カービィとスローライフファミリー (naogran)
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第1話「レベルMAXになっていた」

榊翔太。高校生2年生。

ごく普通の高校生で、ごく普通に友達と高校生活を送ってるゲーム好きの一般的な少年。

しかし通学途中に大型トレーラーにぶつかってしまい、そのまま息絶えてしまった。






死亡した翔太は、女神・メガーメガと出会った。

翔太「あぁ・・・僕って死んじゃったんですね・・・」

メガーメガ「そうです。あなたは学校へ行く最中に事故に会い、17歳で事故死してしまいました。」

翔太「そっか・・・将来が何も決まらないまま他界しちゃったなぁ・・・」

メガーメガ「代わりと言っては何ですが、来世ではとことん幸せな生き方が出来るようにして差し上げます!大抵の事は自由に出来ちゃいますんで!」

翔太「え?本当に?願いは自由なの?」

メガーメガ「はい。私は女性には甘いですが、特別にあなたのお願い事を聞きます。」

翔太「女性に甘いって・・・女神様が公平じゃなくて良いの?」

メガーメガ「良いんです!」

翔太「ジョン・カビラ?だったら!無茶振りとして不老不死で頼みます!」

メガーメガ「はい!」

翔太「ええ!?そんなあっさり出来ちゃうの!?凄いな女神様・・・」

メガーメガ「では、身体の中をマナがグルグルと循環して、老いる事のない身体で転生させましょう。他には?」

翔太「えっとそうだなぁ・・・あ!女神様、僕の頭の中が見える?この姿にしたらな〜って。」

メガーメガ「フムフム・・・了解しました。そのお姿と力で転生させましょう。それと、あなたの他にその世界に転生した魔女が居ますので、その方に会えば良いでしょう。」

翔太「へぇ〜。僕の他に転生者が居るんだ。」

メガーメガ「他には?」

翔太「それで充分です。僕にとって満足な願い事はこれ以上ないです。」

メガーメガ「分かりました!不老不死で希望するお姿と力で、のんびりとした高原へ転生させましょう!えーーい!」

こうして翔太は、ある姿になって高原へ転生された。






草原が広がる高原。

翔太「高原・・・綺麗だぁ・・・」


高原を歩くと、水溜りがあった。

 

翔太「お、おぉ!」

 

水溜りに映っていたのは、カービィだった。

 

カービィ「これが僕!?凄い!カービィそのものだ!」

 

自身を膨らませて浮遊する。

 

カービィ「僕の好きなキャラになれるなんて最高だ!コピー能力は・・・」

 

頭の中でコピー能力を思い浮かべると、ソードカービィに変身した。

 

カービィ「能力は銀河に願いをと同じだ。これなら困らずに済むね。ん?」

 

向こうに1軒の家があった。

 

カービィ「誰かの家かな?ごめんくださーい!」

 

しかし誰も出ない。

 

カービィ「居ないのかな?」

 

???「あら?誰か居るわね。」

 

カービィ「ん?」

 

後ろに振り向くと、買い物袋を持った1人の魔女が立っていた。

 

カービィ「あ、この家の住人さん?」

 

魔女「ん!?あれって・・・カービィ!?」

 

カービィ「え?僕の事知ってるの?」

 

魔女「キャー!可愛い!」

 

カービィ「ええ!ちょっと!?」

 

急に魔女に抱かれた。

 

魔女「柔らか〜い!」

 

カービィ「ちょちょちょっと!(何なのこの魔女・・・ん?魔女?)」

 

 

 

 

 

 

メガーメガ『あなたの他にその世界に転生した魔女が居ますので、その方に会えば良いでしょう。』

 

 

 

 

 

 

カービィ「・・・もしかして君は、転生した高原の魔女さん?」

 

魔女「え?何で私を知ってるの?」

 

カービィ「だって僕も転生された人だし。」

 

魔女「ええ!?そうだったの!?」

 

 

 

 

家にカービィを招いた。

 

魔女「そうなんだ。事故で。」

 

カービィ「そう。交通事故で亡くなってから、君が会った女神様に色々聞いたんだ。まさかその魔女がこの世界に左遷されたなんて。」

 

魔女「左遷とか言わないでよ・・・」

 

カービィ「冗談冗談。あ、僕はカービィ。前世は榊翔太。」

 

魔女「私はアズサ。アズサ・アイザワ。高原の魔女よ。」

 

カービィ「ねぇアズサ、僕この世界は初めてなんだ。だから仲間に入れてくれないかな?」

 

アズサ「そうねぇ・・・私のスローライフに磨きが掛かるし、丁度良いかも。良いわよ。ようそこ我が家へ!」

 

カービィ「ありがとうアズサ!」

 

アズサ「あなたって、力とかあるの?」

 

カービィ「うん。頭の中でコピー能力を思い浮かべたら使えるよ。」

 

アズサ「へぇ〜。便利だね。」

 

 

 

 

 

 

その日から2人のスローライフ生活が始まった。

 

兎に角ダラダラと過ごし、寝たいだけ寝て。スリープカービィでぐっすり寝る。

 

畑の手入れもやって、ウォーターカービィで畑に水やりをする。

 

身体を動かしたい時はスライムを倒す。アニマルカービィで追って引っ掻く。

 

魔法石は貴重な収入源で、毎日最低25体は倒すようにしている。

 

近くの森に入る事もあった。アズサは魔女だから薬草がすぐに分かる。

 

時折薬を作る。ドクターカービィで薬草作りの手伝いをする。

 

その薬草を村に売りに行ったりもする。

 

屋根の上で寝る。スリープカービィで寝る。

 

 

 

 

ほんの少しの労働と、のんびりした毎日。これぞ正しく悠々自適。第2の人生はとても素晴らしいものだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから300年の年月が流れた。

 

アズサ「26匹目っと。」

 

今日も何時も通りスライムを倒してる。

 

カービィ「スマッシュパンチ!!」

 

ファイターカービィのスマッシュパンチがスライムを倒した。

 

アズサ「ま、300年も続けていればちょっとはレベルも上がってるか。」

 

カービィ「ん〜・・・あんまり変わんない気がするね。」

 

アズサ「そんなもんかな?」

 

 

 

 

 

 

フラタ村。

 

村人A「あ!高原の魔女様と戦士様!」

 

アズサ「こんにちは!」

 

カービィ「どうも!」

 

村人B「先日の薬、良く効きました!」

 

アズサ「良かった!」

 

カービィ「お大事にね!」

 

 

 

 

300年生きている為、このフラタ村の歴史はこの2人が知っている。

 

急病人の診察で薬を治した。ドクターカービィでアズサの助手を務めた。

 

疫病の流行を食い止めた事もあった。バブルカービィで疫病を封じ込めた。

 

 

 

 

そのお陰で2人はこの村の守り神となっている。

 

 

 

 

冒険者ギルド。

 

アズサ「こんにちは〜!」

 

手に入れた魔法石を換金して貰った。

 

ナタリー「10400Gになります。」

 

受付嬢のナタリーがお金が入った袋を出した。

 

アズサ「ありがとう。」

 

カービィ「じゃあまたね。」

 

ナタリー「あの!お2人方!」

 

アズサ「何?」

 

カービィ「ん?」

 

ナタリー「前からちょっと気になっていた事があるのですが、お2人って今どれ位の実力なんですか?」

 

カービィ「実力?バトル的な意味で?」

 

アズサ「体した事ないんじゃないかなぁ?冒険者登録はしてるけど、冒険なんてした事ないし。」

 

カービィ「右に同じく。」

 

そこでナタリーが2枚の石板を出した。

 

ナタリー「1度ステータスを見せて貰えませんか!?」

 

アズサ「そう言えば300年間ずっと測定してなかったかなぁ?」

 

ナタリー「お2人はずっとこのフラタ村を見守っていてくれたじゃないですか!だからきっととてつもないステータスだと思うんです!」

 

アズサ「別に良いけど、私はちょっと薬草に詳しいだけの魔女だよ。期待されても。」

 

カービィ「僕もアズサの助手的な立場だから期待されても何もないと思うよ。」

 

2人が石板に左手を乗せてステータスを表示させた。

 

 

 

 

 

 

レベルが99になってる。

 

 

 

 

 

 

アズサ・ナタリー「・・・・」

 

カービィ「ペポ?」

 

ナタリー「うわああああ!?レベル99!?お2人方!マジ強過ぎです!」

 

カービィ「いやいや石板が壊れてるんじゃないの?だって僕達スライム位しか倒してないよ?経験値が10840086なんて可笑しいでしょ?」

 

ナタリー「いえ待って下さい!お2人は365日、300年間欠かさずスライムを倒していらっしゃいましたよね!?」

 

アズサ「そうだね。1日平均25匹位かな?」

 

カービィ「今日は26匹倒してるね。」

 

ナタリー「加えてここ!魔女様と戦士様は獲得経験値増加と言う特殊能力を得られてます!モンスター1匹ごとに獲得経験値2増えると言う事です!」

 

アズサ・カービィ「たったの2?」

 

ナタリー「スライムの基礎経験値は2。でもこの能力で4になります!なので!4x25x365x300=1095万!!」

 

カービィ「そんなに倒してるの!?」

 

アズサ「継続は力なりとは言うけれど・・・」

 

ナタリー「大型ドラゴンの経験値が2500と言われていますから、ドラゴンで換算すると4380匹倒した事に!!」

 

アズサ・カービィ「超ドラゴンキラーだ!!」

 

ナタリー「無茶苦茶です!!世界一強いに決まってます!!」

 

アズサ「えぇ・・・世界一・・・?」

 

ナタリー「お2人はやっぱり偉大なる大魔女と大戦士だったんですね〜!」

 

カービィ「いやぁ・・・照れるね。」

 

アズサ「嘘でしょ・・・この強さが知れ渡って・・・どんどん有名な魔女になってしまったら・・・私のスローライフがーーーーー!!」

 

カービィ「あ!!そうだった!!僕達のスローライフに悪影響が出ちゃう!!!」

 

アズサ「ナタリーさん!!この事は絶対に口外しないで下さいね!!」

 

カービィ「僕からもお願い!!」

 

ナタリー「どうしてですか!?偉大なお2人をもっと称えたいです!!」

 

カービィ「ステータスは個人情報そのもの!」

 

アズサ「あなただって、胸の大きさを広められたくはないでしょ?」

 

ナタリー「大きさには自信があります!」

 

豊富な胸と。

 

アズサ「うぐっ!?」

 

貧相な胸。

 

カービィ(比べ物にならないね・・・)

 

アズサ「何か言った?」

 

カービィ「いやなにも?」

 

アズサ「兎に角!私達のステータスは誰にも言わないで下さい!私達はひっそり静かに暮らしたいんです。」

 

ナタリー「分かりました!お2人が最強だと言う事は、一切外に漏らさないと約束します!お2人を裏切るような事は絶対に致しません!」

 

カービィ「もし裏切ったら許さないよ?」

 

ナタリー「大丈夫です!私を信じて下さいな!」

 

アズサ「はぁ・・・」

 

 

 

 

 

 

その後2人は、渓谷にある滝の前に立った。

 

アズサ「レベル99?どうにも信じられない。」

 

カービィ「やっぱり強くなったのは気のせいじゃないの?」

 

アズサ「そうよねぇ。毎日スライムを倒した位であんな数値に。・・・全てを凍てつかせよ!!」

 

凍結魔法が一瞬で滝を凍結させた。

 

アズサ「ガチだった・・・」

 

カービィ「コピー能力!トップ!」

 

トップカービィに変身し、コマを飛ばした。コマがちょこんと当たると、氷が一瞬で粉砕された。

 

カービィ「こっちもガチだった・・・」

 

 

 

 

 

 

その夜。コックカービィが明日の朝食を作ってる。

 

カービィ「アイス!」

 

アイスカービィのこちこちといきで冷凍保存。

 

 

 

 

翌朝。解凍した朝食を食べていると。

 

”コンコン”

 

アズサ・カービィ「ん?」

 

ドアを開けると、4人組のパーティが立っていた。

 

アズサ「はい何でしょう?」

 

剣士「あなた達が高原の魔女アズサさんと戦士カービィさんですね?」

 

カービィ「そうだけど・・・冒険者パーティの皆が僕達に何の御用で?」

 

剣士「あなた達と腕試をさせて頂きたい!」

 

アズサ「えぇ・・・?私薬草採ったりして細々と暮らしてる魔女ですよ・・・?」

 

カービィ「僕も寝たいだけ寝て畑を耕してるただのピンクボールの戦士だよ・・・?」

 

アズサ「私達なんかと戦って何の意味が・・・」

 

剣士「ここにレベル99の魔女と戦士が居ると聞いて来ました。」

 

アズサ・カービィ(ドキッ!!)

 

カービィ「いやいやあれは誤解だよ誤解!石板が壊れて変な数値が出ただけだから!僕達の実力はレベル10・・・いや3程度だよ。」

 

魔女「嘘を吐いても無駄です!あなた達の身体からは溢れんばかりの魔力が漂っています!とんでもない大物なのは間違いない!」

 

カービィ「・・・アズサどうする?埒が明かないよ・・・」

 

アズサ「はぁ・・・分かった。では手合わせしましょう。」

 

 

 

 

仕方無く手合わせする事に。ペイントカービィが地面に円を描く。

 

アズサ「ただし条件があります!私達が勝ったら、高原の魔女と戦士は大した事なかったと言って回りなさい!私達は出来る事なら戦いたくはないんです!この円から出たら負け!1回出た人は退場ね!」

 

カービィ「そっちは全員が出たら敗北ね!」

 

アズサ「では、始め!!」

 

魔女「風よ、今こそ我の僕となりて吹き荒れよ!」

 

竜巻魔法を発動した。

 

アズサ(成る程。竜巻の魔法ってこう使うのか。なるべく弱く・・・弱く。)

 

カービィ「コピー能力!トルネイド!」

 

トルネイドカービィに変身した。

 

アズサ「風よ、今こそ我の僕となりて吹き荒れよ。」

 

特大な竜巻が起こった。

 

カービィ「え!?わわわわわわわわわわわ!!」

 

その竜巻にトルネイドカービィが飲み込まれ、回転して更に威力が増した。

 

魔女「嘘ーーーー!?」

 

剣士「逃げろーーーー!!」

 

戦士「飲み込まれるぞーーーー!!」

 

僧侶「キャーーーーーー!!!」

 

その竜巻に4人が巻き込まれ、遠くにある木に吹き飛ばされた。

 

カービィ「き・・・強烈・・・」

 

巻き込まれたカービィはまだクルクル回ってる。

 

 

 

 

 

 

冒険者ギルド。

 

アズサ「ナタリーさん!!」

 

ナタリー「お2人方。」

 

カービィ「絶対口外しないって約束したよね!?」

 

ナタリー「私は誓って言ってません!」

 

カービィ「じゃあどうして僕達の情報が広まったの・・・?」

 

 

 

 

???「俺さ!」

 

 

 

 

そこにカウボーイの男が現れた。

 

アズサ「え!?誰!?」

 

カービィ「誰このカウボーイ!?」

 

ナタリー「あなたは!口が軽い事で有名な冒険者のエルンストさん!!もしかして、あの時の後ろのテーブルで!?」

 

カービィ「知られちゃった理由がこれか・・・」

 

エルンスト「魔女様と戦士様のレベルが99だなんて、信じられなかったが・・・」

 

冒険者A「噂は本当だったんですね!!」

 

冒険者B「あのとんでもない魔法!この目でしかと拝見しました!」

 

女給「まさしくレベル99!!」

 

そんな事があり、高原の魔女と戦士はレベル99。それが広がってしまった。

 

 

 

 

翌日。何時も通り朝食を食べていると。

 

”ドオオォォン!!”

 

アズサ・カービィ「え?」

 

ドアを開けて外を見ると。

 

アズサ「え!?」

 

カービィ「ポヨ!?」

 

 

 

 

赤いドラゴンが居た。

 

アズサ「え、ええと・・・そう言うご用件でしょう・・・?」

 

赤いドラゴン「お前達が最強の魔女と戦士か。」

 

ドラゴンがやって来ちゃった。

 

赤いドラゴン「我はこのナンテール州最強のドラゴン・ライカである。最近風の噂で、ここに最強の魔女が居ると聞いてやって来た。」

 

カービィ「まさか、僕達と手合わせしたいとか言うんじゃないだろうね・・・?」

 

ライカ「話が早いな。」

 

アズサ(何処まで噂が広がってるんだよ!!)

 

カービィ(せめて人間達の範囲で止まって欲しかったよ!!)

 

アズサ「私達は最強の称号なんて欲しくありません。ここで静かに暮らしたいんです。」

 

カービィ「だから最強の称号は君に譲るよ。」

 

ライカ「そんな事で納得出来るか!我と戦え!白黒とハッキリ付けようではないか!!」

 

アズサ(モーレツにメーワクー・・・)

 

カービィ「もし嫌だと言ったらどうするの?」

 

ライカ「暴れてやる。」

 

カービィ(キョーレツにメーワクー・・・)

 

アズサ「はぁ・・・分かりました・・・家を壊されたら困りますし、やりましょう・・・」

 

カービィ「でも僕達最強を名乗ってないからね?余裕で弱かったら手加減してよね?」

 

ライカ「良かろう。我も最強である事が確認出来ればそれで良い。」

 

 

 

 

こうしてライカと戦う事になった。

 

アズサ「今しばらく、地上より別れを告げる。」

 

カービィ「ワープスター、来て。」

 

アズサが浮遊し、カービィが上空から飛来したワープスターに乗って浮遊する。

 

ライカ「ほう。流石は魔女と戦士。だが、空を飛んだ程度で対等になったと思うなよ?ガオーーー!!」

 

口からドラゴンブレス。

 

カービィ「こちこちブリザード!!」

 

アズサ「全てを凍てつかせよ!!」

 

アイスカービィがこちこちブリザードでアズサの凍結魔法に乗り、ドラゴンブレスを相殺した。

 

ライカ「クッ!高位の魔女と戦士と言うのは本当らしいな!だが如何に魔法に長けていようとも!これはどうだ!!」

 

カービィ「アイアン返し!!」

 

アイアンカービィに変身し、ライカのドラゴンの爪を杖のアイアン返しで弾いた。

 

ライカ「クッ!逃がすか!!」

 

アズサ「全てを凍てつかせよ!!」

 

カービィ「こちこちといき!!」

 

アイスカービィのこちこちといきとアズサの凍結魔法で、ライカの口を凍らせた。

 

ライカ「ーーーーー!?」

 

口が凍らされたライカが落下した。

 

アズサ「どう?頭がキーンとした?」

 

カービィ「少しは頭冷えた?」

 

 

 

 

ライカ「ーーーー!!」

 

口が凍り、パニックになったライカがウロチョロする。

 

 

 

 

アズサ「ち、ちょっと!?私達の家壊さないでよ!?」

 

カービィ「壊しちゃダメだよ!!!」

 

 

 

 

ライカ「ーーーーー!!」

 

だがライカはそのまま2人の家をぶっ壊してしまった。

 

 

 

 

アズサ・カービィ「・・・・・」

 

怒りが心頭した2人が地上に降りた。

 

ライカ「冷たい・・・」

 

カービィ「ファイター。」

 

ファイターカービィに変身。

 

アズサ「壊すなって・・・言ったじゃん!!!」

 

カービィ「ダブルライジンブレイク!!!」

 

ライカ「グアアアーーーー!!!」

 

ダブルライジンブレイクでライカがKOした。

 

ライカ「な・・・何と言う力・・・我がこうも無様に倒されるとは・・・」

 

アズサ「ねぇ、ドラゴンのライカさん。私達の家、直して下さいね?」

 

カービィ「変な真似をしたら・・・」

 

アズサ・カービィ「許しませんからね。」

 

ライカ「わ、分かった!!どうにかする!!あの、我は住処の山にそれなりのお金を貯め込んでおりますので・・・取って来ても宜しいでしょうか・・・?」

 

アズサ「良いけど・・・」

 

カービィ「もし逃げたらその時は・・・」

 

2人が悪魔の顔でライカを脅した。

 

ライカ「ヒエエエエエーーーーー!!!!絶対に約束は守りますーーーーー!!!」

 

急いで住処へ戻って行った。

 

アズサ「・・・」

 

無残に壊れてしまった家。

 

カービィ「僕達の家が・・・」

 

アズサ「はぁ・・・しばらく村に泊まるか・・・」

 

 

 

 

 

 

夕方。フラタ村に訪れた。

 

村人C「あ!魔女様!戦士様!」

 

村人D「ドラゴンを倒したんですね!」

 

村人E「逃げて行く姿が見えました!」

 

アズサ「すみません・・・ドラゴンには勝ったんですが、家が壊れてしまって・・・」

 

カービィ「少しの間、泊めて貰えないかな?」

 

 

 

 

村役場・来賓室。ベッドが2つある。

 

カービィ「おぉ!凄い!」

 

アズサ「でもここ来賓用の部屋ですよね?私は宿の部屋でも・・・」

 

娘「いえいえ。恐ろしいドラゴンから村を守ってくれた魔女様と戦士様です。どうかご自由にお使い下さい。」

 

アズサ・カービィ「あはは・・・」

 

娘「あの、魔女様!戦士様!」

 

アズサ「え?」

 

カービィ「何?」

 

娘「私幼い頃、魔女様の薬で助かった事があるんです。」

 

カービィ「・・・あ!あの時の!?」

 

娘「思い出してくれたんですね!この村には、魔女様に助けられた人がいっぱい居るんですよ。」

 

 

 

 

その後ベッドに寝転がる。

 

アズサ「まっ、たまには好意に甘えるのも悪くないか。」

 

カービィ「アズサ、今日の晩御飯どうする?」

 

アズサ「・・・よし、彼処へ行こうか!」

 

カービィ「良いね!行こう!」

 

 

 

 

夜・酒場・冴えた鷲に来店した。

 

アズサ「こんばんはー!」

 

カービィ「ハーイ!」

 

女将「いらっしゃいませー!まぁ!」

 

主人「高原の魔女様に戦士様!」

 

客達「魔女様と戦士様にカンパーイ!」

 

皆で乾杯した。カービィは水で乾杯。

 

アズサ「何時ものオムレツを頂こうかな?後ビーフシチュー。」

 

カービィ「何時ものスペシャルコースで!」

 

オムレツとビーフシチュー、そしてスペシャルコースが到着した。

 

アズサ「ん〜!やっぱりここのオムレツは最高ですねぇ〜!」

 

カービィ「ここのスペシャルコースは絶品だねぇ〜!」

 

主人「俺等もお2人に、この村を守って貰えて最高ですよ!」

 

客達「アズサ様とカービィ様最高ーーーー!!」

 

アズサ「あはは・・・まぁ、いっか。」

 

カービィ「フラタ村にカンパーイ!!」

 

客達「カンパーイ!!!」

 

 

 

 

 

 

翌朝。

 

アズサ「ん〜・・・昨日は良い夜だったなぁ〜。」

 

カービィ「ふぁ〜〜〜・・・よく寝た。あ、アズサおはよう。」

 

アズサ「おはようカービィ。何か魔女やってて良かったよ。」

 

カービィ「だね。僕もそう思うよ。」

 

”コンコン”

 

娘「お休みの所すみません。お2人に会いたいと言う方がお見えになられたのですが。」

 

アズサ「え?」

 

カービィ「僕達に?」

 

 

 

 

面談室へ行くと、赤い服を着た少女が2人を待っていた。

 

少女「あ!昨日はご迷惑をお掛け致しました!」

 

入って来たアズサとカービィにいきなり謝罪した。

 

アズサ「昨日?あの・・・何処かでお会いしましたっけ?」

 

カービィ「僕達初対面のなんだけど・・・」

 

少女「あ、この姿でお見えに掛かるのは初めてですね。我はライカ。昨日のレッドドラゴンです。」

 

アズサ「えええーーーーー!?」

 

カービィ「ええーーー!?嘘ーーーー!?」

 

この少女が昨日のレッドドラゴンのライカだと知った2人が驚愕した。

 

ライカ「ドラゴン族は、こうやって姿を変える事が出来るんです。我が貯金していたお金を持って参りました。」

 

大量の金貨が入った袋。

 

アズサ「ありがとう!これだけあれば修理位出来るでしょう。」

 

カービィ(うっかり吸い込んじゃったらゴールドカービィになれそう。漫画で見た通りに。)

 

ライカ「そ、それと・・・その・・・実はお願いがありまして・・・」

 

アズサ「何?」

 

カービィ「どうしたの?そんなに照れて。」

 

ライカ「わ・・・我を・・・我を弟子にして頂けないでしょうか!?」

 

アズサ「え?弟子?」

 

カービィ「僕達の?」

 

ライカ「はい!魔女様と戦士様と戦って、我がまだまだ未熟である事を痛感しました!ナンテール州最強と言う思い上がりを捨てて、一から勉強したいと思っている次第です!!」

 

カービィ「新しい自分を磨き上げるんだね?」

 

ライカ「そうです!」

 

アズサ「その心構えは美しいけれど、私達は特殊な訓練で強くなった訳じゃないの!近所のスライムを倒す生活を続けてたらこうなっただけで・・・」

 

ライカ「我は、ドラゴンとしての力を過信し・・・傲慢になり・・・腕を磨く事をして来ませんでした・・・その結果が無様な敗北なのですから!!その魔女様と戦士様の努力の積み重ねこそ見習いたいのです!!」

 

アズサ・カービィ「真面目か!!」

 

ライカ「住み込みで働かせて下さい!!お2人の生活を学びたいのです!!」

 

カービィ「ん?住み込み?」

 

アズサ「と言う事は、料理作ってくれたり掃除してくれたりも?」

 

ライカ「はい!勿論やります!!」

 

アズサ(これはもしかしたら、私達のスローライフに更なる磨きが掛かるかも。)

 

カービィ(交代でやれば、2日間休める。)

 

アズサ「分かりました!あなたを弟子にする事を認めましょう!」

 

カービィ「ようこそ僕達の生活へ!」

 

ライカ「ありがとうございます!!」

 

アズサ「所で、ライカって歳幾つ?」

 

カービィ「女の子のプライバシーが・・・」

 

ライカ「生まれてからかれこれ300年になります。」

 

カービィ「ほぼタメ口・・・」

 

 

 

 

 

 

壊れた家へ帰って来た。

 

アズサ「ん〜・・・」

 

ライカ「どうかしましたか?」

 

アズサ「修理するにしても、3人で住むとなると手狭かなと思って。増設した方が良いかな?」

 

ライカ「じゃあ折角ですし、我が建てましょか?」

 

アズサ「建てるって、あなた建築士じゃないでしょ?」

 

ライカ「材料の木や石さえあれば、後は組み立てるだけです。お任せ下さい。」

 

カービィ「じゃあ僕も手伝うよ。人数は多い方が有利でしょ?」

 

ライカ「ありがとうございます。ではお願いします。」

 

 

 

 

こうして、カービィ・ライカ式ログハウスの建て方が始まった。

 

まずは、森から大量の木を仕入れる。エスパーカービィの念力も大量の木を仕入れる。

 

そして、木の皮を手際よく剥く。カッターカービィで木の皮を剥く。

 

資材を効率よく運ぶ。エスパーカービィの念力も効率よく運ぶ。

 

そして組み立てる。リフォームカービィで壊れた家と組み立てるログハウスを補強する。

 

 

 

 

あっと言う間に夕方になった。

 

アズサ「おーい!今日はもうお開きにしよっかー!村に戻ろー!」

 

カービィ「あれ?もうそんな時間か。ライカ、そろそろ終わろうか。続きは明日からにしよう。」

 

ライカ「いえアズサ様、カービィ様。我は疲れていませんので。このまま続けられます。ドラゴンは夜目も効きますので、徹夜をすれば明日にでも・・・」

 

アズサ「ライカ!」

 

作業を続けるライカの頬を触った。

 

アズサ「そう言うのは絶対にNO!」

 

ライカ「あの、何か至らない点でも・・・?」

 

カービィ(前世のトラウマ・・・)

 

アズサ「ライカ。あなた今、徹夜をすれば良いとか言ったよね?そこがダメなの!本当にダメ!」

 

ライカ「我はその・・・頑張りを見せようと・・・」

 

アズサ「頑張るって言葉を、良い意味で使い過ぎちゃダメ!」

 

ライカ「ッ!!」

 

アズサ「ホラ。暗くなってるでしょ?これは世界が、今日はここまでと言っている証拠。少なくとも私達は、無理をして強くなった訳じゃない。程々の生活をキープして来ただけ。私の弟子になったからには、あなたにはそれを守って欲しいの。」

 

カービィ「ライカ、これは師匠と先生命令だよ?良いね?」

 

ライカ「分かりました。お2人の言う通りにします。」

 

アズサ「それで良い。これからも疲れたり、もう無理と思ったら遠慮なく言うんだよ?」

 

カービィ「具合が悪かったら躊躇なく相談してね?」

 

ライカ「アズサ様とカービィ様の・・・弟子への気遣い・・・心に沁みます・・・」

 

アズサ「フフッ。大袈裟じゃない?」

 

 

 

 

 

 

翌日。遂にログハウスが完成した。

 

ライカ「あの、これで完成です。お気に召ますでしょうか?」

 

カービィ「中を見てみよう。」

 

アズサ「わぁ〜!」

 

カービィ「2階建でキッチンや多くの部屋も取り揃えているよ。更に部屋全体を補強しているから壊れる心配なし。」

 

アズサ「うん!見事!ライカ出来したよ!カービィも出来したよ!」

 

カービィ「いやぁ〜、僕は手伝っただけだけどね。」

 

ライカ「ア、アズサ様が気に入られたようで何よりです!」

 

アズサ「よし!行こうライカ!今日は村でお祝いだね!」

 

カービィ「フラタ村へレッツゴー!」

 

転生し、カービィと魔女を始めて300年。始めての弟子との生活が始まった。

 

『END』




         キャスト

      カービィ:赤崎千夏
       アズサ:悠木碧
       ライカ:本渡楓

      ナタリー:菊池紗矢香
     エルンスト:高橋伸也
    冴えた鷲女将:川上彩
    冴えた鷲主人:峰晃弘
        剣士:柳晃平
      魔法使い:中村桜
        戦士:藤堂駿介
        僧侶:夏吉ゆうこ

     メガーメガ:井上喜久子



次回予告

カービィ「何時の間にか世界最強になっていたせいで始まった異世界生活。弟子のドラゴン娘・ライカとの生活は、僕とアズサの日常にこれまで知らなかった楽しさをもたらした。だがそんなある日、アズサを「ママ」、僕を「パパ」と呼ぶ小さな女の子が現れる。「妹が僕とアズサの命を狙ってる」と訴える少女。しかし僕とアズサは、そもそも彼女を生んだ記憶も、父と母になった覚えはない。いや全くないからね!?」

次回・娘が来た。

カービィ「もしかして、この子何かを隠している可能性が・・・」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『カービィ』

声-赤崎千夏




身長・85Cm(スマブラと同じ身長)

職業・戦士

Lv.99

能力・コピー能力(マイナーな奴もあり)

特殊能力・獲得経験値、不老不死、等々

前世で17歳で事故死した高校生・榊翔太が転生する際に、女神様・メガーメガの力でカービィになった姿。

転生後に、先に転生した魔女・アズサと出会い、後に出会うライカと共にスローライフを送る。
頭の中で浮かんだコピー能力に変身して戦う事が可能。
遥か上空にエアライドマシンが飛行しており、マシン名を呼ぶと召喚出来る。


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第2話「娘が来た」

ある日。カービィとアズサは何時ものようにスライムに囲まれていた。そしてスライムが一斉に襲い掛かるが。

アズサ「シュパパパパパ!!」

カービィ「バルカンジャブ!!」

ファイターカービィのバルカンジャブと、アズサのデコピンラッシュがスライムを一掃した。

ライカ「オォー!凄いです!目にも止まらぬ早業でした!!」

アズサ「これでも300年、スライムを倒し続けて来たからねぇ。」

ライカ「因みにアズサ様とカービィ様は、1日何匹程スライムを倒して強くなられたんですか?」

カービィ「1日平均25匹だよ。でも獲得経験値で増える効果があるから実質50匹になるね。」

ライカ「案外と楽ですね・・・てっきり血の滲むような努力をしていたのかと・・・」

アズサ「ライカ。そう言う発想は捨てるように。」

ライカ「え?何故ですか?」

カービィ「血の滲む努力と言うのは、人に見られる事を前提にしているからだよ。だからその表現を使った時、ライカは誇らしげな意味をそこに見出していたと思う。」

ライカ「そ、そう言われると・・・」

カービィ「まぁ兎に角、毎日コツコツやる事が物事を気長に続けられる。そしてレベルアップも出来る一石二鳥的な生活だよ。」

ライカ「含蓄ある珠玉な言葉です!何時かお2人の境地に立てるよう精進します!!」

アズサ「スライムに復讐される事なんてないんだから!確実に倒して行こうね!」

カービィ「そうそう!」






???「高原の魔女・・・高原の戦士・・・許さない・・・」

森の中から、2人を睨む存在があった。


その日の昼頃。

 

ライカ「アズサ様!カービィ様!今日は我がご飯を作らせて頂きます!!」

 

カービィ「本当に?」

 

アズサ「じゃあお任せしようかなぁ〜?でもドラゴンって料理出来るんだね!」

 

ライカ「えぇ!ドラゴンは高貴なる種族の1つですよ!料理位任せて下さい!!」

 

 

 

 

こうして出来たのは。

 

ライカ「これが我の最高傑作です!さぁ、どうぞ!」

 

超特大オムレツと大盛りサラダと特大肉。

 

カービィ「デ、デカイ・・・」

 

アズサ「オムレツは好きだけど・・・ちょっと・・・卵が多過ぎたかなぁ・・・?3人じゃ食べ切れないよぉ・・・」

 

ライカ「ハッ!!失礼しました!どうしてもドラゴンの価値観が残っていまして・・・」

 

アズサ「そうなんだ・・・まぁ・・・冷めない内に・・・食べようか・・・」

 

カービィ「美味しそうじゃん。早く食べよ?」

 

ライカ「はい・・・」

 

アズサ・カービィ・ライカ「頂きます!」

 

まずは超特大オムレツを試食。

 

アズサ「あ〜ん。・・・ん〜!美味しい〜!ハッキリ言って素晴らしいよライカ〜!」

 

カービィ「美味しいよこのオムレツ!これなら1人でも平らげそうだよ!!」

 

ライカ「ありがとうございます!!それなら毎日でも作らせて頂きますよ!!」

 

アズサ「あ、そこは当番制だから私もカービィも作るし。」

 

カービィ「だから、ライカが当番の時は思いっ切り腕を振るってね!」

 

ライカ「はい!また頑張ります!」

 

 

 

 

こうして特大メニューは一瞬で平らげ、3人で皿洗い。バブルカービィで使った食器を泡で洗ってる。

 

アズサ「ライカ。生活する上で何か気になる事があったら何でも言ってね?」

 

ライカ「では、あの村の事なんですが・・・」

 

カービィ「フラタ村?」

 

ライカ「はい。魔法防御の面で非常に弱いんです。悪い魔法使いが1人でも来たら、あっと言う間に火の海かと。」

 

アズサ「でも、そんな事態を想定したら何処もそうじゃない?」

 

ライカ「それだけじゃなく、地上からの攻撃にも対策が取られていません。大型モンスターが大挙して押し寄せて来ても一溜まりもないです・・・」

 

カービィ「考え過ぎかもそれ。」

 

ライカ「ですが、アズサ様とカービィ様の力が世間に広まったのは最近の事ですよね?例えば村を人質に、お2人を倒そうとするような卑劣な輩が出て来ないとも限りません!」

 

カービィ「あぁ〜・・・確かにそう考えるとそうなりうる可能性があるね。」

 

アズサ「でも四六時中警備する事なんて出来ないし・・・」

 

ライカ「手を打つ事は出来ると思います。」

 

カービィ「ペポ?」

 

 

 

 

 

 

その夜。とある崖の上。レッドドラゴンに戻ったライカが地面に魔法陣を描いてる。

 

アズサ・カービィ「結界をDIY?」

 

ライカ「アズサ様が持つスキルの中に、魔法捜索と言うのがありましたよね?それで結界魔法を自作して、村に張りましょう。長期的な効果が欲しい場合は、魔法陣を描いた方が確実です。」

 

カービィ「ほぇ〜。」

 

アズサ「ドラゴンって魔法にも詳しいんだね!」

 

ライカ「女学院に通っていた頃に習いましたので・・・」

 

アズサ「女学院!?」

 

カービィ「ドラゴンの学校!?」

 

 

 

 

魔法陣が完成した。

 

ライカ「さて、出来ました!」

 

カービィ「アズサ、出番だよ。」

 

アズサ「じゃあやってみるね。悪しき心を持つ者よ、この網に掛かりて自由に奪われるがよい!!」

 

魔法陣が光り、そこから光りを放射してフラタ村に結界を張った。

 

アズサ「成功したかな?」

 

ライカ「はい。これで大丈夫でしょう。」

 

カービィ「今は夜だから、何か出て来そうかも。」

 

”キュピーン!!”

 

アズサ「ウッ!?」

 

ライカ「どうしました?」

 

カービィ「偏頭痛したの?」

 

アズサ「何だろう・・・虫の知らせを感じるんだけど・・・」

 

 

 

 

 

 

フラタ村へ行くと、村人達が噴水広場に集まっていた。噴水広場にあったのは・・・典型的な泥棒が痺れて倒れていた。

 

村長「村に忍び込んだ泥棒が、急に動けなくなりましてな。」

 

カービィ「完全に痺れてるね。」

 

ライカ「アズサ様!早速効果が出ましたね!」

 

村長「どう言う事でしょうか?」

 

ライカ「先程、アズサ様が村に結界を張ったんです!」

 

村長「おぉ〜!長年議論されていた村の安全対策に遂に終止符が!皆!よく聞け!魔女様のお陰で、更にこの村が平和になったぞ〜!」

 

村人達「おーーーー!!」

 

カービィ(この300年間何も対策してなかったんかい・・・)

 

アズサ「村長さん!いいですから!」

 

カービィ「それに褒めるなら、ライカを褒めてね!」

 

ライカ「え!?」

 

カービィ「実はこの結界を提案してくれたのは、僕達の弟子でドラゴンのライカなんだよ!」

 

ライカ「い、いえカービィ様!結界を張ったのは飽く迄もアズサ様なんですから!我は何も・・・」

 

村人A「ドラゴン?」

 

村人B「魔女様と戦士様に倒されたあの時のドラゴンですか?」

 

カービィ「そう!ライカは先日から僕達の弟子になったんだ!気の利く良い子だから、皆可愛がってあげてね!」

 

ライカ「ラ、ライカと申します!宜しくお願いします!」

 

村人A「やっぱりお2人の弟子は一味違うなぁ〜!」

 

皆は快くライカを受け入れてくれた。

 

 

 

 

 

 

翌日。アズサはキャベツ畑に水をやり、ライカはキッチンで火を点け、リーフカービィは落ち葉を掻き集めている。

 

 

 

3人で家を掃除する。クリーンカービィに変身してる。

 

アズサ「ライカが来てくれて本当に良かったよぉ!家事もしてくれて、美味しいご飯も作ってくれるし。」

 

カービィ「色々助かるよ。流石僕達の弟子だね。」

 

ライカ「我もアズサ様とカービィ様から、多くの事を学ばせております。」

 

 

 

 

ティータイム。

 

カービィ「ふぅ〜。」

 

アズサ(このままのんびり暮らせれば良いなぁ〜。)

 

”コンコンコン”

 

また誰かが突然ドアを叩く。

 

カービィ「お客さん?」

 

アズサ(あぁ・・・)

 

ドアを開けると。

 

アズサ「ん?」

 

カービィ「え?」

 

訪れたのは・・・

 

 

 

 

 

 

青髪の小さな女の子だった。

 

 

 

 

 

 

女の子「わぁ〜!」

 

アズサ(女の子?)

 

カービィ(珍しいね。)

 

アズサ「こんにちは。何か用かな?」

 

カービィ「どうかしたの?」

 

少女「会いたかったよ!ママ!パパ!」

 

ママパパと呼ばれたアズサとカービィが白く固まった。

 

ライカ「アズサ様?カービィ様?」

 

少女「ママ?パパ?大丈夫?」

 

ライカ「何方がいらっしゃったんですか?」

 

少女「ファルファです!ママとパパに会いに来ました!」

 

ライカ「お2人にお子様が・・・」

 

アズサ「いや!!居ないから!!この子の勘違いだから!!」

 

カービィ「僕達子供に恵まれた事ないよ!?」

 

ファルファ「ファルファ!勘違いしてないよ!」

 

アズサ「ファルファちゃんって言うのね?ママとパパって言うのは、ファルファちゃんを産んだり育ててくれた人の事を言うんだよ?」

 

カービィ「だから、ファルファちゃんの本当のご両親は何処に居るのか教えてくれる?」

 

ファルファ「ファルファはママとパパから生まれたもん!!」

 

カービィ「えぇ・・・・・・!?」

 

ファルファ「ママとパパは高原の魔女と高原の戦士って呼ばれてるよね?妹が調べてくれたから知ってるよ!」

 

アズサ・カービィ「妹まで居るのかーーーー!?」

 

ライカ「そうですよね・・・300年も生きていれば、隠し子の1人や2人・・・お2人には多くの事を学ばせて頂きます!!」

 

アズサ「そんな事学ばなくていいから!!」

 

カービィ「絶対に学んじゃダメな奴!!」

 

ファルファ「それよりママ!パパ!大変なの!」

 

アズサ「はぁ?」

 

カービィ「何なの?」

 

ファルファ「妹がママとパパを殺そうとしてるの!!」

 

アズサ「私・・・」

 

カービィ「僕・・・」

 

アズサ・カービィ「命を狙われてるの・・・!?」

 

ライカ「急にサスペンスになりましたね。」

 

ファルファ「ファルファ・・・ママとパパに死んで欲しくないの・・・だから来たの・・・」

 

ライカ「アズサ様。カービィ様。一先ず中でじっくり話を聞きましょう。」

 

アズサ「そうだね。」

 

カービィ「そうしよう。」

 

アズサ「ファルファちゃん。お家でクッキー食べる?」

 

ファルファ「うん!ファルファ食べる!」

 

一先ずファルファを家に招き入れた。

 

アズサ(よく見ると、心無しか・・・私の幼い頃に似て・・・ないな。別に。)

 

 

 

 

招き入れたファルファにクッキーを食べさせる。

 

ファルファ「わーい!頂きまーす!」

 

カービィ「いきなりだけど、ファルファちゃんの妹さんの名前教えてくれるかな?」

 

ファルファ「シャルシャだよ!」

 

アズサ「じゃあそのシャルシャちゃんも私達の子供なのかな・・・?」

 

ファルファ「うん!そうだよ!」

 

カービィ「やっぱり・・・」

 

ライカ「しかし、何故お2人を狙うのでしょうか・・・?」

 

ファルファ「ママとパパを恨んでるんだと思う。きっと。殺された恨み。」

 

カービィ「殺された恨み!?」

 

ファルファ「うん!」

 

アズサ(スローライフがオカルトっぽい展開になってる・・・)

 

カービィ「僕達一体誰を殺したの・・・?殺人を犯した覚えがないよ・・・」

 

ライカ「話はまだ見えませんが、取り敢えずシャルシャと言う人物から身を守るべきだと思います。」

 

カービィ「うん。」

 

アズサ「そだね。ファルファちゃん、その子がどんな攻撃をして来るか分かる?」

 

ファルファ「ん〜・・・シャルシャは破邪の魔法をずーっと鍛えてたよ。」

 

ライカ「破邪・・・」

 

アズサ「それって特定の種族にだけ強力な力を発揮する魔法だよね?」

 

ライカ「えぇ。例えば・・・人間、オーク、エルクとか。その絞り込みが狭ければ狭い程、効果は強くなります。」

 

カービィ「逆に、破邪・生物みたいなものは殆ど効かないって事だね。」

 

ライカ「ですが、この魔法は何十年も掛けないと習得出来ないと言われております。」

 

アズサ・カービィ「?」

 

カービィ「ねぇちょっと質問だけど、君達は何年生きてるの?」

 

ファルファ「ん〜とね〜・・・50年位?」

 

アズサ「って事は、普通の人間ではないか・・・」

 

ライカ「だとすると・・・強力な術者でもある恐れがありますね・・・」

 

アズサ「でも、私達に対する破邪って何になるんだろう・・・」

 

カービィ「全く見当が付かないよ・・・」

 

”カタカタカタカタ”

 

突然地震が起きた。

 

カービィ「え?地震?」

 

ファルファ「あ!シャルシャ!!」

 

 

 

 

急いで外に出ると。

 

アズサ・カービィ・ライカ・ファルファ「あ!!」

 

 

 

 

どす黒いオーラを纏った緑髪の少女が佇んでいた。

 

少女「ようやく・・・会えた・・・」

 

 

 

 

アズサ「あれがシャルシャちゃん!?」

 

カービィ「何かどす黒いオーラ纏ってるよ!?」

 

ライカ「何と禍々しい・・・!!」

 

ファルファ「シャルシャ!ママをイジメちゃダメだよ!!」

 

 

 

 

シャルシャ「殺された恨みを・・・晴らす!!」

 

 

 

 

アズサ「シャルシャちゃーん!私があなたを殺したなんてありえないでしょ!?」

 

カービィ「僕達殺人を犯した事ないよ!?」

 

 

 

 

シャルシャ「お前達は!数え切れない程多くのスライムを殺した!」

 

 

 

 

アズサ「・・・え?スライム?」

 

カービィ「どう言う事?スライムを殺したって?」

 

ファルファ「実は、私達姉妹は・・・ママとパパに殺されたスライムの魂が集まって生まれた、謂わばスライムの精霊なの!」

 

アズサ・カービィ・ライカ「スライムの精霊!?」

 

この姉妹の正体はスライムの精霊だった。

 

 

 

 

シャルシャ「お前達を殺して、スライムを供養する!」

 

 

 

 

カービィ「だから僕達に恨みを持ち、破邪の魔法を鍛えたんだ・・・」

 

アズサ「そう言われても・・・子供相手に勝負なんて・・・」

 

ライカ「アズサ様、カービィ様、竜巻でもぶつけて様子を見ては如何でしょうか?精霊なら、竜巻程度で倒してしまう危険もないでしょうし。」

 

アズサ「まぁ埒が明かないからね。やってみるか。」

 

カービィ「よし!コピー能力!トルネイド!」

 

トルネイドカービィに変身した。

 

アズサ「風よ!今こそ我が僕となりて吹き荒れよ!!」

 

カービィ「トォ!!」

 

トルネイドカービィも回転し、アズサの竜巻魔法に乗って威力を増してシャルシャに突っ込む。

 

 

 

 

シャルシャ「その竜巻、消えて!!」

 

手を振ると、竜巻が一瞬で消えた。

 

カービィ「え!?嘘!?」

 

 

 

 

吹き飛ばされたカービィだが、アズサ達の前で着地した。

 

ライカ「これが破邪の魔法!?でもお2人の魔法を掻き消すような破邪って・・・」

 

 

 

 

シャルシャ「お前達を殺す為に長年修行を続け、この魔法が完成した。破邪・高原の魔女!破邪・高原の戦士!」

 

 

 

 

アズサ「破邪・高原の魔女!?」

カービィ「破邪・高原の戦士!?」

 

ライカ「そ、そうか・・・破邪の魔法は、範囲が狭い程その力が強くなる!アズサ様とカービィ様だけに限定した破邪なんてものがあれば・・・」

 

 

 

 

シャルシャ「お前達のどんな魔法も無効化される。」

 

 

 

 

カービィ「だから効かないのか・・・」

 

アズサ「マージか・・・」

 

 

 

 

シャルシャ「さぁ、どんな魔法でも使ってみるがいい!」

 

 

 

 

カービィ「・・・コピー能力!スパーク!」

 

スパークカービィに変身し、電撃をチャージする。

 

アズサ「赤き炎!蒼き炎!黒き炎よ!我の代わりの力となれ!!」

 

カービィ「スパークはどうだん!!」

 

スパークはどうだんと黒き炎を放つ。

 

 

 

 

だがシャルシャには通用しなかった。

 

 

 

 

カービィ「弾かれた!?」

 

アズサ「そ、そんな!?」

 

ファルファ「シャルシャは、生まれた50年前からこの日の為だけにずっと力を溜めて来たの。破邪なんて膨大に魔力を消費する魔法・・・1時間しか保たないのに・・・」

 

アズサ・カービィ「効率悪!!」

 

カービィ(これはちょっと・・・)

 

アズサ(マズいわね・・・あの子の狙いは私達。ライカやファルファちゃんに危害を加えられる事はない。前世の私は、社畜生活から逃げられる過労死した。だから身を持って知っている。苦しい時は・・・)

 

彼女が取った行動は。

 

アズサ「逃げーーーる!!!」

 

飛んで逃げた。

 

カービィ「逃げるの!?」

 

 

 

 

シャルシャ「魔法よ、消えろ!」

 

 

 

 

飛翔魔法が強制解除された。

 

アズサ「え!?わっ!ちょ!?あわわわわわわ!キャーーーーーー!!!」

 

カービィ「コピー能力!スパイダー!ネットワーク!!」

 

スパイダーカービィが蜘蛛の巣を飛ばし、アズサの下にネットワークを張ってトランポリンにした。

 

アズサ「た・・・助かったよカービィ・・・」

 

カービィ「ちょっとシャルシャちゃん!!いきなり強制解除の魔法使うとか卑怯だよ!?」

 

シャルシャ「逃がしはしない。お前達が殺して来たスライムのように、殺す!」

 

アズサ「クッ!!」

 

 

 

 

ライカ「アズサ様!カービィ様!」

 

ファルファ「ママ!パパ!」

 

 

 

 

カービィ「2人共!来ちゃダメ!」

 

アズサ「まぁでも、そろそろ年貢の納め時か・・・300年も生きて来たしなぁ・・・あなた達に出会えて・・・嬉しかったよ!」

 

ファルファ「そんな事言わないでーーーー!!」

 

シャルシャ「観念するがいい!!」

 

ファルファ「ママーー!!パパーー!!」

 

 

 

 

 

 

しかし、レッドドラゴンに戻ったライカが2人を助けた。

 

 

 

 

 

 

アズサ・カービィ「ライカ!?」

 

ライカ「ここから先は1歩も通しません!!」

 

シャルシャ「そこを退いて!ドラゴン!」

 

ライカ「断る!我は師匠達を守る義務がある!」

 

シャルシャ「ならば遠慮はしない!」

 

ライカがシャルシャに立ち向かう。

 

アズサ「止めて!ライカ!」

 

カービィ「止めろ!!」

 

 

 

 

ライカ「ドラゴンパンチ!!」

 

ドラゴンパンチを防いだシャルシャ。だが・・・

 

シャルシャ「痛い・・・」

 

その場で倒れてしまった。

 

 

 

 

アズサ「へ?」

 

カービィ「ポペ?」

 

 

 

 

チョンチョンとシャルシャの様子を見る。

 

ライカ「アズサ様・・・カービィ様・・・この者は気絶しています・・・我の勝ちです・・・」

 

 

 

 

アズサ・カービィ「えーーーーーーーー!?」

 

この戦いは、呆気なく着いた。

 

 

 

 

 

 

気絶したシャルシャを部屋へ運んだ。

 

ファルファ「妹のシャルシャはね、ママとパパを倒す魔法に特化し過ぎたから他の相手には凄く弱いみたい。」

 

アズサ「何て不器用な子・・・」

 

カービィ「効率悪い上に呆気なくやられるとは・・・踏んだり蹴ったり・・・」

 

シャルシャ「ん・・・ん・・・」

 

ファルファ「あ!シャルシャ!」

 

気絶していたシャルシャが目を覚ました。

 

シャルシャ「ここは・・・?」

 

アズサ「私達の家だよ。」

 

カービィ「目が覚めて良かった。」

 

シャルシャ「はっ!!高原の魔女に高原の戦士!!」

 

2人を見てすぐに立ち上がった。

 

カービィ「君、ライカに負けて倒れたからここまで運んだんだよ。」

 

シャルシャ「余計なお世話!破邪・高原の魔女!破邪・高原の戦士!」

 

しかし、破邪の魔法は起きない。

 

シャルシャ「え?ん!ん!」

 

カービィ「魔力を使い切っちゃったんだね。破邪の魔法は何十年経たないと回復しないよ?」

 

シャルシャ「ガーン!そんな・・・シャルシャは高原の魔女と高原の戦士に復讐する為だけに生きて来た・・・シャルシャの今までの人生とは一体・・・」

 

カービィ「復讐するだけの人生ってえげつないな・・・」

 

アズサ「まぁ、寧ろ私達が生きてるだけ良いじゃん。私達が死んだら、あなたいよいよ生きる意味なくなるでしょ?だけど私達が死なない限り、あなたは復讐を目的に出来るじゃない。ね?」

 

シャルシャ「・・・そう言う言い方も出来る・・・あ。」

 

右腕に包帯が巻かれてあった。

 

ファルファ「ママとパパが手当てしてくれたんだよ?」

 

シャルシャ「何故そんな事をシャルシャに・・・?」

 

カービィ「だって、僕達は君の生みの親でしょ?」

 

シャルシャ「っ!」

 

カービィ「尚更ほっとけないよ。」

 

シャルシャ「っ・・・お前達は親とは言えなくもない・・・けど・・・それでもスライムの仇で・・・」

 

泣いて悔しがるシャルシャに、ファルファが慰める。

 

ファルファ「シャルシャ。もう意地張るの止めようよ。」

 

シャルシャ「姉さん・・・?」

 

ファルファ「スライムと人間は、戦うものなんだよ?シャルシャがどんなにママとパパを恨んでも、世界中で凡ゆる人達がスライムを倒してる。ホラ、耳を澄ますと今もスライムの悲鳴が。」

 

”キャーーーーーー”

 

アズサ(やだ・・・怖い・・・)

 

カービィ(慰めるの・・・?それ・・・)

 

ファルファ「兎に角!スライムを倒した人達全員を恨んでも、キリがないでしょ?」

 

シャルシャ「うん・・・」

 

ファルファ「それよりも。折角生まれたんだから、2人が幸せになれる生き方を考えようよ。その方が、楽しいでしょ?」

 

シャルシャ「・・・分かった。」

 

ライカ「どうやら、一件落着のようですね。」

 

アズサ「うん。どうなる事かと思ったけど。」

 

カービィ「何とか収拾が着いたね。」

 

アズサ「所で、2人は何処に住んでるの?」

 

ファルファ「誰も寄り付かない森の小屋に住んでるよ。」

 

カービィ「他の人は居ないの?」

 

シャルシャ「居ない」

 

アズサ「そっか・・・じゃあ2人共!ここで暮らしなよ!」

 

ファルファ・シャルシャ「え!?」

 

アズサ「部屋も沢山あるし。それに、親と子供が一緒に住むのは当然の事でしょ?」

 

ファルファ「うん!ファルファ!ママとパパと一緒に住みたい!ね?シャルシャ!」

 

シャルシャ「うん。高原の魔女。高原の戦士。」

 

アズサ「そう言う呼び方じゃなくて〜、家族っぽいのが良いなぁ〜。」

 

カービィ「僕達は君達の生みの親だよ〜?」

 

シャルシャ「・・・か、母さん・・・父さん・・・シャルシャも一緒に、住む・・・」

 

アズサ「じゃあ!決まりだね!」

 

カービィ(父さん・・・前世では高校生の僕が、もう親になっちゃった・・・)

 

ライカ「アズサ様!カービィ様!如何でしょう?今夜は歓迎パーティと言うのは!」

 

アズサ「良いね!」

 

カービィ「グッドだよライカ!」

 

アズサ「じゃあ!皆で食材を買いに行こー!」

 

ライカ「はい!」

 

カービィ「ペポーイ!」

 

ファルファ「オー!」

 

シャルシャ「オー!」

 

 

 

 

 

 

こうして皆で食材を買いにフラタ村へ行く。

 

アズサ「そう言えば、あなた達ここに来るまでどんな事してたの?」

 

ファルファ「悪いスライム退治かな?」

 

カービィ「悪いスライム?それって何?」

 

シャルシャ「スライムには、善のスライムと悪のスライムの2種類がある。」

 

アズサ「あのぉ・・・確認したいんだけど・・・スライムって倒しても良いんだよね・・・?」

 

ファルファ「うん!良いよ!ファルファは元々気にしてないし、シャルシャももう大丈夫みたいだから。」

 

するとシャルシャのツインテールが何かに反応した。茂みに隠れてるスライムに反応してる。

 

シャルシャ「ナンテール州のスライムは、色が濃いのが基本。だが。」

 

隠れてるスライムを捕まえた。

 

シャルシャ「ここのはかなり薄い。色が薄いものは邪悪なスライム。駆除した方が良い。」

 

アズサ「そ、そうなのか・・・」

 

カービィ「勉強になります。」

 

ファルファ「あのね?スライムには弱点の穴があるんだよ!お前はもう死んでいる〜!ドスッ!!」

 

弱点の穴に突き刺すと、スライムが消滅して魔法石を落とした。

 

ファルファ「ねぇ?」

 

ライカ「流石はスライムの精霊!」

 

カービィ「スライムを熟知している!元々スライムだけど・・・」

 

 

 

 

 

 

フラタ村に到着。ファルファとシャルシャが村人達に挨拶する。

 

 

 

 

夕方。

 

アズサ「そこがパン屋さんで、その隣が服屋さん。」

 

カービィ「よーく覚えといてね?お使いの時に迷わないようにね?」

 

ファルファ「はーい!ママ!パパ!ファルファもうしっかり覚えたよ〜!」

 

アズサ「本当に〜?じゃあ大通りのお店、ちゃんと言えるかな?」

 

ファルファ「村の南の入り口側から6番地がノイレス靴店。次にメイツ乳製品販売所。5番地は8年前まで万屋だったけど現在は閉店した空き家。続いてカントー商店は野菜の種や農具を扱っているね。因みに先日店主がギックリ腰になった。」

 

アズサ「詳し過ぎる!!」

 

カービィ「詳し過ぎて怖い!!」

 

ライカ「じゃあシャルシャちゃんは?何か色々気にしてたみたいですけど。」

 

シャルシャ「その少し広い道は旧街道。よく見ると間道だった痕跡が見付けられる。その辺りは旧王国時代の関所跡。」

 

ライカ「流石お2人の娘さんだけあって、2人共利発ですね!!」

 

アズサ・カービィ(最早そう言う次元では・・・ないと思う・・・)

 

娘達が怖くなったアズサとカービィであった。

 

 

 

 

 

 

夜。超特大なフルコースが完成した。

 

全員「頂きまーす!」

 

ファルファ「ライカお姉ちゃん!このオムレツ凄く美味しいよ!」

 

シャルシャ「美味!」

 

ライカ「それは良かったです!腕を振るった甲斐があります!しかし・・・申し訳ありません・・・我はまた作り過ぎてしまいました・・・」

 

アズサ「ううん。家族が2人も増えたんだもん。」

 

カービィ「これ位が丁度良いよ!」

 

ライカ「・・・エヘヘへ。」

 

 

 

 

殆どの料理を食べたが、ファルファとシャルシャはセロリのスープを残している。

 

アズサ「どうしたの2人共?口に合わなかった?」

 

ファルファ「ママ・・・パパ・・・セロリも食べないとダメ・・・?」

 

シャルシャ「シャルシャも・・・セロリ苦手・・・」

 

カービィ「意外だねぇ。2人がセロリ苦手とは。」

 

アズサ「じゃあそれを食べたら、後でシフォンケーキを食べても良いわよ?」

 

ファルファ・シャルシャ「っ!・・・うん!・・・はむ!」

 

頑張ってセロリのスープを食べる。

 

アズサ「よしよし!好き嫌いせずに食べるんだよ。」

 

カービィ「ん?ありゃ?ライカもセロリ残してるね。」

 

ライカ「ギクッ!じ、じじ実は!我の一族にはセロリを食べてはいけないと言う掟がありまして!!」

 

カービィ「ライカ。師匠に嘘は禁物だよ?」

 

ライカ「ももも申し訳ありません!!食べます!!はむ!!・・・セロリって何でこんな味なんでしょうか・・・」

 

ファルファ「偉い偉い!」

 

アズサ・カービィ・ライカ・ファルファ・シャルシャ「あはははははは!」

 

セロリのスープを食べた3人にシフォンケーキをご褒美。

 

 

 

 

2人でのスローライフも良かったけど、やっぱり、帰る場所は賑やかの方が良い。スライムを倒し続けて300年。弟子が1人と、娘が2人出来た。

 

 

 

 

ファルファ「ママ!パパ!ファルファ達、部屋は一緒で良いよ!」

 

シャルシャ「問題ない!」

 

ライカ「じゃあまだ増やせますね!ドラゴンと精霊と来て、次はエルフですか?魔族ですか?」

 

アズサ「えぇ・・・?」

 

カービィ「いや、それはないんじゃないかな?」

 

家族の多いスローライフも、それはそれで良いと思った2人であった。

 

『END』




         キャスト

      カービィ:赤崎千夏
       アズサ:悠木碧
       ライカ:本渡楓
     ファルファ:千本木彩花
     シャルシャ:田中美海

        村長:杉崎亮
        村人:兼政郁人
           深澤純
           柳原かなこ
           大町朋裕



次回予告

カービィ「賑やかになっていく僕達の家に、今度は美少女エルフ・ハルカラが助けを求めてやって来た。どうやら彼女の作った栄養酒が原因で、恐ろしい上級魔族・ベルゼブブの恨みを買ってしまったようだ。スローライフを壊しかねない面倒事は避けたいものの、かといって放っておく事も出来ない僕とアズサは、しぶしぶ彼女を匿う事にした。ってか、胸デカ過ぎない!?」

次回・エルフが来た

カービィ「ああもう・・・胸に目が行ってしまう・・・」


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第3話「エルフが来た」

ここ最近カービィ達の生活が急激に賑やかになった。理由は単純明快。5人家族になったからだ。

シャルシャ「姉さん。本でも読もうか。」

ファルファ「うん!シャルシャが読んでくれる本面白くて好き!」

スライムの精霊姉妹のファルファとシャルシャ。

シャルシャ「それじゃあ。ローレッタのエルフ民族興亡史第3巻の第5章第2節。フラント州のクラー朝における商業政策。」

アズサ(専門書過ぎる!)

カービィ(子供が読むものなの!?)

シャルシャ「クラー朝の初代であるクラン家の私兵はやがて強大化し、フラント州のエルフに於ける軍閥のような地位を得た。」

カービィ「エルフ?」

アズサ(エルフかぁ・・・会った事ないなぁ・・・)

”ゴンゴン”

アズサ「ん?」

カービィ「お客さん?こんな夜に?」

ドアを開けると。




ボンッ!キュッ!ボンッ!




ナイスバディーなエルフが立っていた。

エルフ「あのぉ・・・」

カービィ「何方様・・・?」

シャルシャ「エルフさんだ。」

アズサ「どう言ったご用件でしょうか?」

エルフ「あの・・・私狙われてて・・・高原の魔女さんと高原の戦士さんに・・・助けて欲しいんです!」

アズサ(エルフが狙われる相場と言えば・・・)

カービィ(もう胸がデカい・・・)

アズサ「この辺にオークは居ませんが。」

エルフ「オークじゃないです!上級魔族のベルゼブブから助けて欲しいんです!」

アズサ「今留守です。」

すぐにドアを閉めた。だがエルフが強引に開け、アズサが頑張って閉める。

エルフ「ちょっと!!お願いしますよ!!高原の魔女さんと高原の戦士さん位しか助けてくれそうな人が思い付かなかったんです!!」

アズサ「そんな怖いモンスターと戦いたくないんです!!」

エルフ「そんなー!凄い腕っ節って聞きましたよ!!」

アズサ「絶対嫌ーーー!!」

エルフ「お願いです!!最強の暴走ワンダフルストロング魔女さん!!」

カービィ(レスラーっぽい名前だね。)


仕方無くエルフを招いた。ライカが紅茶を出した。

 

カービィ「君の名前は?」

 

エルフ「私、フラント州と言う所にある小さなエルフの国から来ました。調薬師のハルカラと申します。」

 

カービィ「調薬師。」

 

ファルファ「調薬師?」

 

カービィ「薬を作る人だね。」

 

アズサ「私と似たような職業だね。」

 

ライカ「魔女も薬を作りますね。」

 

ハルカラ「エヘヘ。私は植物専門ですけど。」

 

アズサ「ご職業は分かりましたけど、調薬師が何でベルゼブブに追われてるの?」

 

ハルカラ「実は私、調薬師の中で結構稼いでいる方でして。滋養強壮に効くキノコや植物の成分を集めて、栄養酒と言うお酒を造っていたんです。」

 

アズサ「栄養酒?」

 

カービィ「どんなお酒なの?」

 

 

 

 

ハルカラ「疲れた時はこれ1本!頭スッキリ!身体バッチリ!ハルカラ印の栄養酒!辛い仕事を乗り切ろう!!」

 

 

 

 

現代世界の栄養ドリンクと酷似した栄養酒。

 

ハルカラ「ゴクゴクゴク・・・プハァー!ハッスルチャージ!!」

 

アズサ(まんま栄養ドリンクじゃん!)

 

カービィ(元気ドリンクかな?)

 

ハルカラ「この栄養酒、各地で大評判になり爆発的にヒットしました。集落に工場を作っても生産が追い付かない位ガッポガポにウッハウハで~。」

 

カービィ「印税が凄いんだね。」

 

アズサ「それは分かった。」

 

ライカ「で、どうしてベルゼブブが?」

 

ハルカラ「その方が入手して飲んだらしいんです。でも、魔族にとっては毒だったみたいで。服用した後高熱を出して倒れて危うく地獄に行き掛けたと・・・」

 

アズサ・カービィ「魔族なのに地獄行きとは。」

 

カービィ「つまりそれでベルゼブブに恨みを買ったと言うんだね?」

 

ハルカラ「そうです。こんな毒薬を作った奴は絶対に殺してやる。と息巻いてるみたいで・・・私は集落を追われてしまいました。もう居場所がないんです~・・・お願いです助けて下さい~・・・」

 

土下座で頼み込む。

 

ファルファ「ママ、パパ、エルフのお姉さん可哀想・・・」

 

シャルシャ「帰る所がないのを見るのは忍びない・・・」

 

アズサ「うう・・・」

 

カービィ「それは一大事だねぇ・・・」

 

アズサ「はぁ・・・分かりました。あなたを助け・・・」

 

ハルカラ「ありがとうございますー!」

 

飛んでアズサに抱き付いた。

 

アズサ「変わり身早!でも!ベルゼブブとやり合う気はないです!匿うだけ!」

 

ローブを持って来た。

 

アズサ「外出する時はこのローブを着て。」

 

カービィ「君は高原の魔女アズサと高原の戦士カービィの弟子3人目と言う設定だよ。」

 

ハルカラ「あ・・・ありがとうございますお師匠様。先生。」

 

早速ローブを着たが、色々ハミ出てる。ライカがファルファとシャルシャの両目を隠し、カービィが外方向いてる。

 

ハルカラ「すいません。サイズがちょっと窮屈で・・・」

 

アズサ「こりゃダメかなぁ・・・」

 

カービィ「窮屈ってレベルじゃないと思うけど・・・ねぇ、ハルカラって発育が良いって言われたりするの?」

 

ハルカラ「年に750回位は。」

 

アズサ・カービィ(1日2回のペェース!)

 

 

 

 

 

 

翌朝。

 

アズサ「悪しき心を持つ者よ、この網に掛かりて自由に奪われるがよい!この網は一矢を持つ如く、お前に降り掛かるだろう!」

 

外に出たアズサが、家の周りに結界を張った。

 

アズサ「よし!悪くない出来だね!」

 

カービィ「これでベルゼブブが入る心配は無いよ。」

 

ハルカラ「ありがとうございます!!」

 

 

 

 

家に戻って朝食を取る。

 

全員「頂きまーす!」

 

だがハルカラは身体を震わせていた。

 

ファルファ・シャルシャ「ん?」

 

カービィ「ハルカラ?」

 

ライカ「あの、どうかしました?」

 

カービィ「具合悪いの?」

 

ハルカラ「うう・・・仕事が忙しい時は外食続き・・・追われる身になってからは森の木の実を拾って飢えを凌いだ日々もありました・・・こうやって暖かい食卓を囲めるのは凄く久し振りで~・・・」

 

ファルファ「ハルカラさん元気出して!」

 

シャルシャ「ハルカラさん。シャルシャの好きな木苺のジャム分けてあげる。」

 

ハルカラ「あ~ありがとうございます〜!」

 

カービィ「苦労してたんだね。」

 

 

 

 

 

 

その日の午後。アズサとカービィがハルカラを連れて森へやって来た。

 

アズサ「悪いね~。薬草採取付き合って貰っちゃって。この辺りは薬草の種類も違うでしょ?」

 

ハルカラ「そうですね。あ!ありました。アカツキダイオウタケ。こっちはオオマルダケ。それにネズミコロガリタケです!」

 

カービィ「キノコばっかり。」

 

ハルカラ「私得意分野はキノコなんです。気を付けて下さい。直接食べると危ない毒キノコも混じってますからね。でも例えばこのキノコは、10分程煮沸すると毒の成分が分解されて消えるんですよー。そしたら食卓でも使えます!」

 

アズサ「へぇー。」

 

ハルカラ「因みに毒はほんわか気持ち良いらしいので通は少し残して調理するそうです!」

 

アズサ(そのキノコ・・・ギリギリだ!)

 

カービィ(ギリギリchop!)

 

 

 

 

 

 

河川敷でキノコを食べる。

 

アズサ「想像以上に得るものがあった薬草採取だったよ!ありがとう!」

 

ハルカラ「いえいえ。楽しんでいただけたようで何よりです。お。小さいのが焼けてきましたよ~。」

 

焼けた小さいキノコを皿に乗せて、小瓶に入ったソースで和える。

 

ハルカラ「これ、エルヴィンというソースです。何種類かの豆を発酵させて作ってます。」

 

カービィ「へぇ〜。」

 

アズサ(この香り・・・醤油っぽい。)

 

焼けたキノコを食べてみる。

 

アズサ「わぁ〜!これは美味い〜!」

 

カービィ「美味しいよこのキノコ!」

 

アズサ・カービィ(やっぱり醤油だ!)

 

ハルカラ「どんどん食べて下さいね〜!」

 

アズサ「こんなに食べられるキノコが多かったとは盲点だったよぉ〜!」

 

ハルカラ「伊達にエルフは森の中で暮らしてはいませんよ。ふっふっふ。」

 

カービィ「森の恵みを最大限に活用出来る方法をフラタ村の皆に教えて行けるかも!」

 

ハルカラ「ナイスアイディアです!ふっふっふ。」

 

アズサ「娘やライカにも体験させないと!」

 

ハルカラ「幾らでもご案内出来ますよ!あはっはっは!」

 

アズサ「ちょっと〜。ハルカラ笑い過ぎ〜!」

 

ハルカラ「本当ですねぇ〜!でも止まらないんですよねぇ〜!ふっふっふ!」

 

カービィ「あれ?これって・・・ハルカラ、まさか毒キノコとか食べてないよね?」

 

ハルカラ「ふっふっふ・・・何を仰いますの?私はキノコ博士ですよ〜?シマナミタケは毒はないです。ダイダイホソリタケは毒はないです。サンカククリタケは毒があります!」

 

アズサ・カービィ「いや有毒なのが混じってたぞ!!」

 

ハルカラ「あわわわわ!本当だ!薬用ゾーンの奴を入れていました・・・」

 

カービィ「仕分けが雑!」

 

アズサ「私達がまだ食べてない奴だなぁ・・・不幸中の幸いかぁ・・・」

 

ハルカラ「私は1つ頂いてましたね・・・」

 

カービィ「そのキノコってどんな症状が出るの?」

 

ハルカラ「精神が高揚して笑いが止まらなくなり・・・ハァ・・・更に・・・催淫作用もあります・・・」

 

アズサ・カービィ「モグモグ・・・ん?催淫?」

 

ハルカラ「一時的に淫らな気持ちになってしまうと言う事です・・・あれぇ・・・?」

 

こっちを見たハルカラに危険を感じたアズサとカービィが後ろに下がった。

 

ハルカラ「何故逃げるんですか・・・?お師匠様・・・先生・・・」

 

アズサ「あなたに毒が回っている恐れがあるからだよ!!」

 

カービィ「何かヤバい気配を感じてるんだよ!!」

 

ハルカラ「お師匠様・・・先生・・・私とイイ事しませんか・・・?寧ろ・・・シて下さい・・・」

 

アズサ「断る!!」

 

カービィ「こっち来んな!!」

 

ハルカラ「大丈夫ですよ・・・絶対に気持ち良くなりますからぁ・・・」

 

アズサ「そこ基準にしてない!!」

 

カービィ「両手ワシワシ止めて!!」

 

ハルカラ「お願いぃ・・・」

 

カービィ「スパークスパーク!!」

 

ハルカラ「キャアアーーーーーー!!!!!」

 

スパークスパークの電磁フィールドでハルカラを麻痺させた。

 

 

 

 

 

 

夕方。キノコ料理が完成した。そしてハルカラは土下座中。

 

ライカ「あの、薬草採取で何があったんですか・・・?」

 

アズサ「ちょっとねぇ。」

 

カービィ「詮索無用。スパークスパークで解毒出来たのは良かったけど。」

 

ハルカラ「私が粗相を・・・すみません・・・何も聞かないで下さい・・・お詫びのキノコ料理です・・・」

 

ファルファ「美味しい〜!」

 

シャルシャ「とても良い味付け!」

 

ライカ「美味しいです!」

 

ハルカラ「でしょ〜!シマナミタケは包み焼きにするとふっくらしてて最高なんです〜!」

 

アズサ・カービィ「切り替え早!」

 

ライカ「ハルカラさんのお陰で、料理のレパートリー増えますね!」

 

ハルカラ「エヘッ!ありがとうございます!」

 

 

 

 

 

 

翌日。何時ものようにスライム討伐。

 

アズサ「ピッ!」

 

デコピンで討伐し、魔法石ゲット。

 

カービィ「ストーンニードル!」

 

コピー能力ミックスの1つ。ストーンニードルのドリルでスライムを貫いた。

 

ハルカラ「お師匠様、先生、スライム倒すの本当早いんですね!」

 

アズサ「300年やってるからね。」

 

カービィ「じゃあハルカラもやってみて?ソード貸してあげるから。」

 

ソードカービィに変身し、ハルカラにソードを貸してあげた。

 

ハルカラ「はい!えい!」

 

ソードを振り下ろしたが、スライムが避けた。振り下ろした反動でハルカラの豊富な胸が動いた。

 

ハルカラ「えーい!」

 

横に振ったが空振り。そしてまた胸が動いた。

 

アズサ「チィッ!」

 

カービィ「うわぁ・・・」

 

舌打ちしてるアズサと、引いているカービィ。

 

ハルカラ「えーい!」

 

ソードを振り下ろしてスライムを討伐。

 

ハルカラ「ふぅ・・・どうにか倒せました〜・・・」

 

カービィ「う、うん。上出来だね。もう少し練習すれば上手くなれるよ。」

 

ハルカラ「はい!頑張ります!」

 

借りたソードをカービィに返した。

 

 

 

 

 

 

フラタ村へ行くと、村人の男達がハルカラの胸に釘付け。

 

アズサ「ねぇ・・・こんなに見られるものなの・・・?」

 

カービィ「僕達も恥ずかしい気分がする・・・」

 

ハルカラ「あぁ〜。宿命みたいなものなので。お師匠様も小さくても自身を持って下さい。」

 

アズサ「べ、別に小さくないし!!」

 

カービィ「フォローになってないよハルカラ。でも逆に、女性の皆からの視線が痛そうだね。睨まれてるようだ。」

 

 

 

 

 

 

冒険者ギルドへ行くと。

 

ハルカラ「ああああーーーーー!!!!」

 

カービィ「ん?何この依頼書?」

 

ナタリー「あぁ!それは今朝、冒険者の方が貼って行ったんですよ。」

 

カービィ「指名手配書みたいだね。」

 

アズサ「指名手配書?」

 

ナタリー「その懸賞金、随分太っ腹ですよねぇ〜。やっぱりある所にはあるって言うか、ない所にはないって言うか・・・」

 

 

 

 

 

 

その夜。その指名手配書を読む。

 

アズサ「フラント州で、栄養酒を作った調薬師の女・ハルカラを捜しています。現在フラント州から失踪中。身体的特徴・胸がとても大きい。捕まえられた方には懸賞金1500万ゴールドをお贈りします。魔族・ベルゼブブ。」

 

カービィ「ハルカラ、大丈夫?」

 

ハルカラは現在絶賛ガクガク中。

 

ライカ「もう手が回ってるんですね・・・」

 

カービィ「でも人相書きが出回っていないのは唯一の救いだね。」

 

アズサ「でもここに来るまでが時間の問題だね。」

 

ハルカラ「あわわわわ・・・」

 

カービィ「ねぇライカ。ファルファとシャルシャを何処か離れた村に疎開させられるかな?」

 

ライカ「勿論です!」

 

シャルシャ「母さん!父さん!シャルシャも戦いたい!」

 

アズサ「ありがとう。気持ちだけで嬉しいよ。」

 

シャルシャ「でも・・・」

 

ファルファ「シャルシャ!ママとパパが困ってるでしょ?シャルシャの言ってる事は親孝行みたいだけど、ちっとも親孝行じゃないよ?」

 

シャルシャ「うん、姉さん・・・分かった!」

 

ファルファ「偉いシャルシャ!」

 

頭を撫で撫でしてあげた。

 

アズサ「ありがとね。2人共。」

 

カービィ「僕達頑張るからね。」

 

ライカ「では善は急げです!すぐに我はドラゴンに戻って、お2人をお連れします!」

 

カービィ「うん!お願い!」

 

 

 

 

レッドドラゴンに戻ったライカが、ファルファとシャルシャを連れて離れた村へ避難する。

 

アズサ「今朝張った結界で防げれば良いけどねぇ・・・このまま、何も起きませんように。」

 

”ポンッ!”

 

カービィ「ポヨ?」

 

ハルカラ「ゴクゴクゴクゴク・・・プハァー!やっぱり栄養酒があれば夜でも戦える気がしますね!」

 

アズサ「こんな時によく飲めるねぇ。」

 

カービィ「大丈夫なの?」

 

ハルカラ「自分でも飲みたいと思うものを作ると言うのが、私の薬作りのコンセプトですので。お師匠様も先生も飲んでるじゃないですか。」

 

アズサ「え?私飲んでないけど?」

 

カービィ「飲んだっけ?」

 

ハルカラ「へ?でもほら。」

 

床に飲み干された大量の栄養酒が。

 

アズサ「本当だ!飲んでないんだけど。」

 

カービィ「それよりハルカラ、君夕食食べた?」

 

夕食が既に蛻の殻になっていた。

 

ハルカラ「え?食べてないですよ?」

 

カービィ(これはもしかして・・・)

 

ハルカラ「じ、冗談ですよね!?」

 

アズサ「こんな時に冗談言わないから。」

 

”ブーーーン”

 

カービィ「ねぇハルカラ。」

 

ハルカラ「はい・・・」

 

カービィ「ベルゼブブってハエの悪魔だよね?」

 

ハルカラ「はい・・・ハエの王と呼ばれている位ですから・・・」

 

アズサ「もしかしてだけど・・・」

 

壁に張り付いてるハエに目を向ける。

 

カービィ「あれじゃないの?」

 

ハルカラ「ま、まさか!ただの小汚いハエですって〜!馬の糞に集るような下等な生物ですよ?そんな身の毛もよだつものなんかじゃ・・・」

 

???『誰が下等生物じゃと?』

 

ハルカラ「え!?お、お師匠様!変な声真似止めて下さいよ!!」

 

アズサ「私、何も言ってないよ。」

 

カービィ「もしかして今の声は・・・お前か!!」

 

ハエに左手を指す。

 

???『その通りじゃ!!』

 

”バシューーーン!!”

 

張り付いてるハエが爆発し、人間の姿に変身した。

 

アズサ「おぉ?」

 

カービィ「まさか・・・!」

 

ハルカラ「あわわわわ・・・」

 

ベルゼブブ「妾の名はベルゼブブじゃ。下等な生物で悪かったのう。」

 

ハルカラ「ヒィ!!下等な生物と言うのは言葉の綾です!埃のような私が大いなる存在のベルゼブブ様にそのような事を申すつもりは・・・!!」

 

ベルゼブブ「その埃を追い掛ける為にここまで来たのじゃがのう。フッフ。」

 

カービィ「お前まさか、最初からこの家に忍んでたんだね?」

 

ベルゼブブ「無論じゃ。此奴がここへ来た頃から邪魔していた。」

 

アズサ「じゃあ何ですぐに顔を出さなかったの?」

 

ベルゼブブ「此奴が本当にハルカラ本人か確かめようと思ってな。それにハエの姿で家の中を飛び回る。これぞ妾の長期休暇の過ごし方なのじゃ。」

 

アズサ「いや独特過ぎない!?」

 

カービィ「ハエだから出来る休暇生活!!」

 

土下座してるハルカラをベルゼブブが軽々しく持ち上げた。

 

ベルゼブブ「ハルカラよ。捜すのに手間取ったぞ?しかし、それだけの価値はあるからのう。」

 

ハルカラ「助けて下さい・・・何でもしますから・・・」

 

ベルゼブブ「フム・・・何でもしてくれるのか!そう聞いたぞ!」

 

怯えるハルカラをアズサが後ろへ下がらせた。

 

アズサ「弟子とのやり取りは、師匠を通して貰えますかね?」

 

カービィ「序でに先生も通して貰えるかな?」

 

ハルカラ「お師匠様・・・先生・・・」

 

ベルゼブブ「高原の魔女に高原の戦士よ。妾の邪魔をすると言うのか?」

 

カービィ「僕達の弟子はお前に会いたくないと言っているからね。だから帰ってくれないかな?」

 

ベルゼブブ「帰れと言われると帰りたくなくなるのが性ではないかのう?それとも、妾と一戦交えると言うのか?フッ。丁度良いわ。長らく戦っておらぬから腕も鈍っておった。」

 

アズサ「正々堂々やりましょう!」

 

カービィ「準備体操には丁度良いね!」

 

ベルゼブブ「望む所じゃ!」

 

 

 

 

 

 

外に出てベルゼブブと戦う事になった。アズサとカービィがジャンプして着地し、ベルゼブブを睨む。

 

カービィ「スパークストーン!」

 

コピー能力ミックスのスパークストーンで、電磁力で岩を浮かばせた。

 

ベルゼブブ「妾もそこへ行くかのう。」

 

羽を生やして、ゆっくりと上へ浮遊する。

 

ベルゼブブ「いいか?人間如きが妾に逆らった事を後悔するがいい!上級魔族がいかに恐ろしい力を持っているああああばばばばばばばばば!!!!!」

 

だが頭上の張られた結界に触れてしまって痺れた。

 

アズサ「あ、結界・・・」

 

カービィ「忘れてた・・・」

 

結界で痺れたベルゼブブが落下する。

 

アズサ「あっ!ヤバッ!!」

 

カービィ「スパイダー!」

 

スパイダーカービィのネットワークがベルゼブブ受け止めた。

 

カービィ「大丈夫?怪我してない?」

 

ベルゼブブ「お主!正々堂々とやるって言ったではないか!何じゃあれはー!」

 

アズサ「え?そのー・・・外側に出る時にも効果を持つとは思わなかったって言うか、えーと・・・ごめんなさい。」

 

カービィ「僕からも謝る。ごめんなさい。」

 

ベルゼブブ「謝って済むか!全く、興が削がれたではないか・・・はぁ・・・はぁ・・・勝負じゃ・・・」

 

アズサ「あの~・・・疲弊してません?」

 

カービィ「今日は休んだら?」

 

ベルゼブブ「何のこれ位・・・うっ・・・気分が悪い・・・後・・・急な寒気とか・・・ちょっと吐気もある・・・が・・・ダメじゃ・・・」

 

そのまま蜘蛛の巣の上で倒れてしまった。

 

カービィ「・・・アズサどうする?」

 

アズサ「カービィ、運んで。」

 

カービィ「分かった。エスパー!」

 

 

 

 

 

 

倒れたベルゼブブを介抱する事に。

 

ハルカラ「え!?どうして!?」

 

アズサ「ハルカラ!手伝って!」

 

カービィ「彼女を回復させる!ドクター!」

 

ドクターカービィに変身、かがくけんきゅうじょで薬を作る。アズサは回復魔法を溜める。

 

ハルカラ「お師匠様、先生何を?」

 

アズサ「回復魔法を作る!」

 

カービィ「回復薬を調薬する!」

 

アズサ「大地の神よ、混沌たるその力は善も悪も未だ分かたれておらぬ。その力を我に貸し与えよ!!・・・って、ねぇ。回復魔法って魔族に掛けて大丈夫かな?」

 

ハルカラ「え?多分大丈夫かと・・・」

 

アズサ「分かった!駄目だったらハルカラのせいね!」

 

カービィ「責任転嫁!?」

 

ハルカラ「責任重過ぎますよー!」

 

カービィ「出来た!」

 

回復薬をベルゼブブに飲ませ、アズサが回復魔法でベルゼブブを癒す。

 

ハルカラ「顔色が少し良くなりました!」

 

アズサ「よし!これを繰り返すよ!」

 

 

 

 

数分後。ベルゼブブが目を覚ました。

 

ハルカラ「お師匠様!先生!目を覚ましました!」

 

アズサ「ベルゼブブ。大丈夫?」

 

カービィ「気分はどう?」

 

ベルゼブブ「うむ・・・吐き気は治まって来おったのう。悪寒もせぬ。」

 

カービィ「良かったぁ。後は安静にするだけだね。」

 

ベルゼブブ「高原の魔女。高原の戦士そしてよ。卑怯な奴と思っておったが中々立派ではないか。」

 

アズサ「こんな死なれ方したら、今後何百年も悔いが残るでしょ?」

 

ベルゼブブ「フッ。回復したらまた栄養酒を飲みたいのう。」

 

ハルカラ「えっ!?」

 

アズサ「いや飲んだらまた死にそうになるじゃーん!」

 

ベルゼブブ「何の事じゃ?」

 

ハルカラ「飲んだら高熱を出して死に掛けたー、なんて話を聞いたんですが・・・」

 

ベルゼブブ「ああ。徹夜作業中に飲んだらやる気が漲ってのう。勢い余って働き過ぎてその後に熱を出したりしたが、それは体に負担を掛けたせいじゃ。」

 

アズサ・カービィ・ハルカラ「え!?」

 

ベルゼブブ「お主の栄養酒は魔王様を始め、魔族の中でも評判じゃぞ?だからもう一度作って貰おうと頼みに来たんじゃ。」

 

カービィ(今までのはハルカラの誤解!?)

 

ハルカラ「そ・・・そうだったんですか。なーんだ〜。良かった〜。」

 

だがアズサに肩を捕まれ。

 

ハルカラ「ん?」

 

アズサ「おい。」

 

カービィ「ねぇ。」

 

笑ってるが笑ってない2人の笑顔。

 

ハルカラ「ごめんなさーーーい!!!」

 

 

 

 

 

 

翌朝。外で朝食。

 

全員「頂きまーす!」

 

ライカ「でも誤解で安心しました!」

 

ハルカラ「また粗相をしてしまいました・・・」

 

アズサ「まぁ無駄に戦う事がなくて良かったよ。」

 

カービィ「終わり良ければすべて良しってね。」

 

ファルファ「良かったね!ハルカラさん!」

 

シャルシャ「これでまた栄養酒が作れる。」

 

ハルカラ「あ、その事ですが私こっちの州に工場を移転させようと思って。」

 

アズサ「こっちに移す?何で?」

 

ハルカラ「だって誤解だったとは言え、一度は私を見放した地元に莫大な税金を払いたくないですし~。」

 

アズサ・カービィ(リアル!)

 

リアルな税金事情。

 

ハルカラ「それと・・・こっちで暮らせばお師匠様と先生と一緒にいられますし・・・」

 

アズサ「まぁ、部屋はまだあるしいても良いけど。食事とか掃除とかは当番制だよ?」

 

カービィ「そこだけは約束だよ?」

 

ハルカラ「はい!しっかりと働きますから!」

 

ベルゼブブ「何じゃか楽しそうじゃのう。」

 

アズサ「ベルゼブブ!?何であなたが居るの!?」

 

ベルゼブブ「高原の魔女アズサ。そしてカービィよ。お主達との決着自体は着いておらぬ。次は結界なしで勝負じゃ。」

 

アズサ「はぁ。」

 

カービィ「ポヨ。」

 

ベルゼブブ「無論、他にも何か面白そうな事があれば呼ぶのじゃ。後で妾を呼び出す魔法を教えてやる。」

 

アズサ「はい。」

 

シャルシャ「ベルゼブブさん。」

 

ファルファ「お茶をどうぞ!」

 

ベルゼブブ「うむ。」

 

ファルファ「ベルゼブブさん。訊いていい?」

 

ベルゼブブ「ん?何でも訊くがいい。」

 

シャルシャ「魔族の社会は今はどうなってる?」

 

ベルゼブブ「この数百年同じ王朝が続いておる。平和にやっておるぞ。」

 

ファルファ「結婚してるの?」

 

ベルゼブブ「へ、変な事を聞くでない!ああ言うのは老いるのが早い種族がするものじゃろう・・・」

 

ファルファ・シャルシャ「わ〜。」

 

憧れの眼差しを受けた。

 

カービィ「どうしたの?」」

 

ベルゼブブ「この娘2人の内、どちらかを養女に迎えたいのじゃが。」

 

アズサ「名誉な事ですが、お断りします。」

 

カービィ「あなたに娘はやりませんよ?」

 

シャルシャ「ベルゼブブさん。普段は何をして生活してる?」

 

ファルファ「蠅で生活してるの?」

 

ベルゼブブ「そ・・・それはじゃな~・・・」

 

ライカ「賑やかになりましたね。」

 

カービィ「あの2人、ベルゼブブに懐いてるね。」

 

ドラゴン、精霊、エルフ、そして魔族。寄せ集めだけど家族っぽくなった。

 

 

 

 

 

 

賑やかな中にゆっくりとした時間が流れる。そんな2人のスローライフが永遠に続く・・・そう思い始めたのに問題は翌日起こった。

 

ライカ「実家に帰らせて頂きます。」

 

家族・・・崩壊!!

 

『END』




         キャスト

      カービィ:赤崎千夏
       アズサ:悠木碧
       ライカ:本渡楓
     ファルファ:千本木彩花
     シャルシャ:田中美海
      ハルカラ:原田彩楓
     ベルゼブブ:沼倉愛美

      ナタリー:菊池紗矢香



次回予告

カービィ「ライカの姉・レイラさんが結婚する事になり、レッドドラゴンの故郷のロッコー火山に向かう僕達。式は大勢集まった巨大なレッドドラゴン達で大賑わい。僕達もレイラさんの結婚を祝い、式も和気藹々と進むのだが、そこにレッドドラゴンと因縁深いブルードラゴンが大挙して襲撃に来た。もう色々としっちゃかめっちゃか!」

次回・ドラゴンの結婚式に行った。

カービィ「大事な晴れ舞台、邪魔させない!」


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第4話「ドラゴンの結婚式に行った」

これは、ライカの幼い頃の記憶。木陰で大好きな姉に撫でて貰ってる。




そして今。部屋でライカが起きたが、彼女は暗い表情をしていた。




皆が起きた後、エルフのハルカラがカービィとアズサにある話を持ち出した。

ハルカラ「お師匠様〜。先生〜。恋バナしましょうよ〜。」

アズサ「ない。」

カービィ「同じく。」

ハルカラ「いやいや・・・300年も生きていたら何かあるでしょ・・・?」

アズサ「ないものはない。」

ハルカラ「私若いので、恋バナを求めちゃうんですよぉ〜。」

カービィ「若い?ハルカラって今幾つ?」

ハルカラ「17歳!と2500ヶ月です。」

カービィ「225歳!」

アズサ「200歳余裕で超えてるじゃん!!」

ハルカラ「エルフ的にはぁ〜、脂の乗ってるお年頃なんですよぉ〜。」

カービィ「どんな年頃だよ・・・」

ハルカラ「ファルファちゃんとシャルシャちゃんは、好きな人は居ないんですか〜?」

ファルファ「ママとパパだーい好き!」

シャルシャ「シャルシャもそんな所・・・」

アズサ「娘達よぉ〜。」

カービィ「良い子だねぇ〜。」

愛娘を抱くアズサと、愛娘を撫でるカービィ。

ハルカラ「いや、そう言うのじゃなくて・・・」

ライカ「皆さん!お待たせしました!」




朝食が出来た。

アズサ「わぁ〜!ライカありがとう!」

カービィ「今日も美味しそうだよ!」

アズサ「それじゃあ早速!」

全員「頂きまーす!」

ライカ「あの!アズサ様!カービィ様!」

アズサ「え?」

カービィ「どうしたのライカ?改まって。」

ライカ「実家に帰らせて頂きます。」


突然実家へ帰省宣言。

 

カービィ「え?実家?」

 

ライカ「はい。」

 

ハルカラ「ライカさん!!この家を出て行っちゃうんですか!?」

 

ファルファ「ファルファ寂しい!」

 

シャルシャ「シャルシャも!」

 

アズサ「ライカ!何か生活に不満や悩みでもあるの!?」

 

ライカ「いや・・・その・・・」

 

アズサ「師匠と弟子の間柄だけど、私達は皆家族だと思っているの!だから、出て行くなんて言わないでよ!」

 

カービィ「ちょっとアズサ落ち着いて!」

 

アズサ「何よカービィ!ライカが出て行っちゃっても良いの!?」

 

カービィ「まず理由を聞かないと。ライカ、実家に帰る理由は何?」

 

ライカ「は、はい。姉の結婚式に出席するので、1度帰らせて頂こうかと。」

 

アズサ「へ?結婚式?」

 

カービィ「お姉さんの?」

 

ライカ「もし良かったら、皆さん一緒に行きませんか?」

 

ファルファ・シャルシャ「わぁ〜!」

 

ハルカラ「恋バナ〜!」

 

 

 

 

 

 

と言う訳で結婚式当日。カービィ達はライカの故郷のロッコー火山を目指してる。アズサとファルファとシャルシャとハルカラは、レッドドラゴンに戻ったライカに乗り、カービィはウィングスターに乗ってる。

 

アズサ「良い眺め〜。ねぇハルカラ・・・」

 

ハルカラ「うぅぅぅ・・・」

 

アズサ「ああ!」

 

ハルカラは酔ってしまっていた。

 

 

 

 

渓谷で休憩を取り、ドクターカービィがかがくけんきゅうじょで完成した酔い止めの薬をハルカラに飲ませてる。

 

ハルカラ「ゴクゴクゴクゴク・・・あぁ〜、ありがとうございます。スッキリしましたぁ。」

 

アズサ「大丈夫?無理しないようにね。」

 

カービィ「予備の酔い止めの薬作っておくから、気分悪くなったら飲んでね?」

 

ハルカラ「お師匠様と先生は本当に優しいんですねぇ・・・私、お師匠様と先生にならキスされても良いかもですぅ。」

 

アズサ「絶対に嫌。」

 

カービィ「断然拒否。」

 

 

 

 

休憩を終え、再びロッコー火山へ目指す。

 

ライカ「皆さん、そろそろ着きますよ。あれがロッコー火山です。」

 

 

 

 

ロッコー火山に到着。そこでは、レッドドラゴン達が食事をしていた。

 

ライカ「此方が、1次会の会場になります。」

 

ファルファ「凄ーい!ドラゴンさんがいっぱーい!!」

 

シャルシャ「生物学的には、レッドドラゴン。モンスターではなくドラゴン族に分類される。」

 

降りたカービィ達に、2頭のレッドドラゴンがやって来た。

 

レッドドラゴンA「ライカお姉様。ごきげんよう。」

 

カービィ「お姉様?」

 

レッドドラゴンA「今日も美しい翼をなさってますねぇ。」

 

ライカ「我らに必要なのは、生まれ持っての翼よりこれから何を磨くかだ。」

 

レッドドラゴンB「ライカお姉様!格好良いですわ!」

 

アズサ「何だ?このお嬢様学校のノリは・・・」

 

カービィ「ライカ、もしかして彼女達は・・・」

 

ライカ「失礼しましたアズサ様。カービィ様。彼女達は、女学院の後輩です。」

 

アズサ「女学院の!?」

 

カービィ「後輩!?」

 

ライカ「それでは、我らの家族を紹介します。」

 

 

 

 

彼女の家族が居る所へ行く。

 

ファルファ「皆でっかーい!」

 

シャルシャ「確かに。巨大だ。」

 

カービィ「まぁドラゴンだからね。」

 

”カンカンカン”

 

1人だけ皿の上を歩いてるハルカラ。

 

ライカ「くれぐれも、お皿の上に乗らないようにして下さいね?」

 

だが皿の上を歩いてるハルカラに、1頭のレッドドラゴンが摘んだ。

 

カービィ「あ。」

 

ハルカラ「違います違います!!私は食材じゃないですーーーー!!」

 

 

 

 

食べられる寸前に下ろして貰った。

 

ハルカラ「はぁ・・・はぁ・・・」

 

カービィ「ねぇ、やっぱりハルカラ来なかった方が良かったんじゃ・・・」

 

ハルカラ「何でですか!恋バナをお聞きしたいんです!」

 

カービィ「渋るねぇ・・・」

 

ライカ「ただいま帰りました。父さん。母さん。」

 

彼女の両親とご対面。

 

ライカの母「ライカ。お帰りなさい。」

 

ライカの父「娘よ!よく帰って来たな!ガーッハッハッハッハ!!」

 

笑い声による衝撃波が広がった。

 

アズサ「元気なお父さんだね・・・」

 

カービィ「耳がキーンってなりそう・・・」

 

ライカ「父さん!客人の前ですよ!」

 

ライカの父「いやぁ失礼。ガーッハッハッハッハ!!」

 

ライカの母「娘からお話は伺っております。ご迷惑はお掛けしておりませんか?」

 

アズサ「いえいえ。寧ろお世話になっている位で。」

 

カービィ「気の利く良い子ですね。」

 

???「ライカ!」

 

そこに2頭のレッドドラゴンが。

 

ライカ「姉さん!」

 

彼女の姉とその旦那さん。

 

姉「来てくれたのね!」

 

ライカ「我の姉さんと新郎です。」

 

レイラ「ライカの姉のレイラです。」

 

アズサ「この度は、ご結婚おめでとうございます。」

 

カービィ「末長くお幸せに。」

 

ハルカラ「所で、お2人の馴れ初めは?」

 

アズサ「やっぱり恋バナ・・・」

 

カービィ「抜け目ない・・・」

 

レイラ「夫とは幼馴染みだったんですが、80年振りに再会し結婚する事になったんです。」

 

アズサ(80年振りと言うスパン!!)

 

カービィ「成る程〜。ライカ、将来義理の子供が出来るね。おめでとう。」

 

ライカ「あ、ありがとうございます。カービィ様。」

 

ライカの父「しかし、今日は平和で良いな。このまま無事に終われば良いのだが・・・」

 

アズサ「何か心配な事でもあるんですか?」

 

ライカの父「えぇ。ドラゴン族は部族同士で仲が悪い事があって。他部族が結婚式の妨害に来る場合もあるんです。」

 

アズサ(めっちゃフラグっぽい発言・・・)

 

カービィ(このまま何か起こりそうな予感・・・)

 

その予感は的中した。

 

ライカの父「チッ!やはり荒らしに来おったか!!ブルードラゴン!!」

 

ブルードラゴン族が押し寄せて来た。ブルードラゴン達が会場にブリザードを放射した。会場一帯が凍結された。

 

アズサ「氷のブレス!」

 

カービィ「ブリザード!」

 

ブルードラゴン達はこのままブリザードを放射し続ける。ファルファとシャルシャとハルカラが怯えてる。

 

ライカ「奴等は、ハンイト州に棲むブルードラゴン!恥ずかし気もなく冷気も吐きまくる野蛮なドラゴンです!!」

 

その時、1頭のブルードラゴンが地上に降り立った。

 

ブルードラゴン「レッドドラゴンよ。今日は結婚式なんだってな?ムカつくから・・・」

 

 

 

 

 

 

「嫌がらせに来たぞ!!!」

 

 

 

 

 

 

それが結婚式を妨害する理由だった。

 

カービィ「嫌がらせ・・・?」

 

ライカ「あの者の名は、フラットルテ。ブルードラゴンの嫌がらせクイーンと呼ばれている女です!」

 

アズサ(チョーメーワクな奴・・・)

 

フラットルテ「たかが300歳ちょっとで結婚しやがって・・・私は400年以上も独り身なんだぞ!!!」

 

カービィ(しょーもない理由!!!!)

 

フラットルテ「嫌がらせをするのはこの会場だけではないぞ。火山にも別働隊をやったからな。そっちも凍らせてやる!!」

 

ライカ「父さん!」

 

ライカの父「止むを得んな・・・こうなったら!!全面対決だ!!!」

 

レッドドラゴン達「ウオオオオーーーーー!!!!!」

 

ファルファ「怖いよママ・・・パパ・・・」

 

シャルシャ「ここから離れた方がいい・・・」

 

アズサ「2人共、ママとパパに任せなさい!」

 

カービィ「僕達が2人を守るから!ハルカラ!逃げよう!」

 

そのハルカラは今絶賛俯せで倒れ中。

 

カービィ「何で倒れてるの!!」

 

ハルカラ「ドラゴンに会ったら死んだフリをしろと。死んだお祖父さんの遺言でぇ〜。」

 

”ドゴーン!!”

 

レッドドラゴンの足音で飛び跳ねた。

 

ハルカラ「死んだフリ止めますーーーーー!!!」

 

カービィ「ワープスター!!」

 

飛来したワープスターに乗り、この場から離れた。

 

ファルファ「パパ!!」

 

前方にブルードラゴンのブリザードが迫る。

 

カービィ「伏せて!!バーニングカッター!!」

 

炎を纏った大剣を握り、ブルードラゴンのブリザードを一刀両断した。

 

カービィ「よし。急ごう!」

 

 

 

 

上空では。

 

ライカ「フラットルテ!!これ以上の狼藉は許しません!!」

 

フラットルテ「黙れライカ!!ドラゴン同士の因縁、忘れた訳ではないだろう?」

 

ライカ「では、覚悟して下さい!」

 

フラットルテ「望む所だ!」

 

ライカ・フラットルテ「ハアアァァァ!!!!」

 

 

 

 

 

 

崖の上でカービィ達がドラゴン同士の戦いを見ている。

 

カービィ「ここまで来れば大丈夫みたいだね。」

 

ハルカラ「ライカさん、頑張ってますね。」

 

アズサ「流石我が弟子!」

 

カービィ(怒りが込み上げて来るけど、他種族の問題に部外者の僕達が手を出す訳には・・・)

 

だがしかし、1頭のブルードラゴンがカービィ達の前に現れた。アズサがファルファとシャルシャとハルカラを下がらせ、カービィがアズサの前に立つ。

 

ブルードラゴン「お前達もレッドドラゴンの仲間だな?」

 

アズサ「仲間だったらどうだって言うの!?」

 

カービィ「僕達に何か用なの?」

 

ブルードラゴン「お前達を傷付けて、結婚式を台無しにしてやる!!」

 

ファルファ「ママ!パパ!」

 

シャルシャ「母さん・・・父さん・・・」

 

カービィ「そうなんだ。アズサ。」

 

アズサ「えぇ。」

 

ゆっくりと、ブルードラゴンに向かって歩く。

 

アズサ「嫌がらせの為に、こんな小さな子供を!!」

 

カービィ「ハイジャンプ!!」

 

ハイジャンプカービィとアズサが、ブルードラゴンの目線までジャンプした。

 

アズサ「怖がせるな!!!」

 

彼女の強いキックがブルードラゴンの顔面に命中した。

 

カービィ「バックドロップ!!」

 

そしてバックドロップカービィがブルードラゴンを掴み、そのまま高く飛んで地面に叩き付けた。

 

ブルードラゴン「グアアアアア!!!」

 

2コンボを喰らったブルードラゴンが崖から落ちた。

 

ファルファ「ママパパ凄い!!」

 

シャルシャ「尊敬する!!」

 

カービィ「ハルカラ。2人を連れて何処かへ隠れてて。身の危険を感じたらワープスターで逃げて。」

 

ハルカラ「はい!先生!了解です!」

 

アズサ「何時の間にかレベルマックスになっちゃった私達だけど、今は家族を守る為に!!この力!!使えるだけ使ってやる!!」

 

カービィ「我儘に戦ってやる!!ターボスター!!」

 

上空からターボスターが飛来した。

 

 

 

 

 

 

一方ドラゴン同士の戦いの場では、ライカとライカの父がブルードラゴン達に囲まれていた。

 

ライカの父「ライカ、行けるか?」

 

ライカ「幾ら何でも、相手の数が多過ぎます!」

 

ライカの父「っ。」

 

すると上で炎が発生した。

 

カービィ「バーニングストーン!!」

 

ターボスターに乗ったカービィがバーニングストーンの火山弾を降り注いだ。

 

フラットルテ「何だ!?」

 

カービィ「ライカ!大丈夫!?」

 

ライカ「カービィ様!!」

 

そして、アズサも参戦した。

 

ライカ「アズサ様!!」

 

ブルードラゴンB「クソッ!!」

 

1頭のブルードラゴンが2人に向かって突進したが、2人が一瞬で消えた。

 

ブルードラゴンB「な、何!?」

 

カービィ「スロウ!」

 

一瞬で尻尾を掴まれてジャイアントスイングで投げられ、待機していたスロウカービィに掴まれた。

 

カービィ「グッバイ!!」

 

ジャイアントスイングで地面に向けて投げた。

 

カービィ「どんなもんだい!」

 

アズサ「まだ来るわよ!」

 

いきなりブルードラゴン達に囲まれてしまった。

 

ブルードラゴンC「皆!撃てーーーー!!!」

 

ライカ「危ない!!」

 

四方八方からブリザードが迫るが。

 

カービィ「アズサ、擦って!!」

 

アズサ「えぇ!」

 

何処からか布を取り出したアズサが、カービィの全身を擦りまくる。

 

カービィ「スパークバーニング!!」

 

擦られたカービィから静電気が発生し、スパークバーニングで全身が炎に包まれた。その炎がブリザードを溶かした。そしてそのまま高く上昇した。

 

ブルードラゴンC「何だと!?」

 

カービィ「コピー能力!ボール!」

 

ボールカービィでボール状に変身し、ターボスターから弾んで高く飛んだ。アズサが構える。

 

アズサ「行くわよカービィ!!必殺!!」

 

カービィ・アズサ「ストライクフレンズ!!」

 

新フレンズ能力・ストライクフレンズ。アズサがボールカービィをサッカーのように蹴り飛ばし、ボールカービィがブルードラゴンに命中してバウンドしてアズサに跳ね返り、アズサが再びボールカービィを蹴り飛ばして他のブルードラゴン達を戦闘不能にさせた。

 

カービィ「やったね!」

 

アズサ「えぇ!」

 

ハイタッチを交わした。

 

ライカの父「あの数を2人で・・・!?」

 

ライカ「アズサ様!カービィ様!後ろにフラットルテが!」

 

2人の後ろにフラットルテが現れた。

 

フラットルテ「お前達、一体何者なんだ?どうしてだ?どうして人間とピンク球が物理でドラゴンに勝てる!?」

 

アズサ「ローマは一日にして成らず。と言う事かな?」

 

フラットルテ「ローマ?」

 

カービィ「要するに、何事もコツコツ積み重ねたら何とかなるって事だよ!!コピー能力!ベル!ディンフィナーレ!」

 

ベルカービィのディンフィナーレとアズサのキックがフラットルテの顔に命中した。だが、フラットルテは怯まなかった。

 

カービィ「効かない!?」

 

後ろに下がって距離を取る。

 

フラットルテ「クッ!凍り付かせてやる!!」

 

アズサ「ったく・・・バカも一つ覚えみたいに!!」

 

右手を天に掲げて巨大な火球を生成した。

 

フラットルテ「喰らえ!!」

 

アズサ「ハァッ!!」

 

ブリザードと火球の衝突。

 

アズサ「カービィ!!」

 

カービィ「よし!!」

 

するとカービィがアズサが生成した火球に飛び込んだ。

 

カービィ「バーニングバーニング!!」

 

その中からコピー能力ミックスのバーニングバーニングで不死鳥のように飛び、フラットルテのブリザードを押し返した。

 

フラットルテ「グアアアアア!!熱い!!」

 

カービィ「アズサ!今だ!!」

 

フラットルテ「何!?」

 

アズサ「魔女の!!!かかと落とし!!!」

 

魔女のかかと落としがフラットルテの頭に直撃し、フラットルテが地面に落下した。

 

カービィ「まだやる?」

 

残されたブルードラゴン達にバーニングの炎を見せた。

 

ブルードラゴン達「ギャアアア!!すみませんでしたーーーーー!!!」

 

身の危険を感じたブルードラゴン達がすたこらさっさと退散した。

 

アズサ「ふぅ・・・」

 

カービィ「終わった・・・」

 

ライカ「アズサ様!カービィ様!」

 

2人を両手に乗せて高く掲げた。

 

ライカ「皆!アズサ様とカービィ様がやってくれました!これが、高原の魔女と高原の戦士の力です!!」

 

レッドドラゴン達「高原の魔女様バンザーイ!高原の戦士様バンザーイ!」

 

アズサ「ライカ!大団円にはまだ早いよ!」

 

カービィ「ブルードラゴンの別働隊が残ってるよ!」

 

ライカ「アズサ様、我の背にお乗り下さい!」

 

アズサ「うん!」

 

カービィ「行こう!」

 

ターボスターでアズサとライカと共に別働隊を退治しに行く。

 

 

 

 

 

 

ロッコー火山にある温泉街。

 

ライカ「この街には温泉があるので、観光客が巻き添えになってないか心配です。」

 

アズサ「ぱっと見、戦闘が起こってる気配はなさそうだけど・・・」

 

ライカ「何事もなければ、それで良いんですが・・・」

 

カービィ「ライカ、さっきから落ち込んでるけどどうしたの?」

 

ライカ「いえ。我は、姉さんの結婚式を良いものにしたいだけなので・・・」

 

アズサ「大丈夫よ。ちゃんと無事に終わって、お姉さんの結婚式も続けられるから。」

 

ライカ「・・・はい。ん?」

 

アズサ「何だ?」

 

カービィ「野次馬が集まってる?」

 

ライカ「アズサ様。カービィ様。」

 

アズサ・カービィ「うん。」

 

 

 

 

野次馬が集まってる方へ行くと。

 

アズサ「これは!?」

 

ブルードラゴンの別働隊が魔法陣で力を吸われて倒れていた。

 

ライカ「ブルードラゴン!?」

 

カービィ「あの魔法陣、力を吸い取って弱らせてる。でも一体誰が?」

 

???「何じゃお主ら?」

 

アズサ・カービィ・ライカ「あ!」

 

ベルゼブブ「こんな所で会うとは奇遇じゃのう。」

 

アズサ「ベルゼブブ!」

 

上級魔族のベルゼブブと偶然会った。

 

カービィ「何でここに!?」

 

ベルゼブブ「この火山には良い温泉が湧き出しておってのう。たまにゆっくりと疲れを癒しに来るのじゃ。」

 

アズサ「じゃあもしかして・・・」

 

カービィ「この魔法陣は君が・・・」

 

ベルゼブブ「あぁ。妾が街を散策しておったら此奴等が”ここで嫌がらせしてやる!”とか下らん事を言い出したのじゃ。なので極度の衰弱を起こす魔族の魔法を使ってやった。」

 

ライカ「ブルードラゴン5体にあなた1人で勝ったのですか!?」

 

ベルゼブブ「こっちは3000年生きとる上級な魔族じゃぞ?負ける訳がなかろう。アズサとカービィよ!お主等も次に正々堂々とやったら分からんからな。妾は強いんじゃからな。」

 

カービィ「まだ根に持ってるねぇ。」

 

アズサ「ベルゼブブ!!あなたのお陰でレッドドラゴンの危機が回避されたよ!ありがと〜!」

 

感謝してベルゼブブに抱き着いた。

 

カービィ「アズサ?」

 

ベルゼブブ「抱き着くな!!お主等の為ではなく!!ドラゴン共が調子に乗っていたから締めたまでじゃ!!」

 

アズサ「クンカクンカ。何か良い匂いするぅ〜。」

 

ベルゼブブ「それは妾がお風呂上がりだからじゃ。・・・って!そんな事はどうでもいいから早く離せい!!」

 

 

 

 

 

 

その後事態は収まり、怪我をしたレッドドラゴン達をドクターカービィが治療してあげた。戦闘不能になったブルードラゴン達はベルゼブブの魔法陣で力を吸われて衰弱されている。

 

ファルファ「怖かったよママ・・・」

 

シャルシャ「母さん・・・」

 

再会したファルファとシャルシャをアズサが優しく抱いてあげた。

 

カービィ「アズサ、レッドドラゴンの治療終わったよ。」

 

アズサ「ありがとうねカービィ。」

 

ハルカラ「火山の方は大丈夫でしたか?」

 

カービィ「心配ないよ。ベルゼブブのお陰で免れたから。」

 

ベルゼブブ「全く。妾はただの湯治客じゃぞ。」

 

カービィ「色々ごめんね。」

 

アズサ「さて、落とし前を付けて貰おうかな?フラフラタルト!」

 

フラットルテ「フラットルテだ!!ちゃんと名前覚えろ!!」

 

カービィ「フラットルテ。人間の姿になって。話し合うのにその姿は似合わないよ。」

 

フラットルテ「なっ!?・・・・」

 

渋々承諾し、人間の姿になった。

 

フラットルテ「これで良いんだろう?」

 

人間の姿になったフラットルテに、ライカが書類を突き付けた。

 

ライカ「今回の抗争に関する賠償金です。払って貰いますよ。」

 

フラットルテ「うええええ!?こ、こんなにお金取るのか!?」

 

ライカ「怪我人の治療費。迷惑料諸々込みの金額です。嫌ならずっとここから動けなくなりますが、良いんですか?」

 

フラットルテ「そ、それも困る・・・分かったのだ・・・その条件を飲むのだ・・・」

 

カービィ「交渉成立完了!」

 

アズサ「でも折角だからもう1つ。話を付けて貰う。賠償金とは別に、条約を結んで欲しいんだけど。」

 

フラットルテ「条約だと・・・?」

 

アズサ「そう!ブルードラゴンとレッドドラゴン間に於ける不戦条約。勿論、嫌がらせで攻めるようなものは論外ね。」

 

フラットルテ「そ、そんな!!生き甲斐がなくなるのだ!!」

 

カービィ「ポイズン。」

 

ポイズンカービィに変身した。

 

アズサ「結ばないと、一生故郷に帰れないよ?」

 

カービィ「僕の毒に侵されてもう永遠に家に帰れなくなっても良いのかなぁ〜?」

 

フラットルテ「ヒィィィィ!!!え、笑顔が怖いぞ!!」

 

カービィ「だったら結ぶしかないね!その方が穏便に済むよ?」

 

フラットルテ「分かった!結ぶ!結ぶのだ!だから許して欲しいのだ・・・」

 

アズサ「よし!条約は無事締結ね!これでロッコー火山も平和になるでしょ!」

 

ライカ「アズサ様!カービィ様!我の故郷の為に・・・ありがとうございます!!」

 

カービィ「いやいや。当然を全うしたまでだよ。」

 

アズサ「ベルゼブブ。後はお願いね。」

 

ベルゼブブ「分かっておる。コホン。尚、この条約が結ばれた事は妾と高原の魔女・アズサと高原の戦士・カービィが確かに見届けたのじゃ。もしこの条約を破るような事があれば・・・分かっておるの?」

 

フラットルテ「こんな事するんじゃなかったのだ・・・」

 

カービィ「ベルゼブブ、何から何まで色々とごめんね。」

 

ベルゼブブ「こんなにハエの王をこき使うのお主等位じゃ。」

 

アズサ「これからも頼りにしてるからねぇ〜!」

 

またベルゼブブに抱き着いた。

 

ベルゼブブ「何度も引っ付かんでいい!!」

 

カービィ「あら〜。」

 

 

 

 

 

 

夕方のパーティ会場。

 

アズサ「2次会は人の姿でやるんだね。」

 

ライカ「はい!2次会も皆で食べるのです!」

 

カービィ「このお肉美味い!」

 

シャルシャ「もうお腹いっぱい・・・」

 

満腹になったシャルシャに、ファルファが椅子を出してあげた。

 

ファルファ「シャルシャ、少し休んだら?」

 

シャルシャ「ありがとう。」

 

椅子に座って休憩する。

 

アズサ「ファルファ。ちゃんとお姉ちゃんらしい事をしてて偉いね。」

 

カービィ「流石シャルシャのお姉ちゃんだね。」

 

ファルファ「えへへへ。」

 

ハルカラ「お師匠様〜先生〜!このお酒キツ過ぎますよぉ〜〜〜〜!」

 

ワインで酔っちゃってるハルカラが来た。

 

カービィ「結構飲んじゃってるね。」

 

アズサ「ハルカラ。飲む前に散々食べてるんだから気を付けてよ?」

 

ハルカラ「大丈夫ですよぉ〜!酔い止めの薬があるじゃないですかぁ〜!」

 

カービィ「もう予備の奴使うの!?」

 

ハルカラ「ふぃ〜〜〜〜。」

 

フラフラしながら何処か行った。

 

カービィ「ハルカラならぬアルカラだね。」

 

アズサ「上手い。」

 

ベルゼブブ「ったく、あのエルフは栄養酒作り以外何も良い所がないのう。」

 

カービィ「もう短所だらけだね。」

 

???「アズサ様!カービィ様!」

 

 

 

 

そこに人間の姿になったレイラと旦那さんが来た。

 

 

 

 

アズサ「わぁ〜!レイラさん素敵です!」

 

カービィ「おぉ!!」

 

レイラ「皆さんのお陰で、こうして式を続ける事が出来ました。」

 

旦那「感謝致します。」

 

アズサ「いえいえ。此方はちょっと手を貸した位で・・・」

 

カービィ「そうそう。当然の事をしただけだよ。」

 

ベルゼブブ「よく立場を弁えておるのう。そのように妾を慕うなら、今後も手を差し伸べてもやらんでもないぞ?」

 

アズサ「ベルゼブブ威張り過ぎ〜!」

 

カービィ「それでレイラさんが従うと思ってるの?」

 

ベルゼブブ「実際妾は偉いんじゃから仕方無い!」

 

レイラ「くすっ。」

 

ライカ「?」

 

レイラ「良かったわね。ライカ。あなたには素晴らしい人達が付いているのね。これなら私が居なくても、寂しくないわね。」

 

ライカ「姉さん・・・本当におめでとう。」

 

レイラ「ありがとう。ライカ。」

 

ライカ「姉さ・・・」

 

旦那「レイラ。ちょっといい?この後の相談なんだけど。」

 

するとそこにフラットルテが来た。彼女は薔薇の花を持ってる。

 

フラットルテ「その・・・レイラ・・・おめでとう・・・幸せになるのだぞ・・・」

 

外方向きながら、レイラに薔薇の花を差し出す。

 

レイラ「フラットルテ・・・」

 

フラットルテ「今回は私の負けだ・・・負けた以上は素直に祝福する・・・」

 

アズサ「あのブルードラゴン、中々良い所あるじゃない。」

 

カービィ「嫌味な奴かと思ってたけど、違ったみたいだね。」

 

レイラ「フフッ。ありがとう。」

 

薔薇の花を受け取った。

 

レイラ「結婚出来ないフラットルテの分も幸せになるね!」

 

フラットルテ「何だその言い方は!!結婚出来ないんじゃない!!しないだけなのだ!!」

 

レイラ「あれ〜?祝福しに来たんじゃなかったっけぇ〜?」

 

フラットルテ「フンッ!お前なんてさっさと離婚しろ!!」

 

捨て台詞を吐いて去って行った。

 

レイラ「フフッ。」

 

ライカ「レッドドラゴンとブルードラゴンは複雑なんです・・・」

 

カービィ「仲が悪い理由が分かった気がする・・・」

 

 

 

 

 

 

バルコニー。ベンチにアズサとライカが座り、カービィは柵の上に座ってる。

 

アズサ「ふぅ〜。よく食べた〜。」

 

カービィ「月が綺麗〜。」

 

アズサ「どれも美味しかったなぁ〜。ハルカラ大丈夫かなぁ〜?」

 

カービィ「結構飲んでたもんね。」

 

ライカ「あ、あの・・・アズサ様・・・」

 

アズサ「ん?」

 

ライカ「・・・1つ・・・お願いが・・・あるのですが・・・」

 

カービィ「ん?」

 

後ろを向くと、ライカがアズサに膝枕して貰い、アズサがライカを撫でる。

 

ライカ「昔から、運動は姉さんより我の方が出来て・・・喧嘩も我の方が強かったのですが・・・親に怒られたり、何か嫌な事があると・・・何時も姉さんにこうして貰ってたんです・・・」

 

アズサ「結婚しちゃって、これからが頼み辛いもんね。」

 

ライカ「はい・・・」

 

アズサ「じゃあ。たまになら、こうしても良いよ。」

 

ライカ「い、いえ・・・今は・・・特別と言う事で・・・ありがとうございます・・・」

 

カービィ「フフフ。」

 

2人の微笑ましい光景に、カービィが微笑んでる。

 

 

 

 

 

 

しばらくしてパーティ会場に戻ると、レッドドラゴン達が何かを見ている。

 

アズサ「何だ?」

 

それは、酔っ払って倒れてるハルカラだった。

 

カービィ「何やってんのあの子?」

 

ファルファ「ハルカラのお姉さん。起きてー。」

 

シャルシャ「酒は飲んでも飲まれるな。」

 

ハルカラ「ふえー!私の果実酒が飲めないって言うんですかーーー!!」

 

カービィ「全く。世話の焼ける弟子だね。ベルゼブブ、僕の背中にハルカラを乗せて。」

 

ベルゼブブ「はいはい。」

 

倒れてるハルカラをカービィに乗せた。

 

ハルカラ「ウッ・・・吐きそう・・・」

 

カービィ「もし吐いたらトルネイドで三半規管グチャグチャにするからね。」

 

ハルカラ「我慢します・・・」

 

ベルゼブブ「アズサよ。此奴もこの有様だし、折角じゃから火山の温泉宿に泊まって行けば良いのではないか?妾も泊まっておるのじゃ。」

 

アズサ「温泉かぁ・・・どうしよう・・・」

 

ファルファ「ファルファ!温泉入りたい!」

 

シャルシャ「ロッコー温泉は、美容泉と酸性泉を除く7つの泉質を有しており、冷え性や高血圧に効果がある!」

 

カービィ「凄いねそれ!」

 

ライカ「お泊まりになるようでしたら、手配致しますよ!」

 

アズサ「それじゃあ、今日帰る必要ないし。泊まって行こう!!」

 

ファルファ・シャルシャ「オー!」

 

 

 

 

 

 

皆で温泉に入る。

 

カービィ「いやぁ〜、良い湯だねぇ〜。」

 

ここは混浴だからカービィも入ってる。最初は男湯に入ろうとしたが、ファルファとシャルシャに引っ張られて混浴に入ってる。あ、カービィは健全なピンクボールだから変な性癖は皆無。

 

ベルゼブブ「しかし、お主等の傍に居ると面白い事が起こりそうで楽しいのう。」

 

アズサ「ベルゼブブってさ、頼んだら色々手伝ってくれるし、世話焼きだし、何かお姉ちゃんっぽいね!」

 

ベルゼブブ「妾がお姉ちゃん!?いいように使われてるだけのようじゃがのう。」

 

カービィ「言えてるね。」

 

アズサ「娘が2人居て、カービィが夫で、ライカが妹で、ベルゼブブがお姉ちゃん。そんな家族も良いよね!」

 

ハルカラ「って!ちょっと待って下さい!私だけ仲間外れですよ!!」

 

アズサ「あ、そうだったわね。えっと、ハルカラは・・・手の掛かる後輩?」

 

カービィ「それとも、無器用な生徒かな?」

 

ハルカラ「お師匠様ー!先生ー!それはないですよーーー!!」

 

アズサ・カービィ・ライカ・ファルファ・シャルシャ・ベルゼブブ「あはははははは!」

 

無事に結婚式が幕を閉じ、温泉街で泊まって行ったカービィ達であった。

 

『END』




         キャスト

      カービィ:赤崎千夏
       アズサ:悠木碧
       ライカ:本渡楓
     ファルファ:千本木彩花
     シャルシャ:田中美海
      ハルカラ:原田彩楓
     ベルゼブブ:沼倉愛美
    フラットルテ:和氣あず未

       レイラ:中村桜
      ライカ父:杉崎亮
      ライカ母:鈴木咲
      レイラ夫:下川草介

   レッドドラゴン:立花日菜
           高槻莉那

   ブルードラゴン:峰晃弘
           高橋伸也
           日向未南
           室井海人



次回予告

カービィ「近郊の町に栄養酒の工場を建て、高原の家から通うようになったハルカラ。だけどすぐに、毎晩疲れ切った姿で帰宅するようになっている。どうやら工場に幽霊が出ると言う噂が立ち、1人で働く事になってしまっているらしい。幽霊が平気な僕と、幽霊が大の苦手であるアズサ。とは言ええハルカラの過労を見過ごす訳にもいかず、ベルゼブブを呼びだし深夜探索へ向かう事にするのだけど・・・うわっ!怖がり過ぎだって!」

次回・幽霊が出た

カービィ「幽霊が出る工場のこうじょうけんがく・・・ウッ!頭が・・・」


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第5話「幽霊が出た」

ある日。カービィ達が会議をしていた。

アズサ「絶対に可笑しい・・・」

カービィ「確かに可笑しい・・・」

シャルシャ「可笑しい・・・」

ファルファ「可笑しいよ・・・」

ライカ「我も可笑しいと思います・・・」




以前。

ハルカラ「お師匠様。明後日私の食事当番なんですけど、今日と代わって貰っても良いですか?」

アズサ「構わないけど・・・何かあるの?」

ハルカラ「ちょっとナスクーテの町に用が・・・」




リビングにて。

ハルカラ「はぁ・・・」

彼女がリビングを離れたタイミングでシャルシャが来た。

シャルシャ「ん?」

テーブルの上にあったのは、1軒の家のチラシだった。




夜・ハルカラの部屋。

ハルカラ「心機一転って大事ですよね!」




翌日。ファルファがバッタを放してあげた。

ファルファ「じゃーねー。バッタさーん。」

ハルカラ「お別れは綺麗な方が良いですよね。」




その日の午後。スライム退治にて。

カービィ「ハイハイハイ、トワッ!!」

バトントワリングカービィがバトンでスライムを操り、そのまま地面に叩き付けた。

ハルカラ「勇気を出さなきゃですね。」




そして今に至る。

ライカ「ハルカラさん・・・この家を出て行くつもりでは?」

シャルシャ「間違いない。」

ファルファ「そんなのやだー!」

カービィ「そうだとしたら、理由を聞く方が・・・」

アズサ「でも・・・ハルカラが決めた事なら。」

カービィ「ペポ?」




その夜。ハルカラが帰って来た。

ハルカラ「ただいまですー。お腹空いた・・・」

家に帰ったハルカラだが、家は真っ暗。

ハルカラ「へ?」

”パァン!!”

くす玉が割れた。

アズサ「ハルカラ。今までありがとう!」

ライカ「新しい場所でもお元気で・・・」

シャルシャ「寂しくなる・・・」

ファルファ「うわーん!ハルカラのお姉さん行っちゃやだー!」

アズサ「ファルファ・・・泣かないでよ・・・」

ライカ「笑顔で送り出さないと・・・」

カービィ「・・・・」

ハルカラ「えっと、これは・・・」

カービィ「ハルカラ。実はかくかくしかじかで。」

ハルカラ「もう・・・何でですか?出て行くって私がですか?」

アズサ「えっ?この家を出て行くんじゃ・・・」

ハルカラ「そんな予定ありませんよー。」

ライカ「ナスクーテの町で物件探してるって・・・」

ハルカラ「それは新しい工場を作る為です!」

アズサ・ライカ・ファルファ・シャルシャ「え?えええーーーーーー!?」

カービィ「圧倒的誤解を招いちゃったね。」


その次の日の夜。

 

ハルカラ「ただいまですー。ふぃ~・・・」

 

最近ハルカラが帰宅する時間が日に日に遅くなっている。

 

ライカ「毎晩遅くまで大変ですね。」

 

アズサ「働き過ぎじゃない?」

 

ハルカラ「いえいえ・・・疲れてても栄養酒を飲めばしばらく戦えますから。」

 

カービィ「社畜の人の言う台詞・・・」

 

ハルカラ「ただ最近1日の消費本数が増えてるんですよね~・・・」

 

アズサ「それってマズい奴だ!日が落ちたら帰りなさい。これは師匠命令です!」

 

カービィ「過労したら皆心配しちゃうからね!」

 

ハルカラ「でも帰れない理由がありまして~・・・」

 

カービィ「理由?」

 

 

 

 

帰れない理由。それは・・・

 

アズサ「幽霊!?」

 

ハルカラ「ええ。私の工場に幽霊が出るらしいんです~・・・お陰で地元の人が働くのを嫌がって・・・全く人が集まらないんです~・・・」

 

ファルファ「工場に出る幽霊さんなの?」

 

シャルシャ「所謂地縛霊。幽霊と言うのは学術的には遊離霊魂と呼ばれている。このタイプは恐らく自分が死んだ場所からほぼ移動する事が出来ずに留まっているもの。」

 

アズサ「じゃあその幽霊って言うのは、そこで死んだ人って事・・・?」

 

カービィ「そうなるね。」

 

ハルカラ「お師匠様~!先生〜!幽霊を退治して貰えませんか?」

 

アズサ「え。私そう言うの苦手なんだよな~・・・」

 

カービィ「コピー能力!ゴースト!」

 

ゴーストカービィに変身した。

 

カービィ「僕も幽霊になれるけど。」

 

アズサ「カービィのは可愛いから怖くないけど・・・」

 

ハルカラ「お願いです!助けて下さ~い!このままでは私1人で工場を切り盛りしなければなりません・・・」

 

アズサ「うう・・・確かに。」

 

ハルカラ「クゥーン・・・」

 

涙目の上目遣い。

 

アズサ「分かった。明日見に行ってみようか。」

 

ハルカラ「ありがとうございますお師匠様~!」

 

カービィ「僕も行くよ。幽霊は得意方だから。」

 

ハルカラ「先生〜!ありがとうございます!」

 

アズサ「ただし!助っ人が来る場合に限る!」

 

ハルカラ「助っ人?」

 

 

 

 

 

 

翌日。アズサが地面に巨大な魔法陣を描いた。

 

ハルカラ「何ですかこれ?」

 

アズサ「前に教えて貰った呼び出しの魔法。上手く出来るか分からないけど。」

 

その魔法陣の上に立ち。

 

アズサ「ーーーーーーーーー。」

 

詠唱を唱える。

 

アズサ「ハァッ!!」

 

すると魔法陣から黒い煙が出現し、そして消えた。

 

ライカ「何も・・・起こりませんね。」

 

カービィ「・・・ん?」

 

 

 

 

”バシャーーーン!!”

 

ベルゼブブ『何なのじゃーーーー!?』

 

 

 

 

浴室からベルゼブブの声がした。急いで駆け付けると。

 

アズサ「あ。」

 

カービィ「ベルゼブブ。」

 

水浸しになったベルゼブブが立っている。

 

ベルゼブブ「冷ゃっこいのじゃ・・・冷ゃっこいのじゃ・・・冷ゃっこいのじゃ・・・」

 

ドアをそっ閉じ。

 

ベルゼブブ「冷ゃっこいのじゃ・・・何で閉じるんじゃ!」

 

 

 

 

トルネイドカービィが風を起こしてベルゼブブを乾かしてあげてる。

 

ベルゼブブ「お前の発音が雑じゃから、微妙に召喚場所がズレたのじゃ。大体何で午前中から風呂に水が入っておるのじゃ。」

 

ファルファ「畑の水やり用ー!」

 

アズサ「エコでしょ?」

 

カービィ「因みにこの風もエコだよ?」

 

ベルゼブブ「エコは結構じゃが・・・で、用件は一体何じゃ?」

 

カービィ「実はかくかくしかじかポヨポヨペポペポ。」

 

ベルゼブブ「何じゃとー!そんな事でわざわざわらわを呼んだのか!」

 

アズサ「本当ごめん!でもベルゼブブなら頼りになると思ったから。」

 

ファルファ「そう。ベルゼブブさんなら。」

 

シャルシャ「きっと何とかしてくれる。」

 

ベルゼブブ「のじゃ〜。」

 

2人のスライム姉妹の上目遣いで心が打たれた。

 

ベルゼブブ「うう・・・まぁ妾なら何とかしてやれん事もないがのう。よし!その工場に案内せい。幽霊を叩き潰してやるわ。」

 

ハルカラ「あ。幽霊は夜にしか出ないので、夜まで待って頂けませんか?」

 

カービィ「早く言ってくれるそれ!?」

 

ベルゼブブ「なら夜に呼び出さんかー!!」

 

 

 

 

 

 

夜。ナスクーテの街にある幽霊の出る工場に到着。

 

アズサ「如何にも出そうだね・・・」

 

カービィ「結構雰囲気出てるね。」

 

アズサ「あの猫の像とかとっても不気味・・・」

 

花模様の招き猫の置物。

 

ハルカラ「あれ私が置いたんです~。可愛いでしょ?」

 

アズサ(ハルカラの趣味って・・・)

 

ベルゼブブ「何をごちゃごちゃ言っておる。とっとと行くぞ。」

 

カービィ「早く来ないと置いて行くよ。」

 

ハルカラ「流石魔族と先生。躊躇ないです。」

 

アズサ「人選は間違ってなかったね。」

 

 

 

 

工場に入った。

 

アズサ「うう~・・・やっぱり暗いね。」

 

カービィ「ザ・幽霊屋敷的な感じ。」

 

ハルカラ「どうか何も出ませんように・・・」

 

ベルゼブブ「アホか。出なかったら妾が来た意味なかろう。」

 

”バァン!!”

 

アズサ・ハルカラ「ヒィィ!!」

 

ドアが閉まった音にビビった。

 

アズサ「ねぇベルゼブブ・・・」

 

ベルゼブブ「何じゃ?」

 

アズサ「怖いから手繋いで良い?」

 

ベルゼブブ「っ!・・・小娘のようで照れ臭いが減るもんじゃないし・・・良いじゃろう。」

 

手を繋いであげた。

 

ハルカラ「お師匠様~!私も繋がせて下さい~!」

 

カービィ「ハルカラ。僕と手を繋ごう?そうしたら怖くないよ。」

 

ハルカラ「先生〜!ありがとうございます〜!」

 

手を繋いで歩く。

 

 

 

 

廊下に出た。

 

カービィ「ライト。」

 

ライトカービィが右手からライトを照らして歩く。

 

ベルゼブブ「ハルカラ。幽霊が出るのはどの辺りじゃ?」

 

ハルカラ「この先の奥の部屋ですね。」

 

ベルゼブブ「ではそこを重点的に調べるとしよう。」

 

ハルカラ「あの・・・怖いからその部屋は止めにしません?」

 

アズサ「それが良いかな!せめて最後に・・・」

 

カービィ「何しに来たんだよ君達は!!ホラ早く行くよ!!」

 

 

 

 

幽霊が出る部屋に入った。

 

カービィ「・・・ベルゼブブ、何かあった?」

 

ベルゼブブ「何もないのう。」

 

アズサ「やっぱり・・・止めようか。」

 

ハルカラ「ですよね!ここには何も・・・」

 

するとライトカービィのライトが消えた。

 

アズサ・ハルカラ「キャアアアーーーー!!!!」

 

カービィ「もうしっかりしてよ!誤って消しちゃっただけだから!」

 

ベルゼブブ「それに幽霊よりもお前等の方が迷惑じゃ。あ。あの辺りに居るのう。」

 

テーブルの椅子に指を差す。

 

アズサ「ひえ~・・・居るんだ~・・・」

 

ハルカラ「色々ちびっちゃいます~・・・」

 

カービィ「もう五月蝿いよ!それにちびっちゃダメ!!」

 

ベルゼブブ「所詮は幽霊じゃぞ!死んだ女の霊魂じゃぞ!どの辺が怖いのじゃ!」

 

アズサ「いやそれが怖いんだって!」

 

ハルカラ「寧ろなんでそんなに平気なんですか!?」

 

カービィ「何でだろう?」

 

ベルゼブブ「見えんから怖いのじゃろう。おい女の霊魂!姿を現せ!」

 

アズサ・ハルカラ「力尽くだ!」

 

ベルゼブブ「妾は上級魔族のベルゼブブ。魔族の国の農業を取り仕切っておる。その権力を持ってすれば、ここを馬糞置き場にする事も可能じゃぞ?」

 

アズサ「地味に物凄い嫌がらせ!」

 

カービィ「ハエの好物ばら撒く気だ!」

 

ハルカラ「止めて!私の工場ですから~!」

 

ベルゼブブ「それが嫌なら、10数え終わるまでにとっとと姿を現せ!い~ち・・・10!」

 

アズサ「滅茶苦茶はしょったー!」

 

”カタカタカタカタ”

 

1脚の椅子がカタカタと動いた。

 

アズサ・ハルカラ「キャアアアーーーー!!」

 

ベルゼブブ「そこか!!!」

 

動いた椅子に飛び込んで、見えない何かを捕まえた。

 

ベルゼブブ「捕まえたぞ!!灯を点けよ!!」

 

カービィ「ライト!!」

 

ライトカービィが部屋を明るくした。

 

幽霊「ぐっ・・・」

 

ベルゼブブ「こら!大人しくせい!」

 

その幽霊の正体は、金髪の少女だった。

 

アズサ「ああ!!」

 

カービィ「女の子!?」

 

幽霊「離しやがれー!」

 

 

 

 

現れた幽霊と対話する。

 

アズサ「あなた・・・名前は?」

 

幽霊「私はロザリー。昔ここに建ってた家で自殺した娘の幽霊だ。フン!」

 

アズサ(ガラ悪!)

 

カービィ(グレてる!)

 

ハルカラ「あの・・・どうしてここにいらっしゃるんですか?」

 

ロザリー「どうしても何も私にはここしかねーんだ!」

 

カービィ「何か理由があるの?」

 

ロザリー「あぁ。何百年か前、私は貴族の所に嫁げるって聞かされてたんだ。町の中では可愛くてお淑やかって評判だったし、すっかり親を信じてた。けど・・・クソ親父もクソババァも全部騙してやがった!私は端金で売られそうになったんだ!」

 

カービィ「お金目当ての毒親・・・」

 

アズサ「そうだったの・・・可哀想に。」

 

ロザリー「まー過ぎた事さ!」

 

ハルカラ「あの・・・話は分かりましたが・・・本当にお淑やかだったんですか?」

 

ロザリー「幽霊になってから何百年も経つ内に・・・グレた。」

 

ハルカラ「あ・・・」

 

ベルゼブブ「ありえる話じゃな。年頃の娘が親に裏切られたら、それ位の変化はあるじゃろう。」

 

ロザリー「ここは私のシマなんだ!他所者は入ってくんじゃねぇよ!ってずっと守ってた・・・そこにアンタ等がやって来たって訳だよ・・・」

 

アズサ「ロザリー。それであなたはこれからどうしたいの?」

 

ロザリー「ああ・・・どうするって・・・」

 

ベルゼブブ「ああそれなら。」

 

右手にダークボールを生成した。

 

ベルゼブブ「妾が苦しまぬよう一瞬で消してやるぞ。」

 

ロザリー「ヒィィ!!」

 

アズサ「それは却下ー!!」

 

カービィ「中断中断!!」

 

ベルゼブブ「何でじゃ?妾なら跡形も残らぬよう綺麗に成仏させてやれるぞ?」

 

カービィ「物理的な成仏方法!!」

 

ロザリー「嫌だ・・・私まだ消えたくねぇ!」

 

アズサ「だよねぇ・・・じゃあさロザリー。こっちの世界に残ったら?」

 

ロザリー「本当か!?でも迷惑なんだろ?」

 

アズサ「ハルカラ。どう?」

 

ハルカラ「あの・・・消えなくても良いので、ここから移動出来ませんか?」

 

ロザリー「何度か動こうとしたんだ。でもこの建物から離れらんねぇ。」

 

アズサ「そっか。シャルシャが言ってたね。地縛霊は死んだ場所から動けないって。」

 

カービィ「地縛霊をここから解放する方法はないものか・・・」

 

ベルゼブブ「ならば良い方法があるぞ。」

 

カービィ「え?」

 

ベルゼブブ「魔族は霊魂の研究も進んでおる。最新の研究では幽霊が一旦生きた人間に取り憑けばその人間ごと他所へ移動出来ると言われておる。」

 

アズサ「取り憑く?」

 

ベルゼブブ「謂わば人間を容れ物にした引っ越しじゃな。取り憑くにはなるべく隙が多い人間が良い。意志薄弱で、すぐ他人に流されるような奴。」

 

カービィ「その人物なら・・・」

 

全員がハルカラに目を向ける。

 

ハルカラ「え?・・・え?・・・え?・・・」

 

 

 

 

実験開始。

 

ハルカラ「えーーーーーー!?」

 

ウィップカービィが鞭でハルカラを縛って動けなくした。

 

ハルカラ「嫌ですー!幽霊だけでも怖いのに体に入れるなんて以ての外ですー!」

 

ベルゼブブ「工場の為じゃろ。」

 

アズサ「ちょっとの我慢だから。」

 

カービィ「痛くないから。」

 

ハルカラ「お師匠様!先生!他人事だと思ってー!」

 

ロザリー「申し訳ねぇが、お邪魔するぜ!」

 

ハルカラ「いやー!トラウマになるー!」

 

そしてロザリーがハルカラに憑依した。

 

ロザリー「・・・よし!入ったぜ!」

 

カービィ「実験成功かな?」

 

鞭を解いて解放した。身体はハルカラだが、人格はロザリー。

 

ロザリー「久し振りの肉体って落ち着かねーな。何か・・・胸が重いな。」

 

アズサ(やっぱりそっちか!)

 

カービィ(プリン胸部・・・)

 

ベルゼブブ「で、そいつを何処へ運ぶのじゃ?」

 

アズサ「まぁこっちの都合で追い出してる訳だし・・・ロザリー。私の家に住む?」

 

ロザリー「良いのか!?迷惑じゃねーのか!?」

 

アズサ「生前死ぬ程不幸だったんでしょ?死んでから幸せになったって罰は当たらないよ。ウチにおいで。」

 

カービィ「過去の辛い記憶なんか忘れて、楽しい未来を描いて行こうよ!そうした方が君の為になるでしょ?」

 

ロザリー「・・・姐さんと兄貴と呼ばせてくれ!姐さんと兄貴の事私が死んでも守りますんで!」

 

アズサ「もう死んでるじゃん!」

 

カービィ「幽霊ジョーク!」

 

ベルゼブブ「フッ。本当に人誑し。いや幽霊誑しじゃのう。」

 

 

 

 

ハルカラに憑依したロザリーを連れて帰った。

 

ロザリー「ライカの姐さん!姐さんと兄貴の娘さん達!ロザリーと申します!宜しくお願いします!」

 

ライカ「中々違和感ありますね・・・」

 

ファルファ「宜しくねー!」

 

シャルシャ「初めて見る。興味深い。」

 

ベルゼブブ「ふぁ・・・では妾は疲れたので先に休ませて貰うぞ。」

 

カービィ「おやすみベルゼブブ。」

 

彼女は部屋へ就寝しに行った。

 

ロザリー「ではでは!私ことロザリーの本来の姿をお披露目しまーす!では!はっ!はっ!はっ!」

 

しかし、ハルカラからロザリーが出て来ない。

 

ロザリー「あれ・・・?」

 

 

 

 

非常事態になり、アズサがベルゼブブを呼びに走った。

 

アズサ「ベルゼブブブブブブブブブ!」

 

ベルゼブブ「ブが多い!」

 

 

 

 

カービィ「んぐぐぐぐぐ・・・!!」

 

ゴーストカービィが、ハルカラからロザリーを抜けようとしたが抜けられない。

 

カービィ「固いんだけど!?」

 

ロザリー「ダメだー!すっぽり箱に嵌ったみたいに抜けられねー!」

 

ベルゼブブ「余程相性が良かったんじゃのう。」

 

ライカ「あの・・・これって、ハルカラさんの体に不具合が出たりしないんでしょうか?」

 

ベルゼブブ「無論別の霊魂が丸1日も入ってると、肉体に負担が掛かるぞ。」

 

アズサ「負担って?」

 

ベルゼブブ「最悪死ぬ。」

 

カービィ「死ぬ!?」

 

アズサ「滅茶苦茶ヤバいじゃん!」

 

ロザリー「私世話になった人を殺すような真似はしたくねぇ!そんな恥知らずな事をする位なら・・・する位なら・・・」

 

 

 

 

家の屋根の上。

 

ロザリー「もっかい死んで詫びるしかねぇー!」

 

飛び降り自殺を図ろうとしたが、ヨーヨーカービィのヨーヨーで縛られて動けなくなった。

 

カービィ「駄目だよそれは!!今の状態じゃハルカラが死ぬだけだから!!」

 

 

 

 

リビングで作戦会議。

 

アズサ「と言う事なので、これからハルカラとロザリーの分離作戦を行います。何か良い方法がある人。」

 

ライカ「はい!」

 

アズサ「はいライカ!」

 

ライカ「先程ロザリーさんは箱に嵌ったと仰いました。我はクッキーが箱に嵌ってしまった場合まずは振ってみます。」

 

カービィ「じゃあやってみよう。」

 

 

 

 

外に出て実験開始。

 

ロザリー「ヒャアーーーーー!!!」

 

カービィ「ハアアァァァァ!トワッ!!」

 

スロウカービィがスイングして遠くへ投げた。

 

 

 

 

ライカ「もしくは後ろから叩きます。」

 

シャルシャ「はぁー・・・フンフンフンフン!」

 

片手張り手ラッシュでロザリーの背中を叩く。

 

ロザリー「痛っ!痛たたたたた!」

 

 

 

 

ライカ『もしくは箱を・・・壊します。」

 

アズサ「ストーップ!」

 

カービィ「壊すじゃなくて殺す方になってるよ!?」

 

 

 

 

家に戻って会議再開。

 

ファルファ「はいはーい。じゃあしゃっくり止める時みたいにびっくりさせるのは?」

 

アズサ「・・・ふむ。」

 

 

 

 

 

 

再び外に出て、ロザリーを目隠しにした。

 

ロザリー「ね、姐さん・・・ここは何処だい?風が強ぇのが気になるんだが・・・」

 

アズサ「ふふん。」

 

”パチン”

 

指を鳴らして目隠しを外した。

 

ロザリー「・・・え!?ここ何処ー!高ぇー!」

 

今彼女はレッドドラゴンに戻ったライカに乗っていた。

 

ライカ「幽霊でも高いのは駄目みたいですね。」

 

アズサ「どう?体から出られそう?」

 

ロザリー「だ・・・駄目です!ただ怖ぇっす!」

 

アズサ「そっか・・・じゃあしょうがない。第2段階に入るか。」

 

ロザリー「え?第2段階・・・?」

 

するとライカが半回転した。

 

ロザリー「え?いやああああーーーーーーーー!!!!!」

 

そのままロザリーが落ちて行く。

 

ロザリー「およーーーーーーーー!!!!」

 

カービィ「ハアアァァァァ!!!」

 

だがそこに、ロケットスターに乗ったカービィがロケットダッシュで落ちるロザリーを助けて飛んだ。

 

カービィ「ロザリー、大丈夫?」

 

ロザリー「うっ・・・ううっ・・・」

 

 

 

 

すぐにロザリーを降ろした。

 

アズサ「どう?出た?」

 

ハルカラ「色んなもんが出るかと思いましたよ・・・」

 

カービィ「どれもダメか・・・」

 

ベルゼブブ「こうなれば片っ端から試してみるしかあるまい。」

 

 

 

 

蜘蛛の魔物を呼び出したり、川流ししたり、教会の神父に依頼してハルカラからロザリーを解放して貰うが、逆にロザリーが成仏しそうになった。

 

 

 

 

時間は過ぎ、昼になってしまった。

 

アズサ「昼になってしまった。」

 

ロザリー「あ・・・あは・・・はは・・・」

 

カービィ「もうロザリーがボロボロだね。」

 

ベルゼブブ「そろそろ出さんと危ないぞ。ハルカラの体も限界かも知れぬ。」

 

ライカ「別の意味で限界のようにも見えますね・・・」

 

ベルゼブブ「せめて体の中からハルカラを呼び出せれば良いのじゃが・・・」

 

アズサ「そうだね・・・ねぇ。今ハルカラの中には霊魂が2つあるんだよね?その状態でロザリーだけ眠らせたらハルカラが出て来ないかな?」

 

ベルゼブブ「成る程。前で邪魔してる方を退かすと言う事じゃな。それはありかもじゃ。」

 

ライカ「でもどうやってロザリーさんを眠らせます?」

 

ロザリー「助けて・・・」

 

カービィ「眠らせるなら、これだね!」

 

グラスにワインを注いだ。

 

ロザリー「これ酒?」

 

カービィ「酒と言うかワインだね。ハルカラはよくこれで潰れるんだよ。」

 

ロザリー「酒なんか飲んだ事ねーんですが・・・」

 

カービィ「肉体はハルカラだから大丈夫かと思うよ。」

 

ライカ「何時もはすぐに寝てしまいますから。」

 

ロザリー「じゃあ行きやす!!」

 

グラスに入ったワインを一気に飲み干した。

 

ロザリー「ふ~。何ともな・・・」

 

だがすぐに酔って寝てしまった。

 

アズサ・ライカ・ベルゼブブ「すぐ落ちたー!」

 

カービィ「身体が覚えてるんだね。」

 

ハルカラ「あれ?どうしてお師匠様の家に?私の工場は?」

 

人格がハルカラに戻った。

 

アズサ・ライカ・ベルゼブブ「ハルカラだー!」

 

カービィ「やった成功した!!」

 

アズサ「よし!ここからロザリーを起こして覚醒させよう!そしたらハルカラの体から飛び出すかも!」

 

ベルゼブブ「ならば良い方法がある!妾に任せるのじゃ!」

 

カービィ「僕も行くよ!来てハルカラ!」

 

ハルカラ「え?」

 

 

 

 

浴室へハルカラを連れて来た。

 

ハルカラ「お風呂?先生・・・ベルゼブブさん・・・そんな大胆な~・・・」

 

ベルゼブブ「うむ。大胆に行くぞ。そーれー!」

 

浴槽に向かってハルカラを投げた。

 

カービィ「ウォーターダウン!!」

 

ウォーターカービィのウォーターダウンがハルカラが放り込まれた浴槽に入った。

 

ロザリー「冷てぇーーーー!!!」

 

ハルカラからロザリーが出て来た。

 

ベルゼブブ「よし!」

 

カービィ「やった!」

 

ライカ「出ました!」

 

アズサ「成功だー!」

 

ロザリー「おー・・・おっしゃー!出られたぞー!」

 

ハルカラ「つ・・・冷たいです~・・・」

 

 

 

 

 

 

改めて、ロザリーが自己紹介する。

 

ロザリー「ご迷惑をお掛けしました!今日からここで世話になる事になりましたロザリーです!仲良くしてやって下さい!」

 

皆が拍手で歓迎した。

 

ライカ「本当に幽霊なんですね。」

 

ファルファ「凄ーい!」

 

シャルシャ「興味深い。」

 

ハルカラ「何か他人の気がしませんよぉ〜。」

 

アズサ「冷たい水に入れれば覚醒するってよく気付くたね。」

 

ベルゼブブ「昨日お主に召喚された時の事を思い出したんじゃ。」

 

アズサ「あ・・・ああ・・・」

 

ライカ「でも、ハルカラさんの工場も無事に稼働出来そうで良かったですね。」

 

ハルカラ「ええ。幽霊の噂が消えるまでのんびり待ちますよ~。」

 

ロザリー「すみません私のせいで!ハルカラの姐さん!せめてお注ぎします!」

 

両手を翳すと、ワインが浮遊してグラスに注いだ。

 

ハルカラ「おお。」

 

ファルファ「わー!凄ーい!」

 

カービィ「ポルターガイスト!」

 

アズサ「そうだ!手っ取り早く噂を消す方法があるよ!」

 

カービィ「どうやって?」

 

 

 

 

 

 

ナスクーテの街。

 

ロザリー「ちゃーっす!ハルカラの姐さんの工場でお世話になっていますロザリーと申します!私幽霊なもんで。この力で皆さんのお役に立てればと思います!」

 

ポルターガイストの力で掃除用具やゴミ捨てをし、街の美化に全力を尽くした。

 

村人A「凄いじゃない!」

 

村人B「幽霊って、怖くないのも居るんだな!」

 

村人C「寧ろ可愛いぞ!」

 

ハルカラ「良かったですね~。街の皆さんも受け入れてくれそうです。」

 

アズサ「うん。」

 

カービィ「ポルターガイストで街を綺麗にする。良い方法だね。」

 

ロザリー「姐さん!兄貴!ありがとうございます!死んでから幸せになれる事ってあるんすね!あたし死んで良かったです!」

 

アズサ「その発言はどうかな・・・」

 

カービィ「冗談とは思えない台詞・・・」

 

村人D「ロザリーちゃん!ウチの窓も拭いてくれ!」

 

村人E「ウチのもお願い!」

 

ロザリー「お任せあれー!順番にお伺いしてやるぜ!」

 

アズサ(もうこうなったら世界一元気な幽霊目指しちゃって!)

 

こうして、幽霊ロザリーがウチの新しい家族となった。

 

『END』




         キャスト

      カービィ:赤崎千夏
       アズサ:悠木碧
       ライカ:本渡楓
     ファルファ:千本木彩花
     シャルシャ:田中美海
      ハルカラ:原田彩楓
     ベルゼブブ:沼倉愛美
      ロザリー:杉山里穂

        村人:川上彩
           高橋伸也
           坂田将吾
           中村桜



次回予告。

カービィ「ある日ベルゼブブより、魔族の国の式典への招待を受けた僕とアズサ。聞けばライカの故郷でドラゴン同士の抗争を抑えた事が魔王様から高く評価されたらしい。大変名誉な事、と家族で参加しようとするアズサだが一つ問題があった。それはロザリーだけドレスを着れない事。幽霊であるロザリーも家族の一員。皆と同じおめかしをさせてあげたいと願うアズサは、レベルMAXの力で着替え魔法を創作する事にしたのだけど・・・成功するかな?」

次回・リヴァイアサンが来た

カービィ「間違って全裸にしないでよね?」


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第6話「リヴァイアサンが来た」

ベルゼブブ「ぱんぱかぱーん!おめでとうなのじゃ!高原の魔女アズサ。そして高原の戦士カービィよ。この度お主等に魔族褒章が授与される事になったのじゃー!』

アズサ「ベルゼブブ。いきなり来て何?」

カービィ「魔族褒賞?」

ベルゼ「もっと嬉しそうにリアクションせんか。広く魔族に敬愛され、社会に希望を与える事に顕著な業績があった者だけに与えられる栄誉な賞じゃぞ?お主等は先日長きに渡るレッドドラゴンとブルードラゴンの抗争を止め、恒久的な平和状態を約束させたじゃろ?そのことが評価され平和部門で受賞となった。』

アズサ「結果的にそうなっただけなんだけど・・・」

ベルゼブブ「勿論受け取ってくれるじゃろ?」

アズサ「うーん・・・」

カービィ「そうだねぇ・・・」

ライカ「素晴らしい栄誉です!アズサ様!カービィ様!」

ロザリー「流石姐さん!兄貴!」

ファルファ「ママパパ凄ーい!」

シャルシャ「娘として鼻が高い。」

アズサ「そっか・・・じゃあありがたく戴くよ!」

カービィ「こうなった以上、受け取らないと意味がないからね。」

ベルゼブブ「授与式は3週間後じゃ。皆で出席するが良い。直前に迎えに来るからのう。」

アズサ「え?何処に行くの?」

ベルゼブブ「魔族領じゃ。授与式は魔族領で行われるのじゃ。」

全員「魔族領!?」

ベルゼブブ「そう身構えんでよい。魔族の者はほとんどが紳士淑女じゃ。昔のように人間界を滅ぼそうとする者はもうおらん。最低限の礼儀さえ守っておればな。」

アズサ「最低限の・・・」

ライカ「礼儀・・・」

カービィ「彼女は分かってるのか・・・」

皆が朝食に夢中なハルカラに視線を向ける。

ハルカラ「ん?何です?」

カービィ「不安だなぁ・・・」


ハルカラ「うう・・・魔族の式典なんて嫌な予感しかしないんですけど・・・私その日だけお腹が痛くなっても良いですか~?」

 

ファルファ「ハルカラのお姉さん仮病使うのー?」

 

ハルカラ「いやいや・・・偶然。たまたま。その日お腹が痛くなりそうだなーと思ってるだけで・・・」

 

シャルシャ「諦めた方がいい。栄誉ある授与式に欠席なんて魔族の面目を潰しかねない。」

 

ハルカラ「わっかりましたー!私キャラールの尖塔から飛び降りるつもりで出席する事にしますー!」

 

カービィ「投身自殺じゃん。」

 

アズサ(清水の舞台から飛び降りる的な言葉、この世界にもあるんだ。)

 

ライカ「アズサ様。式典用の服はどうしましょうか?」

 

アズサ「この間の結婚式で着たので良いんじゃない?」

 

カービィ「そうだね。僕は前と同じくマジックで出席するよ。」

 

ロザリー「あの~・・・姐さん。兄貴。そんな大層な式典に幽霊の私なんかが同席しても良いんでしょうかね?」

 

アズサ「え?良いに決まってるじゃない!ロザリーももう私の家族なんだよ!」

 

カービィ「出席しちゃいなYO!」

 

ロザリー「あ・・・姐さん兄貴感謝っす!」

 

アズサ「そう言えば、ロザリーはドレスいるよね。村に行って仕立てて来ようか?」

 

ロザリー「いやいや。私幽霊なんで。そもそも着替え方も不明ですね。」

 

カービィ「そっか。幽霊だから仕立てるのは不可能か。」

 

ロザリー「はい。そもそも触れないので。」

 

ライカ「意外な問題が浮上しましたね・・・」

 

アズサ「幽霊用の服を売ってる店とかあるのかな?」

 

ハルカラ「そんな商売成立しませんよー。幽霊はお金持ってないじゃないですかー。」

 

アズサ「経営者的見解ー。」

 

シャルシャ「幽霊専門の学者なら、最近知り合った人が居る。」

 

 

 

 

 

 

森に住んでいる幽霊学者に会いに行った。

 

幽霊学者「よいですかな。そもそも幽霊とは霊魂がこの世に留まり現世に近い姿を有しているもの。服に見えても、それは霊魂の一部なのです。霊魂を着替える事など出来ません。」

 

シャルシャ「成る程・・・」

 

アズサ(シャルシャ、こんな知り合い居たんだ。)

 

カービィ(顔が広いんだね。意外に。)

 

 

 

 

 

 

フラタ村・噴水広場。

 

ライカ「その服は、ロザリーさんの生前の記憶と言う訳ですね。」

 

ロザリー「確かに・・・この服はよく着ていた気がします。」

 

シャルシャ「他の服のイメージが強ければ、その服になってたかも知れない。」

 

アズサ「今更どうこう出来るものじゃないし・・・うーん。」

 

ロザリー「姐さん・・・もう結構ですよ。無理な物は無理です。私はこのままの格好で十分ですんで・・・」

 

アズサ「ロザリー。あなた自分が我慢すればそれで良いと思ってるよね?でも我慢が良い事とは限らないんだよ。」

 

カービィ(説得力ある言葉。)

 

アズサ「それにロザリーだって、皆と一緒にドレス着て式典に出たいよね?」

 

ロザリー「あ・・・もし可能なら・・・着てみたいっす!」

 

アズサ「でしょ!じゃあ諦めないで方法を探そ!」

 

ロザリー「けどどうやって・・・そんな魔法みたいな事・・・」

 

カービィ「魔法・・・あ!」

 

アズサ「魔法!」

 

 

 

 

 

 

家に戻り、カービィと一緒に部屋へ戻った。

 

アズサ(そうだ。私には魔法創作のスキルがあるんだ。幽霊の服を変える魔法なんてないけど、ないなら作れば良い。チート魔女の本領発揮だ!)

 

カービィ(チート戦士も加わるよ!)

 

 

 

 

 

 

翌朝。ロザリーの為のドレスを用意した。

 

ロザリー「あの・・・姐さん。兄貴。実物のドレスを見せられても着れませんよ?」

 

アズサ「ロザリー。まずはこのドレスを徹底的に見て頭に叩き込んで。その後にこのドレスを着てパーティー会場に居る自分をイメージしてみて?」

 

ロザリー「姐さん・・・信じる者は救われる的な神秘思想に走ったって事は・・・」

 

アズサ「幽霊にオカルト扱いされるの納得いかないんだけど。そうじゃなくて!大丈夫!私を信じて!」

 

ロザリー「姐さん・・・分かりやした!!姐さんの熱い情熱に私も報いてみせます!」

 

 

 

 

その日から、ロザリーのドレス着用の訓練が行われた。ロザリーはドレスを着た自分をイメージし続け、アズサは魔法陣を描き、カービィがゴーストカービィに変身してロザリーに着せるイメージを膨らませる。

 

 

 

 

実行当日。外でペイントカービィが魔法陣を描いた。

 

カービィ「準備OK!」

 

アズサ「よし。行くよ!」

 

ロザリー「はい姐さん!兄貴!お願いします!」

 

カービィ「コピー能力!ゴースト!」

 

ゴーストカービィに変身し、ドレスの上に浮遊する。

 

アズサ「決まって魔法!変わってロザリー!」

 

するとドレスが光り、それをゴーストカービィが掴んだ。

 

カービィ「ロザリーにドレスを与えよーーーー!!」

 

そのままロザリーにドレスを被せると、ロザリーが光った。

 

 

 

 

結果は・・・

 

アズサ「・・・ん?わぁ!」

 

実験は成功した。ロザリーが無事にドレスを着れた。

 

ロザリー「姐さん・・・兄貴・・・これで・・・舞踏会があっても問題ねーぜ!」

 

アズサ「良かったー!成功だー!」

 

カービィ「ふぅ。上手く行ったね!」

 

ファルファ「ロザリーさん綺麗!」

 

シャルシャ「お姫様みたい!」

 

ハルカラ「口調以外は。」

 

ロザリー「アズサ姐さーん!あっ!」

 

飛び込んだが、幽霊である為透けてしまった。

 

ロザリー「カービィの兄貴ー!」

 

カービィ「おぉっと!!」

 

ゴーストカービィに飛び込み、無事に抱き着いた。

 

ロザリー「ありがとうございます!一体どんな魔法を?」

 

アズサ「霊体を傷付けないように気を付けながら、ロザリーのイメージを強化した感じかな。」

 

カービィ「そのイメージを僕が手助けした感じかな?」

 

ロザリー「私のイメージ・・・姐さん。兄貴。もう少し微調整出来ます?」

 

アズサ「お?何か足したいの?」

 

ロザリー「はい!背中に「ロザリー参上!」ってお願いします!」

 

アズサ「うん。却下。」

 

カービィ「アーティストでも無理だよ。」

 

 

 

 

 

 

そして、出発当日。巨大なクジラが浮遊していた。

 

アズサ「何だあれ・・・?」

 

ライカ「魔族・・・でしょうか?何処となく、我々ドラゴン族と似ている気が・・・」

 

ハルカラ「ヒィィ!魔族から嫌われたりしませんように!しませんように・・・しませんように!」

 

ベルゼブブ「待たせたのー。お迎えに上がったのじゃー。」

 

いよいよ魔族の土地へ向かう時が来た。

 

 

 

 

 

 

巨大なクジラに乗って魔族領へ向かう。

 

アズサ「リヴァアサン?」

 

ベルゼブブ「うむ。空を飛ぶ大型の魔族じゃ。魔族領まで彼奴が皆を運んで行くぞ。」

 

ハルカラ「背中に大きな建物が・・・」

 

ロザリー「夢でも見てるんですかね・・・」

 

ファルファ「凄ーい!」

 

アズサ「豪華客船みたい!」

 

ベルゼブブ「当たらずとも遠からずじゃ。中を案内するぞ。」

 

 

 

 

リヴァイアサンの背中の建物の部屋。

 

ベルゼブブ「ここが貴賓室じゃ。」

 

カービィ「おー!立派な部屋!」

 

 

 

 

次は大浴場。

 

ベルゼブブ「ここが大浴場じゃ。」

 

カービィは男湯を見回ってる。

 

ベルゼブブ「因みにこの湯は・・・むっ!お主勤務時間中に何をしておる!」

 

???「ぎくっ!」

 

女湯に誰かが入ってる。

 

???「すいません上司!」

 

1人の女性だった。

 

ファルファ「誰?」

 

ヴァーニア「皆様お初にお目に掛かります!リヴァイアサンのヴァーニアです!」

 

ベルゼブブ「ちゃんと着替えて挨拶せい!」

 

ヴァーニア「すいませーん上司!」

 

ベルゼブブ「では湯の説明じゃが。この大浴場は魔泉でのう。」

 

アズサ「魔泉?魔族の温泉?」

 

ベルゼブブ「うむ。入ると肌がぬるぬるして大変美容に良いのじゃが、何時間も入っていると溶けてしまうから気を付けるのじゃぞ。」

 

アズサ「怖っ!駄目じゃん!」

 

ベルゼブブ「ははは。何時間もじゃ。そんな長時間入る奴はおらんじゃろー。」

 

ライカ「ハルカラさん。決して一人で入らないで下さいね。」

 

ハルカラ「私全然信用されてませんね・・・」

 

 

 

 

男湯では。

 

カービィ「フムフム。長時間入浴すると溶けるのかぁ・・・」

 

看板にそう書かれている。

 

カービィ「物理的なスライムカービィになっちゃいそう・・・」

 

 

 

 

アズサ達が大浴場から出ると、着替えたヴァーニアが出迎えた。

 

ヴァーニア「お待たせしました!」

 

アズサ「ねぇ。リヴァイアサンって・・・」

 

ヴァーニア「はい。今皆様が乗られているのは姉のファートラです。飛行と人の姿での接客を交代で行ってます。」

 

ベルゼブブ「ヴァーニアはお主達の料理も担当しておる。」

 

ヴァーニア「本日は鳥を中心とした料理をご用意しております。野菜も厳選した一級品ですのでご期待ください!」

 

ファルファ「わー!楽しみー!」

 

男湯からカービィが戻って来た。

 

カービィ「ポヨ?案内人さん?」

 

ヴァーニア「あなたがカービィさんですね?初めまして。リヴァイアサンのヴァーニアです。」

 

カービィ「リヴァイアサン?え?今僕達が乗ってるのは・・・」

 

ヴァーニア「姉のファートラです。飛行と人の姿での接客を交代で行っているんです。」

 

カービィ「そうなんだぁ。」

 

ヴァーニア「本日は鳥を中心とした料理をご用意しております。野菜も厳選した一級品ですのでご期待ください!」

 

カービィ「何それ美味しそう!お腹空かせて待ってます!」

 

ベルゼブブ「所でヴァーニア。お主は後で反省文を提出するように。」

 

ヴァーニア「そんな~!大目に見て下さいよ~!」

 

ベルゼブブ「フン。駄目じゃ。しっかり書け。」

 

ヴァーニア「うう~・・・」

 

カービィ「滅茶苦茶厳しい上司・・・」

 

 

 

 

 

 

時間が経ち、夕方になった。

 

アズサ「わ~!絶景~!」

 

ファルファ「建物があんなに小ちゃい!」

 

シャルシャ「これは広大無辺。」

 

ベルゼブブ「案内は大体以上じゃな。何かあったらヴァーニアに言い付けてくれ。」

 

アズサ「ありがとね。でも言いのかなこんな歓待を受けちゃって。」

 

カービィ「何か申し訳ない感じがするよ。」

 

ベルゼブブ『何を言う。それだけお主等の功績が凄いと言う事じゃ。長年のドラゴンの抗争を止める、それは歴史に名を残す事じゃ。アズサ。そしてカービィよ。お主等はもっと偉そうにして良いのじゃぞ?」

 

アズサ「あはは・・・まぁ精々式典で恥をかかないように努力するよ。」

 

カービィ「面倒事は避けたいし。」

 

ベルゼブブ「欲がないのう。」

 

カービィ「欲が多過ぎると自我を失うからね。」

 

 

 

 

 

 

夕食の時間。

 

ヴァーニア「皆さん。お待たせしましたー。20種類の野菜を使ったサラダです。」

 

アズサ「これは・・・!最初から豪華だね!」

 

カービィ「美味しい。あんまり食べた事ない味だけど美味しい!」

 

ヴァーニア「豆をすり潰したポタージュです。コカトリスの卵のレタス包みです。ロック鳥のオムレツです。

 

アズサ「ふわとろ~!」

 

カービィ「美味しい〜!」

 

アズサ「これは!人生で食べた卵料理の中で一番美味しいかも!」

 

ライカ「これほどのオムレツがあるとは・・・我もまだまだ精進せねば!」

 

ベルゼブブ「味の差は致し方ない。1000倍ほどの値のする素材じゃからのう。」

 

ライカ「1000・・・倍!」

 

カービィ「流石魔族・・・」

 

ベルゼブブ「寧ろこの食材で不味いものを作ったら、ヴァーニアはまた反省文じゃ。」

 

ヴァーニア「うう・・・ベルゼブブ様の下だとなまけられませ~ん・・・」

 

ベルゼブブ「勤務中に風呂入ってた奴が言う言葉か!」

 

アズサ「ヴァーニア!本当美味しかったよ!」

 

カービィ「また美味しいの期待してるよ!」

 

 

 

 

 

 

大浴場・男湯。

 

カービィ「ペポ〜・・・良い温泉だねぇ〜・・・疲れが一気に取れちゃう〜。」

 

 

 

 

大浴場・女湯。

 

アズサ「は~。料理も美味しかったし良いお湯だし~。魔族の土地に行くって身構えてたけどいらない心配だったかな~。」

 

ハルカラ「私もそんな気がしてきました~。このまま何も起こらず良い旅行で終わる気がします~。」

 

アズサ「止めてよ~。ハルカラが言うとまた何かのフラグみたいじゃない〜。」

 

ハルカラ「そんな事ないですってば~。」

 

女性陣「あはははは。あはは。」

 

 

 

 

男湯。

 

カービィ「ウゥッ!?」

 

突然カービィに寒気が走った。

 

カービィ「あれ?何かフラグが起こりそうな予感・・・」

 

 

 

 

 

 

夜。皆が就寝してる中、ロザリーは夜景を眺めていた。

 

ロザリー「何もねぇ荒野を飛んでる・・・魔族領はまだ先か。星が近ぇ・・・こんなに高くまで上ってもまだ天国じゃねぇんだな・・・」

 

ハルカラ「あれ?」

 

寝ていたハルカラがバルコニーに出て来た。

 

ロザリー「ハルカラの姉貴!」

 

ハルカラ「ふぁ~・・・目が覚めたんでお風呂に行こうと思ったんですが。」

 

ロザリー「全然方向が違いますぜ。」

 

ハルカラ「寝ぼけて間違えちゃいました。ロザリーさんは何を?」

 

ロザリー「景色でも見ようかと。」

 

ハルカラ「何も見えないですね~。」

 

ロザリー「それでも私にとっては新鮮です。あのまま地獄へだったら、こんな景色も見れませんでしたから!」

 

ハルカラ「成る程~。」

 

ロザリー「これもハルカラの姉貴があそこを工場にしてくれたお陰です!姐さんや兄貴やハルカラの姉貴には感謝してもしきれねぇ!このご恩は何時か必ず!」

 

ハルカラ「そう言うのは止めましょうよ~。恩とかはなしです。私達はもう家族なんですから~。ってお師匠様もきっと同じ事を言うと思いますよ。ふぁ~・・・じゃあお風呂行って来ますね~。」

 

ロザリー「・・・私もお風呂入ったみたいにあったかい気持ちになりましたよ。姉貴。」

 

 

 

 

 

 

翌朝。

 

アズサ「ふぁ・・・」

 

ファルファ「おはようママー!。」

 

アズサ「おはよう。2人共早いねー。」

 

カービィ「ふぁ〜〜〜・・・」

 

スリープカービィが目覚めた。

 

カービィ「良く寝たぁ〜〜。」

 

アズサ「あれ?そう言えばハルカラは?」

 

シャルシャ「起きたら居なかった。」

 

カービィ「誰かハルカラが何処行ったか知らない?」

 

ロザリー「ハルカラの姉貴なら、夜中にお風呂に行くって出て行きましたが・・・まさか!」

 

アズサ「夜中に・・・」

 

ライカ「お風呂・・・」

 

大浴場でハルカラが溶けてるかも知れない。

 

アズサ「ハルカラー!!」

 

ライカ「だからあれほどー!!」

 

カービィ「ん?何かある。」

 

ベッドの下で蠢く何かを引っ張った。

 

カービィ「ハルカラ!?」

 

アズサ・ライカ「え!?」

 

ハルカラ「おはようございます・・・寝ぼけてベッドの下に落ちちゃいました~・・・」

 

カービィ「紛らわしいよおい!!」

 

ベルゼブブ「皆起きとるか?そろそろ魔族領に入るぞ。」

 

アズサ「良かったよー!」

 

ベルゼブブ「何があったんだ?」

 

カービィ「察して。」

 

 

 

 

 

 

外を見る。

 

ベルゼブブ「見えるか?あの奥にある巨大な城塞都市が王都ヴァンゼルドじゃ。」

 

立派な王都が見えた。

 

カービィ「おぉー!立派な街!」

 

ベルゼブブ「お主等にはまず王宮で魔王様に会って貰う。」

 

アズサ・カービィ「は?」

 

ベルゼブブ「その後は・・・そうじゃのう。式典は明日じゃから王都を案内でもしようかのう。」

 

アズサ「あの。ベルゼブブさん。今何と?」

 

カービィ「聞き間違いかも知れないけど・・・」

 

ベルゼブブ「王都を案内しようかと。」

 

アズサ「その前・・・」

 

ベルゼブブ『え?ああ。魔王様か?」

 

アズサ・カービィ・ライカ・ハルカラ「ええー!魔王ー!?」

 

 

 

 

 

 

城塞都市・ヴァンゼルドの城下町に降り、馬車に乗って城を目指す。

 

カービィ「へぇ〜。流石魔族領。魔族が沢山居るね。」

 

ベルゼブブ「うむ。魔族と言っても色んな種族がおってのう。人間と変わらぬ者。獣に近い者。その容姿は様々じゃ。」

 

カービィ「結構個性あるね。ん?」

 

ガクガクと震えるアズサとライカを見た。

 

カービィ「不安が高まってるね・・・僕もだけど。」

 

 

 

 

ヴァンゼルド城前。

 

ベルゼブブ「ここからは歩いていく。荷物はよいぞ。後でヴァーニアに運ばせるからのう。」

 

アズサ「あのーベルゼブブー。どうしても魔王様に会わないといけないの?」

 

ベルゼブブ「ん?当たり前じゃろ。魔族褒章は国家元首が授与するものじゃ。式典でいきなり会うより事前に挨拶しておいた方が良いじゃろ?」

 

ライカ「良いですねハルカラさん・・・くれぐれも粗相のないように。」

 

ハルカラ「分かっていますー・・・粗相があったらきっと殺されます・・・皮をはがされた後に火の中に投げ入れられます~・・・」

 

ベルゼブブ「そんなことはなさらんわ!お主魔王様を侮辱すると火の中に投げ入れるぞ!」

 

ハルカラ「ひー!どっちにしてもー!」

 

 

 

 

ヴァンゼルド城内。

 

ファルファ「迷路みたーい!」

 

ベルゼブブ「敵が攻めて来た時迷わせて殲滅する為じゃ。昔の名残じゃのう。」

 

カービィ「頭を使って戦ってたんだ。」

 

アズサ「魔族っぽいなー。」

 

ハルカラ「あのーすいません。今日の所は仮病を使って良いでしょうか?いえ。本当にお腹が痛くなって来たした・・・」

 

ベルゼブブ「歩いたせいじゃろ。ほれ。もうすぐそこじゃ。」

 

玉座の間の扉前に到着。

 

ベルゼブブ「この扉の向こうが魔王の間じゃ。」

 

ロザリー「でけぇ・・・」

 

アズサ「皆!礼儀正しくね?」

 

カービィ「分かってるよ!」

 

ベルゼブブ「心配せんでよい。魔王様はフレンドリーな方じゃ。何時も通りの態度で問題ない。」

 

ハルカラ「ですがベルゼブブさん・・・私幾ら気を付けてもやらかしてしまう事がありますので・・・」

 

ベルゼブブ「そんなお主すら許す心の広い方と言う事じゃ。通せ。」

 

見張り魔族「はっ!」

 

玉座の間の扉が開いた。

 

 

 

 

玉座の間に入ると。

 

???「こんにちはー。ようこそヴァンゼルド城へ!」

 

アズサ「えっと・・・こんにちは。」

 

カービィ「は、初めまして・・・」

 

1人の少女が出迎えてくれた。

 

少女「あなた達が高原の魔女アズサさんと、高原の戦士カービィさんですね?」

 

アズサ「はい。」

 

カービィ「そうですけど。」

 

少女「本物だー!握手して下さい。」

 

アズサ「はい。」

 

カービィ「どうぞ。」

 

握手してあげた。

 

少女「わー!」

 

ハルカラ「お師匠様。先生。こんな所で立ち話して。魔王様をお待たせしたら印象悪くなりますよー。」

 

少女「あなたがハルカラさんですね!栄養酒美味しく頂いてますよ。握手して下さい!」

 

ハルカラ「痛たたた!痛いです!握力強過ぎますー!」

 

少女「ああごめんなさい。はい回復魔法。」

 

ヒールで回復してあげた。

 

ハルカラ「あ。どうも。あのー悪いんですけど、ちょっとあっち行ってて貰えますか?これから魔王様に挨拶しないといけないんで。」

 

カービィ「ッ!?」

 

突然カービィが、少女から溢れ出る気配を感じ取った。

 

カービィ(まさか・・・この子・・・)

 

ハルカラ「「遅い!そのエルフの首を刎ねよー!」とか言われたら大変ですから。」

 

少女「えー。そんな酷い事言いませんよー?」

 

ハルカラ「いやいや分からないですよ?フレンドリーとは言っても私達とは価値観が違うかも知れませんからね。飽く迄礼儀正しく無難にキャラを偽って対応しますー。上手く騙せると良いんですが・・・」

 

少女「騙しちゃうんですかー?」

 

ハルカラ「勿論!悪意はないですよ。でも人間関係ってそう言うの大事ですからー。」

 

カービィ「ハルカラストーーーップ!!!」

 

ウィップカービィが鞭でハルカラの口を塞いだ。

 

ハルカラ「んんんーーー!!・・・プハァー!何するんですか先生!!」

 

カービィ「ハルカラ!!玉座見て玉座!!」

 

ハルカラ「え?あれ・・・?誰も居ませんね・・・」

 

カービィ「ベルゼブブ・・・嫌な予感しかしないけど・・・僕達に会いたがってる魔王様って・・・」

 

ベルゼブブ「あぁ。今お主等の目の前にいらっしゃるではないか。」

 

見張り魔族が腰を下げてる。

 

少女「魔王のプロヴァト・ペコラ・アリエースです。」

 

この少女こそ。ヴァンゼルド城の魔王・ペコラである。

 

ペコラ「高い所からの挨拶はあまり好きじゃないので、降りてお待ちしておりました。」

 

アズサ「デスヨネー・・・」

 

カービィ「ハルカラ・・・君は本当に・・・・!!!!」

 

ハルカラ「申し訳・・・ありませんでしたー!騙すとか偽るとか・・・全て言葉の綾で~!」

 

全てを理解したハルカラが見事な土下座をした。

 

ファルファ「大丈夫ハルカラのお姉さん?仮病使うって言ってたのに本当にお腹痛くなっちゃったの?」

 

シャルシャ「病は気から。仮病を意識しすぎて本当に腹痛が発生した可能性もある。」

 

カービィ「2人共それ言っちゃダメだよ!!!」

 

ファルファ「あ、ごめんなさい。」

 

シャルシャ「ごめんなさい。」

 

ペコラ「えー?そんな事まで考えてたんですかー?」

 

ハルカラ「いえ・・・飽く迄粗相をするのが心配だっただけです・・・プロット・パコナ・エリアス様~・・・」

 

ベルゼブブ「プロヴァト・ペコラ・アリエース様じゃ・・・」

 

カービィ「名前間違えてんじゃん!!」

 

ライカ「アズサ様!カービィ様!こまめに失礼な事を積み重ねて言ってますけど!」

 

アズサ「うん・・・分かってる~・・・」

 

カービィ「もうこれ以上止めて〜・・・」

 

土下座してるハルカラに、ペコラが手を置いた。

 

ペコラ「頭を下げる必要はありませんよ。あなたは私の家臣ではないのですから。私の目の黒い内は皆さんに危害を加える事などありませんから。」

 

ハルカラ「!」

 

全員「ホッ・・・」

 

ハルカラ「魔王様・・・」

 

ペコラ「どうか頭を上げて下さい。ハルカラさん。」

 

ハルカラ「はい!了解致しました!」

 

 

 

 

 

 

”ゴチンッ!!!!!”

 

 

 

 

 

 

勢い余って頭を上げた瞬間、ハルカラの頭がペコラの顎に直撃してしまい、ペコラが倒れてしまった。

 

カービィ「・・・・・・・!!!!!」

 

状況を知ったハルカラが白くなり、周囲の皆が固まった。

 

全員「ああああーーーーーーー!!!!!!!」

 

ベルゼブブ「魔王様!!しっかりして下され!!」

 

だがペコラは気絶中。

 

ロザリー「霊魂が飛び出しちまってる!やべー!」

 

ハルカラの魂が飛び立とうとしてる。

 

ライカ「ハルカラさん・・・あなたと言う人は・・・」

 

カービィ「ファイターのギガショットぶち込みたいよ・・・」

 

シャルシャ「魔族の法律には詳しくないけれど、人間の法では王族を害した者は処刑されるのが一般的。」

 

アズサ「あの・・・ベルゼブブ・・・」

 

ベルゼブブ「こんな事ならm仮病を聞き入れておくべきじゃった・・・ハルカラは・・・処刑されるぞ・・・」

 

 

 

 

ハルカラは投獄され、カービィ達は部屋へ幽閉された。果たして、ハルカラを救う方法は見付かるのか。

 

『END』




         キャスト

      カービィ:赤崎千夏
       アズサ:悠木碧
       ライカ:本渡楓
     ファルファ:千本木彩花
     シャルシャ:田中美海
      ハルカラ:原田彩楓
     ベルゼブブ:沼倉愛美
      ロザリー:杉山里穂
       ペコラ:田村ゆかり
     ヴァーニア:小澤亜李

      幽霊学者:上別府仁資
        魔族:深澤純



次回予告

カービィ「得意の“やらかし癖”で魔王ペコラを倒してしまい、ハルカラが地下牢に閉じ込められてしまった!刻一刻と迫る彼女の処刑を何としても避けたい僕達は、家族の助けを借りて薬を作り、ベルゼブブの手引きを受け救護室へ向かう。途中に立ち塞がる魔族幹部を誤魔化し、退け、やがて遂に魔王ペコラの眠るベッドへ到達する。だけど・・・」

次回・魔王を倒しちゃった。

カービィ「ええちょっと!?ネタバレ早くない!?」


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第7話「魔王を倒しちゃった」

前回のあらすじ。ハルカラのやらかし癖で魔王ペコラに甚大な傷を負わせてしまった。カービィ達は幽閉され、ハルカラは地下牢へ投獄されてしまった。

ベルゼブブ「串刺しにされた後火に掛けられ、最悪彼奴の故郷であるエルフの村も滅ぼされる。』

刻一刻と迫るハルカラの処刑を阻止する事が出来るのだろうか。


幽閉されてしまったカービィ達は。

 

カービィ「もうハルカラ・・・無事に生きてたら殴ってやる・・・」

 

ライカ「ハルカラさんだけじゃなく、我等も処刑されてしまうかも・・・」

 

シャルシャ「それだけの事はやった・・・」

 

ファルファ「うわああーん!!ファルファ死にたくないよー!!」

 

アズサ「・・・」

 

 

 

 

ベルゼブブ『救う方法じゃが1つだけある。法を覆す権限をお持ちなのは唯一魔王様じゃ。刑が執行される前に魔王様がお目覚めになれば・・・』

 

 

 

 

アズサ「皆!聞いて!」

 

作戦を実行。まずはファルファとシャルシャがティーポットとティーセットを貰った。

 

ファルファ「お湯のポッドとティーセット、貰って来たよ!」

 

アズサ「ありがとう!」

 

シャルシャ「見張りの魔族の人、見掛けは怖いけど優しかった。」

 

ロザリー「姐さん!兄貴!読みが当たりました!」

 

カービィ「どうだった?」

 

ロザリー「色んな植物を植えている庭園がありました!」

 

アズサ「やった!これで薬草を持って来られれば・・・」

 

ライカ「我が採って来ます!」

 

アズサ「でも誰かに見付かったら・・・」

 

ライカ「大丈夫です!我はこう言う変身も出来ます!」

 

小さいレッドドラゴンに変身した。

 

カービィ「小ちゃ!!」

 

アズサ「何それ・・・可愛いー!」

 

小ちゃいライカを抱き締めた。

 

ライカ「あ・・・あの・・・アズサ様・・・こんなのもたまには良いですが~・・・兎に角行って来ます!」

 

薬草を採りに行った1秒後。

 

ライカ「戻りましたー!」

 

採って来た薬草で、アズサとドクターカービィが薬を作る。

 

アズサ「完成!」

 

緑色の少々臭いがきつい薬完成。

 

ライカ「アズサ様これは一体・・・?」

 

アズサ「気付け薬。ただ刺激がきつくて凄く苦いだけだけど。」

 

カービィ(青汁かな?)

 

アズサ「あまりの苦さにきっと魔王も目覚めると思う。」

 

すると窓からヴァーニアが。

 

カービィ「ヴァーニアさん?どうしたの?」

 

ヴァーニア「ベルゼブブ様から・・・これを持って行けと仰せつかって・・・」

 

カービィ「早く部屋へ上らせよう。落ちちゃうよ。」

 

 

 

 

部屋にヴァーニアを入れ、彼女が地図を開いた。

 

ヴァーニア「魔王様はここの救護室にいらっしゃいます。」

 

アズサ「でもどうやってそこに行くか・・・」

 

ヴァーニア「それに関してベルゼブブ様に一計が。」

 

 

 

 

魔族の医者に変装完了。

 

アズサ「こんなしょーもないコントみたいな事をー!真面目にやってー!」

 

ヴァーニア「ま・・・真面目ですって!今場内は緊急事態で大慌て!医師の身元など細かくチェックしてないはず!」

 

アズサ「本当に~?」

 

ヴァーニア「後はこのヴァーニアがご案内致しますので!」

 

アズサ「分かった・・・やれるだけやってみるか・・・」

 

カービィ「じゃあ僕は小さくなってアズサのポケットに隠れとくよ!コピー能力!ミニマム!」

 

ミニマムカービィで、手の平サイズに小さくなった。

 

ファルファ「ママ・・・パパ・・・」

 

シャルシャ「成功を祈る・・・」

 

アズサ「うん!」

 

カービィ「行って来るね!」

 

 

 

 

3人が救護室へ向かう。

 

アズサ「これ・・・あなたもバレると捕まるんじゃない?」

 

ヴァーニア「はい・・・そもそも私は何でこんな大事になっているのか状況も分かってなくて・・・ただベルゼブブ様に命じられて仕方なく・・・

 

アズサ「ごめん。」

 

カービィ「部下に対して雑だねぇ・・・」

 

 

 

 

救護室前。

 

魔族A「何者だ?」

 

ヴァーニア「ベルゼブブ様の部下、ヴァーニアです。医師をお連れしました。」

 

魔族B「待て。ベルゼブブが呼んだなどと言う話は確認しておらんぞ。医師の名はすべて把握している。お前は何と言う名だ?」

 

ヴァーニア「な・・・なななな名前は・・・あの・・・あっ・・・」

 

アズサ(駄目だー!ベルゼブブー!)

 

ベルゼブブに視線を向けるが、彼女は口笛吹いて外方向いた。

 

アズサ(シカトですかー!!)

 

カービィ(後でとっちめる!!!)

 

魔族A「どうも胡散臭いな。それに何だその角は?付け角ではないのか?ちょっと確認させろ。」

 

カービィ「・・・もう、しょうがないな!!!」

 

ジャンプと同時に、ミニマムから普通の大きさに戻ったカービィが。

 

カービィ「スパークストーン!!」

 

スパークストーンで岩を磁力で操って床に叩き付けた。

 

カービィ「高原の戦士カービィ!ここに参上!!」

 

アズサ「そして私は高原の魔女アズサ!今すぐ魔王を起こしてあげるから道を開けて!」

 

魔族C「此奴!」

 

魔族A「主犯の仲間だ!捕えろ!」

 

牛の魔族が目を光らせると、ヴァーニアが束縛された。

 

ヴァーニア「あうっ!!」

 

アズサ「まーそうなるのね。」

 

カービィ「ここはしょうがないね。」

 

アズサ「でもハルカラや家族達の為にも大人しく捕まる訳には・・・いかないの!」

 

肉弾戦で魔族を蹴散らした。

 

カービィ「ハンマー!!!」

 

ハンマーカービィで魔族を戦闘不能にした。

 

魔族A「馬鹿な!」

 

魔族B「一瞬で・・・」

 

魔族C「何だこの者達は!?」

 

アズサ「魔王の所に通しなさい!」

 

カービィ「怪我したくなければ!!」

 

魔族A「死守せよー!」

 

魔族C「魔法を使っても良い!撃てー!」

 

冷気魔法を一斉放射。

 

カービィ「スパークカッター!!」

 

スパークカッターで電撃の剣を振り回して冷気魔法を粉砕した。

 

カービィ「この程度とは、片腹痛いね。」

 

魔族達「えぇ・・・!?」

 

カービィ「プラス!アイスカッター!!」

 

アイスカッターでスケートのように滑りながら、スパークカッターで魔族達を蹴散らした。

 

ベルゼブブ「まさかこんな事になるとは思わんかったわ。」

 

カービィ「ド派手にやり過ぎちゃったかも。」

 

ベルゼブブ「お主等が本気を出したら、2人で国が亡ぼせる。」

 

カービィ「支配とか興味ないから。それとベルゼブブ、さっきのシカト忘れた訳じゃないからね?」

 

ベルゼブブ「うっ、それはすまない・・・」

 

 

 

 

 

 

救護室。ペコラがまだ気絶している。

 

カービィ(まだ眠ってるね。アズサ、薬。)

 

アズサ(えぇ。)

 

気付け薬を取り出し、ペコラに飲ませようとしたその時。

 

 

 

 

 

 

”ゴチンッ!!!!!”

 

 

 

 

 

 

アズサ「がっ!?」

 

カービィ「ええ!?目覚めちゃった!?」

 

アズサ「起きてたのー?」

 

ペコラ「不埒者が接近して来た気がしたので、本能的に目覚めました。」

 

カービィ「流石魔王様・・・身体が覚えてるんだね・・・」

 

ペコラ「私に何を飲ませようとしたんですか?」

 

アズサ「これはただの気付け薬で・・・私達はあなたを起こそうとしただけです!」

 

ペコラ「如何にも毒っぽいですが。」

 

カービィ「そこに目を向けちゃった!?」

 

アズサ「そう見えるだけです!飲めばあー不味い!でももう一杯!って!ねぇ!」

 

ペコラ「では高原の魔女さん。高原の戦士さん。身の潔白を証明したいのであれば、このプロヴァト・ペコラ・アリエースと・・・勝負しなさい!」

 

魔法で生成した大剣を握った。

 

アズサ「え?ど・・・どう言う事ですか?」

 

ペコラ「あなた達の言う事が真実であれば、勝負に勝っても私を殺そうとしないはずだからです。」

 

アズサ「成る程ー。分からなくもないですけど・・・それって私達が勝った場合しか成立しなくないですか?」

 

ペコラ「あなた達が負けたらそれまでですから。ただ魔王が暗殺者を倒したと言う事実が残るだけ。」

 

カービィ「面倒臭い理屈・・・」

 

アズサ「やるしかないって事ですね・・・」

 

カービィ「こうなってしまった以上・・・容赦なしですよ!!」

 

 

 

 

 

 

”ドゴオオーーン!!!”

 

壁が爆発し、3人が城の外に出た。

 

ペコラ「さぁ高原の魔女。そして高原の戦士。その力、私が見極めてあげます!」

 

アズサ(敗北は許されない・・・皆の命が懸かってるんだ!)

 

カービィ「ボムカッター!!」

 

ペコラ「はぁーっ!」

 

ダッシュからの斬撃をアズサとカービィが左右に避け、斬撃が2人が立っていた後ろの塔を斬り裂いた。

 

ペコラ「あれ?今のが躱されるとは・・・」

 

アズサ「レベル99ですから・・・」

 

カービィ「!」

 

だがペコラの超高速斬撃が繰り出され、カービィとアズサが超高速で避ける。だが斬撃がアズサの服を徐々に切っていく。

 

カービィ「ヤァッ!!」

 

隙を見たカービィが黒い手裏剣を投げた。ペコラが避け、黒い手裏剣が壁に刺さると爆発した。

 

ペコラ「少しは掛かって来たらどうですか?あんまりゆっくりしていると、エルフさんの命も危ういですよ?」

 

アズサ・カービィ(その挑発は良くないよ・・・魔王。)

 

後ろに壁に着地からの壁ジャンプで、ペコラの後ろを取った。

 

カービィ「家族を守るためなら僕達は!一切!躊躇しない!スティック!!」

 

スティックカービィに変身した。

 

カービィ「アズサ!!」

 

アズサ「ハァッ!!」

 

炎を飛ばし、それをスティックで受け止めた。

 

カービィ「フレンズ能力!メラーガスティック!!からのつくつくぼう!!!」

 

ペコラ「くっ!!」

 

メラーガスティックカービィのつくつくぼうをペコラが大剣で受け止めるが、威力が高い為後ろに下がって行く。

 

カービィ「ヤァッ!!」

 

締めの鋭い突きでペコラを壁に飛ばした。飛ばされた反動で大剣が天高く舞い上がった。

 

アズサ「勝負あったんじゃないかな?」

 

ペコラ「バランスを崩しただけです・・・」

 

カービィ「それと、もう破壊させて貰ったから。」

 

ペコラ「え?」

 

落ちて来た大剣が粉砕された。

 

アズサ「肉体は鍛えられても、武器の強度は限界があるよね。」

 

戸惑うペコラに、アズサが壁ドンで追い込んだ。

 

アズサ「チェックメイト。ですね。魔王様。私達の勝ちですね。言う事聞いて頂けますか?」

 

ペコラ「・・・はい。」

 

アズサ「ハルカラを助けてやって下さい。あの子はおっちょこちょいなだけで悪気はないんです。」

 

ペコラ「・・・」

 

カービィ「ん?魔王様?」

 

するとペコラがアズサの頬に触れて・・・

 

 

 

 

 

 

ペコラ「分かりました・・・お姉様。」

 

 

 

 

 

 

アズサ「ほえ?お姉様?」

 

ペコラ「お姉様とお兄様に全て従います!」

 

カービィ「お姉様とお兄様って・・・ん?お兄様!?僕も!?」

 

アズサ「何の御冗談ですかー?」

 

ペコラ「私、自分より強い方を慕って生きたいと予々考えておりまして。アズサさんとカービィさんならそれにぴったりなのかなと思って。試させて頂きましたー!」

 

アズサ「はい!?」

 

カービィ「さっきの勝負ってその試しだったの!?」

 

ペコラ「これから先もお姉様とお兄様を敬愛して生きて行ければと思います!」

 

アズサ「あの・・・それは光栄なんですが・・・一先ずハルカラ達皆の安全を保障して貰えませんかね・・・?」

 

ペコラ「んな丁寧な言い方止めて下さい!呼び捨て命令口調でお願いします!あ!手は顔に添えて下さいね!お兄様は私の頭を撫で撫でして下さいね!』

 

アズサ「プロヴァト・・・」

 

ペコラ「ペコラとお呼び下さい!」

 

カービィ「じゃあ・・・ペコラ。」

 

頭を撫で撫でした。

 

アズサ「ペコラ・・・」

 

顔に触れた。

 

ペコラ「あ・・・お姉様。お兄様。何をなさるんですか?」

 

アズサ「あ~・・・」

 

ペコラ「ああ~・・・」

 

顎クイ形式で命令する。

 

アズサ「ペコラ。ハルカラの身柄を解放しなさい。」

 

カービィ「君なら、簡単でしょ?」

 

撫で撫でしながら口説いた。

 

ペコラ「は・・・はい・・・」

 

 

 

 

玉座の間。

 

ペコラ「私が気絶させられたのは故意ではなかったと証明されました!ハルカラさんを解放するようにー!アズサさんとカービィさんの家族も丁寧に扱って下さい!」

 

魔族達「ははーっ!」

 

ベルゼブブ「何とかなったようじゃな・・・」

 

ヴァーニア「私達も助かるんですね~。」

 

ペコラ「フフッ♡」

 

アズサ「おお?」

 

カービィ「わわ。」

 

アズサに抱き着き、カービィの手を握った。

 

ベルゼブブ「すまぬが付き合ってやってくれ。」

 

カービィ「・・・しょうがない。」

 

 

 

 

 

 

事態は収束し、3人でティータイム。

 

ペコラ「ごくごく。は~。素敵なお姉様とお兄様とこんな風にお茶を飲めるなんて。お姉様とお兄様が出来て私幸せです!人を従わせるのは飽きてしまいましたから。私を見ると皆自然と謙ってしまいますので・・・」

 

アズサ「まぁ・・・魔王だしね。」

 

カービィ「そこは当たり前だよ。」

 

ペコラ「アズサお姉様に壁ドンされた時私ときめいたんです!」

 

カービィ「どんな風に?」

 

ペコラ「厳しい表情で私に命令する女性・・・もう胸がキュンキュンしちゃいました~!」

 

カービィ「ああよだれよだれ・・・」

 

ペコラ「ベルゼブブさんもお姉様候補だったんですけど、全然私を叱ってくれないんですよー?」

 

アズサ「私より似合いそうだけど・・・」

 

 

 

 

ベルゼブブ『チェックメイトじゃ。』

 

 

 

 

カービィ「うん。違和感無い。」

 

ペコラ「魔族でお力になれる事があったら、何なりとお申し付け下さいね!お姉様とお兄様の為に妹は力を尽くしますからー!」

 

アズサ「ありがとう・・・」

 

カービィ「何か悪いね・・・」

 

ペコラ『あの・・・お姉様。1つお願いがあるのですが・・・」

 

アズサ「えーと・・・何?」

 

ペコラ「私の頬にキスをして頂けませんか?」

 

アズサ「はぁ!?」

 

カービィ「ええ!?」

 

ペコラ「私の愛読書の中に妹分がお姉様にキスされるシーンがあって・・・それが好きで好きで堪らず私とても憧れていまして・・・」

 

アズサ「へー・・・」

 

カービィ(百合かな・・・?)

 

ペコラ「ほら。今なら誰も居ませんし。」

 

カービィ「いやいや僕が居るんだよ!?」

 

ペコラ「お兄様は特別なので気にしませんよ?」

 

アズサ「ちょ・・・ちょっと待って!キスって・・・」

 

ペコラ「キス位家族にだってするじゃないですか!その延長です!」

 

アズサ「しないよ!精々ハグ位だよ!」

 

カービィ「僕の場合はハイタッチだよ!!」

 

ペコラ「すべきです!妹には尚更ですー!」

 

アズサ「分かった~・・・頬にするだけだからね・・・」

 

ペコラ「ありがとうございます!お姉様!」

 

カービィ「じゃあ・・・ムードを盛り上げる為に花を出してあげようかな?」

 

ペコラ「それは最高ですね!お兄様!」

 

カービィ「コピー能力!ニンジャ!」

 

ニンジャカービィに変身。

 

カービィ「みだれ花ふぶき!!」

 

みだれ花ふぶきでムードを作ってあげた。

 

アズサ「目を閉じてなさい?ペコラ。」

 

 

 

 

 

 

廊下の方では。

 

ハルカラ「本当に怖かったんですよ〜?」

 

ファルファ「危なかったねー。」

 

シャルシャ「ギリギリだった。」

 

ライカ「もう少し慎重に行動して下さいね。」

 

ハルカラ「ん?あーーーーー!!」

 

 

 

 

アズサがペコラにキスする寸前でハルカラが大声を上げてしまった。

 

 

 

 

ハルカラ「お師匠様と魔王がで・・・でででで・・・出来てー・・・!」

 

アズサ「ああー!!」

 

ハルカラ「お師匠様って・・・女性が好きになっちゃうタイプの方だったんですか?そ・・・その・・・応援します!」

 

アズサ「違ーう!!違うから!勘違いだから!」

 

カービィ「もうハルカラいい加減にしてよ・・・」

 

ペコラ「お姉様との大切な時間に踏み込んで来るとは・・・あなた!何のデリカシーもないんですか!?絶対に許しません!処刑します!」

 

ハルカラ「えー!?」

 

アズサ「許してあげてー!ちゃんとキスするから!」

 

カービィ「ハルカラの事は僕が対処するから!!」

 

ペコラ「雰囲気が壊れたのでもう結構です!お姉様と妹のキスは絆を深める神聖な儀式なんです。唇が触れればいいと言うものではないのです!」

 

アズサ「難しいな・・・」

 

カービィ「今までより面倒臭いタイプ・・・」

 

ファルファ「ファルファ、ママにキスして貰った事ないかも。」

 

アズサ「ファルファ!・・・おいで。」

 

寄って来たファルファの頬にキスしてあげた。

 

ファルファ「わーい!ママにキスして貰ったー!やったー!やったー!」

 

シャルシャ「シャルシャも・・・」

 

同じくシャルシャにキス。

 

アズサ「嫌だった?」

 

シャルシャ「嫌じゃ・・・ない。」

 

ファルファ「ママ!ファルファからも!」

 

シャルシャ「シャルシャも。」

 

ファルファ・シャルシャ「ママ。ちゅっ。」

 

姉妹からのキス。

 

アズサ「皆にはハグー!」

 

ハルカラとライカにはハグ。

 

カービィ「ロザリー!」

 

ロザリー「兄貴ー!」

 

ゴーストカービィがロザリーとハグしてあげた。

 

アズサ「カービィには!」

 

カービィ「ハーイタッチ!」

 

2人がハイタッチで交わした。

 

ペコラ「でしたら私もー!」

 

アズサ「はいはい。」

 

ライカ「我は・・・あの人は苦手かも知れません。」

 

ハルカラ「私もどちらかと言うと駄目ですね・・・ああ言うお嬢様は何処かで世間の厳しさを味わうべきですね・・・」

 

カービィ「そうだハルカラ。」

 

ハルカラ「はい?何でしょう先生?」

 

カービィ「コピー能力。ベル。」

 

ベルカービィに変身。

 

ハルカラ「え?」

 

カービィ「ツインティンカー!!」

 

ベルを投げるツインティンカーでハルカラにぶつけた。

 

ハルカラ「ぎゃああーーーー!!!」

 

ライカ「カービィ様!?いきなり何を!?」

 

カービィ「本当に君はデリカシーの欠片すらないよ!!ペコラを気絶させたり失礼な事をぶつけたりして!!少しは反省しろ!!」

 

ハルカラ「はい・・・申し訳ありません・・・先生・・・」

 

ペコラ「ああそうだ。ライカさんでしたっけ?明日の式典ちょっと驚く事があると思いますよ!」

 

ライカ「え?」

 

 

 

 

 

 

翌日の式典会場。

 

アズサ「わー!凄い人!」

 

パーティドレスを着たアズサ達。カービィはマジックのハットと蝶ネクタイで身構えてる。

 

ベルゼブブ「今回ばかりは、妾も首が飛ぶ覚悟をしたぞ?」

 

ヴァーニア「自分もです。」

 

アズサ「ごめん・・・」

 

ハルカラ「以後行動を気を付けます・・・」

 

カービィ「もし破ったりしたら、分かってるよね?」

 

ハルカラ「はい先生!猛反省してます!」

 

 

 

 

ペコラ「皆様。本日はお忙しい中ご出席下さいましてありがとうございます。早速ですが魔族褒章を順番に授与したいと思います。」

 

 

 

 

魔族褒賞は次々と流れ。

 

ペコラ「次は平和部門です。レッドドラゴンとブルードラゴンの長年に渡る抗争を止めた高原の魔女アズサさんと高原の先生カービィさん。そしてレッドドラゴンのライカさんもどうぞ壇上へ。」

 

アズサとカービィとライカが壇上に上がった。

 

カービィ「昨日言ってた驚く事ってこれだったんだね。」

 

ペコラ「はい。もう1名。ブルードラゴンの代表フラットルテさん。壇上へどうぞ。」

 

アズサ・ライカ「え!?」

 

カービィ「フラットルテ!?」

 

ブルードラゴンのフラットルテが壇上に上がった。

 

ペコラ「フラットルテさんも再び抗争が起きないようブルードラゴンを取り纏めていますから、表彰されるべきかと。」

 

フラットルテ「ひ・・・久し振りだなライカ・・・」

 

ライカ「そうですね・・・」

 

アズサ「あなた人を驚かせるのが好きだね・・・」

 

ペコラ「では褒章です!それー!」

 

褒章の金メダルを投げ、4人がキャッチした。

 

アズサ(雑!!)

 

ペコラ「これでドラゴン同士の平和がより一層確かなものになりましたねー。魔族と争いを起こす人なんて居ませんよねぇ?」

 

フラットルテ「わ・・・分かっています・・・ブルードラゴンは何もしません・・・」

 

アズサ「これだけの舞台で宣言させられたら条約を破れっこない。ペコラ、あなたちゃんと考えてるんだ。」

 

ペコラ「魔族自体は超多民族国家ですから。魔王は種族協調のシンボルにならなければなりません。」

 

フラットルテ「では・・・フラットルテはお暇するのだ・・・用事的なものも色々残ってるし・・・」

 

そろそろと退散しようとしたが。

 

ペコラ「あ!私ちょっと思い付いたのですが。」

 

フラットルテ「ヒィッ!」

 

ペコラ「ブルードラゴンが反抗しないと言う証明を、お姉様とお兄様にもして貰いたいなーと。そうだ!フラットルテさんの角を撫でて下さい!」

 

フラットルテ「つ・・・つつ角は困るのだ!」

 

アズサ「角触られるのそんなに駄目なの?」

 

ライカ「ブルードラゴン特有の習俗なのですが、角を触らせると言う事は完全なる服従を意味します。」

 

ペコラ「じゃあライカさんに触って貰います?それだとレッドドラゴンによる完全支配と言う事になっちゃいますけど?」

 

アズサ「まぁ平和の為と言う事だし、触っておこうかな。」

 

カービィ「そこまで言うなら。」

 

フラットルテ「勝手にしろー!もー何とでもなれなのだー!」

 

カービィ「完全に諦めてる・・・」

 

アズサ「じゃあ失礼して・・・」

 

カービィ「ごめんねフラットルテ・・・」

 

2人がフラットルテの角を触る。

 

フラットルテ「うっ・・・ううぅぅぅ・・・ご先祖様・・・フラットルテは魔女と戦士に服従する事になりました・・・恥晒しとなった事をお赦し下さい・・・」

 

アズサ「そんな大袈裟な・・・」

 

カービィ「大丈夫?」

 

ペコラ「授与式は以上で終了となりまーす!」

 

 

 

 

 

 

褒章の授与式は終了し、カービィ達がリヴァイアサンに乗って帰る。

 

ファートラ「お帰りのアテンダントは私、ファートラが務めさせて頂きます。いらっしゃる際皆様にお乗り頂いていた者です。」

 

アズサ「ああ!その節は!」

 

ファートラ「逆に運転は妹のヴァーニアになります。残念ながら。」

 

カービィ「残念なの?」

 

アズサ「所で・・・あなたは何時まで居るのかな?」

 

カービィ「何でアズサの後ろにくっ付いてるの?」

 

フラットルテ「高原の魔女様と高原の戦士様に服従を誓ったので、ご主人様から片時も離れる事はありません。」

 

アズサ「家まで付いて来るって事!?」

 

フラットルテ「左様です・・・」

 

ライカ「アズサ様!カービィ様!高原の家にドラゴンは2人もいりません!フラットルテに故郷に帰るようご命じ下さい!」

 

フラットルテ「離れる時は自害するのがしきたりです。ご主人様を何処までもお守りせねばならないので。」

 

アズサ「しきたりがハードー。」

 

カービィ「玉砕まで覚悟してる・・・ってかペコラ!全て知った上で触らせたな!?」

 

ファートラ「皆様~。蜂蜜水をどうぞ・・・っ!」

 

突然ヴァーニアが揺れ出した。

 

アズサ「うおっ!」

 

躓いたファートラが蜂蜜水をうっかり飛ばしてしまったが、フラットルテが身体を張って守った。

 

ファートラ「申し訳ありません!」

 

カービィ「ファートラさん!さっきの揺れは何なの!?」

 

ファートラ「ヴァーニアです。きっとまた思い出し笑いでもして・・・」

 

すると伝声管からヴァーニアの声が。

 

ヴァーニア「ピンポーン。運転中のヴァーニアです。申し訳ありませんでした。2年前見た喜劇のネタが頭に浮かんでしまい・・・うしししし。」

 

ファートラ「馬鹿!」

 

カービィ「スパンな思い出し笑い!」

 

アズサ「フラットルテ・・・」

 

フラットルテ「この命の限りご主人様をお守り致します。」

 

アズサ「はぁ・・・ファートラ、お風呂借りて良い?カービィも来て。」

 

カービィ「え?ここ混浴ないんじゃ・・・」

 

ファートラ「ありますよ?」

 

カービィ「あるんかい!」

 

 

 

 

混浴。

 

アズサ「ねぇ。あなた絶対服従なんてしきたり理不尽だと思わない?」

 

カービィ「身体を張ってアズサを守ってたもんね。服従するのに理由とかあるの?」

 

フラットルテ「我々ブルードラゴンはかつて自らを屈服させた竜騎士に生涯服従しました。勝者が全てを得る、主人の命令は絶対、それが我々の価値観なのです。」

 

アズサ「じゃああなた死ねって言われたら死ぬの?」

 

フラットルテ「仰せとあらば死にます。それがブルードラゴンの矜持ですので。」

 

アズサ「はぁ・・・分かった。フラットルテ。あなたに1つ命令をします。高原の家に着いたら、私とカービィの命令を待たずに自分で考えて行動しなさい。服従なんて気持ちを捨てて自由に生きなさい。」

 

フラットルテ「それだと・・・どう生きて良いのか・・・」

 

カービィ「僕達の命令は絶対なんでしょ?命令を聞くのが、服従する君の役目だよね?アドバイスもするし、間違ったら注意もする。でもね、君は自主的に生きて行かなければダメだよ!君は自由!誰にも縛られないんだよ!」

 

フラットルテ「カービィ様・・・その命令は矛盾していますよ・・・」

 

カービィ「構わないよ。僕達は君の主人なんだから。」

 

フラットルテ「ご主人様・・・皆の所に戻る前に、1つお願いして良いですか?」

 

 

 

 

 

 

混浴から上がり、外でアズサがフラットルテに膝枕し、カービィはフラットルテに抱かれてる。

 

アズサ「えっと・・・このまま角と頭をなでれば良いの?」

 

フラットルテ「はい・・・」

 

カービィ「んで、僕は君にモチモチさせてくれと?」

 

フラットルテ「はい・・・」

 

アズサ「ま、いっか。」

 

フラットルテ「あ~・・・フラットルテはご主人様のものです~。」

 

アズサ(この子ブルードラゴンのリーダーとして気を張ってて弱みを見せたり、甘えたり出来なかったんだね。)

 

フラットルテ「ママ・・・」

 

アズサ(ママ?)

 

カービィ(幼児退行してる・・・)

 

ライカ「アズサ様とカービィ様のご迷惑になりますので、そろそろ離れましょうか!」

 

無理矢理カービィを取り上げ、膝枕から離した。

 

フラットルテ「ライカー!何で邪魔をするのだ!」

 

ライカ「あなたが変な事をしているので静止したまでです!」

 

フラットルテ「レッドドラゴンはつまらぬ事ばかりするな!変な事とは何だ!」

 

ライカ「膝枕で撫でて貰えてモチモチして貰えるなんて羨ま・・・じゃなくて!まるで犬じゃないですか!」

 

フラットルテ「犬などではない!フラットルテはご主人様に尽くす自由で従順なドラゴンなのだ!」

 

んなこんなで魔族の国への旅行は無事帰路に着く事が出来たけど・・・また一人新しい家族が増えました。騒がしくなりそうだな~。

 

ヴァーニア「うししししし!」

 

『END』




         キャスト

      カービィ:赤崎千夏
       アズサ:悠木碧
       ライカ:本渡楓
     ファルファ:千本木彩花
     シャルシャ:田中美海
      ハルカラ:原田彩楓
     ベルゼブブ:沼倉愛美
      ロザリー:杉山里穂
    フラットルテ:和氣あず未
       ペコラ:田村ゆかり
     ヴァーニア:小澤亜李
     ファートラ:伊藤美来

       魔族達:柳晃平
           高橋伸也
           酒井聖也



次回予告


カービィ「ライカとフラットルテは普段から言い争ってばかり。元々種族の因縁がある2人だけど、最近はどうやらお肉を沢山食べる事が出来ていないのがストレスに繋がっているようだ。そんな中タイミング良く現れたギルドのナタリーさんから、「大量発生している野生のロングハンマーイノシシを退治して欲しい」と言う、お腹いっぱいになれる素敵な依頼が舞い込んで来たんだ。」

次回・高原の魔女の偽物が出た

カービィ「偽物のアズサ・・・暴いてやる!」


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第8話「高原の魔女の偽物が出た」

ある朝。アズサが気持ちの良い目覚めをした。

アズサ「ん〜・・・!」

爽やかな朝の中、アズサがお茶を飲む。

アズサ「はぁ。爽やかな朝。良いお天気~。今日も穏やかに過ごせそうな・・・」




フラットルテ『お前とは決着を付けないといけないようなのだ!』

ライカ『望む所です!』




リビングから2人の言い争いの声が聞こえた。

アズサ「ん〜?」






リビングでは。

フラットルテ「決闘を申し込むのだ!」

ライカ「良いでしょう!ブルードラゴン如きに負けるようなヤワな鍛錬は積んでません!」

フラットルテ「何だとー!」

ライカ「何ですー!」

2人の喧嘩を見守るハルカラとロザリーと、本を読んでるファルファとシャルシャと、ソファーに座ってヨーヨーで遊んでるヨーヨーカービィ。

アズサ「ストーップ!朝から何の騒ぎ?」

ライカ「アズサ様!どっちのクッキーが美味しいですか!?」

フラットルテ「ご主人様!どっちのクッキーが美味しいですか!?」

喧嘩の理由は、どっちが美味しいクッキーを作れたかと言う平和的な喧嘩だった。

アズサ「・・・は?」


ロザリー「つまりですね。フラットルテの姉さんが来てから、お2人は毎度言い争っていたものの、魔王の前で不戦を誓った手前、拳と拳でやり合う訳にも行かず、平和的な解決としてクッキー対決とーなった次第です。」

 

アズサ「ふむ。」

 

2人が作ったクッキーを交互の試食。

 

ライカ・フラットルテ「どっちですか!?」

 

アズサ「この勝負・・・」

 

勝負の結果は。

 

アズサ「どっちも美味しいので2人共勝ちです!」

 

ライカ「アズサ様!それはないですー!」

 

フラットルテ「ここは無慈悲にジャッジして欲しいのだー!」

 

アズサ「ねぇカービィ。」

 

カービィ「何?」

 

アズサ「あなたもクッキー食べたの?」

 

カービィ「食べたけど、2人の作ったクッキーが美味しかったから引き分けにしたんだ。だから2人はアズサにジャッジして欲しいって。」

 

アズサ「成る程ね。」

 

ハルカラ「2人共、やけに熱くなってますね。」

 

ファルファ「理由は分かるよー!お肉食べてないからー!」

 

シャルシャ「ドラゴンは肉食。この所新鮮な肉を食べてないと愚痴ってた。」

 

ハルカラ「お肉・・・ですか?」

 

”コンコン”

 

ドアのノックが聞こえた。ドアを開けると。

 

ナタリー「おはようございます!」

 

ギルドの受付嬢のナタリーが訪れた。

 

 

 

 

お茶を淹れてあげた。

 

アズサ「ナタリーさんが訪ねて来るなんて珍しいね。どうしたの?」

 

ナタリー「実はこの所、ニルカの森でロングハンマーイノシシが大量発生しているらしいんです。」

 

アズサ「ロングハンマーイノシシ?」

 

ナタリー「これが依頼書です。」

 

ロングハンマーイノシシの討伐依頼書を見せた。

 

カービィ「額がハンマーみたいに尖ってるね。」

 

ナタリー「凶暴な獣で、地元の冒険者では手に負えず、是非高原の魔女様と高原の戦士様に退治して欲しいと。」

 

アズサ「ふーん。モンスター討伐かー。魔法石は足りてるしなー。」

 

ナタリー「ロングハンマーイノシシはモンスターではなく、野生動物なので魔法石にはなりません。倒してもただの肉の塊です。」

 

ライカ・フラットルテ「肉!!」

 

カービィ「そっか。」

 

ライカ「アズサ様!カービィ様!今すぐ行きましょう!」

 

フラットルテ「行くしかないのだ!」

 

アズサ「どうしたの2人共・・・」

 

カービィ「ヤケに熱心だね。」

 

ハルカラ「お師匠様。先生。2人はどうも肉に飢えているらしいですよ。」

 

カービィ「飢えてるんだ。」

 

アズサ「あーそう言う事。まぁまた変に張り合われても困るし・・・じゃあ退治しに行こうか!」

 

ライカ「そうと決まれば準備します!」

 

フラットルテ「善は急げなのだ!」

 

 

 

 

ライカ・フラットルテ「やーーー!!」

 

カービィ「ドラゴンで行っちゃったよー!?」

 

 

 

 

 

 

ニルカの森。

 

フラットルテ「お肉~お肉~お肉なの~だ~溢れる肉汁飛び出す肉汁~もはやドリンク~!」

 

カービィ「何ちゅー歌だよ・・・ってか肉汁がドリンクって・・・」

 

ライカ「道がかなり険しいですね。」

 

アズサ「うん。人が入り辛い分、イノシシには安全だったのかも知れない。ファルファとシャルシャだけじゃなくハルカラも留守番で正解だったね。絶対転んでる。」

 

ロザリー「姐さーん!兄貴ー!このまま真っ直ぐ行けば下り坂になって谷川に到着します。そこにはイノシシが15頭位いましたよ!」

 

アズサ「ありがとうロザリー。」

 

カービィ「偵察ご苦労様。」

 

フラットルテ「15頭!?ご馳走の山なのだー!食べに行くのだー!ウオオーーーー!!!」

 

さっきロザリーが通ったルートを走る。

 

ライカ「ちょっと!本当に真っ直ぐ行ったら・・・」

 

フラットルテ「枝に引っ掛かったのだ・・・」

 

案の定枝に引っ掛かってしまった。

 

カービィ「どんな引っ掛かり方だよ・・・卍?」

 

ライカ「だから言ったのに・・・」

 

アズサ「ロザリーと同じ道行ったら服が引っ掛かるに決まってるじゃなーい。」

 

カービィ「助けてあげるからジッとして。アニマル!」

 

アニマルカービィに変身し、引っ掻きで枝を折ってフラットルテを解放した。

 

フラットルテ「助かったのだ・・・ドラゴンの時は服を着ないのでそもそも扱いに慣れていないのだ・・・なので・・・邪魔なら脱げば良いのだ!」

 

突然着てる服を脱ぎ全裸になった。

 

カービィ「ハエ!?」

 

両腕で両目を隠した。

 

アズサ「ちょ!何してんのよー!」

 

ライカ「乱心しましたかー!?」

 

カービィ「僕に羞恥を見せる気かー!」

 

フラットルテ「自由とはこうなのだ!自由!フラットルテは自由なのだー!」

 

そのままダッシュで行った。

 

アズサ・カービィ・ライカ「わー!!」

 

そのまま森の奥へ消えて行った。

 

アズサ「でもまぁ・・・誰も居ないし良いか。」

 

そこにフラットルテが泣きながら帰って来た。

 

フラットルテ「しくしくしくしくしく・・・川に人が居て見られたのだ・・・」

 

アズサ「変な事されてない?」

 

フラットルテ「女みたいだったので大丈夫なのだ・・・」

 

ライカ「全く・・・どうぞ。」

 

フラットルテ「ありがとうなのだ・・・恩に着るのだ。」

 

ライカ「恩じゃなくて服を着て下さい!」

 

カービィ「上手い事言うね。」

 

フラットルテ「よし!これで大丈夫なのだ!」

 

下着姿になった。

 

カービィ「ちょっとはマシ・・・かな?」

 

フラットルテ「また行くのだー!」

 

アズサ・カービィ・ライカ「何でだー!!」

 

ロザリー「あちゃー・・・」

 

アズサ「ライカ!カービィ!追い掛けるよ!このままじゃ露出魔のグループだと思われる!」

 

ライカ「ええ!ドラゴン族の恥です!」

 

カービィ「僕達が不審者になっちゃうからね!」

 

 

 

 

フラットルテ『止めるのだーーーーー!!!』

 

 

 

 

アズサ・ライカ「あっ!!」

 

カービィ「フラットルテの声だ!!」

 

 

 

 

 

森を抜けると。

 

ロザリー「フラットルテの姐さん!!」

 

ライカ「大丈夫ですか!?」

 

アズサ「どうしたの!?」

 

カービィ「あれって!」

 

 

 

 

河原で、フラットルテがロングハンマーイノシシに下着を奪われていた。

 

フラットルテ「返すのだーーーー!!」

 

ロングハンマーイノシシは、奪ったフラットルテの下着を川に投げた。

 

フラットルテ「あっ!!」

 

下着は川に流された。

 

フラットルテ「わーー!!流れて行くのだーーー!!」

 

 

 

 

ライカ「何してるんですかね・・・」

 

アズサ「さぁ。」

 

カービィ「茶番的な何かだね・・・」

 

 

 

 

別のロングハンマーイノシシがフラットルテの服を奪って走ってる。

 

フラットルテ「あー!それがなくなったら帰りは困るのだ!とうっ!」

 

ロングハンマーイノシシに飛び蹴りしたが、服はそのまま川に流された。

 

フラットルテ「服まで流されて行くー!」

 

 

 

 

アズサ「キックの方向考えようよ。」

 

カービィ「それな。」

 

ロザリー「まぁ・・・まだ全て無くなった訳じゃないんで・・・」

 

 

 

 

フラットルテ「もういい!!」

 

下着を全て脱いで再び全裸に。

 

フラットルテ「イノシシ達よ。お前らが裸なら、このフラットルテ様も裸で戦ってやろうではないか!それが真剣勝負と言うものなのだ!とりゃー!」

 

ロングハンマーイノシシとの全面戦争。

 

アズサ「仕方ない・・・加勢するよ!」

 

カービィ「分かった!」

 

ライカ「承知しました!」

 

ロザリー「了解っす!」

 

アズサ「たぁー!」

 

カービィ「トワッ!!」

 

ライカ「やぁー!」

 

ロザリー「はぁー!」

 

 

 

 

 

 

ロングハンマーイノシシを全て討伐し、コックカービィがイノシシの肉を焼いた。

 

カービィ「ボア100%〜♪」

 

アズサ「カービィ、そろそろ良いかな~?」

 

カービィ「うん。ウルトラ上手に焼けました〜。食べて食べて。」

 

焼けた肉を食べる。

 

アズサ「う~ん。良いね!これは良いよ!塩だけで全然イケる!」

 

ロザリー「ですって!姐さん方!」

 

フラットルテ「これこそ食事なのだー!」

 

ライカ「体中に元気が湧いて来ますー!」

 

ロザリー「凄い食欲ですね・・・」

 

 

 

 

ベルゼブブ「お主等何しとるんじゃ?」

 

 

 

 

アズサ「ベルゼブブ!」

 

カービィ「ヴァーニアさん!」

 

そこにベルゼブブとヴァーニアがやって来た。ヴァーニアがフラットルテの服を持ってる。

 

フラットルテ「あー!フラットルテの服!」

 

ヴァーニア「調査中に川下に流れて来たんです。さっき見掛けた全裸の人の服じゃないかと思って拾ったのですが・・・フラットルテさんだったんですね!」

 

フラットルテ「助かったのだー。ありがとうなのだー。」

 

カービィ「さっき言った女の人って、ヴァーニアさんだったんだ。」

 

ライカ「ベルゼブブさん。調査って何ですか?」

 

ベルゼブブ「うむ。ロングハンマーイノシシの噂を聞いて魔族領の食料調達に来たのじゃが・・・手間が省けたようじゃな。折角じゃから妾達も頂くかのう。」

 

ヴァーニア「それでは・・・」

 

鞄から包丁を取り出した。

 

ヴァーニア「最高のジビエ料理を作りましょう!沢山ご用意しますよー!」

 

カービィ「それじゃあ僕も振る舞っちゃうよ!」

 

ライカ「アズサ様!」

 

アズサ「うん!皆も呼んじゃおー!」

 

 

 

 

他の皆を呼び、コックカービィとヴァーニアが作った肉料理パーティを開いた。

 

色々あったが、結果的に良い日になった。

 

 

 

 

 

 

その日の夜。ファルファとシャルシャ、ハルカラ、ロザリー(浮遊しながら)は就寝してる。

 

 

 

 

リビングにて。

 

アズサ「どう?お肉も沢山食べられたし、大分落ち着いた?」

 

ライカ「はい・・・恥ずかしい所をお見せしました。」

 

フラットルテ「ご褒美が懸かってると思ってつい熱くなってしまったのだ。」

 

カービィ「ご褒美って何?」

 

ライカ「実はその・・・我等2人で勝負のご褒美を決めていまして・・・勝った方がアズサ様と一晩添い寝出来る・・・と・・・」

 

アズサ(初耳ですけど!?)

 

カービィ(キマシタワー!?)

 

 

 

 

その後。アズサの部屋でライカとフラットルテと添い寝。

 

アズサ「こうやって寝ると3人姉妹みたいじゃない?身長的に私が長女、フラットルテが二女、ライカが三女。2人共仲良くする事。良いね?」

 

フラットルテ「分かりました。ご主人様。」

 

ライカ「アズサ様に従います。」

 

アズサ「じゃあ今日は一緒に寝よう。」

 

ライカ・フラットルテ「はい!」

 

 

 

 

数分後。スリープカービィが部屋で寝ていると。

 

カービィ「zzz・・・ん?」

 

何かの臭いを嗅いで起きた。

 

カービィ「何この臭い?」

 

 

 

 

同じくアズサは、ライカとフラットルテが居ない事に気付いた。

 

 

 

 

部屋を出ると、カービィが1階へ降りようとしてる。

 

アズサ「カービィ?」

 

カービィ「アズサ?どうかしたの?」

 

アズサ「ライカとフラットルテが居ないんだけど・・・あなたは何しようとしてるの?」

 

カービィ「いや、何か臭いがして起きちゃったんだ。」

 

アズサ「臭い?何処から?」

 

カービィ「・・・食料庫からだね。」

 

アズサ「泥棒かしら?」

 

カービィ「行ってみよう。」

 

アズサ「うん。」

 

 

 

 

 

 

地下の食料庫では。

 

ライカ「これは我が持って来たものです!」

 

フラットルテ「堅い事言うな!腹が減って寝られないのだ!」

 

ライカ「それは我もですよ!」

 

コソコソと肉を頬張ってる2人の姿があった。空腹で寝られないようだ。そんな2人の後ろにアズサとカービィが。

 

アズサ「あなた達〜。」

 

カービィ「何してるの〜?」

 

ライカ「あ・・・」

 

フラットルテ「なのだ・・・」

 

その後2人は叱られた。

 

 

 

 

 

 

後日。ハルカラ製薬・ナスクーテ工場にて。

 

アズサ「ふー。1回休憩休憩~。」

 

カービィ「ちょっと疲れたなぁ〜。」

 

アズサとドクターカービィがソファーに座って休憩してる。

 

従業員A「お疲れ様。アズサちゃん。カービィちゃん。」

 

従業員B「あなた達筋が良いわよ。」

 

アズサ「ありがとうございますー。ふふ。ハルカラに頼んで暇潰しに働かせて貰ったけど、こう言う普通の女の子としての仕事も悪くないなー。」

 

カービィ「僕は付き添いのつもりで来たけどね。」

 

従業員A「知ってる?また高原の魔女様が現れたんですって。」

 

カービィ「ペポ?」

 

従業員B「そうそう。何でも世界中を回って困った人を助けてるって。高原の魔女様は徳が高いわね。」

 

アズサ(何だって?)

 

カービィ(高原の魔女だって?)

 

 

 

 

 

 

仕事を終えて、家に帰って皆に事情を話した。

 

アズサ「と言う訳で・・・私の偽物が居ます!」

 

カービィ「高原の魔女の名を騙ってる不埒者が存在してる。」

 

ライカ「許せませんね!」

 

ロザリー「シメてやりましょう!」

 

フラットルテ「八つ裂きなのだ!」

 

ハルカラ「工場で働かせましょう!」

 

シャルシャ「訴えよう。判例に従えば懲役5年は堅い。」

 

ファルファ「ママはママしか居ないからねー!」

 

アズサ「うん。物騒な事を言ってる人も居るけれど・・・反省して貰えれば良いから。早速情報収集をします。それぞれ手分けして東西南北に別れて探すよ!」

 

 

 

 

 

 

西部の町を、アズサとカービィとライカが情報収集を始める。

 

アズサ「結構大きな町だねー。ここなら情報も集まり易いんじゃないかな。」

 

カービィ「周りを見たら、皆飾り付けしてるよ。」

 

アズサ「本当だ。何かのイベントかな?」

 

ライカ「アズサ様。カービィ様。情報収集と言うとやはり酒場でしょうか?」

 

カービィ「酒場。早速行ってみよう。」

 

 

 

 

その酒場に入ると。

 

客A「あぁ?」

 

客B「ん?」

 

ここの客達に突然睨まれてしまった。

 

ライカ「アズサ様!カービィ様!」

 

アズサ「大丈夫!」

 

カービィ「僕達が付いてる。」

 

店員「いらっしゃいませー。大衆酒場・お前より豚の方がよっぽど役に立つよ亭へようこそ~。」

 

アズサ(絶対大衆向けじゃなーい!)

 

ライカ(エキセントリック過ぎる名前!)

 

カービィ(ってか店名長過ぎるよ!)

 

客C「おいねーちゃん!おかわり!」

 

店員「黙れ。自分の餌ぐらい自分で持って来い。豚。」

 

客C「ああ〜。」

 

罵られて満足気に倒れた。

 

アズサ・ライカ「え?」

 

カービィ「どう言う事?」

 

店員「このお店は昔接客態度が悪くて潰れそうだったのを心機一転。雑に扱う事をコンセプトにした所、一気に繁盛したんです。発想の転換の勝利ですね。」

 

アズサ「転換し過ぎでしょ!」

 

カービィ「完全にドM専門店じゃん!」

 

店員「所で3人は豚ですか?」

 

カービィ「豚!?」

 

アズサ「まさか人生でそんな質問されるとは思ってなかったよ・・・」

 

店員「ではバイト希望者?」

 

ライカ「ふー!こんな店死んでも働きたくありません!」

 

アズサ「ちょっと聞きたい事があって・・・高原の魔女について知りたいんですけど。」

 

店員「成る程情報ですか。高原の魔女の事ならこの間小耳に挟みましたけど。」

 

アズサ「え!本当?」

 

店員「教えて欲しければ、その辺の男達に悪口でも言って貰えますかー?幻滅した目や不快そうな目、薄汚いものを見る目をして貰えるとなおありがたいです。」

 

アズサ「とんでもない店に入ったな。」

 

カービィ「僕は男だから不可能だね。」

 

ライカ「帰りましょうアズサ様!カービィ様!」

 

アズサ「う~ん・・・でも情報が手に入るなら・・・」

 

客D「ねーちゃん追加注文したいんだけどー!」

 

アズサ「酒臭い口で喋らないでくれる?耳が腐るから。」

 

客D「おお~!」

 

ライカ「アズサ様・・・?」

 

カービィ「な、なりきってる・・・」

 

客E「ねーちゃんこっちも!」

 

アズサ「それ以上喋ったら蹴るよ。」

 

客F「高い酒頼んじゃおっかなー!」

 

アズサ「あんたなんか馬の桶に入ってる水で十分じゃない?」

 

客G「ねーちゃん!ちょっと笑ってくれよ!」

 

アズサ「はぁ?何で私に命令してんの?」

 

客E「おお~!」

 

客G「やっぱ罵られるのサイコー!」

 

客F「3時間歩いて来た甲斐があったー!」

 

客D「ゾクゾクするぜー!」

 

カービィ「ああもうしっちゃかめっちゃか・・・」

 

ライカ「アズサ様・・・カービィ様・・・この者達を亡き者にして宜しいですか?」

 

カービィ「ラ、ライカさん?」

 

客F「おお・・・その氷のような目!シビレる!」

 

客D「俺も!ゴミみたいに蔑んでくれ!」

 

ライカ「黙れ!近寄るな害虫め!」

 

客A「ああ~!罵ってくれ~!」

 

ライカ「口を開くな!ドラゴンの爪で八つ裂きにされたいか!」

 

客B「ぜ!是非!お願いします~!」

 

ライカ「この矮小な人間共め!貴様ら如きが我に要求する権利などないわ!」

 

客達「おお〜〜〜!」

 

ライカ「がうー!がうー!」

 

アズサ「ライカー。サービスし過ぎ。」

 

カービィ「ってかライカ、罵っても可愛いな・・・」

 

店員「ありがとうございますー。これで豚共がまたお金を落とします。」

 

カービィ「ああもう皆死屍累々・・・」

 

店員「高原の魔女の情報でしたね?でしたら北へ向かったと豚共が言ってましたよ。」

 

 

 

 

 

 

北の街道へ行くと、村人達が噴水広場に集まっていた。

 

村人A「これはこれは!高原の魔女様!」

 

村人B「ありがたい事だ!」

 

ライカ「アズサ様。カービィ様。」

 

アズサ「うん。見付けた!」

 

カービィ「さて、高原の魔女のお顔を拝見しなきゃね。」

 

その高原の魔女の正体は・・・

 

 

 

 

高原の魔女「ワシが!高原の魔女ですじゃ。300年高原に住んでおる。」

 

 

 

 

スタンダードな老婆の魔女だった。

 

村人C「魔女様!秘伝の薬を売って下さい!」

 

高原の魔女「まだまだワシの腕はとても薬を売ると言う次元に至っておらん。もっと成長したら売る事にしますじゃ。」

 

村人D「なんて謙虚な!」

 

村人E「流石高原の魔女様!」

 

そこにアズサが割り込んだ。

 

アズサ「そんな訳ないでしょ!300年やってるんでしょ?じゃあ何年やったら一人前なの?魔女は「500年まではまだまだヒヨッコ」なーんて厳しい業界じゃないよ!皆さん!この高原の魔女は偽物です!私こそ高原の魔女・・・の友達ですがこの人とは似ても似つきません!」

 

村人A「偽物なの?」

 

村人E「確かに・・・高原の魔女は美少女って聞いた事があるぞ。」

 

アズサ(そうでしょそうでしょ?)

 

カービィ(あ、嬉しそう。)

 

アズサ「おほん!もしあなたが本物ならば、例え私と魔法で勝負しても負けないないはず。ですので!あなたに勝負を挑みます!あれ?」

 

高原の魔女が忽然と消えた。

 

ライカ「アズサ様!カービィ様!あっちです!」

 

高原の魔女が北の街道から逃げ出した。

 

 

 

 

北の街道から逃げ出した高原の魔女が必死に走る。

 

カービィ「ウィップ!!」

 

ウィップカービィの鞭が、高原の魔女の足を掴んだ。

 

高原の魔女「ほえ!?」

 

カービィ「よっと!」

 

そのまま引っ張って転ばせた。

 

高原の魔女「うわああーーー!!」

 

転んだ瞬間にピンク色の煙が蔓延した。

 

カービィ「もう逃げられないよ・・・って!?」

 

アズサ「さぁ!観念なさい!」

 

煙を晴れると・・・

 

 

 

 

 

 

高原の魔女が、赤髪の少女になっていた。

 

 

 

 

 

 

アズサ・ライカ「え!?」

 

カービィ「女の子!?」

 

少女「ご・・・ごめんなさい!仰る通り私は偽物です!すみませんでした~!」

 

 

 

 

その少女が住んでいる洞窟。

 

少女「えー!?本物の高原の魔女様!?それは重ねて失礼しました!」

 

アズサ「まぁ悪事を働いてた訳じゃないみたいだから良いけど。」

 

ライカ「一応魔女みたいですね。」

 

カービィ「君、名前聞かせてくれる?」

 

エノ「はい。私魔女をやっていますエノと申します。」

 

アズサ「それにしても・・・エノ。あなた形から入るタイプでしょ。」

 

洞窟には、数多くのキノコや動物の皮と魔法の本。そして壺に入ってる薬。

 

カービィ「君は、ここで薬を作ってるの?」

 

エノ「そうです!例えばこのマンドラゴラ錠は、乾燥されたマンドラゴラで作った丸薬です!疲労回復・疲れ目に効果があってお腹の調子も整います!」

 

アズサ「良いの作ってるじゃない!普通に売り出せばヒットすると思うのに~。」

 

エノ「いえ・・・魔女たる者不用意に人に知られるのもどうかと思い市販はしてません。」

 

アズサ「それ勿体無いんじゃ・・・」

 

エノ「でもまぁ・・・誰かが商品化して世間に広めたいって言って来たら考えても良いって言うか・・・知る人ぞ知る天才、みたいなスタンスが良いって言うか・・・」

 

アズサ「大分拗らせてるな。」

 

ライカ「あの。それって矛盾してませんか?知る人ぞ知る立場で居たいのに、世間に知られたいって両立できないと思うんですが。我にはよく分かりません。」

 

エノ「それは・・・仰るとおりなんですけど・・・そこはほら・・・」

 

ライカ「あなた先程から言動に一貫性がありませんよ。人に知られたいのか知られたくないのか。つまり何を目指したいんですか?どうしたいのですか?無学な我にも分かるように説明して頂けませんか?」

 

エノ「そ・・・それは・・・」

 

アズサ「ライカ。もう良いよ。私が説明してあげる。あのね。人間には見栄ってものがあるの。エノの場合その見栄は、商売っ気のない知る人ぞ知る天才魔女みたいでありたいってもの。でも一方で、世間に偉大な魔女様って認められたい欲望もあるんだよね。」

 

エノ「・・・」

 

ライカ「でもそれって・・・」

 

アズサ「うん。矛盾してる。けど人間ってのは元々矛盾してる生き物なんだよ。」

 

ライカ「そう言うものですか・・・」

 

アズサ「これは私の個人的な意見だけど、間違ってない?」

 

エノ「はい・・・間違いありません。すみません。」

 

アズサ「つまり、ちやほやされたいんだね?」

 

エノ「はい!私は・・・ちやほやされたいです!」

 

アズサ「それだけ?」

 

エノ「いえ・・・もっと目立って憧れの視線とか浴びたいです!そして・・・出来ればブロンズ像とか建てて貰って・・・故郷の名誉市民みたいなのにして貰いたいです!」

 

カービィ「欲望に充実過ぎるね君!!」

 

アズサ「急に世俗的な欲望が噴出して来たけど・・・その為にはどうしたら良いと思う?」

 

エノ「ゆ・・・有名になる為の活動をするしかないです!」

 

アズサ「うん。よく言った。じゃあ活動して行く事にしよう!」

 

エノ「え?」

 

 

 

 

 

 

西部の町のマーケットイベント当日。

 

ファルファ「わー。凄ーい!」

 

アズサ「中々大きな市だね!」

 

カービィ「マーケットのイベントかぁ。」

 

シャルシャ「ママ。その魔女さんのお店と言うのは何処?」

 

アズサ「えっと・・・ア-23Bだったかな?」

 

ハルカラ「わぁ!壁じゃないですか。壁は凄いんですよ~!」

 

アズサ(同人誌即売会かよ!)

 

カービィ(コミケかな?)

 

 

 

 

早速エノが居るアー23Bへ行くと。

 

エノ「高原の魔女様ー!高原の戦士様ー!」

 

魔法少女コスのエノが手を振った。

 

アズサ「エノ・・・それって・・・」

 

カービィ「魔法少女・・・?」

 

エノ「ほら・・・私ってあがり症じゃないですか。なので自分と全く違うキャラを演じる事によって、恥ずかしさを克服する事にしたんです!」

 

アズサ「成る程ね。ま・・・あなたが納得してるなら良いと思うよ。所でライカ達は?」

 

カービィ「あの2人なら彼処だよ。」

 

 

 

 

ライカ「レッドドラゴン印のバタークッキーでーす!」

 

フラットルテ「ブルードラゴンの谷で炒った豆入りのクッキーなのだー!」

 

ライカ「お隣のより美味しいですよ!」

 

フラットルテ「隣のなんて目じゃないのだ!」

 

クッキー対決。

 

 

 

 

カービィ「またクッキー対決してるよ・・・」

 

アズサ「全く・・・」

 

カービィ「あ、ロザリー。」

 

 

 

 

ロザリー「ニヤケ面で近付くんじゃねぇよ!あの世で後悔させてやろうか。ドブで顔洗って一昨日来やがれ!」

 

客A「ああ・・・もっと言ってくれー!」

 

客B「ロザリー様~!」

 

豚共を罵っていた。

 

 

 

 

カービィ「凄い罵ってる・・・」

 

アズサ「これは適任かも・・・」

 

ファルファとシャルシャを目隠ししながらそう言った。

 

 

 

 

こうして、エノのお店もそれなりに繁盛し彼女は色々な意味で一皮剥けたのでした。

 

 

 

 

 

 

イベントから数日後。

 

ライカ「アズサ様。郵便ですよ。」

 

アズサ「お!エノからじゃない!」

 

 

 

 

エノ『親愛なるアズサ様。先日はありがとうございました。お陰様でマンドラゴラ錠は口コミで評判になり、爆発的に売れるようになりまして生産が追い付きません。一体どうしたら良いかと困ってる所です。』

 

 

 

 

アズサ「えー!?あの薬ヒットしたの!?」

 

カービィ「凄いじゃんエノ!一生暮らして行けるじゃん!」

 

ライカ「大人気みたいですね!」

 

ハルカラ「ふむ・・・これは新しい提携先としてアリですね。」

 

眠ってた才能も引き出せたし、これはこれで良かったのかも。

 

『END』




         キャスト

      カービィ:赤崎千夏
       アズサ:悠木碧
       ライカ:本渡楓
     ファルファ:千本木彩花
     シャルシャ:田中美海
      ハルカラ:原田彩楓
     ベルゼブブ:沼倉愛美
      ロザリー:杉山里穂
    フラットルテ:和氣あず未
     ヴァーニア:小澤亜李

      ナタリー:菊池紗矢香
        エノ:遠野ひかる

        店員:小林未沙

       従業員:鈴木咲
           中村桜

        客達:伊原正明
           野津山幸宏
           峰晃弘
           赤石考
           関幸司



次回予告

カービィ「目が醒めたらファルファがスライムの姿になっていた!勿論、スライムの精霊だからスライムの姿になっても可笑しくないんだけど、妹のシャルシャに聞いても「初めての事で、元の姿に戻るかどうかすら分からない」と悲観にくれてしまう。そこで僕達は、シャルシャやベルゼブブと共に、各地の「変わったスライム」に会いに行き、元の姿に戻す方法を探るのだが・・・ってか、スライムになったファルファって柔らかい・・・」

次回・娘がスライムから戻れなくなった

カービィ「待ってて。戻る方法見付けてあげるから!」


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第9話「娘がスライムから戻れなくなった」

ある朝。アズサが朝食を作っていると。

シャルシャ「母さん!大変!」

キッチンにシャルシャが慌ててやって来た。

アズサ「シャルシャどうしたの?」

シャルシャ「姉さんが・・・姉さんが!」

アズサ「え!?」




急いでファルファの様子を見に行く。

アズサ「ファルファ!」

カービィ「あ!アズサ!」

アズサ「カービィ!ん?」

カービィの頭に乗ってるスライムに目を向けた。

アズサ「何でこんな所にスライムが居るの?倒さないと・・・」

シャルシャ「母さん!ダメ!!」

スライムを倒そうとしたら、シャルシャに止められた。

シャルシャ「何で?スライムだよ?ってかカービィ、何でそのスライム持ってるの?」

カービィ「アズサ!このスライム、ファルファなんだよ!」

アズサ「ファルファ!?」

持ってるスライムの正体がファルファだと言った。




2人の部屋で事情を聞いた。

アズサ「よく意味が分からないんだけど・・・」

シャルシャ「朝起きたら姉さんがスライムの姿になってた。」

カービィ「僕も最初信じられなかったけど、シャルシャの言葉で確信したんだよ。それに、僕達が見てる普通のスライムより全然違うんだ。」

アズサ「まさか。」

シャルシャ「部屋の窓は閉まっていて外から侵入した可能性もない。つまり、このスライムは姉さんとしか考えられない。」

アズサ「あなた・・・本当にファルファなの?」

するとそのスライムがテーブルから降り、アズサの足をスリスリした。

アズサ「やっぱりファルファなんだ!!」

スライムになってしまったファルファ。その理由とは一体・・・


皆を集めて、スライムになってしまったファルファを見せた。

 

ロザリー「これが?」

 

ライカ「ファルファちゃん?」

 

ハルカラ「ですか?」

 

フラットルテ「のだ?」

 

アズサ「私も信じたくないよ・・・誰か元に戻す方法知らない?」

 

皆が考え込んでる。

 

アズサ「やっぱり分かんないか。」

 

ハルカラ「ファルファちゃんはスライムの精霊ですよね?実はスライムになれる技を持っていたとか?」

 

シャルシャ「聞いた事ない・・・」

 

ロザリー「あのー。姐さんと兄貴の魔法でどうにか出来ないんですかね?」

 

アズサ「ここまで特殊なケースだと自作するのは難しいかなー。」

 

カービィ「ん〜・・・ちょっと試してみよう。」

 

 

 

 

外に出て、ファルファを人間の姿に戻してみる。

 

カービィ「コピー能力!マジック!」

 

マジックカービィに変身し、成人男性サイズの箱を出してファルファを入れた。

 

カービィ「これで元に戻れるかも。3・・・2・・・1!!」

 

箱を開けた。だが、ファルファはスライムのままになってた。

 

カービィ「ダメかぁ・・・」

 

アズサ「カービィの能力でもダメかぁ・・・」

 

フラットルテ「モンスターの事なら、魔族に聞いてみるのが一番なのだ!」

 

アズサ「魔族!」

 

カービィ「早速呼び出してみよう!アーティスト!」

 

アーティストカービィで、地面にベルゼブブを呼び出す魔方陣を描いた。

 

アズサ「ーーーーーー!」

 

無事に呼び出した。浴室に。

 

 

 

 

浴室。

 

アズサ「ベルゼブブ!ファルファがスライムになっちゃったの!」

 

ベルゼブブ「お主・・・そんな面白くない冗談の為にこんな目に遭わせたのか!?」

 

カービィ「冗談だと思った?本当だよ?」

 

頭の上に乗ったスライム姿のファルファを見せた。

 

ベルゼブブ「がーん!ああ・・・ファルファよ・・・こんな変わり果てた姿に・・・」

 

アズサ「朝起きたらいきなりこうなってたの。何か元に戻せる方法知らない?」

 

ベルゼブブ「ふむ。パンはパン屋と言うしのう。スライムの事はスライムに聞くとしよう。」

 

アズサ「スライムに!?」

 

ベルゼブブ「ヴァンゼルド城には、賢いスライムと言う特別なスライムが居るらしくての。そやつに聞けば答えてくれよう。」

 

アズサ「流石魔族の首都。因みにその賢いスライムの名前は?」

 

ベルゼブブ「だから賢いスライムじゃ。」

 

カービィ「名前そのまんま?」

 

ベルゼブブ「そうじゃ。」

 

アズサ「何か・・・あんまり頭が良い気がしないけど。じゃあ、ヴァンゼルド城にちょっと行って来るよ!」

 

シャルシャ「母さん!父さん!シャルシャも行って良い?」

 

カービィ「勿論だよ。お姉ちゃんが心配だよね。」

 

ベルゼブブ「そんなに深刻になるでない。妾とアズサとカービィが何とかするのじゃ。」

 

シャルシャ「うん!」

 

 

 

 

早速レッドドラゴンのライカとジェットスターでヴァンゼルド城へ向かった。

 

 

 

 

 

 

ヴァンゼルド城・地下通路。

 

ベルゼブブ「賢いスライムは静かな環境を求めて城でも最下層の部屋に居る。」

 

アズサ「こんなに複雑な道よく迷子にならないねー。」

 

ベルゼブブ「ん?こんな道あったかのう?」

 

カービィ「迷ってたんかーい!」

 

ベルゼブブ「ふっふっふ。こんな事もあろうかと、パンくずを落としながら進んできたのじゃ・・・」

 

だがそのパンくずはファルファの腹の中に。

 

シャルシャ「姉さん。落ちてるもの食べたら駄目。」

 

カービィ「あ〜、ダメだこりゃ。」

 

 

 

 

 

 

適当に進むと地上に戻ってしまった。

 

アズサ「って、何で地上に戻ったのー!?」

 

ベルゼブブ「あーもう!ややこしい城じゃのー!」

 

アズサ「いやあなたの勤務先でしょ。」

 

カービィ「魔王なら城を把握してよね。」

 

 

 

 

ペコラ「あらあら。またお姉様にお会い出来るだなんて私感激ですー!」

 

 

 

 

カービィ「ペコラ!」

 

ペコラ「ほっぺに挨拶のキスと撫で撫でして下さーい!」

 

アズサ「そんなのやる訳ないでしょ・・・」

 

ペコラ「賢いスライムをお探しなのですよね?行き方を知りたくはないのですか?」

 

アズサ「ちゃんと・・・教えてくれるんだよね?」

 

ペコラ「勿論ですー。」

 

アズサ「・・・ちゅ!」

 

カービィ「撫で撫で。」

 

ペコラ「わー!お姉様のキス!お兄様の撫で撫で!素晴らしい体験ですわ。私うっとりして死にそうですー!」

 

カービィ「いや死んじゃダメでしょ。」

 

アズサ「良いから!賢いスライムは何処に居るか早く教えて!」

 

ペコラ「そこの物置小屋を探して下さい。」

 

 

 

 

近くにある物置小屋。

 

アズサ「ただの物置にしか見えないけど・・・」

 

カービィ「何処かに隠れてるのかな・・・ん?」

 

床が少し抜けてる。

 

カービィ「ベルゼブブ。床が。」

 

ベルゼブブ「ん?ここじゃ!」

 

アズサ「こんなのほぼ辿り着けないでしょ!」

 

カービィ「隠し床だね。」

 

 

 

 

隠し床の奥にある部屋。

 

ライカ「ん?壁に沢山の文字が・・・何でしょうか?」

 

カービィ「ウィジャボード?」

 

ベルゼブブ「お主が賢いスライムじゃな?」

 

真っ黒なスライムがそこに居た。黒いスライムが壁のハイの文字にぶつかった。

 

シャルシャ「はいの文字にぶつかった。」

 

ベルゼブブ「成る程。こうやってコミュニケーションを取るんじゃな。」

 

カービィ「文字のインクが所々擦れてるね。」

 

アズサ「それで体が黒いんだ。」

 

ベルゼブブ「賢いスライムよ。実はスライムの精霊の娘が突然この体になってしまってのう。元に戻す方法を知らぬか?」

 

賢いスライムが壁の文字に何度もぶつかる。

 

シャルシャ「ト・・・ム・・・レ・・・一文字戻る。」

 

ライカ「間違えたんですね・・・」

 

次々と文字にぶつかる。

 

アズサ「大変そうだな。」

 

カービィ「疲れるんじゃない?」

 

シャルシャ「トムリアナ州の一番高い山に居る、魔法使いスライムに聞くべきだ。」

 

アズサ「今度は魔法使いスライムか・・・」

 

ベルゼブブ「トムリアナ州の一番高い山・・・ちと調べる時間が必要じゃのう。アズサにカービィよ。また明日にしてはどうじゃ?」

 

カービィ「だね。皆疲れてるかもだし明日にしよう。」

 

アズサ「賢スラさん。どうもありがとう。」

 

ライカ「賢スラ?」

 

アズサ「賢いスライムさん。略して賢スラさん!」

 

ベルゼブブ「安易な名付け方じゃのう・・・」

 

 

 

 

 

 

夕食。ファルファがサラダを食べてる。

 

ハルカラ「スライムも食事するんですねー。」

 

シャルシャ「別に料理じゃなくてその辺の土や雑草でも栄養に出来るけど、ちゃんと食べさせたいから。」

 

 

 

 

風呂。

 

アズサ「ふー。しばしの休息だねー。」

 

シャルシャ「母さん・・・」

 

アズサ「どうしたの?」

 

シャルシャ「姉さんを元に戻す方法見付かるかな・・・」

 

アズサ「大丈夫。母さんと父さんに任せて。だけど姿が変わってもやっぱりファルファはファルファだなー。何十匹ってスライムに混ざっててもすぐに見付けられるよ。」

 

 

 

 

 

 

翌日。レックスウィリーに乗ってトムリアナ州の高い山へ目指してる。

 

ベルゼブブ「あれじゃな。」

 

高い山にある小屋を発見。

 

”コンコン”

 

アズサ「こんにちはー!」

 

ドアを開けたのは、金髪の少女だった。

 

少女「あら?どちら様でしょうか?」

 

カービィ「え?女の子?」

 

アズサ「ここって・・・魔法使いスライムのお家ですよね?」

 

少女「ああ。混乱させてしまいましたね。私スライムなんです。」

 

ライカ「スライム!?」

 

スライム「この姿なのは変化の魔法を使っているからなんです。」

 

アズサ「そうなんですか!」

 

スライム「立ち話も何ですし中へどうぞ。」

 

4人を招き入れた。

 

スライム「すみません。お客さん用の椅子もなくて。スライムなので家具やトイレなどは必要ないんです。」

 

アズサ「所で、あなたのお名前は?」

 

スライム「魔法使いスライムです。」

 

彼女こそ、魔法使いスライム本人である。

 

アズサ「やっぱり!じゃあ略してマースラさんって呼んでも良いですか?」

 

ベルゼブブ「・・・」

 

ライカ「マースラ・・・」

 

カービィ「安直・・・」

 

マースラ「はい!構いません。それでご用件と言うのは・・・」

 

ファルファについて話した。

 

マースラ「そのスライムさんを元の姿に戻したいと・・・」

 

アズサ「そうなんです!」

 

マースラ「ちょっとお貸し頂けますか?」

 

ファルファを借りる。

 

マースラ「うんうん成る程ー。普通のスライムと弾力性が全く違いますね。間違いなく特別なスライムです!」

 

今度はファルファに顔を埋める。

 

マースラ「あ~成る程成る程~。そうですか~。そっちですか~。そっちだったか~。」

 

アズサ・カービィ「どっちだよ!」

 

マースラ「答えが出ました!何故このスライムさんが今の姿になったかと言うと・・・」

 

アズサ・カービィ・ライカ・ベルゼブブ「それは!?」

 

マースラ「それは!」

 

ファルファがスライムになった理由。それは・・・

 

 

 

 

 

 

マースラ「寝違えですね!」

 

 

 

 

 

 

アズサ・カービィ・ライカ・ベルゼブブ「寝違え!?」

 

寝違えだった。

 

マースラ「触ってみて体がこってるのがわかりました。きっと寝てる時に筋肉を痛めてしまったんでしょう。それで人間の姿を維持する事が困難になり、スライムの形になってしまったんですね。」

 

カービィ「スライムの筋肉とは一体・・・」

 

ベルゼブブ「お主の変化の魔法で元に戻せぬのか?」

 

マースラ「魔法の効果には時間制限がありますし、根本的な解決にはなりません。」

 

ベルゼブブ「ではどうすれば良いのじゃ?」

 

マースラ「このスライムさん自身が人の姿に戻る方法を理解するのが近道です。これに関しては武道家スライムに教えを乞うべきでしょう。」

 

アズサ「武道家スライム!」

 

マースラ「武道家スライムは私と違って体を動かす事で人の姿を手に入れた方です。なのでその技術を学べばよいと思います」

 

カービィ「それでその武道家スライムは何処に居るの?」

 

マースラ「今は武術大会に出る為に、南部のケルネイと言う町にいるようです。」

 

ライカ「武術大会?」

 

マースラ「噂では、純粋に強さを追求している孤高の武道家だとか。」

 

アズサ「成る程・・・じゃあ!私も武術大会に出場する!」

 

ベルゼブブ「何故じゃ?」

 

アズサ「私が大会に出て武道家スライムより強い事を見せれば、向こうも話を聞いてくれると思うの!」

 

ベルゼブブ「確かにな。」

 

アズサ「所で、その武道家スライムの名前って?」

 

マースラ「ズバリ!ブッスラーさんです!」

 

ライカ「ブッスラー・・・」

 

アズサ「私の名付け方と同じコンセプト!」

 

カービィ「名前が酷いような・・・」

 

 

 

 

 

 

数日後。ケルネイの町にやって来た。

 

アズサ「やっぱり男が圧倒的に多いねー。」

 

カービィ(天下一武道会かな?)

 

男達の中に見覚えのある姿があった。

 

アズサ「あれ?その格好・・・」

 

ベルゼブブ「待っておったぞ。」

 

変装しているベルゼブブだった。

 

アズサ「魔族が大会に出たら会場がパニックになっちゃうよー。」

 

ベルゼブブ「大丈夫じゃ。ちゃんと角も隠したし名前もベルゼで登録しておいた。」

 

アズサ「雑な名付け方!」

 

ベルゼブブ「お主に言われとうないわい!この大会では魔法が使用禁止になっておるから気を付けるのじゃぞ。」

 

アズサ「失格になったらアホらしいもんね。」

 

 

 

 

武術大会が始まった。カービィもエントリーしようとしたが、制限が達した為出来なかった。

 

 

 

 

まずは第1回戦。

 

男「へへへへへ!」

 

 

 

 

ライカ「アズサ様ー!」

 

ハルカラ「頑張って下さーい」

 

フラットルテ「ご主人様やっちまえなのだ!」

 

カービィ「負けたら承知しないよー!」

 

 

 

 

アズサ「ファルファー!絶対元に戻すからねー!」

 

男「お嬢ちゃん!怪我したくなかったらうおーっ!」

 

ノールックパンチが直撃し、男がダウン。

 

アズサ「私は負けないよー!」

 

審判「勝者!アズサ選手!」

 

 

 

 

ハルカラ「お師匠様瞬殺です!」

 

ロザリー「姐さん格好良いぜ!」

 

カービィ「相変わらずだねぇ。」

 

 

 

 

大会は次々と進み、準決勝。

 

ライカ「あっと言う間に準決勝ですね!」

 

ハルカラ「お師匠様に敵なんて居ませんからね!」

 

 

 

 

アズサ「またスキンヘッドかー。」

 

スキンヘッド「俺が鍛え上げたどんなものでもはじき返す鋼の・・・ぐふぉあ!!」

 

ワンパンチで瞬殺。

 

審判「勝者!アズサ選手!」

 

 

 

 

フラットルテ「圧倒的強さなのだ!」

 

ライカ「アズサ様素晴らしいです!」

 

シャルシャ「母さん!やった!」

 

 

 

 

アズサ「よし!後は決勝でブッスラーさんに勝つだけだな・・・」

 

 

 

 

アナウンス「準決勝第2試合、ブッスラー選手ステージへ!」

 

 

 

 

アズサ「隣のステージか。あれがブッスラーさん・・・」

 

 

 

 

隣のステージにブッスラーが立った。

 

アナウンス「ベルゼ選手!前へ!」

 

ファイト!

 

アナウンス「勝者!ベルゼ選手!」

 

ベルゼブブがブッスラーを瞬殺。

 

 

 

 

アズサ「え・・・あ・・・勝っちゃった・・・」

 

 

 

 

ベルゼブブ「ブッスラーとか言う奴大した事なかったのー。」

 

アズサ「ベルゼブブ何勝ってんの!これじゃ接点なくなっちゃうじゃん!」

 

ベルゼブブ「大丈夫じゃ。妾だって同じ目的なんじゃ。ブッスラーとはちゃんと交渉しておく。」

 

アズサ「本当だろうね・・・」

 

ベルゼブブ「妾に任せておけ。じゃからアズサよ。お主は心置きなく決勝戦へ出よ。そして妾と戦うのじゃ。」

 

アズサ「正直もう決勝とかどうでも良いんだけど。」

 

ベルゼ「駄目じゃ。妾は決勝でお主と戦い決着をつけたいのじゃ。よいか?必ず決勝へ出てくるんじゃぞ?」

 

アズサ「ん~・・・」

 

 

 

 

 

 

遂に決勝戦が始まった。

 

ベルゼブブ「何じゃ。折角の晴れ舞台なのにご機嫌斜めじゃのう。」

 

アズサ「当たり前でしょ!ファルファの事が解決してないんだから!」

 

ベルゼブブ「ふふ。ちょっと待っておれ。」

 

そこに聞き覚えのある声が。

 

 

 

 

ファルファ「ママー!ファルファ復活したよー!」

 

 

 

 

ブッスラーのお陰で元に戻ったファルファだった。

 

アズサ「ファルファ!元の姿に戻れたんだね!良かったー!」

 

ファルファ「うん!ベルゼブブさんのお陰だよ!」

 

ベルゼブブ「どうじゃ。中々のサプライズじゃろ?」

 

アズサ「何だ。皆も知ってたのー?もー。」

 

ファルファ「ママ!頑張って!ファルファも応援するからね!」

 

アズサ「ありがとー。ママ頑張るよ!」

 

ベルゼブブ「これで心おきなく戦えるじゃろう。高原の魔女アズサよ。お主との決着はまだついておらぬ。今回は結界なしで戦うのじゃ。正々堂々とやったらどうなるか分からんからな!妾は強いんじゃからな!」

 

アズサ「(確かにちゃんと勝負がつかないままだったねー・・・)分かった。じゃあいっちょやりますか!』

 

ベルゼブブ「今こそ妾の本気を見せてやるのじゃ!」

 

帽子を脱いだ。

 

審判「試合開始!!」

 

 

 

 

遂にアズサVSベルゼブブの戦いが始まった。最初にベルゼブブが高速でアズサの後ろを取った。気付いたアズサがベルゼブブにパンチを繰り出したが、ベルゼブブが羽で飛んだ。

 

アズサ「飛んじゃうの!?」

 

 

 

 

観客A「おい!飛んでるぞ!」

 

観客B「て言うか角まで生えてるし!」

 

観客C「これが都会のおしゃれって奴かー!」

 

観客D「くそー!おしゃれすぎて俺等田舎者には全然分かんねーよ!」

 

 

 

 

アズサ「何か・・・魔族って事バレなさそうだね。」

 

ベルゼブブ「うむ。これは困ったものじゃのう。」

 

アズサ「え?」

 

ベルゼブブ「正面からではお主の速度に勝てんからのう。隙を見つけて攻めようと思ったのじゃが・・・」

 

アズサ「え!私ってそんなに隙がないの?」

 

ベルゼブブ「いや隙しかないのじゃ。」

 

アズサ「え!」

 

アズサ「もー!だったらすぐ来てよー!」

 

ベルゼブブ「隙と言うのはたまにあるからそこを狙おうと思えるのじゃ!常に隙だけだったら返って攻め辛いのじゃ!」

 

アズサ「でもー。あなたが来ないと戦えないよ?魔法禁止だから私飛べないし。」

 

ベルゼブブ「そう言われてもじゃな・・・」

 

アズサ「じゃー攻める時に攻めてくるって言ってね。それまで待ってるからー。」

 

後ろ向きで準備体操する。

 

ベルゼブブ「ぬ・・・馬鹿にしおって・・・!ならば行くぞ!このまま吹き飛ばしてやるのじゃ!」

 

急接近したベルゼブブがアズサに激突して周囲に衝撃波が響いた。

 

 

 

 

カービィ「ミラー!」

 

ミラーカービィのリフレクトガードでライカ達を守った。

 

ライカ「何と言う衝撃!」

 

ファルファ「ママー!」

 

シャルシャ「母さん!」

 

 

 

 

煙が晴れると、アズサがベルゼブブの頬を掴んでいた。

 

ベルゼブブ「顔を挟むな・・・!」

 

アズサ「顔から入って来る方が悪いよー。」

 

ベルゼブブ「ん~・・・さっさと止めるのじゃー!」

 

アズサ「よし!じゃあこっちも行くよ!」

 

高速ストレートパンチをベルゼブブが防いだ。

 

ベルゼブブ「くっ・・・とんでもない威力じゃ・・・」

 

アズサ「まだまだ行くからね!!」

 

ベルゼブブ「望む所じゃ!!」

 

超高速ラッシュで大激突。

 

 

 

 

カービィ「凄いラッシュ!」

 

ロザリー「うひょー!速過ぎて見えねぇぜ!」

 

フラットルテ「私もなのだ・・・」

 

 

 

 

 

アズサ「私こんなに長い時間戦ったの初めてだよ!ベルゼブブも超強いんじゃない?」

 

ベルゼブブ「当たり前じゃ!魔族の幹部じゃぞ!人間が真面に戦える方が可笑しいのじゃ!妾だって・・・この日の為に雨の日も風の日も仕事の前と後に修行して来たのじゃ!」

 

アズサ「ベルゼブブ・・・そこまでする程私の事ライバル視していたんだね。ちょっと嬉しいよ。しかし弱ったな~・・・これどーやって終わらせたら良いんだ?」

 

 

 

 

ファルファ「ママー!頑張れー!ファルファ、スライムの体でちゃんと見てたよ!ママがファルファの為にずっと走り回ってくれてたの!ファルファ、すっごく嬉しかったよ!だから沢山応援するからね!頑張れー!」

 

 

 

 

愛娘からの声援がアズサに響いた。

 

アズサ「ベルゼブブ悪いね。娘に応援された以上格好良い所を見せなきゃいけなくなった。今の私は2段階位進化したよ!」

 

ベルゼブブ「何を訳の分からん事を!最後に勝つのは妾の方なのじゃ!」

 

ストレートパンチを避けたアズサが、ベルゼブブにアッパーを喰らわせた。アッパーを喰らったベルゼブブが目を回してダウンした。

 

審判「優勝は!!アズサ選手!!」

 

 

 

 

観客達「おおーーーーー!!!」

 

ファルファ「ママやったー!」

 

シャルシャ「お母さんおめでとう!」

 

 

 

 

アズサ「ベルゼブブー。大丈夫?」

 

ベルゼブブ『ああ・・・じゃが少し痛むのう・・・」

 

アズサ「よっと。」

 

お姫様抱っこしてあげた。

 

ベルゼブブ「お・・・おい!少し休めば大丈夫じゃ!観客も沢山居るし・・・」

 

アズサ「怪我人なんだから文句言わないの。」

 

ファルファ「ベルゼブブさん!ありがとう!」

 

シャルシャ「シャルシャも!」

 

ベルゼブブ「礼などいらぬ。またお主に負けてしもうたな。完敗じゃ。」

 

アズサ「やる気があるならまた再戦してあげるよ。でも面倒だからしばらく先にしてね?」

 

ベルゼブブ「お主は強いのに血の気がないのう。しかしこれでまたお主の平穏が崩れるかも知れんのう。」

 

アズサ「どう言う事?」

 

ベルゼブブ「これまで知られてなかった王国南部まで、お主の強さが知れ渡ってしまったからのう。」

 

 

 

 

観客達「高原の魔女アズサー!アズサ!アズサ!」

 

 

 

 

アズサ「しまった・・・!」

 

またスローライフに影響が出てしまった。

 

 

 

 

 

 

その後。ブッスラーの家にて。

 

アズサ「ブッスラーさん!娘を治してくれてありがとうございました!」

 

カービィ「ありがとうございました!」

 

ブッスラー「いえいえ。同じスライムの方を助ける事が出来て良かったです。大会の賞金を獲得出来なかったのは残念ですが。でもまたしっかりと稼ぎます!1ゴールドでも稼いでいきます!」

 

アズサ「あ~・・・お金は大事ですもんね。」

 

ブッスラー「何か格闘系でお金になりそうなイベントがあれば教えて下さいね~。あ~でも大会の賞金欲しかったな~。」

 

カービィ「お金に五月蝿いなぁ・・・」

 

ブッスラー「あの~・・・実は私の方からもお願いがありまして。」

 

アズサ「何でしょう?」

 

ブッスラー「アズサさん!自分を弟子にして下さい!」

 

アズサ「え?弟子って格闘技の?」

 

ブッスラー「はい!アズサさんの隙だらけなのに全く攻撃を受け付けない特殊な型は初めて見ました!自然体でいて最強!それこそが自分の理想の格闘技なのです!」

 

アズサ「あのね・・・それは型とかじゃなくて本当に隙だらけだったの。だから教えられる事なんて何もないよ。」

 

ブッスラー「分かりました。では一度手合わせをお願いします!それで弟子になる力を持っているか判断して下さい!むふー!」

 

アズサ「話・・・聞いてた?」

 

カービィ「アズサ。やるしかないよ。こうなった以上。」

 

 

 

 

外に出て、手合わせする事に。

 

ブッスラー「では・・・参ります!ブッスラー流スライム拳!」

 

しかしアズサからスライムの怨念が溢れ出た。

 

ブッスラー「ゾクッ!!」

 

危険を感じたブッスラーが尻餅付いた。

 

ブッスラー「こ・・・これは・・・想像を絶する程スライムの命を奪って来た者だけが放つオーラ・・・無数の魂が訴え掛けて来ます!」

 

アズサ「ブッスラーさんどうしたの?」

 

ブッスラー「ぎゃー!!た・・・助け・・・」

 

彼女はそのまま気絶してしまった。

 

カービィ「・・・アズサ、スライムの怨念が漂ってるよ。」

 

アズサ「そっか。」

 

 

 

 

 

 

家でブッスラーを看病してあげた。

 

ブッスラー「はっ!」

 

アズサ「気が付いた?」

 

カービィ「まさか戦う前に怨念で決着がつくとは思わなかったよ。」

 

アズサ「でもこれで弟子入りは諦めてくれた?」

 

ブッスラー「はい・・・」

 

そこにベルゼブブが入って来た。

 

ベルゼブブ「おお。お主達こんな所におったのか。そろそろ撤収するぞ。

 

するとブッスラーが元気になり。

 

ブッスラー「はぁ~!ベルゼさん!まるで悪魔かと思うほどの強さ!思い知りました!と言う訳で弟子にして下さい!」

 

アズサ「節操ないなこの人。」

 

カービィ「師匠を求め過ぎ。」

 

ベルゼブブ「何で妾がお前を弟子にせんといかんのじゃ。断る。」

 

ブッスラー「そこを何とかお願いします!」

 

ベルゼブブ「弟子は取らん。」

 

アズサ「お?でも良いかも。」

 

ベルゼブブ「は?」

 

アズサ「この人の居場所が分かった方が娘がまたスライムになっても対処出来るし。」

 

カービィ「お!ナイス提案!」

 

ベルゼブブ「お主等!妾を売るのか!」

 

カービィ「売るも何も。そんな気はしないよ。」

 

ブッスラー「お願いします!皿洗いでも何でもしますから!」

 

アズサ「ベルゼブブ~。私からもお願い!」

 

カービィ「一生のお願い!」

 

ファルファ「ファルファからもお願い!」

 

シャルシャ「シャルシャからも。」

 

ベルゼブブ「う~・・・分かった!分かったのじゃ!」

 

ブッスラー「ありがとうございます!!」

 

アズサ「よし!これで一件落着だね。ファルファ~。今日はとことん甘えて良いからね。何食べたい?」

 

カービィ「何でも作ってあげるよ!」

 

ファルファ「ママー。パパー。ファルファ甘いものが食べたい!』

 

アズサ「じゃあケーキでも作ろっかなー。」

 

カービィ「他にもクッキーとかシュークリーム!」

 

シャルシャ「シャルシャも手伝う!」

 

ファルファ「えー。じゃあ私もー!」

 

知らない内にレベルMAXになってた2人だけど、これからは母親父親レベルも上げていこうかなと思うのでした。

 

『END』




         キャスト

      カービィ:赤崎千夏
       アズサ:悠木碧
       ライカ:本渡楓
     ファルファ:千本木彩花
     シャルシャ:田中美海
      ハルカラ:原田彩楓
     ベルゼブブ:沼倉愛美
      ロザリー:杉山里穂
    フラットルテ:和氣あず未
       ペコラ:田村ゆかり

     ブッスラー:伊藤彩沙
      マースラ:島袋美由利
        審判:高橋伸也
     アナウンス:中村桜

    スキンヘッド:渡井奏斗
           宮城一貴

        観客:寺井大樹
           新堂陽斗




次回予告


カービィ「ある日フラタ村にウサ耳の女の子がやって来た。リュートを激しくつま弾きデスボイスを轟かせる彼女は、鳴かず飛ばずの吟遊詩人・スキファノイア。ツアー中に目の前で倒れてしまった彼女を見て、「メジャーデビューを目指し上京するも、良い年になってもフリーターを続ける売れないバンドマンのような悲哀」を感じた僕達は、しばらく高原の家で保護する事を決意した。所が、言い訳ばかりで現実を見ない彼女にフラットルテが業を煮やしてしまい・・・ってか歌声酷いなぁ・・・」

次回・吟遊詩人が来た

カービィ「もしかしたら、マイクと同レベルかも・・・」


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第10話「吟遊詩人が来た」

ある日。カービィ達はフラタ村で買い物に出掛けていた。

 

アズサ「よし。じゃあ帰ろっか。」

 

ライカ「はい!」

 

ファルファ「ママー!パパー!」

 

カービィ「ん?ファルファどうしたの?」

 

ファルファ「見て見て!吟遊詩人さんが来るんだって!」

 

カービィ「吟遊詩人?」

 

アズサ「へぇー。」

 

 

 

 

そのポスターは、かなりデスメタル的なポスターだった。

 

アズサ「高名な吟遊詩人、スキファノイア。フラタ村に初上陸?」

 

カービィ「思ってたのと違う・・・(かなりデスメタルっぽい。)」

 

アズサ「誰か知ってる?」

 

ライカ「全く聞いた事がありません・・・」

 

ロザリー「無名の人じゃないっすかね?」

 

カービィ「ありえるかも。」

 

ハルカラ「ちょっと胡散臭いですね。」

 

カービィ「君が言うか?」

 

フラットルテ「スキファノイアか。彼奴も息が長いのだな。」

 

カービィ「フラットルテ知ってるの?」

 

フラットルテ「私は吟遊詩人が好きなので。1000組以上は知ってるのだ。」

 

アズサ・カービィ「ガチ勢じゃん!!」

 

フラットルテ「スキファノイアはずっと王都の中で活動していた奴だが、遂に全国ツアーを始めたんだな・・・」

 

ファルファ「ファルファ!吟遊詩人さんの歌聴きたい!」

 

シャルシャ「試しに聴いてみるのも一興!」

 

アズサ「じゃあ折角だし・・・行ってみようか。」

 

カービィ「どんな詩人さんか見てみたいかも。」

 

 

 

 

 

 

吟遊詩人・スキファノイアが居る噴水広場に来た。

 

ライカ「結構集まってますねぇ。」

 

アズサ「あれがスキファノイア?」

 

フラットルテ「そのようです。」

 

カービィ「あの姿からすると、うさ耳族みたいだね。」

 

後ろ向きでリュートの調整をしている。そして・・・

 

 

 

 

 

 

”ドジャアアーーーーン!!!”

 

 

 

 

 

 

激しい音が周囲に衝撃波を走った。

 

ロザリー「わああーーーーーー!!!」

 

カービィ「ロザリーーーーー!!!」

 

その衝撃波でロザリーがぶっ飛ばされた。

 

 

 

 

スキファノイアはデス系のメイクをしており、激しくリュートを弾いている。

 

 

 

 

アズサ「何・・・あれ・・・」

 

カービィ「吟遊詩人とは・・・」

 

ファルファ「わーん!怖いよー!」

 

集まっていた村人達が次々と帰って行った。

 

シャルシャ「姉さん。あっちに行こう。」

 

ライカ「アズサ様・・・カービィ様・・・ハルカラさんがお腹痛いそうなので一緒に抜けますー。」

 

ハルカラ「持病の癪がー。」

 

アズサ「え!ちょ!?」

 

カービィ「皆逃げちゃった!!」

 

ここに残ってるのはアズサとカービィとフラットルテだけになった。

 

フラットルテ「如何にもスキファノイアらしい曲なのだ。」

 

アズサ「え!分かるの!?」

 

フラットルテ「これはエモーショナル系のクライム系の更にデス系。とは言えデス系の中でも孤独系の巻き込み系ですね。」

 

アズサ「ごめん。何一つ分からない。」

 

カービィ「耳に響くなぁ・・・マイク。」

 

マイクカービィに変身し、ヘッドフォンで音を塞ぐ。

 

アズサ「王都ってこう言うので盛り上がってるの?」

 

フラットルテ「スキファノイア位だと、30人程は動員してるんじゃないでしょうか。」

 

カービィ「微妙・・・そんな無名なのによく知ってたね。」

 

フラットルテ「まぁ有名だから聴くとか無名だから聴かないとかじゃないんです。吟遊詩人だったら取り敢えず全部聴くんです。」

 

アズサ「沼にハマってる人の発言!」

 

カービィ「完璧なガチ勢!」

 

フラットルテ「ほら。クライム系はリュートを・・・」

 

アズサ(2曲目始まっちゃったよ・・・)

 

カービィ(もしかしたら、本家のマイクカービィと同レベルかも・・・)

 

 

 

 

スキファノイアは演奏中に海老反りになって、そのまま動かなくなった。

 

 

 

 

アズサ「え?これも演出?」

 

カービィ「かなり海老反ってるね。」

 

フラットルテ「・・・大変なのだ!本当に気を失ってるのだ!」

 

アズサ「やっぱりそうだよねー!」

 

カービィ「吟遊死人になりそうな予感!!」

 

アズサ「上手い事言ってる場合かー!!」

 

気を失ったスキファノイアに駆け寄った。

 

アズサ「大丈夫!?今助けるから!!」

 

回復魔法・ヒールでスキファノイアを回復させた。

 

スキファノイア「う・・・ん・・・?」

 

カービィ「気が付いた?何処か悪い所があったら言って?」

 

”ぐ〜〜〜〜〜〜〜”

 

カービィ「空腹かい!!」

 

アズサ「成る程。」

 

カービィ「帰って何か食べさせよう。コック!!」

 

 

 

 

 

 

その夜。家でコックカービィがスキファノイアに料理を振る舞った。スキファノイアは料理をガツガツと食べる。

 

ロザリー「相当腹が減ってたんですね・・・」

 

カービィ「お風呂もあるから、食べ終わったら入っても良いよ。」

 

スキファノイア「はい!!助かります!!」

 

 

 

 

風呂から上がったスキファノイアの素顔は、可愛らしいうさ耳族の少女だった。

 

クク「改めまして、アルミラージのククと言います。」

 

アズサ「素顔・・・そんなんだったんだ。」

 

カービィ「スキファノイアとのギャップが凄い・・・」

 

クク「そうなんです・・・」

 

アズサ「あのさ。あなた前にもこんな風に倒れた事あったんじゃない?」

 

クク「何度かは・・・吟遊詩人だけじゃ全然食べていけないので・・・色んなアルバイトをやってて・・・」

 

フラットルテ「真面に稼げてる吟遊詩人なんて、ほんの一部しか居ないのだ。」

 

カービィ(下積みのアイドルみたいだ・・・)

 

クク「はい・・・私もそう言う人達に憧れて63年前故郷の村を出たんです。」

 

カービィ(63年前?彼女何歳なの?)

 

クク「ビッグになるぞ。弱い自分を捨てて偉大な吟遊詩人になるぞって。」

 

アズサ「地方から出て来たバンドマンじゃん。」

 

クク「でも・・・鳴かず飛ばずで・・・何度も辞めようと思ったんですけど・・・もう少しだけ・・・頑張ろうって・・・」

 

カービィ「頑張りたい気持ちがまだあるんだね。」

 

クク「はい・・・」

 

アズサ「クク。もし良かったら、しばらくここでゆっくりして行ったら?空気は美味しいし、静養するには良い所だよ。」

 

カービィ「美味しい料理も沢山振る舞ってあげるから。」

 

クク「ありがとうございます。ただ・・・その・・・そろそろ音楽活動を辞めて、第2の人生を歩もうかと考えていたんです。」

 

ロザリー「何か考えでもあるんですかい?」

 

クク「実は、こう言う所から何箇所かオファーを頂いていて。」

 

ギャバクラ的な求人募集のチラシを数枚見せてあげた。

 

カービィ「み、水商売・・・」

 

フラットルテ「獣人はこう言うの一定の需要があるのだ。特にアルミラージは人気なのだ。」

 

クク「こっちの業界だったら幾らでも稼げるって凄く言われてて・・・こうなったら、求められてる所で働くべきかなって・・・」

 

カービィ(絶対に精神崩壊しちゃいそう・・・)

 

アズサ「ククはさ・・・もう音楽が好きじゃないの?」

 

クク「っ!!そんなことありません!私は音楽を愛してます!」

 

アズサ「・・・なんだ。じゃあ音楽辞めるべきじゃないよ。続けなきゃ。」

 

クク「え!?」

 

アズサ「今は全然売れてないかも知れない。でも、長い事やって来たって事は余程好きじゃないと出来ないはず。それを辞めちゃうなんて勿体無いし、多分何時か後悔するよ。」

 

クク「・・・・」

 

アズサ「前向きに他の仕事をやるなら止めたりしない。でも今のあなたはそうじゃない。それなら今の活動を続けるべきだよ。まずは音楽に打ち込みながら将来の事をもう一度考えてみて。それまではここに居て良いから。」

 

クク「で・・・でも家賃払えませんし!」

 

カービィ「君の為なら、家賃は無料サービスだよ。」

 

アズサ「私も続けろって言っちゃった手前、やれる範囲で向き合うから。」

 

クク「・・・お世話になります!!ではお近付きの印に演奏を!」

 

リュートを激しく弾いた。

 

クク「ハハハハハ!吾輩の死と破滅の共演にようこそぉー!!」

 

アズサ「キャラ変わったー!」

 

カービィ「多重人格!?」

 

ファルファ「えーん!さっきの曲との違いが分からないよー!全部一緒に聴こえるよー!」

 

アズサ「それかなり本質的な批判だから!」

 

カービィ「ごめんクク!その辺で止めてくれる!?」

 

クク「だ、誰の事だー?わ・・・吾輩はスキファノイアである!お前等に死の絶望を届けに!」

 

カービィ「結構です。」

 

 

 

 

2階のアズサの部屋。

 

クク「2か所ほどミスもありましたし、良い演奏が出来なかったかもですね・・・」

 

カービィ「そう言う次元じゃないと思うんだよ僕達・・・」

 

フラットルテ「リスナー視点で言わせて貰うとだな。今の時代孤独系のデス系は売れないぞ。過剰系の花系寄りの音楽性に変えてみたらどうなのだ?」

 

クク「そうですけど・・・飽く迄私は技術で勝負出来るデス系が良いと言うか・・・」

 

フラットルテ「さてはお前、売れ線を作るのが怖いだけだろ。」

 

クク「ち・・・違います!」

 

フラットルテ「違わない。お前はファンが多い傾向の吟遊詩人をちょっとダサいと見下している部分があるのだ。」

 

アズサ(若手バンドマンの飲み会か。)

 

フラットルテ「大体、技術で勝負も何もお前は下手なのだ。」

 

クク「わ・・・私も頑張ってるんです!素人は黙ってて下さい!」

 

フラットルテ「ふーん。じゃあちょっとリュートを貸してみろ。」

 

アズサ(ギターじゃないのかあれ。)

 

 

 

 

リュートを借りて調律し、即興ソングを歌った。それも完璧に。

 

 

 

 

ククは唖然とし、アズサとカービィは絶賛した。

 

アズサ「凄いよフラットルテ!!」

 

カービィ「即興とは思えない歌!隠れた才能だね!」

 

フラットルテ「エヘヘ。どうだ!素人のフラットルテ様でもこれ位は演奏出来ちゃうのだ!」

 

カービィ「いや素人ってレベルじゃないけど!」

 

フラットルテ「分かったら言い訳ばかりするのは止めるのだ!」

 

クク「すみませんでした・・・」

 

カービィ(フラットルテ、もしかしたら歌手として人気出るんじゃない?)

 

アズサ「あ・・・あのさ。思ったんだけど、もう少し分かり易い歌詞を書いてみたら?」

 

クク「ですが・・・長らくこう言う芸風でやって来たので、急に分かり易い歌詞をと言われても・・・」

 

カービィ「だったらさ!家族皆で歌詞作りしたらどうかな?」

 

アズサ「それナイスアイディア!!」

 

 

 

 

 

 

翌日。皆で歌詞作り。

 

アズサ「それじゃあまずはライカから!」

 

 

 

 

曲名・嗚呼、精進。カブキカービィがライカの後ろでバックダンサーとして踊ってる。

 

ライカ「一歩一歩~精進していくことでしか~大成はない~。そして~・・・」

 

”キンコーン!”

 

ライカ「あっ!?」

 

カービィ「あ、鐘鳴った。」

 

アズサ「歌詞としてはメッセージが直接的過ぎるね・・・」

 

フラットルテ「論外だ。出直せ。」

 

ライカ「がーん!」

 

カービィ「おぉ、辛口評価。」

 

アズサ「じゃあ次はハルカラ!」

 

ハルカラ「ふっふっふー。私の歌詞は良いですよ!売れますよ!」

 

カービィ「コピー能力!リーフ!」

 

 

 

 

曲名・ハルカラ製薬の栄養酒。リーフカービィが木の葉を舞い上がらせながら踊ってる。

 

ハルカラ「今日のー仕事もうひと頑張り!」

 

〜演奏中止〜

 

ハルカラ「え!?」

 

カービィ(CMソングかな?)

 

アズサ「よし!次行ってみよー!」

 

ハルカラ「お師匠様~!せめてダメ出し位して下さい!」

 

カービィ「コピー能力!ビートル!」

 

 

 

 

曲名・のはら。ビートルカービィが飛びながら踊る。

 

シャルシャ「カマキリさん怖いよー。鎌を持ってるから怖いよー。」

 

ファルファ「バッタさん跳ぶよー。足を震わせて跳ぶよー。大自然ー広いよー。」

 

シャルシャ「私もまた大自然だよー。」

 

ファルファ「私とは何なーのー。」

 

シャルシャ「何者でもない存在がー。」

 

ファルファ・シャルシャ「つーまーりー私であることだと思うのー。」

 

アズサ「良いねー!可愛いねー!」

 

フラットルテ「うむ。神学的な要素もあって新境地かも・・・」

 

ファルファ「わーい!」

 

カービィ(教育番組かな?)

 

アズサ「最後はロザリー!」

 

ロザリー「合点です!」

 

 

 

 

曲名・虚無。ゴーストカービィがロザリーの隣を漂ってる。

 

ロザリー「長く一つの所に留まってると、昼間でも、真っ暗に、感じる。暗い暗い暗い。本当に何もない。笑い方、もうわからない。死にーたくても、死ねない。そんなー夜でしたー。」

 

皆がどよーんとなってる。

 

ロザリー「まぁ。今は楽しくやってますからね。」

 

カービィ「僕達からしたら虚しいけど・・・」

 

クク「私・・・破滅とか死とか歌って来ましたけど形だけで・・・本当に死んだ事なくて・・・」

 

アズサ・カービィ「そりゃそうだろ。」

 

クク「だから・・・本物の言葉の強さには勝てないなって・・・私・・・スキファノイアって名前を捨ててこれからは本名のククでやって行きます!そして、皆さんの歌詞を合わせた方向で新曲作りに励みたいと思います!」

 

カービィ「そうと決まれば、本当の歌詞作り開始!コピー能力!マイク!」

 

 

 

 

こうしてククはスキファノイアを封印して、皆と歌詞作りを開始した。

 

 

 

 

そして、遂に新曲が完成した。

 

クク「皆さん!お世話になりました!」

 

アズサ「またツアーでこの辺に来た時は、高原の家に寄ってね。って言うか、帰って来るつもりで良いから。」

 

クク「はい!絶対に!」

 

フラットルテ「良いライブをやるのだぞ。良いライブをやれば何とかなる。」

 

クク「はい!」

 

フラットルテ「お前ははっきり言って、音楽の才能はない!」

 

クク「え!」

 

カービィ「またダメ出し!?」

 

フラットルテ「しかし世の中は才能の順に成功するものではない。だからお前が成功する事だってあるかも知れないのだ。まずは戦うのだ!そしてこれからも戦い続けて行くのだ!」

 

クク「はい!!」

 

アズサ「すっかり師匠と弟子だなー。」

 

カービィ「僕達みたいだね。」

 

 

 

 

ベルゼブブ「良い酒が手に入ったので持って来てやったのじゃー!」

 

 

 

 

ワインを持ったベルゼブブがお邪魔した。

 

カービィ「ベルゼブブ!今日の仕事は終わったの?」

 

ベルゼブブ「今日は休みじゃー。ファルファとシャルシャと一緒に過ごすぞー。」

 

カービィ「孫に甘えるお婆ちゃんみたいなノリ。」

 

ベルゼブブ「ん?此奴は誰じゃ?」

 

クク「吟遊詩人のククと言います。」

 

アズサ「理由あって、ウチに居候してたの。」

 

ベルゼブブ「ほう。それじゃ酒の席で歌ってみよ。」

 

アズサ「ちょっとー。無茶振りは止めてくれる?」

 

クク「私・・・やります!寧ろやらせて下さい!新しく生まれ変わった自分がやって行けるのか・・・私の歌を知らない人に聴いて貰って、判断したいんです!」

 

 

 

 

新曲を披露した。

 

クク「ご清聴、ありがとうございました。」

 

カービィ達が拍手をし、ベルゼブブが静かに立ち上がり。

 

ベルゼブブ「素晴らしいのじゃ・・・これは良いのじゃ!」

 

クク「あ・・・ありがとうございます!」

 

ベルゼブブ「是非とも音楽例大祭に出演して欲しいのじゃ!」

 

アズサ「何それ?」

 

ベルゼブブ「ヴァンゼルド城下で行われる魔族の一大音楽イベントじゃ。」

 

カービィ「音楽フェスみたいだね。」

 

ベルゼブブ「お主等も今回は招待してやろう。」

 

全員「わーい!」

 

ベルゼブブ「ククとやら。参加してくれるか?」

 

クク「はい!私で良ければ。でもどれ位の規模のステージなんですか?」

 

ベルゼブブ「うむ。2万人程の観客の前でやって貰う事になるじゃろう。」

 

クク「2万人!?」

 

アズサ「ククー!」

 

カービィ「しっかりー!」

 

クク「猛烈に練習するので・・・もう少しこの家に置いていただけませんか・・・」

 

彼女との生活は、もうしばらく続きそうです。

 

 

 

 

 

 

音楽例大祭当日・ヴァンゼルド城。

 

ファートラ「では皆様。音楽例大祭をお楽しみ下さい。」

 

アズサ「ありがとう。ファートラ。」

 

ファートラ「夜の本番前に、会場の下見や音合わせが出来ますがどうされます?」

 

クク「勿論行きます!経験のない大きな会場ですし・・・」

 

カービィ「クク!しっかりね!」

 

クク「はい!」

 

ハルカラ「お師匠様。先生。私達はどうします?」

 

ロザリー「出店が沢山出てますよ!」

 

ファルファ「ファルファ行ってみたーい!」

 

シャルシャ「シャルシャも!」

 

カービィ「じゃあ行ってみよっか!」

 

 

 

 

 

 

多くの屋台やライブステージなどを満喫した。

 

 

 

 

あっと言う間に夕方になった。

 

アズサ「楽しかったねー。あ。」

 

城へ戻ると、ククが景色を眺めていた。

 

アズサ「クーク。どうしたの?」

 

カービィ「悩み事?」

 

クク「下見した会場が大き過ぎました・・・あのステージで演奏するのかと思うと・・・」

 

カービィ「不安が高まっちゃったんだね・・・」

 

アズサ「そうだよ。今のククならきっと上手く行くよ。」

 

ライカ「そうですよ。我は素人ですが、上達しているのは何となく分かります。」

 

クク「だと良いのですが・・・」

 

フラットルテ「大丈夫なのだ。元々お前は同じ事を続ける忍耐力はあった。ただ努力の仕方が悪かっただけなのだ。そこを修正した以上良い演奏が出来るに決まってるのだ!」

 

クク「はい・・・」

 

ライカ「そう言う割には、フラットルテは忍耐がなくて努力が長続きしないタイプですよね。」

 

フラットルテ「ぬ!ぬぬぬぬぬ・・・どう言う事だ!?」

 

ライカ「だってレイラ姉さんの結婚式だって思い付きで邪魔しに来たじゃないですか。我等レッドドラゴンに勝つ為にもっと前から努力すべきだったのでは?」

 

フラットルテ「あんなの思い付きで行く位が丁度良いのだ!」

 

カービィ「ライカ。煽ってるね。」

 

ライカ「まぁ努力した所で、我等に勝てるとは思えませんが。」

 

フラットルテ「ぐぬぬ・・・ならばここで決着をつけるのだ!」

 

カービィ「ちょっと!?」

 

アズサ「ちょっと2人共。いい加減に・・・」

 

フラットルテ「今日の星座占いでどっちが幸運か勝負なのだ!」

 

ライカ「受けて立ちます!」

 

アズサ・カービィ「いや平和的な解決過ぎる!」

 

クク「ぷっ・・・ふふふふ。」

 

フラットルテ「何を笑っているのだ?」

 

クク「すみません・・・そんなつもりじゃ・・・あはは・・・あははは!」

 

フラットルテ「クク。やれる事はやったのだ。後はお前の歌をオーディエンスに届けるだけなのだ!」

 

クク「はい!」

 

 

 

 

 

 

そして夜。大規模のステージに観客達が集まっている。

 

カービィ「これは凄い規模だね・・・」

 

ベルゼブブ「ククの様子はどうじゃ?」

 

アズサ「ちょっと緊張してたけど、もう大丈夫だと思う。」

 

カービィ「ベルゼブブ。ククにチャンスを与えてくれてありがとう。」

 

ベルゼブブ「フッ。そのチャンスを掴まえるかどうかは、彼奴次第じゃ。」

 

 

 

 

ステージ裏では、ククが深呼吸して緊張を解し、ステージに立った。観客達が拍手で迎えた。

 

クク『ククです。今から演奏するのは・・・』

 

カービィ達の姿が見え、ホッとしたククが微笑んだ。

 

クク『”ありがとう”と言う曲です。』

 

リュートを奏で、新曲・ありがとうを披露した。

 

 

 

 

観客の半数が泣き、カービィ達も泣いて聴いている。

 

 

 

 

 

 

ライブを無事に終え、皆で打ち上げパーティ。

 

全員「カンパーイ!!」

 

アズサ「クク!凄かったよ!」

 

カービィ「僕泣いちゃったよ!」

 

クク「私もこんなに上手く行くだなんて・・・何もかも皆さんのお陰です!どうお礼を言って良いか・・・」

 

アズサ「えー?そんな時に使う言葉は決まってるよ?ありがとう。でしょ?」

 

クク「あ・・・ありがとうございます!」

 

そこにベルゼブブが大量の書類を持ってやって来た。

 

ベルゼブブ「早速関係者達から出演依頼が殺到しておるぞー!」

 

それは、関係者達からの出演オファーだった。

 

クク「これ・・・この城下町でしばらく暮らして行ける仕事量じゃないですか!」

 

カービィ「ギャラが爆上がり!!」

 

アズサ「良かったねクク!一気に売れっ子じゃない!」

 

クク「ええ・・・」

 

フラットルテ「クク。リュートを借りて良いか?」

 

クク「は、はい!どうぞ。」

 

リュートを借りた。

 

フラットルテ「一曲送る。あまり良い曲じゃないけどな。」

 

突然フラットルテがリュートを激しく弾いた。

 

フラットルテ「ヴォォォォォ!」

 

カービィ「うわっ!!」

 

フラットルテ「スキファノイアー!お前はスキファノイアとして気が遠くなる位歌って来たのだ!そりゃこんなのじゃ売れないけど!それでも!お前が正しいと信じてやって来たのだから!戻りたくなったら戻れば良いのだ!絶対に永久封印なんて馬鹿げた事を考えるんじゃないぞ!お前は世の中の流行に合わせられる程賢くはないのだ!賢かったらもっと前から売れているのだ!このフラットルテだって!間違って間違って間違えまくって!今・・・ここで生きているのだ。正解なんてないけど立ち止まらない限り完全な失敗もないのだ。だから!好きなように歌えー!!それがお前の人生なのだ!」

 

彼女が突き出したリュートを、ククが受け取った。

 

クク「ありがとうございました・・・私ここで頑張ってみます!」

 

アズサ「やっぱり・・・師匠と弟子だ。」

 

カービィ「クク。これからも頑張れ!」

 

『END』




         キャスト

      カービィ:赤崎千夏
       アズサ:悠木碧
       ライカ:本渡楓
     ファルファ:千本木彩花
     シャルシャ:田中美海
      ハルカラ:原田彩楓
     ベルゼブブ:沼倉愛美
      ロザリー:杉山里穂
    フラットルテ:和氣あず未
     ファートラ:伊藤美来

        クク:小岩井ことり



次回予告

カービィ「やられちゃった!ハルカラ主催の「焼きキノコパーティ(通称:きのパ)」でうっかり出された、食べると小さくなる毒キノコを食べてしまったアズサ。お陰で皆から弄ばれ・・・もとい、可愛がられる事になっちゃった。何としても元の姿に戻りたい彼女は、ペコラから聞いた「世界樹の頂上にある、どんな薬でも取り扱う薬屋」を目指し、僕とファートラさんとヴァーニアさんと共に「全108階の大規模ダンジョン(世界樹)」を攻略を開始した。って、108階って高くない!?」

次回・キノコを食べて子供になった

カービィ「これ、ドラグーンでショートカット出来そう。」


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第11話「キノコを食べて子供になった」

ある日。高原の家であるイベントが開催した。

ハルカラ「空は快晴!こんな日は〜・・・焼きキノコパーティ!略してキノパでーす!」

ファルファ「キノパ楽しそう!」

フラットルテ「肉じゃないのだ・・・」

カービィ「我慢我慢。」

アズサ「見た事ないのばっかりだけど、本当に大丈夫なんでしょうね?」

ハルカラ「勿論ですよ〜!しっかり食用の物だけを選んで来ました!近くの森のどのキノコが食べられて、どれが食べられないか。もう完全に覚えていますから!絶対に大丈夫です!」

カービィ「君前科あるよね?その自信は何処から湧いてるの?」

ハルカラ「わーっはっはっは!」

アズサ「まぁそこまで言うなら信用するよ。」

ハルカラ「それではキノパ!開始でーす!」




バターを引いた鉄板でキノコを焼いて、エルヴィンを垂らす。




キノコのバターエルヴィンが完成。

ハルカラ「それだけで超美味いですから!」

カービィ「美味しそう!じゃあ実食!」

早速実食。

ハルカラ「どうですか?」

アズサ「さ・・・さ・・・酒持って来ーい!!」

カービィ「炭酸飲料飲みたーーーい!!」

ライカ「これはいけますね!」

フラットルテ「肉じゃないけど、これはこれで美味しいのだ!」

シャルシャ「美味。」

ファルファ「こんなに色んなキノコが生えてるんだね〜!森って凄ーい!」

ロザリー「ささっ!姐さん!兄貴!」

2人にワインと炭酸飲料を注いだ。

アズサ「いやぁ〜!焼いたキノコにバター醤油のコンビネーション最高〜!」

カービィ「炭酸飲料とベストマッチ!!」

ハルカラ「醤油?」

アズサ「これは何てキノコ?味が濃厚!」

ハルカラ「クロドワーフダケですね!大きくなり過ぎる前のを厳選して採って来ました!」

カービィ「こっちの茶色いキノコは?」

ハルカラ「ノームノカクレガです!この辺では生えないので、部屋で育てています!成長するとノームが隠れられる程大きくなるんですよ!」

カービィ「この朱色のキノコもノームの隠れ家と同じ?」

ハルカラ「はい!それもノームノカクレガ。」

ノームノカクレガをアズサが食べる。

ハルカラ「じゃなくてノームニナルダケですね!食べるとノームみたいに小さくなる所謂毒キノコです!」

カービィ「え?」

アズサ「ゴックン。」

カービィ「あ。」

アズサ「・・・今、毒って言った?毒って言っちゃった?」

ハルカラ「お師匠様〜。笑顔が怖いです〜。」

アズサ「あんなに大丈夫だって言ったのに〜〜〜!!!!!」

カービィ「ナチュラルに毒キノコも用意してるんじゃないよ!!!!」

ハルカラ「採って来たものは問題ありません!これは部屋で育てていた奴です!」

アズサ「知るかーーーーーー!!!!!!」




”ドクン!”




アズサ「っ!!」

突然アズサに異常が走った。

ハルカラ「お師匠様?」

シャルシャ「母さん!」

ファルファ「ママ!」

ライカ「アズサ様!」

フラットルテ「ご主人様!」

ロザリー「姐さん!」

カービィ「アズサ!!」

毒キノコを食べてしまったアズサが倒れてしまった。






しばらくすると、アズサが目を覚ました。

アズサ「な、何?何が起きたの?」

ライカ「ア、アズサ様・・・?」

ファルファ「ママ可愛いー!」

アズサ「可愛いって・・・?」

カービィ「アズサ!ホラ!」

手鏡でアズサを映した。

アズサ「え?・・・え!?何これ!?まさか・・・」


彼女に起こった異常。それは・・・

 

アズサ「完全に子供だな・・・」

 

子供になってしまったのだ。

 

ライカ「幼児と言って良い見た目ですね。」

 

カービィ「ハルカラ!!」

 

ハルカラ「すみませんすみません!!縮む以外に害はないので安心して下さい!!元に戻る方法すぐ調べます!!」

 

アズサ「そうして・・・」

 

 

 

 

ハルカラ「はいーーーーーー!!!」

 

外に出て元に戻す方法を探しに行った。

 

 

 

 

アズサ「その内戻れると良いんだけどね・・・」

 

カービィ「大丈夫でしょう。」

 

ライカ「あの、アズサ様・・・」

 

アズサ「ん?」

 

ライカ「大変申し上げ難いのですが・・・可愛いです!!」

 

アズサ「泣く程!?」

 

カービィ「ライカ!?」

 

フラットルテ「はーいたかいたかーい!!」

 

アズサ「そう言うので喜ばないから!!子供じゃないから!!」

 

ロザリー「身体は小さくなっても、魂の重さは変わらないんですね。」

 

アズサ「あなたには何が見えてるの!?」

 

カービィ「(コナンかな?)本当・・・僕と同じ身長だね。ねぇアズサ。ちょっと良い?」

 

アズサ「え?」

 

急にカービィがアズサを持ち上げて、頭に乗せた。

 

カービィ「おぉ!軽い!こうして見ると、妹って感じだね。」

 

アズサ「私カービィの妹じゃないから!!」

 

すぐにアズサを降ろした。

 

カービィ「アズサ、その服だと不憫だと思うよ。大人サイズだし。」

 

アズサ「それが問題ねぇ・・・」

 

カービィ「じゃあ服を出してあげるよ!アーティスト!!」

 

アーティストカービィがキャンバスに子供になったアズサに合う服を書いて実体化させた。

 

 

 

 

その後ライカがクッキーを出した。

 

ライカ「カービィ様のお陰でピッタリな服が出て来て良かったです。」

 

ファルファ「はいママ!あーん!」

 

アズサ「あーん。だから子供じゃ・・・」

 

シャルシャ「黙想録上巻。知識と体験の本質的相違。」

 

アズサ「何その本・・・」

 

シャルシャ「直感的に認識について論じた名著。」

 

カービィ「子供が読む本なの?それ。」

 

アズサ「子供に読み聞かせる本じゃないでしょ。子供じゃないけど。」

 

シャルシャ「聞いている内に眠くなる。幼児のお昼寝にも良い。」

 

カービィ「そうなのね?」

 

 

 

 

 

 

夕方。アズサとファルファとシャルシャがソファーで気持ち良さそうに眠ってる。

 

カービィ「微笑ましいねぇ〜。さて、夕飯の支度支度。」

 

 

 

 

今日の晩御飯。アズサはお子様ランチ。

 

アズサ「これは・・・お子様ランチ?」

 

ライカ「アズサ様の見た目に合わせてファンシーにしてみました!」

 

カービィ「ライカがどうしてもって言うから。」

 

アズサ「楽しそうだね・・・ハルカラは?」

 

カービィ「ハルカラなら今も部屋で戻す方法を模索中だよ。」

 

アズサ「頼むよ・・・」

 

カービィ「アズサ。後でドクターで戻せるかどうか試してみるね。」

 

アズサ「分かった。」

 

ライカ「あの、アズサ様・・・1つお願いが・・・」

 

アズサ「ん?何?」

 

ライカ「頭を撫で撫でさせて貰って良いですか・・・?」

 

カービィ「余程可愛いんだろうね・・・」

 

アズサ「よし分かった!もうこうなったらとことん甘やかすと良いよ!こっちも腹を決めた!」

 

早速ライカがアズサを撫で撫でする。

 

ライカ「アズサ様・・・可愛過ぎます〜。ちょっとむくれてる顔も可愛過ぎます。」

 

フラットルテ「あ!!ライカだけズルいぞ!!」

 

カービィ「あ、フラットルテ。」

 

フラットルテ「フラットルテの方も優しく撫でていますよねぇ〜?ライカよりソフトな撫で方ですよねぇ〜?」

 

ライカ「そんな事ありません!!我の方が優しく撫でられます!!」

 

フラットルテ「フラットルテの方が気持ち良いに決まっているのだ!!」

 

アズサ「張り合うか撫でるかどっちかにして・・・」

 

 

 

 

 

 

その後。アズサの部屋でドクターカービィが異常を治す薬を作った。

 

カービィ「はいアズサ。」

 

早速アズサがその薬を飲む。

 

カービィ「どう?」

 

アズサ「・・・変わる気配がない。」

 

カービィ「僕でも無理みたいだね。ごめん。」

 

アズサ「ううん。気にしないで。」

 

彼女は本棚の上の櫛を取ろうとしたが、子供の身長である為届かない。

 

アズサ「ダメだ、届かない・・・」

 

カービィ「子供だと不憫なんだね。」

 

すると櫛がアズサの手元に落ちた。

 

ロザリー「姐さん。どうぞ。」

 

それはロザリーの浮遊魔法の力だった。

 

カービィ「ロザリー。」

 

アズサ「あ、ありがとうロザリー。」

 

ロザリー「あの姐さん・・・良ければその・・・私がブラッシング致しましょうか?」

 

アズサ「ロザリーまで・・・」

 

カービィ「皆アズサに惚れちゃってるね・・・」

 

アズサ「うん・・・じゃあお願い。」

 

 

 

 

彼女にブラッシングして貰う。

 

ロザリー「・・・ああ、何か遠い記憶ですが・・・昔屋敷に住んでいた頃、こんな風にお人形遊びをしていた気がします。」

 

アズサ「お人形・・・」

 

カービィ「遂にお人形にまでされたね・・・」

 

アズサ「嬉しくないような・・・」

 

 

 

 

”バァン!!”

 

 

 

 

突然ドアがハルカラの手によって激しく開いた。

 

ハルカラ「遅くなりました!!」

 

アズサ「お!元に戻すメドでも立った!?」

 

ハルカラ「はい!」

 

敬礼からの、何故か土下座。

 

ハルカラ「分かりません!すみません!」

 

アズサ「何でちょっと良い顔した!!」

 

カービィ「何しに来たの君!!」

 

ハルカラ「正直に打ち明けて謝るしかないと決めたらこう言う顔になりました!ただただ誠心誠意謝罪します!」

 

カービィ「まぁ正直は大事だけどね・・・」

 

アズサ「何の解決にもならない・・・こうなったら魔族に頼るしかない!」

 

 

 

 

 

 

魔族を召喚。

 

アズサ「ーーーーーーーー!!!」

 

”ジャボーン!”

 

安定の浴室召喚。

 

 

 

 

 

 

ベルゼブブ「良いお湯だったのじゃ〜。」

 

カービィ「もう慣れてるね。浴室召喚。」

 

ベルゼブブ「ん?此奴は誰じゃ?ヤケにアズサに似ておるが・・・まさかアズサとカービィの娘か?」

 

アズサ「私だよ!アズサだよ!毒キノコのせいで小さくなったの!」

 

ベルゼブブ「・・・・・・・可愛いのじゃ!!!可愛いのじゃ!!!」

 

カービィ「遂にベルゼブブまで惚れちゃった!?」

 

アズサ「子供扱い止めて!!」

 

ベルゼブブ「子供扱いを嫌がるとは益々可愛いのじゃ!!!」

 

 

 

 

落ち着いた所で、ベルゼブブに訳を話す。

 

ベルゼブブ「成る程。それで魔族の知恵を貸して欲しいと言う訳じゃな。」

 

アズサ「お願い!何とかしてよ!ずっとこのままなのは困る!」

 

ベルゼブブ「困るかのう?このまま最強の子供として生きるのは良いではないかのう?」

 

アズサ「じゃあベルゼブブと言う偉大な悪魔は幼女に負けたって言い触らすからね。」

 

ベルゼブブ「それはズルいのじゃ!」

 

カービィ「見事な煽り・・・」

 

ベルゼブブ「仕方無い・・・元に戻る方法をヴァンゼルド城で調べるのじゃ。お主も来て貰うぞ。」

 

アズサ「分かった!」

 

カービィ「僕も行く!」

 

ベルゼブブ「後、シャルシャとファルファも連れて行く。」

 

カービィ「何で?」

 

ベルゼブブ「フッ。妾が嬉しい。」

 

カービィ「私利私欲?」

 

 

 

 

 

 

早速リヴァイアサンのファートラに乗ってヴァンゼルド城へ向かう。そんな中、ヴァーニアが振るいまくり、アズサ達に大量のお菓子を作ってあげた。ファルファとシャルシャがアズサに食べさせたり、カービィが吸い込みで巨大プリンを頬張る。

 

 

 

 

就寝の時は、ベルゼブブがアズサとファルファとシャルシャを抱きながら寝る。

 

スリーブカービィは気持ちの良いベッドでゆったり寝てる。

 

 

 

 

翌朝。ヴァンゼルド城に到着。

 

ベルゼブブ「はぁ〜・・・天国のような時間じゃったぁ〜!可愛さが爆発なのじゃ〜!」

 

カービィ「ベルゼブブの情緒がイキイキしてるね・・・」

 

アズサ「あの、この事はペコラに内緒にしてくれないかな?バレたら確実にややこしい事になるから。」

 

 

 

 

ペコラ「ご機嫌よう。お姉様。お兄様。お待ちしておりました。」

 

 

 

 

アズサ「え!?」

 

ティータイムしてるペコラに見付かってしまった。

 

カービィ「ヤッホーペコラ。」

 

ペコラ「フッフーン。魔王の力を見縊られては困ります〜。」

 

アズサ「・・・・」

 

ペコラ「キャーーー!お姉様がこんなに可愛くなられるなんて〜!」

 

突然ペコラに抱かれてスリスリされた。

 

アズサ「元に戻りたいんだけど・・・」

 

ペコラ「ええ!?勿体無い!少なくとも私が飽きるまではこのままが良いです〜!」

 

アズサ「ペコラ!!」

 

ペコラ「では、ご親族の方に聞いてみましょう!お兄様はお姉様がこのままで良いですか?元に戻って欲しいですか?」

 

カービィ「勿論元に戻して欲しいよ。アズサが子供だと色々不憫だし。」

 

ペコラ「分かりました。ではファルファちゃんとシャルシャちゃんはママがこのままで良いですか?元に戻って欲しいですか?尚、このままだとお菓子を好きな程あげます!」

 

カービィ「買収!?」

 

ファルファ「えー・・・どうしようかな・・・?」

 

シャルシャ「究極の選択・・・」

 

アズサ「お菓子で買収されないで!!ママは元に戻りたい!!」

 

カービィ「パパは元に戻って欲しいって言ったよ!」

 

ファルファ・シャルシャ「・・・あの。」

 

ペコラ「では、冗談はこの位にして。」

 

アズサ・カービィ「冗談・・・?」

 

ペコラ「お姉様を元に戻す方法を提案致しましょう!」

 

カービィ「方法は?」

 

ペコラ「魔族領内。と言っても、城から遠い遠い森の中に世界樹と呼ばれるとてつもなく大きな樹があります。その頂上には、古今東西どんな薬でも取り扱う薬屋さんがあるんですよ。」

 

アズサ「世界樹?そんな所まで行かないとダメなんだ。」

 

ペコラ「急がば回れですよ〜?胡散臭い治療法を試すよりは良いでしょ?」

 

アズサ「分かった。じゃあその世界樹とやらに登ってみるよ。どんな所なの?」

 

ペコラ「世界樹の内部は空洞で、複雑な迷路のようになっています。頂上は108階。途中には、凶暴な野生動物が出没するエリアも沢山あります。」

 

アズサ「108階の大規模ダンジョンかぁ・・・」

 

カービィ「結構気の遠くなるね・・・」

 

アズサ「でも、行くしかない・・・」

 

ペコラ「ではヴァーニアさん。お姉様とお兄様を世界樹へお連れして?」

 

ヴァーニア「あ・・・行かないといけない流れですか・・・ですよねぇ・・・」

 

ファートラ「妹だけでは心配ですので。私も同行します。」

 

ペコラ「因みにベルゼブブさんは、留守中溜まった仕事がありますからね。」

 

ベルゼブブ「うっ・・・分かりましたのじゃ・・・」

 

アズサ「ママとパパはちょっと行って来るね。」

 

ファルファ「ファルファも一緒に行きたい!」

 

カービィ「ありがとうファルファ。でも危ない所かも知れないから、2人共留守番しててね?」

 

ファルファ「分かった・・・」

 

シャルシャ「母さんと父さんならきっと大丈夫。」

 

アズサ「よし。それじゃあ行こう!カービィ!ファートラ!ヴァーニア!」

 

カービィ「うん!」

 

 

 

 

 

 

城から遥か遠くに存在する世界樹に到着。

 

アズサ「おぉ〜!実物を見ると衝撃的な大きさ!」

 

ファートラ「世界樹。懐かしいです。」

 

カービィ「懐かしい?」

 

ファートラ「修学旅行以来でしょうか。」

 

ヴァーニア「私も修学旅行で来ましたね!」

 

カービィ「修学旅行で?」

 

アズサ「え?2人共来た事あるんだ。・・・じゃあ行こう!」

 

 

 

 

世界樹に入った。

 

アズサ(複雑怪奇なダンジョンだろうと・・・元に戻る為だ!必ず乗り越えてみせる!)

 

この先の光へ行く。この先でカービィ達を待っていたのは・・・

 

 

 

 

 

 

10階までのエレベーターすぐそこ!1300コイーヌ。

 

カービィ「何この看板・・・」

 

アズサ「これ何なの?」

 

ファートラ「コイーヌは魔族の通貨です。」

 

アズサ「じゃなくてエレベーターって!」

 

カービィ「それにこの魔族の観光客の皆さんは何!?」

 

ファートラ「世界樹は上へ上へと目指す人が多いので、こう言うエレベーターも商売になっているんです。上に行く程お金は掛かりますけど。」

 

アズサ「もっとダンジョン的かなと思ってたんだけど・・・」

 

カービィ(東京スカイツリーっぽい・・・)

 

ファートラ「勿論その要素はあります。11階と12階には野生の世界樹。11階狼や、世界樹12階狼が生息していますので、気を付けないといけません。」

 

アズサ「獣の名前がいい加減・・・」

 

カービィ「あれ?ヴァーニアさん何処行ったんだ?」

 

ヴァーニア「すみませーん!あっちの売店で揚げパン買って来ました!」

 

カービィ「揚げパン?」

 

ヴァーニア「はい!ここの揚げパン絶品だって有名なんですよ!」

 

アズサ「モロに観光地じゃん!!良い匂い・・・ちょっと頂戴!」

 

 

 

 

 

 

エレベーターに乗りながら揚げパンを食べる。

 

ヴァーニア「アズサさん。子供料金で得しましたね。」

 

 

 

 

 

 

10階。ここでも観光客が多い。

 

カービィ「観光客が多いね・・・」

 

アズサ「11階目指そう。まだまだ先は長いから。」

 

 

 

 

11階へ上がるゲートにて。

 

アズサ「野生動物保護費用で、1人500コイーヌ?」

 

カービィ「募金箱?」

 

ファートラ「因みに13階へ上がる所にもお金を取るゲートがあります。」

 

アズサ「凄くボロい商売なんじゃ・・・」

 

 

 

 

 

 

11階・密林エリア。

 

アズサ「これは確かに。恐ろしい獣が出て来そうだね・・・」

 

カービィ「ん!?」

 

何かが4人を囲んだ。

 

狼『グルルルルル・・・!!ヴオオオオオオオ!!!』

 

1匹の狼がアズサに飛び掛かった。

 

カービィ「アズサ危ない!!ニードルカッター!!」

 

ニードルカッターで両腕を巨大なハサミにして構えた。・・・だが狼は襲って来ない。

 

カービィ「あれ?」

 

アズサ「え?」

 

その理由は・・・

 

狼『クゥ〜ン♡』

 

カービィ「え?」

 

狼達がヴァーニアとファートラに懐いてるからである。

 

アズサ「ど言う事!?」

 

カービィ「何か懐いてるよ!?」

 

アズサ「野生動物は!?」

 

ファートラ「観光客には強い魔族も多いので、反攻しなくなったようです。寧ろ頭を下げて、ご飯を貰う習性になったとか。」

 

カービィ「野性は一体何処へやら・・・」

 

 

 

 

17階までのエレベーターはあちらです。の看板を発見。

 

アズサ「さっきより高い上に対して進めない・・・」

 

大人1人2200コイーヌ。

 

カービィ「料金が徐々に高くなってる・・・」

 

ファートラ「次は18階に、世界樹・18階山猫と、世界樹・18階薔薇と言う貴重な植物が。」

 

アズサ「っで、19階にまたエレベーターがあるんだよね?」

 

ファートラ「はい!運賃は3000コイーヌらしいです。」

 

これまでのエレベーターの運賃・1〜10階の1300・〜17階の2000・〜19階の3000を計算すると、ざっと6300コイーヌ。

 

アズサ「悪魔的ビジネス!」

 

カービィ「まさに魔族!」

 

ヴァーニア「懐かしいですねぇ〜!修学旅行で来た時は、お金をケチって何処まで行けるか試したんですけど、道に迷って集合時間に遅刻しましたよ〜!」

 

カービィ「絶対ダメな行為じゃんそれ!」

 

ファートラ「この辺りは、観光産業で生活しているので、迷路の難易度を上げています。穴を設置したり、毒の沼地を追加したりしてるので、エレベーターに乗せようと画策しているのです。」

 

アズサ・カービィ「創作ダンジョン・・・?」

 

11階から18階へ向かう。

 

 

 

 

18階で、18階山猫と遭遇。そして18階薔薇も見学。

 

それから19階から38階へ。

 

 

 

 

38階。

 

ファートラ「今日はもう遅いので、ここで1泊しましょう。」

 

カービィ「旅館もあるんだね。」

 

 

 

 

旅館にある露天風呂・混浴。

 

ヴァーニア「はぁ〜〜〜・・・気持ち良いですねぇ〜〜〜・・・」

 

カービィ「夕焼けの景色も綺麗〜〜〜・・・」

 

アズサ「私のイメージの世界樹とはあまりに違うんだけど・・・」

 

カービィ「もっとこう、複数のモンスターとの戦いとか想像してたんだけど・・・」

 

ファートラ「えぇ。観光地化の波には逆らえず。それでも、8合目から先はエレベーターもありません。」

 

アズサ・カービィ(富士山か!)

 

ファートラ「アズサさん。カービィさん。こんな言い方をするのは可笑しいのですが。」

 

アズサ「え?」

 

カービィ「何?」

 

ファートラ「こう言う機会を下さって、ありがとうございます。妹と旅行へ行く事なんて長らくありませんでしたから。」

 

アズサ「そうだよね。仕事忙しいし。」

 

カービィ「姉妹で旅行へ行く時間の余裕すらないもんね。」

 

ファートラ「すみません。これもれっきとした仕事なのですが。」

 

アズサ「良いんだよ。こっちも変な事に付き合わせてごめんね。」

 

ファートラ「さぁ!ここから先はフロアが狭くなるので、上の階へ進むペースも速くなります!明日は84階の宿に泊まりましょう!」

 

ヴァーニア「そこから先は宿もない本格的なダンジョンです!」

 

アズサ「うん!ガシガシ行くよ!」

 

カービィ「負けてられないね!!」

 

翌日。38階から39階へ。

 

 

 

 

入り組んだ迷路だが、カービィがホバリングして誘導する。草原を越え、砂漠を越え、遂に84階へ。

 

84階の宿で1泊。

 

 

 

 

85階。

 

ファートラ「気を付けて下さい。この階層には、ヨダレタラシナマケモノと、ハナタラシナマケモノが生息しています。」

 

カービィ「あれか!」

 

ファートラ「彼等は凶暴なので襲って来ます!」

 

アズサ「お子様パーーーンチ!!」

 

お子様パンチでハナタラシナマケモノを倒した。

 

カービィ「ボムニードル!!」

 

ボムニードルでゴルドーの姿になり、周囲のヨダレタラシナマケモノを倒した。

 

アズサ「ステータス的にはまだそれなりにやれるみたい!」

 

ヴァーニア「わぁ〜!凄いですね〜!」

 

すると別のナマケモノ達が襲って来た。

 

ヴァーニア「こっちは私に任せて下さい!!」

 

ジャンプからの・・・

 

ヴァーニア「タァッ!!!」

 

キックでナマケモノ達を倒した。

 

カービィ「おぉ!凄い!」

 

アズサ「あなた達も強いよね!リヴァイアサンだものね!」

 

ヴァーニア「イエス!」

 

だがまたナマケモノ達が押し寄せて来る。

 

カービィ「僕に任せて!!ミサイル!!」

 

ミサイルカービィがミサイルに変身し、地面に着弾してナマケモノ達を吹き飛ばした。

 

カービィ「からのレーザー!!」

 

レーザーカービィがチャージレーザーを地面に着弾して残りのナマケモノ達を吹き飛ばした。

 

カービィ「まだやる?」

 

残ったナマケモノ達が怖気付いて逃げ出した。

 

ファートラ「さぁ、急ぎましょう!」

 

 

 

 

89階はゲリラ豪雨。パラソルカービィが3人を守りながら進む。

 

96階は崖地帯。ウィングカービィで3人を引っ張って飛ぶ。

 

102階は蛇の大群。フェスティバルカービィがアズサとヴァーニアとファートラと踊って蛇達を一網打尽にした。

 

 

 

 

そして、107階に。

 

アズサ「はぁ・・・はぁ・・・着いた・・・」

 

カービィ「もう少しで頂上・・・!」

 

107階の扉がゆっくりと開いた。

 

 

 

 

 

 

そこは、夕焼けが広がる絶景だった。

 

カービィ「よっと。」

 

柵の上に座った。

 

アズサ「ん〜!」

 

背伸びするが絶景が見えない。ファートラがアズサを持ってあげた。

 

アズサ「まだ何も言ってないけど・・・」

 

ファートラ「それ位分かります。一緒にここまで来たんですから。」

 

アズサ「そっか・・・」

 

カービィ「綺麗な絶景〜。・・・ん?ヴァーニアさん。」

 

ヴァーニア「何です?」

 

カービィ「何か、涙出てるよ?」

 

ヴァーニア「え?・・・あれ?何か私・・・可笑しいですね。泣くようなキャラじゃないのに・・・」

 

ファートラ「ダメよ?まだ仕事中だから。」

 

ハンカチを出した。

 

ヴァーニア「・・・」

 

絶景を眺めながら、ファートラが昔の話をした。

 

ファートラ「子供の頃だったら、ヴァーニアここでジャンプして落ちそうになってたわね。」

 

ヴァーニア「そんなおっちょこちょいしないですよ〜。姉さんの方こそ。途中からしんどいって文句が増えてたと思いますよ?それで父さんに、『ファートラは連れて来るんじゃなかったな。』って言われてました。」

 

ファートラ「火山に登った時は、本当に疲れたんだもの。予定より時間掛かったし。」

 

ヴァーニア「何でもかんでも、スケジュール通りに正確には行きませんって。」

 

ファートラ「あなたが適当なだけでしょ?」

 

ヴァーニア「ん?」

 

ファートラ・ヴァーニア「あはははは。」

 

カービィ(本当。良い姉妹だねぇ〜。)

 

 

 

 

 

 

そして遂に、頂上の108階。そこに薬屋があった。

 

カービィ「やっと着いた!!」

 

 

 

 

薬屋の店主に尋ねる。

 

アズサ「すみません!ノームニナルダケってキノコ食べて小さくなっちゃったんですけど、元の大きさに戻る薬ありますか?」

 

店主「あーはいはい。ちょっと前までは治すのが面倒なキノコでしたけど、最近とある薬が有効である事が分かったんですよ。」

 

アズサ「本当ですか!?」

 

店主「えぇ。大ヒットしている薬で・・・」

 

その薬とは・・・

 

 

 

 

 

 

マンドラゴラ錠だった。

 

 

 

 

 

 

店主「これです。」

 

アズサ「これって・・・」

 

店主「洞窟の魔女と名高いエノさんが作った薬です。」

 

カービィ「マンドラゴラ錠!?」

 

 

 

 

エノ「こんにちは〜!洞窟の魔女エノです〜!」

 

 

 

 

そこにエノが薬を持ってやって来た。

 

エノ「追加の薬、3ケースお持ちしました!」

 

カービィ「エノ!!」

 

アズサ「何でここに居るの!?」

 

エノ「ん!?何処の子ですか!?」

 

カービィ「見て分からないの!?アズサだよアズサ!!」

 

エノ「ええ!?高原の魔女様!?」

 

 

 

 

事情を話した。

 

エノ「ええ!?わざわざ歩いて来たんですか!?」

 

アズサ「うん・・・」

 

カービィ「エノ、もしやあのモンスターで登って来たの?」

 

エノ「はい。ドラゴンとかは無理ですけど、ワイバーンなら直接来れるんですよ。薬の搬入とかで。」

 

アズサ「うぅぅ・・・」

 

カービィ「知ってたらドラグーンかジェットスターかウイングスターでショートカット出来てたのに・・・」

 

エノ「それに可笑しいですね。マンドラゴラ錠ならヴァンゼルド城に届けてますし・・・搬入の事も魔王様、ご存知だと思うんですけど・・・」

 

アズサ「なっ!?」

 

カービィ「嘘!?」

 

 

 

 

 

 

急いでヴァンゼルド城に戻ってペコラに言うと。

 

ペコラ「ワイバーンなら乗り付けられる事を忘れてましたぁ〜!うっかりです〜!テヘペロ☆」

 

アズサ「いや、ペコラ絶対分かってたでしょ!」

 

カービィ「マンドラゴラ錠の事も分かってたんでしょ!?」

 

ペコラ「何の事でしょう〜?」

 

カービィ「このしらばっくれ・・・まさに悪魔・・・!」

 

アズサ「・・・まぁ良いや。折角ワイバーンを乗せて早く帰って来たんだし。さっさと薬飲んでお風呂入りたい。大冒険のお陰でボロボロだし。」

 

ペコラ「お待ち下さい!どうせなら、皆さんの前でお戻りになられた方が・・・」

 

アズサ「苦労して手に入れたんだし。その方が感動的かもね。」

 

 

 

 

皆を玉座の間に呼んだ。

 

ベルゼブブ「なんとマンドラゴラ錠とは。骨折り損じゃったのう。」

 

アズサ「終わり良ければすべて良し!大人に戻るよ。」

 

マンドラゴラ錠を口に入れ、カービィが用意した水を飲む。

 

”ドクンッ!!”

 

アズサ「キタキター!」

 

シャルシャ「シャルシャは危惧する。」

 

ファルファ「え?」

 

カービィ「何の危惧?」

 

シャルシャ「大きくなると・・・」

 

カービィ「・・・あ、まさか服が・・・」

 

大きくなったアズサの服がビリビリ破れた。

 

カービィ「破れちゃった!?パラソル!!」

 

パラソルカービィのパラソルで服が破れてしまったアズサを覆い隠した。

 

ペコラ「キャーーー!お姉様破廉恥ですーーー!!妹として見ていられませーーん!!!」

 

カービィ「ちょっとペコラ!!この事を予想して言ったとしか言いようがないよ!!」

 

ペコラ「何の事か私分かりません!さっぱり分かりませ〜ん!」

 

カービィ「悪魔の所業が過酷過ぎる・・・」

 

アズサ「こうなったら・・・皆でお風呂行くよ!!全員で裸の付き合いだよ!!ペコラも!!良いね!?」

 

ペコラ「・・・え?」

 

 

 

 

 

 

混浴でお風呂。

 

アズサ「ふぅ〜。やっぱり大きなお風呂は最高だねぇ〜。」

 

ベルゼブブ「分かるのじゃぁ〜。仕事で疲れておると余計に染み渡るのじゃ〜。」

 

カービィ「あの時の露天風呂も良かったなぁ〜。」

 

そんな中ペコラは1人で黙ってる。

 

アズサ「ペコラ。」

 

ペコラ「え!?いやぁー!お姉様!」

 

カービィ「もしかしてペコラって、皆でお風呂に入るの恥ずかったり。」

 

ペコラ「い、いえ・・・その・・・私・・・このような事には慣れてなくて・・・」

 

アズサ「そっかぁ。ペコラって魔王だから、誰かと一緒にお風呂に入ったりしないんだね。でも、やられたらやり返す!」

 

カービィ「倍返し?」

 

アズサ「キッチリペコラの裸も見てやるからね〜?」

 

ペコラ「は、破廉恥です〜!」

 

アズサ「・・・お風呂は裸が正装だよ?それに、皆も居るから恥ずかしくないでしょ?にしても、今回はあなた。少し冗談が過ぎたね。」

 

ペコラ「・・・・・」

 

アズサ「いいペコラ?どんな理由だと、私はあなたのお姉様なんだから。妹が悪い事をしたら叱ります。」

 

ペコラ「・・・・んにゅ。」

 

軽くゲンコツされた。

 

アズサ「分かった?」

 

ペコラ「ごめんなさい・・・」

 

アズサ「良く出来ました!これで恨みっこなしだね!」

 

ペコラ「・・・あの、お姉様。」

 

アズサ「何?」

 

ペコラ「私、本を読んで、キスまでなら憧れていたのですが・・・それ以上の事は・・・本には書いてなくて・・・」

 

アズサ「ふぅ〜ん。そこがペコラの想像の限界なんだね?純真なんだね。」

 

ペコラ「それで、1つお願いがあるのですけれど・・・」

 

アズサ「何でも言ってご覧?」

 

ペコラ「お姉様の胸・・・」

 

 

 

 

 

 

「触っても宜しいでしょうか・・・?」

 

 

 

 

 

 

アズサ「はぁ!?」

 

カービィ「ペポ!?」

 

アズサ「どう言う事!?」

 

ペコラ「私も慣れて行こうかと思いまして!!!胸を触れば免疫が出来るかなっと!!」

 

アズサ「そんなのはダメだからーーーー!!!」

 

浴槽から上がってペコラから逃げる。

 

ペコラ「どうしてダメなんですかー!お姉様ー!」

 

アズサ「魔王が変な事に目覚めでもしたら取り返し付かないでしょ!!!そのお願いは聞けません!!!」

 

ペコラ「お姉様ーーー!!」

 

アズサ「世界の平和の為にも!!あなたは純真なペコラのままで良いのーーー!!」

 

カービィ「あはは・・・アズサ、前途多難だねぇ・・・」

 

これから先もペコラに翻弄されて行くアズサであった。

 

『END』




         キャスト

      カービィ:赤崎千夏
       アズサ:悠木碧
       ライカ:本渡楓
     ファルファ:千本木彩花
     シャルシャ:田中美海
      ハルカラ:原田彩楓
     ベルゼブブ:沼倉愛美
      ロザリー:杉山里穂
    フラットルテ:和氣あず未
       ペコラ:田村ゆかり
     ヴァーニア:小澤亜李
     ファートラ:伊藤美来

        エノ:遠野ひかる
        店主:日岡なつみ



次回予告

カービィ「フラタ村にお祭りの季節がやって来た。250年前から続く伝統のイベントだけど、創設からの歴史を唯一知っている存在になってしまった僕とアズサは、何時の頃からか少し距離を置いていた(皆の自主性を重んじる為)。しかし家族が興味を示し、楽しみにしている様を見て、今年は関わり方を少し変えてみる事を決意した。こうして生まれたのが、一日だけの喫茶店「喫茶・魔女の家」。家族皆で作り上げたこのお店を、村の皆は喜んでくれるのかな?」

最終回・喫茶店を開いた

カービィ「次で最終回!?嘘だと言ってよ!ねぇ!」


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最終回「喫茶店を開いた」

ある日。フラタ村ではお祭りが開催されていた。

ファルファ「わー。綺麗ー。」

アズサ「そうか。丁度お祭りの時期だったね。」

カービィ「今日も賑やかだねぇ。」

ライカ「どのようなお祭りなんでしょうか!?」

シャルシャ「フラタ村の踊り祭り。250年程前から始まり村の広場や高原で気ままに踊っていく。収穫したものを大地の神様にお供えし来年の豊穣を祈ると言うもの。祭りは前日祭と当日の2日間に渡って開かれる。」

ハルカラ「気ままに踊りれるのはいいですね~!」

カービィ「君の踊りは違う意味に聞こえるけど・・・」

ライカ「アズサ様とカービィ様も参加するのですか?」

カービィ「いや、僕達は少し距離を置いてるんだよ。」

アズサ「お祭りが始まる前から住んでる2人だし、下手すると私達手動の祭りになり兼ねないからね。」

ライカ「そうでしたか・・・」

ファルファ「お祭りって甘い飴の屋台も出るのかな?」

シャルシャ「祭礼研究は歴史的にも重要。」

ハルカラ「お祭りはドリンクが売れるんですよねー。値段高めでも飛ぶように売れて。ちょっともうけ過ぎちゃったかなー。」

アズサ(そっか。家族が急に増えたんだもんな。折角だし関わり方も変えてみるか。)




酒場・冴えた鷲。

アズサ(でも何をしよう・・・)

ハルカラ「果実酒のおかわり下さーい!」

カービィ「ハルカラ。飲むのはいいけど潰れないでよね?」

ハルカラ「植物のドリンクは自分でも作れるから、ついつい飲み比べしちゃうんですよねー。」

アズサ(飲み物は作れる・・・)

ライカ「成る程。隠し味に胡椒を入れるんですね。このソース今度試してみましょう!」

アズサ(料理も作れる・・・)

ファルファ「ママー!パパー!お水どうぞ!」

シャルシャ「取り皿貰って来た。」

アズサ「ありがとう2人共。」

カービィ「ありがとね。」

アズサ(可愛い給仕さんも居る!)

そこで閃いた提案は。

アズサ「閃いた!前日祭に喫茶魔女の家を開こう!」

カービィ「喫茶魔女の家?」


ある日の家。

 

ロザロー「姐さん!兄貴!届きました!」

 

何かを包んだ巨大な風呂敷が届いた。

 

カービィ「ご苦労様。」

 

ハルカラ「何ですかこれー?」

 

アズサ「喫茶魔女の家の給仕服。この間採寸して貰ったでしょ。」

 

カービィ「僕がデザインして、店主に採寸して貰ったんだ。」

 

アズサ「早速皆で試着してみよう!」

 

 

 

 

試着した。

 

アズサ「どう?似合ってるかな?」

 

メイド服よりの給仕服。

 

カービィ「良いよ。サイズピッタリだね。」

 

ファルファ「ママー!パパー!似合ってるかな?」

 

シャルシャ「着心地も悪くない。」

 

試着した2人に

 

アズサ「はい!可愛い!」

 

カービィ「良いよ良いよ!」

 

ハルカラ「あのー。採寸して貰ったのに胸がきついんですけど。」

 

かなり胸がデカいメイド服。

 

カービィ「如何わしいお店かな・・・?」

 

アズサ「ハルカラ。そのままだと出禁だから。」

 

ハルカラ「開店してないのにー!」

 

カービィ「開店前の出禁!」

 

ファルファ「フラットルテさん可愛いー!」

 

シャルシャ「調和が取れている。何処かに黄金比があると思われる。」

 

フラットルテ「そうかー?個人的には動き辛くて全裸の方がマシなのだ。このフラットルテ様も裸で戦ってやろうではないか!」

 

アズサ・カービィ「マシな訳ないだろ!」

 

ロザリー「あーあ。皆さん良いっすねー。私も着てみたいなー。」

 

アズサ「勿論ロザリーも着替えて貰うよ。」

 

カービィ「外へ行こう。」

 

 

 

 

外でロザリーに服を着せる儀式を行った。

 

アズサ「そして伸ばした手が向こう側につながるように。決まって魔法!変わってロザリー!」

 

給仕服が光り、それをゴーストカービィが掴んだ。

 

カービィ「ロザリーにドレスを与えよーーーー!!」

 

そのままロザリーに給仕服を被せると、ロザリーが光った。

 

ロザリー「おぉー!凄ー!」

 

見事成功。

 

ロザリー「ありがとうございます!姐さん!兄貴!」

 

アズサ「うん!よく似合ってる!」

 

カービィ「さて。後はライカだけど、まだかな・・・」

 

家のドアが開いた瞬間、周囲が黄金色に包まれた。

 

アズサ「神・・・神が居る・・・」

 

ライカ「その・・・可笑しな点はないでしょうか?」

 

給仕服を来たライカの姿は、物凄く尊いものだった。

 

アズサ・カービィ・ハルカラ「尊い・・・!」

 

ライカ「昔・・・学校の演劇でこう言う格好を・・・まさにその時も同じ反応で困りました・・・」

 

アズサ「はぁ・・・その困り顔も・・・」

 

カービィ「照れ顔も・・・」

 

アズサ・カービィ・ファルファ・シャルシャ・ハルカラ「尊い・・・」

 

これには皆悶絶。ただしフラットルテは除く。

 

ライカ「同じ事ばっかり言わないで下さい!」

 

 

 

 

試着を終え、次は。

 

アズサ「さぁ!次はメニュー作りです!」

 

ハルカラ「私の出番が来ましたねー!もう考えてあります!」

 

カービィ「早くない!?」

 

考えたメニュー表を拝見する。

 

アズサ「この飲む精力剤15種ブレンドってのは却下ね。」

 

ハルカラ「何でですかー!?フラント州では男性陣に大好評でしたよ!」

 

カービィ「イメージが良くない!!」

 

アズサ「後、毎日飲めば1か月で背が伸びてくる骨を伸ばす生薬ブレンドも却下。もっと普通のにしてよ!」

 

カービィ「喫茶店で栄養酒を出さないでよ!!子供も来店するんだから!!」

 

ハルカラ「えー。それ以外なら・・・野生の葡萄に蜂蜜を混ぜた後口の良い爽やかなジュース位しかないですよー。」

 

カービィ「普通のあった!」

 

アズサ「最初からそう言うの持って来てー!」

 

 

 

 

ライカ「全くあなたはセンスがないですね!」

 

フラットルテ「センスがないのはそっちなのだ!」

 

キッチンでドラゴン同士の喧嘩勃発。

 

アズサ「こっちは何の騒ぎ?」

 

カービィ「喧嘩の理由を聞かせて。」

 

ライカ「アズサ様!カービィ様!我のアイデアを聞いて下さい!」

 

カービィ「何?」

 

ライカ「この巨大オムレツを30分以内に食べられたらタダ!と言う企画は如何でしょうか?」

 

アズサ「え?そう言うフードファイト系はちょっと・・・」

 

カービィ「僕なら楽勝だけど。」

 

フラットルテ「はははー!あり得ないのだー!料理と言えば肉!美味しい肉料理を無限に提供する!これで良いのだ!」

 

カービィ「わんこ蕎麦形式・・・脂で胸焼けそう・・・」

 

アズサ「違ーう!2人共間違ってるから!」

 

ライカ「では・・・茹でたパスタの上にあえて甘いクリームを乗せる異色作と言うのは・・・」

 

アズサ「チャレンジ精神は良いけど実行しなくていい!」

 

ハルカラ「お師匠様~!先生〜!ではでは36種類のキノコをふんだんに使ったフルコースを出しましょう~!」

 

アズサ「それ毒キノコ入る奴だろ。」

 

カービィ「ノームニナルダケ入れないでよ?」

 

ファルファ「ママー!パパー!大きなバッタさん捕まえたよ!このバッタさんって料理したら・・・」

 

アズサ「店には出さないからねー。」

 

カービィ「返してあげなさい。」

 

アズサ「メニューは私達が決めます!」

 

カービィ「皆は飾りやインテリアをお願い!」

 

 

 

 

家を喫茶店風に改装し、飾り付けをする。

 

 

 

 

そしてファルファとシャルシャが書いたポスターを村の掲示板に貼った。

 

ナタリー「魔女様ー!戦士様ー!楽しみにしています!」

 

ファルファ「喫茶魔女の家です!」

 

シャルシャ「明日開店する。」

 

ライカ「宜しくお願いします!」

 

フラットルテ「喫茶魔女の家。宜しくなのだー!」

 

皆でチラシ配り。

 

 

 

 

 

 

夜。喫茶店が完成した。

 

ファルファ「わー!」

 

シャルシャ「悪くない。」

 

アズサ「皆ありがとう。いよいよ明日はオープン当日。」

 

カービィ「お客さんが来てくれるか不安だけどね・・・」

 

アズサ「ううん!まず楽しむ事が大事だね!明日は皆で楽しみましょう!」

 

全員「はーい!」

 

 

 

 

 

 

翌朝。

 

アズサ「ふぁ・・・さて・・・今日は朝から仕込みを始めないとね・・・」

 

起きたアズサにカービィが。

 

カービィ「アズサ!」

 

アズサ「うわあ!どうしたのカービィ?そんなに慌てて。」

 

カービィ「外見てよ外!」

 

アズサ「外?」

 

窓の外を見ると、沢山のお客様が行列を作っていた。

 

アズサ「んん!?」

 

 

 

 

 

 

その行列は果てしなく続いている。

 

ライカ「これは・・・」

 

ファルファ「凄ーい!」

 

シャルシャ「フラタ村以外からも来ている・・・」

 

ハルカラ「徹夜で並ぶのはルール違反ですよー。」

 

カービィ(コミケ?)

 

ロザリー「いえ!先頭は早朝ダッシュで来たらしいっす!」

 

ハルカラ「ならOKです!」

 

カービィ(良いんだ・・・)

 

アズサ「こうなったらオープン時間を早めます!」

 

全員「おー!」

 

カービィ「じゃあ早速!コピー能力!コック!」

 

 

 

 

着替え終えて、ドアを開けた。

 

アズサ「喫茶魔女の家!予定より1時間早く開店致します!」

 

お客様達「おおー!」

 

アズサ「喫茶店オープンの歓声じゃないだろ!」

 

ライカ・ファルファ・ロザリー「いらっしゃいませ!」

 

シャルシャ・ハルカラ・フラットルテ「いらっしゃいませ!」

 

女性陣「喫茶魔女の家にようこそ!」

 

カービィ「ようこそ!」

 

コック長のカービィも挨拶する。

 

 

 

 

喫茶店は大繁盛。

 

客A「ウェイトレスの魔女様美しい・・・」

 

客B「ハルカラちゃんも健全と不健全の間の絶妙な感じだ!」

 

ファルファ「ご注文はどう致しますか?」

 

シャルシャ「お水どうぞ。」

 

客C「双子の娘さんも最高に可愛い!」

 

客D「ねー。でも何と言っても・・・」

 

ライカ「お待たせしました・・・ご注文頂いたオムレツでございます。どうぞゆっくりと召し上がって下さい。」

 

中でも人気が高かったのがライカである。

 

客E「いやぁ女神でしょ・・・」

 

客F「こんな妹が居たらずっと抱き着いてる!」

 

客G「言葉は不要・・・ただ・・・」

 

客達「尊い・・・」

 

ライカ「そ・・・そんなに見詰められると・・・困ります。」

 

1人の男性客が鼻血を出して悶絶した。

 

客A「うわぁ!しっかりしろ!」

 

客B「傷は浅いわ!」

 

アズサ「何の店だここは・・・」

 

 

 

 

カービィ「あはは・・・ライカ人気だねぇ。」

 

キッチンからカービィが顔を出して覗いてる。

 

 

 

 

フラットルテ「ライカばかりちやほやされて悔しいのだ・・・私も負けないのだ!」

 

そこでアピールを閃いた。

 

フラットルテ「1度に沢山運ぶのだ!」

 

客達「おおー!」

 

アズサ「いや・・・そんな事したら・・・」

 

フラットルテ「わっ!」

 

アズサ「あ!」

 

バランスを崩して料理が飛んでしまったが、ロザリーが浮遊魔法で間一髪助かった。

 

ロザリー「危ねー所だった。」

 

客達「おおー!」

 

ロザリー「んじゃ!」

 

料理をお客様達に渡した。

 

客H「幽霊のお姉さん最高!」

 

客I「素敵なサービスだわ!」

 

ロザリー「へへ・・・どうも。」

 

アズサ「派手なサービスは割と好評みたいだね。」

 

ハルカラ「お師匠様。」

 

アズサ「ん?」

 

客J「このジュース爽やかだ。」

 

客K「スープもほっこり温まるわ。家庭的なのに上品さもあるわね。」

 

客L「壁の飾り付け可愛い!」

 

ハルカラ「お料理やお店の雰囲気も好評みたいですよ。」

 

アズサ「うん!よし!皆、引き続き頼むね!」

 

ライカ「はい!」

 

ファルファ・シャルシャ「うん!」

 

 

 

 

お客様達が次々と来店していると。

 

アズサ「ん?」

 

隅っこでシャルシャが座っていた。

 

シャルシャ「母さん。ごめんなさい。もう足が・・・」

 

アズサ「こっちこそ気付けなくてごめんね。ゆっくり休んで。」

 

レジカウンターの椅子に座る。

 

シャルシャ「ううん。シャルシャお会計の係やる。これなら続けられる。」

 

アズサ「ありがとうー。でも無理しないでね。」

 

 

 

 

一方キッチンでは。

 

カービィ「まだまだ客足が続いているみたいだね。張り切るよ!ウォーーー!」

 

高速で料理を作り続ける。

 

 

 

 

ハルカラ「ミルクティーお待たせしましたー!森の木の実サラダお待たせしましたー!」

 

ロザリー「あ~・・・コーヒー三つとミニシフォンケーキとフルーツケーキ2つ、そちらさんは紅茶とミルク、特製オムレツとサンドイッチっすね!」

 

アズサ「嬉しい悲鳴だけど・・・ここまで繁盛するとは・・・」

 

ベルゼブブ「良い店じゃのう。」

 

そこにベルゼブブが来店した。

 

アズサ「お待たせしました!何名様で・・・あなた・・・仕事暇なの?」

 

ベルゼブブ「お主客に失礼じゃぞ。」

 

アズサ「今日の事言ったっけ?」

 

ベルゼブブ「聞いとらん!たまたま小耳に挟んだから来てやったのじゃ。何時も楽しそうな事があれば誘うよう言っておるじゃろ!」

 

アズサ「(誘って欲しかったのか・・・)あ!あのさベルゼブブ。今からでも接客手伝って貰ったり・・・」

 

ベルゼブブ「ん?」

 

アズサ「その・・・で・・・出来ないでしょうか?」

 

ベルゼブブ「ん~?」

 

アズサ「無理なら良いんだけど・・・」

 

ベルゼブブ「妾は魔族なのじゃぞ。そんな気楽に頼み事を出来る存在ではない。調子が良いにも程があるわ。」

 

そう言いながら何処かへ行った。

 

アズサ「ベルゼブブ・・・そっちは・・・裏方・・・」

 

しばらくすると、ウェイトレス姿のベルゼブブ参上。

 

ベルゼブブ「まぁ、やっても良い。」

 

アズサ「ノリノリだー!何時の間に服をー!」

 

客M「給仕係なのに女王のような凄いオーラ!」

 

客N「いや・・・軍人のような凛とした感じと淑女のような高貴さが同居する!禁断の香りを感じるぞ!」

 

水を持ったベルゼブブがお客様に差し出す。

 

ベルゼブブ「いらっしゃいませー。喫茶魔女の家へようこそ。ご注文が決まりましたらお声を掛けて下さいね。」

 

アズサ「完璧だー!」

 

 

 

 

一方外では、リヴァイアサンが来た。

 

 

 

 

キッチン。

 

ベルゼブブ「コック長さーん。ハーブティーと人参のシフォンケーキのセット、果実ミックスジュース2入りまーす!」

 

カービィ「り、了解!!」

 

急いで作る。

 

ライカ「とんでもない助っ人が入りましたね・・・」

 

アズサ「まさか口調まで変えて来るとは・・・ベルゼブブも手伝ってくれるし少し余裕が出て来るかな。でもお客さんが減ってる気配はないし・・・」

 

 

 

 

ホールへ行くと。

 

ペコラ「それじゃあ行きますよ。一緒にお願いしますね。美味しくなーれ♡」

 

客達「わ~!おー!」

 

ペコラ「ちょっと小悪魔スパイス入れちゃいましたー。」

 

客達「ズッキューン!」

 

アズサ「小悪魔所じゃないでしょ!何してんの!」

 

ペコラ「お姉様!どうですか?私の服可愛いですかー?」

 

アズサ「泣く子も黙る魔王が接客やってて良いの?」

 

ペコラ「勿論!私こう言うお店一度体験してみたかったんですよー!」

 

アズサ「あ・・・ひょっとしてあなたが来てるって事は・・・」

 

 

 

 

キッチンでは、ヴァーニアが高速で料理を作っていた。

 

ヴァーニア「はい!トスカ羊のソテー・トリーニャ風です!」

 

アズサ「やっぱり!」

 

カービィ「助かるよヴァーニアさん!人出が欲しかった所だったんだ。」

 

ヴァーニア「いえいえ。私で良ければ頑張りますよ!」

 

ファートラ「シェフのお任せプレートです。人間の口に合うよう妹が改良しています。」

 

アズサ「勝手にシェフになってるし・・・」

 

ハルカラ「コック長!シェフ!お任せ追加です!」

 

カービィ「了解!」

 

ヴァーニア「はーい!」

 

アズサ「もうメニューに入ってるし・・・」

 

ファートラ「ハルカラさん。3番テーブルにデザートメニューを。」

 

ハルカラ「はい!マネージャー!」

 

アズサ「ファートラがフロアマネージャーになってるし!」

 

ライカ「団体さんご来店です!」

 

アズサ「え?」

 

ロザリー「注文の追加入りました!」

 

アズサ「え!」

 

ファルファ「お客さんいっぱい!」

 

アズサ「ええー!」

 

そしてあるお客様が来た。

 

ブッスラー「師匠!その格好は新しい修行でしょうか!?」

 

格闘家のブッスラーだった。

 

ブッスラー「私もお手伝いします!」

 

ベルゼブブ「お、お主何故ここへ・・・?」

 

 

 

 

そして外では。

 

エノ「此方、エノ印の新しい栄養剤のサンプルでーす!宜しければどうぞー。どうぞー。」

 

ハルカラ「ちょっと!あなた勝手に何してるんですか?」

 

クク「行列で待ってる方々に1曲サービスです!」

 

フラットルテ「ククとフラットルテの魂の叫びを聴くのだー!」

 

お客様達「おおー!」

 

 

 

 

カービィ「何か凄い事になってるねこれ・・・」

 

アズサ「取り敢えず・・・営業を続けます!」

 

カービィ「イエッサー!」

 

 

 

 

アズサ、ライカ、ファルファは引き続き接客。

 

シャルシャはお会計。

 

ハルカラはシェイカーを振ってる。

 

ベルゼブブは豚共を罵ってる。

 

ロザリーは浮遊魔法で食器を運んでる。

 

ペコラはお客様達をメロメロさせてる。

 

カービィ、ヴァーニアは料理を作り、ファートラが料理を運ぶ。

 

ブッスラーは皿洗い。

 

エノは例のコスプレで薬を提供している。

 

 

 

 

時間があっと言う間に過ぎ、夜になった。

 

ナタリー「魔女様。ご馳走様でした。」

 

アズサ・ライカ「ありがとうございました!」

 

最後のお客様のナタリーが村へ帰って行った。

 

アズサ「さて、これで店仕舞いかな?」

 

 

 

 

店内では。

 

エノ「その新製品、苦味を果汁で緩和してるんです!」

 

ハルカラ「今度ビジネスの話をしましょう!」

 

クク「またライブしましょう!」

 

フラットルテ「心震える曲を作るのだ!」

 

ブッスラー「師匠!ではお手合わせを!」

 

ベルゼブブ「とっとと帰るんじゃ!」

 

アズサ「ははは・・・」

 

ペコラ「お姉様ー。今日はとっても楽しかったですー。また参加しますー!」

 

魔王様からの熱いハグ。

 

ヴァーニア「それではまたー!」

 

ファートラ「失礼します。」

 

カービィ「色々ありがとうね皆。助かったよ。」

 

アズサ「皆・・・手伝ってくれてありがとう・・・」

 

 

 

 

こうして他の皆も帰って行った。

 

アズサ「よし!皆!お疲れ様!」

 

ライカ「アズサ様もです。」

 

カービィ「お疲れ様〜!」

 

アズサ「これから後片付けだけど、のんびりやろうか。」

 

カービィ「クリーン!」

 

クリーンカービィに変身し、のんびりと片付けを始めた。

 

 

 

 

夜。片付けを終え、ファルファとシャルシャがソファーで眠った。

 

 

 

 

転生してから300年、レベルMAXになったと知ってから彼等の生活は一変した。

 

この調子だとこれからも多くの賑やかな出来事が起こるだろう。

 

でもそれまでの300年間と、ここ最近だったら短いけど最近の方が楽しみでいっぱいだと胸を張って言える。

 

 

 

 

ハルカラ「原価と定価と利益・・・」

 

部屋で売り上げを計算してるハルカラ。

 

 

 

 

ロザリー「コーヒーとチョコレートケーキ・・・」

 

浮遊しながら魘されてるロザリー。

 

 

 

 

フラットルテ「ハ~ビバノンノン♪」

 

ライカと一緒に風呂に入ってるフラットルテ。

 

 

 

 

2人のスローライフも良いけど、皆と過ごすスローライフはまた格別だった。

 

これもスライムをコツコツ倒して来た結果な訳だから、スライムに足を向けて寝られない。

 

と言ってもスライムは凡ゆる所に居るから、どれかには足を向ける事にはなる。

 

でも・・・一先ず喫茶店も終わったし、しばらくはのんびり穏やかな日々を過ごしたいなと思うのだった。

 

 

 

 

 

 

翌日。草原に立つアズサとカービィとライカ。

 

カービィ「エンジェル!」

 

アズサとライカがデコピンでスライムを狩り、エンジェルカービィが弓矢を連射してスライムを狩る。大量の魔法石を入手。

 

 

 

 

その日の午後。

 

アズサ「はぁ・・・」

 

カービィ「ふぅ・・・」

 

ティータイムを満喫していると。

 

ハルカラ「お師匠様。先生。今夜はフラタ村の踊り祭り本番ですよ。」

 

ロザリー「どんなお祭りなんすかね!?」

 

ファルファ「行きたーい!」

 

シャルシャ「興味ある。」

 

ライカ「アズサ様!我も行ってみたいです!」

 

アズサ「じゃあ夜に皆で行ってみようか。」

 

カービィ「そうだね。僕も行ってみたいし。」

 

ファルファ「わーい!」

 

ベルゼブブ「妾の魔族の踊りを見せてやろう。」

 

カービィ「まだ居たんだ。」

 

アズサ「あなた・・・暇なの?」

 

カービィ「ベルゼブブって暇魔族(ひまぞく)なの?」

 

ベルゼブブ「なっ!昨日たっぷり働いた妾を労わる気持ちはないのか!それと上手い事言わんでいい!」

 

ファルファ「昨日はありがとう!ベルゼブブさん!」

 

シャルシャ「とても助かった。」

 

ベルゼブブ「な・・・何て事ない~。また何時でも声を掛けるのじゃ。」

 

ロザリー「ベルゼブブの姉御は本当2人に弱いっすね。」

 

フラットルテ「フラットルテも踊るのだ~!思いっきり弾けるのだ~!」

 

ライカ「駄目です!ドラゴン族の大恥を晒す事になります!」

 

カービィ「フェスティバルで躍りまくろうかなぁ〜?」

 

ハルカラ「私もダンスには自信があるんですよ~!」

 

アズサ「出来たらハルカラも踊らないで・・・」

 

カービィ「僕からも頼む・・・」

 

ハルカラ「何でですかお師匠様?先生?」

 

ライカ「兎に角お祭りで暴れられると出禁になるんです!」

 

フラットルテ「失礼なのだ!」

 

ハルカラ「ねぇねぇお師匠様。先生。私のダンスの何処が駄目なんですか~?」

 

アズサ「だから~・・・」

 

カービィ「あのね〜・・・」

 

ファルファ「ベルゼブブさんは?」

 

シャルシャ「どんな踊りをする?」

 

ベルゼブブ「マナを吸い取る魔族に伝わる不思議な踊りじゃ。」

 

カービィ「完全に魔力奪う気じゃん!」

 

ロザリー「今日も平和っすねー。」

 

”コンコン”

 

アズサ「はーい。今開けます。」

 

ドアを開けた。

 

アズサ「何かご用でしょうか?」

 

スライム倒して300年、今日も楽しい1日が始まります。

 

『THE END』




         キャスト

      カービィ:赤崎千夏
       アズサ:悠木碧
       ライカ:本渡楓
     ファルファ:千本木彩花
     シャルシャ:田中美海
      ハルカラ:原田彩楓
     ベルゼブブ:沼倉愛美
      ロザリー:杉山里穂
    フラットルテ:和氣あず未
       ペコラ:田村ゆかり
     ヴァーニア:小澤亜李
     ファートラ:伊藤美来

      ナタリー:菊池紗矢香
        エノ:遠野ひかる
     ブッスラー:伊藤彩沙
        クク:小岩井ことり

        客達:若林佑
           中村桜
           嶋野花
           松村圭人
           河村梨恵
           吉原康平




カービィ「フラタ村に何やら怪しい男が噴水広場に現れて、僕達に不思議な豆を譲ったんだ。その豆から巨大な木が生えたんだ。僕はアズサ達と豆の木から降りて来た1匹のネズミと一緒に豆の木を登ったんだ。そこで僕達が出会った1人の少女と、隠された陰謀を耳にしたんだ。この国は僕達が救ってみせる!」

特別編・カービィと豆の木

カービィ「え!?2期決定!?皆待っててねー!」


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特別編「カービィと豆の木」

ある日の高原の家。

 

???「カービィ!カービィ!カービィったら!」

 

カービィ「ポヨ!?」

 

高原の戦士カービィ。元は現代人で榊翔太と言う名の高校生だが、交通事故に巻き込まれて死亡し、カービィの姿でこの異世界へ転生した。

 

アズサ「皆起きてる中であなただけお寝坊さんよカービィ。」

 

高原の魔女アズサ。元は現代人で相沢梓と言う名の会社員だが、仕事の過労死で死亡し、魔女としてこの世界へ転生した。

 

カービィ「ふあぁ〜〜〜・・・」

 

大きく欠伸した。

 

カービィ「おはようアズサ。僕だけ寝坊なんて珍しい。」

 

アズサ「ホラ、顔洗って来なさい。」

 

カービィ「うん。」

 

部屋を出て浴室へ。

 

 

 

 

浴室で顔を洗って出た。

 

カービィ「ふぅ〜。スッキリした。」

 

ロザリー「おはようございます!兄貴!」

 

カービィ「おはようロザリー。」

 

幽霊のロザリー。嘗てナスクーテ町のハルカラ製薬工場建設地に住んでいた商人の娘だが、金に困った両親に売られた後に自殺して幽霊となり、今はカービィとアズサ達と一緒に暮らしている。

 

カービィ「皆起きてる?」

 

ロザリー「はい。ハルカラの姉貴はリビングに居ますよ。」

 

 

 

 

リビング。

 

カービィ「ハルカラおはよう。」

 

ハルカラ「先生。おはようございます。」

 

エルフのハルカラ。調薬師でハルカラ製薬の社長で、今はカービィとアズサ達と暮らしている。

 

カービィ「新しい栄養酒の考案中?」

 

ハルカラ「はい。次はどんなのが良いのか考えています。」

 

カービィ「あんまり過激なのは止めてよね?催淫とか。」

 

ハルカラ「まだそんな栄養酒考えていませんよ!」

 

カービィ「まだって何?まだって・・・」

 

 

 

 

家を出た。

 

ファルファ「パパおはよ〜!」

 

シャルシャ「おはよう。父さん。」

 

カービィ「2人で読書?」

 

姉妹のファルファとシャルシャ。実はカービィとアズサによって倒されたスライム達の精霊で、カービィとアズサの娘。

 

カービィ「じゃあ2人共、僕森の方へ行って来る。」

 

ファルファ「行ってらっしゃ〜い!」

 

シャルシャ「気を付けて。」

 

 

 

 

 

 

森の奥へカービィが走る。

 

森では、小鳥が鳴いてる。

 

途中で河原を発見し、スピアカービィに変身してスピアスローで槍を投げた。槍が見事魚に刺さり、魚をゲットした。

 

更に森の奥へ進む。

 

茂みから覗く。そこには、ロングハンマーイノシシ1頭を発見した。スナイパーカービィに変身して、ハリボテを出してぎたいしながら匍匐前進する。

 

ロングハンマーイノシシの後ろまで移動し、弓矢を引いてショットで仕留めた。

 

仕留めたロングハンマーイノシシをマジックカービィのハットで収納した。

 

 

 

 

 

 

一方高原の家の庭では。

 

フラットルテ「ん〜。」

 

ブルードラゴンのフラットルテ。レッドドラゴンの一族と対立関係にあるが、今はカービィとアズサに服従する立場となり、一緒に暮らしている。

 

ライカ「zzz・・・・・」

 

レッドドラゴンのライカ。当初はナンテール州最強のドラゴンと呼ばれて少々高慢になっておったが、最強であるカービィとアズサの力で己の未熟を痛感して、カービィとアズサを慕っている。

 

フラットルテ「そろり・・・そろり・・・」

 

ベンチで眠っているライカの横のクッキーに近付き。

 

フラットルテ「いただき!」

 

ライカ「ッ!」

 

フラットルテ「うわ!?」

 

クッキーを取ったフラットルテに気付いたライカが、フラットルテをロープで縛った。

 

フラットルテ「離せなのだ!!!」

 

ライカ「・・・・・」

 

再びライカが眠くなり、ロープが緩んだ。

 

フラットルテ「ビックリしたのだ・・・」

 

ロープからフラットルテが脱出した。

 

ライカ「zzz・・・・」

 

そこにカービィが森から帰って来た。

 

カービィ「ヤッホー!」

 

眠ってるライカに挨拶して家へ帰った。

 

 

 

 

 

 

家に戻ったカービィが、アズサ達に収穫を見せた。

 

アズサ「凄い!大収穫じゃない!」

 

カービィ「今日はたまたまだけどね。」

 

フラットルテ「肉なのだ!嬉しいのだ!」

 

アズサ「今日も変わりなかった?」

 

カービィ「悪いスライムが少し出ただけ。」

 

アズサ「じゃあ、今日の晩ご飯は奮発するわよ!」

 

 

 

 

 

 

翌日。カービィとライカがフラタ村へ買い物。

 

ライカ「カービィ様。必要な物はこれで以上です。」

 

カービィ「よし。じゃあ帰ろっか。」

 

ライカ「ん?」

 

噴水広場でリュートを奏でているフードを被った男が居た。

 

ライカ「ライブでしょうか?」

 

カービィ「何かありそう。ちょっと行ってみよ?」

 

 

 

 

噴水広場。

 

カービィ・ライカ「・・・」

 

男はリュートを奇妙に弾いている。

 

ライカ「ククさんのお知り合いでしょうか?」

 

カービィ「そうには見えないけど・・・」

 

演奏が終わり、男が一礼した。聴いていた観客達が拍手をした。観客達が去った後。

 

男「気に入ったかね?カービィ。ライカ。」

 

カービィ「そうだね。・・・え!?」

 

ライカ「え!?」

 

名前を呼ばれて2人がビックリした。

 

カービィ「僕達の名前を知ってるの?」

 

男「知ってるとも。私は何でも知っているぞ?」

 

ライカ「あなたは一体何者ですか?占い師ですか?」

 

男「フフフフフフ。」

 

フードを脱いだ男の顔は、左目に眼帯をした男だった。

 

カービィ・ライカ「・・・!?」

 

男「フハハハハハハ!占い師か。まぁ似たようなものだな。私はな・・・不思議を運ぶ男だ。」

 

カービィ・ライカ「不思議を運ぶ男・・・?」

 

男「気軽に運び男とでも呼んでくれ。カービィ。音楽は好きか?」

 

カービィ「うん!大好きだよ!音楽があれば盛り上がるしね!」

 

男「じゃあ、不思議が奇跡を運ぶと信じるか?この世には本当に不思議な奇跡がある。君達もそう思っている。」

 

ライカ「どうして私達がそう思うんですか?」

 

男「音楽を聴けば、どんな悲しみや憎しみや怒りが忽ち消え去る。何故なら、音楽の中にも不思議が潜んでいるからだ。」

 

カービィ「音楽の中にも不思議が・・・」

 

男「だが、不思議や奇跡が潜んでいるのは音楽の中だけじゃなく、色んな所にもあるんだ。例えば。」

 

そう言うと男は、懐から小さな袋を出した。

 

ライカ「何ですかそれ?」

 

男「この中には、不思議な豆が入っているんだ。」

 

ライカ「不思議な豆?」

 

カービィ「どんな豆なの?」

 

男「この豆を撒けば、不思議が起こるんだ。」

 

カービィ「どんな不思議が起こるの?」

 

男「それは言えない。どうだね2人共。もし良かったら、君達にこの豆を譲ってあげても良いんだが。」

 

カービィ「僕達に譲る?何を根拠に?」

 

ライカ「詐欺の臭いがしますね。私達を騙せると思ったら大間違いですよ?」

 

男「不思議な豆。奇跡を起こす豆。」

 

袋から豆を出した。

 

男「ホラ。」

 

緑色の小さな豆が5粒。

 

男「信じなくても構わない。だが、これを君達に譲る。君達はお客様第一号。どうかねカービィ、ライカ。その記念として、この豆を無料サービスで渡そう。」

 

ライカ「・・・カービィ様、どうしましょうか?」

 

カービィ「何か気になる事が山々だけど、譲り受けないと返して貰えなさそうだから・・・分かった!それなら決めた!」

 

男「よし!交渉成立だ!君達は運が良い!」

 

カービィ「そうとも!僕達は運が良い!ライカ、帰ろう。」

 

ライカ「はい。」

 

豆を受け取って、ライカと一緒に帰って行った。

 

男(・・・頼んだぞ。高原の戦士よ。)

 

 

 

 

 

 

家に帰った後、その豆を皆に話した。

 

アズサ「これがその不思議な豆?」

 

ライカ「その方の話によりますと、豆を撒けば不思議が起こるとか何とか。」

 

アズサ「カービィ。まさかアンタ汚い手に染められたとか?」

 

カービィ「断じてない!その人がタダで譲ってくれたんだ。まぁ信じなくて構わないけど。」

 

ハルカラ「ん〜・・・薬の材料として使えそうになさそうですね。」

 

アズサ「薬草として使える訳なさそうね。」

 

ファルファ「植えてみる?」

 

ロザリー「何処へ植えるんですか?」

 

カービィ「家の中とか?」

 

シャルシャ「外の方が良いと思う。日光と夜光で育つかも知れない。」

 

カービィ「じゃあ植えてみるか。」

 

 

 

 

家から少し離れた所に豆を植えてみる。

 

カービィ「これで準備OK。もしかしたら見た事のない花が咲くかもね。」

 

 

 

 

その夜。

 

ロザリー「zzz・・・・」

 

浮遊しながら眠ってるロザリーが、少し開いた窓を抜けて外へ出た。

 

ロザリー「zzz・・・・?」

 

外に出た時、不思議な音が聞こえた。

 

ロザリー「・・・・zzz・・・・」

 

しかしロザリーは気のせいだと思って再度寝た。

 

 

 

 

だが、気のせいではなかった。植えた豆から木が生え始めた。その木は物凄い速度で成長して行った。

 

 

 

 

ロザリー「・・・?」

 

目を開けたロザリーが成長する木を見た。

 

ロザリー「・・・・」

 

しかし気のせいだと思ってまた眠ろうとした。

 

ロザリー「・・・ん!?」

 

だが下から別の木が生え始めた。

 

ロザリー「な、何だ!?」

 

すぐに避けて、急速に成長する木をただ傍観する。

 

 

 

 

木は尚も急速に成長し続け、蔦が複雑に絡まり続ける。そして木は天高く昇り、月まで伸びた。

 

 

 

 

ロザリー「・・・・・・」

 

天高く成長した豆の木。

 

ロザリー「・・・はっ!な、何だ!?」

 

我に返ったロザリーが、豆の木にビックリして眺めた。

 

ロザリー「これって・・・まさか兄貴が植えた豆から成長したのか・・・?」

 

するとロザリーが何か感じた。

 

ロザリー「ん?何か聞こえる?」

 

木の上から何か音が聞こえた。その正体は・・・

 

 

 

 

ネズミ「はぁ、はぁ、はぁ!」

 

 

 

 

1匹のネズミが駆け下りる音だった。

 

ネズミ「きゃっ!」

 

バランスを崩して葉の上に落ちた。

 

ネズミ「危ない危ない。」

 

起き上がって駆け下りる。

 

 

 

 

ロザリー「ネズミ?」

 

 

 

 

すると1羽のフクロウが現れて、ネズミを追い始める。

 

ネズミ「大変!!」

 

急いでフクロウから逃げる。

 

 

 

 

ロザリー「逃げろ!早く!」

 

 

 

 

ネズミ「キャアア!!」

 

フクロウの羽ばたきで落下する。

 

ネズミ「よっ!」

 

蔦に捕まって落下を免れた。だがフクロウが迫って来る。

 

ネズミ「危ない!」

 

上に上って避けた。フクロウが豆の木に激突した。

 

 

 

 

ロザリー「大丈夫か!?早く逃げろ!」

 

 

 

 

外で声を出してるロザリーにカービィ以外の全員が起きた。

 

 

 

 

ロザリー「あ!」

 

 

 

 

フクロウの爪がネズミに迫る。

 

ネズミ「キャアア!!」

 

避けたネズミが落下する。フクロウが急降下してネズミを追う。

 

ネズミ「キャアアアアア!」

 

落下するネズミ。だがフクロウは豆の木の蔦に絡まって身動きを失ってしまった。

 

 

 

 

ネズミは起きたアズサのパジャマのポケットに入った。

 

ロザリー「姐さん!皆さん!」

 

アズサ「何なの・・・?この木・・・」

 

ファルファ「大きい〜!」

 

ライカ「アズサ様。ポケットに何か入ってますよ?」

 

アズサ「え?」

 

ポケットから気を失ったネズミが出て来た。

 

アズサ「ネズミ?」

 

フラットルテ「何なのだ?そのネズミ。」

 

アズサ「分からない。」

 

そのネズミを地面に降ろした。

 

ネズミ「・・・ん・・・ん?」

 

気を失ったネズミが目を覚まして、アズサ達を見た。

 

アズサ「あなたは誰なの?」

 

ネズミ「もしかして、人間の方々ですか?」

 

アズサ「そうだけど・・・」

 

ネズミ「初めまして。私はルルアです。」

 

カーテシーで挨拶した。

 

アズサ「は、初めまして。」

 

ハルカラ「ルルアさん。あなたは何処から来たんですか?」

 

ルルア「私はこの木から降りて来たんです。」

 

ファルファ「木の上から?」

 

ルルア「私は元々人間なのですが、悪い魔女にネズミの姿に変えられてしまったんです・・・」

 

シャルシャ「悪い魔女?」

 

ルルア「その魔女は私達の国を乗っ取る計画を・・・」

 

アズサ「魔女って、私と同業者かな?」

 

ロザリー「多分違うと思いますよ?」

 

 

 

 

そこに遅れて起きたカービィが豆の木を見に来た。

 

カービィ「あの人の言った通りだ・・・あっと言う間にこんなに成長しちゃって!やっぱりあれは本物の不思議な豆だったんだね!凄く大きい豆の木だなぁ〜。何処まで伸びたんだろう?」

 

アズサ「カービィ!」

 

カービィ「皆!ん?そのネズミは?」

 

ルルア「私はルルアです。初めまして。」

 

カービィ「僕はカービィ。もしかして君は、この豆の木から降りて来たの?」

 

ルルア「そうです!」

 

カービィ「どうしてネズミが豆の木に居たの?」

 

ルルア「実は・・・」

 

アズサ「この子の話だと、この子元々人間らしいのよ。」

 

カービィ「人間?じゃあ魔法でネズミに変えられたとか?」

 

ルルア「そうなんです!それでお願いがあって・・・」

 

カービィ「ん?」

 

ルルア「私達を助けて下さい!このままだと、私達の国が壊されてしまうんです!」

 

カービィ「私達の国?じゃあこの豆の木の天辺にその国が?」

 

天高く伸びる豆の木を眺める。

 

カービィ「よし!決まった!」

 

ルルア「え?」

 

カービィ「皆!登ろうよ!」

 

アズサ「そうね。この子の国が壊されるなら、その野望を打ち砕きましょう!」

 

ライカ「はい!」

 

 

 

 

 

 

着替えたアズサ達と共に、豆の木を登る。

 

ルルア「気を付けて下さい!」

 

ハルカラ「うんしょ・・・うんしょ・・・」

 

横に伸びる蔦に登って真下を見る。

 

ハルカラ「あわわわわ・・・」

 

もう家は小さくなってる。

 

 

 

 

アズサ「ハルカラ!大丈夫!?」

 

ハルカラ「ご心配なく〜!」

 

頑張って登るハルカラが心配。

 

 

 

 

しばらく登ると。

 

ファルファ「わぁ〜!」

 

朝陽が顔を出した。

 

 

 

 

再び登り続ける。豆の木は雲の上まで伸びて、巨大な雲まで伸びている。

 

 

 

 

巨大な雲の中。

 

アズサ「結構登ったわね・・・」

 

フラットルテ「一体何処まで伸びるのだ・・・?」

 

ルルア「もうすぐです!頑張って!」

 

カービィ「あ、頂上っぽいよ!」

 

遂に豆の木の頂上に着いた。

 

ロザリー「井戸の中みたいですね。」

 

そこは、井戸の中のようだった。上に出口がある。

 

 

 

 

井戸から外を覗く。

 

カービィ「ん〜・・・うわっ!?」

 

そこに、白いロングドレスを着た少女が立ってこっちを見てる。

 

カービィ「・・・・・」

 

少女「・・・・・」

 

カービィ「え、えっと・・・」

 

少女は、後ろの雲に座った。

 

アズサ「誰?あの子?」

 

ルルア「あ!」

 

少女にルルアが駆け寄った。

 

 

 

 

ルルア「お願い目を覚まして下さい!救世主を連れて来ました!」

 

少女「・・・・・」

 

だが少女は何も答えない。

 

ルルア「お願いです!目を覚まして!」

 

必死に説得するルルアを少女が持った。

 

少女「さぁ、向こうで遊んでらっしゃい。」

 

座ってる雲から小さな雲を出して、ルルアを乗せて押した。

 

少女「私はネズミが嫌いなの。」

 

 

 

 

ルルア「うぅぅ・・・」

 

カービィ「よっと。」

 

井戸から出た。

 

少女「あなたは誰?」

 

カービィ「ん?よいしょっと。」

 

後ろの雲に乗って上昇する。

 

カービィ「僕はカービィ。」

 

少女「カービィ。」

 

カービィ「君は・・・誰なの?」

 

少女「私は、クラーラ姫。」

 

カービィ「お姫様!?」

 

クラーラ「雲の上の天使なの。」

 

カービィ「天使・・・」

 

クラーラ「あなたは、自然の匂いがするわ。」

 

カービィ「僕高原に住んでるの。親は居ないけど、家族は居るよ。国王と王妃は居ないの?」

 

クラーラ「2人共、殺されたの。」

 

カービィ「え!?殺されたって!?」

 

クラーラ「でも私は幸せなの。」

 

カービィ「え・・・?」

 

両親が殺されたのに、クラーラは幸せに溢れている。その事にカービィが疑問を抱いた。

 

カービィ「ねぇ。どうして殺されたのに幸せなの?」

 

クラーラ「優しいルピナス王子と、明日結婚するの。」

 

カービィ「ルピナス王子?」

 

 

 

 

城の入り口前にクラーラが雲から降りた。

 

カービィ「ほいっと。」

 

同じくカービィも雲から降りた。

 

クラーラ「いらっしゃいカービィ。シュバルツ夫人に紹介してあげるわ。」

 

カービィ「シュバルツ夫人?」

 

クラーラ「ルピナス王子のお母様よ。優しくてとても美しい方よ。」

 

カービィ「へぇ〜。」

 

2人が城の中へ入った。

 

 

 

 

遅れてアズサ達も城の前に立った。

 

アズサ「私達も行こう。」

 

ルルア「待って皆さん!シュバルツ夫人は凶悪人です!無闇に近付くと呪われてしまいます!」

 

ハルカラ「ルルアさんはそのシュバルツ夫人に・・・?」

 

ファルファ「ん?」

 

シャルシャ「姉さん?どうしたの?」

 

ファルファ「今誰か居たような・・・」

 

 

 

 

 

 

城の中。クラーラがカービィを案内してる。

 

カービィ(何だろう・・・?装飾品や家具がない・・・何か可笑しい・・・)

 

周りを見ている間にクラーラが先へ行ってしまった。

 

カービィ「あ!待ってクラーラ!」

 

 

 

 

着いた場所は、大広間。

 

カービィ「クラーラ?何処に居るの?」

 

辺りを見回す。

 

カービィ「あ!」

 

右後ろの柱の裏に居た。

 

クラーラ「私のルピナス王子。」

 

カービィ「え?」

 

彼女はそのルピナス王子の肖像画を眺めてる。その肖像画は・・・

 

 

 

 

 

 

厳つい顔をした大男の絵だった。

 

 

 

 

 

 

カービィ「こ、これが王子・・・?」

 

クラーラ「とっても優しくて、スマートなルピナス。」

 

カービィ「え・・・?」

 

再度ルピナス王子の肖像画を見た。

 

カービィ(いやいやいや!スマートじゃなくデブだし厳ついし!この子どうしちゃったの・・・!?)

 

 

 

 

 

 

2階から謎の人物がカービィを見てる。

 

???「・・・」

 

カービィを見た後すぐにある部屋へ入った。

 

 

 

 

何もない部屋。

 

???「ピンク球・・・珍しいねぇ。それも男だ!アハハハハハハハ!!!」

 

高笑いしながら鏡の前に立った。

 

???「この私の美しさの餌食になるならあの子も本望だ。フフフフフ。」

 

 

 

 

大広間。

 

クラーラ「お義母様〜!お義母様〜!何処に居るの〜?」

 

カービィ「・・・・?」

 

クラーラがクルクル回りながら義母を呼ぶ。そこに義母がやって来た。

 

カービィ「もしやあれが・・・?」

 

クラーラ「お義母様。此方カービィ。」

 

義母の正体こそ、シュバルツ夫人である。

 

シュバルツ夫人「坊や。お腹は空いてるの?」

 

カービィ「あ、そうだった。朝ご飯食べてなかった。」

 

シュバルツ夫人「遠慮はいらないよ。美味しい物を沢山用意してあげましょう。」

 

カービィ「美味しい物?」

 

シュバルツ夫人「クラーラ。」

 

奥に指を差した。

 

クラーラ「はい。お義母様。」

 

シュバルツ夫人「部屋で大人しくね。用事が済んだらお化粧を直してあげましょう。」

 

カービィ「あの、クラーラ?」

 

シュバルツ夫人「さぁ。ご馳走はこっちですよ。」

 

彼女に連れられて食堂へ。

 

 

 

 

近くのテーブルの下。

 

ネズミ「待て逃がすな!!」

 

ネズミ2匹「待って!」

 

追おうとするネズミを2匹のネズミが取り押さえた。

 

ルルア「将軍!大臣!夫人!」

 

そこにルルアが戻って来た。

 

ルルア「救世主を呼んで来ました!アズサさん達です!」

 

そこにアズサ達も来た。

 

アズサ「えっと・・・初めまして。救世主?のアズサです。」

 

ルルア「皆さん!此方将軍と大臣と大臣夫人です!そして彼等は城の兵士達です!」

 

大臣「よくぞ来て下さいました!私達はシュバルツ夫人の呪いでネズミにされた身であります・・・!どうかあなた方に協力を要請したいのです・・・!」

 

ライカ「アズサ様。これは。」

 

アズサ「えぇそうね。私達に出来る事があるなら何でも。」

 

 

 

 

 

 

一方カービィはシュバルツ夫人と食堂へ向かってる。

 

カービィ(何もないし、人の気配もない。それに何だろう?この人から人間の生気を感じない。)

 

???『〜〜〜〜〜〜〜。』

 

突如、横に通ずる道の奥から謎の声が聞こえた。

 

カービィ「・・・?」

 

シュバルツ夫人「・・・」

 

するとシュバルツ夫人が右手を水平に伸ばした。魔法の力で扉を閉めた。

 

カービィ「・・・」

 

シュバルツ夫人「さぁ、食堂はもうすぐですよ?」

 

 

 

 

螺旋階段に着いた。

 

カービィ「ん?」

 

螺旋階段の真ん中に長方形の箱があり、扉が開いた。

 

カービィ「うわっ!?」

 

その箱に入った。

 

 

 

 

箱の中。

 

カービィ(動いてる・・・これってエレベーター?)

 

エレベーターが螺旋階段の上へ上昇してる。

 

カービィ(ヴァーニアさんとファートラさんと一緒に行った世界樹みたいだ・・・)

 

するとエレベーターが到着し、扉が開いた。

 

 

 

 

食堂。

 

シュバルツ夫人「さぁ。着きましたよ。」

 

エレベーターから降りた。

 

カービィ(入り口がここだけ?僕を逃がさない気?)

 

シュバルツ夫人「そこにお座り。」

 

後ろの椅子が動き、カービィを座らせた。

 

カービィ「おわっ!?」

 

シュバルツ夫人「ご馳走はすぐですよ。」

 

そう言ってキッチンへ入って行った。

 

カービィ「・・・ん?」

 

周りの装飾品は、悪魔の銅像や凍結された蛇やドラゴンの肖像画や巨人の顔など恐ろしい物ばかり。

 

カービィ(やっぱりこの城は可笑しい!早く出なきゃ!)

 

椅子から抜け出したが、椅子の手摺が手に変わってカービィを拘束した。

 

カービィ(嘘でしょ!?)

 

そこにシュバルツ夫人が料理を持って来た。

 

カービィ「?」

 

シュバルツ夫人「お食べ。」

 

その料理は、何の変哲もないスープ。

 

カービィ(スープ?でも何か違和感を感じる。)

 

魔法でスプーンが動き、1口掬った。

 

カービィ「・・・」

 

スープを食べようとした時。

 

???『お止し!お止し!食べるのお止し!』

 

カービィ「!?」

 

謎の声が聞こえてカービィがスープを食べるのを妨害した。

 

シュバルツ夫人(ええい!お喋りめ!)

 

両手を交差し、カーテンで音を妨げた。

 

シュバルツ夫人「お食べ!」

 

カービィ「嫌だ!」

 

シュバルツ夫人「美味しいよ?」

 

カービィ「食べたくなー・・・ん!?」

 

口を開いた瞬間にスープが口に入ってしまった。

 

カービィ「ペポ〜〜〜・・・」

 

スープを食べたカービィに眠気が走り、何度もスープを食べる。

 

カービィ「もっと・・・」

 

今度は皿が宙に浮き、スープを残さずカービィの腹の中へ流し込んだ。

 

カービィ「ポペ〜〜〜・・・」

 

シュバルツ夫人「!」

 

そして、カービィが眠ってしまった。眠ったカービィにシュバルツ夫人が近付いた。

 

シュバルツ夫人「何て美味そうなんだろう!この可愛らしい姿!お前は私の、この美しさに相応しいご馳走だよ〜。」

 

”ガコン!”

 

突然物音がした。

 

シュバルツ夫人「ムッ!?息子が帰って来たか!」

 

急いで眠ったカービィをキッチンへ運んだ。

 

 

 

 

キッチンの奥にある3つの巨大な鍋。その中で真ん中の鍋が飛び出して蓋が開いた。シュバルツ夫人がその中にカービィを入れて、蓋をして戻して食堂へ戻る。

 

 

 

 

食堂。シュバルツ夫人がカービィに用意した食器を魔法で消した。するとカーテンに巨大な影が現れ、その影がカーテンを捲って食堂へ入った。その正体は、クラーラの婚約者のルピナス王子だった。

 

シュバルツ夫人「森で何をしてたんだい?どうせまたトカゲやミミズ達と遊んでたんだろう!え?」

 

ルピナスは何も言わず、持っていた薪を暖炉の横に置いた。

 

シュバルツ夫人「全く明日は結婚式だって言うのに、何と思ってんだろう?」

 

ブツブツ言いながらキッチンへ入った。ルピナスは薪を整理して、テーブルの椅子に座った。

 

ルピナス「・・・・」

 

そこにシュバルツ夫人が大量の肉を盛ったプレートを運び、魔法でルピナスの前に肉を置いた。

 

シュバルツ夫人「お前にはあの洞穴の暮らしがそんなに懐かしいのか?金のスプーンより棒切れのフォークかい?金の服より。」

 

椅子に座って爪ヤスリを出して爪を磨ぐ。

 

シュバルツ夫人「獣の皮かい?馬鹿馬鹿しい。お前はどうでも私は嫌だよ。」

 

ルピナス「・・・」

 

黙々と肉を食べる。骨はプレートの横に綺麗に並べる。

 

シュバルツ夫人「明日からお前は王子。私は女王。分かってるだろうね?」

 

ルピナス「・・・・」

 

黙々と食べ続けていると。

 

ルピナス「ん?」

 

突然何かの臭いを嗅いだ。

 

シュバルツ夫人「!?」

 

徐々に臭いを辿る。

 

シュバルツ夫人「な、なな何だよ!?」

 

ルピナス「地上人の臭いだ。」

 

臭いを嗅ぎながらキッチンへ向かう。

 

シュバルツ夫人「地上人なんか居やしないよ!居やしないよ全く!お止め!」

 

キッチンの前に立って止めるが、ルピナスは邁進する。

 

シュバルツ夫人「あーチクショウ!本当に居やしないんだってば!!」

 

 

 

 

キッチンの奥へ邁進するルピナス。

 

シュバルツ夫人「分かったよ!お前にも分けてやるよ!けど今はダメだよ?明日の結婚式のご馳走にとっておくんだよ!」

 

だがルピナスが、キッチン奥の3つの鍋を引き出した。左右の鍋の蓋を開けた。何も入ってない。

 

シュバルツ夫人「ルピナス止めな!!」

 

最後に真ん中の鍋の蓋を開けた瞬間。

 

ルピナス「!?」

 

真ん中の鍋に入ってるはずのカービィの姿がなかった。

 

ルピナス「何もない?」

 

シュバルツ夫人「逃げた!?ルピナス!捕まえろ!チクショウのピンク球め!この城から逃がしはしない!ルピナス!城中捜すんだ!早く!」

 

 

 

 

 

 

大広間。

 

ファルファ「シャルシャ!行くよ!」

 

シャルシャ「うん!」

 

ルルアと一緒に全速力でテーブルの下へ走った。

 

ファルファ・シャルシャ「はぁ、はぁ、はぁ。」

 

誰にも見付からずに済んだ。

 

ファルファ「こっちこっち。」

 

手招きする。

 

 

 

 

ロザリー「はい。」

 

次にロザリーが大広間に入り、ライカとフラットルテと一緒にテーブルの下へ潜った。

 

アズサ「探したんだから。でもカービィ、無事で良かったわ。」

 

カービィ「うん。睡眠薬無効化の特殊能力があったから、寝たフリしてて良かった。」

 

アズサ「そのシュバルツ夫人?って人、何でカービィを狙ったの?」

 

テーブルの下に入った。

 

カービィ「寝てるフリして聞いたんだけど、僕を明日の結婚式のご馳走にするって言ってた。」

 

ハルカラ「先生をですか!?」

 

ライカ「許せませんね!カービィ様を食すなど!」

 

フラットルテ「ご主人様を食べるなぞ許せないのだ!」

 

ルルア「早く早く。」

 

ネズミ達もテーブルの下へ向かってる。

 

”ビシュン”

 

全員「!?」

 

巨大な足音が徐々に近付いてる。ネズミ達が全速力でテーブルへ隠れる。

 

 

 

 

大広間にルピナスが現れた。

 

 

 

 

カービィ「デケェ・・・!これがルピナス王子・・・」

 

アズサ「あれが王子・・・?ただの大男にしか見えないわね・・・」

 

 

 

 

ルピナス「・・・・」

 

近くにあるもう1つのテーブルに座って辺りを見回す。

 

 

 

 

将軍「現れたなルピナス!」

 

 

 

 

ルピナス「ふぁ〜〜〜・・・」

 

 

 

 

将軍「今日こそ仕留める!!」

 

剣を鞘から引き抜いた。

 

 

 

 

ルピナス「ふぁ〜〜〜・・・」

 

大欠伸してる。

 

 

 

 

将軍「ソリャアアアアーーー!!!」

 

全速力でルピナスに迫り。

 

 

 

 

将軍「受けてみろ!!」

 

剣をルピナスの足に突き刺した。だが。

 

将軍「あれ?」

 

ルピナス「・・・・・」

 

気付いてないルピナスは周りを見回すばかり。

 

将軍「もう1度!!」

 

再度剣を突き刺した。

 

ルピナス「〜〜♪」

 

しかし全く気付かないルピナスは、鼻歌を歌いながら立ち上がって歩く。

 

将軍「クゥッ・・・!!おのれ貴様!!!」

 

諦めない将軍がルピナスに近付き。

 

将軍「トドメだ!!!」

 

今度はアキレス腱に剣を突き刺して、手をパンパンさせる。

 

ルピナス「〜〜♪」

 

将軍「ーーーーー!?」

 

アキレス腱を刺されたのに、ルピナスは平然としてる。

 

将軍「・・・・・」

 

予想外の事で将軍が気絶してしまった。

 

ロザリー「ッ!!」

 

気絶した将軍をロザリーが浮遊魔法でテーブルの下へ運んだ。

 

ルピナス「?」

 

その時ルピナスが、カービィ達が隠れてるテーブルに目を付けた。テーブルの下を覗こうとした時。

 

 

 

 

シュバルツ夫人「ルピナス!」

 

 

 

 

ルピナス「ん?」

 

シュバルツ夫人「何をグズグズしているんだ!あんなピンク球1匹まだ見付からないのか!だらしがない!」

 

怒ったシュバルツ夫人が去った。

 

ルピナス「・・・邪魔が入ったが、そろそろ見付かるぞ〜。」

 

ウキウキしながらテーブルを持ち上げた。

 

ルピナス「あれ?」

 

しかし時すでに遅し。テーブルの下に誰も居なかった。

 

 

 

 

 

 

一方カービィ達は、ネズミ達と一緒に何処かへ向かってる。

 

 

 

 

それは、ネズミの抜け道。

 

ファルファ「何があるんだろう?」

 

ライカ「付いて行けば分かりますよ。」

 

アズサ「ここならあの男に見付からずに済むね。」

 

カービィ「僕が立っても狭くないね。」

 

ハルカラ「お師匠様〜・・・痞えて動けません・・・」

 

アズサ「もう何してんのよアンタは・・・」

 

 

 

 

それでも何とか抜け道の奥へ進む。

 

ルルア・大臣・ネズミ兵士「よいしょ!よいしょ!よいしょ!」

 

出口を塞いでる壁を押して開けた。

 

ルルア「こっちです!」

 

皆が出口を抜けると。

 

カービィ「わぁ!!」

 

 

 

 

 

 

宝石、王冠、金貨、楽器等の金銀財宝の宝物庫だった。

 

 

 

 

 

 

ロザリー「凄え・・・!」

 

シャルシャ「金銀財宝が沢山・・・」

 

フラットルテ「ここに通じてたのか・・・」

 

全員が宝物庫に驚きを隠せない。

 

カービィ「・・・・」

 

 

 

 

???「誰!?」

 

 

 

 

カービィ「え!?」

 

突然女の声が聞こえた。

 

ライカ「何者ですか!?」

 

竪琴「何て事なの!?誰!?ドロボー!ピンク球に魔女にドラゴンにスライムにエルフに幽霊よ!!」

 

ロザリー「姐さん!あの竪琴です!」

 

アズサ「竪琴!?」

 

金貨の山の天辺に置かれてる竪琴から声がした。

 

ハルカラ「凄い光景です・・・あわわわ!」

 

転んで宝箱の金貨に突っ込んでしまった。

 

竪琴「キャアアアーーーー!!!嫌だ嫌だ嫌だ!ドロボーよ!ムグググ・・・!」

 

大声出してる竪琴にネズミ兵士達が口封じした。

 

カービィ「ビックリしたぁ・・・言葉を持つ竪琴だ・・・へぇ〜!」

 

金貨を手に取った。

 

カービィ「大量だぁ!」

 

アズサ「にしても凄いわね・・・夢じゃないみたいね。」

 

ライカ「はい・・・」

 

カービィ「この宝物を一山頂いて、今後の生活の足しにしよう!」

 

シャルシャ「父さん。」

 

カービィ「どうしたの?」

 

シャルシャ「この人。」

 

渡されたロケット。その中には、クラーラの写真があった。

 

カービィ「クラーラ・・・?綺麗だけど、何処か可笑しい。初めて見た時から違和感感じる。」

 

ネズミ達「くぁwせdrftgyふじこlp!」

 

カービィ「ああもう!1人ずつ喋ってよ!」

 

竪琴「ムググググ・・・・!!」

 

カービィ「そうだ!!」

 

ホバリングで金貨の天辺へ移動した。

 

カービィ「言葉を持つ竪琴さん。頼みがあるんだ。綺麗で頭の良い竪琴さん。少しだけ教えてくれない?今のクラーラは正気?どうなの?」

 

ネズミ兵士達がそっと竪琴の口を解放した。

 

竪琴「ぷは〜。苦しかった。私は何でも知ってるのよ?教えてあげようかしらピンク球?私は汚い子は大嫌いなのさ!」

 

カービィ「焦らしてないで早く教えてよ。」

 

竪琴「じゃあ話すわね。ここは昔はそりゃあ楽しい国だった。シュバルツ夫人と息子のルピナス王子が現れる前はね。シュバルツ夫人はクラーラの両親、つまり国王陛下と王妃様を殺した。そして家来達をネズミに変えたのよ。」

 

アズサ「そこはあの子達から聞いてるわ。」

 

竪琴「シュバルツ夫人の計画はただ1つ。天使の世界の女王として君臨する事。そしてその方法はただ1つ。クラーラと自分の息子のルピナス王子を結婚させる事。だけどルピナスはあの通り。誰が結婚なんかするものか。」

 

ライカ「・・・じゃあもしかしてクラーラ様は?」

 

竪琴「そこでシュバルツ夫人はある作戦を仕掛けた。」

 

カービィ「クラーラに洗脳魔法を?」

 

竪琴「その通り。クラーラは狂っちゃってる。でもさ、正気に返る時だってあるのよ?」

 

カービィ「どんな時に?」

 

竪琴「それは眠ってる時だけ。皮肉なもんだねぇ〜。」

 

カービィ「眠ってる時だけ・・・(じゃああの時の声はクラーラの声なの?)」

 

 

 

 

”ガシャン”

 

 

 

 

アズサ「ッ!?」

 

カービィ「ッ!!」

 

宝物庫の鍵が開いた。

 

ライカ「奴ですアズサ様!」

 

アズサ「皆隠れて!」

 

宝箱や壺の中に身を潜める。

 

カービィ「ミニマム!」

 

ミニマムカービィで小さくなり、近くの宝箱の中に隠れた。

 

 

 

 

扉が開き、ルピナスが現れた。

 

 

 

 

ルピナス「・・・言葉を持つ竪琴よ。ピンク球は来なかったか?」

 

 

 

 

カービィ(僕を捜してる・・・!)

 

 

 

 

竪琴「ムグググ・・・!」

 

言おうとしたが、近くに隠れてるネズミ兵士達に口封じされてる。

 

 

 

 

ルピナス「はぁ?」

 

 

 

 

ライカ「誰も来ていませんよ。オホホホ。誰も来やしませんよ。」

 

アズサ(ライカナイス!)

 

ライカが声真似で誤魔化した。

 

 

 

 

ルピナス「そうか。」

 

その場に座り込み。

 

”パチン”

 

指を鳴らすと、木に眠ってる金のニワトリが起きてルピナスの指に止まった。

 

 

 

 

カービィ「?」

 

 

 

 

ルピナス「産め。」

 

すると金のニワトリが金の卵を産み、ルピナスが指で弾いた。

 

 

 

 

金の卵が、カービィが隠れてる宝箱の前に落ちた。

 

カービィ(金の卵だ・・・)

 

 

 

 

金のニワトリが元の場所に戻り、再び眠った。

 

ルピナス「〜〜♪」

 

近くにある棚から、檻に入れられてる動物を出して見詰める。その動物は、トカゲの姿をした蛇。

 

ルピナス「〜〜♪」

 

その動物を戻して閉めた。今度は下の棚を開けた。その中から蜂の人形を出した。

 

ルピナス「〜〜♪」

 

 

 

 

カービィ「?」

 

 

 

 

その蜂の人形の針を押すと、蜂の人形が動き、ルピナスの周囲を高速で飛び回る。そして蜂がルピナスの顔面に向かって突進する。

 

ルピナス「〜〜♪」

 

だがルピナスの拳が、蜂の人形を潰した。

 

ルピナス「ヘヘヘヘ。」

 

 

 

 

カービィ(何だよあの怪力・・・!?)

 

 

 

 

クラーラ『ルピナス〜。何処に居るの〜。』

 

突然クラーラの声が聞こえた。

 

ルピナス「ダァッ!?はいはいはいはいはい!」

 

すぐにクラーラの元へ向かった。ちゃんと宝物庫の扉を閉めて。

 

 

 

 

ルピナスが去った後。

 

アズサ「やっと行ったわね・・・」

 

ハルカラ「怖いお人ですね・・・」

 

 

 

 

カービィ「ふぅ・・・やり過ごした〜。」

 

元のカービィに戻った。

 

 

 

 

 

 

一方クラーラは、部屋で衣装を持って華麗に踊っていた。そこにルピナスが来た。

 

ルピナス「クラーラ。」

 

クラーラ「あぁ。ルピナス。明日の結婚式には、あなたこれを着て頂戴。どお?」

 

その衣装は、結婚式にルピナスが着る衣装。ルピナスが衣装を持った。

 

クラーラ「まぁ、ピッタリだわ。じゃあそれに決めましょうね。」

 

ルピナス「ヘヘヘヘ。」

 

 

 

 

しばらくすると、シュバルツ夫人が部屋に入って来た。

 

ルピナス「ん?」

 

クラーラ「あ、お義母様。」

 

シュバルツ夫人「ルピナス!あの子は見付かったのかい?」

 

ルピナス「いや、まだだ。」

 

シュバルツ夫人「早く捜してらっしゃい!早く!」

 

言われるがままに再びカービィを捜しに部屋を出た。

 

クラーラ「あの子?」

 

座っているクラーラの横にシュバルツ夫人が座る。

 

シュバルツ夫人「クラーラ。お化粧を直してあげましょうね。」

 

クラーラ「優しいお義母様。」

 

シュバルツ夫人「そうよ。ジッとしてるのよ?」

 

持ってる瓶の蓋を開け、クラーラの化粧を直す。だがこの化粧こそ、シュバルツ夫人の持つ洗脳魔法の1つである。

 

シュバルツ夫人「私の愛しいクラーラ。行ってごらん?あなたは明日、ルピナスと結婚するのよ?この城も国も、そしてあなたも、何もかも、この私のモノになるのよ?それでも良いの?」

 

クラーラ「あぁ〜・・・お義母様・・・美しいお義母様・・・嬉しいわ・・・」

 

シュバルツ夫人「女王の冠は、私に良く似合うだろうね。」

 

クラーラ「えぇ・・・明日から・・・お義母様は女王様・・・早く明日になると良いね・・・」

 

シュバルツ夫人「お前は可愛い子だねぇ。」

 

クラーラ「あぁ・・・お義母様・・・」

 

 

 

 

 

 

一方武器庫では。

 

ライカ「これからどうしましょうか?アズサ様。」

 

アズサ「クラーラを助けたいのは山々だけど・・・ちょっと気になる事があってね。」

 

ファルファ「何?ママ。」

 

アズサ「あの豆の木。登ってる時に何か不思議な力を感じるのよ。もしかしたら、危険な力かも知れない。」

 

ハルカラ「では、お師匠様は一旦地上に降りるのですか?」

 

アズサ「えぇ。カービィも一緒に一旦降りるわ。あなた達はどうするの?」

 

ライカ「私はここに残ります。」

 

ファルファ「ママとパパが戻って来るの信じてるよ。」

 

シャルシャ「無事に戻って来て。」

 

ロザリー「私達がルルアさん達をお守りします!」

 

アズサ「ありがとう皆。カービィ。」

 

カービィ「ポヨ?」

 

ドクターカービィが何か薬を作ってる。

 

アズサ「何してるの?」

 

カービィ「これ?ライカ達の為の縮小薬。小さくなる薬。ルピナス達に見付からないように。出来た!」

 

縮小薬をライカ達に配った。

 

カービィ「アズサ。ちょっと用事があるから、先行っといて。」

 

アズサ「用事って何?」

 

カービィ「用事は用事。じゃあね!」

 

 

 

 

 

 

彼が向かった場所は、あの宝物庫。抜け道を通ってやって来た。

 

竪琴「また来たドロボーよ!ドロボーよ!」

 

カービィ「スパイダー!」

 

スパイダーカービィがクモの糸で竪琴を縛った。

 

カービィ「ちょっと静かにしててね?」

 

 

 

 

マジックカービィで、ハットの中に金貨を入れる。

 

カービィ「ん?」

 

宝石の首飾りを見付けた。

 

カービィ「これ、アズサに似合うかな?」

 

ある程度入れて行こうとしたが。

 

カービィ「そうだ。」

 

ハットからマジックハンドが出て、マジックハンドが指を鳴らした。金のニワトリが起きた。

 

カービィ「産め。」

 

金のニワトリが金の卵を産んだ。

 

カービィ「よいしょっと。」

 

ハットを被った。

 

カービィ「これだけあれば充分だね!生活費や寄付の足しにしよう!不思議な竪琴さん!バイバーイ!」

 

竪琴「ムグググググ・・・!!」

 

 

 

 

 

 

夜。カービィが城の外から出ようとした時。

 

カービィ「あれ?」

 

偶然クラーラの部屋を覗くと、眠って魘されてるクラーラを見付けた。

 

カービィ「クラーラ・・・」

 

クラーラ「・・・・・」

 

カービィ(そうか。眠ってる時だけ正気に戻ってるんだ。あの洗脳は、夢の中も干渉しないんだ。)

 

クラーラ「お母様・・・お父様・・・怖い・・・怖いよ・・・カービィ・・・私を助けて・・・」

 

カービィ(クラーラ・・・君を助けたい気持ちはある。でも今は一旦地上に帰る。ここに戻って来たら助けるよ。必ず。)

 

 

 

 

”ギイイィィィ・・・”

 

 

 

 

カービィ「ポペ!?」

 

扉が開き、松明を持ったルピナスがカービィを発見した。

 

ルピナス「彼奴か。」

 

カービィ「ヤバイヤバイヤバイ・・・!!」

 

ルピナス「覚悟オオオ!!!」

 

迫り来るルピナスからカービィが落ちて逃げる。

 

 

 

 

カービィ「逃げろ逃げろ!!」

 

ダッシュで逃げる。

 

ルピナス「逃がすかアアアアア!!!!」

 

飛び降りたルピナスにカービィが。

 

カービィ「ホイール!!」

 

ホイールカービィに変身し、タイヤに変身して高速で逃げる。

 

ルピナス「逃がさん!!」

 

松明を投げ、カービィの逃げる先の柱を壊して道を塞いだ。

 

カービィ「しまった!!」

 

ルピナス「追い詰めたぞ。」

 

カービィ「クッ・・・!」

 

ルピナス「これで!!!」

 

巨岩を持ち上げた。

 

カービィ「ハンマー!」

 

ハンマーカービィに変身してハンマーを構えた時。

 

 

 

 

アズサ「全てを凍てつかせよ!!」

 

 

 

 

駆け付けたアズサが、地面を凍らせてルピナスを転ばせた。

 

ルピナス「グオアアアアア!!!」

 

カービィ「アズサ!助かったよ!」

 

アズサ「今のうちに早く!」

 

カービィ「うん!」

 

ルピナス「クソッ・・・!!」

 

井戸に2人が飛び込む。

 

カービィ・アズサ「ハッ!」

 

 

 

 

井戸の中をルピナスが覗く。

 

カービィ・アズサ「うわあああああああ!!!!!」

 

落ちながら悲鳴を上げる。と言う声の演技で騙す。

 

ルピナス「・・・逝ったか。」

 

2人が死んだ事を確認し、城へ戻って行った。

 

 

 

 

 

 

地上に戻った2人。

 

カービィ「地上に降りた。さて、この豆の木の力を確認しないと。」

 

アズサ「えぇ。」

 

???「お姉様!お兄様!」

 

カービィ・アズサ「え?」

 

そこにベルゼブブとペコラとヴァーニアとファートラが居た。

 

ベルゼブブ「お前達、探したぞ。」

 

アズサ「皆!」

 

ペコラ「何処へ行ってたんですか!心配してたんですよ!」

 

アズサ「えっと・・・ちょっとね。」

 

ヴァーニア「アズサさん。カービィさん。この木は一体何ですか?」

 

カービィ「そうそう。僕達それを確かめる為に一旦地上に降りたんだ。」

 

ベルゼブブ「どう言う事だ?」

 

ファートラ「ライカさん達は何処に?今はご一緒じゃないんですか?」

 

カービィ「この木の天辺の国に居る。」

 

 

 

 

事情を聞いたペコラが、豆の木を調べてみる。

 

ペコラ「成る程。特殊な力が宿っていますわ。」

 

カービィ「どんなの?」

 

ペコラ「感じた事がない力。それも未解明。たった5粒の豆で、お2人が向かった天辺の国へ通じています。」

 

アズサ「・・・」

 

ペコラ「ん?お姉様、どうされたんですか?」

 

アズサ「いや、ペコラが真面目になるの何か珍しいなって。」

 

ペコラ「どう言う意味ですか!これでも魔王なんですよ!」

 

アズサ「冗談冗談。」

 

ペコラ「はぁ・・・私の推測によりますと、この木を伐った時に力は失われてしまい、木の天辺の国には二度と行けないみたいです。」

 

カービィ・アズサ「え!?」

 

ペコラ「しかも、この木から発する力は、その国の結界を破っています。伐ってしまったら結界は元通りになって永久に辿れないかも知れません。」

 

アズサ「ありがとうペコラ。」

 

カービィ「これを今伐ってしまったら、ライカ達が二度と戻れないし、クラーラ達に二度と会えない。でも伐ってしまったら、国を支配しようとするシュバルツ夫人とルピナス王子の野望を阻止出来ない。アズサ。」

 

アズサ「うん。行こうカービィ。ペコラ達は?」

 

ペコラ「私達はここで、皆さんの帰りを待っています。」

 

ベルゼブブ「お主等、気を抜くでないぞ。」

 

ヴァーニア「カービィさん。アズサさん。どうかご無事で。」

 

ファートラ「ご健闘を祈ります。」

 

カービィ「よし。行こうアズサ!」

 

アズサ「えぇ!」

 

カービィ「アニマル!!」

 

 

 

 

 

 

そして雲の上の国では、夜が明けた。

 

 

 

 

教会では、シュバルツ夫人が人形を複製して、ルピナスがワクワクしている。

 

 

 

 

新婦控え室では、ウェディングドレスを着たクラーラが座って待っている。

 

 

 

 

教会。シュバルツ夫人が複製した人形達を椅子に座らせて、魔法で立たせて座らせる。

 

 

 

 

新婦控え室へ行き、クラーラを迎えに行く。

 

シュバルツ夫人「まぁとっても綺麗だ事。彼方では皆さんお待ちかねよ。さぁ参りましょう。クラーラ。」

 

 

 

 

”ゴーンゴーンゴーンゴーン”

 

 

 

 

結婚式の鐘が鳴り始めた。

 

 

 

 

宝物庫では、ネズミ達が絶望してる。ライカ達はカービィが作った縮小薬を飲んでネズミと同じ大きさになってる。

 

ルルア「クラーラ様・・・」

 

大臣・大臣夫人「ああああああ・・・!」

 

ライカ「結婚式が始まってしまいました・・・」

 

フラットルテ「クゥッ!今からでも壊しに行きたいのだ・・・!」

 

ファルファ「ママ・・・パパ・・・」

 

シャルシャ「早く戻って来て・・・」

 

竪琴「ああもうもう湿っぽいね!泣いたって喚いたって今日は結婚式!もう諦めてくれなくちゃ私が悲しむわよ!」

 

ロザリー「アンタはそれでもこの城の竪琴か!!」

 

 

 

 

アズサ「皆!!!」

 

 

 

 

抜け道からアズサが戻って来た。

 

将軍「お!?」

 

ファルファ「ママ!!」

 

シャルシャ「母さん!!」

 

アズサ「待たせてごめんなさい。これ、カービィから。」

 

解薬を皆に飲ませ、元の大きさに戻した。

 

ファルファ「おかえり!」

 

シャルシャ「母さん!」

 

2人の娘がアズサに抱き付き、アズサが2人を撫でる。

 

アズサ「ただいま。皆。」

 

ハルカラ「うわあーーん!お師匠様ー!」

 

ロザリー「姐さん!」

 

抜け道から、カービィが出て来た。

 

竪琴「キャア!ドロボーよ!皆!ドロボーよ!」

 

ポイズンカービィに変身し、竪琴を脅す。

 

竪琴「イヤアアアアアア!!!!」

 

カービィ「悪いけど急いでるんだ!1つだけ教えて!」

 

竪琴「お、教えるわよ!何でも教えるから乱暴だけは止めて!!」

 

カービィ「クラーラを正気に戻す為にはどうすれば良いの!?」

 

竪琴「難しいわよ?」

 

カービィ「少し難しくたって構わない!!」

 

べたべたポイズンを持って脅す。

 

カービィ「焦らさないで早く教えてよ!!」

 

竪琴「良いかい?勇気のある男が、クラーラの唇にチュッっとキスをすれば、クラーラは正気に返るのさ。」

 

カービィ「キス・・・接吻か。それがクラーラを解放する手段。」

 

竪琴「勇気があるならやってご覧?」

 

カービィ「・・・ッ!!」

 

 

 

 

 

 

結婚式場で、クラーラとルピナスが神父人形の前に立った。

 

神父人形「汝と汝は今ここで、神に誓いて夫婦となり、共に白髪の生えるまで、共に墓場に向かうまで、苦しい時は助け合い、楽しい時は分かち合い、汝は汝を夫とし、汝は汝を妻とする事を誓いますか?」

 

クラーラ「・・・あ・・・」

 

 

 

 

 

カービィ「愛しってっこなーーーーい!!!!!」

 

 

 

 

 

ルピナス・シュバルツ夫人「!?」

 

ワープスターに乗ったサーカスカービィがバトンを投げて人形達を破壊し、元のカービィに戻ってからワープスターから降りた。

 

カービィ「この結婚式は欺瞞だ!!!」

 

シュバルツ夫人「そこの井戸に落ちたんじゃなかったのかい!?ええ!?」

 

何も答えないカービィがクラーラの前に立った。

 

カービィ(クラーラ!目を覚まして!)

 

ジャンプして、クラーラの唇にキスをした。

 

カービィ「・・・」

 

すると、クラーラの瞳が青色から黒色に変わった。

 

カービィ「ッ!」

 

クラーラ「カービィ!どうしたのかしら?体が軽いわ。見て?ホラ!こんなに!」

 

正気に戻ったクラーラが踊る。シュバルツ夫人が牙を見せた。

 

クラーラ「あなたは・・・シュバルツ夫人?」

 

シュバルツ夫人「何てこった!たかがピンク球に夢を壊されるなんて!!」

 

ルピナス「・・・・!!」

 

カービィ「さぁ!こっち!」

 

急いでクラーラをワープスターに乗せて結婚式場から逃げる。

 

ルピナス「おのれカービィめ・・・!!」

 

怒りが爆発し、ルピナスが悪魔のような姿へ変貌した。

 

 

 

 

結婚式場の外。

 

カービィ「来る!」

 

ルピナス「待て!!!!」

 

 

 

 

全力で逃げる2人を追うルピナスの前に。

 

アズサ「止まりなさい!!」

 

ライカ「ここは通しません!!」

 

駆け付けたアズサとライカとフラットルテとロザリーが。

 

ルピナス「邪魔だ!!!」

 

地面を叩き付けて地割れを起こしてアズサ達を吹き飛ばした。

 

アズサ「まだよ!!」

 

浮遊したアズサが、ルピナスに向かって火球を飛ばした。

 

ルピナス「フンッ!!」

 

避けられてしまい、火球が柱をドミノ倒しのように倒れカービィ達に向かう。

 

 

 

 

クラーラ「来るわ!」

 

カービィ「こっちだ!」

 

ギリギリで避けて下へ逃げる。ルピナスは執拗に追い続ける。

 

 

 

 

大広間。ルピナスがダイブしたが、ワープスターが急停止してルピナスが壁に激突して気絶した。その隙にカービィとクラーラが大広間から逃げ出した。

 

 

 

 

 

 

逃隠れた場所は、地下牢にある4つの井戸の内の1つ。

 

クラーラ「カービィ。」

 

カービィ「何?」

 

クラーラ「ありがとう。」

 

ティアラを外してカービィにお礼を言った。

 

カービィ「いいって。そんな事。」

 

クラーラ「ねぇ、カービィ。」

 

カービィ「ん?」

 

クラーラ「教えてくれる?どうして私の為に、ここまでしてくれるの?」

 

カービィ「僕は困ってる人や危機に陥ってる人を助けるのが当たり前だから。例えこの国の住人でなくても、この国の為なら家族達と一緒に努力するさ。」

 

クラーラ「家族?」

 

カービィ「うん。僕には賑やかで楽しい家族が居るんだ。アズサ達と一緒にご飯食べたり、お祭りしたり、悪いスライム達を倒したりしてるんだ。」

 

クラーラ「とっても楽しそうな家族ね。でも私、お父様とお母様が殺されて・・・」

 

カービィ「・・・でもクラーラ。君には君を支えてくれる使用人さん達が居るじゃない。その人達も、君の家族の一員じゃない。」

 

クラーラ「そうね。ありがとうカービィ。」

 

カービィ「ホッ・・・」

 

 

 

 

 

 

しかしそれを静かに覗いてるルピナスが、槍を持って狙いを定めている。

 

 

 

 

 

 

クラーラ「ねぇカービィ。」

 

カービィ「ん?・・・あ!危ない!!」

 

突然カービィがクラーラを押した。

 

クラーラ「え!?」

 

ルピナス「フンッ!!!」

 

先程クラーラが立っていた位置に槍が突き刺さった。

 

クラーラ「・・・ルピナス王子・・・!?」

 

ルピナス「クソッ・・・!喰らえ!!」

 

カービィ「ミラー!!」

 

ミラーカービィのリフレクトガードが槍を防いだ。

 

ルピナス「おのれ・・・!!!」

 

槍を思いっ切り振り上げて。

 

カービィ「ッ!!」

 

ルピナス「ハァッ!!!」

 

思いっ切り井戸の底を突き刺した。それと同時に水が溢れ出た。

 

クラーラ「水!?」

 

カービィ「クラーラ掴まって!!ウォーター!!」

 

ウォーターカービィが波乗りで水の上をクルクル回る。

 

クラーラ「カービィ!上でルピナスが!」

 

カービィ「しっかり掴まって!!」

 

ルピナス「そこだ!!!」

 

身体を突っ込んで捕まえようとしたが。

 

 

 

 

カービィ「ワープスター!」

 

捕まえる寸前に脱出し、待機していたワープスターを呼んで乗った。

 

 

 

 

そのまま城から脱出を図る。

 

カービィ・クラーラ「あ!」

 

 

 

 

だが、出口の前に立ちはだかるシュバルツ夫人の姿があった。

 

 

 

 

カービィ「クラーラ下がって。スマブラ!」

 

スマブラカービィになり、ファイティングポーズを構える。

 

シュバルツ夫人「・・・・」

 

すると周囲が雲に覆われ、落雷が起こった。

 

シュバルツ夫人「勇気?穢らわしいわ!お前みたいな男は大嫌いだ!!殺してやる!!」

 

すると雲の中からコウモリの大群が出現した。

 

カービィ「トアッ!!ティンクルスター!!」

 

ジャンプからのティンクルスターで大群を倒す。

 

カービィ「バルカンジャブ!スマッシュキック!大車輪!」

 

数々の技でコウモリの大群を全て倒した。

 

 

 

 

だが雲の中からルピナスが現れた。

 

 

 

 

カービィ「ッ!!」

 

2人の前に立ちはだかった。

 

シュバルツ夫人「ルピナス!この2人を踏み潰すんだルピナス!踏み殺すんだ!」

 

ルピナス「ヘヘヘヘヘ。」

 

巨大な足を大きく上げて、2人を踏み潰そうとする。

 

カービィ「クッ!!」

 

シールドを張ってクラーラを守る。しかし。

 

ルピナス「・・・・」

 

何故か2人を潰すのを止めた。

 

シュバルツ夫人「何をグズグズしているんだ!早く踏み潰すんだ!!」

 

しかしルピナスは、シュバルツ夫人の方へゆっくりと歩み。

 

シュバルツ夫人「?」

 

ルピナス「お前は・・・俺のあの頃の人生を踏み躙った!!」

 

シュバルツ夫人「なっ!アアアアアアアアアア!!!!!!」

 

彼の巨大な足が、シュバルツ夫人を踏み潰した。

 

ルピナス「やった!」

 

踏み潰されたシュバルツ夫人から、巨大な黒煙が噴出した。

 

 

 

 

 

 

その黒煙は、雲の上の遥か上空へ消えて行った。

 

 

 

 

 

 

黒煙が消え去ると、王国に陽の光が照らされ、青空が広がった。更に、ルピナスによって壊された城内が次々と一瞬で修復された。

 

 

 

 

アズサ「収まったの?」

 

ファルファ「わぁ〜!青い空!」

 

ライカ「あ!アズサ様!」

 

アズサ「ん?」

 

ネズミにされた兵士達、大臣夫妻、将軍が元の姿に戻った。

 

ロザリー「元に戻った!」

 

ハルカラ「じゃあ、ルルアさんも?」

 

ルルア「・・・!」

 

最後にルルアも元の姿に戻った。ルルアは、この城に仕えるメイドの少女だった。

 

シャルシャ「皆元に戻った!」

 

ルルア「魔法が解けた!でも・・・どうしてです?」

 

大臣夫人「シュバルツ夫人が死ななければ・・・」

 

大臣「ワシらは元に戻れない!」

 

将軍「悪が滅びたのだ!!」

 

ルルア「そうです!きっとそうです!」

 

兵士達「わああああああい!!!」

 

大臣夫妻「あぁ!」

 

将軍「正義は勝つ!それしかない!」

 

フラットルテ「皆元に戻って良かったのだ!」

 

ライカ「シュバルツ夫人は倒されたのでしょうか?」

 

アズサ「きっとカービィが倒してくれたのよ。」

 

ルルア「皆さん!あなた方のお陰で、私達は元の姿に戻れました!感謝します!」

 

アズサ「そんなそんな。」

 

ルルア「あ!大変!」

 

アズサ「ん?」

 

ルルア「クラーラ様はご無事でしょうか!?」

 

アズサ「カービィは!?」

 

ファルファ「ママ!パパ達を探しに行こ!」

 

シャルシャ「父さんが心配!」

 

アズサ「そうね。皆、2人を探すわよ!」

 

全員「はい!」

 

 

 

 

 

 

大広間。

 

ルピナス「・・・収まったか・・・シュバルツ夫人。お前の亡骸を拝んでやる。」

 

足を退かすと・・・

 

 

 

 

シュバルツ夫人の人形が壊されていた。

 

 

 

 

ルピナス「人形?どう言う事だ・・・あ!あの2人は!?」

 

周囲を見回すと、出口のドアが開いてるのが見えた。

 

 

 

 

 

 

城の外では、カービィがクラーラをワープスターに乗せて何処かへ向かってる。

 

クラーラ「カービィ!カービィ!」

 

カービィ「おっととと!」

 

すぐにワープスターを急停止させた。

 

クラーラ「何処へ行くの?」

 

カービィ「僕が登って来た井戸さ!彼処から地上へ逃げるんだ!」

 

登って来た井戸を見せる。

 

クラーラ「カービィ・・・私達は雲の上の天使は、ここから降りられない。」

 

カービィ「・・・・」

 

クラーラ「カービィ。あなただけでも・・・」

 

カービィ「バカ!!君を放って逃げれないよ!!!分かってはいるけど・・・分かってはいるけど・・・!!」

 

クラーラ「ごめんなさい・・・カービィ・・・あら?」

 

オブジェの上で落ち込んでるカービィ。

 

クラーラ「カービィ?カービィ!」

 

カービィ「・・・よし!もう決めた!僕が何とかするよ!」

 

ルルア「クラーラ様ー!」

 

カービィ・クラーラ「ん?」

 

城の前にアズサ達の姿があった。

 

ルルア「クラーラ様ー!私です!ルルアです!」

 

クラーラ「ルルア!皆!」

 

カービィ「アズサ!皆!」

 

アズサ「カービィ!!」

 

ライカ「カービィ様!!」

 

ファルファ「パパー!」

 

シャルシャ「父さん!」

 

ロザリー「兄貴!お怪我はありませんか?」

 

カービィ「大丈夫だよ!」

 

クラーラ「元に戻れたのね!ルルア!」

 

ルルア「はい!」

 

大臣夫人「クラーラ様!」

 

クラーラ「リーサ!昔のまま!大臣も元気ですか?」

 

大臣「はい!まだまだ現役です!」

 

クラーラ「まぁ!将軍もお変わりなく!」

 

将軍「光栄ですクラーラ様!」

 

クラーラ「良かった!皆元のまま!嬉しいわ!」

 

 

 

 

 

 

だが城壁からルピナスが突き破って現れた。

 

 

 

 

 

 

クラーラ「ああ!!」

 

アズサ「彼奴!!」

 

 

 

 

ルピナス「ヘヘヘヘヘ!」

 

 

 

 

将軍「貴様は生きておったのか!ウスノロの化け物め!」

 

剣を抜いた。

 

将軍「元に戻ればこっちのモンだ!!」

 

剣を握って走り出す。

 

将軍「ソイヤーーーー!!!」

 

だがルピナスが人差し指で将軍を止めた。将軍は止められたまま剣を振りまくる。

 

将軍「この!どうだ!参ったか!」

 

ルピナス「フフン。」

 

デコピンで将軍を飛ばした。

 

将軍「ソイヤーーーー!!!」

 

飛ばされた将軍が倒れたが、すぐに起き上がった。

 

将軍「惜しい所であった。」

 

アズサ(何処が!?)

 

将軍「今度こそ仕留めるぞ!ソイヤーーーー!!」

 

兵士達も後を続くが、飛ばされた将軍にぶつかった。

 

将軍「怖気ずくな!ソイヤーーーーー!!」

 

また立ち向かうが、クルクル回されて戻って来た。

 

将軍「無念・・・」

 

そのまま倒れて気絶した。

 

クラーラ「将軍・・・」

 

大臣「ええい!もう許せない!行くぞ!」

 

兵士達「オウ!!」

 

カービィ「ダーメダメダメダメ!ダメだよ!勝てっこないよ!ここは僕達に任せて?僕に考えがあるんだ!」

 

クラーラ「カービィ?」

 

カービィ「つまり、あのデカブーちゃんを、この国から追い払えば良いんでしょ?アズサ!行こう!」

 

アズサ「えぇ!皆はそこで待ってて!」

 

 

 

 

2人が余裕綽々のルピナスの前に立つ。

 

カービィ「ゴニョゴニョゴニョゴニョ・・・」

 

アズサ「うん。うん。分かったわ。」

 

耳打ちで作戦を立てる。

 

ルピナス「?」

 

作戦開始。

 

カービィ「ハァーイ!ウスノロのルピナスちゃーん!君はデカイだけで頭は空っぽ!ウスノロのトンチンカーン!間抜けの田吾作!取り柄もない抜け作!アホ印のカボチャそのもの!」

 

挑発されてルピナスの怒りが上がる。

 

カービィ「ホラホラアズサも何か言ってやって!」

 

アズサ「そうね!どうせ彼奴は弱虫よ!悔しかったらここまでおいで!アンタなんかに捕まりはしないよ!ウスノロ王子のバカデカ王子の豚豚王子のベロベロ王子のモタモタ王子のヨレヨレ王子〜!」

 

ルピナス「・・・・!!」

 

アズサ「オーイ!ここまでおいでー!バカヤロー!」

 

カービィ「あれれアズサ怒らせちゃったね!フグが膨らんだみたいにね!」

 

アズサ「驚いたわ!ビックリしたわ!」

 

カービィ「ひっくり返ったでんぐり返った目を剥き出した〜!ニャハハー!」

 

ルピナス「ウオオオオオ!!!」

 

激怒したルピナスが2人を襲う。だが2人が避け、ルピナスが地面に減り込んだ。

 

カービィ「ハハハ!」

 

ルピナス「・・・・」

 

カービィ・アズサ「〜〜〜♪ハァイ!」

 

2人がカービィダンスで煽った。

 

ルピナス「おのれエエエェェェェェ!!!!!」

 

 

 

 

 

 

オブジェに座ってるカービィを捕まえようとしたが避けられた。

 

カービィ「ハンマー!」

 

ハンマーで頭を殴られ、タンコブが出来た。

 

ルピナス「・・・!!」

 

逃げるカービィとアズサを捕まえようとするが、避けられるばかり。

 

アズサ「はい!」

 

カービィ「スゥーーーー!!」

 

吸い込みでアズサが投げたペイントボールを吸い込んで引き返した。ルピナスが壁に減り込んだ。

 

アズサ「オーーーーイ!!!」

 

ルピナス「!?」

 

アズサ「こっちこっちー!!」

 

オブジェに座ってるアズサが、魔女の帽子を振ってルピナスを煽る。

 

ルピナス「・・・・・!!!!!」

 

怒りが頂点に達し、アズサに向かって邁進する。それはまるで、蒸気機関車のように。

 

カービィ「ハイハイハイ!」

 

ペイントカービィがローラースケートで滑りながら地面に線路を描いた。ルピナスが線路に乗って違う方へ邁進する。

 

カービィ「シャシャシャシャ!!」

 

そして壁にトリックアートのようなトンネルを描く。

 

カービィ「よっと!」

 

アズサの元へ移動し、壁に激突するルピナスを眺めた。

 

 

 

 

その後オブジェが沢山ある中庭へ隠れる。

 

ルピナス「・・・・」

 

オブジェが沢山あってカービィとアズサの姿が見えない。

 

ルピナス「・・・?」

 

だがオブジェからアズサの足が出ている。

 

ルピナス「お!」

 

そっと近付き、勢いよくアズサを捕まえた。だがそれは、アーティストカービィが作ったアズサの銅像だった。

 

 

 

 

本物のアズサは、ルピナスの後ろのオブジェに隠れて笑い堪えてる。

 

 

 

 

一方カービィは、そっとルピナスの後ろに近付いて、足にロープを結んだ。

 

カービィ「トアッ!!!」

 

そのロープを掴んで飯綱落としで高く跳び上がり、急降下してルピナスを地面に叩き付けた。

 

 

 

 

カービィとアズサがルピナスから逃げ、城の方へ。

 

アズサ「あら!?」

 

だがルピナスに先越されてしまった。

 

カービィ「逃げろ逃げろ!」

 

逃げ出したが、ルピナスがカービィを捕まえた。

 

 

 

 

クラーラ「カービィ!!」

 

ライカ「カービィ様!!」

 

 

 

 

ルピナス「ヘヘヘヘヘ!」

 

そこにアズサがルピナスの腕に指を突っ突いた。

 

アズサ「ゴニョゴニョ・・・」

 

耳打ちでルピナスにゲームを申し込んだ。ルピナスはそれに乗って、カービィを両手でシャッフルして握ってる両手を見せる。アズサが右手を選んだが、右手には何もなくルピナスが笑い転げた。アズサは悔しがる。ルピナスが笑いながらカービィが入ってる左手を開いた。その隙にカービィが石ころ変身でトゲ鉄球に変身した直後にルピナスが右手で潰した。

 

ルピナス「・・・・・・・ウワアアアアアアアアアアアア!!!!」

 

だが当たり前のように痛く、あまりの痛さにルピナスが跳んでしまった。

 

 

 

 

 

 

ファルファ「パパ!!」

 

ロザリー「兄貴!こっちです!」

 

皆が待ってる井戸の方へカービィが向かって、クラーラに手を振った。

 

カービィ「クラーラ!元気でねー!」

 

クラーラ「カービィ・・・」

 

ライカ「行きましょう!」

 

カービィ「ホッ!」

 

井戸へ入って地上へ。遅れてアズサも井戸に着いた。

 

アズサ「あら?」

 

もう戻って来たルピナスがアズサを襲おうとするが。

 

アズサ「待って!」

 

ルピナス「は?」

 

彼を止めて、天使達に手を振って別れを告げる。天使達はアズサに手を振った。

 

アズサ「そうだ。ちょっと手を出して。」

 

ルピナス「?」

 

手を出すと、アズサがルピナスに握手をして井戸へ落ちる。

 

ルピナス「・・・・・!!!」

 

逃げたカービィ達を井戸に入って追う。

 

クラーラ「ありがとう。カービィ。皆さん。」

 

 

 

 

 

 

豆の木。

 

カービィ「おーい!ドロボー!ここまでおいでー!」

 

追って来るルピナスを煽りながら逃げる。

 

アズサ「早く来なさーい!ウスノロで鈍感なルピナース!ここまでおいでー!」

 

 

 

 

地上では、ペコラ達が待っていた。

 

ファートラ「皆さんが戻って来ました!」

 

ペコラ「お姉様!皆さん!」

 

皆が地上に着地した。

 

ハルカラ「ふげっ!」

 

ただしハルカラは落ちた。

 

アズサ「皆!ただいま!」

 

カービィ「アズサ!皆!ここから離れて!早く!」

 

アズサ「皆!カービィから離れて!」

 

女性陣がカービィと豆の木から離れる。

 

カービィ「これで!」

 

ファイナルカッターを握った。

 

ヴァーニア「アズサさん。どうしたんですか?」

 

アズサ「来るわ!」

 

ベルゼブブ「ん?」

 

 

 

 

豆の木を降りるルピナスが姿を現した。

 

 

 

 

ベルゼブブ「何じゃ!?あの巨人は!」

 

アズサ「雲の上の国で暴れ回る厄介者よ!」

 

 

 

 

カービィ「ッ!」

 

ファイナルカッターを構える。

 

カービィ「これを伐ってしまったら・・・クラーラ達に会えない・・・」

 

あの時ペコラが言った通り、豆の木を伐ると雲の上の国へ二度と行けない。

 

カービィ「もう二度と会えない・・・でも構わない!クラーラ!幸せにね!!ファイナルカッター!!!」

 

ファイナルカッターが豆の木を伐った。

 

 

 

 

伐られた豆の木が綻び始め、徐々に消え始める。

 

 

 

 

カービィ「・・・・!」

 

 

 

 

ルピナス「ウワアアアアアア!!!!」

 

豆の木が消え、ルピナスが地上へ落下する。

 

 

 

 

カービィ「ッ!!」

 

”ドゴオオオオオオオン!!!!!!”

 

地上に落下したルピナスの地響きが響き渡り、ルピナスは倒された。

 

 

 

 

 

 

3日後。カービィが外に出た。

 

カービィ「ファルファ。シャルシャ。ロザリー。どう?育ってる?」

 

ファルファ「うん!」

 

シャルシャ「元気に育ってるよ。」

 

豆の木の跡には、一輪の花が咲いていた。

 

ロザリー「兄貴。クラーラさん達は今頃何してるんでしょうか?」

 

カービィ「きっと幸せに暮らしてるよ。国に平和が訪れたんだから。」

 

ロザリー「そうだと良いですね。」

 

アズサ「カービィー!ファルファー!シャルシャー!そろそろピクニックへ行くわよー!」

 

カービィ「今行くよー!皆、行こ!」

 

ファルファ・シャルシャ「うん!」

 

ロザリー「了解っす!」

 

4人がアズサ達と一緒にピクニックへ行った。

 

『THE END』




         キャスト

      カービィ:赤崎千夏

      クラーラ:鬼頭明里

       アズサ:悠木碧
       ライカ:本渡楓
     ファルファ:千本木彩花
     シャルシャ:田中美海
      ハルカラ:原田彩楓
     ベルゼブブ:沼倉愛美
      ロザリー:杉山里穂
    フラットルテ:和氣あず未
       ペコラ:田村ゆかり
     ヴァーニア:小澤亜李
     ファートラ:伊藤美来

    ルピナス王子:杉田智和

       ルルア:夏吉ゆうこ
        大臣:高橋伸也
        夫人:河村梨恵
        将軍:若林佑

   不思議を運ぶ男:前野智昭

   言葉を持つ竪琴:中村桜
      神父人形:浜添伸也

   シュバルツ夫人:ゆきのさつき


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