遊戯王5D’s Extreme Wind (豆フクロウ)
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第一話 女神と死神の守護者
こんな作品ですが楽しんでいただければ幸いです。
また、アドバイス等があれば遠慮なくコメントしてくださるとありがたいです。
では、本編をどうぞ。
~ネオ童実野シティ郊外~
「へ~、噂で聞いてた以上の発展具合だねこりゃあ」
シティとサテライトが一つになったことで急速な復旧と発展を続けるネオ童実野シティ、その街全体を見渡せるシティ郊外の丘の上で黒と緑の車体に風車の様な模様の描かれたD・ホイールに腰かけてD・ホイールと同じ色のライダースーツを着た、肩までの黒髪に銀縁のメガネを掛けた女性が街を眺めていた。
「おっと、肝心のアカデミアは何処かなっと」
街を眺めていた女性は本来の目的であったデュエルアカデミアを探し始めて、少しするとシティの中心部から少し外れた所にそれらしき建物を見つけるとヘルメットを被ってD・ホイールに跨った。
「あそこがデュエルアカデミアだよね?
まぁ、違ったらあそこで道を聞けば問題ないよねぇ」
そんな事を呟くと女性はD・ホイールに乗ってアカデミアを目指して走り出した。
~アカデミア校内~
「アキさん、アキさん、知ってますか!?」
「少し落ち着きなさい、何の事を言ってるのか解らないと応えようがないわよ」
「そうですよ
「ちょ、ちょっとタンマ!
委員長、小言は勘弁して私の話を聞いてよ!?」
「・・・そうですね、注意は後にするとして先にお話を伺いましょうか」
お団子頭の女子生徒、
「話っていうのは、なんと今日転入生が来るんだって!」
「こんな時期に転入生、ですか?
すでに一学期も中盤を過ぎてしまっているのに中途半端な時期ですね」
「そこだよ委員長!
こんな中途半端な時期に来るなんてきっと何か理由があるに違いないよ!」
「そんな事を気にしている暇があるならもう少し勉強の方にも力を入れてほしいものだがな」
「げっ、
「先生を付けろよ、アイドル娘」
アキ達が話していると、腰まである黒髪を一纏めにしたスーツ姿の女教師、
「影城先生、私たちに何か御用でしょうか?」
「ああ、さっきお前らが話してた転入生なんだがちょっとした手違いで転入の実技試験がまだ出来てなくて転入日に合わせて試験をする予定だったんだが、相手出来る教師が居なくてなしょうがないから生徒の中から相手を選ぼうって話になったんだよ」
「もしかして、その相手を私たち3人の内の誰かがやれと仰るので?」
「ああ、アイドル娘お前が相手だ、しっかりやれよ」
「ええっ、何で私なの!?
影っちがやれば良いじゃんか」
「私が相手したら誰が審判やんだよ、非常勤の私以外の教師陣は授業だの出張だので手が空いて無いっつうの」
「でも~」
「デモもストもあるか、この試験の手伝いしたら私の授業での成績に加点してやっから、おとなしく相手をしてやれ」
「成績に加点ってマジ!?
やるやる、やらせていただきます!」
「そうか、ならさっさと外行くぞ」
「先生、その試験って外でするんですか?」
一通りの話が終わってやる気十分になった開花を連れて華依が外に出ようとすると、今まで静かに話を聞いていたアキが華依に話しかけた。
「おう、体育館はチビ共の授業で使う予定だからな、校庭で公開試験デュエルだ。
見たければお前らも見に来るか?」
「良いんですか?」
「おう、次の授業の先生には後で私が言っとくから気にすんな」
「じゃあ、お言葉に甘えて観戦させてもらいます」
「そうしろそうしろ、このアイドル娘も観客が居た方が燃えるしな」
「よーし、頑張っちゃうから!」
「調子に乗ってミスをしないようにしてくださいね。
貴女は私たちの代表みたいなものになるんですから」
「うぐっ、委員長プレシャー掛けないでよぅ」
「ほら、無駄話ばかりしてないでさっさと行くぞ」
3人の女生徒と女教師は話をしながら試験場所になるアカデミアの入り口付近にある校庭に向かって行った。
~アカデミア校庭~
「影っちまだ~」
「もう少し待て、あと先生を付けろ」
「は~い」
キィーーーン
「ん?」
「来たみたいだな」
開花と華依が校庭で相手が来るのを待っていると、D・ホイールのエンジン音が聞こえて来ると、一台のD・ホイールがアカデミアの校門を抜けて二人の傍で止まると、D・ホイールから降りてヘルメットを取ると二人に話しかけた。
「いやー遅れちゃってすみません。
この街広くって道に迷っちゃいましたよ」
「いや、連絡は来ていたからな問題は無い。
それよりもコイツがお前の試験相手だ、さっさと自己紹介でもしてデュエルを始めろ。
ちなみに、このデュエルは一応試験だからな先行は試験を受ける方になるからな」
「あ、はい解りました。
私の名前は
「私は嶺開花だよ、よろしく~」
「それじゃあ、さっそく始めましょうか」
「りょ~かい!」
「「デュエル!」」
遊香 LP4000
開花 LP4000
二人は一通り話を終えると、適度な距離を取り向かい合い開花はアカデミアのデュエルディスクを構え、遊香もD・ホイールにセットしていた鳥の翼のような形をしたデュエルディスクを構えて、華衣の言葉通り遊香が先行でデュエルを開始した。
「では、私のターンドロー」
「モンスターを裏守備表示で召喚して、カードを3枚伏せてターンエンドです」
遊香 LP4000 手札2枚
「それじゃあ、私のターンドロー!」
「よーし、それじゃあ一気に行くよ!
手札から魔法カード《テラ・フォーミング》を発動!
デッキからフィールド魔法《魔法都市エンディミオン》を手札に加えるね!」
「そして、そのまま《魔法都市エンディミオン》を発動!
さらに、魔法カード《魔力掌握》を発動!
《魔法都市エンディミオン》に魔力カウンターを一つ乗せて、デッキから2枚目の《魔力掌握》を手札に加えるよ」
「魔法カードが発動したので、《魔法都市エンディミオン》に魔力カウンターをさらに乗せるね。
《魔力掌握》は1ターンに1度しか使用出来ないから、手札に加えたこのカードはこのターン使えないのが残念だけどね~」
《魔法都市エンディミオン》 魔力カウンター 0→2
「続いて魔法カード、《闇の誘惑》を発動!
デッキからカードを2枚ドローし、手札から闇属性モンスター《見習い魔術師》を除外し、魔力カウンターをもう一つ乗せるね」
《魔法都市エンディミオン》 魔力カウンター 2→3
「もういっちょ、魔法カード《七星の宝刀》を発動!
手札のレベル7モンスター《神聖魔導王エンディミオン》を除外してデッキから2枚ドロー!
そして、魔力カウンターがさらに乗るよ!」
《魔法都市エンディミオン》 魔力カウンター 3→4
「も一つおまけに魔法カード《封印の黄金櫃》を発動!
デッキから魔法カード《死者蘇生》をゲームから除外して2ターン後に手札に加え、魔力カウンターを1つ追加!」
《魔法都市エンディミオン》 魔力カウンター 4→5
「さらにさらに、速攻魔法《異次元からの埋葬》を発動!
ゲームから除外している《見習い魔術師》と《神聖魔導王エンディミオン》を墓地に戻して、魔力カウンターをゲット!」
《魔法都市エンディミオン》 魔力カウンター 5→6
開花が連続で魔法を発動してエンディミオンに6個魔力カウンターを貯めるのを見ていた麗華はアキにそのプレイングで疑問に思ったことを聞いていた。
「なぜ今のタイミングで《異次元からの埋葬》を使ったのでしょうか?
魔力カウンターを増やしたいのは解りますけどここは後の展開を考えて使わない方が良いと思うのですけど」
「そうね、他にこのターンで使える魔法が手札に無かったか、それとも勢いで使ってしまったか。
まぁ、《神聖魔導王エンディミオン》を墓地に戻したかったのもあるんでしょうけど」
「まぁ、何はともあれこれで召喚条件はクリアですね」
「ええ、ここからが本番というところかしら」
二人は会話を止めると、デュエルの観戦に意識を戻した。
「よーし、ここからがメインイベント!
私は墓地の《神聖魔導王エンディミオン》の効果発動!
《魔法都市エンディミオン》に乗っている6個の魔力カウンターを全て取り除き、墓地からこのカードを攻撃表示で特殊召喚するよ!」
《魔法都市エンディミオン》 魔力カウンター 6→0
《神聖魔導王エンディミオン》 攻2700 守1700
「そして、自身の効果で特殊召喚したことで《神聖魔導王エンディミオン》の効果発動!
私の墓地から魔法カード《闇の誘惑》を手札に加えるよ!」
「そんでもって、もう一度《闇の誘惑》を発動!
デッキから2枚ドローして、手札の闇属性モンスター《執念深き老魔術師》を除外して、《魔法都市エンディミオン》に魔力カウンターがまた乗るよ!」
《魔法都市エンディミオン》 魔力カウンター 0→1
「よし、手札から《魔導騎士ディフェンダー》を攻撃表示で通常召喚!
このカードは召喚に成功した時、魔力カウンター1つを自分自身に乗せるよ!」
《魔導騎士ディフェンダー》 攻1600 守2000 魔力カウンター 0→1
「それじゃあ、メインフェイズを終了してバトルフェイズに入るよ!
まずは、《神聖魔導王エンディミオン》でセットモンスターに攻撃!」
「セットモンスター《ウェポンサモナー》のリバース効果発動!
デッキからガーディアンと名の付くカード《ガーディアン・エアトス》を手札に加えます!」
「だけど、バトルは続行され《ウェポンサモナー》は破壊だよ!」
《ウェポンサモナー》 攻1600 守1600
《神聖魔導王エンディミオン》の攻撃で遊香の場にセットされたモンスターが表側に変わり《ウェポンサモナー》の効果が発動されるが、戦闘は続行され《ウェポンサモナー》はそのまま破壊された。
「続けて《魔導騎士ディフェンダー》でダイレクトアタック!」
「それは通しません!
罠カード《ピンポイント・ガード》を発動!
相手モンスターの攻撃宣言時に発動し墓地からレベル4以下のモンスター《ウェポンサモナー》を守備表示で特殊召喚し、このターン中戦闘と効果では破壊されません」
「なら、攻撃は中止してバトルフェイズを終了してメインフェイズ2でカードを1枚伏せてターンエンド」
開花 LP4000 手札2枚
「私のターン、ドロー!」
「私の墓地にモンスターが1枚も存在していないことにより手札から《ガーディアン・エアトス》を攻撃表示で特殊召喚します!」
《ガーディアン・エアトス》 攻2500 守2000
「さらに手札から魔法カード《モンスターゲート》を発動!
《ウェポンサモナー》をリリースしてデッキの上から通常召喚可能なモンスターが出るまで捲り、通常召喚可能なモンスターが出ればそのモンスターを私の場に特殊召喚し、それ以外のカードは墓地に送ります」
「1枚目通常召喚出来ないモンスターカード《シルフィード》、2枚目魔法カード《浅すぎた墓穴》、3枚目罠カード《パワー・フレーム》、4枚目魔法カード《貪欲な壺》、5枚目モンスターカード《カードガンナー》」
「《カードガンナー》は通常召喚可能なモンスター、よってこのカードを攻撃表示で特殊召喚しそれ以外のカードを墓地に送ります」
《カードガンナー》攻400 守400
「そして《カードガンナー》の効果発動!
コントローラーのターンに1度デッキの上からカードを3枚まで墓地に送り、1枚につき攻撃力を500ポイントアップさせる」
遊香が《カードガンナー》の効果でデッキから《暴風小僧》、《シールドウィング》、《カオス・ハンター》を墓地に送り攻撃力を1500ポイントアップさせた。
《カードガンナー》 攻400→1900
「さらに手札からフィールド魔法《オレイカルコスの結界》を発動!」
「えっ、フィールド張り換え!?(これじゃあエンディミオンの破壊無効効果が使えないよぅ)」
遊香が発動したフィールド魔法によって神秘的な建物が並んだ景色が消えていき、代わりに二人の足元に周囲を囲むような形で魔法陣が現れた。
「新たなフィールド魔法が発動したことで《魔法都市エンディミオン》は破壊されます。
そして、《オレイカルコスの結界》効果が発動!
私の場に存在する特殊召喚したモンスターを全て破壊します!」
「せっかく召喚したモンスターを自分で破壊!?」
《オレイカルコスの結界》の光を受けて遊香の場の《ガーディアン・エアトス》と《カードガンナー》は破壊され、開花はその光景に驚きの声を挙げた。
「そして、この瞬間破壊された《カードガンナー》の効果が発動しますがその効果にチェーンして手札のモンスター効果を発動します!」
「このタイミングで発動する手札誘発効果のモンスター!?」
「このカードは私の場に存在する《ガーディアン・エアトス》が破壊され墓地に送られた時手札から特殊召喚することが出来ます!
眠れる魂を守護する死神よ、今冥府より現れよ《ガーディアン・デスサイズ》!」
《ガーディアン・デスサイス》 攻2500 守2000
《オレイカルコスの結界》によって破壊された《ガーディアン・エアトス》が居た場所の地面が割れていきそこから片目だけ空いた仮面をつけ全身に包帯を巻いた《ガーディアン・エアトス》と瓜二つのモンスターが割れ目から這い上がってきた。
「さらに《カードガンナー》が破壊されたことでデッキからカードを1枚ドローして、《ガーディアン・デスサイス》が特殊召喚した時の効果が発動します!
《ガーディアン・デスサイス》は特殊召喚に成功した時デッキから装備魔法《死神の大鎌-デスサイス》を特殊発動して装備します!」
「デッキから装備魔法を直接装備した!?」
「《死神の大鎌-デスサイス》は《ガーディアン・デスサイス》にのみ装備することが出来る装備魔法カード、このカードを装備したモンスターの攻撃力はお互いの墓地に存在するモンスターの合計枚数×500ポイントアップします!」
「私の墓地にはモンスターカードが7枚、嶺さんの墓地には1枚で合計8枚のモンスターカードが存在しているので攻撃力は500×8で4000ポイントアップし、《オレイカルコスの結界》の効果でさらに500ポイントアップし合計4500ポイントアップして、攻撃力は7000になります!」
《ガーディアン・デスサイス》 攻2500→3000→7000
《ガーディアン・デスサイス》がフィールド上にその姿を現すと、自身が這い出てきた地面の裂け目から身の丈ほどの大鎌を取り出して構えた。
「こ、攻撃力7000!?」
「ただし、強いカードにはそれ相応のリスクと制約があります。
《ガーディアン・デスサイス》が居る限り私はモンスターを召喚、特殊召喚することは出来ませんし、《オレイカルコスの結界》が存在する限り私はエクストラデッキからモンスターを特殊召喚することは出来ません」
「そうか!
《オレイカルコスの結界》の召喚制限も《ガーディアン・デスサイス》の効果で特殊召喚自体が出来ないからあまり影響がない訳だね!」
「そういう事です。
それでは、バトル!
《ガーディアン・デスサイス》で《神聖魔導王エンディミオン》を攻撃!」
「へへっ、確かにその攻撃力には驚いたけどちょっと無警戒過ぎじゃないかな!
攻撃宣言時に速攻魔法《ディメンション・マジック》を発動!」
「《ディメンション・マジック》の効果で《神聖魔導王エンディミオン》をリリースして、手札から《ブリザード・プリンセス》を攻撃表示で特殊召喚!
そして、《ディメンション・マジック》の2つ目の効果で《ガーディアン・デスサイス》を破壊するよ!」
《ブリザード・プリンセス》 攻2800 守2100
《ガーディアン・デスサイス》の攻撃が当たる寸前《神聖魔導王エンディミオン》の姿が消えた代わりに少し離れた場所に《ブリザード・プリンセス》が現れた後衝撃波が《ガーディアン・デスサイス》を巻き込み土煙がフィールドを包んだ。
「切り札で一気に決着を付けるつもりだったみたいだけけど、残念だったね。
逆にこっちが有利になっちゃったよ」
「それはどうでしょうね、フィールドを良く見てください」
「えっな、なんで!?」
遊香の言葉を聞いて開花がフィールドを見ると、土煙がの中から破壊されたはずの《ガーディアン・デスサイス》が無傷でフィールドに存在し続けていた。
「確かに破壊したはずなのに、なんで《ガーディアン・デスサイス》が・・・」
「《ディメンション・マジック》の効果で破壊されて墓地に送られた時に《ガーディアン・デスサイス》の効果を発動したんです。
《ガーディアン・デスサイス》はフィールド上から墓地に送られた時、手札1枚をコストにして墓地から特殊召喚するんです」
「そ、そんなぁ~。
でも、それなら一度破壊したことには変わらない訳だから、装備魔法は外れているはずじゃあ」
「ええ、なのでデッキから2枚目の《死神の大鎌-デスサイス》を発動してもう1度装備し直したんです」
「そして、私が《ガーディアン・デスサイス》の効果でコストにしたカードはモンスターカード《終末の騎士》よって嶺さんがリリースした《神聖魔導王エンディミオン》と合わせて墓地のモンスターは合計10体となり、《ガーディアン・デスサイス》の攻撃力は《オレイカルコスの結界》と合わせて合計5500ポイントアップで8000ポイントになります!」
《ガーディアン・デスサイス》 攻2500→3000→8000
「こ、攻撃力8000!?
パワー・ボンドで融合召喚した《サイバー・エンド・ドラゴン》と同じ攻撃力!?」
「バトルを続行します。
《ガーディアン・デスサイス》で《ブリザード・プリンセス》を攻撃!
フォビドゥン・レクイエム!」
「きゃあっ!?」
開花 LP4000→0
「はーい、そこまで。
勝者、涼風遊香」
「あーん、あんなのってアリ!?
手札コストで復活するならもう一度破壊出来てたら勝てたのに~!」
「そう甘いものじゃあ無いぞ。
遊香の場に残ってた伏せカード2枚のどっちかは《貪欲な瓶》か《八咫烏の躯》みたいなフリーチェーンのドローソースだろ?」
「ええ、その通りです。
伏せカードは《八咫烏の躯》と《リビングデットの呼び声》の2枚ですよ」
「そんなぁ~」
華依と遊香の会話を聞いて肩を落として落ち込む開花を遊香が困惑した様子で伺っていると観戦していたアキ達が3人に近づいてきた。
「お疲れ様、惜しかったわね開花」
「まぁ、プレイングミスが無かった訳では無いですが十分模範となるデュエルが出来ていたと思いますから、そこまで落ち込まなくても良いでしょう?」
「うぅ~ありがとう二人とも」
「まぁ、コイツみたいな個性の塊みたいな奴が結構居るがお前なら大丈夫だろ。
とりあえず転入試験は合格だ。
改めて、ようこそデュエルアカデミアへ」
「はい!
よろしくお願いします!」
華依が遊香の試験合格を告げられ正式にネオ童実野シティデュエルアカデミアへの転入を果たし、デュエルアカデミアでの生活が始まった。
どうだったでしょうか?
ちなみに主人公はスタンディング用とライディング用でデッキを分けて使用する設定なので、ライディング時はデッキが変わります。
これからの話の流れ等はまだ全然出来ていないのですが、出来るだけ早く投稿したいと思います。
最後に、次の投稿がいつになるかわかりませんがこの作品をよろしくお願いします。
5/3 影城華衣→影城華依に変更
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第二話 教師対決、古代の機械VS影依
今回は地の文を前回よりも多くしました。
そのせいもあって今回は字数が一万オーバーになってしまいました。
今回と前回の書き方のどちらが良いか、読まれた方は良ければコメントしてくだされば助かります。
それでは、第二話をどうぞ。
~デュエルアカデミア~
遊香の転入試験の翌日、制服に袖を通してアカデミアにやって来た遊香は校舎に入って直ぐの所で昨日の試験デュエルを観戦していた内の一人であるアキに出会った。
「おはようございます、十六夜さん」
「おはよう、涼風さん」
「遊香で良いですよ。
その代わり、私もアキさんって呼んでいいですか?」
「ええ、もちろんよ私も遊香って呼ばせてもらうから。
ついでに、敬語も止めたら?」
アキの言葉に今まで体の前で組んでいた手を頭の後ろに移動させながら、肩に入っていた力を抜いて自然体で話し始めた。
「それじゃあ、そうさせて貰いますよっと。
いやぁ、転入初日くらいは敬語使った方が良いかなぁとか思ってたけど、やっぱ慣れないことすると疲れちゃうね」
「ふふっアカデミアの皆はそんなこと気にしないから、無理して敬語を続けてたら逆に気を使われたかもね」
「あー、それは勘弁だわ」
「そういえば、遊香のクラスってどこになるの?」
「昨日デュエルの後で影城先生に聞いたら、アキさんたちと同じクラスだって」
「なら一緒に行きましょう、案内するわ」
「ありがとう、その言葉に甘えさせて貰うよ」
「どういうことか説明して頂きたいであります!」
二人が並んで話しながら歩き続け職員室の前を通りかかった時、職員室から声が聞こえて来て二人は足を止めて開けっ放しになっていたドアから職員室の中を覗き込んだ。
~職員室内~
「どうして、転入生の試験デュエルを在校生にさせたのか説明をしていただきたいであります!」
遊香達が職員室の中を覗き込むと、三角メガネを掛けた独特な髭を生やした男性教師が向かい合って立っている華依を怒鳴りつけていた。
「だから、さっきから言ってるじゃないッスか。
他の先生の手が空いて無かったって」
「ですから!
なぜ、授業が終わった後にしなかったのかを聞いているであります!」
「あー、私昨日ちょっと急用があって放課後残れなかったんスよ。
だから、あの時間にしたんスよ」
「だったら事前に連絡を入れれば良かったのであります。
そもそも生徒が相手ではまともな判定にはならないであります!」
「・・・生徒の方が下手な教師がするよりよっぽどマシだっての」
男性教師の言葉にムッと来た華依はわざと聞こえるくらいの声で言うと男性教師は片眉を上げて華依に聞き返した。
「なんでありますと?」
「だから、アンタみたいな口だけ教師よりも生徒の方が試験の相手に相応しいって言ったんスよ、ハイトマン教頭?」
「な、な、なぁっ!?」
華依の挑発で顔を真っ赤にするハイトマン教頭に華依はさらに追い打ちをかけるように言葉を続けた。
「なんなら、私が証明してあげても良いッスよ?
あんたが頭でっかちの口だけ教師だって事」
「じょ、上等であります!
そこまで言うなら勝負であります!ただし、ワタクシが勝った場合は即刻このアカデミアを退職してもらうであります!」
「了解、私が勝っても特にしてほしい事とか無いんで、安心して下さいねぇ」
「ぐぬぬっ!
勝負は放課後、体育館で行うであります!
それまで辞表でも書いておくが良いであります!」
ハイトマン教頭がそう言って自分の席に戻っていく姿を見ながら華依は頭を掻きながら中断した仕事に戻っていった。
~アカデミア校内通路~
職員室での二人の会話を聞いた遊香とアキは困惑した表情で互いの顔を見て、いつまでも職員室の前にいるのは不味いと思い再び歩き出しながら会話を始めた。
「さっきの声って、一人は昨日の影城先生だよね?」
「ええ、もう一人はこのアカデミアの教頭でハイトマン先生。
ちょっと前までは頭の固い先生で生徒たちからの評判も良いとは言えなかったけど、最近は生徒たちからも色んな事を教えてもらえる良い先生になったって声を良く聞くのよ」
「へぇ、何か心境を変えるような事でもあったの?」
遊香がアキに質問するとアキは嬉しそうに微笑んで少し遠くの方を見ながら答えた。
「ええ、少し前に私の知り合いが校長先生からの依頼で教頭先生とデュエルして、教頭先生の考えを変えさせたの」
「なるほどねぇ、そういう事か。
あ~、暑い、暑い」
アキの答えを聞いた遊香はニヤけた顔を手で仰ぎながらアキの方を目だけを向けて見ると、少し歩く速度を上げてアキの前に出て振り返った。
「な、なによ、いきなり?」
「いやいや、外見の印象はイケメン系女子なのに実際は恋する乙女なアキさんを転入早々見れて私は幸運だなぁって、思っただけですよっと」
「こ、こ、恋!?」
「ふふっ、いや~青春ですなぁ」
遊香の言葉で一気に顔を真っ赤にしたアキを見て、堪えきれずに噴出した遊香はアキが復活する前に移動を再開し、アキはそんな遊香の後を追って動き出した。
「ま、待ちなさい遊香!」
「ほらほら、ゆっくりしてたら授業始まっちゃうよ~?」
「くっ、覚えてなさいよ!」
遊香とアキはその後も雑談をしながらクラスに向かい無事に教室に着くと、遊香の転入挨拶や授業が一通り進んで行き、昼休憩の時間となり遊香はアキに案内されて食堂にやって来た。
~アカデミア食堂~
遊香がアキに連れられて食堂にやって来ると、先に席を確保していた開花が二人を見つけて手を振って呼びかけ、それを隣に座っている麗華があきれた様子で見ていた。
「おーい、二人ともこっちだよ~!」
「はぁ、まったく嶺さんはもう少し静かに出来ないのでしょうか?」
そんな二人の様子を見て苦笑いしたアキは遊香を連れて二人の座っている席に向かって行った。
「ごめんなさい、遅くなっちゃって」
「いえいえ、全然遅くなんてないですよ」
「ええ、私たちもさっき席に着いたばかりですから気にしないでください」
アキと遊香が二人の所にやって来たアキと遊香は空いている席に座って昼食として買ってあったパンを取り出して食べながら今朝の事を話始めた。
「遊香、今朝の先生たちの事どうするの?」
「うーん、私も当事者だし出来れば見に行きたいよ、先生たちのデュエルにも興味あるし」
「えっと何の話?」
遊香とアキが何の事を話しているのか気になった開花が質問すると困った表情で今朝職員室で聞いた内容を開花と麗華に話した。
「昨日さ、私の編入試験をしたじゃない?」
「うん」
「それで、その試験の相手を嶺さんがすることになったのって、影城先生が他の先生に黙ってやった事みたいでさ、その事を教頭先生に怒られたらなんか影城先生の退職を掛けたデュエルをするって話を偶然聞いちゃったのよ」
「えっそれじゃあ私の成績の加点は!?」
遊香の話を聞いた開花の反応に遊香とアキは苦笑し麗華は呆れて溜め息をついて開花を見た。
「な、何、皆その反応は?」
「全く貴女という人はどうしてそうなんですか。
もし影城先生が負けて退職なんて事になれば加点云々の話ではなく今までの成績そのものが無効になりかねないんですよ?」
「げっマジで?」
「当然でしょう。
退職となれば影城先生が受け持っていた授業は別の先生がする事になるでしょうし、そうなれば授業内容や加点方法も変わりますから」
麗華の言葉を聞いて開花は机にうつ伏せとなり乗せて頭を抱え出した。
「うぅ、影っちの授業だけは何とか平均以上の成績なのにそうなったら不味いよぉ」
「ねぇ、原さん。
嶺さんってそんなに成績悪いの?」
「麗華で良いですよ。
嶺さんはテストの点は悪くないんですが、出席日数が少なくてその分成績が悪くなってしまってるんですよ」
遊香の質問に苦笑いを浮かべながら麗華が応えると、遊香はさらに質問を続けた。
「出席日数が足りないってアルバイトか何か?」
「ええ、まあそんなところですかね」
「まぁ、その話はちょっと置いておくとして。
私は行こうと思うけど、先生たちのデュエル見に行くの?」
遊香と麗華の話がひと段落着いた所でアキが遊香達にデュエルを見に行くかどうかを聞いた。
「私も行こうと思うけど、皆は?」
「私も行くよ!
影っちに勝って貰わないと、私の成績が掛かってるし!」
「すみませんが、今日の放課後は外せない用事が有るので私は遠慮させて貰います」
アキの質問に遊香と開花が行くと応え、麗華が用事が有って行けないことを伝えると、四人のすぐ後ろでその話を聞いていた二人の女生徒が遊香達に話しかけてきた。
「それなら、私達が代わりに行っても良いか?」
「あら、
「・・・ん」
アキが振り返って見ると、赤いキャップを被った女生徒、ジャッカル
「華依の姉御のデュエルとなりゃあ、見に行かない手はねえからな」
「・・・初見、興味が有る」
「そう、なら一緒に行きましょうか」
この後、昼休憩の時間が終わりに近づいた事もあり遊香と岬達は軽く自己紹介をするだけで食事に集中し、食べ終わると午後の授業の準備の為に自分たちの教室に向かった。
~体育館~
午後の授業も問題なく進んで行き、問題のデュエルが行われる放課後となると遊香達は岬と恵を連れて体育館にやって来た。
「ん?
なんだ、お前らこんな時間にこんな所に大勢で来て」
「いえ、今朝職員室の前で偶然先生たちの会話を聞いてしまって、少し心配になりまして」
体育館に着くと既に華依とハイトマン教頭がデュエルの準備を始めており、遊香達に気付いた華衣が此処に来た理由を尋ねて遊香が応えると、華依は困った顔で頭を掻いた。
「あー、聞かれてたのか。
てか、コイツと十六夜にアイドル娘はともかく後の二人は関係ないだろ、何で居んだよ」
「・・・デュエル観察」
「姉御のデュエルを見れる機会なんて全然なかったからさ、私達気になって付いて来たんだよ!」
「そうか。
まぁ、見られて減るもんでもないから私は良いんだが・・・」
遊香達がデュエルを観戦する事を聞いた華依がハイトマン教頭の方を向きながら言葉を切ると、ハイトマン教頭は準備を終えたデュエルディスクを構えて遊香達の方を向いた。
「ワタクシの方も問題ないであります。
ただし、教職員同士のデュエルを観戦するのでありますから、良く観察して後日レポートにして提出するでありますよ?」
「うげっレポートかよ」
「当然であります。
これも授業の一環、デュエルを良く観察しレポートに纏めることで自らのデュエルにも生かすことが出来るでありますからな」
「「・・・はーい」」
ハイトマン教頭の言葉に嫌な顔をしていた開花と岬がしぶしぶ了承すると、その姿を見て遊香とアキは苦笑して恵は無表情のままで教頭の方を向いて頷いた。
そして、華依もデュエルの準備を終えるとハイトマン教頭と向かい合ってデュエルディスクを構えた。
「それじゃあ、始めるッスか教頭先生?」
「では」
「「デュエル!」」
ハイトマン教頭 LP4000
華衣 LP4000
お互いにデッキからカードを5枚ドローするとデュエルディスクに搭載されている先行、後攻を決める装置によってハイトマン教頭が先行でデュエルが始まった。
「ワタクシのターン、ドロー!」
「手札からフィールド魔法《
ハイトマン教頭がフィールド魔法を発動させると古くなって錆びついた歯車や機械が一面に広がるフィールドへと周囲の景色が変化した。
「そして、《歯車街》の効果でリリースするモンスターの数が一つ少なくなっているので、《
《古代の機械合成獣》 攻2300 守1300
「そして、カードを1枚伏せてターンエンドであります」
ハイトマン教頭 LP4000 手札3枚
ハイトマン教頭が機械の体をした獣の姿のモンスターとセットカードをフィールドに出してターンを終了させると華依は自分の手札を見て微妙な表情をしながらデッキからカードをドローした。
「私のターン、ドロー」
「モンスターをセット、カードを2枚伏せてターンエンド」
華衣 LP4000 手札3枚
華依がモンスターとカードをセットしただけでターンを終了すると、ハイトマン教頭はその行動とターン始めの表情から手札が良くないと思いつつも気を引き締めてデッキからカードをドローした。
「ワタクシのターン、ドロー」
「ふふっ手札が良くないようですが、手加減等しないであります!
手札から速攻魔法《ダブル・サイクロン》を発動であります!」
「《ダブル・サイクロン》の効果でワタクシの場の《歯車街》と影城先生の場の右側のセットカードを破壊するであります!」
「チッ、意味ねぇけど使わないよりは良いか。
その効果にチェーンして選択された罠カード《ブレイクスルー・スキル》を発動!
《古代の機械合成獣》を選択してこのターンのエンドフェイズまで効果を無効にする!」
ハイトマン教頭が魔法カードを使用すると、フィールドに二つの竜巻が発生しハイトマン教頭の場の《歯車街》と華依がチェーン発動した罠カード《ブレイクスルー・スキル》が破壊され墓地に送られた。
「この瞬間、《歯車街》が破壊され墓地に送られた事で効果が発動し、デッキから《アンティーク・ギア》と名の付くモンスター《
《古代の機械巨竜》 攻3000 守2000
フィールド魔法が破壊された事で周囲の景色が変化していき、元の体育館に変わるとハイトマン教頭の場に前のターンに召喚したモンスターの他に巨大な機械のドラゴンが出現した。
「それにしても、破壊したのはフリーチェーンで発動できた罠カードでありましたか。
まぁ、今の状況ではあまり影響の無いカードでありますから問題は無いでありますな」
「では、少々手札の消費が激しいでありますが、ワタクシの本気を見せるであります!」
ハイトマン教頭は破壊した華衣の場のカードを確認するが華衣がどんなデッキなのかを判断することが出来ず、少し考え込んだが直ぐに手札から魔法カードを発動させた。
「手札から魔法カード《
手札の《
「現れるであります!
デュエルアカデミアに代々伝わる《アンティークギア》デッキ最強のモンスター《|古代の機械究極巨人《アンティーク・ギアアルティメット・ゴーレム》》!」
《古代の機械究極巨人》 攻4400 守3400
ハイトマン教頭の場に4本足の機械の巨人が現れると、観戦している遊香達から驚きの声が上がった。
「アルティメット・ゴーレム!?」
「あれ、4400でまだまだって思っちゃった私って・・・」
「・・・パワボン、巨大化、リミ解、ダブルアップのセットが無いだけまし」
「いや、それ全部あったら流石に引くよ?」
「姉御、がんばれー!」
アキはハイトマン教頭が召喚したモンスターに驚き、開花は昨日の試験でのデスサイスの攻撃力と比べてしまった自分に若干落ち込んでしまい、攻撃力を倍加させるカードばかりを上げる恵に遊香がツッコミを入れ、そんな4人を無視して岬だけは華依の応援を続けていた。
「まったく、応援してんの岬の奴だけじゃないか」
「オホン、デュエルを続けても?」
「あ、すみません、どうぞ」
華依が遊香達に気を取られているのを見たハイトマン教頭が声を掛けると、華依は再びデュエルに意識を集中させた。
「では、メインフェイズ1を終了してバトルフェイズに入りますが、何か発動するカードは在るでありますか?」
「じゃあ、バトルフェイズ開始時に罠カード《
このターン中、私の場のモンスターは破壊されず私へのダメージを0になる!」
「それでは攻撃をしても無駄でありますな、私は攻撃はせずにそのままターンエンドであります」
ハイトマン教頭 手札0枚 LP4000
華依の発動させた罠カードの効果でモンスターを破壊出来ずダメージも与えられないため、ハイトマン教頭は攻撃をせずにターンを終了し、華依のターンとなった。
「私のターン、ドロー!
よし、ここから一気に行かせてもらうッスよ!」
「フッどこからでも掛かって来るが良いであります!」
華依はドローしたカードを確認するとハイトマン教頭に啖呵を切り、自身の場にセットしているモンスターを反転召喚した。
「まずは、セットしているモンスター《シャドール・ヘッジホッグ》を攻撃表示に変更してリバース効果!
デッキから《シャドール》魔法カード《
「《シャドール》でありますか、確か新しく出たカテゴリーの内の一つでありましたな。
手札に加えたカード名からして《ジェムナイト》の様な融合を主軸にしたデッキという事でありますか」
ハイトマン教頭が華依が手札に加えたカードから華依のデッキが融合主体のデッキと予想しその事を口にすると、華依は少し驚いたがそのままデュエルを続行した。
「カード1枚の名前だけでそこまで解るのは、流石教頭先生ってことか。
だけど私のする事に変わりはない!」
「私は手札に加えた《影依融合》を発動!
このカードは《シャドール》融合モンスター専用の融合カードであり、手札または場の《シャドール》モンスターと融合モンスターによって決められた属性のモンスターを墓地に送って融合召喚を行う」
「早速融合カードを使用でありますか、ですが残り手札4枚の内最低2枚を消費してワタクシの場を突破出来るでありますか?」
ハイトマン教頭が華依が手札を消費した状態で自分の場のモンスターを突破出来るのかを問うと華依は悪い笑みを浮かべてその言葉に答えた。
「手札2枚消費?
何言ってんスか、私は手札消費無しで融合するんスよ!」
「なんでありますと!?」
「《影依融合》は1ターンに1度しか使用できない制限がある代わりに相手の場にエクストラデッキから特殊召喚したモンスターが存在する時、デッキのモンスターを融合素材にすることが出来る!」
「デ、デッキのモンスターで融合でありますと!?」
華依が《影依融合》の効果を説明するとハイトマン教頭はその効果に驚きの声を挙げ、遊香達も驚いて互いの顔を見合わせた。
「デッキ融合って、そんなのアリ!?」
「私、さっき先生が言った素材指定で嫌な予感がするんだけど」
「奇遇ね、私もよ」
開花はカードの効果自体に驚いたが、遊香とアキは融合モンスターの素材の片方が属性指定である事にある可能性を感じて冷や汗を流し始め、岬と恵の二人は驚きで声を上げる事も出来ずにデュエルに集中し続けていた。
「教頭先生の場にエクストラデッキから特殊召喚されたモンスターが存在しているので、私は《影依融合》の効果でデッキから《シャドール・ビースト》と光属性モンスター《
「天より堕ちし闇人形の天使よ、今ここにその姿を現せ!
融合召喚、運命を手繰れ《エルシャドール・ネフィリム》!」
《エルシャドール・ネフィルム》 攻2800 守2500
華依がデッキからモンスターを墓地に送って融合すると、華依の場に背中から羽のように糸を広げた全体的に紫色の天使を模った人形のようなモンスターが現れた。
「《エルシャドール・ネフィリム》の融合召喚に成功したこの瞬間、墓地の《シャドール・ビースト》と《エルシャドール・ネフィリム》の効果を発動!」
「まずはカード効果によって墓地に送られたことで《シャドール・ビースト》の効果を発動!
このカードが効果で墓地に送られた時、デッキからカードを1枚ドローする!」
華依は融合素材となった《シャドール・ビースト》の効果でデッキからカードを1枚ドローし、続いて《エルシャドール・ネフィリム》の効果を発動した。
「そして、《エルシャドール・ネフィリム》が融合召喚に成功した時、デッキから《シャドール》カード1枚を墓地に送る!
私はデッキから《
「《影依の原核》がカード効果で墓地に送られた場合、墓地に存在する《影依の原核》以外の《シャドール》魔法、罠カード1枚を選択し手札に加える!
よって、墓地の《影依融合》を回収する!」
華依が融合召喚からの連続した効果の発動でカードを手札に加えていくと融合召喚したにも関わらず手札は5枚に増えており、その光景を見たハイトマン教頭は驚きで文字通り開いた口が閉じなくなっていた。
「ゆ、融合して手札が増えるだなんて、どういうことでありますか」
「まだ終わりじゃないッスよ?
私は手札から魔法カード《融合》を発動!」
「普通の《融合》カードまであるのでありますか!?」
「手札の《シャドール》モンスター《シャドール・リザード》と闇属性モンスター《シャドール・ドラゴン》で融合!
融合召喚、《エルシャドール・ミドラーシュ》!」
《エルシャドール・ミドラーシュ》 攻2200 守800
華依が《融合》の効果で手札のモンスターを墓地に送るとフィールドにネフィリムと同じ色合いの人形の様なドラゴンに乗った少女の姿をしたモンスターが現れた。
「そして、《融合》の効果で墓地に送られた《シャドール・リザード》と《シャドール・ドラゴン》の効果発動!」
「まずは、《シャドール・リザード》の効果でデッキから《シャドール》カード1枚を墓地に送る。
私はデッキから《シャドール・ファルコン》を墓地に送り、続いて《シャドール・ドラゴン》の効果で教頭先生の場のセットカードを破壊するッス!」
「な、なんでありますとぉ!?」
《シャドール・ドラゴン》の効果が発動するとハイトマン教頭の場に伏せられていた罠カード《リビングデットの呼び声》が破壊され、それを確認すると華依はさらに墓地に送られたモンスターの効果を発動した。
「さらに、《シャドール・リザード》の効果で墓地に送られた《シャドール・ファルコン》の効果で墓地のこのカード裏守備表示で特殊召喚する!」
「て、手札消費実質3枚で融合モンスターを2体召喚し、ワタクシの場のセットカードを除去、さらに墓地からモンスターをセットするなんて、どうなっているでありますか!?」
「まだまだッスよ教頭先生!
さらにセットした《シャドール・ファルコン》をリリースして《
ハイトマン教頭の驚きの声を聴いた華依は、さらに自身の先ほど場にセットした《シャドール・ファルコン》をリリースして手札から黒いオーラを放つ《帝》の名を持つモンスターを召喚した。
「こ、ここでさらにガイウスでありますと!?」
「驚くのはここからッスよ!
私は《邪帝ガイウス》の効果で教頭先生の場の《古代の機械究極巨人》を除外するッス!」
「クッ、やはりそう来るでありますか」
華依が《邪帝ガイウス》の効果を発動させるとハイトマン教頭の場の《古代の機械究極巨人》の足元に大穴が開くとそのまま穴に落ちていきゲームから除外された。
「除外してしまえば墓地の《古代の機械巨人》を蘇生する効果は使えない!
これでメインフェイズを終了してバトルフェイズに入るッスよ!」
「まずは《エルシャドール・ネフィリム》で《古代の機械巨竜》を攻撃!」
華依の攻撃宣言で《エルシャドール・ネフィリム》は背中の糸を伸ばして《古代の機械巨竜》の周囲を包囲していき、《古代の機械巨竜》はそれを振りほどこうと暴れだした。
「攻撃力が低いモンスターで攻撃、という事は!?」
「流石は教頭先生、想像通りッスよ。
《エルシャドール・ネフィリム》の効果発動!
特殊召喚したモンスターとバトルする時、ダメージ計算前に相手モンスターを破壊する!」
「くっ、やはり効果破壊の効果があったのでありますか!」
華依が《エルシャドール・ネフィリム》の効果を発動させると《古代の機械巨竜》は無数の糸で身動きを完全に封じられ、機械の体の至る所に罅割れが出来ていった。
「《古代の機械巨竜》を破壊しろ、シャドー・ストリングス!」
「ワタクシの《古代の機械巨竜》が!」
《エルシャドール・ネフィリム》に糸によって締め付けられた《古代の機械巨竜》はそのまま締め上げられ、最後は糸によってバラバラになって破壊された。
「これで、終わりッスよ!
《エルシャドール・ミドラーシュ》と《邪帝ガイウス》でダイレクトアタック!」
「ぐううっ!」
ハイトマン教頭 LP4000→1800→0
華依の場の《エルシャドール・ミドラーシュ》の攻撃に続けて《邪帝ガイウス》の攻撃がハイトマン教頭へと向かい、2体のモンスターの総攻撃によってハイトマン教頭のライフは0となった。
「くっまさかこのワタクシが臨時講師相手に負けてしまうとは・・・」
「あー、その教頭先生?」
「な、なんでありますか」
「今朝はすいませんでした!」
「えっ!?」
ハイトマン教頭のライフが0となり華依の勝利でデュエルが終わった後、華依はハイトマン教頭の傍まで行くと今朝の事について頭を下げて謝った。
「い、いきなりなんでありますか!?」
「その、今朝はちょっとイラついてて、色々喧嘩を売るような真似をしてしまってすいませんでした」
「ま、まぁ、ワタクシも少々大人げなかったであります。
ですが、今回の様に事前連絡も無しに勝手な行動をするのはやめて頂きたいものでありますな」
「はい、解りました」
「よろしい、では生徒たちの事は任せるであります。
しっかりとレポートを書くよう指導をお願いするでありますよ、影城先生」
ハイトマン教頭はそういうと華依から背を向けて体育館から出て行き、華依はその背中を見送ってから遊香達の方に歩いて行った。
「さて、お前らこれから私と一緒にレポート書くぞー」
「すみません影城先生、私この後用事がありますのでレポートは明日の朝で大丈夫ですか?」
「おう、全然大丈夫だぞ。
帰るんなら気を付けてな」
「はい、それでは。
皆もごめんね、先に帰るから」
アキが華依に用事で先に帰ることを告げて皆に別れを告げてから体育館から急いで出て行くのを見た岬も華依に話しかけた。
「あ、姉御、私もこの後ちょっと用事が」
「実は私もなんだよ~、嫌~残念だなぁ」
「じゃあ、お前ら一人でがんばれよ。
これから直ぐに始めるなら、レポート書くなら私が手伝うけど」
「「すんません(ごめんなさい)、よろしくお願いします!」」
「あはは、初日から結構濃い学園生活だなぁ~」
「・・・ドンマイ」
華依と岬のやり取りを見て遊香が若干現実逃避を始めたのを恵が現実に引きも戻すと、開花や岬はレポートにうんざりとしながらも華依や遊香達と一緒にレポートを書くために教室へと向かった。
どうだったでしょうか?
今回の話には直接関係はしないですが、この作品内では神のカードや個人の特殊能力などで出現したカード以外は普通に販売されている設定です。
なので、ブルーアイズやブラックマジシャン、開闢等も確率が低いですが普通にパックで当たります。
ただし確率が宝くじの1当連続当選以上なので中々当たらない設定ではありますけど。
それでは、今回はこれで終わります。
次回もよろしくお願いします。
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第三話 青い眼の小女
これからも1万字を超えそうな場合は2話に分けるようにしていきます。
デュエル部分もあまり遅くならない様に投稿しようと思いますので、よろしくお願いします。
それでは、第3話始まります。
~シティ中央部~
遊香が華依とハイトマン教頭のデュエルを観戦してから数日後、提出を言い渡されたレポートも無事に提出しアカデミアでの授業にも慣れてきた遊香は休日の今日シティの中心部にD・ホイールに乗ってドライブに来ていた。
「迷った時も思ったけどやっぱり大きい街だなぁ。
さてと、この辺りにカードショップが在るって聞いたんだけど」
遊香がD・ホイールを停めて周囲を見渡すと一軒のカードショップを見つけ、その店に向かってD・ホイールを手で押しながら歩いて行き、店先でD・ホイールを停めて店内に入っていった。
~カードショップ店内~
「さーて、良いカードはあるかなぁっと」
「このカードはお前なんかに釣り合わないんだよ!」
遊香がカードショップに入ってカードを探そうと上機嫌でしていると、店の奥から男の怒鳴り声が聞こえてきたため遊香はカード探しを止めて店の奥に向かって行った。
そして、店の奥に行くと薄い青色の髪を顔の左側で一纏めにした蒼い瞳の少女の手からデッキごとカードを奪おうとしている男の姿が目に入った。
「は、離してください!
このカードは大事な物なんです!」
「ハッ、どうせどっかから盗んできたか、親の金で買った物だろうが!
お前みたいな小娘がこんなレアカードを持ってたって宝の持ち腐れだから、この俺が使ってやるって言ってるんだろうが!」
「その言葉、そのままお前に返すぞ」
「なっ!?」
遊香が近づいて来ていることに気付かずに少女からデッキを取り上げた男の手からデッキを流れるような動作で取り返した遊香はそのデッキを少女へと返した。
「貴女、大丈夫?
はいデッキ、ちゃんと全部あるか確認してね?」
「は、はい!」
「おい、お前!
何勝手に俺のカードをソイツに渡してるんだよ!」
「お前のカードでは無い、この娘のカードだ。
それに、お前はさっきこの娘にレアカードがもったいないなどと言っていたな?
私から言わせれば、お前にはレアカードどころか全てのカードが宝の持ち腐れ。
猫に小判、豚に真珠の体現とはまさにお前の事だな」
男の言葉が頭に来た遊香が男を睨みながらそう言うと、男は顔を真っ赤にして怒りだし遊香に詰め寄った。
「ア?なんだお前、関係無い奴が口出してんじゃねえよ!」
「確かに関係は無い、だが一人のデュエリストとしてあまりにも見過ごせない状況だったからな。
なによりもまず、少女のデッキを奪う等デュエリストの所業ではない!」
「テメェ、言わせておけば!」
男が遊香に向かって拳を振り上げたが、遊香は逆に殴り掛かってきた男の右拳を避けてそのまま右手首を掴むと、一瞬で関節を極めて男を店の床に押さえつけた。
「ガッ、テメェ、何しやがる!?」
「これでも色々な場所を転々として来たからな、お前の様なデュエリストの風上にも置けないような奴の扱い方は心得ている。
このままセキュリティに引き渡されたくなければ、さっさとこの場所から立ち去れ」
「くそっ、覚えてやがれ!」
男は捨て台詞を吐くと遊香が手の力を弱めた隙に拘束から抜け出して店の外へと逃げて行った。
「ふぅ、なんとかなったか。
大丈夫だった?」
「は、はい、ありがとうございます」
男が店から出て行くのを見送ると、遊香が取り返して渡したデッキを両手で持った少女に話しかけると少女は遊香に頭を下げた。
「無事なら良かったよ。
私は涼風遊香、貴女は?」
「わ、私は
助けてくださって本当にありがとうございます!
あの、何かお礼をしたいのですが・・・」
「お礼なんて要らないって、そんなのが欲しくて助けた訳じゃないし」
「でも」
未来と名乗った少女が遊香にお礼がしたいと言い、遊香が要らないと言っても引く様子が無い事を見た遊香は少し考えると、未来に話しかけた。
「そうだ、お礼なら今日この店にカードを探しに来たんだけど、一緒に探してくれない?
その後で組み直したデッキとデュエルして欲しいな」
「は、はい!
私で良ければ喜んで!」
遊香の提案に未来は笑顔を浮かべて遊香と共に店内のカードが展示している場所に向かって行った。
「えっと、どんなカードを探してるんですか?」
「そうだなぁ、素材指定の無いシンクロモンスター、それも闇か風属性のが良いんだけど」
「あ!
それなら、良いカードが有りますよ!」
「本当!?」
「はい!」
未来はそう言うとカード達が展示されているショーケースではなく、その横に大量に積まれているカード群が入れられている箱の中から2枚のカードを探し出して、遊香に手渡した。
「ここにあるカード達って、ステータスが低かったり効果が使いにくいって理由で他のお客さん達が置いて行った物なんですけど、その2枚はこの中でも私のオススメカードなんです!」
「どれどれ、《
2枚とも良いカードじゃない、こんな良いカードを置いて行くなんて見る目が無い奴もいたものね」
遊香は未来から渡されたカードを見るとその効果を見てこの2枚のカードを置いて行った人物の行動が信じられなかったが、良いカードが手に入ったと思ってそのまま店員の居るカウンターにカードを持って行った。
「すみません、この2枚のカード下さい」
「はい、この2枚ですと合計で500円になります」
「ご、500円!?
ってことは、1枚250円なの!?」
「はい、この2枚のカードが入っていた箱の中にあるカードの値段は全て、シンクロ以外のモンスターが150円、魔法、罠が200円、シンクロモンスターが250円になっていますので」
「そ、そうなんですか」
遊香はカードの値段のアバウトさと安さに驚いたが遊香はカードの代金を払うと、先ほどの男と未来のやり取りを黙って見ていた事について店員に聞いてみた。
「ねぇ、さっきあの女の子が男にデッキを取られそうになってた時、どうして黙って見てたの?」
「黙って見ていただけという訳では無いのですが、実は以前にも同じような事が有りまして、その時はデッキを盗る前にこちらで止めたのですが、はぐらかされてしまった上に、その後別の場所で盗られてしまったらしいんです」
「そんな事があったのね」
「そういう事なので、うちの店ではさっきの様な事が有った時、言い逃れできないよう防犯カメラで奪った場面を録画してからセキュリティに連絡して逮捕してもらう様にしてるんです」
そう言って店員が店の一角を指さすとそこには数台の防犯カメラが有り、未来が男にデッキを盗られそうになっていた場所もしっかりと映る位置にカメラが在った。
「でも、お客様に迷惑を掛けてしまったのは事実ですし、とりあえず先ほどの人は次にこの店に来たとしても入店はお断りさせて貰うつもりです。
あと、不快な思いをさせてしまったお客様に本当に申し訳なかったと伝えてくださいますか?」
「ええ、伝えておくわ」
「お願いします。
それでは、あちらのお客様共々今後ともこの店をよろしくお願いします」
店員が頭を下げて遊香を送り出すと、遊香は未来を連れて店から出て店先に停めているD・ホイールの所にやって来ると、未来に予備のヘルメットを渡した。
「はい、これ被って」
「え、あの、デュエルは?」
「予定よりも安くカードが買えたからちょっと甘い物でも食べに行こうと思ってさ、デュエルの前に一緒に食べに行こうよ」
「で、でも私そんなお金持って無いですし」
「私の奢りだから、気にしないで。
貴女のお蔭で安くカードを買えたんだから、これくらいの事はさせて頂戴。
ほらほら、早く乗って」
遊香がそう言ってD・ホイールに跨ると未来は受け取ったヘルメットを被り、遠慮がちに遊香の後ろに座った。
「それじゃあ、しっかり掴まっててよ?」
「は、はい!」
未来が遊香の腰に手をまわしてしっかりと掴んだのを確認すると、遊香はD・ホイールを発進させた。
~公園~
遊香達はD・ホイールに乗って移動を始めてしばらくすると公園があるのを見つけ遊香はその公園へとD・ホイールを走らせて行き、その公園近くの駐車場にD・ホイールを停めて公園の中へと向かって歩いて行った。
そして、公園内で車上販売をしていたクレープ屋を見つけると遊香は未来にベンチで待っているように言うと、自分と未来のクレープを買いに行きベンチで座って待っている未来の元に向かって行った。
「お待たせ、イチゴ味とチョコレート味どっちが良い?」
「えっと、それじゃあイチゴの方で」
「はい、どうぞ」
未来にイチゴ味の方を渡すと遊香は未来の隣に座って自分のクレープを食べ始めた。
「美味しい?」
「はい、ありがとうございます」
「そっか、それは良かった」
遊香が未来の言葉を聞いて笑顔になると、未来は食べかけのクレープを見つめて申し訳なさそうにうつむいた。
「すみません、気を使わしてしまったみたいで」
「ん?」
「これを買って下さったのは、私が落ち着くまで待つためですよね?」
「あー、ばれちゃった?」
未来の言葉に遊香は頬を掻いて空を見上げるとそのまま未来に話しかけた。
「まぁ、あんなことがあった後直ぐにデュエルしてもさ、楽しくないと思ったんだよね」
「楽しくない、ですか?」
「そ、やっぱりデュエルは楽しまなくっちゃね」
遊香がそう言って未来に笑みを向けると未来は遊香の笑顔に見とれてしまい、固まってしまいそんな状態の未来を遊香が不思議そうに覗き込んだ。
「どうしたの?」
「あ、えっと、な、なんでもないです!」
「?」
遊香が未来の顔を覗き込むと、正気に戻った未来は自分のすぐ目の前にまで顔を近づけていた遊香に驚き、顔を真っ赤にして手元のクレープを食べるために下を向いて遊香から顔を逸らした。
そして、そのまま一気にクレープを食べ進めていき、その様子を見た遊香もさっきの未来の様子を不思議に思いながらも自分のクレープを食べ進めて、二人はほぼ同じタイミングで食べ終えると遊香は気になっていた事を未来に訊ねた。
「そういえばデッキのカードって全部揃ってた?」
「はい、ちゃんと全部揃ってました」
「そう、なら良かった。
あの男が何枚か抜いてたかもしれないと思ったから、でも全部揃ってて本当に良かったわ」
遊香がそう言って微笑むと未来もその笑顔につられて笑顔になった。
「そうそう、やっぱり笑顔が一番よ」
「ふふっ、ありがとうございます涼風さん」
「遊香で良いわよ、青峰さん」
「なら、私も未来でお願いしますね。
遊香さん」
「ええ、よろしくね未来」
未来がそう言って微笑むと二人はお互いの事を名前で呼び合いクレープを食べながら先ほどのカードショップの品ぞろえについてや遊香が今まで行った場所について等様々な事を話し合いながら過ごしていった。
どうだったでしょうか、今回3人目のオリキャラを出しましたが、主人公側のオリキャラは後2人の予定です。
予定のキャラが出せた所から原作の話へも絡んで行こうと思いますので、よろしくお願いします。
次回はデュエル回になりますので、感想やご指摘が有ればして頂けるとありがたいです。
それでは、次回もよろしくお願いします。
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第四話 光と闇の対決!死神VS光龍
~公園~
公園のベンチでクレープを食べ終えた遊香と未来の二人は最初の約束通りデュエルをするために公園の開けた一角へ向かい、周囲に邪魔になる物が無い事を確認すると二人は適度な距離を取って離れた。
「さってと、それじゃあデュエルしましょうか」
「はい、よろしくお願いします!」
「「デュエル!」」
遊香 LP4000 手札5枚
未来 LP4000 手札5枚
二人は公園の一角で互いに向かい合ってそれぞれデュエルディスクに自分のデッキをセットし、遊香は先ほど購入した2枚のカードを自分のエクストラデッキに加え、互いにデッキからカードを5枚ドローし遊香の先行でデュエルが開始された。
「私のターン、ドロー!」
「モンスターを裏守備でセットして、カードを1枚伏せてターンエンド」
遊香 LP4000 手札4枚
遊香の場に2枚のセットカードが現れるのを確認した未来は、一度深呼吸をしてデッキからカードをドローした。
「私のターン、ドローします!」
「まずは、手札から魔法カード《
手札から攻撃力1000以下のドラゴン族チューナーモンスターを捨ててデッキからカードを2枚ドローします!」
「私は手札の攻撃力300のドラゴン族チューナー《
「《伝説の白石》ってことは、まさか!?」
未来が《調和の宝札》で捨てたカードを確認すると遊香は驚きの声を上げて未来のプレイングに意識を集中した。
「《調和の宝札》で2枚ドローした後、墓地に捨てられた《伝説の白石》の効果を発動!
デッキから《
「やっぱりブルーアイズ、ということはさっきの男が言ってたレアカードって」
「・・・はい、このカード達のことです」
遊香が未来の手札に加わったカードが先ほど未来のデッキを奪おうとしていた男が狙っていたカードだと思いその事を口にすると、未来は悲しそうな表情で手札のカードに視線を落とした。
「このデッキは昔私がパックで偶然当てたカードと、トレードやさっきの纏め売りみたいな所から見つけ出したカードを加えてついさっき完成した物なんです」
「そっか、じゃあお互いに調整を兼ねたデュエルって訳ね。
なら、お互いに今の全力を出し合いましょう!」
「はい!」
遊香が未来の話を聞いて笑顔でデュエルディスクとカードを構えると未来も笑顔で頷いてデュエルを再開した。
「それでは、デュエルを再開します!
魔法カード《トレード・イン》を発動!
手札のレベル8モンスター《青眼の白龍》を捨ててデッキから2枚ドローします!」
「続けて魔法カード《
私の墓地から通常モンスター《青眼の白龍》を攻撃表示で特殊召喚します!」
《青眼の白龍》 攻3000 守2500
未来は墓地に送った《青眼の白龍》を魔法カードで墓地から召喚すると未来の場に《青眼の白龍》が現れ、遊香に向かって咆哮した。
「これが《青眼の白龍》、伝説のカードの迫力って奴ね」
「それでは、バトル行きます!
《青眼の白龍》でセットモンスターに攻撃!
滅びのバーストストリーム!」
《青眼の白龍》の口から放たれたブレスが遊香の場のセットモンスターを襲うが、遊香の場のモンスターはその攻撃を受け止めてそのままフィールドに残った。
「私の場のモンスターは《シールド・ウィング》、このカードは1ターンに2回まで戦闘では破壊されないモンスターよ!」
《シールド・ウィング》 攻0 守900
「では、私はバトルフェイズを終了してメインフェイズ2に移ります。
手札から魔法カード《アドバンスドロー》を発動!
私の場のレベル8以上のモンスター《青眼の白龍》を墓地に送って2枚ドローします!」
《青眼の白龍》の攻撃でモンスターを破壊出来なかった未来は、そのままバトルフェイズを終了して《アドバンスドロー》の効果でカードをドローした。
「なるほど、どのみち《思い出のブランコ》で破壊されるから実質被害は無いも同然ってことか、無駄がないわね」
「私は手札から《
《青き眼の乙女》 攻0 守0
遊香は未来のプレイングに感心し、未来は白い髪と青い眼をした女性の姿をしたモンスターを攻撃表示で召喚し、さらにカードをセットしてターンを終了した。
未来 LP4000 手札4枚
「私のターン、ドロー!(攻撃力0のモンスターを攻撃表示ってことは、何かあるわね)」
「ここは、ちょっと様子見でいこうかしらね。
手札からチューナーモンスター《ダーク・リゾネーター》を攻撃表示で召喚!」
《ダーク・リゾネーター》 攻1300 守300
遊香の場に音叉を手に持ったモンスターが現れると、遊香は未来に向けて笑みを浮かべた。
「さて、早速だけど使わせてもらうわよ!」
「レベルの合計は5、ということは・・・」
「私はレベル2の《シールド・ウィング》にレベル3の《ダーク・リゾネーター》をチューニング!
冥府に堕ちし竜よ、次なる生に魂を繋げ、シンクロ召喚!
流転せよ《転生竜サンサーラ》!」
《転生竜サンサーラ》 攻100 守2600
遊香のフィールド上の《ダーク・リゾネーター》が手に持った音叉を鳴らすと、3つの光の輪に変化しその輪の中に《シールド・ウィング》が入っていくと2つの星に変わり、その星が1つの線で結ばれると、遊香のフィールドに先ほど未来の勧めで購入したばかりのシンクロモンスターが守備表示で特殊召喚され、未来はそれを見ると遊香に話しかけた。
「サンサーラ、いきなりそのカードを使ってくれるんですね」
「まぁね、折角手に入れたカードだもの使わないのはもったいないから。
そういう訳で、私はカードを1枚伏せてターンを終了するわ」
遊香 LP4000 手札3枚
遊香の場に先ほどエクストラデッキに追加した2枚のカードの内の1枚を召喚すると、そのままターンを終了させ、未来のターンへと移った。
「私のターン、ドロー!」
「私は手札から魔法カード《ワーム・ホール》を発動します!
このカードの効果で私の場の《青き眼の乙女》を選択して、次の私のターンのスタンバイフェイズまで除外します!」
「さらに《青き眼の乙女》の効果発動!
カード効果の対象となった時、手札、デッキ、墓地から《青眼の白龍》1体を自分のフィールドに特殊召喚します!
私は墓地の《青眼の白龍》を攻撃表示で特殊召喚します!」
未来のフィールドに存在する《青き眼の乙女》が空中に現れた黒い穴に吸い込まれていくと、《青き眼の乙女》の代わりに未来のフィールドには再び《青眼の白龍》が現れた。
「なるほどね、あのカードはブルーアイズの専用サポートモンスターだったのね」
「はい、そうなんです。
それに《青き眼の乙女》には1ターンに1度しか効果を使えない代わりに、カード効果の対象になった時だけでなく、相手モンスターから攻撃対象にされた時、相手モンスターの攻撃を無効にして、このカードの表示形式を変更した後で手札、デッキ、墓地から《青眼の白龍》1体を特殊召喚する効果もあるんです」
「1ターンに1度の制限とブルーアイズ専用の効果とはいえ、とんでもない効果ね。
さっきのターン、シンクロする前に攻撃してた方が良かったかもね」
遊香が未来の説明を聞いて効果に驚きつつもこの状況をどうするかを楽しそうに考えている姿を見て、未来も自然と笑みが浮かばせてデュエルを続行した。
「デュエルを再開しますね。
私は手札からチューナーモンスター《伝説の白石》を攻撃表示で召喚します」
「《伝説の白石》を攻撃表示ってことは、まさか!?」
「行きます!
私はレベル8の《青眼の白龍》にレベル1の《伝説の白石》をチューニング!
白き龍よ、今ここに新たな姿を現せ、シンクロ召喚!
轟来せよ《
《蒼眼の銀龍》 攻2500 守3000
先ほどの遊香の場に《転生竜サンサーラ》が現れた時と同じように《伝説の白石》が光の輪に変化するとその中に《青眼の白龍》が飛び込み8つの星に変わり、フィールドが光に包まれると銀色の体をしたドラゴンが攻撃表示で現れた。
「《伝説の白石》が墓地に送られたので、デッキから2枚目の《青眼の白龍》を手札に加えます。
さらに《蒼眼の銀龍》が特殊召喚に成功した次のターン終了時まで、私の場のドラゴン族モンスターは効果の対象にならず効果では破壊されません!」
「《蒼眼の銀龍》、そんなカードまであるなんてね。
しかもドラゴン族への強力な効果まで付いてるなんて、まさにシンクロ版の《青眼の白龍》って感じのカードね」
「はい、このカードは《青眼の白龍》と同じカードパックに入っていたカードで、《青眼の白龍》と同じ私のフェイバリットカードです!」
遊香が《蒼眼の銀龍》を見た感想を言うと未来は嬉しそうに満面の笑みを浮かべて《蒼眼の銀龍》を見上げた後、デュエルを再開した。
「それでは、デュエルを再開します!
手札から魔法カード《
手札からレベル5以上の通常モンスター、《青眼の白龍》を攻撃表示で特殊召喚します!」
「やっぱり、2枚目を召喚する手がすでに有った訳ね」
未来が魔法カードの効果で《青眼の白龍》を召喚すると、未来の場に揃った白と銀のドラゴンが遊香に向かって咆哮を上げた。
「2体が揃うと流石に迫力が違うわね」
「行きますよ。
バトルフェイズに移行して、《青眼の白龍》で《転生竜サンサーラ》を攻撃します!」
「なら、攻撃宣言時に罠カード《
「《攻撃の無敵化》はバトルフェイズ中にのみ発動でき、2つある効果の内1つを選択する罠カード。
私はフィールド上のモンスター1体を選択し、このターン中戦闘と効果で破壊されなくなる効果を選択して《転生竜サンサーラ》を破壊から守る!」
未来の場の《青眼の白龍》が遊香の場の《転生竜サンサーラ》を攻撃すると、遊香はその攻撃を先ほどのターンに伏せた罠カードを使用して《転生竜サンサーラ》の破壊を防いだ。
「・・・バトルフェイズを終了して、そのままターンエンドです」
未来 LP4000 手札2枚
未来は遊香がサンサーラの破壊を防いだことを不思議に思いながらもターンを終了し、遊香のターンへと移り遊香はデッキからカードを1枚ドローした。
「私のターン、ドロー!」
「(今は攻めるときじゃないわね)
手札から魔法カード《
お互いにデッキからカードを1枚ドローし、次のターン終了時まですべてのダメージを0にする!」
遊香の発動した魔法カードの効果で互いにカードをドローすると、遊香はドローしたカードと手札のカードを見比べて少し考えると手札からモンスターを召喚した。
「よし、私は《カードガンナー》を攻撃表示で召喚して効果発動!
デッキの上から3枚のカードを墓地に送って攻撃力を1500ポイントアップする!」
《カードガンナー》 攻400→1900 守400
遊香が召喚した《カードガンナー》の効果を発動するとデッキの上から《アームズ・ホール》、《
「さらに永続魔法《
このカードは1ターンに1度私の場のモンスターが破壊された時、デッキから1枚ドローできる!」
「そして、バトル!
《カードガンナー》で《青眼の白龍》に攻撃!」
「まさか、自爆特攻!?」
遊香の場の《カードガンナー》が未来の名の《青眼の白龍》を攻撃すると、その攻撃ごと《青眼の白龍》の反撃で《カードガンナー》は破壊されてしまった。
「当然戦闘では破壊されるけど、このターンは《一時休戦》の効果でダメージは無い。
そして《カードガンナー》が破壊されたことで《カードガンナー》自身の効果と《補給部隊》の効果で合計2枚のカードをドロー!」
「カードを1枚伏せてターンエンド!」
遊香 LP4000 手札2枚
遊香がターンを終了させると未来はデッキからカードをドローして《蒼眼の銀龍》の効果を発動した。
「私のターン、ドロー!」
「私のターンのスタンバイフェイズ時に《蒼眼の銀龍》の効果発動!
1ターンに1度、私のスタンバイフェイズに墓地から通常モンスター1体を特殊召喚出来ます!
よって、私の墓地から《青眼の白龍》を特殊召喚します!」
「さらに、前のターン《ワーム・ホール》の効果で除外した《青き眼の乙女》が戻ってきます!」
「そして、手札の《青眼の白龍》を捨てて2枚目の《トレード・イン》を発動!
デッキから2枚ドローして、罠カード《リビングデッドの
《トレード・イン》で墓地に捨てた《青眼の白龍》を特殊召喚します!」
未来が発動した罠カードによって蘇生した《青眼の白龍》を含めて、3体の《青眼の白龍》と《蒼眼の銀龍》、《青き眼の乙女》の5体のモンスターが全て攻撃表示で未来のフィールドを埋め尽くした。
「このターンが終わるまでダメージは与えられませんが、モンスターを場に残すわけにはいきません!
バトル!《リビングデッドの呼び声》で蘇生した《青眼の白龍》で《転生竜サンサーラ》を攻撃!」
「攻撃宣言時に罠カード《サンダー・ブレイク》を発動!
手札を1枚捨てて発動し、未来の場の《リビングデッドの呼び声》を破壊するわ!」
遊香が発動した罠カードによって遊香は手札を1枚捨てる代わりに未来の場の《リビングデッドの呼び声》を破壊し、《リビングデッドの呼び声》で特殊召喚された《青眼の白龍》も破壊された。
「なら、私は2体目の《青眼の白龍》で今度こそ《転生竜サンサーラ》を攻撃!
滅びのバーストストリーム!」
「グッ、けど《転生竜サンサーラ》が破壊されたことで《補給部隊》の効果で私はデッキからカードを1枚ドローし、《転生竜サンサーラ》の効果でお互いの墓地に存在するモンスターの内1体を私の場に特殊召喚する!」
「私は、私の墓地から《ガーディアン・エアトス》を攻撃表示で特殊召喚するわ!」
遊香の場の《転生竜サンサーラ》が破壊されると、《転生竜サンサーラ》の居た場所に《ガーディアン・エアトス》が現れた。
《ガーディアン・エアトス》 攻2500 守2000
「《ガーディアン・エアトス》、さっきの《サンダー・ブレイク》で墓地に捨てたカードですね?」
「そういう事。
それで、攻撃続ける?」
「もちろんです。
3体目の《青眼の白龍》で《ガーディアン・エアトス》を攻撃!」
「伏せていた速攻魔法《ハーフ・シャット》をエアトスを対象にして発動!
このターン中攻撃力を半分にして戦闘での破壊を無効にする!」
《ガーディアン・エアトス》 攻2500→1250
未来が3体目の《青眼の白龍》の攻撃が《ガーディアン・エアトス》に届く瞬間に遊香が発動した魔法カードの効果によって《ガーディアン・エアトス》の体からエネルギーが放出され《青眼の白龍》の攻撃から《ガーディアン・エアトス》を守った。
「なるほど《一時休戦》の効果でダメージは無いから攻撃力を半分にしても問題は無いという訳ですか。
それなら私はバトルフェイズを終了してメインフェイズ2に移ります!」
「私は2枚目の《アドバンスドロー》を発動!
私はレベル9の《蒼眼の銀龍》を墓地に送って、デッキから2枚ドローします!」
「《蒼眼の銀龍》を墓地に送った!?」
未来が《蒼眼の銀龍》を墓地に送って2枚のカードをドローしたのを見て遊香が驚くのを見ながら、未来はさらに手札のカードを発動した。
「さらに手札から魔法カード《
墓地の《蒼眼の銀龍》を守備表示で特殊召喚します!」
「そして《蒼眼の銀龍》が特殊召喚に成功した事で、私の場のドラゴン族モンスターは次のターン終了時まで効果の対象にならず効果で破壊されなくなります!」
「私はこれでターンエンドです!」
未来 LP4000 手札4枚
未来が再び《蒼眼の銀龍》の効果で自分のフィールドのモンスターに耐性を付けてターンを終了し、遊香は自身のターンになりデッキからドローしたカードを見ると笑みを浮かべてドローしたカードを発動した。
「私のターン、ドロー!
ようやく、来たわね」
「私は手札から《オレイカルコスの結界》を発動!
《オレイカルコスの結界》の効果で、私の場に存在する特殊召喚したモンスターを全て破壊するわ!」
「えっ!?」
未来が驚いている姿を見ながら、遊香は《オレイカルコスの結界》の効果によって《ガーディアン・エアトス》が破壊されると同時に、手札からカードの効果を発動させた。
「《ガーディアン・エアトス》が破壊され墓地に送られたことで《補給部隊》の効果で1枚ドローし、手札から《ガーディアン・デスサイス》を攻撃表示で特殊召喚して、さらに効果を発動するわ!」
「デッキから装備魔法《死神の大鎌-デスサイス》を直接発動して《ガーディアン・デスサイス》に装備する!
そして《死神の大鎌-デスサイス》の効果でお互いの墓地に存在するモンスターの枚数の合計の500倍、《ガーディアン・デスサイス》の攻撃力をアップさせる!」
「モンスターカードは私の墓地に5枚、未来の墓地には3枚で合計8枚!
よって攻撃力は《オレイカルコスの結界》の効果も合わせて4500ポイントアップよ!」
《ガーディアン・デスサイス》 攻2500→6500→7000 守2000
《ガーディアン・デスサイス》が装備した《死神の大鎌-デスサイス》に墓地から光が吸収され攻撃力を大幅に上昇させた。
「こ、攻撃力7000のモンスターを一瞬で・・・!」
「このカードが私の切り札よ!
それじゃあ、バトル!
《ガーディアン・デスサイス》で《青眼の白龍》を攻撃するわ!」
「攻撃宣言時に速攻魔法《
《銀龍の轟咆》の効果で、私の墓地からドラゴン族通常モンスター《青眼の白龍》を守備表示で特殊召喚します!」
未来が速攻魔法を発動すると《蒼眼の銀龍》が咆哮を挙げ、その声に応えるように未来の墓地から《青眼の白龍》が翼を畳んだ状態で未来の場に現れた。
「《青眼の白龍》が特殊召喚された事で戦闘の巻き戻しが発生し、私の墓地のモンスターの数が減少した事で《ガーディアン・デスサイス》の攻撃力も減少します!」
《ガーディアン・デスサイス》 攻7000→6500
「だったら、もう一度《ガーディアン・デスサイス》で攻撃表示の《青眼の白龍》に攻撃するわ!
魂を刈り取る一撃、フォビドゥン・レクイエム!」
攻撃を再開した《ガーディアン・デスサイス》が手に持った《死神の大鎌-デスサイス》を振りかぶって勢い良く振り下ろすと、攻撃表示になっている《青眼の白龍》の首を切り落とし、地面に鎌の先を突き立てると衝撃波が発生して未来に襲い掛かりライフを500にまで減少させた。
「くぅっ!」
未来 LP4000→500
「流石ね、丁度削りきれると思ったんだけど。
まさか蘇生カードで凌ぐとは思わなかったわ、私はこれでターンエンドよ」
遊香 LP4000 手札2枚
遊香がターンを終了すると未来は1度深呼吸をして気持ちを落ち着かせるとデッキの上に手を乗せて勢い良くカードをドローした。
「お願い、私のデッキ。
私のターン、ドロー!」
「良し!
まずは、私のターンのスタンバイフェイズを迎えたことで《蒼眼の銀龍》の効果で墓地から《青眼の白龍》を攻撃表示で特殊召喚します!」
未来はドローしたカード見て笑みを浮かべると再び《蒼眼の銀龍》の効果で自分のフィールドに《青眼の白龍》を3体揃えた。
「そして、手札から魔法カード《融合》を発動して、私の場の《青眼の白龍》3体を融合します!」
「ついに来るのね、元祖アルティメット!」
「3つに別れし魂よ、今ここに一つとなりその姿を現せ!
融合召喚!《
《青眼の究極竜》 攻4500 守3800
未来の場に《青眼の究極竜》が召喚され未来の墓地に《青眼の白龍》3体が送られると、遊香の場の《ガーディアン・デスサイス》が手に持った《死神の大鎌-デスサイス》にさらにエネルギーが吸収されていった。
「《青眼の究極竜》効果を持たないモンスターの中で最強のカードだけど、私の《ガーディアン・デスサイス》の攻撃力には届かないわよ。
それに加えて、融合によって墓地のモンスターが増えたことで《ガーディアン・デスサイス》の攻撃力がまた上昇するわ!」
《ガーディアン・デスサイス》 攻6500→8000
「攻撃力8000、確かにこのままでは倒すことは出来ません。
ですが、私の《青眼の白龍》の進化はまだ終わりではありませんよ!」
「まさか、あの伝説のカードまで持っているの!?」
「私は場の《青眼の究極竜》をリリース!
白き魂よ、闇を払う力を得て、光を纏え!
究極突破!《
未来は場の《青眼の究極竜》をリリースすると激しい光を纏って未来の場に《青眼の光龍》が攻撃表示で特殊召喚された。
「《青眼の光龍》の効果!
《青眼の光龍》は私の墓地のドラゴン族モンスター1体につき300ポイント攻撃力をアップします!
私の墓地には現在6体のドラゴン族モンスターが存在しているので、攻撃力は1800ポイントアップです!」
《青眼の光龍》 攻3000→4800 守2500
「だけど、そっちの墓地に《青眼の究極竜》が送られたことで《ガーディアン・デスサイス》の攻撃力がまた上がるわよ!」
《ガーディアン・デスサイス》 攻8000→8500
未来が《青眼の光龍》を召喚するために《青眼の究極竜》をリリースしたため遊香の場の《ガーディアン・デスサイス》の攻撃力がさらに上昇したが、未来はその事に動揺することなくさらに手札のカードを発動させた。
「私はさらに手札から装備魔法《
私のライフが遊香さんのライフよりも下なので、装備モンスターの元々の攻撃力を2倍にします!」
《青眼の光龍》 攻4800→6000→7800
「ここで《巨大化》!?」
「このターンで決めさせてもらいます!
《蒼眼の銀龍》を攻撃表示に変更して、バトル!」
《巨大化》を装備した事で巨大な姿になった《青眼の光龍》と《蒼眼の銀龍》を攻撃表示にした未来はバトルフェイズへと移行した。
「《青眼の光龍》で《ガーディアン・デスサイス》を攻撃します!」
「攻撃力が負けているのに攻撃、まさかあのカード!?
そうだとしたら、使うなら今しかない!
攻撃宣言時に罠カード《ダメージ・ダイエット》を発動!」
「《ダメージ・ダイエット》の効果で私がこのターン中受ける全てのダメージを半分にする!」
「ですが、攻撃は止まりません!
ダメージ計算前に手札の《オネスト》の効果を発動!
このカードを墓地に送って、攻撃対象のモンスターの攻撃力分、攻撃した光属性モンスターの攻撃力をアップさせます!」
《ガーディアン・デスサイス》 攻8500→9000
《青眼の光龍》 攻7800→16800
未来が墓地に送って発動した《オネスト》の効果によってさらに攻撃力を上昇させた《ガーディアン・デスサイス》の攻撃力を吸収して《青眼の光龍》の攻撃力は一気に倍以上に増加した。
「そして攻撃を続行!
闇を払う光の咆哮、シャイニング・バースト!」
「ぐうっ!」
遊香 LP4000→100
《青眼の光龍》が放った特大のブレスが《ガーディアン・デスサイス》諸共遊香を飲み込むと一気にライフを削っていったが、攻撃の直前に発動させた《ダメージ・ダイエット》の効果で何とか100ポイントだけライフを残した。
「グッ、ここで《オネスト》が来るなんてね。
けど、このターンで終わりには出来ないわよ!」
「私の場のモンスターが破壊されて墓地に送られたことで《補給部隊》の効果で1枚ドローし、破壊され墓地に送られた《ガーディアン・デスサイス》の効果発動!
《ガーディアン・デスサイス》は場に存在する限り他のモンスターを召喚・特殊召喚出来ない代わりに、墓地に送られた時、手札1枚を捨てて墓地から特殊召喚する効果がある!」
「《ガーディアン・デスサイス》の効果により手札1枚を墓地に捨てて、墓地から《ガーディアン・デスサイス》を攻撃表示で特殊召喚し、デッキから2枚目の《死神の大鎌-デスサイス》を装備する!
さらに、墓地に捨てたのはモンスターカード《
《ガーディアン・デスサイス》 攻2500→3000→9500
破壊された《ガーディアン・デスサイス》は自身の効果で復活し、墓地のモンスターを増やしたことでさらに攻撃力を上げ、《ガーディアン・デスサイス》が復活したことで未来は追撃を仕掛けることが出来なくなった。
「・・・私のライフが遊香さんよりも多くなったので《巨大化》の効果で《青眼の光龍》の元々の攻撃力を半分にします。
さらに《巨大化》の効果で攻撃力が変化したことで《オネスト》による攻撃力変化は打ち消されます」
《青眼の光龍》 攻16800→1500→3300
「カードを1枚伏せて、ターンを終了します」
未来 LP500 手札0枚
未来が放った全力の攻撃を何とか凌ぎきった遊香に対して、全力を出し切って逆にピンチになった未来はまだあきらめた様子を見せずに、最後に残った手札を伏せてターンを終了した。
「私のターン、ドロー!」
「(遊香さんの場の《ガーディアン・デスサイス》は専用の装備魔法の効果で攻撃力が9500まで上がっているけど、自身の効果で他のモンスターを召喚出来ない。
となれば、デスサイスで私のモンスターを攻撃してくるはず、そうなればこのセットカードで・・・)」
遊香がデッキからカードを引くのを見た未来は、遊香がこのターンに行う行動を予想すると、先ほど場に伏せた罠カード《
しかし、遊香はそんな未来の様子を見ると笑みを浮かべて未来に話しかけた。
「《ガーディアン・デスサイス》でモンスターを攻撃した所をそのセットカードで反撃、って考えているんでしょうけど、その予想はハズレよ!」
「えっ!?
それじゃあ、新しくモンスターを召喚出来ないこの状況でどうするつもりなんですか!?」
「確かにモンスターを新しく召喚することは出来ない、伏せ除去のカードも無い。
それに、《青眼の光龍》は効果で自身を対象に取るカードを発動しても無効にされて終わり。
そして私の予想では、そのセットカードは《蒼眼の銀龍》にも対応してるはず。」
「っ!」
遊香がそういうと未来は動揺して目を見開き、遊香はその反応を見ると手札から1枚のカードを抜きだして発動させた。
「だったら、未来自慢の青眼達は無視して未来自身を倒させてもらうわ!
手札から魔法カード《
「手札2枚を捨てて、墓地から魔法カード《アームズ・ホール》を手札に加えてそのまま発動するわ!」
「《アームズ・ホール》?
装備魔法をサーチするカードで何を、あっ!?」
遊香が手札を全て使用して墓地から回収して発動した魔法カード《アームズ・ホール》で何のカードを手札に加えるのか解った未来は驚いて声を挙げた。
「気づいたみたいね、私は《アームズ・ホール》の効果でデッキの1番上のカードを墓地に送り、デッキから装備魔法《
「そして《魔法石の採掘》のコストで墓地に送った2枚のカードは《ジャンク・シンクロン》に《ネクロ・ガードナー》、さらに《アームズ・ホール》の効果で墓地に落ちたカードは《暴風小僧》、よって3体のモンスターが墓地に送られたことで《ガーディアン・デスサイス》の攻撃力がさらに1500ポイントアップする!」
《ガーディアン・デスサイス》 攻9500→11000
「そして、今手札に加えた《流星の弓-シール》を《ガーディアン・デスサイス》に装備するわ!
《流星の弓-シール》の効果により《ガーディアン・デスサイス》の攻撃力を1000ポイントダウンさせる代わりにダイレクトアタックを可能にする!」
《ガーディアン・デスサイス》 攻11000→10000
遊香が《ガーディアン・デスサイス》にデッキからサーチした《流星の弓-シール》を装備させると、《ガーディアン・デスサイス》の手にある《死神の大鎌-デスサイス》が変形していき、巨大な漆黒の弓へとその姿を変えた。
「攻撃力1万のダイレクトアタック可能なモンスター!?(そんな、これじゃあ《反射光子流》で迎撃出来ない!)」
「バトルよ!
《ガーディアン・デスサイス》でダイレクトアタック!
カラミティ・レクイエム!」
遊香が攻撃宣言をすると、《ガーディアン・デスサイス》は手に持った弓から光の矢を放つと、未来の場のモンスター達をすり抜けて未来に直撃し、未来の残っていたライフを消滅させ、未来は尻餅をついてその場に座り込んだ。
「キャアッ!?」
未来 LP500→0
未来のライフが0になると、二人のデュエルディスクが停止しモンスター達が消えると、遊香はデュエルディスクにセットしていたカードをデッキに戻して未来の元に向かった。
「大丈夫?」
「は、はい、ちょっとビックリしただけですから」
「まぁ、私がしたこととはいえ攻撃力1万のダイレクトアタックなんて普通受けないからね」
遊香は未来の傍に着くと座り込んだままの未来の手を取って立ち上がらせた。
「さてと、約束のデュエルも終わったし、家まで送っていくわ」
「いえ、そこまでして貰わなくても大丈夫ですよ。
私の家はこの公園の近くですから」
「そう?
それじゃ、私はもう行くけど気を付けて帰るのよ?」
「はい、ありがとうございます」
未来がそう言って頭を下げると、遊香はD・ホイールが停めてある所に向かって歩いて行き、D・ホイールに跨ると未来に向かって手を振ってから公園から離れて行った。
そして、未来も遊香を見送ってから自分の家に向かって歩き出した。
作中に書いたようにブルーアイズ系のカード等はレア度が相当高くなっていますが、再販されて少数ですが流通している設定になっています。
なので、これからの話でも原作では世界に1枚しかない神のカードやシグナーの龍等、特別なカード以外は使用する予定です。
そして、次回はライディングデュエルを予定しています。
それでは、これからもこの作品をよろしくお願いします。
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第五話 闇夜のライディングデュエル、VSシンクロキラー
あとがきの方にカードの詳細を纏めますので、気になる方は確認してみてください。
~ネオ童実野シティ~
未来とのデュエルを終えた遊香はそのまま自分が借りている部屋へと帰ることはせず、D・ホイールに乗ってシティの至る所に開通しているデュエルレーンをドライブしており、辺りはすっかり暗くなっていた。
「やっぱりD・ホイールでドライブするのは良いわね。
最近アカデミアの編入準備や部屋の整理で時間が無くて乗れてなかったから、この機会に存分に乗っておかないとね」
遊香が上機嫌でドライブを続けていると、遊香は後ろから1台のD・ホイールが猛スピードで迫ってくるのを感じて道を譲ろうと速度を落としてレーンの端に寄った。
「それにしても、随分急いでるわね。
まぁ、事故になっても面倒だし、ここは譲って、え!?」
遊香が道を譲るために車線を変更して速度を落とすと、後ろから迫ってきたD・ホイールは遊香を追い越したところで速度を落として遊香との距離を一定に保つ様に走り続け、遊香のD・ホイールは勝手にデュエルモードに変更されてしまった。
「これって、まさか前を走ってるアイツが原因?
強制的にデュエルモードにされたって事は、デュエルが終わるまで逃げられないってことか」
「上等じゃない!
一方的にデュエル吹っかけて来るなんて、後悔させてあげるわ!」
遊香は自らのD・ホイールにライディング用に構築した2つ目のデッキをセットすると、承認待ち状態だったD・ホイールのデュエルモードを承認し、ライディングデュエル専用のフィールド魔法《スピードワールド2》を発動して速度を上げると、前方を走っている謎のD・ホイールに接近すると、前方のD・ホイールに乗っている人物は振り返りもせずにデュエルの開始を告げた。
「デュエルヲ開始スル」
「(合成音声?)」
「「デュエル!」」
??? LP4000 手札5枚 SPC1
遊香 LP4000 手札5枚 SPC1
謎の人物が発した機械で合成した様な声を不思議に思いながらも遊香と謎の人物のデュエルは開始され、謎の人物の先攻でデュエルが開始し、デッキからカードをドローした。
「ワタシノターン、ドロー」
「手札カラ《
カードヲ2枚伏セテ、ターン終了」
《A・O・Jコアデストロイ》 攻1200 守200
??? LP4000 手札3枚 SPC1
謎の人物がターンを終了し、遊香のターンになると二人のSPC《スピードカウンター》の数値が上昇した。
「私のターン、ドロー!」
「まずは、このカードよね。
私は手札から《SP《スピードスペル》-エンジェル・バトン》を発動!」
「SPCが2つ以上ある時、デッキから2枚ドローし手札1枚を捨てる!」
遊香はSPCが2に上昇したターンに早速SPを発動させ、デッキから2枚ドローし手札のカードを1枚捨てた。
「そしてモンスターを裏守備でセットし、カードを2枚伏せてターンエンド」
遊香 LP4000 手札3枚 SPC2
遊香がモンスターを含めた3枚のセットカードを出してターンを終了するが、謎の人物は特に反応を返すことなく自分のターンを開始した。
「ワタシノターン、ドロー」
「《A・O・Jガラドホルグ》ヲ攻撃表示デ召喚」
《A・O・Jガラドホルグ》 攻1600 守400
「バトル、《A・O・Jガラドホルグ》デセットモンスターヲ攻撃」
謎の人物が召喚したモンスターが手に持ったビーム状の剣で遊香の場のセットモンスターを攻撃すると、遊香の場に裏守備で召喚されたモンスターはそのまま破壊されたが、遊香は破壊されたモンスターの効果を発動させた。
「破壊されたモンスターは《ガスタの
《ガスタの巫女 ウィンダ》 攻1000 守400
「私はデッキからチューナーモンスター《ガスタ・スクイレル》を守備表示で特殊召喚する!」
《ガスタ・スクイレル》 攻0 守1800
遊香の場にセットされていた少女の姿を下モンスターが破壊されると、遊香はデッキからリスの様な姿をしたチューナーモンスターを守備表示で特殊召喚した。
「ワタシハ永続罠《DNA
光属性ヲ選択シ、フィールド上ノモンスター全テノ属性ヲ選択シタ属性ニ変更スル」
「やっぱりそのカードが伏せて有ったわね。
《A・O・J》が真価を発揮するのは光属性相手の時、そのカードですべてのモンスターを光属性にしてしまえばいつでも効果を全力で使えるのだから当然使うわよね」
「《A・O・Jコアデストロイ》デ《ガスタ・スクイレル》ヲ攻撃」
遊香の言葉に一切の反応を見せずに謎の人物は遊香の場に新しく召喚されたモンスターに攻撃を仕掛けた。
「《A・O・Jコアデストロイ》ノ効果発動。
光属性モンスターヲ攻撃シタ時、ダメージ計算ヲ行ワズ破壊スル」
「その攻撃は失敗ね!
カード効果で破壊された《ガスタ・スクイレル》の効果発動!
このカードがカード効果で破壊された時、デッキからレベル5以上の《ガスタ》と名の付くモンスターを特殊召喚することが出来る!」
「私はデッキから《ガスタの
《ガスタの疾風リーズ》 攻1900 守1400
遊香の場の《ガスタ・スクイレル》が光線に貫かれて破壊されると遊香はデッキからツインテールの少女の姿をしたモンスターを特殊召喚した。
「ワタシハ、コレデターンエンド」
??? LP4000 手札3枚 SPC3
「私のターン、ドロー!」
「手札から《ガスタの
このカードが召喚、特殊召喚に成功した時、墓地に存在する風属性チューナーを私の場に効果を無効にして表側守備表示で特殊召喚することが出来る!」
《ガスタの神裔ピリカ》 攻1000 守1500
遊香が前のターンにセットしていたモンスターよりも幼い姿をした少女のモンスターを召喚すると、そのモンスターの効果により墓地から先ほど破壊された小鳥の姿をしたモンスターが守備表示で現れた。
「私は墓地から《ガスタ・ガルド》を特殊召喚!
さらに《ガスタの疾風リーズ》の効果発動!」
「手札1枚をデッキの一番下に戻し、私の場の《ガスタ》と名の付くモンスター1体と相手の場のモンスター1体を選択してコントロールを入れ替える!」
「私は《ガスタ・ガルド》と《A・O・Jコアデストロイ》のコントロールを入れ替える!」
遊香が手札のカードをデッキに戻すと対象となったモンスター達が風に包まれ、風が止まるとそれぞれのモンスターの居るフィールドが入れ替わっていた。
「バトルよ!
《A・O・Jコアデストロイ》で《A・O・Jガラドホルグ》を攻撃!」
「攻撃力では負けているけど、貴方が発動した罠《DNA移植手術》によって貴方のモンスターも光属性に変化している!
よって《A・O・Jコアデストロイ》の効果によりダメージ計算を行わずに破壊するわ!」
「・・・」
コントロールを入れ替えた《A・O・Jコアデストロイ》の攻撃によって《A・O・Jガラドホルグ》は破壊されたが相変わらず謎の男は何の反応も示さないのを不審に思いながらも遊香はバトルを続行した。
「そして、《ガスタの神裔ピリカ》で《ガスタ・ガルド》を攻撃!
さらに破壊されたことで《ガスタ・ガルド》の効果により、デッキから《ガスタ・イグル》を攻撃表示で特殊召喚するわ!」
《ガスタ・イグル》 攻200 守400
「続けて《ガスタ・イグル》と《ガスタの疾風リーズ》でダイレクトアタック!」
「・・・」
??? LP4000→1900
残りのモンスターでダイレクトアタックをしてライフを半分以下にしても謎の男は反応を示さず、遊香はそんな男の態度に深く考える事を止めて自分のデュエルに集中する事にした。
「バトルフェイズを終了してメインフェイズ2に移るわ。
私はレベル5の《ガスタの疾風リーズ》にレベル1の《ガスタ・イグル》をチューニング!」
「疾風の中で舞う乙女、風の眷属と共に戦場を駆けよ!
シンクロ召喚、舞い踊れ《ダイガスタ・スフィアード》!」
《ダイガスタ・スフィアード》 攻2000 守1300
遊香がシンクロ召喚を行うと、遊香の周囲につむじ風が吹いてフィールドを包み、風が収まると仮面を付けた少女の姿をしたモンスターが遊香の場に現れ、遊香はそのモンスターの効果を発動した。
「《ダイガスタ・スフィアード》がシンクロ召喚に成功したことにより効果発動!
私の墓地に存在する《ガスタ》と名の付くカード1枚を手札に加えることが出来る!
私は墓地から《ガスタの疾風リーズ》を手札に戻すわ!」
「カードを1枚伏せてターンを終了するわ」
遊香 手札2枚 LP4000 SPC4
「ワタシノターン、ドロー」
「手札カラ《ワイズ・コア》ヲ攻撃表示デ召喚スル」
《ワイズ・コア》 攻0 守0
謎の人物がデッキからドローしたカードをそのまま召喚すると、フィールドに卵の様なモンスターが現れた。
「攻撃力0のモンスターを攻撃表示、ということは未来の使っていた《青き眼の乙女》みたいな強力な効果を持ったモンスターの可能性が高いわね」
「ワタシハ手札カラ《SP-ハイスピード・クラッシュ》ヲ発動。
SPCガ2ツ以上有ル時発動デキ、ワタシノ場ノカード1枚トフィールド上ノカード1枚ヲ破壊スル」
「ワタシハ、コノカードノ効果デ《ワイズ・コア》ト《A・O・Jコアデストロイ》ヲ破壊スル」
謎の人物がSPを発動すると、召喚したばかりのモンスターと遊香にコントロールを奪われたモンスターが破壊され、遊香は自分のモンスターだけを破壊したことに驚いた。
「自分のモンスターだけを破壊、ということはさっきのカードは破壊される事で効果を発動するモンスター!?」
「ソウダ。
《ワイズ・コア》ハカード効果デ破壊サレタ時、自分ノ場ノモンスターヲ全テ破壊シ、手札、デッキ、墓地カラ《
「合体セヨ、《機皇帝ワイゼル∞》!」
謎の人物のフィールドにデッキから召喚された5体のモンスターは、《機皇帝ワイゼル∞》を中心に変形しながら合体していき1体の巨大ロボットの様なモンスターへと変化した。
《機皇帝ワイゼル∞》 攻0→2500 守0→1800
《ワイゼルT》 攻500 守0
《ワイゼルA》 攻1200 守0
《ワイゼルG》 攻0 守1200
《ワイゼルC》 攻800 守600
「1枚のモンスター効果で5体のモンスターを特殊召喚した!?」
「《機皇帝ワイゼル∞》ハ5体デ1体ノモンスター、《機皇帝ワイゼル∞》以外ノモンスターハ攻撃スル事ハ出来ナイガ《機皇帝ワイゼル∞》ノ攻守ハワタシノ場ニ存在スル4体ノパーツノ数値ヲ合計シタ数値トナル」
「ヨッテ、現在ノ攻撃力ハ2500ポイントトナル」
謎の人物の場に召喚されたモンスターの内《機皇帝ワイゼル∞》を除いて全て守備表示で召喚され、胴体となっている《機皇帝ワイゼル∞》はそのステータスを総合したものとなった。
「サラニ《機皇帝ワイゼル∞》ノ効果発動。
1ターンニ1度相手ノ場ニ存在スルシンクロモンスター1体ヲ装備カード扱イデ装備シ、ソノ攻撃力分《機皇帝ワイゼル∞》ノ攻撃力ヲアップスル」
「シンクロ限定の《サクリファイス》効果!?」
「オ前ノシンクロモンスターハ頂イタ。
《機皇帝ワイゼル∞》ノ効果デ《ダイガスタ・スフィアード》ヲ装備スル、シンクロ・アブソーブション」
《機皇帝ワイゼル∞》 攻2500→4500
謎の人物が《機皇帝ワイゼル∞》の効果を発動させると、遊香の場の《ダイガスタ・スフィアード》に《機皇帝ワイゼル∞》から伸びた触手の様な物が絡みつき、そのまま《機皇帝ワイゼル∞》に吸収され左腕となっている《ワイゼルA》に風が纏わり攻撃力を上昇させた。
「くっ、私の《ダイガスタ・スフィアード》が!」
「バトルダ。
《機皇帝ワイゼル∞》デ《ガスタの神裔ピリカ》ヲ攻撃」
「攻撃宣言時に罠カード《
風属性モンスター《ガスタの神裔ピリカ》をリリースして、相手の場のカード1枚を相手のデッキの一番下に戻すわ!」
遊香が自分のフィールドで攻撃表示で存在していたモンスターをリリースする事で攻撃を中断させると、罠カードの効果を発動した。
「無駄ダ《機皇帝ワイゼル∞》ハ効果ノ対象ニスル事ハ出来ナイ」
「初めからそっちが狙いじゃないわ!
私は、装備カード扱いになっている《ダイガスタ・スフィアード》を選択!
私のシンクロモンスターは返してもらうわ!」
遊香がデッキに戻すカードを選択すると、《機皇帝ワイゼル∞》の効果で装備された《ダイガスタ・スフィアード》が風に包まれると、フィールドからデッキへと戻っていった。
「装備しているモンスターがフィールドから存在しなくなったことで《機皇帝ワイゼル∞》の攻撃力は戻る!」
《機皇帝ワイゼル∞》 攻4500→2500
「ナラバ、改メテ《機皇帝ワイゼル∞》デ、ダイレクトアタックダ」
「悪いけど、こっちが本命よ!
罠カード《ガスタのつむじ
モンスターが居なくなった遊香へ《機皇帝ワイゼル∞》の攻撃が当たる直前に遊香は伏せていた罠カードを発動し、その攻撃を中断させた。
「《ガスタのつむじ風》は私の場にモンスターが存在しない時のみ発動が可能。
私の墓地から《ガスタの巫女ウィンダ》と《ガスタの神裔ピリカ》をデッキに戻してシャッフルし、デッキから守備力1000以下の《ガスタ・イグル》を守備表示で特殊召喚するわ!」
「ナラバ、罠カード《ワイズ
遊香が新たにモンスターを召喚すると、謎の人物は伏せてあった罠カードを発動した。
「《ワイズA3》ノ効果ニヨリワタシノ場ノ《ワイゼルA》ヲリリースシテ、デッキカラ《ワイゼル
《ワイゼルA3》 攻1600 守0
「《ワイゼルA》ヲリリースシテ《ワイゼルA3》ヲ特殊召喚シタ事ニヨリ、《機皇帝ワイゼル∞》ノ攻守ヲ《ワイゼルA3》ノ数値分アップサセル」
《機皇帝ワイゼル∞》 攻2500→2900 守1800
謎の人物が発動したカードの効果によって、《機皇帝ワイゼル∞》の左腕となっていた《ワイゼルA》の代わりにデッキから特殊召喚した《ワイゼルA3》が新たな左腕となり、攻撃力を上昇させた。
「パーツを入れ替えて攻撃力を上昇させた!?」
「ソレダケデハ無イ、《ワイゼルA3》ノ効果ニヨリ《機皇帝ワイゼル∞》ハ守備モンスターヲ攻撃シタ時相手プレイヤーニ貫通ダメージヲ与エル」
「なっ!?」
パーツが変わり攻撃力の上昇と貫通能力を得た《機皇帝ワイゼル∞》は再び遊香の場のモンスター目掛けて左腕を振り上げた。
「《機皇帝ワイゼル∞》デ《ガスタ・イグル》ヲ攻撃。
ソシテ攻撃力ト守備力ノ差2500ポイントノダメージヲ与エル」
「ウァッ!?(嘘、ダメージが実体化してる!?)」
遊香 LP4000→1500
《機皇帝ワイゼル∞》の攻撃によって遊香の場の《ガスタ・イグル》は破壊され、《ワイズA3》の効果で貫通ダメージを受けた遊香は、ダメージが実物の衝撃と痛みを持っていることに驚き、D・ホイールが点灯しそうになるのを何とか修正して破壊された《ガスタ・イグル》の効果を発動した。
「くっ、戦闘破壊された《ガスタ・イグル》の効果でデッキから《ガスタの神裔ピリカ》を守備表示で特殊召喚し、《ガスタの神裔ピリカ》の効果で墓地から風属性チューナー《ガスタ・スクイレル》を守備表示で特殊召喚するわ!」
「ワタシハカードヲ1枚伏セテ、ターンヲ終了スル」
??? 手札1枚 LP1900 SPC5
「私のターン、ドロー!」
「さっきのダメージはどういう事か解らないけど、長引かせるわけにはいかないようね。
だったら、このターンで一気に決めるわ!」
遊香は先ほどのダメージを危険に感じて早くデュエルを終わらせるため、手札から1枚のカードを手に取った。
「手札から《SP-サモン・スピーダー》を発動!
SPCが4つ以上ある時、手札のレベル4以下のモンスター1体を特殊召喚する!」
「レベル2の《ガスタ・サンボルト》を特殊召喚し、そのままリリースして《風帝ライザー》をアドバンス召喚するわ!」
「そして《風帝ライザー》がアドバンス召喚に成功した事により、フィールド上に存在するカード1枚をデッキトップに戻す!
私は貴方の場のセットカードをデッキトップに戻すわ!」
《風帝ライザー》 攻2400 守1000
遊香が召喚した《風帝ライザー》の効果が発動し、謎の人物の場にセットされていた《リミット・リバース》をデッキトップに戻した。
「そして、レベル3の《ガスタの神裔ピリカ》にレベル2の《ガスタ・スクイレル》をチューニング!
幻の世界の守護者、今こそ混沌の争いを鎮めよ!
シンクロ召喚!現れろ、《
《幻層の守護者アルマデス》 攻2300 守1500
遊香が再びシンクロ召喚を行うと、遊香の場に左右の手から氷と炎のエネルギーを放出しているモンスターが特殊召喚された。
「再ビシンクロモンスターヲ呼ビ出シタカ、無駄ナ事ヲ。
次ノターンデ再ビ吸収シテクレル」
「貴方に次のターンは無いわ!
手札から《SP-スピード・エナジー》を発動!」
「《SP-スピード・エナジー》はSPCが2つ以上ある時に発動出来るカード、このカードの効果で私の場の《幻層の守護者アルマデス》の攻撃力を私のSPCの数×200ポイントアップする!」
「私のSPCは現在6、よって攻撃力は200×6で1200ポイントアップする!」
《幻層の守護者アルマデス》 攻2300→3500
遊香が発動したSPの効果により《幻層の守護者アルマデス》の攻撃力が上昇し《機皇帝ワイゼル∞》の攻撃力を上回った。
「バトル!
《幻層の守護者アルマデス》で《機皇帝ワイゼル∞》を攻撃!」
「《ワイゼルG》ノ効果ヲ発動、攻撃対象ヲ《ワイゼルG》ニ変更スル」
「そうはいかないわ!
《幻層の守護者アルマデス》の効果でこのカードが攻撃した時、相手はダメージステップ終了時まで魔法、罠、モンスター効果を発動出来ない!
よって《ワイゼルG》の効果は発動できず、攻撃対象は変更されない!」
「何ダト!?」
《幻層の守護者アルマデス》の攻撃を《ワイゼルG》へ変更しようとした謎の人物は《幻層の守護者アルマデス》の効果で攻撃対象を変更できない事を知ると、このデュエル中初めて驚きの声を上げた。
「《幻層の守護者アルマデス》の攻撃、バウンダリーインパクト!」
「ヌウッ!」
??? LP1900→1300
《幻層の守護者アルマデス》が両手に纏ったエネルギーを一つに束ねて打ち出すと、打ち出されたエネルギーが《機皇帝ワイゼル∞》を貫いて破壊し、その破壊に巻き込まれるように他のパーツとなっていたモンスター達も破壊された。
「クッ、《機皇帝ワイゼル∞》ノパーツトナルモンスターハ、核トナル《機皇帝》ガ存在シナケレバ破壊サレル」
「合体ロボみたいなモンスターだからもしかしてと思ったけど、予想通りね。
これで終わりよ、《風帝ライザー》でダイレクトアタック!」
「グオオオオッ!?」
??? LP1300→0
謎の人物の場のモンスターが全て破壊されたことを確認すると、遊香は残った《風帝ライザー》の攻撃で謎の人物のライフを0にした。
そしてライフが0になった謎の人物は最後の攻撃の反動から、D・ホイールのバランスを崩して減速することなくスピンしながらレーンの壁に激突して止まり、いきなりの事でデュエルが終わった場所で停止していた遊香は急いで謎の人物の元に向かった。
「だ、大丈夫!?」
「グ・ガガ・・ギ」
「ろ、ロボット!?」
遊香が安否を確認しようと謎の人物に近づくと、遊香が人間だと思っていたロボットの顔や腕などからコードがむき出しになっていたり、壊れた部分から火花が出ていた。
「なんでロボットがデュエルを?
というか、こんなロボット誰が作ったのよ」
「・・・」
遊香が完全に壊れて機能が停止したロボットを見ながら途方に暮れていると、衝突事故の発生によってセキュリティのD・ホイールがサイレンを鳴らしながらやって来るのに気付いた遊香は、セキュリティの人間が来るまでその場で待つことにして溜め息をついた。
~シティ内ビル屋上~
「只のシンクロモンスターでシンクロキラーを倒す、か」
遊香がロボットデュエリスト、シティの人々からゴーストと呼ばれるライディング・ロイドとライディングデュエルを行っている一部始終をフード付コートを来た人物がデュエルレーンが見えるビルの屋上から見ており、遊香の最後のターンの攻撃を見て口元を笑みを浮かべた。
「彼女ならば奴らに・・・
いえ、まだ決めるのは早いですね」
「やはり、あの計画を進めるしかないようですね」
フードを目部下に被った人物が独り言を呟いて事故現場に残っていた遊香の方に目をやると、遊香はやって来たセキュリティに説明をしている所であり、それを見た謎の人物は口元に笑みを浮かべたままその場から移動を開始した。
「貴女がどこまでいけるのか、期待していますよ」
フードを被った人物はそう呟くとその場から消えてしまい、後には事故現場から聞こえて来るサイレンの音だけが残った。
どうだったでしょうか。
この作品内では、今回出した機皇帝関連のカードや敵側の使ったカードでOCG化したものと効果などが大きく違っている物については、アニメオリカを使う様にしていきます。
今回使用したアニメオリカの詳細は下に纏めたので気になる方は確認してみてください。
《スピード・ワールド2》 フィールド魔法
効果①:このカードは魔法・罠・モンスター効果を受けない。
効果②:このカードが存在する限り《
効果③:お互いのターンの初めにお互いの
・4個:手札に存在する《SP》1枚に付き相手に800ポイントのダメージを与える。
・7個:デッキからカードを1枚ドローする。
・10個:フィールド上に存在するカード1枚を破壊する。
《SP-エンジェル・バトン》 通常魔法
自身の《SPC》が2つ以上ある時発動することが出来る。デッキからカードを2枚ドローした後、手札のカード1枚を墓地に送る。
《SP-ハイスピード・クラッシュ》 通常魔法
自身の《SPC》が2つ以上ある時発動することが出来る。自身のフィールド上のカード1枚とフィールド上に存在するカード1枚を選択して破壊する。
《SP-サモン・スピーダー》 通常魔法
自身の《SPC》が4つ以上ある時発動できる。自身の手札からレベル4以下のモンスター1体を特殊召喚する。
《SP-スピード・エナジー》 通常魔法
自身の《SPC》が2つ以上ある時発動することが出来る。このターン終了時まで自身のフィールド上に存在するモンスター1体の攻撃力を自身の《SPC》1つに付き200ポイントアップさせる。
《ワイズ・コア》 効果モンスター
☆1 闇属性 機械族 攻0 守0
効果①:このカードは1ターンに1度戦闘では破壊されない。
効果②:このカードがカード効果によって破壊された時、自身のフィールド上に存在する全てのモンスターを破壊し、手札・デッキ・墓地から《機皇帝ワイゼル∞》《ワイゼルT》《ワイゼルA》《ワイゼルG》《ワイゼルC》をそれぞれ1体づつ特殊召喚する。
《機皇帝ワイゼル∞》 効果モンスター
☆1 闇属性 機械族 攻0 守0
効果①:このカードが存在する限り自身のフィールドに存在するこのカード以外のモンスターは攻撃を行うことが出来ない。
効果②:このカードの攻守は自身の場に存在する《ワイゼル》《スキエル》《グランエル》と名の付くモンスターの攻守を合計した数値となる。
効果③:1ターンに1度相手のフィールドに存在するシンクロモンスター1体をこのカードに装備カード扱いで装備することが出来る。この効果でシンクロモンスターを装備した場合、このカードの攻撃力は装備したシンクロモンスターの元々の攻撃力分アップする。
《ワイゼルT》 効果モンスター
☆1 闇属性 機械族 攻500 守0
効果:自身のフィールドに《機皇帝》と名の付くモンスターが表側表示で存在しない時、このカードは破壊される。
《ワイゼルA》 効果モンスター
☆1 闇属性 機械族 攻1200 守0
効果:自身のフィールドに《機皇帝》と名の付くモンスターが表側表示で存在しない時、このカードは破壊される。
《ワイゼルA3》 効果モンスター
☆3 闇属性 機械族 攻1600 守0
効果①:自身のフィールドに存在する《ワイゼルA》1体をリリースして特殊召喚することが出来る。
効果②:自身のフィールドに《機皇帝》と名の付くモンスターが表側表示で存在しない時、このカードは破壊される。
効果3:自身のフィールドに存在する《機皇帝》と名の付くモンスターが守備モンスターを攻撃した時、《機皇帝》と名の付くモンスターの攻撃力が攻撃したモンスターの守備力を超えていれば、その数値分だけ相手プレーヤーに戦闘ダメージを与える。
《ワイゼルG》 効果モンスター
☆1 闇属性 機械族 攻0 守1200
効果①:自身のフィールドに《機皇帝》と名の付くモンスターが存在しない時、このカードは破壊される。
効果②:1ターンに1度、相手モンスターの攻撃対象をこのカードに変更する事が出来る。
《ワイゼルC》 効果モンスター
☆1 闇属性 機械族 攻800 守600
効果①:自身のフィールドに《機皇帝》と名の付くモンスターが存在しない時、このカードは破壊される。
効果②:このカードは相手のカード効果では破壊されない。
《ワイズA3》 通常罠
効果:自身のフィールドに存在する《ワイゼルA》1体をリリースして発動。手札・デッキ・墓地から《ワイゼルA3》を特殊召喚する。
以上が今回使用したアニメオリカの詳細です。
また、この詳細は作者の個人的な解釈によるものですので、どこかおかしな部分が有ればご指摘ください。
それでは、これからもこの作品をよろしくお願いします。
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第六話 ネオバトルシティ開催決定!
~アカデミア校庭~
ゴーストとのライディングデュエルの後やって来たセキュリティに事故の経緯等を説明した遊香は、後日詳しい説明をして貰うというセキュリティの言葉を受けると、自身が生活しているアパートへと戻った。
そして翌日、ゴーストの事を不思議に思いながら遊香がアカデミアへとやって来ると、いつもより生徒たちの話声が賑やかになっていたのを不思議に思いながらも、遊香は自分のクラスへ向かって行こうとするとアカデミアの中へと続く道に看板が置かれており、生徒たちは皆その看板を見て騒いでいた。
遊香もその看板が気になり見に行って見ると、看板には何らかのモンスターのシルエットと校内デュエル大会開催のお知らせという文字が書かれていた。
「ネオバトルシティ開催決定?
皆が騒いでいたのってコレが原因だったのね」
「その通りだ」
遊香が看板を見て生徒たちの様子に納得していると、背後から話しかけられ驚いて振り返るとそこには、いつものようにスーツ姿の華依が腕を組んで立っていた。
「あ、先生おはようございます」
「ああ、おはよう。
この看板の事、お前も気になるか?」
華依は多くの生徒が注目している看板の方を見ながら遊香に質問すると、遊香も看板の方を向いて頷いた。
「はい。
休み前まではこんな看板無かったですよね?」
「まぁな、この看板は今朝設置したばかりだし大会自体の告知が有ったのも昨日の深夜だそうだからな」
「深夜って、なんでそんな時間に告知を?」
「私に聞かれても解るわけが無いだろう。
それより、お前はどうするんだ?」
「え?」
華依が遊香にそう聞くと、遊香は質問の意味が解らずに聞き返すと華依は遊香に向き合って話を続けた。
「だから、お前はこのネオバトルシティってのに参加するのかと聞いてるんだよ」
「そういう事ですか。
ちょっといきなりすぎて、今は迷ってる所ですね。
先生はどうされるんですか?」
「ん?私は既に参加登録を済ませてるぞ」
「早っ!?」
華依が既に登録を済ませている事に遊香が驚くと、華依は上着のポケットから大会登録の証明書を取り出して遊香に見せた。
「こういう大会は出るだけでもいい経験になるからな。
それに、大会当日に参加者全員に参加賞で新作カードが配られるらしいしな」
「参加賞で新作カードの無料配布って豪華過ぎませんか?」
「ああ、それはこの大会自体がその新作カードのテストみたいなものらしいんだよ。
だから、参加賞はテストの報酬なんだそうだ」
「カードのテスト、ですか」
華依から参加賞の事と大会の目的を聞いた遊香は、少し考え込むと華依に話しかけた。
「先生、大会登録ってどこで出来ますか?」
「お、参加する気になったか?」
「はい、その新しいカードというの私も使ってみたいですから」
「だったら、ほら」
華依は上着のポケットを探して1枚のメモを取り出すと遊香へ、そのメモを手渡した。
「そのメモに書いてあるサイトの指示通りに参加登録して、サイトに掲示してある店で登録の最終確認してこの証明書を貰えばOKだ。
後、詳しい大会ルールなんかは後日登録したサイトで出すからそこで確認しろだとさ」
「そうなんですか、ありがとうございます。
早速今日の授業が終わったら登録しにいってみようと思います」
「そうか、それじゃあ私はもう行くからお前も早く教室に行くようにな」
「はい、解りました」
遊香が受け取ったメモを制服のポケットに入れてお礼を言うと、華依はその場から離れ、遊香も授業を受けるために教室へと向かって行った。
そして、大会の話で盛り上がった事以外特に変わったこともなく授業が進んで行き、放課後になると遊香は華依から貰ったメモの通りに登録を済ませるとアカデミアからの帰りに登録の最終確認の為に店へと向かって行った。
~ショップ~
遊香が大会への参加登録を行うためにサイトに掲載されていた店にやって来ると、店には遊香と同じように大会への登録をするために多くの人が訪れており、店の外に行列が出来ていた。
「うわぁ、すごい人だかり。
ここに居る人達、皆大会に参加するのかぁ」
「あの、遊香さん、ですよね?」
「え?」
遊香が店に出来ている行列を見て呆気にとられていると、後ろから声を掛けられ振り返ると、そこには先日デュエルをした未来が立っていた。
「昨日ぶりです、遊香さん」
「未来じゃない、もしかして貴女も大会に参加するの?」
「はい、そのつもりで来たんですけど、凄い行列ですね」
「そうなのよね、これだけ人が並んでいると時間もかなり掛かるでしょうね」
未来が遊香の傍へとやって来て二人で店の行列を見ると先ほど見たときよりも若干人数が減った様に見えるがそれでもまだかなりの人数が並んでいた。
「ここでただ並ぶのもつまらないし、店の中のデュエルスペースで時間潰しましょうか」
「い、良いんですか?
皆さん並んでいるのに私たちが先にお店の中に入っても」
「大丈夫でしょ、並んでるのは登録しに来てる人だしデュエルスペースに直接行くのに問題なんてないわよ。
ほら、行くわよ!」
「あ、待ってくださいよ!?」
遊香が未来の手を引っ張って店の中へと入っていくと、店の中では半分が大会への登録の列で混雑している一方で、二人が向かったデュエルスペースにはほとんど人が居なかった。
~店内デュエルスペース~
デュエルスペースへとやって来た二人は登録の行列が見える位置にある席に向かい合って座った。
「さてと、行列が少なくなるまでここでデュエルでもして時間を潰しましょうか」
「そうですね、急いでいるわけでも無いですから。
それにしても、遊香さんってデュエルアカデミアに通ってらしたんですね」
「ええ、前合った時は制服来てなかったから解らなかったみたいだけど、ちょっと前に編入したばかりなのよ」
遊香と未来がデッキを準備しながら話していると、大会への登録を済ませた人たちの中から二人が座っている場所に向かって来る人物が居た。
「・・・こんにちは」
「恵も大会の登録に来たの?」
「・・・そう」
制服姿のままで大会の登録を済ませたレイン恵は遊香に挨拶をすると、遊香に向かい合う様にして座っている未来に視線を移した。
「は、初めまして、青峰未来です」
「・・・レイン恵、よろしく。
デュエル中?」
「ええ、これからしようと思ってたんだけど、見ていく?」
「・・・ちょっと待ってて」
遊香が未来とのデュエルを観戦して行くかと恵に聞くと、恵は遊香達にデュエルを始めるのを待つ様に言うと速足で店の外へと出て行ってしまった。
「な、なんだったんでしょうか」
「さぁ、解らないけど帰ってくるまで待っていましょうか」
恵が店を出て行ってから10分程経ち、その間遊香達はお互いのデッキのカードについてや大会の予想などを話し合っていると、恵が一人の少女を連れて遊香達の所に戻ってきた。
「・・・相方連れてきた」
「は、初めまして、
「相方って、もしかしてタッグデュエルするつもりだったの?」
「・・・そう」
遊香が尋ねると恵は頷きながら答えると、遊香は未来の横の席に移動して恵達に席に座るように進めた。
「それじゃあ、此処に座って。
ルールはタッグフォース形式でライフは8000で良いわよね?」
「・・・問題ない」
「よ、よろしくお願いします!」
「こっちこそよろしくね、あゆみちゃん」
遊香が恵達にルールの確認をしている一方で、未来は自分と向かい合う様に座ったあゆみと挨拶を交わしていた。
「さて、始めましょうか」
「はい、よろしくお願いしますね、レインさん、あゆみちゃん」
「・・・よろ」
「失礼が無いように頑張ります!」
「「「「デュエル」」」」
恵 手札5枚 LP8000
あゆみ 手札5枚 LP8000
遊香 手札5枚 LP8000
未来 手札5枚 LP8000
4人はそれぞれのデッキを自分の机に敷いてあるデュエル用のマットに置き、遊香のデュエルディスクの機能で先攻が恵達に決まると、他のお客に迷惑にならない様に声を抑えながらデュエルを開始した。
「・・・ドロー」
「・・・モンスター、カードを1枚づつセットして、エンド」
恵 手札4枚 LP8000
恵がモンスターゾーンと魔法、罠ゾーンにそれぞれ1枚づつカードを伏せてターンを終了すると、遊香がデッキからカードを1枚ドローした。
「私のターン、ドロー」
「手札から《
デッキから、レベル3で悪魔族の《
《魔界発現世行きデスガイド》 攻1000 守600
《幻影王ハイド・ライド》 攻1500 守300
遊香は召喚したモンスターの効果を使用して2体目のモンスターを召喚すると、自分のデッキをシャッフルした後で恵に自分のデッキを手渡し、レインも遊香のデッキをシャッフルして遊香に返した。
「ただし、この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効となり、シンクロ召喚の素材とすることは出来ないわ」
「バトルよ、《幻影王ハイド・ライド》でセットモンスターを攻撃するわ」
「・・・セットモンスターは《ライトロード・ハンター ライコウ》、効果でデッキの上から3枚を墓地に送って《魔界発現世行きデスガイド》を破壊する」
《ライトロード・ハンター ライコウ》 攻200 守100
遊香のモンスターの攻撃で表側表示に変わった白い犬の姿をしたモンスターの効果が発動し、恵のデッキの上から《アンデット・ワールド》、《リビングデットの呼び声》、《ゴブリン・ゾンビ》が墓地へと送られ、遊香の場の《魔界発現世行きデスガイド》が破壊された。
「カードを2枚伏せてターンを終了するわ」
「・・・エンドフェイズに罠カード《
デッキの上から5枚を墓地に送る」
遊香がターンの終了を宣言すると恵はセットしていた罠カードを発動し、その効果でデッキの上から《
遊香 手札3枚
「行きます、私のターン、ドロー」
「魔法カード《手札抹殺》を発動します。
お互いのプレーヤー、今回は私と遊香お姉さんの手札を全て捨てて、捨てた枚数と同じ数だけデッキからカードをドローします」
あゆみはターンが始まって直ぐに発動した《手札抹殺》の効果で、《ワイト》、《ワイト
「さらに《手札抹殺》の効果で墓地に送られた《ワイトプリンス》の効果を発動します。
手札・デッキから《ワイト》と《ワイト夫人》を1枚づつ墓地に送ります。
私はデッキからこの2枚を墓地に送ります」
「そして、手札から《ワイトキング》を攻撃表示で召喚します」
《ワイトキング》 攻0→5000 守0
「《ワイトキング》の攻撃力は私の墓地に存在する《ワイト》と《ワイトキング》の合計枚数×1000ポイントになります。
私の墓地には《ワイト》と墓地で《ワイト》として扱う《ワイト夫人》と《ワイトプリンス》が合計5枚存在しているので攻撃力は5000ポイントになります」
あゆみが自身の墓地に《ワイト》を大量に送ることで《ワイトキング》の攻撃力は一気に5000ポイントまで上昇し、あゆみはさらに手札からカードを発動した。
「さらに手札から魔法カード《ワン・フォー・ワン》を発動して、手札から2枚目の《ワイトプリンス》を捨ててデッキから2枚目の《ワイトキング》を特殊召喚します」
「なるほどね、これでまた《ワイトプリンス》の効果が発動する訳ね」
「そうです。
デッキから3枚目の《ワイト》と《ワイト夫人》を墓地に送って、私の場の2体の《ワイトキング》の攻撃力は両方共8000ポイントになります」
《ワイトキング》×2 攻5000→8000 守0
《ワイトプリンス》の効果で墓地へ大量の《ワイト》を送った事で攻撃力を8000まで上昇した《ワイトキング》を2体並べたあゆみはそのままバトルフェイズに移行した。
「バトルです。
通常召喚した方の《ワイトキング》で《幻影王ハイド・ライド》に攻撃します」
「攻撃宣言時に罠カード《パワー・フレーム》を発動。
《ワイトキング》の攻撃を無効にして、このカードを《幻影王ハイド・ライド》に装備し、攻撃してきたモンスターとの攻撃力の差分攻撃力をアップするわね」
《幻影王ハイド・ライド》 攻1500→8000
1体目の《ワイトキング》の攻撃を罠カードで防がれ、さらに罠カードを装備したことで遊香の場のモンスターの攻撃力も8000ポイントにアップした。
「では、2体目の《ワイトキング》で《幻影王ハイド・ライド》を攻撃します」
「攻撃力は同じだから両方とも破壊されるけど、《ワイトキング》の効果は使う?」
「はい、使わせて貰います。
《ワイトキング》が戦闘で破壊された事により墓地の《ワイト》を除外して墓地から攻撃表示で特殊召喚します。
そして、墓地の《ワイト》が減少した事で《ワイトキング》の攻撃力は1000ポイントダウンします」
《ワイトキング》×2 攻8000→7000
同じ攻撃力同士での戦闘で互いのモンスターは破壊されたが、あゆみの《ワイトキング》は自身の効果で墓地から《ワイト》を除外する事で再びフィールドに召喚された。
「では、特殊召喚した《ワイトキング》でダイレクトアタックです」
「攻撃宣言時に罠カード《ピンポイント・ガード》を発動。
私の墓地から《幻影王ハイド・ライド》を守備表示で特殊召喚するわ。
そしてこのカードの効果で特殊召喚したモンスターは戦闘と効果で破壊されないわよ」
「ダメージを与えられませんか、私はこれでターンを終了します」
あゆみ 手札2枚 LP8000
遊香があゆみの場の2体の《ワイトキング》の攻撃を罠カードを使って何とか凌ぐと、あゆみは他のカードを出さずにそのままターンを終了した。
「私のターン、ドロー」
「手札から魔法カード《
このカードはデッキから墓地にドラゴン族モンスターを1枚送り、それが通常モンスターだった場合もう1枚ドラゴン族モンスターを墓地に送ることが出来ます」
「私はデッキからドラゴン族通常モンスター《アレキサンドライドラゴン》を墓地に送り、さらにデッキからドラゴン族モンスター《伝説の白石》を墓地に送り効果を発動します」
「デッキから《青眼の白龍》を手札に加え、魔法カード《トレード・イン》を発動してそのまま墓地に送り2枚ドローします」
未来は自分のターンが来ると魔法カードを使用して一気に墓地にモンスターを送りながら手札のカードを交
換し、デッキを圧縮していった。
「さらに手札から魔法カード《調律の宝札》を発動して、手札から2枚目の《伝説の白石》を捨てて2枚ドローして、デッキから2枚目の《青眼の白龍》を手札に加えます」
「そして、手札から魔法カード《思い出のブランコ》を発動して、墓地から通常モンスター《青眼の白龍》を攻撃表示で特殊召喚します」
手札交換を繰り返していた未来は墓地へ送った《青眼の白龍》を特殊召喚し、さらにカードを発動した。
「続けて、私の場に《青眼の白龍》が存在しているので手札から魔法カード《滅びの爆裂疾風弾》を発動します。
このカードの効果によりこのターン中、《青眼の白龍》は攻撃できなくなる代わりに相手の場のモンスターを全て破壊します」
「あぅ、私の《ワイトキング》が・・・」
未来が発動した《青眼の白龍》の攻撃名と同じ名前の専用魔法カードの効果によってあゆみのフィールドに存在していた2体の《ワイトキング》を纏めて破壊した。
「《ワイトキング》が自身の効果で特殊召喚出来るのは戦闘破壊時のみ、よって効果破壊された今回は復活出来ません。
さらに、私はチューナーモンスター《青き眼の乙女》を攻撃表示で召喚します」
「そして、私はレベル8の《青眼の白龍》にレベル1の《青き眼の乙女》をチューニング。
シンクロ召喚、《蒼眼の銀龍》を攻撃表示で特殊召喚します。
そしてバトル、《蒼眼の銀龍》でダイレクトアタックです」
「うぅ、こっちが先にダメージを受けてしまいました」
あゆみ LP8000→5500
未来は遊香が前のターンでフィールドに残したモンスターを利用して《蒼眼の銀龍》を召喚し、ダイレクトアタックであゆみ達のライフを削った。
「メインフェイズ2にカードを2枚伏せて、ターンエンドです」
未来 手札1枚 LP8000
「・・・ドロー」
「・・・墓地の《馬頭鬼》を除外して《ワイトキング》を特殊召喚。
《ゾンビ・マスター》を召喚、効果で2枚目の《ゾンビ・マスター》を捨てそのまま蘇生して効果発動、手札から《ゾンビキャリア》を捨てて特殊召喚」
《ワイトキング》 攻0→8000
《ゾンビ・マスター》×2 攻1800 守0
《ゾンビキャリア》 攻400 守200
恵は《ゾンビ・マスター》の効果を使用する事で次々にモンスターを並べて行き、3体のアンデット族モンスターがフィールドに攻撃表示で並んだ。
「・・・レベル4《ゾンビ・マスター》にレベル2《ゾンビキャリア》をチューニング。
シンクロ召喚、《
《蘇りし魔王ハ・デス》 攻2450 守0
「・・・さらに魔法カード《
《ワイトキング》×2 攻8000→7000
恵が発動させた魔法カードの効果により、先ほどのターンに破壊した《ワイトキング》が2体とも復活した上に未来の墓地に存在した《青眼の白龍》まで除外されてしまった。
「・・・バトル、《ワイトキング》で《蒼眼の銀龍》を攻撃」
「攻撃宣言時に罠カード《
《ワイトキング》の攻撃を無効にし、攻撃対象となった《蒼眼の銀龍》の攻撃力を次のターンの終わりまで《ワイトキング》の攻撃力分アップさせます」
《蒼眼の銀龍》 攻2500→9500
「・・・《蘇りし魔王ハ・デス》で《幻影王ハイド・ライド》を攻撃」
《蒼眼の銀龍》を戦闘で破壊出来ないと解ると、恵は1体でもモンスターを減らしておこうと守備表示のままになっている《幻影王ハイド・ライド》を破壊した。
「・・・《蘇りし魔王ハ・デス》の効果、戦闘破壊した《幻影王ハイド・ライド》の効果はこのカードが在る限り無効になる。
バトル終了、カードを1枚伏せてエンド」
恵 手札0枚 LP5500
恵の展開したアンデット族モンスターの攻撃を未来は何とか防ぐと、恵は最後の手札を伏せてターンを終了した。
「私のターン、ドロー」
「スタンバイフェイズに《蒼眼の銀龍》の効果で、墓地から通常モンスター《アレキサンドライドラゴン》を攻撃表示で特殊召喚するわ」
《アレキサンドライドラゴン》 攻2000 守100
「そして、特殊召喚した《アレキサンドライドラゴン》をリリースして《風帝ライザー》を攻撃表示でアドバンス召喚して、効果発動。
《ワイトキング》をデッキトップに戻すわね」
遊香は《蒼眼の銀龍》の効果で特殊召喚したモンスターをリリースして《風帝ライザー》を召喚し、あゆみの《ワイトキング》を恵のデッキの一番上にバウンスした。
「バトルよ、《風帝ライザー》で《ゾンビ・マスター》を攻撃するわ」
「・・・通す」
恵 LP5500→4900
「続けて《蒼眼の銀龍》で《蘇りし覇王ハ・デス》を攻撃よ」
「・・・罠、《ガード・ブロック》発動。
ダメージを0にして1枚ドロー」
遊香が恵のフィールドのモンスターを攻撃すると、恵は《蒼眼の銀龍》の攻撃によるダメージを罠カードで回避したが、恵達のフィールドのモンスターはあゆみの《ワイトキング》を残して破壊されてしまった。
「カードを1枚伏せて、魔法カード《一時休戦》を発動してお互いに1枚ドローし、次のターンの終わりまでお互いにダメージを受けなくなる。
エンドフェイズに《光子化》の効果でアップしていた《蒼眼の銀龍》の攻撃力は元に戻るわ」
《蒼眼の銀龍》 攻9500→2500
遊香 手札1枚
「私のターンです、ドロー」
「手札から魔法カード《おろかな
デッキから《ワイトメア》を墓地に送ります。
そして《ワイトメア》も墓地で《ワイト》として扱うモンスターのため《ワイトキング》の攻撃力が1000ポイントアップします」
《ワイトキング》 攻7000→8000
あゆみはさらに墓地へ《ワイト》として扱うモンスターを送り、《ワイトキング》の攻撃力をさらに上昇させた。
「このターンの終わりまでダメージは発生しませんが、モンスターは破壊させて貰います。
バトル、《ワイトキング》で《蒼眼の銀龍》に攻撃です」
「攻撃宣言時に罠カード《サンダー・ブレイク》を発動するわ。
手札の《ガーディアン・エアトス》を捨てて《ワイトキング》を破壊するわね」
「効果破壊されたので《ワイトキング》は復活出来ません。
カードを2枚伏せてターンエンドです」
あゆみ 手札0枚 LP4900
《ワイトキング》をカード効果で破壊されたあゆみは残った手札を全て伏せてターンを終了した。
「私のターン、ドロー」
「私のターンのスタンバイフェイズを迎えたことで《蒼眼の銀龍》の効果で墓地から《アレキサンドライドラゴン》を守備表示で特殊召喚します」
「《蒼眼の銀龍》と《風帝ライザー》を守備表示に変更して、カードを1枚伏せてターンエンドです」
未来 手札1枚 LP8000
未来は《蒼眼の銀龍》で《アレキサンドライドラゴン》を蘇生させ、他のモンスターも守備表示にして次のターンの攻撃に備えてターンを終了した。
「・・・ドロー」
「・・・《ワイトキング》を攻撃表示で召喚」
《ワイトキング》×2 攻8000
恵は遊香がデッキトップに戻した《ワイトキング》をドローするとそのまま召喚すると、前のターンにあゆみが伏せたカードを確認してその内の1枚を発動させた。
「・・・使わせてもらう」
「はい、その為に伏せたカードですから遠慮なく使ってください」
「・・・装備魔法《
恵がカードを持ったままあゆみに話しかけるとあゆみは笑顔で頷き、それを確認すると恵は《ワイトキング》にあゆみが伏せていた装備魔法を装備させた。
「・・・これで《ワイトキング》はダイレクトアタックが可能になる。
バトル、《光学迷彩アーマー》を装備した《ワイトキング》でダイレクトアタック」
「でしたら、こちらも遊香さんが伏せてくれていた罠カード《ダメージ・ダイエット》を発動して、このターン中の全ダメージを半分にします」
未来 LP8000→4000
恵がダイレクトアタックが可能となった《ワイトキング》で攻撃をすると、未来は遊香が伏せていた罠カードを使用してダメージを半分にしたが、一撃でライフを半分にされてしまった。
「・・・もう1体の《ワイトキング》で《蒼眼の銀龍》を攻撃」
「発動するカードは無いので《蒼眼の銀龍》は破壊されます」
「・・・ターンエンド」
恵 手札1枚 LP4900
《ワイトキング》の攻撃によって《蒼眼の銀龍》を破壊した恵はそのままターンを終了させ、遊香のターンになった。
「私のターン、ドロー」
「さてと、行列も結構減ったみたいだしこのターンで終わらせて貰おうかしら」
遊香はドローしたカードと大分数の減った登録の行列を見ながらそう言うと、伏せてあるカードを発動した。
「スタンバイフェイズに罠カード《リビングデットの呼び声》を発動、墓地から《蒼眼の銀龍》を攻撃表示で特殊召喚。
さらにスタンバイフェイズに特殊召喚した事で《蒼眼の銀龍》の効果が発動するけど特殊召喚出来るモンスターは居ないわ」
「そして、アドバンス召喚した《風帝ライザー》をリリースし《
《烈風帝ライザー》 攻2800 守1000
遊香は守備表示でフィールドに残っていた《風帝ライザー》をリリースすると、先ほどドローしたモンスターを召喚した。
「《烈風帝ライザー》はアドバンス召喚したモンスターをリリースした場合、1体のリリースで召喚出来る。
さらに、リリースしたモンスターが風属性モンスターだった場合、通常の効果に加えてもう一つの効果も使用することが出来る」
「まずはアドバンス召喚時の共通効果を発動して、相手の場のカード1枚とお互いの墓地に存在するカードの内1枚を好きな順番でデッキトップに戻すことが出来る。
私はこの効果で、貴女達の場の《光学迷彩アーマー》を装備した《ワイトキング》と墓地の《ゾンビキャリア》を選択して《ゾンビキャリア》を上にしてデッキトップに戻すわ」
遊香が召喚したモンスターの効果により恵の墓地のモンスターと場に存在した2体の《ワイトキング》の内装備魔法を装備していた方がデッキに戻り、装備していたカードは破壊されて墓地へと送られた。
「さらに、風属性の《風帝ライザー》をリリースして召喚しているから、追加効果によってさらにフィールド上に存在するカード1枚を持ち主の手札に戻すことが出来る」
「この効果で残った《ワイトキング》も手札に戻って貰うわ」
遊香が召喚した《烈風帝ライザー》の効果により恵達のフィールドに存在していたモンスターは全てバウンスされてしまった。
「これで終わりよ、バトル。
《蒼眼の銀龍》と《烈風帝ライザー》でダイレクトアタックよ」
「・・・」
恵 LP4900→0
遊香はモンスターの居なくなった恵に総攻撃を仕掛けると、発動させるカードが無い恵はその攻撃をそのまま受けてライフが0となりデュエルが終了した。
「さてと、そろそろ列に並ばなきゃね。
今日はデュエルの相手ありがとう、二人とも」
「・・・今度はシングルで」
「あゆみちゃんもわざわざ来てくれてありがとう」
「こちらこそ、デュエルしてくださってありがとうございました」
デュエルを終えた遊香と未来は恵とあゆみに挨拶をすると、大会への登録を済ませるために数が減った行列の最後尾へと向かって行き、残された恵達も席を立って店から出て行った。
そして、それから30分程で遊香達は無事に登録を済せて証明書を受け取ると、二人は店を後にした。
どうだったでしょうか。
次回から原作キャラとの絡みを増やしていけると思いますが、基本的に原作のWRGPと並行する形でオリジナルの大会の話を進めていくので原作キャラとの絡みは少ないと思います。
それでは、これからもこの作品をよろしくお願いします。
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第七話 ライディング特訓 魔王龍対黒薔薇竜
何とか6月中に更新できました、次回の更新もおそらく1月後になるかもしれませんが出来るだけ早く更新出来るようにしていきますので、どうかよろしくお願いします。
~デュエルアカデミア~
ネオバトルシティへの参加登録の為に訪れたカードショップで未来とのタッグデュエルを行った翌日、遊香がいつも通りにアカデミアへ登校してくると、アカデミアの校門近くで初等部の生徒2人と一緒に居たアキが遊香に手を振って呼びかけた。
「おはよう、遊香」
「おはよう、アキさん。
それから、そこの二人はアキさんの知り合い?」
アキに挨拶をした遊香はアキの隣にいる二人の事が気になって質問すると、アキは二人を自分の前に押し出して遊香に紹介した。
「この2人は私の仲間で、
「よろしく、遊香姉ちゃん!」
「よろしくお願いします、遊香さん」
「うん、よろしくね二人とも」
龍亜と龍可に挨拶をすると遊香達は校舎に向かって歩き出し、遊香はアキに何故自分を呼び止めたのか質問した。
「ねえアキさん、私に何か用事があるの?」
「ええ、実は遊香に頼みたい事があって」
「アキさんが私に頼みたい事って、勉強とかじゃないだろうし、デュエル関係の事?」
遊香がアキの頼みがどういうものか予想できずに首を傾げていると、アキは話を続けた。
「そうなの、実は遊香にライディングデュエルを教えてほしいと思って」
「ライディングデュエルを教えてほしいって、もしかしてアキさんWRGPに出る気なの?」
「そういう訳じゃないけど、私もライディングデュエルでしか見えない世界というのを見てみたいと思ったの」
アキが歩きながらそう言うと、遊香は腕を組んで悩みながらアキに質問した。
「でも、どうして私に頼むの?
私以外にもライディングデュエルしている人なんてこの街にはいっぱい居るし、アキさんの知り合いにも居るんじゃないの?」
「そうだよアキ姉ちゃん、なんで
「もう龍亜ったら、そんなの遊星達がWRGPの参加の為にD・ホイールの調整とかで忙しいからに決まってるじゃないの」
遊香がアキに何故自分にライディングデュエルを教えて欲しいのか尋ねると、アキの隣を歩いていた龍亜も同じ疑問を訪ね、その質問に龍可が答えると遊香は溜め息を一つ付いてアキに質問を続けた。
「はぁっ、私ってそんなに暇そうに見えたの?」
「そ、そうじゃないわよ!?
私はただ同じアカデミアに通ってる遊香だったら休憩時間とかにも話が聞けるかと思っただけよ!」
「ご、ごめんなさい!
私そんなつもりで言ったわけじゃなくて」
遊香の言葉に慌てて否定するアキと先ほどの言葉への謝罪をする龍可を見て、遊香は笑いを堪えきれずに噴出しながら二人に謝った。
「フフッ、ごめんごめん。
ちょっと意地悪したくなっただけだから、そんなに必死にならなくても良いわよ」
「もう、本当に焦ったわよ」
「ごめんなさい、けど私みたいに冗談で済ませる人ばっかりじゃないんだから気を付けてね」
「はい、すみませんでした」
遊香が先ほどの態度が冗談である事を告げると、アキは安堵で胸をなでおろし龍可ももう一度謝り、遊香は二人に注意をすると、少し考え出した。
「だけど、私じゃあWRGPに出るような人程教える事なんて出来ないよ?」
「そんな事は無いわよ。
転入試験の時のデュエルを見れば遊香が強いデュエリストなのは解るし、スタンディングとライディングで実力が変わるなんて事は無いと思うから・・・」
「ちょっと待って、今なんて言った?」
「え?」
遊香がアキの言葉を途中で遮って聞き返すと、アキは何故遊香が聞き返すのか解らずに茫然としていると、遊香は息を吸い込むと一気に話し出した。
「良く聞いておいてよ、スタンディングとライディングだとデュエルのルール自体が大きく変わって来るだけじゃない、デッキ自体もライディング用に調整し直さないといけない上に、普通の魔法カードが使えないから戦略も練り直さなきゃならないし、SPCの使い方やSPの使い所なんかもあってデュエル部分だけでもかなり違ってくるのに、それらに加えてD・ホイールの操縦にも気を付けなきゃいけないの、こんなにも変わる部分があるのに実力が変わらないなんて有り得ないわ!」
「え、あ、ごめんなさい」
遊香が通常のデュエルとライディングデュエルの違いを一息で説明すると、その剣幕に押されてアキは困惑した表情で一歩引いてしまった。
「良いわ、アキさんがライディングをこんなに舐めているとは思わなかった、徹底的にライディングデュエルを教えるから覚悟していなさい!」
「え、ええ、お願いね」
遊香がそう言って自分の教室に向かって行く姿を見送りながら、アキ達はしばらく呆然としていたがチャイムが鳴ると正気に戻って急いでそれぞれの教室に向かって行った。
~ポッポタイム~
授業が終わった後、遊香はアキに連れられて知り合いが借りているというガレージのある時計屋にやって来た。
「アキさんの知り合いが借りてる場所って本当に此処なの?」
「ええ、そうよ。
さ、龍可達も先に来て待ってる筈だから早く行きましょう」
古い外装の時計屋を眺めて立ち尽くしている遊香にそう言うと、アキは建物の横にある坂を下っていき、遊香もその後に続いてD・ホイールを押しながら付いて行くと、シャッターを開け放った状態のガレージの中で作りかけのD・ホイールを弄っている遊星とそれを眺めている龍亜達が居た。
「あ、やっと来た!」
「遅くなってごめんなさい。
それで、遊星は今何をしてるの?」
「アキさん用のD・ホイールの基礎部分の調整だって」
アキが龍亜達に近寄って行くと、龍可から遊星が自分用のD・ホイールの調整をしている事を聞き、遊香は自分のD・ホイールをガレージの入り口に停めて遊星が作業しているD・ホイールの傍にやって来た。
「へ~、自作のD・ホイールなんて珍しいわね」
「誰だ?」
「どうもお邪魔してます。
今日アキさんにライディングデュエルを教えに来た同級生の涼風遊香です」
「そうか、君がアキの言っていたD・ホイーラーか。
俺は
遊香が話しかけると、遊星は作業していた手を止めてそう言い、遊香がガレージ内に停車しているD・ホイールの方へ近づいて行った。
「それが君のD・ホイールか、見た所随分と使い込まれている様に見えるが整備は自分でしているのか?」
「ええ、このD・ホイールに乗って色々な所を旅していたから、自分で整備や修理をしないとお金が掛かり過ぎるから自然に出来るようになっていって、今じゃ自分で整備してからじゃないと乗るのが怖いくらいになってるわ」
「そうだな、資金に余裕がなければ整備業者に頼むのは費用が掛かり過ぎる。
そもそも自分で整備しているのなら少しの違和感もすぐ修正出来るし、自分に合わせたチューニングも可能になるから、そちらの方が良いだろうな」
遊香と遊星がD・ホイールについて話し込んでいると、龍可達の所に居たアキが遊香の方にやって来た。
「ねえ遊香、そろそろライディングデュエルについて教えて欲しいんだけど?」
「あ、ごめん、そうだったよね。
それじゃあ、ライディング用のデッキはもう作ってる?」
「ええ、遊星に協力して貰ったから大丈夫よ」
「そっか、それじゃあ遊星さんちょっと良いですか?」
アキにライディング用のデッキが有るのかを確認した遊香はガレージの端に停めてある赤いD・ホイールを指差して遊星に質問した。
「あのD・ホイールって遊星さんのですよね?」
「ああ、そうだが」
「ちょっと貸して貰えませんか?」
「構わないが、何をするつもりなんだ?」
遊星が許可を出すと、遊香は遊星のD・ホイールを押して自分のD・ホイールと適度な距離の空いた場所に停めるとアキを遊星のD・ホイールの方に手招きして呼び寄せた。
「何って、もちろんライディングデュエルの練習ですよ。
アキさん、ちょっとこっちに来てくれる?」
「練習って、まさかいきなりD・ホイールに乗ってするの!?」
「まさか、そんな危ない事させる訳無いでしょ。
第一ライセンスも無いのに勝手に乗ったらセキュリティに捕まるし、D・ホイールの操縦は教習所に行ってから覚えるのが一番だよ」
「じゃあ、遊星のD・ホイールを借りてどうするの?」
「まぁ、簡単に言うとD・ホイールに乗らずにライディングデュエルの練習をするんだよ」
アキが遊香の傍にやって来ると、遊香はアキの腕に付けられているデュエルディスクからケーブルを伸ばして遊星のD・ホイールに接続すると、遊星に話しかけた。
「えっと、遊星さんD・ホイールのライディング設定を練習モードの停車状態にしたいんですけど、設定変更お願いして良いですか?」
「なるほど、そういう事か。
解った、直ぐに変更しよう」
「お願いします、私は自分のD・ホイールの設定を変更しますから、終わったら早速始めましょう」
遊香は遊星にD・ホイールの設定を変更してもらう様に頼むと、自分のD・ホイールの所へ行きデュエルディスクを取り外すと先ほどと同じようにケーブルを繋ぐとD・ホイールの設定を変更し始めた。
「ねぇ遊星、D・ホイールに乗らずにライディングデュエルをするってどういう事?」
「難しい事じゃない、D・ホイールに内蔵しているライディング用のプログラム設定を少し変更してデュエルディスクと同調させるだけでD・ホイールで走行していなくてもライディングデュエルは出来る。
もっとも、この方法はD・ホイールに乗れない奴がライディングデュエルの練習で使うくらいでしか出番がないから知っている人も少ないんだがな」
アキの質問に応えながらシステムを変更していた遊星が作業を終えて遊香の方を見ると、遊香もシステムの変更を終わらせてデュエルディスクを構えていた。
「さてと、準備が出来た所で早速ライディングデュエルの練習を始めましょうか」
「ええ、お願いするわ」
「「デュエル!」」
アキ LP4000 手札5枚 SPC1
遊香 LP4000 手札5枚 SPC1
準備が出来た二人はデュエルディスクを起動させると、D・ホイールに付いているデュエル画面も一緒に起動し通常のライディングデュエルと同じように《スピード・ワールド2》が発動してデュエルが開始された。
「なるほど、こうやってD・ホイールの画面を確認しながらデュエルする訳ね。
それじゃあ私の先攻、ドロー!」
「まずは《ボタニカル・ライオ》を攻撃表示で召喚!
このカードは私の場の植物族モンスター1体につき攻撃力が300ポイントアップする、《ボタニカル・ライオ》自体も植物族、よって攻撃力は1900になるわ!」
《ボタニカル・ライオ》 攻1600→1900 守2000
「そして、カードを1枚伏せてターンエンドよ」
アキ LP4000 手札4枚 SPC1
アキがターンを終了すると、遊香はアキの場に出されたカードと自身の手札を確認すると、デッキからカードをドローした。
「私のターン、ドロー。
それじゃあ最初から飛ばしていきましょうか」
「手札から《SP-エンジェル・バトン》を発動。
このカードはSPCが2つ以上ある時発動出来、デッキから2枚ドローし1枚を墓地に捨てる。
私はカードを2枚ドローして手札からチューナーモンスター《ガスタ・スクイレル》を墓地に捨てるわ」
「《ガスタ・スクイレル》?
ねえ遊香、そのデッキっていつも使っているのとは別のデッキなの?」
遊香が《SP-エンジェル・バトン》の効果で捨てたカードがいつも使っているデッキに入っている物と違う事を疑問に思ってアキが質問すると、遊香はデュエルディスクを掲げて答えた。
「ええそうよ、いつものデッキだとライディングに不向き過ぎるからね。
このデッキはライディング専用のデッキよ」
「なるほどね、いつものデッキは普通の魔法カードが重要なデッキみたいだしデュエル方法によって使うデッキを変える訳ね」
「そういう事よ、さあ続けるわよ。
手札から《ガスタの神裔ピリカ》を攻撃表示で召喚して、効果で墓地の《ガスタ・スクイレル》を効果を無効にして守備表示で特殊召喚するわ」
遊香はアキへの説明を終えるとデュエルを再開し、新たに召喚したモンスターの効果でチューナーと非チューナーを揃えた。
「私はレベル3の《ガスタの神裔ピリカ》にレベル2の《ガスタ・スクイレル》をチューニング!
幻の世界の守護者、今こそ混沌の争いを鎮めよ、シンクロ召喚!
現れよ、《幻層の守護者アルマデス》!」
「いきなりシンクロモンスターを召喚!?」
「バトルよ、《幻層の守護者アルマデス》で《ボタニカル・ライオ》を攻撃!
この瞬間《幻層の守護者アルマデス》の効果でダメージステップ終了時まで相手は全てのカードの効果を発動出来ない!」
「効果の発動を禁止する効果ですって!?(これじゃあ伏せた《
アキ LP4000→3600
《幻層の守護者アルマデス》が《ボタニカル・ライオ》に攻撃を仕掛けると、アキの場に伏せられていたカードが灰色に変化して発動が封じられ、《ボタニカル・ライオ》はそのまま破壊された。
「クッ!」
「カードを2枚伏せてターンエンドよ」
遊香 手札3枚 LP4000 SPC2
「私のターン、ドロー!
やるわね遊香、今度はこっちの番よ!」
アキは自分のターンになると、ドローしたカードを手札に加えて手札の別のカードを手に取って発動させた。
「私も手札から《SP-エンジェル・バトン》を発動!
デッキから2枚ドローし手札の《フェニキシアン・クラスター・アマリリス》を墓地に捨てるわ」
「《フェニキシアン・クラスター・アマリリス》、厄介なカードが墓地に送られたわね」
「さらに手札から《ローン・ファイア・ブロッサム》を攻撃表示で召喚して効果発動!
私の場の植物族モンスター1体をリリースしてデッキから植物族モンスターを特殊召喚する、私は植物族の《ローン・ファイア・ブロッサム》自身をリリースしてデッキから《
《椿姫ティタニアル》 攻2800 守2600
アキは召喚したモンスターを自身の効果でそのままリリースするとデッキから下半身が椿の花と一体化している女性型のモンスターを召喚した。
「バトルよ!
《椿姫ティタニアル》で《幻層の守護者アルマデス》を攻撃、カメリア・ウィップ!」
「罠カード《ガード・ブロック》を発動!
このカードの効果で戦闘ダメージを1度だけ無効にしてデッキから1枚ドローする!」
「だけど、モンスターは破壊させて貰うわ!」
アキのモンスターの攻撃によるダメージを罠カードで防いだ遊香だが、攻撃されたモンスターはそのまま破壊されてしまった。
「私はこれでターンエンド、そしてエンドフェイズに墓地の《フェニキシアン・クラスター・アマリリス》の効果を発動!
墓地に存在する植物族モンスター《ポタニカル・ライオ》を除外してこのカードを守備表示で特殊召喚するわ!」
《フェニキシアン・クラスター・アマリリス》 攻2200 守0
アキ 手札4枚 LP3600 SPC3
アキは自身のターンのエンドフェイズに《SP-エンジェル・バトン》の効果で捨てた《フェニキシアン・クラスター・アマリリス》を守備表示で特殊召喚してターンを終了させ、遊香はそのフィールドと手札のカードを見た後デッキからカードをドローした。
「私のターン、ドロー!」
「手札からチューナーモンスター《ジャンク・シンクロン》を攻撃表示で召喚!」
《ジャンク・シンクロン》 攻1300 守500
「《ジャンク・シンクロン》ですって!?」
遊香が《ジャンク・シンクロン》を召喚するとアキは驚いて声を挙げ、アキが驚いた事を遊香が疑問に思っていると二人のデュエルを観戦していた龍亜が遊星に話しかけている声が聞こえてきた。
「《ジャンク・シンクロン》って遊星が使っているカードじゃん、なんで遊香姉ちゃんも持ってるのさ」
「いや、不思議な事じゃないさ。
《ジャンク・シンクロン》は別に俺だけのカードでは無いし、俺が使っているのも昔拾ったカードの中に有ったものだからな」
遊星が龍亜達に説明している内容を聞いてアキが驚いた理由を理解した遊香はデュエルを再開させた。
「なるほどね、遊星さんも使っているカードが出てきたから驚いた訳ね。
じゃあ効果は当然解ってるわよね、《ジャンク・シンクロン》の召喚成功時に私は墓地からレベル2の《ガスタ・スクイレル》を効果を無効にして守備表示で特殊召喚するわ!」
「だけど召喚したモンスターは2体ともチューナー、それにもう通常召喚を行った以上シンクロ召喚は出来ないわよ」
「私の狙いは初めからそこじゃないわ、手札から《SP-ハイスピード・クラッシュ》を発動!
このカードはSPCが2以上ある時発動可能、フィールド上のカードと私の場のカードを1枚づつ選択して破壊する!」
「私はこのカードの効果で私の場の《ガスタ・スクイレル》とアキさんの場のセットカードを破壊するわ!
ただしこの効果は対象を取る効果、よって《椿姫ティタニアル》で無効に出来るけどどうするの?」
「・・・無効にはしないわ」
遊香がSPを発動させお互いの場のカードを破壊すると、遊香はさらに破壊した自身のモンスターの効果を発動した。
「それじゃあ選択した2枚は破壊!
そして、効果破壊された事で《ガスタ・スクイレル》の効果発動!
デッキからレベル5以上の《ガスタ》と名の付くモンスター1体を特殊召喚することが出来る、この効果は墓地で発動するため《ジャンク・シンクロン》の効果で無効にはならないわ」
「よってデッキからレベル5の《ガスタの疾風リーズ》を攻撃表示で特殊召喚するわ!」
「私のセットカードを破壊した上に、これで遊香の場にシンクロ素材が揃った。
という事は・・・」
「行くよアキさん、私はレベル5の《ガスタの疾風リーズ》にレベル3の闇属性チューナー《ジャンク・シンクロン》をチューニング!」
「暴食を司る魔王よ、その絶対の力を示し全てを食らい尽くせ!
降臨せよ、不死なる魔龍《魔王龍ベエルゼ》!」
《魔王龍ベエルゼ》 攻3000 守3000
遊香の場に2つの首を持つドラゴンが召喚されると、アキと遊星、龍可の3人の右腕に有る痣が一瞬輝いたが直ぐに消えてしまい、その事に3人は驚いたが痣の事に気づいていない遊香はバトルを続行した。
「バトルよ!
《魔王龍ベエルゼ》で《椿姫ティタニアル》を攻撃、
「ぐっ!(とりあえず、痣の事よりもデュエルに集中しないと)」
《魔王龍ベエルゼ》の攻撃でアキの場の《椿姫ティタニアル》は破壊され再びアキのライフが減少した。
アキ LP3600→3400
「カードを1枚伏せてターンエンドよ」
遊香 手札2枚 LP4000 SPC4
「私のターン、ドロー!」
アキは自身のターンになると、ドローしたカードと遊香の場の《魔王龍ベエルゼ》を交互に確認して考え出した。
「(あのドラゴンに痣が反応したのは間違いないはず、だけど今はデュエルに集中しないと。
だけど、今の私の手札には攻撃力3000のモンスターを倒せるカードは無い、ここは守りに徹するしかないしかないわね)」
「私はモンスターを裏守備表示で召喚、そしてカードを1枚伏せてターンエンドよ」
アキ 手札3枚 LP3200 SPC5
アキがモンスターと魔法・罠ゾーンにカードをセットしただけでターンを終了させると、遊香は勢いよくデッキからカードをドローしてアキに話しかけた。
「私のターン、ドロー!
アキさん、守りに入ったのは失敗だったわね、このターンで終わりにしてあげるわ!」
「なんですって!?」
「私は手札からチューナーモンスター《ガスタ・ガルド》を攻撃表示で召喚したこの瞬間、罠カード《
「《激流葬》ですって!?
そんなカードを使ったら遊香のモンスターも全滅していしまうわよ!」
アキの言葉に遊香は笑みを浮かべると自分の場のモンスター2枚をアキに見えるようにデュエルディスクを掲げて話し出した。
「残念だけど私の場の《ガスタ・ガルド》はフィールド上から墓地に送られるとデッキからレベル2以下の《ガスタ》モンスターを特殊召喚することが出来るモンスター、そして《魔王龍ベエルゼ》は戦闘でも効果でも破壊されない不死身のモンスターなのよ!」
「効果破壊にも対応しているリクルーターに完全破壊耐性持ちのモンスターですって!?
だけど、私の場の《フェニキシアン・クラスター・アマリリス》が破壊されたことで効果発動!」
遊香が自身の場のモンスターの効果を説明し、アキがその効果に驚いていると《激流葬》の効果により遊香の場の《魔王龍ベエルゼ》を除いた全てのモンスターが破壊されると、アキは破壊されたモンスターの効果を発動した。
「《フェニキシアン・クラスター・マリリス》が破壊された時相手に800ポイントのダメージを与える!
さらに、私がセットしていたモンスターは《ダンディライオン》の効果をチェーンして発動、このカードが墓地に送られたことで私の場に《綿毛トークン》を2体守備表示で特殊召喚するわ!」
「それじゃあ《ダンディライオン》の効果にチェーンして《ガスタ・ガルド》の効果発動!
チェーン順逆処理により、まずは私のデッキからレベル1の《ガスタ・イグル》を攻撃表示で特殊召喚するわ!」
「私も《ダンディライオン》の効果で《綿毛トークン》2体を守備表示で特殊召喚して、最後に《フェニキシアン・クラスター・アマリリス》の効果で800ポイントのダメージを与える、スキャッター・フレイム!」
《綿毛トークン》×2 攻0 守0
遊香 LP4000→3200
遊香が発動させた罠カードの効果で破壊されたモンスターの効果により、遊香とアキはお互いに新たなモンスターを召喚し、さらにアキのモンスターの効果で遊香がダメージを受けると同時に、遊香の場に破壊されずに残っている《魔王龍ベエルゼ》の攻撃力がダメージと同じだけ上昇した。
「ふふっ、その効果を待っていたわ!
《魔王龍ベエルゼ》の2つ目の効果、私が相手モンスターからの攻撃と効果ダメージを受けた時、その数値分このカードの攻撃力がアップする!
今回私が受けたダメージは800ポイント、よって攻撃力は3800になる!」
《魔王龍ベエルゼ》 攻3000→3800
「プレーヤーがダメージを受けるたびに攻撃力が上がる効果ですって!?
だけど、私の場には壁モンスターが居る、いくら攻撃力を上げても貫通効果の無いそのモンスターではダメージを与えられないわよ」
アキは《魔王龍ベエルゼ》の攻撃力が上昇したことに驚くが、このままではダメージを与えることが出来ない事を遊香に伝えると、遊香は前のターンに伏せていたカードを発動させた。
「そんなのは手数を増やせば良いだけよ、罠カード《ガスタへの祈り》を発動!
このカードは、私の墓地の《ガスタ》モンスター2体をデッキに戻してシャッフル、その後私の墓地から《ガスタ》モンスター1体を特殊召喚することが出来る!」
「私は墓地の《ガスタ・スクイレル》と《ガスタの疾風リーズ》をデッキに戻してシャッフル、そして墓地から《ガスタの神裔ピリカ》を攻撃表示で特殊召喚するわ!
さらに、《ガスタの神裔ピリカ》が特殊召喚に成功したことで効果発動、私の墓地から風属性チューナー《ガスタ・ガルド》を効果を無効にして守備表示で特殊召喚するわ!」
「そしてレベル3の《ガスタの神裔ピリカ》にレベル3の《ガスタ・ガルド》をチューニング!
疾風の中で舞う乙女、風の眷属と共に戦場を駆けよ!
シンクロ召喚、舞い踊れ《ダイガスタ・スフィアード》!」
遊香は連続して墓地から特殊召喚したモンスターでシンクロ召喚を行うと、そのままバトルフェイズに移行した。
「《ダイガスタ・スフィアード》の効果で墓地から《ガスタへの祈り》を手札に加えるわ。
そしてバトル、まずは《ガスタ・イグル》と《ダイガスタ・スフィアード》で2体の《綿毛トークン》を攻撃!」
「くっ!」
アキの場に守備表示で存在していた2体のトークンが遊香のモンスターの攻撃によって破壊されると、続けて攻撃力がアップした《魔王龍ベエルゼ》で攻撃で攻撃を行った。
「これで最後よ!
《魔王龍ベエルゼ》でアキさんにダイレクトアタック!」
「させない!
《魔王龍ベエルゼ》の攻撃宣言時に罠カード《
このカードの効果でフィールド上に存在する攻撃表示モンスターは全て守備表示に変更するわ!」
「・・・私はカードを1枚伏せてターンを終了するわ」
遊香 手札2枚 LP3200 SPC6
遊香は自分のモンスターが全て守備表示に変更され攻撃を中断させられるとそのままターンを終了し、アキのターンへと変わっていった。
「私のターン、ドロー!
私は手札からチューナーモンスター《
召喚成功時に手札からレベル4以下の植物族モンスター《ロードポイズン》を攻撃表示で特殊召喚するわ!」
《夜薔薇の騎士》 攻1000 守1000
《ロードポイズン》 攻1500 守1000
「シンクロ素材が揃ったということは」
「行くわよ遊香、今度は私のエースを見せてあげる。
私はレベル4の《ロードポイズン》にレベル3の《夜薔薇の騎士》をチューニング!」
「冷たい炎が世界のすべてを包み込む、漆黒の花よ開け!
シンクロ召喚、咲き乱れよ《ブラック・ローズ・ドラゴン》!」
《ブラック・ローズ・ドラゴン》 攻2400 守1800
アキのフィールドに自身の翼になっている黒薔薇の花びらを舞い散らしながらアキのエースでありシグナーを象徴するドラゴンの内の一体である《ブラック・ローズ・ドラゴン》が現れた。
「《ブラック・ローズ・ドラゴン》にはシンクロ召喚時にフィールド上に存在する全てのカードを破壊する効果が有るけど今回はその効果は使わない。
その代わりにこのカードのもう1つの効果を使うわ!」
「《ブラック・ローズ・ドラゴン》は1ターンに1度私の墓地から植物族モンスター1体を除外する事で相手の場に存在する守備表示モンスター1体を攻撃表示に変更してこのターンのエンドフェイズまで、その攻撃力を0にする!
私は墓地から植物族の《ダンディライオン》を除外して守備表示の《魔王龍ベエルゼ》を攻撃表示に変更して攻撃力を0にする!」
「さっきのターン《魔王龍ベエルゼ》が攻撃するまで《進入禁止No Entry!》を使わなかったのはこの為!?」
《魔王龍ベエルゼ》 攻3800→0
アキが《ブラック・ローズ・ドラゴン》の効果を発動させると遊香の場で守備表示になっていた《魔王龍ベエルゼ》は攻撃表示へと変えられ、上昇していた攻撃力も0へと変化させられてしまった。
「私はさらに手札から《SP-スピード・エナジー》を発動!
SPCが2つ以上ある時発動することが出来、私のSPCの数×200ポイントフィールド上のモンスター1体の攻撃力をアップさせる!」
「私はこのカードを《ブラック・ローズ・ドラゴン》を対象に発動!
現在私のSPCは7個、よって200×7で1400ポイントアップして攻撃力は3800ポイントとなる!」
《ブラック・ローズ・ドラゴン》 攻2400→3800
アキの発動させたSPによって《ブラック・ローズ・ドラゴン》が攻撃力を上昇させると、遊香はセットカードを一瞬見たが発動はせずにアキの次の行動を待った。
「さらに《スピード・ワールド2》の効果発動!
SPCを7個取り除くことでデッキからカードを1枚ドローする!」
SPC 7→0
「・・・バトルフェイズに入るわ。
これで終わりにするわ、《ブラック・ローズ・ドラゴン》で《魔王龍ベエルゼ》を攻撃、ブラック・ローズ・フレア!」
「攻撃宣言時に罠カード《ダメージ・ダイエット》を発動!
このターン中に私が受ける全てのダメージを半分にする、グゥッ!」
遊香 LP3200→1300
「そして、私が戦闘ダメージを受けたことで《魔王龍ベエルゼ》の攻撃力がダメージ分アップする!」
遊香の発動させた罠カードの効果で戦闘ダメージが半分になった事でライフが0にならずに済み、相手モンスターの攻撃でダメージを受けた事で《魔王龍ベエルゼ》の攻撃力が0から1900へと再び変化した。
《魔王龍ベエルゼ》 攻0→1900
「くっライフを削りきれなかった(今の攻撃の瞬間また痣が疼いた、やっぱりあのドラゴンに秘密が)」
「カードを2枚伏せてエンドフェイズ時に墓地の《ロードポイズン》を除外して墓地から《フェニキシアン・クラスター・アマリリス》を守備表示で特殊召喚して、ターンエンド」
「ターンが終了したことで《ブラック・ローズ・ドラゴン》の効果は切れて《魔王龍ベエルゼ》の攻撃力は4900ポイントにアップするわ!」
《魔王龍ベエルゼ》 攻1900→4900
アキ 手札0枚 LP3200 SPC0
ターン終了時にアキは墓地から《フェニキシアン・クラスター・アマリリス》を召喚し、遊香の場の《魔王龍ベエルゼ》も《ブラック・ローズ・ドラゴン》の効果が無くなり攻撃力が上昇した状態で遊香のターンになった。
「私のターン、ドロー!」
「この瞬間、罠カード《
私の場の炎属性モンスター《ブラック・ローズ・ドラゴン》をリリースして発動、相手にリリースしたモンスターの攻撃力分のダメージを与える!」
「思ったと通りね、私は墓地の罠カード《ダメージ・ダイエット》を除外して効果発動!
このターン中に私が受ける効果ダメージを半分にする!」
「墓地から罠ですって!?」
遊香が前のターンに使用して墓地に送られた罠カードを除外して発動した事にアキは驚き、発動した効果で遊香は効果ダメージを半分にすることで何とかライフを残すことが出来た。
遊香 LP1300→100
「くっ、まさかあのカードにそんな効果が有るなんて、だけどこれで遊香のライフは僅か100、このターン中に効果ダメージが半分になっていても《フェニキシアン・クラスター・アマリリス》の効果ダメージは800ポイント、この効果が決まれば私の勝ちなのは変わらないわ!」
「そうね、だからこのターンで終わらせて貰うわ!
手札から《ガスタの巫女ウィンダ》を攻撃表示で召喚!」
「どういうつもり、いまさらそんなモンスターを出しても私のライフを削る事は出来ないわよ!」
「こうするのよ、私はレベル2の《ガスタの巫女ウィンダ》とレベル6の《ダイガスタ・スフィアード》にレベル1の《ガスタ・イグル》をチューニング!」
遊香は新たに召喚したモンスターと自身の場に守備表示のまま存在していたモンスターでシンクロ召喚を行うと、遊香を中心に霧の竜巻が発生して遊香とそのフィールドを覆い隠してしまった。
「霧に潜む大いなる力よ、その力を持って全てを吹き飛ばせ!
シンクロ召喚、蹂躙せよ《ミスト・ウォーム》!」
《ミスト・ウォーム》 攻2500 守1500
遊香がシンクロ召喚を終えると自身をフィールドを覆い隠していた竜巻が消え去り、遊香の場に体から霧を噴出している巨大な蛇の様なモンスターが現れた。
「そして、シンクロ召喚成功時に効果発動!
《ミスト・ウォーム》がシンクロ召喚に成功した時、相手の場のカードを3枚まで選択して持ち主の手札に戻す!
このカードの効果でアキさんの場の伏せカードと《フェニキシアン・クラスター・アマリリス》を手札に戻すわ!」
「なっ、ここでバウンスですって!?」
遊香が召喚したモンスターの体から出ている霧がアキのフィールドのカードを包み込むと、選択された2枚のカードは手札へと戻されてしまった。
「これで邪魔は入らないわね、バトルよ!
《魔王龍ベエルゼ》でダイレクトアタック!」
「そんな、きゃあっ!?」
アキ LP3200→0
攻撃力が上昇した《魔王龍ベエルゼ》の攻撃を受けたアキのライフは0となり、遊香の勝利でデュエルが終わるとデュエルディスクを接続しているD・ホイールの画面にもデュエル終了の表示が現れ、二人はお互いにカードを片付けると観戦していた遊星達の所へと移動すると、デュエル中に感じた違和感を確かめるために遊星が遊香に話しかけて来た。
「すまないが、1つ質問しても良いだろうか?」
「ええ、良いですけど」
「君が先ほど使ったシンクロモンスター、《魔王龍ベエルゼ》は一体どこで手に入れたんだ?」
遊星が質問すると遊香は自身のエクストラデッキから《魔王龍ベエルゼ》を取り出して、遊星の質問に応えだした。
「このカードは私が色んな場所を転々としてる最中に立ち寄った神殿みたいな所に収められてた物なんですけど、そこでちょっとした事件が在りまして、色々有ってそこの神殿の管理をしている人に使って欲しいと頼まれたので、今こうして使わせて貰っているんです」
「その事件というのは、何か不思議な力が働いた物だったのか?」
「いえ、ちょっとややこしい事情が有りましたけど簡単に言ってしまえば只の泥棒ですよ」
「そうか。
いや、いきなり済まなかった」
遊香からの話を聞いても痣が反応した理由が解らずに遊星達は困惑していたが、ガレージにやって来る時間が遅かったこともあり日が落ち始めて来たため、遊香は今日はここで帰る事にしてもうしばらく此処に残るというアキを残して龍亜と龍可を送っていくためにガレージを出て行った。
どうだったでしょうか、次回からオリジナル展開の大会編に入ろうと思います。
それでは、更新が遅くなってしまいましたがこれからもこの作品をよろしくお願いします。
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第八話 ネオバトルシティ開幕!新たな力エクシーズ召喚!
~ネオ童実野シティ中心部~
アキとのライディングデュエル特訓を続けながら大会を待ちつつ日々を過ごしていた遊香は、その日々の中で遊星やアキと共にWRGPに参加するジャックやクロウ、記憶を無くして遊星達の所に居候を始めたブルーノとの出会いを経て大会当日を迎えた。
そして、遊香は大会への登録を行ったサイトに記されていたシティ中心部にある広場にやって来ると、そこには遊香と同じく大会に参加するであろうデュエリスト達が既に大勢集まっていた。
「さてと、大会の公式サイトに書いてあった参加者集合場所は此処で良いみたいね。
それにしても、凄い数のデュエリストね、皆大会に参加するのかしら」
「それ以外の理由で此処に来るやつなんて散歩で立ち寄った暇人位だろうさ」
「え!?」
独り言に応える声に驚いて遊香が声のした後ろを振り向くと、革ジャンとジーパン姿の華依が片手を上げて遊香の前にやって来た。
「よう、調子はどうだ?」
「先生、どうしたんですかその恰好?」
「プライベートの時位好きな恰好でも良いだろ、ていうかお前はなんで制服で来てんだよ。
別にアカデミアの授業は関係無いんだから私服で良かっただろ」
「まあそうですけど、この格好の方がアカデミアの知り合いが居たらすぐに気づいてもらえますから、現に先生も直ぐに私の事解ったでしょう?」
華依が制服で大会に来た遊香にその理由を尋ねると、遊香は制服姿の方が目立って知り合いに会いやすくなるからだと答えた。
「そういう事か、確かにこんなに人が居ても直ぐ解ったしな。
で、あっちからお前に手を振りながら来てる奴はお前の知り合いか?」
「え?」
「遊香さーん!」
華依に言われた方向を向くと未来が手を振りながら遊香達の所にやって来た。
「お久しぶりです、遊香さん」
「久しぶり、元気そうね未来。
紹介するわ、この人はアカデミアの影城華依先生」
「初めまして、青峰未来です」
「おう、よろしくな」
華依と未来がお互いに挨拶を済ませると、広場の正面にある巨大なスクリーンに白いローブで全身を包み顔の上半分だけの仮面を付けて正体を隠している人物が映し出された。
『広場にお集まりの大会参加者の皆さん、本日は大会に参加して頂き誠にありがとうございます。
これから本大会のルールと新カードの説明を行わせて頂き、その後皆様がお持ちになられている参加登録の控えを大会の参加証と参加特典のカードパックに交換させて頂きますので準備をしてお待ちください』
「・・・胡散臭い主催者だな、顔ぐらい見せろっての」
「仮面に全身白ローブ、声を合成音声で加工までしてるなんて怪しさ全開ですもんねぇ」
スクリーンに映った人物の恰好と声に遊香達だけでなく、その映像を見ている殆どの人物が主催者らしき人物に不信感を抱きながらもスクリーンから流れる映像と音声に意識を集中させていた。
『まずは本大会のルールから説明させていただきます。
これから行っていただく予選では、このネオ童実野シティ全体を大会の対戦フィールドとさせて頂き、大会期間中に街の外に出る事を禁止した上で、皆様にはスペシャルアンティルールで対戦して頂きます』
『本来アンティルールではデュエルを行う前にデュエリスト同士がお互いに手持ちのカード中からアンティとなるカードを確認し、それを了承する事で行われるルールです。
ですが、本大会のルールではアンティの対象となるカードを予めこちらで設定させて頂きます』
アンティで掛けるカードが予め決められているという言葉に動揺が広がるが、映像の人物はそのまま話を続けた。
『皆様にアンティで掛けて頂くカードはこれから皆様にお配りする参加特典のカードパックに収められている物に限らせて頂きます。
さて、ではどうやって特典パックに収められているカードと判断するのか疑問に思われているでしょうが、その説明を行う前に新カードの説明を行わせて頂きます』
『新カードはこれまでに存在しているカード達のどれにも当てはまらない全く新しいカードとなっております。
まずは、こちらの画像をご覧ください』
ローブの人物がそう言うとスクリーンに映し出されている画面がデュエルフィールドに移り変わると、レベル4の通常モンスターである《ジェムナイト・ガネット》と《ジェムナイト・サフィア》の2体がモンスターゾーンに存在していた。
『現在フィールドには2体のレベル4モンスターが存在しております、この2体はどちらもチューナーではありませんのでシンクロ召喚は行うことが出来ません。
さらに、他のカードも無いので融合、儀式も行うことは出来ません』
『今回皆様にお配りしテストして頂くカードはこの状況から召喚出来るルールを持つカードとなります。
現在フィールドにはレベル4のモンスターが2体、つまり同じレベルのモンスターが2体存在している事になります、新カードにとって重要となるのはこの”2体以上の同じレベルのモンスター”になります』
『新カードを召喚するためにはレベルが同じモンスター及びモンスターカードとしても扱う魔法、罠カードを2枚以上フィールドに揃える事が必要となります。
そして、同じレベルのモンスターが2体以上存在していることでエクストラデッキから特殊召喚することが出来るのが新しい召喚方法”エクシーズ召喚”です』
フードの人物が説明を続けると画面に黒い縁取りと左側に青い星が4つ描かれた1枚のモンスターカードが現れた。
『このエクシーズ召喚で召喚されるモンスターを
先ほど説明したアンティで掛けて頂くカードはこのXモンスターに限らせて頂きます、このカード以外のアンティは無効とし無理やりXモンスター以外のカードをアンティで要求した場合は反則とし、即刻大会への参加を取消しセキュリティへと引き渡します事をお忘れない様にお願いいたします』
『さて、新カードの説明に戻らせて頂きます。
この2体のレベル4モンスターをXモンスターの下に置く事でXモンスターを特殊召喚することが出来ます。
では、実際に召喚してみましょう。』
『レベル4モンスター2体でオーバーレイ・ネットワークを構築、エクシーズ召喚。
現れよ、ランク4《ジェムナイト・パール》』
説明に合わせてスクリーンに映し出されているカードが移動していき、モンスターゾーンの中央に2枚のモンスターカードが集まりその上にXモンスターのカードが置かれていった。
『見て頂ければお分かりになると思われますがXモンスターには他のモンスターカードのレベルに当たる部分の反対側に青色の星マークが有ります。
この青い星をランクと言い、Xモンスターはレベルの代わりにこのランクを持ちます』
『このランクの存在により今までレベルによって行動を制限する《レベル
そして、Xモンスターの下に置かれたカードは
スクリーンに映されているフィールドに召喚された《ジェムナイト・パール》の周りを2つの光が回り、その光に矢印が引かれ、ORUと表示された。
『また、このORUはXモンスターがフィールドを離れた時や取り除かれると墓地へと送られますが、ORUとなったカードはモンスターカード扱いとはなりません。
一例としてレベル3の《クリッター》と《ダンディライオン》の2体がORUとなっている場合にこの2枚が墓地に送られた時の説明を致します』
『《クリッター》と《ダンディライオン》は2枚とも墓地に送られた際に発動する強制効果を持っていますが、ORUとなっているこの2枚が墓地に送られた場合効果が発動するのは《ダンディライオン》のみとなります。
これは《ダンディライオン》がどこから墓地に送られても効果が発動するのに対して《クリッター》はフィールド上から墓地に送られる必要が有るためです』
『ORUとなった時点で《クリッター》はフィールド上に存在するモンスターとして扱われなくなるため墓地に送られても効果は発動しないという事です』
スクリーンに映し出されているカードがランク3のXモンスターとORUとなっている《クリッター》と《ダンディライオン》に変わり、ORUを2枚とも取り除くと《ダンディライオン》の効果は発動されたが《クリッター》の効果は発動されなかった。
『カード毎に様々な効果や特殊裁定が存在しますが、Xモンスターの基本的なルールは以上となります。
それでは、続いてこの大会の予選におけるアンティ以外のルール説明を行います』
『これから皆様にお渡しする参加証、こちらにはXモンスター同様にランクが設定されており最初は全員がランク1となり、対戦を行い勝利すると1ランク上昇し、負ければ1ランク下がります。
また、自身よりもランクが上の相手に勝利すると相手とのランク差分が上昇するランクに追加されますが、逆に下のランクの相手に敗北すればランク差分追加でランクが下がります』
スクリーンが再び白いローブの人物が映る画面に変わり、その人物が持つカードにXモンスターと同じ青い星とランク数が表示され、説明に続いて星とランク数が上下して行った。
『予選ではこのランクを12にまで上げて頂きます。
予選はこの後カードパックの配布が全て終了後1時間のデッキ調整時間を設け、本日18時までと明日の10時から18時の間行い、その間にランクを12にまで上げ大会終了時刻までそのランクを維持して頂きます』
『ただし、明日の17時以降は参加者の皆さんはこの広場に集合して頂き、その時点でランクを12にまで上げている参加者は挑まれたデュエルを必ず受けて頂き、デュエルを拒否された場合は失格となります。
そして、明日の18時時点でデュエル途中の方を除いてランク12を維持されている方を予選通過者とします』
予選最後の1時間を一か所に集まりランク12の参加者はデュエルを拒否できないというルールに再び動揺が広がるが、主催者はそのまま説明を続けた。
『この最後の1時間はランクが既に12になっている方に不利な条件となっていますが、参加証のランクには特例としてランク13を設けております。
ランク13はランクを無敗で12にまで上げた後、2連勝する事でなりランクが13になりますとランク数が固定となりこれ以降はデュエルに敗北してもランクが下がらない様になります』
『また、このランク13になられた参加者には配布するカードパックに少数入っている特別なXモンスターを別途お渡しするようになりますので、興味のある方は積極的にデュエルを行ってください』
『以上で大会のルール説明を終了いたします、それではカードパックと参加証を参加登録控えと交換を行いますので皆様順番にこのスクリーンの下に設営している大会本部テントへお越しください。
参加登録者全員にカードパックを配布したことを確認した時点でスクリーンに開始までの時間を表示しますので、スクリーンが見える位置で開始までお待ちください』
白ローブの人物がそう言うとスクリーンの映像は消え、遊香達を始めとした大会参加者は続々とスクリーン下にあるテントに向かって移動を始め、テント前に参加者たちの行列が出来上がり遊香達がカードパックを受け取りテントから出た時点で半分ほどの参加者がパックを受け取りその中のカードを確認していた。
そして、テントから離れた遊香達は広場の傍にあるカフェのテラス席でそれぞれが配られたカードパックを開けて入っているカードの確認を行っていた。
「さてと、早速パックを開けて見た訳だけど二人はどんなのが出たんだ?」
「私はXモンスターの《
「私のは《サンダー・エンド・ドラゴン》と《
華依の質問に遊香と未来はパックから出てきたカードをテーブルの上に広げ、それを見た華依は自分もパックから出したカードをテーブルに並べた。
「お前たちはXモンスターだけじゃなくてサポートカードも有ったのか、私のパックにはXモンスターだけだったんだがもし欲しいのが有ったらトレードしてくれないか?」
「えっと、それって大丈夫なんですか?
反則や規則違反とかになるんじゃ」
「大丈夫だって、さっきパック受け取った時に聞いてみたけどXモンスターを最低1枚持ってれば失格にはならないし、召喚条件のあるカードも有るからトレードはOKって話だから、5枚もXモンスターが出て来たから1、2枚交換しても問題は無いさ」
華依がそういうと遊香と未来は華依の広げたカードを確認して行った。
「それじゃあ、見させて貰いますね。
えっと《
「ああ、最後の1枚だけちょっと他のと違ってる感じだから分けてたんだよ、ほら」
遊香がテーブルに出されたカードが4枚だけなのを不思議に思って華依に尋ねると、華衣は他のカードと分けてあったカードを二人に見えるようにテーブルに置いた。
「《
なんなんですかね、このNoって」
「さっきの説明の最後に言ってた少数入ってる特別なXモンスターってやつなんだろうが、態々番号付けしてる理由が解らん」
華依はそう言って、ヴォルカザウルスのカードを手に持って他のカードと見比べながら首を傾げていたが、直ぐに悩むのを止めてトレードの話に戻すことにした。
「ま、カードの名称の由来なんて考えても仕方ないしそういう物として考える事にするさ。
それで欲しいカードは在ったか?」
「なら折角ですし、私はこの《虚空海竜リヴァイエール》というカードが良いんですけど、未来はどうする?」
「私のデッキに合いそうなカードがなさそうなので、残念ですけど今回は遠慮します」
未来は今回のトレードを断った一方で遊香はトレードして貰うカードを選ぶと、華依は自分が欲しいカードを遊香が持っているか尋ねた。
「それじゃあトレードするカードだけど、涼風は《クリバンデット》って持ってるか?」
「はい、持ってますけどXモンスターじゃなくても良いんですか?」
「ああ、私のデッキだとXモンスターよりもアドバンテージを思いっきり稼げるこっちの方が良いからな、そういう訳でトレード成立だな」
遊香がサイドデッキから《クリバンデット》のカードを取り出すと、華依は自分の《虚空海竜リヴァイエール》を遊香に渡し代わりに遊香から《クリバンデット》を受け取ると早速デッキの調整を開始した。
そして、遊香と未来もそれぞれのデッキ調整を始め三人がデッキの調整を終えてしばらくするとテントに出来ていた行列は無くなり広場のスクリーンに予選開始のカウントダウンが開始され、三人はカウントが終わるまでそのままカフェで時間を潰す事となった。
どうだったでしょうか。
ちなみにこの話の時点で、原作でのクラッシュタウン編終了時点まで時間を飛ばしてWRGPの予選開始直前くらいになります。
それでは、これからもこの作品をよろしくお願いします。
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