ワームですが、なにか? (マリモ二等兵)
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血縁喰ライ

 
 
 


 腹が減っては戦ができぬ。

 腹が減っては頭は動かず。

 腹が減っては勉強できず。

 故に、私が勉強できないのは我が食欲のせいである。

 

 そう思いながら、岡ちゃん先生の授業内容を一語一句逃さず記憶のノートから消す。

 いや、そもそも書いてすらいない。

 我が脳内に、一片の知識無し。

 食欲くんが新人の知識くんに拳を叩き込む。

 これぞ我が逃走経路だ。

 そう言い知識くんが吹っ飛んでいく。

 私のせいじゃない。

 故に、テストがこの世の終わり一歩手前なのは我が食欲のせいである。

 証明完了。

 今日も、私が勉強できない理由を正当化出来た。

 これで今日も、澄んだ心で購買でメロンパンが買える。

 

 ふっと鼻から息を出す。

 それと同時に、目を閉じる。

 なんかニヤついてきた。

 理由は思いつかない。

 自分でも何をやってるのか分からない時、不思議と笑ってしまう。

 周りからみたら完全に変人だ。

 このままでは変人に見られそうなので目を開く。

 

 凸凹した壁だ。

 色的に土だろうか。

 小石がそれなりにバラ撒かれた道路を、車がゆっくりとカーブしたような音が聞こえる。

 

 あたっ!

 上から何か降ってきた?

 というかここはどこ?

 さっきまでいた教室は?

 

 辺りを見回す。

 土、石、ヤツメウナギのような口、ドーナツを積み重ねて繋げたような肌色の何か。

 私の後ろには円を描くように牙の生えた小さな口、肌色の芋虫をぐいーと伸ばしたような体をしたモノが蠢いている。

 それが六匹。

 その姿は何故かイソギンチャクを彷彿とさせた。

 

 気持ち悪っ!!

 え?なにこれ?

 何あいつ?

 美味しそう……。

 じゃなくて!

 なんでこんなのが目の前に居るの!?

 ヤダヤダヤダ!!

 

 私は顔を退ける。

 それと同時に、体からグリュっと音が鳴る。

 ちょっと口からヨダレが垂れる。

 後頭部に冷たいものを感じる。

 ヒンヤリしたこの感触、土だ。

 ちょぴり湿ってる。

 

 カァッ

 

 口から漏れる、人外の声。

 頭に嫌な予想が流れる。

 ドキドキと心臓が鳴る。

 その心臓の音も、今までとは違って聞こえる。

 主に、場所が。

 私は体を確認するために腕を出す。

 ……出せない。

 そもそも、腕がない。

 ならばと足を出す。

 これも同じ、そもそも無かった。

 いや、それらしいものはある。

 肌色の芋虫を伸ばしたかのような身体がある。

 

 私は、気がついたらワームになっていた。

 

 いやいやいやいや!!

 認めたくない!!

 絶対に認めたくない!!

 なんで私はワームに!?

 まてまてまてー可笑しいぞー?思い出せ私ー?

 私の名前は飯田麻衣。

 毎日3食、間食5食のちょっと食いしん坊な女子高生。

 腹の虫はおさまることを知らず、常に食事を心待ちにしている。

 さっきまでは岡ちゃん先生の古文の授業。

 いつものように右から左へ流し、次のテストも駄目だこりゃと思っていた。

 なんとなく目をつむって、変人扱いを避けるために目を開けたらワームになっていた。 

 

 ……わけがわからない!!

 なにこれ!?

 夢!?

 目をつむった瞬間寝ちゃった!?

 にしては色々リアルというかなんというかー…。

 うわあぁグニュグニュしてて気持ち悪!!

 なにこれなにこれー!?

 しかも何か食べてるし!

 グチャグチャいってるー!?

 キモイキモイ!

 あれ?なんか咀嚼音が聞こえる……。

 なに食べてるのー……えーっと兄弟?くーん?

 

 兄弟くんが食べてるのは……兄弟か!

 おう…兄弟くん、血縁喰らいは犯罪ですよー?

 あれ?

 なんか私この光景を見てお腹減ってない?

 え?私ゲテモノ好きだっけ?

 いや待て、おかしい。

 何がおかしい?

 全ておかしい。

 何だこれは……。

 なんか…兄弟も兄弟食ってる兄弟も、みんな美味しそうに見えるんだけど。

 肉がプリッとしてて生きてるから新鮮で、とにかく美味しそうに見える……。

 これは…あれ、あれだよ。

 身体が兄弟くんの肉を求めてる!

 さっきからヨダレが止まらないし、腹の虫が大声で喚いてる!

 これはもう…!食うしか、無い!

 

 《スキル「食いしん坊」の効果が発動しました。「食いしん坊」の効果により、一時的にステータスが上昇しました》

 

 その謎の声と共に、全身に力がみなぎってきた。

 今ならコンクリートの壁を壊せそうな気がする。

 そんな万能感のようなものを感じながら、兄弟くんに近づく。

 ゆっくりと、ズリズリ音がなってるけどゆっくりと。

 口からヨダレが溢れてくる。

 ヨダレで濡れた口で、私は背後から兄弟くんに噛みつく。

 兄弟くんの肉は裂け、血は私の視界を埋めた。

 かすれたような、それでいてよく通る声で兄弟くんは叫ぶ。

 兄弟くんの味が、私の脳を駆け巡る。

 もっとだ。

 もっと食べたい。

 千切って、飲み込んで、噛んで、噛んで、周りが血で染まるまで、溢れた血も吸い取って。

 

 気がついたら私以外に生物は居なかった。

 とても美味しかった。

 肉はもちろん、血も、牙と、内臓も。

 どれもこれも良かった。

 それぞれに独特の味があって、単調な味なんて口が裂けても言えないね。

 ……やっちゃった。

 兄弟くん、美味しかったよ。

 じゃない、これってさ、結構やばいことしたよね。

 絶対した。

 ヤバイヤバイ。

 

 《条件を満たしました。称号「血縁喰ライ」を獲得しました》

 《称号「血縁喰ライ」の効果により、スキル「禁忌LV1」「外道魔法LV1」を獲得しました》

 《経験値が一定に達しました。個体、ワーストワームがLV1からLV2になりました》                      

 《経験値が一定に達しました。個体、ワーストワームがLV2からLV3になりました》

 

 血縁喰ライ……すいませんでした!!

 禁忌とか外道魔法とか訳分からんけどヤバそうなの手に入れちゃったし、本当に申し訳ない!

 食欲に、勝てなかったんです……。

 そういえばさっきから頭に響くこの声はなんやい?

 どなたかいらっしゃいますの?

 ………返事がない、ただの幻聴のようだ。

 いや、ワームになってるんだしなんかあれかな、世界の声!みたいな奴かな。

 う〜む。

 ん?ステイステイ。

 ワームになる、天の声?が聞こえる、スキルや称号の存在。

 ここから導き出される答えは!

 

 異世界転生

 

 これか!

 これかな?

 これなんだ!

 きっとそうだ、そうに違いない。

 ほほう?やっと働いてくれたか我がブレインよ。

 これほど天才的な発想が出来るとは、なんでもっと早く動かなかったの?

 あと私はいつ死んだの?

 …まぁいいや。

 ふふっ、異世界転生だと気づいた私はやる事が出来た。

 

 …鑑定!!

 

 《現在所持スキルポイントは40030です。スキルポイント500を使用して、スキル「鑑定」を取得しますか?》

 

 え、あ、まだ持ってないのね。

 い、いや別に知ってたよ!?

 ただね?天の声さんの出番を無くすのはちょっと可哀想だなーって思ったからやったんだよ!?

 ……誰に言い訳してるの?私。

 とりあえず、取得しまーす。

 

 《スキル「鑑定LV1」を取得しました。残りスキルポイントは39530です》

 

 ウェーイ!

 これで私は勝ちました。

 さっそく鑑定!

 

 『土』

 

 ワッタッファック!?

 い、いやいやいや!

 こんなこと有り得ないあっていいはずがない!

 落ち着け私!ステイステーイ……。

 Be cool…私は、クールになった。

 ……私に鑑定!!

 

 『ワーム』

 

 ワームだったわ。

 あー…………………あー!!

 チキショウ!

 なんで!?私が何をしたっていうのさ!?

 なんの罰!?

 教えてよ!

 あー!あー!うー!おー!

 はぁ………落ち込むなぁ……。

 高望みし過ぎたのかな?

 実際は色々詳しく知れるけど、欲深い人ほど効果が薄かったりする?

 ……そんなわけないかー。

 でも鑑定さえあれば何でも知れるとは思ってたし、高望みしてたのは間違いないねー。

 仕方ないじゃん、私は欲望に忠実に、強欲に生きるって決めてるんだから!

 スキルに強欲があったら私はもう持ってるくらいにはね!

 

 《現在所持スキルポイント39530です。スキルポイント100を使用してスキル「強欲」を取得しますか?》

 

 お、え?お、おう。

 強欲ってスキル、あるのね。

 これは……私のためにあるのでは?

 流石にそれは言い過ぎかもしれないけど、天の声さんが言うのなら取っちゃおう。

 強欲、七大罪の中の1つだね。

 厨二病発病してた時にニヤニヤしながら調べてたから覚えてる。

 ……思いだしたら恥ずかしくなってきた。

 やっぱ取るのやめようかな?

 いや取ろう。

 スキルポイントはたったの100。

 鑑定の5分の1だ。

 もしダメダメなダメスキルでも消費は少ない。

 取りまーす!

 

 《スキル「強欲」を取得しました。残りスキルポイントは39430です。》

 《条件を満たしました。称号「強欲の支配者」を獲得しました》

 《「強欲の支配者」の効果により、スキル「鑑定LV10」「征服」を獲得しました》

 《スキル「鑑定LV1」が「鑑定LV10」に統合されました》

 《熟練度が一定に達しました。スキル「禁忌LV1」が「禁忌LV3」になりました》

 

 お、おう。

 なんかすごい手に入った。

 さっき取った鑑定が一気にLV10になっちまったよ。

 これ、鑑定取ったの損じゃない?

 い、いや鑑定はスキルがスキルポイントで取れるということを教えてくれた!

 だから、無意味じゃなかった…はず…。

 

 さて、LV10になった鑑定の力、見せてください!

 

 『ワーストワーム(飯田麻衣) LV3

  ステータス

 HP:108/108(緑)+10(詳細)

 MP:24/24(青)+20(詳細)

 SP:108/108(黄)+30(詳細)

   :108/108(赤)+30(詳細)

 平均攻撃能力:254(詳細)

 平均防御能力:24(詳細)

 平均魔法能力:124(詳細)

 平均抵抗能力:24(詳細)

 平均速度能力:124(詳細)

 スキル

 「酸攻撃LV1」「飽食LV1」

 「酸耐性LV1」

 「食いしん坊LV1」

 「鑑定LV10」

 「強欲」「征服」「禁忌LV3」

 「外道魔法」

 「n%I=W」

 スキルポイント:39430

 称号

 「食いしん坊」「血縁喰ライ」「強欲の支配者」』

 

 おー!これぞ私の求めていたもの!

 素晴らしい!

 どれから見よっかなー?

 うーんと。

 食いしん坊!コレにしよう!

 

 『食いしん坊:スキルレベル×100分基礎攻撃能力にプラス補正がかかる。また、レベルアップ時にスキルレベル×10分の成長補正がかかる。さらに、食べ物に直面した時スキルレベル×50%分全ステータスが上昇する』

 

 ほほう?

 食べ物に直面した時、スキルレベル×50%分全ステータスが上昇…とな?

 だから兄弟くんを食べようとした時力がみなぎったのか!

 そういえばあの時その事をアナウンスされてたようなされてないような……。

 えーっと?今はLV1だからー?

 半分ぐらい上がるのね?

 そうなのね?

 

 次に強欲!

 

 『強欲:神へと至らんとするn%の力。殺害した相手のステータスやスキル、スキルポイントを一部取得する。また、Wのシステムを凌駕し、MA領域への干渉権を得る』

 

 お、おお!

 すごい!…かも!

 いや凄い!

 要はこれ、倒したら相手の力を奪うってことだよね?

 力を奪う能力って言ったら最強格のイメージがあるよ?

 ふふっ私は今!究極のパワーを手に入れたのだー!!

 はっはっはー!

 お?

 それ以外のスキルも中々良いスキルばっかじゃん!

 よくわからないスキルもあったけど!

 これなら誰が来ようとも負けるはずがない!!

 

 ふぅ…さて、次は称号かな?

 

 『食いしん坊:取得スキル「食いしん坊LV1」「飽食LV1」:取得条件:無限の食欲を持つ:効果:あらゆるものが食欲の対象になる:説明:無限の食欲を持つ者に送られる称号』

 

 無限の食欲とは失礼な!

 確かに記憶にある限りだとお腹いっぱいになったこと無いけどさー!?

 それでも無限の食欲って!

 もうちょいソフトな言い方無かったの!?

 例えば底なし胃袋とかさ!

 

 『強欲の支配者:取得スキル「鑑定LV10」「征服」:取得条件:「強欲」の取得:効果:攻撃、魔法、速度の各能力上昇。強化系スキルに+補正。支配者階級特権を獲得:説明:強欲を支配せしものに送られる称号』

 

 おー!太っ腹な称号!

 色々上がってなんか特権獲得してる!

 いやー!強欲とって良かった!

 

 ふふ、これは中々良いスタートを切ったんじゃなーい?

 ワームに転生したのはアレだけど、それ以外はバッチリ!

 前世にはちょっと未練があるけど、今戻っても駆除されるだけだし異世界ライフを楽しもう!

 あ、でもドラゴンとか出てこないでくださいお願いします。

 

 

 

 




 
 次は余裕があったら。
 


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魔物喰らい

 
 
 


 うーん。

 とりあえず外に出るか。

 でもどうやって?

 ワームだし穴掘りとかできるかな?

 やってみなきゃわからん!

 よし!やろう!

 

 私は土の壁に突き刺さる勢いで突進する。

 土と牙、両方が追突し、牙の根本が痛くなる。

 口を大きく開けて土を飲み込もうとする。

 そうすれば穴が掘れると本能が教えてくれたからだ。

 噛む、飲み込む、その2つの動作を繰り返す。

 土がどんどん体内に入っていき、胃にどっしりと積み重なっていく。

 それでも満腹になることはない。

 きっと私の持つ無限の食欲のせいだろう。

 スキルにも称号にも、満腹になることはないなんて説明は無かったけど、隠し効果であるかも知れない。

 そんなことを思っていると牙が無を通る。

 青空が見える。

 外だ。

 

 私は全身を出す。

 周りを確認。

 一方は山。

 一方は森。

 一方は草原だ。

 ここは草原で、見渡す限りだと何匹か生物がいる。

 でもそれは前世で見たようなものでは無く、キメラのような、全く未知のような、とにかく見たことがない生物だった。

 

 グゥ

 

 うご!

 あの子らを見てると凄いお腹が減ってくる!

 食べたいぜ!

 むしゃむしゃしたいぜ!

 ひゃあ我慢できねぇ!突撃だー!

 とはならない。

 いや確かに彼らは正直言って美味しそうな料理にしか見えない。

 お腹が減るのは事実だし、今すぐにでも食べ尽くしたい。

 でもステイステイ…。

 そういうのはステータスを見てからだ。

 鑑定がLV10になったんだし、使わなきゃ。

 うーんでもここからだと遠すぎて無理か。

 ならば近づこう。

 

 私は身体を波のようにうねりながら遠くにいる生物に近づく。

 今回はゆっくりじゃなくて歩き。

 いや這い寄り?

 まぁいいや。

 

 ズリズリ…

 

 草が潰れる。

 後ろを見れば通った後が残っているだろう。

 

 ズリズリ…

 

 ヨダレがダラダラ垂れる。

 ヨダレの染みた地を這い、冷たい思いをする。

 かなり目標に近づいてきた。

 ウサギにイッカクのような角が生えている。

 あの角で刺されたら痛そう。

 …よし近づけた、鑑定。

 

 『ホーンラビット LV3

   ステータス

 HP:27/27(緑)(詳細)

 MP:4/4(青)(詳細)

 SP:28/28(黄)(詳細)

   :13/30(赤)(詳細)

 平均攻撃能力:14(詳細)

 平均防御能力:11(詳細)

 平均魔法能力:3(詳細)

 平均抵抗能力:4(詳細)

 平均速度能力:23(詳細)

 スキル

 「跳躍LV2」

 スキルポイント:20』

 

 戦闘力、たったの14か。

 ゴミめ。

 結構近づいてるけどまだ私の存在に気づいてない。

 私って忍び寄る才能あるのかも?

 ふふふ。

 

 《スキル「食いしん坊」の効果が発動しました。「食いしん坊」の効果により、一時的にステータスが上昇しました》

 

 そのアナウンスと同時に私は無防備な背中に噛みつく。

 するとホーンラビットは短い悲鳴を上げ、動かなくなる。

 噛みついた場所がブクブクと音を立てながら溶けていく。

 スキル「酸攻撃LV1」試してみたけど中々強力だね。

 

 私は酸で柔らかくなった肉を噛み千切る。

 デロデロだけど結構美味い。

 肉はもちろん骨も柔らかいからとても食べやすい。

 柔らかくて美味しいとか最高かな?

 今後このウサギを見つけたら積極的に食べるとしよう。

 

 さーて次!

 あそこにいる狼みたいなの。

 次はあいつだ!

 見た感じ防御力高そうだけど、イケる…はず!

 イケなかったら逃げよう!

 

 ズルズル…

 

 グヘヘ。

 あ、気づかれた。

 私に向かってきてるね。

 ほう?向かってくるのか。

 このワームに対して!

 良いだろう!

 その勝負、受けて立つ!

 お、鑑定出来る距離になった。

 グヘヘ……鑑定!

 

 『ウォンウルフ LV6

  ステータス

 HP:57/57(緑)(詳細)

 MP:10/10(青)(詳細)

 SP:123/123(黄)(詳細)

   :112/123(赤)(詳細)

 平均攻撃能力:94(詳細)

 平均防御能力:32(詳細)

 平均魔法能力:12(詳細)

 平均抵抗能力:14(詳細)

 平均速度能力:82(詳細)

 スキル

 「斬撃強化LV2」「疾走LV4」

 スキルポイント:50』

 

 お、おう。

 なかなかやるじゃない。

 めっちゃ鋭い爪持ってるし斬撃強化なんてスキル持ってるし、数値より攻撃力は高そう。

 ……勝てるかな?

 イケる…はず。

 もし出来なくても逃げれる。

 この狼くんより私のほうが足速いからね。

 ……狼より速いワームって何?

 まぁいっか。

 

 天の声からステータス上昇のアナウンスが来る。

 これで私のステータスはぐーんと上がった。

 イケる!

 勝てる!

 来いよ!

 …来た!

 

 狼くんが飛びかかってくる。

 鋭い爪で私を切り裂くつもりなんだろう。

 私はさっきウサギから取ったスキル「跳躍」でバックステップして避ける。

 華麗に着地、よし!

 そのまま突っ込めー!

 棒のような身体からは想像できないスピードで狼くんに接近する。

 狼くんは避けようと身体を動かすが間に合わず足に私の牙が食い込む。

 ジュ~っと肉が溶けていき、狼くんが甲高い悲鳴を上げながらも私に反撃とばかりに噛み付いてくる。

 狼くんの牙が皮を貫き肉を断つ。

 悶絶しそうなほど痛い。

 血が溢れていく感覚を感じながら狼くんの脚を千切る。

 狼くんの噛む力が弱まっていく。

 次に私は身をよじらせてフカフカな胴体に噛みつく。

 私の身体に血がかかる。

 狼くんの毛は真っ赤だ。

 私も真っ赤。

 だんだん溶けていく。

 もう狼くんは途切れ途切れな声しか出せていない。

 私は止めに首元を噛み千切る。

 狼くんは短い悲鳴を最後に動かなくなった。

 

 《経験値が一定に達しました。個体、ワーストワームがLV3からLV4になりました》

 《経験値が一定に達しました。個体、ワーストワームがLV4からLV5になりました》

 《熟練度が一定に達しました。スキル「酸攻撃LV1」が「酸攻撃LV2」になりました》

 《熟練度が一定に達しました。スキル「酸耐性LV1」が「酸耐性LV2」になりました》

 《熟練度が一定に達しました。スキル「酸強化LV1」を取得しました》

 

 ふぅ…倒せたみたいだね。

 なんかもの凄い血みどろな戦いだったけど、勝ったからヨシ!

 いや本当に血みどろだよ。

 私も、狼くんも、周りも。

 まるで血のプールだね!

 泳ぐには虫ぐらい小さくないといけないけど。

 それにしても熟練度が溜まればスキルレベルは上がるんだね。

 なんか「酸強化LV1」なんてスキルも取ったけど、これは酸攻撃の威力が上がるのかな?

 だとしたら私にぴったりなスキルじゃん!

 ありがたやありがたや。

 また私は強くなってしまった……。

 いやそれでもまだLV5だし、この世界ではまだまだ弱いだろうなー。

 一番上のステータスってどれくらいなんだろう?

 1万?10万?100万?

 とにかく私なんかデコピンで倒せちゃうほど強いと予想。

 んー…よし!

 目標が決まった!

 一番上の人と戦っても瞬殺されないぐらい強くなる!

 超えるとは言わない。

 一番上に人ってとんでもなく長生きしてるイメージがあるからね。

 ステータスだけじゃなくて技術とか色々あっての1位でしょう。

 その人と並ぶにはその技術を覆せるほどの超パワーを持つしかない!

 じゃあその超パワーを持つにはどうするか?

 強欲で沢山の生物の力を吸収する。

 この手に限る。

 

 よし、ちょうど向こうに生き物がいるし食べに行こう。

 今の私の頭の中には強欲で力を奪うことと美味しいものを食べることしか無い。

 ん?いや、ちょっと待てよ。

 ちょっとステータスオープン。

 

 『ワーストワーム(飯田麻衣) LV5

  ステータス

 HP:128/128(緑)+10(詳細)+18

 MP:28/28(青)+20(詳細)  +4

 SP:126/126(黄)+40(詳細)+18

   :126/126(赤)+40(詳細)+18

 平均攻撃能力:297(詳細)      +43

 平均防御能力:28(詳細)       +4

 平均魔法能力:128(詳細)      +4

 平均抵抗能力:28(詳細)       +4

 平均速度能力:136(詳細)      +12

 スキル

 「酸攻撃LV2」「酸強化LV1」「斬撃強化LV1」

 「飽食LV1」「跳躍LV1」

 「酸耐性LV2」

 「食いしん坊LV1」

 「鑑定LV10」

 「強欲」「征服」「禁忌LV3」

 「外道魔法LV1」

 「n%I=W」

 スキルポイント:39437

 称号

 「食いしん坊」「血縁喰ライ」「強欲の支配者」』

 

 あ、スキルポイント沢山あるじゃん。

 これ使った方がいいよね。

 残しておく理由ないし。

 えーっとどうしようかな。

 どんなスキルが良いんだろう?

 今の私に足りてないのは防御力かな?

 鑑定で取れるスキルが見れるみたいだから防御力に関係しそうなスキルを探してみよう。

 んー…お、城塞がすごいね。

 防御力を上げるスキルの中では最上位のスキルか。

 でもスキルポイントが5000も必要かー。

 うーん?

 縮地…はスピードを上げるスキルでスキルポイント1000。

 その上が韋駄天でスキルポイントは10000。

 高いねー。

 お、剛毅はスキルポイント500で取れる!

 これは……攻撃力を上げるスキルか!

 確かに私のステータスの中で一番高いのは攻撃力だもんね。

 転生特典らしき「食いしん坊」も攻撃力を上げる効果があるし、私は攻撃力を上げるのが得意なのね。

 いいねー。

 あ、既存のスキルもスキルポイントで上げられるじゃん!

 ならば食いしん坊を上げよう。

 そうすれば最強の攻撃力も夢じゃないかもしれない。

 フフフ。

 えーっと食いしん坊を上げるには200ね。

 オーケーオーケー。

 多分スキルレベルはLV10が最大だから、食いしん坊で1800、剛毅で5000か!

 だから足して6800!

 残りスキルポイントは……31637か!

 結構あるぜ!

 なんかないかな?

 んーあーんー?

 耐性スキルとか取ったほうが良さそうだね。

 えー…貫通耐性?いるかな?

 破壊耐性……なにそれ?

 んーなんか沢山あって迷うなー。

 それっぽいのは取っておくべきかな?

 いや、耐性系はその時になったら取るべきかな?

 何が来るのか分からない以上、無駄な耐性を取るのは避けたほうがいい。

 んーとりあえず打撃耐性と破壊耐性は取っておこう。

 なんか打たれ強くなれそうだし。

 これもカンストで……いや、その上の大耐性があるね。

 両方ともスキルポイントは2000。

 高いねー。

 でも大耐性をLV1で取れば消費は4000。

 熟練度が溜まればレベルが上がっていくし、耐性系スキルはスキルだけ取って後は熟練度に任せるのも良いかもしれない。

 そうすると残りスキルポイントは……27637だね!

 よし!

 まだまだあるぜ!

 んーでも後で必要になった時ように10000は残して置きたいから、今使えるのは17637か。

 んー。

 これから戦闘だらけだろうし、戦えるパワーが欲しい。

 となると…やっぱりスピードと防御力を上げたほうが良さそう。

 韋駄天が10000、城塞が5000。

 これを取ってステータスの底上げをしたほうが、下手なスキルを取るより有利に立てるのかもしれない。

 んー……。

 あ、そういえば食いしん坊って食欲の対象に直面するとステータスが底上げされるじゃん。

 今の所食欲の対象外な生物は出てきてないし、称号の効果もあって今後も現れない確率が高いから戦闘時にはステータスは上がっているものと思って良さそう。

 えーっと食いしん坊はカンストするとー……+500%上がるのね。

 だから実質6倍か!

 つよい!

 とても強い!

 ふふふ。

 これはやらねばならない。

 やるぞー!!

 

 『スキルポイント:12637』

 

 やっちゃった。

 これで私は今!究極のパワーを手に入れたのだ!!

 ……これ前も言った気がする。

 まぁいいか!

 今の私のパワーはどうなってる?

 

 『ワーストワーム(飯田麻衣) LV5

  ステータス

 HP:128/128(緑)+10(詳細)

 MP:28/28(青)+20(詳細)  

 SP:126/126(黄)+40(詳細)

   :126/126(赤)+40(詳細)

 平均攻撃能力:2197(詳細)     +1900

 平均防御能力:128(詳細)      +100

 平均魔法能力:128(詳細)      

 平均抵抗能力:28(詳細)       

 平均速度能力:236(詳細)      +100

 スキル

 「酸攻撃LV2」「酸強化LV1」「斬撃強化LV1」

 「飽食LV1」「跳躍LV1」

 「酸耐性LV2」「打撃大耐性LV1」「破壊大耐性LV1」

 「食いしん坊LV10」「剛毅LV10」「城塞LV1」「韋駄天LV1」

 「鑑定LV10」

 「強欲」「征服」「禁忌LV3」

 「外道魔法LV1」

 「n%I=W」

 スキルポイント:12637

 称号

 「食いしん坊」「血縁喰ライ」「強欲の支配者」』

 

 もの凄い極端なステータスになっちまったぜ!!

 それでも超パワーを手に入れた!

 逆にいえば超パワーしかねぇ!

 当たれば勝つ!

 当たらなければ負ける!

 これが私のスタイルか!

 あ、向こうに蛙がいる。

 なんかでかいけど。

 ふふっ。

 待ってろよ蛙くん!

 私の牙の汚れにしてくれるわ!

 

 

 

 




 
 誰かが言った、力こそパワーだと。


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食物喰らい

 
   
 


 蛙く〜ん。

 こんにちは!死ね!

 

 私は蛙くんに噛みつく。

 いや、噛みつこうとした。

 私にかかったのは蛙くんの血液では無く、蛙くんの毒液だった。

 

 あだだだだ!?

 すっごい痛い!

 ものすっごい痛い!

 

 《熟練度が一定に達しました。スキル「苦痛耐性LV1」を獲得しまし》

 

 あ、少しだけ痛みを我慢出来る様になった気がする。

 まぁあくまで我慢出来る様に、だから痛みが引いたわけではないみたい。

 そんなことより、この蛙野郎!

 私の顔に毒液なんかかけやがって!

 めっちゃ痛い!

 お返しに骨の髄までしゃぶり尽くしてやる!

 

 天の声からステータス上昇のアナウンスがなる。

 あ、まだ上昇してなかったのね。

 べ、別に知ってたもんね!

 あえて蛙くんに希望を見せてその後パワーアップして絶望のどん底に叩き落とそうとしただけだから!

 よし。

 ステータス6倍!

 これで蛙くんを圧倒してやる!

 

 私は速度能力に任せて接近する。

 蛙くんの速度はたったの30。

 1000に勝てるわけがないだろ!

 私の予想通り、蛙くんは反応すら出来ず私の牙の餌食となった。

 うえっ。

 肉も痛くなるじゃん。

 不味いし…。

 おえー。

 うっぷ。

 だけどなぜだろう。

 ものすごいお腹が減る。

 不味いけど今の私は食べる気満々だ。

 しかもだんだん美味しく感じてきた。

 もしかして私のスキルに不味いものを美味しく感じる効果があるスキルがあるかも知れない。

 多分食いしん坊かな。

 それか飽食か。

 まぁいいか。

 美味しいご飯を食べられて私はハッピーさ!

 もっともっと美味しくなれ。

 

 いつの間にか蛙くんは私の胃に入っていた。

 美味しいものを食べると時間があっという間に過ぎるなぁ。

 

 グゥゥゥ……

 

 腹が減ったから戦をしよう。

 私は辺りを見回す。

 遠くに狼の群れ、豚と牛のキメラがいる。

 群れを倒すのはキツそうだ。

 となるとキメラかな。

 グヒヒ、草食ってるところ失礼するぞ。

 

 ズルズル…

 

 走って接近したい所だけど距離がある。

 この距離を走ろうものなら途中で体力切れを起こしちゃう。

 だからゆっくり近づこう。

 あのキメラくんは好戦的かな?

 だとしたら大きな音を立てて私の存在を示したほうが良いのかも。

 …やらなくてっか。

 お腹減ってるけどSPには余裕があるんだよね。

 ただ私がお腹減ってるだけで、実際は食事はいらない。

 だからそんなに急ぐ必要はない。

 でもお腹減ってるんで食べさせていただきます。

 

 ズルズル…

 

 ふふ。

 射程距離に、入ったぜ!

 ステータス上昇のアナウンスがなる。

 これで私のスピード1000。

 圧倒的スピードを見せてやるぜ!

 …の前に鑑定。

 

 『カウピッグ LV8

  ステータス

 HP:301/301(緑)(詳細)

 MP:71/71(青)(詳細)  

 SP:425/425(黄)(詳細)

   :427/427(赤)(詳細)

 平均攻撃能力:291(詳細)     

 平均防御能力:203(詳細)      

 平均魔法能力:63(詳細)      

 平均抵抗能力:61(詳細)       

 平均速度能力:309(詳細)    

 スキル

 「強力Lv3」「破壊強化LV4」「破壊耐性Lv2」

 スキルポイント:120』

 

 名前そのまんまじゃん!

 そんなことより、平均ステータスは高めだね。

 まぁ今の私には敵わないけどね!

 それでも破壊強化なんてスキルがあるし、油断は禁物。

 

 あ、キメラくんが私の存在に気づいた。

 さて、どうする?

 強者っぽいことを言おう。

 墓に埋まるか、私の腹に収まるか、どちらか選べ!

 うーん。

 あんまり。

 

 キメラくんはどうやら腹に収まることを選んだらしく、私に向かって突進してくる。

 私はそれを避けずに正面から噛みつく。

 なんでかって?

 いけるかなって思ったからだよ。

 案の定、突進の威力に耐えられず私の牙がいくつか抜けそうになる。

 口の中に血の味が広がる。

 相手の血は美味しいけど、自分の血はまったく美味しくない。

 てか歯が抜けかけたからものすごい痛い。

 この痛みを恨みにして、キメラくんにぶつけよう。

 私は突進されても生き残った牙を使い、キメラくんの頭に噛みつく。

 私の攻撃能力は約2200。

 食いしん坊の効果で6倍。

 つまり私のパワーは約13200。

 超パワーだ!!

 

 超パワーでキメラくんの頭を噛み砕く。

 バキバキっと音を立て、破れた水風船みたいになっている。

 頭の中のものも沢山出てきてるし、これはどう見ても死んでいる。

 ふっ、呆気ないものだな……。

 にしてもキメラくん、結構美味しいね。

 牛と豚のキメラだし合い挽き肉と言えるのかな?

 ハンバーグにしたら美味しそう。

 

 《経験値が一定に達しました。個体、ワーストワームがLV5からLV6になりました》

 《経験値が一定に達しました。個体、ワーストワームがLv6からLV7になりました》

 《経験値が一定に達しました。個体、ワーストワームがLV7からLV8になりました》

 《熟練度が一定に達しました。スキル「酸強化LV1」から「酸強化LV2」になりました》

 《熟練度が一定に達しました。スキル「酸攻撃LV2」から「酸攻撃LV3」になりました》

 《熟練度が一定に達しました。スキル「酸耐性LV2」から「酸耐性LV3」になりました》

 《熟練度が一定に達しました。スキル「苦痛耐性LV1」から「苦痛耐性LV2」になりました》

 

 おー上がる上がる。

 この調子で食べていこう。

 む?奥に敵発見!

 ウサギか!

 君の肉は美味しいから助かる!

 まぁみんな美味しいけど。

 グヘヘ…無防備な背中晒しやがって、誘ってんのか?

 ステータスアップ!

 よし!行くぞ!

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 今日は雲一つない青空。

 涼しい風がほどよく吹く、絶好の散歩日和となっております。

 東の方をご覧ください。

 東には自然豊かな森が広がっています。

 続きまして西の方はと言いますと、一体誰がやったのでしょうか。

 生き物のものと思われる赤い液体で染まった草原が広がっております。

 そして今私が口にしているのは、ここらで捕れた新鮮な狼でございます。

 いやーとても美味しいですねー。

 美味しすぎて箸が…いや、牙が止まりません!

 もう何匹目なのか覚えてないですよ!

 それ以外にもキメラを始めとしたウサギやロックタートル、ピンク色の虎などを食しましたが、どれもこれも非常に美味で、もう辺りを見渡しても動物の影も形もございません!

 はい。

 その。

 美味しくてね。

 もうこの狼を食べきったらいないんじゃないかって思うぐらい食べちゃいました。

 もちろんレベルが上がった。

 LV10になると進化というものが出来る様になった。

 もちろん進化した。

 レッサーワームという種族になった。

 進化するとステータスやスキルレベルが上がるらしく、私はかなり強くなってしまった。

 その代わりに進化するときに気絶するしSPを大量に消費するらしく、飽食のストックと一部のSPが消え去った。

 結構消費するね!

 あ、そうそう。

 進化して「酸性液LV1」「射出LV1」なるスキルを手に入れた。

 酸性液は酸性の液体を出すというもの。

 これ単体だと私の口からダラーって感じで垂れるだけだった。

 しかしそこに射出のスキルを加えると、その酸性液を飛ばせるようになった。

 やったぜ!

 これで私はさらに強くなってしまった。

 その証拠に私は今まで敗北したことがない。

 ふっ…敗北を知りたい。

 さらにさらに!私の強化はそれで止まりはしない!

 さっきも言ったが、私は辺りを見渡しても生き物の影も形もなくなるほど食べた。

 なんてったって称号「魔物殺し」「魔物の殺戮者」を手に入れるほど食べたからね!

 それだけ食べて、たった一回の進化でとどまるわけがなかろう。

 なんともう一回進化出来る様になりました!

 しかーし!

 ここである問題が!

 

 《進化先の候補が複数あります。次の候補からお選びください。

  ワーム

  デスワーム》

 

 なんと進化先が2つある!

 選択は私が嫌いなものトップ3に入るもの。

 だって選択した後に悪い結果になったら私が悪いみたいになるし。

 責任は負いたくない!

 でも!

 ここには私しかいない!

 だから選択せざるおえない!

 あーもー。

 もーもー。

 あー。

 進化先は鑑定出来るらしいから、とりあえず鑑定。

 

 『ワーム:進化条件:レッサーワームLV10:説明:ワーム種の成体』

 

 『デスワーム:進化条件:レッサーワームLV10、殺戮者の称号:説明:ワーム種の特殊進化。高い戦闘力を持つ』

 

 あー。

 よし、デスワームに決定。

 だって進化条件が多いし特殊進化だしなんかレアそうだ。

 しかも高い戦闘力って書いてあるしね。

 パワーアップすること間違いなし!

 よし!

 デスワームに進化しまーす!

 

 《個体レッサーワームがデスワームに進化します》

 

 ではおやすみなさい。

 

 はい。

 おはようございます。

 なんか身体が大きくなった気がするなぁ…。

 さっきまで低かった視線が高くなってるんだもん。

 狼くんぐらいはあるかな?

 もうこれ半分くらいUMAじゃない?

 未確認生物…いい響きだ。

 いい響きか?

 いい響きだな。

 よし、デスワームに進化した私はさらにパワーが上がっているはず。

 その力、見せてもらおう!

 

 『デスワーム(飯田麻衣) LV1

  ステータス

 HP:586/586(緑)+420(詳細)+458

 MP:202/202(青)+670(詳細)+162

 SP:583/583(黄)+703(詳細)+457

   :376/581(赤)+0(詳細)  +455

 平均攻撃能力:5866(詳細)+3689

 平均防御能力:749(詳細)+621

 平均魔法能力:376(詳細)+248

 平均抵抗能力:289(詳細)+261

 平均速度能力:912(詳細)+676

 スキル

 「酸攻撃LV6」「毒攻撃LV2」「酸強化LV4」「破壊強化LV3」「斬撃強化LV2」「毒強化LV2」「視覚強化LV1」「聴覚強化LV2」

 「飽食LV3」「跳躍LV2」「射出LV5」「命中LV4」「回避LV2」「酸性液LV5」「毒液LV2」「連携LV4」

 「苦痛耐性LV5」「酸耐性LV6」「打撃大耐性LV2」「破壊大耐性LV2」

 「食いしん坊LV10」「剛毅LV10」「城塞LV2」「韋駄天LV2」「生命LV3」「瞬身LV2」

 「鑑定LV10」「敵感知LV3」

 「強欲」「征服」「禁忌LV3」

 「外道魔法LV1」

 「n%I=W」

 スキルポイント:12857

 称号

 「食いしん坊」「血縁喰ライ」「魔物殺し」「魔物の殺戮者」「強欲の支配者」』

 

 素晴らしい!

 この上昇量は早めにステータスアップスキルをカンストさせたことと、強欲によるステータス奪取のおかげかな。

 スキルも今まで食べたもののスキルが多く含まれてるし。

 連携は狼で、毒系は蛙かな?

 それ以外にも沢山ある。

 そしてこのステータスは6倍されるから……グヘヘ、超超パワーだぜ!

 

 さて、もうこの平原には生物がいないから、場所を移したほうが良さそうだね。

 そうだなぁ…。

 森に行ってみるか!

 森には沢山いそうだし!

 そうと決まればさっそく出発。

 待ってろよ、食らい尽くしてやるからな!

 

 

 

 




 
 1つの生態系が滅びた。
 


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森喰らい

 
 
 


 最近、私はある事に気づいた。

 それは私は無機物も食べられるということだ。

 土とか石とか。

 そういえば穴を掘る時も土を食べて掘り進めてたからもっと早く気がつくべきだったかも。

 で、無機物も食べられると知ってそれが何になると言うんだ!って最初は思ったけど案外使える…というか必須レベル。

 なぜかって?

 無機物を食べてもSPが回復するんだよ。

 食べてるって判定なんだろうね。

 そして私には飽食がある。

 この意味が分かるな?

 HP、MP、SPともにめちゃくちゃストック出来る!

 まだ最大までストック出来てないけど順調に増えていってる。

 

 ちなみに現在、私は森に向かっている。

 地面を食べながらね。

 おかげでめっちゃ通った感じの跡が残ってる。

 傍から見たらとんでもない光景だろうけど、傍から見ようとする生物はここには居ないので何も問題はない。

 レベルが上がらないしやっぱり問題はありありだ。

 土じゃなくて肉を食べたいし。

 

 ズルズル…

 

 口の中にヌルい土がぞこぞこと入ってくる。

 口の中で土同時がぶつかり合って、喉に絡みついてくる。

 気道に入ってもおかしくない。

 今の所そういうのは起きてないけど。

 土の中に混ざった小石が私の内側を打ち付ける。

 むせそう。

 

 ズルズル…

 

 ストックストック!

 どんどん貯まるぜ! 

 でも美味しくない。

 今まで不味いものを美味しく感じてきた私でも、こればっかりは美味しく感じない。

 不味い。

 でも周りに生き物はいないし…自然保護は大切だね。

 

 空が赤に染まってきた頃

 

 私は遂に森に到達した。

 食べながらだったせいで予想以上に時間がかかった。

 じゃあ食べるなって?

 ストックしておきたかったんだ。

 SPも大事だけどやっぱり一番大切なのはHPですよ。

 それを現在の最大までストックしたってわけです。

 HPはいくらあっても困らないからね。

 防御力を突破されてもHPがあれば大丈夫!

 

 そう思いながら木をかじる私。

 土と違ってまぁまぁ美味い。

 水分が含まれてて、メキって感じの食感が良い。

 偶に虫が入ってるのがある。

 それは当たりだね。

 現在20本目。

 なんというかスナック菓子を食べてる気分になる。

 サクッじゃなくてメキッだけど。

 

 「キキキキ……」

 

 私が木を堪能していると上から声が聞こえた。

 期待を持ちながら声の正体を探る。

 そこにはネズミの顔にフクロウの体をした生物がいた。

 

 鑑定!

 ステータス…ヨシ!

 スキル…ヨシ!

 勝てるね!

 いただきます!

 ごちそうさまでした!

 今回は丸呑み。

 少しお腹の中で暴れられたけどすぐにそれはなくなった。

 私の消化が早いのか、この生き物の諦めが早いのか。

 どちらにせよ丸呑みは失敗だった。

 なぜなら全く味がわからなかったから!

 私が動物を好むのは味がいいから!

 その味を感じないのは駄目だよダメダメダメ!

 こんなのじゃ動物を食べてる意味がない!

 吐き出してもう一度食べようか考えたけど消化は終わってた。

 はや。

 

 次の日

 

 メキメキ!バキバキ!

 

 森に木の折れる音が鳴り響く。

 一体誰が……。

 もちろん私だ。

 もう何本食べたのか覚えてない。

 木に経験値がないのか、あるけど微量なのか知らないけどレベルアップはしていない。

 あ、でも飽食はレベルアップした。

 また最大値が増えたよ。

 木を食べまくっているからか動物は一切見ていない。

 最後に食べたのはあのネズミフクロウで、それ以来木しか食べてない。

 いや、土も食べたかな。

 どちらにせよ動物を食べてない。

 木は木で美味しいけど、やっぱり動物。

 早く欲しい。

 肉が恋しい。

 プリーズプリーズ!

 私に肉を恵んで!

 まだまだ木があるけど、このままじゃ森がなくなっちゃう!

 あと数週間もあれば。

 

 そんな私の思いが届いたのか分からないけどある生物が私の前に現れた。

 それ二本の足で立ち二本の腕で道具を扱い、言語を使う生物。

 人間だ。

 5人くらいの。

 この世界に転生して、初めての人達。

 私が人だったらここから物語が始まって色々ありそうだけど、私はワームだ。

 そしてこの人達は私に武器を向けてる。

 冒険者っぽい。

 私と友好的な関係を築きに来た…わけではないよね。

 どう見ても私を討伐にきた冒険者一行。

 うげ、異世界の人ってものすごく強いイメージがあるんだけど。

 

 鑑定。

 …平均ステータスは300くらい?

 スキルの量は普通の魔物よりは多いかな。

 ふむ。

 勝てる。

 …なんで私は勝てるかどうかなんて考えてるの?

 この姿じゃ人と和解なんて出来っこない。

 だからこの人達から逃げるべきなんだ。

 逃げる?

 なんで?

 食べたくないからだ

 そう思いながらもステータスは上昇してる。

 つまり私はこの人達を食料として見てるわけだ。

 これは食いしん坊の称号の効果でもあるし、ワームとしての本能でもある。

 食えって。

 貪れって。

 口の中にはプールが出来そうなほどよだれが出てるし、ポタポタと溢れてる。

 腹の虫は鳴り響いてるしなんだか牙が疼く。

 人としての理性とワームとしての本能がせめぎ合ってる。

 食べたくないのに食べたい。

 食べたいのに食べたくない。

 そんな矛盾した思いが殴り合ってる。

 

 私が葛藤してる間に冒険者達は私に攻撃を仕掛ける。

 閉じることのない口に矢が入り込むが、痛みを感じない。

 ステータスが上昇した私の防御力は約4200。

 刺さるわけがない。

 火の魔法を放ってくる。

 熱いじゃなくて温かい。

 

 「***********!!」

 

 1人の冒険者が何かを叫ぶ。

 それと同時に冒険者達が逃げていく。

 …逃がすか!

 いや、違う。

 逃がさないと。

 なんで?

 なんでだっけ。

 そうだ、人を食べちゃいけないんだ。

 あれ?なんで食べちゃいけないんだっけ?

 元人としてありえないことだから。

 でも今はワームだし人じゃない。

 一人くらい食べても良いでしょ。

 いや駄目だ!

 ダメダメダメ!

 

 「***…!」

 

 私の目の前で1人の男が腰をぬかしている。

 その周りにはさっきの冒険者達が。

 あれ、この人は誰だ?

 私移動してたっけ?

 いつのまに?

 近くに馬車があるし、御者かな。

 荷物は沢山の食材と生き物の死体だ。

 そうだ、この溢れそうな食欲をこの食材で満たそう。

 

 私は体を折り曲げ荷物を貪っていく。

 冒険者達が騒いでるけど無視だ無視。

 横から剣で刺されるけど私の皮膚を貫くことはなかった。

 魔法を当てられるけどどれも効果はない。

 慌てる冒険者達を置いて私は荷物を全て平らげた。

 …駄目だ、全然おさまらない。

 私はこの食欲を紛らわすために馬車を食う。

 木が食べられたのなら木でできた馬車ぐらい食べられるだろう。

 そんな私の予想通り、消化ができ飽食のストックが増した。

 足りない。

 次は土を食う。

 駄目だ、すぐそこに美味しいものがいるのにこんなの食べてられない。

 口から唾液が溢れてくる。

 私の目には近くにいる腰が抜けてる御者しか映ってない。

 冒険者達は私にビビっているのか近づいてこない。

 御者に口を近づける。

 溢れた唾液が御者にかかる。

 本当に美味しそうだ。

 匂いで分かる。

 

 口を開ける。

 ちょ、ちょっとだけなら良いよね。

 ほんのちょっとだけ。

 御者の頭を口で覆う。

 牙は立ててない。

 だから傷一つないはずだ。

 御者が口に触れるたびに美味しさが広がる。

 今まで食べたどの生物よりも美味しい。

 表面でこれだ。

 もし噛むとどんな味が広がるんだろう。

 きっと美味しいに違いない。

 噛みたい。

 咀嚼したい。

 味わいたい。

 駄目……?

 もう食べて良いような気がしてきた。

 良いよね。

 この人も酸素不足なのか抵抗しなくなってるし。

 今離せば生きれるだろうけど、美味しくて離したくない。

 なんとなく人の味を覚えた動物を処分する理由が分かった気がする。

 こんな美味しいもの、ずっと食べていたくなるよね。

 

 グシャ!

 

 《経験値が一定に達しました。個体、デスワームがLV1からLV2になりました》

 《経験値が一定に達しました。個体、デスワームがLV2からLV3になりました》

 《経験値が一定に達しました。個体、デスワームがLV3からLV4になりました》

 《経験値が一定に達しました。個体、デスワームがLV4からLV5になりました》

 

 嗚呼…美味しい。

 旨味が口の中だけでなく脳にまで響き渡ってくる。

 予想以上の美味しいだ。

 上がなくなった御者を口に運ぶ。

 グロいゲームとかでよく聞く音が口の中で鳴り響く。

 それと同時に美味しさが広がり、その美味しさをさらに感じるために噛む。

 また音がなる。

 噛む。

 何度も噛む。

 そして飲み込む。

 

 私は呆然としている冒険者達に這い寄る。

 口を近づけると状況が整理できたのか私から離れようとするけど、遅い。

 その人の足に噛みつきそのまま持ち上げる。

 私はそのまま空を向いてその人が太陽と重なった瞬間に口を大きく開ける。

 すっぽりといった感じで入り込む。

 噛む。

 飲み込む。

 

 「****!!!」

 

 残りの冒険者達が逃げていく。

 今度は逃さない。

 逃がす気はない。

 口から酸性液を射出して背を向けて走る冒険者にかける。

 冒険者は音を立てて溶け出し、動けなくなったところを口に入れる。

 噛む。

 飲み込む。

 今回は柔らかく噛む回数は少なめだった。

 

 次の冒険者に近寄る。

 必死に私から逃げてるけど私のほうが速い。

 私は近づきながら毒液を射出、頭から被らせた。

 悲鳴が上がる。

 口に入れる。

 噛む。

 飲み込む。

 

 残りの冒険者2人に酸性液をかける。

 動けなくなったところを食べる。

 贅沢に2人同時だ。

 美味しさ2倍にはならなかった。

 でも食べたって感じがする。

 食欲は…あまり満たされてない。

 まだまだ食べられる。

 …今更になって人を食べたことに驚く。

 でも心に罪悪感はない。

 食べちゃったなーぐらいの気持ちだ。

 私はどうしちゃったんだろう?

 前世の私ならいくら美味しいとはいえ人を食べるなんてしなかった。

 体だけでなく心までワームになっちゃったの?

 否定はできない。

 今だって赤い土を食べてる。

 そしてそれを美味しいと感じてる。

 腹は全く満たされない。

 もっと食べたい。

 気がつけば赤く染まった土は食べきってる。

 もう私は人じゃない。

 今はワームなんだ。

 人だった記憶があるだけのただのワーム。

 はぁ……。

 あー。

 なんか自分がなんなのか分からなくなってきた。

 ワームであることは分かってるんだけど、元人としての意識がそれをあれこれ理由をつけて否定してる。

 ワームは自分がなんなのか考えたりしないだとか、悩むのは人の証拠だとか。

 あー…。

 

 ……とりあえず進化しよう。

 悩むのはその後で。

 

 《進化先の候補が複数あります。次の中からお選びください。

  オルゴイコルコイ

  デッドリーワーム》

 

 ふーむ?

 オルゴイコルコイって聞いたことがあるぞ?

 たしかUMAじゃなかった?

 つまりUMAになれるってこと?

 とりあえず進化先を鑑定っと。

 

 『オルゴイコルコイ:進化条件:一定以上のステータスを持つワーム型の魔物:説明:発見数が少ないワーム型の魔物。非常に強力な毒と酸を持つ』

 

 『デッドリーワーム:進化条件:デスワームLV20:説明:デスワームの進化種。非常に高い戦闘能力を持つ』

 

 どっちも魅力的だ。

 でもまぁ、オルゴイコルコイかな。

 前世で知ったものなら触れただけで即死するレベルの毒を持ってるみたいだし。

 異世界補正でもっと強力になってるのかも?

 まぁそういうのが無くてもオルゴイコルコイの方が進化条件が変わってるし強いでしょ。

 一定以上のっていうのがポイントだ。

 デスワームに進化する前に攻撃能力が5000超えてた私が進化出来なかった。

 つまり、非常に高いステータスを持っていなければ進化出来ない種族だと思われる。

 これは期待が膨らむ。

 

 《個体デスワームがオルゴイコルコイに進化します》

 

 はいよ。

 そしておやすみ!

 

 おはようございます。

 お?

 視線がまた高くなってる!

 高さ、いや太さは2〜3mはあるかな?

 となると長さはどれくらいだろ。

 仰け反らせて見れるかな?

 お、見えた見えた。

 うわー…。

 長い。

 50mはありそう。

 予想以上だ。

 そして体が真っ赤。

 ところどころ黒い斑点があるけど、赤い。

 UMAだねぇ…。

 ステータスは?

 

 『オルゴイコルコイ(飯田麻衣) LV1

  ステータス

 HP:1341/1341(緑)+761(詳細)+755

 MP:936/936(青)+875(詳細)  +734

 SP:1331/1331(黄)+953(詳細)+748

   :965/1129(赤)+0(詳細)   +743

 平均攻撃能力:10809(詳細)       +4943

 平均防御能力:2332(詳細)        +1583

 平均魔法能力:1199(詳細)        +823

 平均抵抗能力:1113(詳細)        +824

 平均速度能力:2558(詳細)        +1646

 スキル

 「酸大攻撃LV2」「毒大攻撃LV2」「酸大強化LV1」「猛毒強化LV1」「破壊強化LV5」「斬撃強化LV4」「貫通強化LV1」「視覚強化LV6」「聴覚強化LV3」「嗅覚強化LV2」「触覚強化LV5」

 「跳躍LV3」「射出LV8」「命中LV5」「回避LV4」「強酸性液LV1」「猛毒液LV1」「連携LV4」「剣の才能LV1」

 「苦痛耐性LV8」「酸大耐性LV2」「猛毒耐性LV1」「打撃大耐性LV3」「破壊大耐性LV3」

 「食いしん坊LV10」「剛毅LV10」「城塞LV3」「韋駄天LV3」「生命LV7」「瞬身LV4」「持久LV1」「魔量LV1」

 「鑑定LV10」「敵感知LV5」「魔力感知LV1」

 「気力付与LV1」「魔力付与LV1」「気闘法LV1」

 「HP自動回復LV1」「SP消費緩和LV1」「SP回復速度LV1」「MP消費緩和LV1」「MP回復速度LV1」「魔力操作LV1」

 「飽食LV4」「矜持Lv2」「強欲」「征服」「禁忌LV4」

 「外道魔法LV1」「火魔法LV1」「風魔法LV1」「回復魔法LV1」

 「n%I=W」

 スキルポイント:13557

 称号

 「食いしん坊」「血縁喰ライ」「魔物殺し」「魔物の殺戮者」「人族殺し」「強欲の支配者」』

 

 え?つっよ!

 攻撃能力なんて素で10000じゃん!

 勝ったな、風呂入ってくる。

 ……今の私だと風呂を食べちゃいそう。

 そんなことより、これはもう負けないんじゃない?

 素でこんだけ硬いんだし、もしもの為のスキルポイントはもう取っておかなくてもいい気がしてきた。

 よし、決まった。

 スキルポイントで有用そうなスキルをじゃんじゃん取って、さらなるパワーアップをしよう!

 それじゃ、鑑定でどんなスキルがあるか探す…前に寝よう。

 もうすぐ暗くなるし。

 色々疲れたし。

 進化で寝たのにまた寝るのかって思うけど、寝たい気分だし仕方ない。

 枕なんてないから寝転がって目を閉じる。

 そういえばワームに目なんてあるの?

 まぁいいか。

 おやすみ。

 

 

 

 




 
 ワームが土やら食べれるのはエルロー蛙くんがそこらの石を食べてるとのことなので。


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