テイワットに舞うは月の香り (H/H 3i)
しおりを挟む

目覚め

私珈琲飲むと眠れなくなるんですよね。
なので勢いに任せて書きました。

思いついたネタをやっていくので不定期に更新すると思います。


幾度の夜を繰り返した。

何度も何度も何度も何度も。

同じ夜を繰り返してまた同じ夜を繰り返す。

数えるのも億劫になったある時、好奇心からゲールマンの介錯を断り、戦闘となった。確かに彼は強く、最初の狩人というだけあって手強かった。しかしこちらも数多の夜を超えてきた狩人。ゲールマンを何とか撃破したとき、空から何かが降りてきた。そいつに自分は何もできず、奴の傀儡に落とされてしまった。

それからの夜は奴の正体を暴くこと、そしてあの怪物を狩り、繰り返す獣狩りの夜を終わらせることへとチェンジした。これまでは繰り返される夜に飽き飽きしていたが、明確な目的のあるあの頃は平穏では無かったが充実していたと思う。

その後、ビルゲンワースにて「月の魔物」、「三本の三本目」なるものを知り、ビルゲンワースの中の本や資料をひたすらに読み漁りあの怪物、月の魔物を狩るための準備を着々と進めた。そして、

 

「すべて、長い夜の夢だったよ…」

 

ゲールマンを倒し、前回と同じく月から降りてきた月の魔物を見据える。ただし、今回は奴の傀儡にはならない。理屈はわからないがあの三本のへその緒を使用することであの上位者にも対抗できるようになるらしい。

 

「殺してやる。いや、狩り殺す」

 

 

狩りは呆気なかった。この程度だったのか。

こいつのせいであの夜は終わらなかった。こんな奴のためにゲールマンは囚われていたのか。

ゆっくりと意識が薄れていく。今までとは少し違う、安らかで微睡む様な。

 

「これで、終わりか…」

 

視界が暗闇に落ちていく最中声が聞こえた。

 

「狩人様。貴方の目覚めが有意なものでありますように」

「ああ、ありがとう人形ちゃん。俺は…」

 

 

 

 

目覚めた時はじめに目に入ってきたのは一面の緑。介錯され目覚める聖堂街の広間ではなく、命溢れる草原だった。

 

「やっと解放された。 あの忌々しい悪夢から… ははっははははは!」

 

とめどなく涙があふれてきた。初めてあの悪夢に巻き込まれ、心が折れかけた時以上に泣いた気がする。

 

「はぁ 落ち着いてきた。何をしようか、ううむ…」

 

やりたいことはたくさんある。例えばヤーナムではありえなかったこの光景を楽しみながらどこか人がいる場所を探してみようか。謎の血を輸血されてからは食事は必要なくなったとはいえ、旨いものを食べたいという欲求が消えたわけではない。

 

「でもまずは…もうしばらく休もう。あれだけ頑張ったんだ。少しくらいは良いだろう。 しかし、本当に綺麗だな…」

 

結局この日、狩人は日が沈むまでそこを動かなかった。

 

 

 

 

 

ところ変わってモンド城

 

数々の事件を解決し、一躍モンドの有名人となった栄誉騎士こと蛍は冒険者協会の依頼をこなしつつ、はぐれた兄を探して旅をしていた。

最近では見つからないのではないかという不安に駆られることもあるが決して諦めず、パイモンとともに冒険を続けていた。

 

「栄誉騎士!探したよ!」

「アンバーどうしたの?」

「あんたが探してるお兄さん見つけたかも!」

「「本当!」か!」

「見慣れない服装で変わった武器に金髪だったよ! あ!待って案内するから置いてかないで!」

「あっ おいらを置いてくなー!」

 

アンバーは蛍を落ち着かせ、兄らしき人を見かけた所へ案内していた。

最近ヒルチャールの惨殺体がたくさん見つかったとの報告を受けて偵察騎士としてあたりの調査をしていたところ、蛍の兄らしき人物を見つけたらしい。

 

「本当にこのあたりなの?」

「うん。声をかけようとしたらどこかに行っちゃってて…」

「でもここって最近ヒルチャールの惨殺体がたくさん見つかってるって聞いたぞ… 何か恐ろしい魔物がいるんじゃないのか?」

「栄誉騎士なら大丈夫だよ。 あっ あそこ!ヒルチャールの集落から何か聞こえるよ!誰か襲われてるかもしれない、行こう!」

 

 

ヒルチャールの集落に到着したときにはもはや壊滅状態であり、あたり一面にはおそらくヒルチャールだったかもしれないものがあちこちに散乱していた。

 

「うっ これはひどい」

「地面には何か重いもので叩きつけられたみたいな跡がたくさんついてる… まだ温かいし、これをやった犯人は近くにいると思うよ」

「えっまさかこれをやったやつを追いかけるのか! アンバー! 考え直せよ!」

「でもこれは私の偵察騎士としての使命だから。それにもし悪い人だったらなおさら見つけないと、モンドの平和と安全は私が守らなきゃ」

「私も手伝うよ。この近くにお兄ちゃんがいるかもしれないんでしょ? それにこれでも栄誉騎士だからね、モンドの安全は私にも守らせて」

「旅人~! ありがとう!」

「お おいらも手伝うぞ!でも、危なくなったら逃げるからな!」

「分かってるって! この近くにもう一つヒルチャールの集落があるからそっちも見てみよう」

 

蛍とアンバー、パイモンはヒルチャールに気づかれないようにこっそりと集落に近づこうとした時、

 

ドゴオ!!‼ ギャリギャリギャリ‼!

「ヒィ!」

「パイモン、静かに」

 

すさまじい轟音が聞こえた。

どうやら集落の中から聞こえてきたようであり、先ほどの惨状を生み出した者が確実にいることを示唆していた。

茂みから顔を出したアンバーはあることに気づいた。

 

「あっあそこに立ってる人、あんたのお兄さんじゃないの?シルエットが少し違ってるけど、服装はさっき見たのと同じだよ!」

 

それを聞くや否や蛍は茂みを飛び出し、集落の中に立っていた人物に向かって走っていった。それを追いかけアンバーとパイモンも続いた。

近づくにつれてその人物の詳細が見えてきた。

しかしその人物は…

 

「お兄ちゃ…」

 

私はやったんだあーっ!

ヒャハハハハハハハァーッ!」

 

ただひたすらに血塗れだった。

 

「…ねえ旅人。この人があんたの

違う

 




正体表したね。

この狩人、頭はアルデオ、そのほかは狩人シリーズ。
変態ですね。 でもたまにやりたくなるよね



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

狩人の神の目(夜空の瞳)

遅くなりました

本当に申し訳ない

どんどん新しい要素が出てくるんで飽きませんね、原神。



現在狩人は西風騎士団の取調室に居た。アンバーに連行されたのである。もっとも、彼はなぜ連行されたのか分かっていないが狩人はとにかく暇を持て余していたのである。

 

「暇だな、早くここから出してくれないか? 貴公、分からないか?私は獣を狩りたいのだよ」

「そういわれましても… ジン代理団長より見張っておくように指示されておりますので」

「ううむ そうか、もうしばらく待つとしよう」

 

「…まだか?」

「待つと言ってから1分もたってませんよ」

 

 

 

そのころ騎士団の代理団長の執務室にて、

 

「…ジン団長… 報告書です…」

「ああお疲れ お手柄だったな、アンバー。 しかしなぜそんなに疲れた顔をしているんだ?」

「報告書を見ればわかります…。」

 

 

 

「しかし一体あなたは偵察騎士に連行されたのですか?」

「それが身に覚えがないのだ。おそらく何か誤解があったと私は考えている。 話しても?」

「ええ」

「まずはだな…」

 

 

旅人、アンバーが狩人に遭遇したときに遡る。

 

「私はやったんだあーっ!

ヒャハハハハハハハァーッ!」

 

「…ねえ旅人。この人があんたの

「違う」

「ははは、はぁ、 おや?獣ではないな。 もしやこの獣は貴公たちの獲物だったのかな?横取りしたようですまない」

 

頭につけていたアルデオを外し、アンバー一行に話しかける。

 

「別にこのヒルチャールたちは私たちの獲物ではないけど、私には今のあなたの姿の方が魔物に見えるよ」

「おいアンバー! 下手なこと言って怒らせちゃダメだぞ!」

「失礼だな私はこれでも紳士で通っているのだ。」

「「嘘つけ!!」」

 

「…でも悪い人ではなさそうだけど、私の偵察騎士としての仕事だからね。一応あなたの身分を調べる必要があるから私の質問に答えてね。 パイモンはそこでうなだれてる蛍をお願い」

「分かったぞ」

 

「まずあなたの名前とどこから来たのかを教えてね」

「うむ、名はない。というよりも忘れてしまった。ヤーナムというところから来たのだ」

「…信じられないけど嘘ついてるようには見えないね。ヒルチャールをたくさん倒せるくらいには手練れみたいだけど神の目は持ってる?」

「? 神の目とはこれか?」

 

狩人は神の目について知らなかったもののアンバーの言葉からおそらく戦闘に使う物、またはアイテムのようなものについて言及しているのではと判断し、それを彼女へと手渡そうとした。

 

「う、うわああ! なにこれ!?」

「夜空の瞳というものだが、神の目とはこれではないのか?」

「違うよ! 前言撤回!やっぱり不審者だ!」

 

 

「というわけだ。祝福を受けた神秘の瞳なのだがな」

「偵察騎士殿、ご愁傷様です… 報告の為少し席を外します。それと神秘?に詳しそうなものに変わってもらうので少々お待ちください。」

「承知した」

 

話を聞いた西風騎士は一刻も早く担当を変わるために理由をつけて部屋を退出した。残された狩人は一息ついた後、あたりを見回し立ち上がった。狩人並びに不死者ならば誰もがすることを為すために。

 

「アンバーちゃんの報告した不審者さんはここか、し、ら…」

 

なぜか顔色の悪い騎士から聞いた神秘を使う不審者の話に興味を惹かれ担当を引き継いだ図書館司書であるリサが取調室に入るとそこには散乱したテーブルとイスの残骸の上でたたずむ狩人の姿があった。

 

「…これはだな…、そう、椅子や積まれた本があったら誰もがやることという「そこに座りなさい」はい。」

 

一瞬で無表情になりパチパチと電気を放つ仁王立ちのリサと冷たい声に従い体育座りになった狩人

 

「なにか弁解はあるかしら?」

「あれは「あるかしら?」いえ」

「よろしい。では取り調べを再開しましょう」

 

 

 

「なるほど、ヤーナムという町で獣を狩ることを生業としていて気付いたらこのテイワットにいた。これであってるかしら?」

「ああ概ねそれで合っている」

「代理団長に報告するからくれぐれも物を壊さないように」

「承知した」

 

取調室から退出したリサはため息をつきながら代理団長のもとへ向かった。

 

「ジン、調書とったわよ。目を通してちょうだい」

「ありがとう。しかし頭が痛くなるような内容だな」

「ええ、言葉は通じても話が通じない子だったわ。おそらく常識が違うのでしょうね」

「とりあえず、騎士団所有の家具の弁償という名目でしばらくの間監視をつけ彼の人となりを見るとしよう」

 

 

 

「というわけで報告を終わらせて戻ってきてこの有様はなにかしら?」

 

リサが再度戻った時取調室の窓がすべて割られていた。もちろん狩人が割ったのだが。

 

「いやまさか窓が割れるとは思わなか「お黙り」はい」

 




個人的にヤーナムの窓は獣とか血に酔った狩人が入ってこないように頑丈に作られてると思ってるんですけど、
そうすると鉄格子までついてた窓を内側から割ったギルバートさんは体が鉄でできてるんですかね


目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。