦兎「戦力...」

 

そう言ってビルドくんはハザードトリガーを見つめる。

 

彼方「スタークは君がハザードトリガーの副作用を解決するのを期待している。多分だけどこれからスタークは君にハザードを使わせようとするだろう。だから君は早めに解決法を探すべきだ。」

 

戦兎「ハザードトリガーのデメリットを無くす方法...」

 

彼方「それに筋肉バカくんの成長を期待している。君のハザードレベルが5.0以上になったらアイツは仕掛けてくる。それだけ気をつけなよ。」

 

万丈「俺のことを狙ってるのか...」

 

ヒントを与えることによって恐らく今までよりも早く成長するだろう。

それこそビルドくんはハザードを克服し、筋肉バカくんは強くなるだろう。

それに一番の狙いは...ベルナージュの力だからね...

 

そう考えながら美空ちゃんの方を見る。

すると僕の視線に気づいたのか首を傾げる。

何それ可愛い。

 

彼方「ま、そういうことだから。くれぐれもスタークに勘付かれないようにしてよ?僕が裏切り者だと分かったらアイツは容赦なく消しにくると思うからさ。」

 

僕はそう言ってもう一回変身する。

そして結界を解除する。

 

ドクトル「まあ君達仮面ライダーが束になっても勝てないだろうね。こっちには兵器が三人居るからねえ。」

 

僕はそうやってヒントを与える。

あくまで仮面ライダーではなく兵器と伝えることで彼らに少しでも対策を考えてもらいたい。

 

ドクトル「では僕はこれで。東都の皆さん、これは西都からの宣戦布告と捉えてもらってもいい。また正式に御堂首相からも発表があるでしょう。では...」

 

僕はそう言ってスチームガンを使って地下室に帰った。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

部屋に戻った僕は変身を解除する。

すると階段から足音が聞こえてくる。

誰だと思い見てみると涼香だった。

 

彼方「やっほ〜、どうしたの〜?」

 

涼香「なかなか面白いことしたじゃない。あえてビルドちゃん達に分かる様にヒントを伝えて...」

 

彼方「やっぱ分かった?う〜ん、エボルトにバレなきゃいいんだけど...」

 

涼香「多分もうバレてるわよ。アイツはあえて放置してるのよ。自分が楽しむ為に。」

 

彼方「...やっぱサイコパスだな。」

 

もうエボルトの意地の悪さを表す言葉は無いと思う。

それこそサイコパスとかで括るしか無い気がする。

 

涼香「それはそうと...あれだけのことをしたってことは何かエボルト達と対抗する為の策があるの?」

 

彼方「なんでそう思ったの?」

 

涼香「だってあんなに堂々と宣戦布告するなんてアイツは考えないと思うの。だから今回のあれって...貴方のシナリオでしょ?」

 

彼方「...ハハハ!その通りだよ。まさかそこまで分かるなんて...こりゃ凄い協力者を得たな。」

 

涼香「フフフ♪貴方が思いつきそうなことは大体分かる様になってきたの。それで...貴方の策は何?」

 

彼方「それはあそこを見たら分かるよ。」

 

そう言って僕は作業机を指差す。

その上に置かれてある組み立て中のエボルドライバーを見て涼香は驚く。

 

涼香「っ!あれはエボルトが探していた物じゃない!どうして貴方が!」

 

彼方「たまたま行ったある所で見つけたんだよ。それを解析して僕が一から組み立てるんだ。もちろんオリジナルはその場所に戻してきたけどね。」

 

涼香「え?じゃああれは貴方が作ってるもう一個のドライバーっていうこと?」

 

彼方「そういうこと。もちろん他の奴が使えないようにしてあるし、僕独自の改造も施してるからある意味オリジナルのエボルドライバーって言ってもいいかもなんだけどね。」

 

涼香「...ほんと規格外過ぎないかしら。」

 

彼方「そういえばエボルト以外の奴らはどうしてんの?」

 

涼香「アイツらは計画通りに動いてるわよ。ただやっぱりちょっとでも怪しい動きをすると殺すぞって視線を飛ばされるのよね...」

 

そう言って涼香はちょっと顔色を悪くする。

多分相当の威圧を放つんだろう。

 

僕は涼香を抱き寄せ、頭を撫でる。

そのことに驚く涼香。

 

涼香「ちょっ、何してるのよ!?」

 

彼方「怖かったんでしょ...顔色悪くなってる。」

 

涼香「っ...別にそこまで怖く無いわよ。殺されるかもしれないなんてことは今までもよくあったわ。でも...貴方と会えなくなるかもって思うとどうしてもね...」

 

彼方「っ!」

 

僕は思わず涼香を抱きしめる力を強くする。

あんなこと言われたらこうしたくなるに決まってるじゃん...

 

彼方「僕が守る...絶対に...」

 

涼香「え...」

 

僕は涼香を放して作業机に向かい合う。

あんな顔見たらどうしても自分の弱さを思い知ったようでイラつく。

絶対にクズ野郎二人を消してやる...!

 

そんな思いを胸にエボルドライバーの組み立てに取り組んで行った...

 

 

 

 

to be continued...

 

 




50000UAありがとうございます~。
ありがたや~ありがたや~!!!


あ、それとアンケの結果二人ともヒロイン√に入りま~す。
まあビルドに関してはフォーゼと違ってヒロイン候補が少ないですからね~。
必然的に絡みが多くなると思いま~す。


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アイドル覚醒

ー彼方sideー

 

エボルドライバーの3分の2を完成させて一休みする。

いやほんとなんでこんな複雑な機構なの?

葛城巧はよくここからビルドドライバーを発明したよな...

 

取り敢えず今の状況を確かめる為に部屋に設置してある水鏡を覗く。

モルガンの魔術を応用した物だけど結構便利なんだよね〜。

これにダスタード達の視覚を共有することで外で何が起こっているのかが一目で分かる。

元の世界でもこれを使っていた。

 

視覚を共有させると予想外のものが映っていた。

 

ビルドとクローズが西都の仮面ライダーにやられた姿だった。

まさかもう進行していたとは...『ローグ』が...

 

よく見てみるとエボルドライバーの作業し始めてから一日以上経っていた。

え、僕そんな長時間ずっと作業してたの?

ブラック企業もびっくりの残業じゃん...

 

ん?よく見たら黄色くんに着けていたダスタードの反応が無い...?

まさか...!?

 

カズミンの手を見てみると握っているドッグタグが増えていた。

黄色のドッグタグってことは...

そうか...逝ったか...

 

僕はなんともいえない気持ちを胸に意識を手放す...

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

いつの間にか眠っていたのか、僕は椅子の上で目を覚ます。

よく見るとブランケットがかけられていた。

多分フォリアがやってくれたのだろう。

 

取り敢えず寝起きの身体を動かしてシャワーを浴びる。

何気に丸二日は浴びていない気がする...やべ、臭うよね...

入念に洗っておく...

 

その後、普段着に着替え何となくお腹が空いたからたまには外で食べようと思った。

ただあの代表戦以降多分僕が外で出歩いてたら侵略しに来たって思われるだろうから一つしかないんだけどね...

 

...

 

..

 

 

 

ということでやって来たお馴染み『nascita』。

中に入ると筋肉バカくんがラーメンを食べてそれを美空ちゃんがつまんなそうに見てた。

 

入って来た僕を見て二人とも歓迎みたいな雰囲気を出す。

 

彼方「やっほ〜、何か食べ物ある?」

 

龍我「おう!どうしてここに来たんだ?」

 

美空「いらっしゃい!うちの他にも店はあるはずだけど?」

 

彼方「いや、その〜、僕ってほら?ね?」

 

龍我、美空「「ん?...あ、あぁ〜...」」

 

彼方「そゆこと。だからここしかなくってさ。」

 

龍我「じゃあこれ食ってけよ。」

 

そう言って筋肉バカくんが取り出したのは、彼が食べているカップラーメンだった。

いやさ...確かに食べ物無い?って聞いたけどさ...これは...

流石の美空ちゃんも苦笑いしている。

 

龍我「ん?なんだ?その味嫌なのか?意外とうめえぞ?」

 

美空「...あたしが何か作りますよ?」

 

彼方「いや、いいよ。たまにはこーゆーのも食べたいしね。」

 

僕はそう言って魔術を使ってお湯を入れる。

そして時空結界をカップラーメンを囲うように展開して、3分時間を早める。

するとあっという間にカップラーメンの出来上がり〜。

所要時間たったの五秒。

 

龍我「うお、すげえ!?どうやってやったんだよ!?」

 

彼方「う〜ん、ちょっとした魔術だよ。」

 

そう言って僕は麺を啜る。

ん〜、久しぶりに食べるカップラーメンは案外美味いね〜。

てかこれってプロテイン入ってるんだ...なんか、ほんと筋肉バカだよね...

 

食べ終わると美空ちゃんがタイミングを見てコーヒーを出してくれた。

と言っても缶コーヒーだけど。

 

コーヒーを飲んで落ち着いてるとビルドくんが帰ってきた。

何故か荷物を持ったカズミンと赤色くんを連れて。

 

ビルドくんの話によると、どうやら協力関係を結んだらしい。

まあ今更東都だの北都だの言い争ってる場合じゃ無いからね〜。

 

一海「という訳で、今日から東都で世話になることになった猿渡一海だ。カズミンって呼んでくれ。」

 

美空「カズミン...?」

 

一海「みーたん♪」

 

それとこれは美空ちゃん達から聞いた話だけど、どうやらカズミンは生粋のドルオタらしい。

で、美空ちゃんがネットアイドルとして扮してる『みーたん』に一目惚れしたらしい。

いや〜、何か癖がありそうな気がしたけどまさかドルオタだったとはね〜。

 

そんなことを考えてると筋肉バカくんとカズミンが喧嘩を始める。

なんていうか...血の気の多い二人だな〜。

 

そんなことを思ってると美空ちゃんが間に入ってカズミンに止めるように言う。

すると態度をコロッと変えてすぐに喧嘩をやめたのだった。

いや流石にそれは引くよ...?

 

しかも自作なのか美空ちゃんがプリントされた枕を取り出すし...

思わず美空ちゃんの目を塞いで見ないようにしたよ...

それで嫉妬に狂うカズミンが誕生したんだけどさ...

 

するとビルドくんが何やら思い詰めた表情で地下室に行くのが目に入る。

それを見た僕は地下室に行く。

すると後ろから美空ちゃんもついて来ていた。

 

地下室に入ると浄化装置の前でビルドくんが座っていた。

どうやらセンチメンタルになってるみたいだ。

 

それを見た美空ちゃんがこっちを見てくる。

美空ちゃんの思いを分かった僕は頷き、彼女の背を押す。

そして僕はビルドくんから見えないように壁にもたれる。

 

戦兎「覚悟ってなんだろな...本当に俺達東都の街守れてんのかな...」

 

そんなことを言うビルドくん。

それを聞いた美空ちゃんはビルドくんに視線を合わすようにしゃがむ。

そして...顔を両手で挟んだ。

 

思わぬ行動にビルドくんは笑ってしまう。

どうやら和ます為にやったみたいだ。

だけど美空ちゃんは昔より笑ってないと文句を言う。

 

そんな美空ちゃんに礼を言うビルドくん。

ムードメーカーな存在である美空ちゃんに助けられてることを感謝する。

それに対して自分にはこれしかできないからと言う美空ちゃん。

 

それを聞いたビルドくんは立ち上がる。

 

戦兎「思い出したよ。戦争が始まる前、俺はラブ&ピースの為に戦ってたんだって。また、前みたいに心から笑えるように...ラブ&ピース、悪くねえな?」

 

美空「うん!ラブ&ピース!」

 

ラブ&ピースか...立派な信念持ってたじゃん...

そう思った時、一瞬ビルドくんの姿が弦ちゃんと重なったように見える。

...そっか。彼も僕の憧れる仮面ライダーなんだな...

 

そんなことを思ってると突然美空ちゃんのバングルが光りだす。

すると突然苦しみ出す美空ちゃん。

僕は慌てて駆け寄る。

 

彼方「美空ちゃん!大丈夫か!」

 

戦兎「おい美空!美空!」

 

すると意識を失って倒れ込む美空ちゃん。

僕は慌てて抱き止める。

すると上からやってきた筋肉バカくんも異常に気づいたのかこっちに駆け寄ってくる。

 

龍我「おい美空!大丈夫か!おい!どうなってんだよ!」

 

戦兎「わかんねえよ!」

 

彼方「持病があるような感じじゃなさそうだし...」

 

何が原因なのか考えてると電子音が鳴り響く。

どうやら二人が着けてるブレスレットから鳴ってるみたいだ。

すると首相さんの声が聞こえてくる。

 

泰山『氷室だ!政府官邸に西都が攻めてきた!至急応援を頼む!』

 

どうやらパンドラボックスを狙いに西都が攻めて来たらしい。

だが二人は美空ちゃんのことがあり躊躇してしまう。

 

彼方「美空ちゃんは僕は看てるよ。二人は早く行きなよ。」

 

戦兎「...頼んだぞ。」

 

龍我「ぶっ倒して来てやるよ!」

 

そう言って二人は地下室から出ていく。

僕は取り敢えず美空ちゃんはベッドに寝かせる。

何故急に意識を失ったのか探る為にバングルに触ろうとする。

 

するとバングルが光り、僕の手が弾かれる。

どうやら火星の女王様には警戒されてるみたいだ。

 

すると突然美空ちゃんが起き上がる。

何故か目を瞑ったままで何も言わないが...

 

彼方「美空ちゃん?大丈夫?」

 

僕の呼びかけにも応じない。

僕は美空ちゃんの身体を揺らそうとする。

すると今度は美空ちゃんが僕の手を弾く。

 

そして目を開けて僕を見つめる。

だがその瞳はいつもと違い、緑色に輝いている...

もしかして...

 

ベルナージュ『エボルトと同族の者が私に触れようとするなんて...』

 

彼方「ベルナージュか...」

 

ベルナージュ『エボルトから聞いたのか?ならば貴様も奴の仲間なのだな?』

 

彼方「違うよ。まあ今は仲間って立ち位置かもだけどさ...そんなに疑うんなら美空ちゃんの記憶を覗けばいいじゃんか。まあ、彼女がどう思ってるかなんてわかんないけどね。」

 

僕がそう言うとベルナージュは目を瞑る。

するとバングルが光り出す。

多分記憶を漁ってるんだろう。

 

しばらくすると光は止み、ベルナージュが目を開ける。

だがその目はさっきより警戒心が薄れたように感じる。

 

ベルナージュ『大体把握した。ならば行くぞ、異界人。』

 

彼方「行くってどこに?」

 

ベルナージュ『仮面ライダーとやらの場所までだ。』

 

そう言うとベルナージュは起き上がり、裸足のまま出て行こうとする。

僕は慌てて美空ちゃんの靴を探し、それを履かせる。

その時には?みたいな表情をされた時は思わず煽ってしまった...

 

彼方「女王なのに靴も履かないって大丈夫かよ...」

 

ベルナージュ『それはどういう意味だ?喧嘩を売っているのか?』

 

彼方「いやいや、喧嘩なんて売ってないよ。意外に気が短いんだね...」

 

ベルナージュ『...スカイウォールに埋めてやるぞ。』

 

その一言ですぐに辞めたよね。

何!?スカイウォールに埋めるって怖すぎるんですけど!?

いくら僕でも流石に生きれるかわかんないよ!?

 

そんなことを思いながらベルナージュの後を着いていった。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

しばらく歩いて行くとスカイウォールがどんどん大きく見えてくる。

スカイウォールの近くで戦ってるのか?

 

そう考えてると戦闘音が聞こえてくる。

てことは近くだな...

 

僕は西都の奴らにバレないように変装しようと思ったけど、どうせ近いうちに裏切るんならもういっかと思いそのまま着いていく。

どうせ向こうもスパイを忍び込ませて来てるんだからトントンだろ。

唯一の懸念材料であるブラッド族のクズ野郎二人も僕が本気を出して潰せばおしまいだと割り切った。

 

すると爆発音が二つ聞こえてくる。

もしかしてと思い駆けつけると東都勢が変身解除に追い込まれていた。

そこにローグがビルドくんに追い討ちをかけようとしていた。

 

僕はスチームガンでローグに射撃する。

あくまで気を逸らす為だからダメージが通ってなくても構わない。

 

ローグ「...我望、貴様か。」

 

エンジン「お前...何のつもりだ?」

 

リモコン「私達を裏切るつもりですか?」

 

彼方「元からお前達の仲間じゃないけど?あくまでスタークのビジネスパートナーってことだったんだけど...君達って教育受けてきたの?」

 

エンジン「っ!貴様!」

 

リモコン「私達だけでなくあの人を侮辱するなんて!」

 

ローグ「お前をここで消す...」

 

彼方「おっと〜?残念ながら今日の主役は僕じゃないんでね?」

 

そう言って僕は横にズレる。

すると僕の後ろからベルナージュがやってくる。

美空ちゃんの身体を使ってるからビルドくん達は驚いてる。

 

ベルナージュはローグ達に向けて手をかざす。

するとバングルが光り、とてつもない力を放つ。

 

ローグ達は抗えず、宙に浮いてしまう。

そしてスカイウォールに穴を開け、ローグ達を穴の向こうに飛ばす。

穴はその後、何もなかったように塞がった。

 

火星の力ではないスカイウォールをいとも簡単に操るなんて...

女王ハンパないって...

 

皆もベルナージュの力に驚いている。

まあカズミンはちょっとズレた反応をしたけど。

 

するとベルナージュがあることを呟く。

 

ベルナージュ『エボルト...』

 

そう言ってベルナージュの意識が離れたのか、美空ちゃんは倒れてしまう。

僕は慌てて駆けて何とか抱き止める。

 

てかどんだけエボルトに怒ってるんだよ...

なんか改めて女性を怒らせたらダメだって思っちゃったよ...

 

...

 

..

 

 

 

あの後『nascita』に帰った僕達。

一旦地下室に戻ろうかと思ったけど、多分エボルトが来てそうだから辞めた。

一応エボルドライバーはいつも作業が終わると虚空に閉まっている。

誰が入ってきてもいいようにね。

 

どうやらあの後ビルドくんはエボルトと会ったみたいだ。

まあ美空ちゃんのあの力を見て知りたくなるのも無理はないよね。

 

だがそこでアイツは何も知らないと言って逃れたらしい。

代わりに難波チルドレンの存在を教えて。

 

まあ今回の襲撃もスパイが西都に情報を流したから起こった事だからね〜。

なら早い内に始末しておくしかないか。

 

そんなことを考えていると地下室から美空ちゃんと紗羽さんが出てくる。

特にどこにも影響は無さそうだ。

 

戦兎「大丈夫か?」

 

美空「うん。心配かけてごめん。」

 

紗羽「美空ちゃん、全然覚えてないんだって...」

 

龍我「あんな凄え力出しといて?」

 

美空「ねえ、あたしのこと調べてくれないかな?」

 

美空ちゃんの提案に僕達は取り敢えずやってみることにする。

もしかしたらベルナージュが何かしら美空ちゃんに影響を与えてるかもしれないしね...

 

...

 

..

 

 

 

僕とビルドくんは美空ちゃんの検査の為に残り、筋肉バカくんとカズミンはそれぞれある作戦の為に動いている。

紗羽さんはというと上で寛いでいる。

 

僕達は美空ちゃんにゴーグルを着けてもらい、バングルと指にそれぞれ計器を着ける。

今回は弾かないのね...

そうしてある程度検査をしているとある結果が出てきた。

 

それを見た僕達は取り敢えず美空ちゃんにも伝えることにする。

計器を外しながら美空ちゃんは説明を聞く。

 

戦兎「美空の念じる思いと、バングルの力がシンクロして未知なるパワーを生み出したとするなら、バングルに人工知能のような意志が存在してる可能性がある。」

 

彼方「そこで美空ちゃんの思考と連動させてみたらこんな映像が出てきたんだ。」

 

そう言って僕はモニターにある映像を映す。

そこには中心に天に向かって聳え立つ塔があり、その周りの文明や地形が崩壊している映像だった。

恐らくベルナージュが見た、火星が崩壊していく様だろう。

 

美空「これ、ボトルを浄化する時に見るやつ...」

 

その言葉に僕とビルドくんは注意深く聞く。

 

美空「意識を集中させると頭に浮かんできて、こんな風になりたくないって祈ると浄化できたの...」

 

戦兎「一瞬で壊滅させたこの力は、パンドラボックスのエネルギーなのかもしれない...」

 

美空「どういうこと?」

 

彼方「バングルの中の意志が火星の二の舞にさせない為に、美空ちゃんを介してパンドラボックスを開けさせないようにしてるんだよ。」

 

美空「じゃあ、傷を治したりスカイウォールに穴を開けたりしたのも?」

 

美空ちゃんの問いにビルドくんは頷く。

それを見た美空ちゃんは思い詰めた表情になる。

 

美空「あたしがそんな力を...」

 

そう言うと何故か立ち上がる。

そして何にもない風にして笑顔を見せる。

 

美空「そっか。じゃあ、これで皆と一緒に戦えるんだ...」

 

そう言うがだんだん表情は暗くなる。

それにスカートを掴む手の力が強く、震えている。

 

美空「怖いよ...自分がどうにかなっちゃいそうで...」

 

その姿を見て僕は美空ちゃんの腕を掴む。

それに驚く美空ちゃん。

 

彼方「なら僕達を頼りなよ。自分でどうにもできないなら僕達を頼ってくれ。助けるから。」

 

美空「彼方さん...」

 

彼方「僕達が戦争を終わらせる。その時はさ...笑顔で迎えてくれない?ほら、カズミンが気絶するぐらいいい笑顔でさ?」

 

美空「...うん!」

 

よかった...

まあ最初は自分が人外の力を持ってるかもしれないって思うと怖いからね〜。

僕だって今こそは慣れたけど、あの当時は早く使い熟さないとって焦ってたからな〜。

 

そんな昔を懐かしんでいるとビルドくんのブレスから電子音が鳴る。

どうやら筋肉バカくんからで、連中が罠にかかったようだ。

 

ビルドくんは東都機械工場に向かった。

その間僕は待機ってことに...

 

取り敢えずお腹空いたから何か食べよっかな〜...

 

彼方「美空ちゃん、何か食べる?」

 

美空「そういえばお腹空いたな〜...うん!」

 

彼方「じゃあ何か作ろっかな〜...」

 

美空「え!?彼方さん料理できるの!?」

 

彼方「これでも炊事洗濯は完璧なんだよ〜?何が食べたい?」

 

美空「う〜ん...パスタ!」

 

彼方「よし!じゃあ美味しいの作ろ〜!」

 

美空「お〜!」

 

ということでご飯を食べる僕達。

紗羽さんも一緒に食べて二人とも満足してくれた様子。

 

そして食後のコーヒーを飲んでる時にふと何かを感じる。

嫌な予感がし、ビルドくん達につけているダスタードと共感覚する。

だがしかし一体が反応しない...

 

またか...なんで呑気に飯食ってたんだよ...

僕は静かに立ち上がり、ドアに向かう。

それを不思議に思う二人が聞いてくる。

 

紗羽「彼方君?どこに行くの?」

 

美空「もしかして戦兎達に何かあったの...?」

 

彼方「...赤羽が死んだ。今からちょっとローグを捻り潰してくる...」

 

紗羽、美空「「え...」」

 

彼方「僕が何もしてなかった所為だ。せめて一発でもアイツを殴らないと気が済まない。」

 

美空「...なら私も連れて行って。」

 

紗羽「美空ちゃん!?無茶だよ!?」

 

彼方「...戦いに巻き込まれるかもしれないのに?」

 

美空「それでも...今までずっと守ってきてもらったから...あたしでも力になれることがあるなら...一緒に戦いたい!」

 

彼方「...そっか。なら着いてきなよ。」

 

そう言って僕はドアを開ける。

美空ちゃんはそれに頷いて僕に着いてくる。

 

美空ちゃんを守りながら戦うことになるかもだけど...

それでもアイツだけはマジで殴ってやる...!

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

パンドラボックスが保管されている倉庫に着いた僕達。

中に入ると、ローグに苦戦しているビルド達が居た。

 

僕達が入ってきたことに皆驚いている。

それに対して美空ちゃんがさっき僕に言ったことを言う。

そしてバングルに手を添え意識を集中させる。

 

だがそれをローグが阻止しようとスチームガンで撃ってくる。

その弾を僕が全てスチームガンで撃ち落とす。

 

ローグ「...我望、また貴様か。」

 

彼方「お前は一発殴らないと気が済まないんでね...」

 

そう言って僕は美空ちゃんの前に出る。

 

彼方「カズミン...赤色くんの側に居てやれなくてごめん...」

 

グリス「...気にすんな。アイツはお前のことを憎んでねえよ。」

 

彼方「...そっか。そうだといいんだけどね。」

 

そう言って僕はスイッチを取り出す。

ビルドとクローズはそれを見て驚く。

だがそれ以外は何なのかわかっていない様子。

 

彼方「久しぶりに使うからね...ちと力加減できないかもだけど、まぁお前には加減する必要ないよな?」

 

そう言って僕はスイッチを押す。

全身を黒いモヤが覆っていく。

ローグが何かヤバいと感じたのか射撃してくるが無意味だ。

 

モヤが晴れるそこには久しぶりにオピュクスに変身したオレが居た。

 

オピュクス「オレはただ一発...オマエを殴るだけだ...!」

 

オレはそう言ってローグに向かって走る。

ローグは走ってくるオレに向かって射撃してくるが全て避ける。

するとローグはボトルをスチームガンに装填して撃ってくる。

 

ワニ型のエネルギーがオレに向かって襲いかかってくるがオレはそれを殴る。

するとガラスが割れるようにエネルギーが弾けた。

 

ローグ「何...!?」

 

グリス「なんだあの力...!」

 

クローズ「やっぱ凄え...」

 

ビルド「アイツならハザードを止めれるかもしれない...」

 

オレは足に魔力を纏わせてスピードを上げる。

それによってローグは完全にオレを見失った。

 

ローグ「クッ、どこに行った...!」

 

オピュクス「ここだよ。」

 

ローグ「っ!?」

 

オレはローグの背後に現れ、鳩尾に向かって全力のパンチを放つ。

ノーガードで受けたローグは壁に向かって思い切り吹っ飛んでいった。

だがその時に方向を見てなかったからパンドラボックスを巻き込んでしまった。

 

するとローグに向かっていつの間にかハザードに変身したビルドが向かっていく。

ん?よく見たら暴走してねえか?

 

ローグはなんとか立ち上がり、必殺技でビルドを吹っ飛ばす。

そしてパンドラボックスを抱えてボトルの力を使って飛び去っていった。

ミスったな...

 

すると暴走したビルドがグリスを倒して、美空の元に向かう。

オレはそれを見て止めようと駆ける。

 

だがその瞬間、美空のバングルが光り出す。

するとビルドのタンクの複眼がラビットに変わる。

これは一体...

 

 

 

 

to be continued...

 



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裏切りのデスマッチ

ー彼方sideー

 

美空を襲ってるビルドに異変が起きた。

美空のバングルが光り、その直後にビルドの複眼がラビット二つに変わる。

 

すると意識が戻ったのか美空から手を離す。

そして赤い電気を走らせながら変身が解除する。

 

戦兎「今のは...」

 

一海「なんで、勝手に変身解除に...」

 

戦兎「っ!おい、美空!ごめん、大丈夫か?美空?」

 

美空「大丈夫...」

 

龍我「お前何してんのかわかってんのか!」

 

オピュクス「落ち着け!今はそれより、誰がここをバラしたのかだ。パンドラボックスの場所を知ってるのオレ達しか知らねえはずだ...」

 

一海「こん中に、裏切り者が居る...」

 

オレはそれを聞きながら変身を解除する。

裏切り者...そういえばあの人は確か難波チルドレンだったはず...

だとしたらあの人が情報を流した可能性が...

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

『nascita』に戻った僕達。

結局何が起こっているのかわからなくなった僕達は一旦整理することに。

そこでまず誰が裏切り者かって話になったんだけど...

 

何故か筋肉バカくんとカズミンが睨み合ってる...

どっちかって言うと筋肉バカくんが一方的な感じがするんだけどね...

 

美空「ねえ、ねえ!ほんとにこの中に西都のスパイが居ると思ってるの?」

 

龍我「お前には関係ねえ、黙ってろ!」

 

一海「なにみーたんに当たってんだ、バカ!」

 

龍我「バカって言うなよ!せめて筋肉つけろよ!」

 

一海「筋肉ねえだろ。」

 

とか言ってくだらない争いになってくんだよね〜...

まあそんな争いはどうでも良くてさ。

実際問題、スパイが居るってなるとこれからの行動が制限されるんだよね〜。

 

そんなことを考えてると筋肉バカくんが僕達の方に寄って来る。

 

龍我「おい。なにぼーっとしてんだよ。お前もスパイの候補なんだぞ。」

 

そう言うけど僕はもう連絡を切ってるからね〜。

まあ元々エボルトとしか連絡とってなかったんだけどさ。

 

するとビルドくん達のブレスレットが一斉に鳴る。

どうやら首相さんからのお呼びらしく政府官邸に行った。

 

そんじゃあ僕もちょっと動こうかな〜。

そう思いドアを開けようとすると美空ちゃんが聞いてくる。

 

美空「ねえ、どこに行くの?」

 

彼方「ん?拠点をここに移そうと思って荷物を取りにね〜。」

 

美空「え、じゃあ今日からここに?」

 

彼方「うん。もう別行動する意味もないしね。」

 

美空「やった〜!じゃあ食事当番決めないと!」

 

彼方「う〜ん、それは後から決めよっか?荷物纏めなきゃだから。」

 

美空「うん!行ってらっしゃい!」

 

彼方「...行ってきま〜す!」

 

そう言って僕は店を出る。

うん...なんかいいな。行ってらっしゃいって...

久しぶりに言われた気がする...

 

 

そんなことを考えながら僕はある場所に向かった。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

とある住宅街の川沿いを歩いているとある人を見かける。

僕は後ろからそっと近づき、声を掛ける。

 

彼方「やっほ~、紗羽さん。」

 

紗羽「キャッ!?か、彼方君!?も~、びっくりさせないでよ!」

 

彼方「ごめんごめん。ついついやっちゃった~。」

 

紗羽「ついついって...はぁ...それで?何か用事?」

 

彼方「うん、ちょっと紗羽さんにね~。」

 

紗羽「私に?」

 

自分に用事があると言われて不思議に思う紗羽さん。

まあ何か話したいことがあるなら電話で充分だとは思うよね。

 

彼方「うん。ちょっと電話じゃ話せないことだからね~...難波についてなんだけどさ。

 

紗羽「っ!?どういうこと、かな?私は別に難波重工とは関係ないよ?」

 

彼方「この世界に来た時にスタークからビルドくん達についての資料を貰ったんだ。もちろん紗羽さんのこともね?そこに書かれてあったんだよ。滝川紗羽は難波チルドレンであるって。」

 

紗羽「っ...」

 

彼方「だから今回のローグによる襲撃もパンドラボックスの保管場所を紗羽さんが難波に流したんじゃないかと思ってね~。」

 

紗羽「...ええ、そうよ。」

 

紗羽さんは言い逃れできないと判断したのか認めた。

まあ認めなくても証拠はあるから言い逃れは出来ないんだけどね。

 

紗羽「それで?私をどうするつもりなの?」

 

彼方「ちょっと着いてきて欲しいとこがあるから着いてきてもらうよ?」

 

僕はそう言うと紗羽さんの腕を掴んでワープする。

行き先は例の地下室だ。

 

ワープするとどこなのか分からない紗羽さんは困惑している。

 

紗羽「ここは...?」

 

彼方「僕の拠点。まあ、もうあんまり使うことは無くなるけどね。」

 

紗羽「っ!じゃあもしかしたらここにスタークが来ることって...」

 

彼方「十分にあるよ。それこそ今すぐにでも来るんじゃない?何故自分を裏切ったんだって。」

 

僕がそう言うとフラグ回収だったのか僕達の前に煙が現れる。

そしてその中からエボルトが現れた。

 

エボルト「よぉ...ん?余計なのが居るなぁ?よく見たら難波のスパイじゃないか。もしかしてコイツにバレたのか?」

 

紗羽「っ!ええ...彼方君には最初からバレてたけどね...貴方のおかげで。」

 

エボルト「なぁに、気にするな。どうせお前は難波の下から離れたかったんだろ?なら丁度いい機会じゃないか。最後に戦兎が作り上げた新兵器のデータを流して去ればいい。だがその時にお前の立場があるかどうかは知らないがな?」

 

彼方「...なんかお前ってホントドSだよな?人が藻掻き苦しむのを見て喜んでさ...」

 

エボルト「おいおい、悪趣味な言い方はよせよ。俺はただ事実を言っただけだぞ?」

 

彼方「...まあそれはどうでもいいけどさ。別に紗羽さんが皆に拒絶されてもここで匿えばいいだけの話だし。」

 

紗羽「え...?」

 

エボルト「ほぉ...?つまりなんだ?お前は難波重工という大量の兵器を保有している相手に対してそこの女を絶対に守り抜けると言うのか?」

 

彼方「そうだけど?まずあんなネジの緩いガラクタでここに来れるわけないじゃん。カイザーシステムだろうがローグだろうが、僕には敵わないんだからさ。」

 

エボルト「...ハッハッハッ!お前は一つ忘れてることがあるだろ?俺やアイツらはどう対処するんだ?俺が本来の力を取り戻せば今のお前とは良い勝負できるんだぞ?」

 

彼方「あ~、それはこれ使えば最悪は何とかなるかもね~。」

 

そう言って僕は作りかけのエボルドライバーを取り出す。

それを見てエボルトは珍しく動揺する。

 

エボルト「何故お前がそれを持ってるんだ...?葛城巧が何処かにやったと思っていたが...」

 

彼方「お前も馴染みのある場所で見つけたんだよ。あぁ、もちろんこれは僕のオリジナルだから。お前のはまだその場所に眠ってるよ。」

 

エボルト「...なるほどな。タイミングを見て取りに行くか。まさかお前がそれを持っているとはな...」

 

彼方「これがあればお前も倒せる。ほらね?紗羽さんを守ることは簡単なんだよ。たとえスマッシュに変えようと僕なら治せる。」

 

エボルト「スイッチの力でか...こりゃお手上げだな...なら、今回のことは目を瞑ってやるよ。お前には何かと面白いモノを見せてもらったしな。また会おうぜ、Ciao!」

 

エボルトはそう言うとスチームガンから煙を出して消えた。

すると紗羽さんが座り込む。

僕は慌てて紗羽さんの様子を見る。

 

彼方「紗羽さん!?大丈夫!?もしかしてアイツに毒を打たれた!?」

 

紗羽「ううん...ただ、二人の雰囲気がちょっと耐えれなくてね...力が抜けちゃった...」

 

彼方「なんだ...良かった...」

 

ほんとアイツが置き土産に毒を打ったかと思った...

マジで焦った~...

 

彼方「まあ僕もまさかアイツが来るとは思わなかったからね...」

 

紗羽「ほんとフラグ回収しないでよ...」

 

彼方「ごめんごめん。」

 

僕は紗羽さんに手を差し出す。

それを掴んで紗羽さんは立ち上がる。

 

取り敢えず落ち着かせた方がいいと思い、僕はコーヒーを出す。

それを飲んで一息ついた紗羽さんは話を切り出す。

 

紗羽「それで...彼方君は本当に私を匿うの?とてもじゃないけどメリットはない気がするんだけど...だって、もしかしたらさっきスタークと話してた時に見せてたアレのこととかも流しちゃうかもしれないのよ?」

 

彼方「別に流しても特に問題は無いからね~。あれって地球の技術じゃ組み立てるの不可能に近いからね~。それこそビルドくんぐらいの科学者じゃないとできないよ。」

 

紗羽「それを組み立ててるって...もしかして彼方君って向こうの世界で科学者だったの?」

 

彼方「いや?普通に医者だったよ?まあ向こうの仮面ライダーのシステムを作るのとか手伝ってたからその内にそういうの覚えていったのかもね~。一応このスチームガンも僕が改造してるし。」

 

紗羽「えぇ...それじゃあ戦兎君みたいにビルドの強化とかもできるんじゃ...」

 

彼方「多分出来ると思うよ?それこそ今開発しようとしてるハザードを最大限活かした強化アイテムとかもね。」

 

紗羽「...なんで手伝わないの?」

 

彼方「別に手伝ってもいいんだけど、それじゃあ彼の力じゃないじゃん?それに僕がやったら多分彼には負担が大きすぎるものが出来そうだからさ...」

 

実際スチームガンもエボルドライバーも僕の身体を基準にして改造している。

だからもしビルドくん用にとなったら一からデータを集めなきゃならないから大変なんだよね~。

それこそ今だととてもじゃないけど西都との戦いに間に合わないし。

 

そんなことを思ってると着信音が鳴る。

僕のかと思ったら紗羽さんの様だ。

ただ画面を見た紗羽さんの顔が強張る。

 

彼方「どうしたの?」

 

紗羽「内海さんから電話が来たの...」

 

内海って確か...難波の秘書の様な奴だよな...

ソイツも確か難波チルドレンで科学者だったよな。

エボルトが言うにはカイザーシステムを応用したのもローグを作り上げたのもソイツだって聞いたけど...

 

彼方「出なよ。多分ビルドの情報を流せって言われるだろうけど。」

 

紗羽「え...大丈夫なの?」

 

彼方「大丈夫だよ。多分ビルドくんは対応策を考えてるはずだからさ。」

 

それを聞くと、紗羽さんは戸惑いながらも電話に出る。

話の内容は僕が予想した通りビルドの情報を流す様に言われたそうだ。

じゃないと鍋島という男の家族がどうなってもいいのかと言われたらしい。

紗羽さんは流すから手を出さないように言って通話を切る。

 

紗羽「どうしよ...」

 

彼方「取り敢えずは向こうに従って渡せばいいよ。でも多分向こうは約束を守らないだろうけどね。」

 

紗羽「えっ!?じゃあ戦兎君が負けるだけじゃない!?」

 

彼方「はぁ...そんなことで負けるような彼じゃないでしょ?それは僕よりも付き合いが長い紗羽さんが分かってるんじゃないの?」

 

紗羽「それは...」

 

彼方「それにもし負けようが、僕がその鍋島って人の家族を助けるよ。」

 

紗羽「えっ...なんで、そこまで...」

 

彼方「知り合いが苦しんでるなら助ける。それが僕だからね。」

 

紗羽「そんなことで...?」

 

彼方「てか僕達は知り合いじゃなくて仲間でしょ?」

 

僕がそう言うと紗羽さんは涙を流す。

 

紗羽「...そんなこと言うなんてズルいよ。これじゃ私...」

 

彼方「僕達を信じてよ。もし信じれないっていうなら僕を利用してよ。紗羽さんが信じれるまで僕は待ってるからさ。」

 

紗羽「彼方君...ありがとう...」

 

そう言って紗羽さんが抱き着いてきた。

僕はそれを受け止め、気持ちを吐き出させる。

 

多分今まで難波チルドレンとして育てられたから自分の意思がなかったのだろう。

あったとしても難波第一という考え。

でもそれが少しずつ崩れ、自分の意思で進みたいと思ったんだろう。

 

なら僕はそれを後押しする。

誰かが邪魔しようがそんなの跳ね除けてやる。

それが僕に出来ることなんだから。

 

紗羽「...前にね、難波が東都政府に私を捕まえさせようとしたことがあるの。その時に命を絶つのが難波チルドレンとして正しかったんだと思う...でも出来なかったの...皆と一緒に居る内に気付いちゃったんだ...家族の温もりっていうか、私がずっと欲しかったモノを皆がくれて...だから生きたいと思ったんだ...」

 

彼方「...紗羽さんの想いが聞けて良かったよ。これからも僕達が一緒に居るよ...」

 

紗羽「...彼方くん、ありがとう。」

 

そう言って涙を流す紗羽さん。

それを僕はただひたすら受け止めた。

 

...

 

..

 

 

 

しばらくして泣き止んだ紗羽さん。

その時に顔を赤くして僕から離れていった。

まあ恥ずかしかったんだろうね~。

 

そんな紗羽さんを見て、僕は部屋の荷物を纏める。

と言っても服ぐらいしか持っていく物が無いから直ぐに済んだ。

 

適当なバッグに詰めて後は部屋を掃除する。

一応寝泊りしたから涼香に感謝の意を込めてやった。

 

それからワープして外に出た僕達は一緒に『nascita』に帰った。

どうやら皆地下室に居るようだ。

 

あれ?ビルドくんの髪がはねてるってことは何か実験でもしてたのかな?

よく見たら何か割れたような物が見えるし。

 

彼方「ただいま~。」

 

龍我「お、紗羽さんに彼方!どうしたんだよその荷物。」

 

彼方「今日からここに住むことにしたから。」

 

戦兎、龍我「「は!?」」

 

美空「じゃあ今日はごちそうだね!」

 

彼方「よっしゃ一緒に作ろっか!」

 

彼方、美空「「おー!」」

 

僕と美空ちゃんは荷物と僕の寝る所を探す為に地下室から出ていく。

そういやここって結構な人数住んじゃってるけど僕が寝る場所あるのかな...?

 

彼方「美空ちゃん、僕が寝れるとこってあるの?」

 

美空「う~ん、お父さんが使ってた部屋が空いてるからそこ使ってもいいよ?」

 

彼方「お、そりゃラッキー。」

 

僕は美空ちゃんに案内されて部屋に入る。

そこは特に変わったところがなく、何故かコーヒー豆が入った瓶がたくさん置かれていた...

アイツ...コーヒーマズいのしか淹れれない癖に豆は一丁前にこだわってるのかよ...

 

美空「お父さん、コーヒーはマズいけど何故か豆とか道具にはこだわってたからさ。」

 

彼方「まあこの部屋見たら分かるよ...それに一回飲まされたことあったし...」

 

美空「えっ、どうだった...?」

 

彼方「...コーヒーなのか疑ったよね。」

 

美空「あっ...」

 

彼方、美空「「...」」

 

まさかあんなにマズいコーヒーを飲むとは思わなかったよ...

なんでコーヒーの話でこんな空気になるのかな...

 

美空「そ、それじゃあ荷物解いといててよ。あたしは部屋に居るからさ...」

 

そう言うと美空ちゃんは部屋を出ていく。

それを確認した僕は取り敢えずコーヒー関連の物を片付けて、自分の作業道具を投影していく。

まあ地下室のを使えばいいんだけど、あそこは今ビルドくんが使ってるから当分エボルドライバーが出来なさそうだからね~。

 

そんなことを考えながら荷解き兼模様替えをしていった...

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ー一週間後ー

 

どうやら東都と西都間で三対三の代表戦を行うことになったらしい。

そしてそれが今日行われる。

 

東都からは仮面ライダー三人が出る。

西都からはローグに難波の所の兄弟が出るらしい。

 

ん?何故僕が出ないのかって?

僕はちょっとやることがあるんだよ。

 

どうやらこの代表戦は前回の東都と北都の時の様に中継されないらしい。

これはもしかしたらと思い、僕は徹夜して小型の隠しカメラを作った。

それを皆にバレない様に一人ずつ着けていく。

僕はちょっと用事があるから全部撮影できないだよね...

 

そんなこんなで第一戦が始まろうとしている。

第一試合はカズミン対エンジンブロス。

 

どうやらカズミンと筋肉バカくんはお互い戦い合ってハザードレベルを上げる特訓をしていたらしい。

流石に昨日は辞めさせたけどね。

だって試合前日に大怪我して出れませーんってことになったらダメだからね~。

 

まあカズミンを一目見ただけだけどだいぶ強くなっていた。

戦闘力的にも、精神的にも。

あの三人のことで覚悟を更に強めたみたいだ。

 

そんなことを考えているとお互い変身して試合が始まった。

 

最初からグリスは飛ばしていくが、中々攻撃が当たらない。

それどころか、エンジンブロスの攻撃を受け続けてしまっている。

 

やはり難波重工の最新型兵器として売り出しているだけの実力はある。

それにアイツの場合難波に興味を無くされたらそれで終わりだからな...

 

するとグリスはエンジンブロスの必殺を受けてしまう。

それによって地面に倒れるグリス。

変身解除には至ってないが、このままだとまずい。

 

そんなことを考えてるとグリスが立ち上がる。

その右手には三バカのドッグタグが...

 

グリス「分かるわけねえだろ...仲間の有難みを知らねえ奴の気持ちなんてなあ!知りたくもねえんだよ!」

 

グリスはそう言ってドッグタグを握る手の力を強める。

仲間の想いを背負ってる彼からしたら、難波に依存している奴なんて相手じゃないな。

 

グリス「お前とはな...背負ってるもんが違えんだよおおおお!!!」

 

グリスはそう叫びながらエンジンブロスに攻撃する。

先ほどとは打って変わり、形勢が逆転する。

 

一撃一撃が重いグリスの攻撃にエンジンブロスはただやられるのみ。

抵抗をするも全てカウンターされる。

 

グリス「今の俺はなぁ...負ける気がしねえ!!!」

 

龍我「パクリやがった...」

 

美空「凄いねグリス...圧倒的だったのに。」

 

龍我「なんで三人が笑ってあの世に行ったのか、わかる気がするよ。」

 

確かに、ほんといいカシラじゃん...

そりゃあの三バカが笑って着いていきたくなるよね。

 

グリスの重い一撃によって吹っ飛ばされるエンジンブロス。

トドメを刺そうとグリスはドライバーのレバーを引き、更にツインブレイカーにボトルとゼリーを装填する。

 

肩の装甲からオイルを噴出し、足元にゼリーを展開してエンジンブロスに向かって行くグリス。

空間を縦横無尽に進み、エンジンブロスを攻撃していく。

アッパーで上空に飛ばしたグリスはゼリーを使ってどんどん上に上がって行く。

そして上空から避けることのできないエンジンブロスに向かってライダーキックを放つ。

 

もの凄い勢いで地面に進んでいく。

そして地面とキックで板挟みになったエンジンブロスは変身を解除してしまう。

 

これによって第一戦はグリスの勝利となった。

それに喜ぶ僕達。

 

会場内では、変身を解除したカズミンが血まみれになった手の中にあるタグを見て握りしめる。

あの三人の仇を取ったことを噛みしめているんだろう。

 

するとビルドくんがバッグを持って部屋に入って来る。

会場内の様子を見てカズミンが勝ったことを悟ったようだ。

 

美空「戦兎...強化アイテムは?」

 

戦兎「俺を誰だと思ってんだよ。」

 

そう言ってビルドくんはバッグからケースに入ったアイテムを取り出す。

これがハザードの力を最大限に活かし、デメリットを無くしたアイテムか...

 

それを見た筋肉バカくんはアイテムの出番はないと言って試合会場に入って行く。

まあ若干のフラグ臭はするけどね~...

 

美空「あれ?紗羽さんは?」

 

戦兎「用事を済ませてから来るって。」

 

確かビルドくんの作業を手伝ってたはずだけど...

多分難波にデータを渡しに行ったんだろう。

なら僕も動くかな...

 

そんなことを思いながら第二戦開始のアナウンスを聞く。

だがそこでおかしなことが起こる。

 

『第二戦!仮面ライダークローズ対ヘルブロス!』

 

龍我「ヘルブロス?そんな名前だったか~?...まあいい。今の俺は負ける気が!...ん?」

 

決め台詞を言おうとした筋肉バカくん。

だが相手の行動に戸惑いを見せる。

 

相手は先ほど戦ったエンジンブロスのギアを装填する。

そしてその後にリモコンギアを装填する。

するとあの時に聞いた音声が鳴る。

 

ファンキーマッチ!

 

鷲尾兄「潤動...」

 

そう言ってトリガーを引く。

するとスチームガンから二種類の歯車が出てくる。

 

そして鷲尾兄がスーツを纏い、その身体に歯車が装着されていく。

その姿はあの時見たアイツに似ていた...というか色違いなだけだった...

 

 

 

 

 

 

龍我「うそーん!

 

 

 

 

to be continued...




やっぱこの回のオチはあれだよね~笑
ということで無理くりな感じで第一戦入れました。



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逆襲のヒーロー

ー彼方sideー

 

鷲尾兄が変身したヘルブロス。

その姿を見て僕とビルドくんは驚いている。

 

戦兎「あれは...バイカイザー...」

 

彼方「まさかカイザーシステムをあそこまで改良するなんてね...」

 

かつてエニグマ事件の時に戦った最上達が使ったカイザーシステム。

それを継承して作られたのがエンジンブロスとリモコンブロスだったけど...

まさかバイカイザーの技術まで開発してるなんてね...

 

ヘルブロスが現れたことに驚いていた筋肉バカくんだが、気合を入れ直して変身する。

そして第二戦が始まった。

 

すると僕の電話に着信が入る。

多分紗羽さんからだろう。

僕は二人に断って部屋から出て通話に出る。

 

彼方「もしもし?」

 

紗羽『今からデータを渡しに行く...だから...』

 

彼方「分かったよ。僕に任せときなよ。サクッと済ませて来るからさ。」

 

紗羽『...ありがとう。じゃあ後でね?』

 

彼方「うん。」

 

そう言って僕は通話を切る。

さてさて~、一仕事しますかね~。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

試合会場から離れてとある場所に向かう。

鍋島とその家族が捕らわれている場所だ。

 

紗羽さんが言うにはここら辺にあるはずなんだけど...

スマホの地図を確認しながら歩いていると、一カ所不自然な場所を見つける。

建物の周りにガーディアンが10体近く居て警備をしていた。

よく見ると武装してある。

ということはここで当たりだな...

 

僕はスチームガンを取り出し、ボトルを装填する。

 

彼方「凝血。」

 

ドクトルに変身した僕はスチームガンをライフルモードにして狙いを定める。

そしてボトルを再装填して放つ。

すると銃弾がコブラに変わり、ガーディアンを貪って行く。

 

しばらくしてガーディアンが全体機能停止するのを確認した僕は施設に入って行く。

すると中でも武装したガーディアンが表以上に待機していた。

僕は屋内で流石に派手な攻撃はダメだと思い、一本のボトルを取り出す。

形状はフルボトルだが、その造形がフルボトルとは少し違う。

 

まあエボルドライバーを使うにあたって、専用のボトルであるエボルボトルが必要なことが判明。

そこで僕は適当に何かの成分を入れようと思い、考えていると実戦向けの能力が使えるように開発した。

まあ由来はモルガン達なんだけどね。

 

僕は表面に琴の様なシンボルが描かれているボトルを装填する。

そしてトリガーを引く

 

フルボトル!ファンキーアタック!

 

すると銃口から光の速度で光の矢が放たれる。

ガーディアンの頭部を貫通していき、次々と機能停止していく。

 

このボトルはバーヴァン・シーが使うフェイル・ノートを参考にした。

まあこういう形で使う設計だからあんまり使い道がないんだけどね...

 

さっきよりも時間がかからず全体機能停止に出来た。

それを確認して僕は施設内を探す。

するとある一室からくぐもったような声が聞こえる。

 

扉を開けると中には手足と口を縛られた鍋島一家が居た。

僕はスチームブレードで手足を縛る縄を切って、口を塞いでいる縄を解く。

すると鍋島が家族の前に立って僕と戦おうとする。

 

鍋島「お前は誰だ!俺の家族に、何をする気だ!」

 

ドクトル「僕はビルドくん達の仲間ですよ。難波に人質にされた貴方達を助けに来たんです。」

 

そう言って僕は変身を解除し、武器を地面に置く。

これで僕に害意がないと証明され、鍋島は警戒を解く。

 

鍋島「お前が俺達を助けに来てくれたのか...?」

 

彼方「そうですよ。取り敢えず安全な場所に行きましょか。」

 

そう言って僕はスチームガンを拾って煙を出す。

そしてワープしてきたのは『nascita』の地下。

どうやら以前来たことがあるのか、鍋島一家は安心した様子だ。

 

彼方「ここなら誰にも知られていないから大丈夫ですよ。」

 

鍋島「済まない...助かった。」

 

鍋島妻「ありがとうございます...」

 

鍋島娘「ありがとう!お兄ちゃん!」

 

彼方「どういたしまして。」

 

僕は娘さんの頭を撫でてあげる。

それにキャッキャッと喜ぶ。

 

ある程度撫でてあげ、僕は試合会場に向かう為に『nascita』から出る。

あんまり時間が経ってないはずだけど...

 

そんなことを思いながら紗羽さんに電話を掛ける。

すると直ぐに紗羽さんは電話に出る。

 

紗羽『彼方君、どうなった!?』

 

彼方「いや~、久しぶりにいい運動したよ~。終わったら何か作ってくれない?ちょっと疲れちゃった。」

 

紗羽『鍋島は?』

 

彼方「全員無事だよ~。『nascita』の地下で寛いでると思うよ~。」

 

紗羽『はぁ...ありがとう...』

 

そう言って通話が切れる。

さ~て、ヒーローの逆転劇でも見ますかね~。

 

そんなことを思い、スマホに映る試合の映像を見ながら会場に行く。

 

...

 

..

 

 

 

会場に着くと強化アイテムを使ったビルドがローグを圧倒していた。

全身を青い装甲に包んだビルド。

その素体はハザードのビルドとなっている。

 

これがビルドくんが作り上げた強化アイテム、『タンクタンクフォーム』か...

たしかラビットの力だけのフォームもあったよね?

ビルドの基本フォームであるラビットタンクが純粋に進化した姿か...

 

するとビルドは持っている大剣と銃を兼ね備えたフルボトルバスターを展開する。

そしてボトルを装填していく。

 

タンク!ジェット!ガトリング!ロケット!アルティメットマッチデース!アルティメットマッチブレイク!

 

四つのボトルの力が込められたエネルギー弾がローグに向かって放たれる。

ローグはダイヤモンドボトルの力を使って防ごうとするが、防ぐことが出来ず攻撃を喰らう。

 

そしてビルドはフルフルボトルをフルボトルバスターに装填する。

トドメを刺すつもりだろう。

 

フルフルマッチデース!

 

するとビルドの下半身がキャタピラーへと変化する。

更に肩の砲台が前方へと傾き、ローグへと狙いを定める。

 

ローグの周りをキャタピラーで走行するビルド。

ローグはダイヤモンドの力でビルドにダイヤモンドのオーラを飛ばすが、当たらない。

逆にビルドの肩の砲台やフルボトルバスターからの攻撃を受けてしまう。

 

ローグを一周したビルドは止まり、エネルギーをチャージする。

ローグは隙を突くチャンスだが、ダメージを受けすぎて動けないでいる。

 

フルフルマッチブレイク!

 

チャージが溜まり、一際大きいエネルギー弾が放たれる。

ローグはそれを防御できずに受けてしまう。

背後にある階段へと飛ばされ、階段を転がり落ちていく。

そして変身が解除された。

 

『変身解除により、仮面ライダービルドの勝利!よって、二勝一敗で東都の勝利が確定されました!』

 

ビルドくんが勝ったことにより東都が代表戦に勝った。

てか筋肉バカくん負けちゃったのかよ。

見事なフラグ回収だね~。

 

そんな彼はそのことを忘れて美空ちゃんと手を繋ぎ喜ぶ。

すると僕の背後からカズミンが現れ、二人の様子に怒る。

 

一海「アァ!?おいゴラァ!お前なあ、何気安くみーたんの手握ってんだよ!羨ましいんだよこの野郎!」

 

そう言って筋肉バカくんを殴り、首を絞める。

 

龍我「おい!何すんだよカズミン!...あ。」

 

一海「言ったな?」

 

龍我「言っちゃった。」

 

といつものコントを始める二人。

ほんと飽きないよね~。

 

そんなことを思いながら皆の下に行こうとする。

だがその時、紗羽さんが会場内に帰って行くカメラを見つめて何かを呟く。

多分難波へのメッセージだろう。

 

すると今度はローグの下に首相さんがやって来る。

首相さんはビルドくんを見ると笑顔になり、近づく。

 

氷室「よくやってくれた。君のおかげだ。」

 

戦兎「いえ...」

 

すると今度はローグの下に行く。

そして腕を掴み立たせようとする。

 

氷室「もういいだろ。帰ってこい、東都に。」

 

そう言い笑顔を向ける首相。

一時は野心に溢れた彼を許そうとするのだ。

 

だがそんな首相を何とも言えない表情をして見つめるローグ。

そして首相の手を離し、去って行くローグ。

う~ん...やっぱりもうパンドラボックスの影響はないんじゃないのかな?

 

すると今度は紗羽さんと美空ちゃんが対峙する。

 

紗羽「美空ちゃん...ごめんね、嘘を吐いて...」

 

すると美空ちゃんは紗羽さんをビンタする。

それに驚く皆。

 

美空「痛いでしょ?私も、痛かった...」

 

紗羽「うん...この痛み、忘れない。」

 

そう言うと二人は涙ぐみながら抱き合う。

その様子を見守る僕達。

...てかいつになったら僕皆の下に行けるの?

なんかもういっか。

 

そう思った僕は二人に近づく。

それに気づいたライダー組は忘れてたのを自覚したようだ。

よし、あとで拳骨一発やってやる。

 

抱き合ってた二人は離れて僕を見る。

 

紗羽「ありがとう...」

 

彼方「どういたしまして。鍋島の家族は無事だよ。『nascita』で缶コーヒーでも飲んでるんじゃない?」

 

戦兎「そうか。助かったよ、サンキュー。」

 

彼方「いいって。その代わり後で拳骨一発殴らせろ?もちろんそこの二人もね?」

 

龍我「はっ!?なんでだよ!?」

 

一海「俺は別になんもやってねえだろ。」

 

彼方「ずっと僕のこと忘れてたでしょ?」

 

三人(((ギクッ!)))

 

彼方「三人とも表情に出てたからね~...さて?お仕置きを始めようか?」

 

戦兎「...ア!オレマダカイハツトチュウノブキガアッタンダッタ。カエラナイトー。」

 

龍我「おい!お前ぜってえ嘘だろ!」

 

一海「...」

 

僕は逃げようとするカズミンの肩を掴む。

ギギギと音がなりそうな感じで首をこっちに向けるカズミン。

すると逃げ出そうと必死にもがくけど、僕が全力で掴むと痛がる。

その間に一発頭頂部に入れる。

 

一海「!?いったあああああああああああ!!!!!」

 

そう言ってカズミンは頭を押さえて地面を転がり回る。

それを見た二人は顔を青くして逃げ出す。

だけど僕はワープを使って一人ずつ捕まえて拳骨を喰らわせた。

 

カズミンの二の舞になった二人はカズミンと同じ様にのたうち回ってる。

ふぅ~、ちょっとすっきりした~。

 

紗羽「ハハハ...容赦ないね...」

 

美空「流石に怖いよ...」

 

彼方「さ!今日は代表戦に勝ったお祝いをしよっか!」

 

美空「やった~!じゃあいっぱいごちそう作らないと!」

 

彼方「鍋島の家族も居るからいつもよりたくさん作らないとだね~。」

 

美空「そうと決まれば買い出しだ~!」

 

そう言って美空ちゃんは三人を足蹴りして起こそうとする。

どうやら荷物持ちとして付き合わせるみたいだ。

 

紗羽「美空ちゃん、酷なことするね...」

 

彼方「あ、紗羽さんにももちろん手伝ってもらうよ?」

 

紗羽「え?」

 

彼方「僕をこき使ったんだからさ?その対価として今晩作るの手伝ってもらうからね?」

 

紗羽「えぇ...結構緊張したんだよ~?」

 

彼方「僕は百体近く居たガーディアンを全部ぶっ潰すので疲れてるんですけど?」

 

紗羽「...でも彼方君ならそこまで疲れない方法でやるんじゃないの?」

 

...中々鋭いじゃないか。

流石は難波チルドレン...いや今は元を付けるべきか。

 

彼方「これだから勘のいい人は...」

 

紗羽「合ってたじゃない!じゃあ別に手伝わなくてもいいよね?」

 

彼方「まあ一人だけ寂しく皆と離れたとこで食べたいならどうぞ?」

 

紗羽「え?」

 

彼方「手伝わないんだったら別に一緒に食べなくてもな~...」

 

紗羽「わ、分かったわよ!手伝うから!もう、そんな意地悪しないでよ~。」

 

彼方「よし!じゃあ帰ろ~!」

 

美空「おー!」

 

三人「「「お、おー...」」」

 

紗羽「...はぁ。嵌められたなぁ。」

 

僕達は『nascita』に帰った。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

店で代表戦勝利のお祝いをした僕達。

鍋島の家族も揃って皆で騒ぎまくった。

 

主にカズミンが何故かどじょうすくいを始め、筋肉バカくんがそれに対して何故かどこからかバナナを取り出してジャグリングし始める。

それを止めようとしたビルドくんが何故か最終的には上裸になって腹踊りをしていた...

あ、そういや皆ビール飲んでるじゃん...

完全に酔っぱらってたんだね...

 

鍋島の家族はそれを見て楽しんでたから良かったけどさ...

最後は美空ちゃんのもう寝るよ!の一言でお開きになった。

 

そして皆地下室で好きな様に寝ている。

そんな中、僕は眠れなくて店の屋上に出ている。

 

彼方「あっちとは全然違う夜景だな~...」

 

スカイウォールがあるだけで全然印象が違う。

星々の輝きも見えにくいし...

 

そんな感じでナイーブになってると物音がした。

振り返ると紗羽さんが屋上に来ていた。

 

彼方「あれ?もしかして紗羽さんも眠れないの?」

 

紗羽「うん。色々あって寝れないな。」

 

彼方「そっか。」

 

紗羽さんは僕の隣に来る。

そして夜景を眺める。

 

紗羽「ねえ、向こうの世界の夜景って綺麗なの?」

 

彼方「...そりゃもちろん。街の光もそうだけど、一番綺麗なのは星の光だったよ...」

 

ふと元の世界の夜景を思い出す。

小さい頃から叔父さんに連れられたあの丘から見る夜景。

そこは街の光はもちろん、星の光が輝いて見えた。

 

今思えばあの景色を見た頃から余計に宇宙とかが好きになった気がする。

まあそう考えたらあのパンドラボックスも宇宙の技術が詰まってるから興味はあるんだけどね。

叔父さんとか知ったら大喜びして研究すると思うな~...

 

はぁ...叔父さん...僕は今平行世界に居るよ...

『プレゼンター』に会うどころか時空の境界を越えちゃったよ...

戻れるのかな...あの場所に...

 

紗羽「彼方君...?」

 

彼方「え?...ああ、ごめんごめん。向こうの夜景を思い出しててさ...」

 

紗羽「涙が出る程綺麗な夜景なんだね。」

 

彼方「え...?」

 

紗羽さんに言われて僕は目の辺りを触れる。

すると濡れているのが分かる。

 

...ハハ、やっぱり寂しいんだな。

そう思うと涙が止まらなくなってきた...

その様子を見て紗羽さんが慌てる。

 

紗羽「えっ!?ちょ、彼方君!?大丈夫!?」

 

彼方「大丈夫...ちょっとホームシックになってるだけだよ...」

 

紗羽「っ...」

 

すると紗羽さんが僕を抱き寄せる。

一瞬何をされたのか分からなかったが、すぐに離そうとする。

でも紗羽さんが離してくれない。

 

彼方「ちょっ、何してんの紗羽さん?」

 

紗羽「...彼方君にそんな顔してほしくないから。」

 

彼方「え...」

 

紗羽「私のこと救ってくれた彼方君がそんな顔をしてるの耐えれないの...だからこうしてるの...」

 

彼方「紗羽さん...」

 

なんか気遣わせちゃったかな...

僕は紗羽さんをゆっくりと離す。

 

彼方「ありがとう...折角だし紗羽さんにちょっとした話でもしよっかな。」

 

紗羽「話?」

 

彼方「うん。今の僕がどう出来たのかって話。」

 

それから僕は話した。

親が亡くなり虐められていたこと。

そこから救ってくれた叔父さんのこと。

その叔父さんを止める為に一人で動いていたこと。

そして弦ちゃん達仮面ライダー部との出会いと戦い。

 

紗羽さんは何も言わず聞いてくれた。

いや、時々相槌とかしてくれたよ?

でも全部聞いてくれた。

 

紗羽「そっか...なんか私よりも全然凄い人生なんだね...」

 

彼方「そうでもないよ...この力が有ったってだけでそれが無かったら多分普通の人生だったと思う。多分医者を目指さずに普通にサラリーマンしてたかもね~...」

 

紗羽「ううん。多分彼方君はその力が無くても人助けをしようとすると思うよ。」

 

彼方「?なんでそう思うの?」

 

紗羽「だってその力は彼方君の想いに応えてくれたものだと思うんだ。だから彼方君は変わらないよ。多分人助けをしてるはず。どんなに小さなことでも。」

 

彼方「...そっか。」

 

なんかそう言われると嬉しいな...

自分でも時々思うことがあった。

もしこの力が無かったら...

 

僕は多分何もしないままだったと思ってた。

寧ろ虐められてるままでもしかしたら壊れていたのかもしれない。

 

でも紗羽さんは違うと言ってくれた。

どんなに弱くても誰かを助けるはずだと。

自分が助けてもらう立場だとしても誰かを助けるはずだと。

 

そう言われて僕は胸の中にあった何かがストンと落ちた。

そう感じた瞬間空に一つの輝く星が現れた気がした。

まるでそこに向かって進み続けろと言うような...

 

彼方「ありがとう、紗羽さん。おかげで元気出たよ。」

 

紗羽「フフっ、なら良かった。彼方君はいつもの調子で居てくれないと、私も変な感じになっちゃいそうだから。」

 

彼方「紗羽さんも?そんなに影響与えてたっけ?」

 

紗羽「うん。なんか彼方君が居るだけでその場の雰囲気が明るくなるっていうか、安心できるっていうか...なんか大丈夫な感じがするんだよね。」

 

彼方「そうかな~?」

 

少なくともそれって僕より弦ちゃんとかの様な感じがするんだけど...

あの非常識さはほんとに凄かったよね~。

 

紗羽「そうだよ。これからも頼りにしてるからね?」

 

彼方「う~ん、あんまり頼りにされ過ぎても困るんだけどね~。」

 

紗羽「そこはまあ~、ほどほどに?するつもりだから。」

 

彼方「ほんとかな~?」

 

紗羽「ほんとだよ~。」

 

それから紗羽さんと半時間ぐらい雑談した。

以前とは違い、憑き物が落ちた様な顔だった。

一安心かな...

 

それから紗羽さんは眠くなったと言って店に戻って行った。

また一人となった屋上に静寂が訪れる...はずもなく。

 

ふと姿を現したキアラが僕の背に抱き着いてくる。

ほんとカーマといいキアラといい男が堕ちそうな行動を取って来る。

まあ僕は二人がそういう人達だって理解してるからあんまり靡かないけどね~。

 

彼方「どうしたの?いつもはカーマと一緒に出てくるのに。」

 

キアラ「偶にはマスターと二人きりになりたいのですよ?」

 

彼方「ふ~ん...意外と乙女じゃん。」

 

キアラ「失礼な、私は乙女ですよ?残念ながら純潔はとうに捨てましたが。」

 

彼方「どの口が言ってんだか...」

 

ほんとあれだけ快楽狂いなのに何言ってんだか...

もし乙女だって言い張るなら魔神柱に取り憑かれる前に言え。

 

そんなことを考えてるとキアラが抱き着く強さを強めてきた。

 

キアラ「マスターが考えてることは分かるのですよ?」

 

彼方「あー、そう言えばそうだったか...」

 

流石人類悪...

考えてることまで筒抜けなんて...

 

キアラ「マスター?私、こんな姿ですけどあの頃の記憶もあるのですよ?」

 

彼方「そりゃあるだろうね~。だって記憶なんだもん。」

 

キアラ「あぁ、言い方が違いましたね。あの頃の私の人格もありますのよ?」

 

彼方「え?いや、キアラの善性はあの魔神柱に封印されたはずじゃ...」

 

キアラ「マスターと契約した際に封印に綻びが出来たのです。そこから時間と共に封印が解けていったのですよ。」

 

彼方「マジかよ...なんで僕と契約したことで...」

 

キアラ「それは貴方の人間性によるものかと。」

 

彼方「どゆこと?」

 

キアラ「貴方の根本にある人を救いたいと想う心。それが過去の私...いや善の私と共鳴したことにより封印に綻びが出来たのでしょう。」

 

彼方「...なんかスケールが大きすぎてパンクしそうだよ。」

 

ほんとビーストの性質を変え兼ねんことやってのけた気がするんだけど...

だとしたら僕って封印指定喰らうんじゃね?

あ、でもこの世界に魔術塔とか無いから大丈夫か。よかった~。

 

キアラ「フフフ、だからマスターには感謝してるのですよ?今の私は己の醜さも受け入れた新たな私なのですから。」

 

彼方「え?じゃあもしかしてビーストとして覚醒したってこと?」

 

キアラ「ん~、結果的にはそうなったかと。ただ私の場合はビーストとして覚醒したと同時にもう一つのクラスも覚醒したのですよ。」

 

彼方「え?それってアルターエゴか?」

 

キアラ「いえ...セイヴァーです。」

 

彼方「セイバー?え、キアラ剣術使えたっけ?」

 

キアラ「いえ、剣士のセイバーではなく救世主という意味のセイヴァーです。」

 

...What?

それってラスボスなヤーツじゃなかったっけ...?

いやキアラもセイヴァーの候補ではあるってのは知ってたけどさ...

まさか覚醒するとは思わないよね?

しかもビーストと同時にで。

 

彼方「それにしても両極端のクラスが覚醒するなんて...なんかほんとこの世界終わるんじゃないの?」

 

キアラ「フフフ、それはどうでしょう?今の私はビーストの権能が使えるセイヴァーですから。いわばマスターと同じチートっていうものですわね♪」

 

彼方「いやそんな可愛く言っても内容がとんでもだからね?ほんと僕がキアラのマスターってのが信じられないよ...」

 

キアラ「正真正銘私のマスターですわよ?その証がちゃんと胸に刻まれているじゃないですか。」

 

そう言ってキアラは胸をなぞって来る。

セイヴァーに覚醒してもそのビ〇チな行動は止まらないのね。

 

キアラ「私感謝してるのですよ?マスターのおかげで自分の制御できない醜い欲望を抑えることが出来たのですから。」

 

彼方「いやいや僕はなんにもしてないんだけど...」

 

キアラ「マスターの過去を少しばかり覗かせてもらったのですよ。そこで貴方の行動を見てると過去の私を思い出しましてね。それでこの姿にもなれたのですよ。」

 

そう言ってキアラは僕から離れ、身体を輝かせる。

するとヘブンズホールの姿に角が取れたキアラが現れる。

以前とは違い、身体から神々しいオーラが溢れている。

まさに救世主たる威厳だと思う。

 

キアラ「フフフ、この様な境地に至れたのはマスターのおかげ。マスターには私の深い愛で恩を返してあげますわ。」

 

彼方「...ほんとに深そうだから遠慮するわ。」

 

キアラに愛されるって絶対堕落するでしょ...

流石にそれは嫌だな~。

 

キアラ「フフフ、別に堕とそうだなんて思っていませんわ。そうですわ...今の私は乙女なんですから。」

 

そう言って顔を赤らめるキアラ。

何故かそれを見てちょっとだけ可愛いと思ってしまった。

そんな思いを振り払う様に頭を振って部屋に戻ろうと決める。

 

彼方「乙女なら少しは自重してよ?じゃ、僕はもう寝るよ。今日は疲れたからね~。」

 

そう言って僕はキアラを置いて部屋に戻る。

 

 

 

 

 

キアラ「...もう。私は本当に貴方を愛しているのですよ?今まで感じなかった程に//」

 

 

 

 

to be continued...

 

 




オチが難産だった...


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開幕のベルが鳴る

ー彼方sideー

 

夢を見た...

それはこの街が少しずつブラックホールに吸い込まれていくのを。

その次に月が消え、更に人々は恐怖に怯える。

 

だが人々はある塔の周りで何かを叫んでいる。

まるで誰かに向けての声援の様に見える...

 

すると今度は視点が変わって地球が見える。

地球の近くには特大のブラックホールが発生して地球を呑み込もうとする。

 

だが地球から一筋の光がブラックホールに向かって伸びていった。

するとブラックホールの中からもう一つの地球が現れる。

二つの地球は一筋の光で繋がっている。

 

やがて二つは衝突して融合した。

そして新たな一つの地球が生まれ、今までの惨劇が無かったかの様に戻っていた。

 

...

 

..

 

 

 

そこで目が覚めた...

何だったんだ今の夢は...

妙にリアルだったな...

 

そんなことを考えていると突然大きく揺れ出す。

地震かと思ったが何かが違う。

そう思った僕は『nascita』の屋上に上がる。

 

屋上に上がると美空ちゃんが居た。

 

彼方「美空ちゃん!一体何が起こって...っ!?」

 

美空「彼方さん...あれ...」

 

そう言って美空ちゃんが指を指した先に広がっていたのは...

混沌とした街と変化したスカイウォールだった。

 

スカイウォールは等間隔で壁が無くなり、その部分を赤いオーラが覆う。

更にスカイウォールの起点には大きなスタジアム上の壁が現れる。

よくよく見たらあれって夢で見た塔に似ている...

 

更に街中には爆発音が絶えず、人々の叫び声が。

もしかして西都が動きだしたのかもしれない。

 

彼方「美空ちゃん、君はここに居て。」

 

美空「え、彼方さん?」

 

彼方「どうやら本格的に戦争が始まったみたいだ。」

 

僕はそう言ってビルドくん達の下にワープする。

ビルドくん達は変身して、変わったガーディアンと戦っていた。

ん?武装していた奴らとはまた違うな...?

 

そんなことを考えてるとアイツが現れる。

 

エボルト「ソイツらは難波重工の最新兵器、ハードガーディアンだ。」

 

ふ~ん、おおよそハードスマッシュの技術を応用したんだろう。

だけど強さで言ったらそんぐらいってことでしょ?

だったらただの雑魚じゃん...

 

スチームガンだと物足りないと判断した僕はスイッチを取りだして変身し、一気にブラッドアップする。

そして手の平に小型のブラックホールを何個も作り出しそれをハードガーディアンに向けて投げる。

 

ブラックホールが当たったガーディアン達は全機スクラップとなった。

それを見たエボルトがオレを睨んでくる。

 

エボルト「...お前か、彼方。」

 

オピュクス「お前がオレの名前を呼ぶなんざ珍しいじゃねえか?」

 

ビルド「なっ!あれが我望のもう一つの姿か...」

 

クローズ「やっぱ強え...」

 

グリス「反則だろありゃ...」

 

エボルト「お前に出て来られたら退くしかないな...だが、その前に...!」

 

エボルトはそう言うとグリスに向かってスライディングする。

オレはエボルトを狙って杖からエネルギー弾を撃つが簡単に避けられる。

そしてエボルトはグリスからボトルを数本奪った。

 

エボルト「フッ、これでパンドラタワーの完成にまた一歩近づく...」

 

ビルド「パンドラタワー?」

 

エボルトはそう言うとパネルを取り出し、ボトルを装填する。

するとパネルが独りでに動き出す。

 

そしてエボルトはパンドラボックスを取り出す。

パンドラボックスはエボルトの手の上で回転している。

するとパネルがパンドラボックスと融合した。

 

それによってパンドラボックスが赤く光り出す。

それと同時に地響きが起こる。

するとスカイウォールの起点にまた円型の壁がせり上がって来る。

今度は最初よりも高い。

あれがパンドラタワーか...

 

エボルト「ブラボー!ハハッ、あの塔はパンドラボックスの力で作り上げた物だ。完成すれば、地球も火星と同じ運命を辿る。」

 

ビルド「...あの塔が!」

 

エボルト「今日はただの宣戦布告だ。次は容赦しないから、なっ!お前も今度は遊んでやるよ。Ciao!」

 

そう言ってエボルトは煙の中に消えていった。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ビルドくん達は首相さんの下に行き、僕は『nascita』に帰った。

そしてネットを見てあの代表戦に関するニュースを見る。

するとそこには事実が捻じ曲げられていた。

 

ビルドくん達の活躍によって掴み取った東都の勝利が、西都の勝利という風に報じられていた。

予めこれが起こると思い、隠しカメラで撮影した映像をネットに流したが既に消されている。

もう一度流そうと試しに使い捨ての物で試すと逆探知されかけた。

 

まさか難波重工の力がここまで大きいものとは思ってなかった。

裏をかいて考えた案が力づくで捻じ伏せられるとは...

こうなったら大本の難波をどうにかするしかない...

 

だがビルドくん達は動けない。

何せ動けば侵略行為とみなされるからね~...

あれ?だとしたら僕が動けばいいんじゃね?

 

キアラ「それはいい案ですわね、マスター?」

 

カーマ「マスターの本来の姿はまだ世に出ていない。そこを突けばマスターが好きに暴れられますよ?」

 

彼方「うわっ!?」

 

いきなり現れたビースト組にビビってしまった。

ほんと君達驚かすの好きだよね!?

悪趣味め!

 

彼方「もっとマシな方法を考えないとでしょ...まあこれが一番妥当なところなんだろうけど。」

 

キアラ「私達も一緒に戦いますわよ?」

 

カーマ「ええ。少しは私の株を上げておかないとですから。」

 

彼方「...背に腹は代えられない、か。なら二人に頼むよ。」

 

カーマ「あら?いいのですか?私達がやるとマスターの出番はないかもしれませんよ?」

 

キアラ「マスターのことですから何か条件がおありでは?」

 

彼方「ああ。二人ともガーディアンだけを狙え。それと決して他を巻き込むな。これだけは約束しろ。」

 

カーマ「なんでですか?相手には人間もいるんですよ?その人間を堕落させないとダメじゃないですか~?」

 

キアラ「...分かりました、マスター。」

 

カーマ「っ!?貴方正気ですか!?私達の力を使えば人間なんて簡単に堕とせるのに!」

 

キアラ「私はマスターに恩があるのです。ならその恩を返す為に尽くすのが乙女というものではなくて?」

 

カーマ「はぁ?何ですか?ビーストの成体になった貴方がそんなふざけたことを言うなんて。もしかして頭がおかしくなったんじゃないですかぁ?」

 

彼方「二人とも喧嘩は辞めろ。とにかく僕との約束を守れ。じゃないと僕が全力を以てお前達を消すぞ。」

 

キアラ「もちろん守りますとも、マスター。」

 

カーマ「...仕方ないですねぇ。今回だけですよ。」

 

彼方「...よし!じゃあまずは東都内に居る西都の軍勢を蹴散らしてきてよ。僕はあの塔をぶっ壊しに行くからさ。」

 

カーマ「分かりました~。その代わり帰ったらご褒美が欲しいです~。あ~、もちろんそれはマスターの貞s「お前には絶対に上げないし僕は卒業済みだ。」...つまんないの。」

 

キアラ「こんな色狂いは置いといて私もご褒美を所望しますわ、マスター。」

 

彼方「...はあ、じゃあちゃんと出来たら二人には僕と一緒に過ごす時間をあげるよ。それでいいでしょ?」

 

キアラ、カーマ「「はい!」」

 

なんでそこだけ元気な返事をするのかね...

しかもキアラが昨日から大人しいし...

何かよからぬことを考えてるのではって思っちゃうけどそんな感じもしないしな~...

 

彼方「取り敢えず作戦は明日決行だから、今日は休むよ~。」

 

カーマ「分かりました~。」

 

そう言ってカーマは霊体化する。

だがキアラがずっと僕を見つめてくる。

 

彼方「ん?キアラも霊体化しないの?僕はもう寝るつもりだけど。」

 

キアラ「なら私も一緒に寝ますわ。それぐらいいいでしょう?」

 

彼方「いやいやダメだから。てかそんなことしたらフォリアが許さないからね?」

 

キアラ「あの方なら先に話をつけておきましたわ。快諾してくださいました。」

 

彼方「嘘でしょ...」

 

ちょっとフォリアさん?

人類悪と一緒に寝てもいいなんてクレイジーなこと言わないでよ!?

 

キアラ「さあ、マスター。私と一緒に寝ましょう?」

 

彼方「...はぁ、仕方ないか。分かったけど、その代わり何にもしないでよ?」

 

キアラ「もちろんですよ。」

 

そう言って僕達はベッドに入る。

するとキアラが抱き着いてくる。

もう何言っても聞かないだろうからこのまま寝るとするか...

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

結局何も起こらなかった昨夜。

起きた時に見たキアラの寝顔が思いのほか可愛くて思わずキュンとなったのはここだけの話。

 

僕は準備をする。

エボルドライバーはまだ完成していない。

途中までは簡単だったが仕上げの工程に入って行くにつれ、改造がもの凄く難しい。

よくこれを解析したよなって思う。

 

なので僕はスイッチの力でパンドラタワーに殴り込みに行く。

ネビュラスチームガンでもいけないことはないが、それでも戦力的に見ると何とも言えない。

何故ならローグ相手に拮抗してしまうからだ。

 

ハザードレベルで見たら負けないはずだけどアイツにはデータと技量がある。

その為かどうしてもスチームガンだけだと倒しきれないところがある。

 

そんなこともありスイッチを使うことにした。

二人には先に行ってもらってる。

今頃暴れてるんだろな~。

 

そんなことを思いながら準備を終え、部屋を出る。

そして店に入ったんだけど...

 

一海「フッ。」

 

龍我「なんで笑うんだよ!」

 

戦兎「馬鹿が増えた...」

 

紗羽「小娘って言われた...」

 

床に座ってる四人と椅子に座って辞書を読んでいる美空ちゃんが居た。

いや、あの様子だと多分ベルナージュか?

 

彼方「これどういう状況...?」

 

つい呟いてしまった。

これに気付いた四人が僕も座らせる。

 

戦兎「なんか火星の王妃とかいうのが出て来たんだよ。」

 

龍我「馬鹿らしいぞ?」

 

一海「みーたんに取り憑くなんてわかってるよな~?」

 

紗羽「ねぇ、小娘って言われた...」

 

彼方「いや紗羽さん、それは若くて可愛いってことだと思うよ?多分...」

 

紗羽「え、そうかな~//」

 

ベルナージュ「肉体は既に滅びた。この魂も直に消えるだろう。」

 

そう言ってベルナージュは辞書を置き、僕らの前に立つ。

それに気づいたビルドくん達はベルナージュを見る。

 

ベルナージュ「パンドラボックスが火星を滅ぼした。エボルトの手によって。」

 

戦兎「エボルト?」

 

するとベルナージュは筋肉バカくんの方を見る。

多分彼が何者なのかを見抜いたのだろう。

 

ベルナージュ「お前、自分が何者か分かっていないのか?」

 

龍我「あぁ?...私は万丈龍我です。」

 

声を低くして言った筋肉バカくんに対して若干冷たい視線を送るベルナージュ。

まあそういうことじゃねえよって言いたいよね~。

 

ベルナージュ「そうか...ならば、お前が希望になる。」

 

龍我「は?」

 

ベルナージュ「それと...お前もな。」

 

そう言って僕を見つめるベルナージュ。

ブラッド族の力を持ってるからパンドラボックスをどうにか出来ると考えているのだろう。

 

するとベルナージュの意識が消えたのか美空ちゃんが倒れる。

慌てて受け止めたから良かったけど...

これじゃあ今日は行けないな~...

 

...

 

..

 

 

 

あの後、美空ちゃんを地下室のベッドに寝かせて僕達は情報整理をする。

その中で筋肉バカくんの話になる。

 

何故冤罪を被せた奴が一番強くなっていってるのか。

まあ単純にエボルトの遺伝子が入ってるからなんだけどね~。

 

すると話の間にエボルトによって石に変えられたスクラッシュゼリーを触っていた筋肉バカくんに異変が起こる。

石が突然光りだし熱を放つ。

突然のことで驚いた筋肉バカくんはそれを床に落としてしまう。

するとその衝撃で石の中からボトルが出てくる。

 

もしかして筋肉バカくんの中にあるエボルトの遺伝子が反応したのか...?

だとしたら考えられるけど...

 

ビルドくんはボトルをヒントに強化アイテムを開発し出す。

う~ん、なら僕も何かしようかな~...

 

そう思って取り敢えず部屋に戻った僕。

するとキアラとカーマが帰って来たんだけど...

せめてビーストの霊基のまま帰ってきてほしくなかった。

部屋が狭くなるんだけど!?

 

カーマ「ただいまで~す。ちゃんとマスターの言うこと聞きましたよ~?」

 

キアラ「マスター、ただいま帰りました。疲れた私を癒してくださいまし~。」

 

そう言ってキアラが抱き着いてくる。

その様子に僕とカーマは驚く。

 

カーマ「ちょっと貴方いつの間にそんな感じになったんですか?前まで私と同じような感じだったのに。」

 

彼方「お前ほんと路線変更激しすぎでしょ...キアラのイメージが一気に崩れるんだけど...」

 

キアラ「あら?私がこうするのはマスターにだけですよ?」

 

カーマ「...羨ましい。私だってマスターに愛されたいのに...

 

キアラ「何か言いまして?」

 

カーマ「別に何にもないですよ~!二人でイチャイチャしてたらいいんじゃないですか~!」

 

そう言ってカーマは霊体化した。

なんだろ?キアラにヤキモチでも妬いてんのかな?

でもなんでだろ?

 

彼方「まあいっか...それよりも今は退いてくれ。」

 

キアラ「あら、なんでですの?今までずっと醜い人間が蔓延る場所に居たのですから少しぐらい癒しが欲しいですわ?」

 

彼方「その気持ちは分からないでもないけど、今はエボルドライバーの組み立てを急ぎたいんだよ。多分アイツが一気に動き出すだろうから。」

 

キアラ「...エボルト、でしたわね?そんな輩私にかかれば一捻りでは?」

 

彼方「まあそうなんだろうけど、イレギュラーが起こるかもしれないでしょ?実際僕がそれみたいなもんなんだし。」

 

キアラ「念には念を、ですか。ならせめてお傍には居させてもらいますわね。」

 

彼方「それでいいよ。キアラが満足するならね。」

 

僕はそう言って作業に入る。

その間キアラはずっと僕の隣に座ってニコニコしながら作業光景を眺めていた。

正直やり辛いけどすんごいキラキラした目で見て来たから何にも言えなかった...

 

そんな感じで作業を進めているとふとノックの音が聞こえる。

それを聞いたキアラが霊体化した。

 

美空『入ってもいい?』

 

彼方「いいよ~。」

 

どうやら美空ちゃんのようだ。

許可を得た美空ちゃんは入ってきて、ちょうどキアラが座っていた椅子に座る。

 

美空「何作ってるの?」

 

彼方「う~ん、最終兵器?」

 

美空「最終兵器?」

 

彼方「まあなんて言うかこの戦いを終わらせれる鍵かな?」

 

美空「凄いじゃん!なんかビルドドライバーに似てるけど...」

 

彼方「まあこれはオリジナルみたいなものだからね~。これを参考にして作り上げたのがビルドドライバーだからね~。」

 

美空「え、じゃあそれってもしかして火星の...?」

 

彼方「う~ん、まあ火星で発見されたものだよ。」

 

美空「そっか...私のこれと同じ力か...」

 

そう言って美空ちゃんはバングルを擦る。

う~ん、残念ながらこれは火星の力じゃないんだよね~...

 

彼方「言っとくけどパンドラボックスもこのドライバーも元は火星の物じゃないよ。」

 

美空「え?」

 

彼方「多分だけど美空ちゃんも聞こえたんじゃない?『エボルト』って。」

 

美空「う、うん...眠ってたらこのバングルの魂がそう言ってるのが聞こえてきて...」

 

彼方「ソイツの力だ。そのエボルトはいわば侵略者。ソイツによって火星は滅ぼされたのさ。」

 

美空「だからベルナージュはあんなに言ってたんだ...」

 

まあ自分の国を滅ぼされたんだからそりゃ怒るよね~。

しかもたった一人で。

 

彼方「そりゃ自分の国滅ぼされたんだからね~。彼女の気持ちが分からなくもないけどね。」

 

美空「確かに...もし戦兎達がやられたら私だって怒るよ...」

 

そう言って美空ちゃんはバングルを握りしめる。

多分自分が力になれるかもしれないのにできないことが悔しいのだろう。

 

僕は美空ちゃんの頭を撫でる。

すると美空ちゃんはえっ?という表情になる。

 

彼方「気張りすぎだよ。美空ちゃんには皆助かってるんだよ?ベルナージュが力を貸すのは美空ちゃんの想いに応える為だ。なら間接的にだけど美空ちゃんが皆を助けてることになる。そう思うと楽になるでしょ?」

 

美空「ベルナージュが...フフッ、なんか屁理屈な感じするな~。」

 

彼方「屁理屈も立派な理屈。これ覚えておくと便利だよ?」

 

美空「フフッ...ありがとう。また彼方さんに元気貰っちゃったな~。」

 

彼方「別に僕は何もしてないよ。ただ屁理屈こねただけだから。」

 

美空「ううん、いつも彼方さんは助けてくれる。あたしは感謝してるよ。彼方さんのおかげで今も皆と一緒に居ることが出来てるから。」

 

彼方「...なら良かったよ。」

 

僕は美空ちゃんをわしゃわしゃと撫でる。

それに美空ちゃんは楽しそうにする。

 

僕の力が誰かの幸せになってることを知れてよかった。

美空ちゃんのこの笑顔を守りたいな~なんて少しだけ思った...

 

 

 

 

to be continued...




そうだよ難産だったよ。
もうストックねえよ...






頑張る...








あとハッピーハロウィン...


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パンドラボックスの真実

そういや活動報告でちょっとしたリクボみたいなの投稿してます~。
是非覗いてってくださいな~。


ー彼方sideー

 

あの後謎なテンションになってエボルドライバーの組み立てそっちのけで美空ちゃんと深夜まで遊び倒した。

某大乱闘なゲームでずっと対戦してただけなんだけどね?

 

そしたら帰って来た紗羽さんも加わって更に熱くなっちゃって...

満足した頃には皆眠たくなって一緒に寝た。

ってのを今思い出したところなんだけど...

正直なこと言っていい?

 

 

どうすればいいのー!?

 

 

何故か二人に挟まれて寝てる僕。

しかも二人とも僕の腕を掴んで離さない。

てか二人の希望が腕に当たってるんだけど...

 

そんな風に悩んで、ふと身体を動かそうとすると二人が余計に抱き着いてくる。

えぇ...これどうすればいいの...

 

そんなことを考えていると紗羽さんの方から物音が聞こえてくる。

どうやら紗羽さんが起きたようだ。

僕は何とか顔を動かして紗羽さんに退いてもらう様に言おうと思ったんだけど...

 

顔を動かしたら紗羽さんと目が合った。

しかもいい笑顔でこっちを見ている。

まさか...

 

彼方「分かっててやってたの?」

 

紗羽「うん♪彼方君にちょっとしたいたずらだよ。」

 

彼方「いやいたずらでこんなことしないで?てかなんで更に押し付けてるの!?」

 

紗羽「え~、そ・れ・は...」

 

そう言って紗羽さんは顔を近づけてくる。

え?紗羽さんってそんな大胆な人だったっけ?

もうちょっと理性がある人だと思ってたけど...

 

とにかく紗羽さんの顔がどんどん近づいてくる。

ほんとにヤバい。心臓がバクバク鳴ってる。

 

てか紗羽さんほんと美人だよな~...

なんかエボルトから聞いた話だけど、ライダーになる前のローグが紗羽さんに対してホテル行こうぜみたいなことを言ったらしい。

アイツあんなこと言ってたのかよ...ギルティだな...

 

そんな下らないことを考えていると紗羽さんが突然止まる。

そして何やら顔を青くしている。

 

僕はそれを不思議に思っていると紗羽さんが後ろを見るようにジェスチャーしてくる。

一瞬嫌な予感がして後ろを見てみる。

すると美空ちゃんがとてつもなく怖い顔をしていた。

 

美空「二人とも...刻むよ?

 

彼方、紗羽「「ヒィ!?」」

 

僕と紗羽さんは起き上がってお互い抱き寄せる。

でもそんなこと気にしないぐらい美空ちゃんが怖い。

もしかしてベルナージュもちょっと混じってない!?

なんか後ろにすんごいオーラ出てるんだけど!?

 

ベルナージュ『美空というものが居ながら...!』

 

うん、ベル様お怒りだァ!?

てかなんで僕が浮気したみたいな感じになってるの!?

二人とも付き合ってないじゃん!?

 

美空「彼方さん...紗羽さんから離れなよ?」

 

彼方、紗羽「「え...あっ!」」

 

僕達はやっとお互い抱き着いてるのに気づいて慌てて離れる。

紗羽さんが顔を真っ赤にしててちょっと可愛いと思いました、まる。

 

そんなことを思ってると僕の真横を何かが横切った。

見てみると作業用のドライバーが壁に刺さっていた...

もしかしてと思い美空ちゃんを見てみると...

 

美空「か・な・た・さ・ん?

 

彼方「は、はい!!!」

 

うん、逆らったらヤバい。

なんならエボルトとか全然怖くないぐらいヤバい。

そんな圧を放つ美空ちゃんを前に僕と紗羽さんは床に正座するしかなかった...

 

美空「なんで紗羽さんとキスする感じになってたの?」

 

彼方「いや僕もなんでああなってたのか分からないというか、どっちかっていうと僕も被害者というか...」

 

美空「それを受け入れようとしてたじゃん。」

 

彼方「...はい。」

 

紗羽「いや、別に彼方君は悪くなくて、その~...ちょっとした出来心っていうか~...」

 

美空「紗羽さんがキスしたくなっただけでしょ?ギルティだよ?」

 

紗羽「うぅ...はぃ...」

 

ベルナージュ『処すべしだ、美空。』

 

美空「うん、処すべしだね。」

 

美空、ベルナージュ「「処すべし、処すべし、処すべし。」」

 

美空ちゃんとベルナージュが何やら不穏なワードを呟いている。

しかも呟くごとに圧がどんどん強くなっていく。

このままじゃマジでヤバい展開になるよね!?

 

紗羽「彼方君!美空ちゃんを止めてよ!

 

彼方「いやいや元はと言えば紗羽さんの所為だからね!?てかどうやって止めるのさ!?

 

紗羽「それは、ごめん...でも彼方君なら止めれるから!

 

彼方「どこから出てくるのその根拠は!?

 

紗羽「もう!とにかく美空ちゃんに抱き着いたら何とかなるから行ってらっしゃい!」

 

紗羽さんはそう言って僕の背中を押す。

僕は倒れそうになり慌てて踏ん張る。

だけど躓いてしまって美空ちゃんを抱き着いてしまうことに。

それに驚き、ショートしてしまう美空ちゃん。

 

美空「か、彼方さん!?な、何してるの!?いきなり抱き着くなんて!?」

 

彼方「ご、ごめん!躓いちゃってつい...」

 

ベルナージュ『キスしてしまおう!キス!』

 

何言ってんのこのバカ王妃は!?

てかアンタキャラ崩れてないか!?

 

ベルナージュの言葉を聞いて美空ちゃんは顔を赤くする。

そして潤んだ瞳+上目遣いでこっちを見てくる。

 

美空「キス、しちゃう...?」

 

彼方「っ!?」

 

僕は美空ちゃんの言葉に動揺してしまう。

だってあんな表情で言われたら堕ちそうになるよ!?

マジでもうちょっとで理性さんサヨナラだったよ!?

 

そしたら紗羽さんが何故か背中に抱き着いてくる。

そして耳元に顔を近づけてくる。

 

紗羽「ねぇ...私ともキスしよ?」

 

彼方「っ!?!?!?」

 

なんで二人とも悶えさせてくるの!?

もう襲っちゃうよ!?いいの!?

二人とももっと自分大事にしてよ!?

 

僕が一人で動揺してる間に二人がどんどん抱き着く力を強めてくる。

お互いの顔が触れあう程に近づいてくる。

なんかもうどうでもいいやって思ってしまう。

 

僕はキスをしようとしたその時...

 

 

龍我「はああああ!?どうなってんだよ!?

 

一海「ビルドが反逆罪ってどういうことだ!?

 

 

この言葉を聞いた僕達はさっきのムードを消して慌てて店のある一階に降りる。

 

彼方「ちょっ、さっき言ったこともっかい言って!」

 

龍我「だからビルドが反逆罪かけられてんだよ!」

 

紗羽「うそ...なんで...」

 

一海「おっふ!みーたんのパジャマ姿かわええ...」

 

なんか一人昇天しかけてるドルオタが居るんだけど...

シリアスな空気を一気に破壊するとか何やってんだよ...

 

美空「パンドラボックス奪う為だ...」

 

龍我「あぁ?」

 

彼方「恐らく東都の兵器として起用されてる以上パンドラボックスを奪い返すのはどうしても侵略行為とみなされる。なら起用を解除すればいい話だが、今の状況だと逆に東都政府に国民の不満が行く。それを防ぐ為に反逆罪という形で起用を解除したんだろうね。」

 

龍我「...難しいからよくわかんねえけど、アイツ一人で終わらせようとしてるってのはよくわかった。」

 

一海「何みーたん心配させてんだ、あの野郎ォ...」

 

紗羽「戦兎君...」

 

すると筋肉バカくんのスマホから着信音が鳴る。

見るとどうやら首相さんからの様だ。

 

恐らくビルドくんと首相さんは予め会っているはずだ。

だとしたら首相さんは何かいい案を思いついたのだろう。

あの人はトップとしての能力が高い。

ならば機転を活かしてパンドラボックスを奪い返す方法を思いつくはずだ。

 

僕は二人に首相さんの下に行かせる。

その間に美空ちゃんと紗羽さんが僕が守る。

 

幸い西都は昨日のことがあったからか、ガーディアンを侵攻させてる気配はしない。

上手く抑止力として働いたみたいだ。

後で二人を褒めてやるか...

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ライダー組の二人が行った後。

ふと紗羽さんがこんなことを呟く。

 

紗羽「あっ!そう言えば昨日戦兎君に頼まれたこと伝えるの忘れてた...」

 

美空「それって何?」

 

彼方「筋肉バカくんについてでしょ?」

 

紗羽「うん...調べてみたんだけど結構衝撃的なことが分かったの...」

 

美空「衝撃的って、どういうこと?」

 

彼方「それについては僕が話すよ。」

 

彼に関しては僕が説明した方が一番わかりやすいだろう。

何故なら似た者同士だからね~。

 

彼方「まずだけど...彼は人間ではない。」

 

美空「えっ...どういうこと?」

 

彼方「正確に言うと一部が人間じゃないってことだよ。」

 

美空「え?」

 

そこから僕は美空ちゃんに話した。

 

今から23年前に火星に無人探査機が降り立ったこと。

その際にエボルトの片割れが無人探査機に潜入した。

そして無人探査機はエボルトを乗せて地球に帰還した。

 

帰還した探査機は難波重工総合科学研究所に保管されることに。

その当時、探査機の警備を担当していたのが万丈の母親だった。

ところがある日、突然万丈の母は勤務先で倒れてしまう。

検査の結果妊娠1か月が判明した。

 

美空「探査機のこと以外は特に変なところはないと思うけど...」

 

紗羽「それがここからが異常なのよね...」

 

彼方「ああ...」

 

その後彼は産まれた。

だがわずか妊娠2か月でなのだ。

しかも後遺症など無く、非常に健康な状態でだ。

 

美空「それってあり得ないんじゃ!?」

 

彼方「ああ。医学を勉強してきた中でこんなケースは聞いたことがない。大抵は身体が弱かったり、将来大きなハンデを背負う場合がほとんどなんだけど...まあ今の筋肉バカくんを見れば分かるだろうけどどこにも異常がない。」

 

紗羽「そこで万丈の身体を大学病院で診てもらったら、見たことがない細胞組織が発見されたの。そのまま難波重工総合科学研究所で再検査されることになったの。」

 

彼方「そこから彼は研究対象になった。まあその原因はさっき言った探査機に潜り込んだエボルトの遺伝子の所為なんだけどね。」

 

美空「でもなんで万丈はそのことを覚えてないの?定期的に検査されるはずだよね?」

 

紗羽「多分研究所が秘密裏に行ったのか...それとも何かされたかだと思う。」

 

彼方「どっちにしてもこれで何故彼が急激にハザードレベルを上げれるのかが分かった。そしてスタークが彼を執拗に狙う理由もね。」

 

美空「え?なんでお父さんが関係あるの?」

 

紗羽「確かにスタークは万丈を狙ってたけど、それとこれは何か関係あるの?」

 

あ~、そう言えば二人はまだエボルトのこと話してなかったっけ。

う~ん、まあどうせ知るんだから話しておくか。

 

彼方「まあここだけの話だけど、美空ちゃんのお父さんは地球外生命体に乗っ取られてる。火星に行った時にね。」

 

美空「え...そんな...」

 

紗羽「じゃあ今のマスターは本当のマスターじゃないの?」

 

彼方「ああ。多分抵抗できないだろうな。まあもしかしたら解放されるかもしれないけどね...」

 

美空「っ!それってどうやったら解放されるの!?お父さんはどうしたら助かるの!?」

 

美空ちゃんは僕に掴みかかり必死に問いかけてくる。

まあ父親が乗っ取られてるって知って落ち着いてられないよな...

 

彼方「単純な話、エボルトを身体から追い出せばいい。だけどそれが出来ないんだよね...」

 

美空「なんで...?」

 

彼方「アイツは未完全だがそれでも僕と対等に戦えるぐらいには強い。そんなヤツを力づくで追い出せるかは分からないんだ...」

 

美空「そんな...じゃあお父さんはもう...」

 

彼方「...唯一方法があるとすればアイツの目的である筋肉バカくんが犠牲になるしかない。」

 

美空、紗羽「「え...」」

 

彼方「アイツの目的は十分成長した筋肉バカくんと融合することで完全体になることだ。その際にマスターの身体から出ていくんだろうけど...」

 

紗羽「その代わりに万丈が乗っ取られる...」

 

彼方「ああ...」

 

美空「...選べないよ。どっちかなんて無理だよ。二人とも大事なんだもん...」

 

美空ちゃんはそう言って蹲る。

まあ父親と大切な仲間を天秤にかけるなんて無理だよね...

 

彼方「...ま、どっちにしてもアイツの狙いである彼の成長はもうじきだろうしね。」

 

紗羽「その万丈の成長ってどれぐらいなの?」

 

彼方「ハザードレベル5.0だよ。まあ大体人間の限界を超える一歩手前ってところかな。」

 

紗羽「じゃあ、万丈はもうすぐにでも到達しちゃうじゃん...」

 

彼方「ああ。僕でも到達したんだから彼なら早いだろうね。」

 

美空、紗羽「「え?」」

 

彼方「ん?」

 

僕なんか変なこと言ったっけ?

特に変なことは言ってないはずだけど...

 

紗羽「ね、ねえ...ちなみに彼方君の今のハザードレベルって...?」

 

彼方「う~ん、どうだろう?ドクトルの時は5.5だけどオピュクスの時だと多分6.5近くは行ってるんじゃない?」

 

紗羽「うそ...一番強いじゃない...」

 

彼方「いや~それがそうでもないんだよね~。」

 

美空「なんで?ハザードレベル=強さじゃないの?」

 

彼方「基本的にはそうなんだけど、人によっては技量だったりで上回って来るからね~。ローグとかがいい例だよ。ドクトルでアイツと戦ったら互角だからね~。」

 

紗羽「そんなに強いんだ、あのセクハラおじさん...」

 

紗羽さん地味に酷いあだ名つけてない?

でも実際ローグは強いんだよな~...

アイツライダーになって正気に戻ったからか、以前のような荒々しさがないんだよね~。

だから一撃一撃的確に突いてくるから、そこが難しい。

 

まあでもアイツは多分西都の在り方に疑問を抱いてるはずだからね...

切っ掛けさえあれば何とかなるだろうけど...

 

美空「と、取り敢えず万丈のことはどうするの?このこと話すの...?」

 

紗羽「あー...どうしよう...」

 

彼方「多分ビルドくんがサラッと言うんじゃない?」

 

美空、紗羽「「えっ?」」

 

彼方「別に人間じゃないからなんだって話だしね~。だってそうでしょ?彼が何者であれ僕達の仲間なんだからさ。そこは変わらないよ~。」

 

人間じゃないから仲間じゃないだなんて言うはずがない。

だってそれはヒーローじゃないんだから。

 

まあこんなバカげた理由だと納得されないかもしれないけど、多分そうなんだよね~。

弦ちゃん達が正にそうだったわけだし。

フォリアのこと話した時なんて驚いたはしたけど、凄いとか何が出来るのかとかでネガティブな話にならなかったからね~。

皆フォリアのことを仲間として当たり前の様に接してた。

 

それと同じようにビルドくんとカズミンは筋肉バカくんのことを受け入れると思う。

それにビルドくんと筋肉バカくんはベストマッチらしいしね~。

ならあの二人が今更離れることなんてないでしょ。

 

それにもしもの時は同じ様な体験した僕が話せばいいんだし。

多分彼なら理解するだろう。

そして覚悟を決めるはずだ。

 

彼方「ま、取り敢えず皆が戻って来るのを待とっか?今頃スタークと戦ってるだろうしね~。」

 

美空「戦兎...万丈...グリス...」

 

紗羽「皆...」

 

二人は無事を祈る。

恐らく今回の戦いでエボルトが何かしら行動を起こすはずだけど...

 

そんなことを考えてるとカーマ達からパスが繋がる。

 

カーマ『マスター、こっちは終わりましたよ~。』

 

キアラ『こっちも終わりましたわ。帰ったらご褒美を所望しますわ。』

 

彼方『二人ともお疲れ様。取り敢えず今日で終わりだから、しばらく休んどきなよ。』

 

カーマ『え~、もう終わりですか~?せっかくあの時のストレスが発散出来てましたのに~。』

 

キアラ『それはハロウィンの時のことですか?あの時の貴女は可愛かったですわよ?』

 

彼方『確かカーマちゃん、5ちゃいだっけ?』

 

カーマ『っ!?//辞めてください!!!//アレはちょっとした黒歴史なんですから!//』

 

キアラ『フフフ♪次は小学生ですわね。』

 

彼方『ならランドセルに体操服を用意しないとね~。』

 

カーマ『なっ!?私にまたあんな恥ずかしい恰好をさせるつもりなんですか!?鬼畜何ですか!?』

 

彼方『はいはい、とりまカーマは次も決定ね~。』

 

キアラ『フフフ♪楽しみですわね♪』

 

カーマ『ちょっ!?マスター!?私は絶対にやりm...』

 

なんかカーマが抗議してきたからこっちからパスを切断してやった。

ハロウィンのことがあってからカーマが弄りやすくなった。

これも周りに打ち解けてきた証拠なのかな?

彼女はどこか一線を引いた感じがしたからね~。

 

すると突然パンドラタワーの方からマグマの様な力を感じた。

これは...恐らく筋肉バカくんの力か...?

 

エボルトが覚醒させたんだろう。

これはマズい方向に進んでるな...

彼の成長が進んだら今度はエボルドライバーを狙いに来るはず...

在り処は知られていないはずだけど...ここに襲撃されたらひとたまりもない...

 

僕は部屋に戻って自身のドライバーの組み立てを急ぐ。

多分もう時間がないはずだ。

 

エボルトがドライバーを手にしたら崩壊が加速してしまう。

それを何としてでも止めないと...

 

 

 

 

to be continued...



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プログラムされた悲劇

今回から奇数日に投稿することにしました。
昨日待ってた人ごめんね?


ー彼方sideー

 

エボルドライバーの組み立てをしているとどうやらビルドくん達が帰って来たようだ。

声の感じからして恐らくパンドラボックスを奪還出来たのだろう。

 

更に筋肉バカくんは新たにクローズマグマに変身できるようになったらしい。

恐らくエボルトが仕組んだのだろう。

戦力が上がったのは嬉しいが、それがエボルトの策略通りなのが何とも言えない。

 

組み立てを一旦止めて店に降りるとビルドくんがサラッと筋肉バカくんに人間じゃないことを伝える。

それに驚いた彼はカップ麺にかけていたお湯を自分の手にかけてしまう。

 

龍我「どどどどういうことだよ!俺が人間じゃねえって!?」

 

美空「ちょっと落ち着きなって!」

 

龍我「落ち着いてられっかよ!」

 

そう言って筋肉バカくんは制止する美空ちゃんを突き飛ばす。

僕は慌てて受け止める。

 

龍我「こんなもん信じんか!?」

 

戦兎「思い当たる節はある...」

 

そう言ってビルドくんはパンドラタワーでのことを話す。

どうやら筋肉バカくんがパンドラボックスを使ったらしい。

やはりエボルトの遺伝子があるからパンドラボックスを使うことは出来るのか。

だとしたら僕も多分使えるだろうな...

 

そのことを聞いた筋肉バカくんは現実逃避しようとするがその悉くをビルドくんに破られる。

するとビルドくんが見ていた紗羽さんのパソコンを閉じ、怒りながら出ていく。

その際に持っていたパソコンを投げる。

それを紗羽さんがキャッチしようとダイブするが、それを僕が受け止めてパソコンもキャッチする。

 

戦兎「そう言えばそのデータはどこで?」

 

紗羽「それがちょっとおかしいんだよね...」

 

彼方「おかしい?」

 

紗羽さんが言うには、このデータの内容は国家機密級。

なのにセキュリティがガバガバだった。

まるで見つけてほしいかの様に...

 

戦兎「もしかして...スタークか?」

 

彼方「...確かにその可能性が高いだろうね。」

 

紗羽「でもなんで...」

 

彼方「感情を昂らせてハザードレベルを上げる為、だろうね。」

 

戦兎「っ!そうか、スタークは万丈の成長を望んでいる。だとしたらこのデータもわざと見つけさせて万丈の感情を昂らせるのが狙いということか...」

 

エボルトの狙いに気付いたビルドくんはそれからブツブツと一人トリップした。

それを見た僕達は多分今日はずっとこれだと思い、放っておくことに。

 

そして僕達はそれぞれのやることに戻った。

するとカーマとキアラが帰ってきていて僕に引っ付いてきた。

まあ疲れたんだろうと思い、引っ付かれたままエボルドライバーの作業に取り組んだ。

 

...

 

..

 

 

 

結局あの後二人が引っ付いたまま眠ってしまって動けなくなった。

まあ西都の軍勢を相手してくれたからこれぐらいは仕方ないかと思ったけど流石にベッドで寝たい...

そう思った僕は二人を起こさないように魔術を使いながら何とかベッドに入り寝たんだけど...

 

何故か朝起きたらサイドの二人に更に僕の上に紗羽さんが居た。

いやなんで???

めっちゃいい寝顔だしさ!?

 

両腕はビースト組によって使えないから二人を起こさないように紗羽さんに声をかける。

流石に起きて貰わないとこの状況はマズいよ...

 

彼方「紗羽さん!起きて!てかなんでいるの!?

 

紗羽「ん...うるさい...」

 

彼方「ちょっ、マジで起きて!?流石にこの状態はマズいって!?

 

すると声が届いたのか目を覚ます紗羽さん。

まだ若干寝ぼけてるけど何とかなりそう。

 

紗羽「ん...?彼方、君...?」

 

彼方「おはよ、紗羽さん。」

 

紗羽「おはよ~、えへへ~。彼方君がいる~...んっ。」

 

彼方「んぐっ!?」

 

寝ぼけた紗羽さんがキスをしてきた...

 

いやなにこの文章...

でも実際起こってるんだよね...

急展開過ぎて頭が追いつかない...

 

しかもめっちゃ舌入れてくるし...

もしかして経験者?

難波チルドレンは皆これを習わされてるのかな?

 

...って何考えてんだ僕!?

とにかく無理やりビースト二人から腕を引き抜いて紗羽さんの顔を離す。

僕と紗羽さんの間に銀色の橋が架かる。

 

紗羽「えへへ~、キスしちゃったね~。」

 

彼方「妙に上手かったんだけど...」

 

紗羽「そぉ?初めてやったけど良かった~。」

 

わぁお、まさかの初めてだったとは...

紗羽さんのファーストキス貰っちゃったけど大丈夫なの?

 

彼方「てかそろそろ起きない?もう朝だけど...」

 

紗羽「え?......っ!?//わ、私!?//キャー!?//」

 

どうやらやっと意識がはっきりしたみたい。

顔を真っ赤にした紗羽さんはベッドから転げ落ちてしまう。

そして顔を抑えて「キスしちゃった...//」なんて言ってる。

いや可愛いかよ...

 

その声に起きたビースト組は状況を把握したのか直ぐに霊体化する。

マジで空気読んでくれてありがとう。

 

僕も起き上がり、紗羽さんの下に行く。

 

彼方「紗羽さん...その~...さっきのことは気にしてないからね?いや、紗羽さんにされて嬉しかったけど...」

 

紗羽「っ//う、嬉しかったの?//」

 

彼方「うぇっ!?ま、まあ...紗羽さん程の美人にキスされたってなったら嬉しいよ?」

 

紗羽「そ、そっか...//えへへ...喜んでくれたんだ...//」

 

ねえ何この可愛い生き物!

もう保護してもいいですよね!ダメと言われても保護しますよ!

 

てかなんで紗羽さん僕の上で寝てたんだろ?

なんか前にもこんなことあった気がしたけど...

 

彼方「そういや何で紗羽さん僕の上で寝てたの?」

 

紗羽「え?あ~、昨日戦兎君に調べて欲しいことがあるって言われてその帰りにちょっと彼方くんのことが恋しくなったっていうかその~...//」

 

彼方「...だいたい分かったかも、うん。」

 

紗羽「それで彼方くんが寝てたから帰ろうと思ったけど私も眠くてね~。それで彼方くんにダイブしちゃったの...重かった?」

 

彼方「全然。重いわけないじゃん。」

 

それから紗羽さんと僕は取り敢えずシャワーを浴びて着替えることにした。

幸い何故かここはシャワーが二個あったからそれぞれ待たせることはせずに済んだ。

 

それから下に行くと美空ちゃんしか居なかった。

どうやらビルドくんは西都が攻めて来たという報告を受けて向かったらしい。

だけどその場所が官邸ではないみたいだけど...

 

彼方「もしかしたら囮かもしれないね。」

 

美空「え?どういうこと?」

 

紗羽「まさか戦兎君達を引き寄せてその間に政府官邸にあるパンドラボックスを狙うってこと?」

 

彼方「その可能性が高い...今すぐ官邸に行くよ!」

 

紗羽「うん!」

 

美空「ま、待ってよ!」

 

僕達は紗羽さんの車に乗って政府官邸に向かう。

官邸に着くと幸いにもまだ攻めてきていない。

 

僕達は首相さんに会い、パンドラボックスが狙われてることを伝える。

それを受けて首相さんは僕達にパンドラボックスを託すと言う。

 

彼方「え、大丈夫なんですか?こう言っちゃあれですけど、パンドラボックスが僕達の手にあるかもって直ぐにバレますよ?」

 

氷室「大丈夫だ。もし奴らにバレても君達なら守り抜くことは出来るだろう。そのうえでこれを託す。」

 

彼方「...分かりました。奴らが来る前に何とかして隠してみます。」

 

氷室「頼んだ...!」

 

そして僕達はパンドラボックスを受け取り、車に戻る。

すると官邸の前にはローグとエボルトが攻め込んで来ていた。

 

...丁度いい。

僕は紗羽さん達にパンドラボックスを頼み、ローグ達の下に向かう。

 

エボルト「ん?よぉ~、彼方!お前がここに居るとはなぁ?」

 

彼方「お前みたいな奴の考えることは分かるからね~?あの兵器兄弟を囮に使って自分は目当ての物を手に入れる...てとこでしょ?」

 

エボルト「Exactly!ハハハッ!流石だなぁ。だがそこは同類だから分かるんだろ?」

 

彼方「お前その意味間違えてんだろ。もうちょっと日本語覚えてこいや!」

 

そう言って僕は黒化したエクスカリバーを投影してエボルトに切りかかる。

だがそれをヒョイと避け、ブラッド族の力で攻撃してくる。

その度に身体の中の何かが反応するが、そんなこと気にする必要なし。

 

僕は攻撃を受け流し、風王鉄槌(ストライク・エア)を撃つ。

黒化した影響か、黒い嵐がエボルトを襲う。

直撃を受けたエボルトは吹っ飛ぶ。

 

エボルト「クゥ...中々やるな...トランスチームだとこれが限界か...」

 

彼方「とっとと帰りなよ。」

 

エボルト「残念ながらそれは出来ない。俺達の目的がまだ達成されてないのでねぇ?」

 

するとエボルトの後ろからナックルを装備したクローズが走って来る。

あれ?もしかしてクローズだけ呼び出されてなかったのか?

 

エボルト「来たかぁ!ソイツはお前に任せたぞ!」

 

そう言ってエボルトはクローズと交戦する。

するとエボルトの指示を受けたローグが僕に向かってくる。

その間に何体ものガーディアンを破壊していく。

ハザードレベルが上がったのか...?

 

ローグ「どうやらお前の相手は俺らしい。少し付き合え!」

 

彼方「ハッ!お遊びなら付き合ってあげるよ!」

 

そう言って僕達は交戦する。

途中ガーディアンからの流れ弾を受けそうになるが受け流す。

それを鬱陶しく感じたのか、ローグがスチームガンにボトルを装填してガーディアン達に向かって撃つ。

見事に全体破壊されてしまう。

 

ローグ「これで集中できるだろ...」

 

彼方「話にか?」

 

ローグ「...お前は本当に葛城達の側なのか。」

 

彼方「ああ。もしかして僕の演技を見抜けなかったのかな~?」

 

ローグ「この力を手に入れる前はな。今なら分かる。」

 

やっぱりパンドラボックスの影響が消えているか...

だとしたら仮説だったライダーにはパンドラボックスの影響はないと証明されたな。

 

多分今なら僕の話を聞くかもしれない。

 

彼方「お前は何故今もなお西都に付く?正気に戻ったお前なら分かるはずだろ。今の西都は腐っているってね。」

 

ローグ「それは分かっている!今の首相は御堂の姿に変わった難波だというのもな!」

 

...なるほどな。どうりで西都が好戦的になったはずだ。

難波は自身が開発した兵器を世界に誇示するのが目的のはず。

ならば東都に戦争を仕掛けるのは当然のことだ。

 

なら尚更分からない。

何故ローグが難波の傍に居続けるのかが...

 

彼方「だとしてもお前が居続ける理由にはならないだろ?」

 

ローグ「...俺の体内にはチップが埋められている。奴らの手で簡単に消滅させられる。だから仕方無く奴らの傍に居るだけだ。」

 

彼方「ふ~ん...ならそのチップ取り出してやろうか?」

 

ローグ「何だと...?そんなことが出来るのか?」

 

彼方「僕なら簡単にね~。」

 

そう言って僕はスチームガンと一本のエボルボトルを取り出す。

そしてボトルをスチームガンに装填し、トリガーを引く。

 

フルボトル!ファンキーアタック!

 

銃口から緑の煙が出てきて、ローグを包む。

するとローグに電気が走るが一瞬で消える。

当の本人は何が起こってるのか分かっていない様子だ。

 

ローグ「っ!これは...チップが消えてるのか...!?」

 

彼方「どうやら成功みたいだね。」

 

僕が使ったのはオピュクスの力である『薬』の成分が入っているボトル。

これによってローグの体内に入っているチップを溶かす分解液とそれを体外に出す分泌液を煙状にして浴びせたのだ。

オピュクスだけだとどうしても飲ませる必要があったが、ボトルの技術とスチームガンのおかげで力の幅が増えた。

 

彼方「これで西都に従う理由は無くなったわけだけど...しばらくは従ってるふりをしてろ。」

 

ローグ「悟られない為か...」

 

彼方「そういうことだ。まあ今のお前なら大丈夫だろうけどね~。」

 

ローグ「フッ、世話になったな。」

 

そう言ってローグはドライバーのレバーを引く。

え?世話になったって言っておきながらそれは無くない?

いやまあこれで戦線離脱できるからいいんだけどさ...

 

クラックアップフィニッシュ!

 

ローグ「これも念のためだ。」

 

彼方「お前恩を仇で返すんじゃないよ...」

 

そう言って僕は全身に防御の結界を張る。

そしてローグのキックを受けた。

 

痛いいいい!?

アイツやっぱハザードレベル上がってるじゃん!?

結界張ってるのにこの痛さはヤバいって!?

 

こりゃ帰ったら薬液ぶっかけないとヤバいな~...

うぅ...身体動かすだけで痛い...

紗羽さんに迎えに来てもらお...

 

僕は痛む身体を何とか動かし、スマホを取り出す。

そして紗羽さんに電話を掛ける。

 

紗羽『もしもし?どうしたの?』

 

彼方「ちょっと迎えに来て...全身痛くて動けないわ...」

 

紗羽『えっ!?す、すぐ迎えに行くから!美空ちゃん!一緒に来て!』

 

そう言って通話が切れた。

あ~痛いよ~...

久しぶりかも、こんな怪我を負ったの...

マジで次会った時は五段重ねぐらいのたんこぶ作ってやろ...

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

紗羽さん達に迎えに来てもらい、現在部屋でベッドに寝ている。

傍に美空ちゃんと紗羽さんを置いて。

 

紗羽「なんであんな無茶をしたのよ...心配したじゃない...」

 

美空「ほんとだよ...いきなり紗羽さんに一緒に来てって言われて行ったら傷だらけの彼方さんが居て...怖かったよ...」

 

彼方「...ごめん、二人とも。心配かけちゃったね。」

 

美空「...バカ。何かしてくれないと許さないんだから...」

 

紗羽「私もキスしてくれないと許さないからね?」

 

彼方、美空「「えっ?」」

 

紗羽「何かおかしなこと言った?」

 

美空「紗羽さん、き、キスって...!?」

 

紗羽「うん、キスだよ。彼方君に褒められたんだ~//」

 

紗羽さんよ...今それを言うのはマズいって...

何故かって?前にもあったでしょ?

 

お怒りベル様と美空ちゃんが現れたの...

 

美空「紗羽さんだけズルい...あたしだって彼方さんとキスしたいのに...」

 

ベルナージュ『美空よりも先になんて...ならば次は美空が妥当であろう?』

 

美空ちゃんはふくれっ面で正直言って可愛い。

けどベル様はというとなんかズレたことを言っている。

てかアンタ魂が消滅するかもしれないとか言ってたでしょ?そんなポンポン出てきて大丈夫なの?

 

ベルナージュ『美空の為ならいつでもどこでも無料で出てくるのが私だ。』

 

うん、早い安い美味いみたいに言わなくていいからね?

てか無料でってそもそも魂しかないのに金使う気なの?

 

そんなことを考えてると美空ちゃんが顔を挟んでくる。

 

美空「彼方さん...あたしじゃダメ...?」

 

彼方「...ダメじゃないです。むしろウェルカムです...」

 

うん、涙目で言われたらこう答えるしかない。

だってベル様は圧かけてくるし、美空ちゃんは美空ちゃんで違う圧を掛けてくるし...

どうにもできないでしょ?

 

すると紗羽さんが美空ちゃんの反対側から抱き着いてくる。

まさかの参戦に僕と美空ちゃんは驚く。

 

紗羽「美空ちゃんだけはズルいよ~。私も、ね?」

 

美空「紗羽さんはやったんでしょ!ならあたしが先だから!」

 

ベルナージュ『そうだ!そうだ!』

 

ベル様のキャラ崩壊具合がエグイ!?

アンタそれでいいのか!?

てか二人とも攻めてこないで!?

理性が崩れていってるから!?

 

彼方「二人とも落ち着いt...んぐっ!?」

 

二人を落ち着かせようとしたらまさかの美空ちゃんがキスしてきた。

いや紗羽さんにズルいって言ってたけどそのやり方もズルいからね?

 

そして美空ちゃんが顔を離して惚けていると今度は紗羽さんがキスしてくる。

しかも朝とは違って触れるだけのキスを。

 

二人とも幸せそうな表情をしている。

なんか...こっちが照れてしまうんだけど...

 

美空「フフフ、やっぱ好きな人とキスするのはいいね。」

 

紗羽「でしょ~?この幸せ感がたまらないよね~。」

 

ん?なんかサラッと告白されたように感じるんだけど...

てか美空ちゃん普通に好きって言ったよね...?

もしかして...

 

彼方「二人とも僕のことが好きなの?」

 

美空、紗羽「「...うん//」」

 

我ながら下手くそな聞き方だと思う。

一歩間違えればナルシストな聞き方に二人は顔を赤くして頷く。

それを見た瞬間、僕は痛みを恐れず二人を抱きしめる。

 

彼方「そっか~...僕も好きだよ...」

 

紗羽「っ!んん~!大好きだよ~!」

 

美空「あたしもだよ!」

 

三人「「「ハハハ!」」」

 

それから僕達は雑談をして眠った。

その様子をカーマとキアラがジト目で見ていたらしい(フォリア談)。

二人には後で何かしてあげよ...じゃないと怖い...

 

 

 

 

to be continued...

 



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最終兵器エボル

ー彼方sideー

 

 

起きたら誰も居なかった件...

 

 

いや正確に言うと店の中も地下室にも誰も居なかったってことだよ?

そんな世界中から僕以外が消えたとかっていう話じゃない。

 

けど一体どこに...

取り敢えず美空ちゃんと一緒に居るだろう紗羽さんに電話するか...

 

彼方「もしもし紗羽さん?今どこにいるの?」

 

紗羽『やっと起きた!今A9埠頭に居るの!すぐに来て!』

 

彼方「え、ちょ、どういうこと!?」

 

紗羽『実は...」』

 

...

 

..

 

 

 

ーNO sideー

 

政府官邸での戦いを終えた戦兎達。

しかしその戦いの最中、氷室泰山がローグに連れ去られてしまった。

取り敢えず地下室に戻った戦兎達はどうするのかを考えていた。

 

そんな中、戦兎のビルドフォンに着信が入る。

その相手は石動だった。

 

戦兎「何だ...」

 

石動『東都政府は今大変みたいだな~?』

 

戦兎「アンタの所為だろ!」

 

石動『フッ。だから取引しようと思って...氷室泰山と引き換えに、エボルドライバーを用意しろ。』

 

戦兎「エボルドライバー?」

 

美空、紗羽「「っ!?」」

 

エボルドライバーという言葉に反応する美空と紗羽。

だがその様子を龍我は気づかない。

 

石動『ビルドドライバーの原型で、お前の父親が携わったこの世に一つしかないきちょ~な代物だ。』

 

戦兎「俺の父親が...」

 

石動『けど、記憶を失う前のお前がそれを見つけて、どこかに隠しちまった。二十四時間以内にそれを探して、A9埠頭まで持ってこい。一分でも遅れたら...首相の命は無い。』

 

突然どこにあるかもわからない物を探せと言われ、しかも時間内に持って来なければ首相の命が無いと言われる戦兎。

無理難題もいいところである。

だがそんな戦兎に石動はヒントを与える。

 

石動『そういや彼方がエボルドライバーを俺も知ってる場所で見つけたと言ってたな...もしかしたらそこにあるんじゃねえのか?Ciao!』

 

石動はそう言い残し通話を切る。

そのヒントに戦兎は直ぐに彼方の部屋に向かうが、彼方は先ほどの戦いで負った傷を回復する為に寝ている。

傷は思ったよりも深く、しばらくは起きそうにない。

 

その様子を見た戦兎は地下室に戻り、どこにあるのか探る。

その時に石動の言葉を思い出す。

 

『エボルドライバーはビルドドライバーの原型である』...

どこかで見た覚えがある戦兎は地下室を見渡す。

するとあるものが目に入る。

 

それは浄化装置だった。

 

浄化装置は戦兎が作り上げた物だが、動力部分は元からこの地下室にあった。

恐らく葛城巧が記憶を失う前に組み立てたのだろう。

その動力部分にエボルドライバーを見た覚えがあるのだ。

 

戦兎は浄化装置を分解していく。

その様子を龍我達はただ眺める。

 

すると浄化装置の動力部分の中から二つに分割されたエボルドライバーが出て来た。

彼方が一度取り出したが、完璧に元の位置に戻す手際は流石である。

 

龍我「エボルドライバーがそのまま組み込まれてたのかよ。」

 

美空「まさかこんなとこに?」

 

そして戦兎は二つのパーツを組み合わせて何とかなりそうだと考える。

そのままエボルドライバーの組み立て作業に入る。

その際に紗羽から危険なんじゃないかと聞かれるが丁度そのタイミングにビルドフォンに着信が入る。

 

戦兎は画面に映った名前に疑問を覚える。

そして警戒しながら通話に出るのだった...

 

...

 

..

 

 

 

ー彼方sideー

 

紗羽『ってことがあったの。それで今埠頭に居るんだけど中から凄い音がしてて...』

 

彼方「分かった!今すぐそっちに行くよ!」

 

紗羽『でも怪我は!』

 

彼方「怪我なら大丈夫。こんな怪我一瞬で治るから!」

 

紗羽「そうなの!?良かった~...』

 

美空『来た!』

 

紗羽『首相!彼方君、切るね!』

 

そう言って紗羽さんは通話を切る。

僕は直ぐに虚空から瓶を取り出して一気飲みする。

すると傷があっという間に治った。

 

マジでアイツやるなら手加減しろよ...

おかげで現場に居れなかったじゃんか...

 

僕は直ぐに紗羽さん達の位置を感知してワープする。

すると車の中に入ろうとする美空ちゃん達の前にエボルトが現れていた。

 

エボルト「美空ァ、久しぶりだなぁ。ソイツは俺のモンだ、返してもらおうか?」

 

そう言って美空ちゃんに近づくエボルト。

僕は咄嗟にエボルトと美空ちゃんの間に入ろうとするが、建物の中から火の鳥が現れる。

そしてエボルトを襲うと火の鳥が消え、ローグが現れる。

フェニックスボトルの力か...

 

ローグ「俺が相手だ...」

 

エボルト「しつこいねぇ...!」

 

そしてローグとエボルトが交戦する。

エボルトは星狩り族なだけあって戦い慣れているが、その技量を超えていくローグ。

やはり正気に戻ってからの成長が著しいな...

 

クラックアップフィニッシュ!

 

レバーを引いて必殺の挟み蹴りを繰り出す。

諸に喰らったエボルトは吹っ飛び、変身を解除してしまう。

アイツ昨日の戦いから更に強くなってないか?

 

美空「お父さん...」

 

すると変身解除したエボルトを見て美空ちゃんがエボルトに駆け寄る。

だがその時、物陰に隠れていた内海が美空ちゃんを襲い、持っていたエボルドライバーを奪い取る。

僕は咄嗟に内海に剣を投げるがエボルトがそれを邪魔する。

 

ローグ「内海!」

 

内海「全ては...難波重工の為に!」

 

そう言って内海はエボルトにドライバーを投げ渡す。

ドライバーを受け取ったエボルトはドライバーを握りしめ、喜ぶ。

 

エボルト「遂に...遂に戻って来たァァァ!!!」

 

そう言ってエボルトはドライバーを装着する。

 

エボルドライバー!

 

エボルトは二本のボトルを取り出し、キャップを揃える。

そしてボトルをドライバーに装填する。

 

コブラ!ライダーシステム!エボリューション!

 

そしてエボルトはレバーを回す。

交響曲の様な禍々しい音が鳴り響くと共にドライバーからビルドの様なライドビルダーが展開される。

 

一通りレバーを回すと腕を胸の前で交差させる。

 

Are you ready?

 

エボルト「変身!

 

そう言って交差させた腕を前に展開する。

 

コブラ!コブラ!エボルコブラ!

 

フッハッハッハッハッハッハッ!

 

ライドビルダーが稼働し、アーマーを装着していく。

その周りを金色の歯車状のエネルギーが回る。

 

それが弾けると、中からコブラの様な複眼を赤く光らせるライダーが現れる。

胸の炉心が高速で回り、肩のアーマーも回る。

それが止まると、額にある早見表の様な物の中の星の回転も止まる。

 

エボル「エボル...フェーズ1!

 

そう呟いたエボルト、基エボルはローグに向かってゆっくりと歩いていく。

それにしても凄まじい力だな...

あれでもまだ完全体じゃないってのが恐ろしい...

 

ローグがエボルに殴りかかるがあっさりと受け止められてしまう。

拳に込めていたオーラも離散してしまう。

 

エボル「準備運動には丁度いい...!」

 

そう言って腕を払いのけるエボルにローグが攻撃していくが、瞬間移動により躱されてしまう。

子供の相手をしているかの様に動くと、今度は怒涛のラッシュを決めていく。

一撃一撃が重く、ローグの身体に電気が走る程の威力だ。

 

するとレバーを回すエボル。

その瞬間、右足を中心に星座が現れ、そのエネルギーが右足に溜まって行く。

あれって僕のギャラクティックフィニッシュに似てないか...?

もしかして僕とエボルトの思考って似てるの...?なんかショック...

 

Ready go!

 

エボルテックフィニッシュ!Ciao!

 

音声が鳴り、エボルの複眼が赤く光る。

そしてローグに向かってキックを放つ。

ローグは腕をクロスさせてガードするが全然効かず、後ろへと飛ばされる。

 

壁にぶつかったローグはダメージが許容オーバーし、変身を解除してしまう。

そこにエボルが近づき、手の平を翳す。

すると手の平にエネルギーが集まって行く。

 

エボルト「お前はもう用済みだ。」

 

エボルはローグを消そうとする。

とそこに首相さんがローグの前に立つ。

マズいと思い、スチームガンにボトルを装填して妨害しようとする。

 

だがそこで思わぬ邪魔が入る。

内海がスチームガンで僕を撃ってきた。

 

彼方「チッ...屑が...」

 

そっちに意識を捕らわれていて間に合わなかった。

エボルはエネルギーを発射し、首相さんが撃たれる。

首相さんは力なく倒れこんでしまう。

 

辺りを静寂が包む。

だがまだ間に合う。

息があるなら僕の薬を使えば助かる。

 

そう思い首相さんの下に行こうとするが、それをエボルが阻止してくる。

 

エボル「感動の別れだ。無粋な真似はすんなよ。」

 

彼方「黙れ...もう誰にもあんな別れ方はさせないんだよ...!」

 

かつて自分の力不足で弦ちゃんを死なせてしまった...

叔父さんを止めることが出来なかった...

フォリアも消滅してしまう危機に陥らせてしまった...

 

もう後悔はしたくないんだ...

自分の手が届くのに...

 

僕はスイッチを取りだし、手の力を入れる。

それほどまでに僕は怒っている...

 

彼方「......ブラッドアップ。」

 

やけに響く僕の声と共にスイッチを押し、変身する。

この姿を見た全員が驚いている。

 

エボル「ほぉ...俺と同じ力か...面白い、見せてみろ!」

 

オピュクス「黙れ。オマエが遊べる程の相手じゃないことぐらいわかりやがれ。」

 

オレはそう言うと杖を振るう。

するとエボルの周りに何千という数の武器が投影される。

それを見たエボルは驚く。

 

エボル「なっ!?まさかこれほどとはな...だがこんなことで俺を倒せるとは思うなよ...なっ!?」

 

オピュクス「見~さ~げて~ごらん♪」

 

エボルが瞬間移動で逃げようとしたが逃げれなかった。

何故かって?オレがエボルの足をブラックホールで封じたからだ。

 

エボル「まさかこの力も持っていたとはな...こりゃ、万丈と融合するよりお前と融合した方が良さそうだなぁ?」

 

オピュクス「出来ると思ってんのか?」

 

エボル「所詮人間如きが俺に勝てるとでも思ってるのか?本来の2%の力しか使ってない俺に対してここまでしなければならないお前とは違うんだよ。」

 

オピュクス「...取り敢えず一旦死ねよ。」

 

オレはそう言って投影した武器を一斉掃射する。

エボルに直撃したはずだが...

 

煙が晴れるとそこにエボルの姿が無かった。

だがおかしい...やったならズタボロのアイツが出てくるはずだ...

 

すると後ろから気配を感じる。

ヤバいと思い振り返るとエボルが居た。

 

エボルテックフィニッシュ!

 

エボル「Ciao~...」

 

エネルギーを込められた右手によるパンチを諸に受けてしまう。

恐らくブラッド族の力も使ったのか、全身に響いてくる。

思わず膝を着いてしまうオレにエボルが近づいてくる。

そして腕から触手を出してオレに刺してくる。

 

オピュクス「ガハッ!?ゥグッ!?アアアアアアアアアアアアアア!?!?!?」

 

エボル「フン。いくらお前でも苦しいだろ?ソイツはお前専用の毒だ。コズミックエナジーとかで治そうとしても無駄だ。」

 

オピュクス「ガッ!?く、クソがっ!テ、メェ...!」

 

エボル「精々足掻け。自分の力を過信したなぁ。」

 

エボルに打たれた毒によって変身を解除してしまう。

苦しい...苦しすぎる...

 

何とか虚空から解毒剤を出して飲んでも全然効かない...

マジでヤバいなこれ...

コズミックエナジーと同じ様な力だとは思ってたけどまさか別物だったとは...

 

このままじゃほんとに死んじゃいそう...

そんなことを考えながら意識を失った。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ーNO sideー

 

彼方が意識を失った後。

辺りは絶望が支配していた。

 

まさかあの彼方がやられるとは思っていなかった美空、紗羽、幻徳の三人に絶望が襲った。

更に幻徳は自身の父である氷室泰山が自身を庇って逝ったことでさらなる絶望も襲い掛かっている。

 

とそこに建物の中で戦っていた戦兎達が出てくる。

だが三人はその場の状況を見て驚く。

そのことに気付いたエボルは飄々と前に出てくる。

 

エボル「遅かったじゃないか。もう少し早ければ死に際に挨拶できたかもなぁ?」

 

一海「おい...彼方はどうしたんだ。一体何をしたァ!」

 

エボル「アイツは出しゃばって来たからなぁ。特製の毒を打ちこんでやったのさ。まぁ、お前達では到底解毒できない代物だけどなぁ?」

 

戦兎「...俺達が相手だ!」

 

戦兎達はそれぞれベルトに装填し、変身する。

そしてエボルと交戦するが相手にならない。

一対三というハンデをもってしても、エボルという存在は強大過ぎた。

 

そんなライダー達を相手しているエボルはというと準備運動の様な動きをしている。

完全に舐められているのだ。

 

エボル「まだライダーシステムに慣れないなぁ...」

 

クローズ「アァ!?スタークとかエボルトとかエボルとか、ややこしいんだよ!うおおおお!!!」

 

クローズはビートクローザーにドラゴンボトルを装填してグリップエンドを引く。

マグマが迸る刀身で攻撃するが受け止められてしまう。

 

クローズ「何っ!?」

 

エボル「これでも今の俺の力は2%に過ぎない。」

 

そう言うと、エボルはスチームブレードでクローズを斬りつけ、スチームガンで追い打ちする。

更にエボルに接近してくるビルドとグリスにもスチームガンで距離を離す。

 

エボル「俺はまだまだ強くなる。」

 

そう言ってビルドを連射するエボル。

スタークの時とは比べ物にならない程の強さを手にしたエボルを前に、ライダー達は手も足も出ない。

 

そしてビルドには退場してもらおうと言うエボルは急接近して紫のオーラを纏ったパンチを放つ。

紫のオーラがビルドの全身を包むと突然変身が解除され、苦しみ出す。

戦兎の首筋には紫の筋が浮き上がる。

 

突然の出来事に驚くクローズとグリス。

続けてエボルは二人に接近し、それぞれの腹に手を当てる。

そして手の平から衝撃波を出して二人を変身解除へと追い込む。

 

物陰から見ていた美空と紗羽は倒れこむ戦兎の下へと駆け付ける。

彼方の時と似たような出来事に、二人は危機を感じる。

だが彼方と違うのは、戦兎は未だ苦しんでいる。

一方彼方は意識を失ってしまっているが、身体が徐々に変色していっている。

 

美空「戦兎!」

 

龍我「戦兎に何をした!」

 

エボル「地球上には存在しない毒を体内に仕込んだ。持って後3日ってとこだろ。」

 

龍我、一海「「っ!?」」

 

エボルの発言に二人は恐怖する。

そのエボルはというと、戦兎が落としたボトルをパンドラパネルに挿しこんでいっている。

 

それを聞いた美空は戦兎に左手を当てる。

そしてベルナージュに戦兎を治すよう祈るが反応しない。

どうやらベルナージュの力も薄れて行っているようだ。

 

そのことに感づいたエボルは皮肉を美空に言う。

だがそこで更にエボルは衝撃的なことを言い残す。

 

エボル「あぁ、そういえば彼方に仕込んだ毒は戦兎と同じくあと三日は持つだろう。だが、アイツはその間身体がどんどん壊死していく。もし毒が治ったとしても壊死した部位は治らない。アイツには丁度いい毒だろう?」

 

その言葉に一同は絶望する。

まさか彼方がもっと重症だとは思ってなかったのだ。

しかも回復したとしても壊死してしまうと元に戻らないかもしれない。

 

エボルはその様子を見て満足したのか、スチームガンを使って消えていった...

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ーフォリアsideー

 

...まさかエボルトがあんなことをするだなんて。

このままじゃ彼方が死んでしまう...

それだけは絶対に阻止しないと。

 

ですが私にはどうすることも出来ない。

いや...もしエボルドライバーを完成させれば私がその毒を吸収できるかもしれない...

だとすれば一刻も早くエボルドライバーを完成させないと...

 

でもそのドライバーは彼方が独自の改造を施しながら組み立てているから複雑になっている。

私でも出来るだろうけど、時間が足りない。

どうすれば...

 

彼方『フォリア...』

 

っ!?この声は彼方!?

意識が戻ったの!?

 

フォリア『彼方!?意識が戻ったのですか!?』

 

彼方『まだ朧気だけどね...それで、この毒を何とかする方法があるの...?』

 

フォリア『え、ええ。エボルドライバーを完成させればその毒もエネルギーとして吸収できると思うのですが...』

 

彼方『...そっか。僕が改造しながらやってるから時間が足りないかもしれないんだね...」

 

フォリア『...はい。なんで...なんで私は何もできないの...」

 

自分の無力さに嘆いてしまう...

確かに彼方に力を与えたのは私。

でもそこから進化していったのは彼方の力。

私はそれをただ傍で眺めていただけ...

 

振り返ると自分が何もしてこなかったことに苛立ってくる。

するとそれを感じ取ったのか彼方が優しく話しかけてくる。

 

彼方『フォリア...自分を責めるな。フォリアのおかげでここに居れるんだからさ。』

 

フォリア『でも彼方の命が危ない時に私は何もできない...そんなの辛いですよ...辛すぎます...』

 

彼方『...ならフォリア。僕から託したいものがある。』

 

フォリア『託したい、もの...?』

 

すると突然頭の中に何かが流れ込んでくる。

膨大な量のそれは彼方の知識だった。

 

魔術から工学の技術まで...

そして彼方が思い描く最強のエボルドライバーが...

まさかこれを私に...?

 

彼方『フォリアの手で作り上げてほしい...頼む。』

 

フォリア『で、でも流石の私でも彼方程器用ではないですし、魔術の精度も低いですよ!?』

 

彼方『なら皆で作り上げてくれ。そうしたら出来るはずだから。フォーゼのコズミックみたいに。』

 

コズミック...確か絆の力で作り上げた力。

そう言えば宇宙鉄人との戦いの時に敵味方関係なく皆さんに協力してもらいましたね...

あの時の様に皆さんと協力すれば...

 

フォリア『分かりました。必ず仕上げてみせます!』

 

彼方『ハハッ!頼んだよ、フォリア...』

 

彼方はそう言うとパスが途切れてしまった。

 

待っててくださいね、彼方...

皆の力で貴方を助けます...!

 

 

 

 

to be continued...




オピュクスはチートだと思ったでしょ?
エボルがもっとチートでした。


それと幻さんがなんで生身に結界を張っただけとは言え彼方を重傷にさせたかっていうと...
・チップが無くなったことで堂々と親父を助けることが出来る。
・自分の想いをさらけ出すことが出来た。
この二つによって感情が昂ったからなんすよね~。
よってハザードレベルがグンと上がったって訳ですね~。
多分5.0一歩手前ぐらいです。何故か万丈超えちゃってます。

って感じでした~。
次回も見てね。


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離れ離れのベストマッチ

そういや今更だけど彼方君の今の容姿はこちら!

髪:黒に白と金のメッシュが入っている。髪型はサマキャン霊衣の蘭陵王な感じ。
目:黒
体つき:細マッチョな感じ。服の上からは分からないけど、脱いだらマッチョが思わず側転するぐらいの肉体。
身長:177cm

なんで今こんなことを書くかって?
...とりま本編GO!


ーNO sideー

 

戦兎と彼方がエボルトによって瀕死の状態に陥ってから数日という時間が経つ。

未だに回復の糸口を掴めない一行。

 

だがそんな中で一つだけ奇妙なことが。

彼方が消えていたのだ。

 

あの後戦兎と共に彼方を運ぼうとした紗羽と美空が現場に行くと、そこには彼方が居なかった。

同じ場所に居た幻徳はとっくに何処かに行き、誰も彼方がどこに行ったのか分からなくなっていた。

 

そんな中、戦兎のビルドフォンに着信が入る。

相手はエボルトだ。

 

それを見た万丈は警戒しながら通話に出る。

 

龍我「何だ...」

 

エボルト「万丈か。戦兎の様子はどうだ。」

 

龍我「惚けんじゃねえ、アンタが一番よく知ってるはずだろぉが!」

 

エボルト「そうカリカリすんなよ。連絡したのは他でもない、戦兎と彼方の命を救ってやろうと思って。」

 

龍我「っ!」

 

エボルトの提案に驚く万丈。

何故敵を助けようとするのかが分からない。

しかも彼方がどこに居るのかもわからない状況。

もしかしたらエボルトが何か知ってるかもしれない。

 

エボルト「今『nascita』に居るんだよ。懐かしいな~?会って話をしよう。美空と二人で来い。」

 

そう言って通話が切れる。

万丈は取り敢えず行くことを決意し、美空にも話し『nascita』に向かった。

 

...

 

..

 

 

 

変わってここは東都先端科学研究所の地下室。

以前彼方が使っていたこの部屋に、二人の女性が居た。

 

涼香「それで...こんな状態になったってわけね...」

 

フォリア「一刻も早くこのドライバーを完成させないとダメなんですが...どうしても分からないことが...」

 

彼方がエボルトによって死ぬかもしれないということを聞きつけた涼香が地下室にやってきてたのだ。

『nascita』でも作業は出来るが、今の状況だとあそこは無防備だ。

もしエボルトが嗅ぎつけてやってきたら対処できずにやられてしまう。

 

その危険性を考慮してこの地下室にやって来たのだ。

恐らくエボルトもここを使っていないことは知っているはずだから時間は稼げるだろう。

 

そんな中、フォリアは危機に直面していた。

 

完成間近であるエボルドライバー。

モルガンやビースト組の助力を経て、何とかここまで辿り着けたが一番の問題に差し掛かったのだ。

 

それはドライバーの動力源だ。

 

このドライバーはエボルトがパンドラボックスの力を最大限に使える究極の姿へとなる為に作られた物。

その為に動力源には膨大な量のエネルギーが必要となる。

 

その量は惑星何個分ものエネルギー。

だが残念ながらそんな量のエネルギーをフォリアは持っていない。

ビースト組の魔力を込めてみるも、全然足りなかったのだ。

 

今から星を狩って行くにしても、この地球に影響を及ぼさない星を探すのは時間がかかる。

しかもエボルトの様に手っ取り早く星を破壊する方法はフォリアと涼香の二人は得意としていないのだ。

事実、これによってフォリアはブラックホールに巻き込まれて別世界へと転移したのだ。

 

そんな二人が辛うじて思いついた方法がパンドラボックスのエネルギーを使う方法。

 

確かにビルドのラビットタンクスパークリングはパンドラボックスの残留物質を利用して開発された。

その力は従来のビルドを遥かに上回っていた。

 

だがそれとは比べ物にならない程のエネルギーが必要となってくる。

幸い、パンドラボックスには今までブラッド族が狩ってきた星のエネルギーが全て詰め込まれているからちょっとのことでエネルギー不足には陥らない。

だがその件のパンドラボックスをどう入手するのかが困難なのである。

 

今は、政府が管理する場所に保管されているパンドラボックス。

恐らくエボルトもそれに感づいて動いているはずだ。

 

そんな中でどうやってパンドラボックスを入手するのか...

だが二人には大きなアドバンテージがあった。

それは...

 

涼香「私があそこに行ってパンドラボックスを回収するわ。多分今ならちょっと理由をでっち上げたらいけるでしょうしね。」

 

フォリア「大丈夫なのですか...?エボルトが勘づくでしょうし、あのヴラドが黙っていないんじゃ...」

 

涼香「大丈夫よ。あんな奴のこと気にすることよりも彼方の方が大事なんだから。」

 

フォリア「フフフ、ほんとに彼方のことが好きなんですね。」

 

涼香「なっ!?//別にアイツのことがす、好きだなんて...//」

 

フォリア「フフフ♪とにかく頼みましたわよ。」

 

涼香「フン!任せときなさい。」

 

そう言いうと、フォリアは涼香をワープでパンドラボックスが保管されている場所へと転移させる。

その間にビースト組とモルガンに来てもらい、どう改造するべきか話し合う。

 

フォリア「恐らくこのエボルドライバーはあるアイテムを使うことが想定されているはずです。」

 

モルガン「それはビルドと同じということだな?」

 

カーマ「そうでしょうね~。ビルドドライバーの原型ってことなんですし~。」

 

キアラ「だとしたらエボルトもそれを持ってるはずでは?」

 

フォリア「いえ。恐らくそれはボトルが60本揃わないと完成しないはずです。パンドラボックスの力を最大限に活かすのならボトルの力が必要なはず...」

 

モルガン「なら私達の場合はどうすればいい?ボトル60本分の力を使うそのアイテムを作り出すのは難しいのでは?」

 

そう、エボルドライバーにもビルドドライバーの様にデバイスの接続口が存在する。

だとすると恐らく、ビルドでいうハザードトリガーの様なアイテムが存在するはず。

だがそれはパンドラボックスの力を最大限使用できる程の力が無いといけない。

その力をどの様に補填するのかが問題となっている。

 

カーマ「別に私達の魔力を込めたらダメなんですか~?」

 

ふと呟いたカーマの一言に一同が同意するが、すぐに難しいと判断する。

何せエボルドライバーの機能を拡張する為のアイテムなのだ。

ならば必然的にエボルドライバーを凌駕する程の魔力が必要なはず。

ただでさえ、彼女達の魔力ではエボルドライバーの動力源にもなり得なかったのに、更に量が必要なアイテムは夢のまた夢...

 

そんなことを考えているとキアラがとんでもないことを呟く。

 

キアラ「私達と同じビーストがもう一基居れば...」

 

その呟きに一同驚き、止めようとする。

そりゃそうだ。確かにビーストがもう一基居れば不可能ではないはず。

だがビーストとは本来『人類悪』とも呼ばれ、人類が倒さなければならない存在。

そのビーストがもたらす災厄は人類を滅ぼしかねないものである。

 

事実、ここに居るキアラとカーマも人類悪として災厄を振りまく者であった。

とはいえ本来の歴史ではそれはカルデアによって未然に防がれるものであったのだが...

 

そんなビーストをもう一基呼び出すというのは、もはやこの世界を滅ぼすということと同意味なのである。

そのことを分かっていながらもキアラはそれを言うということは何かしらの策があるのだろうか...

 

フォリア「もし呼び出すとしても誰を呼び出すんですか?正直アテが無いように思えるんですが...」

 

キアラ「あら?アテなら()()()いらっしゃいますわよ。」

 

キアラの『御一柱』という言葉に疑問を浮かべるフォリアとモルガン。

ただカーマは同じビーストで分かったのか少しばかり苦い顔をする。

同じ『愛』を求める女神ではあるが、果たしてかの女神を彼方が制御できるのだろうか...

 

カーマ「それはビーストⅡ・ティアマトのことを言ってるのですよねぇ?」

 

キアラ「ええ、そうですわ。」

 

カーマの言葉に驚くフォリアとモルガン。

それはそうだ。かつてカルデアが挑んだビーストの一柱で、壮絶な戦いを繰り広げた相手なのだから。

 

そのティアマトをこの世界に呼び出そうと言うのだ。

確かにビーストが一体現れれば、連鎖的に残りのビーストも現れる。

だがこの世界の場合はイレギュラーが起こっているのだ。

 

ビーストであるキアラとカーマの二人は平行世界からこの世界を発見し、顕現したのだ。

その場合、既存のビーストが現れる仕組みとは異なることから、この仕組みは機能しない。

しかも、この世界は本来魔術や神秘などが存在しない世界なのだ。

だからこそ余計にビーストが現れる心配はないのだ。

 

だがそんな世界でも、ビースト一体が現れるだけで崩壊への一歩を進んでしまうのだ。

もしもキアラとカーマが彼方によって制御できていなかったら...

恐らくこの世界はエボルトが本格的に動く以前に滅んでいただろう。

それも地球だけでなく、軽く太陽系は消える程の速さで。

 

そんなビーストを呼ぶのは得策ではない。

しかも今は彼方が意識不明なうえ、死んでしまうかもしれないという危機の中で呼び出すのはもっての外。

 

あくまで案として出されたが、これが本当に起こってしまうのかはまだ誰も分からない。

だがティアマトの気配は微かに漏れ出ていたのだった...

 

 

 

 

────────────────────――――――――――――――――――――――――

 

 

 

ーフォリアsideー

 

キアラからとんでも案件を取り敢えず保留とした中、涼香からワープしてほしいとのパスが繋がる。

取り敢えずモルガン達には一旦霊体化してもらい、私は涼香をここにワープさせる。

帰って来た涼香の手にはパンドラボックスがあった。

 

これでエボルドライバーが完成する...

だが果たしてうまくいくのだろうか...

 

そんなことを考えながらパンドラボックスの力を使ってエネルギーを充填していく。

すると涼香から意外な提案を受ける。

 

涼香「...もし貴方一人じゃダメだったら私も力を貸すわよ。」

 

フォリア「っ!まさか貴方がそんなことを言う様になるとは...やはり彼方は周りを変えていくのですね。」

 

涼香「フッ、そうかもしれないわね。」

 

私達はそんなことを話しながら作業を進める。

 

数分経つと、作業が終わりエボルドライバーにパンドラボックスのエネルギーが充填された。

それを確認してから、残りの作業を急いで終わらせる。

そして遂にエボルドライバーを完成した。

 

涼香「やったわね!急いで彼方を復活させるわよ!」

 

フォリア「ええ。これで完全復活とか言って元気になりそうですけどね...」

 

涼香「うわ~...言えてる。」

 

完成させたエボルドライバーを彼方に装着させる。

どうやらちゃんと起動したようだ。

 

後は変身に使うボトルを装填して...

 

〇〇〇!ライダーシステム!エボリューション!

 

そしてレバーを回す。

エボルトが変身する時はあんなに禍々しく感じたこの音が、今はこれから起こることに歓喜してるかの様に聞こえる。

 

レバーを回し終えるとあの音が鳴り響く。

 

Are you ready?

 

ドライバーの音声に私達は笑みを零す。

 

フォリア「そんなの...」

 

涼香「出来てるに決まってるじゃない。」

 

そう言って私達は目を赤く光らせ、身体をアメーバ状に変える。

そして彼方の体内へと入った。

 

さぁ、目を覚まして...彼方!

 

 

 

 

────────────────────――――――――――――――――――――――――

 

 

 

ー彼方sideー

 

ここはどこだ......

 

確かフォリアにエボルドライバーの完成を託してから意識を失ったはずだけど...

ここがどこなのか分からない...

自分の記憶はあるから記憶喪失とかではないはずだけど...

 

周りは何もない。

ただ足元には黒い泥の様なものがあるだけ。

それ以外は何もない。

まるで『虚無』の様な世界だ...

 

すると何か声が聞こえてくる。

 

『―いかないで― ―はなれないで― ーわたしをおいていかないで―』

 

どこかで聞いたことのあるセリフだ...

どこだっけ...?

 

そんなことを考えていると目の前にある泥の表面が泡立つ。

すると泥の中から一人の異形な少女が現れる。

 

大地を象徴する大角に、星の内海を映す瞳。

綺麗な水色の髪を持ち、かなり際どい恰好をしている。

 

僕はこの少女を見たことがある。

何せキアラやカーマと同じビーストの一柱なんだから...

 

ビーストⅡ・ティアマト...

 

なぜ彼女がここに居るのかが分からない...

いや、もしかしたら僕は彼女によってここに呼び寄せられたのか?

 

確か彼女は自身の子供達の手によって虚数世界へと閉じ込められたはず...

虚数世界の中は何もない、『虚無』の世界...

まるで今いるここの様な世界だ...

 

マジか...やっぱビースト組が来たから連鎖的に呼び寄せられたのかな...?

 

そんなことを考えているとティアマトが口を開く。

 

ティアマト「多くの命を育みました。多くの命に愛されました。でも、子供達は私を梯子にして、遠くに行ってしまうのです。ずっと愛していたいのです。ずっとそばに居たいのです。私の『愛』は間違っているのでしょうか。」

 

ティアマトはかつて藤丸立香に投げかけた言葉を僕に言う。

あの時からずっと思っていた言葉を僕は言う。

 

彼方「多分彼らは貴女のことを愛していると思う。でも...それは貴女が思う『愛』とは違う気がするんだ。」

 

ティアマト「『愛』が違う...」

 

彼方「うん。貴方に対する彼らの愛は家族に対する愛。一方貴女の愛は母性愛だ。」

 

僕の言葉にティアマトは分からない様子で居た。

まあ確かにこの二つは似ている。

でも多分彼女の認識はずれているはず。

 

彼方「家族に対する愛は大切な存在だから愛するんだ。でも貴女は違う。貴女のは自分の子供だから愛する。そこに大切か大切じゃないかは存在しない。ただ自分の子供を愛するだけなんだ。」

 

ティアマト「大切な存在...」

 

彼方「かつての貴女にもあったはずだ。だけどそれが子供達の行為によって歪んでしまったんだ。まあこう考えると元はと言えばその子供達が悪いのかもしれないけどね。自分の身が危ないと思い込んで欲に走ったんだから。」

 

ティアマト「それじゃあ私は誰にも愛されていないのでは...」

 

彼方「...それは違う。確かに貴女を殺した神々は愛していなかったかもしれない。でも他はどうだった?貴女が共に戦った十一の魔獣達は?貴女が駒として利用したキングゥは?彼らは貴女のことを愛していたはずだ。大切な母親だから。」

 

ティアマト「...そうですか。あの子達は私を...なのに私はただ利用するだけ...」

 

そう言い、ティアマトは涙を流す。

僕はそれを見ていられず、抱きしめる。

何故か彼女が泣いているのを見るのが嫌だった。

もしかしたら彼女がビーストになった起源を知ったからなのか...?

 

僕はただ泣いてる彼女を少しでも楽にしようとすることしかできなかった。

彼女の泥が自身の身体に入り込んでいたのに気づかずに...

 

 

 

 

────────────────────――――――――――――――――――――――――

 

 

 

ーNO sideー

 

彼方がティアマトと接触をしている時...

現実世界では壮絶な戦いが繰り広げられていた。

 

エボルトによって強制解除をされたにも関わらず、戦兎の為に命を懸ける覚悟で再変身した龍我。

クローズマグマの身体からは感情に呼応してか、マグマは迸っていた。

 

そんなクローズと戦うエボル。

この戦いの中で自分が望む、ハザードレベル5.0へ到達しようとしているクローズを見て喜ぶエボル。

だがそんなこと関係なく感情を昂らせ、エボルに攻撃していくクローズ。

 

そんな中、クローズは右拳を構える。

 

クローズ「力が漲る...!魂が燃える...!俺のマグマが迸る!うおりゃああああああ!!!!!」

 

クローズは構えていた拳に力を込め、思い切りエボルに殴りつける。

エボルはそれを両手で防ぐが勢いが止まらない。

正にマグマが迸るような勢いで力が増していく。

やがてクローズは到達したのだった。

 

エボル「ハザードレベル5.0!!!」

 

吹き飛ばされながらも歓喜するエボル。

これで融合できるレベルに到達したのだから。

 

そんなことを知らず、クローズはマグマナックルにボトルを再装填する。

そしてボタンを押し込む。

激しい音声が鳴り響く中、力を込めていく。

 

クローズ「もう誰にも止められねえ!!!」

 

エボル「今だ!」

 

エボルはそれに合わせるようにレバーを回す。

するとそれと同時に現場に居た戦兎の意識が無くなってしまう。

紗羽が必死に呼びかける中、遂に二人はぶつかる。

 

お互いの全力の攻撃がぶつかり合う中、力がどんどん増していく。

二人が纏うオーラは大きくなっていき、突如白い光が辺りを包む。

そして周辺にオーラの衝撃波が広がっていった。

 

光が止むとそこには龍我の後ろ姿が。

エボルトの姿が見えないことから、龍我が勝ったのだ。

そのことに喜ぶ紗羽と一海。

 

だが戦兎の意識は依然回復しないまま。

と、そこで龍我が振り返り、腕を振るう。

 

すると戦兎の首筋まで浮き上がっていた紫の筋が消えていく。

そして戦兎が意識を取り戻したのだった。

 

突然のことに驚く二人。

何故エボルトの毒が龍我に消せたのか...

だがその答えは意外な形で分かったのだ。

 

龍我(?)「敵に塩を送るなんて、優しいだろ?」

 

龍我の姿ではあるが、声がエボルトだったのだ。

そのことに驚愕する三人。

 

更に龍我はエボルドライバーを取り出し、装着する。

そこに新たな青いボトルを取り出し、装填する。

 

ドラゴン!ライダーシステム!エボリューション!

 

そしてレバーを回し、変身する。

 

ドラゴン!ドラゴン!エボルドラゴン!

 

フッハッハッハッハッハッハッ!

 

大体のアーマーは変わらないが、肩と頭部がクローズを思わせるアーマーへと変化している。

新たなエボルへと変身した龍我。

 

エボル「フェーズ2、完了...」

 

龍我は完全にエボルトに乗っ取られたのだった...

 

 

 

 

to be continued...




前書きのは一応皆さまにイメージしやすいようにと書いたのです。
決して何かの伏線ではないです。

ちなみに髪の毛のメッシュの理由はゾディアーツ化の影響です。

なんか書いてたら凄いことになってた...
当初は彼方毒っちゃう予定なかったんだよ...
ただエボルをやっぱチートに見せないとな~って思ってさ...

なんか...ゴメス?


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破滅のタワー

―NO side―

 

龍我がエボルトに乗っ取られてしまった。

そして龍我を乗っ取ったエボルトは龍我の力を元に新たな力を得て、仮面ライダーエボル・ドラゴンフォームへと変身した。

 

エボル「フェーズ2、完了...」

 

紗羽「万丈じゃない...」

 

戦兎「エボルト...!」

 

救急車から降りてきた戦兎達は変身したエボルを睨みつける。

だがそれを気にしないエボル。

 

エボル「そうだ。俺が万丈の身体を乗っ取った。」

 

そう言うと、エボルは地面に落ちていたボトルが入ったケースを拾う。

そして建物の中に保管されているであろうパンドラボックスを取りに行こうとする。

 

エボル「さてと...パンドラボックスを頂くとするか。」

 

そう言い、エボルは建物にゆっくりと向かって行った。

 

建物内を進んでいき、パンドラボックスが保管されている部屋へと入ったエボル。

だがそこにはパンドラボックスが無かった。

 

予想外の出来事にエボルは戦兎の仕業かと考える。

だがその予想は裏切られるのだった。

 

戦兎「待て...っ!パンドラボックスをどこにやった!」

 

エボル「ん?お前が仕組んだんじゃないのか?」

 

戦兎「何を言ってるんだ...?それよりもパンドラボックスと万丈を返せ!」

 

エボル「...そんな身体で俺に勝てると思ってるのか?」

 

戦兎「うるせえ!俺が取り返す!」

 

そう言い、戦兎はラビットラビットフォームへと変身する。

そしてエボルに殴りかかる。

 

ビルド「なんでアンタが万丈の身体に!」

 

エボル「お前にはまだ話してなかったな。元々俺と万丈は二人で一つの生命体だったんだ。」

 

ビルドにカウンターを喰らわせたエボルは語る。

 

23年前、火星に投下された無人探査機にエボルトが遺伝子の一部を潜り込ませたこと。

その生命体は万丈の母親に憑依した。

 

だがそこでエボルトも予想外のことが起こった。

エボルトの遺伝子が母親にではなく、そのまま身籠っていた万丈の方へ憑依した。

生まれると同時にエボルトの記憶と能力を失い、ただの人間へとなった。

それが万丈龍我の真実だった。

 

その為エボルトは自身の遺伝子を回収する為に石動惣一を乗っ取った。

そして地球に降り立った。

 

その話を聞いたビルドは信じたくないと思い、攻撃を繰り出す。

だが悉くカウンターされ、終いには必殺のパンチを喰らい強制解除されることに。

 

倒れる戦兎にエボルは更に話していく。

 

パンドラボックスを開け損ねたエボルトは、戦兎の父親である葛城忍に会いに行く。

丁度龍我の研究をしていたこともあり、葛城を脅してエボルドライバーを復元させる。

葛城はエボルトに協力していたことを酷く後悔していたと話すエボル。

それを聞いて戦兎は父親の自殺の原因が分かった。

 

万丈に次々と試練を与えていき、自身と融合できるハザードレベル5.0へと成長させる。

そして遂に目標のレベルに達したことでエボルトが乗っ取ったということだった。

 

エボル「これで納得したか?...話は終わりだ。もうここに用は無い。」

 

そう言い、この場を去ろうとするエボルの足にしがみつく戦兎。

だがエボルトは意味深なことを言って、戦兎を払いのける。

 

エボル「お前にはまだ別の役目があるからだ。フフハハハ!Ciao~。」

 

そう言ってエボルは瞬間移動で去って行った。

その姿を見て、戦兎は意識を失う。

 

一方、外では一海と紗羽がある人物を見つける。

 

エボルトが立っていた側に石動惣一が倒れていたのだ。

意識はないものの、息はしているようだ。

 

どうやらエボルトが万丈を乗っ取ったことにより、石動の身体が必要なくなったようだ。

一海達は取り敢えず石動の身体を救急車の中へと運ぶ。

そして中で倒れている戦兎も運ぶのだった...

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

一方その頃、虚数世界では一人の仮面ライダーが何百もの気味悪い生物と戦っていた。

 

エボルと同じ手足のアーマーでエボルドライバーを装着している。

だがエボルとは違い、腰に金と黒のローブを纏っている。

肩にはサジタリウス・ノヴァの様な白と黒の造形で、胸には大きな炉心にその周りを黄道十二星座のシンボルが囲んでいる。

そして頭部は二つの蛇が玉を咥えたような複眼にサジタリウス・ノヴァのような角。

 

全体的に白と黒と金で包まれたライダーが居た。

そのライダーは自身を囲む口が縦に裂け、四本の触覚を持つ化け物を見ずにただ俯いている。

 

すると化け物達が一斉に襲い掛かる。

それぞれ獣の如く舌を出しながら、獲物に向かって襲い掛かる。

 

だが以前ライダーは動かず。

するとライダーの身体に電気が走る。

そして複眼が光ると同時にライダーを中心に広範囲の衝撃波が起こる。

 

衝撃波に巻き込まれた化け物は見るも無残な姿へなり果てた。

だがそれでも半分は残っている。

 

次にライダーは武器である一本の太刀を出し、それを振るう。

すると大きな斬撃が放たれ、その方向に居る化け物が全員跡形もなく消えた。

 

それを見た化け物達は、理性があるかの様に隊列を組んでライダーに襲い掛かる。

だがライダーはそれに臆せず、ドライバーのレバーを回す。

 

Ready go!

 

ギャラクティックフィニッシュ!

 

音声と共に、太刀にエネルギーが集まって行く。

するとライダーは化け物達の方向に向けて太刀で円を描く。

そしてその円の中心に向けて太刀を突き刺す。

 

すると円から巨大な紺色のビームが放たれる。

ビームの周りにはまるで宇宙の中で輝く星の様な粒子が舞っている。

 

化け物は一匹残らずビームに吞み込まれて行った。

ビームが途切れるとそこには何も存在しなかった。

 

全ての化け物を消したライダーは太刀を血振るいの様に振るって虚空に仕舞う。

そしてドライバーからボトルを抜いて変身を解除する。

 

すると足元の泥からティアマトが現れる。

ティアマトは持っていたタオルを変身者に渡す。

 

ティアマト「お疲れ様。力は使いこなせた?」

 

???「いいや、まだだ。もう少し加減しないと被害が大きすぎる。」

 

ティアマト「そう...頑張って!」

 

???「...ありがとう、ティア。」

 

ティアマトと同じ髪色をした長髪の男はティアマトの頭を撫でる。

それにすごく嬉しそうな表情をするティアマト。

恐らく夫であったアプスーや子供達にも見せたことのない笑顔を男に向けている。

 

そして男はまた変身をするのだった。

自らの力を使いこなす為に...

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

『nascita』の地下室に運び込まれ、目覚めた戦兎。

毒で苦しんだ時に聞いた龍我の最後の言葉に龍我を助けに行くことを決意する。

 

そこである男の協力を得ようとする。

その男は...

 

幻徳「お前達が欲しいのはこのボトルだ。」

 

そう言って幻徳はフェニックスボトルを取り出す。

現状、エボルトに渡っていない唯一のボトルである。

その為、エボルトは未だパンドラボックスを開けていないでいる。

 

そこで戦兎は手を組まないかと提案する。

その言葉に反応する一海と幻徳。

お互い仲間の命を奪った、奪われた関係だからこそ思うところがあるのかもしれない。

 

戦兎「アンタはもう昔の氷室幻徳じゃないはずだ。」

 

幻徳「...だからといって俺が犯した罪が消えるわけじゃない。」

 

そう言い、何とも言えない空気になる。

だがそこに無粋な者が空気を壊す。

 

『野郎が集まってなに辛気臭い話してんだよ。』

 

その声が聞こえ、全員顔を上げる。

すると店の奥に突然エボルトが現れた。

 

美空「っ!万丈!?」

 

一海「...じゃない。エボルトだ。」

 

エボルト「正解!」

 

龍我がエボルトに乗っ取られているところを見ていなかった美空は驚く。

だがエボルトは依然として飄々とした雰囲気を崩さない。

圧倒的力の差を理解しているからこその余裕なのかもしれない。

 

エボルト「お前達をセレモニーに招待しようと思ってな。おっと?火星の王妃はお断りだ。」

 

そう言ってエボルトは美空に衝撃波を飛ばす。

それによって気絶してしまう美空。

 

美空に気を取られている隙に、エボルトは高速移動で戦兎達を連れ去る。

戦兎達が連れ去られた場所はパンドラタワー中枢にある広間だった。

 

するとエボルトはパネルにボトルを装填する。

それを戦兎達に見せつける。

 

エボルト「どうだ?俺の力は。」

 

そう言ってパネルを手放す。

するとパネルは動きだし、パンドラボックスへと吸収された。

パネルを吸収したパンドラボックスから光の柱が現れる。

 

すると突然パンドラタワーが大きく揺れ出す。

また一層パンドラタワーが建てられたのだった。

 

エボルト「最後のボトル、フェニックスボトルを渡してもらおうか?」

 

そう言い、ドライバーにボトルを装填するエボルト。

戦兎達もドライバーに装填し、変身する。

 

数の利を活かしてエボルに休む間もなく攻撃を浴びせていくが、全て捌かれてしまう。

グリスがスクラップフィニッシュで決定打を叩き込もうとするが、それも難なく跳ね返されてしまう始末。

 

どうにかしてボトルを手に入れなければならない状況の中、ローグが囮になると言ってビルドにフェニックスボトルを託す。

するとローグは何とかしてエボルが持っていた東都のパネルをエボルの手から離すことに成功する。

 

その隙にビルドがボトルを奪おうとするが、そう簡単に行くはずもなく。

エボルがビルドに射撃して隙を与えない。

 

そこにグリスがエボルを羽交い絞めにして隙を作ろうとする。

だがそれをあっさり崩され、グリスはパンドラタワーの外へ弾き飛ばされてしまう。

 

だがそれを気にする暇は無いのを分かっているローグがエボルに向かって行く。

その際にパネルをビルドの方へ弾き飛ばす。

 

ローグ「早くしろ!」

 

エボル「今更ヒーロー気取りか。戦争を引き起こしておいて、都合がいいな?お前の罪は決して消えない!」

 

エボルはそう言い、ローグを抑えながらレバーを回す。

そしてエネルギーを込めたパンチで、ローグも弾き飛ばした。

 

残されたのはビルドのみ。

ビルドはパネルから数本ボトルを取る。

そしてある二本をドライバーに装填する。

 

ビルド「ビルドアップ!」

 

ブラックハザード!ヤベーイ!

 

ビルドは海賊レッシャーハザードへと変身する。

ラビットラビットとタンクタンクの力押しでは通用しないと考えたのか、ビルドの本来の強みであるボトルの特性を最大限に活かした戦法を取ることにした。

それに今の戦兎は以前よりもハザードを使える時間が長くなっている。

その為この戦法は有効手であったのだ。

 

それに気づいたエボルもパネルから一本のボトルを取り、ドライバーに装填する。

 

機関砲!ライダーシステム!クリエーション!

 

するとエボルドライバーからホークガトリンガーが生成される。

だがそれを気にせず、ビルドはカイゾクハッシャ―のビルドアロー号を引っ張りエネルギーを溜める。

それを見て、エボルもホークガトリンガーのリボルマガジンを回転させる。

 

お互い最大限に溜めたエネルギーを発射する。

だがお互い相殺して相手にダメージを与えれなかった。

 

すると今度はドラゴンボトルとロックボトルを装填し、変身する。

ドライバーからビートクローザーを生成し、エボルに斬りかかる。

本来出力が高いドラゴンボトルだが、それがハザードによって制御可能となっていた。

 

エボル「万丈のドラゴンを持ってくるなんて、憎いねえ!」

 

そう言い、エボルはビルドから距離を取る。

そして龍我の体内から生成したドラゴンエボルボトルをドライバーに装填して、ドラゴンフォームに変身する。

エボルもビートクローザーを生成してビルドに向かって行く。

 

エボル「どうだ?万丈と融合したこの強さに勝てるか?」

 

ビルドは斬りかかるが、エボルに防がれてしまう。

すると今度はエボルが斬りかかって行く。

何とか攻撃を防いでいくが、その内にハザードの限界が来てしまう。

 

その隙にエボルが一気に詰め寄り、ビルドを横薙ぎで斬り伏せる。

吹っ飛ばされたビルドは、パワー重視のタンクタンクに変身して応戦する。

 

エボル「大したもんだ。だが折角の素晴らしい発明も、結局は戦争の道具でしかないんだから空しいよなぁ?」

 

ビルド「元はと言えばアンタの所為だろ!」

 

鍔迫り合いしていたビルドはフルボトルバスターをバスターブレードモードに変え、エボルに斬りかかる。

感情が昂ってるからか、エボルが力負けして攻撃を受ける。

 

だがそれでもエボルはビルドに斬りかかる。

感情が昂るとハザードレベルが上がるが、その代わり動きが単調になる。

一方エボルは場数が違うからか、常に冷静にビルドを煽っている。

 

エボル「前にも言ったはずだ。科学の行きつく先は破滅だと!科学が発展して便利になる程、人は考えることを放棄していく。やがて、何も分からないまま争いに身を投じる。それが科学がもたらす...未来だァ!」

 

エボルは怒涛のラッシュをする。

だがビルドはそれを防ぐ。

 

ビルド「人間はそんな...単純じゃない!」

 

そう言い、ビルドは斬り上げる。

そしてエボルと鍔迫り合いになる。

 

ビルド「たとえ過ちを犯しても、二度と繰り返さない為に何をすべきか、それを体系化して、研究するのが科学の役割だ!」

 

エボル「ぬぅ!?っ!」

 

ビルド「俺は人間を信じてる!」

 

そう言い、ビルドは鍔迫り合いを制す。

そこから連撃していき、遂にエボルの背中を地面につけることが出来た。

 

するとエボルから龍我の声がする。

 

龍我(?)「戦兎...俺だ...助けてくれ...」

 

ビルド「っ!万丈!?」

 

ビルドが動揺している隙に、エボルはビートクローザーにドラゴンエボルボトルを装填する。

そしてビルドを斬り上げ、立つ。

 

エボル「隙ありィ!」

 

そしてビートクローザーのグリップエンドを引く。

刀身に青と赤の炎が燃え上り、ビルドを叩き斬る。

 

完全な不意打ちでビルドは変身を強制解除される。

更に持っていたフルボトルを全て落としてしまう。

 

エボル「いい声してるだろぉ?」

 

さっきの龍我の声はエボルの演技だったのだ。

エボルはボトルを拾い、パネルに装填していく。

そしてパネルはパンドラボックスに吸収され、また一層パンドラタワーが建てられた。

 

するとパンドラタワーを中心に嵐が巻き起こる。

周辺の街は崩壊していく。

その様子を弾き飛ばされた一海と幻徳が眺めていた。

 

内海「辞めろ!」

 

すると広間に内海が現れる。

パンドラボックスを開けるつもりが無い難波の意思を背いたエボルを止める為だ。

だがエボルが出した衝撃波によって地面に倒れ伏す。

 

エボルは更にパネルを融合させていく。

パンドラタワーがまた一層建てられ、嵐の勢いも強くなっていく。

 

そして最後のパネルを取り出したエボル。

 

エボル「ようやくこの時を迎える。絶望を味わうといい!」

 

戦兎「辞めろおおおおお!!!」

 

エボルはそう言い、パネルを高らかに掲げてからパンドラボックスと融合させる。

戦兎の叫びは空しく、パンドラボックスに全てのパネルが融合された。

するとパンドラボックスに変化が起こる。

 

何もなかった箱が、六枚のパネルが合わさった姿に変化したのだ。

それぞれのパネルにはボトルが装填されている。

 

そしてパンドラボックスからひと際眩しい光の柱が放出される。

それが天に行くと、赤黒いオーラが広がる。

 

広間には石柱が現れ、どんどん上へと昇って行く。

更にパンドラタワーには最後の一層が建てられていった。

 

外に巻き起こる嵐の勢いは更に強まった。

範囲も大幅に拡大され、甚大な被害がもたらされている。

 

戦兎はこの光景を見て、美空のイメージを思い出す。

かつて火星を滅ぼした力が今目の前で開かれたのだ。

 

エボル「地球は終わりだァァァ!!!」

 

そう言うとエボルはパンドラボックスに手を翳す。

するとパンドラボックスから一つのアイテムが生まれる。

そしてパンドラボックスに装填されていた全てのボトルがブランクボトルに変化する。

 

戦兎「それは!?」

 

エボル「エボルトリガー。パンドラボックスの真の力だ。」

 

そう言い、エボルはトリガーのスイッチに指を掛ける。

戦兎はそれを押させまいとエボルに駆け寄る。

だが距離的に間に合うはずもなく、エボルはスイッチを押す...寸前にだ。

 

 

馬鹿な真似はさせないよ。

 

 

その言葉と同時にエボルに一閃の光が現れる。

するとエボルは何かに斬られたかの様な傷をつけられてしまう。

 

戦兎は何が起こったのか分からないでいる。

すると戦兎とエボルの前に一人の男が現れた。

 

その男はティアマトと一緒に虚数世界に居た男だった。

男は一振りの太刀を持ち、冷たい目でエボルを見つめる。

 

エボル「貴様...まさか...!」

 

戦兎「お前は...誰だ...?」

 

男はゆっくりと戦兎に顔を向ける。

男の顔を見た戦兎は驚く。

 

 

何故なら男は消えたはずの彼方だったからだ。

 

 

 

 

 

 

to be continued...



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エボルトは星を狩る

―NO side―

 

エボルトの手に全てのボトルが揃った。

そしてパンドラボックスが開かれてしまった。

 

エボルトはパンドラボックスの力を使い、エボルトリガーというパンドラボックスの真の力を生み出す。

そのアイテムを起動させようとした瞬間、何者かに斬られてしまう。

 

エボルトを斬った謎の男が姿を現す。

その正体はエボルトに毒を打たれた後、姿を消した彼方だった。

 

エボルト「なんでお前が生きている?しかもどこも壊死をしていない...」

 

戦兎「今までどこに居たんだ?」

 

彼方「...それを語る意味は無いよ。俺はただその力を使わせない為に来ただけだ。」

 

以前と違う彼方の口調に戸惑う二人。

だがそれを気にしない彼方はエボルトが手放したエボルトリガーを見て何かを悟る。

 

彼方「どうやらそれはまだ完全に機能しないようだね。やはりパンドラボックスのエネルギーが足りなかったようだ。」

 

戦兎「どういうことだ...?」

 

エボルト「...何故お前がそれを知っている。」

 

彼方「それは...俺が使ったからさ。このドライバーを完成させる為に。」

 

そう言って彼方はエボルドライバーを取り出す。

それを見て驚く戦兎。

一つしか存在しないはずのドライバーを何故彼方が持っているのか。

 

エボルト「遂に完成させたか...だが人間のお前には使えない。宝の持ち腐れというやつだ。」

 

彼方「前の俺だったらの話だ。今の俺は違う。俺は人間でも地球外生命体でもない...神だ。」

 

そう言うと彼方は目を赤く光らせる。

すると彼方を中心に重圧がかかる。

正に神と言える程の重圧が戦兎とエボルトを襲う。

その様子を見て彼方は調節をミスったかと思う。

 

するとパンドラボックスが徐に震えだす。

彼方とエボルトはその原因に気付いたようで、同じ方向を向く。

 

そこにはベルナージュが憑依した美空が歩いてきていた。

するとベルナージュは手をエボルトに掲げる。

ベルナージュの力によってエボルトは石柱に叩きつけられる。

 

その間にベルナージュは戦兎とパンドラボックスと一緒に転移した。

一瞬彼方にアイコンタクトを取って。

 

それを受け取った彼方は、身体を分子化させた。

その様を見たエボルトは高らかに笑う。

 

エボルト「フハハハハ!!!遂に人間を辞めたか!やはり完全体を超える鍵はアイツが握ってるようだなぁ!」

 

エボルトはそう呟き、一人広間に寝転がるのだった。

だがエボルトの狙いは叶わない。

神に挑むのは無謀だということを知らないのだ...

 

...

 

..

 

 

 

地下室に戻って来た戦兎達に一海と幻徳。

四人の視線の先にはパンドラボックスがあった。

 

戦兎「結局パンドラボックスのエネルギーとはなんだったんだ...パンドラタワーは何を意味する...?」

 

ベルナージュ「破滅の塔...」

 

ベルナージュの呟きに反応する三人。

 

ベルナージュ「我々の星はあの塔が出来て滅びた。塔の上空に出来た奇妙な空間に、あらゆる物が吸い込まれて行った。」

 

一海「なあ、そもそもエボルトって何者なんだ?」

 

ベルナージュ「この星ではまだ確認されていない惑星の生命体だ。エボルトは、我々の星をたった一体で滅ぼした。」

 

その言葉に戦慄する三人。

火星と地球では星の大きさや文明の発展の差などがあるだろうが、それでも惑星一つ分の文明をたった一人で滅ぼしたのだ。

果たして自分達にはそれを阻止することが出来るのだろうか...

 

そんな火星で最後に残ったベルナージュは捨て身の覚悟でエボルトと戦った。

エボルドライバーを破壊することで肉体と魂を分離させたものの、エボルトはパンドラボックスに自身のエネルギーを閉じ込めたらしい。

 

幻徳「このパンドラボックスはエボルトの物だったのか...」

 

ベルナージュ「エボルトを完全体にしてはならない!」

 

戦兎「けどボトルの成分は全部空になっちまったし...」

 

戦兎がそう呟くと、ベルナージュはパンドラボックスの前に立つ。

そして左手を翳す。

するとブランクだった60本のボトル全てに成分が戻った。

 

それを見た戦兎は本当に成分が戻ったのかビルドドライバーに装填して確かめる。

結果ちゃんと反応し、成分が戻ったことが証明された。

 

だがこれに相当力を使ったのか、ベルナージュはよろめき、柱に手をつく。

そしてベルナージュは、10年前にも同じ力を使ったことを告白。

 

当時パンドラボックスが保管されていた場所に迷い込んだ美空に憑依して箱を開かせない為にボトルの成分を抜き取った。

箱には既に石動惣一の記憶を元に、60本のボトルを生成していたらしい。

だが途中でベルナージュの力が尽きたことで東都が保有していた20本しか成分を空に出来ず、そのまま長い眠りについたそうだ。

 

ベルナージュ「エボルトを阻止しなければ、この星の未来は...!」

 

ベルナージュは話している途中で意識を失ってしまう。

やはり力を使い過ぎたのかもしれない。

 

戦兎が受け止めようとするがそこを割って一海が息を荒くして受け止めようとする。

だが突然一人の男が現れ、美空を受け止める。

 

「はぁ...そんなに力を使って...自分のことをもうちょっと大事にすればいいのに...」

 

一海と幻徳は突然現れた男に警戒するが、戦兎は直ぐに駆け寄る。

 

戦兎「彼方!お前なんでここに...」

 

戦兎の言葉に驚く一海と幻徳。

何せ以前とは全然様子が違うのだから。

 

彼方「取り敢えず美空をベッドに寝かせるよ。話はそれからだ。」

 

そう言うと、彼方は美空を地下室にあるベッドに寝かせる。

そして美空の左手を取り、バングルを撫でる。

すると彼方の手からバングルにオーラが渡って行く。

 

何が起こっているのか分からない三人を他所に、彼方はバングルに力を渡す。

そして充分だと判断したのか、力の流れを止め、バングルを撫でる。

 

彼方「次に会う時は身体でも用意しておくよ。」

 

そう言うと彼方は立ち上がる。

そこで呆然としていた意識を取り戻した戦兎がずっと気になっていた質問をする。

 

戦兎「彼方...毒はどうした?」

 

彼方「ああ、それなら治ったよ。これのおかげでね。」

 

そう言って彼方はエボルドライバーを掲げる。

それを見て、もしかしてエボルトなのではと思った一海と幻徳が警戒態勢に入る。

 

彼方「ああ、これは俺が作り上げた物だから。心配しなくていいよ。」

 

その言葉に取り敢えず警戒を解く二人。

だが依然として彼方の雰囲気に戸惑っている。

 

戦兎「そう言えばお前は神だとか言ったがどういう意味だ?」

 

戦兎はもう一つ疑問に思っていたことを聞く。

何故彼方があの時、自分のことを神と言ったのか。

いくらなんでもそんなイタイ思考を持つ奴じゃなかったはず。

 

彼方「ああ、それは正確に言うと違うんだよね。まあ半人半神ってとこかな。」

 

どこかの英雄王と同じだと言う彼方に更に疑問に思う三人。

そもそも何故神になったのかもすらわかっていない。

 

彼方「まあ俺の場合元々二重人格だったんだよ。普段の俺とオピュクスの時の俺。今までなんで人格が別れたんだろって思ってた時もあったけど気にしなかった。だけど理由があったんだよ。」

 

そこから彼方が話すには...

 

どうやらオピュクスの時の人格は星座に引っ張られているものらしい。

へびつかい座の逸話に出てくる医神アスクレピオス。

その分霊の様な物が彼方に作用して生まれたのがオピュクスの人格らしい。

だがその時に元の人格にも影響が出たのだとか。

 

元々は今の彼方の様な口調だったのが、『僕』と言うようになったり穏やかな口調になったりしたらしい。

その反面、元の人格にあった荒々しさがオピュクスの人格に影響したらしい。

 

つまり彼方はFGOのクラスで例えるなら、『アルターエゴ』だったのだ。

その器に更にパンドラボックスの力に加えて、ティアマトの力が加わったことにより覚醒したらしい。

 

元々資質はあったようで、見事に順応して半人半神の身体と力を得たらしい。

 

これを聞いた三人はスケールが大きすぎて話についていけていなかった。

だが分かったことは、なんか強くなったことと今のが本来の彼方だということだけだ。

 

彼方「それじゃ、俺は帰るから。」

 

一海「ここには戻ってこないのか?」

 

彼方「...まだ自分の力を制御できないからね。それに今は俺が動く時じゃない。」

 

彼方はそう言うと身体を分子化させて消えた。

大幅なパワーアップをした彼方に驚く三人だった。

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

あの後、一海と幻徳はどこかに行った。

その間、戦兎はパンドラボックスの力を利用してビルドの能力を限界まで引き上げるアイテムを作ろうとしていた。

 

実はエボルトが葛城忍の研究データの一部を削除していた。

そのデータを復元すると、パンドラパネルが別の装置に再構築できることが判明した。

実際に行うと、パネルが分割化され一つの箱の小さな箱の様な物に再構築した。

 

これによってビルドは大幅なパワーアップをすることが出来る。

だがしかし、これを使用すればライダーシステムは人間の限界値を超えてしまう。

 

それを心配する紗羽だが、大丈夫だと言って戦兎は作業に取り掛かる。

だがその会話を美空が聞いていた...

 

...

 

..

 

 

 

それからしばらく経ち、一人地下室に居る戦兎の元に着信が入る。

一海からで、どうやら街が大変なことになっているらしい。

それを聞いた戦兎は直ぐに向かおうとするが、そこに美空がやって来る。

 

美空「それって命に関わるんでしょ?」

 

戦兎「フッ、そんな訳無いだろ?」

 

そう言って戦兎は誤魔化し、モニターを消して一海の下へ向かおうとする。

だがそんな戦兎を美空が掴む。

 

美空「ムカつく...死ぬ覚悟は出来てるってわけ?」

 

美空がそう聞くと何とも言えない顔になる戦兎。

 

美空「万丈の為?東都の為?なんでもっと自分を大事にしてくれないの?戦兎に何かあったら、あたし達どうすればいいの!残された人間のことも少しは考えてよ!万丈だって、紗羽さんだってあたしだって!戦兎を止められなかった自分を一生悔やみ続けるんだよ!...今だって彼方さんを止めれなくて後悔してるんだから。」

 

美空の叫びに戦兎は辛くなる。

彼方は生きているが、美空はそのことを知らない。

多分自分がもっとしっかりしていたら彼方が毒に侵されることなど無かったはずだと思い込んでいるはずだ。

 

虚数世界からダスタードを介して聞いていた彼方は後悔していた。

自分の都合で美空を悲しませてしまったのだから。

だが今はまだ会えないことを言い訳にして力の制御に集中した。

 

戦兎「この戦争は俺が蒔いた種だから...」

 

美空「っ...だから責任取るって言うの?そんなのただの自己満足じゃん!」

 

戦兎「...この戦争を終わらせられるのは俺しかいない。俺が戦うしかないんだよ...」

 

美空「なんで...なんで伝わらないの...」

 

戦兎「...充分伝わってるよ。大丈夫、俺は必ず帰って来る。」

 

そう言い、戦兎は地下室から出ていく。

美空は静かに泣くことしかできなかった...

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

街中は混沌と化していた。

 

クローンスマッシュが街中を駆け回り、ハードガーディアンが破壊していく。

あちこちから炎が燃え上り、人々は逃げ惑うしかない。

 

そんな中、エボルトは退屈そうにしていた。

そこに戦兎と一海がやって来る。

 

二人は変身してスマッシュ達と戦う。

その様子をエボルトはただ眺めるのみ。

 

二体のガーディアンを相手するビルドはフルボトルバスターをバスターキャノンモードにして撃ち倒す。

その際に飛ばされた一体がエボルトの方に向かってくるが、それを難なく薙ぎ払うエボルト。

 

エボルトはビルドを見つめ、変身する。

変身したエボルは高速移動でビルドに詰め寄る。

そして怒涛のラッシュに入るが、捌かれてしまう。

 

するとビルドがバスターの銃口をエボルの腹に当てる。

そしてエネルギー弾を発射してエボルを弾き飛ばす。

 

だがそれだけで終わらず、ラビットラビットの特徴である速さを活かしてエボルの背後に回る。

そして腕を伸ばしてゴムの様に撓り、エボルを公園の柱に叩きつける。

 

ビルドはタンクタンクフォームへ変身して、バスターにスパイダーボトルを装填する。

 

フルボトルブレイク!

 

バスターから放たれたエネルギー弾はエボルに当たると蜘蛛の糸となって絡みつき、柱と柱の間で捕らえられる。

そこにドライヤーボトルを装填して、今度は熱風をエボルに当てる。

ボトルの力を活かして、フェーズ1のエボルの攻略法を見出したのだ。

 

それを悟ったエボルはドラゴンフォームへと変身する。

その際にドラゴンの炎を身に纏わせて、糸を焼き切った。

 

エボルは高速移動でビルドに詰め寄り、拳でのラッシュを決めていく。

ドラゴンフォームの得意分野である格闘攻撃でビルドを苦しめていく。

 

すると今度はビートクローザーを生成して斬りかかって行く。

エボルはビルドと戦いながらも街中に流れている、御堂に扮した難波の言葉に耳を傾ける。

 

エボル「今度は世界と戦争か。俺の言った通りだ!」

 

そう言い、エボルはグリップエンドを引いて攻撃する。

それによって飛ばされるビルドだった。

 

エボル「人間の欲には際限が無い...そして愚かだ。」

 

ビルド「そんなことはない!...不毛な争いは、俺達が終わらせる!」

 

ビルドはそう言い、パネルを再構築させた箱を取り出す。

それを見つめるとふと美空に言われた言葉を思い出す。

 

美空『なんでもっと自分を大事にしてくれないの?』

 

ビルド「ごめんな...皆を守ることが、平和を取り戻すことが、俺にとって何より大事なんだ。

 

ビルドはそう呟くと、フルフルボトルを取り外し箱を装填する。

そしてレバーを回す。

 

すると箱が虹色に輝くと同時にビルドに電気が走り、苦しみ出す。

それを静観するエボル。

 

ビルド「ビルド...アップ!」

 

ビルドがそう呟くとビルドを中心に電気が弾ける。

それに驚くエボル。

 

エボルはビルドに斬りかかるが、さっきと違って効いていない様子。

そしてビルドが大振りで殴ると、エボルが簡単に池に吹き飛ばされる。

その様子をスマッシュを倒してやってきたグリスが驚きながら眺める。

 

エボル「ハザードレベル6...遂に、人間の限界を超えたか...いいぞ戦兎、お前も愚かな人間の一人だったというわけだ...」

 

ビルド「どういう意味だ!」

 

エボルが計測したビルドのハザードレベルは6.0。

人間の限界を超えた力を手にしたビルドに対し、エボルは愚かな人間だと言う。

 

エボル「俺が何故、戦争を仕掛けたと思う?お前を使って、自分の力を取り戻す為だ。」

 

それを聞いたビルドは驚愕する。

エボルは石化しているエボルトリガーを取り出す。

 

エボル「この中にあるエネルギーを使うには、人間の体力じゃ限界があってねぇ。だから俺は科学の力を利用することにした。戦争になれば、お前は否が応でもライダーシステムを強化せざるを得なくなる。そして、この力が使える究極の仮面ライダーに辿り着く。それが!プロジェクト・ビルドの全貌だァ!」

 

エボルは自身の為に戦争を仕掛けたことを暴露する。

それに憤慨するビルド。

科学の力を信じてきた自分達を冒涜する言葉に怒りを覚えるのだった。

 

ビルド「そんなことの為に戦争を...ふざけるな!」

 

ビルドは怒りの拳をエボルに叩きつけようとする。

だがエボルは大振りな攻撃を見切り、ビルドの身体に拳を突っ込む。

 

エボル「もう遅い。全ては計画通りだ!」

 

グリス「エボルトの拳がビルドの中に!?」

 

エボル「人間の限界を超えたビルドを頂いて、俺は完全体になる!」

 

エボルはビルドから力を吸収する。

すると龍我の身体がエボルから出て来たのだ。

 

ビルド「ハァ...ハハッ、この時を待ってたよ...」

 

ビルドはそう言うとレバーを回す。

そしてエボルに自身のハザードレベルを計測してみろと言う。

それを聞いてエボルは計測すると、ビルドのハザードレベルがどんどん上がって行くことに気が付く。

 

ビルド「父さんの研究データで、お前の計画はお見通しだ!万丈を取り返す為に、あえてお前の罠にかかったんだよ!」

 

エボル「っ!こんな急激にハザードレベルを上げれば、どうなるのか分かってるのかァ!?」

 

ビルド「ああ!お前と一緒に消滅する!これで終わりだ、エボルトォォォ!!!」

 

ビルドはレバーを回し続け、どんどんハザードレベルを上げていく。

エボルトが消滅出来るのなら、自身はどうなっても構わないのだ。

たとえ美空の願いに背くことになったとしても。

 

エボル「人間如きが俺を欺くだとォ!?ふざけるなァァァ!!!」

 

エボルはビルドのレバーを回す腕を止めようとする。

だが既に限界は近く、ビルドはエボルを抱き込む。

その瞬間、二人を中心に爆発が起こった。

 

辺りは焼け焦げ、煙が立ち込める。

その煙の中に人影が見える。

 

煙が晴れると、そこには白髪になった戦兎が倒れていた。

爆発の衝撃で目覚めた龍我は戦兎を起こそうとする。

 

すると戦兎はスッと起き上がり、髪の毛を弄る。

だがその雰囲気はいつもの戦兎ではない。

 

戦兎(?)「折角の計画が台無しだ...」

 

龍我「っ!?その声は、お前まさか...!」

 

戦兎が出した声にもしかしてと思い、龍我は掴みかかる。

すると戦兎の目が赤く光り、龍我に手を添えて弾き飛ばす。

 

弾き飛ばされた龍我にグリスが合流する。

それを冷静に見つめる戦兎は自身の体内に手を突っ込む。

そして体内から一本のボトルを生成した。

 

戦兎(?)「まあいい...」

 

そう呟くと、エボルドライバーを装着してボトルを装填する。

 

ラビット!ライダーシステム!エボリューション!

 

そしてレバーを回し、腕を交差させる。

 

戦兎(?)「変身...」

 

ラビット!ラビット!エボルラビット!

 

フッハッハッハッハッハッハッ!

 

エボル「フェーズ3、完了...」

 

ラビットフォームに変身し、ビルドの様に左手を複眼に走らせるエボル。

龍我がエボルトの手から取り返したはいいものの、今度は戦兎が乗っ取られてしまったのだった...

 

 

 

 

to be continued...




先日前書きでいきなり彼方君の容姿を説明したのはこういうことだったんですね。

ちなみにここで彼方神(笑)の今の容姿はというと。

・髪:ティアマトと同じ水色の腰までの長髪。前髪には以前同様、金と白に加え黒のメッシュが入っている。
・目:ティアマトの瞳と同じ様に、瞳孔が×の様になっている。またオッドアイで、右が血色で左が金色。
・体つき:着痩せタイプから、服の上からでもはっきりするタイプの細マッチョに。
・身長:183cmという一体何があったレベルの成長。

といったなろう系な感じになっちゃいましたね。
まあこれはあくまで神性ありきでのスペックです。
ということは...?




次回もお楽しみに~。


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究極のフェーズ

―NO side―

 

エボルトの手から龍我を助ける為にパンドラパネルを再構築した箱を使った戦兎。

人間の限界を超えた戦兎は、エボルトと共に自滅する覚悟だった。

 

その結果、無事エボルトを龍我の身体から追い出すことは出来たのだが...

今度は戦兎がエボルトに乗っ取られてしまった。

 

エボルトは戦兎の身体からラビットエボルボトルを生成し、それを使用して変身する。

フェーズ3へと昇華したエボルトを前に、龍我と一海は驚くしか出来なかった。

 

エボルトはフェーズ3へ移行したことでエボルトリガーを使用しようとするが、依然使えないまま。

戦兎を中途半端に乗っ取った所為で、パンドラボックスの力を充分に使えなくなっていたのだ。

 

エボルト「やってくれなああああああ!!!」

 

龍我「何うだうだ言ってんだ。さっさと戦兎を返せ!」

 

龍我はナックルにボトルを装填してドライバーに装填する。

そしてレバーを回して変身しようとするが...

 

何も起こらなかった...

 

そのことに戸惑う龍我と一海。

だがエボルトはその原因を知っているようだった。

 

エボルト「残念だったなぁ?お前はもう変身できない。」

 

龍我「んだと...!?」

 

龍我はその後もレバーを回して変身しようとするが、依然反応はしない。

それにはれっきとした理由があった。

 

エボルト「お前の中にもう俺の遺伝子が無いからだ。」

 

龍我「え...?」

 

エボルト「お前の中に入り込んでいた遺伝子は、俺が吸収した。つまり、お前はただの人間に成り下がったんだよ。よかったなあ?願いが叶って。」

 

エボルトの衝撃の告白に龍我は狼狽える。

自分が変身できなくなったことに動揺していた。

 

その様子を見た一海は、自分が戦兎を取り返すとエボルトに攻撃する。

だが微動だにしない。

 

エボルト「今無性に腹が立ってるんでねぇ...遊びは終わりだァ!」

 

エボルトはそう言うとグリスを上空に放り投げる。

そしてレバーを回し右足にエネルギーを溜める。

落下してきたグリスにタイミングを合わせてキックを喰らわせる。

吹っ飛ばされたグリスは変身を強制解除されてしまう。

 

龍我「マジか...!?」

 

エボルト「今日のところは、パンドラボックスを回収して引き上げるとしよう。『nascita』にあるんだろぉ?」

 

エボルトはそう言うとその場を去ろうとする。

それを聞いた龍我は慌てて止めようとする。

 

一方その頃、『nascita』の地下室ではベルナージュがエボルトの来訪を感知していた。

丁度タイミングよく紗羽が地下室にやってきて、ベルナージュの言葉にどうするのか慌てる。

 

そこに彼方が現れた。

見た目や雰囲気がガラッと変わった彼方を見て、紗羽は驚くがそれよりも嬉しさが勝った。

 

紗羽「彼方君!良かった、生きててくれてたんだ...」

 

彼方「...ごめん、紗羽さん。帰るのが遅くなって。」

 

紗羽「ほんとだよ...バカ...」

 

彼方「...それよりも今はここをどうにかする。」

 

ベルナージュ「それは私が...」

 

彼方「お前はもう無理をするな。俺が力を分けてやったけど、だからといって無理をしていいって訳じゃない。もっと自分を大事にしろ。」

 

彼方にそう言われたベルナージュは思い当たる節があるのか、大人しくなる。

その様子を見た彼方は、瞳を光らせる。

すると一瞬違和感を感じたが、特に何も起こっていない。

 

紗羽とベルナージュは違和感の正体を確かめようと、店に上がって外に出る。

すると、そこは海岸沿いだった。

 

建物の形は綺麗なままで丸ごと転移してきたのだ。

これは彼方がティアマトとのサーヴァント契約で手に入れた虚数の力によるものだった。

 

建物を一回虚数化させた後、その座標を変えたのだ。

それによって綺麗にくりぬかれたまま、転移出来たのだ。

 

龍我の制止を振り切って元の場所に向かったエボルトは、それをベルナージュの仕業だと勘違いした。

そしてエボルトはパンドラタワーに戻った。

 

紗羽とベルナージュは地下に戻り、彼方にどこに転移したのか聞こうとしたが既に居なくなっていた。

すると紗羽は机にメモが置いてあることに気付く。

それは彼方が紗羽と美空とベルナージュに宛てたメッセージだった。

 

彼方『然るべき時に戻る。それまで待っていて。あとベルナージュは力を使い過ぎるな。次使ったらお仕置きだ。』

 

そのメモを読んだ紗羽とベルナージュは希望が見えたような気持ちになった。

強大な力を手に入れて帰って来るのだと思うと、本当にヒーローの様に思えたのだった。

尚、ベルナージュは彼方のお仕置きがどんなものか分からない為少し恐怖していた。

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

ファウストの研究所があった廃れた場所に一人幻徳が居た。

幻徳は父親である氷室泰山の生前に残した言葉を思い返していた。

 

泰山『罪を償って、この国をもう一度建て直すんだ。頼んだぞ...バカ息子...』

 

すると大きな物音が聞こえる。

振り返ると一海と龍我がやって来た。

この二人は幻徳を呼び出していたのだ。

 

幻徳「何の用だ。」

 

龍我「...変身できなくなった。俺をまたライダーにしてくれ。」

 

幻徳「俺の力じゃ無理だ。」

 

龍我「なんでだよ。」

 

幻徳「科学のことはさっぱり分からない。」

 

龍我「アンタ...研究所の所長だったんだろ?」

 

幻徳「それは...」

 

龍我のズバリと突いてくる指摘に、幻徳は言いよどむ。

そして意外な答えを二人に言う。

 

幻徳「親父のコネだ。

 

一海「言いきっちゃったよ...」

 

そして幻徳は、ライダーシステム適応手術にネビュラガスの投与の他にエボルトによる遺伝子操作が行われていたことを話す。

恐らく龍我が変身できなくなったのは、エボルトの遺伝子が抜けたこととその遺伝子操作もリセットされたからだろう。

 

それを聞いた二人は振りだしに戻ったと落胆する。

だがしかし、龍我は諦めず幻徳に一緒に戦ってくれと頭を下げる。

 

幻徳「俺はお前の女を死なせたんだぞ...!」

 

龍我「そんなことは分かってる。けど...だからこそ、これ以上大切な人を失いたくねえんだよ...」

 

龍我は自身を救ってくれた戦兎を失いたくないと心から思っている。

今の自分をビルドの名の通り創り上げてくれた戦兎を死なせたくない。

その想いが龍我を動かしているのだ。

 

だが幻徳は出来ないと答える。

ライダーシステムを使って戦うには特定のしきい値を超える強い想いが必要になる。

幻徳にとってのそれは泰山に国を託すことだった。

だが泰山亡き今、幻徳を動かすものは存在しないのだった...

 

すると龍我のスマホから着信音が鳴る。

誰からだろうと思い見てみると、戦兎の携帯からだった。

 

龍我「誰だ...」

 

エボルト『俺だよ...俺。たく、どこに隠れてる?』

 

龍我「何の用だ。」

 

エボルト『パンドラボックスだよ。一時間以内に持って来い。』

 

龍我「行くわけねえだろ!」

 

エボルトからの要求に当然断る龍我。

だがそこでエボルトは姑息なカードを使う。

 

エボルト『戦兎に会えなくなってもいいのかぁ?戦兎の人格なんて、いつでも消せるんだ。主導権は俺が握ってるってことを忘れるな?Ciao...』

 

パンドラタワーに居るエボルトはそう言って通話を切り、携帯を投げ捨てる。

そして自身が乗っ取っている戦兎に語りかける。

 

エボルト「戦兎、聞いてたか?お前の所為で、俺の計画は台無しになったアアアアアア!!!!!」

 

エボルトは自身の計画を狂わせた戦兎に怒りを覚える。

今まで感情を表に出してこなかったエボルトがここまで感情をむき出しにしている。

その代償は大きいものとなるのだろう。

 

エボルト「お前の大事な物を全て壊してやるよ...まずは大切な仲間から始末してやるゥ...!」

 

エボルトは顔を狂気に歪ませる。

戦兎を苦しめる為なら徹底的にやるのだろう...

 

そんなことを知らない龍我達。

すると一海が出て行こうとする。

そんな一海を龍我が止めようとする。

 

一海「アイツはいつも他人の為に戦ってきた。自分の犠牲を顧みずに...俺達がやらねえ訳にはいかねえだろ。」

 

その言葉を聞いた龍我は改めて戦兎のことを思い返す。

自身がスクラッシュドライバーの副作用を克服できなかった時、戦兎はハザードを使って自分を止めてくれた。

たとえ自分がどうなろうともいつも助けてくれた。

 

一海「ラブ&ピース...フッ...初めて聞いた時はよく分かんなかったけどよ、つまるところ、俺もお前もその為に戦ってきたんだよな。」

 

龍我達はいつの間にか戦兎と一緒の想いを胸に秘めていたのだ。

この戦争を終わらせて人々の笑顔を取り戻す。

その想いを胸に戦っていたのだ。

 

一海「おいヒゲ!...国を束ねられるのはな、親父さんだけじゃねえはずだぞ。」

 

一海はそう言い残してその場を去って行く。

その後ろを龍我も追って行く。

 

ただ一人、幻徳は一海の言葉に悩むのだった...

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

とある場所にて、エボルトとブロス兄弟が居た。

エボルトは準備運動の様な動きをしている。

 

エボルト「ハァ...俺を見張るよう言われたか...」

 

ブロス「「っ...」」

 

エボルト「フッ、まあいい。しっかり仕事してくれよ?」

 

すると足音が聞こえてくる。

前方の階段から、風呂敷に包んだ何かを持った龍我と一海がやって来た。

 

龍我は風呂敷をエボルトに見えるように見せる。

だがエボルトはそれでは納得せず、中身を見せろと言う。

龍我は言う通りに風呂敷の中身を見せる。

中身はボトルが全て装填されたパンドラボックスだった。

 

龍我「戦兎を解放しろ!」

 

エボルト「そのつもりは、ない。」

 

エボルトは龍我達を煽るように言う。

それに苛立つ龍我。

 

エボルト「戦兎は俺を怒らせた。だから、奴の前でお前達を消す!」

 

一海「ふざけやがって。だったらこの手で戦兎を取り戻してやるよ!」

 

一海はそう言ってグリスに変身する。

だが、エボルトは冷静なままだ。

 

エボルト「変身できないライダーと北都の残党に何が出来る。ハッ、俺が出るまでもない。やれ。」

 

エボルトはそう言うと後ろを向いて離れていく。

そしてブロス達がグリスと交戦する。

 

戦いを見てじっとしてられない龍我は、パンドラボックスを置いてドラゴンマグマボトルを取り出す。

そしてクローズになる以前の様に、ボトルを振ってエンジンブロスに殴りかかる。

だが特に力が出てくるわけもなく、簡単に弾かれてしまう。

 

そんな中、グリスは三バカ達が使っていたロストボトルを取り出す。

一緒に戦ってくれると信じ、それらをツインブレイカーとドライバーに装填する。

 

三バカのイメージカラーである赤青黄の三色の攻撃がブロス達を追いつめる。

ツインブレイカーに力を溜めてブロス達を倒そうとするが、そこにエボルトが邪魔をしてくる。

 

隙が出来たグリスに、今度はブロス達が畳み掛ける。

そして歯車型のエネルギーを出し、グリスに放ってくる。

ヤバいと思ったその時...

 

ローグがグリス達の間に入り、エネルギーを蹴り返したのだった。

 

グリス「っ!ローグ...」

 

ローグ「遅くなったな...ジャガイモ。」

 

ローグはグリスに言われた『ヒゲ』の意趣返しに『ジャガイモ』と返す。

そしてブロス達と交戦する。

 

クラックアップフィニッシュによってエンジンブロスは倒れてしまう。

そこにリモコンブロスがエンジンギアを受け取り、ヘルブロスへと変身する。

 

ローグを攻撃していくが全然敵わず。

クラックアップフィニッシュによるキックでヘルブロスは早々に退場することとなった。

その様子を見てエボルトはようやく重い腰を上げるのだった。

 

エボルト「東都、北都、西都の仮面ライダーが手を組んだか...いいだろう、俺が相手になってやる。」

 

エボルトはそう言い、エボルコブラへと変身した。

そしてエボルトとローグが交戦する。

 

ローグ「お前にこの国を渡さない!」

 

エボルト「親父の代わりに国を治めるつもりか?」

 

ローグ「俺にその資質も資格もないことは自分が一番よく分かっている!俺に、国を纏められない!だが!その礎を築くことは出来る...!愛と平和の為に...」

 

ローグはグリスが言った言葉を思い出す。

戦兎が掲げるラブ&ピースが自分が想い描く国に必要だと思ったのだ。

 

ローグ「グリス...行くぞ!」

 

グリス「おう...!」

 

二人はエボルトに向かって行く。

以前は敵同士だったはずなのに、連携が取れた攻撃を浴びせていく。

 

エボルト「面白い...ならばこっちも本気を出すまで...」

 

エボルトはそう言い、ラビットエボルボトルを取り出し装填する。

そしてエボルラビットへと変身する。

 

エボルトはラビットの特性を活かし、素早い攻撃で二人を追いつめる。

更に即席故に生じる綻びを突き、一人の攻撃をもう一人を盾にすることで防いだりもする。

そうしてグリスを退場させる。

ローグはエボルコブラの時とは全然違う力の差に困惑する。

 

そんな状況を遠目に見ることしかできない龍我。

だがそこで一つのボトルに目が行く。

エボルトが腰のホルダーに装填されているドラゴンエボルボトルだった。

 

もしかしてと思い、龍我は生身の状態でエボルトに突っ込んでいく。

戦いの邪魔をされたエボルトは簡単に龍我を引きはがす。

 

そしてローグを手の平に集めたオーラで拘束し、レバーを回す。

エネルギーを集めた右拳でローグも退場させる。

 

そして二人を徹底的に潰そうと追いかけるエボルトを龍我が呼び止める。

エボルトは龍我の手にあるドラゴンエボルボトルを見て、さっき龍我が取ったのだと気づく。

だが取られたところで無意味だと考えるエボルト。

 

龍我「だとしても、やるしかねえんだよ!」

 

龍我はそう言い、エボルトに向かって行く。

そしてエボルトを殴って行く。

だがエボルトはそんな龍我を子供を相手するか様に対応する。

 

エボルト「おぉ~懐かしいな~。前はこれやってお前のハザードレベルを上げたもんだ。しかし!」

 

エボルトはそう言って龍我を弾き飛ばす。

エボルトの遺伝子が存在しない今の龍我ではどんなに足搔いたところで無意味だと煽る。

 

だがそれでも龍我は諦めない。

大事な『()()』を取り返すまでは...

 

エボルト「いくらやっても無駄だ。お前はただの人間なんだ。俺に勝てるわけ...」

 

自分に勝てるわけないと思っていたエボルト。

だがその考えは裏切られた。

 

突然龍我の攻撃が通用するようになったのだ。

拳から青い炎を出して攻撃していく龍我。

エボルトにも何が起こっているのか分からない。

 

すると龍我の手の中にあったボトルに変化が起こる。

青色だったボトルが、黄金へと変化したのだ。

 

そして龍我の元にクローズドラゴンがやって来る。

龍我はクローズドラゴンの意思を感じ取り、手に取る。

そしてボトルを装填する。

するとクローズドラゴンが、エボルドライバーの様な配色に変化した。

 

覚醒!

 

グレートクローズドラゴン!

 

変化したクローズドラゴンをドライバーに装填してレバーを回す。

するとクローズドラゴンから電気が走ると共に青い煙が龍我を覆う。

龍我の身体に青いヒビの様なものが入るが、それに耐えながら龍我はあの言葉を発する。

 

 

龍我「変身!!!

 

 

Wake up CROSS-Z!Get GREAT DRAGON!Yeah!

 

龍我はクローズへと変身を遂げた。

 

通常のものとは違い、上半身を覆うアーマーがエボルの様に赤と金と青の配色に変わっている。

胸にはボトルにも刻印されていたシンボルが刻まれている。

そして頭部はエボルドラゴンと同じ色となっていた。

 

これが龍我が遂げた奇跡の変身。

仮面ライダーグレートクローズだ。

 

龍我が変身したことに驚く一同。

そんなことを気にせず、エボルトに突っ込むクローズ。

 

エボルト「馬鹿な...俺の遺伝子は全て取り込んだはず!新たな遺伝子を創造したというのか!?」

 

クローズ「うるせえ!」

 

エボルト「だが所詮は俺の一部。負けるわけがない!」

 

エボルトはそう言ってクローズを蹴り飛ばす。

だがそこでクローズはマグマナックルを取り出す。

 

クローズ「戦兎...お前がくれた力で、俺達は明日を創る!」

 

そう言ってナックルにボトルを装填してドライバーに装填する。

そしてレバーを回し、腕を広げる。

 

クローズ「力を...貸してくれ!」

 

極熱筋肉!クローズマグマ!アチャチャチャチャチャチャチャチャチャチャチャアチャー!

 

クローズマグマへと変身を遂げる。

そしてエボルトとぶつかり合う。

以前とは違い、力負けすることはない。

 

エボルト「何故だ...前より強くなっている!」

 

クローズ「力が漲る!魂が燃える!俺のマグマが迸る!もう誰にも止められねえ!」

 

クローズはエボルトを圧倒していく。

そして必殺の連続ラッシュをエボルトに浴びせた。

 

エボルト「これが、仮面ライダーの力...!」

 

グリス「戦兎を助けるぞ!」

 

クローズ、ローグ「「おう!(っ!)」」

 

クローズの元にグリス達が合流し、必殺技の態勢に入る。

三人は同時にジャンプし、キックを放つ。

 

それを見たエボルトはその力を利用しようと企む。

石化状態のエボルトリガーを取り出し、それでキックを防ぐようにする。

 

三人の力がエボルトリガーに吸い取られて行く。

そして遂に石化状態が解けたのだった。

その余波によって三人は吹き飛ばされる。

 

クローズ「なんだ!?」

 

エボルト「フフハハハハハ!真の力よ、甦れえええええ!!!」

 

エボルトはそう言ってエボルトリガーを掲げる。

するとエボルトを中心に黒い竜巻が発生する。

 

巨大な竜巻は三人を巻き込んでいった。

そんな中、一人クローズが耐えていると竜巻の中から戦兎が見える。

慌てて気絶している戦兎を庇う様に前にでる。

 

竜巻によって変身を解除された三人は竜巻を見る。

すると竜巻の中から光が現れ、そこから竜巻が離散していった。

 

ブラックホール!ブラックホール!ブラックホール!レボリューション!

 

フッハハハハハハハハハハ!

 

竜巻の中から現れたのは、白と黒のアーマーに身を包んだエボルトだった。

白い複眼に走るピンクのラインが怪しく光る。

完全体となったエボルトを見て言葉が出なくなる一海と幻徳。

 

だがそれと同時にもう一つの衝撃なことが起こる。

 

龍我は気絶している戦兎を必死に起こす。

すると戦兎が目を覚ます。

これで一安心だと思った龍我だが、予期せぬ言葉が戦兎から放たれる。

 

戦兎「君は...?」

 

龍我「大丈夫か、戦兎。」

 

戦兎「戦、兎...?誰のことだ?」

 

龍我「お前...!?」

 

記憶喪失なのか自分の名前を聞いても分からない戦兎。

エボルトによって記憶を抜き取られたのかと思った龍我だが、その予想が直ぐに忘れる言葉を戦兎が発する。

 

戦兎「俺は葛城...葛城巧だ。」

 

戦兎は自身が葛城巧だと名乗ったのだ。

かつて悪魔の科学者と呼ばれ、ビルドを作り上げた張本人である。

 

戦兎としての記憶は消えていたのだった...

 

 

 

 

to be continued...

 




何気にクローズマグマの変身音出してなかった気がする...
書いてる途中で気づきましたとさ...


それにしてもグレートクローズ初変身のカメラの動きヤバいよね~。
あれはアツすぎますわ~。


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マッドな世界

―NO side―

 

戦兎を乗っ取ったエボルトから戦兎を取り返す為に立ち上がる三人の仮面ライダー達。

グリス、ローグとエボルトにやられている中、一人変身出来なかった龍我は奇跡の変身を果たす。

 

以前よりも強くなった力でエボルトを圧倒していくが、エボルトはそれを利用することに。

それによってエボルトリガーが復活し、完全体となってしまった。

 

エボルトの手から戦兎が離れ、無事救出出来たかと思えたのだが...

 

戦兎「俺は、葛城...葛城巧だ。」

 

戦兎としての記憶が消え、葛城巧の記憶が戻ったのだった。

悪魔の科学者としての記憶が戻った戦兎に絶望する龍我。

 

葛城「君は、万丈龍我...ここは、どこだ...?何が起きた?」

 

気が動転している龍我の代わりに答える者が居た。

 

エボルト「葛城巧としての記憶が蘇ったか...」

 

エボルトが腰に手を当て二人を見る。

エボルトの姿に驚く二人。

 

葛城「スターク!いや、エボルトか!?」

 

エボルト「フェーズ4、完了!おかげで完全体になれたよ。」

 

龍我「これが...本当の姿...っ!?」

 

エボルトの姿を見た龍我の頭に突然身に覚えのない記憶が入って来る。

エボルトがどこかの惑星に降り立った時の映像だが果たしてこれは...

 

と、そこに一海と幻徳がやって来る。

二人はエボルトとやる気でいる。

 

エボルト「まだやる気か?再変身は負担が大きいんだろぉ?」

 

エボルトがそう言うが、龍我を含めた三人は躊躇しない。

それぞれドライバーに装填して変身しようとする。

すると身体に電気が走り苦しみだす。

だがそれを堪えて変身する。

 

三人は一斉にかかるが、あっさりと受け流されてしまう。

完全体となったエボルトの強さは今までの比じゃない。

 

クローズ「なんだよこの強さ!?」

 

グリス「おい、諦めんな!また力を合わせればいけるはずだァ!」

 

グリスの言葉に同意し、三人で同時にキックを放つ。

だがそれをエボルトは右手からオーラを出して難なく受け止める。

 

エボルト「完全体となった俺に敵は居ない。」

 

エボルトはそう言って三人を弾き返す。

万全な状態ではないとはいえ、三人を相手に難なく相手するエボルトに撤退せざるを得なかった。

ローグがスチームガンを使い、葛城も一緒に撤退した。

 

エボルト「...賢明な判断だ。」

 

エボルトはそう言うと何処かに瞬間移動する。

そこは龍我がパンドラボックスを置いた場所だった。

 

エボルトはトリガーを外すとパンドラボックスの中に入れる。

するとパンドラボックスが反応し、新たな黒いパネルが生成された。

 

エボルトはそのパネルに、バットロストボトルを装填する。

するとロストボトルが黒と金の色をした、ブラックロストボトルに変化する。

 

エボルト「これで俺は更なる進化を遂げる...!」

 

エボルトはそう言いながらハサミとシマウマロストボトルを装填してブラックロストボトルに変える。

エボルトの計画はまだ最終段階に入ったばかりなのだった...

 

エボルト「最終章の始まりだ...」

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

葛城「oh NO!これが僕の顔!?一体どんな物理法則で成り立ってるんだ?」

 

自分の顔が別人の顔にすり替わっていることが、どういう法則で成り立っているのか気になる葛城。

クリアボードに自分が考えうる式を書き込んでいく。

 

そんな葛城を他所に、龍我と美空と紗羽は集まっている。

自分達が今まで一緒に戦ってきた戦兎としての記憶が無くなり、悪魔の科学者としての記憶が蘇った。

紗羽がそのことを指摘すると、葛城は心外だと言う。

 

葛城「君のことも知ってるよ、石動美空。君がファウストに捕まった時、ボトルの浄化をさせたのは僕だからね。悪く思わないでくれ。ボトルの浄化はライダーシステムには欠かせなかった。全ては、科学の発展の為だ...」

 

龍我「テメエ...」

 

葛城「それより解せないのは君だよ、万丈龍我。」

 

龍我「あ?」

 

葛城「エボルトの遺伝子を持つ君が何故俺と一緒に行動してる?俺は君とスタークを倒そうとした。」

 

龍我「...俺にはエボルトの記憶が無え。だから敵じゃねえ!」

 

葛城「どうかな?ピエロを演じてるだけかもしれない。」

 

龍我「んだと...!」

 

葛城の言葉に苛立つ龍我。

自身はそのつもりなど全くないのに全否定されては怒るも当然だ。

 

 

そりゃお前の方じゃないのか?悪魔の科学者さん。

 

 

突然葛城以外の者が聞きなれた声が聞こえる。

すると浄化装置の中から彼方が現れた。

彼方が復活してから一度も会っていない美空は彼方の元に駆け寄り、抱き着いた。

 

彼方「おっと。」

 

美空「心配したんだから!あたしが非力な所為で死んじゃったと思ったんだから!」

 

彼方「...ごめん、美空ちゃん。」

 

彼方は美空の頭を撫でる。

それに美空は拗ねたような感じで「もっと...」と言い、強請る。

その様子をほっこりした目で見る龍我と紗羽。

だがその空気をぶち壊す文字通り悪魔の科学者が居た。

 

葛城「君は一体誰なんだ?いきなり現れたかと思ったら僕を敵扱いするなんて。」

 

葛城の言葉に一同がこう思った...

 

一同((((((空気を読めこの悪魔の科学者!!!))))))

 

まさかの階段に隠れていた幻徳も思っていたのだった。

 

そう思いながら、彼方は美空から離れ葛城と対峙する。

お互い一歩も譲らない姿勢で居る。

 

彼方「お前の方こそ敵なんじゃないかと思ってるんだよ。何せパンドラボックスの光の影響を受けなくなった後も美空ちゃんを利用してボトルを浄化させたり、兵器となりうるライダーシステムも開発していた。お前は本当にエボルトを倒したいと思っていたのか?」

 

葛城「思っていたに決まっているだろう。そもそも、さっきも言ったように彼女のことは仕方ないことだ。じゃなければビルドは開発されなかったんだ。そう思えば少しは気が晴れるだろう?」

 

彼方「フン。お前のその考え方はエボルトと同じだぞ?いや、寧ろエボルトの方がもっと上手く考えれたに違いない。」

 

葛城「なんだと?...素性の分からない君の言葉を聞く程僕は暇じゃないんでね。」

 

彼方「結局そうやって逃げるんだな。この言い合いからも。戦争を引き起こした責任からも。」

 

葛城「っ!...なんだと?僕が何も思っていないと思ってるのか!」

 

彼方「そうとしか言いようがないだろ?エボルトの遺伝子が吸収されて用済みな万丈を敵扱いし、更に自分が犯した過ちを悔いもしないなんて。だからお前は悪魔の科学者なんて呼ばれるんだよ。」

 

ヒートアップしていく二人の言い合いに美空達はどうしようかと慌てる。

そんな中、幻徳が止めたのだった。

 

幻徳「そこまでにしておけ、二人とも。」

 

彼方「...ローグ。」

 

葛城「っ!氷室...さん...」

 

幻徳「久しぶりだな、葛城...」

 

その後、葛城は幻徳と一緒に外に出ていった。

元ファウストの仲間としてお互い話したいことがあるのだろう。

 

それを見た彼方は美空達が気づかない内に去っていた。

 

...

 

..

 

 

 

幻徳と話した後、葛城は一人地下室に籠って開発作業をしていた。

まるで自分が作り出したライダーシステムが正しいと思い込むように...

 

その様子を見ていた美空は店に上がり、話した。

 

美空「発明に没頭するところは戦兎と同じなんだけどね...」

 

紗羽「...このまま、戦兎君の記憶が戻らない可能性もあるんだよね...」

 

龍我「はぁ...もしそうだったら...俺達と過ごした日々もずっと思い出せねえってことかよ...」

 

龍我の言葉に更に重くなる空気。

ここに居る全員戦兎に救われた者なのだ。

その記憶も無くなってしまうのかと思うと、言い表せない気持ちがこみ上げてくる。

 

すると大雨の中、ずぶ濡れになった幻徳が帰って来た。

どこに行ってたのか聞かれると、内海と会ってきたと言う。

その言葉に驚く一同。

 

幻徳「エボルトの力は今後益々強大になっていく。倒すなら今しかない。」

 

龍我「奴らと手を組むしかねえってことか...」

 

幻徳の話によると、エボルトが難波を表のリーダーとして祭り上げ、その裏で自身が糸を引くと脅したらしい。

更に、内海はエボルトから直々にスカウトをしてきたのだ。

 

難波を裏切るなんて出来るはずのない内海は、幻徳に手を組んで欲しいと頼んできたのだ。

お互いエボルトという共通の敵が居る中、手を組むのが妥当であると考える幻徳達。

だが一人納得いかない者が居た。

 

一海「俺は行かねえ。」

 

美空「グリス...」

 

一海「西都は俺の故郷や大事な仲間を奪った。奴らを助ける気にはなれねえ。」

 

青羽は例外として、大事な三羽ガラスの命を西都によって奪われたのだ。

それだけでなく、自分の故郷を踏み荒らしたのだ。

そんな相手に同情出来る程、一海の西都に対する心は穏やかではないのだった。

 

それを聞いた幻徳達は黙り込むしかなかった...

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

―翌日―

 

某所にある倉庫。

そこで内海を待っているエボルト。

石動惣一の姿を気に入ったのか、擬態している。

 

すると突然何もない壁に線が走り、開閉式の扉に変わった。

そして自動的に開くと、そこから内海が入って来た。

 

エボルト「答えを聞かせてもらおうか。」

 

エボルトがそう言うと内海は持っていたタブレットの画面を見せる。

そこには難波の姿があった。

 

難波『エボルト。君の要求に対する答えは、これだ。』

 

難波がそう言うと、内海の元に鷲尾兄弟とハードガーディアンが数体集まる。

答えはNOということだった。

 

エボルト「なるほど。そんなに権力にしがみつきたいかぁ?」

 

その言葉に反応せず、鷲尾兄弟はブロスに変身する。

それを見たエボルトはゆっくりと前に出る。

 

エボルト「いいだろう...」

 

Over the EVOUTION!

 

そう言いながら、エボルトはエボルトリガーを押す。

そしてドライバーに装填してボトルを取り出す。

 

エボルト「今日がお前達の命日だ...」

 

コブラ!ライダーシステム!レボリューション!

 

そしてレバーを回す。

するとドライバーからエボルの時とは違い、銀色に変色したライドビルダーが縦に現れる。

その周りを紫に光る黒いパンドラボックスの様な立方体が黒い竜巻に吸い寄せられている。

 

Are you ready?

 

エボルト「変身!」

 

ブラックホール!ブラックホール!ブラックホール!レボリューション!

 

フッハハハハハハハハハハ!

 

立方体が一つに合体し、暗黒空間に飲み込まれる。

そして小型の立方体を飛び散らしながらエボルブラックホールが現れた。

 

エボルトは右手で地面に触れる。

すると辺り一面に黒いオーラが広がり、パネルが回転するように風景が変わる。

倉庫の中から、立方体があちこちに埋め込まれた岩山に変わった。

 

それに戸惑いながらも、内海は直ぐに切り替えてハードガーディアン達に指示を出す。

ガーディアン達はエボルトに向かって進軍していく。

だがエボルトは右手を翳すと、爆発が起き一瞬で消し去ったのだ。

 

内海「何!?」

 

すると今度はブロス達がエボルトに襲い掛かる。

二人は連携して攻撃するが、悉く捌かれる。

 

エボルト「憐れな奴らだ。折角豊かな感情を持ち合わせた人間に生まれたのに。」

 

エボルトは難波チルドレンである二人を憐れむ。

二人はそれに意を唱えるかの様に攻撃するがカウンターを喰らうばかり。

 

エンジンブロス「なんで!?限界まで強くなったはずなのに!?」

 

そう言うエンジンブロスにエボルトはゆっくり近づく。

弟の身の危険を感じ取ったリモコンブロスは叫ぶが止まらない。

 

とそこにクローズが乱入する。

そしてラビットラビットに変身した葛城も乱入してくるが、最新のビルドを扱えるわけもなく。

自身の力に戸惑っている。

 

そんな中、内海達の前にローグが現れる。

それを見て内海は驚く。

そんな内海に手を貸すのは今回だけだと言うローグ。

 

そうして四人の戦士達がエボルトと交戦する。

数では不利なはずのエボルトだが難なくビルド達を相手している。

 

エボルト「共闘すれば勝てると踏んだかァ!」

 

そう言うと、エボルトは向かってくるクローズとローグの腹に手を当てる。

そして手の平から黒い衝撃波を出して二人を吹っ飛ばす。

エンジンブロスも吹っ飛ばし、ビルドをあしらう。

 

ビルド「ハイスペック過ぎて身体が追いつかない!」

 

エボルト「今のお前が最新のビルドを扱えない!」

 

そう言われ飛ばされるビルド。

だが立ち上がり、エボルトの言葉に抗おうとする。

 

ビルド「そんなことはない!ビルドは僕が作ったんだ!お前を倒す為に!」

 

そう言ってエボルトに襲いかかるも、往なされてしまう。

するとビルドはフルフルボトルを抜いて、パンドラパネルの箱を取り出し装填する。

レバーを回し力を使おうとするが、今の葛城に扱えるわけもなく。

 

身体中に電気が走り苦しんでいるビルドにエボルトは近づく。

そしてオーラを込めたパンチを叩き込む。

ビルドは黒いオーラと共に吹っ飛んでいく。

そして変身が強制解除されてしまった。

 

エボルト「さぁ、遊びは終わりだ。一人ずつ消してやる。」

 

そう言ったエボルトは誰から消すか決める。

すると左手に小型のブラックホールを生成する。

そしてそれをエンジンブロスに投げた。

 

エンジンブロスの身体がブラックホールに吸収されて行く。

変身も勝手に解けて苦しむ。

 

雷「兄貴!後は頼んだ!」

 

鷲尾弟はそう言うと、エンジンギアをリモコンブロスに投げる。

リモコンブロスは弟が消滅しかけているところをただ見るしかできないで居る。

 

雷「全ては!難波重工の為に!うあああああああ!!!!!」

 

リモコンブロス「雷!!!」

 

鷲尾弟は完全に消滅したのだった。

それを目の当たりにした一同。

 

リモコンブロスはエンジンギアを拾い、ゆっくり立ち上がる。

そしてギアをスチームガンに装填する。

 

リモコンブロス「潤動...!」

 

ヘルブロスに変身し、エボルトに殴りかかる。

感情的になり、大振りとなった攻撃はエボルトに届かない。

 

そこにクローズマグマに変身したクローズが乱入する。

そしてエボルトをヘルブロスから遠ざける。

それに戸惑うヘルブロス。

何故傷が深いはずなのに自分を助けるのか。

 

エボルト「フォームチェンジしたところで、結果は同じだ!」

 

そう言うとエボルトは右手にオーラを集め、大振りのパンチを決める。

諸に喰らったクローズはそのまま吹っ飛ばされ、変身が強制解除されてしまう。

 

エボルト「万丈、これで終わりだ。」

 

エボルトは苦しむ龍我を標的にし、レバーを回す。

 

ブラックホールフィニッシュ!Ciao!

 

エボルトはジャンプし、前方宙返りを繰り返す。

エボルトにブラックホールの様なエネルギーが集まり、龍我を確実に消滅させようとする。

 

これで終わってしまうのかと思われたその瞬間...

ヘルブロスが龍我を退かし、エボルトの必殺キックの身代わりになったのだ。

 

エネルギーと共に岩山までぶっ飛ばされるヘルブロス。

ブラックホールが圧縮し、爆発が起きる。

すると爆発が逆再生したかの様に無くなり、ブラックホールの中から身体から粒子を出した鷲尾兄が出てくる。

 

身体中がボロボロとなった鷲尾兄の下に駆け寄る龍我。

何故自分を助けたのか聞くと思わぬ答えが返って来た。

 

風「誰かの為に戦うのも、悪くない...」

 

今まで兵器として生きて来た人間が初めて感じた善意。

惜しむは死ぬ間際にそれを感じたこと。

 

風「弟にも、教えてあげよう...」

 

鷲尾兄はそう言い残して粒子となり、消えていった。

龍我は消えゆく粒子を集めようとするが、何も残らない。

そして自分の言い難い感情に拳を地面に打ち付ける。

 

葛城「また、人の命が...なんで、こうも簡単に...!」

 

エボルト「これが、お前が作ったライダーシステムの末路だ。」

 

葛城の言葉が聞こえたのかそうでないかは分からないが、エボルトは葛城に対し自身の罪だと突きつける。

そしてエボルトはどこかに転移した。

 

エボルトが転移した場所は難波の下だった。

その様子をタブレットで見る内海。

 

エボルト「折角チャンスをやったのに。」

 

難波「金なら!金ならやる!難波重工の財産は、全部やる!だから!命だけは助けてくれ!」

 

難波はエボルトに対し、醜く命乞いをする。

権力を振りかざしていた人間が、憐れな程態度を変えて命を欲しがる。

その様子にエボルトは『醜い』の一言で表す。

 

エボルト「最高だよぉ。俺はお前の様な人間が大好きだァ!ハハハ!」

 

エボルトはそう言って難波を抱きかかえる。

その様子に難波は笑顔を零すが、それはただの演技だ。

難波の顔が黒くなり、そして粒子になって消えた。

 

エボルト『内海~♪ハハハハハ!』

 

内海「会長!」

 

タブレットから様子を見ていた内海は難波のことを呼ぶ。

だが難波はもう居ない。

するとエボルトが戻って来た。

 

エボルト「さあ答えを出せ。難波の復讐を果たすか、俺に忠誠を誓うか。」

 

エボルトはそう言うと、難波が手にしていた杖を内海に向かって投げ捨てる。

内海はそれを拾い考える。

内海の中で今までの記憶が蘇る。

 

その様子を見守っていた一同。

だが内海の様子がおかしいのだった。

 

内海「フフフ...ハーハハハハハハ!!!!!

 

内海は顔を上げると笑顔で笑っていたのだった。

難波の復讐を果たすのかと思われていた内海の様子に戸惑う一同。

 

内海「ならば、答えは一つ!

 

そう言って内海は持っていた杖を折る。

 

内海「貴方に、忠誠を誓おう!!!!!

 

ローグ「っ!?」

 

エボルト「フフハッハッハッハッハッ!だから人間は面白い!ハァ...この星を滅ぼすのは辞めたァ!ハハハハハ!内海~!」

 

エボルトは高笑いする。

そして地球を滅ぼすのを辞めたと宣言した。

そんなエボルトは内海にもう一つのエボルドライバーを投げ渡す。

 

内海はエボルドライバーを装着し、二本のボトルを取り出す。

 

コウモリ!発動機!エボルマッチ!

 

内海はレバーを回す。

するとドライバーから紫と赤の煙が出てきて内海を包む。

内海は苦しむが、構わずレバーを回し続ける。

すると今度はドライバーからチューブが天狗巣状に広がる。

 

Are you ready?

 

内海「変身!!!

 

バットエンジン!

 

ヌゥハハハハハハハハハハ!

 

するとチューブが内海に絡みつく。

そしてチューブが暴れ、しばらくすると中から白と黒と紫を基調としたライダーが現れる。

 

かつて内海が変身したナイトローグの様なアーマーを装着している。

トランスチームシステムの様にアーマーに装着されているパイプから煙を出している。

 

エボルト「さぁ、存分に戦え!仮面ライダーマッドローグ!!!」

 

 

マッドローグ「ハハハハハ、ハッハハハハハハ!!!

 

 

 

 

 

 

to be continued...

 




これ終わったら次は何を書こうかな~って思う時があるんですね...
今の段階だと二つぐらい二次創作やりたいな~ってのがあるんですけど...

またこれが終わって記憶に残ってる方をやりますね。
多分これとはガラッととは言わないけど違った感じになると思うんで。


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ジーニアスと新星は止まらない

―NO side―

 

エボルトの手によって鷲尾兄弟、難波が消されてしまった。

残された内海が選んだのは...

 

バッドエンジン!

 

ヌゥハハハハハハハハハハ!

 

エボルト「さぁ、存分に戦え!仮面ライダーマッドローグ!!!」

 

マッドローグ「ハハハハハ、ハッハハハハハハ!!!」

 

エボルトに忠誠を誓い、仮面ライダーマッドローグに変身したのだった。

 

ローグ「内海...裏切ったのか!」

 

マッドローグ「ヒャハハハハ!ハハハハハハハ!」

 

ローグの言葉に笑いながら攻撃するマッドローグ。

ネビュラスチームガンとスチームブレードを持って戦うマッドローグ。

 

ローグ「この国がどうなってもいいのか!」

 

マッドローグ「私には関係ない!科学者として輝ける場所があれば、それでいい!」

 

内海はそう言ってローグに攻撃する。

頭部に攻撃されたことによってカメラが故障してしまうローグ。

それでもマッドローグに掴みかかり、説得しようとするローグ。

 

だがマッドローグには届かず。

今までの恨みを晴らすと言わんばかりに攻撃するマッドローグに手も足も出ないでいた。

 

マッドローグ「エボルドライバーが、全てを制す!!!」

 

ローグ「内海...!」

 

マッドローグはレバーを回す。

するとコウモリの様な羽根が生え、空を飛ぶ。

 

エボルテックアタック!Ciao!

 

マッドローグは低空で高速飛行し、ローグに突っ込む。

マッドローグが飛んだ跡には煙が巻き起こっている。

そしてローグにぶつかると爆発が起きる。

 

爆発が晴れるとそこにはボロボロになった幻徳が居た。

幻徳は力が入らず倒れてしまう。

慌てて龍我が駆け寄るが、ダメージは大きい。

 

だがそこにマッドローグがライフルモードにしたスチームガンを構える。

そして幻徳達に照準を合わせる。

 

マッドローグ「死ねえええええ!!!」

 

そう言ってトリガーを引く。

紫のエネルギー弾が龍我達に襲い掛かる。

 

だがそこに一筋の光が走る。

するとエネルギー弾が真っ二つに斬れる。

そして二本の斬撃がマッドローグを襲う。

 

エボルト「フン!」

 

エボルトがブラックホールを作り出し、斬撃を吸収したことで助かるマッドローグ。

エボルトはゆっくり視線を移す。

 

エボルト「やはり現れたか...彼方。」

 

彼方「エボルドライバーの使用者が増えたからな。どんな奴かと思って来てみたが、まさかイカレ野郎だとはね~。」

 

エボルト「随分ハッキリ言う様になったじゃないか?それが本当のお前か?」

 

幻徳達の前に立つ彼方。

龍我にはその背中が頼もしく見える。

 

彼方「さあ?まあ言えるのは俺はお前に負けないってことだよ。」

 

彼方はそう言うとエボルドライバーを取り出し、装着する。

それに驚くマッドローグと葛城。

 

マッドローグ「何故お前がそれを!?」

 

葛城「まさか奴もエボルトの仲間なのか...!?」

 

彼方「確かお前こう言ってたっけ?今日がお前の命日だって...」

 

彼方はそう言うと二本のボトルを取り出し、装填する。

 

ゾディアック!ライダーシステム!エボリューション!

 

へびつかい座のシンボルが刻まれたエボルボトルを装填する彼方。

そしてレバーを回す。

すると魔術回路の様な青い線が顔を走る。

ドライバーから十二星座のシンボルが現れ、彼方を中心に周り続ける。

 

彼方「...変身!」

 

そう呟くと線が赤く光る。

そして周っていたシンボルが彼方の元に集まり、光り輝く。

 

ゾディアック!ゾディアック!ノヴァゾディアック!

 

光が止むとそこには黄金の輝きを宿したライダーが居た。

虚数世界でティアマトが生み出したラフム達と戦っていたライダーだった。

 

彼方が変身したことにエボルト以外が驚く。

一方エボルトはというと立ち上がり静観していた。

 

ノヴァ「仮面ライダーノヴァ...それが俺の名前だ。」

 

新星を意味する名前である仮面ライダーに変身したノヴァ。

その身から溢れ出る黄金のオーラは星の力によるものである。

 

全員が委縮する中、エボルトが動いた。

高速移動でノヴァの前に現れ、オーラを込めた拳でラッシュを叩き込もうとする。

だがそれを予測していたかの様に避け、ノヴァが黄金のオーラを纏った拳でラッシュを叩き込む。

一撃一撃が重く、完全体となったエボルトでも容易にダメージを与えることが出来ていた。

 

圧倒されているエボルトを見て驚愕する一同。

自分達が苦戦していた相手がいとも簡単に叩きのめされている姿を見てただ驚くことしか出来なかった。

 

エボルト「グゥ!?これほどまでの力を手に入れたとはなァ...!」

 

ノヴァ「これは俺専用のドライバーだ。俺の力を最大限にまで引き上げることができるんだよ。」

 

エボルト「なるほどぉ...しかもトリガーを使っていないということは更にパワーアップ出来るという訳か...なら今ここで倒すしかないようだな!」

 

エボルトはそう言うとレバーを回す。

それを見たノヴァも対抗してレバーを回す。

お互いの右足にエネルギーが溜まって行く。

 

ブラックホールフィニッシュ!

 

ギャラクティックフィニッシュ!

 

互いの必殺キックがぶつかり合う。

ブラックホールの力を宿したキックと星の力を宿したキック。

相反する力がせめぎ合うがその勝負は直ぐに着いた。

 

エボルト「グアアアア!?」

 

エボルトのキックを押しのけ、ノヴァのキックが炸裂した。

キックを喰らったエボルトに超新星の爆発的なエネルギーが襲う。

そして大爆発した。

 

爆発を背にしたノヴァはボトルを抜いて変身を解除した。

そして幻徳達の下に行き、スチームガンを取り出す。

 

彼方「ひとまず退却だ。」

 

彼方はそう言うとスチームガンから煙を出してこの場から去って行った。

一方爆発地点では変身を解除されたエボルトが居た。

 

エボルト「グゥ...俺を倒すとはな...早くロストボトルを集めなければならないか...」

 

エボルトは計画を早めることに決めたのだった...

 

...

 

..

 

 

 

『nascita』に戻った彼方達。

取り敢えず彼方が治療を施し、幻徳の傷は治った。

だが安静にしなければならず、ベッドで眠っている。

 

そんな中、幻徳以外の美空達を含めた一同は地下室で会議している。

エボルトを止めなければこの国が乗っ取られてしまう。

だがエボルトはこの国を乗っ取って何がしたいのか分からない一同。

そこで龍我が説を唱える。

 

龍我「そりゃ...大金手に入れて!ウッハッハだろおおお!!!金だ!金だ!ヒャッハー!」

 

葛城「君は猿より低能だな。」

 

龍我「んだとぉ!」

 

そう言って龍我は彼方達を見る。

すると彼方達は納得するように頷く。

 

龍我「何納得してんだよ!」

 

そう言って龍我劇場は終わった。

そんなコミカルな空気から一気にシリアスに変わる。

 

葛城「エボルトはこれまであらゆる惑星を滅ぼしてきた。なのに、今回は支配しようとしてる。一体何故なのか、その真意を探るべきだ。」

 

龍我「そんなもん知ったところで、アイツの強さを攻略する方法なんて彼方しかいね...っ!」

 

突然龍我が話すのを止める。

その異変に気付いた美空はどうしたのか聞くが、龍我は何もない振りして外に出る。

 

葛城「うるさいのが消えたところで本題に入ろう。」

 

そう言って葛城は箱を手に取る。

 

葛城「この究極のアイテムを完成させて、エボルトを倒す。そして、万丈龍我も。」

 

葛城の言葉に反応する一海。

彼方はどこか呆れた顔をしている。

 

葛城「彼はエボルトの遺伝子を持っている。」

 

美空「だからそれは記憶が!」

 

葛城「いつ蘇ってもおかしくない。僕みたいにね。」

 

その言葉に黙る二人。

だが彼方はあくびをする。

まるで興味が無いと言わんばかりに。

 

葛城「彼がエボルトとして覚醒する前に倒すべきだ。」

 

そう言って葛城は作業に入る。

すると一海も地下室から出ていった。

 

彼方「エボルトの遺伝子を中和するとか方法を思いつかないのに、天才なのかね~...

 

彼方の呟きを聞いた美空は彼方の方を見る。

だが彼方は気にしない様子で身体を分子化させて何処かに行ってしまった...

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

―彼方side―

 

どうやら久しぶりに俺の視点で話すようだ。

ん?誰に言ってるのかって?

ハハハ、そんなのどうでもいいじゃないか。

 

葛城の戯言に飽きた俺はある病院に向かった。

そして一つの病室に入る。

そこには石動惣一が眠っていた。

 

エボルトと分離してからずっと意識が戻らないようだ。

俺はそんな彼に協力してほしいことがあってここに来た。

 

ん?目覚めない人相手にどうやって協力させるんだって?

ハハハ、君達は分かってないね~。

俺にはあの力があるんじゃないか。

 

俺はそう思うと虚空からある薬を生成する。

それを石動の点滴に投与してしばらく待つ。

すると石動が目覚めた。

 

俺が投与したのは意識回復薬だ。

エボルトの毒を受けてコズミックエナジーだけでは意味がないことが分かったから、そこに魔術とパンドラボックスの力を加えた物だ。

これならどんなに重症でも意識を取り戻すことが出来る。

 

意識が戻った石動が俺を見て警戒する。

どうやら感覚で俺にもエボルトと同じブラッド族が混じっていると感じたみたいだ。

 

彼方「警戒しなくていい。俺はアンタに協力してほしくてここに来た。」

 

石動「お前は、誰だ...?」

 

彼方「俺は我望彼方。アンタの娘さんの彼氏ってとこかな?」

 

石動「美空の!?そ、それはまた随分カッコいい人が彼氏になったな~!そうか~、美空も遂に恋愛を...美空に何かしてないだろうな?もうやることはやったのか?傷物にしたのか!?」

 

あれ...?

なんか美空ちゃんのこと話したらエボルトとあんま変わんない感じというか、子煩悩っていうか...

親バカが発動しちゃってるんだけど...

 

まあそれは置いといてだ。

俺はある物を渡す。

 

石動「っ!?これは...!?」

 

彼方「俺達と一緒に戦ってほしい。この国を守る為、美空ちゃんを守る為に。」

 

石動「...分かった。俺もアイツには一泡吹かせてやりたいと思っていた。」

 

こうして石動に協力を頼むことに成功した...はいいんだけど...

その後数時間ぐらいずっと美空ちゃんのことを聞かれ、聞かされた。

いやどんだけ美空ちゃんのこと好きなんだよ。

美空ちゃんが知ったら多分引いちゃうよ?

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

―NO side―

 

東都政府官邸が西都の軍勢に襲撃されている。

そこに変身したクローズとグリスが現れ、ガーディアン達を倒していく。

その光景を内海は笑みを浮かべながら見ている。

 

それぞれ必殺技を繰り出し、ガーディアンを破壊する。

先ほどまで特訓をしていた二人は早速成果が現れたと喜ぶ。

 

内海「その程度の力で守れると思うなよ!」

 

だがそこに内海がマッドローグに変身し、交戦する。

二人はマッドローグに連携して攻撃するが敵わない。

 

マッドローグ「エボルドライバーに比べれば、お前達のライダーシステムなどただのガラクタに過ぎない!」

 

マッドローグはそう言うと、海賊ボトルとライダーシステムボトルを装填し、レバーを回す。

するとドライバーからカイゾクハッシャ―が生成される。

そしてビルドアロー号を引いてエネルギーをチャージする。

 

そこにグリスが突っ込んでくる。

だがマッドローグは動じず、発射する。

電車型のエネルギーがグリスを襲い、変身解除に追い込む。

 

一人残されたクローズはどうしようかと考えていた。

するとこちらに歩いてくる葛城の姿が見えた。

 

クローズ「何しに来た。」

 

葛城「別に君を助けに来た訳じゃない。」

 

葛城はそう言うとフルフルボトルを装填してレバーを回す。

そして指を鳴らし...

 

葛城「変身。」

 

そう言ってビルドハザードに変身し、その上にアーマーがビルドの方へ装着されに行った。

戦兎の時は自ら装着しに行くスタイルだが、葛城は装着させるスタイルの様だ。

 

ビルド「仮面ライダービルド。創る、形成するって意味のビルドだ。以後、お見知りおきを?」

 

ビルドはそう言うとフルボトルバスターを生成して、ガーディアン達と戦う。

以前とは違い、ラビットラビットの力を使いこなせている。

 

クローズ「使いこなしてやがる...」

 

ビルド「ボトルを僕にフィットするよう調整したんだよ。」

 

ビルドはそう言うと、フルフルボトルをフルボトルバスターに装填する。

そして横薙ぎでガーディアン達を一閃し、破壊する。

 

マッドローグ「ならば、私が相手だ!」

 

マッドローグはそう言うと、カイゾクハッシャ―でビルドを撃つ。

それを受け流しながらビルドはマッドローグに迫る。

 

マッドローグが若干優勢ながらも必死に食らいつくビルド。

そこにマッドローグが語り掛ける。

 

マッドローグ「葛城!君なら分かるはずだ!エボルトに着いた私の気持ちを!」

 

ビルド「人知を超えた力に魅了される気持ちは分かります。でも!それは人類に貢献する科学ではない。」

 

マッドローグ「笑わせるなァ!なら君が作ったライダーシステムはどうだ!」

 

マッドローグにそう言われ狼狽えるビルド。

 

マッドローグ「戦争の道具として多くの犠牲者を生み、更にはエボルトを復活させて人類を破滅に導こうとしている!」

 

そう言ってマッドローグはエネルギーをチャージし、ビルドに発射する。

無防備な状態で攻撃を受けたビルドは倒れこんでしまう。

だがそこから立ち上がるビルド。

 

ビルド「それは結果論だ!」

 

マッドローグ「君はこうなることを予見していたはずだ。それでも作ったのは、科学者としての矜持!自分の力が絶対だと世界に誇示したからに他ならない!」

 

ビルド「...違う。」

 

マッドローグ「認めろよォ?科学の可能性を追い求めて何が悪い?科学の力でこの国が一つになる!素晴らしいことじゃないか!俺達は、間違ってないんだよォ!ハッハハ!...科学の力で、世界を変えようじゃないかァ!ハハハ!」

 

ビルド「...俺は、貴方とは違う。」

 

ビルドはそう言うと一本のボトルを取り出す。

葛城が完成させた全てのボトルを注入した究極のパワーアップアイテム。

その名もジーニアスボトル。

 

ビルド「ビルドアップ...

 

ビルドはそう言ってジーニアスボトルのボタンをタップする。

だがしかし、ボトルは反応しない。

何度もタップしてみるも一向に反応しない。

 

そんな隙だらけのビルドに斬りかかるマッドローグ。

一方的な攻撃にただやられるビルド。

 

ビルド「クッ!理論上では変身可能なはずなのに!」

 

ジーニアスを起動できないことに動揺しているビルド。

そんなビルドにエネルギーをチャージしてトドメを刺そうとするマッドローグ。

だがそこにクローズが妨害する。

 

クローズ「気持ちが足りねえんだよ!」

 

それを聞くとビルドは変身を解除する。

 

クローズ「誰かの力になりたい...誰かを守りたい!それが...アイツの戦う理由だ!お前には、そんな気持ちこれっぽっちも無えだろ!」

 

それを聞いて後ろめたくなる葛城。

自身の目的の為に戦った葛城とは違い、戦兎は誰かの為に戦ってきた。

その気持ちの強さの違いがジーニアスを使えるか使えないかの鍵となっていた。

 

クローズ「桐生戦兎はなぁ...正義のヒーローなんだよ!

 

そう言ってマッドローグに殴りかかるクローズ。

だがカウンターを受け、ピンチに陥る。

 

マッドローグ「まだ力の差を理解していないようだな?」

 

マッドローグはそう言うと再びコウモリとエンジンボトルを装填してレバーを回す。

すると羽根を生やして飛び、両足にエネルギーを溜めてキックを放つ。

爆発が起こり、許容を超えたクローズは変身が解除されてしまう。

 

マッドローグ「勘違いも甚だしい。何がヒーローだ!ライダーシステムは戦争の道具に過ぎない。見てみろ!誰がお前を助けてくれる!誰も居ない!ヒーローなんて居ないんだよォ!」

 

マッドローグはそう言うと掴んだ龍我を思い切り殴りつける。

全身がボロボロになり苦しんでいる龍我を見ていた葛城は突然自身に異変を感じる。

 

見たこともない記憶が蘇って来るのだ。

そのどれもが龍我や仲間達と一緒に過ごし、戦ってきた記憶だった。

そして最後に思い出したのは...

 

幻徳『頼む!もう一度だけ信じてくれ!』

 

ここに来る前に言われた幻徳の言葉だった。

すると葛城の意識が心象世界に移される。

そこにはあらやる数式が浮かび、ビルドのマークで型の歯車が存在している。

そして葛城の前には戦兎が居た。

 

葛城「君は信じられるのか、仲間を。」

 

葛城の問に戦兎は笑顔で返す。

それを見て納得した顔をする葛城。

 

葛城「なら、見せてくれ。君が創る未来を!」

 

葛城はそう言うと戦兎に近づき、手を差し出す。

それを見て戦兎がその手に触れると光り、葛城が戦兎と融合した。

それによって浮かんでいた数式や歯車が一斉に動き出した。

 

そして現実に戻る...

 

 

何やってんだよ、万丈。やっぱりサブキャラには荷が重かったみたいだな。

 

 

龍我の前に立つ男。

その後ろ姿に言葉を聞いて龍我は確信する。

 

龍我「戦兎...!」

 

戦兎「...自意識過剰な正義のヒーローの、復活だ!」

 

完全に記憶が戻った戦兎はジーニアスボトルを掲げて宣言した。

それに喜ぶ一海と龍我。

 

龍我「遅えんだよ!」

 

戦兎「...さあ!実験を始めようか!」

 

戦兎はそう言うとジーニアスボトルのボタンをタップする。

するとジーニアスボトルが反応した。

 

グレート!オールイェイ!

 

ジーニアス!

 

戦兎はキャップを合わせるとドライバーに装填する。

そしてレバーを回す。

するとドライバーから巨大なステージ型のライドビルダーが現れる。

ベルトコンベアにはボトルが並び、戦兎の周りを走っている。

 

Are you ready?

 

戦兎「変身!」

 

戦兎がそう言うと、金色のビルドのマークが戦兎に重なる。

そして純白のスーツが装着される。

そこにライドビルダーから60本のボトルがスーツに装填されて行く。

それぞれ暖色系、寒色系に別れて装填されている。

その色はさながらラビットタンクを思わせる。

 

完全無欠のボトルヤロー!ビルドジーニアス!

 

スゲーイ!モノスゲーイ!

 

新たなビルドの姿に喜ぶ龍我と一海。

そして驚くマッドローグ。

 

 

ビルド「勝利の法則は、決まった!

 

 

ここに最強のビルド、ジーニアスフォームが誕生した。

 

 

 

 

to be continued...

 




ノヴァの文字が見えにくいかもしれませんけど...そこは勘弁...してくれないですよね~...
なんか解決策考えときます...


エボルトって公式だと結構チートですよね~。
まあこの物語でもチートに舞い戻ってきてもらうんですけどね。
ん?どうやってかって?

ヒントとしては...サーヴァントじゃないってことかな?

ま、お楽しみに~...


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終末のレボリューション

―NO side―

 

エボルトに忠誠を誓い、マッドローグと変身した内海。

その力は強大で、幻徳が瀕死の重傷を負う程のものだった。

 

だがそこに彼方が現れ、自身専用に改造したエボルドライバーを使い仮面ライダーノヴァへと変身した。

ノヴァはエボルトと戦い、圧倒的な力を見せエボルトを退ける。

 

一方、悪魔の科学者である葛城としての記憶が蘇るも復活を果たした戦兎。

正義のヒーローの復活を宣言して、見事ビルドジーニアスフォームへの変身を果たしたのだった。

 

ビルド「勝利の法則は、決まった!」

 

マッドローグ「ヒャハハハ、ハハハハハッ!」

 

マッドローグはビルドに向かって銃撃する。

だがビルドに当たらず何かに弾かれるように見える。

実はビルドが目にもとまらぬ速さで銃弾を弾いているのだ。

 

そして高速移動でマッドローグの目前に現れ、スチームガンを掴み破壊する。

そして高速の連続攻撃を浴びせる。

一撃一撃が今までの比じゃなく、マッドローグは難なく倒れる。

 

マッドローグ「何だこの速さ...」

 

するとビルドはレバーを短く回す。

 

ワンサイド!

 

Ready go! ジーニアスアタック!

 

ビルドの半身の有機物系サイドが光る。

そして一気にマッドローグに近づき、パンチを決める。

マッドローグの身体に何かのエネルギーが流れる。

すると突然マッドローグが動けなくなる。

マッドローグの体内で変化が起こったのだ。

 

すると今度はレバーを一周長く回す。

今度は無機物系サイドが光る。

 

逆サイド!

 

Ready go! ジーニアスブレイク!

 

エネルギーを込めた右足で動けなくなったマッドローグにキックする。

マッドローグは壁まで動けなくなってしまう。

 

龍我「マジ強え...マジ最強...」

 

龍我は相変わらずの語彙力でジーニアスフォームを評価する。

一海は笑顔を浮かべてビルド達の元に向かう。

するとその後ろからエボルトが拍手しながら現れた。

 

エボルト「まさかそんな秘密兵器を隠し持っていたとはなぁ?」

 

ビルド「エボルト!」

 

エボルト「おっとぉ!お前の相手は今度にするよぉ。」

 

そう言うとエボルトは一海の元に高速移動し、殴る。

その拍子に一海が持っていたロストボトルが落ちてしまう。

 

一海「何すんだテメエ!!!」

 

エボルト「ロストボトルを回収しに来たんだよ。このボトルを使って、俺は人間を意のままに操る。」

 

ビルド「逃がすか!」

 

エボルト「そして、お前達の未来を全て支配する!ハッハハハハハハ!」

 

エボルトはそう言って笑いながらマッドローグと一緒に転移した。

エボルトの狙いに黙り込む三人だった...

 

...

 

..

 

 

 

『nascita』に帰ってきた戦兎達。

それぞれ戦いに疲れ、休んでいるのだが...

 

美空と紗羽が戦兎にずっと着いてくる。

本当に戦兎の人格が戻ったのか疑っているのだ。

そこで戦兎はいつものナルシスト発言をする。

それでやっと戦兎だと信じて貰えたという何ともいえないオチである...

 

紗羽「てことは全ての記憶が蘇ったの?」

 

戦兎「...それが妙なんだよ。高校の頃までのことは思い出したんだけど、それ以降スカイウォールの惨劇辺りからの記憶が朧気っていうか...」

 

紗羽「悪魔の科学者だった頃の記憶だけが抜け落ちてるってわけか...」

 

龍我「その方がありがてえ。俺は葛城に嫌われてっからよ~...」

 

何故悪魔の科学者と呼ばれていた頃の記憶だけが抜け落ちているのか。

恐らく葛城や自身にとって重要なカギになるものなのだろうと考える戦兎だった。

 

とそこに美空が床に寝そべって身動きを取らない一海のことを聞く。

店に帰ってきてからずっとこうなのだ。

エボルトに三羽ガラスが使っていたロストボトルを奪われて拗ねているのだ。

 

美空「ロストボトル?」

 

彼方「フルボトルとは違い、人口的に作られたボトルだよ。より好戦的な気質になるんだよ。」

 

戦兎「彼方!お前なんだよあの仮面ライダーは!俺より目立ってんじゃないよ!後から聞いてなんかすごく惨めに感じたんだけど!?」

 

彼方「あ~、前座だと思えばいいでしょ?ジーニアスの誕生の前に俺が出てエボルトを倒す。結構いい前座でしょ?」

 

戦兎「お前が倒してどうすんだよ!そこは俺のポジションでしょ!」

 

美空「あーもううるさい!二人ともふざけないで!」

 

戦兎、彼方「「すんません...」」

 

結局この中では美空が上だったのだ。

とそこで戦兎が、何故エボルトがロストボトルを集めるのか疑問に思う。

そんな疑問に答えるような形で彼方があるボトルを取り出す。

 

戦兎「っ!それは...」

 

龍我「黒くなってんじゃねえか。なんだこれ?」

 

彼方「これがエボルトが欲しがってる理由だ。このロストボトルをあるパネルの力を使ってこのブラックロストボトルに変える。そして10本集めるとアイツは更なる進化を遂げる...らしい。」

 

龍我「っ!?あれ以上に強くなんのかよ...!」

 

戦兎「まさかそんなことが...」

 

一海「アイツの目的なんてどうでもいい...あのボトルはなァ、アイツらの形見なんだよおおお!!!」

 

龍我「うぉ!?辞めろおおお!?」

 

いつの間にか一海と龍我でコミカルな空気が出来ていた。

とそこで戦兎が幻徳がどこに居るのか聞く。

その時に幻徳のことを『幻さん』と呼んだことに紗羽が疑問を浮かべる。

 

戦兎「今までは敵だったから呼び捨てだったけど、これからは流石にあれかな~と思って。」

 

彼方「幻徳ならどこかに行ったよ?どこかは分からないけど。」

 

戦兎「ふ~ん...」

 

そんなことを話していると突然店の中が暗くなる。

そしてドアが開き、そこにはバックライトに照らされた一人の男が。

 

幻徳「待たせたね。」

 

入って来たのはマジでクソだっさい服装の幻徳だった。

それを見て一斉に店の隅に寄る戦兎達。

 

戦兎「私服初めて見たけど...」

 

一海「想像の斜め上を行く破壊力だ!」

 

龍我「もはやどっから突っ込んでいいか分かんねえ!」

 

紗羽「その服、どこで買われたんでしょうか?」

 

幻徳「全てオーダーメイドだ。羨ましいのか?」

 

まさかのオーダーメイドで買っているという衝撃の事実。

これには更に絶句する戦兎達。

本人が気づいていないという重症案件である。

 

するとこれに我慢できなかった二人が一斉に声を上げる。

 

彼方、美空「「ダサっ!!!」」

 

一海「みーたん!?」

 

紗羽「彼方君!?」

 

美空「ダサすぎるぅ!」

 

彼方「よくこんなダサい服切れるね~?」

 

美空「これ放送事故レベルでしょ~?」

 

彼方、美空「「よく皆の前に出て来られるね~?」」

 

二人の猛毒舌にあわあわする四人。

だけど四人の心配はするだけ損だった。

 

幻徳「ダサい?誰が?誰?俺?」

 

彼方、美空「「うん。」」

 

幻徳「フッ、見る目無えな。」

 

幻徳はそう言うと帽子を美空に被せる。

そして戦兎の下へ歩いていく。

それを見て逃げていく他三人。

一方、彼方は美空から帽子を取り、それを床に投げ捨てる。

そして魔術で燃やした。

 

幻徳「葛城、お前桐生戦兎の記憶が戻ったのか。」

 

戦兎「...あっ、ええ、そうなんですけど...っ、その格好のままじゃ、普通に会話できる自信、無いんで...っ、一旦休憩!」

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

―彼方side―

 

俺と美空ちゃんは地下室の階段の前で椅子に座っている。

階段からやって来るある男を待って。

 

すると暗い室内がライトアップされる。

手すりがライトアップされ、階段からやって来たのは...

 

全身ピンクに統一し、安定のダサさでやってきた幻徳だった。

なんか俺達の前でポージングしてるけど...

 

彼方、美空「「ダサい!」」

 

幻徳「はぁ!?ここまで妥協して俺のセンスが伝わらないのか!?」

 

美空「伝わるわけないでしょ、この変態!」

 

幻徳「変態!?どこが変態なんだ!?どこが!言ってみろ!」

 

彼方「まず何そのクリアなジャケット。着る意味あんの?」

 

幻徳「お前、このクリアなとこが良いのが分からないのか!?」

 

美空「てかなんで片っぽだけ手袋してるのよ...それがまたダサい。」

 

幻徳「アシンメトリーというのを知らないのか!?」

 

彼方「それはヘアスタイルな。てかなんでヒール履いてんだよ。それって紗羽さんとかが履いて映えるやつでしょうが。」

 

紗羽「えっ!私あれ履いたら似合うかな~?」

 

彼方「似合う似合う、マジで似合う。今度履いてきて。」

 

紗羽「うん!」

 

幻徳「俺を無視するな!」

 

美空「てかなにそのTシャツ?なんなのよ『親しみやすさ』って。」

 

幻徳「お前らが俺に遠慮してるような感じだから気遣ってんだよ!分からないのか!」

 

彼方「分かんないしお前に気遣われる覚えはない。てかそのピンクのエクステ辞めな。マジで似合ってない。てか髭とそれは合う訳ない。」

 

幻徳「それは偏見だろうが!この俺の最先端ファッションが分からないとかヤバいぞ!」

 

美空「ヤバいのはアンタだし!彼方さんがヤバいわけないじゃん!」

 

なんかこの言い合いするのも疲れてきたんですけど~?

てかほんとどこから来るのその自信は?

マジで疲れる、こんなコミカルな空気今の俺にはキツイかも...

後でフォリア達に疲れを癒してもらお...

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

―NO side―

 

彼方達が幻徳と戯れている頃、北都では一海がピンチに陥っていた。

 

葛城の自宅を捜索する戦兎と別れた一海は、一人北都にあるかつてのファウストの研究所に乗り込んだ。

だがそこで内海に見つかり、高濃度のネビュラガスを注入されてしまう。

何とか内海達から逃げようとする一海の前に現れたのは...

 

多治見「久しぶりね、グリス...!」

 

一海「首相!」

 

北都の首相の多治見喜子だった。

エボルトに捕らわれたはずの彼女が何故スマッシュを引き連れて自分の前に居るのか。

そう疑問に思う一海だった。

 

多治見「役立たずの、仮面ライダー!」

 

多治見はそう言うと、オウルロストボトルを取り出し身体に挿す。

すると傍に居た二体のスマッシュが多治見に吸収され、オーラを放つ。

そして全身が黒いハザードスマッシュに似たオウルスマッシュの姿になった。

 

これがエボルトが開発したロストスマッシュである。

ハードスマッシュと同様に明確な意思を持って行動でき、しかもその戦闘力はハザードスマッシュよりも大幅に上昇している。

 

オウルスマッシュは一海に襲い掛かる。

それを何とか避け、グリスに変身して応戦する。

だが今までのスマッシュと違い、全然歯が立たない。

 

そこで一海はあることを思い出す。

 

内海『倒されたら、肉体は消滅するけどなぁ?』

 

高濃度のネビュラガスを注入されたことにより、ハザードレベルが大幅に上昇することと引き換えに自身が消滅するリスクを背負うこととなったのだ。

だがそれは多治見も同様。

そう考えると何も出来ずにいるグリス。

 

そこにビルドが現れる。

オウルスマッシュの攻撃からグリスを守ったのだ。

 

ビルド「馬鹿野郎!勝手な真似しやがって!」

 

グリス「待て戦兎!アレは多治見首相だ!倒せば死ぬかもしれねえ!」

 

ビルド「っ、何!?」

 

グリスから聞かされた事実によってビルドも狼狽えてしまう。

そこにオウルスマッシュがやってきて攻撃を繰り出す。

ロストボトルによる副作用故か、好戦的な性格になっている。

ビルド達に対する恨みつらみを吐くオウルスマッシュ。

 

更にそこにマッドローグが乱入してきた。

それぞれ別れるが、ガスが身体にまだ馴染んでいないからかグリスの動きが悪い。

そんなグリスにマッドローグは必殺キックを浴びせる。

 

外に吹き飛ばされたグリスの身体から粒子が現れる。

消滅しかけているのだ。

 

ビルド「一海!」

 

マッドローグ「ハハハハハ、グリスの方は使い物にならなかったか。」

 

消滅しかけているグリスは懐からドッグタグを取り出す。

 

グリス「済まねえ、お前ら...」

 

そんな中、タンクタンクへと変身したビルドはマッドローグ達と交戦する。

 

マッドローグ「お前達がどれだけ戦っても、エボルトの支配からは逃れられない!いい加減自分達が操り人形だと気づいたらどうだ!」

 

ビルド「俺達は操り人形なんかじゃない!人間には心がある!」

 

そう言ってビルドはジーニアスボトルを取り出し、変身する。

 

ビルド「魂がある!誰かを守る為に、全てを擲つ覚悟がある!」

 

グリス「誰かを、守る為...」

 

ビルドの言葉に何かが刺さったグリス。

ビルドに感化されたグリスは、消滅する覚悟を捨てる。

 

グリス「支配なんてされてたまるかよ!戦場が宇宙規模になろうと、誰が敵であろうと関係ねえ!戦ってやろうじゃねえか!」

 

グリスはそう言うと、龍我から譲り受けたドラゴンゼリーを取り出し装填する。

すると全身に力が行きわたる。

そしてグリスの両腕にツインブレイカーが現れる。

 

グリス「愛と平和の為にィ!うおりゃあああ!!!」

 

グリスはマッドローグに攻撃する。

さっきまでとは違い、一気にハザードレベルが上昇しマッドローグ相手に苦戦しない。

寧ろグリスが押している。

 

グリス「心火を燃やしてぶっ潰す!」

 

そう言ってグリスがパンチを叩き込む。

それによって吹っ飛ばされるマッドローグ。

 

 

グリス「強靭!剛毅!不屈!誰が俺を満たしてくれるんだよおおおおおお!!!!!

 

 

グリスはそう言って狂化状態になる。

一種のハイになってるグリスはマッドローグと混戦状態になる。

そうしてビルド達も一緒に森の中へと入って行った。

 

それぞれマッドローグとスマッシュを相手しているビルド達。

そこでビルドはジーニアスの力で多治見を救出できるかもしれないと考える。

そしてビルドはレバーを回す。

 

ワンサイド!逆サイド!オールサイド!

 

ビルドの上空に虹色に輝く数式が現れる。

そして身体の両サイドが光り出す。

ビルドは数式を読み解き、多治見を救う算段を着ける。

 

ビルド「勝利の法則は決まった!」

 

Ready go! ジーニアスフィニッシュ!

 

オウルスマッシュを虹色のグラフで拘束する。

そしてグラフの軌道に乗り、背中から虹色のジェットを噴出しながらオウルスマッシュに突撃する。

ビルドのキックが叩き込まれるとオウルスマッシュの体内で変化が起こる。

 

ネビュラガスの成分が中和され、多治見の元の姿に戻ったのだ。

その際に黒く変化したロストボトルが傍に落ちる。

 

マッドローグ「馬鹿な!?ロストスマッシュは倒されたら死に至るはず!」

 

グリス「行くぞ戦兎!」

 

ビルド「オッケー!」

 

スクラップフィニッシュ!

 

グリスとビルドはダブルキックを放つ。

それによって強制解除へと追い込まれる内海。

内海はビルド達を睨み、去って行った。

それを見たビルド達は変身を解除する。

 

戦兎「このボトルはネビュラガスを中和することが出来るみたいだ。お前も...」

 

一海「俺は大丈夫だ。折角強くなったし、みーたんにカッコつけるチャンスだからな~。」

 

戦兎「でも!」

 

一海「心配すんな。危なくなったらお願いする。」

 

一海はそう言うと多治見の下へ行き起こす。

すると意識を取り戻した多治見は動揺する。

どうやらネビュラガスを注入されたことにより、パンドラボックスの光の影響が消えたようだ。

 

自分のしでかした過ちを悔い、一海に謝る。

一海はそれに皆の為にこの国の新しい未来を築いてくれと言って許す。

それを聞いた多治見は涙を零すのだった。

 

すると一海は地面に落ちていたロストボトルを見つける。

ボトルが黒くなっていることに驚き、戦兎に見せる。

戦兎はそれを見て、恐らくブラックロストボトルを作る為のプロセスだと考える。

 

 

エボルト「まさかロストスマッシュの被験者を元の姿に戻しちまうとはなぁ?

 

 

戦兎達は突然の声に振り向く。

そこにはフェーズ1に変身したエボルトが木にもたれかかっていた。

 

エボルト「そのジーニアスってボトルの効力か~?」

 

戦兎「...多治見首相を頼む。」

 

一海「ああ。」

 

戦兎は一海に多治見の身を任せ、前に出る。

エボルトは戦兎の手に握られているロストボトルを見つける。

 

エボルト「ロストボトルを返してもらおうか?」

 

戦兎「このボトルを集める目的は彼方から聞いた。させるわけないだろ。」

 

エボルト「彼方の奴...まさか俺の狙いを読んでいたとはなぁ...」

 

戦兎の言葉に彼方の存在を改めて危険視するエボルト。

一方こことは違って港でも衝撃の事実が判明していた。

 

戦兎が実家で見つけた葛城忍の遺品の中にあった木根礼香の写真のことを疑問に思い、木根と会っている龍我と紗羽。

木根は葛城忍のことを知っている様子だった。

 

だがそうなるとおかしい点がある。

木根の写真にはガーディアンが写り込んでいたのだ。

だがガーディアンが採用されたのがスカイウォールの惨劇後から五年後のこと。

だが葛城忍が自殺したとされるのがスカイウォールの惨劇後から半年後。

時系列的に食い違うはずなのだ。

 

そこで龍我と紗羽がかつて西都への密航の手助けをした木根の下へ来たということだった。

だがそこで衝撃の事実が判明したのだ。

 

紗羽「葛城忍さんをご存知なんですか?」

 

木根「ええ...遂先日もうちの船に乗ったけど?」

 

龍我「...戦兎の親父が、生きてる...?」

 

自殺したと思われていた葛城忍が生きているのだ。

何故自分の存在を死んだとして隠したのか。

一体何が目的なのか。

龍我達には分からなかった...

 

 

 

 

to be continued...




次回ぐらいから結構なオリジナル要素というかクロスオーバー要素入ってきます。
もちろん劇場版の方にも出てくるぞ☆

まあ中華系や辛い系はあんまり期待しない方が良いですよ。
愉悦ではないです、はい。


次回も見てね。


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ベストマッチの真実

―NO side―

 

ビルドジーニアス!

 

ビルド「さあ、実験を始めようか。」

 

ビルドジーニアスに変身し、エボルトと交戦する。

お互い高速移動を駆使して戦うも、フェーズ1であるエボルトが押されている。

 

エボルト「舐められたもんだなぁ。完全体の俺を攻略出来るかなァ!」

 

そう言ってエボルトがトリガーを起動し、ドライバーに挿そうとした瞬間...

ビルドが高速移動で接近し、トリガーを掴んでいた腕を止める。

そしてそのままレバーを回す。

 

ビルド「勝利の法則は決まった。」

 

ワンサイド!逆サイド!オールサイド!

 

ジーニアスフィニッシュ!

 

上空に虹色の数式が現れ、それを見て困惑するエボルト。

ビルドは60本のボトルの全エネルギーを右腕の込め、パンチを叩き込む。

 

ビルド「完全体になる前に倒す。それが勝利の法則だ。」

 

ジーニアスの力でエボルトの体内で異変が起こる。

後ろへ下がったエボルトは変身を解除され、膝を着いてしまう。

更に、エボルトは自身に起こっている変化に戸惑っている。

 

エボルト「なんだ、この感覚は...?そうか...そういうことか!」

 

そう言うとエボルトは笑みを浮かべながら立ち上がる。

 

エボルト「戦兎ォ!お前は最っ高だァ!そのボトルにこんな力まであるとはなぁ!お前の発明に免じて、ボトルの回収はまたの機会にしてやる。Ciao~。」

 

エボルトはそう言うと満足そうに去って行った。

一体エボルトに何が起こったのか。

ジーニアスボトルが何を引き起こしたのか。

疑問ばかり残るビルドだった。

 

そんな中、変身を解除した戦兎の携帯に着信が入る。

どうやら龍我からの様だった。

 

戦兎「何か分かったか?」

 

龍我『礼香さんに会って来た。お前の言ってた通りだ。お前の親父さんは...生きている。』

 

戦兎はそれを聞いて表情を暗くする...

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

―彼方side―

 

俺は今ある場所に来ている。

というのも奴に呼び出されたからだ。

なんかすごい上機嫌な声だったけど何かあったのか...?

 

そんなことを考えてると俺を呼び出した奴が現れた。

 

エボルト「よぉ~、約束通りに来たじゃねえか。」

 

彼方「お前があんなに上機嫌そうな声してたからな。お前にとってのメリットなんて潰しておかなきゃだろ?」

 

エボルト「そういうことか。なあ彼方、お前なら知ってるだろ?今までの俺は人間の感情を演じてたってこと。」

 

エボルトがいきなり変なことを聞いてくる。

その答えはYESだ。

 

エボルト達ブラッド族には人間の様な感情は無い。

ただ己の欲望のままに星を滅ぼしてきた。

その時に感じる快楽はあってもあくまでそれは感情ではなく欲望。

奴らはただ感情を演じているに過ぎなかった。

 

実際フォリアもそうだったらしい。

今は人間らしく感情豊富だけど、僕が覚醒する前は何とも感じなかったらしい。

 

彼方「それがどうしたんだ。」

 

エボルト「ジーニアスの力を受けた時、俺にある物が芽生えた...それが感情なんだよ...!今まで演じて来たモノが宿ったんだよ!ハハハ!こんなに楽しいことは無いだろ!」

 

彼方「...マジかよ。」

 

エボルトに感情が宿ったらマジでヤバいじゃねえか...

ただでさえチート気味なのに、感情によってハザードレベルが上昇したら手が付けられない。

更にそこにロストボトルが集まったらそれこそこの地球が滅びかねない。

 

そう思った俺はドライバーを取り出す。

それを見たエボルトはニィっと笑った。

 

エボルト「俺を危険視したか...だがそれは俺も同じことだ。お前の存在は脅威になる。だからお前には退場してもらわねえとな?」

 

エボルトはそう言うと瞬間移動で俺の目の前に現れる。

そして俺の身体に腕を突き刺してきやがった。

 

彼方「グゥッ!?」

 

俺は咄嗟に痛みを堪え、刀を投影してエボルトに突き刺す。

だがそれを飄々と避けたエボルト。

何故か脱力感がする...

何かが抜け落ちたような...

 

エボルト「ハハハハハ!お前のその咄嗟の攻撃に弱い癖は相変わらずのようだな。お前の彼女は頂いてくぞ。」

 

エボルトがそう言ったのが聞こえエボルトの方を見る。

するとエボルトの腕の中には涼香が居た。

何故か意識を失っている涼香。

 

俺はそれを見た瞬間怒りで震える。

 

彼方「テメエッ!!!ゴノヤロオオオオオ!!!

 

俺は刀に魔術を何重にもかけてエボルトに詰め寄る。

だがその前にエボルトが転移してどこかに消えていった。

 

俺はやるせない気持ちに刀を地面に突き刺す。

まさか涼香が攫われるなんて...

もしかしたら...そんな...

 

 

彼方「ぅぅううあああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!

 

...

 

..

 

 

 

―NO side―

 

涼香を攫ったエボルトはパンドラタワーに帰って来ていた。

そこには二人の男が居た。

 

???「やっとか、エボルト。」

 

???「ちょっと遅すぎるんとちゃうか?」

 

エボルト「アイツが行方をくらますからよ~。まあ取り返してきたんだからいいだろ?ほんとはフォリアも攫ってきたかったけどよ。」

 

???「...まあいい。早く記憶を操作するぞ。」

 

そう言った男は涼香の頭に手を突っ込む。

すると涼香から記憶を読み取った男は手を抜く。

 

???「ほぅ...これが魔術か...面白い...」

 

???「俺達の目的の為に使わせてもらおか。」

 

エボルト「俺にもそれを寄越せよ~。」

 

エボルトがそう言うと男はエボルトともう一人の男に手の平を向ける。

するとオーラが放たれ、それを受けた二人はニヤリと笑う。

 

エボルト「ほぉ~...これが魔術にサーヴァントってやつか...面白い。試してみるか...」

 

エボルトはそう言うとその場で魔術陣を描く。

そして自身の血を垂らす。

すると陣が光り出す。

そしてエボルトはあの詠唱を唱える。

 

エボルト「汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よォ!!!」

 

すると陣から光の柱が現れる。

だがそこに変化が起こる。

光の柱から突然蟲が現れ、光を食っていくのだ。

 

全ての光が食われるとそこには一人の男が居た。

暗い影の様な髪、沈み込んだ碧眼、鋭い手足を持った美男子。

かつて終末兵器として生み出された嘘つきがエボルトの前に現れたのだった。

 

???「へぇ...ここが魔術が存在しない世界か~...俺をここに呼んだってことは、この世界を終わらせるってことでいいんだねぇ?」

 

エボルト「フッ、そうとも言えるなぁ。」

 

???「なるほど...ならば契約成立だ。」

 

美男子がそう言うとエボルトの手に令呪が刻まれた。

するとエボルトの中で力が溢れて来た。

 

エボルト「おおお!?これが魔力かァ!面白い、面白いぞおおおおお!!!」

 

エボルトが自身に溢れる魔力を感じている頃、二人の男はエボルトを外にして自分達も英霊を召喚しようとしていた。

涼香から記憶を抜き取った男が詠唱を唱え終える。

すると先ほどと同じ様に光の柱が現れた。

光が止むと、そこには神父服を着た男が居た。

 

神父「ふむ。ここは私が居た世界とは少し違う世界のようだ。む?貴様が私のマスターか。」

 

???「そうだ。そしてお前の身体を乗っ取る者だ!」

 

男はそう言うと神父に向かってオーラを放つ。

すると男が突然意識を失い、神父が俯いた。

再び神父が顔を上げると、先ほどとは違い獰猛な笑みを浮かべている。

 

ヴラド「フフフハハハハハ!この屈強な身体が手に入れば後はこの星を滅ぼすのみ!このヴラドが滅ぼしてやるのだァァァァァ!!!」

 

かつて極プロジェクトに参加していた宇宙飛行士、伊能賢剛を乗っ取っていたブラッド族のヴラドが英霊の身体を乗っ取ったのだ。

元々アルターエゴのクラスを冠していた神父を乗っ取るのは容易いことだったのだ。

だが神父がそう易々と乗っ取られるはずがないのだった...

 

神父(今はこの者の好きにさせておくか。なに、この者は操りやすい...)

 

操り人形に選ばれたことを知らないヴラドは高笑いしてたのだった...

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

店で話す戦兎と紗羽。

二人は今までスマッシュにされた被験者の中で、一人だけ接点を感じられなかった男のことを話していた。

 

紗羽「被験者の名前は志水恭一。戦兎君のお父さんの教え子だった...」

 

意外な接点に驚く戦兎。

自分とは関わりが無く、父親との関わりが会ったのだ。

 

紗羽「大学の頃に接点があったらしくて、スマッシュにされるまでの数年は行方をくらましてたんだけど、今は友達のバーで住み込みのバイトをしてる。もう話は着いてるから。これが待ち合わせ場所。」

 

そう言って紗羽は待ち合わせ場所が書かれたメモを戦兎に渡す。

だがこれはエボルトによって仕組まれたものだった。

 

それから待ち合わせ場所に着いた戦兎。

まだ誰も居ず、柱にもたれかかったところで自身の中に居る葛城が話しかけてくる。

 

葛城『父さんの居場所を知ってどうする。十年も音信不通だったんだぞ。会ったところで何を話すっていうんだ。今でも思うよ、父さんが考案したライダーシステムを作ったことが本当に正しかったのかどうか...』

 

戦兎「美空にベストマッチの話をしながら思ったんだ。父さんは人の感情を弄ぶエボルトを見て、人間にしかないこの感情こそがエボルトを倒す方法だと考えたんじゃないかって。だから感情の高まりでハザードレベルが上がるライダーシステムを設計した。」

 

それを聞いて黙り込む葛城。

とそこに志水が現れた。

 

戦兎「志水さん、ですか?」

 

そう戦兎は聞くが、志水は答えない。

その代わりというかの様にロストボトルを取り出す。

すると志水の傍に二体のクローンスマッシュが現れる。

そして志水はロストボトルを自身に挿し、ロストスマッシュへと変身した。

 

戦兎は襲い掛かってくるスマッシュを避けてジーニアスへと変身する。

そして交戦するのだった。

 

スタッグ「お前を倒さなきゃ、俺が殺される!」

 

スタッグスマッシュはそう言いながらビルドに攻撃する。

それを聞いたビルドが自分が助けると言ってレバーを回す。

有機物サイドの力を纏ったパンチでスタッグスマッシュの動きを止める。

 

その後に両サイドの力を纏ったキックでスタッグスマッシュを蹴る。

その構図が過去に暴走状態のハザードで青羽を殺してしまった時の構図とそっくりだった。

以前は人を殺める力だったのに対し、今は人を救う力となっていたのだった。

 

ネビュラガスの成分を中和させたことにより、志水を消滅させずに元の姿に戻した。

その際に志水から黒化したロストボトルが排出される。

それを拾ったビルドは志水にもう大丈夫だと伝え、葛城忍の居場所を尋ねる。

 

志水「俺は葛城先生の助手だった。先生は黒いパンドラパネルを作る為にロストボトルを...はっ!」

 

もう少しで葛城忍の糸を掴めるはずだったのだが、志水に触手が襲い消滅してしまう。

触手はエボルトが出した物だった。

 

エボルト「残念だったねえ?折角助かったのに。」

 

ビルド「エボルト...!どうして志水さんを!」

 

エボルト「俺に本物の感情が芽生えたんだ。だから、怒り狂ったお前を見てワクワクしたくてな。ハハハ!」

 

ビルド「ふざけるな!」

 

ビルドはそう言うとエボルトに向かって高速移動で襲い掛かる。

エボルトも高速移動でビルドと交戦する。

フェーズ1の時とは違い、ビルドの動きについていける為互角の戦いだった。

だが咄嗟にエボルトがレバーを回してエネルギーを込めたパンチを放ったことにより、ビルドが怯んでしまう。

 

エボルト「感情を手に入れて改めて思ったよ。人間の感情を操ることなど造作もない。親父が作ったこのボトルでお前をロストスマッシュにしてやる。愛と平和を謳うお前が、この世界を壊すんだァ!」

 

エボルトはそう言って怯んでいるビルドにキャッスルボトルを突き挿そうとする。

その腕を何とか止めようとするも、ボトルが挿されてしまうビルド。

ボトルの成分がビルドの身体に回って行く。

ビルドもロストスマッシュにされようとした次の瞬間...

 

 

ノヴァ「お前の好きにはさせてたまるかァ!!!

 

 

上空から太刀を振り下ろすノヴァ。

太刀がエボルトの腕を両断する。

突然のことに動揺するエボルトを蹴って距離を作るノヴァ。

 

そしてノヴァはビルドに触れる。

するとビルドの身体が淡く光り、ロストボトルの成分が消えていった。

 

ビルド「助かった彼方。」

 

ノヴァ「俺はエボルトに対してムカついてたんだ。これはついでだ。」

 

ビルド「フッ...父さんが悪魔のボトルを作ったのはきっと正義が勝つと信じていたからだ!人の想いを弄ぶお前には屈しない!お前が何を壊そうと、俺がこの手でビルドする!父さんが生み出したこの力で!」

 

ノヴァ「涼香を返してもらおうか...!」

 

そう言うと、二人はレバーを回す。

そして二人で同時にジャンプする。

 

ジーニアスフィニッシュ!

 

ギャラクティックフィニッシュ!

 

虹色のグラフで拘束されたエボルトに向かって行く二人。

ダブルキックを受け止めようとするも、弾かれてしまうエボルト。

 

エボルト「完璧に防いだはずだ。なのに!なんだァ、この感情はァァァ!!!」

 

そう言うと立ち上がったエボルトはビルド達に向かって行く。

さっきとは違い容赦のないラッシュに防戦一方のビルド達。

 

エボルト「何故俺が貴様らの様な下等な生命体にィ!!!」

 

怒りによってハザードレベルが上昇したエボルト。

それによってビルド達が圧倒されるのだった。

 

エボルト「...いいだろう。お前らを最後まで生かしてやる。お前らの希望を根こそぎ奪って、究極の絶望を味合わせてやる!この()()がァ!」

 

エボルトはそう言い、ビルドが落としたロストボトルを拾って去って行った。

残されたビルド達は疲れからか地面に寝てしまった。

 

...

 

..

 

 

 

拠点に戻ったエボルト。

近くに居た作業員にロストボトルを渡す。

それを受け取った作業員はロストボトルを黒いパネルに装填していく。

 

作業員「随分感情的になっていたようだな。」

 

エボルト「ただの遊びだ。それより、計画を早めるぞ。()()()()()()()?」

 

エボルトがそう言うと葛城先生と呼ばれた作業員はフードを脱ぎ、ガスマスクを取る。

作業員の正体は戦兎が探している葛城忍だったのだ。

 

その様子を見ていた一基の英霊がエボルトに近づく。

 

???「俺の出番か?」

 

エボルト「...そうだな。お前は彼方にぶつける。アイツに絶望を味合わせてやれ...オベロン・ヴォーティガーン。」

 

そう言われて笑みを浮かべるオベロンだった。

エボルトが召喚したのは、かつて異聞帯のブリテン島に終末を齎そうとした終末兵器、オベロンだったのだ。

 

オベロン「我望彼方...どうやらあの島の妖精達を従えてるようだけど...彼女達が暴走したらどうするのかなァ?フフフ...」

 

そう言って邪悪に満ちた笑みを浮かべるオベロンだった...

 

 

 

 

to be continued...




はい、愉悦麻婆神父と嘘つきプリテンダーがやって来ましたね〜。
さんざん違うって言ってましたけど、まあフリですよね〜。
後はオベロンが嘘つきって言うことで嘘を言ってたってのもあります。

さて麻婆神父の身体を手に入れたわけですがそう簡単に行くわけないですよね〜。
まあそう言うことよ...
劇場版編まで楽しみにしててくだしい。


話は変わって、次回作も仮面ライダーですか〜?って質問が来ました〜。
正直まだわからないが正解ですかね〜。

個人的にはアーク様サイドでアズとイチャラブしちゃいながら或人達をぶっ倒〜すってのもありますし〜...
オーズでメズールとイチャラブする話だったりだとか...
まあ原案はこんな感じであるんですよね〜。

ただこれ以外にも他の作品で二次小説書きたいよね〜ってなってるんですよね。
どうしよ〜...またアンケでも取りますわ。
これが投稿されると同時にアンケ開始するぐらいにしときますんで皆様投票してくだしい。


ていう話でした〜。
次回も見てね。


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疑惑のレガシー

これを書き終えた頃、世間はダイパリメイクが出てまだ数日。
金欠な僕は一人プラチナでレベリングをしてました...


―NO side―

 

『nascita』に戻った戦兎達は前回起こった出来事を話す。

暑くなってきた季節だからか、皆夏仕様になっている。

 

全員エボルトに感情が芽生えたことに驚いていた。

ただでさえ読めないエボルトが感情を手に入れたことにより、更に行動が読めなくなってしまった。

おまけにロストボトルも奪われて、戦兎達の状況は悪くなる一方。

 

紗羽「何か新しい情報は聞き出せなかったの?」

 

戦兎「...志水さんは助手だったらしい。」

 

そこで戦兎は志水の言葉を思い出す。

 

志水『先生は、黒いパンドラパネルを作る為にロストボトルを...』

 

幻徳「黒いパンドラパネル...聞いたことないな。」

 

美空「ちょっと待って!その黒いパネルに必要なロストボトルをエボルトが集めてるってことは...」

 

一海「戦兎の親父さんはエボルトと一緒に居るかもしれねえ...」

 

その言葉に黙り込む戦兎達。

だが彼方が不穏なことを言う。

 

彼方「アイツは俺と戦兎を最後まで生かして絶望を味合わせてやると言った。『()()』がとな...」

 

戦兎「っ!それってまさか...」

 

彼方「...アイツの他にも同じ地球外生命体が二人居るはずだ。多分ソイツらのことだろう。だがエボルトはソイツらのことを邪険にしていたはずだが...」

 

龍我「まさかまだ他にも居るのかよ!?」

 

一海「...厄介な相手じゃなきゃいいが。」

 

そんなことを話してる中、エボルトが拠点としている研究所では...

 

黒に灰色のベストに着替え、その上から白衣を着た葛城忍の姿があった。

葛城忍は黒パネルに装填されているロストボトルを撫でるエボルトを見る。

 

エボルト「あと四本のロストボトルが集まれば、新世界が開かれる...」

 

葛城忍「...何故志水を殺した。」

 

エボルト「余計なことを喋ると思ったからだよ。志水は、ロストスマッシュになれる貴重な人材だったから生かしてただけだ。ボトルが生成出来れば用は無い。」

 

葛城忍「これでロストスマッシュになれる被験者は使い切った。」

 

エボルト「だったら仮面ライダーで実験すればいい。」

 

葛城忍「確かに、ロストスマッシュに必要なしきい値は獲得出来るだろう。だがビルドのジーニアスフォームがロストボトルに適応しない可能性を考えると、確実とは言えない。」

 

エボルト「それを何とかするのが先生の仕事じゃない?」

 

エボルトはそう言って葛城忍の肩を揉む。

そこに内海がやって来る。

するとエボルトは内海にロストスマッシュの生産を急ぐように告げる。

更にその為にこの国を統一すると宣言した。

 

その様子を遠目に見て笑うオベロンの姿があった。

 

オベロン「中々面白いじゃないか?俺も俺で楽しませてもらおうかね~...」

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

地下室に集まった戦兎達。

戦兎は葛城忍の研究データを漁ってみるも、現状が分かるような物は存在せず。

そこに一海が父親の身の潔白が証明できないと告げる。

それに反発する戦兎。

 

一海「親父さんとエボルトは裏で繋がってんじゃねえのか、あ?」

 

戦兎「何だと!」

 

一海「最悪な場合、親父さんが黒幕って可能性だってあるわけだ。」

 

戦兎「そんなわけねえだろ!」

 

一海「じゃあどうして親父さんはお前に会おうとしねえんだ!!!」

 

龍我「辞めろよ!」

 

一触即発の空気になってしまう。

それを龍我が制止し、まずは生きているかどうかを探るべきだと言う。

エボルトが擬態している可能性もあるからだ。

 

とそこに龍我のブレスから音が鳴る。

どうやら政府官邸に西都の軍勢が攻めて来たようだ。

二つの場所に軍勢が来ていることから、戦兎達はそれぞれ別れて行動することにした。

一方彼方はやらなければならないことがあると言って四人とは別行動を取る。

 

政府官邸ではエボルトとクローンスマッシュが東都のガーディアンを粉砕していた。

そこに戦兎と幻徳がやって来る。

 

戦兎「エボルト!」

 

エボルト「今日はお前らが相手か...」

 

戦兎「父さんは生きているのか!」

 

エボルト「何の話だ?」

 

戦兎「惚けるな!父さんの居場所を知ってるんだろう!どこだ!どこに居る!!!」

 

父親の存在を探ろうと感情が昂っている戦兎に幻徳が東都を守ることに専念するように注意する。

そして二人は変身する。

 

政府官邸ではビルドとローグがエボルト達と。

エリアAではクローズとグリスがマッドローグ達と交戦する。

 

感情的になっているビルドを煽って行くエボルト。

それによって力が上がるも動きが単調になってしまう。

 

それを見切ったエボルトはライフルモードのスチームガンにラビットエボルボトルを装填する。

そして、ビルド達の周りを高速移動しながら射撃していく。

ビルドはダイヤモンドを形成して何とか耐えるも、ローグは変身解除に追い込まれてしまう。

 

エボルト「It's show time!!!」

 

エボルトはそう言ってレバーを回す。

自身の前に小型のブラックホールを形成し、それを政府官邸の上空に飛ばす。

するとブラックホールは大きく展開され、政府官邸を呑み込んでいく。

 

ビルド達はブラックホールだと知り驚く。

マッドローグ達と交戦しているクローズ達もそれを見て驚く。

するとクローズの中でエボルトの記憶が蘇る。

エボルトが火星をブラックホールで吸収する場面を見て、クローズの体内にあるエボルトの遺伝子が活性化する。

 

クローズ「また現れやがった...なんだよこれ...感情が抑えられねえ!うああああああああ!!!」

 

突然マッドローグに突っ込んでいくクローズ。

マッドローグが斬りかかるもびくともせず、圧倒していく。

エボルトの遺伝子が活性化したことにより急激にハザードレベルが上昇しているのだ。

 

するとクローズはエボルトの様に高速移動しながら、黒いオーラを出してマッドローグを殴りつける。

それに動揺するマッドローグ。

クローズは破壊衝動に襲われているのだ。

 

ぶっ壊してやると言ってマッドローグにアッパーを当てるクローズ。

マッドローグが落としたドラゴンボトルを拾い上げると変化が起こる。

ドラゴンボトルが銀色に変化したのだ。

 

マグマナックルに装填し、ボタンを押し込む。

銀色のオーラを纏ったナックルでマッドローグを圧倒した。

 

一方ビルド達はというと、ただ政府官邸が呑まれていく様を見るしか出来なかった。

幻徳は、父親が築いてきた物が崩れていく様を見て絶望する。

 

政府官邸を跡形もなく吞み込んだエボルトはその場から去った。

そこには膝を着く幻徳と何も出来なかった苦しみを噛みしめるビルドだけだった。

 

一方クローズ達の方は、マッドローグが離脱したことにより戦いが終わった。

だがまだ破壊衝動が抑えれないクローズは、既に倒れているガーディアンを殴りつける。

それをグリスが止めようとする。

 

すると突然、クローズ達の方に煙幕が襲い掛かる。

何も見えない状況の中、突然クローズが襲われる。

どうなっているのか分からないグリスは無事なのか聞くが叫び声しか聞こえない。

 

煙が晴れると変身解除した龍我が倒れこむ姿があった。

グリスが何が起こったのか聞くと誰かが襲ってきたと答える龍我。

 

何が起こったのか分からないグリス達を遠目に見るビルドの姿があった。

 

ビルド「光り輝くボトル...ハザードレベル7か。」

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

政府官邸での戦いから数刻が経ち、日本全土である放送が行われていた。

 

御堂『多くの犠牲者を生んだ戦争が終わりました。我が国は、ようやく一つになったのです!』

 

御堂に擬態したエボルトが全国に向けて演説を行っているのだ。

エボルトは今後自営目的以外の兵器を撤退することを宣言し、この国を牽引していくと宣言した。

それによって国民は喜ぶが...

 

龍我「この御堂はエボルトなんだろ?ふざけやがって...」

 

紗羽「皆はこの国が一つになって良かったって喜んでるけど...」

 

一海「いいことなんてなんもねえ。俺達はエボルトの家畜になったも同然だ。このままじゃいいように利用されて食われるのがオチだ...」

 

戦兎達はエボルトの野望がどうなっていくのか不安でしかなかった。

そんな不安を胸に戦兎は一人屋上で景色を眺めていた。

 

葛城『この国のこと。父さんのこと。悩みは尽きないね。』

 

葛城の声が聞こえると、戦兎は自身の潜在意識の中へと入って行った。

そこは戦兎と葛城の記憶を扱う世界だった。

 

葛城「ここで記憶を操作してる。」

 

戦兎「何だと...悪魔の科学者だった頃の記憶が曖昧なのはお前の仕業か。」

 

葛城「そんなことより、これからどうするつもりだ?」

 

戦兎「決まってるだろ。父さんを探し出して、一緒にエボルトの野望を阻止する。」

 

葛城「まだ父さんを信じてるのか...」

 

戦兎「当たり前だ。父さんはエボルトを倒す為にライダーシステムを設計した。お前だってそれが正義だと思って完成させてんだろ。」

 

葛城「正義...そうあることを願いたいね...」

 

葛城がそう言うと戦兎の意識が現実に戻った。

とそこに幻徳がやってきてベンチに座る。

 

幻徳「親父が言ってた...この国を作るのは、政治家でも権力者でもないって。市井の人々だって。その親父が誇らしかった。なのに、親孝行どころか何一つあの人の想いに応えられなかった。」

 

その言葉を聞いて戦兎も思うところはあった。

自分も父親の想いに応えられているのか。

そもそも父の想いとは一体何なのか。

そんなことを思っていた戦兎だった。

 

幻徳「最後にこの国を託してくれたのに、俺は何も出来なかった...」

 

戦兎「...俺も同じです。エボルトを倒す為に父さんからライダーシステムを託されたのに...未だ叶わずにいる...」

 

二人の間に静かな空気が生まれていた。

 

...

 

..

 

 

 

二人が店に戻ると、龍我達がテレビの前に集まっていた。

その様子に嫌な予感がした戦兎。

戦兎に気付いた美空がテレビを見るように言う。

そうしてテレビを見た戦兎と幻徳の目に映ったものは...

 

 

仮面ライダーが反政府軍を結成

 

 

この様なテロップと共に街中で破壊活動を行うマッドローグの姿が映されていた。

どうやらエボルト達は戦兎達に濡れ衣を着せ、誘き出そうとしているようだ。

それに気づいた戦兎だが、それでも向かわない訳にはならず戦兎達がそれぞれマッドローグ達の下に向かった。

 

戦兎と幻徳はマッドローグの元に向かった。

 

幻徳「おい辞めろ!」

 

戦兎「一体何の真似だ!」

 

マッドローグ「我々の目的は仮面ライダーの捕獲!お前達をロストスマッシュにしてやるゥ!」

 

そんなことはさせてたまるかと、戦兎達は変身し交戦する。

ビルドがスマッシュを、ローグがマッドローグを相手する。

 

マッドローグ「結局お前は父親の意思を継げなかった!」

 

マッドローグのその言葉に動揺するローグ。

それによってマッドローグの攻撃を捌けなくなっていく。

 

マッドローグ「氷室首相は憐れだよなぁ?こんな無能な息子を庇って命を落とすなんて!無駄死にもいいところだァ!」

 

その言葉がローグの中で響いていく。

そしてローグの頭の中で氷室泰山がエボルトの手によって命を奪われた場面が思い返す。

動揺したローグは動きを止めてしまう。

 

そんなローグを足蹴りし、レバーを回すマッドローグ。

右足にエネルギーを溜め、思い切りローグを蹴る。

諸に受けたローグは吹っ飛ばされてしまう。

 

ビルド「幻さん!」

 

それを見たビルドがスマッシュを押しのけ、マッドローグと交戦する。

だがスマッシュも乱入してき、混戦状態になる。

 

そんな中、マッドローグはビルド達から距離を置き、ライフルモードに変えたスチームガンを構える。

そしてレバーを回し、エネルギーを込めてビルドに向かって撃つ。

スマッシュが死角となって気づけなかったビルドは、弾に当たりローグと同じ位置まで跳ね除けられてしまう。

 

マッドローグ「フフフフ!国を敵に回してでも戦う意義なんてどこにある!仮面ライダーは必要ないんだよ!」

 

その言葉を聞いた時、ビルドの頭の中で葛城巧の記憶が過った。

父親の葛城忍に自身が作ったロボットを褒められた記憶。

それを思い出したビルドは立ち上がる。

 

ビルド「俺達の求める明日がエボルトに奪われるなら、戦う意義も価値もある!俺達を信じて託してくれた人達の為にも!ここで終わるわけにはいかないんだよ!」

 

ビルドのその言葉を聞いたローグの中で氷室泰山の最後の言葉が思い出される。

 

泰山『頼んだぞ、バカ息子...』

 

父親から託された想いを胸にローグは立ち上がる。

全身全霊で己の使命を全うすることを改めて誓うのだった。

 

その様子を見て呆れるマッドローグ。

だがそんなことを気にせず、ローグは雄たけびを上げる。

 

ローグ「仮面ライダーは、不滅だ!うおおおおお!!!」

 

ビルド「幻さん...!」

 

マッドローグ「お前達の動きは、全てインプット済みだァ!」

 

マッドローグはレバーを回しながらそう言う。

今まで戦ってきたビルド達のデータをドライバーにインプットし、その対策を瞬時に判断する。

そしてマッドローグは二本の斬撃を放つ。

 

だがそれに、ビルド達はそれぞれの武器にボトルを装填する。

そしてビルドは虹色の斬撃を出し、それを後押しするようにエネルギー弾を放つローグ。

マッドローグの攻撃は押し返され、大ダメージを受ける。

 

マッドローグ「何!?」

 

ビルド「お前に俺達は倒せない!」

 

ビルドはそう言ってマッドローグ達と交戦する。

それぞれスイッチしながらマッドローグとスマッシュに攻撃を与えていく。

徐々に追いつめられていくマッドローグは、何故データの数値が追いつかないのか動揺する。

 

ビルド「ライダーシステムは、データなんかじゃ測れない!誰かの為に力になりたいという想いが、俺達を強くするんだ!」

 

そう言ってビルド達は更に攻撃をする。

一方クローズ達も想いを燃やしてスマッシュ達を倒していた。

 

ビルド「はああああああ!」

 

ローグ「.......!」

 

ビルドとローグはそれぞれ武器にボトルを装填してエネルギーを溜める。

そしてそれを一気に発射する。

マッドローグはスマッシュを倒して何とか防ぐもかなり動揺している。

 

ビルド「俺達がエボルトからこの国を取り戻す!」

 

ビルドがそう言うと二人は一緒にレバーを動かす。

そしてダブルライダーキックをマッドローグに浴びせた。

それを受けたマッドローグは変身解除に追い込まれた。

 

内海「ふざけるなァ...!俺は、認めんぞおおお!!!」

 

内海は捨て台詞の様なことを放つ。

それを聞いた変身を解除した二人。

 

すると突然戦兎達に向かって何者かが銃撃する。

それにいち早く気づいた幻徳は戦兎を押し倒すことで何とか避けることが出来た。

戦兎達が銃撃が来た方向を見る。

するとそこに居たのは...

 

 

もう一人のビルドだった...

 

 

ビルド「それでいい。ライダーシステムはそんな綺麗事の為に作られたものじゃない。」

 

幻徳「ビルドがもう一人!?どういうことだよ!?」

 

戦兎「誰だ...!?」

 

するともう一人のビルドが戦兎達の前に降りてくる。

そして変身を解除する。

 

 

ビルドに変身していたのは...葛城忍だった

 

 

その姿を見て驚く幻徳と動揺する戦兎だった。

 

戦兎「父さん...?」

 

 

 

 

to be continued...




あの~前書きに書いた通りこれを書き終えた時ってダイパリメイクが出てまだ片手指ぐらいしか経ってなかったんですね。
それでその時に丁度ダイパ実況でライバーさんなるものにハマってしまって...
おかげでストックが全然ないっていう事態に陥ってしまいました。

まあ数日離れたら大体話の内容が忘れちゃうかもって思うかもですが、そんなことはなかったです。
むしろ他のアイデアがどんどん浮かんできたりだとか。

気付いてる方がほとんどだと思うのですが、自分の小説って大体その場で思いついたのをパっと書いて無理やりか丁度良く〆るといった感じなんですよね。
だから寝る前とかに思い浮かんだアイデアをどこで入れよかな~みたいな感じのことを考えながらやってるんですけど...

たま~に伏線回収できなかったりがあるんですよね。
丁度前回か前々回ぐらいの伏線もすぐ忘れちゃう鳥頭なもんでして...
まあ直ぐに回収しますけども。

そんな感じで話のネタは尽きないですが書く時間を作れてないという状態なんですよね。
いや~久しぶりにプラチナやると楽しくて楽しくて。
レベリングの作業が何気に楽しいんですよね~。

って話をしてたらまた投稿のブランクが開いちゃうだろって話なんで自重しま~す。

次回も見てね。


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もう一人のビルド

―NO side―

 

エボルトが東都政府官邸をブラックホールで呑み込み、御堂に扮して三都を纏め上げることを宣言した。

更にエボルトの策略によって仮面ライダーが反政府軍として反乱分子と扱われるようになる。

 

そんな中、クローズの中のエボルトの遺伝子が活性化したことにより急激にハザードレベルが上昇。

それによってドラゴンボトルが銀色に染まった。

 

一方ビルドとローグは想いを燃やしてマッドローグを圧倒した。

だがそこにもう一人のビルドが現れた。

そのビルドの正体が行方をくらましていた戦兎の父、葛城忍だった...

 

 

戦兎「父さん...?本当に父さんなのか!?」

 

忍「顔は変わってもその癖は変わらないな。昔から興奮したり動揺した時は、必ずそうやって髪をかき乱す。」

 

戦兎「父さん...」

 

葛城巧の頃から変わらない戦兎の癖を言い当てる忍。

それを聞いて本当に目の前に居るのが自分の父親だと確信する戦兎。

 

とそこにエボルトが拍手をしながらやって来る。

 

エボルト「葛城親子、感動の再会だな~。」

 

戦兎「エボルト...?どういうことだ?ライダーシステムはエボルトを倒す為に考えたんじゃなかったのか!?」

 

だが忍は何も答えない。

それに叫ぶ戦兎。

 

エボルト「お前や万丈が仮面ライダーになったのは、全部葛城先生のシナリオだ。」

 

エボルトの言葉に動揺する戦兎。

まさか自分と万丈が父親に利用されていたと考えると今までの自分は何者なのかと考えてしまう。

そこに龍我達が現れる。

 

龍我「ふざけるなよ!アンタは戦兎を騙してたのか...!」

 

忍「全ては私の計画通りだ。後はロストボトルさえ揃えば、目的は達成する。」

 

エボルト「果報は寝て待つとしよう。」

 

そう言うとエボルトは内海を連れて転移した。

そして忍はニンジャボトルとコミックボトルを装填し、レバーを回す。

それを見て戦兎以外の三人がドライバーを構える。

 

忍「...変身。」

 

...

 

..

 

 

 

変身した四人は交戦していた。

本来ならビルドのスペックを上回っているクローズ達が有利のはずだが、開発者故に最大限活かせている忍ビルドの前では攻撃が通らなかった。

それを見て戦兎はなんでと零すばかり。

 

何体にも分身した忍ビルドによって更に苦戦する。

すると忍ビルド達が一斉にグリスを攻撃する。

それによって消滅の危機に陥り、何とか変身を解除して防ぐ一海。

 

一海「なんだよこれ...あぶねえ...初期型のビルドなのになんでだ!?」

 

ビルド(忍)「元々ビルドドライバーは私が使う為に設計された物。私がベストオブベストのビルドだ。」

 

忍ビルドはそう言うと海賊レッシャーに変身する。

そしてカイゾクハッシャーでクローズ達を攻撃する。

それによってローグが変身解除に追い込まれる。

 

クローズ「だったら、俺が相手だァ!!!」

 

そう言ってクローズがビルドに向かう。

だが今度はホークガトリングに変身した忍ビルドによって翻弄される。

 

するとまたクローズの頭の中でエボルトの記憶が蘇る。

エボルトが火星の文明をブラックホールで吸収しているところだ。

 

エボルト『まだだ。もっともっと壊してやるゥ!!!』

 

クローズ「うおおおおおおおお!!!!!」

 

クローズの中のエボルトの遺伝子がまた活性化する。

それによって破壊衝動に駆られるクローズ。

 

空中を飛んで銃撃する忍ビルドの攻撃を難なく耐え、地面に落とす。

そして馬乗りになって何度も殴る。

自身でも制御できない力に困惑する。

 

ビルド(忍)「エボルトの所為だ!」

 

クローズ「何!?」

 

ビルド(忍)「エボルトはブラックホールを作る為に自身の力を最大限まで使った。その影響で君の遺伝子が活性化したんだ。恐らく今の君はスクラッシュドライバーを装着した時とは比にならない程戦いに飢えてるはずだ!」

 

クローズ「...ふざけんな!俺は違う!俺は!俺はァァァ!!!」

 

クローズは忍ビルドの言うことを否定しようと何度も殴りつける。

だが完全に暴走状態に陥っている。

戦兎が制止を請うがそれを跳ね除け、忍ビルドを倒そうとする。

 

マグマナックルにボトルを装填し、エネルギーを最大限までチャージするクローズ。

そしてその拳を忍ビルドに降り注ごうとする。

 

だがその直前にジーニアスに変身した戦兎の手によって何とか阻止される。

それによって変身が解除され意識を失う龍我。

 

ビルド(忍)「今日はデータの採取だけで充分だ。また会おう!」

 

忍ビルドはそう言うと羽を展開して飛び去って行った。

その後ろ姿を眺めるビルドだった。

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

『nascita』に戻って来た戦兎達。

依然意識を失ったままの龍我をベッドに寝かせ、美空がベルナージュの力を使おうとするも反応せず。

彼方に力を回復してもらったはずのベルナージュが反応しない。

 

一海「おい...お前何考えてんだよ...!なんで親父を庇った!相手は敵なんだぞ!」

 

一海はそう言って戦兎に掴みかかり壁に押し付ける。

父親を敵だと認めたくない戦兎に現実を教える一海。

だがそれを受け入れようとしない戦兎。

 

一海「今のお前にはな、背中を預けらんねえ...」

 

一海はそう言って地下室から出ていく。

幻徳も戦兎とは一緒に戦えないと言って出て行こうとする。

 

紗羽「ねえちょっと!」

 

紗羽が呼び止めると幻徳は革ジャンのジッパーを外す。

そして...

 

 

さらば!

 

 

と書かれたTシャツを見せて出ていったのだった...

それにツッコむ紗羽。

 

一方戦兎はというとかなり動揺しているのか爪を噛んだり髪をかき乱したりしている。

その様子を心配そうにして見つめる美空だった。

 

...

 

..

 

 

 

一方エボルトが拠点にしている研究所では...

エボルトと葛城忍が話していた。

 

忍「君と同じ能力を持つ万丈がこれ以上暴走を続ければ、厄介な存在になる。」

 

エボルト「先生のことだから、何かアイデアがあるんでしょ~?」

 

忍「...」

 

それを裏で聞いていたオベロンは着々と自身の準備を進めていた。

 

オベロン「さてと...そろそろ誘き出すとしようか...」

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

虚数世界に居る彼方。

涼香がエボルトに攫われてからずっと鍛錬している。

恐らくエボルトが自分を誘き出す為じゃなく、何かに利用する為に攫ったのだと推測したのだ。

 

そんな中、彼方にフォリアが近寄る。

 

フォリア「彼方。遂にアレの準備が出来ましたよ。」

 

彼方「ふぅ...そうか。じゃあ早速取り掛かるとするか。」

 

フォリア「はい。」

 

そう言うと彼方達はティアマト達ビースト組と合流する。

ビースト組の真ん中にはあるアイテムが置かれていた。

ハザードトリガーの様な形をした物だった。

 

彼方「これに俺達の力を入れる...そうすればエボルトを打倒出来るアイテムが完成するはずだ。」

 

フォリア「それぞれブラッド族とビーストの力。性質は似ているかもしれませんからね。」

 

キアラ「マスターの為に張り切りますわ。」

 

カーマ「ちゃんとご褒美が欲しいですね~。」

 

ティアマト「今日一緒に寝ること。これ絶対。」

 

相変わらずビースト組はやる気があるのかないのか分からない態度である。

そんな中、彼方がトリガーにエネルギーを込める。

それを見てフォリア達も一斉にエネルギーを送る。

 

ブラッド族の力とビーストの魔力。

二つの力が混ざり合って新たな力が生まれようとしていたのだった...

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

彼方達が新たなアイテムを生み出そうとしていた頃、美空は戦兎を元気づけようとした。

だがそれは失敗に終わった。

 

今まではライダーシステムが正義の為の物だということが芯となって立ち上がれてこれた。

だが今回は開発者である葛城忍が自分達を利用していた。

エボルトの傍で暗躍していたとなるとこのライダーシステムは一体何の為に作られたのか。

その根底が揺らいでしまったのだ。

 

だから戦兎は立ち直れないでいた。

その姿を見て美空は自分の無力さに嘆いていた。

 

そんな中、美空は一人ある者と会う。

 

エボルト「よぉ~久しぶり...でもないか。」

 

美空はエボルトから連絡を受けていたのだ。

戦兎を救ってあげられるという言葉を。

 

美空「ほんとにあたしが戦兎のこと救ってあげられるの?」

 

エボルト「あぁ。俺の言う通りにすれば、な?」

 

エボルトはそう言って美空に衝撃波を撃つ。

それによって美空は気絶してしまう。

そのまま美空は研究所へと連れ去られてしまう。

 

研究所へ連れ去ったエボルトは美空をネビュラガス投与装置の中に入れる。

そしてネビュラガスを注入する。

 

エボルト「美空がロストスマッシュの実験に耐えられるのかぁ?」

 

忍「ベルナージュの力に高濃度ネビュラガスを適応させれば、弱まっていた力を最大限まで引き上げることが出来る。」

 

エボルト「けど、既に魂が消滅してる可能性があるぞ?」

 

美空の腕に着いているバングルの中にベルナージュの魂があるのか。

それを知らないエボルトはこの実験が失敗するのではないかと考えてしまう。

だが忍は無慈悲な決断を下す。

 

忍「その時は、石動美空の命が消えるだけだ。」

 

エボルト「相変わらずクールだねぇ~。」

 

忍「...全ては新世界を作る為だ。」

 

忍の言う新世界とは何か...

謎は深まるばかりだった。

 

...

 

..

 

 

 

紗羽から美空が行方不明だということを聞いた戦兎は街中を駆け回る。

だがどこを探しても見つからない。

 

そんな時、美空から着信が入る。

ただ助けてと言われた戦兎は美空が居るであろう倉庫へ向かった。

 

倉庫に着いた戦兎を待ち受けていたのは様子がおかしい美空だった。

 

戦兎「美空!」

 

美空「戦兎...」

 

すると突然美空の雰囲気が変わる。

ベルナージュへと変わったのだ。

 

ベルナージュ「私の、私の星を返せ!返せ!」

 

戦兎「ベルナージュ...」

 

ベルナージュはそう言うとCDロストボトルを取り出し、自身に挿す。

するとそこにやって来た二体のクローンスマッシュを取り込み、CDロストスマッシュへと変化した。

完全に自我を失っているスマッシュを見て、戦兎はタンクタンクへと変身して攻撃を受け止める。

 

だがそこでスマッシュは腕から大量のディスクを出し、ビルドに攻撃する。

それによって後退したビルドにもう一度大量のディスクをぶつけようとする。

だがそこにノヴァが現れ、ディスクを両断したのだった。

 

ビルド「彼方!」

 

ノヴァ「アレを完成させようって時に何してくれてんだ...あのクソ野郎...!」

 

ノヴァは自身の恋人である美空が利用されていることに苛立っている。

ビルドもジーニアスでスマッシュを倒そうと考える。

とそこに忍が現れる。

 

忍「ロストスマッシュを倒せば、石動美空は死ぬぞ。」

 

ビルド、ノヴァ「「っ!」」

 

忍「ベルナージュの力が邪魔して、ジーニアスフォームでも助けることはできない。」

 

ビルド「なんだと!?」

 

忍はそう言うとラビットタンクに変身する。

そしてスマッシュと一緒にビルド達に攻撃してくる。

 

ノヴァがスマッシュを抑えるも、ビルドは忍ビルドに苦戦する。

父親に対しての想いがあるからか、攻撃に力が入っていない。

 

ビルド「どうしてこんなことを!」

 

ビルド(忍)「ロストボトルを生成して黒いパンドラパネルを完成させる。そうすれば、物理法則を超えた新世界の扉が開く!」

 

そう言った忍ビルドはビルドはパンチして吹っ飛ばす。

更にレバーを回し、ボルテックフィニッシュを打ち込む。

それによって変身解除に追い込まれた戦兎。

 

一方、ノヴァの方はスマッシュをどうするか悩んでいた。

 

ノヴァ「ベルナージュの魂がまだあそこに残っていたか!クソ!完全に俺のミスじゃねえか!」

 

ノヴァはそう言いながらゾディアックボトルを抜き、以前鍋島の家族を救出する時に使ったボトルを取り出す。

 

フェイルノート!ライダーシステム!トレース・オン!

 

変身する時とは違う音声が鳴り響く。

ノヴァがレバーを回し、太刀を地面に突き刺す。

 

ギャラクティックアタック!

 

するとノヴァの身体が赤いオーラに包まれる。

そしてノヴァが手を振りかざす。

するとスマッシュに何筋もの光線が突き刺さる。

 

スマッシュ「ぐぅ!?」

 

ビルド(忍)「ほう...光の矢か。だがそれでは彼女を傷つけるだけだぞ。」

 

ノヴァ「そう考えるだろうな...普通はな。」

 

スマッシュが立ち上がり大量のディスクを出してノヴァを攻撃しようとする。

だがその瞬間、スマッシュの動きが止まる。

まるで何かに操られているかの様にピクリとも動かない。

それに困惑するビルドだった。

 

ビルド「どうなってるんだ...?」

 

ビルド(忍)「余所見をしている余裕があるようだな!」

 

困惑しているビルドに、忍ビルドはボルテックフィニッシュをぶつける。

それによって変身が解除される戦兎。

 

戦兎「...なんだよ...訳わかんねえよ...新世界って...それが、俺や母さんを騙してまで手に入れたかった物なのか...」

 

ビルド(忍)「そうだ。お前はその為に作られたヒーローに過ぎない。今のお前じゃ、エボルトには勝てない!」

 

その言葉を聞いて崩れ落ちる戦兎。

今まで自分を支えていた物が全て否定されたのだから。

 

 

何泣いてんだよ。みっともねえな。

 

 

ふと聞こえたその声に顔を向ける。

そこには倒れていたはずの龍我が来ていた。

 

龍我「作られたヒーロー...上等じゃねえか。お前に言ったよな?俺達が信じた想いは幻なんかじゃない。自分の信じる正義の為に戦うって。」

 

そう言って戦兎の前に立つ龍我。

 

龍我「今のお前の正義は美空を助けることじゃねえのか...なあ?」

 

そう言って戦兎に手を差し出す龍我。

その時、戦兎の中で美空の言葉が蘇る。

 

美空『それでも桐生戦兎はどんな困難にも打ち勝ってきたじゃん。愛と平和を胸に生きてける世界を作る為に戦ってきたじゃん。』

 

戦兎はノヴァに拘束されているスマッシュを見る。

今も苦しんでいるスマッシュを見て、戦兎の意思に火が点いた。

そして龍我の手を取り、立ち上がる。

 

二人はドライバーを装着し、それぞれボトルを取り出す。

 

戦兎「言っとくけど、泣いてねえからな。」

 

龍我「そういうことにしといてやるよ。」

 

二人はそう会話して変身する。

そして二人で忍ビルドに向かって行く。

 

二人の息が合った攻撃でビルドを追いつめていくが、またしてもクローズが暴走してしまう。

それを見てビルドが何とかクローズの暴走と美空を救う方法が無いか考える。

そこにノヴァがヒントを与える。

 

ノヴァ「エボルトの遺伝子を中和すればいいんだ!そうすれば暴走は収まる!それにベルナージュの魂の残りカスも消える!」

 

ビルド「っ!そういうことか!彼方!美空をこっちに!」

 

ノヴァ「任せたぞ!」

 

ノヴァのヒントによって解決策を思いついたビルド。

ノヴァにスマッシュを渡されたビルドはレバーを回し、キックをスマッシュに放つ。

 

スマッシュ「うぅ!?うああああああ!!!!!」

 

ビルド「クッ、まだだ...もう少しっ!」

 

だがビルドはスマッシュを吹っ飛ばさず、ずっとエネルギーを与え続けている。

するとビルドの意図を汲み取ったノヴァが、クローズと忍ビルドの間に入る。

そしてクローズをビルド達の方に吹っ飛ばす。

それを見てビルドは一気に力を入れてスマッシュをクローズにぶつける。

 

爆発が起こり、その中から元に戻った美空と黒化したロストボトルが現れる。

すかさずノヴァが美空の元に高速移動し、受け止める。

 

ノヴァ「美空ちゃん!」

 

美空「っ、彼方さん...私...!」

 

ビルド(忍)「彼女を助ける為に、ベルナージュはおろか万丈龍我まで犠牲にするとはな。」

 

忍ビルドの言葉を聞いて動揺する美空。

だがノヴァはそれを聞いて笑う。

 

ノヴァ「ハハハハハ!エボルトに頼りにされているとはいえ、アンタがこんなことに気付かないとはな...」

 

ビルド「...まだ勝負は終わってない。」

 

すると爆発で起こった炎からマグマが溢れてくる。

クローズは無事だったのだ。

 

クローズ「アッチいいいい!!!アッチ、アッチ、熱いんですけど!!!おい戦兎アチいんだよ!!!」

 

ビルド(忍)「生きてたのか!?」

 

ビルド「ベルナージュの力を万丈に移したんだよ。」

 

ノヴァ「ベルナージュとエボルトの力は互いに干渉し合う関係にあるからな。それを利用してエボルトの遺伝子を中和させたって訳。まあ、俺のミスもなんか役に立ったみたいだし。」

 

美空「彼方さんのミス...?」

 

ビルド「どういうことだ?」

 

ノヴァの言葉に疑問に思うビルドと美空。

するとノヴァは自身の隣にワープゲートを展開する。

その中から出て来たのは...

 

 

この身体にはだいぶ馴染んだようだ。感謝するぞ、彼方よ。

 

 

と言いながらもう一人の美空が現れた。

だが瞳は緑に光り、着ている服がどことなく高貴に感じる。

 

美空「あたしがもう一人!?」

 

クローズ「どうなってんだよ!?」

 

ビルド「まさか...ベルナージュ本人なのか?」

 

ベルナージュ「その通りだ。本来の身体ではないが、こうして自由に動けるようになった。」

 

ノヴァ「って訳。」

 

そのことに驚く一同。

忍ビルドもこれには想定外で、自身の目論見が成功したのは本当に運が良かったからだと感じた。

 

ビルド(忍)「想定外のことが起こるとは...だが、このまま終わりにはさせない!」

 

忍ビルドはそう言うとレバーを回し、空中回し蹴りをビルドに放とうとする。

それを見てライダー達は一斉にカウンターの準備をする。

 

ビルドがキックを受け止めながらレバーを回してエネルギーを溜める。

クローズもビルドの元に駆け寄りながらレバーを回す。

ノヴァもボトルを戻し、レバーを回す。

 

そして三人同時パンチを放つ。

それによって吹っ飛ばされる忍ビルド。

その際にビルドがラビットボトルを奪還する。

すると手にしていたラビットボトルが金色に変化した。

 

ビルド(忍)「なっ!?あれは!」

 

ビルドが走り出しボトルを持ったままパンチをする。

黄金の輝きが発生して忍ビルドを壁まで吹っ飛ばす。

 

ビルド(忍)「お前も、ハザードレベル7.0に達したか...」

 

ビルド「俺は決めた。科学者として、ビルドとして、葛城忍を超えてみせる!そして、エボルトに勝つ!」

 

ビルド(忍)「その想いがどこまで通じるか、楽しみだ。」

 

ビルドの言葉にそう言うと、忍ビルドはフェニックスボトルを装填しレバーを回す。

すると自身を火の鳥に変え、その場から飛び去って行った...

 

...

 

..

 

 

 

研究所に戻って来た忍はビルド達に受けたダメージに悶える。

その様子をエボルトに揶揄される。

 

エボルト「初めて先生の読みが外れたな~...それとも、計算通りか?」

 

忍「いや、想定外の結果だ。フフ、ビルドにしてやられたよ。」

 

忍の言葉に怪しむエボルト。

だがそこに内海がやってきて、侵入者が現れたと報告を受ける。

モニターに映し出された映像に映っていたのは、一海と幻徳だった。

 

エボルト「まだまだ楽しませてくれそうだ!フッ...」

 

そう言って笑みを浮かべるエボルト。

だがそこにオベロンが念話を繋げてくる。

 

オベロン『彼のことはどうするんだい?』

 

エボルト『そんなの決まってるだろ。隙を突いて捨てるだけだ。』

 

オベロン『それまで泳がせるのか...まあ俺達の狙いは共通だからねぇ~。』

 

エボルト『そういうことだ。それよりもそっちの準備は出来てるのか?』

 

オベロン『もちろんだとも。その為にあの場所に居たんだから...』

 

実はオベロンは先ほどの戦闘を隠れて見ていたのだ。

それは彼方の実力を見る為でもあり、また利用できるモノを探す為でもあった。

そのことに気付く者は誰も居なかった。

 

 

 

 

to be continued...




ヤバいね...久しぶりにポケモンやったらハマったわ。
こりゃなんとかして金集めてリメイク買わないと...


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エボルトの最期

戦兎の父親である葛城忍がエボルトの仲間だった。

そのことにショックを受けた戦兎に一緒に戦えないと去って行く一海と幻徳。

 

そこに美空がエボルトにそそのかされてロストスマッシュの被験者にされてしまう。

ベルナージュを利用することによってジーニアスの力でも美空を救うことができないでいたその時にノヴァからヒントを得るビルド。

そのヒントから無事クローズの暴走を止め、美空を救うことに成功したビルドとノヴァ。

 

一方、ビルド達にやられて帰って来た葛城忍に疑いの目を向けるエボルトとオベロン。

そこに一海と幻徳が研究所に侵入したことが知らされる。

二人を見てエボルトは面白くなりそうだと笑みを浮かべるのだった...

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

―NO side―

 

研究所に侵入した一海と幻徳は通路を走っていた。

 

一海「この先に人体実験場があるはずだ!」

 

幻徳「人類を奴隷化するロストスマッシュがこんなとこで作られてるのかよ!」

 

一海「ああ!そこに行けば...っ!」

 

走っている一海達の前にガーディアン達が現れる。

すると後ろから内海の声が聞こえる。

 

内海「性懲りもなく捕まりに来たか。」

 

そう言ってスチームガンを二人に向ける内海。

それに合わせてガーディアン達も一斉に銃口を向ける。

 

それを見た一海達は観念するように手を上げる。

それをモニター越しに見ていたエボルトと忍。

 

エボルト「この二人がロストスマッシュになってボトルを生成してくれれば、残すロストボトルは後一本...新世界はすぐそこだ。」

 

そう言って笑うエボルト。

だが忍は何も表情を変えない。

まるで何かを考えているようだった。

 

...

 

..

 

 

 

一方その頃、『nascita』の店内と地下室では温度差が激しかった。

 

地下室では戦兎と龍我が今回の件で龍我の中にあるエボルトの遺伝子が完全に中和されたことを確認。

それによって龍我は大幅にパワーアップした。

 

ということでマグマナックルと真逆の力を扱う、ブリザードナックルを開発。

それを龍我に使用させることで更なるパワーアップを図ろうとしていた。

 

一方店内はと言うと...

 

紗羽「美空ちゃんが二人居るーーー!?」

 

美空が二人居ることに驚く紗羽が居た。

まあ二人の内一人はベルナージュなのだが。

 

ベルナージュ「相変わらず騒がしい小娘だな。」

 

紗羽「えっ、その声は...ベル様?ってまた小娘って言われた...」

 

美空「紗羽さんしっかり!」

 

彼方「また紗羽さん拗ねちゃったじゃん。いい加減小娘は辞めたげなよ。」

 

ベルナージュ「私からしたらまだまだ小娘だ。」

 

彼方「じゃあもうデザート作ってやんないから。」

 

ベルナージュ「立派に成長したな、紗羽よ。」

 

紗羽、美空「「身代わり早っ!!!」」

 

すっかり彼方に胃袋を支配されていたベルナージュだった。

 

だが話は直ぐに何故ベルナージュがこのように動けるのかということに。

それを彼方が簡単に説明した。

 

彼方「いやこのままあのバングルの中に魂入れててもすり減って行くだけだろうから一時的に力を与えたんだよ。丁度エボルトからパンドラボックスを取り返した時ぐらいかな?」

 

ベルナージュ「そのおかげで私は何とか生きながらえることが出来た。だがどちらにしろ最終的には消えてしまう。それにエボルトのことだから私が弱った隙を狙って利用してくるかもしれない。」

 

彼方「そう考えた俺がベルナージュの身体を作ったって訳。まあ取り敢えず美空ちゃんをベースにしたわけなんだけどね。」

 

ベルナージュ「美空の身体を借りたこともあったから直ぐい馴染んだのだ。そのおかげで私は美空達と一緒に戦っていけることが出来る。」

 

美空「そうだったんだ...じゃあこのバングルは...」

 

彼方「多分外れるよ。ほら。」

 

そう言って彼方は美空からバングルを外す。

バングルの中からベルナージュの魂が完全に無くなったことで外れたのだ。

 

紗羽「じゃあカズミン達にも知らせないとだね。」

 

美空「あれ?そう言えばグリスと幻徳は?」

 

紗羽「もしかして...」

 

そう言って紗羽はタブレットを操作する。

そこに映し出されたのは一海達の現在地だった。

一海達が今いる場所はなんと北都の研究所だった。

 

それを見た紗羽が慌てて地下室に行く。

彼方は先に行くと言ってワープした。

 

彼方がワープした場所のすぐ近くでは、一海達がマッドローグ率いるガーディアン達に追いつめられていた。

高濃度のネビュラガスを自ら投与されに行き、それでハザードレベルの大幅アップを達成したはいいものの、ガスが身体に馴染んでいないことで追いつめられていたのだ。

絶対絶命のピンチと思ったその時...

 

マッドローグに槍の様な武器が投擲された。

それをスチームブレードで落とそうとするも勢いに押されて吹っ飛ばされる。

 

彼方「お前らはなんでこんな危険なことするのかね~...」

 

一海、幻徳「「彼方!」」

 

彼方「戦兎達も来てるから。早く立て。」

 

彼方はそう言うと両腕にアロンダイトを装着する。

そして身体全体に魔術を掛ける。

すると高速移動でガーディアン達を倒していく。

 

更に奥からクローズとビルドも現れる。

二人共続々現れるガーディアン達を倒していく。

 

ビルド「万丈!彼方!お前達は一海達を連れて先に逃げろ!」

 

クローズ「おう!」

 

彼方「分かった!」

 

マッドローグにエネルギー弾をぶつけながら言うビルドの指示通りにクローズと彼方はそれぞれ一海と幻徳を連れて脱出した。

それを見て一息吐いたビルドの背後から、ニンニンコミックに変身した忍ビルドが闇討ちする。

 

ビルド「父さん!」

 

ビルド(忍)「その程度の力でエボルトと戦うつもりか!」

 

そう言って斬りかかって来る忍ビルド。

やはり技術では上の忍ビルドが優勢である。

だが忍ビルドの言葉は計画が最終段階に入ったという風に聞こえるが、同時に何かを伝えようとしているのではないかという風にも聞こえてくる。

 

そんなことを疑問に思う隙を与えずにビルドを追いつめていく忍ビルド。

すると分身して、その内の一体がハザードトリガーを突く。

すると突然ビルドの動きが止まってしまう。

 

それに動揺するビルドに大きく上段斬りをしようとする忍ビルド。

だがビルドに当たる寸前で止め、隠れ身の術を使ってビルドを研究所の外に追い出す。

その間に倒れ伏しているマッドローグに近づき、ビルドが逃げたと言って別の場所に行かせる。

 

その様子をオベロンが鋭い目で睨んでいた...

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

『nascita』に帰って来た戦兎達。

何故ファウストのアジトに行ったのかと聞く戦兎に、一海は戦兎を指一本で突き飛ばす。

その人間離れした行いに驚く一同。

 

一海「見ての通り、ハザードレベルを上げる為だ。」

 

戦兎「何考えてんだよ...倒されたら死ぬんだぞ!」

 

一海「どのみち、エボルトに勝てなきゃ終わりだろ。それに、お前達の足手まといになる訳にはいかねえからな。」

 

一海の言葉に自分達と一緒に戦ってくれるのかと期待する龍我。

それに答えるかの様に幻徳が革ジャンを遊ばせながら皆の前に出る。

 

幻徳「つくつくつくつくつくつくつく...どーん!!!」

 

と同時に出て来たのは『NO!』とプリントされたシャツだった。

それを見てがっかりする龍我達。

 

その反応を見て自身に気付き、慌てて反対側を出す。

そこには『YES!』とプリントされていた。

それにちゃんと喋れとツッコむ龍我に黙れ筋肉ザルと返す幻徳。

 

それを他所に、父親のことは吹っ切れたのかと聞いてくる一海の手を取って立ち上がる戦兎。

そして肯定する戦兎を不安そうな目で見る龍我だった。

 

美空「これで仲直りだね。」

 

紗羽「良かった。じゃあこれは必要ないね~?」

 

そう言って紗羽が取り出したのは、みーたんの抱き枕だった。

いつの間に作ったのだろうか。

それを見て笑いを堪える彼方。

 

抱き枕を売るか売らないか言い合ってる美空達に大声で待ったをかける一海。

ドルオタとして心火を燃やす時が来たのである。

 

一海「なんですかそれはぁ?」

 

紗羽「みーたんの抱き枕。まだ喧嘩してたら~プレゼントしよっかな~って思ったんだけど...」

 

一海「そい!」

 

戦兎「ヒェッ!?」

 

紗羽の言葉に迷わず戦兎を突き飛ばす一海。

さっきとは違い、コミカルにコケる戦兎。

 

一海「誰がお前に協力するって言った...!」

 

戦兎「っ...えぇ!?」

 

一海「俺は北都一の頑固者。いくらお前が改心しようと、今更一緒には戦えねえ。」

 

若干芝居がかった言葉に呆れる一同。

一名、彼方だけは爆笑している。

それをジト目で一海にバレない様に辞めさせようとするベルナージュ。

火星の王妃にもこのドルオタのめんどくささが理解されているようだ。

 

一海「け・どぉ~?あ、どぉ~しても!って言うなら、コレに免じていいずらよぉ~?とぅ!」

 

もはやキャラがブレブレなドルオタは抱き枕に飛びつき、紗羽の手から奪い取る。

そして抱き枕を眺めて気持ち悪い笑い声を出す。

 

一海「おほほほほ!!!っ!?」

 

自分の笑い声に気付いた一海は慌てて口を押える。

だがそれでも声が駄々洩れで全員から痛いヤツ認定を受ける残念な仮面ライダーである。

 

一海「では早速!心火を燃やして、チュウから行かせていただきや~っす!!!」

 

その言葉を聞いた彼方にドロップキックを叩き込まれ壁に激突する一海。

更に抱き枕を庇う様にして出て来たベルナージュの衝撃波で壁にめり込める一海。

トドメの一発と言わんばかりに、紗羽と美空のダブルパンチを受けて壁を突き抜ける一海。

 

三段階の衝撃を受けてもピンピンされていた一海には流石だと言わんばかりである。

まあ誰も尊敬しなくなったが...

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

パンドラタワーのパンドラボックスを保管している一室では、エボルトが寝そべっていた。

 

エボルト「また捕獲に失敗するなんて、先生らしくもない。」

 

忍「それだけ手強くなってる証拠だ。ロストボトルの生成は後三本。シナリオを変更した方が良いかもしれない。」

 

そう言うとエボルトに近づく忍。

そして起き上がったエボルトにボトルを差し出す忍。

自身の手で新世界の扉を開けるんだと言い放つ忍。

 

エボルト「俺が?」

 

その言葉には何かが含まれていた...

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

それから数日。

戦兎は早朝に一人パンドラタワー近くの廃倉庫に来ていた。

 

エボルト「ロストボトルは持ってきたか?」

 

廃倉庫で戦兎を待っていたエボルトに見せ、お前には渡さないと言う戦兎。

それに対して余裕の態度で居るエボルト。

 

すると戦兎はブリザードナックルを取り出す。

事前のテストで龍我では扱えれない物だった。

 

だがそこに聞こえるはずのない声が聞こえてくる。

 

「俺達に内緒で何楽しんでんだ、コラァ。」

 

振り向くとそこには一海達が居た。

何故ここが分かったのかと言うと事前にナックルに発信機を付けたからである。

 

一海「余計な気遣いやがって。俺達は仲間だろ。」

 

龍我「お前だけにいいカッコさせてたまるかよ。」

 

彼方「俺も居るぞ~。」

 

すると戦兎達の前に彼方が現れる。

その登場の仕方は正に主役そのものだった。

 

戦兎「お前何カッコつけてんだよ。折角俺が何か言うとこだったのに。」

 

彼方「この小説の主役は俺だからいいの。」

 

戦兎「全く...」

 

エボルト「フッハッハッハッ!物好きな奴らだね~?そんなに死にたいか?」

 

一海「勘違いすんじゃねえぞ。俺達はな...生きる為に戦うんだ。」

 

すると幻徳が革ジャンのジッパーを下げ、シャツを見せる。

そこには...

 

 

←右に同じだ!

 

 

と書かれているのだが...

 

一海「左だけどな。」

 

幻徳の右側には誰も居なかったのだ...

何故シャツを扱いきれていないのに着てくるのだろうか...

わざとだと言って取り繕うが、正直天然以外の何物でもない。

 

戦兎「バカばっかだ...フッ、最っ高だな!」

 

戦兎の言葉に笑みを浮かべる龍我達。

そしてそれぞれボトルをドライバーに装填する。

 

戦兎「変身!

 

龍我、一海、幻徳、彼方「「「「変身!」」」」

 

変身すると同時にエボルトが五人に向かって衝撃波を放つ。

だがそれが弾かれ、後ろで爆発が起きる。

 

エボルト「かかって来い!」

 

その言葉を引き金に一斉にエボルトの下へ駆けていくライダー達。

それぞれ連携を取って攻撃するも、やはりエボルトの方が若干有利である。

 

エボルト「ガスの影響で随分強くなったようだな。だが相手が悪い!」

 

そう言ってグリス達を退ける。

だがその後ろからノヴァが一太刀入れる。

 

ノヴァ「それはこっちのセリフのようだな?」

 

そう言ってノヴァはレバーを回して太刀にエネルギーを込める。

そしてそれを一気に斬りつける。

 

それによって後退するエボルト。

だがそこで本気を出してくる。

 

今までとは段違いの速さで攻撃してくるエボルト。

それについていけないビルド達。

あのノヴァでさえ苦戦する。

 

エボルト「お前達が何を想おうが誰の為に戦おうが関係ない!いくら束になってかかってきても、俺には勝てない!」

 

そう言うと、エボルトはレバーを回す。

そして右足に力を込め、殴りかかって来るビルドとクローズとノヴァを回し蹴りで退ける。

 

倉庫の外へ飛ばされたライダー達。

その下へゆっくりと歩いてくるエボルト。

 

エボルト「どうした、もう終わりか?」

 

ローグ「っ...!」

 

グリス「くっ!」

 

クローズ「うっ!」

 

エボルトの攻撃に立てないでいるライダー達。

だがそんな中、ビルドとノヴァが立ち上がる。

 

ビルド「確かに一人一人は無力かもしれない。」

 

ノヴァ「だが皆の力が合わされば不可能は可能に。」

 

ビルド「絶望は希望に。」

 

ビルド、ノヴァ「「敗北は、勝利に変わる!」」

 

二人の言葉と共にライダー達も立ち上がる。

すると五人の周りを虹色の数式が飛び回る。

 

ビルド「勝利の法則は、決まった!」

 

ビルドのその言葉と同時にグリスとローグがエボルトに向かって駆けていく。

そして二人同時にパンチを繰り出すが、それを難なく受け止められてしまう。

 

だがそれがビルド達の狙いだったのだ。

その隙をクローズがブリザードナックルにボトルを装填してエボルトを殴りまくる。

だがそれでもエボルトには効いていない。

 

そこにグリスとローグがそれぞれレバーを倒し拳にエネルギーを込める。

 

クローズ「力が漲る...魂が燃える...俺のマグマが迸る!もう誰にも止められねえ!!!」

 

グレイシャルナックル!

 

クローズはナックルのボタンを押し込む。

するとナックルから吹雪が吹き荒れる。

ナックルが狙うのはエボルトリガーだった。

 

カチカチカチカチカッチン!

 

音声と共にトリガーに拳が届く。

するとトリガーに衝撃を受けたことでエボルトの動きが止まる。

更にブラックホールの力が消え、フェーズ1に戻されてしまう。

 

クローズ「戦兎!彼方!」

 

クローズの掛け声と共に大きくジャンプするビルドとノヴァ。

 

ビルド、ノヴァ「「はあああああ!!!!!」」

 

ジーニアスフィニッシュ!

 

ギャラクティックフィニッシュ!

 

ビルドとノヴァのダブルキックがエボルトに炸裂する。

爆発を起こしながら地面を転がるエボルト。

身体に電気が走り、粒子となっていく。

 

エボルト「やるじゃないか...だが、これで終わったと思うなッ!ぐあああああ!!!」

 

エボルトは断末魔と共に爆発する。

遂にエボルトを撃ち倒すことが出来たのだ。

ビルド達は変身を解除し、爆発の跡を見る。

そこにはエボルドライバーしかなかった。

 

戦兎「勝ったのか...?」

 

龍我「エボルトを倒した...」

 

実感が湧いていない戦兎達。

そこに一海が雄たけびを上げ、続けて龍我も雄たけびを上げる。

それによって安心ムードに入る三人。

 

だが戦兎と彼方は爆発跡に向かう。

するとそこには黒化したロストボトルが三本あった。

 

戦兎「なんでエボルトからロストボトルが...?」

 

彼方「もしかして...っ!マズい!」

 

彼方が何かを察したその時...

 

 

フン!

 

 

二人の前に何かが飛んできた。

それはホークガトリングに変身したビルドだった。

ビルドは三本のロストボトルとタンクの様な物を持っている。

 

そしてビルドは変身を解除する。

 

忍「よくやった。計画通りだ。」

 

忍の登場に警戒する戦兎達。

忍の言う計画通りとは何なのか。

何故エボルトがロストボトルを持っていたのか。

 

謎は増えるばかりであった...

 

 

 

 

to be continued...




次回作のアンケ実施中。
投票してってね。

てかスケダン少なすぎて吹いたwww


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希望のサイエンティスト

遂にエボルトを倒した戦兎達。

だがエボルトが倒れた跡には三本のロストボトルが。

何かを察した彼方と疑問に思う戦兎の前に現れたのは葛城忍だった。

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

―NO side―

 

忍「お前はこのボトルを生成する為に呼ばれたんだ。」

 

そう言って三本のロストボトルを掲げる忍。

それにどういうことだと思う戦兎だが、更に忍は続ける。

 

忍「エボルトはまだ消滅していない。トドメを刺される直前に、遺伝子をこのドライバーの中に潜り込ませたんだ。」

 

一海「じゃあまた復活すんのか!?」

 

忍「心配しなくていい。このケースに入れとけばもう元の姿に戻れない。」

 

そう言ってエボルドライバーを持ってきたケースの中に入れる忍。

そしてパンドラタワーの方へと向かう。

戦兎達に着いてこいと言ってパンドラタワーの中に入って行く忍。

その後を追う戦兎達だった。

 

...

 

..

 

 

 

忍について行く戦兎達。

するとパンドラボックスが保管されている部屋に辿り着く。

そこで戦兎達は初めて黒いパンドラパネルを目にする。

 

戦兎「黒いパンドラパネル...」

 

忍「これを完成させるのが我々の目的だった。エボルトは自らの身体を使ってロストボトルを生成したんだ。」

 

エボルト「けど、人間じゃないエボルトがどうして...?」

 

忍「ジーニアスによって人間の感情が芽生えた。その影響でロストスマッシュに必要な条件を満たしたんだ。」

 

それを聞いてエボルトが態と倒されたことを悟る幻徳達。

ようやく倒したのにそれさえもエボルトの計画通りでやるせない気持ちを抱くのだった。

 

忍「ロストボトルを生成した後、液状化した状態で復活するはずだった。私に裏切られるとは知らずにね。」

 

そう言ってケースを見る忍。

その言葉に動揺する戦兎。

 

戦兎「じゃあ父さんは...」

 

忍「悪かったな、お前を利用して。許してくれ。」

 

淡々と言う忍に何も言わない戦兎。

そこに龍我がどういう状況なのか分からないと言う。

彼方が龍我にもわかりやすく説明したことで理解した。

 

戦兎「信じられるかよ...十年も俺達を騙して、多くの犠牲者を出して...今更信じられる訳無いだろ。」

 

忍「済まない。全ては人類を守る為だった。」

 

戦兎「その為にエボルトの側にずっと居たって言うのか?だったらもっと早く防ぐことだって出来たはずだ!」

 

忍「...十年前、スカイウォールの惨劇で多くの人が亡くなった。その時から私にとってこの世界を救済する方法は一つしかなかった。物理法則を超える現象...新世界だ。」

 

エボルトが度々言っていた新世界という言葉に疑問に思う戦兎。

そもそも物理法則を超えた現象とは一体何なのか。

そんな戦兎を他所に、忍はパネルにロストボトルを装填していく。

 

戦兎「その黒いパネルが完成すれば何が起きるっていうんだ。」

 

忍「ワームホールが形成されてワープが可能になる。」

 

それに反応する戦兎と彼方。

彼方は元はと言えばエニグマ事件の際にエボルトによってこの世界に連れて来られたのだ。

元の世界に帰る方法を探る為に一時はエボルトと協力関係を結んでいた。

その方法がやっと見つかったというのだ。

 

戦兎「ワープ?」

 

彼方「...エボルトが俺と協力関係を結ぶ時の対価に言っていた。俺が元の世界に帰る方法が見つかるかもしれないと...多分このことだったんだろうな...」

 

忍「その通りだ。これがあれば一瞬であらゆる惑星に行き来できる。」

 

そう言うと忍はパネルとドライバーが入ったケースを持って何処かに行く。

戦兎にパンドラボックスを持ってくることを伝え、淡々と歩いて行く。

その後をパンドラボックスを龍我に押し付けた戦兎と彼方を先頭について行く。

 

忍「エボルトは惑星を滅ぼすことで自らのエネルギーに変えてきた。これまで時間がかかった惑星間の移動がワームホールで解消されれば、エボルトはより多くの惑星を吸収して更なる力を手に入れる。」

 

戦兎「それを人類を守ることとどう関係あるって言うんだよ。」

 

戦兎の問に答えようとしたその時、幻徳が何者かの気配を感じ取りスチームガンを向ける。

そこには内海が居た。

だがその雰囲気は違った。

 

内海(?)「十年来の友に裏切られるなんてなぁ?」

 

忍「エボルト!?どうして!?」

 

内海に乗り移ったエボルトだったのだ。

エボルトは爆破する直前に自身の遺伝子を放出させ、それを内海の身体に乗り込ませたのだ。

完全体の力が馴染んだことによって遺伝子操作が思うように出来たのだ。

 

するとエボルトは自身の遺伝子を操って触手に変え、それを忍に伸ばそうとした。

それを阻止する彼方。

だがもう一人忍の身体に風穴を開ける者が居た。

 

忍「ぐあっ!?」

 

「油断大敵だよ?葛城センセイ?」

 

すると忍は壁に弾き飛ばされる。

それを追う戦兎。

 

龍我達は目の前の敵が誰なのか分からず混乱していた。

だがただ一人、彼方だけはその者の正体を知っていた。

 

彼方「なんで...なんでここに存在してるんだ...オベロン・ヴォ―ティガーン...!」

 

オベロン「ハハッ!君の恋人の記憶を辿って彼が俺を召喚したのさ。この世界を終わらせる終末兵器の俺をね。」

 

エボルト「お前が使う魔術ってのは素晴らしいじゃないか!おかげで俺は更なるステージへと進化できた!感謝するよォ、彼方ァ!!!」

 

彼方「...涼香はどこに居るんだ。」

 

オベロン「彼女は今は操り人形になってるよ。残りの奴らのね?」

 

オベロンの言葉に憤怒する彼方。

自身の彼女を弄ばれ、更に強大な敵を呼ばれたのだ。

その怒りは頂点に達している。

 

彼方「貴様だけはこの世界から消す...存在してはいけない者だからな...!」

 

オベロン「それは君もじゃないか。そう言えば彼女達は元気にしているかい?あの憐れな妖精達は。」

 

彼方「っ!貴様ァ!!!」

 

彼方はオベロンの言葉に激昂して変身する。

そしてワープゲートを作りそこから宝具を一斉掃射する。

だがそれをひょいひょいと躱していき、ケースからドライバーを取り出すオベロン。

 

オベロン「ほら君のだ。」

 

エボルト「フッ。やはりコイツは彼方の相手にぴったりのようだな。」

 

そう言ったエボルトは内海の身体から抜け、エボルに変身する。

それを見て変身する龍我達。

 

そんな中、戦兎は忍の最期を看ていた。

 

忍「お前に、頼みがある...」

 

そう言うと忍は懐から何かを取り出し、戦兎に渡す。

そして戦兎の耳に口を近づけ何かを呟く。

それを聞いて驚く戦兎。

 

忍「最後まで息子に託して、父親失格だ...」

 

戦兎「父さん!」

 

忍「巧...」

 

そう言うと忍は戦兎の頭に手を伸ばす。

それはかつて葛城巧だった頃によくやっていたことだった。

 

忍「また、背伸びたか...」

 

そう笑顔で言って消えていった。

戦兎は粒子を何とか掴もうとするが手から零れていく。

 

戦兎「伸びて...ないよ...

 

そう小さく呟くのだった...

 

...

 

..

 

 

 

葛城忍が消滅して呆然とする戦兎。

それを戦いの中で見つめるグリス。

だがその隙を突かれてエボルトの手から起こる衝撃波を受けてしまう。

 

身体に何かが起こり、変身が解除して意識を失ってしまう。

そんな一海の意識を心配するローグ。

 

ローグはスチームガンで一海と戦兎を逃がす。

そしてパンドラボックスとパネルを持ったクローズと一緒に逃げようとする。

だがその直前にエボルトによってパネルを落としてしまう。

何とか逃げ切れたものの、パネルはエボルトの手に残ったままだった。

 

一方彼方とオベロンの戦いはというと...

 

ノヴァ「クソ!なんで当たらない!」

 

オベロン「君のその攻撃じゃ俺には当たらない。ほらっ!」

 

そう言ってオベロンがノヴァに蹴りを入れる。

その際にノヴァが持っていたコブラロストボトルが落ちてしまう。

 

怒りで攻撃が大雑把になっている状態ではオベロンに攻撃が当たらない。

そして徐々に追いつめられている中、ローグがノヴァ達の下に戻って来たのだ。

 

ローグ「ここは一旦退くぞ!」

 

ノヴァ「俺は残る!そしてアイツを倒すんだ!」

 

ローグ「今のお前じゃ無理だ!」

 

そう言うとローグはノヴァを抑えながら何とかその場から脱出した。

その跡を冷めた目で見るオベロン。

 

オベロン「折角面白くなってきたところなのに...まあいい、君はこれからもっと大事な物を失っていくんだから...」

 

そう言ってロストボトルを拾い上げるのだった

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

『nascita』に戻って来た戦兎達。

依然目を覚まさない一海は店に敷かれた布団で眠っている。

 

彼方はというと虚数世界に籠っている。

そして戦兎は地下室で徹夜で何かを探していた。

 

戦兎は忍から渡された二枚のカードを見る。

それはビルドとクローズのデータが入ったカードだった。

そして忍に渡された時のことを思い出す。

 

忍『黒いパネルの他に、エボルトも知らない白いパネルが...ハザードトリガーを使え...』

 

その言葉を頼りにデータベースを漁るも辿り着けず。

一体白いパネルとは何なのか。

ハザードトリガーを使ってどうするのか。

 

そう考えてる戦兎の頭の中で葛城巧の声が響く。

 

巧『そんなパネルは存在しない。』

 

すると自身の心象世界に入り込む戦兎。

 

巧「君は父さんを美化してる。あの人は...俺達にライダーシステムを作らせ、エボルトと一緒に多くの命を奪った。」

 

戦兎「違う。エボルトを倒す為に敵の振りをしただけだ。」

 

巧「本当にそうか?善良な人間なら、ハザードトリガーなんて暴走装置を設計したりしない!」

 

戦兎「ハザードトリガーには別の目的があるんだ。白いパンドラパネルに繋がる何かがきっと...」

 

巧「君は、父さんの死に意味を持たせたいだけだ。」

 

戦兎「っ...!」

 

巧「俺はもう...あの人に騙されない。」

 

そう言って葛城との繋がりが切れる。

父親を信じたい戦兎と裏切られたと塞ぎ込む巧。

相反する想いを持つ二人に何が待っているのだろうか...

 

その時美空が地下室にやって来て、エボルト達が東都で暴れていると告げる。

それを聞いて急いで街中に向かう戦兎。

 

そこでは大量のスマッシュが街を破壊していた。

一海を抜いたビルド達がスマッシュを殲滅していく。

 

するとビルドはビルの屋上から覗き込むエボルトを発見する。

エボルトは挑発するようにビルド達を誘う。

それを見て屋上に向かったビルド達。

 

エボルト「フフフフフ...」

 

ビルド「よくも父さんを!父さんの仇は俺が討つ!!!」

 

そう言ってビルドはジーニアスに変身しようとする。

だがジーニアスボトルが起動しないのだ。

何度タップしても起動せず、動揺するビルド。

それを見て余裕そうにしているエボルト。

 

エボルト「勝負あったな...何故俺が完全体じゃないか分かるか?」

 

ノヴァ「それは俺に倒される為だからだろ。」

 

するとノヴァが現れ、エボルトに斬りかかる。

だがそれを余裕で受け止めるエボルト。

 

すると突然エボルトの隣に一海が現れる。

だが一海の様子はどこかおかしい。

 

一海はエボルトにロストボトルを渡す。

すると一海の中からアメーバ状の物が出てきてエボルトに吸収される。

エボルトは一海に自身の遺伝子を潜り込ませ、美空達からボトルを奪ってきたのだ。

 

用済みとなった一海をビルド達の方へ放る。

そしてノヴァに蹴りを喰らわせ後退させる。

 

エボルトはブラックホールフォームに変身し、黒いパネルを掲げる。

そしてロストボトルをパネルに装填する。

それによって十本のブラックロストボトルが完成した。

 

エボルトはトリガーのボタンを押す。

 

Over Over the REVOLUTION!

 

そしてレバーを回し、パネルを自身の胸に突き刺す。

黒い電気を走らせながらパネルがエボルトの中へと入って行く。

 

エボルト「いよいよ新世界の扉が開くぞォ!!!」

 

するとエボルトの身体にパネルが完全に入った。

エボルトの身体に異変が起こる。

 

Ready go! FEVER FLOW!

 

銀色のライドビルダーがエボルトを囲む。

するとライダーの姿からコブラの怪人の様な姿へと変化した。

 

身体の変化と共にパワーが増幅し、溢れるパワーが衝撃波となって放出される。

それで目が覚めた一海がどうなっているのか分からず困惑する。

 

ローグ「エボルトが進化した...!」

 

クローズ「っ!」

 

進化したエボルトに驚くライダー達。

それでもエボルトに立ち向かっていく。

だが今までとは桁違いの強さを見せていく。

 

向かってきたローグとクローズを弾き飛ばす。

更にその前方のビルに向かってオーラを纏った手を振るう。

するとビルが爆発してその爆風でクローズ達が屋上に吹き飛ばされる。

 

大ダメージを受け動けなくなった二人を見て、一海も変身する。

そして後ろから攻撃するが全然効いていない。

 

地面に叩き落とし、更に一海をヤンキー蹴りする。

するとその衝撃波が辺りに広がり、ビルが倒壊する。

 

グリス「なんだよ!?これまでとはレベルが違え!?」

 

そんなエボルトにビルドとノヴァが連携攻撃を繰り出すが全て往なされる。

そしてエボルトは二人の顔を鷲掴みする。

 

エボルト「お前達には出血大サービスだ!」

 

そう言うとエボルトの胸が光り出す。

するとエボルトはビルド達を連れて名もなき惑星へとワープした。

ワープの際の負荷と他の惑星という全く違う環境の中でも何とか生きているビルドとノヴァ。

だが二人への負担は大きい。

 

エボルト「あらゆる星を吸収して、俺だけの宇宙を創る。それが...新世界だ!!!

 

そう言うとエボルトはレバーを回し、ブラックホールを生成する。

それを上空に放つと、その星が吸い込まれて行く。

 

エボルトは二人を宇宙空間に連れてその様を見せる。

あっという間に星はブラックホールに吸いつくされてしまった。

それを見せて地球に帰って来たエボルト達。

ビルドとノヴァは負荷に耐えきれず膝を着いてしまう。

 

するとエボルトの両腕が変化する。

星を吸収したことによってまた新たなる力を手に入れたのだ。

そしてエボルトはビルドとノヴァを両腕でパンチする。

 

ビルを貫通する勢いで吹っ飛ぶビルド達の先にワープして上空に蹴り上げる。

更にその上空にワープして地面へと思い切り叩き込んだ。

それによって変身が解除されてしまう戦兎達。

 

エボルト「どうだ?お前の父親がくれた力だ。これで俺は全ての惑星を破壊する!さぁ、次は地球の番だ!フハハハハハハ!!!」

 

そう笑うエボルト。

だがその時、戦兎はある記憶を思い出す。

 

それはスカイウォールの惨劇が起こる数時間前。

葛城巧と忍が話していた。

 

巧『今、どんな研究をしてんの?』

 

忍『地球外生命体が居るとか居ないとか。』

 

巧『SF映画みたいだね。じゃあ~、ソイツらが地球を襲って来たりして。』

 

忍『かもな~。もし本当にそうなったら...父さんと一緒に地球を守ってくれるか?』

 

巧『...いいよ。』

 

そう笑顔で話す二人だった。

 

戦兎「最悪だ...今頃思い出すなんて...約束したもんな...一緒に守るって。」

 

そう言って立ち上がる戦兎。

その時彼方も思い出していた。

 

それはある日のこと。

まだ仮面ライダー部として活動している頃、ふと彼方は弦太朗に聞いたのだった。

 

彼方『どうして弦ちゃんはダチの為に一生懸命戦うの?』

 

弦太朗『ん?どうしたんだ急に?』

 

彼方『いや~サジタリウスが出てきて怖くないのかなって。』

 

弦太朗『う~ん、俺だって怖いさ。でも一番怖いのはダチを失うことだな!いつだってダチを失うのが一番怖い!だから俺はそうならない為にも、ダチの為に一生懸命戦う!それが俺の一直線だ!』

 

彼方『ふ~ん...弦ちゃんらしいね~。』

 

弦太朗『なんだよそれ!』

 

いつかの記憶を思い出して彼方。

それに思わず笑ってしまう。

 

彼方「やっぱ弦ちゃんみたいなヒーローになるのは難しいな~...」

 

そう言って立ち上がる彼方。

 

戦兎「正義の為に作ったライダーシステムは、憎しみなんかじゃ強くなれない...」

 

彼方「誰かを守る為に戦う...それが仮面ライダーだよね...」

 

戦兎、彼方「「そうだろ?」」

 

そう言って戦兎達はボトルを取り出す。

そして装填し、レバーを回す。

二人共強制解除の後の再変身の為、身体に負荷がかかる。

だがそんなものを突っぱねて変身する。

 

戦兎、彼方「「変身!!!」」

 

ビルドジーニアス!

 

ノヴァゾディアック!

 

するとエボルトの元に三人のライダー達も集まって来る。

それぞれがエボルトを囲む。

 

ビルド、ノヴァ「「地球は、俺達仮面ライダーが守る!」」

 

ビルド達がそう言うと一斉にジャンプする。

それに対してエボルトは自身のオーラをビルド達にぶつける。

爆発が起こる中、ビルド達は爆炎をすり抜けてエボルトに向かってキックする。

 

ビルド「はああああああああ!!!

 

グリス「うりゃああああああ!!!

 

ローグ「うおおおおおおおお!!!

 

クローズ「おりゃああああああ!!!

 

ノヴァ「ぜりゃあああああああ!!!

 

五人のライダーキックがエボルトに衝突する。

五色の輝きを放ちながらエボルトを追いつめていく。

 

するとエボルトの胸からパネルが出てくる。

そして爆発が起き、パネルが完全にエボルトの体外へと排出された。

 

そこにビルドがレバーを回してパンチを繰り出す。

ジーニアスの力とハザードトリガーの力がパネルに伝わって行く。

するとパネルに装填されていた二本のボトルがブラックロストボトルからロストボトルへと浄化される。

 

エボルト「なんだと...!?」

 

そのままエボルトは吹っ飛ばされた。

その際にパネルから浄化された二本のボトルが落ちる。

 

エボルトはボトルが浄化されたことによって怪人態からブラックホールフォームへと戻ってしまう。

動揺しながらもボトルを回収しようとするエボルトだが、グリスにキャッスルボトルを取られてしまう。

 

エボルト「人間共がァ!!!」

 

そう言ってエボルトは去って行った。

それを見たビルドはドライバーからトリガーを取り外し、見つめる。

 

...

 

..

 

 

 

『nascita』に帰って来た戦兎。

店に一人、トリガーを眺める戦兎の姿があった。

 

戦兎「コイツがロストボトルを浄化してくれた...やっぱり暴走装置じゃなかったんだね...父さん。」

 

そう言った戦兎は、エボルトと戦った時に思い出した記憶の続きを思い浮かべる。

 

巧『そろそろセレモニーの時間だよ。』

 

忍『ああ。』

 

そう言って式場に向かおうとする忍。

だがふと巧の方に振り返ると手を伸ばす。

 

忍『また背伸びたか?』

 

その手の先には戦兎が居た。

 

戦兎「伸びてないよ。」

 

忍「ははっ、そうか。もうすっかり超えられたな。」

 

そう言って去って行く忍。

 

戦兎「まだまだだよ...」

 

そう言って戦兎は微笑みながらトリガーを下した。

その様子を心象世界に居る葛城巧は何かを思っていた。

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

一方パンドラタワーでは...

 

『東都、西都、北都の知事が中央政府から発表されました。東都は、言峰綺礼氏。西都は郷原光臣氏。北都は才賀涼香氏という布陣で...』

 

黒いパンドラパネルが保管されている間に一人エボルトが座り、その様子をオベロンがもたれながら眺めていた。

そこに内海が現れる。

 

内海「貴方はこの国を支配する気なんて無かった。黒いパンドラパネルを完成させるまでの時間稼ぎに...」

 

エボルト「...!」

 

エボルトを煽る内海の首を掴むエボルト。

その様子から怒りが滲み出ている。

 

エボルト「黙れ...!俺の目的はあの三人には話すな。いいな?」

 

そう言って三本のブラックロストボトルを掲げるエボルト。

その様子を見ながら、オベロンはニヤリと笑う。

 

オベロン「さてと...まずは前菜だ...」

 

オベロンの言葉の意味とは...

そして北都の知事として選ばれた涼香の意思はどうなのか...

 

物語は最終ステージに入ったばかりである。

 

 

 

 

to be continued...




次回は劇場版編だよ。
二話構成になるのかな~...
もしかしたら三話構成になるかもしれない...
まあ話の流れに沿って話数は決めるよ。


アンケまだまだ実施中だよ。
スケダン人気なさすぎじゃない?笑
もうスケダンって古いのかな~...?

それにしてもアズちゃん人気はヤバいね。
やっぱ皆アズちゃn大好きなんだね。
まあ僕も好きだけど。

まだまだ投票待ってるね~。


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劇場版編 ビルドノヴァ殲滅計画

―NO side―

 

夏に入りお盆のシーズンとなったこの時期。

龍我と一海はそれぞれ恋人と仲間の墓に行っていた。

 

そのことを一人戦兎はバイクを走らせながら美空と紗羽に聞く。

戦兎は今スマッシュの目撃情報を受け現場に向かっているのだ。

 

一方幻徳はというと八時間以上眠らないと力が入らないと言って眠っている。

それに呆れる戦兎。

 

そんな中、東都、西都、北都の新知事の演説が始まろうとしている。

それを見ながらそうめんを食べる美空と紗羽に呆れて戦兎は通話を切ってバイクを走らせた。

 

一方、新知事の演説会場では大勢の民衆が集まっていた。

中央政府によって戦争が無くなった今、新知事への期待が高まっているのだ。

 

すると突然拍手が巻き起こる。

どうやら新知事が会場に現れたようだ。

 

その様子をビルの屋上から眺める彼方の姿があった。

東都都知事の姿を見て目を細める彼方。

 

彼方「恐らくラスプーチンを召喚したのだろうが...アイツがそう簡単に主導権を渡すはずがない...警戒する必要があるな...」

 

そう呟き、静かに演説を聞こうとするのだった。

そして新都知事となる言峰綺礼が演説を始める。

 

言峰「これまで我が国は三つの首都に分かれて、醜い争いを繰り広げてきました。しかし、これからは違います。パンドラタワーに新政府を据えて、東都はこの言峰綺礼が。」

 

郷原「西都は私、郷原光臣が。」

 

涼香「北都は才賀涼香が、皆さんの代表として知事の役割を果たしていきたいと思います!」

 

それぞれの会場で三人が宣言をした。

 

言峰「三つの都市が一丸となって政府を支えていく。この国は、新しく生まれ変わるのです。」

 

そう言うと聴衆は一斉に歓声を上げ拍手する。

それを満足そうに見ている言峰。

 

一方、演説が行われている中一人の少女が二体のスマッシュから逃げていた。

少女は柱に隠れている弟に自身が囮になるからその間に逃げろと告げる。

弟はそれに反対するも、姉は覚悟を決めてスマッシュに突っ込んでいく。

 

だがただの人間の...それも少女の力ではスマッシュを退けることは出来ず。

一体のスマッシュが姉の首を絞めていく。

 

更に逃げようとするも躓いてしまった弟に向かってもう一体のスマッシュが攻撃しようとする。

そしてエネルギー弾は発射するが、そこに一台のバイクが現れる。

 

更に姉の首を絞めているスマッシュに向かって彼方がドロップキックを放つ。

もう一体のスマッシュもバイクに乗った戦兎が銃で牽制して後退させる。

 

彼方「大丈夫?」

 

姉「は、はい...」

 

彼方は無事かを聞いて姉の様子を見る。

どこにも異常が無いのを確認してゆっくり立たせる。

 

戦兎「もう大丈夫だよ。」

 

弟「おじさん、誰...?」

 

戦兎「...いいか?よく聞け。おじさんじゃない、お兄さんだ。ん?」

 

彼方「子供相手に何ムキになってんの、ナルシスト。」

 

戦兎「誰がナルシストだよ!」

 

子供相手にムキになっている戦兎に頭を小突いて辛辣な言葉を投げる彼方。

その様子を見て姉弟は少し安心する。

それに気づいた彼方は二人に逃げるように告げる。

それを聞いて二人はこの場から去って行った。

 

そして戦兎と彼方はスマッシュに目を向ける。

 

戦兎「さあ、実験を始めようか。」

 

彼方「演説の途中で邪魔しないでよね~...」

 

そう言って二人はドライバーを取り出しボトルを挿入する。

そしてレバーを回し...

 

戦兎、彼方「「変身!」」

 

仮面ライダービルド、ノヴァに変身した。

そして二人はスマッシュに向かって行く。

 

...

 

..

 

 

 

一方、演説は続いている。

ここで言峰が思わぬことを口にする。

 

言峰「さて、新体制が整った今、改めて皆さんに伺いたい...この国に仮面ライダーは必要なのか。」

 

愛と平和を守る為に戦っている仮面ライダー達が必要なのかと聞いたのだ。

だがそのことを知っているのはごく一部のみ。

世間一般の認識としては戦争で使われる人体兵器...自分達を苦しめた元凶なのだ。

 

そのことを力説する言峰。

そこで更にその意識を一極化しようとする。

 

言峰「特に、仮面ライダービルドはかつて国家反逆罪が適用されながら、未だに我が国を確固している凶悪な存在です。更に新たに現れた謎の仮面ライダーノヴァ。彼は元は東都西都代表戦の時に現れた謎の怪人と同一人物変身しているのです。いつ私達の生活を脅かす存在になるのかわかったものじゃない。」

 

ビルドとノヴァを悪とみなす言峰。

だが民衆には納得できるものだったのだ。

 

言峰「そんな奴らを野放しにしていいのですか?奴らの暴走が悪夢の再来を引き起こすのです。今こそ我々の手で、仮面ライダービルドとノヴァに正義の裁きを下そうではありませんか。」

 

そう言うと聴衆が賛同の声を上げる。

言峰がビルドを殲滅せよと言うと聴衆も『殲滅』と連呼する。

一種の洗脳状態になっている聴衆。

その様子を龍我や美空達は驚きの表情で見ていた。

 

 

言峰「ビルドノヴァ殲滅計画、始動...

 

 

そう言うと言峰は手を翳し、オーラを放つ。

すると聴衆が一斉に頭を下げる。

聴衆の首に血管が浮き上がる。

その後、聴衆は一斉に散っていった。

 

その様子を見て言峰はニヤリと笑った...

 

一方ビルド達はというと無事スマッシュを倒し終えたのだった。

すると一息吐いているビルド達に大勢の人が向かってくる。

彼らの手には鉄パイプや金属バットが握られている。

 

ビルド「ん?え、何?」

 

ノヴァ「これは..」

 

いきなりのことに戸惑うビルドと状況を冷静に分析するノヴァ。

すると彼らの目が赤く光る。

そして彼らは一斉にビルド達に向かってきたのだ。

 

ノヴァは慌ててビルドと一緒にワープして人々から逃れたが、あらゆる場所からビルド達を追って来る。

それに困惑しながらバイクを走らせるビルド。

ノヴァは安心できる場所である『nascita』にワープした。

 

店の前に誰も居ない事を確認して変身解除する彼方。

そして店の扉を開けるが、美空と紗羽の様子がおかしい。

すると二人の目が赤く光った。

 

彼方「マジかよ...」

 

そして二人は彼方に襲い掛かる。

彼方はそれを避け、取り敢えず自室に逃げていく。

扉に鍵をかけて二人を入れなくする。

その間に必要な物を持ってワープした。

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

戦兎と彼方が民衆に追われている中、パンドラタワー内の一室では言峰達都知事が集まっていた。

 

涼香がレコードを掛けるとクラシックが部屋中に流れてくる。

そんな中、言峰と郷原はある方向を向いていた。

 

「ビルドノヴァ殲滅計画ねぇ...」

 

その方向に居たのは石動惣一に擬態しているエボルトだった。

 

エボルト「なんで俺に黙ってたんだよ。」

 

エボルトはそう言ってチェスの駒を弄る。

今回の言峰達の計画は秘密裏に組まれていたのだ。

 

言峰「我々はエボルト、お前を担いで影として生きて来た。三国を裏で操って戦争を引き起こしたのも、全て我々『ブラッド』の暗躍あってこそ。」

 

そう言う言峰の背後には巨大な絵画が飾られていた。

その絵には複数の惑星が描かれ、どれも殺伐としている。

その周りには複数の人間が描かれ、どれも苦しんでいるように見える。

 

エボルト「だから感謝の印として知事の椅子を用意してやったろ?」

 

郷原「アカン!そらおかしいで?僕達の目的は惑星の滅亡や。」

 

そう言うと郷原は椅子から立ち、目の前にあるワインボトルを持ち上げる。

 

郷原「火星を滅ぼした様に、パンドラボックスの強大なエネルギーを使って宇宙のあらゆる星を喰い尽くす。それこそがブラッド族の使命や!」

 

そう言いながらボトルを開け、手の平にワインを出していく。

だがワインは球状に空中に留まる。

そして郷原はそれを机に思い切り叩きつける。

 

涼香「...なのに。」

 

そう言うと涼香はレコードに手を翳す。

するとレコードは溶け、音楽が止まった。

 

涼香「貴方は裏切った。」

 

エボルト「ハァ...それはお前もだろうが?」

 

涼香「黙りなさい。あんな記憶とうに捨てたわよ。」

 

エボルト「...パンドラボックスのエネルギーは、俺が持ってるんだぞ。」

 

椅子から立ったエボルトは手から炎の様なエネルギーを出す。

擬態の声が解け、本来のエボルトの声が出てきている。

 

言峰「既に手は打ってある。ビルドとノヴァの殲滅は、その布石だ。」

 

そう言うと言峰達はその場から消えていった。

残されたエボルトは手からエネルギーを消し、溜息を吐く。

 

エボルト「お前も中々苦労してんだな...彼方。」

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

そのすぐ後に戦兎が店に帰って来た。

二階から下りて来た二人を見て市民と同じ状態だと判断した戦兎は地下室に逃げる。

だがそこで紗羽に技を決められてしまう。

 

どうすることも出来ないと思われていたが、戦兎は浄化装置に行く階段の裏に付けていたレバーを作動する。

すると地下室全体から煙が出てくる。

それに気を盗られた紗羽から抜け出し、浄化装置の中に逃げ込む。

 

すると着信音が鳴る。

どうやら龍我からのようだ。

龍我は電話越しに聞こえてくる美空と紗羽の叫び声に驚く。

 

龍我『おい!一体どうなってんだよ!』

 

戦兎「こっちが聞きたいよ...」

 

すると浄化装置の外に居る二人の声が聞こえなくなる。

戦兎は恐る恐る扉を開けてみると、二人は眠っていた。

 

戦兎『美空や紗羽さんまでおかしくなっちまって...』

 

龍我「マジかよ...待ってろ、今戻ってやるから...」

 

龍我が話している途中で突然誰かに携帯を盗られてしまう。

すると誰も居なかったはずの隣には郷原が居た。

 

郷原「そらアカンわ...」

 

突然の事態だが、龍我は運転席のヘッドを殴る。

その衝撃で車が左右に揺られ龍我は投げ出されてしまった。

急停止した車の中から飄々と郷原が出てくる。

 

郷原「いたたたた。はぁ...」

 

龍我「てめえナニモンだ!!!」

 

郷原「僕はこの地球に来て十年間、お前をずーっと監視してたんや。訳あって僕達に協力してもらいたいけど...ハハハハハ!素直に従う性格やないか?」

 

そう言って郷原は一本のブラックロストボトルを取り出す。

キャップを合わせ、手から放す。

すると郷原の身体がアメーバ状に変化し、ボトルを包み込む。

そしてゼブラロストスマッシュへと変身した。

 

龍我は先ほどの郷原の言葉を聞いて自身の中で確信した。

その手には黒い封筒と一枚の写真が握られていた。

 

龍我「まさか...」

 

ゼブラ「そう。お前の恋人をスマッシュに選んだんも、この僕や!アッハハハハハ!」

 

それを聞いて龍我の手に力が入る。

龍我の手に握られていた写真に写っていたのはかつての恋人、香澄の写真だったのだ。

 

龍我「...ぅうおおおおおおおお!!!!!」

 

龍我は怒りに飲まれ、クローズマグマに変身する。

そしてゼブラスマッシュに向かって走る。

 

そんな中、戦兎は龍我に通話を掛けるが応答せず。

すると戦兎の持っていたバッグが狙撃された。

後ろを向くと軍人も戦兎を狙っている。

 

戦兎は慌ててバイクを走らせ、落としたバッグを拾う。

バイクを走らせるが、追手は中々諦めない。

 

そこで鞄から自作の粘着爆弾を取り出し、前方に止まっている車に貼り付ける。

そしてバイクにあるボタンを起動して爆破させる。

それによって追手からある程度距離を取るのに成功したのだった。

 

一方クローズとゼブラスマッシュの戦い。

両者一歩も譲らない戦いをしている。

だが龍我の感情が昂っていることでどんどんハザードレベルが上昇し、やがて圧倒していく。

 

クローズ「お前が香澄をォォォ!!!」

 

そう言うとクローズは右手にマグマの様なオーラを纏う。

それに合わせてゼブラスマッシュもオーラを纏いパンチをぶつける。

お互いのエネルギーは相殺して共に弾かれる。

 

ゼブラ「中々やるやないか!」

 

クローズ「っ!うおお!!!...っ!?」

 

クローズはゼブラスマッシュに再び攻撃しようとするが、突如横からライトを当てられる。

その方向を見ると一人の男がこっちに向かって歩いてきていた。

 

そのことに不審に思っていると突然背後から言峰が現れる。

 

言峰「君が世界滅亡のスイッチとなる。」

 

そう言うと言峰はクローズの顔面に手を翳す。

するとクローズからマグマの様なオーラが出てき、手を這う。

そのオーラが血の色に染まると再びクローズの中へと入って行った。

 

そしてクローズは動かなくなってしまった...

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

民衆から逃げて来た戦兎は変装して東都先端物質学研究所に潜入した。

 

まだ使用できるパソコンを探し出し、そこから極プロジェクトに関するデータは閲覧する。

そこには石動惣一を始め、言峰以外の二人が映っていた。

だが言峰の代わりに映っている伊能賢剛のデータを見て不可解に思う戦兎。

 

戦兎「やっぱり...十年前の火星探査機の乗組員ってことは...だがだとしたら言峰は一体...」

 

言峰「待ってたよ、桐生戦兎君。」

 

すると戦兎の前に二人の軍人を引き連れた言峰が現れる。

反対側からも武装した軍人がやって来て戦兎に照準を向ける。

 

戦兎「アンタ何者だ?エボルトと関係があるのか?」

 

言峰「流石天才物理学者、察しが良いな。私は人間じゃない。エボルトと同じ『ブラッド族』の生き残りだ。」

 

戦兎「ブラッド族...?」

 

言峰「我々はこの十年、あらゆる局面で暗躍してきた。君は以前、脱獄した万丈の居場所をネットアイドルの情報で突き止めたんだろう?政府より早く特定出来たことに違和感は無かったのかね?」

 

その言葉に戦兎は気づく。

 

戦兎「まさか...!」

 

言峰「そう。君と万丈を引き合わせたのも我々だ。」

 

そう言って言峰はスマホに映し出されている位置情報を見せる。

 

言峰「私は君の全てを知っている。悪魔の科学者、葛城巧の記憶を消して桐生戦兎なる偽りのヒーローを作ろうと提案したのは...私なのだからな。」

 

その言葉に怒る戦兎。

だがそれを素知らぬ表情で語り続ける言峰。

 

言峰「全ては地球を滅ぼす為だった。だが、エボルトの気が変わってね。だから、我々の手で行うことにしたのだ。」

 

そう言うと奥から誰かがやって来る。

その者の姿を見た戦兎は驚く。

 

戦兎「万丈!?」

 

言峰「やれ。」

 

言峰に操られた万丈はクローズへと変身する。

そして戦兎に襲い掛かる。

戦兎はクローズに制止を呼びかけるが届いていない。

 

言峰「何を言っても無駄だ。今の彼は操り人形に過ぎない。」

 

ビートクローザーで戦兎に斬りかかるクローズ。

戦兎は廊下の奥に逃げる。

 

突き当りの窓をホークガトリンガーで撃ちながらドライバーにボトルを挿入する。

そしてホークガトリングに変身すると同時に窓を突き破る。

何とか外に出れたものの、そこには操られた人々が。

更にそこに美空と紗羽もやって来る。

 

言峰「全国民が君の敵だ。逃げられる訳がない。そろそろビルド殲滅計画の仕上げに掛かろうか。」

 

ビルド「っ...言峰ェェェ!!!」

 

ビルドは叫びながらラビットラビットに変身して言峰に襲い掛かる。

だがそれをクローズが防ぐ。

 

ビルド「皆を正気に戻せ!」

 

言峰「君は大きな勘違いをしている。仮面ライダーを排除すべきだと思っているのは、彼らの本心だ。」

 

ビルド「何...!?」

 

するとビルドはクローズに攻撃される。

周りを囲まれながらクローズの攻撃に耐えるビルド。

 

言峰「民衆は軍事兵器として、市民を恐怖に陥れた仮面ライダーを忌み嫌っている。君達の姿を見る度に、戦争を思い出してトラウマに苛まれるのだからな。」

 

倒れるビルドに攻撃してくる人々。

慌てて避けるも精神的にダメージが入って行く。

 

言峰「仮面ライダーはこの国にとって必要ない存在なのだよ。」

 

そう言うと人々からの『殲滅』という呟きがよりはっきり聞こえてくるビルド。

クローズや美空達に声をかけるも答えが返ってこない。

 

精神的にやられていくビルドに容赦なく攻撃するクローズ。

倒れこむビルドを無理やり立たせるゼブラスマッシュとシザーススマッシュ。

 

言峰はビルドにトドメを刺せと命令する。

それを聞いたクローズはレバーを回し、エネルギーを足に込めてキックを放つ。

 

ビルド「万丈ォォォォ!!!!!」

 

ビルドが叫び、クローズのキックが激突する。

するとビルドの感情に呼応したのか、ハザードトリガーが起動する。

だがビルドはやられてしまい、変身が解除されて地面を転がる。

 

戦兎の心境を表すかの様に雨が降り出す。

そんな中、龍我は戦兎に近づきドライバーからトリガーを外す。

そしてそれを言峰に渡そうとするのだが...

 

戦兎「っ...」

 

戦兎が龍我の足を掴んでいたのだ。

それを振り解き、言峰にトリガーを渡す。

 

言峰「ようやく手に入れた...破滅の力を...!」

 

トリガーを手に取った言峰は力強く言った。

そして戦兎に近づき、憐みを向ける。

 

言峰「どうだ、今の気分は?民衆に裏切られ、仲間に裏切られ、相棒に裏切られ。お前は無力だ。」

 

そう言って戦兎の顔を踏む言峰。

そして髪を掴み頭を持ち上げる。

 

言峰「お前にはもう何もない。いや...始めから何もない空っぽだったのだ、『桐生戦兎』という人間は。」

 

そう言って戦兎を突き放し高笑いする。

そこに操られた美空達がやって来る。

 

言峰「お前の役目は終わりだ。」

 

そう言って龍我からドライバーを受け取り装着する。

 

MAX Hazard ON!

 

トリガーを取り付け、グレートクローズドラゴンとコブラロストボトルを取り出す。

キャップを合わせたボトルをクローズドラゴンに挿入し、ドライバーに挿入する。

 

 

言峰「変身...」

 

 

そう言ってレバーを回す。

すると周りに居たロストスマッシュと龍我にパイプが伸び、アメーバ状に変化させる。

それらを取り込み、言峰を覆う結晶が出来る。

 

その結晶が弾けると中から禍々しい仮面ライダーが居た。

クローズ、ハザード、エボルの三つの要素を複合したような姿だった。

その名は仮面ライダーブラッド。

 

ブラッド「桐生戦兎...お前の生涯にピリオドを打ってやる。フン!」

 

そう言って戦兎に向かって巨大な炎を放つ。

徐々に迫って来る炎。

だが戦兎に当たる直前に何かにぶつかり弾けた。

 

爆炎が立ち込む中姿を現したのは、戦兎を抱えた完全体のエボルトとノヴァだった。

その姿を見てブラッドは忌々しそうな態度を取る。

 

ブラッド「今更何をしに来た...」

 

エボルト「最初からハザードトリガーが狙いだったのか...」

 

ノヴァ「その為に態々美空ちゃん達まで操るとはね~...」

 

ブラッド「ああ。これで儀式の準備は整った。地球滅亡はすぐそこだ。」

 

そう言うブラッドを見てエボルトは睨みつける。

更にノヴァはブラッドに襲い掛かろうと思っている。

 

エボルト「辞めとけ。今はその時じゃない。」

 

ノヴァ「...そうみたいだね。」

 

そう言って二人はその場から転移して去って行った。

その跡を見つめるブラッドだった...

 

 

 

 

to be continued...




取り敢えずここら辺で分けてみた。

ブラッドの口調は多少愉悦神父の影響を受けています。
何故かって?君達なら分かるでしょ?あの麻婆がそう簡単に主導権を握らせる訳無いって。

ま、そゆことだよ。


次回も見てね~。


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劇場版編 兎と龍のベストマッチ

―NO side―

 

エボルトとノヴァに助けられた戦兎はある記憶を見ている。

それはスカイウォールの惨劇が起こった日の出来事。

人々が逃げ惑う中、父親である葛城忍が必死に呼びかける。

 

忍「巧!巧、いいかよく聞け。あの光は人を邪悪にする!いつかあのエネルギーを使って地球外生命体がこの星を滅ぼすかもしれない!その時、地球存亡の鍵を握るのは...万丈龍我だ!」

 

巧「万丈...?」

 

忍「父さんの研究に関わってる少年だ!いつか万丈君がお前の前に現れるだろう!彼の力が世界を変える!」

 

巧「なんでそんなことを俺に...」

 

それを聞くと忍は悲痛な顔をするもすぐに警備員に巧を任せて何処かに行く。

だが巧は警備員を振り切って忍を呼ぶ。

 

そして巧の姿が戦兎になる。

 

戦兎「父さんはどうして科学者になったの?」

 

それを聞いた忍は戦兎の方に振り向く。

そして何かを言おうとするのだが...

そこで途切れた。

 

目を覚ますとそこは見知らぬ場所だった。

だが目の前にはエボルトが居た。

その傍には彼方が居る。

 

エボルト「よぉ、目覚めたか?」

 

戦兎「なんでアンタが...」

 

彼方「言峰の狙いはハザードトリガーを起動させることだった。」

 

エボルト「民衆を使ってビルドを狙ったのも、精神的にお前を追い込んでトリガーに力を集めやすくする為だ。」

 

彼方「後はパンドラボックスさえ手に入れば地球は滅びるってことだ。」

 

エボルト「にしても無様にやられたもんだなぁ?まんまと言峰達に嵌められて、お前にはがっかりだよ。所詮は、安っぽい正義を振りかざすだけの偽物のヒーローだったって訳だ。」

 

エボルトはそう言って戦兎を煽る。

更にエボルトは戦兎を怒らせることを言う。

 

エボルト「お前の親父も、草葉の陰で泣いてるぞ...」

 

戦兎「アンタに何が分かる!!!」

 

そう言って戦兎はエボルトが持っていたカップを落とす。

それに対し特に何かをいう訳でもなくエボルトは戦兎を見つめる。

戦兎は自身の感情を抑えきれず外に出ていく。

 

エボルト「...お前よりも分かってるよ。 俺達は桐生戦兎を作ったんだからなぁ?」

 

彼方「今更父親面してるんじゃねえよ...」

 

エボルト「そういうお前はどうなんだ?無様に恋人を奪われ操られて。戦兎と似たようなもんじゃねえか。」

 

彼方「...確かにそうだな。無様にやられて一回は心が折れた。そのうえお前はオベロンを召喚してるしで訳が分からなくなったよ。でも...弦ちゃんやライダー部の皆との日々を思い出してからは全然気にならないんだよ。だから今回のはちゃんと終わらせるつもりだよ。美空ちゃん達を返してもらうし...涼香も返してもらう。」

 

エボルト「...情が移ったのかねぇ~...お前に期待しちまうじゃないか。」

 

彼方「ハハッ!感情が芽生えたからかもね~。そんじゃ俺もそろそろ行こっかな~。」

 

そう言って彼方はワープして消えた。

その跡を見てエボルトは優しい笑みを浮かべた。

 

...

 

..

 

 

 

エボルトの前から去った戦兎はある場所に来ていた。

そこは当時記憶を失ったばかりの戦兎がエボルトに拾われた場所だった。

 

あの日から始まった桐生戦兎の人生。

それを回帰していた戦兎の元に着信が入る。

呆然としながらも戦兎は通話に出る。

 

言峰『命拾いしたな。』

 

その声は言峰だった。

 

言峰『万丈を返してほしければ、パンドラボックスを指定する場所に持って来い。』

 

その言葉と共に雷鳴が響く。

戦兎はゆっくりとビルドフォンを下す。

その瞬間、葛城巧の声が響く。

 

巧『まさか行くつもりじゃないだろうね?』

 

そうして戦兎は自身の心象世界に潜り込む。

扉一枚を挟んだ向こう側にはビルドドライバーを持った葛城が現れる。

 

戦兎「俺の全ては、作られた物だった...」

 

巧「その通りだよ。君は理想の中で溺れていたに過ぎない。君に抜け落ちてる記憶...それはライダーシステムを作った記憶だ。僕はエボルトを倒す為にそれを作った!軍事兵器になると分かってても、父さんの想いに応える為に!...でも結局、僕らは利用されただけだった。」

 

葛城の言葉と共に記憶が蘇る。

葛城の中で印象深い記憶ばかりだった。

 

巧「言峰の言う通りだ。こんな物を作らなければ、戦争なんて起きなかった...科学を信じて...父さんを信じて...このザマだ...」

 

その言葉を聞いた戦兎はふと思い出す。

スカイウォールの惨劇の時に自身が父親に聞いた、何故科学者になったのかという答えを。

忍は自身の胸に手を当て笑みを浮かべる。

 

それを思い出した戦兎は自身の中で何かを噛みしめる様にドライバーに指を這わせる。

そしてゆっくりと空を見上げる。

 

戦兎「確かに、ライダーシステムを作らなければ戦争は起きなかったかもしれない。でも...それがなければ、地球は...俺が触れたかけがえのないもの全てが失われてたはずだ...」

 

そう言いながら思い出されるのは仲間達の顔。

今まで一緒に戦ってきた仲間との出会いや思い出が無かったのかもしれない。

 

戦兎「思い出したんだ...地球存亡の鍵を握るのは万丈だったって。」

 

巧「まだ分からないのか!!!万丈は破滅に導く存在なんだよ!」

 

戦兎「お前には分からない。アイツは、単細胞で、筋肉バカで、騙されやすい...けど、誰かの明日の為に戦うことが出来る...俺の大切な相棒なんだよ...」

 

龍我との戦いの記憶が思い出される。

お互いが支え合って来たおかげで今がある。

正に戦兎の言った大切な相棒という存在なのだ。

 

戦兎「俺とアイツの関係は偽りなんかじゃない...」

 

そう言ってラビットボトルを握りしめる。

同時刻、操られている龍我の手にはドラゴンボトルが握られていた。

 

戦兎「父さんがエボルトを倒す為にビルドを設計したのなら、万丈に関与する記述がきっとあるはずだ。それを探す。」

 

巧「だとしても、キーワードが見つからなければデータは開けない。」

 

戦兎「...ラブ&ピース

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

―翌日―

 

言峰が演説を行った場所には大勢の民衆が集まっていた。

だが昨日とは違い、皆言峰に操られている。

 

そして民衆が集う中央には言峰達ブラッド族が戦兎を待っていた。

もちろんそこには龍我も居る。

 

するとバイクの音が響いてくる。

言峰達の視線の先から戦兎がやって来た。

 

戦兎はバイクから降りると荷台からパンドラボックスを持って歩く。

民衆はモーセの十戒の様に二つに別れ、戦兎の道を作る。

 

そうして中央にやって来た戦兎は台にパンドラボックスを置く。

そして言峰を見据える。

 

戦兎「万丈を返せ。」

 

言峰「万丈君は我々の儀式に必要だ。ここは、戦いで決着を付けようじゃないか。」

 

そう言うと言峰は後ろに振り向きながらトリガーを起動してドライバーに装着する。

コブラロストボトルをクローズドラゴンに挿入してドライバーに挿入する。

そしてレバーを回す。

 

 

言峰「変身...」

 

 

郷原と涼香の二人はそれぞれロストスマッシュに変身し、言峰に吸い込まれる。

龍我も吸い込まれ、大きな結晶が形成される。

 

OVER FLOW!

 

Wake up CROSS-Z! Get GREAT DRAGON!

 

ブラブラブラブラブラッド!

 

結晶が弾け、ブラッドが現れる。

ブラッドはゆっくりと戦兎の方に向き直る。

 

そして戦兎はドライバーを装着し、ジーニアスボトルを取り出し起動する。

 

ジーニアス!

 

ボトルを挿入してレバーを回す。

ライドビルダーが展開される中、戦兎は静かに告げる。

 

戦兎「変身!」

 

ビルドジーニアス!

 

変身した二人は睨み合いながらゆっくり歩を進める。

そして一斉に周りながら宙に浮き、衝突する。

 

地面に降り、ブラッドがビルドを攻撃していく。

ビルドはボトルの力を活用していくもブラッドには中々攻撃が届かない。

 

そしてビルドはブラッドに蹴られ後退してしまう。

それを見たブラッドは手を上げる。

すると周りから一斉に『殲滅』の言葉が響く。

 

ブラッド「辛い、辛いな。こんなに身体を張っても民衆から非難され、罵声を浴びるんだからな。」

 

ビルド「っ...うあああああ!!!」

 

ビルドは尚果敢にブラッドに攻撃していく。

たとえどんなに民衆に嫌われようと、自身の信じる明日を守る為に戦い続けるビルド。

 

すると美空に異変が起こる。

他と同じ様に『殲滅』と唱えるも段々表情が暗くなっていく。

そして美空の目から涙が落ちる。

その涙が緑色に光った...

 

一方ビルドはブラッドに追いつめられていた。

 

ブラッド「勝負あったな。精々恨むがいい。一方的な感情でお前を嫌う愚かな民衆を。利用されるしかない己の存在をな。」

 

そう言ってビルドの背中を叩き、笑いながら背を向ける。

だがビルドはまだ諦めていない。

 

ビルド「うるせぇ...!」

 

ブラッド「ん?」

 

ビルド「うるせえつってんだよ!たとえ存在を否定されようが、嫌われようが、それでも俺は戦うんだ!!!」

 

するとビルドの身体が金色に光る。

その光はホルダーに挿入されているラビットボトルに集まる。

するとラビットボトルが金色に変化する。

 

更にブラッドの胸が銀色に光り出す。

それに違和感を覚えたブラッドは民衆に襲い掛かるよう仕向ける。

 

ビルド「万丈...お前の命、貰うぞ!」

 

ビルドはそう言うとフルボトルバスターにラビットボトルを挿入する。

そして高速移動で民衆の間をすり抜けブラッドに攻撃する。

 

するとブラッドの中から二つの何かが抜け、その後に龍我が現れる。

意識の無い龍我の腕を掴むビルド。

だがそこにブラッドがビルド達に向けてエネルギー弾を放つ。

 

龍我を庇いながら吹っ飛ばされたビルドは変身が解除してしまう。

それでも戦兎は龍我の安否を確認する。

 

ブラッド「良い攻撃だ。だが、もう遅い。」

 

そう言うブラッドのドライバーにはハザードトリガーが装着されていなかった。

ブラッドが覗くパンドラボックスの中にトリガーが入れられ、電気を走らせている。

 

するとパンドラボックスが起動し、光の柱が現れる。

それと同時に何層もの禍々しい壁が現れ、人々を吹き飛ばす。

 

ブラッド「エボルトの力が天を目指すなら、我々はコアに迫る。地球を滅ぼす。」

 

そう言うとブラッドが生み出した壁が球体の様に動きながら地下へと進んでいった。

その衝撃が龍我が目を覚ましたようで、何がどうなっているのか分かっていない様子。

 

戦兎「万丈!」

 

龍我「戦兎?...これは?」

 

そう言う龍我の手には銀色に変化したドラゴンボトルが握られていた。

 

そんな二人にロストスマッシュの二人が近づく。

 

シザース「ビールドちゃん、遊びましょ?」

 

ゼブラ「暴れたりんかったから丁度ええわ!ハッハハハ!」

 

そう言いながら民衆を引き連れてやって来る。

それに構える戦兎達だが後ろから声が聞こえてくる。

 

「だったら俺達も混ぜてくれよ。」

 

やって来たのは一海と幻徳だった。

一時はブラッド達に拘束されていたが、内海に助けられてここにやって来たのだ。

 

「だったら俺も一緒に遊ぼうよ~。」

 

その声と同時に一海と幻徳の間に彼方が現れる。

そして三人はドライバーにボトルを挿入する。

 

彼方、一海、幻徳「「「変身!」」」

 

そう言って変身した。

 

グリス「心火を燃やして...ぶっ潰す!」

 

ローグ「大義の為の...犠牲となれ!」

 

ノヴァ「特にないかな~。」

 

三人はそう言うとロストスマッシュ達に向かって行く。

グリスとローグはゼブラスマッシュを。

ノヴァはシザーススマッシュを相手にして去って行く。

 

一方戦兎は何かを考え、龍我のドラゴンボトルを取る。

 

龍我「龍と兎だぞ。そんな組み合わせ無理に決まってんだろ...」

 

戦兎「...そんなことはない。」

 

戦兎は自信有り気に言う。

それには訳があった。

 

...

 

..

 

 

 

葛城巧と話した後、戦兎は一人地下室に戻ってきていた。

そしてパソコンからあるデータを閲覧していた。

 

戦兎「ハザードレベル7に達した仮面ライダーのボトルは進化を遂げる。進化したボトルがもう一本生まれた時、『究極』の科学反応が引き起こす!?」

 

巧『つまり仮面ライダーが二人必要ってことになる。ハザードレベル7以上なんて、ビルドの他にはエボルトの遺伝子を持つ万丈しか考えられない。』

 

戦兎「...きっと父さんは分かってたんだよ。だからビルドドライバーにボトルを二本挿せるように設計したんだ。」

 

...

 

..

 

 

 

父を...そして相棒を信じた戦兎は出来ると確信する。

そんな戦兎達に民衆が向かってくる。

それに構える戦兎達だが、突然目の前に紋章が現れる。

その紋章は光のバリアとなった。

 

「戦兎君!」

 

すると背後から聞こえるはずの無い声が聞こえて来た。

振り返ると紗羽とベルナージュが美空を担ぎながらやって来たのだ。

 

ベルナージュ「お前達が希望となれ。」

 

そう言うとベルナージュは手からオーラを放つ。

そのオーラが戦兎が握っていた二本のボトルとジーニアスボトルを包み込む。

そして三本のボトルは混ざり合って新たなボトルを生み出した。

 

戦兎はボトルを手に取り何かを考え込む。

すると目を閉じて微笑む。

 

戦兎「さあ...最後の実験を始めようか。」

 

そう言うと戦兎と龍我の周りに数式が現れる。

戦兎はボトルを振るとプルタブを開けて起動し、ドライバーに挿入する。

 

クローズビルド!

 

それを見た龍我はその場から離れようとする。

だが戦兎がレバーを回すと、何故かライドビルダーが龍我を巻き込む。

それに戸惑う龍我。

 

 

Are you ready?

 

龍我「ダメです!

 

戦兎「変身!

 

龍我「なっ!?

 

 

龍我の制止は空しく巻き込まれてしまう。

二人は合体して一人になる。

 

ラビット!ドラゴン!Be The One!クローズビルド!

 

イェイ!イェイ!

 

それぞれ半身がラビットラビットとクローズの様な姿をしている。

腰にはそれぞれのカラーのローブを着けている。

複眼や所々に金と銀のカラーリングになっている。

 

戦兎「ん?」

 

龍我「あ?」

 

戦兎「これって~...」

 

龍我「もしかして...」

 

 

クローズビルド「合体しちゃったあああああ!?

 

 

合体した二人はどうなっているのか訳が分からず慌てている。

これが忍の言う『究極』の科学反応なのだろうか...

 

するとクローズビルドに向かって民衆が一斉に襲いかかって来る。

それを見たクローズビルドはとにかくブラッドを追いかけることにし、飛んで追いかける。

 

クローズビルド「待てコラァ!」

 

ブラッド「最後の悪あがきか...フン!」

 

ブラッドに追いついたクローズビルドは交戦する。

だが二人の息が合っていないからか空振りに終わってしまう。

 

戦兎「呼吸合わせろよお前!」

 

龍我「お前だよ!」

 

クローズビルド「クッ、ううううううう!!!」

 

ブラッド「フッ、弱い犬ほどよく吠える!」

 

ブラッドはそう言ってクローズビルドに向かってくる。

だがその言葉が二人の呼吸を合わせることになる。

 

クローズビルド「あ?ふざ...けんな!!!」

 

呼吸が合ったことによりブラッドを蹴り返す。

そして今度は空振りしなくなり交戦する。

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

一方他のライダー達の戦いはというと...

 

グリスとローグは屋内でゼブラスマッシュと交戦していた。

上階からグリスが襲い掛かるがそれを弾くゼブラスマッシュ。

満足しているがそれが油断となった。

 

グリス「どこ見てんだゴラァ!」

 

グリスは肩のアーマーからオイルを噴出してゼブラスマッシュに突撃する。

更にそこにローグが足ばさみでゼブラスマッシュを〆ていく。

 

それを何とか抜け出すも、二人のパンチに怯む。

 

ゼブラ「なんや急に!?」

 

グリス「激烈!激昂!激情!」

 

グリスは両腕に装備したツインブレイカーにそれぞれボトルを二本挿入する。

片方の腕でゼブラスマッシュを柱まで追い込む。

そこでもう片腕に挿入したローズとロックボトルの力で柱に縛り付ける。

 

そして二人はレバーを倒す。

 

 

スクラップフィニッシュ!

 

 

クラックアップフィニッシュ!

 

 

二人のライダーキックが炸裂し、ゼブラスマッシュは爆発と共に消えていった。

だが何故かロストボトルはどこからか発生したワープゲートに吸い込まれて行った。

 

それに気づかないグリスとローグはやり切った様子だった。

 

ローグ「本気出させやがって...」

 

グリス「やったぞ、みーたん...あ?みーたん?みーたん?...どこだよここ...」

 

ローグ「何言ってんだポテト。遂にボケたのか?」

 

グリス「んだとヒゲェ!?お前こそ何カッコつけてんだゴラァ!」

 

ローグ「別にカッコつけてなんかいない!事実だ!」

 

グリス「嘘つけ!」

 

...締りが悪い二人だった。

 

...

 

..

 

 

 

一方ノヴァとシザーススマッシュはというと...

 

シザース「そんなもの?弱い男は嫌いなのよ!」

 

そう言って攻撃するシザーススマッシュ。

それを捌いて行くノヴァ。

一見ノヴァが不利に見えるが、ずっと攻撃を捌いているだけであって形勢はいつでも変えられることが出来る。

 

そんなノヴァはどう倒そうかと考えていた。

 

ノヴァ(涼香の目を覚ますにはどうするべきか...今ここで倒しても意味ない気がするしな~...じゃあもういっか...)

 

ノヴァ「ごめん、涼香...」

 

ノヴァはそう呟くと一気に攻撃を仕掛ける。

さっきとは違い怒涛のラッシュを決め込むノヴァ。

それに押されて行くシザーススマッシュは一旦距離を取り、自身の腕に装着しているハサミを飛ばす。

 

ノヴァ「それは俺の十八番なんだよね~...」

 

そう言うとノヴァは背後にワープゲートを大量に作り、そこからあらゆる武器を放出する。

その様はかの英雄王さえ少し引いてしまうぐらいの量だった。

 

シザース「クッ、バカな!我々の方が強いはずなのに!」

 

ノヴァ「その考えは改めなよ?じゃないと...足元を掬われるからね?」

 

そう言うとノヴァはレバーを回す。

シザーススマッシュはノヴァに向かってエネルギーを込めた特大のハサミを放出する。

だがそれを難なく砕き、ライダーキックを叩き込む。

 

ギャラクティックフィニッシュ!

 

爆発と共にシザーススマッシュは敗れた。

その跡を見るノヴァだが、ロストボトルが無いことに違和感を覚える。

 

ノヴァ「なんで...もしかして...っ!」

 

何かを感づいたノヴァは急いでワープしたのだった。

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

ノヴァ達がスマッシュを倒す中、クローズビルドとブラッドの戦いは白熱していた。

空中で縺れ合いながらも攻撃していく。

 

壁に降りた二人はお互いの方向へ駆けていく。

二人はそれぞれ龍とコブラのエネルギーを出してそれに乗る。

 

ブラッド「言ったはずだ。人間共は戦争の象徴である仮面ライダーを憎んでいる。たとえ洗脳が解けても、お前達が感謝されることもなければ賞賛されることもない!」

 

そして二人はぶつかる。

 

クローズビルド「俺達は、そんなことの為に戦ってるわけじゃない!」

 

ブラッド「ならどうしてそこまでして愚かな人間共を守ろうとする!何故お前達は戦う!」

 

クローズビルド「そんなの...決まってんだろ...!」

 

ふと戦兎は思い返す。

父の研究データを見る時に必要だったパスワードを思い出す時に見た記憶。

何故父は科学者になったのかという答え。

それは...

 

忍「ラブ&ピースだ!」

 

その言葉に戦兎は驚く。

 

忍「父さんは愛と平和の為に科学者になったんだ!」

 

そう言って胸に手を当て、ピースサインを掲げ笑う忍。

自信が掲げるラブ&ピースは父から受け継がれてきた物。

それを戦兎は誇りを持って掲げている。

 

クローズビルド「俺達が戦うのは愛と平和の為だ!俺達が皆の明日を創る!その想いは誰にも打ち砕けない!」

 

そう言うとクローズビルドはブラッドを圧倒していく。

想いが強くなったことでハザードレベルが更に上昇したのだ。

 

レバーを回したクローズビルドは壁へと降りていく。

すると壁には金色に輝くラビットラビットアーマーが駆けてくる。

 

アーマーの後ろ脚をバネにして一気にブラッドに向かって跳ぶ。

そして右足に銀色のオーラを纏ってブラッドを蹴り上げる。

 

ブラッド「なんだこの力は!?何故人間如きにこの私が!?」

 

空へと昇って行くクローズビルドを追う様に銀色の龍がやって来る。

龍は口を開けるとエネルギーを溜める。

 

クローズビルド「今の俺達は、負ける気がしねえ!!!」

 

そう言うと共に龍から放たれた炎がクローズビルドを一気に押し出す。

それによって地上に出て来たクローズビルド。

 

クローズビルド「勝利の法則は決まった!」

 

ブラッドに金と銀の二つのグラフが絡みつく。

 

クローズビルド「ラブ&ピース...フィニッシュ!!!」

 

グラフの上を突き進むクローズビルド。

赤と青のエネルギーを纏ったライダーキックがブラッドを押していく。

そしてグラフの終点を突き抜けるとブラッドが爆発した。

爆炎と共にブラッドの魂が消滅した。

 

着地したクローズビルドはゆっくりと立ち上がり、その跡を見た。

地球存亡を巡る戦いは、二人の勝利によって幕を閉ざしたのだった。

 

 

...かのように見えた。

 

 

 

よくやってくれた、若き仮面ライダー諸君。おかげでやっと自由に動ける。

 

 

 

 

 

to be continued...




先に言っておくね。
今週末は小説出せないかも。


次回も見てね~。


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劇場版編 この世全ての悪と人類悪

ブラッドに操られた民衆を前に一人戦う戦兎。

そんな中龍我を何とか救い出す。

 

ハザードレベル7に達した二人は奇跡の力で融合し、仮面ライダークローズビルドに変身した。

二人の力で見事ブラッドを打ち破った。

地球存亡を掛けた戦いは終わった...かのように見えたが...

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

―NO side―

 

 

 

よくやってくれた、若き仮面ライダー諸君。おかげでやっと自由に動ける。

 

 

ブラッドが爆発した跡から一人の男が現れる。

その姿を見たクローズビルドは驚愕する。

 

クローズビルド「なんでまだ生きてんだよ...言峰!」

 

言峰「先ほどの戦いは見事だった。だが、アレでは私は倒せない。」

 

さっきとは雰囲気が違う言峰の様子に警戒するクローズビルド。

そこにノヴァがワープし、武器を向ける。

 

ノヴァ「やっぱりヴラドは隠れ蓑だったようだね~...ラスプーチン?いや...言峰綺礼の方か。」

 

言峰「フッ、流石は異界の者。私が何者かを良く知っているようだ。」

 

二人の会話にどういうことなのか分からなくクローズビルド(主に龍我が)。

そこでノヴァに説明を求める。

 

ノヴァ「アイツはサーヴァントと呼ばれる英霊だ。もっとも、アイツの場合はちょっと特殊だけどね。」

 

言峰「その通りだ。私はラスプーチンの依り代として選ばれた。だが、奴は既に消えた。つまり私はサーヴァントと同等の力を得た言峰綺礼なのだ。」

 

クローズビルド「そもそも言峰はブラッド族じゃなかったのか?」

 

ノヴァ「いや、恐らくブラッドに変身していた奴は身体をすり替えたんだよ。その証拠に極プロジェクトのデータを見た時に知らない名前が載ってたでしょ?伊能賢剛の名が。」

 

クローズビルド「...そういうことか。恐らくブラッドはエボルトと同様に伊能から言峰に乗り変えた。だがそのブラッドも言峰の手の上で踊らされていたってわけか...」

 

言峰「正解だ。そして私の狙いはただ一つ...このパンドラボックスの力を使い、この世界に『この世全ての悪(アンリ・マユ)』を誕生させることだ。」

 

言峰が言った狙いに驚くノヴァといまいち分かっていないクローズビルド。

だがノヴァが驚いていることにヤバい物だと感じている。

 

ノヴァ「...冬木の時は町一つしか被害が無かったけどパンドラボックスの力を使えばある意味あの小聖杯なんかよりも泥を流せるってことか。」

 

言峰「流石だ。宇宙の力を使い生れ出た悪を祝福することこそ私の至高。その為に彼らは利用させてもらった。」

 

そう言って言峰は三本のボトルを取り出す。

それはヴラド達が使っていたロストボトルだった。

 

言峰「彼らの力が極限まで高められた状態で撃破する。それこそこのボトルの真の力を発揮させるトリガーだ。そしてこの三本とこのハザードトリガーを使い、新たな聖杯を生み出す...」

 

そう言うと言峰は魔術を展開する。

するとハザードトリガーを中心に三本のボトルが宙に浮く。

ボトルが宙を周りながらトリガーにエネルギーを与えていく。

 

するとトリガーからパンドラボックスに向かって一筋の光が走る。

そしてパンドラボックスから光の柱が現れる。

だがエボルトやブラッドが使用した時の様な光ではなく、どす黒い光だった。

 

するとパンドラボックスから泥が溢れ出てくる。

その泥に触れた地面が黒い炎を出す。

 

言峰「第一段階...成功。」

 

ノヴァ「まさか本当に...」

 

クローズビルド「どうなってんだよ!?」

 

新たな聖杯を生み出すと言った言峰。

まさかパンドラボックス自体を聖杯とするとは思ってもみなかったノヴァはどうするべきか慌てる。

 

既に聖杯の泥が溢れ出ている。

これが量を増やし、この場所を覆うのも時間の問題である。

更にこれが第一段階だと言った言峰の言葉に更なる緊張感に陥るノヴァ。

 

焦ったノヴァは取り敢えず元凶を叩くことに決め、言峰に向かう。

すると隣にはクローズビルドが居た。

 

クローズビルド「考えることは同じのようだな。」

 

ノヴァ「とにかく今はあの愉悦神父を叩くしかない!」

 

二人は言峰に向かう。

それを見て言峰は懐から黒鍵を取り出し、軽く構える。

 

言峰「来たまえ。」

 

その言葉に更に加速する二人。

そしてダブルパンチを叩き込もうとするのだが...

 

黒鍵によって簡単に防がれた。

 

それによって動揺する二人の隙を突いて震脚で怯ませる。

そして二人の腹に肘撃を叩き込み吹っ飛ばす。

 

一瞬の出来事に反応できなかった二人は変身解除に追い込まれてしまった。

しかも変身解除してしまった戦兎達のクローズビルド缶は何故かジーニアスボトルと二本のボトルに戻ってしまう。

 

戦兎「なんで!?」

 

龍我「クソっ!」

 

彼方「バカ強いじゃん...英霊って言っても絶対神霊混ざってるよあれ...」

 

言峰「君達人間如きではサーヴァントである私には勝てない。たとえサーヴァントと契約しているマスターであってもな。」

 

言峰の言葉に打ちひしがれる戦兎達。

だが彼方は諦めず、スイッチを取り出す。

 

とそこに言峰に立ち向かう二人のライダーが現れる。

 

グリス「オラァ!!!」

 

ローグ「フン!!!」

 

言峰「っ!」

 

空中からグリスとローグがライダーキックを言峰に浴びせようとする。

だが言峰は予想外の事態にも即座に対応し、二人に震脚を利用した回し蹴りを浴びせる。

それによって二人は戦兎達の下に吹っ飛ばされ、変身が解除してしまう。

 

龍我「一海!幻さん!」

 

戦兎「どうして二人がここに!」

 

一海「っ...知らねえ女がいきなり現れて俺達をここに連れて来たんだ。」

 

幻徳「どことなく彼方に似てる感じがしたが...」

 

幻徳の言葉に誰なのか気づく彼方。

すると彼方の隣にフォリアが現れる。

 

フォリア「二人を連れて来たのは正解でしたか?」

 

彼方「微妙なとこじゃない?」

 

一海「おいどういう意味だゴラァ!」

 

幻徳「俺は負けてない!」

 

戦兎「あーもううるさいよ二人共!てかそちらさんは誰?」

 

彼方「彼女はフォリア。エボルト達と同じブラッド族だよ。まあ彼女は僕の恋人だし?今はすっかり馴染んだから裏切ることなんてないよ。」

 

フォリア「ええ。あんなサイコ野郎やセクハラ野郎なんかと一緒に居たくないですから。」

 

フォリアの言葉に納得せざるを得ない戦兎達だった。

一体サイコ野郎とセクハラ野郎は誰のことを指しているのだろうか...

 

そんな会話をしていると言峰が黒鍵を彼方の側に投擲する。

それを見て意識を引き締める彼方達。

 

言峰「悠長に話している余裕はあるかね?」

 

彼方「その通りだね~...ならさっさとアンタを倒して彼女の話をしないとだね~。」

 

フォリア「惚気られたら嫉妬されますよ?主にあのドルオタに。」

 

彼方「...後ろから刺されないか心配になって来た。」

 

一海の嫉妬に恐怖する彼方だが、頭を振って何とか忘れる。

そしてスイッチを掲げ、ボタンを押す。

 

彼方「ブラッドアップ...」

 

すると黒いモヤと共にフォリアがアメーバ状に変化する。

彼方を囲むと赤黒い結晶となる。

そして結晶が弾けると、オピュクス・ノヴァが居た。

 

オピュクス「久しぶりにこの姿になるな~。」

 

戦兎「あの姿は...」

 

幻徳「俺と戦った時の...」

 

龍我「マジ強え奴じゃねえか...」

 

オピュクスは言峰の下に瞬間移動し、攻撃を仕掛ける。

それに反応し、何とか防ぐ言峰。

だが先ほどの余裕はなく、真剣に戦っている。

 

正統ではないものの八極拳を使う言峰と独流で戦う彼方。

お互い拮抗した戦いが繰り広げられている。

 

言峰「私とここまで対峙できるとは...衛宮切嗣以来だ。」

 

オピュクス「思い出したのか?正義の味方を。」

 

言峰「フッ、君もそれになろうと?馬鹿馬鹿しい!」

 

そう言うと言峰は本気の拳を打ち付ける。

それによって吹っ飛ばされるオピュクス。

流石のオピュクスでもサーヴァントとなって更に肉体的に強化された言峰には一歩届かない。

 

オピュクス「チッ...やっぱこれじゃ無理か。なら...」

 

そう言うとオピュクスは十二のホロスコープススイッチを投影する。

オピュクスの魔術を見て、言峰はある正義の味方を目指す少年を思い出した。

どことなく姿が重なった彼方に対し、最大限の警戒をする。

 

オピュクス「今なら出来る...グランドアップ!

 

オピュクスがそう言うとホロスコープススイッチはオピュクスに吸収される。

そしてオピュクスはノヴァに怪人要素を含ませた姿に変わった。

 

オピュクス「フゥ...一気に潰す...!」

 

そう言うとオピュクスはしし座の力を使ってさっきよりも更に高速で言峰の側に移動し、ラッシュを叩き込む。

反応が遅れた言峰は初撃に対応できず、ラッシュを叩き込まれて行く。

 

更にオピュクスは蠍座の力で言峰に毒を打ち込む。

それによって動きが鈍くなった言峰に射手座の力で生成した矢を一斉掃射する。

その矢にも毒を仕込んでおり、言峰は遂に膝を着いてしまう。

 

言峰「クッ...まさかこれほどとはな...」

 

オピュクス「今すぐ消してやる。」

 

そう言うとオピュクスはやぎ座の力でギターを取り出し、かき鳴らす。

すると言峰は苦しみ出す。

言峰に打ち込んだ毒をギターを鳴らすことで活性化させたのだ。

 

それによってどんどん顔色が悪くなっていく言峰。

いくら肉体が強くなったとはいえ、猛毒への耐性が付いた訳ではないのだ。

 

すると言峰は力を振り絞って震脚を使ってパンドラボックスの下に行く。

そしてなんとパンドラボックスを掴み、泥を自ら被ったのだ。

それを見て驚愕するオピュクス達。

 

すると泥の中から青白い光が出てくる。

その光はどんどん強くなっていく。

そしてある詠唱が聞こえる。

 

 

偽り写し記す万象(ヴェルグ・アヴェスター)

 

 

すると突然オピュクスが苦しみ出す。

そして変身が解除してしまう。

 

戦兎達「「「「彼方!?」」」」

 

変身が解除された彼方の全身から血が出ていた。

いきなりのことに彼方自身も何が起こったのか理解できていない。

そして彼方へのダメージが大きすぎたのか、フォリアが強制的に出てくる。

 

彼方「一体何が...」

 

フォリア「急にダメージが来ましたよ...」

 

するとパンドラボックスが台座に置かれる。

そして泥から言峰が出てくる。

その姿を見て驚愕する彼方達。

 

一海「なんだあれは...!?」

 

幻徳「身体が青白く光ってる...!?」

 

龍我「どうなってんだよ...!?」

 

戦兎「パワーアップしたのか...!?」

 

服が破れ露わになった言峰の上半身にはタトゥーの様な物が刻まれている。

腕から顔まであらゆる所に刻まれているタトゥーは青白く光っている。

更に言峰の髪の毛がこげ茶からタトゥーと同じ青白く変化した。

 

その姿とさっきの言峰の詠唱からある推測を出す彼方。

 

彼方「まさか...アンリ・マユと融合したのか...!?」

 

彼方の推測に言峰はフッと笑う。

 

言峰「その通りだ。元々の私のクラスはアルターエゴ。今更融合する英霊が一基増えようが自我を失うようなことは無い。今の私は正に『この世全ての悪』となったのだ!」

 

そう手を掲げて笑う言峰。

自信の目的である『この世全ての悪(アンリ・マユ)』の誕生。

更にアンリ・マユを自身と融合させることに成功し、この上ない愉悦に浸っている言峰。

 

その様子を見て彼方達は絶望する。

さっきでも充分強かった言峰が更にもう一基の英霊と融合したことにより彼方を再起不能間近まで追い詰めたのだ。

その事実が戦兎達に重くのしかかっていた。

 

龍我「あんなのどうすりゃいいんだよ...」

 

一海「何も出来ねえのか...」

 

戦兎「もう一度クローズビルドになれれば...」

 

幻徳も何も言わないがシャツが言っている...

 

マジピンチ

 

だが彼方だけは諦めていなかった。

どうにかして言峰を止めない地球が滅亡してしまう。

でも対抗する手段がない...

 

その時、彼方にパスが繋がる。

 

ティアマト『()()が出来た...』

 

ティアマトの言葉に彼方は希望の光が見える。

目に闘志を燃やし、立ち上がる。

 

言峰「ん?まだ抵抗するかね?」

 

彼方「ああ...『この世全ての悪(アンリ・マユ)』に対抗するにはどうすればいいかって考えてたけど...こっちにはもっと凄いのが居たんだった...」

 

言峰「アンリ・マユよりもだと?フッ、そんなもの抑止の守護者でも居ないのでは?」

 

彼方「知ってる?正義は悪から生まれることもあるって...」

 

彼方がそう言うと背後に三つの紋章が現れる。

それぞれ彼方に刻まれている令呪と同じ紋章をしている。

 

そして紋章がゲートとなり、そこからカーマ、キアラ、ティアマトが現れる。

『人類悪』が三基揃った瞬間だった。

 

言峰「っ!?なんだこの魔力は?並みの英霊とは訳が違う...もしかして...!?」

 

彼方「『この世全ての悪(アンリ・マユ)』には『人類悪(ビースト)』ってね...」

 

彼方がそう言うとビースト組は一斉に魔力を高める。

すると彼女達の背後の紋章からエネルギーが流れてくる。

エネルギーが彼方の真上に集まると一つの禍々しいアイテムが生まれた。

それはエボルトリガーに似ていた。

 

彼方はそれを見て自信に満ちた顔になる。

そしてトリガーのボタンを押す。

 

BEAST!

 

三人の声が鳴る。

するとトリガーから電気が走り、彼方の全身を覆う。

それに少し苦しむが、彼方が魔力を解放すると直ぐに電気が止んだ。

 

すると彼方からオーラが現れ、そのオーラがトリガーを包む。

先ほどの禍々しいトリガーが一転して丸いトリガーになった。

その形はまるでカルデアのシンボルに似ていた。

 

彼方はもう一度トリガーのボタンを押す。

 

グランドBEAST!

 

彼方の力によって『冠位(グランド)』と『人類悪(ビースト)』の力が混ざり合ったトリガー。

それをドライバーに装着してボトルを挿入する。

 

『ゾディアック!ライダーシステム!グランド・エボリューション!』

 

黄金の輝きを放つドライバー。

彼方はそのレバーを回していく。

するとビースト組から彼方に魔力が送られて行く。

 

『Are you ready?』

 

 

彼方「変身!

 

 

OVERWORLD! BEAST! BEAST! BEAST! GRANDEVOLUTION!

 

Aaaaaaaa!

 

 

魔力が結晶となって彼方を覆う。

すると結晶が弾け、十二星座のシンボルが彼方を囲む。

シンボルからエネルギーがノヴァに伝わって行く。

 

ノヴァの身体が黄金の輝きに包まれるとティアマトが声を出す。

するとシンボルがノヴァの胸に刻まれる。

 

全体的に黄金色になったノヴァ。

肩や頭部のアーマーはカーマの様なエネルギー体に。

腰のローブはティアマトをイメージした水色のラインが走る。

頭部にキアラとティアマトの角を合わせたような角が生える。

 

ノヴァ・グランドビーストフォームが誕生した。

 

ノヴァは自身の中から溢れ出るエネルギーを放出する。

すると辺り一帯が宇宙へと変わった。

だがそこには奇妙な触手が蔓延り、先端から聖杯の泥と同様のものが垂れていた。

 

ノヴァ「それじゃあ...とっとと聖杯ぶっ壊そっか。」

 

ノヴァがそう言うと太刀を取り出し、レバーを回す。

それを見て危険を感じた言峰は慣れない宇宙空間の中でなんとか動きノヴァに迫る。

 

Ready go!

 

GRAND!ギャラクティックビーストフィニッシュ!

 

太刀にエネルギーが集まり、巨大な光の剣となる。

彼方がそれを振り下ろすと巨大なビームとなった斬撃がパンドラボックスに向かう。

それを見た言峰は自身の身でビームを防ぐ。

 

かつて聖杯を壊した騎士王を彷彿とさせるビーム。

今度こそは壊させないと自身で受け止め、そのダメージを宝具でノヴァに負わせようとする。

だが言峰は気づいていなかった。

 

偽り写し記す万象(ヴェルグ・アヴェスター)』は自信が受けた傷を相手に返す呪い。

傷そのものは消えないのだ。

 

現に今も言峰の体内にはノヴァが打ち込んだ毒は消えていない。

それを認知しているノヴァは触手で言峰を絡み取る。

そして触手からケイオスタイドを言峰に染み込ませる。

 

体内に入った泥は毒と融合して活性化する。

それによって言峰の動きが鈍くなる。

 

更に倍の量の泥を染み込ませ、本来サーヴァントとして顕現している言峰を受肉させる。

そして受肉させた身体を普通の人間と同じスペックに変化させる。

 

これらのことによって言峰は急激に弱体化した。

自身でも何が起こっているのか分からない言峰。

宝具を発動しようとするが、既にビームに耐えれる程の肉体ではない為飲まれて消滅した。

 

術者が消滅しても尚聖杯は泥を流し続けている。

その聖杯にビームが直撃するが、聖杯となったパンドラボックスのパネルが開くだけ。

 

そこでノヴァがワープで聖杯に近づき、手に青い炎を纏う。

かつてカーマを焼き殺したシヴァの炎。

その炎は宇宙をも燃やす。

 

宇宙をも燃やす炎で泥を燃やしていく。

泥はそれに抗おうとするも自身を消していく炎に抗えず。

最期にはまっさらなパンドラボックスとハザードトリガーがあった。

 

それを見たノヴァは空間を元の場所に戻し、変身を解除する。

それと同時にビースト組は帰って行った。

 

変身を解除した彼方の下に戦兎達が集まる。

 

龍我「すっげえじゃねえか!マジ強すぎだろ!」

 

一海「お前やるじゃねえか!」

 

幻徳「...『マジヤバいな』。」

 

戦兎「...凄いな。」

 

彼方「ちょっ、流石に暑苦しいって!?ちょ、誰か助けてええええ!!!」

 

男達に囲まれた彼方の悲鳴が響く...

 

そんな悲鳴を他所に、エボルトは彼方達を眺めていた。

その手には三本のロストボトルを握って...

 

エボルト「やるじゃないか。三人共確実に進化してきてるか...だが、俺の計画に狂いはない。」

 

オベロン「いよいよ最終ステージだねぇ。」

 

エボルト「面白くなってきた...」

 

エボルトはそう言うとオベロンと共に姿を消した。

 

地球存亡の戦いを制した彼方達。

だがそれはエボルトにとって好都合だった。

エボルトの計画は最終ステージに突入する。

 

果たして彼方達はエボルトを阻止できるのだろうか...

 

 

 

 

to be continued...

 




投稿遅れてマジですんません。

色々大事な予定があったんどす...



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誓いのビー・ザ・ワン

いやほんとこんなに更新遅くてすんません×10
色々用事だったり大掃除が始まったりで時間が取れなくなったんですね...
あと劇場版編辺りからモチベ下がって行ったのもあって...

ほんと申し訳程度に文字数増やしてます。



―NO side―

 

『スカイウォールの惨劇から十年。我が国は東都、西都、北都の三つに別れ、混沌を極めていた。』

 

そうカメラに向かって話すのは御堂に擬態したエボルトだった。

 

現在パンドラタワーの頂上から国内に向けて放送されている。

エボルトの背後には空中ディスプレイが投影され、戦争の映像が流れている。

 

エボルト「やがて仮面ライダーが軍事兵器として起用され戦争が勃発。争いは苛烈を極めたが、北都と東都を制圧した西都が新たな国家を作り上げた。そして、遂にこの日を迎えた...フッハッハッハッハッハ!」

 

御堂に扮していたエボルトの周りをEVライドビルダーが回る。

そしてエボルトは御堂の声から本来の自身の声へと戻す。

 

エボルト「本日を以て我が国は終了する!」

 

そう言ってブラックホールフォームへと変身したエボルト。

その姿を中継で見ていた人々は混乱する。

 

エボルト『俺の名はエボルト、あらゆる惑星を吸収して自らのエネルギーに変える地球外生命体だ!この地球を滅ぼして俺の一部にする!だが?十年も住み着いた惑星だ。愛着もたっぷりあるんでね

。特別にチャンスをやろう。』

 

そう言ったエボルトに人々は期待を持つ。

 

エボルト『仮面ライダー諸君に告ぐ!明朝パンドラタワーの前にロストボトルを持参して集結せよ!この星を賭けて最後の戦いを始めようじゃないかァ!ハハハハハハハハッ!!!』

 

そう言うエボルトの中継を見ていた戦兎達。

それぞれ覚悟を決めた表情をする。

 

戦兎「エボルト...!!!」

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

エボルトの放送を見た後、一同はパンドラボックスを覗き込んでいた。

言峰との戦いの後に回収しておいたパンドラボックス。

そこに龍我がハザードトリガーを持ち、行くぞと言う。

 

龍我がパンドラボックスの中にトリガーを入れると龍我の手からトリガーに何かが伝わる。

するとトリガーがパンドラボックスと反応して光り出す。

やがてパンドラボックスの空いている一面を覆う様に白いパンドラパネルが現れた。

それを見て一同は声を上げる。

 

一海「白いな?」

 

龍我「なんだよこれ~?」

 

戦兎「父さんが残した研究データを解析して分かったんだ。エボルトの遺伝子を持つお前だから作れた。」

 

戦兎がそう言うと龍我を見る一同。

言峰が同じ方法で使用した時には地球のコアへと進む兵器と化したが、エボルトの遺伝子を持つ龍我だからこそこのパネルが誕生した。

 

戦兎「このパネルの存在はエボルトも知らない。新世界はワームホールが完成形じゃなかったんだ。」

 

美空「どういうこと?」

 

戦兎「このパネルは平行世界にアクセスできる。」

 

彼方以外の一同「「「「「平行世界?」」」」」

 

すると龍我がどこかで聞いたことがあると言って悩む。

そして思い出したのか自信満々に告げる。

 

龍我「アパレル!」

 

その声にツッコもうとする紗羽と彼方。

だがその二人を制する龍我。

 

龍我「いや...『パラソル』!」

 

彼方、紗羽「「『パラレル』ね?パラレルワールド。」」

 

龍我「パラレル...」

 

彼方、紗羽「「うん。」」

 

それぞれ龍我を小突いて正解を言う。

その様子に鼻で笑い呆れる戦兎。

 

戦兎「...この世界にはパラレルワールドと呼ばれる無数の平行世界が存在する。白いパネルとエボルトが持つ黒いパネルを使えば、別の世界と交わることが出来るんだ。」

 

幻徳「そうなったら二つの世界は滅びるんじゃないのか?」

 

幻徳は以前起こったエニグマ事件のことを出す。

あの時は最上が二つの世界の自分を融合して不老不死の身体を手に入れようとした。

その際に二つの世界は衝突して滅びるはずだった。

 

それと同じことが起こるのではないかと危惧する幻徳。

だがそれを彼方が否定する。

 

彼方「あの時は限りがある力でやろうとしたから滅びることになった。けど今回は違う。パンドラボックスの力を使って二つの世界を融合してスカイウォールの惨劇が起こらなかった...つまりエボルトが居ない世界を作るってことだよ。」

 

美空「でももう一つの世界にも別のあたし達が存在してるんでしょ?融合したらどっちかが消えちゃうんじゃないの?」

 

戦兎「俺達が居る世界が『A』、スカイウォールの無い世界が『B』とするなら、『A』と『B』の世界を合わせて『C』という新しい世界を作るんだ。白と黒のパネル、そしてエボルト自身。これらの強大なエネルギーを合わせると激しい時空の歪みが生まれて、既存の物理法則が成り立たない特異点が現れるはずだ。それを利用して新しい世界へと融合する。」

 

龍我「やっぱりさっぱり分からねえ...」

 

戦兎と彼方の説明を聞いても分からない龍我。

そんな龍我の頭を優しく叩きながらエボルトはどうなるのかと聞く一海。

 

彼方「エボルトのエネルギーは全て時空の歪みを作るのに使われるよ。だからエボルトもパンドラボックスも完全に消滅するはずだよ。まあそれでもエネルギーが足りなかったら僕が補充する形になるんだろうけど。」

 

一海「じゃあエボルトを倒すには他に黒いパネルと十本のロストボトルが必要だってことだな。」

 

戦兎「そのボトルともう一本を人体に入れて生成し直さなきゃいけない...十本のボトルを白と黒のパネルに嵌めて新世界を創る。それが地球を救う唯一の方法だ...」

 

...

 

..

 

 

 

同時刻、エボルトは一人何処かの室内に立っていた。

そんなエボルトの隣にホログラムで形成されたスマッシュが現れ、エボルトに襲い掛かる。

エボルトはスマッシュを難なく倒すと、後ろから別のスマッシュが現れる。

そのスマッシュも一撃で倒したエボルト。

 

すると後ろから内海が現れる。

エボルトの最終調整を行っていたのだ。

 

エボルト「葛城センセイの代わりは務まりそうだなぁ?明日が楽しみだ...」

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

地下室で一人白いパンドラパネルを解析している戦兎。

とそこで戦兎はふと考える。

本当に父親の目的は新世界を創ることだけなのかと。

 

いくらエボルトが居ない世界を創る為とはいえ、あまりにも多くの犠牲者を出している。

スカイウォールの惨劇から始まり、スマッシュにされた被験者達や戦争に巻き込まれた人々。

多くの人が犠牲となったうえで本当に新世界を創るだけだが目的だったのだろうか。

 

その疑問には戦兎の中に居る巧も同様に考えていた。

既存の物理法則が成り立たない特異点を創ることでその懸念が解決するのだろうか。

そう考えてる戦兎の下に一海がやって来る。

 

一海「俺に強化アイテムを作ってくれねえか?」

 

その言葉を聞いて戦兎は背を向ける。

それに慌てて一海が言葉を繋げる。

 

一海「時間が無いのは分かってる!けど、今のままじゃお前達の力になれねえ。だから...!」

 

そう言う一海に戦兎はあるアイテムを見せる。

それは龍我が使っていたブリザードナックルだった。

だが龍我が使っていた時とは違い、ボタンにはグリスのシンボルが刻まれている。

 

元々一海専用に開発していたナックル。

だが一海が幻徳と一緒にネビュラガスを注入したことにより渡せなかった。

使用するにしても大きなリスクが伴うのだ。

 

戦兎「三羽ガラスのデータが取り込んである。」

 

そう言って一本のボトルを一海に渡す。

表面は氷をイメージした造形になってあり、中にはグリスと三羽ガラスのシンボルが刻まれている。

 

戦兎「そのボトルで変身すればハザードレベルは一気に上がる。今のお前が使えば人間の限界値を超えて、消滅する...」

 

その言葉に一海は考え込む。

そんな一海に戦兎はあくまで武器として使ってくれと頼む。

 

一海「世界を救う為なら、命を懸けて戦うのが仮面ライダーだろ...アイツらはもう居ねえ...俺がどうなろうと...」

 

そう言ってドックタグを見つめる一海の腕を掴む戦兎。

 

戦兎「お前に何かあったら、俺達が悲しむ。」

 

一海「......心配すんな。これはビルドドライバーに挿すもんだろ?俺、スクラッシュドライバーしか持ってねえしよ。」

 

そう言う一海をどこか悲し気に見る戦兎。

 

とそこに美空と彼方がやって来る。

 

美空「ねえ!皆でご飯食べよ?」

 

一海「今日はBBQだよ~?」

 

そうして屋上に集まった戦兎達。

いよいよ食べようとする時に幻徳がおもむろに立ち上がる。

 

幻徳「僭越ながら、乾杯の音頭を取らせてもらう。思えば今まで様々なことが...」

 

皆「かんぱ~~い!!!」

 

幻徳の音頭を遮って先に乾杯する一同。

そしてそれぞれやりたいことをしていく。

 

よく見ると脇には幻徳が来ている『乾杯』Tシャツが置かれている。

それを見た幻徳は一気にテンションが下がってしまう。

そして一人で寂しく乾杯をする。

 

一海と彼方が肉を焼いて行く中、皆それぞれ好き勝手行動している。

龍我はまだ完璧に焼けていない肉を食べようとするし、紗羽は自分の分の肉をちゃっかりキープする為に戦兎をパしる。

そして美空は必死にうちわを扇いで火の勢いを保つ。

終いには幻徳が一同と離れ、一人流しそうめんをしている。

 

そんな様子を見て辟易とする一海。

だが彼方はその様子を見て笑っていた。

 

彼方「美空ちゃんそろそろ肉食べなよ?丁度いいのが出来たからさ。」

 

美空「あたしはまだ大丈夫だから彼方さんが食べなよ~。やっ!」

 

彼方「う~ん...じゃあ半分こしよっか。」

 

そう言って美空とイチャイチャする彼方。

それもあって余計にテンションが下がる一海は後ろを向く。

するとある物を発見してしまう。

 

一海「っ!?こ、これは...!?み、みーたんの...タオルっ!」

 

一海が見つけたのはみーたんのマスコットキャラであるうーたんがプリントされたタオル。

それを見て一海は美空のタオルだと推測。

それで汗を拭いたいという変態チックなことを思ってしまう。

 

とそこに自身の理性はそれを制止する。

だが一海は自らの欲望に忠実になり、理性をあっさり捨てる。

 

一海(ではここは心火を燃やして遠慮なく...)

 

そして一海はタオルを手に取り、鼻に当てて思い切り息を吸う。

女性の好むいい匂いがタオルから放たれ、一海は思わず拳を掲げた。

 

そんな一海の前を通る美空。

美空にタオルのことを聞こうとする。

だがそこで異変に気付く。

 

美空がタオルを使っているのだ。

では一体一海が匂いを嗅いだタオルは誰のなのか...

 

一海「おんなじタオル...!?じゃあこれは誰の!?」

 

そう言う一海の手からタオルを取ったのは幻徳だった。

幻徳はタオルを広げると、うーたんともう二つのマスコットが写っていた。

『かなたん』と『ひげたん』という文字が...

 

それを見た一海は察してしまった...

 

一海「お前のかよ!!!いい匂いさせてんじゃねえよ!」

 

そう言う一海に見せつける様に自身の汗を拭う幻徳。

それを見て悔しがる一海。

 

そんな一幕がありながらも無事BBQは終盤を迎えていた。

肉や野菜を食べ終えて、彼方と一海と女性陣は花火を楽しんでいる。

幻徳は疲れたのか椅子に座り、乾杯Tシャツを被って寝ている。

 

そんな様子を一人遠目に眺めている戦兎の側に行く龍我。

 

龍我「何黄昏てんだよ?」

 

戦兎「こういうありふれた、でもかけがえのない日常を守る為に、俺達は戦ってきたんだよな...」

 

そう言う戦兎の視線の先には打ち上げ花火を点火してはしゃいでいる四人の姿が。

龍我もそれを眺めて笑顔を浮かべる。

 

戦兎「皆の明日を創る...その為にも、必ずエボルトを倒す...!」

 

龍我「...ああ。」

 

そう言った戦兎達は覚悟を決めた表情をする。

そんな中、戦兎は龍我に話しておきたいことがあると言って向かい合う。

それに対し、龍我は真剣な表情で聞こうとするのだった...

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

翌朝、パンドラタワーの前には大勢の人々が集まっていた。

マスコミはこの現状やこれからどうなるのかを伝えようとし、民衆はエボルトに対し不満の声を上げる。

 

そんな中、パンドラタワー周辺を飛んでいたヘリコプターが突如何者かによって撃ち落とされる。

ヘリコプターは真っ直ぐ人々の前へと墜落し、何とか被害が無いものの爆発を起こした。

煙が晴れると、奥から大量のハードガーディアンを引き連れたエボルトの姿が。

 

 

エボルト「死にたいのか?

 

 

その言葉に一斉に逃げ出す人々。

そんな中、人々の間を搔い潜って来る男達が居た。

エボルトの前に立つ五人の仮面ライダー達だった。

 

エボルト「ようこそパンドラタワーへ。ロストボトルは持ってきてくれたかなぁ?」

 

そう芝居がかって言うエボルトに対し真剣な表情でボトルを見せる一海。

それを見て満足そうにするエボルト。

 

エボルト「いいだろう!これからルールを説明する。」

 

戦兎「ルール...?」

 

エボルト「お前達にはこのパンドラタワーの頂上を目指してもらう。だが、十分おきにこの国をエリアごとに消してゆく。こんな風に。」

 

そう言うとエボルトはあるエリアを見る。

するとそのエリアの上空にブラックホールが発生し、あっという間に町が消える。

以前政府官邸を吸い込んだ時とは比べ物にならない速さで吸い込まれて行った。

その様子は『nascita』に居る美空達にも見えていた。

 

龍我「何してくれてんだよ!!!」

 

エボルト「お前達が早く頂上に着けば、それだけ多くの人間が助かるって訳だ。It's SHOW TIME!!!

 

そう言ってエボルトはワープして消えた。

するとガーディアン達が一斉に戦兎達に向かって行く。

 

戦兎達は変身し、それぞれ武器を構える。

そして地面に向かって放つと、それぞれの攻撃が地面を伝ってガーディアン達へ炸裂した。

煙が晴れるとガーディアン達は一体も居ず、地面には壮大な焦げた跡があった。

 

ビルド「行くぞ!」

 

...

 

..

 

 

 

一方その頃、パンドラタワーの頂上にワープしたエボルトは石にゆっくりと座る。

 

エボルト「さぁ、ゲームの始まりだ...」

 

そう言ってトリガーを抜くエボルト。

フェーズ1の姿に戻ると同時に自身の遺伝子を何処かに向かわせた...

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

クローズ「おりゃァ!!!」

 

壁を壊し、パンドラタワー内部に侵入したビルド達。

上に続く道を見つけたビルド達はそこへ向かって走って行く。

だがそこで聞こえるはずの無い声が聞こえてくる。

 

 

待ってくれ!

 

 

その声にグリスは振り向く。

そこには死んだはずの三羽ガラスが居た。

 

青羽(?)「俺達を置いてくなんて、水臭いっすよ!」

 

グリス「お前ら...」

 

クローズ「どうなってんだよ...!」

 

死んだはずの三羽ガラスが目の前に居ることに動揺するビルド達。

そんなビルド達に近づく三羽ガラス。

だがグリスは赤羽に向かって思い切り拳を振りぬく。

 

すると赤羽の腕がスマッシュの腕へと変化してグリスの攻撃を防ぐ。

そのことに驚くビルド達だが、ノヴァは何かを察した様子だ。

 

赤羽(?)「カシラァ...何すんだよ...!」

 

グリス「うるせえ...このニセモンが。」

 

ノヴァ「エボルトの擬態か...」

 

エボルト『よく分かったなぁ?』

 

するとフロア一面にエボルトの声が響き渡る。

 

エボルト『ソイツらは俺の遺伝子で作った擬態だ。』

 

ビルド「エボルト...?」

 

エボルトは石に寝転がりながらビルド達の様子を眺めていた。

 

エボルト「ほ~ら?早く行かないとまたどこかが餌食になるぞ~?」

 

その声を聞いたビルド達は三羽ガラスの擬態に向かおうとする。

だがそれをグリスが制止した。

 

グリス「ここは任せろ。お前らは先に行け。」

 

ビルド「でも、三羽ガラスはお前の!」

 

グリス「エボルトは!俺の逆鱗に触れた...!」

 

ビルド「...分かった。頼んだぞ。」

 

そう言うとビルドはクローズ達を引き連れて先に行く。

だがノヴァはグリスの側に行く。

 

ノヴァ「...覚悟決めなよ。これをやるからしっかり勝ってこい...!」

 

そう言うとノヴァはグリスの肩を叩く。

その瞬間グリスの中に何かが行きわたる。

 

それを感じたグリスはノヴァの手を叩いて先に行くように言う。

ノヴァはそれを見てワープした。

 

赤羽(擬態)「カシラァ、本当に俺達と戦えるんですか?」

 

グリス「あたりめえだろ。偽物に遠慮はいらねえ。」

 

そう言うと笑い出す三羽ガラス。

そして全員構えてスマッシュに変身する。

ハザードスマッシュとは違い、ロストスマッシュに変化していた。

 

対するグリスはブリザードナックルを手にする。

 

 

グリス「かかって来い、ゴラァァァァァ!!!!!

 

 

...

 

..

 

 

 

一方『nascita』では。

美空が浄化装置の中で必死に何かを探していた。

それを見た紗羽がどうしたのか聞く。

 

美空「戦兎のお父さんが使ってたビルドドライバーが無いの!」

 

紗羽「えっ?」

 

そう言う美空を手伝おうとする紗羽の携帯に着信が入る。

誰からなのか確認した紗羽は驚きの声を上げる。

 

美空「え?」

 

紗羽「...幽霊から。」

 

そう言って美空に見せた画面には、『難波重三郎』と映っていた...

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

ボトルキィィィン!

 

 

ブリザードナックルにボトルを挿入し、グリスはロストスマッシュ達に攻撃する。

氷の力を纏った拳はロストスマッシュ達に通用していた。

 

グリス「どうした?そんなもんかァ!!!」

 

順調に攻撃していくグリス。

グリスを舐めかかっていたロストスマッシュ達は追い込まれて行く。

 

重い一撃を食らわそうとするグリス。

だがそこでロストスマッシュが卑怯な手を使う。

 

キャッスル「助けてくれカシラ!!!」

 

それを聞いたグリスは動揺して拳を外してしまう。

地面に当たった攻撃は抉り、辺りを凍らせる。

 

それを見たスタッグスマッシュがグリスに攻撃するがそれを往なされ攻撃されそうになる。

だがまたしても...

 

スタッグ「死にたくねえ!」

 

その声に動きが止まってしまった。

その隙を突かれ、宙に弾かれたグリスはオウルスマッシュの追撃を喰らってしまう。

 

オウル「さっすがカシラ、優しいなぁ~?」

 

スタッグ「悪いが俺達は容赦しねえから?」

 

グリス「っ...オラァ!!!」

 

グリスは何とか攻撃しようとするが簡単に受け止められてしまう。

そして三体からの同時攻撃によって壁に激突してしまう。

 

その様子をガーディアン達と戦いながら見ていたビルド達。

クローズは戻ろうと提案するが、その瞬間パンドラタワーが大きく揺れる。

そして新たに現れたヴィジョンに映し出されたのはブラックホールに吸い込まれた町の姿だった。

 

ローグ「もう十分経ったのか!?」

 

クローズ「ひでぇ...」

 

ビルド「...行くぞ!」

 

ビルドの声を聞き、クローズ達はついて行く。

それはグリスが必ず追いついてくるという信頼の下の行動であった。

 

だがそんなグリスは自ら変身を解除する。

それを見てロストスマッシュ達は煽って行く。

 

オウル「どうしたんですか~?もう降参かな?」

 

スタッグ「声を出す元気もねえみてえだなぁ?」

 

キャッスル「早く楽になってくださいよ、カシラァ!」

 

そうやって一海を掴むキャッスルスマッシュ。

だが一海はそこで赤羽を呼ぶ。

 

一海「赤羽...おめえの名前はなんだ...」

 

キャッスル「あ?」

 

一海「大山、勝...目の前で散っていったお前の顔がな、今でも夢に出てくるよ...!」

 

赤羽『ありがとう...ございました...!』

 

そう言う一海の中で赤羽が消えていった光景が思い出される。

当時はまだ敵だったローグ相手に一人で果敢に挑み、最後は一海に感謝を言って散っていった。

 

だがそれを聞いたキャッスルスマッシュは一海を殴りつける。

姿は同じでも相手はエボルトの擬態。

一海の言葉に何も思わない。

 

一海「ハァ...修也...お前を死なせたことはな...俺の一生の傷だ...」

 

青羽『何があっても、一緒ですよ...』

 

そう言う一海を蹴り飛ばすロストスマッシュ達。

だが一海は言葉を繋げる。

 

一海「聖吉...お前の最期の温もりはな...これから先も忘れることはねえだろ...!」

 

次々と蘇って来る三羽ガラスの最期。

死なせてしまったことにずっと後悔してきた一海。

 

だが一海はそんな思いを払拭する為か、頭を思い切り地面に打ち付ける。

その様子を見てロストスマッシュ達はバカを見る目で見てくる。

 

次々と飛んでくる煽りの言葉。

だがそれに気にも留めず、一海は戦兎に対し謝罪の言葉を告げる。

 

一海「わりいな戦兎...約束破るわ...」

 

そう言って顔を上げる一海。

額からは血が流れているが、覚悟を決めた表情をしていた。

 

そうして立ち上がった一海の手にはビルドドライバーが握られていた。

美空が探していた忍のドライバーを隠し持ってきていたのだ。

 

ドライバーを装着し、ナックルを取り出す。

ボトルのキャップを合わせてナックルに挿入し、ナックルをドライバーに挿入する。

 

グリスブリザード!

 

そしてレバーを回していく。

一海の背後にはナックルの形をした凍結装置が現れる。

周囲が凍り付き、一海の足が氷漬けられていく。

 

 

Are you ready?

 

 

一海「...出来てるよ。」

 

 

そう言って腕を振り下ろす一海に冷気が降り注ぐ。

瞬間大きな氷が一海を包み込む。

そして凍結装置が作動して氷を割る。

 

氷の中から出て来たのは青く染まったグリスだった。

左腕がロボットアームに変わり、左右の肩アーマーにはそれぞれグリスと三羽ガラスのシンボルが刻まれている。

 

激・凍・心・火!グリスブリザード!

 

ガキガキガキガキガッキーン!

 

 

グリス「心火を燃やして...ぶっ潰す!

 

 

そう言ったグリスの複眼が赤く光り、降り注ぐ結晶が割れる。

 

 

 

 

to be continued...




クリスマス回は無しにして本編進めますね~


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ゼロ度の炎

―NO side―

 

 

激・凍・心・火!グリスブリザード!

 

ガキガキガキガキガッキーン!

 

 

グリス「心火を燃やして...ぶっ潰す!

 

 

グリスブリザードへと変身を遂げた一海。

その様子を頂上から眺めているエボルト。

 

エボルト「フッ、まるで死に装束だなぁ...さて、こっちはどうかなぁ?」

 

そう言って階段を駆け上がって行く戦兎達を映した。

 

次のフロアに到着した戦兎達。

天井には星々が映し出されていたそこには二体のブロスが居た。

 

龍我「今度はコイツらの擬態かよ...」

 

幻徳「ここは俺が引き受ける...」

 

戦兎「...任せた。」

 

そう言って戦兎と龍我は先を行く。

それを見送った幻徳は変身する。

 

ローグ「大義の為の、犠牲となれ...」

 

そしてローグとグリスはそれぞれ相手に向かって走り出し、拳を突き出す。

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

グリスはロストスマッシュ達を相手する。

さっきまでとは違い勢いが乗っているグリスはロストスマッシュ達を追い詰めていく。

 

そんな中、パンドラボックスを持ってきた美空と紗羽がグリスが戦っているフロアに到達する。

紗羽はグリスが装着しているドライバーを見てもしかしてと思う。

 

紗羽「変身したら命は無いって言ってたよね!?ねえ!?」

 

美空「あのバカ...」

 

美空達はただグリスを見守ることしかできないでいる。

そんな中、美空は一人ここに残ることを決断して紗羽を先に行かせようとする。

美空の意思を汲み取った紗羽は、パンドラボックスを持って上へと急ぐ。

 

そして美空はグリスの最後の戦いを見届ける。

 

一方、ブロス達と交戦しているローグ。

以前戦った時よりも強くなっており、苦戦を強いられている。

 

そしてブロス達の連携攻撃によって倒れるローグ。

そんなローグの前に内海が現れる。

 

内海「人体実験まで受けたのに、無様なもんですね~?」

 

ローグ「内海...」

 

内海「変身!」

 

マッドローグに変身する内海。

三対一となったことにローグはハンデには丁度いいと言って自身を奮い立たせる。

だがそれを切り捨てるマッドローグ。

 

マッドローグ「強がっても無駄ですよ。貴方は終わりだ。」

 

そう言うとブロス達がローグに向かう。

 

マッドローグ「私が居なければ。」

 

そう言うとマッドローグはローグに襲い掛かろうとしていたブロス達を攻撃する。

その行為に動揺するローグ。

 

ローグ「何の真似だ?」

 

マッドローグ「現行のライダーシステムでは勝ち目が無い。だからエボルトに下ったんです。難波会長の仇を撃つ為に。」

 

難波の杖を折ってまでエボルトに忠誠を誓ったのは演技だと言うマッドローグ。

それを聞いてローグは笑う。

 

ローグ「フッ、相当マッドだよ内海。」

 

マッドローグ「難波チルドレンですから。」

 

ローグ「なら力を貸せ。お前は難波重工の為に。俺は愛と平和の為にこの戦いに...勝つ!!!」

 

そう言って背中を預ける二人。

二人のローグが共闘する。

 

...

 

..

 

 

 

グリスとローグ。

それぞれが戦っている中、またしてもブラックホールによって一つのエリアが吸い込まれてしまった。

そのことに悔しがるクローズと先に進もうとするビルド。

 

そんな中、二人のローグは必殺に一撃をブロス達に喰らわせた。

するとリモコンブロスがエンジンブロスを撃つ。

 

ファンキーマッチ!

 

するとエンジンブロスの擬態が解除され、リモコンブロスと一つになる。

そしてリモコンブロスはヘルブロスと変化した。

 

それを見てヘルブロスに襲い掛かる二人。

だが先ほどとは段違いの強さを持つヘルブロスにあっさりやられる二人。

 

ローグ「更にパワーが増した!?」

 

マッドローグ「こうなると、ハザードレベルは我々より上です。このままだと負けます。」

 

そう淡々と言うマッドローグ。

冷静になっているマッドローグにローグは何か確信を持っている。

 

すると二人の下に紗羽がやって来た。

そのことに驚くローグ。

 

紗羽「ハァ...ハァ...間に合った...!」

 

紗羽の言葉に更に驚くローグ。

 

マッドローグ「私が読んだんですよ。」

 

そう言うマッドローグ。

それは数刻前に遡る...

 

この世に居ないはずの難波重三郎から着信が入った紗羽。

恐る恐る着信に出ると聞こえて来たのは内海の声だった。

 

紗羽「はい...」

 

内海『難波チルドレンの時以来か。』

 

紗羽「内海さん!?敵の貴方が何の用?」

 

内海『私が難波会長を裏切れないことは、君が一番よく分かっているはずだ。』

 

その言葉を信じて紗羽は二本のボトルを差し出す。

 

ローグ「これは...」

 

マッドローグ「弱点を仕込んでおいたんですよ。このボトルでのみ、奴の攻撃を無効化できるように。」

 

そう言って内海が指定したのは、サメボトルとバイクボトルだった。

これはかつて戦兎を利用してヘルブロスの運用実験を行った時に使用したボトルだった。

 

ローグ「...一気に行くぞ!」

 

そう言ってボトルを受け取るローグ。

二人は同時にボトルをドライバーに挿入し、レバーを使用する。

 

二人に向かって三枚の歯車型のエネルギーを放つヘルブロス。

それに対し二人は腕を振るう。

 

すると辺り一面に水が湧き、その中からサメが現れ真ん中の歯車を破壊する。

その後ろからマシンビルダーが現れ、二本の歯車をタイヤに合わせる。

そして歯車ごとヘルブロスにぶつけた。

それによってヘルブロスの擬態は倒された。

 

紗羽「やった...」

 

擬態から出て来たロストボトルを拾うローグ。

するとそこにエボルトが現れる。

 

エボルト「ブラボ~。さ、そのボトルを渡して貰おうか~?」

 

そう言って自身の遺伝子を集めるエボルト。

 

ローグ「っ...エボルト!」

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

一方グリスはというと...

 

グリス「足りねえなァ!全然足りねえなァ!!!誰が俺を満たしてくれるんだァァァ!!!」

 

グリスの猛攻は止まらない。

どんどん追い詰められていくロストスマッシュ達は何とか一矢報いろうと連携攻撃を浴びせる。

それを喰らったグリスは平然としているが、身体から粒子が現れ始める。

 

美空「グリス!」

 

グリス「っ!みーたん...」

 

美空「...もう辞めて。死んじゃうよ...」

 

グリス「フッ、心配してくれるなんて嬉しいねぇ。けどよ、どのみち助かりそうにねえんだ...」

 

そう言うとキャッスルボトルを取り出すグリス。

グリスはふと戦兎が言っていたことを思い出す。

 

新世界を創る為にはあと二本のロストボトルを生成しなければならない。

そのことを思い出したグリス。

 

グリス「後は頼んだぞ...戦兎...」

 

そう言うとグリスはロストボトルを自身に挿す。

身体から紫のオーラが出るが、それを何とか振り払うグリス。

 

グリス「みーたんが最後の大舞台を見てくれるんだ!全力でカッコつけねえとなァ!!!」

 

そう言うとグリスは襲い掛かって来るロストスマッシュ達にカウンターを入れる。

 

グリス「死闘!渾身!全霊!これが最後の、祭りだァァァ!!!!!」

 

そう言ってロストスマッシュ達に殴りかかる。

その様子を別フロアで見た戦兎達。

 

龍我「おい、あのグリスの色...」

 

戦兎「なんで変身した...」

 

龍我「...もう助からねえのか。」

 

その言葉に戦兎は顔を背ける。

それに対し怒る龍我。

 

龍我「ふざけんなよ!なんでそんなあぶねえもん使わせたんだよ!なんでそんなもん作ったんだよ!」

 

そう言って戦兎に掴みかかる龍我。

仲間がもう助からないと知って後悔するのだった。

 

戦兎「...行くぞ。」

 

...

 

..

 

 

 

一方ローグ達はエボルトと交戦していた。

二人がかりで挑むも擬態達のオリジナルなだけあって強さが違う。

 

自分の下についていたマッドローグにさえ手加減はしない。

エボルトに蹂躙される二人だが、マッドローグは何も考え無しでエボルトについた訳ではなかった。

 

マッドローグ「私がお前についたのは、このドライバーにエボルトのデータをインプットする為だ!」

 

エボルト「知ってるよぉ。だが人間には使えない!」

 

そう言って投げ飛ばすエボルト。

だがマッドローグの様子が変わる。

 

マッドローグ「フェーズ1...」

 

そう言うとマッドローグの身体全体に赤いオーラが纏われる。

続いてフェーズ2と呟くと赤いオーラが収縮される。

そして...

 

マッドローグ「フェーズ3...!」

 

オーラが一気に弾け、マッドローグの紫の部分が発行する。

その様子に驚くエボルト。

 

するとマッドローグが高速移動でエボルトに攻撃する。

その様子はエボルトそっくりだった。

 

今まで集めて来たエボルトのデータによってそれぞれのフェーズを再現することに成功したのだ。

それによってフェーズ3までのエボルトと同等の力を得たマッドローグ。

エボルトを蹂躙していく。

 

そして最後のフェーズに入ろうとする。

 

マッドローグ「フェーズ4!!!」

 

すると身体中から先ほどよりも更に強大なオーラを発す。

そのオーラが右手に集まる。

 

エボルト「クッ、人間風情がァ!!!」

 

マッドローグ「難波会長の仇ィ!!!」

 

それぞれ走り出す。

そしてエボルトに拳を突き出そうとするが、許容オーバーからか動きが止まってしまう。

その隙を突いてエボルトは会心の一撃を叩き込む。

 

それによって変身解除に追い込まれた内海。

身体から火花を散らしながら倒れこむ。

それを見てエボルトはある事実を告げる。

 

エボルト「あぁ~、そうだった。お前はサイボーグだったなぁ。」

 

内海の身体から一部機械の部分が見えている。

口を動かそうとするも、エラーを起こしたかの様に小刻みに揺れるだけだった。

 

紗羽「あれ本当だったの...」

 

ローグ「どういうことだ...!?」

 

エボルト「お前の所為だよ。」

 

そう言ってエボルトから語られるのは、かつて幻徳のスケープゴートとして撃たれた内海はサイボーグになったということ。

元々生きているはずがないと思っていた戦兎達が内海のことをサイボーグだと弄っていたが、それは事実だったのだ。

 

その事実にローグは激しい後悔に見舞われる。

かつて自身が犯した罪が更に重くのしかかって来たのだ。

 

エボルト「だが容量オーバーだ。俺の領域には所詮辿り着けやしない。」

 

そう言って内海を足蹴りするエボルト。

それを見て怒りに飲まれたローグはエボルトに襲い掛かり攻撃を浴びせる。

だがそれは効いておらず、エボルトのキックによって消滅に追い込まれる。

何とか紗羽が変身を解除させたことによって消滅の危機を逃れた。

 

エボルト「ハッハハハハハ!さぁ、ボトルを寄越せェ!!!」

 

そう言って幻徳達に駆け寄るエボルト。

だがエボルト達から庇う様に内海が立ち上がり、攻撃を受けた。

 

幻徳「っ!?内海!!!」

 

内海「貴方を、助けたわけじゃない...ロストボトルを、守っただけ、だ...」

 

そう言うと完全に機能停止した内海。

内海を払いのけ幻徳達に迫るエボルト。

 

幻徳は怒りに飲まれながらも退避を選択し、スチームガンで難を逃れる。

それに鬱陶しがるエボルトだった。

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

一方グリスはというと身体から粒子を放出させながらも必死に戦っていた。

そして飛んでくるオウルスマッシュをアッパーで倒す。

 

次にレバーを回してスタッグスマッシュを見据える。

 

シングルアイス!

 

グレイシャルアタック!

 

バリーン!

 

左腕を巨大化させ、スタッグスマッシュを挟み込む。

そのまま壁に押し込み、消滅させた。

 

だが身体の限界が近いのか倒れこんでしまう。

それでもまだ戦いは終わってないことを自覚しているからか、立ち上がろうとする。

 

グリス「ハァ...そろそろ、潮時みてえだな...みーたん、戦兎、龍我、紗羽さん、ヒゲ、彼方...お前らの所為で、この世にだいぶ未練が残っちまった...ありがとうな...」

 

皆の顔を思い浮かべながらそう言うグリスは立ち上がる。

そして最後の戦いを終わらせる。

その様子に美空は涙を流す。

 

グリス「ラブ&ピースを胸に生きていける世界を、向こうで三バカと祈ってるぞ...」

 

そう言うとキャッスルスマッシュと対峙する。

キャッスルスマッシュは両手に赤いエネルギーを溜める。

 

グリス「心火を燃やして...」

 

そう言うとグリスの身体がより光る。

そしてレバーを回す。

 

シングルアイス!ツインアイス!

 

ナックルに装填されているボトルのシンボルが輝く。

そしてグリスは飛び出した。

 

 

グリス「おおおりゃあああああああああああああああああ!!!!!!!!

 

 

グレイシャルフィニッシュ!

 

 

凍気を纏ったライダーキックを放つ。

キャッスルスマッシュがエネルギー弾を出して抵抗するも勢いは止まらない。

 

 

バキバキバキバキバッキーン!

 

 

そしてキャッスルスマッシュは氷漬けになり、崩壊した。

白い爆炎を出して消滅した擬態。

その跡をグリスは静かに見つめる。

 

だが遂に限界が来たのか変身が解除される。

スーツから解放された冷気と共に一海が現れ、力が抜ける。

 

美空「グリス!?」

 

美空は咄嗟に一海の下に駆け寄る。

一海は柱にもたれながら苦しむ。

 

一海「みーたん...こ、これを、戦兎に...」

 

美空「グリス...」

 

一海は自信の体内から出て来たロストボトルを渡そうとするが、美空は受け取らない。

それに一海は笑う。

 

一海「ハハッ、最後まで『グリス』かよ...」

 

美空「っ...当たり前でしょ!名前呼んだら居なくなっちゃう気がして...だから呼べなかった...っ...これからも絶対呼んであげないんだから!」

 

涙を流しながらも取り繕おって言う美空。

その言葉に笑う一海に対し、必死に笑顔を作る美空。

 

一海「みーたん...行ってくれ...」

 

一海は立ち上がるとそう言って美空にロストボトルを渡す。

そして美空に背を向ける。

だが美空が一海の服を掴む。

 

美空「生きてよ...」

 

その言葉に一海を歩を止める。

 

美空「だから生きてよ...お願いだから生きてよ!...お願いだから!」

 

そう言って一海を離さない美空。

美空の気持ちに感極まる一海は天を見上げて必死に涙を堪える。

 

一海「推しに看取って貰えるなんて、幸せもんだなぁ...アイツらに...アイツらに自慢してやんねえとな...」

 

そう言うと一海の身体がより一層光りだす。

死を受け入れたことによって消滅が早まったのだ。

 

そのことに動揺して必死に止めようとする美空。

そんな中、一海は手の中にあるドッグタグを見つめる。

そして美空の手に触れようとする。

 

すると一海の身体が最大限にまで光り...

 

 

 

元に戻った。

 

 

 

そのことに動揺する二人。

消滅を受け入れてたはずなのにと驚く一海と消滅が収まったことに驚く美空。

 

すると一海の中から光の球が現れる。

その球は一海の前で止まる。

 

すると突然凍りだし、先ほどの爆炎の様に白い炎を上げながら消えた。

そのことに何が何だか分かっていない二人。

だが一海はふと思い当たることがあった。

 

彼方『...覚悟決めなよ。これやるからしっかり勝ってこい...!』

 

そう彼方から言われた時に自分の中に何かが入り込んだ感覚がしたのだ。

今思い出すと彼方はこの事態を予測していたのかもしれない。

そう考えると一海は彼方に感謝の気持ちで一杯だった。

 

だが一海は自身の身体に違和感を覚える。

もしかしてと思いスクラッシュドライバーを取り出して変身しようとするが変身できないでいた。

 

これは彼方が授けた力の代償で体内のネビュラガスの成分を全て中和する作用を持っていた。

それによって二度と変身できなくなってしまったのだが、その作用には彼方なりの優しさが込められていた。

それを感じた一海は更に感謝を感じる。

それは美空も同じだった。

 

二人は彼方への感謝と共に上へ目指していった。

 

 

 

 

一海「そういやみーたんさっき何言おうとしてたの?」

 

美空「...内緒。」

 

一海「もしかして『かずみん』って呼ぼうとしてくれてた?」

 

美空「グリスウザい。」

 

一海「グフッ!?」

 

 

 

 

to be continued...




異論は認める!

台無しにしやがってって意見は出てくるだろうけど彼方が居たらこうすんじゃねって思っちゃったんだよ...
かずみんすっげえイイ男なんだもん...生きてて欲しいよ...


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ラブ&ピースの世界へ

投稿遅れてすまぬ~。


―NO side―

 

頂上に辿り着いた戦兎と龍我。

その次に幻徳と紗羽が辿り着き、内海のことを話した。

 

幻徳が手当を受けている間に遅れて一海と美空が合流。

一海が生きていることに驚いている一同。

何故生き延びたのか告げると戦兎達はある方向を見る。

 

その方向には激しい戦いが繰り広げられていた。

 

...

 

..

 

 

 

―数刻前―

 

一海にある力を渡した彼方は一人パンドラタワーの頂上にワープしていた。

戦兎達がエボルトと戦う前に倒しておかなければならない敵が居るからだ。

 

石柱を進んでいくといつかのジェミニの儀式に似た場所に出てくる。

その真ん中ではエボルトが石の上に寝転がっていた。

 

エボルト「お前が一番乗りか~、彼方?」

 

彼方「お前の相手は俺じゃないよ。戦兎達だ。」

 

エボルト「ん~?じゃあ何故ここに来た?」

 

彼方「それはお前を相手する為だ。」

 

そう言って彼方はスチームガンを取り出しある方向に向かって撃つ。

小さな虫に向かって彼方は撃ったのだ。

 

するとその虫は別者に変化して銃弾を跳ね除ける。

そして彼方を見てニヤリと笑う。

 

オベロン「俺に気付くなんてやるじゃないか?」

 

彼方「リベンジマッチと行こうじゃないか。」

 

そう言うと彼方はノヴァに変身する。

そしてオベロンの下に瞬間移動する。

だがそれに反応したオベロンは蹴りを入れようとする。

 

オベロン「それ!」

 

ノヴァ「よっと!」

 

オベロンの蹴りに蹴りで返すノヴァ。

それによって生まれた衝撃波で二人は距離を取る。

 

オベロン「へぇ~、前よりも強くなってるようだね~?」

 

ノヴァ「そりゃ日々強くなってるのは当たり前でしょ?」

 

オベロン「そりゃそうだ...じゃあ俺も本気で行かないとだな...」

 

そう言うとオベロンは自身の左腕に力を込める。

するとそこから大量の蟲が現れる。

 

オベロン「散れ...」

 

そう言うと蟲達は一斉にノヴァに襲い掛かる。

それに対して太刀を取り出し斬撃を放つことで対応するノヴァ。

 

だが蟲の対応に気を取られていたことによってオベロンが接近していることに気付けなかったノヴァ。

懐に入ったオベロンは瞬間的に蟲を腕に集め、その力を一気に放出させる。

それによって石柱に吹っ飛ばされるノヴァ。

 

エボルト「さてと...じゃあ俺はアイツらを相手するかな?」

 

そう言って戦いを眺めていたエボルトは自身をアメーバ状にして何処かに消えた。

 

...

 

..

 

 

 

ということがあったのだ。

 

戦兎達が頂上に辿り着いた頃には戦闘はピークに達していた。

その状態がずっと続いていたのだ。

 

すると戦兎達の下にエボルトが現れる。

 

エボルト「よっ!」

 

戦兎「エボルト...!」

 

エボルト「アイツらすげえよなぁ?俺を置いてあんな面白そうな戦いやってんだから。」

 

戦兎「面白そうだと?」

 

エボルト「ああ。それにしてもこの星に来て十年、色んなことがあったよな~?お前達に触れて、人間がいかに愛すべき愚かな存在かよ~く分かったよ。」

 

龍我「んだとぉ...!」

 

エボルト「でも、今日でお別れだ。お前達が持ってるロストボトルを頂いて、俺は究極の力を手に入れる。」

 

そう言ってトリガーが装着されている状態のドライバーを装着する。

 

エボルト「地球滅亡はすぐそこだ...」

 

そう言ってボトルを挿入しレバーを回す。

フェーズ4に変身すると同時に辺り一面が平地に変わる。

 

そんな中、重体なはずの幻徳が立ち上がる。

それに無理だと言う紗羽。

 

幻徳「このままじゃアイツに笑われちまう。俺達は誓ったんだよ、仮面ライダーに命を懸けるって。」

 

そう言って上着を着る幻徳。

それを聞いて戦兎と龍我は前に出る。

 

戦兎「その懸けに負けるなよ。生きる為に戦うんだ。」

 

そう言ってドライバーを装着する戦兎。

戦兎に続いて龍我と幻徳も装着する。

 

戦兎「お前の野望は俺達が打ち砕く!それが一海の...全ての人の想いだ!」

 

一海「いや俺まだ死んでねえんだけど?」

 

そして三人は変身する。

そんな三人に向けてエボルトは雷を落とす。

だがそんな中、三人はエボルトに向かって駆けていく。

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

戦兎達がエボルトと交戦した頃、ノヴァとオベロンの戦いは佳境を迎えていた。

 

ノヴァ「どりゃあ!!!」

 

オベロン「フッ!!!」

 

互いの攻撃を受けては返しを繰り返す。

その攻防の速さはエボルトとジーニアスの攻防よりもはるかに高速だった。

 

そんな中オベロンはノヴァの隙を突いて地面に倒す。

そして馬乗りになってマウンティングを取る。

 

ノヴァ「クッ!」

 

オベロン「やっとだよ...これから君は更に苦しむことになるだろうねぇ...」

 

そう言うとオベロンは左腕をノヴァに突き刺す。

外的なダメージは無いように見えるが、ノヴァの中に居る者に接触しようとしている。

 

オベロン「君はどうやらかつて彼女達と対峙したみたいだけど...その時とは比にならない程の厄災を味わせてあげるよ。」

 

そう言うとオベロンは力を込める。

どす黒く光る左腕からノヴァの中へと伝っていく。

 

するとノヴァが突然苦しみ出す。

余りにも辛いのか変身が解除されてしまう。

 

彼方「グッ!?こ、れは...グアアアアアアアアアアアア!!!!!」

 

彼方が叫び出すと突然彼方の中から何かが出てくる。

機械の様な姿をした竜に禍々しい身体をした獣。

二体の厄災がパンドラタワーの頂上に顕現した。

 

その様子を見ていた一海達は震える。

 

一海「なんだアレは...!?」

 

美空「怖い...」

 

紗羽「何アレ...」

 

厄災達は完全に暴走状態に入ってるからか、四方八方に攻撃をする。

その様子を膝を着きながら眺める彼方。

 

彼方「まさかお前の狙いは...!」

 

オベロン「その通りさ。ブリテン島の時はケルヌンノスが引き起こしたものだけど今回は僕が引き起こす。この地球を終わらせる終末兵器としての役目を果たす為にね。馴染みがある方が良いと思ったんだよ。どうだい?」

 

彼方「...最高に怒ってるよ。」

 

そう言うと彼方はオベロンに向かって宝具を射出する。

不意打ちとなった攻撃にオベロンは咄嗟に構えようとするが宝具が刺さってしまう。

 

オベロン「グッ!?まだこんな抵抗をするなんてねぇ?君にはもう道が無いはずだけど?」

 

彼方「...いや、まだあるよ。」

 

そう言うと彼方の背後に魔法陣が現れる。

そこから現れたのは銀髪の女性と赤髪の少女だった。

 

モルガン「久しぶりに現界してみれば...まさかこのようなことになっていようとは。やはり蟲はこの世から消すべき存在です。」

 

バーヴァン・シー「アイツらあんな蟲に暴走させられてるとかウケるんだけど。雑魚過ぎだろ、ザーコ、ザーコ!」

 

モルガンとバーヴァン・シーは同僚と部下が暴走しているにも関わらず焦っていない。

寧ろオベロンによって暴走させられていることに対して煽られている始末である。

その様子を見たオベロンは何とも言い難い表情をしている。

 

オベロン「なんであのバーヴァン・シーが暴走してないんだよ...こりゃ計画が少し狂ったな...」

 

バーヴァン・シー「ハッ!カナタが私を救ってくれたんだ。お前の雑魚なまじないなんか通じないに決まってんだろ!」

 

モルガン「バーヴァン・シーにえらく愛されてるようですね、我が夫。」

 

彼方「嬉しい限りだよ。」

 

堂々と惚気られて参ってるオベロンとそれを見てドヤっているバーヴァン・シー。

その様子を温かい目で見ている彼方とモルガン。

 

だが直ぐに空気は変わり、暴走している二人をどうするか考える。

彼方が初めて会った時は理性がいくらか残っていたものの、今回は完全に暴走している。

その状態の彼女達をどうやって元に戻すのか。

 

そう考えてるとバーヴァン・シーが彼方達の前に出る。

 

バーヴァン・シー「いつまでも高飛車娘のままで居るわけねえんだよ...カナタとお母様の為にも...」

 

そう言うとバーヴァン・シーは魔力を高める。

そして姿を第二再臨の姿に変える。

すると彼女の周りに無数の黒い手が生える。

それを見て驚くオベロン。

 

オベロン「まさかこれはケルヌンノスの!?なんでお前が使えるんだよ!」

 

バーヴァン・シー「あの毛むくじゃらは私にずっと寄り添ってくれたからな。なんか知らないけど力を貸してくれるのよ。」

 

そう言うとバーヴァン・シーは手を操って二体の厄災を絡め捕る。

捕縛から逃れようと嚙み千切ったりビームを発射させたりするが、その後にも無数の手が絡みつく。

 

更にバーヴァン・シーは二体に弱体化の呪いをかける。

それによって動きが鈍って行く。

 

バーヴァン・シー「今よ!カナタ、お母様!カッコイイの決めちゃって!」

 

モルガン「娘の頼みとならば仕方ないですね...」

 

彼方「よ~し、いいとこ見せちゃうぞ~!」

 

そう言うと二人は宝具を展開する。

 

モルガン「それは絶えず見た滅びの夢― 報いは無く、救いは無い。最果てにありながら、鳥は明日を歌うでしょう。どうか標に― 『はや辿り着けぬ理想郷(ロードレス・キャメロット)』!」

 

彼方「この灯りは星の希望。地を照らす命の証。見るがいい...『約束された勝利の剣(エクスカリバー)』!」

 

二人はそれぞれ宝具を放つ。

宝具が二体に当たる直前にバーヴァン・シーは手を消滅させる。

諸に受けた二体は地面に倒れる。

その二体の下に彼方が駆け寄り、魔術を掛ける。

すると二体は元の妖精の姿に戻った。

 

メリュジーヌ「うぅ...あの蟲絶対許さない...」

 

バーゲスト「燃やし尽くし、喰らい尽くす...!」

 

二人の背後に厄災モードの姿が見える程怒り狂っている。

それを見たオベロンはマジでやらかしたと思ってしまう。

 

オベロン「手を出したらダメなヤツだったかも...」

 

 

モルガン「その通りですよ...この蟲が!

 

 

そう言ったモルガンはオベロンの背後に居た。

それに気づいたオベロンは逃げようとするが、バーヴァン・シーの力によって無数の手に捕縛される。

 

オベロン「チッ!まさか俺がこんな失態を犯すなんてね...」

 

モルガン「さて、どうしてやりましょうか...」

 

バーヴァン・シー「コイツの黒歴史を暴露してやるとかどう?」

 

メリュジーヌ「僕のデュケイダイトを打ち込むとかどうかな?」

 

バーゲスト「焼き尽くすに限るでしょう。」

 

それぞれ妖精達はオベロンへの恨みをどう晴らすか協議している。

その様子を見てオベロンは最後の手を出すしかないと判断する。

 

オベロン「お前らに遊ばれてたまるかよ...俺はまだこんなもんじゃないぞ!!!」

 

そう言うとオベロンの下に大量の蟲が集まって行く。

するとオベロンの魔力がどんどん肥大化していき、巨大な蟲となった。

 

モルガン「『奈落の虫』...」

 

メリュジーヌ「また穴を開けたらいいの?」

 

彼方「ふ~ん、そんな手に出たんだね~...」

 

すると『奈落の虫』となったオベロンの上空に巨大なブラックホールが現れる。

もしかしてと思い周りを見てみると、怪人態となったエボルトがブラックホールを発生させていた。

そのエボルトは以前見た時よりも更に禍々しくなっていた。

 

エボルト「フハハハハハハ!俺に限界は無い!!!」

 

全てを吸収する者と全てを奈落に堕とす者。

最凶が揃ってしまったのだ。

 

だがそれを見ても彼方は動じない。

エボルトの方は想定外だったが、オベロンの方は想定内だったのだ。

そこで彼方はある手に移す。

 

彼方「オベロン...君のことを調べてる時にある者から情報を貰ったんだ...」

 

オベロン「ある者...?そこの妖精達じゃなくてかい?」

 

彼方「そう...()()()()()()()()()()に偶然接触する機会があったらから聞いたんだよ。その時の映像がこれだよ。」

 

そう言って彼方は空間にビジョンを映し出す。

そこには虚数世界の中で目線が隠された金髪の女の子が映っていた。

その姿を見たオベロンは動揺して『奈落の虫』の姿からサーヴァントとしての姿に戻ってしまう。

更に妖精達もそれぞれ反応する。

 

彼方『それじゃあまずオベロンが君にしたことを教えてくれる?』

 

少女『はい...まだ私が立香達と会う前のことなんですけど...私が水浴びで身体を洗ってる時にオベロンが現れたんです。私も乙女ですから思わず赤面して身体を隠したのですが...その様子を見て彼はただニヤリと笑うだけでした...正直あの笑みは気持ち悪かったです...』

 

それを聞いて一斉に冷たい目を向けられるオベロン。

それを受けて思わず顔を隠してしまう。

あのエボルトでさえ『コイツ消した方がいいんじゃねえのか?』なんて思ってしまったのだ。

 

少女『他にも巡礼の旅の途中、何度か立香と二人きりになることがあったんです。その時に何か視線を感じて...よく見ると影からオベロンがこっちを見ていたんです。その様子は座に来てから分かったのですが正にストーカーそのものでした。しかも粘着質で私は自分の物とか言うタイプの...』

 

それを聞いて更に冷たい視線が刺さって行く。

正直この時点でオーバーキルなのだが彼方は更にトドメの一発を喰らわせる。

 

少女『終いには『奈落の虫』となった彼と戦って最後を迎えた時に小さい声で、「成長したようだな...胸はちっさいまんまだけど。」って言ったんですよ!?酷くないですか!?私だってほんとは大人な感じになりたいですよ!なのにあの蟲はそんなことを分かってて言ってるんですよ!?セクハラもいいところですよ!』

 

彼方『そうだね...まさか嘘つきなだけじゃなく変態だったとはね...』

 

少女『私だってバゲ子の様な身体になりたかったですよ!でもそれは流石に高望みかな~って思ったから我慢できますけど...モルガンぐらいは欲しかったです!!!汎人類史では私の姉だったんですよね!?じゃあ私も彼女と同じぐらいなってもおかしくないですよね!?』

 

彼方『非常に残念なお知らせがあるんだけど...もしこのまま大人になったら君はモルガン以上のを手に入れてたよ...もし成長が止まらなかったらの話だけどね...』

 

少女『...それは分かってますよ。座に登録された時にあらゆる側面の私を見ましたから...ほんとなんで成長しないんですか...これなら普通に町娘として暮らしたかったですよ...』

 

彼方『あー、そう考えちゃうよね...よしよし...』

 

少女『ぐすん...』

 

オベロンに死体蹴りをしながら何故かモルガン達にまでダメージが行ってしまうことになってしまった。

モルガン達は少女に対していたたまれない気持ちになってしまった。

 

バーゲスト「まさか彼女が私のことをそんな風に見ていたとは...いえ、気持ちは分からないでもないですがこれは流石に...」

 

バーヴァン・シー「もしアイツに会ったらなんか奢ってあげよ...」

 

モルガン「そうですね...取り敢えず慰めてあげるしかないですね...」

 

メリュジーヌ「やっぱりこの身体じゃダメなのかな...」

 

オベロン「もうダメだ...おしまいだ...エボルトにさえ見捨てられたよ...」

 

少女の慰労会が行われることが決まったと共に、オベロンは一気にピンチに陥った。

そんなオベロンの下にエボルトが近づく。

 

オベロン「エ、エボルト...これには訳があってだね~...」

 

エボルト「お前とはもうお別れだ。」

 

そう言ってエボルトはオベロンを消した。

吸収するのかと思われていたのだが...

 

エボルト「あんな変態を吸収したら俺の品性が疑われる。」

 

という理由だそうだ。

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

なんとも言えない終わりを迎えたオベロン。

微妙な空気を変える為にエボルトは咳払いをする。

 

エボルト「ンン!その絶望に襲われた顔、最高だなぁ?ハハハハハ!」

 

彼方「いやそれはさっきのオベロンでしょ。」

 

エボルト「...折角だから、お前達が忸怩たる想いを胸に朽ちて果てていく様を見届けてやる。」

 

その言葉にやっと絶望に襲われる戦兎達。

だがそこで唯一変身が解除されてないローグがエボルトの下に駆けていく。

 

エボルト「自ら寿命を縮めに来るとはなぁ!いいだろう、望み通り消してやるゥ!」

 

ローグ「この国未来は、俺が守る!」

 

そう言ってエボルトに果敢に挑むローグ。

トリガーを壊せば光が見えてくるかもしれないと思い、トリガーを集中的に攻撃する。

だが威力が足りないのか中々ダメージが入らない。

 

そんなローグを薙ぎ払うエボルト。

その際にローグのマスクが一部破壊される。

 

エボルト「笑わせるな!お前如きのハザードレベルで止められる訳がないだろ!」

 

ローグ「それでも、俺に出来ることをやるだけだぁ!!!」

 

そう言うローグの身体から粒子が出てくる。

それを見て動揺する戦兎達。

 

だがそこに突然エボルトに銃撃が浴びせられる。

突然の攻撃に対応できず、後退してしまうエボルト。

一体どこからだと探していると馴染みのある姿を見つける。

 

エボルト「まさか...お前も粋なことをするねえ...彼方?」

 

彼方「本人はお前に対してお怒りのようだったからね~。」

 

そう言う二人の間に現れたのはブラッドスタークだった。

そのことに驚く戦兎達。

一体誰が変身しているのだろうか。

 

スターク「お前には散々操られてきたからな...せめてものってやつだ。」

 

エボルト「俺が態々取り憑いてやったんだ、感謝してほしいね~。」

 

スターク「ふざけるな。俺だけでなく美空を苦しませたこと、忘れてないからな。」

 

エボルト「フッ、お前に何が出来る...石動?」

 

エボルトから正体を明かされたスターク基石動。

そのことに驚く戦兎達。

特に美空はずっと目が覚めないままだと思っていたのだ。

その父が今こうしてエボルトに立ち向かっているのを見て、勇気を貰う。

 

美空「お父さん!頑張って!」

 

スターク「っ!...美空...」

 

美空からの声援に力を貰ったスタークはエボルトに向かって行く。

そこにローグも加わり、エボルトのトリガーを破壊しようと戦う。

 

だがエボルトにはスタークが乱入してこようと関係ない。

今も尚地球を吸い込んでいってることで力はどんどん増している。

そんな状態のエボルトに対し、相手は満身創痍にハザードレベルがローグ以下。

そんな相手に負けるはずがないと思っている。

 

事実エボルトに対して向かって行く二人だが、攻撃が全然通らない。

エボルトにカウンターを受けながらも必死にトリガーを叩いて行く。

だがそれにも限界が訪れ、二人の意識が飛びそうになる。

 

だがそこで二人の耳に声が入る。

それはパンドラタワーの周辺に集まった人々の声援だった。

その声を聞いたローグとスタークは立ち上がる。

 

ローグ「聞こえるぞ...皆の声が、祈りが!」

 

スターク「仮面ライダーに対する強い想いが!」

 

そして二人はエボルトに襲い掛かる。

それに対応しようとするエボルト。

だが先ほどよりも強くなっている攻撃に動揺する。

 

二人のハザードレベルが急激に上昇しているのだ。

そのことに動揺しているエボルト。

 

ローグ「親父、やっとわかったよ...国を作るのは力を持つ者じゃない!力を託せる者だって!」

 

スターク「俺が引き起こしたこの地獄を終わらせる!」

 

そう言うと二人はそれぞれ必殺技を放つ。

 

 

クラックアップフィニッシュ!

 

スチームアタック!

 

 

二人のライダーキックがエボルトに炸裂する。

だがそれでもエボルトが倒れることはなく、二人を薙ぎ払う。

それによって石柱に叩きつけられてしまう。

 

石柱に叩きつけられた二人は地面に倒れこんでしまう。

二人の変身は解除され、身体から粒子が出てくる。

 

それを見た彼方は二人の下にワープして肩に触れる。

すると二人の中に何かが入る。

 

瞬間二人の身体から粒子が止み、光の球が出てくる。

幻徳から出て来た球は煙に包まれ、ワニの口によって砕かれた。

石動から出て来た球はアメーバ状の何かに蝕まれて消えていった。

 

二人は自身の身体に起こった変化に戸惑っている。

だが一海と美空はその現象を知っている為、安心した。

 

エボルト「身代わりを作って消滅を防いだか...だが二人からハザードレベルが感じられない。どうやら変身できなくなったようだな?」

 

幻徳「変身できなくなったとしても...アイツらが創り出す未来を見届けることは出来る!」

 

石動「それだけで充分なんだよ。」

 

二人の言葉に感化された戦兎と龍我は立ち上がる。

それを見たエボルトは感心する。

 

エボルト「ほぉ?まだそんな力があるとはなぁ?怒りでハザードレベルが上がったか?」

 

戦兎「お前は何も分かってない。ライダーシステムは、怒りや憎しみじゃ強くなれない!皆の想い一つ一つが俺達の糧となり、力となる!」

 

二人の背には多くの人々の声援があった。

それぞれの想いが戦兎達に伝わり、力となったのだ。

 

二人は再変身による副作用に苦しむが、それでも立ち続ける。

それを見たエボルトはゆっくりとビルド達の下に向かう。

 

エボルト「仮面ライダーなど、叩き潰してくれる...うぉ!?」

 

突然エボルトの動きが止まる。

よく見てみるとトリガーから電気が走っていた。

幻徳達の攻撃によってトリガーが壊れたのだ。

 

ビルド「これが人間の力だ!これが仮面ライダーの力だ!エボルトォォォ!!!!!」

 

そう言ってレバーを回したビルドはエボルトにライダーキックを放つ。

それを受け止めようとするが、ビルドのハザードレベルの上昇及びにエボルトの弱体化によって攻撃が通る。

その攻撃によってエボルトの中から黒パネルが出てくる。

 

ビルド「万丈!!!」

 

クローズ「うおおおおおおお!!!」

 

そこに白パネルを持ったクローズが駆けていく。

黒パネルに触れさせると二つのパネルが作用する。

それによって生まれた衝撃波に弾き飛ばされる二人。

 

その隙を突いてビルドがフルボトルバスターでエボルトとパネルの繋がりを断ち切る。

するとくっついた二つのパネルは一つの白パネルへと融合した。

それを見たビルドは美空にパンドラボックスを持ってくるように伝える。

 

二人は駆け出し、中央に行く。

そして置かれたパンドラボックスにパネルを置くビルド。

 

ビルド「新世界の扉よ、開けええええ!!!」

 

するとパンドラボックスから虹色の光の柱が現れる。

パンドラボックスはジーニアスボトルからボトルのエネルギーを抜き取ると、ブラックホールに向かって光を伸ばす。

その影響でジーニアスボトルはブランクボトルに変化した。

 

光の柱がブラックホールに触れると、中からもう一つの地球が現れる。

それはスカイウォールが無い世界だった。

 

二つの世界はどんどん近づき、その間に時空の裂け目『特異点』が生まれる。

そのことに驚いているのはエボルトもだった。

 

エボルト「これは、どういうことだ!?」

 

ビルド「スカイウォールの無い世界と融合して、お前が居ない世界を創る!それが父さんの考えた新世界だ!」

 

エボルト「なんだとぉ...!?」

 

ビルド「あとは、あの光の隙間にお前を放り込むだけだ!お前のエネルギーで新世界は完成する!」

 

そう言ってエボルトの下に行こうとするビルド。

だがそれをクローズが止める。

 

クローズはビルドのドライバーからボトルを抜き取り、変身を解除させる。

そのことに驚く戦兎。

 

戦兎「何すんだよ!」

 

クローズ「俺にもエボルトの遺伝子が宿ってる。」

 

そう言ってエボルトを掴むクローズ。

 

クローズ「一緒に消えるのは、俺の方が都合がいい!」

 

戦兎「っ!?お前、まさか!?辞めろ!万丈!」

 

クローズ「...戦兎、ありがとうな!」

 

そう言うとクローズは自身の力を高まらせる。

それに必死に抵抗しようとするエボルト。

 

エボルト「そう簡単にくたばってたまるかァ!!!」

 

そう言ってクローズを殴るが、クローズは止まらない。

マグマの力を使って一気に飛び上がったクローズはそのまま光の裂け目に入って行った。

 

 

 

戦兎「万丈!!!!!!!!

 

 

 

 

 

to be continued...




Vシネまで書くべきなのだろうか...
悩む~...


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ビルドが創る明日

ビーストのコヤンが好き...
なんか可愛くない?
同士よ居れ...


―NO side―

 

遂に特異点を創り出す直前まで成功した戦兎達。

後はエボルトのエネルギーを使って世界を融合するだけなのだが...

 

そこでエボルトと共に消えようとした戦兎を止めたのは龍我だった。

龍我は自身にもエボルトの遺伝子が宿っているとして、一緒に消えるのは自分の方が都合がいいと言って戦兎の代わりにエボルトと一緒に世界の間に出来た光の隙間に行った龍我だった。

 

美空「なんで万丈が...」

 

戦兎「...アイツを連れ戻す。」

 

そう言ってボトルを拾い立ち上がる戦兎。

だがそこで葛城が行く必要は無いと言う。

 

巧『万丈龍我の言う通りエボルトの遺伝子を持つ彼が一緒に滅びるべきだ。あの光の切れ目にエボルトのエネルギーが吸収されれば、二つの地球は融合して新世界が完成する。』

 

戦兎『犠牲になるのは、俺だけで充分だ。』

 

巧『分からない男だな、君も。愚かだよ...でも、世界を救えるのはそういう人間なんだろうな...』

 

そう言って戦兎を送り出す葛城。

戦兎はボトルをドライバーに挿入しようとする。

だがそこで美空が戦兎の服を掴む。

 

美空「ほんとにそんなことできんの?戻ってこられる保証は無いんでしょ?」

 

戦兎「...」

 

美空「...」

 

戦兎の反応を見た美空は掴んでいた服を離す。

 

美空「大丈夫だよね?私達が創ったビルドなら!」

 

その言葉に戦兎は笑みを浮かべる。

そして覚悟を決め、ボトルを挿入する。

 

 

戦兎「変身!

 

 

ラビットラビットのアーマーを装着しながら飛んでいくビルド。

その目線の先には光の裂け目がある。

 

ビルド「待ってろ万丈!」

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

光の裂け目に入ったビルド。

そこは岩山の様な場所で、所々には小さな光の裂け目がある。

 

するとビルドは倒れている龍我を見つける。

着地したビルドは龍我の下に駆け寄るが、その時龍我がビルドに攻撃してくる。

よく見ると目は赤く光っている。

 

すると龍我の姿から怪人態の姿へと変わる。

 

ビルド「エボルト...!」

 

エボルト「残念だったな。万丈は俺が吸収した。」

 

ビルド「なんだと!?」

 

エボルト「後はお前の力さえ吸収出来れば、エボルトリガーは復活する。そうすれば、俺は再び宇宙を超越した力を手に入れられる!」

 

そう言うとビルドに襲い掛かるエボルト。

それに何とか反応するも押し負けるビルド。

 

エボルト「俺を倒さなきゃ、エネルギーは放出されない。二つの世界は消滅して、お前の計画は水の泡だァ!」

 

ビルド「新世界は、必ず創る!」

 

そう言ってエボルトに殴りかかるビルド。

だが龍我を吸収したことによって弱体化が解けたエボルトのカウンターを喰らって倒れてしまう。

 

エボルト「ジーニアスが無いお前に何ができる?」

 

そう言ってビルドを袋叩きにしていく。

エボルトの強大な攻撃を受けてダメージが許容オーバーし、変身が解除されてしまう。

 

するとエボルトは石動に擬態する。

 

エボルト「いい加減気づいたらどうだ?桐生戦兎は地球にとって存在すべき人間ではなかったということに!」

 

戦兎「黙れェ!」

 

戦兎は立ち上がり、エボルトに殴りかかる。

それを軽々しく受け止め、腕を捻じって行く。

 

エボルト「お前が全ての元凶なんだよ。お前がライダーシステムを作らなければ、仮面ライダーにならなければ!こんな悲劇は生まれなかったんだ!」

 

そう言って捻じる力を強めるエボルト。

それに苦痛の表情を出す戦兎。

 

エボルト「お前は俺に作られた偽りのヒーローだったんだよ!!!」

 

そう言い、オーラを出して戦兎を吹き飛ばす。

地面を転がり倒れる戦兎。

だがその目は諦めていない。

 

それを見たエボルトは怪人態に変化する。

 

エボルト「これで終わりだ、桐生戦兎...フン!」

 

そう言い腕を広げるエボルト。

腕に赤い稲妻が走る。

 

だがその時、エボルトの中で何かが起こる。

それによって動きが鈍るエボルト。

 

エボルト「なっ!?身体が動かない!?どうなってる!?」

 

するとエボルトの中から龍我の声が聞こえてくる。

 

龍我『何やってんだよ戦兎!』

 

戦兎「万丈!?」

 

龍我『エボルトは俺が何とかする!お前は逃げろ!』

 

戦兎にここから逃げるよう言う龍我。

犠牲になるのは自分一人だけでいいと考えているのだ。

 

龍我『なあ戦兎、今どんな顔してるか分かるか?くしゃっとしてんだよ、俺の顔。』

 

その言葉を聞いて思い出す戦兎。

かつて龍我に言った自分のこと。

 

戦兎『誰かの力になれたら、心の底から嬉しくなってくしゃっとなるんだよ。俺の顔。マスクの下で見えねえけど。見返りを期待したら、それは正義とは言わねえぞ。』

 

そのことを思い出し、顔を上げる戦兎。

 

龍我『一度しか言わねえぞ。誰が何と言おうと、お前は俺達のヒーローだ。だから...生きてくれ。』

 

エボルト「ふざけるなアアアアアア!!!」

 

そう叫んでエボルトは自身の動きを止めている龍我を抑える。

するとエボルトの中から一本の銀色のボトルが出てくる。

それは銀色に変化したドラゴンボトルだった。

 

エボルト「フゥ...万丈は完全に封じ込めた。もう二度と現れない!」

 

戦兎「...最悪だ。お前のその顔、見たくなっちまったじゃねえか。」

 

そう言ってボトルを掴み、立ち上がる戦兎。

満身創痍のはずだがそれでも立ち上がる。

しかもその顔には笑みが浮かんでいた。

 

戦兎「ヒーローが逃げるわけにはいかねえからな...」

 

そう言ってドライバーを装着し、ボトルを挿入する。

そしてラビットラビットに変身してエボルトと交戦する。

 

ビルド「エボルト!確かにお前が俺を仮面ライダーにしたのかもしれない!でも、俺がこの力を正しい事に使ってこれたのはかけがえのない仲間が居たからだ!!!」

 

そう言ってビルドはエボルトに一撃を入れる。

その時にビルドは仲間の顔を思い浮かべる。

 

ビルド「皆が桐生戦兎を、仮面ライダービルドを創ってくれたんだ!」

 

そう言ってまたもエボルトに一撃を入れる。

ビルドのハザードレベルはどんどん上昇している。

 

ビルド「愛と平和を胸に生きていける世界を創る!その為に、この力を使う!」

 

エボルト「破壊こそ力だァ!お前の善意など俺が壊してやるゥ!!!」

 

ビルド「どちらの力が本物か俺が証明してみせる!!!」

 

そう言って両者相手に向かって駆ける。

 

...

 

..

 

 

 

ビルドがエボルトと対峙している頃、パンドラタワーの頂上から光の裂け目を見ている美空達。

 

紗羽「光の切れ目が塞がれてく!」

 

紗羽の言う通り、裂け目はどんどん塞がって行く。

特異点を創る為にエネルギーを消費していっているのだ。

 

それを見た彼方は自身の魔力を裂け目に向かって放つ。

すると裂け目は塞がって行くのを止めた。

 

彼方「これで少しは持つはずだよ...」

 

美空「戦兎...万丈...」

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

共に譲らないビルドとエボルト。

するとエボルトのカウンターを受けたビルドのラビットラビットアーマーが機能しなくなった。

その為タンクタンクに変身してエボルトに攻撃していく。

両者共に身体から粒子が出てきている。

 

エボルト「どちらが先に消滅するか、勝負だァァァ!!!」

 

お互い一歩も譲らない。

だがエボルトが一歩リードし、タンクタンクアーマーも機能しなくなる。

 

エボルトを倒すことを優先したビルドはラビットタンクハザードで一気に攻撃していく。

するとエボルトの肩の装甲が解けた。

それを見たエボルトはビルドにラッシュを浴びせる。

それによって今度はハザードトリガーが機能しなくなった。

 

スパークリングに変身したビルドは泡を弾けさせる。

泡の力で一気にエボルトに攻撃していく。

攻撃する瞬間瞬間に泡を弾けさせることで力を高める。

それによってエボルトの籠手も解けた。

 

だがエボルトも負けじと反撃し、遂にはラビットタンクへとなったビルド。

お互い初期状態になってしまった。

 

エボルト「遂に初期フォームかぁ...答えは出たようだなぁ!」

 

ビルド「ハァ...どうかな...」

 

するとドライバーに挿入されていたラビットボトルが金色に変化する。

ビルドはフルボトルバスターを取り出し、ラビットボトルとドラゴンボトルを挿入する。

 

ラビット!ドラゴン!ジャストマッチデース!

 

そしてビルドは構える。

それを見て笑うエボルト。

 

エボルト「ハッハハハ!そんな攻撃が通用すると思ってるのかァ!!!」

 

ビルド「思ってるさ...!」

 

そう言うとビルドはタンクの力で一気にエボルトに向かって行く。

エボルトは攻撃して止めようとするが、直前にラビットの力で跳躍し攻撃を避ける。

 

金色と銀色のオーラを纏った剣が振り下ろされる。

 

ジャストマッチブレイク!

 

上段斬りに続いて辻斬りをする。

そして最後に振り向きざまに思い切り振りかぶって斬りかかる。

 

ビルド「俺と万丈は...最高のコンビなんだよ!!!」

 

ビルドの攻撃を受けたエボルトが今度は自分がと攻撃しようとする。

だがまたしてもエボルトの身体が動かなくなる。

 

エボルト「なっ!?ナニィ...!?何故また身体がァ!?」

 

龍我『戦兎!バッキバキに目ェ覚めたぞ!』

 

エボルト「万丈ォ...貴様ァ!!!!!」

 

エボルトに抑えられていた万丈が再び目覚めたのだ。

それによってエボルトは完全に動けなくなる。

 

ビルド「さぁ...実験を始めようか。」

 

ビルドはそう言うとラビットボトルとドラゴンボトルを振り、ドライバーに挿入する。

 

 

ラビット!ドラゴン!

 

Are you ready?

 

ビルド「ビルドアップ!

 

~♪ ベストマッチ!

 

 

本来有機物同士でのベストマッチは存在しない。

だが自身も言った最高のコンビである二人だからこそ変身できた奇跡のフォームなのである。

 

ビルド「勝利の法則は決まった!」

 

そう言ったビルドはレバーを回し跳ぶ。

それに続いてエボルトもレバーを回し迎撃しようとする。

 

グラフの軌道に乗ったビルドはエボルトに向かってライダーキックを放つ。

それを撃ち落とそうとするが、失敗してビルドのキックを受けるエボルト。

身体から金と銀のオーラを放つビルドはラビットタンクに戻る。

 

ビルド「これで最後だ!!!」

 

そう言うと更に勢いが増す。

 

エボルト「この俺が滅びるだと!?そんなことはあってたまるか!人間共がァァァァァ!!!!!」

 

そしてビルド達は地面にぶつかる。

すると大爆発が起こる。

その余波は裂け目を超えて宇宙に広がって行く。

 

だが裂け目は塞がらない。

本来ならエボルトとパンドラボックスのエネルギーを使った裂け目は塞がり、二つの世界は融合するはず。

だがそれが起こらないのだ。

 

エボルトは消滅したことを感知した彼方はその異変に気付く。

すると自身の魔力を高め、一気に裂け目へ向かって放出する。

だがその行為はある意味自傷行為でもあった。

限界まで回路を使うことによって身体が崩壊していく。

 

そのことに気付く彼方はここである宣言をする。

 

 

彼方「これでダメなら...ここに宣言する!!!我は新世界を創造する為、()()()()()()()()()!!!だから...早く限界まで引き出せ!!!俺の身体ァァァ!!!!!

 

 

そう言うと彼方の身体から黄金のオーラが現れ、離散する。

すると彼方は先ほどよりも更に強大な魔力を放出する。

その魔力を受けた裂け目はどんどん塞がって行く。

そして完全に塞がった。

 

それを見届けた彼方は地面に倒れる。

 

彼方「良かった...これで、皆助かる...」

 

そう言って彼方は目を閉じた。

その直後、日本中のスカイウォールが巨大な数式によって破壊された。

そしてパンドラタワーも崩壊し、二つの世界が融合する...

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

平原に寝ている戦兎。

その周りを一羽の兎が跳び回る。

戦兎の手には懐中時計の様な物が握られていた。

その天面にはクローズが描かれていた。

 

すると戦兎が目を覚ます。

戦兎も自身の手にある懐中時計に疑問を覚えるが、それよりも自分がどこに居るのかが気になる。

辺りを見回すと戦兎はこの場所に覚えがあった。

 

そこは極プロジェクトの記念セレモニーが行われたと同時にスカイウォールの惨劇が起こった場所だった。

だがそこにはあるはずのスカイウォールが無い。

 

取り敢えず戦兎は街中に出る。

どこを見てもスカイウォールにパンドラタワーが無く、人々が平和に暮らしていた。

するとある放送が聞こえてくる。

 

『今日から新しい内閣が発足しました。』

 

放送が聞こえる方を見ると、そこには死んだはずの氷室泰山が映っていた。

 

泰山『新たに厚生大臣に多治見喜子氏を。外務大臣に御堂正邦氏を起用し...』

 

戦兎「氷室首相が生きている...てことは...」

 

巧『あの時、君が導き出した結論は正しかったようだ。』

 

それを聞いた戦兎はあることを思い出す。

それは戦兎が白いパネルの存在が判明した後のこと。

戦兎はある考察をしていた。

 

戦兎『もしかしたら父さんは、全てを元に戻そうとしたのかもしれない。』

 

巧『元に?...父さんの研究データにそんな記載は無かった。』

 

戦兎『それは必要なアイテムが揃わなかったからだ。』

 

巧『...っ!ジーニアスボトルか!』

 

戦兎『ジーニアスボトルは元々パンドラパネルから作られた物だ。白と黒のパネルとジーニアスのエネルギーを使えば、物理法則を超えた救済が出来るのかもしれない。』

 

巧『物理法則を超えた救済...』

 

戦兎『二つの世界を融合させることで、スカイウォールが存在しなければ実現したであろう現在へと人々を移す。それが父さんの創ろうとした、本当の新世界。』

 

それを思い出した戦兎は感動する。

 

戦兎「父さんが夢見た世界が、実現したんだね...」

 

そう言う戦兎の目の前に広がるのは平和な世界。

スカイウォールが存在した世界では見れなかった光景が広がっていた。

 

巧『でも、新世界の人間は別の十年を送っていたことになる。君が知っている彼らじゃない。』

 

この巧の言葉は戦兎の仲間達にも言えることだった。

実際この世界に居る一海や幻徳、美空達はそれぞれの道を歩んでいた。

 

巧『本来なら、『桐生戦兎』は新世界に存在しない。たとえ創造主として生き残ったとしても、君を知る者は誰も居ないだろう。そろそろお別れだ。楽しかったよ。』

 

そう言うと巧は戦兎の中から消えていった。

この世界にも葛城巧は存在する。

一つの世界に同じ人物が何人も存在できない為、戦兎の中に居た巧は消えたのだ。

 

すると戦兎の耳に聞き覚えのある声が聞こえてくる。

 

「あっちに涼しい場所めっちゃ涼しかった場所あるからめっちゃ涼しいよ?」

 

「え~、そんなに?」

 

声が聞こえた方を見ると黒髪の龍我が恋人の香澄と歩いていたのだ。

それを見た戦兎は龍我の下に駆け寄る。

だがこの龍我は戦兎が知っている龍我ではなかったのだ。

 

エボルトの遺伝子を持っていたとはいえ万丈龍我は実際に人間として生まれて来た。

それによってこの世界にも万丈龍我は存在するのだ。

 

それに気づいた戦兎の中に色んな感情が渦巻く。

そんな中、龍我は戦兎のことを自身のファンだと勘違いし握手でいいかと手を差し出す。

それを見た戦兎は一瞬考え込むも、その手を握り笑顔を見せる。

 

戦兎「生きててくれるだけで充分だ。」

 

そう言って龍我の肩を叩いた戦兎は二人の下を去る。

そのことに怪訝に思う二人だが気にしないことにした。

 

そして戦兎は次にやって来たのは『nascita』だった。

以前の世界では客が一人も来なかった店だったが、この世界ではそれなりに客が入っている。

 

戦兎はカウンター席に座り、コーヒーを頼む。

すると戦兎は思いもよらぬことを聞かれる。

 

美空「あの...どっかでお会いしたことあります?」

 

戦兎「...え?」

 

美空「...絶対ありますよね?」

 

その言葉に戦兎はもしかしてと期待する。

だがその期待は裏切られた。

 

惣一「佐藤太郎だ!」

 

美空「え?」

 

惣一「俺、ファンなんだよ!」

 

そう言って惣一が指さす方向には佐藤太郎のバンド、『ツナ義ーズ』のポスターが。

戦兎の顔のコピー元である佐藤太郎もこの世界に存在しているのだ。

 

惣一にサインを強請られるもその前にコーヒーを飲んでくれと出される。

それを見て戦兎は躊躇ってしまう。

何せ前の世界ではエボルトが憑依していたとはいえ、惣一が淹れるコーヒーはとてもじゃないが飲めたものじゃなかった。

それを何度も味わってきた戦兎は勢いに任せて飲む。

だがコーヒーは予想以上に旨かった。

 

戦兎「え!?美味しい!」

 

惣一「でしょ!?味にこだわってるから!豆から栽培してるんだよ...」

 

美空「ほらお父さん、仕事!」

 

そう言って仕事に戻る石動親子。

仲睦まじい様子を見た戦兎は笑顔になり、後を去る。

 

...

 

..

 

 

 

街中の噴水に一人佇む戦兎。

以前は記憶喪失だった自分が、今度は自分しか記憶が無いことに憂いている。

どこか諦めた様子の戦兎。

だがそこで戦兎を呼ぶ声が。

 

 

戦兎!

 

 

その声に振り返る戦兎。

するとそこには茶髪の龍我が居た。

 

戦兎「万丈?」

 

龍我「どうなってんだよこの世界!誰も俺のこと知らねえし、黒い髪の俺が香澄と付き合っててよ~...」

 

戦兎「そうか!エボルトの遺伝子を持つお前もこの世界に存在しちゃいけない人間て訳か...」

 

龍我「...会って早々失礼な奴だな。」

 

戦兎「...フッ、最高だ!」

 

そう言うと戦兎はライドビルダーを出す。

そして二人でバイクに乗ってどこかに向かう。

その際に戦兎は龍我の社会の窓が全開であることを指摘する。

それに龍我はいつからだったのかと聞くとエボルトとの最終決戦の前からだったと告げる戦兎。

社会の窓全開にしてエボルトに対峙していたことに気付いていたのはあの変態オベロンだけだった。

 

そんな二人はいつものやり取りをしながらバイクを走らせる。

そしてやって来た街を一望できる丘。

ベンチに座っている二人だったが、戦兎がとある物を龍我に渡す。

 

龍我「ん?なんだよこれ?」

 

戦兎「俺達の記憶を49のエピソードに分けてデータ化するんだよ。」

 

龍我「ほーん...」

 

戦兎「さて!当時を振り返って...」

 

そう言うと戦兎は持っていたレコーダーのボタンを押す。

そして語ったのは二話の冒頭で語られたあらすじだった。

 

二人は仲良くそのあらすじを録って行くのだった...

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

戦兎が龍我と再会したその頃...

 

彼方は丘の上で寝ていた。

その丘は町が一望できる場所であり、夜には星が綺麗に見える場所だった。

 

すると彼方は目を覚ます。

ゆっくりと起き上がりながら周りを見渡すと、彼方はその景色に見覚えがあった。

 

彼方「ここってもしかして...」

 

何かを考えた彼方はすぐさま起き上がり走り出す。

そして彼方が向かったのはとある高校だった。

 

彼方「...遂に戻って来たんだね。」

 

彼方が居るのは天高の校門前だった。

 

『キミがこの世界に戻ってこれたのはボクのおかげだよ。』

 

突然彼方の頭の中で響く声。

その声は彼方にとって懐かしいものだった。

 

彼方『久しぶりかな?『プレゼンター』。』

 

プレゼンター『久しぶりだね、カナタ。』

 

その声の正体は星の声とも言われる『プレゼンター』だった。

久しぶりに聴いた声に笑みを浮かべるが、彼方は一体どうやって自分をこの世界に戻したのか気になった。

 

プレゼンター『それは簡単なことだよ。特異点が生まれたことによってこの世界と繋がりやすくなったのさ。そしてキミの中にあるコアスイッチを辿ってキミを見つけた訳だ。』

 

彼方『なんか...規模がデカすぎるわ...』

 

プレゼンター『ハハハ、キミがやったことよりはマシだよ。『冠位(グランド)』をまさかあんな形で返上するだなんてね。』

 

彼方『そりゃあれが邪魔だったから仕方ないでしょ。まあそのおかげで前よりもずっと身体が軽いし。』

 

プレゼンター『どうやらキミには荷が重かったみたいだね。取り敢えず今回のことは気にしないでくれ。ただのサービスだよ。』

 

彼方『うわ...なんかとんでもないサービスを使っちゃったな...』

 

プレゼンター『ハハハ、取り敢えずキミは早くカレに会ったらどうだい?』

 

そう言うとどこからか声が聞こえてくる。

 

 

彼方ーーーーーーー!!!!!!!

 

 

その声を聞いて自然と口角が上がる彼方。

プレゼンターとの会話を無視して声の方を向くと弦太朗が走って来ていた。

今の時間帯は授業中のはずなのだが、弦太朗には授業よりも行方不明だった親友の方が大切だった。

 

弦太朗「やっと戻って来たか!!!」

 

そう言って彼方にダイブする弦太朗。

彼方は何とか受け止める。

 

彼方「ハハハ!久しぶり弦ちゃん!こっちだとどれぐらい経ってたの?」

 

弦太朗「一か月ぐらいだな!その間ユウキ達が心配してたぞ!」

 

彼方「あちゃ~...帰ったらすんごいことになりそうだな~...」

 

弦太朗「ハハハ!ずっと会えなかったんだからそんぐらい受け止めろ!」

 

彼方「そうだよね~...」

 

まさか一か月も時間がずれていたとは思わなかった彼方。

以前エニグマ事件の時にビルドの世界に迷い込んだパラドは向こうの世界に一年間滞在していたが、こちらの世界では一週間の出来事だった。

それがエニグマ事件後に時間の流れがまたずれたのか、その差は大きくなっていた。

 

そんな長い間心配をかけさせていた恋人達がどんな反応をするのか怖い彼方。

だがそれも仕方ないと腹を括るのだった。

 

そんな彼方に弦太朗は改まって顔を向ける。

それに不思議そうにする彼方。

 

 

弦太朗「お帰り、彼方!

 

彼方「っ!...ただいま、弦ちゃん!

 

 

そう言って二人は友情のシルシを交わしたのだった...

 

 

 

 

the end of story...




これにて本編は終了となります。
これまで読んでくださってありがとうございました!

Vシネビルドの話も出そうとは思ったのですが、自分のモチベ的に続かなそうな気がしたので出さないことにしました。
もし期待されていた方がいらっしゃったら残念なことになってすみません。
一応補足的な感じにしますと、彼方はあの後二つの世界を行ったり来たり出来ちゃいます。
なんでかって?だって彼方だもん。

まあ実際には新世界にとって戦兎達と同じ立ち位置に居る彼方には新世界との繋がりがつよくなっちゃうんですよね。
なのでその気になれば行ったり来たり出来るようになるんですよ。
なんで美空と紗羽ともそのまま付き合ったままで、なんなら二人と一緒に二つの世界を行ったり来たりしちゃってます。

というチート話をおひとつ...


前々から話していた次回作について。
たくさんのアンケートへの投票ありがとうございました!
知らない間に締め切ってたと思われますが、あの状態だともう票入んねえだろと思って締め切りました。

いや~それにしてもアンケを見た感想としては...
スケダン人気ないの?それとも認知が低いの?
個人的には好きな漫画トップなんですけどね~...

まあそれは置いといてやはりトップはダントツでアズとのいちゃらぶでしたね~。
一応その線で書いていくつもりです。
それで残りの二つに関しては僅差だったということもあり、もしかしたら同時並行で出すかもしれないよ~とだけ言っておきます。
まあ出さないかもしれませんが笑

次回作の投稿に関しては出来上がり次第となりますのでそれまでおまちくださ~い。


改めてお礼を言います。
本当にありがとうございました。



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