ゴリラ、トレーナーになるってよ (エヌラス)
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ゴリラがトレーナーになるまで
1.ゴリラ、ゴルシと出会う


どうも!あらすじにもありますが
キャラ崩壊
主さえ何書いてるかわかんない

なんかもう意味がわからない。などまぁ…はい!

あと見切り発車なのでいつどこで失踪するか分かりません!

でも馬鹿にしてる訳ではありません!仮面ライダーもウマ娘も大好きです!!





「おおあああああああああぁぁぁっっ!?」

 

晴れやかな日に、トレセン学園近郊に響き渡る絶叫。周りのウマ娘達は「またか…」と思い、メジロマックイーンは「あっ…」と何かを察したかのように走り去る。今日も”あるウマ娘”の餌食になりかけていた”トレーナー?”がいた。

 

「なんなんだよあいつ…!_突然人のことトレーナー?とか言い出すし…突然追いかけてくるしよ…!」

 

シャツ姿でダッシュしたせいか汗まみれな不破諫。職業は”仮面ライダー”、まぁ普段はほぼフリーターに近い。なぜそんな彼がこんな目にあっているのか。

 

__時は約1時間前に遡る。

 

_________________________

 

「なんだこれ、バッジか?」

 

いつも通りに自称街のパトロールをしていた不破諫。突如裏通りから出ると街の風景が変わり果てていることにも気づかずに、バッジを拾い上げた。ここら辺では見ない金色のバッジ…

 

「お?」

 

「ん?」

 

そこで、いつの間にか自分の目の前に立っていた人……?に気がついた。というか目が合った。

 

「これお前のもんか?」

「お前トレーナーか!?」

 

「は?、何言ってんだ?」

 

「そのバッジとその服装……トレーナーだろ!?」

 

「?????」

 

まるで理解ができん。というかその耳としっぽはなんだ?__見ないコスプレだぞ。というかよくそんな器用に動かせるな……と思いつつ、少しだけ距離をとる。

 

___なんか、危ない気がするのだ。野生の勘がそう唸っている。

 

「よ〜し!!お前には着いてきてもらう!」

 

指をさしながら言うウマコスプレ野郎、不破はとりあえず叫ぶ

 

「だからなんだよ…!___お前誰だよ!?」

 

「はぁ〜!?__お前このゴールドシップ様を知らないとは何事だァ!?」

 

「知るかよ!!」

 

「なんだとぉ!?」

 

「やめろくんな!!コスプレ野郎…!!」

 

不破はそのバッジを持ったまま、コスプレ少女から逃げようとするが、彼女の脚力は人間とは言えぬもので一気に捕まってしまった。

 

「離せ!何すんだよ!!___っていうかお前脚力どうなってんだよ!?化け物か!?」

 

「乙女を化け物呼ばわりだとォ!?」

 

「乙女は俺みたいなやつを抱えねぇよ!!___かか離せ!__」

 

「やだねぇっ!!」

 

「いてぇ!ちょっ!?____いてぇっ!」

 

「ふんっ!」

 

「ア”ァ”ッ”!!」

 

ゴルシは謎の気合いにより、理不尽にも不破諫の首にチョップを叩き込み、気絶させた。

 

_________________________

 

「ん…?__あ?」

 

「お、起きたか!__よしならさっそくお前も手伝え!私がここまで運んでやったんだ。礼くらいしろ」

 

「はぁ?意味がわからん…俺は帰る………は?」

 

不破がゴルシから目を背け帰ろうとするが、目の前に広がるのは海だった。

 

「おい!お前!」

 

「あん?」

 

不破「ここどこだよ…」

 

「知らん!地球のどっかだ!」

 

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?」

 

 

 

どうやら、新たな試練が始まったらしい

 

 

 

 

 




パーンチーンコーング


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2.ヤシの実?こじ開けてやるよ

なんか意外に読まれてて嬉しかったので調子に乗って第2話書きました。相変わらずのキャラ崩壊です!


それではどうぞ!


「地球のどっかってお前…!!」

 

「あのなぁ…そんな小さいこと気にしてっと禿げるぞ?」

 

「なんでそんな落ちついてられんだよ……」

 

「そらなぁ、お前だってこれ聞いたら落ち着けなくなるだろ!」

 

「…?」

 

「この島にはな!最強になれるお宝が眠ってるんだ!見ろよこの紙ィ!」

 

「何だこの紙…」

 

「はぁ!?そんなんも知らねーのかよ。たくっ…!」

 

「いや、知らねーというか…」

 

「グダグダ言うな!ほらこい!お前も探せ!」

 

不破「は!?なんでだよ!!」

 

ゴルシ「見つけるまで帰らねぇかんな!」

 

「……わかったよ!探せばいいんだろ!?探せば!___おい!お前!」

 

「なんだフワフワ頭!?」

 

「フワフワ頭だとォ!?」

 

「そいやお前名前は?」

 

「は?」

 

「名前だよ!__まさか…!無くしたのか…!?」

 

「あるに決まってんだろ!?__不破諫だ!」

 

「あーうん、なるほどね…」

 

「…は?、聞いてきたのそっちだろ…」

 

「フワフワ頭の不破諫ってか!」

 

「ぐぶっ…!__ウ”ウ”ン”ッ”!!」

 

「今笑っただろ?」

 

「いや…!全然…!___何してんだ探すぞ!」

 

半場誤魔化してるに近い言動で、不破はそこら辺にあるものを掻き分け始めた。

 

_________________________

 

「う〜ん♪長靴〜!くんくん…」

 

 

 

「…」

 

 

 

「木の枝!___いらね」

 

 

 

「…」

 

 

 

「ペットボトル!!____中に紙は…!?_____ないか…」

 

そう言うと片手でペットボトルを握りつぶし、投げ捨てたゴールドシップ。それを不破は眺めていた。

 

 

「…なぁ」

 

「ん?どした?」

 

「お前結局何者なんだ?人か?変な人か?」

 

「またお前はこまけぇことを………」

 

不破「いやいや…大体お前な、突然俺の事”トレーナー”とかで呼んでたよな?」

 

「おん!だってそれ持ってんじゃん!」

 

「これは落し物だ、俺のじゃねぇ」

 

「……」

 

(これでことは片付くはずだ。あとは落とし主を…)

 

「いいんじゃね?」

 

「…は?」

 

「お前見てるだけで面白いしいいんじゃね!って言ってんだよ。となりゃ早速上と話つけるか!」

 

「は?おい!?」

 

「学園長とたづなに話つけた大丈夫のはずだ!行くぞ!!____あへぇ……」

 

「おい!大丈夫か!?」

 

不破を担ぎあげ、走ろうとしたゴルシが突如倒れる。顔中の砂を振り払い、不破が起こす

 

「水分不足、これ以上のカツドウはゲンカイです…」

 

(こいつ…ロボット…いやヒューマギア…?)

 

「おい、何ぼーっとみてんだ。水くれ」

 

考え込むのを嘲笑うかのように、ゴルシが普通に話しかけた。

 

「海水かけてやろうかテメェ…」

 

そう言いながら立ち上がり、辺りを見回す。このまま死なれたりでもしたら呪われそうだし目覚めが悪い。

 

「ヤシの木か…」

 

しばらくすると、ヤシの木が何故か都合よく生えていた。

 

「ヤシの木…!_でも高くて取れねーぞ…」

「…」

 

とりあえず揺さぶってみるが、漫画のようには落ちてこない。

 

「…仕方ねぇ」

 

そう言うと、不破はスーツのどこかから銃のようなものを取り出した。それにゴルシがギョッとする。

 

「お前警官だったのか…!?」

 

「まぁ、そんな感じだ…離れてろ」

 

それを言うと同時に銃、”ショットライザー”から銃弾を2発放ち、地面に落とす。

 

「なら私が割るぞ!」

 

「いらん。黙って座っとけ」

 

そう言いながらヤシの実をひとつ、持ち上げて________一気にまっぷたつに叩き割る

 

 

「うそ……お前ゴリラかよ……!」

 

 

「誰がゴリラだと!?」

 

そう言いながらもうひとつの実をまっぷたつにする。ゴルシは半ば引いていた。

 

________________________

 

「もう夜じゃねぇか…」

 

気がつけば、辺りは暗くなり始めていた。 静かな風景に、海の波音が聞こえてくる。都会とはまた違った匂いが鼻をくすぐる。

 

「不破、中々いい目付きになったじゃねぇか__野生のゴリラみたいだ」

 

「誰がゴリラだ…この馬コスプレ女が…」

 

「だからコスプレじゃねーっての。私達はこうゆう生き物なんだ」

 

「はっ、信じらんねぇよ……で、結局宝ってなんなんだ?」

 

「宝は宝だ」

 

「は?」

 

「そら宝ってんだから、こういかにも宝っぽいやつだろ!」

 

「はぁ…?____お前なぁ…」

 

もう疲れたし怒る気力すら湧いてこない。

 

「明日私と一緒にトレセン学園行くぞ!___上と話をつけてお前も明日からトレーナーだ!!」

 

「そのトレーナーってなんなんだよ!?」

 

「トレーナーすら知らねぇのか!?___お前ほんとに頭大丈夫か!?」

 

「お前にだけは言われたくねぇ!!」

 

「静かにしろ!せっかくの波音が聞こえねぇだろうが!!」

 

「理不尽だろ!」

 

「よし!帰るか!」

 

「聞いてんのかよ…てか帰るって、どうやって帰るんだよ」

 

 

 

 

 

 

 

「言っただろ?ここは地球のどっかだ!なら歩き続ければいつか着く!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…お前とは二度と会いたくねぇ…」

 

 

 

 




次回、帰還


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3.仮面ライダー、トレーナーになる。

評価や感想、お気に入りしてくれた方々ありがとうございます!励みになります!


「おーい!おーい!!」

 

「…あ?」

 

「あ?じゃねぇよ。着いたぞ!トレセン学園!」

 

「あ、そうか………………………………は??」

 

寝ぼけた頭が一気に覚醒し、飛び起きた。目の前にはゴルシ、いやゴールドシップが耳を動かしながら不破を見ていたのだ。

 

「誰が勝手に連れてこいと…!?___あと帰れたのかよ…!」

 

「だから言ったじゃねーか!_地球のどっかなんだから帰れるってな!」

 

「お前ほんとにめちゃくちゃだな!?」

 

「いいからこいッ!!」

 

「ごふっ!?」

 

ゴルシは強烈すぎる腹パンを不破にあびせ気絶させた。周りにいるウマ娘達は巻き込まれないようにと歩いていく。

 

「よいしょっと…あ、マックイーン!!」

 

そこにたまたま通りすがったマックイーンがいた。当然ゴルシから逃げ切れるはずもなく…

 

「…!!___ゴ、ゴールドシップさん…ごきげんよう…」

 

「おう!おはよう!」

 

「担いでる人は…一体?」

 

「ああ!今からこいつをトレーナーにしに行く!上と話をつけるんだ!」

 

「またあなたはそんな…!?___さすがに無理ですわ…学園長とはいえ、さすがにそんな…」

 

「やる前から決めつけるのは良くねぇぞ!___私はやる!絶対にやるからなぁ!!」

 

「ゴールドシップさん!!_____はぁ…」

 

マックイーンが何かを言う前に、ゴールドシップは学園内を走っていった。もちろん人を担ぎながら……

 

〜学園長室〜

 

「おーす!学園長さん!たづなさん〜!」

 

「ゴールドシップさん!____と?そちらの担いでるお方は…?」

 

「不破諫だ!_今は訳あってこうして眠ってしまった…!」

 

「な、なるほど…?」

 

「単刀直入に言わせてもらう!__コイツをトレーナーにしてやってくれ!」

 

「……はい?」

 

「…これまた予想外…」

 

「こいつ今多分職ねぇし、あとこいつ銃持ってっから警備員とか!__見捨てるのもなんだかなって!」

 

「さすがにいくらなんでも…ちょっと…」

 

その時、不破の目が開いた。

 

「おい、離せ…!てか降ろせ!」

 

「お!目ェ覚めたか!」

 

「テメェなぁ…!!___おっぶ!!?」

 

何かを言う前にゴルシが下に落とした。もちろん反応できるわけでもなく床に張り付く。

 

「君が不破くんかな?」

 

「いってぇな……あ?なんだあんた…」

 

相手が学園長とは知らず、初対面からめちゃくちゃ無礼を働く不破諫。

 

「ああ、名乗るのを忘れていたな!私は秋川やよい!ここトレセン学園の学園長だ!」

 

「ほーん………って!?」

「…どうした?」

 

「1番偉い奴じゃねぇか!?___まじで連れてきたのかよゴールドシップ!?」

 

「当たり前だろ!?」

 

「…おい…!」

 

「おふたりは仲がいいんですか?」

 

「んなわけねぇだろ…昨日出会ったかと思いきや突然連れ回しやがって…このバッジのせいだろ。大体は…」

 

「「それ…!!」」

 

バッジを見せると、たづなと理事長の2人があっとなった。

 

「あ?」

 

「昨日からずっと探してたバッジなんですよ!__学園長が間違えて1個多く発注しちゃって…」

 

「そんなんで大丈夫なのかよ…、道端に落ちてたぞ。ほら、返す」

 

「いや、それは君が持っていてくれ」

 

「…は?」

 

「君とはなにか奇妙な縁がありそうだ!そのバッジを君にやろう!__たづな!早速だが手続きだ!私の書名で頼む!」

 

「おいおいおい!ちょっと待て!話が___」

 

「あーあ、せっかく住む場所と働く場所が見つかったのにな〜、どうせこのままでも無一文で餓死だろうな〜」

 

「ぐぬ…」

 

否定できない、そこが痛い。そうしてる間にもたづなという人物はテキパキと資料を書いていく。

 

「あとはここにご自身の名前を…」

 

「…」

 

「はーやーく!はーやーく!」

 

「…わかったよ…やりゃあいいんだろ!?やりゃあ!!」

 

そう言いながらボールペンと紙を半ば強奪するようにして名前を書いて返す。

 

「よし!!」

 

「…?」

 

「歓迎ッ!ようこそ、我がトレセン学園へ!君がこれから出会うウマ娘たちの夢!ぜひ叶えてやってくれたまえ!」

 

「まじかよ…てかウマ娘って……」

 

「それはこれからの楽しみだ!さぁたづな!__直ぐに寮の部屋に案内してやってくれ!まだ空きはあるはずだ!」

 

「承知しました!では不破さん、こちらへ!」

 

「……」

 

 

不破諫。仮面ライダー兼トレーナーになる。これから一体、脳筋な彼に一体どんな出会いがあるのだろう。

 




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4.トレセン学園

気がつけば評価バーが赤くなってました!!ありがとうございます!これからも頑張ります!

UA4000人ありがとうございます!!目指せ1万!!


「こちらが、トレーナー寮となっております。基本的に外出は自由ですが、門限がありますよ」

 

「門限とかあんのかよ…ちなみに破ったらどうなる?」

 

「さぁ…?___どうなるんですかね…?」

 

「…そうか」

 

身の危険を感じた不破諫だった。多分この人を怒らせると…怖い

 

「他にもウマ娘達の専用の寮があります!そこは基本的に許可がないと立ち入れませんからお気をつけて」

 

「なるほどな…」

 

「ここがあなたの部屋です!必要最低限のものは用意してあるので心配なさらず!」

 

「助かる」

 

そのまま様々なところを巡る不破とたづな。トレーニングルームや全てのコースがあるレース場。ひっくるめて言えば、スポーツ選手に必要なものは全てある。一通り見た不破は、たづなさんと別れ、ある場所へ行く

 

_________________________

 

〜食堂〜

 

「とりあえず飯食うか…」

 

とりあえずどんなものか、というか人間が食べれそうなものはあるのか…

 

「普通にあるんだな…」

 

とりあえずのカツ丼。金はいらないらしい。

 

「意外と美味そうじゃねぇか…」

 

そこら辺の椅子に座り、割り箸を割って食べ始める。とりあえず辺りを見回せば、多分自分と同じトレーナーとかいう奴らと”ウマ娘”と呼ばれる生き物たちがいた。この世界については全く知らない不破だが、それはこれから慣れていこう。そう考えながら食べ進めようとした時だった____

 

<ズシン!!

 

(ズシン…?)

 

まるで食堂で立てる音ではないと、不破は直ぐに思い、音のした方向___自分の後ろに目をやる。

 

「もぐもぐ……美味いな…」

 

「な、な……な、なんだよ…、この量…!?」

 

昔テレビで見たことがある、大食い選手権の決勝に出てきたクソでかい丼、それの3倍くらいはあるだろうか、とにかく、ありとあらゆる素材がタワーと化している。

 

しかもそこに座っているのは華奢なウマ娘だ。さすがにあの量は無理がある。俺でも無理だ。

 

(大丈夫なのかよ…)

 

そう思いながら自分のカツ丼を食べ進めていく。

 

〜20分後〜

 

「う、嘘だろ…!?__どんな食欲だよ…」

 

自分がようやくカツ丼を食べ終わり、後ろを再び見ると、お皿は既に空になっていた。バキュームカーも驚きだ。

 

「ふぅ……おかわり」

 

「っ!?」

 

もうここまで来ると「すげぇ」を通り越して「怖ぇ…」と感情が芽生えてくる

 

「…?__どうかしたのか?」

 

「あ?あ、あぁ…よく食うなって…」

 

「…そうか?まだまだ行けるが…」

 

驚きだ。というかもう怖い。いつか自分も食われそうだ

 

「そうか!とりあえず食えよ〜!じゃあな〜!!」

 

半ば逃げるようにして、不破諫は食堂を抜け出した。

_________________________

 

〜中庭〜

 

「なんなんだよ…アイツ…めちゃくちゃ食うし…その割にはスタイルいいし…ウマ娘ってすげぇな…」

 

「オグリキャップのことか?」

 

「あいつそんな名前なのか、って___またお前かよ!!」

 

ベンチで項垂れる不破の横からぬっと現れたゴールドシップ。不破は途端に嫌な顔をした。

 

「会って早々失礼だなこのゴリラ!」

 

「誰がゴリラだァ!?_この馬野郎!」

 

「ゴールドシップだって言ってるだろ!?記憶力ねぇのか…!?」

 

「あるわ!めんどくせぇだけだ!」

 

「そっちの方がめんどくせぇだろ!?」

 

「ったく…お前と話してっと疲れる…」

 

「そりゃあこっちのセリフだ」

 

「それよりもだ。」

 

「なんだよ」

 

「トレーナー?とやらになったのはいいが…具体的になにすりゃあいいんだ?」

 

「そこの男性が、新しいトレーナー…とやらかな?」

 

「あ?誰だ?」

 

「紹介が遅れたな、私の名前はシンボリルドルフ。ここ、トレセン学園の生徒会長だよ」

 

そう言いながら手をさし伸ばしてくるので、不破もその手を握る。

 

「不破諫だ。今日からここで世話になる」

 

「不破諫か…いい名前だな」

 

「お、おう…」

 

シンボリルドルフ、そう名乗る彼女に、一瞬だけだが惹かれかけてしまった。

 

「どうだ?ここの感じは?」

 

「ああ、悪くはねぇ……変な奴にしか出会ってないけどな…」

 

「はははっ!__確かにここには個性豊かなウマ娘が沢山いるんだ。地方から来たウマ娘もいるんだ。個性が豊かとはいえ、全員がそれぞれの”夢”に向かって日々精進しているよ」

 

「”夢”か…」

 

あの日を思い出す。

 

 

 

 

 

『ヒューマギアをぶっ潰して…!その先に何があるのか!__夢なんて…考えたこともなかった…。だがいつか見つけてやるよ…俺が俺であるために!俺の夢を!!』

 

 

 

 

 

 

「…どうした?」

 

「いや、なんでもない…」

 

「会長!」

 

向こうから、ウマ娘が1人走ってきた。

 

「呼ばれたようだ。また会おう」

 

(当たり前か…全員が全員、夢を持ってこの学園に来てる…それを支えるのがトレーナー…)

 

その時だった。門の近くで、荷物を持ったウマ娘が、泣きながらトレーナーと思われる人物と話していた。ウマ娘は片足を包帯で巻いており、もう戦えないのだろう。そんな雰囲気を醸し出していた

 

 

「ごめん…!ごめんな…!!俺が…俺のせいで…お前を勝たせてやれずに…!」

 

「そんな…トレーナーは何も悪くないよ…!__私がきちんとしてれば…!」

 

 

「前に地方から来たウマ娘だな、最初は勢いがあったが…トレーナーも優秀なはずだった。だけど負けられないレースに負けて…自暴自棄になったんだろうな…それで足を怪我したんだ…」

 

「…」

 

「ここではそんなやつも少なくねぇよ、未練があるのに走れなくなった奴も沢山いる…私達はそいつらの分まで、頑張らなくちゃいけねぇ。トレーナーも、もちろんその責任を一緒に背負って戦うんだ」

 

「そうか…」

 

そう呟きながら自分の胸に着いたトレーナーバッジを見つめる。金色のバッジ、そのバッジがどれほど大切なのか今ならわかる。

 

「…ウマ娘……上等じゃねぇか…」

 

(目付きが変わったな…)

 

「俺がトレーナーになったら…絶対に負けさせねぇ…!最強を作り上げてやる…!」

 

声に出ているものの、不破諫は今日、ここに誓った。未だに信じられないウマ娘と言う生き物。慣れない環境。だがこの男ならできるだろう。

 

___不破諫とウマ娘達のハチャメチャストーリー、開幕!

 




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チームバルカン結成編
1.相性最悪な2人


あああ!また赤ゲージ伸びてる!!ありがとうございます!!これからも頑張りまァァス!!

お気に入りとかぐんぐん伸びててウレシイ…ウレシイ…
これからもこんな小説をよろしくお願いします!


ゴリラトレーナー!まず最初に育成するのは!まずは1番初めに出会ったウマ娘、ゴールドシップ!相性最悪なふたりはどうやってうまぴょいするんでしょうかねぇ()


どうぞ!


〜教室〜

 

「トレーナーってどうやったらトレーナーっぽいとこ見せられるんだ?」

 

「なんでアタシに聞くんだよ。図書室言って調べてこい、今アタシはルービックキューブ解きで忙しいんだよ」

 

「…そうか」

 

ここはあえて大人しく引き下がる不破。今ここで暴れてギャースカ言い合っても変な目で見られるだけだ。

 

「いってら〜」

 

とりあえず教室を出て____場所がわからないために近くのウマ娘に聞こう。そうしよう

 

「おい、そこのお前」

 

「はいぃぃ…!?」

 

後ろから軽めに肩を叩くと、まるで幽霊に叩かれたかのようなオーバーリアクションに困惑する不破諫。片目が隠れているウマ娘が、もう片方の目で不破を見る。

 

「…?___何ビビってんだ?食ったりはしねぇぞ」

 

「あ、そ、そうなんですね……よかった……」

 

「よかったってお前…俺が何に見えんだよ……まぁいい、図書室はどこだ?」

 

「と、図書室…ですか?_それなら___」

 

そうして教えられた場所を何とか頭に入れた。

 

「ありがとな」

 

そう言い放ちずけずけと歩いていく不破。その後ろ姿をキョトンとみていたライスシャワーだったが___

 

「大丈夫ライスちゃん…?カツアゲ?」

 

「う、ううん…違うよ…?__道を聞かれた、だけ…」

 

_________________________

 

〜図書室〜

 

「………だぁぁぁぁもう!!」

 

「「…!?」」

 

「なんなんだよ…!ダートだの芝だの長距離だの!__はぁぁぁぁ…」

 

一気に脱力する。なんだろう、本を読んでただけなのにものすごくしんどい。疲れた、眠たい。

 

「…」

 

そういえば、とポケットに突っ込んであるプログライズキーを取り出す。

 

(この世界にはアークはいねぇのか…?)

 

この世界に来てから1度も変身をしてない、ショットライザーは1回使ったが…仮面ライダーになるということがないのだ。

 

「ま、そっちのほうが…」

 

「「おーい!!ゴリラー!!」」

 

「…」

 

いた。アークよりさらにめんどくせぇ野郎が。このゴールドシップとやらだ。最近名前だけは覚えるようにはした。

 

「俺はゴリラじゃねぇ、何度言ったらわかんだウマ野郎…」

 

「なぁなぁ!ルービックキューブ解けたぞ!!_____ってなんだそれ」

 

「なんでもねぇよ…」

 

「へっ!どうせ大したもんじゃねぇだろ」

 

「大したもんじゃなくて悪かったな!」

 

「そんなことよりもさ!」

 

「お前が話振ってきたんだろうが…」

 

「アタシのレース見に来いよ!明日なんだ!」

 

「はぁ!?明日!?」

 

「ああ!走って新人トレーナー?とかからスカウト受けんだ!お前もこい!」

 

「やだよ。行かねぇ」

 

「こねぇとお前ん家にドリル持って突撃する」

 

「…」

 

わかる。コイツはマジでやりかねない。せっかく手に入れた住居をめちゃくちゃにされるのはたまったもんじゃない。

 

「行けばいいんだろ?__何時だ?」

 

「拒否権ねーけどな!___昼だ!ここでやるから!」

 

そう言うとどこかへ走り去って行ったゴールドシップ。不破は「相変わらずだな」と呆れ声で呟く。

 

「帰って寝るか…」

 

用事もできた事だし、今日は早く寝よう。夕方だけど…

 

 

「アイツ…どんな走り方すんだ…?」

 

 

それだけが気になった不破諫だった。

 

 

 




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2.トレーニングルーム

お気に入り100件、UA8000ありがとうございます!!ほんと感謝です!
評価もひたすら励みになるし、感想も、全て読ませていただき、参考にもさせていただいてます!
皆様に楽しんでいただけるよう頑張ります!




〜トレーニングルーム〜

 

「ねぇ…あの人ってトレーナーだよね…?」

 

「うん、バッジあるもんね…」

 

「でもあれ私でも持ち上げるの辛いよ…?」

 

ヒソヒソと、通りすがる者が全員二度見する光景がそこにはあった。

 

 

 

「ふっ…!__あいつらこんなもん持ち上げてんのか…!!」

 

 

 

だって普通の人間?しかもスーツ姿の人ががウマ娘専用トレーニングルームで鍛えてるんだもん。

 

 

〜事は30分前に遡る〜

 

「さて…アイツが走るまでまだ時間はあるな…」

 

朝飯を食い終わり、身支度を済ませた不破諫。腕時計を覗いて時間を確認し、まだ余裕があることに驚く。

 

「そういや最近まともに体、動かしてねぇな…」

 

最近と言えば、歩いた。走った。殴られたくらいか……

 

 

『トレーニングルームもありますよ』

 

 

「そういや言ってたな、トレーニングルームがあるって…」

 

そうと決まればやることはひとつ。

 

「行くか、トレーニングルーム!」

 

_________________________

 

 

と、言うわけなのだが…

 

(視線がやけに痛い…俺なんか変なことしてるか?)

 

色々なウマ娘から浴びる視線がやけに刺さる…だが一度集中をすればこんなもの……

 

「ああああああ!!!」

 

「「っ!?」」

 

不破の大声に、周りにいたトレーナーやウマ娘達が跳ねそうな勢いで驚いた。

 

「もうこんな時間かよ!?アイツのレースじゃねぇか!?」

 

スーツを拾い上げ、汗まみれのまま走り始める不破諫。そしてその場所に落ちるひとつの物。

 

「あの〜!」

 

それを拾い上げたウマ娘、ナイスネイチャが、止めるべく呼びかけるが……

 

「いないし……てかこれ…なんだろ?」

 

「どうしたの〜?」

 

たまたま一緒にいたマチカネタンホイザが、後ろからニュっと覗く。

 

「ほらこれ、さっきの人の落し物だよ…」

 

「…なんだろこれぇ…?」

 

青く光り、何となくオオカミっぽい塗装がされてある”それ”を2人はトレーニングルームの明かりに照らし眺める

 

「さぁ…?___ま、一応生徒会に届けたら持ち主に届くでしょ……多分」

 

「でも綺麗な水色だね〜」

 

照明に照らされた水色の何かはキラキラと光っていた。

 

「はいっ!終わり!」

 

「ぇぇええええ…!もっと見せてよ〜!」

 

「それで変なことに巻き込まれたらなんかヤバそうでしょ…!とりあえず行こ!生徒会!」

 

_________________________

 

〜学園内・長距離レース場、観客席〜

 

「ここか…!はぁ…はぁ…!」

 

ひたすらダッシュしたのがよかったのか何とかギリギリで間に合った。改めて思う、この学校広すぎる…、歩きなら1日退屈しなさそうだ。

 

「トレーナーの方ですか?」

 

「…ああ」

 

正直、自ら進んでトレーナーとは言うのは気が進まないが家を改造されるのは困る、だからとりあえず名乗る

 

「こちらへどうぞ」

 

頷いたスタッフは、不破をある部屋に連れていった。その部屋には、様々な思いを胸に背負ってるであろうトレーナー達、年齢も意外に様々で、まだまだ新人っぽい奴から多分もう熟練のトレーナーであろう、本当に十人十色だ。

 

「ふん…まさか君も新人トレーナーかい?」

 

「あ?」

 

初対面から妙にカチンとくる喋り方をした奴がいた。

 

「スカウトに遅れてくるなんて相当馬鹿なんだろう…」

 

「テメェいまなんつった…!!」

 

不破はイライラをぶつけるかの如くそいつの襟をつかみ椅子から立たせ、睨みつける

 

「ち、ちょっと…!落ち着いてください!」

 

その横にいた藍色の髪の女が止める。

 

「…チッ」

 

「ふん…」

 

不破は尚も煽るような目を向けてくる奴に背を向け、1番遠いところにある椅子にどかりと座り込む。

 

(なんなんだアイツ…ムカつく野郎だ…)

 

そう思いながら前を見ると、9人のウマ娘達がゲート前に現れたのだが……

 

(アイツ……)

 

あの見た目で嫌という程わかってしまう。ゴールドシップだ。アイツだけなんかサングラスかけて五郎〇ポーズのようなものを取っていた。

 

(あんなんで大丈夫なのかよ…)

 

不破の些細な不安をよそに、レースが始まろうとしていた

 

 

 

 

 

 




不破の些細な不安……ギャグの匂いがする……


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3.ガチ追い込み!

感想で、台本形式はいい目で見られないとチラホラ聞きまして、ちょっと頑張ろうと(?)思い名前の欄を消してその分文を増やして状況を掴めるようにします!

最初は分かりにくいところもありますでしょうが、暖かい目で見守ってください!頑張ります!

_________________________

そしてUA11000人ありがとうございます。お気に入り150もありがとうございます!

これからも読者の人たちの暇つぶしというか、読んでもらえるように頑張ります!


今回いつも通り文章おかしいですね()

あとレース部分めちゃくちゃ端折ってます…すいません…


「アイツ…ほんと自由だな…」

 

不破はガラス越しに見たゴールドシップに対してそんな言葉を漏らす。

 

『…!』

 

視線に気づいたのかは知らんがゴールドシップがこちらへ顔を向けると、ニカッと笑い親指を立てて見せた。不破はそれに対し少し笑ってしまった。

 

「少しは緊張くらいしろっての…」

 

そんな言葉を不破は漏らしつつ、レースが始まろうとしている場所に目をやった。

 

「…」

 

最初に目で回ってみて分かったことがある。電光掲示板に書いてある通り2000m、それで中距離

 

第1に人間が走れる距離ではない。自分が全力を出しても、多分……と言うよりかは絶対に無理だと思う。そう考えると”ウマ娘”というのは本当に存在するのだろうか。

 

不破はまだウマ娘のことは疑心暗鬼なのだ。だがしかし今日で分かる。あの日図書室で見た本にあった

 

『人にはない脚力とスピード』

 

それが本当にあの娘達にあるのだろうか、というよりウマということはこの娘達は後々大人の賭けに振り回されるのか…!?

 

(恐ろしすぎるだろこの世界…!)

 

まだ来てまもないこの世界に、微かな不安を宿した不破だった。

 

_________________________

 

「…うっし…」

 

上にあるトレーナーの椅子にアイツがいることを確認したゴールドシップ。まさか本当に来るとは思わず、部屋には一応ドリルなどの工具が用意されていた。

 

「す〜は〜!」

 

息を吸う、今日は天気もいい、相手もなかなかの揃い_____そして何より”アイツ”が見ている時点で本気を出さない訳には行かない。

 

『それでは、ゲートに入ってください』

 

アナウンスから流れる声に従い、それぞれが思いと共に中に入る。人に押されながら入る者もいれば、自ら入って行く者もいる。

 

ゴールドシップはあまりゲートが好きではない。蹴っ飛ばして走ってやりたいがそれは許されないらしい……めんどくせ…

 

(だけど、今日は違ぇ…)

 

伝わる熱気というのが一味違う、練習試合とかでは体験出来ないこの高ぶりを……どう晴らしてやろうか……

 

_________________________

 

「…全員構えた…?」

 

なんの指示も出ていないはずなのに全員腰を落としたり腕を上げたりなどの体制をとる。不破はもっとこう「位置について!」とか「よーい、どん!」的な何かがあるのだと思っていたのだか……

 

 

『さぁゲートが開いた!!』

 

「…!!」

 

そう不破が考え込んでるうちにレースは始まった。やはり人間より走る速度が伊達じゃない、全員が人間と比べれば速すぎる。

 

「アイツはどこだ…?___って…は?」

 

あれだけ自信満々だったゴールドシップ。それはもう快進撃かと思って前を見ていたのだが見当たらない

 

視線を少し動かし最後方を見ると、そこにゴールドシップはいた。後ろから2番目の位置に付いていた。

 

「アイツ…!大丈夫なのかよ…!」

 

不破は思わずそう呟いた。あれだけ口を叩いてまさか腹でも痛めたか…?

 

 

『アタシのレース見に来いよ!退屈させねぇから!』

 

 

言われたあの言葉が不破をよぎる、もしかするとだ…アイツは色々変だから走り方も普通とは違った何かをしてくれるかもしれない。

 

隣に並ぶトレーナー達は全員様々なウマ娘に目を向け、配られた資料と見比べているようだ。ちなみに不破はそんなモノ見ない、資料なんか面倒臭いというのもあるがもう1つある。

 

そもそも資料なんか当てににならないのだ。その日の気分や状態で人は変わる、それはアイツらウマ娘も同じはずだ。

 

『第3コーナー曲がりました!』

 

 

色々と考えてるうちにもう半分以上を走っていたゴールドシップ達。本当に人間なのか…

 

(人間じゃねぇか…ウマ娘か…)

 

もうこれを見せられてしまったらいやでも認めるしかない。俺はそんな頑固な人間じゃない。

 

(っていうかアイツ何してんだ…!?)

 

ゴールドシップは後方から4番手に着いていた。1番前との差はまだあり、このままのペースでは絶対追いつけない。

 

周りの奴らはゴールドシップから既に目を離しており、大体が一番や二番にいるウマ娘を見ていた。だが不破はそんなもの興味すらなくただ今日誘ってきたゴールドシップだけを見ていた。

 

『第4コーナーカーブ!』

(…!)

 

第4コーナーに差し掛かった。ゴールドシップはまだ変わらずにその場にいた。不破に自然と焦りが募る。本人は無自覚なのだが……

 

_________________________

 

(さて…そろそろゴルシちゃんの見せどころ……あいつどんな顔するだろーな!)

 

そう思い内から外に出る。

 

外側には誰もいない。

 

自分だけの道がそこにはある。

 

まだ足も大丈夫だ。ならばやるべき事はひとつ______

 

「どけどけどけぇぇぇっ!!_ゴルシちゃんのお通りだァァッ!!」

 

外側から一気に抜いていく、1人、2人、3人と_______

 

他のウマ娘達が抜かす度に驚きを隠せずにいた。ゴールドシップはそれを見てニヤリと微笑む。してやったり

 

_________________________

 

 

_____その時だった。

 

(なんだ…?なんか……なんかヤベェ…)

 

風向きが変わった。とでも言った方がいいか。どう表現すればいいか、そう思っていた時だった。

 

『外からゴールドシップ!外からゴールドシップが来た!!』

 

「なっ…!!」

 

さっきまで後ろにいたゴールドシップが、驚異的なスピードでどんどんほかのウマ娘を抜いていくのだ、まるで今まで脚を貯めていたかのように

 

一気に加速する。その加速はとどまることなく……

 

そして最後の一人さえ抜き去って……

 

 

 

 

『ゴールドシップ!ゴールドシップが驚異的な末脚で見事1着を勝ち取った!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




レースの知識頑張ってみて取得します…



〜感想欄オナシャス!〜

https://syosetu.org/?mode=review&nid=260472

ここを押すんだ!作者が発狂しながら感謝する場所だゾ!

https://syosetu.org/?mode=rating_input&nid=260472

作者のくだらないツイートや小説情報を見たい方へ!(いねぇよ)

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4.不破さんカット!

お久しぶりです、私です()

3ヶ月くらい空いてましたね((

筆が死ぬほど乗りませんでした()



あとめちゃくちゃ伸びてて驚いてます。ありがとうございます


〜グラウンド〜

 

「またやってるよあの2人…」

 

「あんなに毎日やってて飽きないのかな…?」

 

練習する為に通るウマ娘やそのトレーナー達が見る度に言葉を漏らす。そのウマ娘の目線の先には______

 

 

 

 

 

 

 

「バカ野郎!!なんでグラウンドで将棋やってんだ訳わかんねぇよ!!??」

 

 

「いいだろうが!!別に将棋グラウンドでやったってよォ!?」

 

「良くねぇよ!!テメェいい歳してるだろうが常識くらい学べ!!」

 

 

「ゴリラに言われたくねーよ!!___昨日体育館の倉庫の扉捻り潰した癖に!」

 

「なっ…!?___あれは開かねぇ扉がわりぃんだよ!」

 

「るせー!ゴリラ!!」

 

「あ”ぁ”ッ”!?____やんのかこのケモ耳!?」

 

言い合いの果てに始まる2人のど付き合い、正直いってウマ娘と互角に渡り合ってる不破トレーナーが怖い。周りがそう言っていると____

 

 

「おい、貴様ら…今体育館の扉を捻り潰した…と聞いたが?」

 

 

もっと怖いのが来た。周りのウマ娘や人間が一気に姿を消し、それに気づかなかった不破とゴールドシップの前に、ヤツが歩いてきた。不破はその顔を見た瞬間に一気に血の気が引いた。

 

俺にトレーナー本とやらを死ぬほど読ませてきたウマ娘だ。

 

「おいゴルシどうすれば_____っていねぇ!?あいつなんなんだよ!?」

 

 

 

「ちゃんと詳しく説明してもらおうか?」

 

人間がウマ娘に叶うはずもなく、首根っこを掴まれた不破はそのまま引きずられていく。

 

「ゴールドシップゥゥゥゥ!!!」

 

引きずられながら不破は、街全体に響きわたりそうな叫び声を上げた。

 

_________________________

 

 

「おう、反省大変そうだな」

 

罰として生徒会室の掃除をさせられている不破諫。そしてそれを煽るかのようにソファに腰掛けるゴールドシップ。さっきまでいなかったくせに2人が消えた瞬間現れやがった

 

「……ちっ」

 

話すのも面倒臭いので舌打ちをひとつ

 

「おいおい、舌打ちはねぇだろ…ってかエプロンと三角巾絶望的に似合わねぇなお前…なんか笑えてきたわ…ははっ、はははっ!」

 

不破のエプロン姿がツボに入っただろうゴールドシップが、げらげらと笑い声をあげる。不破は額の血管が引きちぎれそうなくらいの怒りを抑えつつゴルシに言った。

 

「俺だってやりたくてやってる訳じゃねぇよ…!?」

 

「はははっ!!ははははははは!」

 

 

 

「探したぞ?ゴールドシップ」

 

 

 

 

 

 

 

「あっ…」

 

 

生徒会室が一気に冷えていく。おかしいな…だいぶ季節外れなんだが…

 

不破とゴールドシップの先にたっているのは、顔こそ笑ってはいるが目が笑っておらず、立ってるだけなのに周りにどす黒いオーラを纏ったエアグルーヴだった。

 

 

「貴様にも掃除をやろう、ゴールドシップ」

 

「ちょ、ちょっとまて!__おいゴリラ!自分の愛馬が連れてかれるぞ!!いいのか!?ゴルシちゃんが無惨な姿になってるかもしれないぞ!?」

 

 

「…知るか」

 

一瞬だけチラっとゴルシを見る。連れ去られながらも瞳をうるうるさせていたが________不破には知ったこっちゃない。なんならさっき捨てられている。

 

 

 

 

「この薄情者ガァァァァァァァァッ!!!!」

 

 

 

ゴルシの絶叫が響くがすぐに途切れた。外に出された証拠だ。不破は絶叫にキーンとなった耳を抑えながら掃除を続ける。

 

 

 

 

「…?」

 

ふと視界の隅に、華やかな生徒会室には見合わないスーツケースが1つ、置いてあった。

 

どう見ても貰い物だろうか

 

「…なんだこれ」

 

他人のものと理解していながらも、見てしまいたい方が買ってしまった不破。ほうきを机にかけ、スーツケースを開けてみる。

 

 

「…ッ!?____これって…!?」

 

 

中にあったのはスポンジのようなものだ。梱包されているのだろう、だがその型にハマっていたもの。

 

 

レイドライザーとプログライズキー

 

 

「……なんなんだ…」

 

 

 

 

「見られてしまったか…」

 

目の前のことに気を取られすぎて誰かが入ってきたことに気が付かなかった。すぐに後ろを振り返り誰かを確認する。

 

 

 

「シンボリルドルフ……!?」

 

 

そこには、複雑な顔をしたトレセン学園生徒会長____シンボリルドルフがいたのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回!!!

不破さん、ゴルシとトレーニングするってよ



またいつか公開!!






不破さんを1回くらい、変身させようかなぁ…


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5.ゴリラvs白き不審者集団

約2万年くらいに更新したらめちゃくちゃ反応があって筆がブーストした主です。

頑張ります


ウマ娘設定もガバガバなのに仮面ライダー側も設定が少しややこしくなりました()

いずれ回収はしますが……考えたら負けです()


なんかギャグ要素が消えた回になりました()


「見られてしまったか…」

 

 

「シンボリルドルフ……」

 

小さなスーツケースに入っていたのはレイドライザーとプログライズキー。キーの方は見覚えがないものだった

 

 

「なんなんだこれは…一体どこから手に入れてきやがったこんなもん…!」

 

複雑な顔をしたルドルフに不破が話を聞き出そうと近づくが……

 

「座って話をしよう。不破諫」

 

その一言に何故か逆らえず、不破は生徒会室のソファに腰掛けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少しピリついた生徒会室の真ん中で机を境に不破とルドルフが座っている。

 

机には問題のスーツケースが置かれていた。

 

「で、一体こんなもんどこから手に入れてきやがった?」

 

無言の時間も惜しいと、不破がさっきと同じ質問をなげかけた

 

「生徒たちがいる寮に置かれていたとフジキセキから聞いている、今現在確認できているのは2つ…どちらも同じだ。どちらも1週間前…らしい」

「置いてきたやつの正体はわかんのか」

 

「紙があった…これが奴らの名前だろう」

 

そう言いながら自身の机の引き出しから紙を1枚取り出してきた。名刺にも見えるそれには黒い文字でシンプルに

 

「財団X…」

 

紙に書かれていた文字を不破が呟く

 

「今は生徒に被害が見られていないからいいものの…これを伝えるべきか否か…エアグルーヴ達と相談しているところだ」

 

変に伝えれば混乱を招きかねないし、全員が全員、それを見つけて素直に渡すかと言われればそうでも無いだろう___生徒会長も大変なんだな。と不破はどこか呑気な考えをしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(えぇ〜!?なにあれなにあれ!?__めちゃくちゃ入りにくいんですけどぉ〜!?)

 

謎の青い落し物を生徒会室に渡しに来たナイスネイチャ。だが入る直前に微妙に空いていた扉隙間から会話が聞こえ、ただひたすら入れなかったのだ。

 

(えっ、大丈夫なの?ノックしても大丈夫なの?)

 

息を殺しながら内心あたふたする。こんな時どうすればいいのだろう___テイオーならどうする…?

 

「あの‪〜すみません」

 

「っ!?__あっ、はい…??」

 

何とか変な声をあげずに耐えたネイチャ、だが突然呼びかけられたことに驚いた心臓がうるさい。

 

「その青いキー、我々の落し物なんです。返していただけるでしょうか?」

 

全身を白い服で包んだ3人、そのうちの一人が、右手を差し出しネイチャに微笑む。

 

「えっ…これあなた達の?」

 

「ええ…とても貴重なものなんです」

 

優しそうな印象を持つ青年が微笑む。ネイチャは怪しい人ではないなとひとまず第1の警戒を解く。

 

「そ、そうなんですか……でも一応落し物登録をして…それから受け取ってもらった方が安心というか…」

 

「いえ、それは我々のものです。返していただきたい」

 

ジリジリと詰め寄ってくる3人にネイチャは再び警戒をする。

 

(やっぱり変な人じゃん…!!_やばいどうしよ…)

 

こうなったら…と思いつきで後ろの扉___生徒会室の扉を蹴りあけて中に入る。

 

「…!?__君はナイスネイチャ……一体慌ててどうしたんだ…?」

 

ネイチャは困惑しながらも返してくれた生徒会長__シンボリルドルフの後ろに隠れた。ルドルフの困惑がさらに深まる。

 

「…」

白服の3人がそれに続いて入ってきた。不破を無視しシンボリルドルフ___後ろに隠れたナイスネイチャに歩み寄ろうと………

 

 

「……おいテメェら…」

 

その前に、前のひとりの肩に不破が手を置いた。先には進ませない、そういう風に

 

「…」

 

「どっからどう考えても怪しいだろ、何もんだ………!?」

 

話してる途中、突如として後ろのひとりが不破に拳を撃ち込む。

 

「ッ!!___テメェら何もんだ!?」

 

不破は反射神経で受け止め、腕を絡めさせて膝に蹴りを入れた。相手はそのまま膝から倒れ呻く。

 

 

残りの2人がそれに驚き_______その時点で不破はあからさま1番強そうな人物__青年の無力化に動き出そうと___

 

「シッ…!」

 

「…!?」

 

青年はおもむろにポケットから銀のメダル3枚を取り出し不破にめがけ投げつける。

 

3枚のメダルは不破に当たり、何も起きずに地面に転がる。

 

「…なんだ…?_____2人とも下がれ!」

「もうこれ以上下がれないってば___うわぁぁぁ!?」

 

不破の言葉にネイチャが反抗するがそれは悲鳴に変換された。3枚のメダルは____突如化け物に変わったのだ、全身を包帯で巻き、まるでミイラのような化け物に

 

「ふざけたことしやがって…!!」

 

ようやく訪れたはずの平穏、自分がのんびりできた場所を壊された最悪な気分だ。

 

「な、なんなんだ…!?」

 

奥で震える2人、その2人から怪物を遠ざけ床に叩きつける。衝撃で棚のものがいくつか落ちて倒れたり____ものによっては割れたりしていた。

 

 

「会長さんはそいつを連れてさっさと出ろ!」

 

 

「君はどうするんだい!?不破諫!」

 

「どうでもいいだろッ!!____フッ…!」

 

 

 

「ひゃあっ!?」「っ!?」

 

ルドルフの一言に反論してる最中、不破が懐から取り出した”銃”がミイラの体を貫いた。初めて聞く銃声にネイチャはもちろん、さすがのシンボリルドルフも耳を伏せた。ウマ娘は聴力も高いから、それが影響してるのだろう

 

再び轟音が鳴り響く。ミイラが吹っ飛び花瓶が床に落ちる。これでは校舎中に響いただろう。事が大きくなるのも時間の問題だ

 

 

 

「………あ?」

 

 

 

ルドルフたちの道を作り出すべく”変身”しようと、もう片方のポケットからウルフプログライズキーを取り出そうとするが一向に手に感触がない。

 

 

「お探しのものはこちらですか?」

 

さっきの青年が意地悪に笑い、その手にはウルフプログライズキーがぶら下がっていた。それにネイチャが驚き、自身が何をしたか遅まきながら理解した

 

「テメェ…!___上等だ…」

 

 

【パワー!】

 

その横からグレーのキーを取り出し、片手でこじ開ける。もはやロックがロックとしてつかわれていないパンチングコングプログライズキー。

 

 

「変身ッ!!」

 

【ショットライズ!パンチングコング!】

 

 

放たれたカプセル弾を裏拳で破壊し、散らばったパーツが不破を覆っていく。

 

 

「それは…?」

 

 

ゴリラのようなグレーの装甲を身にまとい、その場に立つ不破諫。後ろにいるシンボリルドルフもナイスネイチャも、そろそろ処理容量が限界に達しそうだ。だが目の前の信じられない光景から目が離せない。

 

「ハァァッ!!」

目の前のミイラを吹き飛ばし、不破は覚悟しろと言わんばかりに拳を突き出した。

 

 

 




次回、文章力皆無な人間が戦闘描写書きます。頑張ります!!



「おい、メインヒロインゴルシ様がいねぇじゃねぇか」

頼むからあとがきに現れないでくれない?

「こっちはこっちで大変なんだよ!アイツが怖ぇんだ!!」







_____________

ショットライザーの解説見てたらねぇ…

また、50口径対ヒューマギア徹甲弾を生成し射出する武器としても運用が可能。
高初速・長射程を得るための光子被膜「フォトンSコート」により反動軽減もされているが、それでも生身で使う場合はかなり反動が強い模様。
その分威力は高く、トリロバイトマギアを頭部への一発で沈黙させている。

って書いてあったんだけどすごくね?え?そんなん人に撃ったら吹き飛んじゃうよ?


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6.ゴリラと大和撫子

財団X登場に非難が1つくらい来るかな〜って思ってたけど意外とノリノリ、そして作者がおどろく情報とか今後の展開予想まであった…

みんなすげぇや…


作者として負けられませんね…()

______

悲報:多分設定上アサルトウルフが出せない希ガス

自分一番好きなフォームなのになぁ…


追記:お気に入り300人ありがとうございます!!!まだまだ頑張りますよ!!!


「…そろそろ死ぬ…!」

 

 

「…?何だか騒がしいな…またタキオンが何かしたか…?」

 

反省文は回避したがまだ罰(1階の廊下を雑巾がけラッシュ)をさせられているゴルシが苦痛に悲鳴を漏らすが、その横に立っているエアグルーヴが耳を別方向に傾け呟いていた。

 

「…なんだよ…ったく無視しやがって…」

 

「おいゴールドシップ…」

 

「なんだよ…」

 

校舎の反対側を指さしながら名前を呼んだエアグルーヴ。それにゴルシが半分イヤイヤのまま見る。生徒会室の近く______

 

 

 

一瞬の出来事だった。生徒会室の扉を吹き飛ばし_____3人が壁を突き破り__中庭に落ちて行った。

 

「おいっ!?」

 

「おわっっ!?」

 

初めて見る光景にエアグルーヴもゴールドシップも声を上げて驚く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「不破諫!!!」

 

 

 

「高ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!!??」

 

ネイチャとルドルフの道を切り開くために、生徒会室の扉をぶっとばしそのまま廊下から窓ガラスや壁やのを破壊して落下する不破。だが流石は生徒会室____多分1番高い階層から落ちたのだろう。思ってたよりも高すぎた。

 

 

「…何すんだお前!!」

 

目の前のミイラが不破を下にして助かろうとしていた。不破は慌てて体を右に倒し、ミイラを下敷きにしようとする。そしてそのまま落下して行き_______

 

 

 

 

_______2人は頭から落下した。

 

 

 

「………」

 

 

「………」

 

 

遅れた一体は足から着地したが、衝撃が足が痺れたのだろう。その場から動かない。

 

 

「わわっ!?なになに!?」

 

「あら…?」

 

その近くのベンチに腰掛けていたグラスワンダーとスペシャルウィーク、2人がその場を見て困惑する。

 

 

 

「おぉぉぉぉあぁぁぁぁッ!!!」

 

頭から埋まっていた2人のうち、1人が凄まじい咆哮と共に土から頭を抜きはなった。もう1人は無言で抜き、土を払う。

 

「オラァッ!!」

 

お互いに顔を見合せた瞬間、2人は突如殴り合いを始めた。

 

「グラスちゃん!何かの演劇の練習かな?」

 

「スペちゃん…?さすがにこれは…」

 

と2人で会話していると、さっきまで足が痺れていたであろう一体が、2人目掛けて歩き出した。

 

「ヤベェ…!」

 

たまたまその場にいたウマ娘が襲われかけているのを視界の端に捉え、走り出そうとする不破。だが2体が邪魔をして__前に進まない。

 

ここでショットライザーを使うのもありだが正直精度に自信が無い。

 

「走って逃げろッ!!」

 

故にそう叫んだ。不破はウマ娘という生物の走りを見ている。速い、だから逃げられるはずだ。

 

 

 

 

 

 

「スペちゃん…ちょっとこのお弁当もっててくれます?」

 

グラスワンダーが前に出て、スペシャルウィークに弁当の包みを渡す。

 

「う、うんグラスちゃん…でもどうするの?__なんかあの人逃げろって言ってるけど……」

 

 

 

 

「何してんだ!逃げろ!!____ブッ…!___人が話してんだ殴んじゃねぇッ!!」

 

 

 

「大丈夫ですよ〜______少し…ね?」

 

グラスワンダーは笑顔だ。だがその笑顔に温かさが微塵も感じられない。

 

 

「何が大丈夫だっ…!__邪魔だァァッ!!」

 

 

なおも飛びつく2人を蹴り、プログライズキーを押し、ショットライザーの引き金を引く。

 

【パワー!パンチング!ブラストフィーバー!】

 

腕に装着されている特大の拳をロケットのように放ち、2体のミイラが空中で爆散する。それに構わず不破は再び走り出すが_________

 

 

「では…”グラスワンダー”参ります」

 

その爆発を背景に、グラスワンダーが微笑む。

 

 

そしてどこかから取り出した薙刀を華麗に振り回す。まるで周りに桜が舞っているかのように、淑やかに_________

 

 

「ふふっ♪学生にとってお昼ご飯はとてもとても大事な時間なんです…邪魔…しないでくださいね?」

 

 

不破さえも唖然としたおよそ2秒間、気づけばスペシャルウィークの横にいるグラスワンダー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして爆散するミイラ。

 

 

「な…___あ…え……」

 

空いた口が閉じれないくらいの驚きが今の不破にあった。一体何があったのか。

 

 

「止まれ!貴様何者だ!!」

 

だがその考えも後ろからの怒声で掻き消えた。後ろには息を少し切らしたエアグルーヴが不破のことを睨みつけていた。そりゃあそうか…ライダーシステムなんか初めて見るだろう。

 

「おーい!エアグルーヴ!何してんだ〜って……なんだコイツ!新しいキャラクターか!?_____いやどっからどう見ても不破だな」

 

後ろからセグウェイに乗り追いついてきたゴールドシップ。だが彼女は何故か、すぐに不破ということを理解していた。

 

 

「そうなのか…?貴様…不破諫なのか?」

 

 

 

「ああ、そうだ。ってかなんでわかったオマエは…」

 

ふふんと、ゴルシが自慢するように鼻を鳴らす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だってどっからどーみてもゴリラじゃんそれ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

物凄い笑顔のゴールドシップが放った一言にその場が一瞬で冷えきった。スペシャルウィークのくしゃみが聞こえた。

 

 

気づけば不破は、懐からアタッシュショットガンを取り出して必殺技をぶち込もうとしていた。

 

 

 

【リボルバー!】

 

【Progrise key confirmed. Ready to utilize】

 

【ヘッジホッグアビリティ!】

 

 

「おいおいおい!!ゴリラ落ち着け冗談だって!!」

 

セグウェイに乗ったゴールドシップが必死に弁解を試みる。だがゴリラと言ってしまっているために、不破にはさらなる煽りに聞こえていた。

 

 

 

 

 

「お取り込み中申し訳ないですが、こちらの方は回収させていただきますよ!」

 

 

 

 

 

「「ッ!?」」

 

よく透き通った青年の声に不破もゴルシも、エアグルーヴ達も一気に上を見た。

 

そこには空いた穴から見下ろすあの青年がいた。手にはウルフプログライズキーを持っており、不破を煽るようにチラつかせている。

 

 

「テメェッ!!!返せッ!!」

 

チャージしていたアタッシュショットガンを青年目掛けて構えた不破諫。

 

「やめろ!不破!」

 

だがエアグルーヴがショットガンを押さえ込んできた。不破が反発する

 

 

「何すんだよ!!」

 

「あそこは仮にも生徒会室だ!会長が怪我をしてしまっては…!」

 

「…っ…!」

 

 

昔の自分なら容赦なく放っていただろう。だが今の自分は身体が固まって動かなくなっていた。

 

「ふふっ……それではまた会いましょう…仮面ライダー」

 

「…ッ!」

 

そう言うと全身を煙が包み、晴れた場所には誰も立っていなかった。

 

「…」

 

ショットライザーからプログライズキーを抜くと、全身を覆っていた強化スーツが解けていく。スーツがとけた場所には、少し傷があった不破諫が立っていた。

 

 

 

 

「保健室行こーぜ」

 

 

誰も何も言わない場所で、ゴールドシップの声だけが耳に入った。

 

 

 

 




気づけば後ちょいでUA30000、お気に入り300…ありがとうございます!!
これからもこのご時世の空き時間の暇つぶし、頭を空っぽにして読める、そんな作品にしますのでよろしくお願いします!


ちなみにグラスワンダーのくだりはめちゃくちゃふざけました‪()

グラスワンダー可愛いよ()


パンチングブラストフィーバー!!か、パンチング!Blast!fever!かどっちがいいだろ…




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7.怪我人を労る必要は無い。ゴリラだもん

あれれ〜おっかしいなぁ〜ゴルシ編のはずなのになぁんでゴルシに一点集中出来ないんだ…!?


まぁいいか…()



というかホント毎回感想や評価やお気に入りありがとうございます!めちゃくちゃ励みになるし自信がつきます!ありがとうございます()


そしてウマ娘って結構時間軸うやむやなんだなぁ……

時間軸考えなくても良くね?()





「あぁ〜痛てぇ…」

 

頭と右腕に少しの怪我をし、包帯を巻いた不破諫。

 

「いてえいてえうるせぇなお前、ちったァ我慢しろよ!」

 

「うるせぇ!てかだいたいテメェの治療が雑すぎんだよ誰が消毒液2L全身にぶちまけんだよ!?」

 

「はぁぁっ!?__なら唾でもつけて舐めて治せよ!ゴルシちゃんスペシャルヒールは特別なんだかんな!!」

 

「逆に悪化するわ馬鹿野郎!」

 

保健室で騒ぐ2人、それは”誰もいない校舎”での出来事だった。

 

「失礼する」

 

ノックと一言、そして保健室の扉が開かれた音。そこには手頃な紙袋を持ったシンボリルドルフがいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、今学校は休校と…」

 

「ああ、全員には練習以外は寮待機を命じてある、練習時にはトレーナーたちの見守りが絶対でな。すぐに解きたいところではあるがな…近々レースがあるウマ娘たちも多い…ゴールドシップもそうだろう?」

 

「は?そうなのかお前、俺なんも聞いてねぇぞ」

 

「てへっ☆」

 

「お前マジで殴り倒してやろう___ッ!」

 

舌ペロしたゴールドシップに、呆れつつ叱りに行こうとする不破。だが体が痛く思うようには行かなかった。

 

頭から地面に落下した時の衝撃、ライダーシステムがカバーできなかった部分が今こうして、体に来てしまっているのだ。

 

「無理しない方がいい!君も怪我人だろう…!」

 

ルドルフが慌てて止め、だが不破は仰向けから、座る体制になるまで動いた。

 

 

「そうだぞ、お前は自分の体の心配だけしてりゃあいいんだよ!アタシはアタシのやりたいようにやるからな!」

 

「はっ…!そうかよ…」

 

 

「この短い間に2人とも随分仲良くなったようだな、感心するよ」

「コイツがうぜぇくらいに絡んでくんだよ…」

 

呆れたようにつぶやく不破にすかさずゴルシがツッコミを入れる

 

「担当ウマ娘だろーが」

 

「はははっ!____ところで不破諫」

 

少し笑ったあと、不意にルドルフから笑みが消えた。

「…?」

 

「君が使ってる”それ”は一体なんなんだ?」

 

シンボリルドルフが指を指したのは何気なく置いてあるショットライザーとプログライズキーだった。

 

「これか?ショットライザーとプログライズキーだ」

 

特に疑う素振りも見せず、不破は答えた。それにルドルフが少し目をぱちぱちさせた後、再び聞いた。

 

「そ、そんな簡単に話しても良かったのかい?」

 

「あ?別に大丈夫だろ。俺以外に使える奴いねーし」

 

 

 

視界の端で「驚いたな…」と呟くルドルフ。別に聞かれたから答えただけでなぜそんなに驚くのだろうか、疑問に思うこともあるが今はそれよりだ

 

(ウルフのキーが盗られた…アイツらは一体何が目的なんだ…?)

 

自分がこの訳の分からん世界に来た理由も今は掴めてないのにさらに分からないことだらけだ。

 

 

「君もまだ体が疲れてるだろう、ゆっくり休むといい」

 

「そういう訳にもいかねぇんだよ…」

 

宥めるように言うルドルフを遮り、ふらつきながらも立ち上がる不破諫。立ち上がり、よろめき近くの壁にもたれる。

 

「俺以外にこの場所を守れるやつはいねぇんだ…!__それに…俺はトレーナーになってんだ…コイツのデビューがあっただろ…!」

 

「お前…」

 

覚えてたのかと言わんばかりに驚くゴールドシップ。ルドルフはまだ何か言いたげな表情を醸している。

 

 

 

 

 

 

 

「お前…、それあと1週間だぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続けて放ったゴルシの一言に、今までにないくらいに保健室の空気が冷たくなった

 

 

「なんでお前はいつも早く言わねぇんだこのウマァ!!!」

 

「紙来てただろーがさっさと見ろよこのゴリラァ!!」

 

「しるか!!」

 

「逆ギレじゃねーか!?」

 

 

 

 

 

「はぁ…やれやれ」

 

 

 

再び言い合いを始めた不破とゴールドシップに、シンボリルドルフが呟いて……でも微笑ましそうに見る。

 

 

 

 

 

 

 

 

___次回!不破諫!満身創痍になる!!



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8.すたみな

なんかぁ…ノリでかき始めた小説が自分でも信じられないくらい伸びてて…ホント見てくださってる人たちには感謝しかないですなぁ。ありがとうございます!

これからもゴリラとゴルシをよろしくお願いします!


というか最初はのほほんとするはずなのに、財団xとか出しやがって!ややこしいじゃねぇか誰がやったんだアァ!?(自業自得)

タグが回を更新する度にカオスになっていく……





10月14日……感謝してるのにもう2週間くらい失踪してましたわ()


「…あと3周だ!!とりあえず走れェ!!」

 

周りに響くノイズにウマ娘達が耳を塞ぐ。それに続いた文句が1つ。

 

 

 

 

「はぁ!?まだ走んの!?」

 

 

 

 

 

「当たり前だろーが!!___初っ端が…えーとなんだ…?__中距離?レースなんだからなぁ!!とりあえず…あ?…すたみな?だ!!」

 

 

 

 

 

 

((確かに必要だけども!!それ長距離!!!))

 

 

 

 

 

途中で紙を見直し、再びノイズが混じったメガホンでゴールドシップに指示をする。だがその内容に____トレーナーやウマ娘達が心の中でツッコんだ。

 

 

「ああああ!!分かった分かった!!素でも声でけぇのにメガホン使うな!!耳イカれるっての!」

 

ゴールドシップがそう叫び返し、不破が何か言い返そうとする______

 

 

 

 

 

「ッ…!?」

 

その時だった、頭が微かに痛む。いや、微かどころではない_____

 

メガホンを落とし、そこから立ち去ろうと____不破は歩き出した

 

_________________________

 

〜生徒会室〜

 

 

様々な喧騒がある外の運動場を見下ろしながら、シンボリルドルフ、ナリタブライアン、エアグルーヴの3人が話を進めていた。

 

「ここは全生徒に警戒を促すべきでは…?今の状況を正確に伝えて、生徒達もきっと聴いてくれるはずです」

 

「アタシはそうは思わないけどな」

 

「ブライアン…?」

 

「生徒が全員善人、だなんてことは絶対にありえない。もしその物……レイドライザー…?とかが悪用されたらどうする?___アイツにとめてもらうしか方法はないだろ」

 

「…それは…」

 

全生徒に事態を全て話すべきと主張するエアグルーヴと、それはまだ早い、もう少し事を隠しながら生徒に話すべきだと言うナリタブライアン。

 

(お互いに…間違ってはいない…だが…)

 

 

生徒を信じない______それはこの学園を代表とする生徒会長としてどうなのか

 

 

だが本当に、自分は全生徒を信じられて…信じきれるのだろうか。

 

 

悩みの種は、さらに膨らんでいく……

 

 

_________________________

 

 

「ぜぇ…ぜぇ…あんのゴリラ……!」

 

実にコースを15週という、並のウマ娘ではついていけないであろう鬼畜を乗り切ったゴールドシップが、芝生に大の字に寝転ぶ。

 

不破いないが、あいつのことだしトイレに行ったのだろう、待ってればじきに戻ってくる

 

 

「貴方もなかなか苦労してらっしゃるのね…これどうぞ」

 

「ありがとう助かったマックイーン…!」

 

話しかけながら隣に座ったマックイーンが、ゴルシにペットボトルを渡す。

 

「…ん〜…!だぁっ!!」

 

寝転びながら受け取ったゴルシが勢い良く起き上がる。

 

「もうちょっと静かに起き上がることは出来ませんの…?」

 

「そういやマックイーン!」

 

「無視ですのッ!?」

 

「お前トレーナーいたか?___今はあんまり外に出ない方がいいとかって___知らんけど」

 

もう一度「無視ですの…!?」と言うマックイーンの言葉はゴルシには届いていなかった。

 

「……どうしても身体が落ち着きませんの…」

 

「なら家でやればいいじゃん、お前ん家広いんだしそれくらいあんだろ?」

 

「慣れたこの場所で、私は走りたいんですの。コースの感触を忘れないためにも…」

 

やけに神妙な顔つきで拳を握るマックイーン。家庭絡みで色々複雑だとは前から聞いていたがなかなかのものらしい。

 

「だったらアタシのとここいよ!」

 

「えっ?」

 

「アタシの所には怪力自慢のゴリラがいてだな〜!体育館倉庫の扉こじ開けたり……あれ?それくらいか?まぁとにかくすげぇ奴なんだ!」

 

「それだけ聞くとただの不審者ですわ…」

 

「ほら!紙!」

 

笑顔で紙を渡してきたゴールドシップ。とりあえずマックイーンは受け取り目を回す。

 

「一体どこから出してきたんですの!?」

 

渡された紙にはチーム作成について書かれていた。一体いつから?まさか最初から誘うつもりで_____メジロ家は最高とも言われる血筋がある。メジロ家のウマ娘はそれに見合った実力がありスカウトは絶えない、だがマックイーン達はまだ誰のトレーナーも着いていない。ふさわしいと言える人物がいなかったのだ。

 

 

 

 

「ん?ああ……作った」

 

 

 

 

 

「作った!?!?」

 

 

あまりの衝撃に大声を出すマックイーン。紙を作った!?しかもチーム作成の欄も全て同じだ。曲がった形跡もない、しかも微妙に暖かい。(印刷したあとの紙は一瞬だけだが暖かい)

 

 

 

突然の出来事に周りのウマ娘達が一斉にマックイーンを見る。

 

「あ、えっと…!___お、、おほほ…」

 

苦笑いをするしかない、マックイーンだった。

 

 

_________________________

 

 

 

「…はぁ…はぁ……んだよ……」

 

人目のつかない場所____校舎の裏側の壁に寄り掛かり、頭を抱える不破諫。

 

 

「ッ!!__くっ…!?」

 

 

どこかで体験したことのある耐え難い痛み______もちろんどこで体験したかは忘れた。

 

 

(これ…マズイな……)

 

視界が霞み始めてきた。人間とは本当に幸せにできている、都合が悪ければすぐに気絶することが出来るのだから_______

 

抵抗しようにも出来ず、不破はずり落ちるようにそこにへたりこんだ。

 

アイツにすたみなとか言ってた割には、情けない……そう思いながら……

 

 

 

 

 

そしてその場に___忍び寄る影がひとつ……

 

 

 

 

 

「ここで運命の人に会えるって本当ですか!?流石はシラオキ様!!」

 




そういやタキオンってなにやらかすかわからん天才科学者(適当)だったよな…?

なら言いくるめられて何かの実験の手伝いをするのも……

↓下のやつってコピペするだけなのに忘れるんですが…


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9.賢いゴリラ

そのうち色んなキャラ登場させれば流石の不破さんも胃袋に風穴が空くのでは…?






私の名前はマチカネフクキタル!!

 

 

いつでもどこでも!占いを信じ!シラオキ様を信じてきました!

 

 

今日もそのシラオキ様を信じて、校舎裏まで来たわけですが____________

 

 

 

「なっ!?なにごとですか…!?」

 

 

 

 

 

 

なんと目の前には……!目の前には!!

 

 

 

 

 

人が倒れていたのです!!これは事件の匂い!!

 

 

 

 

「…っ、………!」

 

 

なにやら呻いているようなので近づいてみましょう!!

 

 

「あの〜…、トレーナーさん…ですよね……?」

 

トレーナーなら服の胸元にはトレーナーバッジを付ける、そういう決まりがあるはずなのだが…目の前の人にはそれがない、なのにレース表などは持っていた

 

「むむむ…、これは………」

 

自分一人で助けるべきか、誰かを呼んで助けてもらうか…、どっちにせよ助けるべきなのである。見過ごす訳には行かない!!

 

「ふんぎゃっ!!??」

 

フクキタルが不破を起こそうと手を出した瞬間、不破の上半身が一気に起き上がった。あまりに突然の出来事にフクキタルから奇声が発せられた。

 

「……………あの〜……?」

 

起き上がったと思ったら、頭を回転させて辺りを見回す不破諫。フクキタルが恐る恐る声をかけてみるが返事が返ってこない

 

(この感覚!!ブルボンさんを思い出させますね…!)

 

サイボーグというあだ名が着いているミホノブルボンも、こんな感じだった気がする。

 

「…大丈夫ですか?__倒れてましたけど〜……」

 

 

「ラーニング完了」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…はい??」

 

 

多分きっと…シラオキ様は間違ってないはず______あまりの驚きに、生まれて初めてシラオキ様を疑ってしまったフクキタルだった。

 

_________________________

 

〜生徒会室〜

 

「という訳で、マックイーンとアタシでチーム組みまーす!__アイツ、不破を主体にしてな!」

 

ゴルシが生み出したチーム作成の紙をもって、マックイーンとゴルシが生徒会室に押し入った。

 

 

ノックもなしにはいるものだから、生徒会長__シンボリルドルフは自身が読んでいた”百発ダジャレ!これであなたもダジャレマスター!”を隠せずにいた。

 

「これまた突然の来訪かと思いきや……」

 

なんとか平静を取り繕って話すルドルフだが、片割れのマックイーンは本にしか意識が向かなかった。

 

(会長が……ダジャレ本……)

 

言わない方が、そもそも知らない方がいいことだってある。自分自身が_____甘い物、特にスイーツが好きなことを周りに知られたくないように、誰にだって秘密はひとつくらいはある。

 

(…よし…、忘れましたわ…)

 

何とか意識を逸らして、マックイーンも話し掛ける。

 

「突然失礼いたします…」

 

「なんか正式?だかんだかよくわかんねーけど、チーム作っていいよな!!かいちょーさん!」

 

本来ならもう少しちゃんとした手続きを踏まなければ行けないのだが生徒会長直々になら、なんとかその手順をスキップできる。

 

会長の権力を無礼るなよ

 

 

「別に構わないが……チーム名は決めたのかな?」

 

 

不破諫にはお世話になっている、だからこれくらいのことはしてもバチは当たらないだろう。そう思いながら対応するルドルフ。無断だけどね……

 

「あっ、忘れてた」

 

「貴方何しにきたんですの!?チーム名くらい先に決めるべきですわ……」

 

「チームゴリラ?」

 

とりあえず不破諫っぽいので行こう

 

「意味がわかりませんわ!?」

 

「チームzoo?」

 

「動物園ってなんですの!?」

 

「チームジャングル?」

 

「とりあえず動物からは離れてくださいまし!!」

 

「あーん…ワガママだなぁ……」

 

不破諫っぽいやつ、不破諫っぽいやつ……て

 

「バルカン……」

 

「え……?」

 

「確かアイツ変身した時自分のことバルカンって言ってたなよし決めた!!チームバルカンだ!!これならどうよ!マックイーン!会長さん!!」

 

「…まあ、貴方がつける名前にしては悪くないですわ」

 

「それなら許諾できる_____ここに、チームバルカン設立を宣言しよう」

 

 

「うっし!!よろしくな!マックイーン!!」

 

「え、ええ…それは嬉しい事なのですが……」

 

「んだよ…どした??」

 

「その…不破諫という方が見当たらないまま話が終わったような…」

 

マックイーンが辺りを見回すが、不破諫は確かに居ない、隠れている訳でもないようだ。

 

「そういえば見てないな…ゴールドシップ、君は彼にはちゃんと言ったのかい?」

 

少し心配になったルドルフが、ゴルシに聞いてみる。

 

 

 

「とってねーよ、だってアイツに言ったら絶対拒否られるし」

 

 

「貴方って方は!!」

 

 

 

 

「…はぁ…」

 

また新たな種が増えたな、と心の中で思ったルドルフだった。

 

_________________________

 

 

「あ、あの〜…」

 

 

辺りを見回して、目に入ったであろうフクキタルをまじまじと見つめながらはや30秒、ここまでずっと黙ってきたフクキタルだがさすがに耐えられなくなり、声を絞り出した。

 

「ここは…そしてこの体…、貴方は…?」

 

声は全然、見た目のThe・スポーツマンとは全くもって違い、少し中性的な感じだった。

 

「あ、えっと……マチカネフクキタルです…?」

 

「……マチカネフクキタル………」

 

少し悩む素振りというか、考える素振りをしている目の前の人__あれ、私なんか変なこと言いました?

 

「…それは馬の名前ではありませんか?___嘘をついても無駄ですよ」

 

 

「!?___私はマチカネフクキタルですよ!?誰がどう見てもマチカネフクキタルじゃないですか!!」

 

耳をふんふん、しっぽをぶんぶんさせながらフクキタルが大声で突っ込む。だが相手はフクキタルの目すら見ておらず……

 

「……耳……しっぽ……」

 

「ほら!これが私がマチカネフクキタルである証!!」

 

立派なしっぽを見せつけながら自身がウマ娘であることを説明しようと………

 

 

 

「「ふんぎゃろ!!??」」

 

 

 

(…モフモフしている、しかも感覚もあるようだ……)

 

 

 

 

「何するんですか!?!?しっぽはデリケートなんですよ!?ってかあなたこそ一体何者なんですか!?__さっきから私しか喋ってませんよ!?」

 

「亡」

 

「はい??」

 

「私の名前は亡です」

 

フルネーム……なのだろうか、まぁマチカネフクキタルって名前も普通の人間からしたら珍しいだろうが……

 

 

 

 

 

「ですがこの身体は不破諫のもの」

 

 

 

 

 

「????????????????」

 

 

 

 

フクキタルの脳内が一気に宇宙に染まる。あれ??もしかしたら関わったらダメなタイプでした?シラオキ様??私何か悪いことを??

 

 

「不破諫はまだ目覚めはしないだろうから……かってに記憶を読ませていただきます」

 

 

「????????????????」

 

 

目の前でそういい、目をつぶる亡。フクキタルはまだ宇宙から戻ってこれてはいない。

 

 

 

「ラーニング完了」

 

 

「______ハッ!!私は何を!?いま一瞬不アヴァロンという場所でとある騎士王が振り下ろしそうな剣を……!?」

 

 

 

「…信じられないことばかりですね、ウマ娘とやらにトレセン学園。そして財団xという組織」

 

 

「…あの〜…結局貴方は…?」

 

 

「亡」

 

 

「それは分かりましたから!!!」

 

 

「ヒューマギアです」

 

 

「????????????????」

 

 

 

フクキタルは、今度こそアヴァロンでとある騎士王が振り下ろしそうな剣にめぐりあえそうになってしまった。

 

 

 

 

 




なかなかシュールな話でしょうが、どうして亡がここに、しかも不破諫の脳内に現れたのでしょうかねぇ……


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10.2人で1人・1人で2人

みんな感想欄に色々と書いてくれている……か、感激ッ!!!

しかもそれらから新たな設定を思いつけるッ!!


ただ設定を作りすぎると後々大変なんだよなぁ……(まれにそれでやらかす人)


「というわけなのです」

 

そうマチカネフクキタルが言うと、後ろから不破諫が出てきた。だがその足取りはいつもとは違い、機械のように正確に歩いていた。

 

「皆様、私の名前は亡です。ゴリラに変わり、よろしくお願いいたします」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「ええええええええええええええぇぇえ!?!?」」

 

 

 

 

 

 

直後、学園全体に響き渡るくらいの声で、2名のウマ娘が叫んだ。

 

 

「ちょ、お前…!まさか多重人格!?」

 

「ちょっとゴールドシップさん…!貴方の言ってる方とは180度違うじゃありませんの!?」

 

「いやいや!?こいつこんなんじゃねえから!!おい!!!ゴリラ!!??乗っ取られてらんのか!?おおい!?」

 

「あ〜」

 

肩を掴み揺さぶる、だが返ってくるのは無機質な中性ボイスだった。

 

「フクキタルさん…?」

 

マックイーンが、まさか…と言わんばかりの視線をフクキタルに向ける。マチカネフクキタルは普段から占いからコックリさんまで__とりあえず占いとかが大好きである。まさかとうとう霊能力まで…?

 

「いやいや…!?私は何もしてませんよ!?__倒れてもいましたし……」

 

「ゴリラッ!!オイッ!!」

 

肩を揺さぶる音と、同時にべしっ。べしっ。とゴールドシップが不破の頭を叩く

 

「ゴールドシップさん!?」

 

「マックイーン…!止めるな…!アタシを止めないでくれ…!」

 

「止めるも何も!亡さんが迷惑でしょう!?」

 

 

 

「やはりあなた達は人間では無いのですか?」

 

 

 

「ひゃあっ!?___ちょ、ちょっと!?」

 

マックイーンの後ろにずっと入り込み、しっぽと耳を興味深そうに揉んでいる亡。

 

もちろんこの世界ではセクハラに入る。

 

 

「さっきも言いましたけど、ウマ娘ですよ亡さん、知らないんですか?」

 

フクキタルがそう言うと、揉む手をやめて、今度はフクキタルをまじまじと見つめた。

 

「な、な…!なんでしょうか…!?」

 

「いえ、目がキラキラしてらっしゃるなと…」

 

「キラキラしてます!?ありがとうございます!!」

 

キラキラした目をもっと輝かせて、フクキタルが飛びついてきた。流石の亡も少し困惑した声を出す。

 

「…?__どういたしまして…?」

 

 

「それにしてもゴールドシップさん、この部屋一体なんですの?やけに空気が汚れていますし…ホコリだらけ___蜘蛛の巣なんかもありますよ……」

 

 

「ああここ?学園の端っこの誰も使わない1部屋」

 

「なんで貴方が鍵を?」

 

「チームの部屋が欲しいって言ったらなんでもいいならあるって会長がいってた。だから貰った」

 

「…でもこんな部屋___」

 

 

「決まってるだろ!」

 

 

ゴールドシップがいきなりほうきやちりとり、モップなどを取り出してきた。マックイーンも、何故かフクキタルも

 

 

「掃除すればいいんだよぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

 

 

付き合わされた。掃除がはじまった。

 

_________________________

 

 

「亡…とやらがこの世界に来たか…」

 

「はい、今回は”ハズレ”を引いてしまったかと……消しますか?」

 

1人がそういうが、後ろから現れた人物に止められた。

 

「いや、いらないだろ。もうちょっと後だ、今はそのハズレを引いた原因”エニグマX”をどうにかするべきだ。なぁ”魁星”?」

 

「ああ…その通りだ”魁星”…」

 

2人はそう言うと笑いあった。

 

「それにしても、ウマ娘とやらに配ったはずのレイドライザー、何一つ起動しないじゃないか」

 

「不破諫のせいだろ、邪魔だな…本当に…」

 

「そもそも配る数が少なすぎる、映画特典でもまだあるぞ」

 

「マスカレイドメモリか、コアメダルか、それともレイドライザーか……」

 

「レイドライザーを配ろう!」

 

「やけにレイドライザーを勧めてくるな…」

 

「いやぁ!俺の趣味さ!」

 

「…そうか__それよりお前…」

 

青色の服を着た魁星が、赤色の服を着た魁星を見つめる。赤魁星は両手に袋を抱えて何故かはしらんがにんじんを生でかじっていた。

 

「この世界のにんじんはなまでもいけるぞ、美味いんだよ。あ?この袋は絶対にあげねぇからな」

 

「…何が入ってるんだ?」

 

 

 

 

「当たり前だろ!?”推し”だよ!推し!!」

 

 

 

 

「…は?」

 

 

その袋から大量のウマ娘のぬいぐるみが出てきた。しかも全て同じキャラクターだ。

 

 

「俺は…!ウオッカちゃんに惚れたぜ…!!」

 

 

「は??」

 

 

_________________________

 

 

日が少し下がり始めた夕方、1つの空き部屋が綺麗になった。

 

 

「終わりましたぁぁぁぁ……」

 

フクキタルがヘロヘロになって座り込み、マックイーンも今だけはお嬢様キャラを保つことが出来ず、座り込んだ。

 

「掃除って…大変ですのね…、改めていつも屋敷を掃除してる人に感謝ですわ…」

 

 

 

 

「おや…不破諫。目覚めましたか?」

 

 

途端に亡が立ち上がり、そう言った。ゴルシもフクキタルもマックイーンも、それぞれに「えっ?」となる。

 

 

「目覚めたも…何もねぇだろ…!?___なんでテメェが俺ん中にいるんだよッ!?アァ!?」

 

 

中性的な声から、一気にThe・男の声に変わっていく。

 

 

「私にも分かりません、だが一つだけわかることが……」

 

「なんだよ…」

 

「滅達と連絡が取れない…ここは別の時空、ということだけ」

 

「……」

 

中性になったり、男になったり、傍から見ればただのヤバいやつが1人で会話している。だがウマ娘3人は1つの肉体にふたつの魂が宿っていることを知っている。、

 

 

 

「ってか……どこだよここ…しかもお前ら誰だよ…」

 

ふと、自分がいる場所を見回し、その次にマックイーンとフクキタルを見る。

 

 

「メジロマックイーンですわ。よろしくお願いいたします」

 

 

「マチカネフクキタルです!よろしくおねがいします!」

 

 

「…不破諫だ。ってかテメェこらゴル…」

 

「んあ??」

 

「なんだよ…!”チームバルカン”って…!?」

 

殺風景な部屋に1つの机、そこに置かれていた紙を見て不破は言う。

 

「あ?見てわかんねーのかよ!__お前のチームだよチーム!!アタシとマックイーンとフクキタルの3人だ!!」

 

「あれ私いつの間に!?」

 

フクキタルが異論を唱えかけるがゴルシがすかさずお口チャック。

 

 

 

「……ゴールドシップゥゥゥゥ…!!!」

 

 

「きゃー!こわーい!!」

 

 

「このやろ______不破諫、怒りを抑えるの____人の体であそぶ____ここであなたは_____だから話しててる途中…!____ですが____」

 

 

ひとつの体にふたつの魂がはいった1人の会話を、3人のウマ娘たちは見守る。

 

そのやり取りは___30分続いた。

 

 




そろそろ物語を動かしていこうかなと思います。


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11. 不沈艦・デビュー戦

ウマ娘シングレ読んでたら、タマモもオグリもクリークも、外国勢ウマ娘達もかっこよすぎて痺れてました。書きたくもなった……いつかだそう…そうしよう。


ウマ娘のガイドラインが定まりましたねぇ……
エログロ禁止はもちろん、元ネタとなる競走馬達のイメージを下げる行為も禁止……


二次創作に関しても……

あれ??この小説打ち切りならないのだろうか…


レースのパドックに出る前、ゴールドシップはゼッケンを自分に着けた。初めてのことだらけで、内心戸惑いはしたが緊張や焦りはない。

 

「すぅ〜はぁ〜…」

 

息を吸って、吐いて、勝手に体が奮い立つ。

 

「んじゃ、行ってくるわ」

 

自身の後ろに立つ、トレーナーに一言投げる。

 

「行ってこい」

 

なんとも素っ気ない返事が返ってくるが酷いとは言わない、もはやそれが背中を押した一言だ。ニッと笑い返してパドックに出ていく。

 

_________________________

 

 

 

ゴールドシップのデビュー戦、それに選んだレースは芙蓉ステークス、ジュニアの芝2000mだった。

 

正直いって不破諫は全くもって興味がなかったのだが受け持ってしまったものは仕方がない。少々ムカつくが亡後からも借りてたったの1週間で仕上げた。

 

 

 

(ゴールドシップは中距離、長距離向けでしょう。脚質は追い込み、最後にその末脚で蹴散らしてやりなさい)

 

 

不破諫の方が先にこの世界に来たはずなのだが、レースに関しては一瞬で亡に追い越されてしまった。

 

「なぁ亡____」

 

レースがいちばんよく見える場所を陣取り、マックイーン、フクキタルを横に並ばせた。そして不破が亡の名前を呼ぼうとした時

 

 

「おやおや??貴方、まだ中央にいたんですか?」

 

聞き覚えのある、というか二度と聞きたくなかった声が後ろから聞こえ、不破の機嫌が一気に下がる。

 

「…あ?___テメェか…?__なんで…」

 

 

「”なんでいるか”、なんて聞かないでくださいね?私のウマ娘もいるんですよ、ちなみに出走は二回目……あ、もちろん知ってますか?」

 

嘲笑を含めてペラペラと喋る相手に、不破が何かを言い返そうとするが___

 

「誰なんですの?この人…」

 

マックイーンが止めるようにして2人の中に入る。

 

「なっ…!?」

 

途端に、さっきまでペラペラ喋っていた口を閉じた。不破は疑問に思う。

 

「…あ?」

 

「な、なんでお前が…!?”メジロマックイーン”を…!?」

 

「いつの間にかいたんだよ、何かわりぃか?」

 

「…は?___お前メジロを知らないのか…!?」

 

「何言ってんだお前…、コイツがなんかあんのかよ」

 

「本気で言ってるのかお前…!?あのメジロ家の、マックイーンだぞ…!?誰もが欲しがったウマ娘だぞ…!?」

 

「……」

 

マックイーンは、またこんな反応をされたと、少しだけ気が落ちてしまった。今までもそうだ。

 

メジロという”肩書き”だけを求めて……自分のことを見てくれるトレーナーなんか一人もいなかった。

 

きっと、この不破というトレーナーも、自分を見てくれはしない……

 

 

 

 

「だからなんだよ」

 

 

「…!?」

 

だが返ってきた返事は、マックイーンが想像してたのとは全くもって正反対のものだった。

 

 

「コイツがメジロだかなんだかしらんが……勝手にゴルシが連れてきた。それだけだ__それ以外はどうでもいい」

 

すっぱりとそう言い切り、そろそろ始まるレース、ゲートに目をやる不破諫。その後ろ姿を、マックイーンは眺めていた。______この人なら、何か違うかもしれない、そんな淡い期待を乗せて____

 

 

「さっきの奴、誰だ?」

 

頭をかきながら呟く不破、すぐさまフクキタルがツッコミを入れた。

 

「名前のプレートありましたよ?__見てなかったんですか?」

 

「そんなもんあんのか?」

 

「普通ならトレーナーさんはみんな付けてますよ…!!あなただけつけてないんです…!!」

 

 

「……」

 

ほんとにこの人、大丈夫だろうか…?

 

少し不安がでた、マックイーンだった。

 

 

 

 

 

 

 

「あっ!始まりますよ!」

 

「…全員同じじゃねぇか、アイツどこだよ……」

 

「えぇ!?自分のウマ娘くらいパッと見で分かるでしょう!?」

 

動きやすい服に番号の書かれたゼッケン、そういえばアイツ何番だったっけな……なんて思いながら眺める。

 

「ゴールドシップさんは2番人気らしいですわ……」

 

「1番人気は……ムムッ…!さっきの人のウマ娘じゃないですか…!」

 

「マジかよ……」

 

 

『あのウマ娘、既にデビュー戦を終え、今回の試合か2戦目です、1戦目はマイルだったのですが結果は3着、脚質があってなかったのでしょう』

 

「人の頭ん中で難しい話すんじゃねぇよ…」

 

頭を抱えながら、不破は目の前のレースを眺めた。

 

 

 

_________________________

 

 

 

 

「ゴールドシップ!ゴールドシップがその末脚で1着をもぎとりました!!2着との差は……8馬身!?」

 

 

「えぇっ!?」

 

アナウンサーも驚き、隣にいたフクキタルも声を上げた。何が何だか分からない不破、とにかく勝ったのは分かった。

 

 

「なんだそれ、離してたのは分かってるがそんなにすげぇのか?」

 

「凄いですよ!デビュー戦であれだけ走れるなんて!はひゃ‪〜!!」

 

奇声を漏らしたのは気にしないでおく、走り終わったウマ娘達の元にトレーナー達が駆け寄っていくので、不破も続いた。

 

「おい、ゴルシ!」

 

少し離れた所から呼びかけると、耳が動き、こっちを見てきた。と思いきや___________

 

 

不破の元へ手を振りながら走り始めたゴールドシップ。不破はタオルを片手に待っていたのだが___

 

(凄まじく、嫌な予感がします)

 

(あぁ、多分アイツ…)

 

亡の声が頭の中で響き、不破もそれに同意する。そして2人の距離が僅かになった時____

 

 

 

 

「それぇぇぇぇ〜!!!」

 

 

ウマ娘の脚力から繰り出されたのは、まさかのドロップキック。並の人間なら今すぐ病院行きとなるのだが……

 

 

 

「ボァッ!!??」

 

 

変な声を出しながらではあるが腕を十字にして、ドロップキックをガード、それにゴルシが驚く。

 

 

「耐えやがった…!?」

 

 

「耐えやがった!?じゃねぇよ…!何すんだよ…!」

 

 

「勝利のドロップキック!」

 

「ハッ!」

 

悪びれる様子もなく、舌ペロを添えた一言。不破は……震えた腕でタオルを顔に投げつけ、鼻で笑った。

 

「わぶっ!?」

 

「とりあえずそれで拭いとけ……」

 

そう言いながら文句をつけようとした時、視界の端にさっき自分に関わってきたトレーナーが居た。

 

担当ウマ娘はまた勝てなかったことに対してトレーナーに謝っていた。その目には涙があった。だがトレーナーはその涙を拭いながら頭を撫で始めた。

 

「勝てなかったのは君のせいじゃない、トレーナーである俺の責任だ。今回は負けたが…まだ強くなれる、頑張ろう。一緒に……」

 

 

 

 

「……意外にいいとこあんじゃねぇか」

 

ただの嫌味な野郎ではないと認識を改めた。そして……

 

「うぐっ…!?」

 

横腹にグーを入れられ、痛みに声を上げかけた。

 

 

「おい!もっと褒めろ!!」

 

「褒める前に暴力ふってんじゃねぇ…!」

 

「ゴールドシップさん、おめでとうございます!」

 

「1着、おめでとうございます!」

 

「おうマックイーン!フクキタル!」

 

「今日はパーティですね!不破さん!!」

 

 

「あ?そんな金どこにあんだフク…?」

 

「今日の取り分!!」

 

「そんなもんあんのか?」

 

「えぇ!?それも知らなかったんですか!?」

 

「知るわけないだろ…ホントなのかマック?」

 

「私をフード店で呼ばないでくださりません…?。知らない方がおかしいんですのよ…、それ目的に走るウマ娘もいるんですもの、いい理由でも…あまり宜しくない理由でも…」

 

「はーん」

 

「…興味無さそうだな、お前」

 

ゴールドシップが不破に言う。

 

「取り分とかどうでもいいからな、必要な経費以外は自由だっての……」

 

「ほんとですか…!?」

 

途端にものすごく態度が変わったマックイーン。不破は驚きを隠せずにいた。

 

「っ…!?__いきなりなんだよ…」

 

「えっ…!?あっ……コホン……」

 

_________________________

 

 

 

「負けたな…」

 

しばらく1人にさせてくれという、担当ウマ娘の願いを聞きいれて一人コツコツと歩くトレーナー、”門川涼”

 

(不破諫…俺は必ず倒す…)

 

そのためにはまず、自分ももっと、担当ウマ娘の力になるようにならなければ______

 

そう考えて歩き始めた時だった。

 

 

「ちょいちょい!そこのお兄さん!」

 

「…?なんですか?」

 

少し陽気な声をした男性に呼び止められて、振り返る。全身が白い衣装に包まれて、だが少し赤い部分があって……

 

「今日のレース、惜しかったねぇ!」

 

「は、はぁ……力不足を痛感させられますよ」

 

「”力”、ほしくないかい?」

 

「…力?」

 

「そうそう!担当ウマ娘を勝たせてやりたいならまず自分から強くならないと!!」

 

「……」

 

さっきまで自分が思っていたことをズバズバと当てていく、一体この男は____

 

 

 

 

「倒したい相手がいるんだろ?」

 

「…!」

 

 

 

 

なぜそれを知っている、と聞きたかったが上手く声が出ない。

 

「俺ならその手助けができる、これがあれば勝てる、ゴールドシップにも………不破諫にも……」

 

吸い込まれていく、ダメだとわかっていても、手が伸びてしまう。欲しい…力が…

 

「……」

 

そう言われながら相手が出てきたふたつのアイテム。

 

 

レイドライザーと、ダイナマイティングライオンプログライズキー。

 

「それの使い方は言わなくても分かるはずだ〜!せいぜい”データ集め”頑張ってくれよ!」

 

そう言うと、煙に巻かれて消えていった男。そうは言っていたがわかるわけない、見るのも初めてのはず_______

 

「…あ」

 

だが次の瞬間には、あの男が言ってたように何故か知っていた。過去に持ったことがあるかのように……

 

「…これがあれば勝てる……俺は”最強”になれる…!」

 

 

誰もいない場所に、1人の笑い声が響いた。

 




ウマ娘小説のメインはレースダルルォ!?と思ったそこのあなた!!
すいませんでした、書き方学んでる最中なんです()

シンボリルドルフと不破さん、もっと面白い会話をさせたいなぁ、まぁどっちのキャラも知ってる人は大体どんな会話になるのか検討が着くと思う…


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12.君は最高のモルモットだァ!!

いつの間にかクリスマスが終わり、お正月が終わってました()
ちなみに自分はバイト先で左腕をやってしまいました。絶対安静と言われ左腕を固定、音ゲーも出来ずに1日ウマ娘ばっかしてました()





UA40000突破〜!!!あざっす!!!

これからも不破とゴルシをよろしくお願いいたします〜!!

自分は最近ベイブレードバーストばっか見てます。めちゃくちゃ久しぶりでめちゃくちゃ面白いです()

Zアキレスすこ

家の棚の奥にあるベイブレード全部引っ張り出して一人で遊んでます()、意外にも全種類揃っててわらってました‪w



ちなみに一番好きな必殺技はラグナルクゾーンと真・フラッシュシュートです。


あけましておめでとうございます!!
今年もこの小説をよろしくお願いします!!


これは一匹狼のゴリラの話である。

 

群れを嫌い

 

権威を嫌い

 

束縛を嫌い

 

ついでに1000%を嫌い

 

仮面ライダーとしての資格と腕っ節の馬鹿力のスキルだけが彼の武器だ。

 

仮面ライダーバルカン、不破諫。またの名を、ゴリラ!

 

 

 

「誰だこんなの書いた奴!?」

 

 

紙をたたきつけて不破が叫ぶ。だがそれを聞いてくれる人物は…この中にはいなかった。

 

 

 

 

「なあゴリラ〜!!」

 

相変わらず人の名前すら呼べないゴールドシップが、椅子に座りながら不破に話しかけた。

 

「んだよ…」

 

机に書類などを置きながら、突っ込むことすら諦めて返事をする。

チームを勝手に作られて、最低限やることはやれと無茶振りを振られており、中々疲れている。

 

だが不破は微かに____感じていた。

 

あの日あの時、自分のウマ娘が勝った瞬間。

 

 

___微かだが、勝利への喜びを感じていた。

 

 

 

 

 

 

「この部屋殺風景だしなんかしよーぜ!」

 

「いいですねっ!!」

 

「まぁ…何もないのもあれですわ…」

 

 

そう言いながら勝手に盛り上がる3人を見つつ、不破は周りを見渡してみた。

 

 

確かに…何も無い、机と椅子くらいしかない。

 

 

「なあなあ!!いいだろ!?」

 

「どうせ聞かねーだろうが……」

 

「よくわかってるじゃねーか!」

 

「…はぁ」

 

ため息をつくと、不破は立ち上がって部屋を出ていった。

 

 

 

「なんだよアイツ…相変わらず無愛想だなぁ…」

 

「悪い人ではないのですけれど……」

 

「あはは…」

 

あの無愛想さ、いつか誤解されそうだな。と3人は頭を悩ませた。

 

 

「よし!アイツもいねー事だ!!部屋替え暴れるぞぉ!!!」

 

「おーー!!!!」

 

「ちょっ…お二人共…!!」

 

マックイーンが何かを察して止める前に、2人は部屋を出ていった。

 

「……。」

 

1人ぽつんと残されたマックイーンは、とりあえず部屋を見渡して、スマホを取り出した。

 

「もしもし?ええ…頼みたいことがあるのですけれど…」

 

_________________________

 

 

 

部屋の模様替えなど全くもって興味のない不破は、行くあてもないまま廊下を歩いていた。

 

今はもう夕方になる、それのせいかは知らないが外が少し騒がしい。

 

(…アイツら、門限とかなかったか…?)

 

頭に疑問がよぎるが、さすがに分かってるだろうと思い歩き出すのだが……

 

(そういや…アイツら歳いくつだ…?)

 

ふと足を止めて、外を見る。

 

今まで全く考えたことがなかった。制服を着てるため勝手に高校生だと思っていたが、本当に高校生なのだろうか…、一応ウマだ。娘とはついているがウマじゃないのか…?

 

考えてはいけないような事が次々と頭をよぎる。なんかこう考えたらダメなような…そこのない沼のような……

 

 

『お前はデリカシーがないのか!?』

 

「…!?」

 

その時だった。後ろから聞き覚えのある声がして振り返る。いつも意見が合わずに怒鳴りあってた。相方の声…

 

「……気のせいか」

 

振り返っても何もいない。奥から騒がしい声が聞こえるだけだ。

 

「………」

 

少しだけ立ち止まって、また直ぐに…歩き始めた。

 

_________________________

 

 

「ちょっと…ゴールドシップさん…?これは…?」

 

何も無かった棚にちょこんと置かれている石ころを指さし、マックイーンが尋ねる。

 

「ん?あーそれ?____隕石」

 

「隕石!?」

 

「おう、拾ったんだ!すげぇだろ!」

 

ゴルシがそう言うと、フクキタルが驚いた。

 

「隕石なんかどうやって…!?」

 

「パッとなってギューンだ!」

 

「「……???」」

 

「…わかんねぇのか?」

 

 

 

「逆に今のでわかる方が知りたいですわ…」

 

「…マックイーンさんの言う通りです…」

 

 

 

「……なんだおめぇら……」

 

 

 

 

「お嬢様」

 

 

「「うわぁぁぁっ!?」」

 

その時だった。ゴルシとフクキタルの後ろの窓から声がして2人は声を上げた。その中でマックイーンだけは

 

「あら、もう着きましたのね!」

 

と言い、尻尾が揺れていた。

_________________________

 

 

「…なんだ?」

 

少しだけ嫌な感じがしたようなしていないような……

 

「そこの君、ちょっといいかな?」

 

「…気のせいか」

 

そういいながら前に歩く。なんか目の前で飛んでいるがそれも気のせいだと思おう。

 

「おーいー!無視なんてつれないことをしてくれるじゃあないか」

 

「……なんだお前」

 

無視して通り過ぎようとしたが、どうやら無理だったようだ。諦めて振り返ると、1人のウマ娘だった。

 

だが明らかに怪しい。目の色がないもん。怪しい…

 

「なんだお前とは……まぁいいだろう____私は”全知全能”アグネスタキオンだ!」

 

「…は?」

 

「……アグネスタキオンだ」

 

「……」

 

「……」

 

「そうか」

 

そう言って早足に去る。明らかにやばい、自ら全知全能とか名乗るやつにろくな奴を見たことがない。

 

「ち、ちょっと待ちたまえよ!!」

 

だが相手はしつこく横に並んでくる。

 

「なんだよ…!この怪しい奴が!」

 

「怪しい!?心外だな!!私のどこが怪しいんだい!?」

 

「どっからどう見ても怪しいやつじゃねぇか!!」

 

「怪しくないだろう!?」

 

「怪しいんだよ!____ってかなんの用だよ…」

 

「一応聞いてはくれるんだね……まぁいい」

 

「……」

 

 

 

 

 

「キミ、私のモルモットにならないかい?」

 

 

 

 

 

 




タキオンに「マナカケンゴォ!」って言わせたい今日この頃…


話を見返して思い出しながら書いてました()

左腕と文章力。ちゃんとリハビリしていきます…


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13.お前のユメは

久しぶりに更新したのに皆さん覚えてくださっててありがとうございます!!
しかも何周した〜とか、一気読みした〜とか、めちゃくちゃ嬉しいですありがとうございます!

皆さんの暇つぶしになればと、頑張ります!


お気に入り再び400人へ!!ありがとうございます!!


「あぁ…?モルモットだと…?」

 

不破は今、さっき話しかけてきたウマ娘”アグネスタキオン”から、モルモットにならないかと言われていた。

 

笑っているような表情をしているが、目は確実に笑っていない。今までのウマ娘とは確実に違う異色さを放つ存在だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「モルモットって…あのケージの小動物だろ?____お前人の男捕まえてモルモット遊びとか…倫理観イカレてんじゃねぇのか?」

 

だが答えはタキオンが想像していたよりもあまりに予想外すぎた。まず話を理解していないことが確実にうかがえた。このスーツの男、見た目の割にバカなのか…?

 

 

「ち、違うよ…だれもケージでごっこ遊びをするとは言ってないじゃあないか…具体的には”私の作った薬の実験体”になる。ということさ」

 

「…は?」

 

そう言うとタキオンは少しばかり興奮したような雰囲気で言葉を並べた。

 

「君のカラダは普通の人間よりはるかに頑丈に作られている、もしかすると私達ウマ娘に匹敵するのかもしれない。それを使えばもっとウマ娘達は強くなれるかもしれない…私のこの脚も強くなるかもしれないだから_____」

 

「冗談じゃねぇ…」

タキオンが興奮したまま並べた言葉を、不破が一言で黙らせた。不破のまとうオーラが一気に膨れ上がる。

 

(……なんだ?)

 

タキオンが無意識に後ずさる。まるで触れてはいけないような場所に足をつけた気分だった。それに気づいた不破は一気に近づいて顔を近づけた。

 

 

 

 

 

「誰かの実験材料になるのは二度とごめんだ。分かったら諦めろ、いいな?」

 

 

 

 

「っ…!」

 

タキオンが不破の目を見て息を呑んだ。殺意が混じっているような目に自分が感じているのは____恐怖…?自分が考えている可能性を探る。人に恐怖するなどありえなかったからだ。だが…

 

 

 

「おっと…いけねぇ…」

 

(…消えた?)

 

その一言を発すると、不意に自分の肩が軽くなった。目からは殺意のようなものも消え、ただの目つきの悪い人になった。

 

「アイツに言われてたんだっけな、目付きが悪すぎてまるで脅してるみたいだから気をつけろって…」

 

(確かに、気をつけた方がいいね…)

 

「で、アグネスなんちゃらだったか?、その話はお断りだ。分かったな?」

 

「…あぁ」

 

そうタキオンが返事をすると、なにかに納得したのか不破はまた歩き始めた。タキオンはただひたすら、その後ろ姿を眺めていた__________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「タキオンさん?どうしたんですか?」

 

「…!?」

 

後ろから声をかけられて、我に返り振り向く。そこにはウマ娘のひとり、ダイワスカーレットがいた。

 

「ス、スカーレットくんか…、どうしたんだい?」

 

「タキオンさんが珍しくぼーっとしてたから……何かあったんですか?私、力になりますよ?」

 

「…いや、何も無かった…何も無かったよ、スカーレットくん」

 

「……?___そうですか!なら良かったです!」

 

 

 

(不破諫…面白いトレーナーだ…)

 

 

_________________________

 

〜中庭〜

 

「はぁ…」

 

さっきはやっちまったと後悔しつつ、不破は中庭に歩いていた。モルモットになるのはもう嫌だ、ただえさえ自分の過去すらまともに描かれていないのに……

 

「おい、不破諫…!」

 

その時だった。不破を呼び止める声が後ろから聞こえ、振り返る。

 

「お前は……」

 

見覚えのある顔___確か門川………のはずだが前に見た時よりかはいくらか痩せており。何やら怪しい雰囲気を纏っていた。

 

『なにかこの男、嫌な予感がします』

 

亡も頭の中でそう言い、不破も内心でそれに賛同した。だからこそとる行動は1つ______

 

「ここじゃアイツらの迷惑になる、話なら向こうで聞いてやる」

 

一応ここは学校の敷地内、下手に騒ぎになればまた問題になりかねないのだ。正直それは避けたいのだが……

 

「関係ない…、今ここで…」

 

『相手には聞く耳がないそうですが…』

 

亡が呆れたように声を出した。それと同時に相手も内ポケットからものを取り出す

 

 

「お前、それをどこで…」

 

腰に着けたレイドライザーを露わにし、右手にはプログライズキーが握られていた。不破が止めようとするがもう既に遅かった

 

「言う必要なんかないだろ」

 

と言ってプログライズキーをレイドライザーにはめ込み_____

 

 

「変身」

 

 

”ダイナマイティングライオン!”

 

 

 

 

「え……」

 

 

「っ!?」「…!」

 

 

1人の少女が漏らした声に、不破は顔を顰め、門川は画面越しに苦痛の表情を漏らした。

 

少女から袋が滑り落ちて、中身が散乱する。門川の為に作ったクッキーだった。

 

自身の担当ウマ娘に見られてしまったのだ。この姿を……1番見られたくなかったはずの人物に。

 

 

 

(もう、終わりだ……ならいっそこのまま…!)

 

 

 

門川の中で、ヤケに近いような覚悟が決まる。それと同時に構えられた左腕と合体した武器「シューティングスターマイト」から、耳をつんざくような咆哮が響き渡る。

 

「変身ッ!!!」

 

『パンチンコング!!』

 

爆発と同時に変身をし、ダメージを無効化する。そのまま一気にレイダーまで走り抜いていく。どれだけ銃弾が身体を貫こうが______

 

「うおぉぉぉぉぉああああッ!!!」

 

「ぐっ…!」

 

痛みを感じないよう叫びながら相手にタックルを叩き込み、お互いに地面に倒れていく。まず最初にマウントをとったのは不破だった。

 

「テメェ!!何馬鹿なことやってんだッ!!____お前のウマ娘が見てんだぞ!!??」

 

「う、うるせぇッ!!!」

 

「っ!?」

 

その言葉に激昂した門川が、今度は逆にマウントをとる。

 

「俺は勝つんだッ!!!勝って勝って勝って!!彼女を最強のウマ娘にするんだッ!!!」

 

「だったらッ…!!」

 

『チャージライズ! フルチャージ!』

 

「なっ……!?」

 

不破はそのまま至近距離でアタッシュショットガンを一度アタッシュモードに戻し、再度ショットガンモードに展開。

 

『カバンショット!』

 

「くっ!!___うわぁぁぁぁぁッ!!!」

 

ゼロ距離で胸に放たれたカバンショットは、門川を吹き飛ばすには充分の火力だった。吹き飛ばされ、仰向けに倒れた門川に、変身を解除した不破が歩み寄る。

 

 

「テメェ!!目を覚ませッ!!」

 

何事かと、騒ぎを聞き付け駆けつけ始めたウマ娘達の前で不破が叫び、そして門川の襟を掴んで______頬に拳を叩き込む。

 

「……」

 

まるで人形のように吹き飛ばされ、また倒れた門川。

 

「お前はなんのためにトレーナーになった!!自分が勝つためか!?違うだろ!?___彼女を最強にする為にここにいるんじゃねぇのか!?」

 

 

「……!?」

 

その言葉に、門川が反応する。光のない目を不破に向け、そして自身が担当するウマ娘に向けた。

 

「お前のユメはなんだ!?」

 

不破が門川に問う。まだ不破自身はこの世界に来てから、ユメは見つけていない。強いて言うなら、仮面ライダーとして街を守ること。

 

____だが目の前のこいつは違う。ユメがあってトレーナーになった。ユメがあるから、ここまで来た。

 

 

「俺のユメは………俺のユメはァッ!?」

 

後半の言葉がおかしくなったのは、門川が噛んだ訳では無い。原因は_____背中に刺さった1本の矢のようなものだった。

 

 

「「っ!?」」

 

その場にいる全員が驚く中、1人の人物が前に歩み寄る。

 

「実験が終われば材料は治す、”使えないやつ”は廃棄だね」

 

男の声、それだけは分かった。だがそれ以外は分からない。フードを深く被っていてよく分からない_____だが不破はそんなものお構い無しに、的確に_________殺す勢いで頭にショットライザーから放った弾丸を当てた。

 

だが当たった時の音は、人間から出る音じゃなかった。キン、と無機質な金属の音が響いたのだ。

 

「…痛いじゃないか、君は人が触れられたくないとこに触れたんだよッ!!」

 

(はえぇ…!?)

 

苛立ったような声を出しながらこちらに詰め寄り、不破の手からショットライザーをたたき落とした。そのまま胸部に複数回、肉眼では見えない速度で拳を叩き込んだ。

 

「う、あ、…ぐぉ…!」

 

何が起きたか分からないまま、吐血してしまう不破。だが相手はお構い無しに話を続ける。

 

「ちなみにあの実験材料はもう助からないよ。あの矢には大量のネビュラガスがある。急激にハザードレベルがあがり、灰も残らず消えるさ。それでは__」

 

「…ま、、て…!」

 

足を掴む暇もなく、相手は煙にまかれて消えてしまった。

 

「クソ…!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「トレーナー!!!」

 

光の粒を散らしながら消えていく門川に、担当ウマ娘が歩み寄った。

 

「…最期まで、俺に優しくしてくれるんだな……色々と、迷惑かけて…ごめんな……」

 

「トレーナーだって私に優しくしてくれるじゃないですか!!私を選んでくれて、練習でタイムが縮んだら褒めてくれて、初めてのレースで勝ったら一緒に喜んで…!」

 

「………そうか、、俺は本当に……最低なことをしたなぁ……目的も履き違えて、全部お前のためだって…押し付けた部分もあるのに…」

 

「トレーナー…」

 

体の半分が、既に消えつつある中、門川は最後の力を振り絞った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺の……ユメは……世界一の_____ウマ娘を______育てる____こと______」

 

 

 

 

 

 

 

 

言い終わると同時に、体は完全に崩壊していった。周りのウマ娘達は声を出さない。駆けつけたシンボリルドルフも、エアグルーヴも、どう声をかけていいのかすら分からなかった。

 

ただその中で1人、担当ウマ娘は泣き続けた。

 

_________________________

 

 

 

「おかえり〜、あの実験材料。消したんだね」

 

「変に情報をばらまかれても、我々がこまるだけだ。それより今回の実験データをこのライザーとプログライズキーから取り出さなければ…」

 

「大した騒ぎにはなってないから、そんなないと思うけどな」

 

「アタッシュショットガンと、パンチングコングか…」

 

青は大型のPCを触りながら呟き、赤はまぁ関係ないやというふうに、ウォッカのグッズコーナーを作っていたのだった。

 

計画は地道に、しかし着実に進み始めている。ゼアとアークの複製も、もうすぐだろう。

 

(鍵は…不破諫か…)

 

興味深い実験材料が更に興味深くなったと言わんばかりに、青が笑った。

 

_________________________

 

〜メジロ家・1部屋〜

 

 

「よぉ!オマエ元気してたか!?」

 

「なんだオマエか」

 

「おい!?酷いぞ!ゴルシちゃんこんなに心配してたのに…♡」

 

(ドン引き)

 

「おい今引いただろ」

 

「それで?何の用だ」

 

「あのウマ娘だが、今は少し寝込んでるらしーぜ。ったく騒ぎを聞き付けたらお前血流して倒れてたしあのウマ娘泣いてたし…マックちゃんが運んでくれたらしいからな。お礼しといてやれよ!?_____あいつなら〜メロンパフェとか喜ぶんじゃね?」

 

その時だった。ちょうど空いた扉から溢れんばかりの闘気が流れてきたのだ

 

「ゴールドシップさん…?あなた一体何をおっしゃってるのですか…?」

 

「あっ………すまんマックイーン、今度はちみー奢るからな…?」

 

「ゴールドシップさん…!?」

 

「ひっ…!!ぎゃああああああああああ!!!」

 

 

(…うるせぇ)

 

一応ここに怪我人がいるんだぞと思うが今のふたりに通用はしない。

 

(ん?…そういえば今日は…)

 

予定があったような気がして、カレンダーを見る。そして_______

 

 

(フクキタル、デビュー戦だった)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜レース場〜

 

 

「どうして誰もいないんですかぁぁぁぁ!!!???」

 

 

 

フクキタルの涙混じりの叫びが響いたのは、また別のお話

 

 

 




唐突なシリアス要素





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14. 宇宙がきた!

パンチングコングばっか出しまくってたせいでランペイジ出るのか疑惑がチラホラと…
もちろん出しますぜぇ!!こうなんか…最初の戦いは〜みたいなのあるじゃないですか!?映画みたいに!?


ア”サ”ル”ト”ウ”ル”フ”出”し”た”い”ッ”!!(血の涙)


(トレーナーさんは酷い人です!!怪我したとはいえ私のデビュー戦を忘れるなんてっ!!来てくれたのはマックイーンさんだけですよっ!!)

 

フクキタルは廊下をドスドスと歩いていく、周りのウマ娘は何があったんだろうかと思いながら見守る中、あるひとつの部屋の扉を半場強引に開けた。

 

「うぉ…!?」

 

部屋の中から男性が驚く声がするが気にしない。メジロ家特製ソファに腰掛けて、リスのように頬をふくらませた。それを見た不破は、ひとまずため息をつく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(アイツ…めちゃくちゃ怒ってんじゃねぇか…)

 

 

肋骨を何本か折った怪我からわずか5日で復帰した不破は、自身が担当するチームバルカン、それに所属するフクキタルの様子に頭を悩ませていた。

 

マックイーンが見守る中、フクキタルは堂々と1着をもぎ取った。だがその走り方はまるで鬼が宿っているようだった。脚質が差しというのも相まって、前のプレッシャーは凄いだろう。との事だ(マックイーン談)

 

さて、困ったものだ。前に本にも書いてあったがウマ娘というのはすぐにストレスが溜まり、コンディションが悪くなる。悪くなれば当然レースに影響が出るし体にも悪い。

 

(でもどうすりゃいいかわかんねぇ…)

 

 

 

不破はもちろんトレーナーとしては素人である。なんならこの学園1番の素人だ。そんな不破にできることと言えば……

 

 

電話(他人だより)

 

 

なのだった。

 

 

 

 

 

__________________________

 

 

 

〜ショッピングモール〜

 

 

「おほ〜!」「なは〜!」「見てください見てください!トレーナーさん!!」

 

 

(…………まじかよ)

 

 

さっきの機嫌がまるで嘘みたいになっているフクキタルと共に、ショッピングモールの_____

 

なんかめちゃくちゃ怪しい店が立ち並ぶ場所に来ていた。占い師や霊能力者を名乗るものが集まっており、なんかすげぇ不気味に感じている。

(たづな…!)

 

電話した相手はたづなさん、暫くは連絡を取り合ってはいなかったが今回、担当ウマ娘の不調とかで連絡したら教えてくれた。

 

『ウマ娘はトレーナーとお出かけすると、本来のやる気になるんだとか…』

 

『ってアイツは言ってた…』

 

頭の中の亡がそう言い、不破が内心今すぐ帰りたいと思いつつ、愚痴るだけで我慢する。

 

「…どうだ、もう気が……」

 

「これとこれ!!!これさえあればトレーナーさんも幸せになるんじゃないですか!?」

 

「それ以上変なもん置いたら部屋のスペース無くなるじゃねぇか!!」

 

自身のチームの作戦会議などに使われる部屋は、メジロ家から届けられた家具、ゴルシが持ってきた訳が分からない物。フクキタルのいわゆる開運アイテムとやらが置いてある。メジロ家の家具は正直助かっているのでいいのだが……あと2人に関しては意味があるのかないのか……

 

(ある程度は自由にしてやったが、こいつの開運アイテム発掘はどうにかしねぇと…)

 

「トレーナーさぁぁぁん!!」

 

 

 

 

 

「……1個だけな」

 

_________________________

 

 

〜3時間後・トレーナー室〜

 

 

「………はぁ」

 

「〜♪」

 

ご機嫌そうに鼻歌を歌うフクキタルを横目に、不破はため息をつく。あの後何やかんやあって結局5個も買ってしまった。謎のだるまや水晶玉__意味の無いくらいでかい金の鯛。

 

「おまけに貰ったペアルックのキーホルダー!大事にしてくださいね!」

 

極めつけはこれ、マチカネフクキタルが取り出し__不破も嫌々取り出したキーホルダー。木で彫られたキーホルダーに字が書いてあり、不破には「幸運」フクキタルには「開運」と書いてあった。

 

(かといって大事にしねぇのもコイツが可哀想だからな…)

 

そう考えて、不破は胸ポケットにそのキーホルダーを突っ込んでおいた。

 

「ふむふむ…」

 

後ろでフクキタルが水晶玉を使い、何やら占っている。

 

「シラオキ様曰く、なにか良くないことが始まる。だそうです…!ひぃ…」

 

「良くないこと…か」

 

 

 

窓を覗くと、外が曇り空になり始めていた。

 

_________________________

 

〜理事長室〜

 

 

「疑問ッ!このスイッチは一体?」

 

たづなが持ってきたスイッチをまじまじと見つめるトレセン学園の理事長、秋川やよい。

 

「生徒から渡されたんです…ほんとうに最近このような出来事はてっきりなかったんですが…」

 

「狙われている…という可能性は?」

 

「……この学園自体が狙われている?」

 

「うむ!最近やってきた面白いトレーナーとやらと話がしてみたいな!聞けばその男!変身すると!」

 

「まぁ…その通りですね…彼にこのスイッチを見せれば、何かわかるかもしれません…」

 

 

 

「是非見てみたいッ!!どんな色をしていた!?」

 

「え、えぇ…!?」

 

しばらく、質問責めが続きそうだ……

 

_________________________

 

〜トレセン学園・運動場〜

 

ここでは、ウマ娘が自身の体を鍛えるために様々なコースがある。距離も様々、上り坂やダート、芝のコースなど自らの適正にあった走りができるようになっていた。

 

 

 

「見ろよマックイーン!バク宙4回転ダッシュだァ!!」

 

「一体何をしてるんですの!?」

 

((またあの二人だ…))

 

ゴールドシップが奇行を重ね、それをマックイーンが注意するという光景はもはや日常と化していた。

 

「そういやお前、あともうちょっとでデビュー戦だな!」

 

「え、えぇ…メジロの名にかけて、必ず…!」

 

 

(マックイーンの奴、気合い入ってんな〜)

 

ゴルシは、マックイーンを見ながらそう思った。ならば…

 

「よしマックイーン!ウイニングライブ!ど真ん中の振り付けしよーぜ!」

 

「いきなり!?___ちょ、ちょっと!?」

 

抵抗するマックイーンを抱き抱えてその場を去ろうとしたゴールドシップだったが_______その時だった。

 

「シィッ…!!」

 

「っ…!?」

 

気合いの入った蹴りが、突如マックイーンを襲う。ゴルシは野生の勘でそれを空中で回転し避け、さらに右足で相手を蹴り飛ばして距離をとる。

「何もんだよ…!?」

 

予想外の動きに相手がそう唸る。

 

「っとっと…!マックイーン、怪我はねぇか?」

 

何がなんだか分からないまま降ろされたマックイーンだったが状況を理解して、立ち上がった。

 

「あ、ありがとうございますゴールドシップさん…!」

 

「よく見ろマックイーン、アイツ…!」

 

なにかあるのかと思い、ゴールドシップが言った通り相手をよく見る。キックボクサーのような構えをしてこちらを見ている以外___分からない。

 

 

 

「私達ウマ娘みてぇな見た目してねぇか!?」

 

 

「今そこ見るんですの!?」

 

 

「私はウマ娘じゃない!!”ペガサス・ゾディアーツ”だ!!」

 

相手はすかさずツッコミを入れた。

 

「おいおい…また化け物案件かよ、ゴルシちゃんそろそろ泣きそう…」

 

「あなたはまた適当なことを……」

 

 

「私は貴方、マックイーンにしか興味がないの」

 

 

「モテる女は辛いねぇ…」

 

「わ、私…!?というかゴールドシップさん!からかわないでください!!」

 

冗談を言い合いながら、2人は確実に距離を置いていく。1歩、また1歩と_______

 

 

 

 

 

「逃がすわけないでしょ……!!!」

 

 

 

「っ!?」「うぉやべっ!?」

 

驚異的な蹴りにより一気に距離を詰められる。元いた場所の土はえぐれており、その力を見せられた。蹴りが2人をマックイーンとゴルシ共々捉えようとした時だった______

 

 

 

 

「うぉぉぉぉぉぉあぁああああああっ!!!」

 

 

 

 

誰かの叫び声が聞こえたと思いきや、直後__ペガサスゾディアーツが吹っ飛んだ。後ろに倒れたマックイーンを庇うようにゴルシも倒れる。

 

 

「…イテテ、おいマックイーン大丈夫か?」

 

「え、えぇ……それより、今の声は…?」

 

2人が立ち上がって、状況を確認する。

 

 

「おいおいマックイーン!?あれって…!!」

 

「トレーナーさんと同じ…!」

 

 

ペガサスゾディアーツからゴルシ達を守るように立つ後ろ姿は明らかに人ではなく、不破とおなじ仮面ライダーだった。

 

 

「くっ…!貴様何者だッ!!」

 

吹き飛ばされた衝撃から立ち上がったゾディアーツが叫ぶ。

 

 

「え?あ、俺?___コホン…」

 

咳を挟み少し間を開けて、でかでかと名乗った。

 

 

 

 

 

「俺は”如月弦太朗”!!またの名を…”仮面ライダーフォーゼ!”」

 

 

 

 

「「フォーゼ!?」」

 

 

「そ、そうか…」

 

 

「えっ…俺名乗ったのにその反応はないだろ…!_____まぁいいか…とにかく!”タイマンはらして貰うぜ!”」

 

 

 

 

 

 




ふと気づいた。これウマ娘というよりただの平ジェネでは??

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15.熱・血・先・生

誤字報告、感想ありがとうございます!!

やっぱ自分が書いてるのってウマ娘じゃなくて平ジェネですね!!とにかくウマ娘要素も入れて上手くバランス取れるようにします!


「おぉっと!!」「とおぉお!」「ほーい!」

 

「……」

 

フォーゼと名乗る仮面ライダーがてできた。見た感じヒーローっぽくないのだが……今も背中から煙を出しながら飛んで相手の攻撃をひたすらかわしている。

 

「あれ何してんだ?」

 

指をさしながらゴルシが言う。まぁ確かに、助けてくれたのはありがたいのだが……大丈夫なのだろうか?

 

 

 

「くそっ!!おらっ!!当たれよォ!!!」

 

ペガサスゾディアーツの攻撃がどんどん激しくなり、マックイーン達も後ろに下がらざるおえなかった。

 

 

「相手のヘイトを買いまくりじゃないですか…?」

 

 

「驚愕ッ!!仮面ライダーバルカンは白だったのか!?」

 

マックイーンがそうこぼした真横で、聞き覚えのある声が響いた。

 

「えっ!?理事長!?」

 

誰かがそう言い、周りの視線が集まる。たづなさんが横に立って、なにやら言いたそうにもしている。

 

「たづな!言ってる色と違うでは無いか!?」

 

「あー…えー…?__まぁ…なんか姿を変える〜、みたいなかんじゃないですか?」

 

(説明雑……)

 

「おい理事長!アイツバルカンじゃないんだぜ!フォーゼだフォーゼ!」

 

ゴルシがそう言うと、理事長はもちろん、たづなも驚いていた。

 

「仮面ライダーは二人いたのか!?たづな!!黙ってたのか!?」

 

「私も今初めて聞きましたよ!?」

 

「なんだ理事長知らねぇのかよバルカン…、そろそろ来るんじゃねぇかアイツも_______お、噂をすれば…」

 

そう言ってニヤついたゴルシが指を指す。理事長とたづながその方向を見てると……

 

「トレーナーさんッ!!なんで私と並走出来てるんですか!?人間ですか本当に!?」

 

そう叫ぶマチカネフクキタルの横で走る男が1人。

 

「俺は鍛えてんだよ…!お前が遅せぇだけだろ!」

 

「普通に傷つきますそれ!!」

 

 

「…コント?」

 

ぜぇはぁとゴルシ達のところに駆け寄った2人に対し、たづなが最初にかけた言葉がそうだった。

 

「はぁ…はぁ…、あ?なんだアイツ…」

 

「アイツ、仮面ライダーフォーゼだってさ」

 

「仮面ライダー!?」

 

「おう。お前の仲間じゃないのか?」

 

「あんなやつエイムズにもいねぇよ…」

 

「ふむ…話がややこしくなるな!そして君が不破諫か!」

 

「あ?、あぁ…」

 

 

(その人、この学園1偉い人!!気づけ!!)

 

初っ端から失礼すぎる態度を取る不破に対して、マックイーンがそう念じ込む。だがその念が通用することは無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はっ…!」

 

「シィ…!!」

 

2人の気合いとともに繰り出された拳がぶつかる____だが速度と威力はペガサスの方が上なのか、フォーゼは後ろに倒れた。

 

「ったぁ…!お前、なかなかやるな!」

 

そう言うと、レーダースイッチ、ドリルスイッチを外して、ハンマースイッチ、スパイクスイッチをはめ込み、起動させる。

 

『スパイク・ON、ハンマーON』

 

 

そう音声がなり、さっきまで何も無かった左足にスパイクのようなトゲの塊が装着され、左腕を覆うようにハンマーが装着された。

 

 

 

「すげぇぇぇぇぇぇぇ!!!おいあれ見ろ!!すげぇぞ!!」

 

横でゴルシと理事長、フクキタルが興奮して叫び周り、冷静に見えるマックイーンもその目は興奮していた。

 

 

「よしっ!こい!」

 

「バカにしないでッ!!」

 

気合いと共に放たれた渾身の蹴りは、ハンマーで相殺された。

 

「お返しだッ!!」

 

衝撃で後ろによろめいた相手に、スパイクで蹴りを叩き込む。

 

「くっ…!」

 

ダートを転がって____直ぐに立ち上がるペガサスゾディアーツ。それを見たフォーゼはおもむろに_____ハンマーとスパイクを解除した。

 

「おい何してんだよ!トドメさせるだろ〜!?」

 

ゴルシが叫ぶが、フォーゼは耳を貸さなかった。

 

 

「もうやめよう。お前、やりたくてやってる訳じゃないんだろ?」

 

「ッ!?___それ、どういう意味よ!」

 

「お前の攻撃には狙い以外は殺そうという勢いがなかった。本当はこんなこと、やりたくなかったんだろ?」

 

「ば、バカにしないでよ!!あんたなんか…!!あんたなんかすぐ殺せる………」

 

「やりたくないことを無理矢理するのはよくないぜ」

 

「………」

 

そう言うと、相手は戦意をなくしたのか、その場にへたれこんだ。フォーゼが駆け寄り、優しくしてやると…すぐに泣き出してしまった。そしてそのままスイッチを解除し、それをフォーゼが破壊。

 

だが中からでできたのは……

 

「そんな…」

 

たづなが声を漏らす。そう、正体は”ウマ娘”だった。

 

「驚愕ッ!?我が学園の生徒が…!?」

 

「彼女…たしか私のデビュー戦の相手の1人…」

 

マックイーンが呟く。不破はそれを聞いて、もちろん行ったウマ娘に対して怒りが滲む。だが……それ以前に…

 

(財団Xが……コイツらさえ利用しようってのか……)

 

自然と拳に力が入る。その時だった。

 

「アイツ…なかなか追い詰められてたみたいだな」

 

いつの間にか、不破の目の前にフォーゼがいたのだ。

 

「そうなのか?」

 

「ああ、聞いたらデビュー戦の相手にマックイーンがいて焦ってたら白服の人にスイッチを渡されたって…」

 

「白服…!!財団X…!」

 

「それ、本当か!?」

 

フォーゼが今までとは違う反応を示した。

 

「こんなとこにもアイツらがいたのか…」

 

「知ってるのか?」

 

「ああ、もう何度もぶつかってる。ったく…」

 

そう言いながらベルトのスイッチ4つを全て上げると、周りに煙が巻き散らかされる。風に目を細めていると、煙の中から人がでてきた。

 

「…ヤンキー?」

 

煙の中から出てきたのは、教師のような服装をしているが、髪型はリーゼントという傍から見ればトンチンカンな見た目をしている男だった。だがなんとなくだが、その場にいる全員が思っていた。

 

 

 

 

((見た目から伝わる熱血男…!!))

 

 

 

「いや!俺はヤンキーなんかじゃねぇ!」

 

「なら名前はなんという!!」

 

「…俺は如月弦太朗!!___この世界の全員と友達になる男だ!!」

 

 

そう高らかに叫んだ弦太郎。周りの開いた口が塞がらない。ようやく話せた一言はゴールドシップの

 

 

「……バカじゃねぇの?」

 

 

という辛辣な一言だった。

 

_________________________

 

 

 

 

「うまっ!!うめぇ!!!これも!!ほんとうめぇ!!」

 

トレセン学園の食堂に響く声と気持ちのいい食いっぷりを見ながら不破達は椅子に座っていた。話を聞こうと思ったのだが「まずは腹ごしらえだ!!」と言って全然話を聞いてくれなかった。

 

なんならここをトレセン学園とは知らず、天の川学園高等学校とか言っていた。不破と亡はおそらく、自分たちと同じくどこからの世界線からやってきた仮面ライダーと考えた。

 

「いい食べっぷりだな…」

 

いつの間にかそこにいた芦毛のウマ娘が1人、弦太郎にそう言った。

 

「お??お前も食うか!?うんまいぞ!!」

 

「いいのか…!?」

 

目を輝せた芦毛のウマ娘___オグリキャップは、弦太郎の横に座って箸を取る。

 

 

そこからしばらく、2人の大食いは続いたのだった。

 

 

_________________________

 

〜トレーナー室〜

 

 

「はぁ…」

 

弦太郎とオグリの素晴らしい大食いが終わってから、ずっとマックイーンがため息をつきながらお腹をさすっていた。大方見てるだけで胃もたれを起こしたのだろう。フクキタルに関してはもはやここにいなかった。

 

(確かに、あの二人は見てるこっちまで腹がいっぱいになる食い方だ…)

 

 

あの後もしばらく2人の大食いは続いた。シンボリルドルフやたづな、理事長がいるのにも関わらず、しかも話しかけられているのにも関わらず、ずっと食べていたのだ。そうして食べ終わったかと思えば…

 

「アイツ突然寝たよな」

 

ソファーに座りながら1人でオセロをしているゴルシがそう呟いた。あの後

 

 

 

 

 

『腹いっぱい…食った食ったぁ…』

 

『よ、ようやく食べ終わったんですね…、じゃあとりあえず話を……』

 

『たづなッ!!寝ておるぞ!!』

 

『ええっ!?』

 

『自由な人…』

 

 

みたいな感じで時間だけが過ぎていった。今は多分保健室で寝かされていると思うはずだ。ヒシアケボノが運んでいったらしい。

 

 

「新しい仮面ライダー…か」

 

仲間が増えたのならそれは嬉しいことだ。アイツ自体敵になる可能性はとことん低いだろう。だがこれで新たな問題がまたひとつ増えた。

 

(一体何を企んでやがる…、これからどうなるんだ…)

 

俺には帰るべき場所があり今守らなければならないものばかり、旅にしては重すぎる荷物だろう。

 

(なんで俺だけがこの世界に来たんだ…あの時一体何があった…?)

 

あの日を思い出そうとするが、直前の記憶だけは靄がかかったように霞んで見えない。

 

『私も直前だけが、思い出せないのです』

 

(お前もか、亡)

 

亡がデータだけでこの世界に来たのも謎だ。不破の中のチップに再び宿ってしまった。亡には既に身体があるのだ。ヒューマギアとしての身体が…

 

『今は考えても仕方が無いことだと…』

 

(まぁ、そうだな)

 

そう言い、再び不破は目の前にある書類に目を通していた(見てるとはいってない)

 

 

 

_________________________

 

〜財団X〜

 

「なぁ、聞きたいことがあるのですが…最上様」

 

ウルフキーを奪った青年が、Pcをいじる2人の最上魁星を呼ぶ。

 

「あ?」「…なんだ?」

 

2人は同時に反応し、青年は少しばかり困惑する。

 

「あ、あの…」

 

 

「あーなるほどね。言いたいことはわかったぞ!」

 

続きを言う前に赤い方の最上が言葉を発した。

 

「最上2人いるもんな!?しゃーねーわな…、よし分かった今から俺を赤最上、コイツを青最上って言え!__な?いいだろ青最上!」

 

「呼び名なんてどうでもいい、好きにしろ」

 

「冷めてーな…んで?どっちの最上に用があんだよ」

 

「えっと…赤最上様に聞きたいことがあるのです」

 

「おうなんだ?」

 

「なぜエニグマを動かした時、何故あの仮面ライダーを移動させ、何故ウマが娘になった世界に送り込んだのですか?」

 

「あー、気になるよね?」

 

赤最上の雰囲気が変わり青年は息を飲む。

 

 

 

「仮面ライダーに関しては誰でもよかった!!つまり気分だ!!んでウマ娘に関しては流行りにのっかっただけ!!__エニグマ動かしてる時もちょっと探してみたんだが以外にもあったんだよ。だからやってみたら上手くいった。だけど世界と法則性が…次元が違うせいかは知らないがエニグマが不調になった…」

 

 

「つまり…3次元と2次元、みたいな感じという…」

 

「そうそれ!」

 

「やはりこの別次元に来た理由も…」

 

「もちろん、俺達財団Xが宇宙の…全次元の神になるためさ!」

 

「なるほど!この世界ならウマ娘、ヤツらという被検体がいますからね!彼女達は肉体が素晴らしいですから……ッ!?」

 

そう言うと、突然赤最上の雰囲気がまた変わった。今度は確実に_______悪い方に

 

 

「今なんつった?」

 

気づけば青年は頬にトランスチームガンを当てられていたのだ。

 

「ウマ娘ちゃん達に手を出す気か?__殺すぞ…」

 

「も、申し訳ありません…!」

 

「いいか?ウマ娘ちゃん達ってのは素晴らしい存在なんだもしそれに対してエログロするんだったら…例え仲間であろうとぶっ殺す…」

 

もはや覇気というより殺意に近かった。意識を保つのが精一杯な青年だったが…

 

「今日はもう戻れ、その変な頭ぶち抜かれたくなければなぁ…」

 

「は、はい…申し訳ありませんでした」

 

「分かってくれればいいんだよ〜!」

 

そう言うと、青年は半場逃げるように部屋から出ていった。

 

(ヲタクを怒らせると怖いとは、これを言うのか…?)

 

青最上がそう考えながら作業する先には_________半分以上回復し、未だ動き続けるエニグマがいた。

 

 

 

 

 




財団X側のキャラ崩壊もいい所。まぁ一応ギャグだから…堪忍してクレメンス

あと赤最上はガイドラインを守るヲタクの鏡()


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チームバルカンバクシン編
16.シリウスvs孤高の狼


今回は息抜きだと思ってみてやってください〜

てか大半息抜きだしなんならこれ元々ギャグだったような…


〜生徒会室〜

 

生徒会室にはルドルフ、たづな、理事長、弦太郎、不破の5人だけで机を囲んでいた。外部の者は力寄らないようにエアグルーヴが廊下で警備をしていた。

 

今まで有耶無耶にされてきたのだが、この2人__不破と弦太郎は一体何者なのかなどを改めて詳しく話し合っていた。

 

 

「となると君たちは別の時空の地球に生きていた…気づけばこの世界にやってきた…という事だな?」

 

ルドルフが2人の話したことを簡潔にまとめ発する。弦太郎も不破も頷いた。

 

「疑問ッ、なら何故あの財団Xとやらもこの世界にやってきたのだ?」

 

理事長が首を傾げながら言葉を発していたのだが、たづなとルドルフが何となく察していた。

 

「もしかして、黒幕は財団X…」

 

たづながそう呟いた。不破も弦太郎もその意見だったのだ。

 

「アイツらにそんな能力があるなら厄介なことになるぞ?__実際に既に我が学園は少しばかり被害を受けている」

 

1人のトレーナーの死、1人のウマ娘の社会的死…

 

「そういやあのウマ娘どうしたんだよ、お前がなんかしたのか?」

 

「え?ああ!アイツは今俺の担当ウマ娘にした所だ!絶対に生徒は見捨てねぇ、夢を叶えるまで俺が支えてやる!」

 

言ってることは確かに立派だ。リーゼントという見た目の割に志は立派なものだ。だが……

 

 

「そもそも貴方トレーナーじゃないでしょう…」

 

たづながそう突っ込んで、弦太郎は頭にはてなを浮かべた。なんてわかりやすい表情筋をしてやがる。

 

「俺もそうだけどな、ウマ娘を担当するならこのバッジってやつが________あ?」

 

 

不破がトレーナーの証となるトレーナーバッジを見せるためにポケットをまさぐるが_____バッジは出てこない。

 

「なんでねぇんだよ…」

 

どうやらどこかで無くしたらしい。また後で探すとしようと考える不破だが、たづなは今にも殴りそうな勢いだった。

 

「そうか!バッジ取りゃあいいんだろ!?」

 

弦太郎が言う。だがルドルフの一言に止まった。

 

「そのためには試験を受ける必要があるんだ」

 

「へ?し、試験…?」

 

「ああ、だが君は自分の世界では教師なのだろう?ならば大丈夫のはずだが?」

 

「……ま、まぁ多少はできるけど…」

 

「多少…?」

 

「俺、勉強が嫌いなんだよ!!」

 

 

「「それでどうやって教師になったんだよ!!??」」

 

弦太郎以外が全員ツッコんだ。

 

 

_________________________

 

〜中庭〜

 

「ったく…どこ落としたんだよ…」

 

あの後結局話は終わり、不破達は全員解散した。とりあえずは不破と弦太郎でトレセン学園を厳重警備、その代わり2人には様々な面での支援を出すと理事長とルドルフが言っていた。

 

 

『頼む!!俺をトレーナーにしてくれ理事長さん!!』

 

 

そこで弦太郎が頼み込み、理事長はその勢いとウマ娘に対する愛情に押され彼をトレーナーにしてしまった。たづなはそろそろストレスで禿げるんじゃないか?

 

『絶対バッジ見つけてくださいね!?あれがないと色々めんどくさくなりますから!!』

 

会議終わりにたづなにそう釘を刺され、仕方なく探しているのだ。既に色々めんどくせぇのにさらに増えたらさすがにしんどい。

 

 

「はぁ……」

 

最後に木の根元当たりを探し、さすがにここにはないかと思い、去ろうとすると…

 

 

「おいアンタ、もしかして探しもんはこれか?」

 

突如声がして立ち止まった。聞こえた声の発生源がおかしいのだ。後ろでも横でもない、ということは…

 

「上か…」

 

無意識にそうつぶやくと、手を叩いてそのままウマ娘が1人、不破の目の前に華麗に着地を決めてきた。

 

「ハハッ!流石だなアンタ!ちょっとは戸惑ってくれてもいいんだけどな」

 

初対面から馴れ馴れしいというか、図々しいというか…とにかく不破の好きなタイプではない。

 

「何の用だ」

 

「おいおい、それは酷いな…せっかくこれを渡してやろうと思ってるのによ」

 

そう言いながら出してきたのは、不破のトレーナーバッジだった。

 

「お前が見つけてくれたんだな」

 

そう言いながら受け取ろうとすると、相手はバッジを隠してきた。

 

「おっと…返して欲しいならそれなりのアレがあるんじゃないのか?」

 

「なんだお前、いいから返せっての…」

 

半場強引に取り返そうとするが相手はウマ娘、逆に不破の後ろに回り込む事態になった。

 

「分からないなら教えてやるよ、返してください。だろ?」

 

挑発するように不破にそう言うと、確かに不破の気配が少しピリついた。

 

「んだと…?」

 

「ハハッ、簡単じゃないか!」

 

不破がそういうのを嫌うというのは、見ただけでわかる。そもそも群れを嫌うだらうなと言うのもわかる。それを全てわかって彼女「シリウスシンボリ」は楽しんでいた。

 

「……」

 

黙り込んだ不破に対し、シリウスは何を言ってやろうかと迫ろうとした時だった。

 

 

「もーらい!!」

 

 

「っ!?」

 

突然の出来事に反応が遅れたシリウスに、後ろから突然現れたウマ娘「ゴールドシップ」が見事な手さばきでシリウスからバッジを奪い返してそのまま不破の横に立つ。

 

「へぇ…」

 

 

「どーよ!!これゴルシちゃんの新しい技!!」

 

「…」

 

不破の横でゴルシがそういうが、不破は何も言わずに返せと言わんばかりに手を差し出す。

 

「おい、なんか言えよ」

 

そう言いながらバッジを不破の手にひょいっと投げて、それを受け取る。

 

「助かった」

 

「へへっ!後でなんか奢れ!チーム全員な!」

 

「んだよ…、ったく」

 

 

「はははは!お前ら面白ぇ!_____今日はこれで終わりにしてやるよ!」

 

そう言うや否や、その場から歩いて去っていく。だが最後に1度だけ振り向き

 

「ゴールドシップ、レースで会おうぜ」

 

とだけ言って、不破達の視界から消えていった。

 

 

「なんだアイツ、お前の知り合いか?」

 

 

「いや、初対面だ。クソムカつく野郎だな…」

 

 

 

 

 

_________________________

 

 

 

 

 

『メジロマックイーンが1着でゴール!他の追随を許さぬ圧巻の走りでした!!』

 

 

「やるな…アイツ」

 

 

「だぁぁぁぁぁ!!負けたぁ〜!!」

 

不破がそう言い、その横で弦太郎が頭を抱えて叫ぶ。この試合には弦太郎が担当するウマ娘も出ていた。本来なら出走は取り消しなのだが弦太郎が頼み込んで出走出来たらしい。

 

だが結果は5着、デビュー戦にしてはあまり嬉しくない結果となってしまった。

 

「行ってやれよ」

 

上を見上げて必死にこらえる弦太郎の担当ウマ娘を見て、不破が声を出した。

 

「え??」

 

「こういう時に、トレーナーってのは動くんじゃねぇのか?」

 

「あぁ!行ってくる!」

 

柵越を余裕でこなし、担当ウマ娘の元に駆け寄っで行く弦太郎。不破自身も勝ったマックイーンの元に歩み寄ろうと、ゴルシ達と歩き始めたのだった。

 

_________________________

 

〜財団X〜

 

「なぁ青最上!」

 

「…どうした?」

 

「トランスチームガンってあるか?」

 

「あるが前にエグゼイドとビルドに壊されて、今はまだ使えない」

 

「ならこれ借りていいか?」

 

「それを…?」

 

赤最上がスーツケースを出してきた。その中には12個のホロスコープスイッチが入っていた。

 

「それを使って何をする気だ?」

 

「アイツらとこに遊びに行くんだよ!そろそろ他のデータも必要だろ?」

 

「…好きにしろ」

 

「…よっしゃ!じゃあ行ってくるぜ!!___明日に!!」

 

夜空の星が、光り輝いたのだった。

 

 

 

 

 

 




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17.12個の星

評価ゲージ赤ゲージ満タン来たァァァァ!!!

これからも頑張ります!!!


文章力が成長しません助けてください()





〜トレーニングルーム〜

 

ウマ娘達が更なる力の向上を目指して通うトレーニングルーム。そこにはランニングマシンやダンベルなど、基本的に力を鍛える場所となっていた。

 

「はっ…はっ…はっ…」

 

そこで1人の人間が身体を鍛えていた。もう周りは慣れたらしく、今日も微妙な距離感でトレーニングをしている。だが……

 

 

「うぉぉあああああああああああぁぁぁっ!!」

 

 

((なんか増えてる!!??))

 

 

ダンベルを上げ下げする不破の横で、腕を鍛える機械、そのゴムを全力で引っ張っている人がいた。

 

その後もしばらく、弦太郎の叫び声が木霊し続けた。

 

_________________________

 

〜トレセン学園・運動場〜

 

「へぇ…こんなに広いのか」

 

「ああ、今じゃもう見慣れた」

 

「ん?女の子達がここを走るのか?えっ??」

 

「ああ」

 

最初の不破と同じ反応だ。弦太郎は信じられないという顔をしている。

 

「嘘だろ!?新手の虐待か!?」

 

とか意味のわからないことまで叫びはじめた。それを尻目に、不破はフクキタル、マックイーン、ゴルシにいつも通りやれと指示を出す。

 

「…」

 

基本的に不破は何もしない。勝手に予定を決めてトレーニングを、ケガだけは絶対にするなと釘を指しておく。

 

 

「うおっ…はえぇ…!____おおっ!?すげぇなんだあれ!?」

 

「…?」

 

コースのやや内側、ダートコースでウマ娘達が走っているのを見て、弦太郎が1人興奮する。その間にもゴルシ達は1周目を終えようとしていた。

 

「もう来たのか!?__すげぇなウマ娘…」

 

「だろうな、俺も驚かされた」

 

「アイツらにも見せてやりてぇ!」

 

「アイツら…?」

 

「ああ!俺のダチだ!いっぱいいるんだぜっ!!皆良い奴だからな」

 

「…そうか」

 

ダチ…、つまりは友達とかのことだろう。如月弦太朗、この男は不破諫とは真反対の人間だった。群れを嫌う不破に対し仲間が沢山いる弦太郎。

 

(同じ仮面ライダーなのに、差がすげぇな)

 

「あ!お前ももう俺のダチのひとりだ!」

 

「あ?…なんだいきなり…」

 

「もうこうやって話してるし、何より同じ仮面ライダーだから!俺とお前はダチ!いいな!?」

 

「…好きにしろ」

 

「よっしゃー!」

 

(疲れるなコイツ…)

 

ただでさえまだ慣れないことだらけで疲れるってのに、疲れる要因が増えた。ちくしょうめ…

 

(元の世界が楽に思えてきた…)

 

そう思いながら上を見上げた____________

 

 

「…?」

 

上を見上げた不破は、何か光るものがこちらに向かっていることに気づいた___________そしてそれが1本の矢だと気付くのに時間はかからなかった。

 

「でさ〜…どうした諫…?」

 

「避けろッ!!!」

 

喋る弦太郎を突き飛ばして、自分もそこから離れようとするが___その前に矢が地面に降り、瞬間閃光が迸った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くっ…!なんだ…!?」

 

不破に突き飛ばされ被弾を免れた弦太郎が、すぐさま起き上がる。最初に目に映ったのは、自分達がさっきいた場所の芝が抉れ、穴が空いていた所だった。

 

食らっていたら間違いなく死んでいる一撃だった。

 

「…っ!諫!!」

 

その穴の向こうに、不破が倒れていた。被弾はしていないようだが、さっきの爆風に飛ばされ気を失ったのだろう。

 

幸いにもウマ娘達は近くにいなかったため、けが人などは誰もいなさそうだが騒ぎにはなっていた。

 

 

 

 

 

「うわっ!!外しちまったか…?」

 

 

「っ!?」

 

上から声が聞こえ、顔を上げる。そこには1人の男が浮いていた。だが弦太郎はそれよりさらに上の衝撃に包まれていた

 

「サジタリウス…ゾディアーツ……理事長…!」

 

「ノーノー!俺は理事長じゃねぇよ!赤最上だ!」

 

弦太郎の疑問に対し、挑発するように赤最上が言う。

 

「最上…お前…!」

 

「覚えててくれた!?嬉しいなぁ!」

 

そう歓喜の声を上げている間に、弦太郎は懐からフォーゼドライバーを腰に装着し、4つのスイッチを下ろした。

 

『3、2、1…』

 

「変身ッ!」

 

そう言いながらレバーを押すと、弦太郎を大量の煙が包んだ。

 

 

「おいおいなんだっ…!げっほげっほ!」

 

「きゃ…!?けほっ…!」

 

近くで倒れていた不破の元に駆け込んだゴルシとマックイーンが巻き添いを食らう。

 

「あっ!!__すまねぇ大丈夫か!?」

 

フォーゼとなった弦太郎が急いで2人を心配する。だが相手は待ってはくれない、心配する弦太郎に容赦のない弓の一撃が襲った。

 

「っ!?お前ら不破連れていけるか!?」

 

「おうばっちしよ!!」

 

まるで米俵を担ぐように不破を担いで、ゴルシが親指を立てた。

 

「なら頼む!」

 

「よそ見すんなよっ!!」

 

2人が全力で離れるのを見届けてから、何とか後ろからの攻撃に反応して、避ける。

 

「なんでお前がそのスイッチを…!?」

 

素手の攻撃を躱し、受け止めて弦太郎が言葉を放つ。

 

「へっ!勝ったら教えてやる!」

 

だが相手の蹴りをくらい後ろに転がる。そな間に赤最上はスイッチの中から1つ『獅子座』のホロスコープスイッチを取りだした。

 

「近接ならこいつだ!」

 

獅子座のスイッチを押し、赤最上はレオ・ゾディアーツに姿を変えた。

 

「まじかよ…!___なら…!」

 

弦太郎もすぐさまロケットスイッチを外してエレキスイッチに交換。すぐさま起動させる。

 

『エレキON!』

 

「痺れるねぇ〜!いくぞっ!!」

 

「こい!痺れさせてやるっ!!」

 

両腕のクローを構え飛び込んでくるレオゾディアーツに対して、ビリーザロッド__コンセントを差し替え、その武器の最大の火力がだせるモードにチェンジ、雷鳴がほとばしる。

 

芝のコースに、雷が迸ったのだった。

 

 

 

_________________________

 

 

 

 

 

 

「お〜い、お〜い!___ダメだこいつ目ェ覚まさねぇ…生きてんのか?」

 

「なんてことを言いますの!?生きてるに決まってるでしょう!?」

 

「シラオキ様〜…!どうかお助けを〜…!」

 

横たわって一向に目が覚めない不破の周りで、様々な声が飛び交う。

 

「…!シラオキ様のお導きが!!頭にッ!!」

 

突然叫んだフクキタルにゴルシとマックイーンがギョッとする。

 

 

 

「不破の頭に少しの電流を流すべし!!」

 

「…何言ってんだコイツ」

 

「失礼な!?シラオキ様のお導きですよ!?」

 

 

「大体電気って…死にませんか?」

 

 

「それはどうだろうな…」

 

「「会長!?」」

 

「会長さんじゃん、こんちゃ」

 

いつの間にかうしろに立っていた会長。シンボリルドルフが声を出した。

 

「会長さん!どういう意味ですか!?」

 

「まえにあっただろう?少しだけだが不破くんの別人格が現れたことを」

 

「あったなそんな事」

 

「確か亡と言ったか…彼の声質はやけに機械のようだった…」

 

「だから電気??」

 

「…賭け、ですか」

 

 

まず人に電気を流すな、と言いたいのだが状況が状況、戦える人物は2人だけでしかもその1人はなかなか追い詰められている。

 

 

 

 

 

 

「てことで連れてきました!」

 

すぐさまフクキタルが雷を持ってきた。正確には雷をが出せそうなウマ娘だった。その名は…

 

 

「おう!タマモクロスや!」

 

「タマモクロス、君に頼みがある」

 

「なんやえらい状況やし、力貸したるわ!怪我人とかか!?」

 

「彼の額に触ってくれ」

 

「…は?」

 

「お願いしますタマモクロスさん!!これしか手段がないんです!」

 

「いやいや…あんたら何言うてまんねん…!」

 

そりゃあ状況が理解出来るわけが無い。だが今は説明する時間も惜しい。てことでゴールドシップ、後ろからタマモクロスを押して無理やり触れさせた。

 

「あぁちょっ…!?」

 

タマモクロスが少しだけ額に触れたその瞬間、不破の周りを雷が包んだ。

 

「え?なんや今の…」

 

突然自分の手が発電したことに対し驚きが隠せないタマモクロス。

 

「…ラーニング完了」

 

だがそれ以上に驚いた。マジで不破が起き上がったのだ。しかもこの起き上がり方は…、そしてこの声

 

「うそやろ!?コイツ機械やったんか!?人間そっくりやないか!!」

 

「嘘だろ…」「えぇ…」

 

ゴルシとマックイーンは混乱。

 

「やはりシラオキ様は偉大っ!!」

 

フクキタルは興奮。

 

(言ってみたものの、まさか本当になるとは…)

 

見た目は変わらないものの、心の中は動揺しまくっているシンボリルドルフ。

 

 

それらを一瞥し、最後に運動場を見る。

 

「状況は理解しました。あなた達は早く逃げてください」

 

亡がそう言い、ショットライザーを取り出して装着。そして懐から取り出したのは…

 

 

ランペイジガトリングプログライズキーだった。

 

 

 

 




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18.リスク高めの一撃

気がついたら4月になってましたね‪w
18時になっても空が微妙に明るいので時間感覚がおかしくなりがちです‪w
あと桜がめちゃくちゃ綺麗ですよ!


あとこのストーリーってどう進んでいくの?っていう質問があったので、現時点でなんとなくを言います!

基本的には育成ストーリーをなぞりつつそこにアオハル・仮面ライダー要素を組み込んでます!

ちなみに今はまだ一応ジュニア級のはずです!!知らんけど!!(クソデカボイス)


「うおっ!!____んの野郎…!」

 

仮面ライダーフォーゼ___如月弦太朗は今自分が戦ってる相手を必死に分析しようとしていた。だがしかし相手の攻撃が思考をさせる暇を与えない。

 

「オラオラオラァ!!どしたどしたァ!!」

 

(速度が上がった…!?)

 

まるで楽しむかのようにクローで攻撃をする。弦太郎はビリーザロッドで何とかそれを受け流し、ランチャースイッチをステルススイッチに交換。起動させる

 

『ステルスON』

 

「オラァ!!!___消えた!?」

 

飛びかかった瞬間、フォーゼが視界から消えた。すぐさま防御姿勢をとるが…

 

「後ろだッ!」

 

「ッ!!」

 

だが予想外の後ろからの電撃が加わった斬撃によろめいた。

 

「へへっ!まだまだ!」

 

「このっ!!___また消えやがった!」

 

もう一度襲いかかるがまたもやフォーゼは消える。

 

「これならどうだっ!」

 

痺れを切らした赤最上が、スイッチを再びチェンジ。次はカプリコーンゾディアーツに姿を変えた。

 

「HEY!HEY!HEY!かき鳴らしてやるっ!」

 

エレキギター型の武器『ウルク』をかき鳴らし、超音波の攻撃でステルスを破り、その音波を衝撃波にしてフォーゼにダメージを与えた。

 

「くっ…コイツ!」

 

「おいおいフォーゼ、何出し惜しみしてんだよ!使えよコズミックを!そんなんじゃ守れるものも守れないぜ」

 

 

「上等だ…!」

 

そう相手に挑発されて、弦太郎は懐からコズミックスイッチを取り出して_____________

 

 

『ドン!』

 

その時だった。赤最上の真後ろで太鼓の音が鳴った。

 

「…?」 「なんだ…?」

 

それに赤最上も、弦太郎も、その場で見ていた!ウマ娘達も一瞬で見つめた。

 

 

『ドン、ドン、ドンドンドンドンドンドン!』

 

太鼓を叩いているのはゴルシだ。太鼓がさらにスピードアップする。その間に左右からマックイーンとフクキタル、タマモクロス、そして何故かシンボリルドルフと、2人1組で白い幕を運ぶ。

 

『ドドン!』

 

そうゴルシが太鼓を叩くと、その4人はあっという間に消え、その場所には不破諫が立っていた。

 

「さっきのは一体…」

 

だか中身は亡、さっきの行動に疑問を抱きながら前を見る。そして咳払いをし一言

 

 

「これ以上、ここを荒らしてもらっては困ります」

 

 

「お前、不破諫じゃねぇな!亡か!」

 

「ええ、そうですよ。」

 

赤最上の挑発に、鼻で笑いながら一言返す。そして腰にショットライザーを装着。そのままランペイジガトリングプログライズキーを取り出し回転させる。

 

 

『ランペイジバレット!』

 

 

 

 

 

 

 

「初めて見るプログライズキーじゃねぇか!一体何がでんだ!?お!?」

 

「ちょっとゴールドシップさん!?押さないでくださいまし!?」

 

「なんでウチまで巻き込まれとんねん!?」

 

「おぉ〜…」

 

遠目からルドルフを除いた4人が騒ぐ。

 

 

 

 

プログライズキーをショットライザーにはめ込みキーを展開させる。

 

『オールライズ!』

 

 

 

「変身」

 

 

『フルショットライズ!』

 

 

『Gathering Round! ランペイジガトリング!

マンモス!チーター!ホーネット!タイガー!ポーラベアー!スコーピオン!シャーク!コング!ファルコン!ウルフ!』

 

10種類のライダモデルが宙を舞い、不破の身体に付いていき、ランペイジバルカンが姿を現した。

 

 

 

 

「うおおおおぉ!!すげぇぇぇ!!なんか色々着いたぞ!!」

 

バルカン達の周りから離れ、生徒たちと合流したゴルシが叫ぶ。

 

「カッコええやんか!」

 

タマモクロスもそう言う。

 

 

 

 

 

 

 

「…」

 

「おい不破〜!」

 

立つ亡の隣にフォーゼが寄ってきて隣に立つ。

 

「…私は亡です」

 

「え?亡?」

 

「はい」

 

「……誰?」

 

「亡です」

 

「…そう」

 

「話はそれくらいでいいか?」

 

2人の話の最中に、痺れを切らした赤最上が再びギターを構え音波による攻撃をしようと__________

 

「うるさいのでやめてもらいたい」

 

「んなっ…!?」

 

確かにさっきまでそれなりに距離はあった。なのになんで、今は俺の前にいて、胸部に膝蹴りを叩き込もうとしている…

 

「はやっ…!?」

 

弦太郎がギョッとしてる内に、もう亡は赤最上に膝蹴りを叩き込み、マンモスの力を付与させた右足で蹴り飛ばし___その衝撃で宙に舞い、着地。

 

「おー飛んだー」

 

周りから拍手がとぶ。体操なら100点を取れるレベルだ。

 

「いっ…てぇ…!」

 

だが相手はその衝撃を受けても生きていた。ゆっくりと立ち上がって不破達を見つめる。

 

「亡ィ…やってくれたな…!」

 

そう言いいながら立ち上がり、ウルクを再び構えた。

 

 

「テメェは機械!ならこれはどうだ!!」

 

 

そう叫んで、ウルクを再びかき鳴らす。

 

 

「ん?何も聞こえねぇけど…」

 

弦太郎がそう言い、ゴルシ達も頷く。だが______

 

 

「くっ…!うっ…あぁっ…!」

 

亡だけが唯一、苦しんでいた。必死に耳を塞いでもがいている。

 

 

「この音…一見私達には聞こえないようでも…亡さんのような人には聴こえるようになっている…!?」

 

マックイーンがそう言い、ゴルシがなるほど…と呟いた。

 

「アイツ、一応機械って言ってなかったか?」

 

そこまで言って、フクキタルがハッとなる。

 

「…つまり機械が嫌がる特殊な音波を…!」

 

タマモクロスがフクキタルに続いて言葉を発す。

 

「あのギター…厄介な道具やな…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダメだ。身体が思うように動かない。脳のチップの信号がバグを起こしている。

 

(不破諫はまだ…!)

 

動かせない。腕も足も頭も_____今自分は何をしている??立ってる?座ってる?それとも______

 

 

「おい亡、さっきはよくもやってくれたな…」

 

まだ音波で身体が動かせない中、赤最上の声が届いた。そして身体が起こされる感覚。

 

「お返しだァッ!!楽しめよ!!!」

 

 

赤最上はウルクを斧のようにして持ち、下から上へ一気に斬り裂いていく。 ガードすらない身体に一閃がはいり、雑巾のように後ろに飛んでいった。

 

 

 

 

「やめろぉぉぉぉ!!!」

 

 

『リミットブレイク』

 

「ライダー100億ボルトブレイク!!!」

 

コズミックに姿を変えることすら忘れ、亡を助けたいという思いで動き、ビリーザロッドを最大火力に調整し、さらにエレキスイッチを差し込んだ必殺技を放つ。

 

 

見えないくらいの速度で放たれた電撃の斬撃________だが…

 

 

「へっ!」

 

赤最上は攻撃が届く直前にそこら中にセルメダルをばらまいてヤミーを生み出し、盾にしたのだ。

 

「なっ…」

 

驚く弦太郎を嘲笑い、そしてまた再び、しかも今度は10倍以上の数のヤミーを生み出した。

 

「お前1人に!この数のヤミーを捌けるかな?」

 

(一人一人は大したことが無いはずだが…数が多すぎる…!____生徒達を守りながら戦えるのか!?)

 

そう考えるのも束の間、大量のヤミーが弦太郎に牙を剥く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まずはお前らだ、不破と亡」

 

大量のヤミーに囲まれたその真ん中で、赤最上と亡は話していた。

 

「なぜ…私達を…?」

 

「お前らが一番最初にエニグマを使った時に出てきやがったんだよ。俺たちは仮面ライダーなんかいない世界がいいんだ…なのにいつの時代も、お前らは邪魔をする…!!」

 

「ぐぁ…!!」

 

八つ当たりのように振るわれたウルクが亡を捉え、地面に叩きつけられた。

 

「この世界なら俺達の楽園が作れる、様々な種族がいるこの世界ならな…、前は失敗した…!エグゼイドとビルド!あの二人さえいなければ!!」

 

「…そんなの、ただの八つ当たりってやつですよ…」

 

亡が鼻で笑って赤最上を挑発する。相当機嫌が悪かったのか、突如黙り出した赤最上はそのままウルクを持ち上げ、亡を真っ二つにしようと振るう__________

 

 

「っ!?」

 

だがそのウルクは、亡を捉えることは無かった。否____左腕で受け止めていた。

 

 

「ったく…!耳障りな音鳴らしやがって…!!」

 

さっきのような中性的な声から一転、イラついたような声になる。

 

「亡…じゃねぇな、お前!不破だな!」

 

「亡だのなんだのごちゃごちゃうるせぇんだよ…!」

 

腕で受け止めたウルクをじりじりと上へ持ち上げる。片膝が着いた力が出しにくい状態でありながらこんな馬鹿力が出るとは_____

 

「お前…やっぱゴリラだな…!」

 

笑いながら赤最上が呟く。もちろんそれは不破の耳に届き________

 

 

 

「俺は…!ゴリラじゃねぇんだよォォォォ!!!」

 

 

とうとう怒りが限界突破した不破が叫んで一気にウルクを弾き飛ばした。その隙を狙いショットライザーをバックルから取り出し、ランペイジガトリングプログライズキーを回転させる。

 

『パワー!ランペイジ!___ランペイジパワーブラスト!』

 

「何っ…」

 

「くらいやがれ…!!」

 

腹部にゼロ距離で放つランペイジパワーブラスト。驚く赤最上を他所に不破は躊躇いなくトリガーを引く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

____瞬間、とんでもない爆風が周りを包み込み、全員が「うわぁぁぁ!!」と叫びながら踏みとどまる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うわぁ…」

 

 

 

炸裂した場所は芝が抉れ、下の土まで穴が空いていた。爆風にヤミーが全て吹き飛ばされ、軽く弦太郎が引く

 

 

 

 

 

 

「コイツ…、マジでバカじゃねぇか…!」

 

 

お互い吹き飛ばされても、意識を保っていた。赤最上が不破な起こした行動に軽く引きながら笑う。その手には粉々になったスイッチが握りしめられていた。

 

 

「ぶっ潰すためならどうってことねぇ…!」

 

 

起き上がり、不破が呟く。変身が解除されている赤最上に対し、不破はまだランペイジバルカンのままで居続けていた。

 

「終わりだ、テメェをぶっ潰す…」

 

赤最上に近づき、ショットライザーを構える。だがしかし…

 

 

「不破!!!上だ!!!…!」

 

異変にいち早く気づいたゴルシが不破に大声で叫ぶ。だがしかしそれは遅く、不破は上から飛んできた人物に吹き飛ばされた。

 

 

「っ…!?」

 

変身解除まで持ってかれてしまったが、なんとか意識を保っていた不破。だが上からきた人物に驚かされたのだ。

 

 

「へっ、助けに来たのかよ」

 

赤最上がそう言うと、もう1人の人物____青最上が頷いた。

 

「2人…!?」

 

不破が驚き、呟いた。弦太郎も「お前もいたのか…」と呟く。

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんだ!?双子か!?」

遠目から見ても分かるらしくゴルシがそう言う。

 

「見た目が真反対やないか…しかも青い方半分顔ないやないか…!」

 

あまりに異質な存在に、タマモクロスも、シンボリルドルフも後ずさりしてしまう。

 

 

「あまり見られるのは好きじゃない…行くぞ」

 

 

視線を気にしてか、少し早口になる。そして懐からトランスチームガンを取り出し_____

 

「なっ…!?」

 

煙が射出され、煙が晴れるとそこには誰もいなかった。赤最上も、青最上も…

 

 

「おい!不破!」

 

それと同時に、緊張の糸が切れたのか、不破が倒れて動かなくなる。いちばん近くにいた弦太郎が駆け寄り揺するが、目が覚める気配はなかった。

 

 

 

 

 

 

(一体何が目的なんだよ…、財団X…)

 

弦太郎は心中でそうつぶやき、今は不破を助けることを優先した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ウマ娘要素!どこいった??


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19.見捨てたくねぇんだ

前回ェ…ウマ娘要請どこいった?て意見がありました。はい何も言えないです平ジェネしてしまいました()

だから今回はウマ娘回、ちなみに弦太郎がよく出てきますよ( ˆᴗˆ )





「クソッ…!!」

 

「…」「…」

 

悔しそうに顔を歪めながら壁に拳を叩きつけるウマ娘。その名前はナリタタイシン。

 

それを遠目から、声をかけてやりたいがそっとしてやりたい、そんな気持ちが入り乱れて動けない2人のウマ娘、ウイニングチケットとビワハヤヒデ。

 

今日は模擬レースがあった。中距離の芝2400。身体が他のウマ娘より小さかったタイシンには少し厳しい距離だったが心配されるのを嫌うのは2人が1番よくわかってる。

 

「ねぇ、ハヤヒデ…」

 

「どうすれば…いいんだろうな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんで…!」

 

 

一緒に走るメンツには、いつも遠回しに馬鹿にするヤツらがいた。今日で見返してやろうと思った。

 

身体を大きくしたいから吐くくらいまで沢山食べた

 

トレーニングだって日が暮れるまでやった

 

どんな事も耐えてやってきた。なのに______

 

 

 

「なんで…勝てないんだよ…!」

 

 

いつもそうだ、小さい時からずっと…、こんな小さな身体のせいでバカにされ続けてきた。ウマ娘に生まれたことによりそれはさらに欠点になってしまった。他の奴が羨ましいと思う。こんな小さな身体に生まれたことを憎みさえする。

 

「このっ___!!」

 

悔しさ、腹立たしさにもう一度壁を殴りつけようとした時だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いい走りじゃんか!お前!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「…?」

 

最初は自分じゃないと思っていた。だが周りにウマ娘はタイシンしかいなかった。

 

自分に言われたのか?と拳が止まって、そのまま下に落ちる。

 

バッジを付けてるからトレーナーだと一瞬でわかった。

 

タイシンの口から出るのはいつもの言葉。

 

「何の用、慰めにでも来たつもり?」

 

いつもなら大抵はここで言葉がつまり、たじろぐ。

 

(どうせ慰めだ…)

 

と思ってその場を去ろうとする……

 

 

「俺は本気でいってるぞー!!今日のレースも惜しかった!」

 

惜しかったって…12着中7着、入着すらしてないのに惜しいって…

 

「俺、如月弦太朗!訳あってトレーナーやってる!お前は?」

 

「は?」

 

いきなりすぎる自己紹介に、タイシンが固まる。名前は聞いたことがある、最近入ってきたトレーナーで、確か仮面ライダー…とかなんとか…

 

「……」

 

「あっ…!ちょ…!」

 

関わるのは面倒くさそうなので、無視してそのまま歩く。見た目のヤンキーさとは裏腹に、追っては来なかった。

 

(なんだあのトレーナー…)

 

タイシンは疑問に思いながらもすぐ忘れるとおもって帰った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_________________________

 

〜4日後〜

 

 

「なぁおい!!名前くらい教えてくれたっていいじゃんか!!」

 

「………!」

 

なんだコイツは、あまりにもウザすぎる。これじゃあ忘れることが出来ないじゃないか。

 

もう4日だ。その間ずっとコイツは自分にまとわりついて離れない。登校時も休み時間も帰宅時間もゲーセンでも、昼寝の屋上まで来られた時は気が狂いそうになった。今もそうだ。やっと横になれると寝転んだらまさかのその横にいたのだ。

 

 

「あぁもう!しつこい!」

 

「やっと口聞いた!」

 

(ウザイ…!!チケットよりしつこい…!!)

 

またどこかへ逃げようと立ち上がるが…

 

「おい待てって!」

 

「っ!?」

 

腕をガシッと掴まれて逃げれなかった。相手は所詮人間、ちょっと力を込めれば振り払えるのだが_____何故か振り払えなかった。

 

まるで自分が止めて欲しかったみたいに…

 

 

「なんなのアンタ…一体アタシに何の用…」

 

「何の用って…なんだっけな…____あ!お前をスカウトしにきた!」

 

「…は?」

 

今まで自分をスカウトしにきた奴はそれなりにいた。でも自ら切った。こんな奴らと練習しても強くなれない。そうわかったからだ。

 

「前のレース、悔しかったんだろ?だったら俺がお前を強くする!お前が身体が小さくても勝てるって証明を_____」

 

 

 

 

 

 

 

「うるさい!!!」

 

 

 

 

 

 

「…!?」

 

瞬間、無意識的にタイシンは叫んだ。拒絶するように

 

 

「全員そうだ!身体が小さくても勝てる勝てるって言って1回も勝てたことがない!!___自分で努力しても、全然ダメだった!!」

 

「…」

 

「アンタにアタシの何が分かるっていうの!?___はぁ…はぁ…」

 

息をすることすら忘れ叫び続けたタイシン。とうとう息切れを起こしてしまった。そこで弦太郎がやっと口を開いた。

 

「お前のことは何もわかんねぇ、話したこともねぇしな…」

 

座った体勢で空を見上げながら言う弦太郎。

 

 

「でもな、夢を全力で追う奴を俺は見捨てたくねぇんだ」

 

綺麗事だと思って切り捨てたい、なのにコイツの言葉はタイシンの冷えた心にスっと入ってきて溶かしていく。そしてとうとう、タイシンは耐えきれなくなってしまった。

 

 

自分の胸の内にある感情を全てぶつけた。だが弦太郎はずっと聴いてくれてていた。否定もせず、肯定もせずただずっと、優しく…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「午後の授業、サボったな…アタシ」

 

話し終わって、少し落ち着いたタイシンと弦太郎。微妙な距離感で座る2人を風が撫でた。

 

「大丈夫なのかよ…」

 

「別に、なんとでもなるし…てかアンタは怒らないんだね、授業に行かないこと…他のトレーナーなら怒ってきたよ?」

 

「別に、誰だってあるよ。ぜーんぶめんどくさくなるやつ。俺だってめちゃくちゃ授業サボったしな!」

 

まるで自慢するかのように語る弦太郎に、思わずタイシンが吹き出した。

 

「なにそれ…」

 

「あ、それでだ!」

 

弦太郎が思い出したかのように懐から紙を取り出す______

 

「分かってる。アンタの担当になってやるよ___アタシを強くして」

 

 

「おう!」

 

そう言いながら立ち上がり、タイシンが拳を弦太郎に向ける。弦太郎も立ち上がり、迷うことなくその拳に自分の拳をあわせた。

 

「だけどお前だけじゃない!」

 

「え?___」

 

一瞬だが2人のウマ娘の顔が思いつくが、すぐさま違うと否定する。だってまだ出会ってすらないだろうし______

 

 

「おーーーーい!!!タイシィィィンッ!!」

 

 

2人だけの雰囲気をぶち壊したのは、学園中に響き渡りそうなくらいの声。タイシンが嫌いで___でも嫌いになりきれない声だった

 

「…。」

 

「やあ、タイシン」

 

「3人は特に仲が良さそうに見えた!!だからみんなまとめめて面倒を見る!!!」

 

「タイシン!!嬉しいでしょ!?アタシ達一緒だよ!!!」

 

「……最悪」

 

ウイニングチケットに抱き抱えられぶんぶんと振り回されるナリタタイシン。だがその言葉とは裏腹に、顔は笑みを浮かべていた。

 

「弦太郎くん」

 

「ん?」

 

それを遠目から見守っていたビワハヤヒデが弦太郎に声をかけた。

 

「ありがとう」

 

「__ああ!これも教師の役目ってもんよ!!」

 

 

 

 

 

「チケット!降ろして!!!」

 

 

「えーー!!まだやりたい!!!!」

 

 

ここで今、また新しい物語が動こうとしていた。

 

 

_________________________

 

 

〜メジロ家・治療室〜

 

 

 

「なんか今…主役の座とられかけそうになってねぇか…」

 

前の戦いでとんでもない戦法をした不破は、今はゆっくり治療中だった。

 

ゴルシが不破の呟きを見逃さず、聴き直す。

 

「あー?なんだって?」

 

「…いや、なんでもねぇ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ま” た ” い” な” い” ! ! !」

 

 

「フクキタルさん…」

 

 

フクキタルのレースがガン無視され、控え室でマックイーンが慰めたのはまた別の話…

 

 

 

 

 

 

 

 



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20.”動き”

いつ来るか分からん最終回。でもこれだけははっきり言いたいので言わせてもらいます!!

最終回は仮面ライダーバルカン&バルキリーの曲

「Frontier」

を流しながら聞いて欲しいなぁって、小説と音楽を合わしたら作者も読者も涙がバッ!と出るような最終回にしたいなとw



いつ最終回なるか知らんけど()




そして改めて思う。自分文才無さスギィ!!



20.”動き”

〜メジロ家・治療室〜

 

 

「もう今度こそ許しませんからねっ!?」

 

「…」

 

フクキタルがリスみたく頬を膨らませてそっぽを向いた。不破は助けを求めようとゴルシとマックイーンは2人して絶妙に不破から離れていた。

 

(アイツら…こういう時に限って息ピッタリじゃねぇか…!!)

 

さてどうするか。不破は異性と話したことは絶望的に無さすぎている。今まで関わってきた異性…

 

刃、しか思い浮かばなかった。なんならアイツ異性として見てなかった。

 

 

相手は年頃、いわば運動会に父親が来なかった時のような感じだろう。それも2回連続…

 

(…?)

 

ふと、自分のなかの思考に違和感を覚えた。そしてすぐ思い立った。

 

 

きっと、前までならどうでもいいと切り捨てたであろう問題に、真面目に対処している。

 

「ふっ…」

 

ふと、なんとなくだが笑ってしまった。まずいと思って口を閉めたが…、フクキタルの耳にはしっかり届いていた。

 

「あぁっ!?今笑いましたね!!??」

 

「……笑ってねぇよ」

 

「絶対笑いました!!」

 

「ちげぇよ…」

 

「ぜ っ た い 笑いましたぁ!!!」

 

「笑ってねぇ!!___っ…!」

 

「あっ…」

 

大声を出しすぎたせいで、不破は痛みに顔を顰めた。それに気づいたのかフクキタルが突如黙る。

 

(ちくしょう…まさかこれほどまで響くなんてな…)

 

前の戦闘、亡の戦法、無理矢理な必殺技。全てが不破の負担となっていた。

 

どうにかしなければ、せめて亡の身体があれば…

 

「っ…」

 

その時だった。不意に頭が痛くなり、頭を触る。

 

 

『こ、これは…!?』

 

 

脳内の亡が何かを言いかけたのだが…次に来たのは、頭をとりたいくらいの激痛だった。

 

 

「くっ…!?ぐァぁぁァァァぁァァ!!」

 

 

突然の発狂に、ゴルシ達がギョッとする。

 

「おい!お前大丈夫かよ!!」

 

不破に誰よりも早く近づき、声をかけるゴルシ

 

「はやく!主治医を呼んで!!」

 

部屋を出た先で、主治医を呼ぶマックイーン。

 

「あ、え…」

 

だがその中で、フクキタルは唯一動けなかった。もちろん突然叫び出したショックで身体が一時的にフリーズしてるという説もある。

 

だが今のフクキタルは、人間でいう反抗期的な状態に陥っていた

 

本当は心配してるのに、さっきのあれで声がかけづらくなっているのだ。

 

(…私は)

 

「お、おい!?」

 

ゴルシが止めるよりも早く、フクキタルは逃げ出すように部屋を去ってしまった。

 

(アイツ…泣いてやがったぞ)

 

ゴルシはフクキタルの涙を見過ごさなかった。

 

_____________________

 

 

「はぁ…!はぁ…!」

 

何故自分は逃げ出しのだろう。別に逃げ出す必要はなかったのに…

 

逃げ出した理由なんか…とても些細なことだったのに…!

 

自分は…我儘なのだろうか…

 

ゴールドシップのように強くないし面白くない。メジロマックイーンのように強く、上品でもない。

 

なら自分は…一体なんのためにチームに入ったのだろう。最初は気づけば入っていた。楽しかった。

 

なのに…なのに最近になり始めてから少し思うことがあった

 

(自分は一体なんのために走ってるのだろう)

 

メジロマックイーンは春秋連覇という目標が

 

ゴールドシップにはエデン(?)の扉を開くという目標だ。

 

ゴルシに関してはよく分からないが目標は目標。なら自分は…?

 

「……」

 

ダメだ、考えれば考えるほど、マイナスな思考しか浮かばない。

 

「…私は」

 

無意識におばあちゃんから貰っただるまの髪飾りに触れる。

 

 

 

 

「お?お前…」

 

その時だった。不意に後ろから声がして振り返る

 

「よっ」

 

声の主は如月弦太朗だった。

 

「弦太郎さん…どうも」

 

少し弱々しくはあるが、弦太郎に会釈し再び歩き出そうと_____

 

「何悩んでんだ?なんかあったか?」

 

「…っ!」

 

一瞬で勘づかれた。この人は見た目にそぐわず勘が鋭い。

 

「い、いや…!なんでもないですよ!」

 

笑いながらそう言うと、弦太郎は微笑んだ。

 

「嘘つけ、見たらわかるぞ」

 

「え?」

 

「お前、泣いてんじゃねえか」

 

「えっ…?あっ…」

 

自分の頬に触れ、初めて気づいた。自分は涙を流していた。理由は分からない。だが1度気づいた涙は止まることを知らなかった。

 

「こっちにいい土手があるんだ。そこで座ろうぜ」

 

弦太郎は何も聞かずに、ただそれだけ言ってフクキタルを連れていった。

 

――――――――――――

 

 

「……なるほど、それで抜け出したと」

 

「…はい」

 

思い返せば、なんとわがままで、なんと自己都合なのだろう。なんとなく恥ずかしくなってしまった。

 

「別に、目標なんかなくたっていいんじゃないのか?」

 

「え?」

 

綺麗な夕焼けを眺めながら、弦太郎がそう言った。

 

「誰しも目標をもってここに来た。そんな訳ねえよ、みんな走りながら答えを見つけてる。夢も目標も、それを見つけるまで何回も何回も、高い壁にぶつかって…それを越えて、そうして見つけていくんじゃねえのか?」

 

「……」

 

「マックイーンみたいにメジロ家の悲願があるなら話は別だけど…”お前はマックイーンじゃない”」

 

「…!!」

 

「お前はお前らしく、自分の目標ってやつを見つけたらいいんじゃねえか?どれだけ時間がかかっても、壁にぶつかっても…」

 

「…そう、ですね!」

 

そうだ。弦太郎の言う通りだ。最初から強いウマ娘なんかいない。努力して、強くなる。それと同じだ

 

「…ああ!」

 

弦太郎も、フクキタルを見て笑った。モヤが消えたのが分かったのだろう。ほんとこの人は、鋭い

 

「なんか…お話に付き合わせてしまって申し訳ない…」

 

とほほ…という効果音が聞こえそうなフクキタル。弦太郎は

 

「気にするな、悩みなんかだれにでもある」

 

と言って、そうして帰って行った。

 

「さて、自分も戻りますか!」

 

すっかり気分が落ち着いたフクキタル。

 

「ん??これは…」

 

立ち上がろうと足元を見た時だった。芝生の中に1つ。目に付いたものがあった。

 

「あっ!?これは…!!”四つ葉のクローバー”!?なんというラッキー!!私は幸せ者!!」

 

さらにテンションが上がったフクキタル。その四つ葉のクローバーをスマホのカメラで何回も撮り(44枚)、不破たちがいる場所へスキップで帰っていった。

 

――――――――――――

 

〜財団X〜

 

「おいおい…!こりゃあまたファンキーなもんだな青最上…!」

 

赤最上が少し後ずさりながらそう言う。立っている青最上の後ろには……

 

 

”エニグマに並んでアークがいた”

 

 

 

「なんでまたアークなんか…」

 

「考えてみろ。アークには様々なデータがある。滅亡迅雷、サウザー、ランペイジバルカン、アークそのもの…ヒューマギアのモデルさえな」

 

「そりゃあ本当か!?」

 

「ああ、そのデータを上手く使えば…」

 

「もう1人の不破が作れる!ゴーストの世界で言うスペクターみたいな!?」

 

「その通りだ」

 

「アークだせばよくね??」

 

「これはまだまだ序章だ」

 

「にしては割と俺たちめちゃくちゃやってるよ。クライマックス入りそうな勢いでな」

 

「……最初からクライマックス」

 

「おいおいそれ本気で言ってんのか?」

 

「…冗談だ」

 

「…まぁそれはさておき、俺たちこれからどうするよ。1度エグゼイドとビルドに負けて、なんとかかんとか復活したら違う平行世界でしかも数年後。さらにウマ娘とかいう傷つけたら消されそうな存在がいて、そんな中で俺たちはどうするんだよ」

 

確かに、言われてみればそうだ。エニグマの復活理由ですら分からずに、町外れの廃墟にいる。そろそろひそひそとしてるばかりではいけない。

 

 

 

「まずは財団Xをこの世界に知らしめる」

 

そう言いながら置いたアイテムは

 

・ギアエンジンフルボトル

・ギアリモコンフルボトル

 

そして…

 

「ネビュラスチームガンじゃねぇか…!いつの間に直したんだよ!」

 

そう言いながらスチームガンとフルボトルを取り、懐かしむように触る赤最上

 

「さぁ…そろそろ始めようか、エニグマを使ったせいでまた新たなライダーが生まれたかもしれない…」

 

「”悪”いる所に”仮面ライダー”ありってか?ははっ!実に面白いっ!!」

 

「これは直しておいて損はないだろうと思ってな…今回は試運転とやらだ」

 

「へへっ!不破諫!前の借りは返すぜ…」

 

――――――――

 

〜ある場所〜

 

「あ?なんだここ?お〜い?”フィリップ”〜?――――だめだ通じねぇ…あぁ?本気でなんなんだ??」

 

この世界に、新しいライダーが生まれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




また新しいライダー生まれちまったよ、実にファンキーだねぇ…フゥン…


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21.JOKER

 

「ということで…あの〜…ほんとごめんなさい!!」

 

突如抜け出したフクキタルは、弦太郎と相談してもう1度戻ってきた。そして今に至る。

 

「おうなんだそんなことか気にしねーぞ」

 

最初に口を開いたのはゴルシだった。まぁ…気にはしてなさそうだ。

 

「悩むことは誰にでもあります。特にこのような人がトレーナーだったら、もっと増えますでしょうに…」

 

不破をジト目で見つめながらマックイーンが口を開いた。許してはくれている

 

「行けなかった俺が悪かった、次は行くから安心しろ」

 

そしてやけに素直な不破諫。逆に謝られてしまった…

 

「あ”り”が”と”う”ご”ざ”い”ま”す”ぅ!!!」

 

「うわっ…!」

 

途端に鼻水と涙を流し始めるフクキタルを見て、不破がうわっとなる。

 

「そういえばトレーナーさん、さっきの頭痛は一体なんなんですの?」

 

仕切り直そうと思ったのか、マックイーンがそう聞いてきた

 

「あぁ…俺にもわかんねぇんだよ、感覚的には思い当たる節はあるんだが…」

 

そう、あれは天津にチップを作動させられた時や、アークが復活した時…

 

「…おい待て」

 

『気づきましたか?』

 

亡の声が聞こえた

 

「いやまさか…」

 

『それが分かる方法があります』

 

そう言われ、不破はその続きを黙って聞いた。

 

「…わかった」

 

「…?わかったとは?」

 

「おいマック」

 

「はい?」

 

「庭でもなんでもいい、広いとこ貸してくんねぇか?」

 

「…?別に大丈夫ですけれども…」

 

――――――――――

 

 

「…」

 

そう言われて提供された場所は、メジロ家の館から少し離れた場所だった。身体はある程度は治ってはいるが主治医からはまだ戦えはしないと言われていた。

 

「マックイーン?ここでなにするの?」

 

「ライアン!?貴方いつから…」

 

「少し気になってね…見てても大丈夫?」

 

「え、えぇ…」

 

ライアンの後ろにはメジロ家が集合していた。フクキタルとゴルシも見守っている

 

「アイツ変なことしたらすぐさま蹴るぞ!」

 

「と、トレーナーさんを蹴る…!?」

 

「絶対蹴るなよ」

 

「聞こえてんのか…」

 

「当たり前だろうが」

 

そう言いながらショットライザーを腰に装着する。懐から取り出したプログライズキーは『アサルトウルフプログライズキー』

 

(コイツがもし使えるなら…俺たちの予想は当たってる)

 

『アサルトバレット!』

 

随分ガバガバになったプログライズキーをこじ開け、ショットライザーにセット

 

『オーバーライズ!』

 

「変身」

 

『ショットライズ!』

 

ショットライザーの引き金を引く。放たれた弾丸は宙を少し舞うと狼になり不破に突っ込んできた。

 

「っ!!」

 

それを片手で受止め握りつぶすと、アーマーになり不破に装着されていく

 

『Lady Go!アサルトウルフ!』

 

『"No chance of surviving."』

 

「…」

 

予感は確信へと変わってしまった。これに変身できること、つまり

 

『アークが、この世界にいる…』

 

「ああ…」

 

 

「おーー!!すげぇ!ゴツゴツしててかっこいいじゃねぇか!!」

 

「えっ…マックイーン??」

 

「貴方達には話していませんでしたね…」

 

そう言いながらテンションが上がっているウマ娘達、それを見ながら変身解除する。

 

「えー!!写真くらい撮らせてくださっても…」

 

メジロアルダンが目を輝かせて不破に近寄る。

 

「…」

 

「…どうした?」

 

ゴルシが普段とは違う不破に疑問を抱く。そして…

 

「まぁコイツも1人になりてーんだろ!オマエら行こうぜ!」

 

(アイツ…)

 

すぐいつも通りの雰囲気に戻ったゴルシは、アルダン達の手を引き不破から離れていった。視界からいなくなる瞬間、ゴルシは不破にウインクを決めた

 

『ゴールドシップ…空気は読めるんですね』

 

亡がそう言い、不破も同意する。今は少し…1人で考えたい気分だった。

 

――――――――

 

〜トレセン学園〜

 

「おー!お前らもう終わらせたのか!BNW!」

 

ウマ娘達がトレーニングをするコース、様々なトレーナーが指導しているがその中でも目立っているのは如月弦太朗だった。

 

彼はトレーニングの全てをウマ娘達に任せているが、決してウマ娘達がオーバーワークをすることは無い。なので学園からも信頼が高いのだ

 

自由なトレーニングといえば不破諫もだが…あっちはただの放置では?という声がチラホラ上がっている。あのマックイーンを仲間にしたのも謎と言われている。

 

(財団X…絶対にこの世界は渡さない)

 

弦太郎が心の中で改めてそう誓い、トレーニングを終えたBNWの元に向かおうとした時だった

 

 

 

 

 

――――「よぉ!」

 

 

 

 

 

 

「っ!?」

 

 

走り出した弦太郎の真後ろに、最上が2人立っていた。周りが「あの人誰だろう」となる

 

 

「いい登場だろ!?今日は青もいるぜ!」

 

「…如月弦太朗、邪魔だ」

 

「なんで…」

 

「あー、青が機嫌悪ぃ…じゃ、お喋りはこれまでだ」

 

そう言うと、2人はトランスチームガンを取り出す。もう片方の手にはお互いの色のフルボトルが握られていた

 

 

 

『ギアエンジン!』

 

赤色のフルボトルをスチームガンに差し込み、引き金に指を置く。

 

「潤動ッ!!」

 

引き金を引くと、赤最上は煙に包まれていく

 

『ファンキー!――エンジンランニングギア』

 

 

『ギアリモコン!』

 

『ファンキー!』

 

「潤動」

 

『リモートコントロールギア!』

 

赤最上の横で、青最上も同じことを行い、赤最上は右半身に赤い歯車の様な装甲を纏っている『ライトカイザー』青最上は左半身に青い歯車の様な装甲を纏っている『レフトカイザー』に姿を変えた。

 

周りから悲鳴が巻き起こり、混乱が生まれた。BNWの3人はチケットを除いて冷静な2人がすぐさま行動。周りのウマ娘を遠ざける。

 

――――――――――

〜トレセン学園付近〜

 

 

「ん?今…女性の悲鳴が聞こえたような…」

 

 

 

 

 

――――――――――

 

 

「オラオラァッ!!」

 

「くっ…!」

 

「今度はこっちだ」

 

「っ!?」

 

赤最上――ライトカイザーのスチームブレードの斬撃を躱すが、青最上――レフトカイザーのスチームガンの銃弾を胸部に受け、後ろに下がる。

 

(コイツら…!コンビネーションがすげぇ…!)

 

「どしたどした!?初陣補正はもう切れたかぁ!?」

 

右手でスチームブレードをくるくる回しながら近づくライトカイザー、完璧な連携に弦太郎は翻弄されつつあった。

 

『スモークオン、クローオン、エアロオン』

 

 

左足にエアロモジュール、右足にスモークモジュール、右腕にクローモジュールを装着。反撃に出る。

 

「うおっ!?」「っ!?」

 

まずスモークモジュールから煙幕を噴射、2人とフォーゼを煙幕が呑み込む。

 

「チッ!なんだこりゃあ!!」

 

叫びながらスチームブレードを振り回すライトカイザー。レフトカイザーは状況を整理しようとしたが――――

 

「食らいやがれっ!!」

 

「くっ…!」

 

上から現れたフォーゼ、そのクローの斬撃を喰らう、そしてそのままエアロで肩を踏んづけた。その瞬間――――エアロで吸い込んだ空気が炸裂。レフトカイザーはモロにくらい、地面に叩きつけられた。

 

「おい!?」

 

斬撃の後の炸裂音、音がした方をライトカイザーが振り向く。だが――――

 

 

「もう1発だっ!!」

 

「くっ…!?――うおっ!!」

 

先程と同じ戦法でクローを振るう。だがそれをギリギリでスチームブレードで受けたライトカイザー。

 

「へっ!受け止めたぜ!ちょこまかしやがって!」

 

(まずい…スモークが切れる!)

 

クロースイッチをフラッシュスイッチに切り替え、起動させる。

 

『フラッシュオン』

 

「なにっ…!?――――ぐぅぅぅあああっ!!??」

 

フラッシュモジュールを起動させる瞬間、弦太郎は目を瞑る――――次の瞬間、2人を強烈な光が包み込んだ

 

「っ!」

 

目を潰した間に距離を取り、次の攻撃に備え構える。

 

『フルボトル!』

 

光が消えた瞬間、音が聞こえた。

 

「…!?」

 

弦太郎はすぐさまシールドスイッチを使用しようとしたが……

 

『ファンキーアタック!フルボトル!』

 

相手の攻撃が早く、ロケットのようなものが次々と弦太郎に降り注いだ。

 

「ぐっ…!?うわぁぁあああああっ!!!」

 

 

「さっすがー!ロケットフルボトルはファンキーだねぇ!」

 

光が完全に晴れると、ライトカイザーが一気に詰め寄る。

 

「危ないっ!!」

 

直前にタイシンが叫んで、弦太郎が山勘で躱した。

 

――――

 

「2対1じゃ…」

 

その状況を遠目から見るBNWの3人。

 

「がんばれー!いけー!!」

 

チケットが横で叫ぶ。だが現実問題2対1はなかなかきつい。タイシンがやるゲームでもそうだ。しかもその2人が手練ならさらに難易度は上がる。

 

(これはゲームなんかじゃない…現実、どうにしかしないと、アイツが死ぬ…!)

 

仮にも恩人、こんな所で死なれたら自分たちが困る。チケットが特にうるさいだろうな…

 

「見てるだけ、というのも苦なものだな…」

 

「ハヤヒデ…」

 

「加勢できたら、私ならすぐさましてるだろう…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、俺を呼んだのはここみたいだな」

 

 

 

 

 

 

 

「「っ!?」」

 

次の瞬間だった。3人の後ろに男性が一人立っていた。ハットに手を添えた――

 

「なんか渋くてかっこいいね!おじさん!」

 

チケットがそう言うと、男性はコケた。

 

「俺はまだおじさんな歳じゃねぇ!」

 

さっきのかっこよさは一体…、

 

「てか、あんた誰…?」

 

タイシンがそう聞くと、たっていた男はハットを再び被り直し名乗った

 

 

 

 

「俺は左翔太郎…ハードボイルドな探偵さ」

 

 

 

「おー!!!――――――――ハードボイルドって何?」

 

目をキラキラさせて――――すぐに?になったチケット。それに再び翔太郎がコケる

 

「知らねーのかよ!!」

 

「君も仮面ライダーなのか?」

 

「お?モフ子、なんで仮面ライダーって分かった?」

 

「なっ…!?私はモフ子ではない…!!」

 

「お、おう…すまん」

 

「前見たらわかるでしょ」

 

「ん?――あっ!?フォーゼ、弦太郎じゃねーか!?」

 

「気づいてなかった…?」

 

「弦太郎知ってるの!?」

 

「あ、ああ…ってかあれやべーよな?――――よし、行くぜ」

 

そう言いながらダブルドライバーを取り出して、ガイアメモリを取り出す。

 

(あのメモリ…!?)

 

「あー、財団Xがこんなやつ持ってたんだろ?――俺たちのは少し違うからな――――行くぜ、相棒」

 

(相棒…?)

 

だが、どれだけたっても相棒からの返事はなかった。

 

「あ、あー…そいや相棒と連絡取れねぇから変身出来ないのも仕方ないのか…?」

 

そう呟き始め、BNWの3人は

 

((なんか…カッコつかないなぁ…))

 

と思ってしまった。

 

 

「今のは見なかったことにしろ、分かったな?馬コスプレのおねーさん方」

 

翔太郎はそう言い、今度はロストドライバーを取り出した。

 

『ジョーカー!』

 

メモリをロストドライバーに差し込む

 

 

「変身」

 

『ジョーカー!』

 

少しの風が巻き起こり、次の瞬間には翔太郎は仮面ライダーになっていた。

 

 

 

 

 

 

「俺の名前は仮面ライダー…”ジョーカー”」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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22.俺の相棒

いやぁ…みんなが思ってる翔太郎が書けてて良かったです!!

あとUA6万人突破しました!!

こんな疎い文章の小説をよろしくお願いします!!


22.2人で1人の探偵ライダー

「すっごーい!!おじさんも仮面ライダーなんだ!」

 

「だーかーらー!!俺はおじさんじゃねー!!」

 

チケットのおじさん発言に翔太郎がまたツッコミを入れた。この短時間で一体何回このやり取りを繰り返すのだか…

 

「じゃ、お前らも向こう行ってろ」

 

咳き込み再び低い声で忠告する。だがしかし――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

「それなりに距離があるのだが…」

 

「あっ!?」

 

 

あっ!?というと、フォーゼ達が戦う場所へ走っていく翔太郎。なんだかヒーローぽくない背中が遠ざかっていくのを見ながら

 

((あの人…大丈夫なんだろうか…))

 

 

その場の大半が、そう考えてしまった。

 

――――――――

 

〜メジロ家〜

 

「なにっ…!?」

 

あの後再び部屋に戻って各自自由にしていたのだが、トレセン学園に再び財団Xが乗り込んできたことを聞き、不破は驚いた。

 

「クソ!なんで俺のいねぇ時に…!――――ぐっ…!」

 

毒づきながら立ち上がって走ろうとするが、思うように身体が動かず倒れ込む。

 

「おいお前何してんだ!?」

 

倒れた音に呼ばれたのか、ゴルシ達が駆け寄ってきた。

 

「まさか…こんな身体でトレセンに…?」

 

「いかなきゃなんねぇんだ…!アイツらには聞きてぇ事が山ほどあるからなッ…!!」

 

「おい!」

 

「無茶しないでくださいよ〜!」

 

再び立ち上がり、ふらついた不破をフクキタルとマックイーンが支える。こうなったら不破が言うことを聞かないのはチームバルカンの3人なら分かっている。そこでゴルシがとった策は…

 

「おらっ!!」

 

「あっ」

 

素早く不破の後ろに周り、首に向かってチョップを一撃お見舞する。不破は耐えきれずにそのまま項垂れた。

 

「えぇ…」

 

遠目から見ていたドーベルが、ドン引きしていた。横にいたフクキタルもマックイーンも、ドン引きしていた

 

 

――――――――

 

〜トレセン学園〜

 

 

「やっと着いたぜ…!!ぜぇ…!はぁ…!」

 

「あ?仮面ライダーWじゃねぇか!」

 

「ほう、Wがここに来たか…」

 

「W先輩!?」

 

「おう…、弦太郎…はぁ……くそっ!なんで遠いんだよこの運動場…!」

 

「随分バテてんじゃねぇか…大丈夫か?」

 

流石のバテ具合に赤最上が心配の一言を投げる。

 

「翔太郎先輩!大丈夫っすか!?」

 

「あぁ?――すまん弦太郎…!―――んでお前らに心配されるほど落ちぶれちゃいねぇよ!」

 

弦太郎の肩を借りながら相手を指さし、叫ぶ翔太郎。なんという説得力の無さなのだろうか…

 

「はぁ……ふぅ――――――――よし、待たせたな!」

 

「もう大丈夫っすか?」

 

「あぁもう大丈夫だから離せ。さっきから俺なんもいいとこねぇから」

 

相手がいつ動いてもいいように構えながら翔太郎と弦太郎が並んだ。

 

「この2人、手強いっすよ財団Xのコイツら」

 

「なに…?財団Xだと…」

 

「はいっす。色々話したいことがあるんすけど…」

 

そう言いながら見つめる先には、ライトカイザー・レフトカイザーが走りよってきていた。

 

「どうやら2人はせっかちらしいな。俺が青を引き受ける!お前は赤だ!」

 

「はいっす!!」

 

「行くぜ!!」

 

そう言いながら弦太郎が先に走り出し、クローモジュールで赤最上のスチームブレードを迎撃、鍔迫り合いに持ち込みながら押し込んでいく。

 

「うおっ!分離させる気か!?おもしれぇ!一対一だ!!」

 

「おらっ!!タイマンはらせてもらうぜ!!」

 

 

 

 

 

 

 

「ふっ…!はっ!――おらぁ!」

 

青最上のスチームガンの弾を起用に避けながら、接近戦に持ち込み、拳を浴びせていく。

 

「くっ…!!――なかなかやるな…」

 

腕と腕が絡み、鍔迫り合いになりながら2人は小言を飛ばし合う。

 

「はっ!よく言うぜ、まだまだ余裕ありそうだが?」

 

「それはどうかな…!」

 

「なにっ…!?」

 

鍔迫り合いに持ち込んではいたが、青最上から蹴りをくらい、後ろに下がる翔太郎。そして相手はすぐさまスチームガンにガトリングフルボトルを差し込む。

 

『フルボトル!スチームアタック!』

 

「喰らえ…!」

 

「くっ!!ぐわああぁぁっ!!!」

 

無数の銃弾を浴び、後ろに転がって倒れた翔太郎。

 

「くぅ〜…効くねぇ…!」

 

「強がりを…いつまでもつかな?」

 

フラフラになりながら立ち上がった翔太郎に、青最上が容赦ない拳と蹴り、そして銃弾を浴びせていく。最初は何とか防いでいた翔太郎だが――どんどんと防げる攻撃が減っていく。

 

「ぐっ!この!!」

 

何とか腕を掴み、またしても鍔迫り合いに持ち込む。

 

「武器ねぇんだからちったぁ手加減しろっての…!」

 

「何を言うかと思えば…くだらんな…!」

 

「うおっ!?」

 

掴んでいた腕の先、スチームガンが翔太郎の頭を狙う。だが翔太郎はそれを何とか回避する。避けられるとは思っていなかった攻撃が躱され、隙が生まれる。

 

(今だ…!)

 

『ジョーカー!マキシマムドライブ!』

 

「”ライダーパンチ!”――たあぁぁぁっ!!!」

 

「っ!?――――ぐわぁぁぁああッ!!??」

 

一瞬のタイミングにかけ、ジョーカーメモリをマキシマムスロットにセット。黒いオーラが拳に集まり、強烈な必殺技を放つ。

 

その攻撃は見事に青最上の胸部に当たり、耐えきれず後ろに吹き飛び転がる。

 

「今度はこっちの番だぜ…!」

 

 

「それはどうかな?」

 

 

「なに?――――うお…!?」

 

ふらつきながら立ち上がった青最上、スチームガンから煙を放つ。その煙が攻撃かと思い、少し距離をとる翔太郎。だがその煙は攻撃にはならなかった

 

「なんだ?人の形になってんぞ…」

 

その煙はやがて人の影を写し――――――――煙が消えた頃には1人の青年が立っていた。

 

 

「なっ…!?――――なんで!?」

 

立っている青年に対して、翔太郎が動揺を隠せず喘ぐ。1番来て欲しいときに最悪な形で現れてしまった。そう、その正体とは…

 

――――左翔太郎の相棒であり、地球の本棚をもつ変わった青年。

 

「――――フィリップ…!?」

 

今は居ないはずの相棒が、敵となって現れてしまった。

 

――――――

 

「いいねぇいいねぇ!!!」

 

「このっ!おらっ!!ちょこまかと…!」

 

エレキステイツにフォームチェンジした翔太郎だったが、相手の身軽さに翻弄されていた。

 

(なんなんだコイツ…!?全く攻撃してこねぇ!!)

 

躱すだけ、まるで遊んでいるかのようだった。

 

「野郎…!」

 

弦太朗は携帯型のアイテム”NSマグネットフォン”を取り出し、パカッと開けた。そして中央部分を持ち――――

 

「割って!!刺す!!」

 

携帯型を真ん中から分離させると、30.31のアストロスイッチに変わる。

 

『Nマグネット、Sマグネット』

 

「んあ?何見せてくれんだ?」

 

『NSマグネットオン』

 

フォーゼはマグネットステイツに姿を変えた。そこに2つ、追加でスイッチを差し込む。

 

『ガトリングオン・ランチャーオン』

 

「おー!!武装だねぇ!!」

 

「おらぁ!!――――あっ、至近距離すぎた」

 

フォーゼドライバーのレバーを前に押し込む。

 

『リミットブレイク!』

 

 

 

 

「”ライダー超電磁ボンバー”!!!」

 

 

必殺技を高らかと叫び、両肩から外れ1つの砲となったNSマグネットキャノン、そしてガトリング・ランチャーモジュールが一斉に赤最上を捉えた。

 

「あっ、こりゃあやべぇかも……」

 

「…俺も」

 

赤最上がそう言った瞬間、放たれた攻撃が襲った。ガトリングの乱射にランチャーのミサイル、そしてマグネットキャノンから放たれた攻撃。

 

だがその攻撃に翔太郎も呑まれてしまった。

 

 

 

 

 

「うぁ…!?」

 

遠くで眺めていたチケット達にも爆風が届き、ビワハヤヒデの頭が風に持ち上げられ、爆発する。

 

「また随分派手にコース破壊を…」

 

いつの間にかいたたづなの殺気が漂う。

 

((弦太郎…お疲れ様))

 

その場にいるウマ娘の殆どが、そう思ったんだとか…

 

 

――――――――

 

「やぁ、翔太郎」

 

聞き慣れた声、1番見たかった姿だが…

 

「最悪だな…財団Xの趣味は…」

 

翔太郎にとって、今のフィリップは敵にある。

 

「エニグマはほんとに便利だね、最上魁星。」

 

「いいからさっさとやれ」

 

コースのフェンスに軽くもたれつつ、言う。自分は手を出さない。手を出さなくても翔太郎は死ぬという根拠があった。

 

(元相棒…だからな)

 

「分かったよ」

 

そう言いながらフィリップは懐からロストドライバーを取り出す。

 

「…!?」

 

サイクロンメモリをロストドライバーに差し込み

 

「変身」

 

『サイクロン!』

 

翔太郎の時よりも一際強い風が吹く。もはや軽い突風のようなものだった。

 

「さぁ、検証開始だ」

 

”仮面ライダーサイクロン”となったフィリップが翔太郎に襲いかかる。

 

(速ぇ…!)

 

風に乗った手刀を後ろに飛んで回避。そのまま放たれた蹴りを蹴りで受け止める。

 

「やるね、流石は翔太郎だ」

 

(流石は翔太郎…?)

 

「隙だらけだよ?」

 

「なにっ…!?」

 

違和感を感じ――――――一瞬の隙が産まれた。フィリップはそれを見逃さず、蹴りを叩き込む。

 

「ぐっ…!!」

 

蹴りに体勢が崩れ、フィリップはやはりそれを見逃さない。風に乗った手刀に蹴りを正確に叩き込んでいく。

 

(ダメだ…!俺には攻撃ができねぇ…!!)

 

攻撃をしなければ間違いなく死ぬ。やられてしまう。だが翔太郎は今、フィリップとの思い出が頭を支配していた。

 

 

 

 

 

 

『翔太郎!これを見てくれ!』

 

 

 

 

 

 

『翔太郎。落ち着きたまえ』

 

 

 

 

 

 

『僕たちの勝ちだろ?翔太郎』

 

 

 

 

 

 

 

『閉じるよ……翔太郎……』

 

 

 

 

 

『僕の愛した街をよろしく頼むよ。翔太郎』

 

 

 

 

 

 

『ただいま、翔太郎』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なぁ…フィリップ…」

 

フィリップの手刀を受け止め、翔太郎が口を開く。

 

「お前が俺を覚えてなくても…俺はお前が恋しいよ…」

 

みっともない、ハードボイルドとは思えないくらいの弱々しい声。

 

「…何を言ってるのか分からないね」

 

「…っ!!」

 

だが翔太郎の声はフィリップには届かず、蹴りをくらって翔太郎は倒れた。

 

「じゃあね、翔太郎」

 

『サイクロン!マキシマムドライブ!』

 

フラフラと立ち上がった翔太郎に、風の手刀を食らわせた。

 

「っ!!!」

 

防御も回避もない翔太郎に、容赦なく襲いかかり――――――――耐えきれずに変身解除してしまう。

 

「くっ……うぅあ……」

 

変身解除して、ダートの土に倒れながら…翔太郎は涙を流していた。

 

「みっともないね、翔太郎。ハードボイルドはどうしたんだい?」

 

そこに、メモリを外し変身解除したフィリップが歩み寄る。その腰には

 

(…!!??)

 

 

 

 

ロストドライバーではなく――――――ダブルドライバーが巻かれていた。

 




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23.2人で1人の探偵ライダー

次回くらいはウマ娘を主体に話を広げたい所…!!


23.

(ダブルドライバー…!?)

 

フィリップが屈んでこちらを見ていた。その腰にはロストドライバーではなく、ダブルドライバーが巻かれていた。

 

フィリップが信じるように翔太郎を見てる――――――そんな気がしていた。

 

(分かったぜ…相棒…)

 

ならば自分は自分にできることをするだけ…ハードボイルド舐めるなよ

 

 

 

「さぁ、お別れだ翔太郎、何か言いたいことは?」

 

フィリップが翔太郎を見下すように見つめながら言葉を投げる。

 

「なぁ…フィリップ…!」

 

自身のベルトがダブルドライバーになってるのを見ながら、翔太郎はフィリップに縋り付く。

 

「なんで…、こんな……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「茶番はそこまでか??”お前ら”」

 

 

「「…!?」」

 

だが、気づかれないように作戦を企てていたが、青最上に気づかれてしまった。

 

『フルボトル!スチームアタック!』

 

スチームブレードとスチームガンを組み合わせ、ライフルモードにしていた青最上。差し込まれた潜水艦フルボトルの一撃が2人を襲う――――――――

 

 

 

『プログライズダスト!!』

 

 

だがその一撃は、別方向から放たれたナックルデモリションにより防がれてしまった。青最上が放たれた方向を見る。

 

 

「…」

 

 

「ほう、よくその傷で動けましたね?不破諫」

 

 

「はっ!大したことねぇよこんくれぇは!」

 

鼻で笑いながら青最上に突っ込んでいく。だがその勢いは明らかに落ちていた。

 

 

――――

 

 

 

「すまないね翔太郎。上手くいったんだと思ったんだけどね…」

 

「こりゃあ少し無理があったか?」

 

2人は笑う。

 

「でもなんでフィリップが?」

 

「僕の力だろうね、最初は精神支配を受けかけていたさ。あのエニグマも興味深いものだ、またぜひ調べてみたい…!」

 

「じゃあなんでさっき、俺に攻撃してきたんだ?逃げ出すとかあったろ?」

 

「そっちの方が相手の事情を知りやすいからね、少し演技をしていたってわけ」

 

「なるほど〜…」

 

 

 

「僕達の心は、精神支配で上書きされるような安っぽいものなんかじゃない。そうだろ?翔太郎」

 

 

そう言いながら拳をつきだすフィリップ。

 

 

「ははっ!あったりめーよ!」

 

 

それに拳を出して答える翔太郎。

 

 

 

 

「ぐわあああぁぁぁあああっ!!!」

 

 

そこに、スチームブレードの斬撃、スチームガンの銃撃をくらい、不破が吹っ飛んできた。

 

 

「他愛もないな、そんなもので倒せるはずなかろう」

 

 

「くっ……野郎…!」

 

吹き飛び、だが変身解除しなかったバルカン。だがしかしダメージが大きいのは確かだった。

 

 

 

 

 

 

「アイツ…!無茶しやがって!」

 

ようやく駆けつけたゴルシが、柵を殴った。

 

 

 

 

 

 

「…別れは済ませたか?」

 

スチームブレードをこちらへ向け、言葉を発す青最上。

 

「そっちこそ、負ける用意は出来たかよ」

 

「何…?」

 

それを鼻で笑い飛ばし、翔太郎がフィリップの横に立つ。

 

 

 

 

 

 

「さぁ、行こうか翔太郎」

 

「ああ、行くぜ…フィリップ」

 

 

2人がそれぞれ、メモリを取り出す

 

『サイクロン!』

 

フィリップがサイクロンメモリを

 

『ジョーカー!』

 

翔太郎がジョーカーメモリを

 

 

 

「「変身!」」

 

 

 

 

お互いに完璧に声が揃った変身、そしてフィリップがサイクロンメモリを差し込むと、翔太郎のダブルドライバーに転送される。

 

転送されたサイクロンメモリを差し込み、ジョーカーメモリを差し込む。

 

『サイクロン!ジョーカー!』

 

仮面ライダージョーカーの時よりも、仮面ライダーサイクロンの時よりも大きな風が辺りを包む

 

「おいアイツ倒れたぞ…!」

 

その途中、フィリップが倒れたことにゴルシ達が驚いた。

 

「緑と…黒のライダー…」

 

タイシンが呟いた。ここまで全てを見ていたタイシン達だからこそ分かった。

 

――――あの二人は…2人で1人…

 

 

 

 

「「俺達は仮面ライダーW…」」

 

 

 

 

「「さぁ、お前の罪を数えろ!」」

 

 

――――――

 

「お前はそこで休んでな」

 

 

「…誰だ?」

 

『君と同じ、仮面ライダーさ』

 

立ち上がろうとしていた不破を抑え、ショットライザーからアサルトウルフプログライズキーを外し、懐に入れる。

 

『あと、僕の体をよろしく』

 

倒れているフィリップの身体を指さす。

 

「との事だ…いけるか?」

 

「…ああ」

 

内心休めって言っただろうがと思ってしまったがあえて口に出さないでおく。手を借り立ち上がって――フィリップを持ち上げた。

 

「うおっ…なかなか雑だなアイツ…」

 

『翔太郎。感心してる暇はないよ?』

 

2人が会話をしてる間にも、青最上はスチームブレードを構えて距離を詰めていた。

 

「了解…!」

 

スチームブレードが振るわれる瞬間、横に身体を捻り躱す。

 

「はっ…!おらっ…!」

 

ブレードが空ぶった瞬間、その隙を見逃さずに両拳を叩き込む。

 

「っ!――貴様…!」

 

負けじとスチームブレードを裏返し、カウンターを仕掛ける。

 

『翔太郎!』

 

「ああ!」

 

正確な指示とそれに合わせた動き。完璧に互いを信頼し、背中を預けている。

 

「これならどうかな?」

 

『フルボトル!スチームアタック!』

 

スチームガンにタカフルボトルを差し込み、鳥の羽のような弾丸を無数に放つ。

 

『翔太郎!』

 

「あいよ!」

 

Wはダブルドライバーを閉じ、ジョーカーメモリを抜く。

 

『メタル!』

 

メタルメモリを、さっきまでジョーカーメモリを挿していたスロットに入れ、再び開く。

 

 

『サイクロン!メタル!』

 

 

 

 

「あっ!黒いとこが銀色になった…!」

 

遠目から見ていたチケットが騒ぐ。

 

 

 

 

「はっ…!」

 

背中に装着されていた”メタルシャフト”を展開し、風に乗り振り回す。

 

「なんだと…!?」

 

青最上が放った弾全てを風で薙ぎ払いきったのだ。

 

「今度はこっちの番だぜ」

 

『ヒート!ジョーカー!』

 

サイクロンをヒートメモリに変え、メタルメモリをジョーカーメモリに変える。

 

 

 

 

 

「カラフルだなおい…!」

 

ゴルシがしっぽを振りながら興奮気味に言う。

 

 

 

 

「熱々のパンチだ…!くらいやがれっ!!」

 

一気に距離を詰め、両拳に纏った炎で何度も殴る。

 

「ぐっ…!!――ぐぁ…!?」

 

「おらおら!まだまだ!」

 

拳に炎を纏い、更なる追い討ちを掛けようと走り出す。

 

「っ!――ナメるなよッ!!」

 

だが青最上は懐から取り出した大量のセルメダルをばら撒き、ヤミーを大量に召喚したのだ。

 

「おっ…!?」

 

『奴はセルメダルまで使うのか…』

 

「感心してる場合か…!――一気にぶっ飛ばすぜ!」

 

『トリガー!』

 

今度はジョーカーメモリをトリガーメモリに変え、ヒートメモリをルナメモリに変えた。

 

 

『ルナ!トリガー!』

 

 

「今度は黄色と青だと…!?」

 

 

『トリガー!マキシマムドライブ!』

 

 

トリガーメモリの付属品”トリガーマグナム”に、トリガーメモリを差し込み、両腕でマグナムを構える。

 

 

 

「「トリガーフルバースト!」」

 

 

 

「何だと…!?」

 

 

トリガーを押すと、変幻自在に軌道を変えながら、黄色と青の破壊光弾が多数同時発射され、一気にヤミーを蹴散らした。

 

 

 

「はっ!もう終わりだ…!――――っ!?」

 

翔太郎がそう言いながら近づいた瞬間、予想外の方向から銃弾が放たれ、それに気づけず被弾する。

 

「はははっ!!いやぁおもしれぇ!」

 

ライダー超電磁ボンバーをくらい倒れていたはずの赤最上がいつの間にか目を覚まし、こちらへスチームガンを向けていた。

 

「おいマジかよ…弦太郎は?」

 

『まだか目が覚めていない…』

 

「嘘だろ…」

 

 

「今日は立て直しだな最上!」

 

「…また会おう」

 

 

「あっ!おい!!」

 

そう言うと、2人はスチームガンのスモークに撒かれ、晴れた時には消えていた

 

「ちぇー!逃したか…」

 

そう言いながらダブルドライバーを閉じ、メモリを2本抜く。風に巻かれて、翔太郎に戻った。

 

 

「…そういえば」

 

ハットを深く被り直した翔太郎が、自分達を取り囲むウマ娘の集団に目をやった。

 

 

 

 

 

「お前ら、どこのコスプレ集団だ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回。翔太郎とフィリップがウマ娘達とつるみながら不破と弦太郎がウマ娘達と色々する!!(予定)


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24.ウマ娘なんかいるわけないだろ

お久しぶりです〜!!


皆さんふと気づいたことがあるんです。なんと自分!!




日常描写が一切書けません!!!


24.

「なるほどぉ!――冗談はよせ、そんなんに騙されるほど俺は馬鹿じゃねぇ」

 

「…ほんとですって!」

 

そう言いながら弦太郎が詰め寄るが、翔太郎はハットを手ではらいながら答えた。

 

「あのな、弦太郎。いい加減目を覚ませ、こんな美少女が大量にいてそれもなんだ〜…ウマ娘?あるわけないない」

 

 

たづなたちがため息を着く。さっきから一向に信じてくれる気配がない。弦太郎がどれだけ信じやすいのか今回で理解した。

 

 

「たっ…たすけてぇ…!」

 

どうすればと悩む生徒会室に、すっかり腰を抜かされたネイチャがフラフラとした足取りで歩み寄っていた。

 

 

 

 

「聞いてくれ翔太郎!彼女たちに着いてるしっぽや耳、これらは全て実物だよ。そのウマ娘の子で分かったからね!」

 

ネイチャに続いてきたのは、好奇心に目を輝かせた翔太郎の相棒、フィリップだった。

 

「アタシ…もうお嫁さんにいけないかも…」

 

ネイチャが顔を真っ赤にしてうずくまる。

 

「な、何があったんです?」

 

流石に気になったフクキタルが、そばによって聞いてみる。

 

 

「突然アタシの目の前に来たと思ったら……そのままの勢いで耳とかしっぽとかめちゃくちゃ触ってきて…」

 

それ以上は言えない。そんな雰囲気を醸し出していた。

 

「おいフィリップ、疲れてるんじゃないのか?」

 

そう言いながらネイチャに歩みよる。

 

 

 

「どれどれ――あっ、めっちゃ柔らかい…」

 

そう言いつつ、ネイチャの耳を触って――――しっぽを触ろうとした時だった。

 

「乙女の敵ィ!!」

 

「ぐぇっ!?」

 

その場にいたゴルシが突如叫んで立ち上がり、翔太郎にドロップキックを叩き込んだ。

 

「げっほ…!何すんだ!?」

 

「ネイチャが恥ずかしさで気絶しちまってんじゃねーか!!ウマ娘にとって耳としっぽはめちゃくちゃ重要なんだからな!!」

 

「えぇ…!?ほんとにくっついてんのか?あー、信じられねぇ…!」

 

「でも翔太郎。よく見れば彼女達はさっきからずっと自らの意思でしっぽも耳も動かしているよ?」

 

そう言われ、もう一度周りを見る。確かに、ゴルシもフクキタルも、シンボリルドルフも、動かしている。

 

「え?――あっほんとだ」

 

 

――――――――

 

〜カフェテリア〜

 

 

「こっぴどく叱られたなぁ…亜希子より怖ぇかも」

 

「自業自得ってやつだね、翔太郎」

 

「うるせー、てかほんとにいるんだなケモ耳少女。信じらんねぇよ」

 

翔太郎がコーヒーに口をつけながら話す。

 

「財団Xといいエニグマといい…この場所と関係があるのだろうか?」

 

 

「さぁな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あなた…いいコーヒーを飲んでますね」

 

「だろ?とはいってもここの人のおすすめなんだけど…………………………誰!?いつの間にいたんだよ!?」

 

喋りかけられた内容に普通に答えていた翔太郎だが、質問主がフィリップではないと気付き、声を出した。

 

「どうも…」

 

「く、黒髪美少女…!?」

 

どこまでも黒い髪を伸ばし、こちらを見る目は月のような瞳。翔太郎は思わず呟いてしまった。

 

「マンハッタンカフェです…初めまして、仮面ライダーさん」

 

「え!?見てたのか!?」

 

現場には沢山のウマ娘はいたが、このマンハッタンカフェを名乗るウマ娘はいなかったような気がする。

 

「”お友達”がそう言ってます。私が見てなくてもお友達が見てますから」

 

「な、なるほど…お友達から聞いたのか」

 

「はい、今もあなたの後ろにいますよ。まるであなたを守るように立っています。」

 

「後ろ?――なんもいねぇじゃねぇか…あんまり大人をからかうなよ〜?」

 

そう言うと、マンハッタンカフェは翔太郎のすぐ横を指さし、言葉を発した。

 

「男性、でしょうか?あなたとはちがってハットが似合う人ですね。悪くはないと思いますよ?」

 

「えっ…」

 

翔太郎の顔が一気に青ざめる。嘘だと信じたいが、それを言う彼女の顔は微笑むような眼差しだった。まるでそこにいる見えない”誰か”と会話するような…

 

「キミはつまり…お化け、を見ているのかい…!?」

 

「ばっ…!お化けェ!?」

 

フィリップが驚いた翔太郎をおしのけ、カフェに詰寄る。

 

「お化けじゃないです。お友達ですよ」

 

「お友達…キミとそのお友達は会話をしているのかい?」

 

「はい、まぁ…翔太郎さんのお友達は初めてです。でも翔太郎さんにとっては身近そうですが」

 

「名前…!?俺まだ名乗ってすらいねぇのに!?――それも、お友達なのか?」

 

「はい」

 

「えぇ…」

 

信憑性がかなり低いはずのお友達の存在が、一気に信憑性を増していた。翔太郎はこんな時こそお化けなんてうっそさ!お化けなんかいないさ!と大声で歌いたくなった

 

自身のそばに今もいるなら尚更だ。

 

「興味深い…!」

 

フィリップは…別のようだが

 

「…。」

 

嫌な話を聞いたなと思って、コーヒーカップを取り口に入れる。

 

「あ…」

 

それと同時にカフェがあ、と呟いた。今度はなんだよ、と思いながら翔太郎が見つめる。

 

「それは…」

 

カフェがそう言った瞬間

 

 

「え?」

 

 

”翔太郎が7色に光り輝いた”

 

「翔太郎…!?馬鹿な…、人間の色素は…」

 

「おいフィリップ!?なぁ!」

 

呟き始め、翔太郎の話が耳に入らなくなってしまったフィリップ。翔太郎は何があったと近くの鏡に歩み寄る。

 

 

 

 

「「なんじゃこりゃああああああああぁぁぁっ!!!!」」

 

 

 

 

そこには、肌という肌全てが、虹色に光り輝く翔太郎がいたのだった。

 

――――――

 

〜トレーニングコース〜

 

「…そういえばトレーナーさん」

 

ウォーミングアップがてら走ってきたマックイーンが、不破に歩み寄る。

 

「なんだ?」

 

「貴方はいつも私達に指示などなさらないのですが…その理由を聞いてもよろしいでしょうか?」

 

周りのトレーナー達は皆、自分の決めたメニューを担当ウマ娘達に渡し、トレーニングをする。だが不破は違った、いつも自分達で決めろ。やりたいことをやれ――放ったらかしという訳ではなさそうだが一応聞きたかったのだ。

 

 

もし放ったらかし…というのならば、私はこの人から離れるだろう

 

「正直問題だらけでこっちに関してもわかんねぇことだらけだ」

 

「…」

 

「でもな、お前たちは子供じゃねぇんだ。アイツらはメニューを決めてそれを淡々とこなして強くなる。だけどレースでそれを発揮できない奴がい

る」

 

「自分で決めたメニューでやれば、多少は当日の自信に繋がるだろ?自分はこれをしたから大丈夫だってな。トレーナーは母親じゃねぇ、トレーナーさんの言う通りにしたから大丈夫。なんて事はねぇんだ、自分の身体を1番知ってるのは自分だからな」

 

 

 

「レースでは?作戦などがあるでしょう?」

 

 

 

 

「所詮レースなんてその時によって状況が変わる。予想外が起これば作戦なんか全部意味がなくなる。先行とか何とかあるけどよ、自分の走りやすいように走ればいいんだ」

 

「…そうですか」

 

「それよりいいのか?アイツらが手ぇ振ってんぞ」

 

「あ…、多分並走でしょう?ゴールドシップさんが変な仕掛けしてないといいですが…」

 

そう言いながら手を振るゴルシ達に走っていく

 

 

(トレーナーさん)

 

多少、めちゃくちゃな場所があった。こんなの、世間一般的にはトレーナーなんて言えない…

 

だけれど、もう少しだけ見ていよう。そう考えて――――――――

 

 

 

 

ゴールドシップがコースに作っていた落とし穴に落ちていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だははははは!!引っかかりやがった!!」

 

 

 

 

 

「…ゴールドシップさん」

 

 

「あ、やべこれ怒ってるわ」

 

何かを察したゴルシが素早いスピードで走っていく。それを穴からでたマックイーンが流石と言わんばかりのスピードで追いかけていく。

 

(ほんと、レースでもこれくらいの圧で走れっての)

 

そう思いながら不破はシャベルを持つ。

 

 

 

前の戦いで吹き飛ばしたダートコース。さっさと元通りにしなければ立場が危うい。

 

 

「ぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおっ!!!」

 

すでに翔太郎が、フォーゼに変身し使ったスイッチ、スコップモジュールがなかなかの活躍をしている。

 

「いけいけー!トレーナーさぁぁぁん!!」

 

それを見ながらウイニングチケットがメガホンで叫ぶ。

 

(ったく…あっちは便利そうだな…)

 

そんなことを思いながらシャベルを突き立てる。

 

「なんだ…?」

 

突き立てた瞬間、コツンという確かな感覚が手に伝わった。

 

(…なにかあんのか)

 

そう思いながらその箇所を掘り進めていく。少し掘った場所にその正体が分かった。

 

「これ、ボトルか?」

 

拾い上げたのはオレンジ色のフルボトル。おおよそWとの戦いでダメージを受けた際、最上が落としたのだろう。

 

とりあえずそのボトルをポケットにしまい込み、作業を再開した。

 

――――――――

 

 

「まだ光ってやがる、どうにかなんねぇのか…」

 

「こまったねぇ…」

 

「テメェのせいだろ!?」

 

あれから2時間がたった。だがまだ翔太郎は虹色に光り輝いていた。マンハッタンカフェにおおよその原因を教えてもらい――張本人までたどり着いたのだ。

 

 

だがしかし、解除の薬は現在なく、アグネスタキオンも困り果てていた。

 

「なんとかなんねぇのか?」

 

「時間が経てば治るよ…ただ」

 

「ただ?」

 

「配合間違えたからねぇ、3日はそのままかも…」

 

「3日!?嘘だろ!?」

 

3日だと、3日もかかるなんてそんなのふざけるなとしか言いようがない。あの有名な配管工でさえおよそ30秒だというのに、星を吸った時みたいに強くなるのかと言われればそうでもなかった。

 

「あのさ…」

 

「なんだい?」

 

翔太郎はおそるおそる聞く。

 

「薬って言ってたよな…?副作用は最悪だが分かった。なら効果はなんなんだ?」

 

 

 

「壁越しでも金属類のものなら探知できる薬さ」

 

 

 

「いらねぇ!!!!」

 

 

いくらなんでも要らなさすぎる。というかこんな薬作ってる暇があるならもっと役に立つ薬を作ってくれ頼むから…

 

「あー…なんか目がクラクラしてきた…」

 

壁に目をやると、様々な金属が目に映る。

 

特に理事長室的なとこには大量にある。

 

「翔太郎…眩しいんだけど…」

 

「俺だって望んでこうなった訳じゃねぇ!!――――てかフィリップ…何見てんだ?」

 

「この世界なアイドルさ」

 

「アイドル?」

 

「ああ、名前は逃げ切りシスターズって言うんだけど、彼女達の曲は中々楽しくなれる」

 

「ぜってぇウマ娘だろ、それ…」

 

「その通りさ、翔太郎もきいてみるかい?」

 

「いや、いまはいい」

 

彼女達のライブ映像が映っているスマホを押し付けてきたフィリップを払い除け、翔太郎は視線を落とす。

 

(…ん?)

 

ウザイぐらいの金属反応に、一つだけ気になる反応があった。

 

1階の端の部屋、たづな達に連れられ見学した時は……たしか倉庫のはずだった。うごいていないなら気にならないのだが――その金属反応は誰かが宙になげて、手に取って、また投げてを繰り返すように動いていた。

 

(…なんだ、あれ)

 

そう思い、少し目を凝らすとただの金属反応が少し形になった。どうやら1人以外にも複数人いるらしく。仲良く話しているようだった。

 

(鬼ごっこでもしてんのか?)

 

校舎でやる鬼ごっこは一味違うからなぁと思いながら見ていると――――

 

 

 

 

不意に金属反応がひとつ消えた。その場にいる人物に溶け込むように

 

 

 

「まさか…!」

 

そういった時には既に翔太郎は走り出していた。何となく嫌な予感がしたからだ。

 

(人に吸われるように動く金属なんか…――――ガイアメモリしかねぇ!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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25.ナスカ

やべぇgdgdし始めてきたな…、と思って話を進めていこうとしてます。やっぱ仮面ライダーとトレーナー両立難しい〜!!


チアネイチャ欲しいな…もう110練してんのに…キング被ってんのに…


25.ナスカ

「おらぁ!!この野郎ッ!」

 

倉庫の扉を蹴るように開けて、翔太郎が怒鳴り声を上げる。突然の怒鳴り声と知らない人の不法侵入に倉庫の備蓄チェックをしていたスタッフ達が固まる。

 

(一般人の中に紛れてやがるか、だけど俺には無駄だぜ)

 

 

 

なんせコーヒーに入れられた薬で金属が丸見えだからな、この距離にもなれば形もはっきり見える。

 

 

「おいお前…」

 

「はい?」

 

ぶつくさ考えながら翔太郎は、斜め前で食料備蓄を見ていた青年の肩に手を置いた。

 

「とぼけんじゃねぇ、メモリをだせ。見えてんだよ」

 

「…なんのことですか??」

 

なおもとぼける青年

 

「まだとぼけるのか、じゃ表出ろ。ここじゃあ倉庫ぶっ壊すからな」

「…」

 

 

 

――――――

 

 

 

 

「どうして分かったんです?」

 

翔太郎は青年を連れ、トレセンの裏側に回る。本来ならトレセンを出てやりたかったのだが、警備のウマ娘に怪しまれるし仮に出たとしてもウマ娘達の寮があったりするため戦えない。

 

「ある奴に薬盛られてな、金属見えんだよ」

 

さっきとは全く変わった雰囲気と喋り方をする青年に警戒を強めつつ、翔太郎は話す。

 

「はははっ!それは面白い!」

 

そう言いながら右ポケットからメモリを取り出す青年

 

「なんでテメェがそのメモリを持ってやがる…!?」

翔太郎に見せつけるように出したメモリには、「N」と書いてあった。

 

 

 

つまりナスカのメモリだった。

 

 

 

 

 

 

 

「なんででしょうかね?」

 

『ナスカ!』

 

メモリを見せつけ、腰に着けたガイアドライバーに差し込む。そうして青年はナスカ・ドーパントへと姿を変えた。

 

 

「僕、いや俺は最上様にチャンスを与えられこの道具を頂いた!こいつを使ってあの二人の役に立つッ!――そのためにトレセン内部へ忍び込み、内側からお前らを消すことにした!」

 

 

ナスカブレードをこちらに向け、わめきたてる青年。

 

「たまたま殺した奴が倉庫管理員の1人で、立ち回りがめんどくさくなったがそちらから来てくれるとは好都合、ウルフプログライズキーの次は貴様がもつメモリだァ!!」

 

そう叫び、ナスカブレードを振りかざし翔太郎へ走りよるナスカドーパント。

 

 

『超加速!』

 

突如姿が消え、風切り音だけが耳に届く。

 

「チッ…!こいつ!」

 

既にナスカの超加速をものにしてやがる。そう内心で思いつつ、ダブルドライバーを腰に装着する。

 

――――――

 

 

「フゥン…きみは中々知識量があるじゃないか!フィリップくん!」

 

「アグネスタキオン…貴方もなかなかだね」

 

 

(まだやるんですかこの2人…)

 

フィリップとタキオンが、額に汗を浮かべながら互いの持つ知識を投げ合う。カフェはそれをずっと見ていた――――正確にはタキオンに扉を封じられているため半ば監禁だ。

 

(早く終わらないかな…)

 

そう思って座っていると、突如フィリップの腰にドライバーが装着された。

 

「ならば……ん?」

 

フィリップもそれに気づいたようで、静かになった。

 

「済まないが急用だ。相棒が呼んでる――――君たち2人、このことは内密に頼むよ。あとアグネスタキオン、くれぐれも僕の体に変なことをしないでくれたまえよ?」

 

『サイクロン!』

 

「貴方まさか…」

 

呟くカフェをよそに、ドライバーにメモリを差し込み――――その場に倒れ込むフィリップ。

 

(タキオンさんがなにかしないか、見守らなきゃならない…)

 

仕事が増えた。そう思うカフェだった。

 

――――

 

 

(よしきた!)

 

『ジョーカー!』

 

ナイスタイミング、そう思いながらジョーカーメモリを差し込む。

 

「変身ッ…!」

 

ナスカの超加速を避け、ドライバーを展開。

 

 

『サイクロン!ジョーカー!』

 

 

翔太郎は仮面ライダーWへ姿を変えた。

 

 

「そのメモリ…貰うッ!!」

 

「くっ…!?」

 

超加速で薙ぎ払われた斬撃に、翔太郎が間に合わず横に斬られる。

 

『こいつはナスカの…!?』

 

「フィリップ!話は後だ――くるぞ!」

 

2度、3度と超加速の斬撃がWを襲う。

 

「畜生ッ!」

 

『サイクロン!メタル!』

 

「っ!」

 

「何…!?」

 

サイクロンメタルに姿を変え、すんでのところでメタルシャフトを使い、斬撃を受け止めた。

 

「やっと拝めたぜ――オラァッ!」

 

「ぶっ…!?」

 

そのままもう片方の拳で、宙に浮くナスカの顔を殴り飛ばす。そのまま地べたを転がり、立ち上がる。

 

「舐めるなぁ…!!」

 

「くそっ…!?」

 

首のマフラーがまるで鞭のようにしなり、Wを捕縛する。

 

「かならず俺は…!」

 

Wを宙に浮かべ、2度3度と地面にたたきつける。

 

 

『翔太郎!ヒートだ!』

 

「分かった!!」

 

 

『ヒート!メタル!』

 

「オラァァァアアアアッ!!」

 

「なんだと!?」

 

ヒートの炎を纏い、マフラーを燃やして捕縛から逃れる。

 

「俺がお前ごときに負けるわけが無いッ!!」

 

そう叫び、ナスカウイングで飛翔する。

 

『超加速ッ!!』

 

飛翔するだけでなかなかのスピードを出すが、そこに超加速を追加。Wでさえ目で追えない速度で羽ばたく。

 

「これだけ速度をつければ回避は不可能ッ!!」

 

 

「まずい…!」

 

ナスカブレードを構え、一気に突進。閃光の一薙がWを襲う。

 

「ぐっ…!ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!」

 

メタルの防御力すら上回り、メタルシャフトと共に転がる。

 

「ははっ…!ははははははははぁ!!!」

 

 

勝者の笑いが辺りに響く。ナスカブレードを担いで、青年がWに歩みよる。

 

 

「こ、の野郎ッ…!」

 

 

だがまだ完璧にやられてはいないらしく、Wが立ち上がる。

 

「…まだ立つのか」

 

 

「あったり、めぇだろ…!」

 

 

「気に入らない…気に入らない気に入らない気に入らない気に入らないきにいらないきにいらない!!!」

 

「んだと…?」

 

「お前ら仮面ライダーはいつもそうだッ!!どいつもこいつもどれだけ痛めつけても立ち上がる。いや仮面ライダーだけじゃない…!諦めろよ!絶望しろよ!!――”かつて俺がそうだったように!”」

 

「かつてだと…!?」

 

「才があるものが残り才が無いものは消える!いつだってどこだって!!お前らがいる世界だってそうだろうが!」

 

『君は違う世界から来たのかい?』

 

フィリップの問いかけに意外な答えが帰ってきた。

 

「俺は違うッ!――元からこの世界にいたさ!」

 

 

「ならなんでこの街を守ろうとしねぇんだ…!財団Xに入ってアイツらに協力する!――アイツらは、この街を、世界をめちゃくちゃにしようとしてるんだぞ!」

 

翔太郎が反応的に声を上げた。そのメモリを使った人物を思い出したからだろうか。

 

 

「元々俺はここのトレセンにいた。ウマ娘の夢を叶えるカッコイイ仕事がしたいって――――だけど現実は非情だった。担当ウマ娘は脚を折ってレース復帰は絶望的、もちろん両親からは沢山責められたね。周りの人間も、周りのウマ娘も――揃いも揃って俺を責めた」

 

「…」

 

「お前の管理不足だのなんだの――その時気づいたんだよ」

 

『俺自身頑張ったが、それを認めない世界はいらない』

 

「そうさ、だから財団Xに入った。だから俺は今ここにいる!――超加速ッ!!」

 

『翔太郎!!』

 

フィリップが叫ぶが、翔太郎はその場に立ちどまり、避ける素振りすら見せなかった。 そして――――――

 

 

「っ!!」

 

 

「なにっ…!?俺の攻撃を…素手で受け止めただと…!?」

 

 

 

「お前の話はよく分かった、苦労したんだろ。だけどな…!」

 

ナスカブレードが軋む。それ程までに、翔太郎は怒りに震えていた。それはフィリップにも嫌という程伝わっていたのだった。

 

 

 

「この…!――――――馬鹿野郎がァァァァッ!!」

 

「ぐぅ…!?」

 

ヒート側に最大限の炎を宿し、拳を高く突き上げて相手を殴り飛ばす。

 

「はぁ…はぁ………あ?」

 

気づけば、周りにパトカーの音が響き渡っていた。流石にやりすぎてバレたのだろう。

 

「畜生…!」

 

「おい!!」

 

流石にまずいのか、ナスカはそのままウイングを開き、超加速で逃げ出した。

 

『翔太郎、君まさか…』

 

フィリップがその続きを言う前に、Wドライバーを閉じて変身解除する。

 

「……」

翔太郎は、拳を握りしめその場を去った。

 

 

――――――

 

「…」

 

「あ、おかえりなさい…」

 

「ただいま?――彼女はどうしたんだい?」

 

「あぁ…タキオンさんならさっき出ていきましたよ?スカーレットさんのとこに行くみたいです」

 

「そうか、君もありがとう」

 

「いえ、特に予定がなかったので…それでは」

 

「ああ、そういえばカフェくん」

 

椅子から立ち上がり戻ろうとするカフェを呼び止めるフィリップ。

 

「…?」

 

「君は、トレーナーはいるかな?」

 

「いえ、まだですが?」

「そうか、それだけ聞きたかったんだ」

 

「…それでは」

 

そう言うと、扉を開けてどこかへ行ってしまった。フィリップはしばらくその場にいたが――すぐに別の場所に興味が湧いた

 

「この世界の図書室は、一体何があるんだろう…」

 

――――――

 

〜3日後〜

 

「G1の勝負服…?」

 

不破は生徒会長、シンボリルドルフに呼ばれてトレセンの生徒会室にいた。

 

「その通りだ。ジュニア級とはいえG1レースはある。もちろんこれから先もだ――彼女達もそう遠くない未来だろう、考えても悪くはないと思うが?」

 

「それはあんたなりにアイツらを褒めてんのか?」

 

「貴様…会長に向かって無礼な…!」

 

 

「いいんだエアグルーヴ」

 

「…分かりました」

 

 

「もちろんさ、彼女達の活躍は見ているよ。きっと…彼女達ならなれる。G1ウマ娘に、私たちと相見える日もきっと…」

 

そこで言葉が途切れる。その代わりに差し出されたのは、勝負服イメージといった紙だった。なんの躊躇いもなく取ろうとした不破だったが、ルドルフに阻まれた。

 

なんだ?と思って目を見た瞬間、不破は一瞬だが怖気付きそうになった

 

――彼女の目は、凍てつくように冷たかったから

 

 

「これを受け取るなら、覚悟が必要だ。彼女達を全力で支え抜くという覚悟が…」

 

「…」

 

「彼女達には夢がある。その夢を叶えるサポートをするのがトレーナーとしての役目だ。半端な覚悟じゃ乗り切れるわけが無い」

 

それは、生徒会室…というよりは最強のウマ娘――シンボリルドルフの言葉だった。彼女も様々な経験をしてきて――様々なことを見てきたのだろう。

 

「今一度問う、不破諫…君は彼女達と、向き合えるのか?」

 

きっとここど嘘をついたとしても、彼女には無駄だろう。今すぐにでも追い出されるはずだ。

 

「正直、まだまだ分からないことだらけだ。まだ増えるみてぇだしな……それを解明しながらアイツらを支えていく――無理な話だ」

 

「…!!」

 

「だけどな、俺は1度決めてんだ。最後までアイツらを見てやるって――――――1度言ったことは曲げねぇ、俺のルールだ」

 

「そうか…そうかそうか」

 

ふふっと笑いながらシンボリルドルフから1人の生徒会長に戻る。そして…

 

 

 

 

「改めてようこそ不破諫くん!トゥインクルシリーズへ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんだそれ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

生徒会室が凍りついた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なぁ、俺なんかスコップモジュールしか使ってない?なんかほかんとこですげぇ重要なこと起こってないか?」

 

なんとか期限内に終わらせ、ぼちぼち暗くなってきた空を眺めながら呟く如月弦太朗。その周りにはBNWもおり、空を眺めていた。

 

「あんたみたいな熱血…放っとくヤツいる?」

 

「大丈夫だよトレーナーさん!」

 

「そうか!!」

 

「ところでトレーナーくん」

 

「ん?」

 

「私の髪の毛を枕にするの、やめてもらっていいかな?」

 

「あ、すまん…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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26.頂点に立つ者

お久しぶりです〜、自分胃腸炎に苦しめられてましたねほんと…


胃腸炎、私の嫌いな言葉です


〜図書室〜

 

「これも…これもそうか…いや、この本とこの本では記述が少し違う…」

 

 

((なんなんだよあの人!?))

 

周りにいるウマ娘とトレーナーが心の中で叫ぶ。大量に積み上げられた本を全て見比べ、また同じ本を読み返す。しかも全てウマ娘にまつわる本ばかりだった。

 

「トレーナー業に熱心なんですね!」

 

そんなフィリップに、ニシノフラワーが声をかけた。

 

「……」

 

だがフィリップはなんの返事もしない。1度本を読めば周りが見えなくなる人なのだろうか、そう思いながらもう一度声をかけてみる。

 

「…あの〜」

 

そういうと、ようやくフラワーに気づいて、フィリップが顔をあげる。

 

「ん?ああ…というか君は?」

 

「あ、ニシノフラワーです」

 

そう名乗った瞬間、フィリップの顔が目の前まで迫った。

 

「ウマ娘にしては小さい身体だな……だが見た感じ小さいとはいえなかなかの足を持ってそうだ…やはりこの本が1番いいのだろうか…」

 

(す、すごいこの人…パッと見ただけでこんなに…)

 

再びフラワーから目を外し、何やらぶつくさというフィリップ。だがフラワー自身は、フィリップに驚いていた。

 

「ところで、要件はなんだい?」

 

「あ、えーと…トレーナー業に熱心だなぁって」

 

「ちなみに言っておくが僕はトレーナーじゃない、この世界の知識が少し気になってね」

 

「…はい?__ああ!貴方たちが最近噂の!」

 

一瞬どういうことか理解できなかったが、その理由を理解した。

 

耳には入っていた。怪物と仮面ライダー。正直あまり現実的では無さすぎて今までどこか夢物語かと思っていた。

 

「実在してたんだ…」

 

「ふむ…、ところで…」

 

「はい?」

 

「この本、どこにあったか覚えてるかい?」

 

そう言いながら出してきたのは今にも倒れそうな高さの本たち、まさかこれを1人で読破したのだと考えれると、知識の吸収率が半端じゃない。

 

「…お手伝いしますね!」

 

その後時間をかけて、なんとか直しきったのだった。途中フィリップが何冊か新しい本を見つけかけていたがその都度ニシノフラワーが止めるというどこか兄妹のような雰囲気だった。

 

______

〜弦太朗のトレーナー室〜

 

トレーニングの休憩時間、とりあえず外だと熱くなり始めたために1度帰ってきた。

 

「あぁ…何すりゃいいかわかんねぇなぁ…」

 

机に突っ伏して、弦太郎が唸る。さっきから15分くらいずっとこうだ。

 

「アンタ、あれだけ言っといてまさか…!」

 

「いやいや違う違う!ちょっとな!」

 

「…」

 

「カチカチ…カチカチ」

 

「…で、チケットはなにしてんだ?」

 

「え、いやこのスイッチカチカチするの楽しいな〜って!」

 

「そうかそうか!ってあんまり触んじゃねーぞー!」

 

「はーい!」

 

その時だった。トレーナー室の扉が勢いよく開かれ、翔太郎が姿を現した。

 

 

「久しぶりだな、弦太郎!」

 

「先輩っ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜トレセン学園・屋上〜

 

 

「先輩も気づいたらここにっすか?」

 

「ああ、本当に気づいたらここに来ちまった…フィリップも無しでな」

 

トレセン学園の屋上で、フィリップと翔太郎が話をしていた。

 

「財団X、お前はどう思う弦太郎」

 

「まぁ、なんかあれなんすけどね__何かまだ狙ってるように見えたっす!」

 

「だよな、アイツらはエニグマとかいうもんもってんだって?」

 

「たしか時空を超えたりとか、様々な世界をひとつにするとか…前は阻止しできたんですけどね。もしアイツらの目的が不死の生命だったら…」

 

「…ヤバかったのか?」

 

「様々な仮面ライダーのおかげで助かったっていってもいいレベルで、今のメンバーじゃ…」

 

 

足りない。それは弦太郎が言わなくても伝わってきた。更なる仲間が必要か…

 

「もし本格的に動き出したりしたら…」

 

「でっかい手?みたいなんがでるっすよ!」

 

「…何言ってんのお前」

 

「いやほんとっすよ!出るんです!これくらいのぉ!!」

 

弦太郎が手で表してくれるがイマイチ伝わりにくい。それから約15分、エニグマの大きさ等を紙に書いて見たりしたが、やっぱり翔太郎には伝わらなかった。

 

_______

 

〜財団X〜

 

「ちくしょう…まさかこっぴどくやられちまうとは__やっぱダブルは強ぇな…」

 

「だが大半のデータは集まった…スチームガンにある実戦データ、これをアークに送信し、我々の技術を用いてT2メモリが作成できる」

 

「強いて言うなら、エクストリームがなかったのがあれか?」

 

そういう赤最上を無視して、アークに実戦データを装填する。

 

今の財団が作れる物はガイアメモリ、ゾディアーツスイッチ、そして…プログライズキー

 

「そろそろマジで本格的に動き出さなきゃまずいんじゃないの〜?」

 

3枚のコアメダルをつつきながら赤最上が言う。

 

「エニグマを使って…別世界の財団に取引をもちかけよう…」

 

「俺たちが出せるもんなんかあるか?」

 

「人間より優れた存在…、あの驚異的な身体能力をもつ彼女たちだよ」

 

「おいおいまじかよ…それやったら俺たち消されるぞ…」

 

「データさえ取れればいい…それを機械として再現すれば、ひとつの兵器になる」

 

「兵器…ねぇ、確かにそれを使ったXガーディアンとか強そうだな」

 

「まずはヒューマギアのモデルをアークに造らせる。そこに手に入れたウマ娘達のデータを入れれば…」

 

「いくら仮面ライダーでも倒せねぇ、か___中々えぐいことしやがるな!」

 

「ああ、そのためにもまずはトレセンに忍び込む。そのための面子をエニグマを使い呼び寄せる」

 

「そういやあれだな」

 

その時ふと、赤最上が呟いた。

 

「…?」

 

「俺たちは別々の最上魁星だ。そして今この世界にふたりいる…なのに不死の生命もねぇしバイカイザーにもなれねぇ。一体どうなってやがるんだ…?」

 

そういえばそうだ。別世界の最上魁星が合わさる時、万物を超越した不死の肉体を手に入れる。前は仮面ライダーに阻止されたが今回は既に2人揃っている。なのになぜ何も起こらないのだろうか

 

この世界が我々という異物を拒否している…?

 

決して合わさってはいけない存在がひとつの次元を超えて合わさった。我々はこの時空についていけていない?

 

なら仮面ライダーは何故普通にいられる?

 

いつだってどの時空も…ヒーローだけを求めているというのか…

 

悪に堕ちた我々など、存在してはいけないというのか…?

 

どの世界でも結局は否定されるのか?

 

「ふざけるなよ…必ず仮面ライダーを殲滅し、我々が王となった世界を作る…どの世界でも、どの時空でも…!__光がある限り…影もまた必ずある…」

 

 

 

ならいっそのこと、我々が頂点にたてばいい。そんな世界をぶっ壊し、我々のものにする。

 

 

 




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27.きれいなふわいさむ

お久しぶりです!気づけば1年もあと半年になってましたね!
前回更新5月28日とは…、ほんとすんませんあまりにも筆が乗らなさすぎたんですよね…改めて見直すと割とマジめにギャグ要素が消えて、ほんとに自分が書きたいのってこんなんだったっけ?と思ってました。ウマ娘要素ミジンコ…

あとレポートに追われてました。

1度出した話は消さずに、なんとか修正しつつ面白く仕上げていこうと思います。


季節はジュニア級7月辺り!



それはそうとシン・ウルトラマンめちゃくちゃ面白かったっすね!


〜図書室・昼休み〜

 

「これ読んで!ほらこれも……アンタはまず知識をつけるとこから始めて!」

 

「図書室涼しいー!!」

 

「蹴るよ!?」

 

弦太郎の前に山積みにされた様々な本。レースの知識やコースの種類などとにかくトレーナー向けの本が多かった。

 

「これあれだ…赤本とかの類だ…!」

 

試しにレース関連の本のページを開くと、びっしりと文字と写真で埋め尽くされさらにやる気を削いでいく。

 

「タイシンさんよぉ…別にここまでやらなくていいんじゃないの…?」

 

「うっさい、アタシを強くするならまず知識つけてもらわないと…!__だいたいトレーナーの癖に何も知らないとかやばいから!」

 

 

 

((お母さんか…?))

 

 

周りのウマ娘、トレーナーが総じて思った。ただの受験期の母親と息子の会話だ。

 

 

「なんかお母さんみたいだな!」

 

 

((言ったよあのバカ!!))

 

 

 

___タイシン渾身のドロップキックが炸裂するまであと3秒

 

 

 

 

 

 

「…あの2人」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

___どこかの眼鏡をかけた大人しいウマ娘が2人をつまみ出すまであと6秒…

 

 

 

_______

 

〜畑〜

 

 

「感激ッ!よもやトレーナーが3人も集まってくれるとは!」

 

扇子をパタパタさせながら、理事長が声を出す。理事長の反対側にたつ3人のトレーナーは既に暑そうにしている。

 

「理事長さんよ…なんでこんなクソ暑い日に畑でしかも耕すやつまであんだよ!」

 

翔太郎がハットで扇ぎながら叫ぶ。

 

「俺もなんでこんなとこにいんだよ…」

 

横にいた不破が周りを見回しながら不服そうに顔を顰める。確かほっつき歩いてたら後ろからずた袋に突っ込まれ誘拐されたっけ……

 

「あの野郎…!!」

 

すぐさま顔が思い浮かび、ギリギリと呟く。

 

「よーし…!」

 

そんなふたりとは裏腹に、あと一人のトレーナー___桐生院葵はやる気まんまんだった。

 

 

「君たちにはここの畑を耕して貰いたいッ!___今年はあまりにも暑すぎて機械が壊れたのだ!」

 

「それ胸張って言えることじゃねぇだろ!?」

 

「大丈夫だッ!」

 

「何がだよ!?__第1こんな暑いのにこんな広いのやったら死ぬよ!?俺たち廃棄処分!?」

 

「あっついくらいで大袈裟だっての…ほら見ろ、鳥が上飛んでんぞ!」

 

「ダメだ不破も頭やられてる、このアフロヘアーめ…」

 

「んだと?」

 

そう愚痴った次の瞬間、真上を飛んでいた鳥が

 

「ジュッ…」

 

と奇怪な音を出し不破達の前に落ちてきた。さっきまで白かった鳥が……程よく焼かれたチキンになっていた。いい匂いが周りに漂う

 

 

 

 

「……………」

 

 

 

しばらく、その場は無言と化した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ〜っ!!あっついなもう!!」

 

翔太郎がハードボイルドもクソも関係なしに叫ぶ。

 

「ちくしょう…まだまだあるぞこれ…!」

 

不破も呟く。これじゃあ本気でやり終える前に俺達が殺られる。

 

「えっさ!ほいさ!」

 

その間も桐生院はひとり、文句も言わずに黙々と作業を続けていた。

 

「アイツすげぇな…」

 

「男として負けてらんねぇぜ…」

 

 

「はっ…!はっ…!」

 

その傍ら、小さな体を精一杯動かして動いている人がいた

 

「…理事長もやってんのかよ」

 

「あたり…まえだ…!私は彼女たちを応援する身…!__ただ見守るだけじゃないッ!」

 

「言ってることかっこいいんだけど休ませた方がいいよなあれ…」

 

翔太郎が呟く。不破も頷きながら返す

 

「はたから見たら幼女を働かせてるみたいな絵面だ。いつ労基に目付けられてもおかしくねぇぞ」

 

「立場的には労働監督署に訴えるのは俺たちのはずなのに…ちくしょう…」

 

「やっぱり休ませますか?理事長…」

 

「…いつの間にいんだよ」

 

いつの間にか会話に入ってきた桐生院が呟く。

 

「だな…」

 

そう言って理事長に話しかけようと翔太郎が歩き出した瞬間…

 

 

___猛スピードで桐生院が駆け出し、理事長に手刀。気絶した理事長を抱えて木陰にダッシュし座らせた。その時間わずか2秒…

 

「さて!理事長の分まで頑張りましょう!」

 

「「は、はい…」」

 

逆らったらやばい。多分この人強い…本能的に従うしかなかった翔太郎と不破ははいと言うしか無かった。

 

________

〜2時間後〜

 

チャイムがなり、途端に校舎サイドがうるさくなり始めた。それに気付いて不破たちは作業を止めた。いや…終わったのだ

 

「やった!!出来ましたよ!!私たち3人で!」

 

「マジでできたぞ!!」

 

「やったぁ!!!」

 

3人が一緒に喜ぶが、違和感を感じた翔太郎が不破に突っ込む。

 

「おい待て不破、やったぁ!てなんだよ!」

 

 

「どうしたんだよ翔太郎くん!一緒に喜ぼうよ!」

 

異様にキラキラとした目、流れる汗がなんかこう…輝いて見えた。確実におかしい…

 

「おい待て不破諫!帰ってこいよ!」

 

「え?どうしたんだい…変なこと言い始めて…」

 

「おい!一緒に労働監督署行くって約束しただろ!帰ってこいよ!!」

 

翔太郎が肩を掴み、不破を揺さぶる。

 

「…翔太郎くん」

 

「ダメだこいつ作業の途中になんか開きやがった!!」

 

「はっ!まさか!」

 

「なんだよ…!?」

 

はっとなった桐生院が懐から本を取り出してページをめくる。

 

「トレーナー白書、なんだそれ…?」

 

「…あった」

 

「トレセン学園の畑にはある噂がある…不破諫さんはきっと…」

 

「きっと?」

 

 

 

 

 

 

 

「…トレセン学園の畑に住むにんじんの精霊に身体を乗っ取られたんだ!!」

 

 

 

 

 

「…はい?」

 

 

「え?僕は不破諫ですよ?」

 

「喋んな…!なんかその…気持ち悪いっ!」

 

「酷い!!」

 

「だああああああああぁぁぁっ!!!」

 

不破の返答に頭を抱える翔太郎。桐生院はさらにページをめくっていく。

 

「取り憑かれたからには速く祓わないと…乗っ取られるらしいです!!」

 

「なんでそんなもん書いてあんだよ!?」

 

「……」

 

「あ!お前には亡がいたはずだ!!」

 

亡なら何とかしてくれるかもと思い、不破の中にいるはずの亡に問いかけてみる。

 

「…?」

 

「だめだ出てこねぇ!!__にんじんの精強ぇなおい!おい桐生院さん!なんか祓いかた書いてねぇか!?」

 

「…書いてないです!!あまりにも稀なんですよ!」

 

「ならなんでかいてあんだよ!?支配にうち勝ったのか!?それ書いたやつ!」

 

翔太郎が叫びながらダブルドライバーを取り出し、ジョーカーメモリを起動させた。

 

 

 

『ジョーカー!』

 

 

 

 

「行くぞフィリップ!こうなったら力ずくだ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

______

〜図書室〜

 

「…まったく、力ずくなんて翔太郎らしい……」

 

「…?どうしたんですかフィリップさん?」

 

本を読んでいたフィリップが鼻で笑いながら、横で一緒に本を読んでいたニシノフラワーに自身の腰を指さす。

 

「……なるほど!」

 

なんとなく理解してくれたのか、ガッツポーズをしてくれたフラワーにフィリップは感心した。やはりこの子は賢い子だ

 

『サイクロン!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

________

〜畑〜

 

「よしきた!」

 

サイクロンメモリが転送され、ジョーカーメモリと同時に差し込みダブルドライバーを展開

 

『サイクロン!ジョーカー!』

 

仮面ライダーダブルに姿を変えた翔太郎とフィリップ。

 

『ドーパントはどこだい翔太郎?』

 

「ある意味ドーパントは目の前だよ…」

 

疑問を投げるフィリップに、翔太郎が呟く。

 

『まさか…不破諫がドーパントなのかい?』

 

「ちげぇよ、話せば長くなるがいいか?」

 

『なら普通に電話をかけてくれたまえ翔太郎、ダブルドライバーは電話じゃないんだ…』

 

「すまねぇ…、んでだ…」

 

 

そうして桐生院と翔太郎はフィリップに全てを説明した。不破がイカれてしまったこと。そういえば全然目覚めない理事長のことを…

 

 

『理事長の気絶は既に終わってる、お昼寝だよ翔太郎。もうそろそろ目が覚めるさ』

 

「そうか…」

 

『そして不破諫のことは理解した。翔太郎___ここはエクストリームでいこう』

 

「…エクストリームか、分かった」

 

ダブルが上空に手を伸ばすと、ある物体が鳴き声を上げながら手元にやってきた。

 

(今頃図書室はパニックだろうな…)

 

そんなことをフィリップは考える。翔太郎はダブルドライバーにエクストリームメモリを差し込み、展開。

 

 

『エクストリーム!』

 

 

「ダブルの皮が剥けた…!?」

 

「剥けたとかいうな!」

 

『翔太郎、今はこっちに集中だ』

 

「あ、ああ!」

 

 

 

『プリズムビッカー!』

 

 

2人がそう言うと、ダブルの体から剣が刺さった盾が現れた。

 

『プリズム!』

 

剣にプリズムメモリを差し込み、引き抜く。

 

 

『お互いに極限まで集中だ。不破諫の悪い部分だけを斬り裂く。もしタイミングがずれたら…わかるね?』

 

「嫌だけど分かったぜおい…」

 

「あっ、私離れておきますね!」

 

何となく察したのか、桐生院がその場から去って理事長の隣に座る。察しが良くて助かると思いつつ、2人は集中する。

 

 

「えっ、何するんですか??」

 

「ちょっと我慢しててくれよ!」

 

翔太郎がそう言った瞬間に、プリズムビッカーの剣…持ち手にあるボタンを押す。

 

『プリズム!マキシマムドライブ!』

 

 

「「プリズムブレイク!」」

 

 

お互い極限の集中状態で不破まで走りより、プリズムソードを振りかざし…

 

 

 

「疾きこと風の如し」

 

 

「なにっ!?」

 

 

だが振りかざした瞬間、言葉を発しながら不破が目の前から消えた。

 

『瞬間移動だと!?』

 

フィリップが驚くが、2人は再び後ろにいる不破に目掛け、プリズムソードを振るう。

 

 

「徐かなること林の如く」

 

 

だが振るわれたプリズムソードは、切り裂くどころか逆に片手で受け止められた。そして後ろに回った不破が関節技でダブルを拘束する

 

『なにっ!?』

 

「なんて力だ…!?」

 

相手は生身の人間のはずだが、エクストリームはビクともしなかった。

 

 

「侵略すること火の如くッ!!」

 

 

拘束が解かれた瞬間、ダブルの右胸に手のひらから現れたにんじんが突き刺さり、ダブルは後ろによろめいた。

 

「こ、のっ!!」

 

『翔太郎ッ!』

 

完全に隙だらけの不破に対し、下から切り裂くようにプリズムソードを振る。だが帰ってきた音はカンッ!という鋼にぶつかるような音だった。

 

気づけばもう片方の手からにんじんを生やし、プリズムソードを受け止めていた。

 

 

「動かざること山の如し___ 」

 

そういった瞬間、瞬きする暇もなく不破がダブルの目の前まで迫った。腹部に手を添える

 

 

 

「風 林 火 山ッ!!!」

 

 

そう言った瞬間、腹部を凄まじい衝撃が遅い。エクストリームは後ろに吹き飛んだ。

 

 

 

「「うわあああああァァっ!!!」」

 

 

そのまま吹き飛び、ダブルは変身解除してしまった。その場所に桐生院が歩みよる。

 

 

 

「力ずくじゃ解決できないこともあるんだよ…人間さん」

 

 

 

 

 

 

 




すいません風林火山ネタやってみたかったんですすいません()


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28.にんじんの精霊

にんじんの精霊ってなんだよほんとw
我ながら3秒クオリティネーミングだなぁ、風林火山おじさんも混ぜたしw


「ん?僕よんだ?」


おいおいまじかy………


「なんだコイツ…!強ぇぞ…!」

 

「どういう硬さをしているんだ…!あのにんじんは!?」

 

翔太郎とフィリップが立ち上がる。桐生院がフィリップを支えながら問いかける

 

「貴方は…にんじんの精霊さんなんですか?」

 

「…うん、そうだよ。僕の名前はにんじんの精霊!」

 

((そのまんま!?))

 

「今そのまんまって思ったやつ出てきな」

 

そう言われた瞬間、3人は目をそらす。

 

「…まぁいいか、静かにしてたらこの男の人が僕を掘り起こしちゃったんだ!だから身体いっただきーって!」

 

「…なるほど?」

 

「でもこの身体今3人の魂が入ってるからごちゃごちゃうるさい!特にこのゴリラ!___あーっ!!!またうるさくなったよ!!」

 

1人でギャースカ喚き散らす不破……いやにんじんの精霊。フィリップは検索を初めて、翔太郎は冷やかな目で見ていた。

 

「…ん、あぁ!私はねていたのか!?」

 

その時だった。木陰で寝ていた理事長が目を覚まし叫んだ。

 

「不甲斐ない…!__ところでこれは一体どういう…」

 

「初めまして、僕はにんじんの精霊です!」

 

「……へ?」

 

ダメだあまりの衝撃に理事長がフリーズしたと翔太郎は内心思った。というか誰も驚くだろこんなん…

 

「こ、これは一体…!?」

 

「あー、聞いてくれ理事長さん。こいつ今にんじんの精霊とやらに身体を乗っ取られてるらしい」

 

「に、にんじんの精霊…?」

 

(桐生院知ってんのに理事長知らないのか…)

 

突っ込みたいことが山ほどあるが何とか我慢、再び話を戻す。

 

「で、どうやら力ずくじゃあ解決できない案件だそうで…」

 

「エクストリームが通用しないのも問題なのだが…」

 

「そうだなフィリップ、それも気になるところなんだよなぁ……しかも風林火山ってなんだよ…」

 

そう呟きあいながら不破を見る。くるくると回りながら畑を一周している、普段の不破なら絶対しない行動だ。というかアイツには担当ウマ娘がいたはずだ…バレたらまずいんじゃ…

 

「なぁフィリップ、こいつはどうすればいい?」

 

「…力ずくが無理なら話し合いだ」

 

「えぇ?話し合えんのか?」

 

「…無理そうだね」

 

さっきといい今といい、ろくに話し合いすらできなさそうだ。

 

 

「なになにー!?面白い話!?」

 

突然2人を割って現れた不破に翔太郎がツッコミを入れる。

 

「おわぁ!?___いきなり会話に入ってくんなよ!」

 

「…翔太郎、アグネスタキオンというウマ娘に頼るのはどうだい?」

 

「えぇ…、アイツ?頼んだところで怪しいと思うぞ」

 

ハイライトが消えた目が翔太郎を見る。

 

「だがしかし、彼女の薬なら…」

 

可能性はあるんじゃないのか? というか適当に除草剤でも撒けば死ぬんじゃないかと思ったが……試す度胸がないためにやめた。除草剤で死なれたら色々困る

 

 

「…どうすっかなぁ」

 

外からストレッチなどの声が聞こえ始めた。そろそろトレーナーである人間は戻らないといけない、だが今の不破を放ってみろ……きっと一瞬で地獄になる予想が着く。

 

 

 

「ゴルシちゃんレーダーはここを指してるんだよ!ついてこい!」

 

「ただの方位磁針に変な名前をつけないでくださいまし!」

 

「これは新たな開運アイテムでは!?ぜひ私にお譲りを!!」

 

「ええい!やかましいわ!だいたいここ畑やぞ!」

 

 

まずい、1番まずいヤツらがこっちに近づいてきてる。しかもゴルシちゃんレーダーとかいう訳の分からないものを片手に持っているそう。ちょっと便利そうに見えてきた。

 

 

「こんなとこにいたら、ウチクリークに捕まったってもええわ_______あ…」

 

最初にエンカウントしたのはタマモクロス、絶対いない前提で話していたため一気に顔が青ざめた。

 

「ほらな!やっぱりいたぜ!!」

 

次にゴルシ、人差し指で不破をさす。

 

「トレーナーさーん!」

 

「不破トレーナー!」

 

フクキタルとマックイーンも合流した。

 

(よっしゃ、ウチが言うたことはバレてへん…!)

 

内心ガッツポーズを決めるタマモクロス。まさか本当にいるとは知らずにあんな大口を叩いてしまった。

 

「あ、タマモ」

 

「なんやゴルシ」

 

「さっきの録音してクリークに送り付けといたから」

 

 

 

「はああああああああああああああぁああああっ!!!」

 

 

 

「うわぁ…いとも容易く行われるえげつない行為…」

 

翔太郎が哀れみの目をタマモクロスに向けた。タマモは突然地面にうずくまり、ガタガタと震え出す。一体彼女達がいうクリークとは一体何者なのだろうか?ウマ娘か?人間か?それとも………、

 

(ダメだ新しく気になることが出来た)

 

「アカン…このままやとまた赤ちゃんになってまう…」

 

そこまでのトラウマを植え付けられたのかクリークと言うやつに……だがそんなタマモを他所にゴルシが不破に近寄る

 

「よぉー!!ひっさしぶりだな!ゴリラ!」

 

肩を叩こうとするが、するりと躱す不破、そして…

 

 

 

 

 

「初めまして、僕は不破諫です」

 

 

 

 

 

「……は?」

 

ゴルシがは?と言ってしまったような気がするが、お構いなしに初対面雰囲気を醸し出す

 

「あなたがゴールドシップさん。貴方はマチカネフクキタルさん、貴方はメジロマックイーンさんですね。あそこにいるのはタマモクロスさんですか!」

 

場が固まる、翔太郎とフィリップが頭を抱える。さてどうしたものか…

 

 

「ゴリラ…?__お前イメチェンか?なんか気持ち悪い…」

 

 

ゴルシの顔が真っ青になりお腹を抑える。こいつには不破の変化がそれほどまでに精神に来たらしい…

 

「なんやフクキタル、お前らが言うてる奴と全然性格違うやんけ。ええ人っぽく見えるで」

 

トラウマから帰ってきたタマモが笑いながらゴルシの横に並ぶ。

 

「ねぇ、フクキタルさん…」

 

「奇遇ですねマックイーンさん…」

 

その後ろでマックイーンとフクキタルが目を合わせて大きく息を吸う。

 

 

 

 

 

 

「「貴方一体誰ですかァァァァァァァッ!!??」」

 

 

 

_____________

 

〜10分後〜

 

コースなどから聴こえる声が増えてきた時間帯で、ゴルシ達は畑に集まっていた。翔太郎が起こったことを話す。やはりにんじんの精霊なんて誰も知らなかった、ゴルシすら知らなかったそう……

 

(なら一体桐生院が持ってる本は一体…)

 

「桐生院さん、貴方の持ってる本を少し見せてくれませんか?」

 

「え?いいですよ!」

 

フィリップに嫌な顔をひとつせずに桐生院が答えた。トレーナー白書を渡され、フィリップがパラパラとみていく。翔太郎も後ろに周りひとまず見てみる…

 

(うまぴょい?鋼の意思?)

 

気になる単語が何個か出てきた気もするが、プライベートには触れないでおこう…

 

 

不破には1度離れてもらう、顔が真っ青になったままのゴルシ達が相手をしてくれる。言わば時間稼ぎだ

 

 

 

 

 

 

「あった、にんじんの精霊…」

 

「彼は温厚だが恐ろしい…、持ち主の体を徐々に蝕んでいき最終的には身体を乗っ取る……だが味は絶品でそれを食べたウマ娘は福が訪れ、まるで別人のように強くなる___だが現れるのは何百年に一度と言われており、トレセン学園七不思議の一つである…」

 

「精霊というより悪霊じゃねぇか、やっぱり分離方法とか書いてないか?」

 

「だめだ、こういう本あるあるのそのページだけ破れていて閲覧ができない…」

 

「やっぱ叩くしかねぇのかよ…」

 

「それは翔太郎がしたいだけじゃないのかい?」

 

「…だってそっちの方が手っ取り早いだろ」

 

「だが確証が無さすぎる…ダブルでも勝てないとなるとフォーゼを頼るか…? 」

 

「弦太郎は騒ぎ大きくしそうだし今アイツ3人のトレーナーだから忙しいだろ」

 

「迷惑をかける訳にも行かないか…」

 

となると完璧に手詰まりだ。自力で治すか病院行きしか残る道はないように思える。

 

「いやまてよ…」

 

「ん?」

 

フィリップがなにかに気づいたのか、ぶつぶつと呟き始めた。こうなると人の話は絶対聞こえないために暫く放置。

 

 

「翔太郎、なんらかの精神的ダメージやストレスを感じさせて追い出すのはどうだい!」

 

「あー、たしかにな。それならいちばん安全?に分離できそうだな」

 

「早速彼女にきてもらおう」

 

そう言いながらフィリップが電話をかけようとした瞬間、呼ぶ前から”その彼女”は現れた。

 

 

 

まるで待っていたかのように

 

 

 

 

このときを待ち望んでいたかのように

 

 

 

 

「そうか、こりゃあ名案だなフィリップ!」

 

 

そんなことを言っていると、彼女が口を開いた。

 

 

 

「なんだか呼ばれた気がして来てみれば〜、タマちゃんまでいるじゃないですか!」

 

「やあ…君がスーパークリークさんで合ってるかな?」

 

「はい、私がスーパークリークですよ?フィリップさん!」

 

「お前ら知り合いかよ…」

 

「ああ、何度か昼食を一緒にしてね。相席という興味深い文化さ」

 

 

「よし、スーパークリークさん。ひとつ言います」

 

「はい?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あそこにいる不破諫を、気が済むまでおぎゃおぎゃしてやってください」

 

 

 

「……まぁ」

 

 

その瞬間、翔太郎は何となく察した。フィリップが何を言ったのか、何故タマモがさっきまで怯えていたのか…

 

 

 

今ここにいるのは、さっきまでのスーパークリークではなく……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

捕食者捕食者(ママ)としての、スーパークリークだった。

 

 




次回!
ママvs精霊!



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29.ママvsにんじんの精霊

♪(ง ◜௰◝)ว♪( ◜௰◝و(و "♪(ง ◜௰◝)ว♪( ◜௰◝و(و "




「あらあらあらあらあらあらあら〜!!」

 

見たらきっと一目惚れするような綺麗な笑顔。ヨダレが垂れていて目にハイライトがないことを除けば翔太郎は間違いなく惚れていた。

 

(あっぶね〜!何惚れかけてんだ俺!)

 

「翔太郎、下がった方がいいよ。君も餌食になりかねない…」

 

「なぁフィリップ、こんなんで本当に解決する?」

 

「彼女を信じるしかない…」

 

そう会話してる間にもジリジリと詰めていくクリーク。危険を察知したのかゴルシ達は既に消えていた。学園内でもなかなかの奇行をするゴルシでさえ消えるのだからきっと強いのだろう。

 

そう自分に納得させるしか無かった。

 

 

 

「…貴方一体?」

 

にんじんの精霊が問いかける。

 

「ママでちゅよ〜!」

 

クリークが答えた。会話になってない

 

 

 

 

 

「彼女は最近でちゅね遊びが誰にもできていなくて相当なストレスが溜まっているはずだ。僕達は精霊を祓えて、クリークはストレスを発散、ウィンウィンてやつだね」

 

「でもあいつ警戒してるし、俺たちの時にみたいになっちまうぞ…!」

 

そう言った瞬間、精霊が凄まじい速度で手刀を放った。翔太郎がまずいと顔を真っ青にする。だが………

 

 

「…ッ!?」

 

「あらあらあら〜!」

クリークは目にも止まらぬ速さで懐からガラガラを抜き放ち、手刀を受け止めたのだ。

 

「ダメだツッコミどころが沢山ありすぎるんだよ!」

 

翔太郎が我慢できないと大声で叫んだ。そして相棒のフィリップに何か言ってもらおうとアイコンタクトを送る。だが…

 

 

 

「翔太郎、ここはこういう世界なんだ。あきらめたまえ」

 

 

 

「ダメだフィリップが考えるのやめてる」

 

 

今はただ繰り広げられる手刀vsガラガラを見ているしか無かった。

 

 

「では素晴らしい提案をしましょう!」

 

クリークがガラガラで捌きながら不破に問いかける。手刀が止まり、互いに距離をとって話し合いを始めた。

 

 

「なんですか?」

 

真顔で答えた不破に、万遍の笑みでクリークが言う。

 

 

 

「私にでちゅね遊びをさせてください!」

 

 

 

「断る、僕はいかなる理由があろうともそのような遊びには参加しない」

 

完全な拒否、これ以上の話し合いの余地はないとも言えるような冷たい声に、クリークがしょぼんとなる。だが……

 

 

「そうなんですね……なら私からしてあげますッ…!!」

 

 

それはすぐさま消え、クリークは再び地面を蹴って一気に距離を詰めた。さすがはウマ娘蹴りの後がある。

 

 

 

 

「すげぇ…」

 

 

 

 

手刀とガラガラがぶつかり合い、死のレクイエムを奏でていく。片方は社会的死が、もう片方は精神的死が、お互い命をかけて全力で相対している。

 

「うわぁ、なんやこれ…ウチにはもうついていけへんわ…」

 

ツッコミ放棄をするタマモクロス。翔太郎はすでにツッコミを放棄していた。むしろよくもったほうだと密かに思う。

 

 

「はぁ、はぁ…」

 

少しずつ、にんじんの精霊の速度が落ちていく。身体が疲れてきた証拠だ。それに対しクリークは息すら上がっておらず、疲労感が一切見えなかった。さすがのスタミナの量だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「でちゅね遊びをすると言ってください…」

 

「はぁ…はぁ………断る」

 

「あなたが手刀で私のスタミナを減らした気でいますが、私はまだまだ行けますよ?___でもあなたはどうですか?」

 

クリークが慈悲の目を精霊に向けて問いかけた。

 

「疲れた足、絶え絶えの息、ガラガラと激突して痛めた手。どれだけ頑張ったとしても人間はウマ娘に勝てない、ね?でちゅね遊びをしましょう!」

 

 

(言ってることどっかの鬼と変わんねぇ!!)

 

翔太郎が内心でツッコむ。

 

 

「……僕は、いや俺は…!何年もこの場所に居続け、様々なウマ娘を見てきたにんじんの精霊ッ!!______俺は俺の責務をまっとうする!!ここにいる者はだれもでちゅね遊びをさせないッ!!」

 

 

「すごい…!__絶え絶えの息でその迫力!!やはり貴方はでちゅね遊びをするに相応しいですッ!!!」

 

 

 

 

 

「でちゅね遊びをするに相応しいって何だよっ!!!!」

 

 

 

 

 

 

クリークが左手にガラガラ、右手におしゃぶりをを構えて突進の準備をする。対する精霊はにんじんを2本もって同じく突進の構え。

 

「おいよせ…!」

 

翔太郎がそれ以上を言う前に、2人が地を蹴って加速する。お互いが激突し粉塵がそこら中をを舞い、視界が遮られる。

 

 

 

「…っ___そんな…!?」

 

粉塵が収まっていき、視界が戻る。シルエットが現れて………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

不破の口におしゃぶりが突っ込まれているのがみえた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「不破ァァァァァァァッ!!!!」

 

翔太郎が叫ぶ。だがすでに不破、いや精霊はクリークに膝枕をされてヨシヨシされていた。精霊の目に意思の光は宿っておらずそのおしゃぶりの狂気さが伺える。

 

 

「だめだクリークッ!ソイツは不破なんだ、もし今ここであいつが目が覚めたりしたらそれこそアイツ二度と姿見せねぇぞ!」

 

翔太郎が叫ぶがクリークには聞こえていない。疲れた精神が癒されてる最中だからだろうか。

 

 

「な、るほどな…」

 

「ん?どうしたんですか?」

 

クリークの腕に抱かれた精霊が、意志のない目をさまよわせながら口を開く。

 

「今の…トレセン学園にここまでのやつがいたとは…、昔とは違ってお前たちは弱体してるのかと舐めていたな。それがまさかこのようなことになるとは……」

 

「よしよし〜」

 

それから先を言う前に、クリークが頭を撫でた。

 

「…そうか、もう俺も眠っていいんだな。この見守る役目から、解放されていいんだよな…」

 

精霊が目に涙を浮かばせる。その間も黙ってクリークは頭を撫で続けた。ついに耐えきれなくなり涙を流す。

 

「迷惑をかけた…、俺はここら辺で行かせてもらおう。君たちに…祝福があらんことを…」

 

「…おう」

 

最初に反応したのはゴルシだった。普段からは考えられないくらいの真面目な顔で頷いている。

 

 

「うむ、これで私も行ける…」

 

 

そういい、瞼を閉じて…息を吸う。すると不破のからだから金色の粉が吹き荒れて離れていく。そのまま風にのり気ままにたびをすると誰もが持っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よいしょっと…」

 

だがその粉はそのまま空中で消える前に、なにかに吸い込まれていった。

 

 

 

 

 

「お前…あんときの男!?」

 

翔太郎がすぐその正体に気づき、声を出す

 

 

「いやいやちょい待て!今回は戦いに来たわけじゃねぇよ!」

 

ナスカメモリを使う青年だった。手をこちらに向けて声を出している。

 

 

「何の用だ?」

 

「いや、にんじんの精霊のデータ貰いに来ただけ。」

 

そう言いながらバグヴァイザーを見せる。画面のな中にはオレンジの物体が浮いていた。

 

「ずーっと見てたぜ、何やら面白そうだったからバグスターにして見たかったわけよ!まぁ今はまだ身体すらねぇみてぇだからなッ…!!」

 

「一体なんの騒ぎだ…!?」

 

「…来るなッ!!!」

 

 

少し騒ぎがデカすぎただろうか、エアグルーヴやシンボリルドルフ、ナリタブライアンなどの生徒会メンバーが駆け寄ってきた。気になって駆け寄ってきたウマ娘たちもいる______だがタイミングは最悪

 

 

「被験者ふえたじゃん!!」

 

 

「この野郎_____!!!」

 

 

そう言った瞬間、ビームガンモードにしたバグヴァイザーをこちらに放つ。弾丸ではなく、なにかの粉のようなものが振りまかれた。

 

 

「ッ!」「っ!」

 

 

翔太郎とフィリップ、理事長は即座に躱した。

 

 

 

 

 

 

 

 

___だが

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チームバルカン全員や、不破、クリークや生徒会メンバーその他ウマ娘達が一気にその粉に当たった。

 

 

 

 

「こいつはバグスターウイルスってな、これに当たったものは身体が苦しくなり…バグスターを身体から生み出す。そして最後には…生み出した本人は入れ替わるように消滅するんだよ!」

 

 

「なっ…!?」

 

驚く翔太郎とフィリップをよそに、フクキタル達が突如倒れた。駆け寄ると苦しそうに体を悶えさせていた。

 

 

 

 

「大丈夫かッ!?」

 

理事長が駆け寄って声をかける。だが帰ってくるのは上の空な言葉だけだった。理事長はすぐさま懐から端末を取りだしどこかへかけている。

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ俺はここで退散っと、お前頼むわ〜!」

 

「まて…!」

 

 

逃げようとする青年を捕まえようと走り出したが、スチームガンで姿を消し、その代わりに一体の機械が現れた。翔太郎がすぐさま止まる。

 

刀を右手に携え、こちらに一礼をして構えた。まるで武士のような佇まいをしている。

 

 

 

 

「…翔太郎」

 

 

2人はダブルドライバーを装着し、珍しく最初にフィリップが声を出した。その顔は冷静だが内側にある感情は翔太郎だからこそ読めた。

 

 

___だから、相棒として最適な選択をする。

 

 

「任せたぜ、フィリップ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「来い!ファング!!」

 

 

 

 

 

フィリップが手を伸ばし叫ぶ。遠くから、恐竜の鳴き声が響いた。それはまるで

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_________フィリップの怒りを表すかのように…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




これ、ウマ娘巻き込んで大丈夫ですかね??

ガイドライン大丈夫だろうか…


ちなみに最後に登場したやつはコラボバグスター(プロトギリギリチャンバラガシャット)ですね!文章力クソですんませぇん!!


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30.混戦

お久しぶりです〜!

今回はあの男、出てきますよ!


『ファング!』

 

ファングを畳み、ファングメモリにさせてダブルドライバーに差し込む。

 

『ジョーカー!』

 

翔太郎がジョーカーメモリを差し込む。

 

 

 

「「変身!」」

 

 

 

『ファング!ジョーカー!』

 

 

 

翔太郎がポーズを決めながら目を瞑り、その場に倒れる。

 

 

「この姿は翔太郎が倒れるのかッ!!」

 

とりあえずのこったウマ娘達をあつめ、後ろで絶賛救出作業中の理事長が驚きの声を上げた。

 

 

 

 

『最悪だ!だれも受け止めてねぇから俺の体が土まみれだぁぁぁぁ!!』

 

 

「翔太郎、それよりもあいつだ。さっさと終わらせよう」

 

『えっ!?あぁ…!___ああ、さっさとやっちまおうぜ』

 

お互いに気を取り直して構える。

 

風の吹く音だけが聞こえていた。

 

 

___________

〜体育館〜

 

普段はダンスレッスンのなどに使われたりする体育館だったが、今は未知のウイルスにやられた生徒立ちを運ぶ一時的な場所になっていた。駆けつけた救急隊員は愚か、メジロ家の主治医ですらその原因や対処法が分からなかった。

 

 

「うっ…、うう…」

 

 

だが時間はすぎていき、あちらこちらの呻き声すら減らない。

 

無事だったウマ娘達も看病に当たっていた。上空ではヘリコプターが飛びまわり、未知のウイルスなどといったテロップとともにニュースになってしまっていた。

 

校門にはマスコミが入り浸り、不用意に門すら開けられなかった、ある意味での隔離状態である。だが未知のウイルス、下手にストレスを与えてしまうとまずいかもしれない…

 

「かといってこのまま居ても…!」

 

「理事長!落ち着いてください!」

 

「落ち着いて居られないッ!」

 

「気持ちはわかります。でも今は落ち着いてください…生徒たちのためにも…」

 

理事長とたづな、2人が会話をする。理事長はよけてたづなはその時にはいなかったため2人とも無事であるが真夏の中走り回ったせいか服が濡れていた。

 

「大事な時に助けてすらやれないとは…」

 

「今はしょげてても仕方ないですよ!私達も頑張りますから!ね!ハヤヒデ、タイシン!」

 

「ああ、少なからずだが手伝いをさせてくれ」

 

「…アタシも少しなら」

 

BNWの3人がそう言って手伝ってくれようとしている。理事長として情けなくうずくまる訳には行かない、3人から勇気をもらって再び理事長たちは動き始めた。

 

 

__________

〜ダブルside〜

 

 

『この野郎…!』

 

「1部の隙もない構え、どこに飛んでくるか分からない斬撃…厄介だ」

 

アームファングと相手の刀を何度か打ち据え、分かったことがあった。どれだけ速度を上げても相手はそれに着いてくる、しかも相手からの攻撃も素早く躱しきれてはいるがいつかは当たる。

 

「先輩!」

 

そこに、弦太郎が飛び込んできた。どうやらさっきのバグスターウイルスには感染しておらず元気でピンピンしてそうだ。ここにきて新たな戦力を手に入れた…

 

『弦太郎!』

 

 

 

「変身ッ!」

 

 

こちらに走りながら仮面ライダーフォーゼへと姿を変えた。

 

「大丈夫っすか!」

 

『ああ、だがこいつ強ぇぞ』

 

「どこにも隙がなくてね…ファングじゃ」

 

「侍って感じですか」

 

弦太郎にしてはぴったりなところをつく。たしかによく見たら侍っぽさはある。

 

『ああ、よくわかったな』

 

「先輩、ここは俺に任せてください!」

 

弦太郎が突如言い出した言葉に、翔太郎はびっくりした。

 

『何言い出すんだよ弦太郎、ひとりじゃ…』

 

「勝算はあるのかい?」

 

『おいフィリップ…』

 

「任せてください!こう見えても俺、あんな感じのやつと戦ったことあるんすよ!」

 

妙に逞しく聞こえるその言葉、過去に似たようなやつと戦ったのならここは任せられそうだ

 

「じゃあここは任せる。翔太郎、僕達はあいつを追おう」

 

『…わかった。弦太郎、無茶はするなよ』

 

 

そう言いながら弦太郎の肩を叩くと、弦太郎は一瞬だけ動きがフリーズした。そして…

 

 

 

「はいっ!くぅ〜!!___先輩に頼られる展開、キターッ!!」

 

 

宇宙までひびきそうな声を背に、ダブルはその場を去ろうとするが…

 

 

 

『ちょ、ちょっとまてフィリップ!』

 

「…?」

 

『俺の体放置はまずくねぇか?』

 

「…ほんとだね」

 

 

 

 

 

華麗にターンを決めて翔太郎の体を担ぐ。そして再び走り出した。

 

 

 

 

「勝負だ!サムライ!」

 

『エレキオン!』

 

エレキステイツに姿を変えた弦太郎、ビリーザロッドを片手で振り回して構える。それを見た相手も刀を両手に持ち構えた。

 

 

______________

〜体育館〜

 

「っ……ここは」

 

今まで意識を失っていた不破が目を覚ます。それに気づいたチケットが歩みよる。

 

「あー!目が覚めた?」

 

「ああ……っ!?」

 

返事だけして立ち上がろうとするが身体が言うことを聞かなかった。腕もどこか薄く見える

 

「なんなんだよこれ…」

 

「お医者さんもわかんないんだけど、とにかくやばいらしいよ。周りにいる子達も全員苦しんでるし…」

 

そう言いながらチケットが辺りを見回す。不破もそれに続いて辺りを見回す。

 

 

見れば見るほど胸糞が悪くなる光景に、不破の怒りがどんどんのし上がっていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてフクキタルやマックイーン、ゴールドシップが映った瞬間。不破の中にあった紐が切れた。

 

 

 

 

 

 

 

「……誰がやった」

 

「え?」

 

「誰がやったか聞いてるんだよ」

 

「え、いやわかんない…」

 

変わった不破のオーラにチケットがたじろぐ、だが何とか答えた。

 

「…そうか」

 

それだけ言うと不破は立ち上がった。さっきまであったあの気だるさは嘘みたいに吹き飛び、今はただ怒りで体を動かしていた。

 

「え、ちょっと…!」

 

チケットがすぐさま回り込んで手を広げて止める。

 

 

 

 

 

 

「止めるか?」

 

 

 

チケットを見下ろす不破の目は冷えきっていた。なにか鋭利な刃物でも向けられている感覚に襲われる。

 

 

「っ!!」

 

制止する手が弱まった。本能が伝えている_____道を開けないと…命の保証はない。

 

 

「…すまん、今は許せ」

 

それだけ言って、チケットの肩を叩いて体育館の外へ出る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ?よく起き上がれたね!」

 

体育館を出た瞬間、腰にガイアドライバーを巻いた青年がバグヴァイザー片手に話しかける。

 

「…」

 

明らかにこいつがやったと思い、殺意にも見えるオーラを身体から出す。

 

「おいおい、無視はねぇだろ?」

 

「…テメェか」

 

「あ?」

 

耳を傾けるジェスチャーをする青年。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アイツらをあんな目にあわせたのはテメェか…?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そうだけど?なんなら今から第2陣にしようかなと。こいつのウイルス面白くてさー、今また戻ってきちゃった」

 

「……」

 

『ランペイジバレット!』

 

 

「おいおい…そんな体で俺と戦うつもり?」

 

 

ショットライザーを持つ手がさらに消えようとしている。だが不破はお構い無しにトリガーに手をかけた。

 

 

「変身…」

 

 

『ランペイジガトリング!』

 

呆れるという顔をする青年の前で、ランペイジバルカンへと姿を変えた不破。

 

 

「あ、そう…」

 

『ナスカ!』

 

ナスカメモリをガイアドライバーに差し込み、ナスカドーパントへと姿を変える。

 

 

「データの採取までもう少しだ。誰にも邪魔はさせない」

 

 

「ぶっ潰す…!」

 

 

 

「面白いことしてあげるよ!」

 

そう言った瞬間、青年がガシャットを起動する

 

 

『デンジャラスゾンビ!ゲーム、スタート!』

 

 

何かのエリアがそこら中に広がり、青年の前や後ろ、不破のまわりなどにゾンビのようなバグスターが現れた。

 

 

「ハァッ!!!」

 

 

「…まじかよ」

 

雑魚を蹴散らすように頭をぶち抜き、存在ごと消していく。

 

「効かねぇんだよそんなもんッ!!」

 

 

怒りに燃える一匹狼が、襲いかかる。

 

 

_______________

〜体育館〜

 

 

「うわぁぁ!?ゾンビ!?」

 

「ゲームでしか見たことないっての…!」

 

突如湧き出たゾンビに、チケットとタイシンが囲まれていた。

 

「こいつら、私たちを狙ってる…!こんな時にハヤヒデに限っていないし…!」

 

「うわああああああん!!噛まれたくないよぉぉぉぉ!!!」

 

そう言い合ってる間にも、ゾンビは近づいていき___________

 

 

その瞬間だった。後ろでガリガリガリガリガリ!と何かがぶつかり削れる音がした。

 

 

「「…?」」

 

ゾンビも、チケットもタイシンも一気に音がした方向に目を向ける。

 

 

「はぁ…」

 

こちらを一瞥した男が立ち上がる。

 

 

「ウァ?」

 

 

ゾンビの1匹が声を漏らした。その瞬間だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今誰か俺の事を笑ったな…?」

 

 

 

 

 

 

 

それはあまりにも理不尽な、死刑宣告だった。

 

 

 




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31.迷いのその先へ

みんなある人に取られすぎて主人公影薄くなってるw

安心しろ!俺もd…『ランペイジオールブラストフィーバー!』

んでんで書いてて尚且つ見てると全然まだまだジュニアだしペースがまずいと思い始めた今日この頃。


突如現れ、突如として理不尽な死刑宣告を口にした男にタイシンなどはもちろん、ゾンビ集団も?を浮かべた。

 

「えっ…何言ってんのアンタ…」

 

タイシンが思わずそう呟く。男は一瞬だけこちらを見たがすぐ興味を失ったように目を逸らした。

 

 

 

「アァ〜!!」

 

 

 

ゾンビ集団がチケット達から離れ男の周りを囲む。

 

 

「そうか、俺を笑ったのはお前らか…」

 

座った体制から立ち上がりコートの埃を払い、腰にあるバックルに手を伸ばし、バックルを展開。

 

「バッタだ…!」

 

窓からバッタが飛び込んで、男の手に収まる。

 

 

「変身」

 

展開したバックルにバッタを差し込む。

 

『HEN-SHIN』

『CHANGE KICK-HOPPER!』

 

男は仮面ライダーキックホッパーへと姿を変えた。それが引き金となったのかゾンビ集団が一気に襲いかかる。だが……

 

「はっ…!_っ!」

 

 

襲いかかった4体全てを蹴りだけで弾き飛ばし、後から来た3体も蹴りで地面に着かせた。

 

 

(つよ…!?)

 

タイシンは内心驚いていた。

 

 

「はぁ…」

 

ゾンビ集団が倒れているうちにため息をひとつ。どうやら性格の方はだいぶめんどくさいタイプかもしれない

 

「今誰かおれをめんどくさいって思いやがったな…?」

 

(ヤバっ…!?)

 

そう男が言った瞬間、内心ドキッとしたタイシン。だが男は寝転ぶゾンビの頭を鷲掴みしていた。

 

「お前か?」

 

「プッ…!プルプ!!」

 

ゾンビが必死に頭を横に振る。なんかどっちが敵か分からなくなる構図だ。

 

「そうか…」

 

「ブッ!?」

 

頭を地面に叩きつける。ゾンビなので気絶などの概念がないために可哀想になってきた。

 

「ッ!!」

 

だがゾンビたちもただ黙って見てるのが我慢ならないのか全員立ち上がり、武器を持っていた。

 

「ライダージャンプ…」

 

『ライダージャンプ!』

 

男が何か呟き、バッタを横に倒す。地面を蹴った瞬間凄まじい跳躍力で一気に天井まで飛び上がる。

 

「たかぁ!?」

 

チケットが言いながら上を見る。

 

 

「ライダー…キック」

 

『ライダーキック!』

 

1体目の頭を蹴った瞬間、ふくらはぎについているジャッキが稼働し再び空中へ、それを何度も繰り返していく、蹴ってはジャッキが展開し…また蹴る。

 

 

「はぁ…」

 

全員倒した後にすぐさまため息を一つ吐く。もはや恒例行事のようなものと化していた。

 

 

「すごいね!!強かったよ!!」

 

「あ、こら…!」

 

タイシンが止める前にチケットが走りながら話しかけていた。

 

「…そう、か」

 

意外にも攻撃的にはならずに、コートのポケットに手を突っ込みながらチケットの話を聞いていた。案外コイツは…悪いやつじゃないのかもと思っているタイシン、だが…

 

「うん!こうバーって飛んでさー!」

 

「…」

 

「…チケットさん!」

 

 

 

「あー!たづなさんたち!」

 

 

音を聞き付け校舎から戻ってきたたづな達。チケットは早速紹介しようと後ろを振り向く。

 

 

「…あれ?」

 

 

だがそこに男の姿はなく、いつの間にか消えていた。

 

 

「あれー?、どこいったんだろ…」

 

チケットが当たりをキョロキョロ見回す。タイシンは普通に走っていく仮面ライダーを見ていた。少しというかかなりシュールではあったが…

 

「っ…!」

 

その時だった。突如容器を落としたハヤヒデがそのまま倒れた。

 

「…!?__ハヤヒデ!?」

 

触ろうとしたチケットの手をタイシンとたづなが何とか止める。見たことがあるこの感じ…

 

「感染してます…!」

 

「えっ!?」

 

 

__________________________

〜学校内〜

 

 

「オラァ…!んの野郎ッ!」

 

刀をビリーザロッドで受け、電流を流すが相手にはまったくもって通用しなかった。 それどころか刀で器用に受け流し、こちらに斬撃を与えてくる。

 

(こいつ…、まるでロボットじゃねぇか…!)

 

正々堂々挑んだものの、まったくもって勝てる見通しのない戦いにフォーゼは挑んでいた。だがこれ以上やっても体力的にも不利になる…ならばもはや正々堂々など関係ない

 

『シールドオン!』

 

ガードしてのカウンターを狙いにいく。

 

「はぁっ!__嘘だろ!?」

 

刀の挙動に合わせシールドを出すが、まさかの真っ二つに斬られる。そのまま下からの斬撃でフォーゼは後ろに吹き飛んだ。

 

「ってぇ!!__でもよ!」

 

『…?』

 

「何回もやってりゃあ大体見切れんだ!行くぜ!!」

 

再びビリーザロッドを構え直し、距離を縮めるために走り出す。途中でエレキスイッチをビリーザロッドに装填。トリガーを押す。

 

 

『リミットブレイク!』

 

 

 

「くらいやがれ!!”ライダー100億ボルトブレイク!”」

 

ビリーザロッドを持った腕を投げの挙動に変更。そのまま相手に目掛けて投げ飛ばす。

 

 

『!?』

 

不意の行動に流石に反応出来ずに刀で受け止める。だが最大火力のビリーザロッドをはじき返すことが出来ず自らの刀事吹き飛んだ。

 

「刀さえ無ければこっちのもんだ!」

 

そういい、ドリルスイッチを起動させる。

 

『ドリルオン!』

 

そしてすぐさま飛び上がり、レバーを押し込む

 

『リミットブレイク!』

 

「ライダードリルキィィィック!!!」

 

回転したドリルが相手のがら空きの胴にクリティカルヒットし粉微塵に吹き飛んだ。

 

『ゲームクリア!』

 

「…クリア?___おっと…」

 

爆発した相手から飛び出してきたガシャットを手にもつ。

 

「…なんだ、これ…」

 

暫く見回してみるが、特に何も起こらない。ボタンがあり押そうとしたが今は1人なので辞めておくことにする。

 

「とりあえずチケット達の所にいくか…」

 

変身を解除しガシャットをポケットにしまい込む。そして呟き走り出した。

 

 

___________

〜トレセン学園・体育館付近〜

 

 

 

不破はなぜ自分がここまで頭にきているのか、正直分からなかった。ここに来てまだ数ヶ月、なにか思い入れがあるわけじゃないしトレーナーという肩書きがあるが勝たせたりしたのも僅かな数だ。

 

(ならなんで俺は…)

 

 

「隙アリィィィッ!!”超加速!!”」

 

「ッ!?___ぐほっ…!?」

 

悩みが頭をよぎって止まらない。不破は高速の斬撃に斬りあげられボロきれのように転がった。

 

 

「なんで思い入れなんてない奴らの為にここまで戦えんだ!?」

 

相手の挑発が耳に届き、不破の思考を掻き乱していく。

 

 

 

 

 

 

 

 

『何をしているのですか!?』

 

「ッ!!」

 

頭の中にいる亡が不破に叫ぶ。不破の意識がハッとなり、相手の剣をショットライザーでギリギリ受け止める。だが上から抑え込まれる形となり、不利には変わりなかった。上から掛る力が大きくなりこちらに剣が近づいてくる。

 

 

 

 

「…」

考えてしまう。何故なんだ、見捨てればいい、切り捨てればいい…なのに、なんで一匹狼になりきれない。

 

 

___その時、いつかの会話が頭によぎった。確かこれは、勝負服を描いていた時だった。

 

 

 

 

『おうみろよゴリラ!アタシのとっておきの勝負服だ!』

 

 

 

 

 

『見てくださいよトレーナーさん!この感じの勝負服、これさえ着れば必ず1着ですよ!!』

 

 

 

『私はこれにしますわ、メジロの名にふさわしい勝負服です』

 

『あ?つまんねーな!もっとつけろよ!ほらドラゴンの頭!』

 

『ちょっ!?ゴールドシップさん!?』

 

『大吉のお守りもいりますか!?』

 

『あぁ!フクキタルさんまで!?____なら私も!!』

 

『私のにゃーんさんがメロンパフェに!?』

 

『アタシの頭がァ!!こけしに!?』

 

 

その時の俺は…それを見て鼻で笑った記憶がある。1番初めはうるさいと感じたこれも1ヶ月くらいもなればなれるものだ。

 

 

「…」

 

 

キラキラとした世界。もし自分もあんなことが無ければ夢を持ち…輝いていたのだろうか

 

 

 

三冠をとるだの栄光を掴むだのあいつらから沢山聞かされた夢。自分はそれを叶える為のトレーナーとしてここにいる。

 

 

彼女たちはまだ夢を追い始めたばかりだ。これからも様々なことを経験するだろう。

 

 

 

そして夢が叶った時には_____きっと途方もないくらいの喜びがあるはずだ。

 

 

 

(そうか…俺がなんでコイツが許せねぇのか…!)

 

 

ようやく理解した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんだ…!? 」

 

剣がピタリとも動かなくなり、逆に押し返され始めていた。

 

「俺がなんでテメェを許せねぇのか、ずっと考えてた…!」

 

なおも押し返し続ける。そして剣を弾き飛ばし___ショットライザーを3発、相手の腹部に叩き込んで吹き飛ばす。

 

「ぐっ…!?_っはぁ…!!」

 

 

「別に悩むような大したことでもねぇ!俺はただ…」

 

 

「…なんだよ」

 

 

 

 

 

 

「アイツらの夢が、別の場所から来た俺たちのせいで…勝手に夢が壊されるのが気に入らねぇだけだ!!」

 

 

 

俺たちのような”異物”が…元あった彼女たちの世界をめちゃくちゃにする訳にはいかない。

 

 

「綺麗事ばっかでうんざりだなァッ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まずはテメェをぶっ潰す…!」




矢車ニキがトレセンに来るんはあと少しくらいあとやで( ◜ᴗ◝)


ペースアップしなきゃ…(スキル発動)

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32.決着__そして…

一応次回くらいで一区切りになるのかな?

ジュニア級は基本的にあげる場所が少ないからな…(自分のガバガバ知識のせいで)




「おおおおおぉッ!!!」

 

不破は地面を蹴って一気に距離を詰める。青年はすぐさま軌道を予測、ナスカブレードを鞘に収める構えを取る。

 

「”超加速…!”」

 

自身の体にでは無く刀に超加速を付与、神速とも思える抜刀が不破の隙だらけの身体に吸い寄せられる。

 

 

「ッ!___うぉおおおおぁッ!!!」

 

「なんだと…!?」

 

だが不破はそれをガードすらせず耐える。そして驚きに一瞬反応が遅れ______

 

 

『ランペイジパワーブラスト!』

 

 

「はあああああァァっ!!」

 

 

 

「ぐっ…!?__うぉぉあぁぁぁぁッ!!」

 

 

右拳にパワーの力を全て注ぎ、相手の顔目掛けてストレートを放つ。通常の腕力に必殺技の威力が加算され凄まじいダメージとなり、青年は防ぎきれずに大きく吹き飛んだ。

 

 

「負けるか…、負けてたまるかよォォ!!」

 

「…!?」

 

立ち上がった青年は叫びながらナスカウイングを展開、凄まじい速度で空に舞い上がった。

 

 

「いいぜ、相手してやる」

 

『ランペイジスピードブラスト!』

 

そう言いファルコンの力を背中に宿す。片方だけ生えたピンクの羽で不破も大空に舞い上がった。

 

_____________

〜体育館〜

 

新しく増えてしまった患者を運びつつ、色々なことをしていくチケットとタイシン。未だ特効薬となるものは見つかっておらず…そしてウイルスも何かを起こす訳ではなくただ一方的に苦しめているように見えた。

 

(…アイツ、なにしてんだろ)

 

ふと、タイシンが弦太郎の姿を頭に浮かべ___すぐに消す。アイツはアイツで頑張ってるはず…

 

(アタシ達、なんでこんなことやってるんだろ。)

 

一瞬、それはほんの一瞬の考えだった。だがタイシンは妙に忘れきれずに頭の端っこに留まり続ける。

 

 

「なんだよこれ!!」

 

「あっ!!トレーナーさん〜!!」

 

「チケット!タイシン!___ハヤヒデ…!?」

 

まだ仮面ライダーフォーゼのままでこちらに駆け寄ってきた弦太郎。すぐにハヤヒデの腕を触りながらみる。普段ならセクハラとして訴えるところだが今はそういう訳にも行かないし第一弦太郎がそういう目で私たちを見るのもありえないと思うので今はスルー

 

 

「…これ、俺前に見た事がある…!」

 

「えっ!?そうなの!」

 

「治し方とかは…!?」

 

そう言った瞬間、チケットとタイシンが詰め寄る。だが弦太郎はしばらく悩む素振りを見せた。

 

「…わからないか」

 

「すまねぇ…でも確かまた違う仮面ライダーが治したような〜…!」

 

「その仮面ライダーさんを呼ぶのは!?」

 

「俺達もどうやってきたかイマイチ掴めてねぇんだ。連絡先交換した訳でもないし…」

 

「で、これって何のウイルスなの?」

 

タイシンがそう聞くと、弦太郎は素直に答えた

 

「バグスターウイルスだったような……あ!!」

 

突如弦太郎が懐からものを取りだし見つめていた。チケットとタイシンもなにかと覗く。

 

「これ…ガシャットだ。思い出した…仮面ライダーエグゼイドだ!」

 

「エグゼイド…?」

 

「医者やってる仮面ライダー!__でも…今はいねぇし……とりあえず出せる手はやってみる。お前らもまだ頑張ってくれ!」

 

そう言って再びその場を去ろうとした時だった。チケットの耳がぴょこっと動き、上を見上げた。

 

「ん?どうしたチケット?」

 

「なんか空から音がするなーって」

 

「空?」

 

 

3人が体育館を出て上を見上げる。そこには青の光と虹色の光が何度も何度も衝突を繰り返していた。どっちとも譲らない。またぶつかり、何度も…何度も______

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ!__はぁッ!!」

 

「ぐっ……らァッ!!」

 

ナスカブレードとコングが付与された拳が何度もぶつかり、火花を散らす。

 

「目的の為にお前たち仮面ライダーを消す!」

 

鍔迫り合いになりながら青年が叫ぶ

 

「目的ってなんだ!」

 

「あの人の永遠の命ッ!!そのためには様々な世界の力がいる…次元すら超越する力がッ!」

 

「ますますくだらねぇ!!そんなくだらねぇ事のためにこの世界を巻き込んでんじゃねぇ!!___テメェも元はこの世界の人間だろうがッ!なんとも思わねぇのか!?」

 

「黙れッ!俺はもうこの世界に捨てられたんだ。だからついて行く…あの人達に!!」

 

均衡が崩れ、不破が押される形となる。

 

 

「話を聞いた。ずっと前に二つの世界を融合させようとしたがお前ら仮面ライダーに邪魔され砕かれたとな!」

 

「知らねぇよそんなもん!俺まだいねぇよ!」

 

「仮面ライダーは全員一緒なんだよ!!」

 

「…んの野郎ッ…!!」

 

再び不破が押し始める。

 

 

「テメェはくだらねぇ!!ただくだらねぇ!逃げ回ってるただのクソ野郎だァァッ!!」

 

『ランペイジエレメントブラスト!』

 

右腕からアシッドアナライズを鞭のように振るい、青年の身体を拘束する。そのまま振り回し下に叩きつけるように投げ飛ばす。

 

「うわぁぁぁぁああぁぁぁぁぁッ!!!」

 

凄まじい速度で地上に落ちていく青年。何とかウイングで持ちこたえようとするが全く機能せずに地面に叩きつけられた

 

「うっ…!ぐぁ……ここは…」

 

衝撃でできた穴から這いずるように出てきた青年は自身がトレセンの練習用のコースに落ちたことを理解した。

 

 

 

そして…それと一緒にかつてトレーナーとしていた自分と担当ウマ娘が映る。もうとっくの昔に捨てたはずの記憶なのに…とめどなく溢れかえり、それはやがて____

 

 

 

 

 

 

___恨みとなって青年にまとわりついた

 

 

 

 

 

 

 

 

少し遅れて不破が着地する。ナスカブレードを握る手を見るが先程より力が込められているように見えた。それは後悔からなのか…それとも先程と変わらぬこの世の恨みか…

 

 

 

「…もう元には戻れないんだよ」

 

そう呟いた青年が、ナスカブレードにエネルギーを送り込む。

 

「…」

 

『オールランペイジ!』

 

不破もただ無言でセレクターマガジンを回転させショットライザーを相手に向ける、ファルコンの羽が不破を支えるように地面に突き刺さる。

 

 

 

 

 

 

 

「…終わりだ」

 

 

 

 

 

「超加速…!」

 

 

 

『ランペイジオールブラスト!』

 

 

凄まじい速度で突っ込んできた青年に対し、不破はトリガーを引く。7色の弾丸が放たれ青年を貫く。

 

 

そして青年の断末魔と共に凄まじい爆発が巻き起こった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…っぐ、くっ…!」

 

青年のドライバーが粉々に砕け、少し遅れてメモリが砕かれる。クマができた目をさまよわせ、手をメモリに伸ばす。

 

 

「…」

 

不破は言葉をかけずにただずっと見下ろしていた。

 

 

「負け、たよ……」

 

 

無言でバグヴァイザーを拾い上げて体育館へ向かおうとしていた不破を青年が呼び止めた。

 

 

 

「…お前の、意思は…強かった。だから俺は負けた…」

 

「…そうか」

 

「俺も、お前みたいに強かったら……今頃、何してんだろな…」

 

「さぁな」

 

 

 

 

もうこれ以上は話すことは無いと思い、再び振り向く不破_____

 

 

 

「いいか、よく聞け…!__あいつらは!!_________あ?」

 

 

 

 

 

 

「っ!?」

 

 

 

だが青年が続きを言う前に、辺りを紫色の”何か”が飛散し不破と青年を囲む。

 

 

「にげ、ろ…!」

 

「…!!」

 

青年が必死に叫び、不破が何とか何かから逃れる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はーい!!それ以上喋ったらダメだよ〜!!___悪い子にはウイルス、流しちゃうよ!」

 

 

「あっ…!!__がぁぁぁぁああああっ!!」

 

苦しむ青年をまるで楽しむかのように痛めつける女。腰にバックルを巻いているために、仮面ライダーだと連想させる。

 

 

「ッ!!___テメェ!!」

 

 

 

ピンクの髪の毛に派手な服装、不破をイラつかせる喋り方をする女にショットライザーを突きつけ容赦なく弾を放つ。

 

 

「きゃっ!?」

 

だが当たるどころか尋常じゃない速度で躱され、笑顔をこちらに向ける。

 

その真下では、青年が今にも消えそうになっていた。

 

 

「あ、データ回収はしとかないと…」

 

青年の横にある壊れたドライバーと壊れたメモリをかき集めて袋に入れる。

 

「テメェ、誰だ…!」

 

 

「私の名前はポッピーピポパポ!___えーと、最上さん達に仕えるバグスター!」

 

「バグスター?」

 

「今回はこの男の半ば独断!裁きを受けるのは当たり前ってこと!彼女たちを痛めつける気はなかったの!」

 

「テメェ、何言って…」

 

「だから今回は、彼女たちを助けてあげる!_____えいっ!!」

 

バグヴァイザーとは違うカラーの物から白い粉が発射されて、トレセンを覆った。

 

 

__________

〜体育館〜

 

 

 

「っ…!?____え?あら?」

 

「うーん…ここは…?」

 

マックイーンが起き上がり、続いてフクキタルも目が覚める。

 

「ゴルシちゃんふっかーつ!!!」

 

ゴルシも勢いよく飛び起き、続くように様々なウマ娘が起き始めた。

 

「…私は」

 

ハヤヒデが目を覚ます。

 

「ハヤヒデ起きた!!!」

 

「チケット、タイシン…!___倒れて、それで…」

 

「目が覚めたのか…!」

 

 

____________

〜不破side〜

 

「何しやがった!!」

 

再びショットライザーを突きつけた不破に対し、ポッピーピポパポは笑顔で答えた。

 

「彼女たちの中にあるバグスターウイルスを無くしてあげたの!」

 

「なんだと…」

 

不破自体も身体が楽になったことに気がつく。それを見て満足そうに頷くポッピーピポパポ。そして……

 

「じゃ、私はこれで!___さよなら〜!」

 

「おい…!」

 

不破がショットライザーを放つ前に、一回転して姿を消したポッピーピポパポ。

 

 

 

 

 

 

 

 

『ゲームオーバー』

 

 

次の瞬間、機械的な音声がながれ青年が塵となって完全に消滅した。

 

 

「…」

 

ついさっきまで青年がいた場所を見つめながら不破は拳を握り締める。

 

不破は変身解除し、改めて自らが何をすべきか、何をぶっ潰せばいいかを理解した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

________________

 

〜事件から3日後〜

 

 

 

事件から少したった今、財団Xの存在をトレセンは世間に明かした。

 

これはもう、ひとつの学園が抱え込めることではないことと、世間に対する抑止力を込めて理事長とたづなの2人は会見で訴えた。

 

 

そして、それから自分達をを守ってくれた仮面ライダーの存在も世間に明かした。名も知れぬ人達が私たちを守ってくれたと…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これで良かったんでしょうかね、トレーナーさん」

 

フクキタルが理事長の会見を見ながら呟いた。それに不破ではなくマックイーンが答えた。

 

「私は仕方ないと思いますわ、正体は明かされていない訳ですし、いい抑止力にも繋がると思います」

 

「逆に世間に言ってたら変に使われるんじゃねー?___それこそ戦争とか!」

 

「ゴールドシップさん、変な事を言わないでくださいまし?」

 

「へへっ!わりーわりー!」

 

「こういう時は占いで…!」

 

「やめときやめとき!占いってあてにならへんで」

 

「なっ!?__シラオキ様は百発百中ですよ!!」

 

 

 

「…」

 

後ろが騒がしいなと思いながら、復旧工事が進むトレセンの運動場を見つめる。新しく増えた仲間”タマモクロス”がいい歯止めになってるはずだがツッコミが足りないのは相変わらずだ。

 

チケット達から聞いた話だが、また新しい仮面ライダーがこの世界に現れたそうだ。相変わらずまた謎が増えていく…

 

1度考えるのを辞めて、後ろでわちゃわちゃ言ってる奴らに声をかける。

 

 

 

「お前ら、これからトレーニングだ」

 

 

 

「え?でも運動場は…」

 

「運動場がないなら体育館でやればいい、お前らが好きなように自主練な 」

 

「相変わらずですわね…」

 

「まっ、気楽でやりやすいわな」

 

「これからG1がある。それまでに今よりもっと強くなるぞテメェら」

 

「へっ!あったりめーよ!!ぶん回してやる!!」

 

それは彼女たちに、そして自分にも言っている言葉だ。ここまで来たならとことんまで付き合ってやる……そして必ずは…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次の話は平和ですよ!!ジュニア級がハイスピードで進んでいくかもしれん!!

青年、結局名前も知らず目的も知らずに殺される…まぁ小物感でてていいかなと思ってますね

自分でも何が描きたいのはわかってないんだね…タグ詐欺ではないよね!(おい)

こっから何とか持ち直して行ければいいなと考えながら約200年…


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33.暑さは人を狂わせる

お久しぶりです!ようこそおいで下さいました!( ^ U ^ )
申し訳ありません、このように期間が空いてしまい( ^ U ^ )


そして前回これでジュニアが終わりそうとか言ってすみませんでした話の配分があまりにも下手すぎて終わりません許して…( ^ U ^ )

そしてあまりにも期間が開きすぎてて…許してください()


〜トレーナー室〜

 

 

 

 

「あっつい!!!」

 

 

ゴルシが立ち上がって叫ぶ。季節も本格的に夏に入り、あっちこっちで熱中症になる生徒が増える時期になった。天気予報曰く今年は過去最大級の暑さになると言われており、トレセンでも対策を出そうとしていた。だが…

 

 

 

「騒ぐな…余計に暑くなる…」

 

「そんな事言ったってよ!!__なんでこんな時期にここら地域一帯が停電してんだこの野郎ッ!!」

 

「ゴールドシップさん黙ってくださいまし!!」

 

「うぅ…これじゃあせっかく届いた勝負服も着れませんよぉ…」

 

フクキタルが部屋の端に積まれた衣服の箱を見ながら机に伏せる。つい2日ほど前に全員分の勝負服が届き早速試着しようとした矢先にこんな暑さになってしまった。

 

「こんな暑さでエアコンもなしか…ウチら死んでまうで…」

 

タマモクロスももはや溶けそうになっていた。

 

「あぁ畜生!!なにか涼しくなるもんとかねぇのかよ!」

 

そう叫んでまたゴルシが暴れ出そうとした時だった。部屋の扉がノックされ開く。

 

「やぁ……不破諫、最悪の暑さだね…」

 

「会長さん…」

 

流石のシンボリルドルフも堪らないというような顔をしていた。こんな時にも動き回らねばならぬ役回りには素直に尊敬する

 

「暑くて死にそうなのは分かるがこれを見てほしい」

 

そう言われて出されたのは誰かのスマホ。そこには動画が1本、再生準備がされていた

 

「…なんだこれ」

 

「トレセンの生徒が撮った動画なんだが、彼女がいつも朝練で通る道に発電所があるんだがそこで妙な奴らを見つけたらしい、それでスマホで拡大し動画撮影をしていたらバレて全力で走って逃げたらしい」

 

「その生徒は?」

 

「無事だ、ちなみに過去最高のタイムが出たらしいぞ」

 

最後の情報は少しどうでもよかったが彼女たちのタイムアップを図るにはいい案ではないかと一瞬考えてしまった。

 

「おいトレーナー、おっかないこと考えてるんちゃうやろな…」

 

「んな訳ねぇだろ」

 

そう呟きながら動画を再生する。複数人がうろちょろしているかと思いきやその1人が発電所に”触手”のようなものを出してそこでスパークが発生していた。

 

「…コイツか」

 

不破はその瞬間に理解した。こいつは人間ではない…化け物だ。そして…

 

「停電の原因だ」

 

少しの憎悪を込めて、不破は呟いた。

 

_____________

 

〜財団xアジト〜

 

 

「ああああああぁぁぁああああ!!!あっついなぁあああおい!!??」

 

「落ち着け、暴れたら更に汗をかくぞ」

 

赤最上が暴れ回りながら叫んでいるところを青最上に止められていた。財団xも今回の停電の被害者になっていたのだ

 

「クラゲダール…んの野郎!呼んだ瞬間脱走して裏切りやがって!」

 

「知ってるか、あいつは元々電気人間を作ろうとしていた怪人だぞ。この時期に呼び出すべきではなかった」

 

「…それは俺も後悔してる」

 

「はぁ、困ったものだよ。基地を地下に作ったものだからさらに暑さが籠る。その分君たちはいいだろうな…”何せ死体なのだから”」

 

そう言って青最上が視線を向けた先には5人の男女が立っていた。

 

「なにそれ…嫌味?」

 

「死人でも暑いもんは暑いわよ!!」

 

「京水、頼むから黙ってくれ」

 

「死んでたとしても流石にこの暑さは堪えるさ…細胞もすぐやられちまうからな」

 

「安心しろ、ストックはいくらでもあるから自由に使え」

 

「…感謝する」

 

「その分、電気が治ったらしっかり働いてくれよな”NEVER”の諸君」

 

 

それに全員が頷き、すぐさま死んだように寝転びはじめる。

 

 

 

 

「…にしてもマジであちい、だれだこの時期にあのクソクラゲ蘇らせようとしたのは…!」

 

そう言いながら青最上を睨む。青最上は即座に目を逸らしてPCをいじろうとするが…停電してることを思い出し手が上の空になる。

 

「すまない…」

 

「…俺の手で始末ってところだけど暑いし外出たくない!!」

 

「子供か…?」

 

「うるせぇ…!!」

 

「俺が行こうか?」

NEVERのリーダー”大道克己”がそう言うが赤最上がとめた。

 

「もし見られたりしたら俺たちの手の内がバレる、仮面ライダーにバレたりしたら生きて帰ってくるか分からないからな」

 

「…そうか」

 

そして再び暑さに全員が項垂れ始めた。

 

_______________

 

〜トレセン学園・食堂〜

 

「…というわけだ。一緒に来てくれ」

 

「なるほどな。この暑さの中電気が止まった原因はそいつの可能性が高いと…」

 

「ああ」

 

不破が頷くと、翔太郎はハットをそっと置いて見つめてきた。

 

「一緒にぶっ潰しに行こうぜソイツ」

 

「ああ」

 

お互い爽やかなスマイルで握手を交わす。だがお互いから漂う気は殺意そのもの。近くにいたオグリキャップ曰く鳥肌が立ったからとりあえず食事をした、くらいにはやばいらしい

 

「あかん…誰かがツッコめ言うとる…」

 

同時刻、タマモクロスがウズっときたのは別のお話

 

 

 

「弦太郎は?」

 

「ああ、タイシンから聞いたんだがいつもの暑さでやってたら熱中症で保健室」

 

「お前の片割れは?」

 

「暑さでダウンしてる」

 

「なら使えるのは俺たち2人って訳か…」

 

「そういうことになる。ちなみに俺は1人でも変身できるから大丈夫だぜ」

 

そう言いながらロストドライバーを見せてくる。

 

「へへっ、アタシらもいるぜ!」

 

後ろから声が聞こえ振り向くと、ゴルシが立っておりその周りにはマックイーンとフクキタルがいた(過去形)

 

「戻っちまってるよアイツら…」

 

呟く翔太郎に対し、不破は冷静に答えた

 

「いや、危ねぇから自主練でもしてろ。今度のG1でるんだろ?」

 

「この暑さで自主練は流石にねえだろ…」

 

「お前に引かれるとムカつくな」

 

「だからな!いいだろ!?」

 

「いや嬢ちゃん…これは危ない仕事なんだ、こういうのは大人たちに任せておきな」

 

「ええー…ちぇっ!」

 

「終わったらアイス買ってきてやる。だから待ってろ」

 

「まじ!?」

 

「私もぉ…!」

 

「わたくしにも!!!??」

 

「お、おう…」

 

マックイーンの気迫が一瞬だが模擬レースの時を上回ったような気がするが…気のせいだろうか?

 

 

 

_________

〜発電所〜

 

 

そんな殺意を向けられてるとは知らずに作業を続けていくクラゲダール、本来ならショッカーを頼りたいところだが生憎謎の奴らに復活させられ逃げてきたばかり、味方がいるかすら分からない。

 

「俺はあんな奴らには従わねぇ…!見てろよ仮面ライダー…!お前らを叩きのめしてやる…」

 

そう言えば施設からパクってきたものがあったと思い出し、投げ捨ててある人型の人形を座らせる。

 

「にしてもこれはなんなんだ…?ヒューマギアモデルって書いてある…」

 

電力を貪りながら呟く。何故かはしらんがこの世界の電気は今までいた場所より美味いし空気はいくらか汚いが気にならないレベルだ。

 

「でも電気も少なくなってきたな…食いすぎか??」

 

コイツにも電気を食わせたら何か起こるのだろうか…?

 

「わかんねえしいいや…にしてもここは本当になんなんだ……」

 

ここに隠れるように来てから時間が経つが一向に仲間が来そうな気配もない

 

「ショッカーは一体どうしてしまったんだ…」

 

まさか仮面ライダーにやられてしまったのだろうか。となるとあいつらはなぜ自分も蘇らせたのかますます気になってきた。

 

「まずは動かなければ何もなさないか…」

 

そう言って立ち上がり外に出るクラゲダール。彼はこの世界でどうやって、しかも1人で戦うのか…!そして電力がパクられた人類の運命とは!?負けないで不破諫!これ以上暑さで被害者が出たらそれこそトレセン学園閉鎖問題よ!!立って!撃って!!

 

次回!クラゲダール死す!!

 

 

 

 

 

 

 




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34.も う や だ

わたくしエヌラス、ヘルニアと結婚を前提にしたお付き合いをすることになりました。彼女とは一生向き合っていかないといけないたお医者様からも言われ、大変嬉しく______んなわけねぇだろ!!!ばっっっかいってえんだよ!ふざけんじゃねえぞ!コラ!!くしゃみしても立っても座っても!!トイレでう〇こすら死にそうな痛みと戦ってんだよ!!

恋愛してぇとは言ったが誰もヘルニアちゃんと付き合いたいとは言ってねぇよ…



〜トレセン学園〜

 

「じゃ、ちょっと行ってくる___カフェ、フィリップを頼む」

 

「分かりました…」

 

翔太郎の頼みを聞きいれたカフェが小さく敬礼をし、翔太郎もそれに小さく返す。辺りを見れば様々なウマ娘やトレーナー達が見送ろうと立っていた、まるで最終決戦にでも向かう時のようだ

 

「すげぇぞ不破!俺たち最終決戦にでもいかせられるんじゃねぇの?」

 

「暑いのにご苦労なこった…」

 

「不破ァ!!こんなクソ暑いのに電気食うなって身体に叩き込んでやれ!!」

 

暑さでいつもの2倍くらい口が悪くなったゴルシが不破に叫ぶ。最初はアタシもついて行くと言って聞かなかったのをなんとか抑えて今に至る。

 

「はぁ…」

 

返事の代わりにため息をひとつ。ゴルシがなんか叫びそうになっていたがその間にフクキタルが滑り込んできた。その手にはヘルメットがあった

 

「トレーナーさん!フクキタル特製ヘルメットです!どうぞ!」

 

ドヤ顔と共に出されたヘルメットには、様々な御札が着いていた。悪霊退散に四苦八苦、老若男女などに焼肉定食など……正直いって使えそうな札があんまりない

 

「いらねぇだろこれ」

 

そう言いながら容赦なく札をちぎろうとする不破だったがフクキタルが奇声を発して不破をとめる

 

「ミィアアアアアッ!!外してはなりませぬぞ!!」

 

「……」

 

「幸運ですよ!?いらないんですか!?」

 

「いらねぇ」

 

「ぐぬっ…!!だがそこまで言われても引けませんよ!!今日の私はすこぶる怒ってるんですから!!」

 

「一応聞いといてやる」

 

「食べようとしたアイスが全て溶けて…!しかも…!しかもしかもぉ!!その1本は当たりで…でも今日が期限日で!!電気が使えないからどこもかしこも空いてないんですよぉ!!」

 

「うわー…地味にショックなやつじゃねぇか」

 

横から翔太郎が覗き込んでそう言う。

 

「だからこそおふた方には何としても奴らをフルボッコにしてやって欲しいのです!!」

 

「おうよ任せとけ!!な、不破!__それ付けてやってやれよ!」

 

「……」

 

「トレーナーさん…」

 

フクキタルが上目遣いで不破を見つめる。そこまで言われてしまうともう後には引けず…ヘンテコヘルメットを被る。

 

「トレーナーさん…ご武運を」

 

「あ、まともなやつ居た」

 

「ですができる限り痛めつけてやってくださいまし??その輩はわたくしが大事に取っておいたパフェを炎天下の冷蔵庫にて腐らせたという大罪があり…」

 

「まともじゃなかったわ」

 

まだぶつくさというマックイーンを押しのけてタマモクロスが不破に言う。

 

「こんな暑いのに電気が使えへんのは困る。たったと終わらせてきてくれ!」

 

「まともな奴がいた」

 

「なんやそれ…さっきも言わへんかったか?」

 

「…いや、忘れろ」

 

 

「行くぞ不破!」

 

「ああ」

 

2人はバイクのエンジンを掛けてトレセン学園を出ていった。たくさんのウマ娘とトレーナー、そしてセミに見送られて…

 

 

「ん?なんやあれ…」

 

不破達が出ていった方向と逆の方に向かっていったパトカーが1台。すぐさま折り返してサイレンを鳴らす

 

 

 

 

『そこの変なヘルメット付けたバイクに乗った男の人ー!!止まってくださーい!!』

 

 

 

 

(アカンこれ…トレーナーのことちゃうか…)

 

「警察も大変ですね…」

 

「せ、せやな…」

 

(いやアンタのせいやフクキタルッ!!あんたのヘルメット法律に引っかかったんや!!)

 

タマモクロスから汗が出てくる。ただ暑いだけなのかそれとも…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜発電所付近〜

 

「ここだな…」

 

2人はバイクから降りてヘルメットを外す、ここから先は土手の為バイクが入れないようになっていた

 

「なぁ不破、なんかお前途中呼ばれてなかったか?」

 

「…なんのことだ?」

 

「気のせいならいいんだがよ」

 

そう言いながら歩き始める。しばらく歩き続けると例の発電所とやらがあった。

 

「こんなとこに発電所建てるとか…どうかしてやがるぜこの会社はよ」

 

「行くぞ」

 

建物の周りには金網が巻かれた柵があり、入口も固く閉ざされていた

 

「でも正面は閉まってる…」

 

そういってる間に、不破がショットライザーを構え発砲、正面の扉をぶち破った。

 

「まじかよ…」

 

ドン引きしながら後に続く翔太郎、そしてすぐに建物内に入る扉を見つけた。こちらは空いており出入りした気配があった

 

「「…」」

 

2人はアイコンタクトで頷き、不破が最初に突入しすぐさま翔太郎が続く

 

「誰も…いねぇのか?」

 

「いや、にしては音が聞こえる…」

 

そう言われ耳を澄ますと、なにやら電流が走っているような音がしていた

 

2人はその音に近づくように、走り始めた

 

__________________

〜トレセン学園・保健室〜

 

「そうか…翔太郎達は行ったのか」

 

「はい」

 

「僕も行かないと…」

 

そう言いながら立ち上がろうとしたフィリップをカフェは抑えた

 

「ダメですフィリップさん、貴方が無茶すれば…せっかくの翔太郎さんの気持ちが、無駄になってしまいます」

 

「…そうだね」

 

その時だった、保健室の扉が勢いよく開き…青く発光したタキオンが入ってきた

 

「タキオンさん…? 」

 

「聞いてくれカフェ!これを飲めば体感温度がとてつもなく下がる薬を作ったんだ!!」

 

「…ほんとですか?」

 

「ほら見てくれ!!今回私が被験者となったんだ信用してくれ、副作用は青く光るが私たちにとっては青は涼しい色という認識があるからそこはいいだろう。ほら翔太郎の相棒くん!」

 

「んぐっ!?」

 

「あっ…!」

 

有無も言わさずフィリップの口に小瓶の液体を流し込む。そしてその効果は直ぐに現れた

 

「…!?ほんとに冷たくなった…!?__何故だ……」

 

「!?」

 

青くなったフィリップがなにやらぶつぶつ言いながら歩き始めた。

 

「カフェもどうだい?」

 

もしその効果が本物だとすれば、この暑さから逃れられるかもしれない…

 

「…しょうがないので飲みます」

 

「やれやれ、素直じゃないねぇ」

 

そう言いながら渡された小瓶を、少し警戒しながら口に流し込む。なにやらミントっぽい様な味が口に広がり次の瞬間______

 

「っ!?____ほんとに、涼しい… 」

 

まるで汗ふきシートで体を拭いてからエアコンの風にあたるくらいの涼しさが体を包んだ。

 

「だろうカフェ!!__ずっとやってれば寒くなるだろうが…」

 

「これ、他の人達にも配るべきでは?」

 

「そうだねぇ、いまは私たちが飲んだもので全てだ…」

 

(少ない…)

 

「あーあ!誰か手伝ってくれないかなぁ!!そうすればトレセンが涼しくなるだろうなぁ!!」

 

チラチラとこちらを見ながら声を上げるタキオン。カフェとフィリップは目を合わせて同時に同じことを考えた

 

((これ手伝えっていってるやつだ))

________________

 

〜発電所〜

 

「…!?___ここは!?」

 

部屋はそれほど多くなく全て簡単にクリアリングできた。だが1番奥の部屋を開けた途端に翔太郎たちは驚く。

 

「ああああああああぁぁぁっ!!!!」

 

まず最初に目に入ったのは金属製の十字架に縛られた1人の男性…、そして…

 

「はははっ!____なんだ貴様ら!?」

 

「…なんだコイツ」

 

「クラゲ…か」

 

2人が目を合わせて首を傾げる。

 

「ええいっ!無視するな!我の名前はクラゲダール!!誇り高きショッカーの怪人だ!」

 

「ショッカーだと!?」

 

翔太郎が驚いていた

 

「なんだショッカーって…」

 

「また後で説明する、それよりこれはまた財団Xが絡んでやがんのか…」

 

「とりあえずぶっ潰せばいいんだろ?」

 

そう言いながらプログライズキーを起動させてショットライザーに差し込む。

 

「変身するな!こいつがどうなってもいいのか!?」

 

恐らく電圧を高める機械、そのレバーを握りながらクラゲダールが叫ぶ。だが…

 

「さっきから小物みてぇなセリフばっか吐いてんじゃねぇ!!」

 

「ぐぇっ!?」

 

ショットライザーからプログライズキーを外し、弾丸を2発放つ。そして2発を鉄の十字架に撃ち込み機械を止めた。

 

「な、なんだその武器は…!仮面ライダーがなんでそんなんもってんだよ!?」

 

「あ?何言ってんだ、今更武装は当たり前だろ」

 

『シューティングウルフ!』

 

「だな」

 

『ジョーカー!』

 

クラゲダールが驚きながら地団駄を踏んでる間に2人は姿を変えた。

 

「…一応聞いてやる、貴様ら…今は何年だ」

 

「…令和だが?」

 

「いや分からんぞ、この世界じゃあ今は何年だ…?」

 

「そうだな…」

 

「いや待て仮面ライダー、今は昭和じゃ…」

 

クラゲダールが手を伸ばしながら声を出す。

 

 

 

 

 

 

「…昭和?そんなもん明らかに終わってんだろ」

 

 

 

 

 

 

 

「あ、あぁ…!__ああああああああぁぁぁ!!年号が!!年号が変わっているぅぅううう!!??___げっ!?」

 

 

 

 

 

「うっせぇんだよ!!」

 

 

何やらどこかで聞いたことのあるようなセリフを吐き散らしながら暴れまくるクラゲダール、だが不破が近くまで寄って頭に拳を叩き込んだ

 

「うわぁ…」

 

翔太郎が頭を触る、見ているこっちまで痛くなってきそうだった。

 

「うぅ…なんなんだよここ…もう訳が分からん…」

 

(…泣き始めたぞ)

 

殴られて目が覚めたのかとうとうイカれたのか、クラゲダールは膝を抱えて泣き始めたのだ

 

「帰りたいよぉ…お母さぁん、おとうさぁん」

 

「えぇ…?」

 

困惑する不破

 

「おーおよしよし、大変だっだろうなぁ…?」

変身したままだが何故かあやし始めた翔太郎。不破もそこまで鬼では無くこれはあまりにも倒しづらくなってしまった。

 

「なぁ、どうすんだよ…」

 

「…連れて帰るか?」

 

「いや絶対に拒否られるだろ?」

 

「てかそこの男の人十字架から下ろしてやれよ」

 

「忘れてた…!」

 

あやし役を不破に変えて、翔太郎は鉄の十字架にかけられていた男性をおろした

 

「大丈夫か?」

 

「また死ねなかった…」

 

「え?」

 

「…どうせ俺を死なせてくれなんかしないんだ」

 

「え、いや…あの…」

 

「どうせ俺なんか…死ねずにそこら辺を歩いてんだよ……はぁ…」

 

(こっちもこっちでめんどくさ…!)

 

 

そのまま2時間不破はクラゲダールを、翔太郎は謎の男性をひたすらあやし続けたのだった

 

 

 

 

 

 




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35.ライスと矢車

最近様々な方の作品を読ませていただいて知識を吸収してます。そしてそれに伴い分かったことがありまして……

なんや俺の小説ウマ娘要素キャラしかないやんけと…いやまあ前々からずっと言ってますがあまりにも無さすぎて…感動するタキオンとかのやつとか色々あるんですけど自分のやつ感動というより鼻で笑うことしか出来ねぇなと…

とにかく、吸収した知識を使って更にトレーナーっぽいことさせていきたいと思います!!

ほんと言ってるだけじゃなくて行動に移したいですよマジで!!


〜理事長室〜

 

「驚愕…ッ!まさか倒すというより仲間にするとは…」

 

不破と翔太郎、そしてクラゲダールから距離を取りながら理事長が扇子片手に驚いていた。エアコンなどは既に元通りになり今や学園中は涼しく最高の空間となっていた、不破たちは思い切り歓迎され何やら作業していたフィリップ達も後々から話があがり褒め称えられていた。

 

「私は偉大な大ショッカー様の元に務めていました。だがこんな訳の分からない世界に連れてこられて…危うく命を狙われ逃げてきました」

 

クラゲダールが肩を落として口を開く、その喋り方は偉く丁寧になっておりその後ろに立つ不破と翔太郎は2人してかおを歪ませた。

 

「しかもあなた方に迷惑をかけてしまい…その、私にできることがあればやらせてください!___俺も、元の世界に帰りたいのです…あの世界ではないと、私は輝けない…!」

 

言ってることは割とふざけているように聞こえるが本人は至って真剣だ、不破達とは利害の一致による協力関係になる

 

「な、なるほど……名前はなんという?」

 

「私の名前はクラゲダールと申します」

 

もはや話し方と一人称がめちゃくちゃである、クラゲダールなりに頑張って話しているのだろうが色々と引っかかるところがある…今は目をつぶっておくしかない

 

「クラゲダール…クラゲダール…ふむ、いい名前じゃないか…!」

 

噛み締めるようにその名前を呟き理事長が名前を褒める、その瞬間クラゲダールの目が一瞬光ってように見えたが直ぐに消えた。そして…

 

「これから、よろしくお願いします」

 

えらく奇抜な見た目をした者が1人入ってきたのだった。

 

 

 

「とはいえども…」

 

理事長が扇子を頭に当てて唸る。何か問題でもあるのだろうか、いや正直問題はありありであるが…

 

「今は寮の空きが無かった気がするのだが…たづな、今空きはあるか?」

 

理事長が尋ねると、たづなはすぐさま端末を取り出して調べた。

 

「えーっと…空きは………ないですね」

 

「俺、外でもいいですよ?」

 

「ダメだお前それは論理的いや社会的にやばい」

 

外でもいいというクラゲダールを翔太郎が止める。トレセン学園が見た目のヤバい奴を外に寝かせるというこの世の終わりを詰め込んだようなことをすればそれこそ本格的に閉鎖されてしまう

 

「あ、良い空きあるぞ」

 

不破が思いついて口を開く、それにクラゲダールも目を光らせ理事長達も肩をなでおろした。ということで正式にクラゲダールを迎え入れて3人は理事長室を離れた、廊下を歩いている最中翔太郎が不破に質問をした。

 

 

 

 

「ちなみにその場所は?」

 

 

 

 

「俺のトレーナー部屋」

 

 

 

 

「…いいのか、それ…」

 

 

「いいだろ、空いてるとこあるし」

 

クラゲダール…お前これから大変そうだな、心の中でそっと思った翔太郎だった。

 

_____________

 

〜食堂〜

 

 

「……!!」

 

ウマ娘とトレーナー達がよく使う食堂、1部のウマ娘にとっては憩いの場である、そんな場所で男が1人ただひたすらラーメンを蹴散らしていっていた。

 

(めちゃくちゃ見た目怖い…!!)

 

たまたま横に座っていたライスシャワーは隣に座ってきた人の圧が凄まじくご飯に手がつけられないでいた。

 

「お前、よく食うんだな…」

 

「は、はい…!食べます!!」

 

突如声をかけられしっぽの先まで跳ね上がったライス、そのまま敬語で返してしまった。特にその人は気にしてる様子もなくラーメンを食べていた____一口がとにかくでかい

 

「あ、あなたもよくたべますね…?」

 

「ああ…久しぶりにまともな飯にありつけたからな」

 

「そ、そうなんですか」

 

怖い、話せば話すほどこの人どこから来たのか何しに来たのか分からなくなってくる。唯一信じられているのはその男が胸のシャツにトレーナーバッジをつけている事だった、周りのトレーナーと見比べた衣装の違い的に最近有名な仮面ライダーのひとりなのだろうか…?___一口がでかい

 

「…どうした?」

 

「ひ、ひゃい!?な、なんでもありません!?」

 

ずっと見つめていたせいか男の人に等々聞かれた。別になんの理由もないために言い訳をしようと頭の中でぐるぐる文字を並べて……

 

 

 

「…ああ、食うか?」

 

「…え?」

 

だがその途中で男の人がライスにラーメンをいっぱい差し出した、自分が食べるはずの最後のラーメンなのに

 

「でも…」

 

「俺はもう大量に食った…しかもよだれまで垂らして…」

 

「あっ…!!」

 

自分の口からよだれが垂れていることに気付き急いで拭く

 

「ほら、美味いぞ」

 

拭き終わったらまたラーメンをそっと差し出してくる。自分のだけでは少し足りないような気がしたし…この人が親切にしてくれている…

 

「……あ、ありがとうございます…」

 

気付けばライスはラーメンを受け取っていた。

 

「あ、あの…!お名前は…?」

 

ラーメンのどんぶりを仕舞おうと重ねている男の人にライスが聞く。

 

「俺は矢車想…別にそれだけだ」

 

去り際にそう返して、矢車は返却口にどんぶりを置いて消えていった。

 

(矢車さんかぁ…)

 

ライスはラーメンを啜りながら名前を心の中で唱えて覚えた。次会った時はもっと話してみたいなという気持ちとともに…

 

_________

 

〜30分後〜

 

昼休みもそろそろ終盤に差し掛かっていた午後、ライスは教室に戻ろうと廊下を歩いていた。

 

(あ、あの人…矢車さんだ)

 

廊下の先には、先程会った矢車が何度も同じ場所を行き来していた。本人は気づいていないようでただひたすら廊下を行ったり来たりしている

 

「あ、あの…!」

 

「ん?あ、お前…」

 

ライスが声をかけると足が止まり、矢車がライスの方を向いた

 

「大丈夫ですか…?さっきから同じところをぐるぐる〜って…」

 

「…それは本当か?」

 

「う、うん…」

 

「そうか……どうせ俺なんか、同じところをぐるぐるしていつかは死ぬんだ…」

 

(突然ネガティブになった!?)

 

「いや…こんなこと言ったら白夜になんて一生行けねぇ…弟の為にも行かねぇとなぁ…」

 

「お、弟さんいたんですね…!」

 

「ああ…でも死んだ」

 

(触れちゃいけなかった!?)

 

「俺が殺したんだ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「へ…?」

 

 

 

 

 

 

 

ライスは思った。この人本格的にやばいのでは??




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36.日常は非日常へ

どうもお久しぶりです…

失踪してる間に新シナリオが増え、aiさんが現れ…年を越し…新キャラが沢山実装されました…

本当に失踪キメてて申し訳ないです…!!

ベイブレードと遊戯王とヘブバンとなんか色々ハマってたらついこんなに…



遊戯王はゼアルと5dsが好きです(隙自語)



あ、ヘルニア一応治りました()


「こ、ころしちゃった…?」

 

さっきまでのほのぼのとした空気は何だったのだろうかと思われるくらいの気まずさが2人に流れる。

 

(え…この人…え、ころしたって……警察…??)

 

とりあえず通報しなきゃと一番に考えたライスだがまだ通報はしないという結果に至った。

 

「あのままになるくらいなら…人の姿のまま死なせてやりたかった……でも俺は…!!うぅ…」

 

何はともあれ確実にこれは触れてはいけない、ここ数秒で矢車の体重が20kgは減ったのではないかと言わんばかりの変貌を遂げていた。

 

「と、とりあえず落ち着いて!!」

 

ライスにしては珍しく大きな声でそう言ってしまった、このままネガティブ空間を拡大させるとほんとに知りたくないことまで知ってしまいそうだからだ…

 

(いや〇したも知りたくなかったよ…うぅ…)

 

 

「うぅ…」

 

「うぅ…」

 

とっくの昔にネガティブ空間は広がっていた。そのあとしばらく食堂はただひたすらネガティブ空間と化していたらしい…

 

__________________________

 

〜不破・トレーナー室〜

 

(アイツらのレースに財団X関連…)

 

やることがあまりにも多すぎる、元々不破自体あまり考えまくる行動は嫌いな部類に入る。かといって彼女達に頼るのはもはや論外の部類である

 

だが如月弦太朗に頼むのもアイツは何も出来なさそうだしダメだと考える、矢車という人物にもコンタクトを取るべきなのだろうか…

 

(どうすりゃいいんだ俺は…)

 

そう考え込んでいた時だった、トレーナー室の扉が勢いよく蹴り破られ声が響いた

 

「おーすたけし!!元気してったか!!」

 

「扉弁償しろよ」

 

「んだよのりわりー!!」

 

「ゴールドシップさん…!ココ最近のあなたは扉破壊が酷すぎますよ…」

 

「扉破壊なんて普段使わなさそうですね…」

 

問題児…いや教え子がトレーナー室にはいってきた、ただ扉が今目の前で蹴り破られたせいでとりあえずプライバシーは終わっている。服すら着替えられない

 

「おーっすゴリラ!ゴルシちゃんが来てやったぞ〜」

 

彼女の名前はゴールドシップ、奇怪そのもの

 

「まったく…」

 

その横で世話を焼かせているのがメジロマックイーン、一応どっかのお嬢様らしいが興味なんざねぇ

 

「トレーナーさん!それより占いは如何ですか!?」

 

その横で水晶玉を片手に話すのがマチカネフクキタル、俺は占いなんか微塵も信じねぇし興味もねぇ

 

 

そんなヤツらを抱えてトレーナーをする不破諫はただの苦労人と化していた。訳ありというかなんというか…

 

そんな感じで頭を抱えていた時だった、トレーナー室の扉の生き残りをノックする音が聞こえその方向を見る

 

「扉ねぇぞ…」

 

「失礼する、不破諫」

 

外から入ってきたのはシンボリルドルフだった、ここトレセン学園の生徒会長でありクソみたいに強いらしい

 

「気になる情報が少しばかり入ってきてね、君に届けに来たんだが…とりあえず扉は治したほうがいいな」

 

「…あぁ」

 

そう言うとルドルフが不破の机に書類を置いて扉を持ち上げる。流石はウマ娘華奢な見た目の割には剛力である

 

「よいしょ…!!!」

 

次の瞬間、凄まじい轟音が耳をつんざきその瞬間にルドルフが扉を蹴って元に戻したのだ

 

「耳がぁ…耳がぁ…」

 

「流石会長だぜ…」

 

「蹴りで…?嘘…」

 

「……」

 

なんかもう訳が分からんやり方で扉を叩き直して何事も無かったかのように書類に関しての話をし始めるルドルフ

 

 

 

 

 

___なんかもう、帰りたいな

 




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