バカとボケの召喚獣 (絆と愛に飢えるシリアス)
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試験召喚戦争編
始まりと自己紹介は手短に!


皆様、お久しぶりです。
前作のバカテスを終えて少したちましたが、またバカテスを書きたいと思いのせました!
ゆっくりと更新しながら、楽しんでいただければ幸いです!
よろしくお願い致します


春とは出会いと別れの季節……悲しい別れもあれば新たな出会いでもあり、それは全ての人に共通するのではないのだろうか?否、それは自然の摂理というのか当たり前なのかもしれない

 

「今日から新学年でのはじめての登校か……」

 

「やっときたか。桂大河」

 

「門の前にたっていたのは文月学園生徒指導の西村鉄人だ。趣味はトライアスロンであり筋肉を鍛えることだ。そして、その畏怖を込めて俺達は鉄人と呼んでる」

 

「貴様は誰と話してる。それと名前は間違えてるぞ……西村宗一だ。誰が鉄人だ、このバカもん!」

 

そういうなり西村鉄……失礼、鉄人は俺の頭を思いきり殴った。お陰で俺の頭に軽いたんこぶができた

 

「鉄人、これは体罰ではないか?」

 

「鉄人というな。はぁ……」

 

鉄人は疲れたため息をつきながら俺に紙を渡してきた。この文月学園には特殊な振り分けをしていてそれ相応にクラスも分けられてる

 

Fクラス 桂 大河

 

「ふむ、やはりか」

 

「貴様はこれから一年間はFクラスとして過ごすことになる。これから、しっかりと勉強するように」

 

鉄人のありがたいお言葉をもらいながら俺はFクラスへとむかった。Fクラス……それはこの学年の底辺を指しているのだ。因みに優秀なやつはAクラスに配属される

 

「というわけでFクラスに配属されることになったが……」

 

俺の目の前にはボロボロな校舎の建物をみてなんとも言えない気持ちになった。諸君、あえて聞こう……Aクラスは豪華でFクラスはボロボロで衛生が悪い上に貧乏……こんなのは……

 

「めちゃくちゃ差別ではないかぁぁぁぁぁ!なんなのだ!?Fクラスのこの教室は!?落武者でも出てくる幽霊ではないか!!」

 

誰もいない教室につくと俺は、大絶叫した。ここにくるまで教室をみて確かにクラスごとに設備は違っていたが……この学年の底辺であるFクラスはというと……

 

教室の外のプレートには2―Fと貼っている

 

中にはいると、他の教室よりもかなり汚れてる黒板にひび割れた教壇にそして腐った畳……

 

「ふぅ………己、鉄人めぇぇぇ!二年生になると、Fクラスの生徒にはこんな仕打ちをするのか!?学校としてこの環境は最悪だな!?こんなの学力以前に教室の衛生面が最悪ではないかぁぁぁ!」

 

「うるせぇぇ!!」

 

「がぼぉぉ!?」

 

俺は後ろからドロップキックしかけてきた輩がいた。いきなり後ろからの攻撃だから俺は回避できずに、ぶっ飛んで畳のほうにひれ伏した

 

「さっきから、すげぇうるせぇぞ!?」

 

「坂本、貴様!後ろから攻撃とは鬼か!?」

 

「うるせぇよ!?お前が独り言がだんだん声でかくなり、声かけても反応示さねぇからこうするしかねぇだろ!」

 

俺を後ろから攻撃かけて怒鳴るように言ってきた目の前にいる赤いゴリラは坂本雄二で、こいつは一年の時からの付き合いで知らない仲ではない

 

「大体、ヅラ!なんでこんなところにいる?」

 

「ヅラではない、桂だ!みての通り、俺もFクラスになったということだ」

 

「いや、見ての通りってわからねぇよ。大体、なんで独り言であんな大きな声出すのだよ?めちゃくちゃうるさかったぞ!」

 

「貴様はなんとも思わないのか?この教室の有り様を見て」

 

「まぁ……予想以上にヤバイがな。まぁこの設備でずっと過ごすなんて言うのは俺は考えていないからな」

 

坂本の言葉に俺は予想通りと考えていた。この男は黙ってこの一年この教室を過ごすなんて言うことは考えてない

 

「あれをするつもりなのか?しかし、坂本。それをするにはまず戦力を確かめないといけないだろ」

 

「もちろんそこは考えてる。まぁ、このクラスには100%あいつがくるだろう」

 

「まぁ、その意見に関しては同意見だな。あやつがAクラスのいく学力どころがEクラスに行ける学力あるのかも疑問だな」

 

そう考えているうちに次々と教室に入ってきて、教室の席が埋まったのは始業時刻から大体10分後くらいの事だった。そして、その時間になると……

 

「すみません、ちょっと遅れちゃいました♪」

 

「早く座れ、このウジ虫野郎」

 

「……雄二、何やってんの?」

 

「我が学校の誇る後にも先にもでない本当のバカがやって来た。その名前は吉井明久というおとこだ」

 

「ヅラ、いきなりなにいってるの!?僕はバカではないよ!?」

 

明久がこちらに向かってそういってきた。俺は座りながらため息をついて……

 

「ヅラではない……桂だ!!」

 

「がぶっっっ!?!!」

 

俺は明久に思いきり顎にアッパ攻撃しかけると、明久は見事にアッパをくらい後ろに吹っ飛んだ

 

「まったく、貴様といい、坂本といい……俺の名前はヅラではない。桂大河という名前がある」

 

「僕の顎が……」

 

「おら、明久。そろそろ先生が来るから起き上がれ」

 

明久は俺に殴られた顎を撫でながら起き上がっていた。さて、担任が入ってきて、皆は聞く姿勢になったのだ

 

「えー、おはようございます。このクラスの担任の福原慎です。よろしくお願いします。皆さん全員に卓袱台と座布団は支給されていますか?不備があれば申し出て下さい」

 

「先生、俺の座布団に綿がほとんど入ってないです!」

 

「我慢してください」

 

「先生、卓袱台の足が折れています」

 

「木工用ボンドが支給されていますので、後で自分で直してください」

 

ふむ、ここまで不備が出ているのか。では、俺も不備を申し込んでおかないとな

 

「先生、俺の前にいる生徒の学力をどうやったらあげれますか!?」

 

「本人が努力しないと無理なので諦めてください」

 

「僕は不備扱い!?そして先生もひどいことを言わないでください!!」

 

明久は叫んでいるが俺からしてみたらこいつの学力はとんでもないことを俺は知っているのだからな

 

「では、順番に自己紹介をお願いします……」

 

福原先生の言葉にそれぞれが自己紹介を始めていた。見覚えのあるやつもいればないやつもいる

 

「木下秀吉じゃ。ワシは演劇部に所属している」

 

「……土屋康太」

 

木下秀吉と名乗ったそいつは見た目は女だが、実は男だという……つまり、男の娘というわけだ。それと、土屋康太は文月学園の裏の世界では有名な男でもある

 

「島田美波です。生まれは日本ですがドイツ育ちなので日本語の読み書きはあまりできません。趣味は吉井明久を殴る事です」

 

「とんでもない趣味だな」

 

「だれだ!?恐ろしいことを言ったのは!?」

 

島田美波……自己紹介でも名乗った通り、ドイツ育ちのため日本語の読み書きが苦手で一年生の時はこいつはかなり大変だった。まぁ、趣味に関しては恐ろしいが被害が明久にいくのでそれはそれでよし

 

「吉井明久です。僕の事は『ダーリン』って読んでください♪」

 

「「「「「「ダーーリィィーーーーーン!!!!」」」」」」

 

「失礼、忘れて下さい……」

 

「貴様いきなりなんて恐ろしい事を……!」

 

俺は吐きそうな顔をしながら明久に言うと明久は泣きそうな顔になっていた。傷つくくらいならはじめからそんな冗談を言うな!……いや、このクラスがおかしいのか

 

「仕方あるまい、貴様がやってしまったこの微妙な空気の入れ換え俺がなんとかしてみよう。俺の名前は桂大河だ。一年間よろしくたの……「遅れてすいません!」…む…」

 

ドアが開くとともに、俺の自己紹介に被せるように謝罪しては言ってきた声が来たので振り向くと……

 

ピンク色の髪の女の子が息を切らしながら入ってきた




桂大河は、銀魂桂小太郎をモデルに書きました。
桂小太郎をモデルとしているのでCVは石田彰で想像して読んでいただければと思います。
もうボケまくって書きたいと思ったので、何卒暖かい目で見ていただければ……
今後もよろしくお願いします!


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遅れてきた少女と嘘はいけない

文月学園2-Fクラスは現在自己紹介をしていて、次々と自己紹介していた。そして、ようやく俺の自己紹介だと思った最中に入ってきたのはピンク髪の少女だが、俺も驚く人物だった

 

「お、遅れてすいませんで…す」

 

「あぁ、ちょうどよかったです。今、自己紹介をしてるところなので」

 

「そ、そうなのですか……?姫路瑞希です。よろしくお願いします」

 

「はい!質問があります!!」

 

「何ですか?」

 

「どうしてここにいるんですか!?」

 

姫路は遅れたことに謝罪すると共に自己紹介した。そんな姫路に聞きようによってはいじめの発言だがそれも仕方があるまい。何せ、この遅れて入ってきた少女は文月学園二年でも、定期テストの上位の常連だ。おまけに容姿はかなりのもので、美少女と分類される

 

「あのその……」

 

「なるほどな。君がこのクラスにいるのは犯人は明久か」

 

「「「「「よし、吉井明久を殺そうではないか」」」」」

 

「ちがう、ちがう!?いきなりなに!?そしてみんな構えないで!?」

 

その女の子が答えようとすると恥ずかしそうになっていたので、俺は大方明久が原因かと聞くと一部の男子が殺意だしていた

 

「あ、あの!違うのです!じつは、私試験本番の時に、熱を出して……」

 

「あぁ、そういうことだったのか。者共、明久が犯人ではなかったようだ」

 

俺がそういうとさっきまで構えていた連中が、物騒なものを直して彼女の言葉に納得していたが、そのあとのいいわけが悲惨だった

 

『ああそうそう、俺も熱(の問題)が出たせいでこのクラスに…』

 

『ああ、化学だろ?あれは難しかったなぁ』

 

『妹が事故に遭ったって心配で……』

 

『黙れ一人っ子』

 

『前の晩に彼女と……「者共、そいつを天誅だ!!!」…嘘だから許してぇ―!!』

 

それぞれのいいわけをしたときに、明らかな嘘とこのクラスの男では嫉妬が強いと信じてその男を捕獲して天誅をあたえることに……

 

「あのその……?」

 

「全く……下らん嘘をつくからこうなるのだ。あぁ、気にするな。自分の座りたいところに座ればいい」 

 

俺は嘘をついたバカの行動に呆れて腕を組むと、姫路は戸惑っていた。そんな様子に姫路はどうしたらいいのかわからないの気づいて俺は好きなように座ったらいいと答えると姫路は明久の隣に座った

 

「あの姫……「姫路、今いいか?」……雄二、貴様!?」

 

明久が姫路に話しかけようとすると、坂本は被せるように呼び掛けていた。姫路はどうやら坂本と同じクラスではなかったようで緊張した顔でこちらをみていた

 

「あぁ、そういえば初対面だったな。俺の名前は坂本雄二だ。さっき、試験中の時に熱出たと言っていたが、もう体調は大丈夫なのか?」

 

「は、はい!もう大丈夫です!」

 

「本当?無理してない?」

 

「よ、吉井君!?」

 

なぜか明久の顔を見て姫路は必要以上に驚いていた。俺はその反応に少し気になりながらも恐らく試験の時になんか縁があったのだろうか?

 

「姫路、明久が不細工ですまん」

 

「ちがうぞ、坂本。こう言うときは、明久が不細工すぎて存在感薄くすまんというべきだ」

 

「僕の存在そのものを否定!?!というか、僕は不細工ではないからね!?」

 

「そ、そんな!目もパッチリしてるし、顔のラインも細くて綺麗だし、全然ブサイクなんかじゃないですよ!その、むしろ……」

 

「そう言われると、確かに見てくれは悪くない顔をしているかもしれないな。俺の知人にも明久に興味を持っている奴がいたような気もするし……」

 

「俺は噂で聞いたことがあるぞ」

 

「だ、誰なのですか!?」

 

俺達の言葉に姫路が気になると言わんばかりにこちらに聞いていた。明久もその言葉に気になりこちらをみていた

 

「俺が聞いたのは、確か……船越先生が明久に……」

 

「いやだぁぁぁぁ?!よりによって船越先生!?」

 

「ヅラ。それはちがうぞ」

 

「ヅラではない、桂だ。では、坂本が見た明久に興味をもつ知人とは誰だというのだ?」

 

「確か名前は久保……利光だったかな」

 

俺の言葉に明久は真っ青になっていたが、坂本が途中で訂正するように話しすると明久は希望を見るように坂本をみた。だが、よく考えてほしい ……この男が明久にそこまで優しくないと俺は知っていたから黙った。結果案の定…明久は二回目の涙を流していた

 

「嘘だといって!?ねぇ、嘘だと言って!?」

 

「あぁ、姫路。俺の名前は桂大河だ。よろしく」

 

「あ、はい。よろしくお願いします!」

 

「ヅラ!貴様ぁ!?」

 

「ハイハイ、そこ静かにしてください」

 

「あ、はいすいませーー」

 

明久の声に反応した福原先生が注意しながら叩くと教壇が壊れた。ふむ、予想以上にあんなに脆いとなっては使えないだろう……そう考えてると福原先生は替えを取りに行き教室に出ていった

 

「あの、桂君」

 

「む、なんだ?」

 

「実際のところ船越先生の噂というのは?」

 

「安心しろ、百パーセントの嘘だ」

 

「そ、そうですか」

 

姫路はさっきの話が気になり聞いてきたが、あれは百パーセントの嘘だから安心してほしい。そして、暫くして福原先生は戻ってきて、最後に自己紹介してない坂本を呼び掛けた

 

「やっと最後に俺か……」

 

坂本は自分の席からゆっくり立ち上がり堂々と教卓の前まで進む。そういえば、俺が姫路と話している間にさ坂本と明久はなんで教室の外に出ていた?

 

「俺がこのFクラスの代表の坂本雄二だ。俺の事は坂本でも代表でも好きなように呼んでくれ」

 

「では、ダーリンはどうだ?」

 

「それは明久に向けて言え!?」

 

「なんで僕!?」

 

「そうか……ならば、Kの……「それをいったら貴様の命をこの手で抹消する」……なんでもいいと言ったのは貴様だろ!?」

 

「っく……とにかく、諸君らに訊きたい事がある。Aクラスは一人一人にシステムデスク、パソコン、エアコンにリクライニングシート。更には菓子や飲み物も完備。そして正面にはウン千万するであろうプラズマディスプレイが鎮座しているわけだが…不満はないか?」

 

「不満だと?そんなもの…………」

 

この教室に入ってからはっきり言って衛生面もくそもない。なによりこれでは体調崩すのが目に見えるのだから……そんなもの……全員が意見同じなはずだ!!

 

「「「「「そんなの大有りに決まっとるだろうがぁあぁあ!!」」」」」

 

「そうだろう!!これに関しては俺も代表として問題意識を持っている!!そこでだ、我々Fクラスは、Aクラスに対して、『試験召喚戦争』を仕掛けようと思う!!」

 

「試験召喚戦争を……仕掛けるだと!?」

 

試験召喚戦争とは分かりやすく言うと、下克上をするためのシステムだ……坂本め……こんなに思ったより早く仕掛けるとはいったい何を考えている?

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!
次回もよろしくお願い致します!


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勝機と生け贄

試験召喚戦争…これを略すると試召戦争とも言う。これは、下克上のためのシステムであり、もっと分かりやすく言えば『成績』を可視化することによって、生徒の勉強へのモチベーションを上げることを目的としたシステムでもある

 

『勝てるわけがない』

『これ以上設備を落とされるのは嫌だ』

『姫路さんがいたら何もいらない』

 

「皆のもの落ち着け。坂本が何も勝算なく言う男でない。なにか考えがあってのことだろう?」

 

「その通りだ。お前達が勝てないという意見だが……勝てないことはない。必ず勝てる……いや、俺達が勝たせてみせる!」

 

坂本の下克上宣言もとい、試験召喚戦争を仕掛けると宣言すると、やはりマイナスな思考が多い。これを感じた俺はなだめながら坂本に話をふると坂本は力強くうなずいた

 

「その根拠を今から説明する!……おい、康太。畳に顔をつけて姫路のスカートを覗いてないで前に来い」

 

「…………!!(ブンブン)」

 

「は、はわっ//」

 

坂本はやつの名前を呼ぶと、必死に否定していたが残念ながらそれは不可能だ。何故なら、やつの顔に顔についた畳の跡ついてるのを俺達は見逃さなかった

 

「土屋康太。こいつはあの有名な、ムッツリーニ(寡黙なる性職者)だ」

 

「………!!(ブンブン」

 

「「「なんだと!?!!」」」

 

ムッツリーニというあだ名はその名は男子には畏怖と畏敬を、女子には軽蔑を以て挙げられるのだ。つまるところ、奴も文月学園の裏の世界では有名な男だ

 

「二人目は姫路だ」

 

「え、私ですか!?」

 

「あぁ。みんなも姫路の実力は説明しなくても理解できてるだろ?」

 

「「「確かに……!!」」」

 

「三人目は木下秀吉。これもみんなは知っているだろ?」

 

「木下秀吉といえば、あの木下優子の!?」

 

そう、姫路の方はいわなくっても問題ないが木下秀吉とは双子の姉の木下優子が成績優秀な姉がいる

 

「四人目にはヅラ!貴様だ!!」

 

「ヅラではない、桂だ!!!」

 

「まてよ、さっきの自己紹介の途中で桂大河って言っていたよな?まさかあの、鉄人相手に逃げ切ったと言う……!?」

 

坂本が俺の名前を呼び、いつものように言うと一人の生徒が急に思い出したように俺の方をみていた

 

「そう、ヅラはあの《逃げの大河》だ。そして当然俺も全力を尽くす!」

 

「坂本なんて神童と呼ばれていたよな……行ける、行けるぞ!!」

 

坂本の言葉にさっきまで目を死んでいた連中は次々と目を輝かしていた。なるほどな、こうして士気をあげていくのか

 

「そして、最後にはあの吉井明久もいる!!」

 

「「「「「………?」」」」」

 

「なるほど、明久はオチ要因か」

 

「オチ要因って言うなぁぁあ!?雄二、どうしてくれるの!?この空気!?」

 

明久がわめいているが、仕方あるまい。これはオチ要因として使われたのだからな

 

「知らないなら教えよう、こいつはあの《観察処分者》だ!」

 

「観察処分者ってあの?」

 

「ち、ちがうよ!ちょっとお茶目な生徒につけられる愛称で……「いかにもバカの代名詞だ」雄二、きさまああ!!?」

 

姫路は明久の観察処分者という言葉にポカンとしていた。まぁ恐らく彼女はこういう言葉を知らないのは当然だろう

 

「姫路。観察処分者とは、大まかに言うと学園からも、著しい成績不良と学習意欲に欠ける者と指摘された者だ。つまり奴は大馬鹿者だ」

 

「うるさいよ!?」

 

「事実だから仕方あるまい。だが、奴は他の者よりも物に触れる召喚獣で力仕事をこなすといった具合にできる。つまり、バカだが扱いは上手いということだ」

 

「おとしめてるのか誉めてるのかどっち!?」

 

明久が叫んでいるが、事実だから仕方ないだろ。それ以前に奴の召喚獣の扱いは恐らくこのクラスでも上手い方になるだろう

 

「まあ、いてもいなくてもいい雑魚はほっておいて……どうだお前達?これだけの戦力もあれば夢のAクラスのシステムディスクだぞ!」

 

「いける、いける!!俺たちがこんだけの戦力いるのなら!」

 

「あぁ!負ける気がしねぇ!!」

 

「分かったか?最低辺だと呼ばれているクラスに、こんなにも有能な奴らが集まってるんだ!さぁ、勝ちたい奴はペンを取れ!決戦の刻は近い!俺達Fクラスの真の実力を、上に居る優等生供に見せつけてやろうぜ」

 

「「「「「おぉぉぉぉぉぉ!!」」」」」

 

「お、おー………!」

 

姫路は、こういうノリは慣れていないのか可愛らしく声だしていた。さて、確かにこの初戦は大事になってくるぞ!

 

「では、宣戦布告を明久に言ってもらおうではないか!」

 

「なんで僕!?」

 

「そうだな、Fクラス代表として指令を出す。Fクラスの使者として吉井明久に任命する!使者してもらう相手はDクラスで時間は正午……つまり昼休み終えてからが開戦だ!」

 

「嫌だよ!?クラスの宣戦布告の使者って、エラい目に遭うよね!」

 

「案ずるな、いざというとにはその強靭な肉体で耐えたらいい」

 

「それつまるところ、黙ってやられろ!ということだよね?!」

 

「おちつけ、明久。よく考えてみろ、やつらがお前に危害を加えることはない、騙されたと思って行ってみろ。坂本もそれをわかった上でお前に頼んでいるのだぞ」

 

「本当に?」

 

「あぁ、俺を信じろ」

 

「わかった。いくよ」

 

明久は雄二の言葉を聞いて、信じるという選択をして勇ましくFクラスに出ていった。俺と坂本は顔を見合わせて……

 

「「計画通り!」」

 

「お主達鬼畜じゃのぅ……」

 

「……明久は星になった」

 

俺と坂本は悪い顔で手を握りあい、ムッツリーニは手を合わせて、秀吉は引いていた。因みに明久が離れている間に姫路と島田は仲良くなっていたことをここに記載しとこう

 

 



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Dクラス戦前の作戦会議

俺と坂本がオセロで対決してると凄い勢いでドアが開く音がしたので振り向くとボロボロになった明久がいた

 

「騙されたー!!!君達の言葉を信じるんじゃなかった!?どこが安全なのさ!?」

 

「ふむ、坂本よ。明久がこうなるのも予想通りだったな」

 

「あぁ、こうも予想を裏切らずに帰ってくれる何てたいした男だ」

 

「予想通りってなに!?まるで、暴行されるのは予定通りって言うこと!?」

 

「「その通りだ」」

 

「君たちは最低だ!!」

 

俺達は明久がこうなるのを予想通りだと伝えると明久は怒っていた。すると、明久の状態を心配した女子二人が寄ってきた

 

「吉井君大丈夫ですか?」

 

「あ、うん。ほとんどか擦り傷だから大丈夫だよ」

 

「吉井、本当に大丈夫?」

 

「平気だよ。島田さんも心配してくれてありがとう」

 

ほう、どうやら島田も心配していたのか。特技は明久をボコることだから恐らくこのあとの発言は……

 

「そう……よかった。まだウチが殴る余裕あるなんて」

 

「あぁ、もうダメ!?死にそう!!」

 

「島田おちつけ。こういうときは、命の止めを刺す余力を与えてくれているというのだ」

 

「ヅラ!君は僕に死ねというのか!?」

 

「ヅラではない。桂だ!!!そんなことよりも屋上でミーティングをするぞ」

 

屋上に行くと伝えると、その場にいる面子はこの後が何を話すのかわかって気持ちを切り替えていた。屋上では俺と坂本と、明久と秀吉とムッツリーニと島田と姫路の七人で作戦会議をすることになった

 

「さて……明久。ボコボコにされながらもきちんと宣戦布告したな?」

 

「あ、うん。一応言われた通りの宣戦布告したよ」

 

坂本がフェンスにもたれて明久に聞くと、明久もさすがの回復力で受け答えをしっかりしていた

 

「となると、宣戦布告通りなら昼休み終えた直後に戦争なのね」

 

「そういうことだ。そんなわけで、明久…今日のお昼くらいはしっかり食べろよ」

 

「確かにな。そもそも、戦の前にはしっかりと食べるのが戦の基本だ」

 

「そう思うならパンでもおごってくれると嬉しいんだけど?」

 

「えっ、吉井君ってお昼食べない人ですか?」

 

姫路が驚いたように明久に聞いていたが、まぁ確かに何も知らない人が聞いたら最初はそう思うだろう

 

「いや。一応食べてるよ」

 

「間違ってるぞ、明久」

 

「なにが?」

 

「お前のあれは水と塩だろ?」

 

「むっ!失礼だな!きちんと砂糖だって食べているさ!」

 

「いやいや、明久。舐める、が表現としては正解じゃな 」

 

「………驚異の生命力」

 

「正直、人間をやめているレベルだな。いやそもそも、その食生活を送ってる時点で辞めたのかもな」

 

「みんなひどい!!特にヅラが一番ひどい発言だよ!!」

 

俺達の言葉に明久は落ち込んでいたが、同情はしない。なにせ、こいつは生活費を振り込まれながらもゲームとかに注ぎ込んでいたのだからな

 

「あの、良かったら明日は私が弁当作ってきましょうか?」

 

「ゑ?」

 

「明久、現実に帰るのじゃ」

 

「はっ!?ほ、本当にいいの?」

 

「はい!明日のお昼で良かったらですが……」

 

姫路は明久のためにお弁当を着くってあげるとは本当に噂に違わず心優しい子だな。生活費を振り込んでもらいながらも、あんな使い方をしてる明久にわざわざそれをしてあげるとは本当に優しい

 

「ふーん。瑞希って随分優しいんだね。吉井だけに作ってくるなんて」

 

島田が面白くなさそうにそういうが、どうやら島田は明久に惚れている疑惑が出てきたな。いや、姫路もわざわざ弁当を作るから疑惑ではなく……?

 

「あ、その!皆さんにも良かったらどうです?」

 

「俺達にもか?」

 

「それはありがたいが、姫路の負担にならないか?」

 

「いえ、大丈夫です!!」

 

「姫路の手作りとは楽しみじゃのぅ」

 

「……(コクコク)」

 

「お手並み拝見ね」

 

姫路の手作りが楽しみな者もいれば、自分の手料理の方が上手いと思いたいと自信溢れてる目でみていた。とりあえず明日の方針は決まったので坂本が手を叩きながら意識を向けるように声かけた

 

「さて、話がそれたな。試験召喚の話をするぞ?まず、我らのクラスがDクラスに挑む理由は明久わかるか?」

 

「えーと……学力が近いから?」

 

「少なくとも明久に言われたくないだろうな。だが、この面子を見てほしい」

 

坂本にどうしてFクラスがDクラスに挑むのか理由を考えてみてくれと言われた明久は回りをみていた。そして、考えがまとまったのか発言した

 

「えーと、美少女が二人と馬鹿が一人と、ムッツリが一人いるね。あとはヅラ」

 

「誰がヅラだ!坂本だ!」

 

「えぇ!?なんで雄二が反応するのさ!?」

 

「明久、誰が美少女だ!?この浮気者!」

 

「なんで、ヅラが美少女に反応するの!?って言うか、君は男だよね!?」

 

「……(ポッ)」

 

「ムッツリーニまで!?どうしよう、僕だけじゃツッコミ切れない!」

 

「まぁまぁ。落ち着くのじゃ、代表にムッツリーニに大河」

 

「そ、そうだな」

 

「うむ」

 

「……焦った」

 

「いや、その前に美少女で取り乱すことに対してツッコミいれたいんだけど!?それに、ヅラだ!という台詞の突っ込みがないのだけど!?」

 

明久が怒濤の突っ込みを入れていたが、やはりこいつは突っ込む才能もあるな

 

「さて話を戻そうではないか。坂本」

 

「あぁ、「あの、少し良いですか?」……ん?」

 

俺達は話を戻そうとすると、姫路が手をあげて質問をしたがっていた 。どうしてもこのタイミングでの質問はなにか気になることがあったのだろうか?

 

「はい、姫路。どうぞ」

 

「は、はい。あの今回の戦争の理由はなんなのですか?」

 

「あぁ、今回の戦争した理由か……それはな「それはそうと!雄二、勝つ勝算あるの?」…やれやれ…」

 

明久が姫路の質問を遮って、話をそらしていたがどうやらこの戦争は明久のなんかの理由に関係するみたいだな

 

「勝つ勝算はあるのか?そんなもん決まってる!いいか、よく聞けよお前……。ウチのクラスは──最強だ!」

 

「……ほう、なかなか面白いことを言う。いいだろう、お前のその言葉を信じてこの逃げの大河も協力しょう。そして、Aクラスを必ず倒そうではないか!」

 

「えぇ、面白そうじゃない!」

 

「そうじゃな。Aクラスの連中を引きずり落としてやるかの」

 

「…(グッ)」

 

「が、頑張りますっ」 

 

「良いね!やろう!」

 

坂本の言葉に俺も含めてみんな気持ちが高ぶっていた。どうやら、この学年でのクラスは楽しいことになりそうだな。俺たちの気持ちがひとつになったのを確認すると、坂本は作戦を話し始めた




ここまで読んでいただきありがとうございます!!
アンケートの結果、可能な限り毎日投稿させていただきます!!ご協力ありがとうございます!
投稿時間は決めていませんが、可能な限り毎日投稿させていただきます!!
これからも宜しくお願いいたします!


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Dクラス戦開幕と闘いに犠牲は付き物だ

昼休みに坂本との作戦会議を終えて、遂にDクラスとの戦争が始まった。戦場には明久と島田がひとつの隊を率いてDクラスへと攻めていた。そして、俺はというと坂本とDクラスに対抗するための作戦を立てていた

 

「まず、今回の作戦のメインは秘密兵器(姫路)の戦力を向こうに知られないように尚且つ、決定的な勝利をつけることが大事だな」

 

「あぁ、そのために明久と島田を前線に行ってくれてるがどこまでもつかだな。さて、現状を把握するためにムッツリーニに無線機で聞いてみるか。ヅラ聞いてくれ」

 

「ヅラではない、俺はスパイカーツラだ。ムッツリーニ、そちらの戦況はどうだ?」

 

俺はムッツリーニに通信機を繋げるとムッツリーニからの応答があった

 

《……島田が異常な怒りで明久に喋っている。それもきれいな目潰しをしていた》

 

「なるほどな。大方、あのバカは失言したのだろうな。だが、それ以外の情報はあるか?」

 

《……どうやら、うちのクラス一人が戦死したそうだが………》

 

「戦死したが、どうした?なにか問題があったのか?」

 

《試験召喚獣戦争で戦死した人間は補習される……鉄人に。それを見た明久達が撤退をする動き考えているみたいだ》

 

「横溝、いるな?これを明久に渡してこい」

 

ムッツリーニの報告に俺はこれは不味いと思うと、それを黙って聞いてた坂本が横溝を呼んで伝言らしき手紙を渡した

 

「坂本、何を書いたのだ?」

 

「逃げたら殺すと書いた」

 

《……明久が手紙を受けとると、鬼のような形相で突撃の指示を出していた》

 

「なるほどな。島田と明久は撤退をする可能性を考えてあんな脅迫をしたのか。ムッツリーニ、引き続き報告を頼む。万が一の時はわかってるな?」

 

《…了解》

 

この分なら当分は問題ないみたいだな。しかし、このままではじり貧な上に少しでも作戦が上手いこと進まなかったら厳しいぞ

 

「坂本、なぜ今回はムッツリーニや俺を戦場に出さなかった?この戦力では厳しいのを貴様が考えていないわけがない」

 

「1つはムッツリーニやお前を頼りすぎるとあいつらはきっとだらける。もう一つは、ヅラ。極力お前の得意科目を今後知られないようにするためだ」

 

「ヅラではない、桂だ。しかし、現状を考えればまだまだ厳しくないか?今うちの勢いは恐らく向こうに飲み込まれる危険があるぞ」

 

「代表!」

 

俺達がこの状況をどう打開するか考えていると、クラスの一人…須川がこちらに走ってきた。戦場で状況が悪化したのかと訳を聞くと……

 

「何?状況を打開するために、放送を流せだと?」

 

「あぁ、吉井隊長がそういっていたんだ!だが、どう流したらいいかわからず迷っているのだが、どうしたらいい?」

 

「明久にしてはいい案だが…そうだ!俺に提案があるが坂本はどうだ?」

 

「奇遇だな。俺も同じ意見かもしれないがいい案が思い浮かんだぞ?」

 

俺達はその内容をそれぞれ書いて伝言役のそいつに渡した。この状況を打開するためには仕方がない犠牲だ

 

「さて、坂本は何を書いた?俺は明久関係に書いたが?」

 

「ほう、やはり考えることは同じだな。俺も同じことように明久関係を書いてるぞ」

 

ピンポンパンポン♪

 

〈連絡致します。船越先生、船越先生〉

 

お、どうやら放送室についたそうだな。さて、明久よ……

 

〈吉井明久君が体育館裏で待っています。生徒と教師の垣根を越えた、男と女の大事な話があるそうです。繰り返します、禁断の大事な話があるみたいです〉

 

「「ふ、俺達の勝利のために犠牲になってもらおう」」

 

そう、明久には俺達の勝利のためにささやかな犠牲になってもらおう。俺と坂本はお互いに力強くうなずいて敬礼した。因みになぜ船越先生かというと、ムッツリーニから不穏な動きがあると事前に聞いていたからだ。偽情報を流すなら中途半端なのよりもこれがいいと思った

 

「雄二、ヅラ。須川君はどこにいるか知らない?」

 

しばらくすると明久が血眼になってこちらに帰ってきた。どうやら、かなり頭に血が上っているみたいだな

 

「ヅラではない、桂だ。なんだ貴様、その手元にある包丁はまるで今から鉄人を仕留めにいくのか?」

 

「鉄人なんてあと!!今は須川君を仕留めることが優先だ!!」

 

「さらっといつかは鉄人を仕留める宣告をしてるな。それと………さっきの放送をあんな風に指示をしたのはこの俺達だ」

 

「貴様らぁぁぁぁ!!!」

 

明久はすかさず俺達に攻撃を放つ。しかし坂本は予想していたのか特に慌てずに言う

 

「あ、船越先生」

 

「くっ!!」

 

飛び込みながら攻撃をしょうとすると雄二が落ち着いてそう言うと明久は卓袱台を蹴散らし掃除用具入れに飛び込んだ

 

「空中で軌道を変えるとは器用なやつめ」

 

「さて、バカはほおっておいてそろそろ決着をつけるか」

 

「だな。坂本隊、桂隊、出陣だ!!いざ行け!!」

 

「「「「おぉぉぉ!」」」」

 

俺の指示と共に残っていたメンバー達はお叫びをあげながらDクラスへと走っていった。そして、俺はこの教室に出る前に……

 

「船越先生が来たのは嘘だ。バイビー!」

 

明久に真実を伝えると共に、俺は坂本と共に教室出ていった。その数秒後に明久が全速力で出ていったのを俺達は知らない

 

「Fクラスの坂本が出てきたぞ!!!!」

 

Dクラスの人間が叫んでいるのを聞こえたが、俺はもう一仕事があるので坂本と別行動を取っていた

 

「いいか、姫路。Dクラスの代表は男で平賀という人物だ。ほら、あそこにいる男だ」

 

「は、はい!」

 

裏ルートで姫路と合流して、俺は姫路に代表の最終確認を説明していた。この作戦の本来の狙いは……姫路が代表に声かけて奇襲することだ

 

「落ち着いていけ。なに、バックアップは俺がいる」

 

「ありがとうございます!ではいってみます!」

 

姫路が緊張しながらもDクラスの代表の方に歩いていった。そして、恐る恐る声かけると向こうはAクラスと勘違いしていたのか戸惑っていると姫路が勝負に申し込み、見事にDクラス代表の平賀を討ち取った……




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戦いのあとは美味しいものを食べて交渉!

FクラスvsDクラスの戦は姫路のお陰でFクラスが勝利した。その結果、Fクラスの人間は大盛り上がりでDクラスはまさかFクラスに負けると思わなかったのか落ち込んでいた

 

「「「「おぉぉぉぉぉぉ!!」」」」

 

「俺達がFクラスに負けるなんて……」

 

「敵を軽く見ては足元をすくわれる……まさに貴様らDクラスはその一つだな」

 

「貴様は“逃げの大河”!……そうか、Fクラスにはまだそんな秘密兵器もあったのか」

 

「秘密兵器ではない、ヅラだ!あ、違う桂だ!……平賀。お前達の敗因はわかってるだろ?()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ではないか?」

 

俺は平賀に問いかけると、平賀も悔しそうに下を向いていた。まぁ、やつはDクラスの代表として勝つ事ができなかったのが、よほど悔しいみたいだな

 

「だが、戦いは終わりだ。さぁ、みんなでおにぎりを食べよう!!」

 

「どこからおにぎりをだしたぁぁぁ!?!!」

 

俺はおにぎりを平賀に渡そうとすると、後ろから凄い勢いでドロップキックをかましてきた人間がいた 。その攻撃をしかけた人間は明久だった

 

「いたたた…貴様!?いきなり後ろから攻撃するとはそれでも人間か!!」

 

「人間だよ!!それより君はどこから、おにぎりを作ってるんだよ!?そんなの作ってくれるのなら昼休みの時に僕にもくれたらよかったのに!」

 

「断る!!今回頑張っていた人間が食べる権利がある!!というわけで、FクラスとDクラスは俺のおにぎりを食べようではないか!」

 

「僕も頑張ったよね?!」

 

「あ、うまいな」

 

「ほう、なかなかの腕前だな」

 

「さらっと、平賀君と雄二がもう食べている!?しかも、残っていたDクラスとFクラスが食べているし、僕の分がないよ!!ダメだ、僕の突っ込みでは追い付かないよ!!」

 

俺と明久がやり取りしてると、平賀と坂本がおにぎりを食べながら対談を話し始めた。だが、始める前に姫路が平賀の方にかけより謝っていた

 

「あのその、平賀君……不意打ちでごめんなさい……」

 

「いや、いいんだ。いや、謝ることはない。全てはFクラスを甘く見ていた俺達が悪いんだ……しかし、姫路さんがFクラスだったとは彼の言う通り、敵を軽く見ていてしまったのが僕の敗因だ」

 

「その通りだ。クラスを率いるということは、できる限りの情報を集めて弱点を探るのが基本だ。だが、今回はお前達が油断したから勝てた」

 

「それもあるね。だけど、一番の流れを変えたのは……彼だ」

 

俺の話に平賀も頷いていた。そして、平賀がこの大きな局面で流れを変えたと名指ししたのは……

 

「え、僕?」

 

我が文月学園で初の観察処分になり、学年一の大馬鹿でもある吉井明久が流れを変えたと言うのだ

 

「なるほど、確かにこいつのお陰で流れは変わったと言うのはあるな」

 

「だな。ヅラ、ご馳走さん」

 

「僕らも戦慄したよ……君たちが本気で勝つために彼も覚悟してそういう行動をしたことにね……ご馳走さまっと。さて、本来の話をしないとね」

 

平賀も立ち直ってきたのか、おにぎりを食べ終えて俺たちに向かい合っていた。因みに坂本も同時に食べ終えていた

 

「ルールに則ってクラスを受け渡そう。ただ、こんな時間だから、作業は明日で良いか?」

 

「いやその必要はない。俺達の目標はあくまでAクラスを倒すことだから明け渡さなくっていい」

 

「ねぇ、ヅラ。なんで、雄二はDクラスの設備を変えないのさ!」

 

「馬鹿者。坂本は今いったように、俺達の最終目標はAクラスだ。そんなのだから、バカなお兄ちゃん何て呼ばれてるのではないか?」

 

「……人違いです」

 

「………坂本ら、話を遮ってすまんな。話を進めてくれ」

 

「あ、あぁ。とりあえずは、Dクラスの設備を明け渡す必要はない。それに、お前達は確かに戦いを負けたがクラスを明け渡す必要はないということだ」

 

「それはありがたいが……それでいいのか?」

 

「なに、俺が指示を出したら、窓の外にあるあれを動かなくしてもらいたい。それだけだ」

 

坂本が指したのはDクラスの窓の外に設置されているエアコンの室外機で、あれはBクラスの物である

 

「設備を壊すんだから、当然教師にある程度睨まれる可能性もあるとは思うが、そう悪い取引じゃないだろう?」

 

「これをどうしろと?」

 

「坂本が指示を出したときに動かさなくしてほしいだけだ。取引としてはデメリットもあるがメリットはお前達のその設備を守り抜くことができるのだぞ」

 

「……わかった。Dクラスを明け渡さなくっていいのならその要求を飲もう」

 

「では、双方の代表はこの紙を書いてください。あ、証人はこの場にいるものだな」

 

「「どこでその紙を用意した!?!」」

 

俺は代表者に紙を見せると二人とも驚いていたが、俺からしてみたら協定や契約の時に口約束は証拠にならないから用意したまでだ

 

「……ウシ、書き終えたな」

 

「お互いに損はなかったし、お前達Fクラスが勝てるよう願ってるよ。あ、おにぎりありがとうな」

 

「社交辞令か。まぁ、いい」

 

俺は微笑みながらDクラスの面子が帰っていくのを見届けていた。さて、次はと……

 

「者共!!今日は諸君達の協力のお陰でDクラスを倒せた!この勝利を次にも繋げるぞ!!」

 

「「「「おぉぉぉ!!!」」」」

 

「坂本、最後の締めはお前に託す」

 

「おう、今日はご苦労だった。明日は補充試験があるから、今日はゆっくり休んでくれ。それでは、解散!!!」

 

坂本の合図と共にFクラスは次々と帰っていった。さて、俺はというと……

 

「明久、その手元にあるものを出せ」

 

「な、なんの事かな?」

 

「今ならここから船越先生を叫んで呼び出すぞ?」

 

「君は鬼か!!?」

 

「それが嫌ならばその手元を出せ!!」

 

俺は明久にそういうと、明久は悔しそうにその手元を出していた………切れのいい刃物を取り出していた

 

「なるほど、それを俺に刺すつもりだったか。ならば武力対抗として俺も………」

 

明久がその刃物を持っているのなら俺の命もさすがに危険なので懐から……

 

「これで貴様を撃退する!」

 

「ちょっと待って!?!それ爆弾だよね!?」

 

「ふははは!さらば、明久!!」

 

俺は勢いよく明久の方にその爆弾を投げると明久は全力で逃げようとするが………爆弾は光って音を出していた

 

「ぎゃあぁぁああ!?目が!?目が!?!」

 

「ふ、バカめ。おれの投げたのはただのこけおどし発光だ。明久よ、バイビー!」

 

俺は発光により目を押さえている明久に笑いながらその場を立ち去った。やれやれ、予備をまた作らないといけないな

 




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昼御飯と死神がこっちこっちと招いてるよ

Dクラス戦を終えて、俺達はその日は補充試験だったが俺と坂本は元々自身の召喚獣を出していないからより高い点を目指してやっていた

 

「ふぅ……頭を使うというのはかなり疲れるな」

 

「うむ。それより、明久はなんで早朝に鉄人にお説教くらっていたのじゃ?」

 

「家庭科室の包丁を無断で持ち込んでいたことがばれて怒られたそうだ。全く、包丁を持っていったらバレるとは気づかないのか?」

 

「明久だからそんなの気が回らないのだろう……」

 

朝登校すると明久は鉄人にお説教されてさらに、島田に昨日の罪を擦り付けたのがばれて身体も心もボロボロだ

 

「それもそうだな。それと、明久は船越先生にどう対応したのだ?」

 

「あぁ、それなら近所のお兄さんを紹介したよ」

 

「そうか。だが、これから近所のお兄さんが大変だな」

 

船越先生は数学の教授だが、婚期を逃した45歳の女性で単位を盾に生徒に迫っているという噂だ 。そんな先生に近所のお兄さんは大変だろうな……

 

「よし、昼飯食いに行くぞ!今日はラーメンとカツ丼と炒飯にするか!!」

 

「ん、吉井たちも食堂いくの?だったら一緒していい?」

 

「そうじゃのう」

 

「……同伴させてもらおう(こくり」

 

「じゃあ、僕はソルトウォーターでも」

 

「あ、あの。皆さん……」

 

恥ずかしそうに話し掛けてきたのは姫路だったのだ。俺はその様子を思い出して手を叩きながらいった

 

「あぁ、お弁当の件か!あまりにも栄養をとれてない尚且つ生活費を遊びに使う大馬鹿のために作ってくれると昨日話いたな!」

 

「ヅラ、そろそろ僕は泣くよ?!でも、姫路さん本当に用意してくれたのだね!」

 

「はい!皆さんの分もありますのでよかったらどうぞ!」

 

「それはありがたいな」

 

「うむ!楽しみじゃ!」

 

「むぅ……瑞希は意外と積極的なのね」

 

姫路が嬉しそうにいうとみんなも笑っていた。島田は大方、姫路の積極的な姿勢に悔しそうに言うが試合は始まったばかりだからあせるな

 

「では、屋上で行くとするか。明久達は先に屋上を向かってくれ」

 

「あ、ならウチも手伝うよ!」

 

「俺も手伝おうか?」

 

「いや、二人でいけば十分だ。先にいっておいてくれ」

 

坂本のご厚意もあり、俺達は先に屋上に行くことにした。しかし、まさか高校生で女子高生の手作りを食べるとは思いもしなかったな

 

「明久、そこのシートの部分を押さえてくれ。そうだ、それでいい!」

 

「しかし、姫路がシートを用意してくれていたとは用意がいいのぅ」

 

「……感謝」

 

「今日はいい天気だと聞いていたので、皆さんと屋上に食べるかもと思い用意しました!でも、皆さんにシートを敷いてもらうのはすいません」

 

「気にするな、これくらいの事をしないと男が廃るというものだ」

 

シートを敷き終えると俺達は座って姫路は作り上げたお弁当を取り出していた。かなりの量を作ってくれているな

 

「あの、あまり上手くはないんですが……」

 

そんな謙遜をしながら姫路さんが弁当のふたをあけると きれいに盛り付けられたおかずとおにぎりがでてきた

 

「おぉ、これは美味しそうなのじゃ!」

 

「……豪華」

 

「おにぎりも作られてるのか!これは楽しみだな」

 

「凄いよ、姫路さん!塩と砂糖以外の物が入ってるよ !」

 

「ふふ、吉井君や皆に栄養をつけてもらおうと思い、張り切っちゃいましたっ!」

 

「栄養を考えてしっかりと作るとは姫路はいい奥さまになれそうだな」

 

「うむ!」

 

これはどんな味が作られてるのか楽しみだな!しかも明久のために作られたとはいえこれは本当に楽しみだな

 

「じゃあ、早速このエビフライを…あっ!ずるいぞ、ムッツリーニッ!」

 

明久が食べようとしていたエビフライをムッツリーニは横取りをするように奪ってそのエビフライを自身の口へと食べた

 

「……!?!」

 

ムッツリーニは突然目を見開いて正座のまま真後ろに頭をぶつけ、まな板にの せられた鯉みたいに痙攣している……

 

「わわっ!?土屋君!?」

 

「……(グッ!)」

 

「あっ美味しかったんですね!良かった」

 

ムッツリーニは根性で起き上がり、姫路にむけてサムズアップする……だが、き『凄く美味しいぞ』って言いたいんだろうけど足が生まれたての小鹿みたいに震えてるのを俺達は気づいてるぞ

 

「「「(まさか………これは命の危機??)」」」

 

ムッツリーニの様子を見て俺達は心のなかで同じ意見が一致した。どうやら、この昼休みは穏やかに終わりそうではないということが俺はわかったぞ……!




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昼御飯と死神がこっちこっちと招いてるよ 2

ムッツリーニは明久の食べようとしたエビフライを横取りで食べた瞬間、屍のように倒れてしまった。倒れたあとに震えながら指をたてていたが、俺たちには分かる……

 

「「「「(あれは演技ではない……!)」」」」

 

優雅な昼御飯から死神にまぬかれて、これから処刑されるのかと言う恐怖が出てきたと同時に姫路はなんで倒れたのかわかっていなかった

 

「土屋君はなんで倒れたのでしょうか?」

 

「さ、さぁ?恐らく料理がおいしいから倒れたのではないかなぁ?!明久、お前は料理で倒れることなんてあるのか?」

 

「ど、どうだろう?でも、ヅラの言う通り、すごく美味しかったからムッツリーニは倒れたのだと思う」

 

「そういうことがあるのですねー」

 

姫路はなんでムッツリーニが倒れたのか疑問を持っていたが、そこは傷つけないように俺と明久は共に姫路にそう話していた。その合間に俺と明久と秀吉は目線で会話していた

 

「どう思う?さっきの、ムッツリーニのあれは紛れもなく演技と思えないが、演劇部のお前から見てどうだ?」

 

「間違いなく演技ではないのぅ……」

 

「どうしょう…楽しかった昼御飯のはずなのに、とんでもないことに……」

 

「いや、落ち着け!恐らく、たまたまエビフライがそうだっただけで他の食べ物はおいしいはずだ!」

 

俺の言葉に明久と秀吉が死んでいた目の光が取り戻して気を取り直すように話しかけていた

 

「いやー、しかし。ムッツリーニったら、なんで先に僕の食べたかったエビフライを横取りするのさ」

 

「イヤー、本当だな。姫路は朝早くからこれをつくって大変じゃなかったか?」

 

「いえ、みんなの美味しく食べてくれると思うと作るの楽しくって!」

 

だめだ、良い子が……良い子が目の前にいる!!こんな良い子がムッツリーニが倒れたのは美味しすぎたから倒れたに違いない!

 

「よう、来たぞ……っておお、美味しそうだな!」

 

坂本が飲み物を持ってきて屋上に入ると姫路の手料理を見て美味しそうだと感嘆していた。そして、やつは愚かにも……

 

「愚かなやつめ……」

 

「ん?がっ!?」

 

俺の言葉に坂本が疑問を持つも、すぐに倒れた時に散らばった缶の音がやたらと響く …

 

「毒を盛り込んだなぁ…ヅラ……!」

 

「ヅラではない、桂だ!どうやら、現実は残酷だったな…姫路の手料理の実力だ…」

 

「うそ……だろ……!?」

 

俺は坂本と目で会話していると島田が屋上にやって来た。屋上につくなり坂本が倒れてるのを見て驚いていた

 

「お待たせ……って坂本?!どうしたの?大丈夫!?」 

 

「ちょ……ちょっと足の指が攣ってな……」  

 

「階段をダッシュで駆け上がったからじゃないの?」 

 

「そ、そうじゃな………」 

 

「そう?坂本って結構体鍛えられているって感じなんだけど?というか、足の指をつるなんていうことあるの?」

 

島田は疑問を持ちながらそれぞれに飲み物を渡していた。さすがに足の指をつるなんて言うのはばれるのか

 

「そういえば、島田さん」

 

「ん、なに?」

 

「島田さんが今手をついたところだけど……さっきまで虫の死骸があったよ?」

 

「えぇ!?それを早く言いなさいよ!?」

 

「ごめんごめん。とにかく早く洗ったほうがいいよ?」 

 

「そうね。ちょっと行ってくる!」

 

明久の言葉に島田が手を洗いにいってそんな様子に俺達は会話していた

 

「島田はなかなか食事にありつけないでおるのう」 

 

「こらこら、明久。食べたい気持ちはわかるがあぁ言うのは先にいってあげた方がよかったのではないか。お陰で彼女はまた食べるまで時間かかってるではないか」

 

「そうだね。これはミスったな~」 

 

「「「ハッハッハハ!!」」」

 

俺達は穏やかな会話してるようだが、実は……

 

「(明久、貴様が食べるのだ!)」

 

「(嫌だよ!?絶対に死ぬよ!)」

 

「(ワシもさっきまでなら行けると思ったのじゃが……あれを見ると決心鈍るのぅ)」

 

坂本が倒れたせいでさっきまでのエビフライだけは外れと言う考えが消えてしまい俺達はお互いに擦り付けあっていた

 

「(明久、姫路はお前のために作ってくれたのだぞ!ここで食べないと男が廃るというものだぞ!!)」

 

「(ヅラに言われたくない!!というか、きっと姫路さんはヅラに食べてほしいと思っているに違いないよ)!」

 

「(そうかのう。わしには明久に食べてもらいそうなんじゃが)」

 

「(そんなことないよ。乙女心をわかってないね!)」

 

「(ふざけるな!!学年一のお馬鹿に乙女心を言われたくない!!)」

 

俺がそういうと、明久は突然何を思ったのか姫路に話しかけた

 

「(ええい!往生際が悪い!!)姫路さん、あそこになにかいるよ!」

 

「ほへ?」

 

明久の言葉とともに天のほうへと指指すと姫路さんはその方向に注意が向いた

 

「(くたばれぇぇ!)」

 

「ごぶっ!?」

 

「(ヅラぁぁぁ!?)」

 

「(お主最低じゃのぅ!?!)」

 

明久が無理矢理俺の口に入れた瞬間、俺の目が白黒になり、意識が飛びかけていた。そして無理やり咀嚼させてのどに流し込もうとしているのを必死に抵抗するが……

 

「ごふっ!?」

 

俺はその食べ物を飲み込み意識が吹っ飛んだ………

 

『大河や……たとえ一騎当千の強者でも巧みに兵を使える知恵者でも将を取られれば戦は負けじゃ。死ねば兵も国も何物も守ることは叶わん。故に将たるは戦場で最も臆病でなければならぬ』

 

『……』

 

『将が生きていれば、お前さえ生きていれば桂家は滅びぬ。臆病者と呼ばれてもいい。生き残れ大河や。何と罵られようが儂らは知っている。お前は立派な将であると……』

 

おばぁ、俺も今からそっちに逝くよ………そして、すまない……今回は引き際を間違えてしまったよ……そちらに逝くよ




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365°と360°は5°違うよね

突然のなにかの音に俺は目を覚ますと、そこに写りこんだ光景は、きれいな青空の景色にだった。そして、辺りを見渡すと明久と坂本と秀吉が倒れていてムッツリーニもまだ起き上がっていない……

 

「なるほど、姫路の手料理で美味しすぎて(とんでもない味)でダウンしていたのか……明久も倒れてるではないか。……起きろ、このド畜生馬鹿者」

 

「がぶっぅ!?!」

 

俺は目を回して寝ている吉井明久にバックドロップを仕掛けて起こした。決して……決して、無理矢理食べさせ足られた腹いせではないからな?!そして、しばらくすると他の連中も戻り姫路と島田が戻ってきた

 

「吉井君はなんで頭に凄いたんこぶができてるのですか?」

 

「あぁ、これは気にしなくっていいよ。それより雄二の話を聞こうよ」

 

「なんだか、色々なことが起きた気がするが…まぁいい。次の試召戦争をするぞ」

 

明久に促された雄二はしかめ面なりながらも、とりあえずは本題を切り出そうとしていた

 

「いいか?次の仕掛ける相手はBクラスだ」

 

「Bクラス?なんで次の相手はBクラスなの?どうしてAクラスじゃないの」

 

「率直に言おう……どんな作戦でも、うちの戦力じゃAクラスには勝てやしない」

 

「え、じゃあ、Bクラスに変更と言うこと?だって、いまAクラスに勝てやしないと言っていたから」

 

坂本の言葉に島田が疑問をもって質問をすると坂本は首をふっていた

 

「いや、最終目標はAクラスだ。そこの意見は絶対に変えないぞ」

 

「雄二、さっきといってることが違うじゃないか?」

 

「Aクラス相手となると単位では勝てないと思う。だから、一騎打ちに持ち込むつもりだ。訳を説明する前に……明久、試召戦争で下位クラスが負けた場合の設備はどうなるか知っているよな」

 

「もちろん知ってるよ!設備のランクが落とされるのだよね!」

 

「おおむね間違いではないな。ヅラ、このバカは曖昧な部分があるから改めて教えてやれ」

 

「ヅラではない、桂だ。いいか?クラス別に行われるクラスとクラスの召喚獣を用いた戦いで、上位のクラスに勝てばそのクラスと設備を入れ替える事が可能。つまり、敗北した側が下位クラスだった場合、設備が1段階下がる」

 

つまり、Fクラスが勝てば上のクラスと入れ換えできるが負けたらあれ以上の設備ランキングに落とされると言うことだ

 

「なら、ここでわかるよな?上位クラスが負けた場合は?」

 

「悔しい!」

 

「ムッツリーニ、ペンチ」

 

「…了解…(スッ)」

 

「僕の体を爪切りいらずにする気か!?」

 

「相手クラスと設備が入れ替えられちゃうんですよ」

 

「つまり、うちに負けたクラスは最低の設備と入れ替えられるわけね」

 

明久のアホな回答に坂本はムッツリーニに道具を要求すると明久は慌てていた。そんなバカを見かねて、島田と姫路の言葉が答えを出してくれた

 

「なるほど。坂本はBクラスを倒せば、設備を入れ替えない代わりにAクラスへと攻め込むように交渉するわけだな?」

 

「その通りだ。さすが、ヅラだな」

 

「ヅラではない、桂だ。となると、そうと決まれば明久に宣戦布告してもらおうではないか」

 

「だな。今日のテストが終わったらBクラスに行って宣戦布告して来い。時間は明日の正午からだ」

 

「そんなの断る!!!」

 

明久は俺たちの要求に必死に断っていた。どうやら今回は素直に行かないとは学習したな……明久は……

 

「そんなにいきたくないのなら仕方があるまい……俺が行こうか」

 

「おいおい、ヅラ。それなら俺が行こうか?」

 

「……俺が行こう」

 

「ふむ、それならワシが行こう」

 

「秀吉がいくなら僕が行くよ!!」

 

「「「「どうぞ、どうぞ!」」」」

 

「嵌めたなあぁぁぁ!!!!」

 

俺達は次々と手をあげていき、最後には秀吉が手をあげると明久が手をあげた。尚このノリは女子にはわかりづらかったのか手をあげていなかった

 

「これで明久がBクラスへと使者が決まりだな。しかし、坂本……」

 

「ん、なんだ?」

 

「俺としては明久で本当に良いのか不安になってきたな。きちんと任務を全うするのか怪しいぞ?」

 

「あぁ、確かにな。だが、ヅラよ。Bクラスは美少年が好きなクラスだから心配無用だぞ」

 

「なるほど。確かにそれなら、大丈夫だね」

 

「でも明久は不細工だからな……」

 

「その意見は同感だ。坂本の言う通り見た目がなぁ……」 

 

俺達は明久がBクラスの使者に行くことを決めるも心配事があると話したら明久はムッとした顔で反論してきた

 

「なっ!?失礼だな!どう見ても365度の美少年じゃないか!?」

 

「5度多いね」

 

「あの、5度多いですよ?」

 

「5度多いぞ」 

 

「実質5度じゃな」

 

「……同じ意見。明久は5度だけの美少年」

 

「365°ではない360°が正解だ!!」

 

「みんな嫌いだ!!!!」

 

島田と姫路の言葉に続くように俺たちも訂正すると明久は泣きまくっていた。やれやれ、これでは明久の間違いを訂正するのが悪いみたいではないか 

 

「とにかく頼むぞ」

 

坂本の言葉とももにチャイムはなりおえた。そして、試験を終えて明久はBクラスに宣戦布告に行ったが、案の定暴行にあった。前回は顔がダメージあったが、今回は千切れかけた袖を手で押さえながら帰ってきた。まぁ何にせよ、一悶着ありながらもBクラスに宣戦布告できたようだ




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作戦会議とBクラス戦開幕

あの姫路料理事件も終わり、俺達FクラスはいよいよBクラス戦を迎えることになった。Bクラス戦の時間開始は、正午となっているので俺達は現在Fクラス全員集まって話していた

 

「さて、野郎ども!総合科目のテストご苦労だった!そして準備はいいか!?今回の相手はBクラスだ!やる気は充分か!?」

 

「「「「おぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」」」」

 

「良い顔だ。さて、今回の説明をヅラがするからよく聞け」

 

「「「「おう!」」」」

 

「ヅラではない、キャプテンカツーラだ」

 

坂本の盛り上げる声にFクラスは前回勝ったということもあり、目が絶対に勝つというまっすぐな目をしていた。そんな中、今回の作戦の説明は俺に任されたので、俺は教壇の前にたち今回立てた作戦を話した。坂本と昨日二人で話していた内容を話した

 

「さて、前回は初戦と言うのもありお互い手の内を探る意味でも、向こうは油断していたが今回はそううまくはいかないだろう」

 

「なんでなんだ?」

 

「今回の相手がBクラスと言うことと、あのBクラスの代表は根本だ」

 

「「「「!」」」」

 

根本という言葉に全員が気を締める顔つきになっていた。根本の噂はあまりよろしくないからどういうことをしてくるかわからないので警戒を呼び掛けた

 

「やつの評判は皆の知っての通りだ。いいか、くれぐれも油断はするな。そして、隙があればやつの首を撃ち取れ!」

 

「「「「「おう!」」」」」

 

「良い返事だ。では、本題に入るが、今回の戦闘は敵を教室に押し込むことが重要になる。その為、開戦直後の渡り廊下戦は絶対に負けるわけ

にはいかない」

 

俺は黒板で今回のポイントを書きながら話していた。坂本に事前に頼まれて作戦も考えていたからやつも今回の作戦は把握してる

 

「そこで、前線部隊は姫路瑞希に指揮を取ってもらう!女神様が指揮を執ってくれるから、者共当たって砕けろ!!」

 

「おおぉぁ!!!まじか!」

 

「俺たちの女神様が指揮を執ってもらえるなら勝てるぞ!」

 

「愛してるぅぅ!」

 

「えぇい、静まれ!!姫路よ、今回の指揮は頼むぞ」

 

「は、はい!が、頑張ります!」

 

「「「「おぉおぉぉ!!!」」」」

 

姫路の言葉を聞いた男どもは盛り上がり、俺もこの士気の高まりに満足してると坂本が前に出た

 

「今回の戦いにはヅラも、姫路もでる!野郎共、きっちり死んでこい!」

 

「「「「おう!」」」」

 

「合言葉!!目指すはシステムディスク!」

 

「「「「合言葉!!目指すはシステムディスク!!」」」」

 

俺も含めて全員がFクラス出ていき、廊下戦を制圧するために出陣した

 

「いたわ、Fクラスよ!」

 

一人の女が叫んでこちらにやって来た。フム、いきなり仕掛けに来るとは思わなかったな…だが、ひとつ不満があるというなら……

 

「Fクラスではない、桂だ!!!」

 

「え?」

 

「あぁ、すまない。いつもの癖で反応したのだ」

 

「そ、そう?」

 

「律子、私も協力する!」

 

俺が声を張り上げて言うと向こうは何事!?と驚いていた。そんな俺と長髪の女子生徒が話していると、短髪の女生徒が駆けつけた

 

「2対1になるけど卑怯と言わないでよ」

 

「構わん、戦いだからな」

 

「その強気…Fクラスなのに気に入らないわね!律子、行くわよ!」

 

「はぁ……あとで後悔しても知らないよ!私、岩下律子と菊入 真由美が数学で挑みます!」

 

なるほど、俺が強気にいうと短髪の女は怒ってしまうのか。そして、律子と呼ばれた少女はため息つきながらも強気に発言していた

 

「承認します」

 

「「「試獣召喚(サモン)!」」」

 

数学

Fクラス

桂 大河  125点

vs

Bクラス

岩下律子  130点

菊入 真由美    129点

 

ふむ、どうやらこの二人は数学が得意か。数学はそれなりに知識あるが、どうも自信はないな

 

「Fクラスなのにそれなりにとれてるのね!でも私たちの敵ではないわ!律子行くわよ!」

 

「えぇ!」

 

岩下律子の忍者装束にクナイと忍者刀を装備で、菊入 真由美は忍者装束に二丁クナイを装備している

 

「こい!」

 

俺の召喚獣は着物をした服装で左腰には刀を納めてる鞘があった。俺の召喚獣はゆっくりと刀を抜いて迫り来る二人を見据えた

 

「でや!」

 

「ふっ!」

 

「あっさりと刀の攻撃を対抗するわね……!真由美!」

 

「OK!」

 

真由美と呼ばれた少女の召喚獣は全速力でこっちに接近して空高く飛んでクナイを振り下ろす動作をするが……

 

「攻撃動作が大きいぞ!そういう時は…はぁあ!」

 

俺は岩下律子の刀を上に弾き、菊入真由美の振り下ろすクナイに刺さらないように後ろへと下がった

 

「しまった!!」

 

「勝利の法則は見えた!!悪……」

 

「え…まさかと思うけど…」

 

「即……」

 

「ちょっと、そのネタは不味いよ!?!消されるわよ!!」

 

「斬!くらえ、牙突だ!!」

 

俺の召喚獣は深く腰を落とし刀の切っ先を相手に向け、その峰に軽く右手を添えた状態から中距離の間合いを一瞬で詰めて突進、標的を貫いた

 

「うそでしょぉ!?」

 

「本当にやったぁ!?この作品訴えられない!?」

 

岩下が信じられないと言わんばかりに叫び、菊入がメタな発言をしながら召喚獣はまともに攻撃受けた

 

数学

Fクラス

桂 大河  125点  

vs

Bクラス

岩下律子  0点

菊入 真由美    0点

 

「中々楽しい戦いだが、攻撃動作が雑すぎたな」

 

「悔しいぃぃ!」

 

「っていうか、あの技……訴えられないかしら……心配になるわ」

 

「戦死者は補習行きだぁぁ!!」

 

菊入真由美が悔しそうに声あげていて、岩下律子は心配そうに声があげていたがメタ発言二人ともしてるぞ。そして、鉄人が現れて岩下と菊入が連れていかれるのを俺は見届けていた

 

「次は私達が勝つからね!あと、極力訴えられないように気を付けて!!」

 

「覚えときなさいよ!!」

 

岩下と菊入がそう叫びながら鉄人につれていかれた。やれやれ、どちらにしてもこれで勝ったのは大きいな

 

「Bクラス二人撃ち取ったぞ!!!」

 

俺が叫ぶとBクラスの面子が動揺し始めた

 

「岩下と菊入が負けただと!?」

 

「Fクラスにこんなやつがいたとは……!」

 

「こちらも何人か姫路瑞希により戦死した!えぇい、噂以上に危険な相手だ!」

 

「み、皆さん!この調子で頑張って行きましょう!!」

 

どうやら、菊入と岩下は向こうがやられると予想してなかったみたいだそんな様子にBクラスは慌てていたのをみて姫路は励ますように声かけていた

 

「「「おしゃ!!やるぞぉぉぉ!」」」

 

「さて、ここは須川に任せて一旦教室に戻ろうではないか」

 

「え?何で?」

 

明久が疑問を口にすると秀吉が理由を思い出したのだ

 

「そういえば、大河がいっていたのぅ。Bクラスの代表はあの根本じゃたのぅ」

 

「根本って…あの卑怯者で有名な根本?」

 

「そうだ。奴の事だからな卑怯な手を使うに違いない。まぁ、引っ掛かっていると思うがな」

 

「「??」」

 

俺の言葉に秀吉と明久は??となっていたが俺は実はやつが代表と言うのを把握してある仕掛けをしていたのだからな




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Bクラス戦と罠を仕掛けるときは条約をよもう

前線を須川達に任せて俺と明久と秀吉は教室に戻ると、俺達は驚くような光景が移りこんでいた

 

「「「あががが……」」」

 

Bクラスと思わしき男達が地面にひれ伏していた。ふむ、どうやら作戦はうまいこといったみたいだな

 

「こいつらはなに?」

 

「何と聞かれても…それはBクラスの人間だろうな。大方、根本辺りが嫌がらせの作戦をたててくると予想していたが、こうも予想通りに俺の手の内で転んでくれて嬉しいぞ」

 

「どういうことじゃ?」

 

俺は明久の質問に疑問に答えると、今度は秀吉が俺に質問してきた

 

「相手はあのBクラスの代表だ。全員が全員とは言わないが、俺が対戦した岩下や菊入はまだまっすぐに挑んでくれた。だが、根本という人間はこういうことをしてくると踏まえて俺は罠をしかけた」

 

倒れてるBクラスの生徒を跨ぎながら俺は教室に入ると、俺の机は被害出ているが、筆記用具などは大丈夫だった。しかし、なぜ坂本がいないのかは気になるがな

 

「仕掛けたとはいったい何を?」

 

「文月学園のルールを基づいて試験召喚獣戦争の第七条を利用した」

 

「第七条?」

 

「貴様はきちんとルールを読んでいないな。戦争の勝敗は、クラス代表の敗北を持ってのみ決定される。この勝負に対し、教師が認めた勝負である限り、経緯や手段は不問とする。あくまでもテストの点数を用いた『戦争』であるという点を常に意識すること」

 

「なるほど!」

 

「恐らく筆記用具を攻撃してくると踏まえて俺はこのこけおどし爆弾を机に仕掛けていた。この机を蹴ったり踏んだりしたら作動するようになっている…」

 

「お主はなにを物騒なの用意してるのじゃ!?」

 

俺の言葉に秀吉は突っ込みをいれてきたが、正当防衛だから仕方があるまい。先程も言ったが、第七条を利用して仕掛けておいたからこれは問題ない

 

「桂……貴様の仕業かぁぁ…!」

 

「お前達の代表者がやりそうな手段を考えたまでだ。それ以前に先にそちらが俺たちの大事な道具を破壊しょうとしていたのだから、おあいこ様ではないか?まあ、机がダメになったのは痛い犠牲だがな」

 

「ふ、おいおい。お前が物騒なのをしかけたと言えばこっちはお前を失格させることができるのだからな!」

 

「なるほど、つまり貴様らは……女に飢えていて姫路達のを手を出そうとしていたのか?」

 

「違う!俺たちは、妨害をしてこいと言われたのだ!」

 

「なるほど……だそうだ。鉄人」

 

「「「「「「……え?」」」」」」

 

俺の言葉に皆は唖然としていて、教室の外をみると鉄人が怒りの形相でこちらに歩いていた

 

「なるほどなぁ、物を壊すとはいえ、それは限度があるな……」

 

「て、鉄人!?まてまて、なんで鉄人がいるんだ!?」

 

「俺の仲間の一人に密かにここで待機してもらったのさ。それと……」

 

俺は机の中からあるものを取り出して、それを見せるとその男達は驚いていた

 

「カセット……だと?!」

 

「そうだ。もしも、机を蹴るときにカセットが再生してかなりの音量で爆発したかのようにセットしていた」

 

「つまりお前は俺たちを嵌めたというのか!?」

 

「嵌めたとは人聞きが悪いな。こちらのクラス設備を許可なく机を壊したのだからな」

 

「さぁ、お前たちは少し俺とお話だ!!戦争とはいえこれは限度がある!ものの大事さをわからせるまでお話だ!!」

 

「「「いやだぁぁぁ!」」」

 

教室に俺たちの補充に響きそうな手段を考えていたが生憎、そう簡単に根本に喜ばせるほど俺は優しくないし、鉄人に呼んでもらうように密かにムッツリーニに頼んだのだからな

 

「恨むなら、その手段を指示した根本を恨むのだな。逃げの大河をなめるなよ」

 

「お主は恐ろしいのぅ……おや、雄二が帰ってきたようじゃ」

 

「坂本。どこにいっていたのだ?おかげで対応疲れたぞ」

 

「やはり姑息な手を使ってきたか。協定を結びたいと言う申し出があって調印のために、教室を空にしていた」

 

「協定?」

 

「ああ。4時までに決着がつかなかったら戦況をそのままにして続きは明日午前9時に持ち越し」

 

ふむ、この協定はどうもうまい話しすぎないか?あの根本がそこまで条件を作るとは言えないが……

 

「坂本、この協定は信じて良いか不安ではないか?」

 

「ふむ、確かにな……あの根本が何か企んでいる可能性は捨ててはいないがお前も違和感感じるとなると……」

 

「大変だ、吉井!!」

 

俺と坂本が話すと須川が全速力でこちらに走って明久の名前を呼んでいた。俺たちも何事かと思い振り向くと……

 

「島田が人質に取られた!!」

 

「なんだって!?」

 

須川の言葉に明久は聞くなり急いで出ていった。それを追いかけるように秀吉と須川は走っていった

 

「ヅラはいかないのか?」

 

「ヅラではない、桂だ。ふむ……少し作戦を考えた方がいいかもしれないからな」

 

「お前の予想通りにこのクラスの机を破壊するという行為を向こうはしたが、これ以上の嫌がらせがあるのか?」

 

「こけおどし爆弾といったが、蹴るときにカセット起動したからあんな音が起動した。だから、今回はうまいこといったのだが、次の手を考えると厳しいな」

 

「兎に角、もう少しで四時だからそこで考えるか……」

 

俺たちが悩んでる数分後に明久と思われる生身がボロボロになりながら帰ってきた

 

 

 




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Bクラス戦2と性格悪いもの同士は、やはりめんどくさい

島田を助けに向かった明久が帰ってきたが、何故かとんでもない姿になっていた。そんな異形の明久だった人間を端に置いて、俺達はBクラスとの戦闘を続けるも16時を迎えて停戦へと迎えた

 

「く、16時を迎えてしまったか。明日に持ち越しとは、このままでは厳しいな」

 

「あぁ、できるなら今日のうちに決着したかったが……根本の野郎は思っている以上にしぶとかったわけか」

 

「……雄二、ヅラ」

 

「ヅラではない、桂だ。偵察部隊のムッツリーニがここにいるということは何かあったのか?」

 

「Cクラスの動きが怪しい」

 

俺はいつものように突っ込みをしながら報告を聞くと、あまりよろしくない話だった。ムッツリーニの報告に坂本も目を細めていた

 

「Aクラスに仕掛けるのか?」

 

「いや、それはない。恐らくやつらが仕掛ける可能性があるのは……俺たちの可能性がある」

 

「え!?なんで!?」

 

明久は坂本の言葉に疑問を持っていたが、俺は納得していた。自分達のクラスを無視してBクラスに攻めているのだからCクラスとしては穏やかな気分ではない上に疲弊している俺らのクラスを攻撃できるチャンスだからだろうな

 

「仕方ない。秀吉は念のためにここに残ってくれ」

 

「え、雄二どこにいくの?」

 

「Cクラスと協定でも結ぶ。Dクラスを使って攻め込ませるぞ、とか言って脅してやれば俺達に攻め込む気もなくなるだろ」

 

「なるほどな。それでは俺も帯同をするとしょう」

 

Cクラスに行くのは俺、明久、坂本、姫路、ムッツリーニと廊下で遭遇した島田と須川で向かうことになった

 

「しかし、このタイミングでCクラスが仕掛けるなんて変ね」

 

「ん、どうしてそう思うの?」

 

「だって、今は私達Bクラスと戦っているのになんで、Cクラスが今になってそんな動きを??」

 

「そういえば、そうですね……」

 

島田の疑問に明久はわかっていなかったが、姫路もどうやら引っ掛かっている部分があったようだ。だが、現実を考えてもメリットが思い浮かばないのが現状でそう考えてるとCクラスへとついた

 

「Fクラス代表の坂本雄二だ。このクラスの代表者は?」

 

「私だけど、何か用かしら」

 

俺達の前に出てきたのは黒髪でベリーショートの女子……

 

「Cクラス代表は小山友香か。バレー部のホープでもあると聞いてる」

 

「あら、ご存じなのね」

 

「あぁ、ついでに彼女したくないランキングベスト10に入ってるのも俺は聞いてるな。主に性格が悪い、性格が悪いということで」

 

「なんで二回も同じことを言う!?あと、なにそのふざけたランキング!?」

 

「ヅラ、もういいから話がずれてしまうぞ」

 

「それはすまない」

 

俺は坂本に謝罪して、後ろに下がると小山は息切れを起こしていた

 

「はぁはぁ、本当にFクラスはバカで常識なくって困るわ……で、何の用?」

 

「Fクラス代表としてクラス間交渉に来た。時間はあるか?」

 

「クラス間交渉?ふぅん……」

 

「ほら性格が悪い顔丸出しだな。いかにも悪役女に向いてるあれだな」

 

「あんた本当に一回ぶちのめそうか!?」

 

「で、どうなんだ?不可侵条約を結びたいのだがそちらの意見を聞きたい」

 

「不可侵条約ねぇ……。どうしようかしらね、根本クン」

 

俺はその言葉に小山の後ろにいる男をみると、いかにも性格が悪そうな男が出てきた。なるほど、あの根本がこの場にいるということは……

 

「嵌められたな…!」

 

「「「「え!」」」」

 

「当然却下で……酷いじゃないか?協定を破るなんて、試召戦争に関する行為を一切禁止したよな?」

 

「噂は本当だったか。性格が悪い同士に付き合っている上にキノコヘッドの男と性格が悪い上に彼女したくないランキングの女が付き合っているということに」

 

「さっきからひどいことしか言わないのだけど、喧嘩売っているのかしら!?売ってるなら買うわよ!?!」

 

「お前、さっきから色々とひどい発言してるぞ!!!く、先に条約を破ったのはそちらだよな?だから……」

 

根本恭二が告げると同時に、5人の取り巻きが動き出した。そしてその背後には数学担当の長谷川先生の姿が隠されていた

 

「なるほど……全員避難するぞ!!!」

 

「「「「「っ!」」」」」

 

「長谷川先生!Bクラス芳野が召喚を──」

 

「させるか!Fクラス須川が受けて立つ!試獣召喚(サモン)!」

 

Bクラスの一人が、仕掛けてくると須川が身代わりで戦ってくれた

 

「僕らは協定違反なんてしていない!これはFクラスとCクラスの……!!「無駄だ明久!根本は条文の【試召戦争に関する一切の行為】を盾にしらを切るに決まってる!」……そんな!?」

 

「そういうこと」

 

「っち、根本。この俺たちを嵌めたことをあとで存分に後悔させてやる……!」

 

俺達はCクラスを出てFクラスへと戻るべく逃げていたが、須川がやられたのかBクラスの一人が追いかけた来た

 

「はぁはぁ……」

 

「姫路さん……!」

 

「だ、大丈夫です。私を置いて皆さんは行ってください」

 

元々体が弱い姫路では、走る行為はしんどいのだろう。明久は心配そうに声かけるが姫路は気にしないでほしいといっていた

 

「……坂本」

 

「なんだ!今逃げるのに精一杯だぞ!」

 

「俺としてはこのまま一杯食わされるのは気にくわないみたいだ。だから、()()()()()()()()()()()()()()?」

 

「お前………よし、ヅラ。殿は頼むぞ!」

 

俺は坂本の言葉を聞いて立ち止まり、こちらに迫ってくるBクラスの連中を見据えた。するととなりには明久と島田が……

 

「お前たち何で残った……?」

 

「ヅラだけでは不安だから残ったのだけどね」

 

「私も同じよ。吉井が残るといっても吉井では心もとないのだから私も残ったのだけどね」

 

なるほど、どうやら心強い援軍が二人もいるのか……

 

「ならば、さっさと決着をつけようではないか!試獣召喚(サモン)!」

 

「「試獣召喚(サモン)!」」

 

俺の言葉に続くように他の二人も己の化身を召喚していた

 

「はは!見捨てられたな!!」

 

「見捨てられたのではない。任されたのだからな……」

 

「減らず口を……野郎共やれ!」

 

「「「「「おう!」」」」」

 

「敵三人は俺が引き受けるからお前たちは残りの二人を相手しろ!」

 

俺がそう指示出すと二人とも敵と戦いはじめて、俺の召喚獣はゆっくりと刀を抜いて構えていた

 

「こい」

 

「「「やっちまぇ!!」」」

 

槍と斧を持った召喚獣が俺の召喚獣に向かってきたが、俺は槍の召喚獣と刀でぶつかり合いながら斧の攻撃を回避していた

 

「もらった!!」

 

一人のBクラスの召喚獣が銃を発砲するが、俺は槍の召喚獣を盾にして防いだ

 

「な!?卑怯な!」

 

「ふはは、先にはめようとしたのはそちらだっ!」

 

俺は槍の召喚獣を蹴りあげる動作するとそいつは銃のやつに直撃して点数が削れていた

 

「悪・即・斬!」

 

「「え!?」」

 

「本日二回目……!牙突!!」

 

「「ぁぁぁぁ!!!」」

 

俺の召喚獣は牙突を放すと、その攻撃は二人の召喚獣を貫いていた。そして、斧の召喚獣がこちらに攻撃を仕掛けるが、動作が大振りすぎる

 

「はぁぁぁ!」

 

下半身を刀で切りつけるとその召喚獣は崩れ落ち、俺の召喚獣は刀を両手に持ち……

 

「やめ……」

 

「……ふ!」

 

無情にもその召喚獣に攻撃を振り下ろした。そして、その召喚獣は倒れた消滅した……

 

数学

Fクラス

桂大河 55点 WIN

vs

Bクラス

赤山  0点

青井       0 点

我追       0点

 

「戦死者はほしゅうぅ!!!」

 

「「「いやぁぁぁぁ!!」」」

 

鉄人につれていかれた三人に俺の召喚獣は消滅した……はぁぁ……疲れたぞ。その後、明久達とも無事に合流して教室に帰ることに……

 




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Bクラス戦…束の間の休憩

Bクラスの追っ手をなんとか倒した俺達は教室に戻ることができた。明久達と教室に戻り、俺は坂本に謝罪した。取り巻きは倒せたものの主謀は打ち倒せなかったと……

 

「気にするな、それを言うならこちらもあんな条件を飲み込んだのが反省だ。だからお互いに謝るのはなしだ」

 

「そうか」

 

「だが、こうなった以上はCクラスも敵だ。同盟戦がない以上は連戦という形になるだろうが、正直Bクラス戦の直後にCクラス戦はきつい」

 

「そうじゃな……」

 

「だが心配するな。向こうがその気だというのならこちらも……考えがある」

 

「え、本当?」

 

「あぁ、目には目に卑怯には卑怯にを……だ」

 

坂本の言葉に明日はどういう策をするのかは分からないが解散することになった……。俺は家帰って私服に着替えて外出掛けることに……

 

「さて、今日は何を食べるか………む?」

 

俺は外に歩いてると、知らない専門店があり俺は元々大好物だったというのもあり迷うことなくこの専門店へと入った

 

「いらっしゃいませ~……っげ?!」

 

「……ん?」

 

俺は中に入って店員の人が挨拶してきたのだが、気まずい声がしたので顔をあげると……

 

「Bクラスのえーと…1名頼むぞ」

 

「いや、そこは普通は名前をいったりするでしょ!?どんだけ記憶がないのよ!?」

 

「がぶ?!」

 

店員に思いきり頭を叩かれて俺は地面に倒れると、その店員は呆れるように俺に話しかけた

 

「はぁ……一名空いてるわ。Fクラスの桂大河」

 

「そうか、それは安心した。Bクラスの岩下律子」

 

「普通に名前覚えてるじゃない!?!…メニューをどうぞ。決まったら呼んでね」

 

「感謝する。蕎麦はあるか?」

 

「なんで蕎麦!?ここはラーメン店よ?!」

 

岩下律子は、俺に攻撃はしないものの突っ込みを入れていた。むぅ、そばがないのは残念だが、とんこつラーメンを頼むとするか……

 

「とんこつラーメンをひとつね。……貴方達はなんでBクラスに挑んだのよ」

 

「うむ?情報を探れとでも言われたのか?」

 

とんこつラーメンを作ってもらいながら、岩下律子は俺に問いかけてきた。俺は情報を探るために聞いてるのかと思い警戒すると向こうは呆れながら答えた

 

「バカね、お客さんが誰が来るのかわからないのにそんな指示を受けると思う?それ以前に今はプライペードなのだから、そんな指示は受けないし、単純な疑問よ」

 

「それもそうだな。まぁ、その質問の答えだが、俺は坂本の考えがあって行動をしているにつぎないがな」 

 

「ずいぶん信頼してるのね。クラスの代表だから?」

 

「友だから信じてるのだ。あいつが何も勝算なく動く男ではないのは俺が一番よく知ってる」

 

「そう……はい、とんこつラーメン完成」

 

「ありがたくいただこう。いただきまーす!」

 

岩下律子は完成したラーメンを俺の席に置いて俺はとんこつラーメンを食べながら言わしたの問いかけを答えていた

 

「つまるところ、俺は……いや、俺達は坂本を信頼してるから行動をしてるだけだ」

 

「そう……」

 

「む、茹で玉子?」

 

「答えてくれたサービスよ」

 

「そうか……それと今さらだが、なぜラーメンをしたりしてる?」

 

「本当に今さらね!?まぁ答えてくれたしこっちも答えるけど、単純に家の手伝いよ。いまは親が少し出掛けているから私が代わりに対応してるだけ」

 

「そうか……ごちそうさま」

 

俺はとんこつを食べ終えて、お箸を置いてご飯を食べ終えた挨拶をすると岩下律子はそのお皿を下げた

 

「なかなか美味しかった。……また店を来るがひとつ聞かせてほしい」

 

「何?」

 

「お前はBクラスの代表が根本で不満ではないのか?」

 

「そんな質問ね……大有りに決まってるでしょ?因みにあいつはAクラスで下の地位に入るのを嫌がって点数を調整してるはずよ」

 

「なるほど、そんな情報を俺に話してよかったのか?」

 

「別にBクラスの設備を奪うつもりないのでしょ?貴方達がDクラス代表平賀との会話をたまたま小耳を挟んどいたけど、こんな事実をあいつに教えてやる義理はないわ」

 

「ふむ、意外に頭が回るのだな……ぶべらぁ!」

 

「意外には余計よ……」

 

俺の頭にはかなり痛いたん瘤ができていた。この拳一本で世界を目指せるのではないかと思いながらも俺は口を出さなかった

 

 

翌朝……俺は朝学校に登校すると坂本が朝早く来たメンバーに昨日いっていた話を告げていた

 

「昨日言っていた作戦を実行する」

 

「作戦?でも、開戦時刻はまだだよ?」

 

「BクラスではなくCクラスに仕掛けるのだ。だが、この作戦のポイントは……秀吉!!お前の出番だ」

 

「ワシじゃと?」

 

「あぁ。秀吉にコイツを着てもらう」

 

そう言って坂本が鞄から取り出したのは、我が文月学園指定女子制服だった。なぜそれが今手元にあるのかあえて聞かないが場合によっては誤解されるぞ

 

「それは別に構わんが、ワシが女装してどうするんじゃ?」

 

「女装を…む!そうか、坂本。貴様はAクラスの木下姉に変装してもらうということだな」

 

「あぁ、そう言うことだ。と、いうわけで秀吉。用意してくれ」

 

「う、うむ……」

 

坂本から制服を受け取った秀吉はその場で生着替えを始める。指が擦り切れるんじゃないかと言うほどのスピードでカメラのシャッターを切るムッツリーニがいたが……

 

「よし、着替え終わったぞい。ん?皆どうした?」

 

秀吉は一瞬で着替え終えて俺たちに話しかけていたが、明久とムッツリーニは悔しがっていて俺はこう改めてみると確かに木下姉とそっくりだなと納得した

 

「さぁな?俺にもよくわからん」

 

「おかしな連中じゃのう」

 

「んじゃ、Cクラスに行くぞ」

 

坂本の号令と共に俺達はCクラスへと歩いていった。だが、俺は念のためにBクラスが姑息な手を使ってこないと限らないので護衛としてこの教室に残っていた

 




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Bクラス戦と逆鱗を触れてはいけない

結局教室で待機していたが、俺が戦う出番はなく体育座りしながら明久達が戻ってくるのを待っていた

 

「作戦は成功か?」

 

教室に戻ってきた坂本達だが、その表情はやりきったと言う顔であって俺は作戦成功したと悟った。そんな俺の問いかけに答える前に明久が疑問を呈した

 

「ヅラ、なんで体育座りなの?」

 

「ヅラではない、桂だ。ずっと出番があるかなぁとスタンバっていました」

 

「そんな出番来ないよ!?!大体、待っているといったの君でしょ!?」

 

「こういう姑息な手を使ってくると思ったが何のことない出番がなくただ待っていただけだったな。で、俺の質問を答えてほしい」

 

「成功に決まってるだろ。さぁ……反撃開始といこうじゃねぇか!!」

 

坂本のその眼差しはもう根本に油断しないと言わんばかり俺達は再び戦うことを決心した。午前九時になり召喚獣戦争が再開された

 

「ドアと壁をうまく使うんじゃ!戦線を拡大させるでないぞ!」

 

「点数に自信ないやつは一人で戦うな!!複数で倒しに行くんだ!奴らにFクラスの恐怖を与えるのだ!!」

 

廊下に秀吉と俺の声が響き、Fクラスはそれぞれ動いていた。今回の戦いは俺も出ると決めた以上、敗けは許されない

 

「各自戦況報告をしろ!!」

 

「桂!右側出口、押し込んだ!」

 

「箒を使って出口を完全に封鎖しろ!三、四人掛

けて逃げ道を作らせるな!!」

 

「左側出入り口押し戻されています!このままでは危険です!!古典の戦力が足りないので、援軍頼む!」 

 

そう聞こえ左側を見てみると少しずつ押し戻されている。Bクラスは文系が多い。ここで防壁を崩されれば一気に突破されてしまう!

 

「姫路さん、左側に援護を!」 

 

「あ、そ、そのっ…!」 

 

明久の指示に対して姫路が動こうとするがすぐに立ち止まってしまい、オロオロとしてる

 

「何をモタモタと……!明久!!作戦はズレだ!」

 

「了解!」

 

明久は返事すると共に古典の竹中先生に近づいていき耳元で…… 

 

「……ヅラ、ずれてますよ(ボソッ)」 

 

「ッ!?少々席をはずします!」

 

明久の言葉にズラを確認していて、そして竹中先生が大慌てでその場を離れ古典のフィールドが解除される

 

「古典で消耗したやつはすぐに回復をしろ!!横溝隊は右側を塞げ!」

 

「左側はワシと共に続けぇ!!」

 

「了解ぃぃ!!」

 

「姫路さん。どうかしたの?」 

 

明久が姫路のもとに駆け寄ってきた。俺も流石に今日の姫路の動きがおかしいと思い明久と共に話しかけていた

 

「そ、その、何でもないです」

 

「なんでもないはずがなかろう。昨日の動きよりも今日の方が遥かにひどい」

 

「うん、なんでもないなんて見えないし、もし何かあったら遠慮なくいって」 

 

「ほ、本当に何でもないんです」 

 

姫路は泣きそうな顔になってこたえた。この顔をして何もないとは到底思えない

 

「桂!このままでは突破されてしまう!」

 

「っ!私が向かいます!」

 

よしこれでここの廊下戦は何とか保持できるみたいだな!そう思っていると急に姫路が立ち止まっていた

 

「姫路?……!」

 

俺は姫路がどこかをみて震えているその目線をみるとBクラスの代表の根本が窓際で腕を組んでほくそ笑んでいた。さらに根本の様子を見ているとあることに気付いた。根本の手に封筒があることを……

 

「(なるほどな。それで姫路の動きがおかしかったわけか。全く……噂にたがいない卑怯な男よ)…姫路、下がれ」

 

「え?でも……」

 

「今のお前は体調が悪すぎる。なに、この次のAクラス戦のための休息と思って休め」

 

「うん、そうだね。具合が悪そうだからあまり戦線には加わらないように。試召戦争はこれで終わりじゃないんだから 体調管理には気を付けてもらわないと……ヅラ、少しだけ頼むね」

 

明久はそういいながらこの場所を立ち去った。どうやらあいつも今回の姫路が不調になった原因を判明したみたいだな

 

「おい、山川」

 

「な、なんだ?」

 

「早急に竹内先生を呼べ」

 

「え、現国で挑むのか!?と、とにかく了解した!」

 

俺は山川に指示出すと、急いでこの場を立ち去って呼んでもらった。俺はゆっくりと姫路に語りかけた

 

「姫路、俺は正直この手をAクラス戦まで置いときたかったがそうもいってられない」

 

「え……」

 

「正直根本の姑息な手に俺はイラついてる。だから、この文月学園で他の科目もこの戦争で使えるのだから使わせてもらおう」

 

「桂、竹内先生をつれてきたぞ!」

 

現代国語や他の科目をを教えている女性の竹内先生を連れてきて俺は目の前に迫っている敵に向かって叫んだ

 

「竹内先生、Fクラスの桂大河が……Bクラスに政治の科目を挑みます!」

 

「「「「「なにぃぃい!?!」」」」」

 

「はい、承認します♪」

 

Bクラスの連中も含めて全員が叫んでいたが竹内先生は嬉しそうに承認していた。さて、ここで説明をしよう

 

文月学園では現代国語、古典、数学、物理、化学、日本史、世界史、英語W、保健体育の9教科に加え、総合教科の10教科である。また、その他の科目に生物、現代社会、地理、政治・経済の4科目がある

 

政治

Fクラス

桂大河 380点

vs

Bクラス

生徒A   60

生徒B   60

生徒C   75

生徒D  60

生徒E  55

 

「ぎゃぁぁあ?!」

 

「政治という科目はマイナーすぎてそんなに点高くとれない……!そんな中、380だと!?」

 

「退け……俺は今虫の居所が悪いのだからな……」

 

一人の召喚獣を切りつけながら、あの根本がやった行動は、俺の逆鱗に触れたことを教えてやる…因みに竹内先生は現代国語と政治、経済を教えているが、政治、経済は福原先生と竹内先生、あと高橋先生が教えることできるらしい




ここまで読んでいただきありがとうございます!!
今回はオリジナル設定を少し入れてみました!!
これからもよろしくお願いいたします


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Bクラス戦と作戦には二重の上に三重重ねておくことが基本

Bクラスで正面突破をしょうとした連中を俺は切り伏せて刀を鞘に納めると共に召喚獣は消滅した

 

「竹内先生、ありがとうございます」

 

「ふふ、どういたしまして。また政治・経済が気になったら教えてあげるからね」

 

「はい、失礼いたします。山川!竹内先生を職員室へと案内しろ」

 

「攘夷……ではなく、承知!」

 

俺は竹内先生に頭を下げて山川に職員室まで帯同してもらうように動いた。そして、俺は他のメンバーに聞こえるように叫んだ

 

「敵の大半は削った!!!あとは勢いにのって……討ち取りに行けぇぇぇ!!」

 

「「「「「おぉぉぉぉぉぁぉぉおぉぉ!!」」」」」

 

「ヅラ!!」

 

俺は呼ばれた方向に振り向くと坂本がこちらに来た。坂本がここに来たと言うことは、どうやらここら辺が大詰めというところだな

 

「ヅラではない、桂だ。敵の大半は削り終えたがここで守りを固めた方がいいのか?」

 

「いや、守らずにここでBクラスへと攻めに行く方向へいく。道は切り開いたのならお前はおれと共に行動してほしい」

 

「わかった!者共は姫路を守りながら撃ち取りに行けぇぇ!秀吉、任せるぞ!」

 

「うむ!」

 

「「「「おう!」」」」

 

俺は坂本と共に歩きながら事の詳細を聞いていた。すでに、Dクラスのあの約束を執行するような指示出してると共に明久は何かするつもりだと

 

「なるほど…それならば島田がいないのも、うなずける」

 

「あぁ、念のためにというわけでな」

 

「ならば、俺達は俺たちの戦いをするまでだ」

 

俺は教室をあげるとBクラスの人間が俺達の方を睨みながら構えていた。そんな中根本は余裕を出しながら見下すように話しかけてきた

 

「お前ら、いい加減あきらめろよな。教室の出入り口に群がりやがって暑苦しい事この上ないっての」

 

「諦めるのは貴様だ。ズブズブキノコヘアー代表」

 

「ちょっと待て!?だれがズブズブキノコへアーだ!?」

 

「ならば、永遠の脇役さんか?」

 

「永遠ってなんだよ!?俺は脇役になった覚えはない!はぁはぁ……こんな奴がFクラスとか納得だな」

 

根本は息を整えながら俺達を小バカにするように自分のペースを取り戻そうとしていた

 

「だが、そのバカに小細工な作戦通用しなかった代表は無能だな」

 

「はっ、そういうお前達Fクラスとかは俺達の協定を無視したじゃないか?」

 

「おや、()()()()()B()()()()()()()()()()()C()()()()()()()()()()()()()?昨日の小賢しくも隠れて不意打ちを仕掛けてきたのにな」

 

「っ!」

 

俺の言葉に根本はイラッとする顔で見ていたが俺はそれに慌てることなくなおかつ、冷静に時間を稼ぐことが優先だ

 

「どうした?面に口喧嘩負けたとなれば軟弱なBクラス代表はそろそろギブアップか?」

 

ドンドン

 

「はぁ?ギブアップするのはそっちだろ?口喧嘩に負けた覚えはねぇしな。それに頼みの綱の姫路も調子が悪そうだぜ?」

 

「お前ら相手じゃ役不足だからな。無理させておくわけにはいかないから、休ませておくさ」

 

「けっ!お前は相変わらず口だけは達者だな負け組代表様よぉ」

 

「負け組?それがFクラスのことならもうすぐお前が負け組代表だな。それ以前にその言葉は自分に返ってくることを覚えておくんだな」

 

ドンドン 

 

「おい?さっきからドンドンと、壁がうるせぇな。何かやっているのか?」

 

「さぁな。人望の無いお前への嫌がらせじゃないのか?」

 

「けっ。言ってろ。どうせもうすぐ決着だ。お前ら、一気に押し出せ!」

 

根本は自分の取り巻きに指示を出していたが、そろそろこちらの時間通りになるだろうな……

 

「坂本、そろそろだ」

 

「よし……態勢を立て直す!いったん下がるぞ!」

 

「どうした?散々ふかしておいて逃げるのか?やはり逃げの大河がいるから攻める勇気はないのだな」

 

「逃げるだと?ふ、だから貴様は永遠のやられ脇役なのだからは」

 

「ちょっと待て!?さっきより悪口増えていないか!?」

 

おや、悪口言われてる自覚があったのか?だが、その一瞬の緩みが命取りだ……

 

「だぁあーーっしゃぁーっ!」

 

「何ィィ!?!」

 

もの凄い音と共にそのBクラスの壁がぶち破られた。そして、壁を破った向こう側には、歯を食いしばり、涙をうかべ、手から血を流している明久と不敵の笑いを浮かべている島田とあきれ果てている遠藤先生がいた

 

「くたばれ、根本ぉぉぉ!」

 

「壁を破壊するとかどういう神経をしてやがる!」

 

「少なくとも人も神経を逆撫でしたお前には言われたくないだろうな」

 

「アキ、ありがとう!遠藤先生、Fクラス島田美波が…「Bクラス山本が受けます!試験召喚獣召喚!」…くっ!近衛部隊か!」

 

明久が壁を壊す神経がわからないと言わんばかりに叫ぶが生憎、姫路の大事なものを脅迫として使っているお前には言われたくないな

 

「は、ははっ!驚かせやがって!残念だったな!お前らの奇襲は失敗だ!」

 

「おいおい、いつ俺達がこれを奇襲と言った?なぁ、ヅラ」

 

「あぁ、坂本の言う通りだ」

 

「は?なにいってやがる?」

 

根本に話しかけると共に窓側が開くのを俺達は見ていた。そして、そのタイミングとともに俺は話を切り出した

 

「貴様はFクラスを……坂本や吉井明久を嘗めすぎだ。お前がもう少し頭回るなら()()()()()()()()()()べきだったな」

 

「なに?」

 

「それと戦には2つの策が破られても3つめの策が通用したらいいのだ……つまり……」

 

この教室ので入り口にを人で埋め尽くれてるので四月とは思えないほど熱気がこもった教室になってしまってる。そして、Dクラスに指示をだしてエアコンが停止してる。そのため教室は暑い空間になっている

 

「お前達は吉井明久に集中した時点で敗けだ」

 

そこに突如現れた生徒と教師、二人分の着地音が響き渡る。暑さをましにするために開けた窓からから屋上よりロープを使って二人の人影が飛び込み、根本の前に降り立った

 

「なっ!?窓から飛び込んできやがったのは誰だ!?」

 

「貴様の敗けだ…さぁその代表を討ち取れ…」

 

「Fクラス、土屋康太」

 

現れたのは同じFクラスのムッリーニと保健体育の大島先生だ

 

「き、キサマは……!」

 

「……Bクラス根本恭二に保健体育で勝負を申し込む」 

 

「ムッツリーニーー!」

 

保健体育

Fクラス 

土屋康太 441点

VS 

Bクラス  

 

根本恭二 203点

 

ムッツリーニの召喚獣は手にした小太刀を一閃し、一撃で根本の首を切り捨てる。Bクラスの代表が倒された事によりBクラスの戦いは俺達の勝利となった




ここまで読んでいただきありがとうございます!
まだまだストックがありますので可能な限り毎日投稿させていただきます!!
これからもよろしくお願いいたします


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Bクラス戦終幕

教室の出入り口に固めて部屋が暑苦しくなったタイミングで窓が空いてその隙を逃さずにムッツリーニと保健体育の大島先生が入り込み召喚獣をしかけて見事に根本を倒した

 

「聞け、者共!!Bクラスの根本恭二を討ち取ったりぃぃぃぃぃ!」

 

「「「「おぉぉぉぉぉぉ!」」」」

 

「俺達Bクラスが……まけた……!」

 

「そんな、私達がFクラスの設備になるの……!?いや……いやーー!!」

 

俺の叫びと共にFクラスは喜びの声をあげてBクラスはいまだに負けたことにショックを受けていた

 

「よくやった、明久」

 

俺は今回の時間稼ぎに貢献してくれたFクラスを代表とするバカに労ると明久は素手で壁を壊した痛みがフィードバックされたのか呻き声をあげていた

 

「うぅ、痛いよぉ……」

 

「なんとも……お主らしい作戦じゃったな」

 

「俺が爆弾をしかけてこじ開けるよりも時間かかりながらも確実開けていくとはたいした男だ」

 

「……後のことを何も考えず、自分の立場を悪くする、男気溢れる素晴らしい作戦だった」

 

「それ遠回しにバカにしてない?それと、ヅラはさらっと恐ろしいことを言わないの!」

 

明久の癖になかなか鋭いことを指摘するのではないか。だが、確かに無謀なことをしていたがその無謀さが間違いとも言わないな

 

「さてと、それじゃ嬉し恥ずかしの戦後対談といくか?な、負け組代表?」 

 

「……」

 

「本来なら設備を明け渡してもらいお前らに素敵な卓袱台をプレゼントするところだが特別に免除してやらんでもない」

 

「なん……だと!?!」

 

坂本の言葉にBクラスとFクラスのメンバーはざわつき始めた。BクラスはまだしもFクラスは目的を知っているはずだが……?

 

「皆のもの落ち着け。坂本が最初に目的いっていたの忘れてしまっているのか?」

 

「うむ、目的はAクラスを倒すことじゃ」

 

「条件はなんだ……いくらここまでしかけてここでなにもないと言うのはあり得ないだろ……」

 

「条件?それはお前だよ。負け組代表」 

 

「お、俺だと?」

 

まさか自分がその条件に当てはまると思わなかったのか顔をあげていた

 

「今回の戦争で正直、お前は散々好き勝手やってもらったし、正直昨年から目障りだったんだよな」

 

「ぐっ」

 

「だが、そんな俺も優しさが残っていたみたいでな……。Aクラスに試召戦争の準備ができていると宣言して来い。そうすれば今回の設備の件は見逃してやるが、宣戦布告ではなく戦争の意志と準備があるだけ伝えるんだ」

 

「なっ、そんな条件でいいのか?」

 

坂本がそういうと、根本は驚いていた。だが、そんな優しく話を済ませるほど俺も坂本も優しくないぞ

 

「ヅラ!」

 

「ヅラではない、桂だ!!さぁ、Bクラスの皆さん!文月学園のルールでは、クラス別に行われるクラスとクラスの召喚獣を用いた戦いで、上位のクラスに勝てばそのクラスと設備を入れ替える事が可能ですよね!」

 

「まぁ、そうだが……」

 

「そんな話をして今さらどういう事?結局、私達の設備が変わると言うことを話したいのでしょ?」

 

「いえいえ、そんなことはございません。今回はなんと設備を交換しない代わりにBクラス代表がこの格好でさっきの言ったとおりにしてくれたら見逃します!!」

 

「「「「「なんだって!?」」」」」

 

俺の言葉にBクラスは目を輝かしていて、俺の話を聞き入った。そして、そのBクラス代表はそのものを見て震えていた

 

「女子制服だと……!?貴様らまさか!!」

 

「どうですか!?いまなら、Bクラス代表がこれを着て、言われた通りにAクラスに対して行ってくれたら、無料でBクラスの設備は交換しません!」

 

「ふざけるな!だれがこんな……「私は賛成!!みんなは!」……なに!?」

 

「任せて必ずやらせるから!」  

 

「それだけで教室を守れるならやらない手は無い!」

 

岩下律子が賛成と言うと他の面子も賛成の意を示して根本の反対の意見は誰も同調してくれずむしろみんな賛成になっていた

 

「ふざけるな!?おまーーがぼぉ!?」

 

「Fクラスの桂大河。その意見買うからこの男を売るわ」

 

躊躇なく代表を見限って腹部に拳を打ち込んだBクラスの女子岩下律子が俺の方に聞いてきた。昨日の攻撃も食らったが、中々いい拳の持ち主だなぁ

 

「坂本、Bクラスの同意をもらったからそれを明久に渡せ」

 

「了解。明久、任せるぞ!」

 

「了解!!」

 

そう言うと明久は根本の服を脱がして、女装のを着させようとすると、Bクラスの女子が一人動いた

 

「私がやってあげる。男子も何人か手伝って」

 

「「「OK」」」

 

「悪いね。それじゃ折角だし可愛くしてあげて」

 

「それは無理な相談ね。だって、土台がこれでは無理だから……そのポケットのどこかにあるからしっかりと探し手渡してあげて

 

「え?」

 

Bクラスの菊入が明久になにか言うと、明久は驚いていた。そして、明久は教室の外に出ると同時に秀吉が倒れている根本の方によった

 

「女装をさせるのならワシも手伝おう」

 

「それは心強いわ。演劇部の木下秀吉が手伝ってくれるなら、土台が多少はましになるわね」

 

「ウム、任せるのじゃ」

 

菊入と秀吉が生き生きと根本の顔を何かしてるのを見ながら俺は岩下律子に話しかけた

 

「いいのか?あんなやつとはいえ、貴様らのリーダーではないのか?」

 

「昨日もいったでしょ?あいつがBクラス代表って不満大有りに決まってるってね。その結果、私達は負けたわけだしね」

 

「ふむ……だが、それだけの理由であんな意見をOKすると俺個人は思えないが?」

 

「そうね。あとは……真由美と私はあいつが()()()()()()()()()()()()()()()()()からかな?」

 

「!何故それを……」

 

「ふふ、これは秘密よ」

 

岩下律子がウインクしながら菊入真由美のいる場所へと歩き俺は一人になりながら……

 

「ふむ…どうやら今回の戦いはやつ一人の敗北と言うところか」

 

「何をいってるんだ、ヅラ?」

 

「ヅラではない、桂だ。坂本……次はいよいよ、Aクラスだな」

 

「あぁ……必ず勝つぞ」

 

俺と坂本がそんな会話をしてる時に静かに隠れて聞いてるのを俺達は気づかなかった……

 

「……雄二は必ず私達に挑んでくる…」

 

そんな独り言をいってその場を立ち去ってった……

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!!次回もよろしくお願いします!


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Aクラス戦に備えて……

Bクラス戦後の点数補修も終えて、俺達はいよいよAクラスの挑む日がやって来た。俺達は朝、全員が早く集まって坂本の演説を聞くことに……

 

「さて、昨日の補修テストご苦労だった。今日は全員いるな?」

 

「「「「おう!」」」」

 

全員の確認を終えた坂本は今までにない穏やかな顔で周囲を見渡していた 。まるでここに来るまでの色々な苦労を思い浮かべ、達成感に浸っているようだった。

 

「まずは作戦を話す前に……皆に礼を言いたい。周りの連中には不可能だと言われていたにも関わらずここまで来れたのは、他でもない皆の協力があってのこそだ。感謝している」

 

「な!?」

 

「雄二が感謝しただと……!?らしくないことをしてる……!」

 

「あぁ、自分でもそう思うがこれは俺の正直な気持ちだ…よくぞここまで過酷な戦いを勝ち抜けてきたとおもう…」

 

「確かにな。思い起こせばもう懐かしく感じる……」

 

「いや、まだ一週間も経過していないわよ!?」

 

俺が回想入ろうとすると島田が尤もな指摘をして来た。なるほど、坂本と明久以外に島田もツッコミのスキルを付いてきたのか……

 

「いや、そんなのついてないから!そもそも、誰でもこれはおかしいと指摘するわよ!」

 

「そうか、坂本。話を続けてくれ」

 

「あ、あぁ。ここまでは道のりは確かに険しかった……だが、俺達はついにここまで来た!ここまで来た以上、絶対にAクラスにも勝ちたい!勝って、生き残るには勉強すればいいってもんじゃないという現実を教師どもに突きつけるんだ!」

 

「「「「おぉぉぉ!!」」」」

 

「皆ありがとう。そして残るAクラス戦だが、これは一騎打ちで決着をつけたいと考えている」

 

「「「一騎討ちだと!?!」」」

 

坂本の一騎討ちに以前の昼休みに聞いていた俺達以外は全員が驚いており、どよどよと驚きの空気になっていた

 

「ハイハイ、落ち着け!今から一騎討ちする説明だが、やるのは当然、俺と翔子だ」

 

「馬鹿の雄二が勝てるわけなぁぁっ!?」

 

「次は耳だ……!だが、明久の言うとおり翔子は強い。まともにやりあえば勝ち目はないかもしれない」

 

「じゃあ、いきなり投げないでよ!?命の危険を感じた!!」

 

「それは、Dクラス戦もBクラス戦も同じだっただろう?まともにやりあえば俺達に勝ち目はなかった。だから今回だって同じだ。俺は翔子に勝ち、FクラスはAクラスを手に入れる。俺達の勝ちは揺るがない!」

 

明久の発言をスルーしながらFクラスは坂本の無理なことに思える話を否定するヤツはもうこのクラスには居ない。むしろ信じてるという目をしていた

 

「俺を信じて任せてくれ!!過去に神童とまで言われた力を、今皆に見せてやる!!」

 

「「「「おぉぉぉ!」」」」」

 

坂本の言葉にクラスはもりあがり、いい感じに士気が高まっていた

 

「日本史を挑むが、内容は限定する。レベルは小学生程度、方式は百点満点の上限あり、召喚獣勝負ではなく純粋な点数勝負とする!」

 

「でも同点だったら、きっと延長戦だよ?そうなったら問題のレベルも上げられちゃうだろうし、ブランクのある雄二には厳しくない?」

 

「確かに明久の言うとおりじゃ」

 

「おいおい、あまり俺を舐めるなよ?いくらなんでも、そこまで運に頼り切ったやり方を作戦などというものか?」

 

「??それなら、霧島さんの集中を乱す方法を知っているとか?」

 

「いいや。アイツなら集中なんてしていなくとも、小学生レベルのテスト程度なら何の問題もないだろう」

 

「雄二もったいぶらずにそろそろタネ明かしをしてよ?」

 

「ああ、すまない…つい前置きが長くなった。俺がこのやり方を採った理由は一つ。ある問題が出ればアイツは確実に間違えると知っているからだ。その問題は……大化の改新」

 

日本史では誰もが一度は習う言葉……それは大化の改新……

 

「大化の改新とは……、西暦645年6月14日の乙巳の変に始まる一連の国政改革で、現在の日本と呼ぶようになり、現在の元号令和もこの時代から元号をつけようとなった年だ!!」

 

「ヅラ、いきなりどうしたの?というかそのメガネはどこから取り出した!?」

 

「とにかく!!いま、ヅラがいったがそこに勝算がある」

 

「何をしたかということですか?」

 

「いや、もっと具体的にだ…つまり、大化の改新が何年かということで、翔子は間違える。これは確実だ。そうしたら俺達の勝ちで晴れてこの教室とおさらばって寸法だ」

 

なるほど、そこに目をついていけばそうなるということか。確かにこれがうまいことつけば勝率が上がるな……

 

「あの……坂本君」

 

「ん?どうしたんだ?姫路」

 

「霧島さんとは、その……仲が良いんですか?さっきほどから、霧島さんを翔子と呼んでいましたから」

 

「ああ。俺はアイツと幼なじみだ」

 

「総員、狙えぇっ!」

 

「なっ!?なぜ明久の号令で皆が急に上履きを構える!?」

 

「黙れ、男の敵!Aクラスの前にキサマを殺す!」

 

どうやらこのクラスの男は相当ひどい嫉妬をお持ちのようだ。しかも明久の号令に全員が構えるほどだ

 

「俺がいったい何をしたっと言うのだ!?」

 

「遺言はそれだけか……!待つんだ須川君。靴下はまだ早い。それは押さえつけた後で口に押し込むものだ」

 

「まぁ、まてまて」

 

俺の言葉に全員がすごい顔でこちらを見ていたが俺はその程度で怯えたりしない。坂本がこちらを期待するように見ていた

 

「ヅラ、止めるの?」

 

「あぁ、そんなのでは天誅下せない。坂本に天誅下すなら、この爆弾を使え」

 

「ありがとう、ヅラ」

 

「ヅラでない、桂だ」

 

「物騒なの出すんじゃねぇ!?!そして止めてくれると思った俺の期待を返せ!!」

 

俺が爆弾を渡すと明久はそれをしっかりと握っていた。そして、坂本は助けてくれると期待していたのを裏切られて叫んでいた

 

「あの……吉井君?吉井君は霧島さんが好みなんですか?」

 

「え?そりゃ、まぁ。美人だし……って?なんで姫路さんは僕に向かって攻撃態勢を取るの!?それと美波、どうして君は教卓なんて危険なものを投げつけようとしているの!?」

 

「まぁまぁ、皆の衆落ち着くのじゃ。そして、明久のその爆弾は大河に渡すのじゃ」

 

秀吉が不味いと思ったのかなだめる役目に入り、爆弾を返すように説得していた

 

「む、秀吉は憎くないの?」

 

「冷静になって考えてみるが良い。相手はあの霧島翔子じゃぞ?男である雄二に興味があるとは思えんじゃろうが」

 

「む、確かにな……」

 

そういえば、Aクラスの霧島翔子は男からの告白をかわしまくっており、同性愛主義者ではないか?という噂が流れてる。まぁ、あれだけ告白されて断っているということはその可能性もあるのだがな

 

「とにかくだ!俺と翔子は幼なじみで、小さな頃に間違えて嘘を教えていたんだ。アイツは一度教えたことは忘れない。だから今、学年トップの座にいる。俺はそれを利用してアイツに勝つ。そうしたら俺達の机は───」

 

「「「「システムディスクだ!」」」」

 

「交渉にはヅラと俺と明久、秀吉、ムッリーニ、姫路、島田がいく!それまでは各自戦闘体制を整えておけ」

 

「「「「おう!」」」」

 

こうして俺達はAクラスの宣戦布告と交渉をしに行くことにした。さて、向こうがどれだけ譲歩してくれるかだな……




ここまで読んでいただきありがとうございます!
次回もよろしくお願いいたします!


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Aクラスと交渉と契約

Aクラス戦前に今回の一騎討ちのために交渉をする事になった。メンバーは俺と坂本と明久、秀吉、ムッリーニ、姫路、島田でAクラスは木下秀吉の姉、木下優子が代表として出てきた

 

「一騎討ち?」

 

「そうだ、ああ。Fクラスは試召戦争として、Aクラス代表に一騎討ちを申し込む」

 

「何が狙いなの?」

 

「なに、狙いは単刀直入にいうと、俺達FクラスがAクラスに勝つことだ」

 

「へぇ……まぁ、こちらとしても面倒な試召戦争を手軽に終わらせる事ができるのはありがたいけど。じゃあ、だからと言ってわざわざリスクを犯す必要もないかな」

 

なるほど、木下優子はかなり警戒しながら考えていくタイプか。しかもおかしい点がないのかを考えて話しているな

 

「賢明だな。ところでCクラスの連中との試召戦争はどうだった?」 

 

「時間は取られたけど、それだけだったよ?何の問題もなしだったわ」

 

「さすが、Aクラスだな。その様子だと、元気玉一発で相手を壊滅させたみたいだな」

 

「そうそう、あの程度苦労なんて……って、私達召喚獣はそんなのないからね!そもそもドラ○ンボールネタを出すのやめなさい!」

 

「ヅラ、話をずらすな」

 

「ヅラではない。桂だ」

 

「と、とにかくBクラスとはやりあう気があるか?」 

 

「Bクラスって昨日来ていたあの……」 

 

「アレが代表をやっているクラスだ。幸い宣戦布告はまだされていないようだが、いつ仕掛けられるかわからないではないか?」 

 

「でも、BクラスはFクラスと戦争して負けたのだから試召戦争はできないはずよね」 

 

「知っているだろ?事情はどうあれ、対外的にはあの戦争は『和平交渉にて終結』って事になっていることを。だから規約にはなんの問題も無い」

 

「(屁理屈を……でも理論はかなっているわね。なるほど、Fクラスとはいえ代表なだけあるわね)……それは脅迫かしら?」

 

「はは、脅迫ではない…お願いをしてるのだがな」

 

「……いいわ、何を企んでいるか知らないけど、私達の代表が負けるなんてありえないからね。その提案受ける」

 

俺達、Fクラスの提案に木下優子は仕方がないと言わんばかりの顔で頷いた

 

「ほう、てっきり断るもんだと思ったがな」

 

「あんな姿の敵とは戦いたくないしこちらがしんどいわ。まぁ、その代わりに弱音を握ったという意味ではメリットあるけどね」

 

「ちゃっかりしてるな」

 

「えぇ、でも……無条件で飲み込むほどこちらは甘くないわ」

 

木下優子は鋭い目付きでこの条件次第で聞いてあげると言わんばかりに坂本を見ていた。クラスの代表として任されている以上交渉も手を抜かずに押さえているな

 

「代表同士の一騎討ちじゃなくて、そうね……お互いに5人ずつ選んで、一騎討ち5回で3回勝った方の勝ち、っていうのなら受けてもいいよ?それに、一騎討ちで姫路さんが出ないという、その言葉を鵜呑みには出来ないし、これは戦争だからね」

 

「尤もな言葉だな。わかった、その条件を飲み込もう」

 

「本当?それは嬉しいな」

 

「(姉上、本当に猫被っているのぅ)やれやれじゃのう……」

 

「秀吉?なにか言いたそうね?」

 

「な、何でもないのじゃ!」

 

坂本は木下優子の提案に飲み込むというと嬉しそうに笑っていた。しかし、秀吉がなにか考えていたのかボソッというと木下優子は物凄い笑顔でこちらを見ていた

 

「だが、こちらもひとつ条件がある。勝負する内容はこちらで決めさせて貰う。そのくらいのハンデはあってもいいはずだが?」 

 

「え?うーん……「受けてもいい」……代表!?」

 

「……その代わり条件がある」 

 

「条件だと??」 

 

「……うん、負けた方は何でも一つ言うことを聞

く」

 

霧島翔子……Aクラスの代表で学年主席の実力者だ。そんな彼女が条件を突きつけるとはどういうことだ?

 

「負けた方はなんでもひとつ言うことを聞くというのは……クラスが負けたときにということか?」

 

「ヅラ、余計なことを聞くな。……何を考えてるか知らないが、いいだろう」

 

「決まりね。それと、勝負内容は5つの内3つをそっちに決めさせてあげる。2つはうちで決めさせて?」

 

「交渉成立だ」

 

「では、ここにサインを二人の代表者を書いてください」

 

俺は二つのクラス代表に見えるようにその紙を出した……そう………

 

 

婚姻届(契約書)を……

 

 

 

「ばかか!?!てめぇは!!!!」

 

「ごふっ!?!」 

 

「婚姻届を出す馬鹿がいるのか!?あぁ!?」

 

「す、すまない…幼馴染みだからてっきりと……」

 

「てめぇの目は節穴か!?いまの話の流れでこうなるなんておかしいだろ!?」

 

「すまない。本当の紙はこれだ……」

 

俺は坂本にマウントをとられながらもよろよろと今度こそ本当の紙を渡した。しかし、あながちあの契約だしてもおかしくないよな気が……

 

「ったく……よし、今度こそきちんと本当の紙だな……翔子もサインを書いとけ」

 

「…わかった…」

 

霧島がきちんとした紙を書いて木下優子も確認をしていた。そして、俺に手回ししてその内容を確認した

 

「この確認書は契約成立ということで破棄は認めない。この紙は……公平に高橋先生に出させてもらおう」

 

「それなら、私が渡すわ。私達のクラスの担任だし、Fクラスが後で改竄されるのはごめんだからね」

 

「頼もう」

 

「……勝負はいつ?」 

 

「そうだな。十時からでいいか?」 

 

「……わかった」 

 

「よし。交渉は成立だ。一旦教室に戻るぞ」 

 

「そうだね。クラスの皆にも報告しないといけないから」 

 

お互いの交渉を終了し、Aクラスを後にする。試召戦争の終結はすでにそこまで迫っていた

 

「ところでなんで貴様は婚姻届を持っていた?」

 

「なに、なんとなく今日要るような気がして用意したまでだ」

 

「よし、まず殴らせろ」

 

坂本は俺の答えに怒りながら、胸ぐらをつかもうとしていた。そんなひと悶着があったが、俺達はFクラスへと戻った

 




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良かったらお気に入り、感想よろしくお願いいたします!
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Aクラス戦開幕と不用意な発言はやめよう!

さて、いよいよAクラス戦を迎えるが今回の出陣メンバーを五人ということをFクラスで話していた

 

「さて、諸君!!いよいよ、我らFクラスはAクラスに挑むぞ!」

 

「「「「おぉぉぉぉ!」」」」

 

「今回の出陣は我らFクラスがAクラスを倒せると信じて……この五人に託すぞ!!」

 

「「「「「おう!」」」」」

 

俺は教室の外で仲間たちを鼓舞させると仲間たちも盛り上がっていた

 

「では、Aクラス対Fクラス五番勝負を始めたいと思います。立会人として、Aクラス担任の高橋が立ち合います」

 

「さぁ、いよいよAクラス対Fクラスの一騎討ち対決五番勝負が始まります!司会者は私、Fクラスの桂大河と……」

 

「解説者の現国竹内先生がしますー」

 

「では……「なにしてるんだぁぁぁぁあ!」……ぶべ!?!」

 

俺はAクラス戦の実況をしょうとすると、横から明久のドロップキックが飛んできて俺はまともにうけた

 

「ヅラ、Fクラスの仲間なのになんで実況をしてるの!?」

 

「ヅラじゃない……綾○喜八郎でーす!」

 

「他作品ネタを出すのやめて!?本当に怒られるから!!」

 

「冗談だ。ヅラではなく桂だ」

 

俺はゆっくりと起き上がりながら、明久に話しかけた。全く、決勝戦となったらこうやって盛り上げないといけないのに、空気を読めないやつめ

 

「いいか?世紀の一戦の戦いに盛り上げる役がいなかったらだれが盛り上げる!?」

 

「そういう問題!?竹内先生はいつここに!?」

 

「大河君が面白いこと起こるから解説してほしいって言っていたの」

 

「それはそれで……って、大河君?」

 

む、これはあまりよろしくないがまぁあまり隠すことはないがな

 

「現国の竹内先生とは遠い従兄弟に当たる関係でな……「総員、桂大河に狙いを定めろ!」…そう来るのは予想すみだからぽちっと」

 

「「「「「ぁぁぁぁぁ!」」」」」

 

「Aクラスの教室の外にいたFクラスの皆が落ちた!?」

 

「落とし穴大成功~。因みにこれはアキちゃん0号でーす」

 

「本当にメタ発言をやめよう!?あと、歯向かってごめんなさい!」

 

全く、はじめから落ち着いてやればいいものも……因みに竹内先生とは遠い従兄弟だが、それを知ったのは入学してからだ

 

「さて、高橋先生。すいません、バカの馬鹿が騒いで」

 

「こら、大河君そういう言い方はダメよ」

 

「すいません、竹内姉さん。あ、ちがう竹内先生」

 

「構いません。では、一人目前に出てください」

 

俺達のやり取りも終えて高橋先生が最初の一人目を促していた

 

「最初はワシが行こう」

 

「秀吉ね……なら、私がいくわ」

 

「それでは、科目を指定して……「すいません、ちょっとだけ時間を取らせて下さい」……良いですよ」

 

「おや、Aクラスの木下優子選手が審判の高橋先生に時間をとらせる要求をしました!これはどう言うことでしょうか?」

 

「うーん、ひょっとしたら相手が双子の片割れだから、この際になにか言いたいことがあるのじゃないかな?」

 

木下優子の制止に俺と解説役の竹内先生が何をするのか見当がつかないなか木下優子の質問を聞くことにした

 

「秀吉。聞きたいことがあるのだけど……Cクラスの小山さんって知ってる?」

 

「はて誰じゃ?」

 

「…そう、じゃいいわ。その代わり、ちょっとこっちに来てくれる?」

 

「うん?ワシを廊下に連れ出してどうするんじゃ姉上?」

 

「いいから、こっちに来てくれる?」

 

そういいながら木下優子が秀吉を教室の連れ出して数分後……

 

『ぎゃぁぁぁぁっ!!』

 

「どうやらFクラスの木下秀吉はAクラスの木下優子さんに怒られてるようですね」

 

「えぇ、姉に黙ってなにかをして怒られているみたいですね」

 

「お待たせしました。秀吉は急用ができたから帰るってさ。大事な勝負なのにどうしたんだろうね?」

 

悲鳴がやんだと思うと冷たい表情で木下優子が教室に入ってきたがその顔はところどころ血まみれらしき跡がついていた……

 

「秀吉選手、急用とはいったいどう言うことでしょう?!さぁ、Fクラスの代替えは誰がいくのでしょうか!」

 

「あらあら、予想外の展開が起こりましたね。急用とは一体なんでしょうか?」

 

「(絶対に触れれないという謎のプレッシャーがきたのだが……!?)仕方がない、作戦変更で島田出てくれ!」

 

「了解!」

 

坂本は急遽代替え島田に出てもらい、対戦は島田対木下か……どちらもバカな発言した人間にたいして武力で制裁する二人だな

 

「ねぇ、桂君いま物凄い失礼なことを考えてなかった?」

 

「奇遇ね、ウチもいま桂に悪口を言われたような気がするわ」

 

「桂ではない、ヅラだ!あ、ちがう……実況役カツーラだ!時間は限られてるのだから早く戦え!」

 

「ものすごく話そらされた気がするけど、いいわ。科目はこちらが選択するわ、数学よ!試獣召喚(サモン)!」

 

「数学なら私の得意科目よ!試獣召喚(サモン)!!」

 

数学

Fクラス

島田美波 190点

vs

Aクラス

木下優子 376点

 

「っ!?」

 

島田は木下優子の点数をみて驚いていたが、木下優子は揺らぎない自信で腕を組ながら言った

 

「Fクラスにしては、それなりの点数をとれてるのね……でもね、私もAクラスとしての意地があるのよ」

 

「っく!それはこちらも同じよ!」

 

島田の召喚獣は軍服にサーベルで木下優子の召喚獣は西洋鎧とランスでぶつかり合っていた。点数だけではなく、召喚獣の扱いもうまいな

 

「島田選手の攻撃も所々当たっていますが、やはり木下優子選手のほうが攻撃したときに点数削れますね。竹内先生はこれをどう見ますか?」

 

「そうですね、島田さんも木下さんも召喚獣の扱いは悪くないのですがやはり点数が響いてますね。恐らくこの勝負は木下さんのほうが有利かと……」

 

「さぁ、島田選手どうする!」

 

俺と竹内先生が実況してる間も二人の点数は削れていくがやはり島田のほうが厳しいのか

 

「(島田さんも木下さんもなんか似ているのだよね……)あぁ、二人とも胸が小さいかないからかな?」

 

「……アキ……いまなんていった?私は胸あるわよ?木下さんよりは」

 

「Fクラスの吉井君何て言ったかしら?少なくとも私も胸はあるわよ……島田さんよりは」

 

「「………は?」」

 

明久の不用意な言葉に島田と木下優子はお互いに向けて言うと……無言になり物凄い笑顔でぶつかり始めた

 

「え?二人ともどうしてそんなに怒っているの?」

 

「あっとー!?島田選手と木下選手がかなり怒りのオーラ出ています!?しかも召喚獣動きが急に早くなりました!」

 

「吉井選手の不用意な言葉に二人はヒートアップしましたねー。吉井君は今度現代国語補習ね」

 

二人の動きが早くなり俺たちが追い付けないほどの早さだったが……

 

「「勝つのは私(ウチ)よ!!」」

 

そして二人の召喚獣が高くとんで、サーベルとランスを振り下ろして着地すると……

 

「……!?」

 

「私の勝ちね……」

 

島田の召喚獣がダウンして木下優子は勝利宣言をした……

 

数学

Fクラス

島田美波 0点 lose

vs

Aクラス

木下優子  30点 wn

 

「いい勝負だったわ。Fクラスとはいえ、ここまでいい戦いできると思わなかったわ」

 

「それはこちらの台詞よ。流石はAクラスだったわ……」

 

「激しい戦いの後は二人の熱い友情が生まれた!!」

 

「これもまた青春のひとつね!」

 

島田と木下優子の握手をみて俺と竹内先生がそうコメントしていた。すると、二人とも明久の方により……

 

「アキ、少しお話があるから外にいきましょ?」

 

「え、まだ戦いがあるのだけど……」

 

「吉井君、お話があるから逃げないの。ほらいくわよ」

 

明久は島田たちに外につれていかれ……

 

『『誰が貧乳よ!!』』

 

『ぎやぁぁぁぁぁーーー!』

 

明久は星になった…………

 




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同情しかない悲しみと共鳴

明久は、不用意な発言であの二人の制裁によることで血を見ることになったのだが、木下優子と島田が戻ってきたら意気投合をしていた。どうやら戦いの中で友情が生まれようだな

 

「いやー、先程の戦いはなかなかいい戦いでしたね!」

 

「えぇ、確かに学力は大事ですが、人としての大切さも教えられた気がしますね」

 

「えぇ、では高橋先生。第二戦のコールをお願いします」

 

「第二戦出る人前に出てください!!」

 

高橋先生の言葉に前出てきたのは、先程島田と木下優子にお仕置きされた明久だった。いつもながらあの生命力は凄すぎるな………

 

「いだだ……僕がいく……」

 

「Aクラスからは私がいきます」

 

「Aクラスは佐藤美穂選手がでてきて、Fクラスはキングオブバカの明久が出ますねぇ。あ、この戦いは俺たちFクラスは負けるなー……」

 

「公平な実況はどこにいったぁぁああ!?!やる前から敗けの判定を下すなぁ!」

 

「と、明久がいってますが竹内先生はどう思いますか?」

 

「うーん、確かにAクラス相手となれば彼の快進撃も厳しいと思いますね。ですが、勝負はどうなるなかわかりませんので見守りましょう!」

 

竹内先生がそういうと第二戦の代表二人が前へ出ていった。戦いが始まろうとすると、坂本が明久に呼び掛けていた

 

「明久……お前の本気を見せろ」

 

「何?!」

 

俺は坂本の言葉に驚いていた。俺の知らない明久の本気があると言うのか!?

 

「ふぅ・・・・・。やれやれ、僕に本気を出せってこと?」

 

「ああ。もう隠さなくてもいいだろう。この場にいる全員にお前の本気を見せてやれ」

 

「吉井君、でしたか?あなた、まさか……」 

 

「あれ、気づいた?ご明答。今までの僕は全然本気なんて出しちゃあいない!」

 

坂本の言葉に対戦相手の佐藤選手も驚いてるが俺も解説の竹内先生も驚いていた。少なくとも俺が知る限りあれ以上の本気があるのか!?

 

「な、なんと!?今まで本気だしていないと言うのか!?」

 

「この戦いは見ものですね」

 

「く……科目は物理でいきます!」

 

「ふふ、ヅラも驚いてるね。今まで隠してきたけれど、実は僕は……」

 

俺や竹内先生が驚き、佐藤選手も警戒体制に入りながら科目を宣言する。そして、明久は不敵な笑みを浮かべながら……

 

「左利きなんだ」

 

物理

Aクラス

佐藤美穂 375点

    VS     

Fクラス

吉井明久  60点

 

「「「「「………は?」」」」」

 

「天誅ぅぅ!!」

 

俺は明久に向かって殴ろうと思い飛ぶと、竹内先生が俺の足をつかみ地面に叩き落とされた

 

「落ち着きなさい」

 

「あ、はい。すいません」

 

俺は自分の席に座り直して明久と佐藤選手の戦いを解説するべく実況を再開した

 

「さぁ、バカ選手がバカな宣言したお陰で変な空気になりましたが試合は開始です!」

 

「バカと言うな、バカと!!」

 

「いきます!!」

 

Aクラスの佐藤選手の召喚獣の装備はネイティブアメリカン風の衣装に鎖鎌で攻撃を仕掛けるが、明久は木刀で鎖鎌を防いでいた

 

「!?」

 

「あぶなぁぁ!?」

 

佐藤選手はまさか防がれると思っていなかったのか驚いていて明久はいきなり終わらされると焦っていた

 

「く!でしたら縄で!!」

 

鎖鎌のしたの部分にくくりつける場所があるのでそれを明久の召喚獣に向かって投げると明久召喚獣は木刀で弾いた

 

「であやああ!」

 

「弾かれた!?」

 

「これは、明久選手!見事に攻撃二回とも回避しました!やはり、だてに観察処分者出ないと言うことか!」

 

「今この会場にいる人にも改めて説明しますと、観察処分者の召喚獣には「物体に触れられる」という特性があります。また召喚獣を用いた雑用を数多くこなしてきた事で召喚獣の操作にも非常に卓越しており、他の生徒にはまず不可能な緻密なコントロールも難なくやってのける。…つまり、彼は伊達に観察処分者としての召喚獣の操作をやっているわけではないので回避できたのです」

 

「竹内先生、解説ありがとうございます!」

 

「もらったぁぁ!」

 

明久の召喚獣は高くとび、佐藤選手の召喚獣に木刀を振り下ろそうとするが向こうも必死に対抗していた

 

「くぅ!」

 

「っ、防がれたか!」

 

明久の召喚獣は着地して後ろに下がりながら木刀を構えていた。佐藤選手はすこし息を切らしながらもすぐに警戒し直した

 

「まけません……いきます!」

 

「それは僕も同じだよ!」

 

「てやぁぁぁ!!……っあ」

 

「………へ?」

 

佐藤選手の召喚獣は明久に向かって走ろうとすると滑ってしまい鎖鎌が明久の方に飛んでいき、明久も突然のことで動けず……

 

「!?!!?!!?!」

 

「「「「「いっ……!?!」」」」」

 

明久の召喚獣は鎖鎌の縄の部分に思いきり男の大事なところに直撃してAもFも関係なく男性全員がその股間を押さえていた

 

「ひとつ説明しよう……明久は観察処分者として過ごしているが、先程の竹内先生が『物体に触れられる』といいましたよね……」

 

「はい……まさか……」

 

「つまり、受けたダメージもフィードバックとして本人もうけるのです。つまり………」

 

「いだぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁ!!!」

 

「「「「「よ、吉井ぃぃぃぃい!」」」」」

 

明久の叫びと共にAクラスもFクラスも関係なく、明久の痛みに共感して叫んでいた……

 

物理

Aクラス

佐藤美穂 370点 WIN

    VS     

Fクラス

吉井明久  0点  crotch death (股間死亡)

 

「想像絶する痛みが来ます……南無妙法蓮華経……」

 

俺はこればかりは明久に同情しながら御経を唱えてしまった。明久よ……安らかに寝ろ……




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明久はフィードバックがあるので股間……相当な痛みが……
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理論と実践どっちが上?

明久がまともにあそこに当たり、痛すぎて動けないのをみた坂本や須川、Aクラスの生徒が同情しながら明久を横にさせていた。島田や姫路をはじめ女性達はなんで痛がっているのかわかっていなかった

 

「吉井選手のあれは不運ですね……第三戦は誰がいくと思いますか?」

 

「そうですね、Fクラスは2敗もしてるわけですから、ここからの敗けは許させませんので、姫路さんがいくと私は思いますが?」

 

「なるほど、竹内先生の言う通り、これ以上敗北は許されません。Fクラスは一体どうする?」

 

「3戦目の方は前に出てください」

 

「 じゃあ A クラスからは僕が行くよ」

 

「…俺が相手だ」

 

Aクラスは見たことがない女子が前に出てきて、Fクラスはムツッリーニが相手となった

 

「科目選択はどうしますか?」

 

「……保健体育」

 

「一年の終わりに転校してきた工藤愛子です。よろしくね。それと土屋くんだっけ?随分と保健体育が得意みたいだね?」

 

「……」

 

ムッツリーニが科目選択を与えると得意の科目で挑んむことに向こうは不適の笑みを浮かべていた

 

「竹内先生、Aクラスの工藤愛子は昨年転入してきたのですよね?その時に試験も?」

 

「はい。彼女はきちんと学力振り分け試験も受けているのでAクラスになっているのです。しかし、保健体育とは…」

 

「ボクだってかなり得意なんだよ?……キミとは違って、実技でね♪」

 

「……っ!(ぶばああー!)」

 

ムッツリーニは工藤愛子の言葉に鼻血が出て倒れてしまった。どうやらムッツリーニは想像してしまってダウンしたみたいだ

 

「えぇぇ!?!血をふいて倒れたけど大丈夫なの!?」

 

「竹内先生、落ち着いてください。あいつはあれくらい大丈夫です」

 

「いや、どうみても鼻血ふくレベル越えてるわ!?」

 

竹内先生の言う通り鼻血が出るレベルは越えてるが俺たちはいつも通りなのであの程度問題ない

 

「そろそろ召喚を開始して下さい」

 

「はーい。試獣召喚(サモン)っと」 

 

「…試獣召喚(サモン)」

 

「あっと、立会人の高橋先生からの注意を受けてようやく勝負です!!」

 

「あはは……さて、Fクラス土屋君とAクラスの工藤さんは保健体育で戦うことになりましたが、どうなるか見ものですね」

 

ムッツリーニの召喚獣の装備は小太刀二刀流の忍者装束で工藤愛子の召喚獣はセーラー服に大斧だった

 

「実践派と理論派……どっちが上だろうね?!」

 

「……」

 

工藤愛子は腕輪を光らせて巨大な斧に雷光をまとわせ、ありえないスピードでムッツリーニに接近していた

 

「はやい!解説の竹内先生、お願いします」

 

「あの速さはおそらく特殊能力ですね。特殊能力とは400点超えには特殊能力所持の証として召喚獣に「金の腕輪」がつくものです」

 

「つまり工藤選手は特殊能力で仕掛けたのですね!」

 

工藤愛子の召喚獣は所持する大斧に雷の属性を付与して攻撃を与えようとしていた。そもそも大斧という武器に触れれば大ダメージは免れないとなるが……

 

「ムッツリーニぃぃぃ!」

 

さっきまで死にかけてい明久がムッツリーニがやられそうになると思い叫ぶが当の本人は落ち着いていた

 

「加速」

 

「……え?消えた……?」

 

「…… 加速、終了」

 

ボソリと、ムツッリーニがつぶやくと一呼吸置いて、工藤愛子の召喚獣が全身から血を噴き出して倒れた

 

「な、なんと!?ムッツリーニ選手も腕輪を持っていたと言うことでしょうか!?」

 

「これは驚きました……土屋君も400点越えてるのでしたか……点数は?」

 

保健体育

Aクラス

工藤愛子 446点

VS 

Fクラス

土屋康太 572点 

 

「な、なんと!?ムッツリーニ選手は500点も越えていたのです!」

 

「どのように勉強したらこの点数に……?」

 

俺と竹内先生が驚いていて工藤愛子は負けたショックで落ち込んでいた

 

「そんな……この僕が……!」

 

「……俺の勝ちだ」

 

勝利したムッツリーニは崩れ落ちた工藤愛子を背に向けて歩いていた……鼻血を出しながらよろよろと歩いていた……

 




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姫路の思いと最終戦

Aクラス対Fクラスの一騎討ちで現在第一~第三戦を終えて現在一勝二敗でFクラスが負けている

 

「さぁ、現在はAクラスが有利です!実況は桂大河で解説の竹内先生と今度はAクラスからは木下さんが解説してもらいます」

 

「よろしくね、木下さん」

 

「はい、よろしくお願いします」

 

俺の紹介と竹内先生の言葉に木下さんが笑顔で対応していた。こういう笑顔を見ていたらやはり姉妹なのか?

 

「(これでも彼女したくないランキングも密かに入ってるのはなぜだ?)」

 

「桂君すごく失礼なこと考えてないかしら?」

 

「いや、なにも?さぁ!!Fクラス対Aクラスの第四戦にでるのは………?」

 

「第四戦前に出てください」

 

高橋先生が第四戦の人は前に出てくださいというと、Aクラスは久保 利光でFクラスは姫路が戦うことになった

 

「この二人が戦うのはかなり注目ですね。木下さんはどう見ますか?」

 

「うーん…個人的な目線だけど互角な点数だと思うわね。確かに久保君はAクラスで学年次席だけど姫路さんもAクラス匹敵の実力だから互角な戦いになると私は予想するわ」

 

「その意見は私も同じかな?あとは科目を何に選択するかだけど……」

 

「科目はどうします?」

 

「総合科目でお願いします」

 

高橋先生の問いかけにこちらの選択権のはずが、姫路が答えずに久保が答えた。そんな対応に明久がクレームの声をあげた

 

「ちょっと待って!?約束ではこちらはまだ一科目しか使ってないよ!?」

 

「Aクラスの久保選手、まさかの科目選択を答えてしまいました!」

 

「久保君、いつもならそんなことしないのだけど……何でそうしたのかしら?」

 

「構いません」

 

久保のその行動に木下優子もしかめていたが当の本人姫路が構わないと言うと高橋先生も確認していた

 

「本当によろしいのですね」

 

「はい!」

 

「分かりました。科目は総合科目でいきます」

 

「「サモン!」」

 

二人の召喚獣がでてきて、久保の召喚獣はは鎧と袴と二振りの大鎌を装備していた。姫路の召喚獣は西洋鎧に自身の身長の2倍はある巨大な剣で構えていた

 

「でぁぁぁ!」

 

「はぁぁぁ!」

 

二人の武器が交差して、久保の召喚獣は果敢に攻めてくる姫路の攻撃を必死に対応していた。久保も召喚獣はおそらく経験してるが姫路の方が一歩上手で久保の召喚獣を確実に削っていた

 

「く!?」

 

「もらいました!特殊能力を発動です」

 

「しまった!?」

 

「行ってください、熱線!」

 

姫路の召喚獣は特殊能力を発動して触れたらどんな点数の高い召喚獣も溶ける一撃必殺だった。その攻撃にまともに食らった久保の召喚獣はダウンした

 

Aクラス 

久保利光 3610点

VS  

Fクラス  

姫路瑞希 4015点

 

『マ、マジかっ!?』

『いつの間にこんな実力を!?』

『この点数、霧島翔子に匹敵するぞ……!』

 

教室の至る所から驚きの声が上がり、AクラスもFクラスも驚いていた

 

「……うそ?いつの間にこんなに実力を……」

 

「これは驚きましたね……」

 

「これは予想外!二人の解説の予想を覆すほどの結果でした!!」

 

姫路の点数をみて木下優子や竹内先生も驚いていた。当然俺もまさかこんなに差があると思えず驚いてた

 

「っっ!姫路さん、どうやってそんなに強くなったんだ?」

 

「私はこのクラスの皆が好きなんです。人の為に一生懸命な皆のいるこのFクラスが大好きなんです!」 

 

「Fクラスが好き?」

 

「はい。だから、頑張れるんです!」

 

「Fクラスのために…………か」

 

久保は悔しそうに自分の方に戻ると対称に姫路は嬉しそうにFクラスに戻った。ちなみに姫路の言葉にFクラスの男どもはでれでれしていたのだけは伝えておこう

 

「さぁ、Aクラス対Fクラス!ついに最終決戦です!!解説のお二人はどうみます?」

 

「ここまでFクラスは素晴らしいくらい対抗していますけど、最終戦に託されるのはクラスの代表……お互いの技量ですね」

 

「2対2ね……でも最後に勝つのは私たちAクラスよ。なにせ……」

 

木下優子が発言すると共に高橋先生の呼び掛けの声が聞こえた

 

「最後の一人を双方前に出てください」

 

「……はい」

 

「出ていくのは我がクラスでも誇る学年首席なのだからね」

 

木下優子の言葉通り学年首席でAクラスでも最高の学力誇る霧島が出てきたのだからな。対するFクラスは堂々とな乗り上げた

 

「最終戦は当然俺がいく」

 

「教科はどうしますか?」

 

「俺達Fクラスの最後の選択科目教科は日本史、内容は小学生レベルで方式は百点満点の上限ありだ」

 

「「「!」」」

 

坂本の言葉にAクラスもざわざわしていて、となりの解説二人も真剣な顔になっていた

 

「小学生レベルの日本史で挑む……これはかなりの集中力が問われるわ」

 

「えぇ。竹内先生の言う通り、注意力と集中力の勝負になるわね」

 

「さぁ、勝負の命運はこの二人にたくされた!!ここからは解説も実況もなしの戦いになるかと思いますが、お二人の予想通りその二つがポイントです!!」

 

俺達がそう実況してると坂本が呆れた口調で俺に話しかけてきた

 

「ヅラ、お前本当に今回はでなかったな……」

 

「ヅラではない桂だ。仕方があるまい、くじ引きで決めたことだからな。これはすべて明久が悪い」

 

「ちがいないな、第二戦でバカな発言した明久がわるいか」

 

「なにちゃっかり罪を擦り付けてるの!?ねぇ!?」

 

「だが、坂本よ。此処まで俺達は導いたのだから最後はお前が扉を開けろ」

 

「あぁ」

 

俺は坂本にそう伝えると坂本も覚悟を決めてAクラスの霧島代表と教室の外へ出ていった。俺達は静かにモニターを見ていた

 

「あれ?解説はしないの?」

 

「馬鹿者、さすがに今回は解説のしょうがない。あ、竹内先生、木下優子。ご協力ありがとうございます」

 

「うん。こういう楽しいイベント呼んでくれてありがとうね」

 

「本当に私も一回だけど解説は意外と楽しかったわ。でも最後に勝つのはAクラスよ」

 

明久の疑問に俺はこの戦いはどう解説するか難しいからできないと伝えて今回解説してくれた二人にもお礼を言うと二人とも案外楽しんでいたみたいだ。その間にも問題のモニターがうつりこんでいき、坂本の言う通りあの問題が出ていたら……な

 

問題:次の( )に正しい年号を記入しなさい

 

 (   )年 平城京に遷都

 

 (   )年 平安京に遷都

 

 (   )年 鎌倉幕府設立

 

 (   )年 大化の改新

 

 

「「「「あ!?」」」」

 

次の瞬間モニターがうつりこみ、俺達は全員目を見開いていた

 

「吉井君!これって……」

 

「うん!間違いない!」

 

「やったわね!」

 

「これで、ワシらは……」

 

「……勝利した!」

 

「間違いないよ!!僕らの卓袱台がシステムデスクになる!最下層に位置した僕らの、歴史的な勝利だ!!」

 

「「「「おぉぉ!!」」」」

 

Fクラスが盛り上がっているなか木下優子と竹内先生が疑問そうにあちらをみていた

 

「何で向こうはあんなに盛り上がっているの?」

 

「坂本が以前こう言っていた。『どうやってもAクラスに勝てない』……と。だが、やつはあるひとつの方法を思い付いたのだ」

 

「それがこの一騎討ちなのね」

 

竹内先生がそう切り込むと俺もうなずいていたが、木下優子はまだ疑問そうに聞いてきた

 

「だからといってあんなに盛り上がっているのはなんでかしら?」

 

「簡単だ。坂本めが、昔霧島代表と幼馴染みで一度教えたことは忘れないといっていた。つまり、坂本が幼いときに嘘の覚え方をおしえたのがあった」

 

「!まさか……」

 

「そうだ。大化の改新で嘘の年数を教えていたのだ!!ふははは!!坂本め!本当に実現してくれるのか!!」

 

「何で急に高笑い!?!く、まだ結果はわからないわ!!」

 

そう話ながらもモニターが採点中となり、Aクラスも先程の話を聞いていて不安そうに見ていた

 

「点数を表示します」

 

日本史勝負 限定テスト 100点満点

 

Aクラス  

霧島翔子97点

 

「えっ……」

 

「そんな……!」

 

竹内先生はAクラス代表の霧島がその点数だと表示されると本当にAクラスが負けるのでは?と思っているのと木下優子は悔しそうに画面を見ていた

 

「さぁ、坂本!!俺達に光を!!」

 

「Fクラスの点数を表示します」

 

日本史勝負 限定テスト 100点満点

Fクラス

坂本雄二  53点

 

「「「「「………………………え?」」」」」

 

坂本の写し出された点数にAクラスもFクラスも関係なく……え?となった…………

 

「勝者Aクラスです」

 

「俺達に希望の光ではなく絶望の光を教えてどうする…坂本ぉぉぉ!!」

 

高橋先生のコールが聞こえると俺はAクラスの教室に出ていき、坂本を天誅するために走っていった……




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ツープラントとAクラス戦終戦

俺は全速力で坂本のいる教室方に走りながら、頭は怒り溢れてきてどのように天誅をするか考えていた

 

「坂本ぉぉぉ!!天誅ぅぅぅぅ!!」

 

「かぶっっ!?!!」

 

俺は教室に入り座り込んでる坂本に俺は迷うことなくドロップキックをした。まともにくらって倒れた坂本に俺は仰向けになりながらよろけている起き上がろうとする前に胸ぐらをつかんでいた

 

「坂本ォォ!!貴様これはどう言うことだ!!」

 

「雄二ぃ!!って、ヅラ!?いつの間に!?」

 

「ヅラではない、桂だ!!遺言を聞いてやるから三秒で答えろ!3……」

 

「わかっーーぎゃぁぁぁ!?2と1はどうした!?」

 

俺はカウントダウン3をした後に坂本の頭にアイアンクローをしかけた。そして、よろけて立ち上がろうとした、坂本をみて明久の名前を呼び掛けた

 

「バカには三で十分だ!!明久、いくぞ!!」

 

「OK!」

 

俺と明久は両方から雄二が間に入ったのを確認してツープラントをしかけると坂本は声にならない叫びをだしていた

 

「「ツープラント!!」」

 

「っっっ!?!」

 

まともに攻撃受けた坂本はダウンして俺と明久は両手を上げて勝利宣言した

 

「「勝利ぃい!」」

 

「勝利……じゃないでしょ!!!この馬鹿コンビはぁぁあ!!」

 

「「ぐふっ!?」」

 

俺は後ろからドロップキックをまともにくらい前へと転んだ。そして、一人のそいつが俺の胸ぐらをつかみながら揺さぶっていた

 

「大体自分のクラスメイトに何してるのよ!?暴力事件を起こすつもりかぁぁ!?休み時間になり歩いてると、すごい勢いで走ってるからなにかなと思ってついてみたらツープラント!?アホかぁぁぁ!!」

 

「いだだだ!?!」

 

「Bクラスの岩下律子さん?いだだ!?美波腕が折れるぅぅ!!」

 

「アキも言えるほどの結果出せていないでしょうがぁぁ!!」

 

俺と明久はいつの間にかBクラスの岩下律子とFクラスで同じクラスの島田美波に折檻を受けていた。此処までまともに攻撃食らえば俺の体はさすがいたい!!

 

「「このバカコンビがぁぁぁ!!」」

 

「「ギャアァァァアァア!!!」」

 

俺達の絶叫と共に他のFクラスのメンバーも駆け込んできた。そして、岩下律子はスッキリしたのか……

 

「ふぅぅ……お邪魔しました。このバカのお陰でさっきまでのイライラ飛びましたので」

 

物凄い笑顔でこの教室に出ていき、俺はしばらく地面にひれ伏していた。なぜ、岩下律子がいるのだろうと思ったが、AクラスとBクラスの教室の距離はそれほど差がなかったな………

 

「……雄二、私の勝ち」

 

「……殺せ」

 

「「よし、殺す!」」

 

「やめなさい!!このバカコンビがぁぁ!」

 

「「ぐぼぉ!?」」

 

「二人とも落ち着いてください!」

 

俺と明久は島田にげんこつされて、地面に叩き込まれた上に姫路には説得される……おのれ、坂本命拾いしたなぁ…!

 

「でも、危なかった。雄二が所詮小学生の問題だと油断していなければ負けてた」

 

「言い訳はしねぇ……」

 

「……所で約束を……」

 

「……シャッターチャンス……!(カチャカチャカチャカチャ)」

 

俺の横でムッツリーニがもの凄い勢いで撮影の準備をしていた。明久も目力を発動させていた

 

「わかってる……約束は守ろう」

 

「……雄二、私と付き合って」

 

「「「「……へ?」」」」

 

Aクラスの霧島代表の告白の言葉に全員が驚くが言われた本人の坂本は予想していたのか冷静に対応していた

 

「やっぱりな。お前、まだ諦めてなかったのか」

 

「……私は諦めない。ずっと、雄二が好き」

 

「その話は何度も断ったろ?他の男と付き合う気は無いのか?」

 

「……私には雄二しかいない。他の人なんて、興味ない」

 

「拒否権は?」

 

俺はその瞬間に、ある紙を取り出して坂本に見せていた。こいつめ、俺があのときに渡した紙を見ていなかったのか?

 

「坂本、この契約を見ろ」

 

「あ、なんだ?何々ー…ごぶっ!?」

 

Aクラス対Fクラスの契約書

一.Aクラス対Fクラスの対決で五回勝負とする

二.Fクラスは3回、科目選択権与える

三.負けた方がひとつ言うことを聞く。なお拒否権はなし

 

以下の条約で堂々とフェアープレーを宣言する!

 

契約者名前

Aクラス

霧島翔子

Fクラス

坂本雄二

 

「……雄二、負けた方が言うことを聞くと条約を結んでいる……だから、拒否権はない」

 

「おのれ、ヅラァァァァ!!!」

 

霧島翔子は坂本の首根っこをつかんで教室の外へ出ていき、入れ替わりに鉄人が入ってきた

 

「さて、Fクラスの皆。お遊びの時間は終わりだ」

 

「あれ?鉄人、僕らに何か用ですか? 

 

「ああ。今から我がFクラスの補習についての説明をしようと思ってな…あと鉄人と言うな。お前達には喜ばしい話しだぞ」

 

「……なに?」

 

「おめでとう。お前らは戦争に負けたおかげで、福原先生から俺に担任が変わるそうだ。これから一年、死に物狂いで勉強できるぞ」

 

「「「「「なにぃぃぃ!?」」」」」

 

「あのむさ苦しい鉄人の授業を受けると言うのかぁ!?!鉄人の授業を!?」

 

「鉄人と言うな、馬鹿者!!」

 

鉄人は俺に怒鳴りながら少し落ち着いて咳払いをしていた。他の連中は真っ白に燃え尽きていた

 

「いいか、確かにお前らはよくやった。Fクラスがここまでくるとは正直思わなかった。でもな、いくら『学力が全てではない』と言っても、人生を渡っていく上では強力な武器の一つなんだ。全てではないからといって、ないがしろにしていいものじゃない!」

 

「ぐ、鉄人が教師みたいなことを言う」

 

「教師だ、馬鹿者!!全く、貴様は俺をなめてるのか!!」

 

「明久が嘗めているらしいです」

 

「吉井ぃぃ貴様ぁぁ!!」

 

「何で僕なのですか!?」

 

「特に吉井、坂本、桂は念入りに監視してやる。なにせ、開校以来初の《観察処分者》と、要注意人物だからな」

 

鉄人がまさかの俺の名指しに俺は不服と言わんばかりに鉄人を見ると鉄人は呆れながら言った

 

「お前は過去にも、この俺に向かって爆弾を投げたり落とし穴を仕掛けたりしてきた愚か者だから何をしでかすかわからないから要注意人物だ。だから貴様らは注意人物だ!」

 

「ふ、逃げの大河をなめるなよ!鉄人!」

 

「なんとしても監視の目をかいくぐって今まで通り楽しい学園生活を過ぎしてみせる!」

 

「貴様らに悔いを改めると言うのはないのか!?」

 

「そんなものどぶにでも捨てた。それならこの腐った世界が悔いを改めたら考えよう」

 

「悔い改める必要はない!」

 

「はぁ……とりあえず明日・明後日は休日だから仕方ないとして来週からは授業とは別に補習の時間と特別テストの時間を設けてやろう。まあ休日はゆっくり休むといいが、点数が悪い奴は更に特別補習だ」

 

鉄人の死刑宣告に俺達は絶望に叩き込まれてしまい遠い目になった。まさかあのむさ苦しい授業を俺達が受けないといけないとは……

 

「さぁ~て、アキ。補習は来週からみたいだし、今日は約束通りクレープでも食べに行きましょうか?」

 

「え?美波、それは週末って話じゃ・・・」

 

「ダメです!吉井君は私と映画を観に行くんです!」

 

「ええっ!?姫路さん、それは話題にすら上がってないよ!?に、西村先生!明日からと言わず、補習は今日からやりましょう!思い立ったが仏滅です!」

 

「仏滅ではない、吉日だ!うーん、お前にやる気が出たのは嬉しいが……うむ、無理することはない。今日だけは存分に遊ぶといい!」

 

鉄人は明久のたのみに物凄いいい笑顔で遊べと言うと明久は絶望をしていた

 

「おのれ鉄人!僕が苦境にいると知った上での狼藉だな!こうなったら卒業式には伝説の木の下で釘バットを持って貴様を待つ!」

 

「ならば、俺は明久の死んだときのためのお墓をすぐに用意しておこう。そして、応援をしとこう!」

 

「斬新な告白と死刑宣告だな、おい」

 

「アキ!こんな時だけやる気を見せて逃げようったって、そうはいかないからね!」

 

「ち、違うよ!本当にやる気が出ているんだってば!」

 

「吉井君!その前に私と映画ですっ!」

 

「姫路さん、それは雄二じゃなくて僕となの!?」

 

「アキ!いいから来なさい!」

 

「あがぁっ!美波、首は致命傷になるから優しく……」

 

さて、明久が必死に抵抗もむなしくつれていかれたので俺も帰ろうとするか…

 

「やれやれ…」

 

「まて、桂」

 

明久の引きずられる光景を見届けた俺は帰ろうとしたら鉄人は俺を呼び止めた。俺は嫌な予感をしながらも、ゆっくりと振り替えると……

 

「Aクラス前に仕掛けていた落とし穴の件について少し聞こうか……あれをどうやってやったのかを……な」

 

「ふはは、さらば!!」

 

「あ、まて!!!」

 

俺は鉄人にこの件のことで、捕まるのは不味いと思い全速力で逃げていた………。もちろん様々な方法で逃げ切ったのと、証拠を隠滅したから当分落とし穴の出番は少ないだろう……




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次回もよろしくお願い致します!


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清涼祭編
辛さと相談と行動


俺達Fクラスはあの日…あと一歩でAクラスの首を追い詰めたが、坂本の愚かな本当に愚かなことをしてくれたせいで、俺達の担任に鉄人がなった。しかし、もう決まっては仕方がないので切り替えてご飯を食べることにした

 

「ーというわけで、蕎麦を頼みに来ました」

 

「久々に店に来たと思ったら第一声がそれなの!?あと、ここはラーメン店といったでしょうがぁぁぁ!」

 

「がっ!?」

 

俺は脳天叩き込まれながら地面に思いきりぶつかった。俺は両手を使いながらよろよろと起き上がるとそいつは怒っていた

 

「まったく……ほら起き上がってさっさと注文しなさい」

 

「いたた……それなら、もう少し優しく頭を叩いてほしいのだが、岩下律子?」

 

「バカに優しくしてもダメでしょ?大体、蕎麦こだわりすごすぎない?」

 

「……蕎麦が好きなのは死んだおばぁがよくそういう店につれていってくれたからな。だから俺は気づけば蕎麦が好きになった」

 

「そ………。とりあえずはラーメンひとつできたから食べてみて」

 

「まて、まだラーメンを頼んだ覚えはないぞ!?」

 

「ここに来るなら、このラーメンもおすすめよ。わりと食べる人が多いから」

 

ほう?この目の前に出されたラーメンをみて自信があるのだろう。それにこのラーメンは赤々しいがきっと美味しいに違いない!

 

「よかろう、この桂がそのラーメンを食べつくそう。いただきます!」

 

数分後………俺は机の上で撃沈していた

 

「み………水ぅを……」

 

「はい。まさかこの辛いラーメンを食べ尽くすと思わなかったわ」

 

「辛いと言うレベルではなかろう!?思わず、血圧が高すぎてくらくらするかと思ったぞ!あと食べ残しは食堂のおばちゃんが許してくれないと思って完食した!!」

 

「食堂のおばちゃんって、だれよ………それにそのラーメンはハバネロをいれたのよ。これは私の身内が考えた辛さで今のレベルは星1よ?星3の辛さになれば……きついわね」

 

「そんなメニューあるのか!?そんなの食べるのか!?」

 

「この店の常連客でもある西村先生が食べていたわ。正直私も引くくらい辛いの普通に食べていたわ」

 

鉄人がこの店に来ていることも驚いたが、このメニューを食べていることにも驚いたぞ!!

 

「それより、もうすぐなんでしょ?清涼祭」

 

「そういえば、その時期だったな。Bクラスはもう何するのか決めてるのか?」

 

「さぁね。ただFクラスは今回何かするの?」

 

「さぁな。坂本は何を考えてるかわからないが今回は何も話ないな」

 

俺は水を飲みながら岩下律子の質問に答えていた。坂本が今回のお祭りになにか動くとはどうも考えにくい

 

「そ……。まぁ、困ったことがあったらいってね」

 

「なんだ?嫌に優しいではない?」

 

「私が優しくしたらおかしいかしら?一応Bクラスで苦しめたあなたたちの評価は私の中では高いしね」

 

「ふむ、ではひとつだけ頼もう」

 

俺は岩下律子にある頼みをすると岩下律子は驚いたように聞いてきた

 

「そんな頼みでいいの?」

 

「あぁ、俺が動いてもいいがやつに気づかれる恐れがあるのでな」

 

「はぁ、その頼みは少し考えるから待ってね。ただその前に……」

 

「む?」

 

「根本はおとなしくなったから、Fクラスに仕掛けることはないわ。それに、あいつの弱味少し握れたから脅迫してきたらこのネタを使えるわ」

 

やはり噂は本当だったみたいだな。まぁ、やつの人望を考えれば仕方がなかろう

 

「では、お会計をたのむって……ん?」

 

「どうしたの?って、あれはFクラスの姫路さんじゃない?」

 

俺はお会計を頼もうとすると、泣きながら歩いてる姫路を見かけてた。こんな夜遅くに歩いては危険だ

 

「こんな夜遅くに歩いては危ないぞ、姫路」

 

「あ、桂君こんばんは!」

 

「あぁ今晩は。……何かあったのか?」

 

「え、あの……」

 

「桂、姫路さんを店の中にいれなさい。あと、奥にお母さんがいるから少し変わってもらうわ」

 

岩下律子は言うなりに行動を起こして姫路を中にいれた。お客さんは今日はそんなにいないので大した問題にならないと言うのだが……

 

「はい、姫路さん。お水よ」

 

「あ、ありがとうございます。えっと……」

 

「Bクラスの岩下律子よ。…一人で泣いていて何かあったの?」

 

「あのその………」

 

「姫路、お前がよかったら話してくれないか?誰かに話すと気持ちも楽だぞ」

 

「っ……実は………」

 

姫路の話はこうだ。姫路の体が弱いのは俺達はよく知っている。そして、Fクラスと言うのもあり両親が心配して転校するように促しているみたいだと……

 

「なるほどな………」

 

「私転校したくないのです……でもお父さんとか心配かけたくないですし……」

 

「気持ちがモヤモヤして歩いてるときにここに通りかかったって訳ね……」

 

「はい、特にお父さんはひどいのですよ。偏見でFクラスの人たちを悪く言うのですから」

 

偏見ではなく事実あのクラスはバカの集まりと言われても否定はできないな。さらに、明久が代表例だからな

 

「……転校なくす方法と見返す方法ならあるわ」

 

「本当ですか!?」

 

「えぇ、それにはFクラスが頑張らないといけないわ。1つはこの召喚獣のイベントね……これは私も出る予定だけど、私とペアを組んでも響かない可能性はあるわ」

 

「となると、俺たちFクラスか?」

 

「えぇ、でも桂はダメよ」

 

「なぜだ!?」

 

「同じクラスの島田さんがいるでしょ?その子とペアで出てみるのはどうかしら?それでかなりいいところまたは優勝をしたらお父さんも見返す上に転校の話もなくなる可能性はあるわ」

 

「なるほど……岩下さんありがとうございます!早速美波ちゃんに連絡します!」

 

「いいのよ。困っている人を見捨てあげるほど私は落ちぶれてないからね。でも、私も出るから手加減無用で戦いましょ。それと、律子って呼んでよね」

 

「はい!律子ちゃん!」

 

「となれば、方向は決まったな。それに、こんな夜だから姫路を家の方まで送らないとな。岩下律子ありがとう」

 

「待ちなさい、桂」

 

俺は姫路を連れて帰ろうとすると、岩下律子が俺を呼び止めた

 

「む、なんだ?」

 

「そのフルネームで呼ぶのやめなさい。せめて、名字か名前でよんで」

 

「そうか。ならば、岩下とよぶ」

 

「よろしくね、桂」

 

俺と岩下は握手をしながら姫路を送り返した。しかし、手強い案件が飛び込んできたなぁ……

 




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ボールには気を付けておきましょう

翌朝俺は学校に行き、早速坂本の方にその話をしょうと思うと思ったが………

 

『さぁ、勝負だ……須川くん!!』

 

『ふ、お前の球なんか場外まで飛ばしてやる!』

 

『言ったな!絶対に打たせるものか!』

 

『はっ!それを負けフラグというんだぜ!』

 

肝心のあやつらは外で野球をしていて姫路もいるからこの件はなかなか相談しにくいと思った。何せあのばかに知らせるわけにはいかないのだからな

 

「桂、いまいい?」

 

「なんだ?」

 

「瑞希の件知っているよね?瑞希からも桂に話しはしたと聞いてるけど……?」

 

「あぁ。島田はこの件を頼めるか?」

 

「えぇ、もちろんよ。あんな事情を聴かされては協力しないわけにはいかないでしょ?それに、この件をなんとしても成功させないと……」

 

「あまり気負いすぎるな」

 

「うん。一応瑞希には内緒に言われてるけど……坂本に相談するつもりよ」

 

吉井よりも坂本の方が良い意見をくれるから、その方がいいとだと話していると……

 

『なにぃぃー?!』

 

明久の叫び声が聞こえるが大方ホームランでも打たれたのだろうな。まったく、おろかなやつめ……

 

「やれやれ……全く落ち着いて野球をしないのか……あぇぇぇ!?!」

 

「桂ぁぁぁ!?!」

 

「大河の頭に見事にボールが直撃したのじゃ!?!」

 

「……明久は須川にホームラン打たれたみたいだ……」

 

「桂君!?!」

 

俺の頭に速い速度のボールが俺の頭に直撃して、教室に残っていたメンバーが驚いた声していたのだが、俺は意識ぶっとんだ………

 

「いたた……ここは……?」

 

次に目を覚ますと、俺は保健室で安静していた……

 

「あ、目が覚めましたか?」

 

「姫路?いだだ……俺は何で保健室に……?」

 

「はい、明久君の投げた球が須川君によってホームラン?になりまして……」

 

「なるほど、俺の頭に直撃したわけか……」

 

「はい!あ、桂君が寝ている間に出し物が決まりました!」

 

どうやら、俺が寝ている間にどうやら清涼祭でFクラスの店が決まったみたいだな。なんの店かを聞こうとすると、鉄人が保健室にきた

 

「桂、目覚めたか」

 

「鉄人、大方の事情は聞いた。いまなんの店かを聞こうとしていたが……?」

 

「鉄人というな、鉄人と……。店の方は姫路から聞くようにと……吉井明久と坂本を見なかったか?」

 

「私達は見ていないのですが、何かあったのですか?」

 

「あのバカどものことだから今さら毒を取り込んだとか食べて女になったとかそんな辺りだろう。まぁ、今さら驚きはしない……」

 

「あのバカどもは、女子更衣室に侵入していたらしいぞ」

 

「「本当に何があった(のです)!?!」」

 

俺達は予想斜めの言葉にさすがに驚き、聞き返してしまった。なにせ、それは起こられるではすまないレベルだぞ!?

 

「まぁいい。ここにいないなら、奴らのいそうなとろを探すまでだ……!」

 

鉄人は言うなりに保健室に出ていったが、俺としては明久達の寿命がどうなるか心配だな……

 

「よし!ここになら………っあ?」

 

入れ違いに入ってきたのは坂本だった。どうやら、明久とは離れたのかあるいは囮にさせられたのかだな

 

「坂本、貴様ついに犯罪者になったのか?」

 

「ちがう、ヅラ!これには訳がある!!」

 

「ヅラではない、桂だ!姫路、俺はもう大丈夫だから先に教室にもどれ。犯罪者予備になりかねない奴になにされるかわかったものではないぞ」

 

「は、はい!」

 

「ちげぇよ!?ヅラ、よくきけ!!」

 

「なんだ、言い訳を聞こう。あと、ヅラではない、桂だと何度言えばわかる?」

 

「……俺の人生と言う命がピンチなのだ……」

 

「………坂本……その言い方では本当になにがあった?」

 

「あぁ、それは………ってまて、貴様今何を触っている?」

 

「何って俺の携帯にメールがあったから返信してるまでだ。そんなことよりも貴様の命が危ないと言うのはどう言うことだ?」

 

「そ、そうか……実はーー「雄二、居た」…………し、翔子……なぜここに……」

 

「……いい人が教えてくれた。少し向こうでお話を」

 

霧島代表は黒いオーラを出しながら坂本を保健室から外に連れていき……

 

『ちょ、やめーーぎやあぁぁぁあぁぁああ!』

 

坂本の悲鳴が保健室でも聞こえるくらい響いていた……ちなみに霧島がなぜここにいるかと言うと……

 

To  桂大河 

From 学年一バカ

件名 雄二知らない?

ヅラ、雄二がどこにいるか知らない?

 

と連絡あったので俺はその通りに返信すると、霧島がここにたどついたのだろう。いっておくが匿えとか言っていないから俺はその事実をのべたまでだ

 

To   学年一バカ

From 桂大河

件名 ヅラではない!

ヅラではない、桂だぁ!坂本は今保健室にいるがどうした?

 

そう送ると奴は了解しか送ってこなかった……。そして、今に至るわけだ。さて、俺ももう一眠りしとくか……




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店決めとボール打たれた奴には制裁

俺は目を覚まして体が異常ないと判明して、教室に戻っていくと、坂本と明久がまだ教室にはいなかった

 

「坂本と明久は?」

 

「あの二人なら、さっきまで話終えたあとにどこかにいったわ」

 

俺の質問に島田が答えてくれた。どうやら、あの二人は島田から姫路の事情を聞いたみたいだな

 

「桂君、大丈夫なのですか?」

 

「この程度は問題ない。それよりも、店のはどう決めたのだな………って、まて。いくつかおかしい書き方があるのだが……?」

 

「……書いたのは明久だ」

 

俺は姫路の心配を答えたあとに黒板の方をみると、明久が書いたと思われる文字とこのクラスの出された意見があったのだが……

 

候補① 写真館『秘密の覗き部屋』

候補② ウェディング喫茶『人生の墓場』

候補③ 中華喫茶『ヨーロピアン』

 

「一つめは大方ムッツリーニだろう」

 

「……心外だ」

 

「三つめは須川の意見じゃが、二つ目に関しては明久が意見をのべてそのまま書いたのじゃ。お陰で鉄人が補習を増やすべきかと考えておったぞ」

 

明久ぁぁああ!!!」

 

あの馬鹿者は何を書いてくれてるのだ!お陰で鉄人に目をつけられたと言うのか!!

 

「そういえば、その店はどれに決まったのだ?」

 

「多数決で、候補③ね」

 

「配属は?」

 

「厨房班とホール班に分かれてもらって、厨房班は須川と土屋君のところ、ホール班は吉井君が配属になっています」

 

「俺はどうしたらいい?」

 

「ホールは女子二人は回ってるし、料理は須川と土屋がいるから……桂はホールに回って」

 

「桂ではない、ヅラだ。あ、ちがう……桂だった。わかった、俺はホールに回るし、いざとなったら厨房も助けよう」

 

「それでいこうかのぅ」

 

そう話してると、明久と坂本が戻ってきたので俺はゆっくりと立ち上がり……

 

「一名様、ドロップキック案内でーす!」

 

ほげぶぅあぁぁ!?!」

 

「大河、いきなりどうしたのじゃ!?!」

 

俺は教室に入った明久にドロップキックを噛ますと明久は見事に後ろに吹っ飛び俺は奴の胸ぐらをつかんだ

 

「いたた……いきなりなにするのさ!?」

 

「明久、貴様!!須川になにホームランを打たれている!!貴様がホームラン打たれたお陰で俺は保健室に送られたのだぞ!!」

 

「え、ヅラが頭当たったの?それはごめん」

 

「えぇい!ごめんですめば、警察は要らない!!…そうだ、明久。許してほしいのなら条件を一つある」

 

「え、なに?」

 

「この紙をサインにかけ」

 

「え、そんなので許してくれるのなら書くよ」

 

俺は明久にそのサインを書いてほしいと紙渡すとあいつはきちんと確認しないとサインをしていた。やれやれ、普通は確認をするものだろうが……

 

「契約完了だな。島田と姫路……少し来てくれ」

 

「「?」」

 

俺は明久にサインをしてもらったのを確認して、島田と姫路に話するべく来てもらった。当然、明久に聞かれないように

 

「明久から書いてもらった内容はこれだ」

 

「えーと何々?……これ本当?」

 

「あぁ、この条約をあいつはきちんと確認していたら防げた事態だがな……」

 

誓約書

今回の文月学園の清涼祭後、私は島田美波と姫路瑞希に○○○店のプリンを奢ります。尚、このサインをしたと言うことは同意したと見なしますので断れば、吉井明久はFFF団の手でお仕置きされることを誓います。

尚、明久がおごる人は増えることもあるので、しっかりと考えた上でサインをしてください

二ーF

吉井明久

 

「俺は明久にサインをしてと言ったが、必ず書けとは言っていないし、きちんと条約をよめば、防げる事態だがな」

 

「詐欺に近いような気がするけど……でもサインをしてるから同意よね」

 

「桂君、あんまりやり過ぎるといつか怒られませんか?」

 

「安心しろ、俺がこれをするのは明久と坂本のみと決めている。まぁ例外はいつかあるかもしれないが……二人ともこの条約を頭いれてくれ」

 

「はい!」

 

「OK」

 

この件は三人の秘密で奴自身が首を絞めていると言うことに気づかないのが悪いと俺は思う。さて、そろそろ戻って清涼祭開始の準備をしないとな……

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!!次回もよろしくお願いします!


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交渉と……

清涼祭が始まるに当たって俺は坂本から机の交渉を任されることになった。我がFクラスの設備はさすがに設備がよくないのでまずはEクラスの副代表と話していた

 

「はじめまして、Fクラスの桂君……Eクラス副代表の三上美子です。わざわざ私たちのクラスに来るのは召喚獣戦争かしら?」

 

「わざわざ俺を知っていただいてるとは光栄だ。前作のヒロインさん」

 

「こら!その話はこの世界観に持ち込まないの!!……まぁ、前作の彼とは幸せに暮らしてるわよ」

 

「(そっちも前作に触れているがそこは触れないでおこう)すまない、それよりも戦争を仕掛けに来たわけではない。俺がここに来たのは頼みがあって……Eクラスの余っている設備…つまり机を貸してほしい」

 

そう、このクラスに来たのはFクラスの机では厳しいのとEクラスは比較的まだ良好なクラスなので頼めば行けると思ってきた

 

「余っているのは余っているけど……それを無償で貸してはおかしいからこちらからも条件をつけます」

 

「内容によるが聞こう」

 

「一つは机を貸す代わりに一割は売り上げを提供してほしいの。二つ目は、Fクラスに貸す代わりに絶対にものを壊さないこと。それを約束してたら提供します」

 

「ふむ、確かにそれはこちらとしてもありがたい条件だ。良いだろう、飲み込もう」

 

「ありがとうね」

 

三上美子との交渉を終えて、俺は教室を出ると共に坂本にその内容の連絡をいれると坂本は助かると返信してくれた

 

「さて、次はDクラスと……」

 

となりのDクラスにいき、交渉相手として出てきたのはDクラス危険人物清水美春だった

 

「豚野郎がなんのようですか?」

 

「交渉をしに来た。用件は余っている机があるか?という話だ」

 

「ありますが、豚野郎のクラスに貸す義理はありません。ですので、帰れ」

 

「島田美波の写真を提供してでもか?」

 

「よろしい!お姉さまの写真をくれるのでしたらいくらでも!!」

 

さてさ、Dクラスとの机との交渉も完了だな。あとは、頼まれていないがあのクラスへといこうか

 

「わざわざ私たちのクラスにして……どういうつもりかしら?」

 

「単刀直入にいうと交渉をしに来た。俺達Fクラスの机が足りないのでAクラスからもいくつか貸してほしいと」

 

「へぇ……それではい、どうぞとでもいうと思ったのかしら?」

 

「勿論、無条件でとはいわない。これをみてほしい」

 

俺は契約書をとりだして、Aクラス副代表の木下優子にその内容を見せると、少し思案していた

 

「これを飲み込むとでも?」

 

「勿論、この判断は難しいかもしれないがそちらにはデメリットはないはずだが?」

 

契約書

Fクラスに余っている机や椅子を貸し出してくれる代わりにFクラスが召喚獣の大会で優勝した場合に無償でプレゼントをする。また、もらえなかった場合は坂本が半日遊園地の遊びに回ってくれることを誓う

万が一優勝できなかった場合は坂本の人生を差し上げます

 

「これ……確かに代表は坂本くんのことが大好きみたいだけど、そんなの契約書していいのかしら?」

 

「奴は俺に交渉を任せるといった。それに、Fクラスのだれかが優勝した場合、この賞品を差し上げても良いと思う。なにせ、模範的なAクラスがいくほうが良いと判断したのでな」

 

「模範的な…その交渉乗ったわ。でも、机とかの準備だけど……」

 

「それに関してはすぐではない。だが、こちらが頼んだら出せるようにたのみたい」

 

「いいわ。それなら飲み込むわ」

 

「交渉成立」

 

俺はAクラスとの交渉もうまく行き、教室の外に出ていきFクラスに戻ろうとすると……廊下で話し声が聞こえた

 

「ーー」

 

「む、誰かはなしてる……」

 

俺は廊下の人が通らないところに話し声がするのはおかしいと思い隠れていた

 

「…えぇ、では頼みますね」

 

その声は携帯のスイッチを切るとともに、こちらに向かってあるいてきた。俺は偶然鉢合わせたと言わんばかりに座り込んで靴紐を直していた

 

「おや、こんなところに生徒とは……」

 

「む、あなたは……鋭い目付きとクールな態度で一部の女子から人気がある竹原教頭か」

 

「なんですか、その紹介は…こんなところで生徒が何してるのですか?」

 

「なに、俺はただ散歩していただけですよ。それよりも……目付きが鋭いのはいいですが、あまり毎日しかめ面していると皺と頭が禿げますのでもう少しそこきにかけた方がいいですよ」

 

俺はそれをいうとその場所を立ち去った。あの教師が真っ青に頭を押さえていたのは俺は知らないが、どちらにしてもあんなところで電話とは何をしていたのだ……?

 

「坂本、言われたクラスの交渉を終えたぞ」

 

「そうか、すまねぇな」

 

Fクラスに戻ると坂本一人だけが残っていた。明久たちは時間が時間なのでさすがに帰ったのか?

 

「きにするな、それよりもクラスの準備は明日にでも移せるぞ。D・Eクラス両方貸してくれることにな。Eクラスは売り上げの一割条件付けだがな」

 

「いや、ありがたい。お前に任せて正解だ」

 

「そうか。それと、政治・経済はあれは今回の大会で出ないだろう。なにせ、副教科科目であまり点数は期待できないのが多いかなら」

 

「やっても歴史を交えてとかだしな……お前よくあんなの勉強できるな?」

 

坂本は心底俺はそんな科目に熱心にやれないとぼやいてるが、俺としては普通の学校ではない取り組みの科目をいれてるのだから学んで損はないと思う

 

「ここの学校そのものが普通ではないし、政治・経済は学んで損はないぞ。ちなみに二年生でその科目は財閥出身とか企業を作りたいと思うやつらが選択してるぞ」

 

「意外と多いのか?」

 

「まぁ、その科目を学んで数学や社会の科目に繋がるから真面目な奴はきっちりと学ぶな……だが、大半は政治・経済としての科目は高いの少ないぞ」

 

「ヅラ、お前は何点なんだ?」

 

「俺は政治だけなら400点を越えてるぞ」

 

「はぁぁ!?ならなんで、Aクラスのはでなかった!?」

 

「貴様が俺たちを集めてくじ引きで決めたからだろ!」

 

俺達はその話をしながら明日の席の配属とか厨房やホールの人数を確認しあって俺達は一緒に帰った……




前作の話と言うのはまた作品投稿一覧にみてください
これからもよろしくお願いいたします!


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味見って大切だよね

清涼祭当日を迎えて俺達は交渉したクラスから、荷物を引き取って教室に運んでいた。EクラスもDクラスも約束をたがえずに机を搬出させてくれた

 

「桂、この場所で良いか?」

 

「さて、坂本よ。これで、Fクラスで置く予定の机は全部だぞ」

 

「でかしたぞ、ヅラ。交渉をお前に任して正解だったな」

 

「ヅラではない、桂だ。それと、装飾は女子が行うことでそこそこ見栄えはよくなったのはいいな。あぁ、それとテーブルのほうはこれで問題ないし、畳の方もきれいにさせといたぞ」

 

俺は畳の方をきれいにさせる方法を知っていたのである道具を見せると坂本も感心していた

 

「ある程度こんなのを綺麗にしてくれたら助かるよね……しかし、元々あったFクラスのテーブルを隠してるがあれで大丈夫なの?」

 

「問題ない。あそこを見た場合はこちらも出るところを出るまでだ……違うか?」

 

「ふ、同じ考えだ……って悪い、少し用があるから抜けるな」

 

明久の心配に俺達はまとめてテーブルで隠しているが、もし覗いた場合は出るところでた方が良い

 

「あいつも忙しいなぁ……」

 

「でもこれでもう大丈夫だね!」

 

「えぇ、そこに覗くやつがいるのか怪しいところね。でも、ここまで装飾が完璧なら後は出し物ね!」

 

「……飲茶も完ぺき」 

 

「「うわ!!」」 

 

背後からいきなりムッツリーニが現れた。しかもその手にはメニューの一つを持ってきたのだが、その作ったメニューは……

 

「……味見用だ」

 

「胡麻団子と陶器のティーセット……ふむ、かなりの完成度だな。先に島田と姫路と秀吉食べてくれないか?」

 

「え、いいの?ならお言葉に甘えて食べるわ」

 

「なんか悪いのぅ。先にいただこう」

 

「はい!」

 

そういうと俺と明久と雄二以外のメンバーはお茶と胡麻団子をいただいた。こういうのは先に頑張ってくれたものが食べるのが礼儀だと思っている

 

「お、おいしいです!こんな食べやすく美味しく作るなんてすごいです!」 

 

「本当ね。表面はカリカリで中はモチモチで食感がいいし」 

 

「甘すぎないのがいいのぅ。これはまた食べたいうまさじゃのぅ」

 

「お茶も美味しいですぅ」

 

「本当にこれは美味しいわ……」

 

「「「あー……美味しい……」」」

 

ムッツリーニがお盆の上においてくれたお皿をしっかりと美味しそうに食べてるならこれは大丈夫だな

 

「ほう、三人とも好評価なわけだな」

 

「みたいだね。あ、そこにも置いてるみたいだし食べない?」

 

「む、あんなところにあったか……?まぁいい、食べようではないか」

 

俺達はそこにあるのをなんの疑問もなく、それを口にすると………

 

「ふむふむ、ほうほう。表面はゴリゴリでありながら中はネバネバ。甘すぎず辛すぎず……ごふっ!?」

 

「ほうほう、中々新鮮な感触…天誅!?」

 

俺と明久はその食べ物を食べた瞬間に地面に倒れて俺は脳内に様々なことが駆け巡っていた

 

『お前も鬼にならないか?』

『お前ももう!!過去にとらわれたまま戦うのは止めろ!』

『ヅラではない、桂だ!!』

 

「っは!?な、なんだ!?今の脳内によぎったのは……!?」

 

「起きたか!?お主と明久はさっき、姫路が作ったものを食べたのじゃ」

 

「……!!!」

 

「む、ムッツリーニ!どうしてそんな脅えた様子で胡麻団子を僕の口に押し込もうとするの!?無理だよ!食べられないよ」

 

秀吉が教えてくれた情報に俺は震えていると、ムッツリーニが明久に全部食べさせようとしていた。明久も必死に抵抗していると我らの代表坂本が用を終えたのか教室に戻ってきた

 

「よう、戻ったぞ……ってこれは?」

 

「手作り完成したから味見をしていた」

 

「雄二もいる?」

 

「へぇ……うまそうじゃないか。どれどれ?」

 

坂本は俺たちの言葉に疑うことなくそれを口にして俺と明久は心のなかでガッツポーズしていた

 

「…たいした男じゃ」

 

「雄二。キミは今最高に輝いてるよ」

 

「英雄坂本雄二に……敬礼ぃ!」

 

「「「「おう!」」」」

 

「お前らなんで敬礼をしてるんだ?……ふむふむ、外はゴリゴリでありながら中はネバネバ。甘 すぎず、辛すぎる味わいがとっても……ごふっ!?」

 

坂本は俺たちが何で敬礼したのかわからずにそれを味わった瞬間にとんでもない声を出して地面に倒れた

 

「あー、雄二美味しかったよね?」

 

「ふっ。何の問題も無い……あの川を渡ればいいんだろう?」

 

「救命措置開始だ!!代表を死なすな!!」

 

「「「「了解!!」」」」

 

俺たち四人は坂本を救助しながら、動いていると、島田達の意識が覚醒した

 

「え?あれ?坂本君はどうかしたんですか?」

 

「あ、ほんとだ。坂本、大丈夫?」

 

「大丈夫だよ、ちょっと足が攣っただけみたいだから、おーい、起きろー」

 

おどけた口調だが、明久の手は必死に心臓マッサージをしている。俺とムッツリーニと秀吉は水分をひたすら坂本に流し込み意識覚醒を促していた

 

「六万だと?バカ言え。普通渡し賃は六文と相場が決まって――はっ……」

 

「雄二、足つったのだよね?」

 

「つった?足が攣った?バカを言うな!あれは明らかにあの団子の―「もう一個食べさせるよ?良いんだね?」……足つったんだ」

 

「ふーん、坂本って足を攣りやすいのね。前もつっていなかった?」

 

「まぁ、よく鍛えられていてもつりやすい体質なのだろう」

 

「そうそう。雄二って余計な脂肪がついてないでしょう?そういう体って、意外と筋が攣りやすいんだよ。ほら、美波も胸がよく攣るからわかると……ごふっ!?」

 

「アキ……その喧嘩買うわ」

 

「ドウドウ……落ち着け、島田」

 

「そういえば、雄二はどこにいっていたのじゃ?」

 

「ん、あぁ少しな……それよりも喫茶店の準備はいいか?」

 

「問題ない。あとは代表の貴様が合図を出したらいけるがな」

 

「そうか。あと、ヅラが俺の代わりに少し仕切れ」

 

「む、構わないがどうした?」

 

「俺と明久が大会出ることになってな……」

 

ほう?大方こいつが出るのは、霧島の目当てが気づいて参加か?それとも、姫路のために協力して出ることになったのか?

 

「もしかして賞品が目的とか?誰と行くつもりなの?」 

 

「吉井君。私も誰と行きたいのか気になります」

 

「明久は俺と行くつもりなんだ。俺は何度も断っているんだが……しつこくってな」

 

「「!?」」

 

「うむ、優勝商品は何だったかのぅ……?」

 

「……」

 

「なるほど……」

 

その優勝商品で明久を誘おうと思ったが、坂本と、一緒にいくことに不満を感じてるみたいだな

 

「やっぱりあんた、木下よりも坂本のほうがいいのね……」 

 

「ちょっと待って!!その「やっぱり」って言葉がすごく引っかかる!それと秀吉、少し寂しそうな顔をしないで!!」 

 

「明久君。男の子なんですから女の子に興味を持ったほうが……」

 

「それが出来れば明久だって苦労しないさ……」 

 

「雄二、もっともらしいこと言わないで!全然フォローになっていないから!?」 

 

「明久、俺はお前がどんな性癖でも俺は友として信じるぞ」

 

俺は肩を叩きながら優しく言うと、明久は涙目で俺に抗議していた

 

「ちょっと待って!?何でそんな優しい顔で言うのさ!?」

 

「っとそろそろ時間だな。行くぞ明久」

 

「く……とにかく、誤解だからね!」

 

「あ、行っちゃいましたね………」

 

姫路達は明久がいくのを見届けた俺は全員を見渡した

 

「全員よく聞け!!」

 

「「「「はい!」」」」

 

「良いか、この戦いはこの不備を整えた学校に対する攘夷するチャンスだ!!勝ちたいものはしっかり接客を!しっかり美味しい料理を提供するのが俺たちの勝つ条件だ!」

 

「「「「「おう!」」」」」

 

「この教室に不遇を与えた学校に天誅与えるチャンスだ!!勝つぞ!!!」

 

「「「「おぉぉぉぉ!!」」」」

 

「いやお主達は何をするつもりなのじゃ!?!」

 

俺の言葉と共にクラスは盛り上がり、そんな中、秀吉は冷静に突っ込んできたと共に俺達の戦いが開幕された

 

 

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!!次回もよろしくお願いします!


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迷惑客にはお仕置き!

俺は坂本に任されて現在ホールのメンバーを秀吉と共に仕切っていた

 

「いらっしゃいませ!中華喫茶店“ヨーロピアン”へ!何名様でしょうか?」

 

「2名です」

 

「2名ですね、木下さんお願いします~!」

 

「はーい!2名様こちらに案内です!」

 

俺はお客様の来店を相手にして席には木下が案内して貰っていた。何人かの男子はPRしに出ていき、俺は上手いこと店を回していた

 

「桂ー、少し来てくれ!」

 

「わかった。木下、お願いする」

 

「はーい!あ、注文されたメニューの紙を渡しとくね」

 

秀吉は今女性モードでお客さんに接してもらってる。俺は厨房にいる須川のほうにいくと、メニューの注文のほうを話した

 

「1番テーブルのお客さんに胡麻団子とプーアル茶頼む!それと、3番テーブルにエビシューマイと烏龍茶の追加で四番テーブルは烏龍茶を追加!」

 

「「「「了解!!」」」」

 

「須川どうした?」

 

「烏龍茶の在庫どこにあるかわかるか?」

 

「あぁ、それならそこにおいている」

 

「助かった!すまん!」

 

「大河、今良いかのぅ?」

 

秀吉が俺のほうにやって来て何やらめんどくさいことが起きたのかと警戒していた 。秀吉が嫌な表情のこのタイミングで聞いてくると言うのは面倒ことしかないだろう

 

「ある席にウーロン茶と胡麻団子2つずつだそうじゃが……」

 

「なにか面倒ごとか?」

 

「クレーマ体質のあるっぽい連中でそれも上の先輩みたいじゃ」

 

「なに?」

 

俺は秀吉の言う例の先輩たちの様子を見ると明らかに迷惑な大きな声で話していた。ひとまず、メニューは遂行してもらいながら隠れてみていた

 

『しっかしここFクラスはカビが入るぐらい汚い教室なのに飲食店をやっているなんて何考えてんだか』

 

『ん、おいおいあそこの隠してるのなんだ??見てみようぜ』

 

『おう……うわー、おいおいこんなぼろい箱を奥に隠していたのかよ。衛生面最悪なんじゃないか?』

 

ふむ、どうやらめんどくさいやからとして因縁をつけてきたか。ふむふむ、こういう客は追っ払うのがいいな

 

「ムッツリーニ、あつーいおしぼりを出せ」

 

「……ここに(スッ)」

 

「何をするつもりなのじゃ?」

 

「なに……少しばかり天誅だな」

 

俺は熱いおしぼりをもらい受けると、それを先輩の前に行き………

 

「お、なんだ?」

 

「なんだ、おしぼりだけか?Fクラスなのにメニュー一つも早く作れないのか?」

 

「お客様に……スパイス!!

 

「「あちぃぁぁあぃ!?」」

 

俺は先輩にノーモーションで先輩らしき二人に熱すぎるおしぼりを顔面に投げると先輩達は地面に倒れた

 

「てめぇぇ!?なにしやがる!?」

 

「何しやがる?それはこちらの台詞ですよ」

 

「はぁぁ?!俺ら被害者!!ひ・が・い・し・ゃ!今お前に顔熱いの投げらたれたのだ!!」

 

「あぁ、顔がすごく汚れているのですね、心も。こういうときは顔をしっかりとやりましょう」

 

「あちちちち!?!やめろぉお!?」

 

「お客様、私は現在堪忍袋破れないように優しく対応してますよ」

 

「これのどこが優しいんだ!?あと、頭におしぼりをつけるな!!熱いんだよ!!」

 

ハゲ頭の先輩が怒鳴りながら俺達にクレームを言うが、俺はどことなく落ち着いて話した

 

「俺は貴方達をお客様として扱えません。なぜなら、この教室はこの教室なりにできることをたくさんしていたのと他のクラスも協力していただき楽しい祭りにしていたのにこのような対応をされればこちらも出るところは出ますよ」

 

「ふざけるな!?」

 

「ふざけていませんよ、それと……その気になればこちらも学校にいくらでも報告できますのでことを大きくしたくなければ出ていただけませんか?」

 

「はぁ?!」

 

「それと……このクラスの担任は鉄人なので報告させていただきます」

 

「「なにぃ!?」」

 

鉄人の名前を出すと、二人ともさっきまでの威勢がなくなり急に真っ青になっていた

 

「早急に出ていただければ、今は呼びませんが、もし、これ以上このクラスを妨害した場合は…………俺はお前達を容赦しない」

 

「「くそたれが!!」」

 

俺の言葉にチンピラ二人はでていき、俺は当店のお客様に対応していた

 

「お客様、急に失礼いたしました。これは当店のサプライズで万が一のクレーム対応です。この場合の営業を妨害した場合は、業務妨害罪といいまして、3年以下の懲役または50万円以下の罰金です。私たち文月学園はFクラスでもこういうことを学ぶことがあります」

 

「なんだー、文月学園はこういうサプライズをすんだな!」

 

「こんなことを学ぶってやっぱりすごいわね」

 

「はい。皆様も楽しく美味しく食べていただくべくこういうことを考えてました。この場を最後まで見ていただいたお礼に……カモン!」

 

俺の合図と共に須川達が出てきてくれて、それもデサート付きでだしてくれた

 

「このデサートを無料で提供いたします!お時間をいただいてありがとうございます」

 

俺の言葉と共にお客さん達は美味しそうに食べていて俺は隠していた段ボールの中からあるものを取り出していた

 

「ふむ……よくとれている」

 

「む、大河何をしてるのじゃ?」

 

「カメラと音声録音だ。クレーム対応が出た場合のために隠していたが早速役たったな」

 

「……鉄人に報告?」

 

「いや、今はまだ報告しない……今はまだな。やつらが要らないことをしなければこれは出さないぞ」

 

「お主珍しく怒っているのぅ」

 

「当然だ。せっかく仲間が美味しく作った上にこういう会場をしたのにふざけた真似は俺が天誅する……お前達も今回のことは知っているのだろ?姫路の件」

 

俺の言葉にムッツリーニと秀吉は知っていたのかという反応をしていた。だが、姫路が泣いていたことも俺は知っている

 

「クラスメイトが困っているときに助けなかったらそれこそ本当の逃げの大河だ。このイベントは成功させるぞ!」

 

「うむ!」

 

「……了解」

 

俺達はそう話してると坂本と明久、そして姫路達が戻ってきて出入り禁止注意人物の話をして姫路達にも協力してなんとか、店の名誉回復に励んでいた……

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!!
次回もよろしくお願いします!


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駆け引きと島田妹登場!

あの先輩らを対応し終えた俺達は坂本達の協力もあり、名誉回復をなんとかすることができた………

 

「……いい加減に諦めたらどうだ?」

 

「ふ、諦めるのは貴様のほうだ。ムッツリーニ」

 

「……次から次へとしつこい。どうあがいてもお前の敗けだ」

 

「まだだ!まだ、終わらないよ!!」

 

俺とムッツリーニは真剣に向き合いながら他の連中は固唾を飲み込んで見守っていた

 

「覚悟を決めて戦うというのが侍というものだ。忍者の貴様よりも俺が勝つ!」

 

「…忍びは情報を守り抜くのが基本。いくら、侍が表で輝いてるとはいえ裏で支えてるのは忍び。だから大河……お前は負ける」

 

「「いざ、勝負!!オォォォォォォォ!!!」」

 

俺とムッツリーニは覚悟を決めて目を見開いて、叫んでいた……

 

「ぁぁぁ!!ババが残って負けたぁ!!」

 

「忍びとは……ガッツがあるものが勝つ……」

 

「君達は何してるんだぁぁぁ!!!」

 

「「がぶっ!?!」」

 

俺は地面に叩いて悔しがり、ムッツリーニは俺に勝利のピースをしていた。そんなやり取りをしてると横から飛びけりをしてきたのをまともに受けてしまった

 

「戻ってきて、何やら深刻な雰囲気になりなんだろうと思ったらババ抜き!?何してるの!?」

 

「……お客がすっかり来なくなって暇だった」

 

「く、明久!今のは中々いたかったぞ!」

 

「痛くしてるから当たり前だぁぁ!!はぁはぁ……それでどうしてこうなってるのかはわからないけどババ抜きしてる馬鹿がいたのはわかったよ」

 

バカにバカと言われるのなんて心外すぎて泣きたくなる。む、確か明久は召喚獣の大会で席をはずしていたから坂本も戻ってくるはずでは?

 

「明久、雄二はどうしたのじゃ?」

 

「雄二はトイレいってから戻るってさ」

 

そう話してると廊下の外から話声が聞こえて耳を澄ますと坂本ともう一人は小さい子供がこちらに向かっている声だった

 

「む、坂本。その子はどうした?まさか、誘拐か?」

 

「ちげぇよ!?!チビッ子がある人を探してるらしいんだが……」

 

「なるほど、それでBクラスの菊入と岩下がいるのはなぜだ?」

 

「「馬鹿コンビと対戦を終えて帰ろうとしていたら、Fクラスの代表が犯罪案件にならないように見張っていた」」

 

「だから、違うって何回言わす!?で、チビッ子はだれを探して?」

 

「チビッ子ではなく、葉月です!えーと、馬鹿なお兄ちゃんです」

 

「「「……いっぱいいるのだけど……?」」」

 

このFクラスは大半が馬鹿な男だらけなのでその特徴だけではわからないな。すると、Bクラスの菊入がしゃがんで聞いていた

 

「ねぇ、葉月ちゃんって呼ぶね?葉月ちゃんが言う馬鹿なお兄ちゃんって、どんな感じの人か分かる??」

 

「えーと、物凄く馬鹿なお兄ちゃんです!」

 

「物凄く馬鹿なお兄ちゃん……それって……」

 

「このFクラスで尤も馬鹿なお兄ちゃんとして当てはまるのは……」

 

「間違いなくあいつだ」

 

「「「「吉井明久だな」」」」

 

菊入が葉月ちゃんから聞いた言葉を復唱して、岩下が困り果てたようにその思い浮かんだ人物がわかってしまった。俺達はその馬鹿なお兄ちゃんは明久だと確定して名前言った

 

「皆、何を言ってるのさ!僕に小さな女の子の知り合いなんていないよ!絶対に人違い―「あっ!バカなお兄ちゃんだ!」……人違いだと、いいなぁ……」

 

葉月ちゃんは明久を見るなりに抱きついていた。どうやら、本当に葉月がさがしていたのはこのバカだったのか

 

「良かったな、葉月ちゃん。馬鹿なお兄ちゃんを見つけられて」

 

「ハイです!」

 

「ちょ、ちょっと待って!!キミは誰?見たところ小学生だけど、僕にそんな歳の知り合いはいないよ?」

 

「え?お兄ちゃん……知らないなんて、ひどい……。うぇーーん!!バカなお兄ちゃんのバカぁっ!バカなお兄ちゃんに会いたくて、葉月、一生懸命『バカなお兄ちゃん知りませんか?』って聞きながらここまで来たのに!!」

 

「小さな子を泣かすなんて……真由美!」

 

「許せない……律子!」

 

「「殺るわよ!!」」

 

「ぐぎゃぁ!?」

 

「おぉ、見事なボディブローをまともに受けたな……しかもあの明久が目を回してダウンしているとはなかなか鋭い攻撃みたいだな」

 

子供を泣かせたことでBクラスの二人は怒りに触れて明久のお腹にボディブローをしていた。当の本人はまともに受けて苦しんでいたが助けない

 

「明久――じゃなくて、バカなおにいちゃんがバカでごめんな?」

 

「そうじゃな……バカなお兄ちゃんはバカなんじゃ。許してやってくれんかのう?」

 

「……バカなお兄ちゃんだから怒っていい」

 

「ムッツリーニ、鼻血溢れそうになる前に押さえろ。それと、バカはバカだったからバカのせいで泣かしてごめんね?」

 

「でもでも、バカなお兄ちゃん、葉月と結婚の約束もしたのに忘れられてるなんて……」

 

葉月ちゃんの言葉を聞いた俺はそれを聞いてFFF団に指令を出した

 

「FFF団、吉井明久に天誅下せえぇぇ!!」

 

「「「吉井!!天誅!!」」」

 

「やばい!?」

 

明久はFFF団に追いかけられてお仕置きされるのは不味いと思い、教室の外へ出ようとすると……

 

「はぁい……アキ……」

 

「吉井君どこにいくのですか?」

 

「へ、美波と姫路さん……その肩を強く握りしめても……ぎゃぁぁぁぁぁ!!!」

 

明久は島田と姫路に捕まり、教室の外につれていかれたと思うと数分後にはこの世と思えない大きな叫び声を出していた

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!!次回もよろしくお願いします!


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子供を泣かすのはギルティ

さて、明久が島田達にボロボロになりながらも俺は助けないぞ。今回ばかりは小さい子の味方な対応を取るからな 

 

「ヅラ、ひどいよ!僕を助けてくれても良かったじゃないか!」

 

「ヅラではない、桂だ。そもそも、お前が子供を泣かした時点でギルティではないか。さすがに止めを刺すのはかわいそうだったので、FFFの仕向けは止めたがな」

 

「バカなお兄ちゃんにファーストキスもあげたのに忘れられていたなんて……」

 

「前言撤回、総員!!吉井明久に天誅を用意!!」

 

「「「「おう!」」」」

 

「アキ……覚悟しなさい……!!」

 

「吉井君、その小さい子を泣かせる悪いお口はこの口ですか?」

 

「はいはい、みんな落ち着きなさい。とくに、桂も…ね!」

 

「ぐぼぉ!!!」

 

岩下が皆をなだめながら俺には問答無用でげんこつで沈められた。俺の頭を思いきり殴った岩下は何事もないように対応していた

 

「とりあえず、接客をお願い。三名で桂が奢ってくれるわ」

 

「待て!?殴られた上になぜ俺が岩下達をおごらないといけない!?」

 

「蕎麦」

 

「よかろう、奢ろう…」

 

「屈するのはやっ!?律子なにしたのよ……?」

 

蕎麦と言う言葉に俺は問答無用で奢ることを決めた。なにせ、蕎麦を食べたいと店に世話になっているからな

 

「あれ、葉月?」

 

「あ、お姉ちゃん」

 

「む、島田の妹だったのか。ムッツリーニ、あれを出してくれ」

 

俺はムッツリーニにおすすめのメニューを頼むとムッツリーニと無言で提供していた

 

「いただきますー!……おいしいですぅ!」

 

「本当ね」

 

「表面はカリカリで中はモチモチで食感がいいし。甘すぎないし、そしてこのお茶も染み渡る……普通に美味しいじゃない!?やっぱりデマね」

 

デマ?聞き捨てならないことを聞いたのと同時に坂本が言わした達に聞いていた

 

「デマってどう言うことだ?」

 

「葉月、ここに来る前に聞きました。えっとね、中華喫茶は汚いから行かない方がいいって……」

 

「私たちのクラスでもそのデマを聞いていたわ。ご飯美味しくないって言っていたわ」

 

「なるほど、それでお客さんがなかなか来なかったのだね。でも岩下さん達は何で食べてくれたの?」

 

「バカね、この学園祭でそういうのを信じるなんていけないでしょ?それに、真剣に作っていると信じて食べたわけだしね」

 

「律子の言う通りね。そもそも、デマはどこに言ってもデマね」

 

「そのデマを恐らく流した可能性は……あの連中か」

 

岩下の言葉にムッツリーニ達は嬉しそうになっていたが、俺は葉月ちゃんから聞いたその噂はあの連中だろうと判断したら、そういうと坂本達も思案になっていた

 

「仕方あるまい、向こうがその気なら……」

 

「まて、ヅラ。向こうが嫌がらせするならこちらもやるなら……とびっきりのやり返ししてからの方がいいだろ?」

 

「そうだね。葉月ちゃん、その噂はどこで聞いたの?」

 

俺と坂本の会話に明久も賛成していて、とりあえずこの会話をどこで聞いたのかを確認しないとな

 

「えっとですね。短いスカートを穿いた綺麗なお姉さんが一杯いる店でした!」 

 

「よし、雄二。その情報をもとにすぐに向かうよ!」  

 

「そうだな明久、すぐに向かうぞ!我がクラスの成功のために(特に低いアングルから)綿密に調査しないとな!」 

 

「あ、まて!全くあいつらはどこの教室か知っているのか……?島田と姫路と葉月ちゃん、先に行っといてくれ」

 

「ほへ?どうしたのですか?」

 

「奢るといった手前、きちんとお会計を済ましてから追いかけるからな。葉月ちゃんもせっかくだからお姉ちゃんと遊んできなさい」

 

「はーい」

 

俺の言葉に島田達も出ていき、俺と秀吉と岩下と菊入が残っていた

 

「その心当たりのある連中の写真は?」

 

「名前の方はクラスでも情報屋が集めてくれてな。さきほど、判明したが三年の連中で坂本いわく、常夏コンビと任命」

 

「ふーん、この人間を出入り禁止しといたらいいわね」

 

「できるのか?」

 

「当然。しっかり商売をやっていて、いちゃもんをつけるなんて論外よ。これをAクラスや二年生のクラスに全部配布するわ。いざというときは音声も録音をした方がいいわ」

 

「その案いいわね。それとすぐに各クラスのメンバーにも連絡した方がいいね」

 

「徹底的にやるのぅ」

 

岩下の言葉に菊入も頷いてすぐに連絡していた。そんな様子に秀吉がビックリしていながらも感心していた

 

「では、俺も坂本達に追いかけるから。では、打ち合わせ通りに頼むぞ」

 

「「了解」」

 

俺は岩下達と別れて坂本達のいる方に追いかけると、坂本が震えていた……いったい何をしているのだ?




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今夜は寝かせませんよと言われて喜ばないのはなぜ?

坂本のやつはこんなところでなんで嫌な顔をしてるのかわからないが、明久が何やら説得していた

 

「どうしてこんなところで立ち往生するのさ!?」

 

「二人ともなんで出入り口前で……あぁ、ここは二年Aクラスか……」

 

「そうなんだ!雄二の奴はここで立ち往生するのだよ!?」

 

「お前達にいまの気持ちわかるか!?この処刑台にいく気持ちが?!」

 

「「処刑台?なにそれ?」」

 

「明久と桂!!何をワケわからないと言う顔をするな、ボケぇ!」

 

坂本のやつ、霧島にたいしてここまで逃げるとはなかなかどうして罪深い男なのだろうか?それにしても、契約の件も坂本には知られないようにしてるか心配だな

 

「全く落ち着け。そもそも、俺たちの目的はなんだか忘れたのか?それ以前に何を怯えることがある?」

 

「雄二、これは敵情視察なんだ。決して趣味じゃないんだよ!」

 

「……!!(パシャ、パシャ!)」

 

「まてまて、あれを見て趣味と言えるのか?あれでは盗撮と変わらないぞ?」

 

明久の言葉を聞いてる横ではムッツリーニが必死に写真を撮っていた。その様子に坂本がさすがに待てと言わんばかりに突っ込みいれた

 

「なにいってるのさ!?ムッツリーニのは今さらでしょ!?」

 

「それもそうだな」

 

「……お前たち心外なことを言う。俺がしているのは敵情視察だ」

 

「いやいや、ダメじゃないかムッツリーニ。盗撮なんてしたら、撮られている女の子達が――「……一枚百円」……それは2ダース買おう――可哀想だと思わないかい?」

 

「「なにちゃっかり買っているんだ、おい?」」

 

「ハッ!?」

 

明久はしまったと言わんばかりに動揺をしていた。ムッツリーニは明久に渡したあとに用はすんだと言わんばかりにその場を立ち去った

 

「アキ、それをどうするの?」

 

「み、美波?これはね……しょ、処分するのさ!」

 

「へぇ……本当ですか?」

 

「姫路さんも疑うんだね。もちろん、この写真を処分するに決まっているじゃないか。それよりそろそろお店に入ろうよ」 

 

「あ、そうですね。入りましょうか」

 

「そうそう、はやく行こうって……これ男の足しかないじゃないか!チクショー!」 

 

「吉井君。ちょっといいですか?」 

 

「アキ、ちょっといいかしら?」

 

「ち、ちがう!僕は嵌められたんだ!!!だからお仕置きはしないでーいやぁぁああ!」

 

「はーい、葉月ちゃんはいい子なのでこっちにいこうかー。明久はバイビー!」

 

俺は小さな子に悪影響だと判断してすぐにAクラスへと入った。もちろん、坂本も無理矢理なかにつれていき明久たちも入ってきた

 

「「「おかえりなさいませ、ご主人様、お嬢様」」」

 

入るとAクラスの女性たちが挨拶していて、木下優子と霧島がでてきた

 

「何名様でしょうか?」

 

「おかえりなさいませ。今夜は寝かせません、ダーリン」

 

「バカを含めた六名です。坂本は今夜好きなようにしてください」

 

「かしこまりました、案内します」

 

「まて、全然かしこまってないぞ!?ヅラてめぇ!?」

 

「バカってだれのこと!?」

 

坂本と明久の抗議があるが、俺はそんなのを無視して席を案内してもらった。しかし、霧島が坂本に対してここまでぐいぐいいくとはな……

 

「それにしても霧島さん、坂本にあぁ言う風に言うなんて大胆ね」

 

「見習うべき点ですね!」

 

「ねぇねぇ、きれいなお姉ちゃん。あのお姉ちゃんは寝ないで遊ぶの?」

 

「そうねー、きっと勉強をするために寝ないで過ごすのじゃないかしら?」

 

「あわわ、お兄さんたち真面目なんですねー!葉月も見習います!」

 

まて、木下優子の言い方は少し語弊があるが……いや…この際は仕方あるまい。多少の言い方はそれしかないからな

 

「……メニューを見てご注文を」

 

霧島さんがメニューを渡して横では木下優子が紙を持っていた

 

「ウチはふわふわシフォンケーキを」 

 

「あ、私もそれでいいです」 

 

「葉月もー!」 

 

「それじゃ僕は水で、付け合わせに塩があればうれしいかな?」 

 

「店に来てそれはさすがに不味いだろ。すまないが、俺は紅茶でこのバカの分はホットケーキを頼む」

 

「僕いま金はないよ!?」

 

「俺が貸す。なに、代わりに契約書を守ってくれれば問題ない」

 

俺はそれを言うと、明久もそれならお言葉に甘えるといっていたが、ばかめ!俺はそんなに甘くないぞ!

 

「俺はー……」

 

「……では注文を確認します。シフォンケーキが三つ、ホットケーキが一つ、紅茶、婚姻届がひとつですね」

 

「まてこら!?!全然よろしくねぇぞ!!」

 

「…それでは、メイドとの新婚生活を楽しみにして待ってください」

 

「まて、木下優子をよんでくれないか。少し話がある」

 

「…優子を?了解」

 

俺は霧島に木下優子をよんでもらおうと頼んでいた。明久が急に俺をにらんでいた

 

「桂、木下優子さんと付き合ってるの?」

 

「ちがうわ、たわけ。本来の目的はなにか忘れたのか?」

 

「え、メイドを見る……」

 

「俺達のクラスの嘘の噂の悪評を流したバカを探しに来たのだろ」

 

「そうだった!」

 

「呼ばれてきたけど、どうしたの?」

 

「実はーー」

 

俺達のクラスで嘘の悪評を流してるバカがここに来ているという話と相当ひどいクレーマということでブラックリストをのせないといけないレベルだと話した

 

「なるほどね、それなら私たちも協力するわ」

 

「すまない。写真もこれだ……」

 

「あれこの人たちは……?」

 

木下優子がその男達の写真を見るなり、嫌そうな顔になっていた。どうやらこのクラスにも出入りしているのか……

 

「…お待たせしました。シフォンケーキとホットケーキを持ってきました。紅茶と婚姻届も……」

 

「うわー、おいしそうです!」

 

「栄養がたっぷり……!!」

 

「まて!?なんで俺の家の判子もある!?」

 

霧島代表の持ってきた食べ物に女性たちは喜んでいて、明久は久々の栄養なのか涙を流していた。すると、木下優子が霧島代表をよびとめた

 

「代表、これ……」

 

「……うちにも出入りしてる」

 

「やはりか…あ、この紅茶うまい…」

 

俺はこいつらが黒だというのをわかると、同時にAクラスで新たに客が入ってきた。そう、明らかに俺達のクラスで迷惑をかけたやつだ……

 




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女装とお会計は……

2年Aクラスに入ってきたのは、俺達2年Fクラスに迷惑をかけていた3年生がやって来た。名前はムッツリーニ情報では常村と夏川だったか……

 

「常夏コンビ……」

 

俺が嫌な顔をしていると明久も入ってきた人物に嫌そうに見て呟いた。そんな事を思われてる事を知らない先輩達は我が物の顔で入ってきた

 

「おかえりなさいませ、御主人さま」 

 

「おう二人だ。中央の席空いてるか?」 

 

「はい、席にご案内いたします」

 

「あの人達だよ。さっき大きな声で「中華喫茶は汚い」って言っていたの」

 

席に案内された迷惑先輩方は中央に案内されてその席にすわると、大声で喋り始めた。それに葉月ちゃんの言葉を聞くとあの連中がやはり悪評をひろめたか

 

「それにしても、ここの喫茶店は綺麗だな!」 

 

「そうだな。さっきいった2‐Fの教室なんて酷かったもんなぁ!」

 

「テーブルが腐った箱だし、虫が湧いていたもんな」

 

ほうほう、ここまで悪評を広めているとはいい覚悟だ。やはり見逃したのは俺の大きな間違いだったみたいだな

 

「坂本」 

 

「わかってる、木下姉と翔子。あの連中はここに来たのはじめてか?」

 

「まさか?何回も出入りして大きな声でしゃべるのよ?本当にいい迷惑」

 

「……話してる内容も同じことしか言わない」

 

「ほう……」

 

ここまで迷惑をかけていてはさすがにこれは条約を破った上での行動と受け止めよう。この桂大河を怒らせた事を後悔させてもらおう

 

「木下優子」

 

「秀吉もいるから優子でいいわよ。で、なに?」

 

「優子と呼ぶと彼女の呼び方になるから優子っちとよぶ。あれを撃退するといえば、協力してくれるか?」

 

「それはさすがに馴れ馴れしすぎない!?うーん、このAクラスに被害及ばれると嫌なのだけど、この際頼むわ…」

 

「決まりだな。坂本」

 

俺は坂本にそういうと、坂本も俺の考えがわかったのか霧島にはなしかけた

 

「翔子、すまないがメイド服を貸してくれないか?」 

 

「……わかった」 

 

坂本が霧島にたのみごとをいうと霧島は了承して服を脱ぎ始めた

 

「っでごふっ!?」

 

「霧島さん!?ここで脱いじゃダメです!」  

 

「そうよ!ここはケダモノがたくさんいるのよ!?」

 

「代表!?男子見るな!!」

 

「ごべらぁー?!」

 

霧島の行動に俺は蒸せて目をそらし、明久は優子っちは問答無用に顔を思い切り殴っていた

 

「……雄二がほしいって言ったから」

 

「そう言っていねえよ!?お、俺がほしいのはメイド服のほうで予備があったら貸してくれって意味だ!!」 

 

「……今持ってくる」

 

霧島は残念そうな顔で厨房に戻っていき、坂本は優子っちに頼みごとをしていた

 

「木下姉、姫路に島田。櫛とか化粧道具持ってないか?」

 

「あるわよ」

 

「よし、あとで返すから貸してくれないか?」

 

「……雄二、これ」

 

霧島は坂本にメイド服を見せると、坂本も助かったと言わんばかりの笑顔だった。さてさて、ここで俺が予想されるのは……

 

「坂本が女装するのか?」

 

「ちげぇ!?明久に着てもらうんだよ」

 

「えぇ!?!なんで!?それこのお馬鹿でいいじゃない!?」

 

「お馬鹿ではない、桂だ!!俺では顔をばれている上、姫路たちでは危険だ。お前は男なのに姫路たちに危険をさらすのか?」

 

「うっ……わ、わかったよ!ぼくがやるよ!」

 

「決まりね、美波と姫路さん、それと……「葉月です!」……オッケー、葉月ちゃんも手伝ってね」

 

明久を奥のほうへと優子っちは連れていき、島田たちも生き生きと奥のほうへと歩いていった。数分後……明久は屈辱と言わんばかりの顔でこちらにでてきた

 

「なかなかい出来具合だな」

 

「えぇ、私たちも驚くぐらい土台がよかったのよ。愛子も途中で参加して生き生きとやっていたわ」

 

「明久ちゃんかわいいです」

 

「バカなお兄ちゃんがお姉ちゃんになったです!」

 

「西村先生の目にもビックリね」

 

女性陣も評価は上昇で、明久は負のオーラを出しながら悔しがっていた

 

「この恨みいつかはらしてやる……」

 

「そうか、そうか。その恨みをあいつらにぶつけろよ。もとをたどればあいつらが原因なのだからな」 

 

「そうだね、ふふふ……」

 

「演技はうまいことやるのだぞ。では、いけ!」

 

明久はそしてその手には箒とちりとりが握られてやつらのところへと歩いていった。さてさて、うまいこといくか?

 

すいません

 

『なんだ?へぇ、こんな子もいたのか』

 

『結構かわいいな』 

 

どうやら明久だとばれていない上にでれでれか。なるほど、これはこれで弱味を握れたかもな

 

お客様。足元を掃除しますので少々よろしいでしょうか?』 

 

『掃除?さっさと済ませてくれよ』

 

『ありがとうございます―それでは・・」 

 

『お?どうしたんだ。もしかして俺に惚れて―『くたばれーっ!!ーーごばぁぁっ!』

 

明久は箒と塵取りを置いて夏川の腰に手をまわして渾身のバックドロップをやつに地面叩きつけた

 

「夏川ぁぁ!?……って、貴様は吉井明久!?こぶっ!?」

 

「群衆の面前で破廉恥行為とは恥を知れ、お前ら!!」

 

「ちょ、ちょっと待て!俺たちは被害者だ!!」

 

常村がなにか言おうとすると、木下優子っちはが腕を組んで堂々と前に出ていった

 

「お客様、当店では破廉恥な行為をする迷惑な方はお客様とは呼びません。また、学園での先輩でありながら当店で迷惑行為も多々ありましたので、生徒指導に報告させていただきたいと思います」

 

「「「「………」」」」

 

「「く!にげるぞ!」」

 

優子っちの後ろには怒りまみれの女性陣が腕を組んで常夏コンビをにらんでいた。さすがに分が悪いと思ったのか全速力で逃げていった

 

「おうぞ、アキちゃん!」

 

「OK!」

 

逃げた常夏コンビを追いかけるように全力で走っていった。そして、優子っちが回りのお客様に呼び掛けた

 

「当店で迷惑かけたお客様がいて不愉快な思いをされましたお客様、大変申し訳ございません。せっかくのご来店をしていただいてるので、サービスとしてもう1品おまけします。また、先程のお客様の()()F()()()()()()()()()()なので信用しないでください。同じ学年の仲間として二年Fクラスも是非訪れてください」

 

「「「「よろしくお願い致します、ご主人様、お嬢様」」」」

 

優子っちはそう頭を下げると共に後ろにいたメンバーも頭下げていた。アフターケアもバッチリで何人かのお客さんがあとでFクラスにいってもらえるそうだ

 

「借りは返したわよ」

 

「助かる。お会計を頼む」

 

「……お会計は私がやる。夏目漱石3枚か坂本雄二1名どちらがいいですか?」

 

「そんなの無論決まっている。坂本雄二一名で頼む」

 

「迷うことなく坂本君を差し出した!?!」

 

「……またのお越しをお待ちしています」

 

友とお金を選ぶなら俺は迷うことなく友を差し上げた。しかし、なぜあんなに常夏コンビは俺達のクラスを妨害したがる?まるでなにかに頼まれたかのように……頼まれたかのように………?俺はその考えが出たときに悪い予感を覚えた

 




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葉月のためにチャイナドレスを!

坂本たちが常夏コンビを追いかけている間に俺達はAクラスから出ていき、Fクラスに戻って接客をしていた。因みに島田と姫路は次の試合までは時間があるので、せっかく葉月ちゃんが来ているのだから気分転換してこいと言った

 

「いらっしゃいませ~、三名様ですね?窓際のほうにどうぞ!」

 

「お会計ですか?ーー円です。またのご来店をお待ちしております」

 

だが、こんなにお客さんがいると猫の手も借りたくなるな。だが、これもAクラスのアフターケアもあったお陰で、今Fクラスは悪評をひっくり返して、少しずつお客さんが入ってくれている

 

「ーーふぅ……これでひとまず全員の客は帰ったのぅ」

 

「……少しハードだった」

 

「Aクラスのお陰とはいえ、少しずつお客さんが入ってくれたのは助かるが、一時的なアドレナリンだろうな」

 

「うむ……次の手を考えないとのぅ……」

 

このままこういうペースに行けると思っていないから、次のを考えないと……。そうしてる間に明久たちが戻ってきたが、明久は女装ではなく普通の男に戻っていた

 

「なんだ、女装はやめたのか?」

 

「僕にそんな趣味はない!!!お客さんの流れはどうだった?」

 

「Aクラスのアフターケアのお陰で少しずつお客さんが来てくれたぞ。それよりも、お前たち大会のほうは間に合ったのか?」

 

「あぁ、それは間に合ったが相手は小山と根本だった。まぁ、その勝負は棄権してもらって勝ち進めたがな」

 

「ほう?勝ち進めたのならそれでいい」

 

俺はあの根本が棄権したことに驚くも、大方坂本が何かの手で打ったのだろうな

 

「今秀吉とムッツリーニに相談していたのだが、Aクラスのアフターケアがあったとは言えどこれでは一時的なアドレナリンだ。だから、なにか手を考えないと……坂本はどんなアイデアがある?」

 

「そうだな…」

 

俺の考えにそういうと坂本はバックから一着のチャイナドレスを取り出した

 

「なるほど、これを坂本が着るのだな…うっ、吐き気が……」

 

「……同じく」

 

「違う!!これを……」

 

俺とムッツリーニは坂本の女装を思い浮かぶと気持ち悪くなり、吐きそうですという雰囲気を出すと坂本は怒っていた。そして、これを着てもらうのは先程のメイド姿だった……

 

「ま、まさか僕!?そんなのは断る!お願い……メイドの次はチャイナとなると僕の女装趣味疑惑が確実なものになっちゃうから」

 

「今さらではないか?」

 

「僕にそんな趣味はない!!!」

 

「安心しろ、お前が着ては無意味だから秀吉と女子に着てもらう」

 

「ワシが着るのは冗談ではないのか!?まぁ、演劇部のすることと思えば別にいいかのぅ……」

 

明久は必死に自分の性癖を否定しているが、実際は本人しか知らない……まぁ、ないだろうがな。しかし、明久が着てもせっかくの集客が台無しになるというので坂本は秀吉と女子を名指ししていた。そして、名指しされた秀吉はそう自分に納得させていると島田たちが戻ってきた

 

「たっだいま~。あれ?アキ、メイド服もう脱いじゃったんだ」 

 

「あ……残念です………。結構かわいかったのに」 

 

「お兄ちゃん。葉月もう一回見たいな~」

 

「それなら、明久にまたサインをしてもらって……」

 

「しないからね!?女装しますというサインはしないからね!?それに世の中ただでコスプレさせてあげないよ!」

 

っち、明久の癖に学習してるな!だが、貴様は知らないだろう!!俺はある裏契約していることに!!

 

誓約書

今回の文月学園の清涼祭後、私は島田美波と姫路瑞希に○○○店のプリンを奢ります。尚、このサインをしたと言うことは同意したと見なしますので断れば、吉井明久はFFF団の手でお仕置きされることを誓います。

尚、明久がおごる人は増えることもあるので、しっかりと考えた上でサインをしてください

二ーF

吉井明久

 

この契約書を知っているのは島田と姫路と俺だけだ。ふふ、明久よ、いまだけ安心しておくがいい!!ふははは!!

 

「ヅラ、てめぇすごく悪い顔をしてるぞ。とりあえずは……明久!」

 

「オーケー。へっへっへ。おとなしくこのチャイナ服に着替え……」

 

「はぁぁあ!!」

 

「「ごぶっつ!?」」

 

俺は島田の手によって吹っ飛ばされた明久がこちらに飛び込んできて、奴の体がそのままこちらに直撃した

 

「「サーセン!!刃向かってすいませんでした、姉御!!」」

 

「誰が姉御よ!!!……で、どういうこと?チャイナ服は着ないよという話になっていたのに……」

 

「店の宣伝のためと、明久の趣味だ。明久はチャイナ服が大好きだったよな」

 

「うん、大好……愛してるよ」

 

「この通り明久はチャイナ服を着てほしいそうだ」

 

「しょ、しょうがないわね。店の売り上げのためにしかたなく着てあげるわ」 

 

「そ、そうですね。お店のためですしね」

 

「さらに……今なら特典セールサービスをしますよ……アキちゃん女装を密かにムッツリーニが納めているらしい

 

「「お店のために(特典のために)着る!!」」

 

これで交渉成立だ。やれやれ、密かに縁を支えるためとはいえこの役目は仕方があるまい

 

「ねぇお兄ちゃん。葉月の分は?」 

 

「ん?葉月ちゃんも手伝ってくれるの?」 

 

「お手伝い……?あ、うん!手伝うから葉月にもあの服ちょうだいー!」

 

ムッツリーニ!(くわっ!!)」

 

「……任せろ!!」

 

俺はその言葉を聞いた瞬間にムッツリーニに指示を出していた。やつは歩くエロ図鑑頭脳だからきっと最高の仕上げをしてくれる!

 

「って、ムッツリーニ!いつのまに!?」

 

「……完成した。そして、俺の嗅覚をなめるな」

 

そうしている間にチャイナドレスは完成して、島田たちにはその服を着て宣言をしてもらうとなった。始めはしぶっていたが明久の真剣さに、少し感づくも島田のフォローのお陰で着替えてくれることに……

 

「んしょ、んしょ……!」 

 

………!(ボタボタボタ)」

 

「は、葉月ちゃん!君もこんなところで着替えちゃダメだよ。ムッツリーニが出血多量で死んじゃうから!」 

 

「秀吉、葉月ちゃんをつれていくんだ。そして、葉月ちゃんはこの場所で着替えてはいけないよ?悪い~大人がいるからね」

 

「え?はい。わかました!」

 

「ではいくかのぅ」

 

秀吉が葉月ちゃんを連れ出してくれたお陰で、俺と明久はすぐに対応していた

 

「すぐに、輸血をすぐにしろ!ムッツリーニグッズのSPO2を起動させて計りながら輸血しろ!!」

 

「オッケー!ムッツリーニ!!しっかりするんだ!!今輸血をするから!」 

 

「……キャラプリ…ごっぶ!?」

 

「ムッツリーニ!!」

 

「死なせるか!!死なせるのものかぁぁ!!」

 

俺達は必死に死にかけのムッツリーニを救出していた。坂本もすぐに辺りの血まみれを処理してくれてなんとか一命取り納めた……

 




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在庫確認と襲撃

俺と明久でなんとかムッツリーニの命を取り納めて、すぐに明久達は召喚獣の大会へと出ていったが、少ししてから満足そうに帰ってきた。どうやら今回も勝てたみたいだな

 

「明久、ムッツリーニが倉庫のほうに取りに行ってほしいといっていたが、一緒にいこうか?」

 

「いいの?」

 

「あぁ。それにお前一人だとなにかしでかしそうで怖いので、俺と行こうではないか」

 

「ありがとう!さすがに多すぎていたらどうしょうかと思っていたよ!」

 

在庫を切らしそうになってきたので、俺と明久はムッツリーニに頼まれた倉庫のほうに向かっていった

 

「しかし、明久…この大会を通じてまだフィードバックの痛みで死にかけてないのか?」

 

「あ、うん。なんとか今のところ生きているね」

 

「しかし、観察処分者とは便利で不便なものだな。まぁ、俺はそれになることはないからいいがな」

 

「ヅラ、それは僕に喧嘩売ってるの!?僕も好きでなったわけではないからね!」

 

「いいや、貴様は詰めが甘い。だから、観察処分者なのだ」

 

俺達は倉庫のなかに入り、頼まれた在庫の荷物を持とうとすると誰かが入ってきた

 

「吉井明久と桂大河だな?」

 

「「ん?」」

 

俺達は出入り口のほうを見る柄の悪いヤンキーみたいなのが木刀を持ちながらこちらのほうを見据えていた

 

「二人……明久、貴様は何をした?」

 

「なんもしてないよ!?」

 

「恨みはねぇが……おとなしくしろ!」

 

一人のヤンキーがこちらに突撃してきたので、俺はため息をつきながら明久に荷物を預けた

 

「明久、荷物はしっかり持っといてくれよ」

 

「え、うん」

 

「どこの輩かは知らないが………」

 

「あ?ぐぁ!?」

 

「友を傷つけるというのならこちらも出るところでていこう」

 

「いっ…!?(こいつ、急に目付きが変わった!?)」

 

俺は向かってくるヤンキーに腕を捻り地面に叩きつけると同時に落ちてくる木刀を空いてる左手で掴んだ

 

「明久、耳塞いどけ?」

 

「え……?」

 

「そちらがそうしてくるならば、こちらも出るところでよう」

 

俺は懐に爆弾を取り出すと、そいつらは急に慌てていたが俺はそういうのを逃がすほどおろかではない

 

「さっさとそこのドアを空けた方が身のためだぞ」

 

「ば、爆弾?!」

 

「お、落ち着け!どうせ、本物の爆弾ではないのだろ!?」

 

「では、そこまでいうなら共に死のうではないか?ぽいっと」

 

「やめ……」

 

俺は地面に転がした瞬間に辺りに光が発光し音が炸裂した……暫くすると静かになり……

 

「「あがががが………」」

 

そいつらは尿を漏らして仰向けになって倒れていた。どうやら白目になって気絶しているみたいだな……

 

「こけおどし爆弾28号だ。明久、耳大丈夫か?」

 

「あ、うん。言ってくれたお陰で鼓膜は大丈夫だよ」

 

「そうか」

 

「吉井、桂!」

 

俺たちが倒れている人間を見ながら話していると鉄人がこちらの方に慌てて走ってきた

 

「て、鉄人!こ、これは……」

 

「何を慌てておる。島田と姫路から吉井達が他校の生徒に襲われるかもしれないら来ていたが……心配無用だったみたいだな」

 

「姫路さん達が……」

 

「鉄人、こいつらは何者か俺達は心当たりがないが、生徒指導してくれないか?あわよくば、こいつらに勉強の素晴らしさを教えるチャンスではないか?」

 

「鉄人というな、鉄人とは…まぁ問い詰めた後に勉強を教えてやるとするか。姫路達に感謝することだな」

 

鉄人はそういうと、二人の不良を生徒指導へとつれていった。すると、姫路達がこちらにやって来た

 

「アキ、桂大丈夫!?」

 

「怪我してませんか!?」

 

「俺達は問題ない。それよりも何で鉄人を呼んでくれたのだ?」

 

「は、はい。葉月ちゃんが明久くんを追いかけようとすると柄の悪い人たちが明久くんを追跡していたので……」

 

「うちらではどうしょうもないから……」

 

「それは助かった……二人ともありがとうね」

 

明久の言う通り、鉄人が来てくれなかったら大変だっただろうな。しかし、やつらは何で……?

 

「アキ、何かしたの?」

 

「いや、明久も俺も心当たりがない……。すまないが明久を先に教室連れて帰ってくれ。荷物もこいつが持つから」

 

「え、でも……」

 

「わかったわ。いくわよ、瑞希とアキ」

 

「え、ちょ!?首がしまるぅ!!」

 

島田が二人連れていってくれると俺はあおぎため息をついた……

 

「この件は……本当にこいつらの因縁は誰かの手引きで動いていないか調べる必要があるな……友を傷つけようとした罪は重いぞ」

 

流石に姫路の転校の件もかかっている以上は、今回のこの喧嘩は買わないわけにはいかないな……




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不良襲来

俺は明久がなぜ不良に狙われていたのかわからないが、あいつは恐らく知らない間に恨みを買っている可能性がある……まぁ、それは日常的だから良いとして……

 

「そういえば、召喚獣大会では島田達は坂本と明久コンビ戦って負けたのだな」

 

俺は教室で休憩中の島田達に問いかけると二人とも悔しそうに頷いていた

 

「うぅ、まさか坂本がアキごと攻撃してくると思わなかったわ」

 

「あいつらの友情をなめてはいけない。あ、違ったな……友情ではなく、友達を平気で売るような奴等だぞ?そんな手段の可能性1つや2つたっても不思議ではない」

 

「あの~……それは友達として正しいのでしょうか?」

 

「さぁな。ほら、葉月ちゃんも手伝いお疲れさま」

 

「ありがとうございます!」

 

俺は葉月ちゃんにムッツリーニ特性のお茶を渡すと嬉しそうに飲んでいた。そして、姫路達に先程のお礼をいった

 

「しかし先程はすごく助かったぞ。あの不良達を相手に食べ物などをキープしながら戦うのは流石に厳しかったからな」

 

「それで戦おうとするあんたの根性は異常ね……」

 

「しかし、なぜこう俺達に……うむー……」

 

俺はそう考えながらもこの2件はどうも偶然にしては出来すぎな気がする上に誰かが裏を絡んでいる気がするな……

 

「そろそろ、明久君達の試合ですね!見に行きたいのですが、お客さんが来る可能性もありますし……」

 

「メインの3人がいないとなるとさすがに厳しいからな……」

 

俺がそう話してると、お客さんが入ってきた声が聞こえた。やはりいってるそばからお客さんが来るみたいだな

 

「あ、私たちが対応しますね。いらっしゃいませー!」

 

「葉月もいきますー!」

 

姫路と島田姉妹が出ていき、俺は今回の件がどこまで探れば良いのかと、この件は誰が原因なのかを考えようとしていると……

 

「「きゃっ!?」」

 

「お姉ちゃん達!?」

 

「どうした、島田達………っ!?」

 

俺は厨房か出ていくと柄の悪い連中が姫路達を連れ去ろうとしていた。それを見た俺は直ぐに……

 

「貴様達は何をしている!!」

 

「ごぼっ!?」

 

「ヤス!?てめぇ、がっ!?」

 

一人の男を思いきり殴るとその立て続けに島田と姫路と葉月ちゃんをとらえていた輩を殴った。俺は敵は二人だと確認すると、警告を出した

 

「俺達のクラスの仲間に手を出そうとするな。これ以上この学園で楽しむ祭りを汚すなら容赦はしない。これ以上手を出さないのなら……「手を出すなはお前の方だ」……!?」

 

俺は警告と言わんばかりに冷たい声で言うと俺の首にナイフ向けられている感触がして、目線だけをむけるとリーダー格が笑っていた

 

「俺がこのナイフを程度で怯えるとでも?だとしたら、俺の警告を無為にした貴様らをここで叩きのめそうか?」

 

「いーや?お前は俺達に手を出せないさ。まぁ、なんなら可愛い女の子達を傷つけることもできるんだぜ?それが嫌なら両手をあげて女とともについてこい」

 

「「っ!?」」

 

視線見向けると姫路と島田姉妹が大声を出さないように口許を押さえられていた。まだ伏兵がいた上に人質を……

 

「女を人質にとるとは……ゲスが……」

 

「悪いな。恨むなら浅はかに関わったてめぇを恨みな……なに、抵抗しないのなら傷つけずにお前もこれば良いだけの話だ」

 

「……ようかろう、抵抗しないでついてくが約束をしてもらおう。必ずそこの女の子三人に手を出さず傷つけないと約束するなら俺も抵抗しないでおく」

 

「それでいい……おい、つれていくぞ!」

 

俺は島田達を守るためには、それしかないということとここで血を流せばせっかくの好評が悪評に変わることも……

 

「ヅラお兄ちゃんごめんなさい……」

 

「ヅラではなく、桂お兄ちゃんと呼びなさい。なーに……こいつらが約束を守れば大丈夫だ……それになんとか打開策を見つけるから安心しろ」

 

「はい!」

 

俺は安心させながらこいつらをどのように撃墜して……いや、倒して島田達を安全な場所に逃がすことができるか考えていた




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Fクラスに戻ると……

明久side

僕は先程まで召喚獣大会で、雄二と共にAクラスの木下優子さんと霧島さんとで対戦していたが……

 

「明久……必ず貴様を殺す……」

 

「あははは、いやだなー雄二の顔怖いよー。それに、霧島さんは雄二の幼馴染みだからこうなることも予測されていたでしょ?だってさ、霧島さんだよ?」

 

「ぐぅ、それを言うと反論できない。明久の癖に…珍しく正当を言いやがる…」

 

「それ、どういう意味かなぁ!?」

 

今の雄二の言葉の意味だと、まるで普段から僕は珍回答をしている残念な人みたいな言い方だよね?!

 

「だがな……!婚姻届けに判を押すやつがどこにいる!!裁判起こしたら結婚詐欺で確実に勝てるぞ!?」

 

「え?でも、そんなことをしても本気で出しにいかないでしょ?」

 

「お前はあいつの恐ろしさを知らないから言えるんだよ……このボケが……!」

 

え、まるで今の台詞……本当に婚姻届を出しにいくなんて霧島さんはさすがにそんなことしないでしょ?といいたいけど……

 

「まぁ、いい……。それよりもヅラや、姫路達は?」

 

「確認していないけど、教室にいるんじゃない?ヅラはほら………どうせ、どこかでスタンバっているんじゃない?」

 

「スタンバっているんじゃないって……。まぁ、そろそろ何かしら仕掛けて来る筈だと思うんだが……」

 

雄二が教室の前にいくと中から怒号が聞こえたので、僕たちは慌てて中はいると……

 

「どうして、そうなっているのか教えなさい!!」

 

「り、律子……落ち着いて!」

 

「うむ落ち着くのじゃ……!」

 

荒れているBクラスの岩下律子さんがムッツリーニに詰めより、それを宥める秀吉と菊入真由美さんがいた

 

「おいおい、どうした?」

 

「いいところに帰ってきたのじゃ。緊急事態な事が起きたのじゃ」

 

「緊急事態?」

 

「……ウェイトレスが連れて行かれた。ついでにヅラもだ」

 

え!?ヅラはどうでもいいけど、それって姫路さん達がつれていかれたということ!?

 

「桂はどうでもいい!どうせ、あいつはほっといても大丈夫だけど美波達は危険なのよ!?」

 

「律子落ち着いて!?美波達が心配なのはわかるけども!!後、Fクラスの桂は一応学園の仲間だからね!?」

 

「(大河の扱い少しかわいそうじゃ…)この通り島田達がつれていかれたとわかると荒れているのじゃ」

 

な、なるほど……それにしてもヅラもつれていかれたなんてもしかってそっち系が好きな人いるのかな?

 

「それよりも、今の話を聞いたら恐らく犯人は常夏コンビではないな」

 

「え、どういう……」

 

「その人達は三年生。もし、そんな犯罪みたいなことがばれたりしたら停学や受験取り消し。最悪、退学する危険性があるから……でしょ?」

 

「あ、姉上!?」

 

腕を組ながらFクラスに入ってきたのは秀吉のお姉さんの木下優子さんだった

 

「何の用だ?」

 

「秀吉に先程のあの戦いの事ですこーしお仕置きをするつもりだったのだけど……どうやら今はそれどころではないみたいね」

 

「あぁ。それに、先程の考察はその通りだ」

 

「そうね。ましてやさらった人数からして、出入り禁止レベルの三年生では連れ去るのは厳しいわね……となると、三年からの報復の可能性は低いのに何故……?」

 

岩下さんも冷静になったのか、しかめヅラで木下さんの推測した話を追加で付け加えていた。どうやら、第三者ということは……

 

「それってすごく不味くない!?姫路さん達が危ないじゃない!?ヅラはどうでもいいけど!」

 

「そうだな、ヅラはどうでもいいな。だが、こうも予想範囲内で動くとはな」

 

「それ、どういう事?」

 

「もう一度俺達に直接何か仕掛けてくるか、あるいはまた喫茶店にちょっかい出してくるか、そのどちらかで妨害工作を仕掛けてくると予想できたからな……」

 

雄二がそこまで予想していたなんて、じゃあなんで対策しなかったのだろうか?いや、読めなかったからできなかったのか?

 

「さすがに、拉致しかけてくるとは予想しなかったがな。ヅラはどうでもいいけど」 

 

「先から貴方と吉井君はなんでいちいち桂君のだけは冷たいの?」

 

「「え?だって、ヅラだもん」」

 

「そうね、あいつはどうでもいいから、美波達が心配ね」

 

そんなのヅラを心配するだけ損だもん。どうせ、今頃煽っているかもしれないし、死なないでしょ?

 

「なぜだろう?律子と吉井くん達の桂くんに対する扱いが不憫すぎて少しだけ同情するのだけど……」

 

「ハンカチあげるから少し涙拭くのじゃ」

 

「ありがとう……」

 

菊入さんがすこしだけ同情しざる終えないと言わんばかりの顔をしてると秀吉がさりげなくハンカチ貸していた。そういう気遣いをできるのはさすが僕のお嫁さんだ!!

 

「でも、助けに行くって言っても場所はわかるの?」

 

「……行き先はわかる」

 

「それラジオみたいに見えるけど……?」 

 

「……盗聴の受信機」

 

「「「それ普通に犯罪だから!?というか、なんでそれを持っているの?!」」」

 

「……男は秘密を飾って強くなる生き物だ。これは護身のためにもっていた」

 

「そんなかっこいいことを言っても……まぁいいわ。この際はそれは、なにも聞かなかったこと見なかったことにするわ」

 

木下さんが疲れたようにため息をつくと、雄二は教室の外に出ていこうとしていた

 

「どこにいくの?」

 

「決まっているだろ?明久……場所が分かるなら簡単だ。かる~くお姫様達を助け出すとするぞ」

 

「うん!ムッツリーニは来て!」

 

「待ちなさい、それは私もついてくわ」

 

「律子!?」

 

僕が振り向くと、岩下さんが有無を言わさない雰囲気でこちらに歩いてきた

 

「友達をつれていかれて、黙っているほど私は穏やかじゃないの。真由美、少し悪いけど……」

 

「あーもう、了解。木下君とFクラスの荒れた部分を整備しておくわ」

 

「私も手伝うわ。だから、岩下さんは助けにいきなさい」

 

「ありがとう。さぁ、いくわよ」

 

笑顔で指をバキバキならしながら歩く岩下さんはまるで美波と姫路さんを混ぜたかのような………犯人うっかり死なないか心配だな…

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!
ヅラの扱いはかわいそうかもしれませんが、ある意味信頼していると思っての発言……です
お気に入り、評価ありがとございます!
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不良にお仕置きタイム

俺達はカラオケ店で現在、むさ苦しい男どもに見張られながら座っていた。俺の後ろに姫路達が怯えながら助けを待っていた

 

「こ、怖いです……」

 

「大丈夫だ。姫路達には傷つけさせないように何とかしてみる」

 

「相手は七人もいるのよ?」

 

「案ずるな。こんなむさ苦しい男達のを耐えていれば必ずチャンスは来る……葉月ちゃんも我慢してくれ」

 

「は、はい……」

 

俺は小さい声で三人に落ち着かしながら、俺は五人のうちの一人のリーダー格が足を組ながら俺の方を見ていたのを気づいた

 

「全く、女だけではなく俺までつれていくとは貴様達はさてはあっち系か?」

 

「「「「「ちげぇよ!?」」」」」

 

「やれやれ…そう恥ずかしがることはないんだぞ?世の中ではそういう人もいるのだからな」

 

「だから、ちがうって言うてるだろ!?なんで俺たちをあっち系にするのかなぁ!?」

 

俺の言葉にリーダー格が必死にしていたが、その慌てる時間が大事なのだからな

 

「しかも、か弱き女だけではなく、小さな子も連れていくとは……貴様らはロリコンか?!」

 

「ロリコンではない、フェミストです!」

 

「「「「それも違うし、お前もなんでそんなので反論する!?」」」」

 

「犯罪案件二つ増えたな……」

 

「葉月、この男はもっと危険だから近寄ってはいけないわよ。瑞希もこっちにきて」

 

「「は、はい!」」

 

俺達フェミニスト宣言した男にドン引きしてると、一人の男が俺を胸ぐら掴んでいた

 

「っち、てめぇらは人質なんだよ。ごちゃごちゃ言うんじゃねぇよ」

 

「なるほど、貴様達は無償でこういうことをしてるということか」

 

「は?そんなわけねぇだろ?金をもらってやっているんだよ」

 

「(金だと?こいつらも誰かに雇われた口か?)なるほど、金を手に入れる代わりに犯罪者としての経歴が残るな」

 

「なんだと……?」

 

「桂君?!」

 

俺の言葉に一人の男が胸ぐらをつかみ、俺を睨んでいたが生憎、鉄人の方がまだ凄みがあるのでこの程度どうしたことない

 

「事実ではないか?」

 

「く、なめるな!!」

 

ぐっ!」

 

俺の言葉に一人の男が逆上して俺の顔面に殴ってきた。俺は顔の向きだけは横になっていたのでゆっくりとそいつを向き合った

 

「図星となると殴るのか。なるほど、そこら辺の子供よりも子供……いや、子供よりも下の精神的な年齢か?」

 

「く、お前ら!」

 

「っちょ!?やめて!」

 

「いやっ!」

 

俺は冷たくそういうと男は苛たったように指示すると、姫路や島田達に手を出そうとしていた。俺はその行動を見て冷たくいった

 

「彼女達に手を出すのをやめるなら今のうちだ……。でないと、俺は貴様達を容赦なく天誅するぞ」

 

「は!?ふざーー「おじゃましまーす」……ん?」

 

「その声は……」

 

俺は振り向くと入って来た男はわが校の誇る唯一無二のバカでもある吉井明久が入ってきたが、いつもの優しい顔ではなく怒っているな

 

「(やれやれ、気づくのが遅いぞ……)用件は?」

 

「それでは失礼して用件は……死にくされやぁぁぁ!!」

 

はぅぅああ!?!」

 

明久はフルキックで近くにいた男の股間を蹴りあげるとそいつは声にならない叫びでしゃがんでいた

 

「ヤスゥゥ!?!てめぇ……ごぶっ!」

 

「そこを退きなさい……私は今最高に苛ついてるのよ。私の友達に手を出したなんて……許せると思う?」

 

「お、女!?」

 

明久を殴ろうとしていた男は横からものすごい勢いで殴るモーション入って来た人物にまともに攻撃をくらい横に倒れた。殴られた男はよろっと起き上がるとその殴った女は……

 

「抵抗もできない女の子に手を出すなんて最低ね」

 

「美波達をよくも手を出したな!!ゆるさないぞ!!」

 

指をバキバキならしながら、男達を冷たい目で見ている岩下と明らかにきれている明久が、そういうと男達は慌てていた

 

「く、男のほうは吉井明久だ!女はわからねぇが男はぼこぼこにしろ!」

 

「「「「おう!」」」」

 

「お前ら全員、必ず絶対ぶっ飛ばす!」

 

「お仕置きの時間よ」

 

男達がそう意気込むと明久達も同様に意気込んでいた。さっきまで俺の胸ぐらを掴んでいた男は、俺を掴みながら指示を出しているが……

 

「仕方あるまい……」

 

「あ?ぐげふ!?」

 

「味方が来たこともあって、お前達とじゃれ合うのはお仕舞いだ」

 

俺は右足で男の肋を思い切り蹴ると、そいつは横へとよろけて俺は服装をただしていた

 

「てめぇ!」

 

「俺を警戒するのは構わないが……後ろは隙だらけだな」

 

「は?ぐげぇ!?」

 

俺の言葉に疑問をもっていたが、次の瞬間に坂本は後ろから飛び蹴りで、不良を吹っ飛ばしたのだ

 

「遅いぞ、全く……だから、霧島代表にあっさりと捕まるのではないか?」

 

「うるせぇよ!?ったく、明久はもう少し頭を使え」

 

俺は坂本に苦言を呈すると、坂本も首ならして笑っていた

 

「坂本、それともう一人の男!!」

 

「「ん?」」

 

「このガキがどうなってもいいのかぁ?」

 

「なんだ、先程のロリコンか?やはり貴様はロリコンか」

 

「ロリコンではない、フェミストだ!良いか?大人しくしていろよ?さもないと、ヒデェ傷を……「小さな子を人質とること事態最低な上にロリコンでしょうが!」……あふん!?」

 

葉月ちゃんを人質とって優位にたっていたつもりだろうが、後ろから岩下がフルキックで股間を蹴りあげて男は崩れ落ちた

 

「……小さな子に手を出した罪!」

 

あばばば!?!!!」

 

「ムッツリーニも来ていたのか!?」

 

俺はムッツリーニも来ていることに驚きながらもこの場所を特定したのは恐らくこいつの力だろう? まぁ、こいつもどこか常識がないから仕方があるまい

 

「よっと、葉月ちゃん大丈夫?瑞希や美波も」

 

「はい!岩下お姉ちゃんありがとうございます!」

 

「大丈夫です!」

 

「助かったわ」

 

岩下は葉月ちゃんを抱き抱えなから二人に優しい顔で容態を聞くと二人とも落ち着いていた。さて、人質も救出できたから……

 

「姫路に島田姉妹は先に教室に戻っていろ!岩下と明久は護衛でつれていけ!」

 

「殿は俺たちが守る!」

 

「雄二!キサマまで僕の邪魔をするのか!」

 

明久が何か言っているが、今は人質を逃がすことが第一優先だ

 

「ほら、さっさといくわよ!桂はどうするの?」

 

「俺は少しこいつらを相手しとこう。坂本一人でもいいが、どうせなら俺も憂さ晴らしを……な」

 

「そう、なら……ぼこぼこにしなさいよ」

 

岩下は俺の行動を理解示し、島田達を避難させていた。明久は最後まで血の涙を流していたが……

 

「くはははは!それにしても丁度良いストレス発散の相手ができたな!生まれてきたことを後悔させてやるぜぇぇっ!」

 

「援護をしょう、坂本。こいつらはどこのだれを手を出したのか教え込まないとな」

 

島田達の逃げ道を邪魔されないように俺は懐に爆弾を取り出すと男達は慌てていた

 

「ま、まて!?話せばわかる!」

 

「話すことなどない。そちらは聞く耳を持たなかったのだから……な」

 

「ぐ、調子に乗るなぁ!!」

 

俺は爆弾をポンポンしていると一人の男が気を狂ったように俺を殴りかかろうとしていたが……

 

「おらぁ!」

 

坂本が、勢いよく殴るとそいつは一撃でダウンしていた

 

「選べ……今ここで俺に殴られて死にかけるか、爆弾で死にかけてるか選びな!!」

 

「坂本こいつらはそんなの選べるわけなかろう……。恐らく片方は選ばないのはかわいそうと言うので、両方がいいと言う選択なのだろうな」

 

「あぁ、なるほど。ヅラ、絶対にこいつを逃がすなよ」

 

「こいつらは悪魔だ!?ヤバイやつらに手を出してしまったかも……」

 

「「悪魔ではない!!どこにでもいるただの生徒だ!!」」

 

「「「「ぎ、ギィアァァァァァ!!!」」」」

 

俺たちはゆっくりとそちらに迫ると共に誘拐した男達の悲鳴があげていた

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!
次回もよろしくお願いします!


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隠していた真実

俺と坂本は、不謹慎な輩を制裁し終えると共に文月学園へ帰ってきた。坂本はどうやらストレスを貯まっていたようだったが喧嘩してスッキリしたそうだ

 

「戻ったぞ」

 

「全く随分と歯応えのない連中だったな。やはり人質を取らないと勝てない連中だったというわけだ」

 

「違いない」

 

俺達はFクラスへと入るとそこには、無言の岩下と真由美が教室で待っていた。さらに、明久とムッツリーニが何故か沈んでいた

 

「まてまて、いったい何があった?」

 

「そこのバカは、瑞希に抱き締められるのを邪魔されて悔しかったみたい」

 

「土屋君は、なんでもせっかく作ったチャイナドレスを少し傷つけられて悔しいみたいなの」

 

「「あぁ、納得した」」

 

こいつらはどうでもいいことで落ち込むからそんなのはいちいちきりがないだろうな。それより何故Bクラスの二人がFクラスにいる?

 

「私は律子の付き添い。それ以前にここの清掃を少しやっていたしね」

 

「私は単純にあなたが、余計なことしてるのではないかと思ったけど……その様子だとそうではないみたいね」

 

「姫路達は?」

 

「今、着替えてるわ。あぁ、明日またその服着てやるからと言っていたわ」

 

なるほど、明久が血の涙をまだ流してるのはそれが原因か

 

「じゃあ、私達は瑞希達と帰るわ」

 

「そうだな。今日は二人のお陰で色々と助かった」

 

「みんなのお陰の間違いでしょ?じゃあねー」

 

岩下が姫路達と帰るというので、俺はお礼を言うと菊入は笑いながら手を振って帰った。二人のお陰というべきかこのクラスも被害が収まったな

 

「さて、そろそろ来るのではないか?」

 

「ヘ?ヅラは誰の事をいってるの?」

 

「ババァだ。さっき廊下すれ違って『話聞かせろ』とな」

 

「雄二、その言い方は失礼だよ?それに、用事があるならこっちから行かないと駄目じゃない?」

 

「用も糞もない……。坂本曰く、今回の事件は学園長絡みということだ」

 

坂本が呼んだのが学園長だというと明久は目上の人は敬った方がいいというがどの口で言うか!?それに俺が言うと明久は大きな声を出して驚いていた

 

「ば、ババァが悪の根元!?」

 

「そこまでは言っていないが……。少なくとも、俺達が倉庫でものを取りに行ってきた時の不良の襲来と今回のか弱い姫路達の誘拐……そして、Fクラスへの妨害……俺はこれをなにか絡んでいるのではないかと坂本に問い詰めた」

 

「そして、俺も少し気になることができたからババァにこちらに来いと話した」

 

「おやおや、ずいぶんと騒がしいねぇ。折角こちらから来たのに」

 

俺と坂本が呼んだ理由を明久に話しているタイミングでFクラスに入ってきたのは、この文月学園の学園長である藤堂カヲルだった

 

「遅いぞ、ババァ」

 

「来たか、学園長……ではなく、おばあさん」

 

「来たな、悪の根元!」

 

「おやおや、いつの間にかアタシが黒幕扱いされてないかい?それと、アタシはあんたの祖母ではないからね」

 

「さ、さすが学園長……冷静にツッコミしているだと!?」

 

「驚く点がそこか!?まぁ……黒幕ではないだろうが、俺たちに話すべきことを話していないのは充分な裏切りだと思うがな」

 

学園長の冷静なツッコミしている事に驚くと坂本は俺に頭を叩きながら話をもとに戻して聞いていた

 

「なるほどね……で、そこのガキがいるのは何でだい?」

 

「ガキではない、桂だ!俺は今日のお祭りでいい迷惑を被ったからな。理由はいくつかあるが、一つ目はFクラスのクレーム…しかも明らかな嫌がらせ。二つ目は倉庫で物を取りに行くときに不良達が妙なことを発言していた」

 

「妙なことを?」

 

「奴等は何故か明久を特定していた。初めはどうせこいつが要らぬことをしたのかと思ったが、それは違うと気づいたのは……うちのクラスの女性達の誘拐だ。その時にも明久と坂本の名前をいっていたのは、俺は聞いていた」

 

『吉井明久と坂本がここに来るまでおとなしくしてもらうぜ』

 

「その言葉を聞いて、これはなにかが絡んでいると思い坂本に問い詰めたのさ。そして、学園長……貴方はなにか大きな事を隠していないか?」

 

俺がそこまでの事を話すと学園長は感嘆の声をあげながら降参と言わんばかりに手をあげていた

 

「やれやれ、そこまでたどり着くかい……」

 

「どうやら、なにか大事なことを隠してるのは認めるみたいだな。そして、坂本達も学園長となにか頼まれて今回の大会出ているだろ?」

 

「え、いや……」

 

「明久は嘘をつこうという時は、本当に目をそらすな。安心しろ、他言はしない」

 

「雄二どうする?」

 

「ババァ、話していいか?」

 

「構わないよ。そこまでたどり着けるとはね……それと、すまなかったわね。そこまでの強硬な手段してくるとは思わなかった」

 

学園長が謝罪すると共に坂本から今回の学園長から頼まれている件を話してくれた。そして、坂本の話を終えると学園長が本当の目的を話してくれた

 

「白金腕輪の回収か……」

 

「そう、できれば回収なんて真似はしたくないのが本音さ。なにせ、新技術は使って見せてナンボのものだから、デモンストレーションもなしに回収なんてしたら、新技術の存在自体を疑われることになるからね」

 

「さらに、それをすると文月学園の評価にも関わるというわけか」

 

俺が学園長の説明に納得すると、明久が不思議そうに俺に聞いてきた

 

「どういうこと?」

 

「例えば、Aの会社がBの会社に新技術を提供をするとして……Bの会社はそれを買うと決めたとする。しかし、後にAがBの会社に新技術のを理由もなく回収するとどう思う?」

 

「不審に思う……?」

 

「そう。そうなると信頼関係が大きく関わり亀裂が走るということだ。つまり、その例をいうと……何かしらの欠陥があったのだろう」

 

「そうさ。あの腕輪は高得点高いものは使えないものって訳で……アンタらみたいな『優勝の可能性を持つ低得点者』ってのが一番都合が良かったってわけさ」

 

「え、これは誉めてるのだよね?」

 

「「いや、ディスられてる」」

 

「なんだと!?!」

 

明久がわめいているが、坂本がなにか引っ掛かる点があったのか学園長に質問していた

 

「俺達の邪魔をするってことは、腕輪の暴走を阻止されたら困るってことだろ?そんな学園の醜聞をよしとするヤツなんて、うちに生徒を取られた他校の経営者しかいないだろうが」

 

「ご名答。身内の恥を晒すみたいだけど、隠しておくわけにもいかないからね。おそらく一連の手引きは教頭の竹原先生によるものだね。近隣の私立校に出入りしていたなんて話も聞くし、まず間違いはないさね」

 

「竹原教頭といえば……確かにおかしな動きがあったな」

 

「「「!?」」」

 

俺はあの日、坂本に任された交渉時に人が通らない所で電話していた事を話すと学園長は納得していた

 

「なるほどな、すでにあのときから動いていたというわけか」

 

「となると、あの常夏コンビは教頭の差し金だろうね」

 

「ふむ、やつらはAクラスのわりにはこんなことを頼まれても得があると思えないが……」

 

俺達はこの関わりが何に繋がるのかはよくわからないが今回の件はよくわかってるのは……

 

「文月学園創業以来の危機だな」

 

「あ、でもいざとなったら優勝者に事情を話して回収したらいいのじゃない?」

 

「残念ながらそうもいかない。決勝の対戦相手を知っているか?」

 

「常夏コンビ!?」

 

「やつらは教頭側の人間だから、嬉々として観客の前で暴走を起こすだろう……恐らくやつらの人生も破滅することを知らないのだろうな」

 

「え、どういうこと?」

 

俺の言葉に明久は疑問を持っていたが、それを今話してもなにも変わらないのであとで説明すると話した

 

「悪いけど、アンタたちにはなんとしてでも優勝してもらうしかないんだよ……頼んだわよ」

 

「「おう!!」」

 

どうやら、今回の話を聞いてのほほんと過ごしていいお祭りではなくなったみたいだな……。仕方あるまい、心強い援軍を連絡しとこうではないか!




ここまで読んでいただきありがとうございます!
次回もよろしくお願い致します!!


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助っ人

学園長との話を終えた俺は教室に戻り、坂本達と今後の話をしていた。決勝戦の相手が、あの常夏コンビなら、これまでの対戦のデータもあればいいのだが……

 

「常夏コンビは腐ってもAクラスか……。決勝戦の科目はどうなのだ?」

 

「決勝は日本史で、あれは暗記をしたら覚えれるのもあるが、肝心の明久が学年一のバカだからな……」

 

「雄二、さらっとひどいこと言わないでよ!?でも、あの常夏がAクラスか……どうにか懲らしめたいからヅラの力が借りたいのだけどどうかな?」

 

「ふむふむ、なるほど。確かに俺が教えてもいいのだが、ここは確実に明久や坂本のために教育なる方法があるぞ?」

 

「「え!?」」

 

俺の言葉に二人とも何をいっているのだと言わんばかりにこちらを見ていたが、俺はこの方法なら確実にいい点をとれる方法だと信じてる

 

「とりあえずついてこい。本人達の許可も得ている」

 

「「許可?」」

 

俺の言葉に疑問を持つも、坂本達は荷物をもって俺についてきた。相手が常夏なら勝てる方法は確実にとりたいのだからな

 

「ここって……拉麺屋さん?」

 

「ここに何があるんだ?定休日だし、あいてないぞ?」

 

「まぁ、ひとまず待て。約束通りにきたぞー」

 

俺がそういうと、定休日になっていた拉麺屋さんのドアが空き出てきたのはBクラスで今回も助けてくれた岩下だった

 

「姫路達は無事に帰ったわよ。大体の事情は聞いてるから、まずは中に入りなさい」

 

「すまない。さぁ、明久たち中に入れ」

 

「「お、お邪魔します?」」

 

岩下が中にはいるのを促してけくれたので、俺は明久たちにも入るように言うと二人とも少し首をかしげながら入ると……

 

「え!?」

 

「んな!?」

 

「俺が考え付いた方法は……AクラスにはAクラスの実力があるものに教えてもらうのがいいと判断した」

 

「やっと来たわね……」

 

「……妻を待たせないこと」

 

雄二と明久はビックリしていたが、俺は今回勝つための方法としてAクラスの実力者でもある木下優子さんこと優子っちと学年首席の霧島に協力を要請した

 

「ヅラ、てめぇ!?!」

 

「ヅラではない、家庭教師責任者桂先生と呼べ!坂本、今回は状況が状況だ。確実に点をとれる方法はこの二人に教えてもらうのがいいと判断したまでだ」

 

「だからといって翔子をよぶか!?それなら明久に……「忘れもしない。貴様は召喚獣戦争で日本史で霧島に勝てるといいながら大敗した戦犯者なのだからな?」……ぐ、それを言われると……!」

 

 

坂本は霧島に教えてもらうのは抵抗あるみたいだが、俺は以前の戦争をネタにすると奴も反論する気力はなくなっていた

 

「木下さんはなんで協力を?」

 

「桂君と代表の頼みだし、それに個人的にあれが優勝するのは遠慮してほしいから貴方達に勝った方がまだ応援できるもの」

 

「そういうことだ。ちなみに岩下が協力してくれた理由は……」

 

「色々と友達に迷惑かけている連中に負けてほしくないから協力してるだけ」

 

「そういうこと。さぁ、私達が教えるのだからびしばし覚悟しなさい!!」

 

この場は霧島と優子っちに、二人の勉強を指導するのを任せて俺は岩下と明日の打ち合わせをしていた

 

「で、どうするの?椅子ならうちの家からも使わなくなったのを持っていってもいいけど?」

 

「そうだな。机とか椅子はまだAクラスにも貸し出してくれるか問題ないな。それよりも、今日はあいつらをギリギリまで根詰めてもらわないといけないから料理を頼む」

 

「そうね。ちなみに請求は……」

 

「当然、今回は俺が払う」

 

「あら、てっきり誰かに押し付けると思っていたわ」

 

「たまにはよかろう。ざっと、5千円を払おう」

 

「毎度あり。……それより、あんた傷は大丈夫なの?」

 

俺はお金を払うと岩下がふっと俺に聞いてきた。俺はその傷というのは不良に殴られた顔のことだろう

 

「この程度どうしたことない」

 

「やれやれ……とりあえず、新作の蕎麦を食べてみて」

 

「む!それはありがたい!いただきます!」

 

俺は岩下に用意された蕎麦を手を合わせていただきますとすると……

 

「からっー?!」

 

「無茶しすぎた罰よ。大事なお客さんを失うわけにはいかないからね」

 

俺はそんなに無茶していないがこの蕎麦はさすがに辛いぞ!?そう思いながらもなんとか完食することができた……

 

尚、明久と坂本はスパルタな特訓で涙ながらもなんとか乗り越えたことを伝えておこう。特に明久は余計な一言で優子っちに制裁されていたのはここだけの話だ……




ここまで読んでいただきありがとうございます!
次回もよろしくお願いします!


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寝不足は体に悪い!

昨夜はAクラスの実力者のもとでの勉強会はそれなりに充実していた。さすがに、寝泊まるわけにはいかず、夜遅くになったのを機にそれぞれ家に帰った。坂本が霧島につれていかれたのを俺は気にしていない

 

「おはよう、姫路と島田」

 

「あ、おはようございまーって、桂君その傷どうしたのですか!?」

 

「すごい血まみれなのだけど!?まさか昨日の不良が報復に……!?」

 

「あぁ、俺としたことが油断した……まさか……」

 

俺は姫路達に包帯を頭に巻かれながら、登校しているのを見て二人とも昨日の報復かと聞いてきた。そして、なぜ傷だらけになったのかを俺はおもむろと話していた

 

『さて、そろそろ学校にいかねば…その前にごみを棄てに行くか…』

 

登校するときの俺は鍵を閉めて、ごみを棄てにいこうと階段を降りようとすると……

 

『む!?!あぁぁぁああー!?!!

 

ゴミを捨てにいこうと出ていったのはよかったものの、階段のほうにバナナの皮が落ちているのを俺は気づいていなかった。そんな俺は思い切りバナナの皮を踏み滑って転げ落ちた……

 

「まさかあんな巧妙な罠を仕掛けられているとは……ふ、逃げの大河ともあろうものが、あんな罠に引っ掛かるとはな……」

 

「「それは単純にてめぇの不注意だろうがぁぁぁ!!」」

 

ぐほっ!?!!」

 

「桂君!?」

 

「見事に後ろからのドロップキック受けたわね………」

 

俺は後ろからのドロップキックをまともに受けると地面に直撃した。おのれ、不意打ちをするなんてどこのドイツだ!?

 

「紛らわしいボケを出すな!?どこのドイツだじゃなく、どこのどいつだ!が、正しいだろ!?」

 

「勝手に人の心を読むな!!く、全く……で、その寝不足状態は帰ってからもかなりやりこんだのか?」

 

「うん、なかなか大変だったよ……お陰で寝不足だよ」

 

「「やり……!?」」

 

俺たちの会話に姫路達がなにか勘違いしてるが、俺はそれを気づかずに話した

 

「優子っちにだいぶ教わったみたいだな。その自信満々な顔を見ていたら分かる」

 

「うん!お陰で今日はバッチリだよ!木下さんの教えって上手だなって思ったよ」

 

「まぁ、Aクラスだからな。坂本は??」

 

「……殺されるかと思ったとだけ伝えておこう」

 

「「何があった?!」」

 

俺達は坂本がこの世の終わりみたいな雰囲気で話すのを聞いて俺は本当に何があったか問い詰めたくなったが……

 

「「アキ/吉井君、少しいいですか(少しいいかしら?)?」」

 

「あれ、美波と姫路さん何でそんなに僕の肩を強く掴んでいるの?」

 

「吉井君は昨日、木下さんと……」

 

「なにかを教わったと……?しかも二人で?」

 

「あ、うん。でもーーいだだだだぁ!?!」

 

「「少し向こうでお話ししましょう?」」

 

「へ!?ちょーーぎやあぁぁぁあ!!」

 

明久は姫路達に人目つかないところにつれていかれ、坂本と俺は…少しだけ少しだけ明久に同情した 。恐らく勘違いをしているのだろうが、そこは助けてあげれない

 

「なるほどのぅ、それでか」

 

「おう、秀吉」

 

「なにかなるほどなのだ?なにかあったのか?」

 

「うむ。姉上が遅くに帰ってきたのじゃが、疲れたと言わんばかりじゃったのじゃが()()()()()()()()もしていたのじゃ」

 

「「む?」」

 

秀吉の言葉に疑問を持ちながらも、優子っちが嬉しそうな顔をしていることを聞いて驚いた。すると、秀吉の後ろから……

 

「秀吉~?何を要らないことをいってるのかしら?」

 

「あ、姉上!?なぜここに!?」

 

「少し用事があって寄り道来たのよ。それよりお姉ちゃんとすこーしお話ししましょうね」

 

「ちょまっ……」

 

いつの間にやらやって来た優子っちが怒りのオーラを出しながら秀吉を裏のほうにつれていき……

 

ぎやあぁぁぁぁぁぁ!!!

 

「なるほど、いつもの落ちか。そうなると、この流れは坂本が次に餌食なるな」

 

「まて!?それは………」

 

「……いた、雄二……」

 

「し、翔子………」

 

「寝不足と聞いたから寝させてあげる……疲れた旦那を寝させるのも妻の役目」

 

「待て、霧島」

 

俺はつれていかれる坂本を見て、すかさずに霧島を呼び止めると動きは止まった。坂本は感謝するようにこちらを見ていた

 

「ヅラ……!」

 

「そいつを起こすのは三時間後……11時に手伝ってほしいからしっかり寝させてあげろ」

 

「……わかった」

 

「ヅラ、てめぇぇぇぇ!!!!」

 

坂本も悲鳴をあげて教室の外につれていかれるのを見届けると、俺は……

 

「ムッツリーニ」

 

「…ここにいる」

 

「久々に逃げの大河とムッツリーニの共同作戦をしたいのだがどうだ?依頼料は……いつものいい奴だ」

 

「……承った」

 

俺はムッツリーニの名前を呼ぶとムッツリーニは忍者のように後から出てきた。俺も久々に天誅を加えたいのでムッツリーニと共同体といきますか……

 

その前に……

 

「坂本よ……俺はヅラではない!!桂だぁぁぁぁぁああ!!」

 

今はこのふざけた時間を俺はゆっくりとかみしめておこう………




ここまで読んでいただきありがとうございます!
実は二日前に、ワクチンを二回目の接種しまして……その翌日にワクチンの副作用で熱が出ました……
はやく、コロナが収まる日が来るのを信じて、一人一人が周りに流されることなく対策をしっかりして日常生活を送りましょう!
これからもよろしくお願い致します!
因みに本日投稿が早いのは夜8時からのサッカーの試合を見るためです……(あ、石は投げないでくださいね!)


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奮起材料は常に用意しとくべき

何だかんだで坂本は11時になると無事に解放されて教室に戻ってきたが、かなりげっそりしていたのは見なかったことにしてる。どうせ、ギリギリまでごねて霧島に落とされたのだろう

 

「明久達、そろそろ時間じゃろ?ここはワシらに任せるのじゃ」

 

「え、もうそんな時間なの?」

 

「まぁこれだけのお客さんが来ては一々時間など気にしてられないな」

 

「ここは俺たちに任せて二人はそろそろ向かえ」

 

秀吉が時間だと伝えると明久は驚いており、坂本はお客さんが多いことに納得しながら話していた。そして、俺がそういうと明久達は会場へと向かう用意していた

 

「明久達、必ず勝てよ?」

 

「うむ、さすがにここまで来たら優勝じゃ!」

 

「……勝利の微笑みは努力したものにしかこない。健闘を祈る」

 

俺と秀吉とムッツリーニが激励の言葉を送ると、姫路と島田が心配そうに聞いてきた

 

「本当に大丈夫?肝心なときに二人ともやらかしそうなのだけど……」

 

「そうですね……特に決勝戦の相手は上の学年相手ですから……」

 

「心配するな。さすがにあの召喚獣戦争と同じ失態を起こさないようにやってきたからな。むしろ明久のほうが大丈夫なのか?」

 

「失礼な!僕のどこが心配する要素があるのさ!?」

 

「「「「「学力……」」」」」

 

「みんな嫌いだ!!」

 

俺達が明久の心配なポイントが学力と伝えると明久は上を向いて涙を流しながら叫んでいたが、事実だから仕方ないだろ…… 。俺も二人に決勝戦に向けてのエールと紙を用意した

 

「では、明久達は必ず勝ってこい。そうだな、万が一でも負けるようなことがあったら……」

 

「「あったら……?」」

 

俺は明久と坂本にある紙をみせると、二人とも最初は気になり見ていたがだんだん真っ青になっていた……

 

「「ヅラ、貴様ぁぁあ!?」」

 

「ふはは!勝てばよかろう、勝てば!!そうすればそれを回避できるのだからな!!二人ともそろそろいかねばならないだろ?」

 

「く、必ず勝つぞ!!明久!」

 

「OK、雄二!!」

 

俺がみせた紙は真っ青になりながら叫ぶも俺は聞く耳持たずに勝てば良いと伝えると、明久と坂本は全速力で出ていった

 

「いったい何をみせたのじゃ……?あの二人が真っ青になるとはのぅ……」

 

「内容はこれだ」

 

「……これは………!?」

 

秀吉の疑問に俺は紙を見せるとムッツリーニは驚いていた。これを簡単に話すと、明久と坂本が万が一決勝戦で負けた場合は……

 

 

誓約書

もし、Fクラスの坂本と明久が決勝戦で負けることになれば、明久の女装姿と坂本が霧島と寝ていた写真を親に配布する予定である。決勝戦で勝てば、親に送らないことを誓います

契約者

Fクラス

桂大河

 

俺は明久達にみせた紙を秀吉達に教えると、何とも言えない顔になっていたが、俺はそれを落ち着いて話した

 

「だが、これは嘘の誓約だ」

 

「「「「「嘘!?!」」」」」

 

「これを見せることであいつらはより命かけて負けられないと言う本能になるだろう。そうすることで、より危機感をもって勝てる確率が上がるだろう」

 

「……鬼畜の一言だ……」

 

俺の説明を聞いたムッツリーニの感想の一言で全員うなずいていたが、俺としてはあっさり友達を焼こうとするFFF団のほうが鬼畜だがな……

 

「さて、ムッツリーニと俺は少しだけ席をはずす」

 

「あ、そういえば試合を代わりに見てくれるのでしたよね」

 

「あぁ」

 

「……そろそろ俺たちもいこう」

 

ムッツリーニがそう呼び掛けると俺は頷いて教室の外に歩きながら明久達のいる会場へと………向かわずにあるところへと歩いていた。ムッツリーニには先に会場へと向かってもらった

 

「失礼します。桂大河です」

 

「入っていいですよ」

 

俺の言葉に中の主は入ることを許可してくれて、俺は頭を下げて入った。そして、その部屋の主は優しい顔で資料を持ちながらこちらを見ていた

 

「この場所での盗聴の可能性は全部ないですよ。現状報告をお願い」

 

「ここ最近にして過激な行動はやはり裏が絡んでいたことが確認される。……これはどうするべきでしょうか?」

 

「うーん……向こうが焦っているのもあるのだろうけど……さすがに私たちの通っている生徒にまでその手をとったとなれば教師としては範囲を越えてるわ。大河君が報告してくれたのは驚いたけどね」

 

その女性……現国の教師で副教科の政治・経済も教えている竹内先生は微笑みながら俺の方へとみていた

 

「申し訳ございません……。仲間が手を出されたとなれば……」

 

「それは仕方がないわ。でも、昨日家に訪れたときに怪我のあとがあるから問い詰めて正解ね」

 

「現状あともう一手あればボロが出るかと思いますが……」

 

「そのためにはFクラスのお友達が優勝してくれないとね。さて、今後をどうするかだけど……まずはあの三年生を泳がした方がいいわね。あせると向こうもボロが出るはずよ」

 

竹内先生はのほほんと発言しながらもさすがに生徒に手を出されたと分かると目は笑っていなかった

 

「証拠を見つけたあとの三年はどうされるのですか?」

 

「学園長の事だから、()()()退()()()()()()()()と思うけど、それなりの罰を下す予定よ。どんな理由であれね。それと、教頭の最近の行動は確かに他の職員も気にしていたけど、そう言うことでしたら話は早いわね……」

 

竹内先生はぶつぶつと言いながらも、教頭の行動に少し不審はあったそうだ。そしてやがて良い笑顔で……

 

「少し用事ができたから、学園長とお話ししてくるわね。その不良の件も教頭が裏を引いてるならこちらも出るところ出るまでだから」

 

竹内先生は良い笑顔で出ていったが、あれは間違いなく切れている…それも文月学園の生徒を傷つけた上に己の欲望のために大きな迷惑をかけた教頭に対してかなり怒っているな……

 

「まぁ、仕方あるまい。竹内先生はそういう人間を嫌うのだからな」

 

俺は納得しながら明久達のいる会場へと歩きながらも、もし本当に負けたらあの冗談な誓約を乗せてやる……

 




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いよいよ決勝戦……

俺が竹内先生とあの教頭の話をし終えてから、決勝戦の会場へと歩いていった。そこにはすでにムッツリーニが席を取っていてくれたのだが……

 

「優子っちがいるのは驚いたな」

 

「代表が仕事で抜けれない代わりに私が見に行くことになったのよ。まぁ、それにあれだけ教えていたのだから決勝戦だけは見届けようと思ってね」

 

Aクラスで霧島と久保につぐ、Aクラスの実力者で俺達Fクラスの友達でもある秀吉の姉だ。Aクラス戦を機に知り合い、明久達の特訓も付き合ってくれた

 

「……明久達は、やはり昨日女と……」

 

「あぁ、それを付け加えるなら坂本は霧島に明久は優子っちに指導されていたぞ」

 

「……ギルティ……っ!!」

 

「ちょ、その男の子凄い血の涙流しているけど大丈夫なの?」

 

優子っちはそういうの慣れていないのかすごく引いていたが残念ながらFクラスでは、こういうのは日常茶番なのだから問題ない

 

「問題ない。この程度いつも通りのことだ」

 

「いやいや…それはそれで問い詰めたいような気がするのだけど……」

 

「……もうすぐ始まるみたいだ」

 

ムッツリーニの言葉を聞くと俺達は決勝戦の舞台の方へと見据えた。司会者は見たことない人だからおそらく外部の人間だろう

 

《さて、皆様。お待たせいたしました!これより試験召喚システムによる召喚大会を行います!》

 

「「「「「イエーーイ!!」」」」」

 

《今回、召喚獣大会、決勝戦の組み合わせは、面白い組み合わせと私は思います!それでは、選手登場をお願いします!!》

 

司会者の言葉に煙が吹き荒れて、そこから出てきたのは我らFクラスの坂本雄二と吉井明久がゆっくりと歩いてきた

 

《彼らは二年Fクラスの選手達です。二年Fクラス、吉井明久君と坂本雄二君です!!今大会は、何と、最高成績のAクラスを抑えて決勝戦に進んだのです!これはFクラスが最下級という認識を改める必要があるかもしれません!》

 

「「「「おぉぉ!」」」」

 

「あの準決勝のだけは納得いっていないけどね……!」

 

「優子っち、落ち着け」

 

あいつら準決勝の時何をしたのだ?優子っちが今にもスーパーサ○ヤ人になりそうな雰囲気を出しまくっているのだが……?

 

《ご存知の方もいますが、文月学園はAからFクラスまであります!Aは学年で優秀で、Fクラスは学力がまだまだ足りないという下のクラスなのです!》

 

「まぁ否定はしない。それに、明久はFよりもさらに下の学力な気がするな……」

 

「……小学生よりもやばいかと」

 

《ですが!!この文月学園は試験召喚システムのおかげで、最低クラスの生徒もやる気を上げているのです!そして、事実!Fクラスの生徒でも決勝戦行けるということは、このシステムがあるお陰で学力も向上していくのです!》

 

「「「「おぉー!」」」」

 

司会者が、この文月学園のPRを含みながら観客達の好感触を得ていた。さすが、プロというべきか盛り上げるのが上手いな……

 

《そんな快進撃を続けているFクラスの決勝の相手は……!》

 

司会者の言葉と共に煙が吹き荒れて、そこに出てきたのは常夏コンビで、教頭の手先の人間達だった

 

「「……!」」

 

《快進撃を続けているFクラスに対する選手達は、三年Aクラス所属夏川俊平君と同じくAクラス所属常村勇作君です!皆様こちらも拍手でお迎え下さい》

 

司会者がそう名前をあげると、二人とも余裕たっぷりの雰囲気で拍手を受けながら入場してきた

 

《出場選手が少ない三年生ですが、それでもきっちりと決勝戦に食い込んできました。さてさて、最年長の意地を見せることができるでしょうか!?それでは、この決勝戦で初めて見る方もいると思いますので、ルールを簡単に説明します!》

 

司会者が説明はいると共に明久達は何やら先輩達と話していたが、俺達には聞こえないな……。いったい何を話しているのか気になる

 

「ここからだと聞こえないわね……」

 

「いったい何を会話しているのやら……明久達がものすごくメンチきっているのに対して三年はなぜか引いている?」

 

「……仕方ない」

 

ムッツリーニはポケットからなにかを取り出そうとしていたのを俺達は??となっていた

 

「……会話通信機~!

 

「そ、それはまさか……ドラ○もんの秘密道具のーー「なわけないでしょうがぁああ!!」がふ!?」

 

ムッツリーニはイヤホンらしきのを、手元に取り出して小さい声で叫んでいた。俺はそれを見て目を見開いて震える声でそれを言おうとすふと優子っちが、素早い回し蹴りで俺を地面に叩きつけた

 

「どう見ても盗聴でしょ!?」

 

「何を言う……立派な秘密道具だろ?」

 

「そういう問題じゃない!!」

 

「……シャッターチャンス……逃し……ごぶっ!?

 

俺と優子っちが揉めていると、ムッツリーニは先程の優子っちの回し蹴りをシャッターチャンスと思いとろうとしていたが、鼻血が吹き荒れて倒れていた

 

「また!?」

 

優子っちはムッツリーニが倒れるのを見てまた倒れたのか!?と驚くが俺達Fクラスはいつも通りのことだから大して気にしない

 

「……この会話通信機をつかうといい……必ず会話が聞こえる」

 

「格好つけているところ悪いが、足元プルプル震えているし、まだ回復しきれてないぞ。全く…そんなのでは立派な攘夷志士になれないぞ」

 

「待ちなさい!?あなた今すごく不穏なことを言わなかった!?」

 

「何を言う?俺はいたって正常だ」

 

それを言うなりに会話通信機のイヤホンを耳につけると明久と常夏コンビの会話が聞こえた

 

『『絶対に許さねぇ……!』』

 

明久と坂本が声揃えて小さい声でなにか恐ろしいことをいっていたが、俺はそのイヤホンを少しとり……

 

「桂君?」

 

「ムッツリーニ、輸血開始だ。さぁ、オベを開始しようではないか」

 

「この少しの間何があったのよ!?」

 

優子っちが驚いてるが俺はムッツリーニを輸血しながらさっきの台詞は俺に向けてではないと信じてる……よ?

 




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先輩との会話と努力

明久side

僕と雄二はこれまでの戦いでさまざまな相手を戦い抜けてきてたが、決勝戦の相手はあの常夏コンビということになんとも言えなかった

 

「やれやれ、決勝戦の相手が変態先輩達とはな」

 

「おいこら、俺たちのどこが変態だ!?」

 

「女のおしりに普通にお尻触っていた。そして、ブラジャーを頭につけていた」

 

「それはてめぇらがやったことだろうが!?」

 

雄二の言葉にソフトモヒカンした髪型の常村という人が、反論していたのだ。僕はどこが変態なのか説明をすると、ハゲ頭の夏川俊平が睨んでいたが心当たりありないなぁー

 

「まぁそんな先輩達が変態だという話は分かってることだから、置いといて……「「変態ではない!!」」……えー……?」

 

僕は先輩の言葉を聞いて嘘でしょ?といわんばかり顔をすると先輩達は観客に聞こえないように小さい声で怒って睨んでいた

 

「お二人に1つ聞きたいことがあります。教頭先生に協力している理由はなんですか……?」

 

「なっ!?てめぇらまさか、知っていたのか…!?」

 

「そうか。どうやら、てめぇらは知っているみたいなら話してやるよ。進学のためだよ。今回の件を上手くやれば推薦状を書いてくれるらしいからな。そうすりゃ受験勉強とはおさらばだ」

 

夏川先輩が驚いていて、常村先輩が理由を話してくれたが正直……そんな理由のためにあんなことをしてくれたのか……

 

「はっ、やっぱりあんたら本当におめでたい頭だよなぁ……」

 

「「は?」」

 

「雄二、もういいよ。この人達相手はもうこの戦いで倒せばいいだけの話だからね」

 

「それもそうだな。今話しても無駄なのだから敗北与えて心折らしてから、おめでたい頭の理由を話すのもありだな」

 

僕たちの会話を聞いた常夏コンビは怒りの形相で、こちらをみていた。もうこれ以上の問答はする意味がないわけだしね

 

「ずいぶんな自信じゃねぇかよ?そもそもAクラスの俺達とFクラスのお前らじゃ、そもそもの実力が違い過ぎるのに、勝てるとでも?」

 

「お前らの勝ち方なんて相手の性格や弱味につけこんだ騙し討ちだろうが。俺達相手じゃ何もできないだろ!」

 

自信満々に言い放す先輩と同時にさっきまでの召喚獣の仕組みを話していた審判の人が話終えて前に出てきた

 

「Aクラスのそれも上の先輩相手に嘗めているどうなるか教えてやろうぜ、夏川!」

 

「あぁ」

 

『それでは試合に入りましょう!選手の皆さん、どうぞ!』

 

「「試獣召喚!」」

 

日本史

Aクラス

常村勇作  210点 

夏川俊平 198点 

 

「へぇ……」

 

「点数は高いね」

 

雄二は二人の点数をみて感心するような声をあげていた。そんな雄二や僕の反応をみてどや顔して僕たちに話しかけた

 

「どうだ、驚いたか!?」

 

「まぁ、Fクラスごときではこんな点数お目にかかれないよなぁ」

 

「……いや、これならまだ翔子の方が絶対に点数高いな」

 

「だよねー。学年首席の方が絶対にすごいよね」

 

先輩達がどや顔してるところ悪いけど、姫路さんや霧島さんの方がきっと点数もっと高いし、二人よりも上だろうね

 

「はぁ……まぁ、そんなどや顔してるところの先輩達には悪いけどさ……」

 

雄二はあきれるように少しため息をつきながら頭をかいて、ゆっくりと顔をあげるとその目には怒りの目の色になっていた

 

「少しばかり俺は頭きているんだよ……ぶちのめされる覚悟はできたか?」

 

「はっ、どうせ大した点数ではないだろ?」

 

「……前にクラスの子が言っていた…」

 

「なんだ?逃げかたでも教えてもらったのか?」

 

「『好きな人の為なら頑張れる』……本当にそれは分かるよね……そして、ある友人が言っていた…『戦いは終わるまで何が起こるかわからない』って…」

 

僕の脳裏には姫路さんとヅラの表情や皆の笑顔が思い浮かんできた。そして、僕は小さくはっきりと彼らに言った

 

「僕らを嘗めていると痛い目に合いますよ……いくよ、雄二!」

 

「おう」

 

「「試獣召喚!」」

 

日本史

2ーF

坂本雄二 240点

吉井明久 210点

 

僕らの点数を見て、会場はどよめきアナウンサーはこの点数はAクラスに匹敵すると伝えてくれた。そして、常夏コンビは僕たちの点数をみて驚いていた

 

「なっ!?こいつらFクラスだろ!?」

 

「事前にもらった情報よりも点数が高いだと!?不正したのか!?」

 

「おいおい、何を驚いてるんだ?この学校の召喚獣戦争では、補充試験があるのだから点数なんて変わることもあるだろ?それに、そんなのこの学園ではそういうの許されないから、不正なんて絶対にできる分けねぇだろうが」

 

雄二は腕を組ながら悪い顔をして、常夏コンビのうろたえを楽しんでいた。あぁ言う悪い顔があるから雄二は性格悪いんだよなあ……。まぁ、霧島さんとは結婚する仲だし、その性格はいつか治されるだろうから問題ないかな?

 

「言っておくが、バカのお前だけには言われたくない」

 

「え!?なんでわかったの!?」

 

「思いっきり俺に聞こえていたぞ……てめぇ、試合終わったら覚悟しとけ」

 

雄二が凄い顔でこちらを見ているが、何でそんなに怒るのか僕にはわからないと思いながら会話してると、いよいよ審判の合図が振り下ろされた

 

さぁ……天誅の時間だよ……!




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丸坊主対学年一のバカ 決勝戦

明久side

僕と雄二は召喚獣を召喚して、常夏コンビと対峙していた。決勝戦の科目は日本史で、この日のために僕たちは死ぬほど特訓させられた

 

『さて、どれくらいできるのか知りたいからひとつ質問するね?』

 

召喚獣大会の決勝戦前日に、秀吉のお姉さんの木下さんが僕にどれくらいの学力があるのか確認すると言っていた。ちなみに決勝戦の科目は日本史だというので、どのくらいできるか確認されることに……

 

『さて、1858年の日米修好通商条約の際の米総領事は誰?』

 

『……ハリル!』

 

『間違いよ……罰として、3分以内にこの単語を確実に覚えてね。それと、こういうテストでは、押さえるポイントがあるわ』

 

木下さんが名前だけではなく、単語と年代のポイントとかを教えてくれた。Aクラスというのもあって教えが本当に分かりやすい……

 

『木下さんはなんで教えてくれることに?』

 

『言ったでしょ?桂君と代表の頼みだし、それに個人的にあれが優勝するのは遠慮してほしいから貴方達に勝った方がまだ応援できるって……それに、Aクラスに迷惑かけた人達が優勝するのは何か気にくわないのよ』

 

『なるほど……』

 

僕が木下さんとそういう会話をしてるよそに雄二の悲鳴が聞こえたけど、どうせまたいちゃいちゃしているのだろう……FFF団の裁判今度仕掛けようかな……?

 

『ほら手を止めない!!』

 

『は、はい!』

 

いやー、本当に昨日は今までにないくらいしっかり勉強したかもしれないよ……それにしても先輩達は推薦をとるために教頭と協力して……お陰で僕たちのクラスも危ない目に遭った……

 

「そんな身勝手なせいでこっちは色々と……!絶対に倒す……!」

 

あの日の苦労を思えば必ず倒さないといけない!!仲間に危険をさらした敵の仲間を容赦しない……!

 

日本史

3ーA

常村勇作 210点 

夏川俊平 198点 

vs

2ーF

坂本雄二 240点

吉井明久 210点

 

「ほさげ!!常村は坂本を頼むぞ!」

 

「おう、夏川はあのバカをたのむぞ!先輩を嘗めた報いを受けさせるぞ!!」

 

因みに夏川は、頭が剥げているのでご注意を……と誰に向かっていっているのだろう??とりあえず、僕は常夏コンビの相方の夏川と対戦することに……

 

「たまたまいい点数とれたからって調子に乗るなよ!」

 

夏川先輩のは通常装備は僧侶のような服装に煙管型の大型ハンマー……つまり攻撃主体は煙管型の大型ハンマーでそれを振り下ろしてきた

 

「おらぁ!」

 

「よっと……それ!」

 

「ぐ!?」

 

僕は振り下ろしてきたハンマーを回避すると、右腕にあった木刀を夏川先輩(坊主先輩)の召喚獣に当てた

 

「ぐ!?」

 

「まだまだ!」

 

夏川先輩(坊主先輩)がよろめいたのを見逃さなかった僕は追撃していた。先輩は必死に回避していたけど、残念ながら僕の方が召喚獣の扱いは上だ

 

「そらそら!」

 

「くそが!!!」

 

僕の追撃攻撃にまともに回避できなかった夏川(坊主)先輩は、舌打ちをしながら必死に交わしていた

 

日本史

3ーA

夏川俊平 158点 

vs

2ーF

吉井明久 210点

 

このまま押し寄せていけば、僕は勝てる!!そう確信しながらも戦いの前納ヅラとの言葉を思い出した

 

『いいか、明久。決勝戦の相手はあの二人だ……俺が言いたいことわかるな?』

 

『えーと、汚い手を使ってくるかもということ?まさか、そこまでは……』

 

『奴等は堂々と店の妨害をしたのだから、何かしてくる可能性は大いにあるだろ』

 

『言われてみたら……じゃあどうするの?』

 

僕の質問にヅラは悪い顔をしながら教えてくれた。僕はその方法を引いて正直、手段は任せるといってもいい方法が思い浮かばないよ

 

「っち、二年相手に本気に出さないといけないとはな!!」

 

「(フィードバックはないものの気持ち的に痛くなることをしろ……!)その本気が汚い方法ではないことを祈りますよ!観客の皆さん、目の前にいる先輩はいまの今まで本気じゃなかったみたいです!」

 

「っ!?」

 

僕はわざと観客の方に聞こえるようそういうと、先輩はなにかをしょうと思っていた懐を取り出すのをやめた。ヅラの言う通り、やはりなにか企んでいたみたいだ!!

 

「てめぇ……!」

 

「なに怒っているのですか?先輩は店で大分色々してくれたお礼ですから、こういうので注目浴びさせてあげるのもいいですよね?」

 

僕はそういいながら連続突き攻撃をすると、先輩は後ろへとよろめいていた。それを見て僕は先輩に話しかけた

 

「先輩は後輩に勝つのが当たり前なんて誰が決めたのですか?その後輩に負けている先輩は……これ以上恥ずかしい思いしたくないのでしたら降参勧めます。(まぁ、これは雄二の入れ知恵で煽ったら先輩は……)」

 

「あんまり先輩を嘗めるな!!!」

 

「(予想通りにこちらに突撃してくる!)こうも予想通りとは…滑稽…!」

 

夏川坊主先輩は叫びながら召喚獣をこちらに向かって走ってきた。僕は一呼吸をしながら先輩に一言言った

 

「遊びは……終わりだね……」

 

「ん!?何か言ったか?」

 

「遊びは終わりと言ったのですよ……!先輩!!」

 

「遊びだと……だったら、見せてみろよ!てめぇの本気とやらをな!?」

 

「えぇ、望み通りに見せてあげますよ……卍……!」

 

「まてまて!?それは訴えられるぞ!?やめろ!?」

 

坊主先輩が慌てているが、そんなの関係ない!!僕は僕のやりたいようにやる!!

 

「解!!」

 

「な、消えた!?」

 

僕が叫ぶと共に召喚獣は消えて、先輩や観客は驚いていたが……実は消えていない。僕の召喚獣は……

 

「正義とはなんだと思う??」

 

「いきなりなんだ!?哲学か!?」

 

「僕は今日まで色々と大変な思いをしていた……そんなのを知らない先輩は僕たちを嘲笑う……。あぁ、すごく気分悪いですよ……だから……」

 

僕の言葉と共に僕の召喚獣は坊主先輩の懐までに潜り込んで……

 

「ヅラ直伝……悪即斬!天誅!!」

 

「てめぇ、それは牙……「最後までそれはいわせない!!」……!?!!」

 

僕は下から上へと突き上げる攻撃をすると共に坊主先輩の召喚獣は上へとつき上がり……

 

日本史

3ーA

夏川俊平 0点 

vs

2ーF

吉井明久 170点

 

僕が坊主先輩を倒すと、会場は大盛り上がりで、声を張り上げていた。そして、雄二の方ともう一人のモヒカン先輩の方気になり見てみると……

 

「「……」」

 

にらみ合いながら戦いあっていた……どうやら、このふたりの決着つくまでは手を出さないほうがいいだろう……

 




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負けられない理由がそこにある

雄二side

あのバカはどうやら、丸坊主先輩をぶちのめれたそうだな。まぁ、あの先輩は格下に負けて呆然としてるが、それは嘗めていた向こうが悪い

 

「夏川!?」

 

「どうやら、あんたの相方はうちのバカに負けたみたいだな。安心しな、二対一でやらずに、一対一で挑んでやるからよ」

 

「くそが!勝っているから調子に乗りやがって……」

 

俺の挑発に常村と呼ばれた男は苦虫を噛み潰したよう毒づいていたが、正直あまり怖くねぇのだよなぁ……

 

『なんと、吉井選手が三年生の夏川君を倒しました!やはり、この決勝戦に来るまでに勝ち進んできただけの子とはあります!』

 

「っけ、どうせここまで勝つまでに汚い手で勝ってきただけだろうがよ……!」

 

アナウンサーの言葉にモヒカン頭の常夏コンビの常村先輩とやらは毒づいていたが、その言葉には否定もうなずきもしないがな

 

「いやいや、あんたらがそういうのかよ……まぁ、それもこの戦い終わったらあんたのその台詞は負け犬の遠吠えになるか」

 

「ほさげ!!」

 

モヒカン頭の常村は、こちらに向かって怒りながら西洋剣を振るってきた。俺は回避すると召喚獣の顔面にメリケンサックを食い込ました

 

「なっ!?」

 

「大振りすると、回避しやすいのだよなぁ……」

 

一応俺は今でこそおとなしいが、昔は悪鬼羅刹という呼び名を言われていたからな……。昔はあぁいうふうにバットを振り回すやつがいたからな

 

3ーA

常村勇作 200点

2ーF

坂本雄二 240点

 

「てめぇ!?」

 

点数が十点も消費されて悔しげに俺の方を見るが、俺はこれでもまだ小手調べで攻撃した。そもそも俺がこの点数をとれたのもそれなりに暗記もできるからな……

 

「そういや、開始前に不正とかどうこうとか言ってくれたじゃねぇか?」

 

「ぐっ……」

 

「不正とか好き勝手に言いやがってよぉ……こちらら生半可な気持ちで今回の決勝は勉強していた訳じゃねぇんだよ」

 

「な、なんだ…急に雰囲気が……?」

 

モヒカン頭の常村先輩の俺が顔付き変わってきたの見て引いていた。だが、俺はそんなのを気にする事なく昨日の事を思い浮かんだ

 

『雄二、ここ間違えてる』

 

『なんだと!?というか、くっつくな!?』

 

『夫のサポートをするのが妻の役目。そして、これは夫婦のなかを深めるための一つ』

 

『夫婦でもねぇし、それ以前に付き合っていない!!!』

 

『雄二は照れ屋さん』

 

『照れてねぇよ!?!』

 

ヅラの提案で明久は木下姉に教えられていて、俺は翔子に教えられていた。最初は拒否していたのだが、召喚獣戦争で負けたのを持ち出されたら拒否もできねぇ……

 

『くそ喉乾いたな……(ん、この臭いはなんだよ)』

 

俺は翔子のせいで喉が乾いていて、お茶をとろうとするとお茶に違和感がありちらっと見ると……

 

そこには白いなにかがコップに入っていた

 

『ヅラぁぁぁ!!!』

 

『ん、なん……あつぅぅぅぅ!!』

 

俺はヅラを呼ぶと同時にに毒々しい色が入っていたコップを思いきりヅラに向かってほりなげると、ヅラの頭に思いきりかかった

 

『なんだ、この熱いのは!?というか、いきなり何してくれる!?』

 

『なんだじゃねぇ!?てめぇ、このコップに何をいれた!?』

 

『コップに……?待て、これは俺いれた覚えはないぞ?』

 

『何……?ということは……』

 

俺は翔子の方を見ると、翔子は悪びれもなく俺の方に向かって……

 

『お酒を入れた』

 

『貴様、何をいれてくれる!?!危うく未○年飲○法引っ掛かるだろ!?』

 

『結婚の口実をつくれると思った』

 

『よし、今すぐ脳神経外科いってみてこい。お前の頭が異常だとわかるためにも……って、ヅラはどうした?』

 

『さ、坂本……このお酒は……ただのお酒ではないぞ』

 

ヅラが震えながらそのコップを指していた。俺はそれがなんだと聞こうと思うと、翔子が口開いた

 

『霧島……何を入れた?』

 

『スピリタス』

 

『『死ぬわ!?!!』』

 

スピリタスって、アルコール96%のお酒でしかも氷もなにもいれてないって殺す気か!?!!殺される要素しかねぇよ!?

 

『そうだ、雄二』

 

『……あ?』

 

『もしも決勝で負けたらわたしの言うことを聴いてもらう』

 

その言うことを聴いてもらうのが結婚しろと言う可能性があると思った俺は………

 

『絶対に勝たねば……!』

 

決勝戦で負けるようなことあれば、俺の人生が破滅におそれがある……!

 

「だからこそ……!」

 

《なんと!?坂本選手が急に燃え上がりました!!?これは負けないと言う気迫が彼を引き立てているのでしょうか!?界王拳でしょうか!?》

 

だからこそ俺はもうこの戦いは負けられねぇ!そう決心しながら召喚獣と共に歩くと先輩は震えていた

 

「し、修羅!?」

 

「悪いな……こちらも負けられねぇんだよ……。界王拳……二倍の……」

 

「く、おおぉぉお!!」

 

「拳を受け止めなぁ!!!!」

 

俺の攻撃と共にモヒカン頭の常村先輩はぶっ飛び召喚獣は完全にダウンした。そして、俺は負けたことにショック受けている先輩に……

 

「……ばかな…なんで………」

 

「死にたくないから本気で勝った」

 

「説得力があるのは……なぜだ……ガクッ」

 

『召喚獣戦争の勝者!!二年Fクラスの吉井坂本ペア!!三年に勝ったのはなんと、二年のそれも、一番下のクラスがジャイアントキリングをしましたぁぁぁ!!!』

 

「「よしやぁぁあ!!!」」

 

「「「「「おぉぉぉぉ!!」」」」」

 

俺と明久は罰ゲームの回避と文月学園のひとまずの危機を乗り越えれたと言う喜びの叫びで、会場はアナウンサーの言葉に大盛り上がりだった




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秘密はうまく隠蔽を!

俺とムッツリーニと優子っちは、明久達の決勝戦の勝利を見届けて、周りの人たちと同じように拍手していた

 

「あの二人は大したものね。あんな上の学年相手にでも、引かずに積極的に戦って勝ったのだから……」

 

「うむ。普通に考えれば、向こうが明久達を嘗めていたというのもあるが………」

 

「……勝利の執念があったのは明久達だった」

 

俺たち三人は決勝戦の結果で明久達の戦いぶりを評価しながら、三年の敗因も話していた

 

「結果的に見れば、明久達が上の学年のAクラスに勝つのは驚きかもしれないが、俺達はなにも驚くことがない」

 

「そうね、あんだけ勉強を教えたのだからね……。じゃ、決勝戦終えたし私はクラスに帰るわね」

 

優子っちはそれだけを言い残すと自分の教室の方へと歩いて帰った。ムッツリーニも知らない間に教室に帰っていき、俺も帰ろうかと思うと……

 

「大河君、少し良いかしら?」

 

俺を呼び止めたのは現国兼政治・経済を教えてくれている人で俺の遠い親戚関係に当たる竹内先生だった

 

「どうしました?」

 

「今一人なら、生徒指導室に来てほしいの」

 

「なぜ!?ま、まさか……ビックリ爆弾をこっそり作っていたのがばれたのか!?」

 

「その件は初耳ね。後でお姉さんとお話ししましょうか」

 

「し、しまった!?」

 

うっかり俺のしてることがばれてしまい、冷や汗が止まらずに震えていると、先生はあきれるようにため息ついた

 

「とりあえずは生徒指導室にいきましょう」

 

俺は問答無用で、生徒指導室につれていかれた……因みに生徒指導室の鍵を鉄人に鍵をもらっているそうだ

 

ーー生徒指導室ーー

一応、このクラスのお手伝いは遅れるか間に合わないかもと姫路達に連絡を入れた俺は生徒指導室で、先生と二人きりだった

 

「……以前いっていた件の話よ。因みに盗聴の心配はないわ」

 

「なぜ盗聴を……あぁ、なるほど」

 

大方、あいつら……教頭の連中を警戒しているのもある。この部屋に盗聴されている問題ないとわかると、俺と竹内先生と向き合った

 

「さて、例の件だけど……証拠は掴めたわ」

 

竹内先生から写真と資料を見せてもらうと、俺はそれを見てしかめ面になっていた

 

「やはりあの不良達は……教頭の差し金か」

 

「えぇ。少しつけがあって調べると、そういうことだったみたい」

 

「そして、今回の三年の件……ここまで証拠を揃えば教頭を取り押さえできるのではないですか?」

 

「うーん……これだけではダメだと思うから学校にある教頭の部屋に、多分確実な証拠はあると思うわ。ふふふ、生徒に手を出した報いを必ず受けさせてあげる」

 

「あぁ、そうですよね……」

 

どうやら、教頭は竹内先生に怒りを触れさせてしまったか……普段は優しいが、身内や自分の生徒が傷つけられると妥協せずに問い詰めていくのだが、それがまた恐ろしい……

 

「今日中には話をつけにいくつもりだからね。それと、もうひとつ話があるわ」

 

「まだ、ありました?」

 

「先程いっていたビックリ爆弾の件を話しましょう」

 

「………あ………」

 

「少し制裁ね……」

 

「あ、ちょ………ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

竹内先生…いや、従姉さんの優しい笑顔と共に恐ろしい制裁を俺は味わうことに………次に目を覚ましたときは保健室で、時間をみると清涼祭の終わりの時間が迎えていた

 

「いたた……」

 

「目が覚めたか、ヅラ」

 

「坂本か……?っていうか、ヅラではなく桂だ。そして、なぜ明久達も??」

 

「ヅラが保健室にいると聞いてね。これからババアの方にいくのだけどくる?」

 

「あぁ、なるほど……では行こうか。それよりもなぜ俺は保健室に??」

 

俺は保健室を出ようとしながらも、なんで保健室にいたのか記憶がないので聞いてみると……

 

「竹内先生が、生徒指導で話してるときにお前が椅子から転んで頭強打したと聞いたぞ」

 

「そうだったって……?まぁいい」

 

秀吉が、俺に状況を説明してくれた。しかし、なんで椅子から転んでいたのか覚えてない。そう話しながら学園長室へと着いた

 

「失礼しまーす」 

 

「邪魔するぞ」

 

「お祖母ちゃんお年玉ください」

 

「お主ら全く敬意を払っておらぬぞ!!それと、大河それは失礼じゃ!?」

 

「あんた達は本当に礼儀知らずだねぇ……それと、誰があんたのお祖母ちゃんだい!?はったおすよ」

 

秀吉は俺たち三人の入り方に咎めており、学園長は俺の言葉に突っ込みを入れて疲れたといわんばかりのため息をはくと明久は、嬉しそうに報告していた

 

「あ、学園長。優勝の報告に来ました」 

 

「言われなくてもわかっているよ。アンタ達に賞状を渡したのは誰だと思ってるんだい……。それにしても、随分と仲間を引き連れてきたもんだねぇ」

 

「一応こいつらも被害者だから、元凶の顔くらい拝んでも罰は当たらないはずだ」 

 

「ふん、そうかい。そいつは悪かったね」

 

「そして学園長は涙を流しているのであった……」

 

「流してないよ!何勝手に捏造してるのだい!」

 

「……火に油注いだ……」

 

秀吉達がこの学園長室に来た理由を坂本がのべると、学園長は口調は粗いものの申し訳なさそうに感じるのは気のせいではないはず。そんな俺の呟きに学園長は否定していて、ムッツリーニは小さい声でしてきた

 

「それよりも腕輪を返しましょうか?」

 

「いや、それはすぐに不具合は直せないさ」

 

「返す……?不具合とかどういうことだ?」

 

「あ、うん。この腕輪には暴走する危険があるから、教室の改修と交換条件で僕達がこれをゲットするって言う取引を学園長とーー「まて、明久!!」……へ?」

 

「……盗聴の気配!」

 

坂本は明久に呼び止めるも発してしまい、俺は嫌な予感をして出ると見覚えのある背中が見えた。ムッツリーニは、盗聴の気配あるというと共に俺は学園長室を出ると見覚えのある背中が見えたので、懐に隠してるのを取り出した

 

「逃がさない!!はぁぁ!」

 

「「おぉぉ!?!」」

 

俺はビックリ爆弾を見覚えのある二人組に全力投球で投げるも二人の後ろで音が爆発して当たることなく逃げた

 

「すまん、逃げられた!!」

 

「っち、ババァとの話は後だ!明久達いくぞ!」

 

「え、え?!」

 

「竹原一派の仕業で今の会話を盗聴された!つまり録音をされた可能性は高く、このままでは、不味いぞ!!」

 

「そ、そんな!!絶対に止めよう!!」

 

「「「おう!」」」

 

明久の言葉と共に俺達はこの盗聴をした人間を追いかけていくことに……




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人生楽なことはない

学園長室から出ていき、俺達は盗聴をした連中を追いかけていた。そんな追いかけているなか、明久が問いかけてきた

 

「雄二、向こうは例の常夏コンビでしょ!?」

 

「そうだ!ヅラが爆弾を投げて煙が漂っていたが、例の髪型が見えたから間違いない!」

 

「なら、分かれよう!!」

 

「そやつらの特徴は?」

 

明久の提案に秀吉が平行に走りながら、特徴を聞いてきた。秀吉の問いかけに明久が走りながら答えた

 

「坊主頭と小さなモヒカンだよ!みたらすぐにわかる!!」

 

「了解じゃ!!ムッツリーニとワシは外を探す!!」

 

「ならば、俺達は放送室に!その途中でまた別れて合流をするそ!」

 

「……明久、これを持っていて」

 

俺の言葉に秀吉達も頷いて、足を止めることなく聞こえるように話した。すると、ムッツリーニが平行に走りながら明久に渡した

 

「双眼鏡?」

 

「……俺の予備だ。もっていけ」

 

「なぜそれがある……まさか覗きに?」

 

「……違う。しかし、俺はこの学校を気に入っている」

 

「それは俺たちも同じ意見だ」

 

「へっ……ならさっさと捕まえるぞ!!見つけたら携帯で電話だ!!」

 

「「「「おう!!」」」」

 

ムッツリーニ達と分かれて俺達は最初に放送室に向かっていった。やつらが教頭の手先の人間かつ汚い方法を考えるならここだろう!

 

「邪魔するぞ、お前ら!!!」

 

「な、なんだ!?お前達は!!」

 

中にいたのは常夏コンビでは………なく、ただのタバコを吸っているバカとDVDをもってきたバカだった

 

「雄二、ヅラ。ここにいたのはタバコを吸っているバカと学園祭で密かに取引されていたDVDだったね」

 

「とりあえず全部押収していくぞ!」

 

明久と坂本はいそいそとDVDを持っていき、放送室出ていった。俺も追いかけるように出ていくと、持っていかれた生徒は泥棒と叫んでいたが、そこにあるのが悪い!

 

「二年の方に向かって走っていこう!!」

 

「うん!」

 

「あれ、アキ達はそんなに急いで何してるの?」

 

「桂も何してるのよ?」

 

「すまない、今は事情を話している暇がないのだ!!」

 

「まちなさい、吉井君なにか忘れてるわよ」

 

「落としてしまったのね。なにかし……ら」

 

俺達は急いでいこうとすると、明久が回収してたDVDを落としてしまい、島田と岩下がそれを手に取ったのは……

 

「女子高生緊縛物語……桂、少しお話あるわ」

 

「アキ…あんたもよ………」

 

「ふざけるな!!俺にはそんな性癖はない!!明久は、そういうのあるかもしれんが!!!」

 

「ふぇ!?!あ、アキ……!?」

 

「よ、吉井君そんな性癖が……」

 

「ち、違う!!!」

 

「いくぞ、明久!」

 

「とにかく今は時間がないから、明久はそういうのも興味あると言うことだ!!!!」

 

俺は無理矢理明久を坂本と協力してこの場を脱出した。島田は明久がそんな性癖あると思い顔を真っ赤にしていて、岩下も同様だった。次に向かってる最中に二ーAで霧島と遭遇した

 

「……雄二」

 

「し、翔子!悪いが今は構っている暇はない!!」

 

「……大丈夫。一人で市役所行けるから」

 

「そ、そうか……じゃねぇよ!?俺は判を押した覚えはねぇぞ!!」

 

「坂本、ここにはいないのだから急がねば!!」

 

「そうだよ!!」

 

「ふざけるな!?こっちはこっちで大変なことになっているのだぞ!?」

 

「さらば、霧島!」

 

「またね!」

 

「頼む!頼むから、待ってくれぇぇぇ!!!!」

 

わめく坂本を引きずりながら、俺達はAクラスを去っていった。このままではむやみに探しても時間の無駄になってしまう!!

 

「明久、坂本!俺は上の階にいく!!」

 

「わかった!!何かあれば携帯で!!」

 

「了解だ!!」

 

俺は明久達と別れて上の方へと追いかけると、あるひとつの疑惑が思い浮かんだ。やつらは、これだけ探しても見つからないのなら……

 

「お祭り会場で放送を使っていたのは……まさか新校舎の屋上か!!!」

 

俺は上へとかけ上がると、そこには常夏コンビがそこにいたので、俺は思いきりドアを蹴りあけた

 

「そこまでだ、常夏……いや、常夏コンビ!」

 

「「訂正できてねぇよ、このバカ!!!」」

 

「バカではない、桂だ!!!」

 

俺はやつらに向かって警告をすると、二人は怒鳴りながら俺の方へと向いていた。どうやらひとまず放送をされる手間はなくなって、こちらに意識向いてくれたな

 

「てめぇはあのときの!!」

 

「昨日は世話になったな……まさかこの手で先輩達を()()()()()()()()()()()……」

 

丸坊主の夏川は俺の顔をみて、怒鳴っていたが俺は懐に爆弾をゆっくりと取り出して、悲しげにその台詞をいった。すると、爆弾を取り出すその様子を見たモヒカンの常村がふるえていた

 

「こ、殺すって大袈裟だな!それどうせおもちゃだろ!?」

 

「試してみるか……?俺は貴様達に背後から爆弾を投げたときは音をしなかったか?」

 

「ま、まさか?!マジのやつか!?」

 

「俺は言った筈だ。もし、これ以上このクラスを妨害した場合は…………俺はお前達を容赦しないと。そして、お前達がやろうとしてることは学校へと破滅導くことをしてるのだぞ?」

 

「はぁ!?!」

 

俺の言葉に夏川はわけわからないという顔をしていたがどうやら、受験をただ楽したくて協力していた頭だったと思うとため息しなかい

 

「まぁ、それを伝えたところで無駄だろう。たとえ、それを放送して、そういう学校の生徒を推薦で来てほしいなんて誰も思わないと言うことを、気づかない貴様達は勝手に自爆していると言うことにな」

 

「て、てめぇ!」

 

「それと……俺は今虫の居所が悪い。受験に楽する輩にな……努力をして受験するものや努力して推薦をもらうものがいるが、貴様達のは何も努力してない紛い物の推薦をもらうだけの先輩達だ」

 

「ふざけるな!?」

 

俺は外の方に爆弾を思いきり投げると、その爆弾はきれいに爆発して先輩達は口を開いていた

 

「ふざけるな……?それはこちらの台詞だ。貴様達がおこなった行動のせいでどれだけの人間が迷惑かけたと思っている。俺は言った筈だ……お前達を容赦しないと……今すぐその放送をするのをやめたら、俺は爆弾を投げない」

 

「「………」」

 

「人生で楽な道はない。時には苦しいときもある……だが、今のそちらが行うことはいつか、必ず後悔をする。楽をしたものに栄光はなし、努力した者に、栄光ありだ」

 

俺は目をそらすことなく、先輩達に説得していた。先輩達は少し考えてみるも……

 

「それでも、俺たちは楽したいんだよ!!」

 

「そうか……ならば、もう容赦はしない!!天誅を……!?」

 

俺は爆弾を問答無用で投げようとするとなにかが飛んできて俺は頭に被害受けないようにしゃがむと空中で爆発した

 

「な、なんだ!?てめぇなにか仕掛けた!?」

 

「たわけ!!俺がそんなのしない!!もっとうまく時限爆弾を仕掛ける!!」

 

「こいつはこいつで怖い!って、おぉおぁ!?」

 

もう一発爆弾がほりこまれて、それが放送器具に直撃した。それを見た常村が叫んでいた

 

「放送器具が!!」

 

「お、俺たちの未来が……!」

 

「やはり、楽をしようとするものにはそれなりの罰が来るな。さて、放送器具も破壊されたし……」

 

俺は懐にあったものを近くでおいて、先輩の方に笑顔で……

 

「バイビー、先輩達」

 

「「へ…?」」

 

カチカチピー………

 

俺が屋上のドアを閉めると同時にカウントダウンがゼロになり爆発が起きた……ただし、こけおどし爆弾で光が発光する仕組みだ

 

「「ぎゃぁぁぁぁぁ!!!」」

 

ドーーーーーン

 

「あれくらいをすれば問題なかろう。さて、もうひとつの仕事をしておくか……」

 

俺は先輩達が目を回して倒れてるのを見届けると共に、これまでさんざん迷惑かけられたのだからもう一踏ん張りの仕返しをしておくか……

 




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報告と始末書

明久達が放送道具の破壊及び教頭の部屋を爆破させてしまったみたいで、鉄人達に追いかけれていた。そんな中、生徒指導をされている最中に俺は学園長室に訪れていた

 

「あら、あなたはFクラスの桂君」

 

「学園長室に来てどうしたの、大河君?」

 

「お疲れさまです、高橋先生に竹内先生。学園長に少し報告がありまして……高橋先生達は?」

 

「私は学園長の指示を受けてこれから教頭の部屋を見てくることに。竹内先生は、学園長に呼ばれたためここにいます」

 

呼ばれたということに、大方教頭の情報が手にいれたみたいだな。高橋先生は教えるだけ教えて学園長室を出て、残っていたのは俺たち三人で学園長が口を開いた

 

「盗聴の心配はしなくっていいさ。先程土屋とか言うガキが外してくれたよ」

 

「それなら安心ですね。私から先に報告をするけど学園長、彼も知っている前提でしゃべって問題ないでしょうか?」

 

「構わないね。そこのガキもすでに知っているから」

 

「そうですか……では、結論から言うと教頭の不正が見つかりました」

 

「ほう?」

 

「その件に関してまたあとで資料を送らせていただきます。私からの報告は以上です」

 

「では次に俺ですね。まずは、やつらの目論みは明久達の手で終わり放送される心配はなくなった」

 

「そうかい。しかし、いったいどうやって止めたのだい?」

 

確かに学園長の疑問はもっとだ。俺は屋上で起きた出来事とそのやり取りを一部始終隠すことなく話すると竹内先生も学園長もため息をついた

 

「やれやれ、バカと思っていたがそんな恐ろしいことをしていたのかい……」

 

「さすが観察処分者……何をしてくるのかわかったものではありませんね……」

 

「危うく俺も死ぬところでしたよ……それともう一つ鉄人に報告したいことができて三年生に対するクレームです」

 

「三年生?」

 

「教頭の手下とでも言うべきですかね。俺達のクラスだけではなく、他クラスにも迷惑かけられたので処分を下してもらおうと……」

 

「それでしたら、私から西村先生に話を通しておしましょう。それに学園長もいますし、聞いて損はないかと」

 

竹内先生の提案に俺は懐から隠していたカメラと音声録音を取り出して学園長にみせた

 

「何でそういうのあるのだい?」

 

「これがある理由はクレーム対応だ。少なくとも他のクラス……特にAクラスからも迷惑を被ったのでその証拠を確実につかむためだ」

 

「で、その証拠はどういう風に?」

 

俺はそのカメラと録音を学園長と竹内先生に見せると共に学園長は呆れ、竹内先生は笑顔だがだんだん冷たい目になっていた

 

「なるほどね……大河君。西村先生にこの彼らのしてきたことを話すと共に処分を職員で話させていただきませんか?」

 

「俺としては構いませんが……学園長はどうお考えですか?」

 

「そうだねぇ……文月学園として一般客がいる中、そういう行いをするのはさすがに問題があるねぇ。教頭の部屋を探索と共にこの三年の対応処分を近日会議するよ」

 

「かしこまりました。では、まずは捜索をします」

 

竹内先生は一礼して、学園長室に出ていき俺も出ようとすると学園長が呼び止めた

 

「待ちな、くそガキ」

 

「くそガキではない、桂だ!!」

 

「そんなのはどうでもいいさ。とりあえず今回はそのカメラとかは見逃すけど、あんまりそういうのは気を付けな」

 

「心配せずとも、今回は仲間のためならそういう手を考えたまでだ」

 

「そうかい。今回はあんたらに世話になったね」

 

俺は学園長の言葉を聞いて、心のなかでこの人も感謝するときはするのだと理解できた。俺は学園長室を出ていき、みんなと待ち合わせしている公園の広場へと向かった。すると、明久たちも丁度来たみたいだった

 

「全く…お前達はとんでもないことをしたな。今では学園の誰もが知ってる有名人になったな」

 

島田達が問い詰めているなか、俺は呆れながら声をかけると、明久達はこちらを見ていた

 

「ヅラ!?遅かったね」

 

「ヅラではない、桂だ!!お前達が危険なことをしてくれたお陰で、俺はあのあと先生達に謝り倒したぞ!全く、しょうがない子よ!」

 

「なんでお母さん発言になっているのですか!?」

 

「桂ってたまにとんでもなくボケるよね。そうね、おまけに教頭室に花火をぶちあてるなんて…」

 

「今ではお主達は有名人じゃぞ」

 

「こいつと同じ扱いなんて不名誉だな」

 

「それはこちらの台詞!」

 

坂本の言葉に明久も同じ意見といっているがもはやこの評判は今すぐにはひっくり返せないだろう……

 

「……そういえば売り上げは?」

 

「あ、そうだった!」

 

「そうね、凄いってほどじゃないけどたった二日では結構な額になったのじゃない?」

 

そういいながら島田は売り上げノートを見せてくれた。今回はAクラスやBクラスの岩下達の協力もあったお陰でそれなりに売れたと言うのもある

 

「ふむふむ……この額だと畳と卓袱台くらいか?」

 

「そうだね……出だしの妨害がいたかったね」

 

「く、やはりあのときにもっと追い込めばよかったか……」

 

「いやそれは辞めとくのじゃ。さすがにお主がそれ以上をすると何が起こるかわかったものではないのぅ」

 

俺はあのときに問い詰めておけばよかったと考えていながらも秀吉に止められていた。仕方あるまい……

 

「そうだ、坂本」

 

「ん?」

 

「あの優勝チケットはどうなった?」

 

「あぁそれなら明久にたくしたぞ。俺が持っていると色々と……な?」

 

優勝チケットは明久に託したと伝えると、坂本は悲しそうに言っていた。俺は明久が持っているなら話は早いと思い、その前に何か飲もうと考えてると……

 

「そういえば、ヅラ」

 

「ヅラではない、桂だ。なんだ?」

 

「今回お前は不良相手に最初手を出さなかっただろ?島田達が人質とられる前に制裁できたはずだ」

 

「それに関しては俺は申し訳ないと思っている。今後は気を付けるが……それよりも俺からもひとついいか?」

 

「なんだ?」

 

「俺が学校出るとき、霧島が嬉しそうに婚姻届をもって市役所に向かうのが見えたがお前はついに認めたのか?」

 

「ちょっと電話してくる!!」

 

坂本は携帯を取り出して、席をはずした……やれやれ、あいつもあいつでいつになったら霧島と向き合うのだ??そう思いながら、俺は飲み物をゆっくりと飲んだ………




ここまで読んでいただきありがとございます!
次回もよろしくお願いします!


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処分下されたのは……

昨日で学園祭……それも終わって俺達はいつも通りに学校へ登校して、教室に入るとざわざわ騒いでるのが気になった

 

「おはよう、秀吉。これは一体なんの騒ぎだ?」

 

俺はこのざわざわしている状況がなんなのか分からずに前にいる秀吉に聞くと、秀吉はこちらに気づいて振り返った

 

「おはようなのじゃ、大河。実は各クラスにこういうのを張っていてのぅ」

 

「む、学園長からの……なになに?」

 

処分等減免通知

・教頭に関すること

X年X月XX日付けで、文月学園の竹原教頭は諸事情により退職することになりました。

つきまして、教頭の代理は決まり次第また報告させていただきます。

・清涼祭に関すること

清涼祭で、模範生であるべき3年生二名が悪質な迷惑行為を行い、2年生や多くの来客に迷惑かけている指摘を受けて以下の処分を下しました。

謹慎処分

文月学園

3ーA

常村勇作

夏川俊平

 

・教頭の部屋の爆発事件に関して

学園の施設である教頭の部屋が爆発したことに関してで2年生の2人が物を運ぶ際に手違いで直撃させてしまいました。

その2名は、今月終えるまで週3は放課後西村先生の指導を受けてもらいます。

文月学園

2ーF

坂本雄二

吉井明久

 

うむ?結局学校側は明久たちに退学させない代わりに、西村……鉄人の指導を受けることになったのか。なるほど、つまりあれだけのことをしてるのに何も重い処分を下さないのは不信感をだしかねないからか?

 

「アキ達は退学とかはない代わりに生徒指導を受けることになったのね……」

 

「……それも今月末まで」

 

「うむ、中々きつい処分じゃのぅ……」

 

「あの、教頭の解任は明久君達がうっかりやらかした花火が直撃して職務こなせない状態になったからなのでは……?」

 

「すまん、さすがにそれはないと言い切れないな……まぁその当の本人達はまだ来ていないがな」

 

確かに、まだあの問題を起こした二人が登校してきてないな……。そういえば、明久から優勝商品をもらっていたな……

 

「そういえば、島田と姫路に今度はAクラスの木下優子と明久四人で○○○店のおごる日を決めておけよ」

 

「え?そんな話していたっけ?」

 

「えーともしかして少し前のあれですか?」

 

島田と姫路の疑問に俺はうなずいてその紙を見せた

 

誓約書

今回の文月学園の清涼祭後、私は島田美波と姫路瑞希に○○○店のプリンを奢ります。尚、このサインをしたと言うことは同意したと見なしますので断れば、吉井明久はFFF団の手でお仕置きされることを誓います。

※尚、明久がおごる人は増えることもあるので、しっかりと考えた上でサインをしてください

2-F

吉井明久

 

「うむ。何で姉上も誘うのじゃ?」

 

「なに、やつは勉強で色々とお世話になっているのになにもしないのは失礼だろ?だからこそ、そういう動きを取り入れた」

 

「……ギルティ」

 

「ムッツリーニは……とりあえず今度お前が喜びそうなことを協力したらいいものを送ろう。今はひとまず許せ」

 

「……喜びそうなことを…いいだろ…」

 

俺はムッツリーニが喜びそうな物を持っているので、ひとまず明久の命は大丈夫だろう……さて、それよりも…

 

「そろそろ問題を起こした本人が来るな」

 

「「間に合った~!」」

 

俺が言うともに教室のドアが空き、二人とも呼吸を整えながらこちらにやって来た……

 

「お主たちギリギリじゃのぅ……」

 

「相変わらず元気ね。っていうか、坂本はなんでそんなにボロボロなの?」

 

「色々あってな……って、なんだ?お前たち急に悲しそうな顔をして」

 

「何かあったの?」

 

秀吉は苦笑いしていて、島田は謎と言わんばかりに坂本の姿を指摘すると坂本は目をそらしていた。そして、明久が違和感を感じたのか俺の方にやって来て聞いてきた

 

「来たか……お前達……」

 

「どうしたのさ、そんなに悲しそうな顔をして……」

 

「全員!!!吉井明久と坂本雄二に敬礼!!!」

 

「「「「「おう!」」」」」

 

「は、はい!」

 

俺の言葉に坂本と明久を除く面子が敬礼していた。明久達は何で俺がそんな悲しそうな顔をしているのかわからずにこちらをみていた

 

「……雄二、明久……短い付き合いだったがお前達のことは忘れない」

 

「うむ……」

 

「あんた達……頑張って生きて……」

 

「明久君……!」

 

「ちょっと待て!?俺ですら状況つかめないのだが!?!」

 

「坂本と明久……遺書を用意しとくから頑張ってこい……いや、お前達は俺たちの英雄だった。」

 

「まって!?本当にどう言うこと!?」

 

俺達の言葉に明久達が動揺していると、俺はゆっくりとその紙を見せた

 

「えっと、何々?常夏コンビは謹慎?」

 

「当然だな。あんなことをしていたのに学校が対策しないわけないだろう」

 

「その下を読め」

 

「その下………はぁぁぁぁあぁ!?」

 

「どうしたのさ、雄二。そんなあわて……てぇえぁ!?!!」

 

俺達が見せたがみせた下の方に明久達も見たのだろう。そう、二人とも教頭の部屋の爆発事件に関してを読んで、『今月終えるまで週3は放課後西村先生の指導を受けてもらいます』という文章に……

 

「「ふざけるなぁ!?!」」

 

「ふざけてはいないさ。これはきちんと学園長と話した結果だ」

 

「「て、鉄人!?」」

 

明久達が声した方向に、いつもの毅然とした態度の鉄人がそこにいた……

 

「お前達が召喚獣大会で優勝した……それは確かに凄いことをしたのは素直に誉めよう」

 

「でしょ!?だったらこの処分は……」

 

「そうだ、そうだ!」

 

「だが、お前達は日頃の私生活と今回の事件を起こしたのをみて、やはり教育的に教える方がいい!とおもい……喜べ、この俺に補習されることでお前達は賢くなるチャンスを得たのだぞ」

 

「「り、理不尽だぁあぁぁ!!」」

 

鉄人は爽やかな笑顔で明久達にいうと、明久達は絶望的な表情をしていた……あわれ、学園を救った代償にこれとは割りに合わないだろう……




ここまで読んでいただきありがとうございます!
次回の話を明日にでものせれば!と思いましたが、なかなか進まなくなりました……
がんばって、明日投稿するか、ひとまずお休みをもらうか悩みですが今後ともよろしくお願い致します!


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如月パーク編
朝の目覚めと共に


長らく待たせてすいませんでしたぁあぁぁぁああ!!
とりあえずはなんとか、1話を完成させれたこととそして、リアルの怪我が大分ましになってきて書いた次第です……
これからも宜しくお願いします!


雄二side

清涼祭のあと俺と明久は、あの鉄人の血の涙もない鬼の補習を受けることになっていた。あんな、ふざけた処分をなんとか乗り越えた週末のその日は穏やかな朝を迎えた……

 

「……ん……もう朝か………」

 

俺はゆっくりと起き上がろうとすると、小さくか細く、そして聞きなれた声が俺の耳にはいった

 

「……雄二、起きたんだね……おはよう」

 

「…ん、あぁ……おはよう…翔子」

 

「…今日は良い天気」

 

翔子は優しく笑いながらカーテンを開けて俺の部屋には日差しが差し込んだ。俺は寝ぼけている頭を抑えながら、頭のなかで整理していた

 

「(今日はコイツと何かの約束をしていたっけ?寝起きのためか本調子ではないが、頭で記憶を探ってみるがダメだ。全くそんな約束をした覚えがない。なら、今ここにいるのは約束しているからではないだろう……つまり……)……翔子」

 

「……なに、雄二」

 

「携帯をとってくれ」

 

「……電話?」

 

「あぁ、少しな」

 

電話は電話でも俺にとっては大事な電話を今からしないといけない……何故なら………

 

「もしもし、警察ですか?」

 

記憶をたどろうにもなかなか思い出せず、こいつがここにいることの答え……それは………

 

不法侵入だ…!!!

 

 

俺は電話を終えて慌てて部屋を出るとも共にお袋がいる台所へと向かった

 

「お袋、どういうことだ!!!」

 

「あら、雄二おはよう」

 

「おはよう……じゃねぇよ!?どうして翔子が俺の部屋にいるんだ!おかげで俺は警察のオッサンに二次元と三次元の区別が出来ない妄想野郎と思われちまっただろうが!」

 

間違いなく、翔子は俺の部屋にやって来たのはピッキングして俺の家に来たか或いはお袋が手引きでこの家にやって来たか!

 

「えぇ、翔子ちゃんが……?」

 

「(この態度……ひょっとしてあいつが勝手に??)ああ、いや、怒鳴って悪かった。俺はてっきりお袋がアイツを勝手に俺の部屋に上げたものだと……「もう、翔子ちゃんってば奥手ねぇ。折角お膳立てしてあげたのに何もしないでいるなんて勿体な―――あら雄二、どうしてお母さんの顔を鷲掴みにするのかしら?」……お袋が原因か……!」

 

俺は一瞬でも母親に疑って申し訳ないという罪悪感を返してほしいと心の底から思うのと、お袋には一度忘れてしまった常識を真剣に教えるべきか……!

 

「雄二、お義母さんを虐めちゃだめ」

 

「離せ翔子……お袋には一度常識を真剣に教えないと……」

 

「お義母さんを虐めちゃだめ。もしその手を離さないなら……」

 

「離さないのならなんだ?」

 

「……この本をお義母さんと一緒に読む」

 

「なっ?!貴様それは!!」

 

ムッツリーニですら唸らせた至高の1冊が見つかるなんて最悪の事態だ!一緒に暮らしているお袋でさえわからないような場所に隠したはずだぞ!? 

 

「翔子、それは女子供が読む本じゃねぇ!?!早くそれをこちらに!!」

 

「あら、翔子ちゃん。それは雄二が日本史の資料集の表紙をかぶせて机の2番目の引き出しの2重底の下に隠してある秘密の本じゃない?」

 

「なっ?!(お袋にもばれていた……!!今ほどあの明久の独り暮らしが羨ましいとおもったことはない……!)」

 

今ものほほんと楽しんで一人暮らししているあいつが羨ましいとおもったことはない!ヅラは……一人暮らしなのか?

 

「わ、、わかった。お袋は開放しよう……」

 

「……そう、それならこの本は……」

 

「(今度はばれないように鍵を厳重をして、お袋ですら本当にわからない場所に隠さないと)解放したから返してくれよ」

 

「……この本は燃やすだけで許す」

 

「それはどう考えても許してあげるときの対応じゃねぇよな!?」

 

「なら仕方がない……」

 

「そう、普通に返してくれるのが許し……」

 

「……雄二、結婚してくれるなら燃やさないであげる」

 

「燃やす燃やさない以前にそれは脅迫だろう!!!」

 

いつも思うがなんでこいつは婚姻届を常に持っているんだ!?そして、俺に人権なんてないのか!?

 

「あらあら、相変わらず仲良いわね」

 

「これで仲良いと思うなら、お袋と翔子は病院行け」

 

「あら、雄二と翔子ちゃんはもうあの段階に?」

 

「……まだ陽性になっていない」

 

「行くのは精神科にだよ!?!だれが、その行為をしたといった!?!」

 

えぇい、翔子とお袋は本当に変なところ頭のネジが外れているからこちらが疲れる!!

 

「はぁ……で、翔子は何の用でここに来た?」

 

「約束」

 

「……約束??俺はそんな約束をした覚えはないが……」

 

翔子にたいして普段はこんな対応しているが、約束した覚えはさすがにないぞ。すると、翔子は鞄の中から見覚えのある文字が見えた

 

「貴様それは……!?」

 

「あら。如月グランドパークのオープンチケット?しかもプレミアムって書いてあるから特別なチケットなんじゃないの?凄いわ翔子ちゃん、よくこんなもの手に入ったわね~」  

 

「……優しい人がくれた」

 

俺はそれを聞いて恐らく渡したであろうそいつに電話をすることに……絶対にあの野郎にちがいない!!

 

《はい、もしもし?どちらさまですか?》

 

「………キサマヲコロス」

 

《えっ!?なになに!?本当に誰!?メチャクチャ怖ーー》

 

電話で非通知で掛けた俺は低く発言したあとに奴はあわてていた。その慌てぶりを思い浮かぶと俺の気持ちは少しスッキリするが……

 

「さて、翔子……大体の事情は飲めたが、俺は拒否させてもらう!!」

 

「あらあら……どうしてそんなに嫌がるの?翔子ちゃんと一緒に行ってきたらいいじゃない?」

 

「……私は雄二と行きたい」

 

「ほら、翔子ちゃんもこういってるし行けば良いじゃないかしら?」

 

「(ここで、拒否する理由を話したら翔子はいろいろな手で仕掛けてくるだろう……)翔子」

 

「……いや」

 

「まだ、名前しかいってないのだが!?!」

 

「……雄二は拒否権がない」

 

俺は今日こそ翔子のその恋心は違うと言おうとすると、こいつは否定した。そして、ついに俺に拒否権を与えなくなってきたぞ!?!

 

「俺に拒否権はあるだろ!?」

 

「……これを見て」

 

翔子は懐から紙を取り出して俺に見せてきた。俺はそれを見て、最初は怪訝に見ていたが……

 

「し、翔子……こ、これは………」

 

俺は震えながらその紙を翔子に見せると、翔子はその紙の通りだと言わんばかりに見てきた

 

 

契約書

Fクラスに余っている机や椅子を貸し出してくれる代わりにFクラスが召喚獣の大会で優勝した場合に無償でプレゼントをする。

また、もらえなかった場合は坂本が半日遊園地の遊びに回ってくれることを誓う。

万が一優勝できなかった場合は坂本の人生を差し上げます

 

「こ、これは…あのときの………!?」

 

「…ここに雄二の名前もかかれている。それに、私のサインもしっかりしてる」

 

「無効だ!!こんなの……」

 

すると、翔子は懐からライターを取り出して炙るようにすると、さっきまでなかった文字が浮かんでいた

 

「何々……万が一優勝してチケット保有していたら坂本は霧島と如月ハイランドのデートをすることを誓います。……尚、拒否した場合は婚姻届を即日出します……すべてのことは代理人に任せますことを誓います…なん…だと……!?」

 

「……優しい人が教えてくれた……本当の秘密の文には火で少しぼやかすとそれが見えると……雄二はこの文章を見ても拒否する?」

 

「……喜んでいかせてもらおう……!!」

 

俺の人生最大の過ちは契約書をきちんと読ませるようにすることとあいつに任せたのが俺の最大の過ちだ……!!俺は涙を飲みながら翔子の要求を飲み込んだ………




ここまで読んでいただき、ありがとうございます!
次回も宜しくお願いします!


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ミッションスタート

俺は翔子の脅迫とも言わんばかりの、あの紙を見せられて抵抗をするの諦めた。抵抗をすることを諦めた俺と生き生きと脅迫しかけた翔子は如月ハイランドの付近へと近づいていた

 

「……俺は無力だ……」

 

「……やっと着いた」

 

必死に抵抗したにも関わらずここに来たことに落ち込む俺をよそに翔子は誰が見てもわかるように喜んでいた

 

「(ふむ……こいつのそんな喜んでいる姿を見ると連れてきた甲斐もあるかもしれないな……)よし、翔子」

 

「うん…」

 

「帰ろう」

 

「……だめ」

 

俺はここで帰ろうとすると、翔子は逃がさないと言わんばかりに肘をしっかり固めて極めてくる

 

「ははは、翔子………俺の肘間接はそちらに曲がらないぞ」

 

「…恋人同士は皆こうしてる」

 

「恋人同士でもここまで極めねぇよ!?っていうか、お前は腕を組むという仲睦まじい行為とサブミッションを同様に考えてないか!?」

 

「え?」

 

「何言ってるんだという顔をするな!?やべぇ……感覚が……!」

 

「……兎に角、行く」

 

「がっ!?翔子!?せめて、関節技を解いてから歩いてくれ!本当に肘関節が逆方向に向いてしまうから!?」

 

絶対にこいつは俺の腕のことを考えずに普通に歩いてるな!?やべぇ、本当に感覚なくなりそうだ……そう考えながら、ゲートの前に立っていた係員の青年の前に連行された

 

「いらっしゃいマセ!如月グランドパークへようこソ。本日はプレオープンなのデスが、チケットはお持ちですか?」

 

「……はい」

 

「拝見シマース。………!?!」

 

係員はそのチケットを受け取って俺たちの顔を見ると、笑顔のまま一瞬固まった。翔子がそんな係員の様子を見て不安そうに表情を曇らせる

 

「……そのチケット使えないの?」

 

「いえいえ、すこしお待ちクダサーイ。……こちら零、例の連中が来た。ウエディングシフトの用意を始めろ。連中に幸せを届けるぞ

 

係員はポケットからトランシーバーを取り出し、俺たちに背を向けてどこかに電話をし始めて不穏なことを言いやがった

 

「……ウェディングシフト?」

 

「おい、こら!!!今テメェ、流暢な日本語しゃべらなかったか!?それになんだ、その不穏な言葉は!?あと、翔子……それは聞き流せ」

 

「Oh.気にしないデくだサーイ、こちらの話でーす。それに日本語むつかしくてワカりまセーンー」

 

「ぐ……!と、ところで、そのウエディングシフトとやらは必要ないぞ?入場だけさせてくれたらあとは放っておいてくれていいからな」

 

これ以上こいつらの思惑にのせられたくない俺はエセ野郎にそういうと、やつは困った顔でこちらの意見を断った

 

「それはでキマセーン。それに豪華なオモテナシモアリマスのでー」

 

「不要だ。それに、こちらが拒否してるのにむりやりすぎないか?」

 

「そんなことアリマセーン。もし、断ればアナタの実家に腐ったザリガニを送りマース」 

 

「やめろっ!そんなことされたら我が家は食中毒で大変なことになってしまう!」 

 

「では、マズ最初に記念写真を撮りますヨ?」 

 

「……記念写真?」 

 

「ハイ。サイコーにお似合いのお二人の愛のメモリーを残しマース」 

 

「……お似合い……嬉しい」

 

エセ日本人であろう係員がよりにもよって恐ろしいことを言って来たお陰で俺は逆らうと言う選択はなくなった……何せ、あの母親は本当になにするかわからねぇからたまったものじゃねぇよ!

 

「はぁ……わかった。さっさと済ましてくれよ」

 

「Oh.ワカリマシター」

 

「……カメラを持ってきました」

 

俺はもうこうなったら今だけは従ってあげようとすると、一人の係員がカメラを持ってきた。すると、エセ日本人は丁寧にお礼をいった

 

「Oh、アナタが持ってきてくレだのデスか!Thank You。仕事早いですねぇ。」

 

「(……おかしいな、帽子を目深にかぶった上に長い髪の毛のスタッフがカメラを片手に現れたうえにこんなに丁寧にお礼を言うのだろうか?)……少し試すか」

 

「……どうしたの、雄二?」

 

「少しかけたいやつがいる」

 

俺は、携帯を開いてある電話をかけてみるとそいつはすぐに電話を出たが……目の前のスタッフには電話がかからなかった

 

「な!?(こんなタイミングでの、丁寧に対応されていたのなら間違いなく奴がそうだとおもったのに……!?)」

 

「……雄二?」

 

「お客様、ドウサレマシタ?」

 

「あ、嫌なんでもない……ってあれ、さっきのスタッフは?」

 

「彼は次の仕事へと行きました。では、撮りましょう」

 

スタッフに促されながら俺と翔子は写真を撮り、俺は隙あれば逃げようと抵抗をしょうとしたが……

 

「翔子、腕に関節を決めるな!?いだだだ…」

 

「……夫婦になるための一歩」

 

「では、撮りま~ス!……はい、どうゾ」

 

「……ありがとう。みて、雄二」 

 

ほどなくして似非日本人野郎が写真を持ってきた。それと同時に間接技を決められていた腕が開放されるが……

 

「おいこら、明らかにおかしいだろ!?」

 

「サービスで加工も入れておきまシター」

 

「こんなサービス要らねぇよ!?」

 

俺達二人を囲うようなハートマークと『私達、結婚します』という文字。未来を祝福する天使が飛び回っているが、俺は真っ青になっているし、これを見ればどういった経緯で結婚に至ったのかが気になるだろう

 

「コレをパークの写真館に飾っても良いデスか?」 

 

「キサマ正気か!?コレを飾ったところでここに何のメリットがある!」 

 

「……雄二、照れてる?」 

 

「すまないが、俺はこれを見て照れる要素は微塵も感じない!それ以前に、これはおかしいと感じるだろ!?」

 

これを飾って幸せそうに思えるなんてどれだけおめでたい頭なんだよ!!!

 

「では、お客様この後を楽しんでクダサーイ」

 

「行こ、雄二」

 

「ちょ、関節を決めるなぁぁあぁ!?」

 

俺達のやり取りをよそに後ろからなにや係員に因縁をつけてくる声が聞こえたが、今はそれどころではなくこの関節を極めているのをどうにかせねば!!

 

 

ヅラside

俺は現在、ある場所で作業をしていたのだが、なにかを感じとり俺は顔をあげて大きな声を出した

 

「ヅラではない、桂だぁぁああ!!」

 

「え、どうしたのさ!?いきなり声だしてさ!?」

 

俺はあるところでなにかを感じ取って大きな声を張り上げると、明久が驚いたようにこっちを見ていた

 

「あ、嫌なんでもない。それにしてもやはり携帯に電話かけてきたな」

 

「うん、ヅラがいってくれなかったらバレたよ。でも、なんで長い髪の毛をしろといったの?」

 

「もし、変装しなかった場合……やつは間違いなくお前の方に電話しかけるだろ?そして、お前は携帯をうっかり持ってくからばれる」

 

「つまり、二重のトラップを仕掛けたと言うことだよね?」

 

「あぁ、案の定、仕掛けてきたがそれも不発……このまま作戦を続けるぞ!皆のもの協力を頼む!」

 

「「「「おう!」」」」

 

さぁ、明久考案の雄二&霧島のラブラブ作戦を実行しようではないか!!!とりあえずは……次の手を考えようではないか




ここまで読んでいただきありがとうございます!!
次回もよろしくお願いします!!


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フィーと白いぬいぐるみ

雄二side

やはり、先程のあのカメラを持ってきた係員がどうしても気になるな……。長い髪の毛はヅラか変装した明久かとおもったが、どちらも電話はでなかった……

 

「(二人は電話はでなかったが、あのカメラマンは見覚えがあるような気が……一か八かやるか)……翔子」

 

「……どうしたの、雄二」

 

「すまんが、一瞬だけ我慢しろ」

 

「……?」

 

きょとんとしている翔子のスカートを掴み、一瞬だけく捲り上げる。下着が見えるか見えないかというギリギリの高さまでスカートが持ち上げると……

 

「…!」

 

「あの、狐のぬいぐるみでとっさにデジカメを取り出そうとするあの動きからしてムッツリーニだな」

 

「……雄二のえっち」

 

俺はスカートを一瞬巡りあげた瞬間の時に、狐のぬいぐるみで懐からカメラを出そうとしてることからムッツリーニと思われる動きだった。俺はあの見覚えがあるカメラはやはり、ムッツリーニなのだと再確信した時に翔子から怒りの声が……

 

「なっ!?ち、違うぞ翔子!俺はお前の下着になんか微塵も興味がないっ!」 

 

「……それはそれで、困る」

 

「ちょ、頭を鷲掴みするなぁ!?いだだ、理不尽だぁぁ!!」

 

翔子の握力で俺の頭蓋が軋む音が聞こえてきた。こいつ、時々とんでもない握力をさらけ出すな!?

 

「…でも、雄二が望むならここで脱ぐよ……」

 

「まてまて!?ここでするな!」

 

「…じゃあ、家帰ったらしてあげる」

 

「そういうことじゃねぇよ!?」

 

翔子によって鷲掴みされた頭を解放されて安堵するも、翔子が恐ろしいことを言って来た。それ以前に、俺がいつそれを望んだ!?

 

「はぁ……(とにかく、ここの計画によっての既成結婚されるのだけは避けたいな……)」

 

「…雄二、着ぐるみがいるよ」

 

「そりゃあ、ここは遊園地だから、いるだろ?」

 

その着ぐるみはこちらに気づいて……懐からなにかを出した

 

「えーっと、看板を取り出して……?」

 

【お兄さん達、フィーが面白いアトラクションを紹介してあげるよ?】

 

「ぬいぐるみは声を出さないのか?」

 

「…雄二、声を出したら子供達の夢が壊れるでしょ?特に、ぬいぐるみから声を出すのは夢の国とかU○Jとか」

 

「U○Jは知らんが、夢の国は確かに特別だな。(っち、声を出せば誰かとかわかるのに、こうも用心深いと探れねぇ!だが、ムッツリーニはいたのだから、必ずあいつらが関わっているはずだ!)」

 

【お兄さん達、フィーが面白いアトラクションを紹介してあげるよ?】

 

「同じことしか言わねぇのかよ!?まぁ、フィーがいう面白いアトラクションとは何だ?」

 

【おすすめは、向こうに見えるお化け屋敷だよ】

 

「ほう?そうか、ありがとう」

 

【いえいえ、楽しんできてね】

 

「よし……。翔子、お化け屋敷以外のアトラクションに行くぞ」

 

俺がそういった瞬間、フィー…狐の女の子らしきぬいぐるみは大慌てでテンパって声を出してしまった

 

「ままま…待って下さいっ!どうしてオススメ以外のところに行くんですか!?」

 

「おい、姫路だろ…この声」

 

「は!?ふ、フィーは見ての通り狐の女の子だよっ♪狐の女の子だよ?」

 

「そうか……なら、さっき明久が女子大生から映画館に誘われていたな」

 

「…え…どこ情報ですか?」

 

「(こわ!?!一瞬で声のトーンが変わったぞ?!)あ、あぁ、さっきみたんだ。というわけで、俺達はおすすめのそれはいかないから」

 

俺はそういっていこうとすると、別の奴がガシッと俺の腕を止めていた。俺は振り返り、なにかと思ってみると……

 

【おすすめのアトラクションを聞いたのだから行ってほしい】

 

そこにいたのは狐でもなんでもなく、真っ白なぬいぐるみがそこにたっていた。俺はなんとも言えん顔をしていた

 

「お、おい……それは遊園地のぬいぐるみか?」

 

【ぬいぐるみではない、エリザベスだ】

 

「その書き方はヅラだろ!?どうみても、その返事のしかたはヅラだろ!?」

 

【もし、アトラクション行ってくれなかったら……】

 

「行ってくれなかったら何だ??」

 

【貴方の家に、プチプチの梱包材を大量に送ります】

 

「やめろ!?!貴様よりにもよって恐ろしいことをするな!!」

 

そんなことをすれば、我が家のお袋は全ての梱包材を潰し終わるまで他のことは何もしないだろう!!なんて地味かつ微妙な嫌がらせをしてくれるんだ……!

 

「わかった、行こう」

 

俺は諦めて後ろにいる翔子に、お化けのアトラクションに行くとはなしすると、翔子は怪訝にこちらを見ていた

 

「……雄二」

 

「なんだ、翔子」

 

「…雄二はさっき誰と話していたの?」

 

「誰ってそこに真っ白なぬいぐるみに……え?」

 

俺は先程いた真っ白なぬいぐるみの場所に指を指すと、そのぬいぐるみはいつの間にか消えていた

 

「…は?」

 

【どうしました?】

 

「姫路、いや…真っ白なぬいぐるみさっきそこにいたのだが……?」

 

【え……?そんなぬいぐるみは見たことがないですよ?】

 

姫路のかかれた紙に、俺は途方とない寒気を感じて真っ青になっていた。いやいや、きっとあれは明久が……いや、明久なら確実にボロだすはずだ……ヅラも自分の名前をうっかり言うし…じゃあ島田か?

 

「あれ、坂本と翔子じゃない?」

 

「あ、きれいなお姉ちゃんと怖いお兄ちゃん」

 

俺が思考深く入りかけていると、そこには島田と島田妹がいた。つまり、さっきのぬいぐるみは島田と言う線は消えてしまった……

 

「おー、チビッ子と島田か。なんでここに?」

 

「…葉月ちゃん久しぶり」

 

「はい!久しぶりなのです!」

 

「実は葉月が、地元の抽選みたいなので如月ハイランドを当てたのよ。アキや瑞希達を誘おうと思ったけど二人までだって……折角なら葉月とと思ってね」

 

「すげぇ、強運だな!?」

 

よく当てれたなと思うと同時になぜ姫路とムッツリーニがこちらで……やつらの手先ではないのか!?

 

「ん?それ本当?」

 

狐の女の子フィーは島田に耳打ちをすると、先までの穏やかな顔だった島田が般若みたいになっていた

 

「……葉月、少しだけ狐のフィーちゃんと居てくれない?」

 

「どこに行くのですか?」

 

「すこーし、お話ししたい人ができたから、そちらに向かうわ。すぐに戻るから葉月を少しよろしくね」

 

島田はそれを言うなり、フィーに島田妹を預けものすごい勢いで走っていった……恐らく、明久もこの遊園地にいるのだろうが……

 

「少し疲れたから、お化け屋敷行くな。チビッ子はそこで、姉を待っときな」

 

「はい!また今度も会いましょうです!」

 

「…またね」

 

【是非、楽しんできてねー!】

 

フィー(姫路)は嬉しそうに手を降っていたが、俺は先程のあの真っ白なぬいぐるみは誰なのかし深く考えながら、こんな昼間に幽霊とかはあり得ないと思って幽霊屋敷へと歩いた




ここまで読んでいただきありがとうございます!!
誤字も少しずつ減らして頑張りますのでこれからもよろしくお願いします!


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遊園地の裏側では……

雄二side

俺は先程、遊園地のキャラクターの着ぐるみしていた姫路に言われて、お化け屋敷へと向かっていた。そこにいくと、例のエセ外国人がそこに待っていた

 

「Oh.お化け屋敷ヘトキタノデスネ」

 

「あぁ、嫌々だがな」

 

「では、こちらにサインして下サーイ」 

 

「ボールペンと紙……おい、これはなんだ?」 

 

「ただの誓約書デス」 

 

「それをしないといけないくらい、危ないのか?それはそれで面白そうではあるな」

 

俺は少しだけ楽しみをもってその紙を貰って書こうとすると……

 

誓約書

1.私、坂本雄二は霧島翔子を妻として生涯愛し、苦楽を共にすることを誓います。また、婚礼の式場には如月グランドパークを利用することを誓います

2.どのような事態になろうとも、離縁しないことを誓います

3.もしも離縁した場合はシニマース

 

「…はい、雄二。実印」

 

「Oh.用意がいいですね!実印はそちらで用意してるのでしたら、朱肉はこちらが用意しますー」

 

「おい、ちょっと待て!」

 

俺は、たまらずこの誓約書からの流れに疑問をもって、はっきりと強く言うと、二人ともキョトンとしていたが、いやいや、これは俺だけが反応おかしいのか!?

 

「この、離縁した場合はシニマースって何だ!?そして、なんで朱肉や実印がある!?」

 

「……雄二がいつでも結婚できるようにお母さんから許可もらっている」

 

「貴様……!そして、お袋もこんなの許可出すな……!」

 

「冗談デース。誓約書はいいのでなかに入ってクダサーイ」

 

「……うん、冗談……一割は

 

いやいや、待て!?今こいつは、不穏なことを言わなかったか!?俺はこれ以上問い詰めても俺が疲れるだけだから、問い詰めるのはやめよう……

 

「それデハ、邪魔になりそうなノデ、その大きなカバンをお預かりしマース」

 

「…お願い。あと、こぼれちゃうから、横にしないで欲しい」 

 

「このカバンをですカ?わかりまシタ。気をつけマース」

 

その鞄の中に何が入ってるのかは気になるが、俺のそんな疑問の前に翔子は俺の腕を抱き締めて中へと歩いていった

 

「って、があぁぁぁ。普通に行くから腕を極めるなっ!肘がねじ切れる!」

 

本当にこいつは俺を生かして返さないつもりか!?腕がものすげぇ、痛いのだけど!?!そう思いながらも、幽霊屋敷の扉の前と歩いて、その扉は横開きの自動ドアでありながらも、電気が入っていないようで手動で開けるようになっていた

 

「……行くよ、雄二」

 

「はぁ……仕方ねぇ。行くか」

 

俺はもう腹をくくりながら少しだけこのお化け屋敷がどういう風にできているのか楽しみだと思い中へと入った

 

ヅラside

だから俺はヅラではなく、桂だ!!そう言いたいものの、今モニターで坂本の動きを見張っていたがやれやれあやつは本当に強情だな

 

《こちら、ブラボー01です。坂本さん達が中に入りました~》

 

「了解。引き続き、頼むぞ」

 

《了解です!必ず仕留めますー!》

 

係員からの連絡を受けた俺は計画通りに進んでいることを安堵していた。そして、俺の背後には真っ白なぬいぐるみがこちらに戻ってきたので俺は優しく声かけた

 

「ご苦労だった、エリザベス」

 

【あれでよかったの?っていうか、どうしたの?】

 

「いや、いつか本当のエリザベスが出てきそうだと思ってな。あぁ、もう楽にしていいぞ……」

 

エリザベスがこちらに戻ってきて俺と二人で会話していた。実はこのエリザベスの正体は幽霊ではなく……

 

「協力してくれて助かる、優子っちと岩下と菊入。お陰で奴はこちらのことを考える前に行動を起こしているからバレていないぞ」

 

「どういたしまして。真由美と私でぬいぐるみの用意をして、優子が入って、着ぐるみをやってくれたのは助かるわ」

 

「じゃんけん負けたしね。それにしても……このデサインは桂くんが?」

 

「うむ、こういう相棒ないればなぁと思ってな。しかし、協力して助かる」

 

俺は秀吉の姉の優子っちの疑問に、頷いて答えると共に岩下と真由美にお礼を行った

 

「桂から面白い話があると聞いたから、何かとんでもないことするんじゃないかなぁって気になるわよ」

 

「そうね。だって……噂では先輩を爆弾で脅したと言うから、何をするかこちらはわかったものではないわ」

 

「俺はそんなことをしない。さて……3人には普通のぬいぐるみでうろうろと子供達を楽しませてやってくれ」

 

「少し気になるのだけど、何で今回バイトできるの?」

 

「そこは都合と言うものと、人手が足りないから頼みたいと明久から聞いていたのでな」

 

バイトできるの?という理由には明久から頼まれていたのが理由と、明久が何を躍起になっているな理由を聞くと霧島と坂本を夫婦体験してほしいと……

 

「やれやれ、明久プランがどこまで通用するかだな。まぁ、危ない点をいくつか改善にしたから問題ないと思うがな」

 

「あ、そうだ。桂にも耳にいれてほしいのだけど……実はーー」

 

「………ふむ、なら警戒リスクをあげておこう。明久達にはあとで連絡いれるから優子っち達も警戒してくれ」

 

「「「了解!」」」

 

全く、どうやらこの如月ハイランドでも迷惑客はいるものなんだな……はぁ……明久のやつのお化け屋敷提案はうまくいくのか不安だがな?

 

《そういえば、霧島さんからなにか大きな荷物預かっていますがどうしましょうか?》

 

突如通信が入ってきたので、俺は先程の霧島が預けた荷物がどんなのかわからないから悩んでいると……

 

「それ、代表…霧島さんが出てきたら、それを渡してあげて」

 

「雄二っち?」

 

「そうね。それとこの後の予定をお昼御飯は二人の時間を与えた方がいいね」

 

「うん、遊園地でそれを持ってきている可能性は高いよね」

 

俺の疑問をよそに女性陣達は何かを察したのか、俺の代わりにスタッフに指令を出していた。スタッフは疑問に思っていたが、なにか考えあると理解して二人が出たらお昼時間を与えると了承してくれた

 

「本当に男どもは鈍感ね」

 

「俺達が鈍感?よく分からんが、仕事頼むぞ」

 

俺はその言葉に疑問を思いながらも、とりあえずは各自着ぐるみを着て本来の仕事をしてくれていた

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!!
お気に入りや感想もありがとうございます!
そして、驚くことに評価もしていただいて……ありがたいです!
これからもよろしくお願いします!


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幽霊屋敷は心臓が悪い仕掛けするのが一番

あの訳がわからないやり取りのせいで、変に疲れながらも、お化け屋敷へと入った

 

「……ここのお化け屋敷はさっき係員に聞いたのだけど病院だったのを利用して廃墟へと変えたんだって」

 

「あぁ、そういえば言っていたな。しかし、こう以前の病院をこうもスリル満点の廃墟へと変えるとは、普通に凄いな」

 

「……うん、でも少し怖い」

 

「こういうのに怖がらないおまえが怯えるなんて珍しいな」

 

「……うん」

 

こいつはあんまりホラーなのは怖くないし、俺を拉致して八時間の恐ろしい映画を平気で見せるくらいメンタル強いのだが、どうやらここは翔子でも怖く感じたか

 

バン!

 

「…っ!」

 

「落ち着け、壁に思いきり叩いただけの音だ」

 

「…うん、少し音大きくってビックリした」

 

「まぁ、俺も少しビックリしたからな。しかし、ずいぶん古典的な脅しだな」

 

確かに大きな音を出されると俺でも驚くが、これは古典的な手で驚きはするも、慣れればどうしたことない

 

「ん?」

 

「放送?」

 

俺達は病院の階段に上がると、放送が突如流れてきた。俺は何故、お化け屋敷なのに放送がと思いながら聞いていた

 

《皆さん、この病院の都市伝説を知っていますか?この病院には実は地下にいくと恐ろしいのがあります》

 

「地下に?そういえば、俺達は今地下に向かっているよな?」

 

「…うん、順路って書いてある通りに歩いてる」

 

「まぁ、いいか。それにこの放送はまるで今から怖い話をするみたいだな」

 

そこの地下には……夜な夜な鳴き声がするのです。しかし、誰もいないはずなのにいったいなんの鳴き声かと一人の関係者がそこへと歩きにいきました……》

 

この話ってたしか、慰安室にいくと赤ちゃんの鳴き声がすると言う話だったような気がするな……。俺達はその放送を聞きながら地下のドアへと近づいていった

 

一人の関係者は、最初はそれは噂だろうと思いましたが、地下へ近づくとだんだん恐ろしく感じて来ました……》

 

「へぇ、なんか霊感があったのか?」

 

「……霊感?」

 

「あぁ、たまに本当に霊感が強い人が鳥肌たったり独特の雰囲気を感じたりするんだとよ」

 

《男は歩く度にだんだん息苦しく感じました……。その原因が、きっとこの地下の奥にあると信じて扉付近へと歩いた》

 

俺達も扉付近になると放送が止まり、続きがきになるがこれを聞こうには、ドアを開けないと行けないと言うことか?

 

「……二人でドアを開けないと開かない?」

 

「なんだその変な仕組みは…。まぁ、人か何かが出てくるのかもしれないが…とりあえず開けるか」

 

俺はこの仕掛けの意味がわからないがとりあえず開けないとわからねぇなとおもい、二人で開けると、そこには……

 

《“翔子結婚しょう”と、大きな声で叫んでいたのです。スタッフは驚きはするもそれは愛のある台詞なのだと理解しました。めでたし、めでたし》

 

「ふざけるな!?!一番恐ろしい仕掛けをするな!!それにめでたし、めでたし……じゃねぇよ!?!」

 

「……雄二……」

 

「まてまて、これは誰かが俺の声を真似してるだけだ!俺にその気持ちはない!!!」

 

「…結婚式はここであげよう」

 

「するか!?」

 

あいつら恐ろしい仕掛けをしてくれたな!?俺の人生をBadendにするつもりか!?そんなやりとりをしながらもまだ順路は続いていたので俺達は二階へと上がった

 

「くそ……とんでもない汗かいたぜ……」

 

「……残念、あれが本当の声ならいつでもお父さんに聞かせるのに」

 

「お父さんって貴様……!」

 

俺は疲れたと言わんばかりにため息するし、こいつはこいつで恐ろしいことを言っていた。そんな、俺達は少し進んだ廊下で何かの演出が顔を出した

 

《―――じの方が――――――よりも―――――》

 

冷たい風に乗ってかすかにに聞こえる声は、ふむ……怨嗟の声の演出か? 

 

「……あれ、この声、雄二?」 

 

「ん、そうなのか?っていうか、先のも俺の声をしていたのに、ずいぶんワンパターンだな……」 

 

どうやら、先程の俺に似た声も秀吉に声真似でもさせたのだろうな……。まぁ、確かに自分の声が聞こえてくるなんて怖いといえば怖いが、あいつらにしては普通の演出だと……

 

《姫路の方が翔子より好みだな。胸も大きいしスタイルもいいし、可愛いし、抱き締めたい…》 

 

「………雄二……覚悟、できてる?」 

 

「怖ぇっ!翔子が般若のような形相になりやがった!!確かにこれはスリル満点の演出だ!っていうか、あいつらが手を引いている可能性を考えたら普通の演出期待するのが間違えだった!」 

 

なんて、恐ろしいことを考えてるんだあいつら!まさか俺を生かしてここから出さないつもりか!?

 

《あ、でも……》 

 

「翔子よく聞け!きっと、このあとの台詞は違うはずだから!!」

 

「……本当?」

 

《やっぱり、俺は高橋先生でもありだな》

 

「……雄二、やっぱり覚悟いい?」

 

「絶対これ手を引いてるのはヅラだなぁ!!!後明久も絡んでるな!!!」

 

俺が叫んでいると何やら後ろで音がしたのでこのチャンスを逃すまいと翔子に呼び掛けた

 

「翔子!何か出てきたぞ!」 

 

「……気がきいてる。ありがとう」 

 

俺が声した方向に翔子は振り向くとそこには釘バットが……釘バット!?!

 

「……軽いし、質量感もある……これならお仕置きで使える」

 

「畜生っ!よりにもよって処刑道具まで用意してくるとは!全く趣旨は違うが最強に恐ろしいお化け屋敷だ!」

 

すると、翔子の後ろからドアが開いて出てきたのは……

 

「「「「処刑……処刑、処刑!!!」」」」

 

「FFF団か!?くそが、なんでいやがる!!」

 

「……逃がさない、雄二」

 

「ふざけるなぁ!!こんなところで……死んでたまるかぁあぁぁ!」

 

本当に史上最強の恐ろしいお化け屋敷だと俺は心の中で刻み込んだ……その後どうなったかは想像に任せる……




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手作りは愛情を込めて

俺は、なんとか命がけの逃走を無事に乗り越えてよろよろと幽霊屋敷の外へと出ていった……。あんな、恐ろしい幽霊屋敷を考えたあいつらの神経がわからねえ!!

 

「お疲れサマでシタ。どうでシたカ?結婚したくなりまシタか?」

 

「あんなので結婚したくなるか!?俺を殺す気か!?!」

 

「おや、オカしいデスね?危機的状況に陥っタ二人の男女ハ、強い絆デ結ばれルという話なのデスが……」

 

「それは、襲い来る危機が結ばれるべき相手自身でなければそうなるかもしれないが……やる相手を間違えている上に俺を殺す気か……はぁ……」

 

「……そろそろお昼」

 

あのエセ外国人に説得をしていると、お昼の時間だと言われた。俺は翔子に言われて、時計を見ると確かにその時間だし腹が減ったな

 

「……あの、あの、私のバッグを」

 

「Oh.それでした、特等席でお昼ご飯を用意させていただきますが……どうしました?」

 

「……その、わたしのバックをお願いしたいの」

 

「分かりました。席は用意しておきます」

 

翔子はエセ外国人に耳打ちをすると、その外国人は流暢に喋っていた。やはり、エセ野郎だろう!?エセ野郎に、食事するところを案内されるとそこには小洒落たレストランが見えてきた

 

「はい、バックデスゥ」

 

「……ありがとう」

 

エセ野郎は翔子に幽霊屋敷入る前に渡されたのをきちんと返しながら、翔子は嬉しそうに笑っていた。しかし、似非野郎が案内したのはパーティー会場のような広間で、そこら中に丸テーブルが設置されており、前方にはステージとテーブルが用意されている

 

「この雰囲気というより、この空間まるで……クイズ会場かよ」

 

「……雄二、今日は遊園地いくと決めて頑張って用意したものがあるの」

 

「ほぼ脅迫に近かったがな……ん?」

 

翔子の言葉に俺は疲れたため息をつきながら、言うと翔子は鞄から大きな弁当箱を取り出していた

 

「……雄二に食べてほしくって」

 

「(ん、よくよく見ればこいつの指所々傷があるじゃねぇか……まさか、こいつ今日のために料理を……)わかったよ、何を作ってくれたんだ?言っておくが、俺は評価に厳しいぞ」

 

「……!うん!」

 

翔子は俺の言葉に嬉しそうに笑い、弁当箱を開けるとそこには高級と思われるお肉がのせられていたり、鞄の中から水筒みたいなのを取り出して……

 

「し、翔子……この水筒みたいなのはなんだ?」

 

「…これはお父さんの会社関係で作っている商品の保湿水筒みたいななので……」

 

「お味噌汁……だと!?しかも、いい匂いがする!?」

 

「……頑張った。ちなみにお肉はA5のを用意した」

 

「それはお弁当と言うレベル越えているよな!?!」

 

時々こいつの概念はどういう風にできているのかすげぇ気になるが、そこは触れないでおこう。きにすると、俺が疲れると言うことだけはしっかり学んだからな

 

「……いただきます」

 

「頂きます」

 

俺と翔子は頂きますの言葉を言うと共に恐る恐るこいつの作ったのを手に出した。ここまでしっかりとしてるから大丈夫だと思うが……姫路のケースもあるからな……

 

「(えぇい、せっかくこいつが頑張って作ったのだから食べてねぇとな!)あむ……!」

 

俺は覚悟を決めて食べると……その味は本当に美味しく、夢の世界へとつれていかれた……。この旨味とこくがあるのはなんだ!?

 

「翔子、うまいぞ!これは本当に驚いた!!」

 

「……よかった。実は、美波と瑞希と律子と優子と真由美とで色々美味しく作れる勉強をしていたの」

 

「(あの姫路もか!?)そ、そうか……」 

 

「材料はみんなで選んで、味付けは律子と私とで材料を買ってくれたのは優子と真由美。美波と瑞希は食べ物を切ってくれた」

 

な、なるほど!しかし、味付けは岩下と言うのはさすが店やっているだけの事があって厳しく色々教えてくれたのだな!

 

「……ちなみに愛子は水泳で予定が合わなかったのと、お肉はA5のを用意したと言うとみんなは慎重にどういう料理するか考えていた」

 

「だろうな」

 

しかし、その話を聞けばもう姫路の料理もきっと問題ないのだろうな……。いや、まてまて、姫路だからそう簡単に改善はしないだろう。まぁ、その後は美味しくお昼ご飯はいただいたとだけ伝えておこう…

 

《さぁ!!皆様、本日は如月グランドパークのプレオープンイベントにご参加いただき、誠にありがとうございます》

 

《本日は、お集まりくださりありがとうございます!!》

 

俺が安堵していると、突如ライトが落ちて会場に大きくアナウンスの声が響き渡った。声からして桂と明久だという事がすぐにわかった

 

「やはり、あの野郎たちが今回絡んでいたな!!」

 

「……この声は吉井と桂?」

 

このまま無事に終わったらどれだけ幸せだと思ったか……!あんだけの仕掛けをしていたらそりゃあまだ終わらねぇよな!!

 

《なんと、本日ですが、この会場には結婚を前提としてお付き合いを始めようとしている高校生のカップルがいらっしゃっているのです》

 

《なんと!それは随分と、幸せな話ですね!!そこで、如月グループとしてはそんなお二人を応援する為の催しを企画させてきました。題して【如月グランドパークウエディング体験】プレゼントクイズ!》

 

「あの野郎達は何を恐ろしいことを!?」

 

「如月グランドパークウエディング体験……!」

 

俺はあいつら二人のその言葉に震えていると、翔子はついにそれを知ってしまい目を輝かせていた

 

《本企画の内容は至ってシンプル。こちらの出題するクイズに答えて頂き、見事5問正解したら弊社が提供する最高級のウエディングプランを体験して頂けるというものです!》

 

《凄いクイズですね!もちろん、ご本人様の希望によってはそのまま入籍ということでも問題ありませんが、私どもとしては仮に失敗しても入籍してほしいですね》

 

大問題だ!!特に、明久の野郎はとんでもなく恐ろしいことを言いやがったな!?俺の人生をなんだと思ってやがる!!

 

《それでは、坂本雄二さん&霧島翔子さん!前方のステージへとお進み下さい!》

 

「……頑張る……いくよ、雄二」

 

「まて!?そういったものはだな、きちんと双方の合意の下に痛だだだだだっ!腕がねじれるぅぅ!!」

 

本当にこいつらは恐ろしいのしか考えないのか!?俺に優しさはないのか!?俺に平和な明日が訪れるのか!?

 




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クイズは常識がないと良い問題が出せないもの

俺と翔子はあのバカどもの策略により、クイズのステージへと立っていた。本当にこいつらは俺を生かして返さぬつもりか!?

 

《さて、ツーさん。先程のクイズの説威名をもう一度教えてあげてください!》

 

《はい、ヨーさん。あと、ツーさんではなくヅラだ!ではなく、ツーさんでいいです。では、クイズの説明にうつりたいと思います!》

 

1.5つの問題をこれから出します。2つの問題を二人でしっかり考えて答えてあげてください

2.5つの問題をクリアすると弊社が提供する最高級のウエディングプランを体験して頂ける

3.仮にクイズが失敗しても入籍は可能である

 

《以上、3つのルールとなっています!もちろん終えた後の入籍もありですよ!》

 

仮にクイズを失敗しても入籍あり…じゃねぇよ!!この大ボケやろう!!とんでもなく恐ろしくいうな!!あと、ヅラは隠すならもっとそのツッコミ癖を直せ!!

 

「…なんか疲れている、雄二?」

 

「あぁ、このワケわからん状況とバカの考えていることがわからないと言う気持ちだよ…」

 

「?」

 

あいつらも大概だが、翔子もかなり振り回していると言うことも原因だがな。尤も連中や翔子にその自覚はあるのかどうかだな……

 

《それでは【如月グランドパークウエディング】プレゼントクイズを始めます!尚、問題を聞いて理解した場合は、その間のボタンを押してください!》

 

「(こうなったらわざと間違えるしかねぇ!!だが、最初に間違えると不審に思われるから正解したるか)来るならこい……!」

 

《では、問題です!楽市楽座や関生の撤廃を行い、商工業や経済の発展を促したのは誰でしょうか?》

 

「織田信長」

 

俺がそう答えると、ヅラは正解!!という音声ボタンを押して回りは拍手が起きていた。翔子は驚いたようにこちらを見ていた

 

「……雄二……」

 

「どうせ、やるなら真剣にだ。どうせ、ここでごねてもお前は逃がさないだろ」

 

「…もちろん。でも真剣になって嬉しい」

 

「は、離れろ!暑いから!!(なんてな、そう思わせとけば次に間違えたらこいつも諦めるだろ!!)」

 

そう!こうなれば次に間違えても回りは不審に思わないし、こいつも諦めるだろう!!

 

《さぁ、次の問題です!ヨーさん、お願いします!》

 

「……答えてみせる!」

 

「そうだな、俺も負けないぞ(さぁ、どんな問題でも間違えて見せるぞ!)」

 

《坂本雄二さんと翔子さんの結婚記念日はいつでしょうかっ?》

 

「……は?!(問題の意図がわからねぇ!?!どういう答えを求めているのだ!?)」

 

いま明久から出された問題の意図がわからずに困惑していると翔子が回答ボタンをおしてしまった

 

「しまった!?」

 

「……毎日が記念日」

 

「やめてくれ翔子!恥ずかしさのあまり死んでしまいそうだ!っていうか、それが正解になるわけ……」

 

《お見事!正解です!》

 

「正解になるのかよ!?!!」

 

おい、こら!こんなのが正解になるなんて、恐ろしすぎるだろ!?まさか、これは出来レースかっ!

 

《第3問!お二人の結婚式はどちらで挙げられるでしょうかっ?》

 

「……だからなんだ!?この問題!!!」

 

「…結婚式は……」

 

「だから、翔子もさらっ答えるな!?どう考えてもこの問題おかしいと考えろよ!?!えぇい、鯖の味噌!!」

 

とにかく、こう答えたらいくらなんで答えは不正解になるはずだ!!!俺はそう信じて、自信満々に答えると……

 

《正解!!》

 

「なん……だと……!?」

 

《2人の挙式は当園にある如月グランドホテル・鳳凰の間、別名【紗馬野美蘇仁(さばのみそに)】で行われる予定です!》

 

「てめぇら、絶対にそれは後付け設定だろ!?いくら、なんでもそれは無理矢理だろ!?」

 

《第4問!お2人の出会いはどこでしょうかっ?》

 

く、あくまでも問答を押しきるつもりか!!それならばこちらももっとわざと間違えて結婚のフラグを回避してやる!!

 

「よーー」

 

「…させない」

 

「ぎゃあぁぁぁ!?目が、目がぁっ!?」

 

《はい、回答をどうぞ!》

 

「小学生」

 

《正解、正解っ!お2人は小学校からの長い付き合いで今日の結婚までに至るという、なんとも仲睦まじいカップルなのです!》

 

今、俺が目を突かれたのは見えてないのか!?どこをどう見たら仲睦まじいという言葉が出てくるんだ!そして、ものすごく目がいたい!!

 

「うぅ、目が……」

 

「……大丈夫?」

 

「これで大丈夫と思うなら本当に精神科いけ……本当に痛いぞ、これ……っていうか、やった本人が言えることか……」

 

俺はよろよろと立ち上がりながら翔子にクレームをいった。この痛みはいずれ明久とヅラにやれば、俺の痛みもわかるはずだ!

 

《では、最終問題です!》

 

《ヨーさんの問題を解くと、「ちょっとおかしくな~い?アタシらも結婚する予定なのに、どうしてコーコーセーだけがトクベツ扱いなワケ~?」……は?》

 

ヅラが気分よく話していると、不愉快な口調が聞こえたのでその場の全員が声の主を探ると、彼らは呼ばれてもいないのにステージのすぐ近くまで歩み寄ってきていた

 

《お客様、イベント中なのでどうか退席していただけませんでしょうか?》

 

「あぁっ!?グダグダうるせーんだよ!オレたちゃオキャクサマだぞコルァ!」

 

「アタシらもウェディング体験ってヤツ、やってみたいんだけど~?」

 

《あのそのー》

 

《申し訳ございません、不細工なお二人では無理なので。また、特別企画でそういうのがあるので不細工で常識がないお客様なお二人のお客様には対象とされていません》

 

明久がどう対応しようかと悩んでいると、ヅラが笑顔でとんとんと対応していたが、あれは軽く切れているな。ヅラは普段はあれだがこういう常識のない手合いは大嫌いだからな

 

「てめぇ、オキャクサンにたいして失礼じゃねぇか!?あん!?」

 

「そーそー、オキャクサンは神様だよー」

 

《お客様は神様だから、何をしても良いという訳ではございません。ましてや、こういう常識のない行動をされては周りのお客様にも迷惑かけているのですから、お客様として扱うには難しいですね》

 

「なんだと!?オレたちもクイズに参加してやるって言ってんだボケが!」

 

「うんうんっ!じゃあ、こうしよーよ!アタシらがあの二人に問題出すから、答えられたらあの二人の勝ち、間違えたらアタシらの勝ちってコトでーー」

 

《お客様、警告します。これ以上妨害されるのはご迷惑です。ですが、問題を出すのでしたらひとつ警告します。あまりにも常識のない問題でしたら…落ちてもらいます》

 

ヅラが冷たくそういうと、男達は一瞬怯むもプライドだけは高いのか問題を出そうとしていた

 

「はっ、なら問題だ!」

 

「(めんどくさい輩だが、こういうのにはチャンスだ!!わざと間違えれば回避できる!!)」

 

「ヨーロッパの首都はどこだか答えろっ!」

 

「「「「「…………………は?」」」」」

 

あまりにも不可解で常識がない問題を出されて俺達やアワアワしていたお客さん達が固まっていた。たしか、ヨーロッパは国というカテゴリーに属していたことは一度もないのだから。その首都を答えるなんて不可能だ

 

「おら!?答えれねぇのか!?あ?」

 

《……はい、問題だしたお客様の常識がないと思う方は全員ボタンを押してください》

 

ヅラがそういった瞬間、会場にいる人たちが全員ボタンを押したと思われて……

 

「「え……」」

 

チンピラバカカップルのいたところには穴が開いたのだ。そして、そのカップルは状況わからず落ちていったのだ

 

「おい、こら!!こいつら答えられなかっただろ!?オレたちの勝ちじゃねぇかコルァ!」 

 

「マジありえなくない!?この司会バカなんじゃないの!?」

 

「ねーねー、お兄ちゃん。この答えをいっていい?」

 

《どうぞ》

 

チンピラバカカップルが穴の奥から怒鳴っていると、会場にはいつのまにか島田の妹の葉月がこちらにやって来たので、ヅラがマイクを貸してあげた

 

「えっとね、この問題ですが、ヨーロッパは、国じゃないから、首都はないんですよ」

 

「「っ!?」」

 

《あまりにも常識のない問題でしたら…落ちてもらいますと言いましたので、こんな常識ない問題は初めてです。では、ヨーさん》

 

《あ、はい!坂本雄二さん、翔子さん。おめでとうございます。【如月グランドパークウエディング体験】をプレゼントいたします!》

 

《なお、常識のないお客様お二人は、梯子をおいたので頑張って上がってください。小さい子でも笑ってしまう問題ありがとうございます》

 

ヅラが呆れるように指摘するとともに、葉月の指摘にチンピラバカカップルが恥ずかしそうに穴から出てきて舌打ちをしながら此方を睨んでいたがあまり怖くねぇな。そして、同時に俺の死のカウントダウンが始まった…




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夢を笑うやつには式場来る資格なし

ヅラside

やれやれ、一時はバカな乱入者のせいでどうなるかと思ったが、向こうが自爆してくれたお陰でなんとかこぎ着けたな。あと、ヅラではなく桂だと何度言えばわかる?

 

「ふぅ……雄二の方はとりあえずはスタッフ達に任せて霧島の方は岩下達がいくのか?」

 

「えぇ、それに基本はプロの人がやるけど私たちはサポートね。ところで、桂は今何してるの?」

 

「先程の迷惑行為されたカップルの報告書だ。あれの企画は企業も関わっているらしいから妨害されては困る。その証拠を差し終えている」

 

「まぁ、あれは常識ないというか……あんな問題も驚いたけど、あなた切れていなかった?」

 

「まぁ確かに軽くは怒っていたな。仕事を邪魔されて喜ぶものはいないし、あれは明久よりもヤバイやつだ」

 

本当に、あんな問題を聞いた時に明久よりも常識がないというより、バカをみたのは初めてかもしれないな。世界は広しというが、あんなバカを見ると思えなかった

 

「さて、そろそろクライマックスだ!それと念のために妨害した連中に……警戒をしておくか」

 

「さすがに式場では妨害しないのじゃない?」

 

「甘いな、悟○の息子の○飯がセ◯に止めを指すのを焦らすくらい甘いな」

 

「そこまでいう!?っていうか、それは他作品ネタでしょうが!」

 

「いたっ!?」

 

俺は岩下の考えが甘いのを指摘すると共に、どれくらい甘いかを例えると俺の頭にげんこつを下した

 

「いたた……」

 

「全く…で、なんでそう考えるの?」

 

「明久以上のバカだからだ。絶対に空気読めないに決まってる」

 

「……妙に説得力あるわね……。了解、とりあえずは私と優子で女の方は警戒するわ。男は任せるわよ」

 

「もちろん」

 

俺の言葉に納得して岩下は何もない事を祈りたいと言わんばかりの思いを込めていうが、ああいう連中は何しでかすか分からないからな

 

「さぁ、坂本。覚悟を決めてもらおう!」

 

ここまでやったのだから、もう後は式場をあげるだけだ!!そういえば、なぜ明久は坂本にすぐに渡さかなかったのだ??まぁ、それはいまとなってはどうでもいい!

 

雄二side

あんなふざけた出来レースのクイズとバカな問題のお陰で俺はとてつもない疲労が出た……

 

「おメデとうございマス。ウェディング体験が当たるなんテ、ラッキーでスね」 

 

「……凄く嬉しい」 

 

レストランを出ると例の似非野郎が嬉しそうに言うが、何がラッキーだ。ハナから計画に入っていたくせに……!

 

「翔子さんはウェディング体験の準備があるノデ、このスタッフについていってもらえマスか?」 

 

「初めまして。貴方のドレスのコーディネートを担当させて頂きます。一生の思い出になるようなイベントにする為、お手伝いをさせてください」

 

「(ん、あの後ろについている女性みたことがあるような……)ずいぶん本格的だな……。ってことは、俺は長い時間待たされるのか?ドレスを着てメイクをするってことは数時間もかかるような大作業になるだろ?」

 

「ご安心下サイ。メイクはちゃんと得意な方に頼んであります。メイク等にアマリ時間は掛かりませーン。それに……坂本さんにも着替えてもらいます」

 

「まて、その懐は何を隠してる!?」

 

「坂本雄二サンは逃亡を考えるだろうカラ、コレで気絶させてカラ、着替えさせるようにとある方らの指示デース!」

 

「く!」

 

「それと、逃走したら腐った食べ物を送ります」

 

「おとなしく従おう……!」

 

そんなの送られたら、我が家は悲惨なことになる未来しか見えないだろ!恐ろしい脅迫しやがって……!!!

 

俺は結局、あの強迫を屈して諦めるように新郎の服着て壇上で翔子を待っていた

 

「はぁ……(まぁ、本当に結婚するわけではないから落ち着こう……!)」

 

《それでは、新郎のプロフィールを紹介したいと思います》

 

どうやら、考えている間にプロフィールの話になっていたな。それよりも、ずいぶんと本格的にやるみたいだな

 

《省略します》

 

「省略するのかよ!?」

 

《そこは、体験なのでプロフィールを本格的にやるとプライパシーもないので》

 

「心にも思っていない事を言いやがる……!」

 

俺は明久が紹介する横でヅラが俺のツッコミに体験なのでと言うがそれをいうなら拒否させてくれよ……

 

「ま、紹介なんていらねぇよな』 

 

「興味ナシ~」 

 

「ここがオレたちの結婚式に使えるかどうかが問題だからな」

 

「だよね~」 

 

《はい、外野は黙ってください。他のお客様のご迷惑になりますので、大声での私語はご遠慮頂けるようお願い致します》

 

先程の不愉快なカップルが騒いでるのを聞き付けたヅラが、司会者の進行として指摘すると、そのバカカップルはわざと大きな声で聞こえるように言った

 

「コレ、アタシらのこと言ってんの~?」

 

「違ぇだろ。オレらはなんたってオキャクサマだぜ?」 

 

「うんうん!リョータ、イイコト言うね」

 

《失礼いたしました。バカの問題を出したカップルはお客様ではないので、お黙りください》

 

「「あぁ!?!」」

 

ヅラがあからさまに皮肉をいうと、そのバカカップルは切れていたが、どうやらバカにされているという自覚はあったのか……

 

《さて、失礼な発言迷惑行為ありましたらこちらは出るところまで出ますので。他のお客様や主役に迷惑かけましたら……覚悟してください》

 

「っち」

 

《さ、さて!それでは、いよいよ新婦のご登場です!本イベントの主役、霧島翔子さんです

 

ヅラが切れているの気づいた明久は慌てて話題を変えて、切り出すと音量が上がったBGMとアナウンスが流れ、同時に会場の電気が全て消えた。スモークが足元に立ちこめ、否応なしに雰囲気が盛り上がる

 

《本日の主役霧島翔子さんは、新郎の坂本雄二さんの幼馴染みで本日のイベントに参加していただきました!》

 

明久やヅラではなく、女性の声でその声はたしかBクラスの岩下律子だったような気がするな…あいつも今回絡んでいたのか!?しかも開けているドアの方向には、秀吉と木下優子もいるじゃねぇか!?さらに、後ろにはBクラスの菊入真由美も!?

 

《入場どうぞ!!》

 

「な!?」

 

アナウンスと同時に更に幾筋ものスポットライトが壇上の一点のみを照らし出すとそこに佇んでいたのは純白のドレスをきた翔子が出てきた

 

「あ……」

 

「凄い……」

 

会場のはしっこには島田姉妹も参加していて、二人とも驚いていたが、実は当の俺も翔子の姿に驚いている…

 

「雄二…」 

 

「翔子、か……?」 

 

「……うん。……どう?私、お嫁さんに見える?」

 

「あ、…ああ、大丈夫だ。少なくとも婿には見えない」

 

我ながら気の効いた言葉を言えないくらい今の翔子はとても美しくきれいだった……すると、目の前で翔子が俯き、ブーケに顔を伏せる

 

「お、おい?翔子?」

 

「…嬉しい」

 

《ど、どうしたのでしょうか?花嫁が泣いていますが……》

 

「お、おい。どうした?」

 

「…夢だったか」

 

《夢ですか?》

 

ヅラが本来の仕事を思い出しながらも優しい口調で聞いていた。翔子はいつもの口調でそして嬉しそうに話していた

 

「小さな頃からずっと夢だったから……。私と雄二、2人で結婚式を挙げること…私が雄二のお嫁さんになることは私1人だけじゃ、絶対に叶わない、小さな頃からの私の夢……」

 

「……翔子」

 

「だから…本当に嬉しい………。他の誰でもなく、雄二と一緒にこうしていられることが」

 

《どうやら嬉し泣きのようですね。花嫁は相当に一途な方のようです。さて、花婿はこの告白にどう応えるのでしょうか》

 

《なかなかいい奥さんだ…!会場の至るところにも涙が…かくいう自分も涙止まりません…!》

 

明久もヅラも涙声で翔子の言葉に感心して、嬉しそうに話していた。俺は今こいつの言葉を聞いて俺は何をいってやればいいのだ……?そう考えていると、会場からこの場で不適切な声が聞こえた

 

「あーあ、つまんない。マジつまんないこのイベントぉ~。人のノロケなんてどうでもいいからぁ、早く演出とか見せてくれな~い」

 

「だよな~。お前らのことなんてどうでもいいっての」

 

会場が静まり返っていたおかげで発言者がはっきりとわかる。周りの人はその発言した人たちを冷たい目で見ていた

 

「ってか、お嫁さんが夢ですって。オマエいくつだよ?なに?キャラ作り?ここのスタッフの脚本?バカみてぇ。ぶっちゃけキモいんだよ!」 

 

「純愛ごっこでもやってんの?そんなもん観るために貴重な時間割いてるんじゃないんだケドぉ~。あのオンナ、マジでアタマおかしいんじゃない?ギャグにしか思えないんだケドぉ」

 

「そっか!コレってコントじゃねぇ?あんなキモい夢、ずっと持ってるヤツなんていねぇもんな!」

 

「え~っ!?コレってコントなのぉ?だとしたら、超ウケるんだケドぉ~!」

 

《おいこら、そこのバカのバカのカップル。黙ってくれませんか…》

 

あのバカカップルが大きな声で話すと、ヅラが切れた声で冷たく吐きつけた。言われたバカカップルはヅラの方を見ていた

 

《どうぞ、退席なさってください。この場では大変失礼ながら常識のなっていないお客様には相応しくないので》

 

「はー?」

 

《周りの目を見てまだ気づかないのですか?》

 

ヅラがそういうと、バカカップルは回りを見て気づいた。そこには、侮蔑と怒りの視線がそいつらに注がれていることに……

 

「な、なんだよ!?」

 

「うちら間違えている発言してる!?」

 

《夢を笑うやつに、この場にいるのふさわしくありませんので、強制退場させていただきます》

 

「はぁ!?ふざけるな!」

 

バカのチンピラ男が思いきり蹴るとそのおかれていた部品がヒビはいった。すると、明久がどこかに通信を繋げると……

 

「お、おい!?はなせ!」

 

「なにこいつら!?」

 

警備員がでてきて、バカカップルを連行し始めていた。すると、ヅラが冷たい声で吐きつけた

 

《強制退場させてください。外に追いやればいいので》

 

そういうと、常識のないバカカップルを外へと連行させていた

 

《は、花嫁さん?霧島さんはどこに行ったの?》 

 

司会者の明久が切り替えようとすると、この短い時間の間に翔子は壇上から姿を消していた  

 

《霧島さん?霧島翔子さーんっ!皆さん、花嫁を捜して下さい!》 

 

《皆様、大変申し訳ございませんが中止です》

 

この短時間でいなくなった翔子をみて、周りは慌てていた。そして、ヅラと明久の言葉にスタッフがドタバタと駆け出す

 

「さて……」

 

「探しにいくのか?」

 

「バカ言え、便所だ」

 

「……あとで処理しにいくからきれいに流しなよ」

 

ヅラと明久と話した俺は便所という名の少し出掛けていくことに……さぁて、少し気分がむちゃくちゃするからスッキリさせてくるか

 

 

 




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悪には武力で裁くのが一番

雄二side

俺は会場を抜けて、先程の光景を少し思い出していた。あいつの、あの言葉とあの涙は本当にそう思っていたのだろうな

 

「はぁ……」

 

あいつが抱いている恋心はそれは俺から言わしてみたら、大きな勘違いだ。それは恋ではなく、間違いなく恩とか感謝から出来ているものであって恋ではない

 

「けどまぁ……」

 

『小さな頃からずっと夢だったから……。私と雄二、2人で結婚式を挙げること…私が雄二のお嫁さんになることは私1人だけじゃ、絶対に叶わない、小さな頃からの私の夢…』

 

俺はあいつの言葉を思い出しながら、目的の人物達を見つけると、借り物のネクタイをゆっくりと緩めて会話を聞いていた

 

「くそが!こちらはお客様なのに、追い出しやがって何様だっていうんだよ!しっかし、あれはマジでウケたな」

 

「うんうん!私…結婚が夢なんです…どう?似てる?かわいい?」

 

「ああ、似てる!けど、キモイに決まってんだろ」 

 

「だよね~!」 

 

「おい、そこのバカカップル」

 

「あ?」

 

俺が呼び掛けると2人組が真っ茶色な顔をこちらに向けてくる。ここまでさんざん色々なことをしてくれたから、きちんと礼をしておかないとな

 

「ねぇ、リョータ。コイツ、さっきのオトコじゃない?」 

 

「みてぇだな。お前もさっきのガキどものお友達か?んで、その新郎サマがオレたちになんか用か、あァ!?」

 

「喋るな、口臭い」

 

「あぁ!?てめぇが呼び掛けたのだろ!?」

 

「まぁ、大した用じゃねぇが……な。その腐った顔のあんたらに……ちょっとそこまでツラぁ貸しな」

 

こんなバカな奴らのせいで、色々な意味で最悪な気分にさせられたんだ。どうやら、自分は思っていた以上に沸点が低かったみたいだな

 

「あぁ?てめぇ、ふざけんのもいい加減にしろよ。こっちは見たくもないもん見せられてよぉ!!」

 

「まぁ、そうだろうな。だが、俺達はお前達に見てほしいとも頼んだ覚えもないし、恥をかいたのもてめぇらの頭が残念だからだろう。まぁ、こんなこといっても常識というのが、お前達は小学生以下だろうがな」

 

「は!?調子乗るな、クソガキが!!」

 

チンピラは俺の煽る言葉に苛立ったのか顔を思いきり殴った。俺は避けてもよかったが、わざと受けた

 

「へっ、調子乗るからこうなるんだよ」

 

「きゃー!リョータ、かっこいい!」

 

「殴ったな?今……」

 

俺はこいつが俺の顔を殴ったのをわかると少し嬉しそうにそういうと、向こうは怪訝に笑っていた

 

「はぁ?殴られて頭おかしくなったのか?土下座したら許してあげまちゅよー?」

 

「殴ったなといったんだ……よ」

 

「いっ!?」

 

俺はそいつの右腕をつかみあげて握力で潰すように掴むとそいつは痛そうに歪めいていたが、俺はこんなやつにいらっとさせられたのか

 

「俺は、お前らの態度が気に入らねえんだよ。客だからって傍若無人な振る舞いしやがって……ちったぁ遠慮しろっつうの!」

 

「いてててぇ!?」

 

「リョータ!?」

 

「それによ、てめぇの拳は重くねぇし、軽いわ。むしろ蚊に刺さったのかあんまり痛くねぇな」

 

「このクソガキが!がほっ!?」

 

チンピラは、もう一度反撃するつもりで腕を大きく振りかぶって殴りにかかろうとするが、そんな見え見えの攻撃はもう当たるはずもなく、軽くいなしてから、今度は胸に膝を一発蹴りを入れた

 

「がっ!」

 

「お前……粋がっている割には喧嘩したことないだろ?さっきの攻撃も丸分かりなんだよ」

 

「くそっ、ムカつく野郎だ!」

 

「奇遇だな。俺もお前のことはいけすかねぇ糞野郎と思っていた。まぁ、そこら辺の小学生よりも知識は下だから理解できないだろうな」

 

「調子に乗るな!!」

 

倒れていた男は怒りながら立つと、ナイフを取り出してきた。常識はないと思っていたが、ここまでバカだと思わなかった

 

「リョータ、それはやり過ぎじゃ……」

 

「うるせぇ!このままコケにされるかよ!」

 

「はぁ……やるならやってみろよ?道具で頼らないといけないほど、弱いみたいじゃねぇか?」

 

俺はその行為に嘲笑うように言うと、そいつは激情してこちらに走ってきた。さぁて、こうも予想通りに来るとはな……

 

「おっと、それ以上はさすがに見過ごせないな」

 

「は?ごぶっ!?!」

 

「悪即斬……牙突!」

 

俺の後ろからなにかが飛び立って、ナイフをもって走っていた男の鳩尾に着いて男は空中に舞った

 

「が、いてぇぇ!!」

 

「見守るつもりが手を出してすまない、坂本」

 

「ヅラ?!」

 

「ヅラではない、ポリスメンカツーラだ。さて、貴様達には、警察も通報したから観念してもらおうか」

 

「なっ!?冗談じゃない!!」

 

ヅラの言葉に女は男を見捨てて逃げようとしていたが……

 

「ふん!!」

 

「いっっ!?!」

 

女も横から思いきり飛ばされて、男の横に吹っ飛んだ。俺は女を投げ飛ばした人物をみると岩下を筆頭に菊入と木下優子がでてきた

 

「代表を泣かせたあなた達を逃がすわけないでしょうが」

 

「あなた達は罪状があるわ。もちろん其なりの証拠があるわ……はぁ、お陰でやることが増えて大変だったわ」

 

「まさか、ここまでさんざん迷惑かけておいて、はい、おさらば、って出来るわけないでしょ?」

 

「男のナイフは回収させてもらった。坂本、あとはこちらに任せろ」

 

「ヅラ!?それにお前達も……」

 

こいつら俺でもわかるくらいめちゃくちゃ切れているよな!?女性陣何てもはや修羅みたいな雰囲気出てるよな!?

 

「さて、苦しんでいるところ悪いが、お前達には警察に突き出す前に先に罪を言っとかないとな」

 

「げほっ、どういうことだ?」

 

「あそこに防犯カメラがあるでしょ?ナイフで脅迫したこと、坂本君に暴行したことで殺人未遂及び暴行罪」

 

「さらに、悪質なクレームと結婚式で迷惑行為して、業務妨害」

 

「そして、結婚式場の物品を破損して器物破損罪」

 

「さぁ、貴様達の罪はこれだけでも、問題がある。先程、上に連絡とったところ被害届を出すことが決まった。まぁ出禁にしてもどこかに迷惑かける可能性を考えての対応だろうな」

 

「「な!?」」

 

ヅラの言葉にカップルは先程の威勢を失うかのように、項垂れていたがヅラは腕を組ながら堂々といった

 

「子供でもきちんと守れていたルールを大人が守らないのは可笑しいからな。それに……」

 

「な!?どう考えても今は木刀を攻撃したそっちが悪いだろ!?」

 

「ナイフをもって人様を迷惑かけて今さら正論か……笑わせるな。人に嫌がらせ、怪我をさせる…せいぜい自分の愚かな行いに悔いを改めるんだな!!」

 

「くそ……」

 

あとの事はヅラ達に任せて、俺は如月グランドパークの中にあるホテルの前で待つことにした。あぁ、もちろん帰る際に借りた服は返却したがな……

 

「よぉ、随分と待たせてくれたな」

 

「……雄二」

 

「さて。それじゃ、帰るとすっか」

 

俺の言葉に翔子はなにも言わず、静かに俺の少し後ろをついてきた。如月グランドパークを出てあえて人気のない川の道を歩いていると、翔子が聞き取れるからどうかギリギリの小さな声で呟いた

 

「……ねぇ、雄二」

 

「ん」

 

「……私の夢って……変なのかな」

 

バカカップルに笑われたことをずっと気にしているのだろう。翔子は足を止めて、俯いているから表情は見えないが、長い付き合いだ。どんな顔をしてるかぐらい見なくてもわかる

 

「はぁ……あのな。この際だから言うが、お前の俺に対する気持ちは過去に対する責任感を勘違いしたもんだ」

 

「……っ雄二……」

 

「けれどもな……俺はお前のその夢は笑わねぇよ」

 

俺の言葉に翔子は驚いたようにこっちを見ていたが、俺は優しくあいつの顔を真剣に向き合っていた

 

「お前の夢は、大きく胸を張れる、誰にも負けない立派なものだ。まあ、相手を間違えていなければの話だけどな?」 

 

「っ!……これ……さっきのヴェール……」 

 

会場で拾っておいた物を俯く翔子に被せてやる。折角の体験だったんだ、これくらいの思い出は残しておいてやりたいよな

 

「さて。さっさと帰るぞ。遅くなると色々誤解されるからな」 

 

「……雄二」 

 

「特にお袋の奴は、いくら言っても…」 

 

「雄二っ!」

 

「なんだ、翔子?」

 

ここ最近では記憶にない翔子の大きな声を聞いて、思わず立ち止まってしまう。っていうか、こいつがこんなにはっきりと大きな声でいうの初めて聞いたかもな……

 

「……私、やっぱり何も間違っていなかった!!!」 

 

俺が見た光景は太陽の光をバックに満面の笑みを浮かべる幼馴染がそこにいた…

 




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文月学園プール編
よろしいならば戦争!


如月パークの騒ぎも終えて、いつも通りの日常を過ごしたとある週末の夜、俺と坂本で明久の家に泊まりで遊びに来ていた

 

「いらっしゃいー……って、あれ?雄二とヅラ、何か買って来たの?」 

 

「食いものだ。お前の家にはろくなものがないからな」

 

「全くだ。一人暮らしして、おきながら食事の面を怠るとは…家計もしっかりとやっていないのでは…?」

 

「煩いな……あ、テーブルの上に置いていいからね」

 

明久は俺の言葉を聞いて少しだけ拗ねていたが、話を変えるように買ってきたものを上に置いた

 

「ま、せっかく泊まるのなら買ってこようと来たわけだ」

 

「へぇ~っ。差し入れなんて、随分気がきくね」

 

「坂本がお前の食べ物を選んだ。俺は俺で自分のを選んでおいた」

 

「雄二が?」

 

「あぁ」

 

俺は袋のなかから取り出したのはいつもの定番もとい、自分の好みを買った……

・そば

・レモンコーラ

・ハバネロソース

 

俺に続いて坂本が取り出したのは、以下のメニューだ 

 

・コーラ 

 

・サイダー 

 

・カップラーメン 

 

・カップ焼きそば 

 

坂本の取り出した食品を見て、明久は子供のように喜ぶ。普段の食生活がいかに貧困しているかが伺える

 

「凄い!こんなに差し入れがあるんだ!!それで、雄二はどっちにするの?」  

 

「俺か?俺はコーラとサイダーとラーメンとやきそばだ」

 

「雄二……キサマ!僕に割り箸しか食べさせない気だな!?」

 

「待て!割り箸だけでも食おうとするお前の思考に一瞬引いたぞ!?」 

 

明久の割り箸を食う発想があること事態がもはや恐ろしいし、割り箸は食べれるものではないだろ!?

 

「やれやれ……、それだと俺が素手で食べないとといけないハメになるだろ?そう、心配するな。流石にお前の分も買ってるぞ」 

 

「え……なんだ、やっぱり僕の分も買って来てくれてたんじゃないか」 

 

「まぁな。先週末は世話になったからな、感謝の気持ちだ」 

 

「え?僕は何もしてないんだけどな。でもありがたく頂くよ」

 

下敷きになっていた袋を受け取り、明久はその中にある物を喜々として取り出す

 

・こんにゃくゼリー 

 

・ダイエットコーラ 

 

これだけを見ると、ダイエットしているメニューと言われても仕方があるまいな。それを見た明久が絶叫していた

 

「Nooooo!僕の貴重な栄養源がぁぁー!」 

 

「ほう、見事なまでのゼロカロリー食品のオンパレード。坂本が選んでくれて、よかったではないか?」 

 

「ははは!気にするな。俺の感謝の気持ちだ。その溢れる涙で俺の感謝を受け止めろ」 

 

「くそっ!全然感謝していないな!?ヅラには、なんでそうしなかった!?」 

 

「は?お前は、あれのどこが感謝できるもんだと!?それに、ヅラは自分で買ったから嫌がらせできなかった!!」

 

「待て、坂本。貴様、今堂々と嫌がらせと言ったな!?」

 

やはり、自分で買いに行って正解だ!!こやつが買い物誘うときについでにお前の分も買うと言われたが、嫌な予感反面申し訳ない反面があったので自分でかって正解だ!

 

「大体、俺よりも明久にあの計画を任せていた!一番の責任者はこいつだ!」

 

「なっ!?ヅラこそ、ノリノリで霧島さんにチケットを渡す計画していたのでしょ!?だったら、ヅラこそ責任者だよ!」

 

「ヅラではない、桂だ!それ以前に坂本がもっとはっきりしてないから悪いではないか!!!!」

 

「なっ……ふざけるな!!お前達のせいで危うく俺の人生がピリオド打たれそうになったんだぞ!」

 

「「……チキンめ」」

 

「てめぇら、その喧嘩買うぞ!!!この不細工と女々しいやろう!」

 

「「なんだと!?」」

 

俺達三人は立ち上がり睨みあう。明久はダイエットコーラ、坂本はコーラ、そして俺はレモンコーラを構えながら互いを見据えた

 

「……なに?やる気?」

 

「ああ、お前達とは決着を付ける必要があると思っていた所だ!」

 

「ふ、たわけめ。お前達などに負ける俺ではなかろう!!」

 

「ふふ……ちょうどいいや、ヅラにも日頃の恨みを晴らさないといけないと思っていたところだよ」

 

「いいだろう、貴様達を攘夷してやろう!!」

 

「「「戦争じゃぁぁぁぁ!!」」」

 

俺達は互いに相手を睨みつけ、牽制し合っているが、ここで下手な動きを見せれば命取りになる、まさに一色即発の空気になっていた

 

「(基本的な事だが、迂闊に相手に隙を見せないこと)」

 

「(先に仕掛けてはこちらが、痛い目にあうだろう)」

 

「(あの二人がタイミングを見て俺も仕掛けるのがいいだろうな。先に仕掛けると、バカもヅラも回避する恐れがある)」

 

「「「(そして、狙うはやつらの目玉!!)」」」

 

俺達は狙いをそれぞれ心の中で定めると同時にあとはどこのどのタイミングで仕掛けていくかを考えていた

 

ピチョン

 

「「「オオオオオオオオオ!!」」」

 

シャカシャカシャカシャカ!!

 

睨みあって数秒で水が落ちた音を聞き取った俺達は、叫びながらコーラを勢いよく振る

 

「「「くたばれぇぇぇ!!」」」

 

俺達はそれぞれに勢いよくかけていくと、その炭酸は………

 

「「「ぎゃぁぁぁぁぁぁあ!目が、目が!!」」」

 

くそ!ずいぶん姑息に目を狙ってくれたな!?お陰で目が痛い思いしたぞ!!!

 

「ふふ……さ、流石だな…」

 

「はぁはぁ……てめぇらもな!」

 

「ふふ……流石は僕がライバルと認めた男達だ!」

 

俺はハバネロソースを取り出してこいつらを見据えた。えぇい、こいつは元々坂本に仕掛けるつもりだったが、やむ終えない!!

 

「くたばれ、明久とヅラァァァ!!」

 

「君たちが、くたばれぇぇぇ!!」

 

「攘夷ぃぃ!!!」

 

「「「ぁぁぁぁぁぁぁ!?!!」」」

 

俺はハバネロソースを坂本はやきそば、明久は、ところてんを武器にして闘いへと身をゆだねていく

 

「「「…………」」」

 

俺達は地面にひれ伏しながら目を押さえていた。結局あのあとの戦いでハバネロソースを使いきってしまい全員が痛い思いした

 

「戦いはいつでも虚しい気持ちにさせる……」

 

「……ねぇ、休戦しない??」

 

「奇遇だな……明久、シャワー借りるぞ?」 

 

「うん。タオルは適当なの使っていいよ」 

 

「言われなくてもそうする」 

 

「では、この床を掃除した、そのあとに俺が入ろう。それでいいか?」

 

俺は坂本に確認をすると、坂本は了承してくれて気持ち悪そうに来ているシャツをつまみながら雄二が脱衣所へと消えていく。続いて、バサバサと景気良く衣服が脱ぎ捨てる音が聞こえてきた

 

「あ……」

 

「ん、どうした?」

 

「ガスを払うの忘れてた」 

 

ほわぁぁーっ!!』 

 

明久が、思い出したとともに風呂場から奇声が聞こえた。この声はどうやら坂本で夏とはいえ、いきなり冷たい水はきついだろうな。坂本はドアを開けて修羅のようにこちらへと歩いてきた  

 

「…もっと早く思い出せやコラ」

 

「ごめんごめん。えっとね、心臓に近い位置にいきなり冷水を当てると体に悪いから、まずは手や足の先にかけてから徐々に心臓へと……」

 

「「誰が冷水シャワーの浴び方を説明しろって言った!?」」

 

坂本と俺は明久が聞いてないことを答えてきたから、俺達は声揃えて怒った

 

「何熱くなってるのさ、雄二とヅラは。そうだ、冷たいシャワーでも浴びて冷静に」 

 

「冷たい水を浴びたから熱くなってるんだボケ!くそっ、このままじゃ風邪ひいちまう!!」 

 

「坂本が風邪引くのはどうでもいいが、流石にこれではベトベトで気持ち悪いだろう」

 

明久の言葉に坂本はキレながら怒っていると俺は坂本はどうでもいいが、このままでは気持ち悪いだろと思った

 

「仕方ない……どうせならシャワーだけじゃなくてプールもある所に行こうか」

 

「なるほど、シャワーもプールもあって、ここから近くて尚且つ金もかからないところがあるだろう?」

 

「ん、そんな好条件が…ああっ、あそこか!!OK。すぐに用意するけど、水着はどうするの?」 

 

「トランクスで泳ぐさ。水着と大して変わらないだろ」

 

確かに、それはそれで正論だよな。しかも、早めにこのベトベトを解放されたいとなればそうするしかあるまい

 

「では、いこうではないか!!」

 

「「おぉーー!!」」

 

勢いよく明久の家を出て目的地に向かった数分後、俺達は鉄人に捕まり反省文を書かされることになった………




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プール掃除の交渉

鉄人に捕まり反省文を書かされた俺達は、後日、プール掃除をしろと命じられた……。おのれぇ、自分達が掃除するのが嫌だから俺達に命じたな!!

 

「ーということがあった。本当にひどい目に遭ったよ」

 

週明けの教室、朝のHRが始まるまでの時間にいつものメンバーで卓袱台を囲い、昨夜の降りかかった不幸についての説明をしているのだ

 

「ったく、お陰で反省文を書かされるはめになるとはな」

 

「そもそも、鉄人があの時間にいることが予想外だったな」

 

「いや、お主達が何故その発想至ったかはもう突っ込まぬからの?しかし、お主達災難じゃったのぅ……」

 

「……プール掃除は重労働」

 

秀吉は同情、ムッツリーニは憐れむように明久の隣で、ボソリと呟いた。まぁ、確かにあの作業は優しくない労働だな

 

「ムッツリーニの言う通りだよねー。あんな広い所を掃除なんて、何か褒美が欲しい位だよ」 

 

「褒美という程じゃないが、『掃除をするのならプールを自由に使っても良い』と鉄人に言われたぞ?」

 

「そういえば、そうだったな。そうなると、3人だけでは寂しいから、秀吉とムッツリーニも、今週末にプールに来ないか?」

 

「そうだね、折角の貸しきりだからね」

 

俺達の言葉にムッツリーニは頷こうとしていたが、坂本が悪い顔でムッツリーニに条件つけた

 

「ただし掃除を手伝ってもらうけどな」 

 

「……!?」 

 

さっきの雄二の一言で動きが止まった。重労働な仕事をしてまでしたいかというと逆の立場なら間違いなく躊躇するが……

 

「ちなみに、姫路と島田にも声をかけるつもりだ」

 

「……ブラシと洗剤を用意しておけ」

 

「やはり、本能が勝るか」

 

「貸し切りのプールなぞ、こんな時でなければ中々体験できんじゃろうし、相伴させてもらうかの。無論、ワシも掃除を手伝おう」 

 

「え、いいの?」

 

「うむ!お安いご用じゃ!」

 

これで俺達を含めて5人の重労働が確定した。まぁ、まだ人数が多ければ問題はあるまい

 

「そうと決まれば女子も呼ばないとな。おーい、姫路と島田」

 

「はい?」

 

「どうしたの、坂本」

 

「2人とも今週末は暇か?学校のプールを貸し切りで使えるんだけど良かったらどうだ?」 

 

「「え……?」」

 

坂本の言葉に姫路と島田の笑顔が固まってしまった。どうやら二人の言葉にはプールと言う言葉がなにか何か感じたかもしれない

 

「あ、何か予定があったのかな……?だとしたら、無理にとは言わないけど……」

 

「い、いや、別に予定はないんだけど。その、どうしようかな……?プールって言うと、やっぱり水着だし……」 

 

「そ、そうですよね。水着ですよね……その、えっと………」

 

「まぁ、女性特有の悩みあるかもしれないが、先に言っておくと秀吉は来るぞ。明久に水着を見せにな」  

 

「なっ!?ずるいわよ秀吉!!自分は自信があるからって!」 

 

「そ………そうですっ!木下君はずるいです!」

 

「うむ??おぬしらは何を言っておるのじゃ?そして、なんでワシが怒られんと駄目なのじゃ?」 

 

まぁ、秀吉って男の娘と言われているが優子っちとの双子と言うのもあって、スタイルは女子受けがいいというか……

 

「まぁ、無理にとは言わないが……」

 

「い、行くわよ!!その、色々と準備をしないとだけど……」

 

「そ、そうですね!準備しないとダメですよね……」

 

なにやら複雑そうな顔をしつつ、2人は一応肯定の意を示したようだ。これで7人プールいくことになるが、坂本が決心したように顔あげていた

 

「よし……あとは翔子を呼ぼうと思う」

 

「珍しいね。今までは嫌がっていたのに」

 

「ふ……明久。呼ばなかったら俺の身がどうなると思う」

 

「……ごめん」

 

坂本が明久の肩を叩いて悲哀を漂わせて問いかけると、明久も何か察したのか悲しそうに謝っていた

 

「あ、ねぇ。坂本に聞きたいのだけど、他の面子誘っていい?」

 

「ん、まぁいいが、誰を誘うのだ?」

 

「律子と真由美と優子。この間のバイトのお手伝いのお礼をと思ってね」

 

「ねぇ、人数多くならない?」

 

「大丈夫だろ、逆に人数多い方が早く終わるだろ」

 

明久の心配に坂本は人数が多ければ多いほど助かると言っていた。まぁ、確かにあの重労働がどうにかなるのなら、それはいいことだろう

 

「よし、全員オッケーだな。んじゃ、土曜の朝10時に校門前で待ち合わせだ、水着とタオルを忘れるなよ」

 

「OK。しかし……」

 

「どうした、ヅラ?」

 

「ヅラではない桂だ。坂本と明久はその日までに鉄人の補習もあるのだろ?こうなってはお前達も大変ではないか」

 

「「………………あ………」」

 

こいつらはどうやら、本当に鉄人の補習という存在は忘れていたみたいだな。あ、知らない人は※50話の『処分下されたのは……』を見てくれ!二人とも結局それを思い出してその日は悲しそうに過ごしていた……

 




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プール当日とドッペルゲンガー??

週末になり、俺達は約束の日をむかえた。現状俺が知っている範囲で学校のプール掃除手伝ってくれるのは……

 

「おはよう、ヅラ」

 

「ヅラではない桂だ。今日は明久は遅刻しなかったのだな」

 

「待って!?いつも遅刻している言い方されているのだけど!?」

 

「あぁ、失礼。珍……お馬鹿回答を繰り出してくれる明久だったな」

 

「喧嘩売っている!?!!」

 

俺の言葉に激情するように突っ込みをいれるのは、この文月学園学年一のお馬鹿で学校史上初の観察処分者の吉井明久(バカ)だ

 

「ふり字に悪意を感じる!!」

 

「メタ発言はよせ」

 

明久はどことなく空に叫んで、反論していたが端から見たら危ない人になるな……

 

「皆、おはよう!プール日和だね!」

 

「お、姫路と菊入、ムッツリーニと秀吉と……秀吉と岩下?」

 

「秀吉が二人??ドッペルゲンガーかな」

 

「何がドッペルゲンガーか……よ!」

 

「なんで、私達の名前を呼ぶとき疑問系よ!?」

 

「ぶべら!?!」

 

「なんで僕までぇ?!」

 

俺達は二人に見事なアッパーをくらいに上へと吹き飛んでしまった……。見事に空中に待っている合いだに俺が見えた光景はムッツリーニが見事な連写でとっていたのを見えていた……

 

「「ぐべら!」」

 

「あ、明久君!?」

 

「大河は見事な失言かもしれぬのぅ……明久はドッペルゲンガーというのには失礼じゃ。ワシらは双子じゃからのぅ」

 

「いや、まず暴力されることにつっこまないの?そして、あれは……止めましょう。もう突っ込み入れても仕方がないわ」

 

「……完璧」

 

倒れている俺たちをよそに、姫路は大慌てで他の三人はマイペースで…いや、菊入が戸惑っていた上に突っ込みをいれるのはやめた。しかし、ムッツリーニは何が完璧なのか聞きたい

 

「全く……秀吉とは双子なのにドッペルゲンガーとか失礼よ」

 

「それに桂。なんで疑問系にしたのか、あとで深く問い詰めるわ」

 

「あ、それはあとで聞くのですね」

 

殴った本人達はいかにも怒っていますといわんばかりにいって、岩下は岩下であとで問い詰めると言うと姫路が突っ込み入れていた

 

「ぐ……中々痛かったぞ!」

 

「まさか僕まで巻き添えにされるなんて……」

 

「……!」

 

俺たちが呟くよそにムッツリーニは思い出したように鬼気迫る表情で、カメラの手入れをしているムッツリーニ。今の彼は周りの人間に構う暇などないと言わんばかりに、カメラに集中していた

 

「……いたた。中々痛かったが、それよりもムッツリーニはそれをしても無駄ではないか?」

 

「そうだね」

 

「……なぜそう言いきれる?」

 

「「何故ってチャイナドレスどころか、葉月ちゃんの着替えですら鼻血の海に沈む位だから、出血して倒れるのが落ちだ」」

 

俺たちの言葉を聞いたムッツリーニは先までのカメラの手入れしていたのを、止めてこちらを見たあとに肩をすくめていた。そして、ムッツリーニは大きなスポーツバッグを手に取り…取り出したのは…

 

「………俺を甘く見るな」

 

ムッツリーニが取り出したのは、医療でも使われるあの血液パック……失礼、輸血パックを取り出していた

 

「輸血パックか」

 

「さすが用意はいいね!っていうか、最初から鼻血の予防を諦めてる当たりが男らしいよね」

 

「待って?なんで彼の鞄のなかに輸血パックがあるのか誰も突っ込まないの!?律子はおかしくないと思えないの!?」

 

俺達三人のやり取りを聞いていて、菊入が混乱していて、岩下に話をふると岩下は少し達観したオーラを出していた

 

「ふふ……私は桂と絡んでいる時点で、あの程度の突っ込みは諦めたわ……」

 

「律子、諦めたらダメよ!?諦めたら調子のるから!!」

 

「いや、なんで真由美は松岡修○さんみたいに熱く励ますようにしてるの?」

 

「まぁまぁ、コントはそこまでに……」

 

「「コント言うな!!」」

 

「ごふっ!?」

 

「明久君!?」

 

「見事に二人の正拳をみぞおちに当たって崩れ落ちたわね……はぁ……大丈夫?」

 

明久がコントと言うと、Bクラスコンビはすばやい正拳で明久を攻撃すると、明久は見事に崩れ落ちていた……。流石に痛かったのか悶え苦しんでると、それを見かねた、優子っちと姫路かそばで背中を撫でていた

 

「…!秀吉……」

 

「む、なんじゃ?」

 

「……そのバックにはどんなのがある?」

 

ムッツリーニが、秀吉の水着を聞くと秀吉は嬉しそうにムッツリーニの問いを答えようとすると、明久とムッツリーニは、目を見開いていた

 

「うむ。よくぞ聞いてくれた!新しい水着買ったのじゃ!ちなみに買って来た水着じゃが……」

 

「!」

 

「秀吉の水着の話で起き上がった!?」

 

「トランクスタイプじゃ!!!」

 

「「ば、バカなーー!!!」」

 

秀吉が堂々と答えると二人ともかなり落ち込んでいた。すると、優子っちが呆れるように指摘した

 

「いや、正確にはトランクスではないでしょ?パーカーを羽織ってでしょ?」

 

「なんでパーカーを?」

 

「秀吉は私と双子でしょ?で、いつも女と間違われるから色々と苦労してるのよ…。まぁ、パーカーの件はあまりにもごねたから、すこーしお姉ちゃんとお話ししたのよ」

 

俺の疑問に優子っちは、呆れるようにそして疲れるように理由を話していた。そして、最後の言葉には少し恐怖を感じたのはなぜだ?そう考えていると、なにやら走ってくる音がきこえた

 

「バカなお兄ちゃん、おはようですっ!」 

 

「わわっ!?」  

 

「もう葉月ってば、アキがビックリしてるでしょ?」 

 

「あれ?葉月ちゃんか、久しぶりだな」

 

「もう、葉月。アキが驚いてるわよ」

 

こちらに走ってきた音の主は明久の背中に飛び付いた。その正体は、文月学園の清涼祭でやって来た島田の妹の葉月ちゃんだった

 

「バカなお兄ちゃんは冷たいで、酷いです!!どうして葉月は呼んでくれないんですか?」

 

「あ、うん。ごめんね葉月ちゃん」 

 

「家を出る準備をしていたら葉月に見つかっちゃってどうしてもついてくるって駄々こねて聞かないもんだから……」 

 

「でも、別にいいと思うけど?飛び入りがあって困る理由もないし」 

 

「まぁ、それもそうだけどあれ?坂本はまだ来てないの?ウチが最後だと思ったのに」

 

「お主達が来る前に来ていたぞ」

 

確かにこんだけの面子が集まりながらも、坂本はまだ来ていないなと思っていると秀吉いわく、すでに来ているらしい

 

「おはよう雄二、霧島さん」 

 

「おう。きちんと遅れずに来たようだな……ってまて?なんでヅラと明久はそんなにボロボロなのだ?」

 

「……失言」

 

「納得した」 

 

「……皆おはよう」 

 

「あ!でっかいお兄さん、おはようです!」

 

坂本の粗野な外見に物怖じもせず、元気よく挨拶をする葉月ちゃん。そんな葉月ちゃんの挨拶に坂本は優しく返事していた  

 

「お、ちびっこ来ていたのか?」

 

「ちびっ子じゃないですっ、葉月です!」

 

「なるほど、筋肉ゴリラでもしっかり子供には対応するんだな」

 

「おいこら、それは鉄人だ。俺はそんな役目ではないし、喧嘩売っているなら買うぞ?」

 

坂本は子供には見せてはいけない鬼の形相になってこちらを見ていたのだが、生憎この程度は恐れるに足らん

 

「っていうか、Fクラスの代表って…実は霧島さんに興味示さないのではなく、実はロリコン好き?」

 

「ごふ!?ふざけるな!?」

 

「……雄二、あとで覚悟とお話を」

 

「俺の話を聞かないで覚悟をいきなり問い詰めるな!!はぁ……ロリコン好きではないのだがな……」

 

霧島の言葉に坂本は涙目で否定しながら、菊入の言葉にかなり落ち込んでいた。なるほど、坂本はそういう言葉に弱いと……

 

「……はぁぁ……早速着替えるとするか。女子更衣室の鍵は翔子に預けてあるからついていってくれ。着替えたらプールサイドに集合な」

 

「そうね。代表案内お願いね」

 

「……任せて」

 

坂本の指示に優子っちは頷いて自身の代表に頼むと霧島はこっちと言わんばかりに案内していた。すると、葉月ちゃんと秀吉がこちらに来て明久が注意してきた

 

「ん?こらこら、葉月ちゃんと秀吉は霧島さんについて行かないとダメだよ」 

 

「えへへ。冗談ですっ」  

 

「ワシは冗談じゃないのじゃが……?」 

 

「ほら、遊んでないで行くわよ葉月、秀吉」 

 

「ワシは男じゃと言うているじゃろ!?島田、お主までそういうのか!?」 

 

「あの……それなら、木下君は1人でどこか別の場所で着替えるっていうのはどうですか?」 

 

「そうね、秀吉は別の場所で着替えなさい。このまま話してもきりがないわ」

 

姫路の提案に姉の優子っちも、提案すると秀吉は不服といわんばかりに、話していた

 

「ぬぅ……納得いかぬが、この際我慢じゃ。水着姿さえ見せればきっとワシを男として見てくれるはずじゃ」

 

「駄々こねていないでさっさと行きなさい。そこに秀吉更衣室があるから」

 

「なぜあるのじゃ!?!」

 

「よし、決まったならさっさと行こうぜ?時間がもったいない」 

 

「そうだね。じゃあまた後で」

 

自身の姉の言葉に秀吉は叫んでいたが、こればかりはなんとも言えないな。そして、坂本の言葉に明久が頷いて俺たちはそれぞれの更衣室に向かった




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神様は公平ではない

俺は先に着替えおいて、プールサイドにつくと屈伸運動をしていた。流石になにもないことを祈りたいが念には念を入れよだ

 

「今回は、何人くらい居るのだ?」

 

「えっと……Aクラスの霧島さんと木下さん二人とBクラスの菊入さんと岩下さんの二人とFクラスにバカとゴリラと変態と秀吉と美波と姫路さんに僕の7人」

 

「待て?誰がバカだ!?」

 

「…変態とは心外だ」

 

「誰がゴリラだ!?」

 

「痛いっ!?!」

 

俺達は明久の数え方に不満を覚えて三人で顔面に思いきり、めり込むように殴ると明久は鼻血出していた

 

「いだだ……でも、やっぱり女子はまだ着替え終わっていないみたいだね?」 

 

「そうだな。ま、女性が準備に時間がかかるってのは、当然だからな」

 

「そういや秀吉はまだかな?」

 

「まだだ。なにせ、少し落ち込んでいる上にトランクスとパーカーを着ているから時間かかるのは仕方がないだろ」

 

「それもそうだね。そういえば、ムッツリーニ、心の準備は良いかい?」 

 

「……まかせろ。すでにイメージトレーニング365パターン済ましてある」

 

「365って、一年のパターンではないか?どれかひとつでも生存確率はあったのか?」

 

「……365パターンの出血を確認した」 

 

「それは……致死率100%だな」

 

「その結果ではやる意味があったのか疑問だが?」

 

俺達はムッツリーニの返答に悲しそうに答えていた。流石にその結果は致死率100は避けられないではないか……

 

「バカなお兄ちゃん!!」

 

「あ、葉月ちゃんき……ぶっ!?」

 

「…!?!」

 

紺色の水着を着た葉月ちゃんがスクール水着でこちらに呼び掛けてこちらに来た。来たのはいいのだが………明久とムッツリーニが鼻血を出していた。その原因は不自然に胸がデカく見えること以外は違和感はない……つまり、その年齢でその胸は……

 

「……弁護士を読んでほしい」

 

「ヅラ、この場合の法律は……?」

 

「はい、鼻血を止めるティッシュだ。そして、法律に関してだが……わからん」

 

「お兄ちゃんたち、お待たせです!」

 

葉月ちゃんは満面の微笑みでこちらにやって来たが、どうしてもその違和感のある胸はなんなのか触れてしまいそうになる……

 

「懲役は2年で済みそうだね、ムッツリーニ」 

 

「……実刑はやむをえない」

 

「通報させるべきか?」

 

「やめておけ。……頭のおかしいやつと思われるのが落ちだ」

 

すると、さらなる人影が更衣室から飛び出してくる 

 

「こらぁぁ!お姉ちゃんのそれは勝手に持って行っちゃダメでしょ?!それを返しなさい葉月!?」 

 

「それって何のことだろ?」 

 

現れたのは、胸元を手で覆い隠している島田だった。恐らく、それを返せって言ってるのは、葉月ちゃんが胸に詰めてるものだろうな

 

「あぅっ、ズレちゃいました」

 

「あ……パット?」

 

「アキぃ……!Ich werde alles auf diesen Schlag setzen(この一撃に、ウチの全てを賭けるわ)!!」

 

「ま、まずい!僕の命の危険が感じるぅ!?何を言っているかわからないけど、その一撃は僕の記憶どころか存在まで消し去りかねないよ!!」

 

島田がかなりの怒りの形相、そして恐ろしい雰囲気で明久に向かっていた。さすがの明久も本気でヤバイと感じて震えていた

 

「うぅぅ……折角用意してきたのに葉月のバカ……」

 

「(美波の格好はなんかスポーツ選手みたいで格好いいな)あの美波……」

 

「……なによ」

 

「そ、その言いにくいんだけど」

 

「あ…やっぱりこの格好、どこか変なの……?」

 

「いや!その…すごく似合っているよ!!」

 

「え……ぁ……本当……?」

 

「手も足も胸もバストもほっそりしていてすごく綺麗だと足の親指が踏み抜かれたように……痛いぃぃ!!!」

 

「今、うちの胸が小さいと二回言わなかった?言ったわよね?」

 

明久は見事なコンボで島田の攻撃を受けて空中に舞っていた。そして、ボロボロになった明久はその場に崩れ落ち島田は怒りの表情だった

 

「早速トラブル一つ出たな」

 

「出るの早すぎるわよ……」

 

「触れなかった方が…いや、見なかった方が正解じゃないかしら?」

 

俺は呆れていると、岩下と菊入が更衣室から出てきてこちらにやって来た。岩下はピンク色のビキニをそして、菊入は青色のビキニを来ていた

 

ぎあゃぁあ!?!」

 

「今度は坂本か。しかも、霧島に目潰しを食らったか」

 

「だから、なんでこの数分でこんなに出るのよ!?」

 

坂本の叫ぶ声した方向を見つめると、霧島が坂本に目潰しをしていた。そんな様子に菊入は、なぜ数分でそんなことが起こるのか不思議がっていた

 

「お待たせ。って、坂本君はなんでそうなってるのよ?」

 

「なんかすごい光景ね」

 

優子っちと先程恥ずかしい思いをしていた島田が、こちらにやって来たが、状況を把握できていなかった

 

「いやはや、しかし……霧島が服装や学力がすごいだけではなく、坂本の目を潰す仕草まで綺麗だったな」

 

「えぇ、恐れを知らないって凄いわね」

 

「うん。霧島さんのあの姿を見られるのなら、雄二の目なんて惜しくないね…」 

 

「そりゃお前らに実害がないからな!くそが、物凄い痛いんだぞ!!」

 

坂本は潰されてた目を押さえながら俺達の言葉に反論した。まぁ、確かに俺達が実害ないのは事実だな

 

「ふぇぇ…お姉ちゃんきれいです」

 

「……あ、ありがとう。そういわれると照れ臭い」

 

葉月ちゃんは霧島のスタイルを見て純粋な目で見ていた。さすがの霧島も照れ臭く、恥ずかしがっていた

 

「雄二、なにか言ってあげなよ」

 

「く…翔子」

 

「……うん」

 

お、この間の如月パーク以降にどうやら霧島との距離感は近くなったのかと思って全員黙っていると……

 

「ティッシュをくれ。涙が止まらん!」 

 

「このバカ雄二。もっと言う事あるんじゃないか!」 

 

「視界を奪われて何を言えと!?人の事を言えた義理か!!」 

 

「そんなの『お前がほしい』の一言ぐらい言ってあげなよ!!それとも照れて言えないの!?」

 

「……ゆ、雄二」

 

「誤解だって言ってるだろ!!俺はお前の水着に興味なんて……」 

 

「……それはそれで困る」

 

「なんでだぁぁぁ!理不尽すぎるぅ!!」

 

坂本は霧島のアイアンクローをまともに受けてかなりいたそうに叫んでいたが助ける義理はない…_

 

「すみません!背中の紐を結ぶのに、時間がかかっちゃって……遅れました!!」 

 

「うわー、やっぱり瑞希もスタイルは良いわねー」

 

「「「っ!?!」」」

 

カオスな状況に駆け足でこちらに来る姫路の姿があった。それを見て、岩下はスタイルが良いわねと称賛してると……

 

worauf fur einem Standard hat Gott(神様は何を) jene unterschieden, (基準に、)die haden,und jene. Die nicht haben!? (持つ人と持たざる人を区別しているの)Was war fur mich ungenugend!(ウチに何が足りないのよ!)

 

God is unfair(神様は不公平)!! |Why is there a difference(何で) in chest even though they are the same women!(同じ女なのに格差が!!)!!」

 

I understand(わかるわ)!! God is not always equal!(神様はいつだって平等ではないわ!!)!A woman's worth is not her heart(女の価値は胸で決まるものではないのよ!)!」

 

姫路の登場と同時にいきなり島田と菊入と優子っちは空に向かって叫んでいた……葉月ちゃん曰く、島田は時々混乱するとあんなふうにドイツ語になるんですと……

 

「|Don't lick poor milk!Poor milk is rare in the world《貧乳をなめないで!世の中は貧乳もレアなのよ!》」

 

なにやら三人は同盟といわんばかりに手を握りあっていたな……やれやれ、これでは秀吉の登場した際の反応がどうなるやら……

 




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失言と入る前に体操をしとこう!

姫路が登場してから島田と優子っちと菊入がなにやら同盟を結んでいたのを見て、姫路と岩下は戸惑っていた

 

「いやいや、胸が大きいからって、そんないいことないのだけどね。瑞希もそう思うでしょ?」

 

「は、はい。少し肩が懲りやすくなりますし……」

 

「そうよね……あ、あとね……」

 

岩下と姫路はお互いにあるあるトークをしていて、自分達の体を見つめあいながら話していた。まぁ、こればかりは男にはわからない悩みだな

 

「な、なんだ……何が起こっているんだ……!くそ、何やら会話で島田達がすげぇ叫んでいたが……」

 

「あ、まだ目潰し効果を食らっていたみたいだね」

 

「……驚異」

 

「それだけ、きれいに目潰し効果は強く、霧島がすごいということだな」

 

坂本はまだ目が慣れていないのか、辛そうに擦っていてその様子に俺達は勝手に納得していると霧島が坂本の後ろに立ち……

 

「雄二」

 

「なんだ……がっ!?な、何だ!?翔子、何しやがる!?」

 

「…目隠し」

 

「それはわかっているが、これ以上やめろ!?本気で失明する!あと力が強い!!」

 

「…雄二は照れ屋さん。目隠しをしてるだけ」

 

「それはわかるが、力が!!?これ以上やられると目がへこむ!!」

 

坂本は霧島に目をふさがれているが、力の入れ方がすさまじいのか、手足をばたつかせて悶えている

 

「すまぬ、遅れたのじゃ!!」

 

♡○◇☆♡(ううん、そんなに待ってないよ秀吉)

 

「なんといってるのじゃ?」

 

「……明久用語だから解明不可能」

 

「これを解読するのにはバカにならないとわからない」

 

明久は秀吉が来たのがわかると、明久用語と思われるしゃべり方で秀吉は何て言ってるのか聞いてきたが、俺やムッツリーニは流石にわからない

 

「……本当に上にパーカーを羽織っている」

 

「酷いよ、秀吉!!本当は違うと信じていたのに!!」

 

「ワシは男じゃ!!でもまぁ……男なのにパーカーを着ろと言われるワシの気持ちは誰もわからぬのぅ……」

 

「はいはい、そろそろプール掃除を始めないと、貸し切りプールがいつまでたってもできないわよ。さっさとやりましょう」

 

岩下の声に俺達は流石に、そろそろやらないとだめだと思い掃除をすることに……。まぁ、人数が多いことでさっさと終わったがな……。掃除を終えてプールの水面も良い感じになってきたので……

 

「さぁ!!プールには入る前に、しっかりストレッチをしようではないか!!はい、ピッ!ピッ!ピッ!

 

「どこで、その笛を持ってきたぁぁぁ!!」

 

ぐぼぉ!?

 

俺は、後ろからげんこつで俺の頭を思いきり叩いてきて、俺は地面にひれ伏していた……殴った主を見ると岩下だった

 

「全く……痛いぞ」

 

「いやいや、そもそもなんで笛があるのよ!?」

 

「そうよ!?普通は学生なんて笛ないはずよ!?っていうか、なんでオリンピックカラー!?」

 

「それはリアルがオリンピックでーー」

 

「「メタ発言やめなさい!」」

 

俺達は、そんな会話をして、プールの中へと入ると、明久と島田と優子っちがすでに入っていた

 

「貸し切りプールって何か良いよねー」

 

「そうよねー、中々そう言うのはないからね。んん……はぁ……気持ちいい」

 

「確かに、気温高いときのプール入れるのは、気持ちいいわね」

 

木下と島田はお互いにリラックス……正確には冷たいプールに浴びて気持ちよさそうだった。まぁ、ここ最近が気温高く感じるからな……

 

「あの、桂君と明久君。少し良いですか?」

 

「うん、どうしたの?」

 

「断る!」

 

「まだ何も言っていないのですが!?!」

 

「冗談だ。それより俺達を呼んでなんだ?」

 

俺のボケに、姫路は律儀に突っ込みを入れてくれていたが、まだまだキレは足りないが気質はあるな。だがまぁ、その話はおいといてなんの話なのだ?

 

「あの……私に泳ぎを教えてください!!!」

 

「「え?」」

 

「実は私、全然泳げないんです……」

 

まぁ、この姫路の場合は体調の変化が激しいと言うか体が弱いからあまり無茶はさせれないよな……

 

「え、瑞希泳げないの?」

 

「姫路さんの場合は、、体が弱いからってのもあるからじゃないかしら?」

 

「はい……水に浮く位しかできなくて……せめてバタ足くらいはできたらと思いまして」

 

「それなら、ウチが教えるわ。いつも勉強を教えてくれているお礼よ」

 

「私も手伝うわ」

 

「は、はい!よろしくお願いします!」 

 

姫路の気持ちを聞いた優子っちと島田は優しく笑いながら教えてあげようというと、姫路は嬉しそうに返事していた

 

「(こうなんか、姫路さんが美波に教わるのは何か新鮮さが感じるなぁ……)普段は姫路さんが美波に教えるから新鮮さを感じるよね」

 

「確かに二人がよく勉強をしているのは見かける行動だな。さらに優子っちが教えるのも新鮮さを感じるな」

 

「うん。でも、こう見ると……あぁ、わかった」

 

「なにがだ?」

 

「姫路さんがFで美波と木下さんがAだね」

 

「「誰がAよ!!!寄せてB位よ!!!」」

 

ぶっぼぉぉ!?!

 

見事にバカは女子に向かって恐ろしいことをいっていた。それを聞いた姫路は顔真っ赤にして、優子っちと島田が明久をぼこぼこにしていた

 

「見事な失言ね……ついでに私も手助けしていこうかしら?」

 

「こらこら、真由美までいかないの」

 

「雄二、ちなみに私はCクラス」 

 

「は?いきなり何を言っているんだおまえは」

 

明久の発言で色々と状況がカオスになってしまったが、そういえばムッツリーニの方が、やたらと静かだなと思い振り向くと……

 

「し……死にかけている……!?」

 

「「ええ?!」」

 

「く、岩下と菊入!やつの鞄は近くにあるから輸血パックを取り出してくれ!!二つあればいい」

 

「なんであるのかわからないけど、了解!」

 

「なんでこうなるのよ!!」

 

俺達は俺達でムッツリーニ生存させよう作戦を開始して、輸血を慌てて取り出して回復させていた……

 




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鬼ごっこは気を付けよう

ムッツリーニの輸血をし終えた俺達は、気分転換にプールに入っていると、先ほどぼこぼこにされていた明久がこちらにやって来た

 

「いたた…今日は結構殴られる日だなぁ……」

 

「失言をしまくっているのだから、仕方かあるまい。まぁ、リアルの政○は原稿を丸読みで批判したりとか、言論の自由と言いながらまとえた質問されたときほど逃げる世の中だ。そして、それを失言と思えない頭なのだろう、お前は」

 

「流れるように、悪口を言うのやめて!?そして、それ批判したら怒られるよ!?」

 

「言論の自由だから良いだろ?」

 

「よくないよ!!」

 

「やれやれ……。だが、実際問題の話になるが、メダルを丸かじりする政○はいるのだから、それくらい言っても構わないだろ?」

 

「ダメに決まっているでしょうがぁぁぁああ!」

 

ごふ?!!

 

明久は必死に俺の言葉を訂正させようとしているが俺は普通に堂々といっていると、後ろからボールが飛んできて俺の頭に直撃した……

 

「ヅラぁぁぁぁぁ!?!」

 

「全く……あ、吉井君。そのバカの頭を当ててしまったボールを取ってくれない?」

 

「……いま、律子のアタックが速すぎて見えなかった……」

 

沈みかかけている俺をよそに岩下はスッキリしたと言わんばかりに明久にボールをとってもらい、その後ろでは菊入が少し震えている口調だった……

 

「全く……中々良いアタックだった。だが、言論の自由だからそれくらい問題なかろうに……」

 

「ヅラ、君は本当にぶれないね……「バカなお兄ちゃんっ!」……わぷっ!?あっ、葉月ちゃん!?」  

 

俺たちが会話しているよそに明久の背に葉月ちゃんが乗ってきて、明久こらえきれず沈んでしまう 

 

「ぷはっ!こらこら、葉月ちゃん。後ろから飛び込んでは危ないよ」

 

「あ、はい。ご免なさいなのです」

 

「まぁ、明久がすべて受け止めるからよしとして……一緒に遊ぶか?」

 

「はい!“水中鬼”をするです」 

 

「「水中鬼?」」

 

そんな遊びは俺達は知らないが、水中でやる鬼ごっこか?それとも、最近子供達にとってははやりの遊びなのか?

 

「水中鬼は、鬼になった人がそうでない人を追い掛けるです。それで鬼が他の人を、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()です」  

 

「鬼だ!それは確かに鬼だ!というか、溺れさせちゃダメだよ!危険だから!?」

 

「ふむ……鉄人相手に使える遊びかな」

 

「鉄人にやったら僕ら死ぬよ!?間違いなく殺されるよ!!!」

 

まぁ、確かに鉄人がそれをやって来たら間違いなく逃げれないな……いざって言うときは明久が犠牲になってくれるはずだ!!

 

「ヅラ、いま君はとんでもなく失礼なことを考えてるね?」

 

「ヅラではない、桂だ。だが、葉月ちゃんのその遊びは少し処がかなり危ない遊びだな」

 

「そうですか?」

 

「仕方ないや、おーい、霧島さん!」

 

「……何?」

 

この純粋な葉月ちゃんにいかに危険な遊びかを教えるために明久は霧島を呼ぶと、すぐに来てくれた……

 

「霧島さんにやってほしいことがあるの。その遊びは水中鬼」

 

「…初めて聞くけど、どんなルール?」

 

「うん。ルールは簡単で、雄二を水中に引きずり込んで、溺れさせた後で人工呼吸をしたら霧島さんの勝ちだよ」

 

「………行ってくる」

 

明久の説明に小さく頷くと、霧島は口調は生き生きとして魚雷のように静かに潜り込んだ。そして潜り込んでから速く坂本に水中から接近していく

 

「お?何だ?いきなり足に変な感触が……って、おわぁっ!?だ、誰だ!?誰が俺を水中に!……ガボガボガボ

 

「……雄二、早くおぼれて」 

 

「ぶはぁっ!しょ、翔子!?何をトチ狂って……!ごぼごぼごぼっ!?!」

 

「ね?危ないでしょ?」 

 

「はいです…葉月、水中鬼は諦めるです……」

 

「よい子は真似しないようにね!」

 

明久の言葉に、葉月ちゃんもこれを見ていかに危ないのかを分かってくれて、この遊びはなくなった。そして、俺はその作品を見てくれている人間にむけて絶対に真似しないようにと叫んだ

 

「む?水がブクブクと……」

 

「へ?うわっ!?!」

 

「明久、ヅラ!テメェの差し金だな!?」

 

沈められていた坂本がこちらの方に出てきて、俺達は坂本の言葉に反論をした

 

「ヅラではない!これらはすべて明久の計画だ!」

 

「うわ!ダメだよ霧島さん!きちんと捕まえておいてくれないと!」 

 

「うるせぇ!!てめぇら、今にぶちのめすから覚悟しろ!」 

 

「早くして!僕達が溺れさせられて、雄二に人工呼吸させられる!!」

 

「俺達が危険だ!頼む!」

 

「……雄二、浮気は許さない」

 

「男同士なのに、浮気になるのか!?!っていうか、付き合っていねぇよ!!」

 

「「この隙に、逃げる!さらば!」」

 

「逃がすか!!!このくそやろうコンビ!!」

 

俺達は坂本の怒りから全力で逃げると共に坂本は霧島から逃げながら俺たちを仕留めようと本気で逃げていた………

 

 

 

 




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動いたら潰されると分かっていても……

明久のせいで、俺も巻き添えに食らって、坂本との鬼ごっこが始まった。しかし、坂本との鬼ごっこは案外早く終えてしまった

 

「……浮気は許さない」

 

ごぼごぼごぼっ!?!」

 

坂本はあえなく、霧島に捕まり現在は水中に沈められていた。いや、溺れさせて、人工呼吸をさせるつもりでやっているのだろう

 

「あれ、代表に優子?」

 

「あ、愛子!」

 

「……愛子、なんでこんなところに?」

 

声かけてきたのは霧島と優子っちとの同じクラスの工藤愛子だった。霧島が工藤の方を見て先まで沈める動きの動作を止めると、坂本は水中から顔を出して呼吸を整えていた

 

「はぁはぁ……お前は俺を殺す気か!!」

 

「…勝つために必要なこと」

 

「なんの勝負だよ!?」

 

「はぁ…愛子はなんで今日来たの?」

 

霧島と坂本がコントみたいなことを、始めるのを横目で確認した優子っちが、なんでいるのかを聞いていた

 

「ほら、僕水泳部なんだよ。で、今日はオフなの学校に来て、やっと思いだして帰ろうとしたのだけど、人の声がしたから寄ってみたんだ」

 

「あぁ、愛子は水泳部だったわね。坂本君の意見を聞こうかしら?」

 

「それなら問題ないだろ。もう入ってきているやつがいるからな」

 

「「「「「え?」」」」」

 

優子っちは、工藤の言葉に納得すると共に、この場の責任者の坂本に意見をうかがうと聞くと坂本は呼吸が整った共に、そちらを見ると…

 

「お姉様!プールに行くならどうして美春に一声かけてくれなかったんですか!美春はこんなにもお姉様の事を、愛しているのに!」

 

「み、美春!?アンタどうしてここにいるのよ!?プールで遊ぶなんて一言も言っていないはずだけど!」

 

「お姉様がそこにいるなら、私はどこにでも!!」

 

「ほら、瑞希は落ち着いて泳いでね」

 

「あの子ってたしかDクラスの清水美春??」

 

やはり、清水美春は島田ラブで島田に恋をするようなら明久は清水に殺される未来しかないようだな?

 

「じゃあ、僕は着替えてくるね。あ、そうそう」

 

「「「ん?」」」

 

「覗くならバレないようにね♪」

 

「「なん……だと!!」」

 

俺は何をいっているのだと、思うと同時に明久たちの顔を見ると、衝撃を受けている。まぁ、あの言いかたされると公認のようにきこえるが……

 

「……雄二、今動いたら捻り潰すから」 

 

「明久君。余計な動きを見せたら大変なことになりますよ?」 

 

「生きて帰りたくないの?」

 

「いくら、吉井君達でもそんなバカな行為はしないわよね……したら……わかっているわよね?

 

「「は、はい……(今動いたら殺される!!!)」」

 

「端から見たら脅迫だな。さぁて、俺は問題ないし、陸に上がって休憩だ……ごぼごぼごぼっ!?!

 

あんたも動くな

 

「「ヅラァアァァ!?!!」」

 

俺は坂本達が動けないのを、おもしろく感じて、ついでに休憩をとろうと思うと後ろから頭を思いきり沈められた

 

「っは!?ごほっごほっ!?」

 

「あ、目が覚めた?!」

 

俺はいつのまにか意識を失っていたみたいで、なぜ気絶していたのか覚えていないのだが………

 

「明久……俺はなぜ青空にむけて寝転んでいる?」

 

「それはね、ヅラが岩下さんの手によって沈められていたからだよ」

 

「………つまりお前達の巻き添えに俺も動いてしまったから沈められたのか……あと、ヅラではない」

 

「うん、突っ込みを入れてくれるから、いつものヅラだね」

 

俺は起き上がると、共に明久からこの数分で起きたことをすべて話してくれた。どうやら、ピーチバレーで、明久のあげたチケットがもめていたりとか、坂本が目潰しされたりとか……

 

「なるほど」

 

「あ、桂。目を覚ましたの?ごめん、少しやりすぎたわ」

 

「気にするな、さすがに沈められる経験は中々無かったから気絶したが、次は大丈夫だろう」

 

「いや、普通にそういうのは危ないからね?律子もあれは危ないとわかって反省したけど……」

 

俺が目を覚ましたのをわかると、岩下は申し訳なさそうに謝ってきて菊入は少し呆れながら反省もさせたといっていた

 

「ま、さすがにずっとプールを浸かるの疲れていたしちょうど休憩していたところだ」

 

「あ、そういえば皆はお腹すいていない?」

 

「もうそんな時間か……ならば、じゃんけんで負けた奴が買いにくというのはどうだ?」

 

「お、いいな」

 

坂本もこちらに合流してきて、明久がお腹すいたと言うので俺は負けた奴が買いにいくと言う提案に男達はノリノリだったが……

 

「あ、それなら……」

 

姫路がなにかを思い出したようにポンっと手を打ち、嬉しそうに、あるバスケットを取り出した

 

「「「「!?」」」」

 

「ひ、姫路さん……それは?」

 

「実は、今朝作ったワッフルが4つほどあります。よかったらどうぞ」

 

姫路が取り出したその中身は手作りとおもわれるワッフルが俺たちの視界に入り、姫路の手料理被害者組達は戦慄した

 

この場にいる男達に告げる、第1回!!!」

 

最速王者決定戦!!

 

「………ガチンコ!」

 

「「水泳対決ぅぅぅ!!!」」

 

俺の言葉を皮切りに、秀吉とムッツリーニが続いてそして明久と坂本が声を揃えて宣言をするように叫んでいた

 

「明久、ルールの説明を!!」

 

「OK!勝負するのはこの5人で、ルールはとっても簡単!このプールを往復して最初のゴールした人の勝ちという、誰にでもわかる普通の水泳勝負だよ!

 

ただし、明久の説明には大きな穴がある。この戦いは、姫路特性料理のワッフルが4つで勝負するのは5人……つまり生き残れるのは1人だけだ

 

「お兄ちゃん達いきなりどうしたのですか」

 

「ふ、この貸しきりプールで競争なんて中々できるものではないでしょ?それに……」

 

「それに?」

 

「男には……時には命を懸けて戦わねばならないといけないときがある。特にこういうときでもだ……!

 

「ふぇぇ……なんだなよくわからないですけどかっこいいです!!」

 

明久が葉月ちゃんを納得させるように話してくれているが、本当に今こういうときこそ命を懸けねば……!!

 

「「「「(絶対に死んでもあれだけは)……勝負だ!!!」」」」

 

「へぇ、面白そうだね!審判は僕がやるよ!」

 

「なら、始める前にしっかり体操しなさいよ」

 

審判は工藤愛子がすることになり、優子っちの言葉に全員が屈伸運動をし始めていた……

 

絶対に負けられない戦いがそこにある…!

 

 

 




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プール対決と血まみれ

俺達は第一回最速王者決定戦のため、各自ストレッチを整えていた。やるからには勝つためではなく、姫路のあの手料理から生き延びるためだ

 

「そういえば、泳ぎに指定はある?」

 

「うん、どういうこと?」

 

工藤愛子の質問に明久は疑問を思い浮かんでいたが、そういえばこいつはバカだったからルール知らないな……

 

「水泳の大会で、いろいろな型があるだろ?たとえば、クロール、平泳ぎ、背泳ぎとかあるだろ?」

 

「あ、そういうこと」

 

「うん、だから聞いてるの」

 

「うーん、基本は自由形でいいと思うよ」

 

「OKー、審判は任せてね」

 

明久は工藤愛子の質問に答えると向こうは、ウィンクして了承してくれた。さて、それをされた明久は顔少し真っ赤にしていたのをみて、後ろでは少し怒りのオーラが感じた

 

「さて、他の連中は……?」

 

「…雄二、やるからには一位を目指して」

 

「当たり前だ」

 

「……もし負けたら」

 

「負けたら、なんだ?(どうせ、こいつの出してくる条件の予想では婚姻届とかだろうな。さすがに、何回もされていたら予想できる……)」

 

「……負けたら、婚姻届を書いたのをお父さんお母さんに見せる

 

ふざけるぁ!?!よりにも、よって自分の親に見せるとか俺を殺す気か!?しかも書いた覚えがねぇよ!?」

 

「…大丈夫。雄二のお母さん達にも見せるから」

 

「何一つ大丈夫な要素なねぇ!!」

 

なんだ、いつもの坂本が霧島に尻敷かれている状況ならなに一つ心配なことはないな。ムッツリーニは輸血を終えてもよろよろと起き上がって屈伸運動してるな

 

「秀吉」

 

「なんじゃ、姉上」

 

「わかっていると思うけど……やるからには負けるの許さないからね」

 

「な、なぜ姉上が燃えているのじゃ?!」

 

「あんたが、負けると私も弱いと思われるかもしれないからよ」

 

「ははは、姉上は普段は猫を被っている上に……あ、姉上……そこは曲がらないのじゃが……?」

 

「はーい、しっかり屈伸運動しましょうねー」

 

いだだだただだだだだ!?!!

 

「ゆ、優子!?それはさすがに体痛むよ!?!」

 

秀吉の柔軟を姉の優子っちが付き合っているが、かなりスパルタにやっているな……。菊入は柔軟もう少し優しくと言っているが、姉にして見たら負けるのを見たくないのだろうな

 

「やれやれ……やるからには勝つぞ(命懸けてでも今回は乗り越えたい!!)」

 

「何故かしら?背中に悲しみが見えるのは……」

 

俺も覚悟を決めて屈伸運動や柔軟してる後ろでは岩下が疑問を呈していたが、そこまで今は答えてあげる余裕はない!!

 

「よーし、そろそろ始めようよ」

 

工藤愛子の呼び掛けにそれぞれのスタート地点に立っていた。それぞれが覚悟を決めた顔でスタートラインに立って睨みあっていた

 

「(いつもなら入る前に妨害をしたいが、人数が多すぎてできない!く、泳ぎながら雄二を妨害するしかない!)皆、分かっているね?」

 

「(く、負けたら翔子の手によって俺の人生が……俺の自由を奪われるわけにはいかない!!)入る前に妨害なんてなしな」

 

「(恐らく、二人が勝手に潰しあってくれる…なら、桂だけを注意)……クリーンに」

 

「(姉上の前で無様に敗北したらワシはどうなるやら……)やるからには正々堂々と!!」

 

「潰しあいます!!」

 

「「「「「おい!?」」」」」

 

「冗談だ」

 

それぞれが覚悟を決めながら叫ぶように話していて、おれが潰しあいます!!と宣言すると全員から突っ込まれたが、冗談に決まっているだろ …一割は

 

「じゃあ位置について……よーい…」

 

「「「「「(まだ死にたくない!!)」」」」」

 

スタート!!

 

工藤愛子の言葉に俺達は全員プールへと飛び込んでいた。珍しく入ってるときに明久達から妨害がなかったな……む?

 

「ごぼごぼ!?(なにか重りが感じると思ったら………明久、貴様が何かしたな!?)」

 

「ーー(悪いね……。勝つために、細い糸で君のズボンをひっかけていたのさ!)」

 

「(く!泳いでいて、こいつをとりたいが、それをしている間に……!)」

 

「(あー楽チン……!?)」

 

俺のズボンに、なにか引っ掛かりを感じて横を見ていると明久がどや顔で俺のズボンに引っ掻けていたと判明した。明久は優越を浸ろうとしていると明久の方にも違和感を感じて後ろを見ると…_

 

「ーーー(漁夫の利だな。俺もお前と同じ考えでズボンに糸を引っ掻けていた……いまなら、お前達二人にズボンを下ろせる!)」

 

「ーー(雄二、きさまぁぁ!!)」

 

「(俺はまだ死にたくない!!だから、犠牲になれ!!)」

 

「ーー(なるほど、二人がそうくるなら……)」

 

「(おしりからなにかを取り出して……ば、ばくだん!?)」

 

「(水中爆弾だ。威力は抜群で貴様らを空に舞ってやる!!)」

 

「「(人殺し!最低だ!!!)」」

 

「(貴様らの方が最低だろ!!)」

 

俺達は泳ぎながら睨みあっていると……

 

「お、優子の弟君とムッツリーニ君がターンをしたみたい!」

 

「吉井くん達が予想以上に遅れているわね」

 

「秀吉!そのまま勝ちなさい!!」

 

「「「(なにぃぃぃ!?)」」」

 

俺達はいつのまにか先にいかれていることにわかり、同盟を結ぶことにした。秀吉の方には明久がムッツリーニの方には俺と坂本が妨害をすることに……

 

「……!?」

 

「「(お前だけ幸せに逃げ切らせない!!)」」

 

「な、何じゃ明久!?お主は隣じゃろう!?というか、どうやって追い付いたのじゃ!?」 

 

「ダメだよ秀吉!ここは通さない!」 

 

「くっ!明久、離すのじゃ!」 

 

「逃がすもんかぁぁあっ!!」

 

俺達はムッツリーニを妨害をしているよそに明久が必死に秀吉を妨害していた。よし、隙を見てターンして勝つチャンスを……

 

「……あれ、なんだろう?」

 

「「「「え?」」」」

 

明久が突然戸惑う声になりさっきまで必死に妨害していた俺達は明久の方を見るとなにやら、パーカーをとっていた……

 

「あ、明久君!?なにしてるのですか!?」

 

「それ、秀吉の着ていたパーカーよ!?!」

 

「「「「え!?」」」」

 

「んむ?そう言えば胸元が涼しいのう……服がいつの間にとれていたのじゃ?」

 

「………死してなお、一片の悔いなしっ……!

 

「「ムッツリーニ!?!!」」

 

パーカーを脱いでしまった秀吉をみて、ムッツリーニを中心に朱に染まっていく水面…そして、沈んでいくのをみて俺と坂本は慌てていた

 

「きゃぁっ!土屋君が大変な事に!?血がものすごい勢いで出てるわ!?」 

 

「不味いわ!!!吉井君は早く木下君に水着を返してあげて!!律子は、私と一緒に輸血用のを!」

 

「了解!!吉井君、早くして!!」 

 

「わ、わかった!」

 

ムッツリーニを中心に血の海になりかけているのをみて女子達は大慌てで動いていた。そして、島田が秀吉にさけんでいた

 

「き、木下っ!早く胸を隠しなさい!土屋の血が止まらないから!」 

 

「イヤじゃっ!ワシは男なのじゃ!胸を隠す必要はないのじゃ!」 

 

「秀吉、ごちゃごちゃ言わない!!着なさい!吉井君はあとで折檻よ!」

 

「姉上まで!?!なんでじゃ!?」

 

「さらっと折檻宣言!?」

 

「秀吉、早く着ないと……お姉ちゃんあなたに、何をしてしまうかわからないわ……」

 

「わ、わかったのじゃ……」

 

秀吉がごねているのを姉の優子っちが低く秀吉に言うと急いで明久からパーカーをもらっていた

 

「死ぬな、ムッツリーニ!」

 

「…雄二、愛子が119番しといた」

 

「ナイス!!」

 

「……ここで……死ねぬなら本望……」

 

「「死ぬなぁぁあぁあ!?!」」

 

結局、ムッツリーニは何度も峠を迎えているが、あのあとはなんとか命をとり納めた……

 

 

ムッツリーニ血の海事件はなんとか乗り越えて、俺達は週明けの朝に鉄人に呼び止められた

 

「吉井、坂本、桂。ちょっと聞きたいことがある」  

 

「黙秘します」 

 

「言う事なんて何1つない」

 

「話すのを断ります」

 

「どうして……どうして掃除を命じた筈なのにプールが血で汚れるんだ!?鉄拳をくれてやるから、生活指導室で詳しい話を聞かせろ!!」  

 

鉄人は怒りのオーラを出しながら俺たちに言うが俺達からしてみたらかなりの心外と言わんばかりの話だ!!

 

「説教なんて冗談じゃねぇ!むしろ死人を出さなかったことを褒めてもらいたい位だ!」  

 

「そうですよ!本当に危ないところだったんですからね!」

 

「この文月学園で殺人事件を防いだことに誉めてほしいくらいだ!!」

  

「黙れ!お前達の日本語はさっぱりわからん!!」 

 

「この暴力教師め!ええぃ、逃げるぞ明久、ヅラ!」 

 

「「了解!」」

 

「貴様ら、今度は反省文とプール掃除では済まさんぞっ!!」 

 

「人の話を聞いてくれない鉄人は馬に蹴られてくれ!」

 

「それは恋愛で使う言葉だ!そして、人の恋路に邪魔をするやつは馬に蹴られて死ねと言うのが正しい使い方だ!」 

 

必死に逃げ出すも鉄人に担がれ生活指導室へと連行される殴りながら俺達から事情を聴いた鉄人は……

 

「………今度の強化合宿の風呂は、木下を別にする必要がある様だな」

 

こうして、人知れず秀吉の風呂も特別に変えられていることをまだ誰も知らない……そして、プール事件の時に秀吉は男扱いされていないことに菊入が苦笑いして慰めていたのはまた別の話だ




ここまで読んでいただきありがとうございます!
プール編まで毎日投稿できましたが、ストックが切れてしまい明日はお休みにさせていただきます。
次回の投稿は決めていませんが、よろしくお願いします!


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強化合宿編
朝からバカがごまかすときは大抵何かある


まずは、投稿するまで遅くなりすいませんでした!
リアルが忙しく中々書くことが厳しかったですが、合間を見て書きました!
これからもよろしくお願いします!


ムッツリーニ血の海事件も終えて、俺はいつも通りの朝を迎えて、いつも通りに登校をしていたら俺を呼び止める声が聞こえた

 

「おはよう、桂」

 

「む、おはよう。岩下に秀吉に菊入……珍しい面子だな」

 

「うむ、姉上は先に家を出てAクラスの方に向かっている。ワシはやることがあっていつもより少し遅く出てのぅ」

 

「やること?」

 

珍しい顔ぶれに驚きつつ、俺は秀吉の言葉が気になり聞こうとすると、菊入が先に教えてくれた

 

「ほら、もうすぐあれが始まるでしょ?」

 

「あれ……もしかって、坂本を強制的に結婚させよう計画か?」

 

「待ってそんな計画はじめて聞いたのだけど!?坂本くんの人権は!?」

 

やつにそんなものはない!!

 

「言っちゃうんだ!?本当に男の子の友情とか友達ができるきっかけってよくわからないわ……」

 

「安心して、このバカ達が特殊なだけだと思うわ」

 

俺の言葉に菊入は驚き、岩下はため息をつきながら苦言を呈していた。しかし、ひどい言われようでバカなのは明久十分だと俺は考えているが、それよりもあれとは……

 

「簡単に言うと合宿よ」

 

「なるほど、もうそんな時期か……」

 

「そうよ……「ダイエット合宿するのだな」……ふん!

 

げりやぁあ!

 

ぐぉぉぉ!?!

 

俺はダイエットするのかというと、岩下と菊入が俺の横腹を思い切りエルボーして、見事に食い込んだ俺は変な声を出した

 

「今のは大河が悪いのぅ……」

 

「全く失礼しちゃう!!あ、木下君に聞きたいのだけど演劇部って衣装とかどうやって用意してるの?」

 

「うむ、家にある衣装や自分達で手作りするとかそういうのがあるのぅ」

 

「へぇ……」

 

「わ、脇腹が……」

 

秀吉と岩下と菊入が三人で仲良くしゃべっているよそに、俺はよろよろと起き上がって三人を追いかけていた

 

「そういえば、菊入はよく秀吉と話すが話が合うのか?」

 

「そういえば気になるわね」

 

「へ、あ、その……」

 

「む、どうしたのじゃ?」

 

「な、なんでもない!!それよりも、桂君のせいで話がおかしくなったけど、もうすぐ強化合宿なのだからしっかりはなし聞いとかないとね」

 

あ、そういえば強化合宿がもうすぐ始まると言うことに俺は完全に頭の隅においていたな……やれやれと思いながらも俺達はそれぞれの教室に別れると……

 

「………」

 

「おはよう、明久」

 

「おい、明久。どうしてそんなに震えている?」

 

Fクラスの教室にはいるとなにやら、様子がおかしいバカが見据えていた。そんな明らかに異変がありますよ状態は何かあったと思うだろうが……

 

「Yes, Hideyoshi.It's nice weather and nothing today, isn't it?(はーい、秀吉。いい天気だし、今日もなにもないからね?)」

 

「「異常事態だな」」

 

「な、なぜわかったの!?」

 

いや、お前が英語で俺達にしゃべる時点で何かあるってまるわかりだし、目がかなり泳いでいるが何があった?すでに島田が明久を問い詰めて話しかけていた

 

「アキ、何を隠してるの?事と場合によっては………ね?」

 

「待って!?おそろしいことを言わないで!」

 

「まさか、ラブレターとか?」

 

「ヅラ、言葉に気を付けるんだ。僕の命が奪われるから」

 

「何を今さら……この教室でラブレターとかもらっているとわかったら……」

 

俺は指を指すと、明久もその方向をみて須川を中心に声張り上げていた

 

「諸君!!ここはどこだ!」

 

「「「最後の審判を下す法廷だ!」」」

 

「異端者には?」

 

「「「死の鉄槌を!」」」 

 

「男とは?」

 

「「「愛を捨て、哀に生きる者!!」」」

 

「吉井明久は!!」

 

「「「裏切り者、裏切り者!」」」

 

「判決は!!」

 

「「「即死刑!!!」」」

 

「慈悲は!!」

 

「「「なし!」」」

 

あのように声を張り上げながら武器を研いでいるが、恐らくいずれも殺傷能力は低いもののダメージはでかいの確実か

 

「ねぇ、ヅラ!!あれを止めて!!」

 

「仕方あるまい……オーイ、お前達。できるかぎり殺さずに痛め付けろよ。一人一発だけだからな」

 

「なんだ、桂?吉井を味方にするならお前とでも……」

 

「それをしてしまえば、俺はリーダー格のお前がナンパしてフラれたことをいおうか?それとも、誰かがおばあさんに逆ナンくらったうえにをオカマに襲われた話を俺は知っているのだが?」

 

「「「「すいませんでした!一人一発だけにします!」」」」

 

「まって!?暴力を止めてくれないの!?!」

 

バカめ!!誰もお前のために暴力を止めてあげるとは言ってはいない!!

 

「アキ…きちんと何があったか話して?」

 

「じ、実は……そ、その……」

 

「念のために言うが、嘘を言うと島田がバットをもって殴ると予想するから正直にいえ」

 

「うっ……その脅迫状が届いていたんだ」

 

「「「脅迫状?」」」

 

「者共、大したことではなかったからどこかへいこう」

 

明久からの発言は脅迫状だったらしく、FFF団は興味失ったように出ていった。やれやれ、まさかの脅迫状とはな……

 

「とりあえずは、なんの脅迫状かを見てから対応をとるべきだな」

 

「うむ」

 

俺達の言葉に明久も頷きながら恐る恐るその脅迫状の内容を入っている紙を取り出していた……果たしてその中身は!?




ここまで読んでいただきありがとうございます!次回もよろしくお願いいたします!


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うっかり脅迫の中身は見ないことをすすめる

前回までのあらすじは、俺達はいつも通りの登校でいつも通りに教室入ると明久が脅迫状を送られていることが判明した

 

「脅迫状を送られるなんて……お前はついに何かしたのか?」

 

「何かってなにさ!?なにもしてないよ!!」

 

「まぁまぁ、それよりも中身がなんなのかを確認するのを優先じゃ」

 

秀吉の言う通り、今は明久の脅迫内容を把握しておかないと色々と大変なことになるな……。少なくともこいつに脅迫を送りそうな人物は……ダメだ、わからん

 

「中身は何て書いてあるのか把握してるか?」

 

「まだだね……あなたの秘密を握っています。バラされたくなければ、あなたの傍にいる異性にこれ以上近付かないこと」

 

「異性となると、女子か……」

 

「うん、そうだね。手紙の主はこのクラスでたった二人の女子……つまり、秀吉と姫路さんだね」

 

「明久、島田が金属系のなにかを取りに行ったから逃げるのなら今のうちだぞ」

 

明久の発言した瞬間の島田は目が据わっていてものすごいオーラで教室出ていった。俺はさすがにここを殺人現場にされるのは困るので、警告した

 

「そういえば、何をネタに脅迫なのじゃ?」

 

「まだ中までは見ていなかったね。えっと……この忠告を聞き入れない場合、同封されている写真を公表します」

 

「同封されているのはこれだろうな」

 

写真が入るようなサイズの封筒が同封されてたので、それを明久に渡すと封筒に入っていた三枚の写真の内、一枚目を手にとって確認した

 

「………」

 

「見事に固まったな。いったい何を………え……」

 

俺は明久の後ろに立ってなんの脅迫の写真かを確認するように覗くと、そこに写っていたのは………

 

「この前の学園祭の服装じゃな」

 

「い、いつのまに撮影なんて……」

 

「明久のメイド姿は似合ってるな。良かったな、これなら人気者間違いなしだな!」

 

「そんなの嫌だよ!?!はぁ…あと二枚あるのか」

 

溜息をついた明久は俺たちに見えないように隠しながら二枚目を確認すると明久は急に固まった

 

「明久?」

 

「…トランクスだからセーフ、トランクスだからセーフ、トランクスだからセーフ、トランクスだから……」

 

「何があったのじゃ!?自我を失うほどの何を見たのじゃ!?」

 

「はぁはぁ……三枚目を……みないと……」

 

明久はよろよろとなりながら三枚目を取り出そうとしていた。俺はさすがに先程のも気になるが、三枚目はどんなのか気になり後ろから覗くと……

 

もう嫌ぁぁぁっっ!!

 

オロロロロロ………」

 

「明久に大河どうしたのじゃあ!?いったい何を見たのじゃ!?!」

 

俺と明久が見た三枚目の写真は……ブラを持って立ち尽くす明久(着替え中メイド服着崩れバージョン)だった

 

「いったい何を見たのじゃ!!」

 

「お、おぞましいのを見た気分だ……」

 

「はぁ、はぁ、はぁ……お、恐ろしい威力だった。これは俺を死に追い詰めるための卑劣な計略と言っても過言じゃない」

 

「考えすぎではないかのう。メイド服ぐらい、人間一度は着るものじゃ」

 

「それはないと思う。特に男はそんな機会があってたまるか!」

 

俺は秀吉の言葉に即否定しながら、やはりこいつもFクラスの人間だと再確認できた……

 

「みなさん、おはようございます」

 

「この声は……姫路さん!おはよう!!」

 

「姫路か…おはよう」

 

「おはよう。今朝は遅かったんじゃな」

 

「はい。途中で忘れ物に気がついて一度家に帰ったので、ギリギリになっちゃいました」 

 

「そうじゃ。先ほどの写真が騒ぐほどの物ではないと姫路に証明してもらうとしようかの。姫路、少々良いか?」 

 

秀吉は先程のがそんなに騒ぐ必要性はないと思い、姫路に質問することに……その姫路はいったいなんのことか疑問に思っていた

 

「は、はい。なんでしょう?」

 

「仮に明久のメイド服の写真があったらどう思うかのぅ?」

 

「明久君のですか?うーん……」

 

「もしそんな写真があったら……とりあえず、スキャナーを買います」

 

「「「スキャナー??」」 」

 

「文字や写真、絵などの原稿をデジタル画像データに変換する入力装置のスキャナーか?」

 

「ヅラ、丁寧に説明してくれてありがとう。でも、なんでスキャナー?」

 

「だって……そうしないと、明久君の魅力を全世界にWEBで発信できないじゃないですか」

 

満面の微笑み……そして、明久にとっては残酷な言葉で、発言して明久は窓の方へと走っていた

 

「落ち着け、明久!!」

 

「そうじゃ!!冗談かもしれぬぞ!」

 

「放して2人共!僕はもう生きていける気がしないんだ!」

 

「こいつ!?こんなに力があったのか!?!」

 

「そ、そうじゃ!!ムッツリーニに相談するのはどうじゃ!?」

 

秀吉の言葉に先程まで騒いでいた明久が少し収まり秀吉の方へと見つめていた

 

「ムッツリーニに?」

 

「そうじゃ!ムッツリーニなら、この手の話には詳しいはずじゃ!事情を説明するのじゃ!」

 

「話してムッツリーニに笑われる?」

 

「違う!!ムッツリーニに事情を説明して脅迫犯を見つけ出してもらうのじゃ!」

 

「なるほど、その手があったね!!」

 

明久は、秀吉の言葉に納得して飛び降り行為をやめた。まぁ、姫路のあの純粋な言葉はたしかに、明久にとってはきついな

 

「さすが、僕のお嫁さん!」

 

「婿の間違いじゃろ」

 

「そういっている間に時間はくるぞ。早く話しとくべきだろ」

 

「そうだね!!」

 

明久は嬉々として、教室出ていったが、一応俺もムッツリーニの方に行って取引もしておくか




ここまで読んでいただきありがとうございます!
次回もよろしくお願いいたします!


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脅迫されている友と交渉

俺と明久はムッリニーニのいる屋上へと向かっていった。俺は、向かいながらなぜ明久に、脅迫状が今ごろになって届いたのか気になっていた

 

「ヅラは、どうしてついてきてくれたの?」

 

「ムッツリーニなら、今回なにか手がかりを掴めてくれると信じて俺も話をとな」

 

「ヅラって、脅迫されていたって?」

 

「ヅラではない、桂だ。そもそもあのグロい写真はどうやって手にいれたのか疑問だがな」

 

「そういえば…って何がグロい写真さ!!」

 

明久は俺の言葉をきっちり反論しながらも、あの写真を思い出したのか涙目になっていた。やれやれ、泣くくらいなら記憶から消せばいいのに……

 

「ムッツリーニ!僕を助けてくれない!?」

 

「後にしろ……。今は俺が先約だ」

 

「坂本?お前は何でここに……」

 

「ムッツリーニ、何の話していたの?」 

 

目的地に先に陣取っていたのは坂本だったが、いつものツンツン頭が少し萎れているように見えるが何かあったんだろうか?と思い、明久がムッリニーニに訳を聞くと…… 

 

「……雄二の結婚が近いらしい」

 

「む、それはめでたいな。もう両親に挨拶し終えたのか?」

 

「雄二と霧島さんの結婚って、僕はてっきり結婚宣伝したもんだから、もう子供ができた事にされているのかと」

 

「お前ら……マジで笑えない冗談を言わないでくれ」

 

いつもの坂本ならば、激怒するかツンデレみたいな事を言うが、今回は何やら違うみたいだな。坂本はしょんぼりしながら訳を話してくれた

 

「実は今朝、翔子がMP3プレーヤーを隠し持っていた」

 

「MP3プレーヤーを持っていたことに問題はないだろ?多分、Aクラスの主席および学年主席だから英文とか入ってるんじゃないのか?」

 

「いや、それはない。あいつは超……機械音痴だ」

 

「機械音痴?それは本当なの」

 

「あぁ、勝手に人の電話帳を削除したりするそんな奴があんな物を持っていて、しかも、学校に持ってくるなんて不自然なんだ…。だから、俺は怪しく思って没収してみたんだが、そこには捏造された俺のプロポーズが録音されていたんだ。それに婚約の証拠として父親に聞かせるつもりのようだ」

 

「なるほど、坂本の自由と言う人生のピリオドがうたれるのか」

 

「誰が上手いことを言えと!?いや、うまくないかもしれないが、そこはどうでもいい!兎に角、MP3プレーヤーは没収したが、中身は恐らくコピーだろうし、オリジナルを消さない事には……」

 

なるほど、坂本にとっては本当の意味で自由という人生が奪われそうなのに切実に辛そうだと見ていてわかるな

 

「……明久は何の用で?」

 

「実は、僕のメイド服パンチラ写真の姿の写真が全世界にWEB配信されそうなんだ」 

 

「……なにがあった?」 

 

明久の要領ない言葉にムッリニーニは何とも言えない顔になっていた。坂本ですら理解するの戸惑っていた

 

「つまり、明久が言いたいのは……謎の手紙主から脅迫されていて更にその脅迫ネタが明久の女装だと言っている」

 

「なんだ、その程度の事か」

 

「ついでにいうと、明久の女装写真がばらまかれた場合は世界中に拡散される可能性高いと言うことだ」

 

「……お前も似たような脅迫されているのか」

 

「……そこにも、同じ境遇の被害者がいたとは」

 

まぁ、ムッリニーニの言う通り脅迫されていてる被害者が目の前に二人もいるとは仲間ができてよかったではないか? 俺は被害がないから問題はないがな

 

「ヅラ、今ほど優越感浸っているお前の面が腹立って仕方がねぇよ……」

 

「本当だね……」

 

「日頃の行いの差だ」

 

「「どこかだ!!」」

 

俺の言葉に坂本と明久が怒鳴ってきたが、よく考えてほしい。日頃の行いはこいつらは教師に迷惑かけている方だが、俺はその点そういうことはしていない

 

「ヅラの癖に生意気だよ!だから女っ気がないのだよ!!」

 

「そうだ、そうだ!!ヅラなんて、一生女ができずに悲しく虚しくウサギのように死ぬだろうな!!」

 

「なんだと!?それを言うなら、さっさと貴様の絵面がやばい女装を全世界にばら蒔かれろ!そして、いつも自爆してしまう坂本は霧島と結婚してしまえ!!あと、ヅラではない!!!」

 

「「「ぐっ………」」」

 

「……互いに傷つけて泣くくらいなら、言わなければいいのに」

 

俺達は互いに罵倒しあい、それぞれが傷ついて涙目になっているとムッリニーニが正論とも言える指摘をしてきた

 

「はぁぁ……まぁ、ともかくこいつらをしっかり助けてやってくれ。一人はもう手遅れかもしれないがな」

 

「俺の事か!?まだ諦めてねぇからな!?」

 

「雄二……時には諦めるの大事だよ」

 

「うるせぇ!?絶対に俺はあいつから逃げ切ってやる………!!!」

 

「……悲哀が漂っている。とにかく、調べておく」

 

ムッリニーニがそういうと、そろそろ教室に戻らねばと思い四人で戻ることに。ムッリニーニが調べてくれることで進展があればいいがな……

 

「もし、ムッリニーニはきちんと調べてくれたら、報酬に今度お前の気に入りそうな本を持ってくる」

 

「僕も最近、仕入れた秘蔵の写真を十枚持ってくるよ」

 

「………必ず調べておこう。win-winな関係として」

 

ムッリニーニが二人から聞いた報酬で、目を輝かせていた。まぁ、奴はエロを絡むととんでもない能力が発揮するから進展は確実にするだろう……。俺達は教室に戻り席に座り込むと鉄人がちょうどタイミングよく来て、段ボールをもってきた

 

「遅くなってすまないな。強化合宿のしおりのおかげで手間取ってしまった。HRを始めるから各自座ってくれ」

 

そういえば、強化合宿が近いのを朝話していたし今から話されるのは登校の仕方だろうか?

 

「さて、明日から始まる『学力強化合宿』だが、だいたいのことは今配っている強化合宿のしおりに書いてあるので確認しておくように。まぁ旅行に行くわけではないので、勉強道具と着替えさえ用意してあれば特に問題はないはずだがな」

 

「おやつはダメなのですか?」

 

「絶対にダメとは言わんが、メインは何かをよく考えておくように」

 

「おや、堅物鉄人が珍しくダメとは言わなかったな」

 

「桂、俺の鉄拳受けたいのか?」

 

「断る!」

 

「はぁぁ……兎に角、集合の時間と場所だけはくれぐれも間違えないようにする事」

 

鉄人が疲れたため息を吐きながらこの合宿の流れの説明をしてくれていた。目を通して資料を確認するが、今回の会場は卯月高原という少し洒落た避暑地で、この街からは車だとだいたい4時間くらい、電車とバスの乗り継ぎで行くから5時間くらいかかる

 

「車でかなり時間かかるところで合宿か……」

 

「あぁ、そういえばいい忘れていたな。特に他のクラスの集合場所と間違えるなよ。クラスごとでそれぞれ違うからな」

 

「そうなのですか?」

 

「あぁ、だからお前達Fクラスは……他のクラスと違って我々Fクラスは現地集合だぞ」

 

「「「「「案内すらないのかよ!!!」」」」」

 

「己!!!!!これが、文月学園のやり方かぁぁぁぁ!

 

鉄人が言った一言は俺達Fクラス全員にとってはあまりの扱いに涙した……




ここまで読んでいただきありがとうございます!
これからもよろしくお願いします!


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心理と地雷を踏み抜く男

俺達は、鉄人の言われたように現地集合しないとダメと言うことになり、いつもの面子で、現地に向かっていた

 

「今回の合宿場の卯月高原は少し洒落た避暑地で、この街からは車だと大体4時間くらい、電車とバスの乗り継ぎで行くから5時間くらいかかる所だったね」

 

「そうだ。そして、俺達Fクラスは現地集合という……あまりの扱いだな。これは」

 

「まぁ、それは仕方あるまい。むしろ、これもまた、楽しい思い出になるじゃろ。しかし、あとどれくらいかのぅ」

 

「えっと、そうですね……あと2時間くらいはこのままですね」 

 

秀吉の疑問に姫路が携帯電話を閉じて、あとどれくらいで目的地につくかを教えてもらった。俺達は学校からの案内がないため、今、電車に揺られ目的地に向かっている。2時間も揺られると自然と景色も様変わりしてきた

 

「Aクラスはリムジンバスとかだったか?」

 

「うむ、姉上情報じゃとそうじゃな。あとは菊入からもバスだと教えてもらったのじゃ」

 

「む、秀吉はいつから菊入とそんなに仲良く?」

 

「実は演劇関係で色々と手伝ってもらってのぅ。それを機に連絡やり取りしてるのじゃ」

 

「なるほど……」

 

俺の疑問に秀吉はあっさりと答えているが、そんなので一気に仲良くなるものか??まぁ、いいがな……あ、ちなみに今の俺達の席はこうだ

─────  ───── 

 

桂 明久  通 坂本 ムッリニーニ    

 

      路 

姫路 島田    秀吉  

 

ムッリニーニは乗り物酔いしたらしく、今は窓際で大人しく寝ていた……。しかし、あと二時間ともなるとな……

 

「仕方あるまい、たまには爆弾でも作るか」

 

「「「「それは、テロ行為になるから辞めて(ください)!?」」」」

 

「冗談だ。さすがの俺もここではしない」

 

「あ、他のところでは作るのですね……」

 

「あれ美波?何読んでいるの?」  

 

俺は爆弾を作るというと、みんなが大慌てで止める上に姫路が鋭い指摘をしていた……。そんなやり取りしてる横で、島田が何かの本を読んでいることに気が付いた明久が声をかける

 

「ん、これ?これは心理テストの本。100円均一で売ってたから買ってみたんだけど、意外と面白いの」 

 

「へぇ~面白そうだね。美波、僕にその問題出してよ」 

 

「うん、いいわよ」

 

島田は心理テストの本からどこかのページをみて、明久に話を切り込んだ

 

「それじゃいくわよ。『次の色でイメージする異性を挙げて下さい。緑 オレンジ 青』それぞれ似合うと思う人の名前を言ってもらえる?」

 

「異性か。うーん……って、美波。そんな怖い顔で睨み付けられてると答えにくいんだけど……」

 

「べ、別にそんなわけじゃ……!いいから早く答えなさい!」

 

「えっと、順番に答えると……緑→美波 オレンジ→秀吉 青→姫路さんって感じかな?」

 

「……!!」

 

明久の答えを聞いた島田は黒いオーラを出しながら、本を破り裂いたかのような音がした。どうやら、明久は地雷を踏んだのか?

 

「み、美波……?どうして本を真ん中から引き裂いているのですか?」 

 

「どうしてウチが緑で瑞希が青なのか、説明してもらえる?」 

 

「ど、どうしてと仰られましても……前に下着がライトグリーンだったから?」

 

「桂、窓を開けてそのゴミを捨てて」

 

「ゴミ!?!それって捨てる気!?僕を窓から捨てる気!?」

 

「落ち着け、島田。窓からゴミを捨てるもんじゃないよ」 

 

「雄二、美波を止めてくれてありがとう。でも、今サラッと僕をゴミ扱いしたよね?」  

 

「いいのよ。ゴミじゃなくて屑だから」

 

「どうしよう。僕、ここまで酷い扱いを受けるのは久しぶりだよ」 

 

「屑というよりは海の藻屑みたいな存在ではないか?あるいは、こいつが人としてどうかという生命体かもしれないがな」

 

「ヅラも最近人としてどうかと思うことがあるよ……」 

 

何を今さらと思いながら、明久もFクラス染まりきっている上に人としてどうかという行いが多々あるではないか?

 

「はぁぁ……ってちょ、坂本!?」

 

坂本は島田が持っている手元の心理テストの本を取ってあの島田の質問の意味を教えてくれた。ちなみに明久は色々と罵倒されてまだ涙出ている

 

「どれどれ?緑は『友達』、オレンジは『元気の源』、青はーなるほどなぁ」 

 

「か、返しなさいよ!」

 

「悪い、悪い。面白そうだったのでついな」

 

「そうだ!!ヅラと雄二もやってみる?」

 

「お、それはいいな。参加させてもらおう」

 

「だな。せっかくだしもう一つ問題出してくれよ。俺達も参加できるような」

 

「別にいいけど……さっきの質問は深い意味はないからね!」

 

島田が顔真っ赤にしながら坂本に言うが、言われた本人の坂本はニヤニヤしながらわかっているというが、あれはおもちゃを見つけたときの笑顔だな

 

「あの、私も参加したいのですが……さっきの青の意味は何なのですか?すごく気になりますが……」

 

「教えない……絶対に」

 

「そ、そんなですぅー……」

 

「とりあえずは、全員でやれそうなのは……一から十の数字で、今あなたが思い浮かべた数字順番に二つ挙げて下さい」

 

心理テストを読んだ島田の質問に俺達はそれぞれの数字を思い浮かべて発言した

 

「俺は5・6だな」 

 

「ワシは2・7じゃな」 

 

「僕は1・4かな」 

 

「私は3・9です」 

 

「ふむ……俺は6・9だな」

 

島田の質問に上から坂本、秀吉、明久、姫路、そして俺という順番で答えた

 

「『最初に思い浮かべた数字はいつもまわりに見せているあなたの顔を表します』だって。それぞれ――」 

 

島田が順番に指を差しながら 

坂本→「クールでシニカル」 

 

秀吉→「落ち着いた常識人」 

 

明久→「死になさい」 

 

姫路→「温厚で慎重」

 

桂→「天然でうっかり」

 

「ふむ、なるほどな。俺はそういう風になるのか」 

 

「ワシが常識人とは嬉しいのう」 

 

「温厚で慎重ですか~」 

 

「何で僕だけ罵倒されてるのさ!?あと、ヅラはうっかりじゃないでしょ!?」

 

「明久が何だったのか気になるが、罵倒されるくらい性格悪かったのでは?」

 

「次いくわね。それで、さっきの数字から『次に思い浮かべた数字はあなたがあまり見せない本当の顔』だって」

 

さっきと同じように島田が順番に指を差して 

 

坂本→「公平で優しい人」  

 

秀吉→「色香の強い人」 

 

明久→「惨たらしく死になさい」  

 

姫路→「意志の強い人」 

 

桂→「誰よりも仲間思い」

「ほう、秀吉は色っぽいのか」  

 

「ふむ、雄二は公平なのじゃな」

 

「そういえば、桂君は仲間思いな所がありますよね」

 

「俺のは違うと思うが、姫路のは間違いなく、あっていそうだな」

 

「だから、なんで僕は罵倒しかないの!?」

 

明久だから仕方がない結果が出たのだろうが、そこは深く聞かないほうがいいだろうな。俺達はこうして、楽しい移動時間を過ごして強化合宿を挑む……そうこのときは思っていたが……見事に打ち砕かれることを俺はまだ知らない

 




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移動中のお昼ごはんを食べよう!

楽しい時間は、あっという間で島田がもってきた心理テストで、様々な遊びをしていたが、さすがにお腹は減ってきたな

 

「……明久」

 

「あ、ムッツリーニ」

 

「……空腹で起きた。お前達はどうなんだ?」

 

「確かに俺ももうお腹が減ってしかたがないな……13:15か……」

 

さすがに、この時間ならもうお腹が減っても仕方がないな。それに、夕食もあるから食べるなら今が一番良い頃合いだろう

 

「その時間なら、もう食べた方が良さそうじゃのう」

 

「そうだね!夕食もあるからね」

 

「む、いつになく嬉しそうな顔ではないか?」

 

秀吉の言葉に明久は嬉しそうに反応をしていて、俺は珍しく明久のテンションが高いことに驚き聞くと、奴はどや顔で答えていた

 

「ふふ、僕にとっては夕食があることで、貴重な栄養源とれるから嬉しいのさ!」

 

「いや、本当にお前は、真面目に食生活直した方がいいぞ?普通に一人暮らししても困らないように振り込みしてくれてるはずだろ?」

 

「……きちんとしていたら明久ではない」

 

「「「「それもそうだ」」」」

 

「みんな嫌いだ!!」

 

坂本の言う通り、おそらく一人暮らししても困らないように振り込まれているはずだが……まぁ、ムッツリーニが言うように真面目に家計簿していたらそれは明久ではないな

 

「そうだ、ヅラに聞きたいことがあったのだが……如月パークの時の話だ」

 

「む?その件に関しては、計画したのは明久だと言う話で落ち着いただろ?」

 

「そんな話した覚えはないよ!?で、如月パークの話してどうしたのさ?」

 

「いや、あの幽霊屋敷……もとい幽霊病院のことで聞きたいのだが……」

 

坂本が凄く微妙そうに、そして、思い出したくないと言わんばかりにこちらを見ていたがどうしても聞きたいことみたいだな

 

「あ、坂本君はあの幽霊病院のきちんといってくれていたのですね」

 

「もう隠す気がないな?!まぁいい……あの計画どこまで関与していた?」

 

「あー、あの幽霊屋敷もとい幽霊病院だけど……ヅラが一部修正していたね」

 

「なに?そうなのか?」

 

明久の言葉に坂本は心底驚いたようにこちらを見ていたが、俺は否定することなく訳をきちんと話した

 

「まぁ、一部は修正していたのも認めるが、もっと聞きたいことがあるのではないか?」

 

「……()()F()F()F()()はなんだ?あのFFFなのか?!」

 

「あー、やっぱりそこは気にするよね……」

 

「あぁ、あれは遊園地の普通に働いてるスタッフ達がやっていたのだぞ?ちなみに、あの恐ろしい行動は独身の人間が来ていたぞ」

 

「道理で恐ろしいと感じたわ!!」

 

坂本はあのときのFFF団を思い出したのか冷や汗をかいて俺達に怒鳴っていた。俺は軽く驚かせろといったが、あそこまでやるとは誰も思わなかったぞ……

 

「まぁまぁ、何があったのか知らないけど昼御飯食べましょ」

 

「そうだな。……って、待て」

 

「はい?」

 

「姫路のその手元にあるのはなんだ?」

 

「これですか?実は、お弁当を作ってきたんです。良かったら皆さんも私のお弁当を食べませんか?」

 

「「「「「!?」」」」」

 

姫路の言葉に、あの恐怖のお弁当を思い出した。あの弁当を食べた瞬間に俺はなぜか死んだおばぁと会って会話していたような気がする……

 

「姫路、気遣いはありがたいが……今回は自分の弁当を持参してな」

 

「ワシも自分で用意してしまっての。」 

 

「………調達済み」 

 

「わりぃ、俺もだ」

 

各々が弁当を取り出して、姫路に謝罪しながらお弁当を見せていた

 

「あ、そうなんですか……残念です」

 

「いや、本当にすまない……だが、明久が食べるのではないか?なにせ、食生活が乱れている奴だからな」

 

「ヅラ、酷いよ!?!きちんと、僕も惣菜パンを……」

 

「「「(させるか!!)」」」

 

俺とムッツリーニと坂本は明久が逃れられようとしているのを見えた俺達は、物で制裁をするのには子供の影響に悪いので……

 

「まてまて、明久。いくらお前でもその量は足りないよな?」

 

「え、そんなことはないよ?(己、妨害する気だな!?!)」

 

「姫路と島田に聞きたいが、俺や坂本から見ても明久はそのパンだけでは足りないと思わないか?」

 

「え、たしかにそうですね。それでは、食べてもすぐに空腹が……」

 

「アキ、その……よかったらウチのお弁当を食べない?」

 

「美波、本当!?せっかく皆も自分の弁当があるんだし、ちょっとずつ分けあって摘まもうよ!」

 

「「「「!?」」」」

 

く、明久にしては頭が回ることをいってきたな!?俺達が戦慄していると、秀吉とムッツリーニは遠慮していた

 

「すまぬが、わしは隣じゃから遠慮させてもらうのじゃ」 

 

「悪いが、俺も席が別なのでな」 

 

「……そういうわけで」

 

「坂本もだと!?」

 

まさか、犠牲をさせようとしていた坂本がここに来て席が別と言うことで逃げられると思わなかった!!

 

「(く、雄二には逃げられたけどヅラを巻き添えにはできた!!)じゃあ、四人で食べ回そうか」

 

「(坂本め、俺に恨みでもあるのか!!)そ、そうだな。とりあえずは……明久はそれ食べるのを後にして先に女子を作ってもらった弁当を食べるのが良いだろ?」

 

「ヅラ!?」

 

「ヅラではない、桂だ!そもそも、普段から栄養をとれていないお前のために島田や姫路が提案してきたのだ。先にお前が食べるのが礼儀だ!」

 

「く……(ヅラの癖に正論を!!!)」

 

俺の言葉に明久は苦虫を潰したように此方を睨んでいたが、俺からしてみたら作戦通りに明久が倒れるだろう…

 

「あ、アキ。まず私のを…」

 

「え、凄く美味しそう!!美波、頂いていい?」

 

「え、えぇ……」

 

「じゃあ、頂きまーす」

 

明久はとりあえず姫路から逃れるため適当にシューマイをほおばった 

 

「あのね、その………勇気を出して言うけどね……そのシューマイなんだけど、実はアキに食べてもらおうと思ってね」 

 

「ほう?」

 

島田の言葉を聞いて、俺は本当に明久に食べてほしくって手作りしていたのだと納得していたが……次の言葉を聞いて驚いた

 

「二つに一つはからしだけを入れてみたの」 

 

「君はバカかいっ!?」

 

「え、明久くんの口から炎が出ています!?」

 

「見事に当たりを引いたか」

 

「(辛い、辛い!?でも、この味覚が壊れたいまならチャンス)く、姫路さんのも頂くね!!」

 

「え!?」

 

明久は何を思ったのか姫路の弁当を取り上げて、ものすごい勢いで食べ始めていた。俺は明久の狙いがわかり戦慄していた

 

「(まさか、明久は味覚が潰れた今なら……!?)」

 

「うぉぉぉぉ!!……ご馳走さまでした」

 

「ぜ、全部食べただと………!?」

 

「ごめん……少し眠たくなったから寝るね」

 

明久は答える間もなく、深く眠りについた……姫路と島田は眠たくなったから寝たと思っているが俺達は見逃さなかった……明久が死ぬときの雰囲気を出しながら眠りについたのを……




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AEDと臨死体験

俺達は明久が眠った後に、内心凄く冷や汗をかきながら様子を見ていたが、時々夢で魘されるように呻いていたが段々静かになってきた……

 

「ったく、こいつよく寝るよなぁ」

 

坂本が明久を背負いながらそういうが内心は焦っているのが確かだろうな 。なにせ、何を期しても起きる気配はなかったのだからな

 

「そうですね。よほど、楽しみにしていて寝れなかったのでしょうか?」

 

「アキが勉強楽しみにするのはあり得ないわね……」

 

「秀吉はAEDを早めに、ムッツリーニはその間にある調べ事を頼む!」

 

「「了解」」

ムッツリーニと秀吉はひそかにAEDを取りに行ってもらい、その間に俺達は姫路達と別れて、部屋にこもった

 

「坂本、明久の脈は!?」

 

「く、さっきよりも低下してる!!秀吉とムッツリーニはAEDをまだ持ってこないのか!?」

 

「待たせたのじゃ!!容態は!?」

 

俺達は部屋に入るとすぐに明久を横にさせて、様態を確認していたが電車で眠ったときよりも脈が弱まっていた。そんな俺達が焦っていると、秀吉がAEDを持って戻ってきた

 

「一刻も争う!!」

 

「く、まさかここまでヤバイとは!?」

 

「み……」

 

「「「み……?」」」

 

明久の容態の悪さが想像以上に進んでいると思って焦っていると、明久が突然口を開いていた

 

「み……皆様に……私はバカで最低な事をしました。あ、もう川が見える……渡れば……」

 

「「「マズイ!!!!」」」

 

明久が本当に死人になりかねないと思い、俺達はAEDを起動させながら明久を呼び起こしていた。暫く、蘇生措置をとっていると明久咳き込んだ

 

ごっほ、ごっほ……ここは……」

 

「目を覚ましたか……はぁぁ……マジで焦ったぞ」

 

「ここは合宿場だ……」

 

「明久、無事じゃったか!よかった……お主がうわごとで前世の罪を懺悔し始めた時には正直もうダメじゃと…」

 

「え、僕そんなに危ない状態だったの……?」

 

俺たちの言葉を聞いた明久が真っ青にしていたが、本当に危ない状態な上に…よそう。これ以上話せば本当に背筋が寒くなる

 

「あ、そういえばムッツリーニは?」

 

「ムッツリーニなら、例の事件を探してくれている。明久、喉乾いてないか?」

 

「あ、そういえば……」

 

明久が、そういうと俺は飲み物を購入しにいくと話すると、三人は飲み物を頼んできた。やれやれ、本当にこいつらは俺を走りかなにか勘違いしてないか?

 

「取りあえずは、要求はわかった。とりあえずは買いにいく」

 

俺は席を外して、飲み物を買いにいこうとするとムッツリーニと遭遇した

 

「ムッツリーニ、どうだった?」

 

「……有益な情報手にいれた。昨日、犯人が使ったと思われる道具の痕跡を見つけた」

 

「犯人は?」

 

「……判明せず。明久達にひとまず報告をする」

 

「わかった」

 

俺はムッツリーニの報告を聞いて、犯人は判明できずとも、ひとまずは分かった事はやはり真犯人はいるみたいだな。自販機で、明久達四人分を購入すると階段降りようとしていた

 

「はぁぁ、明久のやつ死にかけるとはやはり恐ろしいな……大急ぎに走っている音が聞こえるな?」

 

「ちょ、邪魔です!!」

 

「え?」

 

なにかが俺の背中に直撃して、俺は……

 

ぁぁあぁぁぁぁあ!?!!!」

 

背中になにかが直撃した俺は階段を思いきり転げ落ちた……。そして、なにかが俺の頭に直撃して………意識が吹っ飛んだ

 

 

明久side

ヅラが出ていった数分後に入れ替わるようにムッツリーニが、部屋へと戻ってきた

 

「……戻ってきたのか」

 

「なんとかね」

 

「ムッツリーニ、情報は?」

 

「……昨日、犯人が使ったと思われる痕跡が見つかったが……確実性がなかった」

 

「そういえば、犯人がはどういう手がかりがあるのじゃ?」

 

「……犯人は女生徒で、お尻に火傷の痕がある”という事しかわからなかった」 

 

「「「ちょっと待て!」」」

 

いったい、どうやったらそんな調べできるのさ!?訳を聞くと、あの日校内に網を張ったらしく、ムッツリーニが用意した小型録音機が取り出され、そこに収められた会話が流れ始める

 

『……らっしゃい』

 

『雄二のプロポーズを、もう1つお願い』 

 

『毎度。2度目だから安くするよ』 

 

『値段はどうでも良いから、早く』

 

『流石はお嬢様、太っ腹だね。それじゃ明日……と言いたいところだけど、明日からは強化合宿だから、引き渡しは来週の月曜で』

 

『わかった。我慢する』

 

ムッツリーニは通信を切ると、部屋に重苦しい雰囲気が張り込んでいた。主にその雰囲気は雄二から発生していた

 

「あいつまさか……こんなことに絡んでいたなんて……!」

 

「いよいよ、雄二の人生もピリオドになるのかのぅ……」

 

「まだだ!まだ諦めない!!」

 

「時には諦めるの肝心かもしれないよ」

 

「うっせぇ!!」

 

「……すまない、こっちだ」

 

ムッツリーニは謝罪しながら、再度別の通信機を取り出して音を流していた

 

『いらっしゃい』

 

『いつものやつを頼む。爆弾を作るための素材が必要でな』

 

『毎度ながらそれをよく頼みますね?』

 

『足りない素材を集めてくれるから信用して頼めるのさ。それと、もうひとつはFバカコンビの売り上げは?』

 

『上々。お会計はいつもの振り込みで』

 

『了解』

 

ムッツリーニの流した通信が終わると僕は明らかに今の会話はおかしいと思いムッツリーニに切り込んだ

 

「これ、ヅラだよね?!!」

 

「……間違えた、今度こそ本物を」 

 

ムッツリーニが機械を操作し、続いて録音機から声が流れた

 

『相変わらずすごい写真ですね。こんな写真を撮っているのがバレたら、酷い目に遭うんじゃないですか?』

 

『ここだけの話、前に一度母親にバレてね』

 

『大丈夫だったんですか?』 

 

『文字通り尻にお灸を据えられたよ。全く、いつの時代の罰なんだか』

 

『それはまた……』

 

『おかげで、未だに火傷の痕が残ってるよ。乙女に対してひどいと思わないかい?』

 

ムッツリーニが録音機を消すと、このやり取りで犯人の手がかりがそういうことなのかと納得していた

 

「わかったのは、これだけ」 

 

「確かに、特定できる情報である事は間違いないが、有力でもないぞ?場所が場所だけに確かめようとしたら間違いなく犯罪だ」 

 

「だよね。スカートを捲くってまわったとしても、その上にパンツがあるし」 

 

「……赤外線カメラでも火傷の痕なんて映らない」

 

「そうだ!もうすぐお風呂の時間だし、秀吉に見てきてもらえば良いじゃないか!」 

 

「明久。何故にワシが女子風呂に入ることが前提になっておるのじゃ!?」

 

秀吉が僕の言葉を否定していたが、だって秀吉は秀吉だから行けるのではないの?

 

「明久、それは無理だ」

 

「え、なんで?」

 

「これをみろ」

 

雄二は強化合宿のしおりを僕に投げ込むと僕は、それを取って開いていくと雄二の言いたいことが分かった

 

~ 合宿所での入浴について ~ 

・男子ABCクラス…20:00~21:00 大浴場(男) 

 

・男子DEFクラス…21:00~22:00 大浴場(男) 

 

・女子ABCクラス…20:00~21:00 大浴場(女) 

 

・女子DEFクラス…21:00~22:00 大浴場(女) 

 

・Fクラス木下秀吉…22:00~23:00 大浴場(男) 

 

なるほど、これをみて納得してしまったよ……。僕は悔しげに地面を思いきり叩き込んだ

 

「くそ!!コレじゃ秀吉に見て来て貰う事は出来ない」 

 

「そう言う事だ」 

 

「どうしてワシだけが扱いが違うのじゃ!?」

 

秀吉はこのしおりをみて叫んでいたけど、僕はあることを思い出した。鉄人がムッツリーニの鼻血事件を聞いて秀吉は別の時間にした方がいいと言っていたよね……

 

ドバン!

 

全員手を後ろに組んで伏せなさい!」

 

「逃げたら、命はないと思いなさい!!」

 

僕たちが犯人を特定する方法を考えているとすごい勢いで扉が開け放たれ、女子がぞろぞろと中に入ってきた

 

……え、何事?!と思いながら女子が怒りまみれにこちらの部屋へ入ってきた……




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日頃の行いが信頼に……ならない

明久side

前回までのあらすじ…僕は姫路さんの弁当を食べて意識不明になり雄二達のお陰で命は助かった。そして、ムッツリーニが犯人の手がかりを少し見つけてくれて話していたところ……

 

全員、手を後ろに組んで伏せなさい!!!!」

 

逃げたら、命はないと思いなさい!!

 

僕達が犯人を特定する方法を考えているとすごい勢いで扉が開け放たれ、女子がぞろぞろと中に入ってきた……え、何事?!と思いながら女子が怒りまみれにこちらの部屋へ入ってきた……

 

「木下はこっちへ!そっちのバカ3人は抵抗をやめなさい!」 

 

「木下君は大丈夫!?」

 

「何事じゃ!?そして、何が大丈夫なのじゃ!?」

 

秀吉は混乱してるけど、僕達はとっさに窓から脱出しようとしたが……

 

「がっ!?」

 

「ぐっ!?」

 

「……!?」

 

僕達三人は逃げようとすると、何者かに腕を捕まれて思いきり組伏せられた。僕達を止めたのは誰だ!?と思いみようとしてると……

 

「逃げれると思わないでね」

 

「………」

 

いつになく冷たい目の木下さんと、岩下さんが僕らを組伏せていた。雄二は霧島さんに組伏せられていた

 

「いだだ!?翔子、絞め方が危ない!!」

 

「……つい……」

 

「それ以上は絞めすぎない方がいいわ。さて、あなたは達に問い詰めたいことがあるのだけど……」

 

「問い詰めたいことってなに!?」

 

岩下さんがいつになく冷たく僕らに問い詰めたいことがあると言っていた。すると、岩下さんとは別の人が口開いた

 

「よくもまぁ、そんなシラが切れるものね。貴方達が犯人だってことくらい、すぐわかるというのに……」

 

「Cクラスの根本の元彼女の……小山さん?って、犯人ってなんのことさ?」

 

「そんな嘘が通用するとでも思ってるの!?コレの事よ!」

 

「……これは、CCDカメラと小型集音マイク」

 

ムッツリーニが小山さんが突き出した物がなんなのかを説明してくれていた。流石に、ムッツリーニはこういうの詳しいよね

 

「これがどうしたの?」

 

「女子風呂場に設置されていたの」 

 

「ふむふむ。コレが女子風呂の脱衣所に………って、え!?それって盗撮じゃないか!一体誰がそんなことを!?」 

 

「とぼけないで。あなたたち以外に誰がこんなことをするっていうの?」 

 

僕が驚くも小山さんは呆れながら僕達に言うとそれを聞いた秀吉が怒りながら否定をしようとしていた

 

待つのじゃ!!

 

「なに、秀吉?否定すると言うの?」

 

「そうじゃ!!ワシらはそんな事をしておらん!覗きや盗撮なんてそんな真似は――」 

 

「そうだよ!僕らはそんな事はしないよ!」 

 

「!!(コクコク)」

 

秀吉の反論に合わせて前に出た僕とムッツリーニを冷ややかに見ながら菊入さんが秀吉に話しかけた

 

「ねぇ、木下君はあの二人をみて、否定できる……?」

 

「否定……できんのじゃ」

 

「うんうん、木下君は正直でよろしい。時には厳しく言うのも大事よ?」

 

「ええっ!?信頼足りなくない!?」 

 

僕とムッツリーニが否定されなかったことに少しだけ涙が出た。そして、秀吉は否定できなかったことに凹んでいると菊入さんが慰めていた

 

「まさか、本当に明久君達がこんなことをしていたなんて……」

 

「ア……キ信じていたのに、どうしてこんな事を……」 

 

「美波。信じていたなら拷問器具は用意してこないよね?」 

 

本当に信用していたから拷問道具はすぐに用意しないし、これは信用のしの字もないのだろう…… って、それはあとで考えるとして、今は弁明しないと!!!

 

「姫路さん、違うんだ!本当に僕らは――」

 

「もう怒りました!よりにもよってお夕飯を欲張って食べちゃった時に覗きをしようなんて!い、いつもはもう少しそのスリムなんですからねっ!?」 

 

「う、ウチだっていつもはもう少し胸が大きいんだからね!?」

 

「それはウソ」 

 

「……優子、殺りなさい」

 

「え、ちよ、ぎやぁあぁぁぁあぁ!!!」

 

僕がつい失言すると、美波は怒りの指示を出して木下さんが僕の背骨をバキバキとおるように攻撃しかけた

 

「(僕がこれなら雄二は!?)」

 

「浮気は許さない」 

 

があああああ!」 

 

「(雄二ぃぃ!?)」

 

僕は背骨をバキバキとされながらよろよろにも座らされた。そして、その目の前には美波が悪い雰囲気で……

 

「さて。真実を認めるまでたっぷりと可愛がってあげるからね?」 

 

「(美波のS気質が全開だ。このままでは)あのね。僕、今まで美波ほどの巨乳をみたことがぎゃぁあああっ!」

 

「まずは一枚目ね」

 

「明久君。まさか、美波ちゃんの胸、見たんですか……?」

 

「あははっ。やだな……。優しい姫路さんはそんな重そうな物を僕の膝の上に載せたりなんてふぬおぉぉっ!?」

 

「質問にはきちんと答えてくださいね?」

 

「きちんと答えないと…寿命を縮めるわよ」

 

僕の目の前には普段優しい姫路さんもいないし、美波や木下さんもいつもよりよドスの効いた声で僕を問い詰めていた

 

「(やばい、意識が……!?)」

 

「はぁ……はいはい。そこまでにしなさい」

 

「「「「え?」」」」

 

僕が本気でヤバイと思うと、岩下さんがため息をつきながら木下さん達の行為を止めていた。当然突然行為を止める宣言させたことで小山さんが怒っていた

 

「な!こいつらをかばうの!?」

 

「私と真由美は別件で問い詰めたいことがあってね……。まぁ、覗き疑惑があると思わなかったわ」

 

「別件?」

 

「それはあとで話すわ。……それよりも、本当に覗きはしてないの?」

 

岩下さんが僕達に再度確認するように、そして言い訳を許さないと言わんばかりに僕らを聞いてた

 

「僕達はそんなことしてないよ!!本当に!!嘘だと思うなら鉄人でも船越先生でもつれてきて良いよ!」

「明久……!?」

 

「はぁぁ……とりあえずは証拠不十分だし仮釈放をするのどうかしら?」

 

「「「!?」」」

 

岩下さんの言葉に僕達全員が驚いていたが、菊入さん嵩は冷静だった。小山さんは納得せずに聞いてきた

 

「そいつらがやったのでしょ!?」

 

「そうよ!」

 

「はぁぁ……あのね、確かにそのカメラがあることは凄く気になるけど……問題は何故彼らが犯人と決めつけるのかしら?()()()()()はあるのかしら?」

 

「ぐ、それは……」

 

「それと、美波達もここまでにしときなさい。後々不覚後悔するのは自分達よ?それに、嘘が下手くそな吉井君が船越先生や西村先生の名前を使ってまでもそういうのなら、やっていない可能性はあるわよ……もし、それで覗きしてないのに冤罪をかけられて被害届とか出されたら私達が後悔するわよ?まぁ、そういう()()()()()()()()()()()()()()()のかもしれないけどね」

 

「「「っ……」」」

 

岩下さんの言葉を聞いて、姫路さん達も悔しげに解放をしていて菊入さんがとりあえずは退出しましょうと言って女子達を追い出した

 

「さて……お話ししましょうか?」

 

どうやら、まだ僕達に平穏はなさそうだ……




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冤罪されると黙ってられないよね

僕達は助けてもらいながらも、雄二とムッツリーニは倒れていて、僕は辛うじて岩下さんのお陰でまだ意識が保っていた

 

「単刀直入に聞くけど、貴方達……今ここにいない桂に何かしてはいないでしょうね?」

 

「そういえばヅラは飲み物を買いにいくと言いながら帰ってきていないや。って、今の質問はどういうこと?」

 

「どうやら、その反応で大体わかったわ。()()なのね……」

 

「シロじゃと??」

 

岩下さんの言葉に、僕らは疑問を思っていると岩下さんがため息をつきながらわけをはなししてくれた

 

「簡単に言うと、桂が階段から落ちて血まみれで倒れてるのが発見したのよ」

 

「「ヅラは何してたの(じゃ)!?」」

 

「まぁ、貴方達がやったと言うわけではないのなら、誰かがやったのかあるいは、桂が自分で転んだのかどっちかね。とりあえずは、戻るわ」

 

「まて………」

 

僕達の疑いが晴れたのか、岩下さんは立ち上がりドアを開けようとすると、後ろから雄二がよろよろと起き上がりながら岩下さんに聞いた

 

「まさか、お前はわざわざ止めるために……」

 

「別に、初めからあんた達に用があって来たわけだし……まぁ、偶然ね」

 

そう言いながら、岩下さんはこちらに振り返ることもせずに出ていった。何て言うか、岩下さんはヅラのことを聞いてきた時、嘘は許さないと言わんばかりの目だったよね……

 

「しかし、災難じゃのう」

 

「うん。何だか何時もより生命の危険があったよ………。岩下さんが止めてくれなかったら本当に……」 

 

「……本当に酷い濡れ衣じゃったのう。なぜだかワシは被害者扱いじゃったのも解せぬが」 

 

「……ホント、酷い誤解だったよ」

 

「………そもそも見つかるようなヘマはしないのに」

 

「ムッツリーニ……ギリギリその発言アウトだよ。それよりも、ヅラが戻ってこない理由が驚いたよね?」

 

「うむ、『簡単に言うとヅラが階段から落ちて血まみれで倒れてるのが発見したの』……じゃったのぅ。大河のやつはいったい何をしたらそうなるのじゃ??」

 

そもそも、飲み物を買いにいくだけで何でそういうことになったのだろうか?どうせ、失礼な発言をして転んだのか、自爆して転んだのかどちらかだよね?

 

「ヅラのことは無視して……雄二がさっきから静かなんだけど……」

 

「む、そういえば……」

 

「……俺達に冤罪をかけてくるとは、上等じゃねぇか……。ここまでのことをされて、黙っているほど、俺は穏やかじゃねぇよ……」

 

雄二がよろよろと立ち上がりながら低くそして、ドスの効いた声で決心したように語りかけてきた

 

「雄二……?」

 

「明久、俺は完全にきれた……本当にしてやる……!こんなことをされかけられて、黙っていられるか!!!」

 

「え、雄二。そんなに霧島さんの裸が見たいのなら、個人的にお願いしたらいいんじゃない?」

 

「馬鹿言うな!誰があいつの裸なんて見たいと言った!?」

 

「あ、犯人を探すためのこと?」

 

「そうだ。流石に覗きなんて真似はやりすぎだと思って遠慮していたが……向こうがあんな態度で来るなら遠慮は無用だ。思う存分覗いて犯人を見つけてやろうじゃないか……!」

 

僕は雄二が、何をしたいのかわかると雄二が否定せずに最初はそうするつもりはなかったと前置きしながら怒っていた

 

「さっきのカメラとマイクは、脅迫犯の物と同じだった」 

 

「なんじゃと?それは本当かの、ムッツリーニ?」

 

「……間違いない」

 

「そうか。それは嬉しい事実だな」

 

「そうじゃな。雄二と明久を脅してる犯人はおなじで、覗き犯のカメラとマイクがその犯人と同じだったんだ。ということは、同じ犯人の手によるものだということだから……?」

 

「はっ!わかった!!火傷の痕がある人を探したら全部解決するってわけだ」

 

「よし!疑う余地はないな!」

 

「うん。それにしても……何でこんなにやる気だしてるの?霧島さん関係に雄二がすごく気合い入ってるのはなぜ?」

 

 

いつもの雄二なら、ごねたり否定したりするのに、難でこんなにやる気を出してるのだろうって思っていると、雄二は儚い顔になった

 

「……実はこの前、いつものように翔子にクスリをかがされて気を失ったんだが」

 

「ごめん、その前置きから色々と分かりにくい……!いつものって何!?」

 

「目が覚めたら、ヤツの家に拉致されていたんだ」

 

「で、そこで霧島さんの両親と挨拶をしたの?」

 

「いや、そうじゃない。ただ、ヤツの家に……」

 

「まさか、両親だけじゃなくて祖父母もいたのかな?」

 

「俺の部屋が用意されていたんだ………。あんな台詞を聞かれたら、間違いなく俺は、俺の未来は………!」

 

最近は雄二の壊れた姿も見慣れてきたね……でもこの何とも言えない雰囲気をどうしたらいいのさ!?

 

「そ、そうとなれば、すぐにでも向かわねば風呂の時間が終わってしまうぞ!」

 

「……有言実行」

 

「え、協力してくれるの!?」

 

「うむ!!友人の危機を助けるのは当たり前じゃ!!」

 

「……同志のため」

 

二人が協力してくれるのは本当に大きいにし、これなら真犯人を捕まえれる可能性が高まる!!

 

「さぁ……野郎共!いくぞ!!!」

 

「「「おう!!」」」

 

雄二の言葉を聞いて僕たちは自信をもって難関を挑んだ結果………あっさりと負けて反省文を書かされた……

 

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!次回もよろしくお願いします!


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目覚めと状況整理

俺は、たしか飲み物を買いに行った筈なのだが……何故か目を覚ますと頭に包帯を巻かれていた上に、別室で寝ていた

 

「ここは……」

 

「目を覚ました?桂」

 

「この声は……岩下?」

 

俺は目を覚まして、ゆっくりと岩下の方に振り向くと、彼女が浴衣を着て俺のベットの横に座り込んでいた

 

「どういう状況だ?そして、何故俺はここで寝ている」

 

「その前に確認だけど、記憶はどこまであるの?」

 

「記憶だと……?うむー…明久が死にかけていてAEDを使って生き返って…そして、飲み物を買いにいって……そこからが記憶がないな」

 

「ちょっと待ちなさい!?今さらっと、吉井君の状態が恐ろしいことあったみたいじゃない?!」

 

「あったと言うよりも……まぁ、そこは良いだろう」

 

「うぅ……本当にFクラスは頭痛い問題を()()()()()()起こしてくれるわね……」

 

「む、何かあったのか?」

 

岩下が頭痛いと言わんばかりに、頭を抱えてると俺も何かあったのかと気になった。なにせ、次から次へとと言う言葉に流石に何かあったとわかるだろう

 

「実はね……あんたの友人の吉井君、坂本君、土屋君、木下君が覗きをしょうとしていたけど、鉄人……西村先生達が止めて現在補習中」

 

「何をしているのだ、あのたわけどもは!?」

 

「因みに事の経緯はーー」

 

「……なるほどな」

 

岩下が説明してくれた明久達の愚行を頭抱えながらも容疑としてかけられていたことも判明していた

 

「む、しかし……それなら俺も容疑になるのでは?」

 

「私と真由美がその容疑を否認したわ。そもそも、発見した時に血まみれで倒れてるのを発見していたわけだし、どう考えても疑いにかけるにしては無理があると言ったわ」

 

「あ、桂。目を覚ましたの?」

 

「起きたのじゃな」

 

医務室に入ってきたのは、菊入とどこかぐったりしている秀吉だった。どうやら、だいぶ鉄人にこってり絞られたようだな

 

「聞いたぞ、秀吉。何で覗きをしたのだ?」

 

「うむぅ……友人の名誉回復と言えば良いかのぅ」

 

「いや、覗きしたら名誉回復どころが不名誉してるわよ!?」

 

「「ごもっとも」」

 

確かに、名誉回復するなら別の方法をすれば良いものの覗きをしていたら余計に疑われるだけではないのだろうか?

 

「秀吉、覗きになった事の経緯は大体聞いてるが……理由をきちんと話してほしい。俺が血まみれで倒れてる間に何故そうなったのかを」

 

「しかしのぅ……」

 

「大丈夫だ。この二人はお前が考えている()()ではない」

 

「「容疑??」」

 

岩下と菊入が俺の言葉に疑問を持っていると、秀吉も意を決して二人に話を切り込むことに……。恐らく一部は防いで話しているが、二人とも口を挟むことなく聞いていた

 

「なるほどね……そういう事情なら話してくれたらよかったのに」

 

「でも、今の話聞いていたら根本はないね」

 

「その心は?」

 

 

「「やるならもっと姑息な手でやりそうだから」」

 

「Bクラスの代表は信頼0な上に、別の意味で信頼されているのぅ」

 

まぁ。あのBクラスの代表が悪い意味で信頼されているのなら喜ばしい話でないか。さて、今回のメインは……

 

「さて、ここまで話したのはお前達を信頼してだ。なにより、お前達がそういうことをするのは考えにくい」

 

「その根拠は?」

 

「俺は、お前達を信頼してるからだ

 

「確かにのぅ。ワシもこの二人には信頼しておるぞ」

 

「うーん、なんかそういわれると照れ臭いわね……。まぁ、確かに私達はしてないし、するメリットもないわ」

 

確かに岩下達がメリットもないし、どちらかというとあれは異性…つまり、男を嫌っている……む、男を……?

 

「今は証拠もないから、確実性はないが……少なくとも冷静なお前達に頼みたい事がある」

 

「「?」」

 

「あやつらは合宿最終日まで騒ぎを起こすだろう。それも確実に……」

 

「それ、決定事項!?!!!」

 

俺の言葉に菊入が叫んでいたが、少なくともあの程度で収まるなら召喚獣戦争を起こしたりはしないだろう……

 

「まぁ、要するに私達に女性側の真犯人を探れということね?」

 

「そういうことね。それならお安いご用よ」

 

「助かるのじゃ。ワシらはこれからも騒ぎが起こして表向きはワシらを疑ってくれるとありがたい。そして、裏ではワシらと情報共有するのじゃな」

 

「そうだ」

 

少なくとも、これで真犯人が見つかる手がかりが少しでも選択が増えると思えば大きいだろ。すると、菊入が疑問を思ったのか聞いてきた

 

「瑞希達には話さないの?」

 

「今のあやつらが人の話を聞いてくれると思うか?」

 

「どういうこと?」

 

「『まさか、本当に明久君達がこんなことをしていたなんて…』、『アキ……信じていたのに、どうしてこんな事を……』、『……浮気は許さない』……このような発言している連中が、きちんと人の話聞くか?」

 

「「「……」」」

 

秀吉から聞いていた話を元に、理由をのべると俺の言葉に、三人とも目をそらしていた。まぁ、あんな発言をして協力を求めるのは酷だし、こちらから求める必要はない

 

「少なくとも、俺の意見はあやつら三人に協力は求めない。理由は三つある」

 

「理由?」

 

「そうだ。1.大勢で協力求めると真犯人が動かなくなる。2.姫路達は明久達を信用していたというか信用してたら、もっと話し合えてそういう事はしないはず。3.バカどもの暴走を止めるのが不可能だからだ

 

「1.2はわかるけど3は……?」

 

「どうせ、いつかは俺も巻き込まれるに決まっているからだ」

 

「あ、巻き込まれることにもう、諦めたのね。OK、とりあえずは動きを警戒しとくわ」

 

俺の言葉に呆れながらも、理由を納得してくれていた。少なくとも、姫路達にも少しお灸を添えないといけないからな

 

「っていうか、菊入はなんで秀吉を助けたのだ?」

 

「え、木下君はほら……性別が秀吉という扱いだから、覗きといえるのか疑問を思って……」

 

「何故か、一気に気持ちが悲しくなったのじゃ……」

 

菊入の言葉を聞いた秀吉が悲しそうにしていたが、俺達は苦笑いするしかなかった……。さて!それよりもあいつらはどうするのか様子を見ないとな……

 

「そうだ。桂は唯一の女性の味方として此方に着いたら?どうせ、巻き込まれるならそちらの方に回ったらどうかしら?」

 

「む!?」

 

「何故、そうするのじゃ?」

 

「少なくとも、Fクラス男子での風当たりを少しでも下げるためよ。全員覗いたら、ほら……瑞希のお父さんがこれを耳に入ってしまって」

 

「「………そういえばそうだった」」

 

清涼祭で、瑞希の転校を防ぐために必死に頑張ったのにこのばか騒ぎが原因で転校をしてしまえば不味いな……

 

「Fクラスに荷担していると見せかけて、女子の味方とさせて……さらに、本当の裏では真犯人を見つけるための算段でか……」

 

「えぇ」

 

「……よかろう。真犯人を見つけるならまだしも……万が一覗きで退学処分なってしまうのは友としては避けたいな」

 

「ワシもそちらにつけば良いのかのぅ」

 

「いいえ、木下君は男子に完全についてほしいの。男子側の裏切りをね。女子は私達が探して、ヅラは情報を共有したので考えられる真犯人をお願いね」

 

「了解したのじゃ」

 

「よし、この四人で真犯人を見つけて可能ならあのバカどもの覗きを防ごう。………本当に、こういう覗く行為を防がないとあいつらが悲惨な目に合いそうな気がする……」

 

「「「?」」」

 

本当にどうでも良いかもしれないが、嫌な予感がする上に恐ろしい目に合いそうな気がする……




いつも感想ありがとうございます!!
これからもよろしくお願いします!!


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録音機と疑い

合宿二日目、その日の朝は、頭の包帯を巻かれながら部屋に戻ると死にかけていた明久達がいた……。まぁ、昨日は岩下達と裏契約を交わした上にこいつらの覗きをできるだけ防がねばならないな……

 

「……雄二と一緒に勉強できて嬉しい……」

 

「待て、翔子。当然のよう俺の隣で座って勉強するな。クラスの連中が靴を脱いで俺を狙っている」

 

昨日はとんでもない一日だったが、そんな二日目は、俺達FクラスはAクラスと合同で勉強をしていた

 

「貴様達、落ち着け。今ここで奴を殺っても俺達が怒られるだけだ」

 

「しかし、桂!!俺達は目の前であんないちゃいちゃされたら腹立つぞ!!」

 

「いちゃいちゃしてねぇよ!?」

 

「ふむ、確かにお前達の気持ちはわかるが……ここでは証拠が残るのだから殺るなら闇討ちだ」

 

「「「「それだ!」」」」

 

「それだ!!じゃねぇよ!!このボケなすども!!あと、殺るって殺すと書いての殺るか!?」

 

「正解だ」

 

「……表出ろ、こら」

 

俺は満面の微笑みで坂本の回答を誉めると、坂本は青筋立てて怒っていた。やれやれ、そんなに怒っては血糖値あがるぞ

 

「それ言うなら血圧ね」

 

「明久の癖に、珍しく良い答えを出したな」

 

「ヅラは僕に喧嘩売ってる!?!はぁ、それにしても……何故自習なんだろう?授業はやらないのかな?」

 

明久は、俺の言葉に反論をしながらも何故授業をしないのかと疑問呈してると、坂本が呆れるように明久の疑問を答えた

 

「授業?そんなもんやるわけないだろ」

 

「なんで?」

 

「はぁぁ……明久、お前はAクラスと同じ授業を受けて内容が理解できるのか?」

 

「失礼な。雄二にはそうかもしれないけど、僕にとってはFクラスもAクラスも大差はないよ」

 

「「それは、単純にどちらも理解してないじゃないか?」」

 

ぐはっ!?

 

俺と坂本が声揃えて言うと、明久は胸を押さえて倒れていた。そもそも、授業をしてもこいつやFクラスは理解できると思えない

 

「……合宿の趣旨は、モチベーションの向上だから」

 

「モチベーションの向上?」

 

「代表が言いたいのは、AクラスはFクラスを見て『ああはなるまい』と、FクラスはAクラスを見て『ああなりたい』と考える。そういったメンタル面の強化を目的だから、授業はさして問題ではないということよ」

 

「木下さん!」

 

明久の疑問を霧島と優子っちが答えるように此方にやって来た。何やら疲れてるように此方にやって来た

 

「何やら疲れてるではないか?」

 

「それは疲れるわよ……なにせ、秀吉と勉強をしていたのだけど……弟のでき具合があれでは心配するわ」

 

「あー……秀吉は?」

 

「少し手洗い行ってるわ。で、ついでに吉井君に勉強を教えとこうと思ってね」

 

おや、まさかの優子っちが自ら明久を教えることに驚くと、優子っちが呆れるように話していた

 

「別に……他意はないわ。仮にもあの文月学園の清涼祭の召喚獣大会で優勝したのだからもう少しあの決勝戦並みの学力をついてほしいの」

 

「ツンデレか……島田と同じ」

 

「誰がツンデレよ!!」

 

ぶほっ!?

 

「ヅラの頭に血が出た!?!」

 

俺が優子っちの理由を聞いてツンデレかと言うと、優子っちが回し蹴りで俺の頭を叩き込み、頭に包帯を巻いていた所から血が出てきた。因みに、ムッツリーニがちゃっかりシャッターとっていたのを俺は見逃さなかった

 

「代表?私もここで勉強して良い?」

 

「あれ?確か……工藤さんだって?」 

 

「そうだよ。キミは吉井君だったよね?久しぶり」

 

そういえば、Aクラス戦やプールのとき以外はあまり接触がないから久しぶりと言うのは正しいな

 

「それじゃ、改めて自己紹介させてもらうね。Aクラスの工藤愛子です。趣味は水泳と音楽鑑賞で、スリーサイズは上から78・56・79、特技はパンチラで好きな食べ物はシュークリームだよー」

 

「そこまで紹介しないで良いでしょ、愛子!?」

 

優子っちが正論のように言うが、思春期の男どもは反応隠せずに顔真っ赤にしていた上にムッツリーニは血まみれに……

 

「おや、吉井くんはなんか疑うようにこちらを見てるけどひょっとして特技のことかな?」

 

「いや、別に工藤さんの特技を疑ってるわけじゃないんだ。ただ、その……」

 

「あっ、さては本当かな?って疑ってるね?なら、ここで披露してあげようか?」

 

「……何だって!?」

 

俺は工藤の自己紹介に唖然としていると、明久は興奮するように立ち上がっていたが、優子っちが黒いオーラを出しながら明久を見ているのに俺は見逃さなかった

 

「……落ち着け、明久」

 

「あれ、ムッツリーニはえらい冷静だよね?僕ですらドキドキしているのに」

 

「……やつはスパッツ穿いている」

 

「なん……だと?!工藤さんは僕を騙したの!?」

 

「あはは。バレちゃった。さすがはムッツリーニ君だね。まぁ、特技ってわけじゃないけど、最近凝っているのはコレかな?」

 

明久の反応に工藤は、笑いながらポケットからなにかを取り出していた

 

「小型録音機か」

 

「正解!コレ、凄く面白いんだ」

 

「ほう?」

 

ピッ

 

《工藤さん》《僕》《こんなにドキドキしているんだ》《やらない?》

 

工藤愛子が小型録音機取り出して再生した内容は明久にとっては余り惨い内容で思わず同情した

 

「………ねぇ、吉井君……すこーし、私とお話ししましょう?」

 

「まって!?いま録音機で流されているのをわかるよね?!」

 

「えぇ……ふふ、でもね……愛子のパンチラで興奮していたのは確かでしょ?」

 

「そ、それは……」

 

「冗談よ。それよりも、愛子いたずらはあんまりやめてね?やり過ぎると……彼死ぬかも知れないからね」

 

「あはは、ごめん、ごめん。でも、死ぬってそこまで?」

 

「工藤。それは合成できるやつなのか?」

 

「うん。そうだよ!」

 

俺の問いに、工藤愛子は隠すことなくはっきり答えていた。俺は明久の脅迫と坂本のあの音声のを思い出して.もしかって……こいつがなにか関わっているのでは?と思っていると明久が動いた

 

「工藤さん、少し良いかな?」

 

「うん、なにかな?」

 

「君が……(は、しまった!君が脅迫状を出した犯人なの?』と聞いてバカ正直に答えてくれる人はいるだろうか?答えは否!)」

 

「君が……?」

 

「(質問の仕方を変えて答えさせてやる!)君が僕にお尻を見せてくれると嬉しい!!

 

「「「………………は?」」」

 

明久のとんでもない質問にその場にいた全員が固まり、俺も書いていたペンが綺麗に折れてしまった……

 

明久よ……この空気はどうしてくれる!?

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!
次回もよろしくお願いします!


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録音機と書いて弄るとよむ

前回までのあらすじ……俺達は、学校の行事として合宿所で何泊か泊まっての勉強会をすることになっていた。そんな、勉強会をすることになっているなか、我がFクラスの吉井明久は……

 

「工藤さん、少し良いかな?」

 

明久が真剣な顔つきになって工藤愛子になにかを質問しようとしていた。恐らく、明久のやつはなにか気になることがあって聞こうとしてるのだろうか……

 

「うん、なにかな?」

 

「君が……(は、しまった!君が脅迫状を出した犯人なの?』と聞いてバカ正直に答えてくれる人はいるだろうか?答えは否!)」

 

「君が……?」

 

「(質問の仕方を変えて答えさせてやる!)君が僕にお尻を見せてくれると嬉しい!!

 

「「「………………は?」」」

 

明久のとんでもない質問に全員が固まり、俺はゆっくりと立ち上がり……

 

「貴様は何とんでもない発言をしてるのだ!!このたわけ!」

 

ぶべらぁ!?

 

「うわっ、見事に吉井くんの顎にアッパしたわね……」

 

俺は、明久の顔に思い切りアッパすると、明久は空中へと飛んでいき、畳へと倒れた。俺達がそういうやりとしてると、工藤はいきなり笑った

 

「ぷっ、あははっ。吉井君はお尻が好きなの?それともボクの胸が小さいから気をつかってお尻にしてくれたのかな?」

 

「ご、誤解だよ!別に僕はお尻が好きってわけじゃなくて!」

 

「流石だな明久。録音機を目の前にそこまで言うとは」

 

「へ?どういうこと、雄二」

 

坂本の言葉と共に工藤愛子は、ピ、と電子音を上げて再生される明久の声が流れた

 

《僕にお尻を見せてくれると嬉しいっ!》

 

「吉井君って、からかい甲斐があって面白いなぁ。ついつい苛めたくなっちゃうよ」

 

「それはわかる……。リアクションが本当にがちのリアクションしてくるからな。少し貸してくれ」

 

「いいよ」

 

俺は工藤愛子は小型録音機を貸してもらうと、俺はやり方を教えてもらい……

 

《お願い工藤さん!》《僕にお尻を見せて》

 

「ヅラ、共感しないで!?助けてくれるどころが嵌められた!?誰か助けて!!」

 

「…今の、何かしらね?瑞希と優子」

 

「…なんでしょうね?美波ちゃん」

 

「録音機…だとしてもなんか腹立ってきたわね」

 

表情を変えずに島田と姫路が明久の後ろに石畳を設置し始める。その後ろには恐る恐る秀吉が手伝っていた

 

「まてまて、これは録音機、流してるだけだから誤解をするな。あと、録音機を返す」

 

「きっちりと返すのね。……でも、その発言したのは事実でしょ?」

 

「………それもそうだな」

 

「諦めるの早いよ、ヅラ!!」

 

俺はさすがにそれはかわいそうと思い、島田達をたしなめるが、明久のあの発言は誤解ではなく事実を言ってしまった

 

「まさか、ただでさえ問題クラスとして注意されているのに、これ以上問題を起こすような発言をしたバカがいるのかしら?」

 

「困りましたね。そんな人がいるなら、厳しいお仕置きが必要ですよね?」

 

「本当に……バカな発言してるのだから……」

 

「(少なくとも、初日にあらぬ疑いを先にかけていたのは女子だが、それを言えば喧嘩になるから言わないでおこう)……南無」

 

「3人ともこれは誤解なんだ!僕は問題を起こす気はなくて、ただ純粋に《お尻が好きって》だけなんだ…待って!今のは途中に音を重ねられたんだ!お願いだから、僕を後ろの手に縛らないで!特にヅラはお経を唱えるなぁ!!」

 

「工藤愛子。おふざけが過ぎる」

 

そこにムッツリーニが立ち上がる。明久はムッツリーニを救世主のように見ているが、俺からしてみたら何かするだろうとわかっていた

 

「ムッツリーニ!助けてくれるの!?」

 

「…うまくやってみせる」

 

「頼むよ!木下さん、姫路さん。美波。よく聞いて。さっきのは誤解で、僕は《お尻が好き》って言いたかったんだ。《特に雄二とヅラ》《の》《が好き》ってムッツリィニィィーッ!、後半はキサマの仕業だな!?うまくやるって、工藤さんよりも上手に僕を追い込むってことなの!?」

 

「工藤愛子。お前はまだ甘い」

 

「くっ!さすがはムッツリーニ君…!」

 

二人は永遠のライバルかのように火花を散らかしているが、明久はそれどころではないと言わんばかりに必死に弁明していた

 

「……明久、貴様……」

 

「ヅラ、引かないで!?録音機だってわかってるよね!?」

 

「アキ……。そんなに坂本達のお尻がいいの……?ウチじゃダメなの……?」

 

「前からわかってたことですけど、そうはっきり言われるとショックです……」

 

「………ありね……って、本当に吉井君は………」

 

「2人ともどうしてすぐに僕を同性愛者扱いするの!?僕にそんな趣味は……「同性愛者をバカにしないで下さいっ!」え?」

 

言い切る前に学習室のドアが開き、見覚えのある女の子がつかつかと教室の中に入ってきた。そしてを険しい目付きで睥睨して、声高に告げる

 

「み、美春?なんでここに?」

 

「お姉さまっ!美春はお姉さまに逢いたくて、Dクラスをこっそり抜け出してきちゃいました」

 

「須川バリアー!!」

 

「け、汚らわしいです!腐った豚にも劣る抱き心地ですっ!」

 

盾にされた挙句口汚く罵倒された須川は、涙を堪えて上を向いていた。さすがにそれはかわいそうなので、あとでおにぎりを持っていこうか……

 

「お姉様は酷いです……。美春は、こんなにもお姉様を愛しているというのに、こんな豚野郎をませるなんてあんまりです……」

 

「君たち、少し静かにしてくれないかな?」

 

騒いでる空間に凛とした声が響き渡った。そのクールな声は眼鏡を押し上げる学年次席である久保利光のものだった

 

「あっ、ごめん」

 

「吉井君か。Fクラスは危険人物が多くて困る。それと、同性愛者を馬鹿にする発言はどうかと思う。彼らは別に異常者ではなく、個人的思考が世間一般と少し食い違っているだけの普通の人たちなのだから」

 

「え?あ、うん。そうだね」

 

「ほら美春。くだらないことで騒いでないで自分の学習室に戻りなさい」

 

「くだらなくなんか、ありません!美春はお姉様を愛しているんです!性別なんて関係ありません!お姉様、美春はお姉様のことが本当に……」

 

「はいはい。ウチに、その趣味はないからね?」

 

久保の言葉に明久は少し寒気を感じたのか震えていて、俺は少なからず同情していた。まぁ、やはり久保は……もう手遅れなのか…… 

 

「全く………ほら、自分のところに戻りなさい」

 

「嫌です!!」

 

ザクッ

 

清水が暴れていると、何かが刺さった音がして辺り全員が静かになっていた……それも、先程騒いでいた清水ですら……

 

「「「「「………」」」」」 

 

「む、なにやら頭に何かが刺さったような……あ、血が出てき……たな……」

 

「「「ヅラァァァァ!!」」」

 

俺が血まみれで倒れると、明久と坂本が大慌てでこちらによっていた。先程まで騒いでいた清水は少し真っ青になっていた……

 

「美波、Dクラスの清水さんはそちらに……桂!?」

 

俺が血まみれで倒れていると、岩下が此方に駆け寄ってきた。そして、俺の血をすぐに塞ぐように、ハンカチで押さえてながら、周りを見てその原因を探っていた

 

「なんで、桂が血まみれになっているのは気になるけど……誰がやったのかしから?」

 

「……えっと……」

 

「同じことを言わせないで……全員、動くな……これをやったのは誰?

 

「「「「暴れていた清水が何かに蹴ったのが、ヅラの頭に刺さりました」」」」

 

「ちょ、全員私を売りますか!?その豚野郎が交わせなかったのが悪いではないですか!?

 

「へぇ……罪を認めるんだ」

 

「あっ……」

 

清水は隠していたのがばれて気まずくなると、岩下はものすごいオーラで清水を逃がさないと言わんばかりに掴んで………

 

「ちょっと出ようか」

 

「その勘弁…「逃げるとかそういう選択したら覚悟しなさい」……はい」

 

にこやかに笑いながら岩下は有無を言わさずに清水を外に連れ出していき……

 

「えっちょ、あのその…イヤァァァァァァ!」

 

岩下に連れていかれた清水が、叫んでいるのを聞いた全員が震えてるのを見届けながら俺は意識がふっとんでしまった…………

 

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!次回もよろしくお願いします!


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仲間を止めるには……

二日目の勉強合宿を終えて俺は、帯同していた保健医に安静しろと命令されたので、部屋で本を読んでいた。本音を言えばすぐに、探る方法を考えたいが……

 

「第二回!女子風呂突入作戦を開始する!!」

 

「「「イエーーイ!」」」

 

このバカどもの会話を聞いてわかる通り動けない。とりあえずは、どういう風に動くのかを聞いとかないといけないな……

 

「先に言っておくが、俺は今回参加できないぞ。二回も頭に血を流されてお陰で貧血だぞ」

 

「っち、お前を利用してと思ったが先手打たれたか……。まぁ、いい。それよりも、お前達は誰が怪しいと思った?」

 

「怪しいのは工藤さんかな?」

 

「……どちらにしても、候補としては挙がってる。他にもいるかもしれないが現段階では工藤愛子も容疑リスト」

 

「ワシは聞いていただけじゃが、候補の一人としては間違いないのぅ」

 

小型録音機があることと、あの手慣れている感じは確かに疑いのひとつとしてあげられるし、考えれる上ではそうなるな

 

「ヅラはどう思う?」

 

「ふむ……確かに容疑の一人としてあげられるがやるメリットが考えにくいのと証拠が少ない。仮に犯人としても、チャンスは一度きりだぞ……」

 

「どう言うこと?」

 

「犯人の特定を失敗すれば、次はないと言うことだ」

 

俺の言葉に全員が冷や汗をかいていた。なにせ、今回の被害者はこの二人なのだが………女性のお風呂を覗こうとしてるので、どちらかと言うと今は加害者だな

 

「まぁ、昨日は無様に敗北してしまったんだ。同じ方法で戦えば敗けを繰り返す」

 

「雄二、なにか作戦あるの?」

 

「あぁ、昨日の二の舞になってしまうので、仲間を増やすことにした」

 

「「「仲間?」」」

 

コンコン♪

 

「なんだ、坂本?俺らを呼んで?」 

 

須川を先頭にFクラスの全男子がぞろぞろと入ってきた。因みに、部屋に入りきらず、廊下にいるメンバーにも聞こえるように、坂本は立ち上がった

 

「急に集まってもらって悪いな、実はみんなに提案があるんだ」

 

「(なるほど、人数多く集めて犯人探しをするのか。覗くという行為は諦めたのだな)はい、お茶を入れたから全員に渡せよ」

 

「提案?お、お茶ありがとう』

 

「今度はなんだよ。正直疲れて何もやりたくないんだけど……あ、このお茶うめぇ」

 

「早く部屋に戻ってダラダラしてぇな~……はぁぁ……お茶うまいのぅ。ありがとう、お婆ちゃん」

 

「それは言わない約束だよ……って誰がお婆ちゃんだ!」

 

「ヅラ、話ずれるからよせ…さてお前達に集まってくれたのは他でもない。………皆、女子風呂の覗きに興味はないか」

 

「「「詳しく聞かせろ!!」」」

 

「結局そっちに転ぶのか!?!」

 

俺はこいつらの反応を見て、覗くという行為に目を輝かせるというのはどう言うことだ!!く、話を最後まで聞いてから止めるか!

 

「昨日の話だ……。俺たちは女子風呂の覗きに向かったんだが、そこで卑劣にも待ち伏せしていた教師陣の妨害を受けたんだ」

 

「ふむ、それで……」

 

「そこで、風呂の時間になったら女子風呂警備部隊の排除に協力してもらいたい。報酬はその後に得られる理想郷(アガルタ)の光景だ。どうだ」

 

「「「ふ、そんなの答えるまでもない…乗った…!!」」」

 

「まて、坂本!!お前達も少しは慎重に考えてその判断を下さないとさすがに不味いぞ!!むしろ覗くことに恥を知れ!!」

 

「須藤、明久」

 

「「ラジャー」」

 

俺はさすがに全員で覗くというのは、仮に成功してしまえば女性陣によってお前達が深い心の傷が残す可能性があるから少し冷静になれというが坂本の指示に、明久達が俺の体を縛った

 

「ヅラ、悪いけど……これも僕らの夢のためだよ」

 

そんな夢なぞドブに捨てろ!!」

 

「代表、これで桂は動けない。あとは指示を」

 

「よし……ムッツリーニ。時間は!!」

 

明久の言葉を否定しながら叫ぶと、須藤は坂本に指示をあおいでいた。そして、坂本はムッツリーニに指示を出していた

 

「……現在の時刻は20時10分。時間はまだ間に合う」

 

「よし!!今から隊を四つに分けるぞ!A班は俺に、B班は明久、C班は秀吉、D班はムッツリーニにそれぞれ従ってくれ!」

 

「「「了解っ!」」」

 

「いいか、俺たちの目的は一つ!理想郷(アガルタ)への到達だ!途中に何があろうとも、己が神気を四肢に込め、目的地まで突き進め!神魔必滅・見敵必殺!ここが我らが行く末の分水嶺と思え!」

 

「「「おおおおっっ!」」」

 

「全員気合を入れろ!Fクラス、出陣るぞ!」

 

「「「おしゃぁぁーっ!やったるぜ!!」」」

 

坂本の言葉と共に興奮したFクラス全員が出ていった………俺を拘束してるのを忘れて外にいった……

 

「何故、俺がこんな思いをせねばならぬ……」

 

俺が虚しい思いを抱いてると共にこの真犯人に対する怒りが少し出ていたのはここだけの話だ…

 

 

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!次回もよろしくお願いします!


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第二回の攻防戦

岩下side

私と真由美は桂の頼みもあって真犯人探っているけど、手がかりは、なかなか無いわね……。とりあえずは、真由美はBクラスの仲間と共にお風呂を先に入ってもらって探ってもらっているけど、私はあることをしていた

 

「初日の私達が、弁明してあげた行為を台無しするなんて……恩を仇で返すというのはこういうことかしら?ねぇ、吉井君……」

 

私は、現在倒れている覗きをしょうとしていた連中を叩きのめしていた。私の目の前には、吉井君と土屋君がいた

 

「岩下さん……!」

 

「……Bクラスの……」

 

「土屋君は、工藤さんが相手してくれるし……私は……貴方をここで倒させてもらうわ」

 

「く、どうして僕達の邪魔をするの!?」

 

「お風呂入っている女の子の体を男に見られて喜ぶ人はいないでしょうが!!」

 

本当に女湯入っていて覗かれて喜ぶ人なんて!なかなかいないと思う。絶対いない…何て言えないし、いないという証拠がないもの……

 

「とりあえず、問答無用でここで聖裁よ」

 

「制裁!?なんで!?」

 

「当たり前よ、やるからには本気で……「見つけました、豚野郎!!」……はぁ、ややこしい子が来たわ」

 

「清水さん!?」

 

私と吉井君達のやり取りにやって来たのはDクラスの清水美春……この子は思い込みが激しすぎるからね……

 

「清水さん、そこをどいて欲しい!」

 

「ダメです!そうやってお姉さまのペッタンコを堪能しようなんて神が許しても私が許しません!」

 

「違うよ!僕の目的は美波のペッタンコじゃないんだ!信じて!」

 

「ウソです!お姉様のペッタンコに興味のない男子なんているはずありません!」

 

二人とも本当にアホな会話してないでほしいのだけど……今はとりあえず黙って待っておくけど話が長かったら……… 拳骨をするべきかしら?

 

「本当だよ!ペッタンコは所詮ペッタンコなんだ!今の僕には美波の地平線のようなペッタンコよりも大事なことが右肘がねじ切れるように……って、痛いぃぃっ!」

 

「黙って聞いてれば、人のことをペッタンコペッタンコと……!」

 

「み、美波!?なぜここに!?あ、左肘もやるのやめてください、木下さん!」

 

「本当に……胸な話でペッタンコペッタンコって……挙げ句の果てには覗きを考えてるとはいい度胸ね」

 

「私が増援で呼んだのよ。それよりも、吉井君に聞きたいのだけど…その前に優子、その顔の跡はなに?」

 

吉井君のあまりの発言に、制裁喰らっているけど、とりあえず優子の血の跡がすごく気になるのだけど……

 

「これ?あぁ、愚弟と()()()()()()ししたのよ」

 

「そう……はい、ハンカチ。少し顔にあとがついてるわよ」

 

「あら、ありがとう」

 

今、本当にここにいない木下君に、同情していた。優子に相当絞られたのだろうか、それとも誰も知らない裏でやられたのだろうか… どちらにしてもあの顔の跡は………触れないでおこう

 

「さて……吉井君。美波や私、そして、律子や愛子もいる……逃げれると思うかしら?おとなしく降参することを勧めるわ」

 

「ぐ……工藤さんまで合流してるし、厳しい……!……っ、工藤さんに質問なんだけど、どうしてキミは録音機なんて物を持っているの?」

 

「勿論、先生の授業を録音しておいて後から復習する為だよ」

 

「録音機??」

 

私は、吉井君の質問に疑問を思っていると優子が呆れながらどういう事か説明してくれた。なるほど、その話を聞くとつまり……桂が危惧していることね……

 

「おしゃべりは、ここまでで……そろそろ始めよう?」

 

「……ここは俺がいく」

 

「ムッツリーニ!?」

 

「チャンスは一度きり……今はここは任せろ」

 

「でも、後ろに大島先生がいるよ。それに、木下さん達といるのに……!」

 

そう、愛子の後ろに大島先生がいるのだ。これは、突破された場合のための布陣だ。だけど、それを無視して、Fクラスの一人が抜けた

 

「気にするな!女子の召喚獣なんかじゃ俺たちは止められない!なにせ、ふれる事はないのだからな」

 

「確かに、召喚獣ではあなた達に触れることはできないわ。()()()()()……」

 

「(岩下さんのその言葉の意味は……まさか!?)須川君、待つんだ!!」

 

教育的指導!

 

「ふぐぅっ!」

 

吉井君が私の言葉の意味を理解して須川君を呼び止めるがそれも遅く、西村先生……もとい、鉄人先生が止めた

 

「て、鉄人だと!?」

「ヤツを生身で突破しないといけないのか!?」

「バカを言うな!そんなの無理に決まっているだろ!?」

 

どうやら、向こうにとっては鉄人が出てくるのは予想外だったのか狼狽えていた。まぁ、鉄人先生が突破されても私が倒せばいい話よ

 

「でも、先生。今さらですけど、それは体罰になりません?」

 

「安心しろ、覗きをしょうとしている連中を教育指導してるだけだ」

 

「色々な意味で大丈夫かなぁ……」

 

「さぁて……吉井。やはり貴様等は危険人物だな。今日は特に念入りに指導してやろう」

 

「チェックメイトね……諦めて降参することを推奨するわ」

 

「ぐっ……」

 

私たちの言葉に吉井君も苦虫を潰したように、どうするか悩んでいた。吉井君達には悪いけど、覗きを止めるためよ

 

「吉井、諦めるな!悔しくてもこの場は退いて力を蓄えろ!今日がダメでも、明日にはチャンスがあるはずだ」

 

「須川君!?」

 

「吉井は、こんなところでやられちゃいけない……鉄人を倒す事ができるのは、観察処分者であるお前達の召喚獣だけなんだから…。だから頼む……この場は逃げて、生き延びてくれ!

 

「須川君、無理だよ!皆を見捨てて逃げるなんて、僕にはできない!」

 

「須川……指導の邪魔をするな!」

 

「こ、この手は離さねぇ……!吉井達は俺達の希望なんだ……!俺たちには欠かせないエースなんだ……みんな!吉井達の撤退を援護してくれ!」

 

「「「おう!」」」

 

Fクラスの須川君が指示を出すと一気に私たちの行動を邪魔した。美波達も立ち塞がられて、吉井君を追いかけることができなかった

 

「吉井君、桂はどうしたの!?」

 

立ちふさがる彼らを倒しながらこの場にいない桂の事を聞くと……

 

「ヅラは、裏切り者なので部屋で縛った!

 

「「「………へ?」」」

 

吉井君の言葉を聞いて、桂は裏切り者なので縛ったって言うが……それはつまり今桂は部屋で一人……

 

「ほっていたら色々と不味いわ!?っていうか、あいつは怪我人よ!?もう少し友達を優しくしなさいよ!!」

 

あいつが変な扉とか入ってしまわないように、急いで桂の方に向かうと、その部屋で私が見た光景は……

 

「何故、俺はこんなことに………そうか、俺は所詮、只のヅラか……ふはは……」

 

ものすごい負のオーラを出しながら悲しんでいたのを私は少しだけ忘れることができない……

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!
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感想で嬉しい言葉をたくさんくれて作者のはげみにもなります!


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仕返しと罰

結局、俺は二日目の夜も動くことができずに、明久達のせいで縛られた事を岩下にばれて、同情されてしまった

 

「あやつのせいでさんざんな目に遭った……。ふふ、明久……貴様には地獄を味わってもらう」

 

俺は、寝ている秀吉をはしっこによってもらって、明久の両サイドにムッツリーニと坂本を配置した……。ただし、より地獄な方でだ

 

「さて、俺は本を読むか……」

 

明久のいやがられ作戦の配置し終えた俺は、満足そうに座った。後はやつの反応がどうなるかだな

 

「夢オチ!?がっかりだよ畜生!って、このお尻はだれ?!」

 

「おはよう、明久。そのお尻はムッツリーニだ」

 

「朝から僕は残酷すぎる目に!!って、聞いてよ!」

 

「なんだ、夢で女に迫られたけどそれがキスする直前で目を覚ましたとか?」

 

「なんか違う!!折角、秀吉が寝ながら僕の布団に入り込んできて目の前にその可愛い寝顔をみせてくれた上に、あとちょっとで事故を装ってキスできると思ったのに夢オチだったなんて酷いと思わない!?」

 

「どちらかというと、優子っちではないの?」

 

「……それはそれでありだね」

 

俺の言葉に明久は真剣に考えるように、目を閉じていたが俺からしたら優子っち以外の女子でも同じ反応をするのか気になるな

 

「そんな心が汚れてしまったお前にお知らせだ。背中の方向いてみろ」

 

「え?背中って、まさか本当に秀吉が!?あと、汚れて……」

 

「ぐぅ……」

 

「よだれを垂らした坂本がそこで寝ているぞ」

 

「最悪だ……!一瞬のときめきを返してよ!!」

 

明久が吐き気を催していると、ブサイク(坂本)が大きく身じろぎをした。口が大きく開いて吐息が洩れるが、離れて見ている俺でもアレは気味が悪い

 

「なに、そんな辛いお前に朗報だ。そこのヘッドホンを坂本に耳つけて再生しろ」

 

「これ?わかった」

 

俺は明久に教えると、明久は坂本の耳にイヤホンをつけていた。そして、再生をすると坂本は急にうなされるような声を出していた

 

「ヅラ、これはなに?雄二が魘されているのだけど……」

 

「これはな、如月パークのときのあの幽霊病院で使っていた音声だ。それを今坂本に聞かせている」

 

「なんで、それあるの!?」

 

「ついでだ、明久はこれを聞け。如月パークで、不採用になった面白い音声だ」

 

「へぇ、どれどれ……ぐぅぁ……!?」

 

明久も自分の耳にイヤホンをつけて、再生すると最初は楽しげだったが段々と震えて目を丸くして倒れた

 

「ふ……仕返し完了だ………せいぜい二人とも悪夢にうなされるがいい!ふはははははは!!!!」

 

俺が明久を聞かせた録音機は、実は秀吉に鉄人ボイスとかで「筋肉!筋肉!兎に角筋肉をきたえるのだ!」とか姫路の「あの……明久くんにご飯を作りました」とか島田と優子っちの怒りの声を真似してもらった。俺を昨夜放置した仕返しだから、俺は悪くない!!

 

 

朝の騒動が一段落して俺達は朝食を摂っていた。二人とも悪夢から目を覚ましてげっそりしていた上に、震えていたが、俺を放置したのが悪い

 

「雄二。そう言えば昨夜工藤さんから妙な事を言われたよ」

 

「ん?なんだ?」

 

「脱衣所にまだ見つかっていないカメラが一台残ってるって」

 

「なんだと?」

 

「怪しいよね?やっぱり彼女が犯人じゃないかな?」

 

明久はどうしても工藤愛子が怪しいというが、俺からしてみたら何故わざわざそれを教える?真犯人ならそれを教える義務がない……

 

「このバカが。先入観囚われすぎて、視野が狭いぞ。そもそも、真犯人なら何故それを教える義理がある?」

 

「う……でも……」

 

「そうじゃぞ、明久。そうとは限らんじゃろ。犯人なら、わざわざ疑われるような事を言うとは思えん」

 

「確認するしかない」

 

「やっぱり、それしかないか…」

 

明久がどうしたものかと考えているが、少なくとも今は方法がないのだから落ち着く以外はないだろう 。覗き以外の方で犯人を探ってほしいがな

 

「しかし、工藤の情報はありがたいぞ」

 

「え、カメラがまだ残っている事がありがたいの?」

 

「ああ、それを工藤しか知らないってことは女子の着替えが盗撮されている可能性が高い。ならそれを手に入れれば入浴していない女子の特定が出来るからな」

 

「…隠し場所なら5秒で見つける自信がある」

 

さすがムッツリーニだ。やつなら確かに5秒で把握できる上に自分ならうまく隠せる自信はあるのだろう

 

「けど、そんなカメラが本当にあるかって言うのも怪しいよ」

 

「いや、最初にカメラが脱衣所で見つかった方がおかしいんだ。あれだけ盗撮や盗聴に長けた犯人なら素人に見つけられるなんて考えにくい。そうなると―」

 

「…二段構え」

 

「用意周到じゃな」

 

まぁ、あそこまでやりこむならそう言うことをしてもおかしくないが…真犯人はいったい何を目的にやったのだろうか?

 

「だが、ここまで手がかりつかんでいるのは大きいな。あと、ついでに、何故俺が血まみれになっていたのか誰も知らないか?」

 

「ヅラのそんなのどうでもいい!とりあえずは、風呂の時間を避けてカメラを取りにいけば解決だね!」

 

「……それは無理だ。時間外だと脱衣所は厳重に施錠されている」

 

「それじゃあ……諦めて今まで通りの方法を貫けってことか」

 

「それじゃあ、昨日の敗因を踏まえて作戦を立て直すぞ」

 

坂本が反省を踏まえての作戦を切り出すのを他所に、俺は岩下にこの情報を共有して犯人が引っ掛かるように網を張るべきと考えたが、とりあえずは話を聞こう

 

とりあえず、明久はいつか恐ろしい目に遭えばいいと俺は心の中で念じていた




ここまで読んでいただきありがとうございます!次回も宜しくお願いいたします


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友を送り出すときには何かを渡そう

まずは、こいつらから聞いた話では、昨夜は鉄人だけではなく、女性達にも妨害にあったと……そして、その中には菊入や岩下、Aクラスの優子っち、霧島も参戦していたと……

 

「そして、召喚獣を無視していこうとしていた須川は鉄人に殴られて……か」

 

「うむ、面が割れて明久は放送に呼び出されたのじゃ」

 

「面ではない、ヅラだ……じゃなく、桂だ。それよりも、昨日と同じ手で行けば、間違いなく殺られるぞ」

 

「……それに、チャンスは一度」

 

俺とムッツリーニはこのまま起こる危惧していることを話すと坂本は目を閉じて、一呼吸してから目を開けた

 

「そう……昨日のままに行けば負けるに違いない。だからこそ……方法を変えていかねばならない。そこで、昨日の反省だ。明久、昨日の敗因はなんだと思う?」

 

「敗因は、向こうが女子の半分を防御に回してきたことじゃないかな?あと、Aクラスがいたこと」

 

「そうだ。昨日の敗因はAクラスを含め、敵の戦力が大幅に増強されていたことだ。そこで、俺は、こちらも戦力を増加しようと思う。Fクラスだけではなく他のクラスも味方につけて対抗するんだ」

 

「目には目にを歯には歯を……人には人をか……」

 

「いや、そんな言葉はないからね!?でも、向こうの戦力が大きいからってこっちの戦力を増やすっていうのが、イマイチ僕ららしくない……ような気がする」

 

ほう、明久にしては珍しく頭が回っているは。確かに坂本にしては単純すぎるが、実はそれが狙いだということに……

 

「明久、正解だ。このやり方の目的は正面突破だけじゃない。この作戦の目的は……俺達の保身だ」

 

「保身?」

 

「そうだ。今のところは未遂で終わっているから大した問題になっていないが、覗きは立派な犯罪だ。作戦が成功して女子風呂に至ったとしても、例の犯人が見つからない限り俺達は処分を受けることになる。それを避ける為のメンバーの増員っていうわけだ」

 

「なるほど。確かに、人数を増やせば相手の特定は難しくなる。向こうだって戦いながらその場にいる全員の顔を覚えるのは厳しいだろうからな」

 

「そうだ。それに、文月学園は世界中から注目を浴びている試験校だからな。そんな不祥事があったらひた隠しにするかキッチリと一人残らず処分をするかのどちらかしか選べない」

 

「もし、中途半端に一部の生徒だけを罰すれば、ただでさえ叩かれている『クラス間の扱いの差』についてマイナス要因を増やすことになるわけだからな」

 

「なるほど。流石は雄二。汚いことを考えさせたら右に出る人はいないね」

 

「知略に富んでいると言え」

 

「ふむ。ならば今日は協力者の確保を主軸に行動するわけじゃな」

 

そうなると、善は急げとなるが……この合宿始まってから俺はなにも活躍してないような気がするな……

 

「幸い合同授業の上に殆ど自習みたいなものだからな。動きは取り易いはずだ。まずはAクラスから協力を求めよう」

 

「Aクラスならば昨日の合同授業で交流もあるしのう。話もしやすいじゃろうて」

 

「決まりだな。合同授業の間に話をするぞ」

 

「了解。ムッツリーニもそれでいいよね?」

 

「……問題ない」

 

「では、方針を決まったところで聞きたいのだが……昨日、岩下が来てくれたから、あの拘束抜け出せたが…………よもや、お前達は忘れていたわけではあるまいな?」

 

「「「………さぁ、たべよ!!」」」

 

「貴様ら、忘れていたと言うことだな!?絶対に許さんぞ!!」

 

俺が、そういうと皆が目をそらして朝食を再開した。明久は久しぶりのまともな食事を幸せそうに食べていた

 

「さて、食べ終えたのなら……Aクラスなら久保を説得するのが妥当だな。そんなわけで明久。説得に行ってこい」

 

「だな。明久が適任だし、頑張れ」

 

「頼むぞ!」

 

「………期待してる」

 

「あ、うん。別にいいけど……どうして僕??」

 

「「「「……」」」」

 

久保の説得は満場一致で明久に決定したが、本人はなんで自分なのか疑問に思っていた。そんな明久のといにどう答えたらいいのかわからずに目をそらしていた

 

「あ、あのさ。なんだか凄く嫌な感じがするんだけど、本当に大丈夫だよね?」

 

「そ、そうじゃな。一応、久保はお主に悪意は抱いてはおらんと断言できる」

 

「……………彼に悪気はない」

 

「なんで、二人とも奥歯にものがはさまったような言い方をするの?」

 

「さぁ……明久、早く逝ってこい」

 

「え、でも……」

 

「時間は限られている。大丈夫だ。この中ではお前が一番久保に好かれている。自信を持て」

 

坂本の言葉と共に、明久は疑問を思いながらもとりあえずは、奴が死地に向かうのだからと思って、念のために渡さないとな

 

「待て、明久」

 

「うん?これは……?」

 

「激辛爆弾だ。何かあったときに使え」

 

「……俺からはスタンガンを」

 

「なんか大袈裟だな……。それじゃ、行ってくるね」

 

俺たちの態度に明久は釈然としない様子で、久保のいるテーブルへと歩いて行った。俺達的にはできるところまでやれた

 

「なぁ、明久、大丈夫か?」

 

「まぁ、大丈夫だろ……なぁ秀吉」

 

「恐らく大丈夫じゃと思うのじゃが……のうムッツリーニ」

 

「………………多分問題ない」

 

明久を見送った俺達はなんとも言えず、yesともnoとも言えない答えで明久を見送った……本当に無事に帰ってこい……

 




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人の話は最後まで聴くことを勧める

明久が、Aクラスの久保相手に交渉を挑んでからどのくらいたったのだろうか?久保はAクラスでトップ5に入るくらいの学力優秀であるが、裏の情報では久保は明久のことが……

 

「出ていってから何分だ?」

 

「……5分は経過した」

 

「まだ、なにも聞こえておらぬが……万が一の事もあり得るのじゃ」

 

「落ち着け、ヅラとムッツリーニの護身用を渡してるから問題はない……筈」

 

俺達は小さい声で死地に向かってしまった明久の事を心配しながら待っていた。さすがに坂本ですら、久保の件は明久に弄らないようにしてる……

 

「っ、明久が戻ってきたのじゃ!」

 

「「!」」

 

「明久、どうだった?」

 

「ごめん……失敗だったよ」

 

「そうか……。まぁ、お前が無事で何よりだ」

 

「なんか、大袈裟だなぁ……。まるで僕が、本当に身の危険が迫っていたかのようにいうね」

 

いや、本当にお前は身の危険があった!…と誰も口を出せなかった。って言うか、言えない上にAクラスの交渉は失敗か

 

「しかし、こうなると他のクラスとの交渉を迅速に進める必要があるな」

 

「それはそうだけど、今は一応授業中だよ?」

 

「それは、わかっている。だが、もし全クラスに声をかけるとなると休み時間程度では、全然足りないからな。なんとしても、抜け出すしかない」

 

そう、もし動くのであれば休み時間程度では無理であり、休み時間は短いから、今すぐに行動を起こすしかない。しかし、そう考えていると島田が此方にやって来た

 

「こら!アンタたち、また何か悪巧みしてるでしょ」

 

「美波、僕たちはそんなことを考えていないよ」

 

「どうかしらね……それにしてもあんた達にいっても無駄かもしれないけど少しでも覗かれる人の気持ちになったら?」

 

「まて!?俺は協力してないのになぜそういうことを言われないとダメだ!?そんなことをいうのであれば、こちらは冤罪をかけられたと訴えたら俺は確実に勝てるぞ!!」

 

本当に、この日まで俺は、なにも協力してないのになぜそういう風に言われてしまう!!すると、鉄人のオーラが怒りに変わって此方に警戒していた

 

「そうだ、桂といえば気になったのだけどさ……どうして血まみれで倒れていたのよ?」

 

「それは気がついたら、血まみれで倒れていた。昨日は拘束されていたわかったか?」

 

「いや、そんなのわからないわよ!?」

 

「はぁ……」

 

「いや、なんでわからないのだよ。っていう雰囲気を出されても……」

 

俺が島田と会話していると、明久達がいつの間にか作戦をたてていたみたいで俺に目線でサインを送ってきた

 

「そういえば、明久が話あるみたいだぞ?」

 

「え、アキが!?話ってなに?」

 

「(おのれ、ヅラ!!よくも僕を売ったなぁぁ!?!)えっと……そ、そうだ!さっき、須川君が大事な話があるってさ!」

 

「須川が?ふーん、あとで休み時間に聞くわ」

 

「そ、それは困る!!須川くんがどうしても大事な話があるんだって!今じゃないと困るって」

 

「えっ!」

 

お、明久がなにか閃いたのか島田に必死に交渉しているが、果たしてどうなるのやら……ついでに俺は鉄人に話したいことがあるから聞いておくか

 

「鉄人……ではなく、西村先生に少し聞きたいことがある」

 

「ん、なんだ。桂」

 

「俺が、初日に階段落ちていた理由は俺自身は分からないのだが、なにか知らないですか?」

 

「うーん……Bクラスの岩下が発見しただけでそれ以外はなにも知らんな。って、島田どうした?」

 

島田が凄い覇気で此方にやって来たが、俺は明久が何をいったのか知らないが、先程なにか仕掛けたのか?

 

「島田。そんなに血相を変えてどうした?」

 

「西村先生。ちょっと須川に用事があるんです。スグに終わりますから」

 

「そうか。だが、その剣幕だとお前が須川を血の海に沈めないかと心配なんだが」

 

「もし、島田のせいで須川が死体になったら犯人は吉井明久(バカ)と書いときます」

 

「お前とあいつの友情はないのか……?」

 

友情?あいつと俺の間になんて友情なんて言う言葉はないし、あいつは俺を売るなら俺もあいつを売るという関係だからな……

 

「アキ、騙したわねぇ!!」

 

「何を怒っているのだ……?」

 

「さぁ?さて、俺は席に戻ります」

 

時間稼ぎは終えて俺は自分の席へと戻って勉強を再開することに……ついでに、岩下にメールを打つとやはり、手がかりは向こうも掴めなかったみたいだ……

 

少ししてから、明久達が戻ってきたが、戻ってきた直後に島田に外へとつれていかれて暫くしてから、ボロボロの明久とスッキリしている島田がいたとか………




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次回も宜しくお願いします!


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経過報告と疑い

午後になり、とりあえず俺は明久達の助けをしようと思ったのだが……それができなくなってしまった。なぜなら……

 

「なんで………なんで、俺だけ個人勉強されているのだぁぁぁ!!!」

 

「そこ、手を休めないの!!!」

 

「さらっと、俺を勉強指導してるとはどう言うことだ!岩下!」

 

明久達を助けようと思うと、岩下が止めに入ってしまい、現在岩下の監視のもとで勉強していた

 

「あんた初日は、血まみれで倒れていたし、勉強も思っているより捗ってないでしょ?それ以前に、勉強しっかりしてなかったらいざというときに困るでしょ?ほら、そこ間違えてる」

 

「ぐっ……お説教しながら間違いを指摘するとは……!」

 

「あ、逃げるの許さないからね。実は……」

 

岩下が話そうすると、ドアが開く音したので俺はそちらに意識向けると……

 

「…ふふ…」

 

笑顔だがその裏では般若な表情の現国竹内先生が此方にやって来た。俺はその怒りを見て、怒っているのだと分かった

 

「大河君、もし脱走したら許さないからね」

 

「はい……」

 

「まぁ、勉強と言うのは建前で先生にも実は協力を求めてたのよ……例の件を」

 

「なっ!?話したのか!?」

 

俺の問いかけに岩下は小さく頷いていた。そして、竹内先生の方を見ると先程までの般若なオーラを閉じて俺の方に向き合った

 

「岩下さんから、大体の事情は聞いてます。さて、今回この対応を取ったのは経過を話すためよ」

 

「話すため、ですか?」

 

「えぇ、盗聴される恐れがあるかもしれないからね。それよりも、私がいることで向こうも仕掛けないはずよ」

 

「なるほど……」

 

「さて、桂。まずそちらの報告を」

 

岩下がなにか進展あったかと聞いてきたので、俺は隠すことなく、明久達から聞いた今わかっている範囲を話した

 

「そう……となると、まずは工藤さんは無いわね。そして、木下さん、霧島さん、姫路さん、島田さんも無いわね」

 

「現状怪しいのはDクラスの清水……俺はそう考えてます」

 

「その意見は同感。まず、美波関係になると動きが異常に早すぎる……どう考えても、これはおかしいわよ」

 

「そうね……。今のところは、それが考えられるわね。あとは、その脅迫の手紙が共通してるかどうかの証拠よね……」

 

「証拠か……」

 

俺は、頭のなかで考えていた。あの二人の共通点は、脅迫されていること……そして、何故そうなっているのかだ……

 

「どちらにしても、そこまで考えても仕方がないわ。桂、今夜は私達の味方で男子どもを止めてほしいの」

 

「止めると言うと召喚獣で対抗をしろと?」

 

「えぇ。そのためにいま勉強の指導をしているのと、もう一つの目的は、()()()()()()()()()()()()でもあるのよ。今の女子は男子が全員怪しいと考えてもおかしくないから、そのうち、あんたも殺られるわよ」

 

「まて!?殺られるわよが殺すの殺られるわよに見えたのだが!?」

 

「決まりね、大河君はお風呂場付近で待機してもらいましょう」

 

そう話して、数時間経過して、俺は色々と疑いをかけられながらも、鉄人と共にお風呂場の前で待機していたのだが………

 

「……来ないな…」

 

「……来ませんね」

 

俺は、鉄人と会話をしながら待機していた。明久達には先生に呼び出されてということで、別れているのだが、あいつら今日は行動をおこさないのか?

 

「しかし、お前は覗きに加わらないのか?」

 

「してほしいのですか?あ、斜め取りました」

 

「するな、馬鹿者!そして、よくもそこを取ったな」

 

「こそこそ、覗きなんてしてもお互いに何もいい思いをしませんよ。あ、今度はそちらを取りましたね?!己、西村教諭!!」

 

「ふん、覗くこと自体が言語道断だ。そして、これで俺の勝ちだ」

 

「いや、何してるのですか!?!!」

 

「「何ってオセロ対決……」」

 

俺と鉄人は、ずっと待ってるのだがなかなか来ないので退屈だと思い、鉄人とオセロ対決してた。因みに俺達の会話に突っ込み入れてきたのは、岩下と同じBクラスの菊入真由美だ

 

「ここに来ていると言うことは、防衛はいいのか?」

 

「それはもういいの。終わったから」

 

「「終わった??」」

 

俺とで鉄人は菊入の報告にずいぶんあっけなく今回は終わったのだと思うと、高橋先生が介入したことで今回は早く終わったらしい……

 

「はぁ……結局、俺も鉄人にオセロ対決負けての悲しい時間か……」

 

「ふん、教師に勝とうなんぞ10日早い」

 

「いや、そこは普通は百年とか言うのが普通ではないですか!?なんで、10日!?10日で勝てる可能性があると言うことですか!?」

 

「はっはは!細かいことは気にするな。来ないのであればそろそろ戻っていいぞ」

 

「では、俺は部屋に戻ります」

 

俺は鉄人に一言伝えて、自身の部屋に戻ると屍のようになっている坂本と明久がいた。予想以上にボロボロで俺が引いてると秀吉が説明してくれた

 

「また無様に負けたのか……」

 

「ちがう!()()()()()()()()のだよ!!」

 

「は??」

 

「……高橋先生が出てきて、男子は降参。明久達は姫路と霧島に折檻…」

 

「なるほど、大体わかった。Fクラスは降参して土下座したのか……」

 

まぁ、あの連中がそうしても不思議ではないが秀吉は無罪放免だったとは……

 

「秀吉、ついにお前は……教師に女も男も扱いされないようになったのか」

 

ワシは男じゃ!!!じゃが、どうする?このままでは、お主らは脅迫犯の影に怯え、且つ覗き犯という不名誉な称号を掲げられてしまうぞい」

 

「覗き事態が犯罪だがな…いや、明久はもう手遅れか…」

 

「うるさい!!まだ、なにも手遅れてない!!」

 

まだと言うことはいつかは手遅れになると言うことではないか。しかし、確かにこのままではこいつらの脅迫した犯人が見つからないのは問題だな

 

「……方法はある」

 

「っ!?本当!?」

 

「あぁ……だから、まだ諦めるなよ」

 

坂本の言葉に明久が希望を持ったように聞いてきた。果たして坂本が出す作戦はいったい何を……そして、俺はどういう風に動くかを決めないとな




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宣言と交渉

坂本が、何やら作戦があるのかまっすぐな瞳で明久たちを見ていたが、本当に作戦はあるのだろうか?

 

「先に言うが、ここまで来て諦める気は毛頭ない。残るチャンスは明日だけだが、逆に言えばまだ明日が残っているんだからな」

 

「たしか明日でこの合宿は四日目を迎える。そして、五日目は帰るだけの移動日だから、真犯人を捕まえるチャンスは明日で最後だな」

 

「普通に考えればもう絶望的だよね。でも、男子と女子の戦力差は圧倒的だったけど、そんなのは僕らにとってはいつものことだったね」

 

「うむ!こういった逆境を覆す力こそ、ワシらの真骨頂じゃ」

 

「…このまま引き下がれない」

 

「ふ、どうやらお前達もか」

 

「ヅラ?協力してくれるの?」

 

「ヅラではない、桂だ!俺は覗きなどどうでもいいが、俺を血まみれにした犯人を探さねばな」

 

「あ、そういえばヅラはそうだったね」

 

「だからヅラではない、桂だ!」

 

「そんなのはどうでもいいとして、ヅラは覗き協力しないの?」

 

明久の問いかけに俺は呆れながらその意見を否定していた

 

「貴様、俺はそんなもの興味ない」

 

「そうだな。お前が興味あるのは、人妻が大好きだもんな。そういや、お前は昔たしか……」

 

「坂本!それ以上口を開いてみろ!例えお前といえども、俺は攻撃するぞ!!そして、俺が好きなのは人妻ではない!!NTRだ!」

 

「いや、誰もそんな話してねぇよ!?」

 

「そういえば、ヅラはそんな性癖があったのよね……」

 

俺は、坂本を胸ぐら掴んでそう言うと、坂本はツッコミを入れ、明久が俺の言葉を聞いて遠い目をしていた

 

「さて、ヅラの性癖は置いといて……作戦を話すぞ」

 

「本当だね!さて、どんな方法があるの……?」

 

「正面突破だ」

 

「……神様は僕を捨てた……」

 

「そんな絶望的な顔をせずに最後まで話を聞け。正面突破の基本スタンスは変えないが、その分…事前の準備で考えがある」

 

坂本はそういうと、明久もなにか閃いたのか真剣にこちらを見ていた

 

「もしかして、人数を増やすの?」

 

「そうだ。向こうの戦力はもう頭打ちで、アレ以上は増やせない。残念なことに今日は負けたが、おかげで相手の戦力を把握できた。これは大きいぞ」

 

「戦力を把握してるならどんな感じなのだ?」

 

「たしか、鉄人、高橋先生、大島先生が出ているよね?」

 

「そうだ。向こうの布陣は教師を中心とした防御主体の形だが、色々と弱点がある。それがなんだかわかるか?」

 

俺は坂本の言いたいことが、理解した。つまり、坂本は現在把握している教師を利用するつもりなのだと

 

「わからない」

 

「即答で答えるな、このバカ!!」

 

いたっ!?そのハリセンどこで用意したの!?」

 

「新聞紙で、作ったに決まっているだろ?」

 

「ふむ、雄二が言いたいのは……教師は余程開けた場所以外では複数人数を配置することができないということじゃろう」

 

「へ?」

 

「つまり、召喚獣がなければ男子高校生の体力に対抗する力はなくなる。教師連中にとっては《干渉》は最も避けたい事態ということだ」

 

「そうだ。その現象とムッツリーニが調べてくれた目撃情報を総合して判断すると、明日の相手側の布陣はだいだい予想できる」

 

坂本はテーブルに広げた紙に配置の予想を書いていく。すると、明久がなにかに気づいて坂本に質問していた

 

「あれ?高橋先生は今日と違う場所になるの?」

 

「確実ではないが、俺が向こうの立場ならそうするな。絶対に通らなければならない道に主力を置くのは定石だからな」

 

「それなら、なんで今日もそうしてこなかったのかな?」

 

「俺が聞いてる限り、考えられるのは圧倒的な力を見せてこちらの戦力を挫きたかったんじゃないか?」

 

「ふむ。あの点数は圧巻じゃったのう。じゃが、向こうの思惑はハズレたみたいじゃの」

 

秀吉の言う通り、こやつらはその程度で心が折れるとは思えないし、なにせ何がなんでも覗くと言う気持ちが強いからな……

 

「男達の勝利の為には、どうしてもあるヤツを極力無傷で鉄人の前まで連れて行く必要がある」

 

「あるやつって、ヅラ?」

 

「ヅラではない、桂だ!!そもそもこの話のポイントはお前だ、明久」

 

「え?それってやっぱり僕が観察処分者だから?」

 

「そうだ。鉄人は、最後の砦として女子風呂の前に陣を敷いているだろう。ここは。どうあっても通過せざるを得ないポイントだからな。だが、ヤツを生身の人間が倒すのは不可能だ」

 

「じゃが、そうなると高橋女史の場所を無傷で通過する必要があるじゃろう」

 

「ああ。大島はムッツリーニにやってもらうとしても、高橋女史と戦う為の戦力が足りない。というか、今の戦力では高橋女史のところに辿りつくことすらできないな」

 

「ヅラを頼らないの?」

 

「どうせ血まみれで倒れるか、俺達の敵として立ち塞がるかだろ?」

 

「えぇ!?ヅラ裏切るの!?」

 

坂本が珍しく的確なことをいってきて、明久は驚くように聞いてきたが、俺は冷静にまず対応した

 

「裏切るも何も……そもそも、俺は()()()()()といっていただろ!それに、俺はお前たちの作戦を聞いて通報はしてない!」 

 

「なんで?」

 

「この怪我を見ろ。まず、俺はなぜ血まみれになったのかはっきりさせる方が優先だ。それで、覗きをしましたからそうなったなんて笑い話にもならん。もし、お前たちの戦いに強制巻き込もうとするのなら俺は……」

 

「「俺は……?」」

 

「…ふっ…明久の部屋の隅っこに隠している巨乳の女子高生と貧乳の3○の本を島田達に言うぞ。坂本は霧島に坂本が隠しているエロ本を教える

 

「よし、ヅラは忙しいから協力できないのだね」

 

「そうだな。仕方がないよな!」

 

ちなみに何でこんなこと知っているのかと言うと、明久のは、前家に来たときに把握したのと、もう一つは、坂本の未来の奥さんに聞いて教えてもらった。ごねたときに使えとな

 

「だが、なにも手がないわけではない。坂本のことだからAクラスからCクラスに協力を求めるのだろ?」

 

「気づいていたのか?」

 

「貴様のことだ。大島先生は、ムッツリーニにやってもらうとしても、高橋先生と戦う為の戦力が足りない。というか、今の戦力では高橋女史のところに辿りつくことすらできないと考える。ならば、仲間を増やす……たろ?」

 

「正解だ。そういった理由から他のクラスからの協力は必要不可欠となる。そこで、明日の作戦時刻までにはその根回しに全力を注ぐことにする」

 

「でも一度Aクラスに断られているよね?」

 

「ふ、きちんと考えてるさ」

 

坂本が出したのは、デジタルカメラと各客室に備え付けられている浴衣だ

 

「これを着せて写真を撮り、A~Cクラスの野郎どもの劣情を煽る。うまくやれば覗きへの興味が湧いて協力を取り付けられるはずだ」

 

「なるほど!効果はありそうだしやってみる価値はあるね!はい、秀吉」

 

「…まさか、またワシが着るのかのう……」

 

秀吉は不満そうだが、仕方がなかろう……そういう方法しかないのだからな。いや、秀吉の場合は女に見られるからだな……ドンマイ

 




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ゴミは分別しとこう!

俺を除く坂本達の今後の方針は、覗き仲間を増やすために、姫路達を呼ぶことにしろと言う話だが……

 

「それじゃ、明久は姫路と島田に木下優子、ムッツリーニはカメラの準備をしろ。ヅラは裏切るから岩下に連絡とかは無しだ」

 

待つのじゃ!?姉上はやめておくのじゃ!!

 

「ど、どうした、秀吉!?今までにない必死さがあるぞ!?」

 

「もしも姉上を呼ぶとなると、間違いなくお主の妻……もとい、霧島が来るぞ!!(本音は、姉上にこれをばれた場合は……ワシが死ぬ!それは避けないとダメじゃ!!)」

 

「っ!?!明久、木下優子はなしで頼む」

 

霧島と言うキーワードに坂本は、本当にこれは不味いと思い木下優子を呼ぶことを諦めた。秀吉は安心しているが、自分が着るという未来があることを忘れているな……

 

「バカぁぁ!僕のバカぁっ!ある意味、自分の才能にビックリだよ畜生!!」

 

「な、なんだ!?いきなり叫んで!?!ついに、失敗し続けて発情しているのか!?」

 

「どうした明久?さっき何か悲鳴が聞こえたが?」

 

「色々と大変な事になっちゃったんだ!今は、僕の邪魔をしないで!」

 

「大変なこと?」

 

「それは……?っとと」

 

坂本がバナナの皮に滑り込み、坂本が明久を巻き込んで倒れる。そして、坂本が明久の携帯電話を踏み潰す音した

 

「それは、なんなのだ?」

 

「それは、たった今キサマが作った状況だ!!」

 

「あー、これは明久の携帯電話は、今や電子パーツへと分解されて見るも無残な状態な」

 

「何、明久の携帯なのか?」

 

坂本は明久の携帯だとわかると、珍しく申し訳なさそうに謝っていた

 

「これは本当にすまん……。今度、修理して返す」

 

「いや、今はそんなことどうでもいいから、とりあえず、雄二の携帯電話を貸して!」

 

「あ、ああ。別に構わんが……っていうか、どうした?」

 

いかにも坂本が好みそうなシンプル形状の携帯電話を受け取り、明久はすぐに雄二の携帯を操作し始めたが……

 

「雄二、何で電話帳が霧島さんしかないの!?」

 

なに!?!

 

つまり、坂本のアドレス帳登録というのになっているのは『霧島翔子』というアドレス1件になっていた

 

「ぐ……翔子のヤツ、また勝手に俺の携帯を弄りやがったな!?機械オンチのクセに……。これでまた家でアドレス帳を入力し直さないとならないじゃないか」

 

「またって、何回も消されてるのか。それは大変だな」

 

「もう慣れたさ……それよりも、明久。そんなに深刻そうな顔をしてどうしたんだ?まるで、間違えて島田に告白とも取れるようなメールを送ってしまって弁明しようとしたところで、俺に携帯電話を壊されてなにもできなくなってしまった、なんて顔をしているぞ」

 

「ははは、そんなのさすがにそんなアニメ展開はないではないか?そんなのあっては笑い話だな」

 

「あははっ。何を言っているのさ雄二。そんなことあるわけないじゃないか」

 

「そうだよな。そんなことになっていたら流石に携帯電話を壊した俺が極悪人みたいだもんな」

 

「全くだ」

 

「「あはははは!!」」

 

坂本と明久が笑いあっているのか俺は見てしまった。明久の目の奥には笑っていないことを俺は気づいてしまった

 

「ふふ……」

 

明久が、急に笑って雄二の携帯で何をしているのかが気になり俺は明久の後ろに見ると驚いてしまった

 

 

To:霧島翔子 

From:坂本雄二

もう一度きちんとプロポーズをしたい。今夜浴衣を着て俺の部屋まで来てくれ

 

 

「……送信」

 

「うん、送信?明久、俺の携帯で誰に何を送信……ゴふっななな、なんてことをしてくれるんだキサマ!」

 

「黙れ!キサマも僕と同じように色々なものを失え!どりゃぁぁーっ!

 

「おわぁっ!俺の携帯をお茶の中に突っ込みやがったな!?これじゃ壊れて弁明もできないだろうがこのクズ野郎!」

 

「そう!その気持ち!それが今!!僕が雄二に抱いている気持ちだよ!

 

「「全く意味がわからん!!!」」

 

本当に、そんなのでは意味がわからない上になぜそんなに叫んでいるのか俺達は分からん!

 

「何をわけのわからんことを!と、とにかく今は翔子の部屋に行って誤解を解いてこないと大変なことに……!くそがあぁあ!!」

 

坂本は叫びながら、出ていくが雄二が廊下へと続くドアを開ける音すると廊下にいた鉄人が雄二に拳を叩き込む音がきこえて……雄二がテーブルを巻き込んで壁に激突する音した

 

「部屋を出るな」

 

「「sir、yes!」」

 

坂本が、鉄人に殴り飛ばされたのを見て俺達は逆らえずに敬礼して返事した

 

「そうだ!!ヅラは携帯あるよね?!」

 

「…実はな、階段転んだ日に俺の携帯は無惨に破壊された……く、あの携帯のなかには明久弄るメモがあったのに……!」

 

「待って!?今不穏なこと言わなかった!?」

 

俺の言葉に、明久がなにかいっているが、とりあえずは坂本のやらかしたことをどうにかしないとな

 

「ちなみに秀吉とムッツリーニはまだ携帯は買ってないの?」

 

「うむ。特に必要ないからの」

 

「……いざというとき鳴り出すと困る」

 

「まて、ムッツリーニの理由は特殊過ぎる上に、なにか恐ろしいことを言わなかったか?」

 

さすがに、聞き捨てにならない俺は、ムッツリーニに指摘をするが、本人は首を横に降っていた

 

「しかし、この部屋は片付けないとまずいのではないのかの?これでは布団も敷けぬぞ」

 

「そうだね、とりあえず片付けて秀吉の撮影を始めようか。ヅラ手伝って?」

 

「ヅラではない、家政婦桂だ。ごみ袋も用意したぞ」

 

「なんであるの!?」

 

明久がなにか言いたそうだが、これ以上は突っ込むのはよそうと決めたのかなにも言わずに片付けすることに

 

「「えっと、秀吉の荷物は右、割れた花瓶とガラスは左明久の荷物は右気絶した雄二は……左」!」

 

「ぐぁあっ!せ、背中にガラスの破片がっ!」

 

明久と共にごみを捨てると、気絶した坂本雄二が重すぎたので俺達二人がかりで投げると坂本がのたうち回っていた

 

「あ、雄二。起きたなら手伝ってよ」

 

「待て!お前には俺の背中の傷が見えないのか!?」

 

「ははは、大丈夫そうではないか?なにせ、致命傷ではなさそうだから」

 

「そうだね。第一、それだけ叫べるなら大丈夫だね」

 

「そう思うならお前らにも……こうだっ!」

 

「ああっ!着替えがガラスまみれに!?」

 

「ふははは!!こうなったら、お前らもこの痛みを味わえ!」

 

「安心しろ、そういう事情ならそれなら浴衣を着るからいいさ!」

 

「そうさ!秀吉とペアルックだしね!」

 

「……………羨ましい」

 

「だから……お主ら…ワシは男じゃと言っておるじゃろうが!!!!」

 

俺達はそう言い合いながらなんとか片付けをすることになった。なお、坂本はその後どうやって誤解を解くか真剣に考えていたのと、明久がなにか真っ青になって考えていた………

.




ここまで読んでいただきありがとうございます!
お気に入りが増えていることに驚き、読んでいただいてることに大変恐縮です。
これからも宜しくお願いします


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暗躍と交渉

なんだかんだで片付けを終えて、このガラスの破片を入ったごみ袋が危ないので、部屋に出ようとすると鉄人が入ってきた

 

「部屋から出るなといっただろう!」

 

「出るなと言う要求は断る!!何故なら、鉄人のせいで、部屋かガラスまみれになったのだからな!!」

 

「何!?俺のせいだと!?!」

 

「確かに、勝手に出ようとしていた坂本も悪いが……、鉄人が殴ったその反動で、ガラスの瓶が割れてな……。このまま、この部屋にガラスがあっては危険だろ?それとも、かわいい生徒にガラスまみれの部屋のままで寝ろと?それは、酷いと思わないか!!」

 

「むぅ…お前達が、かわいい生徒かは別としてだな…わかった。それは俺が処分しとこう」

 

鉄人がサラっと教師としてどうかと思う台詞があるが、それはすべて明久のせいにしとこう……。さて、とりあえずは鉄人がこれを処分してもらえるのは助かる

 

「よし。とりあえずは鉄人を、この部屋に準備することが悟られなくなったが……お前達はいつまで落ち込んでいる」

 

俺は、鉄人がこの部屋に今からやることが悟られずに、安心していると同時に坂本と明久がまだ青ざめていた

 

「くそ、どうすれば誤解を解く……」

 

「ヤバイ、ヤバイ……」

 

「見事に壊れておるのぅ……」

 

「まぁ、仕方あるまい。明久のは、事情が知らんが何かしたのだろう……。そして、坂本はもう、霧島に誤解を解くのはもう無理だろう」

 

なにせ、あの霧島だからそう簡単に誤解は溶けない上にこれを口実に坂本をプロポーズ迫るだろう。まぁ、俺に被害いかないから由とする!!

 

「む、ノックの音が聞こえてきたのぅ」

 

鉄人を引き離したと思った矢先に控えめなノックの音が扉から聞こえてきた。恐らくだが、これは姫路か?

 

「あ、いらっしゃい、姫路さん」

 

「む、今ここに来る時だったのなら、鉄人とすれ違わなかったのか?」

 

「西村先生は、さっき明久くん達の部屋に戻る最中でしたが、お菓子をあげたら通してくれました」

 

そう言って手作りと思われるお菓子を見せてくる姫路。 つまり鉄人は………

 

「なるほど、そういうことか…安らかに眠れ………」

 

「……去らば鉄人」

 

俺と明久は、帰らぬ鬼となった鉄人を思い馳せながら姫路の方に向き合った。すると、後ろの方に岩下がいつの間にかやって来た

 

「瑞希を呼び出しているなんて聞いたから、不安で来たのだけど……その前に、桂…あんたは西村先生に毒でも盛り込んだ?なんか倒れていたけど……」

 

「失礼な!!さすがにそんなことはしない!!大方、連日の疲労がきたのだろう」

 

「そういうものかなぁ……」

 

「ところで、明久君と桂君はどうして浴衣姿なんですか?」

 

「あぁ、これ?部屋にあったのを着てみたんだ。折角あるならと思ってさ。似合うかな」

 

「はい、とっても似合ってます!綺麗な肌や細い鎖骨が凄く色っぽくて!」

 

「あ、ありがとう……」

 

どうやら、姫路が生き生きというのに明久はまさかそこまで言うと思わなかったのか苦笑いしていた

 

「さてっと、よく来てくれたな。岩下がいるのはビックリだが……」

 

「桂が西村先生に毒を盛り込んだと思ったのだけど、気のせいね。それよりも瑞希を呼んでどうしたの?」

 

「こんばんは、坂本君」

 

「あぁ。早速だが、姫路にプレゼントだ」

 

「浴衣、ですか?ありがとうございます。ところで話って……?」

 

姫路は何の脈絡もなく坂本に手渡された浴衣に戸惑っていたが、そこは頼んでいた明久に任せよう

 

「話というか、姫路さんにお願いがあるんだ」

 

「お願い?」

 

「うん。実はね、その浴衣を着た姫路さんの写真を撮らせて欲しいんだ」

 

「え……っ?」

 

「待ちなさい、いかがわしいことに使わないよね?それに、男のいる部屋に女の子が入るってのは、色々な意味で心配できたのだけど?瑞希をもしも酷いことに使うなら、今すぐ仕留めるけど……友達を辱しめないよね?」

 

明久の説明に、岩下が何を思ったのか心配そうに聞いていた。まぁ、確かに、男のいる部屋に女が入るというのは心配するよな

 

「安心しろ、そういうのは絶対にしない。むしろ、それをいかがわしいことしたら、俺が死ぬ

 

「えっと、どういうことですか?」

 

「つまり、坂本が言いたいのは、そんなことをしたら霧島に怒られるということだ」

 

「「あ、なるほど……」」

 

俺の説明に二人とも納得してくれた。そして姫路がまだ色々と了承得るまで色々と合ったのだけはここだけの話だ。岩下に関しては、「事情はよくわからないけど、とりあえずは写真を撮るのはいいわよ。でも……もし、ばら蒔いたりしたら……命無いと思いなさい」と………約束を守るなら、浴衣だけ着てあげるということに

 

その後、ムッツリーニは血の海に沈んだ為に若干時間がかかったものの、しっかりと写真に収めることに成功した。まだプリントアウトはしていないが、それを見て覗きの為に奮い立たない男なんていないだろ……K以外は……

 

「やはり、寝たか……」

 

姫路達が帰ったあとに、明久達は連日の補習の疲れが出ているため、早く寝ていた。俺はこれは予想通りと思い、窓の外の星を眺めながら岩下とメールのやり取りしていた

 

〈いよいよ、明日が最終日だけどなにか進展あった?さっきの桂はなにか言いたそうになっていたけど〉

 

〈桂ではない、ヅラ……違う、桂だ。進展はないものの、少し気になることがあってな〉

 

〈誰もヅラといっていないわ。気になることって?〉

 

〈そもそも、何故明久達が脅迫されていたのかだ……そして、何故俺があの日に血まみれになっていた〉

 

〈そういえば、異性に近づくな……だったよね?なんで、男って考えなかったの?〉

 

〈そういえば……だが、それならば何故嵌めるにしても女子更衣室に盗撮があるのをわからせた?〉

 

〈……まさか、犯人は女子にいるとでも?あるいは、協力者かと〉

 

〈そうだ。一応、明日は最終日だからやるなら明日真犯人が出る可能性がある。明日にかけよう〉

 

〈了解、お休み〉

 

〈お休み〉

 

窓の外の星を眺めながら、俺はメールを岩下としていた。明久達には壊れているといったが本当は壊れてなく、岩下との裏の繋がりを真犯人に悟られないためだ。音声がいつ録音されているかわかったものではないのでな

 

「む?」

 

俺はなにやら声した方向に振り向くと……明久に夜這いをしかけようとしている島田が迫っているのを見えた…………

 

こ、これはいったいなにがあったというのだ!?!




ここまで読んでいただきありがとうございます!次回も宜しくお願いいたします!
お気に入りが増えていることや評価していただいてることにに驚きました……
これからも宜しくお願いします!


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友とは犠牲にするもの

俺は岩下と密告の連絡しながら窓の外の夜空を眺めていた筈なのに、いつの間にか島田が部屋に入って明久に迫っていた……

 

「あれ!?やたら単純!?」

 

「アキ!邪魔者が起きてしまうでしょ!?」

 

「むぐぅ!?」

 

明久の何を思ったのか急な大声に、島田は明久の口を塞いでいた。何故、明久が島田に迫られているのかわからないが、何かあったのだろうか?

 

「………美波、せめて苦しまないようにお願いね……」

 

「………あんたってどういう思考回路しているのよ……そ、その……ウチだって、勇気を出してここまできたのよ?だから、その……あぁ言うことはメールではなく言葉で……」

 

まて、まてまて!?しばらくは、面白そうだと思い黙っていたが、なにやら明久と島田に何かあったのか!?!いや、進展している!?

 

「(えぇい、一夜の過ちを起こす前に止めねば…!とりあえずは坂本辺り……あ……)」

 

俺はさすがに一夜の過ちをして、とんでもないことになるのは避けたいから周りを見たが俺は気づいてしまった

 

・島田に襲われている明久

 

・可愛らしい秀吉の寝顔

 

・カメラを構えているムッツリーニ

 

・霧島に襲われている坂本

 

「……ふむふむ……」

 

俺は目を擦りながら、さすがにこの時間に部屋に女子がいるのはおかしいと思い、もう一度見てみると……

 

・島田に襲われている明久

 

・可愛らしい秀吉の寝顔

 

・カメラを構えているムッツリーニ

 

・霧島に襲われている坂本

 

なるほど、なるほど……つまりこの光景は俺の目がおかしくないというとこなのだな。仕方ない、俺も疲れているのだな

 

「俺が疲れているのなら、寝るとするか。お休み~」

 

「「起きているなら、俺(僕)達を助けろ!!」」

 

「助けるっていつもの事だろ?今さら慌てる……「お姉さま無事ですか!?美春が助けに来ましたよ!」……ごぶぇ!?!

 

「「ヅラァ!?!」」

 

俺は襖付近で寝ようとしていたが、坂本達が俺に抗議していた。俺はどうせ、いつものことだと言うタイミングで襖があき、俺を蹴り飛ばして現れたのは……Dクラスの清水美春だった

 

「み、美春!?どうしてアンタがここにくるのよ!」

 

「さっきお姉さまのお布団に入ったら誰もいなかったから、もしやと思ったら……!やっぱりここに探しに来て正解です!」

 

「あ、危なかったわ……。昨日で懲りたと思って完全に油断していたもの……っていうか、なんでウチのいる場所がわかったのよ!?ストーカー!?」

 

「ストーカーではありません!美春です!」

 

「それは俺の代名詞だ!勝手に、「煩いです、豚野郎が!!」…がっ!?!」

 

清水は俺の頭に、思い切り蹴りこむように叩きつけていた。俺はその結果、地面に倒れたが、巻いていた頭にまた血が出てきた……

 

「ヅラァ!?!」

 

「ヅラではない……桂だ……!」

 

「お姉様!男の部屋に来るなんて不潔です!おとなしく美春と一緒に裸で寝ましょう!いえ、勿論イロイロするので寝かせませんけど!」

 

「やめるんだ、清水さん!それ以上の会話はムッツリーニの命に関わるから!」

 

「……!!(ボタボタボタボタ)」

 

「……雄二、とにかく続き」

 

「お前はなんでマイペースなんだ!?」

 

状況が色々とカオスになり、俺も地面に倒れながら机の上に犯人はS.Mとダイビングメッセージを書いていた

 

「な、なんじゃ!?目が覚めたら、女子が3名もおる上に、雄二は押し倒されて.ムッツリーニが布団を血で染めておるぞ!?おまけに大河は死にかけておるのは何故じゃ!?!」

 

「ああああっ!皆してそんなに騒いじゃダメだよっ!このままじゃ鉄人に気づかれて……」

 

『なにごとだっ!今吉井の声が聞こえたぞっ!』

 

「え?なに?なんで全員が『吉井が声を出したせいで見つかったじゃないか』みたいな目で僕を見るの?!」

 

「鉄人はお前相手には敏感なんだよ!!くそ、お陰で、めんどくさい事になったじゃねぇか!!」

 

「なんだか納得いかない物言いだけど、雄二の言う通りめんどくさい事になった!とりあえず、ここは僕らに任せて!」

 

吉井に坂本ぉ!お前らだとわかってるんだ!そこを動くなぁ!あと、桂も何かしてるな!!!

 

何故俺まで!?といいたいが、俺は今血まみれでそれどころではない……!!

 

「雄二、行くよっ!」

 

「仕方ない、付き合ってやる!」

 

坂本は俺の首をつかみながら待機していて、明久がドアの取っ手に手をかけ、一気に押した。

 

バン!ガスッ!

 

「ふぬぉぉっ!?よ、吉井、キサマぁああ!」

 

「げっ!?鉄人が扉で頭を痛打したみたいなんだけど!?」

 

「それはファインプレ―だ!ついでにおらぁぁ!」

 

「ぐぉ!?!」

 

坂本は俺を思い切り鉄人の方に投げて、俺は鉄人の股間に思い切り頭が直撃した。鉄人といえども、股間は耐えれなかったようだが、俺の頭の血も耐えれなかったようだ

 

「坂本ぉぉ……!そして、何故!!桂が血まみれになっておる!!!」

 

「「寝相が悪く打ち所が悪く、血が出ていたから生け贄したまで。友達というのはそういうものですよね」」

 

「貴様らは一度は、友達という辞書を読め!ぐぬぅ……!中に他に問題は……」

 

「(不味い、中にいる美波達が怒られてしまう!それなら!!)おぁぁ!」

 

明久が、体制崩している鉄人の頭に脱いだ浴衣を巻きつけた。流石の鉄人も、その行動が読めずに叫んでいた

 

「こ、こらっ!何を」

 

「おまけっ!」

 

さらに、その上から帯で縛り付けたからこれで時間が稼げる。すかさず島田たちに指示を出して、三人は頷いた後、全速力で廊下を駆け抜けて行った

 

「よし……鉄人、雄二がこっそり酒を持ってきたみたいです」

 

「明久、てめぇ!?!」

 

「ふふ、一人だけ逃げ切れると思わないことだね……地獄へ、welcome!」

 

「喋っているところ悪いが……貴様らはつくづく俺の指導を受けたいようだな!そこまでしたということは、覚悟はできてるな?!」

 

「「していません!!」」

 

そして、明久と坂本対西村先生の恐怖の鬼ごっこが始まった。俺はムッツリーニと秀吉に部屋の中を運んで俺を治療をしてくれていた……まさか、ムッツリーニの輸血が役立つとは……

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!
これからも宜しくお願いします!


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魔法の写真

ムッツリーニのお陰で、なんとか出血死は免れて、寝ることができたが……二名はそうではないみたいだな

 

「ふぁ……あふ……」

 

「流石に眠いぞ……こら……」

 

この二人は結局、鉄人に捕まったようで、三日連続で、鉄人に朝まで教育について(拳で)語られていたらしい

 

「お主ら、災難じゃったのう……」

 

「俺を生け贄するからそうなるのだ、ばかめ」

 

「ヅラはもっと、潔く生け贄になってくれたらこうならなかったのに…でも、災難と言えば災難だったかも……ふわぁぁああ~~」

 

俺は腕を組ながらそういうと、明久は失礼なことをいいながらの欠伸は止まらない。今日は、覗きの最終日だから、自習時間にきっちり点数補充をしなければいけないはずだが、これは厳しいな

 

「駄目だ……俺もさすがに眠い……このままでは…ふぉぁぁああ

 

「なんだ!?坂本がついに、霧島に抱かれたいと言う欲望が出たのか!?!」

 

「……効果は抜群」

 

「あ、ムッツリーニ。おはよう」

 

「ムッツリーニ。今しがた雄二に見せたのは何じゃ?えらく興奮しておるように見えるのじゃが?」

 

「……………魔法の写真」

 

坂本が興奮したのは、ムッツリーニのなにか見せた写真がそうらしい。しかも、ムッツリーニ曰く、魔法の写真と……

 

「どれ、ワシらにもその写真を見せてくれんかの?」

 

「俺も見してくれ」

 

手にしている写真を明久の前に写真を置き、俺と秀吉が俺の左右から覗くと……明久が今までにないくらい目を見開いていた

 

「魔法の写真だって?何を言ってるんだか僕らはもう高校生なんだし、たかだか写真程度で気合なんか入るわけが…ふおぉぉおっ!」

 

「ほぅ。これはまた……」

 

「これは、さすがに可愛いな」

 

ムッツリーニが見せてくれた写真の一枚目は、昨夜撮影した姫路と秀吉のツーショット写真だった。二人が恥ずかしそうに上目遣いで浴衣姿で色っぽく、少し胸元も開いている。流石に坂本や明久が覚醒するわけだ

 

「僕、生きていて良かった……!」

 

「ふむ、二枚目は何が写っておるのじゃ?」

 

すると今度は浴衣姿で迫る翔子とハーフパンツ姿の島田のツーショットが出てきた

 

「す、凄い……!これも、凄いよムッツリーニ!今僕はキミを心から尊敬しているよ!」

 

「確かにすごいのう……うまく明久と雄二が写らんような角度で撮ってあるし、もはやプロの業じゃな……」

 

「三枚目は……!?!!」

 

照れくさそうにしている、浴衣姿の岩下は姫路と同じく、少し胸元が覗いていて…これはっ……!!まさに最高の一枚!!!!!

 

「ムッツリーニ……報酬はまた払う」

 

「……契約完了」

 

「して、四枚目は?」

 

俺とムッツリーニが暗黙の契約を結び終えると、秀吉は四枚目のを取り出してそこに写されたのは……

 

「これは……!?」

 

「……綺麗に撮れたので印刷してみた」

 

ムッツリーニがどや顔で、言うとそこに写っていたのは……セーラー服姿の明久だった

 

「放して秀吉!このバカの頭をカチ割ってやるんだ!」

 

「落ち着くのじゃ明久!よく撮れておるではないか!」

 

「驚いたぞ。まさか、ここまで凄い写真を撮るとは」

 

目に輝きを取り戻した坂本が、ムッツリーニを労っていた。あまり、女子に興味を示さない坂本ですらこの反応だから、普通の男子が見たら興奮は間違いない

 

「これ、他の皆にも見せないとダメかな?」

 

「何ふざけたこと言ってるんだ、明久。俺たちの目的を忘れるな。大局を見誤る人間に成功はないぞ」

 

「う……それはそうだけど……」

 

坂本の言葉に明久も、本当の目的を思い出して、悩んでいたがやがて決心した

 

「ごめん。確かに間違えていた。この写真は目的の為の手段だし、そんな未練は断ち切る。後でムッツリーニに1グロスほど焼き増しして貰うだけで我慢するよ」

 

「1グロスは多すぎだろ」

 

「未練タラタラじゃな」

 

「こうして、自分で自分の生活を苦しめているのだな」

 

「まぁ…このバカはほっといて…“この写真を全男子に回すこと。女子及び教師に見つからないよう注意!尚、パクったヤツは坂本雄二の名の下に私刑を執行する〝…よし、須川。これを男子順番に回せよ」

 

近くで食事をしていた須川に写真を渡す。須川は疑問符を浮かべながらも受け取り…

 

ふぉおおおおおーーーーっ」

 

見事に彼も覚醒した。どうやら、あの写真は本当に魔法の写真と言っていいみたいだな。……岩下のはバカどもに悪用されないように気を付けておくか…

 

「ところで、雄二。僕の写真はきちんと抜いておいてくれた?」

 

「安心しろ。あんなものを流したら士気がガタ落ちだからな。キッチリ抜いておいた」

 

「そっか。それは良かったよ」

 

まぁ、あれを見せるのは男達ではなく、()()()に見せるのだろうな……明久には申し訳ないがその写真でやつにやる気を出させるのだな

 

「秀吉、少しいいか?」

 

「うむ?」

 

「今夜最終日……最後まで待っているからな」

 

「む、そういうことかのぅ。了解じゃ」

 

俺の言葉に秀吉もなにか納得していたのか、理解していた。そして、俺は俺で作戦を決行することにした……




ここまで読んでいただきありがとうございます!
合宿編のストックももうすぐ終わりそうで、次の話を考えてますが何を書こうか決めてません……次回も宜しくお願いいたします!


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誰よりも勝ちたいのは誰だ!!

あの目が覚めるような写真をみた朝の後は、明久達はビックリするぐらいの集中力で勉強をしていた。そんな時間も終えて、今や夜を迎えたが、部屋には時計の音だけが鳴り響く

 

「うー、大丈夫かな」

 

明久はうろうろと部屋の中を彷徨きながら、あの効果があるのか心配で座ればまた立ち上がったりと繰り返していた

 

「明久、今更ジタバタするな。補充テストも全て受けたし、写真も回した。やるべきことは全てやったのだから、あとは何も考えずに戦うだけだ」

 

「D・E・Fクラスは昨日に続いて全員参加のようじゃ。あとはA・B・Cクラスが協力してくれるかどうか…」

 

「おい……」

 

「……今日こそ借りを返す」

 

「おい!!」

 

「なんだ、ヅラ?人の話を最後まで聞けと習わなかったか?」

 

明久がそわそわしてるのを坂本が嗜めていて、秀吉は人数の確認をしていてムッツリーニは、闘争心を燃やしてるがそれはどうでもいい

 

「なぜ俺がこういう目に遭っている!?縄をほどかないか!?後、ヅラではない桂だ!!」

 

「何故って、俺達の動きを止める可能性あるやつを……何もしないわけにはいかないだろ?何言ってるんだ?」

 

そもそも、覗きをすること事態が間違えてる!!お前達の真の目的は脅迫した人間を捕まえることだろう!!

 

「「「……」」」

 

「見事に雄二達は目をそらすのぅ……」

 

く、覗きをすること事態は友として止めたいが、脅迫されているとなったら助けたい。だが、やり方が悪い!!!

 

「まぁ、ヅラの言葉は捨てて……雄二、そろそろ作戦を」

 

「そうだな。作戦開始も近し、最後の打ち合わせを始めるぞ」

 

坂本は紙を取り出して、明久達に見えるように話していた。俺は放置されながらやつらの話を聞いていた

 

「いいか?俺達がいるのは三階だから、三階・二階・一階・女子風呂前の四ヵ所を突破しないと目的地には辿りつけない」

 

「三階の敵はE・Fクラスの仲間が抑えて、二階の敵はDクラスが抑える手筈になっているんだが、Dクラスだけだと少々厳しいじゃろうな」

 

「教師側も各クラスの生徒の強さに応じて戦力は配置しているし、Cクラス抜きでのの突破は難しいだろうね。でも、ここまできたらやるしかないよ」

 

「もちろん、そのつもりだ。それで、この二階を突破すると……」

 

「………高橋先生」

 

明久の言葉に坂本は頷いて突破した場合の敵を次に話そうとすると、ムッツリーニが小さくそしてはっきりした声が聞こえた

 

「高橋先生が出ているとなれば、お前達は厳しいではないか?学年主任の高橋女史が率いる一階教師陣となれば、恐らくここには(坂本の奥さんの)霧島に姫路、工藤もいるだろう」

 

「そうだな……って待てこら?今なんていった?」

 

「そんなのはどうでもいいだろ。だが、足止めをされれば、明久とムッツリーニは前後を挟まれて終わりだ。作戦は失敗。坂本は霧島に人生を捧げることになり、明久は本当の変態として生きていくことになるな」

 

「まって!?僕は変態ではないからね?!」

 

「何を今さらそんなことを言うと?そもそも、お前が覗きを参加したがることにノリノリな時点で変態ではないか?」

 

俺の言葉に明久は目をそらして反論をしようといるが、なにも思い浮かばないようだな。やれやれ、これでは俺が明久にいじめているみたいではないか?

 

「と、とにかく、高橋先生は根性でなんとかするしかない。A・Bクラスが協力してくれたら勝機は充分にあるんだよね?」

 

「あぁ。Aクラスはともかく、Bクラスは大丈夫だろ。特に代表格が女に興味を持っているから、あの写真が効くはずだろ?」

 

「あははっ。その言い方だとAクラスの男子代表格は、女の子に興味がないみたいじゃないだよ?」

 

「「「「「…………」」」」」

 

「え?みんな急にどうしたの!?」

 

彼の場合は悪気がないのだ……そう、悪気がない代わりになんとも言えない上になぜそうなってしまったのか俺達はわからない

 

「兎に角!明久とムッツリーニ……テメェらの役割はわかってるな!」

 

「……大島先生を倒す」

 

「僕は鉄人だね……」

 

「よし、それでは円陣を組もうではないか!」

 

坂本の確認に、明久達はまっすぐと返事していた。それをみて時間ももう少しだから、気合いを入れようと俺の言葉に皆頷いていた

 

「……俺達は誰だ!!

 

「「「「Fクラス!」」」」

 

誰よりも、勝ちたいのは!?

 

「「「「Fクラス!!!」」」」

 

誰よりも悔しい思いをしたのは!!

 

「「「「Fクラス!」」」」

 

戦う準備はできているか!!

 

「「「「おおおおお!!!」」」」

 

狙うはただひとつ!真犯人を捕まえることだ!!!いくぞ!!!」

 

「「「「おおおおお!!!」」」」

 

俺が一番と指を立てると明久達も指をたてて、盛り上げていた。俺達の心の目的は犯人を捕まえることだ!!

 

「って、自然の流れで円陣したけどいつの間に抜けていたの!?」

 

こばっ!?

 

俺は明久に頭を思いきりはたかれて、地面にひれ伏しているとちょうど時計がなった

 

「時間か……。よし……てめぇら、気合は入っているな!」

 

「「「おうっ!」」」

 

「ここまで来たら女子も教師も、AクラスもFクラスも関係ねぇ!男の底力、とくと見せてやろうじゃねぇか!」

 

「「「おうっ!」」」

 

「これがラストチャンスだ!俺達4人から始まったこの騒ぎ、勝利で幕を閉じる以外の結果はありえねぇ!」

 

「「「当然だっ!」」」

 

「強化合宿第四夜・最終決戦、出陣るぞっ!」

 

「「「おおぉっ!!」」」

 

強化合宿四日目……時は二〇:〇〇。今、覗きを巡る最後の勝負が始まろうとしていた。さてあやつらが出ていたのを見送って俺も動こうとするか……

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!
次回も宜しくお願いします!


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増える仲間達

明久達が部屋から出ていったのを見送った俺はゆっくりと起き上がってある用意をし始めた。別ルートで、女湯に行くルートがあって……その方法は……

 

「ふん!!」

 

窓から下の階へと縄を下ろして、そのもう一方の縄を部屋の固い柱に固定して、自分達の部屋から下へと降りていった。一応、これは鉄人に許可をとってやっているからな?

 

「鉄人、岩下。来たぞ」

 

俺は目的地へさっさと向かって来たことを報告すると、二人とも風呂場の入り口で待ち構えていた

 

「鉄人ではく、西村先生といえ!……って、まて……まさか、お前は本当に、縄で降りたのか?」

 

「当然だ!男がやるといった以上は、やるに決まっている」

 

「バカの極みね……貴方は大怪我してるのに………

 

俺の言葉に、鉄人と岩下は呆れていたが、明久達にばれないようにするにはその方法しかないだろう……

 

「さて、ここでひとつ報告だ。恐らくだが、明久はここに、突破する可能性が高い」

 

俺の言葉に、鉄人が眉を潜め、此方を睨んでいた。いったい何を根拠にと言わんばかりに此方を見ているが、きちんと言い分はある

 

「まず、合宿四日目の夜になっても、あいつらの闘争心が衰えていないことだ」

 

「確かに、奴等が覗きたいという精神が異常だな。まだ覗きが、未遂だから処分をしていないが……どちらにしてもここで仕留める」

 

こちらの言い分を聞いた鉄人は、否定することなく明久達の精神が異常だと認めつつ、ここで止めると宣言した。すると、岩下が携帯をポケットに納めてこちらに歩いてきたが、神妙な顔でこちらにやって来た

 

「今、真由美から連絡くれたのだけど……Bクラス、Cクラスの男子が動いてるみたいよ」

 

「なんだと!?Fクラスの吉井達に感染されたか……!?」

 

「鉄人。そちらは、ここを突破させないために、生易しい配置してないが、意見を聞きたい。奴はここに来ると思うか?」

 

岩下の報告を聞いた鉄人は、B・Cクラスの男も協力しているとわかった鉄人も驚いていた。まさか、その二クラスが覗きに協力するとは誰も思わなかっただろう

 

「ぬぅ……あのバカどもは……!」

 

現に鉄人は、ここまでひどくなると思わなかったのか、呻いていた……。それと、恐らくだが……あのバカが、ここにたどり着く可能性は……1%はある

 

「よし、こうなったら吉井達が来たら、俺が相手をする。桂と岩下は後衛で待機だ」

 

「「了解!!」」

 

「さぁて……あのバカが来たら……たっぷり教育指導だなぁ……!」

 

指をパキパキと鳴らして、その顔には修羅に近い顔になっていた……明久がここに来た場合は死なないか少し気になるな……

 

 

明久side

部屋を出て、先ずは3階を制圧および突破することに目的で走っていると前線に女子が立ち塞がっていた

 

「いたわ、主格犯達よ!!」

 

「長谷川先生!向こうの4人をやります!』

 

部屋を出てすぐのところに、長谷川先生率いる女子部隊が展開されていた。どうやら僕達がここに来るのは予想済みだったのなら……

 

「邪魔だ。試獣召喚(サモン)!」

 

雄二は走りながら自身の相棒を召喚して立ちふさがっている二人に向かって叫んだ

 

「行かせないわよ!変態!!」

 

「そうよ、変態!!」

 

「変態、変態いうな!!そして、俺達の前に立ちふさがるなら勉強してから出直しやがれっ!」

 

「「きゃぁぁぁ!!!」」

 

数学

Eクラス

女子A 88点

  & 

女子B  99点

  VS   

坂本雄二 224点

 

雄二は、あっさりと立ち塞がった素早い動きで接近し、拳を叩き込む。ただの一撃で決着がついて、経験の浅いEクラスに負けるわけがない

 

「よし、いくぞ!」

 

「「「「おう!」」」」

 

「坂本君!待ちなさい!」

 

「長谷川先生……残念ながらここは通しませんよ」

 

須川君を中心としたFFF団達が立ち上がって、長谷川先生達にここは通さないと言わんばかりに立っていた

 

「そこを退きなさい!!」

 

「残念ながら、退くつもりはありませんよ!野郎共、いくぞ!!試獣召喚(サモン)!」

 

「「「試獣召喚(サモン)」」」

 

「須川君、頼むよ!」

 

「ふ、任せな!その代わり、きちんと鉄人を倒しておけよ!そうじゃないと、ここを片付けた後で覗きにいけないからな!」

 

「うん!必ずまた後で!!!」

 

須川君に、背を向け廊下を走る僕達の後ろからは教師を前にして一歩も退かない勇士たちの怒号が響いてきた

 

翔子たん!翔子たん!はぁはぁはぁああっ!!

 

島田のぺったんこぉぉーーーっ!

 

姫路さん結婚しましょおーっ!

 

皆、死んでしまえばいいのに……そうだ!うまいこと、彼らに毒を盛って仕留めることできないかなぁ? っと、またそれはこの戦いを終えてから考えればいいよね!

 

「凄い士気じゃな。これならば三階の制圧は問題なさそうじゃ」

 

「皆の気持ちが一つになってるからね!……でも、ヅラは覗きを許せないと言うけど何が悪いのさ!!」

 

「……これは聖なる教育のため……」

 

「ここから先が勝負だね…」

 

「そうだな。Dクラスだけで戦っているのか、Cクラスが参戦しているのか…いくぞ!」

 

階段から降りていてもわかるけど、廊下では戦闘の気配がする。もし、Dクラスだけで戦っているとしたら、教師の注意を潜って二階を通り抜けられる時間は残り僅かだ!そんな僕達は二段飛ばしで進み、踊り場を曲がって見えた先には……

 

「降参することを薦めます!今なら、君達はやめることもできます!!なのに……なぜ、協力するのですか!?

 

「俺達は……俺達の責務を全うする!!ここにいる俺達は……神なる教育のために!!

 

「先生!!俺達は、あなたという屍を乗り越えさせていただきます!」

 

化学

化学教師

布施文博 663点

  VS  

Cクラス

男子A 144点

  &    

男子B 132点

 

どうやら運は僕達の方に、向いたようだ!先生もまさか自分の生徒が覗くと思わなかっただろう!!

 

「Cクラス・Dクラスの野郎ども、協力に感謝する!二階は……俺達の背中はお前らに任せるぞ!

 

 

「協力なんざ、ったりめぇだ!」

「女子風呂覗かなくて何の為の男でぇっ!」

「てめぇらこそしくじるんじゃねぇぞ!」

 

凄いね……士気が高すぎてべらんめぇ口調になってる上にCクラスとDクラスは意外とノリが良い……!

 

「あのさ、こういうのって凄く嬉しいよね」

 

「そうじゃな。仲間が増えていく喜びとでも言うべきじゃろうかの」

 

「まぁ……その分仲間だった女子が敵だがな……ヅラもな」

 

「雄二、其は言わない約束……そして、ヅラは裏切り者だから仲間ではないよね!」

 

これで二階も問題ない。問題なのは一階と女子風呂前だし、ヅラも今頃は拘束されて動くことはできないはず!!………あ、拘束していたかなぁ……?

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!次回も宜しくお願いいたします!


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頼もしすぎる増援

現在、僕たちの願望である女湯を覗くために向かっているが、今わかっている段階でも二階まではCクラスが参戦していた

 

「ここまでは、男子も参加しているクラスはCクラスまでだ。恐らく、残りのBクラスとAクラスが増援来ていれば……」

 

「突破できる望みはある!!」

 

「じゃが、あくまでも()()()()()()()()()かが大事じゃ」

 

「……時間は限られてる……行こう」

 

更に階段を降り、一階に近づく。ここで両クラスの協力がなければ戦闘の音が聞こえないはずだけど……

 

「護してくれっ……」

「……メだ!……倒的過ぎる……!」

 

どうやら一階も戦闘が行われているみたいだ!きっといままでの流れを考えていたらBクラスが、増援来てくれたはずだ!!

 

「よしっ!これで一階の制圧もうまく──」

 

「いや、違う!様子がおかしいぞ!」

 

戦闘してるのを聞いておりようとすると、雄二からの警告があったので踊り場で折り返し、階下の様子を見渡す。するとそこには、教師女子生徒連合軍に押されているBクラス男子の姿があった

 

総合科目

Aクラス

霧島翔子 4762点

  &    

Fクラス

姫路瑞希 4422点

  VS  

Bクラス

男子C  1692点

 

「おおおおお!!!」

 

「「…邪魔!」」

 

一人の男が叫びをあげながら切りかかるが、圧倒的戦力差に為す術も無く倒れていくBクラスのCだった

 

「あら?吉井くん達も来たのね……」

 

もう一人の声がしたの方向に振り向くと、無表情に男子を倒している秀吉のお姉さんがいた

 

「……悪戯はここまで」

 

「明久君。ここは通しませんよ」

 

「そうね。吉井君、大人しく降伏しなさい。秀吉もよ」

 

「翔子かっ!」

 

「姫路さんに木下さんまで!」

 

「ぐ、姉上!!」

 

地下へと続く階段の手前、そこには霧島さんと姫路さん、さらに木下さんの最強トリオの姿があった。既に三人の周りには打ち倒された召喚獣が死屍累々と転がっている

 

「後ろには高橋女史もいる……随分と用心深い布陣だな、クソ!!」

 

「あなた達なら、必ずここに来ると予想していたのよ。それよりも、秀吉……初日にたっぷり話したのにまだ懲りてなかったのねぇ……」

 

「まずいのぅ、姉上が修羅になっている……」

 

Bクラスの大半は途中にいる物理の木村先生と英語の遠藤先生に手間取っているから、援軍は期待できない

 

「……雄二。お仕置き」

 

「くっ!根本バリアーっ!」

 

「さ、坂本っ!折角の協力者にその扱いはあんまりじゃないか!?」

 

総合科目

Aクラス

霧島翔子  4762点

  VS 

Bクラス

根本恭二  1931点

 

「まぁ、この結果は当たり前ね。代表や姫路さんがいるのに、ここを通れるとでも??」

 

木下さんが召喚獣を従えて、ゆっくりと僕達に歩み寄ってきた。近くでは、同様に姫路さんが僕の方に、雄二が霧島に追い詰められている

 

「もうこれ以上は無理だ……。姫路に霧島、木下姉と高橋先生なんて、勝てるわけがない」

「だいたい、姫路と霧島、木下姉が入っていないのなら覗く価値がないじゃないか」

 

残されたBクラスの二人が弱音が聞こえてきたが、まだ希望はある!!

 

諦めちゃダメだっ!ここにいないってことは、岩下さんや菊入さん、そして、美波がお風呂に入っているはず!覗く価値は充分にあるっ!

 

「岩下……確かに巨乳だしまだ見てないから覗ける可能性はある!!」

 

「そういえば、竹内先生も見てないな……まさか!?」

 

僕の言葉に、さっきまで目が死んでたBクラスの二人が、だんだん活性化しているのが見えた。僕達はここまで多くの犠牲で来たのだから諦めない!!

 

「明久。なぜここまで圧倒的に不利な状況にありながら諦めないのじゃ?お主は観察処分者じゃ。痛みのフィードバックもある」

 

「確かに最初は写真を取り戻すつもりだった。真犯人を捕まえて、覗きの疑いを晴らすつもりだった。……でも、こうして仲間が増えて、その仲間たちを失いながらも前に進んで、初めて僕は気がついたんだ」

 

「お主……まさか……」

 

秀吉がなにか気づいたようだけど、僕のいまの気持ちは本当に偽りのない気持ちを叫びたくって仕方がなかった

 

「たとえ……たとえ!!!許されない行為であろうとも、自分の気持ちは偽れない!!正直に言おう。今、僕は──純粋に欲望の為に女子風呂を覗きたいっ!

 

お主はどこまでバカなんじゃ!?

 

「吉井君……其はここでお仕置きしてくださいといってるのかしら?」

 

「明久君。そこまでして私じゃなくて美波ちゃんのお風呂を覗きたいんですね……!もう許しません!覗きは犯罪なんですからねっ!」

 

「世間のルールなんて関係ない!誰にどう思われようと、僕は僕の気持ちに正直に生きる!

 

そう!世間のルールは関係なく、正直に僕は生きていく上にこの気持ちの偽りはないのだから!!!

 

「よく言った!!Fクラスの吉井君!」

 

「だ、誰ですかっ!」

 

「この声は……!?」

 

突如聞こえた声に気勢を削がれた形になり、召喚獣の動きを止めて声の主を捜す姫路さんと警戒を露にする木下さん

 

「久保君っ!来てくれたんだね!」

 

「到着が遅れてしまってすまない。踏ん切りがつかず、準備しながらもずっと迷っていたんだが……さっきの君の言葉を聞いて決心がついたよ」

 

「久保君、貴方は邪魔をするつもり!?」

 

「木下さん……、そうだよ。此が僕たちAクラス男子の総意だ!!今この時より、Aクラス男子総勢二四名が吉井明久の覗きに力を貸そう!クラスの皆、聞こえているな?全員召喚を開始して吉井明久を援護するんだ!

 

「「「おぉぉ!試獣召喚!(サモン!)」」」

 

な、何て心強い援軍なんだ!!これなら本当に僕たちの真の目的が達成できるのだから!!

 

「ありがとう、久保君!」

 

「いや、感謝するのは僕のほうだよ。そうさ、君が言ったとおり、自分の気持ちには嘘をつけない。世間には許されない想いであろうとも、好きなものは好きなんだ……!」

 

何故だろう……彼は純粋にいっているのに、僕の背筋に急に寒気が感じたのは気のせいと感じたいのだけど……

 

「雄二!」

 

「わかっている!明久、ムッツリーニ!階段へ向かって走れっ!」

 

援軍に驚いている霧島さんを抜いて、雄二が高橋先生の前に走り出た 。やっぱりそう簡単にと押してくれるとは思っていなかったよ!!

 

「まさか、Aクラスの皆まで協力するとは思いませんでしたが、問題はありません。ここは誰であろうと通しませんから──試獣召喚(サモン)

 

「はっ、男ってのは獣の生き物なんですよ!高橋女史!悪いがここは通らせてもらうぜ!行くぞ……起動(アウェイクン)

 

雄二の掛け声を受け、白金の腕輪が起動する。雄二の腕輪の能力は、召喚フィールドの作成をすることだから……

 

「干渉ですか……!やってくれましたね坂本君……!」

 

「行け明久っ!鉄人を倒して、俺達を理想郷(アガルタ)に導いてくれ!」

 

「もうここまで来たら行くのじゃ!!姉上はワシが相手じゃ!!」

 

「く……!吉井君と土屋君は逃がしましたが、あなたたちまで通しません!」

 

「お仕置きよ、秀吉!」

 

秀吉と雄二が僕たちに先へといかすと、高橋女史はこれ以上通さないと言わんばかりにそして、秀吉のお姉さんは怒りながら秀吉と対峙した……

 

皆の思いを背負って必ずあそこへ……!




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鉄人対馬鹿

吉井side

雄二達と別れて僕達はもう少しで、目的地に着こうとしていると、保健体育の担当教師の大島先生と工藤さんが待ち構えていた

 

「君達ならここに来ると信じていたよ」

 

「っ!」

 

「工藤さんに大島先生……!ムッツリーニ、協力するよ!」

 

「……いや、明久は行け……作戦の変更なしで、ここは俺が引き受ける」

 

僕が協力すると言うとムッツリーニは、その提案を拒否していた。だけど、あの二人相手ではいくらムッツリーニでも……

 

「俺たち二人相手に一人で挑むとは……」

 

「へぇ……まぁその勇気を免じて吉井くんだけは通してあげるよ。最も、私たちがやられてしまったとしても……あの先生がいるからね」

 

工藤さんの言葉に僕は冷や汗をかいていた。あの先生と言うのは血も涙もない生徒指導鉄人の事だと……

 

「明久……」

 

「ムッツリーニ……」

 

「………必ず約束の場所へ……行く」

 

ムッツリーニのまっすぐな眼差しとその言葉を聞いた僕は、ムッツリーニを信じてその廊下を駆け抜けた

 

「必ず待っているからね!」

 

僕が見た最後のムッツリーニは………誰よりも満足そうに笑い、僕を見送ってくれた。みんなは僕を信じて送ってくれたのならば……僕が期待を答える番じゃないか!待っていろ、鉄人!!

 

 

桂side

俺と鉄人は、腕を組ながら明久達が来るのを待っていた。鉄人は、吉井明久という男を過小評価はしていない……

 

「桂、やつは間違いなくここに来るだろう」

 

「そうだな。俺としては、来ることは確かだろうが……とんでもないことをしてこないか心配だな」

 

「ほう?という?」

 

女装してここに来るとか

 

「……桂、一応やつは男だからそれはしないはずだ。たとえ、覗きを考えていたとしても、さすがにそれはない」

 

そう話しているとこちらに走ってくる音が聞こえたので、鉄人と俺はそちらに目を向けるとやはり奴が来た

 

「やはり来たか……吉井!」

 

「そこまでして、覗きをしたいとは……男として、止めなければならないな」

 

「鉄人に……ヅラ?!やはり裏切ったのだね!?」

 

「ヅラではない、桂だ!!天誅!!

 

俺は明久に足止めするように爆弾を投げると、明久は後ろへと下がって自身の相棒を呼び寄せた

 

「くっ、試獣召喚(サモン)!!」

 

俺の爆弾攻撃を回避すると同時に、明久は後ろに着地すると共に試獣召喚(サモン)をして、構えていた

 

「そもそも、俺は覗くのを辞めておけといっていたのに貴様達は……!」

 

「ヅラは興味ないの!?女の子の体を見れるのだよ!」

 

「俺は、覗きなんぞしている場合か!俺のこの頭の怪我の原因を判明する方が第一優先に決まっている!!貴様が、モテなく女装しても俺の知ったことではない!!」

 

「うるさい!!あと、女装なんて好きでした覚えなんてない!!」

 

「ぬぉ!?召喚出来ない俺に攻撃とは貴様!?」

 

明久が俺の言葉に怒りながら木刀を振るうが、なんとか回避しながらクレームをいった。だが、明久はそんなの関係ないといわんばかりにこちらを見ていた

 

「そうか!そういえば、ヅラはよく考えたら……人妻でのNT……」

 

命の選別(姫路の最強料理)を今すぐに用意するぞ」

 

「ごめんなさい!」

 

「桂……その言葉はなんだ?この俺が生まれてはじめて恐ろしいと感じるのだが……?」

 

「鉄人が気にすることではない。それよりも明久がこちらに走っているぞ」

 

「何!?」

 

「覚悟ーー!!」

 

明久が自身の相棒の召喚獣で木刀を巧みに操りながら鉄人の腕や頭等を狙って攻撃していたがやはり筋肉の固まりの体だからビクリともしない

 

「く、固い!!」

 

「甘い!!吉井!!貴様は、バカだが行動力はある!!なのに何故覗きに走る!?何故犯罪に走る!?停学が怖くないのか!?」

 

「停学?何をいっているのですか!全員で覗けば特定なんて不可能ですよ!!」

 

「確かに、全員で覗けばそうかもしれんな。だが、貴様を捕まえて調べればいいだけの話だ!」

 

鉄人はそう話ながら、明久の召喚獣を殴り飛ばすと明久もフィールドバックの痛みを受けていた

 

「く、ここまで来て諦めるなんて……」

 

「まずは貴様から捕まえる!!」

 

「諦めるなんて、そんな選択はない!!!いくぞ、二重召喚(ダブル)!!」

 

「「何!?」」

 

俺は驚き、鉄人はダブル攻撃を食らうと後ろの方へと下がりながら忌々しそうに言っていた

 

「吉井、貴様ぁ……!しかも、それは……」

 

「あの例の大会の優勝商品の白金の腕輪か」

 

「いくぞ鉄人!勝負はこれからだ!!」

 

二対の召喚獣に構えを取らせ、挟み込むように移動させると、主獣は右から、副獣は左からそれぞれ刀を取り出した

 

「はあぁぁ!!」

 

「ぬぅ!」 

 

逆方向から繰り出される攻撃に対処ができず、鉄人の体制が崩れる。すかさず2体同時にローキックを放つが、鉄人の太い丸太のような足で受け止められた

 

「かたっ!?」

 

「おぉぉお!!!」

 

鉄人は拳を振り下ろそうとすると、明久のもう一体の召喚獣が鉄人の拳を弾いた

 

「ぬぅ!白金の腕輪とは学園長も厄介なのを……」

 

「まだまだ!!!はぁぁあぁぁ!」

 

「ぬぅ!!」

 

明久は操りながら鳩尾や頭部といった最低限の急所を打ち込んだはずなのだが、鉄人は全く答えている様子はなかった

 

「これだけ攻撃してるのに、全然ダメージを与えられない……!!」

 

「ふはは!どうした吉井?焦りが顔に出ているぞ!」

 

「くっ!(主獣と副獣の2体をいっぺんに操作をするとなると2人分の動きを一気に考えなくてはならない。つまり、一つの脳でそれを一気に処理するなんていつまでも続けられない)」

 

「動きが鈍っているぞ、吉井!オラァアァア!」 

 

「しまっ……くぅっ!」 

 

「見事に今の攻撃を受けたな…」

 

「ぐ、ふぅ……!」 

 

明久の体は鉄人の攻撃が鳩尾にぶちあげるように攻撃を受けた。そんな明久は鈍い痛みが走ったのか、廊下に背中から倒れ込んでしまった

 

「ここまでだな、吉井。所詮、下心のための集中力なんてそんなものだ」

 

「集中……集中!?」

 

「ぬ、まだ立つか……」

 

「見えたのさ……あんたに勝つ方法がね!!」

 

明久は、何か閃いたのかよろよろとしながらも確かな目で鉄人を見ていた。一体何を閃いたのか……こちらも警戒しとこうではないか……




ここまで読んでいただきありがとうございます!次回もよろしくお願いいたします!


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股間と真犯人

俺は鉄人の後ろで、明久の戦いを見ていたが……二重召喚した所までは、よかったが……鉄人相手には、なかなか決め手が欠けていた上にあれは恐らく集中の持続が難しいのだろう

 

「ここまでだな、吉井。所詮、下心のための集中力なんてそんなものだ」

 

鉄人が、ゆっくりと明久に歩みよりながら、もう勝負ついたといわんばかりに、歩いていた。だが、そんな明久は急に何か思い付いたかのようによろけながら立ち上がっていた

 

「集中……集中!?」

 

「ぬ、まだ立つか……」

 

「ふふ、見えたのさ……()()()()()()()()がね!!」

 

明久は、何か閃いたのかよろよろとしながらも確かな目で鉄人を見ていた。一体何を閃いたのか……俺達は怪訝に見ていた

 

「明久、集中するとは一体どういう事だ?」

 

「ふふ、それはね……鉄人が()()()与えてくれたお陰さ」

 

「「何?」」

 

今の会話で、どこに鉄人のヒントが与えていたのだ??俺は全くわからず、鉄人の方を見ると考えていた

 

「決めたんだ……これから全ての攻撃を!それに、どんなに固い筋肉の鎧でも必ず弱い部分があると僕は気づいたのさ!」

 

「ほう?それは、どこだというのだ?」

 

「ふふ……日頃の恨みを込めて……!!――鉄人。あんたの股間に、集中させる!」 

 

「明久!?貴様は、なんて恐ろしいことを考えている!?!」

 

「貴様、よりにもよって、恐ろしいことを考えたな!?!」

 

「ふはは!いくら鍛えてもそこは弱いというのは男全員が共通だよね!」

 

た、たしかに奴のいう通り……鍛えても鍛えてもそこは、どんだけ頑張っても弱いが……だからと言って狙うのか!?

 

「鉄人の次はヅラ!!!君の股間を狙う!!」

 

「貴様は、血も涙もないのか!?鉄人、頼む!俺達の股間を守るために!」

 

「鉄人というなぁぁ!!らぁああ!」

 

鉄人はお叫びをあげながら、明久に攻撃を仕掛けていた。どうやら、待っていては股間を狙われる可能性があるのなら、戦って仕留めるという選択にしたみたいだ

 

「おぉぉぉ!」

 

明久は、今まで以上のスピードで召喚獣を使い、急所に狙いをつける。股間を目掛けて振り上げられる木刀を、必死に当てまいとして鉄人は両手でかばい、召喚獣も迎撃しようと正面に構える

 

「ぐぅう!」

 

「あ、あの鉄人が必死になっているだと……!?」

 

「今だ!」

 

「しまっ……「なんて、ウソですよ」……な!?」

 

鉄人が注意が下に向いたとき、明久の陰に隠れていたもう一匹の召喚獣が鉄人の太い首筋をたたいた

 

「グぅ……っ!よ、吉井、貴様……!」  

 

どさりと重い音を立て鉄人はゆっくりと床に倒れ伏した。その後はピクリとも動かず倒したの確認して……

 

「て、鉄人が負けただと!?」

 

「さぁ、次は………ヅラ!!!君だ!!」

 

「く!一人の武士として……桂大河としてお前を倒す!」

 

「やれるものなら!!っ!?」

 

明久が突然回避して俺は何事だと思うと全身に体が痺れるように電流が走っていた

 

あばばばばばばばば!?!

 

ヅラァァァ!?!!!!

 

「ヅラ……ではない……か……つ……ら……だ」

 

俺は、そういいながら仰向けへと倒れて目を回していた。意識が闇の方へと持っていかれながら最後に見た景色は……岩下が慌ててこちらに向かっていたことだ……

 

 

明久side

鉄人を倒して、僕は残りの相手がヅラだというので勝てる見込みはあるので、僕はヅラの方に見据えてはっきりといった

 

「て、鉄人が負けただと!?」

 

「さぁ、次は………ヅラ!!!君だ!!」

 

「く!武士として……桂大河としてお前を倒す!」

 

「やれるものなら!!っ!?」

 

ヅラを倒せば、ついに桃源郷が目の前に……早く倒してこの楽しみを味わいた……!? 

 

「(何かヤバイ!!)」

 

本能で屈み攻撃をよけるとそこからバチバチと音を立てながら通過するものを目で確認できた直後にそれはヅラに当たった

 

あばばばばばばばば!?!

 

ヅラァァァ!?!!!!

 

「ヅラ……ではない……か……つ……ら……だ」

 

ヅラが丁寧に、突っ込みながらも電流がかなりキツかったのか意識失ってしまった。ヅラに攻撃した相手を見ると僕は驚いてしまった

 

「一体誰が……!?き、君は!?」

 

「お姉様の操は渡しません!」 

 

「Dクラスの清水さん!」

 

「豚野郎に当てるつもりが、こいつに当たりましたか……こいつも()()ですね」

 

清水さんの同情と言わんばかりの目線と「不運ですね」という言葉に僕は疑問を持ち思わず聞いてしまった

 

「不運ですねって……どういうこと?」

 

「初日に私が急いでるときに、この豚とぶつかってこの豚野郎は階段から、転げ落ちて血まみれになっていたのですよ」

 

「じゃあ、ヅラのあの血まみれの犯人は君か!?」

 

そこにいた豚野郎が悪いです!それよりも、お姉さまの神聖なペッタンコを覗き見しようとするような輩は、神が許しても、この美春が許しませんわ!昨夜からお姉さまが元気が無いのも美春に振り向いてくれないのも、全てあなたのせいです!死んで美春に詫びてください」

 

死んで詫びるって、なんて最低なことをいう女の子だ!!自分のした罪を認めないつもりか!!そう考えてると、清水さんはこちらに向かってスタンガン攻撃してきた

 

「よっ!ほっ!」

 

「あぁもう!何で当たらないのですか!」

 

「清水さんがスタンガンを振り回す攻撃は、鉄人の動きに比べる清水さんの攻撃はぬるいよ。この程度をよけることなんて造作もない!」

 

「そのどや顔、むかつきますね!言う事を聞かないとあなたの汚らわしいあの写真を全世界に公表します!」

 

清水さんがそう言いながら取り出したのは…僕のメイド写真!? 

 

「まさか清水さんは僕のことが好きだとか?」 

 

「吐き気がします!あなたに惚れる何て言うのもあり得ませんし、貴方の事を惚れる女がいるなんて絶対に……絶対にいません!!!」 

 

「(少し傷ついたよ……)でも、なんでそんなものを持っているの?」 

 

「本来は、お姉さまのチャイナ服姿をとろうと思ったらちょうどいい脅迫ネタが出来たから撮影したまでです。男なんかに興味ありません!持ちたくもありません!!!」 

 

「もしかして、清水さん。お尻にやけどの跡があったりする?」 

 

「な、なんでそんなこと知っているんですか!?まさか盗聴や覗きをやっていますね!」

 

図星……しかも、ヅラの頭の血まみれ+僕たちを脅迫していたのは彼女だったのだね……

 

「ねぇ、もしかして美波の私物に変なものはないよね?どう考えても、君が美波を追いかけているとはいえ、明らかにおかしいよ?」 

 

「何言うのですか!?美春はお姉さまの行動を観察するために盗聴器を仕込んで……「へぇ……そういうことね」……っ!?」

 

僕が、何か言おうとすると後ろからドスの低い声が聞こえた。初めは美波かなと思ったけど、この声は明らかに違う……美波が怒るときよりも……本気で怖いやつだ……

 

「よくもまぁ……たくさんの人を振り回してくれたわね……。それよりも、桂の血まみれも犯人がそこにいたなんてね……」

 

「い、岩下さん……?」

 

今の岩下さんは、明らかにキレている上に許せないと言わんばかりに清水さんを睨んでいた。今僕が余計な事をしたら、僕は殺されるかも知らない……

 

「桂が、何で倒れてるのかは気になるところだけど……あんたが仕掛けた盗撮はすべて破壊したわ」

 

「な!?女湯で仕掛けていたカメラやお姉さまの隠しとっていたものを破壊したのですか!?」

 

「やっぱり、あんたね……随分とふざけたことをしてくれたじゃない?」

 

「く、ついにばれてしまった!全て悪いのは!!この豚野郎のせいでぇぇ!

 

清水さんが僕の方に飛んできたが、岩下さんが清水さんの手首を捻りあげて彼女が持つスタンガンを没収して…

 

「ふん!」

 

「うっ……」

 

岩下さんが、清水さんの首にストンと当てると、彼女はおとなしく気絶した……。気絶した清水さんを抱き抱えながら、僕の方に話しかけた

 

「さて、本当なら貴方を止めたいと言いたいところだけど、桂を保健室につれていかないとね」

 

「へ?いいの?」

 

「えぇ。今は桂の怪我の方が第一優先よ。それに……地獄を見ても知らないわよ……」

 

岩下さんが清水さんを背負って、ヅラには足首をつかみながらどこかへとつれていった……でも、地獄を見てもってどういうことだろう?

 

「明久!!」 

 

「みんな!!」

 

1階で手伝っていてくれたA,Bクラス、2階にいたC,Dクラス、3階のEクラスまでもが喜んでくれている。そして須川君や横溝君や雄二にムッツリーニも迎えてくれた。

 

「さあ、みんな行くよ!」 

 

「「「おう!」」」

 

「皆!これだけの人数がいれば、人物の特定も出来ないし、邪魔も排除できる!停学や退学の処分もないから思う存分楽しんでくれ!」

 

「「「おー!」」」

 

これだけの人数がいれば誰が参加しているかなんて覚えきれるわけがない。つまり処分は一切ないってわけ!!

 

「全員、心して見ろ!これが俺たちの勝ち取った栄光だ!」

 

そして、雄二が女子風呂の扉を開くとそこに見た光景は……

 

張りのある肌

 

しなやかな肢体

 

腰まで延びる長い白髪

 

「な、なんだいアンタたちは!?雁首揃えて老人の裸見に来たのかい!?」

 

そんな、学園長の艶姿だった

 

「わ………」

 

「「「「割に合わねぇ!!!」」」」

 

僕らの努力と夢の光景は学園長によってとどめされてた……




ここまで読んでいただきありがとうございます!
いよいよ、合宿編も終わりが近づきましたが、その間に何を書こうかまだ決めていません。
ですが、これからも宜しくお願いいたします!


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激怒する女と震える女

目を覚ますと、岩下が修羅のような顔で清水美春を見ていた。そして、その清水美春が震えながら正座していた

 

「どういう状況だ?」

 

「あ、桂……目を覚ましたのね?実は、今回の真犯人はこの子だったみたいなの」

 

「やはりか……」

 

「やはりって気づいていたのね?」

 

「あぁ、島田に対してだけ、行動が異常に早い上に……」

 

俺は、懐に隠していたあるものを取り出していた。清水は最初は怪訝にこちらを見てたが、その取り出したのを見て目を見開いていた

 

「そ、それは!?」

 

「小型録音機だ。合宿の二日目にA○zonで、取り寄せたのだ」

 

「いや、それは都合よすぎない!?!そもそも、注文してもそんな、すぐに来ないからね?!!」

 

岩下が、ごもっともな事を言っているが、そんなのは、こっちは関係ない話な上に、今は、清水を追い込む事ができる手段のひとつがきたのだからな

 

『何言うのですか!?美春はお姉さまの行動を観察するために盗聴器を仕込んで』

 

「っ!?そ、それは………」

 

「俺が、なにも証拠とらないとでも思ったか??それに、お前には、さんざんと合宿の初日から振り回してくれたお礼だ……たっぷりやり返させてもらおう」

 

「そんなことをした覚えは、こちらはありません!!」

 

「ほう……」

 

それを聞いた後に、スイッチを再び押すと、その音声が流れて、清水美春が真っ青になり始めた。

 

『不運ですねってどういうこと?」

 

『初日に私が急いでるときに、この豚とぶつかってこの豚野郎は階段から転げ落ちて血まみれになっていたのですよ』

 

『じゃあ、ヅラのあの血まみれの犯人は君か!?』

 

『そこにいた豚野郎が悪いです!それよりも、お姉さまの神聖なペッタンコを覗き見しようとするような輩は、神が許してもこの美春が許しませんわ!昨夜からお姉さまが元気が無いのも美春に振り向いてくれないのも全てあなたのせいです!死んで美春に詫びてください』

 

「俺は血まみれになってから、犯人が何者かずっと考えていた。しかし、確実に証拠をとるためにはやはり言質がいるよな?そこで、俺はお前に気絶させられる前から録音していた。その結果、このような言質が手に入ったからな」

 

「く、やはり男は卑怯ものですね……!」

 

「卑怯……ね。ふざけるんじゃないよ

 

俺が清水に言うと、清水は吐くように俺をにらんで言うが、その言葉に怒りを買ってしまった人物がいた

 

「い、岩下?」

 

「桂は少し黙ってなさい。さて、清水美春……この件は西村先生とあなたの両親、そして、美波に報告するわ」

 

「なっ!?そんなの汚いです!脅迫ですよ!」

 

「ふざけないで。桂を血まみれにしたのも反省してない上に、この期に及んでまだ人のせいにするなんて…自分が行った行為に責任をもてないのなら、はじめからそんなふざけたことをするんじゃないよ!

 

「っ!?」

 

「反論あっても許さないよ。あなたがしたことは、それだけ重いことよ。それに、桂が()()()()()()()()()良かったけど、()()()()()()()()ら……どうなっていたのでしょうね?」

 

「あっ……」

 

岩下に言われて清水もなにか気づいて真っ青にしていたが、もう遅い。それだけ自分のしたことが本来危ないことだと言うのとに気づいたのだろう

 

「観念しなさい。言っておくけど、今回はそう簡単に許せることではないのよ」

 

岩下の言葉ともに、清水はうなだれていたが、同情はしない。なにせ、ここまで俺も振り回されたのだからな……。その後、清水は、俺の遠い親戚の先生の手によって連行された。菊入は、今回は暗躍で色々動いてくれた上に、先生もよんでくれたので手間が省けた

 

「今回は色々と助かった。本当にありがとう」

 

「礼を言わないでいいわよ。私も真由美もそうしたいと思ったからしたまでよ」

 

清水が教師に連れていかれた後、俺たちは二人きりで誰もいないのを確認すると、岩下が一息ついていた

 

「はぁ、今回は本当に焦ったわ。あんたが血まみれになっていたのは……真由美も私もパニックになった上に、リアル名○偵コ○ンの世界が起きたの!?って、私たちは動揺したわ」

 

「それに関してはすまん。竹内先生にも怒られたからな。後、コ○ンではない、桂だ」

 

「だれもそう言っていないわよ。そういえば、現国の先生とは遠い血縁関係だったのよね?」

 

「あぁ。とは言っても、それを知ったのは高校入ってからだがな。はい、コーヒーだ」 

 

「ありがとう。……桂はどうするの?」

 

「そうだな……恐らく、合宿を終えると同時に男子は俺を除く全員が処分されるだろうな。それも可能性としては停学処分されるだろうな」

 

俺が、考えられる事を話すと岩下も否定することなく頷いていた。何せ、停学になる理由を言えるのは先ほど明久達が来る前に女湯にいく人物を見てしまったのだからな

 

「確かに、そうと決めて行動を起こすのは大したものだな」

 

「えぇ、はっきり言ってもこちらの戦力は瑞希、翔子、優子、愛子……これだけでも各科目のスペシャリスト達が女子多かったのに負けると思わなかったわ」

 

「奴等はバカだが、時には恐ろしいくらいの行動と力を引き出すからな……。元を遡れば、明久も坂本も清水や女子の誤解でひどい目に遭った被害者だけど、まぁ……」

 

『『『『『割にあわねぇーー!!!』』』』』

 

「「だからといって、覗きをして良いと言う理由にはならないけど(ね)」」

 

離れたお風呂場からバカどもの叫びが聞こえるが、それは自業自得だ……。何にしても今回は俺は処分食らわないだろうな……

 

「あ、桂は病院に行って安静しときなさいよ」

 

「なぜ入院前提!?!」

 

バカ、普通に大ケガよ……とりあえずは、行きなさい」

 

「むぅ……仕方あるまい」

 

岩下に呆れられたが、この程度はかすり傷なのだがな………。まぁ、とりあえずは、おとなしく病院はいくとするか……

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!次回もよろしくお願いいたします!


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停学編
合宿後の……


文月学園の合宿を終えて、俺を除く明久達は停学処分を食らっていた。俺としては、始まりは清水の脅迫からなのに、なぜ、こんなことになったのか本当に情けなく思う……

 

「まさか、あやつらは本当に女湯を覗くとは……しかも、二年生で男で登校してるのは俺だけとは…悲しすぎる……」

 

悲しみの雰囲気を漂いながら、登校してる男子が俺だけという事実に悲しくて仕方がないと思いながら、学校に登校していた

 

「おはようございます、桂君!」

 

「おはよう、桂!」

 

「おはよう。今日は一人で登校なのね…しかもすごく悲しそうに歩いてるわね」

 

「仕方がないわよ。まともに覗かない上に止めたのは桂だけだったからね……あと、頭の傷はまだ包帯を巻いてるのね」

 

俺に挨拶してきたのは、姫路と島田とBクラスで今回の男女攻防戦で協力してくれた菊入と俺の頭の傷を心配してきた岩下だった

 

「おはよう……」

 

「そういえば、桂。男子以外に処分を食らっている人がいると聞いたのだけどなにか知っている?」

 

「あー、それなら私達が話すわ。簡単に言うと、今回の盗撮事件と桂君の怪我させた真犯人は、Dクラスの清水美春さんよ」

 

清水が盗撮事件の犯人であり、俺の頭の怪我の原因だとわかると二人とも驚いていたのだった。まぁ、盗撮しているのが男子という限定で女子は考えていたからこれは驚くのだろうな

 

「美春!?どういうこと?」

 

「ほら、合宿の時に美波が行動を起こす時に必ず清水さんが動いていたでしょ?それもまるで動きをわかっていたかのように……」

 

「そういえば、そうですね……」

 

「で、桂と私と真由美の三人で今回の真犯人を探したところ彼女が犯人だったわけ。だからいったでしょ?仮に真犯人が吉井くん達ではなかったら凄く後悔するってさ」

 

岩下がそう話すと二人とも気まずそうに、目をそらしていた。因みにこの件は、清水は別件で処分を下されているのだった

 

「え、じゃあ美春も停学処分?」

 

「まさか、停学処分なんて()()()()()をするわけないでしょ?西村先生と一対一の補習授業+現国の竹内先生の課題を終わらせないと帰れないようにしてるの」

 

「「え?」」

 

その岩下の言葉に二人とも固まっていたが、これをした訳はきちんとある上に清水のためでもあるのだからな

 

「これは、学園長と西村先生と竹内先生の決定よ。男が女湯を覗いたのは事実だから公表してるけど……清水さんの件は公表しないで、温情を取ったのよ。この公表しない提案したのは竹内先生で、清水さんが孤立しないようにするための方法よ」

 

「まぁ、桂が被害届を出さなかったのと……処分を食らうよりもきつい罰を与えられたわけからね。あ、親にはこの件ばれたみたいで……」

 

「つまり、親の許可は出ているのだが、清水は鉄人のともによる死の学校合宿をすることになったみたいだ。清水の寝処は竹内先生の家提供してるそうだ」

 

「うわー、きつそうだけど同情はできないね……あの子のためを思うならいい機会かもね」

 

「あ、じゃあ……私達は明久君にひどい誤解を?」

 

「あー、気にするな。優子っちや霧島にもこの件は誤解だったというのを話した上で、覗いたという事実はあるわけだから、()()()()()()()()といったぞ……俺は今も肩身が狭いがな」

 

そういうと皆は苦笑いしていた。何が悲しくって、あやつらの尻拭いをしないといけない。問題を起こしたあいつらがきちんと説明したらいいのに……

 

「……はっ!?俺はよく考えたらこの状況は非常に不味いのでは!?」

 

「「「「?」」」」

 

そう、俺が一人だけ停学処分を免れていると言うことはつまり、あのFFF団が騒ぐ可能性が高いと言うことか……くっ、休み明けまでにやつらに返り討ちの用意をしとかないといけないな

 

「まぁ、それよりも桂は、結局は頭の傷は、包帯を巻いたままなのね」

 

「そういえば…そこ今さらですが、頭の傷は大丈夫なのですか?」

 

「それに関しては問題ない。問題ないのだが………」

 

岩下は呆れながらも心配そうに聞いてきた。この程度は問題ないが少し言いにくいことがあると思い出して、姫路の言葉を濁していた

 

「なにか不味いことがあったの?」

 

「………あのな、真面目な話……二年の男子だけ俺が学校に登校すると言うことは色々な意味で辛いのだが………」

 

「あ、そういうことね……」

 

俺の言葉に菊入がなにか気づいたのか、少しだけ同情していた。すると、岩下もなにかに気づいたのか同情していた

 

「桂が言いたいのは、風当たりの心配よね」

 

「「風当たり??」」

 

「美波達は気づいていないかもしれないけど、今の二年生の男子の風当たりは恐らく……最悪よ

 

「その上に、男子は覗きをしたと言うわけなのだから、女子はいい目で見れないわけよ」

 

「「あっ………」」

 

岩下と菊入の言葉に納得した二人は、納得すると共に、ものすごい同情していた。えぇい……こうなるのだったら無理矢理でも入院させてくれるように頼むべきだったか……

 

「ま、まぁ!何かあったら、うちらがカバーするから!!」

 

「そ、そうですよ!」

 

「…そういってくれるのはありがたいが……そもそも、合宿の初日に人の話を聞かないで、お仕置きした二人なのに、カバーできるのか?

 

「「はう!?」」

 

「桂……あんた……ひょっとしてキレている?」

 

「切れてはいない。だが、一応いっておかないと俺の気がすまないと思ってな……」

 

「あーね………」

 

俺の言葉に姫路と島田はダメージを負っていて、岩下は呆れるように言って菊入は苦笑いしていた

 

「さて、そろそろ別れないとな。またな」

 

「そうね、律子達…またあとでね」

 

「はいですぅ……」

 

俺達はBクラスとかなり離れているので、別のクラスへと向かっていった。とりあえずは、あの馬鹿どもがおとなしくしているかは気になるが合宿の遅れを取り戻さねばな………

 

「とりあえずは、処分が終えるまでは宜しく頼む」

 

「はい!宜しくです!」

 

「そうね、宜しく!」

 

この三人で頑張るとするか……

 

【処分通知】 

 

文月学園第二学年男子生徒は、1名を除く148名は一週間の停学処分とする

 

 

~とある生徒の反省文より抜粋~

 

ついムラっときてやった。 

 

今は心の底から後悔している

 

 

 

 

二ーD 清水美春様

今回の合宿の件及び私生活で問題のある行動を行ったため、生徒指導西村先生のもとで一週間合宿をしてもらいます。

寝処はこちらが用意しますが、今回の件は母親から許可がもらいましたので、合宿を実施します

 

この紙を見たとある女生徒は絶叫をしていたが、それはまた別の話……




ここまで読んでいただきありがとうございます!
ストックも使いきって、当分は毎日登校はないです。
また、次の話は決めていませんがひょっとしたらこういう話を書いてほしいとか参考程度に聞き増すかもしれません。
ひとまずお休みいただきます。
これからも宜しくお願いいたします


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友がいないと寂しい1日

オリジナルとなると、なかなか作るの難しいですね……なんとか一話できたので、投稿します!


明久達が、停学になって初日の授業は島田と姫路の三人だけで、Fクラスの教室に滞在していた。はっきり言えることは今の二年生の廊下は、男子がいないので女子だらけだということは……俺にとってはきつい

 

「おはようございます、今日から一週間は、私が代役の担任として受け持ちをします。現国の竹内先生です」

 

「え!?私達の代理の担任であった西村先生は、何かあったのですか?」

 

教室にやって来たのは、俺の遠い親戚にあたる現国の竹内先生だった。因みに竹内先生の髪の毛は茶色で、いつも髪の毛を下ろしているのと、きれいな女性だと伝えておこう

 

「はい。西村先生は、男子の停学処分後の対応に追われていて代わりに私が受け持つ事になりました」

 

「あ、理解しました(後処理というと同時に清水の対応も追われているわけか……やれやれ、こうなっては、ますますあやつらは復帰直後に鉄人の怒り買うだろうな)」

 

「そういうわけなので、よろしくね。因みに、二年生の男子は桂君のみしかいないけど……大丈夫?」

 

()()()()()()では問題ないです。しかし………仮に召喚獣戦争しかけられたら厳しいのですが……」

 

「あ、それは問題ないわ。学園長命令で、停学処分とともに、一週間は召喚獣戦争禁止されているからね」

 

なるほど……まぁ、あれだけの騒ぎをしていたらそういう処置されてもおかしくはないか……。これで戦争を仕掛けられるという心配はなくなったな……

 

「さて!とりあえずは、停学が開けるまではこの4人で勉強をするからよろしくね」

 

「「「はい!」」」

 

竹内先生が手を叩きながら、俺達に注目するように声かけてくれた。俺達も、この一週間にできることはいつも通りに勉強をすることだけだと思い、しっかりと返事した

 

「ーである。だから……」

 

一時間目は竹内先生の受け持つ現国の授業で俺達はある話を聞きながら、先生の質問を答えていた

 

「この主人公は、恋に鈍感であるから、そこから周囲の人が考えられるのはどういう気持ちだと思いますか?」

 

「えっと……やきもちするとかでしょうか?」

 

「ウチはどうして気づいてくれないのよ!!という気持ちになるかと思います」

 

「男性側から見たら、鈍感な主人公を見ると…異端者として裁かれるって、くぼぉ!?

 

姫路と島田の回答に続いて、俺は日常生活を置き換えてそういう気持ちだと答えると、竹内先生は軽く教科書で俺の頭に叩いてきた

 

「はい、姫路さんと島田さんはいい目線ね。桂君は、少しFクラスに染まりすぎてるというか過激すぎるから間違いな上に話がずれているわよ」

 

「す、すいません………」

 

「す、すごい。桂君がおとなしく土下座してます……」

 

「それも、きれいな土下座……」

 

俺の土下座を見た姫路と島田は、恐れているが遠い親戚でもある竹内先生に逆らえと言うのご無理な話だ。あと、竹内先生はいい笑顔で俺の頭に教科書を叩いていたが痛かった……

 

「当たり前だ。竹内先生は剣道も空手、柔道有段者だ……逆らえるわけがない」

 

「「そうなの!?」」

 

「※ピンボンパンボン♪竹内先生のその設定は、作者の思い付きなので公式発表ではどうなっているかはわかりません!」

 

「いや、桂君は一体、誰に向かって大きい声でいっているの……そして、何でその効果音みたいな話し方はいるの?」

 

いや、この事は一応誤解のないように伝えているし……それに、俺の頭は正常ですし、本日の日にちや昨日食べたご飯は蕎麦だったのを覚えてるぞ

 

「まぁ、いいわ……。とりあえずは、この女性側からしたら、もっと振り向いてほしいという気持ちが現れているのよ」

 

俺の言葉に呆れながらも、問題の解説をし始めていた。確かに、この『何で私をみてくれないの?』とか『貴方の彼女になるのはこの私……浮気は許さない』とか……あれ、これ坂本と霧島の関係みたいに見えるのだがなぁ…

 

「女性からしたら、そういう気持ちなのだけど、男性は、束縛されるのは凄く嫌っているからいつも逃げているのよ」

 

「これ、坂本君と霧島さんの感じみたいですね」

 

「あら、そうなの?そういえば、この間霧島さんが坂本君に結婚式会場はどこがいい?って迫っていたわね」

 

「坂本のピリオドもそろそろか……」

 

学校の教師にそういうのをみられているのではさすがにあやつも、そろそろ人生の墓場という結婚式をされそうだな。まぁ、もっとも結婚するにはお互いの意思がないと、話にならないがな

 

「っと、話それましたね。では……」

 

そういえば、あの馬鹿どもはおとなしく家にいるのだろうか?あるいは、どこかに遊びに出掛けていないのだろうか?

 

「(まぁ、どこかで様子を見に行くか)先生、一つ質問です」

 

「どうしました?」

 

「今回の件に関して、一つ気になったのですが…学園長は今回の二年生の男子に関してなにか言ってました?」

 

その質問に竹内先生は、凄く気まずげに苦笑いで目をそらしていた。その反応でかなり怒っていたのかと考えていたが……

 

「大きい声では言えませんが……学園長が最近独り言で私はまだまだ行けるねぇっと……」

 

「あっ……」

 

その言葉を聞いてなにを指しているのかわかってしまった。明久達のせいで学園長もなにか開いてしまったのか?!

 

「あら、そろそろ終わりそうね。今日の授業はここまでにしますが……とりあえずは一週間はよろしくね」

 

「「「はい!」」」

 

ひとまずはこの一週間は、俺の胃が保ちますように……いずれは明久達に慰謝料という名の、なにかを買ってもらうようにメモしとくか……

 

一応、この日はなにも起きなかったとだけ伝えておこう

 

 




次回の投稿はいつになるかわかりませんが、よろしくお願いします!!


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二日目と出会い

あのバカどもが停学処分になって、きのうから俺と姫路と島田の三人で授業を参加していた。ある意味、なにも起きない日があるのは久しぶりすぎて、その日の夜は嬉し涙を流していた。さて、そんな二日目は、ある異変が起きた

 

「「「…………」」」

 

休み時間になると、なぜか他の学年の生徒達がわざわざFクラスに覗いてきたのだが、こいつらは暇なのか!?

 

「すまん、少しお手洗いにいく……」

 

トイレにいきたくなった俺は、手荒いにいこうと教室出ていったのだが、何故か野次馬たちは俺のあとをつけてきた

 

「「「……」」」

 

「(なぜ、野次馬が女子ばかりなのだ!?!というか、明かに二年生ではない人ばかりで、一年や三年もいるのだが!?)……あの……」

 

「「「…っ!」」」

 

声をかけようとすると、追跡していた女性たちは一瞬で散らばって消えた。そう、まるで某忍者のようにばれないようににげていた

 

「一気にいなくなってしまったが、俺が何をしたと言うのだ……」

 

嘆きながらトイレをいくと、何故か西村先生もとい鉄人がちょうどトイレいく最中だったのか同じ方向に歩いてきた

 

「桂か。怪我の具合はどうだ?」

 

「ますますだな。バカのせいで、悪化するわ、真犯人のせいで血が悪化するわ……俺にとって合宿は何一つ良い思い出すらなかったぞ………」

 

「うむ……それに関しては同情する。しかし、お前達はなんとも奇妙な関係だな」

 

隣に立ち、奇妙な関係というのは恐らく俺と明久と坂本の三人の関係を指しているのだろうが、確かにはたから見たら奇妙な関係だろう

 

「まぁ、始まりは色々な意味で驚きだったが……俺はそれなりにあいつらの事を信用している。なにかをやってくれる行動も何となく信頼してるさ」

 

「ま、人によって定義は違うかもしれないが、友達は大事にしとくものだぞ」

 

「それもそうですね。それよりも……西村先生は、明久に厳しく接していますが、ひとつ聞きたいことがあります」

 

どうしても、今男子がいないからか俺はこの際に聞いときたいことがあった。鉄人は普段明久に厳しく指導をしているが、心愛間の合宿でも明久の行動に確信をもって待ち構えていたのを俺は思い出した

 

「なんだ?」

 

「なぜ、明久の事を信頼してるのですか?あいつがやらかしてきた事を思えばたまにアウトになりそうな事が多いのですが……」

 

「そうだな……確かにあいつはバカでどうしょもなくバカな奴だが……根は腐ったやつではないし、まっすぐなバカだ」

 

「なぜ三回もバカというのですか?なぜ、三回も?」

 

一応教諭もとい、高校教師の台詞ではない上にこれはダメだろう。いや、明久だからセーフなのか?

 

「まぁ、結論からいうと俺はあいつの事を色々な意味で信頼している。あいつは根が純粋なやつだからこそ、俺が厳しく接しないとダメだ

 

「なるほど……社会の生きていくために?」

 

「そこまでではないがな……まぁ、覗きをしたのは、さすがにバカだがな」

 

その意見に関しては否定しないし、むしろ自業自得な結末だったと思えばこれは、仕方がないと言わざる終えないな

 

「さて、そろそろ戻って()()()を教育的にしないとな」

 

「問題児を……あぁ、納得した」

 

「授業に遅れるなよ」

 

鉄人は、トイレから出ていき俺も手を洗って出ようとすると、先程のあの女性達がまた隠れて俺を追跡していた

 

「(こうもなにも言わずに追跡されると居心地が悪いぞ……)なんとか撒くか」

 

懐に俺の愛用している爆弾があるのを確かめながら、どのタイミングで投げようかと考えていると……

 

フフ、こちらに来た方が安全ですよ

 

離れた方向で声したのでそちらをみると、三年と思われる人がこちらに声かけてきた。ふむ………見たことがあるようなないような……

 

「とりあえずは……退散!

 

「「「!!」」」

 

煙玉を思いきり、地面に投げると煙が散らばってみんなは伏せていたが、その隙を見て俺は全速力に逃げ………

 

「こっちに」

 

声した方向へと向かい、そちらに隠れると先まで追跡していた連中達が通りすぎた……

 

「誰か知らないが、助かった……」

 

「どういたしまして、二年で()()()()()()()を免れた方」

 

「やはりか……」

 

あの追跡も恐らく、二年の男子で唯一の停学処分を免れた人物として注目されていたというわけか……

 

「助けていただいて感謝します。俺は二年Fクラスの桂大河です」

 

「ご丁寧にどうもです。私は三年Aクラスの小暮葵と申します。以後お見知りおきを」

 

「三年Aクラスの小暮葵先輩……」

 

三年Aクラスと言えばあの常夏コンビがいたような気がするが……まぁ、それは今は記憶に捨てておいておこう

 

「なぜ、助けていただいたのですか?」

 

「理由は単純です。貴方に興味を持ちましたからです」

 

「俺に……?お言葉ですが、先輩が思うようなことは俺はなにもしてませんよ?」

 

「言いましたでしょ?二年の世代は色々と面白そうな世代と思い興味を持ちましたの。特に……二年生の男子で停学処分を免れた貴方……にね」

 

「なるほど……ちなみに質問ですが、今回のことで、先輩達の受験に影響は?」

 

「その程度で動揺して受験に響くほど私は問題ありません。日頃から、しっかりと勉強をしていれば自ずと結果は出ますので」

 

なるほど……この人は頭がいい上に冷静な方だな。しかしなぜだろう……高校三年生のはずなのに、岩下とはまた違っていい色気が出ていると思うのは……

 

「ふふ、そろそろ時間ですね」

 

「もう、こんな時間ですか」

 

「えぇ。あぁ、最後に……」

 

小暮葵先輩は思い出したように、こちらを振り替えってなにか言いたそうにみていたが、その顔は笑顔だった

 

「祭りの時のお姫様方を守っていましたでしょ」

 

「!なぜそれを知っているのです?」

 

「学園祭は、三年生も参加してますし……それに不思議に思いませんでしたか?()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「言われてみたら……貴方が根回ししてくれたのか?」

 

「えぇ。もし。揉め事があった…そんな噂をひとつでも出たら貴方達Fクラスは、営業にも響く……さすがにそれは、先輩としても見過ごせませんので。あのときの貴方達がいない間の営業は、休業措置をとるように西村先生に頼みましたの」

 

「本当の理由は?」

 

「もちろん先程の理由もありますが、一番は同じクラスメイトが頑張っている後輩の店の迷惑をかけたので、Fクラスに謝罪をと思いましたが……それはまた別の機会ですね」

 

「それはもう過去の事。むしろ、問題を起こしたのはあやつらであってあなた方には責任はない。それ故、裏で手を回してくれたのは助かった…ありがとうございます」

 

「フフ、どういたしまして。また機会があれば話しましょうね」

 

小暮葵先輩は、微笑みながら出ていき俺も教室に戻ろうとしたが、ひとつ聞いていて不思議に思った。いったいなぜ、明久達とかではなく、俺に興味があったのだ??

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!次回もよろしくお願いします!!


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謝罪

小暮葵先輩の助けのお陰で、なんとかFクラスに戻り授業を受けることができた……。まさか、FFF団よりも厄介と思った日がくるとは……

 

「久々に辛いと思った上に、停学しているあいつらを殴りたいと思う日が来るとは……!」

 

「何やら追跡されていたみたいね……お疲れさま」

 

「あはは……桂君は本当にお疲れさまです」

 

「二人の言葉が優しく感じて本当に涙が出るぞ……!」

 

本当に…本当に何が悲しくって、追跡されないといけないのだ…。たかが、トイレ行くだけの筈なのが、かなりの疲労で教室に戻るとは誰も思わなかっただろうな

 

「昼休みだし、弁当をもって屋上にいく?それとも食堂にいく?」

 

「そうしたいのは山々だが……また追跡されると思うとな」

 

「二年Fクラスの桂大河いる?」

 

島田の提案に憂鬱そうに伝えると、教室の出入り口みるとAクラスの優子っちとBクラスの岩下と菊入とCクラスの小山とDクラスの……たしか、玉野 美紀だったか?それとEクラスの中林宏美?

 

「どういった面子だ?」

 

思わずそう聞いた俺は悪くないし、いずれも来たメンバーは各クラスの女子代表としてトップにたてる面子だらけだ……

 

「桂、頭の怪我はもう治ったの?」

 

「ん、あぁ。まぁ、一応治ったと言うべきなのか……?」

 

「何で疑問系よ……。時間は大丈夫?」

 

「時間は大丈夫だが、姫路か島田に用があるのな?」

 

普通に考えてこの面子は女子で関係ありそうと思い聞くと、岩下が呆れていた。いや、何でそうあきれているのか俺には理解できないのだが?

 

「あんたは……まぁ、いいわ。単刀直入に言うと各クラスの女子代表として謝罪しに来たのよ。あんたに」

 

「ほうほう…って、なぜ俺に!?!」

 

こいつらに、何かされた記憶ははっきり言ってないのだが……それ以前に、このメンバーに何かされた記憶はあるか!? まさか、姫路の料理みたいに俺はなにかを忘れてしまったのかれ?

 

「なぜってまぁ……実は、あんた冤罪かかっていたの知っていた?」

 

「冤罪?桂は何かの疑いかけられていたの?」

 

「うん、結論から言うとね……あんたも盗撮していた疑いがかけられていたのよ。さらに、男子が停学しているのに、あんただけが停学になっていないから真犯人は桂じゃないかと言う疑いかけられていたのよ」

 

「理不尽きわまりないなぁ!?!」

 

優子っちの言葉にさすがの俺も泣きそうになった。覗きを防ぐために、そちら(女子&教師連合)についたのに、まさかの疑いをかけられていたとはなぁ!?しかも、真犯人は俺ではないのに!

 

「まぁ、それは誤解と言うことを先輩や後輩、あとは……一部に桂に疑いを持っている女子にもきちんと話したわよ」

 

「そういう訳で、ここにいるのは各クラスの女子代表として謝罪しに来たのよ。とりあえずは……」

 

「「「「「冤罪をかけて申し訳ございません」」」」

 

な、何て言うか、俺は被害受けているわけではないのでこういうのを言われても戸惑うのだが……とりあえずは、謝罪を受けとるとするか

 

「まぁ、はい……」

 

「よし、これで桂の謝罪は終わったから、ひとつ相談があるの」

 

謝罪を受けとると小山からの相談を持ちかけられた。ちなみに来ている女子全員は出ることなく、いることから同じ相談なのか?

 

「相談と言うのは?」

 

「ほら、うちの男子って全員女湯に覗いたから、それで停学処分を食らっているわけでしょ?」

 

「む、それを言われると俺は本当に申し訳なく思うな。同じ男子として謝罪をする」

 

「あー、いいのよ。貴方がしたわけではないのだし……で、相談って言うのはーー」

 

小山が切り出した相談に、大体の事情を納得した上にそれをどうするかと言う話だった

 

「ふむ……それを仮にするのであれば、()()()()()()()するのはやめておいた方がいいだろう」

 

「なんで?」

 

「男子側からしたら、気まずいと言うのがあるからな。だからーーで、ーーと言うタイミングで仕掛けるのはどうだ?」

 

「「「「それ採用!!」」」」

 

どうやら俺の提案に女子全員が、ノリノリとなった上に反対の意見がでなかったことでもう、あいつらの未来はある意味決まったな

 

「それはいいわね……。Bクラス女子代表は賛成です」

 

「CクラスOKよ」

 

「Dクラスも」

 

「AクラスもOKよ。代表には私から話を通しとくわ」

 

「ウチもそれは賛成ね」

 

「わ、私もです!」

 

まぁ、同情はしないが、これもあいつらのためになるはずだから心を鬼にしておかねばならないな

 

「やっぱり相談してスッキリよ。ありがとう」

 

小山はお礼を言うと共に教室出ていった。それに続くように、Dクラスの玉野もでていき、教室に残ったのはいつもの面子だった

 

「戻らないのか?」

 

「私達は元々、貴方達とお昼ご飯を食べようと思ってきたのよ」

なるほど、それでお弁当を持ってきていたと言うわけか……む、そういえば霧島がいないのはなんでか気になるな……

 

「霧島は?」

 

「代表?代表は、少し手を離せないから、こちらにこれないのよ。まぁ、恐らく坂本君に連絡でもしてるのかも…」

 

「大体、察した」

 

大方今ごろ坂本の方に襲撃……もとい、話しにいっているのだろうな。まぁ、あやつらにとっては幸せなことでないか

 

「じゃ、私も戻るね。愛子を呼びに行かないとね」

 

優子っちも用はすんだと言わんばかりに、教室に出ていった。どこかの放課後明久達のようすでもみないといけないな………

 




ここまで読んでいただきありがとございます!
次回もよろしくお願いします!!


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毒は後から来るときも……

ついに百話目になりました!!!
いつも皆さんの暖かいコメントで励みになっています!!
これからもよろしくお願いします!!


バカどもが下された処分の停学は、ついに停学四日目を迎えた。…もう少しで…もう少しで……俺にとっては地獄の……本当に地獄の停学期間が終わる…。始まりは合宿の血まみれから……そこから、馬鹿どもの覗きに加えて、三日目は唯一の男子と言うので追跡されてしんどかった……

 

「あと二日………!あと二日耐えたらあの馬鹿どもが帰ってくる!!!!!」

 

「ものすごい涙ね……」

 

泣いている俺の隣に岩下が苦笑いしているが、俺からしてみたら、かなりの死活問題だったといわざるおえない!

 

「どこに行っても、好奇心に見られるのだぞ?まるでチワワがライオンの群れに飛び込んでしまった気持ちを味わったぞ」

 

「いや、意味わからないわよ……それよりも、()()()()はいつ実施するの?」

 

「以前話したように()()()()()仕掛けない………。むしろ、いつも通りに接してあげればいいわけだ」

 

「そうね……それより、坂本君と連絡は繋がったの?」 

 

停学になってからなぜか坂本と連絡とれないと言う話をすると同時に霧島も休んでいる話を優子っちに教えてもらった

 

「生存不明。因みにムッツリーニは多量出血で入院中

 

「それ、大丈夫?ねぇ、本当に大丈夫?事件案件なパターンではないでしょうね?」

 

「心配ない。いつものことだし、ムッツリーニは、妄想しすぎて血まみれになったらしいから事件ではない」

 

それはそれで問題よ!!!!本当にあなたの友人関係は可笑しいわよ!?!

 

岩下の言うことは最もだが、俺からしてみたらいつもの事であり、そんな大した問題ではない。それ以前に俺が血まみれになってもあいつらは助けてくれていたかと言うと、答えはNO!!だ!

 

「まぁ、それよりも今日はそちらはなんの授業があるの?」

 

教室が別々になる前に、岩下は今日の授業がどんなことをするのか気になったのか聞いてきた。普段と変わらないと伝えると向こうも納得して、今日も平穏な一日を過ごせると信じて別れたのだが……

 

桂君、よかったらごはん食べてくれませんか?

 

平穏な一日を過ごせると信じていた思いは虚しく、砕けてしまった……いったい俺の道はどこで間違えたのか……!

 

「ひ、姫路……なぜ、俺に弁当を??」

 

昼休みになり、姫路か恐るべき提案をしてきたのだ。いつもなら生け贄になってくれるあいつがいないから油断した……!まさか、やつが停学している間は起こることはないだろうと信じていたのに……!!

 

「実は昨日テレビで見たレシピを忘れないで作ろうと思いまして……」

 

「そ、そうか……島田は?」

 

「ウチ?ウチは優子と姉妹に関しての相談をするついでに一緒にご飯なのよ。瑞希は桂とごはんの相談をしたいからと言うので今日は二人で食べてねー」

 

島田は、そう行って出ていった。島田が出ていくのを見届けた俺は、もうそれは……震えるように姫路の方に見た

 

そ、そうか……俺にごはんの相談と……なんのために?」

 

「はい!もうすぐ明久君達の停学開けますよね?そして、復帰した直後に明久くんに食べてもらおうと思って……」

 

明久、お前は復帰してもすぐにリタイアなると言う未来が見えた。悪いことは言わないから復帰直後は、自分専用のお弁当を持ってこい……!

 

「わ、わかった。協力はしよう!!」

 

仮に断れば姫路は泣くし、それは俺としても不本意で避けたいことだからこうなってはとるべき方法は……協力するしかない……!

 

「そうだ、せっかく作った料理だろ?タッパーを用意してるから一つうつしていいか?」

 

何であるのですか!!?

 

「なに、人間いかなるときも備えあれば憂いなしというではないか……」

 

「なんか違うような気がしますよ……」

 

姫路が苦笑いしながら、弁当を取り出して俺の目の前へと座り込んでいた。あぁ、いよいよ姫路の料理で精神的に処刑をされる日が来ると思わなかった……

 

「(これも宿命と言うのか……最後くらいは美味しいそばを食べたかったな………)よし、俺は蕎麦以外は評価は緩いからそこは楽しみにしとけ!」

 

「蕎麦だけは厳しいのですか?!っていうか、普通は違うような……」

 

「細かいことは気にしない!!さぁ、何を作ったのだ!!」

 

「はい!エビフライです!!」

 

「え、エビフライか……かなり難しかったのでは?」

 

「確かに大変でしたが、お母さんと一緒にやったので大丈夫です!!」

 

姫路のお母さんの腕前は知らないが、監視されているのなら問題はないだろう……そう信じて食べるしかないと自分に言い聞かせた

 

「では、いただきまーす」

 

恐る恐る食べてみると……俺は目を見開いた。これは、今まで食べたことがないくらい最高のエビフライだ!

 

「姫路……冗談抜きで今まで美味しいエビフライだぞ……!なんだ、このしゃきしゃき感に美味しい海老は!!どんな魔法を!?」

 

「魔法って大袈裟ですよ。お母さんが、きちんと教えてくれてその通りにあげたので……あ、よかったらこのタルタルソースもつけて食べてください!」

 

言われた通りに、これをつけて食べるとまた味付けは変わった……こう独特な世界につれていかれるような……

 

「どうですか?」

 

「姫路……これを明久に食べさせていいか?タッパーを用意してるし、恐らくあいつは外食してると思えないから」

 

「え、いいのですか!」

 

「あぁ。この程度は問題はない……任せろ」

 

姫路のエビフライをタッパに積めて放課後に明久に渡すことが決まった。因みに明久には姫路の料理とは伝えてない……。放課後になり、明久の様子を見たが元気そうだった

 

「明久、お前がよかったらこのエビフライを食べてくれ。最初はなにもかけないで食べてみろ」

 

「?わかったよ」

 

俺の言葉に不思議そうだったが、その日の明久は、美味しくエビフライを食べたそうで、メールからも美味しかったと連絡があった。結局、今日は珍しく何事もなかったので、俺は寝る用意をしていた

 

「明日であいつらは停学5日目……つまり、俺の地獄の時間はまもなく終わりを告げる……む!?」

 

寝ようと思うと突然、心臓が苦しくなり俺は呼吸困難になっていた……いったいなぜ!?毒は食べてないはず………毒………?

 

魔法って大袈裟ですよ。お母さんが、きちんと教えてくれてその通りにあげたので……あ、よかったらこの()()()()()()()もつけて食べてください!

 

タルタルソースか!?!!まさか、姫路の言っていたタルタルソースは姫路の手作りと言うことか!?しかも、遅延の……ど………く………

 

こうして、翌日から桂大河は学校に登校せず休みをとることに………

 




書いていて気づきました……もう十二月だと……知りたくもないですね、若さゆえの過ちを…_というのはおいといて、これからもよろしくお願いします!!


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停学明け
久々の登校と制裁と驚愕


ようやく新作かけれました……年末に向けて大変な日々と自身もコロナではなかったも、39°近くの熱でダウンしてました……
皆様も体調気を付けてください


男子達の下されていた処分……もとい、停学期間を終えて、久々の登校をしていた。え、お前は停学期間は学校に来ていただろ?………もちろん、来ていたが、停学四日目から昨日までなぜか記憶がない……

 

「なぜ、記憶が飛んでるのかわからないし、俺の身に一体何が起こったのだ??む、岩下ではないか?」

 

「おはよう、桂。停学四日目以降急に連絡がつかないになっていたけど大丈夫なの?」

 

「あ、あぁ。記憶が飛んでいるが、大丈夫だ」

 

「今すぐ病院行きなさい」

 

岩下は俺のコメントを聞いて、ものすごく即答に発言されて悲しくなった。いまのかいわで俺のどこが異常というのだ!!

 

「っていうか、桂を除く男子の停学期間を終えたのよね?吉井くん達とかはいつぶりなの?」

 

「明久は停学四日目の時に会ったような気がするが………まぁ、それはおいといて、他の連中は合宿以来だな」

 

「そう。()()()はどうするの?」

 

「なに、()()しないだろう。とりあえずは登校だな」

 

今は、その件を動かすにしてはまだまだ準備かかるし、少し我慢の時間を与えないといけないからな……。なぁに、あいつらは少しの間楽しんでくれればそれでいい

 

「桂、あんた物凄い悪い顔をしてるわよ」

 

「む、それはいかんな」

 

桂一家の教訓、悪い顔をした後はすぐに笑顔で対応をするように……っていうのは嘘だ。しかし、久々の登校となると、明久はきちんと登校できるのだろうか?

 

ヅラーー!!!!

 

「この声は吉井君?物凄い勢いでこっちに来ているけど………」

 

くたばれぇぇ!!!

 

明久は上空に飛び込んできて俺の頭にめがけて殴ろうとしていたが、その程度の攻撃で動揺せずに左手でやつの拳を受け止めた 。この程度で桂大河を討ち取れると思っているとは、まだまだ攘夷の極意をわかっていないな……

 

「なっ!?」

 

「久しぶりだな……明久。だが、この攻撃は俺に対する攻撃だとはな……ついでに貴様が最初に言いたいことある」

 

「な、なに……?」

 

「ヅラではない、桂だぁあぁぁぁぁぁぁあぁ!!!

 

ごぶりゅう!!!!!

 

明久の顎にアッパー仕掛けると明久は見事に空中を舞っていた。このバカのせいで朝から大きな声だしたが……

 

「あー、なんかスッキリした」

 

「スッキリしたって僕の顔を殴ってそれはひどくない!?!!」

 

「何をいう!いきなり、殴りかかる貴様が悪いだろ!!これを何て言うかわかるか!!」

 

「えっと……僕の方が正当防衛になるのじゃ?」

 

明久の回答を聞いた瞬間、俺は明久にあるのものを見せた。すると、明久は段々顔が真っ青になっていた

 

「 

 

「明久……覚えているか?貴様が俺を生け贄して鉄人の方に投げたのを……この落とし前はどうする!」

 

「あれは、仕方がないじゃない!!」

 

「ふざけるな!!お陰で、血が止まらず辛かったぞ!!だから…だからこそ!貴様には……このアキちゃんメイドを姫路に見せる!!!

 

「やめてぇ!!!僕が悪かったから、それはやめてぇ!!」

 

何で、これがあるかって?実は合宿の時に清水が持っていた写真を回収するために持っていた。最初は処分するつもりだったが、やつのせいで俺もひどい目に遭ったのだから、なにかに役立つと思い持っていた

 

「見事な土下座……あ、瑞希。おはよう」

 

「おはようございます、律子ちゃん!!あの……桂君と明久くんは何をしてるのですか?」

 

「じゃれあいよ」

 

「そうなのですねー。でも、桂くんは()()()()ストレスたまっていたのでしょうか?男お友だちが全員停学でしたから……」

 

「まぁ、確かに今の桂は生き生きとしてるわね……本当に辛かったみたいね」

 

姫路が岩下となにか話しているが、別に明久が来て日常が戻ってきて嬉しい!と思っていないからな!!!

 

「はいはい、そこら辺にしときなさい」

 

「おはようございます、明久君。元気でしたか?」

 

「この声は……岩下さんに姫路さん!!」

 

明久のお仕置きを終えた俺はタイミングよく岩下に止められ、姫路は嬉しそうに明久に挨拶していた。まぁ、明久の事が大好きだというのは俺でも気づいていたからな……

 

「実は、その、明久君に謝らないといけないことがあるんです」

 

「え?どうしたの急に?」

 

「強化合宿の初日なんですけど……覗き魔扱いしてごめんなさい!

 

「ほぇ?」

 

姫路が明久に合宿の件で謝罪していて、謝られた本人は固まっていた。まぁ、確かに最終的には覗いたという結果なのに謝られるのは変な気分だろうな……

 

「いや、覗き魔扱いも何も、僕らは覗き魔そのものなんだけど?」

 

「覗きという犯罪というレッテルでな。あとは、この俺を生け贄にした傷害罪だな」

 

「ヅラのそれは反省も後悔もしない!でも、さっきもいったけど……僕らは覗いたのだよ?」

 

「あ、いえ。そうじゃなくて、一番最初は誤解だったじゃないですか。その時、明久君を疑っちゃったから、申し訳なくて……律子ちゃん達が止めてくれなかったら少し行き過ぎたお仕置きになってしまいましたので……」

 

実は、停学期間に明久に謝ろうかどうしょうか悩んでいたのは俺は知っていたし相談もされたが、明久なら許してくれるだろうとアドバイスしたのはつい最近だな……

 

「ぷ、あははっ。結局覗きをやったのに謝れるなんて、なんか変な感じだよ?」

 

「そ、そうですか?」

 

「瑞希は律儀よね。最終的には覗いたわけだし……」

 

言わしたの言う通り、本当に姫路は優しい子だし、明久達が行った行動は普通なら……裁判だよな?

 

「でも、あの……そ、その……そこまでして、見てみたいものなんですか?」

 

「うん!」

 

「桂、今すぐ彼を病院につれていきましょう」

 

「もう手遅れだから無理だ」

 

「二人ともひどいよね!?あと、その!!」

 

「ふふ、大丈夫です。良かったです……女の子に興味あって」

 

がふっ!?!

 

明久は姫路の悪意なき一言に崩れ落ちていたが、俺からしてみたら明久は男好きの可能性があるという姫路達の方が心配だな……

 

「も、もちろん!!女の子の体には興味あるよ!特に姫路さんに!!」

 

「えぇ!?!」

 

堂々とセクハラ発言しない!!!

 

ぐほあ!?!!

 

明久の言葉に姫路は顔真っ赤にしていると、明久の背後から優子っちが飛んで回りしけりをしていた

 

「全く……停学期間にきちんと反省したかと思えば全然じゃない……お友達の体を覗くとか本当に懲りないのだから……」

 

「あ、あの木下さん……足を退けてください……痛いです」

 

「はいはい、優子っち。おちつけ」

 

「もうその呼び方は定着してるのね……」

 

優子っちの蹴りが明久のおしりにグリグリとしていていたそうだが、明久の発言が悪いからなんとも言えんな……

 

「あの……その……覗いても、いいですよ?」

 

「えぇぇっ!?何を言ってるの姫路さん!?大丈夫!?」

 

「姫路よりもお前の頭が逆に大丈夫かと俺は言いたい!」

 

「桂はさらっと吉井君に失礼なことを言わない!瑞希、男は狼なのよ!!」

 

「そ、そうよ!吉井君なんて覗きをするために夜這いをしてもおかしくないのよ!そんなやつは、危険なのよ!」

 

「ん……?夜這いと言えばなんか最近あったような気が……何だったかなぁ……」

 

なんか、俺の記憶が思い出せと訴えるのだが……夜這いをしていたような人がいるのだが……優子っちや岩下も姫路の発言に心配していた

 

「覗いてもいいですけど、その代わり──」

 

「そ、その代わり!?」

 

「わ、私を明久君のお嫁さんにして下さいね?」

 

「「「な、何だと………?!」」」

 

姫路の言葉に俺達は全員驚いていた。今日の姫路はやけに積極的すぎて俺も岩下も優子っちも驚いていた……

 

「ふふ………」

 

「「「「え?」」」」

 

「ま、まさか冗談だったの?」

 

「はい!明久君の顔、すごく顔真っ赤ですよ」

 

どうやら姫路に一杯食わされたか……まさか、そんな日が来ると思わなかったな……姫路と明久はお互いに顔真っ赤なことを指摘していたら……

 

「アキ!」

 

「美波??」

 

何やら、島田が覚悟を決めたかのようにこちらに近づいてた。岩下も俺も優子っちもその島田の状態に気になっていた

 

「どうしたのかしら?」

 

「さぁ……」

 

「アキ、目をつぶりなさい!」

 

「え、はい!!」

 

明久に近づきなり、頼みことというより、命令に近いことを言っていた。それよりも、一体何をするつもりなのだ??

 

「瑞希、優子……ごめんなさい」

 

「「え?」」

 

島田が謝るなり、明久の襟を自分の懐に近づけ……

 

「んっ……」

 

「「「「!?」」」」

 

島田が明久の顔に………キスをした…………だと………!?これは、面白い……いや、かなりの一波乱があると思うと、内心胃が痛くなった

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!
いまは大きな事をやっているため、毎日投稿は厳しいので、頑張って週一更新目標にします。
これからもよろしくお願い致します!


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噂とお仕置きと気まずさ

呆然としている明久を横目に、俺を含めて岩下と姫路と優子っちの四人で固まっていた。島田のあまりにも突然な行動に、全員が理解できてなかったのだからな……

 

「ど、どういうこと!?」

 

「あ、明久のやつ……!?」

 

ねぇ、瑞希……やっぱり美波も……

 

はい……吉井君の事が……

 

岩下は動揺を隠せないと言わんばかりに俺に聞くが、俺も俺でなぜこうなったのかわからずに動揺していた。そして、優子っちと姫路はなにかに気づいていたかのように……

 

ごぶっ!?!

 

声した方向に振り向くと、須川をはじめとするFFF団が明久をつれていった。どうやら、今の現場を見られるとは不運なやつだな

 

「吉井君はなんか変な集団につれていかれたけど、大丈夫なの?」

 

「あれか?FFF団といって、女にモテたいのに付き合えない連中で、彼女持ちができたら容赦なく醜い裁判を起こす連中だ」

 

「……あんなことしてまで、付き合ってくれる女性がいると思ってるのかしら??」

 

「「「「ごぶっ!?」」」」

 

岩下の言葉に、FFF団は血を吐いていたが、恐らくやつらがダメージ受けたのは、“付き合ってくれる女性がいると思っているのかしら?〝って言う言葉だろうな……

 

「とりあえずは、行きましょう。ほら、優子に瑞希も正気取り戻しなさい」

 

「「はっ!?」」

 

どうやら、島田の行動に驚いていた二人はまだ固まっていたみたいだな……。それよりも、俺がちらっと見たら明久以外に、坂本も連れていかれてるのが見えたな……。そんなことを思いながら、俺達は教室へと向かっていた……

 

「抜け駆け……?いえ、美波ちゃんがそんなことしているはずはありません……。いや、でも……」

 

姫路はまだ、動揺が抜けきれてなく、教室の片隅で落ち込んでいた。独り言で正直怖いが、それだけ動揺しているのだろうな

 

「やれやれ……」

 

「桂……貴様もFFF団の裁判……つまり異端者だ!!」

 

「俺が何かしたか?」

 

気絶している明久と坂本をほりだしながら須川がこちらにやってきて、それに続くようにFFF団がこちらにやって来た

 

「忘れたと言わせんぞ!!」

 

「我らが停学期間!!」

 

「貴様は!!!」

 

うふふ、きゃははは!のハーレム期間を味わっていたことに!!

 

「なるほど、要するに醜い嫉妬か」

 

「「「「黙れ、異端者!!」」」」

 

悪いが貴様らが思うほど停学期間は、うふふな展開はなかったぞ。それに、貴様らの撒いた種のせいで俺は途方もない苦労を味わったのだからな

 

「貴様には死とbadendのどちらかを与えてやる!この停学期間中は、貴様をどうやって殺そうか考えていた!!」

 

「暇人か!はぁ……こちらも出るところ出て良いのだぞ?こちらも強力なネットワークを作ったからな」

 

「なに?」

 

「例えば……須川は男好きで横溝の事が大好き。横山が須川の事が大好き。須川はどちらも大好き……そんな噂を学年にばらまくことはいくらでもできるぞ?」

 

「「「き、貴様!?」」」

 

「それに……もうひとつ残酷なことを教えてあげよう」

 

「ふ、例えどんなことでも動揺はしないのが俺たちFFF団だ」

 

「かっこよく言っているところ悪いな……貴様たちは学園長の体を見たのだろ?おかげで、俺を除く二年生男子全員が学園長の体に興味があるのではって噂が出ているぞ

 

「「「「「ごぶらぁあぁ!?!!」」」」」

 

学園長というキーワードに明久も含めて男子全員が血をはいて倒れていた。覗きをしなかったらそんな思いもしなかったのに……すべて貴様たちが招いたことだ

 

「否定はしてくれなかったのか!!」

 

「二年女子全員が、お前達も含めて男子全員が軽蔑に見られているぞ。よかったな、お前達の学園生活は学園長大好きっ子って認められているぞ。そして、俺は別にその噂は否定はしなかったし、俺は止めている側だったからそういう目では見られてないぞ」

 

「「「「嫌だぁぁぁあ!!」」」」

 

FFF団が真っ白に燃え尽きていたが、やがて一人一人が明久達の方に行き……

 

「「「「この悲しみを貴様達にぶつけてやるぅぅ!!!」」」」

 

「「理不尽だぁああ!!!!」」

 

この悲しみを明久達にぶつけていたが、俺としては俺に被害がいかなければそれでオッケーだ!!まぁ、さすがにそんな噂はそこまでは、出ていないがこいつらはそれを信じるから使えるな……

 

「な、なんじゃ!?!一体何が起きたのじゃ!?!」

 

秀吉が驚いて入ってきたが、確かに久々の教室に入ったらこんなこと起きていて何が起こったのか気になるだろうな

 

「良かった……!!秀吉は、今日休みかと思っていたよ……!!」

 

「今朝は少々支度に手間取ってしまったゆえに遅くなったのじゃ……、お主らは何をしておるのじゃ?」

 

「木下、邪魔してくれるな……!今我々は異端者である吉井明久と坂本雄二の処刑を行うところなんだ」

 

明久は秀吉が来てくれて嬉しそうだが、今の明久の状況は処刑台に立たされてる異端者なのだがな……

 

「しかし、雄二はわからんでもないが、明久は何をしたのじゃ?」

 

「よく聞いてくれた木下!異端者・吉井明久はよりによって我らが聖域である文月学園敷地内で朝っぱらから島田美波と接吻などという不埒な行為を……「……」………あ……」

 

 

須川が説明している最中に、耳まで真っ赤になった顔を俯けて早足に自分の席に向かう女子高生が現れたのは……そう、丁度名前を呼ばれた島田美波………その人だった。だが、いつもと違う妙な雰囲気に、Fクラスの誰もが言葉を発せずにいた……

 

「「「「「………」」」」」

 

「皆さん。おはようございます。今日は諸事情により布施先生の代わりに私が授業を……どうしたんですか皆さん?」

 

一時限目の授業の代理教師、竹内先生がその様子を見て目を丸くしていた。あぁ、復帰直後に早速大変なことが起こると思うと憂鬱だな……

 

 

 

 

 

 




ここまで読んでいただき、ありがとうございます!!
次回もよろしくお願いします!


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授業は真面目にやらないと、心が折れる

今日は、本当に変な一日の始まりだと心の中で思っている。つい二週間前までは血まみれになっていていい思い出すらない合宿……先週は停学期間で色々と大変な思いをした一週間……そして、今日からは停学処分していた男子達が復帰なのだが……

 

「ん?」

 

「……!」

 

現在俺達のクラスは過去にないくらい最高の殺気が漂っていた。もちろん、原因は明久……と島田で、その理由は朝から島田のまさかのキスにFFF団の怒りを買ってしまったのだ

 

「やれやれ、此ではとんでもないことになるな………」

 

「では、須川君、この場合3molのアンモニアを得る為に必要な薬品はなんですか?」

 

「塩酸を吉井の目に流し込みます!」

 

「違います、それでは、朝倉君」

 

「塩酸を吉井の鼻に流します!」

 

「流し込む場所が違うという意味ではありません、それでは有働君!」

 

「濃硫酸を吉井の目と鼻に流し込みます」

 

「「「それだ!!」」」

 

こいつらはどうでもいいが、授業を聞いていると見せかけて明久の処刑を考えているみたいだな。通常の休み時間ならいいが、お前達が今ふざけていい時間ではない……なぜなら……

 

「あのー、皆さん。きちんと先生の話を聞いてます?」

 

「吉井を殺すためなら、それを!」

「直ぐに調達を!」

 

「皆さん…聞いてます?」

 

「「「我らFFF団の哀のために!!」」」

 

「……」

 

遠い親戚の竹内先生がだんだんと黙りこみ俺は嫌な予感をしていた。これは不味いと思い、本能的に後ろに下がったと同時に……

 

パァァァァアァン!!!

 

「「「「!?!」」」」

 

「(あぁ……このバカどもは終わってしまったな……)」

 

現国であり、今回は代理出てていた竹内先生は以前も話したが、剣道も空手、柔道有段者……優しそうに見えて、こういうのには強い人だ……つまり……

 

「男子全員正座しなさい。あ、桂君と木下君と土屋くんと坂本君はしなくっていいわよ」

 

「え、あのそれは……「正座」……はい」

 

須川が異変を感じたようだが、もうすでに遅い。坂本達も真っ青にしているが、お前達は知らないだろう……

 

「ねぇ、私の授業はつまらないのですか?」

 

「いえ、とても面白いです!!」

 

「嘘はいいですよ?だって、私が答えてほしい質問にきちんと答えてくれてないじゃないですか?それに、普通にやっていて間違えるのは仕方がないですが…少しふざけすぎてません?」

 

「あの、その……」

 

「停学明け一発目の授業ですよね?なのに、なんで反省してないのかしら?あ、そうそう。ついでに聞きますけど、停学期間中きちんと課題をこなしていたのは木下君だけですよ?……そこのところどうなのかしら?」

 

そういえば、停学期間は先生が代わりに担任として俺達を指導してくれてたからこんな情報も入るのだろうな……

 

「きちんと課題しなかった理由は?怒らないから全部いってね?まず、吉井君は?」

 

「あ、ゲームをしてました」

 

「あなたの場合はそうするの予想済みだから、明日までに課題を終わらせて提出しなさい。……土屋君」

 

「……盗……血が出すぎて課題ができなかった」

 

「あなたの場合は保健だけはきちんとしていて、他の科目はしてないだけよ。あと、一回きちんと病院見てもらいなさい。須川君」

 

そんなの捨てて、俺たちは処刑道具を用意していた!!……あ」

 

「………そう」

 

須川が課題してないと言うのをわかると、竹内先生は優しくそして低い声で返事していたがもうあれはアウトラインを越えてしまった……

 

「本日は、学校を終えたら皆様のお母様に本日の授業態度とロッカーに()()()()()()を全部お母様達に教えます。あと、課題は二倍増やしますで……明後日まで西村先生の方で提出してくださいね?もし、一日でも遅れたら……西村先生の補習を受けてもらいますね?」

 

「「「「そ、そんな!!」」」」

 

「嫌々!?先生は、なぜその隠している本も把握してるのですか!?」

 

「あなた達が停学期間中に、桂君達と掃除していたら見つかりましたのよ?たとえば、須川君は……「ごめんなさい!!許してください!!」……仕方がありませんね。ですが、本日の授業をきちんとしてくれなかったので、隠していた本はお母様達の方に送らせていただきます」

 

竹内先生が笑顔でそういうが、それはもはや死刑宣告であり先程まで明久の処刑を考えていた面子達は真っ青になっていた……

 

「では、気を取り直して……吉井君はまたなにかをしたのですか?」

 

「なんで僕!?」

 

「覗きの件でも主犯の一人であって、大概のトラブルは吉井君から始まっているのですよ?いったい何をしたのですか?」

 

「そ、それは……」

 

「先生、今回は俺も理解できないことがあるのでそこは許してあげてください」

 

「ヅラ……!」

 

「ヅラではない、桂だ!!」

 

竹内先生の言う通り、大概明久からトラブル発生しているが、今回は島田も絡むのでそこは許してあげてほしいと伝えると先生は少し考えながら理解していた

 

「そう……。そうね、そこは本人達で解決してもらうとして……桂君は、教科書たてて何をしてるのですか?」

 

「早パンを食べてます!そして、すごく美味しい……ぶぼぉ!?

 

「それを言うなら、朝御飯を食べ損ねたので、今食べていると言いなさい。全く、休み時間に食べなさい……」

 

先生は俺の言葉に聞いて呆れるように、頭に教科書叩いているが今のは痛かった……!いっておくが、これは先生と俺の関係だから出来ることであり、決して良い子は真似するなよ!そう心のなかで呟いてると、一時間目の終了を告げるチャイムが鳴り響く

 

「あらあら、今日の授業はここまでにしますね。次から先生の授業はきちんとしてくれると嬉しいからね」

 

「「「「はい……!」」」」

 

先生はにこやかに出ていくのと反対にさっきまでFFF団の男子達は真っ白に燃え尽きていた。どうやら、男にとっての神秘の本が親にばれると言う酷いお仕置きに凹んでるが相手が悪すぎたな……

 




思い付いたので、投稿しました!
2021年度最後の投稿になるかと思います!!
来年もよろしくお願いします!


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S.LOVE再来!

ただいまです……!!


一時間目はあんなことがあり、朝に騒いでいたFFFは落ち込んでいた。まぁ、まさかの神秘本を保護者に送られるとわかるとそれはかなり落ち込むだろうな……

 

「ヅラ」

 

「ヅラではない、桂だ。そして、つい最近食あたりで倒れていた桂だ」

 

「誰もそこまで求めてねぇよ!って言うか、食あたりって……いや、まさかな………」

 

坂本が、呼び止めているが俺としては今それどころではない。何故なら、このとんでもない雰囲気の教室をどうにかしないと確実にめんどくさいことが起こる……

 

「坂本、あれをみてどう思う」

 

「あれ?……あー……」

 

指差した方向を見ると、明久と島田がいるが、俺が言いたいことを察した坂本がなんとも言えない顔になっていた。当然、俺もまだ色々と状況が把握できてないが……把握はできてないが……!

 

「……?」

 

「……ん」

 

明久が島田を見ようとすると、島田は顔を真っ赤にして目を背けていた。そして、影では物凄い殺気で明久を見ているのが、よくわかる

 

「やれやれ、停学明けに早速トラブルを起こしてくれるとは明久らしいな」

 

「だな。そういえば、坂本は停学期間は連絡つかなかったが……?」

 

「………翔子に拉致されて、洗脳されるかと思った」

 

「まて、それはそれで面白ー恐ろしいことを聞いたのだが?」

 

「貴様……今面白いと言おうとしなかったか?俺がどんだけ恐ろしい思いをしたと思ってやがる……!!」

 

「その言葉そっくり返そう……!貴様達のばか騒ぎしたせいで、俺の肩身がどれだけ狭いと思っている……!!」

 

坂本が戦闘体制に入ろうとしていたが、その背後には悲しみと怒りが漂っていた。坂本には悪いが、先週は俺にとっては色々と大変な時間だったのだから俺にも文句は一つ、二つを言わせろ!!

 

「ねぇ、アキ……となりに座っていい?」

 

「あ、うん……」

 

坂本と睨みあっていると、島田はいつの間にか明久のとなりに座っていた。本当に島田は、このすこしの期間に何があった?先週はその素振りは全く見られなかったが……まさか!?

 

「明久がついに島田を襲ったとか!?ぶべらぁ!?

 

「…襲った?…はぁはぁ、僕はそんなことをしないよ!!取り消してよ、今の言葉!!

 

「今のはお前が悪いが、おい……それ俺の机だぞ?」

 

明久が顔真っ赤にしながら俺の頭に投げたのは坂本の使っている机だった。己、力業でそう来ると思わなかったぞ……

 

「あ、そうなの?汚いのがあったからつい投げてしまったよ……」

 

「おいおい、どうやら停学期間中に顔面が不細工なっているだけではなく、心も汚くなったのか?」

 

「あははは、それは雄二でしょ?汚いことには雄二が一番凄いのだから」

 

「ははは、お前には負けるよ。お前の本当のバカさにはな」

 

「貴様らの場合はどっちもどっちで当てはまるだろ。女泣かせの明久に人生の墓場踏み入れる坂本」

 

「「ヅラ、表に出ろ」」

 

明久と坂本がお互いに罵り合うから、仕方がなく、こいつらには現実をみてもらおうと正論を言うと明久と坂本が此方を睨んでいた

 

「表に出てどうする?どうせ、貴様達が負けるのにやる意味はないだろ?」

 

「ふ、そんなことを言うのも今日でおしまいだ。あの日のプール掃除の決着を今つけないか?」

 

「いいね……。二人とも泣かせてやるよ!」

 

俺の言葉に明久と坂本も、明らかにスイッチが入って俺達は互いに睨みあっていた。先に動けば…一人が確実に漁夫の利を得ることになる……それだけは避けないと……

 

「「「いざ尋常に……「御姉様ァァ!!!」……勝……ぶぼぉお!?」」」

 

俺睨みあって喧嘩をしようとしていたタイミングで野生の清水がドアを蹴り、飛び出てきた。その外れたドアは、勢いがあり見事に俺たちの方へと直撃して下敷きなっていた

 

「あぁ、御姉様!御姉様!!」

 

「み、美春!?」

 

「あの地獄の一週間の合宿で、御姉様が触れる事が出来ない日々でしたが……!御姉様の体を触れて美春は元気が出ました!!」

 

「美春、少し離れなさい!?」

 

「嫌です!!御姉様成分を満タンにするまでは、永遠に動きません!」

 

「それ、死ぬまで離れないと言うことよね?!!いいから、離れなさい!!」

 

一週間も触れていないだけで、清水は何故そこまで興奮する……そもそも、自分が撒いた種なのに………

 

「美春、ごめん……私はあなたと付き合えないわ」

 

「何故です!?美春はこんなにも御姉様を募っていますのに!」

 

「無理よ……だって……うちはアキと付き合うのだから!!」

 

「「「秘技、畳み返し!!!」」」

 

シュカカカカッ

 

「「「チッ」」」

 

衝撃的な告白と同時に大量のカッターが倒れている俺達に攻撃を仕掛けてきた。さすがにヤバイので、秘技畳み返しで防ぐと畳に刺さる音とそして教室中からの舌打ちが聞こえた

 

「貴様らぁ!!坂本や明久だけならまだしも、俺を巻き添えにするな!!狙うのなら、こいつらだけにしろ!!」

 

「「ふざけるなぁ!?」」

 

さすがに狙われたのは不本意なので、これはクラスの仲間として指摘しないと俺の命が危ない!!そうやり取りしていると、鉄人が教室に入ってきた

 

「さぁ、授業を始めるぞ、今日は遠藤先生が別件で外しているので俺がビシビシ──ん?……清水か?授業が始まるから自分の教室に戻るように」

 

「きょ、今日は特に大事な用なんです!西村先生、今だけは美春を見逃して下さい!」

 

「特に大事な用?それはどんな用だ?まさか俺との補習の時みたいに、『邪魔者のいない教室でお姉さまと一緒に授業を受けたいんです』とかじゃないだろうな?」

 

「いいえっ!今日は『この教室の男子全員を殲滅する』という大事な──」

 

「出ていけ。今後この教室への立ち入りを禁じる」

 

清水の目的地を聞いて、鉄人は襟元をつかんで外につまみ出した。まぁ、こればかりは清水の発言が悪かったと言わざる終えない。しかし、島田と明久が付き合うのか……なんか信憑性がないな……

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!
すこし色々とありましてようやく一段落?つきました……
少しずつ活動再開しますので、よろしくお願いします


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それって修羅場だよね?

鉄人の授業を終えて、休み時間に入ると明久がFFF団に追いかけられて教室を脱走していた。まぁ、あれだけ嫉妬する醜い連中だからそういうのはあり得るだろう……

 

「明久の犠牲はどうでもいいとして、とんでもないことになった……」

 

「あぁ、明久が犠牲になるのはどうでもいいが …ややこしいことになったな」

 

「……面倒になった」

 

「うむ、お主達の発言は少しおいといてのぅ…。本当に大変なことになったのぅ……」

 

そう、明久のせいで本当にとんでもないことが起きてしまった。その当の本人がまだ戻ってきてないがこの怒りはどうしてやればいい!!

 

「ただいま~……あぁ、ひどい目に遭った……」

 

「「今からも、ひどい目に遭わせようか!!」」

 

ぶべらああ!!?!

 

明久がひどい目に遭って帰ってきたとのんきなことを言うが、俺と坂本で明久の顎を思いきりアッパーすると明久は空中に舞って受け身をとれずに地面に倒れた

 

「痛い!!父さん以外の家族にも殴られたことあるのにものすごく痛い!!」

 

「明久……貴様の罪を……数えろ……!!」

 

悶え苦しんでる明久だが、今の俺には関係ない!!今のこいつには許されない罪をしていたのだからな!!

 

「ヅラ、凄く怒ってない!?」

 

「怒りたくもなるだろう!!術式展開……破壊殺!」

 

「大河、落ち着くのじゃ!!それは不味いのじゃ!!」

 

「……それは別の世界の技。パクるのは禁止」

 

「堂々とパクっていると指摘したよ!?!この世界滅ぼされるよ!?ねぇ、読者に滅ぼされるよ!?」

 

「それ以前に、ファンに殺されるな……」

 

そんなことが一悶着ありながらも気持ちは少し落ち着いて、明久に改めて何が起こったのかを話しきりだした

 

「たった今入った情報だが、DクラスがFクラスに戦闘しかけるかもしれない」

 

「えぇ!?なんで?!」

 

「清水が暴走してしまってるし、試獣戦争しかけられるかもしれないって話」

 

「そ、そんな!?なにか対策ないの?そうだ、Dクラスの平賀君に止めてもらうのは!?やるメリットはないはずだよ!?」

 

「確かに普通ならやるメリットはないが……今のお前達も含めて、そんな発言力があると思うか?」

 

「え?」

 

明久にしてはいいところに目をついたが、それだけではダメだと言うか根本的なのがダメだと気づいてないみたいだな

 

「思い返してみろ。合宿でお前達が行ったことを」

 

「えっと……ヅラを犠牲にして逃げたりとかしたからかな?それ以外に何があった?」

 

「貴様の頭は、豆腐か。お前達が行ったのは覗きだ。そして、お前達が見た光景もついでに思い出せ

 

「「「「ヴッ………!?」」」」

 

明久達はそれを思い出して、顔真っ青になっていた。せいぜいあの時の自分の行いを思い返して苦しむがいい!!

 

「まぁ、作戦は思い付いてるのか?」

 

「対策は厳しいが、一応戦えるプランは用意した。アキちゃん犠牲作戦だ」

 

「なるほど……って、僕に死ねと!?結局は、僕が犠牲になるだけじゃない!?」

 

「「ッチ、勘の良いガキめ……!」」

 

「ねぇ、今なら僕は二人をやっても問われないよね?罪を問われないよね?」

 

明久がバカなことを抜かしているが、これではアキちゃん犠牲作戦が実行できないな……。そういえば、今回の件を共有して話したい二人がいないな

 

「明久、島田と姫路は?今回の件を話したいのだが……」

 

「え、なんか二人で話し合いたいことがあるって……」

 

「おい……それは修羅場(地獄)だぞ」

 

修羅場(地獄)じゃな」

 

修羅場(地獄)だな」

 

「……修羅場(地獄)

 

このバカから聞いた情報は、本当に寒気がする恐ろしいことが今起きているのだと思った。きっとあの二人だけと言うことは、今ごろは……

 

「“ねぇ、貴方には本当に悪いけど金輪際うちの彼氏に近づくのやめてくれない?〝」

 

「“……いいえ、まだ付き合っていないと私は思ってます!!〝」

 

「“まぁまぁ、落ち着くのですよ。お二人とも〝」

 

「“……彼の本当の気持ちを知ってる私の方がきっと好きです!〝」

 

「“……それは、宣戦布告と言うことかしら?良いじゃない…負ける戦いはしない主義……返り討ちしてあげる!!〝」

 

「“こうして、二人の彼をめぐる戦が開始した〝」

 

「って、ちょっと待って?!なに、四人とも演技急にしたの!?とくに、雄二の最後の締め括りはなに!?秀吉は弁護士役!?ムッツリーニとヅラはどういう立ち位置!?」

 

「ヅラではない、もしもアキちゃんのNTRれない愛人がこんな人ならの役だ!!」

 

「……彼をNTR役とした」

 

「そんなコントをするなぁァアァァ!!!あと、堂々とNTRをするなぁぁぁ!!雄二も秀吉も止めてよ!!」

 

なに、きっと今ごろこんなやり取りをしてると思って俺達は表現したまでであって……別に明久が嫌いでこうしたわけではあるまい!!

 

「すまんのぅ、何やらノリに乗らないと置いていかれると思ってのぅ」

 

「面白いと思ったからやっただけだ」

 

「やはり、これが俺達Fクラスのノリだよなぁ……帰ってきた感じはあるなぁ……」

 

本当に、このノリだけでホームに帰ってきたと実感がなんとなく沸くのは良いなぁ……。まぁ口には出さないし、とりあえずは問題解決を考えないとな……




ここまで読んでいただきありがとうございます!!次回もよろしくお願いします!


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シロかクロか!

とりあえずは、先程のコントはおいといて俺としては、島田達が戻る前に確認したいことがあるな……

 

「明久、正直に答えろよ?」

 

「へ、何?物凄いヅラの怒りが感じるのだけど……僕はヅラに何かした!?心当たりがないのだけど!!!」

 

「ヅラではない、処刑人桂だ。何もしていないが、返答次第では俺は貴様を切り伏せないとダメだからな……」

 

「待って!?僕は今からヅラに殺されるの!?いったいなぜ!?」

 

そんなの本気でやるわけはなかろう。まず俺が聞きたいことにしっかり嘘偽りなく答えてくれれば文句はないのだからな……

 

「それはこれからの楽しみだ。さぁ、ムッツリーニ…例のものを…」

 

「……御意」

 

ムッツリーニは、俺の言葉を理解すると、いそいそと明久の指にあるものをはめていた。明久は抵抗せずに何を嵌められているの怪訝に見ていた

 

「えっと……これは?」

 

「……現在開発途中の品物。多分、死にはしない

 

「待って!?本当に僕は何をされるの!?」

 

「俺達の質問に普通に答えてくれれば良いだけだ。例えば……坂本に頼むとするか。何か明久に質問したいことがあるか?」

 

「俺か?……今月の生活費の一部に()()無駄なものを買ったか?」

 

「NO。って、いただだただだだ!?!!」

 

坂本が俺のふりに一瞬驚くもとりあえずは生活費がどうなっているのか聞くと、こいつは否定した。すると、明久のNOといった瞬間に、明久の体に電気が走りまくっていた

 

「成功だな……」

 

「成功だな……じゃないよ!?何この罰ゲームみたいなのは!?」

 

「……“嘘つく子にはお仕置きよ!電気ビリビリ!〝っていう商品。ちなみに試作段階で、スタンガンを利用して作った」

 

「鬼か!?君達はそんなのを言わないで、こんなのを実験したのか!?」

 

実験とか人聞きの悪いことを言わないでほしいなあ。貴様は嘘がつけないから、とりあえずは使ってみたと言うわけだからな 。まぁ、正直に答えたらすむ話と言えばそこまでだがな

 

「さて、先ずは………明久は女性が大好きだ」

 

「はい」

 

「……反応なし。嘘をついてない」

 

「いちいち反応したら嘘をつくと思われてるの!?心外だよ!!」

 

「では、二つ目…覗きをすることは楽しみだった」

 

「何言ってるのさ。僕達はあのときの真の目的は真犯人を捕まえることだから、覗きは楽しみではなかっ……いだだだだだ!?!」

 

はい、明久はどうやら嘘をついていて、覗きをしたいと言うことが楽しみだったと言うのがわかった。まぁ、その後の結末は言わずとも悲しい結末だったがな……

 

「し……死ぬ……」

 

「当たり前だ。嘘をついたら、閻魔様に舌を抜かれると言うのを考えて作ったからな。その結果、嘘をついたら死ぬほどしびれるビリビリが起こる代物だ」

 

「ふざけるなぁ!!人権ってあるでしょ!?」

 

人権?人聞きの悪いことを……これは、嘘をつかない用に答えたら良いだけの話だから人権侵害はないはずだ!!

 

「おい、ヅラ。そろそろ本題を入らないと時間がもったいないだろ?」

 

「む、いかんな……いいか?嘘をつくのは許されないからきちんと答えろよ」

 

「な、何を聞かれるんだ………」

 

「率直に言う……明久、貴様は島田を告白したのか?」

 

「………いいえ」

 

明久は考えるように時間をおいてから否定をしていた。明久の癖に、まだ嘘をつくと言うのか?なにせ、朝から島田にキスをされたのだからあれが付き合っていないと言うことはあり得ない………って、鳴らない?

 

「おい、ムッツリーニ。嘘発見が鳴らないぞ?」

 

「……可笑しい………“嘘つく子にはお仕置きよ!電気ビリビリ!〝は、ほぼ完成はしているはず…なのに、なぜ…?」

 

坂本も嘘発見が機能しないことに、故障したのかと聞くもムッツリーニ曰く、異常はないと言うのだ……

 

「仕方ない。秀吉、ためしに聞いてみろ」

 

「むぅ。よし、この際に聞こう…明久よ、ワシをきちんと男として認識しているのか?」

 

「え?秀吉は秀吉でしょ?」

 

秀吉がどうしてもモヤモヤとしていたのか、はっきりと明久に自分のことをどう見ているのか質問するも、明久は真っ直ぐな目で答えた……すると、反応は示さなかった

 

「……嘘発見に異常なし」

 

「待つのじゃ!!!ワシからしたら異常ありじゃ!?」

 

「何を言ってるのさ!!秀吉は秀吉って答えたのに、どこに異常あるのさ!?」

 

「ぬぅ、そんなに真っ直ぐに答えるとさすがに疑いにくいのぅ……」

 

「明久、合宿の時にヅラを生け贄に鉄人に向けて投げたのを後悔しているよな?」

 

「うん…っていだだだ!」

 

ほう、どうやら明久は嘘をついて後悔も反省もしてないということか……よかろう、そこまで俺を怒らせたいか……

 

「ヅ、ヅラ?すごい怖い顔をしているけど、どうしたのさ?」

 

「ヅラではない……必殺仕事人桂だ!明久は俺を犠牲にしたのを心に痛まないといったな……ならば、俺もお前を今から切り伏せるのも問題ないな」

 

「ご、ごめん!本当にあの合宿でのヅラの扱いは心が痛いよ!!いだだだ!?」

 

「そこに直れ!!ムッツリーニ、刀を調達しろ!!すぐにこのバカを斬る!!!」

 

「大河、落ち着くのじゃ!!ここで切り伏せてもなにも良いことはないのじゃ!!!」

 

「……いつでも殺せるから落ち着け」

 

く、秀吉とムッツリーニが止めに入って暫くはひと悶着がありながらも本来の目的を思い出して、ここまでの実験でこいつは嘘をつかないと言うことがわかった

 

「すまない、取り乱した…さて、明久。貴様は島田と付き合っているか?yes、no。選べ……」

 

「……僕の記憶が正しければ……付き合ってない!」

 

「「「「………反応を示さない……だと……!?」」」」

 

俺の問いに…“嘘つく子にはお仕置きよ!電気ビリビリ!〝の反応はいったいどう言うことなのか……なにも示さなかった………

 

「そうだ、反応を示さないのがおかしいのならついでに坂本とムッツリーニもつけてくれ」

 

「「?」」

 

「どうせ反応示さないと思うがついでに確認だ」

 

とりあえず不振に思われながらも3人ともつけてくれて確認の意味を込めて聞いた

 

「あの日の覗き……刺激的なものを見たのか?」

 

「「「……いいえ……っいだだだだだ!?!」」」

 

 

やはりこいつらあの日何を見たのか……相当刺激的なのを見れたと言うことか。こいつらの刺激的なのをみたことをメモしとくとするか

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!
次回もよろしくお願いします!!


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明久のうっかり

Dクラスに戦争を仕掛けられるかもしれないと分かると俺達は、対策会議を開いた。そして、明久と島田の関係が気になり、ムッツリーニ特性こ…“嘘つく子にはお仕置きよ!電気ビリビリ!〝で色々と明久に問い詰めるも……

 

「さて、明久。貴様は島田と付き合っているか?yes、no。選べ……」

 

「……僕の記憶が正しければ……付き合ってない!」

 

「「「「………反応を示さない……だと……!?」」」」

 

俺の問いに…“嘘つく子にはお仕置きよ!電気ビリビリ!〝の反応はいったいどう言うことなのか……なにも示さなかった……

 

「……一体何故?どうして、反応を示さなかった?」

 

「どうやら、これは本当みたいだな。だが、明久よ……付き合っていたら、その台詞は最低だぞ?」

 

「だよね……雄二の言う通り、付き合っていたら最低な台詞だよね……」

 

「じゃが、明らかに島田のあの態度は付き合ってるものの態度じゃぞ?」

 

坂本の言う通り、もしこれが付き合っているのにこんな発言したら、最低な台詞だし、秀吉の言う通りだが、あれは……付き合っている人の反応だった

 

「お前まさか、島田を洗脳して付き合っているとかそんな暗示したのでは!?はっ、まさか次に姫路を……!」

 

「そんなことをした覚えはないし、それはしてない!!」

 

「……では、あの反応は?」

 

明久がまさか裏でそんなことを染めてないか本気で姫路を心配しながら聞くと、否定した。そして、ムッツリーニがあの反応の理由を聞くと、明久はなにかを思い出した顔になった

 

「もしかったら…あれが原因かも」

 

「「「「あれ?」」」」

 

あれと言うことは、島田が今日みたいな行動をとった原因があるのか?それとも、島田自身がなにかを心配する出来事があったのか?

 

「うん、覚えているかな?合宿3日目の事を……」

 

合宿3日目と言うと、姫路や岩下の浴衣姿を撮っていたときだったよな?岩下の浴衣姿は正直最高で人妻のオーラが感じてエロ……いや、美しかったとだけ伝えておこう……

 

「その三日目がどうしたのだ?」

 

「あの日の事覚えてる?」

 

「たしか、坂本がバナナの皮に滑り込み、坂本が明久を巻き込んで倒れて、坂本が明久の携帯電話を踏み潰す音したな。なんだ?まだ、修理費出してくれてないのか?」

 

「それは、もう払ってる!!ったく、でまさかと思うが……まて、貴様は……本当に、“間違えて島田に告白とも取れるようなメールを送ってしまって弁明しようとしたところで、俺に携帯電話を壊されてなにもできなくなってしまった〝となったのか……!?」

 

「そう……だよ………」

 

明久の合宿の出来事でなにか大きな事なあったか考えていると、坂本がなにかに気づいてその答えをきくと明久の目には小さな涙が流れていた……

 

「そうじゃったか……。これで納得したと同時に明久も明久もじゃが……雄二、お主もすごいタイミングでやらかしたのぅ……」

 

「ド○フのような……く、ド○フといえば、あの偉大なお方がつい最近なくなったのだったな……。えぇい、明久と坂本は切腹だ!!そしたら丸く収まる!!」

 

「「俺(僕)達が死ぬ!!この大馬鹿!!」」

 

本当に偉大なお方がなくなったのが遠い昔のように……良い子や良い大人達よ、共に協力して乗り越えようではないか!!さて、それはそうと、明久と島田の真実がこれではっきりしたわけだな

 

「……そもそも、今の話を聞けば明久の失態」

 

「確かにな。良いか?良い社会人はメールをきちんと確認して、送る相手に間違いがないかを確認してから送信するものだろう。まぁ、学生の俺が勝手に思っていることだがな」

 

「うっ!盗撮好きとNTR好きのヅラに言われるなんて……屈辱だよ」

 

「ムッツリーニ……」

 

「……承知。モード切り替えオン……go」

 

「いだだだだだ!?!まだ其を外してくれてなかったのね!?」

 

明久につけていた“嘘つく子にはお仕置きよ!電気ビリビリ!〝で、モードを切り替えて電気刺激を与えると明久は苦しんでいた

 

「はぁはぁ……」

 

「全く……失礼な言葉を言うからだ」

 

「このバカの話を聞いた限り、誤解なら……話が早い。①今回仕掛けられる理由は、清水が主導の元にDクラス女子が俺達に戦争を仕掛けると言うこと②清水を落ち着かせればこの戦争はなくなるはずだ③今の俺達に発言権はない……!」

 

「まとめると、清水を落ち着かせたら良いだけの話だ(まぁ、今の清水やらかしたことを俺や岩下と鉄人に竹内先生の四人しか知らない……いや、島田もか??まぁ、それ以外は知らないだろうから、女子は話を聞いてるのか??)」

 

「なるほど……」

 

とにかく、今の女子の何人かはこの主犯達を叩きのめしたいと言うのは少なからずいるが、大がかりなのはもう少しまってほしいものだな……

 

「吉井君!!!」

 

考え事してると、Fクラスのドアを勢いよく開けて入ってきたのはAクラスで秀吉の姉でもある優子っちだった

 

「美波とキスをしたって本当……」

 

「えっと……本当だよ……?」

 

「歯を食い縛りなさい……!!!」

 

「姉上、スティ、スティなのじゃ!!!」

 

優子っちが来るなりに明久のキスの件を問い詰めると、否定することなく答えた。そして、島田とキスをしたと言う事実に激しい怒りと拳を構えていたのを見て秀吉が必死になだめていた

 

「明久君、少しお話があります!!」

 

「今度は姫路さん!?」

 

「その……明久君は、美波ちゃんに告白したのですか!?」

 

「あの、その……」

 

「「はっきり答えて!!!」」

 

おぉ、これが本当の修羅場と言うわけか。モテナイ男としては羨ましいシチュエーションとか言われそうだな。まぁ、問い詰められている明久はどうか耐えた方がいいのかわからないみたいだしな

 

「まぁまぁ、落ち着け。そんなに問い詰めては、明久も答えれないだろ?」

 

「そうね……」

 

「はい……」

 

さすがに興奮して問い詰めたのが恥ずかしかったのか二人とも顔真っ赤にしていたが、俺はなにもみてない

 

「島田は?」

 

「屋上にいますよ」

 

「よし、それなら俺たちも屋上に行くか。ここで話すのもなんだしな。だが、姫路には往復することになって申し訳ないけどいけるか?」

 

「あ、いえ!全然気にしないでください」

 

「私もついてくわ」

 

島田が屋上にいるのがわかると、一同は屋上に向かうことに……それにしても優子っちも来るとは、やはりあれが気になると言うことなのか?まぁ、とりあえずは明久が血まみれになると言うのを賭けておこう

 

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!次回もよろしくお願いします!


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明久の告……自白

ようやく新作かけました!!
ここのところ忙しくかけなかったのとデータが飛びさんざんでしたが、これからもよろしくお願いします!


姫路の案内のもと、島田がいるであろう屋上へと向かっていた。道中に盗聴されている疑惑があったので、所々ムッツリーニが警戒してい疑いあるところは潰してくれていた

 

「そういえば、優子っち。久しぶりのAクラスの男子はどんな状態だった??」

 

明久達が停学解除されたならあいつらも解除されてる筈だし、男子どもの様子模試っている筈だと思い話切り込む

 

「そうね。結論からいうと……表面上は元気そうだけど女子に後ろめたい感じはあるわね。いつもよりは若干静かな感じね」

 

「やはりか……」

 

「……あの件は仕掛けるの?」

 

優子っちがあのバカどもに聞こえないように、小さく耳打ちをして来たので、俺は無言で首をふった

 

「まだだ……少なくとも停学開けてまだ初日だ」

 

「それもそうね。今はまだ……ね」

 

優子っちは、俺の考えを読み取って理解してくれた。そう、今はまだあいつらにはそれを仕掛けていくわけにはいかない……まだな

 

「まぁ、その件はおいといて……そろそろ屋上だな。明久は神に対しての祈りは終えたか?泣き叫ぶ用意は終えたか?遺書は書き終えたか?」

 

「いずれもまだ終えてないよ!?!!っていうか、死ぬ前提!?」

 

「コントはおいといて、開けるぞ」

 

坂本が扉を押し開けると、その向こうには晴れ渡る青空と、その下に静かに佇む島田の姿があった

 

「あ、瑞希とアンタたちも?皆揃ってどうしたのよ?優子もいるし……」

 

「……少し待て。ムッツリーニ」

 

鋭い目つきで周囲を見回してから小さな機械を片手に歩き回るムッツリーニ。恐らく設置されている盗聴器を探しているんだろう

 

「……OK」

 

「さすがムッリーニ。さて、明久が島田に大事な話があるみたいだ」

 

「え!?ど、どうしたのアキ……?」

 

「えっと……」 

 

明久が大事な話あるというのを島田に伝えると、島田は驚いて明久の方に見た。そんな明久は言いよどみながら祈るように準備していた

 

「神よ!ご加護を……!」

 

「アキ……?」

 

自身で撒いてしまった種だから、自分でけじめをつけないと大変だからな。こればかりは自分のウッカリを呪うが良い!!

 

「ねぇ、アキ。どうして、宗教みたいなことをしてるの?」

 

「あ、これはその……うん!とりあえずは、大事な話がある!」

 

「大事な話があるって……」

 

「美波……その……実はメールのことなんだけど」

 

「め、メール////もしかってあのメール//?」

 

「うん。強化合宿の時に送ったあれだけど……実は……」

 

「実は……?」

 

「実は……誤解なんだ!!!!!!!」

 

明久が意を決して、はっきりと島田の目を見てメールの件が誤解だと伝えると……

 

「「「…………え?」」」

 

明久の衝撃の言葉で女性陣3人が固まっていた。いや、島田に至っては石像になりかけていた……

 

「あ……いや、誤解と言うより送る相手を間違えたの!」

 

「間違えたって……誰に送るつもりだったの?」

 

「……須川君かな……」

 

「「「えぇぇ!?!」」」

 

「じゃ、じゃあ、アキはウチじゃなくて須川に告白したつもりだったの!?」

 

「そ、そんな!明久君はなんだかんだ言っても女の子が好きなんだと思っていたのに、やっぱり男の子を、しかも桂君でも、坂本君でも木下君でも久保君でもなくて、須川君が好きだなんて……」

 

「これはこれで……っていうか、須川くんって誰?」

 

哀れ、須川。優子っちにはおまえの名前の記憶がないみたいだな……まぁ、同じくクラスではないからそれは仕方があるまい……

 

「だが、少し待て!?俺は普通に女の子が好きだぞ!!もっと正確にいうと人妻でも……ぐぼぉー?!」

 

「はい、少し黙りなさい」

 

「桂達を探していたらとんでもない答えを聞いたわ…」

 

いつの間にか俺の背後にやってきた岩下が俺の頭を地面にぶちのめしていた。後ろには、菊入真由美が苦笑しながらこちらにきた

 

「ま、真由美に律子!?何でここに……」

 

「全く……美波に朝の件のことで聞こうと思って探していたのに、桂が危ない発言しそうになっているじゃない?ここは学校だからその発言は少し気を付けなさい」

 

「いや、問題はそこではないからね?あと、桂を地面にめり込むのそろそろやめてあげて?」

 

岩下が俺に苦言を呈しながら怒ってると、菊入がなだめていた。そんな二人がここに来たことに驚いていた

 

「先程もいったけど、美波を探していたのよ。……で、とんでもないことを宣言した吉井君は実は男好きなの?」

 

「ご、誤解だよ!?えっとね……確か須川君から『お前は本当に女子に興味があるのか?坂本や木下の方がいいんじゃないか?』っていう感じのメールが来たから、その返事をしたら宛先を間違えて美波になっちゃって……」

 

明久の説明を聞いて、島田は携帯を取り出していた。しかし、明久よ……その説明では須川が何やら不憫な気がするのだがな?

 

「え?あれ?なんだか今見てみると、このメール、告白にしては少しおかしいみたいなんだけど」

 

「そうなんですか?美波ちゃん、私も見ていいですか?」

 

「私達も見て良いかしら?」

 

「えぇ。あ、桂も見る?」

 

島田に言われて、俺達もそのメール内容を見たのだが………

 

「“勿論好きだからに決まってるじゃないか!雄二なんかよりもずっと!〝ふむ、島田。この文章で今冷静に見るとおかしいところはあるのではないか?」

 

「そうね……受けたときはそんなところまで気が回らなかったけど……でも、冷静になって見直すとちょっと変かもしれないわね」

 

「でも、メールを送った本人も問題はあるわね。見直さなかったことと送信相手を間違えること。そして、主語がないことね」

 

「ごめんなさい、これ以上ぼろくそに言うのやめてください。心がおれます」

 

優子っちが次々と明久のメールを指摘すると、明久が心折れそうだと泣きながら土下座していた

 

「まぁまぁ、優子。それの指摘は後で問い詰めれるとして……」

 

「吉井君がいっていた誤解はこういうことだったのね。三人とも納得してくれた?」

 

「はい。明久くんの送ったメールが誤解だったというがわかりましたね」

 

「そうね。色々と複雑だけど……」

 

「あはは。美波はそそっかしいなぁ」

 

「もうっ。送り先を間違えるアキには言われたくないわよ」

 

姫路達は納得していて、明久は殺されないと安心したのか、少し失礼な発言をしていた。そして、島田は島田で明久の言葉ににこやかに笑いながら近づいて……

 

「どうしてくれるのよ、私のファーストキス!!!!」

 

「がぼぉおあぁぁぁぁ!!」

 

涙流しながら、明久の顎を見事にアッパーをすると明久は空を舞っていた……。まぁ、やつの自業自得なのでここは気にすることではないな……とりあえずは……南無妙法蓮華経……

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!次回もよろしくお願いします!


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踏み抜く地雷

明久の送ったメールが誤解だとわかると姫路達は安心していたが、島田は顔真っ赤にして明久の顎にアッパーをする

 

「どうしてくれるのよ、ウチのファーストキスを!!!!」

 

がぼぉおあぁぁぁぁ!!」

 

その島田の攻撃はもう見事にきれいな攻撃で、動きに無駄はなく攻撃のキレは鋭く明久の顎を当てていた

 

「ウチが!あの!メールを見て!!」

 

「ぐっ、がぁ!?ごぼぉ!」

 

「どれだけ!嬉しかったと思ってるのよ!!」

 

「ごぶっ?!」

 

島田は地面に着地した明久に対して腰を落とした低姿勢から高速で間合いを詰め、狼の牙に見立てた拳を高速で何度も繰り出す攻撃を繰り出していた

 

「あれは……見事な狼牙○風拳だ!」

 

「狼○風風拳とは、で、一秒間に5発の打撃を放つことが可能だという……あの伝説の技を美波ができるなんて凄いわ」

 

「そこ二人ボケない!!そして、それパクリネタ!!あと、○ムチ○と美波は全く関連がないからね!?」

 

「桂君も律子もそれを今言ってはいけないわ!?あと、優子もさらっと指摘しない!!」

 

島田の怒濤の攻撃に感心してると、優子っちも優子っちでどうかという発言に、菊入が突っ込みをしっかり入れていた。ふむふむ、どうやら新たな突っ込み役が見つかって安心したぞ!

 

「はぁぁぁぁ!」

 

「ごふっ!!」

 

止めと言わんばかりに明久のお腹を両手で突き飛ばす攻撃をすると、明久は壁に叩き込まれて倒れこんだ

 

「ふぅぅ……スッキリした」

 

「……WINNER、島田美波」

 

明久が起き上がらないのを確認したムッツリーニは、勝利のコールを宣言した。やはり、この落ちになるとはな……

 

「ほ、ほんとうにごめんなさい……悪気はなかったのです………」

 

「ごめんなさいですむ問題じゃないでしょ!?あぁ、もう!本当にファーストキスだったのにぃ!!」

 

島田は明久の胸ぐらを掴みながらものすごい勢いで揺さぶっていた。まぁ、確かに女の子にとってのファーストキスは高い付き物だからな

 

「あの、美波……」

 

「何よ!?!」

 

「えっと僕も初めてだったから、おあいこってことじゃ、ダメかな?」

 

「え……?そ、そうなんだ……。それは、そのご馳走様……?」

 

「う、うん……?これでいいか……な?」

 

「「「おあいこにならないでしょうがぁぁァ!!」」」

 

「ごぶっ!?」

 

明久もファーストキスだったというと、島田も顔真っ赤にしていた。明久はこれでいいかな?って思っていたがそれを許さない女子三人が明久の頭を叩き込んだ

 

「全く……!ごちそうさまかもしれないけど、元の原因はあなただからね!!」

 

「うら……そもそも!!女の子にとってのファーストキスは大切なものよ!」

 

「もう少し、乙女心を勉強しなさい!!」

 

「は、はい……」

 

姫路を除く、Bクラスの二人とAクラスの一人に怒られるFクラスの問題児というのもなかなか面白い絵面だな。しかし、今気のせいか優子っちは羨ましいと言わなかったか?

 

「あの……美波。怒らないで聞きたいんだけどいいかな?」

 

「なに?アキ?」

 

「僕と美波が付き合っているって話なんだけど、あれってもしかして、美波が僕のことを……その、す、好き、とか……?」

 

「え、いやその!?!えっと……あ、あれはね、ほらっ!!美春があまりにもしつこいから、彼氏でもいたら諦めてくれるかと思って、それでタイミングよくアキが告白してきたもんだから……!」

 

「あぁそうなんだ……」

 

 

島田は明久の問いかけにあたふたとして誤魔化していたが、俺としては島田は今絶好のチャンスを無駄にしたと思う……

 

「「「素直じゃないな―……」」」

 

「「……」」

 

「まぁ、一人以外はバレバレだな」

 

「……返答次第では危うく友を殺め…ごほん、ごほん…。島田は本当に素直じゃない」

 

「素直じゃないのぅ……」

 

それぞれが今の反応を見て率直に思ったことをいうと、島田は島田で顔真っ赤にしていて、明久は島田の答えに悔しそうにしていた

 

「全く……それならそうと先に言ってよ。美波が僕のことを好きなのかと思っちゃうじゃないか」

 

「そ、そんなワケないでしょ!」

 

「だよね……。僕もおかしいとは思っていたんだよ。美波が僕を好きになるとは思えないし、それに……」

 

「そ、それに、何よ」

 

「それに、美波があんなにしおらしいなんておかしいもんね」

 

見事に奴は地雷を踏み抜く発言をする天才だと俺は思う。明久の答えに島田はにこやかにそして、背後には修羅のように見栄ながら明久の肩をつかんだ……

 

「そうね。全く、本当に、アンタの言う通りよね……!」 

 

「み、美波!?なんか僕の肩が嫌な音を立てているような気がするんだけど!?」

 

「吉井君、美波に対して少し失礼な発言ね……」

 

「そうね」

 

島田の言葉に続くように、菊入と優子っが修羅のように明久の肩を掴んでいた。あぁ、これは明久は助からないだろう……

 

「いくわよ、真由美!優子!」

 

「「はい!!」」

 

「え、ちょ!?菊入さん、僕の両腕をつかんでるけど何をするつもり!?」

 

「そぉれ!!」

 

菊入は明久を逃がさないようにしっかり捕らえて、そして準備できている優子っちと島田に向けて思いきり投げると…

 

「「「プリキ○アマーブ○スクリュー!」」 」

 

「「「それアウトォォォ!!!」」」

 

「え、やばっ!ごほっ!?!!」

 

明久の鳩尾に島田と優子っちの攻撃が見事に直撃して……明久は完全にダウンした……

 

「「「|Don't lick poor milk!Poor milk is rare in the world《貧乳をなめないで!世の中は貧乳もレアなのよ!》」」」

 

決め台詞と言わんばかりに明久に向けて、なにかをいっていた。あの三人はやはり同盟としての絆が強いのか……?あ、きちんとあの後に島田達に屋上をしたもうひとつの理由を話したぞ

 




イヤーなかなか良いネタが出てこない!皆さん、こういう話をぶちこんでほしいと言うのありましたら活動欄にお願いします。

これからもよろしくお願いいたします


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問題編①

リクエストいただきありがとうございます!
ひとまずは簡単なのから書きましたのと更新遅くなりすいません!これからもよろしくお願いします!


バカテスト 国語

問 以下の意味を持つことわざを答えなさい。

『(1)得意なことでも失敗してしまうこと』

『(2)悪いことがあった上に更に悪いことが起きる喩え』

 

 

姫路瑞希の答え

『(1)弘法も筆の誤り』

『(2)泣きっ面に蜂』

 

教師のコメント

正解です。他にも(1)なら『河童の川流れ』や『猿も木から落ちる』、(2)なら『踏んだり蹴ったり』や『弱り目に祟り目』などがありますね。

 

 

桂大河の答え

『(1)弘法も筆の誤り』

『(2)泣きっ面の明久に蹴ろう』

 

教師のコメント

(1)はやはり定番でしたが、(2)の答えに関しましては、友達を大事にしてください。吉井くんは人間ですのでボールと勘違いしないでください

 

 

土屋康太の答え

『(1)弘法の川流れ』

 

教師のコメント

シュールな光景ですね

 

吉井明久の答え

『(2)泣きっ面蹴ったり』

 

教師のコメント

君は鬼ですか

 

 

問題2

『調理の為に火にかける鍋を製作する際、重量が軽いのでマグネシウムを材料に選んだのだが、調理を始めると問題が発生した。この時の問題点とマグネシウムの代わりに用いるべき金属合金の例を一つ挙げなさい』

 

 

姫路瑞希の答え

『問題点……マグネシウムは炎にかけると、激しく酸素と反応するため危険であるという点合金の例……ジュラルミン』

 

 

教師のコメント

正解です。合金なので『鉄』では駄目という引っかけ問題なのですが、君達は引っかかりませんでしたね。

 

土屋康太の答え

『問題点……ガス代を払っていなかった事』

 

教師のコメント

そこは問題じゃありません。問題をよく読んでください

 

吉井明久の答え

『問題点……普通は鍋の材料にマグネシウムなんて使わないのに使ってしまった点。合金の例……無抵抗アルミニウム合金(未来合金)』

 

教師のコメント

無抵抗アルミニウム合金ってなんですか?問題をよく読んでください

 

桂大河の答え

『問題点…マグネシウムは炎にかけると激しく酸素と反応する為危険であるという点。合金の例…爆弾』

 

教師のコメント

惜しいと言おうと思いましたが、例がそれでは×です。それ以前に爆弾という考えをやめてください

 

 

問題3

『(1)4sinX+3cos3X=2の方程式を満たし、かつ第一象限に存在するXの値を一つ答えなさい。

(2)sin(A+B)と等しい式を示すのは次のどれか、①~④の中から選びなさい。

①sinA+cosB  ②sinA-cosB

③sinAcosB ④sinAcosB+cosAsinB』

 

 

島田美波・姫路瑞希・桂大河の答え

『(1)X=π/6

 (2) ④ 』

 

教師のコメント

そうですね。角度を『°』ではなく『π』で書いてありますし、完璧です。そして島田さんは数学が得意なので、これは簡単でしかた

 

土屋康太の答え

『(1) X=およそ3』

 

教師のコメント

およそをつけて誤魔化したい気持ちもわかりますが、これでは解答に近くても点数はあげられません。

 

 

吉井明久の答え

『(2) およそ③』

 

教師のコメント

先生は今まで沢山の生徒を見てきましたが、選択問題でおよそをつける生徒は君が初めてです

 

 

問題4

「傍線部『私』がなぜこのような痛みを感じたのか答えなさい。」

【父が沈痛の面持ちで私に告げた。 『彼は朝早くに出て行った。もう忘れなさい』 その話を聞いたとき、私は身を引き裂かれるような痛みを感じた。 彼のことはなんとも思っていなかった。彼がどうなろうとも知ったことで はなかった。私と彼は何の関係もない。 そう思っていたはずなのに、どうしてこんなにも気持ちが揺れるのだろ う。】

 

 

吉井明久の答え

私にとって彼は自分の下半身のように大切な存在だったから

 

教師のコメント

どうして下半身に限定するのですか

 

土屋康太の答え

私にとって彼は下半身の存在だったから

教師のコメント

その認識はあんまりだと思います

 

桂大河の答え

私のことは遊びだったのね!この泥棒猫!!

 

教師のコメント

不倫のネタですか?

 

 

問題5

江戸幕府第14代将軍の名前を答えよ。尚、フルネームで正解とする

 

姫路瑞希の答え

坂本雄二の答え

徳川家茂

教師のコメント

正解です!14代将軍は答え間違う人もいますが、さすがの正解です

 

吉井明久の答え

将君

土屋康太

将君

 

教師のコメント

問題を読みましょう。あと、将軍の名前なのに、将ちゃんとは馴れ馴れしいです

 

島田美波の答え

徳川…

 

教師のコメント

回答は最後まで頑張って書きましょう

 

桂大河の答え

我が永遠のライバル将ちゃん

 

教師のコメント

君はいつの時代の生まれですか?吉井くん達とあとで職員室来るように




ここまで読んでいただきありがとうございます

次回はきちんとした話を……のせます!


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○○の恨み

ようやく新作投稿することができました!
ここ最近急激に忙しくなり、書くことがなかなか時間とれずに投稿も遅くなりました!
ほんとうにすいません!


色々な誤解が解けたのはいい事だが、その代わり明久は大きな代償を失ったがな……。なにせ、元をたどり着けば明久がメールを確認した方がこういうことが起こらないという高い授業料を払ったな

 

「うぅ、体がまだ痛いよ……」

 

昼休みになり、明久はまだ痛む体に悲しそうに声をあげるが、そんなの誰も助けてあげない。むしろ、こうなるという落ちは予想していた

 

「それは仕方があるまい。元をたどり着けば、お前が悪いのだからな?」

 

「……明久のメールの確認不足」

 

「高い授業料と思うが、それも勉強じゃ」

 

「ま、お前が悪いという事実は変わらねぇか」

 

明久がぼこぼこにされた体がまだ痛いというと、同情どころがむしろそれは仕方がないだろとも思っている

 

「だが、これで懸念していたDクラスの戦争を回避できたな」

 

「あぁ」

 

Dクラスとの開戦が防ぐことができて安堵していると、島田が姫路に声かけていて明久が見かねて声かけていた

 

「瑞希?お昼御飯を一緒に食べない?」

 

「あ、美波」

 

「何よアキ。ウチに何か用?」

 

明久は姫路に声かけている島田に声をかけるが、島田はにこやかに笑ってるも目の奥は激しい怒りが……そんなのを気づかないバカは普通に話しかけていた

 

「えっとさ、今朝言ってたお弁当なんだけど……」

 

「まさか、アキ?ウチにあそこまで恥をかかせておいて、お弁当をたかろうって言うの?……それはウチを相当、なめてるのかしら?えぇ、なめてるのよね?」

 

「ごめんなさい!心の底からごめんなさい!」

 

「全く……アキは無神経なんだから。瑞希、こんなバカのいない気持ちいいところでお昼しましょ?今日は天気もいいしね」

 

「あっ、美波ちゃん待ってください!あ、明久君、失礼します……」 

 

姫路は律儀に明久に一言を残して、島田と共に教室に出ていった。やれやれ、本当にあいつはもう少し考えないと死ぬぞ

 

「なんだ?島田にお弁当もらえなかったのか?」

 

「うぅ、楽しみにしていたのに……」

 

島田の弁当を食べれなかったことに残念に思っているが、あの怒りでは本当に無理だしな。それに、俺のお昼御飯は、そばがあるからいい!

 

「それは仕方があるまい。何度もいうが、それは貴様の失態だからな」

 

「わかってるよ!?」

 

「いいや、この際だから言わせてもらう!!きさまらが停学なったせいで俺がどれだけ大変だったか!!ついでに、坂本はさっさと霧島と結婚しろ!!」

 

「流れ弾をこちらに出すな、ボケぇ!?あと、FFF団構えるな!!あと、ヅラも一週間女といたのだぞ!!」

 

坂本がそれを宣言した瞬間、須川達が武器を構える用意をしていた

 

「桂……!そういえば、貴様は停学にならなかったな!!」

 

「そうだ……俺達があんな思いをしていて、貴様だけウフフキャハハな生活を!!天誅だ! 」

 

「フシャァアァ……」

 

「そんなのは覗きをしたお前達が悪い!あと、語彙力が足りなさすぎる上に最後の奴は、何をいっているかわからない!!」

 

本当にこいつらは女絡みになると、醜い嫉妬と醜い暴走をしてくれる。えぇい、こんなの相手しては俺のそばが食べる時間がなくなる

 

「では、いただきま……「俺たちを無視して食べるとは……くたばれ桂ぁぁー!!」ーーごぶっー?!」

 

食べようとした瞬間に後ろからタックル攻撃をくらってそばが空中に舞って……地面についてしまった

 

「あぁぁぁあ!?俺のそばが……!!」

 

「桂を天誅成功!俺達を無視するから悪い!!ふははは!!!」

 

FFF団の一人が無視されて悲しかったのか、食べる瞬間にタックルをして来た。その結果、俺の食べるはずだったそばが……

 

「キサマラ………」

 

「ん?」

 

「キサマラ…ソコマデシテシニタイノナラ……良いだろう……坂本ぉ!!!」

 

「お、おう!?」

 

「この馬鹿どもに……俺の神聖なるそばを食べる邪魔をしてくれたお礼をしてやる……。坂本と、秀吉とムッツリーニは、教室の外に出ろ。あとは…天誅ぅぅ!!」

 

そばを食べる瞬間を邪魔されたのなら、この喧嘩は買わないと損だ!!ついでに明久は巻き添えでしてやる!!坂本達が出ていくのを確認すると、須川達に念のために確認した

 

「貴様達に1ついいことを教えてやる。俺がこの一週間どれだけ大変な思いをしたのか……それはもう聞くも泣く、語るも泣く……貴様達はあの停学なる前に見た光景は、何を見た?」

 

「「「「うっ……」」」」

 

「そして、それをきっかけに貴様達は変な扉を開けたのではないか?ん?」

 

「そ、そんなわけない!!」

 

「なるほど……ついでだ、そばの怒りを味わえ」

 

懐から爆弾を取り出して、それを明久達の方に投げた。明久達は一瞬の動きを見逃して教室に窓を開けてなかったのが命取りだ

 

「え……からぁあぁあ!?!」

 

「目が目が!!!!」

 

「桂ぁぁぁ!?貴様ぁ!?!」

 

「俺が投げたのは激辛爆弾だ。貴様達に対してのお仕置きで使うつもりで作ったからな。ちなみに材料はハバネロだ」

 

因みに、俺はすでにマスクをしている上に、目にも被害いかないようにしっかり防護している。まぁ、俺のそばを台無ししたのだから、これくらいでゆるそう

 

「換気もかねて窓を開けておこう……。次にそば食べるタイミングを邪魔したら、船越先生にあることないことを貴様達に全部いうからな」

 

「「「「心のそこからごめんなさい!!」」」」

 

全く………無駄な時間を過ごしてしまったではないかと思いながら坂本達に教室を入っていいと促した

 

「桂、不味いことになったのじゃ」

 

「なんだ?坂本がついに結婚挨拶しないといけないのか?それとも、明久がついに船越先生に告白されるのか?」

 

「「そんなのあり得ないし、断る!!!」」

 

「……Bクラスが戦争の用意を仕掛けているみたいだ。雄二のは時間の問題かもしれないけど……」

 

坂本達がそろそろEND迎えそうだとも思っていたのだが、まだ耐えていたとな。そして、ムッツリーニの報告にさっきまでの平穏な時間が、また終わりを迎えてしまった




ここまで読んでいただきありがとうございます!
話の感覚を取り戻せるように頑張りますので、これからもよろしくお願いします


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対策と情報整理

投稿遅くなりすいません!!!
ここのところ忙しく、今後も一ヶ月に一回投稿になるかわかりませんが、確実に毎月更新はしてみます!
(自分で自分の首を絞めている作者…_)


なんとかDクラスとの戦争を回避できたのに、今度はBクラスが戦争を仕掛ける用意をしているという情報を聞き、緊急会議していた

 

「Bクラスが戦争を用意してる……つまり狙いは俺達か?」

 

「恐らくな……っち、このタイミングで狙いを考えるのはあの姑息なやつか」

 

「ねぇ、ヅラ。岩下さんに説得頼んでもらうことできない?」

 

ムッツリーニの報告に整理するように俺が呟くと、坂本は苦虫潰したように呟いていた。そんな明久は何かを期待するように俺を見るが、残念ながらそれは不可能だ。

 

「無理だ。元々、岩下達はBクラスとして所属しているから止めてもらうなんて無理だろ。それと、向こうの代表は結果によっては焦っているから自滅になっていくだろう。まぁ、仮に戦争しても仲が悪くなる関係ではないしな

 

「?最後なんかいったかのぅ?」

 

「いや、なにも」

 

危ない、危ない。また岩下との関係を聞かれるのめんどくさいところだった。なにせ、岩下の店でそばを食べに行く関係というので、奴等は嫉妬の炎を出すからな

 

「さて、本題は………これをどう防ぐかだな」

 

「ねぇ、根本君がこのタイミングを狙ったのは復讐のつもりで仕掛けたのかな?しかも復帰初日に……」

 

明久が珍しくこのタイミングを疑問に思っていた。まぁ、清水の件は島田が明久にキスをしていたという事実でめんどくさいことに……

 

「さぁな。だが、いまはなんでそういう情報が出たのか気になるな。ムッツリーニ、Bクラスではどんな会話していたんだ?」

 

「……これを」

 

ムッツリーニはポケットに隠していた録音機を取り出して、全員が聞こえるように音を出してくれていた

 

『あの、明久君の二次配布はできないでしょうか?!』

 

『…二次配布は禁止。これは絶対』

 

『二次配布は禁止ですか……残念です……。でも、とりあえずは自分の分だけ明久君のそれを買います!』

 

『……毎度。サービスとして値下げをしとく』

 

やがて音声が切れて、回りが静かになった

……いや、静かにならざる終えない静かなないようだった

 

「……間違えた」

 

「嫌々!?明らかにおかしいのがあったよね?!ねぇ!?おかしいよね!?」

 

「そんなのはどうでもいい。ムッツリーニジョークはおしまいで、本当の音声を聞かせろ」

 

「ジョークじゃないでしょ!?」

 

明久が何をいっているかわからないが、とりあえずはムッツリーニに音声を流してもらうと間違いなく根本の声が流れた

 

『何やらFクラスがまたやらかしたみたいだな。Dクラスに戦争を仕掛けられるかもしれないって?』

 

『そのようね。で、それを聞いてどうするの?』

 

『決まっているだろ……戦争の用意をするんだよ。Fクラスにばれないように戦争の用意を進めるぞ』

 

『わかったわ、とりあえずは用意ね……?……多分、返り討ちされそうな気がするけどね

 

そこで音声が切れたが、どうやら本当に戦争の用意を考えていたとは……それだけ俺たちが憎いのか?

 

「ふむ……これを聞いて明久はどう考える?」

 

「そうだね……やっぱりこれは僕たちに対する復讐?」

 

「ほう、珍しくいいところまでついてるが惜しいな。一番は()()()を取り戻すためだ」

 

「求心力?」

 

明久にしてはいいところをついてるが、もう一声はほしいところだし、根本的なのを説明しなければな

 

「ヅラ、この説明は俺に任せろ。明久、国情の不安が顕著になった場合……大衆の不満を押さえるためにはどうしたらいい??」

 

「ふ、そんなの簡単だよ。香水をつける

 

明久がもたらした答えの瞬間、周りの空気が寒くなり、俺自身も寒気を感じて震えた

 

「お…恐ろしいほど、空気が冷えるな」

 

「むしろ、奇抜な答えに度肝抜かれた」

 

「……同じく」

 

「え!?!だ、だって、体臭を押さえるには香水ってテレビで言っていたよ!?」

 

なるほど、このバカは聞き間違えをしてそのような答えになったのか……だが、この寒い空気は本当にどうしてくれる!!

 

「それならば、毒をばらまくとかどうだ?」

 

「……写真をばらまく」

 

「ヅラのそれは、もはやテロだし、ムッツリーニのその答えはいかがわしく感じるからダメだ!全く……取りあえずは、答えは外部に共通の敵を作ることだ」

 

「共通の敵を??」

 

「なるほどな。根本の狙いは、自身に向けられている怒りなどを俺たちに仕向けて、俺たちを倒すことで発言力を取り戻すことか……」

 

「うむむ、なんとも恐ろしいことを考えるのじゃ……。点数を補充するのか?」

 

秀吉の意見はわからんことでもないが、それでは悪手だな。こちらの動きを悟られないように密かに準備をする必要があるな

 

「そうなると、Dクラスにこちらを仕向ける必要があるのだよね?でも、僕らは自分達から仕掛ける事はできないよ?」

 

「アホか。そのために工作をする必要がある……つまり鍵はお前と島田だ」

 

「……なるほど、演技で清水美春を嫉妬に狂わせるように……?」

 

「そうだ」

 

「無理だよ!?あの件で美波はへそを曲げているのだよ!?!」

 

確かに島田は今朝の一件でかなりのお怒りなのはわかっているが、それでもやるしかないだろ。それに……

 

「貴様の気持ちはわかるが、それでもやるしかない。それとも、貴様はこの程度で怯える攘夷志士か!?」

 

「まって!?攘夷志士になった覚えはないよ!?!」

 

「だが、それでもやるしかないだろ……。よし、対D戦の作戦を俺が考えるのと、秀吉は演技の台本を考えてくれ、ムッツリーニは情報操作をしてくれ」

 

「「ラジャー!!」」

 

「坂本、俺はどうしておこう?」

 

「ヅラは、万が一のために清水美春が作戦の邪魔をしてきて、こちらに突撃してきたら撃墜をしろ」

 

「わかった。俺もやつには……借りがあるからな……!」

 

一応邪魔はされないと思うが、撃墜の用意をしておくことには越したことはない。島田ラブの奴はとんでもない行動を起こす可能性があるからな

 

「ここまできたら、やるぞ!」

 

「「「おう!」」」

 

こうして俺達の第二次召喚戦争の回避行動をすることを始めた……まぁ、あれらは本当に何をして来るかわからないからなぁ……




ここまで読んでいただきありがとうございます!次回もよろしくお願いします!


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触らぬ島田に祟りなし

軽く昼御飯を食べ終えて、作戦を考えていると姫路達が戻ってきた。案の定,島田はまだ機嫌が悪いが、俺たちには被害はなく、これは明久だけが被害いくので関係ないか

 

「島田、姫路。すこしいいか?」

 

俺は姫路達に今回の件をはなそうと思い二人を呼ぶと二人ともキョトンとしてこちらを見ていた

 

「桂君、なにかありました??」

 

「何かあったと言えばそうだな……簡単に言うと、Bクラスが俺たちのクラスに宣戦布告する準備を始めているみたいだ」

 

「えぇ!?」

 

「宣戦布告の用意されているって……桂……あんた、律子と喧嘩したりしてない?」

 

姫路は宣戦布告されるときいて驚いていたが、島田は俺の予想を超える問いかけに驚いてしまった。何でそういう答えに至ったのか問い詰めたいがそれはそれでおいとこう

 

「何故、岩下の名前が出てきて、それを聞いてきた理由はあとで聞くとして……少し協力してほしい。おーい、坂本」

 

坂本は今話しきり出して問題ないと確認すると、こちらの方に歩み寄って本題を切り出してくれた

 

「いずれ霧島の婚約者になるであろう坂本が本題を切り出すからよく聞いてくれ」

 

「おい、翔子の婚約はしないぞ!?そして、発言に気を付けないと俺が人生の墓場にいきかねないのだけど?!はぁ……本題は島田にしか頼めないことがある」

 

「ウチにしか頼めないこと?」

 

「あぁ……明久と付き合っている演技をしてもらいたい。それも周りで見ているヤツがムカついて血管が切れそうになるくらいベタベタな感じでな」

 

「絶対に嫌!!」

 

坂本のバカはストレートにそういうと、島田は大きな声で拒絶を示していた。しかも、先程よりも怒りが溢れている

 

「ふむ。怒りも強くなってここまで来たら、子供も逃げ出す鬼だな」

 

「だ・れ・が……鬼ですてぇ?」

 

「ごぶっ!?ば、ばかな!?いまの拳は全く見えなかった……まるでONE ○ECEのゴ○ゴムのピーーごはっ!?」

 

「それ以上の発言はやめなさい!消される!!」

 

く、全くいまの攻撃が見えなかった上にどうやって攻撃を出した!?やはり、見○色を鍛えないと無理なのか!?

 

「ヅラのバカはスルーしておこう。そして、時を戻そう」

 

「ヅラではない、桂だ!そして、それは古いネタになるからやめておけ。島田よ、やはりどうしても無理なのか?」

 

「何を言われても嫌なものは嫌!」

 

「あのさ、それなら相手が僕じゃなければいいんじゃないかな?」

 

「「「「は??」」」」

 

明久の言葉に女子を除く俺達は“こいつ何をいっているんだ?”っていう顔をしながらみるが、当の本人は気づいてない

 

「明久、もう一度いってみてくれ」

 

「え、だから相手が僕じゃなければ良いんじゃないって「「違うだろーー!!このハゲぇーー!!」」……えー!?!?」

 

「明久、貴様の頭はお花畑か!?違うだろー!!」

 

「何で、そこまで罵倒されないといけないの!?!っていうか、そのネタいいの!?」

 

「……言論の自由。問題なし」

 

言論の自由だからこの程度で問題をとられる心配はない。それに、俺たちは学生だから関係はないのだからな

 

「そもそも無理だろ。朝のお前たちはあの行為をしたのだから確実に無理だろうな」

 

「え、いやでも……そう!たとえば、雄二とか!」

 

「ほほぅ、お前は俺に死ねと言うのか?」

 

「いつものことだろ」

 

「ヅラ、あとで覚えてろ」

 

ふむ、なにかいっているがどのみち貴様は霧島と結婚するから俺に害はない!!ふははは、貴様はいずれにしても詰んでる

 

「なら、ムッツリーニは……」

 

「……裏方の操作で無理」

 

「ダメだ。手詰まりだ」

 

「明久、ワシを省いたのななぜじゃ?」

 

「っていうか、ヅラは論外。顔が不細工…「ヅラではない、桂だぁ!!」ぶべらぁ!」

 

「見事なアッパーだな」

 

明久は空中に舞い込み思いきり地面に倒れこんだ。坂本は感心するように言うが、この程度は基本中の基本だし問題はない

 

「明久、よく考えてみるのじゃ。朝の公共の場であれをした以上多分、他の男の子付き合ってる何て誰も信じないとおもうのじゃが……」

 

秀吉の言う通り、朝のあれをした以上はもはや無理であろう。そう考えていると、姫路が頭を下げていた

 

「あ、あの!お二人は気が乗らないのかもしれませんがお願いします!凄く個人的な理由で申し訳ないんですけど、私やっぱり転校なんてしたくないです。だから、協力して下さい!」

 

「え、あ、いや。勿論は協力するけど……」

 

「わ、わかったわよ!とりあえず形だけでもやればいいんでしょ!けど、演技の内容次第じゃ、どうするかは知らないからね!」

 

「お二人とも……ありがとうございます!」

 

姫路の思いを聞いて、島田も演技の内容次第だが一応協力はしてくれることになった。やれやれ、本当に……

 

「本当に素直ではないツンデレだな……あだだたっ!!し、島田……何を……」

 

「だ・れ・が……ツンデレよぉおお!!!」

 

「「ぎゃぁぁぁぁぁ!?!」」

 

島田は俺の頭を思いきりつかんで、近くのいるムッツリーニの方に投げ飛ばし、俺とムッツリーニは直撃した

 

「ふぅ……ねぇ、アキ…」

 

「は、はいぃ!?」

 

「ウチはね、畳や卓袱台もこの前買ったばかりだから結構使い易いし、瑞希の為だけじゃないんだから、分かった?」

 

「yesマム!」

 

いまの島田は逆らっては不味いと思ったのだろうな。下手にからかうのは、よすべきだったかもしれない……

 

「じゃあ、頼むぞ」

 

「う、うん」

 

「……やるだけやるわ」

 

坂本の頼みにも不満はあれど仕方がないと割りきって島田は、明久と共に屋上にいくことに……あいつらきちんと演技できるか心配だな

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!
次回も宜しくお願いします!!


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やらかしたときこそ、サンドバッグだ!!

バカテスト 国語
問 以下の意味を持つことわざを答えなさい。
『(1)得意なことでも失敗してしまうこと』
『(2)悪いことがあった上に更に悪いことが起きる喩え』


姫路瑞希の答え
『(1)弘法も筆の誤り』
『(2)泣きっ面に蜂』

教師のコメント
正解です。他にも(1)なら『河童の川流れ』や『猿も木から落ちる』、(2)なら『踏んだり蹴ったり』や『弱り目に祟り目』などがありますね。


桂大河の答え
『(1)弘法も筆の誤り』
『(2)泣きっ面の明久に蹴ろう』

教師のコメント
(1)はやはり定番でしたが、(2)の答えに関しましては、友達を大事にしてください。吉井くんは人間ですのでボールと勘違いしないでください


土屋康太の答え
『(1)弘法の川流れ』

教師のコメント
シュールな光景ですね

吉井明久の答え
『(2)泣きっ面蹴ったり』

教師のコメント
君は鬼ですか


明久達には重大な任務を任せるとして、俺個人はあることで動いていた。それは坂本達に頼み込まれて動いていることだが……責任はとれないぞ?

 

「桂、呼び出してどうしたのよ?」

 

「すまんな、どうしても聞いておきたいことがあって呼び出した」

 

「それは何よ?」

 

「岩下……単刀直入にきく……」

 

俺が呼び出したのは、Bクラスの岩下だった。坂本達にも言ったが説得が通用するほど、甘い相手ではないの理解してるはずだ

 

「今日の夜のラーメン店にそばはあるか?」

 

「何べんも言うけど、私の家の店はラーメン店だからね?」

 

岩下が呆れるように指摘しているが知っているぞ。密かにそばの勉強をしているのを知っているぞ…フッ、岩下はかわいい部分があるな

 

「なんかものすごい失礼なこと考えていない?」

 

「なんも。そういえば、最近はなにか面白い話はないか?」

 

「面白い話ね……Fクラスの吉井君が美波にキスをされたと言う面白い話くらいかしら?」

 

「やはり、そういう話出ているのか。まぁ、俺には被害がいかないから面白い話となるがな」

 

まぁ今のところは嘘と言うのはばれていないなら、Dクラスの召獣戦争しかけられる心配ないな

 

「で、そんな事を話きくために私を呼び出したわけじゃないでしょ?なに隠しているの?」

 

「(ふむ、これを正直に話したら狙われる可能性は高まるし、何せ岩下のいるクラスはあの根本が相手だ。だから、何をしてくるかわからないな)…わかった。本題を話そう」

 

「そう、なにかしら?」

 

「実はな……先程見た資料を岩下に見せておこうと思ってな?これは話すか悩んだがな……」

 

そういって、ポケットから紙を取り出して岩下に見せると、岩下はげんなりとした表情でそれを見た

 

「え、()()()()が採用されたの?」

 

「うむ。()()()()()()()、一応許可をもらおうと思ってな……」

 

「当然、男子全員は知らないのよね?」

 

「むしろ、これを知っている方が恐ろしい。ついでに、これをいつするか()()()()()()話さないか?」

 

俺の提案に岩下は思案していた。当然だろう、今はBクラスが俺たちに仕掛ける可能性もあるし、クラスの流れ考えた上での思案だろうな

 

「……わかったわ、近々集まってやりましょう。本題はそれなのね?」

 

岩下が確認するように聞いてきたので、うなずいた。ムッツリーニの隠している盗聴はないしな。この内容を切り込むのは元々そういう予定だったからな

 

「あぁ、この提案の件は頼むぞ?他の連中も知らないようにしているからな」

 

「了解。それじゃあね」

 

岩下はこの内容を理解すると、Bクラスの方へと戻っていき、俺も自分のクラスの方に戻った。これで時間稼ぎは大分したし、問題はないはずだ

 

「戻ったぞー」

 

Fクラスに戻ると、明久を逆さまに吊り下げられていた。そして、その前には坂本が腕を組ながら立っていた

 

「おい、どういう状況だ?」

 

「どうもこうもねぇ。このバカがやらかした」

 

はい?明久達の任務は、付き合っている演技をして清水に怒りを向けさせることが仕事のはずだが、そんな簡単な仕事に失敗する要素はあるのか??

 

「このバカのはおいといて、岩下達には気づかれないように時間を稼いでくれたそうだな。その時間稼ぎは本当に助かる」

 

「他愛のない話だから気にするな。それよりも、明久がやらかした事はなんだ?」

 

「それはな……」

 

坂本に訳をきくと、明久は演技を忘れて泣くふりの姫路を追わないのが正解なのに……

 

「うっかりと追いかけたと言うことか……」

 

坂本の全部の説明を聞くと、ため息つきたくなる。姫路の演技がうまいと言うべきか、明久がバカだったと言うべきか……どちらにしてもこれはもう……

 

「明らかにこれはもう厳しいだろ」

 

「そうだ。このバカは、追いかけたせいで、全部がバーだ」

 

頭を少し抱えながら考えたがどう考えても難しいと言わざる終えない。まぁ、それよりもこの件の明久に労ってやるか

 

「まぁ事情はわかったが…なるほどな。それはそれは…ご苦労だったな明久…」

 

「ヅラ……」

 

ふん!!」

 

ほげぇぇえぇ!?!!

 

俺は逆さまに吊り下げられている明久の顔を思いきり殴ると、明久の顔は血がぶっ飛んで変な声だしていた

 

ふははは!いいサンドバックですねぇ!!!

 

「づ、ヅラ……やめ…ほげぇ!?!」

 

「労るどころが殴るなんて恐ろしいな…。まぁ、確かにいいサンドバックなのはかわりないがな……」

 

坂本は止めるどころが否定せずに、明久の制裁に加わっていた。まぁ、ある程度制裁を終えて地面を下ろすと、明久はボロボロだった

 

「酷い……僕が何をしたと言うのさ!?!」

 

「「「「作戦を失敗した愚か者だ(ということじゃ)」」」」

 

「みんな嫌いだ!!!」

 

さて、こんな芝居はおいといて……この状況をどういう風に変えていくかが難しいな……とにかく俺らから仕掛けないとDクラスは恐らく動かないだろう

 

「……報告。現在5割程度の補充を完了。一部では開戦の用意を始めている」 

 

「そうか。予想よりも早いな。向こうも本気ってことか」

 

この報告を聞けば厳しいことに変わらないが、まだ5割と言うことは少し時間の余裕がある上にまだやれることはある

 

「リーダーたる者……例えどんな手を使っても組織を勝利に導かなければならん!坂本、俺たちのやるべきとは全力でやるぞ!!」

 

「あぁ。島田とムッリーニには悪いが須川たちと協力してBクラスに偽情報を流してくれ」 

 

「……内容は?」 

 

「Dクラスが試召戦争の準備を始めているって感じで頼む。その狙いがBクラスだということも。ムッリーニには嘘の情報流し終えたら後は須川に一任してお前にはやってもらうことがあるから戻ってきてくれよ?」 

 

「……良いわよ」

 

「了承」

 

不機嫌な島田はムッリーニと教室の外へと向かっていくと、坂本は秀吉に次の作戦を指示した

 

「秀吉、清水を交渉のテーブルに引っ張り出してもらいたいんだが、頼めるか?」 

 

「それは構わんが……交渉と言ってもどうするつもりじゃ?」 

 

「どうするつもりも何も、こちらの目的は一つだ。清水を挑発して敵意を煽る。向こうが乗ってきたら成功だ」 

 

「じゃが、それだと島田に協力求めないと無理じゃないのかのぅ?」

 

「あぁ、島田には申し訳ないが、その方が確実に挑発できるからな。まぁ、後のことは俺が上手くやる」

 

「心得た!交渉の場は空き教室、時刻は放課後直ぐで良いか?」

 

「頼むぞ」

 

秀吉は頷いて教室を出て行った。まずはDクラスに向かってから時間を置いて島田の説得にあたるつもりなんだろう

 

「さて……次の鍵は……姫路と明久だな」

 

「「ほへ?」」

 

坂本の作戦を何となく理解した俺は、次のポイントはこの二人だと言うと、二人ともキョトンとしていた……まぁ、言えることは明久には地獄を見てもらうことになるがな……ふふ、ハハハハハ!!!!




更新遅くなりすいません!!
やっと少し落ち着いてきて、何とか書ける時間も確保できました…
久しぶりの投稿なので、色々とミスあるかと思いますが、暖かい目でよろしくお願い致します!


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君のために美味しいものを作ろう

ご無沙汰しています、やっと次の話をかける時間ができました!!
少しずつのせますのでよろしくお願いいたします!


教室に残っているのは、俺と坂本と明久と姫路の四人で、この後の動きを話していた。坂本の性格上、明久を使うなにかをするはずと俺は見た!

 

「さて、次の鍵は明久と姫路だな」

 

「「ほへ?」」

 

それぞれのメンバーに指示を出していた坂本は次の鍵はこの二人だと言うと、二人とも同じリアクションをしていた

 

「この二人が鍵…なにかあるのだな?」

 

「あぁ、それは間違いないが…そういえば、ヅラは今日は何を食べたのだ?」

 

坂本が思い出したように聞いてきたが、もうそんな時間なのか?まぁ、とりあえずは回答だけはしておくか

 

「ヅラではない、オニギリマンだ!!そして、今日の食べた物は、そんなの決まっている。おにぎりだ!」

 

「いや、そんなどや顔をしても……ってまて!?どこから、おにぎりを作るための釜とのりを用意している?!」

 

「自前でな。明久は触って作る分だけなら許そう」

 

「なんで!?!っていうか、本当にどこから用意したの!?そして、食べるのはダメだけど、作るだけなら良いって悲しいよね?!」

 

「当たり前だ!誰がお前のために作る!」

 

もともとの作戦を失敗させたやつに食わせるほど俺はお人好しではない。何よりも、おにぎりを作るのはいいぞ、心が穏やかになるからな

 

「まぁ、ヅラはおいといて……。所で、明久は今日は何を食べた?」

 

「雄二、そんな話をしている暇はあるの?」

 

「いいから答えろ。これはこれで大事なことなんだ」

 

「いつも通り水を飲んだくらい」

 

いつも通りに食費を回さずに遊びで使って、水を飲む生活を起こすのは世の中は広いと言えど、こいつくらいだろうな

 

「たったそれだけ?それはいけないな明久!お前は今回の作戦の要だ。しっかり食べて力をつけてもらわないと!なぁ姫路?」

 

「え?そうですね。確かに明久君はいつもきちんと食べていないので心配です」

 

「確かにな。こいつはもはや、人造人間アキちゃんといわれても仕方がないな」

 

「ヅラ、なにげに失礼なこと言わないで?!!僕はきちんとした人間だからね!?!」

 

そういうが、水だけ飲んで生きて過ごすのはこいつくらいとしか思えないし、水さえあれば生きているのは明久だけなのでは……

 

「そこで、だ。姫路には頼みがある」

 

「はい!」

 

「何か食べ物を作ってやってほしい」

 

「いやー!ごめん!今、僕はお腹満腹で食べきれ無いよ!」

 

明久がそういうが、坂本は悪魔の微笑みをしているのを俺は見逃さなかった。そして、俺もこれは流れを乗るべきと判断して制した

 

「水だけでお腹一杯になるわけがなかろう。そんな我慢をしなくっていいぞ」

 

「それもそうだよな?全く……明久は姫路に迷惑かけまいと我慢しなくていいんだぞ。なあ、姫路?」

 

「はい!あっ、でも、お昼はもう過ぎちゃったので何も残っていなんです……」 

 

「安心してくれ。調理室の鍵を借りてきた。材料もある」 

 

姫路の一言で明久は安堵の表情を浮かべるが、この悪魔が、そんなの予想してないはずがないし、すでに手を打っていて、明久の安堵の思いも虚しくポケットから小さな鍵を取り出す坂本。それを見て明久の顔がどんどん青ざめていた

 

「明久くんは何を食べたいですか?」

 

「そうだね…た「ゼリーがいいぞ?」!?」

 

 

明久がなにか言う前に坂本が答えて言ったら姫路は「頑張って作ります!」と気合いいれて出ていった

 

「どういうつもりだ……雄二!」 

 

「別にお前に恨みがあってのことじゃない。姫路の料理が必要なだけだ」

 

「姫路の料理がなにかに繋がると言うことか?」

 

「そうだ」

 

俺の確認に、坂本は真面目にうなずいていた。それを知った明久が安堵するように坂本に文句いっていた

 

「なんだ。それならそうと言ってくれたら良かったのに」

 

「残念なことを伝えよう。姫路がああ言った以上、姫路はお前に食べさせようとするだろうな」

 

姫路の性格上、明久の事を思って絶対になにか作るはずだからそう指摘すると、明久は顔色悪くしながら慌てて立った

 

「こ、こうしちゃいられないっ!」

 

「明久、どこに行くんだ?」

 

明久が真っ青になりながらどこかにいこうとすると、坂本が確認するように聞いてきた

 

「姫路さんの後を追うんだよ!せめてどんな物を作っているのかだけでも確認しないと!」

 

「ほう、それなら俺も行こうかな?」

 

「ふむ、俺も参加させてもらおうか。一度は姫路の料理はみたいし、気になる」

 

「あははは、姫路さんの手料理食べていいんだよ?………まじで」

 

「御免こうむる。俺はまだ死にたかないからな……まじで」

 

こういうが、二人とも大事なことを忘れてはいないだろうか?姫路の料理を見に行くと言うことは何かを知ってはいけない気持ちになるのだが……

 

「もう人生のピリオドを打つ坂本とか、不倫疑惑扱いされる明久もどちらもただではすまないだろうな」

 

「「余計なことを言うな!?」」

 

だが、この二人もだがここの学園の2年生は大事なことが忘れている。それは学園長の裸を見てしまった不名誉なことになっているのだからな

 

「まぁ、姫路の方の料理を見に行くか」

 

姫路の手料理が気になり行動を起こしていたが、明久は道中ずっと、「僕は今から死ぬのか」と震えるように連呼していた

 

「いい加減に落ち着け。どうなるかわからないだろ?」

 

「そ、それもそうだね!それじゃ、開けるよ?」 

 

明久の言葉に俺と雄二も無言で頷く。姫路に気付かれないようにこっそり扉を開けて中の様子を窺っていた

 

「(まだ始まったばかりだな?)」

 

「(そのようだね)」

 

まだ調理を始めたばかりのようで、特におかしな点は見当たらない。姫路が棚からボウルを二つ取り出して何かを入れているのが見える

 

「(この状態だと問題なさそうだな。いや、普通の光景に見えるからそうかもしれないな) 」

 

「(そうだね。ゼリーくらいなら大丈夫かもしれないね)」

 

「(大丈夫だと逆に困るんだがな……)」

 

坂本の言葉に、明久は今にも坂本に攻撃したいと言わんばかりに睨んでいた。まぁ、今は落ち着いて状況を見守ろうではないか

 

〈えーっと………まずは、ココアの粉末をコーンポタージュで溶いて…〉

 

「(か、彼女は何を作ろうとしているの!?いきなりゼリーから遠く離れた何かになっているような気がするんだけど!?)」

 

「(静かにしろ明久。姫路に見つかるぞ!)」 

 

姫路が突然、ゼリーから離れたなにかを作ろうとしていた。そんな姫路の声を聞いた明久は焦っていたが、坂本が窘めたいた

 

「(む、オレンジとネギ……?)」

 

〈オレンジと長ネギ、どっちを入れると明久君は喜んでくれるでしょうか・・・?〉

 

「(迷わない!その二つの選択肢は迷わないよ姫路さん!)」

 

「(おそらく貧弱な食生活を送るお前の為に栄養価に重点を置いた特別料理を作ろうとしてるんだろうな…味を度外視して) 」

 

「(そんな!?気を遣わないで普通でいいのに!)」

 

「(彼女にとって普通がこれなんだろう。彼女の優先順位で味は栄養より下なんだろうな) 」

 

坂本の言う通り、明久のために色々と考えて作っているのはわかるが、味がどんなのを作るのはかもう想像できないな

 

〈あとは、隠し味にタバ――〉

 

「(これ以上は聞くな明久!食えなくなる)」

 

「(待って!せめて最後に入れられたのが 『タバコ』なのか『タバスコ』なのかだけでも確認させてよ!)」 

 

「(ほらいくぞ明久!)」 

 

「(い……イヤだぁ!)」

 

坂本に首根っこを掴まえてズルズルと引きずられ、明久達は調理室を後にした。俺も聞きたいような聞きたくないような気持ちでこの場を去ったが……姫路は本当に何を作ろうとしている?

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!
次回もよろしくお願いいたします!


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罰ゲームを与える権利にかけて!

姫路の手料理が、いったい何を作っているのかわからなく覗いた結果、どんな料理を作っているか未知数だった。そして、姫路は明久のために作っているのに、明久は最後まで何をしているの見たがっていたが、時間は迫っていたので移動した

 

「さて、ここからは少しできるまで時間があるから歩かないか?」

 

「ほう、歩くと言うとどこへ?」

 

「Bクラスと Dクラスに牽制をかけるために、廊下を歩くと言うことだ」

 

「何で歩くの?」

 

坂本は廊下を歩くと言う提案に俺は意図がわかったので止めないが、明久は疑問に思って聞いていた。まぁ、普通に考えれば何で歩くのか分からないものだな

 

「俺達がなにも知らないと言うのをアピールするためだ。そうすることで、やつらの警戒も緩むと言うことだ」

 

「なるほどな。それなら、ただ歩くだけではつまらないだろう。UNOをしないか?」

 

「「どこでそれを取り出した!?!!」」

 

どこで取り出したと言うと、それは答え単純で常にポケットをいれているからできることだ。まぁ、なにしても、それはいいとして……

 

「負けたら何でも言うことを聞くのはどうだ?」

 

「ほう、負けたら……」

 

「何でも言うことを聞く事に……?」

 

俺の提案に明久達も目を光らせていた。坂本は大方俺達になにかを考えているだろうし、明久は、俺達になにかろくでもないことを考えているな?

 

「つまり、最下位のやつが一位と二位の言うことを聞けと言うことだな?よし、やってやる」

 

「そういうことだ……。当然、貴様もやるよな?」

 

「当然!」

 

では、これでやることは一致したのだからあとは、誰かが最下位になったときに罰を与えることはできるのだからな

 

「フフ、泣いて謝るのはお前達のどちらかだな」

 

「ぬかせ!泣くのは君に違いない!!」

 

「少しまて、ヅラ。明久はバカの代表だぞ?こいつきちんとルールわかっていないと面白くないぞ」

 

「ヅラではない、桂だ。ふむ…確かに明久のはバカの代表だと言うことを忘れていたな。明久、これは本当にやったことがあるのだよな?」

 

念のためにこいつがルールわかっていなかったら面白くないと言う坂本の確認は分からないでもない。

 

「失礼な!そんなの僕でも説明できるから!!まずは親を決め、親がカードをシャッフルします。1人7枚ずつ手札を配ったら残りを山にし、山から1枚めくって場におく」

 

明久は俺が出したトランプを取り、自ら親になりカードをシャンフルしだした。まぁ、そこは突っ込むのは野暮としとこう

 

「ふむ、きっちり7枚配ったな」

 

「おし、俺もカード持ったぞ。明久、次の説明してみろ」

 

「OK!手番は親から時計回り。…つまり親は僕からだね。捨て札の山の一番上にあるカードと色・数字・記号のどれかが同じカードを、手札から出していく。出せるカードがないときは山からもう1枚引きます」

 

明久の説明に付け足すとな、数字以外のカードには次の人を飛ばすのを「スキップ」という。また、逆回りになる「リバース」などがあります

 

「あ、あとね!手持ちのカードが1枚になったら「ウノ!」の宣言を忘れずに。宣言を忘れてしまった場合は、ペナルティーとして山札から2枚引かなければならないからね!最初に全部のカードが無くなった人の勝ち!」

 

「ふふ、面白い。この勝負は勝たせてもらうぞ!!」

 

「はっ、最下位になるのは俺ではない。お前らのどちらかになるだろうな」

 

「なめないでよ!!」

 

それぞれの決意を示し、俺たちはにらみ合いながら…

 

「「「デュエル!!」」」

 

「…開始」

 

俺達が叫び合うと、どこかで聞いたことがある言葉に一瞬で静かになった…いや、1名だけが静かになった…。そいつはぎこちなくその発言した人物を見て恐る恐ると話しかけた

 

「し…翔子…な、なぜここに…!?!」

 

「…最下位になると言うことを聞かないといけないと聞いたときからいた」

 

「最初からかよ!?!!(く、くそ!まさかの翔子がいるのは予想外だ!!だ、だが…)」

 

坂本はこちらを見ていたが、俺はひとつ指摘した。いや、坂本が気づいてないだろう事実をつきだした

 

「坂本、霧島の手元を見ろ」

 

「…!?な、既に7枚もってるだと…!!」

 

「どうやら、明久が配ったときにすでにいたそうだ。まぁ、やるとするか」

 

「ま、まて!?!流石に…」

 

「あれ?雄二はもしかって…霧島さんに負けるのが怖い?」

 

明久の言葉に坂本が物凄い顔で明久の方を睨んでた。なるほど、明久が最下位になる確率を減らすために坂本の心理状態を揺さぶっているのか

 

「く!!上等だぁぁぁ!俺は負けないぞ!!!」

 

 

坂本が意気込み、正式にやることが決まって開始した数分後…

 

「や、やったぁぁぁあぁぁ!!!僕の勝ち!!!」

 

「ば、バカな…お、俺が…明久に負けただと……………!?!!」

 

結論から言おう。結果は喜んでいる明久と崩れ落ちている坂本…つまり、明久は最下位に免れて坂本が最下位になった

 

「霧島の駆け引きは圧倒的だったな。俺はたまたま不調のやつとバカがいたから、今回は勝てたが…坂本は焦りから負けたな」

 

「…最下位は言うことを聞くのがルール。誰から言う?」

 

「じゃあ、まず僕からね!霧島さんが今から言うことは絶対に聞いてあげる」

 

「な、なに!?それはないだろ!?!」

 

明久の言葉に坂本はクレームを言うが、最下位は言うことを聞くといっていたが、いってはいけない言葉はない…つまり…

 

「明久の言うことは絶対だな。俺からは…霧島のいうことには絶対に聞け。今から言うことは絶対だな」

 

「明久にヅラ!?てめぇら、絶対にこの状況を楽しんでいるな!?!く、くそ…翔子!?何を頼むつもりだ!?!」

 

「…頼む前に一つ私と勝負をして。それで勝てたら…罰ゲームは無効にしてあげる」

 

「「「え?!」」」

 

予想外の提案に坂本も驚いているが、この提案は恐らく霧島が勝てる自信があるからその提案したのだろう。さて、坂本はいかなる選択で選ぶか…

 




最近色々とあり、更新また遅れてしまい申し訳ございません!!
これからも宜しくお願いします!


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霧島との勝負と嫉妬はすべてを引き上げる

長らく更新ストップしてすいません!
大きな事も終わり、少しずつまた更新しますのでよろしくお願いいたします!


ウノで負けた坂本は霧島のいうことを聞かなければならず、その持ちかけたお話は勝負をすれば無効にしてあげると

 

「…勝負は英単語を答える」

 

「英単語だと?」

 

「…ルールは英単語を言うからその意味を答える。語問のうち一問でも答えられなかったら負け。そして、負けたら言うことを聞いてもらう」

 

「なっ!?鬼か!?」

 

勝負は英単語クイズで負けたら言うことを聞くというルールに坂本は抗議するが、霧島は冷静に指摘した

 

「…雄二はさっきのゲームで負けて最下位になった。だから、これも言うことを聞かないといけない」

 

「だが…っ!?まさか…勝てたら無効にしてあげるというのはそういうことか!?!勝負を持ちかけるために初めから…!」

 

「なるほどな…」

 

随分と坂本の性格も把握した上で追い詰めているな。心理戦に関しても坂本は霧島相手には弱すぎるな…

 

「こういうこは惚れた弱味というわけか」

 

「何をバカなことをいっていやがる!?くそ…勝てばいいんだろ、勝てば!!!!」

 

「雄二のあの台詞は負けフラグだね」

 

明久のいう通り、大抵こういう台詞をいうやつはろくな結果にならないというのが世の中のセオリーだな

 

「じゃあ…ゲーム開始!」

 

「…betrothed」

 

合図と共に霧島が最初に出した問題を聞いた坂本は全速力で逃げようとしていたが、そんなのはさせない…!

 

「「行かせるかあぁぁあ!!!」」

 

「き…キサマラ…ハナセェ!!!」

 

坂本が逃げようとしたのを確保した俺たちはしっかりと取り押さえると、坂本は恨めしそうに今までにない殺意を込めた言葉だった

 

「やれやれ…答えれるのに逃げるとは情けないぞ。それでも、貴様は我らのリーダーか!!」

 

「今はリーダー関係ないだろ!?!頼む、逃がしてくれ!!」

 

坂本は俺達に必死にお願いするが敵前逃亡は感心しない上に勝負を投げ出すのはいかがなものか…

 

「まぁまぁ。いきなり、とどめはかわいそうだからもう一度問題を変えてあげてくれないかな?」

 

「…わかった」

 

小さく頷いて霧島は明久の提案を呑む。そしてそのことで胸をなでおろしている坂本。まぁ本来の目的が時間稼ぎなのだがな

 

「…じゃあ、"prize"」  

 

「prizeって【賞品】か?」 

 

「……"as"」 

 

「【として】」

 

「……"engagement ring"」 

 

「【婚約指輪】」 

 

おや、だんだん坂本の顔色が真っ青になってきている上にこれは不味いと思っているらしいが、霧島は構わずに続けていた

 

「…"get"」 

 

「【手に入れる】」 

 

「………"betrothed"」 

 

その問いを聞いた瞬間、坂本は本気で駆け足で逃げていた。これを答えるとヤバイとわかっているのかもしれないが…

 

「フハハハ!!!何を逃げようとしているのだ、坂本!!!」

 

「ヅラ、離せぇぇ!!頼む、明久も離せ!放せお前等!後生だから放してくれ!頼む、本当に頼む。今の一連の単語を聞いたなら俺の恐怖がわかるだろ!?」 

 

「えっと、つなげると【賞品】【として】【婚約指輪】を【手に入れる】だね。霧島さんは勝ったら雄二に婚約指輪を買ってもらうつもりなの?流石に学生だから買えないでしょ?」 

 

明久のいう通りだ。たしか、婚約指輪を買おうとしても高いはずだからそう簡単に購入できないのではないか

 

「常識的に考えれば学生でなおかつ高校生である俺達では流石に購入はできないだろ」

 

「そうだよね?いくら僕でもこれは購入は難しいと思うよ」

 

「そ、そうだよな!は、ははは!!」

 

「…あっ…」

 

坂本は俺たちの言葉に冷静になりながら笑っていたその瞬間に霧島が何かを落とした。そして、それが何なのか俺達は見てしまった…そう、それほ宝石店のパンフレット

 

「………冗談」 

 

霧島は顔を赤らめ、恥ずかしそうにパンフレットを拾うその様子に坂本が怯えていたのをみて明久が笑っていた

 

「あはは。雄二ってば、そんな僕らにしか聞こえないような小さな声で『ヤバい、ヤバい』なんて連呼されても困っちゃうよ?」 

 

「…確かにな。いくらなんでも本気ではないだろ?」

 

「そ、そうだよな?!し、翔子!本気の方はなんのつもりだったのだ!?」

 

坂本は焦る気持ちを隠せずに霧島に問いかけると、坂本から眼を合わせずに恥ずかしそうに…

 

「…人前で恥ずかしく言えない…」

 

「なんだ!?俺は何をさせられるんだ!?」

 

「…こんなところで言わせるなんて、雄二はいやらしい」 

 

「死ね雄二ぃぃーっ!」 

 

「うおぉい!なぜ俺が狙われるんだ!?俺は何も言っていないだろ!?」 

 

霧島の言葉を聞いた明久は坂本にめがけて攻撃を仕掛けていた。そんな攻撃を見て俺はあることを思い浮かんだ

 

「HEY!やるなら今しかねぇーZURA!」

 

「ヅラ!!お前は何をいきなりラップ風になっていやがる!明久、俺はなにもしていないだろうが!?」

 

「黙れ!今朝聞いた『寝ている霧島さんに無理矢理キスをしたって話も含めて納得のいく説明をしてもらおう!」 

 

「違う!話の内容が変わっているぞ!?本当は…」 

 

ほう!?それは初耳の話だし、これはもはや明久に攻撃を任せておこう。俺は…

 

「いけ!明久!相手をリングに落とせ!!」

 

「おう!」

 

「何、今度はボクシング風になっていやがる!?」

 

「…キスだけじゃ終わらなかった」

 

キスだけで終わらなかった…だと?その瞬間、明久は俺の予想を超えるすごいことをしていた

 

「嫉妬と怒りが可能にした、殺戮行為の極致を思い知れ……っ!」

 

「うぉっ!?明久の動きがマジで見えねぇ!」 

 

「…キスの後、一緒に寝た」 

 

「翔子!!!頼むから誤解を招くことを…ごふっ!バ、バカな…!この俺が明久に力で負けるなんて…!」 

 

「…とても気持ち良かった」  

 

霧島の言葉で嫉妬心を煽り明久はさらに加速する。ふむ、あれは天然で発言しているから余計に効いてるのかもしれないか

 

「おらぁ!…なっ!?直撃の感覚がないだと!?」

 

直撃の感覚がないことにが驚いてると、明久が坂本に蹴りをいれてきた。そんな坂本は慌てて回避した

 

「あぶねぇ!?いまのは…残像か!?もうお前人間じゃないだろ!?ドラゴン○ールの技を習得してるじゃねぇか!?」 

 

「『殺したいほど羨ましい』という嫉妬心は、不可能を可能にする…!雄二、くたばれー!!」

 

「上等だ!こうなりゃこっちも本気で相手してやらぁ!」 

 

坂本も明久の言葉に怒りが沸いたのか本気の戦闘体制になっていた…決着はつかず、なぜならその理由は鉄人が駆けつけたため俺達は逃げることになった

 

 

 

 

 




長らく更新できず申し訳ございません。
昨年度は色々なことがあり、ストップしていましたが今月から少しずつ再開します。
よろしくお願いいたします!


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こちら13……任務遂行する!

鉄人との地獄のレースを終えた俺達は、廊下の曲がり角で息を整えながら文句言い合っていた。霧島は追いかけられていなかったのかすでにいなかった

 

「はぁはぁ…全く…こんなときに鉄人に追いかけられるとはどう責任をとってくれる?」

 

「も、文句言うならこのバカに言え…はぁはぁ…」

 

「バ、バカって言うな…バカ雄二…そ、それよりもどう?」

 

明久の問いかけに背後を少しだけ見ると、どうやら監視の目は抜けきれたようだ。少し息を整えてからFクラスに戻って座り込んだ…

 

「ふぅぅ…そろそろ次の作戦の段階に動けるのではないのか?」

 

「だな…ムッツリーニ、帰ってきているな?」

 

「…ここにいる」

 

坂本の呼び掛けに、背後からでてきた。どうやら同じタイミングで戻ってきたのかもしれないが…任務はどうなった?

 

「結果は?」

 

「…首尾は上々。次の仕事は?」

 

「まぁ、少し落ち着け。姫路がもう少しで戻るはずだからその時に実行する」

 

ムッツリーニは、坂本の次の指示を仰ぐが坂本は、姫路が戻ってから何かをするつもりらしい。そんな坂本の言葉に気になったのか明久は、察しがいいのか次の作戦に関することなのかと質問をしていた

 

「姫路さんが戻ってからって何か次の作戦に関係するの?」

 

「ご名答。まぁ、作戦と言うか暗殺用として使うからな」

 

「それ、本人が聞いたら泣くな。まぁ、坂本の狙いは恐らく根本ではないだろう」

 

俺の言葉に明久は驚いていたが、普通に考えてやつが食べることはないし、いまの現状を考えてとる方法は恐らく使者だろうな

 

「え?!根本君ではないのなら誰に?」

 

「坂本の狙いはBクラスからDクラスへの使者だ。ムッツリーニの偽情報でDクラスに狙われていると知ったら、Bクラスの連中はその対応をする必要があるよな?その場合はどうなると思う?」

 

「えっと、Cクラスにやったときみたいなことをする?」

 

「たしかに使者を出すことで戦いを避けられることもあるしそれに越したことはないな。それと、先に言うがスタンガンとかは無意味だからな」

 

俺の問いかけに明久なりに色々と考えて答えていた。その回答に坂本は否定せずに明久が答えそうなことを先に注意してから、ムッツリーニも付け加えるように説明に入った

 

「…口を押さえても感電する恐れがあるから難しい」

 

「だな。明久が犠牲になるのならやっても構わないが?」

 

「君はそういうことをいうなんて最低だね?!…でも姫路さんの料理…」

 

「気にするな、明久。姫路の料理を選んだのは俺の趣味だ」 

 

「え?坂本君、私の料理が好きなんですか?」 

 

坂本が明久画にか言う前に伝えるとと、いつの間にか教室に姫路が戻ってきた。その手には6個くらいのドリンクゼリーの容器が見える

 

「ひ、ひめ、じ…………?」 

 

姫路の声を聴いて血の気が引いたように顔色が悪くなる。そしてギギギ、とブリキの玩具のように首を動かす

 

「良かった。そう言ってもらえると嬉しいです。けど、霧島さんに聞かれたら怒られちゃいますよ?」 

 

「ふふ、たしかに霧島に怒られるな。姫路、今戻ってきたのか?」

 

「はい!あ、明久君だけではなく、桂君と坂本君のも作りましたからね!」

 

「…そ、そうか…!ありがたくあとでいただく!なぁ、明久に坂本!」

 

「うんうん!ありがとうね、姫路さん」

 

「あ、あぁ!ありがたくあとでいただくからな!」

 

姫路の悪意なきその笑顔に俺達は受けとる選択しかなく、お礼をいっていた。そして明久達にも会話を繋げるように投げ掛けて二人とも笑っているが…

 

()()()()()()()()()()()()()

 

お互いに自分の命が助かるために、誰かが犠牲になるように密かに準備していた。そして、坂本が次の指示を出した

 

「明久、ムッツリーニ、ヅラ。いくぞ」

 

「ヅラではない…ヅラ13だ!」

 

「おいまて?!どこでそんなの用意した!?…まぁ、いい。ムッツリーニと明久もいくぞ」

 

坂本の呼び掛けに俺の名前を訂正させて、サングラスとスナイパーを用意して出ていこうとした坂本が突っ込みいれてきた。そんな坂本は突っ込みをいれながらも、気を取り直して明久達に呼び掛けるが…

 

「「誰にいっている?」」

 

「誰って…はっ?」

 

坂本が呼び掛けたのを明久達が誰にいっているのかと問いかけていた。すると、いつの間にかサングラスとスナイパーとスタンガンを持っていた二人がたっていた

 

「僕の名前はアキ13だ!これより任務に入る」

 

「…ムッツリー13だ…任務遂行する」

 

「いやお前達もかよ!!!どこでそんなの用意していた上にヅラ、段ボールで何をするつもりだ?!」

 

「段ボールで進むぞ!」

 

「待つのじゃ、大河!!それゴ○ゴの作品で、いまの段ボールで進むのは別の作品になるのじゃぞ!?!」

 

坂本と秀吉が突っ込み入れてきたが、別になんの支障もきたさないので問題はない。そんなこんなで、任務遂行にいくために俺達は教室に出た

 

 

 

再びA~Dクラスのある新校舎へと向かい、階段の近くで隠れながらBクラスの様子を見ている。ちなみに段ボールで移動すると痛かったので止めた

 

「〈こちらにヅラ13だ。通信聞こえるか、応答せよ〉」

 

「〈こちら坂本だ。問題なく聞こえるって、何でこんなことしているんだよ!?〉」

 

「〈落ち着きなよ、ゴリラ13。ヅラ13の提案でムッツリーニに聞こえるように無線で通信してくれているのだから〉」

 

「〈誰が、ゴリラ13だ!?このバカ13!〉」

 

俺達は他の人間達に聞かれないようにイヤホンを耳にいれて通信機で会話していた。尚、ムッツリーニも聞いているが、任務遂行のため黙っていた

 

「〈こちらヅラ13。教室から男子生徒が一人出てくるのが見えたので、おそらくBクラスの生徒と思われる。応答願う〉」

 

「〈こちらアキ13。たしかに教室に出てきたのは男子一人だけだね。これもゴリラ13の狙い通り?〉」

 

「〈だから、誰がゴリラ13だ!まぁ、Bクラスは点数補充に忙しくて使者に人数を割けるわけがないからな。立場の無さも考慮すると男子が一人で向かうのは予想通りだ〉」

 

まぁ、たしかにいまの男子の立場はあまりよろしくないのは事実だがな。もっとも俺は問題ない立場なので痛くも痒くもないがな!

 

「〈いけ、ムッツリー13〉」

 

「〈…任せろ〉」

 

坂本の指令にムッツリーニ…いや、ムッツリー13がついに動いた。あとはどうやってやるのかは本人に任せてる

 

「〈僕達はどうすれば良いの?〉」

 

「〈待機命令だ〉」

 

BクラスとDクラスの間の短い道のりを使者が歩く。クラスに移動するだけだから三十秒もしないうちにDクラスの扉を叩くことになる

 

「〈ねぇ、本当にいいの?あともう少しでつくよ?!〉」

 

「〈アキ13、ムッツリーニの事を信じろ。あいつならやるときはやるぞ〉」

 

「〈けど、もう言っている間に後一メートルもないよ…!!〉」

 

後一メートルというところで何かが視界を横切った。すると、何かの音が使者から少し離れた場所の廊下の壁から響く

 

「〈え!?〉」

 

明久が驚いている間に、壁に刺さったものを見ようと集まりに居た人たちが集まり出すと使者もそれを見ようと、集まった人たちの最後尾についた

 

「〈今だ、行け!〉」

 

坂本の合図と共に音も無く、使者の背後に迫るムッツリーニ。今は周囲の視線は全てカッターと写真に集まっている。誰もその様子には気付いていない

 

「・・・・・!!」

 

「!?!?」

 

暢気に写真を見ようと背伸びをしていた使者をムッツリーニが後ろから羽交い絞めにして口を押さえる。Bクラスから出ていた使者は目を白黒させて突然の事態に驚いている

 

「〈うまいこと背後から入り込んだぞ!〉」

 

「〈な、何て激しい攻防戦なんだ!〉」

 

指の隙間からパックの先を押し込み、ムッツリーニが中身を押し出す。相手はそれを必死になって阻止しようとしていた。他の生徒たちが写真に注目している背後で命を懸けた攻防が繰り広げられる

 

「〈こちらヅラ13。どうやら、ムッツリーニは例のものを投入している〉」

 

「〈なるほど…あ、飲み込んだ〉」 

 

例のもの…つまり、姫路の手料理をBクラスの使者に食べさせている。当然向こうは何なのかわからないからパニックって抵抗しているが…飲み込んだ

 

「〈こちらアキ13。飲み込んですごい顔でムッツリーニをにらんでいるね〉」

 

「〈こちらヅラ13。そんな使者に追い打ちかけるように、更にパックの中身を押し込んでいる。使者の手が一瞬ビクンッと跳ね上がるが…〉」

 

「〈男が動かなくなったな…つまり…〉」

 

ゴリラ13が最後まで言わないことから、恐らく完全に飲み込んで意識も飛んでしまったのかもしれないな…

 

「…任務完了」

 

ムッツリーニが満足そうにこちらに戻ってきた。しばらく放置しとけば問題はないし、そろそろ次の作戦もやらないとな

 

「〈撤退するぞ〉」

 

「「「〈了解〉」」」

 

坂本の指示で俺達はもうこの場所には用がないと言うことが明白だ。そして、去るときに俺は少し見てしまった…痙攣を起こして目を回している使者と壁にある貼っているものが…

 

 

あるバカの女装している写真が貼られていることに…

 

 




久々の更新できました!!
これからもよろしくお願いいたします!


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