やはりとなりの比企谷は間違っている (いけちゃん&)
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出会う
暑い・・・
なぜこうもリア充たちは騒がしいのだろう。
今日は昨日より暑いよね~、だとか、あそこのアイス超美味しよ~、だとか、どうでもいいことをぺらぺらぺらぺらと。
なに。あんたらさんまさんなの?喋ってなきゃ死んじゃうのかよ。
その点、ぼっちは超環境にいい。
無駄に言葉を発さないことによりエネルギーのムダをなくし、なおかつCO2の排出を防ぐとかぼっちすごすぎだろ。
いっそ、人類みなぼっちになれば環境問題とかなくなるんじゃね?
とか考えるくらいとにかく暑い。
まだ5月入ってないのになにこの尋常じゃない暑さ。やっぱりぼっ..(ry
クラスの奴らはどうだといえば、静かに勉強に勤しんでいたり、いくつかのグループにまとまってはしゃいでいたり、携帯を触っていたり、ノーパソ持ってきていたりとさまざまだ。
(ノーパソ持ってくるとか、どんだけ一人でいたいんだよ・・・ ぼっちの鏡だな。でもノーパソはなくない?)
そんなことを考えているうちに予鈴の鐘がなり、担任の平塚先生がやってきた。
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「・・・・・はぁ?」
なぜこんな腑抜けた声が出てしまったかというと、先ほどのLHRで決められたであろう自分の役職が図書委員であったからだ。
確かに書記やクラス委員(絶対にないが)よりは断然いいが、だからといってなんでもいいかというとまた別だ。
図書委員はなってはいけない役職ベスト5に入るほどなってはいけない役職だ。ちなみに1位はもちろんクラス委員だ。
「先生、役職の変更をお願いします。図書委員は勘弁してください。せめて美化委員や保健委員にして...「だが断る!!!」
「お前が寝ていたのが悪い。天罰だと思え。」
「・・・さいですか」
「あと図書委員は2人いるからな。担当の日にちとかは2人で図書委員担当の先生に聞いてくれ」
これだよ。図書委員になってはいけない理由のうちの一つ。1人が自分というともう1人は必然的にぼっちや、クラスの上位カーストの場合が高い。
うちの学校は珍しく、図書委員はクラスで決まった2人が一緒に行わないといけないのだ。
そのため、ぼっちと2人になった人に気まずい思いをさせてしまうのだ。
まあ、そんなことも今更だ。
とりあえず名前だけは覚えておかないと失礼なので確認することにした。
ええっと、、、、夏目・・・あさ子・・・
ここから推測するに
女子、だな。
ぼっちにとって男子だろうが女子だろうがかわらん。
だがせめて上位カーストのやつらだけはさけてくれよ。
そう思いながらそいつがどこにいるのか確認しているとそいつは、まさかのノーパソのやつだった。
駄文でごめんなさい。
更新はできるだけ早く上げれるよう頑張ります。
となりと怪物くんが見たことない人、ごめんなさい。あまりこの作品がわからないかもしれません。
知らない人でもできるだけわかるよう書けるよう頑張ります。
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友達?
・・・・どうしたものか。
あいつ、いかにも話しかけてくるなオーラ出してるよな・・・
はぁー。
まあ、日にちの確認くらい1人で十分だろ。わざわざ2人で職員室まで行く必要なんてない。
きいた事をそのまま伝えればいいはずだ。
そんな誰に言うでもない言い訳をぶつぶつと考えながら職員室へと向かった。
◆
結論から言おう。
八幡の精神は衰退しました。
何言っているかわからないと思うが俺にも(ry
なんで数学教師はみな適当なんだよ。俺たちだけ2週間とかふざけんなよ。しかも来週の月曜日からとか。
せめて夏休み前とか誰も図書館にこなさそうな時にしろよ。
はぁー。
ため息ばかりでる。こんなの花の金曜日なんかじゃない!八幡超ぷんぷんっ!
だれかこんなふざけた金曜ぶちころしてくれないかなぁ。
チェーンソーで切り刻んでもなおよし。
こうなったのは俺の責任ではないと思うが、ぼっちはとても義理堅いのでこういう場合とても相手に対して申し訳なく思う。
まあ、あいつもぼっちだろうから気にしないとは思うが。
一応謝罪の言葉と一緒に伝えるとしよう。
「・・・・誰ですか?あなた。あっちいってください。」
全力で前言撤回。
総員撤退。 夜戦なんかせずすぐ戻ってこい川内!!
あっ、おれぼっちだから総員もなにもねーわ。
「・・・同じ図書委員になった比企谷八幡だ。担当する日にち聞いてきたから伝えに来ただけだ。」
くそ、俺だって同じ委員のお前の名前を覚えたんだから、おぼえててくれたっていいじゃねーか。
あとなんでぼっちのくせにこんなに可愛いんだよ、ちくしょう。
「そうですか。っで、いつなんですか」
「ああ。来週の月曜日からだ」
俺が答えたときにはもう彼女は既にノーパソに目を向けていた。
要件を伝えた俺は席に戻ろうとしたとき、彼女は思い出したかのように俺を呼び止めた。
振り返った俺は何が起こったのか分からず萎縮してしまった。
さきほど感じさせていた苛立ちは、冷徹さをおび、表情は笑顔なのにこれほどまで敵意のこめられていることがわかる笑顔なんて俺は初めてだった。
「あと、ひとつだけ忠告しておきます。同じ委員になったからラッキーだとか思はないでくださいね。惚れられても迷惑です。」
こいつ。なんだと思えばそんなことか。
本物のぼっちをなめんなよ。前までの俺なら「緊張してるのかな~。そうだここは俺が緊張をほぐしてやらないと」なんて思っていたかもしれないが(本当過去の俺死ねよ)今の俺は違う。
「んなわけねーだろ。俺とお前は同じ図書委員というだけで、それ以上でもそれ以下でもねーよ。」
できるだけ自分が彼女にまったく興味がないとわかるようにそう言った。
・・・あれっ。おれやっちゃった?なんかまずいことでも言ったか?
なんでそんなにも呆気に取られた顔してんだよ。なに、まさか自分では気づいてないだけで、本当はとっても痛いこと言っちゃってたの、俺?
・・・ほんとに大丈夫だよね?
俺が自分のいった言葉を何度も確認していると、ようやく我を取り戻したのか彼女が口を開いた。
「・・・・ふ~ん。ならいいですよ。ちょっと意外でしたけど(ボソッ」
そうか。っと俺はつぶやき席に着こうとしたときまたしても呼び止められた。
んだよ。さっきの流れはもう終わりって感じだったじゃねーか。
しぶしぶ振り返ると彼女はまるで某SOS団団長のごとく、すっぱりといった。
「私と友達になってください!」
・・・一瞬思考が停止する。
はぁ?なにいってんだこいつ。さっきは惚れるなだとか完全敵意込めて睨んできたのに、しかも、さっき俺は「同じ図書委員というだけでそれ以上でもそれ以下でもない」っていったはずなのだが。後半の部分は何度も確認したからまちがってないはずだ。
それなのにあいつ『友達になってください』って。
一体何考えてるんだ。
俺はその言葉の意味を理解できぬまま、予鈴の鐘によってなされるがままに席についた。
◆
「友達なんですからメアド交換しましょうよ♪はちくん!」
「いつ友達になったんだよ。てかはちくんはやめろ」
はぁ。なぜこうなった。
放課後、結局あの言葉の意味を理解できなかった俺は本人に直接訪ねてみたところ、「何言ってるんですか。はちくん。目だけじゃなく、脳まで腐っちゃったんですか」と言われる始末。
自分でも目があれなことはわかってはいるつもりだが、面と向かってしかも本当に哀れんで言われるとくるものがある。
やめろ!やめくれぇ。
目尻に塩水を含ませながら心の中で叫んだ八幡なのでした。
話を戻すと俺はこいつに友達認定されたようだ。
必死に抗議した結果がこれである。
人生あきらめが肝心だとはよくいったものだ。
とりあえずメアドを教えることにした。
「てかすごいですね。普通友達でも携帯渡すのためらいますよ。」
「別にみられちゃ困るようなことなんてないからな。」
てかさっきから友達友達強調しすぎだろ・・・
「メールも小町って人とAm○zonがほとんどだし。しかもこの小町って人妹でしょ。」
「うるせえな。いいんだよ愛する小町とさえ連絡取れれば。」
「うげぇ~」
まじでひいてんじゃねーよ。千葉のお兄ちゃんはみんなこうなんだぞ!
そうだよな!みんな!
「まあいい。そろそろ俺帰るからな。」
「なんかあるんですか?」
今日は確か犬夜叉だったな。うん。早く帰らないと。
いや、別にやることないから見てるんじゃないんだかんね!
そのまま言うとまた罵倒されそうなので
「あ~・・・今日は塾があんだよ。」
「そうなんですか。」
「ああ。んじゃあな。」
「はい!ばいば~いはちくん。」
だからはちくんは・・・・
まあいいか。
別にあだ名なんてよくあることだ。
いままでつけられてきたあだ名と比べたら全然だ。
・・・やめよう。自分で自分のトラウマをほじくり返す必要なんて皆無だ。
駐輪場へ向かい、自分の自転車を見つけ帰路につく。
ふと、今日の出来事を思い出す。
「こんな金曜日も悪くない・・・な」
あかね色に染まりつつある空を見上げ、柄にもないことをつぶやいた。
くはぁ~疲れましたw
本当に短くてごめんなさい。
次回はもっと字数が多くなると思いますのでご慈悲を。
あと、ついに3人目の俺がいるキャラが登場します!!
乞うご期待!!
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塾
今回はそんなことないと思います。
あと、今回は新キャラが多数出ます。
帰宅してそうそう塾の準備をし、家を出て塾へと向かう。いつもは「サイゼやコンビニ弁当ばかりじゃ体に悪いから小町特製愛妹弁当を持ってきなさい! あっ、いまの小町的にポイント高い♪」なぞと言われ弁当を持って行かされるのだがあいにく今日は小町は友達と遊んでいるのか家にはいなかったのでコンビニによることにした。
最後のがなけりゃーお兄ちゃん的にもっとポイント高いんだけどな・・・・
うーん。まいったな。
いつもなら炭火焼牛カルビ弁当かロースカツカレーにするかで迷い、結局は海苔弁当という感じなのだがなぜか今日は3つすべて売り切れていた。
しかたない。今日はサイゼの気分じゃないがなかったからコンビニに来たというのに・・
まあサイゼはここからそお遠くない。急いで行けばまだ混んでいないだろう。
そう思い足早にコンビニから出ようとしたとき、誰かとぶつかった。
しまった。頭の中がサイゼのことでいっぱいで周りが見えていなかった。
八幡一生の不覚。ぼっちにあるまじき行為。
くそう。これがサイゼの力だというのか!?
すぐさま謝ろうとしたらむこうから話しかけてきた
「おっと。ごめんごめんごめん。」
「いやっ、そっちに否はない。ちゃんと前をみずに歩いていた俺が悪い。すまん。」
頭を下げ立ち去ろうとしたとき今日で3度目となる呼び止めをくらった。
えっ。まさかこんな謝り方ではダメだったのか?まさかここでお命頂戴とかそんな目にあっちゃうの俺。
内心少々ビビリながら振りかえった。
「たしか君って比企谷くんだよね。」
「・・・そうだけど。」
なんでこいつ俺の名前、、はっ、、まさか本当にお命頂戴されるんじゃ!?
俺が再び自身の命の危険を感じていると、そいつはまた口を開いた
「あれ?同じクラスのはずなんだけど。名前覚えてもらってない?」
「俺の名前は佐々原宗平って言います。みんなササヤンって呼んでるから比企谷くんも気軽にそう呼んでよ。」
・・・同じクラスだったか。だがおかしい。普通の人なら俺が同じクラスだったとしても「比企谷?だれそれウケるんだけどww」とか言うはずなのに(泣いてなんかないし。目から汗が出てるだけなんだかんね)、なぜこいつは知っているんだ。
考えようとしたとき、またもそいつは口を開く
「確か今日、夏目さんと喧嘩してたでしょ。『そのあと友達になってください』って言われてるの見てびっくりしたけど。」
見られてたのか。
なんとも恥ずかしい。くそ夏目め、お前も゛絶対に許さないリスト″に入れてやる。
俺が恥ずかしさのあまりうつむいていると不意に後ろから声がした
「ササヤーンまだ決まってないのかー」
ふむ。どうやらこいつを待っていた友達がなかなか来ないので様子を見に来たらしい。
「あー今行く。 んじゃ俺待たせてるから行くね。ばいばい比企谷くん。」
そういって彼は持っていた商品のレジを済ませ。友達のもとへと走ってった。
時刻は6時半を指している。
これじゃあサイゼはもう混んでいるな。
仕方なく俺はいくつかの菓子パンとマックスコーヒーを買い、塾へと自転車を走らせた。
◆
塾にはギリギリについたため席はもうほとんどうまっていたため、空いている席を探し座ることにした。
うーんどの席にしたいいのだろう。時間がないためすぐに座らないといけないんだが、どうも誰かの真となりしか空いていない。
あのぺらぺらしゃべっているやつのとなりは絶対に避けねばならない。
すると必然的に座るのはあの静かな女性のとなり一択しかない。
「すまん。となり座ってもいいか。」
できるだけ下手に出る。
「別に構わないけど。」
彼女はそう一言いうとすぐさまノートに視線をうつし、先程までやっていたのであろう問題集に視線をうつす。
どこかで見たことがある面持ちではあったが講師がきて受講が始まるようなのでそっちに集中した。
「……であるから…は……で………」
うん。全然わからん。
何をいっているのかさっぱりだ。
そこからはただひたすら講師が言っていることをノートに書いていた。
ようやく受講が終わったようだ。
これはあれだな、小町特製弁当がなかったせいだ。
うん。そうに違いない!
そうと決まったらすぐさま家に帰り小町成分を補給しなくては!!
だが一言このとなりの女性にお礼は言わなくてはならない。
「さっきは「あれ、水谷さんじゃん。」
思わず声の主を見る。
そいつは見るからにぼっちゃんで制服は着崩すことなく第一ボタンもしっかり締め、シワ一つなくまるで優等生という言葉そのもののようだった。
どうやら俺の言葉はそいつのことばによってかき消され何事もなかったように会話を始めた。
「今回の模試散々な結果だったねー水谷さん。」
「・・確かに。理数系は良かったけど英語でのやまが外れたのが痛かっけど・・・でも総合するとヤマケン君よりも上よ。」
「いいんだよ俺は。そんなにがつがつ勉強しなくてもこのままでも勝ち組なんでね。」
どうやら彼女は水谷さんというらしい。
どこかで聞いたことのある名だと思ったら、模試の結果の張り出しでよく上位にいる人だ。
まあ、俺には関係ないが。
会話している中、途中に割り込むのも申し訳ないのでそのまま帰ることにした。
「お兄ちゃん!お兄ちゃん!!」
あぁ?
風呂上り、リビンングに行くといつもより4割増ほど嬉々とした表情で小町が俺の携帯を手に持ち近寄ってきた。
「お兄ちゃん!!このメールの送り主の『夏目』ってだれ!!!まさか女の人なの!!そうなの!!!そうなんでしょ!!!!!」
なんで女の人一択なんだよ。
しかもなんでわかっちゃうの?エスパーなの?ココロコネクトしちゃってるの??
「なんでそんなに気になるんだよ。てかそれ俺の携帯。」
「えーだってお兄ちゃんいつもメールするのって小町と迷惑メールくらいじゃん。」
だからなんで俺が迷惑メールにメール返してるの知ってんだよ。
「女子だけどただの同じ図書委員ってだけだ。」
「やっぱり女の人なんだ!!!お兄ちゃん小町うれしーよ。ついいにお兄ちゃんにちゃんとメールしてくれる女の人ができるなんて!」
「うっせ。」
うかつだった。まさか小町に見られるとは。
これ以上めんどくさいことにはなりたくなかったので小町から携帯をとりすぐ自分の部屋に戻ることにした。
「もーこれだからごみいちゃんは。お兄ちゃんにメアド交換してくれるような人なんて滅多にいないんだから、もっとグイグイいかなきゃ」
「どうせ【メール届きましたかー】とかなんだろ。」
「そうだけど・・はぁ。ほんとごみいちゃんなんだから。」
最後まで聞かず俺は自室へ戻っていった。
小町可愛い。
こんな妹がいたらなー
何度も感覚を開けてごめんなさい
今回も3000文字の壁にぶち当たりました。
次回は絶対・・・超えてみせます・・・多分。
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図書委員初日
お気に入りにしてくれてる方には特に申し訳ないです。
今回も少ない文量ですが最後まで読んでもらえると幸いです。
「あっ、はちくんおはよーございまーす。」
な・・・ん・だ・・と・・・・・・!?
俺のスキル『ステルスヒッキー』がきかないなんて・・
さすがはぼっちである。
「・・・うっす。」
「なんですかー。元気ないんですか?」
元気って、お前アントニオ猪木かよ。闘魂注入でもするのかよ。
「いや元気なわけないだろ。今日月曜日だぞ。いやむしろ毎日元気じゃないといっってもいいな。」
「なんでそんなこと胸張って言ってるんですか・・・それはそうと今日からですよね!図書委員の担当って!!」
同情の視線向けてきたかと思えば今度は超いい笑顔になるとか。忙しいやっちゃなーお前は。
「なんでそんなに図書委員やる気なんだよ・・・だったら俺の分までやっといてくれよ。」
「ダメです!!図書委員は2人でやらないとダメだってさっき数学のサエコ先生言ってました。」
なんでもっと適当じゃないんだ!!!青キジ見習えよ!
「放課後ちゃんと来てくださいよ。来なかったら平塚先生にチクリます。」
「わかったよ。行くから平塚先生には言うなよ。」
はぁ。
俺は心の中で某ウニ頭のように「不幸だぁぁぁぁぁあああ」と叫んだのであった。
◆
放課後俺はしぶしぶ図書室へと向かった。
律儀に決められた事をちゃんとこなす俺、マジ社畜の鏡。
サラリーマンはこんなことを毎日毎日やってるのか。
うえ。働きたくねー。
こうなったら就職先は専業主婦だな。
気づくと図書室の前まで来ていた。
扉に手をかけたとき、一人の男の声がきこえた。
「なっ、夏目さん!!あの、図書委員の仕事終わったら校門まできてください!!ま、待ってまるから!!」
男は言い終わったやいなや俺に気づかず走って図書室から出ていった。
うむ。どうやらステルスヒッキー発動していたようだ。
あれ?おかしいよー。僕目の前にいたはずなのに。
俺がメガネに蝶ネクタイの少年のような棒読みしているうちにふと夏目のことを思い出した。
夏目を見ると、どこか諦めたようでいて、今にも泣き出しそうな悲しい顔だった。
あのような容姿だ。
きっとこんなことは今回が初めてではないんであろう。
諦めたような顔になるのはわかる。
だがどうしてそんなにも悲しい顔をしているのか、今の俺にはわからなかった。
このまま扉の前で突っ立っているわけにもいかないので中に入ることにした。
「うっす。」
「・・・あっ、はちくんじゃないですか。遅いですよ。」
先程までの悲しい表情とはうってかわり、優しげな面持ちで出迎えてくれた。
「・・・あ~、さっきのはいつものことなのか。」
「・・・見てたんですか。まあはい、いつものことですよ。自分のことだけしか考えないでいつもいつも好き勝手で相手のこと考えないで。だから男は嫌いなんです。」
そういう彼女の言葉にはどこか力がこもっていた。
「一応俺も男なんだが。」
「あっ、はちくんは大丈夫です。ぜんぜん男って感じしないですし、むしろいるかどうかもわからないですもん。」
えっ?何この子。なにナチュラルにdisっちゃってんの。
この子、怖しい子!!!!
「でも、だからといって告白とかしないでくださいね。本当に迷惑です。」
「んなことしねーよ。」
そう言い終えると、俺は図書委員としての仕事を思い出すが、特に誰が本を借りに来るというわけでもないので読書を始めた。
結局本を借りに来る者や、ましてや図書室に来る者もいなかった。
自分としてはずっと本を読んでいるだけなのでとてもありがたかった。
夏目といえば、さっきから忙しくタイピング音を室内に響かせていた。
俺は再び本を読み始めたが読み始めて1分も立たぬうちに見覚えのある人物が俺たちのもとへとやってきた。
「どうやら初日はサボらずちゃんと来たようだな。そういう律儀なとこは評価にあたいする。」
「ぼっちは常に相手の迷惑がかからないように過ごしてるんです。なので俺が本の貸し出し受付にいると借りにくくさせてしまうかもしれないんで明日からはいかないほ「それ以上続けるようなら、衝撃のファーストブリットから抹殺のラストブリットまですべて食らわすぞ。」
「わかりましたから本当に人差し指から指をおらないでください。お願いします。」
真っ直ぐ殴れる拳作ってるとか殴る気満々じゃねーか。
ふぇぇ。平塚先生の目がマジで怖いよ~。
そんな会話をきいてた夏目はどうやら不思議なことがあったらしく、平塚先生にその疑問をぶつけた。
「『衝撃のふぁーすとぶりっと』ってなんですか?あと最後のやつもわからないんですが。」
「ぐはっ!!・・・いや、いいんだ。お前らは知らなくて当然だよ。」
夏目さん、それは平塚先生にとって酷すぎやしませんか。
先生涙目になっちゃってるじゃねーかよ。
「グスン・・・もうあと少しで最終下校時刻になるから君たちもそろそろ家に帰りたまえ。」
泣いちゃってるじゃねーか。
どうにも居たたまれない空気になってしまったので俺は帰ることにした。
「んじゃあ俺帰るわ。」
「まってください。私も帰ります。」
2人が図書室から出ると平塚先生が施錠し職員室へと戻っていった。
しょんぼりとしょげている背中を見ているとこっちまで涙が出てきてしまいそうになる。
誰かもらってやれよ。じゃなきゃ俺がもらってしまいことになる。
「そういえばはちくんってなにで学校来てるんですか?」
「自転車だが。」
「そうなんですか~。じゃあ家はどっちなんですか?」
「なんでそんなこと聞いてくるんだよ。」
「いいじゃないですかー。っでどっちなんですか。」
これ以上言い合っても平行線だと思ったので諦めて答える。
「・・・校門出て西だよ。」
そう答えると彼女はなにかひらめいたようで顔を輝かせてとんでもない事を口にする。
「じゃあ途中まで一緒に帰りましょうよ♪私も家そっちのほうですし。」
「なぜそうなる。」
「私がはちくんと帰ろうが私の勝手じゃないですか。」
それ理由になってねーだろ。アホなのか、こいつは。
「第一、お前今日呼び出されてるんじゃなかったのかよ。」
「いんですいんです。どうせ行ったって、あの人の友達がぞろぞろいて見せもにでもされるんですから・・・・」
彼女はもう悟っているようだった。
きっとこれも彼女の経験から来ているのだろう。
これ以上赤の他人である俺が彼女に踏み込むのは筋違いだ。
結局、俺はなし崩し的に彼女と帰ることになった。
帰り道では特に何があるわけでもなくたわいもない話をして帰った。
実際は小町はどういった人なのかとか小町は可愛いだとか小町は可愛いだとか・・・
あれ?俺小町の話しかしてないじゃん。
◆
帰宅してそうそう小町からの質問攻めに合う。
今日どんな話ししたの?だとかちゃんとアピールしたのかだとか、あまりにもしつこくきいてきたので風呂に逃げ込んだ。
出たらすぐに部屋に戻りベッドに突っ伏したところでふと、彼女のことが思い浮かんぶ。
他人の俺がどうこう首を突っ込むとこではない。
だがなぜあんなに諦めた顔をするのか、今の俺にはいくら考えてもわからない。
きっと彼女の経験してきた過去がそうされるのだろうと、ただの勝手な推測しかできない。
自分は何に悩み、何を考え、なにがしたいのかわからぬまま俺は眠りについていた。
夏目さんらしさ、ヒッキーらしさを書くのが大変だということを改めて実感しました。
次回はもっと頑張ります。
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補修
今回も短いですけど。次回から頑張ります。(フラグ)
はぁ・・・やはり数学は俺には向いていないな。
いくら基本問題が出来たって応用ができなければテストでは何の意味も持たない。
むしろ基本すら怪しい。
案の定数学のサエコ先生からは
「今回のテストで赤点だった人は補修を行います。このあとすぐに図書室に来てください。」
まあ2人しかいなかったんですけどね、っと小さい声で付け足した事を俺は聞き逃さなかった。
くそっ、なんてこった。
今日は早く帰ってアニメ見て小町におかえりを言うという用事があったのに。
・・・そんなの用事じゃないって?ハハハ、八幡ナニモキコエナイ。
というよりなんで図書室なんだ?別に教室でやったって問題ないだろうに。
そんな疑問を持ちつつ、今日は補修で図書委員の仕事できないとあいつに伝えるもとい補修を受けるべく、俺は既に教室にはいないあいつにこのことを伝えるべく、図書室へと向かった。
________________
「あっ、はちくん遅いですよ。もう補修始まってますよ。」
あともう一人の補修はお前かよ・・・
なんでわざわざ図書室で補修をやるのか疑問に思ったが、このせいだったのか。
「・・・・お前、バカだったんだな。」
「ムキー!!失礼ですね!同じく補修を受けに来ているはちくんには言われたくないです!」
「ばっかお前、俺は文系だから数学とか関係ないんだよ。」
「・・・まだ中学生なのに文系も理数系も関係ないじゃないですか!」
チッ、バレたか。
アホの子のこいつなら気づかれないと思ったんだが。
「・・・・・そろそろ始めたいんだけれど。」
俺がアホの子おそるべしなぞと思っていたとき、不意に横から声をかけられた。
目線をそちらに向けると、そこに立っている彼女は髪を耳元で二つにわけており、こちらをまっすぐと見据えていた。
あれ?どこかで見たことがあるな。この人。うーん、確か塾で座る場所がなかったから隣に座らせてもらった気がする。
べっ、別に隣に座らせてもらった時にいやな顔されたのが嬉しくて覚えてたわけじゃないんだかんね。・・・誤って屋上で紐なしバンジーしちゃうかもしれないレベルだな。
名前なんていったっけ。水・・川?いや違うな、水・・野?これも違うな。水・・、水・・
「・・・ええっと、確かあんたって水川さんだろ。どうしてあんたがここにいるんだ?確か成績はよかったと思うんだが。」
「・・水川ってだれ?私は水谷なんだけど。あと、なんで私がここにいるかというのは、サエコ先生に参考書と引換にあなたたちの補修を行うことになったからよ。」
そうでした。そういえば彼女ともう一人の見るからにリア充オーラを身にまとっていたやつがそんなことを話してたっけ。
ちなみに水川あさみさんってかっこいいよな。あのどんな相手に対してもズバッと言うところがとても八幡的にポイント高い。
っというか、同じ生徒に補修を受けさせられるってこれなんてエロゲ?
「・・・では彼がきたところだし、そろそろ始めさせてもらう。まず、どこからわからないか教えてもらっていい?」
「「全部だ(です!)」」
「・・・やっぱりお前はアホの子だったんだな。」
「む、さっきから失礼ですよ。はちくんだって補修に来てるってことはアホなんじゃないですか!!」
「ふっ、数学はそうだが俺は国語学年3位だ。よってお前はアホの子だ。」(ドヤ顔)
「・・・うわ~。正直その顔はキモイです。引きました。」
ねぇ、なんでこいつは真正面からそんな事言えちゃうわけ?もっとオブラートに包めよ。くそっ。帰ったら『絶対に許さないリスト』に書いてやる。もう書いてあるけど。
しかも水谷さりげなく引いてんじゃねーよ。あんたも追加してやる。
・・・俺ってそんなひどい顔してるか?これでも目以外は整っていると思うんだが。まあ目がすべてを台無しにしてるんだけどね。あれ、目から汗が。
「・・・というよりなんではじめからわからないのよ。中3の数学なんて公式さえ当てはめれば出来ると思うんだけれど。まあこんなこと言っててもしょうがないからとりあえず今日はとにかく問題を解くことから始めましょう。」
まあそれが妥・・・・・・っては!!!???」
「うるさいですよはちくん。何回話を中断するんですか。」
「え、ちょっとまって。今日はってなんだよ、それじゃあ今日以外もあるみたいじゃねーか。」
「ええ当たり前じゃない。今日のたった一日だけで合格点に達せられるわけないでしょ。来週の追試の日まであるわよ。」
「マジでせうか・・」
なんてこったちくしょう。
早く家に帰ってラブリーマイエンジェル小町とラブラブしたかったのに。まあ実際そんなことないんだけどね。
そんな俺の心の叫びも虚しく補修一日目は開始された。
おまけ①
「では行きましょうか。平塚さん。」
「ああサエコさん。私たちの戦場へ。」
この日赤点の彼らの補修を彼女に託した数学教諭のサエコは同僚で国語教諭の平塚とともにある場所へと向かっていた。
「そういえば今回は何人なんだ?」
「今日は私たちを含めて女性が4人で男性が4人、合計8人で席は男女別れた対面式となっています。」
うむ、そうかと答えた彼女の返答はとても力がこもっていた。
②へ続く!
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