ウマ娘プリティーダービー Next stories (クマ提督)
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第一章 誰も見た事の無い、その先の景色へ…
第1レース 友達との再会、強敵との出会い


実況「トウカイテイオー!トウカイテイオーだ!抜けた、抜けた!しかし、ビワハヤヒデも負けて無いぞ!追いかける、追いかける!トウカイテイオー、トウカイテイオー!ダービーウマ娘の実力を見せるか!?ここでトウカイテイオー!完全に抜け出した!トウカイテイオー、奇跡の復活!」

 

パチッ

 

スペ「また…この夢だぁ…テイオーさんの奇跡の有記念の夢だからいい夢なんだろうけど…見すぎだなぁ…」

 

スペは時計を見る今日は学園自体は休みなのだがチームスピカの練習があったりするそんなとある朝。

 

最近、スペは朝早く起きれるようになっている。というのも起こしてくれる人が居ない為、自然と早く目が覚めるようになったそうな…

 

スペ「ふわぁ…顔、洗わなきゃ…」

 

スペは室内にある洗面台へと向かおうとすると何かにぶつかった

 

スペ「いてて…こんな所に物なんて置いてたっけ…?まあ…私しかこの部屋に居ないんだし…私のか…」

 

スペは顔を洗いジャージへ着替えベットに腰掛ける

 

スペ「スズカさん…元気にしてるかなぁ〜ちょくちょく電話かけて来てくれるけど…私、やっぱりスズカさんと一緒に走りたいなぁ…」

 

スペの頬に一つ水が垂れてきた

 

スペ「泣いてる…私、スズカさんが帰ってくるまで…泣かないって決めたのにぃ…うぅ…」

 

スペは気分を入れ替える為に窓を開けた。

近くでスズメか何かしらの鳥の囀りが聞こえた

 

スペ「スズメ…スズカさんっぷぷ…前に夢で頭がスズカさんのスズメに会ったなぁ…フフッよく考えたらちょっと不気味だよね…

また…いつか会えるといいな」

 

スペは寮を出て他のチームより比較的、寮の近くにあるチームスピカの部室へ向かう

 

スペ「おはようございます!スペシャルウィークです」

テイオー「おっはよ〜スペちゃん!」

マックイーン「おはようございます、スペシャルウィークさん」

ゴルシ「スペおはよ〜」

スペ「おはようございます!皆さん」

ゴルシ「みんなってまだ揃って無いがな」

マックイーン「ゴールドシップさん、まだ集合時間前ですし…」

テイオー「そういえばさ〜スペちゃん遅れる事無くなったよね〜」

スペ「起こしてくれる人、居ないからね今日も結構早く起きちゃった…」

テイオー「へぇ〜!あ!そうそう、スペちゃんってさ〜化粧品とか使ったりする?」

スペ「コスメ位なら…使うけどスズカさんみたいなちゃんとしたのとか使った事無いよ」

マックイーン「テイオーもしかしてまた、買いましたの?百均の化粧品」

スペ「え?百均?」

テイオー「まーねぇー僕も女の子なんだし化粧品位、使うよ〜」

マックイーン「コホン、でしたら私のオススメ化粧品、買いに行きませんこと?」

テイオー「マックイーンの買うやつ高いじゃーん、ていうかこの前僕がプレゼントした口紅、買い直したらしいじゃん」

マックイーン「はぁ…!?何で知ってますの!?ゴールドシップ?あなた何かテイオーに教えましたね!?」

ゴルシ「アタシが化粧品なんて使わないの知ってるだろ…?まあ…テイオーに貰った化粧品はアタシも嬉しかったけどよ」

テイオー「ナイスネイチャが言ってたよ〜」

マックイーン「ネイチャ…覚えておきなさい…!」

 

ガララ〜

ウオッカ「おいっす〜」

スカーレット「おはようございます」

 

ゴルシ「後は…あいつだけか寝てるのかな〜」

スペ「あれ?ゴールドシップさん、沖野トレーナーは出張だから居ないって昨日電話で…」

ゴルシ「はぁ…?スペお前…まさか…同室なら起こせよな〜」

スペ「同室…?」

 

ガララ〜

 

???「スペちゃん…起きたならなんで私、起こしてくれないのよ…スペちゃんをずっと朝起こしてたのにぃ…」

スペ「スズカ…さん…?な、な、何してるんですか!?」

スズカ「何って…誰かさんが起こしてくれないからち、遅刻しちゃ…」

ゴルシ「ギリギリセーフだな」

スズカ「はぁ…良かった間に合った」

スペ「え!?いやそうじゃなくてスズカさん何でトレセン学園に!?」

スズカ「今日からトレセン学園に戻るって…聞いてないの!?」

テイオー「昨日、ゴルシが言ってた…あ、スペちゃん昨日京都行ってて帰って来たの夜だっけ?」

マックイーン「でも…昨日の話だとスペシャルウィークさんには後で電話すると…」

ゴルシ「電話しただろ?」

スペ「はい、ありましたね」

ゴルシ「あ、スズカ帰って来るって伝えて無かったな〜なーんか忘れてると思ってたら」

テイオー「じゃ、ゴルシが悪いじゃん」

ゴルシ「だって…同室なら気づくと思ってさ〜」

ウオッカ「同室だったら…」

スカーレット「普通…気づくわね」

スペ「うっ…ですよ…ね」

 

ウフフッ

とスズカが微笑む

 

スズカ「なんだろ…スペちゃんらしいって言うかッフフ」

スペ「もぉ…スズカさん笑わないで下さいよ〜」

 

プルル〜と部室備え付けの固定電話が鳴る

 

ゴルシ「はいよ〜スピカ部室〜部長のゴルシさんだぜ〜」

スペ「ゴールドシップさん、部長だったんだ…」

沖野「俺だゴルシ、皆は揃ってるか?」

ゴルシ「トレーナーか何か用か?全員揃ってるしスズカも帰って来たぞ」

沖野「ゴルシ、スピーカーに出来るか?」

ゴルシ「スピーカー?あぁ…いいぜ」

 

ポチッ

 

沖野「急な出張で外から電話をかけて済まない、みんなおはよう」

 

みんな「おはようございまーす」

沖野「うん!みんな元気良さそうだな!スズカ、おかえり!

アメリカはどうだった?」

スズカ「アメリカ遠征…とても良い経験を積めましたトレーナーさん…ただいまです」

 

テイオーとマックイーンは何やら二人で何やら話してる

 

ゴルシ「何してんだ、二人とも!ゴルシ様は内緒の話が嫌いだぞ?」

テイオー「いやぁ…まぁ…ねぇ?」

マックイーン「マックにマックイーンしたいって話ですわ」

ゴルシ「なにそれ…面白いと思って言ってんの?」

 

マックイーン以外は大爆笑だ

 

スズカ「マックにマックイーンって…ウフフッ」

テイオー「帝王、体をなすみたいな奴じゃんw」

ゴルシ「マックイーン、次の会長はお前か〜?」

マックイーン「ダジャレ会長なんて御免被りですわ!」

沖野「はいはい…真面目な話するからな〜」

 

シーン

 

沖野「何かいきなりシーンとなると怖いな」

ゴルシ「切っていいか?」

沖野「話す!話すから…スズカ、お前はこれから何を目標にレースに望む?」

スズカ「わ、私ですか?なら…天皇賞(秋)の雪辱…私の負けを取り返したいです」

沖野「前回の怪我…あれがまた、起こるかも知れないが…」

スズカ「アメリカで怪我をしないように走るにはどうしたら良いのか聞いて参りました」

沖野「そうか…ちなみにスペの目標はスズカと一緒に走るそして、スズカを超えるだそうだ」

スペ「ちょ…トレーナーさん!止めて下さいよ!」

沖野「なんだ…?まだ、スズカに言ってなかったのか?」

スペ「スズカ…さん、どうですかね…?私の目標というか夢というか…」

スズカ「スペちゃん…夢や目標を持つのは悪い事じゃ無いわ

スペちゃんの目標や夢が叶うと良いわね!スペちゃん、ならライバル…ね!負けないわよ!」

スペ「スズカさん!よろしくおねがいします!」

沖野「となったら…とりあえずは毎日王冠もしくは京都大賞典

オールカマーで勝った方がいいな」

スズカ「それに勝ちましたら優先出場権が貰えるんでしたよね」

沖野「あぁ…スズカもスペもレースに勝ってから望んだ方が

調子を掴めるだろ?」

スズカ「そうね…確かに」

スペ「って事は天皇賞(秋)でスズカさんと当たる…」

スズカ「そうね…その為にもまずは、前哨戦を勝つ為の練習、そうですね?トレーナー」

沖野「おうよ!後の練習メニューの作成、ゴルシ頼むぜ」

ゴルシ「はぁ…そういうのトレーナーの仕事だろ!?まあ…早朝にここに来て作ってたんだけどな」

 

紙がゴルシから渡された

 

ゴルシ「スズカ、スペの二人は今回の目標レースの距離的に中距離が主な主戦場だだから中距離に適した練習メニューだ」

ゴルシ「テイオーとマックイーンは…」

 

スズカ「練習場に行きましょうか」

スペ「はい!スズカさん」

 

スペとスズカはゴルシに貰った紙を見て練習をこなす。意外としっかりとしたメニューだった。

 

スズカ「ペースはこんなもんかな」

スペ「やっぱり…速いですね」

スズカ「追いつける…かな!?」

 

スズカは更にスパートをかけた

 

しかし、その後遥か後方より駆け抜けるウマ娘が現れた 

 

スペ「えっ…!?誰…?」

 

そのウマ娘は大逃げの体制に入ったサイレンススズカをマークしている

 

スズカ「スペちゃん…まさか、追いついてっ…!違う!スペちゃんの髪はあんなに長く無い…誰!?」

 

パシッ

 

一着は謎のウマ娘がとった。

 

???「あなたが…サイレンススズカね」

スズカ「えぇ…そうよあなたは何者?私の大逃げについてくるなんて…」

ディープインパクト「私は、ディープインパクト…追い込みウマ娘、私に勝てる逃げウマなんて…居ないわ!」

 

スズカ「ディープ…」

スペ「インパクト…」

シンボリルドルフ「勝手に走られたら困るのだが…」

スズカ「会長…彼女は…?」

シンボリルドルフ「ディープインパクト…彼女は無敗の3冠ウマ娘だ」

スペ「えっ…!?そんなウマ娘がうちにいるなんて…聞いたこと無いです」

スズカ「私も無いわというか戦績も聞いた事が…」

シンボリルドルフ「そりゃ…海外での話だからなややこしいが生まれや血統は日本らしい私も戦績を聞いた時は驚いた…」

ディープインパクト「本日付けでこのトレセン学園に編入となりました。サイレンススズカさん、スペシャルウィークさんよろしくおねがいしますね」

 

スズカ「えぇ…よろしくおねがいします」

スペ「こ、こちらこそよろしくおねがいします」

 

 

サイレンススズカ、スペシャルウィーク、ディープインパクト

 

3人のウマ娘が相交えた初めての時なのであった。

この出会いは宿命か、運命かこの時は誰も知る由もないのであった。

 

次回へつづく



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第2レース 特訓をしよう!

今作のディープインパクトは本作オリジナル設定のディープインパクトとなります。


スズカ「ディープインパクトさん…か」

スペ「何なんですか…あの追い込み、ゴールドシップさんより遥かに早かった」

スズカ「うん、そうだね大逃げペースの私を抜いて先にゴールするなんて早々出来る訳がない」

スペ「海外の無敗の三冠ウマ娘…あの速さの追い込みなら世界に通じると思います」

 

スズカ「練習…続けましょうか!」

スペ「…はいっ!」

 

シンボリルドルフ「で?ディープ、サイレンススズカはどうだった?彼女は中距離最強大逃げウマ娘として名高い、そしてスペシャルウィークは…」

ディープインパクト「生徒会長…?見ていなかったのですか?先程のデモンストレーションを、どんなに引き離す大逃げだろうと

私のゴールが一位以外になるなんて…有り得ない!」

シンボリルドルフ「フフッ大きく出るなぁ…しかし、あの事故の件は知ってるだろ?」

ディープインパクト「知ってます…選手生命いや、かなり危険な領域まで行っていたのにも関わらず、復活を果たしたのは敵ながら凄いと思います」

シンボリルドルフ「そうか…で?チームの所属はリギルで良いんだな?」

ディープインパクト「えぇ…トレセン学園最強格チームリギル、どれ程のチームか見せて貰います!」

 

数日後

 

沖野「みんなおはよ〜」

ゴルシ「へぇ…スズカを抜くってよっぽどだな」

スズカ「えぇ…とても強かったわ」

沖野「なんだ…?何の話してるんだ?」

スペ「ウマ、ウマ、シカシカです」

沖野「ディープインパクト…あぁ!知ってる。出張先でもかなりの人がそいつの噂をしてた、しかも、リギルに入ったんだろ?メチャクチャヤベェ奴がリギルに入ったもんだなぁ…」

スズカ「私、あの人といつか対決してみたい…!」

沖野「おっ…?新たな目標か?良いぞ、良いぞ!ライバルは多いに越した事はないぞ」

スズカ「はい…っ!」

沖野「しかし…非公式とは言えスズカの大逃げに食らいつき追い抜いて勝ったんだろ…?それに対抗する為に鍛えなきゃな」

スズカ「はい…でも、私そんな練習やった事ありませんし…」

ゴルシ「なぁ、トレーナー?ディープなんちゃらって追い込みなんだろ?だったらここに居るじゃねーか!」

沖野「ゴルシ…確かにお前が適任だがな…スズカのスパート抜きかえせるのか?」

ゴルシ「やってみるしか…ねぇーな、な!スズカ!」

スズカ「はい!ゴールドシップさん」

 

所変わって練習場

 

沖野「で…奴の追い込みの仕方は?」

スペ「えっ…えっと…うんと…」

スズカ「スペちゃんがコーナーに掛かる際に抜かれて、私はその時、コーナーの中腹で私がコーナーを曲がり終える際に抜かれました」

沖野「コーナーを加速、抜いたりして攻略か…相当だなやれるか?ゴルシ」

ゴルシ「アタシだって!前にやったじゃんか、ほら何時だったか他のチームとチーム戦で…」

沖野「あぁ…あれか…コーナーで差を付けて空いてるスペースをうまく使いその後もグングン加速…あんなの毎回やれるか?」 

ゴルシ「そんな事やりまくったら足が壊れちまうぞ!相手もウマ娘なんだ…毎回は無理だろうよ」

沖野「どうだかな…出張先でもトレセンにトンデモ無い生徒が編入したとかで話題だったんだ…無敗の三冠は伊達じゃ無いな」

ゴルシ「まじかよ…」

スズカ「無敗の三冠なんて、関係ありません!私が一位を取れば

…冠を取れます!正式に戦っても居ないのに私、挫けたくありません!」

沖野「…だな!スズカの言う通りだ!勝負もしてないのに勝ち負けが決まる訳無いしな!」

 

「決めて、あげようか…?」

 

後ろを振り向くとディープインパクトが居た。

 

スズカ「ディープ…」

 

沖野「決めるって?どうやってだ?ここはあくまで練習場のコースだ手本にはなるかも知れないがレースをする場所じゃ無い」

東条「誰もここでレースをするなんて言ってないでしょう?」

沖野「おハナさん…確かにな」

東条「明日、トレセン学園学業終了後。東京競場…そういえば分かるかしら?」

沖野「いや…そんな急に言われてもだなぁ、第一東京競場がウチの私有地だとしてもだそんな簡単に使わせて貰えないだろ」

東条「既に、理事長に許諾済み…ディープインパクトの実力…

見たいんですって」 

沖野「マジかよ…人選は?」

東条「あなたの好きなように。こちらは現状出せる最高戦力で臨むわ」

沖野「だ…そうだお前達…受けるか?」

 

テイオー「フフン!受けるに決まってるじゃん」

マックイーン「当然…返り討ちにしてさしあげますわ!」

ゴルシ「面白くなって来やがったな!かかってこいディープ!」

ウオッカ「面白そうだな!受けて立つぜ!」

スカーレット「逃げるわけ無いじゃない!」

スペ「受けて立ちます!」

スズカ「次こそは…絶対勝つから!」

 

 

 

 

 

 

 

そして、迎えた翌日…

 

 

ゴルシ「って!アタシら何で観戦なんだよ!」

ウオッカ「そうっすよ!」

マックイーン「私だって…足が完全に治れば…くっ…!」

沖野「4対4の8人対決何だとよ…たくっ…昨日の内に伝えやがれってーの!」

 

実況「さあ、トレセン学園模擬レース!出走ウマ娘を紹介するぞ

 

ス1番 サイレンススズカ  今回も炸裂するか大逃げ!

 

ス2番 スペシャルウィーク スズカに追いつけ追い越せが目標と語る、スペシャルウィーク

 

リ3番 シンボリルドルフ さあ、絶対皇帝の登場だ!会場は大いに盛り上がっているぞ!

 

リ4番 エアグルーヴ 絶対皇帝の良き仲間、エアグルーヴの登場だ!こちらも目が話せない!

 

ス5番 トウカイテイオー 有のキセキを経てどう強くなったかトウカイテイオー!有以来のレース出走だ!

 

ス6番 ダイワスカーレット 勝つ気持ちは充分!今日も元気一杯!

 

リ7番 ナリタブライアン おっとここで!三冠ウマ娘、二人目の登場だ!

リ8番 ディープインパクト さぁ、最後に紹介しますウマ娘はディープインパクト、日本生まれのウマ娘にして海外を主に挑戦しなんと三冠を達成するなど凄いウマ娘であると思われます!

今後の活躍に期待が持てます

 

「ディープインパクト…とても強そうな名前だな!」

「でも…今回は流石に無理だろうなんと言っても絶対皇帝と三冠ウマ娘のナリタブライアンが相手だ…しかも有のキセキを起こしたトウカイテイオー、輝かしい復活を遂げたサイレンススズカも居るんだ…」

 

ディープインパクトは少し笑みをこぼしながら溢す

 

「絶対皇帝…私以外の三冠ウマ娘…有のキセキ…そして、

サイレンススズカ!相手において…不足なし!全力で!駆け抜ける!」

 

スズカ「スペちゃん」

スペ「はい、何でしょうスズカさん」

スズカ「そういえばスペちゃんと一緒に戦うのって初めてだっけ?」

 

スペ「そう…ですかね…?なんか…あったような無かったような…あれ…?」

スズカ「もう…しっかりしないとスペちゃん…手加減なんて…」

スペ「しません!」

 

二人は模擬のレースと言えど全力で

どちらも本気で戦うという意志を示した。

 

次回、遂にスズカとディープ、激闘



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第3レース 激闘!サイレンススズカvsディープインパクト

実況「さぁ!各ウマ娘、出走の準備が整いました」

 

パッ…ゲートが開き各ウマ娘は勢いよく出走した。

 

実況「さあ、先頭に踊りでたのは…サイレンススズカだ!やはりサイレンススズカ!スタートは好出発だ!」

 

スズカ(よし…!このまま一番をキープできれば…!)

 

ゴルシも沖野と同様に双眼鏡でスズカ達を見ている

 

ゴルシ「おっ…!スズカ良い出走じゃねーか!」

沖野「あぁ…良い出走だ…しかし、相手には絶対皇帝、三冠ウマ娘…そして一番見ておかなくちゃいけないディープインパクトが居る…」

ウオッカ「今回は中距離!スズカさんの得意距離っす…このまま行けば…」

マックイーン「ウオッカ…競に絶対は無いわ絶対と思われていたウマ娘が負ける…なんて沢山あるわ」

ウオッカ「ど、どっちの味方なんだよ!」

マックイーン「違う、スズカやスペ、テイオーやスカーレットが負けるなんて一言も言って無いでしょ?絶対皇帝だって、超えれるかも知れない」

沖野「そうだ…歴史は塗り替えられる、塗り替えた者が歴史となる…」

 

実況「先頭、サイレンススズカ!絶対皇帝を離しているぞ!」

 

「すげぇ!まじかよ!絶対皇帝を超えれるのか?スズカが!」

「あの時の怪我からここまで走れるまで復活できるなんて…!勝ってくれ!スズカ!俺達の…夢を叶えてくれ!」

 

沖野「ルドルフの動き…」

マックイーン「何時ものスピードより落ちてるわよ!?まさか、故障!?」

沖野「いいや、違う…あれは」

 

実況「サイレンススズカ!サイレンススズカ!残り1000メートルを通過、現在先頭はサイレンススズカ

二番手3番シンボリルドルフその後にナリタブライアン

ナリタブライアンの後ろを必死に追いかけるは有のキセキ、

トウカイテイオー!そのわずか後をスペシャルウィークが必死に追いかける!その後ろを…おっと!?足が早いウマ娘が追い上げている!追い上げている!8番ディープインパクトだ!スペシャルウィークの外を駆け抜けようとしている!」

 

その時、東京競場の模擬レースを観戦しているファンは

口々にディープインパクト早い、早いあれはなんだなんだ?だと溢す

 

スペ「やっぱり…はやい!負けるもんか…!」

 

スペシャルウィークは追いかけるが追いつけない

スペシャルウィークがテイオーを抜いた時にディープは既にナリタブライアンの近くにまで疾走していた。

 

栄光のゴールまで後、第4コーナーと正面を残すのみとなった。

 

 

その頃、関係者専用道にて

 

たづなはそっと携帯からレースの配信を見ている

 

「たづな!レースは、目の前で行われているのに携帯で見るのか…?」

たづな「あっ…理事長」

秋川「やはり強いなディープインパクト…我が校の最高戦力を持ってしても抜く、とはな」

たづな「少し…辛いです」

秋川「あぁ…その気持ち、一番辛いのは今走っているリギルとスピカのメンバーだろうな負けたとして受け止めれるか、次に活かせるか活かせないか…」

たづな「頑張って…みなさん」

 

実況「さあ、ナリタブライアンの大外!ディープは抜けるか!?」

ディープインパクト「じゃぁ…!行かせてもらうよ!」

 

 

【翔け抜けよう!空高く!これが…私の!衝撃だ!】

 

 

実況「ディープインパクト、更に加速!シンボリルドルフを…超えた!?何なんだあの脚は!絶対皇帝、敗れるのか!?」

 

ディープインパクトはシンボリルドルフを抜き最終コーナーで更に加速、先に最終コーナーを曲がり終えたスズカまで、2身、1身と詰める

 

沖野「なんだあの…末脚は」

ゴルシ「や…やべぇ…!スズカ!スパートだ逃げろぉぉ!」

 

スズカ「前には誰も居ない…駆け抜ける…だけっ!」

 

「…やっと見えた!スピードの向こう側、静かでどこまでも綺麗な…私が見たかったもの…!」

 

実況「サイレンススズカ!ここで加速!ここで加速!逃げる逃げる!異次元の逃亡者、サイレンススズカ!」

 

【深い衝撃】

 

実況「サイレンススズカの加速に併せてディープインパクトも加速しているぞ!とても力強い走りだ、ディープインパクト!」

 

タタッタタタ…

 

ギュイッ…とディープは更に加速している

 

実況「ディープインパクト!ここで更に加速!早い、早い!

サイレンススズカと互角か!?」

 

そして、遂に

 

ディープインパクトはサイレンススズカを越えた。

 

実況「ディープインパクト、サイレンススズカを越え…今、ゴール…!このウマ娘には、翼でも付いているのだろうか!

 

2着、サイレンススズカ 惜しかった、惜しかった!これは今後の公式戦が楽しみです!

3着、シンボリルドルフ 今日は少し不調気味なのだろうか?

皇帝!頑張れ、頑張れ!あなたの圧倒的な勝ちを期待している!

4着 ナリタブライアン 力強い走り!次回に期待が持てます!

5着 スペシャルウィーク 抜かれた後も必死に抜き返そうとしましたが惜しくも届かない…!きっと次のレースで頑張ってくれる!

 

以上、東京競場よりお送りしましたトレセン模擬レース

実況 前田でお送りしました。」

 

学園にて

 

沖野「…スズカ」

スズカ「…はい」

沖野「惜しかったな…とんでも無い末脚だったなディープって奴は」

 

うっ…ふぅっ…ぅぅ

 

スズカは人前で滅多に泣かないが…自身の持つ

「勝利のパターン」を崩され負けたのだ自然と涙が流れてくるのだろう

 

沖野「スズカ…今日はゆっくり休め、明日から対策を考えるぞ」

スズカ「…ひっく…は、はいっ…」

 

スズカはとてもじゃないが、寮に自力で戻るのは無理そうだ

 

寮、スペとスズカの部屋

 

スペ(スズカさん、負けちゃった…それにしても、戻ってくるの遅いな…)

 

ドタッ!と勢いよく扉が開いた

 

スペ「なな…!誰って…トレーナー!?ってスズカさん!」

沖野「スペぇ…静かに、静かに」

スペ「はい…」

 

沖野「という訳だ…」

スペ「スズカさんが…そんなに」

沖野「無理も無いさ…自身の勝ちスタイルまで持っていってそこから抜かれて負けてしまったんだ」

スペ「それは辛いですね…」

沖野「あとは…スズカの事、任せたぞ今はゆっくりさせてやれよ」

スペ「はい…おやすみなさい」

沖野「あぁ…おやすみ」

 

ガチャ

 

トレーナーは部屋を後にした。

 

スペ「スズカさん…」

スズカ「…なに?」

スペ「スズカさん!起きてたんですか!?」

スズカ「うん…スペちゃんの声で目が覚めちゃったかな…?」

スペ「あぁ…ごめんなさい、私も直ぐに寝ますね」

スズカ「大丈夫よ…スペちゃんが謝らなくても」

スペ「いえいえ…悪いのは声がデカい私ですよ…寝ますね」

スズカ「寝ないで…」

スペ「え…?」

スズカ「ちょっとだけ…お話しましょ?」

スペ「はい…」

 

 

スズカ「負けて…悔しい、あんなに大口叩いていたのにも関わらず負けちゃった…」

スペ「はい…私も負けて悔しいです。次…頑張りましょう!」

スズカ「うん…目を瞑っても寝れないや…どうしよう」

スペ「私が…寝るまで近くにいますよ!」

 

スズカは壁側に少し移動した

 

スペ「へっ…?」

スズカ「一緒に…寝てくれないかな?」 

スペ「ス、ス、ス、スズカさん!?」

スズカ「いかがわしい意味じゃ無くて…」

スペ「あはは…ですよね」

スズカ「私ね…子供の頃こうじゃないと寂しくて眠れなくて」

スペ「…そうなんですか」

スズカ「久しぶりに…夜ふかししちゃいそうだな…」

スペ「私が隣に居ますよ…?寝てくださいねスズカさん」

スズカ「うん…スペちゃんは優しいね…ありがとう…私の側にいてくれて」

スペ「はい…」

 

少しするとスズカは寝息をたて眠りについた。それを確認したスペシャルウィークはスズカを起こさないように自分のベットまで戻った。

 

次回へ、続く

 



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第4レース 反省すべき事、やるべき事

パチッ…

 

スペシャルウィークは眠い目を擦る

 

隣のベットを見るとスズカもまだ、寝ている

 

時計を見てみるもまだ、登校時間まで大分余裕はある

 

スペ「スズカさん…朝ですよ〜」

 

スズカは眠い目を擦りながら起きた

 

スズカ「おはようスペちゃん…本当に朝起きれるようになったんだね…」

スペ「そりゃ、起きなかったら遅刻確定ですし…」

スズカ「ウフフッ、そうだね」

スペ(スズカさん…もう大丈夫かな?)

 

スペ「スズカさん、昨日は…」

スズカ「昨日は…ごめんなさいねスペちゃんにも迷惑かけちゃった…」

スペ「迷惑だなんて…そんな事、無いですよ!嬉しかったですよ…私を頼ってくれてるんだって」

スズカ「えぇ…これからもよろしくねスペちゃん」

スペ「はい…!スズカさん」

 

放課後、スピカ部室にて

 

スペ「失礼しまーす」

スズカ「失礼します」

 

ゴルシ「お二人さん、やっほ〜」

テイオー「やっほ〜!スズカももう大丈夫そうだね」

スズカ「テイオーも大丈夫そうね」

テイオー「ボク…?昨日はトレーナーから控え目で行けって事だったし」

沖野「そりゃ…レース出るのあれ以来だしな、本気出していいのは次からだなそれまで特訓あるのみ」

テイオー「うん!」

マックイーン「スズカさん、2着なのも凄い事ですわあの絶対皇帝より上ですわ!」

ウオッカ「そうっすよ!流石、スズカ先輩!」

スズカ「トレーナーさん、昨日のルドルフさん…」

沖野「…やっぱ、スズカも気づいてたか」

スカーレット「なんかあったの?トレーナー」

沖野「昨日、不調かと思いおハナさんの所まで行ってみたらディープインパクトに実力は見せるなって指示してたらしい」

ゴルシ「やっぱ、納得いかねぇな!スズカにも負けろって事だろ?あいつら…舐めてんのか?」

沖野「いや…スズカに負けたのは単にルドルフが追いつかなかったかららしい…その辺はおハナさんも指導したらしい」

スズカ「そうでしたか…」

沖野「今日から…練習本格的にやるぞスズカ!」

スズカ「えぇ…!勿論です」

 

スピカメンバーは練習場へ足を運ぶ

 

ゴルシ「で?アタシとスズカでどう練習すんだ?」

沖野「ゴルシとスズカで並走して…ゴルシ、耳貸してくれ」

ゴルシ「ほいほい…」

 

沖野「分かったか?」

ゴルシ「なるほどね、了解」

 

スズカとゴルシは並走トレーニングを始めた。

 

スズカ「どういうトレーニングなんですか?」

ゴルシ「そのうち分かるさ…スズカ、2周走れば良いらしいぜ」

スズカ(2周…1周は流しかな…?)

 

そして、最終コーナーを曲がった時

 

ゴルシ「今だ!行くぜ…!スズカ!」

スズカ「そういう事っ!」

 

そう、ゴルシの追い上げ、それをスズカが追い掛け追い越すそういう練習だ

 

ウオッカ「二人とも〜頑張れ〜!」

テイオー「ファイト〜」

スペ「スズカさん…」

 

ゴルシはディープ同様、追い込みを得意とするウマ娘である

瞬発力ならかなりある

 

スズカ「くっ…速い!でも、私の脚ならっ!」

 

2周目の最終コーナーを二人は回った。

 

ゴルシ「オラオラ!行くぜ〜!」

スズカ(いつもと違って…かなりペースが速い…それもそうか最初は併走してたんだし)

 

最後の直線へと入った。

 

スズカ「ここは…!私の距離っ!」

 

「…やっと見えた!スピードの向こう側…静かでどこまでも綺麗な…私が見たかったもの…!」

 

 

そして、練習場をスズカは2周走りきった。

 

沖野「見事、一位だったな!この調子だぞ、スズカ!」

スズカ「はいっ!トレーナーさん」

沖野「ゴルシ…これをあと数本やってもらうスパートのタイミングはゴルシに任せる」

ゴルシ「こ…これを一日何本もやるのは…流石のゴルシちゃんでも…ほ、骨が折れるぜ…」

沖野「…確かにな、ゴルシばっかりに走らせるのは酷だもんなスズカ…お前も疲れたら」

スズカ「まだ…大丈夫です!次、お願いします」

 

沖野(次…と言われてもマックイーンは脚がまだ、治っている訳ではない…テイオーもマックイーンよりはマシだが…有のキセキという言葉にテイオーの脚が持つかなんて賭けれる訳がない…と言う事は…残りは、ウオッカ、スカーレット、スペの3人か…)

沖野「スペ、やれるか?」

スペ「もちろんですとも!昨日は近くで走りを見たことですし!大丈夫ですよ」

 

スズカ「スペちゃん…ありがとう」

スペ「えへへ…どういたしまして。私も負けてばかりじゃ嫌ですもん!」

スズカ「フフッ…そうね」

 

スズカとスペはお互いのペースを確かめながら走り出す。

 

ウオッカ「おっ!走り出した」

スカーレット「スズカとスペ〜お互いに頑張って!」

沖野「二人も、アップしておいてくれ」

二人「オッケ~って一緒に言うな!」

沖野「やれやれ…」

 

ふと、沖野トレーナーが後ろを振り向くとそこにはチームリギル、トレーナーの東条がいた

 

沖野「ハナさん…流石に練習を覗くのは辞めてくれないか?対策も出来ないだろ」

東条「安心して…疲れたからちょっと息抜きに来ただけだから」

沖野「息抜き?」

東条「ちょっと、来なさい」

 

相変わらずだが、ハナさんは当たりが強い

 

沖野「で?なんかあったのか?」

東条「ディープ…色々見透かされてるような気がしてきてちょっと辛い…」

沖野「分かる…相手の動きを見て自分がどう動くか考えるタイプだなディープは」

東条「えぇ…奴に誰でも良い、勝ってほしい」

沖野「ふっ…そういう事か?それで…おハナさんは良いのかい?」

東条「この際…プライド等、捨ててやる…沖野、勝ちなさい…その…私達、リギルの為にも…」

沖野「おうよ、任せとけ!」

 

沖野が練習場に戻るとウオッカに交代していた。

 

スズカ「誰であろうと…抜き去るだけっ…!」

 

沖野「よーし、スズカ!一旦休め」

スズカ「私はまだっ…!」

ゴルシ「息上がってるって、休んだほうが良い…!」

スズカ「…そうですか、ちょっとだけ休憩しますね」

沖野「スペ、クーラーボックスからスポーツドリンク持ってきてくれるか?」

スペ「はい!ただいま!」

 

タタッ…

 

スペ「はい、スズカさん!休める時に休まないと熱中症に…」

スズカ「ありがとう、スペちゃん…そうよね、水分取らなかったら熱中症になっちゃうわね」

沖野「スペも飲めよ〜他のみんなもだぞ〜」

 

休憩を終え、練習再開

 

ゴルシ「次はスカーレットか…同じ作戦で大丈夫なのか?」

沖野「スカーレットはスズカと同じ、逃げを得意とするウマ娘だ、抜けるかそのまま2位に終わるかスズカ次第だからな」

ゴルシ「なるほど…強敵って訳だな」

 

スカーレット「負けませんよ!スズカ先輩」

スズカ「えぇ…!」

沖野「よーい!スタート!」

 

二人は勢いよく駆け出す。

 

ゴルシ「おいっ…!二人共一緒に走るって話なの忘れてねぇか?」

沖野「さっき、休憩中に二人に全力で走れと伝えておいた」

ゴルシ「ふーん、なるほどねこれを一日に何回かやるんだろ?」

沖野「あぁ、そのつもりだ出来るか?ゴルシ」

ゴルシ「スズカの為だ!一肌でも何肌でも脱ぐぜ!」

 

そうして、2セット目が始まった。

 

全てスズカの勝利だった。

 

沖野「今日の練習は終わりだ〜」

 

その声を聞き、急いでカフェテリアの方へ駆けるウマ娘が居た

 

テイオー「今日の晩御飯はステーキなんだって!」

マックイーン「何ですって!早く選びに行かないと形が雑なステーキしか当たりませんわ!」

ゴルシ「お前らなぁ…肉は逃げないんだから走るなって!」

ウォッカ&スカーレット「どっちが美味しそうなステーキか勝負よ!だ」

 

スぺ「スズカさんもカフェテリアに行きましょう!」

スズカ「スぺちゃん…私は遅くていいからお部屋で食べるわ…スぺちゃんはカフェテリアで食べてきていいから食べ終わったら持ってきてね」

スぺ「あ…はい、わかりました」

 

エルコンドルパサー「スぺ~早くステーキ取らないとヘンテコステーキを食べる羽目になるデース!」

グラスワンダー「スぺちゃん、一緒に食べませんか?」

 

スぺは一瞬考え、答えた

 

スぺ「ごめん、今日お部屋の方でゆっくり食べるから~」

エルコンドルパサー「えぇ~スぺ…」

グラスワンダー「…エルちゃん、あっちで食べましょう。今日は先客がいるようですし」

 

スぺは二人分の夕食と飲み物を持って部屋へ戻った。

 

トントンと扉を叩く音が聞こえた

 

スズカ「はい…どうぞ」

スぺ「ただいまです!いや~遅くなりました…?」

スズカ「あれから5分も…もしかして?」

スぺ「お部屋でスズカさんとゆっくり食事も良いかな~って」

スズカ「…ぐすっ、食べてきて良かったのに」

スぺ「スズカさん…」

 

カタッ

 

スぺ「スズカさん…泣かないでくださいよぉ…こっちまで涙が…」

スズカ「ごめんなさい…私のせいで…」

スぺ「スズカさんのせいじゃ無いですよ!で…今日はなんでカフェテリアじゃなくてこっちに?」

スズカ「ディープ…居たでしょ?」

スぺ「あ…なるほどそういう」

スズカ「えぇ…そういう事、あんまり会いたくなくて…」

スぺ「スズカさん!!」

 

スズカはスぺの大きな声に驚く

 

スぺ「前に…勝負から逃げたくない、挫けたくないって言ってたじゃないですか!そんなあなたが、あなたから挫けてどうするんですか!スズカさん…ってうわぁぁぁ!ごめんなさい、ごめんなさい!私そんなつもりじゃなくって」

 

スズカ「そんなつもりじゃ無いってスぺちゃん…どういうつもりで言ったの?」

スぺ「そ、そ、そのそういうのは勝負から逃げてる事と同じ意味かなって」

スズカ「うっ…うう…」

スぺ「スズカさんを決して悪く言ってる訳じゃ…」

スズカ「ううん、スぺちゃんから言われたことはその通りだと思う、ありがとうスぺちゃん。私って本当、恵まれてるわねこんな大事な時はしっかりと叱ってくれる大切な友達が出来て…」

スぺ「そんな…私はただ…」

スズカ「ありがとう…さて、今夜はステーキだし早めに食べましょう」

スぺ「はい…いただきましょう」

 

スぺはステーキを食べてる時もスズカさんの頬を伝う水滴を見たがそれはそっと心のそこへしまい込んだ。

 

次回へ続く



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第5レース 天皇賞(秋)を目指す為に 前哨戦

翌朝

 

スピカ部室

 

沖野「おーいスズカとスペ〜決まったぞ〜!」

 

スズカ「何が決まったのですか?」

沖野「天皇賞(秋)前哨戦だ!」

スペ「はい!?毎日王冠、京都大賞典、オールカマーはまだ先じゃ!?」

ゴルシ「ちゃんと言えよ!トレーナー!」

沖野「すまん、すまん、毎日王冠、京都大賞典、オールカマーをまずは制す為に一つ位レースに勝った方が良いだろうと思ってな」

スズカ「まぁ、確かにそうですね勝ったら何が自分に足りてないか分かりますしね」

スペ「負けたら負けたでそれも一つの教訓に…」

沖野「で…何か出たいレースあったりするか?」

 

スズカ「…私は七夕賞に出てみたいですね」

テイオー「七夕賞!?いいねぇ〜!ってあれ…?今年も誰か出るって張り切ってるウマ娘居なかった?」

マックイーン「テイオー…あなたツインターボ師匠って呼んで敬ってたのにですか…?」

テイオー「ごめんよ〜ターボ師匠〜」

ゴルシ「たくっ…6月なのに暑いな〜もうちょい窓開けようぜ」

 

ガララ〜

 

ターボ「ツインターボだぞ!誰かターボの事、呼んだのか!?」

マックイーン「なっ、なんで居るんですの!?」

沖野「ターボ…お前何してんだ?偵察とは関心できんな〜」

ターボ「あれ…?ターボ、何してたんだっけ…?」

ネイチャ「あっ…いた、いた!ターボ、練習サボんなって!アハハ〜お邪魔しました〜」

マックイーン「あっ…待ちなさい!ネイチャ!あんたには話が…!」

テイオー「やめなよ、あれ全部嘘だから」

マックイーン「嘘…ですの?」

テイオー「本当はゴルシから聞いた」

ゴルシ「ここで裏切るのか!?テイオー!…あ、マックイーン!今度一緒に…!スイパラ行こうぜ!今回はアタシの奢りだ!」

マックイーン「たくっ…変な事、吹聴しないでくださいまし!」

沖野「はぁ…邪魔が入って色々あったがスズカは七夕賞だな…ちょっとキツイかも知れないがまだ大丈夫だろう。スペはどうする?」

スペ「私は…京都大賞典で!」

沖野「…天皇賞秋が近くなるが大丈夫か?」

スペ「大丈夫です!」

沖野「分かった!早速、出走手続きをしてくる!」

 

と、トレーナーは足早に部室を飛び出して行った。

 

沖野「今日も…特訓!特訓!まずはランニングでアップだ」

ゴルシ「よーし、行くぞ〜1.2.1.2」

 

トーレナーが一人で居るとハナさんが話しかけてきた。

 

東条「あの二人、何のレースに出るの?」

沖野「スズカは七夕賞、スペは京都大賞典に出るってさ」

東条「そう…で、ゆくゆくはディープの出る天皇賞秋に出るのね?」

沖野「勿論、そこでディープと恐らく当たるだろうな…負けねぇぞ」

東条「…前にも言ったけど、私はあなた達に…」

沖野「ハナさん…俺達に勝ってほしいと願うのは勝手だが、手を抜くって話なら受けないからな?」

東条「フフッ…そんな事しないわ!バッカじゃないの?」

沖野「あぁ…なら、いいんだ」

 

二人は分かれ

 

ゴルシ「トレーナー!走ってきたぞこんなもんで良いか?」

沖野「あぁ、それ位で良いなスズカとスペは本格的な練習に移ってもらう」

スズカ&スペ「はいっ!」

 

沖野「二人でレース場を周回してもらう、特に縛りは無しだ!

好きにレースをしてくれ」

スペ「好きに…?」

スズカ「実戦形式…という事ですか?」

沖野「おうよ!そういう事よ!」

 

二人は追い抜いたり抜きあったりして実戦さながらのレースをしている。

 

ゴルシ「二人はどうだ?」

沖野「あぁ、良さそうだな」

スカーレット「私達も一緒に戦いたいわ!」

ウオッカ「だな!戦いたいぜ!」

沖野「ゴルシ達は?」

ゴルシ「そりゃ一緒に練習したいぜ!」

テイオー「当然だよ!二人だけズルいな〜ってね」

マックイーン「勿論、私も参加しますわ」

 

沖野「だってさスズカ、スペ良いか?」

スペ「勿論です!みなさんで練習しましょう!ねスズカさん」

スズカ「えぇ、スペちゃん私も二人だけで練習はちょっとね…」

沖野「よし!なら、全員でレースでもやってみるか!やっぱり実戦形式が一番いいだろ?」

みんな「はい!」

 

そして、7月某日

 

スズカのレース、七夕賞が始まる。

 

とこ…とこ…

 

沖野「スズカ!」

スズカ「トレーナーさん?なんですか?」

沖野「勝てそうか?」

スズカ「トレーナーさん、私、勝ちますねこのレースを勝って天皇賞秋を目指しますね…私のユメは私自身の悪夢を祓う事です」

沖野「そうか…ユメか!頑張れよスズカ」

スズカ「はいっ…」

 

二人はお互いに違う方向へ歩みを進めた。

二人のユメはお互い同じものを思い浮かべながら

 

前へ前へ一本、一本確実に

 

次回へ続く



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第6レース 七夕賞、開幕

スズカはターフへ出た。

その瞬間、物凄い歓声が福島競場に響き渡る

 

スズカはそっと手を振る

 

ターボ「スズカ!こないだは邪魔して悪かった…」

スズカ「フフッ、大丈夫よ気にしてないわ」

ターボ「ふぅ…良かった〜」

スズカ「お互い、頑張りましょう…」

ターボ「うん!」

 

 

赤坂「さあ、今年も開幕です。七夕賞!細江さん今回の注目ウマ娘はどなたでしょうか?」

細江さん「はい、今回のレースは大逃げの脚質対決になると思いますね」

赤坂「では、早速紹介させて頂きます。

3番人気はサントヴィアス初のG3挑戦で栄冠を獲得する事は出来るのか!?

2番人気はツインターボ!七夕賞を二回制する事は果たして出来るのか!?

1番人気はやはりサイレンススズカ!アメリカより帰ってきた

異次元の逃亡者!果たして逃亡者ツインターボとの対決はいかに!」

細江さん「前回のディープインパクトととの戦いは惜しくも負けてしまいましたが負けから何を学んだかが大切ですからね期待しています」

赤坂「さあ、各ウマ娘!ゲートイン完了!七夕賞…スタートです!」

 

バンッ

 

 

ターボ「ターボエンジン全開!」

 

ダッ

 

スズカは好位置でスタートしており早くも先頭に躍り出ている

 

ターボ「やっぱり…速いなでも…負けない!」

 

赤坂「サイレンススズカとツインターボ!この二人、やはり競っているおーっとスズカがここで先頭に躍り出た!やはり彼女の先頭の景色は譲れないのか?」

 

スズカ「私の景色は誰にも譲らせない!」

 

細江さん「しかし、ツインターボも負けていません。今日のツインターボ、持久力を保っているように見えます」

 

ターボ「そりゃあ…ターボの弱点は持久力だってトレーナーに言われたもん!スタミナ練習は嫌だけど…負けたくないもん…

 

だから!」

 

ターボ「今日は…異次元の逃亡者を逃亡者ツインターボが超えてみせる!」

 

赤坂「おーっと!ツインターボ!サイレンススズカを超えた!先頭はツインターボ!」

 

ネイチャ「ターボ、頑張れぇ!スタミナ練習嫌いのアンタをカノープスのみんなで激励して頑張ったんだ…見せてよターボのあんたの…諦めない力を…」

イクノ「見せて下さい…異次元を超える」

タンホイザ「逃亡者ツインターボの…」

カノープスのみんな「全力を!!!」

 

赤坂「ツインターボ、サイレンススズカ!約2身離れ今、第4コーナーに入った!これは、これは!あるかも知れないぞツインターボ!ターボエンジンは今日も全開!ここで敗北してしまうのか!?異次元の逃亡者サイレンススズカ!」

細江さん「このレース、どちらが勝つか全く分かりません!

諦めなかった者が勝者となるでしょう」

 

ゴルシ「おいおい…まさかここまで縺れるなんて…頑張れ〜スズカ!逃げ切れ、逃げ切れ!」

テイオー「ターボ、ちょっと強くなったって小耳に挟んでたけどまさかスズカを追い詰めるなんて…」

マックイーン「それが、強くなる事…競の常套ですわ。どうしますの?トレーナーさん負けてもそれを教訓として強くするにもスズカは…」

沖野「いいや…スズカは負けないさ」

マックイーン「そうですけど…もう、最後の直線ですのよ!?流石に…」

沖野「忘れたのか?あいつは最後方だったのを最後の直線で追い抜き、見事一着になった事があるのを」

マックイーン「復帰レースは勿論覚えていますわ…でも、あれはオープン特別で…」

沖野「それにかけて、みんなには内緒で練習したんだ…」

 

スペ「練習…?」

沖野「本来、スズカは逃げのウマ娘…逃げウマ娘は一番先頭で逃げなきゃならないしかし、先のディープインパクト彼女は驚異的な末脚でスズカの脚を超えてくる。そうなったらスズカは必然的に追い抜かなくちゃいけなくなる勿論、逃げ本来の練習をやった上で…だ」

テイオー「じゃ…今、ベストなタイミングって事?負けるなスズカ〜!」

マックイーン「全く…本来あるべきセオリーを崩すのね…そういうの嫌いじゃなくってよ!追い抜きなさい!スズカさん」

沖野「スズカ…」

 

「私、勝ちますね」

 

トレーナーはあの時、復帰レース直前にスズカからかけられた言葉を思い出す。

 

沖野「俺が…諦めちゃダメだな!スズカ〜!駆け抜けて…勝て!」

 

スズカにトレーナーの言葉は届いた。

 

スズカ「トレーナーさん、いや…スピカのみんなは私を応援してくれる応えなきゃ…何が先頭の景色は譲らない。よ…

先頭じゃ無くなったら勝てないの?いいえ、それは違うわ!

だって…目の前に誰かいるなら…!」

 

ダッ…

 

スズカ「超えれば良いだけ!」

 

赤坂「サイレンススズカ、サイレンススズカ!加速したぞ!先頭のツインターボを追い詰める!」

 

ターボ「うぉぉ!?ここで加速…ターボも負けないぞ!」

 

ダッ…

 

赤坂「ここで更に加速だサイレンススズカ!異次元の逃亡者の本領発揮だ!」

細江さん「す、凄いです…」

 

ターボ「なっ…なんだと」

スズカ「私が見たい景色は先頭の景色何かじゃない…

私が見たい景色は…勝利を掴む景色よ!その景色は…誰にも譲らないわ!」

 

赤坂「サイレンススズカ!今、1着でゴール!

2着にはツインターボ、3着はサントヴィアス!細江さんどうでしたか?今回のレース結果は」

細江「はい、とても良いレースでしたね得るものも沢山あったと思います。今後の成長が今から待ち遠しいですね」

 

レース後 ウィニングライブ控室

 

ターボ「うぅ…勝てそうだったのに…最後の最後で抜かれちゃった…」

スズカ「私だって最後までハラハラドキドキだったわよ…?」

ターボ「おぉ!?そうなのか!?」

スズカ「えぇ…強くなったわねターボ、覚えておくわねその名前」

ターボ「やった〜スズカにターボの名前覚えて貰った!」

スズカ「ウフフ、良かったね」

サントヴィアス「3着の僕も褒めてくれたまえ!G3初出走で3着…凄くないかい?」

スズカ「うん…凄いと思うよ?私なんて初めてのG2で8着だったし…これからだねこれから」

ターボ「凄いぞ〜きっと次は一着取れる!諦めなかったら!

ちなみにスズカ、その8着ってゲートの下潜ったっていう伝説の?」

スズカ「///う…そんな伝説欲しくないしいらない…あぁ…あの時の私、何考えてたんだろ…完全に黒歴史だわというかターボ、あなたも知ってたのね」

ターボ「知ってるぞ!リギルのトレーナーを寝込ませたって有名だよ」

スズカ「うぅ…そっちも知ってるんだ…」

サントヴィアス「なるほど…目立てと言う事ですね?」

スズカ「レースで目立ってね間違えてもゲートで目立っちゃ駄目だからね!」

ターボ「そういえばスペシャルウィークは知ってるの?スズカがゲートを潜った話」

スズカ「スペちゃんは知らないわよリギル時代の話はスピカじゃしないもの…スペちゃんに知られたら私…もう、もう…スペちゃんの顔見れなくなっちゃうわ…赤くなって…赤くなって…あぁ、考えただけで駄目…」

ターボ「林檎みたいに真っ赤だ〜あ…お腹減っちゃったな」

 

スペ「差し入れです!」

 

ターボ「おぉ!気が利くな!ありがとスペシャルウィーク」

スペ「いえいえ!レースお疲れ様。ターボちゃん」

スズカ「ス、スペちゃん!?」

スペ「スズカさんも…お疲れ様でした…」

スズカ「や、弥生賞の話…聞いてないよね?」

スペ「い、いや〜その、なんと言うか…イメージ沸かないな〜って感想ですかね…」

スズカ「あぁ…知られちゃった…恥ずかしい…」

スペ「でも、スズカさんにもそういうお茶目な一面があるって知れて私、嬉しいです!」

スズカ「恥ずかしいよ…」

スペ「えへへ…そんなスズカさんも可愛いです!」

スズカ「///もおぉ…照れるわ」

 

次回に続く



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第7レース 立ちはだかる不死鳥と怪鳥と

スズカは七夕賞でツインターボに打ち勝った。
スズカ自身にとってもとても良いレースだった。

自分の新たな勝ち方を習得して




スぺ「改めて!スズカさん、七夕賞優勝おめでとうございます。福島からやっと帰ってこれましたね!おめでとうございます」

スズカ「…ありがとうスぺちゃん」

スぺ「スズカさん?」

スズカ「色々…知られちゃったな」

スぺ「私、スズカさんの過去が知れて良かったです。可愛いですよそういう所もあるなんて」

スズカ「や、やめてって…そのうち怒るよ?」

スぺ「怒ったスズカさんも可愛いです!」

スズカ「上手いこと言っちゃって…」

スぺ「許してくれますよね?」

スズカ「しょうがないわね…」

スぺ「わーい!」

 

スズカ「そういえばスぺちゃん、スぺちゃんの出るレースって京都大賞典だっけ?」

スぺ「はい!前は残念な結果でしたが次は頑張りますね!」

スズカ「太り過ぎないでね…私も応援するし…スペちゃんも私の毎日王冠応援してね?」

スペ「はっ…はい…!」

 

こうして、スズカの七夕賞、いわゆる夏のレースは幕を閉じた。

 

数ヶ月後…

 

モグ…モグ…

 

スペ「スズカさん…もう食べて行っちゃったな」

グラス「スペちゃん」

エル「アタシ達とご飯食べるデース!」

スペ「うん!いいよ〜」

グラス「こうしてご飯を一緒に食べるのも久しぶりですね」

スペ「ご、ごめんね!私、スズカさんとずっと一緒に食べてて」

グラス「いえいえ、お気になさらず。同じチームの方と食べた方が良いですよ」

エル「寂しくてスペちゃーんと言ってたのはどこの誰デスか?」

グラス「エル…?」

エル「あ、これガチな奴デス…」

グラス「残りはお部屋でゆっくりと食べましょうか…ウフフ」

エル「ヒェェ!スペちゃんタスケテー」

スペ「知りません!」

 

グラス「と…帰る前にスペちゃんに話して置かなければいけない事がありました」

スペ「私に…?」

グラス「来月の京都大賞典、私とエルも出走予定です」

スペ「えっ!グラスちゃんとエルちゃんも出るの!?」

エル「そーみたいデスね、運命の巡り合わせか私達が3人一緒のレースを走るのは初めてデスネ!負けませんヨー」

スペ「うん…!こっちだって負けないよ」

グラス「えぇ…私も負けませんわ打倒スペちゃんを目指して毎日鍛錬してますもの…!」

 

スピカ部室にて

 

沖野「なるほどな…あいつら二人も京都大賞典を目指してくるとはな…」

ゴルシ「そういえばよぉ〜ディープの奴はどうしたんだ?オールカマー出るって噂だったのによぉ」

沖野「ディープインパクトはURAの理事会で決定されたそうだが特別出走枠として参加するそうだ」

ゴルシ「へぇ…ずりぃな、あいつだけ特別扱いかよ他にも出たいウマ娘は大勢居るのによ」

沖野「まぁな、あいつが成し遂げた海外の三冠はそれほど凄いって訳だな」

スズカ「私は余り気にはならないですね」

ゴルシ「ほぉ…やる気MAX有頂天スズカちゃんはそんなの関係なしに勝つ自身が!」

スズカ「ゴルシ先輩…私、やる気MAX有頂天スズカなんて変な名前じゃ…勝つ自信はありますけど」

ゴルシ「いや、普通に冗談に決まってるだろ…ま、勝つ自信があるなら良かったぜ」

テイオー「スズカ上手いな〜ゴルシの扱い」

スズカ「そう…?」

沖野「よーし!今日の練習始めるぞ!スペは京都大賞典対策、

スズカは毎日王冠を確実に勝つ為の練習内容とする!」

 

みんな「はーい!」

 

 

その日の夜

 

 

沖野「ハーナちゃん」

東条「…なに?」

沖野「エルとグラスが相手か…ハナちゃんの差金?」

東条「違うわ、彼女達二人が直接私に意見具申してきたのよ…なぁに?勝てないって泣きべそかきに来たの?」

沖野「いや、ライバルと戦って得るものもあるだろ…負けられない戦いだがな」

 

東条「勝てるわあなた達スピカなら」

沖野「かなり…評価をあげてくるな!」

東条「ディープの件聞いてるわよね?」

沖野「天皇賞(秋)に特別出走だろ?知ってるさ」

東条「あれには私も許せないわね、いくら実績のあるウマ娘だとしてもね…天皇賞(秋)に出たくとも出られないウマ娘だって居るのに…あれはきっと海外から圧力か何かがあったのよ」

沖野「別に俺は良いけどな〜あいつらが嫌なら考えるけども…

なーに!出走しても一着は讓らないぜ!」

東条「ふっ…あなたらしいわね」

 

数週間後…

 

赤坂「遂にこの日がやって参りました!京都大賞典!

実況は赤坂と細江さんにて行います!」

細江さん「よろしくお願いします」

赤坂「本日の京都大賞典、何と言っても四人の強力な優駿、ウマ娘が出走するのが見どころですね!細江さん!」

細江さん「はいっ!出走前からこんなにドキドキするレースは早々ありませんよ」

赤坂「本日、東京競場では毎日王冠が予定されており…

そちらはやはりサイレンススズカの一強でしょうかね?」

細江さん「レース結果がどうなるかはゴールまで分かりませんが

彼女にとってはとても勝ちやすいレースになるだろうと思います。」

 

スタッ…スタッ…

 

スペは京都競場の地下通保を歩いてると

チームスピカの面々が居た。

 

テイオー「スペちゃんガンバレ〜」

マックイーン「応援していますわ…あなたの勝利を信じて」

ゴルシ「スペ、リラックスだ!アタシ達みんなで特訓したあの時を忘れんなよ!」

スカーレット&ウオッカ「スペ先輩!ファイトです!応援してます!」

沖野「スペ!お前なら一着を取れるぞ!一着を取ってスズカと天皇賞(秋)を一緒に走るんだろ!」

スペ「み、みなさん!応援ありがとうございます、私…頑張りますね!」

ゴルシ「おい、トレーナー!」

沖野「おっ、そうだったそうだった!」

 

と言うとトレーナーはスマホを取り出した。

 

スズカ「あっ…!スペちゃん!」

スペ「ス…スズカさん!?スズカさんも頑張って下さいね!」

スズカ「えぇ、スペちゃんも頑張って。一緒に、行きましょうね天皇賞(秋)のターフへ」

スペ「はい、一緒に!私達は…」

二人「「ライバルですもの」」

 

東条「切れたわね」

スズカ「東条トレーナーその、良かったんですか?京都に行かなくて」

東条「見返しは当然するわよ…今は後で簡単に見返せるし」

スズカ「なるほど…」

東条「スズカ…ちょっといいかしら?」

スズカ「はい…?」

東条「あなた、強くなったわね、どうやらスピカのチームメイトとはリギルのチームメイトより遥かに仲良くなっているのね、やはり友情は大事ね…」

スズカ「はい…そうだと思います」

東条「スズカ、一着の景色…私も見てみたいわ」

スズカ「一着でゴールしますので…必ず、見せます」

 

スタッ…スタッ…

 

東条(スズカ、天皇賞(秋)に出なさい!出て…ディープを倒すのよ!)

 

 

赤坂「さあ、ターフにウマ娘達が続々と入って来ました!

3番人気、エルコンドルパサー!」

細江さん「世界を席巻した怪鳥の走りに期待です」

赤坂「2番人気、グラスワンダー!」

細江さん「スペシャルウィークの対抗筆頭ウマ娘です。戦績はグラスワンダーの方が上ですね期待しています」

赤坂「そして一番人気は日本総大将、スペシャルウィーク!」

細江さん「日本総大将として出走したジャパンカップではあの欧州最強、凱旋門賞ウマ娘。モンジューに勝利したウマ娘です。今回も他者を寄せ付けない走りに期待が持てます」

 

赤坂「そして、急遽出走の決まったウマ娘を紹介します!

4番人気ライスシャワー!ヒールかヒーローか天皇賞春以来の勝利なるか!?」

細江さん「ライスシャワー、精神力であればこの中でトップクラスと言っても過言は無いでしょう」

 

赤坂「順調に枠入りが進んでおります…」

 

スペ(これに勝って、スズカさんと!天皇賞を走るんだ)

グラス(天皇賞でスズカさんともう一度…)

エル(スズカさんともう一度…戦う!ワタシはあの人を超えなくちゃいけないデス!)

ライス(レースに勝って、栄誉と祝福を!ブルボンさんにも褒めて貰わなくちゃ…)

 

赤坂「枠入り完了…京都大賞典、スタートです!」

 

バッ…

 

赤坂「先頭は日本総大将、スペシャルウィーク!2番手にはエルコンドルパサー!3番手にはグラスワンダー4番手にはライスシャワー!

今回は逃げウマ娘が先頭ではありませんね…」

細江さん「どうやら、2,3,4番手に阻まれて抜け出せないようです」

 

本来、スペシャルウィークが最初から先頭になるのはあまり無いがこのレースは逃げウマ娘が少なくスペ先行エル、グラス、ライス(エルは先行と差し両方遜色無く走れる)がいる為他のウマ娘はG1ウマ娘、四人に追いつく事すら難しい。

 

赤坂「さぁ、G1ウマ娘四人が熾烈なレース展開を繰り広げています!」

細江「誰が勝つか、誰が天皇賞(秋)の切符を手に入れるのか!

まだ、分かりません!」

 

京都大賞典残りハロン、5ハロン約1000メートル

 

この短い距離に全てを、ぶつけて…

 

次回につづく



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第8レース 京都大賞典、残り5ハロンの激戦

赤坂「さあ、京都大賞典!かなりいい位置に先頭のスペシャルウィークがいる!さあ、他の3人は追いつけるか!?」

 

その頃、東京競場では

 

スズカ「スペちゃん…頑張って」

係員「11レース走者、パドックより出て下さい」

 

東条「スズカ…」

「京都の方は大詰めみたいですね」

東条「ディープ…」

 

そして、京都競

 

スペ「スズカさんと…約束したんだ!天皇賞(秋)を一緒に走るって!」

グラス「今回も…私がスペちゃんを差し切ってみせます…」

エル「モンジューに勝ったからってチョーシに乗るのはナッシング!La victoire est à moiデース!」

ライス「もう…ライス、悲しみの涙は…流さない!

嬉し涙だけ流すの!だから…!」

 

細江さん「四人の想いが、信念が、激しくぶつかっています京都競場最終コーナー!」

 

スペ&グラス&エル&ライス

「負けない…負けるもんか…負けるもんかぁぁ!」

 

赤坂「ここで…!四人は更にスパートをかける!全ての想いを胸にホームストレッチを駆ける!」

 

スペ「私は…憧れのあの人と…公式戦でいつか一緒に走りたいってずっと…ずぅっと!約束してきた…こんな所で…こんな所で

負けたりなんて出来ないの!」

 

スペシャルウィークは文字通り全身、全霊を繰り出した

 

 

【全身全霊】

 

 

スペ「うぉぉぉ!いっけぇぇぇ!」

 

グラス「負けません…!」

 

【精神一到何事か成らざらん】

 

エル「私だって…勝つ!」

 

【プランチャ☆ガナドール】

 

ライス「ライスだって…咲いてみせる!」

 

【ブルーローズ・チェイサー】

 

スペ「…スズカさんとの特訓の成果!私にも…スズカさんの見てる景色が見たいんだぁぁぁ!」

 

【先頭の景色は譲らない...!】

 

赤坂「ここで!ここで!スペシャルウィークが更に加速!2身から3身リード!今…一着でゴール!」

細江さん「見事に天皇賞秋への切符を勝ち取りました!」

赤坂「2着、エルコンドルパサー3着、グラスワンダー、4着ライスシャワー」

 

スペ「やった…勝てた…?」

 

グラス「スペちゃん…」

エル「スペ…」

ライス「スペシャルウィークさん…」

 

スペ「みんな…その…」

グラス「スペちゃん…?あなたは勝者なのですよ?もっと喜ばなくては!私達の代わりに…スズカさんと天皇賞秋で」

エル「勝った者は…?喜ばなきゃ!スズカに天皇賞秋で勝て!デスヨ!」

ライス「おめでとうございます、ライスも応援してるから…」

スペ「ありがとう…みんな!」

 

スズカ「スペちゃん…おめでとう」

エアグルーヴ「行くぞ、スズカ」

スズカ「えぇ…!あなたには負けないわエアグルーヴ」

エアグルーヴ「望むところだ!」

 

結果はスズカの5身以上離しての圧勝であった。

 

 

 

 

 

 

京都競

 

キョロ…キョロ…

 

ライス「ブルボンさん…やっぱり居ないやライスが出るレースは全部観に来てくれるのに、なんで…?」

 

ブルボンは実家の自分の部屋から生中継を見ている

 

ブルボン「ライス…」

「ライスシャワー…分かっているよな?ブルボン?お前の次の目標は何なのか」

 

 

ブルボン「はい、任務内容再呼称【菊花賞の屈辱を晴らせライスシャワーには’必ず勝て、何としてでも】

作戦内容…了解、実行を開始します」

「それでこそ…ブルボンだな!」

 

スタッ…スタッ…

 

ブルボン「…ごめんなさい、ライス」

 

次回に続く



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第9レース 栄光を、あの日勝ち取れなかった光を…今

東京11レース終了後 地下通路

 

カツ…カツ…

 

スズカは一人、ウイニングライブ控室に向かう為歩みを進めているすると、向こうからウマ娘が現れた。

 

そう、ディープインパクトだ

 

スズカ「ディープ…なにかしら?」

ディープ「さっきのレース見させてもらった。圧倒的な大逃げでカッコ良かった」

スズカ「天皇賞秋を勝つのは私か、スペちゃんだから…!」

ディープ「えぇ…良いレースにしましょ」

スズカ「えぇもちろん!」

 

ディープ「夜…部屋に行っても良いか??」

スズカ「まぁ…スペちゃんが帰ってくるまでならいいわよ」

 

寮の部屋

 

 

スズカ「で?部屋に来て何するの?」

ディープ「スズカ、あなたには話しておこうと思って…私の今後」

スズカ「今後…?って何かあるの?何のレースに出るかとか?」

ディープ「近いけど…ちょっと違うかな?私、今年の有が終わったらアメリカへ行こうと思う!」

 

アメリカ、その言葉を聞いたスズカは俯く

 

スズカ「アメリカね…やめておきなさいディープあなたまで行く必要は無いわ」

ディープ「その言い方…やっぱり何かあったんですね?」

スズカ「う…」

ディープ「東条トレーナーから聞いてます…アメリカで何をされたか」

スズカ「誰にも教えるんじゃ無かった…東条さんきっとうちのトレーナーさんから聞いたんだわ…」

スペ「そうやって、一人で抱え込むんですか?スズカさん…」

 

スズカ「えぇ…って!スペちゃん!?ちょ…ちょっと!ディープ!話が違うじゃない!」

ディープ「私もスペさんと同意見です。一人で抱え込むんですか?スズカ!あなたは!」

スペ「一人で抱え込まないでください!私は…チームスピカのメンバーじゃないですか!ディープさんも話して見れば良い方でした…相談してくださいよ…スズカさん!」

 

スズカ「ぅぅ…グスッ…えぇ…そうね私が間違ってたわね悩み事を打ち明けるのが友達、仲間…だもんね」

スペ「はい!そうです!」

スズカ「ウマ娘の友達、スペちゃん居なかったんだよね…?」

スペ「え…?まぁ、そうですけど…?」

スズカ「私も一緒、友達なんて居なかったわ…いつもね「スズカちゃんだけ先頭走り過ぎ〜おいつけないよ〜」って言われてて気が付いたら一人で只ひたすらに走っていたわ…」

スペ「スズカさんも…居なかったんですか?」

スズカ「あんまり社交的じゃないしね私。本当の友達と出会えたのはこの学園に入ってから。それがエアグルーヴだったの昔の私尖ってて良く話すうちに…その後、スペちゃんと出会ったのよ

あのバレンタインステークスで」

スペ「そう…だったんですか尖ってたんですか!?スズカさんって」

スズカ「まぁ…ね?」

ディープ「後は…大丈夫?スペさん」

スペ「はい!ありがとうございました」

 

ディープは部屋を後にした

 

スペ「スズカさん…その、ごめんなさいずっとアメリカで何があったのか気になってて…」

スズカ「知りたいの?何があったか」

スペ「はい…ディープさんは東条トレーナーから聞いたって言ってましたけど…全部話したんですか?」

スズカ「うちのトレーナーさんには何があったか全部話したわよ…」

 

スズカ過去編 アメリカ遠征編

 

私はアメリカへの遠征を希望し理事長の許可も取れてアメリカへと渡った。

私はアメリカの競場はどんな感じだろう?

あちらのウマ娘と仲良くなれるかな?

と淡い希望を抱き向かったがそれは一瞬で消し飛んだ。

 

 

「ジャパンから、大逃げの天才ウマ娘が来るって聞いてたけど

あんたダート走れないんだぁ…じゃあ…?ここじゃなくて分校に…?」

 

一人が喋りだすとお供みたいなウマ娘達も口を開く

 

「行くべきデース!〜」

「日本に帰ろ〜!」

 

スペ「え!?酷くないですか!?いきなり罵詈雑言を浴びせるなんて…」

スズカ「こういう事だからあんまり教えたくなかったのよ…」

 

アメリカのトレーナー「サイレンススズカ?聞いてるの?」

スズカ「はい…その私はダートじゃなくて」

アメリカのトレーナー「あなたは分校の方に行くべきね分校はあっちよ」

 

分校…それはアメリカのトレセン学園の離にあった。

いざ、入ってみるとそこには先程のウマ娘達より優しそうな方達が多かった。

 

スペ「分校の人達は良くしてれたんですか?」

スズカ「えぇ…とってもね怪我のしにくい走破方法とか教えてもらったのは彼女達からだし」

スペ「でも、なんで…あの人達は…」

スズカ「それも彼女達に聞いて原因が分かったわ」

 

私が最初に話したウマ娘達はダートウマ娘

つまりダートが得意って事ハルウララみたいにね

 

スペ「それだけ…!?」

スズカ「アメリカは日本や欧州と違ってダートがメインレースみたいな所があって日本と違うそうなの勿論、ダートレースも芝とは違った面白みがあるわでも…」

スペ「それ!間違ってます!強い相手が居るなら強いねって!褒めるべきですよ!」

スズカ「そうよねスペちゃんの言ってることは正しいと思うわ…

まぁ…色々あったけど勉強になったし良いかなって…」

スペ「まぁ…スズカさんが良いと言うなら私はこれ以上は言いませんけど…大丈夫なんですかスズカさん?もう一人で悩んだりしないで下さいね?」

スズカ「えぇ…勿論!スペちゃんや仲間に相談するわねあ…ちなみになんだけどスペちゃんはディープが有の後どうするかって話は聞いてる?」

スペ「あ…私も教えてもらいました。二人だけの秘密に今はしておいてくれって内容でしたよ…アメリカに行って何をするんですかね?」

 

スズカ(ディープ…まさかあなた私の…敵討ちの為にアメリカに?)

スズカはそう思ったがこれは単に推論でしかない為スペには話さなかった。

 

数日後、スピカ部室

 

テイオー「スペちゃん!京都大賞典優勝おめでとう!スズカも毎日王冠優勝おめでとう!」

スペ「ありがとうございます!テイオーさん」

スズカ「ありがとう…テイオー」

 

「この前のステイヤーチャレンジステークスは激戦となりましたね細江さん」

「はい、何と言ってもライスシャワーvsミホノブルボンの菊花賞以来の再戦が、新規開設記念で実施されブルボンの勝利で終わりレースは良かったですねしかし、レースは家に帰るまでがレースなのですから気を抜いてはいけないですね」

「ほ…細江さん!?その話は…そのえっと、有り難いんですけど」

 

ゴルシ「なんだ?なんだ?この前のレースで何かあったのか…?そーいやトレーナーは人居ねぇからレース場行ってたんだろ?なんか知ってっか?」

沖野「なんか二人が喧嘩したとかどうかとか聞いたな」

ゴルシ「あの…二人が喧嘩!?何があったんだよ…前まで無茶苦茶仲良かったじゃんかよ」

マックイーン「えぇ…なのにおかしいですわね」

テイオー「何かあったのかな…ブルボンとライスに…」

 

沖野「…オレたちがここで言い合っても何も始まらない。その話は練習が終わったらゆっくりしようか…」

スペ「ですね!」

スズカ「天皇賞秋まであと少しですし!」

 

ピンポンパンポーン

 

「チームスピカ トレーナーさんトレーナーさん、チームリギルトレーナー東条さん、東条さん、理事長がお呼びです。

至急、理事長室までお越しください」

 

沖野「呼び出し?」

 

ゴルシ「…あれほど、外でウマ娘のトモ触るじゃねぇーって言っただろ〜!?」

テイオー「捕まっちゃうんだねトレーナー」

マックイーン「釈放…考えておきます一旦メジロ家で話し合いしますわ」

ウオッカ「マジかよ…」

スカーレット「…信じてますから」

スペ「捕まっても仕方無いですよ…セクハラです!」

スズカ「トレーナーさん…」

沖野「誤解だ!俺は何もしちゃいねーぞ!」

ゴルシ「本当か〜?ちなみにこの後の練習はいつも通りでいいよな?」

沖野「本当だ!信じろ!…練習はいつも通りで良いぞ。呼ばれてるし早速行くからな」

 

ガチャッ

 

沖野が理事長室に向けて歩くと東条が近くで待っていた。

 

東条「沖野…呼び出しってまさかこの前の…?」

沖野「かもな、この前の爺さんやっぱそれなりのお偉いさんかな?」

東条「大丈夫なの!?」

沖野「なーに!何かあっても俺が責任取るわ」

東条「沖野…」

 

 

沖野「失礼します。沖野です」

理事長「うむ…どうぞ」

 

「こんばんは、沖野トレーナーさん」

 

そこには白髪の紳士が理事長と向かい合いソファーに座っていた。

 

 

 

 

数日後

 

東京競

 

赤坂「遂に…この日がやって参りました!天皇賞秋!優駿達が各々が思い描いたユメを駆けます」

細江さん「サイレンススズカ、彼女にとっての悪夢を晴らす事は出来るのでしょうか期待が持てます」

 

スペ「行きましょうスズカさん!」

スズカ「えぇ…!スペちゃん」

ディープ「…私だって負けない!公式戦でも勝ってみせる」

スペ「はい!望むところです」

スズカ「負けない…前回の私達だと思わない事ね」

 

赤坂「さぁ…!天皇賞、盾の栄誉に最も近いウマ娘達をご紹介しましょう!4番人気エアグルーヴ!

女帝が!燃える闘志を今ここに!

 

エアグルーヴ「スズカには…負けんぞ!」

 

3番人気はスペシャルウィーク!

日本総大将!遂にサイレンススズカと初の公式戦!勝つのは

日本総大将か!?異次元の逃走者か!?

 

スペ「スズカさんと…やっと戦えるんだ!負けません!」

 

2番人気はディープインパクト!

衝撃的な末脚で一着を目指し今日も飛ぶように飛翔するか!?

 

ディープ「末脚だったら…負けない!コーナーで差をつけてあげる…!」

 

赤坂「あの日の沈黙を、あの日の悪夢を破るかサイレンススズカ!完全復活した彼女は天皇賞秋。盾の栄誉を獲得出来るのか!?」

 

スズカ「私が…1番先頭でゴールするだけ!絶対に勝つわ!」

 

赤坂「さあ、各ウマ娘!ゲートにぞくぞくと入って行きます!

 

あの日の沈黙は、今日の日の栄光の為に…

 

スズカ、あなたはユメを駆ける!

 

天皇賞秋!スタートです」

 

バンッ

 

 

天皇賞秋が遂に始まった。

 

あの日の続きを…

 

叶えられなかったユメの為に

 

もう一度、サイレンススズカは天皇賞秋のターフを駆ける。

 

希望に満ち溢れる栄光を掴む為に…

 

次回へつづく



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第10レース 誰も見たことの無い、その先の景色へ…

赤坂「あの日の沈黙は、今日の日の栄光の為に…

 

スズカ、あなたはユメを駆ける!

 

天皇賞秋!スタートです!」

 

天皇賞秋が遂に始まった。

 

赤坂「やはりサイレンススズカの先頭か!二番手にはスペシャルウィーク、三番手にはエアグルーヴ。

ディープは後方スタートか?」

 

スズカ(超えられるかしら…あの時を)

 

(サイレンススズカに故障…発生か!?最終コーナー付近で競走中止…)

 

フッ…

その時、スズカの心に届く暖かな声が聞こえた。

 

スペ「スズカさん…スズカさんなら超えれますよ!あの日を…超える為にずっと練習してきたじゃないですか」

スズカ「そう…だけど」

ゴルシ「なら、何の為に天皇賞秋のターフに戻ってきたんだ?」

スズカ「…」

テイオー「走るスズカの姿はカッコいいと思うよ、ボクなんかよりね…だけど何を迷ってるのさ気持ちの面じゃボクの…勝ちだね」

スズカ「気持ち…」

マックイーン「そう…走る気持ち、先頭の景色は走らなければ見れませんわ」

スズカ「先頭の…景色」

スカーレット「後は…私達とした練習を思い出して」

ウオッカ「たった少しだけでも…」

沖野「走れ!異次元の逃走者!」

 

みんな「サイレンススズカ!」

 

スズカ「フフッ…そうね!」

 

赤坂「おーっと!ここでサイレンススズカ!サイレンススズカが仕掛ける!サイレンススズカだけが直線の上り坂に入った!二番手から7身程離れているぞ!」

 

その頃、後方では

 

ディープ(東条トレーナーが天皇賞秋をサイレンススズカに勝ってもらいたいというのは分かる。あの日…府中の魔物が目を覚ました時…私も配信を見てた。その後、骨折でレース復帰は困難かと言われてたのも知ってる。その後、オープン特別でサイレンススズカが復帰したのも知っている。だけど…ごめん東条トレーナー!やっぱり忖度は出来ない…!)

 

天皇賞秋、一週間前

 

ディープインパクトは河川敷を一人でひた走る

 

「なぜ、君は一人で走るんだ?」

 

後ろから急に声をかけられディープも少しビックリした。

 

ルドルフ「すまない、驚かせてしまったようだな」

ディープ「いえ、別に大丈夫です」

ルドルフ「そうか…」

ディープ「なぜ…一人で走るかですか?

ルドルフさん、東条トレーナーはサイレンススズカに勝ってもらいたいんですよね?天皇賞秋を」

ルドルフ「いや?そんな事は…彼女はそういうの嫌いだ」

ディープ「私、聞いちゃったんですよねあなたと東条トレーナーがサイレンススズカに勝ってもらいたいという話をしてるのを」

ルドルフ「…」

ディープ「どうなんですか?何か言ってください」

 

ルドルフ「確かに彼女は…サイレンススズカに勝ってもらいたいと言ってた…君が知ってるかは知らぬがサイレンススズカは…」

ディープ「元リギルメンバーだった…いつかの天皇賞秋で怪我をした事も…知ってますよ、でも…今は別のチームのライバルなのに…」

ルドルフ「君はその時、私が言った言葉は聞いていないのか?」

ディープ(ルドルフさんの言葉…そういえば聞いてなかったな)

 

ルドルフ「私は…サイレンススズカとディープインパクト、その他の天皇賞秋に出走する全てのウマ娘にそれぞれ勝機はあると思っている」

ディープ「つまり…全員を応援すると言う事ですか?」

ルドルフ「あぁ…」

ディープ「虫が良すぎですね…けど、こうやって身近に私の事を応援してくれるウマ娘がいると嬉しいですね…

 

 

ディープ「だって…ルドルフと約束したの…!全力で戦ってみせると!」

 

赤坂「おっーと!ここで飛ぶように走るディープインパクトが先頭集団に食らいついてきた!いつもより仕掛けるタイミングが早い!」

細江さん「ディープインパクト、彼女の飛翔がどこまで飛ぶか見ものですね」

赤坂「さあ!東京競場、府中の魔物が住まうけや木に差し掛かる!サイレンススズカはどうだ!?あの日の続きを見せてくれるのか!?」

 

ゴルシ「スズカ…」

テイオー「お願い…神様」

マックイーン「スズカさんに天皇賞の盾を…!」

 

沖野「頼む!あの日を超えてくれ!スズカぁぁ!」

 

その時、一瞬だがスズカとディープがけや木の向こうを走り見えなくなった瞬間、場内は静まり返った

 

スズカ「これが…アメリカの優しいウマ娘に教えて貰った…旋回術よ!」

 

【旋回術】

 

ディープ「…こっちだって!コーナリングは負けないんだから!」

 

【翔け抜けよう!空高く!これが…私の、衝撃だ!】

 

 赤坂「サイレンススズカ!サイレンススズカが大けや木を超えた、超えた!しかし!外から、外から!ディープインパクトが迫ってくる!しかし、けや木を超えた瞬間にディープインパクトが先頭に!サイレンススズカは二番手だ!三番手はスペシャルウィーク」

 

スズカ「…負けないわ!」

ディープ「このまま翔け抜ける!!」

 

赤坂「さぁ…!もう後がないぞサイレンススズカはどうする!?

ディープインパクト逃げ切るか!?」

 

タタッタタタ…

 

ゴルシ「いけ!スズカ!あの時の七夕賞を、アタシ達との練習を思い出せ!」

テイオー「いけぇー!スズカ!キミの見たい先頭の景色はすぐ側にあるよ!」

マックイーン「逃げウマ娘、最強格の違いを見せつけて!どこまで行っても逃げ切って!」

スカーレット「スズカ先輩…!ファイト〜スペ先輩も後ろできっと応援していますよ!」

ウオッカ「ずっと、ずっーと俺達の憧れだったんだ!負ける訳…無いよな!スズカ先輩!」

 

沖野「スズカぁぁ〜お前の天皇賞秋の栄光を掴むのをみんな…みんな!待ってんだ!夢を叶えてくれ!スズカ!俺達の…みんなの!夢を!」

 

スズカ「…夢」

 

「私の夢は日本一のウマ娘になる事です!」

 

「私の夢は…スズカさんと一緒のレースに出ることです!

だから…早く…脚を治して下さいね!」

 

「「私の夢は色んな人に夢を見せられるようなレースをする事です」」

 

 

スズカ「夢を見せられるような夢…それなら私に勝たないとねスペちゃん、今が…チャンスよ」

スペ「なら…全力で!」

スズカ「えぇ…!もちろん!」

 

スペ&スズカ「行こう、衝撃を超え何処までも…!」

 

赤坂「ここで!ここで!スペシャルウィークが追い上げてきた!

サイレンススズカもそれに合わせるように加速!ディープを二人が抜いた〜!」

 

東条「ディープ…!つっ…走れ!お前の走りはそんなものなのか!?」

ルドルフ「フフッ…やっぱり、あのように言ってもディープを応援か…フフッ!私も応援するぞ!ディープインパクト!」

 

ディープ「負けるかぁぁ!」

 

【深い衝撃】

 

スズカ&スペ「「やっと、見えた」」

 

沖野「いけ!スズカ、スペ…!スピードの向こう側!」

 

ゴルシ&テイオー&マックイーン&スカーレット&ウオッカ

「静かで、何処までも綺麗な!」

 

スペ&スズカ

「「私が、見たかった物…!」」

 

【先頭の景色は譲らない…!】

【シューティング・スター】

 

赤坂「今、ゴール!栄光の日曜日の称号と天皇賞秋の盾を手に入れたのは

サイレンススズカ!2着にはハナ差で

スペシャルウィーク、3着は1身差ディープインパクト!」

細江さん「私達が、思い描いた夢が遂に叶った瞬間です…サイレンススズカ、おめでとう!これからに期待です!」

赤坂「そうですね!細江さん!」

 

スズカ「勝てた…?」

スペ「やりましたね!スズカさん!」

スズカ「えぇ…スペちゃんもこんな所までついてきてくれて、ありがとう…」

スペ「えへへ…そんなことないですよ」

 

ディープ「スズカ…スペ」

スペ「ディープさん…」

スズカ「なにかしら?」

ディープ「負けたな…これが異次元の逃走者と日本総大将の真の力か…まさか差してくるなんて、これが逃げて差すってやつか…」

スズカ「フフッ…先頭の景色は譲らないから!」

ディープ「次こそは!」

 

「次…か!次は有記念かな!?ディープインパクトよ」

 

スペ「秋川理事長!たづなさん!」

たづな「理事長がどうしても来たいって話したいって言い出して…」

秋川「たづな〜!良いではないか〜良いではないか〜」

たづな「まぁ…私もちゃんとお話してみたかったし…」

 

スズカ「秋川理事長…」

秋川「天皇賞秋の覇者!スズカ!で…どうした?」

スズカ「私も有記念に出ます!ディープと一緒に走らせて下さい!」

秋川「うむ!出るのは構わないがまず、トレーナーを通してくれるとありがたいな!いや〜たづなよ今年の有はたのしみだなたづなよ!」

たづな「ですね!」

 

盾の授与式

 

秋川「これが天皇の盾、君が追い求めていた栄誉ある誉れ高き盾だ!サイレンススズカ!君はあの日を超えれたな!おめでとう!」

 

スズカ「ありがとう…ございます!」

 

その時、東京競場は大歓声に包まれた。

 

秋川「スペシャルウィークもあと少しでスズカを超えられそうだな」

スペ「はい!私、頑張りますね!」

秋川「ディープ…どうする?言うか?君の今後をここで」

ディープ「はい」

 

秋川理事長はおもむろにマイクをディープインパクトへ渡した

 

ディープ「私が日本にやってきて…すぐなのは理解している…しかし、私にはある人がいじめられ!それを良しとするウマ娘のチームがあると聴いた!その環境を変えに外国へ行くと…決めた!今年の有記念までは日本に残りたいと思っている」

 

観客「ディープが日本を離れる!?」

「寂しくなるな…」

 

赤坂「なんと言うことでしょう!ディープインパクトが今年の有記念で日本を離れると表明しました!」

細江さん「彼女ならきっと、外国でもやっていけるでしょう!応援してますよディープ!」

 

地下通路にて

 

東京競場の地下通路を進むとスピカの面々が勝者が来るのを今か今かと待っていた。

 

ゴルシ「お!盾の栄光を掴んだ勇者の帰還だぜ!」

スズカ「ゴルシ先輩…勇者なんてそんな…照れるわ…」

テイオー「おめでとう!スズカ!遂にあの日を超えられたね、凄いな〜スズカは!」

スズカ「ありがとう…テイオー」

マックイーン「信じて…ましたわ!あなたの勝利を…天の誉れ高き栄誉の盾はどうですか」

スズカ「そうよね…マックイーンは春の盾は持ってるけど…とても重たいわね、この盾の重さには色んなウマ娘達の思いが籠もっているそう思うわ」

ダスカ「スズカ先輩!私の応援が一番でしたよね!?だから勝てたんですよね!?」

ウオッカ「ちげぇな!スカーレット!」

ダスカ「なによ!自分が一番だって言いたいの!?」

 

ウオッカ「みんなで応援したからだろ…」

ダスカ「うっ…」

スズカ「そ、そうよ応援は一人にされるってのも悪くないけどみんなに応援される方が嬉しいでしょ?」

ダスカ「…ですよね、スズカ先輩!」

 

スペ「スズカさん!改めて、天皇賞秋優勝おめでとうございます!私はハナ差で2着でしたけど…もうちょっとでスズカさんの先頭の景色…奪っちゃいますから!」

スズカ「…」

スペ「あっ…!スズカさん…その悪く思われたんなら謝ります…ごめんなさい」

スズカ「なーんてね嘘よ…大きく出たわねスペちゃん!だってスペちゃんは私のライバルだもんね…いいわ!いつでも奪いにおいで…!先頭の景色は誰にも譲らないから!」

スペ「はい!受けて立ちます!」

 

沖野「スズカ…」

 

沖野トレーナーは涙を流している

 

スズカ「トレーナーさん…?今日は泣いてますか?」

 

ゴルシ「今日…は…?なんだぁ…泣かせたことあんのかスズカ」

テイオー「玉ねぎでも切らせたの〜?」

マックイーン「二人共!少しお黙りですわ!」

 

沖野「スズカ…お前は今日、あの天皇賞秋を優勝したんだ…あの、骨折だ覚えているよな?」

スズカ「えぇ…まるで昨日のように。たまに夢を見るんです…

病室に私が居るんですけどスピカのみんなが泣いてて…

トレーナーさんは何やらお医者さんに必死に何かを訴えているみたいで…」

 

スピカのウマ娘達は顔を見合わせる。何故なら彼女達の記憶には該当する記憶が無いからだ。勿論スピカのウマ娘達の記憶が間違っているのではなく…

 

沖野「スズカ、それは夢だ…夢以上でもなく夢以下でも無い…お前が倒れた時にそんな事は起きていない!スズカ、今お前が天皇賞秋を勝ったのは紛れもない現実だ…夢なんかじゃない!それで…良いんじゃないか?

でも、その夢をずっと見るようなら早く言ってくれ直ぐに病院に行こう」

 

スズカ「はい…ですよねごめんなさいこんな時にこんな暗い話してしまって…」

沖野「ま!良いってもんよ!気分が暗くなったら明るい話をすればいいだけさ!」

スズカ「あ、で…トレーナーさん泣いたって本当ですか…?」

 

沖野「まだ、聞くのかよ!?っ…今回は流石に泣くだろ

あの日を思い出してしまってな」

スズカ「あの日…そうですね…うっ…うっ…トレーナーさん…あの日を超えれたのはトレーナーさんの…御指導があったからです!ありがとう…ございます」

沖野「あぁ…そうだな…おめでとうスズカ」

 

その頃、リギルは

 

東条「ディープ…」

ディープ「東条トレーナーごめんなさい、負けました」

東条「えぇ…見てたわ」

ディープ「ご指導の程、よろしくおねがいします」

東条「じゃあ…リギルのみんなと?」

ディープ「勿論、一緒に次の有記念はあの二人にかちたいので」

東条「分かったわ!けど、うちのチーム練習は厳しいわよついてこれるかしら?」

ディープ「必死に付いて行きますね」

 

ドササ〜と扉が開く

 

東条「あ、あなた達聞き耳立てて聞いてたわね!」

 

タイキ「気になるのデ〜」

エルコン「上に同じくデース」

グラス「止めたんですけどね…」

 

東条「はぁ…あなた達ね…」

 

ディープ「うふふ…まぁ良いんじゃないですか?そんなに私と一緒に走りたいんですか?」

 

エルコン「海外の三冠ウマ娘と走ったことないので…!ぜひ、走りたいデース!」

グラス「エル〜?抜け駆けはレース以外はダメですよ〜?」

 

ルドルフ「私も、君と是非走りたい。一緒に走る事で分かることもある」

エアグルーヴ「会長!分かりますその気持ち!」

ルドルフ「君はコーナリングが凄いと聞いた!ぜひ!コーナリング解説コーナーを開きたい!コーナーだけに!」

エアグルーヴ「会長…分かりませんそのギャグ…」

 

エアグルーヴのやる気は下った

 

ディープ「コーナリング解説…コーナーうぷぷ…是非やりましょう是が非でも」

ルドルフ「まさかのギャグ返し!これはいい気分だ!」

 

ルドルフのやる気が上がったやる気は絶好調だ

 

東条「色々、心配になるわ…」

 

そして、ウイニングライブが始まった。

 

曲目Silent start

 

星の海が広がる空 静寂だけが満ちていった

優しい夢くれる光 安らぐ刻をくれた闇

 

この世界は美しいの 見て…

 

一番星は夢 運んで 星座は幸せを語って

煌きにあふれた景色 誰にも等しく微笑んで

 

優しい人が泣いています

どうして そんなにも悲しいの

その優しさ どうか

あなたの心のために とっておいて

 

ひとり 見上げた夜空 ただ 静かな世界

縛るものなど何もない 心は自由だから

誰のためでもなくて 自分のために

星に向かって 歩いて行こう

 

そっと静かに そっと確かに 輝く Silent Star

 



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第11レース 新時代と夢を語りそして…

天皇賞秋が終わったその日の夜、寮にて

 

スペ「スズカさん、今日は優勝おめでとうございます!明日からは有記念を目指してお互い頑張りましょうね!」

スズカ「えぇ…勿論!次もディープインパクトに負けないわ」

 

どうやら二人は有記念に出走する事になったようだ

 

コン…コンコン

 

扉を叩く音が聞こえた、来客だろうか?

 

スペ「はーいどなたですか…って!テイオーさん!?どうされたんですか?」

テイオー「ごめんね〜夜分遅くに…いや〜今日、渡す物あって忘れちゃってた」

 

と…テイオーはおもむろに何かを差し出した

 

スペ「こ…これはG1人参!えっ…!?テイオーさん買ったの!?高くない?」

テイオー「いや、これはボクが買ったんじゃなくてキタちゃんとダイヤちゃんからの贈り物だよ」

スペ「キタちゃんとダイヤちゃんも天皇賞秋見に来てくれたんだ〜会えたら良かったのに」

テイオー「二人とも受験生だしちょっとしか見に来れなかったってさ」

スズカ「あの…スペちゃん?テイオー?」

スペ「あっ…スズカさんは知らないですよね簡単に説明すると…」

 

ウマ、ウマ、シカシカ

 

スズカ「っ…それってこの前ニュースになってたキタサンブラックとサトノダイヤモンドのこと!?」

スペ「ニュース…?」

テイオー「えぇ…!スペちゃんニュース見てないの!?」

スペ「あはは…私あんまりニュース見ないからなぁ」

スズカ「全国ウマ娘陸上競技大会小学生の部にて初めて同着の判定を出したそうよ」

テイオー「そうそう!凄いよね!」

スズカ「でもそんな二人から人参貰ったって事は知り合いなの?」

テイオー「うん!知り合いだよキタちゃんは僕に憧れててダイヤちゃんはマックイーンに憧れてるんだ」

スズカ「なるほどね、憧れの先輩って感じねいいわね…そういう関係」

スペ「人参のお礼しなきゃ…有は来てくれるかな?」

テイオー「なんなら連絡とる〜?ちょっと待ってね」

 

テイオーは携帯を操作して…

 

キタサン「はい、テイオーさんこんばんは!今日は途中で帰ってしまい申し訳なかったです!」

テイオー「ううん!全然気にしてないよ〜キタちゃんも大会優勝おめでとう!で…話をしたい人が居るんだけどさ〜」

キタサン「話をしたい人?」

スペ「あっ…キタサンちゃん?」

キタサン「スペさん!今日はお疲れ様でした!お話とはなんでしょう…」

スペ「人参ありがとね!後で美味しく頂くよ!」

キタサン「わざわざ連絡ありがとうございます!喜んでくれて嬉しいです!ダイヤちゃんも喜ぶと思います」

スズカ「キタサンブラックさん…?初めてましてサイレンススズカです、G1人参高くなかった?ありがとう…嬉しいわ」

キタサン「わわっ!スズカさんまで!?ありがとうございます!

天皇賞秋優勝おめでとうございます!スズカさん、速くて憧れです!」

スズカ「フフッ…ありがとう、憧れ…ね、後輩ちゃんは私の速さを超えれるかしらね?」

キタサン「にゅっ…入学したら!超えちゃいます!」

テイオー「ちょっーキタちゃん…ボクは!?ボクは!?」

スズカ「フフッ、大きく出たわね入学するのを待ってるわ」

キタサン「はい!頑張って勉強して入学しますね!」

スズカ「…テイオーにも何か言っといてね」

 

キタサン「テイオーさんは超えるの確定なので!」

テイオー「確定〜?競に絶対は無いよ〜?君とのレースでも僕が勝ってみせるから!」

キタサン「はい、私も負けません!あっ…そろそろ寝ないとなので…有記念は絶対に観に行くので!」

テイオー「うん、ダイヤちゃんにもよろしくね」

キタサン「失礼しました…」

 

ガチャ

 

スズカ「こんなにも熱い情熱を持ってるなんて凄いわね…」

スペ「そうですね!」

テイオー「まぁー熱すぎるのもちょっとばかし鬱陶しいけどね!」

スペ&スズカ(あなたがそれ言うの!?)

 

テイオー「そういえば〜明日、スペとスズカは休みになるんでしょ?どっか行くの?」

 

日曜日のレース出走者は原則次の日は休みになると理事長が以前決めた

 

スペ「どこか行きます?スズカさん」

スズカ「寮にずっと居るのも…何処か行く?府中市内にでも」

スペ「わぁ〜行きたいです!スズカさんとウインドウショッピング…」

スズカ「えぇ…久しぶりにスペちゃんと行きたいわね」

スペ「えへへ…」

テイオー「そっか…二人とも楽しんで来てね!おやすみ〜」

 

足早にテイオーは自室へと戻っていった。

 

翌朝…

 

スズカ「鍵は…締めたわね?財布もちゃんと…」

スペ「スズカさん〜早く行きましょうよ!」

スズカ「ちゃんと戸締まりとか確認しなきゃ…」

 

「やぁ、君たちもどこかに出かけるのかい?」

 

寮のスペとスズカの部屋の前で声をかけられた。

スズカ達同様、休みのディープインパクトだった

 

スズカ「ディープ、あなたもお出かけ?私達は府中市内に行くわ」

ディープ「私もたまにはお出かけだけど…約束があるから、ごめんね」

スズカ「そう…また、いつか一緒に買い物でもいきましょうね」

ディープ「えぇ…」

 

スズカ達は校門を出て東府中方面へと向かった。

 

スペ「東府中まで歩いて行きません?」

スズカ「東府中までの道のりに色々新しいお店とか出来たしね府中まで乗らない方がいい運動になるわね」

 

ディープ「…」

 

ディープインパクトは対照的に東京競場近くの競場前駅まで向かった。

 

府中〜府中〜

との到着メロディが流れ府中についた

 

タクシー運転手「そのお屋敷に?はい〜シートベルトをお締め下さいね」

 

ディープは府中駅前に止まっていたタクシーを使いとあるお屋敷に向かった。

 

それは、メジロ家…ではなく

 

近々メジロ家を超えると噂されている

 

サイレンス家

 

そのお屋敷へディープは向かった。

 

警備員「どちら様でしょうか?」

ディープ「ディープインパクトと申します」

警備員「昨日の天皇賞秋に出ていた…?」

ディープ「えぇ…そうです」

警備員「…失礼ですが、アポイントは取られてますか?」

ディープ「取ってません、当主様にディープが来たと言えば入れると思いますが」

警備員「…少々お待ちください」

 

警備員は詰所へ向かった。

 

 

???「ディープが来たのね、通して良いわよ」

警備員「通すのですか?」

???「彼女は昔からの知り合いよ」

警備員「承知致しました」

 

警備員「どうぞ、お通り下さい」

ディープ「どうも…」

 

当主の部屋

 

???「ディープ、よく来たわねあなたがここに来るのは…あなたの三冠。その最後三冠目のレース直前だったわね」

ディープ「えぇ…そうですねお久しぶりです」

???「有で日本を離れるそうね」

ディープ「えぇ…目標が出来て」

???「スズカとスペシャルウィークに負けたから次の有記念は絶対に勝ちたいから…私の元に来たわけね」

ディープ「やはり…見抜かれてましたか」

???「まぁ…スズカ、あの子に負けたのは無理も無いわだってね…?」

ディープ「はい…負けたくはありませんでしたが」

???「スペシャルウィークに負けたのは?」

ディープ「スズカ以上に悔しいです…勝てるビジョンしか見えてなかったので」

???「そうね…勝てる方程式を組んでても負ける事はあるわ」

ディープ「今日は一日休みなのでご指導お願いします」

???「私の指導は厳しいわよ?子供の頃みたいに泣かないでよ?」

ディープ「懐かしい…ですねもう泣きませんよ!ご当主…サンデーサイレンスさん」

 

サンデー「えぇ…外国由来の外国仕様の特訓で!あなたを私の娘、サイレンススズカに勝たせるような特訓を!今年の有は例年以上の有になるわね!」

 

ディープ「はい!よろしくおねがいします!」

 

数時間後 スズカとスペ達

 

スズカ「スペちゃん…買すぎだし食べ過ぎじゃ…?」

スペ「えへへ…」

スズカ「有までには直してよね…太り気味」

スペ「は…はい…」

 

プルル〜

 

スズカ「私?っ…この番号は」

 

スズカの顔は一瞬で険しくなった

 

スペ「スズカさん…?どうされました?」

スズカ「スペちゃん…先に寮に戻っててくれない?」

スペ「あ…はい分かりました!荷物持っていきますね!」

スズカ「助かるわ…ごめんねスペちゃん」

 

スペは足早にトレセン学園の寮へと向かった

 

スズカ「何か…用ですか?お母さん」

サンデー「今日、こちらにディープインパクトが来たわ…早速明日から本格的な練習を開始するわと言っても彼女には学園もあるし放課後の練習をこっちでして貰うよう…東条トレーナーにも連絡しなきゃ…」

スズカ「私はもう…リギルじゃないので連絡はしないから!そんな事の為にわざわざ連絡してきたの!?」

サンデー「やはりスズカは手厳しいな、私のトレーニングや東条トレーナーのトレーニングでは馴染めない訳だ…なぁに私が直で連絡を取ったのはディープは有に向けて調整に入ったって事を伝えたくてね連絡事項だよ」

スズカ「大きなお世話です!天皇賞秋同様…先頭の景色は有でも譲りません!」

 

ガチャッ…

 

サンデー「切れたか…」

ディープ「…やはりスズカと」

サンデー「仕方ないさ…元々、彼女の勝ち方に色々とあれやこれやと決めてたのは何を隠そう私だからな。東条トレーナーももう少し独自の練習をさせても良かったのにねぇ…」

ディープ「東条トレーナーさんとはやっぱり付き合い、長いんですか?」

サンデー「私は東条トレーナーのトレーナーとしての教え子でもあるからね」

ディープ「…!サンデーさんって一体…何歳なんですか?失礼ですが」

サンデー「なに!アラフォーってとこさ私と初めてあった時は父親の元リギルトレーナーと一緒によく来てたなぁ…」

ディープ「2…一応計算は合いますね」

サンデー「まぁ、そんな話は良いよな?では!早速トレーニングに移ろうか!」

ディープ「はい!」

 

ところ代わりトレセン学園 スペとスズカの部屋

 

スズカ「ただいま…」

スペ「スズカさん!おかえり…?なさいです」

スズカ「ん…?何かしら?」

スペ「スズカさん…涙目ですよ?」

スズカ「あははっ…目が乾燥しちゃって…」

スペ「違い…ますよね?何かありました?」

スズカ「スペちゃんに…隠し事は出来ないわね」

 

スペ「え!?お母さんからの電話!?あ…会えなくて淋しくなって泣いちゃったって…」

スズカ「スペちゃん…に本当のお母様がいないのは知ってるから言いたく無いんだけど…私は実のお母さんが…嫌いなの」

スペ「嫌い?何でですか?」

 

「ある所にとても走る事の好きなウマ娘が居ました。そのウマ娘をお腹を痛め、産んだ母ウマは中央トレセンで走る夢を叶える為、母ウマはその娘を必死に育て上げ遂に、中央トレセンに入学させる事が出来ました」

 

スズカ「その女の子こそ…私、サイレンススズカ」

 

スペ「スズカさん…いい話じゃないですか、私のもう一人のお母ちゃんみたいで…」

スズカ「スペちゃん…これだけは言わせて!スペちゃんのもう一人のお母様となんてとてもじゃないけど比べちゃ駄目、悪い意味で…」

スペ「悪い意味…?さっきまでの話じゃ…」

スズカ「続き…話すわね」

 

「その女の子は中央トレセンに入学しメイクデビューを迎え勝利するも格上相手には勝てなくなってしまいました。けれどトレーナーさんはその娘を徹底的に管理し自分の指示を絶対に聞くようにと言い聞かせました。それは、女の子の母ウマの指示でもありました。そのウマ娘は大逃げをしたかったようですがさせて貰えずこのままでは…という時に風の噂でここ、中央トレセンに自由なトレーニングを掲げたチームがあると聞きその子はそのチームのトレーナーを探す事にしました。そして、遂にそのチーム【スピカ】のトレーナーにめぐり逢うことが出来たとさ」

 

スペ「大逃げ…スズカさんも大変だったんですねお母さんからも東条トレーナーからも…」

スズカ「…スペちゃんにあんまり言いたく無かったの分かってくれる?」

スペ「ま、私だって走っちゃダメとかごはん食べちゃダメって言われたら…嫌ですもん!そういう…事ですよね!」

 

スペの目は若干潤んでいる

 

スズカ「スペちゃん…」

 

ダキッ…

 

スペ「スズカさん…」

 

スズカ「ごめんなさい…ごめんなさい…こんな、話やっぱりするんじゃ無かったわスペちゃんを悲しませたく無かったのに…」

スペ「大丈夫ですよ…スズカさん!私に本当のお母ちゃんが居なくとも…北海道に居る育てのお母ちゃん、そしてスズカさんが居るので…」

スズカ「こんな…私でいいの…?」

スペ「はい!大丈夫です!…スズカさんこそ泣くのやめて下さいね私…スズカさんを泣かせるのはレースでって決めてるんで」

スズカ「うん…ありがとうスペちゃん…でもね」

スペ「はい」

スズカ「…別に負けても泣かないわよ?」

スペ「スズカさーん!酷いですよ〜」

スズカ「ウフフッ…なーんてね嘘よ負けたら大泣きするかもね」

スペ「泣きじゃくるスズカさん…」

スズカ「スペちゃん…見たいんだ…私の大泣き…」

スペ「うわわ!嘘ですよ!嘘!」

スズカ「ウフフッ…」

スペ「っ!スズカさーん!」

スズカ「さっ!ちょっと位走りましょ!じゃないとディープに有で負けるわ」

スペ「はーい!」

 

こうして二人は残りの休みを練習に費やした



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第12レース 特訓!有馬の奇跡と有マを目指す女王との実戦練習

天皇賞秋から一ヶ月半経過

 

沖野「有記念まで遂にあと少しだ!なので実戦形式の練習をしたいと思う!」

ウオッカ「なんだ!?また、リギルと試合でもするのか!?」

沖野「いや?スピカ内での練習だな」

テイオー「おおっ!もしかして!?」

沖野「テイオー!足の状態は?」

 

テイオー「このとおり〜!テイオーステップ〜!」

 

スタスタスタタッ!

 

マックイーン「復活してますわね!やりましたわねテイオー!」

テイオー「そりゃあマックイーンとこの主治医に毎日のように行ってたもん…辛かったよぉ…マックイーン〜」

マックイーン「…嫌いな事をここまでよく頑張りましたわねテイオー、はちみーで良ければ奢りますわ」

テイオー「わーい!ありがとマックイーン!」

沖野「まあ…良くなったんならいいか!それと…スカーレット」

スカーレット「え?私?有まだ出てないわよ?」

沖野「出たいだろ?」

スカーレット「そりゃあ!出たいに決まってるでしょ!」

沖野「スズカとスペの練習相手として出てくれないか?きっとスカーレットの為にもなると思うぞ」

スカーレット「えぇ!私も是非させて頂くわ!スペ先輩!スズカ先輩!テイオー!練習でも私が一着取りますんで!」

スペ「はい!負けません!」

スズカ「ええ…負けないわ同じ逃げウマ娘としても…絶対に!」

テイオー「有の奇跡を無礼るなよ…!なーんちゃって!でも…負けないぞ〜!」

 

ゴルシ「トレーナー、アタシらは?」

沖野「お前たちも勿論出るだろ?」

ウオッカ「当たり前だな!」

ゴルシ「合点承知の助!」

マックイーン「…」

 

沖野「マックイーン…やっぱりまだ…」

 

マックイーン「主治医曰く…もう少し…らしいですわ…ターフにマックイーン様を必ず!と言ってくださりましたわ…」

沖野「あと少しの辛抱…だな!マックイーンはターフに戻った時の為に見学するように!」

マックイーン「はい」

 

テイオー「見ててマックイーン!復活したボクのテイオーステップを!キミが再びターフを駆ける名優となる為に…」

マックイーン「テイオー、名優って…///はっ…恥ずかしすぎますわ…」

テイオー「にっしし!」

 

トレセン学園内競技場

 

沖野「よーし!ここがスタートであっちのヒシアマゴール板がある所がゴールだ!」

 

マックイーン「わたしくの号砲でスタートですわ〜よーいドン!」

 

パンッ

 

6人は勢いよくスタートした

 

スズカ(2500…私の適性距離から100メートル長い長距離の戦場…けど、負けない!)

 

マックイーン「スズカさんやっぱり先頭ね…テイオー!頑張れ!応援してますわよ!」

 

テイオー(スズカ…やっぱり速いや…抜けるかな…ううん!弱い心じゃ勝てるレースも負けちゃうよね…どんな時も…諦めちゃ駄目だよねだよね…ターボ師匠!)

 

ターボ「へっくしゅん!」

マチタン「風邪?」

ネイチャ「風の子は風邪なんて引かないっしょ〜」

ターボ「テイオーが…走ってる!?」

南坂「確かスピカが…競技場を…」

ターボ「応援!応援しに行っても良い!?」

南坂「…良いでしょう!その代わり明日は練習ですよ?」

ターボ「了解!待っててテイオー!応援するからね!」

 

 

スペ(まずは…スズカさんとテイオーさんとスカーレットさんを様子見…)

スカーレット(これがスズカさんとテイオーの走り!?くっ…速い…でも…負けないんだから!)

 

ターボ「テイオー〜負けるな〜」

テイオー(えっ…!?ターボ師匠!?なんでいるのさ!)

 

ピッーピッピッピ!

 

マックイーン「えっ…鳴り物…?ってあれは!」

 

イクノ「同室に保管されてる鳴り物で応援しなければ!」

マックイーン「ちょっと!イクノさん!」

イクノ「あら、マックイーンさん何でしょう」

マックイーン「それ私の鳴り物じゃなくって!?私に許可をちゃんと…」

イクノ「いえ、これは私の物ですが…ほらマックイーンさんが揃えた方がいいですわと仰って買った…」

マックイーン「…」

ネイチャ「なんで鳴り物なんて持ってるのさ鳴り物って野球の応援?もしかして…」

マックイーン「おーっほほ!野球?なんの事でしょうか…?私何も知りませ」

イクノ「マックイーンさんは阪神ファンです」

マックイーン「ちょっ!?イクノさん!?イクノさん!?寄りにも寄ってマジな奴を…」

ネイチャ「えっ!?マックイーンって野球知ってるの!?あのさ〜商店街のおじさま達と見ると言ったら野球位しかなくてさ…教えてくれない?」

マックイーン「えっ…!?まあ、よろしくってよ…因みにおじさま達は何処の球団を応援してるか分かりますか?」

ネイチャ「千葉ロッテ…」

マックイーン「絶対に教えませんわ!ネイチャ!あなた知ってて…」

ネイチャ「え…なんか急に怒られたんですけど…」

南坂「あっ…33-4」

マックイーン「っ…カノープスのトレーナーさん…?覚悟は良くって?」

南坂「はっ…!申し訳ありませんでした!マックイーン様…」

マックイーン「マックイーン様…きょ、今日の所はゆ、許してあげますわ」

 

スタ…スタ…

 

マックイーン「…沖野トレーナーさん」

沖野「なんだ…?レース中にどこに」

マックイーン「むしゃくしゃしますわ!」

沖野「おいおい…まさか」

マックイーン「パロ・スペシャルですわ!」

沖野「俺全く何もして無いんだが!?これ如何に!?」

 

スペ(なんか騒がしいな)

 

ゴルシ「オラァ〜どいたどいた〜面白くなってきたぜ!」

ウオッカ「錨だ!錨がぐるぐるして…うわはぁ!危ねー」

スカーレット(今のうちに…!)

ウオッカ(あっ…塞がれちまったぜ…)

 

スズカ(先頭の景色…このまま勝つ!)

テイオー(ボクは絶対に諦めない!

絶対に…絶対に!帝王(ぜったい)はボクだぁ!)

 

沖野「ゴール!一着スズカ、二着テイオー、三着スペだ!」

スカーレット「スペ先輩に塞がれた…」

ウオッカ「錨で塞ぐなよ!」

ゴルシ「わりぃ、わりぃ塞いじゃったな!」

 

「実戦方式の練習…良いわね」

沖野「ハナちゃん…来てたのか」

東条「まぁね…うちのディープに勝てるかしらね」

沖野「ちょっと前までディープに勝てとか言ってたのに急に手の平を返してくんのかい?」

東条「…ちょっと昔の知り合いから連絡があってねディープを勝たせたいという内容で」

沖野「知り合い…サンデーサイレンスだろ?そいつ」

東条「っ…!なんでそれを…!」

沖野「スズカから母親から連絡が有ったって聞いたからなでその時にハナちゃんに連絡とかも言ってたからだろうなって思ったからな」

東条「えぇ…そうよディープは今、サイレンス家で特訓してる最中、あなたも分かるでしょ?サイレンス家がどういう家なのか…」

沖野「サイレンス家、当主サンデーサイレンス

海外のレースで勝ち続けある時時日本にやってくるも日本のレースに出るという事は叶わず…彼女はウマ娘のトレーナーとしての活躍する事を選びそれが見事に的中…今やメジロ家、名家と呼ばれる名門さえも脅かす存在となる…はっきり言おう、脅威だなスズカとスペが勝てるのかどうか…」

東条「なによ、えらく弱気じゃない」

沖野「前回の勝利だけでぬか喜びなんて出来ないさあんなの偶然かも知れないしな」

 

次回、決戦!有記念!果たして勝つのは異次元の逃亡者か?日本総大将か?飛翔する末脚か?



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第13レース 翔け抜ける、翼 大地を震わせる衝撃と共に

赤坂「さあ!年末の祭典、有記念!出走するウマ娘達が続々と出てきております!細江さん本日の見所はどこですか?」

細江さん「何と言ってもこのレースでアメリカに旅立つディープインパクトとサイレンススズカ、そしてスペシャルウィークの対決が見どころですね前走の天皇賞秋ではサイレンススズカの見事な逃げ切り勝ちでしたが今回は果たして…誰が一体勝つのか!分かりませんね」

赤坂「その他のウマ娘もエルコンドルパサー、グラスワンダー、ミホノブルボンという濃いメンバーが続々と出走します!」

 

パドック

 

スペ「スズカさん…遂に、有記念ですね!」

スズカ「長距離…走れるかしらね?私最長でも2400…中距離しか走った事ないのよ」

スペ「きっと…走れますよ!スズカさんになら!そして…ディープインパクトにも再び勝てるはず!」

スズカ「えぇ…そうね!スペちゃん!」

 

スタ…スタ…

 

スペ「ディープさん…」

ディープ「私は…二度は負けないぞ…次こそは勝ってやる!この空をも翔ける末脚で!」

スズカ「私達も負けないわ…先頭の景色は譲らないもの!」

スペ「日本総大将の力!見せてあげます!」

ディープ「深い衝撃…ゴール板まで駆け抜けてあげる!」

 

エルコン「アタシ達も負けないデース!」

グラス「以前の有の時のように差し切ってあげますね♪」

ブルボン「長距離も走れるステイヤーである事を証明致します」

 

出走ウマ娘A「あの、ブルボンってさ…ライスちゃんのあれでしょ?ほら…!あれ」

出走ウマ娘B「しっー聞こえちゃうって!」

ブルボン「…」

スペ「ブルボンさん…私、信じてますから!ブルボンさんが理由も無しにライスさんにあんな事をしないって!」

ブルボン「スペシャルウィークさん…別に信じてくれなくとも…私は…」

スズカ「どんな時でも…信じてくれる仲間が居るわ、逃げ切りシスターズのみんなが…他のみなさんも…あなた、逃げ切りシスターズの一員でしょ?」

ブルボン「っ…うぅ…ど、どうしてそこまで私に優しいのですかぁ…私、サイボーグみたいで感情ないって良く言われるのに」

スズカ「フフッ…顔真っ赤にして泣いてるのは何処の誰よブルボン、あなたにもちゃんと感情あるわよ…自分で気付け無いだけで」

ブルボン「気付けて無いだけで…私に感情…?」

「ブルボン?何をしているんだ?こんなパドックで」

ブルボン「お、お父様!?」

「枠番はブルボンが早い、さっさとゲートへ向かいなさい」

ブルボン「は、はい…!では、皆さん悔いの無いように…!」

 

スタタッ

 

ブルボン「スズカさん…!」

スズカ「なにかしら?」

ブルボン「ありがとう…私に感情を思い出してくれて…忘れていたわターフを走る上で一番大事な事を」

スズカ「えぇ!後はターフで決着を決めましょう!」

ブルボン「はい!」

 

赤坂「さぁ!ウマ娘達が続々とゲートへと入っております!」

細江さん「もう間もなく出走…緊張がはしりますね」

赤坂「さあ、前走天皇賞秋では惜しくも3着に喫してしまったディープインパクトのゲートインです!」

細江さん「物凄い気迫が放送席にまで伝わって来てます」

赤坂「ディープ、あなたは異次元を超え14人の頂点をとるのか!?有記念!スタートです!」

 

バンッ

 

ゲートが開き年末の祭典、有記念が始まる。

 

 

赤坂「やはり!サイレンススズカ!長距離でも先頭は譲らないのか!?適正距離の壁は超えられるのか?早くも一番手!その後ろをぴったりミホノブルボンが張り付く!」

細江さん「完全にマークしていますねミホノブルボン、これは気が抜けません」

 

スズカ「それでこそ…本来のあなたよ…でも!先頭の景色は!」

ブルボン「負けませんよ!スズカさん」

 

赤坂「その後ろの集団にはスペシャルウィーク、エルコンドルパサー、グラスワンダーといつものお馴染みライバルウマ娘達がせめぎ合っております」

細江さん「今回は一体誰が先に抜け出すか期待しています!」

赤坂「その後方には今年のオークスを勝ったキラリュティ、桜花賞を勝ったサクラノユメビジンがこちらも凄い剣幕で戦っております!流石2つのクラシックを分けたライバルですね」

細江さん「二人の対決再び見れて嬉しいですね」

 

キラリュティ「桜花賞は譲ったけど…今度は絶対に!」

サクラノユメビジン「オークスの負けを…今、ここで!」

 

赤坂「そして…ディープインパクトは最後方を進む!果たして追込、驚異の末脚が今日も炸裂するのか!?」

細江さん「足の動き、レース運び悪くない動きをしていますレースの結果にも期待です」

 

赤坂「各ウマ娘、一周目のホームストレッチを終え第2コーナーへ!」

 

スズカ「くっ…ペースを考えなきゃ…2500持つか分からないし…!」

ブルボン「スズカさんについてく…いや!スズカさんを越す!」

 

細江さん「ミホノブルボン、サイレンススズカにぴったりくっつきマークしてますね中距離最強ウマ娘と長距離ステイヤーの一騎打ちとなるかも知れませんね」

赤坂「さあ!レースは終盤に差し掛かりました先頭は…あっ」

 

ディープ(このレースを逃したら…次にスズカ、スペシャルウィークと戦えるのは何年後になるか分からない…だったら!やるべき事はただ一つ! 誰よりも先にゴール板を踏むことだ!)

 

「私は、翔るぞ!この脚で誰よりも先に…」

 

ググッ…

 

「ゴールしてみせる!」

 

ディープ「覚悟はいいか…サイレンススズカ!」

 

【翔け抜けよう!空高く!これが…私の!衝撃だ!】

 

赤坂「ここで!ここで!4番ディープインパクトがすっーと上がってきた物凄い脚だ!あっと言う間に最後方から4番手まで!3番手スペシャルウィーク、2番手ミホノブルボン!ブルボン、少し掛かり気味か?」

 

ブルボン「くっ…ここで掛かりが…!」

 

赤坂「外から!外から!ディープインパクトだ!交わした、交わした!間違いなく飛んだ、間違いなく飛んだ!ミホノブルボンをあっと言う間に交わしサイレンススズカと共に最後の直線へ!中山の直線は短いぞ!」

 

沖野「いけ…スズカ!天皇賞秋(あの時)のように!」

 

スズカ「負けないわ…絶対に!」

 

【逃亡者】

 

ディープ「もう…負けない!君の異次元を超えてみせる!」

 

赤坂「ここで!ディープインパクト追撃!完全にサイレンススズカを捉えた!勝つのは異次元か!?衝撃か!?レースは残り200を切りました!」

 

スズカ「これが、私の!」

 

【全身全霊】

 

ディープ「これが、私の!」

 

深い衝撃(ディープインパクト)

 

二人「全力だ!」

 

赤坂「両者更に加速!お互い一歩たりとも譲りません!残り100メートル!両者!譲らない!譲らない!勝つのは異次元か!?衝撃か!?どっちだ!」

 

ほぼ、二人同時にゴール板を過ぎた

 

赤坂「サイレンススズカとディープインパクト、ほぼ同時にゴール!3着スペシャルウィーク健闘しました!4着エルコンドルパサー5着グラスワンダー」

 

細江さん「掲示板1、2着に写真判定のランプが点灯しました。まだ、どちらが勝ったか分かりませんね」

 

スズカ「はぁ…はぁ…写真判定…!?」

ディープ「着差を離すつもりが…狂ったわ流石、スズカね」

スズカ「あなたには…負けないもの!」

 

観客A「ディープインパクト…最後で最高の衝撃を見せてくれたな第4コーナー本当に飛んでるように抜いていった…」

観客B「4コーナーで先頭まで進出してそこから末脚を炸裂させゴール…彼女こそ、勝利に最も近いウマ娘では無かろうか?」

 

 

アナウンス「お知らせします。中山競場第11レース 有記念につきまして写真判定の結果が出ましたのでお知らせします」

 

沖野「どっちだ…!」

 

スピカの面々はスズカの先着を祈る

 

リギルの面々はディープの先着を祈る

 

アナウンス「4番ディープインパクト、一着、二着ハナ差サイレンススズカ三着、1/2身スペシャルウィーク四着1身エルコンドルパサー、五着クビ差グラスワンダーで確定致しました」

 

中山競場 第11レース 有記念はディープインパクトの優勝で幕を下ろした。

 

スズカとスペはこの後行われるウイニングライブの為、控室に向かっている。

 

「スズカ…!」

と彼女を呼び止める声が聞こえてきた。

 

スズカ「お母さん…」

サンデー「スズカ…」

スペ「…近寄らないでくれませんか!?」

サンデー「あなたは…スペシャルウィークね?なぜかしら?」

スペ「スズカさんを…泣かせた事、スズカさんの気持ちを無視した作戦指示…1ウマ娘として!スズカさんの親友として!チームの仲間として!私はあなたを許しません!絶対に!」

 

サンデー「えぇ…許してもらおうなんて思ってないわ、スズカの気持ちを考えていなかったのは私だものね…怒られて当然だわ」

スペ「そうそう!って!?自覚してたんですか!?」

スズカ「スペちゃん…」

サンデー「ディープに言われるまで…ずっと誤解してた」

 

回想

 

記念で優勝する為の特訓中

 

ディープ「でも…幾ら特訓を積んでもスズカは驚異です彼女に勝てるなんて…本当にあるのかってレベルだと思います」

サンデー「ほぉ…偉くネガティブ思考だね3冠ウマ娘である君なら私の娘スズカにだって勝つことは出来るだろ?確かにバレンタインステークス以降の6連勝、そして選手生命を絶たれる寸前まで陥った天皇賞秋、そしてそこからの復活…は驚異ではあると思うが、しかし今の君なら…」

ディープ「バレンタインステークスから何故破竹の6連勝する事が出来たか分かりませんか?」

サンデー「うーん…?なぜだ?」

ディープ「バレンタインステークスから彼女はスピカ所属となりトレーナーも沖野トレーナーとなったんですよ?」

サンデー「確かにスピカや沖野君は素晴らしいウマ娘達とチームだとは思うが…彼女に素質があったという話なら知ってるよ?かなり記事やらネットやらで話題になっていたそうだ…いくらリギルの東条トレーナーが悪くともだ、リギルは学園1の実力を誇るチームだぞ…?」

ディープ「そのトレーナーの指示が足枷になってるんですよ…やっぱり分かってないんですね」

サンデー「ん…因みに何が分かっていないと君は思うんだい?」

ディープ「彼女の…サイレンススズカの脚質です」

サンデー「それは簡単だ逃げウマ娘だね」

ディープ「違います!大逃げのウマ娘です!ツインターボ…居るじゃないですかあの子のような…いえ!あれ以上に逃げる事の出来るウマ娘です!」

サンデー「確かに…スズカがトレセン学園に入学した当時小学生ウマ娘選手権で大逃げをしていたツインターボは知っていますが…ツインターボ、彼女は結局は失速して…七夕賞とオールカマーは見事ですが…必勝法では…」

ディープ「スズカなら…金鱗賞、毎日王冠で私はスズカの大逃げは完成したと思います」

サンデー「つまりは…クラシック戦線の頃は我々の作戦ミスで敗北したと?」

ディープ「はい」

サンデー「そんなの…そうとも限らない、素質があったとしても

そういう話はたらればに過ぎない」

ディープ「…」

サンデー「と、切り捨ててしまえばそこまでだが…私もスズカに勝ってほしかったな…なるほどねディープ、君は見抜いて居たのか…スズカの素質を」

ディープ「いえ…違いますその素質に気づいた人こそスピカトレーナー沖野さんです」

サンデー「なるほどね…」

 

地下通路

 

サンデー「スズカ…あなた…最初から最後まで逃げて逃げて何処までも先頭で逃げ切りたかったのね」

スズカ「うっ…ぐすっ…や…や、やっと気づいて…気づいてくれた…お母さんの…ばか…」

サンデー「ごめんなさい…スズカ、あなたの気持ちにあなたの願いを何も分かっていなかったわ…」

 

ギュッ…

 

スズカ「こ、これからは…見に来て下さい私の走りを」

サンデー「ずっと見ていますよあなたの走ったレースはこれからは応援しに競場へ参りますね」

スズカ「はい…!」

 

スペ「あっ…あれ?なんでだろ…急に涙が…」

サンデー「スペシャルウィーク、あなたの本当の母に私も会ったことがあるわ」

スペ「えっ!?本当ですか?」

サンデー「えぇ…育ての母にも会いましたねあなたは本当の母親の名前、知っていますか?」

スペ「あ…それが育てのお母ちゃんから教えて貰ってなくて…」

スズカ「うそ…そうなの?」

サンデー「あの娘とあなたの育ての母はとても仲が良かったみたいね…未だに辛いんだわ失った事が」

スペ「名前…何なんですか?」

 

 

 

 

その頃、北海道では

 

スペ母「あんたの娘、スペシャルウィークは今年の有記念も走ったぞ!今年はグラスワンダーを超えて三着だ!勝てなかったのは…悔しいけどスペシャルウィークが今年も走ってくれている事が大事だと私は思うよ…あんたの血が入った子供だもん…な…キャぺちゃん…やっぱり伝えた方が良いんだろうか…あんたの名前…」

 

 

 

スペシャルウィーク。彼女をお腹を痛めて産んだ本当の母親

キャンペンガール

今も何処かで見守っているのだろうスペシャルウィーク達ウマ娘達の活躍を…どこかで

 

 

数日後

 

スズカ「もう…行ってしまうの?折角なら年を越してから…」

ディープ「荷物持っていくし大掃除も無いから別に良いんじゃないかなってね」

スペ「寂しくなりますね…」

ディープ「良かったねスペ…お母さんの名前を知れて」

スペ「はい!以外とカワイイ名前でしたね!」

ディープ「フフッ…じゃあ、そろそろ行くね…」

スズカ「いってらっしゃい…アメリカでもがんばって!」

スペ「人参送りますからね〜」

ディープ「うん…」

 

ディープは学園を出て東京競場前駅方面へと歩みを進めようとすると後ろから声がした。

 

ディープ「リギルのみなさん…」

 

ルドルフ「トレセン学園はいつでも君の帰りを待っているぞ」

エアグルーヴ「会長…!コホン!会長の言う通りだ待ってるからな帰り…」

ブライアン「さぁ行け…本場のハンバーガーは美味いぞ食ってこい。土産話を待っているぞ」

フジキセキ「キミが門限破った話は内緒にしておくよ…アメリカでも輝き続けなよ!」

ヒシアマゾン「ここがゴールじゃねーぞ?ここからがスタートだかんな!って…また、ゴールかよ!?なんでだ〜!」

テイエム「君は僕の認めたアメリカへ向かう騎士だ!誠意ある行動で勝ち進めたまえ」

タイキ「英語で困ったらいつでも電話かけてクダサイ!」

エルコンドルパサー「私もタイキさんに同じくデース!電話かけたら答えるデース」

グラス「また、再会できる日を…武運長久をお祈り致します」

 

東条「次は本気でチームリギル全員と戦って貰うから早めに帰ってきなさい、待ってる…わ」

ディープ「分かり…ました!いつか必ず戻ります…」

 

そう言いディープはトレセン学園を後にする。

 

 

数カ月後

 

2月14日

 

東京競

 

赤坂「さぁ!今年も始まりました!バレンタインステークス今年は一体どのウマ娘が勝利の栄光(バレンタインチョコレート)を受け取るのか!?」 

 

スズカ「スペちゃん…覚えてる?私とあなたが初めてあった日を」

スペ「えへへ…忘れる訳が無いじゃないですか!」

 

そう、今日という日はサイレンススズカとスペシャルウィークが初めてあった日なのである

 

スズカ「あの日から…もう、何年も経っているわね」

スペ「色々ありましたね…スズカさんが6連勝したり」

スズカ「スペちゃんが日本ダービーを制したり」

スペ「悲劇に見舞われてもそこから復活したり…」

スズカ「復活した後に…日本の総大将が名高き海外ウマ娘を制しジャパンカップを優勝したり…」

 

スペ「思い出すだけで楽しかったですね」

スズカ「そうね…って何勝手に終わろうとしてるのよまだ、やっていない事多すぎよ!海外のG1だって制覇したいわ」

スペ「えぇ!スズカさんまた、海外へ!?」

スズカ「スペちゃん…今度はあなたも一緒に行くのよ日本代表として」

スペ「そっか…海外でも勝てるようにまた、特訓ですね!」

スズカ「えぇ…!」

 

位置について〜

 

赤坂「さぁ!バレンタインステークス

 

よーいドーン!

 

スタート!」

 

うーーーー(うまだっち)

うーーー(うまぴょい うまぴょい)

うーー(すきだっち) うーー(うまぽい)

うまうまうみゃうみゃ 3 2 1 Fight!!

 

 

おひさまぱっぱか快晴レース(はいっ)

ちょこちょこなにげに(そーわっ So What)

第一第二第三しーごー(だんだんだんだん出番が近づき)

めんたまギラギラ出走でーす(はいっ!)

今日もめちゃめちゃはちゃめちゃだっ(ちゃー!)

がち追い込み(糖質カット)

コメくいてー(でもやせたーい!)

あのこは(ワッフォー)そのこは(ベイゴー)

どいつもこいつも あらら(リバンドー)

泣かないで(はいっ) 拭くんぢゃねー(おいっ)

あかちん塗っても(なおらないっ)(はーっ?)

 

 

きょうの勝利の女神は

あたしだけにチュゥする

虹のかなたへゆこう

風を切って 大地けって

きみのなかに 光ともす

(どーきどきどきどきどきどきどきどき)

 

 

きみの愛馬が!

ずきゅんどきゅん 走り出しー(ふっふー)

ばきゅんぶきゅん かけてーゆーくーよー

こんなーレースーはー はーじめてー(3 2 1 Fight!!)

ずきゅんどきゅん 胸が鳴り(ふっふー)

ばきゅんぶきゅん だいすーきーだーよー

今日もーかなでーるー

はぴはぴ だーりん 3 2 1 Go Fight

うぴうぴ はにー 3 2 1(うーーFight!!)




第一章 先頭の景色、その先へ 完結!

次なる第二章の幕開け

一章の裏で起きていたミホノブルボンとライスシャワーの確執と秋川理事長と話していた謎の人物。果たしてその正体とは…

次章 第二章 君と貴方に勝利の祝福を

二人は二人の思いは断ち切れてしまうのか…


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第二章 君と貴方に勝利の祝福を
第14レース ミホノブルボンとライスシャワー


時系列は一章第8レース 京都大賞典終了後へ遡る

 

ライス「ブルボンさん…どこなの?おかしいな

ブルボンさん、私の走るレースは全て見に来てくれるって言ってくれたのに…」

ライスのトレーナー「ライス〜帰るわよ〜!」

ライス(お姉様が呼んでる…行かなきゃ!ごめんねブルボンさん…ライス、見つけられなかったよ)

 

それもそのはずである、何故ならブルボンは京都には来ていないのだから

 

ブルボン「ライスさん…」

 

グッ!

 

ブルボンは顎をグイッと掴まれ引き寄せられた。

 

「また…ライスシャワー、ライスシャワーかね?ブルボン、君は菊花賞で彼女に負けた事は悔しく無いのか!?」

ブルボン「悔しい…敗北してそのような感情を知れました、今の私の状態は悔しい状態かと」

「悔しいのなら…何をすべきかわかっておろう?」

ブルボン「目標、再呼称…何としてでもライスシャワーに勝利し菊花賞の屈辱を晴らせですね」

「そうだ…!その為に君はターフを走っていると言っても過言では無い」

 

ブルボン(そんな物の為に、私は走っている…?)

 

ある日の回想

 

ライス「ライスはヒールなんかじゃない…ライスを応援してくれるみんなのヒーローなんだってブルボンさんが教えてくれたんだよ?」

 

ブルボン(3冠ウマ娘になる事だけが全てじゃない…誰かの祝福を祈り、自分自身の勝利は祝福されぬとしてもいつか歓喜と祝福溢れるレースが自分の元にも訪れると夢見るウマ娘だっている…私だってそんなレースをしてみたい…)

 

「ブルボン…東京競場にステイヤーチャレンジステークスなるものが創設される」

ブルボン「はい!」

「URAの会長から是非ともブルボンとライスシャワーを特別出走させようとの話があった。ブルボン、お前はどうだ?出るか?」

ブルボン「ご命令とあらば」

「分かった、ライスシャワーのトレーナーには伝えておこう」

 

数日後、東京競

 

ライス「あっ…!ブルボンさん!久しぶり、探したんだよ?教室に行ってもいつも居ないし…」

ブルボン「学業以外の時は多少の時間なれど走りに行ってますからね」

ライス「…あのさっ、この前の話って」

ブルボン「ライスさん、今はレース前ですよ…話なんてやめましょう」

ライス「あっ!そうだよね…レースが終わったらだよね!ごめんねブルボンさん」

 

と言うとライスは逃げるように前へ進んだ

 

ライス「うん…ライス頑張るね、頑張るよブルボンさん」

 

ライスのトレーナー「どうも…」

黒沼「あんたか、いいのか俺は曲がりなりにもライバルのトレーナーだぞ?」

ライスのトレーナー「今回のレースの件、あなたの差金?」

黒沼「俺じゃない、1トレーナーの分際でレースの出走者をイジれる程、トレーナーに力は無いの知ってるだろ?」

ライスのトレーナー「何かしらの巨大な力が動いてるって事で良いのね?」

黒沼「あぁ…レース関係はURAが絡んでる…同時にかなりの権力を持ってる奴だ」

ライスのトレーナー「かなりの権力を持つURA関係者という事は…ブルボンとライスの件ね…ライスで本当に大丈夫なの?彼女一度レースに出ないと言ってきた事もあったのよ」

黒沼「正直、酷かも知れぬが…彼女の同意も得た、後はあんたの許可だけだ」

ライスのトレーナー「分かったわ…」

 

赤坂「さあ、新たなレースがここ東京競場で開催されます。ステイヤーチャレンジステークス!その初開催記念としまして特別な出走者が名を連ねています!メジロマックイーンの天皇賞春三連覇を、ミホノブルボンの3冠を阻止した名ステイヤーライスシャワー!そして対するは3冠を阻止され自身はその後の怪我により療養していたミホノブルボン!ミホノブルボン本日、レース復帰です!復帰、初戦でライスシャワーを打ち破る事が出来るのでしょうか!」

細江さん「ライスシャワーとミホノブルボンの決戦となる事が予想されます。両者ともに良いレースをして貰いたいです。」

赤坂「そうですね!さぁ、ライスシャワーが現れた!実況席からもよく見えるぞ淀の鬼が宿りしその身体!」

 

観客A「でもよ…オールカマーでツインターボに負けただろ?どうなってんだよな…たくっ…外しやがって!」

観客B「まぁ、オールカマーは仕方ねぇよ、ツインターボの作戦というかどうせ逆噴射するだろうと思い込んじまったんだよ…」

観客C「今回こそは勝てるさ!淀では無いが距離は長距離だ!」

 

その頃、同競場VIPルーム

 

東条「こちらお飲み物でございます」

「どうも…で?どうですかね?ミホノブルボン、ライスシャワーを倒せますかな?」

「あの黒沼君の元でかなり仕上げたと聞く、見事に菊花賞の屈辱を晴らしてくれるだろう」

「ははは…ですな」

 

東条「沖野、ちょっと…」

沖野「ああ…」

 

沖野と東条はVIPルームより出て近くの給湯室に入った

 

東条「聞いてた…?VIP連中はやはりブルボンに勝ってもらいたい」

沖野「3冠を阻止され、それを見事に今回打ち破ればドラマになるからなライスには悪いが彼等が欲しいのは名誉と金だ俺達は所詮彼等にとって金を得る為の道具にすぎない」

東条「…私達、必死になってウマ娘を育てているのにね」

沖野「俺達の頑張りはきっと、誰かが評価してくれるさ励ましの声や応援メッセージとか色んな形でな」

東条「そうね…改めて言うわスズカ、頼むわよ?ディープとの決戦があるんだし」

沖野「おう!天皇賞秋、勝ってみせるさ…ところでさ」

東条「なに?」

沖野「なんで俺たちがお茶出ししなきゃいけないんだよ!」

東条「知らないわよ!私が聞きたいわ」

 

沖野達がVIPルームに戻ると丁度レースが始まった所だった

 

赤坂「ステイヤーチャレンジステークス!今、スタート各ウマ娘達はまずまずの滑り出しかミホノブルボン、ミホノブルボンが先頭を進むライスは中盤で先頭集団を伺う

各ウマ娘達が一周目のスタンド前を走っております。ご覧くださいオープンとは思えぬ大盛りあがりです」

 

VIPルームでも歓声上げる人たちが出ている

 

「ブルボンよし!先頭だ!このまま押し切ってくれれば…」

「いけ!ブルボン!あの時の屈辱を晴らす時だぞ」

沖野「…ライスとブルボン、勝つのはどっちだ!」

東条「走りなさい…悔いの残らぬように駆け抜けて!」

 

赤坂「さあ、大欅の向こうを進みレースはいよいよ終盤へ!先頭はミホノブルボン、そして外からライスシャワー上がってきた、上がってきた!やはりこの二人のマッチレースとなるのか!残り200!ミホノブルボン先頭だしかし後ろからライスシャワーが迫る迫る!しかし、ミホノブルボン抜けた抜けた!今…!ゴール

一着…ミホノブルボン!2着ライスシャワー3着には名古屋競場所属ハシルンデス」

 

東京競場に物凄い歓声が響き渡った

 

「よしっ!見事なレースでしたね…」

「ええ…新たな歴史の1ページを見れましたね」

 

とここでVIPの一人が立ち上がった。

 

沖野「どちらへ?」

「ああ…メインレースも終わったし何か食べ物が欲しくてね」

沖野「よろしければ…私が買いに伺いますが…」

「いやいや、いいよ私一人で…どんな物が売られているか気になるしね」

沖野「左様ですか」

 

その男性は階段の方へと歩いて行ったエレベーターがあるのにも関わらず 

 

「順調にな…」

記者「分かりました…必ずやあなたの望む通りに」

 

レース終了後地下通路

 

ライス「ブルボンさん…」

ブルボン「ライス…」

ライス「ブルボンさん、優勝おめでとうライスも今度は負けないから…」

ブルボン「ええ…そうですか」

ライス「ブルボンさん…?体調悪い?大丈夫?」

ブルボン「あなたは…負けたのに次を考えれるんですね」

ライス「えっ…?それってどういう…事?」

 

記者「よし…撮影開始だな」

 

ブルボン「そのままの意味です…あなたは負けても何も…何も…しなくて良いのですね!」

ライス「負けたのは悔しいけど…負けた事はもう変わらないんだから…ライスは受け入れるよブルボンさんの勝利を祝福出来るよ」

ブルボン「ライス…」

ライス「ブルボンさん…何か辛い事でもあったの?安心してブルボンさん、誰かがブルボンさんを傷つけても…ライスだけは…!」

 

キラッ何かの光が光ったのをライスは見逃さなかった。

 

ライス「まって!」

 

記者「私は…偶然ここを通りかかり…」

ライス「お兄さん、記者の方でしょ?」

記者「はい…道に迷いまして」

ライス「なんでスマートフォンを横向きに持ってたの?普通は縦で持たない?特にマップを見たりする時は」

記者「い…いやその…」

ライス「とぼけないで!また、そうやって私を貶めようとしてるの!?なんで…なんで…ブルボンさんやマックイーンさんに勝ったからって…」

記者「どうするんですか!ブルボンさん」

 

ライス「え…?え?ブルボンさん…?そんなの嘘だよね」

ブルボン「ごめんなさい…ごめんなさい…」

ライス「…ブルボンさんに嵌められちゃってたね」

ブルボン「ごめんなさい…」

ライス「謝らないで…謝らないで良いからもう二度とライスに関わらないで…ブルボンさん…最低だよ」

 

記者「あの…私は…?」

 

ピシッ…

 

記者「ひっ!ナイフが…」

ライス「あなたも同罪!二度と変な記事書かないで」

記者「分りました…」

 

こうしてブルボンとライスは確執を起こした。宿命の血がまた一段と光り輝くとでも言うのか



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第15レース トレセンにやってきた来訪者

トレセン学園 美浦寮

 

ロブロイ「ライスさん、おかえりなさい今日は残念でしたけど次は…ってライスさん!?」

ライス「うっ…うううっ…」

ロブロイ「ま、まさか…ブルボンさんに何か言われて…」

ライス「ん…ロブロイさんには教えるけど、誤解しないで」

ロブロイ「はい…?」

 

ロブロイ「なるほど…そんな事がブルボンさんに」

ライス「うん…だからね?」

ロブロイ「内緒…ですね!了解です」

ライス「…お風呂行ってくるね」

ロブロイ「はい!行ってらっしゃい」

 

ロブロイ(どんな理由があろうとも…ライスさんにライスさんの勝利を否定した人達を相手にさせるなんて…酷いですよブルボンさん…)

 

都内 某飲食店

 

「ブルボンよ、今日のレースは見事であった早速料理を頂こうとしようか」

ブルボン「はい…」

「どうした?キミの好きな特上にんじんハンバーグだぞ?食べないのか?」

ブルボン「いえ…食べます」

ウエイトレス「お口に合いませんでしたか?美浦様」

美浦「いえいえ、大丈夫ですブルボンが食べなければ私が食べますよ」

ウエイトレス「そうですか、失礼します」

ブルボン「食べますね」

美浦「そうか…」

ブルボン(あの記者は恐らくあなたの差金…ライスさんと私をそんなに離したいんですか、お父様…)

 

数日後

 

スピカ部室

 

「この前のステイヤーチャレンジステークスは激戦となりましたね細江さん」

「はい、何と言ってもライスシャワーvsミホノブルボンの菊花賞以来の再戦が、新規開設記念で実施されブルボンの勝利で終わりレースは良かったですねしかし、レースは家に帰るまでがレースなのですから気を抜いてはいけないですね」

 

「ほ…細江さん!?その話は…そのえっと、有り難いんですけど」

 

 

ゴルシ「なんだ?なんだ?この前のレースで何かあったのか…?そーいやトレーナーは人居ねぇからレース場行ってたんだろ?なんか知ってっか?」

 

沖野「なんか二人が喧嘩したとかどうかとか聞いたな」

 

ゴルシ「あの…二人が喧嘩!?何があったんだよ…前まで無茶苦茶仲良かったじゃんかよ」

 

マックイーン「えぇ…なのにおかしいですわね」

 

テイオー「何かあったのかな…ブルボンとライスに…」

 

沖野「…オレたちがここで言い合っても何も始まらない。その話は練習が終わったらゆっくりしようか…」

 

スペ「ですね!」

 

スズカ「天皇賞秋まであと少しですし!」

 

 

 

ピンポンパンポーン

 

 「チームスピカ トレーナーさんトレーナーさん、チームリギルトレーナー東条さん、東条さん、理事長がお呼びです。

 

至急、理事長室までお越しください」

 

沖野「呼び出し?」

 

ゴルシ「…あれほど、外でウマ娘のトモ触るじゃねぇーって言っただろ〜!?」

 

テイオー「捕まっちゃうんだねトレーナー」

 

マックイーン「釈放…考えておきます一旦メジロ家で話し合いしますわ」

 

ウオッカ「マジかよ…」

 

スカーレット「…信じてますから」

 

スペ「捕まっても仕方無いですよ…セクハラです!」

 

スズカ「トレーナーさん…」

 

沖野「誤解だ!俺は何もしちゃいねーぞ!」

 

ゴルシ「本当か〜?ちなみにこの後の練習はいつも通りでいいよな?」

 

沖野「本当だ!信じろ!…練習はいつも通りで良いぞ。呼ばれてるし早速行くからな」

 

ガチャッ

 

沖野が理事長室に向けて歩くと東条が近くで待っていた。

 

東条「沖野…呼び出しってまさかこの前の…?」

 

沖野「かもな、この前の爺さんやっぱそれなりのお偉いさんかな?」

 

東条「大丈夫なの!?」

 

沖野「なーに!何かあっても俺が責任取るわ」

 

東条「沖野…」

 

沖野「失礼します。沖野です」

 

秋川理事長「うむ…どうぞ」

 

美浦「こんばんは、沖野トレーナーさん」

 

沖野「あっ!この前のレースでVIP席にいらっしゃった方ですねお久しぶりです沖野と申します〜」

東条「はぁ…偉く下からね」

沖野「し…仕方ねぇだろ!」

美浦「お久しぶりですねどうぞ、座って」

沖野「はい」

 

沖野(秋川理事長にたづなさんそれに生徒会長、副会長のエアグルーヴとナリタブライアンまで居るのか…結構大事だな)

 

秋川理事長「美浦様、お話とは?」

沖野「みほ?失礼ですがもしかして?」

美浦「ええ…私はミホノブルボンの父親でございます」

沖野「そうですか...因みにブルボンさんは何で美浦寮じゃ無いんですか?」

美浦「何故でしょうね…それはブルボンや学園に聞いてくださいよ」

エアグルーヴ「あの…本題に入ってくれませんか?」

 

美浦「時に…ステイヤーチャレンジステークス終了後の地下通路でライスシャワーが腰に携行している刀剣で記者を脅した件はご存知ですかね?」

東条「っ…喧嘩の件?でもそこには記者を脅した件など無かった筈だけど」

美浦「恐らくは我々絡みの件ですからねぇ...後々、面倒な事になるのを恐れていて…報道しない自由でも使ったのでは?」

沖野「我々…とは?」

美浦「私はURA理事会幹事長の美浦と申します」

沖野「理事会幹事長…理事会のまとめ役か…」

東条「ライスシャワーの件、そんなに大事なのね」

美浦「銃刀法違反、強要…これらは法律に反する行為です。警察が動く案件です」

秋川「記者に怪我は?」

美浦「抜刀して剣を向けられただけのようですね」

エアグルーヴ「あの剣は…あくまでも装飾用、殺傷能力は無いはずですが…」

ルドルフ「強要の件だが…ライスは一体何を記者に対して強要したんだ?記者が何か言ったのか?取材は確か嫌いだった。何故かは知らないが」

 

美浦「確かに記者が取材をし、報道の元を作るが彼ら一人で記事を作るわけでは無いだろう?社の方針、スポンサーの意向や世論の推移で報道は作られる。ライスシャワーのミホノブルボン三冠阻止、メジロマックイーンの天皇賞春三連覇阻止後、彼女は悪役ヒール、関東の黒い刺客として報道。それこそお上の意向とやらだ」

 

秋川「機嫌取りに付き合ってる暇は無いな」

たづな「はい…ですねって…はい!?」

秋川「美浦幹事長、言わせて頂くがライスシャワー、あなたはどう思っているんだ?」

美浦「三冠ウマ娘目前のブルボンや三連覇直前のマックイーンを超えた名ステイヤーの一員だと…」

秋川「彼女を塞ぎ込ましたのは誰だ?菊花賞の直後、忘れもしないぞ勝者を祝福する声や称える拍手が一切無いのを。天皇賞春後は祝福や称える拍手があったとしてもだそれでも少なかった…」

美浦「それは観客の話でしょう?報道はしっかりと…」

秋川「では、ライスシャワーを悪役、ヒール、関東の黒い刺客として扱ったのは何処のどいつだ!?完全に煽りだろ?それに対してURAが反応することは無し…結局、祝福なんてしていない、報道関係者の自己満に過ぎない…一番彼女が欲しいのは彼女が心の底から喜ぶ祝福、それだけだ幾度も無く私は

 

にて、一着になったウマ娘を素直に喜べない者に競を語る資格無し

 

という言葉を思い出す」

美浦「…確かにそのように報道されてましたね」

秋川「本題に入ってくれないか?何かあるから来たんだろ?」

美浦「理事長、ライスシャワーのやった銃刀法違反、強要に付いて注意だけでは世間から何と言われるか分かったもんじゃない

なので…約半年、レース出走禁止処分が妥当かと」

秋川「ライスシャワーのレース出走を辞めさせたいのが目的だったか!拒否しよう!美浦よ!いくら身内が負けたからといってもライスシャワーの勝利を祝福しないなんて言語道断だぞ!ここに来たのはライスシャワーを辞めさせる為に来たのだろ!?」

美浦「私だけの一存で決まる訳が無いじゃないですか、これはURA理事会の総意に基づく事でして…私の独断では決してありません」

秋川「腐ってるな…」

美浦「秋川中央トレセン学園理事長…私達の下した決定に背くそのような事であるならばあなたの進退にも関わって来ますよ」

秋川「問題無しっ!私の首一つでウマ娘が救えるなら私は迷わない!辞めてでもウマ娘を救い、彼女達に示しを示す、彼女達は生まれながら走る宿命を背負った存在だからな」

美浦「…取り敢えず理事会が動いてます、ライスシャワーの半年間の出走禁止処分に変わりは無いかと」

エアグルーヴ「ぐっ…卑怯者らが…!」

ルドルフ「エアグルーヴ…抑えろ我慢だ」

エアグルーヴ「しかし会長!」

美浦「悪口も構いませんが、あなた達がレースに出れてレースを走る事が出来るのは我々URAや人間のお陰であるのをお忘れなく…」

 

そう言い、美浦幹事長は理事長室を出ていった。

 

ナリブ「全く…人間様はお得意なセリフばかりを吐きやがる…!反吐が出るな」

ルドルフ「あぁ…理事長、この件は生徒会が独自に動くそれでも構わないか?」

秋川「あぁ…私に出来る事は限られる。ウマ娘の君達が動くのは有り難い…しかし、無理はするな!約束だぞ!」

ルドルフ「はい…」

沖野「理事長…」

秋川「なんだ?」

沖野「なんで俺達呼ばれたんですか?」

秋川「君達が会っていたと聞いたから呼んだまでだな!それが何か?」

沖野「いえ別に…」

 

所変わりとあるバー

 

沖野「ハナちゃんはどうするんだ?」

東条「どうって…生徒会の彼女達と同意見よ彼女達、うちのチーム所属よもし、あなたのスピカが同じ事を言ったら沖野も私と同じ事を言うはずよ」

沖野「確かにな…あいつらが決めた事に対して口出しなんてしないだろうな寧ろ応援するし、力だって貸す」

東条「沖野…今回の件かなりの大事になるわよ…」

沖野「ハナちゃんが困っていても、力を貸すさ…!」

東条「沖野…あなた…」

沖野「食事代を払って頂けると助かります」

東条「そんな事だろうと思ってたわよ!!!!」

 

次回に続く



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第16レース 隠しごと

トレセン学園の掲示板近く

 

ウマ娘A「えっ…!?ライスちゃんレースに出れないの!?ブルボンと喧嘩したから?」

ウマ娘B「ブルボンのお父さん…知ってる?URAのお偉いさんなんだって!」

ウマ娘C「って事はお父さんにチクったの?サイテーじゃんブルボンって」

 

ヒシアマゾン「お前ら〜!掲示板前に溜まるなっていつも言ってるだろ!見たらさっさとどきな!」

 

掲示板近くに溜まっていたウマ娘達は足速に何処かへかけていった。

 

ヒシアマゾン「ライス…」

 

回想

 

ルドルフ「ライスの件は以上が理由である。この事案の詳細は我々生徒会及び各寮長にのみに伝える、よって一般生徒諸君らへは伏せるように」

 

ヒシアマゾン「隠しごと…か出来るかなぁ…?」

マヤノ「ヒシアマゾンさーん何か悩み事?相談に乗るよ!」

ヒシアマゾン「悩み事なんかねぇよ…はいはい!教室に戻った!戻った!って!お前は高等部生じゃ無いだろ!何してんだ?こんな所で」

マヤノ「はーいびゅーって走って戻るね!」

ヒシアマゾン「気をつけてな〜さてあたしも寮の掃除でもしてくるか!」

 

ライアン「ライスちゃん…」

パーマ「大丈夫…?」

ヘリオス「大丈夫そ?」

 

ライス「みんな…来てくれたんだありがとう」

 

ライアン「そりゃ、同じ高等部なんだし同じウマ娘同士だしね!」

パーマ「何かあったら手助けが出来るかもって思って…うちらメジロ家だし」

ヘリオス「パマちんに同じく〜♪お助け一回いっとく?」

 

ライス「そっか…メジロ家、メジロ家あそこなら良いかも」

 

ライアン「メジロ家なら良いかも?そりゃうちは競界でも名門と呼ばれる一家だしね!」

パーマ「おばあ様に連絡しとくね〜」

ヘリオス「メジロ家〜マジ、パない!」

 

ライス「なら…もう一つお願い聞いてくれる?」

 

数時間後

 

マックイーン「ライスさん、おばあ様に会われますのね」

ライス「うん、ありがとうマックイーンさん」

マックイーン「でも…謎ですわ、私が付いてく理由は?」

ライス「マックイーンさんってメジロ家の期待の星なんでしょ?」

マックイーン「パーマやライアンにドーベルその他にも期待の星と呼ばれるメジロ家のウマ娘は居ますわ何か理由があって私を指名したのでしょ?」

ライス「特に無いけど…」

マックイーン「まぁ、それはそれで良いですわ…

生徒会や学園が隠してる件、あなた当事者だし何か知ってますわね?」

ライス「それはメジロのおばあ様にお話します」

マックイーン「そうですの、じいや?行き先をトレセンへ」

じいや「お戻りに?」

ライス「マックイーンさんになら話してもいいかな…信用出来るし、その変わり誰にも言ったら駄目だからね」

 

ライス「ライスね…ブルボンさんと喧嘩なんてして無いよ」

マックイーン「はい…?学園や生徒会ましてやURAまで動いているのでしょ!?あなた達…嘘って嘘でしたで済まされませんわよそんなの!」

ライス「なんでそんな嘘ついてるか知ってる?ブルボンさんお父さまに虐待されてるの、身体的にでは無く精神的にずっと、ずっとあの菊花賞でブルボンさんが負けてからずっと」

マックイーン「三冠ウマ娘になれなかったから…それでも、許される行為では無いですわ」

ライス「ブルボンさんも自分が悪いとずっと耐えてたのだけどある時聞いてしまったのブルボンさんのお父さまの本当の目的を」

マックイーン「本当の目的?」

ライス「私、ライスシャワーを潰すかレースから追い出すかトレセンから追い出すか」

マックイーン「それじゃ…完全に私怨じゃないですの!今回のあなたに対する処罰は」

ライス「それをブルボンさんが聞いて私に話す決心がついたんだって私、ブルボンさん自身に対して色々言うのは構わない、受け入れるけど友達のあなたを侮辱したり私怨で居なくなるように仕向けるのは受け入れられないと」

マックイーン「でも…なぜ喧嘩してると嘘を?」

ライス「ブルボンさんのお父さま、ブルボンさんと私が一緒に居ると怒るんだって、だからブルボンさんと喧嘩したら良いんじゃないって私からね…」

マックイーン「なるほど、実は裏で繋がってると…」

ライス「仲間割れしたと思ってしてなかったらビックリするよね」

マックイーン「えぇ、分かりました。メジロのおばあさまにも是非お会い下さい」

ライス「ありがとう…マックイーンさん」

 

その頃、秋川、たづな両名はとある場所を訪れている

 

URA本部

 

理事長室

 

美濃部「あっ、美浦君来ちゃいました?」

秋川「来たぞ」

美濃部「いくら理事会の承認は得たとしても僕に一言言ってから行ってほしいなぁ〜」

たづな「あの…理事会でライスシャワーの出走取り消し本当に認められたんですか?」

美濃部「うん、認められたよ…あっさりとね」

秋川「認めたのは美濃部含め何人だ?」

美濃部「あらら…僕、信頼無いのね…僕はその処分に対して反対に入れたよでも理事会は多数決だから…」

秋川「理事長が理事会の決議を布告するんじゃないのか!?」

美濃部「今回は理事会経由の発議だね、僕一人の発議より多数決の方が僕の独断じゃなくなるだろ?そちらの方が受け入れられやすい」

秋川「処分取り下げは?」

美濃部「現段階じゃ無理、明らかに嘘の決議なら理事長である僕が取り下げる事が出来るね」

秋川「では美浦の目的がブルボンを勝たせる事では無いとしたら?」

美濃部「違うんですか?」

 

所変わりメジロ家

 

おばあ様「いらっしゃい、はじめましてライスシャワーさん」

ライス「はじめまして、メジロのおばあ様」

おばあ様「別にメジロはいりませんよ…私共のマックイーンを破った天皇賞春、見事でした。優勝、おめでとうございます」

ライス「マックイーンさんの三連覇を阻止したのに恨まないんですか?」

おばあ様「恨みませんよ、寧ろプレッシャーに負けたマックイーンの方が…ね?」

マックイーン「申し訳ありません…必ずや敗北を取り返そうとした矢先にこのような…怪我を…」

おばあ様「怪我の具合は?」

マックイーン「主治医曰く、来年中にはターフへ戻れるとの事でした」

おばあ様「戻るのねマックイーン貴方は充分戦いましたのに」

マックイーン「テイオーが奇跡を起こすと言いましたの…そして、私の脚は治りつつある…私、奇跡の代償を払いますわ。その為にも…私とテイオーはもう一度レースを走ります!」

おばあ様「何のレースです?天皇賞春ですか?」

マックイーン「いいえ、長距離は既に私が一度勝ってます。以前、テイオーが骨折しなければ一度戦う筈だったレースが御座いますの…」

おばあ様「…確か宝塚記念よね?」

マックイーン「ですわ」

おばあ様「分かりました。止めません、止めた所で貴方は出ますわね?無理はなさらずにね?」

マックイーン「はい!」

おばあ様「ライスシャワーさん?あなたの話はマックイーンから聞きました」

ライス「動いてくれるんですか?」

おばあ様「美浦が…そんな事を美浦とは旧知の仲でしてね…落ちぶれましたわね彼…以前はそんな事無かったのに」

ライス「ブルボンさんも…菊花賞の後からおかしくなったって…」

おばあ様「三冠を取れ無かったから…ですか、気に病む事はありませんよライスさん、レースに自分が勝つとは必ず自分以外は負けなのですから負けから得られるものもあります」

ライス(…ブルボンさんも同じような事言ってたな…)

マックイーン「ブルボンさんは菊花賞後たしか怪我で療養されてましたわね」

おばあ様「なるほど、その状況で悪い方向へと進みましたか」

ライス「やっぱりライスは皆を不幸に…」

おばあ様「…少し酷ですが言わせて頂きます、物事をマイナスに考えない!マイナスからは何も生まれませんよ!」

ライス「…」

マックイーン「おばあ様…」

おばあ様「いいですか?今の貴方は過去に囚われています。物事はプラスに考えるべきです、あなたの場合過去では無く未来を見つめるべきですブルボンさんの問題を解決するにはプラス思考で無いと解決できませんよ?だってこんな事が過去にあなたとブルボンの間にありました?」

ライス「こんな事は無かったです」

おばあ様「何をすべきか、分かりますね?」

ライス「プラス思考で考える…ブルボンさんのお父さまにブルボンさんの思いを伝えたい…」

おばあ様「彼がブルボンの話を聞いても変わるようには思えませんがね第一、本来はあなたを」

ライス「ライスは…私は大丈夫!そんな事よりもブルボンさんを」

おばあ様「分かりました、あなたとブルボンを助けましょうマックイーン、あなたも助けてあげなさい

くれぐれも他の者にこの件は伝えてはなりませんよ」

マックイーン「分かりました、おばあ様…ライスさん?ブルボンさんと笑い合えたあの頃に戻れますわ」

ライス「ありがとうございます。おばあ様、マックイーンさん」

 

おばあ様「早速、動かせて頂きます」

 

おばあ様は何処かへ電話をかけだした。

 

プルルルプルルル

 

美濃部「はい、URA理事長美濃部です」

おばあ様「美濃部、久しぶりです」

美濃部「これは…これは、メジロアサマさんお久しぶですねぇ」

おばあ様「その名はターフに置いてきた名ですわずっと昔に」

美濃部「父も相当お世話になったと言うておりました…」

おばあ様「時間はよろしくて?」

美濃部「今、秋川理事長さんとたづなさんが来てましてね…」

おばあ様「こちらにはライスシャワーが来ております。美濃部、ブルボンと美浦の件はご存知ですか?」

美濃部「先程、秋川理事長から聞きました。ライスを潰したい事が彼の本心とは…驚きました。以前は全く違いましたのに」

 

秋川「違ったのか?」

美濃部「以前の彼からはブルボンの育成に関して黒沼トレーナーと一緒に話し合ってる所を何回か見ましたね」

たづな「ブルボンさんも以前はライスさんと普通に仲良かったですよね?」

美濃部「三冠を取れなくなった以後は見てませんね」

秋川「三冠に夢を見るのは当たり前だと思うが…三冠に狂わされたな、夢に見るだけで良いのだ。狂わされる程になればそれは病だ」

美濃部「病ですか…三冠に狂わされましたね彼は」

おばあ様「番狂わせがおきるのも競の常、それを分からぬ者に三冠等の取れませんわ」

ライス「狂わせちゃった…」

マックイーン「また、過去に囚われてますわ!狂うのは狂った側に問題がありますわ…あなたに私の三連覇を奪われましたけど、私もおばあ様も狂ってませんわ!」

おばあ様「そうです。あなたは寧ろ、本来なら祝福されたはずです、勝者が祝福されぬ等本来あってはなりません」

ライス「そ、そうだよね…祝福された筈なんだね…」

マックイーン「祝福…私達、少なくともスピカや他のウマ娘はしましたよあの天皇賞春の直後に!」

ライス「祝福…そうだよねしてくれたよね、ありがとうマックイーンさん」

 

美濃部「素晴らしいじゃないですか!勝ったものを褒め称える関係、僕は好きですよそういう関係」

秋川「なら、助けるよなライスをブルボンを」

美濃部「僕に出来る事ならば…」

 

ライス「ありがとうございます…皆さん。ライス、一人じゃ無いんですねこんなにも優しい人達が居たんだ…」

マックイーン「えぇ、あなたは一人じゃないですわ。私達じゃなく他の人達だってきっと。私だってライアンやパーマ、ヘリオスさんからお願いされましたし」

おばあ様「そうです、いつの時代も競う者が居なければ競ではありません競う者がいて、初めて競になります」

ライス「…もう一度、ブルボンさんと戦いたい!次の淀の舞台でもう一度。」

マックイーン「次の淀の舞台…天皇賞春ですの!?」

おばあ様「良いんじゃないですか?それまでに丁度、取り消し処分も解除されますし」

美濃部「まぁ、理事会を虚構で動かしたとの事ですので処分は取り消し出来ますよ」

おばあ様「今すぐには?」

美濃部「今すぐはちょっと厳しいですけどねしっかりと精査しなければいけません。期間の過ぎた天皇賞春に出られるのならそれでいいのでは?」

ライス「もう一度、頑張るね…マックイーンさん」

マックイーン「絶対に応援しに行きますわ、絶対に…!」

ライス「うん!」

 

天皇賞春まで残り 約半年と少々



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第17レース 私の覚悟

10月31日、この日は東京競場にて天皇賞秋が行われる。

トレセン学園の生徒達も大勢観戦しに競場を訪れている。

それは勿論、海外からやってきた三冠ウマ娘、ディープインパクト、アメリカより帰還し、天皇賞秋の盾を目指すサイレンススズカ

打倒スズカの日本総大将スペシャルウィーク。スペシャルウィークに至っては世界より再び日本へ舞い戻ったエルコンドルパサー、栄光を奪還す不死鳥、グラスワンダー淀に愛された漆黒のステイヤーライスシャワーらを打ち破った京都大賞典が思い出されるそんな彼女達を一目見たいという気持ちの元、殆どの者達が訪れている。

 

私、ライスシャワーもそのうちの一人だ

 

そして、天皇賞秋はサイレンススズカの勝利で幕を下ろした。

 

終了後

 

ウマ娘A「よーし…!天皇賞秋も終わったし東府中に新しく出来たパンケーキ屋でも行く?」

ウマ娘B「いいね〜あ!ライスちゃんも一緒に行こうよ!お金なら出すよ」

ライス「ライスは…辞めとくかな?謹慎中だし…」

ウマ娘C「謹慎って…レース出走の謹慎なんだし大丈夫なんじゃ?」

ライス「大丈夫かも知れないけど…やっぱりライスが遊んでるのはいけない事だと思うから…ごめんね、お誘い嬉しかったよ」

ウマ娘A「そっか…一つ何かテイクアウトしてきてあげるね!」

ライス「えぇ…大丈夫なのに」

ウマ娘A「えへへ…!テイクアウトしたら食べられるでしょ!?」

ライス「うん…そうだね、ありがとう!待ってるね」

 

と言い終えると三人組は東府中方面の出口へかけていった。

 

ライス「確か…コーヒーとか売ってる自販機この辺にあったよね…」

 

コーヒー等を売ってる自販機の前に買っているウマ娘が居たので順番を待っていると…

 

ブルボン「あっ…」

 

買っていたのはブルボンさんだった。

 

ライス「…周りに誰も居ないよ」

ブルボン「そうですか…トレセン学園の理事長、生徒会、URAの理事長さんとメジロ家のおばあ様に話したそうですねそう聞きました…ライスさん、本当に大丈夫ですか?辛く無いですか?」

ライス「うん、辛くないよ?それにブルボンさんが目当てじゃなくて私なんでしょ?ブルボンさんが辛い思いしたのならライス、頑張れるよ」

ブルボン「…折角ですし、奢りますよ自販機になってしまいますが」

ライス「ありがとう、ブルボンさん丁度買いに来たところだから嬉しいな…そういえばブルボンさんも飲むの?」

ブルボン「マスターの分と私の分です。マスターはブラックコーヒー私はカフェオレです。ライスさんは?」

ライス「ライスは…このコーヒーが良いかな…」

 

ガコンッ

 

ブルボン「どうぞ…」

ライス「ありがとう…ブルボンさん!」

ブルボン「ライスさん、まだ先ですが出走が認められたら何のレースに出ますか?私もライスさんの出るレースに出ます」

ライス「淀の舞台で戦いたい…」

ブルボン「天皇賞春…ですか?良いですね、それまでになら例の処分期間も過ぎますしね」

ライス「うん!」

 

あっ…とここで誰かの声が漏れた

 

ウマ娘B「ライスちゃん…!?っ…!ブルボンも居るし」

ウマ娘C「本当!戻ってきて正解だったね」

ライス「なんで戻ってきたの?」

ウマ娘B「変な胸騒ぎがしてね…パンケーキはあの子が買ってきてくれるから安心してね!」

 

ブルボンは何も言わず、この場を立ち去ろうとしている

 

ウマ娘C「逃げんな!あんた、ライスちゃんに何してたの!?あんたがやった事、ライスちゃんがどんな気持ちになってるか分かってる!?レースに…出られないんだよ?」

ブルボン「ですので…レース出走処分終了後にまた、天皇賞春で走りましょうという話をしました」

ウマ娘C「天皇賞春で走る?そんな事ライスちゃんが言う?言ってないよね?ライスちゃん」

ライス「…言ったよ」

ウマ娘B「え!?なんでこんな奴と戦うの?もっと別に…」

 

ギュッ…

 

ウマ娘C「…そういう事ね、ブルボン!言っとくけど次戦う時はライスちゃんが絶対、絶対に勝つんだから!」

ブルボン「確かに、厳しい相手ですね。では、ライスさん次ターフで会う時は天皇賞春ですね負けませんから」

 

こうしてその場は解散となった。

 

夜、ライスシャワーとゼンノロブロイの部屋にて

 

ピコンッ

 

ライス「ん…?こんな時間にメッセージ…?」

 

ブルボン「ライスさん、今大丈夫ですか?」

 

とのブルボンからのメッセージだった。

 

ライス「ブルボンさん…?スマホ使えてたっけ?」

ブルボン「機械オンチなだけでつかえますよ」

ライス「爆発しない?」

ブルボン「しません」

ライス「だよね…する訳無いかぁ…」

ブルボン「ロブロイさんには言いました?天皇賞春に出ること」

ライス「言ってないけど?」

 

 

ロブロイ(ライスさん、ずっとスマホ見てる…誰と連絡とってるんだろう)

 

ライス「ロブロイさん…?」

ロブロイ「ライスさん?どうかしました?ずっとスマホ見てるから大事な連絡でもしてるのかと思いましたよ」

ライス「ブルボンさんから連絡来てて」

ロブロイ(やっぱり…あの人か…)

ライス「ロブロイさん?どうしたの?ちょっと怖いかな…」

ロブロイ「…ブルボンさんとはどんな話を?」

ライス「ライスね…天皇賞春に出ようと思うのブルボンさんと一緒に」

ロブロイ「…天皇賞春の時なら出走出来るようになっている筈でしたっけ?」

ライス「うん、だから…!出ようと思ってて」

ロブロイ「…別に良いんじゃないかな、けど…」

ライス「?けど…?」

ロブロイ「ブルボンさんが出るなら、私も出ようかな天皇賞春」

ライス「ロブロイさんも…出るの!?」

ロブロイ「この際だからはっきり言うけど…私はブルボンさんを許してないライスさんにこんな役割をさせたのブルボンさんだもん、だから私はブルボンさんを許せない今のままじゃ…」

ライス「ブルボンさんと戦いたいの?」

ロブロイ「…一番はライスさんに勝ってもらいたいかな…だって負けっぱなしは嫌でしょ…?勝ってブルボンさんをギャフンと言わせて欲しいの…!」

ライス「…ブルボンさん、ギャフンって言うかな?」

ロブロイ「ライスさん…真面目な話なのに」

 

ライス「けど、ありがとうロブロイさん…天皇賞春、目指して頑張ろう…!」

ロブロイ「はい!」

 

その頃…

 

美浦「聞いているか?ブルボン」

ブルボン「はい、聞いてます」

美浦「有まで残り2ヶ月を切った、練習の状態はどうだ?」

ブルボン「練習の状況、変わらずに良好。体調面問題なしこれなら有も走れます」

美浦「そうか…今年の有は例年以上の激戦となるだろう…ディープインパクトにサイレンススズカ、スペシャルウィーク、エルコンドルパサー、グラスワンダーそしてミホノブルボン君が出るのだからな…ブルボン、無理はするなまた、怪我をしては元の子もない」

ブルボン「抑えた方が良いと?」

美浦「あぁ…ブルボンには天皇賞春、先が待っているあの、ライスシャワーが再戦の申し入れをしてきたのだ…応えてやれ、そして…打ち勝て!ライスシャワーに再度!」

 

ブルボン「任務…了解!」

 

天皇賞春まで後 半年



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第18レース 年末の祭典、年の末

天皇賞秋から約一ヶ月 11月後半

 

ルドルフ「ふぅ…一段落はついたかな?」

 

ルドルフはエアグルーヴら生徒会役員に声をかける

 

エアグルーヴ「パンフレットは既に発注済み、ブライアン?ポスターの用意は?」

ブライアン「既にデザインは完成、テスト印刷待ちだ」

ルドルフ「了解した、今年も間に合いそうだな…」

エアグルーヴ「有記念用の学園内で配る配布物やらポスター、URAの物を流用するのは駄目なんですか?」

ルドルフ「うちの理事長が作った方が面白くなるだろうと言ってるからな…流石に毎G1事に作れという話なら骨が折れるが…年に一回だからな…」

ブライアン「ポスターの表紙を飾った時は嬉しかったな」

ルドルフ「あぁ…ブライアンのも以前作ったな」

エアグルーヴ「まぁ…本人達が喜んでいるのなら作ってる私達も嬉しいものですが…」

ルドルフ「今年は難儀したな…配置であそこまで揉めるとは」

ブライアン「理由はともあれ不祥事をおこしたウマ娘を目立たせる訳にはな」

ルドルフ「あぁ…まだ、解決した訳じゃないしな」

エアグルーヴ「仕方無いですよ」

 

ガチャ

 

秋川「邪魔するぞ〜」

たづな「お邪魔します」

ルドルフ「理事長?何用ですか?」

秋川「いや、何か用が有る訳では無いぞ…進捗状況が知りたくてな」

ルドルフ「進捗状況は極めて順調です。有まで残り一ヶ月、身を引き締め年末の祭典を迎える次第です」

秋川「分かった、パンフレット、ポスターは完成次第、完成品を理事長室まで持ってくるように」

 

「はい!」

 

秋川「色々あったが良き有記念となるよう頑張ろう…みんなの力を合わせ!」

 

ルドルフ「必ずや…!」

 

数日後

 

トレセン学園にあまり降ることの無い雪が降りしきる

12月某日

 

練習をする生徒達は防寒着着用の元練習に取り組んでいる

 

スペ「うわぁ…!雪ですね~スズカさんこっちでも雪が見れるなんて!」

スズカ「そうね…久しぶりに見れて嬉しいわねスペちゃん」

スペ「はい!」

テイオー「寒くて嬉しいの…?ボク寒いの苦手なのにぃー鼻水トマラナイヨ-」

マックイーン「拭いてくださいまし…」

ゴルシ「にしてもすげー雪だな!」

ダスカ「寒波が来てるみたいね」

ゴルシ「そっか!なら、雪合戦して遊ぼーぜトレーナー!」

沖野「だな!ってんな訳ねぇだろ…普通に練習するぞ有が近いしな!今日は悪路トレーニングにうってつけだろ?あ、蹄鉄滑るから上から足を落とすように走れよ?じゃないと滑るぞ」

 

「はーい!」

 

スピカメンバー達がランニングしていると坂路ではミホノブルボンのチーム、近くではライスシャワーもトレーニングしている場面に遭遇した。

 

「スイーツ!スイーツ!」

 

スペ「ブルボンさんと…ライスさんだ結構近くで練習してるんですね」

スズカ「二人とも実は仲良し…なんてことないかしら?」

スペ「そうだと良いですよね!二人がとっても仲良しなの知ってますし」

ゴルシ「…あんまり喋りながら走ったら転ぶぞ〜?」

 

2人「はーい!」

 

マックイーン「トレーナーさん…あそこにブルボンさんとライスさんが居ますわね」

沖野「ん?気になるのか?」

マックイーン「そりゃ…おばあ様から何かあったらライスさんやブルボンさんをよろしくと言われてますし第一…」

沖野「ライバルはテイオーだけじゃ無いって事か?なるほどな」

マックイーン「えぇ…天皇賞春の敗北のままでおちおち引き下がれませんわ…!」

沖野「マックイーンならきっと勝てる、ライスシャワーやトウカイテイオーにも…!その為には治すんだぞ?脚…」

マックイーン「勿論ですわ!わたくしはメジロのウマ娘、メジロマックイーンですわ!ターフの名優は復活しますわ…!ターフに絶対に!」

沖野「おう…!みんな待ってる…俺もマックイーンの走る所が早く見たいぜ」

マックイーン「はい…!必ず」

 

黒沼「ブルボン!もう一本行けるか?」

ブルボン「はい!行けます…!」

黒沼「有マも近いしな…勝つ気で走れ!」

ブルボン「はい!マスター!」

 

ライスのトレーナー「ライス!半年間は出れないけれども…!練習を疎かにしたらいけないわ!」

ライス「うん!お姉様、もう一本頑張るね!」

 

二人は、他のウマ娘達は有に勝つ為に精一杯練習を重ねている。

 

そして、有記念当日を迎える。

 

赤坂「ミホノブルボン!ミホノブルボン!最後の直線で掛ってしまったか!?」

ブルボン「くっ…ここで掛りが…!」

 

ミホノブルボンは掛かってしまい6着になってしまった。

 

とこ…とこ…

 

美浦「ブルボン…」

ブルボン「お父様…申し訳ありません、あのような場所で掛りが起きたのはトレーニング不足なのとコースの覚え込みが…」

美浦「あのような強敵に6着は凄いぞ!」

 

ナデ…ナデ…

 

ブルボン「うっ…うっ…」

美浦「ブルボン?泣いているのか…?」

ブルボン「ぅ…は…い」

美浦「負ける事もまた勝つ為に通る道である…」

 

ブルボン(ライスさんには強くあたるのに私には…家族と言えど…本当、マックイーンさんのおばあ様は凄い方です…)

 

 

 

美濃部「秋川ちゃ〜ん」

秋川「秋川ちゃんと呼ぶな!」

美濃部「ライスシャワーとミホノブルボンの話はどうなった?」

秋川「…来月には動く予定だぞ」

美濃部「年明けね…分かりました。策はあるのね?」

秋川「あぁ…その為には美濃部とメジロのおばあ様の力も借りたい…」

美濃部「私の力で良ければ貸しますよ?」

 

秋川「あぁ…ありがとう」

 

天皇賞春まで残り 4ヶ月と少し



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第19レース 真実は語られ元凶は許しを請う

年が明け

トレセン学園の学業が始まった頃

学園内にてマスコミを入れ記者会見を開こうと準備が進められている。ミホノブルボンが次のレース何に出るか?今年の目標等をマスコミへ示す為のものである。流石、URA幹事長の立場なだけはある

 

黒沼「ブルボン、例の件のことについてなら今度の記者会見でやるしか無いな…心の準備をしておけ」

ブルボン「はい、マスター」

黒沼「もう一度ブルボンとライスが戦う所が見たい」

ブルボン「はい私もライスさんと戦いたいです…」

 

トルル…トルル…

 

マックイーン「はい…あら?おばあ様?なんですの?」

おばあ様「ブルボンさんのトレーナーさんから…動くそうですわ」

マックイーン「遂に…動きますのね」

おばあ様「えぇ、動きますそのうちにあなたにも分かる事でしょう」

マックイーン「私は…その記者会見とやらに出ないほうが良いのですか?」

おばあ様「貴方が気になるのも分かります。ですがあなたは療養中でしょ?幾ら治るとしてもしっかり完治してから…」

マックイーン「…分かりましたわ、おばあ様後はよろしくおねがいします。ライスさんとブルボンさんを…救ってくださいまし!」

おばあ様「メジロの名にかけて…救います。あなたと激戦を繰り広げた人を救う為に」

マックイーン「はい…よろしくおねがいします!」

 

イクノ「…ライスさんとブルボンさんやはり喧嘩等してないのですね?」メガネクイッ

 

マックイーン「イクノさん…聞いてましたのね?このことはくれぐれも内密にお願いしますわ…他人にあまり伝えたく…」

イクノ「分かってます。聞かなかった事にします」

マックイーン「ありがとうございます…」

イクノ(大変ですねマックイーンさんも…)

 

記者会見当日

 

司会「本日はミホノブルボンの記者会見にお越しいただき誠にありがとうございます。もう間もなくブルボンが来ますのでお待ち下さい」

 

美浦「ブルボン、頑張ってこい」

ブルボン「はい…」

 

すた…すた…

 

司会「ブルボンさん、今日はよろしくおねがいします」

ブルボン「はい!こんにちは…よろしくおねがいします」

司会「ブルボンさん!次回の出走予定は?」

ブルボン「はい、天皇賞春を予定しています」

司会「天皇賞春!良いですね是非優勝目指して頑張ってください!記者の方で何か質問のある方はいらっしゃいますか?」

 

記者A「ズバリ!天皇賞春ではライバルも出られると思われますが誰を超えたいですか?」

ブルボン「そうですね…ライスシャワーをこの淀の坂で超えたいですね…」

記者A「なるほど…ライスシャワー!ぜひ淀の坂でも超えてください」

ブルボン「はい、頑張ります」

 

司会「では、お次に質問のある方!」

 

「はい」

 

司会「はい!お願いします…っ…?あなたウマ娘…?」

ライス「ウマ娘、ライスシャワーです」

 

記者B「ライスシャワーだと…?なぜここへ!?」

記者C「ライスシャワーさん!お聞きします!ミホノブルボンさんとの仲は…」

ライス「悪くありません」

記者C「悪くない…?」

 

美浦「司会!部外者をつまみ出せ!」

司会「つまみ出しませんよ…」

美浦「何故だ!?」

南坂「改めて自己紹介致します。トレセン学園チームカノープス専属トレーナー南坂と申します」

美浦「カノープスのトレーナー…?まさか…!?」

 

ガララッと勢いよく扉が開いた。

 

秋川「ついにこの時が訪れたな!これで終わりだ美浦よ…我々、ライスシャワーに課した処分取り消してもらうぞ」

 

おばあ様「美浦…三冠を取れなかったその気持ちは理解できますが、ライスシャワーに対しての誹謗中傷の煽動、一部記者等を使いマスコミをも動かした。それらは許し難き暴挙である!そのような者が競を語ってくれるな!」

美濃部「明らかにしましょうか!真実を…当事者の口から」

 

ブルボン「…お父様は、私が三冠を取れなかった後からおかしくなりました。今まではそんな事なかったのに何かにつけライスシャワーの名を出すようになり」

美浦「ブルボン…やめろ!」

 

ブルボン「私聞いてしまいました…ライスシャワーを潰すことは出来ないかと…私のマスター黒沼トレーナーと話している所を…」

美浦「黒沼…そんな事は無かったよな!無かったよな!」

黒沼「ブルボンの発言は全て真実です。何なら私のスマホに美浦がそのように発言している動画がございます」

 

記者達は騒然としている。それもそうだいきなり重大なニュースが飛び込んで来たからだ。中には自身の報道会社へ速報として流そうとしている記者が居るくらいだ

 

美浦「黒沼!?私を裏切るのか!?」

黒沼「裏切る?俺はハナからお前の手下じゃねーぞ?」

美浦「なんだと…?」

黒沼「中央トレセンのトレーナーの繋がり舐めるんじゃねぇ!ブルボンから全て聞いてたんだよ!ブルボンの怪我…お前があんな事を言ったのを聞いたから起きたんじゃねーのかな?」

美浦「そんな事あるか!あの怪我は事故だ!しかしトレセンの全てのトレーナーに筒抜けか…」

 

黒沼「第一!ブルボンとライスシャワーの勝負に水をさすんじゃねぇ!勝負させてやれよ!」

美浦「ブルボンが負けたところを見たくない…」

黒沼「ブルボンが負けるのを見たくないのは俺だってそうだ!しかし…全力を出した時にこそ人はまた強くなる…ライスシャワーはブルボンの後ろをずっと追っていた。スプリングSだって皐月賞だって日本ダービー、京都新聞杯…そして菊花賞。遂にミホノブルボン、ライバルを超えた瞬間だ、そこで…何故勝者を称える拍手が起きない!何故報道でライスの名よりブルボンの名が大きいのだ!それがライスシャワーにとってどれほどの屈辱が分かるか…?いや、分からないだろうな…美浦には」

 

美浦「ははは…分からないな…私はどうすべきだ?」

黒沼「ライスシャワー、お前から言え」

ライス「はい…美浦さんもう二度とライスやブルボンさん、他のウマ娘に関わらないで下さい。迷惑です」

黒沼「ブルボンは責任を持って俺が育て上げる。だから…安心してくれ」

 

記者B「美浦さん!前回の強要された記者というのはどちらの…?」

美濃部「どうやら…その記者というのは金で雇われ記事を書いたとの事でした。こちらはURAとして正式に文章で回答致しますのでこちらを…」

 

すた…すた…

 

ライス「あれヤラセだったんだ…酷いことするね!お金で雇われる方も悪いけど…!あなたが一番悪いよ!ねぇ…ウマ娘の力で殴られたらどうなるか確かめてみない?」

美浦「そ…そんな事をしたら…」

ライス「なんてね…しないよ。そんな事したらライス、悪い子になっちゃうもん…そもそもあなたに関わりたくないし触りたくもない」

ブルボン「…あなたは私の父です。そこは変わりません…出来るものなら変わってほしいです…」

美浦「…私じゃ嫌かそうだよな…こんな父親」

ブルボン「いえ…今のあなたなら嫌ですが、良き人に良き父親になってくれたら…私は構いません今回の件が許されたら…また、一緒に…」

ライス「ブルボンさんは…それでいいの?」

ブルボン「はい、私の父親ですし私に関する事に関しては許します」

ライス「ブルボンさんが許してもライスは…私はあなたを許さないです…それは理解して」

美浦「あぁ…」

南坂「記者会見はこれにて終了致します。この後URAから会見を予定しております。予定の開いてる方はご案内致します」

 

記者達は南坂の後に続き会見場を後にした。

 

秋川「ライス!ブルボン!よくやったぞ!これで美浦も幹事長を降りるだろう」

たづな「後の事は私達に任せてください!お二方は寮に戻られてください」

 

二人「はい!」

 

寮へ続く道

 

ライス「ブルボンさん…これで私出れるよね天皇賞春」

ブルボン「出れます。私怨による制裁ですもの…それを提言した張本人もこれで…」

ライス「ブルボンさん…ありがとうライスの事を言ってくれて」

ブルボン「私より…黒沼トレーナーにありがとうと言うべきだと思いますよ」

ライス「そっか…ライスがブルボンさんを超えた理由を言ってくれてたね…ずっとブルボンさんについてく…ついてく…ってしてたね」

ブルボン「えぇ、そしてついていった結果があの菊花賞優勝です」

ライス「えへへ…照れちゃうな」

ブルボン「ですが、私だって負けません!ついていく事は私にだって出来ます!天皇賞春は負けませんよ!」

ライス「うん!ブルボンさん…絶対に負けないよ…もう一度ブルボンさんに勝ってみせるから!」

 

こうして二人は共に次は勝つと誓いあったのである。

 

その頃、生徒会長室

ブライアン「私も天皇賞春に出走するぞ」

ルドルフ「阪神大賞典に勝てば…優先出走権が得られるが…今年は恐らくマヤノが出てくるぞ!」

ブライアン「変幻自在の脚質の持ち主か…なぁにその脚で追いつけないほど千切れば良いだけだ…!」

ルドルフ「期待してるよ…ブライアン」

ブライアン「あぁ…盾を飾る場所を作って待っていてくれ」

ルドルフ「ハハッ、気が早いな…」

 



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第20レース 怪物が、その脚で闇を切り裂く

キャスター「URAは美浦幹事長に対し内規適用を通告したとURA幹部への取材により明らかとなりました。なお、美浦幹事長は同時刻美濃部URA理事長に対し、辞表を申し出た模様です。なお、美濃部理事長は私個人としましても今回の件を看過することは出来ず、美浦幹事長の全権限凍結及び解雇という形で責任を持ってもらうとの声明を表明しました。」

 

競バファンA「URAの責任のとり方これで良いのか?」

競バファンB「これで責任をとってもらうしか方法無いだろ…完全引退なら天下りすらも無くなる訳だ」

A「なら…いいのか」

B「しかし、幹事長ともあろう方がライスシャワーを潰せ発言は見過ごせないな」

A「全く、中央の幹部は酷いな…ウマ娘達は必死に走っているというのに」

 

トレセン学園でもこの話題で持ちきりである

 

ウマ娘A「あの…ブルボンさん!」

ブルボン「はい、なんでしょう?」

ウマ娘A「ブルボンさん!酷い事を言ってごめんなさい!」

B.C「ごめんなさい!」

ウマ娘A「ライスちゃんの気持ち理解出来てなかったのは私達の方だったね…まさかライスちゃんを出れなくしたの偉い人だったなんて…」

ブルボン「別に私は大丈夫です。これしきの事で弱音など吐きません」

ウマ娘A「強いんだね…ブルボンさん」

ウマ娘B「次の天皇賞春…ブルボンさんも頑張って!応援してるから」

ウマ娘C「ライスちゃんと一緒に…!」

ブルボン「はい」

 

その頃、スピカ部室では

 

ゴルシ「おい、トレーナー!お前が以前呼び出された理由って…」

沖野「その前日の長距離チャレンジステークスでブルボンの父親に会っていたという理由で呼び出された」

ゴルシ「口止めか?」

沖野「仕方ないだろ?学園全体、特に理事長と生徒会がこの件は裏で進める事にしたんだから…」

マックイーン「私は知ってましたわ…ライスさんに頼られ力をお貸ししましたわ」

ゴルシ「マックちゃんも知ってたのか…ま!仕方ねぇかさっきのニュースじゃ元凶は幹事長の椅子降ろされたみたいだし」

ダスカ「全部解決したみたいですしこれで一件落着って事ですよねゴルシ先輩!」

ゴルシ「んだな!ライスでも誘ってご飯でも行こうかな…」

スペ「ご飯!良いですね」

スズカ「スペちゃん…ご飯に反応し過ぎよ」

スペ「うへぇ…ご飯って聞いたらおなか空いちゃいました…」

スズカ「スペちゃん…」

テイオー「スペちゃんそのうちまたお腹出るよ?」

スペ「テイオーさん!あれは良いんですよぉ!走ったら痩せますから!」

スズカ「走ったら痩せるけど…スペちゃんの場合食べ過ぎだから」

沖野「ははっ!スペらしいな…大食いタレント似合うんじゃないか?」

スペ「もぉー!トレーナーさん!」

沖野「わりぃな…将来、何になるかは自分で決めるべきだな」

スペ「トレーナーさん…」

 

数十分後 昼休み

 

はむ…はむ…

 

テイオー「あ、マヤノ〜ここ空いてる?」

マヤノ「テイオーちゃん、空いてるよーでもマヤと食べるなんて珍しいね」

テイオー「ん…?マックイーンはイクノと食べてるしネイチャはカノープスで食べててボク、食べにくいし…たまにはね?」

マヤノ「テイオーちゃん…カツ丼?あっ!マヤ、分かっちゃった!次のレース勝つぞーってゲン担ぎ?」

テイオー「まあね、カツ丼美味しいし…マヤノはサンドイッチか…美味しいの?」

マヤノ「美味しいよ〜!あっ!一つ食べる?」

テイオー「食べる〜」パクっ

 

テイオー「うへぇ!辛いよ〜!」

 

マヤノ「マスタード入り〜っえへへ!」

テイオー「んもぉ!僕が辛いの苦手なの知ってる癖に!お肉あげないからね?」

マヤノ「これあげるから〜機嫌直して〜」

テイオー「次、辛いの食べさせたらもう口聞かないからね!」パクっ

 

テイオー「あ、普通に美味しいや」

マヤノ「そりゃあ美味しいのもあげるよ〜」

テイオー「ん…僕ものあげるねはい…カツ丼のお肉」

マヤノ「わーい」

「おい、マヤノトップガン」

マヤノ「ひえっ…!」

テイオー「ピェエ…!」

ブライアン「驚かせてしまったか…?」

マヤノ「い、いきなり後ろから話し掛けてきたら…ね?」

テイオー「心臓止まるかと思ったよー」 

ブライアン「マヤノトップガン、話がある」

マヤノ「アタシに話?テイオーちゃんちょっと席外すね」

テイオー「うん…」

 

すた…すた…

 

マヤノ(テイオーちゃんに辛いの食べさせた所でも見てたのかな…)

ブライアン「マヤノトップガン…」

マヤノ「ごめんなさい!…その、悪気があった訳じゃ…」

ブライアン「…まだ、何も言ってないぞ?テイオーに何かしたのか?」

マヤノ「あ…辛いの苦手なの知ってて…辛いの食べさせちゃいました」

ブライアン「…寮長にヒリ辛のラーメンを食わされた事がある、店一番の辛さだったらしい…さっき食べてたのはサンドイッチかまぁ、マスタード如きの辛さなど屁でも無いとは思うが…嫌がる事はあまりするなよ」

マヤノ「はい…」

ブライアン「分かればそれで良い」

マヤノ「それで…ブライアンさんの話は…?」

ブライアン「あぁ…阪神大賞典に出るんだろ?」

マヤノ「はい…」

ブライアン「そうか…実は私も出る」

マヤノ「ブライアンさんも…出るの!?」

ブライアン「あぁ…今年の天皇賞春はどうしても出たいからな」

マヤノ(天皇賞春にはライスちゃんも出るし…ブルボンさんも出るし…そういう意味で出たいのかなっ!マヤ、分かっちゃった!)

マヤノ「そうなんだ…昼休み終わっちゃうから先に行くね!」

ブライアン「ん…あぁ」

 

マヤノトップガンはピュッーと走り教室へと戻っていた。

 

ブライアン「…負けるわけにはいかないな!」

 

そして、迎えた阪神大賞典当日

 

すた…すた…

 

ナリタブライアンはゆっくりとターフを歩いている

 

マヤノトップガンが呼び止める

 

マヤノ「アタシも…勝って天皇賞春に出たい!だから…負けないよ!ブライアンさん」

ブライアン「フフッ…臨むところだ!」

 

赤坂「新旧のウマ娘達が顔をそろえました、阪神大賞典GⅡ芝の3000m!なんと言っても三冠ウマ娘、ナリタブライアンと変幻自在の脚質の持ち主、マヤノトップガンの対決に期待ですね細江さん!」

細江さん「はい、この二人のどちらが天皇賞春に出走出来るのか期待ですね」

赤坂「各ウマ娘ゲートに収まり…スタートしました!」

 

ナリタブライアンは好スタートを切り、順調にレースを進める

マヤノトップガンも同じように好スタートを切り、順調に先頭集団に加わる。

 

赤坂「ナリタブライアン、好スタート!しかし、マヤノトップガン快調に飛ばしています。前走の疲れを全く感じさせない見事な走りでナリタブライアンを交わしていきます」

 

「マヤちん、テイクオーフっ!」

 

赤坂「一周目のスタンド前をウマ娘達が駆け抜けて行きますここまでは順調ですね細江さん」

細江さん「はい、一周目は落ち着く事が大切です。ここでの落ち着きが後々の順位に関わってきます」

 

トレセン学園内にて

 

ルドルフ「ブライアン…」

エアグルーヴ「会長、信じましょうナリタブライアン彼女を…」

ルドルフ「あぁ…勿論信じている彼女が勝つ事を…」

 

テイオー「マヤノ〜頑張れ〜!ブライアンに負けるな!」

マックイーン「頑張ってください!マヤノさん」

 

ゴルシ「ブライアンって確か…怪我…してたよな」

ダスカ「えぇ…してたわね」

スペ「怪我…スズカさんもしかして分かったりしません?」

スズカ「あまり詳しい事は分からないけどレース運びに問題は無いように見えるわ…後はブライアンさん次第…ね」

沖野「ブライアン次第…確かにな、怪我が例え治ったとしても本人の気持ちの問題でどうとでもなってしまう…」

ウオッカ「なぁ…カッコイイブライアンさんの応援しようぜ?一緒によー」

沖野「おうよ!」

 

二人「頑張れ!ブライアン!」

 

 

赤坂「さぁ!先頭集団は向こう正面に入り、マヤノトップガンは現在4番手ナリタブライアンは6番手の位置。各ウマ娘、ここまで大きな動きがないまま残り1000メートルを切って第3コーナーへ!」

 

マヤノ(…ブライアンさんが…来ないのなら!先に仕掛けるだけっ!)

「行くよ!ゴールにロックオン!」

 

赤坂「ここ、ここで!マヤノトップガンが仕掛けた!ロングスパートをかけ一気に先頭へ躍り出たっ!後ろのこ…ナリタブライアン!ナリタブライアンも追うように仕掛ける!完全に2人のマッチレース!!ナリタブライアン怪我により走りが心配されていたが果たしてどう走り切るのか!」

細江さん「走って!ブライアン」

 

マヤノ(負けたくない…負けたくない!絶対に…!絶対に!)

ブライアン(私が負けるなど有り得ぬ…!絶対にだ!絶対に!)

 

二人「絶対、負けないっ!!」

 

「行けっ!行けっ!マヤノーっ」

 

「頑張って!ブライアンっ!」

 

ブライアン(怪我か…怪我がここまで私の走りに影響を及ぼすとはな…しかし、私はまだ走れる…!私の走りは何も変わっていない…!)

 

マヤノ(ブライアンさんが…来るっ!)

「ファイナルアプロォーチ!!」

 

ブライアン(心の中の渇き、レースへの想いは今も…

 

烈火のごとく燃えているっ!!)

 

赤坂「ナリタブライアン、マヤノトップガン!お互いに一歩たりとも譲らない!ナリタブライアンが外から交わすっ!マヤノトップガンが内から差し返す!内か外かっ!?僅かに外か!?」

 

「はああああ〜〜〜っ!!!!」

 

その時、ナリタブライアンは闇を切り裂いた。茨に閉ざされた道を切り裂き、自分自身の持つ勝ちたいという想いに答えた。

 

そして

 

赤坂「わずかにブライアンが先頭でゴォール!!1着、ナリタブライアンっ!!」

 

「おめでと〜!ブライアンっ!」

「二人ともーっいい走りだったぞー」

 

赤坂「スタンドからは割れんばかりの大歓声!壮絶なマッチレースを制したのは、ナリタブライアンです!」

細江さん「歴史に名を残す、見事なレース運びでした!」

 

ブライアン(これで…天皇賞春を!走れるのか…)

 

ブライアン「待ってろ、ライスシャワー!ミホノブルボン!次のレースが待ち遠しい…次のレースは…まだか!」

 

天皇賞春まで残り約2ヶ月



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第21レース 小さきながらも、闘争心は人一倍

投稿遅くなりました。申し訳ありません


赤坂「一着、ナリタブライアン!見事天皇賞春の優先出走権を獲得しました!」

 

ロブロイ「これで、ブライアンさんは天皇賞春に出ることが出来る…ライスさんとブルボンさんは出れるって聞いた…つまり残された道はただ一つ…!」

 

日経賞に出走するしか道は無い。

 

しかし、日経賞までの残り期間は余りにも時間が足りない。その為…

 

ゴルシ「よっしゃ〜外周コース周回始めるぞ〜」

 

みんな「スイーツ、スイーツ!スイーツ、スイーツ!」

 

ロブロイ「ブルボンさんやライスさんに付いていけば…二人の特訓に合わせれば…間に合うかも知れない!」

 

ロブロイは近くの河川敷へ走り出した。

河川敷の近くではブルボンとライスが並走していた

 

ロブロイ「ブルボンさんと…ライスさんについてかなきゃ…かなきゃ…」

 

タッタッタタ

 

「ロブロイ…さん?」

ロブロイ「あっ…」

 

ブルボンとライスは立ち止まり後を振り返ってる

 

ロブロイ「ご、ごめんなさい!お邪魔ですよね」

ライス「邪魔なんかじゃ無いよ、ブルボンさんも良いよね?」

ブルボン「はい、並走トレーニングを一緒にしませんか?ロブロイさんも」

ロブロイ「私なんかも一緒に走っていいの?」

二人「うん!」

ライス「ロブロイさん、日経賞だっけ?お互いに頑張ろう!天皇賞春で会おうね」

ブルボン「天皇賞春で待っています」

ロブロイ「はい!」

ライス「ブルボンさん、今日は何処を走ろうかな」

ブルボン「このまま河川敷をいつも通り周回しましょう、ロブロイさんも付いて来れるかと」

ロブロイ「どこでも大丈夫ですよ」

ブルボン「そうですか…なら行きますよ…!」

 

ブルボンとライス、ロブロイはスパートをかけ河川敷を走り出した。レースをターフを走りたくそして勝ちたい為に…

 

日経賞、当日

 

赤坂「天候に恵まれたここ、中山競場天皇賞春ステップアップレース、日本経済新聞社賞が始まります!なんと言っても一番人気、ゼンノロブロイの活躍が期待されますね」

細江さん「ゼンノロブロイ、彼女に沢山の期待が寄せられている事でしょう」

赤坂「各ウマ娘、ゲートに入りスタートしました!」

 

ゼンノロブロイの圧勝かと思われていたレースだったが…

 

赤坂「ゼンノロブロイは二番手!二番手!抜け出せるのか!?」

 

ロブロイ(なんで…抜けないのよ!)

 

赤坂「一着はウインジェネラーレ!ゼンノロブロイは二着だぁっあと少しの差が縮まらなかった!三着には…」

 

ロブロイ(負けた…これで優先出走権は無くなった。最後のチャンスに賭けるしか無い…)

 

最後のチャンスとは…

 

出走抽選会しか無いという事だ

 

係員「では、クジをお引き下さい」

ロブロイ「はい」

 

ピッ…

 

ゼンノロブロイは16番の数字を引いた

 

係員「それでは、美濃部さんお引き下さい」

美濃部「はぁーい!よっとぉ、ゼンノロブロイと書かれた紙を引きましたよ~」

係員「ゼンノロブロイ選手は16番で確定しました

 

記者達からはフラッシュが焚かれる

 

ロブロイ「はあ、良かった…これでライスさん…ブルボンさん…ブライアンさんと一緒に天皇賞春を走れる…!」

 

ゼンノロブロイは見事、天皇賞春の出走権を得ることが出来た。

 

迎えた、天皇賞春当日 京都競

 

マックイーン「ごめんなさいね、ゴールドシップさん京都まで付いて来てもらってしまって...」

ゴルシ「良いって事よ!マックちゃんだけじゃ不安だもんな~」

マックイーン「えぇ...一人じゃ不安ですもの」

ゴルシ「...おうよ」

 

ブライアン「マヤノ、お前も天皇賞春に出れたか」

マヤノ「うん!抽選会で当たったからね!」

ブライアン「なるほど、実力だけではなく運も持っていたか」

マヤノ「うん...だから今回は絶対負けないよ!ブライアンさん!」

ブライアン「フッ...今回も千切ってみせる...さぁ、行くとするか」

マヤノ「うんっ!」

 

赤坂「さぁ!ナリタブライアンとマヤノトップガンの入場です!前回の阪神大賞典は世紀の大接戦でしたね細江さん」

細江さん「そうですね、ブライアンの脚は走りはどうなっているか気になりますそれにしても今年の天皇賞春はブライアンとマヤノ以外にも人気ウマ娘目白押しですね」

赤坂「そんな、人気ウマ娘がまた一人入ってきました!前走、日経賞では無念の2着春天で返り咲けるかゼンノロブロイ!」

 

観客「ロブロイ~頑張ってくれよ~目指せ!天の盾~」

ロブロイ(応援してくれてる方も居る...今回こそは...!ごめんね、ライスちゃん)

「私、勝つよ!ここで」

 

赤坂「さぁ!二番人気はミホノブルボン、前走有記念は六着でしたが依然として高い人気を誇っていますね」

細江さん「それはやはりこのウマ娘と共に再び走るからでは無いでしょうか!?」

赤坂「それでは、堂々一番人気の登場です!今回より新たな勝負服での登場です!」

ライス「えへへ...似合うかな?ブルボンさん昨日トレーナーさんから貰ったんだこの新しい勝負服」

ブルボン「白い薔薇ですか?似合ってますよとてもあなたに」

ライス「...ありがとう、ブルボンさん褒めてくれて…今回こそは勝利を掴んで見せるね」

ブルボン「はい、お互いにベストを尽くしましょう」

 

白き薔薇。白い薔薇の花言葉には純潔、心からの尊敬、そして相思相愛。愛に関する言葉もある、ライスシャワーが愛するはターフか、はたまたどこかの思い人か

 

次回予告

5人の名ウマ娘が激突する天皇賞春果たして勝つのは誰だ。そして第二章完結へ...

 

次回、第22レース 【君と貴方に勝利の祝福を】



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第22レース 君と貴方に、勝利の祝福を

赤坂「各ウマ娘、ゲート入りは順調!係員離れ…天皇賞春、スタートしました」

 

こうして人気ウマ娘が5人も居る天皇賞春が始まった。

 

ブルボン「先頭は…誰にも!渡しません」

赤坂「先頭はミホノブルボン!ミホノブルボン先頭です!一周目のスタンド前をウマ娘達が駆け抜けています…3200,長距離の覇者となるのはミホノブルボンか?ライスシャワーか?マヤノトップガンか?ナリタブライアンか?ゼンノロブロイか?はたまた、新たなウマ娘の台頭なるか?レースは落ち着いた展開を見せながら第ニコーナへ!」

マヤノ(…この位置ならブルボンさんを何時でもロックオン出来る!)

ナリブ(マヤノが飛ばしたら前走同様、スパートをかけるまでだ!)

ロブロイ(皆さんに付いて行って…最後、一気に!)

 

ライス(フゥ…)

 

ライスシャワーは一旦息を整える

 

ライス(ここは…この競場はブルボンさん、そしてマックイーンさんの三冠、三連覇を超えた…あの京都競場。私の得意な競場だ…みんなの夢を、期待を、願いを打ち砕いてしまった所だ…でも…ブルボンさんやマックイーンさんは違った!私の勝利を祝福してくれた!…私の事を私なんかの事を応援してくれた方も、きっと…居るよね?そこに…きっと)

 

赤坂「レースは向こう正面を進んでおります、ここまで目立った動きは…」

 

ライス「私が勝って!喜んでくれる人がそこに!」

 

赤坂「ライスシャワー!ライスシャワーが動き出した一気に三番手まで進出しました!一番手ミホノブルボン、二番手マヤノトップガン、ライスシャワーの順でレースは終盤を迎え各ウマ娘が続々とスパートをかけた!おっと!ナリタブライアンも外から来た!」

 

「ライスシャワー頑張れ〜!」

 

「マックイーンと戦った時から見てたぞ!お前ならここも超えられる!もう一度見せてくれ!あのステイヤー二人に勝ったライスシャワーの姿を!」

 

マックイーン「…聞こえますわよねあなたにも」

ゴルシ「おう…遂に目を覚ましたか、ライスシャワーが如何に強いかって事によぉ!」

マックイーン「ライスさん!私に勝ったんですのよ!?あなたになら超えられます!一度超えた壁ですわ!」

ゴルシ「ライス、お前になら祝福を受ける権利がある。他の誰でもねぇ…このゴルシ様がくれてやるよ!」

 

ライス「みんなの気持ち…ライスに届いたよ…見てて!ライス…一着を取るから!」

 

ググッ…

 

【ホワイトローズ・ヴィクトリー・チェイサー】

 

「祝福を、大切なあの人と…ライスだって勝利を掴んでみせる!」

 

赤坂「ここで!ライスシャワーが更に動いた!第4コーナーの先は頂上決戦か!?依然、ミホノブルボン先頭!残りは最後の直線だ!」

 

ブルボン(ライスさんの想い…受け取りました!私がするべき事は…強敵(とも)に勝て…!)

 

【MB-19890425】

 

「ミホノブルボン、始動!」

 

赤坂「やはりこの二人か!?後ろは離された、追いつく事ができるか!?残り200一体どちらが抜け出すか!?」

 

ブルボン「はぁぁぁ!」

ライス「やぁぁぁぁ!」

 

赤坂「ミホノブルボンか!?ライスシャワーか!?淀の坂を超えるのは誰だ!?並んだまま、ゴール!一着はミホノブルボンか!?ライスシャワーか!?」

 

電光掲示板には写真の文字が点灯された。写真判定だ

 

赤坂「細江さん、レースを振り返ってみてどうでしたか?」

細江さん「ライスシャワー、ミホノブルボン両者共に最後の叩き合いが魅力的でした…どちらが勝ったかは結果しだいですが二人、どちらが勝ってもおかしくはありませんブライアンやマヤノ、ゼンノロブロイは負けましたが負けから得られる物がありますのでぜひしっかりこの気持ちを忘れずに…」

 

そして、遂に結果が出た。

 

京都に淀の競場に溢れんばかりの歓声が響いた。

 

赤坂「一着はライスシャワー!ライスシャワーです!ライスシャワー二度目の天皇賞春を制覇しました!二着にはハナ差でミホノブルボン三着には1身離れマヤノトップガン、四着ナリタブライアン、五着ゼンノロブロイで確定しました…!」

 

マックイーン「やりましたわ…やりましたわ…ライスさんが…」

ゴルシ「あぁ…感無量ってやつだな…」

 

ライス「ライスが…勝ったの?」

ブルボン「ライスさん、天皇賞春優勝おめでとうございます」

ライス「うんっ…ありがとうブルボンさん」

 

「ライス、ライス、ライス!」

 

ライス「え…?」

 

京都競場は勝者を称えるコールに包まれた

 

ブルボン「あなたの勝利を称えるコールですよ…これが、あなたの待ち望んでいた…祝福の瞬間。ライスさん…後はわかりますよね?」

 

ライスの頬を涙が一筋、二筋と伝う

 

ブルボン「ライスさん…?どうしました!?大丈夫ですか?」

ライス「うっん…大丈夫だよ、大丈夫。ちょっと泣けちゃった…」

 

ライス(これが、この景色が私の見たかった景色。私なんかの…ううん、マイナスは駄目だよね…私を応援してくれたみんなが見せてくれたとても暖かい景色。)

 

ライス「みんなー!応援ありがと〜!」

 

「ワァァァァーーーーーー」

 

ライス「凄い声援だね…」

マヤノ「良かったねライスちゃん!」

ナリブ「良かったな…ライス」

ロブロイ「おめでとうございます…」

 

ライス「みんな…ありがとう!」

 

地下通路

 

ブルボン「ライスさん、いい走りでした。あなたからは最後、逃げ切れませんでした…」

ライス「まぐれだよ…運良く差しきれただけだから…」

ブルボン「勝利は勝利です。ですが、次は負けませんよ?」

ライス「うん!ブルボンさん次頑張ろう!」

ブルボン「そういえば…勝利の祝福はどうでした?」

ライス「なんか…照れちゃうね勝利の祝福って」

ブルボン「良かったです、あなたに祝福を届けることが出来て…ライスさん、目の前の方々も祝福したくて来たみたいですよ」

 

マックイーン「ブルボンさん…!そのっ…照れますわ」

ゴルシ「照れてるマックイーンも可愛いぜっ!良かったなライス〜貴重だぞ?マックちゃんの照れ顔…」

マック「ゴールドシップさん…んもぉ…あなたという方は」

ライス「マックイーンさん…ありがとう!あの時の約束、守ってくれたんだ。ゴールドシップさんそうなの…?珍しいの見れて嬉しいな!」

マックイーン「約束は守らねばなりませんからね…!おめでとうございます、ライスさん貴方なら天皇賞春を再び制されると思っていましたわ…!おめでとうございますっ!」

ライス「ありがとう…!マックイーンさん、ブルボンさん!ゴールドシップさん!」

 

ライス(この人達だけじゃない…ライスに祝福を祈ってくれた方も…きっと、居るよね…?うんん!マイナスな考えはダメだよね!居るよ絶対!ライスの勝利を祈ってくれた人が絶対に!)

 

こうして祝福を祈った者、祝福を叶えた者の物語はこうして一応の終わりを告げた…

 

ライス「あっ…!マックイーンさん!」

マックイーン「なんですの?」

ライス「ライス、次はマックイーンさんと戦いたい!」

ゴルシ「ライス…マックちゃんはこの前やっと練習を再開したんだ…流石にレースは」

マックイーン「あら?私走りますわよ?約束がございますの…!」

ゴルシ「…約束?」

ライス「テイオーさんと走るんだよね?宝塚記念!」

ゴルシ「おっ!宝塚記念か〜出遅れるなよ?」

マックイーン「出遅れ等致しませんわ、では、ライスさん宝塚記念でお待ちしておりますわ」

ライス「うん!ライス…頑張るね!」

 

数時間後

 

アナウンス「間もなく、ウイニングライブが始まります皆様、お楽しみ下さい」

 

???「こんな所に居ましたか…美浦」

美浦「アサマ…君か、何か用か…」

おばあ様「アサマ…その名は過去の名ですわ…私の名はミヤですよ?」

美浦「…私のようなウマ娘を侮辱した者に何の用だ?」

おばあ様「そんなあなたでも娘の応援には来ましたか…」

美浦「娘…」

おばあ様「…あなたのした事は決して許されぬ事、ましてやレースを管理し運営する者が決して発言して良い言葉では無い。それは分かりますね?」

美浦「あぁ…勿論分かっている」

おばあ様「ですが…一人の観客として、ミホノブルボンの父親として観戦しに来るのは別に良いのでは?ブルボンはあなたの事を少なくとも父親として接してくれて居るのでしょ?」

美浦「本当に…良いのか?私なんかが…ここに来ても」

おばあ様「娘の晴れ舞台、見ないほうが酷いと思いますよ…まぁ、私とてあなたを許しはしませんけど」

美浦「あぁ、ミヤさんにも迷惑をかけてしまった。私の起こした事で…」

おばあ様「…しっかりと償って下さい、そしたらあなたの身にもいつか、ありますわ…祝福が、何か良いことが…おっと、ウイニングライブの始まりですねウイニングライブは楽しむ物ですあなたの娘も歌い踊ります。あなたも楽しんで」

 

美浦「あぁ、この歌は…本当に良い歌だ。ささやかな祈り…ささやかな祈りなれどこの祈りは…ライスシャワーの想いが詰まった歌…そんな彼女を私は…私は。すまない…すまない…いくら謝っても許されない事を私はしてしまった」

 

数カ月後

 

赤坂「さぁ!春のG1シリーズ最終戦、宝塚記念が始まります!今年の出走ウマ娘も期待の持てる面々が勢ぞろいですね細江さん!」

細江さん「今年の天皇賞春を見事に勝利したライスシャワーを筆頭に奇跡のテイオーそして、このレースが復帰戦のターフの名優メジロマックイーンが出走!春天以来の対決が遂に実現しました…この三人が一緒のレースを走るということだけで感無量です」

赤坂「以前、テイオーとマックイーンは一度再戦の話があったそうですが怪我で無くなってしまったそうですね」

 

赤坂「おっと!ここでトウカイテイオー、メジロマックイーンがターフへと姿を表しました!この大歓声!大歓声が京都競場を包んでいます!」

細江さん「ライスシャワーも入場してきました!こちらもかなりの声援!トウカイテイオー、メジロマックイーン、ライスシャワーみんな頑張って欲しいです」

赤坂「そうですね!」

 

 

テイオー「マックイーン、ライス!ボク二人に勝っちゃうもんね!」

マックイーン「あら?その自信はどこから来ているのかしら?ターフの名優メジロマックイーンの復活ですわ!」

ライス「ライスだって…負けない!誰よりも先にゴールする!勝利を掴む!」

 

 

赤坂「各ウマ娘!ゲートへと入ってきております!勝つのは奇跡のテイオーか?名優、マックイーンか?祝福の白き薔薇ライスシャワーか!?宝塚記念…スタートです!」

 

to be continued

 

次章、第三章へ続く




次章予告

春。それは出会いの季節であり、同時に別れの季節でもある…

「えへへ…テイオーさんと一緒にここで色んな事学びたくって同じチームスピカに…」「マックイーンさんと…走ったり色んな事をしたくて…私もスピカを希望しました…」

テイオーとマックイーン。戦友として、仲間としてそして憧れを超える為に二人は再びターフを走る

第三章【ここでなら、叶えられる夢もきっとここにある】


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第三章 ここでなら、叶えられる夢もきっとここにある
第23レース 春それは、出会いと別れの季節


桜が咲き誇る頃

 

4月某日

 

トレセン学園入学式当日

 

「もう…時間ギリギリだよ…!」

「緊張しちゃって眠れなくて…」

 

二人の新入生は校門前に差し掛かった。

 

ガチャ〜…

 

「も、門が閉められてる…そんな…!」

「?おかしいね入学式なのに門閉めるかな?」

 

二人が疑問に思っていると緑色の服を着た女性が現れた

 

たづな「おはようございます…!お二人が一番ですね入学おめでとうございますキタサンブラックさんにサトノダイヤモンドさん」

キタサン「あれ…?門って」

たづな「今開けますね〜」

 

門を今開けるという事は…

 

キタサン「ダイヤちゃ~ん…???」

ダイヤ「目覚まし時計もしかして止まってた…!?」

キタサン「んもぉ…走って損じゃん」

たづな「トレセン学園じゃこの時間から走ってらっしゃる方も居ますよ〜今日だってテイオーさんとマックイーンさんが走ってましたよ」

キタサン「えっ!?テイオーさんと…」

ダイヤ「マックイーンさんが走ってるの!?」

たづな「はい…そうですよ、お二人はテイオーさんとマックイーンさんがお好きなんですか?」

キタサン「えへへ…憧れなんですよ。私とダイヤちゃんが入学を決めた最初のきっかけはテイオーさんの走りを見たり、テイオーさんと話したりした事がきっかけで…」

ダイヤ「私もマックイーンさんの走りや立ち振舞を見て入学を決めました」

たづな「素晴らしいきっかけですね、時間もありますしお二人に会ってきたら如何でしょう因みに新入生の教室は練習場の先にありますよ」

二人「ありがとうございます!たづなさん!」

 

その頃、練習場では

 

マックイーン「お待たせしました…!」

テイオー「やっと一緒に走れるんだね」

マックイーン「えぇ…!怪我より完全復活を果たしました…ターフの名優、復活ですわ!」

テイオー「自分で名優って言っちゃう〜?」

マックイーン「フフッおかしいですわね」

テイオー「まぁ、良いけどw」

マックイーン「2400.天気晴れ場状態良…あなたの得意距離ですわね」

テイオー「そうさ!ボクの得意距離…!負けて泣いちゃっても知らないよ〜?あの有を勝ったボクに勝てるかな!」

マックイーン「あらあら泣くのはテイオー、あなたの方ですわ以前、私と春天で対決した時に泣いてたのは何処のどなたでしたっけ?」

テイオー「マックイーンだって泣いていたさ!メジロの療養所で!」

マックイーン「っ…!あれはノーカン!ノーカンですわ!」

テイオー「ん…だね、人が流した涙で喧嘩するのは辞めとこう」

マックイーン「あなたには負けませんわ…!」

テイオー「望むところさ!」

 

ヒシアマゴール板「位置について〜よーいドン!」

 

その合図でマックイーンはコインを高くコインを打ち上げた

 

その頃新入生達は

 

キタサン「えっと…確か練習場はこっちだよね」

ダイヤ「こっちだったはずだよ!」

 

タッタタタ…

 

キタサン「あっ!テイオーさんがマックイーンさんと走ってる!お〜い!」

ダイヤ「凄い走り…とても練習とは思えない、凄いねキタちゃん…」

 

???「どうしたものか…おやテイオーとマックイーン?朝から本気で走ってるのか…本当、元気だなっと…確かあれはキタサンブラックとサトノダイヤモンド…か。君たち、あの二人こそ真のライバルと呼ぶべき二人だな」

キタサン「ル、ルドルフ会長さん!?」

ルドルフ「やあキタサンブラック、サトノダイヤモンド、流石全国ウマ娘陸上競技大会小学生の部の覇者だな入学式の数時間前から学園に来るとはな」

キタサン「あはは…色々ありまして…」

ルドルフ「…フフッ、詳しくは聞かないさ二人共、入学おめでとう」

二人「ありがとうございます!」

 

ゴールという声が練習場から聞こえてきた。

 

ルドルフ「折角だ…テイオーとマックイーンに会いに行こうかどちらが勝ったか聞きたいしな」

キタサン「はい!私もです…!」

ダイヤ「気になります!」

 

三人が練習場の方へ降りていくと二人は言い争いをしていた

 

テイオー「んもぉ〜なんでこんな時にヒシアマゴール板壊れてんの!?着順表示してくれてないじゃん!」

マックイーン「わ、わたくしの勝ちですわ!!」

テイオー「いーや!ボクだよボク!」

ルドルフ「二人共、どうした?新入生の前で喧嘩か?」

テイオー「カイチョーだ!え?新入生ってまだそんな時間じゃ…」

キタサン「来ちゃいました…」

ダイヤ「アハハ…ハ」

テイオー「二人とも〜?早すぎだよ〜」

マックイーン「そんなに早く来なくっても良いですのに」

ルドルフ「トレセンに早く入学したくて待ち遠しいのだろう」

テイオー「あっ〜なるほどね!」

キタサン「いや…ね?」

ダイヤ「待ち遠しくて…ね?」

キタサン「うん!待ち遠しくてね!」

テイオー「ん…?どうしたのさ二人とも」

ルドルフ「お、新入生用の昇降口が開けられたようだな!二人とも?早く行ったほうがいいんじゃないか?」

キタサン「そうだね!ダイヤちゃん、行こっか!」

ダイヤ「では、またお会いしましょう!」

 

テイオー「バイバイ〜!」

マックイーン「またですわ〜」

テイオー「カイチョーそういえばさ!ボク達のどっちが先着してたのさ!」

ルドルフ「あの二人と話していて見ていなかったすまない…」

テイオー「そんな〜!」

マックイーン「テイオー、やはり公式戦で戦いましょうそれで決着をつけましょう」

テイオー「そうするしか無いね!」

ルドルフ「二人は何に出るんだ?」

テイオー「元々ボクらは宝塚記念に出るはずだったけど…怪我で…だから!今度こそボクらが出てどっちが上か決める!」

ルドルフ「そうか…二人とも頑張るんだぞ」

テイオー「カイチョー?何か疲れてない?元気無いよー?」

マックイーン「確かに…元気無いように見えますわ」

ルドルフ「流石は…テイオーとマックイーンだなよく見てる…実はな…」

 

二人「えぇ〜?ルドルフ会長とエアグルーヴ、ブライアン副会長が辞める!?」

 

テイオー「どういう事なのさ!」

マックイーン「まさか…美浦が」

ルドルフ「いや、美浦は関係無い。辞めると言っても走るのを辞めるのではなく今後実施される事が予定されているウマ娘ワールド・ドリームステージ・シリーズに生徒会3名が出走するからな…」

 

テイオー「ワールド・ドリームステージ・シリーズって…トゥインクル・シリーズの上位のレースシリーズ?…あれ?ドリーム・シリーズじゃ無かったっけ?」

ルドルフ「そうだ、そのドリーム・シリーズの一環としてURAが主催として開催されるようだ世界を巡ったりまたは日本にて各国の強豪ウマ娘達と対決する事もあるらしい…その日本代表の一員に我々生徒会3名が選ばれたんだ」

マックイーン「凄いですわね!会長さん」

ルドルフ「あぁ、マックイーンありがとう嬉しいよ」

テイオー「ねぇ…それってトレセン学園に居ながらは無理なの?」

ルドルフ「そちらのレースシリーズを走るとトレセン学園を長期的に離れる事になるし…だったら新たな生徒会長と役員を決めた方が良いと思い先日、理事長に話をした所だ」

テイオー「そっか…お疲れ様、カイチョー、アハハ…寂しくなるね」

マックイーン「テイオー…あなた」

テイオー「んまぁ!ボクが次期生徒会長ってことかな!?」

ルドルフ「確かにテイオー、君を次期生徒会長に推薦する事も出来る…しかしなぁ…」

テイオー「えぇ!?ボクってば認められて無かったの…?悔しいよぉ〜泣いちゃうよワーン」

ルドルフ「冗談だ…キミを推薦するよう善処するさ」

テイオー「ニシシッ」

マックイーン「テイオー、あなたというウマ娘は…」

ルドルフ「では、私も入学式の準備がある。君達も早く準備をしておけよ?」

二人「はーい!」

 

テイオー「じゃ、ボチボチこっちも教室に行っとこうか」

マックイーン「えぇ、待機しておかなければいけませんものね」

 

二人は教室へと向かった。

 

どうやらキタサンブラックとサトノダイヤモンドは同じ教室だったらしい

 

入学式

 

ルドルフ「諸君らウマ娘の入学を心より歓迎すると共に祝辞としますトレセン学園生徒会長シンボリルドルフ」

たづな「一同、礼!」

 

たづな「以上を持ちまして、入学式を終わります新入生のウマ娘さん達にはこの後所属チームの希望用紙が配られます。用紙の提出期限は夏休み前までとなっております」

 

キタサン「ダイヤちゃんは決めた?何処のチームにするか!」

ダイヤ「実はリギルから声がかかってて…」

キタサン「リギルから声が!?ダイヤちゃん凄いね!学園1のトップチームから声が…あれ?私は声かかって無いぞ?」

ダイヤ「…なんかごめんねキタちゃん」

キタサン「大丈夫、大丈夫!私はもう決めてるから!」

ダイヤ「決めてるの?」

キタサン「私、チームスピカに入るよ!憧れのテイオーさんと同じチームに!」

ダイヤ「…憧れのテイオーさん」

キタサン「うん!憧れだもん」

ダイヤ「それもうん!楽しそうだねキタちゃん、キタちゃんが決めたのなら私も…リギルに誘ったりしないよ」

キタサン「あ…うん…あっ!そうと決まったらスピカに殴り込みに行ってるね〜」

 

キタサンブラックは凄い脚でチームスピカの部室に向かって全力疾走して行った。

 

ダイヤ「…変なキタちゃん、あんなに急ぐ必要無いのに」

 

校舎の外 謎のウマ娘達が埋まってるポスター前

 

ダイヤ「えっと…リギルの部室は向こうで…スピカの部室はって…ナニコレ…?チームスピカ部室は向こう!来ないとダートコースに埋めるぞ…?こ、こんなチームなの…?キタちゃん大丈夫かな…」

キタサン「ダイヤちゃん!」

ダイヤ「キタちゃん!って…何でサングラスとマスク付けてるの!?」

???「スカーレット、ウオッカ、スペ、テイオー、マックイーン、スズカ!キタサン!やっておしまい!」

スペ「はい、ゴールドシップさん」

ダイヤ「な、何ですか〜」

 

キタサン「皆さん行きますよ〜ピーピッピピピー祭だ!祭だ!」

みんな「ワッショイ!ワッショイ〜!」

ダイヤ「いっ…嫌ぁぁ〜」

 

スピカ部室

 

ゴルシ「よっしゃ!取るぞ〜」

ダイヤ「その…お手柔らかに」

みんな「ようこそ!チームスピカに〜」

沖野「ってようこそチームスピカに〜じゃねぇよ!名門お嬢様を拉致したりしたら大問題じゃねーか!」

ゴルシ「マックちゃんは大丈夫だったろ?」

沖野「マックイーンにはやってないだろ…」

ゴルシ「あ…やば…そうだっけ?」

マックイーン「ですわよ!だからあれ程やめろと…」

スズカ「私も反対しましたよゴルシ先輩」

ゴルシ「ダ、ダイヤちゃんとやら!主犯は沖野、スピカのトレーナーだぞ」

沖野「おいこら!ゴルシ、俺に罪を擦り付けるな!」

ゴルシ「あっ…やべ逃げよっと〜!」

沖野「待てコラ!っ…サトノダイヤモンドさん、悪いのは…」

ダイヤ「分かってますよトレーナーさん…悪いのは…キタちゃ〜ん?あなたでしょ!ぷんっ!」

ウオッカ「おいまて!何でそうなる!」

ダイヤ「さっきの逃げるような走り方…こんな事をする為に〜?」

キタサン「ごめん!ダイヤちゃん実は…私はスピカから声がかかってて…それにダイヤちゃんもって沖野トレーナーさんから…」

スズカ「…声がかかってた?ダイヤちゃんにも…?」

沖野「そ、それはまだ言っちゃ駄目って言ったじゃないかキタちゃん…!」

 

ガシッ

 

沖野「あ…」

スペ「トレーナーさん?何で掴まれたか分かりますよね?」

ダスカ「キタサンを誘ってダイヤちゃんもって言ったのがトレーナーなら…」

みんな「悪いの…沖野トレーナーさんじゃないですか!」

 

ボコボコ〜と漫画みたいな風景が広がる

 

ゴルシ「ごめんな、ダイヤちゃん」

ダイヤ「良いんですよゴールドシップさん」

キタサン「ごめんねダイヤちゃん…騙してて」

ダイヤ「本当…だよキタちゃん」

キタサン「うん…」

ダイヤ「私、リギルにキタちゃん誘わないって言ったよね?なのにキタちゃんは誘うんだ」

キタサン「…」

ダイヤ「そんなの…のらない他無いじゃん!」

 

みんな「えぇぇぇ!」

沖野「のるのぉぉぉ!?」

ダイヤ「キタちゃんだけズルいよ!キタちゃんの憧れがテイオーさんなら私の憧れはマックイーンさんなんだから!私も憧れのマックイーンさんと同じチームに入りたい!なので…よろしくお願いします。沖野トレーナーさん、スピカの皆さん」

沖野「リギルからも声かけられてたんだろ?大丈夫なのか?」

ダイヤ「大丈夫です」

 

キタサン「ごめんなさい…ダイヤちゃん」

ダイヤ「どうしようかな〜?」

キタサン「…うぅダイヤちゃん」

ダイヤ「泣かないでよ…キタちゃん」

キタサン「うん!泣かない!」

ダイヤ「相変わらず可愛いんだからキタちゃん…」

 

ウオッカ「…何だこれ」

ダスカ「よくわかんないけど…」

スペ「二人共、いらっしゃい!これからは仲良くしましょう!」

二人「はい!よろしくおねがいします!」

 

こうしてチームスピカに新たなメンバーが加入した。

 

いつものバー にて

 

東条「ん…?頼んで無いわよ?」

バーテンダー「あちらのお客様からです」

沖野「よ…」

東条「よじゃないわよ、よっ…じゃ!結構良いカクテルなんじゃない?大丈夫なの?」

沖野「サトノダイヤモンドをスピカに加入させて貰ったんだこれ位の事はしないとだろ?」

東条「そう…彼女をよろしく」

沖野「しっかし良いのか?おハナさんが折角声をかけたのに」

東条「彼女の家は名門と言われるサトノ家よ?リギルに入れたら私が指示を出しにくくなるじゃないそれに彼女達だけじゃないわ今年はもう一人、伸びしろのありそうなウマ娘がいるわ」

沖野「それもそうか…指示出しを重要視してるおハナさんはやりづらいか…まだとっておきが居るのか…クラシック路線が楽しみになるな」

東条「そうね…じゃあサトノとキタサン、頼んだわよ…沖野」

沖野「おうよ!」

 

次回へ続く



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第24レース 或る二人は夢を、或る二人は戦いに臨む

ライスシャワーが春天を制した後のある日

 

スピカ部室にて

 

沖野「という訳だ知っていると思うが改めて自己紹介を頼む!」

 

「キタサンブラックです!テイオーさんが憧れで同じチーム、スピカに入る事を決めました!これからよろしくおねがいします!」

 

「サトノダイヤモンドです。他のチームからのお誘いを頂きましたが、私もキタちゃん同様憧れのマックイーンさんと同じチーム、スピカに入ることを決めました…キタちゃん同様に不束者ですがよろしくお願い致します…」

テイオー「よろしくね〜キタちゃんにダイヤちゃん!」

マックイーン「えぇ…よろしくおねがいしますわ二人ともこれからは一緒に頑張りましょうね」

ゴルシ「おうよ!頑張ってくれヨン!」

スペ「困ったら何でも聞いてくださいね!」

スズカ「はじめは皆初心者よ…レースの事、色んな事を教えるわチームのみんなで」

ダスカ「教えるのは得意よ!」

ウオッカ「先頭の事だったら…スズカ先輩の方がいいだろ?」

ダスカ「私だって逃げれるわよ!差しのアンタとは違うのよ!」

ウオッカ「お〜そうだぜ!俺は逃げの事なんか知らねぇよ!」

ダスカ「なんなよ!」

ウオッカ「なんだよ!」

スズカ「巻き込まれてる…?二人とも?新入生の前で恥ずかしくないの?」

ダスカ&ウオッカ「///あ…」

 

沖野「おいおい、お前らな…二人はライバルでないつも啀み合ってるんだ」

キタサン「なるほどそうですか…」

ダイヤ「ライバル…私とキタちゃんとはちょっと違いますけど熱いライバル関係…憧れますね〜」

テイオー「良くない見本だからね?」

マックイーン「ですわ…レース中だけならまだしも、私生活でもこれですもの…みっともないですわ」

ダスカ「///ウオッカ!何か言いなさい!」

ウオッカ「///何も言えねぇーよ!」

 

スピカ部室に笑い声が木霊した。

 

沖野「新入生二人は暫くの間は練習の毎日になるだろうが頑張ってくれよこの期間でどれだけ練習を積めるかが今後のジュニアレースで役に立つ」

テイオー「そっか…クラシックシリーズの前にジュニアレースで成果を出さなきゃいけないっけか」

マックイーン「懐かしいですわね…」

キタサン「そういえば、テイオーさんとマックイーンさんは今後はどんなレースに出られるんですか?」

沖野「そういえばまだ聞いて無かったな…何に出るんだ?」

マックイーン「テイオーと私は本来であれば春天の後、何事も無ければ戦う筈だったレースがありますの」

テイオー「…宝塚記念!」

沖野「なるほどな…そういえばそうだったな!マックイーン、怪我明けで不安かも知れないが頑張れよ!テイオー、マックイーンに春天と同じく負けていいのか?」

テイオー「ふふん!知ってる癖に次に勝つのはボクさ!」

沖野「二人とも、頑張って淀の坂でもう一度ぶつかってこい!」

ゴルシ「おいトレーナー淀の坂って…宝塚記念は阪神だろーよ」

マックイーン「本来なら阪神競場ですけど今年から改修工事が始まりまして…今回の宝塚記念から開催地変更ですわよね?」

ゴルシ「あ〜そうだっけか!確か変更は宝塚からだっけか!」

スペ「ナリブ先輩の阪神大賞典は確か阪神でやってましたよね?」

スズカ「そうだったはずよ」

沖野「という訳だ…テイオー、マックイーン宝塚は頑張れよ今年は激戦となった春天を制したライスシャワーも宝塚記念に出走する事を表明している」

マックイーン「一度…負けましたが次こそは…!」

テイオー「うん、打ち勝つよボクらはライスに!」

沖野「よしっ!頑張れよ、新入生の二人は分からない事だらけだろうが、沢山学んで頑張ってくれ」

二人「「はいっ!」」

ゴルシ「よっしゃ!円陣組むぞ〜」

テイオー「よーし!組むぞ〜」

マックイーン「えぇ…」

キタサン「テイオーさん、マックイーンさん皆さん早くですよ〜」

 

沖野を含めたスピカ全員で円陣を組む

 

ゴルシ「よし!テイオー、マック、キタサン、ダイヤ他の皆も…絶対に勝つぞ〜」

みんな「お〜!!!!!!!!!!」

 

すると突然通知音が鳴った

 

沖野「うん?誰だ?」

ゴルシ「なんで〜こんな大事な時に〜!」

沖野「うおっ!おハナさんからだ!何々…新入生対抗の練習試合を行いましょう!?」

キタサン「練習…」

ダイヤ「試合…?」

スペ「以前、タイキ先輩とやったようなアレですかね?」

沖野「まぁ…似たような物だな。二人ともどうする?別に断っても良いんだぞ?」

キタサン「断る訳無いじゃないですか!ね?ダイヤちゃん!」

ダイヤ「売られた喧嘩は買わねばいけないと同じく売られたレースは出なくてはいけません!」

沖野「…そうだよな!ウマ娘という者、レースに出てこそだしな!早速、返信しとくぞ」

 

キタサン「初めてのレース、楽しみだねダイヤちゃん」

ダイヤ「その為に少しでも練習を頑張ろう!キタちゃん!

 

こうして、練習試合の開催が決定した。



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第25レース 対決!?スピカ新入生VSリギル新入生

1.2.1.2というペースでキタサンブラックとサトノダイアモンドが練習場を走る

 

沖野「二人とも〜少しペースを上げてくれ!このままではリギルのウマ娘に差し切られるぞ!」

ウオッカ「お!?トレーナー!リギルに入った新入生は差しウマ娘なのか!?」

沖野「確か差しウマ娘だった筈だぞ…?えっーと?何だっけ?何処かの祭りの名前だった筈…」

キタサン「えっ!?お祭りの名前?夏祭り?それとも秋祭り?それとも冬祭り?あっ!春祭り!?」

ダイヤ「キタちゃん…そんな名前のウマ娘居ないよ…」

ゴルシ「夏祭りは居るぞ〜?」

マックイーン「スマホで名前を…あっ!確かに居ますわね…」

ゴルシ「マジか…適当言っただけなのに」

沖野「キタサン…確か海外の祭りの名前だった筈だ」

キタサン「海外…!?ん…ハロウィンちゃんとかですかね?あんまり知らないな…海外のお祭り」

 

???「ハワイの収穫祭と言えば?」

 

スペ「収穫祭…レイとかですか?」

スズカ「スペちゃん、それは首にかける装飾品の花よ?えっと…確かマカヒキ?」

沖野「そうだ!マカヒキ…って!?」

マカヒキ「こんにちは、マカヒキです敵情視察って感じです〜」

ゴルシ「おぉ〜?視察か?させないぜ!?」

ダイヤ「マカヒキちゃん…よろしくね」

キタサン「よろしく!お互い頑張ろー!」

マカヒキ「うん、お互いに!頑張ろうね」

ゴルシ「いいのか…視察させて」

沖野「二人が良いなら良いんじゃないか?

テイオー「ていうかさ〜よくスズカ、マカヒキって名前知ってたね」

スズカ「アメリカに居るときにハワイからやってきたウマ娘が居て教えてくれたのよお祭りとか色々ね」

スペ「芝を走る方ですか?その方は」

スズカ「芝のウマ娘だったわ」

ダスカ「ダートのウマ娘とトラブルあったんでしたっけ?先輩」

スズカ「えぇ…まぁ、もう大丈夫よ」

マカヒキ「…アメリカはダートがメインだからね…日本や欧州と違ってまぁ…それがアメリカ競の魅力なんだけどね…芝とダートは相容れないよね」

沖野「マカヒキ…?アグネスデジタルって知ってるか?」

マカヒキ「勿論知っています、芝とダートのG1を制し海外レースをも制された戦場を選ばない正に勇者」

沖野「デジタルは特殊だが相容れない訳じゃない素質やどれだけ特訓をしたかによる差じゃ無いかと思うな俺は」

マカヒキ「素質と特訓の差か…つまりは練習すれば上げたり出来ると?」

沖野「そうだ…因みにマカヒキはダートを走りたいのか?」

マカヒキ「そういう訳じゃ無いけど長く走っていたいよね…折角ウマ娘に生まれたんだもの!」

沖野「そうか!長く走れるように頑張ってくれ〜」

マカヒキ「へへっ!ありがとそれじゃあね〜」

 

ダイヤ「…マカヒキちゃんは長く走っていたいんだね」

キタサン「そうみたい…私もダイヤちゃんとずっと走っていたいな!」

ダイヤ「それは私も!!」

 

沖野「その為に今は練習だ!マックイーン、お前ももう走れるんだろ?」

マックイーン「はい、走れますわ!」

沖野「久しぶりに外周行ってみるか、ゴルシ頼む!」

 

ゴルシ「OK〜マックちゃん行くぜ!マックにマックイーン!」

マックイーン「何ですの!その掛け声は〜私、マックになんて好き好んで行きませんわ!」

ゴルシ「よっしゃ、今度はちゃんと行くぜ!スイーツ!スイーツ!」

みんな「スイーツ!スイーツ!」

 

沖野「…頑張れよお前達」

東条「大丈夫そうね」

沖野「おハナさん…居たのね」

東条「…何よ、居ちゃ駄目なの?」

沖野「そんな訳ないだろ…あの子がマカヒキか…」

東条「そう…長くターフを走れそうな素質を持ってるわ私も彼女を長く走らせたいわ」

沖野「確かに長く走る事をマカヒキ自身も言ってたな」

東条「マカヒキの相手、お願いするわよ」

沖野「…キタサンとダイヤで勝ってみせる」

 

沖野はリギルトレーナーの東条にそう宣言した。

 

そして、練習試合当日をむかえる

 

トレセン学園 練習試合

 

東条「では、早速だけどレースを開始するわこのトレセン学園練習場2400メートルを先に勝った方が勝者。本番さながらの発ウマ機を使用するわ」

 

各ウマ娘(というか今回出走するのはマカヒキ、キタサンブラック、サトノダイヤモンドの3人だけである)

 

エルコン「スピカの方が出走者多くてこちらが不利デスか?」

グラス「エル〜?そんな事はありませんよ?今回の新入生の中でもマカヒキさんは長く走れそうな予感がします…」

エルコン「長く走れる?」

グラス「はい…それを見越しての出走ですかね?

トレーナーさんもそのように感じたようです」

 

バンッと勢いよくゲートが開く

 

キタサン「先頭を進むよ…!」

ダイヤ(キタちゃん…飛ばすな)

マカヒキ「…」

 

キタサンブラックの先頭でレースは進むサトノダイヤモンドはその後をマカヒキは更にその後を進む。

 

向こう正面に入っても3人しかいない為、キタサンブラック先頭でサトノダイヤモンド、マカヒキといった感じで試合は進む

 

そして…

 

最終コーナーを進み最後の直線

 

マカヒキ「ここかな…!」

 

グッ…

 

マカヒキの溜めた末脚が炸裂した

 

ダイヤ「えっ…!」

キタサン「ちょっ…!」

 

サトノダイヤモンド、キタサンブラックは最後の直線で差されマカヒキに敗北してしまった。

 

ウオッカ「すっげぇ末脚…」

スペ「最後の直線で差されちゃいましたね」

テイオー「キタちゃん…」

マックイーン「ダイヤさん…」

 

キタサン「負けちゃった…」

ダイヤ「惜しかったね…」

マカヒキ「…二人ともありがとう、私の対戦相手になってくれて次は実戦でね!」

ダイヤ「はい!よろしくおねがいします」

キタサン「次は負けないよ!」

マカヒキ「はい!」

 

東条「3人とも良い経験積めたわね、私からもありがとう今後もこういう事やりましょ」

沖野「おう!」

 

スピカ部室

 

キタサン「…負けちゃいました」

ダイヤ「私も…」

沖野「今回の相手は学園1のチームリギルの今年の新入りにして主席みたいなウマ娘だ負けるのも無理も無い次勝てば良い!キタサンとダイヤ!これで自分達の実力が知れたろ?後は実力の差が埋まるまで練習だな!」

 

二人「はい!」

 

クラシックシリーズではどのような激戦になるか楽しみである



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第26レース もう一つのファン投票レース、宝塚記念

キタサンブラックら次世代のウマ娘達が練習試合を終え

 

約一ヶ月が経過した

 

トウカイテイオー、メジロマックイーンこの二人も来る宝塚記念、二人の公式戦復帰の為の練習を始めたのだった

 

ライスシャワー、彼女もミホノブルボンと共に中距離勝利の為に練習を開始したのだった。

 

5月某日

 

沖野「テイオー、マックイーン!二人の実力はそれ位か!?それ位なのか!?」

 

テイオー「なわけ…」

マックイーン「ありませんわ!」

沖野「よし!ならもう一本いくぞ!」

 

二人「おぉ〜!!」

 

スペ「張り切ってますねテイオーさんとマックイーンさん」

スズカ「念願の再戦だもの張り切るわ」

ダスカ「怪我で出走出来なかったレースが遂に見れるのね!」

ウオッカ「うぉーTM対決再びか〜早く見たいぜ!」

ゴルシ「しかも…?今度は中距離2200メートルだ前回の天春とは違いテイオーに分があるどっちが勝つか楽しみだな」

スペ「ですね!」

キタサン「楽しみです!絶対応援に行かなきゃねダイヤちゃん!」

ダイヤ「うん!そうだねキタちゃん」

沖野「今年は京都競場で宝塚記念だからな…新幹線でも乗ってみんなで見に行くか!」

 

スペ「良いですね!久しぶりに硬いアイス食べたいです!」

スズカ「スペちゃん…まだ先の話よ?」

マックイーン「硬いアイス!」

テイオー「本当っ!マックイーンてばスイーツの名前聞くとすっ飛んでくよね〜」

マックイーン「スイーツは別ですわ!」

ゴルシ「…また太るぞぉ」

マックイーン「またってなんですの?またって!」

 

そんなスピカの様子を伺うウマ娘がいた

 

ライスシャワーだ

 

ブルボン「相変わらず、あのチームは楽しそうですね」

ライス「うん…」

ブルボン「我々はトレーニングを積む他に手はありません、ライスさん!宝塚記念でマックイーンさんやテイオーさんに勝ちたいのですよね?」

ライス「うん…!ライス頑張るね!」

 

そう言いライスとブルボンは坂路トレーニングを再開した。

 

ライスのトレーナー「併せ感謝するわ黒沼」

黒沼「感謝しなければいけないのはこちらだ、ライスとブルボンはライバル同士だ二人でトレーニングを積めばライスだけじゃないブルボンの練習にもなるからな」

ライスのトレーナー「宝塚…大丈夫かしら?」

黒沼「なんだ?不安か?」

ライスのトレーナー「えぇ…第一、中距離で勝ったこともなければ相手にはテイオーとマックイーン、しかも春天の後ぶっつけ本番脚も不安だわ」

黒沼「中距離で勝ててなくとも善戦してるだろ担当トレーナーが信じなくてどうする」

ライスのトレーナー「信じる…確かにそうね彼女を一番信じなければいけないのは私ね…でも脚の不安は取り除け無いわ」

黒沼「それは大丈夫だ問題無い」

 

と一言いい黒沼は何処かへ電話をかけた

 

黒沼「ああ、二人を頼む」

ライスのトレーナー「?」

黒沼「ブルボン、ライス!トレーニングは終了だ戻って来い」

 

とインカムで連絡した

 

ブルボン「了解、マスター ライスさん戻りましょう」

ライス「は、はい」

 

ライスとブルボンが戻って来ると黒沼は口を開いた。

 

黒沼「ライス、ブルボン寮に戻り宿泊の用意をしろ」

ブルボン「…宿泊ですか?」

ライス「ヒシアマゾンさんやフジキセキさんに言わなくて大丈夫ですか?」

ライスのトレーナー「宿泊!?今から…!?急すぎない?」

黒沼「安心しろ、寮長ともう一か所には連絡を入れた」

ライスのトレーナー「もう一箇所…?」

黒沼「ライス、ブルボン!寮に戻り準備をしろ、以上だ」

ライス「どうすれば良いの…?お姉様」

ライスのトレーナー「よく分からないけど戻って準備してちょうだい」

ブルボン「戻りましょうか…宿泊の用意しましょう」

ライス「うん…」

ライスのトレーナー「黒沼…一体宿泊って何をするつもりなの…?」

 

二人は寮へと足早に駆けて行った。

 

一時間後

 

トレセン学園 校門付近

 

ライス達が待っている所に一台の車がやって来た。

 

マックイーン「二人とも〜お乗りになって下さいまし」

テイオー「やっほ〜」

ライス「マックイーンさんにテイオーさん?え?なんで…」

黒沼「今から二人にはメジロ家の療養所に向かってもらう」

ブルボン「マスター、療養所とは療養する為の施設では?二人とも健康です」

黒沼「健康だなしかし、ライスは春天を走ってまだ日が浅いゆっくりと身体を休めなければいけない無理をすれば身体を壊すブルボン、お前だって過去に故障しただろう身体を壊さない保証は無いブルボン、休める時に休んでおいた方が良い」

ブルボン「分かりました」

黒沼「マックイーン、お誘い感謝する」

マックイーン「お礼ならおばあ様に」

 

ライスとブルボンはメジロ家の車に乗り込んだ

 

じいや「では、発車しますぞライス様、ブルボン様はシートベルトを着用して下さい」

ライス「はい…」

ブルボン「…了解」

 

ライス「マックイーンさん…療養所で何するの?」

マックイーン「…療養と言いましても身体を休めにですけどね丁度テイオーを連れて行こうと思っていたらおばあ様がライスさんとブルボンさんも連れて行きなさいとの事でして…」

テイオー「療養所の温泉はすっごく気持ち良いよ〜」

ブルボン「温泉ですか…良さそうですね」

テイオー「ブルボンって見るからに硬そうだよね」

マックイーン「テイオー!よしなさ」

ブルボン「いえ…成績はいつも逃げ切り独走しています」

 

マックイーン「…」

ライス「…」

テイオー「…そういう事じゃないよ?」

ブルボン「…どういう事でしょう?」

 

フフッ

 

自然と笑みがこぼれた

 

ブルボン「笑うような事なのですか?ライスさん」

ライス「ごめん…ライス耐えられなかった…ブルボンさん硬いって頭が硬いんじゃなくてテイオーさんが言ってるのは身体が硬そうだって事だよ」

ブルボン「そうですか?テイオーさん」

テイオー「うんそういう事だね」

ブルボン「硬くありませんよ寧ろライスの方が…」

ライス「ブ、ブルボンさん!?そんな事を何処で…」

ブルボン「テイオーさんに教えて頂きました」

テイオー「ギクッ!ギクッ!」

ライス「助けて〜マックイーンさーん」

マックイーン「テイオー、身体もっと柔らかくしたいでしょ?揉んであげますわ」

テイオー「マックイーン…ボクはプロレスは…」

 

メジロ家の療養所に着いた際、山にテイオーの叫び声が轟いた事は言わずもがなであろう

 

温泉

 

ライス「気持ち良いねブルボンさん」

ブルボン「…はいそうですね」

テイオー「でしょ〜」

ライス「あっ…プイッ」

マックイーン「テイオー!ライスさんを怒らせるのも大概にしなさい!先輩ですのよ!」

テイオー「ごめんなさい…」

ライス「正直な話、体育館で煽りだしたテイオーさんは鬱陶しかったよ」

マックイーン「全く…テイオー!貴方というウマ娘は…」

テイオー「反省します…」

 

温泉を上がると部屋に料理が用意されていた。

 

ライス「た、食べていいのこんな豪勢な料理」

マックイーン「これはおばあ様に内緒です」

ライス「え…?どういう事?」

マックイーン「温泉と宿泊はおばあ様がぜひにと、食事は私が言うのもなんですけど私とテイオーから…です」

テイオー「うん…ライスの天皇賞春見てて凄いって思ったからね何か祝いたいなって」

ライス「ありがとう…テイオーさんマックイーンさん嬉しいよ」

ブルボン「私も…良いんですか?」

マックイーン「ブルボンさんもライスさんと二人で一つそういう関係じゃ無いですか…ですし折角来て頂いて一人だけ無いのは…」

テイオー「腹が減ればレース出来ないし!」

ブルボン「そうですね」

 

マックイーン「では、頂くとしましょう!」

 

四人「いただきます」

 

とても美味しい料理を頂いた。

 

ライス「…美味しかったねブルボンさん」

ブルボン「はい、美味しかったですね」

マックイーン「ライスさんって…」

ライス「な、何かな…」

マックイーン「ライスさんってかなりご飯食べられますよね?」

ライス「うん…結構食べるねオグリさんみたいには食べれないけど」

マックイーン「それでその体型ですもの憧れますわ」

ライス「そんな事ないよ…」

テイオー「マックイーンだって食べるじゃんスイーツ」

マックイーン「スイーツは別ですわ!」

ブルボン「スイーツは別腹ですね」

マックイーン「そうですわ!」

テイオー「ま…食べすぎちゃダメだよマックイーン」

マックイーン「食べすぎてませんわ!」

 

四人は会話に花を咲かせ数時間が経過した

 

ライス「話してたら時間が進むの早いね」

ブルボン「…フワァ〜眠いですね」

マックイーン「もうそろそろ眠りましょうか」

 

テイオー「ムニャ…ムニャ…」

マックイーン「もう寝てましたか…全くちゃんと布団敷かないと風邪引きますわよ」

ブルボン「優しいですねマックイーンさん」

マックイーン「そりゃ、風邪引かれたら困りますもの」

ライス「だよね風邪になっちゃったら練習出来ないもんね」

マックイーン「さて…私たちも寝ましょうか」

 

マックイーンは部屋の電気を消した。

 

次の日早朝

 

じいや「お嬢様、本日は土曜日いつ頃学園に戻られますか?」

マックイーン「少し練習場でトレーニングしますわ、その後温泉で汗を流して…昼頃には戻りたいですね」

じいや「承知しました」

 

マックイーン「じゃ、行きますわよ」

 

メジロ家の練習場にてトレーニングを開始した。

 

ライス(やっぱりマックイーンさんとテイオーさん速いな…)

ブルボン(ついていくだけでやっとですね)

テイオー「マックイーン、大丈夫?無理しないでね」

マックイーン「お気遣いなく、大丈夫ですわ」

ライス(そうだ…マックイーンさんは怪我明けだったっけ…宝塚で怪我しないように身体を休めようって事で療養所だったのかな)

ライス「勝ちたいな…」

マックイーン「フフっ…」

 

練習は終わり温泉にて

 

マックイーン「ライスさん」

ライス「なんですか?」

マックイーン「あなたも勝ちたいんですね」

ライス「えっ…!?聞こえちゃってた?」

マックイーン「えぇそうですねでもそれはウマ娘なら全員思う事ですわ。私だってテイオーと戦って勝ちたい、テイオーだって私に勝ちたいと思っています。ですが、勝者は一人です勝つ者が居れば負ける者も居ます。勝つのは私かも知れませんしテイオーかもライスさんかも他の方かも知れません…私から言えることは一つです宝塚の勝者になれるように精一杯走りましょう」

ライス「うん!頑張ろう」

 

テイオー「気になるの?」

ブルボン「えぇ、まぁ」

テイオー「そっかブルボンにとってのライスはボクで例えたらマックイーンか」

ブルボン「そうなりますね、ライバルです」

テイオー「宝塚には出ないの?」

ブルボン「…はい出ません次走は天皇賞秋を予定しています」

テイオー「そっか…まぁブルボンが決めた事に口出しはしないけどそれならさ宝塚は誰応援するの?ライス?」

ブルボン「はい」

テイオー「ライバルを応援って良いよねお互いに切磋琢磨してる感じでさ」

ブルボン「ライスは私のライバルですもの…宝塚、中距離でも勝てる事を証明して欲しいです」

テイオー「そっか、ライスは中距離で勝ったこと無いんだっけかボクとは大違いだ」

ブルボン「ステイヤーとしては私とマックイーンさんよりも上かも知れないほどの方何ですけどね」

テイオー「長距離を制した者、中距離制する事は出来るのかって事か…どうなんだろうね」

ブルボン「分かりません…ですが私は信じますライスシャワー彼女の事を」

 

 

果たしてライスシャワーは無事に淀の坂を越えられるか…

 

次回、宝塚記念。



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第27レース 

タイトルは後書きに書いてます


6月4日。宝塚記念当日

 

京都競

 

トレセン学園でも色々な所でテレビ放送やら配信で見ているウマ娘も多い

チケット「タイシーン!宝塚記念始まるよ〜!ゲーム止めて見ようよ〜!」

タイシン「うっさい、言われなくても見るし」

ハヤヒデ「しかし、タイシン?出走しなくて良かったのか?」

タイシン「本調子じゃまだ無いし…メンバー的に勝てないっしょ」

チケット「ハヤヒデ出たら勝ちそう!有以来のテイオー対決見たいな〜!」

ハヤヒデ「ん…それも良いが今では無いな…そういう豪華なレースは年末にやった方がいいんじゃなかろうか?」

チケット「それは楽しみだね!ハヤヒデ今年出るの!?」

ハヤヒデ「妹がどうしても戦いたいそうだからな」

タイシン「アタシも…怪我治ったらまた…BNWで走りたいな」

チケット「うぉぉぉ〜!!私とタイシンとハヤヒデ、BNWでまた走れるの!?うぉぉぉ…感動じだぁぁぁ…」

タイシン「…言うんじゃ無かった」

チケット「工エエェェ(´д`)ェェエエ工」

タイシン「うっさい!冗談に決まってんじゃん」

チケット「ジョーダンか…一緒に出てくれるかな?」

タイシン「知るか!ってかいい加減部屋から出てってくれない?」

チケット「う…ごめんなさい静かにするから…」

ハヤヒデ「チケット、タイシンは病み上がりだからそっとしておこう食堂にでも行ってそっちで見よう」

チケット「うん!そうだね〜タイシーン!お大事にね〜」

ハヤヒデ「…これでゆっくり出来るだろ?タイシン、気を付けるんだぞ」

タイシン「ん…ありがと」

 

そう言いチケットらはタイシンの寮部屋を後にした。

 

赤坂「さぁ!春のG1シリーズ最終戦、宝塚記念が始まります!今年の出走ウマ娘も期待の持てる面々が勢ぞろいですね細江さん!」

 

細江さん「今年の天皇賞春を見事に勝利したライスシャワーを筆頭に奇跡のテイオーことトウカイテイオーそして、このレースが復帰戦のターフの名優メジロマックイーンが出走!三人共に春天以来の対決が遂に実現ですね…この三人が一緒のレースを走るということだけで感無量です」

 

赤坂「以前、テイオーとマックイーンは一度再戦の話があったそうですが怪我で無くなってしまったそうですね」

 

 

赤坂「おっと!ここでトウカイテイオー、メジロマックイーンがターフへと姿を表しました!この大歓声!大歓声が京都競場を包んでいます!」

 

細江さん「トウカイテイオー、メジロマックイーン、ライスシャワーみんな頑張って欲しいです」

 

赤坂「そうですね!」

テイオー「マックイーン、ライス!ボク二人に勝っちゃうもんね!」

 

マックイーン「あら?その自信はどこから来ているのかしら?ターフの名優メジロマックイーンの復活ですわ!」

 

ライスシャワーが地下通路を通っているとミホノブルボンが待っていた

ブルボン「ライス…」

ライス「ブルボンさん…ありがとう、来てくれたんだ」

ブルボン「勿論、見に来ますよ。だってあなたは私のヒーローであってライバルなんです。ヒーローの勝つところ、見せて下さい…くれぐれもお気をつけて」

ライス「うん…頑張るね」

 

ライス(温泉でゆっくりしたし…メジロ家お抱えのお医者様にマッサージを受けたんだからきっと大丈夫だよ…きっと)

 

ライスがターフへと姿を見せたその時、今までの彼女の応援とは大違いの歓声や拍手が巻き起こった。

細江さん「ライスシャワーが姿を表しましたこちらも物凄い声援に迎えられています」

 

スペ「今日は凄い応援ですね…」

スズカ「この前の天春で勝ってファンの方が沢山増えましたよね」

沖野「あぁ…マックイーンとテイオーのファン投票数でほぼ僅差だからな…」

ゴルシ「やっぱすげーなライスは」

スペ「凄いですよねライスさん!」

キタサン「ライスさんに負けないでーテイオーさん!マックイーンさんにも勝ってください!」

ダイヤ「ライスさんに負けないで!マックイーンさん!天春の借りを返す時です…!テイオーさんに負けないで!」

 

テイオー「みんな応援してくれてるねボクらの事」

マックイーン「ですわね…」

テイオー「キミには負けたくない…天皇賞春とは違うって事を教えてあげるよ」

マックイーン「教えてあげますわ…中距離でも一着という事を」

 

フッ…

 

マックイーン(なんですの?今の感覚、一瞬何処かで感じた事のある何かが…)

 

それはライスシャワーも感じた

 

ライス(ん…?今の感覚…何処かで…?感じたような)

 

下を見ると靴のリボンが両足ズレていた

 

ライス(あっ…これかな?両足ズレるとか恥ずかしいな…)

 

赤坂「各ウマ娘!ゲートへと入ってきております!勝つのは奇跡のテイオーか?名優、マックイーンか?祝福の白き薔薇ライスシャワーか!?宝塚記念…スタートです!」

 

遂に宝塚記念が始まった。

 

赤坂「トウカイテイオー、メジロマックイーン!良いスタート。ライスシャワーは後方スタートいつも通り順調なスタートです」

細江さん「テイオー、マックイーン先頭の子をしっかり見つつレースを進めていますね」

 

レースは順調そのもので進んでいた。

 

テイオー、マックイーンは先を走る逃げウマ娘のすぐ後に付きいつ抜け出そうか今か今かと二人で競っている。ライスシャワーは後方で前を見つつ機を伺っている。

 

そして、第3コーナーに差し掛かる頃。丁度淀の坂と呼ばれる2.1メートルの坂の所でライスシャワーに何らかの現象が起きた。その現象は後日、このレースの担当救護医、メジロ家の主治医はこのように回想した。

 

「我々の用いる現状の医学、科学ではこの現象を解説する事は出来ない、理解不能である」

 

と…

 

以下にライスシャワーより聴取した回想を記載する

 

ガクッと足が竦む感覚がした。その時、怪我してしまう…他の子に当たってしまう…という考えに至り少しでも動こうとしたが何故か身体の向きを変える事すら出来なくなっていた

 

「大丈夫?」

 

沈黙を破るように目の前から声がした

 

ライス「大丈夫じゃ無いよ…身体が動かせないの」

 

「そっか、僕を見ることも出来ない?」

 

と言われた時、身体を動かせるようになった

 

ライスシャワーは顔を上げ声の主が何者か探す事にした。

そしてそれは直ぐに見つかった

しかし、それはライスシャワーにとって理解出来なかった

それもその筈、目の前に居た者それはライスシャワーそのものだった。

 




第27レース 淀の坂、3コーナーそこで何があったのか


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第28レース 坂を超えたその力、それは可能性の力

ライス「だれ…?」

 

目の前の自分自身に似ている存在へ何者か聞いた

 

ライスシャワー「ボクの事が見えるの?声が聞こえる?」

 

ライス「うん…聞こえるし見えるよあなたは誰なの?ライスに似てる?」

 

ライスシャワー「そっちこそなんでボクの名前を…」

 

ライス「ボクの名前…?ライスシャワーは私だよ?あなたもライスシャワーなの?」

 

ライスシャワー「っ…!同じ名前だ!ボクはライスシャワー、漆黒のステイヤーと呼ばれていたよ」

 

ライス「私も漆黒のステイヤーって呼ばれてるよ…というかここは何処なの?京都場じゃ無いよね」

 

ライスシャワー「…そうだね」

 

ライス「…困ったな、宝塚記念走れないの…?」

 

ライスシャワー「そっちにもブルボンやマックイーンは居たりする?」

 

ライス「うん…居るよ。マックイーンさんに至っては今日も同じレースを」

 

ライスシャワー「宝塚記念をボクが覚えている限りじゃマックイーンは一緒には走って居ないはず…」

 

ライス「そうなんだ…ちなみに何で自分の事ボクって言ってるの?」

 

ライスシャワー「そりゃ、ボク…オスだからねボクの世話をしてくれた人の言い方が移ったのかな」

 

ライス「オス…?男って事?」

 

ライスシャワー「そうなるね…」

 

ライス「ライスに似てるからてっきり女かと思ったよ」

 

ライスシャワー「キミに似てる?何言ってるの?」

 

ライス「え…?どういう事…」

 

ライスシャワー「キミはどう見たって人間じゃないか、まぁ耳が頭の上にあるからあれ?って思ったけど」

 

ライス「わ、私にはあなたと私は瓜二つに見えるの…!なんで…なんで…」

 

ライスシャワー「会話は出来てる…お話し出来ただけでも良かった」

 

ライス「…ありがとう、優しいんだね」

 

ライスシャワー「キミも優しそうに見えるよ」

 

ライス「…そんな事ないよ、ライスは他の人を不幸にさせちゃうの…」

 

ライスシャワー「そんな事ない!キミもボクと同じライスシャワーなんだろ!?知ってる?ライスシャワーの意味!ライスシャワーは祝福を振りまく存在なんだよ…キミは確かに誰かを不幸にさせたのかも知れないそれはボクもそうだった!」

 

…!

 

ライスシャワー「でも、もう過ぎた事は変えられない。だったら自分の掴んだ勝利を喜ばなくちゃ…他人を幸せにするだけじゃ無い!自分自身が幸せになっても良いじゃないか!」

 

ライス(マックイーンさんも、ブルボンさんもあの時のみんな…ライスの事を祝福してくれた。そっか…)

 

ライス「幸せになっても良いんだ…」

 

ライスシャワー「うん、幸せになっちゃダメなんて言ってくるのが居たら…不幸になれ〜って思うと気が楽になるよ」

 

ライス「…うーん、それはちょっとどうかな…その人達の幸せもライスだったら祈るかな!」

 

ライスシャワー「はぁ…キミ本当にボクにそっくりだねボクもそういう人達の幸せさえも祈ってしまうよ」

 

「「だって、ライスシャワーだもん!/ね!」」

 

ライス「それにしてもここからどうやったら抜け出せるの…?」

 

スリッ…

 

頬に暖かい何かが擦り寄ってきた。

 

ライスシャワー「キミには、戦うべきライバルがいる友がいるキミの無事を祈る人達が大勢いる。祈りがひしひしと伝わるよ」

 

「幸せになるのはキミの方だ…」

 

「安心して…ボクが君をゴールまで運ぶから…」

 

ライス「いやだ…!ライスは…!」

 

ライス「あなたと一緒にゴールしたい、淀の坂を超えたいの…!」

 

「ボクと一緒に…?キミに言いそびれたけどボクはあの日からずっとここに居るんだずっと、ずっと…淀の坂のここでレースを見守って来た…」

 

ライス「ライスシャワーは幸せになるんでしょ!?さっきあなたが私に言ったじゃん!あなたも幸せにならなくちゃ…ダメっ!」

 

「じゃあ、どうすれば良いの!?ボクを助けるって言うんなら…助けてよ…こんな暗くて怖い場所に居たくないよぉ…」

 

ライス「一緒に行こう!大丈夫、私が何とかする。だから私を信じてこの手を取って…」

 

ギュッ…

 

もう一人のライスシャワーの手を触った瞬間に姿が変わって見えた。

 

ライス「姿が…変わった!」

 

ライスシャワー「今キミが見ている姿がボクの本当の姿だと思う…どうかな?」

 

ライス「黒くて格好いいよ…脚の筋肉も凄いね沢山付いてる…あれ?懐かしいような懐かしく無いような…」

 

ライスシャワー「本当に助けてくれるの?」

 

ライス「うん!助けるよ…!」

 

ライスシャワー「ボクも力を貸すよ…淀の坂を超えよう!」

 

ライス「うん!超えられない坂なんて無い一緒に越えよう!」

 

 

そう言いライスは目を瞑りそして、ゆっくりと開いた。

 

ギュッ…!

 

赤坂「ライスシャワー!体勢が少し崩れるも立て直した!そして直ぐスパートをかけた!」

 

マックイーン(これは…はっ!これですわ!まるであの時(天皇賞春)の気迫…いやあの時以上の気迫ですわ…」

 

その気迫はトウカイテイオーも感じ取った

 

テイオー「後ろから誰か来てる…なんだこの気迫…!気合いなら僕も…負けない!」

赤坂「ライスシャワー、トウカイテイオー、メジロマックイーン3人が並んだ!やはりこの3人か!?」

 

ライスシャワー「運命を…私達は切り開くんだ。誰かの為じゃ無い!私達の為に!」

 

赤坂「抜け出しのはライスシャワーだ!ライスシャワー完全に先頭!」

 

ライスシャワー「やぁぁぁぁぁ!」

 

赤坂「ライスシャワー!淀の坂を乗り越えみごと宝塚記念を制しました!2着トウカイテイオー、3着メジロマックイーン!」

細江さん「ライスシャワー、体制が崩れた時は駄目かと思いましたが見事勝ってみせましたね」

赤坂「そうですね細江さん!」

 

ライスシャワー「やった…越えられた…!」

テイオー「ライス〜」

マックイーン「ライスさーん!」

 

ライスシャワー「ごめんね勝っちゃった…」

テイオー「何言ってるのさ〜マックイーンとはまた違うレースで走れば良いし!」

マックイーン「えぇ…そうですわ、ライスさんあなたは喜ぶべきですわよ?」

ライスシャワー「喜ぶべき…そうだねボクもこれで…やっと」

テイオー「ボク?んもぉ!ボクの言い方の真似?」

マックイーン「ウフフ、ライスさん面白いですわよ」

ライスシャワー「…ありがとう」

 

ライスシャワー(ボクは…行くねゴールさせてくれてありがとう)

 

ライス(待って…あなたはどうなるの?)

 

ライスシャワー(ボクは君達ウマ娘の走りを見ることにするよキミの事もずっと見ているから…)

 

ライス(そっか…見ていてくれるんだ私の事を私達の事を…ありがとう…もう一人の私)

 

クラっ…

 

マックイーン「ライスさん!?」

テイオー「ライス!?」

 

ライスはその場に倒れてしまった

 

マックイーン「救護班を早く!誰でも構いませんわ!」

テイオー「ボク呼んでくるよ!」

主治医「主治医です。」

マックイーン「主治医!早くライスシャワーさんを!」

主治医「はい、勿論です…!」

 

三人は救護所へ向かった。

 

スペ「ライスさん大丈夫ですかね…」

スズカ「大丈夫…だと、良いけど」

沖野「ん…」

ダスカ「トレーナー!どうなのよ…」

沖野「体制が崩れた時に何かあったのかも知れないなこればっかりは病院で見てもらうしか」

ウオッカ「お見舞い行こうぜ!」

沖野「あぁ、ライスが面会出来るぐらいになったらな…

 

沖野(大丈夫か…ライスシャワー)

 

数時間後

 

ライスシャワーは病室のベットの上で目を覚ました

 

マックイーン「ライスさん!」

テイオー「ライス!」

ライス「あれ…?なんでマックイーンさんとテイオーさん居るの?トレセンに戻らなくて大丈夫?」

マックイーン「レースに出走したら明日は休みになるじゃないですかなので帰るのは明日です本日はおばあ様の親戚宅にお邪魔する事に」

ライス「そうなんだ…あっ、ウイニングライブは?」

テイオー「ボクたちウイニングライブやってからこっちに来たんだ…ライスのポジションはボクらが変わりにやったから…流石に踊れないでしょ?」

ライス「うん…そうだねありがとうマックイーンさん、テイオーさん」

マックイーン「いえいえお気になさらず今は主治医が来るのを待ちましょうテイオー?呼んでますよね?」

テイオー「勿論!呼んだよ」

 

「主治医です。」

 

マックイーン「来ましたわね…主治医!ライスさんの検査はいつ頃に?」

主治医「今日の状態を見て明日には…ですのでライスさんは入院して頂きます」

ライス「はい…そして明日の検査結果次第で…」

主治医「もし、軽めであれば東京に戻ってそちらの病院で今後について話し合いです。もし、重いのであればこちらで手術を受けて頂く方向ですその場合はかなりの期間入院して頂く事に勿論こちらから学園へ連絡致します」

マックイーン「では、私達は親戚の家へ向かいますわ…主治医連絡先は分かりますよね?」

主治医「お嬢様の連絡先では無く?」

マックイーン「おばあ様の親戚の家の電話番号の話ですそちらも一応知ってますよね?」

主治医「えぇ、一応」

マックイーン「なら、結果の出次第こちらにも連絡を下さい向かいますわ」

主治医「ライスシャワーさん知らせてよろしいですか?」

ライス「マックイーンさんには沢山迷惑かけてきたしライスの事色々してくれたから…知らせてあげて」

主治医「分かりました…では、お嬢様にも連絡しますので…」

 

マックイーンとテイオーは病院を後にした

 

メジロ家親戚宅へ向かう道中

 

テイオー「大丈夫かな…ライス」

マックイーン「こればっかりは何とも言えませんわ…骨折してないと良いですけど」

テイオー「ねぇ、3コーナーを過ぎた辺りから後ろから凄い気迫が迫ってきたんだけどさあれライスだよね出してたの」

マックイーン「恐らくは…」

テイオー「あれが前にマックイーンが感じた天皇賞春の時の気迫?」

マックイーン「えぇ、あれに近かったですわ」

テイオー「ライス凄いな…」

 

キミトユメヲカケルヨ~ナンカイダッテマキオコセスパート‼

 

トウカイテイオーのスマホから着信音が流れる

 

テイオー「ピエっ!誰だよ全く…急に鳴ってビックリしたよしかも知らない番号からだし…」

 

ピッ

 

「はーいトウカイテイオーだよ〜あんた誰さ!」

「あんたじゃ無いぞ!ツインターボ!」

テイオー「何だターボ師匠か…ごめん切っていい?」

ターボ「あっ…用事か!またかけるからね」

テイオー「いや、特に無いけど」

ターボ「じゃあ出てよ!」

テイオー「んもぉ…分かったよで?用件はなにさ」

ターボ「マックイーンとの対決はどっちが勝ったんだ?」

テイオー「えっ…?マックイーンとの対決…?」

 

そういえばテイオーとマックイーンはテイオーが先着したが勝者はライスシャワーだ

 

テイオー「ねぇ…マックイーン勝ったのってボクで良いんだよね?」

マックイーン「別に構いませんよ?」

テイオー「ボクだけど…今日は引き分けって所じゃない?結局はライスだし勝ったの」

ターボ「そうか…ならマックイーンとの次戦は?」

テイオー「マックイーンとの…次戦?」

 

勿論全く考えて居ない

 

マックイーン「私…天皇賞秋の盾が欲しいですわね〜」

テイオー「天皇賞秋の盾…」

 

「メジロマックイーン、1着!しかし、降着!降着判定だ!メジロマックイーンは18着に降着となりました!」

 

テイオー「マックイーン…そういう事か」

 

奇しくも天皇賞秋は東京2000メートルで行われる競走だ

 

つまり…

 

テイオー「次なる決戦の舞台は東京2000メートル、天皇賞秋!」

マックイーン「私が勝ち取りますわ!」

 

ターボ「やっぱり次は天皇賞秋に出るか…ならテイオー!今年こそ、オールカマーでターボと戦うよね!?オールカマーの1着には天皇賞秋への優先出走権が貰えるもんね!」

 

テイオー「…ターボ師匠そんなにボクと戦いたいの?」

ターボ「そりゃもちろん!」

テイオー「分かったよ…トレーナーに伝えておくね」

ターボ「わーいありがと〜楽しみだな!じゃ!おやすみライスにツインターボも心配してたって伝えておいて」

テイオー「うん分かった〜おやすみ」

 

ピッ

 

マックイーン「本当、ターボ師匠と仲が良いですわね」

テイオー「そうかな…ま、向こうが戦いたいってずっと言ってるもんね…一回戦ってみたいし」

マックイーン「トレーナーさんにはどうします?帰ったら伝えます?私達とターボ師匠と戦うと」

テイオー「うん、そうするよ」

 

翌日 午前

 

マックイーン達は病室についた

 

マックイーン「主治医!どうでしたの!?検査結果が出たとの話でしたが…」

 

主治医「お嬢様…心してお聞き下さい」

 

マックイーンはその言葉を聞き息を呑んだ

 

主治医「ライスさんの身体を隅から隅まで調べましたが…これと言って異常ありませんでした」

マックイーン「異常なし…?なら、あの急に倒れたのは?」

主治医「原因は不明ですが恐らく気を失われただけかと」

マックイーン「はぁ…良かったですわね」

主治医「ですが…原因不明で異常なしという事は我々の仕事柄、調べなくてはなりませんそもそもあの体勢が崩れた時点で普通は脚に異常が出ていないとおかしいのですが…異常は無かった」

 

マックイーン「では…なぜ?」

テイオー「主治医、何かあるの?」

 

主治医「ウマソウル…という言葉をご存知ですか?」

 

マックイーン「ウマソウル…?私達の魂?それが何か?」

主治医「いえ、正確にはあなた方の魂ではございません。昔から伝わる古い言い伝えにウマソウルの記述があるのです、言い伝えによると…ウマ娘の身に危機が迫るその時何処からともなく「声」が聞こえ危機を退ける事がある。しかもその姿は自分自身に似ている…しかしそっくりであるが…」

 

マックイーン「であるが?」

主治医「ライスさん、あなたからお願いします」

ライス「あのね…私からつまりいま、マックイーンさんに話しかけてる私と相手と見えてる姿形が違ったのしかもその時相手はライスの事人間にそっくりじゃないかって言ってたよ」

マックイーン「ちょっとお待ちを!ライスさんは相手の姿が見えましたの?」

ライス「うん…そっくりだったよ」

主治医「つまりですね相手と自分つまりこの言い伝えに登場するウマ娘とライスさんとで一致してるのはウマ娘側から見ると姿形が人間に見えるしかし相手からは人間そっくりじゃないか聞かれる…つまり相手は人間の姿では無いという事になりますしかしウマ娘側から見ると自分自身そっくりに見える…おかしくは無いですか?この矛盾を昔の人は何処か別の世界と繋がったと考えたそうです」

 

テイオー「難しくてワケワカンナイヨ〜世界が違うってどう言うこと?」

マックイーン「つまりパラレルワールドと繋がったという事ですか?」

主治医「えぇ…そういうことになるかと」

テイオー「パラレルワールドって何さ?」

マックイーン「例えばテイオーが天皇賞春を私に打ち勝った可能性もありますよね?」

テイオー「そりゃあるでしょだってレースだもんボクが勝ってた可能性も…」

マックイーン「パラレルワールドとは言わば可能性の世界、恐らく勝った世界もパラレルワールドの一つとして存在してる事でしょう」

テイオー「あ…あれかボクが京都競場へ向かうのに電車を使うかも知れないしトレーナーの車で、船で向かうかも知れないって話?」

マックイーン「そう!正にそれですわ」

テイオー「電車で向う可能性もあれば別のなにかで向う可能性もましてやレースに出ないという可能性もあるね…」

マックイーン「ここと良く似た世界が何処かにあるのかも知れませんわね。その世界に住む存在となんらかの方法で繋がったと考えると自然ですね」

主治医「お嬢様の考えは確かに的を得ています。もしかしたら本当にそうなのかも知れませんそして…ライスさんは本来の姿らしき物も見られたそうですが…」

ライス「うん、見たはずなんだけど覚えてなくて…」

マックイーン「倒れられましたし仕方ないですわ」

 

こうして宝塚記念は終わった。そして、戦いは次なる舞台へと進むその先に待ち受ける、ある結末とは…

 

 

次回へつづく



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第29レース トレセン学園の夏休みチームスピカの夏合宿!

検査の結果は東京へ戻っても大丈夫という事なので三人は東京へと戻った

 

東京競場近く

 

マックイーン「良かったですわねライスさん、入院という事にならず」

ライス「うん良かったよ…だけど暫くは通院しなきゃいけないみたいだね。夏は休む事にしようかな」

テイオー「休んだ方が良いよ!もしかしたら発見出来なかっただけで本当は怪我してるかも知れないし」

ライス「うん…そうだね」

 

トレセン学園 寮付近

 

マックイーン「では!栗東寮はこちらなので…ライスさん?くれぐれもご大事に」

テイオー「気おつけてね」

ライス「うん!ありがとう…マックイーンさんにテイオーさん」

 

「ライスさん…」

「ブルボンさん」

 

美浦寮近くにブルボンがいた

 

ブルボン「ライスさんの体調がどうか分からず連絡取りませんでした…申し訳ありません」

ライス「大丈夫だよライス、元気だしブルボンさんの気持ちも理解出来るよ」

ブルボン「そうですか良かったです」

ライス「夏…休む事にするよ」

ブルボン「えぇ、そうした方がよいかと」

ライス「天皇賞秋…そこを目標に頑張るね!ライス…天皇賞春秋連覇狙ってみるよ」

ブルボン「私は天皇賞秋で待ってます…」

ライス「テイオーさんとマックイーンさんも出るみたいだよまだ、トレーナーさんに言ってないから決まった訳じゃ無いけど」

ブルボン「お二方も出られるのですね…テイオーさんとは一度戦ってみたいです…出られると良いですね」

ライス「うん…!そうだね」

 

スピカ部室

 

沖野「オールカマーに出るだと…!?ましてや天皇賞秋でまた二人で闘うと…?」

テイオー「ダメなのぉ…?トレーナー」

沖野「いや…別にダメじゃないけどな…」

マックイーン「テイオーは人々が思い描いた夢を叶え、奇跡を起こしました。それは…このメジロマックイーン、私にも手を差し伸べてくれましたわ私だってウマ娘です!テイオーとまた走りたいですわ…彼女の願う事は私も一緒の願いです!トレーナーさん、よろしくおねがいします!」

 

沖野「マックイーンにそこまで言われたら…断われないよな?テイオー、良い友を持ったな」

テイオー「友って…マックイーンはライバルだよ?強敵(とも)って呼ぶべきじゃないかな?」

沖野「なるほどなそっちの方がお前達らしくていいな二人は良いライバルだよ」

マックイーン「ライバルだなんて…そんな」

スペ「すっごくお似合いです!」

ゴルシ「どっかの誰かさん達とは違って喧嘩あんまりしないもんな…」

ダスカ「誰の…」

ウオッカ「事だ?」

スズカ「…喧嘩する程仲が良いって言うから…」

ダスカ「///照れるわね…」

ウオッカ「///ウォッ!?顔が真っ赤に…うっ、鼻血出てきた…」

ダスカ「はい、ティッシュ詰めときなさい!」

ウオッカ「サンキュー!」

 

スペ「トレーナーさん!そういえばもうそろそろ夏休みですよね?今年も夏合宿行くんですか?」

沖野「スピカの人数増えて俺の車の定員オーバーだからな…無理だなプールでも借りて練習するか!」

ダイヤ「あの…トレーナーさん?」

沖野「ん?なんだダイヤ…?」

 

青い空、白い雲。窓の外を見ると地平線の先に青い海が見える

 

7月某日、トレセン学園は夏休みに入り競は夏競真っ盛りチームスピカも夏合宿へとむかうが…

 

沖野「ダイヤちゃん…」

ダイヤ「何でしょう、トレーナーさん」

沖野「この…バス本当に俺らが使って良いのか?」

ダイヤ「はい、勿論です!」

 

チームスピカはサトノダイヤモンドの実家、サトノ家が用意した大型バスに乗り海へと向かう

 

テイオー「いや〜遂にバス移動だねボクらも!」

ゴルシ「リギルの奴らばっかりバス使ってたもんな〜」

 

ぱく…ぱく…

 

スペ「お菓子も付いてくるなんて…」

スズカ「スペちゃん…食べ過ぎよ?」

マックイーン「パクパクですわ!」

スズカ「はぁ…そんなに美味しいの?」

スペ「スズカさんも食べたいんですか?」

スズカ「一個だけ…ね?一個だけ」

沖野「はぁ…どうなる事やら」

ダイヤ「大丈夫ですよ!」

沖野「なぁ…ダイヤちゃん?スピカはウマ娘9人に俺含めて10人はいるぞ…夏合宿は宿泊を伴う、泊まるところは?」

ダイヤ「あっ…」

ゴルシ「ん…?なぁトレーナー?海から近くて泊まれる所なら何処でも良いのか?」

沖野「あぁ…しかしゴルシ、野宿は無しだぞ?キャンプというのも無しだ」

ゴルシ「分かってるって…ちょっと電話するぜ」

スペ「ゴールドシップさん…どちらに電話を…」

マックイーン「…どうせロクでもない所に電話かけてますわ」

ゴルシ「もしもし〜?今日10人泊まるからな〜3階使っていいだろ?」

 

ゴルシ「よっしゃ!OK出たぜ!」

マックイーン「因みにどちらに電話かけてましたの?えらくタメ口でしたけど」

ゴルシ「そりゃ実家だからなタメ口だろ…あ、マックちゃんの家はタメ口じゃないか」

テイオー「ゴルシの実家!?どんな事やってるの?船乗り?」

ゴルシ「爺ちゃんが漁師、親父がラーメン屋やってるぜ!」

ダスカ「あ…だからラーメン好きなの?」

ウオッカ「バイク乗りはラーメンも極めねぇとなって父ちゃんに教えて貰ったからな〜楽しみだな〜」

キタサン「ラーメンの事考えてたら…」

スペ「お腹が…」

マックイーン「空いてきましたわ…って!わたくしこういうキャラでは無くってよ!」

ゴルシ「マックちゃん、一応アタシ調理場立てるからパフェ作ってやるぞ?」

マックイーン「メロン…パフェ?」

ゴルシ「おうよ…!」

マックイーン「くっ…!パクパクしない訳にはいきませんわね!」

 

チームスピカは夏合宿の宿泊施設もといゴルシ実家宅に到着した。

 

ゴルシ「今帰ったぞ〜」

ゴルシ父「おう…!三階は掃除しておいたから自由に使っていいぞチームスピカだっけか?ラーメンは好きか?作って待ってるからぜひ食べてな」

スペ「はい!」

テイオー「何系なんですか?」

ゴルシ父「横浜家系ラーメンだな」

ゴルシ「めちゃ美味いから楽しみにしとけよテイオー!」

テイオー「うん!」

 

???「うるさいな〜ったく寝れないっての!」

ゴルシ「オルフェーヴルじゃねーか!」

オルフェ「んな!?ゴルシじゃん久しぶりだな」

マックイーン「どちら様なんですの?」

ゴルシ「近所の一個上の先輩だな」

オルフェ「これから練習か?熱中症には気をつけてな」

 

ゴルシ「んじゃ、早速荷物置いて外行こうぜ!」

 

ゴルシの実家のエレベーターに乗り三階へ向かった

 

ダスカ「!?何気にオーシャンビュー?」

ゴルシ「良いだろ〜落ち着くだろ…」

テイオー「ん…?あの部屋なんの部屋?」

ゴルシ「アタシの部屋!入ったら承知しねぇぞ?」

キタサン「テイオーさん…勝手に入っちゃだめですよ?」

テイオー「うん分かった〜」

マックイーン「というか布団人数分ありますの?」

ゴルシ「よーく船乗りの集団泊まらせたりしてるから布団はやたら多いんだよな〜」

スペ「スズカさん…磯の香りいい匂いですね」

スズカ「そうね…久しぶりねこの匂いを嗅ぐのも」

沖野「よし!お前ら、荷物置いたらあの海岸へ集合だぞ!」

 

みんな「おお〜!」

 

次回へつづく



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第30レース 合宿とゴールドシップの謎(出題編)

沖野「よーし!この人気の疎らな砂浜で特訓開始するぞ!」

 

スペ「いや〜久しぶりの砂浜での特訓ですね」

スズカ「そうね…あの時はみんなでトライアスロンしたわね」

テイオー「今年もトライアスロンするの〜?」

沖野「トライアスロンは無理だなあれは自転車とか準備しないと無理だしな普通に走ったり泳ぐ特訓だな」

 

スペ「わぁ〜海の家!」

キタちゃん「わぁ〜!焼きそばの匂いだ〜!」

マックイーン「かき氷ですわ〜!」

 

沖野「お前らそれは特訓終わってからだ!特訓前に食べるのは無しだ!」

ダイヤ「キタちゃん?駄目ですよ!」

テイオー「マックイーンもさかき氷食べたら頭イターイなるし特訓終わってからさ…」

スズカ「スペちゃんもね…?」

スペ「はい…分かりました」

キタちゃん「はい…」

マックイーン「分かりましてよ…」

ダスカ「あれ!?ゴールドシップがいないわ」

 

「へいらっしゃい!キンキンに冷えたお湯がオススメだよ!焼きそばのお供にもオススメだよ〜」

 

沖野「マックイーン!」

「了解ですわ!」

 

「ゴールドシップ!あなたというウマ娘はどうして勝手にどこかへ行きますの!?」

「どこって…店番だけど…?」

「店番…!?そんな事より特訓しますわよ!っ…!お店の方いらっしゃるじゃないですか…申し訳ありません、私共の仲間がお店の邪魔してしまい…」

「いやいや、ゴールドシップちゃんは私の昔からの知り合いだから…店番昔からずっとやってくれてたのよね料理も美味しいし」

「そうでしたか…」

「じゃあなおばちゃん!アタシ特訓に戻るわ」

「そう、いってらっしゃ~い!」

「何してんだマックイーン行くぞ?」

「私あなたを迎えにきたんですわ!」

 

沖野「ゴルシも戻って来たことだしトレーニング始めるぞ!」

 

ゴルシ「よっしゃ!遠泳航海と行くか!手始めに沖を目指して…」

テイオー「バレーやる人この指とーまれ!」

スズカ「…ランニングする人いませんか?」

スペ「はい!ランニングしたいです」

沖野「お前ら何勝手に始めてんだ!?特にゴルシ!遠泳は無しだ沖まで行くな!危ないだろ」

ゴルシ「じゃあ何すんだ?」

 

結局砂浜をランニングすることになった

 

「スイーツ!スイーツ!」

 

ゴルシ「結局ランニングか…」

テイオー「でも砂だから走りづらいね普段より」

マックイーン「確かに…!普段は芝ですものね」

ゴルシ「案外練習は的を得てるのか」

沖野「ゴルシ〜聞こえてるぞ!」

ゴルシ「おらおら〜行くぞ〜!」

 

「スイーツ!スイーツ!」

 

その後…

 

沖野「反射神経を鍛えるぞ!ゴルシ俺が打ち上げるから思いっきりアタックしてくれ」

ゴルシ「おうよ!」

沖野「それをブロックせずに避けるのが練習内容だ」

 

ゴールドシップのアタックは速くそれにアタックを出す速さも早い

 

テイオー「うひゃぁ!うひゃぁ!早い…!けど良い練習だねこれなら反射神経も鍛えられるね」

キタサン「テイオーさん頑張って下さい!」

 

マックイーン「さぁ私の番ですわね!避けきって見せますわ」

ダイヤ「マックイーンさん、頑張って下さい応援してます」

 

ひらりひらりとマックイーンは交わす

 

ゴルシ「これでどうだ!?」

 

ゴールドシップは玉を追加した

 

マックイーン「ゴールドシップさんのアタックは素早いですが…!玉が来るのは…ちょっとズレましてよそこ!ですわ」

 

マックイーンは玉がどのような速さで落ちるか見極め素早く移動した

 

沖野「お…!マックイーン、やるじゃねーか」

マックイーン「これが出来ればレース中に塞がれても素早く対応出来ますわ」

ダイヤ「マックイーンさん流石です!」

マックイーン「ふふ…ありがとうございますダイヤさん」

 

その後

 

テイオー「くぅ…砂で走り込みはキツイな…!」

 

砂浜で走り込みだったり

 

誰が一番泳いだら速いか競争して日は直ぐに暗くなった。

 

ゴルシ「トレ公〜先に買ってるからな!」

沖野「おうよ!」

テイオー「ボク達は買いに行っちゃだめなの〜?」

マックイーン「かき氷早く食べたいですわ…!」

沖野「なぁ、宝塚の後ライス倒れただろ?報道だと大丈夫だという事だったが大丈夫なのか?」

テイオー「うん、大丈夫なはずだよ今の所は」

マックイーン「主治医から大丈夫だと言われ東京に戻って来たんですわ…大丈夫じゃ無かったら今頃ライスさんは京都に残っています」

沖野「そうかそうか!ってよく考えたらそうだよな」

テイオー「どうしたの?トレーナー…」

沖野「ぶっちゃけ負けてどうだ?何か見つけれたか?」

テイオー「レースだもん勝ち負けはあるよそれにあの強いライスだもんボクらでも負ける時だってあるさ」

マックイーン「確かに勝てなかったのは悔しいですわ、それでも勝利の祝福は決して忘れません、それはいつか自分の番になった時に返ってきます」

沖野「つよいな…二人とも」

二人「えへへ…」

沖野「しょーがない!二人共頑張ってたしご褒美あげるぞ!海の家で好きなの頼め奢るぞ」

テイオー「わ〜ありがと!トレーナー!みんな〜トレーナーが奢ってくれるって〜!」

沖野「わー!それは無しだ無しに決まってるだろ!?」

スペ「ありがとうございます!トレーナーさん!」

スズカ「いいんですか…?トレーナーさん?」

沖野「良いわけ…っ…くっ…仕方ないな一人一品までだぞ?」

スペ「私、バケツパフェってのが良いです」

沖野「五千円!?五千円!?」

スズカ「スペちゃん…流石に高すぎよ」

マックイーン「この位のバケツみたいなパフェ大体五千円はしますね…」

ゴルシ「マックちゃん!お前それ買えるだろうけどよ今日の特訓全部無駄になんぞ!辞めとけ」

マックイーン「わ…分かってますわよ」

スペ「しっかり一品ですよ!一品!」

沖野「却下だ!」

スペ「ですよね…焼きそばの明太マヨ付きは大丈夫ですか?」

沖野「オプションは一品に入るだろ流石に…」

スズカ「私も…良いですか?」

沖野「いいぞ〜」

スズカ「かき氷の…メロンで」

 

各々好きなメニューを頼んでいった

 

沖野「ゴルシお前は?」

ゴルシ「アタシ?アタシは実家で腹一杯食うからいらねぇよそういえば…流石にみんなの晩ごはんそれじゃないだろ?家で食うか?タダで…」

沖野「無料!?親父さんに悪いだろ…」

ゴルシ「ちげーって!アタシがみんなの分作ってやるよま…ラーメンしか無理だな今日の所は…そういえば帰るのって明後日か?」

沖野「そうだな明後日の朝に出よう」

ダイヤ「帰りも私の家のバスご用意致します」

沖野「そうしてくれここから府中まで片道1千円超えるし2時間はかかるからな…」

ダイヤ「はい、そうですね」

 

チームスピカは一日目の特訓を終え今回の夏合宿の宿ゴルシの実家へと向かった。

 

夜ご飯はゴールドシップお手製ラーメン屋の具材で作られた本格的ラーメン

 

マックイーン「具材とか使ってしまって良いんですの?」

ゴルシ「大丈夫だ後でトレーナーに請求書渡すから」

沖野「金取るのかよ!」

ゴルシ「当たり前だろぉ!?」

沖野「分かったよ、支払いは少し待ってくれよ?」

ゴルシ「嘘だよ~サービスだってばよ!」

沖野「良いのか?」

ゴルシ「親父、サービスし過ぎなんだよなまぁ後でありがとうの一言でもかけてくれよ?」

沖野「だな!」

 

夜も遅くなり…

 

沖野「お前ら…もうそろそろ寝るぞ!つかゴールドシップ、俺の布団はどこなんだ?」

ゴルシ「隣の部屋に敷いといた流石にアタシらイタイケな思春期の女の子なんで〜一緒には寝られ〜」

 

みんな「ません!」

沖野「はいはい分かったからとっとと寝ろよな明日も早いんだし」

 

布団に入ると自然と眠気が襲い眠りに直ぐつくことが出来た。特訓で走ったりした事により身体が疲れた事が原因だろう

 

ぎし…ぎし…

 

ジャァー

 

マックイーン(足音…?それに水の流れる音?蛇口からかしら?)

 

ぎし…ぎし…

 

ストッ…

 

マックイーン(誰か歩いてますの…?)

 

マックイーンは目を開け誰なのか見てみた。丁度部屋の南側つまり海がある方向に旅館等にある座るところのスペースの椅子に誰か座ってるのが見えた。

 

「うん?起こしちまったか?」

 

声で分かったゴールドシップだ

 

マックイーン「…何してますの?」

ゴルシ「みんな起きちまうだろ?マックちゃんもこっち来いよ」

マックイーン「はぁ…」

 

マックイーンもゴールドシップの反対側にある椅子に腰掛けた

 

ゴルシ「マックちゃんも飲むか?水」

マックイーン「お手洗いは済ませました…飲みませんわ」

ゴルシ「そっか…しっかしこの景色も久しぶりに見るぜしかもマックイーンと一緒になんてな」

マックイーン「綺麗ですわね…」

ゴルシ「そりゃ、オーシャンビューってやつだもんな!」

 

ふといつもと違う違和感にマックイーンは気づいた。

 

マックイーン「…?」

ゴルシ「どうしたんだ?何か顔に付いてるか?」

マックイーン「いつもと何か違うような何か足りないような…」

ゴルシ「みんなが寝たあと風呂入ったんだ流石に風呂入るときには帽子と耳あて外すだろ?」

マックイーン「あ〜あれ外したのですか…初めて見ましたわ外した姿」

ゴルシ「フフっなんか照れるぜ」

マックイーン「あなた…意外と似てますわね私に」

 

その瞬間、それまでの空気が一変し張り付いてきた

 

マックイーン「な、なんですの!?ゴールドシップ」

ゴルシ「?何がだよ」

マックイーン「へ?い、今一瞬あなたが固まったように観えまして…」

 

ゴルシ「夢だろ」

 

マックイーン「夢…そんなはず!」

ゴルシ「マックちゃーん今な〜アタシから見たらコックリ、コックリ寝てたぜ!」

マックイーン「…本当にですの?」

ゴルシ「本当だってば!こんな事で嘘ついて何になるんだよ!」

マックイーン「…そうですわね、因みに私達が寝た後に風呂なぜ入りました?ガスだって勿体ないですわよ?」

ゴルシ「産まれた時の姿、ゴルシちゃんは見せたく無いのであーる!」

マックイーン「あらあらおませさんだこと…って!あなた以前普通に入ってましたわよ!?」

ゴルシ「ゴルシちゃん、過去は振り返らない主義だぜ?」

 

マックイーン「はぁ…もういいですわ、あなたも早く寝てくださいまし」

ゴルシ「おう」

 

マックイーンは横になり少し経つと寝息が聞こえてきた。

 

ゴルシ「マックイーン…ごめんな今のゴルシちゃんにはやっぱ言えねぇよ…本当の事はな」

 

次回へつづく



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第31レース 金色の暴君、特訓の在処

やがて夜が明け、夏合宿二日目となった。明日の昼にはトレセン学園へと戻る予定だ

 

 

沖野「朝練開始するぞ!」

マックイーン(昨日の夜のゴールドシップさんどこかおかしかったですわよね…)

 

 

まだ夜が明けたばかりで寒い中、ウマ娘達が海岸を走る

 

スペ「うう…お布団が恋しいです」

ダスカ「スペ先輩…恋しいのは分かりますけど身体少しでも温めておかないと冷えますよ」

ゴルシ「そうだぞ〜冷えちまうぞ?」

スペ「走ります!」

スズカ「その勢いよ、スペちゃん!」

 

ダイヤ「やっぱり…先輩達は速いね…」

キタちゃん「うん…ダイヤちゃん、私達も負けないよう頑張ろう!」

ダイヤ「うん!」

 

沖野「ふぅ…やっぱ海の近くは寒いな俺も少し身体動かすか!」

 

ポス…ポス

 

沖野「ゴルシ!俺の肩を叩くな!」

ゴルシ「は?アタシみんなと走ってるぞ?アップはこんなもんで…っ!トレーナー後ろに誰か居るぞ」

沖野「うなっ!?」

 

トレーナーの後ろにはオルフェーヴルがいた

 

オルフェーヴル「ゴルシじゃねーぞ?ちょーっと似てるけどな」

テイオー「昨日の人、何してるの?」

オルフェーヴル「もう一度言うぞ、オルフェーヴルだ昨日の人ではない…!」

テイオー「うんそれは知ってるよ?何してるのさーってこと聞きたいんだ」

オルフェーヴル「俺はな…荒くれ者って言われててなチーム練習っての真面目にやったことないんだ」

 

ゴルシ「そっか〜頑張れよ!」

 

オルフェーヴル「どっか行くなよ!」

ゴルシ「なんてな、来いよ!アタシ達について来れるか!?」

オルフェーヴル「フンっ!付いてく?追い越してやるわ!」

ゴルシ「トレーナー、いいよな?」

沖野「俺は構わないぞ、みんなは?」

「大丈夫です!」

沖野「じゃあ、よろしくなオルフェーヴル」

オルフェーヴル「…おう!」

 

スピカトレーニングにトレセン学園の暴れる暴君オルフェーヴルが仲間に加わった。

 

オルフェーヴル「オラオラ!トスしたボールを避けるのだ!」

テイオー「ナニコレ〜!どうやって避けるのさこんな速いボール!危ないよっ!」

オルフェーヴル「ブロックされても素早く対応出来るように身体を慣らすんだ!じゃないと防がれて負けちまうぞ」

テイオー「そ、そっか!」

 

沖野「テイオー!こっちに来てくれ」

テイオー「何何〜?」

 

オルフェーヴル「ゴールドシップ」

ゴルシ「なんだ?」

オルフェーヴル「次はお前の番だ!ほら、コートに入りな」

ゴルシ「拒否するでゴルシ」

オルフェーヴル「させるか!」

キタちゃん「仲いいな…」

ダイヤ「そうだね…私達も特訓しないと…はい、ダンベル」

キタちゃん「うんだね!」

マックイーン「私もご一緒しますわ」

ダイヤ「マックイーンさん!」

マックイーン「ダイヤさんと一緒に練習出来る機会あまりありませんもの…もう、馴れました?チームや学園生活には」

ダイヤ「皆さんのおかげ様で馴れました」

マックイーン「それは良かったですわキタサンブラックさんも馴れました?」

キタちゃん「はい!私も馴れましたテイオーさんや皆さんのおかげで!」

マックイーン「それは良かったですわ、何事も馴れるのが大事ですからねでも、馴れてからがミスなどを誘発しやすくなるので馴れてきた時こそ怪我の無いようにしてくださいね」

二人「はいっ!」

 

その頃、テイオーは

 

沖野「テイオー、スズカと併走だ!先にスズカを行かせるテイオーはスズカを追って追い越せ」

 

テイオー「うん、いいけど…なんで?スズカなの?」

沖野「お前は今度のオールカマーでツインターボと戦う、ツインターボと戦ったことのあるスズカが特訓の適任かと思ってな同じ逃げウマ娘同士だし…」

テイオー「別にやらなくて大丈夫!」

沖野「なんだって?」

スズカ「テイオー、言っておくけどターボは強くなってるわよ?私のスピードに彼女付いてきたわ、スタミナもかなり改善されてきたしはっきり言って強敵よ?」

テイオー「大丈夫だとは思うけど一応やるね」

沖野「はぁ…頼むぞテイオー!」

 

スズカが先を走りテイオーを後からスズカを追う、実際のレースでもこのような展開はよくある

 

テイオー「ぐぅ…スズカはやっぱり速いね負けないぞ!」

スズカ「フフっ追いつけるかしら?」

テイオー「ボクは!負けないよ!」

 

ダッ!

 

沖野「うーんやはり追い越せなかったか…」

テイオー「やっぱりスズカは速いね…」

スズカ「うん…ターボもこの位速いしスタミナもかなり付けてきてるわ…慢心しては駄目よ」

テイオー「うん、だね」

沖野「テイオー、少しランニングしててくれ」

テイオー「うん、分かったー」

 

しかし、テイオーの心の中では負けないだろうという安直な考えを持っていた…

 

スズカ「トレーナーさん…」

沖野「なんだ?スズカ」

スズカ「パーマーいるじゃないですか…」

沖野「いるなそれがどうした?」

スズカ「テイオーはパーマーの逃げでバテて大敗を喫した事ありましたよね?」

沖野「あったな…ぶっちゃけテイオーは今回負けるだろうと俺は思ってる」

スズカ「負ける…?トレーナーさんそれは…」

沖野「勿論勝ってもらいたい、しかしあいつは調子にのってるからな何が練習やらなくて大丈夫だよ!少しは頭冷やしてもらいたいもんだ」

スズカ「なるほど…」

 

それから昼からはトレーナーの言う休息も大事だとの事で各々海で泳いだりして身体を休ませる

 

そして翌日

 

オルフェーヴル「ありがとな練習に参加させてくれて…」

ゴルシ「あんまり乱暴な事はするなよな〜」

オルフェーヴル「分かってる…」

 

チームスピカは夏合宿を終えトレセン学園へと戻った。

 

9月に入りスピカでもチーム全体の練習から個人練習が多くなった。

 

沖野「テイオー!少し休め」

テイオー「うん…疲れた〜最近一人で走ってばっかりだね」

沖野「テイオーの相手はツインターボだからな、あの走りを超えなくちゃならない」

テイオー「大丈夫だって!ボクを誰だと思ってるのさ〜」

沖野「おまえな…」

テイオー「大丈夫だって!ボクを信じてよぉ!」

沖野「信じてやるから勝ってこいな!ターボに負けるなよ?」

テイオー「もちろん!ボクの方が上だってことを証明してくるよ!」

 

二人の話を木の枝でカモフラージュして聞いていたウマ娘がいた。

 

ターボ「…ターボ、テイオーに勝ってみせる!見返してやるんだ!」

 

次回へつづく



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第32レース テイオーの慢心

ターボ「トレーナー!ターボ、オールカマーでテイオーに勝ちたい!なんとか…出来ないかな?」

南坂「ターボさん…あなたのスピードは既に一流かとやはりですね…スタミナを…」

ターボ「プールで泳げば上がる?」

南坂「はい」

ターボ「ネイチャ達も一緒にプールトレーニングしようよ!」

ネイチャ「ん…だね!ターボだけトレーニングしまくるのはなんかあれだし…!」

タンホイザ「そうそう!みんなでね〜!」

イクノ「お供します…!」

ターボ「よーし!みんなで競走だ〜!」

???「仲の良いチームだよな…仲良しチームランキングならトップ独走だな」

 

南坂「沖野トレーナー!?」

沖野「よっ!」

南坂「手の内は明かしませんよ?スピカ程のチームなら私達のチームなんて相手にすら…」

沖野「そういうわけじゃない…」

南坂「違うんですか?」

沖野「テイオーは…はっきり言って調子に乗ってる。それだけ言っておくこちらも勿論勝ちにいくが…」

南坂「テイオーさんに変わってほしいと?」

沖野「…ここだけの話。あいつは次期生徒会長候補らしい」

南坂「…ルドルフ会長の後任はトウカイテイオーが候補ですか…確かに良さそうではありますね」

沖野「しかし今のままだと確実にどこかで行き詰まるだろ…?アイツは確かに敗北の味は知っててもだアイツは本当の意味での勝利ってのを知らない」

南坂「本当の意味での勝利?」

沖野「それは…」

 

 

オールカマーで分かるだろう

 

9月後半 中山競

 

赤坂「さぁ!G2産経賞オールカマーの開幕です。なんと言ってもトウカイテイオーとツインターボの対決が注目ですね…この二人が同じ舞台に立つのは初めてとの事ようです」

細江さん「そうですねツインターボの大逃げに如何に追いつくのかが勝利の鍵となりそうですね」

赤坂「どちらが勝ちそうですかね?」

細江さん「どうなのかは分かりません…しかし、以前のツインターボならテイオーは追いつきそうですが今のツインターボはかなりスタミナも強化しており…このレース諦め無かった者の勝利となるのでしょう」

 

ターボ「テイオー、今日は負けないぞ!」

テイオー「フフン!ボクも負けないよ〜」

 

スペ「テイオーさんどうですかね…」

スズカ「ツインターボははっきり言って問題点だったスタミナは改善されてきた傾向が見られるわ…私にも迫る勢いで。テイオーははっきり言って慢心してるわ自分が勝てるって勝手に思っちゃってる」

スペ「テイオーさん…」

沖野「スペ、はっきり言うと今回は相当キツイと思う…」

スペ「負けるかもってことですか?」

沖野「あぁ…そうだな」

スペ「なら応援しないとですね!」

ダスカ「そうよ!そんなのは第一テイオーが負けるっていうのは予想の一つでしか無いわ」

マックイーン「…」

 

♪〜

 

中山に重賞レースのファンファーレが鳴り響く

 

赤坂「オールカマー、スタートです!」

 

が…

 

赤坂「ツインターボ!ツインターボ!先に行かない、先に行きません、何かアクシデントでしょうか!?」

細江さん「気になります。ゴールまで気が抜けませんねツインターボ大丈夫でしょうか」

 

テイオー(ターボ大丈夫かな…?手は抜かないから!)

 

「スパートだ!」

 

ターボ「…」

 

回想

 

ターボ「え!?大逃げしない!?そんなのターボのレースじゃないよ!」

南坂「ターボさん、最初からフル回転フルスロットルで飛ばすのがターボさんの競なのは理解してますが…相手はそれを見越して練習をしてくるでしょう」

ターボ「…うーんターボが大逃げしてもスタミナ切れるのみんな待ってる感じ?」

ネイチャ「うん…残念だけど見越してると思う」

イクノ「はい、以前のオールカマーのようにはいかないかと」

タンホイザ「トレーナー!ターボが勝てる作戦何か無いの〜?」

南坂「…このような作戦はどうでしょう」

 

 

ネイチャ「いいかもね」

イクノ「異論はありません…」

タンホイザ「ターボはどう?」

ターボ「よーし、みんな見てて!ターボ、テイオーに勝つから!」

 

ターボ「ターボ、テイオーに必ず勝つ!だから…」

 

グッ…!

 

テイオー「!?なんで…」

 

赤坂「なんと!ツインターボが向こう正面でスパートをかけ一気に先頭に躍り出た!負けじとトウカイテイオーも食らいつく」

 

ターボ「うぉぉ!ターボ、全開っ!」

 

中山を訪れているカノープスの面々も全力を出しているツインターボへ檄を飛ばす

「いっけぇ!ターボ!」

「3着でも無く、2着でも無く、1着を目指せターボ!」

「キラキラしてるターボ…カッコいいよ頑張れ〜むんっ!」

 

南坂「逃げ切って下さい、逃亡者ツインターボさん!」

 

赤坂「ツインターボ、ツインターボだ!ツインターボが差を更に突き放した!6、7身差と言った所か!?果たしてテイオーは追えるのか!?」

 

テイオー(もっと速く走らなきゃ…!あの時みたいにっ…?なんで…!?脚が踏み込め無い…?)

 

赤坂「ツインターボ!余裕の走りだこれはセーフティーリードとなるか!?トウカイテイオーはツインターボの二番手の位置、これはもう無理!」

 

ターボ「これが諦めないって事だ!トウカイテイオー!」

 

赤坂「逃亡者ツインターボ、見事に決めたぞ!帝王から逃げ切った!」

 

マックイーン「…トレーナーさん」

沖野「ん?どうしたマックイーン」

マックイーン「テイオーと少し話をしてもいいでしょうか?」

沖野「マックイーン…俺から言うよりお前からの方がテイオーには効くか…頼んだぞマックイーン、俺はお前達二人が共に優勝争いをしているレースが見たい」

マックイーン「それは…私も同じ考えですわ」

 

マックイーンは地下通路へ向かった

 

ターボ「テイオー!」

テイオー「…なにさ」

ターボ「ターボは最後まで諦め無かっ…」

テイオー「…ボクが諦めてたって言いたいの…?」

ターボ「…テイオーは最後まで諦め無かったの?」

テイオー「…」

 

テイオーは最後の直線、ツインターボの逃げの前に脚が出なかった。そしてそれは怪我等ではなく…

 

ターボ「あの時と似てるな…テイオー。諦めるなんてテイオーらしく無い」

テイオー「ボクは…ボクは…諦めてなんか…」

ターボ「感謝祭でターボの走りを見て、有記念で奇跡の復活を遂げて期待してたけど…テイオー!天皇賞秋でマックイーンに勝つから!見てて!」

 

そう言うとターボは足早に駆けていった

 

物陰から見ていたマックイーンが声をかける

 

マックイーン「トレーナーさんから聞きましたがターボ相手に勝てると気を抜かれてたそうですね」

テイオー「もぉう…ボクの事なんか…放っといてょ…」

 

テイオーは涙を浮かべ、声が裏返りながらも応えた

 

マックイーン「放っておく事など出来ません!この際、慢心していた事には目を瞑りましょう。でもその悔しい気持ちをバネに更に練習や特訓に励むのです!そうすればいつか勝てますから!私だってあなたが泣くところを見たくないですわ…共に笑い合いたいですのレースはあなたが勝っても良いですし…」

 

気がつけばスピカの仲間が全員来ていた。

 

スペ「マックイーンさんの言うとおりです!テイオーさんは何度だって挫けずに走って来たじゃないですか!今度だって絶対に挫けないって私が保証します!」

 

スズカ「テイオー、未来は何時だって変えられるの。それはあなただって分かっているはずそうじゃなかったら…感謝祭のミニステージで引退してたはずよ?あなたはその未来だって選べた。だけどテイオー!あなたは走る未来を選んだ…その未来を選んだのならこんな所で挫けていいの?」

 

ダスカ「テイオー!私、有でまだ勝てて無いのよ!?勝たせなさいよ有の奇跡トウカイテイオー!お願い…だから…」

 

ウオッカ「カッコいい、奇跡のテイオー様は何処に行っちまったんだ?もっかい目指そうぜみんなでよ!」

 

キタサンブラック「テイオーさん!私達と走るまでは走ってください!私…テイオーさんと一緒のレースに出たい…です!有記念のように何度だって復活出来ますよ!」

 

サトノダイヤモンド「キタちゃんと同じですけど私もテイオーさんと走りたいんです…私もあの有記念でテイオーさんの走りを見て感動しましたこれが奇跡の復活だと確信しました」

 

沖野「俺は…お前達の走るレースがいつまでも見ていたい!テイオー!こんな所で諦めるのか!?違うよな…お前はあの時だって諦める事は無かった!例え挫けても最後は復活してみせただろ!?」

 

ゴルシ「なぁ…テイオー?マックイーンに勝ちは譲るとまで言わせたんだ諦めないよ…な?」

 

テイオーは顔を少し赤らめながらこう言った

 

「だね…!ボクは何度だって挫けないもんね!トレーナー!」

沖野「おう、そうだな…他に何か言うことは?」

「ごめんなさい、ボクもうレースで調子にのったりしないよ…これからもよろしくおねがいします!」

沖野「しっかり謝罪も反省もしてるようだし…許す!テイオー!みんなで反省会としよう!」

「うん!」

ゴルシ「おっしゃ!トレーナーの奢りで焼肉行こうぜ」

沖野「何故そうなるゴルシっ!」

キタサン「ハラミ、塩タン、あっ〜上カルビ〜!」

スペ「食べ放題行きましょう!」

スズカ「良かったわねスペちゃん」

沖野「おい…俺は行くなど」

スズカ「えっ…行かないんですか?」

沖野「スズカ!?行かない…」

 

キタサン、スペ「トレーナーさ〜ん〜」

みんな「トレーナーさ〜ん〜」

ゴルシ「トレーナーさーん」

沖野「ゴルシっ!お前はさん呼びじゃ無いだろ!」

ゴルシ「おっ、バレたか〜んで?どうすんだ行くなら早くしねーと」

沖野「…すまない!外食をご馳走するほど手持ち無くてな…今日の所はスピカ部室での焼肉パーティーで許してくれこれから肉と具材買いに行ってくる!」

 

キタちゃん「やった!焼肉だ〜」

スペ「トレーナーさん!ホルモンお願いします!」

スズカ「ホルモン…コリコリしてていいわね…トレーナーさんよろしくおねがいしますね」

沖野「おうよ!」

テイオー「…ニシシっ」

沖野「楽しみか?テイオー」

テイオー「あっ…ごめん笑っちゃった」

沖野「おいおい…マックイーンもさっき言ってたろ?笑いあいたいとみんなで笑いあった方が楽しいだろ?」

テイオー「そっか…!そうだねトレーナー!よーし肉一杯食べるぞ〜」

ゴルシ「トカゲ焼くけどいるかテイオー?」

テイオー「ピェっ!キタちゃんがこの前食べてた奴…?」

ゴルシ「おうよ」

テイオー「ぼ、ボクだって食べるよ〜キタちゃんにま、負けるもんか〜!」

ダイヤ「キタちゃんよく食べれたよね…アレ皆さんは召し上がられたのですか?」

スペ「私、食べたよ!鶏肉に近い感じだったかな…?」

ダイヤ「え?他の皆さんは…」

 

みんな「トレーナーにあげました!」

 

沖野「意外と美味いんだよな…ってもういらねぇぞ!テイオー!ちゃんと残さず食べろよな!」

テイオー「うん、頑張ってみる〜」

 

トカゲは食べたがっていたキタサンブラックが食べました。

 

次回へつづく



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第33レース 決断

 


トウカイテイオーはツインターボの見事な逃げ切りの前に為す術は無く敗戦してしまった。

 

天皇賞秋の前哨戦はオールカマーの他に毎日王冠、京都大賞典があるがレース間隔が短いため走らなかった。

 

そして迎えた天皇賞秋出走抽選会

 

司会「天皇賞秋出走抽選会を開催致します。まずは天皇賞秋出走確定ウマ娘のチームカノープス、ツインターボ様、チームスピカ、メジロマックイーン様 チームブルーローズ、ライスシャワー様は前方のステージまでお上がり下さい」

 

マックイーン「では、トレーナーさん行って参りますわ」

 

沖野「流石メジロ家の令嬢のマックイーンだなこういう華やかな席での立ち振舞見事だな…」

テイオー「僕だって旧家の出だからあんな感じに振る舞えるよ!」

沖野「はいはい…」

 

司会「それでは、残りの枠番抽選会を開始致します」

沖野「よし!テイオー引いてこい!」

テイオー「うん!必ずマックイーンともう一度走るんだ!」

 

次々と出走者が決まり段々と枠番は埋まっていった、

 

司会「残り一枠となりましたさあ、最後の枠に入る方は…

 

ミホノブルボンさん!おめでとうございます!」

 

テイオー「え…?」

スペ「え?テイオーさんは…?」

ゴルシ「トレーナーこれってここで外れたら出れないんだっけか?」

沖野「あぁ…」

ダスカ「そんな!テイオーが出られないんておかしいわよ!」

沖野「みんな平等にって決まりだからな…それが嫌ならステップレースで勝てって事だな」

テイオー「…」

マックイーン「テイオー…」

テイオー「あははっボク出れないみたいだね」

マックイーン「テイオー、私あなたの分も頑張りますわ必ず天皇賞秋の盾を掴んでみせます」

テイオー「うん、頑張って!ボク応援するね」

 

この抽選会はテレビ等で放映されている関係か枠番が決まってから後ろの報道陣が何やら慌ただしく動いている

 

スピカが抽選会場を後にしようとした時

 

記者「日日競ですトウカイテイオーさん今のお気持ちを一言頂けますか?」

記者「日刊ウマ娘です。この枠組み抽選会について世間からは賞金額に応じた出走者を決めてほしいという声が出ておりますがトウカイテイオーさんはどうお思いですか?」

テイオー「今の気持ちは正直、悔しいですボクも出たかったな〜マックイーンと走りたかったな〜です。うーん賞金額に応じた出走者を決めるのも良いかもでも、ボク一人が言っても変わらないと思いますでも変えてくれたら嬉しいかも」

沖野「すみません、急いでますのでこれくらいで…」

 

スピカは寮へと戻った。

 

スズカ「報道陣も結構多かったわね」

スペ「スズカさん!見てくださいニュースになってます!何々…

 

トウカイテイオー、天皇賞秋出走叶わず 天皇賞秋最有力候補はメジロマックイーンか 

 

天皇賞秋出走抽選会、優勝候補トウカイテイオー出走叶わず 最有力はメジロマックイーンか TM対決の再々来が見たかった!

 

 

色々書かれてますね」

スズカ「そうねみんなテイオーとマックイーンの対決見たかったわよね」

スペ「今から出れるようにルール変えるとか無理なんですかね?」

スズカ「URAは抽選会のシステムを変えるという議論は行うと言ってるけど天皇賞秋についてはもう抽選してしまった後だから多分無理ね今後は変わるかも知れないわね」

スペ「テイオーさん、ショックですよね」

スズカ「えぇ…隠してるけどそうだと思うわ」

 

その頃、テイオーとマヤノの寮部屋

 

マヤノ「テイオーちゃん!おはよ〜!朝だよーって珍しいねいつもテイオーちゃん休みでも毎日朝自主練してるのにもしかしてどこか体調悪い?」

テイオー「うーん?アハハ大丈夫だよ大丈夫!」

マヤノ「絶対…大丈夫じゃないでしょ?マヤ、分かっちゃってるから」

テイオー「マヤノ…みんなには言わないでくれる?」

マヤノ「うん!もちろん」

テイオー「ボクね…実は会長から次期の生徒会会長になってくれないかってマックイーンと二人で居るときに言われたんだ」

マヤノ「うーん?よくわからないけどそれってテイオーちゃんかマックイーンさんのどっちか分からないんじゃないの?」

テイオー「うん…だからボク決めたんだ、マックイーンが新会長に相応しいって言いに行くつもり」

マヤノ「会長さんなんで辞めちゃうの?」

テイオー「それは…」

マヤノ「みんなには内緒なの?」

テイオー「まだ公にはなってないよ…けどマヤノには伝えるねこれ本当に他の人に言わないでよ?」

マヤノ「うん!マヤの口は硬いよ?」

テイオー「本当かなー」

 

テイオーは半信半疑ながらもマヤノに会長が海外のレースシリーズに出走するのでトレセン学園の会長を辞めるということを話した

 

マヤノ「そう…だったんだ寂しくなるね」

テイオー「うん…」

マヤノ「でもテイオーちゃん本当にマックイーンさんが会長になって欲しいって言いに行くの?」

テイオー「うん…」

マヤノ「テイオーちゃんさ…会長さんから新しい会長にならないか?って折角言われたのに」

テイオー「ボクだって…ボクだって…諦めたくないよ…」

マヤノ「そうだよね…でもそれを決めるのはテイオーちゃんだから信じてるよテイオーちゃんの事」

テイオー「信じてくれるの…?ボクがどんな決断しても」

マヤノ「テイオーちゃんの決めた事だもん受け入れるよ」

テイオー「…そっか、ありがとうマヤノおかげで決めれたよ」

 

テイオーはすっと立ち上がった。

 

マヤノ「テイオーちゃん…」

テイオー「会長と話してくるね」

マヤノ「ぅ…うんっ…待ってるからねテイオーちゃん!」

 

すた…すた…

 

生徒会長室

 

エアグルーヴ「会長。テイオーが話があるという事ですが…」

ルドルフ「あぁ…入っていいぞテイオー」

テイオー「会長…」

ルドルフ「エアグルーヴ、少し席を外してはくれないだろうか」

エアグルーヴ「承知しました…」

 

ルドルフ「で?どうしたテイオー君から話があるというのは珍しい事だなどうしたんだ?」

テイオー「会長ならボクの話したい事なんなのか分かってると思うよ」

 

ルドルフは少しの間沈黙しテイオーの瞳をそっと見つめ答えた

 

ルドルフ「ツインターボの事…かな?君が慢心して勝てるレースに負けてしまったという話かな?」

テイオー「…そうボクは、ターボに負けることなんて考えてもいなかった。勝てるだろうって調子にのって練習も折角トレーナーが考えてくれてたのにサボってた、こんなボクに…会長の資格なんて…無いよ」

ルドルフ「カツラギエース、ベッドタイム、ギャロップダイナ…」

テイオー「…その人達って」

ルドルフ「絶対と呼ばれてきた皇帝、シンボリルドルフを下したウマ娘の名だ…それだけじゃないアメリカでは私は6着だった掲示板外だ果たしてそんな私が絶対と呼ばれる皇帝と名乗って良いのだろうか?」

テイオー「いいよ会長…!ボクは一人でも、たった一人だけでも絶対の皇帝って絶対に呼ぶよ!だってボクの憧れの人なんだもん!」

ルドルフ「テイオーは優しいな私と違って…やはり君にこそ会長は任せたいマックイーンは副会長といったところかな…?」

テイオー「会長…実はここに来る前にマヤノと喋ってさ…」

ルドルフ「マヤノに言ってしまったのか?」

テイオー「マヤノなら大丈夫だよ秘密は守ってくれるはずさ」

ルドルフ「信じているんだな…で?」

テイオー「マヤノに言ったらボクの事を信じるってさ…そう言ってくれたんだ…ボクの事、信じて待っていてくれている人が大勢いるマヤノ以外にも沢山」

ルドルフ「あぁ…報道でもTM対決が再び見たかったと出ていたな」

テイオー「だから…さ会長に聞く前に解決しちゃった!過ぎた事はもうどうにも出来ない、だからボクは…いや、ボクとマックイーンはターフで再び戦う!」

ルドルフ「そうか…中距離で戦いたいという話だったろ?なら…ジャパンカップはどうだ?マックイーンにとってはレース間隔が短くフェアでは無いが…」

テイオー「トレーナーとも話し合って聞いて見るよ出てもいい?って」

ルドルフ「そうか…私もテイオーとマックイーンの対決が見てみたいよ…それと、今度はこちらの話だ聞いてくれ」

テイオー「うん!」

 

ルドルフ「私とエアグルーヴ、ナリタブライアンは知ってのとおり君たちの走るトゥインクル・シリーズには出走することは出来ない我々が走るはドリーム・シリーズだからな…しかし、今一度あのターフが恋しくなって…URAの会長にお願いしたんだそして特例ながらもトゥインクル・シリーズの年末の選べれし者のみの頂上決戦、有記念へ出走することが認められた」

テイオー「会長と同じレースを走れるの!?」

ルドルフ「あぁ…そうだなそうなるなマックイーンにとっては天皇賞秋とジャパンカップ有と大変なローテとなるがなあぁ…それに近々我々がトレセン学園を離れることも生徒諸君に知らせないとな…」

テイオー「会長と戦ってみたいな…マックイーンなんて言うかな…走ってくれるのかな」

ルドルフ「結局そうなるか…マックイーンは復帰してまだ日が浅いんだ無理させるなよ?」

テイオー「うん!勿論その時は無理させないよ」

ルドルフ「そうか…なら私は有の舞台で君たちを待つ、テイオー!私と共に歩もうレースと言う名の舞台を」

 

次回へつづく



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第34レース 秋天を取りたい彼女、非情なる雨

テイオーの寮部屋

 

マヤノ「テイオーちゃん…おかえりなさい」

 

少し目が赤くなり涙がちょっと前まで垂れていたと思わせるような顔のマヤノが声をかける

 

テイオー「あれ〜?マヤノ、どうしたの?目にゴミでも入っちゃった?」

マヤノ「テイオーちゃん!」

テイオー「ごめんマヤノ心配かけて…ボクはもう大丈夫!ボクを信じて待っていてくれている人に迷惑かかっちゃうもんボクは何度だって挫けずに歯を食いしばって復活してみせるから!見てて」

マヤノ「うん!まずはおかえりなさい、テイオーちゃん!」

テイオー「ただいま、マヤノ!」

 

エアグルーヴ「トウカイテイオー」

テイオー「ピエっ!な何さびっくりしたよ〜」

エアグルーヴ「…会長が話そびれた事があるので言いに来た。テイオー、誰だって慢心の1つや2つはするもんだ気に病むことではない私は慢心して3つのレースで敗北してしまったのだから。以上だ…テイオー、共にがんばるぞ」

テイオー「うん!」

 

翌日

 

沖野「ジャパンカップに出る!?」

テイオー「出れるよね?」

沖野「出走の〆切はまだだったはずだが…おい、まさか…」

テイオー「マックイーン!僕さもう一度中距離で戦いたいんだけどー」

マックイーン「天皇賞秋出たあとにジャパンカップですの?」

テイオー「その後の有も勝てばシニア秋三冠だよー」

マックイーン「秋シニア三冠だよーじゃないですわ!あのローテで出ろですって!?」

沖野「出ないのか?マックイーン」

マックイーン「トレーナーさん!?あなたは出す気でいらっしゃって!?」

 

ジーとスピカのウマ娘全員からの視線を感じる…

 

マックイーン「出ますわ!出てテイオー、あなたより私のほうが上だという事を証明しますわ」

テイオー「望むところ!」

キタサン「また見られるんだ二人の対決…!」

 

「来週、東京競場で行われます天皇賞秋当日は雨の模様です当日の降水確率は…」

 

ゴルシ「まじかよ〜来週雨なのかよ!」

スペ「雨の中走ると大変ですもんね…」

スズカ「そうね折角の勝負服が汚れるものね」

ダイヤ「マックイーンさん…」

マックイーン「雨…」

沖野「…」

 

練習場

 

ゴルシ「よっしゃ!走るぞ〜スイーツ!スイーツ!」

みんな「スイーツ!スイーツ!」

 

マックイーン「で…トレーナーさん?お話とは?」

沖野「雨の天皇賞秋は嫌いか?」

マックイーン「…」

沖野「分かってるあの降着を蒸し返そうってわけじゃない」

マックイーン「あれは雨は関係無いですわ…私の判断ミスですわ」

沖野「あいつらも優しいんだな、誰も触れようともしなかったな」

マックイーン「優しい方達ですもの…本来ならあざ笑ってもおかしくないですもの」

沖野「今度は勝ってくれよ」

マックイーン「勿論ですわ、勝ってテイオーとジャパンカップと有で戦いますわ」

沖野「マックイーンがそう言うなら引き留めたりはしない頑張って来い!」

マックイーン「はい!」

 

マックイーンはひたすらに特訓を積み重ねた。その特訓はあの日。彼女が雨の中の天皇賞秋で1位入着したものの他のウマ娘の進路妨害をしておりURA史上初のG1 1位降着をしてしまったが所以である。天皇賞春秋連覇の夢も叶わずそして数年後の天皇賞秋は怪我にて出走叶わず春の天皇賞を制した彼女にとって天皇賞の春も秋も取りたいものだから

 

ゴルシ「なあ、荒れた場の練習はいらないのかよ?」

マックイーン「あの時は場状態で負けたのでは無くコーナーで進路妨害をせずに回ってしまったからですわ!」

ゴルシ「必死だなマックイーン。当たり前だけど」

マックイーン「あなたにも分かるはずですわ私の気持ち。」

ゴルシ「ん…分かんない!」

マックイーン「はいっっっ!?」

ゴルシ「ウソウソあたしだって勝ちたいレースだもん天皇賞秋って出てみたいもんな春を制したら…」

マックイーン「あなた…いつの間に天皇賞春を勝ちましたの…?」

ゴルシ「…か、勝ったなんて誰がいつ言ったよ!」

マックイーン「制したと言ったではありませんか!合宿の時と言い…何処かおかしくありませんこと…?」

ゴルシ「マックちゃん…気にすんな!細かいこと気にしてると天皇賞秋勝てねぇよ?」

マックイーン「気になるますわ!まぁ、秋天は勝ちますけども」

 

と言いマックイーンは一人で練習場を走り出した。

 

ゴルシ(あっぶねぇ…バレちまう所だったぜ)

 

チラッ…

 

マックイーン(やはり、あの気の抜き方何か隠し事してますわね一体何を…まぁ隠し事の1つや2つあっても気にもしませんが)

 

マックイーンはあの日のレース展開を思い出しつつ練習を開始した。コース取りは後ろのウマ娘の進路を妨害せずに回り外を走る後はレースの展開次第で動きを変えていけば…ツインターボは今回も脚を溜めつつ何処かで全開にするのかミホノブルボンもライスシャワーの動きも気になる特にライスシャワーは天皇賞春の時に負けた相手だ二度目は勝たせない!とそのような心意気で練習に打ち込む

 

ダイヤ「マックイーンさん…素敵!今度の天皇賞秋勝ってほしい!」

テイオー「ボクもライバルだけどライバルだからこそマックイーンに勝ってほしいな天皇賞秋」

キタサン「テイオーさんもカッコいいですね!ライバルをちゃんと応援出来るなんて」

テイオー「ライバルだからこそだよボクの目標でもあった、今度はボクが目標になる番だから」

キタサン「目標…」

テイオー「キタちゃんもダイヤちゃんもボクと同じ立場になったら分かると思うよ!」

ダイヤ「はい…!キタちゃんの勝利は私の勝利でもあるんだもん」

キタサン「ダイヤちゃん…!」

ダイヤ「それはキタちゃんも思ってくれているよね?」

キタサン「勿論!ダイヤちゃんの勝利も私が勝ったみたいに喜んじゃうな」

ダイヤ「ありがとう…キタちゃん」

キタサン「えへへ…お互い様だよ」

 

スペ「キタちゃんとダイヤちゃんすごい仲良しですよね」

スズカ「私もスペちゃんを応援してるし勝ったら嬉しいわ」

スペ「私も嬉しいです!スズカさんがディープさんに勝った時も私…負けちゃいましたけど嬉しく思いました!それに怪我から復活したあの時だって…」

スズカ「レース観に来て無かったんでしょ?」

スペ「あ…うぅ…」

スズカ「フフ、ライバルだもんね…あっ今度のスペちゃんのレース観ないことにするわねライバルの作戦が分かっちゃうかも知れないから」

スペ「ス、スズカさーん!観てくださいよ〜!」

スズカ「フフ、大丈夫冗談よ安心してそれに…次のレース一緒のレースに出るから観れないし」

スペ「へ…?次のレース?一緒に?決まって…ましたっけ?」

スズカ「フフ…」

スペ「今日はエイプリルフールじゃ無いですよー!」

スズカ「…にしても」

 

ダスカ「だから!天皇賞秋は逃げて勝てないんだって!」

ウオッカ「じゃスカーレットは何であん時逃げてたんだ?」

ダスカ「あれはジンクス位破れるって思ってたからよ!」

ウオッカ「逃げて勝てないって事はスカーレットの負けって事で…」

ダスカ「負けてない!」

ウオッカ「ハナ差2センチな2センチ」

ダスカ「引き分け!」

ウオッカ「同着じゃなーい」

 

スズカ「この二人喧嘩してるかレースで争ってる所しか見たことないわよ」

スペ「アハハ…喧嘩するほど仲が良いって言いますもん」

 

二人「「仲良くなんかない/わよ」」

 

スズカ「二人ともこれだけは言わせて頂くわ天皇賞秋、逃げたら勝てないジンクスがあるわ」

 

ダスカ「えっ…!?スズカ先輩それ言っちゃいます!?」

ウオッカ「スズカ先輩そんなの信じなくて良いですよっというかスズカ先輩勝ってますよね」

 

スズカ「大逃げだったら勝てるわよ?」

 

3人「…」

 

スズカ「え?スカーレット?ウオッカ?スペちゃんまで何で急に黙るの?」

 

スペ(大逃げ…そうですねそうでしたね)

スカーレット(大逃げなんてしたら私は自滅しちゃいます)

ウオッカ(よくわかんないけど黙るか)

 

スズカ「?」

 

キタサン「逃げたら勝てない…よーし!そんなジンクスはえいって壊しますよ〜!」

ダイヤ「その粋だよキタちゃん!」

キタサン「抑えきれないあ〜破壊衝動〜」

ダイヤ「よ!演歌歌手みたいだよキタちゃん!」

キタサン「演歌歌手?それほどじゃ…」

ダイヤ「沢山歌ってね!」

キタサン「うん!あ〜急に歌うよ〜!」

 

マックイーン(何だか騒がしいですわね…でも騒がしい位が普段のスピカらしくていいですわね)

 

このチームに入って良かった。他のチームなら特にリギルなんてこういう煩さは絶対に無い。東条トレーナーが許さないでしょうね

しかしチームスピカの主義が正しいという訳ではないリギルの方がレースに勝つとして正しいと思うがしかしリギルの主義が絶対に正しいという訳ではないどちらのチームにも良さがあり良くないところもある

 

マックイーン(私はこのチームで良かった。トレーナーさんがなんだかんだ言って私達の希望も聞いてくれる優しいお方で…東条トレーナーさん私とテイオーが同じレースに出るの避けるでしょうし。こんなにも走るのが楽しみって久しぶりねこの感覚…)

 

次回、天皇賞秋。メジロマックイーンは果たしてあの時の屈辱を秋の盾を獲得することは出来るのかー

 

つづく



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第35レース ターフの名優

10月27日 日曜日 

 

東京競

 

赤坂「遂にこの日が訪れました!天皇賞秋。天候は小雨で状態は不良となっております」

細江さん「メジロマックイーンにとっては以前の降着時のレースが思い出されます今回はあのような事が無いと良いのですが…」

 

赤坂「さぁ続々とウマ娘達がやってきております

天皇賞春、宝塚記念勝者二番人気一枠一番ライスシャワー満を持して天皇賞春秋連覇を狙います。三番人気一枠二番ミホノブルボン ライスシャワーとの対決は春天以来の久々さぁ!どう出るか?四番人気二枠三番ツインターボ前走オールカマーではあのトウカイテイオーを破った実力者初のG1勝利なるか!?」

細江さん「ツインターボどう動きレースを引っ張るか気になりますしかし前走の走りは直ぐに対策されてしまいますどのように走るか注目ですね」

 

赤坂「そして堂々の一番人気の紹介!前走宝塚記念ではトウカイテイオーに次ぐ三着前回の天皇賞秋ではまさかの一位入線なるもまさかの18着降着。雪辱を果たすか一番人気メジロマックイーン!」

細江さん「今度こそ、天皇賞秋の盾筆頭でしょうメジロ家の名に相応しいレースになるか期待です」

 

赤坂「さぁ、続々とゲートに収まるウマ娘達…小雨降りしきる天皇賞秋、スタートです!」

 

バッ…!

 

レースは今回はツインターボの先頭で進む

 

スズカ「始まったわね…今回ツインターボは先頭を進むのね…」

テイオー「でも…大逃げじゃないねいつもよりスローペースだ」

沖野「ツインターボの後ろがマックイーンか…どうなるんだ…ツインターボはこのままか?」

 

マックイーン(ツインターボさん今回は先頭ですか…ここは前をマークしつつ相手がスパートをかけるタイミングでこちらもかければ…)

 

赤坂「先頭はツインターボか!しかし大逃げでは無くあくまで足を溜めつつ先頭を進んでいますそのすぐ後ろにメジロマックイーン、ライスもブルボンもその後ろにいますさぁ、千メートルのタイムは…58秒台十分に速いがこれは速いのかスローペースなのか!?」

細江さん「普段のツインターボなら57秒台で走ってもおかしくはありませんね少しスローペースでしょうか」

 

ブルボン(流石マックイーンさん…ペースが速いでもマスターとの坂路トレーニングを積んだ私とライスさんなら…!)

ライス(けやきの向こうで…、一気に!)

 

マックイーン(はぁ…本当に彼女が居ない事が悔やまれますわ、あの怪我で気が滅入っていた私に手を差し伸べ有で文字通りのキセキを見せてくれたトウカイテイオー、あなたがここにこの舞台に居ないなんて考えもしませんでした。少しお待ちを…!ジャパンカップの舞台で倒しますので!)

 

ピリリッ

 

テイオー(…マックイーン?マックイーンと走っている時に感じた…何だろう気?気配…?)

 

スペ「マックイーンさん!!どうなんだろう…場荒れてて辛そうだな…もう!お天道様のバカ〜!」

スズカ「確かに荒れてて走りにくそうね…」

テイオー「大丈夫だよ…このレース勝つのはマックイーンだよ」

スペ「ええ!?そうなの?テイオーさん」

スズカ「ライバルに勝って貰たいって気持ちは分かるけど…」

ゴルシ「まだ分かんねーぞゴール板超えねぇと」

テイオー「なんだろう何か感じたよ」

沖野「勝負師の直感ってやつか?レース展開でおおよその展開は読めるよな」

テイオー「そんなんじゃ無いよ…マックイーンと最も一緒に走りたいって思う気持ちかな?それはきっと…マックイーンも」

 

赤坂「さぁ!先頭のツインターボ、ツインターボが府中のけやきに差し掛かりました!」

 

「ターボ!全開で…!」

 

「えぇ…行きますわ!」

 

赤坂「外からメジロマックイーン!マックイーン!一気にツインターボを千切った、千切った!」

 

ターボ「なっ…!」

 

マックイーン「降着の過去等振り返りませんわ!私はテイオーと共に未来を歩みますの!一緒に!」

 

赤坂「メジロマックイーン!慎重ながらも大胆に外を進みました後ろからはツインターボ、ミホノブルボン、ライスシャワーらが続いています」

 

ターボ(負けないぞ!G1取るんだ!)

ブルボン(ライスさん以外のステイヤーの実力見せてもらいます)

ライス(マックイーンさんを超える!あの時みたいに!)

 

赤坂「さぁ!最後の直線!最初にゴール板を駆け抜けるのは一体どのウマ娘だ!メジロマックイーンか!?ツインターボか!?ライスシャワーか!?ミホノブルボンか!?以前メジロマックイーンがリード!」

 

マックイーン「…秋の盾。あの日貰えなかった秋の盾…!いただきますわ!」

 

赤坂「マックイーン抜けた!抜け出したのはただ一人メジロマックイーンです!この脚、あの脚が府中に遂に帰ってきたメジロマックイーン…後ろを完全に突き放して…今!一着でゴール!」

 

メジロ家の執念。マックイーンのあの日の屈辱が柔んだ瞬間である

 

赤坂「2着にはツインターボ今回も好走と言えるでしょう」

細江さん「ツインターボ、G1勝利まで目前ですねあとひと押しで勝利を飾れるでしょう」

赤坂「3着には天皇賞春優勝、宝塚記念優勝ウマ娘のライスシャワー、天皇賞春秋制覇とはなりませんでしたがこちらも今後に期待が持てます」

細江さん「4着のミホノブルボンとの次走も気になります」

赤坂「ミホノブルボンは4着。5着には…」

 

マックイーン「やった…?やりましたの!?」

 

掲示板は確定でずっと灯っている

 

ライス「おめでとうございます…マックイーンさん」

ブルボン「天皇賞秋優勝見事です」

マックイーン「ありがとうございます…」

ターボ「マックイーン…!」

マックイーン「はい…なんですの?」

ターボ「有記念ではテイオーにもマックイーンにも負けないで優勝する!」

マックイーン「ターボさん…えぇ!受けて立ちますわ必ずや有も勝ってみせます」

ターボ「それと…優勝おめでとうマックイーン」

 

そしてマックイーンはスピカの待つ所へ向かった。

 

マックイーン「遂に勝ち取りましたわ天皇賞秋の盾…!」

テイオー「おめでとうマックイーン。君になら取れるって信じてた」

マックイーン「えぇ…、えぇ…」

テイオー「んもぉ…!泣かないでよ〜気持ちは分かるけど泣くのはボクに負けてたから泣いてよ」

マックイーン「うぅ…泣きませんわよ!あなたが負けて泣きべそかきますのよ…!」

沖野「とりあえずおめでとうマックイーン良かったじゃないかあの時の盾が獲得できて」

ダイヤ「…おめでとうございますマックイーンさん!」

マックイーン「うふふ…ダイヤさんも応援してくださりありがとうございます…ジャパンカップも応援おねがいしますね」

ダイヤ「はい!勿論です」

 

そして盾の授与式が行われ競場を後にする時間に差し掛かった頃

 

ピコンッ

 

テイオー「ん?UmaTubeの通知…?」

 

開いて見ると二本ありURA公式チャンネルの物とトレセン学園の公式チャンネル2つの動画が上がっていたのであった

 

観客A「ドリーム・ステージに新たなレースシリーズ誕生!?ワールド・ドリームステージ・シリーズだと…?」

観客B「それだけじゃないぞ!シンボリルドルフ、エアグルーヴ、ナリタブライアン3名のワールド・ドリーム・ステージ出走を記念としまして今年の年末の祭典有記念に特別出走!?トゥインクルシリーズと同じレースを走るんだとよ…今年どうなるんだ…?」

 

記念でシンボリルドルフ会長とやっと戦えるその為にも…

 

テイオー/マックイーン「マックイーンを/テイオーをジャパンカップで倒さねば行けない/ですわね!」

 

第35レース ターフの名優(メジロマックイーン)

 

次回へつづく



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第36レース 帝王

メジロマックイーンの天皇賞秋優勝から数日後

 

キャスター「次のジャパンカップには海外の強豪ウマ娘が出走しますね」

解説者「はいそうですね本日はこのウマ娘についてご紹介致します彼女は日本のトレセン学園からフランス・パリのロンシャントレセン学園へ留学した…」

 

とここでCMに入った

 

スズカ「…ククナかしら?それとも…オスカー?」

スペ「んくっ…スズカひゃん知り合いなんですか?」

 

スペシャルウィークは昼飯を食べながらスズカに答える

 

スズカ「スペちゃん…ご飯食べながら喋っちゃだめよ?仲の良かった先輩よ。皐月とダービーを二人で争ったのよあの走りは凄かったわ」

スペ「ほへぇ…」

グラス「良い関係ですねスズカ先輩」

スズカ「そうねぇ二人が外国に留学するって決まったときは寂しかったわ私が入学してまだ日の浅い頃仲良くさせて貰っていたもの…」

エルコンドルパサー「テレビのCMが明けましたヨ!」

 

解説者「ジャパンカップにはロンシャントレセン学園よりククナクリスティンが出走を決めております彼女は同期のエトワールオスカーと皐月賞。日本ダービーを分けたウマ娘です久しぶりの日本の大地でどのようなレース展開を見せてくれるか楽しみですね」

キャスター「日本の、出走者は…あっ!今!只今決まった模様です。前走天皇賞秋を制したメジロマックイーン出走確定、そして前走のオールカマー2着。天皇賞秋は惜しくも出走叶わなかったトウカイテイオー、出走確定です!ジャパンカップで遂に三度目となるTM対決です!」

 

スズカ「良かった…テイオー出れるのね」

スペ「はいっ!二人の対決楽しみですね〜どっちが勝つのかな…」

グラス「楽しみですね〜」

エルコンドルパサー「期待!感激!大歓迎〜!エルも嬉しいデス」

スズカ「フフッそうね」

 

しばらくして

 

沖野「テイオー、良かったなジャパンカップには出られる事になって」

テイオー「うんっ!楽しみ」

マックイーン「負けませんわよ?テイオー」

テイオー「望むところ、ボクも負けないからね!」

 

ゾロゾロ…

 

テイオー「ん?トレセン学園に沢山スーツケース持ったウマ娘が入っていくね」

マックイーン「あれは…」

沖野「ジャパンカップに出走する海外組か!?相変わらず早いご到着だ事…」

???「トウカイテイオーとメジロマックイーンか!?」

二人「「ぴえっ!」」

沖野「何奴っ!」

???「名前か…?名はククナクリスティンだククナとでも呼んでくれ」

テイオー「ククナ…?マックイーン知ってる?」

マックイーン「さぁ…?」

沖野「ククナって…元ウチの学園の生徒か!?まさかジャパンカップに出走してくるとは…」

ククナ「フッ…出走位するだろう?私は元々こっちの芝で走っていたんだ…勿論だが高速場だろうがなんだろうが私には関係ない、少しのアップで感覚は戻るだろう…それじゃあなテイオーとマックイーン!」

 

テイオー「行っちゃったね」

マックイーン「ですわね…あの人の事よく知らないんですが」

沖野「皐月とダービーをもう一人の二人で争っていたうちの一人だしっかし久しぶりだな〜」

 

ククナはどこかへ電話をかける

 

ククナ「ククナです。トレセン学園到着致しました」

???「早速だけどアップを開始してくれ…」

ククナ「了解!お前たち行くぞ!」

 

「「はい!」」

 

???「待てククナ」

ククナ「何でしょうか?」

???「誰かと会ったりはしたかい?」

ククナ「トウカイテイオー、メジロマックイーンそしてチームスピカのトレーナーに会い、少しだけ立ち話を」

???「そうか…知っていると思うがその二人がジャパンカップの人気最上位に君臨する帝王と名優。期待しているよ二人を倒す事を君が出来ると…」

ククナ「必ずや…勝利を!」

 

ククナ達、海外組は早速アップを開始し身体を温め始めた。

 

生徒会長室

 

エアグルーヴ「会長、海外のウマ娘が到着されたようです」

ルドルフ「あぁ、そうだな」

エアグルーヴ「ククナを見るもの久しぶりですね」

ルドルフ「ククナの走りを見るのが楽しみだなテイオーかマックイーンに勝って貰いたいが」

エアグルーヴ「難しい所ですね」

ルドルフ「あぁ…世界を知れる良いチャンスだ」

ブライアン「世界か…私達の目指す所でもある」

エアグルーヴ「そうだぞブライアン、来年からは日本代表として世界の強豪ウマ娘を相手に戦う事になる」

ルドルフ「なーに、私達3人なら大丈夫さきっと勝てるさ」

 

ルドルフ(…テイオー、あの子は本当に生徒会長をやらせて大丈夫だろうか…)

エアグルーヴ「会長悩み事ですか?」

ルドルフ「いや、大丈夫だ」

ブライアン「大丈夫じゃないから聞いてるんだ」

ルドルフ「テイオーは生徒会長に本当に相応しいだろうか…」

エアグルーヴ「素質はありますし人望だって…」

ルドルフ「しかしだ前回のオールカマーでの出来事を見過ごす事は出来ない…本人にああは言ってもだ」

ブライアン「なら…今度のジャパンカップで復活したら生徒会長って事で良いんじゃないか?テイオーあいつは不屈の帝王と呼ばれる天才だろ?有だけで無くジャパンカップでも復活したらその強さは本物だろう」

 

ルドルフ「そうだな…テイオーの優勝で決めるとしようかな」

エアグルーヴ「会長の判断に任せます」

ブライアン「勿論賛成だ」

 

窓の外を見るとテイオーとマックイーンが練習しているのが見えた

 

 

ルドルフ(テイオー、君の勝利を信じているライバルにマックイーンに打ち勝て…!)

 

府中市内 某所

 

テイオー「レース近いのに…蹄鉄無いなんて〜」

マックイーン「仕方ありませんわ私達二人分入りますし蹄鉄は注文しなければいけませんし

 

とぼとぼ歩いているとチームカノープスのネイチャとターボが居た。

 

ネイチャ「あれ〜テイオーじゃん何やってんの?」

ターボ「あ!トウカイテイオー!勝負、勝負!」

テイオー「あ…ターボ師匠!」

ターボ「だから!ターボいつから師匠になってんの!?」

テイオー「この前はごめんなさい…ターボ師匠の事…」

ターボ「有で全力出したら許す!過去の事クヨクヨすんな!テイオーらしく無い!」

テイオー「次は絶対負けないからね!」

ネイチャ「お〜有楽しみですな〜」

マックイーン「ネイチャさんもおつかいでしょうか?」

ネイチャ「うん当番だからねー」

ターボ「蹄鉄買いにきたの!」

テイオー「蹄鉄か〜」

マックイーン「こちらもですわ」

ネイチャ「そっかー大事だもんね蹄鉄」

テイオー「ネイチャは何用なの?レース出るの?」

ネイチャ「ターボの付き添い。前に蹄鉄変なの買ってきたことあったからさー」

ターボ「間違えたんだよ〜!」

ネイチャ「んじゃそろそろ行くわテイオー!ジャパンカップ頑張りなさいよ!アンタは私の憧れでもあるんだから!」

テイオー(憧れ…)「うん、頑張るよ!マックイーンにも勝たないといけないし」

マックイーン「えぇ、勿論ですわ!勝つのはこのわたくし!」

テイオー「いいや!ボクだよ、ボク!」

 

そして…!

 

赤坂「みなさんもう間もなくジャパンカップスタートとなります

細江さんテイオーやマックイーンは皆さんご存知ですが海外ウマ娘で注目は居ますか?」

細江さん「やはり期待も高まっている日本トレセン学園から世界へ羽ばたいたククナクリスティンが一番ですかね?」

赤坂「そのククナクリスティンが地下通路を抜けました!この歓声、この歓声です!」

ククナ(久しぶりねこのターフの感覚そして歓声!勝つのはこの…)

 

ワァァァ〜!

 

ククナ(何よ…この歓声は!)

 

その歓声の持ち主は勿論この二人。一人は憧れの会長と同じ夢を持ちそれが叶わない夢となりながらも諦めず、怪我に負けずそして復活してみせたトウカイテイオーそして

 

天皇賞春を勝てという命題を背負い見事勝ちステイヤーと呼ばれるウマ娘。トウカイテイオーの親友でもありライバルでもあるメジロマックイーン

 

二人の対決が見たい人々の歓声なのであった

 

赤坂「流石、日本の帝王と日本の名優の二人。歓声も更に大きくなっております」

細江さん「ライスシャワーが勝利した宝塚記念以来の対戦カードやはりテイオーとマックイーン二人の対決は応援も熱くなるという事でしょう」

 

テイオー「マックイーン、勝つのはボクだから」

マックイーン「いいえ!勝つのは私ですわ!」

テイオー「けど、次こそボクらの一着、ニ着で終わらそうねライスの時みたいにボクらが負けるのは」

マックイーン「もちろんです、嫌に決まってます」

 

テイオーとマックイーンはゲートへと向かった。

 

キタサン「テイオーさん…!頑張って応援してますから!」

ダイヤ「勝つのは…マックイーンさんです」

 

ウマ娘の少女「テイオーさん!がんばれー!」

キタサン「あなたもテイオーさんの応援?アタシもだよ!」

ウマ娘の少女「テイオーさんをううん!会長さんをも超えたいの!」

キタサン「夢はでっかくおっきく持たないとね!」

ウマ娘の少女「うん!!」

 

キタサン(実は会長さんのファンなのかな…?)

 

赤坂「さぁ、ジャパンカップスタートです!」

 

一斉にスタート。出遅れなどはなく順調に進む

 

赤坂「各ウマ娘、出遅れ無く順調そのもの注目のククナクリスティンは追込み体制後方よりのスタート、トウカイテイオー、メジロマックイーンは前方集団に位置しています」

 

テイオー(順調かな…いやっ!ここでまた慢心してたら負けちゃう!)

マックイーン(…ゴールしたらどちらが強いか分かりますわねテイオーもしくは…海外の方…いえ!テイオー信じますわあなたと私が一着ニ着を争うと!)

 

ククナ(ふぅ…やっぱり疾走りやすい芝は高速場だね足取りが軽いなぁ…!さぁ!テイオーとマックイーン!私は元はこの芝で走っていたんだ!海外のウマ娘だから日本の高速場だと勝てないという訳じゃないぞ!)

 

赤坂「各ウマ娘、1000メートルを通過誰が行くのか…おっと!やはりトウカイテイオー、メジロマックイーンか!?その後ろからククナ、ククナ!ククナクリスティン海外からの刺客もやってきた!」

 

3人「うぉぉぉぉ!」

 

赤坂「やっぱりこの三人!この三人!ゴールへ向け勢いが止まらない!欅を超え最後の直線へ!」

 

ウマ娘の少女「頑張って〜!テイオーさん!」

観客A「行けっ!テイオー!」

観客B「あの時の有を思い出せ!お前は何度だって復活出来る!今日だって!そうだ!」

 

観客席から歓声がトウカイテイオー彼女の耳にも聞こえた。

 

テイオー(そうだ、そうだった…!ボクは何度もくじけて来た!あの時も勝つことが当たり前に思えてしまうこともあった…だけどもうそんな事は思わない!ボク勝ちたいよ…勝って会長と…戦うんだ!絶対に譲らない!絶対に、絶対に…!)

 

マックイーン(譲りませんわテイオー。あなたに勝利は…勝つのはこのメジロマックイーン。メジロ家の…いえ違いますね私だってあなたと戦いそして勝ちたいこの気持ちこそ本物です…あなたとレースをし勝つことこそ!)

 

2人(勝負だぁぁぁーーー!!!)

 

赤坂「トウカイテイオー、メジロマックイーンだぁぁ!やはりこの二人!二人だけの時間!他のウマ娘はもう誰も追いつかない!」

 

ククナ(…なんて速さだこの二人は!!!追いつけない…!)

 

赤坂「さあ!トウカイテイオー、メジロマックイーン!勝つのはテイオーか!?マックイーンか!?」

 

テイオー「絶対は……ボクだぁぁぁーーー!!!」

 

「テイオー!!」

 

「マックイーン!!」

 

歓声が木霊した。やはりこの二人の走りは人の心を大きく動かすのだろう。

 

そして

 

「うぉぉぁーーーー!!!」

 

ダッ…!

 

赤坂「トウカイテイオー!トウカイテイオーだ!トウカイテイオー再び復活!」

 

「やった…」

 

赤坂「見事に名優。メジロマックイーンを超えてみせましたトウカイテイオー!やはり今回も復活してみせました!」

細江さん「歴史に残る名レースとなりました」

 

テイオー「はぁ…はぁ…ボクやれたんだ…マックイーンに勝てるんだ…」

「おめでとうございます。テイオー」

テイオー「マックイーン…」

マックイーン「あなたが示した道標を私なりに進んでみた結果ですわ…奇跡は何度だって、何回だって起こせますのね…」

 

マックイーンの頬からは涙が溢れる見たことのない笑顔のまま

 

マックイーン「おかえりなさい。テイオー」

テイオー「うん。ただいま」

 

「見事だなトウカイテイオー、メジロマックイーン君も」

 

テイオー「ククナ…」

 

ククナ「なぁに私は君達の時間を遮ろうというわけじゃない…ただこれだけは言わせて頂くおめでとう。君らと同じレースを走れて光栄に思うよ」

 

と言いその場を離れた

 

マックイーン「あのお方、やはり良い方ですね礼儀という物を感じます」

テイオー「うんカッコいいね」

 

「テイオー!テイオー!テイオー!テイオー!」

 

ここでテイオーコールが巻き起こった。彼女のダービー、そして有、そして今回のジャパンカップ。やはりテイオーの勝利にはこのコールが必須だろう

 

観客A「テイオーは皇帝を超えたいや!有で本当に超えられるのかも知れない!」

観客B「天才は居るな、くやしいけど。ここに」

 

テイオーの勝利でジャパンカップは終わりを告げた。

 

第36レース 不屈の帝王(トウカイテイオー)




ゴルシ「テイオーの勝利を称えに行くぞ〜!」
スペ「あっ…!待ってくださいゴールドシップさーん!」
スズカ「フフッ急いじゃ駄目よ〜」
ダスカ「スズカ先輩が一番速いじゃない…」
ウオッカ「だな」

キタサンブラック「どう?ダイヤちゃんテイオーさんの実力!」
ダイヤ「やっぱりテイオーさんも強いね…だけど次!有は絶対に負けないから!」

沖野「はぁ〜あいつら勝手に嬢ちゃんは行くか?」
ウマ娘の少女「いいえ」
沖野「はえーお利口さんだこと…裏でテイオーに会わせてやるよ皆には内緒な?」
ウマ娘の少女「なら…会長さんに会わせてくださりますか?」
沖野「…ちょっとまってな」

沖野は何処かへ電話をかけだした。

勿論それはチームリギルの東条トレーナーの元にであった。

そしてウマ娘の少女は生徒会長室を訪れている

次回に続く


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第37レース 君が見たい夢は、ボクも見たい夢

 

トレセン学園生徒会室にウマ娘の少女がやって来た。

 

ルドルフ「それで君は一体何をしにここへ来たんだ?トレセン学園に入学したいのかな?」

ウマ娘の少女「…そういう訳でここに来たわけじゃ無いです」

エアグルーヴ「じゃあ何の用だ…?」

ウマ娘の少女「私、会長さんのような強くて格好いいウマ娘になりたいです!そして…会長さんを超えるようなウマ娘に…!」

ルドルフ「私を、超えるか…」

エアグルーヴ「夢を砕くようで悪いが、たわけ。そんな簡単に会長を…」

ルドルフ「良いんだエアグルーヴ、夢は大きく持った方が良い」

エアグルーヴ「ですが…会長」

ルドルフ「君の持つ夢。それをこのトレセン学園では叶える事が出来るかも知れない君の入学を待っているよ」

 

ウマ娘の少女「そう言われると…入りたくなってきました」

ルドルフ「君が入学する頃には私達はもう海外へ旅立っているだろうその時はテイオーに伝えておくよ君の名前を教えてくれるかな?」

 

 

「私、アーモンドアイって言います!」

 

 

その頃、メジロ家では

 

おばあ様「トウカイテイオーに敗北しましたね」

マックイーン「申し訳ありません…おばあ様」

おばあ様「別に構いませんわ、マックイーン。あなたが走りたいように走れば良いのですよ」

マックイーン「有ではもっと精進いたします」

おばあ様「期待しています…それと有出るのならテイオーも連れて療養所の温泉にでも入って来られたら?」

 

マックイーン「テイオーも…?」

おばあ様「二人の対決するまで条件はフェアでなくて良くて?」

マックイーン「では、いつか入りに行きますわ」

おばあ様「爺やに頼んで乗せていって貰ってください。レース本番頑張ってください応援していますマックイーン」

 

テイオー「ふーん、だから温泉に来たんだね〜」

 

二人にとって療養所の温泉は宝塚記念前にライスやブルボン達と入りに来たきり以来。二人きりで来たのは何時ぶりだろうか

 

テイオー「スピカのみんなで入りに来たいよね」

マックイーン「…それもいいですわね」

テイオー「どうしたの?もうのぼせちゃった?」

マックイーン「走りたいように走れば良い…テイオーはどう思います?」

テイオー「そりゃあボク達はレースに勝ちたいって気持ちが強いよ?でもさ走りたいように走るもの気分が晴れて気持ちよさそうだよねっ!」

マックイーン「例え…勝てなくとも?」

テイオー「気分がくらーくなるよりかはマシだよ〜レースで勝てなくても、勝てたとしてもレースを見ている人みんなに夢を見せられたらそれで良いと思う」

 

マックイーン「夢…みんなに見せられました?私は」

テイオー「どうしたのさ〜天皇賞春を3代に渡って制覇したんでしょ?そして君自身三連覇まであと少しだったんだから充分見せられたさ。そしてその夢の続きは今も続いているよ」

マックイーン「今もですか…?」

テイオー「今度の有記念で君が勝てばもっと見れるよだって僕たちは大勢の人達が認めたライバル。それに君が見たい夢は、ボクも見たい夢なんだから負けないよマックイーン」

 

マックイーン「えぇえっ…!当たり前ですわ…負けません…わ!」

 

マックイーンの頬からは涙が流れる

 

テイオー「ボクも負けないよ…」

 

じいや「お嬢様方、マッサージを受けられては如何でしょう」

 

テイオー「いいね〜やろうよ」

マックイーン「えぇ!もちろん」

 

マッサージ師「では始めますね〜」

 

テイオー「これで足も柔らかくなるね」

マックイーン「えぇ…」

テイオー「はうぅ…!毎回練習終わりにやって欲しい位に気持ちいいね」

マックイーン「私がしましょうか?」

テイオー「お願いするかも〜」

 

その頃、生徒会室では

 

ルドルフは椅子に腰掛ける

 

エアグルーヴ「アーモンドアイ…彼女からは」

ルドルフ「エアグルーヴ、君も感じたか?彼女のオーラを」

エアグルーヴ「えぇ…何でしょう強者の感を感じました」

ルドルフ「彼女は世代の頂点…いや本当に私を超えゆるウマ娘となるのかも知れないな」

エアグルーヴ「…そんな事は!」

ルドルフ「わかってる…だが、そんな彼女に目をつけられたんだやはり今度のレース一着を取りにいかせてもらおうか…!」

 

 

スピカ部室

 

キタサンブラック「テイオーさん、お帰りなさい!」

テイオー「ただいまキタちゃん!」

ダイヤ「マックイーンさんおかえりなさいです」

マックイーン「ただいま戻りましたわ」

キタサンブラック「聞いてくださいよ〜テイオーさんの事を…会長さんだっけ!応援してくれたウマ娘ちゃんがいましたよ!」

テイオー「うん?ボク?会長?まるで昔のボクみたいだねその子」

沖野「憧れは会長さんみたいだなー因みにその子さっきまで学園に来てたみたいだぜ?」

テイオー「学園になにしに?あーニシノフラワーみたいに飛び級ってこと?」

沖野「いや、そういうわけじゃないみたいなんだよなー何しに来たかは分からないな」

マックイーン「何さんですの?その方」

キタサンブラック「名前も…聞いてないですね」

ダイヤ「アーモンドアイ…」

マックイーン「アーモンドアイ…?ダイヤさんそれは何処情報ですの?」

ダイヤ「サトノグループ…サトノ家のウマ娘に聞きました…彼女は全国ウマ娘陸上競技大会にエントリーしてるとかその位しか…」

テイオー「かなり有力な情報じゃん!アーモンドアイ、アイちゃんか〜」

マックイーン「いつか同じ舞台で戦えるかも知れませんわね…テイオーより会長さんの方を選ぶなんて…」

テイオー「ちょっと…!?マックイーン?何言ってるのさ?」

マックイーン「何でも無いですわ〜」

 

ここでテイオーの携帯が鳴る

 

テイオー「会長からだ…ちょーっと行って来るね!」

沖野「気をつけて行けよ〜」

 

生徒会長室

 

テイオー「会長〜?話ってなに?」

ルドルフ「テイオー、いよいよ有記念が近いなキミと私が一緒に走るレースが」

テイオー「そうだね!楽しみだよ会長」

ルドルフ「私がダービーを制したあの日、テイオーと初めて出会ったあの日。ここまでテイオーが登り詰めるとは正直思って居なかった、テイオーキミの憧れシンボリルドルフを倒すのだ私も全力を出すと誓おう」

テイオー「うん…やっと戦える所まで来たんだ、会長…いやシンボリルドルフ会長、ボクは強くてカッコいい憧れを超えてみせるよ」

ルドルフ「あぁ、共に全力で参ろう」

 

 





次回、3章最終話

果たして、テイオーはマックイーンはシンボリルドルフを超える事が出来るのか、テイオーとマックイーン勝者となるのは…

今年も有記念が始まる。

次回 第38レース ここでなら叶えられる夢もきっとここにある


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第38レース ここでなら叶えられる夢も、きっとここにある

 

赤坂「年末の大一番、この戦いを見ないことには年が越せない有記念!何と言っても今年はドリーム・シリーズへ移籍したシンボリルドルフ、エアグルーヴ、ナリタブライアンがトゥインクル・シリーズレースに出走!そしてG1ウマ娘が8人も出走します!」

細江さん「まさに年末の大一番に相応しいレースとなりましたね勝つのは一体誰なんでしょうか」

 

赤坂「あの2分25秒のダービーが、あの逆襲の末脚が、菊の舞台のレコード決着が。クラシックレース3つを取り合ったビワハヤヒデ、ナリタタイシン、ウイニングチケット

チームBNW!」

 

チケット「私、また三人で走れる事楽しみにしてた!」

ハヤヒデ「あぁ…楽しみだなしかし、一着は私。二着はブライアンとなるだろう…フフッ私の立てた方程式を崩せるかな?」

タイシン「崩せるさ…私の脚なら、チケットの脚でも…」

チケット「タイシンに褒められたよぉぉ…良かったね私の脚ぃぃ!」

タイシン「うるさっ!褒めるんじゃ無かった…」

チケット「でも頑張ろうねタイシン!また戦えて嬉しいよ」

タイシン「うん…怪我も治って良かった。今度は負けないよ?」

ハヤヒデ「二人共、締まっていこう…」

二人「「うん!/うん…」」

 

赤坂「前々走、オールカマーでは見事トウカイテイオーをも倒したツインターボ、初G1制覇となるか!」

 

ネイチャ「行ってきなターボ、悔いのないように」

ターボ「悔いなんてないよ、ターボは何だかんだ言ってテイオーと一緒に走りたいだけだから!勝っても負けてもそれで良し!次のレースの為に練習頑張るだけだから」

ネイチャ「その思いぶつけて来な!G1の舞台で!」

ターボ「うん!G1制覇してみせるよ!見てて!」

 

イクノ「行ってしまわれましたね…」

タンホイザ「ターボ、頑張れ〜!えいえいむんっ!」

ネイチャ「ターボ、信じてるよあんたの走りに」

 

赤坂「そして、ドリーム・シリーズからトゥインクル・シリーズの舞台へ戻ってきたシンボリルドルフ、エアグルーヴ、ナリタブライアンです!シンボリルドルフは何とトウカイテイオーらを差し置いて一番人気です!」

 

ルドルフ「トレセン学園所属として走れる最後のレースだみんな心して挑むぞ」

エアグルーヴ「勝ちに行くぞブライアン我々は日本代表として挑むのだから」

ブライアン「勿論だ…勝たせてもらう、テイオーだけじゃない会長。アンタにもだ」

ルドルフ「ふっ…君は私を超えるウマ娘とも言われていたな見せつけてあげよう皇帝と呼ばれた私の実力を」

 

ピリリっ…とした空気が流れる

 

ブライアン「くっ…御手柔らかに頼む、海外で走るし」

エアグルーヴ「海外で走るからだからこそだろ?海外にはもっと強いウマ娘が一杯いるぞ!」

ルドルフ「エアグルーヴ、別に良いさ勝つのはこの私なのだから」

エアグルーヴ「私も負けませんよルドルフ会長」

 

ルドルフ(ふぅ…それにしてもこの私が、私程度が本当に皇帝と名乗って良いのだろうか…)

 

ルドルフは少し暗示をかけ気持ちを落ち着かせる

 

そこには勝負服に身を包みレースが始まるのは今か今かと待ちわびてる自分がいる

 

勝ちたいか勝ちたくないかで言えば勿論勝ちたい、そうだやっと私にもライバルと呼ぶべきウマ娘が出来たのかも知れない

 

「君達と走れる最後のチャンスかも知れない。君達は会長に相応しい逸材か?私が見定めてやろう…私に示して見せろ!トウカイテイオー、メジロマックイーン!」

 

赤坂「そして、最後にご紹介するのはこの2人、数奇な運命、奇跡と呼ぶべき不屈の帝王。トウカイテイオー!そして、対するは名優と呼ばれターフで輝き続けた名優。メジロマックイーン!」

 

「遂にここまで来たねマックイーン」

「えぇ、長い道のりでしたわねテイオー」

「あの時さ…実はマックイーンがここまで復活するとは思って無かったんだ」

「…自分自身でも正直驚いています、これがテイオーの起こしたもう一つの二人だけが知っているキセキですかね?」

「キセキ…か起こして見せようもう一度、ここで」

「えぇ、起こして見せましょうキセキ」

 

テイオー「叶えられない夢なんて、無いんだ。ここでなら叶えられる夢もきっとここにある」

マックイーン「夢、私達が叶えたい夢。それはあなたとの決着。その為にはシンボリルドルフ会長は超えなくてはなりません…超えるのも夢の内ですわね?」

テイオー「うん!勿論さ」

マックイーン「分かりました…超えてからが最後の勝負ですわねテイオー、あなたには感謝してもしきれませんわ…」

 

テイオー「そういうの後にしない?」

マックイーン「どうしてもしないと…」

 

テイオーは少しため息をしマックイーンに手を差し伸べる

 

スッ…

 

テイオー「感謝してもしきれないのはボクの方さ、そもそもマックイーンが手を差し伸べてくれ無かったら、ボクの目標で有り続けてくれ無かったらスピカに入ってくれ無かったら…君に手を差し伸べる事も無かったと思う。ありがとうマックイーン。もう一度君と走れるなんて運命ってのも悪いもんじゃないね」

 

マックイーン「えぇ…ふえっ…えぇ」

テイオー「泣き虫だねぇマックイーンも」

マックイーン「涙が…止まりませんものぉ…!」

テイオー「もぉ〜ハンカチで拭く?」

マックイーン「ありがとうございます…」

 

マックイーン「私達の運命って意地悪ですけどねとっても」

テイオー「えぇ〜そういう事言っちゃう?マックイーン、信じようよ運命って物を」

「えぇ!勿論ですわ!」

 

そして二人は歩みを進めターフへ出た

 

観客席からは一気に歓声が巻き起こる。

 

「負けないで、テイオー!」

 

「キセキの復活を見せて!不屈の帝王〜!」

 

「メジロ悲願を…マックイーン!君の悲願を叶えるんだ!」

 

「名優みたいに華麗にゴールを決めてくれ!」

 

ゴルシ「やっぱ応援凄いな〜負けんなよ!二人とも〜」

 

スペ「テイオーさーん〜マックイーンさーん!思いっきりけっぱって下さい!」

 

スズカ「頑張って〜!二人とも〜!」

 

ダスカ「有でもう一度キセキを!」

ウオッカ「ターフの名優〜!カッコいいぜ〜」

「勝つのはテイオーよ!」 

「マックイーンだろぉ!?」

キタサンブラック「わわっ!喧嘩しないでくださいょ!テイオーさーん!憧れのテイオーさーん!頑張って下さーい!私も歌で応援しますよ!」

 

ダイヤ「マックイーンさん!テイオーさんに勝って下さい!応援してます…!菊花賞ウマ娘の実力見せつけてあげて下さい!」

 

沖野「俺は…お前達二人どちらを応援するという事はしないっ!二人とも良いか!?後悔の無いよう全力を出してこいっ!」

 

少し離れた所にウマ娘の少女、アーモンドアイも居る

 

アーモンドアイ(テイオーさん、ルドルフ会長超えて見せて下さいこんなにも人々の心を動かせるウマ娘早々居ませんよ)

 

赤坂「やはり物凄い声援ですね」

細江さん「トウカイテイオー、メジロマックイーンどちらに軍配が上がるか気になります!」

赤坂「改めて人気投票の結果を申し上げます3番人気はビワハヤヒデ、2番人気はナリタブライアン、1番人気はシンボリルドルフ

トウカイテイオーは4番人気、メジロマックイーンは5番人気」

 

そして段々とレースの発走時刻が迫る

 

赤坂「年末の大一番有記念、今年の出走ウマ娘は一味も二味も違う勝者の称号を掴むのはビワハヤヒデか?ナリタブライアンか?シンボリルドルフか?運命を賭けた一戦2500メートル先のゴール目指して有記念スタートです!」

 

記念が遂に始まった

 

赤坂「やはり、やはりか?ツインターボが先頭を進みます!」

 

「やっぱり先頭じゃないとね!ターボ…全開っ!」

 

赤坂「ツインターボ!逃げますが大逃げではなく溜めつつ逃げています。さぁ、一周目のホームストレッチをウマ娘が駆け抜けますその後ろにはトウカイテイオー、メジロマックイーンが居ます更に後ろの集団にはビワハヤヒデ、ナリタブライアン、シンボリルドルフは中団付近で様子を見ていますウイニングはこの辺りその後ろにはナリタタイシン!ペースは…やや早いペースですね」

細江さん「良いレース展開となっていますこのペースで進んでほしい所です」

赤坂「さぁ、1コーナーに差し掛かりました後続のウマ娘はいつ動くのか!」

 

ルドルフ(他のウマ娘がどれだけ足掻こうと結末は変わらない私は絶対と呼ばれてきた皇帝だ、これからもそうで有り続ける…)

 

「ついて来れるか!?テイオー!マックイーン!」

 

赤坂「ここでルドルフ!シンボリルドルフが仕掛けた!一気に抜け出してツインターボを捉えた!」

 

ターボ「ぐっ…負けな」

 

(皇帝たる者…視線だけで疲れさせる事も造作もない!)

 

赤坂「あっーとツインターボここでスタミナ不足か!?外からシンボリルドルフ!シンボリルドルフ先頭です!」

 

ターボ(なんで…スタミナ溜めてたし皆とあんなに一緒に練習したのに…)

 

その時、後ろからすっーと上がっていくウマ娘が現れたそのウマ娘こそシンボリルドルフに憧れ何度負けても不屈の魂で復活したトウカイテイオーと生に宿命を受け、夢を叶えそしてライバルと共にターフを駆けたメジロマックイーンが二人並んで上がってきた。

 

赤坂「最終コーナーを回り中山の直線を向いた中山の直線は短いぞ!しかし、この3人!この3強が駆け抜ける!」

 

ルドルフ(君達に私が超えられるか見せてみろ見せつけてみせろ!示してみせろ!見せられないのなら私から行くぞ…)

 

 

ルドルフ「皇帝の名に懸けて、我の前に道は無し...なればこそ、勇往邁進!道は自ら切り拓く!」

 

汝、皇帝の神威を見よ

 

テイオー(やっとここまで来れたんだ…会長の背中、一つ分までボクは追いつく事が出来た…)

 

マックイーン(テイオーと共に歩んできた道のりと比べたらまだ何ともなくってよ!)

 

二人は夢を駆ける、文字通り夢を抱き駆ける。

 

二人「「勝負だぁぁ〜〜!!」」

 

そして…

 

赤坂「トウカイテイオー、メジロマックイーン!シンボリルドルフを捉えた!」

 

テイオー「何度だって立ち上がって見せるボクが皇帝(ぜったい)を超えてみせる!」

 

絶対は、ボクだ!

 

マックイーン「テイオーに負けるもんですか…!会長さんを超えて、テイオーを超えて私が最強だと証明する為に!」

 

最強の名を懸けて

 

3人「うぉぉぉ!!!」

 

その時は訪れた。

 

ルドルフ(ふぅ…潮時か君達が新たな会長となるだろう…)

 

赤坂「皇帝を超えた!テイオーと、マックイーンが超えた!超えた!どちらが勝つのか!?」

 

テイオー「ボクが勝つんだ!」

マックイーン「私ですわ!」

 

「負けるもんか!!」

 

赤坂「トウカイテイオー、メジロマックイーンほぼ同時にゴール!勝ったのはテイオーか!?マックイーンか!?掲示板には写真判定の文字が浮かび上がりました。3着にはシンボリルドルフ4着は…」

 

テイオー「はぁ…はぁ…やった、僕たち皇帝を超えられた!」

マックイーン「えぇ…!やりきりましたわ」

ルドルフ「君達に本当に超えられるとは思っても居なかったこれで心置きなく海外へ旅立てるよ」

テイオー「会長〜!」

ルドルフ「フフッ、こうして頭を撫でられるのもあと少しだな」

 

マックイーンはフフッと微笑む

 

そんな三人を横目に大きな歓声が巻き起こった。

 

ルドルフ「っ…?こんな奇跡が起きるのか!?」

 

テイオー「ねぇ、レース前に僕らの運命ってとっても意地悪だよねって話したの覚えてる?」

 

マックイーン「えぇ、覚えて居ますわ」

 

テイオー「まさか、ボクとマックイーンが同着なんて…ほんっと意地悪いなぁ〜」

マックイーン「全くですわね…キセキ、結局起きましたわね…」

 

トウカイテイオーとメジロマックイーンは共に一勝一敗一分という結果になった。

 

ウイニングチケット「くぅ〜〜レース内容で感動したよぉぉぉ!」

タイシン「うるさ…けどG1レースで一着同着なんて驚かない方がおかしいか。一緒に走れただけでも自慢できるほど素晴らしい結果だね」

ハヤヒデ「そうだな…こればっかりは想定外だったなブライアン」

ブライアン「あぁ…本当にあの二人は凄いな。間違いなくこのレースは伝説となるだろうな」

 

ネイチャ「ターボ、惜しかったね」

マチタン「よぉ〜し!次行ってみよ!きっとG1だって勝てるよ!」

イクノ「ターボさん、これからの良い目標となりましたね私も練習に同行します。お互いに勝利目指して頑張りましょう」

ターボ「うんっ!ターボこれからも頑張る!それにしてもテイオーやマックイーンは凄いな〜!」

ネイチャ「だね…このキラキラ、まるで綺羅星。」

 

スペ「本当に…良いレースでしたね、トレーナーさん」

沖野「あぁ…同着なのは惜しいが良いレースだったな」

スズカ「二人の祝勝会しないとね」

ゴルシ「よっしゃ!ゴルシちゃん特製焼きそばパーティーでも開くか!」

キタサンブラック「ゴルシさん、良いですね!テイオーさん達迎えに行きませんか?」

ゴルシ「いいね〜!迎えに行くとするか!ちょっーくら行ってくるわ」

 

ゴルシの一言をきっかけにスピカはテイオーの迎えに行ってしまった。

 

「スピカのトレーナーさん…」

沖野「なーんだ…嬢ちゃんか何か用か?期待の星みたいだな嬢ちゃん」

アーモンドアイ「そんな事ありませんよ…スピカのトレーナーさんおめでとうございます会長さん、超えられましたね」

沖野「ありがとう…アイツらを信じて居たからな超えられると」

アーモンドアイ「私もお二人のような、強くてカッコいいウマ娘になれますかね?」

沖野「なれる!断言しよう!チームスピカに入れば…!」

アーモンドアイ「フフッ、勧誘ですか?でもごめんなさい…もう入学したら入るチームは決めてまして」

沖野「リギルだろ?」

アーモンドアイ「はい…」

沖野「まぁ、入りたいチームに入ると良いさその方が倒しがいがあるってものよ!」

アーモンドアイ「では、打ち勝ってみせます!」

沖野「おうよ!頑張んな!うちのチームは強いぞ〜!」

 

数時間後

 

赤坂「ウイニングライブ…勝者を称えるさぁ!楽しみましょう〜!」

 

テイオー&マックイーン「キミと夢をかけるよ

何回だって勝ち進め 勝利のその先へ!

 

 

Sunshine 前を向けば Passion 高鳴るファンファーレ

青空一直線(目指せ一着(テッペン!))

ちょっとヘコむときは パッと耳澄ませてFeel Me!

その背中 押してたいから」

 

 

テイオー&ルドルフ「気持ち一列 それぞれに続く地平線 蹴って」

(No More!)迷わないで

(Let’s Go!)止まらず行こう!

 

 

3人「キミと夢をかけるよ

何回だって 巻き起こせスパート

諦めないで I Believe!

いつか決めたゴールに

Try!届け 全速で

走りまくろう Never Give Up

風も音もヒカリも

追い越しちゃって 誰も知らない明日へ進め!

(ほら)キミと夢を重ねてる

(ほら)その姿この瞳 映ってるから」

 

キタサンブラック「いつか私もこんなウイニングライブしてみたいな…ねダイヤちゃん!」

ダイヤ「うん!キタちゃん…

(あの子、アーモンドアイちゃんだっけ?あの子も見に来てくれたんだフフッ嬉しいないつか…あの子とも!)

 

アーモンドアイ(いつか私も…テイオーさんやルドルフさんのように…)

 

数カ月後

 

トレセン学園チーム練習場

 

マックイーン「おまたせしました。テイオー」

テイオー「ううん、全然!どっちが強いのか確かめられるんだね」

マックイーン「えぇ」

 

今日は二人の為だけのレースであって二人だけのレースではない。

 

スペ「頑張ってください〜テイオーさーん!マックイーンさーん!」

ゴルシ「頑張れよぉ〜!」

キタサンブラック「テイオーさんが勝つんです!」

ダイヤ「マックイーンさんが勝つんです!」

 

2人だけじゃない、チームスピカ。いや学園中のウマ娘が来てるのかも知れない

 

沖野「よし!二人共、心置きなく走って来い!」

2人「うん!」

 

マックイーン「芝2400.天気晴れ場状態良…」

 

テイオー「さぁ、どっちが強いか決めよっか負けても泣かないでよ?ボク会長を超えた最強ウマ娘だもん!」

 

マックイーン「私だって超えましたわ…良いですわ!どちらが最強か白黒つけましょう!」

 

沖野「位置について…よーい!ドンッ!」

 

うーーーー (うまだっち)

うーーー (うまぴょい うまぴょい)

うーー (すきだっち) うーー (うまぽい)

うまうまうみゃうにゃ 3 2 1 Fight!!

 

おひさまぱっぱか快晴レース (はいっ)

ちょこちょこなにげに (そーわっ So What)

第一第二第三しーごー (だんだんだんだん出番が近づき)

めんたまギラギラ出走でーす (はいっ!)

今日もめちゃめちゃはちゃめちゃだっ (ちゃー!)

がち追い込み (糖質カット)

コメくいてー (でもやせたーい!)

あのこは (ワッフォー)そのこは (ベイゴー)

どいつもこいつも あらら (リバンドー)

泣かないで (はいっ) 拭くんぢゃねー (おいっ)

あかちん塗っても (なおらないっ) (はーっ?)

 

きょうの勝利の女神は

あたしだけにチュゥする

虹のかなたへゆこう

風を切って 大地けって

きみのなかに 光ともす

(どーきどきどきどきどきどきどきどき)

 

きみの愛馬が!

ずきゅんどきゅん 走り出しー (ふっふー)

ばきゅんぶきゅん かけてーゆーくーよー

こんなーレースーはー はーじめてー (3 2 1 Fight!!)

ずきゅんどきゅん 胸が鳴り (ふっふー)

ばきゅんぶきゅん だいすーきーだーよー

今日もーかなでーるー

はぴはぴ だーりん 3 2 1 Go Fight

うぴうぴ はにー 3 2 1 (うーーFight!!)

 





赤坂「遂に始まります。歴史的な一戦、ジャパンカップ!物凄い声援に包まれております」

赤坂「なんと三冠ウマ娘3人が同一のレースに出走します。果たして勝つのはデアリングタクトか?コントレイルか?このレースがトゥインクルシリーズ最終戦アーモンドアイか?ジャパンカップ!スタートです!」


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第四章 煌めく景色と夢の在処
第39レース チームスピカ、凱旋門へ



URAの理事長よりチームスピカのスペシャルウィーク、サイレンススズカを凱旋門賞へ出走させるとの通達があり秋川トレセン学園理事長はスピカのトレーナーを呼んだ


 

テイオーとマックイーン。同着というドラマが生まれた有の数ヶ月前…

 

沖野「で…?話っていうのはなんですか?」

 

秋川トレセン学園理事長から呼び出しを受けた果たして話というのは一体なんだろうか

 

秋川「スペシャルウィーク、サイレンススズカを来年の凱旋門賞へ出走させる」

沖野「はい…了解…はいっ!?なんですって?凱旋門賞!?」

秋川「URAの美濃部理事長から直々に言われた早すぎると思うが選ばれたそうだ」

沖野「っ…あの人経由って事は相当期待されてますよね?」

秋川「そういう事になるな」

沖野「スピカのチームメンバーには話して大丈夫ですか?」

秋川「ゴールドシップが知ったら学園全体いやもっと多くの者が知ることになるだろう…来年だしな。スズカとかなら良いかも知れないが」

 

沖野「…って事だスズカ」

 

スズカ「なるほど…取り敢えず黙っておいた方がいいですね」

沖野「あぁ、よろしく頼むスペにも言うなよ?」

スズカ「スペちゃん、喋りそうですし…」

沖野「それもあるしスペの事だ悩む事だってあるだろ?お母ちゃんがどうとかって」

スズカ「ですね…分かりました。黙っておきます」

沖野「そうしてくれ〜じゃあなまた、明日」

 

スズカは笑顔で返事をした。

 

スペ「スズカさーん?何処に行ってたんですか?」

スズカ「トレーナーさんの自室よ?別に何も無いわよ」

スペ「…何かあったって事じゃないですか〜?」

スズカ「何も無いわよ?そんな事より明日も早いし寝ましょ」

スペ「はーい」

 

寮部屋の電気を消した

 

スズカ(凱旋門賞か…それもスペちゃんと一緒に。確か…ロンシャン競場よね欧州の競場なんて走るの初めてだから楽しみだけど心配ねスペちゃん走れるかしら…)

 

も終わりテイオーとマックイーン二人だけのレースも終わり春が来て…しばらくして

 

ゴルシ「そろそろ今年の凱旋門賞の出走者発表だよな?」

マックイーン「はぁ…登録された方が発表されるだけですわ…」

ゴルシ「うおっっ!!!」

マックイーン「どうしましたの…あなたの名前でもありました?ある訳ないですけど…っはい!?どういうことですの!?」

テイオー「二人とも〜どうしたのさ〜ってワケワカンナイヨ〜」

スペ「テイオーさんまで…誰が出るんですか…って!わ、私とスズカさん!?えと…どう言うことですか…?」

 

沖野「俺から説明しよう、URAの理事長から是非出走して欲しいとの事で」

スズカ「私とスペちゃんが出走する事になりました」

スペ「あっ!前に言ってた一緒に出るレースって凱旋門賞だったんですか!?」

スズカ「そういう事よ、ごめんねスペちゃん抱え込む事多かったし…」

 

スペ「あはは…抱え込まないように気をつけます!」

キタサン「凱旋門賞か…凄いですねスペ先輩!」

沖野「そして、何とな!俺たちチームスピカも凱旋門賞の舞台、フランス・パリ ロンシャンレース場、ロンシャントレセン学園へご招待だ!」

 

みんな「やったぁぁ!!」

 

ゴルシ「って事は海外遠征か!?早めにパスポート取りに行かねぇと!」

スペ「海外遠征って初めてですよね!?」

沖野「そうだな!初めてだお前ら海外では真面目にな」

ダスカ「いつも真面目よ」

ウオッカ「そうか?」

沖野「お前らとゴルシが一番不安だ」

3人「あはは…」

キタサン「あの、私達は…?」

沖野「キタちゃん…君達の分のチケットも当然あるんだが…君はどうだ?行くか?残っても良いぞ」

キタサン「私…残ります!ダイヤちゃんの事心配ですし!皆さんのお土産期待してます!」

スズカ「凱旋門賞優勝。っていう最高のお土産期待して待ってて」

スペ「掴んできます。トレセン学園いや!日本初の称号を!」

 

キタサン「はいっ!楽しみに待ってます!」

 

沖野「キタちゃん、ダイヤちゃんの怪我は残念だがきっと来年は出られる…キタちゃん、今年のクラシックは頑張るぞ!」

キタサン「はいっ!トレーナーさん頑張ります!クラシックを必ずや制して見せます!ダイヤちゃんの為にも!」

 

数ヶ月後、早朝のトレセン学園

 

秋川「では、樫本理事長代理!不在中は頼むぞ!」

樫本「はい、今回は暴走せず頑張ります」

たづな「ビターグラッセさんとリトルココンさんもよろしくおねがいします」

ビターグラッセ「樫本さんが真面目に理事長やってるかちゃんと見守ります!」

リトルココン「右に同じく…!」

 

秋川「それじゃぁぁ!!凱旋門賞へ向け出発!!」

 

空港へ向かう為バスに乗り込む

 

何故かリギルのエルコンドルパサーもいる…

 

スペ「!?エルちゃんなんで居るの!?見送りだけかと思ってた…」

沖野「エルは翻訳の為に同行との事だ…」

エル「よろしくおねがいしますデスヨー!」

 

外ではキタサンブラックが手を振っている

 

キタサン「皆さん!いってらっしゃ~い!凱旋門賞、勝利の報告。待ってます!」

テイオー「掴んで来るから待っててね〜!」

マックイーン「フフッ。テイオー?走るのはあなたではなくて…」

テイオー「んもぉ〜分かってるって!スペちゃん、キタちゃん勝利の報告待ってるってさ」

スペ「…スズカさん」

スズカ「なに?スペちゃん」

スペ「私、スズカさんより先にゴールします。日本のウマ娘誰一人として勝った事…無いんですよね?なら!スズカさんより先に日本勢初凱旋門賞制覇(だれもみたことのないけしき)私が見てきちゃいますから!」

「っ…」

ゴルシ「おおっ!言うじゃねーかスペ!」

スペ「…私決めたんです。今度の凱旋門賞でスズカさんを超えて、誰も見たことのない景色。見るんだって…決めました。」

スズカ「そうね…私から先頭の景色、奪えるかしら?」

スペ「奪います!奪ってみせます私の走りで!」

スズカ「分かったわ…お互いに好走しましょスペちゃん私も見てみたいわ距離適性や場適性が無いかも知れない。だけど先頭の景色だけは変わらずあるわ…」

スペ「はいっ!」

 

秋川「諸君!そろそろ空港へ到着するようだぞ!」

 

ゴルシ「にしてもやっぱ空港はでけーな〜」

マックイーン「国際空港ですもの大きいですわ」

テイオー「はぇ〜ここだけで楽しめそうな位に色々あるね」

沖野「お前ら〜もう一度荷物の確認するぞ…」

 

省略

 

沖野「忘れ物は無いな?」

秋川「搭乗受付開始したようだぞ」

たづな「は〜い皆さん行きますよ着いてきてくださいね」

 

スペ(いよいよ…行くんだ海外に。行ってきます!お母ちゃん!)

 

次回、フランス・パリに日本のトレセン学園代表チームスピカが辿り着く。そして…パリ・ロンシャントレセン学園。生徒会長モンジューと対面す!果たしてスズカとスペシャルウィークは打ち勝つ事は出来るのか!?



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第40レース 欧州最強ウマ娘、その名はモンジュー

 

チームスピカはシャルル・ド・ゴール国際空港に到着した。ここは凱旋門賞のあるロンシャン競場の最寄りの国際空港である。

 

スペ「ここが、海外…?スズカさん私海外行くの初めてなんですよ…飛行機に乗ったことはありますけど」

スズカ「私も香港以来の久しぶりの海外よ飛行機にこんなに長く乗ったこともないし…」

スペ「酔ってないですよね?」

スズカ「ん…一応、大丈夫」

 

ゴルシ「空飛ぶ船旅は終わったか…」

テイオー「ゴルシ、どうしたのさ?船じゃなくて飛行機だって」

ゴルシ「船酔いはしねぇが…飛行機酔いはするみてぇだな…」

マックイーン「はぁ…そんなんじゃ宇宙へなんていけませんわよ?」

ゴルシ「100年後だから行くの…」

マックイーン「辛そうですね…」

ダスカ「水でも飲めば?ちょっとは気分良くなるわよ」

ウオッカ「さっき買ったやつあげるぜ!」

沖野「大丈夫か?」

ゴルシ「ま…なんとかな!久しぶりだったから緊張したぜ…」

マックイーン「あら…飛行機に乗ったことはおありなんですね」

ゴルシ「お…おう久しぶりだから緊張したぜ!」

秋川「体調は大丈夫だな!?いざ行かんロンシャントレセン学園へ!」

たづな「ロンシャントレセン学園へは迎えのバスが…あっ!あれですかね?」

 

スタッフ「お待ちしておりました日本のトレセン学園の皆様方」

スペ「日本の方…ですか?」

スタッフ「はい!欧州に元々興味がありまして…ロンシャントレセン学園で働けるように成りまして…スペシャルウィークさん、サイレンススズカさん頑張ってください!」

スペ「はい…頑張ります!」

スズカ「先頭の景色。見てきます!」

 

スタッフ「では、ロンシャントレセン学園までご案内いたしますねようこそ!フランス・パリへ!」

 

空港から観光バスでおよそ40分少々。

 

バスは最短ルートで進むのではなく、少しだけ寄り道をして…ルーブル美術館やコンコルド広場の近くを通りそして…

 

凱旋門。その周りをぐるりと回った

 

スペ「これが…凱旋門テレビなんかでしか見たことないですけど大きいんですね…」

エル「そりゃ!凱旋門ですからね!ビッグサイズの門デェース!」

スズカ「ルーブル美術館とかも行ってみたいですね」

沖野「一週間こちらには滞在するが…お前らはあちらのトレセン学園で授業があるぞ?なんでかって?学生だからなお前らは」

秋川「沖野…?お前はこれから取材の嵐だが大丈夫か?」

沖野「…はい」

ゴルシ「そりゃトレーナーさんはアタシらより自由な訳ねぇもんな!取材頑張れよ〜!」

沖野「…たづなさん」

たづな「はい…?なんでしょうか?」

沖野「あちらのトレセン学園ってワイン飲み放題と聞いたのですが本当ですか?」

たづな「…どうやら本当のようですよ〜」

秋川「私はソフトドリンクを飲み干すぞ〜!」

テイオー「それって僕らも…?」

沖野「ブドウのジュースたらふく飲めるらしいぞ」

マックイーン「ゴクゴクですわね〜っと…ゴホン、美味しく頂きますか…」

ゴルシ「マックちゃんらしいな!おーいw」

マックイーン「…はぁ、疲れて怒る気力も湧きませんわねぇ…っとあれが…ロンシャントレセン学園ですの?」

エル「デェース!あれがロンシャントレセン学園!その横がロンシャン競場デス!」

スペ「広い…そして建物も大きい」

スズカ「まるで…お城みたいね」

 

スタッフ「そうですね、コンセプトは中世の城。そして…あなた達日本のウマ娘の前に立ちはだかる欧州最強のウマ娘。ロンシャントレセン学園生徒会長、モンジュー」

 

その名を言い終わると同時にバスは止まり扉が開く

 

スペ「言い終わった瞬間に…」

スタッフ「ロンシャントレセン学園スタッフ一同、あなた方日本のウマ娘を歓迎致します…どうぞ、足元にお気をつけて」

 

ロンシャントレセン学園の正門に到着した。

 

スペ「さっきの…凄かったですね言い終わった瞬間にドアが…」

スズカ「…トレーナーさんあれって絶対、狙って止めてますよね?」

スペ「えっ!?あれって偶然なんじゃ…」

エル「私の時もあんな感じで止められましたね…ちょっとプレッシャーを与えてる感じデスかね?」

沖野「プレッシャーを与えてるで正解だろうな…こちらではどのような手を使ってでも勝ちに来るとは聞いたが、なるほどなこういう感じか…」

ダスカ「嫌らしいわね…!正々堂々と戦うって事を知らないのかしら!?」

秋川「こちらの国のウマ娘には王族やら貴族出のウマ娘も多い。何としてでも勝ちたいそう思うウマ娘も多いのだ…スペシャルウィークとサイレンススズカ。こちらの国のウマ娘から話しかけられても挨拶だけに留めておくことを推奨する」

スペ「でもフランス語で話しかけられても何が何だが…」

たづな「日本語を勉強されてる方も多いと聞きますし…たしか…」

???「日本の文化とフランスの文化的な交流の為にお互いの国の言語を学ぶのは…基礎中の基礎だろ?」

スズカ「オスカーにククナ…」

ククナ「テイオー!マックイーン!本当に君たちも来たのか…再戦の準備は出来ているか?」

テイオー「次も負けないぞ!ねー!マックイーン」

マックイーン「何度立ちはだかろうと…打ち勝つまで、ですわ」

オスカー「君らが…ククナを倒したテイオーとマックイーンか…私もその勝負…乗ろう!っと…それはそれで置いておくとして…ようこそロンシャントレセン学園へ!俺は日本トレセン学園より留学中の…エトワールオスカーだ」

ククナ「同じく、ククナクリスティン」

二人「生徒会長モンジューを紹介しよう」

 

ロンシャントレセン生徒会室

 

モンジュー「やあ、スペシャルウィーク。久しぶりだなジャパンカップ以来かな?」

スペ「お久しぶりです。モンジューさん」

モンジュー「で…君が日本の異次元の逃亡者とやらの…」

スズカ「サイレンススズカです…」

モンジュー「秋天は見事だった。あのディープインパクトをも下しただけはあるな…しかし彼女は」

「薬物反応により…失格」

スズカ「ディープ!?なんでここに…!?」

 

アメリカに居るはずのディープインパクトが何故かそこに座っていた。

 

ディープ「久しぶりだねスズカ、スペちゃん」

スペ「薬物って…何を?ドーピングしたってことですか?」

ディープ「…私は日本生まれで海外のレースに出てたんだけど、凱旋門賞の前後で苦しくなっちゃって…喘息?を疑われて薬貰って飲んでて…薬の成分が抜けきれて無くて…失格に」

スペ「ディープさん…」

ディープ「だから、私もあなた達日本のウマ娘に凱旋門賞を勝ってもらいたい。その応援の為にここに来たの…あっ!スズカあの子達から伝言、今度は芝のレースで戦って下さいスズカさん、いじめてしまってごめんなさい。だって…スズカ戦ってあげて?」

スズカ「私からも伝言いいかしら?先頭の景色は譲らないわ、いじめなんかより走ることを楽しみましょ」

ディープ「分かった。伝えておくよそれと…サンデーさんも本番見に来るよ」

スズカ「…お母さん来るのね」

 

モンジュー「さて、再会もすんだかな?日本のウマ娘達よ…ロンシャントレセン学園へようこそ。君たちの部屋は既に手配済みだ本番までの一週間特訓に励んで貰いたい…良い凱旋門賞としよう」

 

ロンシャントレセン学園 宿泊施設

 

テイオー「隣の部屋との扉開けたら繋がるんだ!すご~い!」

マックイーン「流石、海外ですわね…トレーナーさんの部屋は?」

沖野「俺は向こうの棟にあるトレーナー室らしいお前ら日本じゃねーんだ、騒いだり勝手に出歩くなよ〜」

エル「スペちゃん〜!ここのカフェテリアでコース料理が食べられますヨ!」

スペ「コース料理!?美味しいそうだなぁ…」

スズカ「ちょっといい?スペちゃん」

スペ「スズカさん…?あ!エルちゃん先に行っててね」

エル「先にいってまーす!」

 

スズカ「ディープに久しぶりに会えて嬉しいわ」

スペ「アメリカのあの人達もスズカさんと戦いたいって…良かったですねスズカさん!」

スズカ「はぁ…私のお母さんも見に来るし…っ!スペちゃんのお母ちゃんもきっと見てくれるわよ」

スペ「…ですね、産みのお母ちゃん、育てのお母ちゃん二人。きっと見ていてくれてますよ」

スズカ「久しぶりに連絡取ってみるわ、やっぱり大きいレースの前だし」

スペ「私も取ってみようかな…」

 

次回へ続く



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第41レース ロンシャンのターフ

 

食事を終えたスピカ一行はロンシャン競場のターフへ足を踏み入れた

 

スペ「これが…ロンシャンのターフ」

スズカ「ふっ…ふっ…重い芝だとは聞いてましたけどここまで重いんですね」

エル「芝の背が高いのが特徴ですからネ!スタミナ!パワー!根性〜!が高ければきっと大丈夫デス!」

テイオー「でもさトレーナー!勝手に走って大丈夫なの?」

沖野「俺達が練習で使う分は大丈夫みたいだしかも24時間いつでも走って良いそうだ」

スズカ「24時間!?えっと…門限は?」

沖野「あってないような物…らしい時間を守るのは自分自身でって事かもな?そもそもここはIDカードで出入りを管理してるらしいし…」

ゴルシ「スズカなら…ずっと走ってそうだな」

スズカ「…恥ずかしいけどそうかも」

スペ「ずっと走って居られるから皆強いのかも…」

ダスカ「そうかも…走りたくなってきたわ!」

ウオッカ「飯食った後だし明日からだぞ?そうだようなトレーナー!」

沖野「だな…明日は早くから練習というかここのターフに慣れてもらうぞスズカ、スペ」

二人「はい!」

 

泊まる部屋にて

 

テイオー「うん?ここの電話って国際電話なの!?」

マックイーン「代金は…トレセン学園持ち!?太っ腹が過ぎますわね」

 

テイオーは早速日本にいるキタサンブラックにかけた

 

キタサン「へぇ…!やっぱりそっちのターフって重いんですか?」

テイオー「キタちゃんもこっちにこれたら良かったね」

キタサン「…ダイヤちゃんを置いて一人で外国なんて行けませんよ」

テイオー「じゃあね!スペちゃんやスズカの活躍楽しみに待っててね!」

キタサン「はい!お二方のご健闘を祈ってます!」

 

ガチャ…

 

ダイヤ「キタちゃん…私の怪我なんて放っといて行っても良かったんだよ?」

キタサン「…行っても良いのかなってちょっと思ってたよ」

ダイヤ「なら…私にはサトノグループが付いてるし大丈夫だよ?」

キタサン「ダイヤちゃんと一緒に行きたかったの一緒にロンシャンで走りたかった」

ダイヤ「キタちゃん…」

キタサン「だから…怪我治して、いつの日か日本代表として一緒にロンシャンで戦おう」

ダイヤ「…うん!一緒に行こうねロンシャンへ」

 

深夜

 

スペシャルウィークはトイレで目を覚ますと窓の外を見つめるサイレンススズカが居た

 

スペ「スズカさん…?何やってるんですか?寝ないと…」

スズカ「星を…見てるの」

スペ「星…ですか?」

 

近くにかなり建物があり満天…とは言えないが

 

スズカ「日本で見る星とは違うそりゃあそうなんだけど…落ち着くの。宇宙の事を考えてると、私達がしてる事なんて宇宙からしたらちっぽけな物だってそう捉えられる気がして…」

スペ「ちっぽけな私達ですけど、そんなちっぽけな光でも輝きや煌めきで人の心を灯せます、前向きな気持ちにさせることが出来ます」

スズカ「まるでこの宇宙のような綺羅星ね…私達って」

 

翌朝

 

沖野「よーし!スズカ、スペ!まずはターフに慣れることが大事だロンシャンを走れるようだからみんなで走ってみるか!スパートかけるタイミングは後々…」

ゴルシ「じゃあ行くぞーアタシに付いてこーい!」

 

みんな「スイーツ!スイーツ!」

 

沖野「あいつら…ここを日本だと思ってるのか〜?恥ずかしいって気持ちはないのか?」

エル「…トレーナーさんそれがスピカの魅力?強みだと思いますよ」

沖野「あんまし話したこと無かったけど…日本語結構上手なんだな」

エル「私は…スペイン語、英語、日本語、そしてフランス語勉強中です…」

沖野「で…?何時もの元気はどこ行ったんだ?コンドルは飛んでいくんだろ〜?」

エル「ふざけるもの大概にしろです!!」

沖野「すまない…君の時の凱旋門賞。あれは最も凱旋門賞制覇に日本のウマ娘が近づいた証拠だろう誇って良い」

エル「えへへ…そう言われると照れますよ」

沖野「で…どうした?普段そんな感じだったか?俺に緊張…」

エル「別にスピカのトレーナーさんに緊張はしてませんよ…あのモンジューに負けた時を…思い出してしまって。ごめんなさい走る前からこんな暗い話をしてしまって…」

沖野「俺は別に気にしないな〜!負けるなんて思ってないからなあいつらならやれるって信じてるんだ。そうじゃなかったら怪我したスズカやテイオー、マックイーンやらを再び走らせるなんてしないからなエルコンドルパサー、君も信じていてくれスズカやスペが凱旋門賞を制すると」

 

エルは普段のような感じで返した

 

エル「エルも勿論勝ってくれると、やり返してくれると信じてますから!」

 

一方その頃

 

ククナ「モンジューさん、日本トレセン生徒の動きはどうですか?」

モンジュー「スペシャルウィーク…いや、チームスピカ?このメンバーらの動きはやはり良いなククナが負けるのも無理もないな…サイレンススズカの動きは特に要警戒しないとな無論、スペシャルウィークもだがな私は同じ相手に二度は負けないぞ」

オスカー「サイレンススズカ、異次元の逃亡者と言われるだけに物凄い大逃げしかし、距離適性をどうしてくるか…」

モンジュー「スペシャルウィーク、彼女の背負っている想い日本総大将と呼ばれるだけはある…あのジャパンカップでは強い競をしていたと言えるだろうしかし、エルコンドルパサーでは超えられなかった壁をキミはどう乗り越えるか?」

 

 

スペシャルウィークは夜ご飯をたくさん食べ満腹になりつつ部屋に戻ってきた

 

エル「スペちゃーん!」

スペ「なにー?エルちゃん」

エル「お腹大きいデスね!また食べすぎ?」

スペ「う…そ、そんな事ないよぉ!」

エル「スペちゃん勝てますか?私が…その取れなかった凱旋門賞を」

スペ「エルちゃん…安心して!私が勝ってくるよ。日本総大将が決めて見せるよ」

エル「トレーナーさんとも同じ話をしたのです…スペちゃんの言葉!信じてますよ!」

スペ「やぁやぁ!私が日本総大将なりけり〜なんちゃって…」

エル「おぉ!良い名乗りですね!早速送っておきますよ!」

スペ「エルちゃん…恥ずかしいよっ…今って向こうは何時くらいだっけ?」

エル「朝の6時半位でーす!」

 

グラス!そっちは朝ですね!おはようグットモーニング〜

 

直ぐに返信が帰ってきた

 

エル。こんばんはそっちは夜でしたね…スペちゃん達とは仲良くやってますか?迷惑かけてませんか?

 

グラス…かけてないと思いますよそれより面白い画像を送りますヨ!

 

画像が送信されました

 

フフ…可愛らしいスペちゃんだこと…食べ過ぎも程々にとお伝え下さい

 

グラス、メッセージ見てスペちゃん赤くなってますよー☺

 

あらあら…それでは朝練に向かいますねスペちゃんやスズカさんに凱旋門賞優勝楽しみに待ってますとお伝え下さいねエル

 

グラス〜!いってらっしゃ~いグラスもたんぽぽ食べ過ぎない…

 

エル。そんなに食べてませんよ?後別に私は太っていませんよ?

 

ケ…怒らないデー今日は怒らない日!

 

帰ってきたら覚えておいてください。

 

はい…

 

スペ「エルちゃんの顔なんで急に青ざめたの?」

エル「学園に戻ったらグラスに仕置きされます…確定でーす!」

スペ「あはは…」

 

次回に続く



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第42レース 日本総大将

 

凱旋門賞まで遂に数日と迫ったスペシャルウィークは黄金世代の仲間達に連絡を取った

 

グラス「では、スペちゃんの目標を教えてください」

 

スペ「に、日本一のウマ娘!…になるために日本のウマ娘でまだ誰も勝ったことの無い凱旋門賞を勝ちます!」

 

ウンス「おぉっ!スペちゃんいい目標だね〜いいな〜私も出てみたいな凱旋門賞」

キング「ならセイウンスカイさん?宝塚記念に出て好走しなければ行けないわ宝塚記念が選出のレースって噂よ」

ウンス「あれあれ〜?スペちゃんってグラスちゃんに負けて凱旋門賞に出走しないって言ってなかったっけ?」

ツルマルツヨシ「むむっ…確かにそんな事を言ってたような…?」

スペ「うぅ…セイちゃん〜それはその…」

 

グラス「私も詳しい事は知りませんよ。ジャパンカップでモンジューさんを破ったウマ娘として日本総大将としてもう一度凱旋門賞に挑むのかも知れませんが…」

キング「知れませんがって…そうじゃないの?」

グラス「これは私の勝手な憶測ですが…モンジューさんをエルが負けた凱旋門賞で打ち破るのが目的なのかと気がしてなりません」

ウンス「確かにね…スペちゃんが勝てばエルちゃんの敵討ちも取れるし、日本勢凱旋門賞初勝利も取れるしあり得るなぁ…」

ツルマルツヨシ「エルちゃんの敵討ちか〜!カッコイイなスペちゃん!ツヨシ感激!」

スペ「そういう事にしておこうかな…」

グラス「あら?違いました?」

スペ「ううん!そうそうグラスちゃんに隠し事出来ないなーあはは…」

「スペちゃん?誰と喋ってるの?」

スペ「ス、スズカさん!?ごめんなさい!みんなと話す時間無かったしいっその事この時間に話そうかなって…直ぐに寝ます」

スズカ「お友達と話せる時に話しておかないと…後悔するし明日は寝坊、しないようにね」

 

ウンス「スペちゃんさ〜スズカさんの目標も聞いてみたいな〜」

スペ「セイちゃん…スズカさんはえっと…」

スズカ「目標ね…私は距離適性的に凱旋門賞は厳しいと思っているわ、だけどそんな私の事を応援してくれている、夢を預けていてくれているファンの方がきっといる。私の目標は見てくれているファンの方々に夢を見せられるそんなウマ娘になること…」

 

ウンス「流石、あの天皇賞秋で復活したスズカさんですね人に夢を見せられるようなウマ娘…きっとなれるというか既になってますよ」

 

そんな仲間達の中グラスはそっと窓の外を見つめる

グラス(スペちゃんがあのように言っても…私にはお見通しですよ、エル。もう一度凱旋門賞にあなたが出走してモンジューさんを打ち破って欲しかったですが…あなたにもトラウマがあるのですね…)

 

その頃、ロンシャントレセン学園では残り数日となった凱旋門賞に向け各国のウマ娘らが記者会見に臨む、日本のスペシャルウィーク、サイレンススズカも勿論一緒に臨んだ

 

「じゃ、ジャパンカップを制したス、スペシャルウィークです!日本1のウマ娘です…うぁぁ言っちゃった!」

記者「日本の夢を乗せ頑張って下さい日本総大将スペシャルウィークさん!」

「は、はい〜!」

「サイレンススズカです。応援してくださる皆さんの夢や希望を叶える為、凱旋門賞でも勝って来ます」

記者「あのディープインパクトを打ち破った天皇賞秋のような大逃げ期待してます!」

「逃げ切ります!」

 

モンジュー「ふーん、彼女達も言ってくれるね…」

 

記者「モンジューさん、彼女達日本のウマ娘はどうでしょうか?脅威となりますか?」

モンジュー「敢えて言わせて頂くとしたらサイレンススズカはそうだねぇ…あのエルコンドルパサーにも勝ったそうじゃないか確かに脅威と言えるだろう」

記者「スペシャルウィーク、日本総大将はどうですか?彼女はジャパンカップであなたを…」

モンジュー「ここは日本の高速場じゃない場はとんでも無く重くパワーや慣れが必要だろう…そして第一、私は二度は負けないってね彼女には敗北などもうないあるのは絶対的な勝利だけだ」

 

スペ「…」

テイオー「スペちゃん何だか元気ないね」

マックイーン「モンジューさんの記者会見を聞いてからですわね」

ゴルシ「スペ〜!モンジューの記者会見なんて気にすんな!お前はお前の走りをすれば良いんだ!」

エル「そうですよ、スペちゃん…凱旋門賞取れますか?本当に」

???「それはちょーっとばかり言い過ぎなんじゃないかなぁ?うちの娘に」

スペ「うちの娘に?って!?お母ちゃん!?」

スペ母「やっほ〜久しぶり。元気にしてたかい?っと」

スペ「お母ちゃん…なして凱旋門賞…じゃなか。フランスに!?」

スペ母「そら、サンデーさんに連れられてって言ってなかったかー」

サンデー「自分の娘が出るんですもの呼んで当然よ」

スズカ「頑張ってきます。自分の為にも、応援してくれてるファンの方の夢の為にも」

サンデー「夢…か異次元の先。見せてもらうわスズカ頑張って…それとスペシャルウィーク」

スペ「へ?私に何か?」

サンデー「あなたには私の教え子の血が流れて居ます。知っていますか?」

スペ「教え子…?産みのお母ちゃんの…?」

サンデー「そう、キャンペンガール。彼女…あの子も能力は高かった。しかし…トレーニング中の事故で…レースに出ることは遂に叶わなかった君を妊娠した時に言ってたよお腹の子は怪我全くせずに走る強い子産みたいですいや!産みますね」

スズカ「言い方スペちゃんに似てる…」

テイオー「あぁ…確かに似てるかも言いそう」

スペ「似てるの?うーん?そうなのかな?」

サンデー「そういえば彼女も基本敬語だったわね」

スペ母「私は親友だから崩してくれてたけどね」」

スペ「そういえばお母ちゃんとその…キャンペンガールさんって何処で知り合ったの?」

 

スペ母「お母ちゃんわね…今の牧場やる前はサンデーさんの所、ウマ娘とトレーナーの…ほら全国各地にあるじゃない?塾みたいな所あそこでスタッフとして働いてたので…キャペちゃんもそこの塾に来てて…歳も近いってこともあって仲良くなったんだよ」

 

サンデー「まだまだ話したい事は沢山あるけども夜も遅いし…スズカ、スペ凱旋門賞。勝ってきて私とティナ二人の願いだから」

ティナ「そうさスペ!凱旋門賞ここを勝ってこそお母ちゃんとの約束日本一のいや!世界一のウマ娘になれる絶好のチャンス!勝っておいで!」

 

スペ「うん!勝ってくる」

スズカ「勝ってきます…!」

 

秋川「お取り込み中すまないが…サンデー、ティナさん例の物を二人に…」

 

ティナ「私…そしてURAの技術職人とで新たに作製した…新しい勝負服と蹄鉄だ!」

 

スペ「あ、新しい勝負服!?そんなの頂いちゃっていいの!?」

ティナ「URA理事長のポケットマネーから少し拝借してね…まぁ、ジャパンカップ見事だったしいいね〜ってかなり簡単にくれたよ」

スペ「あはは…何だか悪いなぁ」

サンデー「スズカ、流石にあなたの分まで新規の勝負服は作れなかったみたいだけど、あなたの大逃げ、レース展開、究極までに走りやすい素材で勝負服を作り直したわ」

スズカ「フフッそれで充分よありがとうお母さん」

サンデー「素材の選定はディープがしたわ…彼女に言ってあげないと」

スズカ「ディープはどこに行ったのかしら…?」

 

ディープインパクトの姿は生徒会室にあった

 

モンジュー「ディープ君、ずっとターフを見ているねそんなに恋しいかい?ロンシャンのターフが」

ディープ「恋しいというか不甲斐ない結果で終わった凱旋門賞…もう一度走って不名誉を払拭したい」

モンジュー「実に素晴らしい考えだ…きっと今の君なら好走出来るはずさ」

ディープ「走りませんよここじゃ…凱旋門賞にはスズカやスペも出ますし」

モンジュー「そうか…もう一度戦いたいのだな?君なら勝てるさ」

ディープ「ありがとうございます」

 

そう言いディープは生徒会室を出ていった

 

モンジュー「さぁ、これで勝たないといけなくなったね…勝たせていただくとしようか!」



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第43レース 煌めく景色と夢の在処

 

数日後

 

赤坂「遂に、この日が訪れました。フランス・パリロンシャン凱旋門賞G1。勝つのは異次元の逃亡者サイレンススズカか?日之本一の日本総大将スペシャルウィークか!?対するはロンシャントレセン学園の生徒会長。欧州最強ウマ娘モンジューか副会長元日本トレセン学園のエトワールオスカーかククナクリスティンか?」

細江さん「日本のウマ娘に勝って貰いたいですね!」

 

スペ「遂にこの日が…来ましたね」

スズカ「そうね…スペちゃん」

 

二人は息を整える

 

???「お前ならきっと凱旋門賞ですらも異次元の走りを見せてくれるのだろうな。勝てよスズカ」

スズカ「エアグルーヴ!?な、なんでここに!?」

エアグルーヴ「な、なんでかだと…?我々もロンシャンを走るから見に来ただけだ」

ブライアン「正直に言えばいいのに…スズカだけじゃないスペシャルウィークお前も勝ちを狙え!」

ルドルフ「サイレンススズカ、スペシャルウィーク二人の勝利を我々トレセン学園前生徒会も願っている」

 

スズカ「はい、必ず…!」

スペ「日本のウマ娘でもやれるって所を見せてきます!」

 

赤坂「観客席にシンボリルドルフ、ナリタブライアン、エアグルーヴ!トレセン学園前生徒会が勢揃いこれは何を喋っているのか?」

 

テイオー「わぁぁ!カイチョーだぁぁ!」

マックイーン「テイオー、会長って今はあなたですわよ…ですが応援に来てくれたのですね!」

ゴルシ「いやーサプライズってか?こんちくしょー隠すなよぉ〜」

沖野「あはは!サプライズ大成功!なんちゃって…」

(理事長…全く聞いてないんですが!?)

秋川理事長(いや…私達も近くに来ているとしか聞いてなくてな…)

たづな(完全にサプライズじゃないですか〜)

 

ダスカ「スペ先輩!スズカ先輩!頑張って来てください!」

ウオッカ「格好いい所!見せてくれよな!」

 

スペ「うん…行ってきます」

スズカ「…逃げ切ってきます」

 

そう言い二人はゲートに向かった

 

モンジュー「お互い良いレースにしよう…」

オスカー「ロンシャンの芝、攻略できるかな?」

ククナ「私達は負けないぞ…ここでは絶対に!」

 

スペ「日本一のウマ娘…いいえ!世界一のウマ娘に私はなります!」

スズカ「私は…そんなスペシャルウィークを超えるウマ娘です!」

 

モンジュー「ほぉ…言うね実に面白い…楽しませておくれよ…?」

 

その頃、日本トレセン学園

 

ウンス「スペちゃん達何かモンジューと話してるね〜」

ツルマル「何話してるのかな?」

キング「勝利宣言よ!決まってるわ!」

グラス(読唇術で何となく何を話してるのかは分かりましたが…スペちゃん、スズカさん…勝ってください)

 

赤坂「凱旋門賞、まもなくスタートです」

 

エル「トレーナーさん、始まりますね…」

沖野「スペやスズカならきっとやってくれるさ!応援するぞ!」

 

エルは笑顔で答えた

 

赤坂「凱旋門賞、スタートです!」

 

ロンシャンの重苦しいゲートが開いた。

 

スズカ「くっ…やっぱり重いわ、だけど!」

 

スズカはやはり大逃げで攻めた

 

赤坂「サイレンススズカ!やはり先頭に立ちます、ここロンシャンでも大逃げを決めることは出来るのか!?」

 

モンジュー(やはり…先頭を進むかサイレンススズカ!」

 

赤坂「モンジュー、無理には行きませんスズカを捉える準備か?先頭集団の後ろの方に位置しています」

細江さん「サイレンススズカ、彼女の大逃げは何処まで通用するのでしょうか!」

 

日本トレセン学園

 

ツルマルツヨシ「あっ…!テレビ始まってるよ!スペちゃんスズカ先輩!頑張れ〜!」

ウンス「やっぱりスズカ先輩の大逃げはすごいなぁ」

キング「出し切りなさい!全て…」

グラス(スペちゃん…)

 

ダイヤ「スズカ先輩!スペちゃん先輩…頑張って!」

キタサンブラック「ふたりとも頑張ってください!

 

スペ「凄い…これが海外のレースなんだ、日本とやっぱり…大分違う!流されないようにしなきゃ…!」

 

赤坂「さぁ!レースもいよいよ正念場!サイレンススズカの大逃げは止まりません、まもなくフォルスストーレト偽りの直線をどう逃げ切るか!」

 

グッ…

 

スズカ「私はただ…逃げ切るだけ!先頭の景色は…譲らない!」

モンジュー「やはり早めに仕掛けるかサイレンススズカ!」

 

赤坂「サイレンススズカ!フォルスストーレトでスパート!?後続を更に突き放す!しかし、ここでモンジュー!モンジューもスパート!ジリジリと欧州最強ウマ娘モンジューが迫ってきた!」

 

ゴルシ「くっ…ここまでか…」

 

「いけ!スズカ〜」

「また見せてくれよあの走り!」

「諦めないで!まだ終わってない」

 

ゴルシ「そうだスズカならやれるに決まってる!おらぁ!異次元の逃亡者の逃げて差す走りを見せてくれ〜!」

マックイーン「まだ…諦めることはなくって!勝負はこれから!」

テイオー「見せてよスズカ…君の走りをここで!」

エル「…スペちゃん、来てくださいよ!スズカさん勝っちゃいますですよ」

 

観客席に…風が吹く、心地よいような暖かな風。

 

「絶対、応えてみせる…チームみんなの、応援してくれてるみんなの…期待に!」

 

「ここからぁぁ〜!!!」

 

エル「スペちゃん!!!」

 

赤坂「スペシャルウィークだ!ここで日本総大将スペシャルウィークもあがってきた!」

 

モンジュー「なんだと…また立ち塞がるか、日本総大将!…面白い!」

 

赤坂「モンジュー!更にスズカに迫る!さぁ!最後の直線!約500メートルの激戦を制すのは誰だ!」

 

ぐっ…

 

赤坂「更に!日本総大将も迫ってきた!迫ってきた!」

 

ゴルシ「いけ!スペ!日本総大将って所!見せてくれ」

 

ダスカ「スペ先輩…!いけぇぇ!」

ウオッカ「ゴールは目前っす!ぶっちぎってください!」

沖野「俺は…お前達二人の先頭争いが見たい!二人共…行けっ!行ってくれ!」

 

スペ「この背中には夢がある。夢を乗せて夢を見せられるそんなウマ娘に私は…!」

 

ぐっ…

 

「うあぁぁぁ!!!」

 

赤坂「スペシャルウィーク、更にあがってきた!欧州最強ウマ娘に逼ってきたぞスペシャルウィーク!」

 

モンジュー「これが…日本総大将、スペシャルウィークか…もう潮時か…」

 

オスカー「まだ、諦め無いでください!」

ククナ「勝負はここからです!」

モンジュー「そうだな!」

 

赤坂「ここでエトワールオスカー!ククナクリスティンもあがってきた!しかし、先頭はサイレンススズカだ!このまま逃げ切るか!?」

 

「わたし…スズカさんに並んじゃいますよ!」

「並んでからが強いのよ…私は!」

 

赤坂「スペシャルウィーク!先頭を進むサイレンススズカに並びかけた!これはどちらが勝つか分かりません!」

 

「うぁぁぁ!スズカさん!」

「先頭の景色は譲らないわスペちゃん!」

 

オスカー「凱旋門賞を取らせはしない!」 

 

赤坂「ここでエトワールオスカーも並びかける先頭は3人が並んでいる!並んでいる!一体、誰が勝つのか!」

 

スペ「日本一のウマ娘として…勝ちたい、勝ちたい、勝ちたい!このレース、この勝負!」

 

勝ちます!!

 

赤坂「スペシャルウィーク!日本総大将が先頭に変わった!更に後ろからオスカーが迫る!サイレンススズカは3番手の位置」

 

そして…

 

スペ「やぁぁぁ!」

 

赤坂「スペシャルウィーク、スペシャルウィークだ!遂に凱旋門賞を日本勢ウマ娘が勝ちました!まさに日ノ本一の総大将!」

 

スペ「はぁ、はぁ…勝て…たんだ私…」

スズカ「おめでとうスペちゃん、やっと私に勝てたわね」

赤坂「一着、スペシャルウィーク、二着エトワールオスカー、三着サイレンススズカ、四着モンジュー五着ククナクリスティンとなっております」

細江さん「いい走りを見せてくれましたスペシャルウィーク、まさに日本一のウマ娘と呼んで相違ないでしょう!」

 

ゴルシ「本当に…スペが勝ったんだな」

マックイーン「えぇ…、えぇ…」

テイオー「な、泣きすぎだよぉ…」

マックイーン「あなただって…泣いてますわ!」

 

モンジュー「おめでとう…スペシャルウィーク君の勝ちだ…ハハッ…潮時かな…私もそろそろ」

スペ「待ってくださいモンジューさん!お願いがあります!」

モンジュー「…何かな?聞こう」

 

 

赤坂「モンジューとスペシャルウィークが何やら話してますね」

細江さん「きっとスペシャルウィークの勝利を労っているのでしょう」

 

モンジュー「…」

スペ「どうですか…?モンジューさん」

モンジュー「君がどうしてもと言うのなら…」

スペ「ありがとうございます!」

 

スズカ「スペちゃん!学園に行くそうよ」

スペ「え?学園に?あぁ…!帰宅の準備ですか?」

スズカ「違うわこれから祝勝会みたいなパーティーがあるそうよ」

スペ「えっ…?、えっ…?」

 

「スペシャルウィークさん!なにか一言!」

「おめでとうございますなにか一言!」

 

スペ「わわっ!囲まれて…一人ずつおねがいします〜」

 

オスカー「スペシャルウィークと何を話していたんですか?」

モンジュー「今後のことさ…」

ククナ「今後?次走とかですか?」

モンジュー「さぁ…どうだろうね」

 

次回へ続く 2022年の凱旋門賞は10月2日 日本時間23時05分発走予定



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第44レース 私の最初の友達

 

凱旋門賞は見事、日本のウマ娘スペシャルウィークが制した。その祝勝会と言うなのパーティーにて

 

テイオー「スペちゃんご飯食べないの?大丈夫?」

スペ「流石にその恥ずかしいというか」

ティナ「スペがご飯を残すって…嘘も大概に…って!本当だ!?」

スペ「お母ちゃん…私ごはん残しちゃった事ぐらいあるよ…」

ティナ「あれぇ…そうだっけ?」

サンデー「ティナ…ここの席は王族やらも集まるのよ大概にしておきなさい…」

スペ「そうですよね!全くお母ちゃんったら…」

モンジュー「フフっスペ、君の母上は面白いな」

スペ「モンジューさん…」

サンデー「それは光栄ですねあなたも大変強かったわ」

モンジュー「まさか2度も君に敗する事になるとはねしかし、母上さんはウマ娘では無いのか…なるほど」

スペ「あ、モンジューさん私のお母ちゃ…お母さんは実は…」

 

モンジュー「なるほど…育てのお母さんだったか…失礼した。それと、スペちょっとこっちに来てくれ」

スペ「ちょっと行ってきますね〜」

 

スペは席をたちモンジューに連れられどこかへ行った

 

マックイーン「一体どちらに…」

ダスカ「というかたづなさんと理事長とトレーナーは?」

ウオッカ「さっきから見ねぇな!」

サンデー「そのお三方は今頃各報道やらの対応をしている本格的な報道は君たちが帰国してからになるだろうね、凱旋門賞を勝ったのは日本国内じゃ前例が無いからね帰国してからが大変だぞ」

 

モンジュー「スペ、例の件許可を取ったあくまで公表前の情報だ他に漏らすなよ?」

スペ「はい、分かりました」

モンジュー「君と再び走れる日を楽しみに待ってるよ」

スペ「はい!また走るの楽しみです!」

 

スペは帰ってきた

 

ティナ「おかえり〜スペ」

スペ「私…もっとお母ちゃんどんな人だったか気になるな!」

サンデー「君に似ているよやっぱり親子だね」

スペ「えへへ…親子かぁ」

サンデー「そういえば、スペとスズカ君たちは何処で出会ったか聞いたかい?」

スペ「え?スズカさんのバレンタインSの時に初めて出会ったんですよ」

サンデー「違うよ、スペとスズカ君たちが出会ったのは」

 

サンデーは一枚の写真を取り出した

 

サンデー「スペシャルウィーク、君が生まれて間もない頃さ」

ティナ「…そう黙っててごめんスペ」

スペ「私と…スズカさんが、えっと…生まれた頃に出会ってたって事は…幼なじみになるんですか?」

サンデー「まぁ、なるんじゃないかな?」

スペ「スズカさんも初めて知りました?」

スズカ「私は前からなんとなく聞いてたけど…ビックリするわよね」

スペ「なんだろ…あんまりにも驚き過ぎて本当なのかなーって思います」

テイオー「スズカとスペちゃん、赤ちゃんの頃に会ってたのか〜まぁなんとなくそんな感じするよね!」

マックイーン「仲のいい理由はそこにありますわね」

スペ「ねぇ!お母ちゃんもっと知りたいな」

ティナ「私とあの子の出会いは…サンデーさんの開設した塾での出来事…」

 

 

10何年程前

 

北海道・札幌

 

サンデー「ティナ、ちょっと…」

ティナ「はーいなんですか〜?」

サンデー「あなたに教え子を紹介します」

ティナ「え!?遂に私、トレーナーデビューですか!?」

サンデー「勿論ですが…仮ですけどねあなたトレーナー志望だったでしょ?」

ティナ「はい!っ…でどこにウマ娘ちゃんが…」

サンデー「今呼ぶわ…入って来てちょうだい」

「失礼します…」

 

黒髪のショートカットの可愛らしいウマ娘が入ってきた

 

「えっと…」

サンデー「…ウマ娘としての名前さっき考えてたでしょ?」

「あっ!キャンペンガールです…よろしくお願いします!」

ティナ「よろしくね!キャペちゃん私はティナって呼んでね」

「よろしくお願いします!ティナさん」

ティナ「…でもサンデーさんなんで私に…」

サンデー「これから暫く私は東京で生活する事になりそうなの、URAからあなたの北海道での活躍をぜひ我々や日本のウマ娘の為に…との事です。こちらに若干名残しますから後は任せましたよ」

 

ティナ「サンデーさんの塾に彼女が来てくれたそれだったわ…」

 

数年後

 

ティナ「キャペ〜!スパートかけてみようか!」

キャペちゃん「はい!行きます!」

 

グキッ… 鈍い音がティナの耳に入った。

 

ティナ「あ…あ…キャペ…キャペ!」

「う…あぁ…いたい…いたいよ…」

生徒ウマ娘「先生…!どうし…」

ティナ「救急車…!救急車を…!」

「呼んで来ます!」

 

ティナ「練習中の事故。だったわあの子はレースに出走することなくウマ娘登録抹消となった…」

 

病院

 

ティナ「キャペちゃん…レースに出ることは無理みたいだね」

キャペ「…はいそうらしいですね。出たかったです」

ティナ「…気まで病むことは無いよ!キャペちゃんにも走り方を教えたりは出来る!ウマ娘のトレーナーを目指して」

「う…ううっ…げほ」

ティナ「わわっ!キャペちゃんの人生だった!勝手に決めるのは

…」

キャペ「違うの…ティナさん」

 

キャペンガールはお腹の辺りを摩っている。

 

ティナ「え…も、もしかして!?」

「あはは…妊娠しちゃいました」

 

ティナ「病院で妊娠してるって告げられた時はビックリしたなぁ…」

 

スペ「そ…それって産みのお母ちゃん、何歳なの?」

ティナ「確か初めて会ったときは18歳位でその時は…20歳超えてたような…」

スペ「まだ、私産まれて無いしここからだよね?」

ティナ「そうそう、ここからが話の肝だね」

 

そして、キャンペンガールは元気なウマ娘を出産した

 

ティナ「それが私の娘…私達の娘、スペシャルウィーク」

スペ「私…か恥ずかしいな…」

 

そんな時

 

サンデー「こんにちは」

ティナ「こんに…サンデーさん!?ななして北海道に!?」

サンデー「…キャンペンガールが怪我をして子供を出産したと聞いたから何とかしてあちらさんにお願いしたの暫くはこちらで生活するわ何かと子育ては大変だし…」

ティナ「そう言いますよね〜」

サンデー「あなたも子を持てば分かりますよ」

ティナ「えっ…?サンデーさん子を?ですか?」

 

ぴょんぴょん飛び跳ねてあかしゃん!あかしゃんとはしゃぐ栗毛の女の子がそこにはいた

 

ティナ「ここまで言えばスペ。それが誰の事か分かるわよね?」

スペ「え…?もしかして」

スズカ「流石にその時の記憶は無いけど…その子私よ」

 

テイオー「ええっ!?スペちゃんとスズカ、出会ってたの〜?」

マックイーン「テイオー、ついさっき言ってましたわよ…?」

スペ「運命だなんて…そんな、スズカさんもしかして私の事…」

スズカ「なんとなく覚えてたけど…あれがスペちゃんだとは…」

サンデー「折角北海道に来たもの私の娘、あなたも連れて行ったのよ」

スズカ「そうなんだ…フフっ言ってくれても良かったのに」

サンデー「…事情があってね」

スズカ「事情?」

 

スペシャルウィークを産んで五日目の事だった。

 

ガララ〜と扉が勢いよく開く

 

ティナ「あれ〜?スズカちゃん?よく来たね〜?」

幼いスズカ「きちゃった!」

ティナ「スズカちゃんが居るって事は…」

幼いスズカ「おかしゃん、おはなししてる!」

ティナ「そっか…じゃ、キャペちゃんちょーっとサンデーさんに話あるから行ってくるね」

 

「ティナさん…この子頼むね」

 

ティナ「…キャペちゃんに何かあったら、私が面倒見るよ!だってトレーナーだもんね。でも…その子はキャペちゃんの娘でしょ!育てるのが母親の仕事でしょ!」

 

「へへへ…」

 

ティナはサンデーが居る病室外へ出ていった。この会話が最後の会話となるとはこの時誰にも知る由もなかった。

 

ブッー、ブッー

 

サンデー「あら?ナースコールね」

ティナ「本当だあんまり聞きたく無いですよね〜」

看護師「…!?サンデーさん、ティナさん。これ…キャンペンガールさんの病室からです!」

 

二人は急いで病室へと向かった。

 

サンデー「スズカ!?おもちゃじゃ無いのよ!?何でも押したら…」

医師「…サンデーさん、キャンペンガールさんの容体が思わしくありません…娘さんのナースコールは正しい判断ですよ」

幼いスズカ「おかしゃん…」

サンデー「ごめんねスズカ…怒っちゃって…ヨシヨシ、赤ちゃんと隣で待ってられるかしら?」

幼いスズカ「うん!」

看護スタッフ「じゃあスズカちゃんあっちに行こうね〜」

幼いスズカ「いってきます…」

 

スズカ達は隣の病室へ向かった。

 

サンデー「ティナ…辛いけど現実見ないと私達がしっかりしないと…」

ティナ「あの子との最後の会話…産んだ赤ちゃん、頼むねって…言ってて」

サンデー「それが…彼女の願いならあなたが育てなさい、そして立派なウマ娘にしなさい。レースに出走すら叶わなかったあの子やあなたの為にも」

ティナ「でも…私、育てるなんて…子供だって産んだことも無いのにサンデーさんが育てた方が…」

サンデー「大丈夫。あなたなら育てられるわ私だって最初は初めての事ばかりで大変だったけど…彼女の最後の願い。不意にするつもり?」

 

ティナ「…分かりました。育てます!立派なウマ娘に…!よし!ダービー、いや日本一じゃない世界一、凱旋門賞を制するウマ娘にしてみせますよ!」

サンデー「大きく出たわね…でも!その調子よ、なら…私の娘もきっと立ちはだかるわね…倒せるかしら?」

ティナ「スズカちゃんだって…きっといつか!」

 

隣の病室

 

オギャー、オギャー!

 

幼いスズカ「あかしゃん…ないちゃった…」

 

看護スタッフは眠ってしまっている。深夜も深夜だし仕方ないか

 

幼いスズカ「あかしゃん…つらいね、でもなかなくていいよ…わたしはずっとここにいるからね」

 

赤ちゃん…幼いスペシャルウィークは落ち着いたのかすやすや満足そうに眠ってしまった

 

現代

 

ティナ「…まぁ、こんな所かな」

 

テイオー「…スペちゃんがあまりにも可哀想だよ…ボク…ママのことちょっとウザいって思ってたことあったけどそんな事ないね…」

ダスカ「私もママの事ちょっと…考え直したかも」

 

スペ「…産みのお母ちゃんのこと知れてよかった…私、スズカさんに勝てて。凱旋門賞も制する事が出来て良かった…」

スズカ「スペちゃん…私もスペちゃんと再会出来て、共に同じチームメンバーとしてライバルとして走れて本当に良かった。ありがとう私の最初の友達になってくれてっ…」

スペ「はい…私も友達になれて、良かったですスズカさん…!」

 

数時間後

 

サンデー「おめでとう、あなたとあの子の娘の勝利。それも凱旋門賞、日本初めての快挙よ?」

ティナ「なんだろう…実感沸かないね」

サンデー「直ぐには沸かないさ…暫くしてからさ湧いてくるのは」

ティナ「そっか…墓前にたまには来てくださいよ?」

サンデー「あぁ…スズカと行く事にするさ」

 

サンデー(おめでとう。キャンペンガールあなたの娘の勝利よ)

 

 



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第45レース 黄金世代

 

一年後

 

東京レース場

 

実況「さぁ、大舞台を私の夢が走ります。あなたの夢は菊花賞世界レコード逃げ切りウマ娘セイウンスカイか?敗れても、敗れても、絶対に首を下げなかった緑のメンコ不屈の塊、高松宮記念で念願のG1ウマ娘となったキングヘイローか?ヒーローは遅れてやってきた!?黄金世代の秘密兵器、京都大賞典ではスペシャルウィークやテイエムオペラオーにすら打ち勝ったツルマルツヨシか?あのマルゼンスキーの再来と謳われ怪我に見舞われたがグランプリレースを制し今日も飄々と佇む大和撫子グラスワンダーか?凱旋門賞2着までの連対率は驚異の100%!今日の東京レース場でも怪鳥は飛ぶのか?エルコンドルパサー!そして、黄金世代のまさしく頂点。いや、日本人ウマ娘の頂点!日本勢初の凱旋門賞優勝ウマ娘日本総大将 スペシャルウィーク!」

 

スペ「遂にこの時が来たね…みんな!」

 

グラス「あの日本のウマ娘史が動いた凱旋門賞から一年…ですか」

エル「早かったような…遅かったような…またみんなと走れて嬉しいデス!」

ツヨシ「えへへ!そうだね、ツヨシもみんなと同じこんな大舞台に立てて嬉しいよ!よーし今日も頑張るぞ〜!」

ウンス「さーて、セイちゃんは今日も逃げ切ってみせますよ〜あっ、キングダービーみたいに逃げて来ないでよ?」

キング「あ…あなたという人は…勿論逃げないわ差し切りますスカイさん!」

 

スペ「えへへ…」

 

わぁぁと歓声が更に大きくなった。

 

実況「そして、その黄金世代を打ち倒すべく海外からあのウマ娘がやってきた〜!昨年の凱旋門賞でスペシャルウィークが打ち破った欧州最強ウマ娘、モンジュー!モンジューまさかの二度目の来日!」

 

モンジュー「フフ…久しいなスペシャルウィーク、来てやったぞ再び、日本に!」

スペ「はい!お待ちしておりました」

モンジュー「君には当然勝つとして…日本の黄金世代とやら…相手に相応しいか見させていただこう私は君達黄金世代と戦いたいからもう一度来日したのだ!」

 

そう、このレースは東京芝2400メートル競争。ジャパンカップ

 

スペ「もう一度、モンジューさんをジャパンカップで倒します」

グラス「あらあらスペちゃん、それは私です。私が倒します…」

エル「エルも凱旋門賞の時とは違いマス!負けませんヨ!私一人じゃありません!黄金世代のみんなであなたに勝ちます!」

 

モンジュー「エルコンドルパサー、そうだな一人では強くなれない。共に走る者が居てこそ強さの証明となるだろう」

エル「はい!みんなが相手です!モンジューさん」

モンジュー「フフッ、さぁ…行くぞ」

 

そしてーレースは始まった。

 

実況「さぁ、4コーナーだ!ウマ娘がどぉーっと押し寄せて来る逃げる逃げるセイウンスカイ!追ってエルコンドルパサー!ツルマルツヨシはその後ろ!久々グラスワンダー、その後ろに高松宮記念を制したキングヘイロー!黄金世代を撫できるか!?そしてその後ろに来ました。日之本1のウマ娘、世界総大将スペシャルウィーク!スペシャルウィーク上がってきた!その後ろからモンジュー!モンジュー、欧州最強ウマ娘が黄金世代に襲いかかる!残り400を切って先頭、詰まってきた、詰まってきた!セイウンスカイにエルコン、ツヨシ!グラスワンダー、キングヘイロー、差し切り体勢!その後ろからスペシャル、モンジューも凄い脚で上がってきた!残り200!さぁ並んだ横に並んだ!横一線!横一線もう言葉は要らない!!!!!!!」

 

 

うーーーー(うまだっち)

うーーー(うまぴょい うまぴょい)

うーー(すきだっち) うーー(うまぽい)

うまうまうみゃうみゃ 3 2 1 Fight!!

 

 

おひさまぱっぱか快晴レース(はいっ)

ちょこちょこなにげに(そーわっ So What)

第一第二第三しーごー(だんだんだんだん出番が近づき)

めんたまギラギラ出走でーす(はいっ!)

今日もめちゃめちゃはちゃめちゃだっ(ちゃー!)

がち追い込み(糖質カット)

コメくいてー(でもやせたーい!)

あのこは(ワッフォー)そのこは(ベイゴー)

どいつもこいつも あらら(リバンドー)

泣かないで(はいっ) 拭くんぢゃねー(おいっ)

あかちん塗っても(なおらないっ)(はーっ?)

 

 

きょうの勝利の女神は

あたしだけにチュゥする

虹のかなたへゆこう

風を切って 大地けって

きみのなかに 光ともす

(どーきどきどきどきどきどきどきどき)

 

 

きみの愛馬が!

ずきゅんどきゅん 走り出しー(ふっふー)

ばきゅんぶきゅん かけてーゆーくーよー

こんなーレースーはー はーじめてー(3 2 1 Fight!!)

ずきゅんどきゅん 胸が鳴り(ふっふー)

ばきゅんぶきゅん だいすーきーだーよー

今日もーかなでーるー

はぴはぴ だーりん 3 2 1 Go Fight

うぴうぴ はにー 3 2 1(うーーFight!!)



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第五章 黄金船抜錨ス
第46レース 孫娘の言葉なら、あなたの言葉なら



新章スタート…?章タイトルは次回?


 

翌年。今年も夏がやってきた例年というか去年同様にチームスピカはサトノ家のバスを借り一路ゴールドシップの実家のある海岸へやってきた。

 

ゴルシ「よっしゃ〜今年は沢山遊べるな!」

沖野「おいおい…凱旋門賞を勝ったんだより一層練習に磨きをかけないと色々言われちゃうだろ?」

ゴルシ「ちぇ〜ま走ってくるわ行くぞースイーツ!スイーツ!」

 

「スイーツ!スイーツ!」

 

沖野「はぁ…海は良いねぇ〜天気も良いし練習日和だな」

 

ゴルシ「たくっ…のほほんとしてんな〜トレーナーはよぉ!」

スペ「確かに!そうですよね」

スズカ「まぁ、私達は競技者ですし走らなきゃ…」

ダスカ「まぁ、第一トレーナーが一緒に走るなんてあんまり無いですし」

マックイーン「まぁ、それでももっと強くなるためには走らなければ!」

 

沖野「マックのやつスパートしてやがる…あんまり飛ばすなよな〜」

 

一日の殆どを練習や特訓に費やした。その夜

 

ゴールドシップは前回同様寝静まった夜更けに風呂に入った。

 

ゴルシ「おいおーいマックちゃん、そろそろ寝ねぇと」

マックイーン「分かってますわ…それより何か話すことはなくって?」

ゴルシ「無いけど…?」

マックイーン「…隠し事してますわね?」

ゴルシ「…」

マックイーン「その感じで嘘付いてますって分かりますのよ?そんなに話したくないんですの?」

ゴルシ「信じてくれないと思う」

マックイーン「…話してみてください。もしかしたら信じれるかも知れませんわよ?」

 

ゴルシ「アタシ、未来から来た」

マックイーン「…」

ゴルシ「ほら、信じてないだろ?どーせいつものバカ話だろって…」

マックイーン「未来から…!?青い狸さんだったんですの!?知り合いですの!?」

ゴルシ「って!未来から来てるって事は信じてくれてんのかい!」

マックイーン「ウフフ、あなたってツッコミも出来ますのね…まぁ、薄々感づいて居ましたわ何となく見透かされてる感じしましたもの」

ゴルシ「気づいてたか…まあ無理あるか」

マックイーン「出てもいない筈の春天を制した…未来で制して来ましたのね?おめでとうございます。っ…?何か忘れてるような」

ゴルシ「聞いてくれたら全部喋るぞもう隠しても無駄だろうし」

マックイーン「うーんあなたの…あっ!私に似てたという話したじゃないですかここで!」

ゴルシ「うんしたな」

マックイーン「…私あの時寝落ちしてませんわね?」

ゴルシ「…目開いてた。多分起きてたと思う」

マックイーン「何故そんな嘘を?世の中には3人は似てる人が居ると…」

ゴルシ「そんなんじゃなくて…」

マックイーン「なくて…?」

ゴルシ「アタシな…マックイーンの…孫なんだ」

マックイーン「孫ですの…?だから似てると」

ゴルシ「マックイーンの孫。アタシが生まれる前に亡くなってしまったみたいだけどな」

マックイーン「そう…ですの」

ゴルシ「まぁ、こんな話信じて」

 

ギュッ…

 

マックイーン「信じます。孫娘の言葉ならあなたの言葉なら」

ゴルシ「マックイーン…」

マックイーン「最も教えてくれませんか?未来の事あなたの事を」

 



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第47レース たった一目会いたかったんだ

 

「未来…いや、アタシが元いた世界の話をすればいいのか…?」

 

マック「本当に未来なんですの?」

ゴルシ「マックイーンやら私が知ってるスピカメンバーは誰も居なかった」

マック「存在してないと…?」

ゴルシ「ちげぇ!マックイーン、テイオー、スペ、スズカという名前は確認出来たしかし…」

マック「しかし…?」

 

ゴルシ「んじゃ!ゴルシちゃん未来から来るのスタートだ!」

マック「なんですの…急に」

 

未来編

 

ゴルシ「なージャスタウェイ?入るチーム決まったか?」

ジャスタウェイ「僕らの実力なら、学園1のチーム。リギルにも入る事が出来そうだね!僕そこにしようかな!」

ゴルシ「オルフェーヴルの居る所なんてやめとけ!つーかあんな所ギチギチでつまんねーぞ?」

ジャスタウェイ「そうかなー?ゴルシはどこに入るの?」

ゴルシ「だから…今からそれを決めようと見て回ってる最中だろうが〜!」

ジャスタウェイ「ん…でこの近くにあるチームが最後だっけ?見てないの」

ゴルシ「うん…なんでもなー私の婆ちゃんの入ってたチームらしいなチーム…スピカ?」

ジャスタウェイ「メジロマックイーンだっけ?天皇賞春を3代に渡って制し連覇して魅せた名ステイヤー。チームリギル所属の皇帝を継ぐ帝王と呼ばれたトウカイテイオーと一時代を作ったウマ娘だよね確か」

ゴルシ「あぁ、ご丁寧にどうもそんなスピカも落ちてしまったな〜今じゃ誰もチームメンバー居ないって噂だぜ?…とっ?あれか?スピカの部室って」

ジャスタウェイ「部室は綺麗なんだね…」

 

現在

 

マック「ゴールドシップさん…」

ゴルシ「なに?」

マック「話長すぎですわ!もうちょっとかいつまんで…」

 

「チームスピカへようこそ!トレーナーの沖野だ」

ゴルシ「ウマ娘はいつから居ねぇんだ?」

沖野「スペシャルウィークとサイレンススズカが前の仲間だな」

ゴルシ「よかった…いるんだなメンバー」

ジャスタウェイ「…いやその二人現役だったの随分前だよ!流石に現役じゃ…」

沖野「…あぁ、現役では無いなお前ら二人が入ってくれたら嬉しい!因みにチーム戦は5人居ないと出来ないから練習試合みたいなのは5人集めないと無理だからな」

 

「で、なし崩し的にスピカに入る事になっちゃって…」

 

ゴルシ「うぉ!ダービーのトロフィー?おっさんダービートレーナーなのか!?」

沖野「あぁ、スペシャルウィークが取ってくれたんだ…」

ゴルシ「んぁ?なんでこっちの棚綺麗なんだ?何か飾れよその…サイレンス何とかって奴のトロフィーとか」

「…」

ゴルシ「なんだよ…いきなり黙って」

沖野「お前ら…大けやきに魔物が居るって知ってるか?」

ゴルシ「大けやき?府中のか?あーなんか先生言ってなぁ。なあジャスタ」

ジャスタウェイ「…つまりサイレンススズカは」

沖野「そういう事だ…あの件以降スペは変わってしまった。かくいう…俺も怖くなった。トレーナーを辞める覚悟すら持ったしかしスペが…走りましょうスズカさんの分もと…言ってくれたんだが…勝てなかった、そして…最終的に俺は二人とも救えなかった。俺は最低のトレーナーだよな…」

 

ゴルシ「そのスペシャルウィークって奴は今何してんだ?」

沖野「実家のある北海道にいるはずだ…会おうと思っても無駄だ俺でさえ、親友でさえ会えない…今はあの頃の事を忘れて生きたほうが良い」

ジャスタウェイ「でも、それじゃ解決を先延ばしにしてるだけで…」

沖野「あぁ。そうだな先延ばしにしているだけだな…しかし打てる手は既に打ち手段が無いんだ」

ゴルシ「会いたいな…そのスペシャルウィークって奴に」

沖野「…ゴールドシップ君、話は聞いてたか?無理だって」

ゴルシ「アタシ、このスピカに入る!おっさん、長いこと誰もチームに入ってないんだろ?チームメイトなら…チームの後輩ならもしかしたら!っへへ、面白そうじゃんこういうドキドキするの好きなんだ!ギャンブルみたいでよー!」

沖野「お前…学生が、しかも高校生がギャンブルの話なんてするな!」

ジャスタウェイ「全く…これだからゴルシは、良いじゃんその賭け乗ろう!」

ゴルシ「それでこそジャスタウェイだぜ!」

 

沖野「分かった入部を認めよう、しかしだな…北海道だぞ?都内じゃ無いんだそう簡単にお前らの手持ちじゃ行けないぞ?」

ゴルシ「あーそこは安心してくれツテがある」

 

数時間後

 

沖野「って…事だからゴールデンウィークにゴールドシップって奴が行くから」

ティナ「…アンタが来ても会うことすら出来なかったんだよ…?見ず知らずの他人が来ても…」

沖野「ティナさん、スペシャルウィークが外で元気に走ってるところ見たくないんですか?」

ティナ「…沖野さんそれはみたいに、決まってるじゃないですか!きっとスズカちゃんだって…その姿を!でも…」

沖野「ゴールドシップ、あいつやれるかも知れない…何か特別な何かを感じた!今後ターフで輝く黄金船ゴールドシップとして名を馳せるかも知れない…」

ティナ「ゴールドシップ、分かりました沖野さんとそのゴールドシップさんとやらを信じてみます」

沖野「ありがとうございます…ティナさん」

 

数日後 ゴールデンウィーク

 

???「いらっしゃいゴールドシップ。あなたがこっちに来るなんて久しぶりね?何かようなのかしら?お友達も連れて…」

ゴルシ「ドーベルさんお願いがあるんだ…!」

 

メジロドーベル「なるほど…スペシャルウィークさんに会いに来たのね…でも、同期のグラスワンダーさんでさえ会えなかったらしいわよ?会えるかしら…」

ゴルシ「ドーベルさんってスペシャルウィークと関わりないんだっけ?」

ドーベル「そうね…現役時代はあったけど引退後は…あんな状態だったし会えてないよ。私はどちらかと言えばサイレンススズカとの方が覚えているわ路線は違ったけど同期だし」

ジャスタウェイ「ドーベルさんもとい、サイレンススズカ、タイキシャトル、ステイゴールド、サニーブライアン、マチカネフクキタル!あの一個下の黄金世代と遜色ない程の世代ですよね!憧れます!」

ドーベル「ふふっそんなに凄いもんじゃ無いわよ…」

 

メジロドーベルが車を走らせスペシャルウィークのふるさとの方面へと走る…

 

ゴルシ「ドーベルさん、グラスさんとはどんな感じなんですか?」

ドーベル「グラスちゃん…?連絡先は知ってるわ、今日の事だって伝えてるし…」

ジャスタウェイ「今日のことはなんと?」

ドーベル「…会ってくれないとは思いますが現役のトレセン生徒ならもしかして…ドーベルさん私も現役生に久しぶりに会いたいですってね」

ゴルシ「時間あるし寄ってくか?ジャスタ」

「もちろんです!ドーベルさん寄っていきましょう!」

ドーベル「分かったわ、後で伝えておくわ…それとゴールドシップ?泊まる所って決めたの?」

ゴルシ「いや、まだだけど?」

ドーベル「散らかってるけど家にしときなさい歓迎するわ」

ゴルシ「流石だぜ!ドーベルさん」

ジャスタウェイ「でも…大丈夫なんですか?」

ドーベル「牧場の手伝いしてもらうけどね!」

ゴルシ「だろーな」

ジャスタウェイ「でも仕方ないよゴルシ…」

 

そうこう話してるうちにスペシャルウィークの実家に到着した。

 

ゴルシ「ここ農家か?」

ドーベル「えぇ、そうよ」

ティナ「あ…ドーベルさんあの話本当だったの?」

ドーベル「沖野さんそんな嘘なんて付きませんよ私だって…」

ティナ「そうよね…沖野さんも、ドーベルさんも信じれないなんて私…」

ドーベル「そんな事ないです…」

ティナ「あなた達がゴールドシップとジャスタウェイね?いらっしゃい入ってちょうだい」

 

ティナ「今お茶入れるから〜」

ゴルシ「おおっ!優勝レイ沢山あるな!」

ジャスタウェイ「日本ダービー、ジャパンカップ!宝塚記念もあるよ!」

メジロドーベル「あれ?宝塚?スペシャルウィークは勝ってないはずじゃ…」

ティナ「それはスズカちゃんの優勝レイよ」

ドーベル「あの子の!?確かそういえばURA博物館の企画展示では都合によりレプリカの展示になってたけど…まさかここに」

ティナ「スズカちゃんの遺族の方に理由を話して快く受け入れてくださって…」

 

「お母ちゃん…っお客さ、ウマ娘…」

ティナ「スペ…」

ドーベル「スペシャルウィークさん私よ…!メジロドーベル覚えてるかしら?」

スペシャルウィーク「え…?覚えてません、そのごめんなさい!」

ドーベル「仕方ないわ、なにせ何年も昔の事だし」

スペ「トレセン学園の服…」

ドーベル「二人は現役生徒、ゴールデンウィークで会いに来てくれたのよ」

スペ「はっ…あぁっ…ぅぅ…」

ドーベル「無理しちゃ駄目よ!」

ティナ「スペ。大丈夫!?部屋に戻ったほうが…」

スペ「うん、そうする…ごめんね何も話せなくて…」

ゴルシ「…そんな事ね…いや無いです無理しちゃ駄目ですよ」

ジャスタウェイ「そうです…ささっ」

 

ティナ「…グラスちゃんが来たときよりかは良くなってたかなあの子が来たときなんて倒れちゃったし」

ドーベル「そうでしたか…すみません」

ティナ「ドーベルちゃんが謝ること無いわ、来てくれてありがとうちょっとでもあの子の成長感じられてうれしいわ」

ドーベル「そうですか…では、お暇しますね」

ティナ「ありがとう…また来てね」

ドーベル「はい、必ず」

 

 

グラス「そうでしたか…話せましたか」

ドーベル「はい…しかし体調が思わしくなくすぐ部屋に」

グラス「それは仕方ありませんでも希望は持てますね」

 

現在

 

ゴルシ「そんな感じでトレーナーも結局は暗くてよ!スピカに入っても塞ぎがちでなんも楽しく無かったんだ。そんな時ある噂を聞いた…三女神像に関する噂だ」

 

ふとマックイーンの方を見るとすやすやと眠ってしまっている

 

ゴルシ「たくっ…ガチ寝じゃねーかよちゃんとゴルシ様の話きけよな…じゃ、おやすみマックイーン。この世界に来た理由はトレーナーやスペシャルウィークの運命を変える為でもあっただけど一番は…マックイーンにたった一目だけでもいい会いたかったんだ…」

 

マックイーン(あらあら嬉しいことを言ってくれますわね…三女神像に関する噂一体…どんな)

 

次回に続く

 



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第48レース 三女神像の噂

 

トレセン学園へ戻ったメジロマックイーンは早速三女神像に関する噂について調べる事にした

 

マックイーン「と…言いつつも誰に聞けば…」

沖野「なんだ?探しものか?」

マックイーン「トレーナーさん…いえなんでもないですわ」

沖野「…何かある時の反応だろ?なんだ?」

 

マックイーンはゴールドシップの事も知っている筈だと思い伝えた

 

沖野「ゴルシ遂にマックイーンにも伝えたか…因みにあの話はどうやら本当のようだぞ」

マックイーン「そういうことが聞きたいのでは無くて…あの方三女神像に関する噂がどうとかと私知らないので知りたいですわ」

沖野「三女神像か…あれも大分古いからな。噂って昔からウマ娘の想いを受け継ぐ場所って言われてるよな、ゴルシの事だ三女神から出てきたんじゃないか?」

マックイーン「そんなこと…っもしかしてあの三女神像って異世界転生装置…」

沖野「おいおい…ゲームや漫画じゃ無いんだぞ」

マックイーン「…ごめんなさいそんな訳無いですわよね」

沖野「なんてな、案外そういう物かも知れないなしかし…三女神像について詳しく知りたいよなどうすれば」

マックイーン「あの方なら知ってそうですわね」

 

マックイーンらはトレセン学園図書室へ向かった。 

 

ゼンノロブロイ「はい、マックイーンさんお探しの三女神像に関する書物です」

マックイーン「ありがとうございますゼンノロブロイさん」

「いえいえ、お役に立て光栄です」

沖野「なるほど図書室の書物になら何か書いてあるかもな」

マックイーン「三女神像は思いを伝える場所…そんなのは知ってますわ!…?思う事で世界線を跨ぎ思いを繋ぐ…?世界線…そういう事ですか」

沖野「つまり…パラレルワールドって事か?」

マックイーン「時間遡行では無く世界線を…あの方らしいと言えばらしいですね」

沖野「まあな…」

ロブロイ「ゴールドシップさんは凄いですね違う世界からこちらに来れるなんて…三女神像がキーというか異世界転生装置?」

マックイーン「まぁ、三女神像を調べればもっと出てきそうですけどね」

 

とりあえず三女神像へと向かう事にした

 

三女神像

 

マックイーン「…」

沖野「何か感じるか?こう…みなぎるパワー!みたいなの」

マックイーン「いえ…特に」

沖野「やっぱただの噂だな異世界転生なんてな…」

 

ピカッ…

 

マックイーン「!?光りましたわ」

沖野「稲光か?しかし今日は晴れだよな」

 

マックイーンらが三女神像の正面へ回ると一人のウマ娘が倒れているのに気づいた

 

マックイーン「大丈夫ですの!?」

沖野「直ぐに保健室へ向かうぞ!」

 

「…遂に来ちまったかあいつも」

 

校舎からゴールドシップが三女神像の方を伺う

 

 

保険室

 

マックイーン「では後はお願いします」

養護教諭「目覚めましたらマックイーンさんにもお伝えしますね」

 

マックイーンらは保健室を後にした

 

「あれは…一体誰ですかね?」

沖野「見覚え無いしなぁ…一体全体誰だろうな」

ロブロイ「保健室の先生でさえ知らないなんて…本当にこの学園の人でしょうか…」

マックイーン「いや、流石に…この学園の制服きてましたわよ?」

沖野「コスプレで侵入した…とかも考えれなくはないなもしくは…ゴルシと同じくか」

マックイーン「トレーナーさん!?ロブロイさんもいますのよ!」

ロブロイ「図書委員会と生徒会との会議でその話題出たことがあるので知ってますゴールドシップさんがこの世界とは違う世界異世界…恐らく平行世界と思いますがそちらから来られたと」

マックイーン「知っているのなら良かったですわ…生徒会員は知ってますのね…私教えて貰ってませんわよ!?」

ロブロイ「そういえばマックイーンさん生徒会副会長ですよね…伝え忘れたのでしょうか…」

 

マックイーン(ゴールドシップさんと同じ世界…平行世界から来たと過程して、つまりあの方は恐らく…ジャスタウェイさん)

 

「よっ!マックイーン!!」

 

そう声をかけられちょっとマックイーンはビクッとした。

 

ゴルシ「なんだー?ビックリしちまったか?トレーナーとロブロイ達と何やってんだ?」

マックイーン「あの…ちょっと、こちらに!」

ゴルシ「なんだよ〜恥ずかしいのか?」

「いいから!」

 

ゴルシ「で…?なによ?」

マックイーン「あなたの…この前の話に出てきた特徴に似てる方が…」

ゴルシ「あぁー!あいつかあいつはジャスタだぞ」

マックイーン「やはりあの方がジャスタウェイさん…」

ゴルシ「遂に来ちまったか…ジャスタウェイも」

マックイーン「どうしますの?」

ゴルシ「どうするも何も目が覚めるの待つしかないだろ?」

 

沖野「ここにいたか…ゴルシ」

ゴルシ「あ!そうだあの三女神像の所にいたやつアタシの知り合いだから」

沖野「だからなんだよ」

ゴルシ「チームスピカに入れるから」

マックイーン「ゴールドシップさん!?あなたが決めるのではなくて…トレーナーさんが」

沖野「そいつが直接スピカに来たら考える」

ゴルシ「おうよ!」

 

数時間後

 

保健室

 

「うぅ…?うん?あれゴルシ?」

ゴルシ「目…覚めたか?ジャスタ」

ジャスタウェイ「うん、おはよう…っ!?その芦毛のウマ娘は…」

「はじめまして…メジロマックイーンです」

ジャスタウェイ「メジロマックイーン!?ゴルシのおばあちゃん!?」

マックイーン「私まだ学生ですわよ!?おばあちゃんなんて呼ぶのはお辞めなさい!」

ジャスタウェイ「じゃあ…マックさんで、芦毛綺麗ですね」

マックイーン「フフ嬉しいですわね」

ジャスタウェイ「芦毛…芦毛…ぐへへ」

マックイーン「はっ…!?」

ゴルシ「ジャスタウェイはアタシ以外の芦毛見るとデジタルみたいになるんだ」

マックイーン「ちょっと!あの方はくっついて来ませんわよ!」

ジャスタウェイ「芦毛ちゃん…もう離さない!」

「よよよ〜!」

 

後日

 

スピカ部室

 

沖野「というわけで…新たなチームスピカの仲間になる…」

 

「ジャスタウェイです!よろしくお願いします」

スペ「ジャスタウェイさん…あれ?マックイーンさんどうして濡れて…」

マックイーン「なんででしょう…」

テイオー「なんか機嫌悪いね〜」

マックイーン「何でも良いですけど、ジャスタウェイさん!?あんな事はお辞めになってください!私保ちませんわ!」

ジャスタウェイ「うーん、なんか違ったからやらないやごめんね…マックイーンさん」

スペ「な、何したんだろ…」

スズカ「うーん知らなくて良いこともあるわスペちゃん」

ダスカ「ジャスタウェイ…アンタ優等生キャラね!スピカに入っても優等生キャラはもういるわ!」

ウオッカ「どこにいるんだぁ!?」

ダスカ「アタシよ!ウオッカいつもはいはい優等生〜って言ってるくせに!」

ウオッカ「初対面の奴に自分は優等生〜って言うやつやべぇよ」

ダスカ「あ…ぁぁ」

ジャスタウェイ「ま…確かに。因みに僕優等生キャラじゃないよねゴルシ!」

ゴルシ「ん〜まあ見かけはそれっぽく見えるけどアタシと同じ位にヤベェ奴だよアタシと同じことして怒られるとか…まあ、アタシが怒られてたら無視するんだけどなw」

「当たり前!」

テイオー「ビビッ!」

マックイーン「どうしましたの…?」

 

テイオー「今もしかして…自分のことボクって言った!?言ったよね〜!?それはねぇ!」

 

マックイーンはため息をついた

 

ダイヤ「そんなに大事なのかな…」

マックイーン「キャラが被るのは確かに大変ですけどもね…ダイヤさんお怪我は大丈夫ですの?」

ダイヤ「私はもう大丈夫です!なんだってダイヤモンドは…?

キタサン「世界一硬い宝石!」

ダイヤ「正解だよキタちゃん!」

「えへへぇ…」

 

マックイーン(濃いですわ、スピカの仲間濃過ぎですわ!まぁ…悪い気はしませんわね、不思議と)

 

???「あそこがチームスピカ、私の同期ゴールドシップ、ジャスタウェイさんがいらっしゃるのですね?」

オルフェーヴル「あぁ…そうだ」

???「オルフェーヴルさん、ゴールドシップとは?どのような…」

オルフェーヴル「腐れ縁だ、仲良くなんかねぇあいつ一々煩いし大概にしておけよ…ジェンティル」

ジェンティルドンナ「分かりました。オルフェーヴルさん」

 

次回に続く

 



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第49レース 金色の暴君と貴婦人と呼ばれるウマ娘

 

ゴルシ「よーしジャスタまずは軽く体を軽くだなぁ…」

 

???「お久しぶりです。ゴールドシップさん」

 

ゴルシ「その声は…ジェンティルか!何しに来たんだお前はリギルだろ?なんだぁー?敵情視察てか?」

ジェンティル「ふふふ、たまには良いじゃないですか」

 

スペ「ゴルシさんとジャスタさんと一緒に居るのは…」

スズカ「あれって…確かジェンティルドンナ先輩。リギルの次期主役と目されるウマ娘よ」

ダスカ「ティアラ路線を制する貴婦人ですっけ?全くデビューすらしてないのによくそんな事を言えますよね…腹立つわ!」

ウオッカ「へぇー、めちゃくちゃ期待の星なんだなまるで昔の俺だな」

ダスカ「そうね…まるで昔のアンタよねアンタみたいにクラシックで輝けるかしらねぇ!」

ウオッカ「トリプルティアラ取ったりしてな」

ダスカ「トリプルティアラ!?アンタねぇ、アタシですら取れなかったのよ!?思い出せないでよ!このぉー」

ウオッカ「やんのか!?」

スズカ「二人とも、特訓中よ?」

二人「はい…」

スペ「ゴルシさんジャスタウェイさんとジェンティルさんもライバルになるのかな…」

 

ゴルシ「オルフェーヴルはどうよ」

ジェンティル「オルフェーヴルさん?あの方は自分勝手?ならず者?暴君暴れん坊さんなので…今日も自己練ですね東条トレーナーももう何も言ってませんし」

ジャスタウェイ「さすが…三冠ウマ娘は違うね」

ゴルシ「アタシらの先輩が三冠取ったなら…アタシらも取ろうぜ!三冠ウマ娘!」

ジェンティル「三冠はそう簡単に取れる物じゃ無いですよ三冠こそ全てのウマ娘が思い描く夢なのですから」

ジャスタウェイ「夢…か夢は大きくデカく無いとね」

ゴルシ「アタシは取り敢えず有名になりたいぜ、ゴルシちゃんファン稼ぎます〜」

 

「おーい!ジェンティル君〜」

ジェンティル「この声は…オペラオーさん今戻ります〜!じゃあゴルシ、ジャスタウェイ次会う時はターフの上で是非…」

二人「おう!/はい!」

 

トレーナー室

 

スズカ「それで…ジェンティルドンナが二人の練習中に来て…」

沖野「昔から来てただろ…今更」

スズカ「ゴルシ先輩やジャスタウェイ先輩。どうですかね勝てますか?」

沖野「ジェンティルはまだ何とかなるだろうが…オルフェーヴルはかなりの強敵だな、今のゴルシで倒せるとは思えんな」

スズカ「どうするんですか?」

沖野「なーにあいつに当たらないように祈るしか出来ないだろうな」

 

夜 スペとスズカの寮部屋

 

スペ「オルフェーヴルさんってそんなにお強いんですね…」

スズカ「三冠ウマ娘だもの…ちょっとやんちゃ所があってあんな三冠ウマ娘は初めてだって言われたりもしたわね」

スペ「すごいですね!」

スズカ「スペちゃん…それは良い意味じゃなくて…悪い意味よ」

スペ「あぁ…なるほど」

スズカ「トレーナーさんとちょくちょく喧嘩したり…」

スペ「喧嘩するほど仲が良いって事ですよね?」

スズカ「そう、喧嘩するけどそれと同時に一緒に遊んだりもしてるらしいし」

スペ「はえ〜いいですね…所でなんでいつもマスクしてるんですかね?風邪ってわけじゃなさそうですよね」

スズカ「なんでも力を抑えてるって聞いたわ」

スペ「み、右目が疼くってやつですかね」

スズカ「フフっ違うと思うわよ…」

 

「くしゅん!」

ダスカ「ちょっと風邪?うつさないでよ?」

ウオッカ「へいへい〜」

 

その頃ゴルシ達は

 

ゴルシ「なあ、ジャスタ〜」

「スゥ…スゥ…」

グリ…グリ…

ゴルシ「起きてんだろ?」

ジャスタ「うるさいな!僕は君みたいに悪い子じゃ無いから寝るんだよ!」

ゴルシ「んな、ジェンティルはアタシらが未来から…別の世界線から来たって知ってんのかな?」

ジャスタ「ゴルシ…僕寝るよ。ジェンティルはこっちの世界線のウマ娘なんだよ。知ってるわけがないよそもそもあっちでもあんな感じだったじゃないか…トリプルティアラを達成した…輝かしきウマ娘だったでしょ?」

ゴルシ「向こうだとデビューして引退するまで居たはずなんだけどな〜何でまた走らねぇといけないんかな」

ジャスタ「こっちでも…頑張るしか無いよというかゴルシ…」

ゴルシ「はいはい…寝るってアタシも」

 

「早く、元の世界線に戻らないと。戻れなくなっちゃうよ…こっちは君にとって居心地の良い世界線かも知れない。だけどこっちは…!僕らの歩むべき世界じゃ…!」

 

ゴールドシップは何も応えずスヤスヤと眠りについた。

 

ジャスタ「おやすみ…ゴルシ」

 

(元の世界線…か。アタシらの元いたあの世界。マックイーンは居ない、スペ…スペシャルウィークは何かに囚われ塞ぎ込んでる、ウオッカ、ダイワスカーレットはあっちの沖野に聞いたら別のチーム所属だった。そして…サイレンススズカは…)

 

 ゴルシ(戻りたく無いよ…あの世界にアタシは…こっちの世界が好きなんだ。ずっと生きていたいここで…)

 

 

オルフェーヴル「で…?こんな夜半に電話をかけてくるとは…なんだジェンティルドンナ」

ジェンティル「私…ゴールドシップさん達と同期じゃないですか…ゴールドシップさんの弱点。旧友であるオルフェーヴルさんならご存知かと…」

オルフェーヴル「フン…戦うなら正々堂々とが基本じゃないのか?」

ジェンティル「何としてでも勝ちたいです…ゴールドシップさんとジャスタウェイさんには…!」

オルフェーヴル「はぁ…ジャスタウェイは知らないけどゴールドシップ。あいつの弱点は…左回りだなつまり…」

ジェンティル「東京レース場…」

オルフェーヴル「そこだったら倒せるかもな」

ジェンティル「ありがとうございます…!オルフェーヴルさん」

オルフェーヴル「ジェンティルも早く寝ろよな」

ジェンティル「はい!おやすみなさい」

 

ジェンティル(ゴールドシップ…ジャスタウェイ…あなた達には…必ず打ち勝ちます。この貴婦人の名を持つ…ジェンティルドンナが。相手です!)



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第50レース 黄金船抜錨ス

 

数日後…

 

沖野「ゴルシ、ジャスタウェイお前ら二人のメイクデビューが決まった」

ゴルシ「おおっ!アタシら何処を走ればいいんだ?」

沖野「ゴルシは函館、ジャスタウェイは新潟を予定している」

ゴルシ「ちょっと遠いな!ジャスタ、勝とうな!」

ジャスタ「うん!ゴルシもね」

沖野「気になってるかも知れないがジェンティルドンナは京都でメイクデビューを行うそうだ」

ゴルシ「京都…か」

 

ダスカ「ゴルシ先輩ならきっとジェンティル先輩にも勝てますよ!」

ウオッカ「頑張ってくださいよー!」

スズカ「メイクデビュー勝利、期待してるわ」

スペ「ゴルシさんとジャスタウェイさんならきっと!」

ゴルシ「よっし!そうと決まったらジャスタ!走りに行くぞー!」

ジャスタ「うん!僕ゴルシには負けないから」

ゴルシ「えへへ…言うじゃねーか!」

ジャスタ「で!?トレーナー、今日から練習開始だよね?」

沖野「おう!メイクデビューだからって気を抜くなよ」

ジャスタ「うん!」

ゴルシ「おうよ!」

 

練習場

 

沖野「ゴルシは脚を溜めてスパートをかけろ!昔もしてたあの動きだ!」

ゴルシ「おうよ!」

ジャスタ「僕は…ゴルシと追い比べだね!」

 

ピピッ…!

 

沖野「タイムもいい感じだな!」

ゴルシ「たーりめよ!」

ジャスタ「うん…!」

 

数時間後…

 

いつものバー

 

東条「あの二人はっきり言って驚異だわ」

沖野「そうかぁ〜?おハナさん所のジェンティル、今年注目のウマ娘じゃないか」

東条「そう?良いところのお嬢様って苦手だわ」

沖野「そうか〜?案外楽しいぞお清楚で」

東条「沖野…あんたの趣味なんて聞いてないわ!ゴルシとジャスタ、頑張りなさい大変よ特にゴルシは…」

沖野「アイツの相手は大変だがもう慣れたさ」

 

そう言い東条はバーを後にした

 

マスター「デビュー戦の季節来ましたね。ゴールドシップ前評判は良さそうですね」

沖野「そっかマスターも府中に来て長いもんなどうだ…?競場で働いたりトレセン学園で働くってのも出来るぞ」

マスター「沖野さん…私だって働きたかったです〜!でも落ち続けまして…なら日本一のウマ娘タウンである府中で店を構えようとしまして…」

沖野「なるほどで…俺らトレセンスタッフや東京場に来た人達の憩いの場隠れ家的なのになったのか…よーし!そんなご縁が生まれた記念だありがとうの意を込めてもう一杯頼もうかな!」

マスター「カクテルとかどうでしょう」

沖野「いいねぇ!」

 

数分後

 

マスター「では…こちらをどうぞ」

沖野「なんてカクテルだい?」

こちら「スラム」と呼ばれるカクテルです。意味は…海外で有名なカードゲームの全勝を意味するカクテルです。これをウマ娘なら三冠制覇等に置き換えることも…沖野さん、このカクテルの料金は頂きません私からのささやかなサービスです

沖野「おっ…分かってるじゃないか…」

 

少し赤らめた沖野がそう答えた

 

ゴルシ「そろそろ寝るかー」

ジャスタ「そうだゴルシ…3女神像の事なんだけど」

ゴルシ「うんだぁ?戻らねぇぞ?戻りたいなら勝手に戻れば?」

ジャスタ「タキオンは知ってたよ3女神像はいわゆる世界線あまたの想いが重なり繋がる場所だって…確かにキミの言う通り行き来出来るかも知れないねぇって」

ゴルシ「お前…マジで戻んのか?アタシは…」

ジャスタ「我儘言わないでよ、ここはゴルシの本来歩むべき世界線じゃ無い僕らは…」

 

う…うう…やだ

 

ジャスタ「泣いたって…そりゃこっちの世界は楽しいよ?でも…戻らないと元に戻ったら何か変わってるかも知れないよ?」

ゴルシ「確証ないだろ」

ジャスタ「無いよ。でも二人でスピカを再び蘇らせて、ここから這い上がろうって約束したじゃないか!忘れたの?」

ゴルシ「覚えてる…二人でってな」

ジャスタ「ゴルシ…うん僕もキミの歩むべき世界のウマ娘!ずっと付いていくよ共に」

ゴルシ「な…ここに戻って来るって出来ないのかな」

ジャスタ「分からない…戻って来れるかは。だけど戻って来れるように努力するよ」

 

ゴルシは深い息を吐き答えた

 

「戻ろう」と

 

3女神像前

 

深夜の3女神像前辺りは当然暗く…当然誰も居ないというか見回ってる寮長2名に見つかったらシメられるだろうと余計な考えも巡ってきた…

 

ゴルシ「戻るってもどうやって戻るんだ?」

ジャスタ「不思議な時間…というかほらあの世とこの世が繋がる時間ってあるでしょ?…ここでいうあの世は別に死者の世界って訳じゃなくて僕らが元々居た世界線」

ゴルシ「本当にそんなんで戻れんのかタキオン…つーか丑三つ時だろ?それまーだ数時間あるじゃねーか!ここでそんな待つのか!?」

ジャスタ「あーそれは大丈夫。時計イジるから」

 

3女神像近くに時計台が設置してある。そしてそれを丑三つ時つまり2時程にした時…

 

「俺の愛が!!」

 

という大声が聞こえて…二人共流石に失神してしまった…

 

沖野「あれ〜?今ここに誰かいたよおーな?ヒック!まっ!ええなぁ!?」

 

 

気がつくと…二人の前にライトを持ったウマ娘とおぼしき人影がついてきた

 

二人はあっ…見つかったと思った

 

「おいコラそこの二人!今を何時だと思ってる!?日付変更の時に起きてて良いのは新年の時だけだって…」

 

ゴルシ「ジョーダン!?おまえトーセンジョーダンじゃねーか!?」

トーセンジョーダン「あー!ゴルシじゃんっ!何やってんだ?!」

 

ゴルシ「何してんだおめぇーこそよ」

トーセンジョーダン「は?アタシは寮長だから見回りだよ!まったく…」

ゴルシ「見回り…フジキセキじゃないのか?寮長って」

トーセンジョーダン「フジキセキ!?おま…何年前の話してんの?フジキセキ先輩なんてとっくに引退してるっしょ?」

 

二人は本来の世界線?に戻ってきたのだろうか…はたまたこれもよく似た世界とやらか?

 

トーセンジョーダン「それとトレーナーに報告しとくから覚悟しとき」

ゴルシ「はぁ!?」

トーセンジョーダン「フツーに校則違反だし、当たり前っしょあーし寮長だし」

ジャスタウェイ「仕方ないよゴルシ…」

 

翌日

 

スピカ部室に行くとそこに居たのは明らかに年を召した沖野だった。

 

沖野「お前らな…寮長のトーセンジョーダンから聞いたぞ?何でも門限を超えて3女神像の噴水の前で…何をしてたんだ?」

ゴルシ「噴水見てた」

沖野「嘘つくなよ!俺だってよ昔はヤンチャしてたが…嘘つくのはいかんな!なのでお前のお婆ちゃんに連絡を取りました。そのうち電話が…」

ゴルシ「はぁっ!?婆ちゃんは関係ねぇだろ!?」

ジャスタウェイ「えっ…?ゴルシのお婆ちゃんって…」

 

走り出せばほら景色は七色に変わる 描いてた未来へ迷いなく進むよ

 

ゴルシ「スズカの曲着信音にしてんのか?」

沖野「あぁ…あの欅の先がこの曲を聞いてると何時だろうか見れる気がしてな」

ゴルシ「きっと見れるぜ!」

 

「ちょっとわたくしのこと忘れてませんか!?」 

 

ゴルシ「あ?マックイーンなにしてんだ?」

ジャスタウェイ「ゴルシ!気付いてよ思い出して!マックイーンは君のおばあちゃんでしょ!?」

マックイーン「なんなんですの!?いきなりわたくしの事を呼び捨てとは!ゴールドシップあなた…」

ゴルシ「は?マックイーンはもう…」

マックイーン「わたくし幽霊ではありませんこと!!!」

ゴルシ「で?なんだよ」

マックイーン「…あなたとご友人のジャスタウェイさんが門限を破り3女神像の泉に居たという話を聞きましたがそれよりわたくしを呼び捨てにしたほうが大問題ですわ!!」

ゴルシ「…ごめんなさいマックイーン…ばあちゃん」

マックイーン「ふぅ…もう良いですわ、許します。それでは沖野さんに電話変わってくださります?」

ゴルシ「おーう!」

 

マックイーン「はぁ…」

沖野「変わったぞ」

マックイーン「スペシャルウィークさんに会われたんですよね?ゴールドシップさんとジャスタウェイさん」

沖野「あぁ…なんとか会えて話も出来たみたいだ」

マックイーン「そのうち…また会えますよね」

沖野「あぁきっとな」

 

ゴルシ「なぁ、ジャスタウェイなんでマックイーン生きてんだ?過去にいやあれか元の世界線に戻るなら死んでるはずじゃ…」

ジャスタウェイ「ここは一回…あの人に聞いてみようよ」

 

そう言い理科室の方へ向かっていった



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第51レース 多次元配列、可能性の世界

ジャスタウェイとゴールドシップは

 

アグネスタキオン

 

この学園の屈指の変人であり科学者である…

彼女は既に生徒としては卒業しており今はこの学園の科学の先生として教壇に立っている。そんなウマ娘の居る理科室へ二人は向かう。

 

タキオン「やぁやぁ、二人とも。例の3女神像については調べられたかな?」

ジャスタウェイ「タキオン先生…それが」

 

タキオン「ふぅむ…過去へ戻るのではなく…多次元世界へ移る装置。そう考えたら良さそうだねぇ」

 

ジャスタウェイ「先生。一つ質問なんですけど」

タキオン「なんだい?」

ジャスタウェイ「ゴールドシップさんの祖母メジロマックイーン。元の世界では既に…亡くなられてたんですけどこっちの世界では…」

 

タキオン「そりゃあ完全に同じ世界って訳じゃ無いだろうからね…細々差異があるんだろうねぇ」

ゴルシ「アタシはまたあの世界線に戻るぞ?」

ジャスタウェイ「ゴルシ…」

タキオン「戻るのは勝手だけど保証も何も無いけどそれでもいいのかい?」

ゴルシ「おう…」

ジャスタウェイ「はぁ…僕もそっちの世界に戻るよ!君だけじゃおばあちゃんに迷惑ばっかりかけるもん!」

タキオン「…二人にそう言われたら引き止めるなんて出来やしないじゃないか〜分かったよ戻ると良いさ」

 

タキオンの机の上には何やら紙のような物が置かれていた

 

ゴルシ「んあ?なんだこの紙切れ」

ジャスタウェイ「天皇賞秋のチケット?しかもかなりあるような…」

タキオン「私の好きなウマ娘が今年。出走するんだ私としたことが…パソコンで取り寄せたは良いものをミスってたくさん取ってしまってねぇ…」

ゴルシ「当然アタシらが貰ってもいいよな?」

タキオン「別に…構わないが」

ジャスタウェイ「僕ら二人じゃ使い切れないよ…まさか!ゴルシ流石に…」

ゴルシ「誘うあいつらも早く忘れちまった方がいい」

ジャスタウェイ「…僕知らないよ勝手にして」

タキオン「君らのトレーナーとスペシャルウィークは分かってると思うけどスズカ君を秋天で失ってしまったのだよ」

ゴルシ「おう分かってるぜ」

タキオン「分かってるなら…何故二人も誘うのさ?私だって故障したしかし…彼女は…」

ゴルシ「可能性はあるんじゃねーのか?」

タキオン「可能性?0だよスズカ君は帰って…」

ゴルシ「じゃねぇ!切り開く者が出てくるかもって話!…です」

 

しばし沈黙

 

タキオン「ゴルシ君。君はいつも前向きというか前しか見てない。しかし切り開く者…か上手いこと言うねぇ…信じようその言葉。言葉ってのは言ってると本当になると言うしねぇ」

ゴルシ「じゃ!タキオン先生も一緒に見ようぜ」

タキオン「そうだねぇ…そうしようか。そうそう実験について何だけど…」

 

ササッー

 

タキオン「全く二人して逃げ足早いんだから…切り開く者が生まれるかも知れないだろ…か。彼女。サイレンススズカを継ぐもの…超えうるもの…かあの子はそんな存在なんだろうか…

 

海の向こうでG1を勝ってきたパンサラッサ君…」

 

数時間後

 

プルル〜と携帯が鳴った…もうかけてくる知り合いもみんな…私を遠慮して…あ!もしかしてスズカさんからの…。またスズカさん、スズカさんと考えてしまう…そんな私って…

スペシャルウィークは取り敢えず電話を取った

 

「スペシャルウィークです…」

「やぁやぁ!スペ君の番号で合ってたかな?」

「どちら様ですか…」

「私だよアグネスタキオン…覚えていないかい?」

「覚えてます、あの日以来ですか?」

「名前出していいのかい?」

「名前?」

「レース名さ」

「あは…はどうだろ」

「ふぅ…秋天以来だね話すのは」

「…スズカさんの、亡くなった…あの秋天」

「そうさ。あんな悲しいことはもう起きてほしくないと願うばかりさ」

「で…用件は何なんですか?」

「ゴールドシップ君とジャスタウェイ君は知ってるというか君に会ってるだろ?」

「えぇ…まぁ」

「東京に来れないかな…?私も迎えに行くからさ」

「東京…まさか秋天に!?」

「思い出すのも無理も無いさ私だって一緒」

「私は…タキオンさんとは違ってまだ見たくないですというか見れないですし東京なんて…」

「君は東京に来るのも出来るし秋天だって見れるはずさ理論上はね」

「…そりゃトレセン学園に転入した時はあんな悲しい思いしてないし…!今は…」

「スペ君。君だってもう本当は心の中では東京に来たい。また秋天を見たいそう思ってるはずさ…私達はウマ娘なんだから…」

「でも…見るの怖いんです何か壊れそうな感じがして…」

「スズカ君は先頭。前しか見てないよ」

「え?何ですか急に…」

「スズカ君もスペ君にきっと前を向いて生きてほしい…そう思ってるはずさ君の母親だって友達だってゴルシ君たちもトレーナー君もだ」

「トレーナーさん見に来るんですか?」

「先にトレーナー君の方に連絡したよ見に来るそうだよ」

「…タキオンさん私…」

「なんだい?」

「頑張ってみます…」

「そうかい…集合は東京レース場正門前にするよチケット渡すから…」

「はい…」

 

「私に出来るのはこれくらいかな…見に行くから。君も見守っていてほしいスズカ君。」

 

週末日曜日 東京レース場正門前

 

沖野「本当に来るのか…しかもティナさん無しで…」

グラス「タキオンさん私達まで良かったんですか?秋天はかなりの倍率と聞きますが」

タキオン「そりゃ君達が居ないとね…都合がついて良かったよ。黄金世代と呼ばれたウマ娘達の再会にはね」

 

エルコン「デスデースみんなスペちゃんに会いたいとずっと願ってましたカラ!思いは一緒と!一人で強くなるものじゃ無いト!」

グラス「エル…見ない間に逞しくなりましたね…」

エルコン「グラスの腹はまた一段と!」

グラス「変わってませんね〜フフ後でお話ですよ?」

エルコン「絶対怖い話デース!ノー!」

キング「本当…変わってないわね」

スカイ「いや…キングは変わってるよ!」

キング「スカイさん…そんな事…」

スカイ「嘘〜!」

キング「やっぱり変わってないじゃない!」

ツルマル「でも…変化が無いってそれはめちゃくちゃいいこと…ハァ…ハァ…遅刻しそうだから走ったら息が上がったぞ〜!」

四人「一番いろんな所に変化が無い!」

ウララ「あっ!スペちゃーんこっちだよ!」

 

 

たっ…たっ…

 

 

「みんな…その…おまたせ?」

 

グラス「しすぎ、ですよですがきっと私達の元に来てくれると帰ってきてくれると信じてました」

スペ「ただいまグラスちゃん」

グラス「おかえり…なさい」

「グラス…泣くのは…泣くのは」

「エルコンさんも泣いてますわよ…」

「ま…アタシもさそのずっと待ってたからアハハ涙とまんないなーおかえりスペちゃん」

「みんなスペちゃん会いたいってずっと思ってたから嬉しくて…これからもずっと会おうね!」

 

「はいっ!スペシャルウィーク、復活です!」

 

スペシャルウィークがそう言うと6人+ウララは抱擁を交わす

 

タキオン「お楽しみの所すまないがそろそろ開門だかなり混雑するだろうしそういうのは後でやってくれないかー?人の目もあるし」

 

スペ「えへへ〜ですよねー」

 

エルコン「今の昔のスペちゃんと全く変わってませんね!」

グラス「え?フフそうですね〜」

 

 

スタンド席につくとグラスワンダーは沖野と何処かに行った。

 

 

沖野「なんだ?話って」

グラス「スペちゃんの事です。明らかに無理してません?スペちゃんもあなたも」

沖野「俺はゴルシやタキオンの話を聞いて変わらなきゃと思っただけだ」

グラス「スペちゃんはどうなんでしょう…何事も無いと良いですが」

沖野「後で話してみるよ」

 

もぐ…もぐ…

 

スカイ「食欲まで変わってないのかーいスペちゃん〜」

スペ「美味しくてつい…」

沖野「スペちょっといいか?」

スペ「えっ!?怒られる程食べてませんよ!」

沖野「そういうのじゃないから…」

 

東京レース場 スタンド

 

沖野「スペ…覚えてるかお前と初めて会った所だ」

スペ「…忘れる訳がないじゃないですか」

沖野「スズカのレース!」

スペ「…セクハラ!」

沖野「…すまない」

スペ「まさかトモ勝手に触るなんて…でもあれがあったからスズカさんやチームのみんなトレーナーさん友達に会えたんですよね…」

沖野「おう…」

スペ「また会えて良かったですトレーナーさん」

沖野「俺も…もう二度と会えないと思ってた」

スペ「これからは頑張ってたまに来ます」

沖野「おう…スペ大丈夫そうだな」

 

ぴた…

 

少し涙がたれながらもスペシャルウィークはあの大欅の方へ向いて語りかける

 

ただいま、スズカさん

 



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第52レース 夢見た景色

 

毎週日曜日15時40分。その時間は毎週レースのメイン競争が始まる時刻。そして今年も天皇賞秋が始まる…

 

今から今かと待ちわびる歓声そしてスターターの合図。

 

ファンファーレが響く

 

実況「逃げウマ娘ずらり一五人…果たしてどんな結末を迎えるのか!」

実況「天皇賞(秋)、スタートが切られました! ばらついたスタート!」

実況「さあ、注目の先行争いはどんな展開になるのか

パンサラッサが行く!やはり大逃げパンサラッサ!前へ前へと進んで行く…!今回はスタートは良好か?」

 

スペ「あの子…大逃げなんだ」

沖野「あれが…タキオンが好きなウマ娘…か?」

タキオン「福島記念…あのレースをたまたま見ていてね世間的にはツインターボだと言われてたんだけど私としてはあの子はスズカ君だと思ったんだよね…」

沖野「なぜだ?」

タキオン「もうそろそろ分かると思う」

実況「さあ、2コーナー 向こう正面へと入っていきます先頭は3番のパンサラッサ宣言通りの逃げ」

ゴルシ「速いな〜あいつまるで…スズカまさか…タキオンが好きな理由って…」

ジャスタウェイ「大逃げだからかな…?」

 

 

実況「最初の1000m、57秒4!

57秒4という超ハイペース!

パンサラッサの大逃げだ!!」

 

沖野「57秒4!?」

ゴルシ「マジかよ!?あいつスズカと同じタイムだ!?」

タキオン「57秒4…流石に予想外だが…なかなかやるねぇ…流石世界の逃亡者パンサラッサ君…」

 

沖野(スペは…大丈夫だろうかあのタイム見たり聞いたりして…)

 

もう…一番信じてないのトレーナーさんじゃ無いですか…

 

沖野(!?)

 

ちゃんと見てくださいあなたもあの子の走りをスペちゃんも

 

「いっけぇ!逃げ切ってパンサラッサ…見せてあの日の続きみんなが夢見た景色を!」

 

沖野(夢見た景色か…あの日の続き。見せてくれよ!パンサラッサ〜!)

 

実況「さあ、パンサラッサ、もう既にケヤキの向こう側を通過してこれだけの逃げ! これだけの逃げ!

令和のツインターボが、世界の逃亡者が逃げに逃げまくっている!!」

 

 

そのウマ娘は千メートルを57秒4で駆け抜け大欅を超えた。

一度は夢見た景色を夢見る景色としてでは無く現実として見せてくれた。

 

「さあ!パンサラッサ!このまま逃げ切ることが出来るのか!

これだけの差! これだけの差!!さあ!4コーナー曲がって直線コース!さあ! 後ろは届くのか! 後ろは届くのか!このまま逃げ切るのか!」

「世界を駆け抜けた幻の海の名を持つパンサラッサ!世界を股に天皇賞の覇者となるか!?世界のパンサラッサ"の逃げ!」

 

「外からは前走競り合ったジャックドール!残り200を通過している!さあ! 届くのか! 届くのか!逃げ切るのかパンサラッサ!外からイクイノックス!

イクイノックス届くか!!大逃げパンサラッサをここで捕らえた!最後は天才の一撃!!クラシックの悔しさはここで晴らした天才の一撃!」

 

スペ「パンサラッサ…負けちゃった…?」

沖野「イクイノックス…あの末脚。本物だな」

タキオン「逃げウマ娘が秋天で2着か…久しぶりにウイニングライブ楽しそうだね…」

 

「57秒4私のタイムを出してゴールまで導いてくれたなんて…」

 

スペ「スズカさん…?」

 

「あんまりトレーナーさん達に迷惑かけちゃだめよ?」

 

スペ「トレーナーさん…スズカさんの声が声が…聞こえて…」

 

沖野「そんな訳…」

 

「信じられないですか?」

 

沖野「スズカ…お前の声聞こえるぞ…」

 

グラス(私には聞こえない…)

 

「グラスちゃん、ありがとう今までトレーナーさんの事、そして何よりスペちゃんとずっと友達でいてくれた事そして…同世代の皆さんも」

 

エルコン「一人で強くなんてなれませんから!」

グラス「エルの言うとおりです!私達は一人で強くなった訳じゃありません。黄金世代みんなで強くなってこそです」

 

ジャスタウェイ「ゴルシ…これ一体何が」

ゴルシ「オカルトって事でいいんじゃないか?」

タキオン「まぁそういう考え方でいいんじゃないかなこの場合プラスに働くだろう…」

 

「相変わらず難しいこと言ってるわねタキオン…」

 

タキオン「そんな事よりもスズカ君。話すべきウマ娘はもう一人居るんじゃないかな?」

 

「そうね…そうするわ」

 

ターフの上に場面は移る

 

パンサラッサ「ハァ…ハァ…ハ…あぁ…2着か…負けちゃったな」

「大逃げをして1000メートルを57秒4で走りあの欅を超えて惜しくも2着よ。誇っていいのよ」

パンサラッサ「あ…あれ?ジャックちゃんなんか感じ変わった?」

「ジャックちゃんならそっちに居るわよ」

パンサラッサ「ジャックちゃん?」

ジャックドール「何ですか、パンサラッサ先輩。大逃げ見事でした完敗です」

パンサラッサ「えっ…?じゃあ今まで喋ってたのって…」

ジャックドール「?さっきから喋って居るのは先輩ですけど?」

パンサラッサ「えっ!?ジャックちゃんによく似た栗毛のウマ娘が絶対いたって、大欅で並びかけて…」

ジャックドール「私じゃ無いですよ…栗毛で大欅…大逃げに並びかける実力者。まるでサイレンススズカさんみたいですねその方」

パンサラッサ「異次元の逃亡者とまで呼ばれたウマ娘さんかきっと走りたかったのかな一緒に」

ジャックドール「はい。きっと」

 

そして数ヶ月後そのウマ娘がある歴史を塗り替えたのはまた別の話

 

「もう一度走り出したかった。だってこんなにも景色は綺麗なのだから、こんな綺麗な景色を見れたこと良かったって思うありがとう。私が夢見た景色見せてくれて」

 

 

ゴルシとジャスタウェイは取り敢えず寮に戻ることにした。

 

ゴルシ「タキオンの言うとおり私らの知らない事が起きてるみたいだなマックイーンの例と良い」

ジャスタウェイ「世界線が違うと大変だねというかまたあっちの世界線に行ったらまた何か変わるんじゃ?」

ゴルシ「アタシは帰るぞこれから」

ジャスタウェイ「えっ!?もう?ってこれから!?はやいって!」

ゴルシ「方法は覚えた。アタシ一人で上手くやる」

ジャスタウェイ「ダメ。君を一人にするとあちらの世界で迷惑かけるだろうし。第一ボクが嫌だよ!」

ゴルシ「なら…よっしゃ!戻るぜ」

 

ジャスタウェイとゴールドシップは二人またあの世界線へと旅立った。

 

異次元のその後

トレーナー室にて

 

マックイーン「スペシャルウィークさんお久しぶりですわねもう大丈夫なのですか?」

スペシャルウィーク「マックイーンさん久しぶりですパンサラッサちゃんの走り見てたらなんだか吹っ切れまして…スズカさんを感じたような気がして…」

マックイーン「何でも構いません。きっとスズカさんもあなたがこうして仲間と楽しく過ごす事を願っているはずですわ。わたくしもあなたとまた会えて嬉しいです」

スペシャルウィーク「はい!マックイーンさん」

 

スペシャルウィーク退室後

 

マックイーン「沖野トレーナー。良かったですわスペシャルウィークさんに再会できて」

沖野「俺が何とかしたからなぁ〜」

マックイーン「あら…?違いましてよ」

沖野「?俺がタキオンに話しつけて…なんとか」

マックイーン「そうでしたわねぇ…嫌ですわね歳取るのって」

沖野「あぁ…だな」

マックイーン(なんとか…なりましたわよゴールドシップ。あなた方が本当に戻られる時まで…私は生き抜きますわ)

 

 

本編世界線にて

 

ゴルシとジャスタの部屋にて

 

ゴルシ「戻ってこれたか…しっかし疲れたというか見たこと無いウマ娘居たよなぁ」

ジャスタウェイ「そのうち見れるんじゃない?じゃー僕は寝るね?」

「おーう、おやすみ」

 

「ふぅー」ゴルシは一息ついた

 

(そっちの世界と時間合ってるか知らないけどおやすみ。マックイーン…ばあちゃん。また明日なマックイーン。)

 

次回に続く



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第六章 緋色の女王と常識に囚われない女帝
第53レース 緋色の優等生と破壊神の理解者


 

「ねぇ!そっちちゃんと磨いてよ!」

「磨いてるだろ?」

「もっと丁寧に!自分のバイク整備するみたいに…」

ウオッカ「俺のバイク買ってくれんのか!?」

ダスカ「なんでそうなるのよ!」

スズカ「二人とも…今は年度末清掃中。うるさいと掃除終わらないわよ!」

スペ「二人とも〜スズカさんオコモードになってるので…」

スズカ「だって掃除終わらないと走りにも行けないし…」

スペ「なるほど…」

二人「フッン!」

テイオー「二人ともいつも喧嘩ばっかりしてるよね〜喧嘩してなかった時って無いの?」

 

ウオッカ「んなもん…入学した時ぐらいか?」

ダスカ「そりゃ初対面で喧嘩腰な訳ないでしょ…」

テイオー「そんな頃の写真とか見てみたいな〜」

ウオッカ「チーム入った時とか入学して大分経ってからだからな…」

「ほら…」

テイオー「入学式だ〜初々しいね」

ウオッカ「俺とスカーレットの入学式の時の写真?なんであるんだ?」

ダスカ「ママが撮ってて貰ったのよ」

ウオッカ「ふーん良かったな〜」

スカーレット「えぇ!」

 

二人ともなんとか頑張って掃除を終え寮に戻った

 

ウオッカ「なぁ〜スカーレット」

ダスカ「なによ」

ウオッカ「スカーレットさっき写真撮ったのお前だろ?」

ダスカ「…知らない」

ウオッカ「まだこの前のレース引きずってるのか?次桜花賞ちかいぜ?」

ダスカ「はぁ…煩いわね!アンタとの同室記念で撮影したんだったんじゃない?」

ウオッカ「懐かしいな〜」

ダスカ「そうね」

ウオッカ「はぁ…スカーレット話すのだりぃ」

ダスカ「…ふん」

 

ダスカ(…こいつと初めてあった時ってどんなだっけ?)

 

スカーレットは少しづつ思い出す事にした。

 

ダスカ(たしかアイツと出会ったのは校門を抜けたあと…)

 

「ギュルルン…ギュルルン!先輩カッケーす…」

 

ダスカ(もう…寝てるし寝入るの早すぎでしょ…先輩ね…あっ!そうそうウオッカの好きそうな先輩も登校してきたのよね)

 

「ギュルルン!ギュルルン!このタニノギムレット…ギムレット様の登校だ…道を開けろ」

 

ダスカ「な…なんなのよあれ…っ!?バイクで登校って!大体原付きが相場じゃ…」

ウオッカ「カッケー!!」

ダスカ「カッケー?確かに格好いいわね。大人のイケてるオンナみたいで」

ウオッカ「!?バイクの事を格好いって…ダチになろーぜ」

ダスカ「ダチ?友達って事?なんだがすごくいきなりだけど良いわねなりましょう」

「俺ウオッカな〜オは大文字だぞ〜」

「ダイワスカーレットよレースでは負けないわ」

ウオッカ「へっ!俺だって負けねーぞ」

 

ダスカ(ま…まぁ最初の友達は個性的なウマ娘でも良いわねそのうちきっと他の人と仲良くなるし)

 

ウオッカ「なぁスカーレット〜あれやけに遅くないか?」

ダスカ「へ?」

 

キュリキュリキュリ〜

 

ウオッカ「キュリキュリ言ってるし」

ダスカ「たづなさんあれって…」

たづな「タニノギムレットさんの乗られてるのはバイク風の自転車です面白い方なんですがよく柵を壊していて悩みの種なんですよね」

 

バゴォ!

 

たづな「またですか」

 

そう言いたづなさんはギムレットの後を追いかけて行った。

 

スカーレット達も教室に向かった

 

教室

 

ウオッカ「うお!?スカーレット隣の席なのか!」

ダスカ「良かったわね」

ダスカ(うるさくなるわね…まぁ、寮は一緒じゃないでしょ)

 

 

ウオッカ「スカーレット!同室ってまじかよ!俺ら運命なんかな?」

ダスカ「なんで…アンタなんかと…」

ウオッカ「なんか言ったか〜?」

ダスカ「この優等生の私がなんで柵を壊すような人に憧れてる人と一緒の部屋なのよ!」

ウオッカ「柵壊すのは憧れてないぜ?」

ダスカ「バイクも一緒よ!」

ウオッカ「なんだと優等生。」

ダスカ「バカウオッカ。」

 

現在

 

ダスカ(そんなこんなで出会って直ぐにライバルになったんだっけか…そんな私達も遂にクラシックに進むのね…)

(へっ!スカーレット俺はダービーに出るんだお前に負けてなんていられねぇんだ!

ダスカ(えぇ…もう負けないわ、ウオッカ!アンタなんかに…)

 

戦場での出会い、レースでの出会いはチューリップ賞が始めてだった。両者互角でちょっとの差だったしかし負けは負けスカーレットにとっては悔しい事この上ない。

 

それでも、それでも諦めずに再びウオッカと対峙する

 

ウオッカを超えなければ完璧(ミス・パーフェクト)とはなれないから…

 

 

そして…もう一人。桜花賞で戦わないといけない相手がいる

 

ダスカ(アストンマーチャン。ジュペナイルで2着、きっとアタシより人気出そう…フンッ!勝てば良いの勝てば…私だってなるのG1ウマ娘に!アイツらには負けられないわ!その為にも明日アイツに話さなきゃこれからの事…!)

 

翌日早朝 チームスピカトレーナー室

 

沖野「なんだスカーレット?こんな早朝にLANEで呼び出したり…何か用か?」

ダスカ「ウオッカに桜花賞では負けられない…アイツとは別々でトレーニングしたいわテイオーやマックイーン、スズカ先輩やスペ先輩みたいに」

沖野「たしかにな…よし考えておく」

ダスカ「頼むわ…」

 

沖野「アイツも遂にクラシックを走るまで成長したか〜時間が進むのは早いな…俺も練習は見ないといけないよなアイツらの事だどっちを多く見たとかで喧嘩したりしないか…?」

 

ガチャッ!

 

トレーナー室の扉が勢いよく開く

 

ウオッカ「トレーナー〜」

(おいおい…まさかそっちか?)

「どうしたんだ?ウオッカ」

ウオッカ「そろそろ俺も桜花賞でスカーレットやマーチャン達と戦うだろ?」

沖野「あぁ、なんだ?練習別々がイイってか?」

ウオッカ「無理…か?」

沖野「俺に任せとけ!」

ウオッカ「って言ってもよ〜トレーナー二人も見れるか?俺ら喧嘩ばっかしてるし」

沖野「自覚あるなら改めろよ!どっちか折れるなりして…」

ウオッカ「スカーレット勝ったら調子のるんだよなぁすーぐでしかもいざ自分が負けたら拗ねるしチューリップ賞の後みたいなのは御免だね…」

沖野「何も聞いてないんだが…何かあったか?」

ウオッカ「あからさまに口聞いてくれなくなったあぁ、二人の時な」

沖野「負けず嫌いなのは元々の性格だろうし第一ウマ娘として負けず嫌いなのは良いことだしな…」

ウオッカ「でもよ〜スカーレットの優等生キャラあれ結構ヤバいんじゃ?メンタルとか。どっちが本当なのか知らんけど」

沖野「確かにメンタルは強そうでは無いな。ウオッカ人の本性性格は本気になった時が本来のサガだつまり…言わなくても分かるだろ?」

ウオッカ「つーことは俺には本心で居るのか〜」

沖野「というかこんなんでウオッカはトレーナー室に来ないだろ?」

「話があって…」

 

 

練習の時間

 

沖野「という訳でスカーレットとウオッカは別々のチームで練習をする」

テイオー「教える人はどうするの〜?スカーレットはよくてもウオッカの戦術教えるのスペちゃんしか居なくて大変じゃない?」

スペ「ウオッカさん!私が来たからにはもう安心です!泥船に…」

スズカ「泥船は駄目よスペちゃん…」

沖野「スカーレット、ウオッカには専属のウマ娘を付ける紹介しよう…」

 

「専属…つまり一対一OnlyONE、シンボリクリスエスだ」

「フフッ…!今宵ギムレット様に教えられたいウマ娘はどこの誰だ?俺に酔え!ギムレットに酔いしれよ!タニノギムレット様だ!」

 

ダスカ「クリスエス先輩が教えてくれるんですか!?」

クリスエス「あぁ、よろしく」

ダスカ「トゥインクルシリーズ最後の有見てました!あんなに強いウマ娘に学べるなんて幸せです」

クリスエス「Happy…私もそう言ってもらってHappy…」

 

テイオー「そっか〜二人ともドリームレース走ってるもんね」

クリスエス「会長と仲の良かったテイオーとも走りたいが…スカーレット。君がウオッカに勝てるように色々教えよう」

ダスカ「よろしくお願いします」

 

ゴルシ「んあ?ウオッカとギムレットの二人居ねぇけどどこ行った?」

ダイヤ「あっ!あれですあそこに」

 

既に二人は練習場を走っていた。ハンドルの持ち方で…

 

キタサン「バイク…!カッ〜!ゴーストバイクを思い出します!」

ダイヤ「ゴーストバイク…?幽霊バイク?確かに目には見えないね」

ゴルシ「なんかそういう訳じゃなさそうだけどな」

 

ウオッカとギムレットは走り終え戻ってきた

 

ウオッカ「ギムレット先輩…!急に走り…だしてどうしたんですか?」

ギムレット「フッ…ライダー足るもの何時も走り出したら止まらないだろ?」

ウオッカ「カッケー!」

 

クリスエス「何をしてるだ…」

ギムレット「何って練習だが?」

クリスエス「お笑いで見たことある走り方でか?」

ギムレット「へっ…!見てろクリスエス、俺の教え方でスカーレットに勝ってやる!」

クリスエス「フフッ…負けないぞ?」

 

トレセン学園に今日も嵐が来る…

 

???「お二方に負ける訳にはいかないですね。トレーナーさん」

トレーナー「あぁ、特に阪神JFで負けたウオッカには勝たないと彼女は日本ダービーにすら登録してる…それくらいの素質があるのだろう」

???「ダービー。ですか〜ティアラ路線を歩みそしてダービーへ…制したら確か以前は戦前ですよね?」

トレーナー「あぁ…そうだマーチャン以前の達成者は戦前であり…変則三冠ウマ娘という唯一無二の記録保持者だ」

アストンマーチャン「そんな方達と走れる事そして三強と呼ばれてる事を光栄に思いますね」

トレーナー「桜花賞。締まっていこう」

「はい…!」

(あのお二人に勝てば皆の記憶に残るかな…?)

 

続く

 



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第54レース 素晴らしき桜花のエース

 

クリスエス「走る…ぞ」

ダスカ「はい!クリスエス先輩」

 

沖野「良さそう…だなぁクリスエス。座学もやっておけよ」

「of course,スカーレット。これからは座学だ座して学ぶぞ?」

ダスカ「えぇ…!?ウオッカは走ってますよ!?」

クリスエス「ん…?あの子も確か座学のハズ…だ」

ダスカ「勉強…集中しなきゃ!」

クリスエス「concentration,スカーレット。桜花賞は阪神レース場の芝1600m勿論フルゲート18人だ…」

 

沖野(大丈夫そうだな…さて、ウオッカの方は…)

 

ウオッカ「学校終わっても勉強…勉強だりぃ〜」

ギムレット「ウオッカ…俺と同じ美学。レースを歩むのなら…勉強は大切だ、共に賢くなろう…」

ウオッカ「くぅぅ〜!やっぱギムレット先輩は憧れる!痺れるぅ!」

ギムレット「あぁ…!本気でいくぞ」

 

沖野(本気…)

 

ギムレット「ここ…コーナーで曲がるには姿勢を正しコーナー手前でブレーキを終了しハンドルを切り寝かしつけるそしてアクセルを踏むと…」

ウオッカ×ギムレット「コーナーが曲がれる!!」

沖野「なんでバイクの乗り方勉強してるんだ!?」

ギムレット「応用だ…脚にどう踏ん張りを効かせて曲がるとか…のな」

ウオッカ「そういうことだ!」

沖野「うまいこと言いやがって…」

ウオッカ「なーまたマートレあの格好で練習してるぞ…つーかジュペナイルでもあれ着て応援してるとか最初コスプレかと思ってたぜ」

沖野「大変だな…あいつ」

ウオッカ「マーチャンも元気そうでなによりだな!桜花賞でも負けないぜ次も勝つ!」

沖野「あぁ、そしてスカーレットにもだな」

ウオッカ「勿論だぜ!」

 

トレーニング終了後…

 

共同トレーナー室

沖野「なぁ…マートレって呼んで良いんだよな?お前の事」

マートレ「マーチャンからそう呼ばれるように振る舞えって言われてるからな」

「あの格好もか?学園はともかくレース場、G1開催時によくURAが許したな」

マートレ「クラシック競走では着るなと上から言われてるんだがな」

「そりゃクラシックはな…マーチャンさその事分かってるのか?」

「理解してたそりゃそうですよね〜って言ってたな」

「桜花賞ではよろしくな」

「勿論、阪神JFではしてやられたが今回は…!」

「おう俺達も負ねーぞ」

 

その頃

クリスエス「スカーレット、座学終了するお疲れ様だな」

「お疲れ様…です」

「ちゃんと休めよ、スカーレット最後に私から一言だ」

「何ですか?」

「ウオッカに負けた時の事を思い出せそしてその経験を活かせ。この次は無いものと思え」

「無いものと?あっ…」

 

そうだシンボリクリスエスとタニノギムレットはトゥインクルシリーズではたった一度の対決。それは世代の頂点を決める日本ダービーただ一戦だけなのであった。

 

「…悔いのないようになドリームレースで走れば良い…そうな事はスカーレットは言わないよな?」

「勿論、一戦一戦を大事に戦います!」

「がんばれ…応援してるAleをスカーレットに」

 

そして桜花賞当日を迎えた。

 

桜花賞阪神レース場に満開の桜咲く芽吹く季節に行われる。毎年このレースの時に満開になるように阪神レース場スタッフが調整してると聞いた事がある。どれ程大変な事をしているのだろうか…

 

沖野「流石、阪神レース場造園課だなぁ昨日の雨でも散ってすらない」

スペ「造園課?」

「桜花賞ノ時に満開の桜になるように調整してるらしいわ今年は7分咲きだけど」

「へぇ…スズカさん調整凄いんですね」

「タープの手入れしてくれる方々と同じように敬意を持ってないと…」

沖野「そうだな…」

 

そうこうしているうちにウマ娘の入場が始まった。

 

「来た、念を送るわよ!」

「送るってどっちに…?」

「スペちゃん、好きな方に念を送れば?」

「チームスピカの二人〜頑張れよスカーレット!ウオッカ〜マーチャンに負けるな〜!」

 

ゴルシの声が聞こえたのか二人は手を振って応えた。

 

マーチャンは少し怪訝な表情?少し怒っているような…

 

「アンタどうしたの?何か気になることでも?」

「トレーナーさんが私の格好をしてくれていません!これは由々しき…」

「アンタねぇ!本番よ!?クラシックよ!?歴史あるレースでそんな格好許される訳無いじゃない!ほら!ウオッカも何か言いなさいよ!」

 

ウオッカは無言で大人びた表情で立ち振る舞いつつアップを開始してた

 

「フン…勝ちは譲らないわこのアタシが桜花賞のエースとなるの」

 

(桜花賞勝てたらオークス行かねぇと行けねぇのかね…どうなんだろ。俺は…行きたいところがある)

 

「俺も負けない。変則三冠ウマ娘になってやる」

「変則三冠!?アンタまさか…」

「ま…そういうこった、負けられないだよ次の為にもな!」

「そう…精々頑張りなさいな」

 

そして、桜花賞のファンファーレが花曇りの阪神レース場に鳴り響く

 

「阪神レース場、18人の熱き乙女達によって繰り広げられる桜花賞ゲートインのお時間ですあいにくの花曇りとなりましたが多数の観客が参りました。1番人気はやはり1600メートル戦ここまで無敗。阪神JF勝者ウオッカですね」

 

解説「はい、とても大人びたていてメンバーの中では最も集中していますねここが私の距離であると言わんとしているようですね」

 

「2番人気は阪神JFではウオッカの2着、フィールズレビューを勝利し見事桜花賞優先出走権獲得。アストンマーチャン!」

解説「アストンマーチャン、少し怒っているような…探している?ちょっと落ち着きが無いような感じがしますね大勢の人の前で緊張でしょうか…」

 

「3番人気は前走チューリップ賞ではウオッカに負けてしまいましたが持ち味の負けん気では誰にも負けません。ダイワスカーレット!」

解説「気持ちは大きく持っているように見えますね連対率も100%ですしG1ではどうなるか気になります」

 

「さあ、最後にダイワスカーレットが入りまして…花に酔うのも良し、ウマ娘に酔うのも良しいざスタート!」

 

(誰が行くの…マーチャン?いや私が!)

 

先頭に立ったのは…

 

「先頭はアマノチェリーラン先行策を取りました!2番手にアストンマーチャン!」

 

(ちょっと控えるか…嫌だけどそうしなかったら、クリスエス先輩に教えて貰ったこと全てが無駄になっちゃう!)

 

「ダイワスカーレット、5番手から3番手まで順位を上げた!その後ろからはウオッカ、ウオッカ前へ行くか!?」

 

「へへっ!!チューリップ賞みたいに差し切ってやらぁ!俺はここを勝ってダービーへ行くぜ!」

 

「ウオッカ!ウオッカ来ましたチューリップ賞と同じように差し切り体制!アストンマーチャン苦しいか?下がってしまうか?」

 

「…苦しいかなでも最後までマーチャンであり続ける!」

 

しかし大勢は決した。

 

「前は二人の争いだスカーレットか!?ウオッカか!?桜花の桜の女王となるのはどちらだ!?」

 

「桜の女王はアタシよ/俺だぜ!」

 

桜を彩ったゴール板に二人が並んだ。

 

「僅かにダイワスカーレット、ダイワスカーレットか!?桜の女王は僅かにダイワスカーレットか!?」

 

「フフ、やっぱりアタシが1番!エースに相応しいのはこのアタシよ〜!」

 

この二人の争いに阪神レース場は大変な盛り上がりを見せた。

 

「桜の女王はダイワスカーレットか〜!これはオークスも期待だな」

「ウオッカの方はダービーか…ティアラ路線からダービーを制す者って以前は戦前だろ?あいつやれるのか?」

 

テイオー「ねぇートレーナーウオッカ本当にダービー出るの?出すの?」

「アイツは出たい、絶対に出るぜって言う事聞かないんだ」

「ダービーに出るそして勝つことそれがアイツの夢だからさ」

 

そう答えたのはタニノギムレットだった。

 

クリスエス「しかしギムレット。以前のティアラロードからダービーウマ娘になったのはめちゃくちゃ過去だぞ勝算はあるのか?」

「勝算?一着だったら勝ちだろ?」

「oh…それだとスカーレットと言ってること変わらないぞ」

「…フフっ誰も行かない道を行け。茨の中に答えがある。俺の好きな言葉だ」

「ギムレット…敢えて行かせたか、ウオッカはお前に憧れているもんな夢はやはり先輩と同じようにダービーウマ娘か…」

「フフ教え子に夢を託すそれも俺の役割何じゃないかと思ってな…クリスエスお前もどうだ?」

「夢…ドリームは大きく持ってほしいな勝って…そうだな安定感が欲しい」

「安定感…ダービー後引退しちまった俺への当てつけか?クリスエス」

「フフ…バレたか」

 

キタサン「あの人達も来てたんだん〜何だが渋くて良いよね」

ダイヤ「クール、ビューティーの二人の走りまたドリーム・レースシリーズで見れるんだよね!キタちゃん」

キタサン「いつか走りたいね!私達もねダイヤちゃん!」

「…そうだねキタちゃん」

 

桜咲く桜花賞も遂に終わりその夜

 

スカーレット&ウオッカ部屋

 

「本当にアンタ、ダービーに出るの?」

「それが俺の夢だからな!」

「辞めときなさいオークスも距離や会場は一緒よ?」

「んだぁ?スカーレットも記者と同じこと言うんだな以外だな気にしなくていいわとかいうかと…」

 

「アタシが怖くて逃げてるんでしょ?」

 

その一言を言った瞬間空気が凍ったのを肌で感じた

 

「てめえ…もう一回言ってみろ」

「はぁ…?それで怒るとか…」

「もう一回言ってみろって!ざけんな」

「…え?ご、ごめんって」

「ダービー勝つまで口聞かないからな」

 

「なによ…」

ダイワスカーレットは悶々としながら眠りについた

 

次回に続く



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第55レース 誰も行かない道を行け、茨の中に答えがある

 

オークス前日

 

ウオッカは寝ているスカーレットを起こそうと身体を揺らす

 

「たく〜起きろよな…てめぇめちゃくちゃ身体熱いぞ!?どうしたんだよ!?」

「ダービー勝つまで口…聞かないんじゃ無かったの?」

「ダチが辛いときに見捨てんのか?例えライバルだとしてもそれは違うだろ」

 

「そうね…ありがとう」

「大丈夫か?一応トレーナーと医者に連絡するかしろよ?少なくとも薬飲めよ?」

「分かったわよ…明日はオークスだってのに」

「なぁ、スカーレット前に俺に逃げるのかって言ったよな?」

「…それは本当にごめん」

「俺は先に行く、先で待ってるからな…スカーレット」

「ええ、アンタには絶対追いつくから、絶対に!其の為にも今は休むことにするわ」

「おう!それがいいぜ!」

 

ダイワスカーレットはオークスを発熱により回避した。

 

沖野「ウオッカ、スカーレットが熱出したから暫く隔離させる。しかしオークス回避意外とあっさりしてたというか…ウオッカ何か知ってるか?」

「知らないな〜今の俺には関係ないな!」

「ウオッカ来週ダービーだもんな、ギムレットさんとの調整はどんな感じだ?」

「そりゃもう上出来だぜ?トレーナーは俺がダービーに出るってどう思うんだ?」

「色々言われてるよなティアラ路線を進んだ者が立つべき舞台ではないとか前回の達成者はたった一人しか居ない。そして何十年年前だと…俺はウオッカがそんな茨の道を進み答えを見つけると信じている」

「おう!見つけて来るぜ、ダービーでな!」

 

 

1週間後、土曜日

 

ギムレット「遂に明日は日本ダービーだなウオッカよ」

「そうですね先輩!」

「今日まで俺や他の人達が教えてくれた事を胸にダービーに挑めそして願わくば…俺の掴んだものをお前も掴め。それが俺の願いだ」

「掴んだものダービーウマ娘たる称号…しかも2着はあのシンボリクリスエス。いつ聞いても痺れるっす!先輩、最後に格言をお願いします!」

「格言…?そんな事を俺は言ってたかなぁ…?まあ良いだろう格言というか好きな言葉をお前に授けよう丁度お前にピッタリな言葉だ…【誰も行かない道を行け、茨の中に答えがある】だ。ウオッカ、お前の歩む道はティアラ路線のウマ娘が歩む道では無いとそう考える人も居るだろう。しかしお前はお前の夢このタニノギムレットを超えるという夢を叶えるためにその道を行け!その茨道の中に答えが夢に繋がる道があるだろう俺に示して見せろお前の脚でダービーを取ってこい」

「取ってきます。ギムレット先輩!」

 

次の日 15時過ぎ府中市内の病院

 

ダイワスカーレットは発熱し1週間近く経つがまだ熱が下がる気配は無かった感染症等の症状も無いが万が一に備え入院している

 

(スピカのみんなは東京レース場にここには私しか…)

「私はここに居ますよ?」

 

突然他人の声が目の前から聞こえたのでスカーレットは驚いた。目の前に居たのはアストンマーチャンだった

 

スカーレット「マーチャン!?ビックリさせないでよ!アンタ…日本ダービーは?見に行かなくて良いの?」

「ダービーは超満員ですから。マーちゃんあまり大勢の人のいるところは好きではありません」

 

ダービーはウマ娘にとっても観客にとっても大事な競争であり有記念とダービーはあまりレースを知らない人も見たりする事が多いと耳にする

 

「そう、わざわざ病室にまで来て…なにかある?」

「同世代の同じ路線を走ったライバルとして…お知らせも兼ねて」

「お知らせ?」

「マーちゃん、桜花賞でボロ負けしましたなので決めましたマーチャンはスプリント路線に進む事に決めました」

「そう…夏レースだと短距離も多いもんね良いんじゃない?」

「マーちゃん、夏は暑いので嫌いですけどね頑張りますゆくゆくは…スプリンターズステークスにも!」

「その前に阪神カップとか高松宮記念でも出たら?」

「はて…?スプリンターズステークスは夏終わりにあるはずでは?」

「あんたねぇ…スプリンターズステークスってクラシック出走者はあんまり勝てないわシニア組が強いのよ?しかもティアラ路線のクラシックからだと…ニシノフラワーが勝ってからは勝ててないわ?」

「マーちゃんなら勝てますよそんなジンクスには手を振りさようならそして笑顔でゴールしてみます!」

 

同じだマーチャンもウオッカも、ジンクス。何年も破られてない記録を破ろうとしている者、対する私にはそんなモノは果たしてあるのだろうか

 

「どうかしました?ものすごーく悩んでる感じでしたが?」

「何でもないわ…」

「何かある時のスカーレットじゃないですか〜マーちゃんで良ければ聞きますよ?聞くのはマーちゃん得意です」

 

と誇らしげに言いもう仕方ないこれは話さないと帰らないだろうとダイワスカーレットは話し始めた。

 

「そうね…ジンクス超えてみたいてものあるし姉を超えたいっめのもあるわね」

「G1三勝ウマ娘、ダイワメジャーさんですね」

「いつか超えてみたいわ…」

「スカーレットさんなら勝てると思います」

 

「さぁ、日本ダービーの出走者が入場して参りました!」

 

テレビが何やら賑やかになってきたと思っていたらどうやらいつの間にか入場の時間になっていた。

 

「スカーレット、ウオッカですよウオッカを応援しましょう私達のライバルをライバルとして」

「えぇ…!」

 

応援したいという気持ちと共にどうしても前評判が目に付くウマッターもそのようなコメントがどうしても多いスカーレットも評判を見てしまうのだった

 

・オークスを選べば良かったのにな

・ティアラ路線のウマ娘がクラシック路線で好走、ましてや優勝等あり得ない

・過去の優勝は戦前にたった一度しか達成されていない

・そしてそのウマ娘は三冠ウマ娘の称号を獲得している既にウオッカは桜花賞でダイワスカーレットに敗北しているその時点で達成はあり得ない

 

・誰も行かない道を行け、茨の中に答えがある

 

一つのコメントに目が止まった。それもウオッカのウマッターアカウントへのリプだった送信者は…

 

「これ…タニノギムレットさんのアカウントですね前に絡ませて頂きました」

「そう…なんだ」

(茨の中に答えがある…ギムレットさんとても良いことを言うのね…ウオッカが憧れるのも分かるかも…)

 

♪〜 ファンファーレが鳴り響く

 

(勝ちなさい、ウオッカ!同期だから同室だからじゃなくて一人の友達として私の…初めての友達になってくれたあなたの勝利を…願うわ)

 

実況「18人の熱き思い、それはこの熱き日の為に!東京優駿日本ダービー。スタートが切られました!」

 

ガコンッ

 

一生に一度の晴れ舞台。日本ダービーの幕が上がる

 

 

「先手を取ったのはアサクサキングダム、アサクサキングダムですあっーと皐月賞ウマ娘のヴィクトリーは中段に控えました」

ダスカ「ウオッカ!ウオッカを写しなさいよ!」

(やっぱりスカーレットはウオッカの事が大好きでライバルなのですね…)

 

レースそのものはアサクサキングダムが逃げをうち進み…

 

「ヴィクトリー、今順位を上げじわりじわりと前へ行きましたここが勝利のポジションか?」

 

ウオッカは…いつも通りの中段ポジション

 

実況「さあ、このポジションに果敢な挑戦前走桜花賞2着ウオッカいつも通りの中段ポジションで行っています」

 

ダスカ「フフっあいつらしい。いつものパターンに持っていくつもりね!ダービーに挑戦するティアラ組ってだけでほんの一握りしか居ない、勝って!ウオッカ!」

 

日本ダービーも大ケヤキを超え遂に四コーナに差し掛かったと言う所

 

実況「アサクサキングダムがレースを引っ張る展開に変わって来ていますさあダービーもいよいよ終盤府中の長い直線に差し掛かるというところ!」

 

(これが…ダービーか。あの時感じた熱い熱狂交錯する思いに俺は憧れたんだよな父ちゃん見てるよな娘の晴れ舞台だぜ?)

 

誰も行かない道を行け、の中に答えがある

 

タニノギムレットの言葉が脳裏をよぎる。その言葉はよく父親にも言われていた。他人とは違うウマ娘になりなさい困難な道にこそ進めその道の進む先にはきっと得るものがある

 

(得るもの…ダービーウマ娘の称号!ティアラ路線からクラシック路線へ殴り込んだウマ娘という称号も貰えちゃうよな!)

 

「フルスロットルで突っ走るぜ!」

 

実況「ウオッカ上がってきた!黒い髪がスッーとウオッカ上がってきた!!」

「来た!ウオッカ!」「いけます!いけますよこれ!」

実況「ヴィクトリー伸びない、しかし先頭はウオッカだウオッカ先頭!なんと、なんとティアラではなく王冠を戴冠へウオッカが見事に決めました!ウオッカやったー!」

 

ダービーウマ娘に、同世代の頂点へウオッカは昇りつめた

 

「ウオッカ…凄いですね。勝っちゃいました日本ダービー」

「うぅ…うぅ…」

「スカーレット…泣いてますか?ほら、ウオッカは右手でガッツポーズを決めてますよ」

 

「泣いてばっかり…休んでばかりもいられないわねマーチャン」

「はい、今は勝てなくともいつの日か涙が嬉し涙に変わる日がきます。ではマーチャンはこれで…スカーレット身体ご自愛下さい次はターフで会いましょう」

「マーチャンも元気でね」

 

アストンマーチャンは病室を後にした。

 

そしてマーチャンと入れ替わるように白衣を着たウマ娘が病室に現れた。ダイワスカーレット達より高学年のアグネスタキオンである。

 

「やぁやぁスカーレット君。ダービーも終わってしまったねぇ…君の親友でありライバルでもあるウオッカ君が頂点に立ったか…」

「タキオンさん…あはは頂点立っちゃいましたね」

「スカーレット君。大丈夫だ君はきっとこれからもウオッカと戦い競い合うだろう」

 

超高速の粒子と呼ばれたアグネスタキオンは無敗のまま皐月賞を勝利しそしてそのレースを最後に怪我により引退してしまったのだった。

 

「アタシ、ウオッカと戦いますこのままで終われません!」

「実に君らしいね。ウオッカ君も菊花賞には流石に出ないだろう次に戦うのは秋華賞だろうね私も観戦しに行こう」

「嬉しいです!タキオンさんの前で恥をかかないよう…勝ってきます!」

「楽しみだねじゃあそろそろ帰るとするね〜」

 

(レース観戦か…走ることを辞めた私にここまで熱い情熱を感じさせるダイワスカーレット。君の走るレースが楽しみだよ)

 

次回に続く



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