スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES (hayato0121)
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キャラ設定

主人公 如月こうた (イメージCV 天﨑 滉平)

 

性別 男

 

誕生日 1月21日

 

星座 水瓶座

 

年齢 14歳

 

髪型 短髪の黒髪

 

(イメージ ガンダムSEEDのキラ・ヤマトの様な髪型)

 

家族 父と母との3人家族

 

 

 

服装 

 

春服: 赤い半袖の上着を着て、中には白い半袖のTシャツ、下はジーパンで靴の色は黒

 

 

ひかると同じく宇宙が大好きで、幼馴染のひかると良く一緒に天体観測をしたり、プラネタリウムを見に行ったりしている。 

ひかる達が通っている観星中学校の中学三年生でえれなやまどかと同じクラスで2人とは小学生の時からの友達である。

性格は誰にでも優しく、友達の事や友情を誰よりも大切に思っていて、いつも自分の事より誰かの為に行動してしまう所がある。

 

 

オリジナルプリキュア

 

キュアスペース

 

変身時のセリフ

 

「光輝く聖なる宇宙、キュアスペース!」

 

主人公が変身するオリジナルプリキュア

 

髪の長さは殆ど変わらないが、髪の色は赤く染まり、白い半袖の上着に、中は同じく白い長袖の服と長ズボンを履いていて、そんな身体の周りには赤いラインが数本入っていて、まるでウルトラマン達を思わせる様な姿をしている。

胸にはスター達と同様にスターカラーペンダントが着いていて腰にもスター達とは色違いのペンを入れる白いケースがついている。

 

空中や宇宙を自由自在に飛び回る事が出来て、エネルギーを手足に集める事で通常のパンチやキックより強力な攻撃を繰り出したりそれを使って防御したりする事も出来る。

その時は手足や身体が赤く光る。

また、両手を前に突き出す事でその手にエネルギーを集めると四角くて赤いバリアをはることが出来る。

 

必殺技 スペースレイ

 

最初に両手を腰に置き、その後、両手を前に伸ばしたらそのまま止まる事なく両手を横に広げてエネルギーを集めて腕を十時に組む事でその中心から光線が発射される。

 

(イメージとしてはウルトラマンティガのゼペリオン光線が腕をクロスせずに両腕を前に伸ばしたらそのまま横に広げて、光線の形はウルトラマンゼットのゼスティウム光線と同じ形の赤く輝く光線を撃つイメージです。)

 

 

ウルトラスターカラーペン

 

 

プリンセスの力を宿すプリンセススターカラーペンとは違い、このペンはウルトラマンの力を宿している。

その力はペンに宿るウルトラマンによって様々で色々な力を持つペンが存在する。

 

キュアスペースはウルトラスターカラーペンに宿るウルトラマン達と意志の疎通をして彼らに認めてもらう事でスペースはペンの力を自身に纏わせて最大限まで力を発揮する事ができる。

 

 

 

 

 

 

父 如月さとし (イメージCV 小山 力也)

 

(イメージキャラ 衛宮切嗣)

 

ちょっと正義感が強いどこにでもいる普通の会社員

 

 

母 如月しずか (イメージCV 大原 さやか)

 

(イメージキャラ アイリスフィール ・フォン・アインツベルン)

 

とても優しいどこにでもいる普通の主婦

 

 

 

オリキャラ

 

サーディス (イメージCV 松風 雅也)

 

髪型、服装 ウルトラマントリガーのイグニスの服に近い服と髪で、髪の色が黒

 

宇宙に散らばるお宝を集めては売り捌くトレジャーハンター。

ノットレイダーとは、サーディスがペンを手に入れたらそれをノットレイダーに売るという取引をしている関係で偶にその時の気分でノットレイダーの手伝いをする事もある。

生きていく為ならどんな手段も厭わない性格で、こうたの様に誰かの為に頑張るような奴が大嫌いでこうたとは良く衝突する謂わばライバルのような関係である。

 

そんな彼を気に入ったダークネストは自身の力の一部を分け与えてサーディスは闇の力を使う事が出来る。

 

サーディスは腰の両側に同じ形をした剣を、腰の後ろ側には此方も同じ形をした銃を2つずつ装備していてその武器を使って戦う。

 

武器

 

ダークネスソード

 

海賊が持っていそうな少し峰の部分が曲がった紫と黒色の剣

 

ダークネスガン

 

ダークネスソードと同じく、海賊が持っていそうな少し細長くて剣と同じく紫と黒色の銃

 

 

 

必殺技

 

ダークネスストライク

 

剣にエネルギーを集めて相手を斬ったり、斬撃を放つ技

 

ダークネスショット

 

銃にエネルギーを集めて強力なエネルギー弾を放つ技

 

エネルギーの色は紫色

 

武器の形は海賊戦隊ゴーカイジャーのゴーカイサーベルとゴーカイガンの赤い色の部分が紫色になったイメージで、ゴーカイジャーがレンジャーキーを差し込む部分はペンを差し込める様になっていてそのペンの力を武器に乗せて使う事が出来る。

 

 

・ダークウルトラスターカラーペン

 

歪んだイマジネーションに侵食されたウルトラダークペンとは違い、最初から闇の力を宿している。

 

・モンスターカラーペン

 

ペンに移った怪獣の力を宿したスターカラーペン

 

 

 

レノン (イメージCV 高橋光臣)

 

(外見のイメージキャラ 轟轟戦隊ボウケンジャー  明石暁 / ボウケンレッド)

 

サーディスの父。冒険が大好きで、そこにお宝があるとそれを探さずにはいられなくなり家族を巻き込んで冒険に向かう程の冒険バカだが、トレジャーハンター としての技術や実力は超一流の男。

 

 

 

アイナ (イメージCV 末永遥)

 

(外見のイメージキャラ 轟轟戦隊ボウケンジャー  西堀さくら / ボウケンピンク)

 

 

サーディスの母で以前から複数のメンバーとチームを組んでトレジャーハンターとしての活動を行い、その中で今の夫と出会い、一緒に冒険する内に彼の事が好きになり結婚してサーディスが産まれてからは家族でお宝探しを続けている。

その持ち前の科学者としての知識や技術で彼を支えサポートする頼れる女性。

 

 

 

デラスト (イメージCV 松岡 禎丞)

 

黒髪でガタイのいい青年

 

(外見のイメージキャラ ストライク・ザ・ブラッド 暁古城)

 

服装 56話ではストブラOVA『ヴァルキュリアの王国篇』で古城が着ていた黒い戦闘服

 

   86話での上の服はFAIRY TAILのナツが大魔闘演武での戦いで着ていた私服のような感じでマフラーはなし、オレンジ色のラインの部分が白くなっていて、真っ黒な長ズボンを履いているイメージ

 

その上にウルトラマン達のブラザーズマントが黒くなった感じの物を羽織っている。

 

誰にも従わず自分勝手に生きる事を好み、お宝探しが大好きな性格。

だが強い相手も大好きで誰か見つけると勝負せずにはいられない性格の持ち主。

ある時、気まぐれで助けたオリバスが共に行動したいと言いだすが最初は拒否したもののそれでも諦めないオリバスに仕方なく同行を認め、それからは彼の提案や試行錯誤に助けられる事も多く、今ではオリバスの事を受け入れている。

そしてサーディス達と出会った遺跡で手に入れた魔石の力で強くなったデラストは様々な星でお宝を横取りしたり暴れ回ったり、強い相手を悉く倒したりしていた。そんな中で出会った宇宙人と『デラスト海賊団』を結成してそのリーダーとして宇宙海賊になったデラストは更に色々な場所で暴れ回っているらしい。

 

 

 

オリバス(イメージCV 木村 良平)

 

紫色の短髪に眼鏡をかけたデラストを補佐する青年

 

(外見のイメージキャラ 『魔王学院の不適合者』レドリアーノ・カノン・アゼスチェン)

 

服装 勇者学院の制服の赤い部分が黒くなったもの

 

デラストの事を心から尊敬し共に行動しているデラストの補佐官的存在。

オリバス自身の戦闘能力はほぼ無いに等しいが、彼の持つ知識や作戦などを考える知力はデラストからも高く評価されている。

オリバスは過去にデラストに助けられた事があり、その時からオリバスはデラスト一筋となり自分にできる事で彼を支えようと日々を過ごしている。

 

 

 

デラスト海賊団メンバー

 

・ゴルドラ

 

(イメージキャラ 全身がグレー色の仮面ライダーカブトのカッシスワーム・ディミディウス)

 

人間態のイメージはカブト本編と同じ

 

デラストが最も気に入っている存在で相手の技を吸収して自分の力として使える能力を持ち、それがなくても格闘戦だけならデラスト以上の強さを持ち、デラスト同様に戦いに飢えていて強者を求めて戦い続けている。

 

 

・ブライ

 

(イメージキャラ 名探偵コナンのケビン・ヨシノ)

 

上下に漆黒の服を着ていて狙撃や射撃が得意で、宇宙で手に入れた素材を使って作ったライフルやハンドガンを使って戦う。

 

 

 

・バット星人【クライス】

 

姿はサーガやギャラクシーファイトで出ている方の姿

 

デラスト海賊団のメカニック担当で宇宙船の整備をしたりちょっとした機械を弄ったりしてデラスト達をサポートしている。

 

 

・ザラブ星人【ダラス】

 

潜入や騙し討ちが得意で様々な存在に変身できるのを評価された事でデラスト海賊団の一員となった。

 

・バロッサ星人【ギール】

 

デラストに勝負を挑み返り討ちにあうとその強さに惚れ込みデラストの事を兄貴と呼んで慕っている。

 

・バリスレイダー

 

ギルバリスが使役していたアンドロイド兵。

バット星人がその残骸を回収、修理、量産して自分達の戦力にした。武器はレイディングソード

 

 

 

 

 

 

ナックル星人【バッカス】

 

(イメージCV 小山剛志)

 

宇宙ハンターとして活動する宇宙人で、バッカスはかつて惑星侵略連合で活動していたナックル星人【ナグス】の息子で、父親同様に銃の腕前は一流で、身体能力も高く格闘戦も軽々こなしてしまう実力者です。

そんなナグスはこれまでにも様々な星でお宝を手に入れたり奪ったりしていて、他にも必要なら平気で相手の命を奪う非道さもある宇宙人です。

 

ブーストアーマー

 

装着者の潜在能力を極限まで高める能力を持つ強力な鎧で攻撃力、防御力も高く、この性能の高さ故に闇商人達の間ではかなりの高額で取引されている

 

 

 

カリン(イメージCV 内田真礼)

 

(イメージキャラ 防振りのサリー)

 

髪の色は金髪のポニーテールでサリーの服や武器の青い部分がみんな赤になったイメージで短パンは黒

 

武器は双剣を使い、剣に炎を纏わせたり、炎を放つ中距離系の技も使う。忍者のような素早い動きを得意とし、双剣と火属性の技を駆使して戦う。

 

太陽系や星空界とは違う場所にある惑星ホルスという地球よりも小さい星の生き残りでカリンは惑星ホルスの王の娘、王女として暮らしていたがそこへ現れたバッカスに星の秘宝と言われている炎の力を宿す球、『フレイムストーン』を奪われてしまう。フレイムストーンは星のバランスを保つ為に必要な物でそれを失った惑星ホルスはあちこちで天変地異が発生して次々と犠牲者が出てしまう。カリンは両親からカリンだけでも逃げろと他の人達と一緒に無理矢理宇宙船で脱出させられて両親は惑星ホルスと共に命を落とした。それからカリンは修行して力をつけて、バッカスに復讐する機会を窺っている中で、地球に向かったバッカスの後を追いかけてきたのだ。

 

使う技

 

・ダブルスラッシュ

 

双剣にそれぞれ炎を纏わせて相手を斬る技

 

・フレアボム

 

手に持った炎の球を相手に向かって投げる事でその球を爆発させて相手にダメージを与える技

 

・フレイムバースト

 

右手を前方に出してそこから強力な炎を放つ中距離系の技

 

・高速移動

 

その名の通り高速で移動する能力

 

・バーニングインフェルノ

 

カリンの切り札で、全身に炎を纏って相手に体当たりする技で消耗が激しく、カリン自身も反動でダメージを受けてしまう。

 

 

 

 

 

 




いよいよ次回より「スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES」がスタートします。

皆さん、お楽しみ!


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第1章 集いし伝説の戦士編
第1話 キラやば〜☆ 光輝く星と宇宙!キュアスター&キュアスペース誕生 前編


皆さんこんにちは!

いよいよ『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』がスタートします。

今回はその記念すべき第1話です。

それではどうぞ!



『ギンガクロスシュート!』

 

『ビクトリウムシュート!』

 

『ザナディウム光線!』

 

『オーブスプリームカリバー!』

 

『レッキングバースト!』

 

『フレイム』

 

『アクア』

 

『『ハイブリッドシュート!』』

 

『ストリウムブラスター!』

 

『プラニウムバスター!』

 

『極星光波手裏剣!』

 

 

 

少年は様々な巨人達の戦いを間近で見ていた。

 

「な、なんだこれ?どうなってんだ?」

 

そして巨人達の技で起きた爆風が少年を襲った。

 

「うわぁぁぁぁっ!」

 

 

 

 

「うわっ!」

 

少年は飛び起きて、それから周りを見渡すとそこは少年が住んでいる家の中にある自身の部屋の中だった。

 

「はぁ、夢か・・・・妙にリアルな夢だったなぁ・・・・」

 

 

 

この町の名前は観星町・・・・星が良く見えると有名な町で、そんな町のとある一軒家では・・・・

 

 

 

「じゃあ父さん、母さん、行ってきます。」

 

「行ってらっしゃい!」

 

「車に気をつけるんだぞ!」

 

「わかってる。」

 

着替えて朝食をとった彼、『如月こうた』はそう言って家を出て幼馴染の星奈ひかるの家に向かった。

 

すると前から・・・・

 

「あっ、こうた!」

 

「ひかる!」

 

丁度前から、その幼馴染の『星奈ひかる』が自転車に乗って現れた。

 

「どうしたんだよひかる?そんなに慌てて」

 

「大変だよこうた!謎の生物が突然現れて、その子と一緒に見た事もない宇宙に行ってさぁ」

 

「わかった!わかったからもっと落ち着いて話してくれ!」

 

ひかるの話を纏めると昨日の夜、自分がノートに書いた星座にそっくりの生物が突然現れて、その子と一緒に見た事もない宇宙に行ったらしく、最初は夢だと思っていたが、朝になってもその生物はひかるの部屋にいて、

その子が窓から出て行ってしまったから追いかけている最中らしい。

 

「じゃあ、その子が飛んで行った方角に行ってみるぞ!」

 

「うん!」

 

そしてこうたは一旦家に戻って自分の自転車を取りに行って2人でその謎の生物を探す事になった。

 

 

「遼じい!おっはよ〜!」

 

「おはようございま〜す!」

 

「おはよう。」

 

「聞いて聞いて!大変なの!」

 

ひかる達は観星町にある天文台に向かい、そこの管理人をしている「遼じい」こと「空見 遼太郎」さんの所に来ていた。

 

「この絵の子が?」

 

「うん!遼じいがくれたこのノート、何かオカルトのパワーでもあるんじゃない?」

 

「おいおいひかる、いくらなんでもそんな事ある訳ないだろ。」

 

「そうだよ。天文台の倉庫に眠ってた古〜いただのノートだよ〜、しかし、ひかるにあげて正解だ。ひかるの想像力がいっぱい詰まった素敵なノートになりそうだ。」

 

「うん!おっと、あの子探してるんだった。じゃあ行くね。」

 

「おいひかる。それじゃあ遼じい、また来るから!」

 

「行ってらっしゃ〜い!」

 

2人は自転車を走らせてその場を後にした。

 

「よぉ〜し!探すぞ〜!」

 

それからすぐに・・・・

 

「と、思ったけど・・・・エネルギー・・・・ゼロ・・・・」

 

「早っ!」

 

ひかるのエネルギーが尽きた事で2人は天文台の近くにあった大きな木の下で休憩する事にした。

 

「朝ごはん忘れてた。」

 

「お前の事だからその謎の生物に夢中で忘れてたんだろ?」

 

「うっ!」

 

ひかるは図星をつかれた。

 

「やった!ドーナツ!」

 

「フワ〜!」

 

「え?え〜?」

 

「なんだ?」

 

ひかる達は上の方からガサガサ音がするのに気づいて見上げてみると・・・・

 

「フワーーーッ」

 

「うっ・・・・いたーーっ!」

 

「この子が?」

 

突然頭上から謎の生物が現れてひかるの顔にくっつきひかるは声をあげると同時にその生物はひかるから離れた。

 

「待って、うわ〜っ」

 

「フワ〜〜!」

 

「もしかして、ドーナツが欲しいのか?」

 

「フワ!」

 

「え?」

 

ひかるがその子を捕まえようとすると、その子は飛んで避けてそのままひかるの頭の上に乗っかってひかるが持っているドーナツを物欲しそうな目で見ていた。

 

 

「そぉ〜っと、そ、そ、」

 

「フワッ、フワッ」

 

ひかるがドーナツを動かすとそれにつられてその子の目もドーナツを必死に追いかけていた。

 

「ひかる、そんな意地悪しないで素直にあげろ。」

 

「はぁ〜い。」

 

ひかるはドーナツを半分こにした。

 

「観星町名物のスタードーナツ、はい!」

 

「フワ!ドーナツ!」

 

「美味しいか?」

 

「美味しいフワ!」

 

その生物はひかるからスタードーナツを受け取って美味しそうに食べていた。

 

 

「フワッフワッ、名前、フワでどう?フワフワのフワ!」

 

「フワ〜〜!」

 

「気に入ったみたいだな。」

 

「あ、じゃあこっちも、フワ座ーっと」

 

ひかるがフワを撫でている時に名前を決めて、それからその子の名前はフワになり、ノートに書いてあるフワの絵はフワ座となった。

 

 

そうしてフワと戯れ合っているとひかるとフワは疲れたのか眠ってしまい、そうしている内に夕方になってしまったが、2人とも目を覚まさない。

そんなでフワは・・・・

 

『貴方が最後の希望・・・・』

 

『フワ?』

 

知らない女性からそう言われるとフワはそのまま浮かび上がりその人達のいる場所が見えなくなった。

 

「フワ⁉︎」

 

「ん?どうしたフワ?」

 

「フワ?」

 

突然起きたフワにこうたはどうしたのか尋ねるとフワはそのまま浮かび上がり辺りをキョロキョロ見渡していた。

 

 

 

 

一方その頃・・・・

 

昨夜ひかる達が行った宇宙ではとあるロケットが謎のUFOの大群から攻撃を受けて逃げている最中だった。

 

「プル〜〜ッ」

 

「オヨ〜〜ッ、オヨオヨオヨオヨ〜〜ッ」

 

「フワ!? フワーッ、フワーッ!」

 

「え?どうしたの?」

 

「フワ?」

 

フワが突然叫びだして、ひかるとこうたもどうしたのか気になっていた。

 

「フーーワーーッ!」

 

「え?昨日と同じ?また宇宙に?」

 

「昨日ってどういう事だよ?」

 

「フーーワーーッ!」

 

フワの耳の周りのリングが回転し始めると突然空中に星形のワープホールが現れた。

 

「出たーーっ!」

 

「なんだよあれ?」

 

そしてそのワープホールの中から何かが出てきた。

 

「あああ〜〜っ」

 

「うわっ」

 

その何かは地上に着陸してその土煙がひかる達を襲った。

 

「うわぁ、ロケット?」

 

「あぁ、でもこんなロケット見た事ないぞ!」

 

そしてロケットのハッチが開くと中から誰かが出てきた。

 

「まさか、宇宙人?」

 

「マジで!? マジで宇宙人なのか!?」

 

「宇宙人?本物の、宇宙人?」

 

「オヨ〜〜〜ッ」

 

すると姿を見せたのは何故か身体はフラつき、見るからに気持ち悪そうにしている人が現れた。

 

「オヨ〜〜〜ッ」

 

「まさか、乗り物酔いでブルンスかー?」

 

「大丈夫でプルンスかー?」

 

「オヨ〜」

 

「急にワープホールが出てきたと思ったら、いきなり飛ばされるなんて・・・・しっかりするでプルンス。」

 

「ルルン」

 

「こんな宇宙の端っこ、辺境の中の辺境、地球に来るなんて・・・・」

 

「うわーー!」

 

「ルルン!?」

 

「マズイ、地球人に見られたでプルンスー!」

 

「ルルン、ルルルルン!」

 

「キラやば~っ☆」

 

さっきまで黙っていたひかるが突然目を光らせながら宇宙人達に近づいて行った。

 

「ねぇ、やっぱり宇宙人だよね。うわっ、それ触覚?可愛い!」

 

「ル、ルルン?」

 

「グイグイ来る、この地球人、宇宙人とか怖くないでプルンスかぁ?」

 

「星座と宇宙、宇宙人とか大好きなの!あとUMAにオカルト!それに・・・・」

 

「ち、近いでプルンス」

 

「ほらひかる、少しは離れろよ。」

 

そう言ってこうたはひかるの首根っこを掴んで宇宙人達から距離を取らせた。

 

「ごめんな。急に色々話ちゃってさ。」

 

「ル、ルルン。」

 

「大丈夫だと言ってるでプルンス。」

 

「ル、ルルルルン!」

 

「いたーーっ!」

 

女の子の宇宙人がフワを指差して叫んでいると小さい方の宇宙人がそれに反応した。

 

「ルルル、ルルルン!」

 

「宇宙を旅してたら、急にいなくなったと言ってるでプルンス。めちゃくちゃ心配してたと」

 

「フワーーッ」

 

フワはそのまま飛んでひかるの頭の上に乗っかった。

 

「あ、もしかしたら私が呼んだのかも。この絵が頭に浮かんだの。魔法陣的な感じで呼んじゃったのかなぁ?フワを。」

 

「魔法陣ってそんなのナンセンスで・・・・ってあの、フワって?」

 

「この子の名前だけど?」

 

「フワ!」

 

「勝手に名付けんなーーっ! ちゃんと名前があるでプルンス!『スペガサッス・プララン・モフーピット・プリンセウィンク』って名前が」

 

「え、長っ!良いよフワで」

 

「フッワ」

 

「えええっ!?」

 

「うはははっ!」

 

小さい宇宙人が地上に降りてフワの本名を伝えるがひかるは名前が長いからフワで良いと伝えるとその宇宙人は動揺して、それを見ていた女の子の宇宙人は笑っていた。

 

「私ひかる、ほ・し・な・ひ・か・る!」

 

「俺はこうた、き・ら・さ・ぎ・こ・う・た!」

 

「あっ、ララ!」

 

「良い名前」

 

「そうだな。俺もそう思う。」

 

「因みにプルンスでプルンス!」

 

「名前だったんだ、それ」

 

「もっと他に名前があると思ってたぜ。」

 

ひかるとこうたが自分に指を差しながら自己紹介をするとララ達も自分を指差して自己紹介をした。

 

「どうして旅を?」

 

「伝説の戦士、プリキュアを探しているでプルンス!」

 

「プリ、キュア?」

 

「何だよそれ?」

 

すると突然、空中に別のワープホールが現れて中から数機のUFOが降りてきた。

 

「UFO?アダムスキー型!」

 

ひかるは喜んでいるが、ララ達はそのUFOを警戒していた。

 

「ん?どうしたララ?」

 

「ルン」

 

こうたがララにどうしたのか聞こうとするとUFOの中から誰かが出てきた。

 

「地球語かぁ、随分とプリミティブな惑星に来てしまったようだ。」

 

「出たーーっ、またまた宇宙人!?」

 

「このカッパードから逃げられると思ったのかね?」

 

「かっちょい〜☆」

 

「フワ!」

 

「え?フワ?」

 

「フワ〜〜ッ」

 

「怯えてる、大丈夫かフワ!」

 

ひかるがカッパードに興奮しているとフワがひかるの胸元に抱きついてきて、その小さな身体が激しく震えていた。

 

「そいつが必要なのだ!我々『ノットレイダー』が全宇宙をこの手にする為に!」

 

「そのセリフにフワの怯えよう、お前達が良い奴じゃないって事は良くわかったぜ!」

 

「ル、ルルルン!」

 

「ララ⁉︎」

 

ララが突然ひかる達の前に出て、両手を横に広げて、まるでみんなを庇っているように見えた。

 

「譲る気なしか、では仕方ない、奪い取るしかないか・・・・」

 

「この状況、ヤバイな・・・・」

 

「ぐぬぬぬっ」

 

するとプルンスが何かを空中に投げると中からUFO型の小さなポットが現れた。

 

「ララ、逃げるでプルンス!」

 

するとプルンスはひかるが抱き抱えていたフワを掴んでそのままララと一緒にロケットの中に戻っていった。

 

「世話になったでプルンス!」

 

「フワ、フワーーッ!」

 

「あっ」

 

「行くぞ、ひかる!」

 

「こうた、うん!」

 

こうたとひかるもそのままロケットの中に入って行った。

 

 

To Be Continued

 

 




          次回予告

ロケットに乗って宇宙までやってきたひかるとこうた。

しかし、ノットレイダーの魔の手は宇宙にまで迫ってきていた。

そして、フワを守りたいというひかる達の想いが奇跡を起こす!

次回、『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

「第2話 キラやば〜☆ 光輝く星と宇宙!キュアスター&キュアスペース誕生 後編」

次回もお楽しみ!


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第2話 キラやば〜☆光輝く星と宇宙!キュアスター&キュアスペース誕生 後編

今回は前回の続きです。

果たしてひかるやこうた達の運命は・・・・

それではどうぞ!


「うあああああっ!」

 

「う、くうううっ」

 

「「えぇぇぇぇぇぇ⁉︎」」

 

「何でいるでプルンス!?」

 

そしてロケットは打ち上げられてひかる達を乗せたままそのまま宇宙へと上昇していった。

 

「うぁぁぁぁっ」

 

「はぁ、結構キツかったなぁ」

 

「無茶するでプルンス」

 

「フワーッ!」

 

フワは真っ先にひかるに抱きついていた。

 

「フワ・・・・うわっ、身体が・・・・」

 

「え?・・・・これって・・・・無重力か?」

 

「外を見てみるでプルンス!」

 

「・・・・うわ~地球だ。キラやば~☆」

 

「スゲェ、これが地球・・・・生で見る本物の地球なんだ!」

 

プルンスに言われてひかる達は外を見てみると、そこには図鑑などで見た地球とは違う、本物の地球がそこにはあった。

 

そんな時も束の間、謎のビーム攻撃がロケットを襲った。

 

「「「うわぁぁぁぁっ!」」」

 

「何?」

 

「ふふふふふっ、このカッパードから逃げ切れるとでも?」

 

ロケットを攻撃してきたのは同じく宇宙に上がってきたノットレイダー達のUFOからだった。

 

「やれ!」

 

カッパードの指示で他のUFOもロケットに向けて攻撃を開始した。

 

ロケットは必死にそのビーム攻撃を交わし続いた。

 

しかし、ビームの内の一発がロケットに命中してガラスが割れるとフワとひかるのノートがそのガラスが割れた穴から宇宙に出ていってしまった。

 

「フワーーッ!」

 

「フワ?・・・・っ!」

 

「ダメでプルンス!地球人が宇宙に出たら命は無いでプルンス!」

 

ひかるがフワを追いかけようとするとプルンスがひかるの腕を掴みそれを止めた。

 

「でも、フワが。」

 

ひかるはプルンスの手を振り払って宇宙に出て行ってしまった。

 

「うわっ」

 

「ルン!」

 

「ひかる!くっ」

 

「ああっ」

 

ひかるの姿を見ていたこうたもその後を追って宇宙に出て行ってしまい、プルンスは自身の身体を膨らませてその穴を塞いだ。

 

「なぁぁっ!」

 

「何と愚かな地球人達。水陸宇宙両生の私と違って、宇宙空間では生きられないというのに。」

 

するとひかるとこうたの身体が光だした。

 

「っ!」

 

「フワ?」

 

「もう、怖くない。大丈夫だよ。」

 

「どうなってる?何で俺、宇宙で呼吸が出来るんだ?」

 

「あ、こうたも来たの?」

 

「お前を1人にしておく訳にはいかないからな。気づいたら身体が勝手に動いてたよ。」

 

「そうなんだ。」

 

「まさか!?」

 

「フワと一緒なら大丈夫だと思ったんだ。」

 

「そう言えば、昨日は一緒に宇宙に行ったとか言ってたっけ?」

 

「フワ?」

 

「ふふっ」

 

「アイツ」

 

「ルン・・・・」

 

ひかるは戸惑っているフワを笑顔で安心させようしているとその姿をプルンスとララはロケットの中から見ていた。

 

「アレが奴の力・・・・成る程、あのお方がお望みになるのも、道理がいく!」

 

カッパードは何かに納得すると薙刀のようなビームの武器を展開した。

 

「さぁ!渡すのだ!お前の代わりに、我々がその力を使ってやる!」

 

そう言ってカッパードはひかる達の所へ突っ込んでいった。

 

「え?使うって、フワを、フワを、物みたいに言うなぁーーーっ!」

 

「フワ?」

 

「そうだ!フワは物じゃない!自分の意思が、心がある、大切な命だ!」

 

「フワ?」

 

「渡さない!」

 

「ソイツの力は宇宙を変える。我々ノットレイダーが宇宙を統べる為に必要なのだ!」

 

「そんなの関係ない!フワは俺達の大切な友達だ!それをお前達の都合で利用するなんて、絶対にさせない!」

 

「良く、わからないけど、守る!私は・・・・フワを・・・・」

 

「そうだ・・・・俺達が・・・・フワを・・・・」

 

「「フワを、守るーーーっ!」」

 

「フーーワーーっ!」

 

「うっ、ちぃ!」

 

するとフワが突然輝き出して、その光がカッパードを吹き飛ばした。

 

 

「何だ!?」

 

「フーーワーーッ!」

 

「え?ノートが!?」

 

するとフワの耳のリングが回転しながら再び輝き出し、それに反応するかのようにひかるが持っていたノートが輝きだした。

 

するとノートが全く違う姿に変わり、そのノートが開くと中から4つの光が現れて、その光がひかるとこうたの元に2つずつ行って光が弾けると中から中央に黄色の大きな星がついた丸いピンクのペンダントとひかるはピンクの、こうたは赤いペンがそれぞれ現れた。

 

「ピンクボトルの、ペンダントと、それにペン!?」

 

「これは、何だ!?」

 

「はぁ〜」

 

ひかるがペンに手を伸ばしてペンを掴むと、そのペンは再び輝きだした。

 

それを見たこうたもペンを掴むとこうたのペンもまた輝きだした。

 

「わかる、このペンと、ペンダントの使い方が・・・・」

 

そして何処からか音楽が流れ始めるとペンダントのボトルのキャップが開いた。

 

 

「「スターカラーペンダント!カラーチャージ!」」

 

 

ペンをペンダントのキャップの部分に挿入し、それを抜いて星のマークを描く。

そしてペンの先でもう一度ペンダントの星の部分をタッチした。

 

「「キラめく~星の力で~!憧れの~私描くよ~!」」

 

音楽に合わせて歌いだすひかるとこうた、そしてその姿は徐々に変化していった。

 

「「トゥインクル!トゥインクルプリキュア!」」

 

「「トゥインクル!トゥインクルプリキュア!」」

 

「「トゥインクル!トゥインクルプリキュア!」」

 

変身を終えると最後はペンダントも形を変えた。

 

「「スター☆トゥインクル〜!スター☆トゥインクルプリキュア~~!」」

 

「宇宙(そら)に輝く〜キラキラ星!キュアスター!」

 

「光輝く聖なる宇宙!キュアスペース!」

 

そして変身が完了した。

 

「・・・・って私何言っちゃてるの!?・・・・なんか、歌ってたし!」

 

「もう、どうなってんだよこれ〜!」

 

2人とも訳も分からず歌って変身した事に動揺していた。

 

「マジでプルンスかぁ!?」

 

「っ!」

 

「プリキュア!? だと!? 楽しませてくれる。出て来い!ノットレイ達よ!」

 

『ノットレーイ!ノットレーイ!』

 

「ああっ!?」

 

「何だコイツら!?」

 

「恐怖は思考を停止させる。行け!全てを奪い取るのだ!」

 

『ノットレイ!』

 

指示を受けたノットレイ達は足の裏のブースターを使い、スター達に突撃してきた。

 

「フワ!」

 

「ふっ!」

 

『ノッ、ノットレーイ』

 

「何!?」

 

フワがスターに抱きつくとスターはフワを抱き抱えたまま足元に星形のエネルギーを生み出してそれを足場にしてジャンプしてノットレイ達の突撃を避けてノットレイ達は何もない所で次々と衝突してしまい、カッパードもそれに驚いていた。

 

「うわ〜〜っと、止まった〜〜ってうわっ!?」

 

数体のノットレイ達がスターに体当たりするとスターの前に突然黄色い星のエネルギーの固まりが現れてノットレイ達の攻撃を受け止めた。

 

「え?えい!」

 

「ノットレーイ!」

 

スターが吹き飛ばすとノットレイ達もそれに吹き飛ばされてしまった。

 

するとスターは先程みたいに足場に星のエネルギーを集めて兎のように何度も飛び回りながらノットレイ達と戦っていた。

 

「飛んでけーーっ!」

 

『ノットレーイ!』

 

「やるなスター!ならこっちも!」

 

「ノットレーイ!」

 

スペースは宇宙を飛びながらノットレイ達の攻撃を回避してノットレイの1人が殴りかかってきたので、それをギリギリで避けてそのままノットレイの顔を思いっきり殴るとそのままノットレイは吹っ飛んでいき、他のノットレイ達に激突していた。

 

「まだまだ!」

 

スペースは飛びながら今度はノットレイ達と1体1で順番に戦っていき、最後には1人のノットレイにパンチのラッシュを浴びせて殴り飛ばした。

 

「はぁーっ、だーーっ!」

 

「ノットレーイ!」

 

「凄い!これなら、いける!」

 

「やるな!」

 

「くっ」

 

するとスペースのもとにカッパードがやって来て、切りかかって来たその剣を、スペースは左腕にエネルギーを集める事で受け止めた。

 

「だが宇宙での戦いなら、私の方が、圧倒的に上だ!」

 

「ふざけんな!上とか下とか関係ない!俺達は・・・・絶対に・・・・フワを・・・・守るんだ!」

 

スペースは全身にエネルギーを集めて、そうするとスペースの全身が赤く光って、その力でカッパードを吹き飛ばした。

 

「くっ、何のこれしき・・・・っ!」

 

「たぁぁぁぁっ!」

 

「のわっ」

 

吹き飛ばされたカッパードが再び攻撃しようとした時、スターがやって来て拳に星の形のエネルギーを集めて、その力でカッパードを殴って、更にカッパードを吹き飛ばした。

 

「スペース、大丈夫?」

 

「あぁ、ありがとうスター!」

 

「面白い!」

 

そしてカッパードは吹き飛ばされて尚、スター達に向かって来た。

 

「行くぞスター!」

 

「うん!」

 

すると2人のペンダントが輝きだした。

 

「プリキュア・スターパンチ!!」

 

「プリキュア・スペースレイ!!」

 

「何!?」

 

スターは黄色い星をカッパードに向けて飛ばし、その横でスペースは赤く輝く光線を放ち、その2つのエネルギーがカッパードに襲いかかる。

 

「くっ、ラッキーは2度は続かんぞ!」

 

カッパードが姿を消すと2人の攻撃は宇宙の彼方へと飛んでいってしまった。

 

「はぁ・・・・はぁ・・・・やった!」

 

「フワ!」

 

「フワ!」

 

「やったな、スター」

 

「うん!」

 

フワがスターに抱きつくとそれからスペースとスターは2人でハイタッチをした。

 

「凄いでプルンス!」

 

「・・・・・・・・」

 

ロケットの中から全てを見ていたプルンスはその姿を見て興奮し、ララはそんな2人の姿をジッと見つめていた。

 

それからスター達はロケットの中に戻って変身を解いた。

 

「いやぁ〜もう〜ホントびっくり!キラやば〜な1日だよ。プリキュアに変身しちゃったり、フワと出会ったり」

 

「フーワーッ」

 

「それに・・・・」

 

ひかるはララの手を握った。

 

「ルン?」

 

「宇宙人とホントに出会えるなんて・・・・」

 

「ひかる・・・・ずっと言ってたもんな、宇宙人に会いたいって」

 

「うん!だから、ララちゃん達に会えて、ホントに良かった!」

 

「フーワッ」

 

フワがひかるとララの手に触れると2人の身体が光りだした。

 

「ありがとルン!この子を守ってくれて・・・・」

 

「ううん・・・・っ!」

 

「「言葉がわかる(ルン)」」

 

「俺もわかるぞ。もしかして、これもフワの力なのか?」

 

「フワ!」

 

するとフワは姿が変わったひかるの本の中に入っていった。

 

「フワって、何なの?」

 

「アイツらが狙ってるって事は絶対何かある筈なんだよなぁ。」

 

そんな中で突然ロケットの中で警報が鳴り出した。

 

「え?」

 

「今度は何だ!?」

 

「ああっ⁉︎しまった〜、故障してたでプルンス〜〜!」

 

「「「えぇぇぇぇっ!(オヨ〜〜〜!)」」」

 

ロケットはノットレイダーの攻撃を受けて故障していた事をすっかり忘れていたプルンス達は、そのまま大気圏に突入してしまった。

 

「何だ?」

 

「流れ星?」

 

お店の外でお花の整理をしていた『天宮 えれな』と家の中から窓の外を見ていた『香久矢 まどか』は流れ星が降ってきたと思い、ひかる達が乗っているロケットを見ていた。

 

そしてロケットは観星町の森の中へと落ちていった。

 

 

 

To Be Continued

 

 




          次回予告

ロケットが壊れてしまい、必死に修理しようとするララ。

しかしララはどうしてひかる達がプリキュアになれたのか、その理由が全く理解出来なかった。

その心が、ララの心に迷いを生んだ。



次回、『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

「第3話 可能性のその先へ、キュアミルキー誕生 前編」

次回もお楽しみ!


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第3話 可能性のその先へ、キュアミルキー誕生 前編

皆さんこんにちは。

なんかもの凄い勢いで書き上げております。

1日に3話投稿とか自分でもどうしたんだろうと思ってしました。

今回で3話目になりますが、たくさんの人に読んでもらえたら嬉しいです。

それではどうぞ!


墜落したロケットの中ではララが自身のセンサーをロケットに接続していた。

 

『研究モード、ロケットの損傷率92%』

 

「キラやば~☆、ロケットが喋ってる!」

 

「人工知能ルン・・・・これじゃあ飛べない・・・・最悪ルン・・・・」

 

「やっぱり、さっきの戦闘や墜落のダメージが大きかったって事か、修理出来るのか?」

 

「まぁ、何とかするルン。」

 

「悪い事ばかりじゃないでプルンス!プリキュアが見つかった訳だし。」

 

「うん!」

 

「まぁ、あの時は無我夢中だったんだけどな。」

 

「・・・・・・・・」

 

プルンスはプリキュアがみつかった事を喜びひかるとこうたの肩を叩いているとララは俯きながらそれを無言でみていた。

 

「ところで、プリキュアって何?」

 

「確かに、伝説の戦士って事以外なんにも知らないぞ。」

 

「たはぁ、宇宙の伝説でプルンス!星々の輝きが失われしとき、トゥインクルブックと共に現れる戦士プリキュアが輝きを取り戻す!」

 

「私が?」

 

「俺達がその伝説の戦士なのか?あんまり実感わかないけど・・・・」

 

「キラやば~っ☆、素敵〜はぁ〜」

 

「ルン・・・・」

 

「・・・・ん?」

 

興奮しているひかるの姿を見て、若干呆れているララの姿をこうたも見ていたのだった。

 

 

一同はロケットの外に出てロケットの点検、修理をしているとフワはトィンクルブックの中に入って眠ってしまい、そんな2人はトゥインクルブックを取り合っていた。

 

「トゥインクルブックは宇宙を救う為に必要な大切な物、宇宙の宝でプルンス!」

 

「宇宙の宝って・・・・ダメだよ!宇宙の前に、私の宝物だから!」

 

「宇宙の宝と自分の宝とどっちが大事でプルンス!」

 

「どっちも大事に決まってるじゃん!」

 

「プルンスにはフワを守る役目があるでプルンス!」

 

「おいおい2人とも・・・・」

 

「だったら・・・・どっちも・・・・守る!フワもトゥインクルブックも・・・・それが、プリキュアでしょ!」

 

「っ!」

 

「た、確かに。」

 

ララはプリキュアという言葉に反応し、プルンスも最後は引き下がった。

 

「とりあえず、フワを匿える安全な場所を紹介するでプルンス!」

 

「それならウチに行こう!ね、ララちゃん!」

 

「え?ル、ルン。」

 

「ていうか、もう夜だし、そろそろ帰らないとヤバくないか?」

 

「え?・・・・ああぁ!そうだ、早く帰らないとお爺ちゃんに怒られる〜〜っ」

 

「とりあえず、急いで帰ろう。」

 

「うん!」

 

そしてひかる達はそれぞれの家に戻っていった。

 

「た、ただいま。」

 

「おかえり。何処行ってたんだ。」

 

「えっと、ひかると色々と探検してたらこんな時間に・・・・ごめんなさい!」

 

「全く、こんな時間まで外に出てたらダメだろ。」

 

こうたが家に帰ると父から軽いお説教を受けた。

 

それからこうたは家族で食事をして自分の部屋に戻った。

 

「はぁ、今日は色々あったなぁ・・・・ん?あれって?」

 

こうたは外を見るとひかるの姿を見つけて、親に気づかれないようにこっそりまた出かけた。

 

「ひかる!」

 

「あっ、こうた!」

 

「何処行くんだよ。おにぎりなんて持ってさ。」

 

「ララちゃんがロケットの修理しに戻っていっちゃったらしくて、だからおにぎりの差し入れをしようかなって。」

 

「そうか、なら俺も一緒に行ってもいいか?」

 

「うん!一緒に行こう!」

 

そうして2人は一緒にララのいるロケットの所へ向かった。

 

その頃、ララはロケットの修理をしていると一旦その手を止めた。

 

「ねぇ?」

 

『はい!』

 

「私が、プリキュアになれる確率はどのくらいルン」

 

ララの言葉を受けて、ロケットのAIが計算を開始した。

 

『ララ様がプリキュアになる確率は・・・・0.000000012%です』

 

「オヨ〜、全くゼロに近いルン・・・・」

 

あまりの低さにララはガックリと肩を落とした。

 

「じゃあ、星名ひかると如月こうたの確率は?」

 

それを受けてAIは再び計算を開始した。

 

『その確率は・・・・0.000000012%です』

 

「ルン!私と全く同じルン!」

 

「ラ〜ラ〜ちゃ〜ん!」

 

「おーい!」

 

「ルン?」

 

そしてひかるとこうたがララと所に到着した。

 

「何しにきたルン?」

 

「差し入れ、おにぎりだよ、お腹空いたかなぁって」

 

「地球には、腹が減っては戦は出来ぬって言葉があるしな。」

 

ひかるはバックの蓋を開けて中身をララに見せた。

 

「あ、地球の食べ物ルン?」

 

ララは興味を示してロケットから降りて来た。

 

「何これ・・・・石を食べるルン?」

 

「いやまぁ、形は良くないけど、美味しいよ!」

 

ララはひかるに勧められるも、若干引いたような反応をした。

 

「だ、大丈夫ルン。宇宙食コスモグミがあるルン」

 

そう言ってララは腰についてる容器を取って中身を俺たちに見せてくれた。

中には黄色と赤色の星の形をした食べ物がいくつか入っていた。

 

「キラやば~っ☆」

 

「た、食べるルン?」

 

「いいの?ありがとう!」

 

「なぁそれ、俺も貰っていいか?」

 

「ルン?別に構わないルン」

 

「サンキュー、じゃあ俺も一つ・・・・」 

 

2人はララから貰ったコスモグミを食べた。

 

「美味しい!甘くて、プルってして」

 

「あぁ、正しく地球でいうグミだな。ホントに美味しいな。」

 

「これさえあれば、宇宙の長旅もバッチリルン」

 

「へぇ凄いな。じゃあこのグミには身体に必要な栄養がしっかり含まれてるって事か・・・・」

 

「ルン、その通りルン」

 

「じゃあ、こっちも美味しいから食べて」

 

ひかるはコスモグミを貰ったお礼にとおにぎりを勧めた。

 

「え、でも・・・・」

 

「何事も経験だって、食べてないのに決めつけはなし!」

 

「ル、ルン・・・・」

 

ララはおにぎりを手に取って恐る恐るおにぎりを食べた。

 

「っ!・・・・美味しい!適度な塩分、ホロリと崩れるこの感じ・・・・オヨ〜!酸っぱ〜い。でも美味しいルン」

 

ララはおにぎり美味しく食べていると中の梅干しを食べて、あまりの酸っぱさにその場に座り込んでしまった。

 

「大丈夫か?」

 

「だ、大丈夫ルン。ちょっとビックリしただけルン」

 

「梅干しだよ。疲れがとれるよ、喜んでくれて良かったぁ」

 

「はむっ」

 

それからララはおにぎりを積極的に食べていた。

 

「ララって凄いよな。ロケット操縦して、修理まで出来るなんて」

 

「うんうん、私には絶対真似出来ないよ。」

 

「良い大人ルン。出来て当然ルン」

 

「え?大人って?」

 

「ララは今いくつなんだよ?」

 

「地球の年齢だと・・・・」

 

ララはロケットのパネルにセンサーを飛ばして調べていた。

 

『13歳と294日です!』

 

「私と同い年じゃん!」

 

「てことは俺の一つ下かぁ、歳下の子がここまで出来るのに、俺なんて・・・・」

 

「まぁまぁこうた、そんなに落ち込まないの」

 

こうたはララが自分より一つ歳下だと知り、色んな事が出来るララと自分を比べて少しショックを受けていた。

 

「私の星では13歳で大人ルン・・・・だから、ロケットを直してプルンス達を連れて行くっていう大人の責任があるルン!」

 

「凄いなぁ、ララは」

 

「そっか・・・・これ、夜食にしてね。」

 

「え?」

 

「外に出てるの叱られるから帰るね。」

 

「だな。じゃあ俺も帰るよ。また明日来るから。」

 

「ル、ルン」

 

「あ、フワとプルンスは任せてねぇ〜、私も頑張るからねプリキュアとして」

 

「じゃあな〜」

 

「あ・・・・ルン、頼むルン・・・・」

 

ひかるとこうたはそのまま走って帰っていった。

 

 

 

そして翌日の朝・・・・

 

 

「おはよー!」

 

「オヨ?」

 

「これが地球での朝の挨拶なんだよ。おはようララ!」

 

ララは朝からロケットの修理を行い、そこにひかるとこうた、プルンスとひかるの頭に乗ったフワがやって来た。

 

「あーわたしの星ではセンサーでタッチルン」

 

そう言うとララの頭のセンサー二つがこちらに伸びてきて、ひかるとこうたは順番にララのセンサーに人差し指でタッチした。

 

「おぉ〜、かっちょいい〜!」

 

「これがララの星での挨拶なんだな。」

 

「ララの触覚は電気が流れるでプルンス!つまり・・・・はぁ〜肩こり解消〜こんな事も出来るでプルンス」

 

「一種の電気マッサージって事か?」

 

プルンスはララのセンサーから軽い電気ショックを受けて気持ち良さそうにしていた。

 

「ねぇ、3人はずっと一緒に旅をしてるの?」

 

「プルンスとペガサッス・プララン・・・・」

 

「フワフワ!」

 

ララがフワの本名を言おうとするとまるで訂正しろと言わんばかりにフワが必死に訴えかけてきた。

 

「プルンスとフワに出会ったのはちょっと前ルン」

 

「プルンス達は逃げて来たでプルンス」

 

「逃げて来たって、昨日の奴らからか?」

 

「離せば長いでプルンス・・・・」

 

プルンスは過去の出来事を語り始めた。

 

「地球からずっと遠くに離れた宇宙に星空界があるでプルンス・・・・」

 

「星空界?」

 

「その中心にはスタープリンセスがいるスターパレスがあるでプルンス。」

 

「スタープリンセス?」

 

「宇宙を見守る12星座のプリンセスでプルンス!」

 

「キラやば~っ☆」

 

「ずっとお仕えしてたでプルンス・・・・」

 

「そこで何かあったのか?」

 

「そうでプルンス。スターパレスは闇にのまれたでプルンス・・・・プリンセスの力を奪おうとする者、ノットレイダーが現れて・・・・」

 

「ノットレイダー・・・・」

 

「昨日の連中だな」

 

「プリンセス達は最後の力を使ってノットレイダーを追い払う事には成功したでプルンス・・・・でも、力を使い果たしたプリンセス達は宇宙中に散ってしまったでプルンス」

 

「そうだったのか・・・・」

 

「私の星サマーンでも異変をとらえていて調査に出てたルン」

 

「ララは宇宙を逃げるプルンス達を助けてくれたでプルンス!」

 

「もしかして、あの時の・・・・」

 

「フワ!」

 

「ひかる?」

 

「知ってるでプルンスか!?」

 

「うん。フワと一緒に宇宙に行った時に・・・・」

 

プルンスは最初は沈んで顔をしていたが、ひかるの言葉を聞いてパッと明るくなりプルンスは星奈の肩を掴んだ。

 

「凄い!きっとプリキュアなら宇宙に散ったプリンセスの力を見つけて全てまるっと元通りに出来るでプルンス!」

 

「俺は見てないからわからないけど、俺にも出来る事ってあるのか?」

 

「勿論でプルンス!プリキュアになれたなら絶対に宇宙を救う力になれるでプルンス!」

 

「えーホント!? プリンセスにも会える?」

 

「当然でプルンス!」

 

「キラやば~☆よーし任せて!私、プリキュア頑張るから!」

 

「・・・・・・・・」

 

ひかる達が話で盛り上がっている中でララはひかるの言葉を聞いて不満そうな顔をしていた。

そして1人で何処かへ行ってしまった。

 

それを見ていたこうたはララの後を追いかけた。

 

ララは天文台の前にある広場の椅子に座った。

 

「・・・・軽く言うルン、何であの子が・・・・っ!」

 

そして冷静になったララは周りを見渡して誰かいないか確かめた。

 

「はぁ〜誰かに見られたらどうするルン」

 

「いい眺めでしょ?」

 

「ル!ルル!」

 

「おや?外国の方かな?」

 

「(星奈ひかるや如月こうたと違って言葉がわからないルン)」

 

「おーい!遼じいー!」

 

ララが1人でいる所を遼じいが話かけてきてどうするか考えていると、そこにこうたが走って来た。

 

「おや?こうた、こうたの知り合いかね?」

 

「あぁ、この間ひかると一緒に友達になったんだ。」

 

「友達・・・・」

 

「おぉ〜友達ねぇ、そうかそうかではごゆっくり」

 

それを聞いて遼じいは天文台の中に戻っていった。

 

「はぁ・・・・何とか誤魔化せたかな?」

 

「何でここに来たルン?」

 

「何でってララを探してたんだよ。見つかって良かった。」

 

「ルン・・・・」

 

「それにほら見てみなよこの景色・・・・」

 

「え?」

 

こうたに言われて見てみると湖に包まれた綺麗な町がそこにはあった。

 

「ここが俺達が住んでる町、観星町って町なんだ。ひかる、この景色をララに見せたがってたんだ。修理の気分転換にってさ」

 

「オヨ〜」

 

「ごめんな」

 

「オヨ?何で貴方が謝るルン?」

 

ララは突然の謝罪に戸惑っていると、こうたはララの隣の席に座りながら話だした。

 

「いや、ひかるの言った言葉でララが気を悪くしたんじゃないかって心配でさ」

 

「はぁ・・・・良くわからないルン、何であんな子や貴方がプリキュアルン?フワと一緒にいた時間なら私の方が長いのに・・・・」

 

ララは本音を打ち明けて俯いてしまった。

 

「・・・・ララはプリキュアになりたいのか?」

 

「ルン?なりたいというか・・・・なりたいからってなれるものじゃないルン・・・・」

 

「大丈夫!」

 

「ルン?」

 

「大切なのは、諦めない事、自分でなりたいって思えば・・・・絶対になれるさ!」

 

「っ!簡単に言うルン!」

 

「ララ?」

 

「データの示した確率は絶望的ルン」

 

「データって?」

 

「過去の出来事から出す統計ルン!データは絶対ルン!」

 

「そうかな?確かに昨日までの自分はそうかも知れないけど、今日の自分、明日の自分がどうなるかはデータでもわからないだろ?」

 

「そ、それは・・・・」

 

「それに、俺は俺で、ララはララだろ?」

 

「っ!」

 

ララはこうたの言葉を聞いて何かを感じとったような顔をした。

 

「みんな違うから色んな可能性がある訳だし、それに昨日ひかるが言ってたろ・・・・決めつけはなしってさ。」

 

「・・・・・・・・」

 

「そろそろ戻るか?ひかる達の所に」

 

「・・・・ルン」

 

こうたとララはそのままひかる達のいるロケットへと戻っていった。

 

 

 

To Be Continued

 

 




         次回予告

ララの悩みを聞いて自分の気持ちを伝えたこうた。

そんな2人がひかる達の合流した所を再びノットレイダーが襲ってきた!

フワを守ろうとするスター達の前に新たなプリキュアが姿を現す!


次回、『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

「第4話 可能性のその先へ、キュアミルキー誕生 後編」

次回もお楽しみ!


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第4話 可能性のその先へ、キュアミルキー誕生 後編

皆さんこんにちは!

今回もまた新しいプリキュアが登場します。

そして次回の投稿は明後日を予定しています。

それではどうぞ!


「あ!こうた!ララちゃん!」

 

「ひかる!」

 

ロケットへ向かう途中、ひかるとフワとプルンスが前からやって来た。

 

「どうしたんだ?こんな所で?」

 

「あははっ、私もララちゃんを探してたんだ。」

 

「私を?」

 

「うん。私もララちゃんが心配だったからさ。見つかって良かったよ。」

 

「オヨ〜同じ事言ってるルン」

 

「え?同じって?」

 

「な、なんでもないルン!」

 

ララはひかるに聞かれた事を全力で誤魔化した。

 

「それよりほら、みんなの分のジュースもあるから一緒に飲も。」

 

ひかるは人数分のパックのジュースを取り出し、まだ天文台に近くにいた事からこうた達は再び天文台の方へと戻って、先程のベンチでみんなと話をしながらジュースを飲んだ。

 

ジュースを飲み終えると、再びロケットに戻る為に移動を開始した。

 

「はぁ、ジュース美味しかったでプルンス」

 

「フワ」

 

どうやらプルンスとフワはジュースを気に入ったようだ。

 

そして移動を続けていると・・・・

 

「そいつは頂くぞ」

 

「え?誰?」

 

ひかる達が周りをキョロキョロ見渡していると

 

「水も滴るいい男・・・・」

 

そいつは空中から真っ直ぐフワに突撃するとこうたがすぐにフワを抱えてその場を離れてみんなもそれに合わせてその場から離れて突撃を避けた。

 

「カッパード・・・・参上!」

 

「またお前か!」

 

『ノットレーイ!』

 

「昨日のようにはいかんぞ!」

 

「ったくしつこい奴だな。ララ、フワを頼む。」

 

「ルン」

 

こうたはフワをララに預けてみんなの前に出る。

するとひかるとこうたのペンダントが輝き出した。

 

「っ!行くぞひかる!」

 

「うん!」

 

そして再び何処からか音楽が流れ始めるとペンダントのボトルのキャップが開いた。

 

 

「「スターカラーペンダント!カラーチャージ!」」

 

「「キラめく~星の力で~!憧れの~私描くよ~!」」

 

「「トゥインクル!トゥインクルプリキュア!」」

 

「「トゥインクル!トゥインクルプリキュア!」」

 

「「トゥインクル!トゥインクルプリキュア!」」

 

 

「「スター☆トゥインクル〜!スター☆トゥインクルプリキュア~~!」」

 

「宇宙(そら)に輝く〜キラキラ星!キュアスター!」

 

「光輝く聖なる宇宙!キュアスペース!」

 

2人は再びプリキュアに変身してノットレイダーを迎え撃つべく構えた。

 

「ふっ、やれ!」

 

『ノットレーイ!』

 

ノットレイ達は足の裏のブースターを使い、先程のカッパードのように空中から突撃しようとしていた。

 

「はぁ・・・・いっけーーっ!」

 

『ノットレーイ』

 

スターは星の形をしたエネルギー体を出してそれにパンチするとそのエネルギー体から小さくなった同じようなエネルギー体が無数に飛んでいきノットレイ達を襲った。

 

「やるなスター!こっちも負けてられないな!」

 

スペースは真っ直ぐカッパードの所へ行き、思いっきり右手の拳を振り抜いて殴りかかったが、カッパードは武器でそれを受け止めた。

 

「お前の相手は俺だ!」

 

「良いだろう。昨日のリベンジだ!」

 

「ララちゃん、フワを!」

 

「ルン!」

 

ララはフワを連れてプルンスと一緒にその場を離れた。

 

「逃がすな!追え!」

 

「ノットレーイ!」

 

「うわっ!」

 

「ララちゃん!」

 

「しまった!」

 

ララはノットレイの手を避けるとそのまま茂みの中に入って落ちてしまった。

 

「大丈夫でプルンス?」

 

プルンスもそこに駆けつけて逃げるララの前にカッパードが立ちはだかった。

 

「はっ!」

 

ララはそれでも逃げようとするが、巨大な岩が行き止まりとなってしまい逃げられなくなった。

 

「くっ」

 

「デジャヴだな。昨夜と似た光景・・・・だが、奇跡は2度は起こらんよ。」

 

カッパードはその武器でララを切ろうするとそのカッパードの手を掴んで止める者がいた。

 

「なっ!?」

 

「スペース!」

 

「言ったはずだぜ!お前の相手は俺だってな!」

 

「くっ」

 

カッパードはスペースがもう片方の手で殴ろうとしていると察知すると手を払い、一旦距離をとった。

 

しかし、スペースは負けずと再び距離を詰めて攻撃を続けた。

 

「ええい!退け!」

 

「断る!絶対に退くもんか!」

 

そんな2人が戦っている最中にララ達の前をノットレイ達が囲んでいた。

 

「ララ!」

 

「はぁ〜!」

 

『ノットレーイ』

 

そこへスターも駆けつけてノットレイ達を追い払っているとまた別のノットレイ達がララ達に遅いかかった。

 

 

「ララちゃん、プリキュアになって!」

 

「え?」

 

「ありえん!そいつを奪い取れ!」

 

「ノットレーイ!」

 

「プルーンス!」

 

1人のノットレイがララに突っ込むとプルンスがそのノットレイの顔にしがみつき、視界を塞いでララ達を守った。

 

視界を塞ぎながらララ達を上に持ち上げてララは岩の上にしゃがんで着地した。

 

「無理ルン、データ的にみても・・・・」

 

「ララはララだろ!」

 

「っ!」

 

「データなんて関係ない、大切なのは今のララがどうしたいかだ!」

 

「そうだよ。思い描くのララちゃんのなりたい自分を!」

 

「なりたい・・・・私・・・・」

 

「信じるんだ!自分を!」

 

「出来ないなんて決めつけは、なしだよ!」

 

「っ!」

 

『決めつけはなし!』

 

2人の言葉を聞いたララは立ち上がって思いを伝える。

 

「私は・・・私は、守りたいルン・・・・私はフワを守りたいルン」

 

「フワ?」

 

「私の、力で・・・・だから私は、私はプリキュアになるルーーン!」

 

「フワ。フワーーーッ!」

 

ララの思いを聞いたフワが突然光だした。

 

「フーーワーーッ!」

 

そして2人の間にトィンクルブックが現れて、そこから2つの光がララの近くに来るとその光は弾けて中からひかる達と同じペンダントと色は違うが形は同じ、緑色のペンが現れて、ララはそのペンを嬉しそうに掴んだ。

 

そしてペンが輝き、再び何処からか音楽が流れてだした。

 

 

「スターカラーペンダント!カラーチャージ!」

 

「キラめく~星の力で~!憧れの~私描くよ~!」

 

「トゥインクル!トゥインクルプリキュア!」

 

「トゥインクル!トゥインクルプリキュア!」

 

「トゥインクル!トゥインクルプリキュア!」

 

「スター☆トゥインクル〜!スター☆トゥインクルプリキュア~~!」

 

「天にあまねく〜ミルキーウェイ!キュアミルキー!」

 

 

 

「キュアミルキー!」

 

「よっしゃ!」

 

「私・・・・プリキュアに・・・・!」

 

「フワ!」

 

「ルン!」

 

「うん!」

 

ミルキーは変身出来た事に感動していると浮いていたフワが近づいてきてスター達もキュアミルキーの誕生を喜んだ。

 

「馬鹿な⁉︎ノットレイ!」

 

『ノットレーイ!』

 

するとミルキーのララの時よりも大きくなったセンサーから放たれた緑色の電撃を受けて痺れていた。

 

『ノットレーイ!』

 

「私、凄いルン!」

 

「ありえん!奇跡が2度も起こるなど!」

 

「2度じゃないルン!昨日は星奈ひかると如月こうたの奇跡!今日の奇跡は、私の奇跡ルン!」

 

「ならば終わらせてやる!カッパードストライク!」

 

カッパードは高くジャンプして頭の皿を触った手を武器に添えるとその武器からカッパードの必殺技が放たれた。

 

「プリキュア!ミルキーショック!」

 

ミルキーもそれに対抗して必殺技の緑色に輝く電撃2つをプリキュアになって大きくなったセンサーから放ち、カッパードストライクを打ち破りミルキーショックがカッパードに直撃した。

 

「くっ」

 

カッパードは電撃で麻痺している右肩を抑えながら地上に膝をついて着地して、ミルキーも岩の上から降りるとその近くにスターとスペースもやってきた。

 

「ミルキー!」

 

「どうする?まだやるか?」

 

「濡れた身体に、電撃はこたえる。」

 

カッパード達は大人しく撤退していった。

 

「フワ!」

 

「ルン!」

 

フワがミルキーに抱きつくとミルキーはそれを優しく受け止めた。

 

場所は変わり、みんなでロケットの所に戻って来て。

 

「ララちゃんならプリキュアになれると思ってたよ。」

 

「あぁ、俺もそう思ってた。」

 

「私は私と言ったけど、違うルン」

 

「え?」

 

「星奈ひかる、如月こうた、貴方達がプリキュアになれたから私もプリキュアになれると思ったルン。」

 

「ララちゃん・・・・」

 

「ララ・・・・」

 

それからララが笑顔になると自然とひかる達も笑顔になった。

 

すると、ひかるとこうたのペンダントが何かに反応する様に光だした。

 

「何これ〜?」

 

「どうなってんだ?」

 

 

 

 

To Be Continued

 

 

 

 

 

 




        次回予告

プリンセスの力の捜索を開始したひかる達

しかし、ひかるとララの考えが合わずに喧嘩になってしまう。

果たしてプリンセスの力は見つけられるのか?

次回、『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

「第5話 手に入れろ!プリンセスの力とウルトラマンの力! 前編」

次回も楽しみに!


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第5話 手に入れろ!プリンセスの力とウルトラマンの力! 前編

突然ひかるとこうたのペンダントが光だした。

 

「ペンダントが・・・・」

 

「何でいきなり光だしたんだ?」

 

「何だこれ?」

 

 

結局その日は何もわからず、翌日、ロケットの中の機械を使って分析する事になった。

 

「一晩考えてたでプルンスが、あの音が何を意味していたのかさっぱりでプルンス・・・・のわっ」

 

「どれどれ」 

 

プルンスは分析中のペンダントを見ながら昨日一晩考えてた事を話すが進展はなかったらしくそんなプルンスの目の下にはクマが出来ている事から恐らく徹夜で考えていたんだろう。

そんなプルンスをひかるは押しのけてペンダントを見つめていた。

 

「う〜ん、あれから音が鳴らないんだよね。」 

 

「あぁ〜、分析は続けてたルン。」

 

『現在も分析中です。』

 

「てかララもプルンスも少し寝た方がいいんじゃないか?目の下にクマが出来てるぞ。」 

 

「だ、大丈夫ルン・・・・」

 

「そうでプルンス、もしかしたらプリンセス達に関係してる事かも知れないでプルンスからなぁ」

 

ララもプルンスも目の下にクマが出来てる時点で無理している事は見てすぐにわかった。

 

 

「何かわかった?」

 

『現在も分析中です。発現状況から分析の結果、プリキュアの使命と関わりがある確率が98.98%。』

 

ひかるの質問にAIが反応して説明してくれた。

 

「それってどういうこと・・・・?」

 

「うーん、はっ!分かったでプルンス。プリキュアの使命はスタープリンセスの力を見つけること!つまり、教えているでプルンス!スタープリンセスの力があるところを!」

 

「成る程ルン」

 

「じゃあ、俺のペンダントの反応もそうなのかな?」

 

「キラやば~☆よーし、そうと分かったらプリンセスの力探しに行こう!」

 

「ルン⁉︎ まだ分析が途中ルン!」

 

「フワ〜!」

 

「待つでプルンス!」

 

「おい待てよひかる!」

 

「・・・・もう!」

 

プルンスの話を聞いたひかるは、分析中のペンダントを手に取って、ロケットから出ていってしまい、みんなでひかるの後を追いかけた。

 

 

「プリンセスの力〜〜、何処だ〜!何処だ〜!」

 

「ちょっと待つル〜ン!星奈ひかる!」

 

「ひかる!、一旦ストップだーっ!」

 

ひかるはプリンセスの力を探すのに夢中でララとこうたがひかるを呼び止めようとしていてようやくひかるは止まって話を聞いてくれた。

 

「何、ララちゃん?」  

 

「ちゃんとペンダントを分析しなくちゃダメルン」

 

「えーー!」

 

ララは自身のセンサーを右手のグローブの手の甲のハート形のマークにタッチしてロケットのAIと連絡をとった。

 

「何かわかったルン?」

 

『はい、データによると・・・・』

 

「えぇぇぇ!AIさんとお話しできるの!!」

 

「聞こえないルン!」

 

ララの言葉でひかるは静かになり、ララとプルンスは現在のペンダントの分析状況を確認していた。

 

「どうでプルンス?」

 

『分析中なので正確ではありませんが、レーダー機能が備わっている確率は・・・・」

 

「成る程、成る程・・・・」

 

「うー、分析ってどれくらいかかるのー?」

 

「分からないルン。明日か明後日か・・・・一か月後になるか。」

 

「うぇー?待ってられないよ!」

 

「少し静かにするルン!!」

 

「もうつまんないよー!」

 

ひかるは我慢出来なくなり駄々をこね始めた。

 

「我慢しろよひかる。これも必要な事なんだからさ」

 

「でもさ、でもさ・・・・」

 

ひかるはペンダントを持ってその場を無意味に回り始めた。

 

そんな時、手に持っていたペンダントから一瞬だけ音が鳴ったのだ。その音はほんの短い間だけだったけど、昨日と同じ音だった。

 

「ねぇこうた、今の音って・・・・」

 

「あぁ、俺も聞いた。でも何で俺のペンダントは反応しないんだ?」

 

「兎に角、ララちゃんにこの事を伝えよう!」

 

「あぁ!」

 

そう言ってひかるとこうたはAIと通信しているララに近づいた。

 

「ララちゃん音が!聞いて、聞いて、聞いて、ララちゃん、ララちゃん、ララちゃん」

 

「もう、うるさいルン!」

 

「ねぇ、探しながら分析すればいいじゃん!」

 

「それだと効率が悪いルン!」

 

「まーまー」

 

「フワ〜」

 

「2人とも、少し落ち着けって」

 

ひかるとララが少し喧嘩気味になって来たので、プルンスとフワとこうたがひかるとララの間に入って仲裁をし始める。

 

「効率悪いってなんでわかるの!」

 

「っ!・・・・AI!探しながら分析するのと分析し終わってから探すのどっちがはやいルン!」

 

『はい、データを分析しますと・・・・』

 

「またデータ、分析?ララちゃんもういいから」

 

分析はもういいと言われて、ついにララの堪忍袋の尾が切れた。

 

「前から言おうと思っていたルン。そのちゃん付けやめるルン!わたしは大人ルン!」

 

ひかるもララと同じくムッと来て言い返す。

 

「そっちこそフルネームで呼ばないでよ!堅苦しい・・・・ふん!」

 

そう言うとひかるは勝手に何処かへと一人で歩き出した。

 

「どこ行くルン!」

 

「私は私のやり方で探すから!」

 

「待つでプルンス!」

 

「おいひかる!勝手に行くなよ!」

 

そしてこうた達はひかるを追って観星町の商店街の近くまで来ていた。

 

「で、何でここに来るでプルンス⁉︎人がたくさんでプルンス!・・・・ただの箱でプルンス」

 

プルンスは慌てて姿を変えて箱の姿になってそんなプルンスをララが抱えていた。

 

「言ったはずルン!私達の存在がバレたらまずいルン!」

 

「大丈夫だよ!」

 

ひかるはララの言葉を聞かずにそのまま歩き出した。

 

「・・・・如月こうた、星奈ひかるを止めるルン!」

 

「止めるって言ってもひかるの事だし、何か考えがあると思うんだけど・・・・」

 

「そうは思えないルン!どうせ何も考えてないルン!」

 

「まぁまぁ、ララも落ち着いてってひかるがいない!」

 

「オヨ!」

 

こうたとララは話に夢中でひかるを見失ってしまった。

 

「どうするルン⁉︎」

 

「兎に角探そう。俺はこの町に詳しいからララ達は絶対に俺の側を離れるなよ」

 

「わ、わかったルン」

 

そしてこうた達は商店街に入ったのだが・・・・

 

 

『この方法はデータにありません!』

 

「バルーンでバレんとは・・・・」

 

「しーっ、静かにするルン」

 

ちょうど入り口でバルーンを配っていたので、それを利用してプルンスにはバルーンに化けて貰い、商店街の中へと入って来て入り口付近にいたひかるとフワを見つけてからは再びみんなで一緒に行動していた。

 

『わぁ〜!』

 

「オヨ⁉︎」

 

「その風船何処で貰えるの?」

 

「え、あ、あっちルン!」

 

『ありがとう』

 

子供達に声をかけられたララは最初はかなり同様していたが、子供達に風船の事を聞かれて入り口の方を指差して教える事で何とかやりすごした。

 

「ふぅ〜」

 

「ほらね。大丈夫だったでしょ?」

 

ひかるはそのまま歩いて行ってしまった。

 

「はっ!さっきの子供の言葉がわかったルン。昨日はわからなかったのに・・・・」

 

「そう言えばそうだな。」

 

『昨日と本日のララ様の違いは、ペンダントをしているかどうか・・・・』

 

「つまりペンダントにはプリキュアに変身出来るだけじゃなくて、翻訳機のような役割もあるって事か」

 

「そういう事になるルン」

 

「あれ?そういえばひかるは?」

 

こうた達が話ている間にひかるがいなくなってしまい、辺りを探していると・・・・

 

「すみませ〜ん!」

 

「えぇ⁉︎寄り道・・・・」

 

ひかるは普通にドーナツを買っていた。

 

「それにしても、良い匂いでプルンス」

 

「ちょっと、プルンス」

 

涎を垂らしているプルンスをララはジト目で見つめていた。

 

「あのお店は、この町の人気スイーツ、スタードーナツっていうドーナツを売っているお店で人気のお店なんだ。」

 

「でも、今の私達には関係ないルン!」

 

「まぁ、そうだけど・・・・」

 

そんな話をしながら、ひかるの近くに向かった。

 

「あら?お友達?」

 

「え?」

 

「もう、サービスしちゃう!」

 

「あ、ありがとう」

 

店員さんはララがひかるの新しい友達だと思い込んでサービスしてくれた。

 

「買い物している場合じゃないルン・・・・」

 

「・・・・・・・・」

 

ララの言葉を聞いてひかるは気まずそうにしていた。

 

「そういえば聞いた?空飛ぶUFO事件?」

 

「「「っ⁉︎」」」

 

ひかる達はUFOという単語を聞いて反応した。

 

「一昨日の夜に田所さんが見たんだって」

 

「へ、へぇ」

 

「時間の無駄ルン・・・・」

 

「あ、おいララ!」

 

ララが行ってしまったので、こうたはそれを追いかけた。

 

商店街のベンチに座ったララ達はAIの分析結果を聞いていた。

 

「どうルン?」

 

『分析の結果、プリンセスの力はプリキュアが所持している物体に近い可能性があります』

 

「それって」

 

「ペンの事でプルンスか?」

 

それを聞いてこうたとララは自身のペンを取り出した。

 

「謎は深まるでプルンス」

 

「プルンスはスタープリンセスに仕えていたんだろ?何か知らないのか?」

 

「申し訳ないでプルンスが、プルンスは何も知らないでプルンス」

 

「そっかぁ」

 

「ねぇねぇ!」

 

そこへひかるがドーナツ屋さんから戻ってきた。

 

「聞いて聞いて!湖の近くに巨大ホタルを見た人がいるって、しかも夜じゃなくて昼間に、これ絶対怪しくない?時期的にはありえないし、わぁ〜キラやば~っ☆はっ!」  

 

興奮していたひかるだが、ジト目で睨んでいるララを見て冷静になった。

 

「・・・・だよねプルンス?」

 

「えぇ⁉︎プルンスに⁉︎」

 

「一体何がしたいルン?」

 

「何って、決まってるじゃん!プリンセスの力・・・・」

 

プリンセスの力と言いそうになったひかるの口をララが片手を使って塞いだ。

 

「しーっ、星奈ひかる声が大きいルン?」

 

「っ!ララちゃん、フルネームで呼ばないでって言ったじゃん?」

 

ひかるはララ手を退かしてフルネームで呼ぶ事に文句を言った。

 

「そっちこそ!ちゃん付けやめるルン!」

 

ララもひかるにちゃん付けをやめるように言った。

 

「良いじゃん!ちゃんって可愛いんだから」

 

「私は嫌ルン!」

 

「落ち着くでプルンス・・・・」

 

「怖いフワ」

 

プルンスは2人に落ち着くように伝えようとしてフワは今の2人が怖くてプルンスの後ろに隠れてしまった。

 

「あぁもう!お前らいい加減に・・・・っ!」

 

こうたが2人を止めようとするとひかるとララの間に一輪の花が割って入った。

 

「?」

 

「花?」

 

「2人とも、何もめてるの?」

 

「太陽・・・・ああっ!天宮えれな、さん!」

 

「知り合いルン?」

 

「学校の先輩だよ!」

 

「学校?」

 

「学校一の人気者、観星中の太陽!」

 

2人の間に入って来たのは観星中の人気者である3年生の天宮えれなだった。

 

「貴方も観星中なんだ。」

 

「そうだよ。俺達の一つ下の2年生なんだ。」

 

「あれ?こうた!」

 

「よっ!えれな!今日はお店の手伝いか?」

 

「そうなの。そしたらこの子達が喧嘩してるのが見えたから放っておけなくてね・・・・誰かさんのが移っちゃったかな?」

 

「はて・・・・何の事やら・・・・」

 

「え?こうたと天宮先輩って知り合いなの?」

 

「知り合いって言うか、えれなとは俺達が小学生の時からの友達だし」

 

「そうだね。何だか懐かしいなぁ」

 

 

こうたとえれなは小学生の時からの友達で、たまにだがこうたがえれなのお店の手伝いをする事もある。

 

「で?何があったわけ?」

 

「あ、あの・・・・ス、スタープリンセスの力を・・・・」

 

「何でもないルン」

 

ひかるがまたスタープリンセスの事を喋りそうになったのでララがひかるの口を塞いで誤魔化した。

 

「ふぅん、ウチの弟と妹も良く喧嘩してさ、ホント参っちゃうんだよね・・・・でもね、いつも言ってるんだ、まず相手の話を聞いてあげなって・・・・なぁんて、私が言う事じゃないか」

 

「いや、助かったよえれな。ありがとう」

 

「そっか、どういたしまして・・・・あ、お客さん。ごめんね邪魔しちゃって、兎に角仲良く、笑顔で、チャオ!」 

 

「おう!またなえれな!」

 

えれなはお店に来ていたお客さんに対応する為にお店に帰っていった。

 

「あの天宮えれなと話ちゃった」

 

「あのって、えれなだって何処にでもいる普通の女の子だと思うけど」

 

 

それからひかる達は星空湖の近くに現れたという蛍を探しに向かっていた。

 

「何でその蛍を探さなくちゃいけないルン?こんな山奥まで来て・・・・遊んでる場合じゃないルン!」  

 

「ララ・・・・」

 

「遊んでないし!」

 

「ひかるも・・・・」

 

「2人とも少し落ち着けって」

 

明らかに喧嘩してる2人をプルンスとこうたは何とかしようと仲裁に入るが、2人は全く聞く耳をもっていなかった。

 

「ていうか、一緒に来てって頼んで無いじゃん!」

 

「ペンダントのデータを集めたいルン!だから一緒に来てるだけルン!」

 

「っ!私のペンダントさえ有れば良いってわけね」

 

「待つでプルンス!」

 

「ダメだこりゃ、完全に聞いちゃいない」

 

そうして言い争っている内に目的の湖の近くまで到着して2人は止まった。

 

「ララちゃんのわからずや!」

 

「星奈ひかる、自分勝手すぎるルン!」

 

「おいおい2人とも」

 

「あぁ・・・・」

 

「分からないルン!地球人の考えはわたしには分からないルン!」

 

「何よ・・・・ララちゃんなんか・・・・ララちゃんなんか・・・・」

 

「ひかる!」

 

「っ!ひかる!よせ!」

 

こうたはひかるが何を言おうとしているのか理解してそれを止めようとした。

 

「ララちゃんなんか・・・・大嫌「フワーーーッ」っ!」

 

「っ!」

 

「フワ?」

 

「フワ!」

 

ひかるの言葉はフワによって遮られ、泣いているになっているフワのもとにすぐにこうたが駆け付けてフワを優しく抱きしめた。

 

「仲良くフワ!仲良くフワ!」

 

「「・・・・・・・・」」

 

「2人とも、もう終わりにしようぜ!」

 

「こうた・・・・」

 

「俺だって、2人には仲良くして欲しいって思ってるし、何より、フワを悲しませてまで2人は喧嘩を続けたいのか?」

 

「「・・・・」」

 

 

「・・・・天宮先輩が、言ってたよね」

 

「ルン。相手の話を聞いてあげなって」

 

2人はやっと冷静になって落ち着きを取り戻した。

 

「「・・・・あの!」」

 

「・・・・そっちから話してルン」

 

「・・・・うん。」

 

 

こうして2人はお互いの話をちゃんと聞く事にしたのだった。

 

 

 

 

To Be Continued

 

 




          次回予告

何とか落ち着きを取り戻したひかるとララ。

そんなひかる達の前にテンジョウが引き連れたフォーメーションを組んだノットレイ達が立ち塞がる。

苦戦するプリキュア達だが、それを打ち破るべく新たな力が発動する!

次回、『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第6話 手に入れろ!プリンセスの力とウルトラマンの力! 後編

次回も楽しみに!


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第6話 手に入れろ!プリンセスの力とウルトラマンの力! 後編

3人は湖の近くの橋の前にあるベンチに座って話をしていた。

 

 

「実はペンダントから音がしたんだ」

 

「え?どうして早く言わなかったルン?」

 

「言おうとしたけど・・・・」

 

「聞いてなかったルン」

 

「何で音が出るのか良くわかんないし、何かヒントないかなって、商店街のスタードーナツに行ったの。」

 

「成る程。確かにあそこなら色々な噂が集まってくるからもしかしたら何か情報があるかもしれない。だからひかるはスタードーナツに行ったんだな」

 

「うん。色んな噂が集まるお店だから、何かヒントないかなって思ったら、そしたら蛍の話が出たから何かあるかもって思って」

 

「それで・・・・」

 

「うん」

 

「分析によると、プリンセスの力はペンの形をしている可能性が高いルン」

 

「ペン?」

 

「2人の話を纏めると、プリンセスの力は蛍のように光るペン。ペンダントは向きを変えて使うレーダーって事でプルンス」

 

「「っ!」」

 

「確かに、その可能性が一番高そうだな」

 

「「ルン!(うん!)」」

 

 

そしてひかるとこうたはペンダントを水平に持ってペンダントが反応するか試していた。

 

「これで良いかな?」

 

「あぁ、それで良いと思うぞ」

 

「分析してルン」

 

『はい。コンパスのように水平に向けて下さい』

 

「いくよ」

 

「あぁ」

 

そうして2人はペンダントを水平に向けて回りました。

 

すると2人は全く別の方向を向いている時にペンダントが反応した。

 

「鳴った!」

 

「こっちもだ」

 

「あっ!光ったルン!」

 

すると橋の向こう側に光る何かがあるのをララが見つけた。

 

「じゃあ俺は別の方向にあるみたいだから、また後で落ち合おう」

 

「わかった」

 

「了解ルン」

 

こうたは1人別の方角に反応した場所へ向かい、ひかる達はその光る何かの所へ向かった。

 

 

 

ひかる達はその光る物体の所にたどり着くと

 

「あった!光るペン!」

 

そしてひかるが落ちているペンを拾おうとするとひかるより先にノットレイがペンを拾ってしまった。

 

「ノットレイ⁉︎」

 

「ルン⁉︎」

 

「ノットレイ、ノットレーイ!」

 

「ペンが」

 

ノットレイはそのままジャンプして着地するとそのまま走って逃げてしまった。

 

 

「待って、ちょっと!え⁉︎」

 

それを追いかけるひかる達が見たのは大量なノットレイ達だった。 

そして、さっき逃げたノットレイが1人の女性にペンを渡してしまった。

 

「良くやった」

 

「ノットレーイ」

 

「待って!」

 

「あら?地球人じゃないわね。という事は・・・・」

 

「プリンセスの力を貸して!」

 

「ルン!」

 

 

そして2人は自分達のペンを持って構えた。

 

 

 

「「スターカラーペンダント!カラーチャージ!」」

 

「「キラめく~星の力で~!憧れの~私描くよ~!」」

 

「「トゥインクル!トゥインクルプリキュア!」」

 

「「トゥインクル!トゥインクルプリキュア!」」

 

「「トゥインクル!トゥインクルプリキュア!」」

 

「「スター☆トゥインクル〜!スター☆トゥインクルプリキュア~~!」」

 

「宇宙(そら)に輝く〜キラキラ星!キュアスター!」

 

「天にあまねく〜ミルキーウェイ!キュアミルキー!」

 

2人はプリキュアに変身して真っ直ぐ突っ込んで行った。

 

「やっぱりプリキュアね」

 

「「やぁーーーっ!」」

 

 

 

 

一方その頃、こうたはというと

 

 

「マジですか?」

 

こうたのペンダントの反応は湖の中を示していた。

 

「これって、湖の中に入らないとダメだよなぁ。けど、着替えも水着も持って来てないし、仕方ない・・・・スターカラーペンダント!カラーチャージ!」

 

こうたは懐からペンを取り出してキュアスペースに変身した。

 

「良し!」

 

スペースはそのまま湖に入ってペンダントが反応していた物を探していた。

 

「やっぱり、宇宙でも普通に呼吸が出来てたから、水中でも呼吸が出来ると思ったんだ」

 

そうしてスペースは泳ぎながら水中を探していると・・・・

 

「っ!アレだ!」

 

スペースは水中で光る何かを見つけた。

そしてそれを掴むと光が弾けて中からペンが出てきた。

 

「コレがプリンセスの力?それにしては何か違うような・・・・」

 

スペースが手にしたのは、見た目はスターカラーペンとそっくりだが、色は赤と白の縞々模様のペンでペンには誰かの上半身が写っているがそれは人ではなく、テレビで良く見る正義のヒーローのような姿だった。

 

「兎に角、ひかる達の所に行かなくちゃな」

 

そう言ってスペースは湖から出た直後に何処からか何かが爆発する音が聞こえた。

 

「あっちは確か、ひかる達が行った方角・・・・もしかして!」

 

スペースは何か嫌な予感がして、爆発があったと思われる場所に飛んでいった。

 

 

 

 

そして、スターとミルキーは・・・・

 

「大丈夫ルン?」

 

「だ、大丈夫」

 

先程の爆発はスターが陣形を組んだノットレイ達を飛び越えてペンを取り返そうとした時にノットレイ達の攻撃を受けて起きた爆発だった。

 

「ふふっ、可愛いコマちゃん達はこうして使うのよ」

 

『ノットレイ!』

 

「さぁ、一気にトドメよ!」

 

『ノットレイ!』

 

「「っ!」」

 

さっきスターに向かって打った銃の光線が再びスター達に向けて放たれた。

 

2人は防御の体制をとりそのまま爆発が起きた。

 

「ふふっ、もう終わり?随分と呆気なかったわね」 

 

『ノットレイ!』

 

「何が終わったって?」

 

「っ!」

 

爆発で起きた土煙が晴れると中から赤い大きな光るバリヤが見えて、そのバリアが消えると・・・・

 

「何も終わっちゃいないぜ!」

 

「「スペース!」」

 

そう、さっきの攻撃はギリギリ間に合ったスペースが大きなバリアを貼って防いだのだ。

 

「ふっ、やっと3人目が来たわね。」

 

「アンタ、カッパードの仲間か?」

 

「そうね。私はノットレイダーの1人、テンジョウ!プリキュアの坊や、ここで纏めて始末してあげる!」

 

『ノットレイ!』

 

「そんな簡単にやられてたまるかよ!」

 

「スペース!ペンはどうなったの?」

 

「そうルン!ちゃんと手に入れたルン?」

 

「まぁ一応、手に入れたは入れたんだけど・・・・」

 

そこでスペースは先程手に入れたペンをスター達に見せた。

 

「あのペンはもしかして!プリンセスの力?コマちゃん達!アイツの持ってるペンも奪うんだよ!」

 

『ノットレイ!』

 

「渡すかよ!それに、スターもミルキーも俺の大切な友達で大切な仲間なんだ!だから、絶対に守ってみせる!」

 

「「スペース・・・・」」

 

それからスペースはペンをケースにしまい、こちらに向かって来るノットレイを格闘戦で1人ずつ確実に倒していった。

そんな中でスペースとノットレイ達との間に距離が出来た時・・・・

 

「今だ!プリキュア!スペースレイ!」

 

『ノットレーイ!』

 

スペースは必殺技を使い、中央のノットレイ達を一気に倒すが両サイドのノットレイ達がその空いた隙間に入り、直ぐに陣形は立て直された。

 

「無駄よ!その程度の攻撃じゃ、この陣形は崩せないわ!」

 

『ノットレイ!』

 

「くっ」

 

「・・・・ミルキー、どうすればいい?」

 

「え?」

 

「ミルキーなら、分析、出来るんじゃないかな?・・・・お願い!」

 

「っ!ルン!任せるルン!」

 

ミルキーはスターの頼みを聞いて分析を開始する。

 

「ふふっ、手も足も出ないようね」 

 

「そんな事ない!必ず突破口はある!」

 

「これなら、何とかなるかもしれないルン!」

 

「OK!いくよ!」

 

「え?」

 

スペースはこの状況の突破口を考えていると後ろからスターとミルキーの声を聞いて振り向くと2人が高くジャンプしていた。

 

「何度やっても同じよ!」

 

テンジョウの言葉を受けてノットレイ達が2人を攻撃したがミルキーのハート形のバリアに防がれていた。

 

「何⁉︎」

 

「今ルン!」

 

「いっけーっ!」

 

スター達は両手を繋いで、スターの足元に星形のエネルギーを生成し、それを足場にして加速しながらテンジョウの所へ突っ込んで行った。

 

「一人ではだめでも・・・・」

 

「二人なら!」

 

「プリキュア!ミルキーショック!」

 

ミルキーが必殺技を地上のノットレイダーに向けて放ち、大きな爆発が起こり土煙が上がった

 

「何も見えない・・・・」

 

「2人じゃなくて、3人だろ!」

 

「っ⁉︎しまった⁉︎」

 

スペースはこの土煙を利用してテンジョウとの距離を詰めて彼女が持っているペンを奪った。

 

「スター!」

 

スペースも高くジャンプして空中にいるスターに向けてペンを投げ、スターがそれを受け取ると光が弾けてピンク色のペンが現れた。

 

「っ!ペンが・・・・」

 

『星座の力を・・・・』

 

「はっ!・・・・」

 

『今だ!俺の力を使え!』

 

「え?何でペンから声が?」

 

『いいから早く!』

 

「は、はい!」

 

スターとスペースはペンからの声を聞き、技を打つ体制に入った。

 

「「プリキュア!」」

 

2人はペンで星の形を描くとその星がそれぞれのマークの形に変化して、それがペンダントに入るとペンの力が開放された。

 

 

「おうし座!」

 

「ギンガ!」

 

「スターパンチ!」

 

「スペースレイ!」

 

スターの技は今までの技と違い、星の色が黄色ではなくピンク色になり、スペースの光線も今までの赤い光線ではなく、虹色の光線が放たれて今までより強い力が発動した。 

 

「っ!」

 

テンジョウは直前で逃げたが、2人の攻撃が地面に直撃した時に大きな爆発が起きた。

 

「凄いルン」

 

それからテンジョウとノットレイ達の姿はなく、どうやら完全に逃げたようだ。

 

「凄い力だ・・・・うわっ⁉︎」

 

スペースは自分が手に入れたペンを見ながら、その力について考えていると突然、そのペンが光り出して、光の影響で周りが見えなくなった。 

 

こうたは恐る恐る目を開けると、周りには何もない真っ白な空間で自分以外誰もいなくていつの間にか変身も解けていた。

 

すると・・・・

 

「よっ!」

 

こうたは声のした方に振り向くと、そこには左手に見た事もない青いブレスレットをした何処かの隊員と思われる服を着た男性が立っていた。

 

「貴方は?」

 

「俺の名前は礼堂ヒカル。よろしくな!」

 

「(ひかると同じ名前・・・・)はじめまして!如月こうたといいます!」

 

こうたは青年、礼堂ヒカルに自己紹介をした。

 

「あぁ、よろしくなこうた!さっきの戦い見てたぞ!良くやったな!」

 

「ありがとうございます!」

 

「お前の仲間を、友達を思うその優しさ。これからも大切にするんだぜ。」

 

「はい。」

 

「お前になら、安心して俺達の、ギンガの力が宿ったペンを預けられそうだ。」

 

「ギンガ?」

 

こうたはギンガという存在がどういう存在なのか、イマイチ理解していなかった。

 

「ウルトラマンギンガ・・・・平和の為に、大切な物を守る為に戦うウルトラマンの内の1人で、俺に未来は変えられる事を教えてくれたウルトラマンなんだ。」

 

「ウルトラマン?」

 

「まぁ簡単に言えば、悪と戦う正義の味方ってやつだな。」

 

ヒカルはギンガに、ウルトラマンについて簡単に説明した。

 

「それが、ウルトラマン?」

 

「あぁ!んで、お前が今持ってるそのペンにはギンガの力が宿っている。あの悪そうなら連中はごめんだが、お前なら安心だ。だから、お前にそのペンを託すぜ。」

 

「礼堂さん・・・・」

 

「ヒカルで良いぜ!俺もお前を名前で呼んでるしな。」

 

「はい!ありがとうございます!ヒカルさん!」

 

「おう!・・・・おっと、そろそろ時間だな。もし困った事があったら遠慮なくギンガの力を使ってくれ!そして忘れるな。俺達は、この空で繋がってる!遠く離れた所からだけど、応援してるぜ!」

 

「はい!」

 

「じゃあな!また会おうぜ!」

 

ヒカルは右手の拳を突き出してきた。

こうたも同じように右手の拳を突き出して2人の拳が重なるとその拳の中心が光だした。こうたは再び目を瞑り、その光が収まってこうたは目を開けると、そこはさっきまでノットレイダーと戦っていた場所で、こうたは戻ってきたと直ぐにわかった。

 

「戻ってきたんだ。」

 

「こうた!」

 

こうたは呼ばれて振り向くとひかる達がこうたに近づいてきていた。

 

「ねぇ、今の光ってなんだったの?」

 

「私も気になるルン!」

 

「一体、何だったでプルンス?」

 

「フワ?」

 

「あぁ、ちょっと、このペンの力の持ち主と話してたんだ。」 

 

「えぇ⁉︎話できたの⁉︎ キラやば~っ☆ねぇねぇどんな人だったの⁉︎もしかして宇宙人⁉︎」

 

「落ち着けよひかる。ちゃんと話すからさ。」

 

こうたの話を聞いてひかるがグイグイこうたに近づいて話を聞こうとしているとひかるが持っていたプリンセスの力のペンが突然浮かび上がった。

 

『フワに、力を!』

 

そしてそのペンをトゥインクルブックに差し込むと、トゥインクルブックから大きな星が浮かび上がり、その星の中に小さな宇宙があった。

 

『星座の想いを、描くのです。』

 

「よぉし!」

 

ひかるがその宇宙の中の星にペンでタッチすると、おうし座の星座が浮かび上がり、その力がフワに注がれた。

 

「おうし座フワ!フーーワーーッ!」

 

すると今度はフワの掛け声とともに足元に大きな星が現れるとその星に乗って、全員別の場所へと移動した。

 

「星の輝き戻るフーーワーーッ!」

 

そして、フワから宇宙に放たれた輝きが、おうし座のスタープリンセスを復活させた。

 

「おうし座のプリンセスが、スターパレスに戻ったでプルンス!」

 

「キラやば~っ☆ 綺麗〜」

 

プルンスはおうし座のプリンセスが戻った事に感動し、ひかるはその姿に見惚れていた。

 

「伝説の戦士プリキュア、プルンス、それに・・・・」

 

「フワ!」

 

「フワ、星座の力を取り戻してくれて感謝します。しかし、余談を許しません。残り11星座のスタープリンセスの力を取り戻さねば、全宇宙の星々はいずれ消えゆきます。」

 

「ルン!そんな・・・・」

 

「星が、消えちゃうなんて、そんなの嫌!」

 

「あぁ、絶対にさせない!」

 

「・・・・ルン」

 

ひかるとこうたは星が消えるのを阻止すると宣言し、ララも静かに気を引き締めていた。

 

「先の戦いで力を使い果たし、私も完全な復活には至っておりません。宇宙を救う為には、残りのプリンセススターカラーペンを集め、フワに授け、育てるのです。」

 

「「っ!」」

 

「フワに?」

 

「フワ?」

 

「「うん(ルン)!」」

 

「はい!」

 

「大好きな星も、宇宙も、それにフワも、守るよ!」

 

「頑張るルン!」

 

「絶対に、守ってみせます!」

 

「頼みます。プリキュアよ。」

 

「あの、こうたの持ってるペンってプリンセスのペンとは違うんですか?」

 

「私も気になってたルン」  

 

ひかるとララはこうたが持ってるペンがプリンセスのペンと違う事を気にしてスタープリンセスに質問した。

 

「彼の持つペンには、ウルトラマンと呼ばれる光の巨人の力が宿っています。」

 

「ウルトラマン?」

 

「って何ルン?」

 

「簡単に説明すると悪い奴と戦ったり、平和の為、大切な物を守る為に戦う戦士なんだって」

 

「何で知ってるルン?」

 

「さっき聞いたから・・・・」

 

「そうです。彼らは自分達の信じる物の為、大切な物を守る為にその力を使い、これまでに数多くの宇宙の、星の危機を救ってきました。」

 

「キラやば~っ☆ じゃあこうたはそのウルトラマンの力を使えるって事ですか?」

 

「えぇ、そのペンを名付けるなら『ウルトラスターカラーペン』といった所でしょうか?」

 

「ウルトラスターカラーペン・・・・」

 

こうたは改めてギンガのウルトラスターカラーペンを見つめた。

 

「貴方、お名前は?」

 

「え?如月こうたといいます。」

 

「こうたさん、どうか私達に、力を貸して頂けないでしょうか?この宇宙を、星を救う為に」

 

「勿論です。俺に出来る事なら喜んで協力しますよ。」

 

「ありがとう。では皆さん、どうかこの宇宙を、星をよろしくお願いします。」

 

 

 

そしてひかる達はスターパレスから元いた場所へと戻った。

 

「ねぇ?」

 

「ルン?」

 

「ごめん!」

 

「え?」

 

ひかるは真っ先にララに頭を下げて謝った。

 

「私、ララちゃんに酷い事、勝手な事ばっかり・・・・」

 

「ひかる・・・・」

 

ひかるが両手を握りしめているとその両手をララのセンサーがタッチした。

 

「っ!」

 

「私の方こそ、ごめんルン、ひかる!」

 

「っ!ララ・・ちゃん?」

 

「ララでいいルン。その方が、効率的ルン。」

 

「うん!ララ!」

 

「良かった。2人が仲直り出来て」

 

「うん!」

 

「こうたも、迷惑かけてごめんルン。」

 

「え?ララ、俺の事も名前で・・・・」 

 

「嫌、だったルン?」

 

「そんな事ないよ。これからもよろしく!ララ!」

 

「ルン!」

 

「フワ!」

 

「青春でプルンス!」

 

こうしてみんな名前呼びになって、3人の絆は更に強くなったのであった。

 

 

To Be Continued

 

 




          次回予告

ロケットの修理がある為にララ達を残してはぐくみ市のプラネタリウムを見にやって来たひかるとこうた。

しかし、そんなはぐくみ市に見た事もない怪物が現れて・・・・

次回、『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第7話 行くぞ!はぐくみ市へ!新たな出会い!


次回も楽しみに!


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第7話 行くぞ!はぐくみ市へ!新たな出会い!

ご無沙汰しています。
中々投稿出来なくてすいませんでした。 
今回からまた少しずつ投稿していくのでよろしくお願いします!

それではどうぞ!


「着いたーー!」

 

ひかるは遼じぃから「はぐくみ市」にあるプラネタリウムを見に行ってきたらとそのプラネタリウムのチケットを渡された。

それに興奮したひかるはこうたやララに一緒に行こうと誘うがララはロケットの修理があると断り、プルンスはその手伝い、フワに関しては知らない町に連れて行くのは不安だというプルンスの意見でララ達と一緒に残る事に、それを聞いたひかるは潤んだ瞳でこうたを見つめて、そんな目で見せられたこうたはため息をつきながら承諾し、結局、ひかるとこうたの2人でプラネタリウムを見に行く事になった。

 

「楽しみだね!プラネタリウム!」

 

「あぁ、そうだな。」

 

実際、星が好きなこうたも今日を楽しみにしていた事はこうた本人しか知らない。

そして、はぐくみ市の天文台に到着したこうた達は早速プラネタリウムを見た。

 

「キラやば~っ☆」

 

「スゲェ!遼じぃの所とはちょっと違う」

 

ひかるとこうたは昔から遼じぃの所でプラネタリウムを見て来たが、星の配置など遼じぃの所と変わらない所もあるが、説明の仕方など違う所もあって2人はそれを聞きながらプラネタリウムに夢中だった。

それからプラネタリウムを見終わった2人が天文台から出てきた。

 

「凄かったねこうた!はぐくみ市のプラネタリウム!」

 

「あぁ!遼じぃの所はまた違った楽しみ方があって面白かったな!」

 

そう言って2人がプラネタリウムの感想を話していると・・・・

 

 

「猛オシマイダー!」

 

『キャーーーッ!』

 

「「っ!」」

 

ひかる達は悲鳴を聞いてその場に向かうとそこには見た事もないカエルの怪物が暴れていた。

 

「何あれ⁉︎」

 

「もしかして、アレもノットレイダー仕業なのか?とりあえず行くぞひかる!」

 

「うん!」

 

こうたはひかるに呼びかけた後、2人はその怪物の近くに向かった。

 

 

 

 

 

 

するとそこでは・・・・

 

「「「心のトゲトゲ・・・・」」」

 

「「ズッキュン打ち抜く!」」

 

「猛オシマイダー!」

 

そこでは、青い衣装を着た子とピンクの衣装を着た子がカエルの化け物の足を蹴って動きを止めて黄色い衣装を着た子が下からカエルの化け物を蹴り上げる事とその化け物の身体は宙に浮き、そのカエルの化け物を紫色の衣装を着た子とその紫の子と同じようなピンクの衣装を着た小学生ぐらいの小さな子が下から息を合わせて殴り、カエルの化け物は彼女達の頭上へと高く飛んでいった。

 

 

「何⁉︎あの子達⁉︎」

 

「もしかして、あの子達もプリキュア?」

 

「プリキュア⁉︎ キラやば~っ☆プリキュア って私達以外にもいたんだ!」

 

こうた達が到着した頃には既に知らない子達がその化け物と戦っていてこうたはその子達も自分達と同じプリキュアじゃないかと推測した。

 

 

 

『フレフレ!プリキュア!フレフレ!プリキュア!』

 

「フレフレ・・・・私も・・・・」

 

「違うだろ?」

 

「?」

 

「『私』じゃなくて、『私達』・・・・だろ?」

 

「っ!うん!」 

 

ひかるとこうたが変身しようとするとカエルの化け物が自身の舌や手を使って攻撃してきてそれが地面に当たって起こした衝撃で赤ん坊が落としたペンが転がっていった。

 

「あ!」

 

「おほしさま〜!」

 

「はぐたん!」

 

「猛オシマイダー!」

 

カエルの化け物が赤ん坊に襲いかかろうした時、ピンクのプリキュアが落としたペンを拾った赤ん坊を抱き抱えて守ろうとしていた。

 

「行くよこうた!」

 

「あぁ!」

 

そして2人は自身のペンを取り出す。

 

「「スターカラーペンダント!カラーチャージ!」」

 

「「キラめく~星の力で~!憧れの~私描くよ~!」」

 

「「トゥインクル!トゥインクルプリキュア!」」

 

「「トゥインクル!トゥインクルプリキュア!」」

 

「「トゥインクル!トゥインクルプリキュア!」」

 

 

「「スター☆トゥインクル〜!スター☆トゥインクルプリキュア~~!」」

 

変身が完了したスターが真っ先に彼女達の前に出て星形のエネルギーをバリアにしてカエルの化け物の動きを止めた。

 

「ふっ、やぁーっ!」

 

「はぁぁっ!」

 

「猛オシマイダー!」

 

そこへスペースがジャンプして、カエルの化け物の顔の前ぐらいまで降りて来た時に右足の回し蹴りでカエルの化け物を後方へと吹っ飛ばした。

 

「あなた達は?」

 

「私の名前は・・・・宇宙(そら)に輝く〜キラキラ星!キュアスター!」

 

「俺は・・・・光輝く聖なる宇宙!キュアスペース!」

 

少し余裕が出来た所でスター達は自分達の自己紹介をした。

 

「ありがとう!キュアスター!キュアスペース!めっちゃイケてるプリキュアだね!」

 

「私達も」

 

「負けてられないのです!」

 

他のプリキュア達がやる気を出していた頃、カエルの化け物はというと・・・・

 

「猛オシマイダー!」

 

「ひぃぃぃ!もうお終いだー!」

 

カエルの化け物が飛ばされた先に偶然筋肉ムキムキの男性がいてもうお終いだと諦めているとそんな彼から紫色の粒子が浮かび上がるとそのカエルの化け物からも同じ色の粒子が出てきて、それらの粒子が合わさると今度はそこから黒くて目が黄色のカエルの化け物と同じくらい大きいゴリラの化け物が現れた。

 

「猛オシマイダー!」

 

「うわっ⁉︎何あれ⁉︎増えた⁉︎」

 

「トゲパワワが反応して新たな猛オシマイダーを生み出してしまったんや!」

 

「猛オシマイダーって?」

 

スペースが首に金色の鎖をつけたネズミに聞いた。

 

「アイツは人間に宿る負の感情に満ちた力が形になったものなんや!」

 

「ってネズミが喋ってる!キラやば~っ☆」

 

「誰がネズミや!俺には「ハリハム・ハリー」っちゅう立派な名前があるんや!」

 

スターがハリーを見て興奮しているとハリーはネズミって言った事を訂正する様に訴えかけた。

 

「兎に角、アイツらを何とかしないと!俺とスターはゴリラの方を相手するから君達はカエルの方をお願い出来る?」

 

「わかった!任せて!」

 

スペースの提案にさっきはぐたんを守ろうとしたピンクのプリキュアがスペースの提案を受け入れてプリキュア達は二手に分かれて戦う事にした。

 

「「はぁぁぁっ!」」

 

スターとスペースは同時に飛びかかり、そのまま同時にパンチを繰り出しゴリラの猛オシマイダーは両手でガードするもスター達のパンチの威力で少し後方へと下がっていった。

 

「みんな行くよ!」

 

「「「「うん(はい)!」」」」

 

「「「「「メモリアルキュアクロック、マザーハート!」」」」」

 

プリキュア達がタブレットにピンクのハートの形をしたクリスタルをはめるとタブレットの形が変化した。

 

「「「「「ミライパット、オープン!」」」」」

 

するとそこに6個のそれぞれが違う色のハートが集まるとタブレットから力が解放され5人のプリキュア達の姿が変化した。

 

「「「「「HUGっと!プリキュア!今ここに!」」」」」

 

「ワン・フォー・オール!」

 

「オール・フォー・ワン!」

 

「ウィー・アー!」

 

「プリー・キュアー!」

 

「明日にー!エールをー!」

 

「「「「「ゴー・・・・ファイ!みんなでトゥモロー!」」」」」

 

プリキュア達がそれぞれの手を上に掲げると巨大な女神のような力が現れてその力が光線となりカエルの猛オシマイダーに直撃すると猛オシマイダー浄化された。

 

「モウ、ヤメサセテモライマ〜ス」

 

「凄い・・・・」

 

「俺達も負けてられないな!」

 

それを見ていたスター達は再びゴリラの猛オシマイダーに向かって行くが、そのパワーに苦戦していて、猛オシマイダーのパンチが繰り出されると2人は何とかガードするが衝撃までは防げず吹っ飛ばされてしまった。

 

「「うわっ!」」

 

「猛オシマイダー!」

 

「ヤバイ!」

 

「「やぁぁぁぁっ!」」

 

スペースは猛オシマイダーが此方に突撃するのに気づき体制を立て直そうとしているとスペース達を飛び越えてさっきの紫のプリキュアとその相棒と思われる小学生ぐらいのプリキュアが同時にキックを繰り出し、猛オシマイダーはそれを受けて後方に吹っ飛ばされていた。

 

そんな2人のプリキュアが猛オシマイダーと戦っている中で、他の3人のプリキュアがスペース達に駆け寄ってきた。

 

「大丈夫?」

 

「平気?」

 

「2人とも、じっとしててね。」

 

すると青いプリキュアから放たれた光を受けたスターとスペースはその光に癒された。

 

「わぁ、凄い!」

 

「ありがとう。えぇと・・・・」

 

「私、キュアエール!よろしくね!」

 

「私はキュアアンジュ。よろしくね。」

 

「私はキュアエトワール。よろしく。」

 

「「よろしく!」」

 

「「きゃああああっ!」」

 

「っ!マシェリ!アムール!」

 

プリキュア達が自己紹介をしていると猛オシマイダーと戦っていたキュアマシェリとキュアアムールが猛オシマイダーの攻撃で此方の方まで飛ばされて来てすぐにエールが2人に駆け寄った。

 

「2人とも大丈夫?」

 

「大丈夫なのです」

 

「ですが、あの猛オシマイダー、ゴリラの姿をしているだけあってもの凄いパワーです。」

 

「一体どうやって倒せば・・・・」

 

「諦めちゃダメだよ!」

 

「エール?」

 

スターがどうやって倒そうか考えているとエールが声をかけてきた。

 

「プリキュアは、絶対に諦めない!」

 

「それに私達は1人じゃない!」

 

「私達には頼もしい仲間がいるのです!」

 

「みんなで力を合わせれば、絶対に勝てます!」

 

アンジュが、エトワールが、マシェリが、アムールが、みんながそれぞれの気持ちを口にした。

 

「そうだ!俺も諦めない!絶対にアイツを倒して、この町を、この世界を守る!」

 

するとスペースのペンケースの中から光が輝きだし、中からギンガのウルトラスターカラーペンが光ったままスペースの顔の前まで浮かんできた。

 

「ギンガのペンが・・・・っ!」

 

『もし困った事があったら遠慮なくギンガの力を使ってくれ!』

 

「もしかして、今がその時なのか?ヒカルさん。」

 

スペースは以前ヒカルから言われた言葉を思い出し、そしてギンガのペンを右手で手に取るとペンの光は更に輝きを増しスペースの身体全体を包み込んだ。

 

「これは・・・・よぉし!ヒカルさん、行きます!」

 

スペースのペンダントが変身前の元の形に戻り、そのペンダントをスペースは左手で手に取った。

 

 

 

「ウルトラスターカラーペン!ギンガ!ウルトラカラーチャージ!」

 

 

 

それからスペースはプリキュアに変身する時と同じように ペンをペンダントのキャップの部分に挿入し、それを抜いて星のマークを描く。

そしてペンの先でもう一度ペンダントの星の部分をタッチした。

するとペンの先から虹色の光の線が現れ、プリキュアに変身する時のようにその光の線がキュアスペースと接触するとスペースの姿が少しずつ変化していく。

 

服装はキュアスペースの時と同じ白い半袖の上着に、中は同じく白い長袖の服と長ズボンを履いているのだが、その模様はウルトラマンギンガと同じ模様をしていて両手、両足、両肩、胸の両側に水色のクリスタルがついていて、頭には白くて細いバンダナをしてその額の部分には、ウルトラマンオーブトリニティの武器「オーブスラッシャー」についているギンガのマークと同じマークの水色のクリスタルがついていた。

 

変身が完了し、光が収まるとキュアスペースの変化に周りのプリキュア達は驚いていた。

 

「何あれ⁉︎」

 

「変身した⁉︎」

 

「どうなってるの⁉︎」

 

「何が起こったのですか?」

 

「彼から発せられるエネルギーが、先程より強くなっています。」

 

「キラやば~っ☆かっちょいい〜!」

 

エール、アンジュ、エトワール、マシェリ、アムール、スターはそれぞれがスペースが変身した事に対して反応していた。

 

「猛オシマイダー!」

 

すると猛オシマイダーが目から黄色の光線を放つが変身したスペースはそれを左手を開いた状態で前に突き出してそれを受け止めて、その左手を回していると虹色のバリアのような物が現れて猛オシマイダーの攻撃を受け止めていた。

それからスペースはその光線とバリア毎左手の掌の中に握りしめて左手を胸元まで持ってくると直ぐに斜め下に伸ばして猛オシマイダーの攻撃を無力化した。

 

「『キュアスペースギンガ』それがこの姿の名前か。全身にもの凄いパワーを感じる!そっか!これがギンガの、ウルトラマンの力なんだ!」

 

スペースが変身した姿の名前は「キュアスペースギンガ」というらしく、変身した自分自身に見惚れていると猛オシマイダーがスペースに向かってきていた。

 

「猛オシマイダー!」

 

「っ!はぁぁぁっ!」

 

スペースも向かってくる猛オシマイダーに向かって突撃し、猛オシマイダーが右手の拳を振りかぶって殴ってくるとスペースはそれを両手で受け止めてそのまま一本背負いで猛オシマイダー投げ飛ばした。

 

「はぁぁぁっ!」

 

「猛オシマイダー!」

 

「あの猛オシマイダーを簡単に投げ飛ばすなんて・・・・」

 

「凄い力・・・・」

 

その光景を見ていたアンジュとエトワールは驚きを隠せずにいた。

 

スペースは再び猛オシマイダーに突っ込んでいき、ジャンプして猛オシマイダーの顔面を右手で殴り、続けて宙に浮いた状態で左回転しながら、左手でチョップ、右手でパンチ、右足で回し蹴りを連続で浴びせた後、右手で殴ってきた猛オシマイダーの拳をかわすとその勢いを利用して再び一本背負いをして先程よりも遠くへ飛ばした。  

 

「猛オシマイダー!」

 

「あの人、もの凄く強いのです!」

 

「先程までの彼とはまるで別人のようです。」

 

「凄い!」

 

「いっけぇぇ!スペース!」

 

マシェリ、アムール、エールはスペースのあまりの変化に驚いていると、スターはスペースを応援していた。

 

するとスペースが胸元で両手をクロスして額のクリスタルが黄色に輝くと今度は、左手、右手と順番に斜め下に伸ばした手のクリスタルも黄色く輝いてそんな左手を頭上に掲げると左右の胸や両足、両肩のクリスタルも黄色く輝き、その左手やクリスタル達から大量の電気エネルギーが頭上へと放出されて、それがプラズマの渦へと変化していった。

 

「プリキュア!ギンガサンダーボルト!」

 

スペースはそのプラズマの渦を右手で猛オシマイダーへと投げ飛ばして、その直撃を受けた猛オシマイダー踏ん張りきれず、その技毎空中に飛ばされてしまった。

 

「猛、オシマイダー・・・・」

 

猛オシマイダーはそのまま空中で光の量子となって消滅した。

 

その直後、キュアスペースギンガの全身が光だすと、元のキュアスペースに戻ってその右手にはギンガのウルトラスターカラーペンがしっかりと握られていた。

 

「勝った・・・・のか?」

 

「スペース!」

 

スペースはイマイチ状況がのみこめておらず、そんなスペースにスターが近づいてきた。

 

「凄かったねスペース!さっきのがウルトラマンの力?ホントに凄かったよ!」

 

「あ、あぁそうだな。」

 

「スペース!」

 

すると今度はエール達がスペースに近づいてきた。

 

「私達の町を守ってくれて、ありがとう!」

 

「「「「ありがとう(なのです)(ございます)!」」」」

 

「ど、どういたしまして」

 

 

 

 

 

 

それからすぐに夕方になってしまい、ひかる達ははな達とお別れをする時がやってきた。

 

「どうじょ!」

 

「ありがとう!探してたんだ!」

 

ひかるがはぐたんからペンを受け取ろうとするとペンが光だし、そのペンにはぐたんの姿が写し出された。

 

「はぐたんになった!」

 

「キラやば~っ☆はぐたんペン!」

 

するとみんながいる所のすぐ横の川に河童の姿が見えた。

 

「えぇ河童⁉︎ 待って、待って、待って〜!」

 

「おいひかる!」

 

ひかるは1人で河童を追いかけて行ってしまった。

 

「全くアイツは・・・・それじゃあ、また・・・・」

 

「うん!こうた君達も元気でね!」

 

こうたとはなは互いに握手をして別れの挨拶をした。

 

「じゃ!またな!・・・・おい待てよひかる!」

 

こうたは急いでひかるの後を追いかけて行った。

 

「また、何処かで会えるといいな!」

 

 

こうしてはぐくみ市で起こった事件はプリキュア達の活躍によって無事に解決したのであったが、この時のプリキュア達はそう遠くない未来で再び再会する事になるとは思ってもいなかった。

 

 

To Be Continued

 

 

 

 

 




        次回予告

突然、ひかる達の通う学校に行ってみたいと言い出したララ。

そこで学校というのがどういう所か隠れながら見て周る事に。

その後、ひかる達はえれなにこの間のお礼を言いに行く事になって・・・・




次回、『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第8話 大切な笑顔を守れ!キュアソレイユ誕生! 前編

次回もお楽しみ!



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第8話 大切な笑顔を守れ!キュアソレイユ誕生! 前編

ウルトラマントリガーついに始まりましたね。
ネタバレにならないように内容にはあえて触れませんが、これからの展開がとても楽しみです。
こちらの小説ももっともっと盛り上げていけたらと思います。

それではどうぞ!


「おはようララ!」

 

「おはよう!」

 

「オヨ?」

 

ララがロケットの修理をしていると突然、ララの両肩を誰かが触れてきて背後から声がしたので振り返ってみると、そこにはひかるとフワ、そしてこうたの姿があった。

 

「ひかる!こうた!おはようルン!」

 

その後3人はセンサーと指でタッチをして朝の挨拶をし、その横でプルンスとフワもタッチをしていた。

 

「はい、おにぎり」

 

「ありがとうルン・・・・出かけるルン?」

 

「うん!学校だよ!」

 

「学校?どういう所ルン?」

 

「学校は俺達と同い年ぐらいの子達が一緒に様々な事を学ぶ場所なんだよ。」

 

ララが学校とはどんな所か聞いてきてこうたがそれに対して答えた。

 

「へぇ、私も行ってみたいルン!」

 

「え?でもララが行っても大丈夫かな?」

 

「大丈夫だよ!バレなきゃ平気だし!行こうララ!」

 

「ルン!」

 

ひかるがそう言うとララの手を引いて行ってしまった。

 

「大丈夫かな?」

 

こうたは不安に思いながらその後を追いかけた。

 

 

 

「ルン!これが学校!凄いルン!」

 

ララは学校の広さ、人の多さ、様々な建物などを見て興奮していた。

 

「私の星ではAIが何でも答えてくれるから学校もないルン。」

 

「じゃあ、宿題もテストもないの?」

 

「それはちょっと羨ましいかも・・・・」

 

ひかるもこうたもあまり勉強は得意という訳ではなく、こうたはちょっとだけ羨ましいと思っていた。

すると茂みの中からプルンスとフワが顔を出した。

 

「トィンクルブックの中とはいえ、フワをあんなに人がいる所に連れて行くのは心配でプルンス!」

 

「まぁまぁプルンス、気持ちはわかるけど・・・・」

 

「おはよう!」

 

こうたがプルンスを宥めようとすると別方向から大きな声がしてそちらを向くとえれなが走って登校してきた。

 

「あぁ!観星中の太陽!天宮えれな先輩!」

 

「おぉ!あれは2人の喧嘩を止めてくれた・・・・太陽でプル「出てきゃダメルン!」・・・・」

 

プルンスはえれながこの間2人の喧嘩を止めてくれた事を思い出しながら茂みから出てきてえれなの姿を見ているとララに無理矢理茂みの中に押し戻されてひかるもフワを隠そうとしていた。

 

「はぁ〜、でも何で太陽って呼ばれてるルン?」

 

「それは、太陽みたいに明るくて、笑顔がとっても素敵だから」

 

「確かにえれなが笑顔でいると、自然と周りのみんなも笑顔になるんだよなぁ」

 

ララがえれながどうして太陽と呼ばれてるかを聞くとひかるがその理由を答えて、こうたもそれに納得していた。

 

「そうだ!先輩にお礼言いに行こう!」

 

「ルン!」

 

「おーいララ!」 

 

「待てよ2人とも」

 

ひかるはそう言ってララの手を引いてえれなに近づこうとするが、えれなの周りを女子生徒達が囲んでしまった。

 

「おはようございます!先輩みたいに良い朝ですね!」

 

「思いをポエムに認めました。」

 

『せんぱ〜い!』

 

「ってあれ?ねぇ!ちょっと!せんぱーい!」

 

それでもひかるは何とかえれなに気づいてもらおうと努力するも結局気づいてもらえなかった。

 

「全然近づけない・・・・」

 

「太陽は遠いルン・・・・」

 

「いや、アレは流石に無理だろ・・・・」

 

ひかるは膝から崩れ落ちてしまい、ララとこうたは唖然としていた。

 

「あ、あぶなーい!」

 

とそこへ女子達の所に勢い良くサッカーボールが飛んできた。

 

「っ!ちょっとゴメン!」

 

それに気づいたえれな女の子達の中から抜け出すと飛んできたサッカーボールをオーバーヘッドで蹴り返した。

蹴り返された男子生徒達はただただ唖然としていた。

 

「気をつけてね!」

 

そして着地したえれなは男子達に優しく注意すると・・・・

 

「キャーーーッ!」

 

「カッコ良かったです!」

 

「素敵でした!」

 

女子達はそんなえれなの姿を見て興奮していた。

 

「キラやば~っ☆」

 

「太陽・・・・凄いルン!」

 

因みにひかるとララもその興奮している女子達の内の2人だった。

 

「流石はえれなだな。」

 

そんな中でこうたはえれなの姿を見て、流石と褒めていた。

 

 

それから予鈴がなって朝の挨拶も終わり、各教室で授業が始まった。

 

「オヨーッ、これが授業・・・・」

 

「あ、ひかるでプルンス!」

 

ララとプルンスはひかるのいる教室の屋根の上からひかるが受けている授業を除き込んでいた。

 

「文字を書いてるルン」

 

「アナログでプルンスなぁ」

 

「オヨ?こうたが何処にもいないルン」

 

「確かに、何処にいるでプルンス?」

 

「・・・・・・・・・・・・いやいや・・・・へ⁉︎ 今誰か、いましたわよね・・・・」

 

ララ達はこうたがいない事に気づき何処にいるのか探しているとひかるのクラスメイトの姫ノ城 桜子がララ達に気づきララ達はすぐに隠れた。

 

ララは風船になったプルンスに捕まりながら地上に着地してひかる達の教室から一旦離れる事にした。

 

「ふぅ、危なかったでプルンス」

 

すると体育館の方から何やら騒がしい声が聞こえてきてララ達も隙間から覗いてみると・・・・

 

「次の人!」

 

「はーい!」

 

「あれは、太陽ルン!」

 

ララはえれなの姿を見つけて、そんなえれなは跳び箱を綺麗に飛んで、その姿は正しく体操の選手と言われても納得してしまう程綺麗なものだった。

 

「えれな凄い!」

 

「どぉも!」

 

「「おぉ(凄いルン)!」」

 

「えれな!やっぱり体操部に入ってよ!」

 

「いやいや、水泳部が先にお願いしてるから!」

 

「陸上部を忘れないで!」

 

「いゃあ、まいったなぁ・・・・」

 

それから午前の授業が終わってお昼休みに入り、ひかる達は校舎裏でお昼を食べていた。

 

「いゃあ、ラビッタ星人ばりの身軽さだったでプルンス。」

 

「凄かったルン!」

 

「まぁ、えれななら当然だな。」

 

「そう言えば、こうたはひかると一緒じゃなかったけど、何処に行ってたルン?」

 

「何処って自分の教室だよ。俺とひかるは学年が違うから違う教室にいたんだよ。」

 

「オヨ?何で違うルン?」

 

「そりゃ、俺の方がひかるより1つ年上だからだよ。」

 

「オヨ⁉︎それって私より1つ年上って事ルン⁉︎」

 

「そうだけど、あれ?言ってなかったっけ?」

 

「聞いてないルン!」

 

ララはこうたが自分より年上だった事に驚いた。

 

「ひかるは2年生で、俺とえれなは3年生、俺はえれなと同じクラスなんだよ。」

 

「でも、さっきはその太陽とも一緒じゃなかったルン」

 

「その時は男子と女子で別れてたからだよ。にしてもララ達がそんなに興奮するなんて・・・・えれなの奴、また派手な事やったなぁ」

 

「先輩は運動神経抜群で3年生になっても運動部からスカウトされてるんだよ。全部断ってるらしいけど。」

 

「オヨ?運動部?」 

 

「その説明はまた今度でいいんじゃないか?今は兎に角お昼にしようぜ。」

 

「そうだね。お弁当にしよう!」

 

「フワ!お弁当フワ!」

 

すると、トィンクルブックと牡羊座のペンが光りだして、ペンが勝手にトィンクルブックに刺さって、ページが勝手に開くと中には夜空のような綺麗な光景が映っていた。

 

「え?ペンが・・・・」

 

「かきかきフワ!」

 

「かきかき?よーし!」

 

そしてひかるはフワに言われたとおりにペンを走らせてケーキを書くとなんとそのケーキが実際に現れた。

 

「キラやば~っ☆本物のケーキが出た!」

 

「え?何それ?何をどうしたらケーキが出てくるんだ?」

 

「フワ!いただきますフワ!」

 

フワは美味しそうにケーキを食べていた。

 

「うわぁ!食べてる・・・・」

 

「ホントだ!こうして見てると、やっぱりフワって可愛いよなぁ」

 

ひかるとこうたはフワがケーキを食べてる姿を優しく見守っていた。

 

「うーん、牡羊座のプリンセスが言ってたでプルンス。フワん育てて欲しいって。」

 

「え?育てるってこういう事⁉︎」

 

 

 

 

 

 

 

それからひかる達はお昼を済ませて午後も授業がある為それぞれ教室に戻った。

 

「あ!こうた!」

 

「えれな!」

 

こうたが教室に戻るとえれなが話しかけてきた。

 

「お昼に教室にいないなんて珍しいね。何処行ってたの?」

 

「ん?ひかると一緒にお昼を食べてたんだよ。」

 

えれなはこうたが何処に行ってたか聞いてきて、こうたもそれに答えた。

 

「ひかるって、この間喧嘩してた子だよね?」

 

「そうだよ。あ!そういえば、ひかる達がえれなにお礼言いたがってたぞ。えれなのおかげで仲直り出来たって。」

 

「そんな、私は何もしてないよ。」

 

 

 

 

そんな何でもない会話が続き、その後すぐに午後の授業が始まり、それも終わって放課後になり、ひかる達は再びえれなに近づこうとしていた。

 

「天宮せんぱーい!」

 

「太陽じゃなくて月!」

 

「え?あぁ!」

 

ひかるは最初何を意味しているのかわからなかったが、その理由もすぐにわかった。

 

「観星中の月!香久矢まどか先輩!」

 

人混みの中にはこうた達と同じ3年生で「観星中の月」で生徒会長の「香久矢まどか」の姿があった。

 

「キラやば~っ☆」

 

「今度は月ルン?」

 

「生徒会長で学校一の秀才、みんなの憧れだよ。」

 

「2年3組星奈ひかるさん」

 

「はいー!って、凄い!私の名前知ってるんですか?」

 

「生徒会長として当然です。」

 

「おーい!ひかる!」

 

「あ!こうた!」

 

するとひかる達の後ろからこうたが近づいてきた。

 

「ひかる、もしかして、まだえれなを探してるのか?」

 

「うん!そうだよ!」

 

「そっか、えれなならさっき急いで帰ったぞ。多分お店の手伝いじゃないかな?」

 

「お店?」

 

「ほら、えれなの家ってお花屋さんやってるの2人も見ただろ?」

 

「あ!そう言えば!」

 

「確かにそうルン!」

 

「こうた君」

 

「ん?まどか?もしかして、生徒会の仕事か?」

 

「はい。ちょうどこれから生徒会室に向かう所です。」

 

「えぇ⁉︎こうたって香久矢先輩とも知り合いなの⁉︎」

 

「あぁ。まどかとも小学校の頃からの友達だぞ!な、まどか。」

 

「はい。こうた君には昔から色々とお世話になってましたね。」

 

こうたはえれなだけでなく、まどかも小学生の頃からの友達だった。

 

「今日は何か手伝う事ってあるか?」

 

「いえ、本日はとくにありません。いつも手伝って頂きありがとうございます。」

 

「え?どういう事?」

 

「実は俺、たまにだけど、生徒会の仕事の手伝いをする事があるんだ。」

 

「えぇ⁉︎そうなの⁉︎」

 

「はい。っとそう言えば、皆さんは天宮さんに何かご用事があったのでは?」

 

「あぁ!そうだった!ありがとうございます先輩!行こうララ!こうた!」

 

「ルン!」

 

「あぁ!じゃあまどか、また明日!」

 

「はい。また明日・・・・あっ、あの子・・・・」

 

こうた達に挨拶した直後にまどかはララの事を考えていた。

 

(あの子、ララって名前の生徒なんてこの学校にいたでしょうか?)

 

「・・・・うわぁ!じっとして・・・・」

 

「ルン!」

 

「頼むから大人しくしててくれ!」

 

するとひかるの鞄からフワが勝手に飛び出してきてひかる達は慌てて捕まえて隠したが、

 

「っ!あれは!」

 

こうた達は気づいていないが、その光景をまどかはバッチリ見ていた。

 

 

To Be Continued

 

 

 

 




         次回予告

えれなの家族が経営するお店「ソンリッサ」でえれなとえれなの兄妹と話をしたこうた達

その帰りにまたしても現れるノットレイダーとプリキュアの戦いを見てえれなが感じたものとは・・・・


次回、『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第9話 大切な笑顔を守れ!キュアソレイユ誕生! 後編

次回もお楽しみ!


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第9話 大切な笑顔を守れ!キュアソレイユ誕生! 後編

皆さんお待たせして申し訳ありませんでした。 m(_ _)m

中々時間を取れず、ようやく投稿する事が出来ました。

今週は連休もあるので、次回はもっと早く投稿出来るように頑張って行きますので宜しくお願いします。

後、感想も引き続き受け付けているので、皆さんからの感想をお待ちしています。

それではどうぞ!



それからこうた達は商店街でえれなの家族が経営している「ソンリッサ」という看板が出ているお花屋さんに来ていた。

 

「オヨ、これは?」

 

ララが売ってるお花を屈んだ状態で見ながらそう呟いていた。

 

「すみませーん!」

 

ひかるがそう声を出すと、中から小さな子供達がはしゃいでお店の外へと出て行った。

 

「コラコラ走らない!」

 

すると中から聞き覚えのある声が聞こえてきた。

 

「あぁ!天宮先輩!」

 

そうその声の主こそ、ひかる達が会いたがっていた天宮えれな本人だった。

 

「お?貴方達!それにこうたも!」

 

「よ!えれな!」

 

「そっかぁ、こうたの言ったとおり、仲直り出来たんだ。」

 

「「えへへ」」  

 

「ありがとうございます!先輩のおかげで・・・・」

 

「ルン!」

 

これでようやく、ひかる達はえれなにこの間のお礼を言う事が出来た。

 

「私は何もしてないよ。ってちゃんと名前聞いてなかったね。」

 

「星奈ひかるです!」

 

「ララルン!」

 

「うわぁ!可愛いぬいぐるみ!」

 

ひかる達が自己紹介している横でいつの間にか子供達がフワを持ってはしゃいでいた。

 

「「フワ⁉︎」」

 

「いつの間に⁉︎」

 

「貴方のぬいぐるみ?」

 

えれなの質問にひかるとララは2人同時に頷いた。

 

「へぇ!フワフワ!可愛いねぇ!」

 

(耐えろ!今は耐えるんだフワ!)

 

えれながフワを可愛がっている姿を見て、ひかるとララはビクビクしながらそれを見つめて、こうたは自身の心の中でフワに耐える様に祈っていた。

 

「私も抱っこ!」

 

「僕も!」

 

「私も!」

 

「ちょっと、お姉ちゃんのでしょ。」

 

えれな達がそんなやりとりをしていると、ララは突然自身の頭を叩かれた事に気づき、上を見ると屋根の上からプルンスが「ここは自分に任せろ」とアピールしていた。

 

「はぁ・・・・」

 

「プルンスが任せとけって」

 

「えぇ⁉︎」

 

ララはそれをすぐひかるに伝えた。

 

「あぁ、仲良く遊んであげてね。」

 

「良いの?」

 

「「「わーい!」」」

 

それを聞いた子供達はみんな嬉しそうにお店の中に戻って行った。

 

「ゴメンね。」

 

えれなは申し訳無さそうにひかる達に謝罪した。

 

「気にしなくていいって。きっと大丈夫だから・・・・多分・・・・」

 

そんなえれなにこうたは気にしなくて大丈夫だと伝えた。

 

「キラやば~☆」

 

ひかるが店の花を見ながらそう呟いた。

 

「スタードーナツはよく来るけど、ゆっくり見たことなかったなぁ」

 

「どうしてルン?」

 

「先輩目当ての学校の生徒でいっぱいなんだー。」

 

「でも今はいないルン」

 

「まだみんな学校だよ。私は急いで帰って来るからね。店を手伝ったり、うわっ⁉︎」

 

『わはははははっ!』

 

「この!」

 

そう言いかけたところで2人の妹と弟がえれなに抱き着いて戯れてきたのでえれなもそれに対抗していた。

 

「弟や妹たちの面倒を見なくちゃいけなくて。たまにこうたも手伝ってくれて、いつも助けられてるんだよ。」

 

「そうだったの?私、全然知らなかった・・・・。」

 

「えれないつもお店の手伝いに家の家事、それに加えて自分の事もしなくちゃいけないからさ。俺にも何か手伝えないかなって思って、それでたまにだけど俺もお店の手伝いをするようになったんだ。」

 

えれなの事を気遣ってこうたもたまにだがお店を手伝う事があるのだ。

 

「先輩が太陽って言われてるのわかった気がする。だって先輩の周りはいつも笑顔でいっぱいだから!」

 

「ありがとう・・・・笑顔か」

 

えれなはフワの周りで笑顔で笑っている家族を見ながらそう言うと、お店の外に出て、お店の看板を見上げた。

 

「ほら!店の名前」

 

「「?」」

 

「『ソンリッサ』パパの国の言葉でね。笑顔って意味なの。」

 

「へぇ・・・・」

 

「花でみんなが笑顔になれたらいいなって」

 

「素敵ルン!」

 

「うん!みんな笑顔が一番だよね!」

 

「ふふっ、あ!いらっしゃいませ!ちょっとゴメンね。」

 

ひかるがそう言うと、一人お客さんがやって来た。えれなはすぐに接客をしに戻っていった。

 

「行こっか」

 

「ルン」

 

「ちょっと待って、俺手伝いがいるか聞いてみるよ。」

 

ひかるは邪魔にならないうちに帰ろうかとララとこうたと話していた。

 

「あれ?帰るの?」

 

「はい!」

 

「えれな、今日は手伝い必要か?」

 

「大丈夫だよ。今日はお客さん少ないし、いつもこうたに手伝ってもらうのも悪いしね。」

 

「そっか、でも手伝いが必要な時はいつでも言ってくれよ。」

 

「うん!ありがとう!じゃ、またね!チャオ!」

 

「バイバーイ!」

 

「またねー!またぬいぐるみ連れて来てねー!」

 

「フワ!」

 

こうしてこうた達はえれなの兄妹達に見送られながらお店を離れ、フワも子供達に小さく手を振っていた。

 

 

えれな達と別れたこうた達は、真っ直ぐララのロケットの所に向かっていた。

 

「天宮先輩、ホント素敵だったなぁ」

 

「ルン。」

 

「えれなはいつもみんなを笑顔にって頑張ってるからなぁ」

 

そんな会話をしていると・・・・

 

「アイワーンのレーダー、もっと詳しく出ないわけ?・・・・あぁら!いた!」

 

「「「っ!」」」

 

「ノットレイダーでプルンス!」

 

『ノットレイ!』

 

目の前からテンジョウと部下のノットレイ達が現れた。

 

「さぁお嬢ちゃん達・・・・ペンをお渡しよ」

 

テンジョウからそう言われるとこうた達3人は自分達のペンを取り出した。

 

 

 

 

「「「スターカラーペンダント!カラーチャージ!」」」

 

「「「キラめく~星の力で~!憧れの~私描くよ~!」」」

 

「「「トゥインクル!トゥインクルプリキュア!」」」

 

「「「トゥインクル!トゥインクルプリキュア!」」」

 

「「「トゥインクル!トゥインクルプリキュア!」」」

 

「「「スター☆トゥインクル〜!スター☆トゥインクルプリキュア~~!」」」

 

 

「宇宙(そら)に輝く〜キラキラ星!キュアスター!」

 

「天にあまねく〜ミルキーウェイ!キュアミルキー!」

 

「光輝く聖なる宇宙!キュアスペース!」

 

 

3人はプリキュアに変身すると、ノットレイの1人が爆弾をプリキュア達に投げつけてそれにより大きな爆発が起こった。

 

「「うわぁあ!」」

 

「何あれ?」

 

「モクモク」

 

その爆発で起こった煙はえれなの家からも見えていた。

 

「お姉ちゃん達が帰った方だ。」

 

「え?」

 

えれなはさっきのひかる達の姿を思い出すと何か胸騒ぎのようなものを感じた。

 

「とうま!ちょっと見てくる!後は任せた!」

 

「えぇ⁉︎」

 

えれなは洗濯物を弟のとうまに任せて煙のある所の様子を見に行った。

 

 

 

「えぇ⁉︎何これ⁉︎」

 

「オヨ〜っ⁉︎」

 

「周りが何も見えない」

 

スター達は爆発で起こった爆煙の所為で周りが良く見えなくて、その爆煙を利用して中からノットレイ達が次々と襲ってきた。

 

「ノットレイ!」

 

「ノットレイ!」

 

それに対してスター、ミルキー、スペースは個人で対応していたが、いつの間にかフワとプルンスと逸れてしまった。

 

「あれ?フワとプルンスは?」

 

「ここでプルンス!」

 

プルンスは1人で必死にノットレイ達からフワを守っていた。

 

「フワに近づくなでプルンス!」

 

「まずい!」

 

スターがプルンス達の所に向かおうとするとノットレイ達が妨害して近づけない。

 

「スター!」

 

それに気づいたミルキーがスターの援護に向かおうとするが爆煙でどこにいるかわからなかった。

 

「どこルーン!」

 

「ミルキー?」

 

「まずいな。これじゃあ連携がとれない。」

 

「どお?この前のお返しよ。守るものが増えればその分注意は散漫、力は分散、弱点になる。」

 

その頃、えれなは走って煙が上がっていた場所に向かっていたが、ようやく到着したのだが

 

「え⁉︎何⁉︎何が起こってるの⁉︎」

 

そこでえれなが見たのはノットレイダーと戦うプリキュア達の姿だった。

 

「怖いフワ!フワー!」

 

「ノットレイ!」

 

しかし、フワは怖いあまりに1人で動いて逃げてしまった。

 

「え?あの子?」

 

そこでえれなはさっきまでぬいぐるみだと思っていたフワが生き物である事に気づいた。

 

「っ!あ・・・・」

 

えれなはフワを助けに行こうとするが、足が震えて動かなかった。

 

「フワ!大丈夫だよ!私が守る!フワもペンもみんな!」

 

「っ!」

 

『うん!みんな笑顔が一番だよね!』

 

そこでえれなはさっきひかるが言った事を思い出した。

 

 

「言うだけなら簡単よね。ペンだけじゃなくてどっちも取っちゃって!」

 

『ノットレイ!』

 

「フワ・・・・」

 

「「「あぁ!」」」

 

「フワ!」

 

「あっ!」

 

「フワー!」

 

「っ!」

 

フワが叫び、その時に流した涙を見てえれなは勢い良く飛び出してノットレイの1人を踏み台にしてフワを抱えて転がり込んだ。

 

「う〜、うわっ!」

 

「え?天宮先輩?」

 

「何でえれながここに?」

 

「フワ?」

 

「ててっ、君、ぬいぐるみじゃなかったんだ。」

 

フワは自分を助けてくれたえれなの顔を見つめていた。

 

「地球人が何故?この状況を理解していて?」

 

テンジョウの言葉を聞いたえれなは全くテンジョウを睨みつけた。

 

「良くわからないけど、そんなの大した問題じゃない!アンタ達が誰だろうとこの子がぬいぐるみだろうとね。それよりさ、この子を泣かせるってのが大問題だよ!弟達を笑顔にしてくれた、この子は泣かせない!」

 

「フワ」

 

「あ、うん!いい笑顔だね。」

 

えれなの気持ちを聞いたフワが笑顔を見せるとえれなもその笑顔を褒めた。

 

「言ってくれるわね。あなたに何が出来て?コマちゃん達、行っちゃって!」

 

『ノットレイ!』

 

「天宮先輩!」

 

えれなにノットレイ達が向かって行くのを見てスターとミルキーも助けに行こうとするが別のノットレイ達に妨害されて思うように動けなかった。

 

「あら?また守る物が増えちゃったわね。弱みがまた増えた。」

 

『ノットレイ!』

 

「えれな!くっ・・・・お前ら・・・・邪魔だ!」

 

『ノットレーーイ!』

 

スペースは自身の力を纏って全身が赤く光って囲んでいたノットレイ達に突撃してノットレイ達の中を突破してえれなの元に辿り着き、えれなに襲いかかるノットレイ達とえれなの間に入って赤くて四角い光のバリアを貼ってノットレイ達を止めた。

 

「弱み何かじゃない!誰かを守りたいって気持ちは俺達に力をくれる!それに、えれなの

フワを思う気持ちは絶対に無駄にしない!」

 

「え?何で私の名前・・・・それにその声・・・・もしかして、こうた?」

 

「え⁉︎・・・・いや・・・・俺は・・・・その・・・・」

 

スペースは正体を見破られて動揺していた。

 

「こうた!貴方、こうたなんでしょ!」

 

「いやだから・・・・はぁ・・・・その話は後だ!えれな!フワを連れて逃げろ!」

 

「うん!」

 

スペースに言われてえれなはフワを抱き抱えたまま走って逃げる。

 

「させるもんですか!コマちゃん達!ソイツらを追うんだよ!」

 

『ノットレイ!』

 

逃げるえれなをノットレイ達が追いかける。

 

「笑顔を・・・・この子の、笑顔を・・・・笑顔を・・・・守る!」

 

「フワ?フーーワーー!」

 

「えぇ⁉︎」

 

フワが叫ぶと全身が光だし突然トィンクルブックが現れてページが捲れるとそこから新しいスターカラーペンダントとオレンジ色のスターカラーペンが現れた。

 

「ペンダントでプルンス!」

 

「えぇ⁉︎」

 

プルンスがペンダントの出現し、スターもそれに対して驚いていた。

 

「っ!」

 

そしてえれなは迷わず宙に浮かぶペンを手に取るといつもひかる達が変身する時に流れる音楽が流れ出した。

 

 

「スターカラーペンダント!カラーチャージ!」

 

「キラめく~星の力で~!憧れの~私描くよ~!」

 

「トゥインクル!トゥインクルプリキュア!」

 

「トゥインクル!トゥインクルプリキュア!」

 

「トゥインクル!トゥインクルプリキュア!」

 

「スター☆トゥインクル〜!スター☆トゥインクルプリキュア~~!」

 

「宇宙を照らす!灼熱のきらめき!キュアソレイユ!」

 

 

 

「わーキラやば~っ☆」

 

「キュアソレイユ・・・・太陽のプリキュアルン!!」

 

「まさかえれながプリキュアになるなんてな。」

 

新たなプリキュアの誕生に他のプリキュア達はみんな驚いていた。

 

「いったいどうなってる?・・・・とにかくやっておしまい!」

 

『ノットレイ!』

 

するとソレイユはものすごい速度で突進して、ノットレイの内の一人が拳を突き出して殴ろうとしたが、ソレイユは足で受け止めてそのまま力業で押し切った。

次に後ろから近付いてきたノットレイを蹴り飛ばし、数で抑え込もうとしたノットレイたちの突撃をジャンプしてかわした。

 

「守るものが増えればその分、弱点が増えるって言ってたけどさ、違うよ。さっきこうたも言ってたじゃん。守るものがあればあるだけ強くなる!力が湧いてくるんだ!」

 

「こっちも負けてられないな。いくぜ!ウルトラスターカラーペン!ギンガ!ウルトラカラーチャージ!」

 

そしてスペースもギンガのウルトラスターカラーペンを使ってキュアスペースギンガへと更に変身した。

 

「何だいそれ⁉︎そんなのがあるなんて聞いてないよ!」

 

「一つ聞くぜ。何でこんな事をする?何で誰かの大切な物を平気で奪おうとするんだ!」

 

「そんなの決まってるじゃない!それが私達にとって必要な物だからよ!それが誰の物だろうがどう思っていようが、そんなものどうでもいい!必要なら奪う。それだけよ!」

 

「最っ低だなアンタ!」

 

「何とでも言ってなさい!さぁ、一気に片付けておやり!」

 

『ノットレイ!』

 

ノットレイ達が向かってくるのに対して、ソレイユは加速して再び突然して、右足に炎を纏った蹴りでノットレイたちをなぎ倒すと、スペースも向かってくるノットレイ達を1人ずつ回し蹴りをしながら蹴り飛ばし、更にはノットレの殴ってきた拳を受け止めてそのまま投げ飛ばしたりもしていた。

 

「みんなを笑顔にって思うと力が出る。そして!」

 

ソレイユは思いを語りながら再びジャンプした。

 

「みんなの笑顔が力をくれるの!こうた!一緒にいくよ!」

 

「あぁ!」

 

ソレイユの言葉に反応するかのようにペンダントが光を放つと、炎のボールが空中で生成されてソレイユはそれにめがけ飛び上がりノットレイ達めがけて蹴り込んだ。

 

「プリキュア!ソレイユシュート!」

 

そしてソレイユと同じ高さまでジャンプしたスペースも、両手を下に伸ばしてクロスするとその腕をクロスしたまま胸元に持ってきてその後は右手を大きく振りかぶるとキュアスペースギンガの全身のクリスタルは赤く光ってスペースの周りには無数の高熱の火炎弾が生み出されていた。

 

「プリキュア!ギンガファイヤーボール!」

 

スペースが右手を前に突き出すとその火炎弾達も同時に発射されて、ソレイユの技とスペースの技が同時にノットレイ達に襲いかかる。

 

『ノットレ〜〜イ』

 

その直撃を受けたノットレイ達はみんな黒焦げになってその場に倒れていた。

 

「チャオ!」

 

ソレイユは着地して振り向き様に挨拶をした。

 

「新しいプリキュアが・・・・策を立て直さないとね。」

 

テンジョウはそのまま姿を消して撤退していった。

 

 

 

そしてその日の夕方・・・・

 

「まさかの先輩がプリキュアになるなんて、キラやば~っ☆」

 

「プリキュアってなんなの?」

 

ノットレイダーを撃退したこうた達はその場でえれなにプリキュアについて説明しようとしていた。

 

「話せば長いでプルンス。実はプルンスたちは・・・・」

 

「ごめんね~長いんだったらまた今度!」

 

「え?」

 

「弟達が待ってるから。チャオ!」

 

プルンスが話をしようとした瞬間、えれなはそう言って自身の家まで走り去って行った。

 

「ええええええええええええ⁉︎」

 

そんなえれなの姿を見たプルンスはポカンとした顔をして叫んだ。

 

「全く、えれならしいな。」

 

こうしてこうた達に天宮えれなことキュアソレイユという新しい仲間が加わったのであった。

 

 

 

 

To Be Continued

 

 




         次回予告

フワ達の存在に気づいてしまったまどか

父親の言いつけを守り、秘密を明らかにしようと奮闘するまどかだったが

果たして、ひかる達の想いはまどかに届くのか?

次回、『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第10話 これが私の本当に気持ち! キュアセレーネ誕生! 前編

次回も楽しみに!


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第10話 これが私の本当に気持ち! キュアセレーネ誕生! 前編

平日の早朝、香久矢まどかはいつものように自宅にある弓道場にて弓道の練習を行っていた。

そんなまどかの自宅の棚の中にはこれまでまどかが様々な分野で獲得してきたトロフィーや賞状が飾られていた。

そしてまどかの放った矢は見事に的のド真ん中を射抜いた。

 

「見事だ、まどか。これで、今年も優勝、頂点間違いなしだな。」

 

そんなまどかの姿を背後から気づかれないように近づいていたまどかの父、香久矢 冬貴が見ていてまどかにそう伝えた。

 

それからまどかは制服に着替えて、家族で朝食をとっていた。

 

「もうお出になられるのですか?」

 

「当然だ。上に立つ物が率先して動く行動で示さなければ部下はついてこない。良く覚えておきなさい。」

 

「はい。お父様。」

 

「でも今お帰りになったばかりで?」

 

「商店街近くでまた宇宙人騒ぎがあってな、その調査で忙しい。」

 

「宇宙人って、お仕事の話をしてよろしくて?『つみき』情報では?」

 

「お母様、それを言うなら『機密』情報」

 

「あら?わたくしったら・・・・」

 

「内閣府宇宙開発特別捜査局の局長である前に香久矢家の家長だ。香久矢の家に秘密は無い。なぁまどか?」

 

「はい。」

 

「で、どうだ最近は?」

 

「っ!」

 

そう聞かれた時、まどかは以前ひかる達と一緒にいたフワの事を思い出した。

 

「その・・・・」

 

しかし、まどかが何かを伝えようとした時に冬貴のスマホが鳴った。

 

「すまない。調査結果は・・・・何もでづか・・・・では捜索範囲を広げる・・・・そうだ。対象を匿う人間も視野に、宇宙人に味方する人間にも容赦はするな。」

 

父の会話をまどかは真剣に聞いていた。

 

 

そして学校に登校しながらひかる達はえれなにプリキュアやそれに関する事について説明していた。

 

「ふーん、聞けば聞く程プリキュアって大変だね。」

 

「うん!でも楽しいよ!なんたって宇宙にも行ったんだから」

 

「えぇ⁉︎ホント⁉︎」

 

「オヨ!」

 

「声が大きいでプルンス!」

 

ララのリュックになっていたプルンスが無理矢理ひかる達の前に出て注意をした。

 

「いいでプルンスか、プリキュアだって事は・・・・」

 

「わかってる、秘密だよね。」

 

「ルン!地球人に知られたら私達が異星人だって事がバレるかもしれないルン。」

 

「それに、宇宙は今、色々と大変なんだからそんな時に宇宙に行くのが楽しいとか言ってる場合じゃないぞひかる。」

 

「あはははっ、ごめん・・・・」

 

すると前方から大きな声が聞こえてきて、みんなそっちを向くと沢山の女子生徒達がえれなに近づいてきてこうた達はすぐに跳ね飛ばされてしまった。

 

「流石は観星中の太陽。」

 

「ホント凄い人気ルン。」

 

「あれじゃあ、芸能人とあんま変わらないぞ。」

 

「ごめんね。また後で。チャオ!」

 

「あっちも凄いルン。」

 

「え?」

 

ララはえれなとは別方向を見てララのセンサーもそちらを指しているとそっちではまどかの周りに女子生徒達が集まっていた。

 

「香久矢先輩、大人気!」

 

「当然ですわ!観星中の月ですもの!」

 

「ん?」

 

すると1人の女子生徒がひかる達の会話に割って入ってきた。

 

「香久矢まどか様、由緒正しきお家柄、香久矢家のご息女でお父様は政府の高官、お母様は世界的に有名なピアニスト。まどかさん自身も弓道とピアノの全国大会で優勝!華道も茶道も嗜んで、その腕前は師範顔負け!更に学校の成績も絶えずトップで生徒会長!そして、わたくしが越えねばならない存在!」

 

「はぁ」

 

「誰ルン?この説明的なセリフは?」

 

「同じクラスの姫ノ城さん。」

 

「へぇ」

 

会話に割って入ってきたのはひかると同じクラスの『姫ノ城桜子』さんだった。

 

「姫ノ城家21代目当主、この桜子!負ける訳にはいきませんわ!・・・・ん?」

 

すると姫ノ城は何か不思議そうな顔をしてララに近づいた。

 

「その奇妙なファッション、ウチの生徒ではなくて?」

 

「ル⁉︎違うルン!」

 

「でもどこかで会った気が・・・・」

 

「誰かと間違えているルン!」

 

「うん!ララは全然これっぽっちも入った事ないから!」

 

ララは顔を引き攣りながら何とか誤魔化そうとしていてひかるもそれに便乗していた。

そんな彼女達の姿をまどかも遠くから見ていた。

 

「あの子・・・・」

 

「っ‼︎ わたくしをジッとみて意識している。オーホッホホホ!英雄は英雄を知るということかしら!」

 

「オヨ〜」

 

「大丈夫かララ?」

 

「心臓に悪いルン。やっぱり学校は危険ルン。」

 

「まぁ、学校には沢山の人が集まるし、それにララは他の人と服も違うからある意味目立ちやすいのかも。」

 

「ルン。暫く学校に来るのはやめた方が良いかもしれないルン。」

 

「かもな」

 

姫ノ城が去ってララは緊張が解けて力も抜けた。

 

「ナイスな変形で来たでプルンスが、くれぐれもフワをよろしくでプルンス。」

 

「任せといて!」

 

そう言って星奈はプルンスの触手を軽く叩くと、その衝撃でプルンスはララの肩から外れて落ちてしまった。

 

「あ、ごめん」

 

「気を付けるでプルンス!」

 

すぐにプルンスは元の位置に戻り、こうた達はみんなで辺りを見渡して誰も見ていないか確認していた。

 

しかし、その一連の光景をまどかはしっかり見ていたのだった。

 

 

 

 

 

それからみんなそれぞれの教室へ向かいいつも通り授業を受けていた。

 

 

『宇宙人に味方する者には容赦はするな。』

 

まどかは今朝の父の言葉と自信が見た光景について考えていると・・・・

 

「香久矢?聞いてるか?」

 

「あ、はい!あの・・・・」

 

「先週の小テスト、100点は学年でただ一人、香久矢だけだ。」

 

先生がそう言うとクラス中が拍手喝采で包まれた。

 

 

 

 

 

「以上新入生歓迎会の報告でした。」

 

 

その日の放課後に行われた生徒会の会議で2年生の子がそう言って席に座ったが、まどかは考え事をしているのか何も反応を示さなかった。

 

「会長?」

 

「え?あ、ありがとうございます。今までで一番素敵な会だったと先生からもお褒めの言葉をいただきました。これも皆さんのおかげです。」

 

「生徒会長のおかげですよ。」

 

「ええ、香久矢さんがいたから私たち全員が纏まったんだよ!」

 

その言葉を受けて教室と同様に生徒会室でも拍手が響き渡る。その中で姫ノ城だけはまどかを睨みつけながら拍手をしていた。

 

 

場所は学校の校舎裏、ひかるがトゥインクルブックにミルクの絵を描くと、中からミルクが飛び出してきた。えれなはそれを見てとても驚いていた。

ひかるはそのミルクをフワに飲ませた。

 

「フワ!」

 

「へぇ、ミルクまで出るなんてこの本凄いんだね。」

 

「俺も最初に見た時は驚いたよ。」

 

「トゥインクルブック、キラやば~っ☆」

 

そんな3人の所にまどかが近づいてきたのに気づいたひかるは慌ててフワを後ろに隠した。

 

「っ!香久矢先輩⁉︎」

 

「どうしたの?」

 

「まどか、何かあったのか?」

 

「天宮さんとこうた君も星奈さんと何を?」

 

「えぇと、お喋り?」

 

「あぁ、少し話をしていただけだ。」

 

「香久矢先輩こそ、こんな所で何を?」

 

「わたくしはこの観星中学の生徒会長として、全てを把握する義務があります。星奈さん、こうた君、何か隠していませんか?」

 

「えぇ⁉︎これは、全然隠してない!」

 

「そうだぞまどか、少し落ち着けって」

 

「わたくしは至って冷静です。」

 

こうたはひかるに近寄るまどかの間に入って何とか誤魔化そうとしていたが、まどかはそのままひかるの背後に回り込むがそこには何もいかなかった。

 

「いない・・・・」

 

「「ふぅ・・・・」」

 

フワはトゥインクルブックの中に入る事で見つかる事はなかった。

 

「その本は?」

 

「これはその、わたしの大切な本で・・・・」

 

すると今度はひかるの持っている本にまどかは目をつけた。

 

「ごめんまどか。俺この後えれなの家のお店の仕事を手伝わないと行けないからさ、そろそろ行かなくちゃ行けないんだ。な、えれな?」

 

「そ、そうなんだよ。だからそろそろ帰らないと・・・・チャオ!」

 

「ごめんなまどか、話の続きはまた明日聞くから。」

 

「さ、さようなら。」

 

「バイバイフワ〜!」

 

するとフワはトゥインクルブックから出てきてまどかに別れの挨拶をしてしまった。

その瞬間、こうた達3人は完全に固まってしまいまどかまでもが驚いていた。

 

「えぇぇぇえええ⁉︎」

 

「おいおい・・・・」

 

「やっちまった・・・・」

 

「フワー!」

 

ただ1人、フワだけはとても満足そうな笑顔を見せていた。

 

それから自宅に帰って来たまどかは朝と同じく、弓道場にて弓道の練習をしていたのだか、今朝とは違って狙いはド真ん中どころかマト自体にも当たっておらず、狙いは完全に外れていた。

 

「・・・・・・・・」

 

そこでまどかは学校での出来事を思い出していた。

 

「パパが政府の偉い人?」

 

「わたくしには父に伝える義務があります。」

 

「宇宙人だってバレたらララもプルンスも地球にいられなくなっちゃうの!だから、誰にも言わないで!」

 

「フワ〜!」

 

「え?」

 

「フ〜ワ〜!」

 

するとフワは自らまどかの胸に飛び込みまどかもそれを優しく受け止めた。

 

「フ〜ワ!フワ!」

 

「んっ・・・・」

 

そしてまどかの胸の中でスリスリと身体を擦っているフワの姿を見てまどかは少し戸惑ってしまっていた。

 

「乱れているな」

 

とそこへ帰宅した冬貴がまどかに声をかけた。

 

「香久矢家の一員たる物、常に落ち着き、平常を保たなければならない。朝とは違う、学校で何かあったのか?あえて地元の学校に通わせたのは一般の普通の人の気持ちを知る為・・・・」

 

「わかっております。人々を知り、より多くの人を導く為に、お父様のご指示通りに生徒会長も務めてまいりました。」

 

「香久矢家は代々、人の上に立つのが定め、先々君は、数多の人々の上に立つのが勤め、たかだか学校毎で心を乱されてる場合ではないぞ。」

 

「はい。」

 

「私の言うとおりにすれば間違いない。」

 

「はい。」

 

それから夜になり、自身の部屋の窓から満月を見上げるまどか、彼女は今、一体何を考えているのか・・・・

 

 

 

 

次の日の朝、まどかはいつものように登校してきた。

 

そして・・・・

 

「まどか!」

 

「・・・・こうた君」

 

学校の廊下でまどかの背後からこうたがまどかを呼び止めた。

 

「少しいいか?」

 

「・・・・はい。」

 

その後2人は誰もいない生徒会室に入り、2人きりで話をする事にした。

 

「それで、話とは?」

 

「決まってるだろ。フワ達の事だ」

 

「その件については昨日も・・・・」

 

「確かに聞いた。けどそれは、本当にまどかの意思なのか?」

 

「・・・・どういう意味ですか?」

 

「まどかはお父さんに伝えるのが義務だって言った。じゃあまどかの気持ちはどうなんだ?」

 

「わたくしの?」

 

「あぁ。そこにまどかの意思はちゃんとあるのか?」

 

「その必要はありません。お父様は正しい。お父様の言う事に従えば間違いはないのです。」

 

「かもな・・・・けどさ、それで楽しいか?」

 

「楽しい・・・・ですか?」

 

こうたはまどかに背中を見せて窓から空を見上げた。

 

「俺は、毎日決められた道を歩くだけの人生なんて正直なんにも面白くないと思う。それなら失敗しても良いから自分の知らない道を歩いていきたいって思うんだ。」

 

「それは、貴方の考えであってわたくしは違います。わたくしには香久矢家の一員として上に立つ者の責任があります。そんなわたくしには失敗など許されない。だからわたくしはお父様の指示に従います。」

 

「そのお父さんが間違っていたらどうする?」

 

「・・・・何ですって」

 

こうたは再びまどかと向かい合って話をして、その言葉を聞いてまどかはこうたを睨みつけた。

 

「まどかはお父さんの考えが正しいって言うけどさ、もしそのお父さんの考え方が間違っていたらどうするんだ?」

 

「・・・・そのような事、言わないで下さい‼︎」

 

「まどか?」

 

ここで始めてまどかは大きな声をあげてこうたに対して怒りを見せた。

 

「貴方がお父様の何を知っているのですか?お父様の事を悪く言うなんて、いくらこうた君でも許しませんよ‼︎」

 

「・・・・良かった。」

 

「え?」

 

その予想外の言葉にまどかはポカンとした顔になった。

 

「今、まどかはお父さんの事を悪く言われて俺に怒っただろ。それは誰かに言われたからじゃなくて、まどかが自分の意思で怒ったんじゃないのか?」

 

「わたくしが、自分の意思で・・・・」

 

まどかは咄嗟の事だったとはいえ、突然の事で少し動揺していた。

 

「まどかには、ちゃんと自分の意思がある。それを知る事が出来て良かった。それを確かめる為とはいえ、お父さんの事を悪く言ってごめん。」

 

こうたはまどかに頭を下げてきちんと謝罪した。

 

「こうた君、もしかして貴方は・・・・その為に・・・・」

 

「それでまどか、今日の放課後って時間あるか?」

 

「放課後ですか?はい。大丈夫ですが・・・・」

 

「じゃあさ、ちょっと一緒に来てくれないか?」

 

「えぇ、構いませんけど・・・・」

 

(これは一か八かの賭けだ。けど、やるしかない!)

 

果たしてこうたは一体何を考えているのだろうか・・・・

 

 

 

 

 

To Be Continued

 

 




         次回予告

再びまどかを説得しようと試みるこうた達

しかしそこへまたしても現れるノットレイダー

『父の教え』と『自分の意思』果たして、まどかの出した結論は・・・・


次回、『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第11話 これが私の本当に気持ち! キュアセレーネ誕生! 後編

次回も楽しみに!


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第11話 これが私の本当に気持ち! キュアセレーネ誕生! 後編

ウルトラマントリガー第3話観ました。

ガゾートとはまた懐かしい怪獣が出てきましたね。

今後の展開も楽しみです。

そしてこちらでも今回5人目のプリキュアが登場します。

それではどうぞ!



「ひかるの作ったおにぎりは最高ルン!いくらでも食べられるルン!」

 

「いっぱい作ってきたから」

 

「ひかる、ありがとルン!」

 

放課後になり、ひかるとえれなはララのロケットのある森の中に来ていて、ひかるはララにおにぎりの差し入れをしてララそれに凄く感謝していた。

 

「まさか⁉︎ロケット⁉︎」

 

「え⁉︎」

 

「あ!」

 

「香久矢先輩⁉︎」

 

すると背後から声がして振り向くとロケットに対して驚くまどかと一緒に来たであろうこうたがいた。

 

「オヨ?」 

 

「こうた!どうして連れて来たの⁉︎」

 

「勝手な事してごめん!けど、どうしても必要だと思ったんだ。まどかにはただ口で伝えるだけじゃ理解してもらえないと思ったから、直接見てもらって全てを理解してもらった上で黙ってるようにお願いするしかないと思ったから。」

 

こうたはひかる達に頭を下げて謝罪して、まどかを連れて来た理由を説明した。

 

「ここにいるのには理由があるでプルンス!話せば長くなるでプルンスが、プルンス達は宇宙を逃げ「説明は不要です!」えぇ〜」

 

プルンスが事情を説明しようとするが、まどかはそれを断ち切ってしまった。

 

「どんな理由であれ、わたくしはあなた方の事を秘密にする訳にはまいりません。父を、裏切る事は出来ない。」

 

まどかは真剣な表情で顔を下に向けて俯いてしまった。

 

「フワ!」

 

「え?」

 

するとフワがおにぎりを持ってまどかの目の前まで来ていた。

 

「おいちーフワ!元気、元気フワ!」

 

「食べて元気出せって言ってるでプルンスか?」

 

フワは笑顔でまどかにおにぎりを差し出す。

 

「私は決めたの!フワとララとプルンスと一緒にいるって、フワを守るって決めたの・・・・だからお願いします!みんなのこと、誰にも言わないで!」

 

「「ひかる・・・・」」

 

ひかるはまどかの目の前まで来て必死にまどかに頼み込んでいた。

 

「俺からも頼む!フワは今、悪い宇宙人達に追われてるんだ。ソイツらからフワを守る為にも、このまま黙っていて欲しいんだ。勝手なのはわかってる!けど、それでも・・・・お願いします!」

 

「「こうた・・・・」」

 

こうたもそれに合わせてまどかに頭を下げて頼む込んだ。

 

「でも・・・・」

 

「お父さんの事はわかったけど、先輩はどう思ってるんですか?」

 

「え?」

 

「フワが悪い宇宙人だと思う?」

 

まどかはひかるにそう言われると再びフワをみつめた。

 

(この子、こうた君と同じ事を・・・・)

 

「わたくしは・・・・」

 

『ノットレイ!ノットレイ!』

 

「ルン⁉︎」

 

ララは何処からか聞こえてきた声に気づき、みんなでその声のする方へ行くとそこには何人ものノットレイとテンジョウの姿があった。

 

「この辺りにペンがあるって言うの?」

 

「ノットレイ!」

 

「あれは⁉︎」

 

「ノットレイダーでプルンス!」

 

「ノットレイダー?」

 

「悪い宇宙人って所かな、フワを狙ってる」

 

「えぇ⁉︎」

 

「フワ〜」

 

まどかはノットレイダーについて簡単に説明されると自身の腕の中で怯えているフワを見つめる。

 

「先輩、隠れてて」

 

「え?」

 

するとひかるは1人でノットレイダー達の前に飛び出して行った。

 

「ノットレイダー!」

 

「ん?あら!プリキュア!」

 

「無茶するよホント」

 

「全くルン」

 

「けどまぁ、ここで行かないと俺達だけじゃなくロケットまでアイツらに見つかるかもしれないし、行くしかないか・・・・」

 

「だね。フワをお願い。」

 

「わたくしが?」

 

そしてまどかとフワを残してこうた達も出て行ってしまった。

 

「お前のプリンセススターカラーペンに反応してたのね。ちょうど増援したところなの。」

 

『ノットレイ!』

 

テンジョウの声を聞いて、前回より更に大人数のノットレイ達がひかるを囲むように現れた。

 

「どう?このコマちゃんの数。さあペンを奪うのよ!」

 

『ノットレイ!』

 

そこへひかるの背中を守るようにこうた達がひかると背中合わせになるように陣形を組んだ。

 

「こうた!ララ!先輩!」

 

「行くぞ!」

 

「ルン!」

 

「うん!」

 

そして4人はそれぞれのペンダントとペンを取り出して変身する体制に入った。

 

 

 

 

 

「「「「スターカラーペンダント!カラーチャージ!」」」」

 

「「「「キラめく~星の力で~!憧れの~私描くよ~!」」」」

 

「「「「トゥインクル!トゥインクルプリキュア!」」」」

 

「「「「トゥインクル!トゥインクルプリキュア!」」」」

 

「「「「トゥインクル!トゥインクルプリキュア!」」」」

 

「「「「スター☆トゥインクル〜!スター☆トゥインクルプリキュア~~!」」」」

 

 

「宇宙(そら)に輝く〜キラキラ星!キュアスター!」

 

「天にあまねく〜ミルキーウェイ!キュアミルキー!」

 

「宇宙を照らす!灼熱のきらめき!キュアソレイユ!」

 

「光輝く聖なる宇宙!キュアスペース!」

 

 

 

変身したプリキュア達はノットレイ達に向かって突撃した。

 

「何・・・・あれ・・・・?」

 

それを見ていたまどかは一体何が起こっているのか全く理解出来なかった。

 

「伝説の戦士、プリキュアでプルンス。」

 

「プリキュア?」

 

そんなまどかにプルンスがプリキュアについて簡単に説明した。

 

「プリキュア!ミルキーショック!」

 

ミルキーは技を放ちノットレイ達を何人か倒すも他にもまだまだノットレイ達は残っていてミルキーに向かっていっていた。

 

「いっけーーー!」

 

『ノットレイ!』

 

スターは自身に向かって来るノットレイ達に対して星形のエネルギーを生成するとそれを足場にして高くジャンプして空中で反転し、もう一度星形のエネルギーを足場にして地面に向かって跳ね返って、そのまま地面に拳を打ち込む事でそれによりノットレイ達を吹き飛ばした。

 

「はぁぁぁぁっ!だぁぁぁっ!」

 

『ノットレイ!』

 

ソレイユは集団で向かってくるノットレイ達に向かっていき素早い連続キックをくらわせた後に炎を纏った回し蹴りでノットレイ達をなぎ倒していく。

 

「ふっ!でやぁ!はぁ!プリキュア!スペースレイ!」

 

『ノットレイ!』

 

スペースは向かってくるノットレイ達を1人ずつ殴ったり、蹴り飛ばした後に技を発動し、それを自身の全方位に放ち、ノットレイ達を倒していった。

 

その戦いを間近で見ていたまどかは怯えながら後退るとその時に足元の枝を踏んでしまい、ノットレイダーに気づかれてしまった。

 

「ん?あら、そんなところに隠れていたの、お嬢ちゃん。そいつをお渡しよ。」

 

「まどか!」

 

「邪魔はさせないよ!」

 

『ノットレイ!』

 

「くっ!」

 

「アンタの力は中々面倒だからね、先に潰させてもらうよ。」

 

『ノットレイ!』

 

スペースがまどかを助けに行こうとすると先程よりも多くのノットレイ達がスペースの周りに集まりそれを阻止しようとしていた。

 

「スペース!」

 

「今助けるルン!」

 

「大丈夫!俺の事はいいからまどか達の事を頼む!」

 

「でも!」

 

「いいから早く!」

 

スターとミルキーがスペースを助けに行こうとするとスペースは自分よりまどか達を助けるように訴える。

ソレイユは反対しようとするが、スペースは急いでまどか達の所に行くように促した。

 

『ノットレイ!』

 

そうしている間にまどかとフワはノットレイ達に囲まれてしまった。

 

『フワとララとプルンスと一緒にいるって、フワを守るって決めたの!』

 

「フワ〜」

 

まどかは先程のひかるの言葉を思い出し、フワを見ると怯えた瞳でまどかを見つめていた。

 

それを見たまどかはフワを守ろうと少しずつテンジョウから距離を取る。

 

「意地でも渡さない気かい?じゃあ消えておしまい!」

 

『ノットレイ!』

 

まどか達を囲んでいたノットレイ達はまどかとフワに向かって突撃してきた。

 

「うおおおおおっ!逃げるでプルンス!フワを連れてはやく!」

 

そこへプルンスが小型のUFOに乗って行く手を邪魔する為に高速で飛び回って行手を遮った。

 

それを見たまどかもフワを連れて逃げた。

 

「何してる、追うのよ!」

 

 

 

 

その頃スペースは・・・・

 

「はぁ・・・・はぁ・・・・」

 

「ノットレイ!」

 

「はあああっ!」

 

「ノットレ〜イ」

 

スペースは突撃きて来た1人のノットレイを右手で殴り飛ばしたが、ノットレイ達はまだまだ残っていた。

 

(これじゃあキリがない!・・・・なら、一気に決める!)

 

「ウルトラスターカラーペン!ギンガ!ウルトラカラーチャージ!」

 

スペースはキュアスペースギンガになると、両手を下に伸ばしてクロスするとその腕をクロスしたまま胸元に持ってきてその後は右手を大きく上に向けて振りかぶり、キュアスペースギンガの全身のクリスタルは赤く光ってスペースの周りには以前のように無数の高熱の火炎弾が生み出されていた。

 

「プリキュア!ギンガファイヤーボール!」

 

スペースは真上に向けて拳を突き出すとギンガファイヤーボールは一度は上に向かって飛んでいったが、その後勢いを無くして上昇が止まると今度はそのまま下に向かって落下してきて、そのままギンガファイヤーボールはスペースの周りにいるノットレイ達に次々と直撃していった。

 

『ノットレ〜イ!』

 

これによりノットレイ達は次々と倒されていった。

 

「はぁ・・・・はぁ・・・・これで、どうだ?」

 

『ノットレ〜イ‼︎』

 

「うわっ!」

 

スペースは背後からノットレイ達の光線銃による攻撃をまともに受けてしまい、そのまま吹き飛ばされてしまった。

 

「ぐっ・・・・」

 

『ノットレイ!ノットレイ!』

 

「マジかよ・・・・」

 

スペースは膝をついた状態で周りを見渡すと、ギンガファイヤーボールのおかげでかなりの数のノットレイを倒したが、それでもノットレイ達はまだまだ残っていて、流石のスペースもヤバイと感じずにはいられなかった。

 

 

 

 

 

「フワ〜」

 

まどかはフワを抱き抱えたまま走って逃げていた。

その中で、まどかはさっきフワに励まされた時のことを思い出していた。

 

『おいちーフワ!元気、元気フワ!』

 

「・・・・守らないと・・・・この子を、守らないと!」

 

「フワ?フーーーワーーーッ!」

 

「くっ、この光は⁉︎」

 

フワの身体が突然光りだすと、辺り一面を光で覆う。するとそこにはトゥインクルブックとそこから飛び出した紫色のペンとみんなと同じスターカラーペンダントが出てきた。

 

「え?これは⁉︎」

 

「まさか⁉︎あいつも⁉︎」

 

「スターカラーペンダントでプルンス!プリキュアになるでプルンス!」

 

「プリキュアって・・・・わたくしが?」

 

まどかはみんなの戦う姿を見て戸惑っていた。

 

「はやくペンダントを取り上げるんだよ!プリキュアにしてたまるか!」

 

まどかに向かっていくノットレイ達だったがそこへスターが割って入り、星型のエネルギーを目の前に生成してノットレイ達を吹っ飛ばした。

 

「なってプリキュアに!香久矢先輩!フワを守って!」

 

「っ!」

 

『けどそれは、本当にまどかの意思なのか?』

 

『先輩はどう思ってるんですか?』

 

まどかはこうたとひかるの言葉を思い出し、ペンに手を伸ばした。

 

「わたくしは・・・・」

 

『香久矢の家に秘密は無い。なぁまどか?』

 

「っ!」

 

しかしまどかは父の言葉も思い出してその手を止めてしまう。

 

「わたくしは・・・・」

 

「まどかーーっ!」

 

「こうた君!」

 

ノットレイ達と戦いながらスペースがまどかに向けて言葉を放った。

 

「自分が今、何をしたいのか・・・・誰かに言われたからじゃなくて・・・・自分で考えて・・・・自分で決めろ!」

 

「わたくしが、自分で決める?」

 

「フワ?」

 

まどかが考えているとフワの声が聞こえてそんなフワん見ると、今も怯えた表情をしていて、そんなフワをまどかは抱き抱えた片手で優しく抱きしめた。

 

「わたくしは・・・・この子を守ります!フワを守る!わたくしはそう決めたんです!」

 

まどかは決意を固めるとペンとペンダントを手に取ってプリキュアに変身する!

 

 

「スターカラーペンダント!カラーチャージ!」

 

「キラめく~星の力で~!憧れの~私描くよ~!」

 

「トゥインクル!トゥインクルプリキュア!」

 

「トゥインクル!トゥインクルプリキュア!」

 

「トゥインクル!トゥインクルプリキュア!」

 

「スター☆トゥインクル〜!スター☆トゥインクルプリキュア~~!」

 

「夜空に輝く!神秘の月明かり!キュアセレーネ!」

 

 

 

 

「変身したルン!」

 

「キュアセレーネ・・・・」

 

「キラやば~っ☆」

 

「やったな、セレーネ。」

 

「わたくし・・・・」

 

キュアセレーネの誕生に他のプリキュア達もセレーネ自身も驚いていた。

 

「またプリキュアが、やっておしまい!」

 

『ノットレイ!』

 

ノットレイ達が次々とセレーネの周りに集まるとノットレイ達がセレーネの周りで円の形になって高速で回りながら走り始めた。それはすぐに大きな竜巻となりセレーネも俺達も何も見えなくなった。

 

「数が違うのよ、数が。陣形・天狗風!さぁ、避けられるかしら?」

 

セレーネは竜巻の中心で止まったまま動かずにいて、そんなセレーネに竜巻の中から次々とノットレイ達がセレーネを襲うが、セレーネはそれを余裕でかわしていた。

 

(見える・・・・動きが・・・・)

 

セレーネは竜巻の中でもノットレイ達の動きを完全に捉えていた。

 

「まだまだ!」

 

「させるかよ!」

 

ノットレイ達がセレーネの所に向かおうしていたのに対してスペースの身体のクリスタルが紫色に輝くとスペースは両腕を頭の上でクロスした。

 

「プリキュア!ギンガスラッシュ!」

 

『ノットレ〜イ』

 

スペースがクロスした両腕を斜め下に伸ばすと頭から放たれた光刃がノットレイ達に直撃した事でノットレイ達がセレーネの所へ行くのを妨害した。

 

「さっきのお返しだ!」

 

「ちぃ!」

 

 

(お父様は上に立つ為に、人々の気持ちを知るようにと仰いました。知ったからこそ・・・・わたくしは・・・・)

 

セレーネはノットレイ達の攻撃をジャンプしてかわすと、そのまま竜巻の風に乗って上にあがって竜巻から脱出した。

 

「フワを、みなさんを放ってはおけません!」

 

ペンダントから三日月が出てきて、セレーネはそれを掴み、ペンの先で三日月をタッチすると三日月は弓となって、ペンを引くとまるで弓を引くような感じて三日月とペンの先で繋がる光は矢の形へと変化していった。

 

「プリキュア!セレーネアロー!」

 

セレーネから放たれた矢は竜巻の中心を見事に打ち抜き、それによって起こった爆発でノットレイ達はみんな吹っ飛んでいってしまい、技を放ったセレーネはその場に綺麗に着地した。

 

『ノットレ〜イ』

 

「あれだけのコマが一撃で⁉︎プリキュアが5人か、もっと増援が必要ね。」

 

テンジョウはそのまま引き上げた事でプリキュア達はノットレイダーの撃退に成功した。

 

 

 

 

 

 

 

そして時刻は夕方になり、プリキュア達はみんな変身を解いていた。

 

「いてててっ」

 

「こうた?」

 

「大丈夫ルン?」

 

「あぁ、何とかな。」

 

こうたが右腕を左手でおさえて痛そうにしていると、えれなとララが心配そうにこうたに話しかけてきてこうたも大丈夫と返事した。

 

「フワ!」

 

「良かったぁ!」

 

「はい。」

 

まどかに抱き抱えられて笑顔なフワを見てひかるが安心しているのを見て、まどかも自然と笑顔をなった。

 

そんな彼女達の近くから誰かが近づいてくる音がしていた。

 

「誰か来るルン」

 

「まずいでプルンス~」

 

プルンスはフワの手を引いて、すぐに茂みに隠れた。

そして現れたのは作業着を着た複数の大人の男性達が姿を見せて、まどかはその先頭の人の姿を見て驚いた。

 

「お父様⁉︎」

 

「まどか、ここで何を?」

 

「ええと・・・・学校の子達とその・・・・お話を・・・・」

 

「ルン」

 

「いつもお世話になっていますー」

 

「こ、こんにちは!」

 

「こんにちは!」

 

みんなはすぐにまどかのお父さんに挨拶をした。

 

「まどか、ここで騒ぎがあったようだが何か見なかったか?」

 

「っ!」

 

まどかは父に何と伝えようかと考えている姿を他のメンバーはただ見ている事しか出来なかった。

 

「・・・・いいえ・・・・何も・・・・」

 

「そうか、兎に角この辺りは危ないから早く帰るんだ。」

 

そう伝えるとまどかのお父さん達は更に森の奥へと向かって行った。

 

(お父様・・・・ごめんなさい・・・・。)

 

まどかは心の中で父に謝りながらそんな父の姿を見つめていた。

 

 

「フーワーーー!」

 

そして茂みから出てきたフワはまどかの周りを嬉しそうに飛び回った。

 

「助かったでプルンス」

 

「ありがとうルン」

 

「お父様を偽るのは心苦しいです。一刻も早く騒ぎを収めなくては。わたくしもプリキュアとして一緒に励みます!」

 

「プリキュアが5人ルン!」

 

「しかも香久矢先輩と天宮先輩がプリキュアなんて、キラやば~っ☆」

 

ひかるはえれなとまどかがプリキュアになった事が嬉しいのか目を光らせながら喜んでいた。

 

「あのさー、言おうと思っていたんだけど、その先輩っていうのやめてよね。」

 

「え⁉︎」

 

「だって固いし」

 

「それに、プリキュアに関しては3人の方が先輩ですし」

 

えれなが先輩呼びをやめるように言うとまどかもそれに同意して言ってきて、ひかるは若干困っていた。

 

「えぇと、じゃあ、天宮・・・・さん・・・・?」

 

「えれなで良いよ」

 

「うぅ〜〜、じゃあ・・・・えれなさん、まどかさんで」

 

「えれな、まどか、よろしくルン!」

 

「えぇ⁉︎呼び捨て⁉︎」

 

「随分といきなりだな」

 

「ルン!その方が効率的ルン!」

 

「プリキュアが5人ならプリンセスたちもすぐ復活するでプルンス!」

 

「ララ、先輩ってわかってる?せ・ん・ぱ・い!」

 

「サマーンには敬語はないルン!」

 

「えぇ〜〜⁉︎」

 

「ははっ、おもしろっ」

 

「フーワ!」

 

 

ひかるはララが敬語はないと若干威張りながら言ってくると納得がいかないとばかりにララの両肩に掴みかかっていった。

そんな姿をえれなやまどかに抱き抱えられているフワは笑いながら見ていた。

 

「まどか」

 

「何ですか?」

 

こうたがまどかを呼ぶとまどかもそれに反応して返事をした。

 

「これからよろしくな!」

 

「っ!はい!よろしくお願いします!こうた君!」

 

 

こうしてまどか/キュアセレーネが新たな仲間に加わり、プリキュア達の冒険はまだ始まったばかりである。

 

 

To Be Continued

 

 




         次回予告


たった1人でロケットの修理を続けるララだったが、思うようにいかずイライラしてしまう。

そんなララを見てひかるはみんなを天文台に連れて行く。

そこでララが見たものとは・・・・



次回、『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第12話 闇の力なんかに負けない!ダークペン出現! 前編

次回も楽しみに!


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第12話 闇の力なんかに負けない!ダークペン出現! 前編

遅くなってしまい大変申し訳ありません!

m(_ _)m

今回は色々な事情が重なってしまい投稿が遅くなってしまいました。

お盆休みになれば、もう少し早く投稿出来ると思うのでそれまでお待ち頂ければと思います。

そして、今回の話の最後には通常の次回予告の後に、次回の後編の後から始まる新章の予告がありますので、最後までお見逃しなく!

それではどうぞ!



今日もロケット内でララはロケットの修理に取り組んでいた。

 

「ルン。ここをこうすれば・・・・ルン。」

 

ララは自身の両手とセンサーにつけた修理道具を上手く使って修理は順調に進んでいた。

 

「ルン!修理完了ルン!」

 

ララがそう言ってすぐにロケット内でアラーム音が鳴り響いていた。

 

「オヨ?」

 

ララが先程まで修理していた所を覗き込むとそこからボッと煙が飛び出して、その煙がララの顔を直撃した。

 

「オヨ〜」

 

ララの顔は煙の所為で真っ黒になってしまった。

修理は失敗である。

 

そんな中でひかる達がロケットの前まで到着していた。

 

「ジャーン!ここがララのロケットだよ!」

 

「このロケットで宇宙に行くってわけか!」

 

「そして、宇宙に散らばったプリンセススターカラーペンを集める。」

 

「あぁ。でもこのロケットは今故障してて、ララが頑張って修理してるんだよ。」

 

そんな会話をしながらひかるはロケットの中のエレベーターに入り、ララのいるコックピットに向かっていた。

 

「そのペンを集めて宇宙を救うのがプリキュアの使命という事でしょうか?」

 

「理解早っ!」

 

「流石だな。」

 

そしてひかる達はコックピットに到着した。

 

「こうじゃないルン。」

 

「うんうん!さっすがまどかさん!そういう事、さぁみんなでロケット修理していざ宇宙へレッツゴー!」

 

「っ!みんな邪魔だから出てってルン!」

 

そんなひかるの声を聞いたララは一人で集中したいのか?みんなに出て行くように言った。

 

『え?』

 

みんなを追い出したララはロケットの入口を塞ぐと再びロケットの修理を開始した。

 

「えぇ〜⁉︎ちょっとララってば!私達も手伝うよ!」

 

「みんなでやった方が絶対に効率良いって〜」

 

ド〜ン!

 

「オヨ〜」

 

そしてロケット内で何かが爆発するとララの声が聞こえたが、どうやらまた失敗したようだ。

 

「振り出しに戻ったでプルンス」

 

「だな」

 

「ねぇ、これからどうする?」

 

『う〜ん』

 

えれなが今後の事を周りのみんなに聞くとみんなで一緒に考えた。

 

「あ!」

 

すると、ひかるが何かを閃いた。

 

「ねぇ!ララを天文台に連れて行こうよ!」

 

「天文台に?」

 

「うん!ララに見せたいものがあるんだ!」

 

「天文台かぁ」

 

「私も行ってみたいです」

 

「なら、みんなで行くか」

 

「うん!ララも連れてみんなで天文台に行こう!」

 

 

 

 

 

 

それからみんなでどうにかしてララを外へ連れ出して、ひかるとこうたに案内のもと、ロケットに戻ろうとするララをえれなが背後からララの両肩を押しながらみんなで天文台へと向かった。

 

「ララ、ほらはやくはやく!」

 

「遊んでいる場合じゃないルン!ロケットの修理がまだ・・・・」

 

「まぁまぁ、たまには気分転換も必要だって事だよ。」

 

「こうたの言う通り!気分転換も必要だよ!だから今からララを凄く楽しい場所に連れてってあげる。プリキュアが5人も集まったんだから今日は記念にいっぱい楽しんじゃお!おう!」

 

「フワ!」

 

そう言いながらとても楽しそうなひかるとフワを先頭に進むこうた達の前に大きな天文台が見えてきた。

ひかるやこうたと違って始めてきた場所であろうララはもちろん天宮や会長も辺りを見回していた。

 

みんなはそのまま中に入ってひかる達が見たのは、太陽や惑星の模型と天井に描かれた様々な星達だった。

 

 

「オヨ~」

 

「フワー!」

 

「キラやば~っ☆いつ見ても最高!!」

 

「天井に宇宙があるルン。」

 

「天文台はね、宇宙や星について知れちゃう場所なんだ!」

 

「凄いルン。」

 

「でしょ!でしょ!」

 

ララは凄いと興奮していたのを自覚したのか恥ずかしそうに頬を赤く染めてひかるから視線を逸らした。

 

「でもスターパレスが見えないルン。」

 

「え?そうなのか?」

 

「星空界があるのは遥か向こう、この星空のずっとずっと向こうでプルンス。」

 

「じゃあララのふるさとは?」

 

「惑星サマーンも星空界の片隅、ず〜っと向こうルン。」

 

「そんなに遠くから来たのですね。」

 

「どうやらララ達の故郷のある星空界は俺達のいる地球を含んだ太陽系とは全く違う宇宙みたいだな。」

 

「ルン。」

 

「ララ!こっちこっち~!」

 

ひかるが両手を上にあげてララを呼ぶとそこにはとても大きな本棚があり、そこに沢山の本がほぼ隙間なくつめられていた。

 

「ルン?これは・・・・」

 

「星とか宇宙の本棚だよ!」

 

「お~!地球にもこれだけ膨大な宇宙の情報が」

 

「わたしが好きなのは星座の本!宇宙旅行の本もオススメ!それから小惑星のほんにロケットの本も面白いよ・・・・」

 

「オヨ〜」

 

「ひかる落ち着け!ララ、俺がいくつか持つから。」

 

「ルン、ありがとルン。」

 

そう言ってひかるはドンドン本棚から本を引っ張り出してララがその本を受け取っていくが、その重さ耐えきれずララの身体はフラついてしまうが、こうたはそんなララを支えてその中からいくつか本を取ってララをフォローした。

 

「おや?今日は賑やかだねぇ」

 

するとそこにこの天文台の管理人の遼じぃがやって来た。

それにいち早く気づいたプルンスはすぐにララのバックに変装した。

 

「遼じぃ!友達、連れて来たよ。ララとはこの間あったんだよね。この2人が、えれなさんにまどかさん!」

 

「こんにちは!」

 

「はじめまして!」

 

「おぉ!ひかるまた友達が増えたのか?」

 

「お邪魔してますルン!」

 

「ん?君?前に会った時に比べると急に日本語が達者になったねぇ」

 

「オヨ」

 

「えぇと、毎日私とこうたが日本語のレッスンしてるからねぇ」

 

「まぁ、ひかるのレッスンは不安があるけど何とかやってるよ。」

 

「ちょっとそれどういう意味⁉︎」

 

ララが急に日本語が上手くなった理由を誤魔化そうとひかるとこうたが割って入ってきた。

 

 

「キラキラフワー!」

 

「ん?」

 

本棚の近くをフワが自由に飛び回っているとそれをララ、えれな、まどかの3人が慌ててフワを隠した。

 

「今そこにフワフワしたものが・・・・」

 

「目の錯覚ではないでしょうか?」

 

「そうそう気のせい気のせい。」

 

「そうだ!遼じい星の部屋行ってもいい?」

 

「ん?ああ、構わんよ。」

 

それからララ達は遼じいやひかるに案内されて、『STAFF ONLY』と書かれた階段を上がっていき、その先には巨大望遠鏡とたくさんのな宇宙の写真が貼られた壁があった。

 

「オヨ〜〜!」

 

「じゃあ〜〜〜ん!ここが星の部屋だよ!」

 

「私の秘密の研究部屋さ!」

 

「綺麗ルン」

 

「私、ちっちゃい頃からここに出入りしてて、星とか宇宙が大好きになったんだ。」

 

「んで、それに俺も毎回付き合わされてるウチに俺もここが好きになったんだよなぁ」

 

こうたもひかるにほぼ毎回この部屋に連れてこられるウチに少しずつ星や宇宙に興味を持つようになったのだ。

 

「つまり、ここが星奈さん達の原点という訳ですね。」

 

「これは何ルン?」

 

「天体望遠鏡さ」

 

ララは見たことのない天体望遠鏡に興味を示した。

 

「これを使って毎晩星空の様子を観察しているんだ」

 

「遼じいは星空マイスターなんだよ!星や宇宙の事なら何でも知ってるんだから!」

 

「へぇ」

 

「いや、私にもわからない事はある。」

 

「え?遼じいにも?」

 

「近頃、どうも星空の輝きが鈍っておる。原因が何なのか私にもわからんのだよ。気のせいならば良いのだが・・・・」

 

「はっ!」

 

『残り11星座のスタープリンセスの力を取り戻さねば全宇宙の星々がいずれ消えゆきます。』

 

その時ララはおうし座のプリンセスの言葉を思い出して一刻も早くロケットを修理しなくてはと改めて決意したのだった。

 

「じゃあ私はここで、みんな!ゆっくりしていっておくれ・・・・」

 

「はぁ、このままではいずれ地球の星空も真っ黒になってしまうでプルンス!」

 

プルンスも遼じいの言葉を聞いて危機感を露にしていた。

 

「やっぱり帰るルン!」

 

「え⁉︎」

 

「早くロケットの修理を済ませて・・・・」

 

「まぁまぁ、そんなに急がなくても今日くらいここでゆっくりと・・・・」

 

「ひかる!どうして邪魔するルン?」

 

「邪魔なんかしてないよ?ここへ遊びに来て息抜きになればララの為になればと思って・・・・」

 

「私の為?」

 

「私、ララの力になりたいんだ!」

 

「・・・・ロケットの修理は私の仕事ルン!」

 

「あ、ララ!」

 

ララはひかるの静止を振り切って部屋から出て行ってしまった。

それをえれなやまどかもただ見ている事しか出来なかった。

 

「はぁ、ちょっと行って来る。」

 

そう言ってこうたもララの後を追って部屋から出て行った。

 

 

 

 

「おや?もう帰るのかい?」

 

「・・・・」

 

「ひかると何かあったな?」

 

「ち、違うルン」

 

ララは下に降りて天文台の出口付近でパンフレットの入った段ボールを運ぶ遼じいがララを呼び止めるがララはそれを無視してすれ違って行こうとしていた。

 

「そうかい、まあ話したくなければ別にいいさ。」

 

そう言って遼じいは振り向いて行こうとした瞬間に段ボールからパンフレットを落としてしまった。

 

「ドンガラガッシャン!」

 

「あ!」

 

「スマンが、ちょっと手伝ってくれんか?」

 

「え?」

 

「あ、遼じい?どうしたんだ?」

 

「おぉ、こうた!良い所に!悪いがこうたも手伝ってくれんか?」

 

「え?良いけど?」

 

そしてララとこうたは遼じいに頼まれてパンフレットを運んでプラネタリウムの中へとやって来た。

 

「オヨ?ここは?」

 

「見ての通り、プラネタリウムだよ」

 

「プラネタリウム?」

 

「ん?知らないのかね?」

 

「ルン」

 

遼じいからプラネタリウムを知らないのかと聞かれたララはそれに頷いて返事をした。

 

「そうか。・・・・おいで!今日は上映はお休みだが、特別サービスだ!ちょっとだけ見せてあげよう。」

 

「ありがとう遼じい」

 

そしてララとこうたは席に座り、天井は暗くなり、プラネタリウムの鑑賞を始めた。

 

「オヨ⁉︎夜になったルン⁉︎」

 

「ハッハハハ!ご覧、星の数がどんどん増えていくから、肉眼では見ることのできないちっぽけな星たちもね」

 

「オヨ」

 

「いつ見ても凄いな」

 

遼じいの言う通り、小さい星から大きな星までどんどん星の数が増えていった。

 

「一つ一つの星はバラバラだが、それが繋がって一つの輝きを形作る。ほら、南十字座だ。何に似ているとは思わないかい?」

 

「ルン?」

 

「星座は人と人のつながりのようだね」

 

「人と人のつながり、ルン?」

 

「君たちはまだ出会ったばかりなんだろう?これからどんな星座を作っていくのか、私は楽しみだよ」

 

ララは遼じいから言われた意味を考えながら天井で光る正座達を見つめていた。

 

「ララ」

 

「?」  

 

「ひかるはさ、ララの事が心配なんだよ。ララの事を思っているからこそ今日だってこの天文台にララを誘ったんだし」

 

「心配?」

 

「それだけ、ララの事を大事に思ってるって事、それだけはわかって欲しんだ。勿論、俺や他のみんなもな。」

 

「大事に、思う・・・・」

 

ララはその言葉の意味を考えていると突然、ララのペンダントが何かに反応して光りだした。

 

「オヨ・・・・これは!」

 

 

To Be Continued

 

 




          次回予告


突然ララのペンダントが反応してその場所へ向かうとノットレイダーの新たな幹部アイワーンとその執事バケニャーンがいた。

アイワーンがダークペンの力で生み出したノットリガーに苦戦するプリキュア達・・・・

だが、その戦いの中でプリキュア達に新たな絆が芽生えようとしていた。

次回、『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第13話 闇の力なんかに負けない!ダークペン出現! 後編

次回も楽しみに!







次回の後編が終わった後に新しく始まる新章の予告を一足早くお届けします。


(一部ネタバレも含みますので、それが嫌という人は見ない事をオススメします。) 

それではどうぞ!



  新章予告①


夜空の星を望遠鏡で見ていたひかる達は、突如宇宙にワープしてしまう。

『ルン⁉︎別の宇宙にワープしちゃったルン⁉︎』

そこへ更に「HUGっと!プリキュア」と「キラキラ☆プリキュアアラモード」のメンバーもワープしてきた。

『あ!ひかるちゃん!こうた君!』

『はなちゃん⁉︎』

そんな彼女達が出会ったのは惑星ミラクルにあるミラクルステーションで働く見習い職人のピトン。

『ピトンは「ひよこ」じゃないピト!ピトンって名前がちゃんとあるピト!』

そして突如、彼女達にミラクルステーションを襲った闇の魔物達が襲いかかる!

『何なの⁉︎貴方達⁉︎』

『突然襲って来るなんて・・・・』

『失礼なのです!』

その戦いの中でプリキュア達はそれぞれが別々の星へと飛ばされてしまう。
そんな彼女達に追い討ちをかけるかのようにその闇を発生させた容疑がプリキュア達とピトンにかけられて追われる身に・・・・

『私達が助かる可能性は0.3%以下』

『でも、それだけあれば』

『十分かな。』

『ピトン!みんなで力を合わせて、ここから抜け出そう!』

『ピトンに任せるピト!』

プリキュア達とピトンは力を合わせてミラクルステーションを目指す!

『ピト!ピトンは行くピト!』

『行けーー!ピトン!』

だが、敵はあまりにも強大で次々と倒れていくプリキュア達。

しかし・・・・

『行きますよ!』

『今こそ、一つになる時!』

プリキュアの・・・・ウルトラマンの・・・・みんなの想いが奇跡を起こす!

『これが俺達!プリキュアとこの宇宙に生きるみんなの力だ!』


『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第2章 ミラクルユニバース編

2021年8月 投稿開始予定

お楽しみ!


今後も新章が始まる前にはこのような新章予告をお届けしていくので良ければ見ていって下さい。

それでは皆さん、次回もお楽しみ!


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第13話 闇の力なんかに負けない!ダークペン出現! 後編

今回よりノットレイダーの科学者アイワーンとその執事バケニャーンが登場します。

それでは本編へどうぞ!


「アイワーン様、例の物の扱いはどうか慎重に」

 

「はぁ?アタイが失敗するとでも?」

 

「いえ」

 

天文台の前にある広場の上空にワープホールが開き、中からノットレイダーのメンバーであるアイワーンとその執事バケニャーンが地上に降りてきた。

 

 

 

その頃、ペンダントが反応した場所へ向おうと天文台を出ようとしていたララとこうたは出口付近でひかる達と遭遇する。

 

「あれ?ララ、戻ってきてくれたんだ。」

 

「悪いひかる、今はそれどころじゃないんだ。」

 

「そうルン!ペンが近くにあるルン!」

 

みんなはララのペンダントの反応を辿って外へ出るとそこにはアイワーンとバケニャーンが立っていた。

 

「まさかノットレイダーでプルンス⁉︎」

 

「見てよバケニャーン!プリキュアって揃いも揃って間抜け面だっつーの!」

 

「ルン⁉︎ま、間抜け面⁉︎」

 

「何なの、あの生意気な子!」

 

間抜け面と聞いて流石にえれなも怒ったのかいつもより少し強めの口調で喋っていた。

 

「くぅ〜っ、アタイは子供じゃないっつーの!」

 

「失礼ですよ。ノットレイダー1の超天才科学者アイワーン様に対して」

 

「ふん!アンタ達こそガキだっつーの!こんなつまらなそうな所で遊んでさ。」

 

「つまらないって・・・・ここは俺やひかるに遼じい、そしてみんなにとって大切は場所なんだ!」

 

「こうたの言う通りだよ!ここは私の大大だーい好きな場所なんだから‼︎」

 

こうたとひかるは自分達の大切な場所を馬鹿にされたのが許せなかったのかアイワーンの言葉に対して強く反発した。

 

「大好きねぇ。ケヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!だったらアタイが消してやるっつーの!」

 

そう言ってアイワーンが右手を上にあげるとその右手には黒く染まったペンがあった。

 

「あの黒いペンは」

 

「あのペンに反応していたでプルンスか?」

 

「もしかして、あれもプリンセススターカラーペンなのか?」

 

「ケヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!これはプリンセススターカラーペンを闇に染めたダークペンだっつーの!」

 

「ダークペン?」

 

「おや、ひかる?」

 

すると騒ぎに気づいたのか、遼じいが館内から外へ出てきた。

 

「遼じい!逃げて!」

 

「ん?」

 

「良い実験台見つけたっつーの!」

 

そう言いニヤリと笑うと、アイワーンはダークペンを構える。

 

「ダークペン!イマジネーションを塗りつぶせっつーの!」

 

アイワーンはダークペンを使ってハートの形を描くがそれはプリキュア達がペンで描く色に比べてとても禍々しく、そのハートは真っ直ぐ遼じいの所へ飛んでいき直撃してしまう。黒いハートの中に閉じ込められてしまうと、それを核に天体望遠鏡のような化け物が姿を表した。

 

「ノットリガー!」

 

「遼じい!」

 

「星なんか見たってしょうがないよね?」

 

「ああ、天文台なんて下らん。」

 

体育座りをした姿で中心の黒いハートの中に閉じ込めらてしまった遼じいはアイワーンに向けてそう答える。アイワーンはその様子を見ると嬉しそうに笑った。

 

「ケヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!実験成功~!」

 

「遼じいに何をしたの⁉︎」

 

「見てわかんないの?想像力を塗りつぶしてモンスターに変える。これがダークペンの力だっつーの!」

 

「星座なんぞ何の価値もない・・・・」

 

「はっ」

 

その時ララは遼じいと一緒にプラネタリウムを見ていた時に遼じいから言われた言葉を思い出した。

 

「ひどいルン・・・・」

 

「なんてことを!」

 

「遼じい・・・・」

 

「天文台なんてアタイがぶっ壊してやるっつーの!」

 

「そんなことさせないルン!」

 

「あぁ!アイツを止めて遼じいも助け出す!」

 

「皆行くよ!」

 

ひかるの言葉でみんなそれぞれ自身のペンを構えてプリキュアに変身する体制に入った。

 

 

 

『スターカラーペンダント!カラーチャージ!』

 

『キラめく~星の力で~!憧れの~私描くよ~!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『スター☆トゥインクル〜!スター☆トゥインクルプリキュア~~!』

 

 

「宇宙(そら)に輝く〜キラキラ星!キュアスター!」

 

「天にあまねく〜ミルキーウェイ!キュアミルキー!」

 

「宇宙を照らす!灼熱のきらめき!キュアソレイユ!」

 

「夜空に輝く!神秘の月明かり!キュアセレーネ!」

 

「光輝く聖なる宇宙!キュアスペース!」

 

 

『スター☆トゥインクルプリキュア‼︎』

 

そしてプリキュアが5人になって初めて全員での名乗りを終えて最後は全員揃って決めポーズを取った。

 

 

「やっちゃいな!ノットリガー!」

 

「ノットリガー!」

 

アイワーンの指示を受けてノットリガーは叫びながらスコープから星形のエネルギー弾を発射した。

 

「ふっ」

 

それをプリキュア達はジャンプして回避した。

 

「ノットリガー!」

 

『うわぁ!』

 

しかしノットリガーはスタンドを足代わりにしてプリキュア達を追跡して続けて攻撃されてスター、ソレイユ、セレーネはノットリガーのエネルギー弾による攻撃を受けてしまった。

 

「ん?」

 

スペースとミルキーをそれを避けてミルキーは左から、スペースは右からそれぞれノットリガーに近づこうとしていた。  

しかしスペースとミルキーはノットリガーの連続攻撃を回避しきれず攻撃を受けてしまう。

 

「ケヒャヒャヒャ・・・・ん?」

 

「止まれーーっ!」

 

移動中のノットリガーのスタンドをスターが押さえて動きを必死に止めようとしていた。

 

「はぁぁぁっ!」

 

ソレイユが高くジャンプしてノットリガーの頭上から炎を纏った左足で飛び蹴りを仕掛けてヒットするが、ノットリガーはすぐに体制を立て直してソレイユに攻撃してソレイユはそのまま吹き飛ばされてしまった。

 

「ソレイユ!っ!うあああっ!」

 

スターはソレイユに気を取られている隙にノットリガーはスターが掴んでいる自身の足を浮かせて大きく振りかぶって蹴る素振りをしてスターはノットリガーの足を離して飛ばされてしまった。

 

 

「最高だっつーの!」

 

そんなアイワーン達の背後からセレーネが弓に矢を構えて飛ばそうとするが天体望遠鏡の形をしているノットリガーはスコープを回転させてセレーネより早く攻撃してそれを受けたセレーネは後方へと飛ばされてしまう。

 

「うぅぅぅ!」

 

「ケヒャヒャヒャ」

 

「うっ・・・・ノットリガーを・・・・止めなければ!」

 

「そんな事、お前達のようなガキが出来る訳ないっつーの!」

 

「はっ!」

 

ノットリガーはつかさずセレーネに向けてエネルギー弾を発射した。

 

「はあああっ!」

 

それをスペースがノットリガーとセレーネの間に入り、右足にエネルギーを集中してその右足を右回転で回し蹴りする事でエネルギー弾を弾き飛ばした。

 

「何っ⁉︎」

 

「セレーネ、大丈夫か?」

 

「はい。ありがとうございます。ですが・・・・」

 

「どうすれば、止められるの?」

 

「諦めてたまるか!絶対に遼じいを助けてみせる!」

 

すると、セレーネを立ち上がらせながら支えていたスペースのペンケースの中が光り輝き、中からペンを取り出すと以前と同じようにギンガのペンが光り輝いていた。

 

「ギンガのペンが・・・・力を、貸してくれるのか?よし!セレーネ、ちょっと行ってくる。」

 

「はい。お気をつけて。」  

 

スペースはセレーネの前へと駆け出してセレーネから少し離れた場所で止まるとスペースのペンダントが変身前の形に戻りそれをスペースは手に取った。

 

「ウルトラスターカラーペン!ギンガ!ウルトラカラーチャージ!」

 

スペースはプリキュアに変身する時と同じようにペンをペンダントのキャップの部分に挿入し、それを抜いて星のマークを描く。

そしてペンの先でもう一度ペンダントの星の部分をタッチしたらペンの先から虹色の光の線が現れ、プリキュアに変身する時のようにその光の線がスペースと接触するとスペースの姿が少しずつ変化していき、キュアスペースはキュアスペースギンガに変身した。

 

「姿が変わったからって同じだっつーの!ノットリガー!」

 

「ノットリガー!」

 

ノットリガーはスペースに目掛けてエネルギー弾を発射する。

しかしスペースはその場から一歩も動かずに両手をクロスした。

 

「プリキュア!ギンガセイバー!」

 

スペースギンガの右腕を斜め下に伸ばすと右腕のクリスタルから伸びた光が光の剣へと姿を変えてスペースはそれを振りノットリガーのエネルギー弾を切り裂いた。

 

「こんのぉ!ノットリガー!打って打って打ちまくれっつーの!」

 

「ノットリガー!」

 

「ふっ!はっ!でやっ!」

 

ノットリガーはそれから3発連続でエネルギー弾を放つがスペースはギンガセイバーでそれを全て切り裂いた。

 

「凄い!」

 

「でも、これじゃあキリがないよ。」

 

スターはスペースの剣さばきに興奮しているが、ソレイユの言う通りノットリガーの攻撃には対応出来ているが今のままではノットリガーを倒せない。

 

(あのペンを取り返せば!)

 

ペンを取り返せば何とかなると思ったミルキーはノットリガーに向かって一人で突っ込んで行った。

 

「ミルキー!」

 

「ダメだ!戻れ!」

 

スターとスペースの声を聞かずにミルキーは真っ直ぐアイワーンに向かって飛びかかった。

 

「隙だらけだっつーの」

 

「ノットリガー!」

 

ミルキーは至近距離でノットリガーのエネルギー弾を受けてそのまま後方の森の方へとエネルギー弾ごと飛ばされていった。

 

「ミルキー!」

 

それをスペースは高速で移動し先回りしてミルキーと大きな木の間に割って入り、スペースはミルキーを後ろから受け止めた。

 

「ぐっ」

 

「スペース⁉︎」

 

しかし、その衝撃までは受け止めきれずスペースの背中は後ろの木に激突して2人は木の下へと落ちた。

 

「いってぇ」

 

「スペース、大丈夫ルン?」

 

「大丈夫大丈夫。これくらい問題ない。ミルキーこそ怪我はないか?」

 

「私は、大丈夫ルン。」

 

「そっか、良かった。」

 

「・・・・ごめんルン。」

 

「え?」

 

するとミルキーは下に俯いたままスペースに謝ってきた。

 

「私のせいで、スペースに迷惑をかけたルン。」

 

「そんなの気にしてないよ。仲間なら助け合うのは当たり前だろ!」

 

「仲間・・・・」  

 

「ケヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!ノットリガー、あのお間抜けプリキュアとお人好しプリキュアにトドメをさして、プリンセスの力奪えっつーの!」

 

「くっ」

 

するとミルキーとスペースの前にスター、ソレイユ、セレーネの3人がミルキー達の楯になるかのように立ちはだかった。

 

「え?」

 

「手出しはさせません!」

 

「あたしたちが相手になるよ!」

 

「ミルキーとスペースは私達が守る!」

 

「はっ!」

 

『私、ララの力になりたいんだ!』

 

『仲間なら助け合うのは当たり前だろ!』

 

(バラバラだけど、1つの輝き・・・・)

 

その時、ミルキーはひかるとスペース、そして遼じいの言葉を思い出してその目で他のプリキュア達を見た時にミルキーはある決意をした。

 

「みんな!」

 

『っ!』

 

「ミルキー?」

 

「力を貸してほしいルン!」

 

「ミルキー!うん!」

 

スター達は嬉しそうにミルキーの元に集まりスターがその手を伸ばすとミルキーはその手を取って立ち上がり、スペースもソレイユとセレーネに支えられながら立ち上がった。

 

「ありがとう。」

 

「どういたしまして。」

 

「一緒に頑張りましょう!」

 

「無駄だっつーの、ノットリガー!」

 

「ノットリガー!」

 

「・・・・みんな、行くルン!」

 

「うん(はい)(おう)!」

 

そして5人は横一列に並んで走り出した。

 

 

「ノットリガー!」

 

『はあああああっ!』

 

エネルギー弾が飛んできたところでセレーネがジャンプした。

 

「プリキュア!セレーネアロー!」

 

ノットリガーのエネルギー弾とセレーネの矢が激突して相殺され互いに消滅した。

だが、ノットリガーもセレーネも攻撃を止める事なく打ち続けては相殺され続けてそして最後にはセレーネの矢がノットリガーに直撃した。

 

「打ち負けた⁉︎」

 

「今です!」

 

セレーネの声を受けて今度はソレイユがジャンプした。

 

「プリキュア!ソレイユシュート!」

 

ソレイユの技がノットリガーのスコープに直撃してノットリガーは大きく後退った。

 

「なにやってるんだっつーの!」

 

「やあああああっ!」

 

その隙にスターが右手に小さな星の形のエネルギーを集めてその拳でアイワーンを攻撃するが、アイワーンはそれをジャンプしてかわした。

 

「ふっ、くらうかっつーの」

 

「スペース!」

 

「おう!」

 

「え?何⁉︎」

 

スターに意識を集中していたアイワーンはスペースが近づいてきていた事に気づかずそのままスペースはアイワーンの持っていたペンを奪い取った。

 

「隙だらけだぜ!ミルキー!」

 

スペースは地上にいるミルキーの所まで飛んでいき、ペンをミルキーに渡した。

 

「はいこれ」

 

「ありがとルン!」

 

そしてミルキーがペンを持った途端ペンが光り出してペンは元の色を取り戻して青色のペンになった。

 

「フワ!」

 

「しし座のプリンセススターカラーペンでプルンス!」

 

「・・・・スペース!一緒に!」

 

「あぁ!いくぞミルキー!」

 

「ルン!」

 

ミルキーはペンを見つめた後、スペースに声をかけてスペースもそれを了承した。

ミルキーのペンダントもスペースのように変身前のペンダントに戻るとミルキーはペンをペンダントに差し込み星の形を描いた。

 

「プリキュア!しし座・ミルキーショック!」

 

ミルキーのセンサーから放たれた電撃は獅子が駆けて行くような感じでノットリガー向かって飛んでいった。

 

その横でスペースは両腕を前方でクロスさせた後、S字を描くように左右に大きく広げてから腕を構えてその時にスペースの身体の周りのクリスタルは青く輝いていた。

 

「プリキュア!ギンガクロスシュート!」

 

スペースは広げた両手を左腕は右肘に拳を当てる形でL字型に組みその右腕から光線が発射されて、ギンガクロスシュートが真ん中からミルキーショックが左右からそれぞれノットリガーに直撃してノットリガーは浄化されて中から遼じいが現れた。

 

「ノットリガー・・・・・・・・」

 

「アイワーン様、だからあれ程申しましたのに・・・・」

 

「最初の実験としては十分な成果だっつーの。」

 

アイワーンとバケニャーンは自分達の真上に現れたワープホールの中に入っていきどうやら撤退したようだ。

 

その後、トゥインクルブックにしし座のプリンセススターカラーペンを差し込んでトィンクルブックをしし座のプリンセススターカラーペンでタッチするとそこにはしし座の星座が浮かび上がった。

 

「フワ・・・・しし座フワ!フーーーワーーー!」

 

フワの容姿が獅子のような姿に変化すると、今度はフワの掛け声とともに全員スターパレスへと移動させられた。

 

「星の輝きーーー戻るフーーーワーーー‼︎」

 

フワから青い星形の光が放たれると、その光が飛ばされた場所に光が満ちて、そこにしし座のスタープリンセスが姿を表した。

 

「しし座のスタープリンセスがスターパレスに戻ったでプルンス~!」

 

「プリキュア、感謝します。仲間を信じ、助け合う想像力、それこそが貴方達の力です。」

 

「ルン!」

 

しし座のスタープリンセスの言葉に対してミルキーが真っ先に返事をした。

どうやら今回の事でミルキーは仲間の大切さを誰よりも理解したようだ。

 

「5人の力を合わせて残り10本のペンを集めて下さい。この宇宙を闇から救う為に・・・・」

 

 

 

そして場所は地球に戻り、遼じいが目を覚ますと側にはひかる達が付き添っていた。

 

「ここは・・・・」

 

「遼じい、大丈夫?」

 

「はて?怪物を見たような・・・・」

 

「き、気のせいじゃない⁉︎」

 

「こんな所にいたら風邪をひきますよ。」

 

遼じいは僅かにだが記憶があるのか怪物の事を思い出そうとするとえれなとまどかが苦笑いをしながらそれを誤魔化そうとしていた。

それからみんなは遼じいを連れて天文台へと戻って行った。

 

それから夜になり、天文台近くのベンチにひかる達は座りながら夜空を見上げていた。

 

「キラやば~っ☆」

 

「綺麗だねぇ」

 

「あ!流れ星!」

 

「ルン?流れ星?」

 

「流れ星に願い事をすると願いが叶うって言われてるんだよ。」

 

「願い事、ええと・・・・ええと・・・・」  

 

「もう消えちゃったよ。」

 

「うぅぅ」  

 

するとララは両手を合わせて願い事をしだした。

 

「ララ?」

 

「ロケットの修理、みんなにも手伝って欲しいルン」

 

「勿論!」

 

「ララ一緒に修理しよう。」

 

「わたくしも精一杯お手伝いします!」

 

「俺も!みんなで協力して必ずロケットを直そう!」

 

「プルンスも頑張るでプルンス!」

 

「ルン!」

 

「フワ!」

 

「よぉし!みんなで力を合わせてロケットを修理するぞぉ!」

 

『おーー!』

 

ひかるの言葉を受けて全員が立ち上がりみんなで左手を頭の上にあげて全員で頑張る事を改めて誓ったのであった。

 

「そうだ!修理も大事だけど、折角こんなに星が綺麗なんだし遼じいに天体望遠鏡を借りて星の観察をしてみるのはどうだ?」

 

「それ良い考えだよ!」

 

「ルン!私も見てみたいルン!」

 

「じゃあちょっと遼じいの所に行って天体望遠鏡を借りてくるからちょっと待ってて。」

 

「あ、私も手伝うよ。」

 

「わたくしも行きます。」

 

こうたは天体望遠鏡で星の観察をしようと言い出しひかる達がそれに賛成し、こうた達は天体観測をする事になった。

 

 

 

 

 

To Be Continued

 

 

 

 

 




         次回予告


天体観測をしていたひかる達だったが突然見た事のない宇宙に飛ばされてしまう。

そこではな達と再会し、他の女の子達も飛ばされて来てしまう。

そこでひかる達はロケットを背負ったひよこのような宇宙人と出会うのだか・・・・



次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』


第14話 何でいきなり宇宙⁉︎ピトンとの出会い!

次回より第2章がスタート!

お楽しみ!


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第2章 ミラクルユニバース編
第14話 何でいきなり宇宙⁉︎ピトンとの出会い!


今回より第2章 ミラクルユニバース編がスタートします。

それではどうぞ!



こうたの提案で天体観測をする事になったひかる達は遼じぃから2台の天体望遠鏡を借りてきて今まさに天体観測をしている真っ最中であった。

 

「キラやば~っ☆」

 

「何か見えるルン?」

 

「こっちもすご〜い!」

 

「私にも見せて下さい。」

 

「俺も俺も!俺も見たい!」

 

ひかるが天体望遠鏡で光り輝く星々をじっくりと見ていた。

 

「行ってみたいなぁ。あそこまで。」

 

「でも近くに見えても物凄く遠いルン。」

 

「行けないのぉ?」

 

「まぁ、そう簡単にはいかないだろうな。」

 

「そんなぁ〜っ」  

 

ひかるは天体望遠鏡で見た星に行ってみたいと言いだすが、ララとこうたの言葉を聞いてしょんぼりしてしまう。

 

「ふふっ、さてとお茶でも入れようかな。」

 

そう言ってひかる達の近くで本を読んでいた遼じぃは言葉通りお茶を入れに天文台の方に戻って行った。

 

「わりと近くに見えるんだけどなぁ」

 

ひかるは諦めていないのか天体望遠鏡で再び星達を見始めた。

 

「ん⁉︎」

 

「フワ?」

 

「んんっ?」

 

ひかるがいきなり大きな声を出してフワとプルンスがひかるの近くまでやってきた。

 

「はぁ〜」

 

ひかるは天体望遠鏡で星が強く輝いているのを目撃した。

 

 

 

その頃、惑星ミラクルのミラクルステーションの中にあるミラクルライト製造工場では最後の仕上げとしてスポイトのような物で中の液体をミラクルライトに当てるとミラクルライトが光る事でミラクルライトは完成するのだ。

 

「はぁ、かったるいピト。」

 

そこで働く見習い職人のピトンはその作業をめんどくさがって他の人達は手でしっかり作業しているのに対してピトンは足を使って作業していた。

 

「もう見習いはうんざりだピト、ピトンは早く立派なミラクルライトの職人になりたいピト。」

 

どうやらピトンはこの誰でも出来るような作業ではなくもっとしっかりとした作業をしてミラクルライトを作りたいと思っていた。

 

そんな中でピトンのスポイトから垂れた液体を受けたミラクルライトから突然闇のエネルギーが発生した。

 

「ピト?ミラクルライトが・・・・」

 

その闇は他のミラクルライトにも影響を与えて闇は瞬く間に増殖してそこにあった他のミラクルライトも闇に染まっていった。

 

「ピトンは・・・・ピトンは・・・・何もしてないピト。」

 

この状況をピトンは受け入れられずにいた。

 

「おぉ、これはいったい⁉︎」

 

「大統領様、見習いのピトンが何しでかしたようです。」

 

「ミラクルステーションの一大事じゃ!ヤンゴ!何とかするのじゃ!」

 

「そう言われましても・・・・」

 

そこではフクロウのような姿をした惑星ミラクルの大統領と呼ばれる妖精とその大統領の側近であるヤンゴと呼ばれるメガネをかけたカラスのような姿をした妖精が話をしていた。

 

そんな中で闇は次々とミラクルステーションの中にあるミラクルライトを吸収してどんどん大きくなっていった。

 

「うっ、ううっ・・・・」

 

ピトンは怯えながら首からかけていたミラクルライトを自身の嘴に加えてヘルメットを装着した。

だが、ピトンの目の前では闇に触れた人達が次々とその場に倒れていってピトンはそれが怖くて仕方なかった。

 

そしてその闇が今度はピトンを襲おうとした時にピトンのミラクルライトが強く光り輝くと同時にピトンは強く願った。

 

『プリキュアーーーッ‼︎』

 

「うわぁ!すっごい星発見!」

 

ひかるが光り輝く星を見つけるとひかる達の頭上が突然光り輝きひかる達がその光に包まれると2台の天体望遠鏡を残してひかる達の姿はもうそこにはなかった。

 

『うわあああああ(オヨォォォォ)っ!』

 

光の先に出てみると、そこには見た事のない宇宙が広がっていた。

 

「ルン⁉︎別の宇宙にワープしちゃったルン⁉︎」

 

「キラやば~っ☆宇宙!」

 

「でも、宇宙って空気が無いのでは?」

 

「私達、人生にチャオって訳⁉︎」

 

「いや、そうやって会話出来てるって事はちゃんと呼吸が出来てるって事だろ?」

 

「ふー、はー、ふー、はー、大丈夫!あれ?でも・・・・落ちてる⁉︎」

 

「何で宇宙空間にいるのに落ちてるんだよぉ!」

 

 

『うわあああああっ!』

 

こうた達は宇宙空間にいるのに何故か下に向かって落ちていった。

 

と、そこに小さなロケットが宇宙ステーションのような建物の天辺から出てきた。

 

「あ!ロケット!こっちこっち!」

 

「でもあれ、何かちっちゃくないか?」

 

ロケットが近づいてくるがそのロケットは近づいてくるに連れて徐々にそのロケットが小さい事に気づく。

 

「ていうか、こっち見てない」

 

えれなの言う通りロケットの中にいる相手は目を瞑ったままこっちに向かってくるのでこのままでは激突してしまう。

 

「ぶ、ぶつかる〜っ!」

 

そしてロケットは見事にひかる達と激突するとこうたはロケットの本体に捕まり、ひかるはそのロケットを操縦している人の足を掴んでいて、そのひかるの足をララが、そのまた足をえれな、まどかと順番に上の人の足を掴んで全員が落下している状況を打開する事に成功した。

 

「ピヨ、ピヨ〜ッ!」

 

「え?」

 

するとそのロケットの操縦する人が咥えている物が光ると先程こうた達が通って来た光が再び現れて中から見覚えのある人物達が落ちてきた。

 

『うわあああああっ!』

 

「あ!ひかるちゃん!こうた君!」

 

「はなちゃん⁉︎」

 

「あれ?また来るぞ?」

 

『うわあああああっ!』

 

こうたの言う通り今度は見た事のない女の子達6人と妖精であろう存在が2人落ちてきてみんながまどかの下で今ひかる達がやっているように上の人の足を掴むようにして捕まっていた。

 

「あれ?うわっ!うわっ!」

 

そしてロケットがエンジンがオーバーヒートして止まってしまった。

流石にここにいる全員の重さに耐えきれなかったようだ。

 

「ピトーッ、オーバーヒートだピト!」

 

「あっ、あぁ・・・・」

 

「ピト?」

 

『可愛い!ひよこさんだぁ!』

 

「ガクッ、んな事言ってるかよ。」

 

女の子達がひよこの姿をしたパイロットを見てそう言うとこうたは人がボケた時にコケるような感じで一瞬ガクッと身体を動かすとそれに対してツッコミを入れた。

 

「ひ、ひよこ・・・・、プゥゥゥ!ピトンは「ひよこ」じゃないピト!ピトンって名前がちゃんとあるピト!」

 

「ピトン?ありがとうピトン。私達を助けてくれて。」

 

「ありがとう。」

 

「ピト?」

 

ひかるとこうたがピトンにお礼を言うとピトンは状況が理解出来ずにいた。  

 

「私はひかる!よろしく!」

 

「俺の名前はこうた!よろしくなピトン!」

 

「ひかる・・・・こうた・・・・」

 

ひかる達が自己紹介をしていると宇宙ステーションのような場所から闇が溢れ出てきていた。

 

「フワ?」

 

「何でプルンス?」

 

 

 

 

 

To Be Continued

 

 




         次回予告

ひかる達を囲い込むようにして襲いかかる巨大な闇

その闇に立ち向かうべくプリキュア達は変身して立ち向かう。

先輩プリキュア達の前でひかる達も戦おうとするのだが・・・・


次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』


第15話 どうして⁉︎ 失敗する連携


次回も楽しみに!



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第15話 どうして⁉︎ 失敗する連携

第2章の2話目です。

そしてプリキュア3チームが変身して戦います。

それではどうぞ!


ミラクルステーションを覆っていた闇が今度はこうた達の周りに囲むように展開されて確実に仕留めようしているのかジワジワと近づいてきた。

 

 

「ピトーッ!早く手を離すピト!」

 

『ダーク!ダーク!』

 

「何あれ⁉︎」

 

「めちょっく!」

 

「悪い予感」

 

「逃げるピト!」

 

闇はすぐそこまで迫ってきた。

 

『ダーク!ダーク!』

 

『うわああああっ!』

 

「ピトーッ!」

 

闇達の攻撃を受けて防戦一方のこうた達だっが・・・・

 

『ミライクリスタル!ハートキラッと!』

 

『はぁぎゅ~~!』

 

はな達がそれぞれの変身アイテムを使って変身する体制に入った。

 

「輝く未来を〜抱き締めて!みんなを応援!元気のプリキュア!キュアエール!」

 

「みんなを癒す!知恵のプリキュア!キュアアンジュ!」

 

「みんな輝け!力のプリキュア!キュアエトワール!」

 

「「みんな大好き!愛のプリキュア!」」

 

「キュアマシェリ!」

 

「キュアアムール!」

 

『HUGっと!プリキュア!』

 

こうして「HUGっと!プリキュア!」のメンバーの変身が完了した直後には・・・・

 

『キュアラモード・デコレーション!』

 

『レッツ・ら・まぜまぜ!』

 

他の子達も変身する体制に入ると・・・・

 

「キュアホイップ!出来上がり!」

 

「キュアカスタード!出来上がり!」

 

「キュアジェラート!出来上がり!」

 

「キュアマカロン!出来上がり!」

 

「キュアショコラ!出来上がり!」

 

「キュアパルフェ!出来上がり!」

 

『キラキラ!プリキュアアラモード!』

 

続いて「キラキラ!プリキュアアラモード!」のメンバーも変身を完了させるとみんなそれぞれが闇に向かっていった。

 

「あれって!」

 

「あの方達は・・・・」

 

「プリキュア!」

 

「ルン!私達以外にも・・・・」

 

「うん!キラやば~っ☆」

 

「伝説のプリキュア」

 

こうた達はみんな自分達以外にのプリキュアがいて、しかもこんなにもした事に驚いていて、ピトンも伝説の戦士であるプリキュアを見る事が出来て興奮していた。

 

「何なの⁉︎貴方達⁉︎うっ・・・・くっ・・・・はぁ!」

 

エールは闇に身体を締め付けられるが自力で闇を振り払い脱出した。

 

「突然襲って来るなんて・・・・」

 

「失礼なのです!」

 

アムールもマシェリは背中合わせになると2人とも自身のギターのような物を取り出してそこから放たれるハート形の光線を互いに回転しながら全方位に向けて放っていた。

 

「マシェリポップ!」

 

「アムールロックンロール!」

 

『ダーク・・・・』

 

その攻撃を受けて闇は次々と消滅していった。

 

「なんか聞く耳を持たないって感じ?」

 

「仕方ないね。」

 

今度はエトワールとアンジュが背中合わせになってそれぞれの武器を持って攻撃した。

 

「スタースラッシュ!」

 

「フェザーブラスト!」

 

4人のプリキュアの攻撃で覆われていた闇を後一歩で追い払える所まできていた。

 

「フラワーシュート!」

 

そこにエールの光線も加わって5人の放った技の形がまるで蕾から咲いたひまわりのような形をしていた。

 

 

 

 

「キラキラキラルン!」

 

そして今度は自身のキャンディロッドを上に放り投げて受け取ったホイップのキャンディロッドの先端から放たれたクリームエネルギーは頭上へと飛んでいき、そこにマカロンとショコラがクリームエネルギーを挟む形で向かい合う。

 

「行くよ。」

 

「優しくね。」

 

「マカロン・ジュリエンヌ!」

 

「ショコラ・アロマーゼ!」

 

2人はホイップのクリームエネルギーを中心に回転しながらマカロンが放つクリームエネルギーでショコラの作ったチョコのプレートを闇に押し付けるような形で2人の合体技が全方位に放たれた。

 

そんなショコラの放ったチョコのプレートを足場にしてカスタードとジェラートは移動していた。

 

「素早さなら任せて下さい!」

 

「パワーなら任せて!」

 

「カスタード・イリュージョン!」

 

「ジェラート・シェイク!」

 

カスタードは2つのサクランボを作り出すとそのサクランボが無数の黄色のエネルギー弾となって闇に向かって放たれた。

ジェラートの技も大きな氷を作り出し、連続パンチで砕いた氷を闇に向かって飛んでいった。

 

「パルフェ・エトワール!」

 

そこにパルフェの長いリボンのような技も加わりみんなの技が闇全体にいきわたろうとしていた。

 

「よぉし!まぜまぜ!」

 

ホイップは頭上に放ち続けていたクリームエネルギーをキャンディロッドを持つ右手首を回転させる事でそのエネルギーを混ぜてそこから技を放とうとしていた。

 

「ホイップ・デコレーション!」

 

するとロッドの先にイチゴが添えられた大きいホールのショートケーキの形をしたエネルギー弾が現れてそれを頭上に放った。

 

『はあああああっ!』

 

そこに他のプリキュア達の力も加わると「HUGっと!プリキュア!」の作ったひまわりの下に2段の巨大なホールのイチゴのショートケーキが産まれた。

 

『みんなの力を合わせて!』

 

その掛け声とともに2組のプリキュアの力は一つになりショートケーキは2段のショートケーキから3段のショートケーキへと更に大きく変化し、そのエネルギーは光となって闇全体へと広がっていった。

 

その光景をピトンやひかる達は尊敬の眼差しで見ていた。

 

「プ、プリキュアとともに!」

 

『?』

 

ピトンが突然発した言葉に近くにいたフワやプルンス、他のプリキュア達の仲間のみんなも頭に?マークを浮かばせていた。

 

「ふふっ、驚くのはまだ早いよ!」

 

「そうそう。」

 

「ピト?」

 

「行くよ!」

 

『あぁ(ルン)(うん)(はい)!』

 

そう言ってひかる達はペンダントとペンを取り出した。

 

『スターカラーペンダント!カラーチャージ!』

 

『キラめく~星の力で~!憧れの~私描くよ~!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『スター☆トゥインクル〜!スター☆トゥインクルプリキュア~~!』

 

 

「宇宙(そら)に輝く〜キラキラ星!キュアスター!」

 

「天にあまねく〜ミルキーウェイ!キュアミルキー!」

 

「宇宙を照らす!灼熱のきらめき!キュアソレイユ!」

 

「夜空に輝く!神秘の月明かり!キュアセレーネ!」

 

「光輝く聖なる宇宙!キュアスペース!」

 

 

『スター☆トゥインクルプリキュア‼︎』

 

 

「えぇ⁉︎あの子達も⁉︎」

 

「うんうん!」

 

「アイツらも⁉︎」

 

先輩プリキュア達もピトンもひかる達がプリキュアだった事に驚いていた。

 

「ふっ!プリキュア!スターパンチ!」

 

「プリキュア!ミルキーショック!」

 

「プリキュア!ソレイユシュート!」

 

「プリキュア!セレーネアロー!」

 

「はあっ!プリキュア!スペースレイ!」

 

スター達はそれぞれの技を使って迫ってくる闇に向かって対抗していた。

その姿にピトンは見惚れてしまっていた。

 

「伝説の・・・・プリキュア」

 

そしてその光景は大統領やヤンゴ、そのヤンゴが指揮する警察組織「宇宙警備隊」のメンバーも映像を通じて見ていた。

 

「あの者たちが?」

 

「確かに、信じがたい事ですが・・・・」

 

「伝説のプリキュアじゃと⁉︎」

 

「カア」

 

「ホウ。」

 

その光景を見ていたピトンはある事に気づいた。

 

「ピトンのミラクルライトが呼んだピト。」

 

「おぁ!それはミラクルライトじゃば!」

 

「ピトンが作ったピト!」

 

「ホンマ手作りや!」

 

ピトンの作ったミラクルライトに長老やハリーそれに他のみんなも興味津々だった。

 

「プゥゥゥ!ミラクルライトは珍しくないピト!ココは全宇宙を照らすためのミラクルライトを作ってる星だピト!」

 

『えぇぇぇぇ!』

 

「何と!」

 

「ミラクルライトがこんな所で」

 

「本当に実在したでプルンス」

 

「フワ!」

 

『ダーク!ダーク!』

 

そうしている間に闇達も力を上げてプリキュア達が生み出した光のバリアに襲いかかって来た。

 

「くぅ、重い、支えきれない!」

 

「この闇に押し潰されちゃう!」

 

光のバリアに少しずつだがヒビが入れだしていた。

 

「くっ」

 

「あ!スペース!」

 

それを心配したスペースは知り合いであるエール達の元へ飛んで行き様子を見に行った。

 

「みんな大丈夫?」

 

「大丈夫じゃないかも・・・・」

 

「だね。このままだと、ちょっとヤバいかも。」

 

スペースが大丈夫か聞くとエールは大丈夫じゃないと言って、エトワールもこのままだとまずいと言った。

 

「だったら!俺の技で一発ガツンと・・・・」

 

「待って!今ヘタに刺激したらこっちのバリアも壊れちゃうかもしれない!」

 

スペースが攻撃をしようとするとアンジュがそれをやめるように伝える。

 

「じゃあどうすれば・・・・」

 

 

 

 

「プリキュア・・・・」

 

その頃ピトンが心配そうに見つめている時に長老は何かを思いついた。

 

「ミラクルライトじゃば!」

 

「ピト?」

 

「そのミラクルライトでもっとプリキュアを呼ぶじゃばよ!」

 

「はぎゅ〜」

 

長老が説明を終えるとはぐたんも賛成なのか長老の毛を引っ張りながら笑っていた。

 

「もっとプリキュアを・・・・ピトンのミラクルライトで・・・・」

 

その時ピトンは自身の記憶の中にあるステンドグラスを思い出していた。

 

「プリキュアをもっと呼ぶピト!」

 

ピトンの言葉に長老達周りのみんなも頷いた。

 

「プリ、プリ、プリ、プリ、プリキュア!」

 

『プリ、プリ、プリ、プリ、プリキュア!』

 

『プリ、プリ、プリ、プリ、プリキュア!』

 

ピトンが光るミラクルライトを持って祈りながらその声と発してその言葉に合わせて長老達他のみんなと祈りながら声を発しているとその声と共に他のプリキュア達が光の中からどんどん集まって来ていた。

 

「後からも他のプリキュア達がどんどん来るでプルンス!」

 

「私達も良いとこ見せなきゃ!」

 

『うん!』

 

スター達のペンダントが変身前の形に戻るとスター達はそれにペンを差し込んで変身する時のようにペンを抜いてそのペンを掲げた。

 

「私達も行くよぉ!」

 

『うん!』

 

そしてスター達のペン先が光りその光で星の形を描きだす。

 

『プリキュア!スタートゥインクル!』

 

『はっ!』

 

その星形の光りから放たれた光線が他のプリキュア達の支えるバリアに直撃する。

 

「そんな無鉄砲に力をかけたら・・・・」

 

「みんなで気持ちを合わせなくちゃ!」

 

「みんな!・・・・俺、ちょっと行ってくる!」

 

スペースが慌ててスター達の元へ戻るが時既に遅し、バリアは消滅してその消滅時に発生したエネルギーをマトモに受けた先輩プリキュアやスペース達は次々と変身が解けてしまった。

 

『うわあああああっ!』

 

「ピトーーーッ!」

 

ピトンもそのエネルギーの余波で吹き飛ばされてしまい、呼び出している途中だった他のプリキュア達も消えてしまっていた。

 

「はぁ、プリ、プリ、プリ、プリ!・・・・え?プリ、プリ、プリ、プリ!・・・・」

 

ピトンはもう一度願うもミラクルライトは光を失い周りには変身が解けたプリキュア達が漂っていた。

 

「ダメピト。呼んだお前達もダメダメだし、ピトンのミラクルライトも・・・・」

 

その時、ピトンは過去の出来事を思い出していた。

 

 

 

 

 

『大統領様!大統領様!見てほしいピト!』

 

『なんじゃね?』

 

そこは大きなステンドグラスのある部屋でピトンは大統領とヤンゴの所に駆け寄っていった。

 

『ピトンが作ったピト!』

 

ピトンは自分が作ったミラクルライトを大統領に見せた。

 

『ホウ?ミラクルライトを?』

 

『どのライトにも負けないピト!』

 

『ホウ?負けないか?』

 

『ピト?』

 

そう言うと大統領はピトンのミラクルライトを軽く嘴で突っついた。

 

『ホウ、ホウ、ホウ、ホウ、ダメじゃのう。』

 

『プゥゥゥゥ。』

 

『まだまだ未完成じゃ!そんな出来では伝説のプリキュアに光を届ける事などできんじゃろう。』

 

そう言いながら大統領は目の前の大きなステンドグラスを見つめていた。

 

『この宇宙を闇が覆いし時、心に灯し希望と奇跡の光と共に、伝説のプリキュアが現れる!』

 

その言い伝えを話していると最後の方では大統領とピトンは両手を胸元でクロスさせていた。

 

「プゥゥゥゥ。伝説のプリキュアなんて・・・・」

 

ピトンはがっかりしながら光を失ったミラクルライトを手放してしまった。

 

「・・・・嘘っ子ピト。」

 

そのミラクルライトはひかるの後ろから前に通り過ぎていった。

 

「あぁ・・・・」

 

ひかるもそれを掴もうと手を伸ばすがその手が届く事はなかった。

 

 

 

 

そして闇は惑星ミラクルの星々を次々と飲み込んでいった。

 

「ホウ!何としても事をおこしたピトンを捕らえるのじゃ!そしてプリキュアを名乗るあの者達も・・・・」

 

その様子を見ていた大統領は犯人と思われるピトンを捕らえるように命令し、

次々と惑星ミラクルの青の星、赤の星、緑の星にプリキュア達がバラバラに落ちていく姿を大統領達は映像で見ていた。

 

『こんちわッス!奴らを1人残らず捕らえよッス!』

 

 

こうしてピトンとプリキュア達を捕らえるべく惑星ミラクルの「宇宙警備隊」がミラクルステーションから出動したのであった。

 

 

 

 

To Be Continued

 




         次回予告

みんなバラバラになってしまったプリキュア達

そんな中で自分のしてしまった事を反省するひかるをはなは必死に励まし応援する。

そして他のプリキュア達も今の自分に出来る事を精一杯やっていた。


次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第16話 みんなを笑顔に!自分達に出来る事を

次回も楽しみに!


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第16話 みんなを笑顔に!自分達に出来る事を

みんなバラバラに飛ばされてしまったプリキュア達。

果たしてこれからどうなってしまうのか?

それでは続きをどうぞ!



「ここは・・・・一体何処なんだ?」

 

こうたは星の周りを沢山の雲に包まれた青の星に落ちていた。

 

そして周りに誰かいないか歩いて探していると・・・・

 

「「あ!」」

 

「あ!」

 

目の前の雲が視界から離れるとその向こう側に知っている人物達がいた。

 

「さあやちゃん!ほまれちゃん!」

 

「こうた君!」

 

「アンタも無事だったんだ。」

 

こうたが見つけたのは「HUGっと!プリキュア」のメンバーの薬師寺さあやと輝木ほまれの2人だった。

 

「2人とも無事で良かった。」

 

「うん。私達は運良く一緒だったから良かったけど・・・・」  

 

「他のみんなとは逸れちゃったし、みんな大丈夫かな?」

 

「とにかく、他にも誰かいないか探してみよう。さあやちゃんとほまれちゃんも一緒に行こう!」

 

「うん!」  

 

「それは良いけど、そのちゃん付けで呼ぶのやめてくれない?」

 

「え?何で?」

 

ほまれは一緒に行くのは賛成したが、こうたがちゃん付けで呼ぶのをやめるように言ってきた。

 

「なんて言うか・・・・子供っぽいっていうか・・・・その・・・・」

 

「ほまれって、結構恥ずかしがり屋さんだもんね。」

 

「さ〜や〜あ〜っ」

 

「いひゃい!いひゃいよほまえ!(痛い!痛いよほまれ!)」

 

さあやに図星をつかれるとほまれは顔を赤くしながらさあやの頬を思いっきり引っ張っているとさあやもそれを痛がっていた。

 

「2人とも仲良しなんだな。」   

 

「まぁ、これでも大事な友達だからね。」

 

「これでもって、そんな言い方ないよぉ。」

 

ほまれがこれでもって言った事にさあやは痛そうに頬をさすりながら文句を言った。

 

「わかった。じゃあ『ほまれさん』って呼んだ方が良いかな?」

 

「『ほまれ』でいいよ。私は」

 

「私も『さあや』で良いから」

 

「わかった。じゃあ俺の事も『こうた』って呼んでくれ。」

 

「うん!」

 

「了解。」

 

「それじゃあ!みんなの事を探しに行くとしますか。」

 

 

 

その頃、青の星の別の場所に落ちていたひかるは・・・・

 

「ふぅ、地面が柔らかくて助かった・・・・ん?」  

 

ひかるが雲の下を除いでみるとそこには見た事のない地形が広がっていて、今自分がいるのが雲の上だと認識すると下から突然強風が吹いてきてひかるは慌てて後ろに下がった。

 

「うわぁぁぁっ!」

 

「変な星に落ちちゃったみたいだね。」

 

「え⁉︎はなちゃん?・・・・わぁ⁉︎逆さ?」

 

ひかるは声のする方向を向くとそこにはひかるがいる雲の上より一つ上の雲で逆さになっている『HUGっと!プリキュア』の1人、野乃はながいた。

 

「ふふっ、ひかるちゃん大丈夫?」

 

「あ、うん!・・・・っ!」

 

はながひかるに手を伸ばしてきてひかるもその手を取ろうとしたが、その途中で自分達のしてしまった事を思い出すと伸ばしていた手を止めてしまう。

 

「ご、ごめんね。私達、邪魔しちゃったかな?」

 

ひかるが落ち込んでいるとはなはひかるの手を無理矢理掴んで引っ張る事で座っていたひかるを立ち上がらせた。

 

「そんな事ない!よいしょっと。フレー!フレー!ひかるーーちゃん!頑張れ!」

 

はなは自力でひかると同じ雲の上に降りるとその時に出た雲をチアガールで使うポンポンのように使ってひかるを応援した。

 

「・・・・うん!」

 

はなの応援でひかるは自然と笑顔になり元気を取り戻した。

 

「フワ!」

 

とそこへフワとプルンスがひかるの元へとやって来た。

 

「フワ!無事だったんだね。プルンスも・・・・」

 

「あ!いた!」

 

「やぁ!」

 

「こんにちは!」

 

とそこへ更にこうたとさあや、ほまれの3人がひかる達のいる雲の上から現れた。

 

「あ、こうた!ってあれ?そういえば他の人は?」

 

「どうやら、色んな星にバラバラに落ちちゃったみたい。」

 

「大丈夫かな?みんな・・・・」

 

はなは他のみんなを心配するが、その中でもとくにはぐたんと事を心配していた。

 

「フワ?」 

 

「あ、これ・・・・」

 

フワはひかるが持っている何かに興味を示すとそれはピトンが手放したミラクルライトであった。

 

 

 

 

そして場所は変わり赤の星では・・・・

 

「暑い!暑い!暑いのです〜っ!本当に暑いのです〜っ!何故?こんな星に落ちちゃったのですか〜っ!」

 

そう言いながら自身のロングスカートを団扇みたいにパタパタさせているのははな達と同じ『HUGっと!プリキュア』のメンバーの1人である愛崎えみるだった。

 

他にもえみると同じチームでコンビを組んでいるルールー・アムールや

『キラキラ☆プリキュアアラモード』の琴爪ゆかりと剣城あきらの2人

そしてえれなとまどかの2人に加えてえみる達の仲間であるハリハム・ハリーがこの赤の星に落ちていた。

 

この赤の星は、いつも火山が噴火している灼熱の星でその暑さの所為でえみる以外のメンバーはみんなこの星の暑さで大人しくなっていたが、ルールーだけはこの暑さの中でも平気な顔をしていた。

 

「っ!ルールーはどうして平気なのですか⁉︎」

 

「アンドロイドですから体内の冷却装置が作動中です。」

 

「なんやと・・・・」

 

「わぁぁぁい!はぁ・・・・ひんやりなのです。」

 

ルールーはアンドロイドなので体内の冷却装置を作動させる事で自身の温度を一定の温度になるように調整していたのだ。

えみるはそんなルールーに抱きつくと身体が急激に冷やされて気持ち良さそうにしていた。

その光景を見ていたハリーもこの暑さを凌げる方法を見つけて嬉しそうにしていた。

 

とそこへ・・・・

 

「にゃあああっ」

 

「ごめんね。」

 

えみるに続いてゆかりとあきらもルールーに抱きついてきた。

 

「突撃やーっ」

 

そこに人間態に変身したハリーもルールーに抱きつこうと突撃するが、ハリーの顔面がルールーの右足の裏に直撃して阻止された。

 

「な、なんで〜」

 

「女の子の、アンドロイドですから。」

 

「「ア、アンドロイド?」」

 

「貴方達もハグしますか?」

 

「「わああっ!失礼しまぁす!」」

 

「んなぁぁぁっ」 

 

アンドロイドを初めて見たえれなとまどかもルールーからの誘いを受けて抱きつく事で身体は冷やされ、それとは逆に体温が上昇し続けているハリーは地面に沈んでいった。

 

そんな中でルールーは星を飲み込もうとしている闇について分析していた。

 

「闇が星を・・・・分析不能・・・・」

 

しかし、闇の正体については何もわからなかった。

 

そんなルールーが見ていた闇に侵食されている緑の星には『キラキラ☆プリキュアアラモード』の宇佐美いちか、有栖川ひまり、立神あおい、キラ星シエルの4人とペコリンと長老、そしてはな達の仲間のはぐたん。

それからララとピトンがこの緑の星に落ちてしまっていた。

 

ピトンは自身のロケットがオーバーヒートしてしまっていたのでそれを何とか直そうとしていた。

 

「ふーっ!ふーっ!ふーっ!ここも危ないピト。早く逃げるピト。」

 

『ピヨ〜ッ』

 

「チュン、チュン」

 

ピトン達は建物の中に避難しているが、ここもいつ闇に飲み込まれるかわからない。そんな中でもピトンと同じような姿をしているこの星の住人達は怖くて外には出られず、みんな自身の家に閉じこもってしまった。

 

「大丈夫?」

 

そんな中でもいちかとひまり、あおいの3人は怯えているみんなを元気づけようと彼らに積極的に話しかけていた。

 

「凄いルン。自分達が大変な時なのにみんなの心配をしているなんて・・・・貴方は大丈夫ルン?」

 

「プゥゥゥゥ!ピトンは平気ピト!」

 

ララはいちか達が自分達の事より他の誰かの心配をしている事に驚いていてピトンに話しかけるもピトンは平気だと強がっていた。

 

「トレビア〜ン!フルーツを大量に発見よ!」

 

「いっぱいペコ!」

 

「いっぱ〜い!」

 

そこへ外の様子を見に行っていたシエルとペコリン、長老とはぐたんが大量のフルーツを持って戻って来た。

 

「フルーツルン?」  

 

「この星は年中沢山フルーツが取れるピト。それに・・・・いつもはもっと賑やかな所ピト。」

 

今ピトン達がいる広場は普段ならもっと賑やかな場所なのだがこんな状況だからか今は殆ど誰もいない。その光景をピトンは寂しそうに見つめていてララはそんなピトンを心配そうに見ていた。

 

「キラっと閃いた!」

 

とそこでいちかが何かを閃いた。

 

「みんな!このフルーツで鳥さん達の元気がでるスイーツを作っちゃうよ!」

 

『おーっ!』

 

「わぁ!何か楽しそうルン!」

 

いちかの提案でみんなで鳥さん達を元気づけるスイーツを作る事になりララも興味を示し、手伝う事にした。

そしていちか達やララはパティシエの服に着替えて早速スイーツ作りを開始した。

 

「みんなが笑顔になれるように、まぜまぜ!」

 

ペコリンが必死にケーキ用のボールを押さえている間にいちかが泡立て器を使って必死にボールの中身を混ぜていた。

 

「ふうっ、こんのぉ!・・・・はぁ、切れた。」

 

あおいは大きなフルーツを包丁を使って力を目一杯込めて切っていた。切っていた。

 

「もう少しです。正確に・・・・はい!」

 

「はぎゅ〜」

 

「じゃば〜っ」

 

ひまりは必要な調味料の分量をはぐたんの重さと比較する事で適切な分量を導き出していた。

 

「はああああっ!」

 

「オヨ?」

 

「ほおおおおっ!」

 

「ルン!」

 

ララも包丁を使って調理をしようとするが、隣のシエルがもの凄い勢いで包丁を使って調理していて周りのみんなもスムーズに作業している中でララはただそれを驚きながら見ている事しか出来なかった。

 

「キラキラキラルン、キラキラル!」

 

いちかはそう唱えながらホールケーキにクリームを乗せていた。

 

「パルフェ!」

 

「よ!宇宙一!」

 

シエル達も着々と最後の仕上げに取り掛かっていた。

 

そして・・・・

 

「元気印!小鳥のフルーツアラモード!出来上がり!」

 

最後にフルーツで出来たひよこの頭の上にサクランボを乗せる事でスイーツは完成した。

 

「ピト〜〜」

 

その良い匂いはピトンの所にまで届いていた。

 

「チュン?」

 

スイーツが完成して喜んでいるみんなの前に先程まで怯えて隠れていた1人のピンクのひよこが匂いにつられて出てきた。

 

「いらっしゃいませ!はい!召し上がれ!」

 

それに気づいたいちかが早速完成したスイーツをその子に渡した。

 

「チュン?」

 

『うんうん!』

 

「あ、ルンルン!」

 

戸惑っているひよこに対して笑顔のいちかの後ろから他のみんなが大丈夫と言っているかのように頷いていてララもそれにつられて頷いた。

 

「あー、チュン」

 

「ルーン。あっ」

 

ひよこさんがスイーツを食べるとララもつられて食べる真似をした。

 

「・・・・ふふっ、チュンうま〜っ!」

 

ひよこさんは美味しいと大喜びだった。

 

その声を聞いた他のひよこ達が次々と中央のいちか達の所に集まって来た。

 

『ピヨ〜、ピヨ〜、ピヨ〜』

 

そして先程まで静かで誰もいなかった広場にはあっという間に大勢のひよこ達が集まって来てみんな美味しくいちか達の作ったスイーツを食べていた。

 

「ピト〜、広場があんなに笑顔で賑やかに・・・・、アイツらダメダメの嘘っ子プリキュアの筈なのに・・・・」

 

ピトンは信じられない光景を見て驚いていると、そこにスイーツを持ったララがピトンの所にやって来た。

 

「ピト?」

 

「どうぞルン。」

 

「え?」

 

「食べてみるルン。私、初めて作ったルン!」

 

ピトンはララからスイーツを受け取った。

 

「ピト?初めて?お前もひよっこピト?」

 

「そうルン。私もプリキュアのひよっこルン!」

 

「ひよっこ・・・・はむっ」

 

ピトンはスイーツを食べるのピトンの周りがキラキラルでいっぱいになりとても輝いていた。

 

「っ!ピトンの、ミラクルライトが・・・・」

 

それに反応したのか、ひかるが持っていたピトンのミラクルライトが輝きだした。

そのミラクルライトをひかるは目を瞑りながら優しく抱きしめた。

 

「この光・・・・何だかとっても・・・・」

 

 

 

 

 

「・・・・何だか・・・・」

 

「ルン?」

 

そしてスイーツを食べたピトンの表情はとても優しい表情になっていた。

 

「この辺があったかくなるピト。」

 

「はぎゅ〜」

 

そこにペコリンとはぐたんを頭の上に乗せた長老がやってきた。

 

「キラキラルペコ!」

 

「うん。それはスイーツに込められた思いじゃば!お主にそれが伝わったんじゃば!」

 

「思いが・・・・」

 

「ルン!」

 

ペコリンや長老の言葉を聞いてピトンはとても幸せそうな表情をしていた。

 

『ピーポー!ピーポー!』

 

「ピト⁉︎」 

 

「はぎゅ?」

 

「何じゃば?」  

 

サイレンの音と共にみんなのいる広場に宇宙警備隊がやってきた。

 

 

 

To Be Continued

 

 




         次回予告

次々と宇宙警備隊に包囲されていくプリキュア達

だがそれでも何とかしようする姿が

ソレイユとセレーネの心に変化をもたらす!


次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第17話 心を、思いを一つに!

次回も楽しみに!


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第17話 心を、思いを一つに!

ピトンやプリキュア達を捕まえようとする宇宙警備隊だったが、果たしてどうなるのか?

それでは続きをどうぞ!



いちか達のいた広場の頭上に突然、ひよこ達による宇宙警備隊が現れた。

そして彼らが乗っている乗り物から光が投影されるとそこにはいちか達プリキュアとピトンにペコリン達妖精を指名手配している手配書が写されていた。

 

「何だぁ⁉︎」

 

「私達が・・・・」

 

「指名手配犯⁉︎」  

 

「最後だけ、手抜き・・・・」

 

『伝説のプリキュアを名乗る者達に次ぐ、ミラクルの星々を闇に堕とした罪にて、ピトンと共に逮捕する!』

 

『うわあああっ!』

 

そしていちか、ひまり、あおい、シエル達4人は宇宙警備隊の乗っている地球人から見たら空を飛ぶハンドルホバーボードメーカーのような乗り物から発射された網によって捕まってしまった。

 

「何でルン?みんなを笑顔に出来たのに?」

 

「プップゥゥゥ!ピトンの所為じゃないピト。」

 

そう言ってピトンはロケットを背負ってそのロケットのエンジンを点火しロケットに乗ってそのまま行ってしまった。

 

「あぁ!行っちゃったルン!うわっ!」

 

そしてララや近くにいた長老達も宇宙警備隊の網に捕まってしまった。

 

 

 

 

 

そしてピトンの背負っていたロケットは赤の星の近くで再び停止してしまった。

 

「プップゥゥゥ。また調子が悪くなったピト・・・・」

 

そしてピトンの真下には赤の星にいたゆかりやあきらをはじめとする他のプリキュア達が宇宙警備隊に包囲されていた。

 

「お前達は完全に包囲されている。無駄な変身はやめなさい!」

 

「ピト?こっちにも嘘っ子のプリキュア・・・・ピト?・・・・」

 

そして宇宙警備隊の網が先程のいちか達の時のように発射されて彼女達を捕まえようとしていた。

 

だが彼女達は網が自分達に届く前にプリキュアに変身した。

 

「ピト!変身ピト!いったいどうするピト?」

 

「私達が何とかします。皆さんはその隙に・・・・」

 

「何とかって・・・・」

 

「でもこの状態では・・・・」

 

「ピンチを何とかする!それがヒーローなのです!とぉ!」

 

「その通りです。えい!」

 

マシェリが何とかすると言い出すがソレイユとセレーネはどうすればいいかわからずにいた。

しかしそれでも何とかしようとマシェリが上空から落ちてくる網に向かってジャンプするとアムールもそれに合わせてジャンプした。

 

「マシェリ!」

 

「アムール!」

 

「「はあああああっ!」」

 

ジャンプした空中で2人が互いに手を握りながら回転するとそれに合わせて網がマシェリ達の方に巻きついていき、それにより網の落ちてくる範囲が減っていったのだった。

 

「っ!今よ!」

 

「行こう!」

 

「あたし達も!」

 

網の範囲が狭くなった事でそこから抜け出そうとマカロン達他の4人のプリキュアはそこから走って抜け出し脱出した。

 

しかし・・・・

 

「待ち伏せ⁉︎」

 

「そんなぁ・・・・」

 

「っ!こっちも・・・・」

 

他の宇宙警備隊が見えない崖の下から待ち伏せしていて4人は至近距離で網にかかってしまった。

 

「あぁ!・・・・はぁ・・・・やっぱりダメダメのプリキュアピト・・・・」

 

そしてソレイユとセレーネ、マシェリとアムール、マカロンとショコラの3組はそれぞれ網によって身体を拘束されて辛うじて足を何とか動かせるだけの状態になってしまった。

 

「ごめんなさい。」

 

「折角のチャンスが・・・・」

 

「ただ・・・・ピンチはこれだけではないのです。」 

 

『ダーク!ダーク!』

 

プリキュアや宇宙警備隊のいる崖の下から先程までプリキュア達が戦っていた闇達が迫って来ていた。

 

「わぁ!ああああっ!」

 

宇宙警備隊のひよこ達もこの状況は想定外のようで混乱していた。

 

そして宇宙警備隊と拘束されたままのプリキュア達は闇達に全方位囲まれて逃げ場を失った。

 

「これって、絶体絶命ってやつ・・・・」

 

「一体どうすれば・・・・」

 

「私達が助かる可能性は0.3%以下」

 

「ふふっ」

 

「でも、それだけあれば」

 

「十分かな。」

 

「「え?えぇ⁉︎」」

 

だが、ソレイユとセレーネ以外の他の4人は可能性が低くても全く諦めていなかった。

 

「ふっ」

 

マカロンが地面に足を着地させると、その勢いでジャンプして自分達を拘束している網に足をかけるとその網を利用して網で周りの闇達を締め付けてその網の先端にいる宇宙警備隊の2台のホバーボードを闇に激突させるとホバーボードは壊れて締め付けていた闇も消滅した。

 

「ピトーーーッ!」

 

「「す、凄い!」」

 

それを見ていたピトンとソレイユ、セレーネはその光景に驚いていた。

 

「今度は私達が!」

 

「カッコよく決めるのです!」

 

続いて今度はアムールが地面に着地して高くジャンプした。

 

「ふっ!ふっ!ふっ!はい!」

 

そしてマシェリが闇達を足場にしてキックをしながらジャンプを繰り返しそして全ての闇達を一周した時にはマシェリのキックを受けた闇達は消滅し、彼女達を拘束していたホバーボードもコントロールを失いマシェリ達と一緒に落下して彼女達が地面に着地した時にそのホバーボードに乗っていた宇宙警備隊のひよこ達はホバーボードを捨てて逃げていった。

 

「凄いピト!」

 

「凄いです。」

 

「私達も・・・・」

 

『ダーク!』

 

「「うわああああっ!」」

 

「ピト!」

 

反撃しようとしていたソレイユとセレーネを闇達は崖の下に引き摺り込んでしまった。

 

「って!やっぱりダメェ!」

 

「わたくし達には皆さんのような連携は無理です。」

 

「動きを合わせるのは身体ではなく・・・・」

 

「ハートで合わせるのです!」

 

「心を一つにして・・・・」

 

「それが2人の力になる!」

 

「そんな事(言ったってぇ!)(言われましても・・・・)」

 

「頑張るピト!」

 

どうすれば良いかわからないソレイユとセレーネに4人の先輩プリキュアが2人にアドバイスをした。

そして何とか闇に引き摺り込まれる直前でソレイユ達はそれぞれの足を崖に引っ掛ける事で下への落下を防いだ。

 

「と、止まりました。」

 

「危なかったぁ。」

 

「「はぁ・・・・思いを合わせる!はああああっ!」」

 

ソレイユとセレーネは力を合わせて崖を走って駆け上がり、その先でジャンプをして空中で身体を回転させてその勢いで闇を消し去った。

 

「やったぁ!ヒーローだピト!プリキュア!ふん!・・・・ピト?ミラクルライトは・・・・?」

 

ピトンはプリキュア達の活躍を見て興奮して両手を胸元でクロスした時に自身のミラクルライトがない事に気づき、自分でライトを手放した事を思い出した。

 

「ピト・・・・こういう時に必要なミラクルライトなのに・・・・」

 

 

 

 

 

 

ピトンがミラクルライトを失くしてガッカリしていた頃・・・・プリキュアに変身したエール、アンジュ、エトワール、スター、スペースの5人、そしてフワとプルンスはこの星から脱出しようと雲の上を目指して次々と自身達の上にある雲を足場にしてジャンプしていて唯一飛べるスペースは先に上に向かい安全確認の為に様子を見に行っていた。

 

その中でスターが持っていたピトンのミラクルライトが先程のように再び光りだした。

 

「あ!また・・・・」

 

それに気づいたスターはジャンプをやめてその場に止まってしまった。

それに気づいたエール達も止まり、スターに呼びかけた。

 

「スター!どうしたの!」

 

「早くここから脱出しないと!」

 

「うん!ごめん!でも・・・・」

 

「みんな!」

 

「スペース?」

 

「どうしたの?」

 

「マズイ事になった。」

 

「え?」

 

エールはスペースが慌てて戻って来たのでどうしたのか聞くと、スペースはマズイ事になったと言いながら上空を見たのでそれにつられて他のプリキュア達も上空を見ると、闇がすぐそこにまで迫って来ていた。

 

『っ!』

 

「闇が・・・・」

 

そして彼らがいる青の星を闇が覆い尽くそうとしていた時・・・・

 

『プリキュアーーーッ!』

 

「ピトン⁉︎」

 

スターにピトンの声が聞こえるとミラクルライトの輝きは更に強くなった。

 

そして上空から迫ってくる闇が接近が突然止まった。

 

「これは!」

 

「どういう事⁉︎」

 

「闇が止まった?」

 

「もしかして、あの光が⁉︎」

 

「ピトンの、ピトンのミラクルライトが、闇を止めた!」

 

青の星は闇に完全に飲み込まれてしまったと思いきや、ピトンのミラクルライトがスター達のいる部分だけの闇を止めて抑えてくれていたのだ。

 

「届けなきゃ!このライトをピトンに!」

 

「ピト?誰かが・・・・ピトンを・・・・」

 

そしてスターの声はピトンにも届いていた。

 

そしてピトンの後ろにひかる達が通ってきたワープホールが開いた。

 

「今度こそ逃がさん!・・・・くっ・・・・うわああっ!」

 

しかしその近くに先程いちか達を捕まえたヤンゴ率いる他の宇宙警備隊が増援でやって来てヤンゴの乗るホバーボードから網を発射!

それがピトンに命中するもピトンはワープホールに吸い込まれて消えてしまい、それに引っ張られてヤンゴもそのワープホールの中に消えてしまった。

 

「もう、ダメかもです。」

 

「参ったね。」

 

「脱出出来る可能性は0%です。」

 

先程よりも増えた宇宙警備隊を前にプリキュア達も降参せざるを得なかった。

 

『プリキュアを名乗る者達に次ぐ!無駄な変身はおやめなさいパン!』

 

 

こうしていちか達に続いて6人のプリキュア達も宇宙警備隊に捕まってしまったのであった。

 

 

 

 

To Be Continued

 

 

 




         次回予告

ワープゲートに飲み込まれたピトンとヤンゴが飛ばされたのは周りを闇に閉ざされたスター達の所だった。

ピトンのミラクルライトの力を借りてプリキュア達の反撃が始まる!


次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第18話 脱出せよ!迫り来る闇!

次回も楽しみに!


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第18話 脱出せよ!迫り来る闇!

昨日中に投稿が間に合いませんでした。

今回で第2章の前半が終わり、次回からは後半戦に突入します。

このミラクルユニバース編もこの話を入れて後5、6話で終わります。

そして前回ワープゲートに消えたピトン達は一体どうなったのか?

それでは続きをどうぞ!



「うわああっ!カア!」

 

「ピトーーッ!」

 

「フワ!」

 

「ん?ピトン!」

 

ワープゲートを通ってピトンとヤンゴがスター達の所に現れると、フワとスターがそれに気づいた。

 

「ピト?」

 

「良かった!無事だったんだね。」

 

「ひかる?・・・・うぅやめるピト!」

 

「カ、カア」

 

「アンタは?」

 

スターはピトンを抱きしめるとピトンはそれを嫌がっていた。

 

その横にいたヤンゴにエトワールは何者か聞いた。

 

「ハッ!プリキュア⁉︎」

 

ヤンゴも現状を理解するとプリキュア達を警戒して後退った。

 

「それにしても、ココは何処ピト?随分と暗くて・・・・」

 

「それが・・・・」

 

そして周りのあちこちにいる闇達の視線がピトンに集中するとピトンは怯えて頭を抱えてしゃがんでしまった。

 

「プップゥゥゥ!ど、ど、ど、どうしてこんな所にいるピト!早く逃げるピト!」

 

「コレ」

 

スターがピトンのミラクルライトを見せるとヤンゴがそれに興味を示す視線を送っていた。

 

「このミラクルライトをピトンに・・・・」

 

「え?ピトンのミラクルライトピト!」

 

ピトンは自分のミラクルライトだと喜んでスターからライトを受け取った。

 

「ピト!やっと戻ってきたピト!」

 

するとライトの光りは更に強くなり、みんなのいる空間が更に広くなった。

 

「やっぱり!そのミラクルライトはピトンの思いで輝いてるんだよ。私じゃない・・・・ピトンの・・・・思いで・・・・」

 

「ピトンの・・・・」

 

「うんうん!」

 

「フワ!」

 

「そうだな。きっとピトンの思いに反応したミラクルライトがピトンをここに呼んだんだ。」

 

「うん!きっとそうだよ!」

 

スターとスペースはピトンの思いにミラクルライトが反応して光り輝き、ピトンをここに呼んだのだと確信していた。

 

「ピト・・・・」

 

ピトンもミラクルライトの光を見て嬉しそうにしていた。  

 

「ねぇ!ピトン見て!ミラクルライトが闇から私達を守ってくれてるんだ!キラやば~っ☆だよ!その輝きがあれは闇を追い払えるよ!だからピトン、みんなで力を合わせてここを抜け出そう!」

 

「なるほどね。」

 

「はっ」

 

スターは後ろからのエール達の声を聞いて自分で勝手な事をしたと思って萎縮してしまった。

 

「ご、ごめん。また、でしゃばっちゃった・・・・」

 

そんなスターにアンジュとエトワールはスターの肩に触れて、エールはスターの頭を撫でた。

 

「そんな事ないよ。」

 

「頼もしいじゃん。」

 

「メッチャイケてる!」

 

「あ、あの・・・・」

 

「その作戦に賛成!」

 

「私も!」

 

「私も!」

 

「プルンスもでプルンス!」

 

「フワ!」  

 

「ピトンもピト!」

 

「スター」

 

「スペース・・・・」

 

エール達がスターの考えた作戦に賛成する中でスペースがスターの事を呼んだ。

 

「大丈夫。自信を持って・・・・スターはスターのやりたい事をやれば良いんだよ。俺も全力でフォローするからさ。」 

 

「スペース・・・・みんな・・・・ありがとう!」

 

「で、アンタは?」

 

「カ、カア・・・・」

 

エトワールがヤンゴはどうするか聞くとヤンゴも渋々手を上げて賛成した。

 

「よぉし!みんなで闇からの脱出作戦開始!」

 

『おーっ!』

 

「ピトンに任せるピト!」

 

ピトンがそう言った途端、ミラクルライトの光は消えて周りの闇達があちこちから迫ってきた。

 

『えぇ⁉︎』

 

「ピト?」

 

『ダーク!』

 

「ピト?可笑しいピト。」

 

「カア、ピトン何してる。」

 

「オーバーヒートピト?」

 

ピトンは光が消えた原因をさがしながらミラクルライトを嘴で突っついた。

 

「ミラクルライトはピトンの思いに繋がってるんだよ・・・・ここにある。」

 

「ピトンの思い・・・・」

 

「うん!」

 

スターがピトンの胸をさすって大切なのはピトン自身の思いだと伝える。

 

「ピトンの・・・・」

 

『プリキュアを応援したい思い・・・・』

 

そんなピトンの思いに反応してミラクルライトが再び輝きを取り戻すと周りには闇達がもうすぐそこまできていた。

 

『うわあああっ!』

 

『ダーク!』

 

『ふぅ』 

 

闇達がミラクルライトの光を恐れて離れて行くとピトンを先頭にして闇からの脱出を目指してプリキュア達は移動を開始した。

 

「頑張るピト!」

 

ピトンとプリキュア達は闇の中を進み続けるも中々出口が見つからない。

そんな中で再びピトンのミラクルライトの光が消えてしまい、闇達が迫ってきた。

 

「っ!」

 

「こっちは任せて!はあっ!でやっ!」

 

「仲間がいつもそばにいるよ!はっ!はあっ!」

 

「自分の周りだけに集中して!はあっ!」

 

迫ってくる闇をエール、エトワール、アンジュの3人が応戦して対応していた。

 

だがそれでも闇達の侵攻は止まらずスターとスペースの背後にも闇が迫って来ていた。

 

「えい!」

 

「ふっ!はあっ!」

 

「うん!みんな、ありがとう!」

 

「プリキュア!」

 

ピトンの思いにミラクルライトは応えてくれて再び光りだしたので、プリキュア達とピトンは移動を再開した。

だが、再びミラクルライトの光が消えて闇達が迫って来た。

 

『ダーク!』

 

「こんのぉ!しつこいんだよ!ウルトラスターカラーペン!ギンガ!ウルトラカラーチャージ!」

 

スペースはキュアスペースギンガに変身して闇達に対抗しようとエール達の前に飛びだした。

 

「みんな!俺から少し離れててくれ!」

 

「どうするつもり?」

 

「相手が闇の力を使うならそれに対抗出来る光の力をぶつけるのさ!」

 

エトワールがスペースにどうするつもりか聞くとスペースは闇に対抗出来る光の力をぶつけると伝えた。

そんなスペースの身体の周りのクリスタルが桃色に光りだすとスペースは両腕を胸元でクロスしてその両腕の肘を曲げたまま横に広げて両腕を前に突き出した。

 

「プリキュア!ギンガサンシャイン!」

 

「ダーク・・・・」

 

そしてスペースの両腕から光り輝く光線が発射されてその光を浴びた闇達は次々と消滅していき、先程まで自分達が通って来た道はスペースの技によって光り輝いていて、闇達の姿はチリひとつ残っていなかった。

そしてスペースギンガは元のキュアスペースに戻って他のプリキュア達の方に振り向いた。

 

「ふぅ。終わったぜ!みんな!」

 

「闇が・・・・一瞬で・・・・」

 

「やったぁ!」

 

「やっぱり凄い!」

 

「流石だね。」

 

ヤンゴはスペースの力に驚愕し、エール、アンジュ、エトワールはスペースの技とそれによる闇達の消滅に驚きと喜びの表情を見せていた。

 

「プリキュア!プリキュアーーーッ!」

 

ピトンは涙目になりながら祈り続けて再び光ったミラクルライトを手に進み続けて遂に闇からの脱出に成功した。

 

「闇を抜けたでプルンス!」

 

「フワーッ!」

 

「やったぁ!」

 

「上出来だ!」

 

「やったね!スター!」

 

「イケてたよ!」  

 

「素敵だよ!」

 

「ありがとう!みんなのおかげだよ!・・・・ピトンも・・・・ピトンのミラクルライトも・・・・」

 

「ピトンの・・・・ん?」

 

みんなが闇からの脱出の成功に喜んでいるとピトンのミラクルライトが点滅し、ピトンもそれに気づいた。

 

『まだ未完成じゃ!』

 

『仕上げの作業なんてかったりぃピト・・・・』

 

「まだ未完成・・・・うん。」

 

ここでピトンは漸く大統領がピトンのミラクルライトが未完成だと言った理由を理解した。

 

「ピトンはミラクルライトを完成させるピト。」

 

「えぇ⁉︎」

 

「完成したミラクルライトがあれば、きっと星を覆う闇を消せるピト!」

 

『えぇ⁉︎』

 

「それって凄い!」

 

「そっか!未完成だったから光がついたり消えたりしてたんだ。未完成のミラクルライトでも闇を追い払う力があったんだから、完成したミラクルライトならもっと強い力が使える筈だ!」

 

「あのミラクルライトにそんな力が・・・・」

 

ピトン以外のみんなはミラクルライトが完成したらどうなるかの説明を聞いて驚いていた。

 

「ピトンのミラクルライトを完成させるには、もう一度あそこに!」

 

そこは闇に侵食されていたミラクルステーションだった。

 

「行こう!あそこまで!」

 

そしてスペース以外のみんなはピトンの足を先頭に次々と前の人の足を掴んだ状態でピトンのロケットについていき、スペースもその後ろから自力で飛んで行った。

 

「しっかり捕まってるピト!」

 

『ダーク!』

 

『うわあああっ!』

 

「プリキュア!ギンガ!スペースレイ!」

 

スペースはギンガのウルトラスターカラーペンの力を借りて技を発動し闇達を追い払った。

 

「スペース!」

 

「露払いは俺がする!みんなは先に行け!はあっ!」 

 

「でも!スペース1人じゃ!」

 

「言っただろ!フォローするって!早くいけ!ミラクルライトを完成させて、この星を救うんだ!」

 

現状、自由に動けるのはスペースだけ。

なのでスペースが闇達に戦いを挑んで行くのを見てそれを心配する他のプリキュア達だったが、スペースの言葉を聞いて先を急いだ。

 

「悪いな!こっから先は通行止めだ!」

 

闇達と戦うスペースを残してピトン達はミラクルステーションの真下まで来て、そこにある入り口からミラクルステーションの中へと入っていった。

 

 

 

 

 

 

To Be Continued

 




         次回予告

再会する事が出来たプリキュア達だったが、そこは檻の中で一刻も早くミラクルライトを完成させなければいけなかったのだが、遂に今回の事件の黒幕がその姿を現す!

次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第19話 貴方が黒幕⁉︎宇宙大魔王降臨!

次回も楽しみに!


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第19話 お前が黒幕か!宇宙大魔王降臨!

本日は久々に1日の中での2話目を投稿します。

そんな今回は遂にこの事件の引き起こした黒幕が登場します。

それでは続きをどうぞ!



ミラクルステーションの中に入ったピトンとスター達は通路を順調に進んで行くが、その先には行き止まりを示す絵が表示されていた。

 

「「行き止まり⁉︎」」

 

そしてピトン達は激しくその行き止まりに激突して落ちてしまった。

 

「あたたたっ。何か今日は良く頭ぶつけるなぁ。」  

 

「ピト。いつもは抜けられるのに・・・・」

 

「はぎゅ!」

 

「みんな!無事だったんだね!」

 

「え?」 

 

声のする方を向くと他のプリキュア達や妖精達がそこにいた。

 

「みんな!」

 

「後はスペースだけだね。」

 

「ルン。でもスターの事も待ってたルン!」

 

「ご無事で良かったです。」

 

「みんな!ありがとう!」

 

「それで、スペースは?」

 

「一緒じゃなかったルン?」 

 

「うん。さっきまでは一緒だったんだけど・・・・」

 

そこでスターはスペースが1人で闇達と戦っている事を伝えた。

 

「そんな・・・・」

 

「お一人でなんて、いくら何でも無茶です!」

 

「ルン!早く助けに行くルン!」

 

「待ちなさい!助けに行きたい気持ちはわかるけど・・・・今の私達は・・・・籠の中の鳥」

 

『っ!』

 

スペースを助けに行こうとするプリキュア達だったが、マカロンの言葉通り今の彼女達がいるのは巨大な鳥籠の形をした檻の中だった。

 

「ホウ!ホウ!ギャルがいっぱいじゃのう。」

 

「だ、大統領様!」

 

ピトンは大統領の姿を見つけると大統領の近くの檻の角まで来た。  

 

「ピトンをここから出して欲しいピト!ミラクルライトを完成させて、闇を追い払うピト!」

 

「ならばそれをわしに渡すのじゃ!」

 

「プゥゥゥ!ピトンが完成させなきゃダメピト!」

 

「お前が事の全てを起こしたのを忘れたのか?」

 

「プップゥゥ!アレはピトンの所為じゃないピト!」

 

「おい!おいコラ!渡すんじゃ!」

 

「ダメピト!」

 

「渡すのじゃ!」

 

ピトンと大統領がミラクルライトを取り合ったが2人は勢いよく後ろに吹っ飛んでいき、ミラクルライトはピトンが持ったままだった。

 

「ピトンを信じてあげて!ミラクルライトをすぐ完成させないと・・・・」

 

「わかっておる!だからこそ言っておるのじゃ!プリキュアを語る者達よ。」

 

そう言いながら大統領は自らの足場のついた杖に捕まり宇宙警備隊の部下に支えられて立っていた。

 

「ここミラクルの星々は宇宙で唯一ミラクルライトを作れる場所なのじゃ。全てのミラクルライトが失われた今、宇宙に思いを伝える事は不可能。」

 

「フワ・・・・」

 

「思いが・・・・」

 

「宇宙から・・・・」

 

「消えてしまう・・・・」

 

その言葉を聞いてフワはスターに、はぐたんはエールに、ペコリンはホイップに怯えた表情でしがみついていた。

 

「じゃが、まだ救いはある。ピトンのミラクルライトこそ、この宇宙に残されたただ一つの希望・・・・願わくば、お前の力をワシに託してはくれんか?ピトンよ・・・・」

 

「ピトンのミラクルライトを・・・・」

 

「ダメだピトン!それを渡しては・・・・」

 

「え?」

 

「ヤンゴ?」

 

ピトンが大統領の話を聞いて迷っているとヤンゴが大統領にミラクルライトを渡すのを反対した。

 

「俺はこの目で奇跡を見た。彼女達は本物のプリキュアだ。お前は本当に宇宙を救うつもりなんだな、俺はお前を誤解していたよ・・・・コレを使え!」

 

「あぁ!仕上げの液ピト!」

 

ヤンゴは自身の懐から仕上げの液の入ったスポイトを取り出した。

 

「こんな事もあろうかと、ミラクルライトを完成させる為にはコレが必要なんだろ?ピトン。」

 

「ピト!」

 

「それがあればミラクルライトが完成するんだね。そしたらこの闇を消す事も・・・・」

 

「ホウ?」

 

みんながミラクルライトを完成出来る事に喜んでいると、大統領だけが何やらそれを怪しむ表情をしていた。

 

「ピト」

 

そしてピトンは仕上げの液をミラクルライトに与えるとミラクルライトの光が急激弱まってしまった。

 

「ピト?」 

 

ピトンは何が起こったか理解出来ずにスポイトを落としてしまう。

そんなスポットの中からはプリキュア達が戦った闇と同じ力が感じられた。

 

「何じゃと⁉︎」

 

そしてピトンのミラクルライトの力が弱まった事でこのミラクルステーションを覆っていた闇の力が更に強くなり惑星ミラクルの星々を一気に飲み込んでしまった。

 

「んっ・・・・あっ・・・・」

 

そんな中で赤の星で気絶していたハリーが目を覚ますと目の前から大量の闇が迫って来ていた。

 

「な、何や⁉︎・・・・くっ」

 

 

「一体、何が起こったんだ⁉︎みんなはどうなった?」

 

闇達と戦っていたスペースは闇の急激な増殖に気づき、一旦惑星ミラクルから距離をとって様子を見ていた。

その惑星ミラクルの光は徐々に失われていった。

 

「どうして・・・・」

 

ピトンは仕上げの液を使ったのにミラクルライトが完成しないどころか光が失われてしまった事に戸惑いを隠せずにはいられなかった。

 

「可笑しいとは思っていたんだ。ひよっこのお前が作ったミラクルライトが俺の闇を邪魔していたとはなぁ・・・・」

 

「ヤンゴの?ヤンゴの所為ピト?」

 

「そうさ・・・・俺がやった・・・・全ては俺が仕組んだのさ・・・・お前の所為じゃない・・・・」

 

ピトンはヤンゴに頭を撫でられてそれを振り払った。

 

「けど、コイツらといる事でお前のミラクルライトの輝きが強くなるのが迷惑でねぇ・・・・どうしても・・・・潰しておかなきゃって・・・・思ったのさぁ!」

 

そう言いながらヤンゴが自身の服を開くとその中は闇でいっぱいでその核のような物も存在していた。

 

『っ!』

 

「はっ!」

 

それ見てスターはヤンゴに向かって走り出し、おうし座のペンを取り出した。

 

「プリキュア!おうし座!スターパンチ!」

 

スターはスターパンチを放つがその技は弾かれてしまい、ヤンゴとその闇は外のミラクルステーションを覆っていた闇と同化してしまった。

 

「な、何という事じゃ!・・・・ホ〜ウ!」

 

そんな闇は突然竜巻のように回転して荒々しくなりその力で大統領や宇宙警備隊は闇に吹き飛ばされてしまった。

 

「最後のミラクルライトが消えた今、闇の力が蘇る・・・・この宇宙は・・・・闇に閉ざされるのだ・・・・我は・・・・宇宙大魔王!」

 

「宇宙大魔王・・・・」

 

「コイツ・・・・何て大きさだ・・・・ん?あれは?・・・・」

 

惑星ミラクルは完全に闇に覆い尽くされてしまい、宇宙大魔王の存在にスターもスペースも驚きを隠せずにはいられなかったが、スペースはそんな宇宙大魔王に近づく存在に気づいて追いかけた。

 

一方ピトンは自分が作ったミラクルライトの光が消えて落ち込んでいたが、そんなピトンの手にスターは優しく手を添えた。

 

「ピト?」

 

「ピトン・・・・見て・・・・まだ・・・・ミラクルライトの輝きは・・・・消えてないよ・・・・」

 

スターの言う通り、ミラクルライトの星形の中心には僅かにだが光が残っていた。

 

「っ!」

 

「だから行ってみようよ!希望を捨てないで・・・・」

 

「・・・・ピト!」

 

「うん!」

 

スターの言葉を受けてピトンの瞳に再び力が戻った。

 

「ピトンは行くピト!もう一度!ミラクルステーションに!」

 

「でも、どうやって此処を抜け出すつもりなのですか?」

 

「この鳥籠を破れる確率は0%です。」

 

「うおおおおっ!このハリハム・ハリーに任せやぁ!」

 

「ハリー!」

 

「ハリー!」

 

みんなで鳥籠からの脱出方法を考えていると宇宙警備隊のホバーボードに乗った人間態のハリーがやって来てエールとはぐたんがハリーの名前を呼んだ。

 

「やっぱり頼りになるんは・・・・ハリー様やでぇ!」

 

ハリーはそのままホバーボードで鳥籠に突撃し、見事にハリーが激突した部分に穴が空いてみんなはそこから脱出した。

 

「やったぁ!ハリー凄い!」

 

「どっ、どんなもんやぁ・・・・ガクッ」

 

「ハリー⁉︎」

 

ハリーはハムスターの姿に戻りそのまま気絶してしまった。

 

「はぁ、随分と無茶をする奴だな。」

 

「え?スペース⁉︎」

 

そこにハリーを追ってスペースがやって来た。

先程、スペースが追いかけていたのはハリーだったのだ。

そんなスペースの周りに『スター☆トゥインクルプリキュア』のメンバー達が集まって来た。

 

「スペース!」 

 

「無事だったルン!」

 

「もう!心配させないでよ!」

 

「全くです!」

 

「無事でなによりでプルンス!」

 

「フワ!」

 

「みんな・・・・心配かけてごめん。でも今は・・・・」

 

「うん!ここは私達に任せてピトンを・・・・」

 

スペース達が話している所にエールがここは自分達に任せてと伝えると他のプリキュア達もそれに頷く。

 

「ホイップ!ステップ!ジャ〜ンプ!」

 

「フレ!フレ!スター!」

 

「うん!行こう!みんな!」

 

『うん(あぁ)!』

 

 

先輩プリキュア達からの言葉を受けてピトンとスター達はミラクルステーションの上層部を目指す!

 

 

 

 

To Be Continued

 

 




        次回予告

ピトンとプリキュア達の宇宙大魔王との戦いが始まった。

だが、強大な闇の力の前に次々と倒れていくプリキュア達・・・・

最早みんなの思いはどこにも届かないと諦めかけていたその時、こうたの所に彼らの声が届いた!

次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第20話 みんなの力を一つ!キュアスペースギンガストリウム誕生!

次回も楽しみに!


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第20話 みんなの力を一つ!キュアスペースギンガストリウム誕生!

すいません。タイトルからSを無くしました。

今回は初の本編8000文字越えとなりましたが、皆さん最後までお楽しみ下さい。

そんな今回はミラクルライトを完成させるべくピトンとプリキュア達は行動を開始する。

それでは続きをどうぞ!


ピトン、スター、ミルキー、ソレイユ、セレーネはハリーが乗って来たホバーボードに乗ってスペースも自分の力で飛んでミラクルステーションの上層部を目指す。

 

「しっかり捕まってよ!」

 

その頃、スター達『スター☆トゥインクルプリキュア』以外のプリキュア達は鳥籠の周りを走り回って宇宙大魔王の注意を惹きつけていた。

 

「っ!小賢しい奴らめ!」

 

「はあっ!」

 

「たあっ!」

 

エールやホイップをはじめプリキュア達は宇宙大魔王への攻撃を開始した。

 

「みんな頑張るルン!」

 

「うあああっ!」

 

「下の皆さんの方へ」

 

「大丈夫かな?」

 

「今はみんなの事を信じよう!それよりも今は俺達に出来る事をするんだ!」  

 

ソレイユ達はエール達の所に向かった闇を見て他のプリキュアを心配するが、スペースの言葉もあり、すぐに前を見た。

 

「はあっ!」

 

「ふっ!」

 

「はあああっ!」

 

「やあああっ!」

 

「「はああああっ!」

 

プリキュア達はそれぞれ力を使い、全力で闇に対抗して戦っていた。

 

「私達も!」

 

「ピトーーッ!」

 

そんなスター達の後ろから今度は芋虫のような形をした闇達がスター達に迫っていた。

 

「こっちも大変ルン!」

 

「くそっ!」

 

闇はスター達を捕まえようと何度も襲ってきてスペースも対応しているが、中々相手も手強く思うように行かなかった。

 

「もっとスピードを上げられません?」

 

「プゥゥゥ!無理ピト!」

 

プリキュア達が対応策を考えてる間も闇は待ってはくれなかった。

 

「っ!ここはあたしが!」

 

「ソレイユ⁉︎」

 

「おい!」

 

そんな中でソレイユは自らホバーボードから飛び降りて闇に突っ込んでいき、炎を纏った右足で回し蹴りをして闇達を追い払った。

 

「頼んだよ!」

 

その言葉にピトンと他のプリキュア達は頷き上を目指す。

 

今度は左右から闇が接近してくるとプリキュア達から見て右側はセレーネの矢で、左側はミルキーの電撃で応戦するが、今度はソレイユを振り切って再び下からも闇が近づいてきたのをスペースが両手、両足に力を込めて両方の手足が赤く光りその手足で闇を攻撃しても中々闇を振り払う事が出来ない。

 

「・・・・うん(ルン)!」

 

「ミルキー!セレーネ!」

 

すると今度はソレイユに続いてミルキーとセレーネが自ら飛び降りてスペースが戦っていた闇も巻き込んでそれぞれが自身の技で闇達に対応していた。

 

「ピトンの思い、守るルン!」

 

「先に行って下さい!」

 

「・・・・行こう!」

 

「あぁ!」

 

「ピト!」

 

ミルキーとセレーネの思いを受け取ったスター、スペース、ピトンは再び上を目指した。

 

「入口ピト!」

 

「もう少しだよ!」

 

「あぁ!絶対に辿り着いてみせる!」

 

「あの子達、何か変わった。」

 

「お互いの思いがわかっているみたいに息がピッタリ。」

 

スター達の息のあった動きに対してエールとホイップは先程までと動きがまるで違う事に何だか嬉しそうだった。

 

「ちっ!どいつもコイツも仲良しぶりやがって!頭にくるんだよ!」

 

すると宇宙大魔王は先程までとは比べ物にならないくらい大きな闇で左右からスター達を押し潰してしまった!

 

『っ!』

 

「フワ・・・・」

 

「何じゃ?何が起こったんじゃば?」

 

その光景を妖精達はみんな目を瞑って見ないようにしている中で長老ははぐたんに目を閉じられて何も見えなくなっていた。

 

しかし・・・・

 

「「ふっ、んんんんっ!」」

 

スターとスペースはお互いの背中を合わせた状態でそれぞれの両手両足を使って押し潰されないように必死に抵抗していた。

 

「くっ、ううううっ!うん!」

 

「行け!ピトン!」

 

「ピト!」

 

スターとスペースの思いを受け取ったピトンはミラクルライトを自身の嘴に咥えて自分の力でミラクルステーションの柱にしがみついて登りだした。

 

「行けーー!ピトン!」

 

『フレ!フレ!ピトン!』

 

『頑張れーーっ!』

 

ピトンの必死に頑張る姿を他のプリキュア達と妖精達が応援していた。

 

「応援なんか・・・・」

 

「ピトン!ピトン!」

 

『ピトン!ピトン!ピトン!ピトン!」

 

プリキュア達は必死に頑張るピトンを一生懸命応援した。

 

「やめろーーっ!」

 

そこで宇宙大魔王がミラクルステーションを揺らした事でその拍子にピトンは手を離してしまい落ちてしまった。

 

「ププププッ⁉︎プゥゥゥ!」

 

「ピトーン!」

 

「ホーーーッ!」

 

「だ、大統領様!」

 

「良く頑張った。ピトン。」

 

そんなピトンを下から自身の杖についたジェット噴射で駆けつけた大統領がピトンを助けてそのままミラクルステーションの中へと入っていった。

 

「やったぁ!」

 

「あぁ!後は・・・・」

 

「うん!うおりゃあああっ!」

 

スターとスペースはピトンの頑張りを見届けた後、スターは両手に星形のエネルギーを集め、スペースも先程と同様に両手、両足にエネルギーを集めて2人で押し潰そうとしてきた闇を振り払い消滅させると、スペースはスターを抱えて一旦下にいるみんなの所に戻ろうとすると下から次々と先輩プリキュア達が光線を宇宙大魔王に向けて放っていた。

 

『はあああああっ!』

 

そしてスター達『スター☆トゥインクルプリキュア』のメンバー達は無事に着地に成功した。

 

「っ!凄い!」

 

すると、プリキュア達の技が徐々に一つになっていき、スター達が初めて見た光のバリアが再び生成されて宇宙大魔王全体を円形に覆い尽くした。

 

「何のつもりだ!一度失敗した技で俺を封じられると思っているのか?」

 

「今度はちょっと違うよ!」

 

「こっちには、頼もしい仲間がいるから!」

 

『っ!』

 

「それって私達?」 

 

スター達はエール達が自分達の事を言っているのだと気づくと驚いていた。

 

「そうでプルンス!」

 

「フッワーッ!」

 

プルンスがそれに賛同するとフワも胸を張って賛同した。

 

「・・・・でも、また失敗しちゃったら・・・・ううん!ピトンも勇気を出して、希望に踏み出したんだ!私達だって・・・・」

 

「「うん!」」

 

「「うん!」」

 

スターは後ろを振り向くとセレーネとミルキーが頷き、それに続いてソレイユとスペースも頷いた。

 

「うん!今ならきっと・・・・出来る!」

 

「くっ!こんな物・・・・」

 

バリアに閉じ込められた宇宙大魔王は何とか抜け出そうと抵抗し、それによりバリアにヒビが入りだした。

 

「いくよ!」

 

「おう!」

 

「うん!」

 

「ルン!」

 

「えぇ!」

 

スター達は横一列に並びスターの掛け声と共にみんなで技を放つ体制に入った。

 

「プリキュア!スターパンチ!」

 

「ミルキーショック!」

 

「ソレイユシュート!」

 

「セレーネアロー!」

 

「スペースレイ!」

 

5人の放った技がバリアに命中すると、そのバリアに5人の技のエネルギーも吸収されてバリアの光は更に強くなった。

 

「思いの輝きは、みんなを笑顔にするルン!」

 

ミルキーはいちか達と一緒にスイーツを作った事で笑顔の大切さを知った。

 

「思いを合わせれば・・・・」

 

「一つの大きな力に・・・・」

 

セレーネとソレイユは思いを合わせる事で、不可能を可能に出来る強さを知った。

 

「誰だって成功する事もあれば失敗する事もある!けど・・・・それでも・・・・!」

 

「私達は・・・・自分の思いを信じる!」

 

スペースとスターは信じる心の大切さを知った。

 

5人の心が届いたのか、バリアの周りに星形の光が現れてバリアの力は更にパワーアップした。

 

「やったぁ!」

 

『っ!』

 

プリキュア達は技の完成を見て自然と笑顔になり、そのバリアは宇宙大魔王を巻き込んで徐々に小さくなり、それに合わせて宇宙大魔王も追い込まれていた。

 

「何ぃ⁉︎うああああっ!」

 

その光景に妖精達も喜んでいた。

 

「わしにも応援させてくれじゃばよ!」

 

長老は他の妖精達に揉みクチャにされて上手く応援出来なかったので文句を言った。

 

「ちっ!こんな筈では・・・・俺にも・・・・俺様にも・・・・ダークな応援を・・・・」

 

「ダーク!」

 

『ダーク!ダーク!』

 

すると闇に囚われていた惑星ミラクルの住民達が次々と起き上がるがその様子はおかしく、目は赤く光っていてその手にはミラクルライトのような形をした闇の力のこもったライトを持ち、それを天高く掲げる事で宇宙大魔王を応援し始めた。

その闇の力は惑星ミラクル中から集まってきてそれが宇宙大魔王に更なる力を与えた。

 

「うおおおおっ!」

 

『っ!』

 

「ダークライトじゃば!悪の応援でアイツの力が増しているじゃばよ。」

 

それを聞いた妖精達は長老の後ろに隠れると長老も隠れる場所を探すが見つからず、結局気絶したハリーを盾にする事にした。

 

「気持ちいい・・・・俺も欲しかったのさこの声が・・・・俺を認めてくれるこの応援が・・・・」

 

『うああああっ!』

 

パワーアップした宇宙大魔王によってバリアは破られてしまい、その衝撃でプリキュア達の変身が解けてしまった。

 

「何という事じゃば!」

 

「俺はもう応援する側ではない。応援される側なのさ。」

 

そして宇宙大魔王は自身の身体の一部である蛇のような形をした闇を全宇宙に向けて解き放った。

 

それによって地球に住む一部の人間達も闇に染められてしまった。

 

「一体どうなっているの⁉︎」  

 

「みんなどうしちゃったの⁉︎」  

 

「はーっ!何だか凄く嫌な感じがするよ。」

 

闇に染められた人達の所に『魔法つかいプリキュア!』の3人、朝比奈みらい、十六夜リコ、花海ことはの3人が駆けつけるが何が起こっているのかわからなかった。

 

「見た事のない天気です。全国蛇模様です!」

 

天気予報士もこの状況を蛇模様とこんな天気は初めてでそう言うしかなかった。

そしてみらい達とは別の町には『Go!プリンセスプリキュア』の春野はるか、海藤みなみ、天ノ川きらら、紅城トワが駆けつけた。

 

「何なの?ダークライト?」

 

「どうやら、そうみたいね。」

 

「ねぇ、コレってヤバくない?」 

 

「えぇ!てすが、何故このような事に・・・・」

 

「皆さん、慌てず避難して下さい!」

 

ニュースでも住人に避難の指示が出ている時に、『ふたりはプリキュア Max Heart』の美墨なぎさ、雪城ほのかと九条ひかりがみらいやはるかとは別の町やって来た。

 

「ぶっちゃけありえない!」

 

「早く何とかしないと!」

 

「皆さん!目を覚まして下さい!」

 

そんな中で宇宙大魔王はみんなからの応援を受けてパワーアップした事でその姿は変化し、カラスとヘビが合体したような黒緑色の巨体に、眼鏡をかけた禍々しく光る赤い目が特徴の怪物へと姿を変えてしまった。

 

「全宇宙の星々の光は消えた・・・・全ては我の闇の中へ・・・・」

 

「んっ」

 

そしてようやくハリーが目を覚ますと、ハリーが目にしたのは変身が解けて気絶しているプリキュア達が身体の周りを宇宙大魔王の闇の力に侵食されている姿だった。

 

「っ!何やて⁉︎みんなが・・・・まさか⁉︎あん時・・・・」

 

ハリーは自分がプリキュア達に突撃してこうなったと勘違いしていた。

 

「ぬあああっ!なんて事してしもうたんや!目を覚ましてくれぇ!プリキュアーーッ!」

 

「無理じゃば!」

 

「?」 

 

「わしらの声は届かんじゃば」

 

「な、何や⁉︎何で俺がみんなの盾に・・・・」

 

「見るじゃば!全てはあやつ、宇宙大魔王の所為じゃば!」

 

ハリーは長老に宇宙大魔王の姿を見せられた。

 

「良かったぁ。俺の所為やなかったんや・・・・」

 

「・・・・良くないじゃば!」

 

ハリーは慌てて長老の後ろに隠れて自分の所為じゃなかった事に安心すると長老は慌てて自分の傘を広げて自分の身を隠した。

 

「フワーーッ!」

 

「危ないでプルンス!」 

 

「フワーーッ!フワ!フワーーッ!」

 

すると今度はフワが前に飛び出してひかる達の所に行こうとしたが、プルンスによってそれは止められてしまうがフワは必死にひかる達に呼びかけた。

 

その頃、ミラクルステーションの中では大統領が中にある階段を必死に登っていた。

 

「全くピトンの奴、年寄りを置いて先に行ってしまうのは・・・・」

 

そして大統領が目的地に到着するとそこにはピトンがいたが、その周りには幾つもの闇に染まった仕上げの液の入ったスポイトが散らばっていた。

 

「ホウ?どうした?ピトン?」

 

「全部ダメだったピト。」

 

「そうか、皆闇に染まってしまったか・・・・」

 

「ピトンの所為ピト・・・・ピトンがしっかり作業をしなかったから・・・・だからピトンの所為ピト・・・・」

 

ピトンは光の消えかかっているミラクルライトを見ながら落ち込んでいた。

 

「自分を責めてもどうにもならんぞ。お前は良くやった!あのプリキュアを名乗る者達もな・・・・じゃが・・・・闇の力でもう何処にも思いは届かん・・・・どんな思いも・・・・」

 

「ピトン・・・・ピトン・・・・ピトン・・・・大丈夫だよ・・・・ピトンの所為じゃない・・・・」

 

そんなピトンが落ち込んでる姿が何故かひかるには見えていたが、それはすぐに見えなくなってしまった。

 

「ピトンの・・・・」

 

 

その頃、こうたの意識の中では、こうたの身体は真っ暗な暗闇の中でどんどん下の方へと落ちていっていた。

 

(何も・・・・出来なかった・・・・俺は・・・・何も守れなかった・・・・)

 

こうたは一人で自分を責め続けた。

 

(何で俺は・・・・何も出来ないんだよ!・・・・みんなと・・・・仲間と力を合わせてあんなに頑張ったのに・・・・何で何も守れないんだよ!・・・・みんなを・・・・仲間を助けたいのに・・・・何で俺は・・・・仲間を助けられないんだよ!・・・・俺は一体・・・・どうすればいいんだよ!・・・・)

 

こうたの心は徐々に暗闇の中へと落ちていく。

このままこうたは、二度と立ち上がる事はできないのだろうか・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『仲間なら、ここにもいるぜ!』

 

(っ!その声は・・・・!)

 

すると突然、こうたの目の前にギンガのウルトラスターカラーペンが現れて光り輝くと周りは真っ白になりこうたが次に目を開けると、そこは以前にもヒカルとあったあたり一面真っ白な空間が広がっていて、目の前には礼堂ヒカル本人が以前にも着ていた何処かの隊員服を着ていた。

 

「ヒカルさん!」

 

「おう!久しぶりだなこうた!元気にしてたか?」

 

「はい!・・・・でもすいません。俺・・・・負けちゃいました。」

 

「何言ってんだ!戦いはまだ終わってねぇぞ!」

 

「でも・・・・今の俺の力じゃ・・・・アイツには・・・・宇宙大魔王には勝てません。」

 

「宇宙大魔王ねぇ・・・・確かに奴は強いが・・・・それでもまだ・・・・諦めるには早いと思うぞ!」

 

「どうしてそんな事が言えるんですか⁉︎」

 

「俺達が力を貸してやる!」

 

「力を貸すってどういう・・・・ていうか・・・・俺達?」

 

「あぁ!俺達だ!」

 

ヒカルが腕を組みながらそういうと、ヒカルの隣が突然赤く光った。するとそこにはこうたの見た事のないウルトラマンが立っていた。

 

「初めまして!如月こうた君!私の名前はウルトラマンタロウ!M78星雲、光の国からやって来た!」

 

「ウルトラマンタロウ・・・・さん?・・・・あっ!初めまして!如月こうたと言います!」

 

こうたはタロウのいきなりの登場にビックリしてしまい、挨拶が遅れてしまった。

 

「うむ。こうた君・・・・君一人が戦う必要はない!我々ウルトラの意思を受け継ぐ者には素晴らしい仲間がいる!」

 

「ウルトラの仲間?」

 

「そうだ!我々はどんな時も仲間と共に力を合わせて戦って来た!だからこうた君・・・・君にもウルトラの仲間がついている!我々と一緒に戦うんだ!」

 

「でも俺は皆さんと違ってウルトラマンじゃありません!そんな俺が、皆さんと一緒に戦うなんて・・・・」

 

こうたは自分がウルトラマンではない事を気にして一緒に戦う事を躊躇ってしまい下を向いて俯いてしまった。

 

「バカだなぁ!」

 

こうたの言葉を聞いたヒカルがバカだと言うとこうたもそれを聞いて驚いた表情で顔を上げた。

 

「ウルトラマンかどうかなんて関係ない!俺はお前を信じたからこそギンガの力をお前に託したんだ!お前の中には俺達と同じものがちゃんとある!だから心配すんな!」

 

「ヒカルさん達と同じもの?それは一体・・・・」

 

こうたはヒカルの言っている事がイマイチ理解出来なかった。

 

「それはな!守りたいって思う心だ!」

 

「守りたいと思う・・・・心・・・・」

 

「そうだ!我々は皆、ただ闇雲に悪と戦っている訳ではない。そこに大切なものがあって・・・・それを守りたいと思う心こそが・・・・我々にとって一番大切な事なのだ!」

 

「タロウさん・・・・」

 

こうたはヒカルとタロウの言葉を受けて少しずつ心の強さを・・・・その原動力となる思いを取り戻した。

 

「それに聞こえるだろう・・・・君を・・・・君達を呼ぶ声が・・・・」

 

「俺達を呼ぶ声・・・・?」

 

『フワ!フワーーッ!』

 

「フワ!」

 

ようやくこうたにフワの声が届いた。 

 

「君を心配し、慕ってくれる仲間が今も君を、君達を呼んでいる。その思いに、我々も応えようではないか・・・・」

 

「っ!はい!ありがとう!タロウさん!ヒカルさんも!」 

 

「うむ。」

 

「へへっ。」

 

こうたは自分達を呼び続けるフワの思いに応える為に再び戦う決意をした。

 

「こうた君。私達の力の一部を君に預ける!さぁ!共に宇宙大魔王を倒すぞ!」

 

「よぉし!行こぉぜ!こうた!」

 

「はい!」

 

こうたが元気良く返事をすると周りが突然光り出してこうたの意識は現実へと戻っていった。

 

「フワーーッ!フワーーッ!」

 

「フワ!いい加減にやめるでプルンス!」

 

フワはあれからもずっとプリキュア達に呼びかけ続けていた。プルンスがやめるように呼びかけるがフワは全く聞こうとしなかった。

 

「ええいうるさい!お前達も闇に染めてやる!」

 

『っ!』 

 

フワの叫び声に嫌気がさした宇宙大魔王はフワ達を闇に染めようとフワ達の所に闇を向かわせようとしていた。

 

しかし・・・・

 

ピカーーーッ!

 

「っ!何だ⁉︎この光は⁉︎」 

 

プリキュア達の所、こうたの身体が突然光りだすと光に包まれたこうたはそのままフワ達の目の前に着地し、その光が弾けると中からキュアスペースギンガが姿を現した!

 

「あぁ!スペース!」

 

「フワ!」

 

「お前、戻って来たんか⁉︎」

 

「良かったじゃば!しかし、どうやって・・・・」

 

「みんな!心配かけてごめん!それとフワ!」 

 

「フワ?」

 

スペースは上半身だけ振り向いて妖精達と話している時にフワを呼んだ。

 

「ありがとう!フワの声・・・・ちゃんと届いたぞ!」

 

「っ!フワ!」

 

フワはスペースの言葉を聞いて満面の笑みを浮かべた。

 

「バカな⁉︎一度俺様の闇に染まった貴様が、何故戻って来る事が出来たのだ⁉︎」

 

宇宙大魔王は闇に染まったスペースが戻って来た事が全く理解出来なかった。

 

「助けてくれたのさ!俺の仲間は・・・・今ここにいる仲間だけじゃない!・・・・宇宙の垣根を越えて・・・・俺を信じ・・・・支えてくれる仲間がいる・・・・あの人達の思いに応える為にも・・・・俺はここでやられる訳にはいかないんだ!」

 

「黙れぇ!貴様一人が戻って来た所で一体何が出来る?」

 

「俺は一人じゃない!俺は・・・・仲間と力を合わせて・・・・一緒に戦うんだ!」

 

スペースがそう言うとスペースのスターカラーペンダントの星が光りだして、2つの光がスペースの右手と左腕に飛んでいき、右手にはギンガスパークと呼ばれるヒカルがギンガに変身する時に使う変身アイテムが、左腕にはストリウムブレスというウルトラ6兄弟の力が宿ったブレスレットが現れた。

 

「行きますよ!ヒカルさん!タロウさん!」

 

『今こそ、一つになる時!』

 

スペースはギンガスパークの先端をストリウムブレスにリードした。

 

『ウルトラマンタロウ!』

 

『ギンガに力を!ギンガストリウム!』

 

スペースは身体を右側に逸らすとギンガスパークを持った右腕を後ろの方に目一杯伸ばして、ストリウムブレスのついた左腕の肘を曲げてまま構えた。

 

その後、構えをとった後にキチンとした姿勢で立ったスペースの横にウルトラマンタロウの幻影が現れた。

 

「あぁ!アレは一体誰でプルンスかぁ⁉︎」

 

「何や⁉︎何が起ころうとしとるんや⁉︎」

 

「そんなのわしにもわからんじゃば⁉︎」

 

妖精達はみんなパニックになっていてみんな騒いでいた。

そしてタロウの幻影がスペースと一つになるとスペースギンガの姿はみるみるその姿が変えていった。

 

胸には銀色のプロテクターがついて額のクリスタルの部分にはビームランプが追加され、身体に描かれたラインの変化など、外見がウルトラマンタロウを髣髴させる意匠になっていた。

 

「何だ?何者なんだ貴様は⁉︎」

 

宇宙大魔王はスペースの更なる変身に驚いていた。

 

「俺はスペース・・・・キュアスペースギンガストリウムだ!」

 

 

この瞬間、キュアスペースギンガストリウムが誕生したのであった。

 

 

 

 

 

To Be Continued

 

 




         次回予告


キュアスペースギンガストリウムへとパワーアップを果たしたスペース・・・・

その力で宇宙大魔王との最後の戦いに臨む。

果たして勝つのはプリキュアか・・・・宇宙大魔王か・・・・


次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第21話 決戦!プリキュア対宇宙大魔王!

次回も楽しみに!



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第21話 決戦!プリキュア対宇宙大魔王!

ギンガストリウム登場!
その力で宇宙大魔王に立ち向かう!
果たして勝負の行方は・・・・

そして当然ですが、今回の次回予告の後にこのミラクルユニバース編の後に始まる第3章の新章予告を行います。

なので宜しければ最後まで見てくださいね。

それでは本編をどうぞ!




スペースがキュアスペースギンガストリウムへとパワーアップした事に後ろから見ていた妖精達は驚きを隠せなかった。

 

「スペースが、パワーアップしたでプルンス!」

 

「フワ!」

 

「キュアスペースギンガストリウム!」

 

「凄いじゃば!」

 

「頑張るペコ!」

 

「はぎゅ!」

 

そんなスペースは今も宇宙大魔王を睨みつけていた。

 

「おのれぇ!パワーアップした所で、俺様には敵わないという事を教えてやる!」

 

宇宙大魔王は先程まで出していた芋虫のような闇とは違って宇宙大魔王もパワーアップしているからか、今度は赤い目をした蛇のような形をした闇達を大量に呼び出して正面からスペースを襲わせた。

 

「危ないでプルンス!」

 

だがスペースは一歩も動かずにストリウムブレスについたタロウの顔と同じ形をしたディスクを横向きから縦向きして中のディスクを回転させると6人のウルトラマンと紋章のような絵柄があって、回転が止まるとウルトラマンタロウの絵柄の所に止まった。

 

『ウルトラマンタロウの力よ!』

 

「ハァッ!」

 

するとスペースの横にタロウの幻影が現れてスペースと同じポーズをとっていた。

 

「プリキュア!」

 

『「ストリウム光線!」』

 

スペースは右手、左手の順番で頭の上に手を上げてその両手が重ねるとその両手を自身の腰まで持ってきて両肘を曲げて力を貯める。その後に両腕を使ってTの形を作って放つウルトラマンタロウの技、ストリウム光線を放ち、スペースは身体を横に動かしながら放つ事で、その光線が全ての闇達に当たるように調整し、それを受けた闇達は次々と消滅して宇宙大魔王が呼び出した闇達は全滅した。

 

「何だと⁉︎」

 

「なんちゅうパワーや!」

 

「イケる!これはひょっとしたらひょっとするじゃばよ!」

 

「おのれぇ!ならばコレでどうだ!」

 

宇宙大魔王はそう言うと今度は自身の身体の一部である蛇の尻尾のような部分をスペースや妖精達のいる部分に叩きつけようとしてきた。

 

『うわわわわっ!』

 

妖精達は慌てていたが、スペースは冷静にストリウムブレスのディスクを回転させていてそのディスクが今度はウルトラマンAの絵柄の所に止まった。

 

『ウルトラマンAの力よ!』

 

「ハァッ!」

 

すると今度はAの幻影がスペースの横に現れてタロウと同様にスペースと同じ構えをしていた。

 

「プリキュア!」

 

『「メタリウム光線!」』

 

「ぐああああっ!」

 

今度は両腕と上半身を後ろに逸らしてその後に両腕をL字にして放つウルトラマンAの技、メタリウム光線を放ち、宇宙大魔王の身体を破壊する事は出来なかったが、その身体を押し返す事には成功し、技を受けた部分は黒焦げになっていていた。

 

「凄いペコ!」

 

「はぎゅ!」

 

「みんな!危ないからここから絶対に動くなよ!」

 

スペースはそう言い残して宇宙大魔王の近くまで飛んでいった。

 

「ふざけるな!俺は強い!貴様一人に負ける事などあり得んのだ!」

 

宇宙大魔王はその巨体故に細かい動きが出来ない為、先程と同じように蛇の形した闇達を呼び出してスペースを襲わせた。

 

スペースもつかさずディスクを回転させた。  

 

『ウルトラマンの力よ!』

 

「ハァッ!」

 

今度はウルトラマンの絵柄の所に止まると他のウルトラマン達と同じようにスペースの横にウルトラマンが現れてスペースと同じ構えをした。

 

「プリキュア!」

 

『「スペシウム光線!」』

 

スペースは左右の手刀を伸ばした状態で十字型に交差させて右手から光線が放たれるウルトラマンの技、スペシウム光線を回転しながら放ち全方位から向かってくる闇達を返り討ちにした。

 

「くそっ!」

 

『ウルトラマンジャックの力よ!』

 

「っ!」

 

宇宙大魔王の一瞬の隙をついて宇宙大魔王の顔の目の前まで来たスペースはウルトラマンジャックの所でディスクを止めた。

 

「プリキュア!」  

 

『「ウルトラショット!」』

 

「ぐああああっ!」

 

右手に左手を上から添えた構えで、右手の先から発射するウルトラマンジャックの技、ウルトラショットで宇宙大魔王はその光線をもろに顔に受けてしまい、それに対して痛がっていた。

 

「さぁ、まだまだいくぜ!」

 

 

 

その頃ピトンは未だに落ち込んでいるままだった。

そして遂にミラクルライトの光は完全に消えてしまった。

 

(プリキュア・・・・)

 

ピトンは今回の事件で自分が見てきたプリキュア達の姿を、教えてくれた事を思い出していた。

 

「ピトンは・・・・ピトンは・・・・もっとミラクルライトで応援したいピト・・・・ピトンは嘘っ子のプリキュアをいっぱいいっぱい応援したいピト!・・・・でも・・・・でも・・・・ピトンの所為で・・・・うっ・・・・うぅぅぅっ・・・・」

 

「・・・・おう!」

 

ピトンは自身の願いが叶わない事に涙を流し、その涙を大統領は拭き取りその拭き取った涙を見つめて突っついたり、舐めてみるとある事に気づいた。

 

「大統領様?」

 

「ホウ!」

 

「だ、大統領様⁉︎」

 

ピトンは突然大統領によって逆さまに持ち上げられてあまりに突然と事だったのでピトンはビックリしていた。

 

「まだ希望はある!お前の涙でミラクルライトの輝きを取り戻せるかもしれん!」

 

「ピトンの涙で⁉︎」

 

大統領は必死にピトンの涙が落ちるようにピトンの身体を振り続けた。

 

「その涙はお前の思いで満たされておる。その思いをプリキュアに繋げるのじゃあ!」

 

「ピトンの思いを・・・・プリキュアに・・・・」  

 

そしてピトンの一粒の涙がミラクルライトへと落ちていった。

 

その頃ひかるは先程までこうたが落ちていた場所と同じ真っ黒な空間に落ちる続けていた。

 

(身体が・・・・動かない・・・・声も、出ないよ・・・・私は・・・・嘘っ子のプリキュア・・・・でも・・・・そんなの・・・・嫌だよ・・・・!)

 

ひかる涙を流しながら何とかその闇から必死に這い上がろうしていた。

 

(私はやだ!・・・・みんなでここまで来たのに・・・・みんなから・・・・たくさんの事・・・・教えてもらったのに・・・・だから・・・・みんなの思いを繋げたい・・・・ピトンの思いを・・・・私の手で・・・・しっかり掴むんだ!)

 

「くぅぅぅっ!ピ・ト・ン!」

 

するとひかるの這い上がろうとする手を誰かが掴んだ。

 

ひかるがその手を見るとその手を掴んだのはピトンだった。

 

「ピトン!」

 

そして、ピトンの涙が落ちてミラクルライトに触れるとミラクルライトはその光を取り戻して強く光り輝いていた。

 

「あぁ(ホウ)!」

 

そしてミラクルライトは形が、黄色の星の形をしたランプとピンクの持ち手の色と基礎的な形は変わらないが、変化してその形は未完成の時とは違った綺麗な形へと変化して完全なミラクルライトへと完成した。

 

「完成したピト。」

 

(ひかる・・・・)

 

そしてピトンは真っ先にひかるの事を思い浮かべた。

 

「ひかるとみんなのおかげで、完成したピト!」

 

その完成したミラクルライトの輝きは未完成だった時とは比べ物にならないくらい強く輝いていた。

 

「何⁉︎・・・・コレは⁉︎」

 

宇宙大魔王は突然の強い光とミラクルステーションの中にあるステンドグラスの絵が見えていた。

 

「良し!ピトンの奴、ミラクルライトを完成させたんだな!」

 

宇宙大魔王と戦っていたスペースはこの光を見てピトンがミラクルライトを完成させたのだと確信した。

 

「ピトーッ!」

 

「ホウ!カッコ良いぞ!」 

 

ピトンは完成したミラクルライトの輝きをひかるや他のプリキュア達に当て続けた。

 

「この光は・・・・ピトンがとうとう・・・・ミラクルライトを・・・・」

 

その光がひかるを侵食していた闇の力を弱めていき、その光景に妖精達も喜んでいた。

 

「ミラクルライトの光が復活を・・・・」

 

「これでわかったか宇宙大魔王!どんなに闇が強くても・・・・この宇宙から・・・・光が消え去る事はない!」

 

宇宙大魔王がミラクルライトの復活に動揺していると、スペースはこのミラクルライトが復活した事で光が消え去る事はないと宇宙大魔王に教えていた。

 

「ピトンはわかったピト!思いは自分の為じゃなく、誰かの為にあるという事を・・・・」

 

「ホウ。その通りじゃ!ミラクルライトから発せられたその思いの輝きこそが宇宙に輝く灯台のように希望を導くのじゃ!」

 

そしてピトンのミラクルライトの光が惑星ミラクル全体を照らすとその光を受けて闇に染まった惑星ミラクルの住人達はみんな元に戻り、その手にあったダークライトも消滅していた。

それは宇宙全体にそして地球にも届いていてみんな元に戻っていた。

 

そして今度はダークライトではなくミラクルライトを持った人達がミラクルライトを空高く掲げてプリキュア達を応援し始めた。

 

「キュアスター!」

 

「キュアエール!」

 

「キュアホイップ!」

 

『頑張れぇ!』

 

「・・・・感じるよ・・・・みんなの思いの輝き・・・・その思いは・・・・私達に繋がっている・・・・ピトンの思いが・・・・私達を導いてくれる・・・・力が溢れる・・・・ありがとう!ピトン!」

 

「おうえん、すたぁと!」

 

『プリキュア!』

 

はぐたんの掛け声と共に妖精達が応援を始めた。

 

「今更復活だと⁉︎そんな事させるかぁ!」

 

「それはこっちのセリフだ!」

 

スペースは再びストリウムブレスのディスクを回転させた。

 

『ウルトラセブンの力よ!』

 

「ハァッ!プリキュア!」

 

『「ワイドショット!」』

 

ブレスのディスクはウルトラセブンの絵柄の所に止まるとスペースの横にウルトラセブンの幻影が現れてスペースが両腕をL字に組むとその右腕からウルトラセブンの技、ワイドショットが発射された。

 

「くぅぅぅぅ!」

 

宇宙大魔王の首は後方の方に傾いてしまい、結局ひかる達には攻撃出来なかった。  

 

 

『スターカラーペンダント!』

 

『スター☆トゥインクルプリキュア‼︎』

 

ひかる達のチームがプリキュアに変身して力を取り戻した。

 

「ミラクルライトの輝きよ!」

 

「宇宙の果てまで届いて!」

 

地球では『魔法つかいプリキュア!』のキュアミラクル、キュアマジカル、キュアフェリーチェの3人と『Go!プリンセスプリキュア』のキュアフローラ、キュアマーメイド、キュアトゥインクル、キュアスカーレットの4人も人々と一緒にミラクルライトを振っていた。

その中でキュアミラクルとキュアフローラの2人がそれぞれ思いを口にしていた。

 

『ミライクリスタル!』

 

『HUGっと!プリキュア!』

 

スター達に続いてはな達のチームも力を取り戻した。

 

そして地球でミラクルライトを振っているプリキュアはミラクル達だけじゃなかった。

『ハピネスチャージプリキュア!』のキュアラブリー、キュアプリンセス、キュアハニー、キュアフォーチュンの4人

 

『ドキドキ!プリキュア』のキュアハート、キュアダイヤモンド、キュアロゼッタ、キュアソード、キュアエースの5人

 

『スマイルプリキュア!』のキュアハッピー、キュアサニー、キュアピース、キュアマーチ、キュアビューティの5人

 

『スイートプリキュア♪』のキュアメロディ、キュアリズム、キュアビート、キュアミューズの4人

 

『ハートキャッチプリキュア!』のキュアブロッサム、キュアマリン、キュアサンシャイン、キュアムーンライトの4人

 

『フレッシュプリキュア!』のキュアピーチ、キュアベリー、キュアパイン、キュアパッションの4人

 

彼らもまた地球でミラクルライトの輝きを宇宙にいるみんなに届けようとしていた。

 

『キュアラモード・デコレーション!』

 

『キラキラ!プリキュアアラモード!』

 

最後にいちか達もミラクルライトの輝きを受けて力を取り戻した。

 

その頃地球では、地球にいる残りのプリキュア、『Yes!プリキュア5 』のキュアドリーム、キュアルージュ、キュアレモネード、キュアミント、キュアアクアの5人とミルキーローズ

 

『ふたりはプリキュア Splash Star』のキュアブルーム、キュアイーグレットの2人

 

『ふたりはプリキュア Max Heart』のキュアブラック、キュアホワイトの2人とシャイニールミナスが地球からミラクルライトの輝きを届けていた。

 

「受け取って!私達の!」

 

「プリキュアの輝きを!」

 

ブラックとホワイトも宇宙で頑張っているプリキュア達にエールを送っていた。

 

「まだ知らない沢山のプリキュア声、宇宙のみんなの声が、私達に届いたよ!」

 

そんなみんなの思いをスターはしっかりと受け取っていた。

 

「何故?何故だ?我に従いし者達も全て・・・・」

 

「無理矢理従わせてもそんなの本当の応援じゃない!みんなの思いはただ一つ!この宇宙の光を取り戻す事だよ!」

 

宇宙大魔王が動揺している中でスターはこの宇宙に生きるみんなが望んでいる事を代弁した。

 

「ちっ!そんな事させるものか!ミラクルライトの光がお前達に希望を与えると言うのなら、その光を完全に消し去るまでだ!」

 

「ダメェ!」

 

『ウルトラマンジャックの力よ!』

 

「っ⁉︎」

 

「プリキュア!」

 

『「流星キック!」』

 

宇宙大魔王が自身の赤い嘴を光らせてピトン達のいるミラクルステーションに突撃しようとするとスペースが宇宙大魔王に突撃し、ウルトラマンジャックの技、流星キックを宇宙大魔王の頭に直撃させて宇宙大魔王の嘴の照準をミラクルステーションから逸らす事に成功した。

 

「まだまだぁ!」

 

『ゾフィーの力よ!』

 

「プリキュア!」

 

『「M87光線!」』

 

スペースは続けてブレスのディスクを回転させてそれがゾフィーの絵柄の所で止まるとスペースの隣にゾフィーが現れて、スペースは両手の指先を伸ばし、その両手を両肘を曲げたまま自身の胸元に構えて、それから右手を前方に伸ばして発射するゾフィーのウルトラ兄弟の中で最強の威力を持つと言われる必殺技、M87光線を発射してその光線が宇宙大魔王の顔に当たって大爆発を起こした。

 

「ぐあああああっ!」

 

これには流石の宇宙大魔王も大ダメージを受けたようで宇宙大魔王が少しの間動かなくなった。

 

それを確かめたスペースはスター達の所に飛んで戻っていった。

 

「みんな!待ってたぜ!」

 

「スペース⁉︎」

 

「その姿どうしたルン⁉︎」

 

スター達はスペースが見た事ない姿をしている事に驚いていた。

 

「あぁこれ?ウルトラマンタロウさんっていうウルトラマンが俺に新しい力を与えてくれたおかげでパワーアップしたんだ。名付けて、キュアスペースギンガストリウムだ!」

 

「キュアスペースギンガストリウム?」

 

「確かに先程の技も凄い力でした。」

 

「くぅぅぅ!おのれキュアスペース!」

 

宇宙大魔王は再び動き出した。

 

「くそっ!あれだけの攻撃を受けてまだ動けるのかよ!」

 

「今度こそ、今度こそこの光を消し去ってくれる!」

 

「やめるんじゃ!ヤンゴ!」

 

大統領がピトンを守ろうとしてピトンの前に出るが宇宙大魔王を止まらずピトンに向かって突然した。

 

しかしピトンは最初は怯えていたが、その表情はすぐに凛とした表情に戻るとピトンの所に宇宙大魔王の攻撃が届く前にプリキュアの手が割って入り宇宙大魔王の攻撃を止めた。

 

「ピトンの思いが灯したこの輝きを貴方に消させはしない!」

 

「そうだ!ピトンの思いは俺達が守る!絶対に!」

 

「ピト。この輝きは宇宙のみんな思いピト!」

 

ピトンはミラクルライトを星形を描くように振って宇宙にいるみんなの力を集めた。

 

『えええええい(はああああっ)!』

 

そしてみんなの力で宇宙大魔王の攻撃を跳ね返す事に成功した。

 

「うわあああっ!」

 

そしてプリキュア達は再び宇宙大魔王の正面へと戻っていった。

 

『スペース!』

 

「っ!タロウさん⁉︎」

 

するとストリウムブレスからタロウの声が聞こえてきた。

 

『今こそ、ストリウムブレスにみんなのエネルギーを集めるのだ!』

 

「はい!みんな!みんなの力をこのブレスに集めてくれ!」

 

「わかった!」

 

タロウの指示でスペースはみんなの力をストリウムブレスに集めるように頼むとスターや他のみんなもそれを承諾した。

するとスター達の所に宇宙全体から集まった光を受けてスター達の身体がみんな輝いていた。

 

「ありがとう!みんなの思い!しっかり届いたよ!」

 

そしてその力はスター達4人の所に集められてスター、ミルキー、ソレイユ、セレーネの4人の手にみんなの思いを受けて生まれた新たなスターカラーペンが握られていてそのペンで4人は星を描いていた。

 

「スペース!私達みんなの思いを受け取って!」

 

「頑張るルン!」

 

「信じてるからね!」

 

「必ず、勝って下さい!」

 

スター、ミルキー、ソレイユ、セレーネの4人はみんなの力と自分達の思いをのせてスペースに届けた。

 

「うおおおおあっ!」

 

みんなの思いと力が光となってスペースに集まっていき、スペースの身体全体が光に満ち溢れると、スペースはストリウムブレスのディスクを回転させてウルトラマンタロウの所に止めた途端にスペースの身体全体が激しく燃え始めた。

 

「プリキュア・ミラクルユニバースダイナマイト!」

 

そしてスペースは全身が激しく燃やしたまま宇宙大魔王に突っ込んでいき宇宙大魔王の顔に向かって体当たりした。

 

「はああああっ!これが俺達!プリキュアとこの宇宙に生きるみんなの力だ!」

 

「バカな!この俺様がぁ!カアアアアアッ!」

 

スペースが体当たりした事でその炎は宇宙大魔王にも燃え移り宇宙大魔王の身体を激しく燃やした。

 

そして宇宙大魔王の顔にヒビが入り、スペースはそこに穴が空けて宇宙大魔王の中に突入し、宇宙大魔王の後頭部からヤンゴを抱き抱えて脱出した。

 

それからスペースの炎が宇宙大魔王の身体全体に燃え移ると宇宙大魔王の身体のあちこちで爆発が起こり、最後には宇宙大魔王の身体は大爆発を起こして消滅した。

 

こうしてプリキュア達と宇宙大魔王との戦いは終わりを迎えたのであった。

 

 

 

To Be Continued

 

 

 




       
         次回予告


宇宙大魔王はピトンとプリキュア達の活躍によって倒れた。

それにより宇宙は元の光を取り戻す事が出来た!

そしてそれが新たな始まりを意味していた。

次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第22話 新たな伝説の誕生!プリキュアと共に!

次回も楽しみに!


そして今回は前書きでも説明したように第3章の新章予告を行います。

(一部ネタバレも含みますので、それが嫌という人は見ない事をオススメします。) 

それではどうぞ!










        新章予告②


みんなで協力してロケットの修理を行う事になったこうた達

『コレは私達のロケットルン!みんなが楽しくなるような素敵なロケットにしたいルン!』

それからこうた達は始めての星空界へと旅立つ!

しかし、みんなでプリキュアの使命を果たそうと頑張っている中でまどかはこれからもプリキュアを続けられるのかと自身をなくしてしまう。

『わたくしは、自分の事だけなのに、気持ちに余裕がなくて、毎日が綱渡りみたいで、このままじゃプリキュアを続けられないかもしれないって、不安で・・・・』


『サザンクロス見に行くぞ!おーっ!』

ひかるはある日突然サザンクロスを見に行こうと言い出してほぼ無理矢理みんなを宇宙へと連れ出す!

しかし、その先で襲ってきたノットレイダーに敗北してペンを奪われてしまう。

『我々が上手く使ってやる!』

絶体絶命のピンチだったその時・・・・

『プリキュア!ビクトリウムシュート!』

スペースは新たな力でノットレイダーに対抗する!

それからプリキュア達は更に強い結束で結ばれるのだが、ララを星空界に返さない為に映画を作る事に・・・・


『さよならなんてやだよ!私はララとずっと一緒にいたい!』

そんな彼女達の絆が新たな絆を呼ぶ!

『行くぞこうた!ユナイトだ!』

『はい!』

果たしてプリキュア達の運命は・・・・

『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第3章 サザンクロスと新しい力編

お楽しみ!



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第22話 新たな伝説の誕生!プリキュアと共に!

今回で第2章のミラクルユニバース編は完結し、次回からは第3章がスタートします。

そんな第2章の最終話、宇宙大魔王を倒したピトンとプリキュア達はどうなったのか?

それでは続きをどうぞ!



『やったあああああっ!』

 

プリキュア達は宇宙大魔王を倒して宇宙に光が戻った事を喜んでいた。

 

「やったぁ!」

 

「勝ったぁ!」

 

「やった!やったよぉ!」

 

スター、エール、ホイップの3人をはじめ、他のプリキュア達も皆それぞれ喜んでいた。

 

「ピトン!私達やったよぉ!」

 

「ピト!ピトンも頑張ったピト!」

 

「ホウ!良くやったぞピトン!」

 

スター達はそれからピトンと大統領の所に行ってみんなで喜びを分かち合っていた。

 

するとその中で・・・・

 

「あの・・・・あの人・・・・スペースさんはどうなったのでしょう?」

 

『っ!』

 

カスタードはスペースの事を思い出してそれを口にすると、未だに戻って来ないスペースをみんなが心配し始めた。

 

「そういえば・・・・」

 

「いないわね。あの子?」

 

「どうしたんだろう?」

 

「全く、どこ行っちゃったのよ!」

 

それを近くで聞いていたジェラート、マカロン、ショコラとパルフェもスペースの不在を気にしていた。

 

「アムール!スペースさんを探すのです!」

 

「わかりました。」

 

「大丈夫かな?」

 

「心配だね。」

 

マシェリがアムールにスペースを捜索する様に頼み、アムールもそれを承諾して捜索を開始する。

アンジュとエトワールもスペースの事を心配していた。

 

「どうしちゃったルン?」

 

「なんで戻って来ないの?」

 

「何かあったのでしょうか?」

 

ミルキー、ソレイユ、セレーネもスペースの事を心配していた。

 

「大丈夫!きっと無事だよ!」

 

「そうだよ!スペースなら、こうた君なら絶対に帰って来るよ!」

 

「うん。」

 

そんなスターをホイップとエールが元気づけていた。

 

その頃、スペース本人はというと・・・・

 

「カ、カアア?」

 

「ん?起きたか?」

 

「き、貴様!キュアスペース!」

 

スペースに連れ出されたヤンゴはスペースの腕の中で気絶していてスペースに抱き抱えられた状態で目を覚ました。

 

「何故?俺を助けた?」

 

「何ていうか・・・・お前の気持ち・・・・何となくだけど・・・・わかる気がしたから・・・・かな?」

 

「何だと⁉︎」

 

「誰かに応援して欲しい・・・・誰かに認めてもらいたい・・・・それはきっと・・・・みんな誰しもが一度は考えた事があると思うからさ。」

 

スペースはヤンゴが宇宙大魔王が言っていた事に少なからず共感していたからこそ放っておく事が出来なかったのだ。

 

「そんな理由で俺を助けたのか?」

 

「そうだよ。例え何度失敗してもその度にやり直す事は出来る・・・・俺も・・・・みんなも・・・・勿論お前もな・・・・」

 

「俺が・・・・やり直す?」

 

「そうだ。どうしてもみんなに応援されたい・・・・認めてもらいたいって思うなら・・・・まずはお前自身が行動しないとな。」

 

「俺が?」

 

スペースはヤンゴにみんなに応援されたい、認めてもらいたいならまずは行動する様に伝えた。

 

「あぁ。まずはお前が自分から行動して頑張っているその姿を他のみんなが見ていれば自然とみんなお前の事を応援してくれて、認めてくれると思うぞ。さっきのピトンのようにな。」

 

ヤンゴは先程のミラクルステーションを目指して頑張っているピトンの姿をみんなが応援している姿を思い出した。

 

「俺にも・・・・出来るだろうか・・・・」

 

「出来るさ!お前が心からそれを望んでいるなら、その思いはきっと他のみんなにも届く!そしてもし、その為に俺の力が必要だったら、その時は遠慮なく言ってくれ!必ず力になるからさ!」

 

「ううっ・・・・くぅぅぅ・・・・」

 

するとヤンゴはスペースの言葉が嬉しかったのかスペースから顔を背けた状態でスペースに顔を見られないようにして泣き出した。

スペースはそんなヤンゴの姿を優しく見つめた後にみんなの所に戻ろうと飛んだ。

 

「っ!見つけました!」

 

『っ!』

 

アムールがスペースを発見したと知らせるとみんなそれに反応する。

そして他のプリキュア達もスペースの姿を目視で確認するとスペースはプリキュア達の目の前に着地してそれと同時にスペースはギンガストリウムから元のキュアスペースへと戻った。

 

「スペース!」

 

「良かったルン!」

 

「全く、ホントにもう・・・・」

 

「本当に、心配したんですからね。」

 

「みんな・・・・ホントにゴメン!」

 

スペースの所に次々とプリキュア達が集まって来てスペースがヤンゴを降ろしてピトンと大統領に任せると、右側にスター、左側にミルキーが泣きながらスペースの胸に抱きついてきてその目の前でソレイユとセレーネが目に涙を浮かべながら怒っていた。

 

「お帰りなさい!」

 

「もう!無茶しすぎだよ!」

 

それに続いてホイップとエールがスペースに声をかけてきてそれからも続々とプリキュア達がスペースに声をかけ続けてきた。

 

それがひと段落してスターとピトンが向かい合っているとそれを他のみんなが周りで見守っていた。

 

「お前達、嘘っ子のプリキュアだと思っていたのに違ったピト!」

 

「ピトンだって、全然ひよっこじゃなかったらもんね。」

 

「「プゥゥゥ!プッ!あははははっ!」」

 

スターとピトンは互いの顔を見ながら笑顔で笑っていてそんなピトンをスターは優しく正面から抱きしめた。

 

「ピト?」

 

「ありがとう!ピトン!」

 

「ううん。ひかるの思いがピトンに届いたおかげピト!」

 

「ピトンの思いもしっかり受け取ったよ!」

 

「ピト!」

 

「ふふっ!」

 

「それからみんなの思いもピト。」

 

スターがそう言うとピトンは笑顔になり、それにつられてスターも笑顔になった。

 

「今ここに、新たなるミラクルライトの伝説が誕生じゃ!」

 

大統領は今回の事件とその解決した経緯を新たな伝説として語り繋いでいく事を決めたのだった。

 

それから惑星ミラクルは元の賑やかな姿を取り戻すとピトンとプリキュア達を讃える表彰式がミラクルステーションの中のステンドグラスのある大広場にて行われる事になり、ピトンは一人前のミラクルライトの職人達が着る制服を着てプリキュア達や仲間の妖精達もみんなでピンクのマントを身につけていた。

 

「俺にピンクってちょっと似合わなくないか?」

 

「そんな事ないよ。」

 

「はい。とってもお似合いですよ。」

 

スペースはピンクのマントが自分には似合わないのではと思っているとソレイユとセレーネがそんな事ないと言ってきた。

そんな話をしていると表彰式が開始されてピトンは自分のミラクルライトを歴代のミラクルライトの置かれている場所に置いた。

こうしてピトンのミラクルライトも伝説の一部としてミラクルステーションに飾られる事になった。

 

「これでお前も立派なミラクルライトの職人じゃ!」

 

その姿をスターの腕に乗っていた大統領が見守っていた。

 

「さぁ!皆の者!ミラクルの星々を救ってくれた伝説のプリキュアとピトンに感謝の光を!」

 

大統領の言葉を聞いた惑星ミラクルの住人達が自分達のミラクルライトを頭上に掲げた。

 

「「プリキュアと共に!」」

 

『?』

 

ピトンと大統領は掛け声をし両手を胸元でクロスさせて讃えていると、それに合わせて住人達も両手を胸元でクロスしてプリキュア達を讃えていると、いきなりの事でプリキュア達は何の事か分からず戸惑っていた。

 

「プリキュアと共に。」

 

そして檻の中からその光景を見ていたヤンゴも自身の手に持ったミラクルライトを持ちながら胸元で両手をクロスさせてプリキュア達を讃えていた。

それを見たスター、スペース、ピトン、大統領はその姿を嬉しそうに見ていた。

 

(頑張れよ、ヤンゴ!)

 

スペースは心の中でヤンゴの事を応援した。そして惑星ミラクルでの表彰式はみんなで盛大に盛り上がりその幕を下ろしたのであった。

 

それからひかる達はフワの力でワープホールを開き地球に帰る時がやって来た。

 

「それじゃあピトン、元気でね!」

 

「ピト!ひかるもみんなも元気でピト!」

 

「うん!」

 

ひかるとピトンは互いに握手をした。

 

「ピトンはひかる達に負けないようにもっともっと立派なミラクルライトの職人になるピト!そしてみんなをビックリさせるピト!」

 

「うん!私も負けないから!」

 

「ホウ!プリキュアの諸君!この度はミラクルの星々を救ってくれて本当にありがとう!皆、これからも達者でな!」

 

「はい!大統領様もお元気で!」

 

ピトンとひかるが握手している隣で大統領とこうたが握手をして別れの挨拶をしていた。

 

そして・・・・

 

「ピトン!またいつか!いつか絶対に!遊びに来るからねぇ!」

 

「ピト!待ってるピト!ひかる!みんな!本当にありがとうピト!」

 

『さようなら!』

 

そしてフワのワープゲートは閉じてひかる達は地球に帰って行きピトンと大統領は手を振りながらそれを見送った。

 

「行ってしまったな。」

 

「ピト・・・・」

 

ピトンは大統領見られないように涙を拭いた!

 

「ピト!ピトンはこれからももっともっと頑張るピト!」

 

「その息じゃピトンよ!わしらにはまだまだやる事が沢山あるのじゃからな!」

 

「ピトーッ!」

 

こうして惑星ミラクルでの事件は無事に解決してみんなそれぞれの場所へと戻っていったのであった。

 

そして地球に戻ったひかる達は・・・・

 

「あぁ!もしかしてあの星かも!」

 

「うはぁ!早く見せて!」

 

「私も見たい!」

 

ひかるが天体望遠鏡で星を見ているとはなといちかも見たいと催促していた。

するとそこへお茶を取りに行っていた遼じぃが戻って来た。

 

「おや?いつの間にあんなに大勢になったのかな?」

 

他の人達もそれぞれ天体望遠鏡や双眼鏡を使って天体観測をしていた。

 

「まぁ、賑やかなのは良い事だね。」

 

遼じぃはそんなひかる達を優しい目で見守っていた。

 

 

 

 

 

To Be Continued

 

 




         次回予告

ロケットの修理を開始したララやこうた達

しかし思った通りに作業が進まず、行き詰まっていた時、ひかるのイメージがそれを一変させる。

次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第23話 出来た!これが私達のロケット! 前編

次回も楽しみに!


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第3章 サザンクロスと新しい力編
第23話 出来た!これが私達のロケット! 前編


今回より第3章がスタートします!

それでは早速どうぞ!


「しし座のプリンセススターカラーペン!手に入ったでプルンス!」

 

プルンスがしし座のプリンセススターカラーペンが手に入った事を宣言するとみんなでそれを喜んだ。

 

「おうし座としし座で2本。」

 

「後10本集めるのですね。」

 

「うんうん。その為にもみんなで宇宙へ!ゴー!さぁ、これからみんなでロケットを直しちゃうよぉ!」

 

『おーっ!』

 

ひかるの掛け声と共にみんなでロケットの修理に取り掛かるのであった。

 

「ところで、ロケットの修理ってどうやるの?」

 

「いや待て、何も考えずに修理しようって言ってたのか?」

 

「いやぁ〜」

 

「褒めてないし。」

 

ひかるがロケットの修理方法を聞くとこうたが何も考えずに言っていたのかと聞き、ひかるがそれに対して照れているとこうたはそれにツッコミをいれた。

 

「全部AIが教えてくれるルン。」

 

「なるほど」

 

「AI?」

 

「人工知能の事でしょうか?」

 

「そうだ。このロケットには人工知能を持ったAIが搭載されてるんだ。」

 

「うん。ララの星、惑星サマーンではAIが何でも教えてくれるんだよ。勉強もテストもないんだって」

 

「それは驚きです。」

 

「ちょっと羨ましいかも」

 

こうたとひかるがAIの事や惑星サマーンの事を簡単に説明すると、えれなとまどかは驚いていた。

 

「ロケットの修理方法を教えてルン!」

 

『かしこまりました。』

 

「何すればいい?」

 

ひかるが自身の服を腕まくりしてやる気を見せているとロケット内の光が消えて中にいたこうた達5人の周りを光の輪が何度もみんなの頭から足まで通り過ぎていてみんなの事をスキャンしていた。

 

『作業効率を高める為に皆様の事を分析します。』

 

「キラやば~っ☆なになに!」

 

「今分析されてるルン!」

 

『分析完了!惑星サマーン育ちのララの様はマニュアル通りの作業が得意です。指示に従って作業を行って下さい。』

 

「わかったルン!」

 

ロケット内に光が戻り分析を完了させたAIが早速ララに指示をだしていた。

 

「けど、この間までそれで何度も失敗してたような・・・・」

 

「こうた、何か言ったルン?」

 

「いえ、何でもありません。」

 

こうたが独り言を呟くとそれを聞いていたララは笑顔で話しかけてきたのだが、そこから感じる圧の強さに負けてしまい思わず敬語で答えていた。

 

『えれな様は運動神経抜群。パワータイプですので物を運んだりする力仕事の担当です。』

 

「力仕事ね。OK!」

 

『まどか様は冷静沈着なリーダータイプ。修理計画を元に作業を指示するリーダーとなって下さい。』

 

「かしこまりました。」

 

『こうた様は男性という事もあり、皆様の中で一番体力があり力もありますので、えれな様と共に力仕事をお願いします。』

 

「了解。」

 

それからえれな、まどか、こうたもAIからの指示を受けてそれを承諾した。

 

「う〜ん、AIわかってるねぇ。で、私は!何をするの?」

 

『ひかる様は・・・・」

 

「私は・・・・」

 

『ひかる様に相応しい仕事は・・・・』

 

「うん!うん!」

 

「ひかる様の行動は予測不能、効率化を重視して・・・・」

 

「お掃除かぁ、ガクッ!」

 

ひかるは目を輝かせて何の仕事がもらえるのかとワクワクしていたが、掃除当番と聞いてガッカリしていた。

 

「いや、お掃除だって大事な仕事!綺麗にするぞぉ!」

 

ひかるは気持ちを切り替えて掃除を開始し、他のみんなもそれぞれの作業を開始した。

その中で張り切っていたひかるは物を運んでいたえれなとこうたにぶつかりそうになってしまった。

 

「うわっ!」

 

「おっと!」

 

「あっ!えれなさん!こうた!ごめんなさい!」

 

「平気平気!チャオ!」

 

「次からは気をつけろよ。」

 

「流石は観星中の太陽・・・・素敵な笑顔だなぁ。良し私も頑張ろう!」

 

えれなの笑顔を見て元気をもらったひかるは更に気合を入れて掃除に取り組んだ。

 

「ヨイショっと!」

 

「あちらへ」

 

「うん!」

 

「それはこちらです。」

 

「ルン。」

 

「お掃除!お掃除!」

 

まどかの指示でえれなとララは指定されたものを移動させたりと、みんなそれぞれの仕事を行ない、鉄パイプや柱など必要な物を持ってきたり、それを組み立てたり繋いだりと作業は順調に進んでいると思いきや・・・・

 

『1時間経過。』

 

「はぁ・・・・はぁ・・・・」

 

「大丈夫かえれな?」

 

「だ、大丈夫〜」

 

「「はぁ〜」」

 

「うぅ、ちょっと待って下さい・・・・」

 

「掃除・・・・掃除・・・・」

 

作業を開始してから1時間が経過すると疲れが出たのかみんなの集中力が徐々に落ちてきていた。

 

『2時間経過・・・・』

 

「はぁ・・・・はぁ・・・・」

 

「大丈夫か?俺が変わるぞ?」

 

「ご、ごめん・・・・」

 

「「すぅ・・・・すぅ・・・・」」

 

「寝ながらやると怪我するぞ!」

 

「オヨ⁉︎」

 

「す、すまないでプルンス。」

 

「えぇと・・・・次は・・・・」

 

「そうじ・・・・」

 

「ストーップ!」

 

『っ!』

 

みんなからの集中力が殆ど感じられなくなりこうたは痺れを切らしてみんなの作業を一旦ストップさせた。

 

「何⁉︎どうしたのこうた⁉︎」

 

「どうしたもこうしたもない!みんな殆ど集中力が切れてかけてる!だから少し休憩しよう!出ないと作業しながら怪我するぞ!」

 

『ですが、それでは作業に遅れが出てしまいます。』

 

「今の時点でも充分遅れが出てると思うぞ。それになAI!俺達は生き物なんだ!生き物は疲れが出ると作業効率がドンドン落ちてくる。だからある程度休息を取らないといけないんだ。」

 

『わかっています。ですから4時間経過した時に休憩を・・・・』

 

「長い!それは流石に長すぎる!せめて1時間か2時間毎に休憩を入れないと・・・・」

 

『それではロケットの修理に遅れが・・・・』

 

「確かに遅れないようにする事は大事だ。けどその前に俺達一人一人の体調や身体の事も考慮して作業を進めないとダメなんだ。だからAI!次からは俺達の休憩時間ももっとちゃんと考慮した修理計画を作成してくれ!」

 

『・・・・了解しました。』

 

こうたはAIにロケットの修理より自分達の体調を優先した修理計画を作成するように頼んだ。

 

「ねぇ、そう言えば何でこうたは全然疲れてないの?」

 

「確かに、同じ作業してるあたしと違って何でそんなに元気なの?」

 

こうたが他のみんなより元気な事をひかるとえれなは疑問に思っていた。

 

「いやいや、俺だって疲れてるって。けど俺は男だからな、それなりに体力はあるし、それに最近はちょっと鍛えようと思って朝と夜に走るようにしてるからな。」

 

「えぇ⁉︎そうだったの⁉︎」

 

こうたが最近走ってる事を知ったひかるは驚いていた。

 

「ですが、何故そのような事を?」

 

「何かあったルン?」

 

それに疑問をもったまどかとララがこうたが走るようになった理由を聞いた。

 

「ほら、俺だけ新しい力を手に入れただろ?」

 

「確かギンガストリウムだっけ?」

 

「あぁ、けどいつまた宇宙大魔王みたいなヤバい奴が現れるかわかんないし、それにあの時はウルトラマン達が助けてくれたから俺も最後まで戦えたけど、もしあの時助けがなかったら俺はみんなの事を守れなかったかもしれない・・・・」

 

「そんな事・・・・」

 

「だから!俺にも出来る事は何でもやっておこうと思って走るようになったんだ。もうあんな思いは二度としたくないからな。」

 

「こうた・・・・」

 

こうたが鍛え始めた理由は宇宙大魔王との戦いの時に感じた守りたいものを守れない事に対する悔しさからきていたものだった。

もうあんな思いはしたくないとこうたは自分に出来る事を精一杯やろうとしていた。

 

「さ、取り敢えず休憩しよう!それが終わったらまた作業再開だ!」

 

『おーっ!』

 

そして休憩時間となり、ひかるはトゥインクルブックに何かを書き込んでいた。

 

「イイね!イイね!」

 

「何してるルン?」

 

「え⁉︎いや、これは・・・・」

 

「あぁ!大事なトゥインクルブックに何してるでプルンス!」

 

「私のだからイイでしょ?」

 

プルンスがトゥインクルブックに落書きしてると思い注意するとひかるは元々自分のノートだから良いだろうと反論する。

 

「何書いてたの?」

 

「な、何でもない・・・・」

 

「フゥワ!」

 

ひかるが書いていた物が気になってえれなとフワがそれを見たがっていた。

 

「何だ?」

 

「どうかしましたか?」

 

その騒ぎに気づいてこうたとまどかもひかる達の所にやって来た。

 

「何ルン?」

 

「見せてよ、ひかる・・・・」

 

「えぇっと・・・・うぅ・・・・」

 

そしてひかるは観念して自分が書いていたものをみんなに見せた。

 

『おぉ!』

 

「ノートとして書けるでプルンス?」

 

「うん!このペンで好きな色も塗れるんだよ。」

 

「これ、ロケットルン?」

 

「うん!みんなでこんなロケットに乗ってみたいなぁって思いながら書いたんだ。」

 

ひかるが変身する時に使うスターカラーペンでトゥインクルブックに書いていたのは周りがピンク色で黄色い星がついたロケットだった。

 

「凄いルン。」

 

「可愛くていいんじゃないか?」

 

「ホント!」

 

「うん!色もデザインも楽しい!」

 

「えぇ!」

 

ひかるの考えたロケットはみんなから大好評だった。

 

『作業時間が増えると完成が遅れます。』

 

「えぇ・・・・」

 

「でも可愛いルン。」

 

「でしょ!でしょ!」

 

AIが作業に遅れが出ると伝えるが、ララはこのロケットの事を気に入っているようだった。

 

「あ、でもAIの言う通り完成が遅れちゃうルン。」

 

「うぅ〜」

 

「・・・・ねぇ、この辺に可愛い飾りとかあったらイイなぁ。」

 

「え?」

 

そこへえれなが新しいアイデアを出してきてひかるがえれなの顔を見ると満面の笑顔のえれながいてひかるもその笑顔に惹かれながらもペンをはしらせた。

 

「イイかも!こんな感じかな?」

 

『あぁ!』

 

そしてロケットの先端部分にピンクと白のリボンが追加されてみんなで喜んでいた。

 

「いい感じ!」

 

「あのこの辺りに違う色を足してみるのはどうでしょう?」

 

「それもイイかも!」

 

まどかはロケットの中心にある黄色い星の周りの円に違う色を加えるのはどうかと提案し、それを聞いたひかるは星の周りの円に水色の円を加えた。

 

「うん!うん!」

 

「素敵です。」

 

『ロケットに飾りは必要ありません。』

 

「確かに必要はないとかもしれないけど、こうやってみんなで楽しくやる事も必要な事だと思うぞ。」

 

「うん!」

 

「ララはどう思う?」

 

「ルン?私・・・・こんなロケット・・・・乗ってみたいルン!」

 

「うん!だったらやってみようよ!」

 

ひかるの話を聞いて2人とも頬を赤くしながら楽しそうに話していた。

 

「少し待って下さい!コレは元々ララさんのロケットです。勝手に変える訳には・・・・」

 

「そうだよね。」

 

まどかはララのロケットを勝手に変えていいのかと確認をしてきてひかるもどうするかと考えていた。

そんな中でララはロケットを見つめながら、もしこのロケットがひかる達の考えたロケットになったらどうなるかをイメージしていた。

それを考えている内にララの中のイメージがドンドン膨れ上がっていくのが、ララ自身にもわかっていた。

 

「コレは私達のロケットルン!みんなが楽しくなるような素敵なロケットにしたいルン!」

 

ララは満面の笑顔で自分自身の思いを他のみんなに伝えた。

 

「良いのか?ララはそれで?」

 

「ルン!」

 

最終的にこうたが確認をするがララは首を縦に振って了承した。

 

『やったぁ!』

 

「そうと決まれば作業再開だな。」

 

「ワクワクしてきた!キラやば~っ☆よぉし!みんな頑張ろう!」

 

みんなが張り切っている姿をAIはララの手袋から静かに見守っていた。

 

「よぉし!ドンドン塗っちゃおう!」

 

ひかる達は2種類のピンク色のペンキを買ってきて早速ロケットの色塗りと修理を同時に行っていった。

 

その姿は先程までの疲れ切っている姿とは違い、みんな笑顔で自分達の思い描いたロケットを作れる楽しさからくる満面の笑顔でみんな作業を行っていた。

その光景をAIは小型のカメラがついて宙に浮かぶ機械を通して見ていた。

 

それから数日間、ロケットの修理は順調に進んでいたが、突然雨が降ってきたのでみんなでロケットにカバーをかけてロケット内で雨宿りをする事になった。

 

「急に降ってきちゃったね。」

 

「フルーツポンチフワ!」

 

「どうぞルン。」

 

そんな中でララはしし座のプリンセススターカラーペンでトゥインクルブックにフルーツポンチを書くとそれが具現化されてフワはそれを美味しそうに食べていた。

そしてプルンスもロケットの中で着々と何かを作っていた。

 

「プルン、もうちょっとでプルンス。」

 

「ねぇプルンス?ずっと何か作ってるけど、それなぁに?」

 

「あたしも知りたい。」

 

「チッ、チッ、チッ、出来てからのお楽しみでプルンス。宇宙の長旅を楽しむ為のスペシャルなアイテムでプルンス!」

 

「全然わかんないよぉ。」

 

ひかるがプルンスに文句を言っているとそれを聞いていたララは何かを思いついたような表情をしていた。

 

「そうルン!みんなそれぞれの部屋があったら良いルン!」

 

「それぞれの部屋?」

 

「ルン!そんな部屋があったらみんな宇宙での時間を楽しめルン!」

 

「それキラやば~っ☆!」

 

「うん!イイねぇ!」

 

「自分の好きな物を飾ったりしてとても寛げると思います。」

 

「だな。ララ、ナイスアイデアだと思うぞ!」

 

「ルン!」

 

「よぉし!作っちゃお!ふふっ、楽しいねぇ。」

 

こうしてロケットの外部だけでなく、内部にも手を加える事になり作業がまた一つ増えたのにも関わらず、みんな笑顔で楽しそうに作業をしていた。

 

『データ更新中・・・・解析不能な状況です。不必要な仕事が増えているのに、何故か作業効率は上がっています。』

 

AIは作業が増えて完成はその分遅れているはずなのに何故か作業効率が上がっている事に疑問をもっていた。

 

「よぉし!あと少し、頑張ろう!」

 

『データ更新・・・・ひかる様は、周りを元気にする力があるようです。』

 

そしてAIは最初はよく分からなかったひかるの事を少しずつ理解するようになってきていた。

 

「いくよ!」

 

「「せぇの!」」

 

『おぉ!』

 

「フワ!」

 

ロケットの修理はほぼ完了しその見た目はひかるがノートに書いたロケットと同じピンク色のロケットと同じものになっていた。

 

「良し!後はコレをつければ・・・・」

 

そして後は先端の部分に飾り付けをすれば完成する所まできていたのだが・・・・

 

『ノットレイ!』

 

『っ!』

 

『ノットレイ!ノットレイ!」

 

「あっ!」

 

そこへノットレイ達が現れて、その後ろからはノットレイ達が担いでいる椅子に座るテンジョウも姿を現した。

 

「やっと見つけた。こんな所に隠れてたのね。お嬢ちゃん達・・・・」

 

「くっ」

 

「また最悪なタイミングで出て来たな。」

 

 

 

 

To Be Continued

 

 

 




         次回予告

ノットレイダーに見つかってしまったこうた達・・・・

果たしてロケットを守りきり、宇宙に行く事は出来るのだろうか?

次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第24話 出来た!これが私達のロケット! 後編

次回も楽しみに!


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第24話 出来た!これが私達のロケット! 後編

遅くなって申し訳ありません。
それでは早速本編をどうぞ。



ロケットの修理、模様替えが完了する直前にノットレイダーの襲撃を受けたこうた達・・・・

 

「フワ〜」

 

「また現れたでプルンス。」

 

フワはプルンスの後ろに隠れながらノットレイダーに怯えていた。

 

「ちょっと何そのダッサいの?」

 

「ダサくない!私達のロケットは、キラやば~っ☆なんだから!」

 

「ロケット?それが?あっははははっ!」

 

ひかるがロケットに対する思いを伝えるとテンジョウはバカにするかのように笑い出した。

 

「何がおかしいの?」

 

「まさかそれで宇宙に行くつもり?」

 

「外も中も完璧ルン!」

 

「すぐにでも出発できます!」

 

「お前達に邪魔はさせない!」

 

「そうはいかないね!そんな事、このテンジョウ様がさせないよ。コマちゃんたち!もっさいロケットを壊しておしまい!」

 

『ノットレイ!』

 

「そして、おうし座としし座のプリンセススターカラーペンも奪ってくるんだよ!」

 

『ノットレイ!』

 

「みんな!」  

 

「あぁ(ルン)(うん)(はい)!」

 

ひかるの掛け声で、みんなはそれぞれのスターカラーペンダントとペンを構えた。

 

『スターカラーペンダント!カラーチャージ!』

 

『キラめく~星の力で~!憧れの~私描くよ~!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『スター☆トゥインクル〜!スター☆トゥインクルプリキュア~~!』

 

 

「宇宙(そら)に輝く〜キラキラ星!キュアスター!」

 

「天にあまねく〜ミルキーウェイ!キュアミルキー!」

 

「宇宙を照らす!灼熱のきらめき!キュアソレイユ!」

 

「夜空に輝く!神秘の月明かり!キュアセレーネ!」

 

「光輝く聖なる宇宙!キュアスペース!」

 

 

『スター☆トゥインクルプリキュア‼︎』

 

そしてひかる様はプリキュアへの変身を完了させた。

 

「さぁ!やっておしまい!」

 

『ノットレイ!』

 

「ルン!」

 

『ノ、ノ、ノ、ノ!』

 

「ルン!」

 

『ノットレイッ』

 

ノットレイ達が真っ直ぐミルキーに向かって突っ込んで行くとミルキーはノットレイ達の足元を滑り抜けてノットレイ達の背後に周るとジャンプして得意の電気技でノットレイ達を攻撃した後に今度は張り手でノットレイ達を突き飛ばした。

 

「ふっ!はあっ!」

 

「ノット〜レイ!」

 

「でえ〜いっ!」

 

『ノットレ〜イ』

 

ソレイユがジャンプするとそれに合わせてノットレイ達も仲間の協力で高くジャンプしてソレイユに向かっていくが、ソレイユは何回か縦に回転して勢いをつけるとそのまま炎を纏った両足でノットレイ達を蹴散らした。

 

『ノットレ〜イ』

 

セレーネも向かって来るノットレイ達の攻撃を受け流してそのまま薙ぎ倒していった。

 

「はああああっ!」

 

「でやあああっ!」

 

『ノットレ〜イ』

 

スターとスペースも一緒にスペースは星を纏った右手の拳で、スペースは自身のエネルギーを纏って赤く光った左手の拳で同時にノットレイ達を倒した。

 

「ロケットもプリンセススターカラーペンも守ってみせる!」

 

「お前達には指一本触れさせない!」

 

「生意気なことを・・・・じゃあ、これならどう?」

 

『ノットレイ!ノットレイ!ノットレイ!』

 

『っ!』

 

「ふふふっ、この勢いを止められるかしら?」

 

テンジョウはノットレイ達に横一列に並ばせてノットレイ達は互いに肩を組んでプリキュアとロケットに向かって突っ込んで来た。

 

「ルゥゥゥン!」

 

『ノットレ〜イ』

 

しかしミルキーがノットレイ達とロケットとの間に入っていつも以上に大きなハートのバリアを作りノットレイ達を弾き飛ばした。

 

「ちっ!」

 

「ここから先は、一歩も通さないルン!」

 

「みんなが一生懸命作ったロケットを!」

 

「壊させる訳には参りません!」

 

「くっ、何やってるんだい!アンタ達休んでないでもう一回行くんだよ!」

 

『ノットレイ!』

 

ノットレイ達は先程と同じ陣形を組んで再びプリキュア達とロケットに突っ込んで来た。

するとスペースはギンガのペンを取り出した。

 

「ウルトラスターカラーペンギンガ!ウルトラカラーチャージ!」

 

スペースはみんなより少し前に出てギンガのペンを使い、キュアスペースギンガになるとそのスペースの胸のペンダントが光り、中から2つの光、ギンガスパークとストリウムブレスが現れた。

 

『今こそ、一つになる時!』

 

スペースはギンガスパークの先端をストリウムブレスにリードした。

 

『ウルトラマンタロウ!』

 

『ギンガに力を!ギンガストリウム!』

 

スペースは身体を右側に逸らすとギンガスパークを持った右腕を後ろの方に目一杯伸ばして、ストリウムブレスのついた左腕の肘を曲げてまま構えてそれからスペースはキュアスペースギンガストリウムへと変身した。

 

「何だいそれは⁉︎アンタ、一体どんだけ姿を変えれば気が済むのよ!」

 

テンジョウはスペースが新たな力を手にしている事に驚いていた。

そんな事を気にせずにスペースはストリウムブレスについたタロウの顔と同じ形をしたディスクを横向きから縦向きして中のディスクを回転させた。

 

『ウルトラセブンの力よ!』

 

「ハアッ!」

 

ディスクはウルトラセブンの絵柄の所で止まった。

 

「プリキュア!」

 

『「エメリウム光線!」』

 

『ノットレ〜イ』

 

スペースは額のクリスタルについたビームランプからウルトラセブンの技、エメリウム光線を自身の首を横向きに逸らしながら放ってノットレイ達を吹っ飛ばした。

 

「そんな⁉︎」

 

「セレーネアロー!」

 

「ソレイユシュート!」

 

「しし座!ミルキーショック!」

 

『ノットレ〜イ』

 

それに続くようにセレーネ、ソレイユ、ミルキーの3人もそれぞれの技を発動してノットレイ達を追い払った。

 

「うぅ、諦めるんじゃないよ!」

 

『ノットレイ!』

 

ノットレイ達は再び先程と同じ陣形を組んでプリキュア達とロケットに突っ込んで来た。

 

「私達はコレで宇宙に行くんだ!」

 

「あぁ!」

 

スターはおうし座のペンを取り出し、スペースはストリウムブレスのディスクを回転させた。

 

『ウルトラマンの力よ!』

 

「ハアッ!」

 

ディスクがウルトラマンの絵柄の所に止まるとスペースとスターの横にウルトラマンの幻影が現れてスペースと同じ構えをした。

 

「「プリキュア!」」

 

「おうし座!スターパンチ!」

 

『「スペシウム光線」』

 

『ノットレ〜イ』

 

スターはおうし座の力を宿したピンクの星型のエネルギーを、スペースはウルトラマンの技であるスペシウム光線を放って残りのノットレイ達を全て吹き飛ばした。

 

「プリキュア・・・・前より結束が高まっている、作戦を練り直さないとね。」

 

テンジョウ達はそのまま戦略的撤退を余儀なくされたのであった。

 

「これで完成でプルンス!」

 

「やったぁ!」

 

最後の飾り付けを終えて遂にみんなのロケットが完成した。

 

『皆さん、お疲れ様でした。大幅に作業量は増えましたが予定通り作業は終了しました。』

 

ロケットのAIがララのグローブを通じてみんなに労いの言葉を送ってくれた。

 

「素敵なの出来たでしょ?」

 

「楽しくてあっという間だったね。」

 

「えぇ。夢中になってしまいました。」

 

「このロケットで宇宙に行くのが今から凄く楽しみだな。」

 

「凄いルン。私達のロケットルン。」

 

みんなそれぞれがロケットの完成に喜び、とくにララの目はとてもキラキラしていた。

 

「中に入ろうよ!」

 

そしてみんなは自分達の部屋へと入っていった。

 

「私の部屋、キラやば~っ☆」

 

ひかるの部屋は星が至るとこにあって、周りの壁はピンクを基調とした部屋で宇宙に関する本や資料が沢山置かれていた。

 

「ルンルンのお部屋ルン!」

 

ララの部屋は壁の色が水色を基調にしていて、ララの着けているグローブと同じピンクのハートマークがあって机やベットなど最低限の物が揃っていた。

 

「イイねぇ!1人部屋!」

 

えれなの部屋は部屋の周りに色んな花が置かれていたり、壁にも花の絵が貼ってあったりと花の良さを全面的におしだすような部屋になっていた。

 

「小さいけど素敵です。」

 

まどかの部屋は濃い紫や薄い紫と色々な紫色がバランス良く壁に塗られていて、複数の額縁やクッションなどもあってとても落ち着いた雰囲気の部屋になっていた。

 

「これで良しっと。」

 

こうたの部屋は壁の色はシンプルな白で机にベットに小型のテレビなど必要最低限の物に加えて、家から何枚か持ってきた自分の衣服を部屋のハンガーにかけたり引き出しに仕舞ったりしていた。

 

「このドーナツ製造マシンは自信作でプルンス。」

 

それからプルンスが今までみんなに内緒で作っていた物がお披露目となった。

どうやらドーナツの製造マシンを作っていたらしい。

そしてプルンスがボタンを押すと、機械が起動し、上の方についたパイプから穴の開いた生地のようなものが通っていて、それが製造マシンの中に入るとその機械の中ではドーナツが作られている真っ最中だった。

その後『チーン!』の音と共に機械の扉が開くと、そこには焼きたてのドーナツがあった。

 

『おぉ!』

 

「プルンス、ずっとそれ作ってたんだ。」

 

そしてプルンスは味見としてドーナツを一口食べてみた。

 

「はむっ・・・・ん?まだ改良の余地があるでプルンス。」

 

「あー」

 

「まだお客さんには食べさせられないでプルンス。」

 

「えぇ⁉︎」

 

「お客さんって」

 

プルンスはドーナツを食べようとしていたひかるからドーナツを取り上げてまだ食べさせられないと言うとひかるはガッカリしていた。

 

『出発は明日、日曜日の朝です。ひかる様、寝坊しないで下さい。』

 

「ぶぅ、大丈夫だよ。」

 

「どうかな?ひかるならやりかねないかも。」

 

「もう!こうたまで!」

 

AIが明日の予定をみんなに伝えてひかるに寝坊しないように伝えるとひかるは大丈夫と言うがこうたはひかるならやるかもしれないと言った事に対してひかるは文句を言った。

 

「明日中には帰れるかな?」

 

「学校もありますので」

 

「それまでに戻れば大丈夫!それじゃあみんな!」

 

ひかるが右手を前に出すとその手の上にララ、まどか、えれながそれぞれの右手を重ねていった。

 

「ほら!こうたも!」

 

「え?俺も?」

 

「当たり前ルン!」

 

「そうだよ!」

 

「さぁ、こうた君も手を」

 

ひかるがこうたの事を呼ぶとララにえれな、そしてまどかもこうたの事を呼んでそれを聞いたこうたも自身の右手をみんなの手の上に乗せた。

 

「明日はいよいよ宇宙へ・・・・レッツ・・・・」

 

『ゴーッ!』

 

みんな自分達の右手を頭上に掲げて明日へ向けて気持ちを一つにしていた。

それからこうた達は明日に備えて解散した。

 

その翌日、みんな遅刻せず予定通りロケットに集まったこうた達のいるロケットでは発射のカウントダウンが行われようとしていた。

 

『まもなく出発です。』

 

AIの知らせと共に頭上から操縦桿ような物が降りてきて、ララはそれに自身のセンサーをタッチして発進の準備は整った。

 

「みんな準備はOKルン?」

 

「うん(はい)(あぁ)!」

 

「はぁ、また宇宙に行けるんだぁ。」

 

ララの最終確認に対してこうた達が返事をしてひかるはまた宇宙に行ける事に目をキラキラさせながらワクワクしていた。

そんなひかる達の座っている椅子の中からシートベルトが現れてみんなの身体はしっかりと固定された。

 

「いよいよですね。」

 

「うん。」

 

「カウントダウン、スタートルン!」

 

「5・・・・4・・・・3・・・・」

 

『2・・・・1・・・・ゼロォォォ!』

 

カウントが0になるとロケットのエンジンが動きだし、そのままロケットは空へ飛び立った。

 

しかし・・・・

 

「うわぁぁぁ!なにこれぇえええ!?」

 

「大気圏抜けるまでのがぁぁあまんんんん!」

 

急激な加速によって、こうた達にとても強い重力がかかっていた。

その状態が少しの間続いたがそれはすぐに治った。

 

「もう大丈夫だよ。」

 

「「はぁ〜」」

 

ひかるの声にえれなとまどかは安心したのか身体の力が自然と抜けていた。

それからひかるがシートベルトを外すとひかるの身体が宙に浮いていた。

 

「あぁ!無重力!」

 

えれなはそんなひかるの姿に興奮しえれなが、それに続いてまどかとこうたも自身もシートベルトを外した途端宙に浮いていた。

 

「凄いです。」

 

「おぉ!」

 

「フワ!」

 

「これ良く宇宙飛行士がやってるのだよね。」

 

「まさか自分が経験するとは・・・・」

 

「ルン!」

 

えれなとまどかは初めての無重力に驚きながらもはしゃいでいた。

 

「おーい!えれな!まどか!こっち来てみなよ。」

 

「何?」

 

そこにこうたが2人を窓際に呼んで外の景色を見せるとそこには教科書などで見た事ある青い地球が見えてえれなとまどか、そこにひかるも加わり3人とも目を輝かせ夢中で眺めている。

 

「地球・・・・ですね。」

 

「綺麗・・・・」

 

「本当に・・・・青いんですね。」

 

「うん。」

 

「あたしんちはあの辺かな?」

 

「そうかも。」

 

「本当に宇宙に来たんだね。」

 

みんなはそれぞれ宇宙に来たという事実をその身をもって味わっていた。

 

「重力発生ルン!」

 

『え?』

 

ララがロケット内に重力を発生させるボタンを押すとロケット内に重力が発生しララ以外の4人はそのまま床に落ちてしまった。

 

「いったぁぁっ」

 

ひかる、えれな、まどかこうたの4人は落ちた衝撃を痛がっていた。

 

「大丈夫ルン?」

 

「もう!先に言ってよ!」

 

「え⁉︎何⁉︎」

 

「ペンダントが⁉︎」

 

ひかるがララに詰め寄り文句を言っていると突然えれなのスターカラーペンダントが光りだしてその光はてんびん座を示していた。

 

「ルン⁉︎」

 

「てんびん座のプリンセススターカラーペンが呼んでるでプルンス!」

 

「フワ?」

 

「フワ?まさか⁉︎」

 

すると今度はフワの耳の周りについている黄色い輪っかが回転して光りだした。

 

「フーーワーーッ!」

 

『うわああああっ!』

 

フワの掛け声をあげた直後に星形のワープホールが生成されるとロケットはそのワープホールに吸い込まれ、ワープホールを抜けたその先はこうた達の見た事のない星がキラキラしている宇宙が広がっていた。

 

「ここ・・・・」

 

「どこですか?」

 

「ここは・・・・星空界ルン!」

 

「キラやば~っ☆」

 

「ここが・・・・ララ達のいた宇宙・・・・」

 

こうしてこうた達はえれなのペンダントとフワの導きによってララ達のいた宇宙、星空界へとやって来たのであった。

 

 

 

To Be Continued

 

 

 





         次回予告

こうた達はえれなのペンダントの示した星、ケンネル星へとやって来た。

その星には沢山の骨があり、そこでドギーという名の住人とその仲間に出会う。

警戒していたドギー達に対してえれなは自らコミュニケーションをとろうとするが・・・・


次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第25話 初めての星空界!ケンネル星はワンダフル! 前編

次回も楽しみに!


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第25話 初めての星空界!ケンネル星はワンダフル! 前編

1ヶ月半以上も投稿出来ずにすいませんでした。m(_ _)m

諸事情で執筆する余裕がなく投稿出来ずにいましたが、今日からまた少しずつ投稿を再開していきますので今後ともよろしくお願いします。

それでは早速、最新話をどうぞ。



「星空界キラやば~っ☆」

 

「ひかる、そこに立っていると邪魔ルン。」

 

「そこに立ってると見えないだろ。」

 

「・・・・ゴメンちゃい。」

 

ロケットの星形の窓の前に立って興奮しているひかるに対してララとこうたが注意するとひかるは謝りながら退いてくれた。

 

「なぜ急にこの星空界まで飛んで来てしまったのでしょうか?」

 

『分析の結果、解析不能のパワーが作用したようです。』

 

「ペンダントの反応と関係あるかもしれないでプルンス。」

 

まどかは何故突然この星空界に来てしまったのかを考えているとロケットのAIとプルンスはペンダントが関係しているのではと推測した。

それを聞いたえれなは、先ほど光った自分のスターカラーペンダントを取り出し眺める。

 

「それにしても星空界はわたくし達の知っている宇宙とは全然違うのですね。」

 

「だね、色も雰囲気も。」

 

「こんなにもキラキラしてる宇宙なんて初めて見た。」

 

まどか、えれな、こうたの星空界を初めて見た3人は周りがピンク色をメインに様々な色や形をした星が沢山あってそんな星々に見入っていた。

 

「どんな宇宙人に会えるかな〜。アブラハム監督のSF映画みたいにいろんな宇宙人と友達になりたいな〜。」

 

ひかるの言っているアブラハム監督とは世界的に有名な映画監督で、主にSF映画が多く、ひかるはそんな彼の大ファンなのだ。

 

「っ!ペンダントが!」

 

「あの星みたいルン!」

 

すると再びえれなのペンダントが反応し、ララがペンダントの反応からプリンセススターカラーペンがあるであろう星をモニターに映し出す。

 

「おぉ!どんな星かぁ・・・・骨?」

 

ひかるが自前の星形の望遠鏡で見てみると、その星の形は骨のようであり、周りにも似たような骨の形をした惑星が浮いていた。

 

「あれって・・・・ホントに星なのか?」

 

流石のこうたもこれには疑問を抱かずにはいられなかった。

 

 

 

 

 

 

「着陸するルン。」

 

それからロケットは無事に骨のような形をした惑星に着陸することに成功した。

 

『なおスターカラーペンダントにはその星の大気に適応できる力があるようです。宇宙服は必要ありません。』

 

「え?このペンダント何でもアリだな。」

 

「でも気をつけるルン。このペンダントがないと私は今でもみんなの言葉がわからないし、行った星によっては何があるかわからないルン。だからペンダントは絶対に肌に離さず持ってるように注意するルン。」

 

「了解。」

 

こうたはペンダントの性能に驚いているとララはそんなこうたにペンダントが手元にない時の注意点を説明した。

 

「はいはい!わたしが最初に降りていい?」

 

「ルン?」

 

「ほら月に最初に降り立った人の足跡ってあるでしょう?」

 

「あぁ・・・・なるほどね。」

 

「俺は構わないぞ。」

 

「私もです。」

 

ひかるの提案をみんな了承してひかるは遠慮なくといった具合にロケットの外に出る。

 

「さぁ・・・・この星に降り立つ地球人の記念すべき第一歩!そぉっ・・・・あ!」

 

だかしかし、最初の一歩を踏みしめる前にひかるは躓いてしまい、そのまま顔面からこの惑星の地面に激突してしまい、その結果、それが地球人の最初の接触となってしまった。

 

「おぉ・・・・これはまた綺麗な顔跡がついたなぁ。」

 

「見ないで・・・・私の失敗を見ないで・・・・。」

 

こうたはひかるの顔跡をまじまじと見ているとその横でひかるは膝をつきながら本気で凹んでいた。

そんな2人をよそに他のみんなは辺りに散らばる骨みたいな物を見ていた。

 

「それにしても・・・・」

 

「骨みたいなのがいっぱいルン。」

 

「まさか凶悪なモンスターに食べられちゃった人の骨とか?」

 

「プルッ⁉︎食べられて骨だけにされるなんて恐ろしいでプルンス。」

 

「骨なさそうに見えるけど・・・・。」

 

「同感。」

 

プルンスはえれなの言葉に恐怖を感じ、とんでもない振動速度で震えていたが、えれなはそんなプルンスにさ骨がないのではと言うとこうたもそれに同意していた。

 

「そういえば、ララやプルンスはこの星に来た事はあるのか?」

 

「ルン?私はないルン。いつもはサマーンの近くをロケットで飛んでいただけで、こんなに遠くまでは来た事ないルン。」

 

「プルンスもこの星は初めてでプルンス。」

 

「そうなのか。」

 

こうたはララとプルンスにこの星に来た事があるのか聞くと2人ともこの星は初めてらしい。

 

「あれ?何かあるよ。」

 

こうた達がそんな会話をしていると立ち直ったひかるが再び持参した星形の望遠鏡で辺りを見渡している時に何か建物のような物を見つけた。

みんなで近づいて物陰から様子を伺っているが人影は全く見当たらない。

 

「宇宙人の家かな?」

 

「危険過ぎる・・・・怖いでプルンス。」

 

「人影は見えないルン。」

 

「う〜ん。」

 

そんなひかる達の背後から怪しい影が迫ってきていた。

 

「動くな。」

 

「え?」

 

ひかる達は突如背後から話しかけられた事で少し驚いていた。

 

「これから3つ数える。その間にゆっくり振り向け。」

 

「えぇ⁉︎どうしよう?」

 

「ここは逆らわない方が良いよ。」

 

「だな。下手に刺激するのも良くないだろうし。」

 

「いくぞ!ワン、ワン、ワン!!」

 

「ワン、ツー、スリーじゃないの?」

 

えれなは自身の知る常識から何故『ワン!』が3回なのか疑問に思っていた。

 

「3つ数えたぞ!」

 

『は、はい。』

 

みんな恐る恐る振り返ると・・・・

 

 

「・・・・」

 

そこにはけむくじゃらで俺たちのひざ辺りまでしか身長がない2足歩行の、真ん中に黄色の子が、その子から見て右側にはピンク色の、その反対の左側には緑色のけむくじゃらの子がいてみんなでこちらを睨んでいた。

 

「うぅ〜っ」

 

「はぁ・・・・キラやばっ☆かわいい!!」

 

全員が固まっているとひかるが目を輝かせながら抱きつき、3匹纏めて抱きしめていた。

 

「よしよしよしよしよしよし、良い子だねぇ。良い子良い子良い子!」

 

そのまま3匹全員を抱きしめながら一緒に転がったりとひかるは全力でスキンシップをとっていた。

 

「さぁ、追いつけたらこの骨あげるよ!」

 

「「「ワオン!ワオン!ワオーン!」」」

 

それから骨を片手に持ったひかるを追いかける追いかけっこが始まってしまった。

 

「完全に犬と遊ぶ飼い主だよなぁ、これ。」

 

「ルン。」

 

「だね。」

 

「そうですね。」

 

「・・・・はっ!じゃない!ワンサイドに色々やるなぁ!」

 

黄色の毛の子がそう言って、ひかるの彼らとのスキンシップは終了した。

 

「ごめん。うちのイエティと遊ぶ時のノリでつい・・・・え?」

 

「言葉が通じてる⁉︎」

 

「きっとペンダントのおかげルン。」

 

「あぁ、さっき言ってた俺達がララの言葉がわかるのと同じ理由か。」

 

「ルン。」

 

ララはそう言いながら自分のペンダントを持って理由を推測した。

 

「貴方がたがこの星の住人ですか?」

 

「凄いね、フワ達と全然違う。」

 

「お前たちはワンチャン宇宙から来たのか?」

 

「俺達は地球ってところから来たんだよ。」

 

「地球?」

 

「知ってる?」

 

「知らない。」

 

黄色の子にこうたが地球から来たと言うと、彼らはそんな星を知らないといった感じに互いの顔を合わせている。

 

「ふん!どうせ大した星じゃないな。」

 

「どうしてそう思うの?」

 

「毛だ!!」

 

えれながそう尋ねると、黄色い子が高らかにその理由を答えた。

 

「見たところ頭にしか地球人は毛が生えていないみたいだな。」

 

「残念ね、地球人は。そんなつるつるな肌で。」

 

「どうしてこちらがワンサイドに負けたみたいになってるの?」

 

話に聞くと、この星では毛の長さとその手入れの良さが基準になっているようだ。

 

「でも確かに、3人とも素敵な毛並みだね。」

 

「そう!全身の毛並みがどんなに美しいかが大切なのよ!・・・・あら?」

 

えれなが3匹の毛並みの良さを褒めると、みんなうれしそうにする。すると3匹のうちピンク色の毛の子がフワに目を付けた。

 

「あら?その白い子だけはワンダフルね!」

 

「フワ?」

 

「毛並みのフワフワ感が最高だわ!」

 

まどかに抱かれたフワを指さしてその子はフワの毛並みを絶賛した。

 

「それに引き換え・・・・」

 

黄色い子がプルンスの方を見ると・・・・

 

「毛が一本もなーいっ‼︎」

 

「かわいそう~!」

 

「ムキーッ!失礼でプルンス!寧ろこのツルッツルなお肌はプルンスの自慢でプルンス!」

 

酷い言われようにプルンスはあまりの怒りに小さなUFOから飛び出して怒っていた。

 

「ふん!毛がない怪しい奴らめ!何しに来た?」

 

「探し物があるの、別に怪しくないよ。」

 

「じゃあ挨拶くらいちゃんと出来るんだろうな?」

 

「もちろん!わたし、星奈ひかる!宇宙と星座が好きな中学二年生~!」

 

「違うっ!」

 

ひかるが挨拶というよりかは自己紹介を始めると黄色い子はあっさりそれを否定した。

 

「良く見てろ。これがこの惑星での挨拶はこうだ!」

 

3匹は息を合わせて挨拶を始める。

 

「「「アオーン!アオーン!」」」

 

まず左右に一回ずつ遠吠えをする。

 

「ネギ―!」

「マギー!」

「ドギー!」

 

そして名前を言いながら逆立ちをし、先に逆立ちしている人がいたらその上で逆立ちをする。

どうやらピンクの子が『ネギー』、緑の子が『マギー』、そして黄色の子が『ドギー』というらしい。

 

「あんな挨拶いやルン。」

 

「これは流石に、俺もいやだな。」

 

「こうた、もしもの時は・・・・」

 

「大丈夫だララ。ほら、見てみ・・・・」

 

ララは彼らの挨拶を嫌がるとこうたもそれに同意した。そんなララはもしも自分達もしなければいけなくなったらどうするかをこうたに相談しようとした時、こうたに言われてその方向を向くと・・・・

 

「わおーん!」

 

「姿勢がなっていない‼︎」

 

「こうかなー?」

 

「チャレンジャーでプルンスなぁ。」

 

「な、こういう時はひかるに任せれば大丈夫なんだよ。」

 

「ひかる・・・・凄いルン。」

 

この惑星風の挨拶を身に付けようとひかるは必死に努力していた。

その姿を見て、プルンスとララは改めてひかるの事を尊敬の眼差しで見ていた。

 

「はん!やっぱり毛が無い奴らには無理だろう。」

 

「そうだね。その挨拶は上手く出来そうにないし、私には貴方達みたいな立派な毛もない。だからアタシ達の星の挨拶をするね。」

 

「ん?」

 

そう言いながらえれなはドギー達に近づいていく。そしてえれなは腰を落とし、彼らの目線で右手を差し出した。

ドギーはその右手を見てどうするのか分からず戸惑っていると・・・・

 

「貴方も手を・・・・」

 

「・・・・・・・・」

 

えれなに手を出すように言われるとドギーも右手を出して互いに握手をした。

 

「あたし、えれな。よろしくね。」

 

「ド、ドギーだ。」

 

えれなが自身の名前を言うとドギーも真似をして自分の名前を名乗った。マギーとネギーもドギーと同じようにえれなと握手をして挨拶を交わした。

 

「流石観星中の太陽・・・・」

 

ひかるは逆立ちをしながらその光景を見守っていた。

 

「毛がなくてもこれで友達だね。」

 

「だ、騙されないぞ。そんなんで友達になれるか!」

 

えれながそう言って笑いかけるとドギーの頬が少し赤く染まる。そして彼は一歩下がり距離を取ってそう言った。

 

「顔を合わせて、笑顔になれたらもう友達なんだけどな~。」

 

「・・・・ふん!」

 

そんなドギーの様子を見て、えれなは両手を自分の頬に添えながら自身の気持ちをドギーに伝えた。

それを聞いたドギーは何も言い返さずにただ恥ずかしそうにして顔を逸らしていた。

 

すると突然空の天気の様子が悪くなり空から何かが降り始めた。

 

「痛っ!何だこれ?」

 

「何ルン・・・・骨?」

 

こうたは突然降って来た物が頭に当たり痛がっていて、ララは降って来た物を手に添えて見てみるとそれはとても小さな骨だった。

 

「たぁすけてでプルンス〜っ。」

 

「仕方ねぇ、ついてこい!」

 

ドギー達の案内でこうた達はさっきの建物の方に避難していく。俺たちはそれについていく。

 

「待ってぇ!」

 

そしてひかるは逆立ちをしたままみんなの後を追いかけていた。

 

(ひかる、まさかこの短時間に逆立ちをマスターしたのか?)

 

そんなひかるの姿にこうたは驚かずにはいられなかった。

 

「こんな物が降るなんて、キラやば~っ☆」

 

ひかるは降って来た骨を見て興奮していた。

 

「不思議です。」

 

「宇宙にはダイヤモンドが降る星もあるでプルンス。骨が降っても不思議じゃないでプルンス。」

 

まどかが不思議そうに降ってくる骨を眺めていると、プルンスはダイヤモンドが降る星もあると説明してくれた。

 

「俺達みたいに毛が生えていりゃあ、骨が当たったぐらい痛くないんだ。」

 

「成る程ねぇ。」

 

どうやらこの星の住人達が毛むくじゃらなのはこの星の環境に対応する為のものだったようだ。

 

「全く、だから毛がない奴は・・・・」

 

そう言いながらドギーは何かの液体が入った瓶を取り出した。

 

「何?」

 

「超即効性の毛生え薬だ。すぐフサフサになるぜ。長持ちはしないけどなぁ。」

 

「フサフサ・・・・」

 

どうやらコレを使うと犬や猫みたいに全身が毛でフサフサになるらしい。

 

「じゃあさっそく・・・・」

 

そう言ってひかるは何の躊躇もなくそれを使おうとしていた。

 

「やめるでプルンス!」

 

「なんで?」

 

「それは預かっておくよ。」

 

「それが良いな。」

 

結局その薬は使用せずにえれなが預かる事になった。

 

「ん?・・・・まさか・・・・この奥にペンが・・・・」

 

すると突如、えれなのスターカラーペンダントが光り始めた。その反応は建物の奥を示していた。

 

 

一方その頃、ケンネル星の上空ではノットレイダーのUFOが飛来し、その上にはカッパードが立っていた。

 

「やれやれ、ペンがあると思って来てみれば、実に原始的な惑星。プリミティブ過ぎるねぇ。」

 

 

 

 

To Be Continued

 

 

 




        
         次回予告

建物の奥で祀られているペンを発見したえれな達

しかしそのペンはドギー達にとってとても大切な物だった。

ペンを手に入れなければならないえれなの出した結論は・・・・



次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第26話 初めての星空界!ケンネル星はワンダフル! 後編

次回も楽しみに!


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第26話 初めての星空界!ケンネル星はワンダフル! 後編

今年も後2ヶ月をきりましたね。

出来れば今年中に第3章を終わらせられればと思っています。

今後ともよろしくお願いします。


建物の奥の方に入っていくと広い場所に出た。

 

「ここは長老である俺のじいちゃんが管理している神殿なんだ。」

 

「へ~」

 

この神殿の中に入ってからドギーが急に元気になったのかここの事を色々と教えてくれた。

 

「やけにニコニコしてるね。」

 

「当然だ。ここにはあれがあるんだからな!」

 

えれながドギーに理由を聞くと、ドギーは神殿の奥を指を差した。

そこには大きな像が置いてあった。

 

「俺たちの守り神!ご先祖様の像だ。そして頭の上で光っているのが聖なる骨!」

 

「聖なる骨?」

 

どうやらドギー達にとってあの像と骨はとても貴重な物らしい。

だが、こうたとひかるはその骨に対して何か違和感を覚えていた。

 

「うん?あれってもしかして・・・・」

 

「綺麗だろう。アレがなぜ聖なる骨って言われているか教えてやろう!実はご先祖様の頭にはもともと尻尾があったんだけど、壊れてしまって困ってたんだ。でも、この間の祭りの日、雨の中で空に一本の光る骨が現れて、それがちょうど尻尾のないご先祖頭に刺さったんだ。尻尾をピンとたてた堂々とした姿、しかも光が毛並みを美しく魅せている。きっと天からの贈り物だとみんなで大喜びしたんだ。なぁ凄いだろ!」

 

「そうだね・・・・」

 

ドギーは興奮しながら説明してくれるがえれなは状況を察しているのかそれを苦笑いするしかなかった。

 

「こうた君、ララさん、あれって・・・・」

 

「あぁ、まずい事になったな。」

 

「ルン。困ったルン。」

 

その後ろでまどかはこうたとララに小声で確認を取っていた。

 

「うんしょっと。」

 

「あぁ!何やってんだ!」

 

「ひかる⁉︎」

 

ひかるはご先祖様の像を登り始めてその聖なる骨の目の前まで辿り着いた。

 

「なにやってんだ!ひかる!」

 

「やっぱり!これプリンセススターカラーペンだよ!」

 

「プルンス達はこれを探してたでプルンス。」

 

「どういう事だ・・・・」

 

「ドギーお願いがあるの・・・・」

 

ドギーが動揺している横でえれなはドギーにお願いと自分達がこの星に来た目的を説明した。

 

「聖なる骨をよこせだと⁉︎」

 

「あたし達、アレが必要なの。」

 

「お願いだドギー、俺達にあの骨を渡して欲しいんだ。」

 

「ダメだ!あの骨は大切な物だと言っただろ!」

 

「宇宙の平和の為にないと困るルン。」

 

「そうか・・・・最初から聖なる骨を手に入れる為に俺達を騙す気だったのか!」

 

「違うよ!あたしは・・・・」

 

「兎に角、骨は渡さない!」

 

「ドギー・・・・」

 

「聞き分けないでプルンスなぁ、えれな構わず抜いてしまうでプルンス!」

 

「えっ・・・・」

 

ドギーが反対の意見を貫く中でプルンスは痺れを切らしてえれなに強硬手段にでるように言うとえれなも戸惑ってしまった。

 

「プルンス・・・・」

 

「あのペンは天秤座のプルンスを復活させるのにどうしても必要でプルンス。それにきっとキュアソレイユの力になるでプルンス。」

 

「でも・・・・」

 

えれなが戸惑っているとそんなえれなの手をネギーが握ってきた。

 

「お願い!聖なる骨を取らないで!」

 

「頼むよ。」

 

「さぁ、えれなペンを!早くペンを抜くでプルンス!」

 

ネギーとマギーがペンを取らないでとえれなに頼み込んできて、プルンスはそれを無視してペンを抜くように訴えていた。

 

そしてえれなはみんなの表情を見て決断を下した。

 

「・・・・出来ない。」

 

「え?」 

 

「この星の人達にとって大切な物を奪うって事は笑顔を奪うのと一緒だよ!」

 

「な、何を言ってるでプルンス!宇宙の平和とどっちが大切でプルンス!」

 

「物の大切さ、価値観は人それぞれだよ!」

 

えれなはネギーとマギーを抱きしめながらペンを取らないと宣言して今度はプルンスがそれに対して反発してきた。

 

「・・・・プルンス。」

 

「こうた?こうたからもえれなに言ってやって欲しいでプルンス!」

 

「こうた・・・・」

 

えれなはこうたからも何か言われるのでは身構えてしまっていた。

 

「俺は・・・・えれなの意見に賛成だ。」

 

「え?」

 

「何言ってるでプルンスか⁉︎宇宙がどうなっても良いんでプルンスか⁉︎」

 

「そうは言ってない!ただ他にも何か方法があるかもしれないし、それを探すのも有りなんじゃないかと思っただけさ。」

 

「そんな事をしてる間にノットレイダー達に宇宙を乗っ取られたらどうするでプルンス!」

 

「でもそれじゃあノットレイダーの奴らと同じだろ!」

 

プルンスが怒鳴りながらこうたに訴えているとこうたも痺れを切らして強い口調でプルンスに言った。

 

「確かに宇宙の平和は大事だ。けど、ここでペンを取って宇宙が救われてもドギー達やこの星の人達は笑顔になれないだろ!」

 

「っ!」

 

こうたがどうすればドギー達が笑顔になれるかを考えていた事を知ってえれなは少し嬉しそうな表情になった。

 

「宇宙は救いたい。けど、ドギー達も笑顔にしたい。そのどちらかを選ぶなんて俺には出来ない!だからみんなが笑顔になれる方法を俺は絶対に諦めたくないんだ。」

 

「こうた・・・・」

 

「・・・・・・・・」

 

こうたの思いをえれなとドギーは真剣な眼差しで聞いていた。

 

しかし・・・・

 

「ほぉ、遂に見つけたぞ。プリンセススターカラーペン。」

 

「ルン?」

 

「ルン?おやプリキュア?とうとう宇宙まできたのか?」

 

「カッパード⁉︎」

 

「いつの間に!」

 

みんながペンの事を話してる間にカッパードがその背後でペンの目の前まで迫っていた。

 

「ははっ、こんな所で会えるとは奇遇、いやいやこれは必然、戦う我らの宿命という事か?」

 

「何だアイツは?」

 

「悪い奴だよ。」

 

「ドギー達は危ないから離れてるんだ。」

 

ドギー達がカッパードの登場に驚いている所にえれなとこうたがドギー達に離れてるように伝えた。

 

「丁度いい、プリキュアを叩きのめし、ペンも頂こう。来い!ノットレイ!」

 

『ノットレーイ!』

 

カッパードが呼び出したノットレイ達が像のある祭壇周辺を囲んで近づかせないようにしていた。

 

「仕方ない、話は後で・・・・」

 

「行くよみんな!」

 

『スターカラーペンダント!カラーチャージ!』

 

『キラめく~星の力で~!憧れの~私描くよ~!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『スター☆トゥインクル〜!スター☆トゥインクルプリキュア~~!』

 

 

「宇宙(そら)に輝く〜キラキラ星!キュアスター!」

 

「天にあまねく〜ミルキーウェイ!キュアミルキー!」

 

「宇宙を照らす!灼熱のきらめき!キュアソレイユ!」

 

「夜空に輝く!神秘の月明かり!キュアセレーネ!」

 

「光輝く聖なる宇宙!キュアスペース!」

 

 

『スター☆トゥインクルプリキュア‼︎』

 

全員が変身を完了しそれぞれがポーズをとった。

 

『ノットレーイ!』

 

「えぇぇぇい!やぁぁぁぁ!」

 

『ノットレーイ』

 

ノットレイ達が近づいて来たのをスターが拳に星の力を集めて放つとノットレイ達はそれに吹き飛ばされてしまった。

 

「ルン!」

 

「はっ!ふっ!」

 

その間にミルキーは電撃でノットレイ達を攻撃し、セレーネは1人1人向かってくるノットレイ達を投げ飛ばしていた。

 

『ノットレーイ!』

 

『うわぁぁぁっ!』

 

「はぁぁぁぁっ!」

 

ノットレイ達がドギー達を追いかけているとそこにソレイユが駆けつけて両足蹴りでノットレイ達を蹴り飛ばした。

 

「さてと、ではペンを頂くとしようか。」

 

「やめろ!それは俺達の骨だ!」

 

「くっ!コイツ、退け!」

 

「うわっ!」

 

「ドギー!」

 

ドギーはペンを守ろうとカッパードに飛びかかるがすぐに跳ね飛ばされてしまい、そんなドギーの所にネギーとマギーが駆け寄ってきた。

 

「この宇宙の物は全て我々ノットレイダーの物なのだよ。」

 

「カッパード!」

 

「くっ!」

 

そこにスペースがカッパードに飛び掛かっていき、スペースの右手が赤く光り殴りかかるとカッパードはそれを受け止めて後ろに吹き飛ばされるとその場所に今度はソレイユが右足に炎を纏った踵落としで攻撃し、カッパードはそれも耐え切った。

 

「ペンは渡さない!」

 

「この星から出て行け!」

 

「それは友達の大切な物なんだ!」

 

「友達の物?お前達もこのペンを奪いに来たのではないのか?」

 

「一緒にしないで!あたし達は・・・・」

 

「一緒だ!」

 

「え?」

 

「お前らみんな聖なる骨が目当てなんだろ!」

 

カッパードとソレイユが話している所にドギーが割り込んできてみんな同じだと言った。

 

「それは、宇宙平和の為に仕方ないでプルンス!」

 

「そんなの関係ない!俺達から見ればお前らもあの男も全く一緒だ!」

 

「あっ・・・・」

 

「・・・・・・・・」

 

「・・・・プルンス、確かにドギー達からしたら一緒かもしれない。」

 

「そんな・・・・」

 

ドギーの言葉をスペースは無言で聞いてソレイユとプルンスはその事実に動揺していた。

 

「もっと、話し合えば良いんじゃない?」

 

「そうルン!」

 

「事情を話せば、ドギーさん達もわかってくれるかもしれません。」

 

「確かに、ペンの事をろくに説明してなかったでプルンス。」

 

プルンスは自分がしてしまった事に後悔し、浮いていた高さが徐々に下がっていった。

 

「ふっ、面白い。プリキュアもこの星では招かれざる客か。」

 

「それでも私はペンを守る!」

 

「出来るかな?」

 

カッパードは自身の光る刃の薙刀を取り出し、そこにソレイユが飛びかかり何度も蹴り技を決めるがあまり手応えがなかった。

 

そしてカッパードは左手で頭の皿に触れるとその左手は水に包まれた。

 

「はあああっ!」

 

「待てソレイユ!」

 

「ノットレーイ!」

 

「くっ!」

 

スペースはカッパードの動きに気づきソレイユに止まるように叫ぶがソレイユには聴こえていなかった。

 

「カッパードストライク!」

 

「う、うああああっ!」

 

接近するソレイユにカッパードの技が直撃して後方の壁まで吹き飛ばされた。

その時にドギーから渡された超即効性の毛生え薬がドギー達の近くに落ちてしまった。

 

「あぁぁっ!」

 

「うっ、くぅぅぅ。」

 

「ソレイユ!」

 

「早く助けないと!」

 

「これ以上邪魔はさせん。終わりだ、キュアソレイユ!」

 

「くっ!」

 

スター達がソレイユの助けに行こうとするがノットレイ達に阻まれて駆けつけられなかった。その頃、カッパードがソレイユの目の前に立ち薙刀をソレイユ目掛けて振りかぶり、ソレイユは目を閉じた。

 

しかし、その刃はいつまで経ってもソレイユに届く事はなく、ソレイユが目を開けるとそこには赤く光るバリアを貼って攻撃を受け止めていたスペースの姿があった。

 

「スペース⁉︎」

 

「ちっ!」

 

「ソレイユは・・・・やらせない!」

 

「のわっ!」

 

スペースはバリアをワザと破裂させる事でカッパードを後方に吹き飛ばした。

 

「確かに俺達はドギー達にとっては招かれざる客かもしれない。けど、それでも!俺には!俺達には守りたいものがある!」

 

『我々は皆、ただ闇雲に悪と戦っている訳ではない。そこに大切なものがあって・・・・それを守りたいと思う心こそが・・・・我々にとって一番大切な事なのだ!』

 

こうたは前にウルトラマンタロウから聞いた言葉を思い出し、それを体現しようとしていた。

 

「たとえ周りから何と言われようと俺達は自分が守りたいものの、信じるものの為に戦う!お前達のような悪には絶対に屈しない!ウルトラスターカラーペン!ギンガ!ウルトラカラーチャージ!」

 

スペースはギンガのペンを取り出してキュアスペースギンガへと変身した。

 

「更なる変身だと⁉︎そんな事が⁉︎」

 

カッパードは初めてスペースの更なる変身を見て驚いていた。

 

「大切な仲間も、ドギー達も、この星も、お前達の好きにはさせない!」

 

スペースは右手を前に突き出すとギンガの変身アイテム『ギンガスパーク』が現れて、その『ギンガスパーク』が伸びて『ギンガスパークランス』へと変化した。

 

「バカな⁉︎槍だと⁉︎」

 

「行くぞ!カッパード!」

 

スペースはギンガスパークランスを持ったまま真っ直ぐカッパードに突っ込んでいった。

その勢いのままスペースは槍の先端を何度もカッパードに突き出して攻撃してカッパードもそれをかわしたり防いだりするので精一杯だった。

 

「はあっ!」

 

「ぐはっ!」

 

それからスペースはギンガスパークランスをバットのように振りかぶってカッパードに叩きつけるとカッパードは防御はしたが、その勢いまでは止められずに後方へと吹き飛ばされてしまった。

 

「はぁ・・・・」

 

「ドギー!」

 

ドギー達がスペース達の戦いに夢中になっていると横からプルンスの声が聞こえてきてそちらを向くとプルンスが土下座をしていた。

 

「お、お願いでプルンス!ペンの力をソレイユに渡してあげて欲しいでプルンス。」

 

「何⁉︎」

 

「プルンスが強引だった事は謝るでプルンス!でもみんなの事は信じて欲しいでプルンス!今だけでも良いからペンの力を貸して欲しいでプルンス!」

 

「・・・・・・・・」

 

ドギー達はプルンスの説得を聞いて再びソレイユとスペースに視線を向けた。

 

「はあっ!」

 

「なっ⁉︎くぅぅぅ!」

 

「ソレイユ⁉︎」

 

「私も、私も一緒に守らせて!友達の笑顔を!大切な物を!」

 

「あぁ、行くぞ!」

 

「うん!」

 

スペースとカッパードが戦ってる間にソレイユが炎を纏った飛び蹴りで割り込んで来るたカッパードはそれをジャンプでかわし、そんなソレイユはスペースに一緒に守らせて欲しいと頼み、それを承諾したスペースと共にカッパードへと向かって行った。

 

「くっ、目障りだ!この一撃で終わらせる!」

 

「うおおおおっ!」

 

「ん?」

 

カッパードが先程の技を再び使おうとした時、ドギー達3人が聖なる骨を必死に抜こうとしていた。

 

「アイツらペンを!」

 

「友達!友達!」

 

「ドギー!」

 

「きっとソレイユの思いがドギー達に届いたんだ。」

 

「そうはさせん!」

 

「あっ!」

 

「やめろ!」

 

「カッパードストライク!」

 

カッパードの技がドギー達に向けられて放たれたが、その間に何かが割って入りカッパードの攻撃を防いだり。

 

「え?」

 

「何だ?」

 

「んんんっ・・・・おぉ!毛のお陰で怪我しなかったでプルンス!モジャモジャも意外と悪くないでプルンス!」

 

するとそこには毛むくじゃらになったプルンスがいた。

 

「プルンスさん⁉︎」

 

「毛生え薬を使ったルン⁉︎」

 

セレーネが毛むくじゃらになったプルンスに驚いている中でミルキーは先程ソレイユが落とした超即効性の毛生え薬を使ったのだとすぐにわかった。

 

「さぁ、今でプルンス!」

 

「ぬぬぬぬぬっ!うわっ!」

 

「抜けた!」

 

ドギー達はペンが抜けた勢いのままに祭壇の下へと落ちてしまった。

 

「受け取れぇぇぇぇ!」

 

ドギーが投げたペンをソレイユは右手でキャッチしてペンの光が弾けて中から天秤座のプリンセススターカラーペンが姿を現した。

 

「ペンを奪え!」

 

『ノットレイ!』

 

「ありがとう!ドギー!スペース!いくよ!」

 

「あぁ!」

 

「「プリキュア!」」

 

「天秤座!」

 

ソレイユは天秤座の力を宿した炎のボールを空中に蹴り上げた。

スペースもその間に両腕を前方でクロスさせて、それからS字を描くように左右に大きく広げてから腕を構えた。

その時にスペースの身体の周りのクリスタルは青く輝いていた。

 

「ソレイユシュート!」

 

「ギンガクロスシュート!」

 

ソレイユはそのボールを勢いよくカッパード達に目掛けて蹴り、スペースも広げた両手を左腕は右肘に拳を当てる形でL字型に組みその右腕から光線が発射されてソレイユとスペースのWシュートがカッパード達に向かって放たれた。

 

「何⁉︎うわっ!」

 

『ノットレーイ』

 

「くっ、今日はここまで・・・・次は私が勝ぁつ!」

 

2人の技がカッパード達に直撃するとその技を受けたカッパード達はそのまま遠くに飛ばされていってしまった。

 

その後、ノットレイダー達を追い払ったこうた達はドギーの祖父である長老に相談しようという事になり事情を長老に説明した。

 

「成る程、話は聞かせてもらった。聖なる骨は持っていくがよい。」

 

「やったぁ!」

 

「ありがとうございます!」

 

長老からの許可をもらってひかるは喜び、こうたはお礼を言った。

 

「長老いいのか?」

 

「良いんじゃ!何故かと言うと壊れておった尻尾の修理が丁度終わったんじゃ!」

 

「わぁ綺麗・・・・」

 

「さぁ、えれな!ペンをトゥインクルブックにセットするでプルンス!」

 

「うん!」

 

えれなはトゥインクルブックに天秤座のプリンセススターカラーペンを差し込んでトィンクルブックを天秤座のプリンセススターカラーペンでタッチするとそこには天秤座の星座が浮かび上がった。

 

「フワ・・・・天秤座フワ!フーーーワーーー!」

 

フワの容姿が黄色い三つ編みの女の子のような姿に変化すると、今度はフワの掛け声とともに全員スターパレスへと移動させられた。

 

「星の輝きーーー戻るフーーーワーーー‼︎」

 

フワから黄色い星形の光が放たれると、その光が飛ばされた場所に光が満ちて、そこに天秤座のスタープリンセスが姿を表した。

 

「天秤座のスタープリンセスがスターパレスに戻ったでプルンス~!」

 

「プリキュア、感謝します。フワが成長しているようですね。貴方達がしっかりお世話してくれている証です。」

 

「フワッ!」

 

「おや?そう言えばプルンスは何処に?」

 

「ここでプルンス。」

 

「・・・・・・・・」

 

それを聞いて天秤座のスタープリンセスは固まってしまった。

 

「プルンスは何処に?」

 

「ここでプルンス。」

 

「まぁ、そうなるよな。」

 

毛むくじゃらのプルンスを見て天秤座のスタープリンセスは尚もプルンスは何処にいるかとまるで何も見なかったかのように現実を否定しようとしている事をこうたは仕方ないと諦めていた。

 

それからこうた達はケンネル星へ戻り、ロケットの前でドギー達とお別れの挨拶をしようとしていた。

 

「聖なる骨、大切にするね。」

 

「あぁ!」

 

そしてロケットは発射されプリキュア達はケンネル星を後にした。

 

「またな!」

 

ドギー達は手を振ってプリキュア達にお別れの挨拶をしていたのであった。

 

「いやぁ、無事ペンも無事に手に入ったし、新しい宇宙人の友達も出来たし、嬉しいねぇ!」

 

「そうですね。」

 

「プルンス、その格好似合ってるルン。」

 

「段々慣れてきたでプルンス。」

 

「オヨッ!」

 

ひかるとまどかが今回の冒険の事を話してる横でララとプルンスが話しているとプルンスがいきなりいつものツルツルでピカピカのプルンスに戻った。

 

「薬の効き目が切れたでプルンス!」

 

「えぇ、もう・・・・」

 

「いやぁ、残念でプルンス。あの姿も気に入ってたのにでプルンス。」

 

「ホント?じゃあこれ使って?」

 

「え?」

 

「別れ際にドギーがもう1瓶くれたの。」

 

えれなはドギーから別れ際にさっきプルンスが使った即効性の毛生え薬をもらっていたのだ。それを見たプルンスは急に冷や汗をかき始めた。

 

「良かったなプルンス。またフサフサの毛が手に入るぞ。」

 

「ぐああああっ!」

 

「どうしたの?」

 

「やっぱり痩せ我慢してたルン。」

 

「素直じゃないなぁ。」

 

「もう毛生え薬は懲り懲りでプルンス!」

 

そんなプルンスの悲鳴がロケット全体に響き渡っていたのであった。

 

 

 

 

 

To Be Continued

 




        次回予告

全てを完璧にこなそう頑張るまどか

しかしそんな自分に行き詰まってしまいどうすれば良いかわからなくなってしまう。

そんなまどかの為にひかる達がとった行動とは?

次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第27話  まどかの悩み、スタードーナツをみんなで食べよう! 前編

次回も楽しみに!


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第27話  まどかの悩み、スタードーナツをみんなで食べよう! 前編

こうた達が乗っていたロケットは無事に地球へと帰還した。

そしてロケットは地上への着陸に成功したが、着陸の時に勢いよく着陸してしまったので、その衝撃でロケット内は激しく揺れた。

 

「いてててっ、みんな無事⁉︎」

 

「ふぅ・・・・」

 

「はいぃぃ。」

 

「何とかな。」

 

「オヨォォッ。ロケットは無事ルン。」

 

ひかるは衝撃で鼻を目の前の机にぶつけてしまったが、他のメンバーはとくに問題はなかった。

 

『良かった(ですぅ)。』

 

「ノットレイダーにロケットの場所がバレたから着陸場所を変えたのでプルンスなぁ。」

 

「これで安心ルン。」

 

以前、ノットレイダーに襲撃された事を考え、ロケットの着陸場所を変更し、大きな池のある広い場所にロケットは着陸した。

 

「喜ぶのはまだ早いでプルンス。」

 

「オヨッ!」

 

「宇宙食栄養士の立場から一言言わせてもらうでプルンス!実は、こちらのプルンスタードーナツ製造機にはまだまだ改良点があるでプルンス。」

 

「いつの間にか私物化してないか?」

 

「勝手に名前つけるなルン。」

 

「あはははっ。」

 

「お腹すいたフワ。」

 

「おいで。」

 

「フワ!」

 

ララのツッコミにえれなは苦笑いしているとフワがお腹すいたと空中を彷徨っていたので、えれなはフワを自分の所に読んで天秤座のペンを使ってトゥインクルブックに上にバナナがのったパフェの絵を書いてそのパフェが実体化した。

 

「フワァ!はむっ。」

 

そのパフェをえれながスプーンを使ってフワに食べさせた。

 

「近いうちにスタードーナツを研究しないとでプルンスなぁ。」

 

「私も食べたぁい!」

 

プルンスはスタードーナツを研究する気満々で、ひかるはただ食べたいとそれだけのようだ。

 

「スタードーナツ?」

 

「ほら、商店街の。」

 

「わたくしは商店街には行った事がないので・・・・」

 

『えぇ⁉︎』

 

「あぁ、そういえばそうだったな。」

 

「そんなに珍しいですか?」

 

まどかは商店街に行った事がなくて勿論、行った事がないならスタードーナツの存在も知らないのさ当たり前なのである。

そしてまどかは商店街に行った事がないのは珍しい事なのかと少し動揺しているようだった。

 

「まぁ、まどかは習い事とか家の事とかで結構忙しかったからな。こればっかりは仕方ないだろ。」

 

「じゃあさ!じゃあさ!今度みんなでスタードーナツを食べに行こうよ!その時はまどかさんも一緒に!」

 

「良い考えでプルンス!」

 

「私も行きたいルン!」

 

「イイねぇ!」

 

「ナイスひかる!」

 

「エヘヘへ!まどかさんも行こうよ!」

 

「はい。お時間がある時に必ず。」

 

こうしてひかるの提案で今度みんなでスタードーナツを食べに行く事が決定し、その日は解散となった。

 

 

 

 

「ただいま帰りました。」

 

「まどか。」

 

「あっ、お父様。お仕事ですか?」

 

まどかが自宅に帰宅すると、丁度出かけようしていた父、香久矢 冬貴から声をかけられた。

 

「あぁ、休日であっても見合った責務は果たさなければならない。」

 

「はい。」

 

「友達付き合いは大切だが香久矢家の一員として成すべき事があるはずだ。弓道の大会も近いからな。」

 

「はい。」

 

まどかは少し強張った表情をしながら父の言葉に返事をした。

 

「今、未確認飛行物体の目撃情報も多数よせられている。」

 

「っ!」

 

まどかはその未確認飛行物体が自分達のロケットだとすぐに気づいた。その結果、もしもそれがバレたらフワやプルンス達の事もバレてしまうかもしれないという事も・・・・

 

「安全が確認できるまでなるべく車を使いなさい。」

 

「はい。お父様。」

 

まどかはそう返事をしながら自身の服のポケットの中にあるスターカラーペンダントを握りしめた。

 

その日の夜、まどかは寝間着に着替えて明日の授業に向けて予習を行っていた。

 

(全てを完璧にこなさなければ、学校も、プリキュアも・・・・)

 

まどかは必死に努力を続けた。

その翌日、学校での授業中にまどかは窓際から空を見上げてボゥとしていた。

 

「ではこの文書をMiss香久矢。・・・・Miss香久矢?」

 

「あっ、はい!」

 

まどかは先生に呼ばれて慌てて席を立ち上がった。

 

「Miss香久矢が余所見とは珍しい。」

 

「申し訳ありません。」

 

まどかは反省しながら席に座った。

その姿を見ていたこうたとえれなは驚いた表情をしていた。

 

「ではMiss天宮。代わりに今の所を。」

 

「あっ、はい!」

 

えれなは先生から指名されてえれなも慌てて立ち上がると『ごめんなさい、何ページを読めばいいですか?』と先生に英語で質問した。周りの生徒達は『凄い!』『さすが!』と大絶賛でそれを見ていたまどかも尊敬の眼差しを送っていた。

 

それから放課後になりみんな下校している中でえれなはいつも通り沢山の生徒達に囲まれていた。

その中にひかるが割って入ってきた。

 

「えれなさん、まどかさんは?」

 

「まどかなら家で茶道の習い事を済ませてからロケットに行くって」

 

えれなは周りに聞こえないように小声で車で帰る所を沢山の生徒達に見送られながら帰るまどかの事をひかるに伝えた。

 

「ひゃー忙しい。」

 

「正真正銘のお嬢様だよねー!」

 

そんな2人の会話を校舎のベランダからひかるのクラスメイトの姫ノ城桜子が聞いていた。

 

「ここにもう一人お嬢さまの名にふさわしい、姫ノ城桜子がおりますわよー!ふん!」

 

そう言って桜子は双眼鏡を使って車で帰宅するまどかの姿を見ていた。

 

「香久矢・・・・まどか・・・・」

 

その視線はまどかに対するライバル心剥き出しであった。

 

「悪い遅くなった。」

 

「あっ!こうた!」

 

「みんな揃ったね。それじゃあ行こうか。」

 

遅れてやって来たこうたと共にみんなでロケットへ向かった。

 

それから時間が経ち、習い事を終えたまどかがロケットへとやって来た。

 

「遅くなりました!」

 

「お疲れ、まどか。」

 

「今日の作業は終わったルン。」

 

「フワァ!」

 

走ってやって来たのか息を切らしているまどかの所にフワは飛んでいってまどかの胸元に抱きついた。

 

「そうですか・・・・天宮さんは?」

 

「作業が終わったら、『お店の手伝いあるから、チャオ!』って急いで帰っちゃった。」

 

ひかるはえれなのモノマネをしながらえれなの事を説明し、そのモノマネに対してこうたとララは苦笑いをしていた。

 

「そうですか。お忙しいですね、天宮さん。」

 

「いやいやまどかさんだって・・・・」

 

「確かに、まどかだって十分忙しいだろ。」

 

「わたくしは、弓とお茶にピアノ、お花の習い事、家庭教師の先生との受験勉強だけですので。」

 

「待て待てその“だけ”を世間では忙しいって言うんだよ。」

 

まどかの当たり前に対してこうたはツッコミをいれて、その近くにいたララはつまんなそうな表情をしていた。

 

「その上、生徒会長だし。それじゃあ学校の帰りに寄り道も出来ないよね。」

 

「行き帰りは基本、車ですし・・・・」

 

「じゃあおやつの買い食いも⁉︎」

 

「おやつは家で作ってもらいますので。」

 

「お母さんに?」

 

「母は料理はしません。」

 

まどかはひかるの質問に答えながら自身のカバンから取り出したエプロンを着けていた。

 

「あの!弓のお稽古まで時間があるので表の掃除だけでもしてきます。」

 

「フゥワ!」

 

そう言ってまどかは外へ出て行き、フワもそれについていってしまった。

 

「お嬢様って大変ルン。」

 

「「・・・・・・・・」」

 

ララはまどかの大変さを理解し、ひかるとこうたは何かを考えているのか何を言わずにまどかが出て行った扉を見つめていた。

 

それから家に帰ったまどかは弓道場で弓道の練習を1人でしていた。

 

しかしまどかの放った矢は的の中心から少し逸れた場所に当たってしまった。

 

「まだまだだな。」

 

「あっ、おかえりなさいませ。お父様。」

 

まどかが矢を放つ所を父、冬貴はまどかの背後から見ていた。

 

「香久矢家にミスは許されない。」

 

「はい。」

 

(心の乱れをお父様に気づかれてはいけない。プリキュアを続ける為には全てを完璧に・・・・完璧に・・・・)

 

翌日の朝、まどかはいつも通りに登校した。

 

「っ!」

 

(く、靴下が、違う!)

 

そしてまどかは偶然、窓ガラスを見た時に靴下が両足違う物を履いて来てしまった事に気づき、その顔は恥ずかしいのかみるみる赤くなっていった。

 

「はぁ・・・・」

 

「まぁどぉかさん!」

 

「はいっ!」

 

まどかがため息をついているとその背後からまどかに挨拶をする声が聞こえてきてまどかは一瞬ビクッと反応してしまい、振り向いてみるとひかるとえれなが立っていた。

 

「おはようまどか!」

 

「ご、ごきげんよう。星奈さん。天宮さん。」

 

まどかは何とか挨拶するが、その顔はとても引き攣っていた。

 

「あたし、今日ロケット行けないんだ~。」

 

「まどかさん、足どうかしたの?」

 

「別に。な、何でもありません。」

 

とそこへ鞄を肩に担いで登校してきたこうたが横からやって来た。

 

(アレ?)

 

こうたはひかる達とは違い、横から見た事でまどかの靴下が左右違う事やまどかがそれを必死に隠そうとしている事にもすぐに気づいた。

 

(はぁ、しょうがないなぁ。)

 

こうたは心の中で溜め息をつくとまどか達に近づいた。

 

「おはようみんな!」

 

「あ!こうた!おはよう!」

 

「おはようこうた!」

 

「お、おはようございます。こうた君。」

 

「あのさまどか、生徒会の事で確認したい事があるんだけど・・・・ちょっといいか?」

 

「は、はい!わかりました。それではみなさん、ごきげんよう。」

 

そう言ってまどかはこうたと一緒にその場を後にした。

 

そして2人が一緒に廊下の階段を登っている時に・・・・

 

「あ、あの・・・・確認したい事って・・・・」

 

「あ、それ嘘だから。」

 

「う、嘘ですか⁉︎」

 

「だってさっきのまどか、ずっと靴下の事を隠そうとしてたから見てられなくてさ。」

 

「っ!///」

 

こうたにそう言われるとまどかは階段を登る足を止めて止まってしまい、その顔は再び赤くなっていた。

 

「す、すみません。」

 

「別に謝る事じゃないだろ。誰だって間違う事はあると思うぞ。俺だってあるし。」

 

「ですが、わたくしにはミスは許されないんです。全てを完璧にこなさなければいけませんから。」

 

「どうして完璧にしなくちゃいけないんだ?」

 

「それは・・・・」

 

理由を聞かれたまどかは困った表情のままこうたから顔を逸らして黙ってしまった。

 

「・・・・まぁいいや。何か悩んでるみたいだけど、相談なら俺で良ければいつでも聞くからその時は遠慮なく言ってくれ。」

 

「あ、ありがとうございます。」

 

そう言ってこうたは先に教室へと向かって行った。

 

(こうた君には気づかれてしまいましたか。ですが、これはわたくしの問題。わたくしが自分で何とかしなければ!)

 

まどかは今度こそ完璧にこなさなければと決意するのであった。

 

その後、まどかは靴下を折り畳む事 で左右の違いを誤魔化す事は出来たが、生徒会での活動中に居眠りをするという失態をし、それを見ていた桜子は遂に世代交代のチャンスと勝手に思い込んでいた。

 

そんな事が起こっていたその頃・・・・

 

「こうた!」

 

「ん?ひかる?どうしたんだ?」

 

こうたのいる教室にひかるがやって来た。

 

「ねぇ、今日なんだけどさ、前に言ってたみんなでスタードーナツを食べに行こうよ。」

 

「えっ⁉︎今日か⁉︎随分と急だなぁ。一体どうしたんだ。」

 

ひかるは前に約束したスタードーナツを食べに行くのを今日行こうと言いだした。

 

「だって!だって!まどかさんにスタードーナツを食べてほしんだ。ねぇ、行こうよ!」

 

(そっか、ひかるなりにまどかの事を気にしてるって事か。)

 

「わかった。みんなで行くか。」

 

「やったぁ!じゃあ、私がまどかさんを商店街に連れて行くからこうたはララ達にこの事を知らせてくれる?」

 

「了解。丁度今日はえれなは家の手伝いあるって言ってたから商店街にいるだろうし、商店街の入り口に集合って事で。」

 

「うん!」

 

それから放課後になり、まどかはいつも通りに車で帰ろうとしていた。

 

(帰ったらお花のお稽古、それにピアノ、その後は・・・・家庭教師の先生と理科と数学の予習と復習、完璧な自分でいなければ・・・・)

 

「おかえりなさいませ。」

 

車の運転手の人が車の扉を開けて挨拶をしてくれた。

 

そしてまどかもそれに合わせて車の中に入ろうとした。

 

(全てにおいて完璧に・・・・)

 

「まぁどぉかさん!」

 

「え?星奈さん?」

 

そこへ突然現れたひかるがまどかと車の間に割り込んできた。

 

「ちょっと時間ありません?」

 

「え?」

 

「私に付き合ってもらいませんか?」

 

「でも・・・・」

 

「お嬢様はこの後、お花のお稽古が・・・・」

 

「いいから、ちょっとだけ・・・・」

 

「あっ、ちょっと!」

 

「行こう!」

 

ひかるはまどかや運転手の静止を無視してそのままみどかの手を引っ張って走り出した。

 

「お、お嬢様!」

 

「先生には後で説明致しますので・・・・」

 

その光景を桜子は双眼鏡を使って目撃していた。

 

「星奈ひかる・・・・まさか、香久矢先輩に取り入って次の生徒会長を狙う気・・・・」

 

 

それから走り続けたひかるとまどかは無事に商店街の入り口にたどり着いた。

 

「さぁ、着いたよ。」

 

「はぁ・・・・ここって、商店街?」

 

「まどかさん、寄り道、しよう!」

 

「えぇ⁉︎」

 

「ふふっ。」

 

こうしてまどかの始めての商店街巡りが始まったのであった。

 

 

 

To Be Continued

 

 

 

 




        
        次回予告


様々な始めてを体験し、とても楽しそうにするまどか。

そんなまどかは自身の悩みをこうたとえれなに打ち明ける。

果たしてそれを聞いたこうたとえれなの答えは・・・・


次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第28話  まどかの悩み、スタードーナツをみんなで食べよう! 後編

次回も楽しみに!


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第28話  まどかの悩み、スタードーナツをみんなで食べよう! 後編

まどかの悩みは果たしてどうなるのか?

次回の投稿は来週を予定しているのでそれまでお待ち下さい。

それでは続きをどうぞ!


「寄り道、ですか?」

 

「うん!だって商店街来た事ないんでしょ?」

 

商店街の入口へとやって来たひかるとまどか。

そこでひかるはまどかに一緒に商店街で寄り道しようと提案した。

 

「ひかる、まどか遅いルン!」

 

「そう言うなってちゃんと来たんだからさ。」

 

「ララさん!こうた君!」

 

「早く行くルン!」

 

「まどかさん、今日は楽しもう!」

 

「さぁ~本場の味をお腹いっぱい研究するでプルンスよ・・・・」

 

「プルンス、涎でてるぞ。」

 

ララのバックに化けたプルンスはララが背負ってもらっている中で涎を垂らしながらスタードーナツを楽しみにしていた。

 

こうして4人は商店街の中にある洋服屋や本屋など様々なお店を周り、その時のまどかの表情はとても明るく笑顔でいっぱいだった。

 

「さぁ、着いたぞ。」

 

「これがスタードーナッツ・・・・」

 

「そうだよ~。」

 

「とっても美味しいルン!」

 

「いらっしゃ~い!あら、またお友達?」

 

「はい、香久矢まどかと申します。」

 

「お上品、サービスしちゃうよ。」

 

「「やった(ルン)!」」

 

「2人とも、わかったから少し落ち着け。」

 

「どれにしょおかな?」

 

店員に話しかけられてまどかが自己紹介するとそれを聞いた店員がサービスしてくれる事にひかるとララは大喜びでそれを見たこうたは2人に落ち着くように言い聞かせた。

 

「まどか?へぇ~珍しい。どうして?」

 

そこに弟と妹を連れたえれながやって来た。

 

「星奈さんとララさん、こうた君に連れて来てもらったんです。天宮さんは?」

 

「家、すぐそこだから」

 

「まどかさん!」

 

「おまけしてもらったルン!」

 

「またか⁉︎ちゃんと全部食べろよな。」

 

「あっ、えれなさん!」

 

『スタードーナツ!』

 

「みんなで食べよう。」

 

『やったぁ!』

 

「そうだ!良い場所があるんだ。」

 

こうしてみんなでスタードーナツを食べる為にえれなの案内で場所を移動し始めたこうた達。

その姿を木に隠れて桜子は双眼鏡で見ていた。

 

「くっ、なんたる事・・・・香久矢先輩をスタードーナッツで買収するとは・・・・」

 

「いいカモ見ぃ~っけ!」

 

「勝てる見込みはあるんですか?アイワーン様」

 

「ケヒャヒャヒャヒャヒャ!この前のはただの実験。大丈夫だっつ~の。」

 

そんな桜子の姿を見ていたアイワーンが桜子に目をつけた。

 

 

 

 

「フ~ワッ!」

 

『わぁー!』

 

「このぬいぐるみドーナッツ食べてる。すごいね~」

 

「馴染んでるルン」

 

「まぁ、バレていないみたいだし」

 

「んんんっ、この味、この味・・・・」

 

場所は川が見える場所にベンチのあるところでみんなでスタードーナツを食べるのだが、フワがスタードーナツを美味しそうに食べる姿に興奮するえれなの弟達を見て、ひかるとララはすっかり馴染んでいる事に驚く事もなかった。

その横でプルンスもスタードーナツを食べていて、そこから少し離れた場所にあるベンチではこうたとまどか、えれなの3人がスタードーナツを食べていた。

 

「はむっ・・・・っ!美味しい。」

 

「でしょ?」

 

「それに、素敵な場所ですね。」

 

「弟達を連れてよく来るんだ。」

 

「わたくし、こんなに美味しいドーナッツがあるなんて知りませんでした。」

 

「気に入ってもらえて何よりだ。」

 

まどかははじめてのスタードーナツを食べて、その味をとても美味しいと感動していた。

 

「ひかるって不思議な子だよね。」

 

「そうですね。」

 

「・・・・キラやば~っ☆」

 

「あの時も、ロケットの修理で行き詰ったララを天文台に連れて行ったよね。」

 

「今日はわたくしを商店街に・・・・」

 

「みんなの事、実は誰よりもよく見てる。天体観測で鍛えた目力かな?凄い子だよね。」

 

「時々暴走するのが玉に瑕だけどな。おかげでこっちは色々と大変だったし・・・・」

 

「そうなんですか・・・・でも、ララさんもこうた君も天宮さんも凄いです。」

 

「えっ?私が⁉︎」

 

「俺もか?」

 

まどかから凄いと言われたえれなとこうたは驚いていた。

 

「天宮さんは、お家の手伝いをしながら、学校でもロケットでも太陽みたいに明るくて・・・・」

 

「そうかな?」

 

「こうた君も、いつも誰かの為に一生懸命で、どんな困難があっても決して諦めないその心をわたくしはとても尊敬しています。」

 

「そんな大袈裟な・・・・」

 

まどかは自分から2人の印象をえれなとこうたに伝えた。

 

「わたくしは、自分の事だけなのに、気持ちに余裕がなくて、毎日が綱渡りみたいで、このままじゃプリキュアを続けられないかもしれないって、不安で・・・・」

 

まどかは自身の不安を口にしてその表情は不安に満ちた表情をしていた。

 

「まどかは凄いよ。」

 

「え?」

 

「まどかは生徒会長として、生徒みんなの事を考えてる。ロケットでも冷静だし、本当に凄いと思う。」

 

「それに、まどかは俺の心を尊敬してるって言ってくれたけど、そのきっかけをくれたのはまどかなんだぜ。」

 

「え?」

 

「えれなの言ったようにまどかはいつもみんなの事を良く考えてる。考えて、そして行動してる。そんなまどかの姿を見て、俺もまどかみたいに誰かの為に頑張れるようになりたいって思ったんだ。」

 

「天宮さん、こうた君。」

 

「だからさ、まどかが困った時はあたし達を頼ってよ。」

 

「っ!」

 

「友達でしょ!」

 

えれなは自分の気持ちを伝え、その時のえれなの笑顔はとても輝いていた。

 

「まどかは1人じゃない。俺達がついてる。だから、1人で頑張るんじゃなくて、みんなで一緒に頑張ろうぜ。」

 

「・・・・はい。ありがとう。」

 

それから3人は一緒に笑い合い、その時の3人の笑顔は心からの笑顔だった。

 

〜〜♪

 

「ペンダントが反応してます!」

 

その直後にペンダントから音が鳴りだした。

これは近くにプリンセスの力がある事を示していた。

 

「プリンセススターカラーペンが近くにあるはずルン。」

 

「きゃああああっ!」

 

「悲鳴?もしかして!」

 

まどか達はペンダントの反応する方角へと移動を開始した。

 

「こっちです。」

 

「あっ!」

 

「ノットリガー!」

 

ペンの示す場所にたどり着くとそこにはノットリガーがいた。

 

「あっ!」

 

「どうせわたくしは生徒会長にはなれない。努力したって無駄なんですわ。」

 

「姫ノ城さん⁉︎」

 

「ケヒャヒャヒャ!生徒会ってなぁに?くっだらな〜い。」

 

するとノットリガーの頭の上にアイワーンが姿を現した。

 

「大切な後輩に何て事を!」

 

「ケヒャヒャヒャヒャ!」

 

「すぐ助けるから!」

 

「弟達、家において来た。」

 

「いくぞ!」

 

 

こうたの掛け声でみんなそれぞれ自身のペンとペンダントを構えてプリキュアに変身する体制に入った。

 

 

 

『スターカラーペンダント!カラーチャージ!』

 

『キラめく~星の力で~!憧れの~私描くよ~!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『スター☆トゥインクル〜!スター☆トゥインクルプリキュア~~!』

 

 

「宇宙(そら)に輝く〜キラキラ星!キュアスター!」

 

「天にあまねく〜ミルキーウェイ!キュアミルキー!」

 

「宇宙を照らす!灼熱のきらめき!キュアソレイユ!」

 

「夜空に輝く!神秘の月明かり!キュアセレーネ!」

 

「光輝く聖なる宇宙!キュアスペース!」

 

 

『スター☆トゥインクルプリキュア‼︎』

 

 

 

 

「やっちゃえっつうの!」

 

「ノットリィィィガァァァァ!」

 

ノットリガーが桜子と同じ金髪で縦ロールになっている髪の毛からビームを発射して攻撃してきて、全員それをジャンプしてかわした。

 

「ノットリガーを止めるにはあのペンを取り返さないとルン!」

 

「わかった!私が気を引くよ!」

 

スターが空中で星形の足場を作り、ノットリガーへと突っ込んでいった。

 

「スターパンチ!」

 

「っ!ノットリガー!」

 

「きゃあぁぁぁ!」

 

スターはノットリガーの攻撃に合わせて技を使って相殺するもその直後にノットリガーからの攻撃を受けて地面に叩きつけられてしまった。

 

「あっ!」

 

「セレーネはそこで援護して。」

 

それを見たセレーネはスターを助けに行こうとするがソレイユがそれを静止してミルキーとソレイユは左右に分かれてそこから攻撃しようとしていた。

 

「ミルキーショック!」

 

「ソレイユシュート!」

 

2人はノットリガーが足元を攻撃して体勢を狙い崩れたノットリガーは前のめりに倒れた。

 

「ノットリガー!」

 

「させるか!プリキュア!スペースレイ!」

 

「ノットリガー」

 

そしてノットリガーは再び縦ロールから攻撃しようとしたが、スペースが正面から技を放ってその攻撃がノットリガーの顔を直撃してノットリガーの動きを止める事に成功した。

 

「ノットリガー!」

 

「くっ!」

 

すると、ノットリガーの目が光った直後にノットリガーは髪の毛から全方位にビームを発射して攻撃をし、プリキュア達は距離をとるが、そのビームの1つがソレイユに向かって飛んで来て、ソレイユは両手をクロスして防御しようとするしたが、そのビームは別方向からきた攻撃によって相殺された。

 

「絶対に、外さない!」

 

その攻撃はセレーネが放った矢だった。

 

「私も!」

 

そしてスターもノットリガーの周りを空中に足場を連続で作りながらそれにジャンプを繰り返し、ノットリガーの注意を引きつけた。

 

「こっち!こっち!こっちだよぉ!」

 

「あんな奴、やっちゃえっつうの!」

 

「・・・・・・・・」

 

セレーネはアイワーンの持っているダークペンに狙いを定めていた。

 

『まどかが困った時はあたし達を頼ってよ。』

 

『まどかは1人じゃない。俺達がついてる。』

 

「みなさんが困った時は・・・・わたくしが、守ります!」

 

そしてセレーネの放った矢はダークペンを持っているアイワーンの右手に直撃し、アイワーンはダークペンを手放してしまった。

 

「くっ、しまった。」

 

「やった!セレーネ!」

 

「はい!」

 

弾かれたダークペンをソレイユがキャッチしそれをセレーネに投げ渡してセレーネがそれをキャッチするとペンが光り出して光の中から紫色のプリンセススターカラーペンが姿を現した。

 

「あれはやぎ座のプリンセススターカラーペンでプルンス!」

 

「ちっ!ノットリガー!アイツからペンを取り返せっつうの!」

 

「ノットリガー!」

 

「っ!」

 

ノットリガーはセレーネに狙いを絞ってビームを連射してきた。

セレーネは突然の事ですぐには反応出来なかった。

 

『ウルトラマンジャックの力よ!』

 

「あっ。」

 

「プリキュア!」

 

『「ウルトラバリヤー!」』

 

そこへギンガストリウムに変身したスペースが割って入りウルトラマンジャックの技「ウルトラバリヤー」で光の壁を作り、セレーネをノットリガーの攻撃から守った。

 

「セレーネが俺達を守ってくれるなら、そんなセレーネの事は俺が守る。」

 

「スペース。」 

 

「何やってるっつうの!早くやっつけるっつうの!」

 

「ノットリガー!」

 

アイワーンの命令でノットリガーが再び攻撃体勢に入ろうとすると、スペースは上半身を後ろに向けて背後にいるセレーネの方を見るとセレーネとスペースは一言も話さずに同時に頷いた。

 

『ウルトラマンAの力よ!』

 

「「プリキュア!」」

 

「やぎ座!」

 

セレーネはペンダントからいつもの色とは違う紫色の三日月が出てくるとそれを掴み、ペンの先で三日月をタッチすると三日月は中心にやぎの顔がついた紫色の弓へと変化して、セレーネはいつものようにペンを引いた。

 

『「メタリウム光線!」』

 

「セレーネアロー!」

 

スペースはウルトラバリヤーを真横に放り投げると、そのまま両腕と上半身を後ろに逸らしてその後に両腕をL字にして放つウルトラマンAの技、メタリウム光線を放ち、その後ろからセレーネがやぎ座の力で強化されたセレーネアローを放った。

 

「くっ!」

 

「ノットリガー・・・・」

 

アイワーンは攻撃がノットリガーに直撃する前にノットリガーの頭から離脱し攻撃を受けたノットリガーはそのまま浄化されて桜子も無事に解放された。

 

「くっ、うぅぅぅぅ!」

 

「アイワーン様、今回は勝てると仰っていた筈では?」

 

「アンタ今まで何処にいたんだっつうの!」

 

ノットリガーから離脱したアイワーンの近くにバケニャーンが現れるとアイワーンはバケニャーンに文句を言いながらワープゲートを使って撤退した。

 

「・・・・あっ!わ、わたくしは何故ここに?」

 

気を失っていた桜子は目を覚ますとそこは森の中にある木の真下だった。

 

それからまどかはトィンクルブックをやぎ座のプリンセススターカラーペンでタッチするとそこにはやぎ座の星座が浮かび上がった。

 

「フワ・・・・やぎ座フワ!フーーーワーーー!」

 

フワの姿が紫色の耳と足で身体が白いやぎの姿に変化すると、フワの掛け声とともに全員スターパレスへと移動させられた。

 

「星の輝きーーー戻るフーーーワーーー‼︎」

 

フワから紫色の星形の光が放たれると、その光が飛ばされた場所に光が満ちて、そこにやぎ座のスタープリンセスが姿が映ると、スターパレスの玉座にやぎ座のスタープリンセスが姿を現した。

 

「やぎ座のスタープリンセスがスターパレスに戻ったでプルンス~!」

 

「プリキュア、ありがとう。5人の力を合わせて残る8本のペンを集めて下さい。」

 

 

 

 

 

やぎ座のスタープリンセスをスターパレスに呼び戻す事に成功したプリキュア達はその後は地球の観星町の商店街へと戻って来ていた。

 

 

「星奈さん、天宮さん、ララさん、こうた君、今日はありがとうございました。いい気分転換になりました。」

 

「喜んでもらえて良かった~」

 

「ルン!」

 

「ところでさ、『天宮さん』っていうのそろそろやめない?」

 

「え?」

 

「えれなでいいよ。」

 

「私はひかるで!」

 

「ララルン!」

 

「はい。えれな、ひかる、ララ。」

 

「まどかさん!」

 

「はい!」

 

ひかるが両手でまどかの両手を握ってからまどかの名前を呼ぶとまどかも嬉しそう返事をした。

 

「良かったな。まどか」

 

「はい! ありがとうございます。こうた君。」

 

そんな2人の両手の上にえれなとララも自身の両手を重ねた。

 

「ほら!こうたも!」

 

「え?俺も⁉︎」

 

「当たり前でしょ!」

 

「早くするルン!」

 

「さぁ、こうた君!」

 

ひかるがこうたを呼び、こうたは自分もそこに入って良いのか聞くとえれなもララもまどかもそれを了承した。

そんなこうたもみんなに近づいていき、少し嬉しそうな表情をしながら自身の両手をみんなの手の上に重ねた。

 

「青春でプルンスなぁ!」

 

そんなみんなの笑い合ってる姿を見て、プルンスは涙目になりながらスタードーナツを食べていた。

 

そして、みんなと一緒にいるまどかの表情は心から楽しそうで綺麗な笑顔だった。

 

 

 

 

To Be Continued

 

 




         次回予告


突然、サザンクロスをみようと言いだしたひかる

みんなの静止を振り切って強引に出発したひかるだったが・・・・

この先、何が起こるのかをその時の彼女達はまだ知る由もなかった。


次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第29話 サザンクロスをみよう!掴みとれ!輝くV(ビクトリー)! 前編

次回も楽しみに!


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第29話 サザンクロスをみよう!掴みとれ!輝くV(ビクトリー)! 前編

先週投稿と予告したにもかかわらず、こんなにも遅くなってしまい申し訳ありません。
m(_ _)m

お詫びと言ってはなんですが、今回の話の続きである後編を明日投稿しますのでお許しください。

そして今日は香久矢まどか/キュアセレーネの誕生日という事で、お誕生日おめでとうございます。

それでは最新話をどうぞ。


「サザンクロス!見に行くぞぉ!おぉ‼︎」

 

『・・・・は?』

 

休日のある日、ひかるは他のメンバー全員をロケットの前に呼び出してサザンクロスを見に行くと言い出した。

 

「宇宙に行くのは遊びじゃないでプルンス。プリンセススターカラーペンを探す大事な・・・・っ!」

 

「バッチリ探すよ!ついでにちょこっとサザンクロスをさぁ・・・・」

 

プルンスがひかるを注意しようとするとひかるはプルンスの顔を両手で左右から鷲掴みして凄い剣幕でプルンスを見つめながら言ってきた。

 

「なぁひかる、どうしてサザンクロスを見たいんだ?」

 

「それはね、サザンクロスは遼じぃが一番好きな星座なんだって!私、その星座をどうしても見たいんだ!」

 

ひかるの話によると、先日遼じぃと一緒に天文台の中にある本の整理をしていた時に遼じぃが一番好きな星座が何か聞くと、それがサザンクロスだったらしく、その時にサザンクロスについて説明を聞いたひかるはどうしてもサザンクロスが見てみたくなってしまったらしい。

 

「やめた方がいいかもしれません。」

 

「えぇ⁉︎なんで?」

 

「父から聞きました。この前のロケットの発射をとらえていたと・・・・」

 

「まぁ、派手に打ち上げたからねぇ。」

 

「だよなぁ。」

 

まどかはロケットの打ち上げをまどかの父(冬貴)が所属している内閣府宇宙開発特別捜査局がとらえていた事を説明した。

 

「見つかったら大変でプルンス!」

 

「ルン!」

 

「以前にも増して調査に力を入れています。ですから、状況が落ち着いてから・・・・」

 

「でもでも!今日は集まれたけどまどかさんもえれなさんも忙しいでしょ!」

 

「まぁ・・・・」

 

「そうだけど・・・・」

 

「宇宙の為、プリンセススターカラーペンの為、みんな行こう!ね!」

 

「まぁ、それを言われると・・・・」

 

ひかるの熱意に他のメンバーは苦笑いをするしかなかった。

 

「はぁ・・・・また始まった・・・・」

 

「また、ですか?」

 

こうたの独り言を隣で聞いていたまどかはこうたにどういう意味か質問した。

 

「この間、スタードーナツを食べた時に話したろ、ひかるは時々暴走するって・・・・こうなったひかるはそれをやり遂げるまで誰の言う事も聞かないんだよ。」

 

「そ、そうなんですね。」

 

これから起こるであろう苦労を察して疲れた表情を見せるこうたにまどかはこれまでこうたがしてきた苦労をなんとなく理解した。

 

 

そしてひかる達はロケットに乗り、シートベルトをつけた。

 

「じゃあ出発!早く行こう!カウント2秒前から!」

 

「ルン!ちょっと!待つルン!」

 

ひかるかいきなりカウント2秒前からスタートしてララは慌てて発進準備をした。

 

そしてロケットは何とか無事に発射されたのだが・・・・

 

「っ!アレは⁉︎」

 

その瞬間を近くを調査していた冬貴達、内閣府宇宙開発特別捜査局の人達にバッチリ見られてしまっていた。

 

その後ロケットは地球の大気圏を抜けて宇宙へと到達した。

 

「重力発生OKルン。」

 

「サザンクロス〜!サザンクロス〜!」

 

「やっぱり本命はサザンクロスじゃんか。」

 

ロケット内に重力が発生した途端にひかるは窓の方に行ってサザンクロスをみようとしていて、その姿にこうたは呆れていた。

 

「あれ?どれサザンクロス!星ありすぎ!わかんない!」

 

「地球を出ればハッキリ星がたくさん見えるでプルンスからねぇ。」

 

「えぇ⁉︎サザンクロスの絵を描いて遼じぃに見せてあげようと思ったのにぃ。」

 

〜♪〜♪

 

するとひかるとこうたのペンダントがペンに反応した。

 

「2人のペンダントが反応した。」

 

「ガッカリしている場合じゃないでプルンスよ。」

 

「フーーワーーッ!」

 

「みんな!行くルン!」

 

フワの耳の周りについている黄色い輪っかが回転して光りだすと星形のワープホールが生成されて前みたいにロケットはそのワープホール内に突入して再び星空界へと向かった。

 

 

 

 

 

一方その頃、ノットレイダーのアジトでも動きがあった。

 

「プリンセスの力、未だ手に入れられずプリキュアに取られるとは・・・・」

 

鬼のような姿をした水色の肌に屈強の巨体で頭部には2本の角を生やしている男性、ノットレイダーの最高幹部のガルオウガの明らかに怒りを露わにしている姿に対してカッパード、テンジョウ、アイワーンは恐怖を抱いていた。

 

すると上の方に飾られていたひし形の石から邪悪なエネルギーが溢れていた。

 

「感じる・・・・あのお方を・・・・」

 

『っ!』

 

するとガルオウガの左手にしている腕輪からもその石から出ているものと同じエネルギーが出ていた。

 

そして石から溢れていた黒緑のエネルギーはカッパード、テンジョウ、アイワーンの3人に降り注がれた。

 

『う、うわあああああっ!!!』

 

「なっ⁉︎」

 

その様子をバケニャーンは驚きを隠せずにはいられなかった。

 

そして降り注がれたエネルギーが消えると3人は地面に膝を突いた。

 

「ぐっ・・・・。」

 

「なんだっつーの!」

 

「力を授けてくださった。」

 

その姿を見ていたガルオウガはあのお方がカッパード達に力を授けた事がすぐにわかった。

 

「確かに・・・・パワーがみなぎる!」

 

カッパード達は自身の力がパワーアップしている事をそれぞれ確かめた。

 

「あのお方のご意志か・・・・皆で行け!あのお方が完全にお目覚めになる前にプリンセスの力を手に入れろ。」

 

ガルオウガはワープゲートを開くとカッパード達に全員で出現するように命令した。

 

 

 

その頃、ひかる達の乗ったロケットはワープゲートを通って再び星空界へとやって来た。

 

〜♪〜♪

 

「あの星だな。」

 

「こっちもだよ。」

 

ひかるとこうたはペンダントを様々な方向へ向けると2人のペンダントが示した場所は同じ星だった。

 

「あれは・・・・惑星クマリンでプルンス。クマリン星人の星でプルンス。」

 

「クマリン星人・・・・」

 

プルンスの説明でペンダントが示した星は惑星クマリンという星だった。

そしてひかるはプルンスの説明からクマリン星人は熊のぬいぐるみのような姿ではないかとイメージしていた。

 

「クマリン星人、キラやば~っ☆」

 

そしてロケットはクマリン星へと着陸した。

 

「見て見てキラキラ輝いてるよ。」

 

「綺麗だねぇ。」

 

「アレは宝石か?」

 

「オヨォォ、綺麗は綺麗だけど・・・・」

 

『?』

 

ひかる達がクマリン星にある他あり一面宝石のような物がキラキラ輝いてる姿を見て興奮していたひかる達とは逆にララは思う所があるのかあまり乗り気ではなかった。

ロケットのハッチを開き、ひかる達はクマリン星へと降り立った。

 

「クマリン星人楽しみだなぁ。」

 

「どうも!どうも!」

 

するとひかる達をで迎える声が聞こえてきた。

 

「クマリン星人でプルンス。」

 

「え?え?えぇ⁉︎」

 

そこにはクマはクマでもクマムシに似たカラフルな宇宙人がこちらに手を振って挨拶していた。

どうやら彼がクマリン星人らしい。

 

「・・・・あれ⁉︎あっ!身体が重っ⁉︎」

 

「えれな⁉︎」

 

それを見て驚いているひかるの肩をえれなは軽く叩いて前に出ると突然バランスを崩して座り込んでしまった。

 

「大丈夫か?」

 

「大丈夫。」

 

「地球の重力の2倍でプルンスから」

 

「えぇ⁉︎」

 

「という事は体重が2倍に!」

 

「そうルン。星によって重力が違うのは宇宙あるあるルン。」

 

「地球から見える月も地球の重力の6分の1でプルンスよ。」

 

プルンスとララの説明に驚くひかる達、その目の前でこうたは座り込んでいるえれなに手を伸ばしてそれを掴んだえれなを引っ張って立ち上がらせた。

 

「フ〜フワ。」

 

「フワ?大丈夫か?」

 

「フワ〜ッ。」

 

最初は浮いていたフワも徐々に高度が下がり地面にへばりついてしまった。

それを見たこうたはフワを抱き抱えた。

 

「オラ、クムって言うだ。」

 

「あ、私、星奈ひかる。よろしく!」

 

クマリン星人ことクムは自己紹介をしてそれに答えるようにひかるも自己紹介をした

 

「この星に来る客は何10年ぶりだべなぁ。お前ら何しに来た?」

 

「ちょっと探し物を・・・・」

 

「そっか、そっか、良し客人!オラが案内してやる。足腰には自信があんだ。」

 

「え?いいよ大丈夫。ペンダントでわかっちゃうから。」

 

クムは自分が案内すると言い出すが、ひかるはペンダントで場所がわかるから大丈夫だと断ろうとしていた。

 

「遠慮すんなって。行くべ!行くべ!」

 

「遠慮っていうか、その速さだと私達がついていくのが大変だろうし・・・・ふんぬぅぅぅ!」

 

それでもクムは自分が案内すると言ってどんどん前へ進んでいく。

その後をひかる達もついていくのだが、この星の重力の中で進むのは地球人には厳しく、みんな一歩一歩進む事すら大変だった。

 

「おっせェェなぁお前ら。」

 

『うぅぅぅぅ』

 

「流石、重力2倍ですね。」

 

「コレは・・・・結構キツイな。」

 

「もう、ダメ。」

 

みんな頑張って必死に歩くが、最初にひかるがダウンしてしまった。

 

「うまうまフワ!」

 

結局、休憩がてら昼食にする事になり地面に可愛いピンクのシートを敷いてみんなで昼食を食べていた。

 

「もう休憩だべか?全然進んでねぇぞ!やわだなぁ。」

 

「それについては悪いと思ってる。」

 

クムの言う通り、ひかる達はロケットから約50mも離れていない所までしか進んでいなかった。

それについてこうたがみんなの代わりに謝罪した。

 

休憩を終えたこうた達は再び移動を開始した。

 

「ホント、タフだねぇ。」

 

「クマリン星人は丈夫でプルンス。えっと確か地球にも似た生き物が・・・・」

 

『クマムシです。』

 

「そうそうそれでプルンス。」

 

「クマムシ?」 

 

プルンスは地球にもクム達クマリン星人と似た生き物がいた事を思い出してそれが何だったか考えていると、ララのグローブからロケットのAIがクマムシだと教えてくれた。

 

「寒い所、暑い所、海の中でも宇宙でも生きられる凄い虫でプルンス。」

 

「そんか生き物、地球にいるんだ!」

 

初めて聞く虫の話にひかるや他のみんなも盛り上がっていた。

 

「駄弁ってる場合じゃねぇ、くるぞ!」

 

「え?くるって?」

 

すると突然ひかる達のいた所に吹雪が吹き出した。

 

「突然の吹雪・・・・」

 

しかし、これだけではなかった。

 

「かと思ったら・・・・」

 

『暑い・・・・』

 

「ホント一々やわだなぁ。」

 

吹雪がおさまったと思ったら今度はいきなり日差しが強くに気温が一気に上昇して暑くなった。

 

「話には聞いてたけど、凄い星ルン。」

 

「あぁ、だからララはロケットにいた時に乗り気じゃなかったのか?」

 

「ルン。とても過酷な星だって聞いてたからちょっと不安だったルン。」

 

「この過酷な天候が大地を削って、独特の星の形になったでプルンス。こんな環境で生きる為に植物も宝石みたいに固くなったでプルンス。」

 

「宇宙、凄すぎ・・・・」

 

「ホントに何があるかわからないもんだな。」

 

プルンスから聞いたクマリン星の話にひかるとこうたは宇宙の凄さを改めて実感したのであった。

 

それからひかるとこうたはペンダントを翳してペンの在処を探していた。

 

「あっ!あっち!あの丘の方だ。」

 

「俺のはその先の方に反応してる。ならひかるの方から先に探すか。」

 

一向はまずひかるのペンが反応している丘へと向かった。

 

「っ!これって⁉︎」

 

するとそこには沢山の宝石が散らばっていた。

 

「キラやば~っ☆宝石がいっぱい!」

 

「これまた綺麗だね。」

 

「お小遣い何千年分だろう?」

 

「流石にそれはまずいだろ。」

 

「この星では石ころみたいなもんルン。」

 

『えぇ⁉︎』

 

「地球から少し離れた所にも地面がダイヤでできた星があるでプルンス。だからこの景色も不思議じゃないプルンス。」

 

「ルン。コレも宇宙あるあるルン。」

 

ひかる達地球人からすればとても高価な宝石もクマリン星人からすればただの石ころ扱い。住む星によっての価値観の違いはここにもあった。

 

「成る程なぁ。けどこの中からペンを探すのは骨が折れるぞ。」

 

「そうですね。とても困難だと思います。」

 

「探すの手伝うっつうの。」

 

『っ!』

 

会話の最中に別方向から声が聞こえてきてひかる達はその声のする上の方を見てみると、そこにはノットレイダーのメンバーのカッパード、テンジョウ、アイワーン、バケニャーンの4人がいた。

 

 

 

To Be Continued

 

 

 





         次回予告


突然現れたノットレイダーと戦闘になったプリキュア達

しかし、強化された彼らの力にプリキュア達は圧倒されてしまう。

窮地に陥ったひかる達を見て、こうたがとった行動は・・・・


次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第30話 サザンクロスをみよう!掴みとれ!輝くV(ビクトリー)! 後編

次回も楽しみに!


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第30話 サザンクロスをみよう!掴みとれ!輝くV(ビクトリー)! 後編

遅くなって申し訳ありません。
書きたい事が次々と浮かび上がるとそれを文章にするのに時間がかかってしまいました。

急いで書いたので誤字脱字があった申し訳ありません。


ひかるとこうたのペンダントの反応を追ってクマリン星にやってきたひかる達だったが、そこにノットレイダーが現れた。

 

 

『っ!』

 

「アイワーン、プリンセススターカラーペンを探して頂戴。」

 

「任せろっつうの。ケヒャヒャヒャヒャヒャ!」

 

「プリミティブな星でげんなりだったが嬉しいぞ。プリキュアがいたとは・・・・」

 

ノットレイダー側は既に戦闘体制に入っていた。

 

「まさか全員で来るとはな。」

 

「みんな。」

 

ひかるの掛け声と共に他のメンバーも自身のペンを取り出した。

 

『スターカラーペンダント!カラーチャージ!』

 

『キラめく~星の力で~!憧れの~私描くよ~!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『スター☆トゥインクル〜!スター☆トゥインクルプリキュア~~!』

 

 

「宇宙(そら)に輝く〜キラキラ星!キュアスター!」

 

「天にあまねく〜ミルキーウェイ!キュアミルキー!」

 

「宇宙を照らす!灼熱のきらめき!キュアソレイユ!」

 

「夜空に輝く!神秘の月明かり!キュアセレーネ!」

 

「光輝く聖なる宇宙!キュアスペース!」

 

 

『スター☆トゥインクルプリキュア‼︎』

 

 

「さぁ!やっておしまい!」

 

『ノットレーイ!』

 

変身を完了したプリキュア達にテンジョウの命令と共に空中にノットレイダー達が使うワープゲートが現れてそこから沢山のノットレイ達が降ってきてそのままクマリン星に降り立ったノットレイ達はプリキュア達に突撃していった。

 

プリキュア達の戦闘に巻き込まれないようにプルンスはフワとクムを連れて近くの宝石の木の影に隠れた。

 

「プリキュアになれば2倍の重力なんて関係なし!・・・・でやっ!」

 

スターは重力をものともせずジャンプして右手に星形のエネルギーを貯めてそのままノットレイ達に殴りかかった。

 

「ピットレイダーによるとこの辺りの何処かにペンがあると・・・・」

 

「・・・・って!範囲広すぎだっつうの!レイダーの精度上げないとダメだっつうの!改良必要だっつうの!」

 

みんなが戦闘している間にアイワーンとバケニャーンはプリンセススターカラーペンを探していたがアイワーン達のレイダーが示している範囲が広すぎてアイワーンは自身の髪の毛を引っ張りながら文句を言っていた。

 

「フハハハハハッ!」

 

「っ!」

 

突然カッパードの体から黒緑のエネルギーが溢れて出てその状態でカッパードはスターに突撃した。間一髪の所でスターはミルキーが助けてくれたおかげで助かったが、スターのいた所には巨大な爆発の跡ができていた。

 

「え?」

 

「いつもと違うルン。」

 

その頃、テンジョウもカッパードと同じ黒緑のエネルギーを全身に纏ってそのエネルギーがノットレイ達に注がれるとノットレイ達もパワーアップしてノットレイ達はそのままスペース、ソレイユ、セレーネの所へ突撃した。

 

「張り切っておいき!はあっ!」

 

『ノ、ノ、ノ、ノ、ノットレーイ!』

 

「くっ!」

 

「速い。」

 

「あのお方の御加護よ。」

 

それから徐々に追い込まれていくソレイユとセレーネはノットレイの攻撃を受けてしまう。

 

「ああっ!」

 

「ううっ!」

 

「セレーネ!ソレイユ!うわっ!」

 

「ハハハハハッ!止まって見えるわ!」

 

「うううっ。」

 

「くううっ。」

 

『うわあああっ!』

 

セレーネ達に気を取られたスペースも攻撃を受けてしまった。

その近くで勢いに乗ったカッパードがスターとミルキーに突撃して黒緑のエネルギーの斬撃を飛ばしてきてスターとミルキーは攻撃をかわす事はできたが、その衝撃に巻き込まれてスペース達の所に吹き飛ばされてしまった。

 

「・・・・っ!地面が!星が!」

 

プリキュア達は立ち上がると周りはこれまでの戦闘のせいであちこち破壊されていて酷い状態だった。

 

「構わんさ、このような過酷な環境の星に価値はない。」

 

『っ!』

 

「くっ・・・・んだと!」

 

カッパードの発言にクムは怒りを露わにした。

 

「消えた所で痛くも痒くもない。」

 

「そんな事、ないよ!」

 

スターは右手に星形のエネルギーを集めてカッパードに殴りかかっていき、カッパードもその攻撃を自身の武器で受け止めた。

 

「星にはその星の良さがある。」

 

『こんな環境で生きる為に植物も宝石みたいに固くなったでプルンス。』

 

「厳しい星だけど、厳しいからこそ綺麗なの!」

 

そんなスターの右手の手首をカッパードは掴んだ。

 

「ぬくぬくとした環境で生きるお前が知った風な口を・・・・」

 

「うぅぅぅ!」

 

カッパードはそのままスターを投げ飛ばした。

 

そんなスターの側に他のプリキュア達が集まった。

しかしその周りはノットレイ達によって囲まれてしまっていた。

 

「お子ちゃまにはわかんないわよねぇ。」

 

「プリンセススターカラーペン、みつけたっつうの。」

 

『え⁉︎』

 

テンジョウがプリキュア達の姿を高みの見物をしていた頃、アイワーンはクマリン星にあるプリンセススターカラーペンを見つけていた。

 

「バケニャーン。」

 

「アタイの発明でダークペンに変えるっつうの。全宇宙を乗っ取ってアンタらに変わるっつうの!」

 

アイワーンがバケニャーンを呼ぶとバケニャーンの持っているお皿の上にはボトルインクのような物が置かれていてアイワーンがそれにプリンセススターカラーペンを刺すとペンは徐々に闇に染められていった。

 

「あぁ!」

 

「フワァ」

 

その光景をプルンスとフワはとても悲しそうに見つめていた。

 

「ケヒャヒャヒャヒャヒャ!ノットリガーになれっつうの!アイツ倒せっつうの!」

 

「え?」

 

「クム!」

 

アイワーンはクムを使ってノットリガーを生み出そうとしていた。

 

するとアイワーンの前にバケニャーンが立ってアイワーンの邪魔をした。

 

「ちょっと邪魔だっつうの!」

 

「ペンをお使いにならなくても御二方で十分かと。」

 

「いけ!可愛いコマちゃん達!」

 

『ノットレーイ!』

 

「プリキュア!」

 

テンジョウの指示で突撃するノットレイ達、それに対抗しようとスターはおうし座のペンの力を使おうとするが、そのペンをカッパードに掴まれてしまった。

 

「え?」

 

「さぁ、そいつを奪わせてもらおうか?」

 

カッパードは全身から黒緑のエネルギーを発生させるとスターの手を振り切りおうし座のペンを奪ってしまった。 

 

「うわああっ!」

 

「スター。こうなったら・・・・」

 

「させないよ。コマちゃん達!」

 

『ノットレーイ!』

 

スペースがギンガのペンを使おうとするとテンジョウはそれを阻止する為にノットレイ達に指示を出して光線銃を発射させてプリキュアの身動きを封じた。

 

「決着の一撃といこうか!」

 

黒緑のエネルギーを纏ったカッパードが空中にジャンプするとカッパードの武器であるビームの出る薙刀の力が更に増すとそれをプリキュア達に叩きつけた。

コレにより大爆発が起こり周りは煙に包まれたがそれはすぐに晴れた。

 

そんなカッパードの掌にはスターから奪ったおうし座のプリンセススターカラーペンが握られていた。

 

「ここと違って地球は中々の環境だからねぇ、悪いようにはしない。」

 

それからひかる達プリキュアは全員変身が解除されてしまい、ひかるの前にはカッパードが、ララ、えれな、まどかはテンジョウとノットレイ達に囲まれていて、そこから少し離れた場所にはこうたが倒れていた。

 

「我々が上手く使ってやる。」

 

『ノットレイ!』

 

「さぁ、貴方達のプリンセススターカラーペンも頂こうかしら。」

 

その姿を目に涙を浮かべながら見ていたフワは我慢出来ずに飛び出してしまった。

 

「やめるフワァァァ!」

 

『っ!』

 

フワの声を聞いてその場にいた全員がフワの方に目を向けた。

 

「フワ?」

 

「虐めちゃダメフワ!」

 

「フワ」

 

皆の目がフワに向いている隙にララは自身のセンサーをグローブにタッチした。

 

「ダメ・・・・フワ・・・・。」

 

「フハハハハ。」

 

「フワッ」

 

カッパードは笑いながらフワに近づいていき、フワも怯えてすくんでしまっていた。

 

「フワ・・・・うぅ・・・・」

 

ひかるも必死に手を伸ばすが先程のダメージでそれ以上動く事が出来なかった。

 

カッパードが着々とフワとの距離を縮めるとフワとカッパードの間に何かが割り込んできた。

 

「ん?」

 

「フワは・・・・渡さない!」

 

『こうた(君)!』

 

そこには左手で右腕を押さえながらカッパードの前に立ちはだかるこうたの姿があった。

 

「ほう?面白い。我々に負けた貴様がまだ歯向かうというのか?」

 

「まだ・・・・負けてない。俺達は負ける訳にはいかないんだ。」

 

「負けたのだよ。見ろこの状況を!これでもまだ負けてないと言い張るか?」

 

「あぁ。何度でも言ってやる俺達は負けない。そして、この宇宙も、大切な仲間もみんな、俺が守る!」

 

「守るだと?その程度の力で何が守れるというのだ!」

 

「そんなの関係ない!大切なものの為、この宇宙を・・・・仲間を守る為に・・・・俺は戦う!」

 

するとこうた達が戦っている場所から少し離れている場所に埋まっていた一本のペンの輝きが更に強くなると、そのペンは勝手に飛んでいき、そしてペンはこうたの目の前の空中で静止した。

 

「何だあれは⁉︎」

 

「別のプリンセススターカラーペン⁉︎」

 

「そんな筈ないっつうの!アタイのレーダーにはあのペンの反応はなかったっつうの!」

 

カッパードもテンジョウもアイワーンも新たなペンの出現に動揺していた。

 

「アレは・・・・」

 

「もしかして、こうた君のペンダントが反応していたのって・・・・」

 

「ルン。きっとあのペンルン。」

 

えれな、まどか、ララの3人はあのペンはこうたのペンダントが反応していたペンだとすぐにわかった。

 

「・・・・・・・・」

 

こうたはその手を伸ばしペンをその手に掴んだ。

 

「うっ!」

 

するとペンは更に輝きを増して辺り一面が光に包まれた。

 

その光に目を瞑っていたこうたが目を開けるとヒカルやタロウと話していた辺り一面が真っ白な空間にこうたは1人で立っていた。

 

「お前の覚悟、確かに見せてもらったぞ。」

 

「え?」

 

こうたが振り向くとそこにはヒカルと同じ隊員服を着て、首から何かの紋章が入った宝石のペンダントをつけた男性が立っていた。

 

「あなたは?」

 

「俺の名はショウ。地底の民、ビクトリアンでウルトラマンビクトリーだ。」

 

「ビクトリアン?はじめまして!俺、如月こうたっていいます。」

 

ショウはこうたに自己紹介をしてこうたも自己紹介をした。

 

「その服、もしかしてヒカルさんの仲間なんですか?」

 

「そうか、お前はヒカルと面識があるんだったな。そうだ。俺はヒカルや他の仲間達と共に力を合わせて戦ってきたんだ。それはお前も同じだろ?」

 

「はい。俺、みんなを助けたい。守りたいんです!その為に、もっともっと強くなりたいんです!」

 

「強くなりたい、か・・・・強くなりたい気持ちはわかるがその力には責任がある事を決して忘れるな。」

 

「責任ですか?」

 

こうたはショウの言っている事がイマイチ理解できていなかった。

 

「力を手にするという事はそれを背負う責任も同時に伴う。その力をどう使うかで良い存在にも悪い存在にもなる。コレは理解できるな?」

 

「はい。」

 

「だから力を手にするならその力とどう向き合っていくのかキチンと考えるんだ。」

 

「ショウさんはどう向き合ったんですか?」

 

こうたはショウにショウ自身はどうしたのか質問した。

 

「俺は最初、強さとは自分自身の力で作り上げるものだと考えていた。しかし、それは間違っていた。俺には仲間がいる。仲間達と力を合わせて戦う事の大切さを俺はヒカルや仲間達のおかげで気づく事が出来た。だから俺はこの力を誰かを傷つける為ではなく、かけがえのない仲間の為、その命を守る為に使うと誓ったんだ。」

 

「ショウさん・・・・」

 

「それじゃあ改めて聞くぞ。お前はなぜ戦う?その力を何の為に使う?」

 

こうたはショウの思いを聞いて力とは何か、何の為に戦うのかを改めて考えた。

 

「俺、難しい事はまだ良くわかりません。けど俺は、みんなを守りたい!ひかるを、ララを、えれなを、まどかを、フワを、プルンスを守りたい!みんながいるこの宇宙を、大切な友達を、仲間を守りたい!俺はその為にこの力を使います!」

 

「それでいい、こうた。仲間を思うその気持ち、何があっても決して忘れるな。」

 

「はい!」

 

こうたの意思を聞いてショウはこうたを認める事にした。

 

「よし、俺の力をお前に託す。そして仲間達をお前の手で助けてこい。」

 

「はい、ショウさん。ありがとうございます!」

 

そして2人のいた空間は再び光に包まれた。

 

 

 

 

「くっ、この光はいったい何なのだ。」

 

ノットレイダーやプリキュア達は眩しい光に目を瞑っていると、その光は徐々に消えていき、光が消えるとそこには先程のペンを右手に握ったキュアスペースが立っていた。

 

『スペース!』

 

「バカな⁉︎貴様に戦う力など残っていなかったはず、それが何故?」

 

「言ったはずだ!俺には守りたいものがあるって、だから・・・・俺は戦う!何があっても、絶対に諦めたりなんかしない!」

 

スペースはペンを持った右手を前方に突き出した。

 

「ウルトラスターカラーペン!ビクトリー!ウルトラカラーチャージ!」

 

スペースはギンガの力を使う時と同じようにペンを変身前の形に戻ったペンダントのキャップの部分に挿入し、それを抜いて星のマークを描く。

そしてペンの先でもう一度ペンダントの星の部分をタッチした。

それからスペースは高くジャンプするとペンの先から金色の光の線が現れ、プリキュアに変身する時のようにその光の線がキュアスペースと接触するとスペースの姿が少しずつ変化していく。

 

服装はキュアスペースの時とは違い、黒い半袖に中は同じく黒い長袖の服と長ズボンを履いているのだが、身体の模様はウルトラマンビクトリーと同じ模様をしていて肩には鎧のような硬い出っ張りもあった。そして両手、両足に金色のVの形をしたクリスタルがついていて、頭にはグレーのバンダナをしてその額の部分には金色のVの形をしたクリスタルがついていた。

 

スペースは両腕を正面でクロスした状態で膝をついて着地すると両腕をクロスしたまま立ち上がり両腕を下ろした。

 

「こうた・・・・」

 

「カッコいいルン。」

 

「凄い!」

 

「あれがスペースの新しい力。」

 

「スペースが、またパワーアップしたでプルンス!」

 

「フワ!」

 

新たな変身を見てひかる、ララ、えれな、まどかは驚き、プルンスとフワはスペースの強化に喜んでいた。

 

「ふん!いくら姿が変わろうとまた倒すまでだ。」

 

カッパードは再び黒緑のエネルギーを全身に纏うと薙刀で斬りかかるとスペースは両手をクロスしてそれを受け止めた。

 

「何っ⁉︎」

 

「プリキュア!ビクトリウムバーン!」

 

「ぐああああっ!」

 

スペースはクロスしていた両手を振り払うとその直後にスペースの額のバンダナにあるV字型のクリスタルからクリスタルと同じV字型の金色の光線が発射されてそれをまともに受けたカッパードは後方へと吹き飛ばされていった。

 

「カッパード!おのれ・・・・行きな!コマちゃん達!」

 

『ノットレーイ!』

 

テンジョウの指示で突撃するノットレイ達は再び黒緑のエネルギーに強化されてスペースに襲いかかってくるがスペースはその相手を一人一人攻撃を受け流しながら反撃していた。

 

「はあっ!」

 

「ノットレーイ」

 

「何やってんだい!早くアイツを黙らせるんだよ!」

 

『ノットレーイ!』

 

「ふっ!みんな伏せろ!」

 

『っ!』

 

「プリキュア!ビクトリウムスラッシュ!」

 

『ノットレーイ』

 

スペースはララ達に伏せるように叫ぶと右足を軽く振ってから回し蹴りの要領で足のV字型のクリスタルから放つ金色のV字型のスラッシュ光弾を連続で放ち、近づいてくるノットレイ達やララ達の周りにいたノットレイ達を攻撃して倒した。

 

「コマちゃん⁉︎」

 

「今のうちにルン!」

 

「こっちでプルンス!」

 

その隙にララとえれなとまどかの3人はノットレイ達の包囲を突破してひかるも連れてプルンス達の所に一緒に隠れた。

 

「逃がすもんですか!コマちゃん達!アイツらからペンを奪うんだよ!」

 

『ノットレーイ!』

 

「そうはさせない!」

 

スペースの胸のペンダントから光の粒子が放出されるとそれはスペースの両手にそれぞれ集まり形になるとスペースの右手にはショウがビクトリーに変身する時に使うアイテム『ビクトリーランサー』が、そして左手にはキングジョーカスタムのスパークドールズが握られていた。

 

『ウルトランス!キングジョー!ランチャー!』

 

スペースはスパークドールズをビクトリーランサーでリードするとスペースの右腕にキングジョーカスタムのペダニウムランチャーが実体化した。

 

「何アレ⁉︎」

 

「スペースの右腕に武器が・・・・」

 

「いったいどうなってるっつうの!」

 

まどか達もノットレイダーもスペースの右腕が変化した事に驚いていた。

 

「くらえ!」  

 

『ノットレーイ』

 

スペースはペダニウムランチャーを発射してノットレイ達を次々と狙い撃っていった。

 

「キュアスペース!」

 

「っ!」

 

その直後にカッパードは勢いよくスペースに突っ込んできた。

 

スペースの右腕のペダニウムランチャーが消えると再びスペースの右手にはビクトリーランサー、そして左手にはシェパードンの魂が宿ったクリスタルスパークドールズが握られていた。

 

『ウルトランス!シャパードン!セイバー!』

 

スペースはビクトリーランサーにクリスタルスパークドールズをリードするとスペースの足元の地面が割れるとその裂け目から鍔はシェパードンの上半身を象っており、背部のビクトリウムを模した刃は七色に輝くシェパードンセイバーが現れてスペースはそれを掴んでカッパードの薙刀と鍔迫り合いをしていた。

 

「お前のその力をもらうぞ!そして我々がこの宇宙を乗っ取る為に使ってやる!」

 

「そんな事させない!この力は大切なものを、みんなを守る為の力。お前達のような奴らには絶対に渡さない!」

 

スペースは後方にジャンプしてカッパードから距離をとると、その後すぐにシェパードンセイバーを構えながらカッパードに突っ込んでいき勢いよくジャンプするとシェパードンセイバーの必殺技、シェパードンセイバーフラッシュを使ってカッパードをV字型に切り裂いた。

 

「はあああっ!」

 

「ぐああああっ!」

 

技を受けたカッパードは斬られた場所から飛ばされてきて、出血はしていないが受けたダメージが大きかったのか斬られた胸を押さえながら苦しんでいた。

 

「カッパード!」

 

「何やられるんだっつうの!」

 

カッパードの近くに他のノットレイダーのメンバーが集まっていた。

 

するとそこへ・・・・

 

『ララ様、お待たせしました。』

 

先程ララが呼んだロケットが到着した。

 

「ロケット呼んだっつうの⁉︎ぐああっ!目に埃がぁぁぁっ!」

 

ロケットは着陸の時に発生する土煙でノットレイダーを牽制した。

 

「はああああっ!んんんんんっ!」

 

するとプルンスは大きく息を吸って風船のように巨大化すると自身の足を使ってひかる達を捕まえてそのまま自身と一緒にロケットの中へと逃げ込んだ。

 

「まさか逃げるつもりなのかっつうの⁉︎」

 

「そんか事させないわよ!」

 

ノットレイダー達も諦めてはいないらしくロケットを撃ち落とそうとしていた。

 

「それはこっちのセリフだ!」

 

『ウルトランス!EXレッドキング!ナックル!』

 

今度はEXレッドキングのスパークドールズをビクトリーランサーにリードするとスペースの右腕に炎に包まれた巨体な腕が現れた。

 

「ハアアアアッ!どりゃゃゃっ!」

 

スペースはEXレッドキングナックルを勢いよく地面に叩きつけるとEXレッドキングの必殺技であるフレイムロードを発動させて地面から飛び出すマグナによってノットレイ達は次々と倒されていった。

 

「そんな⁉︎」

 

「スペース!今のうちに!」

 

「早く!ロケットに乗って下さい!」

 

ロケットのハッチからはえれなとまどかがスペースにロケットに乗るように促していた。

 

「・・・・・・・・」

 

「何してるの!」

 

「早く!急いで下さい!」

 

えれなとまどかは必死にスペースを呼ぶがスペースは動こうとはしなかった。

 

「みんな!必ず、地球にたどり着いてくれよ!」

 

『っ!』

 

「こうた?」

 

「貴方、まさか⁉︎」

 

「AI!俺に構わず行け!今はみんなの身の安全が最優先だ!」

 

『・・・・了解しました。』

 

「っ!AI!待つルン!」

 

ララはロケットの発射を止めようとするがそれは叶わず、えれな達のいたハッチは閉じてロケットは発射されてしまった。

 

「フーーワーーッ!」

 

フワの耳の周りについている黄色い輪っかが回転して光りだすと空中に星形のワープホールが生成された。

 

「行かせるもんですか!コマちゃん達、あのロケットを撃ち落とすんだよ!」

 

『ノットレーイ!』

 

ノットレイ達は光線銃を構えてロケットを撃ち落とそうとしていた。

 

「させないって言っただろ!」

 

『っ!』

 

スペースは両手で描いたV字型のエネルギーを右腕に集めてから両腕をL字型に組み、右腕の甲にあるVクリスタルを正面に向けた。

 

「プリキュア!ビクトリウムシュート!」

 

スペースは必殺技のビクトリウムシュートを使ってノットレイダーのメンバーを攻撃してロケットへの攻撃を阻止した。

 

その直後にロケットはワープホール内に突入して地球へと帰っていった。

 

「くっ!キュアスペース!」

 

「だったらお前だけでも倒してやるっつうの!」

 

「お待ち下さい。」

 

テンジョウとアイワーンがスペースに戦いを挑もうとするとバケニャーンがそれを止めた。

 

「今は彼を倒すより逃げた他のプリキュア達を追うのが得策かと思います。」

 

「どういう事だっつうの!」

 

「ロケットがない以上、今の彼には自力で地球に戻る術はありません。ならば彼に邪魔されない所で他のプリキュア達からペンを奪うべきではないでしょうか?」

 

「成る程、それは一理あるわね。」

 

「けっ、仕方ないから今はそれに従ってやるっつうの!」

 

バケニャーンからの提案をテンジョウとアイワーンは承諾した。

 

「キュアスペース!今日のところはこのまま引いてあげる。」

 

「次に会った時にはギッタンギッタンにしてやるから覚悟しろっつうの!」

 

「っ!待て!」

 

スペースはテンジョウ達に接近するがノットレイダーのメンバーは全員ワープゲートを通って消えてしまった。

 

「くそっ!逃げられたか。」

 

「おいお前、大丈夫か?」

 

そんなスペースの所にクムが心配して近づいてきた。

 

「あぁ、大丈夫だ。クムは大丈夫だったか?」

 

「オラは心配ないだべ。それよりもアイツらは大丈夫か?」

 

「そうだな。きっと大丈夫さ。」

 

(みんな・・・・無事でいてくれよ。)

 

スペースは変身を解除してこうたに戻るとこうたはクマリン星の空を見上げながらみんなの無事を祈っていた。

 

そして地球へと向かうロケットの中ではララが必死にロケットを操縦し、他のみんなは俯いた状態で元気をなくしていた。中でもひかるの目には涙も浮かべられていてショックを受けているのは明白だった。

 

そしてロケットは地球に戻り観星町の近くの森の中に不時着したが、その光景をまたしても内閣府宇宙開発特別捜査局の人達に見られてしまった。

 

果たしてこうたは、ひかる達はこの先どうなってしまうのか・・・・

 

 

 

 

To Be Continued

 




         次回予告


こうたを残して地球へと帰還したひかる達

そんなひかる達に内閣府宇宙開発特別捜査局の追っ手が迫る

果たして落ち込んでいるひかるは元気を取り戻す事が出来るのか・・・・



次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第31話 宇宙(そら)に輝け!サザンクロスとギンガの光! 前編

次回も楽しみに!


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第31話 宇宙(そら)に輝け!サザンクロスとギンガの光! 前編

12月最初の投稿です。

そしてこの先にもあるかわかりませんが、今回は初めてオリ主であるこうたの出番は回想のみとなります。

今年もあと残りわずか、今年が終わるまでに第3章は終わるのか少し不安になってきましたが、頑張ります。

後編は早ければ明日の夜に投稿します。



ひかるがサザンクロスを見に行こうとみんなを強引に宇宙へと連れ出すが、行った先のクマリン星で襲ってきたいつもより強化されたノットレイダーによってクマリン星にあったペン、そしてひかるが持っていたおうし座のペンがノットレイダーに奪われてしまった。

 

ピンチに陥ったひかる達だったが、こうたが新たに手にしたウルトラマンビクトリーの力でノットレイダーの撃退に成功したが、その中でひかる達はこうたを残して自分達だけが逃げる事になってしまい、こうたをクマリン星に置き去りにしてしまった。

 

それから地球へと戻ってきたひかる達はロケットを何とか着陸させる事は出来たが、ロケットの一部はノットレイダーとの戦闘の影響で損傷していて、みんなで付けたピンクのリボンの飾りには亀裂が入ってしまっていた。

 

そんなロケットの姿をひかる達はロケットの外に出て黙って見つめていた。

 

「・・・・みんなで作ったのに・・・・」

 

『・・・・・・・・』

 

ひかるはみんなで作ったロケットが傷ついた事に落ち込んでいて、そんなひかるの姿を他のみんなは黙って見ているしかなかった。  

 

「こうた、大丈夫かな?」

 

「そうですね。心配です。」

 

「ルン。どうしてこうたはいつもいつも無茶ばっかりするルン。」

 

ひかるが落ち込んでいる後ろで、えれな、まどか、ララの3人はクマリン星に残してきたこうたの事を心配していた。

 

「それよりも今は、さっきので誰かにロケットを見られたはずでプルンス!早く逃げるでプルンス!」

 

「っ!ルン!ロケット!キャリーモードルン!」

 

「ひかる・・・・」

 

プルンスの言葉を聞いてララは慌ててロケットのキャリーモードを起動させた。

 

するとロケットが煙に包まれるとロケットは野球の球と同じくらいの大きさの濃いピンクと薄いピンクの2色の小さなボールになった。

 

「っ!小さくなった。」

 

「こうして持ち運ぶルン。壊れてたけど、ロケットを修理した時に直したルン。」

 

えれなはロケットが小さくなった事に驚いているとララがその仕組みを簡単に説明した。

 

「誰か来るでプルンス!」

 

するとプルンスが人の気配に気づいてみんなに知らせた。みんなはその場を離れようとしたが、ひかるだけがその場から動かなかった。

 

「っ!ひかる!」

 

「私のせいだ・・・・くっ・・・・」

 

ひかるは下に俯いたまま自身の拳を強く握りしめながらこれまでの事を強く後悔していた。

 

そんなひかるの右手をまどかの左手はしっかりと掴んだ。

 

「え?」

 

「行きましょう。」

 

まどかに手を引かれてひかる達も何とか見つかる前にその場を離れる事ができた。

 

そして、先程までひかる達がいたところにスーツを着た冬貴とその後ろに防護服を着た内閣府宇宙開発特別捜査局の人達がやって来た。

 

「落下地点はここか?」

 

「お父様・・・・」

 

まどか達は何とか冬貴達が到着する直前に木の影に隠れる事ができた。

 

「局長、防護服なしでは・・・・」

 

「必要ない、今までの調査でも危険な物質は検出されていない。やはり、今朝飛び立った飛行物体と考えるのが妥当か・・・・探せ!この周辺を!」

 

冬貴の指示で他の局員達が周辺の調査を開始した。

 

それから逃れるのようにひかる達もその場を離れて走って逃げた。

 

ひかるは後ろを振り向きながら走っていて、今の自分達が置かれている状況を少しずつ理解していた。

 

それからみんなは今日は休館日だった天文台の中へと逃げ込んだ。

 

「はぁ・・・・はぁ・・・・ここまでくれば・・・・」

 

「フワ・・・・」

 

「見つかる所だったルン。」

 

「セーフでプルンス・・・・」  

 

「え⁉︎あぁ・・・・」

 

プルンスとフワの姿を見て遼じぃは驚きのあまりに持っていた数冊の本を落としてしまった。

 

「アウトでプルンスゥゥゥゥゥ!」

 

「オヨォォォォ⁉︎」

 

宇宙人だという事がバレたプルンス達は激しく動揺していてその場でアタフタしていた。

 

『っ!』

 

「まずい!」

 

「ん?」

 

しかし、その最中に天文台の入り口の扉が開く音が聞こえてきて、えれなにはそれが追っ手だとすぐにわかった。

 

「隠れるでプルンス!」

 

ひかる達は慌てて奥の部屋に隠れると遼じぃはそんなひかる達の姿を見て何となく状況を理解した。

 

そしてそこへ冬貴が遼じぃのいる部屋へと入ってきた。

 

「あの・・・・」

 

「宇宙開発特別捜査局の香久矢と申します。この近くで未確認飛行物体が着陸した痕跡が発見されました。何か、異変はありませんか?」

 

「フワ?」

 

「ダメルン!」

 

フワがその様子を覗こうしていたのをララが慌てて止めた。

 

 

「はて・・・・今日は休館日でしてねぇ・・・・誰も来てませんよぉ。」

 

(遼じぃ・・・・)

 

ひかるは遼じぃが自分達の事を隠してくれた事に心の中で感謝した。

 

「よいしょっと!どうも、最近手が滑って・・・・歳ですかねぇ・・・・」

 

遼じぃは先程落としてしまった本を一冊ずつ拾いだし、冬貴もそれを手伝った。

 

しかし冬貴はその中で天文台の中に泥の足跡が部屋の奥へと続いている事に気づいた。

 

「もしくは、何かに驚き、落としたとか・・・・」

 

「はて・・・・」

 

それから冬貴は泥の足跡を辿って部屋の奥へと進んでいった。

 

その先で隠れていたひかる達にも緊張が走った。

 

「局長!」

 

「ん?」

 

そこへ防護服を着た1人の男性局員がやって来た。

 

「森で、発光を目撃したとの情報が・・・・」

 

「すぐに行く!」

 

「よっこらせぇ」

 

「お騒がせしました。今度は会館の時にゆっくりと伺います。」

 

「えぇ是非・・・・」

 

「防護服は機動力が落ちる。脱衣しろ!」

 

「はっ!」

 

そして冬貴と男性局員は天文台を後にした。

 

それからひかる達は遼じぃにララ達の事、プリキュアの事を説明した。

 

「いやぁ・・・・君が異星人だったとは・・・・長生きするもんだねぇ・・・・」

 

「言えなくてごめんルン。」

 

「ララ達が宇宙から来た事がバレたら地球にいられなくなるから・・・・」

 

「そういう事なら、秘密、だね。」

 

「ありがとうルン!」

 

「遼じぃ・・・・」

 

「フワァ!」

 

「感謝でプルンス!」

 

プルンスは遼じぃが秘密を守る事を約束してくれた事に泣きながら両手で拝んで感謝していた。

その間にフワも遼じぃの胸元に飛び込んでいき、遼じぃはそれをしっかりと受け止めた。

 

「最近、大きな花火の音がすると思っていたけど、ロケットだったとはなぁ・・・・」

 

遼じぃ、最近の大きな音が何なのかわかった事でスッキリした表情で夕日で輝く空を見ていると、その間にひかるの表情が雲った所を見逃さなかった。

 

 

 

それから数分後、ひかるは真っ暗なプラネタリウムの部屋で膝を抱えたまま椅子に座っていた。

 

「・・・・・・・・」

 

すると突然、スイッチの入る音がすると天井には沢山の星座が映し出されていた。

 

「いないと思ったら、やっぱり・・・・」

 

「遼じぃ・・・・」

 

「何かあるといつもここだからねぇ。ひかるは・・・・」

 

それから遼じぃはひかるの隣の席に座った。

 

「でも、久しぶりじゃないか?」

 

「宇宙に行ったり、ララ達と一緒にいたから私、はしゃいでたかも・・・・新しい友達ができて、宇宙に行けて、とってもキラやば~な毎日で、みなみじゅうじ座、サザンクロスは天文台からは見えないけど、宇宙なら見えるかなぁってみんなを誘ったの・・・・でも、そのせいで・・・・そのせいで・・・・こうたが・・・・」

 

ひかるの表情はとても悔しそうな表情をしていてその瞳には少しだが、涙も浮かんでいた。

 

「案外、呼ばれたのかもしれないよ。」

 

「え?」

 

ひかるは遼じぃの言葉の意味がよくわからなかった。

 

「サザンクロスはね、ひかるにピッタリな想像力を、イマジネーションをくれる星座なんだ。昔、人々は南の空に輝くサザンクロスを目印にして旅をしていた。そう教えたけどねぇ、ただの目印じゃあないんだよ。」

 

「え?」

 

「旅人は、サザンクロスを見ながら遠くで待つ大切な人や、新たな大陸を思い描いたんだ。サザンクロスは人々に進む力を、イマジネーションをくれる星座なんだよ。ね、ひかるにピッタリだろ?」

 

遼じぃは笑顔でひかるに語りかけるとひかるの表情も先程までの暗い表情から打って変わり何かを感じている明るい表情へと変わっていった。

 

「それに、こうただってきっと大丈夫さ。」

 

「え?」

 

「こうたの強さはいつも側で見ていたひかるが一番良くわかっているだろう?」

 

「っ!」

 

『俺も諦めない!絶対にアイツを倒して、この町を、この世界を守る!』

 

『スターはスターのやりたい事をやれば良いんだよ。俺も全力でフォローするからさ。』

 

『これが俺達!プリキュアとこの宇宙に生きるみんなの力だ!』

 

『大切なものの為、この宇宙を・・・・仲間を守る為に・・・・俺は戦う!』

 

遼じぃの言葉を聞いて、ひかるはこれまでのこうたの姿を思い出してこうたの力を、その強さを再認識した。

 

(そうだ!そうだよ!こうたなら・・・・こうたなら・・・・きっと・・・・)

 

そしてひかるはこうたならきっと無事だと強く信じた。

 

そんな2人の会話をプラネタリウムの入り口付近で聞いていたララは何かを決意した表情で静かにその場を後にした。

 

 

 

その頃、先程までひかる達がいた森にはクマリン星からプリキュアを追って来たノットレイダーの面々がいた。

 

「ケヒャヒャヒャヒャヒャ!」

 

「で、私がやられている間に何があったんだ。」

 

カッパードはスペースにやられた場所を押さえながらアイワーンやテンジョウに状況の説明を求めた。

 

「アタシ達を1人で圧倒したキュアスペースがいない間に他のプリキュア達からペンを頂くのさ。」

 

「そして、その為の良い方法をここへ来るまでに思いついたっつうの。」

 

「ほう・・・・で?良い方法とは?」

 

カッパードがその方法をアイワーンに聞くと、アイワーンはカッパードがひかるから奪ったおうし座のペンをダークペンにしてしまった。

 

「うぅ!うぅ・・・・コレは・・・・」

 

その影響はスターパレスにいるおうし座のスタープリンセスにも影響を及ぼし、プリンセスの周りには黒いオーラが現れてとても苦しそうにしていた。

 

「生まれろダークペン。」

 

「何かと思ったら、いつものノットリガーじゃない?」

 

「違うっつうの!今までのノットリガー化のデータによると、1人じゃ意思を制御出来ないっつうの。だけど、3人ならOKだっつうの!」

 

「3人って、まさか私達を⁉︎」

 

「ノットリガーにする気か⁉︎」

 

「嫌です。」

 

「はっきり断ったっつうの⁉︎」

 

アイワーンはまさかバケニャーンに断られるとは思ってなかったらしくそれに驚いていた。

 

「私の力ではお2人とバランスを取れませんので。」

 

「じゃあ・・・・アタイが行くっつうの!」

 

「待て!承知してないぞ!」

 

「アイワーン!」

 

アイワーンはカッパードとテンジョウの静止を振り切り、ダークペンの力を発動させた。

 

「ダークペン!イマジネーションを塗りつぶせっつうの!」

 

そしてダークペンから放たれた黒いハートの形をしたエネルギー体がカッパード、テンジョウ、アイワーンの3人を包み込むとそれは形を変えて3人の容姿が1つになった巨大な人型のノットリガーが誕生した。

 

『ノットリガー!』

 

「ふっ、美しくはないが・・・・」

 

「悪くはないわね。」

 

「でしょでしょ!」

 

「っ!何だ⁉︎」

 

するとそこへ運悪く冬貴達、宇宙開発特別捜査局の局員達が鉢合わせてしまった。

 

「良い実験体、みっけだっつうの!」

 

そしてノットリガーは冬貴達に襲いかかった。

 

 

 

 

 

その出来事が起こる数分前に遡ると、ひかるがいなくなった事が気になったえれな達他のメンバーはひかるの事を探していた。

 

「いた?」

 

「こっちにはいません。」

 

「全く、ひかるは何処に行ったでプルンス?」

 

「フワ・・・・」

 

手分けしてひかるを探していたえれな、まどか、プルンス、フワは巨大望遠鏡のある星の部屋に集まっていた。

 

「っ!ララ、そっちはどうだったでプルンス?」

 

そこへララもやって来てプルンスがひかるはいたのかをララに聞いた。

 

「みんな・・・・こうたを・・・・迎えに行くルン。」

 

「えぇ⁉︎こんな時に何を言ってるでプルンスか⁉︎」

 

「そうだよ。ロケットだって本調子じゃないんだし・・・・」

 

「それに今は、お父様達が・・・・いくらなんでもリスクが高すぎます。」

 

「でも!・・・・こうたをあのままにはしておけないルン!」

 

えれな、プルンス、まどかはララの意見に反対したがララの意思は変わらなかった。

 

『ララ様、私もララ様の意見には反対です。』

 

「AI⁉︎」

 

そこにAIまでもがララの意見に反対してきた。

 

『現状のロケットでは破損が原因で万全の状態の約70%の性能しか発揮できません。これではロケットの運用に大きな影響を与えてしまいます。』

 

「何とかならないルン?」

 

『改善するにはロケットの修理が必要です。そうしなけば、とても宇宙へは行けません。』

 

「そんな・・・・」

 

AIから聞かされた現状にララはショックを受けた。

 

「ララ?いったいどうしたの?」

 

「そうですよ。何かあったんですか?」

 

えれなとまどかはララに何があったのかを聞いた。

 

「私・・・・いつもこうたに助けてもらってばっかりで・・・・そんなこうたが大変な時に・・・・私は・・・・何も出来なくて・・・・それが凄く・・・・悔しいルン・・・・。」

 

「ララ・・・・」

 

ララは両手で自身のスカートを強く握り締めて悔しそうに目に涙を浮かべながら自身の思いを語った。

 

「こうたはいつも自分の事は後回しにして誰かの為に頑張って、その所為で自分ばっかり損をして・・・・ひかるはこうたを信じてるみたいだったけど・・・・私は・・・・こうたに何かあったらって思ったら・・・・凄く不安で・・・・怖いルン。」

 

「ララ・・・・」

 

「そうだね・・・・怖いのは・・・・アタシも同じだよ。」

 

ララは初めてノットリガーと戦った時にスペースが自分を庇って傷ついた事、宇宙大魔王との戦いでみんなが復活するまで1人で戦っていた事、そして今回も自分達を逃がす為に1人だけ残って戦う選択をした事、その全てを思い出しながらララはこうたの事を考えていた。

それを聞いたまどかとえれなもララと同じ気持ちだった。

 

「だから今度は私が・・・・私がこうたを助けるルン!守られるばかりじゃなくて、私がこうたの事を守るルン!」

 

「だね!今度はアタシ達が!」

 

「はい!こうた君を助けましょう!」

 

ララ、えれな、まどかの3人は、今度は自分達がこうたを助けると強く決意した。

 

ズドォォォォン!

 

「っ!何⁉︎」

 

その時、外からもの凄い音が聞こえてきた。

 

 

 

「ひかる・・・・お茶が入ったよぉ・・・・はて・・・・」

 

プラネタリウムの中にお茶とカップを持って入ってきた遼じぃだったがそこにひかるの姿はなかった。

 

一方、ひかるはペンダントの反応を辿って天文台の外に出てベンチの所から森を見渡すと森の方で爆発する所を目撃した。

 

「あっ!」

 

「ひかる⁉︎」

 

「何処に行ってたでプルンス?」

 

それに反応してララ達も外へ出ると天文台の外にあるベンチの所にひかるが立っていた。

 

「森からおうし座のペンの反応が・・・・」

 

「それって・・・・」

 

「ノットレイダーがいるでプルンスか⁉︎」

 

「フワ・・・・」

 

「森には、お父様が・・・・」

 

ひかるの言葉を聞いてノットレイダーが森にいる事を悟った他のメンバーは動揺し、まどかは森にいるであろう冬貴の事を心配していた。

 

「・・・・行くルン!」

 

そんなまどかの姿を見たララは森に行くと言い出した。

 

「行くってプルンス達の存在を知られたら地球に居られなくなるでプルンス。それにまた・・・・ノットレイダーにやられたら・・・・」

 

「でも!放っておけないルン!・・・・それにこうたなら・・・・こうたならきっと、迷わず助けに行くルン!」

 

「だろうね。こうたなら・・・・」

 

「はい。こうた君なら、ここにいる誰よりも早く助けに行くと思います。」

 

 

ララ、えれな、まどかの言葉を聞いてプルンスは何も言えなくなってしまった。

 

「うん。・・・・行こう。」

 

そしてひかるも森に行く事を決意し、みんなはそのまま森へと走って行ったのであった。

 

 

 

To Be Continued

 

 

 




         次回予告


森へとたどり着いたひかる達はカッパード達が合体した巨大ノットリガーとの戦闘に大苦戦・・・・

徐々に追い詰められるプリキュア達だがそれぞれの思いを胸に必死に立ち向かう。

そんなプリキュア達の思いが新たな奇跡を引き起こす!



次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第32話 宇宙(そら)に輝け!サザンクロスとギンガの光! 後編


次回も楽しみに!


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第32話 宇宙(そら)に輝け!サザンクロスとギンガの光! 後編

投稿、遅くなって申し訳ありません。m(_ _)m

リアルの都合、執筆中にあれやこれや色々な部分を追加してたら時間がかかってしまいました。

第3章も今回の話を入れて残り3話となりました。

今後ともよろしくお願いします。

そして改めて予定していた投稿日を大幅に遅れてしまった事を深くお詫びします。

本当に申し訳ありませんでした。

もう、次回の投稿予定日を記入するのはやめます。



時刻は夕日が沈み、夜になろうとしていた頃、内閣府宇宙開発特別捜査局の局員達は突然現れた巨大な化け物に怯えて慌てて逃げていた。

 

「・・・・全員退避したか。」

 

しかし、局長である冬貴は局員達が全員退避するまで残り全員の退避を確かめた。

 

『ノットリガー!』

 

「のわっ!」

 

そして、ノットリガーの拳が地面に叩きつけられた衝撃に吹き飛ばされてそのまま気絶してしまった。

 

「ケヒャヒャヒャヒャヒャ!どうだっつうの!これが実験の成果だっつうの!」

 

「やめて!」

 

そこへひかる達が到着した。

 

「来たな?プリキュア!」

 

「っ!お父様!」

 

「任せるでプルンス!」

 

「はい。」

 

まどかは冬貴の安否を心配するが、冬貴の事はプルンスとフワに任せて目の前の相手に集中する事にした。

 

「さぁ、楽しませてもらおう。」

 

「どうして貴方達がここに⁉︎こうたは?こうたはどうしたの⁉︎」

 

ひかるは声の主がカッパード達だと気づいてこうたはどうしたのかと聞いた。

 

「アイツならあの星に置いて来たっつうの!」

 

「その間にアンタ達のペンを頂くわよ。」

 

アイワーンとテンジョウが続けて説明した。

 

「そんな・・・・」

 

「ひかる!」

 

「・・・・うん。」

 

『スターカラーペンダント!カラーチャージ!』

 

そして4人は自身のペンを手に取りプリキュアへと変身し、戦闘はそれからすぐに始まった。

 

「んんんんっ!」

 

プリキュア達が戦闘を始める前に息を大きく吸って大きくなったプルンスは冬貴を抱えて移動し、冬貴を近くの岩場に寄りかからせてからプルンスは息を吐いて元の大きさへと戻った。

 

「フワ?」

 

「大丈夫でプルンス。気を失ってるだけでプルンス。それより、プリキュア達が心配でプルンス・・・・。」

 

「大丈夫フワ。」

 

「え?」

 

プリキュア達を心配するプルンスの隣で大丈夫だと言うフワの考えがプルンスには理解出来なかった。

 

 

 

 

『プリキュア!』

 

「しし座・ミルキーショック!」

 

「てんびん座・ソレイユシュート!」

 

「やぎ座・セレーネアロー!」

 

ミルキー、ソレイユ、セレーネによる同時攻撃がノットリガーに直撃した。

 

「どう?」

 

「好きにはさせません!」

 

しかし土煙の中でノットリガーの目が強く光る。

 

「ルン⁉︎」

 

『ノットリガー!』

 

『うわぁぁぁぁっ!』

 

ノットリガーは3人の技を受けてもピンピンしていてそのまま左手を振りかぶってミルキー達を殴り飛ばした。

飛ばされたミルキー達はそのまま地面に叩きつけられて大ダメージを受けてしまった。

 

「さぁ、さっさとペンを頂いて終わりにしましよう。」

 

「だね。この星を乗っ取っても資源が破壊されちゃ意味ないっつうの。」

 

「うぅ・・・・乗っ取る?」

 

「そんな⁉︎」

 

「ケヒャヒャヒャヒャヒャ!」

 

「そんな事させないよ!」

 

ミルキー達に追撃をしようとするノットリガーに対してスターは背後からノットリガーを攻撃しようとジャンプした。

 

「甘い!」

 

しかし、ノットリガーもそれに対応して振り向き様に右手でスターを殴ろうとするが、スターは更に高くジャンプしてかわしてその右手の上を駆け上がってそこから高くジャンプした。

 

「乗っ取るって、住んでる人達のこと考えないの?スターパンチ!」

 

「戯言だな!」

 

スターの技とノットリガーの右手の拳が激突する。しかし、技は相殺されてノットリガーは無傷だった。

 

「っ!うっ!」

 

「だからアンタはお子ちゃまなのよ。何もわかってないくせに。さっきの言葉、そっくり返すわ!」

 

スターはノットリガーの左手に捕まり、掴まれたまま地面に叩きつけられてミルキー達と動揺に大ダメージを受けてしまった。

 

「うっ・・・・」

 

「考えた事もなかろう・・・・宇宙の最果て・・・・黒く凍える場所に追いやられ・・・・闇に潜んで生きてきた我々を・・・・!」

 

するとノットリガーから禍々しい闇のオーラが溢れ出て出てきて、それがスターを呑み込むと辺りの景色を宇宙のように空間に変わってしまった。

 

「え?」

 

『アンタは宇宙の事、何も分かっていない。』

 

『ケヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!ホント勢いだけだっつーの!!実は想像力ないっつーの!』

 

「っ⁉︎」

 

その時スターは、今回の自分勝手な行動の所為で大変な事になった事を思い出して改めて自分のした事を強く後悔した。その所為でスターはノットレイダーのメンバーから言われた通り、自分には想像力がないと思い込んでしまった。

 

「私は・・・・私は・・・・」

 

「そんな事ないルン‼︎」

 

「え?」

 

スターはそんな事ないという声を聞いて後ろへと振り向くとそこには身体の痛みに必死に耐えながら立ち上がったミルキー、ソレイユ、セレーネの姿があった。

 

「そんな事・・・・ないルン‼︎スターは遠く離れた宇宙からフワを呼んだルン。イマジネーションの力で・・・・凄い想像力ルン。スターとこうたの想像力のおかげで私、プリキュアになれたルン‼︎」

 

「ミルキー・・・・」

 

ミルキーは自身が感じたスターの想像力の凄さを語った。

 

「そうです!スターが、ひかるがいなければわたくしが皆さんと楽しくお話をする事もありませんでした!」

 

「あと、スタードーナツも知らなかったでしょ?」

 

「ええ。」

 

セレーネもそれに便乗してひかるのおかげで自分の生活に訪れた大きな変化を説明し、ソレイユもその話に入ってきた。

 

「ひかるのイマジネーションはね、みんなを思って結び付けてくれるんだ!みんなを新しい世界に連れて行ってくれるんだよ‼︎」

 

『サザンクロスは人々に進む力を、イマジネーションをくれる星座なんだよ。』

 

「みんな・・・・ありがとう。」

 

『うん!』

 

スターはみんなの思いを聞いて、それが堪らなく嬉しくて泣きながらみんなに感謝の言葉を伝えた。

 

「わたし、想像してたんだ、宇宙をずっと、ずっと、ず~っと!想像してたんだ‼︎だから大好きなんだ・・・・宇宙のこと分かってないかもしれない。でも宇宙のこと大!大!大好きなんだァァァァァアア‼︎」

 

スターがそう叫ぶと、スターの身体から強い光が溢れ出てきた。

それをバケニャーンは離れてる場所から眺めていた。

 

それに反応するかのようにノットレイダーのアジトがある場所でも、そこに飾られていたひし形の石から再び邪悪なエネルギーが溢れ出していた。

 

「っ!まさか、ダークネスト様がお目覚めに・・・・」

 

『この力は・・・・』

 

それを見たガルオウガは彼らの主、ダークネストが目覚めるのではと考えていて、そのひし形の石から何者かの声が聞こえてきた。

 

「大好き、だと?感情論など、たくさんだ‼︎」

 

「っ!」

 

ノットリガーの振りぶった左手の拳がそのままプリキュア達に直撃しようとしたその時・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「プリキュア!」

 

『っ!』

 

「ギンガファイヤーボール‼︎」

 

突然、ノットリガーの真上から大量の炎を纏った隕石が降り注いだ。それを受けたノットリガーは後方へと下がっていった。そしてこの攻撃が何なのかをスター達は知っていた。

 

隕石の攻撃が止むとノットリガーとスター達の間に何かが地面に降りてきた。

 

先程の攻撃でできた土煙でよく見えなかったがその土煙が晴れるとそこには・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

「え?・・・・スペース?」

 

「・・・・待たせたな。みんな!」

 

そこには今、スター達が一番会いたかった人物、『如月こうた』こと『キュアスペース』が立っていた。

 

「こうた・・・・」

 

「何で?」

 

「どうやって地球に?」

 

ミルキー、ソレイユ、セレーネはスペースがどうやって地球に戻って来たのか不思議でしょうがなかった。

 

「フワが呼び戻したんでプルンス!」

 

「フワ!」

 

「フワ!プルンス!」

 

そこへ今度はプルンスとフワが戻って来た。

 

「呼び戻したって?」

 

「そうか!フワが道を開いてくれたんですね!」

 

「そういう事。」

 

ソレイユは最初はよくわかっていなかったが、セレーネはフワの力を使ったのだとすぐに理解した。

 

 

 

スペースがプリキュア達の所に戻る少し前に遡ると・・・・

 

 

「大丈夫フワ。」

 

「え?」

 

「みんな一緒フワ!みんなで守るフワ!フーーワーーッ!」

 

フワが自身の力を発動させるとフワとプルンスがいる場所より少し高い位置の空中にいつも使っている星形のワープホールが出現した。

 

 

「お前、これからどうすんだ?」

 

「それな、ホントにどうすっかな・・・・」

 

ノットレイダーが去ったクマリン星では取り残されたこうたはクムにまだ案内されていないクマリン星の場所をほぼ強引に案内されて流石に疲れたこうたは今、クムと一緒に地面に座りながら雑談していた。

 

そんな中で・・・・

 

 

 

 

「おい!アレなんだ⁉︎」

 

「あれは⁉︎フワの!」

 

こうた達のいる場所の上空にフワのワープホールが現れた。

 

「悪いクム、どうやら迎えが来たみたいだ。だから俺、もう行くよ。」

 

「そうか、それじゃあ仕方ねぇな。アイツらにもよろしくな!」

 

「あぁ、クムも元気でな。」

 

こうたは立ち上がるとクムと握手をしながら別れの挨拶をして、それからすぐにキュアスペース、更にキュアスペースギンガへと変身してフワが出現させたワープホールに飛び込んでその中を飛行して進んでいく。

 

それから数分後、出口が見えてきたのでスペースはその出口を通り抜けてそのまま地上に着地するとすぐにフワとプルンスが近づいてきた。

 

「こうたぁ!」

 

「フワ!」

 

フワは勢いよくスペースの胸元に飛び込んだ。

 

「良かったフワ・・・・」

 

「ありがとうフワ。帰り道を作ってくれて・・・・」

 

「心配したでプルンスよぉ。」

 

「プルンスも、ごめんな・・・・っ!」

 

スペースはフワとプルンスと会話している途中で後ろの方で気絶している冬貴に気づいた。

 

「あの人はまどかの、プルンス、何があった!」

 

「それが・・・・」

 

プルンスは自分達の現状をスペースに教えた。

 

「そっか・・・・わかった。俺、みんなの所に行ってくる。」

 

「わかったでプルンス。」

 

「気をつけるフワ。」

 

「おう。」

 

こうしてスペースはみんなの所に駆けつけて今に至るのであった。

 

「そうだったんですね。」

 

「良かったルン。」

 

「うん。無事で良かった。」

 

セレーネ、ミルキー、ソレイユはスペースが無事で安心していた。

 

「スペース・・・・」

 

「スター?」

 

そこへ俯いたスターがスペースに声をかけた。

 

「あの・・・・ごめんね・・・・私・・・・うわっ⁉︎」

 

スターが俯いたままスペースに謝罪するとスペースはそんなスターの頭をぐちゃぐちゃに撫でた。

 

「ひかるの我が儘に振り回されるのなんて、もう慣れたよ。けど、それで俺自身にもいい事もあったし・・・・だから気にするな。」

 

「こうた・・・・」

 

『キュアスペース!』

 

みんなが話してる間にノットリガーは立ち上がってきた。

 

「みんな、ここは俺に任せてみんなは休んで「嫌ルン!」・・・・ミルキー?」

 

スペースがここは自分が引き受けると言おうとした時、ミルキーがそれを拒んだ。

 

「私も、一緒に戦うルン!」

 

「いやけど・・・・そんなボロボロの身体じゃ・・・・」

 

「アタシ達なら大丈夫だよ。」

 

「わたくし達も一緒に戦わせて下さい!」

 

「ソレイユ、セレーネまで。」

 

そこにソレイユとセレーネもスペースに一緒に戦いたい事を伝えた。

 

「スペース、お願い!私ももう守られるだけじゃなくて私も一緒にみんなを守りたいの!」

 

「スター・・・・」

 

「アタシ達、仲間でしょ?」

 

「ルン!みんな一緒ルン!」

 

「わたくし達が力を合わせれば・・・・」

 

「どんな相手にも、絶対負けないよ!」

 

「みんな・・・・わかった。一緒に戦おう!」

 

『うん(ルン)(はい)!』

 

ソレイユ、ミルキー、セレーネ、スターの思いを聞いてスペースはみんなと一緒に戦う事を決めた。

この時、全身が光っていたスターの光は収まっていた。

 

『スペース。』

 

「タロウさん?」

 

そこへストリウムブレスが現れてウルトラマンタロウの声が聞こえてきた。

 

「私も仲間だ。いくぞ!」

 

「はい!」

 

『今こそ、一つになる時!』

 

スペースはギンガスパークの先端をストリウムブレスにリードした。

 

『ウルトラマンタロウ!』

 

『ギンガに力を!ギンガストリウム!』

 

スペースは身体を右側に逸らすとギンガスパークを持った右腕を後ろの方に目一杯伸ばして、ストリウムブレスのついた左腕の肘を曲げてまま構えてそれからスペースはキュアスペースギンガストリウムへと変身した。

 

「1人増えたからと言って・・・・」

 

「アンタ達なんて・・・・」

 

「一捻りだっつうの!」

 

「それはどうかな?俺達の力、みせてやる!」

 

スペースがそういうとスターとソレイユがノットリガーに向かって駆け出すとスペースはストリウムブレスについたタロウの顔と同じ形をしたディスクを横向きから縦向きして中のディスクを回転させた。

 

『ゾフィーの力よ!』

 

「プリキュア!」

 

『「M87光線!」』

 

「そんなもの・・・・」

 

スペースはゾフィーの技、M87光線を発射してノットリガーその攻撃を右手を前に突き出して受け止めようとしたが・・・・

 

 

「ええい!」

 

「はあっ!」

 

『ノットリガーーッ!』

 

スターは星の形をしたエネルギーを纏った右手の拳で、ソレイユは炎を纏った右足でノットリガーの右手を下から攻撃して右手が上に上げられるとその下を光線が通り過ぎてノットリガーのボディに直撃した。

 

「くっ、この!」

 

『ウルトラマンの力よ!』

 

『っ!』

 

「プリキュア!」

 

『「スペシウム光線!」』

 

スペースはノットリガーと同じ高さまで上昇してノットリガーのボディに今度はスペシウム光線を放つとそれが再び直撃した。

 

『ノットリガー!』

 

「うわっ!」

 

しかし、その攻撃を耐えたノットリガーは右手を大きく振りかぶってスペースを殴るとスペースは勢いよく地面に叩きつけられてしまった。

 

「これで終わりよ!」

 

「っ!」

 

ノットリガーは再び右手を大きく振りかぶってスペースを殴ろうしていてスペースは両手を前に出して防御しようとした。

 

すると・・・・

 

『うっ、うううううっ!』

 

「っ!」

 

その攻撃をスターとミルキーが星形とハート形のバリアを貼って防いでいた。

 

「そうは、させないよ!」

 

「スペースは、私達が守るルン!」

 

「スター、ミルキー・・・・ッ!」

 

『ウルトラマンジャックの力よ!』

 

「プリキュア!」

 

『「ウルトラバリヤー!」』

 

スペースはすかさずウルトラマンジャックの技「ウルトラバリヤー」で光の壁を作りスターとミルキーのバリアに重ねがけした。

 

「2人が俺を守るって言うなら・・・・そんな2人の事は俺が守る!」

 

「スペース・・・・私達だって、ミルキー!」

 

「ルン!」

 

『はあああああっ!』

 

スターとミルキーもスペースの思いに応えるかのように更にバリアの生成に力を入れた。

 

「無駄だ!」

 

「そんなちっぽけなもの・・・・」

 

「すぐにブッ潰してやるっつうの!」

 

「させません!」

 

ノットリガーが3人のバリアを破ろうと更に右手に力を入れようとするとその真横からセレーネの放った矢がノットリガーの横顔に直撃する。

 

『っ!』

 

「はあっ!」

 

『ノッ!』

 

そこへ更にソレイユが高くジャンプしてノットリガーの背後から炎を纏った右足の踵落としをノットリガーの頭に直撃させた。

 

『ノットリガー・・・・』

 

「今だ!」

 

『ウルトラマンAの力よ!』

 

「プリキュア!」

 

『「メタリウム光線!」』

 

『ノットリガー・・・・』

 

ノットリガーがセレーネとソレイユの攻撃で怯んだ瞬間、スペース達はバリアを解き、スペースがスター達の少し前に出ると、そのまま両腕と上半身を後ろに逸らしてその後に両腕をL字にして放つウルトラマンAの技、メタリウム光線を放ち、それがノットリガーのボディに直撃してノットリガーは後方に下がっていった。

 

それからスペースの横に他のプリキュア達が並び立つと、スペースは自身の右側にいるミルキーとセレーネを見ると2人は頷き、反対側にいるスターとソレイユを見るとこっちの2人も頷いていてスペースも頷き返すとみんなそれぞれ技を発動する体勢に入った。

 

『ウルトラマンタロウの力よ!』

 

『プリキュア!』

 

「スターパンチ!」

 

「ミルキーショック!」

 

「ソレイユシュート!」

 

「セレーネアロー!」

 

『「ストリウム光線!」』

 

『ノットリガー・・・・』

 

5人同時に放った技がノットリガーに直撃するとノットリガーは仰向けに倒れてしまった。

 

「何だ、この力は?」

 

「さっきまでは、まるで違う。」

 

「一体、どうなってるっつうの⁉︎」

 

「そんなの決まってるだろ!大切なものを守りたい、助けたいって思う気持ちが、その心が、俺達を強くするんだ!」

 

ノットリガーの中にいるカッパード達はなぜ急にプリキュア達の力が増したのか理解出来ずにいてそれをスペースが言葉にした。

 

「守りたい、助けたいって思う気持ちだと・・・・そんなもので、強くなれるものか!」

 

「まずい!・・・・うわっ!」

 

「スペース!」

 

ノットリガーが再び右手の拳を振り下ろしてきてスペースがそれを受け止めるが空中では踏ん張りがきかず、そのままスター達の横に吹っ飛ばされてしまった。

それからノットリガーは今度は左手の拳を振り下ろしてきてスター達にその拳が直撃した。

 

「みんな!」

 

「私は星を奪われた!だから同じく奪うのみ!それが道理!・・・・っ!」

 

するとスター達はノットリガーの拳を下から持ち上げるような形で受け止めていてスターの身体は先程と同じように光っていた。

 

「どんな理由があっても大好きな宇宙を・・・・星座を・・・・星を・・・・地球を・・・・奪うなんて私、嫌だ!!」

 

スターを包む光が増していくと、その光は他のプリキュアに伝染したのかミルキー、ソレイユ、セレーネの身体もスターと同じように光りだした。

 

「ルン。わたしはプリキュアルン!」

 

「わたくしの決心は揺るぎません!」

 

「笑顔を・・・・守るんだ!」

 

「みんなを・・・・守るんだ‼︎」

 

プリキュア達を包む光が限界ままで高まると、ノットリガーの渾身のパンチはプリキュア達にはじき返されてしまった。

 

「よし!」

 

「フワ!」

 

「プリキュア!」

 

 

『宇宙(そら)に輝け!イマジネーションの力!』

 

変身後に形を変えた胸元のペンダントが光るとそこからスター達4人と同じ色の星形の光が頭上に飛んでいき、それが再びスター達の手元に戻って来ると、それぞれの色の星がついたステッキが姿を現した。

 

『トゥインクルステッキ!』

 

「スタートゥインクル!」

 

「ミルキートゥインクル!」

 

「ソレイユトゥインクル!」

 

「セレーネトゥインクル!」

 

プリキュア達は自分達の持つステッキの名前を名乗るとそれぞれのステッキの輝きは更に増していた。

 

『4つの輝きよ、今一つに!』

 

4人のステッキの輝きが1つになるとそれは大きな南十字座、サザンクロスの形となって光り輝いていた。

 

『プリキュア・サザンクロスショット!』

 

プリキュア達が技名を叫ぶと虹色の南十字座型の光弾がノットリガーに向けて放たれた。

 

「こっちも決めるぜ。」

 

スペースはギンガストリウムを解除してキュアスペースギンガに戻ると、両腕を胸元でクロスした後に右手を時計回りに回転させてから両手の拳を胸元でくっつけた。

 

「プリキュア!ギンガエスペシャリー!」

 

スペースが両腕を左右に広げるとスペースの全身から一気に虹色の超光線が放たれてその超光線はサザンクロスショットを後ろから後押しする様に重なるとサザンクロスショットの力は更に高まりそれらがノットリガーに直撃するとノットリガーはその光によって浄化された。

 

「ひかる・・・・ん?」

 

遼じぃがひかるを探して天文台の外へ出るとそこにはひかる達の放ったサザンクロスの形をした光が空中で輝き続けていた。

 

「美しい・・・・」

 

遼じぃはそのあまりの輝きに見惚れていた。

 

「くっ、この光は・・・・」

 

その時、冬貴も目を覚ましてその光を見ていた。

 

 

ノットリガーのいた場所にはカッパード、テンジョウ、アイワーンの3人が気絶した状態で倒れていて近くには彼らが持っていた2本のダークペンも落ちていた。

 

そしてスターはダークペンにされたおうし座のプリンセススターカラーペンを手に取るとダークペンから元のプリンセススターカラーペンへと戻った。

それにより闇のイマジネーションに苦しんでいたおうし座のプリンセスの身体も元に戻った。

 

「良かった。」

 

「スター!今のうちでプルンス。クムの星にあったペンも取り戻すでプルンス。」

 

「うん!」

 

アイワーンの手元にはもう一本のダークペンがあってそれはおそらく惑星クマリンにあったペンだと推測される。

スターはペンを手に入れようと駆け出したが、バケニャーンが行く手を阻む為に割り込んできた。

 

「渡すわけにはいきません。」

 

「え⁉︎」

 

「十二星座のペンを手にすれば得られるのです。全てを凌駕する力が・・・・」

 

バケニャーンがそう言い終えると、ノットレイダーが使うワープホールが彼らの頭上に開き、バケニャーンと地面に倒れているアイワーン達の身体とダークペンが吸い込まれていく。

 

「またお会いいたしましょう。」

 

バケニャーンはそう言い残して気絶した他のメンバーと共にワープホールへと消えたのであった。

 

「戻ったか、バケニャーン。」

 

「はい。ガルオウガ様。」

 

バケニャーン達がノットレイダーのアジトに帰還するとガルオウガがバケニャーンに声をかけてきた。

 

「しかし、申し訳ありません。プリキュア達の持つペンを手に入れる事が出来ませんでした。」

 

「だが、こちらもプリンセスの力を一つ手に入れる事が出来た。今回はそれで良しとしよう。」

 

「それと一つ気になる事が・・・・」

 

「ほう?何だ?」

 

バケニャーンは気になる事があると言うとガルオウガはそれに興味を示した。

 

「プリキュア達の一人、キュアスペースという少年が持つペンなのですが、アレはプリンセスの力を宿すペンとは違うように思います。」

 

「何故そう思う。」

 

「我らに向けられたあの力、他のプリキュア達が使うプリンセスの力とはまるで違います。ペンの力を自身に纏わせてその力を限界まで引き出すあの力、アレは一体・・・・」

 

「・・・・そいつは恐らく、ウルトラマンの力だな。」

 

「っ!貴方は⁉︎」

 

バケニャーンは突然、聞き覚えのない声が聞こえた背後に振り返るとそこには黒いロングコートと同じく黒の長ズボン、中にはグレーのベストに白いYシャツを着たいかにもどこかの海賊と言っても疑われない格好をした黒髪の男がバケニャーンの背後に立っていた。

 

「・・・・来ていたか、サーディス。」

 

 

 

 

「みんな、心配かけてごめん!」

 

その頃、プリキュア達は変身を解除するとこうたがひかる達に頭を下げて今回の事についての謝罪をした。

 

「ううん、謝るなら私だよ。私の所為でこうたには凄い迷惑かけちゃったしさ。だから私の方こそ、ごめんなさい!」 

 

こうたの謝罪を受けてひかるが悪いのは自分だと今度はひかるがこうたに謝った。

 

「もう、2人ともやめるルン。」

 

「そうだよ。みんな無事だったんだしさ。」

 

「はい。こうしてみなさん無事に地球に戻ってこられて本当に良かったです。」

 

「めでたし、めでたしでプルンス。」

 

「めでたしフワ。」

 

「みんな、ありがとう。」

 

こうたとひかるが互いに謝っているとその横からララ、えれな、まどか、プルンス、フワが話に入ってきてこの話はそれで丸く収まった。

 

しかし・・・・

 

「っ!誰か来るでプルンス‼︎」

 

プルンスが誰かが近づいてくる足音を気づいてフワと一緒に急いで近くの草むらに隠れた。その足音の主は冬貴と他の局員の人達だった。

 

「まどか、ここでなにを?」

 

「お父様⁉︎」

 

すると、冬貴は以前にもまどかが初めてプリキュアになった時に調査をしていた時も今ここにいるメンバーが現場にいた事を思い出した。

 

「っ!あの騒ぎの時にも君達は・・・・」

 

「お父様、あの・・・・」

 

「違うんです!これは・・・・」

 

「ルン!」

 

すると、またしても歩く足音が今度はひかる達の後方から聞こえてきた。そしてみんなが振り返ると・・・・

 

「・・・・あ、貴方は⁉︎」

 

その人物が誰なのか、ひかるにはわかったらしく真っ先にひかるが声をあげたのであった。

 

 

 

To Be Continued

 

 

 




         次回予告

突然ララが故郷の星に返される事になってしまった。

猛反対のひかる達はララを地球に止まらせる為に映画を作る事に・・・・

果たして、映画は無事に完成するのだろうか?



次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第33話 さよならララ⁉︎ 映画作りと繋がる心 前編


次回も楽しみに!


※ もしよろしければ、皆さんがこれまでの話で感じた感想やコメントがあればドシドシ送って下さい。
皆さんからのコメント、そして評価が頂けたら凄く嬉しいです。
よろしくお願いします。


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第33話 さよならララ⁉︎ 映画作りと繋がる心 前編

今更ですが、皆さんあけましておめでとうございます。

今年も『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』をよろしくお願いします。

トリガーも最終回を迎え、とても素敵な作品だったと個人的には思っていて、今から『エピソードZ』がとても楽しみです。

それではこちらの本編もスタートです。



これまでの『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』は・・・

 

クマリン星でノットレイダーからの襲撃を受け、こうたを1人残して逃げ延びてしまったひかる達、そんなひかる達を追ってノットレイダー達は地球へとやってきた。

 

カッパード、テンジョウ、アイワーンの3人が一つになって生まれた巨大ノットリガーを前に絶体絶命のピンチに陥ったプリキュア達だったが、フワの力で地球に帰還したこうたと力を合わせてノットレイダーの撃退に成功した。そんなプリキュア達であったが、地球で、そしてノットレイダー達の拠点では新たな動きが起こりつつあった。

 

 

 

 

「来ていたか、サーディス。」

 

「『来ていたか』はねぇだろ。ガルオウガの旦那。せっかく頼まれてた品を持って来たってのによ。」

 

「ほう?という事は?」

 

「あぁ、手に入れてきたぜ。プリンセスの力。」

 

バケニャーン達が地球から帰還した直後、ノットレイダーのアジトには『サーディス』という名のいかにも自分は海賊と言わんばかりの黒いロングコートの中に灰色のベストに白いYシャツ、黒い長ズボンに短髪の黒い髪、そして燃えるような赤い瞳をしていて、腰の両側に同じ形をした海賊が持っていそうな少し峰の部分が曲がった紫色の剣を、腰の後ろ側には此方も同じ形をした少し細長くて剣と同じく紫色の銃を2つずつ装備した男がプリンセススターカラーペンを1本片手に持っていた。

 

「あなたは?」

 

「ん?そうかお前さんとはお初だったな。俺の名はサーディス。全宇宙のお宝を手にし、気に入ったものは手元に残し、それ以外は売り捌いたりして活動しているトレジャーハンターだ。よろしくな。」

 

「はい。私はアイワーン様の執事を務めておりますバケニャーンと申します。よろしくお願いします。サーディス様。」

 

「あぁ、よろしくな。」

 

サーディスはバケニャーンに挨拶をしながら持っていたプリンセススターカラーペンをガルオウガに渡した。

 

「これがいつもの報酬だ。」

 

「おう。サンキュー旦那。」

 

「あの?それで、先程仰っていたウルトラマンの力とは?」

 

「おう、そうだったな。」

 

バケニャーンは先程サーディスが言っていたウルトラマンの力とは何なのか質問した。

 

「ウルトラマンってのは、いま俺達がいる宇宙とは別の宇宙に存在する光の巨人達の事だ。」

 

「光の巨人?」

 

「そうだ。奴らは悪者から宇宙の平和を守る為に戦ってるらしいぜ。」

 

「何故あなたはそのような事をご存知なのですか?」

 

バケニャーンはどうしてサーディスがそこまでウルトラマンについて知っているのか気になった。

 

「決まってるだろ。俺も此処とは違う別の宇宙から来たからさ。」

 

「「っ!」」

 

サーディスがウルトラマンの事を知っているのはサーディス自身も今いる宇宙とは別の宇宙から、ウルトラマン達のいる宇宙からやって来たからだった。

それを知ってバケニャーン、それを聞いていたガルオウガは驚きを隠せなかった。

 

「最も、俺の場合はトレジャーハンターとしてお宝を探している途中に偶然こっちの宇宙に迷い込んじまっただけなんだけどな。」

 

「そうでしたか。」

 

「とにかく、ウルトラマンの力は強力だ。これからもその『キュアスペース』だっけ?ソイツの相手をするならくれぐれも気をつけるんだな。んじゃな!またプリンセスの力をみつけたら持ってくるわ。」

 

「あぁ、よろしく頼む。」

 

ガルオウガがそう返事をするとサーディスはその場を後にした。

 

 

 

 

「キュアスペース・・・か、そのうち俺も会いに行ってみるか。」

 

サーディスはそう呟きながら自身の右手に持っている2本のペンを見つめていた。

 

それはこうたが持っているウルトラスターカラーペンと似ていて、一本目のペンの絵には胸のカラータイマーが丸い輪っかの形をしていてその手には巨大な剣が握られていた。

 

もう一本の方の絵には見た目はウルトラマンにみえるが、悪者ではないかと思わせるような水色で目つきの悪いウルトラマンの姿だった。

 

「待ってろプリキュア、お前達の持ってるペンは俺が頂く。」

 

サーディスはそう遠くない内にプリキュア達のいる地球に行く事を決め、早速その準備に取り掛かった。

 

 

 

 

その頃、地球ではこうた達の前に謎の人物が姿を現していた。

 

「ハロー、エブリワン!」

 

その人物は上着を羽織ったポッチャリした体型に緑色の帽子にオレンジ色の髪や髭を生やし、撮影用のカメラを持って英語で挨拶してきた。

 

「あっ!貴方は!」

 

「君、勝手に撮影するな!いったい何者なんだ!」

 

「オー、ソーリー!私の名前は・・・」

 

「P.P.アブラハム監督!キラやば~っ☆私が大!大!大ファンな映画監督だよ~!」

 

彼が自己紹介をしようとするとそこにひかるが割り込んできて代わりに全部喋ってくれた。

 

「宇宙開発特別捜査局の香久矢です。世界的映画監督である貴方が何故ここに?」

 

「勿論、映画の撮影の為です。」

 

「え?えぇ⁉︎」

 

「撮影?」

 

「YES!貴方が見たのは映画のマジックなのです。」

 

「なんだって・・・」

 

アブラハム監督の説明を聞いた冬貴は驚いているが、それを聞いていたこうたの中には疑問が次々と浮かび上がっていた。

 

(違う、アレはマジックなんかじゃない。ノットレイダーのこと、もしくは俺達プリキュアの事も隠そうとしているのか?だとしたらこの人はそれら全てを知ってる事になる。いったい何者なんだ?)

 

「では、これまで私達が目撃してきたものは全て・・・」

 

「全ては映画のマジック、日本語でいうと特撮でぇす!」

 

「それは流石に無理があるでプルンス。」

 

それを木の影から聞いていたプルンスは無理があると呟いた。

 

「特撮?あれは私達の・・・」

 

「待てひかる・・・」

 

「おっほん!」  

 

こうたがひかるの言葉を止めようする前にアブラハム監督がわざと大きく咳をしてそれ以上は何も言わせなかった。

 

「みんな、ここは話を合わせよう。」

 

「あぁ、それが一番よさそうだ。」

 

『はい(ルン)。』

 

それを見たえれなはアブラハム監督に話を合わせようとみんなに提案して他のメンバーもそれを承諾した。

 

「まどか、君達はなぜここに?」

 

「その・・・映画制作のお手伝いを・・・」

 

「学校の課外活動の一環で・・・」

 

「そうそう私達役者なんです。」

 

『え?』

 

「おいおいひかる・・・」

 

「ヤバイ・・・」

 

プルンスはひかるの言葉に呆れ、こうたは再び嫌な予感を感じずにはいられなかった。

 

「こっそり撮影してごめんなさい。でも、どうしても映画を完成させたいんです。私達出演者からもお願いします。」

 

それからの展開はひかるの言葉に拍車をかけるかのように話が進んでいき、なんと総理大臣までもがその映画を見たいと言い出してしまいホントに映画を作らなくてはいけなくなってしまった。

ひかるは大喜びだったが、こうたの頭の中は既にパンク寸前だった。

 

(お前なぁ、さっきの事で少しは懲りたんじゃなかったのか?切り替え早すぎだろ・・・)

 

こうたはひかるがどんな思考をしているのか考えるだけ無駄なので諦める事にした。

 

結局その日はそのまま解散となり後日アブラハム監督をロケットに呼び出して話し合いをする事になった。

 

 

 

 

 

 

「全く、なんて勝手なことをしてくれたんだ!」

 

「え?」

 

 

「私はあの男の目を誤魔化そうしただけなのに、本当に映画を撮らなくちゃいけなくなっちゃったじゃないか!」

 

「それよりどうして監督がわたくし達の事をご存知なのでしょう?」

 

「私には全てお見通しだ。」

 

まどかの質問に対してアブラハム監督は返事をするといきなり監督の胸の部分が開き、中には小さな宇宙人がいた。

 

『っ!』

 

「・・・・・・」

 

『えぇぇぇぇぇぇ(オヨォォォォ)⁉︎』

 

「ミニチュラ星人でプルンス。」

 

「びっくりフワ!」

 

あまりに突然の出来事にみんなは一瞬固まってしまうがひかる達女の子4人は両手を頭上に上げながら立ち上がって驚いていて、こうたも両手をテーブルに叩きつけながら立ち上がり上半身を前のめりにして食い入るようにその存在を見ていた。

その正体がミニチュラ星人だとプルンスが説明してくれた。

 

「映画監督は世を忍ぶ仮の姿、私の正体は太陽系を監視するため宇宙星空連合からやって来た調査員だ。」

 

「ルン⁉︎ 宇宙星空連合・・・・」

 

ミニチュラ星人が星空連合という単語をだした途端、ララの表情から何故か焦りが伝わっていた。

 

「キラやば~っ☆監督が宇宙人だったなんて・・・」

 

「ですが、なぜわざわざ映画監督に?」

 

「あれは100年以上前の事、はじめは異星人の存在が地球人に知られぬように監視する使命だった。しかし、徐々に地球人の生態と文化を記録する事にのめり込んでいき、やがて映画の都ハリウッドが栄え、私は映画に魅入られたのだ。」

 

「私も監督の映画大好き!でも最近ヒット作がないんだよね。」

 

「グサーッ!」

 

「本人の前でそういう事言うなよ。」

 

ひかるの言葉はアブラハムに突き刺さり、こうたはひかるにちょっとだけ注意した。

 

「私の話はいい。それよりも君達‼︎」

 

「ルン?」

 

「君達は異星人なのに、地球人にその存在を知られてしまった。宇宙法違反だ!罰として故郷の星に帰ってもらう!」

 

『いやぁぁぁぁぁあああ(フワー)!』

 

ミニチュラ星人はララ、プルンス、フワを指差して地球を出ていくように告げた。

 

「ララ達はあたし達の友達だよ!」

 

「いきなり帰れだなんて・・・」

 

「これには色々事情があるんですよ!」

 

「それに監督だって姿見られているじゃん!いいの?」

 

ひかるの言葉を聞いて図星をつかれたミニチュラ星人はレバーを操作すると、胸元の扉が閉まった。

 

「あーみんな、今のは見なかったことにしてくれ。」

 

「いや、それは流石に無理があるでしょ・・・」

 

「オホン!とにかく、一週間後に帰還ポッドが到着する。それに乗って帰ること!宇宙星空連合の法律は絶対だ!」

 

「ルン・・・」

 

こうたの言葉はアブラハムはわざと咳き込んで止めて、それからララ達に帰る為の段取りが伝えられるとララは元気をなくしてしまった。

 

「待って下さい!ララ達は俺達の大切な仲間なんです!生まれた星が違うからとか別の星の住人と接触したからとかそんな理由でララ達を帰すのはやめて下さい!」

 

「こうた・・・」

 

それを見たこうたはアブラハムに反対の意志を伝えてさっきまで落ち込んでいたララもその言葉に耳を傾けていた。

 

「いやしかしだね君、これは星空連合の法律で決まっている事なんだ。私の一存でそれを破る訳にはいかないんだよ。」

 

「監督の立場から考えたらそうでしょうね。でも!それでも俺は、ララ達ともっと一緒にいたい!せっかく出会えたララ達との繋がりをこんな形でなかった事にしたくないんです!」

 

『こうた・・・』

 

それを聞いていたララをはじめとする他のメンバー達はこうたの気持ちに心を打たれてした。

 

ちょうどその頃、こうたがそんな話をしていたのと同時刻、地球とは違う別の星で一本のペンの輝きが点滅する形でその輝きが強くなったり弱くなったりして何かに反応していた。

 

「お願いします!ララ達を帰さないで下さい!お願いします!」

 

「・・・・・・」

 

こうたは頭を下げてアブラハムに頼み込み、アブラハムも腕を組みながらどうするかを考えていた。

 

「あの!映画の撮影はどうするんですか?」

 

「ん?」

 

「私達も協力します!」

 

「何を言っている、君達に芝居ができるとは・・・」

 

「できます!」

 

「ああっ⁉︎」

 

すると突然、ひかるが最初の話にあった映画制作の話をもちだした。

 

「監督の映画は何百回も見てるし、監督の望む演技やってみせます。」 

 

「ほう?」

 

「その代わりうまくできたらララ達のこと見逃してくれませんか?」

 

「ルン?」

 

「監督やりましょう!あたし達がんばります!」

 

「総理も楽しみにされてますし!」

 

「俺からもお願いします!やらせて下さい!」

 

ひかるの言葉に便乗してえれな、まどか、こうたもアブラハムに映画制作をするお願いをした。

 

「わかった。映画を撮ろう。」

 

「じゃあララ達の事は・・・」

 

「私の望む演技が出来れば考えてやらない事もない。」

 

「ホントルン⁉︎」

 

「私は厳しいぞ?」

 

みんなの熱意を受け、アブラハムはひかる達の提案を了承した。

 

「みんなー頑張ろう‼︎」

 

『おーっ!』

 

 

 

 

 

それから数日後、出演者であるこうた達はそれぞれの演じる役の衣装に着替えて天文台の中の巨大望遠鏡のある星の部屋に集まっていた。

 

「『映画 忍法羽衣伝説妖怪スペースウォーズ』?」

 

「フワ?」

 

「地球人のセンスは良くわからないでプルンスなぁ。」

 

プルンスとフワは今回の映画のポスターをみてコレがどういう設定なのかイマイチ理解できていなかった。

 

「まぁ地球人のセンスは色々だからな。その全てを理解するのは多分無理だと思うぞ。」

 

プルンス達の後ろからこうた話に入ってきた。

 

「あれ?こうたのその衣装は、普段の地球人の服と同じでプルンス?」

 

「まぁ、今回の俺の役は何の力もない何処にでもいる普通の地球人の少年って設定だからな。まさか主人公をやる事になるとは思わなかったけど。」

 

こうたの衣装は青い半袖のTシャツの上に黒い半袖の上着を着て、下は抹茶色の長ズボンに青い靴を履いていた。

 

「トオゥッ!くノ一、星影!」

 

「星より舞い降りし、羽衣天女でござる。」

 

「ござる?」

 

「緊張してるルン。」

 

「太陽の王子、参上!」

 

「おぉ!」

 

「カッコいいルン。」

 

「月の姫を務めさせていただきます。」

 

『はぁ・・・』

 

「綺麗ルン。」

 

「へぇ、みんな良く似合ってるじゃないか。」

 

「こうた!」

 

「こうたはいつもとあんまり変わらないルン?」

 

「まぁな。俺は主人公で地球人の少年、『さとる』って役なんだよ。」

 

今回の映画でのみんなの演じる役は・・・

 

ひかるは、くノ一星影

 

ララは、羽衣天女

 

えれなは、太陽の王子

 

まどかは、月の姫

 

こうたは、地球人の少年、さとる

 

コレが今回の映画のメインキャストとなっている。

 

「こうた、元気そうで安心したよ。」

 

「遼じぃ、心配かけてごめん。良かったら遼じぃも撮影を見に来てくれ。」

 

「君達、そろそろ本番だぞ。私の完璧な台本は一語一句頭に入ってるだろうな?」

 

「勿論!」

 

「お任せ下さい。」

 

「ララも大丈夫?」

 

「文字が読めないルン。」

 

『えぇ⁉︎』

 

ここにきてララが台本が読めないと事が発覚した。

 

「でもAIに翻訳してもらったから大丈夫ルン。」

 

『ふぅ・・・・』

 

撮影が始まるまでの間、ララはAIに協力してもらってセリフを覚えるのを頑張っていた。

 

「私は決して手を抜かない。映画を作るからには大ヒットを狙う!いや、映画史に残る名作を撮る!」

 

「それは流石に無茶でプルンス。」

 

「よぉし!やるぞ!」

 

『おーっ!』

 

 

 

 

それからみんなで森に移動し、映画の撮影が開始された。

 

「まずは主人公が天女と出会うシーン・・・よぉい!アクション!」

 

「今日はどこまで探検しようかな?」

 

主人公は森の中を探検し進んでいくと、その途中で何かがウロウロしているのをみつけた。

 

「あの?なにしてるの?」

 

「エ?チョ、チョットサガシモノヲシテイマシテ・・・・」

 

「探し物?よかったらお手伝おうか?」

 

「ホ、ホントウデスカ⁉︎アリガトウゴザイマス。」

 

「ララ、緊張しすぎでプルンス。」

 

こうたはララほど棒読みではなかったが、動きが少しぎこちなくなっていた。

ララも緊張しているのかセリフは棒読みになったり動きがロボットみたいに固くなっていた。

 

「カット!君、もう少し身体の力を抜いて自然体で演技してみてもらえるかな?」  

 

「はい。わかりました。」

 

「君は緊張しすぎ!彼以上にもっと力を抜いて気持ちを落ち着かせて演技しなさい!」

 

「わ、わかったルン。」

 

それからも何とか撮影は進んでいった。

 

「次はくノ一が主人公と天女の2人と出会うシーン・・・よぉい・・・アクション!」

 

「ツキノヒメサマヲマモルタメ、キヨウモシュギョウニハゲムゾ!エイ!ヤーッ!」

 

「凄い棒読みでプルンス・・・」 

 

ひかるのあまりにも不自然なセリフの言い方に木の影からフワと共に撮影を見ていたプルンスは不安でしょうがなかった。

 

「・・・アッ、コンナトコロニキレイナハゴロモ。」

 

「・・・あ!天女さん、探し物ってアレじゃない?」

 

「ソ、ソウデス。ソレコソテンノハゴロモ。スイマセン、ソノハゴロモヲワタシニオカエシクダサイ。」

 

「ッテコトハ、アナタハテンニョサン?」

 

「ハイ!それを返して頂かないと空に帰れないのです。」

 

「くノ一さん、お願いします。それを天女さんに返してあげて下さい。」

 

「私の使命はお姫様を悪い妖怪から救う事・・・天女さん、羽衣は返すから私に力を貸して。」

 

「お安い御用ルン!」

 

「キラやば~っ☆」

 

(あっ・・・)

 

途中からひかるとララの言葉遣いが良くなってきて安心していたこうたであったが最後の最後に素の2人が出てきてしまい、こうたは心の中でやってしまったと思った。

 

「カット!カット!・・・君、キラやば~っ☆ってなに!?」

 

「あっつい、うっかり・・・」

 

「それに君!語尾にルンってつけない!」

 

「オヨ〜」

 

アブラハムからの指摘にひかるとララはやってしまったとと思い反省していた。

 

(お父様が見ている。完璧にやらなくては・・・完璧に・・・)

 

その光景を冬貴はジッと見ていて、それを見たまどかは更に緊張してしまっていた。

 

「あぁ、3人は妖怪から姫を守るシーン。はい本ばーん、よーい!アクション!」

 

「待て待て!逃すものか!」

 

「あ〜れ〜」 

 

背後から妖怪に追いかけられてまどかが演じる姫は走りながら必死に逃げていた。

 

「シーン7駆けつけるさとると星影と羽衣天女、さとる『大丈夫?』星影『助けに参りました。』羽衣天女『私達が相手です!』」

 

『え?』

 

こうたとひかるとララはスタンバイしていたがまどかがこうた達のセリフまで一人で言ってしまったのでみんな戸惑っていた。

 

「カット!カット!・・・君、何で台本全部読んじゃうの⁉︎」

 

「っ!すみません!一語一句ってそういう事だったのですか⁉︎」  

 

「まどかってさ、映画やドラマって観た事ある?」

 

「え?はい。少しは・・・」

 

「その中で演じている人達ってさっきのまどかみたいに一人でセリフを全部言ってたか?」

 

「・・・言ってません。」

 

「そう。つまりそういう事なんだよ。」

 

「わかりました。次からは気をつけます。」

 

アブラハムやこうたの言葉でまどかは自身の解釈の間違いに気づき、それを反省した。

 

そして次はえれなも参加するシーンという事もあり、えれなはアブラハムの横で準備運動をしていた。

 

「今度こそ頼むよ!はぁい今度は王子も参戦して、みんなで妖怪を倒すシーン。よぉい!アクション!」

 

「へへ!姫は頂く!」

 

「そうはさせない!太陽の王子!参上‼︎月の姫は僕が守り抜く!」

 

そう言ってえれなジャンプして妖怪に斬り掛かるとその後に木に足で踏み込むとその勢いを利用して再びジャンプし、ワイヤーで吊るされているえれなはそれを利用して空中で回転しながら妖怪に斬り掛かった。

 

「おぉ!やるじゃないか!」

 

これを見たアブラハムも今日初めて演技に対して絶賛していた。

 

「こっちも負けてられない!えい!」

 

そう言ってひかるは手に持っていた小道具の手裏剣を妖怪に向けて投げようとしたが、その手裏剣は妖怪ではなく、アブラハムの被っている頭の帽子に当たってしまった。

 

「あぁ・・・」

 

「監督、大丈夫ですか⁉︎」 

 

「君達!私の映画をぶち壊す気か‼︎」

 

「ごめんなさい!」

 

「コレはまずいでプルンス。」

 

「フワ。」

 

これには流石のアブラハムも我慢の限界を超えてみんなに対して怒鳴り散らしていた。

それを木の影からプルンスとフワも見ていた。

 

「言っただろ!台本通り完璧に!さもないとクビだからね!」

 

「オヨ・・・」

 

「ララ・・・」

 

ひかるは自身の失敗を反省し、この映画の完成がララ達の今後を左右する事を思い出していた。

 

果たして、映画を無事に完成させてララ達は地球に留まる事が出来るのだろうか・・・

 

 

 

 

 

To Be Continued

 

 

 




         次回予告

もう失敗は許されないひかる達・・・

そんな中でひかる達は互いの気持ちを再確認し、繋がるみんなの心が新たな光を呼び覚ます!


次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第34話 さよならララ⁉︎ 映画作りと繋がる心 後編


次回も楽しみに!


そして次回の最後の方では次の新章予告も行います。

そちらもお楽しみ。


※ もしよろしければ、皆さんがこれまでの話で感じた感想やコメントがあればドシドシ送って下さい。
皆さんからのコメント、そして評価が頂けたら凄く嬉しいです。
よろしくお願いします。





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第34話 さよならララ⁉︎ 映画作りと繋がる心 後編

『デリシャスパーティ♡プリキュア』が遂にスタートしましたね。キャラや料理、戦闘の作画も綺麗でしたし、ストーリーも中々面白そうで今後の展開が楽しみです。そしてこの小説も今回で第3章が終了し、次回から第4章がスタートします。そんな今回は最後の方には第4章の新章予告もありますので最後までお見逃しなく。それでは本編スタートです。



撮影はなんとかひと段落してお昼休憩となり、アブラハムや他のスタッフ達から少し離れた所でひかる達はみんなに配られたお弁当を食べていた。

 

「フワもお昼の時間ですよ。」

 

「フワ」

 

まどかがやぎ座のペンを使ってトゥインクルブックにオムライスを書くとそれが具現化された。

 

「もぐもぐフワ。」

 

フワはまどかにスプーンで掬ってもらったオムライスを美味しそうに食べていた。

 

「もう失敗できない。じゃないと、ララが送り返されちゃう。」

 

「ひかる・・・」

 

ひかるはもう失敗できないとそれを強く意識していてそんなひかるをララが心配そうに見ていた。

 

「確かに、もう失敗は出来ない。だからこそ、みんなで協力してこの映画を完成させよう。」

 

『うん。』

 

こうたの意思を理解した他のメンバーも頷きながら返事をした。

 

「ほう?やってるねぇ。」

 

それから少しして撮影が再開され、そこへ遼じぃがみんなの様子を見にやって来た。

 

「えぇクライマックス!天女が天の羽衣を纏い、宇宙へ帰るシーン。ここは一番大事なシーンだからね。とくに君、このセリフ、『今までありがとう。さようなら。』この一言こそがこの映画の肝だ。絶対に台本通りに頼むよ。」

 

アブラハムの指示を聞いて、ひかるとララは互いの顔を見て真剣な表情で見つめ合っていた。

 

「はい本番!よぉい!アクション!」

 

「私の故郷はあの天の川、遠い遠い空の向こうへ帰らねばなりません。」

 

「待ってよ天女さん。嘘だって、言ってよ!」

 

2人が会話している所へ他のメンバーも集まってきた。

 

「ここでお別れなんて、あんまりだ!」

 

「決まりとはいえ、そんなの残酷すぎます!」

 

「俺達、せっかく仲良くなれたのにお別れなんて嫌だ!」

 

「でも、それが私の運命。もう・・・変える事は出来ない・・・」

 

「っ!」

 

ララがセリフを喋っている途中にひかるはララと出会ってからのこれまでの出来事を思い出していた。

 

「どんなに争っても短い間だけど、楽しかった・・・」

 

そんなセリフを喋っているララ自身もこれまでの出来事を思い出しながら喋っていた。

そこからきているのか、ララは目を瞑り自身の気持ちを必死に抑えながらセリフを喋っていた。

 

「絶対に忘れない。」

 

『・・・・・・』

 

それがわかっているのか、ひかる、こうた、えれな、まどかの4人も自身の気持ちを必死に抑えながら演技に集中していた。

 

「今まで、ありがとう・・・さ・・・」

 

涙目になりながら喋っていたひかるだったが・・・

 

「・・・ううん。さようならなんて言わない。」

 

「オヨ?」

 

『え?』

 

ここでひかるがセリフにない事を言ってララをはじめ、他の人達もそれに動揺していた。

 

「さよならなんて絶対イヤだよ。私はララと、ララとずっと一緒にいたい!」

 

「っ!」

 

「もっとお喋りしたい!また一緒にスタードーナツを食べたい!色んな星を冒険したい!ララ・・・行かないでよ・・・」

 

そう言い終えるとひかるは涙を抑えきれずに自身の手で涙を拭いだした。

 

すると誰か泣いているひかる肩に優しく触れた。

 

「・・・こうた?」

 

その正体はこうただった。

 

こうたはひかるの顔を見て頷くとひかるの前に出た。

 

「ララ、今ひかるが言ったのは俺達全員の気持ちだ。俺達なら大丈夫!色々大変な事もあると思うけど、みんなで力を合わせれば絶対に乗り越えられる。それを俺に教えてくれたのは、今ここにいるみんなだ。だから!これからも一緒にいよう。一緒に頑張っていこうぜ!」

 

「ひかる・・・こうた・・・私も・・・ずっと一緒にいたいルン!」

 

「うぅ・・・青春でプルンス・・・」

 

「仲良しフワ・・・」

 

ひかるとこうたの言葉を聞いて、ララも自身の本当の気持ちを打ち明けるとそれを隠れて聞いていたプルンスとフワは泣きながらその光景を見つめていた。

 

「良い芝居だねぇ。」

 

「監督、台本と全然違います。」

 

「カメラ止めますか?」

 

それを聞いていた遼じぃも感動していたが、セリフが違う事に対してスタッフがアブラハムにどうするかを尋ねるとアブラハムの中にいるミニチュラ星人もその光景に感動し、涙を流していた。

 

「なに言ってる。撮影は続ける!カメラを止めるな!」

 

アブラハムは撮影の続行をスタッフに指示した。

 

 

〜♪

 

そんな中でひかるのペンダントがノットレイダーに取られたおひつじ座のペンの反応をとらえた。

 

「ペンが近くにある⁉︎」

 

「ひかる、行くルン!」

 

「ララ・・・うん!」

 

「監督すいません!俺達、急用が出来たのでちょっと失礼します!」

 

「えぇ⁉︎ちょ⁉︎おいおい!どこ行くの⁉︎」

 

みんなでペンの反応を辿って移動を開始するとアブラハムも慌ててその後について行った。

 

「ケヒャヒャヒャヒャ」

 

「アイワーン⁉︎」

 

その場所へ行くと大きな木のてっぺんにアイワーンとバケニャーンが立っていた。

 

「アンタ達ナニつまんない事してるっつうの?」

 

「映画の撮影だよ!」

 

「映画?何それくっだらない!」

 

「やや?あんな妖怪の着ぐるみ作ったっけ?」

 

「妖怪じゃないっつうの!」

 

「監督逃げて!」

 

「進化したダークペンの力、思い知れっつうの! ダークペン!イマジネーションを塗りつぶせっつーの!」

 

「ノットリガー!」

 

アイワーンはダークペンを使ってハートの形を描くがそこから生まれた禍々しいエネルギーのハートは真っ直ぐアブラハムの所へ飛んでいき直撃してしまう。黒いハートの中に閉じ込められてしまうと、それを核にフィルムカメラの形をしたノットリガーが生まれてしまった。

 

「映画なんてどうでもいい、くだらん。」

 

「ケヒャヒャヒャヒャ」

 

「撮影の邪魔はさせない。みんな行くよ!」

 

 

ひかるの言葉でみんなそれぞれ自身のペンを構えてプリキュアに変身する体制に入った。

 

 

 

『スターカラーペンダント!カラーチャージ!』

 

『キラめく~星の力で~!憧れの~私描くよ~!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『スター☆トゥインクル〜!スター☆トゥインクルプリキュア~~!』

 

 

「宇宙(そら)に輝く〜キラキラ星!キュアスター!」

 

「天にあまねく〜ミルキーウェイ!キュアミルキー!」

 

「宇宙を照らす!灼熱のきらめき!キュアソレイユ!」

 

「夜空に輝く!神秘の月明かり!キュアセレーネ!」

 

「光輝く!聖なる宇宙!キュアスペース!」

 

 

『スター☆トゥインクルプリキュア‼︎』

   

 

「やっちまえっつうの!」

 

「ノットリガー!」

 

変身が完了したプリキュアにアイワーンはノットリガーに攻撃の指示を出すとノットリガーはフィルムカメラの中から6つのフィルムが出てきてそれを鞭のように使ってプリキュアを攻撃した。

 

『ハァッ!』

 

スターとスペースがそれぞれ右手に力を貯めてノットリガーを攻撃しようとするが、ノットリガーのフィルムに弾き飛ばされてしまった。

 

「うああっ!」

 

「くううっ!」

 

「スター!スペース!」

 

弾き飛ばされた2人をソレイユが両手を使って2人を受け止めた。

 

「大丈夫?」

 

「ソレイユ。」

 

「助かった。」

 

「行くルン!」

 

「はい!」

 

すると今度はミルキーとセレーネがノットリガーに接近した。

 

「プリキュア・セレーネアロー!」

 

セレーネが技を発動するがそれをノットリガーはフィルムで簡単に弾かれてしまった。

 

『うあっ!』

 

「ミルキー!」

 

「セレーネ!」

 

そのフィルムでミルキーとセレーネに攻撃し、そのまま2人をフィルムで締め付けて捕まえてしまった。

 

「スター!ソレイユ!」

 

そんなスター達の所にもフィルムがやってきて、みんなが乗っていた木を意図も容易く切断するとスペースは飛ぶ事で難を逃れたが、スターとソレイユは身動きのとれない空中でフィルムに捕まり4人揃って木に縛り付けられてしまった。

 

「ううぅ・・・」

 

「今までのノットリガーより強い。」

 

「待ってろ!いま助けるから!」

 

スペースがみんなを助けようと近づくが、フィルム達に阻まれて中々距離を縮められずにいた。

 

「くっ」

 

「やはり、あのお方の強大な力ゆえ・・・」

 

バケニャーンの言う通りで、実はひかる達が映画の撮影をしている頃、ノットリガーのアジトでもアイワーンだけでなく、カッパードやテンジョウもあのお方とやらに力を分け与えられてそれぞれパワーアップを遂げていたのだ。

 

「映画なんて作り物、なんの価値もないっつうの。」

 

「ノットリガー・・・」

 

『ううぅ・・・うわっ!』

 

ノットリガーは更に力を高めるとみんなを縛る木がそれに耐えられなくなって折れてしまうと4人はそのままノットリガーのボディに背中が直撃しそのまま拘束。完全にノットリガーに捕まった状態になってしまった。

 

「作り物じゃないでプルンス!」

 

「プルンス!」

 

そこへプルンスがノットリガーの前に飛び出してきた。

 

「あの感動は本物だったでプルンス!アレは映画を越えた感動・・・5人の友情がみんなの心を揺さぶった宇宙一の名シーンでプルンス!」

 

「プルンスの言う通りだ!」

 

そこへ空中でノットリガーのフィルムと戦っていたスペースも会話に入ってきた。

 

「あのシーンはみんなとの絆が生んだ一番の名シーンなんだ!」

 

「友情?絆?くっだらない。そんなもんでアタイ達に勝てる訳ないっつうの!」

 

「そんな事ない!俺達の絆は誰にも負けない!俺達の大切な繋がりを・・・絆を・・・お前なんかに否定されてたまるか‼︎」

 

 

すると何処かの星にあった光るペンの輝きが最高潮に達するとそのペンはその場所から忽然と消えてしまった。

 

そして・・・

 

「え?」

 

そしてそのペンはスペースの目の前に突然姿を現した。

 

「アレは⁉︎」

 

「まさか⁉︎あんなペンがまだあったっつうの⁉︎」

 

ペンの出現にバケニャーンとアイワーンは激しく動揺していた。

 

「うっ!」

 

そしてスペースはそのペンを右手で掴むと光は更に激しくなり当たり一面が光で埋め尽くされた。

 

目を開けるとスペースは元のこうたに戻っていて周りは再び、ヒカルやショウと出会ったあの真っ白な空間に変化していた。

 

「やぁ」

 

「こんにちは。」

 

こうたには2人の男性の声が聞こえてきてそっちへ振り向くとそこには見た事のない身体と脚はグレーと黒が中心となっていて、手や肩は赤く耳の部分はヘッドホンをしているかの様な丸い形でカラータイマーはXの形をしたウルトラマンと、その隣にヒカル達とは違う黒い服に赤いラインの入った隊員服を着た男性が立っていた。

 

「貴方達は?」

 

「俺は名前は大空大地、よろしく。」

 

「そして私はウルトラマンエックスだ。よろしく頼む。」

 

「はじめまして、如月こうたです。でもどうして貴方達のペンがいきなり俺の所に現れたんでしょうか?」

 

「恐らくそれは、君から感じた強い意思に反応したからだろう。」

 

「強い意思?ですか?」

 

こうたは何故エックスのペンいきなり自分の所に現れたのかわからなかったが、エックスはこうたの強い意思がペンを呼び寄せたと考えていた。

 

「君が仲間達との繋がりを強く意識した事で、エックスのペンがそれに反応したんじゃないかな?」

 

「仲間達との・・・繋がり・・・」

 

そこに大地も加わりこうたに説明した。

 

「俺とエックスはみんなとの・・・仲間達との繋がりに助けられてこれまで戦ってこれたんだ。」

 

「彼らとの繋がりが・・・絆が・・・私達に力を与え、そして助けてくれた。私も大地や、大地の仲間達に何度助けられたことか・・・」

 

「絆が、力に?」

 

大地とエックスは自分達のこれまでの戦いを振り返り、共に戦った仲間達の事を思い出していた。

 

「君にもあるはずだよ。君だけの繋がりや絆が・・・」

 

「俺だけの繋がり・・・絆・・・」

 

『こうた!』

 

「っ!」

 

こうたは大地とエックスに言われた事を意識しているとひかる達の事が真っ先に浮かび上がった。

 

「みんな・・・」

 

「どうやら理解できたみたいだな。その繋がりが君に力を与えてくれる筈だ。」

 

「大地さん・・・エックスさん・・・ありがとうございます。」

 

こうたはひかる達との繋がりを改めて認識できた事に対して大地とエックスにお礼を言った。

 

「さぁ、俺達の力を受け取ってくれ!」

 

「行くぞこうた!ユナイトだ!」

 

「はい!」

 

するとこうたの姿が再びキュアスペースに戻るとその右手にはエックスのウルトラスターカラーペンが握られていた。

 

「ウルトラスターカラーペン!エックス!ウルトラカラーチャージ!」

 

スペースはプリキュアに変身する時と同じようにペンをペンダントのキャップの部分に挿入し、それを抜いて星のマークを描く。

そしてペンの先でもう一度ペンダントの星の部分をタッチした。

するとペンの先から虹色の光の線が現れ、プリキュアに変身する時のようにその光の線がキュアスペースと接触するとスペースの姿が少しずつ変化していく。

 

上着の両腕の部分は赤く染まり、中の服はグレーの色と周りに黒のラインがはいっていた。そして両耳には銀色の丸いヘッドホンが装着され胸のペンダントの周りには全体は銀色で一部にはウルトラマンエックスと同じような赤と黒の模様が付いていてまるで鎧を身につけているようだった。

 

変身が完了すると空中にいたスペースはエックスがやっていたような回転しながら着地する時に土砂が円を描く『スパイラル着地』と称する着地の仕方で着地した。

 

「キラやば~っ☆」

 

「また変わったルン⁉︎」

 

「これで3本目。」

 

「一体ウルトラマンとは何人いるんでしょう?」

 

スター達もそれぞれがスペースの新たな変身に反応していた。

 

「くぅ〜っ!ノットリガー!アイツもとっとと捕まえるっつうの!」

 

「ノットリガー!」

 

スペースのところにノットリガーのフィルムが何本も襲いかかってきた。

 

「プリキュア・エックスクロスチョップ!」

 

スペースは両腕を交差させ、右手にエネルギーを集め、X字を描くように繰り出すエックスの技『エックスクロスチョップ』で迫り来るフィルムを全て叩き落とした。

 

「何やってるっつうの!負けずにドンドン行けっつうの!」

 

ノットリガーの上に立っているアイワーンはイライラしながらノットリガーに指示を出し、ノットリガーはそれに応えるように他のフィルムで再び攻撃を再開した。

 

「プリキュア・Xダブルスラッシュ!」

 

スペースは両腕から光エネルギーを矢じり型のスラッシュ光線にして放ち、フィルムを次々と切り裂いていった。

 

「ぐぬぬぬぬっ!」

 

「今度はこっちの番だ!」

 

するとスペースの胸元のペンダントから光の粒子が出てくるとそれはスペースの両手へと飛んでいき、右手には何かのカードが、左手には大地がエックスとユナイトする時に使う『エクスデバイザー』というアイテムが現れた。

スペースはそのカードをエクスデバイザーに入れてリードした。

 

『サイバーゼットン、ロードします』

 

するとスペースの身体は両腕のアーマーには「Z」の文字があしらわれ、胸部アーマーがサイバーゼットンの胸部を、肩部アーマーがサイバーゼットンの眼をそれぞれ模した形状をしたアーマーを装着した。

 

『サイバーゼットンアーマー、アクティブ』

 

「えぇ⁉︎何あれ⁉︎鎧⁉︎」

 

「なんだか重そうですね。」

 

「キラやば~っ☆かっちょいい〜!」

 

「スターのセンスはよくわからないルン。」

 

ソレイユ、セレーネ、スター、ミルキーはスペースの変化にそれぞれの心境を口にしていた。

 

「ふ、ふん!そんなのでアタイのノットリガーは倒せないっつうの!ノットリガー!とっととやっちゃえっつうの!」

 

「ノットリガー!」

 

ノットリガーは先程よりも大量のフィルムでスペースに襲いかかった。

 

「ふっ!」

 

するとスペースが両腕を胸元に寄せるとスペースの周りに金色に輝くクリスタル状の光波バリヤー『ゼットンシャッター』が展開されて、それによりフィルムはスペースに届く事はなく全て弾かれてしまった。

 

「こんのぉ!負けずにドンドン攻めて攻めて攻めまくれっつうの!」

 

「ノットリガー!」

 

ノットリガーがフィルムによる攻撃を再開すると、今度はフィルムが直撃する前にスペースが姿を消してしまい、結果フィルムは何もない所を攻撃した。

 

「消えた⁉︎」

 

「一体どこに・・・あだっ!」

 

「ノットリガー・・・」

 

スペースが消えた事にバケニャーンとアイワーンも驚いていたが、その直後にノットリガーの真横に移動していたスペースの攻撃、『ゼットン火炎弾』がノットリガーに直撃してノットリガーの身体を大きく傾いていた。

 

「いつの間に移動したルン⁉︎」

 

「まさか、テレポート⁉︎」

 

「テレポート⁉︎ キラやば~っ☆スペース凄すぎ‼︎」

 

「さぁ、今度はみんなの番だぜ!」

 

「私達の番?・・・っ!」

 

プリキュア達がスペースの新しい能力に驚いている中でスペースはスター達に呼びかけにスターはどういう事か考え、そしてその意味を理解した。

 

「そっか!・・・みんな!映画はまだ終わってないよ!」

 

「ルン?」

 

「あのシーンの続きを見せてあげよう!」

 

「イイねぇ!」

 

「行きましょう!」

 

「よぉい!アクション!」

 

『はあああああっ!』

 

それからスター達4人は全身に力を入れて自分達を拘束しているフィルムから脱出しようと抵抗する力を更に強めた。そしてその力にフィルムは耐えきれなくなり、フィルムは千切れてプリキュア達は脱出に成功した。

 

「何ぃ⁉︎」  

 

アイワーンが驚いている中でノットリガーはフィルムを伸ばして再びプリキュア達を捕まえようとするが、プリキュア達は今度は避けるのではなくフィルムを受け止めた。

 

『せぇの!』

 

スター達4人はタイミングを合わせて同時にジャンプして受け止めたフィルムを引っ張りながらノットリガーを投げ飛ばした。  

 

「ノットリガー・・・」

 

「今だ!」

 

それを見たスペースは投げ飛ばされて空中にいるノットリガーの頭上にテレポートすると再び光波バリヤーを纏うと今度はそのまま高速で回転し始めた。

 

「プリキュア・ゼットントルネード!」

 

スペースはゼットントルネードで頭上から真下にいるノットリガーに突撃するとその勢いのままノットリガーを地面に叩き落とした。そしてスペースはノットリガーへの攻撃を終えるとゼットントルネードを継続したまま空中へと離脱した。

 

「みんな!今だよ!」

 

『宇宙(そら)に輝け!イマジネーションの力!』

 

スペースの攻撃を見てスターがみんなに合図をすると、変身後に形を変えた胸元のペンダントが光るとそこからスター達4人と同じ色の星形の光が頭上に飛んでいき、それが再びスター達の手元に戻って来ると、それぞれの色の星がついたステッキが姿を現した。

 

『トゥインクルステッキ!』

 

「スタートゥインクル!」

 

「ミルキートゥインクル!」

 

「ソレイユトゥインクル!」

 

「セレーネトゥインクル!」

 

プリキュア達は自分達の持つステッキの名前を名乗るとそれぞれのステッキの輝きは更に増していた。

 

『4つの輝きよ、今一つに!』

 

4人のステッキの輝きが1つになるとそれは大きな南十字座、サザンクロスの形となって光り輝いていた。

 

『プリキュア・サザンクロスショット!』

 

プリキュア達が技名を叫ぶと虹色の南十字座型の光弾がノットリガーに向けて放たれた。

 

そしてスペースはゼットントルネードで空中まで来るとゼットントルネードをやめてそのままアーマーも解除して・・・

 

「プリキュア・ザナディウム光線!」

 

「ノットリガー・・・」

 

スペースは両腕と左足を空中で左側へいったん振りかぶってから胸の前でX字にクロスさせてエックスと大地の必殺技『ザナディウム光線』を放ち、ノットリガーの正面からはサザンクロスショットが、斜め上からはザナディウム光線がノットリガーに直撃してノットリガーは浄化されアブラハムは解放された。

 

「あのお方のお力でも彼には勝てませんか・・・」

 

「くっ、出直しだっつうの!」

 

ノットリガーが浄化されてバケニャーンとアイワーンはワープホールを使って撤退した。

 

 

 

 

それから数日後、撮影された映像の編集が終わってそれをみんなでロケットの中で観ていてみんなでペンの反応を追いかけるシーンでその映像は終わっていた。

 

「ごめんなさい。折角の映画、台無しになっちゃって・・・」

 

ひかるが代表してアブラハムに謝るとアブラハムは黙ってロケットの外へと出ていった。

 

そこへちょうど、アブラハムが呼び寄せた帰還ポットが到着した。

 

みんなは誰もがララ達とお別れだと諦めているとアブラハムが帰還ポットの何を操作すると帰還ポットはララ達を乗せる事なく再び飛んで行ってしまった。

 

『えぇ⁉︎』

 

みんなは何が何だか状況が全く理解できなかった。 

 

「君達の星を越えた友情、私の心のフィルムにしっかりと焼き付けた。最高の感動をありがとう。」

 

「え?」

 

「じゃあ地球にいてもいいルン?」

 

「君がいなくなったら映画がパート2が撮れないからねぇ。」

 

「キラやば~っ☆」

 

「やったねララ!」

 

「本当に・・・」

 

「これからもみんな一緒だな。」

 

「ルン!」

 

ララがこれからも地球に居られるようになった事をみんなで喜んだ。

 

「地球で暮らすには地球人としての名前が必要だな。何がいい?」

 

「ルン?急に言われても・・・」

 

「じゃあ、『羽衣ララ』なんてどうかな?」

 

ララが地球人としての名前をどうするか考えているとひかるが『羽衣ララ』はどうかと提案した。

 

「羽衣?」

 

「空から降りてきたララにピッタリかなって。」

 

「素敵です。」

 

「羽衣ララ、か・・・」

 

「良い名前ルン。」

 

「決まりだな。」

 

「羽衣ララフワ!」

 

「感動のラストシーンでプルンス。」

 

こうしてララは羽衣ララとしてこれからもひかるやこうた達と共に地球での日々を過ごせるようになったのであった。

 

 

 

To Be Continued

 

 




        次回予告

アブラハムにお願いしてひかる達の学校に行けるようになり、ひかるのクラスに転入するララだが・・・

自身の常識が通用しない事に激しく動揺する・・・

そんなララは自分と地球人との違いを強く意識してしまう・・・


次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第35話 ララのドキドキ初登校!みんなでララを支えよう! 前編

次回も楽しみに!





※もしよろしければ、皆さんがこれまでの話で感じた感想やコメントがあればドシドシ送って下さい。
皆さんからのコメント、そして評価が頂けたら凄く嬉しいです。
よろしくお願いします。





そして今回は前書きでも説明したように第3章の新章予告を行います。

(一部ネタバレも含みますので、それが嫌という人は見ない事をオススメします。) 

それではどうぞ!




         新章予告③


『私、学校に行ってみたいルン。』

ララの申し出によりララはひかる達と同じ学校に通う事になり、地球での新たな生活が始まった。

しかし、そんなプリキュア達の前に新たな敵が姿を現す。

『俺は全宇宙のお宝を探すトレジャーハンターのサーディスだ!』

プリキュア達の前に現れたサーディスはどのような力を発揮するのか?

だがしかし、ペンを狙うのはプリキュアやノットレイダー、トレジャーハンターだけではなかった。

『全宇宙をまたにかける・・・宇宙怪盗ブルーキャット!』

宇宙怪盗までもが姿を現し、ペンをめぐる戦いは更に激しさを増していく。果たしてプリキュア達はプリンセスの力を無事に集める事が出来るのだろうか?


『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第4章 ペンを狙う者たち編

お楽しみ!

※この第4章には原作ストーリーにはないオリジナルストーリーもあるのでお楽しみ!


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第4章 ペンを狙う者たち編
第35話 ララのドキドキ初登校!みんなでララを支えよう! 前編


今回から新章がスタートします。みなさん、今後ともよろしくお願いします。 m(_ _)m


「ララが地球にいられる事になって本当に良かった。」 

 

「素敵な名前もできましたし・・・」

 

「羽衣、ララフワ。」

 

ララがこれからも地球にいられるようになった事をみんなで喜んでいた。

 

「地球で何かやってみたい事ある?」

 

「ルン?それなら・・・一つあるルン。」

 

「なんだ?」

 

「私・・・学校に・・・行ってみたいルン!」

 

「学校か・・・行けるのか・・・?」

 

「それなら私に任せたまえ。」

 

「アブラハムさん?」

 

ララが学校に行きたいと言うと、こうたはそれは出来るのかどうか考えているとアブラハムが話に入ってきた。

 

「私が、ララくんが学校に通えるように手続きをしてあげよう。」

 

「本当ルン⁉︎」

 

「そんな事できるんですか?」

 

「任せたまえ。それぐらい宇宙星空連合に所属している私にかかれば造作もない事だ。」

 

「キラやば~っ☆アブラハム監督凄い‼︎」

 

こうして、アブラハムの協力もあって週明けからララはみんなと同じ観星中に通う事になった。

 

 

 

そして、ララが学校に登校する日がやってきて、ひかるとこうたはララを迎えにロケットの前にやって来た。

 

「おはよう、ララ。学校行こう。」

 

「ガッコーフワ。」

 

すると、ロケットのハッチが開いてララが出てきた。しかしその姿は、みんなと同じ観星中の制服を着ていて鞄を背中に背負っていた。

 

「わぁ・・・キラやば~っ☆」

 

「良く似合ってるじゃんか。」

 

「入学手続きはアブラハム監督がやってくれたでプルンス。」

 

「今になって考えると、あの人って本当に凄い人だったんだな。」

 

アブラハムは手続きだけでなく、ララの制服や教科書など、ララが学校に通う時に必要な物まで全て用意してくれていた。

 

「忘れ物はないでプルンス?」

 

「大丈夫ルン!」

 

「あれ?ララ、いつものグローブはして行かないのか?」

 

こうたはララがいつもロケットの外にいる時にロケットやAIとコンタクトする時に使っているグローブをしていない事に気がついた。

 

「ルン。学校は学ぶところだからAIの力は借りずに自分の力で頑張るルン。」

 

「そっか、頑張れよ。」

 

「ルン!」

 

「フワ、トィンクルブックに。」

 

「フワ。」

 

全ての準備が整い、フワはトィンクルブックの中に入った。

 

「それじゃあプルンス。」

 

「行ってくるルン。」

 

「行ってくるぜ。」

 

こうしてララ達は観星中に向けて出発した。

 

 

 

 

「天宮先輩おはようございます!」

 

『おはようございます!』

 

「おっはよ~!」

 

学校に到着すると、さっそくえれなが門の前でいつもの取り巻きの女子生徒達に囲まれていた。

 

「こうた、ひかる、ララ!」

 

「おう!」

 

「おはよう!」

 

「ルン!」

 

するとえれなはこっちに気付いたらしく手を振って挨拶をしてきて、それに合わせてこうたやひかるも手を振って挨拶した。

 

「ララ、登校初日だね。ファイト!」

 

「ルン!」

 

「じゃあ、あとでね!いくよこうた!」

 

「あぁ!・・・それじゃあひかる、ララの事は頼んだぞ。」

 

「うん!任せて!」

 

「ララも、わからない事があったら遠慮なくひかるや俺達、周りの人達に相談するんだぞ。」

 

「わかったルン!」

 

そう言うとこうたは先に校舎の方へ向かったえれなの後を追って校舎に入っていった。

 

「誰?」

 

「転校生?」

 

「登校初日で天宮先輩と会話を⁉︎」

 

えれな達が校舎に向かった後に、取り巻きの女子達はララの存在を強く意識していた。

 

ひかるとララが校舎に入り廊下を歩いていると、正面からまどか達、生徒会メンバーが歩いてきた。

 

「ごきげんよう。ララ、今日から同じ観星中の生徒ですね。」

 

「ルン。」

 

「困ったことがあったら言ってくださいね。」

 

「ありがとルン。」

 

まどかはララに声をかけるとそれからすぐにララ達の横を通り過ぎて行った。

 

「観星中の太陽と月、両方と既に知り合いの転校生・・・・。」

 

「あなどれないわ。」

 

その時にまたも取り巻きの女子の声が聞こえてくるが、ララにはその意味が全く理解できなかった。

 

 

「羽衣ララさん。ご両親のお仕事の都合で外国で暮らしていましたが、今日からこのクラスの友達です。・・・・あの?挨拶を・・・・」

 

「ルン?ララルン!よろしくルン!」

 

『ルン?』

 

ララはひかると同じクラスに転入して教室で自己紹介をすると、その『ルン』という独特の喋り方にクラスメイト達は動揺していた。

 

「では席は後ろの・・・・」

 

「そこそこ。」

 

先生がララに席の場所を教えようとしていると窓際の一番後ろの席に座っているひかるが自身の横を指差すとひかるの横一列の席が2席空いていた。

 

「ひかるの隣にするルン。」

 

「あっ!ララ、そこは・・・・」

 

「ひえぇぇぇぇっ!遅刻っちゃったぜ!」

 

ひかるがララに何かを伝えようとするとちょうどそこに遅刻してきた1人の男子生徒が教室に入ってきた。

 

「ん?誰?」

 

「羽衣ララルン。」

 

「そこ、俺の席だけどララルン。」

 

「ララルンじゃないルン。『ララ』ルン。私はここが良いルン。」

 

「そうなの?」

 

「羽衣さん?君の席はもう一つ隣・・・・」

 

ララと男子生徒が会話している中に先生も加わってララの席の場所を教えてくれた。

 

「自分の選んだ席に座れないルン?」

 

「まぁその・・・・決まりなの。」

 

ひかるにそう言われるとララは諦めて席を立った。

 

「転校生か?俺は軽部タツノリ!よろよろ!シクサンジュンロク!」

 

「?」

 

男子生徒、軽部タツノリはララに自己紹介をするが、その言葉の意味をララはあまり理解できていなかった。

 

「みんなからは『カルノリ』って呼ばれてるけどね。」

 

「おう!フットワークは軽く、人生はノリだ!」

 

「その軽いフットワークでなぜ年中遅刻するのかな?忘れ物も多いし。」

 

「ノリで〜す!」

 

「コラ〜ッ!」

 

カルノリが先生に怒られる姿を見て他のクラスメイト達はみんな笑っているが、ララだけは周りをキョロキョロして何がどうなっているのか彼女には何もわからなかった。

 

 

 

 

朝のHRが終わり、休み時間になるとララはクラスメイト達にずっと質問攻めにあっていて流石のララもこれには困っていた。

 

授業の時もララ達サマーン星人は二桁以上の計算はいつもAIに任せていたらしく、それをひかる達が自分の力で軽々計算する姿にララは衝撃を受けていた。

 

それからお昼になり、ひかるとララはいつものように校舎裏に来てフワにトィンクルブックを使ってハンバーグを作った後、自分達もお弁当を食べようとしていた。

 

「悪い、遅くなった。」

 

「あっ、こうた!」

 

「・・・・」

 

そこにこうたもやって来たがその時のララは今朝とは違い、何やら落ち込んでいた。

 

「ん?・・・・ララ、どうかしたのか?」

 

「私、ちゃんと出来てないルン?」

 

「ララ?」

 

こうたは何があったのか聞くと、どうやらここに来る前に廊下を走った事を注意されて自分がまだ学校の事を何も知らない事に落ち込んでいた。

 

「学校の事、何も知らないルン。」

 

「フワ!ララも、お腹ペコペコフワ!」

 

「あっ。」

 

「ハンバーグ、食べるフワ。」

 

ララが落ち込んでいる姿を見て、フワはその理由はお腹が空いているからだと思ったらしい。そんなフワはハンバーグをフォークに刺してララに食べさせようとしていた。

 

「大丈夫ルン。ありがとルン。フワ。」

 

「まぁ、ララは学校に通うのは今日が初日なんだし、知らない事はこれから知っていけばいいんじゃないか?」

 

「ルン・・・・」

 

こうたがララを励ますが、ララの表情に変化はみられなかった。

 

それからララ達は昼食を終えてそれぞれの教室に戻り午後の授業を受け、放課後になるとクラスのみんなで教室や廊下の掃除をしているとララは必死に自分なりに考えながら掃除をしようとするが失敗してしまい、それをカルノリから「ララは変わってる」と言われた事がショックで、ララは自身の荷物を教室に置いたまま教室を飛び出して行ってしまった。

 

それを後から聞いたひかるとこうたはララの荷物を持ってロケットへとやって来た。

 

「帰ってくるなり部屋に入ったっきりでプルンス。誰にも会いたくないって・・・・」

 

プルンスからララの事を聞いたひかる達は心配そうにロケットを見つめていた。

そんなロケット内のララの部屋で、ララは椅子に座りながらいつも身につけているグローブを見つめていた。

 

 

 

 

 

その翌日、ひかるとこうたは昨日と同様にララを迎えにロケットの所に来ていた。

 

「ララ、おはよう。」

 

「ガッコー行くフワ。」

 

ひかるとフワが呼びかけるとロケットのハッチが開き、制服姿のララが出てきた。

 

「おはようル・・・・っ!ございます。ひかるさん、こうた先輩。」

 

『え?』

 

いきなりルンのつかない地球の挨拶をするララに驚くひかるとこうただった。そんなララの右手にはいつもララがつけているグローブの姿があった。

 

「おはよう!」

 

「おはようございます。」

 

「あぁ。おはよう!」

 

「おはよう!」

 

学校の廊下でえれなとまどかが挨拶してきたので、こうたとひかるもそれに返事をするように挨拶をした。

 

「おはようございます。えれな先輩、まどか先輩。」

 

「えぇ⁉︎」

 

「先輩⁉︎」

 

「ございます⁉︎ルンは⁉︎」

 

ララがいきなりいつもと違う挨拶をした事にえれなとまどかもかなり驚いていた。

 

『そこで礼です。』

 

「ルン。」  

 

グローブからAIの指示がでるとララはそれに従いえれなとまどかに礼をした。

 

何が何だかわからず戸惑っている他のメンバーだったが、ララはそのまま自身の教室へと向かい、その日のララは相変わらず敬語で会話を続け、AIに指示されながらその日のやる事をこなしていった。

 

 

「ねぇ、ララ?今日?学校楽しかった?」

 

それから授業や掃除も終わり、下校の時間となり、ひかるとこうたはララと一緒に下校し、そんな中でひかるがララに質問をした。

 

「ル、あっ!・・・・うん!AIのおかげで失敗しなくてホッとしてる。」

 

「べつに失敗したってイイじゃん!」

 

「ルン?そうはいかないルン!いえ、いかないわ!」

 

ひかるが失敗しても良いと言うと、ララはそれに反発した。

 

「ララ?」

 

「私が変な事ばかりしてたらひかるやこうたやえれなやまどかまで変な目で見られるルン!いえ、見られてしまう!」

 

「ララ・・・・」

 

「頑張るルン!あっ・・・・頑張ります!」

 

「・・・・」

 

ララは笑顔でそう言うが、こうたはそんなララの姿を黙って見ている事しかしなかった。

 

その後も3人で下校していると・・・・

 

「あっ!いけない!今日は遼じぃと約束があるんだった!ごめん2人とも、私、先に帰るね。」

 

「あぁ。」

 

「またル、さようなら。ひかる。」

 

そう言ってひかるは慌てて帰って行った。

 

「・・・・あのさ、ララ。」

 

「ルン?・・・・あっ!なんですか?こうた先輩。」

 

「何でそんなに無理してるんだ?」

 

「え?無理?」

 

ララはこうたの言った事がイマイチ理解できていなかった。

 

「だってそうだろ?今日のララはいつものララとは全然違うじゃんか。」

 

「だ、だって!私、何も知らないから失敗してみんなに迷惑をかけたくないルン!・・・・っ!ないの!」

 

「迷惑ってそんなの誰が決めたんだよ。俺も、きっとひかる達も誰も迷惑だなんて思ってないぞ。」

 

「でも!そうしないと・・・・」

 

「いい加減にしろ‼︎」

 

「っ!」

 

ここにきてこうたが珍しくララに怒鳴るとそれを聞いたララはビクッと怯えてしまい、そんなララの両肩をこうたは両手で掴んだ。  

 

「前に言ったよな。ララはララだって、色々大変な事もあると思うけど、みんなで力を合わせれば絶対に乗り越えられる。そう言ったよな!」

 

「こうた・・・・」

 

「1人で何でも頑張ろうとするなよ。ララには俺達がついてる。だからララが周りに合わせるんじゃなくて、ララはララのまま、いつも通りでいて良いんだよ。失敗したっていい。そしたら俺達が支えるし同じ失敗を繰り返さないように努力すればいいんだ!」

 

「私は、私のまま・・・・」

 

「あぁ。」

 

「・・・・肩、ちょっとだけ痛いルン。」

 

「え?・・・・あぁごめん!痛くするつもりはなかったんだ。ホントにごめん!」

 

ララに痛いと言われてこうたは慌ててその手を離してララに謝罪した。

 

「ふふっ、もういいルン。」

 

 

それから2人ともそれぞれ家やロケットに帰って行った。

 

(私は私のままって一体どうすれば良いルン・・・・)

 

しかしララはロケット内の自分の部屋でこうたに言われた言葉の意味を必死に考えていた。

 

 

 

 

To Be Continued

 

 





        次回予告


自分を気持ちを押し殺して周りに合わせようとするララ。

そんなララを見て、ひかる達はいつものララに戻ってもらおうと行動を開始する。

果たしてひかる達の思いはララに届くのだろうか?


次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第36話 ララのドキドキ初登校!みんなでララを支えよう! 後編

次回も楽しみに!




※もしよろしければ、皆さんがこれまでの話で感じた感想やコメントがあればドシドシ送って下さい。
皆さんからのコメント、そして評価が頂けたら凄く嬉しいです。
よろしくお願いします。


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第36話 ララのドキドキ初登校!みんなでララを支えよう! 後編

キャラ設定の方も更新したので、よろしければそちらも見てください。

それでは後編スタートです。


その日の夜、ララの気持ちを聞いたひかるは自身のベットの上に寝転がりながらララの事を考えていた。

 

「・・・・」  

 

「ララ、変フワ。」

 

「うん。・・・・よし!」

 

それから何かを思いついたひかるはすぐに行動を開始し、こうたやえれな、まどかにそれを説明して協力を依頼した。

 

 

その翌日、その日は土曜日という事もあり学校は休みだったのだが、ひかる達はララを学校に呼び出すとみんなで校舎の中へと入っていった。

 

「今日はお休みでしょ?どうして学校に来るル、来るの?」

 

「お休みなのに、言葉遣いは学校使用ですか?」

 

「ここは学校だから・・・・」

 

「その語尾、違和感あるでプルンス。」

 

「大丈夫だララ。ほら、プルンスだってこうしていつも通りにしてるんだから平気だって。」

 

こうたはプルンスが校内でもいつも通り喋ったりいつも使っている宙に浮く小型のポットに乗っているから大丈夫だと言った。

 

「でも、学校に来たならみんなと同じようにしなきゃダメル・・・・なのよ。」

 

「そんなの本当のララじゃないよ。」

 

「本当の私はサマーン星の異星人ルン。地球人じゃないルン。だから、地球の学校ではちゃんとしないと・・・・」

 

それからみんなはひかる達の使っている教室へとたどり着くと教室の中へと入った。

 

「ララ、どうして学校に行きたいって思ったの?」

 

「それは、地球の文明を知る為に・・・・」

 

「ホントにそうなのか?」

 

「・・・・楽しそうだったルン。」

 

こうたが改めてララが学校に行きたい理由を聞くとララはようやく学校に行きたかった本当の理由を話してくれた。

 

「私もみんなと楽しくなりたかった・・・・ルン。」

 

「・・・・ララ、私ね、ララの事を学校で友達って紹介できるの楽しみだった。」

 

「え?」

 

「この学校でララと一緒にこれからいろんな事をするのが楽しみなんだよ。」

 

「学校で、一緒に・・・・」

 

ララが本心を伝えてくれたのに合わせて、ひかるもララが学校に行けるようになった事で、自分がララと一緒に学校でやりたい事をララに伝えた。

 

「あれ見て。」

 

「オヨ?」

 

ひかるが黒板の方を指差すとそこには日直の名前を書く所にひかるとララのフルネームが書かれていた。

 

「ひかるとララの名前が書いてあるよ。」

 

「わたし・・・・の・・・・?」

 

「みんながね、最初の日直を私と一緒にやればララも安心だと思うって。」

 

「え?」

 

「ララはね、もうこのクラスのララなんだよ。」

 

ひかるにそう言われるとララは黒板に書かれた自身の名前を指でなぞった。

 

「ルン、これが・・・・羽衣ララ・・・・ルン。」

 

ララは地球の、日本語で書かれている自分の名前を見て少しずつその表情に笑顔が戻ってきていた。

 

「ララ。」

 

「ルン?」

 

そこへこうたがララに語りかけてきた。

 

「みんな、ありのままのララの事を受け入れようとしてるんだ。だからララはララのまま、いつも通りで良いんだよ。俺達が今のララを受け入れたように、きっとクラスのみんなもありのままのララを受け入れてくれるさ。」

 

「うんうん!」

 

「だね!」

 

「はい!」

 

こうたの言葉を聞いてひかる、えれな、まどかの3人もこうたの言葉を肯定するかのように返事をした。

 

「こうた・・・・ひかる・・・・みんな・・・・ありがとルン。」

 

「元気元気フワ!」

 

「ルン!」

 

フワもララが元気になった事を喜び、ララも笑顔でフワの言葉に答えた。

 

「ほう?これはこれは・・・・プリキュアの諸君。」

 

「カッパード⁉︎」

 

『っ!』

 

「お揃いとは喜ばしい。」

 

窓の向こう側に突然カッパードが小型のUFOの上に乗って現れた。

 

「はぁ・・・・いま大事な話をしてるんだから邪魔すんなよ!」

 

「そんな事、私には関係ない。」

 

こうた達はその後、フワをプルンスに預けて教室を出て外の校庭へと移動した。

 

「では君らを倒してペンを頂くとしよう。」

 

『ノットレーイ!』

 

カッパードが地面に着地するとその後ろにノットレイ達も現れた。

 

「グラウンドで決着をつけないと校舎が壊されたら大変。」

 

「えぇ!」

 

「うん。みんな、いくよ!」

 

「ルン!」

 

「あぁ!」

 

みんなそれぞれ自身のペンを構えてプリキュアに変身する体制に入った。

 

 

 

『スターカラーペンダント!カラーチャージ!』

 

『キラめく~星の力で~!憧れの~私描くよ~!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『スター☆トゥインクル〜!スター☆トゥインクルプリキュア~~!』

 

 

「宇宙(そら)に輝く〜キラキラ星!キュアスター!」

 

「天にあまねく〜ミルキーウェイ!キュアミルキー!」

 

「宇宙を照らす!灼熱のきらめき!キュアソレイユ!」

 

「夜空に輝く!神秘の月明かり!キュアセレーネ!」

 

「光輝く!聖なる宇宙!キュアスペース!」

 

 

『スター☆トゥインクルプリキュア‼︎』

 

 

「ノットレイ!」

 

『ノットレーイ!』

 

「ハアアッ!」

 

プリキュアへの変身が完了すると、カッパードの指示て突撃するノットレイ達をソレイユは右足に炎を纏わせて回し蹴りする事でそれらを蹴散らした。

 

「くっ!」

 

すると今度はカッパードが自身の武器である刃がビームの薙刀を展開してスターとミルキーに襲い掛かるが2人はそれをかわした。

 

「フッ!ハアッ!」

 

スペースは弓矢で攻撃しようとするセレーネの間合いにノットレイ達が入って来ないようにそれを妨害しながら戦い、スペースの背後から攻撃しようとするノットレイがいたが、そっちはセレーネの矢を受けて吹っ飛んでいった。

 

一方その頃、何か考え事をしながら制服を着たカルノリが学校へとやって来た。

 

『羽衣さん大丈夫かな?』

 

『ううん、なんか無理してて・・・・』

 

『カルノリが変わってるとか言うからじゃないの?』

 

「だから、悪いと思ってるっての。そりゃ、俺もノリで言っちゃったけどさ・・・・」

 

カルノリが言った言葉の所為でララが無理してるのではクラスの女子に言われてカルノリ自身もそれについて反省はしていた。

 

ズドォォォォン!

 

「っ!」

 

すると校庭方から何かが爆発する音が聞こえてくるとカルノリは慌てて校庭へと向かった。

そこではプリキュアとノットレイダーのによる戦いが繰り広げられていた。

 

「え?」

 

「ん?」

 

するとカッパードがカルノリの存在に気がついた。

 

「感じるぞ。いい具合に歪んだイマジネーションを。」

 

「カルノリ!」

 

「ふふっ、ダークネスト様の力でパワーアップしたマイウェポン。その力、みせてやろう。・・・・我が刃よ!とくと吸え!歪んだ!イマジネーション!」

 

カッパードが何か叫ぶとカルノリの胸から暗い色のハートが現れてそれがカッパードの薙刀へと吸収されるとその薙刀が歪んだイマジネーションを纏ったホバーボードへと変化した。

 

「ルン⁉︎」

 

そしてイマジネーションを吸われたカルノリは意識を失いその場に倒れるのを見て、ミルキーは驚いていた。

 

「おぉ!ノレる!ノリノリだぁ!」

 

「武器が変化した⁉︎」

 

「速いです!」

 

「パワーアップしたのはアイワーンだけじゃないって事か!」

 

カッパードはホバーボードに乗ってあちこち飛び回りながらプリキュア達に体当たりをしようとしてくると、みんなそれを上手くかわす。

 

「っ!」

 

「フハハハハッ!まさに今、勝利のビッグウェーブに乗ったようだ!」

 

カッパードは止まる事なく暴れ続けている所為でサッカーゴールは吹き飛ばされ、グラウンドも削られてめちゃくちゃになっていた。

 

「やめるルン!」

 

「ミルキー!」

 

ミルキーはそれに我慢できなくなりカッパードにやめるように呼びかけた。

 

「学校を傷つけるのは許さないルン!」

 

「フン!こんなプリミティブな建物がなんだというんだ?」

 

「ここには私の知らない世界が沢山あるルン!とっても、面白いルン!もっと知りたいルン!私はまだ日直をやってないルン!だからこの学校を守るルン!」

 

「ならば、守ってみろ!」

 

「「ハァァァッ」」

 

カッパードがホバーボードに乗ってミルキーに突撃しようとするとその左右からソレイユとセレーネが突撃するが、カッパードはホバーボードを自身の周囲で回転させてバリアのようにして弾き返した。

 

「ソレイユシュート!」

 

「セレーネアロー!」

 

それに負けじと2人はそれぞれの技を使うがそれも全て弾かれてしまった。

 

「無駄だ!その程度の攻撃では私に傷一つつける事などできん!」

 

「なら、これならどうだ!」

 

そこへスペースもくるとその右手にはエックスのウルトラスターカラーペンが握られていた。

 

「ウルトラスターカラーペン!エックス!ウルトラカラーチャージ!」

 

そしてスペースはキュアスペースエックスへと変身した。

 

「また新たな姿だと⁉︎」

 

それを見てカッパードはスペースの更なる変化に驚きを隠せなかった。

 

そしてスペースの胸元のペンダントから光の粒子が出てくるとそれはスペースの両手へと飛んでいき、右手には何かのカードが、左手にはエクスデバイザーが握られていた。

 

『サイバーエレキング、ロードします。』

 

スペースがエクスデバイザーにサイバーエレキングのカードをロードすると、スペースの右腕にはサイバーエレキングの腕を模した右腕に、U字型のアームアーマーには「E」の文字があしらわれ、左肩のヘッドアーマーがサイバーエレキングの顔を模した形状のアーマーがスペースに装着された。

 

『サイバーエレキングアーマー、アクティブ』

 

「この前のと違う。」

 

「肩に頭がついてますよ。」

 

スペースがエレキングアーマーを装着するとソレイユとセレーネがこの前とは違うアーマーに対してそれぞれ反応を示した。

 

「ハアッ!」

 

「何っ⁉︎・・・・ぐっ!」

 

その後スペースは右腕のアームアーマーから放つ電撃を鞭状の電撃電磁鞭に変化させてカッパードに巻きつけて拘束し、その鞭が電撃でできている為、カッパードには拘束だけでなくダメージも与えていた。

 

「ハアーッ!デヤーッ!」

 

「うわっ!」

 

スペースはカッパードを拘束したまま地面に叩きつけた。

 

「ミルキー!」

 

「ルン!」

 

スペースがミルキーを呼ぶとミルキーもそれに反応し、その手にはしし座のペンが握られていた。  

 

「「プリキュア!」」

 

「エレキング電撃波!」

 

「しし座・ミルキーショック!」

 

「くっ、うぅぅぅ!ぐあっ!」

 

スペースの黄色い電撃とミルキーのミントカラーの電撃がそれぞれカッパードに襲い掛かり、カッパードはホバーボードを盾代わりにして防いでいたが、それでも防ぎきれずカッパードはホバーボードを手放してしまい、ホバーボードは空中へと放り投げられてしまった。

 

「いくよ!みんな!」

 

『宇宙(そら)に輝け!イマジネーションの力!』

 

スターが他のメンバーに呼びかけると、変身後に形を変えた胸元のペンダントが光るとそこからスター達4人と同じ色の星形の光が頭上に飛んでいき、それが再びスター達の手元に戻って来ると、それぞれの色の星がついたステッキが姿を現した。

 

『トゥインクルステッキ!』

 

「スタートゥインクル!」

 

「ミルキートゥインクル!」

 

「ソレイユトゥインクル!」

 

「セレーネトゥインクル!」

 

プリキュア達は自分達の持つステッキの名前を名乗るとそれぞれのステッキの輝きは更に増していた。

 

『4つの輝きよ、今一つに!』

 

4人のステッキの輝きが1つになるとそれは大きな南十字座、サザンクロスの形となって光り輝いていた。

 

『プリキュア・サザンクロスショット!』

 

プリキュア達が技名を叫ぶと虹色の南十字座型の光弾がノットリガーに向けて放たれた。

 

「プリキュア・ザナディウム光線!」

 

スペースはアーマーを解除すると、両腕と左足を左側へ振りかぶり、その時の左足を地面に引きずりながら行い、それから両腕を胸の前でX字にクロスさせてザナディウム光線を放つと、2つの技がホバーボードに直撃するとホバーボードは元の薙刀へと戻り、それをカッパードがキャッチした。

 

「フン!今日はいまひとつ乗れない。勝利はまたにしておこう。」

 

そう言い残してカッパードはUFOの上に乗ってワープホールを通って撤退した。

 

 

 

「カルノリ!カルノリ!」

 

「・・・・ん?あれ?俺、なにしてたんだ?」

 

それから夕方になり、ひかるが気絶しているカルノリに向けて必死に呼びかけていた。

 

「大丈夫ルン?」

 

「ルン?・・・・アッハハハハハッ!」

 

「カルノリ!」

 

ひかるはいきなり笑いだしたカルノリに少し怒った口調でカルノリの名前を呼んだ。

 

「大丈夫ですか?」

 

「いやいやルンって言ってくれよ。」

 

「え?」

 

ララがルンを言い換えて話しかけると予想外の事を言われたララは少し驚いていた。

 

「俺さ、そっちのノリの方が断然好きなんだよな。」

 

「オヨ?そうなのルン?」

 

「おう!そうなんだルン!」

 

「カルノリ?休みの日にどうしたの?」

 

「え?今日って休みだっけ?てっきり遅刻したと思ったぁ。良かったルン。」

 

「おいおい。」

 

『アッハハハハハッ!』

 

因みになぜカルノリが休みの日に学校に来ていたのかというと本人曰くただの勘違いだったらしい。でもそのおかげかそこには沢山の笑顔があった。

 

 

そして週明けの月曜日、ひかる、ララ、こうたの3人はいつものように一緒に登校していた。

 

「おはようルンちゃん!」

 

「ルンちゃん、おはーっ!」

 

「ルンちゃん?」

 

「オヨ?」

 

クラスメイトの女の子達がララをルンちゃんと呼んでくる事にひかるとララはどうしてそうなったのかわからなかった。

 

「語尾にルンをつけるのが可愛いからルンちゃん。」

 

「いいでしょ?」

 

「オヨ?」

 

「良い!ルンちゃん!良いね!」

 

「じゃあ今日教室でね、ルンちゃん!」

 

そう言ってクラスメイトの子達は先に教室へと向かった。

 

「ひかる、こうた、ララじゃなくて、ルンちゃんになってるルン。」

 

「まぁ、それも良いんじゃない?」

 

「それだけララの事を思ってくれてるって事だろ。」

 

「ルン!」

 

「行こっ!日直だよ!」

 

「ルン!」

 

ひかるとララは互いに手を繋いで笑顔で校舎に向かっていくと、その姿をこうたは嬉しそうな表情をしながらゆっくりとその後を追いかけていった。

 

 

 

To Be Continued

 

 

 

 




         次回予告


今日もプリキュアに襲いかかるノットレイダー

そんな彼らの戦いを隠れて見ている人物がいた。

一体、この人物は何者なんだろうか?


次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第37話 バレた⁉︎ プリキュアの正体! トレジャーハンター サーディス登場! 前編

次回も楽しみに!


次回は原作ストーリーにはないオリジナルストーリーを前後編でお送りしますのでお楽しみ。


※もしよろしければ、皆さんがこれまでの話で感じた感想やコメントがあればドシドシ送って下さい。
皆さんからのコメント、そして評価が頂けたら凄く嬉しいです。
よろしくお願いします。


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第37話 バレた⁉︎ プリキュアの正体! トレジャーハンター サーディス登場! 前編

今回はオリジナルストーリーをお送りします!
この小説が始まってから初めてのオリジナルストーリーですが、みなさんから喜んでもらえたら嬉しいです。

そして今日の『デリシャスパーティ♡プリキュア』ではキュアスパイシーが初登場!

これからの彼女の活躍が楽しみです!

それでは本編スタートです!



「ノットリガー!」

 

『ハアアッ!』

 

 

場所はロケットのある観星町の近くにある森の中、こうた達5人はアイワーンとノットリガーに襲われ今現在プリキュアに変身してノットリガーと戦っている。

 

「ノットリガー、今日こそプリキュアをやっつけてペンを奪うっつうの!」

 

「ノットリガー!」

 

「そうはさせないよ!」

 

そう言ってスターは真っ直ぐ一人でノットリガーに突撃していく。

今回のノットリガーは全身が黒く、顔の周りが白い毛並みの大きなライオンの姿のノットリガーでこのノットリガーは小学3年生くらいの男の子から生まれたものだった。

 

「僕はどうせ、ライオンみたいな強くてカッコいい男にはなれないんだ。」

 

「ノットリガー!」

 

「うあっ!」

 

スターはノットリガーが右の前足で引っ掻く攻撃に対して咄嗟に防御するが後方へと飛ばされてしまった。

 

「スター!」

 

「大丈夫ですか?」

 

「な、なんとか・・・・」

 

「あんな小さい子供をノットリガーにするなんて許せないルン!」

 

「あぁ!絶対に助ける!」

 

「ケヒャヒャヒャヒャ!」

 

吹き飛ばされたスターの元に他のプリキュア達も集まるとノットリガーを倒して男の子を助けようとするみんなの意思が更に強くなった。

 

「ノットリガー!やれっつうの!」

 

「ノットリガー!」

 

アイワーンの指示でノットリガーがプリキュア達に突撃して体当たりをしようとしていた。

 

「俺に任せろ!ウルトラスターカラーペン!エックス!ウルトラカラーチャージ!」

 

スペースはみんなより少し前に出るとキュアスペースエックスに変身した。するとスペースの胸元のペンダントから光の粒子が出てくるとそれはスペースの両手へと飛んでいき、右手には何かのカードが、左手にはエクスデバイザーが握られていた。

 

『サイバーゴモラ、ロードします。』

 

スペースがエクスデバイザーにサイバーゴモラのカードをロードした。

 

『サイバーゴモラアーマー、アクティブ』

 

スペースの両腕にはサイバーゴモラの腕を模した両盾、そこには「G」の文字があしらわれ、両肩の兜角アーマーがサイバーゴモラの角を模した形状のアーマーを装着したスペースの姿がそこにはあった。

 

「また新しいアーマーだ!」

 

「今度のはどんな力があるルン?」

 

「はあっ!」

 

スターとミルキーが新しいアーマーに興味を示している間に、スペースは体当たりしてくるノットリガーを正面から受け止めた。

 

「なにぃ⁉︎」

 

「あの体当たりを受け止めるなんて・・・・」

 

「はい。凄いパワーです。」

 

スペースがノットリガーを受け止める姿にアイワーンやソレイユ、セレーネは驚いていた。

 

「デヤッ!」

 

「ノットリガー!」

 

スペースはノットリガーをそのまま投げ飛ばすとノットリガーはなんとか着地に成功した。

 

「ノットリガー!」

 

するとノットリガーは口から火を吐く炎攻撃を繰り出してきた。

 

「スペース!」

 

「ふっ!」

 

スペースは両腕の盾の部分を正面にすると、そこからバリアのようなものが展開されてノットリガーの攻撃がスペースに届く事はなかった。

 

「防がれた⁉︎」

 

「今度はこっちの番だな。いくぞみんな!」

 

『うん(ルン)(はい)!』

 

スペースが他のメンバーに呼びかけると、それに反応し、スター達もスペースの近くに集まってきた。

 

『宇宙(そら)に輝け!イマジネーションの力!』

 

そんな彼女達の変身後に形を変えた胸元のペンダントが光るとそこからスター達4人と同じ色の星形の光が頭上に飛んでいき、それが再びスター達の手元に戻って来ると、それぞれの色の星がついたステッキが姿を現した。

 

『トゥインクルステッキ!』

 

「スタートゥインクル!」

 

「ミルキートゥインクル!」

 

「ソレイユトゥインクル!」

 

「セレーネトゥインクル!」

 

プリキュア達は自分達の持つステッキの名前を名乗るとそれぞれのステッキの輝きは更に増していた。

 

『4つの輝きよ、今一つに!』

 

4人のステッキの輝きが1つになるとそれは大きな南十字座、サザンクロスの形となって光り輝いていた。

そしてスペースは両腕や両肩のアーマーに先程のようにエネルギーを集めはじめた。

 

『プリキュア!』

 

『サザンクロスショット!』

 

「ゴモラ振動波!」

 

「ノットリガー・・・・」

 

スター達のサザンクロスショットとスペースのゴモラアーマーから放たれたゴモラ振動波がノットリガーに直撃するとノットリガーは消滅し、そこにはノットリガーにされた男子小学生が倒れていた。

 

「くぅぅぅ、折角バケニャーンがいない隙にダークペンでプリキュアをやっつけてペンを奪おうと思ったのに・・・・」

 

アイワーンは悔しそうにしながら撤退した。

 

「ふぅ、みんな大丈夫か?」

 

「大丈夫だよ。」

 

「ルン。」

 

「アタシも平気だよ。」

 

「わたくしもです。」

 

スペースがみんなの無事を確認するとみんなそれぞれ問題はなかった。

 

「いやぁ、今日もスペースに助けられたでプルンスなぁ。」

 

「フワ!」

 

そこに隠れていたプルンスとフワもやってきた。

 

「それにしても最近のスペースって本当に強くなったよね。」

 

「はい。一緒にいるとそれを強く実感します。」

 

ソレイユとセレーネは最近のスペースの成長速度に驚きを隠せなかった。

 

「まぁ最近は、ビクトリーさんやエックスさんのペンも加わったしな。」

 

そう言いながらスペースはエックスの力を解除すると、その右手にはギンガ、ビクトリー、エックスの力が宿った3本のペンが握られていた。

 

「スペースがいれば、誰が来たって絶対に負けないね!」

 

「ルン!ノットレイダーなんて目じゃないルン!」

 

「だといいけどな。」

 

スターとミルキーはスペースがいれば相手が誰だろうと絶対に負けないと自信満々に言った。

そしてスペース達は変身を解除した。

 

「それじゃあこの子を送ってから帰るか。」

 

バキッ

 

『っ!』

 

その時!こうた達の近くから木の枝が折れる音が聞こえた。

 

「誰だ!」

 

「・・・・」  

 

そしてその方向にこうたが叫ぶと、そこから一人の人物が姿を見せた。

 

 

 

 

 

「これは一体、どういう事なんだ?」

 

 

「っ⁉︎と、父さん⁉︎」

 

『え?えぇぇぇぇ⁉︎』

 

そこにいたのはこうたの父、『如月さとし』であった。

 

時間を少し遡ると、さとしはいつもより少し早く仕事が終わって自宅に帰る途中だった。

 

「今日は久しぶりに早く仕事が終わったからな。久々に家族みんなで一緒に食事ができそうだ。」

 

さとしは会社員として働き、いつもは残業で帰りが遅いのだが、この日は久しぶりに残業なしで帰れる事になり車で帰宅中だった。  

 

「ん?あれは?」

 

するとさとしは森の方から土煙のようなものが見えると森の近くの駐車場に車を止めて様子を見に行った。

 

「もしも火事だったら大変だ。一体ここで何が?」

 

「ノットリガー!」

 

「っ!なんだコイツは⁉︎」

 

そしてさとしはノットリガーを目撃するとそこで戦うプリキュア達の事も目撃して今に至る。

 

「こうた、お前は一体、なにをしているんだ?」

 

「えぇっと・・・・」

 

「それとそこにいるのはなんだ!」

 

「フワ・・・・」

 

「マ、マズイでプルンス!地球人に見られたでプルンス!」

 

フワは困った表情をし、プルンスは見られた事に対してかなり焦っていた。

 

「おじさん!こ、これには色々と事情があって・・・・」

 

「ひかるちゃん?君も一緒だったとはね。この事を春吉さん達は知ってるのか?」

 

「そ、それは・・・・」

 

ひかるはこうたを庇おうするがそこでひかるの家族の名前が出てきて今度はひかるがマズイ状況になってしまった。

 

「もしも知らないなら私の方から説明しないといけないね。」

 

「ま、待って下さい!」

 

「わたくし達の話を聞いて下さい!」

 

「ひかるとこうたは悪くないルン!悪いのは私達ルン!」

 

「そうでプルンス!2人はプルンス達のお願いを聞いて秘密にしてくれていただけでプルンス!」

 

「2人は悪くないフワ!」

 

「みんな・・・・」

 

そんな2人を助ける為にえれなやまどか達も話に割り込んできた。

 

「君達は確か、こうたの同級生の・・・・」

 

「天宮えれなです。」

 

「香久矢まどかといいます。」

 

「そうか、君達の事はこうたが小学生の頃から見覚えがあったが、そっちの子は初めてだね。」

 

「羽衣ララルン。」

 

「羽衣さん、君は今、自分達の所為と言ったね。それはどういう事かな?」

 

「ルン。・・・・わたしは・・・・この星の人間じゃないルン。惑星サマーンに住む、サマーン星人ルン。」

 

「ララ・・・・」

 

えれなとまどかが自己紹介すると、さとしは先程ララが言ったことの意味をララに聞くと、ララはこうた達の為に自ら素性をさとしに教えた。

 

「ふむ・・・・君も宇宙人だったとは・・・・これは私が思っている以上に深い事情がありそうだ。・・・・わかった。その子を送り届けてからとりあえず全員、私達の家に来なさい。そこで話を聞こう。こうたもそれでいいな。」

 

「はい。」

 

「こうた・・・・」

 

さとしの指示でノットリガーにされた子を送り届けた後、ひかる達はこうたの自宅へとやって来た。

 

「「ただいま。」」

 

「おかえりなさいこうた。さとしもおかえりなさい。今日は早かったのね。それにひかるちゃんやそのお友達?も一緒だなんて。」

 

『こんにちは。』

 

自宅に入ると、そこではさとしの妻にしてこうたの母、『如月しずか』が出迎えてくれた。

 

「しずか、これからみんなで大事な話をする。それをしずかにも聞いてほしい。」

 

「大事な話?何かあったの?」

 

「あぁ。」

 

2人の会話を聞いていたこうた達の気持ちはかつてないほど沈んでいた。自分達の秘密がバレてしまった事、これから自分達はどうなってしまうのかという不安がこうた達の心を支配していた。

 

「はい。どうぞ。」

 

「ありがとうございます。」

 

「それじゃあ聞かせてもらおうか?君達の目的や、これまでしてきた事を。」

 

そしてしずかが人数分の椅子と飲み物を用意するとさとしが話を始めた。

 

「・・・・わかった。」

 

こうたは腹を括りこれまで自分達がしてきた事を全て話した。星空界の事、ノットレイダーの事、プリキュアの事、自分達が宇宙へ行った事。こうた達が知ってるかぎりの事をさとしとしずかに伝えた。

 

「なるほどな。宇宙でそんな事が・・・・」

 

『・・・・』

 

こうた達は話を終えるとそのまま黙り込んでしまった。

 

「お、お願いでプルンス!こうた達の事は怒らないであげて欲しいでプルンス!悪いのは全部みんなを巻き込んでしまったプルンスでプルンス!プルンスはどうなっても構わないでプルンス!だから、みんなの事は許してあげてほしいでプルンス!」

 

「プルンス!」

 

するとプルンスがさとし達の前で土下座をし、自分の事はいいからこうた達の事は許してほしいと言いだした。

 

「やめてよプルンス!」

 

「そうですよ!わたくし達はみんな自分の意思で選んだんです!あなたの所為ではありません!」

 

そんなプルンスをえれなとまどかがプルンスに土下座をやめるように言った。

 

「おじさんお願い!この事は誰にも言わないで!これ以上誰かに知られたらララ達が地球にいられなくなっちゃう!」

 

「お願いルン!私はこれからもひかるやこうたと、みんなと一緒にいたいルン!」

 

そこでひかるとララがさとしにこの事を秘密にしてほしいと頼み込んだ。

 

「・・・・」

 

「おじさん!」

 

「・・・・こうたはどう思ってるんだ?」

 

さとしがこうたにそう聞くと先程からずっと黙っているこうたの方にみんなの視線が集中した。

 

「俺は、ララ達と出会って、プリキュアになって、いろんなものを見て、経験して、いろんな事を感じた。それは一人じゃ決して知る事ができない。みんなが一緒にいて初めて経験できる事ばかりだった。だから俺はこれからもひかるやララ、えれな、まどか、プルンス、フワと一緒に沢山いろんな事がしたい!」

 

こうたが言っている事をそこにいる全員が黙ってこうたの話を聞いていた。

 

「それに、見ちゃったからさ。ノットレイダーのしてきた事。その所為で困ってる人達がいる事を。そしてそんな人達を助けられる力が、守れる力が自分達にある。だから俺は、そんな人達を助けたい!力になりたい!それになりより、誓ったんだ。俺は・・・・フワを、みんなを守るって。だから父さん!母さん!俺・・・・戦うよ。この宇宙の為に、みんなを守る為に・・・・最後の最後まで、絶対に諦めたくないんだ。」

 

「こうた・・・・」

 

ひかるはこうたの強い意思を自身の胸にしっかりと受け止めた。そしてそれは他のみんなも同じだった。

 

「・・・・やっぱり、俺の息子だな。」

 

「父さん?」

 

こうたはさとしの言った事がイマイチ理解できなかった。

 

「お前の気持ちは良くわかった。悔いの残らないように全力でやって来い!」

 

「っ!ありがとう!父さん!」

 

さとしはこうたの意思を尊重し、こうた達の事を秘密にして彼らの意思を尊重する事に決めた。それを聞いてひかる達女子達はみんな笑顔で喜んでいた。

 

「ホントにもう、そういう正義感の強いところはお父さん譲りね。」

 

「母さん・・・・」

 

しずかは少し呆れた表情をしながら話をしてきた。

 

「こうたがそう決めたのなら止めないわ。ただし、大人の力が必要な時は無理せず必ず私達を頼りなさい。それが条件よ。」

 

「わかった。ありがとう母さん。」

 

「それじゃあみんな、今日はもう遅いから私がみんなを送ってあげよう。」

 

『ありがとう(ルン)(ございます)!』

 

こうしてえれな、まどか、ララやプルンス達はさとしの車に乗ってそれぞれの自宅やロケットへと帰っていった。

 

「良かったねこうた。おじさんにわかってもらえて。」

 

「良かったフワ!」

 

「あぁ。一時はどうなるかと思ったけどな。」

 

家が近所のひかるはこうたに送ってもらう事になり、今は2人でひかるの家に向かって歩いていてフワはひかるに抱っこされていた。

 

「それじゃあひかる、また明日な。」

 

「あっ!こうた待って!」

 

「ん?」

 

ひかるを家の前まで送り終えて帰ろうとするこうたをひかるが呼び止めた。

 

「どうしたひかる?」

 

「あの・・・・頑張ろうね。絶対に宇宙を、フワを守ろう!」

 

「あぁ、当たり前だろ。それじゃ、またな。」

 

「うん!」

 

そしてひかると別れたこうたは自宅へと帰っていった。

 

 

 

 

 

その頃、ノットレイダーのアジトでは・・・・

 

「アイワーン、今回もプリキュアにやられて帰ってきたそうじゃないか?」

 

「ホント、情けない子。」

 

「うるさいっつうの!アンタらだって毎回やられて帰ってきてるっつうの!」

 

「なん(だと)(ですって)!」

 

「やめんか!」

 

今回もアイワーンがプリキュアに負けて帰ってきた事をカッパードとテンジョウに指摘されて煽られたアイワーンはカッパード達に反論し彼らが喧嘩になる直前にガルオウガが止めに入った。

 

「お前達、いつになったらプリンセスの力を集められるのだ。」

 

「しかしガルオウガ様、いつも邪魔してくるプリキュア達をなんとかしない事には・・・・」

 

「言い訳は無用!」

 

「っ!」

 

「相手が誰であろうと我々はダークネスト様の為に、宇宙を乗っ取る為に、なんとしてもプリンセスの力を揃えなければならないのだ!」

 

カッパードの意見をガルオウガは無視し、たとえ何があろうと目的を達成する意思をガルオウガは口にした。

 

「なんだなんだ?いつにも増して気合が入ってるじゃんか。旦那。」

 

「っ!なにやつ⁉︎」

 

するとそこへカッパード達の後ろからサーディスがやって来た。

 

「サーディスか、ここへ来たという事はプリンセスの力を見つけたのか?」

 

「いや、今日は別件で来た。」

 

「別件だと?」

 

「ガルオウガ様、此奴は一体何者なのですか⁉︎」

 

サーディスとガルオウガが話している最中に、カッパードがガルオウガにサーディスは何者かを問いただした。

 

「此奴の名はサーディス、私が雇ったトレジャーハンターだ。これまでにもサーディスはプリンセスの力をいくつか回収し、我々に流してくれていたのだ。」

 

「コイツが?」

 

「信じられないわね。」

 

「こんな奴どうせ大したことないっつうの。」

 

カッパード達はサーディスに対して見下す態度をとっていた。

 

「して、サーディスよ、別件とはどういう事だ?」

 

「なに簡単な事さ。アンタ達が手間取ってるそのプリキュアって連中の相手を俺にやらせてくれないかと思ってな。」

 

「ほう?」

 

「俺ならコイツらよりはマシに立ち回れると思うぜ。」

 

「なんだと⁉︎」

 

サーディスがプリキュアの相手をすると言い出すとカッパードが怒りを露わにした。

 

「貴様如きが我らより優れていると言うのか?」

 

「事実だろ。アンタらはプリキュアに何度も負けてるんだからな。」

 

「この!言わせておけば!」

 

カッパードは武器である薙刀を握るとそれよりも先にサーディスの銃がカッパードの顔に突きつけられていた。

 

「くっ」

 

「どうする?アンタの武器と俺の銃、どっちが速いか勝負するか?」

 

「やめんか2人とも!」

 

「・・・・へいへい。旦那は怒らせると怖いからな。ここは従っておくぜ。」

 

サーディスはそう言われると銃をカッパードの顔から離した。

 

「それで旦那、どうよ俺からの提案は?」

 

「良いだろう。許可する。」

 

「ガルオウガ様⁉︎」

 

ガルオウガはサーディスからの提案を受け入れた。

 

「サンキュー旦那。んじゃ、行ってくるわ。」

 

そう言ってサーディスは普段ノットレイダーのメンバー達が使っているワープホールを通ってその場から姿を消した。

 

「よろしいのですか?」

 

「構わん。プリンセスの力が手に入るのなら問題ない。それに・・・・」

 

「それに?」

 

テンジョウがガルオウガにこれで良かったのか聞くとガルオウガは自身の考えを口にした。

 

「見てみたいのだ。お前達が苦戦するキュアスペースとあやつが戦ったらどうなるかをな。」

 

 

 

 

To Be Continued

 

 

 




         次回予告

いつも通りの日常を送るこうた達

そんなこうたの前にトレジャーハンターのサーディスが現れた。

サーディスの実力は?

そして初めて戦う相手にこうたはどう立ち向かうのか?



次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第38話 バレた⁉︎ プリキュアの正体! トレジャーハンター サーディス登場! 後編

次回も楽しみに!


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よろしくお願いします。


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第38話 バレた⁉︎ プリキュアの正体! トレジャーハンター サーディス登場! 後編

今回からいよいよサーディスが動き出します。

それでは本編スタートです。



「こうた、ここの問題がよくわからないルン。」

 

「どこだ?」

 

こうたの両親に自分達がプリキュアだとバレた日の翌日、こうたはロケット内でララに勉強を教えていた。

 

「ねぇこうた?ここなんだけど・・・・」

 

「ん?この問題は・・・・って! 何でひかるが平然と混ざってるんだよ。」

 

「だってわかんないんだもん!」

 

そこにはひかるもいてこの日は3人で勉強会が行われていた。

因みにこうたがララに勉強を教えてるのは地球の知識が少ないララの為にとこうた、えれな、まどかの3人が交代でそれぞれの得意科目を中心にララに勉強を教える事になったからだ。

えれなとまどかは家の用事で不在だったので、今日はこうたがララに勉強を教えていた。

 

 

「そろそろ時間だし、今日はここまでだな。」

 

『はぁ〜っ』

 

こうたが今日の勉強の終わりを告げるとひかるとララはいかにも疲れましたと言わんばかりに机の上に伏せてしまった。

 

「お疲れ様でプルンス。差し入れでプルンスよ。」

 

「キラやば~っ☆」

 

「ありがとルン!」

 

「ありがとうプルンス。」

 

そこへプルンスがロケットで作ったドーナツの差し入れを持って来るとひかるとララはまた元気になった。

みんなでドーナツを食べた後、この日は解散となりひかるとこうたはそれぞれの家へと帰っていった。

 

 

 

「それにしても、まさか自分の息子が宇宙の命運に関わる事件に巻き込まれていたとはな。」

 

「黙っててごめん。」

 

こうたは家に帰ってから両親と一緒に夕食を食べていた。

 

「お前がいきなりトレーニングを始めた時は何事かと思ったが、これが理由だったのか?」

 

「あぁ。ちゃんとみんなの事を守れるようになりたいから。」

 

「そう。けどね、あんまり無理しちゃダメよ。」

 

「わかってる。ありがとう母さん。」

 

夕食を食べながらこうたはさとし達と色々な話をした。

こうして1日が終わり、こうたはこんな平和がずっと続けばいいのにと考えながら眠りについた。

 

 

 

「ハァ・・・・ハァ・・・・すっかり遅くなっちゃったな・・・・」

 

翌日の放課後、こうたは日直だったのでみんなより帰りが遅くなってしまった。

今日はえれなとまどかもロケットに来る日だったのでこうたは急いでロケットに向かっていた。

 

すると前方の森の中に見慣れない男性が1人で立っていた。

 

「よぉ。ちょいと道を聞きたいんだが、大丈夫か?」

 

「はい。良いですよ。」

 

男性が道を尋ねてきたのでこうたはそれを了承した。

 

「ありがとよ。じゃあ早速だが、この辺りにプリキュア達が使ってるロケットがあると思うんだが、知らねぇか?」

 

「っ⁉︎」

 

こうたは男性の口からプリキュアとロケットという単語が出た事に驚いた。

 

「その反応、いかにも知ってますって教えてるようなもんだぜ。知られたくないならもう少しポーカーフェイスを覚えた方がいいぞ。」

 

「アンタ、一体何者なんだ?」

 

「俺か?俺は全宇宙のお宝を探すトレジャーハンターのサーディスだ! よろしくな!プリキュアの坊主。」

 

この男、黒いロングコートの中に灰色のベストに白いYシャツ、黒い長ズボンに短髪の黒い髪、そして燃えるような赤い瞳をしていて、よく見ると腰の両側に同じ形をした海賊が持っていそうな少し峰の部分が曲がった紫色の剣を、腰の後ろ側には此方も同じ形をした少し細長くて剣と同じく紫色の銃を2つずつ装備した男、サーディスがこうたに自己紹介をした。

 

「どうして俺がプリキュアだって知ってる?アンタとは今日が初対面の筈だ!」

 

「俺はトレジャーハンターだぜ。それくらいの情報を手に入れるくらい造作もないのさ。ただ、お前らのロケットがこの森のどっかにあるって所までは情報を掴んだんだが、それ以上の事はわからなくてな。どうするか考えてた所にお前さんが来たからちょうどいいと思って声をかけたのさ。」

 

実際、サーディスはノットレイダーを通じてこうた達の事は知っていた。

 

「それじゃあ坊主、俺と勝負しようぜ!」

 

「勝負?」

 

「あぁ。お前なんだろ?ウルトラマンの力を使うプリキュアってのは。」

 

「だったら?」

 

するサーディスは自身のポケットから2本のペンを取り出すと、こうたは、それを見て驚いた。

 

「それは!ウルトラスターカラーペン!何でアンタが⁉︎」

 

「ウルトラスターカラーペン? へぇ、こいつはそういう名前なのか? だが、これで俺の言いたい事はわかったろ? こいつは俺のペンとお前のペンを賭けての勝負ってわけだ。」  

 

サーディスはこうたの知らない2本のウルトラスターカラーペンを再びポケットにしまった。

 

「さぁ、どうする?」

 

「・・・・わかった。その勝負、受けて立つ!」

 

「決まりだな。今のお前を相手にしてもつまらないからな。とっととプリキュアになりな!」

 

「・・・・スターカラーペンダント!カラーチャージ!」

 

そしてこうたはキュアスペースに変身して2人は互いに距離を取るとスペースは拳を、サーディスは右手に紫と黒色で海賊が使いそうな細長い形をした愛用の銃、『ダークネスガン』を持ってそれぞれ構えていた。

 

「ハアッ!」

 

「フッ!」

 

するとスペースが正面から突っ込むとサーディスは銃で射撃する事で対応した。

 

「くっ」

 

スペースはそれを前方に自身のエネルギーで作った赤くて四角いバリアで防ぎながらサーディスとの距離を徐々に縮めていた。

 

「なるほどな。なら、これならどうだ!」

 

そう言うとサーディスは空いていた左手にはこちらも海賊が持っていそうな少し峰の部分が曲がった紫と黒色の剣、『ダークネスソード』を持つと自らスペースに突っ込むとそのままスペースのバリアを切り裂いた。

 

「なっ⁉︎」

 

「バリアの強度がなってないぜ!そんなんじゃ斬ってくださいって言ってるようなもんだ! そら!」

 

「ぐはっ!」

 

サーディスはそのままスペースの腹に蹴りを入れるとスペースはそのまま後方に蹴り飛ばされてしまった。

 

「このぉ! プリキュア・スペースレイ!」

 

スペースは蹴り飛ばされてから体制を立て直すと両手を腰に置き、その後、両手を前に伸ばしたらそのまま止まる事なく両手を横に広げてエネルギーを集めて腕を十時に組む事でその中心から赤く輝く光線、『スペースレイ』が放たれた。

 

「ダークネスストライク!」

 

するとサーディスは自身の紫色に光るエネルギーをダークネスソードに集めると彼の技、『ダークネスストライク』という紫色の斬撃を放つ技を使った。

 

ダークネスストライクはスペースレイを全く寄せ付けずそのまま真っ直ぐスペースのところへ飛んでいった。

 

「なっ⁉︎ うわぁぁぁぁ!」

 

しかしスペースレイは完全に押し負けるとダークネスストライクはスペースに直撃し、スペースは再び吹き飛ばされてしまった。

 

「うっ・・・・くっ・・・・」

 

「はぁ・・・・ウルトラマンの力を全身に纏えるって事は少なからずウルトラマン達から認められたからだろうってのはわかってたから、お前はもっと強い奴だと思っていたが、どうやら俺の勘違いだったみたいだな。お前はウルトラマンの力がなきゃなんにもできないただのガキだったってわけだ。」

 

「そんな事・・・・」

 

「あるんだよ。さっきみたいに無策で突っ込んでくるような事をするのは戦いの素人がする事だ。それをする時点でお前は戦いってのをまるでわかってねぇ。だからお前は俺には絶対に勝てねぇ。」

 

「そんな事ない!ウルトラスターカラーペン!エックス!ウルトラカラーチャージ!」

 

スペースは立ち上がるとエックスのペンを使い、キュアスペースエックスへと変身した。

 

「そいつがウルトラマンの力を纏った姿か? いいぜ。来いよ!」

 

「ハァァァァッ!」

 

「ぐっ!」

 

スペースは再び真っ直ぐ突っ込むが今回は先程よりも速く、右手の拳『ウルトラマンエックスパンチ』を真っ直ぐサーディスの腹に撃ち込んだ。

サーディスもすぐには反応できず、スペースの攻撃をまともに受けてしまった。

 

「プリキュア・エックスクロスチョップ!」

 

スペースはスペースは両腕を交差させ、右手にエネルギーを集め、X字を描くように繰り出すエックスクロスチョップでサーディスを攻撃し、それからサーディスの腹に自身が先程やられたお返しとばかりに思いっきり蹴り飛ばした。

 

「イッテェ・・・・やるじゃんか。ならこっちもそろそろ本気でいくぜ!」

 

サーディスは左手のダークネスソードをしまうともう一丁のダークネスガンを取り出し両手でスペースに向けて連射でエネルギーの籠った弾丸を放った。

 

「うっ、うわぁぁぁぁっ!」

 

スペースも最初は回避しようとしたが、結局は弾丸の嵐をまともにくらってしまった。

 

「このままじゃ・・・・」

 

スペースの胸元のペンダントから光の粒子が出てくるとそれはスペースの両手へと飛んでいき、右手には何かのカードが、左手にはエクスデバイザーが握られていた。

 

『サイバーベムスター、ロードします』

 

スペースがエクスデバイザーにサイバーベムスターのカードをロードした。

 

『サイバーベムスターアーマー、アクティブ』

 

両肩のアーマーには「B」の文字があしらわれ、胸部はサイバーベムスターの顔を、左腕のシールドアーマーがサイバーベムスターの腹部を模した形状になっているアーマーをスペースは装備した。

 

「ハアッ・・・・ダークネスショット!」

 

「フッ! ハァァァァッ! ダァッ!」

 

サーディスは2つのダークネスガンにエネルギーを集めて紫色の強力なエネルギー弾を放つ技、『ダークネスショット』を打つと、スペースはその攻撃をシールドアーマーで受け止めた。

シールドアーマーはダークネスショットを吸収すると、スペースはシールドアーマーの爪を地面に突き刺してから吸収したエネルギーを跳ね返す技、【ベムスタースパウト』をサーディスへと放つが、サーディスはその攻撃をギリギリで回避した。

 

「危ねっ!こっちの攻撃を吸収して跳ね返すとか面倒だな。仕方ねぇ、接近戦でいくか。」

 

ダークネスガンをしまうと両手にサーディスソードを持ってスペースへと斬りかかった。

 

「ハアッ!」

 

「くっ!」

 

「もらったぞ。」

 

「っ⁉︎」

 

サーディスの右手に持つダークネスソードをスペースはシールドアーマーで受け止めるとサーディスは左手に持つダークネスソードをスペースのお腹にあてた。

 

『セット、ウルトラマンジード』

 

サーディスは左手に持つダークネスソードに『ウルトラマンジード』のウルトラスターカラーペンをセットした。

 

「レッキングストライク!」

 

「うわぁぁぁぁっ!」

 

ダークネスソードから先程の紫色の時とは違うジードの力が宿った赤黒い稲妻状の光子エネルギーの斬撃、『レッキングストライク』がスペースに放たれた。

その斬撃が直撃したスペースは後方へと吹き飛ばされ、その時にベムスターアーマーも解除されてキュアスペースエックスへと戻ってしまった。

 

「終わりだ。」

 

『セット、ウルトラマンオーブ』

 

「スプリームショット!」

 

サーディスは右手に持ち替えたダークネスガンに『ウルトラマンオーブ』のウルトラスターカラーペンをセットするとそこからオーブの力が宿った複数の虹色のエネルギー弾『スプリームショット』がスペースの元へと発射された。

 

「うわぁぁぁぁっ!」

 

サーディスの技がスペースに直撃し、スペースの身体や周りが爆発するとプリキュアの変身が解除されて学校の制服がボロボロになり、傷だらけになったこうたは前のめりに倒れた。

 

そんなこうたの目の前には無理矢理プリキュアの変身が解除された事で落ちたエックスのウルトラスターカラーペンが落ちていた。

 

「うっ、うぅぅぅ・・・・」

 

こうたは必死にペンに向かって手を伸ばしていたが・・・・

 

「まずは1本頂くぞ。」

 

「か、返せ!」

 

そのペンをサーディスが拾ってしまい、こうたはエックスのペンを奪われてしまった。

 

「さぁ、残りのペンを渡してもらおうか。」

 

「くっ」

 

サーディスはこうたが持つ残りのペンを奪おうとこうたに自身の手を伸ばした。

 

「・・・・っ!」

 

しかし、その途中で何かに気づいたサーディスはこうたから距離を取るとそこに何かが飛んできた。

 

「アレは、矢か?」

 

「ハアッ!」

 

「おっと!」

 

そこへ今度はキュアソレイユが炎を纏った右足でサーディスに飛び蹴りをしたが、サーディスはこれもジャンプして回避した。

 

「危ねぇ。」

 

「こうた!」

 

「しっかりするルン!」

 

サーディスがソレイユの攻撃に対応している間にスターとミルキーがこうたの所に駆け寄りこうたの安否を確かめていた。

 

「スター・・・・ミルキー・・・・」

 

「酷い怪我ルン。」

 

「プルンス!こうたをお願い!」

 

「任せるでプルンス!」

 

そこへプルンスもやってくるとこうたを連れてすぐに下がって行った。

 

「みんな、どうしてここに?」

 

「AIが森の中での不自然な爆発を検知してその原因を調べる為にみんなで来たんでプルンス。」

 

「こうた、大丈夫フワ?」

 

「あぁ、なんとか。けど、アイツにペンを1本奪われた。」

 

「えぇぇっ⁉︎」

 

プルンスからみんなが来た理由を聞いたこうたは木に背中を預けながらプリキュア達の戦いを見ていた。

 

「これで全員揃ったな。」

 

「あなたがこうたを?」

 

「一体誰ルン?」

 

「はじめまして。プリキュアのお嬢ちゃん達。俺の名はサーディス!トレジャーハンターをしている。今日はお前らの持ってるペンを頂く為にやって来た。」

 

「それでこうたをあんなになるまで痛めつけたの⁉︎」

 

「許せません!」

 

ソレイユとセレーネはこうたを傷つけたサーディスに怒りをあらわにしていた。

 

「プルンス、みんなにアイツは俺が持ってるウルトラマンのペン以外にもウルトラマンのペンを持ってる。だから油断しないようにみんなに伝えてきてくれ。」

 

「わ、わかったでプルンス!・・・・みんな!」

 

プルンスはこうたに言われた通りにペンの事をスター達に伝えた。

 

「えぇ⁉︎あの人が⁉︎」

 

「オヨォ⁉︎」

 

「本当に⁉︎」

 

「あの方もウルトラマンの力を⁉︎」

 

「さぁ、そろそろ作戦会議は終わったか?」

 

プリキュア達はサーディスから声をかけられてそれぞれ構える体制をとった。

 

「それじゃ、いくぜ!」

 

サーディスは右手にダークネスソード、左手にダークネスガンを持ってプリキュアに突っ込んでいった。

 

「ハッ!」

 

「フッ!」

 

セレーネが矢を放つがサーディスはその矢をあっさり切り裂いた。

 

「くらえ!」

 

「ルン!」

 

サーディスがダークネスガンからエネルギー弾を連射したが、ミルキーがハート形のバリアを展開してそれを防いだ。

 

「「プリキュア!」」

 

「てんびん座・ソレイユシュート‼︎」

 

「おうし座・スターパンチ‼︎」

 

「のわっ!」

 

ミルキーの背後から左右に飛び出したソレイユとスターがそれぞれの技を放ち、サーディスは両手をクロスさせてガードしたが、攻撃を受けたサーディスは後方へと足を引きずりながら下がっていった。

 

「くぅ・・・・流石に4体1じゃ分が悪いか。なら、一気に決めるか。」

 

流石のサーディスも今の攻撃でダメージを受けたがまだまだ戦う力は残っていた。

 

『セット、ウルトラマンオーブ』

 

「スプリームストライク!」

 

サーディスは右手のダークネスソードにオーブのウルトラスターカラーペンをセットして虹色の斬撃『スプリームストライク』をスターとソレイユに向かって技を放った。

 

「危ない!」

 

スターは星形のバリアを展開して防御した。

 

「甘いな。」

 

『うわぁぁぁっ!』

 

サーディスは同じ斬撃を連続で放ち、スターのバリアもそれらを全て防ぐ事はできずに斬撃はスターとソレイユに直撃した。

 

「スター!」

 

「ソレイユ!」

 

「次はお前らの番だ。」

 

「ミルキー、今度はわたくし達が!」

 

「ルン!」

 

スターとソレイユがやられたのを見て、セレーネとミルキーは今度は自分達がと動き出した。

 

「「プリキュア!」」

 

「やぎ座・セレーネアロー‼︎」

 

「しし座・ミルキーショック‼︎」

 

『セット、ウルトラマンジード』

 

「レッキングショット!」

 

セレーネとミルキーの技に対してサーディスもジードの力を宿した赤黒い稲妻状のエネルギーのエネルギー弾、『レッキングショット』を連射し、そのエネルギー弾は2人の技をものともせずそのままセレーネ達に直撃した。

 

「うわぁぁぁっ!」

 

スター達はみんなサーディスの攻撃を受けて地面に倒れていた。

しかし、意識はあるもののダメージが大きいのか身体が思うように動かなかった。

 

「うっ、うぅ・・・・」

 

「これが、ウルトラマンの力ルン?」

 

「つ、強い・・・・」

 

「まさか、これ程とは・・・・」

 

「そんじゃ、ペンを頂くとしますか。」

 

サーディスはそう言いながら近くにいたセレーネの所へと歩いていった。

 

「うっ・・・・」

 

「さぁ、とっととペンを寄越しな。」

 

「みんな・・・・」

 

(守るんだ・・・・俺が、みんなを・・・・守るんだ!)

 

「やめろぉぉぉぉ!」

 

「っ!」

 

こうた叫びながら飛び出すと走りながらキュアスペースに変身してサーディスに殴りかかった。

 

「おっと。」

 

スペースの攻撃にサーディスは後方へ下がる事でそれを回避した。

 

「へぇ、まだそんな力が残ってたか。」

 

「みんなには、指一本触れさせない!」

 

「とか言ってるけど、そんな満身創痍の状態で、一体何ができるんだ?」

 

「俺は・・・・これ以上、みんなが傷つく姿を見たくない!だから俺が、俺がみんなを守るんだ!」

 

「面白いじゃねぇか。やれるもんならやってみな!」

 

「くっ」

 

サーディスはスペースに向かって突っ込んできた。

 

すると・・・・

 

 

 

ピカーーーッ!

 

「っ!何だ⁉︎」

 

スペースのペンが入っているホルダーが光り出すとその光が辺り一面を覆い尽くした。

 

「・・・・ここって・・・・」

 

そこはウルトラマン達と会話をする時に現れる真っ白な空間だった。

 

「全く、無茶をする奴だ。」

 

「っ! ショウさん⁉︎」

 

するとそこにウルトラマンビクトリーに変身するショウの姿があった。

 

「仲間を守りたいと思うお前の気持ちはわかる。だが、闇雲に向かっていってもアイツには勝てないぞ。」

 

「・・・・わかってます。 でも! このままじゃみんなが!」

 

「俺が力を貸してやる。」

 

「え?」

 

こうたの返事を全て聞くより先にショウはこうたに力を貸すと言ってきた。

 

「あんな奴にエックスの、ましてやオーブやジードの力を持たせておくわけにはいかない。 なんとしても取り戻さないとな。」

 

「ショウさん、ありがとうございます!」

 

「いくぞ!」

 

「はい!」

 

そして空間全体が光り出すとこうたは元いた森の中に戻り、その姿はキュアスペースビクトリーになっているだけではなく、その右手にはショウがビクトリーに変身する時に使う『ビクトリーランサー』が、左手には青く輝く『ウルトラマンヒカリ』のスパークドールズが握られていた。

 

「なんだ? 今なにが起きた⁉︎」

 

サーディスはスペースに何が起きたのか理解できていなかった。

 

「いくぞ! サーディス!」

 

『ウルトランス! ウルトラマンヒカリ!』

 

スペースはウルトラマンヒカリのスパークドールズをビクトリーランサーにリードした。

 

『ナイトティンバー!』

 

するとヒカリのスパークドールズはヒカリが開発した青がメインのグレーのカラーで出来た魔笛封印剣『ナイトティンバー』へと変化した。

 

〜〜♫

 

スペースはナイトティンバーに口を添えてメロディーを奏でた。

するとスペースの周りに青い光が現れるとそれが衝撃となってスペースの周りへと飛んでいった。

 

「くっ、どうなってる?」

 

「スペース?」

 

「何が起きようとしてるルン?」

 

この状況にサーディスや他のプリキュア達も状況が理解できていなかった。

 

「フッ! ハッ!」

 

するとスペースはナイトティンバーの横笛として使用する『ティンバーモード』からカバーを展開し、片刃の青い剣で敵を斬る『ソードモード』へ変形させてそれを頭上に掲げた。

するとスペースの周りに沢山の宝石(ビクトリウム)が沢山現れてその一つ一つからスペースのペンダントへとエネルギーが集まっていく。

全てのエネルギーが集まるとキュアスペースビクトリーの身体の黒や赤や黄色のカラーリングが青系の2色と銀色の体色・赤と青色の構成へと変化して『キュアスペースビクトリーナイト』へとパワーアップを遂げた。

 

『放て! 聖なる力!!』

 

「キラやば~っ☆」

 

「色が変わったルン!」

 

「それに、笛が剣になっちゃった!」

 

「綺麗です・・・・。」

 

「またまたスペースがパワーアップしたでプルンス‼︎」

 

「パワーアップフワ!」

 

スペースが新たな力を得た事に仲間達はみんなそれぞれの思いを口にした。

 

「へぇ? またウルトラマンが力を貸してくれたのか。お前どんだけウルトラマン達に気に入られてるんだ?」

 

「気に入られてるとか、そうじゃないとか関係ない!みんな俺の事を信じてくれる。力を貸してくれる大切な仲間なんだ!さぁ! 俺から奪ったエックスのペンを、他のウルトラマン達のペンも返してもらうぞ!」

 

「無理だね。コレはもう俺のモンだ。そんなに欲しけりゃ力ずくで取ってみな!」

 

「わかった。」

 

スペースはナイトティンバーを持ったままサーディスへと突っ込んでいく。

サーディスはダークネスソードで迎え撃つがナイトティンバーとダークネスソードが鍔迫り合いをしたのはほんの一瞬だった。

 

「ぐっ!」

 

それからすぐにスペースはナイトティンバーを下に下げてサーディスの横を通り過ぎがながらナイトティンバーでサーディスの脇腹わ斬った。

 

「この!」

 

「フッ!」

 

サーディスはこちらに背を向けているスペースに切り掛かるが、その攻撃をスペースはしゃがむ事でかわし、そのまま回転しながら再びナイトティンバーでサーディスの身体を切り裂いた。

 

「ぐあっ!」

 

(どうなってやがる?さっきとスピードが全然違うじゃねぇか。)

 

スペースは高速で動き、サーディスの攻撃をかわしたり、防いだりしながら、ナイトティンバーでカウンターをして着実にサーディスにダメージを与えていた。

そしてスペースはナイトティンバーのソードモード時にカバーのポップアクションを1回させてトリガーを押した。

 

『ワン! ナイトビクトリウムフラッシュ』

 

「プリキュア・ナイトビクトリウムフラッシュ‼︎」

 

スペースはナイトティンバーを持ったまま高速で回転し、そのままサーディスへと突っ込み『ナイトビクトリウムフラッシュ』による回転斬りをサーディスに攻撃した。

 

「くっ、ぐぅぅぅぅ・・・・ぐああっ!」

 

サーディスも最初は2本のダークネスソードをクロスさせてガードしていたが、スペースの勢いを止める事はできず、攻撃を受けてしまった。

 

「くっ、この・・・・っ!」

 

「さっきのお返しだ。」

 

サーディスが振り向き様にスペースに反撃しようとするが、その時には既にサーディスの胴にはナイトティンバーが置かれていた。

 

『ツー! ナイトビクトリウムブレイク』

 

「プリキュア・ナイトビクトリウムブレイク‼︎」

 

スペースはサーディスの胴にナイトティンバーを置いたままナイトティンバーのポンプアクション2回行いトリガーを引く事で発動する技、『ナイトビクトリウムブレイク』でサーディスの胴を一閃した。

 

「ぐああーーっ!」

 

そのままサーディスは後方へと飛ばされてしまった。

 

「スペース、強い!」

 

「さっきから剣の動きが全く見えないルン。」

 

「ギンガの時とは全然違う!」

 

「こちらは光線技よりも接近戦に特化したパワーアップ形態という事なのでしょうか?」

 

スター、ミルキー、ソレイユ、セレーネはスペースの戦いに完全に見入ってしまっていた。

 

「ハァ・・・・ハァ・・・・マジか・・・・まさか・・・・これほどの力だったとはな・・・・。」

 

サーディスが息を切らせている間にスペースはナイトティンバーのカバーのポップアクションを3回行った。

 

『スリー! ナイトビクトリウムシュート』

 

「これで決める!」

 

スペースはナイトティンバーのソードモードを立てると左腕を当てて十字を組んだ。

 

「プリキュア・ナイトビクトリウムシュート‼︎」

 

左手がトリガーに当たると刀身から青色破壊光線『ナイトビクトリウムシュート』が放たれるとそれがサーディスの全身に直撃する。

 

「うわぁぁぁぁっ!」

 

攻撃を受けたサーディスは一度は倒れたものの、フラつきながらもなんとか自力で立ち上がった。

 

「さぁ!ペンを渡せ!」

 

「フン! いい気になるなよ。ウルトラマンの力がなきゃ何にも出来ないただのガキの癖に。」

 

「っ!」

 

スペースはサーディスに言われた言葉に動揺しサーディスに接近する為に歩いていた足を止めてしまった。

 

「所詮お前はウルトラマンの力がなきゃ何も出来ない奴なんだよ! 現に今回だってその力に助けられなきゃ俺には勝てなかったじゃねぇか!」

 

「それは・・・・」

 

確かに、もしもショウがスペースに力を貸していなかったら今の現状のような結果にはならなかったかもしれない。

それどころか、宇宙大魔王やクマリン星での戦いもウルトラマン達が力を貸してくれたからこそ乗り越える事ができたと言っても過言ではなかった。

 

「お前はただウルトラマン達に使われてるだけで、それが出来るなら相手は誰でも良かったわけだ。」

 

「そんな事、俺は自分の意思で・・・・」

 

「ごちゃごちゃうるせぇぞ!いい加減認めろよ。お前は偶然選ばれただけ。お前の代わりなんていくらでもいるんだよ。」

 

「そんな⁉︎・・・・俺は・・・・」

 

こうたはサーディスに言われた事を気にしてしまい、その表情は徐々に沈んでいった。

 

「今回俺はお前に負けたんじゃねぇ。お前の持つウルトラマンの力に負けたんだ。その事を忘れんじゃねぇぞ。 んでもって、この借りは必ず返すからな!」

 

サーディスはそう言い残すとノットレイダー達が使ってるワープホールを通って姿を消した。

 

「誰でも良かったなんて、そんな事・・・・俺は・・・・俺は・・・・」

 

「スペース・・・・」

 

なんとかサーディスの撃退に成功し、新たな力を手にしたスペースだったが、エックスのペンを失っただけでなく、精神的なダメージを受けてしまったスペースはこれからどうなってしまうのだろうか?

 

 

 

To Be Continued

 

 

 




       次回予告

えれなの家にやって来たひかる達

そこでひかる達はえれなの両親に家族でのパーティに招待される

みんなで行こうとひかる達はこうたも誘うのだが・・・・



次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第39話 みんな de パーティ! 守れ! 家族の笑顔! 前編

次回も楽しみに!



※もしよろしければ、皆さんがこれまでの話で感じた感想やコメントがあればドシドシ送って下さい。
皆さんからのコメント、そして評価が頂けたら凄く嬉しいです。
よろしくお願いします。


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第39 話 みんな de パーティ! 守れ! 家族の笑顔! 前編

『ウルトラマントリガー エピソードZ』見ました。
ネタバレしない範囲で言うと、ケンゴが紡いできた絆と笑顔が強く表現されていた作品で、まさにトリガーらしい完結編だったと思います。




サーディスとの戦いから数日が経過したある日、ひかる、ララ、まどかの3人は商店街に来ていた。

 

「期間限定スタードーナツルン!」

 

「いっぱい買っちゃったね!」

 

「えれなとこうた君を誘ってロケットでお茶にしましょう。」

 

『うん(ルン)!』

 

そして3人はえれながお手伝いをしているお花屋さんへとやって来た。

 

「えれなさーん!」

 

「ん?」

 

「はやくロケット行くでプルンス。」

 

「OK。ちょっと待ってて、パパが配達から戻ってきたら出かけられるから。」

 

ララのリュックに変装していたプルンスがそう言うとえれなはお父さんが帰ってきたら出かけられると説明した。

 

ププーッ!

 

「あ!帰ってきた!」

 

するとそこに黄色い一台の車がお店の前で止まった。

そして後ろのドアが開くとギターの音が聞こえてきた。

 

〜〜♫

 

そこからえれなの弟や妹たちが楽しそうに降りてくると音楽に合わせて踊り出した。そして運転席からは金髪褐色の顔でYシャツの上から緑色のエプロンをつけた男性がギターを弾きながら出てきた。

 

「iHola(オラ) !セニョリータたち~‼︎」

 

『?』

 

すると演奏を終えた男性がいきなりひかる達を抱きしめてきてみんなどういう事かイマイチわかっていなかった。

 

「アタシのパパ」

 

「パパデェ〜ス!」

 

「こんにちは〜っ!」

 

「どうもルン。」

 

「はじめまして。」

 

えれながひかる達に自身の父、カルロスを紹介するとそれに合わせてひかる達も挨拶をした。

 

「ほら、れいな、たろう、いくと、あんなもご挨拶して。」

 

『iHola !』

 

「ん? オラって?」

 

「こんにちはって意味。」

 

「そっか!」

 

『iHola !』

 

ひかるがえれなに『iHola』の意味を聞くとひかる達は3人はえれなの家族に合わせて挨拶をした。

 

「ただいま。」

 

『ママ〜!』

 

そこへえれな達の母、天宮 かえでが帰ってきてれいな達は真っ直ぐかえでの元へと走っていった。

 

「おかえり~!」

 

「カルロ~ス!」

 

カルロスがかえでさんに右手を差し出して呼び掛けると、かえでさんもカルロスの手を取り二人で踊り始める。

 

『おぉ。』

 

「あれがウチのママ。」

 

「みんな太陽みたい。」

 

「っ! いらっしゃ~い‼︎」

 

「うわぁ。」

 

「またルン。」

 

すると今度はかえでがひかる達に抱きついてきた。

 

「はじまして、ひかるちゃん、ララちゃん、まどかちゃん!」

 

「え?」

 

ひかるはなぜこの人は自分たちの事を知ってるのか不思議に思った。

 

「えれながいっつも話してくれるから初めて会った気がしない!さあ上がって!上がって!」

 

そしてひかる達はかえでに背中を押されて彼女たちの家に招かれた。

 

ひかるはリビングに入るとそこには個性豊かな飾り付けがされているだけでなく壁には子供達の落書きのような花の絵も描かれていた。

 

「わぁ!素敵なお部屋!」

 

「グラシアス。セニョリータたち。」

 

『グラシアス!』

 

「『グラシアス』はありがとう。『セニョリータ』はお嬢さんって意味よ。」

 

「ママは通訳なんだ。」

 

「通訳って何ルン?」

 

「異なる言語をお互いがわかるように訳して伝えてくれるお仕事です。」

 

かえでがカルロスの言った言葉の意味を通訳し、なぜ通訳できるのかをえれなが説明した。

 

「みんな、座って座って。」

 

「グラシアス。」

 

えれなに言われるがままにひかる達はソファへと招かれ座るとひかるはさっき覚えた言葉を早速使っていた。

 

〜〜♫

 

「ルン?」

 

すると部屋の中に音楽が流れだすと同時にそれに合わせてカルロスとかえで、そしてえれなの弟や妹たちが踊りを始める。

 

「なんか始まったルン。」

 

「僕のふるさとはメキシコ!」

 

「仕事で出かけたメキシコで私達は運命の出会いをしたの!」

 

「そして結婚!えれなが生まれ、とうまが、れいなが、たくとといくとが、そしてあんなが生まれた!僕の大切な家族、家族みんなの・・・・ソンリッサ‼︎」

 

「笑顔って意味ね。」

 

「そう、家族みんなの笑顔が僕の宝物なんだ‼︎」

 

カルロスさんが言葉を伝え終えると共に音楽が止まった。それからひかる達はカルロス達に拍手を送った。

そんな中、部屋の入り口で棒付きのキャンディーくわえている少年がいた。

 

「でかけるの?」

 

「うん。」

 

「とうまもみんなと一緒にお茶しよう!」

 

カルロスがえれなの弟、とうまも誘うが彼は何も言わずに部屋を出ていってしまった。とうまがいなくなってその場の雰囲気が少し暗くなってしまうとカルロスさんが再びギターを弾いた。

 

「パーティは好きかい?今度の休み、ウチでパーティするから、みんなもおいで。」

 

『パーティ! パーティ!』

 

「うわ~ 行く行く!」

 

『イェーイ‼︎』

 

そう言いながらひかるやカルロス達はみんなハイタッチをした。けれどまどかはとうまの事が気になるのか、とうまが出ていった扉の方をじっと見つめていた。

 

「そういえば、今日はこうた君は一緒じゃないの?」

 

「確かに、彼がいないなんて珍しいね。」

 

「それは・・・・」

 

するとかえではこうたがいない事に気づくとカルロスもそれを気になってしまっていた。

それを聞かれてひかるはどう答えようかと必死に考えていた。

 

「・・・・そうだ! 折角だし、こうた君もパーティに誘うといいよ。」

 

「いいわね! 最近こうた君と会ってないし、みんなで誘ってらっしゃい。」

 

「わかりました!」

 

 

 

 

ひかるは元気よく返事をし、ひかる達はえれなの家をあとにした。

それからこうたの事を誘う為にこうたの家に到着するとインターホンを鳴らした。するとこうたの母、如月しずかが玄関の扉から出てきた。

 

「ひかるちゃん、みんなもいらっしゃい。」

 

「こんにちは!」

 

『こんにちは(ルン)!』

 

「あの? こうたはいますか?」

 

「ごめんなさいね。こうた、昼間に出かけたっきりでまだ帰ってきてないの。」

 

「そうですか。」

 

「こうたに何か用事?」

 

「あっ!いえ、大丈夫です。」

 

しずかからこうたが不在である事を聞いたひかる達は自分達だけでロケットに向かう事にした。

 

 

 

「やっとスタードーナツを食べられたでプルンス。」

 

時刻は日が沈み夕方になっていた。プルンスは我慢できなかったのかロケットに着く前にスタードーナツを食べ始めてしまった。

 

「えれなさんの家族、本当に太陽みたいだったね。」

 

「ルン!」

 

ひかるとララはえれなの家族と会えた事を嬉しそうに話していたがえれなとまどかは浮かない表情をしていた。

 

「とうま君は何か心配事でもあるのでしょうか?」

 

まどかがそう言うとえれなは歩くのをやめてその場で止まってしまった。

 

「うん。最近、とうまの笑顔全然見てないんだよね。」

 

その時のえれなはいつもとは違う、少し元気のない姿に他のみんなの表情も曇っていた。

 

「それを言ったらこうたの笑顔も最近見てないルン。」

 

「もしかして、この前の事を気にしてるのかも。」  

 

ララがこうたの笑顔も見てないと言うと、ひかるはこうたがこの前のサーディスとの戦いでの事を気にしているのではと考えていた。

 

 

 

「ただいま。」

 

その頃、こうたが帰宅してしずかがこうたの事を出迎えた。

 

「おかえりなさい。何処に行ってたの?」

 

「ちょっと、トレーニングに行ってたんだ。」

 

「さっき家にひかるちゃん達が来たのよ。」

 

「ひかる達が? 何しに来たんだ?」

 

「さぁ? こうたはいないって伝えたらそのまま行っちゃったからわからないわ。」

 

「そっか。」

 

「(色々と考えたけど、やっぱりエックスさんのペンを取られたのは俺の所為だ。だから、俺が絶対に取り返す! その為にも、もっと強くなる! 他の事はそれからだ。)」

 

こうたはひかる達が来たと聞くとしずかにもその理由はわからないと聞かされてそれ以上の事は聞かなかった。

こうたも自分なりにサーディスに言われた事を気にしていたが、今はそれを後回しにして自分の力でペンを取り戻す事を決意していた。

 

 

その後、みんなでロケットでドーナツを食べながらお茶をして解散となったその日の夜、ベットの上で布団に入ってるえれなは下の方でスマホを弄っているとうまの事を見つめていた。

 

「ねぇとうま、どうしてパパとママにあんな態度を取るの?」

 

「お姉ちゃん、ウチって普通じゃないのかな?」

 

「え?」

 

とうまは以前、友達と一緒にいる時にカルロスとかえでに会い、そこで2人が手を繋いで踊っている姿を見たとうまの友達はとうまの家族は変わってると思ったらしく、とうまはそれが恥ずかしかったのだ。

 

「普通の家は手を繋いだり踊ったりしないんだよね。」

 

「他の家はどうかは知らないけど、ウチはウチでしょ?」

 

「ウチは変なんだよ!」

 

とうまは布団に潜るとそのまま出てこなかった。

 

えれなはとうまの気持ちを知ると少し複雑な表情をしていた。

 

 

 

 

 

「おはようこうた!」

 

「ん? あぁ、おはよう。」

 

翌朝、学校の廊下でこうたは呼ばれて振り返るとそこにはひかる、ララ、えれな、まどかの4人が立っていた。

 

「あのさこうた、今度の休みなんだけど家でパーティやるんだ。」

 

「わたし達も招待されたルン!」

 

「よろしければ一緒に行きませんか?」

 

えれな、ララ、まどかがそれぞれこうたにパーティの事を話すと一緒に行かないかと誘った。

 

「悪い。その日は用事があって行けないんだ。」

 

「そっか。」

 

「用事があるなら仕方ありませんね。」

 

こうたが理由を説明しつつ誘いを断るとえれなとまどかは残念そうな表情をしながらそれに納得した。

 

「そういえばこうた? 昨日は何処に行ってたの?」

 

「昨日? あぁ、昨日はずっとトレーニングしてたんだ。ランニングや筋トレとか色々とな。」

 

ひかるから昨日はどうしていたのか聞かれたこうたはそれに答えた。

 

「そうなんだ。でも、最近は全然ロケットに来てないよね。ずっとトレーニングしてたの?」

 

「あぁ。俺はもっともっと強くならないといけないからな。じゃないと俺に力を貸してくれたウルトラマン達に申し訳ないし。」

 

「そんな事ないルン。こうたはもう充分強いルン。だから無理して強くなる必要は・・・・」

 

「ありがとうララ。けど、今のままじゃダメなんだ。今のままじゃ・・・・」

 

「(俺の持ってるペンは2本、アイツは3本。次はこの前のようにはいかないかもしれない。だから、もっと強くならないと、もっと強く。)」

 

こうたは最後まで喋らずに教室に行ってしまった。

 

「こうた・・・・」

 

「もしかして、今度の休みもまたトレーニングするつもりなのかな?」

 

「かもしれませんね。」

 

ララは心配そうにこうたの後ろ姿を見送っている横でえれなとまどかはこうたは今度の休みもトレーニングするつもりではないかと予想していた。

 

 

 

そうしている間にも時間はどんどん過ぎていき、ひかる達はパーティ当日を迎えていた。

 

「ひ、ひかるこれは・・・・?」

 

「何ルン?」

 

えれなの家の横で、まどかは大きい鼻とひげがついた黒縁眼鏡、ララは青いアフロのかつらとどこにでもあるパーティグッズを着けていて、まどかは困惑、ララは不思議そうな表情でこれらを渡してきたひかるに質問していた。

 

「パーティといえばこれでしょ?とうま君が楽しめるようにみんなで盛り上げよう‼︎」

 

どうやらひかるなりにとうまの事を気遣っているらしく、みんなでパーティを盛り上げる為にこれらの物を用意したようだ。

因みにひかるはグレイ型の宇宙人のマスクをかぶっている。

 

「地球人のギャグセンスは分からないでプルンス。」

 

「パーティなんかやりたくない!」

 

『ん?』

 

プルンスがひかるのセンスに呆れているとえれなの家の中からとうまの大声が外にいるひかる達にも聞こえてきた。

 

「ごちそういっぱい作ったわよ!」

 

「ムスッとしないで笑顔で!みんなで楽しもう!」

 

「そう言うのが嫌なんだ‼︎」

 

かえでとカルロスはとうまを優しく説得するが、とうまは全く聞く耳を持たなかった。

 

「僕は普通の家が良かった!こんな家大嫌い‼︎パパもママも大嫌いだ‼︎」

 

『っ!』

 

「とうま!」

 

『うぇぇぇぇん!』

 

流石のえれなもこれには我慢できなかったのかとうまに向かって怒ると側にいた他の兄妹たちが泣き出してしまった。

そしてとうま自身も目に涙を浮かべたまま家を飛び出してしまった。

 

その様子を外から見ていたひかる達がとうまを追いかけようとしていたえれなと鉢合わせた。

 

「ごめん。」

 

「はやく、とうま君を。」

 

「うん!」

 

「大丈夫。ママは待ってて。」

 

「えぇ。」

 

こうしてひかる達4人とカルロスは飛び出していったとうまを探すべく、とうまの後を追いかけていった。

 

 

 

To Be Continued

 

 

 




         次回予告


必死にとうまを探すえれなだったが、そこに現れたのはテンジョウによってノットレイにされたとうまだった。

えれなととうま、2人は家族の絆を取り戻す事はできるのか?


次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第40話 みんな de パーティ! 守れ! 家族の笑顔! 後編

次回も楽しみに!



※もしよろしければ、皆さんがこれまでの話で感じた感想やコメントがあればドシドシ送って下さい。
皆さんからのコメント、そして評価が頂けたら凄く嬉しいです。
よろしくお願いします。


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第40話 みんな de パーティ! 守れ! 家族の笑顔! 後編

えれな達がとうまを探していた頃、こうたは森の中を木や草を避けながら全力で走っていた。

そして疲れたのか途中で止まり、息切れを起こしていた。

 

「ハァ・・・・ハァ・・・・ダメだ・・・・もっと速く・・・・動けるように・・・・ならないと・・・・」

 

ガサガサ・・・・

 

「ん?」

 

するとこうたは近くの草むらから何か音がしたので近づいてみると・・・・

 

 

「・・・・あっ! こうた兄ちゃん?」

 

「とうま?」

 

その草むらからとうまが姿を現した。

 

「何でとうまがここにいるんだ? 確か今日はパーティがあるんじゃなかったか?」

 

「それは・・・・」

 

「いたルン!」

 

「っ!」

 

そこへ今度はプルンスが変装したリュックを背負ったララがやって来た。

 

「ララ?」

 

「こうた? 何でここにいるルン?」

 

「・・・・ちょっとな。」

 

こうたとララが話している途中でとうまは再び走って逃げた。

 

「待つルン!」

 

ララは必死にその後を追いかけた。

 

「オヨッ!」

 

しかしララは途中で躓いてしまい、派手に転んでしまった。

 

「いたたっ・・・・」

 

「大丈夫か?」

 

「大丈夫ルン。」

 

そこへこうたが駆け寄りララを心配する姿を見たとうまもララに駆け寄ってきた。

 

「オヨ?」 

 

「とうま?」

 

とうまはララに手を差し伸べるとララはその手を握りながら立ち上がった。

 

それから3人は近くのベンチへと移動し、とうまとララが並んでベンチに座り、こうたは近くにあった街灯に立ったまま背中を預け、腕を組みながら2人の話を聞いていた。

 

「大丈夫?」

 

「大丈夫ルン。みんなが心配してるルン。一緒に帰るルン。」

 

「ルンって何?」

 

「ルン?」

 

「さっきからずっとルンって言ってる?」

 

「ルンはルンルン。私のほ・・・・じゃなかった国ではみんなこう言うルン。」

 

「お姉さん、外国の人?」

 

「そうルン。サマーンから来たルン。」

 

「サマーンなんて国、聞いたことない」

 

「ルン⁉︎」

 

ララはサマーンの事を聞いた事ないと言われて何で返事をするか必死に考えていた。

 

「サマーンは日本からだと結構遠い所にあるから知ってる人が少ないんだ。そうだろララ。」

 

「そ、そうルン!こうたの言う通りルン!」

 

「ふぅん。」

 

こうたが助け舟をだすととうまもそれに納得してそのまま下を向いた。

ララはとうまに気づかれないように両手の掌をあわせてこうたに感謝の気持ちをジャスチャーで伝えた。

 

「ねぇ、サマーンではお父さんとお母さん、手を繋いで踊ったりする?」

 

「手は繋がないけど触角は繋ぐルン。」

 

『っ!』

 

ララが触角の事を言った時、それを聞いたこうたとプルンスはヤバいとすぐに考えた。

プルンスはララに注意する意味を込めてとうまには見えないようにララの耳を思いっきり引っ張った。

 

「オヨッ⁉︎」

 

「はぁ?何それ?」

 

「仲良しは頭に触角の飾りをつけて繋ぐルン。ほら、これがそうルン。」

 

「えぇ⁉︎」

 

「それで触角ダンスをするルン。こうやるルン。」

 

ララの2本の触角をとうまは両手でそれぞれ握るとララは触角を動かし、それに合わせてとうまも身体を動かした。

 

「変なの。」

 

「わたしには触角がない方が変ルン。」

 

「っ!」

 

とうまはララの価値観を聞いてそれに耳を傾けた。

 

「今までいろんなほ、じゃなくて国を旅してきたルン。」

 

ララは今までみんなで行った星やそこで出会った人達の事を思い出していた。

 

「みんな違ったルン。でも、みんな変じゃないルン。みんなそれぞれの個性があってとっても素敵だったルン。」

 

「・・・・」

 

「(みんな違ったけど変じゃない・・・・か。そうだな、みんな違うのは当たり前。だからそれを意識する必要はないんだな。はぁ・・・・わかってた筈なのに、いざそれを言われてつい気にしちまった。俺もまだまだだな。)」

 

こうたはララの言葉を聞いて自分なりの答えをみつける事ができた。

とうまはというと、黙って自身のポケットから棒のついた飴を取り出してそれを口に入れた。

 

『ノットレイ! ノットレイ! ノットレイ!』

 

「ルン⁉︎」

 

「あれは!」

 

するとそこへテンジョウとノットレイ達がやって来た。

 

「ノットレイダー!」

 

「おや? 今日は2人だけかい?ちょうどいい、プリンセスの力、寄越しな!」

 

「えぇ⁉︎」

 

「ルン!」

 

「とうま逃げろ!」

 

とうまが怯えているとこうたとララが前に出てとうまを守ろうとしていた。

 

 

 

〜〜♫

 

「っ! さそり座のプリンセススターカラーペンが近くに⁉︎」

 

とうまを探していたえれなのペンダントがさそり座のプリンセススターカラーペンに反応し、えれなは反応のある場所へと向かった。

 

その頃、こうた、ララ、とうまの3人はそれぞれノットレイ達にバラバラにされ、円の形で囲まれていた。

 

『ノットレイ!』

 

「何するルン!」

 

「そこを退け!」

 

「ダークネスト様に頂いた新たな力、見せてあげるよ。」

 

「っ!」

 

「コマちゃん達」

 

『ノットレーイ!』

 

テンジョウの指示でノットレイ達はとうまの周りに集まり囲い込むととうまの姿が髪型と上着はとうまのままだが、それ以外はノットレイ達と同じグレーの服の姿になり、胸の部分には邪悪な黒っぽい色のハートが脈を打っていた。

 

「とうま!」

 

ララはノットレイにされたとうまを見て、とうまに声をかけた。

 

「煽れ団扇よ! 膨れろ! 歪んだイマジネーション!」

 

テンジョウから歪んだイマジネーションを受けたとうまはそのまま巨大なノットレイになってしまった。

 

「ノットレーイ」

 

「オヨォォォォ⁉︎」

 

「巨大化したでプルンス!」

 

「やっぱりテンジョウも他の連中みたいに新しい力を手に入れてたのか!」

 

こうたの言う通り、テンジョウは、負の感情を抱く人間をノットレイにさせる能力をダークネストから与えられ、団扇を振ってそのノットレイを巨大化させる事が出来るようになっていたのだ。

 

「わたしの力、よぉく見ておいで。」

 

『ノットレイ!』

 

巨大ノットレイの肩に乗ったテンジョウに向かって他のノットレイ達が拍手を送った。

 

「ララ、こうた!」

 

そこへひかる、えれな、まどかの3人も駆けつけた。

 

「とうまが!」

 

「え⁉︎ あれが⁉︎」

 

「あぁ、テンジョウの新しい力でとうまが巨大ノットレイにされたんだ。」

 

「そんな・・・・とうま⁉︎」

 

「ノットレイ」

 

「とうま・・・・どうして・・・・とうま!」

 

「みんな!」

 

「今、助けるよ!」

 

ひかるの言葉でみんなそれぞれ自身のペンを構えてプリキュアに変身する体制に入った。

 

 

 

『スターカラーペンダント!カラーチャージ!』

 

『キラめく~星の力で~!憧れの~私描くよ~!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『スター☆トゥインクル〜!スター☆トゥインクルプリキュア~~!』

 

 

「宇宙(そら)に輝く〜キラキラ星!キュアスター!」

 

「天にあまねく〜ミルキーウェイ!キュアミルキー!」

 

「宇宙を照らす!灼熱のきらめき!キュアソレイユ!」

 

「夜空に輝く!神秘の月明かり!キュアセレーネ!」

 

「光輝く聖なる宇宙!キュアスペース!」

 

 

『スター☆トゥインクルプリキュア‼︎』

 

そしてプリキュアが5人それぞれが名乗りを終えて最後は全員揃って決めポーズを取った。

 

 

「ちょこっと宇宙に出たらこんなものまで手に入れちゃった。」

 

そう言いながらテンジョウは光り輝くペンを取りだした。

 

「あれは⁉︎」

 

「さそり座のプリンセススターカラーペン!」

 

「これもダークネスト様の力のおかげ!」

 

『ノットレーイ‼︎』

 

テンジョウがプリンセスのペンを手に入れた事をノットレイ達は拍手しながら祝福した。

 

「この勢いに乗って貴方達のプリンセスの力、全て頂くわ!」

 

「ノットレイ、ノットレイ」

 

巨大ノットレイがゆっくりと歩きながらプリキュア達に近づいてきた。

 

「とうま!」

 

「おい!」

 

「「ソレイユ⁉︎」」

 

「待って!」 

 

ソレイユはとうまが心配なのか、他のプリキュア達の声を気にせずノットレイに向かって駆け出した。

 

すると巨大ノットレイは口に咥えていた棒のついた飴を口から出すとその飴に棘が生えてメイスへと変化した。

 

「ノーーットレイ!」

 

「うわっ!」

 

『ノットレーイ!』

 

「ソレイユ!」

 

「大丈夫か?」

 

巨大ノットレイはソレイユに向かってメイスを振り抜き、その攻撃を受けたソレイユは後方へと吹き飛ばれ、その光景を見ていた他のノットレイ達は『いいぞ!』と言わんばかりに巨大ノットレイを応援していた。

そしてソレイユの元にはスターとスペースが駆け寄っていた。

 

その間にセレーネとミルキーが巨大ノットレイに接近しようとするが、巨大ノットレイがメイスを振り回していた為、近づけなかった。

 

「ノットレイの勢いを止めないと」

 

「ここはわたくしが!」

 

そしてセレーネは技を発動する体勢に入った。

 

「セレーネアロー!」

 

「ノットレイ!」

 

しかし巨大ノットレイはメイスでセレーネアローを弾き飛ばした。

 

「ミルキー・・・・」

 

「ノットーーレイ!」

 

「「うわぁぁぁっ!」」

 

「「っ!」」

 

「ミルキー! セレーネ!」

 

ミルキーも技を発動しようとするが、その途中で巨大ノットレイが攻撃をしてきた為、技は使えず、寧ろその攻撃でミルキーとセレーネは吹き飛ばされてしまった。

 

「ノットーレイ! ノットーレイ!」

 

それから巨大ノットレイはスターやスペース、ソレイユに向かってメイスを何度も振り下ろすがみんなそれを上手く避けていた。

 

「ノットレイ!」

 

巨大ノットレイは攻撃が当たらないことに苛立ち、メイスをめちゃくちゃに振り回してプリキュアもノットレイダーもお構いなしで攻撃を続けた。

 

「ちょっとやりすぎ!」

 

肩に乗るテンジョウがそう言うが、巨大ノットレイは止まる事なく暴れ続けた。

それを見て我慢できなくなったソレイユは巨大ノットレイの前に飛び出した。

 

「とうま!」

 

「ノットーーレーーイ‼︎」

 

「っ⁉︎」

 

ソレイユがとうまの名前を呼ぶが、巨大ノットレイはメイスを地面を削るようにしながらソレイユの方へと振り、ソレイユも目を瞑り攻撃がくるのをジッと待っていた。

しかしメイスは一向にソレイユの所へ届く事はなかった。

ソレイユは恐る恐る目を開けると・・・・

 

「くっ、うぅぅぅぅ」

 

「スペース⁉︎」

 

そこには全身を赤く輝かせながら、巨大ノットレイのメイスを両手を正面に突き出して受け止めているスペースの姿がそこにはあった。

 

「はあああっ!」

 

そしてスペースはメイスを押し返す事には成功したが、やはりダメージがあったのか左腕を抑えながらその場で跪いてしまった。

 

「スペース、大丈夫⁉︎」

 

ソレイユは慌ててスペースの元へと駆け寄った。

 

「大丈夫だ。これくらいどうって事ない。それより・・・・」

 

『 僕は普通が良かった・・・・もっと普通の家がよかったんだ‼︎』

 

巨大ノットレイの胸の部分にあるハートの中にいるとうまの声が聞こえてきた。

 

「・・・・分かるよ。とうまの気持ち・・・・あたしも小さいとき、うちの家族は普通と違うのかなって思ったことあったから・・・・」

 

ソレイユは自身の気持ちをとうまに向けて語りだした。

 

「でもあたしには、そんなあたしを受け入れてくれる友達がいた!」

 

「っ!」

 

ソレイユがそう言って真っ直ぐスペースの方を見て微笑むと、スペースもまたそんなソレイユに向かって微笑んだ。

 

「その人や家族のお陰で気づけたんだ。あたしは笑顔がいっぱいなウチの家族が大好きなんだって‼︎ パパやママやれいな、たくと、いくと、あんな・・・・それから、とうま‼︎ 大好きだよ‼︎」

 

「(家族・・・・)」

 

ソレイユの言葉を聞いてスペースは自身の家族の事を考えていた。

 

『お前の気持ちは良くわかった。悔いの残らないように全力でやって来い!』

 

『そう。けどね、あんまり無理しちゃダメよ。』

 

「(そっか、ウチの父さんと母さんもいつも俺の事を信じて、支えてくれた。 それにえれなの家族も互いの事を大切に思ってる。だったら俺は・・・・)」

 

スペースは何かを決意するとゆっくりと立ち上がった。

 

「何やってるんだい、攻撃だよ!」

 

「ノット・・・・レーイ!」

 

「っ!」

 

テンジョウは禍々しいオーラを纏った団扇で巨大ノットレイへ命令を下すと、巨大ノットレイは最初はその命令に抵抗していたが無理矢理その体を動かされると巨大ノットレイのメイスは真っ直ぐソレイユに振り下ろされた。

 

「させるか!」

 

「ノッ⁉︎」

 

しかしスペースが巨大ノットレイがメイスを振り下ろす前に赤いエネルギーを纏った右手の拳で巨大ノットレイの胸を殴ると巨大ノットレイは一瞬だけ怯むとゆっくりと後方へと下がっていった。

 

「ソレイユにとってとうまは大切な家族なんだ!その家族を苦しめ、利用し、互いに争わせるなんて・・・・そんなやり方・・・・俺は、俺は絶対に許さない‼︎」

 

そしてスペースの胸のペンダントが突然強い光を放ち始めた。

 

それに反応するかのように何処かの3つの星にあった3本のそれぞれの光るペンの輝きが最高潮に達するとそのペン達はその場所から忽然と消えてしまった。

 

そして・・・

 

「これは・・・・」

 

その3本のペンはスペースの目の前に現れて浮かんでいた。

 

「アレって!」

 

「もしかして!」

 

「ルン!きっとそうルン!」

 

スターとセレーネとミルキーもそのペンに対して反応をしめしていた。

 

「うっ!」

 

そしてスペースはそのペン達に手をかざすと光は更に激しくなり当たり一面が光で埋め尽くされた。

 

目を開けるとスペースは元のこうたに戻っていて周りは再び、ウルトラマン達と出会ったあの真っ白な空間に変化していた。

 

 

 

 

 

「こんにちは!」

 

こうたは辺りを見回していると背後から女性の声がしたので振り向くと、そこには白いYシャツの上から赤い上着を来た男性と白いTシャツの上から青い上着を着た男性、そして何処かの高校の制服を着た女子高生の3人が立っていた。

 

「俺の名前は湊カツミ、ウルトラマンロッソだ。よろしく!」

 

「俺は弟の湊イサミ、ウルトラマンブルだ。よろしくな!」

 

「私は妹の湊アサヒでウルトラウーマングリージョです。よろしくお願いしますね! ハッピー!」

 

「ハ、ハッピー? 俺は如月こうたです。よろしくお願いします。」

 

そこには湊カツミ(ウルトラマンロッソ)、湊イサミ(ウルトラマンブル)、湊アサヒ(ウルトラウーマングリージョ)の3人がいてそれぞれ自己紹介をした。

 

「みなさんは兄弟なんですか?」

 

「あぁ、俺達はウルトラマンである前に大切な兄弟で、家族なんだ。俺達は自分達が暮らしている町とそこに住む人達、そして家族を守りたくてウルトラマンになった。だからこそ家族を思うこうた君の思いにそのペンが反応したんだろうな。」

 

「そうだったんですね。」

 

こうたの質問にカツミが答えてこうたはそれに納得した。

 

「あの?こうた君も私達と同じウルトラマンなんですか?」

 

「違います。俺はプリキュアっていう戦士でこのペンダントとペンを使って変身します。」

 

こうたはアサヒからこうたもウルトラマンなのか聞かれてこうたはプリキュアについて説明した。

 

「ペンダントには変身する以外にもこのペンダントのお陰で他の星の人の言葉がわかるし、他の星に行った時にその星の環境に合わせて身体を守ってくれたりもするんです。」  

 

「スゲェ! つまりそのペンダントには翻訳機のような機能があるだけじゃなくて、持ち主の身体を守る機能もあるのか。 なぁ!そのペンダント俺にちょっと調べてさせてくれ!」

 

「え?」

 

するとイサミがペンダントに興味を示し、こうたにペンダントを調べさせてもらえるように頼んできた。

 

「なぁいいだろ? 分解した後もちゃんと元に戻しとくからさ!」

 

「何いってるんだイサミ! いまはそれどころじゃないだろ!俺達は大事な話をだな・・・・」

 

「そういうのはカツ兄に任せるよ。さぁ!そのペンダントを貸してくれ!」

 

「えぇっと・・・・」

 

「ほら!こうた君だって困ってるじゃないか!」

 

「平気だって!ちょっとだけ。ちょっとだけだから。」

 

「お前はもう少し周りの事を考えて行動するようにしないとだな・・・・」

 

「イイじゃんべつに。カツ兄だってあのペンダントの事気になるだろ。」

 

「気にはなるけど、それとコレとは話は別だろ!」

 

そこへカツミも話に入ってきて2人で言い争いを始めてしまった。

 

「2人とも! こんな所で喧嘩しないで下さい‼︎」

 

「「すいません。」」

 

それをアサヒが注意して2人の言い争いは終わった。

 

「お兄ちゃん達がすいません。」

 

「あっ、いえ、大丈夫です。」

 

アサヒがこうたに謝罪し、こうたもそれを受け入れた。

 

「それでこうた君、私達にもこうた君のお手伝いをさせてくれませんか?」

 

「お手伝い?」

 

「要するに、俺達の力をお前に預けるって事だよ。」

 

アサヒに手伝いをすると言われてイマイチ理解できなかったこうたの為にイサミが説明してくれた。

 

「いいんですか?」

 

「あぁ、君のように家族の事を大切に考えてくれる人になら安心して俺達の力を預けられる。だから、遠慮せず受け取ってくれ。」

 

「・・・・ホントに俺なんかでいいんですか? 俺、皆さんに力を貸してもらっても俺からはみなさんに何も返せないんですよ。」

 

こうたはサーディスに言われた事を思い出し、力を受け取る事を躊躇してしまう。

 

「構わないよ。」

 

「え?」

 

するとカツミがこうたの言葉に返事をしてくれた。

 

「俺達は別に誰かにお礼をしてほしくて戦ってる訳じゃない。俺達はみんな、自分達の大切なものを守る為、信じるものの為に戦ってきたんだ。」

 

「そうだぜ。俺もウルトラマンの力を手に入れて、最初はスゲェ興奮したけど、戦い続けるうちに俺達の戦う理由とか背負うべき責任とか色々と考えた事もあってさ。けど最後は俺達が自分で決めてここにいる。」

 

「だからこうた君もお返しをするしないじゃなくて、今のこうた君が何をしたいのか、それが大切だと思いませんか?」

 

「俺が、何をしたいのか・・・・」

 

こうたはカツミ、イサミ、アサヒの言葉を聞いて自分がどうしたいかを考えた。

 

「わたしは、みんなを笑顔にしたい! みんなをハッピーにしたいんです!その為に、カツ兄やイサ兄、そして他のウルトラマンのみなさんと一緒に頑張ってます! それが私の意志、私が心からやりたい事なんです! だからこうた君も、こうた君のやりたい事をして下さい! 私も全力でお手伝いしますから!」

 

「アサヒさん・・・・」

 

今のこうたにはアサヒの言葉はこうたの心にとても大きく響くものがあった。

 

「・・・・俺が心からやりたい事・・・・俺は・・・・大切な友達や仲間、そしてこの宇宙と、そこにいるみんなを守りたい! それが今、俺が一番やりたい事です! カツミさん!イサミさん!アサヒさん!お願いします!俺と、俺と一緒に戦って下さい!」

 

「あぁ!」

 

「OK!」

 

「もちろんです!」

 

こうたの意志を聞いたカツミ達がそれを承諾するとこうた達のいる空間が光り出した。

そして場所は先程まで戦っていた場所に戻っていて、光が消えるとそこにはスペースが立っていた。

そしてその右手には赤と黒のカラーに円の中にはウルトラマンロッソの上半身が描かれたペン、青と黒のカラーで円の中にはウルトラマンブルの上半身が描かれたペン、そして左手にはオレンジと白のカラーに円の中にはウルトラウーマングリージョの上半身が描かれたペンと合計3本のペンがスペースの両手にそれぞれ握られていた。

 

「まさか⁉︎ アイツをとっととやっつけておしまい!」

 

「ノットレイ!」

 

「スペース!」

 

「危ない!」

 

巨大ノットレイがスペースに向かってメイスを振りかぶるとスターとセレーネがスペースに危険を伝えた。

 

「・・・・ウルトラスターカラーペン!グリージョ!ウルトラカラーチャージ!」

 

スペースはプリキュアに変身する時と同じようにペンをペンダントのキャップの部分に挿入し、それを抜いて星のマークを描くと、そのペンの先でもう一度ペンダントの星の部分をタッチした。

 

するとスペースの身体全体からオレンジ色のエネルギーが放出され、巨大ノットレイは後方へ下がっていった。

 

そしてペンの先から虹色の光の線が現れ、プリキュアに変身する時のようにその光の線がスペースと接触するとスペースの姿が少しずつ変化していく。

 

全身グレーの衣装の上から白い長袖の上着を羽織っていて、そんな両手と正面から見えるように腰から両足にかけてオレンジ色の一本のラインが引かれて、脛から足の裏までは全てオレンジ色になっていた『キュアスペースグリージョ』が誕生した。

 

「くっ、おのれ!」

 

「プリキュア・グリージョチアチャージ!」

 

するとスペースは左手の掌の上に4つの飴玉型のエネルギーを生み出すと、それを他のプリキュア達に向けて1つずつ投げた。

 

「え?」

 

「オヨ?」

 

「身体が・・・・」

 

「痛みが、なくなりました。」

 

スペースの放った技を受けた他のプリキュア達の全身がオレンジ色に光りだすと、みんな先程までの疲労や痛みが治っていた。

 

「何ですって⁉︎」

 

「みんな、元気になったでプルンス!」

 

「元気元気フワ!」

 

それを見ていたテンジョウ、プルンス、フワはプリキュア達を回復させたスペースの新たな力に驚いていた。

 

「みんな! 待たせてごめん!」

 

「スペース!」

 

スペースがスター達の所に歩み寄るとみんながスペースの周りに集まった。

 

「ごめん。俺、強くなって取られたペンを取り返す事ばっかり考えててみんなの事、全然考えてなかった。」

 

「大丈夫!大丈夫!」

 

「ルン!スペースの事、信じてたルン!」

 

「あたしも! でもこれからはもっとあたし達を頼ってよ!」

 

「わたくしが言える立場ではないのですが、わたくし達は仲間です。悩んでいるのならわたくし達に相談して下さい。その時はちゃんと力になりますから。」

 

「一人で悩むなんて水臭いでプルンスよ。」

 

「みんな一緒フワ!」

 

「みんな・・・・あぁ!」

 

スペースの言葉にスター、ミルキー、ソレイユ、セレーネ、プルンス、フワはそれぞれの意志をスペースに伝えた。

 

 

 

「おのれキュアスペース!まずはお前から倒してあげる!」

 

「ノットレイ!」

 

「そうはいくか! プリキュア・グリージョ・バーリア‼︎」

 

それに対してスペースは光の防御幕を展開する技を発動し、メイスで襲いかかってきた巨大ノットレイの攻撃を完璧に防ぎきった。

 

「そんな⁉︎」

 

「これでもくらえ! プリキュア・グリージョショット‼︎」

 

「ノットレイ!」

 

スペースは両腕で円の軌跡を描き、最後に腕を十字に組んで必殺光線を発射すると、それが巨大ノットレイの胸に直撃して巨大ノットレイは仰向けになって倒れた。

 

「うわっ!」

 

「あっ! ペンが!」

 

その衝撃でテンジョウは自身が持っていたプリンセススターカラーペンを手放してしまった。

 

「よっと! ソレイユ!」

 

そのペンをスペースがキャッチするとそれをソレイユに向かって投げ、ソレイユもそれを片手でキャッチした。

 

「さそり座のプリンセススターカラーペンでプルンス!」

 

「ありがとうスペース!」

 

「あぁ! 次はこっちだ。ウルトラスターカラーペン!ロッソ!ウルトラカラーチャージ!」

 

スペースは再びプリキュアに変身する時と同じように今度はロッソのペンをペンダントのキャップの部分に挿入し、それを抜いて星のマークを描くと、そのペンの先でもう一度ペンダントの星の部分をタッチして、ペンの先から虹色の光の線が現れ、プリキュアに変身する時のようにその光の線がスペースと接触するとスペースの姿が少しずつ変化していく。

 

衣装の胸元や両腕、両足の脛の部分や頭部に巻かれたグレーのバンダナの額の部分のVのマークが赤く染まり、それ以外の色は全体的にグレーの色で両肩には鎧のようなものも装着された『キュアスペースロッソ・フレイム』が誕生した。

 

「また変わった⁉︎」

 

「いくぞソレイユ!」

 

「OK!」

 

「「プリキュア!」」

 

「さそり座・ソレイユ・・・・」

 

「フレイムスフィア・・・・」

 

「「シュート!」」

 

ソレイユはさそりのマークのついた巨大なオレンジの炎の球を作り出すと、巨大ノットレイに向かって回転しながらそれを蹴って撃ち出した。

スペースも胸元で両手をクロスするとそのまま両腕を真横に広げた。その時にスペースの胸元には炎のエネルギーが発生し、スペースはそれを両手で圧縮してエネルギーを集めると、それは赤い炎の球体へと変化し、それから両腕を時計回りで回転させてから最後には十字に組んだ腕から炎の破壊光弾を発射した。

 

その2つの技は一つになるとより大きく、強い炎を纏った球体となり、その球体は巨大ノットレイの持つメイスを破壊した。

 

「くっ」

 

「みんな!」

 

それを見たスターがみんなに声をかけると、他のプリキュア達はスターの考えがわかっているかのように頷いていた。

 

「ウルトラスターカラーペン!ブル!ウルトラカラーチャージ!」

 

スペースはブルのペンを使って更に変身しようとしていた。

 

衣装の胸元や両腕、両足の脛の部分や頭部に巻かれたグレーのバンダナがあるところまではロッソと同じだったが、額の部分のマークの形が雫のような形で、ロッソの赤かった部分は青く染まり、それ以外の色は全体的にグレーの色で両肩には鎧のようなものも装着された『キュアスペースブル・アクア』が誕生した。

 

 

 

『宇宙(そら)に輝け!イマジネーションの力!』

 

スターが他のメンバーに呼びかけると、変身後に形を変えた胸元のペンダントが光るとそこからスター達4人と同じ色の星形の光が頭上に飛んでいき、それが再びスター達の手元に戻って来ると、それぞれの色の星がついたステッキが姿を現した。

 

『トゥインクルステッキ!』

 

「スタートゥインクル!」

 

「ミルキートゥインクル!」

 

「ソレイユトゥインクル!」

 

「セレーネトゥインクル!」

 

プリキュア達は自分達の持つステッキの名前を名乗るとそれぞれのステッキの輝きは更に増していた。

 

『4つの輝きよ、今一つに!』

 

4人のステッキの輝きが1つになるとそれは大きな南十字座、サザンクロスの形となって光り輝いていた。

 

『プリキュア・サザンクロスショット!』

 

スペースはロッソの時みたいに両腕を胸元でクロスすると、両肘を曲げたまま左右に広げてそれを再び胸元に寄せながら両腕に水のエネルギーを集めていた。

 

「プリキュア・アクアストリューム!」

 

そしてスペースは、水のエネルギーを集めた両腕を反時計回りに回転させて、最後は腕をL字に組み、水のパワーを宿した技を放った。

 

「ノットレイ・・・・」

 

2つの技がそれぞれ巨大ノットレイに命中すると、巨大ノットレイは消滅し、地面には気絶したとうまが仰向けになって倒れていた。

 

「くっ、せっかくのプリンセススターカラーペンが・・・・」

 

その直後にテンジョウは乗ってきた神輿に乗って周りにいたノットレイ達と一緒に撤退した。

 

その後、トゥインクルブックにさそり座のプリンセススターカラーペンを差し込んでトィンクルブックをさそり座のプリンセススターカラーペンでタッチするとそこにはさそり座の星座が浮かび上がった。

 

「フワ・・・・さそり座フワ!フーーーワーーー!」

 

フワの容姿がさそりのような姿に変化すると、今度はフワの掛け声とともに全員スターパレスへと移動させられた。

 

「星の輝きーーー戻るフーーーワーーー‼︎」

 

フワからオレンジ色の星形の光が放たれると、その光が飛ばされた場所に光が満ちて、そこにオレンジ色のドレスを着たさそり座のスタープリンセスが姿を現した。

 

「プリキュア、感謝します。ありがとう。」

 

「さそり座のプリンセス、無事でよかったでプルンス~!」

 

さそり座のプリンセスがプリキュア達にお礼を言うと、そばにいたプルンスが涙を流しながらプリンセスの無事を喜んでいた。

 

それからプリキュア達は地球へ戻り、変身を解除するとえれなが真っ先にとうまに駆け寄り、とうまを抱き上げたらとうまが目を覚ました。

 

「うぅ・・・・あれ? 確か・・・・」

 

とうまが何があったか思い出そうとしているとえれなが目に涙を浮かべながらとうまの背後から抱きついた。

 

「良かった。」

 

「お姉ちゃん。」

 

えれながとうまの無事を喜んでいると、とうまも恥ずかしいのか、その頬を赤く染めていた。

 

「帰ろう。みんな待ってる。」

 

「うん。」

 

そう言ってえれなが手を差し出すと、とうまはその手を握って2人で歩き出した。

 

「(良かったな、2人とも。)」

 

その姿をこうたは嬉しそうにしながら見ていた。

 

「さぁ! わたし達も行くルン!」

 

「え?」

 

するとララがこうたの右手を握ってきた。

 

「行くって、どこに?」

 

「そんなの、えれなさんの家のパーティに決まってるじゃん! 早くいこ!」

 

次はひかるがこうたの左手を握ってきた。

 

「けど俺、最初からいなかったんだし、途中参加しても大丈夫なのか?」

 

「平気ですよ。パーティはまだ始まっていませんから。さぁ、こうた君も一緒に行きましょう。」

 

すると今度はまどかがこうたの背中を押してきて、みんなでこうたの身体を無理矢理動かそうとしていた。

 

「わかったわかった。行くからそんなに引っ張ったり押したりしないでくれ!」

 

そうしてみんな無事にえれなの家に到着し、とうまはカルロス達に謝罪するとカルロス達もそれを許し、みんなで楽しいパーティが始まった。

 

みんなで美味しい物を食べたり、音楽に合わせて踊ったりとそれはもう楽しいパーティになった。

 

「お姉ちゃん! 僕もうちの家族が大好きだ!」

 

「っ! とうま!」

 

とうまの口から家族が好きという言葉を聞いたえれなはあまりの嬉しさにとうまを抱きしめた。

それから楽しい時間はあっという間に過ぎていき、楽しかったパーティは終わりの時間を迎えた。

 

 

 

「それじゃあカルロスさん、かえでさん、今日はありがとうございました。」

 

「お料理、とっても美味しかったです!」

 

「また来たいルン!」

 

「グラシアス!いつでも歓迎するよ!」

 

「みんな、また来てね。」

 

『はい(ルン)!』

 

「それじゃあ、あたしは近くまでみんなを送ってくるね。」

 

ひかる達はカルロス達に挨拶とパーティが楽しかった事の感謝の気持ちを伝えてそれぞれ帰る事になった。

 

「ハァ・・・・酷い目にあったでプルンス。」

 

「ハラペーニョを丸ごと食べたりするからだよ。」  

 

プルンスは料理と一緒に置かれていたハラペーニョという唐辛子と同じ種類の実を食べた事で口の周りは赤くなっていて慣れない物を食べた所為か、今も辛そうにしていて、その姿を見たえれなに勝手に食べた自業自得だと少しだけ呆れられていた。

 

「・・・・」

 

「こうた?」

 

「どうしたルン?」

 

そんな中でこうたが一言も喋らずに黙っていたのでひかるとララがそんなこうたに話しかけた。

 

「あっ、いや、新しいペンを3本も手に入れたからな。そう遠くない内にアイツは必ずまた来るだろうなって思ってさ。」

 

こうたは新しくロッソ達のペンを手に入れた事は恐らくサーディスにも伝わるだろうと考え、その事を警戒していた。

 

「大丈夫だよ!」

 

「ひかる?」

 

するとひかるがこうたに大丈夫だと伝えた。

 

「だって、こうたにはわたし達がついてるもん!」

 

「ルン! こうたは1人じゃないルン!」

 

「だね! もう、こうた1人を戦わせたりはしないから。」

 

「えぇ、今後はわたくし達も貴方の隣で、一緒に戦えるようになってみせます!」

 

「みんな・・・・ありがとう。」

 

「青春でプルンス〜!」

 

「青春フワ!」

 

ひかる達がこうたに自分達の気持ちを伝える姿にプルンスは感動して涙を流していた。

 

「ああっ! 良いこと思いついた!」

 

「良いこと?」

 

果たしてひかるが思いついた事とは・・・・

 

 

 

To Be Continued

 

 




         次回予告


ひかるはみんなで強くなる為に一緒に特訓しようと提案する。

それがきっかけとなり、みんなでキャンプをする事に・・・・

果たしてひかる達はレベルアップ出来るのでだろうか?


次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第41話 合宿しよう! みんなの思いを一つに! 前編

次回も楽しみに!




※次回もまたオリジナルストーリーを前後編でお送りしますので、お楽しみ!




※もしよろしければ、皆さんがこれまでの話で感じた感想やコメントがあればドシドシ送って下さい。
皆さんからのコメント、そして評価が頂けたら凄く嬉しいです。
よろしくお願いします。




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第41話 合宿しよう! みんなの思いを一つに! 前編

『オールスターズメモリーズ』はやっぱり素晴らしい作品だと思います。

そんな素晴らしい作品を生み出したプリキュアシリーズを今後も応援していこうと思います。

そしてこの小説も今後ともよろしくお願いします。


「え? 合宿?」

 

「あぁ。」

 

えれなの家でパーティが行われたその日の夜、こうたは父、さとしに今日の夕方にひかるが言い出した事の説明をした。

 

 

時を少し遡り、パーティが終わってみんなで帰ろうとしていた時の事だった。

 

「ああっ! 良いこと思いついた!」

 

「良いこと?」

 

「うん!みんなで泊まりがけで特訓とキャンプしよう!」

 

『泊まりがけで特訓⁉︎』

 

「また始まった。」

 

こうたはまたしてもひかるがわがままを言い出した事に頭を押さえて困った表情をした。

 

「だってこうた1人だけじゃなくてみんなで強くなりたいじゃん! ならみんなで特訓するのが一番だよ!」

 

「それはそうルン。でも・・・・」

 

「どうして泊まりがけ?」

 

「それは、泊まりがけの方が特訓の時間を長くとれるし、みんなでお泊まりとかやってみたかったんだよね!」

 

「本音はそっちか。」

 

ひかるの言ってる事は一理あるが、その本音はみんなでお泊まりがしたいだけでは?

とこうたは推測した。

 

「素敵です!」

 

『えぇ⁉︎』

 

「まどか⁉︎」

 

すると予想外にもまどかがひかるの提案に賛同した。

 

「わたくし、一度でいいから学校行事以外でお友達とお泊まりしてみたかったんです!」

 

「ね!ね!まどかさんもやりたいでしょ?」

 

「はい! やりたいです!」

 

『あぁ・・・・』

 

2人は凄く楽しそうに話をしていて、それを聞いていたこうた達他のメンバーはこれはもう後には引けないなと諦めるしかなかった。

 

「泊まりがけで特訓って、それもうキャンプじゃなくて合宿じゃあ・・・・」

 

「合宿⁉︎ キラやば~っ☆! イイじゃん合宿! みんなで合宿しよう!」

 

こうたがこれはもう合宿では?と呟くとそれを聞いたひかるがこうたの言葉に反応した。

 

「でもさ、あたし達だけでどこかに泊まるなんて出来ないよ。やるにしても誰か大人の人が一緒じゃないと。」

 

「そうだな。」

 

するとえれなが泊まりがけになるなら誰か大人の同伴が必要ではと提案した。

 

「じゃあさ! じゃあさ! アブラハム監督にお願いしようよ! 家族には泊まりがけの撮影って事にしてもらってさ。」

 

「そうですね。」

 

ひかる達は早速アブラハム監督に連絡をとり、合宿の同伴をお願いした。

 

 

 

「えぇ⁉︎ 来られないの⁉︎」

 

『あぁ。今はちょうど新作の撮影をしている最中でね。撮影はあと2週間ぐらいは続く予定なんだ。だからすまないが、君達の合宿には参加できないんだよ。』

 

「そうなんだ・・・・。」

 

ロケットからアブラハムに通信したひかる達はアブラハムから撮影の予定があるという理由で合宿への同伴を断られてしまった。

 

「撮影があるのでは仕方ありませんね。」

 

「ルン。こればっかりはどうしようもないルン。」

 

「でも! でも! やっぱりわたし、みんなと合宿したいよぉ!」

 

「て言ってもさ。」

 

「一緒に来てくれる大人の人はどうするんだよ。」

 

まどか、ララ、ひかる、えれな、こうたはアブラハム以外に同伴してくれる大人がいないかを考えていた。

 

「・・・・あっ! そうだおじさん! こうた! おじさんがいるじゃん!」

 

「え? 父さん⁉︎」

 

ひかるは必死に考える中でさとしの存在に気がついた。

 

「確かに。」

 

「こうたの父はわたし達の素性やプリキュアの事も知ってるルン。」

 

「そうですね。適任だと思います。」

 

えれな、ララ、まどかの3人もひかるの考えに賛同した。

 

「そうだけど、父さんが合宿に参加してくれるかどうか・・・・」

 

「そこはこうたが説得して! お願い!」

 

ひかるは両手を合わせ、更に頭を下げてこうたに頼み込んだ。

 

「はぁ・・・・わかった。聞くだけ聞いてみるよ。」

 

 

 

 

そうして時は現在に戻り、こうたはさとしに合宿へと同伴をお願いしていた。

 

「てことなんだけど、参加できる?」

 

「そうだな・・・・」

 

さとしは両手を組み考えだした。

 

「・・・・わかった。良いだろう。」

 

「ホントに?」

 

「あぁ、会社の同僚にキャンプ好きの奴がいるからな。そいつからテントとか必要な物を借りれば何とかなるだろう。」

 

さとしはこうた達の合宿への参加を承諾した。

 

「イイわねそれ。どうせならわたしも一緒に行っちゃおうかな?」

 

「母さん⁉︎」

 

すると夕食の洗い物を終えて戻ってきたしずかが自分も行くと言いだした。

 

「だって、夫と息子だけキャンプしてるのに、わたしだけお留守番とかそんなの嫌よ。」

 

「いやいや母さん、これ、キャンプじゃなくて合宿だから。」

 

「・・・・仕方ないな。諦めろこうた、お前の母さんは一度言いだしたら聞かないんだ。」

 

「あら?わかってるじゃない。流石はわたしの旦那様。」

 

「煽てても何もでないぞ。」

 

こうして、日程などの調整は必要だが、とりあえず如月夫妻同伴のもと、プリキュア強化合宿の開催が決定したのであった。

 

 

その翌日・・・・

 

「え⁉︎ こうたのお母さんも来るの?」

 

「あぁ。何か話の流れでそういう事になった。」

 

学校の教室ではこうた、えれな、まどかの3人が合宿について話していた。

 

「それでな。父さんが言ってたんだけど、もし良ければ父さんの方からみんなの家族に泊まりがけの事について連絡するって言ってたんだけど、どうする?」

 

「ホント⁉︎」

 

「それは凄く助かります。実は両親になんと説明しようかで悩んでいましたので。」

 

「まぁまどかの両親、というかお父さんの方はその辺厳しそうだしな。」

 

それからこうた達はいつも通りの学校生活を過ごした。

 

放課後になるや全員荷物を家に置いてから着替えてロケットに集まった。

 

「母さんがな、昼間父さんから連絡があって次の土日休みに一泊二日でやるのはどうかって連絡がきたらしいんだけど、みんなはそれで大丈夫か?」

 

「大丈夫だよ!」

 

「問題ないルン。」

 

「あたしも平気だよ。」

 

「わたくしもです。」  

 

「じゃあそれで決まりだな。テントはロケットの前の広場に貼るからそのつもりで頼む。」

 

 

 

 

 

そして準備は着々と進み、合宿当日を迎えた。

 

「ハァ・・・・ハァ・・・・な、なんで俺だけ・・・・」

 

「これもトレーニングのうちだ。しっかり運べよ。」

 

「スペース頑張れ!」

 

「頑張るフワ!」

 

「フワもスマンな。力を借りる事になってしまって。」

 

「大丈夫フワ!」

 

「こんな事にフワとプリキュアの力を使っていいのかよ。」

 

「仕方ないだろ。ここにある大荷物を車なしで運ぶのは無理だ。ならワープホールを開けるフワと空を飛べるお前の力を借りるのが一番手っ取り早いだろ。」

 

その日の朝、如月家の庭にはさとしとこうた、そしてひかるとフワがいた。更にそこにはさとしが借りてきたテントや椅子、そしてキャンプに必要な道具などが広がっていた。

ロケットのある場所までは車で行く事ができないのでこの大荷物をどうするかが問題だったが、以前にフワやプリキュアの事を聞いていたさとしはこうたの特訓という名目でフワのワープホールをロケットの目の前に繋がるように開いてもらい、先程からキュアスペースがそれらを運びながら行ったり来たりを繰り返していた。

因みにワープホールの開き方だが、スペースがロケットにいるララにひかるが持つおうし座のプリンセススターカラーペンを預ける事でおうし座のペンに反応しワープホールが開くように仕向けたのだ。

 

「お、終わった・・・・」

 

「ご苦労さん。それじゃあ俺達は母さんの仕度が終わり次第、ひかるちゃんの案内で歩いてロケットに向かうからお前は先に行って休んでてくれ。」

 

「言われなくてもそうするよ。」

 

そう言ってスペースは再びワープホールへ飛び込みその先のロケットのある広場に到着すると、変身を解除したこうたは先程までに運んできた荷物の横に仰向けに寝転がり息を整えていた。

 

「ハァ・・・・ハァ・・・・疲れた・・・・」

 

「こうた? 大丈夫ルン?」

 

そんなこうたの顔を上から覗き込む形でララが話しかけてきた。

 

「ララ? あぁ、大丈夫だけど、流石に疲れた。」

 

「はい、お水持ってきたから良かったら飲むルン?」

 

「あぁ、ありがとう。」

 

こうたは身体を起こすとララから水を受け取り、水分補給をしながら他のみんなが到着するのを待っていた。

 

「それにしても、フワやプリキュアの力をこんな事に使うなんて、こうたの父は一体なにを考えてるでプルンス?」

 

「それはさっき俺が言ったよ。」

 

 

 

 

 

 

「えれなちゃん、そっちの方を持ってくれ。」

 

「はい!」

 

「ララ、まどか、せーのでいくぞ!」

 

「わかったルン。」

 

「わかりました。」

 

『せーの!』

 

その後、全員が揃ったところでみんなが寝泊まりをするテントを張っていた。

 

 

 

そして全ての準備が終了すると・・・・

 

「それじゃあみんな、そろそろ特訓を始めるぞ。」

 

『よろしくお願いします!』

 

こうた達はジャージに着替え、いよいよ特訓が始まろうとしていた。

 

「てか、何で父さんが仕切ってるんだよ。」

 

「さとしって、こうたが生まれる前に一時的に中学校の野球部でコーチをしていた事があったの。そのチームを地区大会優勝へと導いたのよ。」

 

「えぇ⁉︎ 父さんって昔は野球部だったのか?」

 

「いや、俺は剣道部だぞ。ただ、その野球部の顧問は俺の高校時代の後輩でな。どうしてもコーチをしてほしいと頼まれて仕方なく引き受けたんだ。まぁ仕事の都合もあって途中で辞めてしまったがね。」

 

こうたは初めて聞いたさとしの過去に驚いた。

 

「凄い!」

 

「剣道も野球も体力が必要な競技だからね。俺は基礎トレーニングを重点的に鍛えただけだ。だから君達にも体力づくりが中心のトレーニングをしてもらう。」

 

『はい!』

 

そしてひかる達女子は森の中でランニングを始めた。

 

『ハァ・・・・ハァ・・・・』

 

「みんな、大丈夫?」

 

「大丈夫・・・・」

 

「まだまだ・・・・平気です。」

 

「頑張るルン・・・・」

 

ランニング中は彼女達の中で一番の運動神経を持つえれながみんなを気遣いながらランニングを続けていた。

 

その頃こうたは・・・・

 

「ハァ・・・・ハァ・・・・」

 

「ほら、スピードが落ちてるぞ。もっとスピードを上げろ!」

 

さとしがこうたの両足首を持ち、こうたが手袋をした両手だけの力で前に進む『手押し車』でのトレーニングをしていた。

 

「頑張れみんな! ほらもう少し!」

 

『ハァ・・・・ハァ・・・・』

 

その後こうたは他のメンバーと合流して少し休憩した後にみんなで『バーピージャンプ』を行っていた。

 

「みんな! 準備できたわよ!」

 

「わかった!・・・・よし! そこまで! みんなお疲れ様! お昼休憩にしよう。」

 

『はい。』

 

こうして午前の特訓が終わり、みんなでテントのある場所に戻ると・・・・

 

「コレって?」

 

「今朝わたしが作ったの。さぁみんな! 召し上がれ。」

 

『いただきます!』

 

そこにはしずかがみんなの分のお弁当を用意していてみんなそれを美味しそうに食べていた。

 

「この唐揚げ、凄く美味しいです!」

 

「こっちの卵焼きも美味しいルン!」

 

「ありがとうみんな。」

 

「午後からはさっきの続きから始めるからな。みんな、しっかり食べるんだぞ!」

 

『はい!』

 

こうして、充実した環境の中でこうた達の特訓は順調に進んでいったのであった。

 

 

 

To Be Continued

 

 

 




        次回予告


こうた達の特訓は順調に進んでいった。

そんな中でララ達は、偶然にもさとしの口からこうたの過去を聞く事になる。

それを聞いた彼女達の反応は・・・・


次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第42話 合宿しよう! みんなの思いを一つに! 後編

次回も楽しみに!



※もしよろしければ、皆さんがこれまでの話で感じた感想やコメントがあればドシドシ送って下さい。
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第42話 合宿しよう! みんなの思いを一つに! 後編

あまりに色々な事を詰め込み過ぎた結果、過去最長の話になってしまいました。
それでも最後まで楽しんでいただけたら嬉しいです。
それでは本編をどうぞ。


こうた達が特訓をしていた頃、サーディスは星空界にある誰も住んでいないとある小惑星を拠点にして活動していた。

 

「・・・・何のようだ?」

 

「ガルオウガ様からこちらに行けばお会いできると伺ったので参りました。」

 

サーディスのところにやって来たのはアイワーンの執事、バケニャーンだった。

 

「で、目的は何だ?」

 

「貴方が戦った例の少年が新たなペンを入手したと報告がありました。」

 

「ほう。なら丁度いい、この間の借りを返しつつそのペンも頂くとするか。」

 

「私もお供してもよろしいでしょうか?」

 

「お前が?」

 

「はい。」

 

「いいのかよ。主人を放っておいて。」

 

「アイワーン様は今、研究に没頭している最中です。その間に私に出来ることなどありませんので。」

 

「・・・・どういうつもりか知らないが、邪魔だけはするなよ。」

 

「心得ております。」

 

「(私は知りたい。この男と彼の持つウルトラマンの力がこの宇宙にどれほどの影響を与えるのかを。それがもしも私の目的の達成に役立つのであれば、その時は・・・・)」

 

バケニャーンは何かを考えながらサーディスの後をついていった。

 

 

 

 

その頃、地球では・・・・

 

 

「それじゃあ今から俺としずかがこのゴムボールを投げるからみんなはそれを避けながら俺達に接近してどこでもいいから俺達の身体にタッチするんだ。ただし、一度でも当たったら最初からやり直しになる。わかったかい?」

 

『はい!』

 

「プルンス、フワちゃん、そっちに投げたボールの回収は任せたわよ。」

 

「了解でプルンス!」

 

「わかったフワ!」

 

今回の訓練はさとしとしずかの2人が色の付いたゴムボールを投げてこうた達はそれを回避しながらさとし達に接近し、彼らの身体のどこかにタッチすればクリアという訓練で、プルンスとフワは後方でさとし達が投げたゴムボールを回収する係を担当している。

 

「いくぞ! まずはこうたとひかるちゃんからだ!」

 

「あぁ!」

 

「はい!」

 

そうしてこうた達はさとしから与えられた特訓をこなしていった。

 

それから数時間後・・・・

 

「よし! それじゃあこれで特訓は全て終わりだ。みんなお疲れ様。」

 

『ありがとうございました!』

 

「ありがとう父さん。」

 

こうた達の特訓は無事に終了した。

 

「この後は夕飯の準備をするからみんなも手伝ってくれ。」

 

「何を作るんですか?」

 

「ふふっ、今日はみんなでカレーを作るわよ。」

 

『おぉ・・・・』

 

それからは夕食のカレー作りが開始された。

 

「こうた、火を起こすのに使う木の枝を集めてきてくれ。」

 

「わかった。」

 

「わたしも行く!」

 

「フワも行くフワ!」

 

「そうか、じゃあひかるちゃんとフワも頼む。」

 

「わかりました。」

 

「じゃあ行ってくる。」

 

こうた、ひかる、フワは火を起こすのに使う木の枝を集めに森の中へと向かった。

 

「〜♫」

 

「ひかる、なんだか楽しそうだな。」

 

「だってだって! みんなと一緒に特訓して、それからご飯も一緒に作れて、その後はみんなでお泊まり、もう楽しすぎてキラやば~っ☆だよ!」

 

「あぁ、そうだな。」

 

鼻歌を歌うひかるは木の枝を集めながら今日の出来事、この後の予定をそれはもう楽しそうに話していた。

 

2人がそんな話をしている頃、他のメンバーは飯盒炊飯に必要な物を準備したり、食材を包丁で切ったりしていた。

 

「えれなちゃん上手だな。」

 

「ありがとうございます。家ではあたしが弟や妹達にご飯を作る事もあるので、料理は得意なんです。」

 

「ララちゃんもまどかちゃんもその調子よ。だけど手を切らないように気をつけてね。」

 

「はい。」

 

「わかったルン。」

 

その横ではえれなとは違って料理に慣れていないララとまどかはしずかに教えてもらいながら料理をしていた。

 

「しかしまぁ、あのこうたがこうして誰かと合宿をするなんてな・・・・昔のアイツからは想像も出来ないな。」

 

「オヨ?」

 

「昔のこうた?」

 

「あの、こうた君って昔と今では何か違うのですか?」

 

「あぁ。昔のこうたは誰にも頼らず、自分だけの力でなんとかしようとするところがあってな。」

 

『えぇ⁉︎』

 

さとしの口から昔のこうたの話を聞いたララ達は今のこうたからは想像も出来ないこうたの過去に驚きを隠せなかった。

 

「こうたがまだ小学2年生の時か、家では普通にしてたんだが、学校や家の外ではあまり誰かに頼ろうとせずに自分だけでなんでもしようとしていたって当時の学校の先生から聞かされてな。初めて聞いた時は俺もしずかも驚いたのを今でも良く覚えているよ。」

 

『・・・・』  

 

さとしの話をララ達は料理をしずかに任せて真剣に聞いていた。

 

「そんな時だったか、こうたが変わるきっかけをつくった人物に出会ったのは。」

 

「こうた君が変わるきっかけをつくった人物?」

 

「誰なんですか?」

 

「・・・・ひかるちゃんだ。」

 

こうたは家族で外出した時、星奈家もちょうど外出していたらしく、その時がこうたとひかるの初めての出会いだった。

 

「当時小学1年生だったひかるちゃんは、なにかとこうたにくっついては一緒に何処かへ行っててな。それがきっかけになったのか、こうたがひかるちゃんの面倒をみるようになって一緒に星を観たり、いろんな事を一緒にするようになっていたんだ。それからかな、こうたが自分以外の誰かにも気を配るようになったのは。だから最初、アイツの口からあんな言葉が出るとは思わなかった。」

 

『それに、見ちゃったからさ。ノットレイダーのしてきた事。その所為で困ってる人達がいる事を。そしてそんな人達を助けられる力が、守れる力が自分達にある。だから俺は、そんな人達を助けたい!力になりたい!それになりより、誓ったんだ。俺は・・・・フワを、みんなを守るって。だから父さん!母さん!俺・・・・戦うよ。この宇宙の為に、みんなを守る為に・・・・最後の最後まで、絶対に諦めたくないんだ。』

 

さとしはあの時のこうたの言葉と表情から、その決意を感じ取っていた。

 

「正直に言うと嬉しかったんだ。こうたの意思を、息子の成長を知る事が出来てね。」

 

『・・・・』

 

「(あたし、全然知らなかった。)」

 

「(こうた君にそんな過去があったなんて・・・・)」

 

「(・・・・・・・)」

 

さとしの話を聞いて、えれなとまどかは自分達はこうたの事でまだまだ知らない事があったんだと思っている一方、ララは1人でずっと何かを考えていた。

 

「君達には感謝している。今のこうたがあるのは君達のような仲間がいるおかげだ。だからこれからもこうたと仲良くしてやってほしい。」

 

「はい。」

 

「勿論です。」

 

「・・・・ルン。」

 

「ただいま!」

 

そこへひかるの大声と共にこうた達が戻ってきた。

 

「木の枝を集めてきたぞ・・・・ってどうかしたのか?」

 

「な、なんでもないよ!」

 

「えぇ! なんでもありませんよ!」

 

「ん? ならいいけど。」

 

「じゃあみんな、そろそろ料理再開だ。いつまでもしずか一人に任せてるのも悪いからな。」

 

えれな達はさとしの指示に従い料理を再開した。

 

その後はみんなで作ったカレーを美味しく食べた。それからは順番でロケットの中にあるシャワールームを使い、それぞれ寝間着に着替えたひかる達は一つのテントの中に集まってみんなでトランプなどで遊んだ。

しかしそんな時間も長く続く事はなく、しずかに寝る時間だと言われたひかる達はそれぞれのテントへと戻り寝る事となった。

 

「・・・・まどか、まだ起きてる。」

 

「えぇ、起きてます。」

 

こちらのテントではまどかとえれなの2人が寝袋の中に入り寝ようとしていた時にえれながまどかに話しかけた。

 

「まどかはこうたの事、知ってた?」

 

「いいえ、わたくしも今日初めて知りました。」

 

内容は昼間さとしから聞いたこうたの過去についての話だった。

 

「今でも覚えてるんだ。あたしとこうたが初めて話をした時の事、最初に話しかけてきたのはこうたの方だった。」

 

「わたくしは・・・・そうですね。わたくしもこうた君の方から話しかけてくれて、困っていたわたくしの事を助けてくれました。」

 

「あたし達って、こうたの事、知ってるようでまだまだ知らない事があったんだね。」

 

「そうですね。」

 

えれなとまどかは自分達の知らない一面がこうたにあった事に驚きつつ、こうたの事をわかっていなかったんだと少しだけ落ち込んでいた。

 

「でもさ、過去がどうだとしてもこれからの事はこれから考えていけば良いんだよね。」

 

「はい。こうた君に知らない一面があるならこれから知っていけばいいんです。」

 

「それで、こうたが無茶しないようにあたし達で支えていこうよ。」

 

「はい。こうた君は放っておくとすぐ無茶をしますからね。わたくし達がしっかりサポートしないと。」

 

こうして2人は今後の方針を決めたところで特訓の疲れが出たのかその後はすぐに眠ってしまった。

 

その他のテントでは、一つにはひかるとララ、プルンスとフワが、もう一つではこうた、さとし、しずかがそれぞれのテントの中で寝袋に入って眠っていた。

 

 

 

 

 

「んっ・・・・」

 

翌朝、こうたが目を覚ますとその横ではさとしとしずかがまだ眠っていた。

それからこうたは寝間着からいつも着ている赤い半袖の上着と中には白い半袖のTシャツに下はジーパンといつもの私服に着替え終えるとテントの外に出てそのまま何処かへ行ってしまった。

自分がしていた物音でもう一人、目を覚ました事に気づかずに。

 

場所は森の中にある湖、こうたはここでギンガのペンを手に入れた。その湖をこうたはジッと見つめていた。

 

「何してるルン?」

 

「ララ? 悪い、起こしちゃったか?」

 

そこへ私服に着替えたララがやって来てこうたの横に並び立つ。

 

「昨日、こうたの父からこうたの過去の話を聞いたルン。」

 

「過去?」

 

「こうたが昔は誰にも頼らずに自分だけの力でなんとかしようとしてた事があったって。」

 

「あぁ・・・・」

 

こうたはララの話を聞いて思い当たる出来事を思い出した。

 

「どうしてそうしようと思ったルン?」

 

「んん〜、認めてほしかったから・・・・かな。」

 

「ルン?」

 

ララはどういう意味か考えたがイマイチそこ意味がわからなかった。

 

「父さんと母さんってさ、昨日話してた野球部のコーチもそうだけど、昔からいろんな人から頼りにされてて。そんな父さん達を見てたら、『俺もみんなに頼られたい!』『父さん達のようにみんなに認めてもらいたい』って、父さん達への憧れだったのかな。父さん達のようになりたいって、ただガムシャラに真似をしながらいろんな事をしてたんだ。」

 

こうたは両親の姿を見て、それに憧れを抱き、自分もそうなりたいと自分なりに行動していただけだったのだ。

 

「でもダメだった。何やっても父さん達のように上手くいかなくて、自分には無理なんじゃないかって諦めかけた時もあった。そんな時だったんだ。ひかるに出会ったのは。」

 

「ひかるに?」

 

「あぁ、そしてひかるが気づかせてくれたんだ。両親の真似をする必要はない。ありのままの俺と一緒にいてくれる人はちゃんといるって。」

 

「っ!」

 

ララは思い出した。学校に通い始めた頃の自分、そしてこれまでの自分とこうたは似ていると。

 

「やっぱり、こうたとわたしは似てるルン。」

 

「え? ララに?」

 

「ルン。わたしも、サマーンのみんなに認めてほしくて色々と頑張ったルン。でも、誰も認めてくれなくて、それが凄く悔しかったルン。」

 

「そうだったのか。」

 

「でも、地球に来て、こうた達に出会って、わたしの考え方は変わったルン。」

 

「変わった?」

 

「ルン。データや周りの環境に合わせる必要はない。わたしはわたしのままで良いんだってこうたが教えてくれたルン。」

 

「俺が? 俺、そんな事したっけ?」

 

こうたはララに対して自分がした事がそんなに大きな事だったとは思っていなかった。

 

「したルン。こうたはわたしに『ララはララだろ!』って言ってくれたルン。そのおかげでわたしはプリキュアに、ありのままの自分になれたルン。だからひかる達にも学校のみんなにも受け入れてもらえた。そのきっかけをくれたこうたには本当に感謝してるルン。」

 

「ララ・・・・」

 

「こうた・・・・いつもわたしを助けてくれて・・・・支えてくれて・・・・ありがとルン!」

 

こうたに感謝の気持ちを伝えていたその時のララは頬を赤く染めながら、とても嬉しそうに満面の笑顔でこうたに感謝の気持ちを伝えた。

そして朝日の影響か、その時のララの笑顔がこうたにはとても輝いて見えた。

 

「そっか・・・・どういたしまして。俺もララには助けられた事があるし、おあいこだな。」

 

「そうルン?」

 

「そうだよ。んじゃ、みんなも起きてるかもしれないし、そろそろ戻るか? 」

 

「ルン!」

 

こうたに戻るかと聞かれてララはそれを承諾し、2人でみんなの所は戻る事になった。

 

 

 

 

「みつけたぞ。」

 

「っ! あんたは⁉︎」

 

するとそこへサーディスがやってきた。

 

「やっと会えたな、坊主。」

 

「サーディス! どうしてここに⁉︎」

 

「決まってるだろ。この間の借りを返してお前が持ってるペンを全て手に入れる為さ。」

 

「くっ、ララ! ここは俺が引き受けるからロケットに戻ってみんなを呼んできてくれ!」

 

「嫌ルン!」

 

「ララ?」

 

こうたはララにロケットに戻ってひかる達を呼びに行くように頼むが断られてしまった。

 

「わたしも一緒に戦うルン! こうたにはこれまでいっぱい助けられてきたルン。だから今度はわたしがこうたを助けるルン!」

 

「ララ・・・・わかった。いくぞ!」

 

「ルン!」

 

「「スターカラーペンダント!カラーチャージ!」」

 

そうして2人はキュアスペースとキュアミルキーに変身した。

 

「いいぜ。2人まとめて相手してやる。どっからでもかかって来い!」

 

「左右から同時に攻めるぞ。俺は右から、ミルキーは左から頼む。」

 

「わかったルン。」

 

スペースの指示でミルキーは左から、そしてスペースは右からサーディスに接近した。

 

「そんなので俺を惑わせたつもりか?」

 

サーディスは両手にそれぞれダークネスガンを持ち、スペースとミルキーに向かって弾丸を連射する。

 

「ふっ!」

 

「オヨッ!」

 

しかし2人はそれらを全て回避した。

 

「なっ⁉︎」

 

「ルン!」

 

「くっ!」

 

そこへミルキーはつかさず電撃でサーディスを攻撃し、サーディスはそれを両手をクロスする形でガードした。

 

「ハアッ!」

 

「ぐはっ!」

 

その間に距離を詰めていたスペースが赤いエネルギーを纏った左手の拳をサーディスの腹に叩き込み、それを受けたサーディスは後方へと吹き飛ばされた。

 

「くそっ!」

 

「「ハアアアアッ!」」

 

「なっ⁉︎ うわわわっ!」

 

そこから更にスペースとミルキーはジャンプしてからのWキックをサーディスにくらわせてサーディスは更にダメージを受けた。

 

「やったな。」

 

「ルン!」

 

そして2人はハイタッチをして互いの連携が上手くいった事を喜んでいた。

 

「へぇ・・・・やるじゃないか。この前より動きが早くなってるし、連携もいい、特訓でもしたのか?」

 

「あぁ。お前に勝つ為に、みんなで強くなる為に、俺達はみんなで特訓して強くなったんだ!」

 

サーディスの攻撃を回避できたのはさとし達が投げたゴムボールをサーディスの銃による攻撃に例えてそれに対応する為の特訓のおかげだった。

それだけではなく、みんなで走ったりなどのトレーニングを重ねた事で2人の動きは以前よりも良くなっていた。

 

「この前はウルトラマンの力を纏わなきゃ手も足も出なかったお前が、仲間の力を借りてたとはいえ、ここまでやるとはな・・・・坊主、名前は?」

 

「・・・・キュアスペース」

 

「キュアスペースか。覚えたぜその名前。ここからは俺も全力でいく。覚悟しろ!」

 

「望むところだ!」

 

会話を終えた2人は再び戦闘体制に入った。

 

「まずはお前から奪ったこいつを使わせてもらうぜ。」

 

「っ! それは!」

 

サーディスが懐から取り出したのは前回の戦いでスペースから奪ったエックスのウルトラスターカラーペンだった。

 

『セット、ウルトラマンエックス』

 

「ザナデュウムストライク!」

 

「プリキュア! グリージョ・スペースレイ!」

 

サーディスはエックスのペンをダークネスソードにセットしてその剣を緑色の光のエネルギーで覆い尽くすとサーディスはその剣を振った事でそのエネルギーは斬撃となり、緑色の斬撃がスペース達の所へと飛ばされた。

 

そしてスペースは、ペンで星の形を描くとその星が変化してスペースのペンダントに入るとペンの力が開放されてスペースの普段は赤い光線はグリージョの力が加わったオレンジ色の光線へと変化した。

 

「くっ!」

 

「うっ!」

 

お互いの技が激突すると、その直後に大きな爆発が起こり、2人の技は相殺された。 

 

「大丈夫ルン?」

 

「あぁ、大丈夫だ。」

 

「これも凌ぐか、ならこれならどうだ。」

 

「セット、ウルトラマンオーブ」

 

「セット、ウルトラマンジード」

 

「「っ!」」

 

サーディスは2丁のダークネスガンにそれぞれオーブとジードのペンをセットしてその銃口をスペースとミルキーに向けた。

 

「いくぞ。・・・・スプリーム、っ!」

 

サーディスが攻撃しようとした直前に彼の所に複数の攻撃が飛んできて、サーディスはそれらを横っ飛びする事で回避した。

 

「ちっ、もう来たか。」

 

するとスペースとミルキーの目の前にスター、ソレイユ、セレーネが現れた。

 

「スペース! ミルキー!」

 

「2人とも無事?」

 

「遅くなってすみません!」

 

「みんな!」

 

「 大丈夫だ。おかげで助かった。」

 

するとスペース達の後ろからプルンスとフワ、そしてさとしとしずかもやって来た。

 

「間に合って良かったでプルンス!」

 

「良かったフワ!」

 

「あの赤い髪の子がこうたなの?」

 

「あぁ、そうだ。」

 

「父さん⁉︎ 母さんまで! 何で来たんだよ!」

 

「何でって息子が戦ってるのに親である俺達が隠れてる訳にはいかないだろ。」

 

「そうね。それにわたしは貴方達が戦ってる姿を見た事ないんだからちょうどいいじゃない?」

 

「全く・・・・」

 

「父さん・・・・母さん・・・・」

 

サーディスはこうたが自身の両親と話をしている姿を見て、過去の出来事を思い出していた。

 

『凄い! やれば出来るじゃない!』

 

『流石、俺達の息子だな!』

 

「・・・・くっ! ゾロゾロとやって来やがって。」

 

「サーディス! 本当の戦いはここからだ!」

 

「ちっ」

 

「宇宙(そら)に輝く〜キラキラ星!キュアスター!」

 

「天にあまねく〜ミルキーウェイ!キュアミルキー!」

 

「宇宙を照らす!灼熱のきらめき!キュアソレイユ!」

 

「夜空に輝く!神秘の月明かり!キュアセレーネ!」

 

「光輝く!聖なる宇宙!キュアスペース!」

 

 

『スター☆トゥインクルプリキュア‼︎』

 

プリキュア達が名乗っている間にサーディスはダークネスガンに再びエネルギーを集め始めた。

 

「こうなったら全員まとめてブッ倒してペンを奪うまでだ! スプリームショット! レッキングショット!」

 

サーディスはオーブとジードの力を宿したエネルギー弾をプリキュア達に向かって放ち、その攻撃はプリキュア達のところで爆発した。

 

「やったか?・・・・っ!」

 

サーディスは攻撃が直撃したプリキュア達の様子を確かめようとしていると・・・・

 

「ギリギリだったな。」

 

爆風が晴れるとそこには虹色のバリアー『ギンガハイパーバリアー』で攻撃を無効化したキュアスペースギンガが他のプリキュア達の前に立っていた。

 

「その姿、ウルトラマンの力か。」

 

「いくぞみんな!」

 

「うん(ルン)(はい)!」

 

スペースの掛け声と共にプリキュア達は真っ直ぐサーディスの元へと突っ込んでいった。

 

「この!」

 

「ルン!」

 

サーディスが再び両手に持ったダークネスガンで連射するがそれは全てミルキーが出したハート型のバリアに防がれた。

 

「フッ!」

 

「ハアッ!」

 

その背後からソレイユとセレーネがサーディスに向かって左右から蹴り技をぶつけるがサーディスはそれらを両手を使ってガードした。

 

「今ルン!」

 

「っ!」

 

ミルキーは掛け声と共にその場を離れるとミルキーがいた場所の背後にはスターとスペースが並び立っていた。

 

「「プリキュア!」」

 

「おうし座・スターパンチ‼︎」

 

「ギンガクロスシュート‼︎」

 

スターとスペースが同時に技を放つと、ソレイユとセレーネはすぐにその場から離脱した。

 

「くっ!うぅぅぅぅぅ!のわっ!」

 

サーディスはその攻撃を受けてもなんとか踏ん張ったが、その時に起こった爆発でサーディスの周りは爆風の所為で何も見えなかった。

 

「何処だ?何処にいる?」

 

サーディスが爆風の中でプリキュア達を探しているとその中の一ヶ所が黄色い光を放った。

 

「っ! そこか!」

 

サーディスはすぐにその場をダークネスガンで攻撃したが、そこには何もなかった。

 

「いない⁉︎」

 

「ハアッ!」

 

「なっ⁉︎ うわあああああっ!」

 

そのタイミングを待っていたからのようにキュアスペースビクトリーは炎を纏ったEXレッドキングナックルでサーディスを殴り飛ばした。

先程サーディスが見た光はスペースがキュアスペースビクトリーに変身した時の光で、スペースはそれを囮にしてサーディスの位置を確かめてそこに攻撃したのだ。

 

「このヤローッ!」 

 

「させないルン!」

 

サーディスはすかさずダークネスガンでスペースを狙うがまたしてもミルキーがそれをバリアで防いだ。

 

『ウルトランス! ハイパーゼットン! シザース!』

 

「くらえ!」

 

スペースはハイパーゼットン(イマーゴ)のスパークドールズをビクトリーランサーにリードしてスペースの右腕にハイパーゼットン(イマーゴ)の腕を実体化させてミルキーの真横に飛び出すと、その腕から暗黒火球を発射してサーディスを攻撃した。

 

「ぐあああっ!」

 

「ミルキー!」

 

「ルン!」

 

「「プリキュア!」」

 

「しし座・ミルキーショック‼︎」

 

「ビクトリウムシュート‼︎」

 

「くぅぅぅぅぅっ! 負けるかぁぁぁぁ! ダークネスストライク‼︎」

 

サーディスはミルキーとスペースの技を2本のダークネスソードで受け止めていたが、気合いのダークネスストライクで2人の技をなんとか吹き飛ばす事に成功した。

 

「ハアアッ!」

 

「ちぃ、邪魔だ!」

 

その直後にソレイユが炎を纏った右足で蹴り技をぶつけに行くが、サーディスそれをダークネスソードで受け止めると自身の右足で回し蹴りをしてソレイユを蹴り飛ばした。

 

「うわっ!」

 

「終わりだ。」

 

「っ!」

 

蹴り飛ばされて立ち上がろうとするソレイユの頭上からサーディスは2本のダークネスソードを振り下ろした。

ソレイユは目を瞑りジッと堪えるがいつまで経っても痛みがこないのでゆっくりと目を開けると・・・・

 

「くっ、うぅぅぅぅ・・・・」

 

「スペース!」

 

そこにはキュアスペースロッソ・フレイムがいて、その両手には刀身の色は赤色で、分割して両手に把持し、2刀流として用いていて、長剣型の右手は順手、短剣型の左手は逆手で持つロッソ専用の武器、『ルーブスラッガーロッソ』が握られていて、それがサーディスのダークネスソードを受け止めていた。

 

「ハアッ!」

 

「のわっ!」

 

スペースはサーディスの剣を押し返すと2人の間には少しだが、距離ができていた。

 

「これならどうだ!」

 

『セット、ウルトラマンエックス』

 

『セット、ウルトラマンジード』

 

「ザナデュウムストライク‼︎ レッキングストライク‼︎」

 

サーディスは2本のダークネスソードにエックスとジードのペンをセットしてそれぞれの力の宿ったダークネスストライクをスペースに向かって放った。

 

『ウルトラマンゼロ!』

 

スペースはルーブスラッガーロッソにウルトラマンゼロのクリスタルをセットするとカツミがやっていたようにルーブスラッガーロッソを振り回した。

 

「プリキュア! ゼロツインスライサー‼︎」

 

スペースは刀身から形態の属性を宿した赤い破壊光刃を飛ばした。

そしてそれら4つの斬撃が激突するとそれも爆発して相殺された。

 

「どうしてだ! あんたは何のためにペンを集めてるんだ!」

 

「俺は・・・・力が欲しい。全てを凌駕する力、誰にも負けない力、"あいつ"に負けない力が・・・・」

 

「あいつ?」

 

「あいつは俺から全てを奪った。けど、俺に与えてくれたものもあった。今の俺があるのはあいつのおかげだ。けど、それでも、やっぱり納得できねぇ! 俺はあいつを許せねぇ! だから倒す! その為には力がいる。あいつを超える力が!」

 

「その為にノットレイダーと手を組み、プリンセスの力やウルトラマンの力を集めてるのか?」

 

「そうだ! 俺は俺の復讐を果たす! その中で周りがどうなろうが俺には関係ない!」

 

「そんな事ないよ!」

 

「スター?」

 

スペースとサーディスが話してる間にスターが割り込んできた。

 

「関係ないって、みんなこの宇宙に生きてるんだよ! みんな同じ命だよ! 関係ないなんて言わないで!」

 

「うるさい! お前に何がわかる?大切な物を失った事のないお前に俺の何がわかるって言うんだ!」

 

「わからないよ。けど、失いたくないものは沢山ある。それを失ったらどうなるか、想像するだけでも怖いけど、それでもやっぱり、こんなの間違ってるよ!」

 

「黙れ! だったらお前から先に始末してやる!」

 

「っ!」

 

サーディスはスターに向けてダークネスガンの銃口を向けた。

 

「まずい!」

 

スペースの胸のペンダントから光の粒子が放出されてそれらがスペースの両手で形になる。右手に握られているのは下の方に『土』と書かれて上の方にはウルトラマンビクトリーの上半身が映った丸いクリスタルで、左手にはカツミとイサミがロッソとブルに変身する時に使う変身アイテム『ルーブジャイロ』が握られていた。

 

「セレクト、クリスタル!」

 

『ウルトラマンビクトリー!』

 

スペースがビクトリーのクリスタルをジャイロにセットすると、スペースの背後にウルトラマンビクトリーが姿を現し、その身体は徐々に変化して最後には『土』という字に変化した。

 

「まとうは土!琥珀の大地!」

 

そう叫ぶとスペースはジャイロのグリップを3回引いた。

そしてスペースが右手を頭上に高く伸ばすとスペースの頭上から複数の岩石が落下してくると今度は足元からも大量の岩石が巻き上がってきた。

 

『キュアスペースロッソ! グランド!』

 

その岩石がなくなるとそこには先程まで赤かった部分が黄金色に変化した『キュアスペースロッソ・グランド』が立っていた。

 

「色が変わったルン!」

 

「プリキュア! グラビティホールド‼︎」

 

スペースが右手で地面に触れた事で重力エネルギーを大地に叩きこんだ。

 

「くっ、何だ? か、身体が、動かない!」

 

「ハアーッ!」

 

そのままスペースは重力をコントロールしてサーディスを地面に這いつくばらせる事で動きを封じた。

 

「ソレイユ頼む!」

 

「任せて!」

 

スペースの声を聞いたソレイユが前に駆け出した。

 

「プリキュア! さそり座・ソレイユシュート‼︎」

 

ソレイユはさそり座のペンを取り出してそれにより強化されたソレイユシュートをサーディスに向けて放った。

 

「ぐああああっ!」

 

ソレイユシュートが当たる直前にスペースがグラビティホールドを解除した事で、技は真っ直ぐサーディスの元に飛んでいき、そのままサーディスの背中に直撃した。

 

「こいつもくらえ! プリキュア! グランドエクスプロージュン‼︎」

 

スペースは自身の真上に土のエネルギーを凝縮して巨大な岩の塊を作り上げてサーディスに投げつけた。

 

「だぁぁぁぁっ!」

 

これも立ち上がろうとしていたサーディスの真上から直撃して流石のサーディスも少しの間だけ動かなくなっていた。

 

 

 

「ウルトラスターカラーペン! ブル!ウルトラカラーチャージ!」

 

その隙にスペースは、今度はブルのペンを使って『キュアスペースブル・アクア』に変身した。

 

「プリキュア! アクアジェットブラスト‼︎」

 

「くっ!」

 

スペースは掌から水流を発射したが、サーディスはそれを横っ飛びして回避した。

 

「そう何度もくらってたまるか!」

 

「まだ動けたのか。なら!」

 

スペースの胸のペンダントから光の粒子が放出されてそれらがスペースの両手で形になると、右手に握られているのは下の方に『風』と書かれていて上の方にはウルトラマンティガの上半身が映った丸いクリスタル、左手には再びルーブジャイロが握られていた。

 

「セレクト、クリスタル!」

 

『ウルトラマンティガ!』

 

スペースがティガのクリスタルをジャイロにセットすると、スペースの背後にウルトラマンティガが姿を現し、その身体は徐々に変化して最後には『風』という字に変化した。

 

「まとうは風!紫電の疾風!」

 

そう叫ぶとスペースはジャイロのグリップを3回引くとスペースが右手を頭上に高く伸ばした。

そしてスペースの頭上から紫色の竜巻が下りてくると、それに続いて足元からも紫色の竜巻が巻き上がり、スペースの全身を包み込んだ。

 

『キュアスペースブル! ウインド!』

 

竜巻から出てきたスペースの色は先程まで青色だった部分が今度は紫色へと変化し、『キュアスペースブル・ウインド』に変身した。

 

「また色が変わった!」

 

「今度は紫色です。」

 

「いくぜ!」

 

スターとセレーネが色の変わったスペースに反応している間にスペースはもの凄いスピードでサーディスの側に接近するとそのままサーディスの周りを高速で回転し始めた。

 

「なにする気だ?」

 

そしてスペースが敵の周囲で高速回転した事で大竜巻がサーディスを取り囲むように発生した。

 

「なに⁉︎」

 

スペースは『スパイラルソニック』という技を使い、サーディスを大竜巻の中に閉じ込めたのだ。

 

「まだまだ! セレクト、クリスタル!」

 

そしてスペースは『水』と書かれたウルトラマンギンガのクリスタルを使って元の『キュアスペースブル・アクア』に戻った。

 

「セレーネ!」  

 

「っ! はい!」

 

セレーネは今の状況から推察して、それらを理解すると後方へと走り出した。

 

「もう一度、プリキュア! アクアジェットブラスト‼︎」

 

スペースは先程と同じ技を今度は大竜巻を消滅させない程度に加減して放った。

すると大竜巻はその水を巻き上げた事で水と風の大竜巻へと変化した。

 

「キラやば~っ☆」

 

「こんな事もできるルン⁉︎」

 

その光景にスターとミルキーは驚く事しか出来なかった。

 

「やってくれたな。・・・・だが所詮は竜巻、 これくらい上から脱出すれば・・・・っ!」

 

サーディスは上から脱出しようと考えるが、真上には小型のポットに乗ったプルンスに捕ってそこまで来ていたセレーネがいた。

 

「行くでプルンスよ!」

 

「お願いします!」

 

プルンスがセレーネを離すと、セレーネはサーディスの元へ落下し始めた。

 

「プリキュア! やぎ座・セレーネアロー‼︎」

 

「くっ、うぅぅぅぅっ!」

 

セレーネはやぎ座のペンで強化されたセレーネアローをサーディスに向かって放ち、避けられないサーディスはそれを防ぐ事しか出来なかった。

技が直撃して起こった爆発で大竜巻は消滅した。

 

「フーーーワーーーッ!」

 

そしてセレーネがサーディスの近くに着地しないようにとフワがワープホールをセレーネが落下している先の空中に開くとセレーネはその中に入り、出口はスター達、他のプリキュア達がいる場所になっていたので、セレーネはそこに着地した。

 

「今です!」

 

「頼んだよ!」

 

「決めるルン!」

 

「スペース!」

 

「頑張るでプルンス!」

 

「頑張るフワ!」

 

「こうた!」

 

「思いっきりやっちゃいなさい!」

 

セレーネ、ソレイユ、ミルキー、スター、プルンス、フワ、さとし、しずかがスペースに後を託したり応援したりしていた。

そのスペースはセレーネが攻撃している間に召喚した、刀身の色は青で、連結して一振りの片手剣として使うブル専用の武器、『ルーブスラッガーブル』を右手で力いっぱい握りしめた。

 

「キュア・・・・スペース・・・・」

 

「みんなと一緒に作ったこのチャンス、絶対に無駄にしない!」

 

『ウルトラマンティガ!』

 

スペースはルーブスラッガーブルにウルトラマンティガのクリスタルをセットすると、イサミがやっていたようにルーブスラッガーブルを振り回した。

 

「プリキュア! ブリンガーフラッシュ‼︎」

 

そしてスペースは紫色の複数のX字型の強力光刃を、風と水の属性とともに飛ばした。

 

「ぐぅぅぅ! ぐぁぁぁぁぁっ!」

 

サーディスも最初はダークネスソードでなんとか受け止めていたが、これまで蓄積したダメージからか、もう受け止める力も残っておらず、その攻撃をまともに受けてしまい、技が直撃して爆発すると、サーディスはそのまま前のめりに倒れてしまった。

 

「まさか・・・・また、負けたのか・・・・この俺が・・・・」

 

「さぁ、アンタの持ってるペンを渡してもらおうか?」

 

「くっ!」

 

サーディスはもうダメかと諦めかけていたその時・・・・

 

「渡す訳にはいきません。」

 

「っ!」

 

「ノットレイダーでプルンス!」

 

スペースとサーディスの間にバケニャーンが割り込んできてサーディスを庇う為にスペース達の妨害をしてきた。

 

「お前・・・・どうして・・・・」

 

「皆さんの戦い、見させてもらいました。プリキュアの皆さん、随分と力をつけたようですね。だとすれば、尚更いまのみなさんに彼のペンを渡す訳にはいきません。これ以上貴方達に強くなられては困りますからね。それでは、失礼。」

 

「待て!」

 

バケニャーンはサーディスと一緒にノットレイダーが使うワープホールを使ってそのまま姿を消した。

 

そして2人はノットレイダーのアジトのある場所に転移していた。

 

「なぜ、俺を助けた?」

 

「先程も申し上げました通り、これ以上プリキュア達の元にペンが渡るのを防ぎたかっただけですよ。それでは、私はそろそろアイワーン様の所へ戻らなくてはなりませんので、これにて失礼します。」

 

バケニャーンはそう言い残してその場を後にした。

 

「はぁ・・・・どうすりゃいい・・・・どうすればあいつに勝てる・・・・」

 

サーディスはそう考えながらその場で仰向けに寝転がった。

 

「くそっ、逃げられたか。」

 

スペースは変身を解除してこうたに戻るとペンを取り返せなかった事を悔しがっていた。

 

「大丈夫! ペンを取り返せるチャンスはきっとあるよ!」

 

「そうルン! きっと大丈夫ルン!」

 

「ひかる・・・・ララ・・・・」

 

「だね。あたし達もついてるんだし。」

 

「えぇ。これからもみんなで力を合わせて一緒に頑張りましょう。」

 

「えれな・・・・まどか・・・・」

 

「プルンスもいるでプルンスよ!」

 

「フワもいるフワ!」

 

「プルンス・・・・フワ・・・・」

 

こうたの背後からひかる達がこうたを励ました事でこうたも徐々に元気を取り戻していった。

 

「こうた」

 

「父さん、母さん」

 

そこへさとしとしずかもこうたに近づいてきた。

 

「いい仲間に出会えたな。」

 

「そうね。みんなのチームワーク、とっても素敵だったわよ。」

 

「ありがとう。父さん、母さん。」

 

こうたは両親に褒められたのが嬉しくてそれに対してお礼を言った。

 

「さぁみんな! お腹すいたでしょ? わたしがみんなに美味しい朝ごはんを作ってあげる!」

 

『やったぁ!』

 

しずかの申し出に女の子達は大喜びで先を歩くしずかの後についていった。

 

「(みんな・・・・ありがとう。)」

 

「こうた?」

 

「何してるルン!」

 

「早く早く!」

 

「おいてっちゃいますよ!」

 

「あぁ! いま行く!」

 

心の中でみんなに感謝の気持ちを伝えたこうたは、みんなに呼ばれて走ってその後を追いかけていった。

 

 

 

To Be Continued

 

 




        次回予告

ペンを探しにゼニー星へとやって来たこうた達

そのペンがあるのはなんとオークション会場だった。

そこで出会った宇宙アイドルの計らいでこうた達もオークションに参加する事に・・・・



次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第43話 ペンは誰の手に? 宇宙怪盗参上! 前編

次回も楽しみに!



※もしよろしければ、皆さんがこれまでの話で感じた感想やコメントがあればドシドシ送って下さい。
皆さんからのコメント、そして評価が頂けたら凄く嬉しいです。
よろしくお願いします。


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第43話 ペンは誰の手に? 宇宙怪盗参上! 前編

今日の『仮面ライダーリバイス』は木村昴祭り!
という事で、この話のアニメ回にも木村昴さんはゲスト出演していたのでこの木村昴祭りに私も乗っかろうと思います。 

そして久々の2日連続投稿。

それでは本編をどうぞ!


「うわぁ~すごい!SF映画みたい、これがゼニー星!」

 

「ここに、いて座のプリンセススターカラーペンが・・・・」

 

「キラやば~っ☆」

 

「呑気すぎるルン。」

 

「そうでプルンス。宇宙星空連合に属さないゼニー星はお金だけがものを言う無法地帯、気を引き締めていくでプルンス」

 

そう。今回こうた達はまどかのペンダントに反応した、いて座のプリンセススターカラーペンを探しに星空界にあるゼニー星へとやってきた。

このゼニー星はオークションやギャンブルが盛んに行われていて、様々な星からマフィアやお金持ち達が集まる溜まり場として一般人からは警戒すべき星とされていた。

 

 

『スキヨ キライヨ どっちがホンネ?』

 

「なんだ?」

 

「マオたん⁉︎」

 

「えぇ⁉︎」

 

すると突然、大音量で女の子の歌声が流れ出すと、それと同時に空中に巨大なホログラムで映ったピンク髪の女の子の姿が、ロケットの窓から見えた。

 

それを見た途端にプルンスは窓に貼り付いてその女の子に見惚れていた。

 

「誰?」

 

「さっきの気を引き締めるのは何処にいったんだよ。」

 

 

それからこうた達はロケットを着陸させてペンを探しにゼニー星の町へと向かった。

その町中を歩いていくと、まるで地球のラスベガスを思い浮かばせるような夜の町を照らす町明かりと、さっき見た少女のホログラムが今も町中に映っていた。

 

「あぁ・・・・マオたん!」

 

「なんなの一体?」

 

「宇宙アイドル「マオ」。彗星のように現れ、出した歌は天文学的ヒット! ナンバーワンアイドルルン!」

 

「へぇ・・・・」

 

「さぁ行くでプルンス! マオたんを探し出し、この特性プルンスタードーナツをプレゼントするでプルンス!」

 

「フワ!」

 

「いつの間に⁉︎」

 

ひかる達はララからマオについての説明を聞いていると、プルンスがどこから取り出したのかロケットで作ったプルンスタードーナツを取り出してマオにプレゼントするんだと張り切っていた。

 

「完全に目的が変わってるな。」

 

「あたし達はペンを探しに来たんでしょ?」

 

「そうだったでプルンス・・・・」

 

本来の目的を思い出したプルンスのテンションはダダ下がりした。

 

〜〜♫

 

「あっ!」

 

そんな中でまどかのペンダントが一つの建物に反応を示した。

 

「オークション会場ですか?」

 

「オークションってなにフワ?」

 

「ある商品に対してたくさんの人が自由に値段をつけて一番高い金額をつけた人が買う事のできるお買い物です。」

 

「まどか詳しいね。」

 

「父について何度か行った事があるので。」

 

「大丈夫なのかそれ?」

 

こうたはオークションとは大人がするものであって中学生のまどかにはまだ早いのではとこうたは香久矢家の教育はどうなっているのか疑問に思ってしまった。

 

「よ~し、乗り込むよ! たのも~!」

 

「フワー!」

 

「おいひかる! フワも待て!」

 

「だ〜〜っ」

 

ひかるとフワが飛び出して行ってしまい、こうたはその後を慌てて追いかけていった。

しかしひかるは会場を警備する警備員に追い返されてしまった。

 

「ちょっと何で⁉︎」

 

「怪しい奴は立ち入り禁止でございます。」

 

「えぇ⁉︎」

 

「えぇじゃないだろ。オークションをするって事はそれなりに高価な品物があるって事だ。そんな所になんの許可もなく入れる訳ないだろ。」

 

「そんな・・・・」

 

するとそこに地球のリムジンのような白い高級車がやって来た。

しかしその長さは地球のリムジンより何倍も長かった。

そして車が停止し、ドアが開くと中からはいかにも自分は金持ちですと言わんばかりの高価なアクセサリーを付けた宇宙人が出てきた。

 

「そこの彼のその通り、入場が許されるのは僕のような超セレブのみ、さ!」

 

「ちょ、超セレブ・・・・」

 

「こちらは星空界一の大富豪、ドラゴン家のドラ息子「ドラムス」様でございます。」

 

「大富豪の息子をドラ息子って・・・・」

 

こうたは警備員からドラムスの紹介を聞いた時に思った事をそのまま言ってしまった。

 

「悪く思わないでくれ。今夜は特に警戒が厳重なんだ。なにしろあのブルーキャットが現れるなんて噂もあるのでね。」

 

「ブルーキャットルン⁉︎」

 

「知ってるのか?」

 

「狙った獲物は必ず盗むっていう、世間を騒がせている宇宙怪盗ルン!」

 

「宇宙怪盗⁉︎」 

 

「フワ!」

 

「キラやば~っ☆」

 

「フワー!」

 

ララの説明を聞いたひかるとフワは互いに興奮していた。

 

「さぁ行こう、マオ!」

 

「ニャン!」

 

ドラムスが会場へと歩き出すとその長い尻尾に1人の女の子が乗っていた。

その娘は先程のホログラムにも映っていた少女「マオ」だった。

 

「ああっ! さっきの⁉︎」

 

「ママママママママオたん⁉︎ 何でここに⁉︎」

 

ひかるとフワはマオの登場に驚いた。

 

「オークションを盛り上げる為に僕のポケットマネーで呼んだのさ。」

 

「マジで何でも出来るんだなこの人。」

 

「あぁ・・・・」

 

プルンスはマオに近づき彼女の顔をジッと見つめていると逆にマオに見つめられたプルンスは緊張して身体がプルプル震えていた。

 

「マオのファンニャン?」

 

「はっ、はい‼︎ 大ファンでプルンス!」

 

「嬉しいニャン! ドラムスさん? この子達も入れてあげてニャン。」

 

「えぇ? いくら君の頼みといえども・・・・」

 

「ファンは友達も同然ニャン。お願いニャン!」

 

「可愛い! OK!」

 

「軽っ!」

 

こうしてマオの笑顔とおねだりにやられたドラムスはこうた達を快く受け入れてくれた。

 

「おぉぉ!」

 

「どうだい? 僕が用意したタキシードは?」

 

「大丈夫です。ありがとうございます。」

 

こうたはドラムスが用意した白いYシャツの上に着ている黒いブレザーや、それと同じ黒い長ズボン、そして黒い革靴と黒い蝶ネクタイと、こうたはYシャツ以外は全て黒一色となっていた。

 

「礼には及ばない。僕はマオからの頼みを聞いただけだからね。それでは僕はこれで失礼する。オークション、楽しんでいくといい。」

 

ドラムスはそう言い残して部屋から出て行ってしまった。

 

そしてこうたはひかる達のいる女性用の更衣室の扉の前までやって来た。

 

コンコン!

 

「はい! どうぞ!」

 

こうたがノックをすると、中からひかるの声が聞こえてきてこうたはゆっくりと扉を開けた。

 

「失礼しまーす。みんな、準備はできた・・・・か?」

 

こうたが中に入ると、ひかる達はそれぞれの髪と同じ色の衣装をマオから借りていて、それを着ていた。

ひかる、ララ、えれなの3人はドレスを、まどかは着物のような衣装に着替えていて、プルンスには紫色の蝶ネクタイ、フワもピンクの衣装に赤いリボンを付けていた。

 

「おぉ・・・・」

 

「こうた?」

 

「どうルン?」

 

「似合ってるかな?」

 

「何処か変なところはありませんか?」

 

「いいや、みんな似合ってる。可愛いと思うぞ。」

 

「ありがとう!」

 

「ルン!」

 

ひかる、ララ、えれな、まとかが順番にこうたに衣装について聞いてこうたに似合ってると言われてひかるとララがそのお礼を言った。

 

「それじゃあそろそろ、オークションが始まると思うし、移動するか。」

 

そしてこうた達が会場に到着するとそこにはここにいる全員が入れるくらいの椅子がついた大きなカプセルのような乗り物があり、全員それに乗った。

全員が着席した途端、カプセルは上昇を開始し、ある程度上昇した所で停止した。

そんな彼らの周りにも、自分達が乗っている物と同じカプセルがいくつもあり、そこにはいかにもお金持ちやマフィアっぽい宇宙人達がたくさんいた。

 

因みに席順は、左から、まどか、こうた、ララ、ひかる、えれなの順番で着席していた。

 

「まどか、ここに来るまでにペンの反応はあったか?」

 

「いいえ、反応はありませんでした。」

 

こうたとまどかがペンの話をしていると会場がいきなり暗くなってしまった。

 

「なんだ?」

 

『スキヨ キライヨ どっちがホンネ?』

 

「こ、この曲は?」

 

プルンスが真っ先にその音楽に反応すると、会場の天井付近にライトの光や星の形をした光の演出が会場を盛り上げていた。

するとそこに正装をした虫のような宇宙人が飛んで来た。

 

「まずは余興で盛り上げるぜ! みんな知ってる宇宙アイドル~!」

 

「マオだニャ〜ン。」

 

『うぉぉぉぉぉ!』

 

すると煙と共にマオが登場し、会場の熱は一気に最高潮となった。

そしてマオのライブがスタートした。

 

「なにこれ、キラやば~っ☆」

 

「テンション上がるルン!」

 

「フワも歌うフワ!」

 

「お?」

 

ひかるとララもライブの熱にあてられたのか周りの人達と一緒に盛り上がっていた。

そんな中でフワも歌うと言い出したので、えれながプリンセススターカラーペンでトィンクルブックにマイクを描くとそれが実体化してそのマイクを使ってフワも歌いだした。

 

「そんなに好きなの。」

 

「ん? 思いだすでプルンス・・・・」

 

マオの歌を聞き入っているプルンスにひかるは質問をすると、プルンスはまだララと出会う前にフワと共にノットレイダーから逃げ、プリキュアを探していた頃、挫けそうになったプルンスの心はマオの歌を聞いて、その歌から力をもらい、おかげでプルンスは諦めずに頑張る事が出来た。

プルンスはその時の事を思い出していた。

 

「プルンスは、マオたんに救われたでプルンス。」

 

「へぇ〜」

 

「マオた〜ん‼︎」

 

そしてプルンスもマオの歌に興奮して叫びだした。

 

それからマオの歌が終わると会場はマオへの拍手喝采でいっぱいだった。

 

「みなさんを夢中にさせるなんて・・・・こんな見事なパフォーマンスは初めてです。」

 

「オークション楽しんでニャン!」

 

まどかはマオのライブに感動し、そのマオも最後に一言喋ったらそのまま消えてしまった。

 

そうして会場の興奮が冷めないままオークションは開始された。

 

「それではスタート! ロットナンバー1! いきなり大物!惑星レインボーのネックレス!」

 

そして出てきたのは虹色に輝く宝石がついたネックレスで、周りのお客もその美しさに盛り上がっていた。

 

「きれいだねー」

 

「なに? 凄いものなの?」

 

「惑星レインボーは滅びた星でプルンス。星の人々が石みたいに固まって・・・・」

 

「石に⁉︎」

 

「原因はわかってるのか?」

 

「ううん。原因はわかってないルン。」

 

「そっか。」

 

「星の貴重な宝が奪われて出回っているって聞いた事があるでプルンスが・・・・」

 

「それがあのネックレスって事か。」

 

プルンスから惑星の住人はみんな石にされたと知り、ひかるは驚き、こうたはその原因がわかっているのかを聞くと、ララからそれはまだわかっていない事が伝えられた。

 

「もう作られる事のないスーパー貴重品! まずは500万キランからスタート‼︎」

 

「500万キランっていくら?」

 

「えっと、ちょうど500万円くらいルン。」

 

『えぇ⁉︎』

 

驚きの金額に地球人のメンバーは全員が驚きを隠せなかった。

 

「510万!」

 

「520万!」

 

「530万!」

 

すると女性の方達が次々と値段を上げていった。

 

「まどろっこしい、1億キラン!」

 

「あ、さっきの超セレブ。」

 

「1お・・・・1億円⁉︎」

 

「ドラムス様! 1億キラン、圧倒的!」

 

その後は誰も1億より高い値段をつける人はいなかった。

 

「エクセレント! ドラムス様、落札!」

 

こうしてレインボー星のネックレスはドラムスの物となった。

 

「さぁ次々いくぞ! ロットナンバー2! 惑星ダイナソー アバレザウルスの化石!」

 

「1100万!」

 

「1200万!」

 

「1300万!」

 

「5000万!」

 

「落札!」

 

これもドラムスが落札した。

 

「ロットナンバー3! スペース・クラインの壺!」

 

「3億」

 

「落札!」

 

「落札!」

 

「落札!」

 

「落さーつ!」

 

こうしてドラムスが次々とオークションの商品を独り占めするかのように商品を落札し続けた。

 

「ヘイヘイどうした? ドラムス様が全部買い占めてんぞ!」

 

「あの人どれだけお金持ってるルン。」

 

「流石はどら息子。そんだけお金があるなら俺達にも分けてほしいくらいだ。」

 

最早ララはドラムスに対して呆れてしまっている横でこうたも軽い悪口を呟いていた。

 

「それよりも、ペンは一体?」

 

「さぁ! 本日最後にして最高の品! たまたま見つけた異星人から当オークションが買い叩いた・・・・」

 

〜〜♫

 

「っ!」

 

「プリンセスの力!」

 

『プリンセススターカラーペン⁉︎』

 

「まさか、出品物だったなんて。」

 

「どうすんだよ! 出品物って事はくださいって言って「はいわかりました。」とはいかないぞ。」

 

こうた達はプリンセススターカラーペンが出品物だと知り、みんな驚いていた。

 

 

「12本集めるとなんでも願いが叶うと言われているホットな話題、知ってるよね?」

 

「そうなの⁉︎」

 

「根の葉もない噂でプルンス。」

 

プルンスはただの噂だと否定しているが、他の客達はみんなその話を聞いて興奮していた。

 

「寂しいね。僕は超大金持ちだから望んだものはなんでも手に入る。そんな物に興味はないね。」

 

「おっと!ドラムス様は興味なし!」

 

「チャンス! わたしの全財産で勝負だ!」

 

そう言ってひかるは500円玉を取り出した。

 

「1000万!」

 

「いきなり負けた⁉︎」

 

「いやいや無理だろ。さっきまで何を見てきたんだ。」

 

ひかるが速攻負けて落ち込んでいる所にこうたはツッコミをいれた。

 

「1100万!」

 

「1200万!」

 

「1500万!」

 

「5000万!」

 

そうしている間にもオークションは進行し続けていた。

 

「まずいルン。」

 

「勝ち目ないでプルンス。」

 

「何か別の方法を考えないと・・・・」

 

「別、と言っても・・・・」

 

「ここにいる人達はみんな、お金で物事を解決するような人達ばかりだ。そんな人達にお金以外で解決する方法なんて・・・・」

 

こうた達が手をこまねいていると・・・・

 

「8億キラン!」

 

「お~っと8億来ました!」

 

「全財産だ、持っていけこのタコ!」

 

「宇宙マフィアのボス、『ドン・オクトー』様だぁぁぁ!」

 

「流石ボス!」

 

「宇宙一!」

 

「スペース1」

 

周りの部下達がボスを煽ていると・・・・

 

「9億」

 

そこへ先程まで興味を示さなかったドラムスがいきなり割り込んできた。

 

「テメェ! 興味ないって言ったろうが!」

 

「いやぁ・・・・お手洗いの電球が切れていたのを思い出してね。代わりのライトにちょうど良さそうだ。」

 

「何ぃぃぃ⁉︎」

 

「さぁ9億、9億キラン! 文句ありませんか?」

 

「まずいまずい!」

 

「ペンが、買われちゃう!」

 

「オヨォォ!」

 

「どうすりゃいいんだ!」

 

「どうすれば・・・・」

 

「もうダメでプルンス〜〜ッ!」

 

みんなが必死に解決方法を考えている中でまどかはふとプルンスが持っていたプルンスタードーナツの箱を目にした。

 

「っ! プルンス!」

 

「?」

 

「お願いがあります。」

 

「え?」

 

「まどか? 何をする気だ?」

 

果たしてまどかは何をするつもりなのだろうか?

 

 

To Be Continued

 

 




        次回予告


オークション最後の出品物はまさかのプリンセススターカラーペンだった。

このままではペンが落札されてしまう。

果たして、まどかが思いついた秘策とは⁉︎


次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第44話 ペンは誰の手に? 宇宙怪盗参上! 後編

次回も楽しみに!



※もしよろしければ、皆さんがこれまでの話で感じた感想やコメントがあればドシドシ送って下さい。
皆さんからのコメント、そして評価が頂けたら凄く嬉しいです。
よろしくお願いします。


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第44話 ペンは誰の手に? 宇宙怪盗参上! 後編

本日、4月12日はキュアスターこと星奈ひかるの誕生日という事で、頑張って最新話を投稿しました。

ひかる、お誕生日おめでとう!


「てことで、プリンセスの力はドラムス様が落さー「待った!」」

 

「ん?」

 

司会者が落札を確定しようした直前にまどかがギリギリストップをかける事に成功した。

 

「ドーナツ、お一つで。」

 

「は? ドーナツ?」

 

なんとまどかはオークションにお金ではなく、ドーナツを提示した。

 

「わたくしの星、地球の大変価値あるスイーツです。こちらと交換でいかがでしょうか?」

 

「何をいってるんだ?」

 

「初めてこれを食べたとき、わたくしは甚く感動しました。それと同じくらい先程のマオさんの歌にも感動いたしました。であれば、文化も星の垣根も越えて、このドーナツの味。その価値!皆様にもお分かりいただけるはず。」

 

まどかは一歩も引かずに自身の意思を周りの人達に伝えた。

 

「物は試し、おひとついかがですか?」

 

「食べてみるでプルンス。」

 

「そういう事ならわたしが・・・・」

 

「おぉ! 貴方は! 宇宙料理評論家の「シタ・コエーテル」氏!」

 

そこに宇宙料理評論家が自らドーナツを試食すると言ってきた。

 

「宇宙のあらゆる美味を食した私がその価値を判断いたしましょう。ま、この私の知らないドーナツとやら、美味しいわけが、はむっ・・・・っ⁉︎」

 

まどかは宇宙料理評論家の表情が変化した瞬間、自身の口がニヤけるところを隠す為に自身の口元を持っていた扇子で隠した。

 

「うまぁぁぁぁぁぁぁぁい!」

 

「さぁ! お味はいかがですか?」

 

「素晴らしい食感と甘味、ゆうに10億キランは越えてる‼︎」

 

「「「10億⁉︎」」」

 

「マジか・・・・」

 

宇宙料理評論家がドーナツを10億円の価値と判断すると、それにひかる、ララ、えれなは驚き、こうたはまどかの一か八かの賭けが通用した事に驚いていた。

 

「上がるねぇ! ドーナツ1つ10億キランと洒落込もう!」

 

その評価を受けて司会者もそれを承諾し、オークションは再開された。

 

「面白い! 11億!」

 

「ドラムス様! 11億!」

 

「ドーナツ2つ!」

 

『20億⁉︎』

 

プルンスがドーナツを手に持ってまどかの後ろから見せていた。

 

「21億」

 

「3つ」

 

『30億⁉︎』

 

今度はララがドーナツの箱を受け取り、ドーナツを背後から見せる。

 

「アメイジング! 両者一歩も引かない!」

 

「突き放す! 40億!」

 

「50億!」

 

「60億!」

 

「70億!」

 

「もう次のドーナツがないぞ! どうするまどか?」

 

その後はひかるとえれなも加わりドーナツを背後から見せるが、最後に箱を受け取ったこうたがドーナツがもうない事を伝えた。

 

「大丈夫です。」

 

「(幼い頃よりオークションで戦う父の姿を見てきました。勝利の法則、それは・・・・)」

 

「っ⁉︎ 何だこの感じは・・・・っ!」

 

「(逆境の時にこそ・・・・)」

 

まどかは口元を隠していた扇子を退かすと、そこには笑っているまどかの姿があった。

 

「笑っている、だと⁉︎ 威風堂々かつ颯爽!彼女の資金は底なしなのか・・・・」

 

ドラムスはまどかの余裕の姿に驚くどころか恐怖すら感じていた。

 

そして・・・・

 

パチパチパチパチ

 

「っ!」

 

「勝負に熱くなって忘れていたよ。ドラゴン家のモットーはレディ・ファースト!君にお譲りしよう。」

 

「(僕の格好良さを引き立てつつ自然な降り方、セーフ!)」

 

ドラムスは内心では自身の名誉の事を気にしながらそれを守る負け方を選んでいた。

 

「て事は!」

 

「なななんと⁉︎ 地球のお嬢さんが落札‼︎」

 

『やったぁ!』

 

「勝ったでプルンス!」

 

「はい!」

 

こうしてまどかが勝利し、プリンセススターカラーペンはまどかの物となる事が決定しまどかとプルンスは互いにドーナツでハイタッチをした。

 

「全く、ドーナツをお金の代わりにするなんて、随分と大きな賭けに出たな。一時はどうなるかと思ったぞ。」

 

そこへこうたがまどかに話しかけてきた。

 

「すみません。ですが、時には頭で考えるのではなく、勢いで行動する事も必要だとこうた君が教えてくれたんですよ。」

 

「え? 俺が⁉︎」

 

「はい。 貴方のそんな姿を見てきたからこそ、今回はそれに賭けたんです。」

 

「ちょい待て! それじゃあまるで、俺がいつも何も考えてないみたいな言い方じゃないか?俺だってちゃんと考えて行動してるぞ!」

 

「そうですね。ですが時々、後先考えずに行動する事もありますよね。クマリン星でわたくし達を助ける事を優先して自分を置き去りした時みたいに。」

 

「うっ! お前まだあの時の事を根に持ってるのか?」

 

「当然です! もう貴方にはあの時のような無茶はさせないとわたくしは心に誓ったんです! ですから今後、もしも同じような無茶をしたらわたくしは許しません!」

 

「は、はい・・・・」

 

こうたはまどかの正論と強気な発言に圧倒されて何も言い返せず、まどかに言われた事を反省していた。

 

「そんなに顔をしないで下さい。貴方に無茶をさせないようにわたくしも頑張ります。ですからこうた君も、わたくしが困ってる時は助けて下さいね。だってわたくしは、友達なんですから。」

 

「あぁ、勿論。」

 

これで、こうたとまどかの話は丸く収まった。

 

しかし・・・・

 

「あ〜!プリンセスの力が無い!」

 

「ブルーキャット!」

 

「えぇ⁉︎」

 

「宇宙怪盗⁉︎」

 

プリンセススターカラーペンがあった場所にはペンがなく、宇宙怪盗が置いていったと思われるカードが1枚残されているだけだった。

 

そしてドラムスの所に通信が送られてきた。

 

『やられました。保管庫もすっからかんでございます!』

 

なんと、プリンセススターカラーペンだけでなく、他の出品物が保管されていた保管庫の中身も宇宙怪盗によって盗まれていた。

 

「ペンが!」

 

「まどか!」

 

「はい! 追いましょう!」

 

そしてまどか達はペンダントの反応を頼りに会場の屋根の上までやって来た。

 

「あれは・・・・」

 

「マオたんでプルンス⁉︎」

 

そして何故かそこにはマオもいた。

 

「ねぇ宇宙怪盗見なかった?」

 

「ニャ?知らないニャン」

 

「そっか」

 

「待って。あなたここで何を?」

 

「確かに。反応はあるのにここには俺達と君しかいない。これはどう考えても不自然だ。」

 

えれなとこうたがマオを怪しんでいる中、まどかがマオに向けてペンダントを向けると・・・・

 

〜〜♫

 

ペンダントがマオに反応した。

 

「これは・・・・」

 

「へぇ・・・・思ったより高性能だね、それ。」

 

「え?」

 

マオの雰囲気が今までと変わると、彼女は懐からペンを取り出した。

 

『えぇ⁉︎』

 

それからマオはペンを先がえんぴつのように細長い形をした建物の方へと投げると、その建物の上に向けてロープのような物を投げて、それはしっかりと建物に巻きつき、マオの身体はロープの長さが縮むにつれて建物の方へと引き寄せられていき、ペンをキャッチしながら別の建物への移動に成功した。

 

「みんな大好き宇宙アイドルマオニャン! は、仮の姿・・・・」

 

そして彼女は何かの香水の入ったスプレーのような容器を取りだすと、彼女は回転しながらスプレーから出てきた煙を全身に浴びた。

 

「その正体は・・・・宇宙怪盗ブルーキャット!」

 

そうするとマオさんの身体は徐々に別の姿へと変化していった。

その姿はピンクの髪から青髪になり、そして衣装も青と白をメインカラーとしたものへ変化し、サングラスとシルクハットのような帽子を被った彼女の正体は、宇宙怪盗ブルーキャットだった。  

 

『えぇぇぇ⁉︎』

 

「宇宙怪盗⁉︎」

 

「プリキュアだっつうの!」

 

「ノットリガー!」

 

そこへアイワーンが緑色のドラゴンのような姿をしたノットリガーの頭の上に乗って現れた。

 

「今度はノットレイダー⁉︎」

 

「ん?」

 

「バケニャーンいないからダークペン思いっ切り使えるっつーの!」

 

「ノットリガー!」

 

「っ! アレは⁉︎」

 

そしてまどかはノットリガーにされたのはドラムスである事に気づいた。

 

「なんとかしなさいプリキュア。」

 

「プリキュアって⁉︎」

 

「だから会場に入れたんじゃない。オークションをかき回して盗む隙を作ってもらう為にね。」

 

「そんな・・・・」

 

「プルンス・・・・」

 

プルンスは自分達がブルーキャットに利用されていた事にショックを受けてしまい、まどかはそんなプルンスを気遣っていた。

 

「とにかく今は!」

 

『うん!』

 

そしてみんなは自身のペンダントとペンを取り出した。

 

『スターカラーペンダント!カラーチャージ!』

 

『キラめく~星の力で~!憧れの~私描くよ~!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『スター☆トゥインクル〜!スター☆トゥインクルプリキュア~~!』

 

 

「宇宙(そら)に輝く〜キラキラ星!キュアスター!」

 

「天にあまねく〜ミルキーウェイ!キュアミルキー!」

 

「宇宙を照らす!灼熱のきらめき!キュアソレイユ!」

 

「夜空に輝く!神秘の月明かり!キュアセレーネ!」

 

「光輝く!聖なる宇宙!キュアスペース!」

 

 

『スター☆トゥインクルプリキュア‼︎』

 

こうた達はプリキュアへの変身を完了させた。

 

「ノットリガー!」

 

ノットリガーは口からかえんほうしゃを放つがみんなそれを回避してスターは真っ直ぐノットリガーに突っ込んでいくがスターのパンチはノットリガーの翼にガードされてしまい、ノットリガーが翼を広げた拍子にスターは吹き飛ばされてしまった。

 

「うわぁ!」

 

「ルン!」

 

「ノットリガー!」

 

「オヨォォ!」

 

今度はミルキーが接近を試みるがノットリガーが翼で起こした風に吹き飛ばされてしまった。

 

「ハアッ!」

 

その隙にソレイユが背後からノットリガーに蹴り技をくらわせるが、身体が硬いのか、あまり効果がなかった。

 

「あまいっつうの!」

 

「くっ!」

 

ノットリガーはソレイユにかえんほうしゃを放つがソレイユはノットリガーから離れる事でそれを回避した。

 

「ノットリガー!」

 

「ノットリガー! ノッ⁉︎」

 

「だぁぁらぁぁぁっ!」

 

アイワーンの指示でプリキュア達を攻撃しようとしたノットリガーだったが、スペースが空中でノットリガーの尻尾を掴むとそのまま自身が回転する事でノットリガーも回転し、ジャイアントスイングのような体制に入った。

 

「ああっ! 目が、目が回るっつうの!」

 

「ノットリガー」

 

「ハアアッ!」

 

「ノッ!」

 

スペースはそのままノットリガーを建物の屋根に叩きつけた。

 

「今だ!」

 

スペースの声を聞き、スター、ミルキー、ソレイユの3人は一気にノットリガーに接近して攻撃を仕掛けた。

 

その隙にブルーキャットはその場から逃げようと走り出していた。

 

「後は任せたわ。」

 

「待って下さい!」

 

その後をセレーネが追いかけた。

 

「何?」

 

「ペンを返して下さい!」

 

「できない相談ね!」

 

「ノットリガー!」

 

「あっ」

 

セレーネとブルーキャットがペンの取り合いをしていると、その上空からノットリガーのかえんほうしゃが直撃し、オークション会場の屋根が崩壊してしまい、セレーネとブルーキャットは建物内に落ちてしまった。

 

「たく、厄介ね・・・・アンタも!」

 

セレーネもブルーキャットを必死に追いかけてた。

 

「ペンはプルンスの気持ちのこもったドーナツで勝ち取ったもの。返してもらいます!」

 

セレーネはブルーキャットの左手を掴んだ。

 

「それってわたしへのドーナツでしょ?だったらわたしのものでよくない?」

 

「屁理屈です。」

 

「屁理屈で競り勝ったくせに!」

 

ブルーキャットはセレーネを蹴り飛ばす事でセレーネから距離を取り、互いに大きな広場に着地した。

 

ドカーン!

 

「「っ!」」

 

すると再び大きな爆発が起こると2人のいる広場に何かが落ちてきた。

 

「くっ、うぅぅぅ。」

 

「スペース⁉︎」

 

それはノットリガーの攻撃を受けて落ちてきたキュアスペースブル・アクアだった。

 

「大丈夫ですか?」

 

「あぁ、なんとかな。」

 

「・・・・そうだ。良い事を思いついたわ。」

 

「良い事?」

 

ブルーキャットは何かを思いついたらしく、スペースとセレーネはそれがなんだかわからなかった。

 

「貴方、ウルトラマンって奴らの力を持ってるらしいわね。」

 

「だったらなんだよ?」

 

「アンタ達が欲しがってるこのプリンセスの力、そんなに欲しいなら渡してあげる。その代わり、アンタの持ってるウルトラマンの力、全部と交換ってのはどう?」

 

「なっ⁉︎」

 

ブルーキャットはプリンセスの力を渡す代わりにスペースが持つ全てのウルトラスターカラーペンと交換する事を要求してきた。

 

「そんな!」

 

「別に悪い話じゃないでしょ?このプリンセスの力があれば、どんな願いだって叶うのよ。だったらそんな訳の分からない連中の力を手放すくらいどうって事ないでしょ?」

 

「そんな事「お断りします!」セレーネ?」

 

スペースが何か言おうとするより先にセレーネがその申し出を断った。

 

「あら?貴方には関係ないでしょ?関係ない人は引っ込んでてくれない?」

 

「そうはいきません! 彼が、スペースが持つウルトラスターカラーペンは、これまでスペースが紡いできたウルトラマンのみなさんとの絆の証! スペースの事を信じ、認めてくれたみなさんが託してくれた大切な物なんです! それを、何も知らない貴方に渡すなんて、絶対に出来ません!」

 

「セレーネ・・・・」

 

スペースはセレーネの気持ちを聞いて、そこまで考えてくれたのかと、とても嬉しく思った。

 

ドカーン!

 

「「「っ!」」」

 

それから更に爆発が起こると土煙から他のプリキュア達がダメージを受けて壁にめり込んでいるのが見えた。

 

「みんな!」

 

「あたいを無視してだべっんじゃねぇっつーの!」

 

「ホント厄介ね、アイワーン。」

 

「なんであたいの名前を? まあいい、とどめだっつーの!」

 

「ノットリガー!」

 

ノットリガーがかえんほうしゃを発射しようとしていたので、スペースとセレーネが構えていると・・・・

 

ブルーキャットはセレーネに自身が持っていたペンを投げ、セレーネはそれを片手でキャッチした。

するとペンの光が弾けて、いて座のプリンセススターカラーペンが姿を現した。

 

「これは⁉︎」

 

「予定変更! それでなんとかしなさい!」

 

セレーネはブルーキャットにそう言われると、再びノットリガーの方へと向きを変えた。

 

「プリキュア! いて座・セレーネアロー‼︎」

 

セレーネはいて座のプリンセススターカラーペンで強化された弓と矢でセレーネアローを放った。

 

「ノットリッ!」

 

そしてセレーネの技はノットリガーの口の中に入り、それを飲み込んだノットリガーの口の中で爆発した。

 

「スペース、お願いします!」

 

「あぁ! セレクト、クリスタル!」

 

『ウルトラマンティガ!』

 

スペースは出現したティガのクリスタルをクリスタルと一緒に出現したルーブジャイロにセットすると、スペースの背後にウルトラマンティガが姿を現し、その身体は徐々に変化して最後には『風』という字に変化した。

 

「まとうは風!紫電の疾風!」

 

そう叫ぶとスペースはジャイロのグリップを3回引くとスペースが右手を頭上に高く伸ばした。

そしてスペースの頭上から紫色の竜巻が下りてくると、それに続いて足元からも紫色の竜巻が巻き上がり、スペースの全身を包み込んだ。

 

『キュアスペースブル! ウインド!』

 

竜巻から出てきたスペースの色は先程まで青色だった部分がセレーネと同じ紫色へと変化し、『キュアスペースブル・ウインド』に変身した。

 

「プリキュア! ストームシューティング‼︎」

 

そしてスペースは自身の胸の前で風のエネルギーを使って竜巻を発生させると、それを紫色の光線へと変換して両手を前に出す事で撃ちだした。

 

「ノットリガー・・・・」

 

「くっ!」

 

それを受けた空中で受けたノットリガーは落下していき、アイワーンはそのままワープホールを使い離脱した。

そしてノットリガーは空中で紫色の光の粒子となり消滅するとそこにはノットリガーにされたドラムスが空中に浮いているカプセルの上で気絶していた。

 

「やりましたね。」

 

「あぁ」

 

セレーネとスペースは互いに微笑みながら右手を出してハイタッチをした。

 

「スペース!」

 

そこへスター、ミルキー、ソレイユ、そしてプルンスとフワもやって来た。

 

「やったね!」

 

「流石ルン!」

 

「お疲れ!」

 

「あぁ、みんなもな!」

 

みんなもスペースに話しかけてきた。

その話を終えると全員プリキュアへの変身を解除して、まどかはいて座のプリンセススターカラーペンをジッと見つめていた。

 

「それは一旦預けておくわ。他のお宝は全部頂いたから今日は良しとするニャン!」

 

「マオ、たん。」

 

ブルーキャットは屋根の上から逃げていき、彼女がいた屋根をプルンスはずっと見ていた。

 

「うっ、僕は何を?」

 

ドラムスが目を覚ますと、彼が見る先にはこうた達が集まっていてまどかの手にはドラムスがまどかとオークションで競いあったペンが握られていた。

 

それからまどかがトゥインクルブックにいて座のプリンセススターカラーペンを差し込んでからトィンクルブックをいて座のプリンセススターカラーペンでタッチするとそこにはいて座の星座が浮かび上がった。

 

「フワ・・・・いて座フワ!フーーーワーーー!」

 

フワの容姿は全身が紫色に変化し、その手には弓と矢が握られていた。

そして今度はフワの掛け声とともに全員スターパレスへと移動させられた。

 

「星の輝きーーー戻るフーーーワーーー‼︎」

 

フワから紫色の星形の光が放たれると、その光が飛ばされた場所に光が満ちて、そこに髪型がポニーテールで紫色のドレスを着たいて座のスタープリンセスが姿を現した。

 

「みなさん、ありがとう。」

 

こうた達は、いて座のスタープリンセスから感謝の言葉を伝えられた。

 

その後は、元のゼニー星へと戻ると、ロケットでそのままゼニー星を後にした。

 

「まどか、さっきはありがとな。」

 

「え?」

 

ロケット内でこうたはまどかにお礼を言ったが、まどか自身はその理由がイマイチわからなかった。

 

「さっき、俺より先にブルーキャットからの誘いを断ってくれただろ? あの時の言葉、素直に嬉しかったからさ。」

 

「そんな、気にしないで下さい。こうた君、前に言ってたらしいじゃないですか?ウルトラマンのみなさんも、わたくし達と同じ大切な仲間、そんなこうた君の気持ちを蔑ろにするブルーキャットの発言がわたくしは許せなかったんです。」

 

「まどか・・・・」

 

こうたはまどかの意思を聞いて改めて嬉しく思った。

 

「そっか、けどやっぱりお礼を言わせてくれ。ありがとな、まどか。」

 

「どういたしまして。」

 

そんな2人が会話をしている真上にひかるがやって来た。

 

「それにしても、なんでわたし達がプリキュアだって知ってたんだろう?」

 

「確かにな。アイワーンの事も知ってたし、彼女の情報源はいったいどこから・・・・」

 

そう言いながらひかるは無重力となっているロケットの中を漂い続けていた。

 

「どうでもいいでプルンス!」

 

そんな事はお構いなしにプルンスは机の上のお皿に置かれた大量のドーナツを1人でやけ食いしていた。

 

「何そのドーナツ⁉︎」

 

「やけ食いでプルンス! みんな付き合うでプルンス!」

 

「えぇ、喜んで。」

 

プルンスはマオが宇宙人怪盗だったショックをやけ食いする事で解消しようとしているらしく、それにまどかも付き合う事にしたようだ。

 

「1人100億キランは食べるでプルンス‼︎」

 

『えぇ⁉︎』

 

「てことは1人10個食べないといけないのか⁉︎」

 

「110億!」

 

「120億!」

 

「130億!」

 

「140億!」

 

「もう勘弁してくれ!」

 

プルンスとまどかの勢いにこうたは懲り懲りしていたのであった。

 

 

To Be Continued

 

 




         次回予告


まどかが弓道の全国大会決勝に進出した事を喜ぶひかる達・・・・

そしてまどかも優勝する為に気合十分だった。

そんなまどかにも引けを取らない選手が現れて・・・・

次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第45話 まどかの一矢! 自分の道を突き進め!  前編

次回も楽しみに!



※もしよろしければ、皆さんがこれまでの話で感じた感想やコメントがあればドシドシ送って下さい。
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第45話 まどかの一矢! 自分の道を突き進め!  前編

「まどか凄いルン!」

 

「予選突破おめでとう。」

 

「去年も優勝したんだよね?」

 

「決勝戦、絶対に応援に行くよ!」

 

場所は学校の中庭、そこに集まっていたこうた達は昨日行われた弓道大会の予選をまどかが突破して決勝トーナメント進出を決めた事をみんなで祝っていた。

因みにまどかが出場しているのは『全国弓道王大会』と呼ばれる男女別の中学生から大人までを対象に行われる弓道の全国大会である。

 

 

「ありがとうございます、わたくしも勝ちたいです。父の為にも・・・・」

 

「ルン?」

 

「お父さんの為?」

 

まどかは父、冬貴の為にも明日の決勝トーナメントは絶対に勝ちたいと、その気持ちが彼女の真剣な表情からも感じられた。

 

「以前の父は『上に立つ者が率先して動くんだ』と夜遅くでも宇宙人の調査に出掛け、熱心だったのですが、今はその調査も思うように出来ないようで・・・・」

 

「フワ!」

 

まどかが冬貴の話をしていて気持ちが落ち込んでいるのを感じたのか、フワがベンチに座っているまどかの膝の上に立って下からまどかの表情を見ていた。

 

「やっぱり、気になるよね?」

 

「父の、邪魔をしてしまったので・・・・」

 

そう言いながら、まどかはひかるから受け取ったトィンクルブックにいて座のプリンセススターカラーペンを使って描いたチョコバナナが実体化し、それをフワに食べさせた。

 

「・・・・」

 

そんなまどかの姿を見て、ララは申し訳なさそうな表情をしながら俯いていた。

 

「けどさ、俺達には俺達の事情があるんだし、こればっかりは仕方ないんじゃないか?」

 

こうたはララの事を気にしてか、俯いている彼女の肩を軽く叩きながら自分の考えをみんなに伝えた。

 

「はい。こうた君の言う通り、仕方ないのはわかっています。だから、なおさら弓道大会で結果を出したいんです!」

 

まどかは父の為にも今度の大会では必ず優勝する事を改めて心に誓った。

 

その日の夜、まどかは自宅にある弓道場で背後から冬貴に見守られながら練習を行っていた。

 

それからまどかは冬貴に連れられて、自宅のある部屋へとやって来た。

 

そこにはまどかと冬貴がこれまで様々な分野で獲得してきた賞状やトロフィーが棚の中に飾られていた。

 

「今年は初出場の選手が気になります。」

 

「弓道は自分と向き合い自分を鍛える武道。最後に頼れるのもまた自分だけだ。」

 

「自分だけ・・・・」

 

まどかは冬貴の言葉を聞きながら冬貴が弓道をしている時の写真を見て、更に気を引き締めていた。

 

 

 

そして決勝トーナメント当日となり、会場にはこうた達とひかる達のクラスメイトである姫ノ城が会場の観客席から試合の様子を見ていた。

その中で一人の選手が全ての矢を命中させるだけでなく、凄く気合の入っている選手がいた。

ひかる達やまどかはその選手の事をずっと見ていた。

 

「今の選手スゴッ!」

 

「4本全部当てた。」

 

「凄いルン。」

 

「彼女は今季初出場の『那須ゆみか』中学1年生ですわ。」

 

「えぇ⁉︎ あの子年下なの⁉︎」

 

「天才中学生との評判ですわ」

 

「なるほどな・・・・」

 

姫ノ城から那須ゆみかに関する情報をみんなで聞いていると、次はいよいよまどかの出番がやってきた。

 

「おっ、次はまどかの番みたいだぞ。」

 

「ホントだ!まどかだ!」

 

「待ってたルン」

 

「まどかさーん!頑張れー!」

 

ひかるの大声に気づいたまどかは少し微笑むと自分の席に着席した。

 

「応援なんて、集中の邪魔よ!」

 

「え?」

 

すると自分の順番を終えた那須がまどかの横を通り過ぎる前に自身の気持ちをまどかに告げると、まどかもいきなり声をかけられたので驚いていた。

 

「まどかさんは絶対勝ぁぁぁつ!」

 

「貴方達、まどかのお友達ね?」

 

ひかるが両手を合わせてまどかの勝利を祈っているとそこへまどかの母、満佳がひかる達に声をかけてきた。

 

「もしかして、まどかさんのお母さん?」

 

「お世話になってます。」

 

「こんにちは。」

 

「どうもルン。」

 

「こちらこそ、いつも仲良くしてくれてありがとう。」

 

「まどかさんの、お父さんは?」

 

「職場は出た筈なんだけど・・・・」

 

「そっか・・・・」

 

みんながそれぞれ挨拶を終えたが、そこには冬貴の姿はなく、そうしている間にまどかが矢を放つ準備をしていた。

 

みんなが静かに見守っている中、まどかは4本全ての矢を的に命中させて順調に勝ち進んでいった。

 

「やっぱりまどかは凄いルン!」

 

「うんうん!」

 

「ここまでは順当、残りの組みも実力者揃いですが、最終戦で那須ゆみかに勝てるかどうか・・・・」

 

「ゆみかってさっきの子?」

 

「あぁ、今のまどかと同じで4本全ての矢を命中させた子だな。」

 

「えぇ(オヨ)!」

 

そして各組で1位だった選手5名による最終戦が行われようとしていた。

 

「まどかさーん!頑張れー!」

 

「っ!」

 

『応援なんて、集中の邪魔よ!』

 

「・・・・」

 

まどかはひかるの声に反応するが、それと同時にさっき那須に言われた事を思い出してしまっていた。

 

「大丈夫! まどかさんは絶対大丈夫・・・・」

 

ひかるがまどかの勝利を祈っている中、試合は順調に進み、まどかと那須の2人だけが全ての矢を命中させ続けていた。

 

そんな中で・・・・

 

「(逸れた⁉︎)」

 

まどかは那須の事を意識しすぎて手元が狂ってしまい、まどかの放った矢は的の外側に当たってギリギリ外れる事はなかった。

しかし、まどかの次の番だった那須が放った矢は的の中心に命中していた。

 

そしてお互いの矢が全て命中していた事から、お昼休憩の後にまどかと那須の2人による優勝決定戦が行われる事になった。

 

「まどかさーん!」

 

ひかるが手を振りながらまどかの事を呼び、まどかもそれに反応してひかる達の方を見るが、そこに冬貴の姿はなかった。

 

「(お父様はまだ・・・・)」

 

「貴方、弱くなったね。」

 

「え?」

 

するとまどかの後ろを歩いていた那須がまどかに声をかけてきた。

 

「友達なんかと、仲良しごっこしてるからよ!」

 

「っ!」

 

「的に当てた数は同じ、でも、正確さはわたしの方が上だった。」

 

「っ⁉︎」

 

そう言い残して那須は先に行ってしまった。

 

それを聞いて動揺したのか、まどかの弓を持つ左手がずっと震えていた。

 

 

その頃、まどか達のいる会場の屋根の上では・・・・

 

「アイワーン様、くれぐれも単独行動は控えて下さい。今回はきちんとお供いたしますので・・・・」

 

「プリキュアからペンを根こそぎ奪ってやるんだっつうの。ケヒャヒャヒャヒャヒャ!」

 

そこではアイワーンとバケニャーンがプリキュア達の持つペンを狙っていた。

 

 

To Be Continued

 

 




        次回予告


那須の言葉に気持ちが揺らいでしまうまどか

そんなまどかの為にとひかる達も行動を開始する。

ひかる達の思いを受けて、まどかの出した答えとは・・・・


次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第46話 まどかの一矢! 自分の道を突き進め!  後編

次回も楽しみに!



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第46話 まどかの一矢! 自分の道を突き進め!  後編

GWも今日で最終日、因みに私は今日から仕事再開。
数日ぶりの仕事は流石に疲れますね。
それでは本編をどうぞ。



「じゃあ俺はまどかを呼んでくるから。」

 

「うん! 場所取りは任せて!」

 

大会はお昼休憩となり、こうたはまどかを呼びに行き、その間にひかる達はみんなでお昼を食べる為の場所取りとそれぞれ別行動となった。

それからひかる達は会場の外にある広い草むらへとやって来た。

 

「うぅ〜、まどかさんの力になりたいよぉ〜」

 

「フワ?」

 

「力か・・・・」

 

「ルン・・・・」

 

ひかる、えれな、ララの3人はまどかの為に自分達に何かできないかと考えていた。

 

「フワ? お願いフワ! フーーーワーーー!」

 

そう言ったフワの耳の周りのリングが回転し始めるとトィンクルブックから何かのオモチャのような物が現れた。

 

「何これ?」

 

「おぉ! フォーチュンカプセルメーカー! 懐かしいでプルンス。」

 

「フォーチュンカプセル?」

 

「地球でいうお守り、星のカケラに願いを込めてカプセルに入れると叶うと言われてるでプルンス。小さい時によく作ったでプルンス。」

 

プルンスによるとそれはフォーチュンカプセルメーカーと呼ばれる物で、それに願いを込めてお守りを作ると叶うと言われているらしい。

 

 

「キラやば~っ☆ ねぇ、まどかさんにお守り作らない?」

 

「ルン!」

 

「イイねぇ!」

 

「作るフワ!」

 

それからひかる達はまどかの為にお守り作りを開始した。

 

その頃まどかは、会場内の2階にある外が見える通路に1人で立っていた。

 

『貴方、弱くなったね。』

 

「はぁ・・・・」

 

まどかはさっき那須に言われた言葉を気にして落ち込んでいた。

 

「どうしたんだ? ため息なんかついて。」

 

「え? こうた君?」

 

暗い表情のまどかだったが、そこへ彼女を探していたこうたがやって来た。

 

「とてもこれから延長戦を戦う選手の顔には見えないぜ。」

 

こうたはまどかに声をかけながらまどかの隣まで来ると手すりに両腕の肘をおいて外の景色を見始めた。

 

「何かあったのか?」

 

「それは・・・・」

 

まどかはこうたに図星をつかれると自身の思いを口にした。

 

「こうた君・・・・強いって、どうゆう事なんでしょうか?」

 

「なんだよいきなり?」

 

「那須さんに言われたんです、わたくしはみんなと一緒にいる事で弱くなったと。確かに矢の正確さはわたくしよりも彼女の方が優れていました。ですがわたくしは、強さとはどういうものなのか良くわからないんです、ですからこれまで様々な力を手にして強くなったこうた君ならわかるのではと思ったんです、強いって、どういう事なのかと。」

 

まどかは自身の考えている事を悩みをそのままこうたに伝えた。

 

「俺は、自分が強いだなんて思った事はないぞ。」

 

「え?」

 

まどかは予想外の返事に少しだが驚いた。

 

「俺はただ、いつも目の前の事に一生懸命なだけだ。『みんなを助けたい』、『みんなを守りたい』、ただそれだけを考えて戦ってきた。まぁ、サーディスに言われた事を気にしてた時はアイツの事しか考えてなかったけどな。」

 

「そうだったんですか?」

 

まどかはこうたの言葉にきちんと耳を傾けていた。

 

「けど俺は、まどかの事を弱いだなんて思った事は一度もないぞ。それどころか前のまどかよりも今のまどかの方がイキイキしてて俺は良いと思うけどな。」

 

「えぇ⁉︎ ////」

 

まどかは頬を赤く染めながら恥ずかしがっていた。

 

「だってそうだろ? まどかはひかる達と出会ってから今まで自分が知らなかった事を沢山知った。その全てが無駄だったと思うか?」

 

「そんな事ないです! ひかる達と過ごした時間はわたくしに多くのものを与えてくれました。無駄な事なんて絶対にないです!」

 

「ならそれを信じろよ。誰に何と言われようと、自分が正しいと思った事を最後まで貫けば良いんだよ。その方が後で後悔しなくて済むからな。」

 

「こうた君・・・・」

 

「(まぁ俺も、そういった事はヒカルさん達から教わった事だからあんまり人のことは言えないけどな。)」

 

こうたもまたヒカル達ウルトラマンの意思を知り、触れた事で自身も成長する事ができて、そこから教わった事をまどかに伝えただけだとこうたは考えていた。

それからこうたは右手の拳を前に突き出した。

 

「見せてやろうぜ那須さんに、今のまどかを、まどかの信じる弓道を!」

 

「っ! はい!」

 

こうたの言葉に元気よく返事をしたまどかは自身の右手の拳を出すとそれをこうたの拳に重ねた。

 

「んじゃそろそろ昼飯にするか、ひかる達も待ってるぞ。」

 

「はい。」

 

そしてまどかはこうたと共にひかる達の所に向かい、ひかる達をみつけると大きなブルーシートを敷いてその上にえれなが作ってきたお弁当を広げた。

 

「凄いルン!」

 

「あぁ、確かに凄い。」

 

「流石えれなさん!」

 

「うん、しずかさんに色々教えてもらったんだ、メインはとんかつサンドと鰹節のおにぎり!まどかが勝てるようにね。」

 

『いただきま~す(ルン)』

 

それからひかる達は各々が食べたい物を取ってそれを口にした。

 

「美味しい!」

 

「ルン!」

 

「んっ、旨い!」

 

「ありがとう、どんどん食べてね。」

 

「おにぎり美味しいルン。」

 

「あっ、ララそれ俺が食べようとしてたやつ。」

 

「早い者勝ちルン。」

 

「おにぎりばっかり食べてないでおかずもちゃんと食べろよ。」

 

みんな楽しく喋りながら食べている間に、まどかはみんなの会話に入らずに1人で黙々と食べていた。

 

「まどかさん」

 

「え?」

 

ひかるはまどかにピンクのハートの中に5つ色違いの星のカケラを入れて、ハートの外側が鍵の形をしたキーホルダーを渡した。

 

「わたくしに?」

 

「みんなでお守りを作ったんだ、まどかさんが優勝できますようにって!」

 

「わたくしの為に?」

 

「はい、こっちはこうたの分ね。」

 

「え? 俺にも?」

 

「当然ルン。」

 

ひかるがまどかにキーホルダーを渡している間にえれなとララがこうたにまどかとは色違いのピンクの部分が赤色になったキーホルダーを渡した。

 

「まどかさん・・・・」

 

するとひかる、えれな、ララの3人はそれぞれまどかやこうたとは形や色は違うがお揃いのキーホルダーをまどかに見せた。

 

「あたし達も一緒にいるよ。」

 

「ルン!」

 

「まどかさんなら大丈夫!」

 

「みんな・・・・ありがとう。」

 

まどかはひかるから渡されたお守りを胸元でしっかりと握りしめながらみんなに感謝の気持ちを伝えた。

そんなまどかの姿をこうたはおにぎりを食べながら嬉しそうに見ていた。

それからまどかはひかる達と楽しそうにお弁当を食べていたのだが、その姿を影で見ていた那須はそれを不満に思いながらベンチで1人、自身のお弁当を食べていた。

 

「ふん! 友達なんか・・・・」

 

「ケヒャヒャヒャヒャヒャ! ホントは寂しい癖に。」

 

「誰⁉︎」

 

那須は突然隣から聞こえた声に反応して立ち上がるとそこにはアイワーンがいた。

 

「強がってるだけだっつうの。」

 

「っ!」

 

「ダークペン!イマジネーションを塗りつぶせっつーの!」

 

アイワーンはダークペンを使ってハートの形を描くがそれはプリキュア達がペンで描く色に比べてとても禍々しく、そのハートは真っ直ぐ那須の所へ飛んでいき直撃してしまう。黒いハートの中に那須が閉じ込められてしまうと、それを核に胸は弓道の的と同じ形の物を付けて頭に赤い鉢巻きと手には光る弓を持った人型の巨大ノットリガーが生まれてしまった。

 

〜〜♪

 

「っ! ペンダントが⁉︎」

 

そしてひかるのペンダントがアイワーンの持つおひつじ座のペンに反応してみんなでその場に向かうとそこにはノットリガーとアイワーンがいた。

 

「ノットリガー!」

 

「友達なんか邪魔、友達なんかいらない、1人が一番強いのよ!」

 

「っ! 那須さん・・・・いま助けます!」

 

「うん(ルン)(あぁ)!」

 

まどかがペンダントを取り出すと、それに合わせて他のメンバーも自身のペンダントとペンを取り出した。

 

『スターカラーペンダント!カラーチャージ!』

 

『キラめく~星の力で~!憧れの~私描くよ~!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『スター☆トゥインクル〜!スター☆トゥインクルプリキュア~~!』

 

 

「宇宙(そら)に輝く〜キラキラ星!キュアスター!」

 

「天にあまねく〜ミルキーウェイ!キュアミルキー!」

 

「宇宙を照らす!灼熱のきらめき!キュアソレイユ!」

 

「夜空に輝く!神秘の月明かり!キュアセレーネ!」

 

「光輝く聖なる宇宙!キュアスペース!」

 

 

『スター☆トゥインクルプリキュア‼︎』

 

「いけ!」

 

「ノットリガー!」

 

ノットリガーは弓を棒のように使って攻撃するが、プリキュア達はそれを回避した。

 

「ハアッ!」

 

その後ソレイユは高くジャンプ炎を纏った右足で飛び蹴りをしてそれがノットリガーの胴体に直撃した。

 

「ミルキーショック‼︎」

 

「ノットリガー!」

 

ミルキーの技も直撃したノットリガーはそのまま跪くと、その隙にとスターがノットリガーに突撃した。

 

「ハアアアッ!」

 

「ノットリガー!」

 

「うわあああっ!」

 

「「スター!」」

 

しかし、すぐに立て直したノットリガーの攻撃を受けたスターは吹き飛ばされてしまった。

 

「ノットリガー!」

 

「気をつけて!」

 

「任せろ! ウルトラスターカラーペン! ビクトリー! ウルトラカラーチャージ!」

 

ノットリガーが高くジャンプすると、セレーネが他のプリキュア達に注意を促すとスペースもそれを理解してビクトリーのペンを使って変身した。

そしてノットリガーが高い場所から弓矢でスターと彼女の所へ向かっていたミルキーとソレイユの元に矢を放った。

 

「はっ!」

 

「プリキュア・ビクトリウムスラッシュ‼︎」

 

その矢に対してセレーネは自身の矢で、スペースは技で対応しノットリガーの矢を相殺する事に成功した。

 

「那須さんを解放して! こんなことに彼女の弓を使わせないで!」

 

「あたいに感謝しろっつーの!あんたの邪魔者をノットリガーにしてやったんだっつーの!」

 

それを聞いたセレーネは握りしめた力が強すぎて自身が持っていた光る弓が消滅すると、セレーネの身体全体から黄色い光が輝き出した。

 

「違います、邪魔者なんかじゃありません! 彼女は素晴らしい選手です。わたくしは弓道で、彼女と決勝戦を戦いたいんです!」

 

「ノットリガー!」

 

「させねぇよ!」

 

『放て! 聖なる力!!』

 

スペースはすぐにウルトラマンヒカリのスパークドールズを使ってナイトティンバーを召喚し、『キュアスペースビクトリーナイト』へとパワーアップした。

 

「ハアッ!」

 

ノットリガーの放った矢は剣になったナイトティンバーによって斬られてしまった。

 

「セレーネ!」

 

「はい!」

 

そしてセレーネはいて座のペンを取り出した。

 

「プリキュア・いて座・セレーネアロー‼︎」

 

「ノットリガー!」

 

セレーネの技とノットリガーの矢が激突した。

 

「なに⁉︎」

 

「ノットリガー!」

 

しかしノットリガーの矢が押し負けるとセレーネの矢がノットリガーに直撃した。

 

「みんな!」

 

『宇宙(そら)に輝け!イマジネーションの力!』

 

『トゥインクルステッキ!』

 

「スタートゥインクル!」

 

「ミルキートゥインクル!」

 

「ソレイユトゥインクル!」

 

「セレーネトゥインクル!」

 

『4つの輝きよ、今一つに!』

 

『プリキュア・サザンクロスショット!』

 

スペースはナイトティンバーのカバーのポップアクションを3回行った。

 

『スリー! ナイトビクトリウムシュート』

 

「これで決める! プリキュア・ナイトビクトリウムシュート‼︎」

 

「ノットリガー・・・・」

 

プリキュア達の技がノットリガーに直撃するとノットリガーは消滅して那須は解放された。

 

「ぐぬぬぬぬっ!」

 

「今日の所は帰りましょう。」

 

「ふん!」

 

アイワーンは悔しそうにしながらバケニャーンと共にワープホールを通って帰っていった。

 

それから数分後、気絶していた那須が目を覚ました。

 

「あれ? わたし・・・・」

 

「那須さん、行きましょう。試合が始まります。」

 

まどかの気合十分な表情を見て那須は何がどうなっているのかよくわからなかった。

 

それからひかる達が会場の席に向かうとそこにはまどかの母、満佳だけではなく、まどかの父、冬貴も席に座っていた。

 

「間に合ったんですね?」

 

「えぇ。」

 

「始まるようだ。」

 

それからすぐにまどかと那須の延長戦が開始された。

どちらも一歩も引かず、これまで放った矢は全て的に命中していた。

 

「(わたしは、勝つ! 勝つ為に、友達なんて必要ない!)」

 

那須は孤独を力に変えて、まどかに勝つ為にその力を最大限に発揮していた。

それに負けずとまどかも必死に戦っていた。

 

『弓道は自分と向き合い自分を鍛える武道。最後に頼れるのもまた自分だけだ。』

 

「「(頼れるのは、自分だけ!)」」

 

ここまで数十本全ての矢を的に命中させてきた2人だが、流石に疲労が見え始めてきていた。

 

「「ハァ・・・・ハァ・・・・」」

 

「(でも、今は・・・・1人じゃない。)」

 

まどかはポケットの中にあるひかる達から貰ったお守りを握りしめてひかる達の存在をお守りから感じていた。

 

「まどかさん・・・・」

 

「「「・・・・・・・・」」」

 

ひかるが両手を合わせてお祈りをしていると、えれなとララも一緒に両手を合わせてお祈りをしていて、こうたは真剣な表情でまどかの試合を見守っていた。

 

「(勝つ為にずっと1人で練習してきた。負けない! 負けたくない!)」

 

那須は負けたくないという気持ちを込めて矢を放つがその矢は的から外れてしまった。

 

「ハッ!」

 

『見せてやろうぜ那須さんに、今のまどかを、まどかの信じる弓道を!』

 

「(みんなの応援を力に変えて、自分を信じて進む! それが、わたくしの信じる弓道です! )」

 

そしてまどかの放った矢は的の中心に命中した。

これにより『全国弓道王大会』女子の部の優勝者はまどかに決定した。

 

「まどかが・・・・」

 

「「勝った(ルン)!」」

 

「よし!」

 

えれなが、ひかるが、ララが、こうたがまどかの勝利にみんなで喜んでいた。

 

「敵ながらあっぱれでしたわ。」

 

「まどかさーん!」

 

「っ!」

 

姫ノ城が那須の強さに感心していると、ひかるは冬貴の側まで行き、そこからまどかの事を呼ぶと、まどかが声をした方へ顔を向けると冬貴の存在に気づき、改めて冬貴の見ている前で優勝できた事を嬉しく思っていた。

 

「本当は初めからいらしてたんでしょ?まどかを一人で戦わせるために。」

 

「・・・・。」

 

 

 

満佳の言葉に聞いた冬貴は図星をつかれたのか彼女から目を逸らした。

 

「皆さんの応援のおかげね。」

 

「ああ。」

 

そして表彰式が行われてまどかは優勝トロフィーを受け取った。

 

「来年もまたここで会いましょう。」

 

「え?」

 

そしてまどかは那須と握手をしようと右手を差し出した。

 

「必ずね。」

 

「・・・・来年は負けないわ!」

 

那須はまどかの気持ちに応えてまどかと握手をした。

その光景を見ていた観客からは2人に対して盛大な拍手が送られた。

こうして、今年の大会はまどかの優勝で幕を閉じたのであった。

 

 

To Be Continued

 

 




         次回予告


新たなプリンセススターカラーペンを求めて再びゼニー星へとやって来たこうた達。

そこで再び、ブルーキャットと出会う事に

果たして彼女がこうた達に求めるものとは一体・・・・

次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第47話  ペンは誰のもの? ブルーキャット再び! 前編

次回も楽しみに!



※もしよろしければ、皆さんがこれまでの話で感じた感想やコメントがあればドシドシ送って下さい。
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よろしくお願いします。


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第47話  ペンは誰のもの? ブルーキャット再び! 前編

1ヶ月近く投稿できずにすいませんでした。

m(_ _)m

GWが明けてから仕事が増えてしまい投稿する余裕がなくて中々投稿できずにいましたが、やっと余裕ができてきたので今月からまた投稿を再開します。

それから『シン・ウルトラマン』観てきました。

初代ウルトラマンを知っているからこその楽しみもあってウルトラマン好きなら絶対面白い映画だなと思いました。

更に新作の『ウルトラギャラクシーファイト』でも久しぶりにニュージェネメンバーの活躍が見られて嬉しかったです。

これからもよろしくお願いします。




 

 

〜〜♫

 

ロケットで星空界へやって来たこうた達はえれなのペンダントから反応があるおとめ座のプリンセススターカラーペンを探しにとある惑星へと向かっていた。

 

その場所は・・・・

 

「ゼニー星・・・・キラやば~っ☆」

 

「ついこの間来たよね。」

 

「また来たかったんだ~。」

 

ペンの反応を頼りにやって来たのは以前オークションが行われたゼニー星だった。

ロケットを着地させて地上を歩きながらペンの場所を探していた一行はとある建物の前で立ち止まった。

 

「ここだ。ペンダントの反応はこの家からだよ。」

 

「おっきぃ~。」

 

「いかにもお金持ちが住んでますって感じだな。」

 

そこはまるでお城のような形をしたお屋敷だった。

 

「あら?プリキュアじゃない。」

 

『え?』

 

すると屋敷の塀の上にいた猫のシルエットがジャンプするとその先で猫は人の姿に変化して木の上に着地した。

そしてその人物はプリキュア達が知っている人物だった。

 

「あ、あれは⁉︎」

 

「全宇宙を股に掛ける、宇宙怪盗ブルーキャット‼︎」

 

その人物は以前にもオークション会場でペンを取り合った宇宙怪盗のブルーキャットだった。

それからブルーキャットは木の上から飛び降りてこうた達の目の前に着地すると、こうた達はペンを狙っているブルーキャットの事を警戒していた。

 

「そんなに警戒しないでよ、けど丁度いい所で会ったわ。」

 

「何か御用ですか?」

 

ブルーキャットの話にまどかが対応した。

 

「実はここ、ドラムスの屋敷のなの。」

 

「ドラムスさん?」

 

「あぁ、あの時俺達をオークション会場に入れてくれた超セレブか。」

 

ドラムスとは以前オークション会場に入れてくれただけでなく、そのオークションでまどかとペンをかけて勝負した超セレブである。

 

「そうよ、つまり宇宙で買い集めたお宝はこの屋敷の何処かに保管されているのよ。」

 

「プリンセススターカラーペンも?」

 

「もちろん、貴方のレーダーを使えばプリンセスの力もみつかるし、他のお宝の場所もわかるってわけ。ね? だから協力といきましょ?」

 

「協力って?」

 

「まさか、あなたと一緒に泥棒をしろと?」

 

「そんなの駄目に決まっているでプルンス! 誰が協力するかでプルンス!!」

 

「ええ、そのとおりです。」

 

「プルンス、はっきり言ってやるルン!」

 

「怪盗なのにアイドルを騙って、ファンの心を弄んで! お前は! お前という奴はぁぁあああ!」

 

「いや待て、怒る所ってそこなのか?」

 

プルンスは周りを気にせず自身の怒りをブルーキャットにぶつけていた。

するとその中でプルンスが乗る小型ポットから何かが落ちた。

 

「何か落ちたわよ。」

 

ブルーキャットが地面を指差して教えるとそこにはマオの写真集やブロマイドやフィギュアなど、様々なマオのアイドルグッズが落ちていた。

 

「プルンスの青春を返せでプルンス〜〜〜〜‼︎」

 

「だから、怒るポイントがズレてるって・・・・」

 

プルンスは地面に顔を押しつけながら号泣し、その姿を見ながらこうたはプルンスだけ怒る所がズレてると指摘した。

 

「やっぱりまずはペンを譲ってもらえないか、ドラムスさんと交渉してみよう。」

 

「賛成!」

 

ブルーキャットの提案に反対のえれなはドラムスと交渉する事にした。

 

『お断りだね。』

 

「ドラムス⁉︎」

 

するとドラゴンの口が開いたような形をした屋敷の入り口のドラゴンの目が赤く光ると突然どこからかドラムスの声まで聞こえてきた。

 

『ブルーキャット! この前はしてやられたが、今度はそうはいかない。寧ろこちらがプリンセスの力を頂く。』

 

「あたしたちの⁉︎」

 

「何で知ってるルン。」

 

『金に物を言わせて調べたのさ。』

 

「これだから金持ちは・・・・」

 

ドラムスは入り口のドラゴンの目の監視カメラを通してこうた達を見ながら屋敷の中の自身の部屋からこうた達に話しかけていた。

 

「申し訳ありませんがお渡しする事は出来かねます。」

 

『だろうね。そこで提案だ、お互いのプリンセスの力をかけて勝負しよう!』

 

するとこうた達の足元がなくなり、落とし穴に落ちるかのようにみんな地下深くに落ちていった。

 

『うわぁぁぁぁぁぁ!』

 

その途中でプルンスは空気を大きく吸い込んで自身の身体を風船のように大きくするとそれがクッションとなりブルーキャットとこうたはそれを足場にしてそのまま地面に着地するとひかる達他のメンバーもプルンスの上でトランポリンの様に何度か跳ねながら上手く着地した。

 

「ここは?」

 

「どこでプルンス?」

 

「結構落ちてきたな。」

 

ブルーキャットとこうたとプルンスが現状確認をしているといつものように小型ポットに乗って空中に浮いていたプルンスの頭を何処からか放たれたレーザーがかすった。

 

「あちゃぁぁあああでプルンスーーーッ!」

 

「頭を下げて!」

 

ブルーキャットの指示で全員頭を下げた。

 

『さあ、勝負開始だ! 宝の在処にまで辿り着いて、見事僕から奪ってみたまえ。出来なかった時は君達のプリンセスの力を頂くよ!』

 

「勝手な事を・・・・」

 

「でもシンプルで良いじゃないか。勝負に勝てばペンが手に入るんだし。」

 

「そうかもしれないけどさ・・・・」

 

「気持ちはわかるが、こうなったらやるしかないだろ。」

 

ドラムスの提案にこうたは乗り気だが争いが嫌いなえれなは納得出来ずにいた。

その後にブルーキャットは自身がかけていたサングラスの赤外線カメラで部屋全体を見回すと自身達の頭の上のあちこちに肉眼では見えないセンサーの位置と部屋の中の高い場所にある出口を確認した。

 

「あそこが出口みたいね。」

 

そう言いながらブルーキャットが右手の人差し指を頭上に伸ばすと、それにセンサーが反応して部屋の天井に装備された小型のレーザーを発射する機械からレーザーが発射されて、それレーザーが再びプルンスの頭をかすった。

 

「あちゃぁぁあああでプルンスーーーッ!」

 

「頭のすぐ上にセンサーがあるから立ち上がると撃たれるわよ。」

 

「みたいだな。こうしてしゃがんでいればレーザーが飛んでくる心配はなさそうだが・・・・」

 

「えぇ、ここを脱出するには上のレーザーを壊すしかなさそうね。」

 

「どうするルン?」

 

「キュアソレイユ、手伝って。」

 

「あたし?」

 

ブルーキャットは何を思いつきそれをえれなに手伝うようにお願いした。

 

「走るのが得意なあなたが適任なの。」

 

「ちょっと待った。」

 

「こうた?」

 

「何よ?」

 

するとそこへこうたが割って入ってきた。

 

「えれなに囮役をやらせるんだろ? だったら俺がやる。」

 

「えぇ⁉︎」

 

「大丈夫ルン?」

 

「任せろって。 今でも朝と夜のランニングは続けてるし、だから俺の方が適任だろ?」

 

こうたが自ら囮役を志願し、それをひかるとララは驚くが、こうたはその理由を説明した。

 

「・・・・そう。そこまで言うなら任せるわ。それからプルンスはロープに変形ね。」

 

「ああ? 誰がお前の言う事なんて聞くかでプルンス!絶対、断固、頑なにお断りでプルンス~~~!」

 

そうしている間にブルーキャットは香水を取りだして、それを自分にかけるとその姿は宇宙アイドルのマオの姿になっていた。

 

「プルンス、お願いニャン!」

 

「最高級ロープでプルンス。」

 

「ありがとニャン!」

 

「お前にはプライドはないのか?」

 

こうたはその光景を見てプルンスの心変わりの早さに呆れていた。

 

それから準備が整ったこうた達は行動を開始した。

 

「準備はいいか?」

 

「いつでも良いわよ。」

 

「それじゃあ、行くぞ!」

 

こうたが走りながら立ち上がるとそれに合わせてレーザーがこうたの足元に向かって連射で発射されていた。

 

「だぁもう! 連射機能があるなんて聞いてねぇぞ!」

 

こうたは文句を言いながらも走り続けた。

 

「こうた!」

 

「頑張るルン!」

 

「その隙に!」

 

ひかるとララがこうたを応援している間にブルーキャットはプルンスが変形したロープをレーザーの根元に巻きつけるとそれを利用して一気にジャンプしてレーザーの目の前までやってきた。

レーザーもブルーキャットの存在に気づくが、レーザーが発射される前にブルーキャットは取り出したスパナとドライバーを使って素早くレーザーを解体してレーザーは発射されなかった。

 

「やった!」

 

「・・・・やるね、だがこの先はそうは行かないよ。」

 

そのままブルーキャットは出口に着地した。

作戦が成功してひかるは喜び、ドラムスは最初の試練をクリアした事に感心していた。

それからプルンスのロープを使ってみんなで上に上がってペンのある場所を目指して出発した。

 

「ペンはこっちの方角だね。」

 

「ねぇ、ブルーキャットってわたし達のこと詳しそうだけどなんで?」

 

「俺が持ってるウルトラスターカラーペンの事も知ってたしな。」

 

「ふふ、宇宙怪盗は何でもお見通しニャン。」

 

「それ全然答えになってないからな。」

 

「ふふっ」

 

「笑って誤魔化してるルン。」

 

「教える気ゼロだな。」

 

ひかる達はみんなでブルーキャットに質問をしているがそれらは全てはぐらかされてしまっていた。

 

「そうでプルンス! プルンスはあの笑顔に青春を奪われてしまったでプルンス! プルンスのバカバカバカバカバカ・・・・」

 

「意外と良い音しますね?」

 

プルンスは自身の頭を何度も叩くとその時にポカポカポカポカと音が鳴っていてその音にまどかが反応していた。

 

「ねぇ、教えてよ?」

 

「あっ! 広そうな場所に出るルン!」

 

そんな会話をしていた一行は明るくて広い場所に出ると、そこには・・・・

 

「我らはドラムス様の私設軍隊。人呼んで、ドラゴン兵団。」

 

「ドラゴン兵団・・・・胸躍るネーミング!」

 

「喜んでる場合か!」

 

そこには全身に鎧を纏い、様々な武器を装備したドラムスの私設軍隊、『ドラゴン兵団』の兵士達が立っていてその名前を聞いたひかるは目をキラキラさせながら喜び、こうたはそれを注意した。

 

「すぐに降参しろ! さもなくば・・・・」

 

『うわぁぁぁああああ!」

 

ドラゴン兵団のリーダーらしき兵士が武器を振り下ろし、こうた達は慌てて逃げた。

 

「待てぇ!」

 

「宇宙から集められた精鋭達よ。まともにやっても勝ち目はないわ! 」

 

「あの人達にも詳しいの?」

 

「でも、プリキュアに変身すれば勝てるかも?」

 

「それはダメです!」

 

ブルーキャットはプリキュアになればドラゴン兵団をなんとか出来るかもと告げるが、まどかがそれを反対した。

 

「悪者でもない方々を、やっつけるわけにはいきません!」

 

「だな。この力は誰かを守る為の力であって誰かを傷つける為の力じゃないんだ。」

 

「あっ、そう。」

 

「逃がさーん!」

 

「坂道、終わり!」

 

ひかるが1番に登り坂を登りきったが、その場で転んでしまい、頭を打ったひかるはそのまま気絶してしまった。

 

「ひかる⁉︎」

 

「しっかりするルン!」

 

こうたとララが呼びかけるがひかるは目を覚ます気配が全くなかった。

 

「はやくしないと、追いつかれてしまうでプルンス!」

 

どうすれば良いかをそれぞれが必死に考えていた。

すると・・・・

 

「お粗末だね。」

 

「ルン?」

 

「あなたは⁉︎」

 

そこにある人物がやってきた。

 

そしてその人の指示でこうた達はひかるを抱えて隠れた。

そこへドラゴン兵団がやって来ると彼らの前に姿を現したのは・・・・

 

「見失ったか?」

 

「何をしている奴らはあっちに逃げたぞ!」

 

「ドラムス様⁉︎」

 

そこに現れたなんとドラムスだった。

彼の指示でドラゴン兵団はそのまま他の通路をへと走って行ってしまった。

 

「行ったルン。」

 

「ドラムスさんが助けてくれるなんて・・・・」

 

「ありがとう、ブルーキャット!」

 

「え?」

 

「ほら、あの尻尾。」

 

えれなは自分達と勝負をしているドラムスがどうして助けてくれたのかを考えていると、目を覚ましたひかるがブルーキャットの名前を出してお礼を言った。

よく見るとドラムスの頭には猫の耳、そして猫の尻尾があった。

 

「ブルーキャットのいい匂いがするフワー!」

 

「ご名答!でも、別にあなた達の為じゃないわ。勝負に負けたら宝が手に入らないから。」

 

それからドラムスがブルーキャットの使っていた香水を自身にかけるとブルーキャットの姿になった。

どうやらブルーキャットがドラムスに変身して助けてくれたのだ。

 

「引き返せ! アレは偽物だ!」

 

「えぇ?」

 

それを見ていたドラムスはすぐにドラゴン兵団に引き返すように命令した。

 

「待てぇ!」

 

「また来たーっ!」

 

「ここに隠れるでプルンス!」

 

戻って来たドラゴン兵団に追いかけられたこうた達は空いていた一つの部屋の中へと入っていった。

 

「あ、アイツらよりによってあの部屋に入ったぞ。」

 

「えぇ⁉︎」

 

こうた達が入った部屋をドラゴン兵団のメンバー達は恐れていた。

そして入って来た扉が閉まり、こうた達はその部屋に閉じ込められてしまったが、部屋の中は真っ暗で何も見えなかった。

 

「閉じ込められたわ。」

 

「真っ暗ルン。」

 

「明かりがついたでプルンス。」

 

「でも明るくないルン。」

 

プルンスが1つのライトらしき明かりがついたと言うが、ララの言う通りそれほど明るくなかった。

 

それから更に2つの光がつくがそれでもあまり明るくなかった。

 

「やっぱり明るくならないルン。」

 

「何故でプルンス?」

 

「コイツまさか⁉︎」

 

「どうしたブルーキャット?」

 

ララとプルンスは明るくならない事に疑問を抱いていたがブルーキャットが何かに気づき、こうたがそれを質問した。

しかしその返事がくる前に部屋の明かりがつき、突然の明るさにみんな目を瞑るが、恐る恐る目を開けるとそこには全身が緑色で三つの頭と一つ目のモンスターがそこに立っていた。

 

『きゃあああああっ!』

 

『そいつは我がドラゴン兵団でさえ震えあがる恐怖の宇宙危険猛獣「宇宙ケルベロス」!』

 

「宇宙の番犬と言われる猛獣よ。」

 

『えぇ⁉︎』

 

「オヨォ⁉︎」

 

「これが、ケルベロス?」

 

みんなは怯えていたが、こうたは自身が想像していたケルベロスと比べてのあまりのギャップにより他のメンバーよりかは冷静だった。

 

「流石に変身した方がいいわよ。」

 

「わわわわかってるるルン!」

 

「動きたくても、ププププルプルプルンス!」

 

「ん? ひかる? ひかるどこいった?」

 

みんな宇宙ケルベロスに怯えている中、こうたはひかるがいない事に気づき辺りを見ていた。

 

すると突然、宇宙ケルベロスの動きが止まった。

 

「え? どうした?」

 

「ケローーッ!」

 

すると今度は宇宙ケルベロスがいきなり仰向けに倒れた。

 

「何⁉︎」

 

「アレは⁉︎」

 

「よ~しよしよしよし、宇宙ケルベロスキラやば~っ☆」

 

『ひかる⁉︎』

 

なんとそこには宇宙ケルベロスのお腹にしがみつきながらお腹を撫でているひかるの姿があった。

 

「よしよしよしよしよしよし、可愛いね~、可愛いね~。」

 

「宇宙ケルベロスを・・・・」

 

「手懐けた⁉︎」

 

「うちにもイエティっていう犬がいるんだ~。」

 

「飼い犬扱い⁉︎」

 

ひかるの予測不能な行動にブルーキャットとドラムスは驚く事しか出来なかった。

それからひかるは宇宙ケルベロスと追いかけっこをして遊んでいたが、その途中で宇宙ケルベロスが閉じられていた扉を壊して外に出るとそこで待ち伏せしていたドラゴン兵団と出くわしてしまいドラゴン兵団は宇宙ケルベロスに追いかけられて何処かへ行ってしまった。

 

「またね〜!」

 

「あなた何者?」

 

「それ、俺も時々思う。」

 

ひかるの予想外の行動にブルーキャットはひかるは何者かと考えているとこうたもそれに対して同意した。

 

それから一同はペンダントの反応を頼りに進み続けていくと一つの部屋の前までやって来た。

 

「ペンダントの反応はこの部屋の中からだよ。」

 

「鍵がかかってますね。」

 

「どうってことはないわ。」

 

えれなはペンの反応はこの部屋の中からだと判断するが、まどかが扉を開けようとするも鍵がかかっていていて開かなかった。

しかし、それをブルーキャットは簡単に開けてしまい扉が開いた。

 

そこで彼女達が見たものとは・・・・

 

 

 

To Be Continued

 

 





        次回予告


無事に宝物庫へと辿り着いたこうた達

しかしそこでドラムスの最後の仕掛けが発動!

そこへノットレイダーも乱入して大騒ぎ!

果たしてペンは誰の手に?



次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第48話  ペンは誰のもの? ブルーキャット再び! 後編

次回も楽しみに!



※もしよろしければ、皆さんがこれまでの話で感じた感想やコメントがあればドシドシ送って下さい。
皆さんからのコメント、そして評価が頂けたら凄く嬉しいです。
よろしくお願いします。


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第48話  ペンは誰のもの? ブルーキャット再び! 後編

お待たせしました。
後編も楽しんでもらえたらと思います。
そして次の前後編の後には新しい新章予告がありますので、そちらもお楽しみ。



おとめ座のプリンセススターカラーペンを探しにゼニー星のドラムスの屋敷へとやって来たこうた達。

そこで偶然、宇宙怪盗ブルーキャットと再会して何故か一緒にドラムスからの互いのペンを掛けた勝負を受ける事に。

それから順調に進んできたこうた達が辿り着いたのは沢山のお宝が置いてある宝物庫だった。

 

「こんなにたくさん豪華な品が・・・・」

 

「凄いルン・・・・」

 

「あったでプルンス!」

 

まどかとララが豪華な品々に見惚れていると、プルンスがおとめ座のプリンセススターカラーペンを見つけた。

 

「プリンセススターカラーペンでプルンス!」

 

「これで勝負はあたし達の勝ちだね!」

 

「あぁ。」

 

「わ~い、やったね! ブルーキャッ・・・・あれ?」

 

「どうした?」

 

プルンスがペンを見つけてえれなとこうたが勝負の勝ったと喜び、ひかるがブルーキャットと喜びを分かち合おうすると、ブルーキャットはペンではなく別の品に意識が向いていた。

そこには虹色の宝石が埋め込まれた王冠や短剣、ネックレスなど様々な品が保管されていた。

 

「これは、惑星レインボーの宝物でプルンスな。」

 

「へぇ、綺麗だな。」

 

「・・・・無事だったのね。」

 

「ん?」

 

その時のブルーキャットは笑っていたのだが、近くにいたこうたと離れた場所から見ていたえれなはいつものワザとらしい笑顔ではない心からの笑顔を初めて見たと感じていた。

 

「わぁ! ホント綺麗だよねこの宝石。ブルーキャットも好きなんだね。」

 

「え?」

 

「とってもキラやば~っ☆だよね!」

 

「・・・・まぁまぁね。」

 

そこへひかるもやって来てブルーキャットに話しかけてきた。

それに答えたブルーキャットは帽子深く被り周りには見えないようにすると口元が笑っていた。

 

「さぁ、最後の仕上げよ!」

 

そう言ってブルーキャットがカプセルを投げると、中から大きな宝箱のような形をした箱が出てきた。

 

「カプセル倉庫よ。お宝詰め込んで帰りましょ。」

 

「成る程、確かにコレならたくさん入れても問題なさそうだな。」

 

それからブルーキャットはお宝を倉庫の中にたくさん詰め込んだ。

 

「まさかここまで来るとはね。」

 

「ドラムス⁉︎」

 

何処からか声が聞こえてきて、その声がした方をみてみると、部屋の壁に張り付けられた金の龍の彫刻の口の中にドラムスがいた。

 

「僕は君たちを侮っていたよ。」

 

「お気の毒様、宝はいただいていくわね。」

 

「勝負はこっちの勝ちでプルンス!」

 

「いいや、まだだ!」

 

「?」

 

「まだ最後のトラップが残っているのさ!」

 

 

そう言ってドラムスは手に持ったスイッチを押すと、彫刻が突然動き出した。

 

「えぇ⁉︎」

 

「龍が動き出したルン⁉︎」

 

動き出した彫刻は近くにあった金の壺を手に取りその壺を握りつぶしてしまった。

 

「えぇ⁉︎」

 

「何のつもり?」

 

「ブルーキャット、金に物を言わせて調べたよ。君は惑星レインボーの宝以外は奪った宝を貧しき者たちに分け与えているそうだね。」

 

『え?』

 

ドラムスから聞かされたブルーキャットの話にみんな少なからず驚いていた。

 

「君、そして宝の価値も分からないさもしい一般人にやるくらいなら、すべて潰した方がマシだ! コレクションもまた買い集めればいい!」

 

そう言ってる間にも龍の金の彫刻は暴れ続け、次々とお宝達を破壊していった。

そしてついに、その手はブルーキャットのカプセル倉庫にも及び、彫刻は両手でカプセル倉庫を持ち上げた。

 

「っ⁉︎ 何するのよ!」

 

「フハハハハハ! 宝は渡さない!」

 

彫刻の手の力が徐々に強くなっていくとカプセル倉庫にもヒビが入り始めた。

それをみたブルーキャットは中に入っている惑星レインボーのお宝の事を思い出した。

 

「や、やめ・・・・」

 

「みんな! プリキュアに変身だよ!」

 

『え?』

 

「止めないと!」

 

「あぁ、わかった!」

 

『うん(ルン)!』

 

そこへひかるがみんなにプリキュアに変身するように促すとこうたはそれを了承した。

それをみていた他のメンバーもすぐに了承した。

 

「あなた達・・・・」

 

「心配すんな。あの宝物は俺達が絶対に守ってみせる!」

 

「・・・・・・・・」

 

こうたの言葉を聞いたブルーキャットはどうしてそこまでするのかとふと考えてしまっていた。

 

『スターカラーペンダント!カラーチャージ!』

 

『キラめく~星の力で~!憧れの~私描くよ~!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『スター☆トゥインクル〜!スター☆トゥインクルプリキュア~~!』

 

 

「宇宙(そら)に輝く〜キラキラ星!キュアスター!」

 

「天にあまねく〜ミルキーウェイ!キュアミルキー!」

 

「宇宙を照らす!灼熱のきらめき!キュアソレイユ!」

 

「夜空に輝く!神秘の月明かり!キュアセレーネ!」

 

「光輝く聖なる宇宙!キュアスペース!」

 

 

『スター☆トゥインクルプリキュア‼︎』

 

「アイツらがプリキュアだと⁉︎」

 

ドラムスはこうた達がプリキュアだとは思っていなかったらしく、とても驚いていた。

そして変身したプリキュア達は彫刻の指と倉庫の間に入って指を押し返そうとするが、もの凄いパワーに中々苦戦していた。

 

「コレを壊しちゃダメ!」

 

「そうだよ。だってこの宝物はブルーキャットを笑顔にしたんだ。」

 

「え?」

 

スターとソレイユの言葉にブルーキャットが反応した。

 

「普段みせている笑顔とは違う、心からの笑顔をこうたとひかると一緒にいる時に見せたんだ。」

 

「サングラスしてたってわかるよ。あの宝物が大切な物なんだって!」

 

「だからこそ、絶対に守らなきゃいけないんだ!」

 

「だからどうした!」

 

ソレイユ、スター、スペースの言葉を聞いて尚、ドラムスはやめずに更に彫刻の力を上げた。

 

「くっ、うぅぅぅぅ!」

 

「なんてパワー・・・・」

 

「でも、負けてたまるか!」

 

ミルキー、セレーネ、スペースの3人も必死に宝物を守っていた。

その中でスペースはドラムスの方を見て彼が持っているリモコンの存在に気づいた。

 

「このままでは、持ち堪えられません。」

 

「だろうね。僕が金に物を言わせて作った物だ。いくらプリキュアでも・・・・」

 

「それは、どうかな?」

 

「何⁉︎」

 

「スペース?」

 

ドラムスはスペースの声に反応し、スターがスペースに声をかけた。

 

「みんな! もう少しだけ持ち堪えてくれ!」

 

そう言うとスペースはその場を離脱して地面に着地した。

 

「ウルトラスターカラーペンギンガ!ウルトラカラーチャージ!」

 

スペースはそのままギンガのウルトラスターカラーペンを使って変身した。

 

『今こそ、一つになる時!』

 

『ウルトラマンタロウ!』

 

『ギンガに力を!ギンガストリウム!』

 

更に、ギンガスパークとストリウムブレスを使ってキュアスペースギンガストリウムへとパワーアップした。

 

『ウルトラセブンの力よ!』

 

「プリキュア!」

 

『「ウルトラ念力‼︎」』

 

スペースの真横にウルトラセブンの幻影が現れてスペースとその幻影が一つになると、スペースは両手の拳を握り、その両手をクロスさせると強力な念力が発動して金の龍の彫刻の腕の動きを止めた。

 

「なんだと⁉︎ おいどうした⁉︎ なぜ動かない⁉︎」

 

「みんな! ドラムスはきっとあの手に持っているリモコンを使って操作してるんだ! だから早くあのリモコンを回収してくれ! この状態も長くはもたない!」

 

「わかった! 私が行くよ!」

 

「プルンス!」

 

「え?」

 

スターがドラムスの所へジャンプするとブルーキャットはプルンスに再びロープになるように促すがプルンスにはそれがどういう意味かわからなかった。

それを悟ったブルーキャットは自身のアイテムである伸び縮みが出来てその先端には引っ掛かるようにフックがついたロープを伸ばしてそれを彫刻の口の牙に巻き付けるとロープを縮める事で一気に上へと登っていき、スターとブルーキャットはほぼ同時にドラムスの目の前にたどり着いた。

 

「悪いけど任せられないわ、信じられるのは自分だけ。」

 

「え?」

 

ブルーキャットはスターに自分でなんとかするから手を出すなと言わんばかりの発言をした。

 

「さあ、リモコンを渡しなさい! それで終わりよ!」

 

「くっ!」

 

ブルーキャットがドラムスに近づき、リモコンの回収は時間の問題だった。

 

しかし・・・・

 

「いいや、始まってもいない。」

 

「カッパード⁉︎」

 

ドラムスの背後にある扉が突然開くとそこにはカッパードとノットレイ達がいた。

 

「やはりわたしは強運とみえる。プリンセスの力を探しに来たら、プリキュアに会えるのだからな。」

 

「なんだお前らは⁉︎ どうやってここに来た⁉︎」

 

「造作もない、空から来ただけの事。」

 

カッパード達はいつも使っているノットレイダーのUFOを使って屋敷に忍び込んでいたのだ。

 

「我が刃よ!とくと吸え!歪んだ!イマジネーション!」

 

カッパードが何か叫ぶとドラムスの胸から暗い色のハートが現れてそれがカッパードの薙刀へと吸収されるとその薙刀が歪んだイマジネーションを纏った先端が金の龍の顔の形をしたフレイルと呼ばれる武器へと形を変化させた。

 

「リモコン。」

 

それと同時にドラムスは気絶して倒れてしまい、リモコンを手放すとすかさずブルーキャットはリモコンを回収して機械のスイッチを切った。

それにより金の龍の彫刻の両手が開き、カプセル倉庫を手放した。

 

「機械が止まったルン。」

 

「ハァ・・・・ハァ・・・・この技・・・・めちゃくちゃ体力もってかれるな・・・・ハァ・・・・ハァ・・・・」

 

機械が止まった事でスペースは両手と両膝を床について乱れた息を整えていた。

 

「スペース!」

 

「大丈夫ルン?」

 

「あぁ、なんとかな。俺は大丈夫だから、先にスター達のところへ行ってくれ。」

 

「わかりました。」

 

消耗しているスペースの元へスター以外のプリキュアが集まり、ソレイユとミルキーが心配して声をかけるとスペースはスター達のところに行くように促すとセレーネが返事をして3人はスター達のところへ向かった。

 

「お待たせ!」

 

「みんな!・・・・あれ? スペースは?」

 

「下で休んでいます。体力をかなり消耗していましたから。」

 

ソレイユ達が到着してスターに呼びかけるとスターはスペースがいない事に気づき、セレーネがその理由を説明した。

 

「まとめて片付けてやる!」

 

カッパードが金の鉄球を振り回すとミルキーとセレーネは下に伏せてかわし、スターとソレイユは後ろにジャンプしてかわすがスター達はそのまま先程までいた場所へと戻っていった。

 

「逃がさん!」

 

それを追ってカッパードも下へと飛び降りていった。

 

『ノットレーイ!』

 

「あなた達は・・・・」

 

「わたし達が相手ルン!」

 

残りのノットレイ達はセレーネとミルキーが相手をする事になった。

 

「フン!」

 

『うわっ!』

 

カッパードの鉄球を受けてスターとソレイユは吹き飛ばされてしまった。

 

「あそこか・・・・」

 

「まずい・・・・」

 

カッパードがペンの場所に気づいてしまいソレイユはそれに焦っていた。

カッパードは着々とプリンセススターカラーペンに近づいていた。

 

『ウルトラマンAの力よ!』

 

「プリキュア!」

 

『「ストップリング‼︎」』

 

「なにっ⁉︎ 何だコレは⁉︎」

 

「スペース!」

 

しかしそれをスペースがウルトラマンAの技『ストップリング』という複数の輪っかをカッパードに巻き付けて拘束する技を使い、カッパードは両腕の動きを封じる事でペンを回収できないようにした。

 

「これでペンを取る事はできないだろ!」

 

「くっ、貴様!」

 

その間にスペースはペンを覆っているガラスを外してペンを回収した。

 

「ソレイユ!」

 

「ありがとう!」

 

そのままスペースはペンをソレイユに投げるとソレイユはそれを片手でキャッチしてペンの光が弾けると中からおとめ座のプリンセススターカラーペンが現れた。

 

「それを・・・・渡せぇ!」

 

「っ!」

 

カッパードはストップリングを強引に弾き飛ばす一気にソレイユに突っ込んでいった。

 

すると・・・・

 

「のわっ⁉︎」

 

突然カッパードの目が青いカードに覆われて何も見えなくなったカッパードは動きを止めてしまった。

 

「キュアソレイユ!」

 

「っ! うん!」

 

「くっ!」

 

そのカードはブルーキャットが投げた物でブルーキャットがソレイユを助けたのだ。

 

「プリキュア・おとめ座・ソレイユシュート‼︎」

 

「ぬぅぅぅぅぅ! デアッ!」

 

おとめ座のペンの力で強化されたソレイユシュートをカッパードはフレイルで防御するとそのままソレイユシュートを上に弾いた。

弾かれたソレイユシュートはそのまま金の龍の彫刻の口の中に入り、そこでミルキー達と戦っていたノットレイ達に直撃してノットレイ達は吹き飛ばされていった。

それにより戦う相手がいなくなったミルキーとセレーネもスター達に合流した。

 

「いくよみんな!」

 

『うん(ルン)(はい)(あぁ)!』

 

スターの掛け声に合わせてみんなで技を放つ体勢に入った。

 

『宇宙(そら)に輝け!イマジネーションの力!』

 

『トゥインクルステッキ!』

 

「スタートゥインクル!」

 

「ミルキートゥインクル!」

 

「ソレイユトゥインクル!」

 

「セレーネトゥインクル!」

 

『4つの輝きよ、今一つに!』

 

『プリキュア・サザンクロスショット‼︎』

 

『ウルトラマンの力よ!』

 

「プリキュア!」

 

『「スペシウム光線‼︎」』

 

サザンクロスショットとスペシウム光線がカッパードのフレイルに直撃するとフレイルはそのまま浄化されて元のカッパードの薙刀へと戻った。

 

「今日は武器がイマイチだった。」

 

カッパードは言い訳をするとそのまま転移して撤退した。

 

そして、カッパード達が撤退してすぐにドラムスが目を覚まして変身を解除したえれな達の所にやって来た。

 

「助けてもらった例をする。いくらだ?」

 

「お金はいいんで、代わりっていったらなんだけど、プリンセスの力くれない?」

 

「え? ああ、いいとも。というか、むしろ持っててくれ。そいつがあるとまたあんなのが来るのだろう? まっぴらごめんだ!」

 

ドラムスも今回のような事は二度とごめんらしく、あっさりえれなの申し出を承諾してくれた。

 

「それから他のお宝なんだけど・・・・」

 

「君たちの勝ちだ! 好きにしたまえ!」

 

「やった〜っ!」

 

その後のひかるの申し出もドラムスはあっさり承諾した。

 

「よかったね、ブルーキャット!」

 

「え?」

 

ひかるが予備のカプセル倉庫にお宝を入れていたブルーキャットに声をかけるとブルーキャットは何で呼ばれたのか最初はわからなかった。

 

「?・・・・ま、当然ね。」

 

そしてブルーキャットはひかる達に対して自慢げに返事をした。

 

それからこうた達とブルーキャットは無事に地上へと辿り着くとブルーキャットは誰にも気づかれないようにその場を立ち去ろうとするが、こうたがそれに気づいた。

 

「もう行くのか?」

 

「えぇ。ここでの目的は果たしたし、今日の所はこれで失礼するわ。」

 

ひかる達が進んで行く中でこうたとブルーキャットの2人だけはその場で立ち止まって会話を続けていた。

 

「あのさ、今日はありがとな。」

 

「何よいきなり?」

 

「みんなが無事でいられたのはお前のおかげだ。」

 

「勘違いしないで、私は自分の目的を達成する為にあなた達を利用しただけ。礼を言われる筋合いはないわ。」

 

ブルーキャットの活躍がなければ誰かが怪我をしていたかもしれないし、ここまで事がスムーズにいかなかったかもしれない。

それがわかっているからこそ、こうたはブルーキャットにお礼を言ったのだ。

 

「でも、ブルーキャットっていい奴だよな。」

 

「はあっ⁉︎ //// ア、アンタいきなりなに言い出すのよ⁉︎ //// 」

 

ブルーキャットは照れていたのか、頬を赤くして恥ずかしがっていた。

 

「さっきドラムスが言ってたろ。お前が貧しい人達に宝物を分け与えていたって、アレって弱い人の気持ちがわからないと出来ない事だろ? それが出来るって事はブルーキャットにも相手を思いやる優しい心があるって事じゃないのか?」

 

「別にそんなんじゃないわよ‼︎ ただ、盗んだはいいけど結局いらなかったから捨てるくらいなら誰かにあげても同じかもって思っただけニャン!」

 

「はいはい、そうゆう事にしておくよ。」

 

「このぉ・・・・いつか絶対目に物見せてやるニャン。 じゃあね!」

 

そう言ってブルーキャットはその場から姿を消した。

 

「こうた! どうしたの?」

 

「早くしないとおいてくよ!」

 

「あぁ! いま行く!」

 

ひかるとえれなの呼ぶ声が聞こえてきて、こうたもすぐにみんなの後を追った。

その後はフワに連れられてスターパレスに行き、そこでおとめ座のスタープリンセスの呼び戻しに成功し、こうた達はスタープリンセスから感謝の言葉が送られた。

 

そしてドラムスの屋敷の外に戻ってくるとそこにはドラムスとドラゴン兵団のメンバーがいて何故かこうた達もドラゴン兵団と同じ鎧と装備を着させられ装備もしていた。

 

「せいれ〜つ!」

 

「ようこそ、我がドラゴン兵団に!」

 

『え?』

 

「キラやば~っ☆」

 

「ど、どういうこと?」

 

「聴いてないのか?ブルーキャットにオークションの時に盗んだ宝を返せと言ったら、『宝の代わりにプリキュアをドラゴン兵団に入れてもいいわよ~』って言っていたんだ。」

 

『えぇぇぇぇ⁉︎』

 

「ブルーキャットめぇぇぇでプルンス‼︎」

 

ブルーキャットが勝手に話を進めていた事に対してみんな驚き、プルンスだけは怒りをあらわにしていた。

 

「ごめんね、あたし達帰らないと・・・・」

 

「学校もありますし・・・・」

 

「そんな⁉︎」

 

えれなとまとかがドラムスからの誘いを断るとドラムスもショックを受けていた。

 

「まぁでも、もしも困ったことがあったらその時はちゃんと駆けつけるからさ。」

 

「いくらだ!」

 

「お金はいただきません。」

 

「タダァ⁉︎」

 

こうたが駆けつけると告げるとドラムスはいくら必要なのか聞いてきてまどかがお金はいらないと答えるとドラムスはお金がいらない事に驚いていた。

その様子を、ブルーキャットはドラムスの屋敷の屋根の上から見ていて、その視線はえれなの持つおとめ座のプリンセススターカラーペンへと移った。

 

「今回は盗れなかったけど、いずれ・・・・。最後に笑うのはわたしよ。ウフフフフフ・・・・」

 

ブルーキャットはプリキュア達の持つペンを狙う事を諦めてはいなかった。

その思いを口にしながらブルーキャットは笑っていた。

 

しかし・・・・

 

『ブルーキャットっていい奴だよな。』

 

ブルーキャットはこうたに言われた言葉を思い出した。

 

「何よ・・・・なんにも知らないくせに・・・・」

 

ブルーキャットはこうたに言われた事を気にしていた。

彼女は心の中で何を考えているのだろうか?

 

 

 

 

 

To Be Continued

 

 




        次回予告


ひかるの母、輝美は漫画家だ。

そんな輝美の元に人気漫画雑誌にて漫画を連載してみないかという話が舞い込んできた。

そんな輝美を応援しようとみんなでお手伝いをする事に・・・・

次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第49話 目指せ連載! ひかると輝美、思い出の漫画! 前編

次回も楽しみに!



※もしよろしければ、皆さんがこれまでの話で感じた感想やコメントがあればドシドシ送って下さい。
皆さんからのコメント、そして評価が頂けたら凄く嬉しいです。
よろしくお願いします。


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第49話 目指せ連載! ひかると輝美、思い出の漫画! 前編

久々に1週間以内に最新話を投稿できました。

なんとか今月中に4章を終わらせる事ができそうです。

次回の話の後には新章予告も行います。

そして昨日の『ウルトラマンデッカー』のオンライン発表会でのキャストの皆さんの話やPVを観て聞いて来月の放送が今からとても楽しみです。


学校の昼休みに中庭で集まっていたこうた達、そこでララは『あさがお』と呼ばれる人気漫画雑誌の漫画を読んでいた。

 

「漫画って面白いルン!」

 

「わくわくフワ!」

 

「ララ、それ逆さまな。」

 

「オヨ?」

 

ララとフワが漫画を様々に読んでいたのでこうたがそれを指摘した。

 

「ひかるのお母さんが漫画家だったなんてね。」

 

「ビックリです。」

 

「そういえば、2人は知らなかったな。輝美さんは漫画が大好きで、俺やひかるが小学生の頃からずっと雑誌での連載を目指して頑張ってたんだ。」

 

「そうなんですね。」

 

「うん。わたし、小さい頃からお母さんの描く漫画が大好きだったんだ! いつか売れっ子になるって信じてたけど、遂にその時がきたんだよ!」

 

実は昨日の夜、輝美の元に一本の電話がかかってきて、『あさがお』で漫画の連載をやってみないかという誘いがあったのだ。

 

「良かったなひかる。」

 

「うん! でも、今のままじゃ連載なんて無理かも。」

 

「どうしてですか?」

 

ひかる自身の思いを熱く語るが、最後の方で急に元気がなくなり、その理由をまどかが聞いた。

 

「昨日の夜、急に連載が決まってアシスタントもいないからお母さんてんてこ舞いなんだよね。」

 

ひかるが言うには輝美は急な決定に作業が追いつかず、作業が上手くいっていないらしい。

 

「アシスタントって何ルン?」

 

「漫画家さんのお手伝いをする人達だよ。あぁこのままじゃ締切に間に合わないかも!」

 

「あたし達に何か手伝える事ないかな?」

 

「それぞれの特技を活かしたらお役に立てるかもしれません。」

 

「だな。輝美さんにはいつもお世話になってるし、俺も何か力になりたい。」

 

「ホント⁉︎」

 

えれな、まどか、こうたは自らお手伝いをするとひかるに提案した。

 

「ルン!」

 

「お手伝いフワ!」

 

「みんな、ありがとう!」

 

こうしてみんなで輝美の手伝いをする事が決まり、早速その日の放課後にみんなでひかるの家に行く事になった。

そしてひかるの家に到着した一行はまず自身の部屋にいる輝美の元を訪ねると・・・・

 

「うっ、うぅぅぅぅ!」

 

「お母さん⁉︎」

 

「大丈夫ですか⁉︎」

 

そこにはくしゃくしゃになった紙がいくつもあり、机の下に頭を入れて泣いている輝美の姿がそこにはあった。

 

「ひかる・・・・こうた君・・・・わたし・・・・才能ないかも。」

 

「そんな事ないよ! ほら! 超優秀なアシスタントも連れて来たから!」

 

「はじめまして。」

 

「お邪魔してます。」

 

「こんにちはルン。」

 

「っ! ルン?」

 

「ん? ルン。」

 

まどか、えれな、ララが順番に輝美に挨拶すると、輝美はフワを抱えているララの「ルン」という言葉に反応した。

 

「ルン・・・・閃いた‼︎」

 

すると輝美の頭の中でイナズマがはしり何かを閃くと彼女はすかさず机の前に戻り何を描きはじめた。

 

「出来た! 星空少女ルンちゃん! 宇宙人の女の子が地球で友達をつくっていく学園ファンタジー!」

 

「キラやば~っ☆」

 

そこにはララによく似た女の子と輝美のイメージで出来た宇宙人達の絵があった。

 

「す、鋭い。」

 

「流石の観察眼ですね。」

 

「漫画家、恐るべしルン。」

 

「閃いてからのこの感じ、正しくひかるの母親って感じだろ?」

 

『うん(はい)(ルン)。』

 

えれな、まどか、ララの3人は今の輝美の姿を見て驚きを隠せずにいて、こうたの言葉を聞いて3人とも素直に頷いた。

 

「ダメですよ! 星奈先生! ウチの雑誌の読者にSFやファンタジーはウケないってあれほど言いましたよね?」

 

「「えぇ〜っ」」

 

すると後から部屋に入ってきた大人の男性が輝美の案を却下し、それに対して輝美とひかるは不満げな声を漏らした。

 

「どちら様でしょうか?」

 

「申し遅れました。夢を追いかける編集者! その名も『追川 夢男 (おいかわ ゆめお)』です!」

 

まどかに尋ねられた男性はみんなに名刺を見せて名前を名乗った。

 

「編集者って何ルン?」

 

「お母さんに漫画の執筆を依頼した出版社の人だよ。」

 

ララのわからない事をひかるが説明した。

 

「星奈先生! あなたには才能がある! 必ずや連載を勝ち取る! 今日中にネームを見せてくれるって約束でしたよね?」

 

「ネームって何ルン?」

 

「漫画の設計図の事だよ。」

 

ララは輝美と追川の話を聞いていてわからなかった所を再びひかるが説明した。

 

「それが、まだアイデアが・・・・」

 

「とにかく! 描きかけでもいいので見せて下さい!」

 

そう言われて輝美は渋々描きかけのノートを追川に見せた。

 

「・・・・イマイチですね。」

 

「何を描いてもダメな気がして・・・・」

 

追川の感想を聞いて輝美は更に自信をなくしてしまった。

 

「筆が早いのが先生の売りでしょ?」

 

「SFやファンタジーならスラスラ描けるんですけど・・・・」

 

「何度も言わせないで下さい! SFやファンタジーでは連載は勝ち取れません! いい加減、売れる物を描いて下さいよ。」

 

「売れる物・・・・」

 

追川の言葉を聞いたこうたは過去に輝美の思いを聞いていたからこそ、無意識に拳に力が入り少しだけイラッとしていた。

 

「ウチで売れるのはズバリ! 『イケメン!』『恋愛!』『医療もの!』」

 

「では、それらを全て取り入れれば、ヒット作が生まれるのでは?」

 

「確かに」

 

追川の言葉を聞いたまどかとえれなが思った事を口にした。

 

「わたし、そういうジャンル苦手だからなぁ。」

 

「そうだ!」

 

そしてひかるが何を閃くとこうた、えれな、まどかの3人は着替えさせられた。

こうたとえれなは白衣を着た医師の、まどかは看護師の服を着させられた。

 

「わたし達がモデルでいいのかな?」

 

「何だか恥ずかしいです。」

 

「何でこんな服持ってんだ?」

 

「おぉ!」

 

3人の姿を見て何かを閃いた輝美は何かを描き始めた。

 

「ドクターと看護師の禁断のラブストーリー! やれば出来るじゃないですか先生!」

 

「はい!」

 

「俺に切れないものはない。」

 

「何いってるルン?」

 

こうたがドクターになりきっているとジト目になったララがツッコミを入れた。

その後はひかるがファンタジー的な設定を入れるが却下されて、最終的にドクターと看護師、そして患者の女性との三角関係のラブストーリーを描く事になった。

 

「タイトルはズバリ! 『恋せよイケメンドクター!』絶対にヒットしますよ!」

 

「ホント?」

 

追川がタイトルを決めて絶対にヒットすると断言するがひかるはそれを疑問に思っていた。

 

「ホントです!」

 

「ホントにホントに?」

 

「ホントにホントです!」

 

「・・・・わかりました、これで描いてみます。売れる漫画を描いて連載を勝ち取って見せます!」

 

「ようやく方向性が見えましたね、じゃあよろしく頼みますよ。」

 

そう言い残して追川は帰って行った。

やる気を見せる輝美だったがそんな姿をひかるは不安そうに見つめていて、こうたもそれを見逃さなかった。

 

それから数日間、みんなで輝美のお手伝いをした。色々と大変だったが楽しくもあり、みんな必死に取り組んでいた。

そんなある日の夜、ひかるは寝間着に着替えてベットに仰向けに寝転んだ。

 

「ハァ・・・・お母さんの新作、お父さんにも読ませてあげたいなぁ。」

 

「お父さんどこフワ?」

 

「仕事で世界中を旅してるんだ、だから一年に一度しか会えないんだよね・・・・そうだ!」

 

ひかるはフワに自分の父親の事を話していると何かを思い出して自身の部屋の本棚から何かを探し始めた。

 

「これこれ、懐かしいなぁ。」

 

「何フワ?」

 

そしてみつけたのは絵が描かれた数枚の紙がホチキスで止められている手作りの漫画だった。

タイトルは『宇宙(そら)ゆけ!流星少女』

 

「子供の頃、お母さんがわたしの為に描いてくれた世界に一冊だけの漫画だよ。」

 

それは輝美がひかるの為に描いた手作りの漫画だった。それをみてひかるは昔の事を思い出していた。

 

それはまだひかるが小学生だった頃、公園のブランコの椅子に座りながらその漫画を読んでいた時のことだった。

 

「ダッセェ! なんだよその漫画! ひかるはホントにお子ちゃまだよな!」

 

『アハハハハハッ!』

 

「うぅ・・・・なによ・・・・」

 

ひかるは3人の男子小学生からその漫画の事を馬鹿にされて今にも泣きそうになっていた。

 

「おい! お前ら何やってんだ!」

 

「げっ! 如月さんだ、逃げろ!」

 

そこへこうたがやって来て男子小学生達はその場から逃げていった。

 

「大丈夫かひかる?」

 

「うぅ、こうた・・・・」

 

「ひかる! どうしたのひかる⁉︎」

 

そこへ今度は輝美がやって来た。

 

「大好きな漫画を読んでたの。そしたらね・・・・そんなのはお子ちゃまの読む物だって・・・・」

 

ひかるは泣きながら大好きな物を馬鹿にされた事を悔しそうにしながら話をした。

 

「ひかる、好きなものが人と違ったっていいじゃない。ひかるが好きなものものは、ひかるだけの宝物なのよ。だから大事にしてね。」

 

「お母さん・・・・うん!」

 

輝美はひかるの頭を優しく撫でながら話しかけるとそれを聞いたひかるにも自然と笑顔が戻り、それを横で見たこうたもこれで一安心と考えていた。

 

「で、何を読んでいたの?」

 

「コレ!」

 

「っ!」

 

そう言ってひかるが見せたのはで、先程の輝美がひかるの為に描いた手作りの漫画だった。

 

「わたし、お母さんの描いた漫画大好き!」

 

そんなひかるの言葉を聞いた輝美はとても嬉しそうにしていた。

 

その時の出来事を思い出したひかるは輝美に紅茶の差し入れを持って行った。

 

「お母さん、紅茶入れてきたよ。」

 

「あっ、ありがとう。」

 

「間に合いそう?」

 

「うん。こうた君やひかるのお友達が手伝ってくれたおかげよ。」

 

「よかった。」

 

そう言いながら輝美はひかるから貰った紅茶を飲んだ。

しかしそんな輝美の目の下にはクマが出来ていて少し無理をしているのが見てすぐにわかった。

 

「ごちそうさま。連載のかかった大事な漫画だもん、絶対に良いものに仕上げるから。」

 

「うん。お母さんなら大丈夫! わたし、応援してるからね。」

 

「うん。」

 

そう言って輝美は再び作業に戻った。

その姿をひかるは不安そうな表情で見つめていた。

 

 

それから数日後、輝美が描いた新作漫画『イケメンDr』が連載予定の雑誌が発売されて、こうた達はひかるの家に集まりそのお祝いの準備をしていた。

 

「じゃーん!」

 

『おぉ!』

 

そんなひかるの手にはその漫画雑誌が握られていた。

 

「早くみせてルン!」

 

「おぉ、載ってる!載ってる!」

 

「間に合ってよかったですね!」

 

「一時はどうなるかと思ったけど、こうして見てみるとやっぱり凄いな。」

 

ララもえれなもまどかもこうたもみんなで輝美の漫画が連載されている事を喜んだ。

 

「みんな仲良しね。」

 

その姿をひかるの祖母、陽子が嬉しそうに見守っていた。

 

「お母さん遅いなぁ。」

 

「まったく、みんなを待たせて・・・・」

 

しかし、今日の主役である輝美がまだ帰ってきていなかった。

その事をひかるの祖父、春吉も気にしていた。

 

そこへ・・・・

 

「あっ、おかえりなさい!」

 

そこへようやく輝美が帰って来たが、その表情はとても暗かった。

 

「ひかる、みんな・・・・」

 

「何かあったの?」

 

「編集部に打ち合わせに行って来たの。」

 

ひかるが何があったのか聞くと出版社の編集部に行って来たらしい。

 

そこで・・・・

 

『やっぱり星奈輝美の実力じゃあウチの雑誌は無理だったんじゃないか? 話も絵も繊細さが足りないんだよ! この程度じゃ連載なんて程遠いぞ!』

 

『っ!』

 

そこで輝美は追川とその上司の会話を偶然にも聞いてしまい、今のままでは連載を続けられないと知りショックを受けて帰って来たのだ。

 

「そんな・・・・」

 

「みんなにも手伝ってもらって、あんなに頑張ったのに・・・・」

 

輝美は話しながら上を見上げるとそこには『お母さん 新作おめでとう』の文字が書かれた紙が部屋の天井に飾られていた。

それを見た輝美はみんなに対して更に申し訳ない気持ちになってしまった。

 

「ちょっと、外の空気吸ってくるね。」

 

輝美は気持ちを抑えて強引に笑顔で出かけて来ると告げると再び出かけていった。

その姿をひかるは暗い表情で見送る事しか出来なかった。

 

 

To Be Continued

 

 

 




        次回予告


完全に自信を無くしてしまった輝美

そんな輝美を励まそうとするひかるだったが、そこへテンジョウが現れて輝美を巨大ノットレイにしてしまう。

テンジョウの言葉を聞いたスペースの怒りが爆発する。


次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第50話 目指せ連載! ひかると輝美、思い出の漫画! 後編

次回も楽しみに!


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第50話 目指せ連載! ひかると輝美、思い出の漫画! 後編

今回で第4章が終わり次回から第5章がスタートします。
それによって本編終了後には新章予告があります。


人気漫画雑誌で漫画の連載をしてみないかという誘いを受けた輝美はひかる達の協力のおかげで何とか漫画を完成させるが、その編集部で漫画へのダメだしを聞いてショックを受けた輝美は一度帰宅してひかる達のこの事を伝えた後に再び外出した。

 

それから夕方になり、輝美は公園のブランコに座りながら一人で俯いていた。

 

「ひかる・・・・」

 

そこへ輝美の事を心配してひかるが後を追って公園へとやって来た。

 

「・・・・ごめんね、やっぱりわたし漫画家は無理かもしれない。」

 

そう告げた輝美に対してひかるは黙って輝美が座っているブランコの椅子の隣のブランコの椅子に座った。

 

「わたし、お母さんの漫画好きだよ。お母さんの描くファンタジー。」

 

そう言いながらひかるは過去に輝美がひかるの為に描いた漫画『宇宙(そら)ゆけ!流星少女』をみせた。

それを見た直後に輝美は椅子から立ち上がった。

 

「好きってだけじゃダメ、連載が持てなきゃ漫画家は続けられないのよ。」

 

輝美は自身の気持ちをひかるに伝えてそれを聞いたひかるも少し落ち込んでしまっていた。

するとそこに大勢の足跡が聞こえてきた。

 

「あら? 良いカモみぃつけた。」

 

『ノットレーイ!』

 

「え? なにっ⁉︎」

 

「お母さん!」

 

やって来たのはテンジョウとノットレイ達だった。ノットレイ達は輝美の周りを囲んで逃げ場をなくした。

 

「煽れ団扇よ! 膨れろ! 歪んだイマジネーション!」

 

テンジョウから歪んだイマジネーションを受けた輝美はそのままペンや三角定規を持った巨大なノットレイになってしまった。

 

「ノットレイ!」

 

「あれは⁉︎」

 

そこへ心配して様子を見に来たこうた達が駆けつける。

 

「来たわねお嬢ちゃん達、それに坊や。今日こそペンを頂くわよ。」

 

『わたしにはもう、漫画家なんて無理なのよ!』

 

「お母さん・・・・」

 

そう言いながらひかるは自身のペンを取り出し、他のメンバーもそれぞれのペンを取り出した。

 

『スターカラーペンダント!カラーチャージ!』

 

『キラめく~星の力で~!憧れの~私描くよ~!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『スター☆トゥインクル〜!スター☆トゥインクルプリキュア~~!』

 

 

「宇宙(そら)に輝く〜キラキラ星!キュアスター!」

 

「天にあまねく〜ミルキーウェイ!キュアミルキー!」

 

「宇宙を照らす!灼熱のきらめき!キュアソレイユ!」

 

「夜空に輝く!神秘の月明かり!キュアセレーネ!」

 

「光輝く聖なる宇宙!キュアスペース!」

 

 

『スター☆トゥインクルプリキュア‼︎』

 

5人は変身を完了させてそれぞれポーズをとった。

 

『ノットレイ!』

 

「「ハアアアアッ!!」」

 

ノットレイ達がプリキュア達に突撃するとソレイユとセレーネは互いに手を繋ぎながら回転し、その勢いを利用してノットレイ達に突撃してノットレイ達を吹き飛ばした。

 

「ルン!」

 

『ノットレ〜イ』

 

ジャンプしたミルキーが空中から電撃を放ち、ノットレイ達は頭上から電撃をまともに受けてしまった。

 

「ノット〜レイ!」

 

巨大ノットレイはペンの先端から黒いインクを飛ばすと空中にいたスペースは飛びながら回避し、同じく空中にいたスターは足元に星形のエネルギーを生み出してそれを足場にしてジャンプして回避した。

 

「「プリキュア!」」

 

「おうし座・スターパンチ‼︎」

 

「ブル・スペースレイ‼︎」

 

「ノットレイ!」

 

スターはおうし座の力、スペースはウルトラマンブルの力で強化された技をそれぞれ放つが巨大ノットレイのペンで具現化された『まもり』と書かれた吹き出しに防がれてしまった。

 

「「っ!」」

 

「ノットレイ!」

 

「うわぁぁあああ!」

 

「「スター!」」

 

その背後から巨大ノットレイは再びペンの黒いインクをスターに放つとスターはそれに拘束されてしまいそのまま地面に叩きつけられてしまい、そんなスターを心配してスペースとミルキーがスターの名前を叫んだ。

 

そして地面に倒れるスターのすぐ横にはスターが大切にしている漫画『宇宙(そら)ゆけ!流星少女』が落ちていた。

 

「させるか!」

 

「邪魔するんじゃないよ!」

 

「うわっ!」

 

「スペース!」

 

その間にも巨大ノットレイがスターに迫っていくとそれを見たスペースが前に出るがテンジョウから放たれた歪んだイマジネーションの風で吹き飛ばされてしまい、そんなスペースの名前をスターが叫んだ。

 

「ノット〜レイ!」

 

「フン!」

 

スターは漫画を守る為にその場に留まり巨大ノットレイが振り下ろしたペンを両手で受け止めた。

 

「うっ、うぅぅぅぅ・・・・」

 

『スター!』

 

『ノットレイ!』

 

『ハアアアアッ!』

 

「邪魔するな!」

 

他のプリキュア達はスターの援護に行こうとするが、それを他のノットレイ達が妨害してきたのでプリキュア達をノットレイ達を一人ずつ倒していった。

 

「お母さん! わたしはお母さんの漫画大好きだよ。たくさんのイマジネーションが詰まってて、ドキドキハラハラの連続で主人公はどんな逆境でも負けない! そんなお母さんの漫画にわたしは勇気をもらったんだ!」

 

「ノット?」

 

「漫画だって?」

 

スターの言葉に巨大ノットレイは一瞬だけ反応しテンジョウは何を言っているのかわからなかったが、スターの後ろにページが開いた状態で落ちている漫画の存在に気づいた。

 

「アハハハハッ! そんな落書きの為に必死になるなんて、アンタはお子ちゃまだね!」

 

「っ!」

 

テンジョウに言われた言葉を聞いてスターは過去の公園での出来事を思い出した。

 

『好きなものが人と違ったっていいじゃない。ひかるが好きなものものは、ひかるだけの宝物なのよ。』

 

「誰に何と言われても、好きなものは好き‼︎」

 

「理解できないわね、何の価値もないそんなくだらないものの為に・・・・」

 

「今、なんつった・・・・」

 

「スペース?」

 

突然スペースの身体全体から黄色い光が輝き出した。

 

「価値のない? くだらない? 何も知らない癖に知った風なこと言ってんじゃねぇぞ‼︎」

 

そして怒りを露わにしているスペースから放たれる光は更に強くなってそれが衝撃となって周りに飛び散った。

 

「スペース?」

 

「スペースが・・・・」

 

「キレた、ルン。」

 

「あんなに怒っているスペースを見るのは初めてです。」

 

スター、ソレイユ、ミルキー、セレーネもスペースの怒りに驚いていた。

そんなスペースはテンジョウを睨みつけながら過去の出来事を思い出していた。

 

それはひかるの公園での出来事が起こる少し前、こうたがひかるの家に遊びに行った時の事だった。

 

「輝美さん、何を描いてるんですか?」

 

「あっ、こうた君。今ね、ひかるに新しい漫画を描いてるの。」

 

「新しい漫画ですか?」

 

「うん。わたしね、SFやファンタジーの物語を描くのが大好きなの。だからわたしの漫画を通してひかるにわたしの大好きを伝えたい。そして、それを読んだひかるがそれを好きになってくれならもっと嬉しいなってそう思うんだ。」

 

輝美は優しい表情をしながら視線の先のソファーで昼寝をしているひかるの姿を見ながら自身の思いを語った。

当時のこうたはそれがどういう意味なのかわからなかったが、今のこうたはそれを理解していた。

だからこそ、テンジョウの言葉がどうしても許せなかったのだ。

 

『うっ!』

 

そしてスペースの光が辺り一面を照らすとテンジョウや他の人達は眩しくて目を瞑った。

それはスペースも同じでスペースが目を開けるとそこはいつもの辺り一面が真っ白な空間で彼の正面にはウルトラマンロッソ・フレイムとウルトラマンブル・アクアが並んで立っていた。

 

「カツミさん? イサミさんも、これは一体・・・・」

 

「こうた君、君の思いが俺達にも届いたんだ。」

 

「え?」

 

「お前の誰かの気持ちを大切にしようとする意思がお前に託したペンを通じて俺達にも伝わったんだよ。」

 

スペースはロッソが言った事がイマイチ理解できずにいたがブルがそれを説明した。

 

「俺の意志が・・・・」

 

「以前、俺の大切な友達も夢を実現しようと頑張っていた、けどそれが上手くいかなくて闇に身を委ねた事があるんだ。」

 

「え?」

 

スペースはロッソの話を聞いて驚いた。

 

「けど、アイツはもう一度夢に向かって歩き始めた。そして俺も、イサミも、アサヒも、それぞれの目標、夢に向かって今も歩き続けている。」

 

「カツミさん・・・・」

 

スペースはロッソの話を真剣に聞いていた。

 

「だからこそ俺は人の夢を馬鹿にしたり、利用したりする奴が許せない! だから俺の力を・・・・」

 

「『俺の』じゃなくて、『俺達の』、な!」 

 

「っ! あぁ!」

 

「イサミさん」

 

「こうた君、コレを受け取ってくれ。」

 

ロッソは気持ちが熱くなるがブルがそれを静止した。

そしてロッソはこうたに一つのアイテムを渡した。

 

「コレは?」

 

「それは『オーブリングNEO(ネオ)』、俺達が戦った愛染って奴がウルトラマンになりたくて作ったアイテムだ。」

 

それはかつてカツミ達が愛染マコトに憑依していた『憑依生命体 チェレーザ』との戦いの中で手に入れた物で、上の方が丸い輪っかでその輪っかの中にはボタンがあり、その下は手で持てる部分と上下にスライドするボタンがあるウルトラマンオーブの力を持つアイテムだった。

 

「コレを俺に?」

 

「あぁ、こうた君なら愛染と違ってその力を正しい事に使えるって信じてる。」

 

「その力であのおばさんにギャフンと言わせてやれ!」

 

「はい!」

 

そして空間全体が光り輝くとスペースはさっきまで戦っていた公園へと戻っていて、スペースの姿はキュアスペースロッソ・フレイムになっていた。

 

「ちっ、またかい! アイツが動き出す前にその小娘をやっておしまい!」

 

「ノットレ〜イ!」

 

「ううっ!」

 

『スター!』

 

「みんな!」

 

テンジョウは巨大ノットレイに指示を出してスターに追い討ちをかけるが先程の光で隙ができた事でミルキー、ソレイユ、セレーネの3人がスターと一緒にペンを支えて漫画を守っていた。

 

『ゼットシウム光線!』

 

スペースがオーブリングNEOのボタンを上にスライドするとオーブリングNEOが技名を叫んだ。

 

「プリキュア・ゼットシウム光線‼︎」

 

スペースは左腕に光、右腕に闇の力を集中させた後、両手を十字に組んで右手のクローから放つ光と闇の破壊力を併せ持った『ウルトラマンオーブ・サンダーブレスター』の必殺技『ゼットシウム光線』を放った。発射時には前面に光と闇の輪が展開されて放たれた光線は赤・黒・黄の雷を纏っていた。

 

「ノッ、ノットレ〜イ!」

 

スペースが放った光線はペンを持つ巨大ノットレイの右手に直撃してあまりの痛みに巨大ノットレイはペンをあさっての方向に放り投げてしまった。

 

「なっ⁉︎」

 

「テンジョウ!」

 

テンジョウはスペースの放った技に驚いているとスペースがテンジョウの名前を呼んだのでそれに反応した。

 

「俺はお前を、絶対に許さない‼︎」

 

そう言うと、スペースのペンダントから水色の光の粒子が出てきてそれがスペースの左手に集まっていくとロッソ達の変身アイテム『ルーブジャイロ』になり、そこからスペースはさっき使ったオーブリングNEOをルーブジャイロのクリスタルをセットする部分にセットしてグリップを3回引いた。

 

『トリプルオリジウム光線!』

 

するとスペースの横にウルトラマンブル・アクアの幻影が現れて右側にいるスペースが右手を、ブルが左手を上げて2人の手が重なるとその2人の後ろに今度は巨大なウルトラマンオーブ・オーブオリジンの幻影が現れた。

 

「オヨォ⁉︎」

 

「大きい⁉︎」

 

「コレは⁉︎」

 

その姿にミルキー、ソレイユ、セレーネはそれぞれ驚いていた。

 

「プリキュア!」

 

『「トリプルオリジウム光線‼︎」』

 

スペース、そしてカツミとイサミ、3人の声が重なり3人で技名を叫び、スペースロッソとブル、そしてオーブオリジンの幻影が力を合わせて放つ巨大な集束光線『トリプルオリジウム光線』を発射した。

 

「ノット〜レイ!」

 

巨大ノットレイは慌ててペンを回収すると再び『まもり』と書かれた吹き出しを具現化させてその光線を防いだ。

 

『「ハアアアアーッ!」』

 

しかし、スペース達の技は勢いが衰えるどころか更に勢いを増していき、それに巨大ノットレイの『まもり』は砕け散ると巨大な光線は巨大ノットレイの身体に直撃した。

 

「くっ!」

 

「ノットレ〜イ」

 

テンジョウはすかさず巨大ノットレイの側を離れた。巨大ノットレイは全身を光らせながら後ろに仰向けになって倒れるとそれと同時に身体は爆発した。

その爆発の中から光が飛んできて、それが地面に触れて弾けるとそこには気絶した輝美が仰向けになって倒れていた。

 

「ちっ!」 

 

それを見たテンジョウは悔しそうにしながら転移して撤退し、ノットレイ達も一緒に撤退した。

 

「お母さん!」

 

スターは慌てて輝美の元へ駆け寄った。

 

その時スペースロッソは自身の右手に握られているオーブリングNEOを見ていた。

 

「(ありがとうございます。カツミさん、イサミさん。)」

 

スペースはオーブリングNEOを見ながら心の中でカツミ達にお礼を言っていた。

 

「スペース!」

 

そこへスター以外の3人のプリキュア達がスペースの元へ集まった。

 

「凄かったルン!」

 

「ホント! ホント! 」

 

「また、ウルトラマンの皆さんに認めてもらえたんですね!」  

 

「あぁ、カツミさん達がコレを託してくれたんだ。けど、それより今は輝美さんだ。」

 

ミルキー、ソレイユ、セレーネがそれぞれスペースに話しかけるとスペースもオーブリングNEOを見せながらそれに答えるとすぐにスペース達も輝美の元へ向かった。

 

輝美は怪我もなく気絶しているだけで目が覚めそうだったのでひかる以外のメンバーは草むらの陰に隠れた。

 

「うぅ・・・・」

 

そして輝美が目を覚ますとその近くには漫画『宇宙(そら)ゆけ!流星少女』が落ちていた。

 

「ひかるに読んでほしくて夢中で描いたっけ・・・・」

 

「お母さん!」

 

「っ!」

 

輝美が過去の出来事を思い出していると背後から声が聞こえてそれに反応して振り向くとそこにはひかるが立っていた。

 

「ありがとう。」

 

「っ!」

 

『わたし、お母さんの漫画大好き!』

 

ひかるは笑顔でお礼を伝えた。

それを聞いて輝美もこの公園での出来事を思い出した。

 

「どうしたの?」

 

「・・・・決めた! わたしもう一度、連載目指す‼︎」

 

「ホント⁉︎」

 

ひかるは輝美が元気を取り戻し、もう一度挑戦する事を決意した事を喜んだ。

そして輝美はひかるに思い出の漫画を渡した。

 

「自分の好きなものはその人だけの宝物だもん! その気持ちを大事にすればきっと読者にも伝わると思うから。」

 

「キラやば~っ☆ それでこそお母さんだよ!」

 

それから2人が次の漫画の内容について話し始める姿を草むらの陰からこうた達も見守っていた。

 

「美しい親子愛でプルンスなぁ、」

 

「フワ!」

 

その後すぐに帰宅した星奈親子は互いにアイデアを出し合いながら新しい漫画を描き、それを追川に見せると絶賛された。

追川もこれからは素直な気持ちで励むとこれまでの事を反省したらしく、連載に向けて共に頑張ろうと誓い合ったのであった。

 

 

 

その頃、星空界の惑星レインボーのとある洞窟の中で・・・・

 

「ようやく手に入れた、プリンセスの力・・・・」

 

そこには惑星レインボーのお宝がたくさんあり、ここは宇宙怪盗ブルーキャットが拠点にしている場所で、そこにいるブルーキャットの右手には光り輝くプリンセススターカラーペンが握られていた。

 

 

 

そして、ノットレイダーのアジトでは・・・・

 

「またしてもプリキュアに敗北するとは、お前達は一体何をしているのだ!」

 

「「申し訳ありません。」」

 

ノットレイダーの幹部、ガルオウガがカッパードとテンジョウを叱っていた。

 

「いつになったらプリンセスの力を手に入れられるのだ!」

 

「「うぅ・・・・」」

 

「旦那」  

 

するとそこへトレジャーハンター、サーディスがやって来た。

 

「サーディスか、新たなプリンセスの力を手に入れたのか?」

 

「いいや、今回はアンタらのボスに頼みがあって来た。」

 

「ダークネスト様に?」

 

「貴様、無礼だぞ!」

 

「そうよ! ノットレイダーでもない奴が・・・・」

 

「静まれ!」

 

サーディスはダークネストに頼みがあってここを訪れたと話すとカッパードとテンジョウはそれに反発するが、それをガルオウガが黙らせた。

 

「それで、頼みとは何だ?」

 

「俺に・・・・力をくれ! アイツに、キュアスペースに勝てる力を! どの道アイツがいたら他のプリキュア達からペンを奪うのだって難しいだろ? だから俺がアイツを倒して他の奴らからもペンを奪ってきてやる!」

 

「・・・・確かに、あの坊やの力は以前とは比べものにならない程強くなっています。あの力は今後の我らの目的の障害になるかと。」

 

サーディスの言葉を聞いてテンジョウも先の戦いでスペースが見せた力を思い出していた。

 

「ふむ、いかが致しましょう? ダークネスト様。」

 

すると上の方に飾られていたダークネストの意志が宿っているひし型の石から黒緑のエネルギーが漏れ出すとそれがサーディスの元へと向かい、それに反応したのかサーディスが持っていた3本のウルトラスターカラーペンがサーディスの正面の空中に浮いていった。

そして3本のウルトラスターカラーペンがダークネストのエネルギーを吸収し始めると3本のペン全てが黒く染まり、『ウルトラダークペン』に変化すると3本のペンから黒緑のエネルギーが漏れ出してそれが徐々に人の形へと変化していった。

 

「コ、コイツらは⁉︎」

 

そこでサーディスが見たものとは・・・・

 

 

To Be Continued

 

 

 

 

 

 

 

そして予告した通りこの後は新章予告を行います。

今後は新章予告を行う場合は次回予告より先に行います。

 

(一部ネタバレも含みますので予めご了承ください。) 

 

それではどうぞ!

 

 

 

 

 

        新章予告④

 

 

プリンセススターカラーペンの反応を辿ってこうた達が訪れたのは星の住人全員が石になってしまったという惑星レインボーだった。

 

『猫の、宇宙人?』

 

『この星で、一体何があったんだ。』

 

それからペンを見つけたこうた達はアイワーンとの戦闘で驚きの事実を知る事になる。

 

『アタイがみんな石にしちゃったっつうの。』

 

『っ⁉︎』

 

惑星レインボーの住人達を石にしたのはアイワーンだった。

 

その後、アイワーンを退けたこうた達は現れたブルーキャットに全てのペンとフワを奪われて取り戻そうと行動を開始する。

 

しかし・・・・

 

『お前とは、戦わない。』

 

『はぁ⁉︎』

 

『お前と、戦いたくないんだ。』

 

スペースはブルーキャットとの戦闘を拒んだ。

 

その後はカッパード達ノットレイダーの増援も駆けつけて惑星レインボーでの戦いは更に激しさを増していった。

 

そんな中で・・・・

 

『この人達は、まさか⁉︎』

 

スペースの前に立ちはだかる敵の正体は・・・・

 

追い込まれるプリキュア達、しかし・・・・

 

『いくぞ!』

 

『賢者の拳は、全てを砕く!』

 

『疾風怒濤! 俺はお前より速ェぞ。』

 

スペース達も諦めずにノットレイダーに立ち向かう!

 

果たして勝つのは、プリキュアか? それともノットレイダーか?

 

 

『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

 

第5章 新たな戦士の誕生! 集いし新世代(ニュージェネレーション)編

 

お楽しみ!

 

※この第5章でも原作ストーリーにはないオリジナルストーリーがあるのでお楽しみ!

 

 




        次回予告


プリンセスの力を探しに惑星レインボーへやって来たこうた達

そこは星の住人全員が石になってしまった星だった。

この星で一体何があったのか・・・・


次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第51話 虹の星の悲劇 ブルーキャットの秘密 前編

次回も楽しみに!



※もしよろしければ、皆さんがこれまでの話で感じた感想やコメントがあればドシドシ送って下さい。
皆さんからのコメント、そして評価が頂けたら凄く嬉しいです。
よろしくお願いします。


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第5章 新たな戦士の誕生! 集いし新世代(ニュージェネレーション)編  
第51話 虹の星の悲劇 ブルーキャットの秘密 前編


『ウルトラマンデッカー』が遂にスタートしましたね。
今後の展開がとても楽しみです。
そしてこちらも今回から第5章がスタートします。
それでは本編をどうぞ!



「準備OKルン。」

 

「よぉし! プリンセススターカラーペンみつけるぞ!」

 

『おぉ(ルン)!』

 

ひかるの掛け声とともに今日もプリキュアのメンバー達はプリンセススターカラーペンを探しにロケットに乗って地上を出発していた。

 

「ん? また映画の撮影か?」

 

「ワン!」

 

そのロケットが打ち上げられて出来た煙を家の庭を掃除している時にひかるの祖父、春吉と白い愛犬イエティが見ていた。

 

「・・・・一雨きそうだな。」

 

春吉の言う通り今日の天気は曇りのち雨という予報が出ていて、今は曇りだがすぐにでも降りそうな天気をしていた。

 

 

 

そしてフワのワープで星空界へとやって来たこうた達は虹色に輝く星へとやってきた。

 

「キラやば~っ☆ 綺麗な星・・・・」

 

「ホント・・・・」

 

「美しいです・・・・」

 

「あの星はなんて星なんだ?」

 

「惑星レインボーでプルンス」

 

「え? 惑星レインボーってたしか・・・・」

 

ひかる、えれな、まどかの3人はその星を見て感動している横で、こうたがプルンスに星の名前を聞いてプルンスがそれを答えるとこうたはブルーキャットが集めている宝があった星である事を思い出した。

 

「ブルーキャットが集めてたのってあの星の宝だったんだな。」

 

こうたの言葉を聞いた他のメンバーの表情だが少し暗くなっていた。

 

 

 

「プリンセスの力! 一気に7つ反応したっつーの!」

 

 

その頃、ノットレイダーのアジトではアイワーンの持つレーダーにひかる達が持つプリンセススターカラーペンの反応が確認された。

 

「プリキュアが星空界に・・・・」

 

「手に入れろ、プリンセスの力!」

 

それを近くで見ていたガルオウガがアイワーンに指示を出す。

 

「任せろっつうの! バケニャーン、行くっつうの!」

 

「はい。」

 

アイワーンに呼ばれてバケニャーンは彼女と共にプリキュア達の元へと向かった。

 

 

 

 

その後ひかる達は惑星レインボーに着陸してその地へ降り立った。

 

「・・・・なんか、寂しい星だね。」

 

「花も木もない・・・・」

 

ひかるとえれなは辺り一面を見渡した感想を素直に述べながらひかるは自前の双眼鏡で周りを見ていた。

 

「あっ、誰かいる。」

 

そしてひかるが人影を見つけたのでみんなでそこに向かうとそこには猫が人の姿になったような獣人っぽい宇宙人の親子の形をした石造があった。

 

「これって、石造?」

 

「レインボー星人ルン。」

 

「え?」

 

「確か皆さん石になったって・・・・」

 

この石造についてララが説明し、まどかはオークションの時にされた惑星レインボーについての説明を思い出していた。

 

「猫の、宇宙人?」

 

「どうしてこんな・・・・」

 

「この星で、一体何があったんだ。」

 

ひかる、えれな、こうたの3人はこの星の現状を目の当たりにしてそれぞれ衝撃を受けていた。

 

「謎でプルンス、惑星レインボーは『宇宙星空連合』に入ってなかったでプルンス。」

 

「宇宙星空連合って?」

 

「星空界などの宇宙の惑星による星間連合体でプルンス」

 

「人口約1800人全員が石になったってデータにはあったルン。数字ではわかっていたけど・・・・」

 

石になったレインボー星人の姿を見た全員がこの星に起こった出来事を重く受け止めていた。

 

こうた達はそれからもペンを捜索しながら歩き続けた。

 

「ここから反応してるルン。」

 

「え?」

 

「この岩山から⁉︎」

 

「この岩山を越えるって事ですか⁉︎」

 

「マジ?」

 

ララのペンダントが反応してるのはかなり高い岩山だった。

それをひかるとまどかとこうたは驚いていた。

 

「はぁ・・・・さすがに疲れた・・・・ちょっと休憩・・・・うわっ!」

 

『っ!』

 

「プル〜⁉︎」

 

そう言ってフワを抱えていたひかるは椅子ぐらいの大きさの石に座りながら背中を岩山に寄りかかろうとしたひかるがそのまま岩山の中に消えてしまい、みんなそれに驚いた。

 

「消えたルン!」

 

「ひかる!」

 

「何これ?」

 

すると岩山の中からひかるの顔が飛び出してきた。

するとプルンスも岩山の中へと入っていった。

 

「ホログラムでプルンス、中は洞窟になっているみたいでプルンスよ。」

 

「もしかしたら、その洞窟を通れば岩山を越える必要はないかもな。」

 

こうして一行はその洞窟の奥へと進んでいった。

そこには石になった何かの採掘をしているような格好をしたレインボー星人達がいた。

 

「レインボー鉱石を取っていたでプルンスなぁ。レインボー鉱石は不思議な石でプルンス。石から出る電磁波がエネルギーになるでプルンス。」

 

「へぇ・・・・」

 

「フワ?」

 

するとフワが一人で先に飛んでいってしまった。

そこにあったのは・・・・

 

「ピカピカフワ!」

 

『おぉ!』

 

「キラやば〜っ☆!」

 

そこにはレインボー鉱石で出来た沢山の宝物があった。

 

「ん? アレってドラムスさんの屋敷にあったのだ。」

 

「・・・・そうか、つまりブルーキャットはここを拠点にして活動してたって事か。あのホログラムがあればそう簡単には見つからないだろうしな。」

 

ひかるが見つけたのはドラムスの屋敷にあった惑星レインボーのお宝で、そこからこうたはここはブルーキャットの隠れ家だと推測した。

 

「ララ、ペンの反応はどうだ?」

 

「ちょっと待つルン・・・・っ! あったルン!」

 

ララはペンダントの反応を頼りにペンを探しているとお宝の中に光るプリンセススターカラーペンがあった。

 

「おぉ!」

 

「ペンダントはアレに反応していたルン。」

 

「ケヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!」

 

『っ!』

 

こうた達は突然聞こえた笑い声に反応して振り向くとそこにはアイワーンとバケニャーンの姿があった。

 

「これはラッキーだっつうの!」

 

「アイワーンでプルンス!」

 

「アンタらの持つペンの反応を追ってきたら、いいもの見っけだっつーの。岩山の前で反応が消えたから・・・・探ってみたら・・・・レインボー鉱石が出す電磁波のせいでアタイのレーダーには反応しなかったみたいだけど、おかげでプリンセスの力一気にゲットだっつーの!ケヒャヒャヒャヒャ!」

 

「さて、全ていただきましょう。」

 

「みんな!」

 

『うん(おう)!』

 

そしてひかるの声と共にみんなそれぞれ自身のペンとペンダントを取り出した。

 

『スターカラーペンダント!カラーチャージ!』

 

『キラめく~星の力で~!憧れの~私描くよ~!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『スター☆トゥインクル〜!スター☆トゥインクルプリキュア~~!』

 

 

「宇宙(そら)に輝く〜キラキラ星!キュアスター!」

 

「天にあまねく〜ミルキーウェイ!キュアミルキー!」

 

「宇宙を照らす!灼熱のきらめき!キュアソレイユ!」

 

「夜空に輝く!神秘の月明かり!キュアセレーネ!」

 

「光輝く聖なる宇宙!キュアスペース!」

 

『スター☆トゥインクルプリキュア‼︎』

 

「はぁぁあああっ!」

 

スターはバケニャーンへと突っ込んでいくが、その拳はかわされてしまう。その時バケニャーンは持っているティーセットを使い紅茶を入れ始めた。

 

「え?」

 

「はぁぁあああ!」

 

ソレイユも蹴り技を放つがバケニャーンは紅茶を入れながら回転してかわしてしまう。

 

「セレーネアロー‼︎」

 

セレーネも2本の矢を放つが、バケニャーンはそれすらもジャンプしてかわしてしまう。

因みにその時も紅茶を入れ続けていた。

 

「ふん! ペンはもらうっつーの!」

 

すると今度はアイワーンが光線銃を使って何度も攻撃してきた。

 

「渡さない! っていうか、ブルーキャットのペンだし!」

 

「お前達の好きにはさせない!」

 

スターとスペースはその光線を全てかわしたが、その中の一発が回避できないと判断したスターは星のエネルギーを生成してガードするが破られてしまう。

 

「うぅ!」

 

「スター!」

 

「ルン!」

 

すると今度はミルキーが電撃を放ち、アイワーンの光線銃のエネルギーが激突し、その力は互いに拮抗していた。

 

「データ的にはあなたには勝ち目がないルン!観念するルン!」

 

「観念? ああ、この星の奴らは石になってるっつーの!だからノットリガーにできるやついないっつーの!」

 

「ルン!」

 

「確かにそうだっつーの・・・・だって、アタイがみんな石にしちゃったっつうの。」

 

『っ⁉︎』

 

アイワーンのとんでもない発言にその場にいたプリキュア達が動揺していると光線銃の威力が上がり、それに競り負けたミルキーは吹き飛ばされてそんなミルキーをスペースが背後から受け止めた。

 

「ミルキー!」

 

「大丈夫か?」

 

「だ、大丈夫ルン。」

 

「星一つ滅ぼしたアタイが観念・・・・笑わせるっつーの!」

 

「あいつがレインボー星を・・・・」

 

「滅ぼしたって、どうして⁉︎」

 

「ん?だってプリンセスのペンを探しに来たら、この星の奴らが渡さないんでダークペンを使ったっつーの。けど、実験段階だったから・・・・ペンが暴発したっつーの。」

 

アイワーンが当時まだ未完成だったダークペンを使った事でその力が暴発し、それが原因で惑星レインボーの住人達は全員石に変えられてしまったのだ。

 

「そんな・・・・」

 

「でも、この星にあったペンも手に入れたし、お宝も全部売っぱらって研究資金もガッポリ! おかげでダークペンが完成したっつーの!」

 

「うわぁぁあああ!」

 

それからアイワーンはプルンスとフワが隠れていた岩陰の側にジャンプしてプルンスをバレーボールの球のようにスパイクしてプルンスはソレイユとバケニャーンが戦っている間にあった岩に叩きつけられた。

 

「プルンス⁉︎」

 

「大丈夫ですか⁉︎」

 

それを心配してソレイユとセレーネがプルンスの側へとやって来た。

 

「ノットリガーになる奴ならここにいるっつうの!」

 

「フワ〜!」

 

「フワ!」

 

その隙にアイワーンはフワを捕まえてフワをノットリガーにしようとしていた。

 

「このペン、有効に使ってやるっつうの! ケヒャヒャヒャヒャヒャ・・・・っ⁉︎ バケニャーン⁉︎」

 

するとアイワーンが捕まえていたフワを今度はバケニャーンが抱き抱えていた。

 

「何で邪魔するんだっつうの⁉︎」

 

「この生物も捕らえよダークネスト様からのご命令です。」

 

「フワ?」

 

「はあ〜⁉︎」

 

「フワを返して!」

 

アイワーンとバケニャーンが会話としている所にスターはフワを返すように呼びかけた。

 

「「うぅ・・・・」」

 

「2人とも無理するな。」

 

「スター大丈夫⁉︎」

 

「ミルキー?」

 

スターとミルキーはダメージを受けた身体で無理に立ち上がろうしていてそれをスペースが支えていると彼らの側にソレイユとセレーネも戻ってきた。

 

「フワを返して!」

 

「返してと言われて返す愚か者が何処にいます?」

 

バケニャーンがスターの申し出を断ると2人の間で睨み合いが続いていた。

 

「・・・・いい匂いフワ!」

 

『え?』

 

すると突然フワから言った予想外の言葉にその場にいた全員が言葉を失った。

 

「フワ〜、みんな同じフワ・・・・ブルーキャットの匂いフワ!」

 

「え?」

 

「ブルーキャット⁉︎」

 

「どういう事だっつうの⁉︎ 答えろっつうのバケニャーン!」

 

フワはこれまでブルーキャットや彼女が化けた人達から感じた匂いと同じ匂いがバケニャーンからもしていた事で完全に安心しきっていた。

そしてアイワーンはバケニャーンにどういう事か問いただしていた。

 

「・・・・やれやれ、まさかこの子に気づかれるとは・・・・」

 

バケニャーンがプリキュア達とアイワーンの間に立つとフワを解放し、すかさずプルンスがフワを抱き抱えた。

 

「フワ、大丈夫でプルンスか?」

 

「フワ?」

 

するとバケニャーンはブルーキャットが持っていたのと同じ香水を自身にかけると身体が変化していき、その姿はプリキュア達のよく知るシルクハットにサングラスをつけた宇宙怪盗ブルーキャットの姿になった。

 

「ふふっ・・・・」

 

そしてブルーキャットは不敵な笑みをプリキュア達に向けたのであった。

 

 

To Be Continued

 




        次回予告


バケニャーンはブルーキャットが化けた姿だった。

それに動揺したアイワーンが更なる攻撃を仕掛けてくる。

そしてブルーキャットの口から彼女自身の目的が語られる。

次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第52話 虹の星の悲劇 ブルーキャットの秘密 後編

次回も楽しみに!



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第52話 虹の星の悲劇 ブルーキャットの秘密 後編

今日は『ウルトラマンデッカー』第2話の放送日。

まさかミクラス達が仲間として登場するとは、最初に知った時は驚きました。

来週はストロングタイプ初登場の回、次回も楽しみですが、こちらの小説もドンドン進めていくので今後ともよろしくお願いします。



プリンセスの力を探しにやって来た惑星レインボーの洞窟でアイワーンとバケニャーンの2人と戦闘になったプリキュア達だったが、バケニャーンに捕まったフワが彼の匂いはブルーキャットと同じであると気づき、そのおかげでバケニャーンの正体がブルーキャットだとわかったプリキュアであった。

 

「お前は⁉︎」

 

「ブルーキャット⁉︎」

 

「変化の状態を安定させる香水が仇となるとはね。」

 

「バケニャーンは何処だっつうの⁉︎ いつ入れ替わったっつうの⁉︎」

 

「本当におめでたいわね。元々いないのよ、バケニャーンなんて。」

 

「え?」

 

「ず~っとわたしが化けていたニャン。」

 

「ずっと・・・・っ!」

 

ブルーキャットの言葉を聞いたアイワーンはこれまでバケニャーンが何度もダークペンを使おうとするのを止めていた事に気づいた。

 

「アンタ、ずっとアタイにペンを使わせたがらなかったっつーの!何のためにだっつーの!」

 

「まだわからないの? わたしはレインボー星人よ!」

 

『えぇ⁉︎』

 

ブルーキャットが惑星レインボーの生き残りだと知ってその場にいた全員が驚いた。

 

「星のみんなを戻す方法を探すため、あなたに近づいたニャン。」

 

「だから、レインボーの宝を集めてたんだ。」

 

「あぁ、大切な物だったからこそ取り戻したかったんだろうな。」

 

ブルーキャットが惑星レインボーの生き残りだと知って、スターとスペースはどうしてブルーキャットが惑星レインボーのお宝を集めていたのか、その理由がようやく理解できた。

 

「お前・・・・ずっと騙してたっつーの?・・・・許せないっつーの!」

 

「でもどうするの? バケニャーンもいない、ノットリガーも出せないあなたに・・・・何ができて?」

 

「うるさいっつうの! こうなったらイチかバチかだっつーの! ダークペン!イマジネーションを塗りつぶせっつーの!」

 

アイワーンはやけくそになって近くにあったレインボー星人の石像に向かってダークペンで描いた禍々しい色をしたハートを石像となったレインボー星人の方へ飛ばして直撃すると、採掘に使うピッケルを持った灰色の巨大な化け猫のようなノットリガーが誕生した。

 

「やったっつうの!」

 

「ノットリガー!」

 

ノットリガーがピッケルを地面に叩きつけるとその衝撃で洞窟に穴が空いてみんな吹き飛ばされてしまった。

 

そのまま外に出たノットリガーの肩にはブルーキャットが手に入れたプリンセススターカラーペンを持ったアイワーンが乗っていて、ノットリガーの手にはブルーキャットがこれまで盗んできた惑星レインボーのお宝が入ったカプセルがあった。

 

「ノットリガー!」

 

「ケヒャヒャヒャヒャ! ペン手に入れてやったっつーの! レインボーのお宝もまた売っぱらってやるっつうの!」

 

「まさか、石化したレインボー星の人を・・・・アイワーン、どこまで弄ぶの!」

 

「ケヒャヒャヒャヒャ! そんなのアタイの勝手だっつーの! 」

 

「うっ!」

 

アイワーンとノットリガーを追いかけたブルーキャットに対してノットリガーがピッケルで攻撃し、ブルーキャットはギリギリかわすがその衝撃で吹き飛ばされてしまった。

 

 

「たかが石像一体で何ムキになってるっつーの!」

 

「ノットリガー!」

 

「っ!」

 

ノットリガーがブルーキャットに向かってピッケルを振りかぶるがその間にミルキーが割って入り、ハートの形をしたバリアでピッケルを受け止めた。

 

「あ、あなた・・・・」

 

「うぅ・・・・たかがじゃないルン・・・・惑星レインボーは住民が石化して滅んだってデータにはあったルン。」

 

「え?」

 

「ノットリ・・・・ガー!」

 

「「ハアッ」」

 

ノットリガーは持っていたカプセルを落として空いた左手の拳で攻撃しようとするがスターとソレイユがその左手を攻撃して阻止した。

 

「セレーネアロー‼︎」

 

すると後方からセレーネがノットリガーの顔を狙って矢を放つがノットリガーのピストンに防がれてしまう。

これにより攻撃が終わってミルキーはバリアを解除するが、消耗しているのか肩を揺らしていて息も荒れていた。

 

「ただ、およそ1800人石化したって。でも違ったルン! 来てみて初めて分かったルン。いろんな人がいたルン! この星の人たちはデータや数字じゃないルン! たかがで済ませられるものじゃないルン!」

 

「ノットリガー!」

 

「だからなんだっつーの!今はただの石の塊だっつーの!」

 

「それは違う!」

 

「っ!」

 

アイワーンは何処からか聞こえた声に反応するとノットリガーより高い位置の空中まで上昇していたスペースブル・アクアの姿がそこにはあった。

 

『スペリオン光線!』

 

「プリキュア・スペリオン光線‼︎」

 

スペースがオーブリングNEOのボタンを上にスライドして中央のボタンを押すとオーブリングNEOが技名を叫んだ。

そしてスペースは右腕・左腕の順番に両腕をL字に広げてスペシウムエネルギーとティガの光を融合させて貯めた後、十字に組み直して発射時は前面に光の輪が展開される『ウルトラマンオーブ・スペシウムゼペリオン』の必殺技『スペリオン光線』を放った。

 

「ノッ、トリガー!」

 

ノットリガーはピッケルで光線を受け止めるが光線によってピッケルは破壊され、スペースはミルキーの横に着地した。

 

「スペースの言う通りルン! ノットリガーは想像力を塗りつぶすルン。ノットリガーになったという事は・・・・」

 

「っ⁉︎ 残ってる・・・・想像力が、心が残ってる。」

 

「ルン! みんな戻せるルン!」

 

「あぁ! 必ず助ける!」

 

「ふん!出来るかっつーの!アンタら石どころか、この星のチリにするっつーの!」

 

ノットリガーが右手な拳を振りかぶろうとしていた。

 

「目を閉じて!」

 

「え?」

 

「はやく!」

 

ブルーキャットが目を閉じるように叫ぶとプリキュア達は全員目を閉じた。

 

「ノットリガー!」

 

「眩しいっつうの!」

 

ブルーキャットが青い球を地面に叩きつけるとそれは閃光玉で辺り一面が強い光に包まれるとアイワーンは持っていたダークペンとプリンセススターカラーペンを手放してしまい、ノットリガーは後ろの崖で足を滑らせてバランスを崩して倒れてしまった。

 

プリキュア達が目を開けるとそこにはアイワーンが持っていた2本のペンが落ちていた。

 

「今よ、ペンを取って!」

 

「ルン!」

 

ブルーキャットに急かされてプリキュア達は真っ直ぐペンの元へと走っていき、ミルキーがプリンセススターカラーペンを手にすると光が弾けて中からふたご座のプリンセススターカラーペンが現れた。

 

「待てっつうの!」

 

「ノットリガー!」

 

「っ!」

 

スターがダークペンを取ろうとすると、起き上がったアイワーンとノットリガーがそれを邪魔してダークペンは再びアイワーンの手に渡った。

 

「フン! プリンセススターカラーペン返せっつーの!」

 

「スペース!」

 

「あぁ!」

 

ミルキーがスペースに声をかけると2人は技を放つ体勢に入った。

 

「「プリキュア!」」

 

「ふたご座・ミルキーショック‼︎」

 

「アクアストリウム‼︎」

 

2人が放った電撃と水の技は途中で渦のように混ざり合うとそのままノットリガーの身体に直撃してノットリガーは吹っ飛んでいった。

 

「今ルン!」

 

『うん(おう)!』

 

『宇宙(そら)に輝け!イマジネーションの力!』

 

『トゥインクルステッキ!』

 

「スタートゥインクル!」

 

「ミルキートゥインクル!」

 

「ソレイユトゥインクル!」

 

「セレーネトゥインクル!」

 

『4つの輝きよ、今一つに!』

 

『プリキュア・サザンクロスショット‼︎』

 

 

 

『トリプルオリジウム光線!』

 

キュアスペースロッソ・フレイムに変わったスペースはルーブジャイロにオーブリングNEOをセットしてグリップを3回引いた。

そしてスペースの横にウルトラマンブル・アクアの幻影が現れて右側にいるスペースが右手を、ブルが左手を上げて2人の手が重なるとその2人の後ろに今度は巨大なウルトラマンオーブ・オーブオリジンの幻影が現れた。

 

「プリキュア!」

 

『「トリプルオリジウム光線‼︎」』

 

「ノットリガー・・・・」

 

プリキュア達の技を受けたノットリガーは消滅し、元のレインボー星人の石像へと戻った。

 

「一旦退却だっつうの!」

 

アイワーンはそう言い残すといつものようにワープホールを使わずにその場から離脱した。

 

そしてブルーキャットは戻った石像へと近づき見つめていた。

 

「・・・・・・・・」

 

その頃、プリキュア達はトィンクルブックにふたご座のプリンセススターカラーペンでタッチするとそこにはふたご座の星座が浮かび上がった。

 

「フワ・・・・ふたご座フワ!フーーーワーーー!」

 

フワの姿がミントカラーがメインの色の身体に変化し、両耳にはフワの顔がそれぞれあった。

フワの掛け声とともに全員スターパレスへと移動させられた。

 

「星の輝きーーー戻るフーーーワーーー‼︎」

 

フワからミントカラーの星形の光が放たれると、その光が飛ばされた場所に光が満ちて、そこにふたご座のスタープリンセスの姿が映ると、スターパレスの玉座にふたご座のスタープリンセス2人が姿を現した。

 

「フワ!」

 

「ふたご座のプリンセス〜よくぞご無事で!」

 

「キラやば〜っ☆ 双子のプリンセス!」

 

「「ありがとうプリキュア。」」

 

ふたご座のプリンセスをパレスに戻したこうた達は再び惑星レインボーへと戻った。

 

「フワを助けてくれてありがとう。」

 

「ありがとな。」

 

「ありがとうフワ。」

 

立ち去ろうとするブルーキャットにひかるとこうた、フワがお礼を言った。

 

「おかげでふたご座のプリンセススターカラーペンも戻ってきたルン」

 

「私達も協力する! この星を元に戻す為にがんばる!」

 

ひかるがみんなより少し前に出て自身の気持ちをブルーキャットに伝えた。

 

「ありがとう、でも・・・・」

 

「え?」

 

「気持ちだけで十分ニャン!」

 

するとブルーキャットはさっきみたいに地面にボールを叩きつけると今度は煙幕が辺り一面を包んで何も見えなかった。

 

「どうして⁉︎」

 

「サザンクロスショットとウルトラマンの力・・・・それでも戻せなかった・・・・」

 

「フワ?」

 

「え?」

 

「必要なの、この子とプリンセス、そしてウルトラマンの力が・・・・」

 

「・・・・フワ⁉︎ どこ⁉︎」

 

そしてブルーキャットはひかると会話としながらフワを連れてそのまま姿を消した。

 

「ないルン!」

 

「え⁉︎」

 

「プリンセススターカラーペンがないルン!」

 

「俺のウルトラスターカラーペンもない!」

 

「わたくしのも!」

 

「アタシも!」

 

「まさか・・・・ない! ブルーキャットに取られた⁉︎」

 

「うわぁぁあああ! マズイでプルンスゥゥゥゥウウウウ!」

 

こうた達はフワと変身する時に使うスターカラーペン以外のペン全てをブルーキャットに奪われてしまった。

 

「(ブルーキャット、お前はどうしてそこまで・・・・)」

 

こうたはブルーキャットがどうしてそこまでするのか心の中で考えていた。

 

そんな彼らから離れた場所にはフワを抱えたブルーキャットの姿があり、その手に持つ袋の中にはこうた達から奪ったペンが入っていた。

 

「フワ?」

 

そしてブルーキャットはその場から移動し、再び姿を消したのであった。

 

 

 

To Be Continued

 

 




         次回予告


フワとペンを取り戻す為にブルーキャットを追うこうた達

そして追いついたこうた達はブルーキャットと戦う事に

果たして奪われたフワとペンを取り戻す事はできるのか?


次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第53話 みんなを救うために! キュアコスモ誕生! 前編

次回も楽しみに!



※もしよろしければ、皆さんがこれまでの話で感じた感想やコメントがあればドシドシ送って下さい。
皆さんからのコメント、そして評価が頂けたら凄く嬉しいです。
よろしくお願いします。


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第53話 みんなを救うために! キュアコスモ誕生! 前編

二日連続投稿です。
そして後編も明日の夜に投稿予定です。
この三連休は全て執筆に使う事になりそうです。
今後はまた投稿頻度が落ちてしまいますが、それでもちゃんと進めていきますのでこれからもよろしくお願いします。

m(_ _)m



ペンを探しに惑星レインボーへとやってきたこうた達はそこでアイワーンとの戦いを経てふたご座のプリンセススターカラーペンを手に入れた。

しかしその直後にブルーキャットにフワと変身する時に使うスターカラーペン以外の全てのペンを奪われてしまった。

 

その頃地球では、外は激しい雷雨でその様子を家の中からひかるの祖父、春吉が見ていた。

 

「この雨の中、何処をほっつき歩いているんだひかるは・・・・」

 

春吉は帰ってこないひかるの事を心配していた。

 

そのひかるはこうた達と共にペンダントの反応を頼りにブルーキャットの後を追いかけていた。

 

「見つかったでプルンスか?」

 

「うん! あっちみたい!」

 

「よぉし! ブルーキャットを追うでプルンス! フワと奪われたペンを取り戻すでプルンス!」

 

「うん。 いこう!」

 

「でも良かったルン、ペンダントが無事で・・・・」

 

「え?」

 

「ペンの場所がわかるルン。」

 

「ブルーキャットも爪が甘いでプルンス! さぁ、追いつくでプルンス!」

 

「(本当にそうなのか?)」

 

こうたはララが指摘したペンダントの事を気にしていた。

ブルーキャットはこうた達が使うペンダントのレーダーでペンを見つけられる事を知っているはず、なのにそのペンダントを残していくという事は当然追いかけられるリスクが生じる。

 

ならいっそ、ペンだけでなくペンダントも奪えば逃げきれる確率は更に高くなる。

なのに何故そうしなかったのか?

こうたはそれが疑問で仕方なかった。

 

 

「・・・・ペンが移動してるっつうの。」

 

その頃、一度撤退したアイワーンも惑星レインボーに残りペンの反応を追っていた。

 

するとアイワーンの背後にワープホールが開くと中からカッパードとノットレイ達が乗ったUFOが現れた。

 

「してやられたなアイワーン。 バケニャーン否、宇宙怪盗に・・・・」

 

「くっ、何しに来たっつうの!」

 

「あとは我々に任せてもらおう。」

 

「なに⁉︎」

 

「ガルオウガ様からのご命令さ、お前一人では心もとないとね。」

 

「くっ」

 

カッパード達はガルオウガの命令で惑星レインボーへとやって来たようだ。

それに対してアイワーンは不満のある表情を見せた。

 

「冗談じゃないっつうの!」

 

アイワーンはそれに対して怒り、この件は自分で蹴りをつけたくて仕方なかった。

 

 

 

「もうすぐよ、あと少しで・・・・」

 

「フワ? ここ何処フワ?」

 

何処かの綺麗な広い空間で、眠っていたフワがブルーキャットの声で目を覚ますとブルーキャットが一つの石像に話しかけているのが見えた。

 

「フワ? 誰フワ?」

 

「あなたには関係ないわ、てゆうか寝る? 緊張感ないニャン。」

 

「フワ? 緊張感?」

 

「あのね、囚われの身なの、怖がる所よ。」

 

「ブルーキャット怖くないフワ!」

 

ぐぅ〜 

 

「・・・・お腹空いたフワ!」

 

「なっ⁉︎」

 

ブルーキャットは囚われの身でありながら完全に安心しきっているフワに動揺してしまっていた。

 

「もう・・・・マタークッキーしかないか・・・・」

 

「クッキーフワ!」

 

「悪いけどあげられないわ、貴方には刺激が強過ぎるから・・・・」

 

「お腹空いたフワ!」

 

「そう言われても何もない。」

 

「フワ・・・・」

 

何もないと言われたフワはしょんぼりしながらブルーキャットの後について行った。

 

「元々、この星には何もないの・・・・川は枯れ、海に生き物もいない・・・・まぁ、レインボー鉱石に助けられたけどね・・・・鉱石は酸性の雨水をろ過して、飲み水にしたり・・・・虹のように変化する石の電磁波が植物の成長を促して・・・・」

 

「ちんぷんかんぷんフワ」

 

「簡単に言えば、レインボー鉱石のおかげでお腹は膨れたって感じ?」

 

「レインボー鉱石食べるフワ!」

 

「伝わってないわね。」

 

ブルーキャットは惑星レインボーでの暮らしについてフワに説明するが、全く理解できてないフワに対して簡単に説明してもフワはわかっていなかった。

そしてブルーキャットは自身のカプセルから一人乗りの宇宙船を取り出した。

 

「何処いくフワ?」

 

「星を出るの、プリキュアとアイワーンをまく為にね。」

 

「フワーーーッ!」

 

「フワ?」

 

「っ!」

 

ブルーキャットとフワが声のした方向を見るとそこには空気を吸って大きくなったプルンスが気球のような役割をして空中を浮いていてその足にこうた達がしがみついていた。

そして先ほどの声はひかるの声だった。

 

「フワ!」

 

「フワ!」

 

「思ったより早いわね。」

 

「どうしてフワを、わたし達のペンを⁉︎」

 

「なぜ盗むかって? それって愚問よ、わたしは宇宙怪盗ニャン!」

 

そう言いながらブルーキャットは先ほど使った煙幕を出すボールをプルンスに投げつけてきた。

 

「煙幕⁉︎」

 

「ひかる!」

 

「変身するルン!」

 

「フワ・・・・うん!」

 

「・・・・・・・・」

 

えれなとララの声を聞いて変身する事を決めたひかるだったが、その横でこうたは何を考えているのか静かに変身に使うペンを握りしめていた。

 

 

『スターカラーペンダント!カラーチャージ!』

 

『キラめく~星の力で~!憧れの~私描くよ~!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『スター☆トゥインクル〜!スター☆トゥインクルプリキュア~~!』

 

 

「宇宙(そら)に輝く〜キラキラ星!キュアスター!」

 

「天にあまねく〜ミルキーウェイ!キュアミルキー!」

 

「宇宙を照らす!灼熱のきらめき!キュアソレイユ!」

 

「夜空に輝く!神秘の月明かり!キュアセレーネ!」

 

「光輝く聖なる宇宙!キュアスペース!」

 

『スター☆トゥインクルプリキュア‼︎』

 

 

変身が完了したプリキュア達はプルンスから飛び降りて地面に着地した。

 

それからすぐにソレイユがフワを抱えるブルーキャットに接近するが、ブルーキャットはソレイユに向けてカードを投げつけてソレイユはそれを蹴りで弾いた。

 

「っ⁉︎」

 

しかしそのカードにはトラップが仕掛けられていてカードが爆発するとソレイユは吹き飛ばされてしまった。

 

「ソレイユ⁉︎」

 

「生身だからって舐めていると怪我するわよ!」

 

『うぅ!』

 

ブルーキャットはすかさず4枚のカードを他のプリキュア達の足元目がけて投げるとカードが爆発した。

 

「フワ!」

 

「ふふっ・・・・っ!」

 

しかしプリキュア達はミルキーが出したハート型のバリアに守られて無傷だった。

 

「追うルン!」

 

ブルーキャットが逃げるとソレイユ以外のプリキュア達はその後を追いかけた。

ブルーキャットは爆発するカードを何度も投げてプリキュア達はそれを避けながら追っているので中々ブルーキャットとの距離は縮まらなかった。

しかし途中からはセレーネが矢でカードを迎撃する事で少しずつ距離が縮まってきていた。

 

「ハアッ!」

 

「ちっ!」

 

「フワとペンを返して!」

 

スターか前に出るとブルーキャットは一旦止まってフワを抱いていない右手からフックつきのワイヤーを発射してそれをスターの身体に巻きつけた。

 

「ハアッ!」

 

「うわっ!」

 

動けないスターに向かってブルーキャットは飛び蹴りをするが、スターも星形のエネルギーでガードするものの、拘束されている所為で安定していないスターは体勢を崩して転んでしまう。

 

「ハアッ!」

 

そんなスターにブルーキャットは踵落としをするが、その足をソレイユが蹴り技で防いだ。

 

「もうやめよう、こんなの誰も笑顔にならない。」

 

ソレイユの言葉を聞いたブルーキャットはソレイユから距離をとるが、その背後にはセレーネとミルキーがいた。

その間にスペースがスターを拘束から解放していた。

 

「フワ!」

 

「渡さない! スタープリンセスの力、そしてフワがいれば手に入る強大な力が・・・・」

 

「そんなの嘘っぱちでプルンス!」

 

「わかってないのね! どうしてノットレイダーがプリンセスの力を狙っていると思って・・・・」

 

「っ!」

 

「そして彼が使ってたこのウルトラマンの力・・・・この力だって星の復活にきっと役立つはず!」

 

そう言ってブルーキャットは再びボールを地面に叩きつけて煙幕を発生させるとそのまま駆け出した。

 

「逃がしません!」

 

それをセレーネとミルキーが阻もうとするが、ブルーキャットはスターに変身して2人を惑わせた。

 

「「っ! 」」

 

その隙をついてブルーキャットはジャンプしてセレーネとミルキーの守りを突破する。

 

「しまったルン!」

 

「本人じゃないとわかっていながら躊躇とはね!」

 

そのままスターの姿をしたブルーキャットはフック付きのワイヤーを使って岩山の隙間にある通路へと一気にジャンプしてプリキュア達から逃げた。  

 

「一旦まかないと・・・・」

 

しかし・・・・

 

「っ!」

 

そんなブルーキャットの目の前にキュアスペースが空中から現れた。

 

「そういえば、あなたが飛べるのをすっかり忘れてたわ。あなたも私と戦おうってわけ?」

 

「・・・・いや、戦わない。」

 

「え?」

 

「俺はお前とは、戦わない。」

 

「はぁ⁉︎」

 

「お前と、戦いたくないんだ。」

 

スペースからの予想外の言葉にブルーキャットは動揺していた。

 

「な、何言ってるのよ! あなただってペンとフワを取り戻したいんでしょ⁉︎ だったら・・・・」

 

「前に言ったよな、ブルーキャットはいい奴だって? その気持ちは今も変わらない・・・・だから・・・・戦いたくない。」

 

「ふ、ふざけんじゃないわよ!」

 

ブルーキャットはスペースに飛びかかり右手の拳でスペースを殴ろうとするが、スペースはそれを左手一本で受け止めた。

 

「あんたバカじゃないの! わたしはあなた達から大事な物を奪ったのよ! そんな事をする相手がいい奴なわけないでしょ! なのにどうしてそんな事が言えるのよ!」

 

「だって、なんだかんだ言いながらもいつも俺達の事を助けてくれただろ? 今日だって・・・・」

 

「それは、わたしの目的を果たすためで・・・・」

 

「でも、助けてくれた。」

 

「っ! うるさい!」

 

「ブルーキャット!」

 

「っ!」

 

そこへスターも追いついてきてブルーキャットは通路の奥の広場まで逃げてしまった。

 

「いい加減諦めなさい!」

 

「あきらめない! フワもペンもわたしが守る!」

 

ブルーキャットとスターは到着した広場でフワとペンを巡って取り合いをしていた。

 

「スター! スペース!」

 

そこへミルキー達他のプリキュア達も合流した。

 

「ダメフワ!」

 

「え?」

 

「みんな仲良くするフワ!」

 

するとフワがブルーキャットの腕の中で泣いていた。

 

「フワの言う通りだよ! どんな理由があるかわからないけど、誰か泣かせてまで奪っていいわけないよ! ねぇ、もうやめよう!」

 

「・・・・簡単に言ってくれるわ!」

 

「っ! ・・・・え?」

 

ブルーキャットがボールを地面に叩きつけようとするのを見たスターが駆け出そうとするが、それよりも先にスペースがブルーキャットの手を握ってそれを妨害した。

 

「なっ!」

 

「一緒にやろう。」

 

「え?」

 

「俺達は・・・・お前と一緒にこの星を、この星に住むみんなを救いたいって言ってるんだよ。 お前だって俺達と同じように大切なものを救いたいんだろ?」

 

「・・・・そうよ。わたしもあなた達と同じ、あなた達がフワやこの宇宙を救いたいように、あたしもこの星のみんなを救いたいの!」

 

ブルーキャットは最初は俯いていたが、途中からは顔を上げて自身の思いをハッキリと口にした。

 

「くっ!」

 

「離して!」

 

ブルーキャットが強引にスペースの手を振り払おうとするとブルーキャットは持っていたボールを手放してしまい、それが後ろにあった一つのレインボー星人の石像に当たってボールが弾けて煙幕が発生した。

 

「っ!」

 

その時ブルーキャットは惑星レインボーがダークペンの暴発によって発生した邪悪な力が星を包んだ時の事を思い出してしまった。

 

「・・・・くっ!」

 

「え?」

 

「フワ!」

 

すると今までスターの姿をしていたブルーキャットの身体が光ると、徐々にその姿は変わっていった。

 

「え⁉︎ あなた・・・・」

 

「・・・・そう、これが・・・・わたし・・・・本当の・・・・わたしの姿。」

 

その姿は今まで見たことのないまるで猫が人の形になったような姿へと変化したブルーキャットがプリキュア達の目の前に立っていた。

 

 

To Be Continued

 

 




         次回予告


レインボー星人としての本当の姿を見てたブルーキャットの口からこの星で何が起こったのかが語られる。

その後のノットレイダーとの戦いで傷つくプリキュア達を見たブルーキャットがとった行動とは・・・・


次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第54話 みんなを救うために! キュアコスモ誕生! 後編

次回も楽しみに!



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第54話 みんなを救うために! キュアコスモ誕生! 後編

予定通り後編の投稿です。
今後は最低でも1週間に1話投稿するのを目標に頑張ります。



ブルーキャットに奪われたフワとペンを取り戻そうとするプリキュア達、その中でブルーキャットは本来のレインボー星人としての姿をプリキュア達に見せてしまうのであった。

 

「驚いたニャン? みんなそう?」

 

「え?」

 

「わたしが生まれるずっと前よ、変化の能力をもつわたしたち種族は、人々に恐れられた。そして名前すらないこの星に流れ着いた。」

 

ブルーキャットは自分達レインボー星人とこの星の過去について語りだした。

その中で彼女達のリーダーとも言える存在だったオリーフィオが以前こう言ったらしい『雨の後には美しい虹が輝く、きっとわたし達にも輝くさ。 美しい虹が・・・・』と。

 

「その言葉を胸にこの星を『レインボー星』と名付けた。信じられる? 豊かだったのよ、数ヶ月前までは・・・・この星で取れるレインボー鉱石がエネルギーになって街ができた。鉱石は創作の喜びもくれた。おだやかな平和な暮らしが続いてた。 でもあの日、アイワーンがきて・・・・それからはアイワーンが話した通りよ。」

 

アイワーンが使った試作段階のダークペンが暴発してブルーキャットはオリーフィオの指示で鉱山にいる仲間達に危険を知らせる為に小型の宇宙船に乗って上昇した直後にダークペンから生まれた邪悪な力が星全体を包み込み星のみんなを石にしてしまった。

 

「それからわたしは旅に出た、みんなを戻す方法をみつける為に。マオになって宇宙をめぐり情報を集め、ブルーキャットとしてアイワーンに売り払われたレインボーの宝を取り戻し、バケニャーンとしてノットレイダーにも潜入した。そこで知ったの。十二星座のプリンセス力、フワがそろえば強大な力が、みんなを元に戻せる力が手に入るって。」

 

「みんなを戻す為ならなんだってする!」

 

そう宣言するとブルーキャットは再び香水を使ってプリキュア達が知る宇宙怪盗としての姿に戻った。

 

「宇宙怪盗でもなんでも!」

 

「嘘だ!」

 

「っ!」

 

ブルーキャットの発言に対してスターは嘘だと言った。

 

「なんでもって言うけど、ペンダント取らなかったじゃん。わたし達がプリキュアになれるようにって、取らなかったんでしょ?」

 

「っ!」

 

「プリキュアにって。」

 

「あぁ! ノットレイダーがまだこの星にいるからプルンスか?」

 

「あぁ、口では色々言っててもそれでも彼女の心の奥にはちゃんと相手を思う優しさが残ってるって俺は思う。てかペンダントの事、スターも気づいてたんだな。」

 

「うん!」

 

スターはブルーキャットがペンダントを奪い忘れたのではなくわざと奪わなかったと考えていた。

まだこの星にいるアイワーン(ノットレイダー)に襲われた時に自分達の身を守る為にと・・・・

スペースもそれに気づいていたからこそブルーキャットがいい奴だと思っていたのだ。

 

「わたくし達の身を案じて・・・・」

 

「違う・・・・」

 

「わたし達の事を思ってでしょ?」

 

「違う!違うニャン!」

 

「随分と騒がしいな、プリキュア。」

 

『ノットレイ!』

 

「カッパード⁉︎」

 

するとみんなが通って来た岩山の隙間の通路からカッパードとノットレイ達が現れた。

 

「カッパード退けっつうの!」

 

すると今度は岩山の上からアイワーンがカッパードとプリキュア達の間に飛び降りてきた。

 

「アイワーン、貴様・・・・」

 

「こいつは、アタイがやるっつうの! ダークペン! 黒く塗りつぶせっつうの!」

 

するとアイワーンはいつもは誰かに飛ばしていたダークペンで描いた禍々しい色をしたハートを自身に向けて放つとそれを受けたアイワーンは姿は普段と変わらないが大きさだけ巨大化したノットリガーとなった。

 

「ノットリガー!」

 

そしてノットリガーとなったアイワーンは近くにあった岩山を何度か拳で殴るとその後は真っ直ぐブルーキャットへと迫っていった。

そしてノットリガーとなった事で地面に落としたダークペンをカッパードが拾った。

 

「フッ、ここまでの覚悟とは・・・・」

 

「アイワーン!」

 

「バケニャーン、許さない・・・・全部ぶっ壊してやるっつうの!」

 

そしてノットリガーは右足でブルーキャットを踏み潰そうとするが、それをミルキーがハート型のバリアで防いだ。

 

「プリキュア?」

 

「みんな!」

 

ミルキーの掛け声と共に他の4人のプリキュア達は真っ直ぐノットリガーに向かっていった。

そして4人のパンチをノットリガーは両腕でガードした。

 

「ノットリガー!」

 

『うわぁぁあああ!』

 

攻撃に耐えたノットリガーは両手でプリキュア達全員を捕まえると岩山の外に放り投げてノットリガーもその方向へジャンプするとまだ空中にいるプリキュア達を両手を握りしめてそのまま地面に叩きつけてしまった。

 

「ノットリガー!」

 

「なんで⁉︎ プリキュア!」

 

ノットリガーから受けたダメージで動けないプリキュアを見てブルーキャットはフック付きのワイヤーをノットリガーの右手に巻きつけた。

 

「アイワーン、相手はわたしでしょ!」

 

「ノットリガー!」

 

「うわぁぁあああ!」

 

しかしノットリガーはそのまま右手を振り回す事でブルーキャットも振り回されて地面に叩きつけられそうになっていた。

 

「「ハアアッ!」」

 

それをスターとスペースの2人が叩きつける直前にその右手を攻撃したら事でブルーキャットは解放されるとブルーキャットは助けてくれたスターとスペースの事をジッと見ていた。

 

「何で?」

 

「プルンス!」

 

「頼む!」

 

するとブルーキャットの落下地点にすかさずプルンスが先回りすると空気を吸って大きくなってそれによりクッションの役割をしたプルンスにブルーキャットは助けられた。

 

「大丈夫フワ!」

 

「え?」

 

ブルーキャットが顔を上げるとそこにはフワとプルンスがいた。

 

「スターとスペース達が守ってくれるフワ!」

 

「・・・・守る? どうして?」

 

ブルーキャットはどうして先ほどまで敵だった自分の事を守ってくれるのか、ノットリガーと戦うプリキュア達を見ながら疑問に思っていた。

ミルキーの電撃、ソレイユの蹴り技、セレーネの矢、どの攻撃もノットリガーに防がれてしまっていた。

 

「プリキュア・スペースレイ‼︎」

 

スペースが空中から光線技を使ってノットリガーはそれを両腕をクロスしてガードしていた。

 

「はぁぁぁあ!」

 

その隙にスターは星形のエネルギーを右手に生成して攻撃しようとするが、スペースの技を弾いたノットリガーはそのまま右手の拳でスターの拳に迎撃し、勢いに負けたスターは吹き飛ばされた。

 

「スター! くぅぅぅ!」

 

「あぁぁぁっ!」

 

それをスペースが受け止めるが衝撃を抑えきれず一緒に吹き飛ばされてしまいブルーキャットの近くに地面に叩きつけられてしまい、その衝撃でブルーキャットも吹き飛ばされて被っていたシルクハットとつけていたサングラスが外れてしまった。

 

「スター! スペース!」

 

「「くっ、うぅぅぅ・・・・」」

 

「何でよ⁉︎ どうして戦うの⁉︎」

 

「だって、ほっとけないじゃん!」

 

「そういう事だ。」

 

「あなた達には関係のない、何も知らない他人でしょ!」

 

「・・・・知らないからだよ!」

 

「え?」

 

ブルーキャットの言葉に真っ先にスターが答えた。

 

「知らないからもっと知りたい、わたしも会って話してみたい。 この星の人達と・・・・だってさ、キラやば〜☆だよ! 何でも好きな姿に変われるなんて!」

 

「っ!」

 

「あぁ! この星の人達にしか出来ない立派な個性じゃないか。俺もそういうの好きだぜ!」

 

「うん! だから・・・・守りたい!」

 

「そういう事!」

 

「えぇ!」

 

「いくルン!」

 

そこへソレイユ、セレーネ、ミルキーも交流して全員で再びノットリガーへと向かっていった。

 

『はぁぁぁああ!』

 

「ノットリガー!」

 

「何で・・・・何で、そこまで・・・・」

 

「ブルーキャットと同じフワ!」

 

ブルーキャットにはプリキュア達がどうしてそこまでしてくれるのかわからなかったが、フワがその答えを教えてくれた。

 

「え?」

 

「ブルーキャット言ってたフワ!」

 

『あなた達がフワやこの宇宙を救いたいように、あたしもこの星のみんなを救いたいの!』

 

「・・・・・・・・」

 

自身の言った言葉を思い出すとブルーキャットはそのまま俯いてしまった。

その間にノットリガーの攻撃を受けたスペース以外のプリキュア4人の変身が解除されてしまった。

 

「プリキュア!」

 

「マズイ!」

 

スペースはすかさず横からノットリガーの足に飛び蹴りをくらわせてノットリガーはバランスを崩して膝をついてしまう。

 

「はぁ・・・・はぁ・・・・」

 

「ノットリガー!」

 

「っ!」

 

しかしノットリガーは攻撃を止める事はなく、倒れているひかる達の前に立ったスペースの頭上から拳を振り落とすとスペースはそれを受け止めきれずに倒れた状態で変身が解除されてしまった。

 

「まだ・・・・まだだ!」  

 

「っ!」

 

ブルーキャットが顔を上げるとそこにはこうたは痛む身体を我慢しながら必死に立ち上がろうとする姿が映るがすぐには起き上がれずにいた。

 

『ブルーキャットっていい奴だよな。』

 

『お前だって俺達と同じように大切なものを救いたいんだろ?』

 

『この星の人達にしか出来ない立派な個性じゃないか。俺もそういうの好きだぜ!』

 

ブルーキャットは必死に立ち上がろうとするこうたの姿を見てこうたが言っていた言葉を思い出していた。

 

「ホント、お節介よ。誰も頼んでないのに・・・・いつも・・・・いつも・・・・アンタは!」

 

そう叫ぶとブルーキャットは目から涙をこぼしながらこうた達の目の前で両手を広げてみんなを庇おうとしていた。

 

「っ! 危ない! 逃げろ!」

 

こうたは前に立ったブルーキャットの存在に気づき逃げるように促した。

 

「ほう? 理解に苦しむな、目的の為なら全てを裏切るお前がなぜそこに立つ?」

 

「わからない。星のみんなは救いたい・・・・でも、その前に・・・・倒れているんだ! 目の前で、この子達が!」

 

「愚かな」

 

「ノットリガー!」

 

「逃げろ!」

 

ノットリガーが拳を振りかぶりこうたはブルーキャットに逃げるように叫んだ。

 

「だからわたしは・・・・救う。」

 

「フワ?」

 

「みんなを救いたいのーーっ!」

 

「フーーーワーーーッ!」

 

「なんだ⁉︎」

 

フワの身体が突然光りだすと、辺り一面を光で覆う。するとそこにはトゥインクルブックとそこから飛び出した青色のペンとみんなと同じスターカラーペンダントが現れた。

 

「これって⁉︎」

 

「っ!この力は?」

 

『プリキュアーーーッ!』

 

新たに現れたペンダントとペンの力に遠く離れた場所にいたおうし座のプリンセスとダークネストは気づいた。

 

「それを取れ! ブルーキャット!」

 

「え?」

 

ブルーキャットは背後にいたこうたの声に反応して振り向いた。

 

「お前の守りたいものを、守るために!」

 

「・・・・・・・・」

 

それを聞いたブルーキャットは再び正面を向くと静かに頷いてそのままペンを掴んだ。

 

「スターカラーペンダント!カラーチャージ!」

 

「キラめく~星の力で~!憧れの~私描くよ~!」

 

「トゥインクル!トゥインクルプリキュア!」

 

「トゥインクル!トゥインクルプリキュア!」

 

「トゥインクル!トゥインクルプリキュア!」

 

「スター☆トゥインクル〜!スター☆トゥインクルプリキュア~~!」

 

「銀河に光る!虹色のスペクトル!キュアコスモ!」

 

 

こうして青がメインカラーのプリキュア『キュアコスモ』が誕生した。

 

 

 

「キュアコスモ? キラやば~っ☆」

 

「バカな⁉︎」

 

「ノットリ、ガー!」

 

その場にいたみんなが驚き、ひかるが喜んでいる前でこうたも静かに頷いていた。

そしてノットリガーはすぐに右手の拳を振りかぶりコスモに攻撃しようとするとコスモはそれを両手で受け止めた。

 

『っ!』

 

それを見ていたひかる達はとても驚いていた。

 

「ちょっとそのペン預かっておいて。」

 

「フワ?」

 

コスモはひかる達から奪ったペンの入った袋をフワに預けると素早くノットリガーの目の前に移動し、ノットリガーはそれを左手で防ぐが勢いを止める事ができずバランスを崩してしまう。

するとコスモはそのままジャンプしてノットリガーの左手を掴んだ。

 

「ノットリガー⁉︎」

 

「ハアアッ!」

 

「ノットリガー!」

 

コスモはそのままノットリガーを地面に投げつけた。

 

「マジか⁉︎」

 

「キュアコスモ・・・・強い!」

 

コスモの強さにこうたとひかるは驚く事しか出来なかった。

このまま形勢逆転する事はできるのだろうか?

 

 

To Be Continued

 

 




        次回予告


キュアコスモの参戦で一気に優勢になったこうた達。

しかし今度はダークネスト自らの参戦、そしてサーディスもやって来て惑星レインボーでの戦いは激しさを増していく。

そしてこうたは驚きの人物達と戦う事に・・・・

次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第55話 激突! プリキュア対ノットレイダー!

次回の前半は原作ストーリーですが、後半はオリジナルストーリーです。

次回も楽しみに!



※もしよろしければ、皆さんがこれまでの話で感じた感想やコメントがあればドシドシ送って下さい。
皆さんからのコメント、そして評価が頂けたら凄く嬉しいです。
よろしくお願いします。


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第55話 激突! プリキュア対ノットレイダー!

なんとか週一投稿を維持しようと頑張ってます。
そして今回の後半と次回はオリジナルストーリーでお送りします。



奪われたフワとペンを取り戻そうとするプリキュアとの戦いの中で惑星レインボーで起こった出来事と自身がどんな思いで行動してきたかを教えてくれたブルーキャット。

そして話の途中で割り込んできたノットレイダーとの戦いの中で初めて本音を叫んだブルーキャットの思いに答えるかのように新しいペンとペンダントが現れてそれを手にしたブルーキャットはキュアコスモに変身、その力はノットリガーになったアイワーンを圧倒した。

 

「ノットリガー!」

 

倒れた状態から起き上がったノットリガーが連続でコスモを狙って殴りかかったが、持ち前のすばやさで全てかわしたコスモは途中からノットリガーの攻撃すら受け流し、ノットリガーの拳が何もない地面に触れている状態で、コスモはノットリガーの腕の上に着地した。

 

「今度はこっちからいくニャン!」

 

コスモはそのままノットリガーの腕の上を駆け上がりノットリガーの顔に蹴りを当てようとするが、ノットリガーは反対の手で防御するもその衝撃までは抑えられずにバランスを崩してしまう。

その隙を狙ってコスモは猫のように着地した直後に再び駆け出すとジャンプしてノットリガーの胸元に猫の手の形をしたパンチをくりだす。

 

「ノットリガー!」

 

そのパンチを受けたノットリガーは後方へ吹っ飛ばされてしまった。

 

「ホント・・・・おてんばなんだから。」

 

着地したコスモは自身の頬を猫のように擦っていると飛んでいったノットリガーが地面に落下していた。

 

「かっちょいい〜!」

 

「スゲェ!」

 

「勝負を決めただと⁉︎」

 

ひかるとこうたはコスモの強さに興奮しているとカッパードはコスモの強さに驚きを隠せずにいた。

 

すると突然惑星レインボーの空模様が怪しくなっていくといきなり雷が落ちてきた。

 

そしてノットリガーに邪悪なエネルギーが集まっていくとそれが形となりノットリガーの背後から何者かの禍々しい気配が感じられた。

 

『・・・・・・・・』

 

「おぉ!」

 

「ダークネスト⁉︎」

 

「え?」

 

「ノットレイダーを統べる者よ。」

 

「あれが連中の親玉か・・・・」

 

その存在の登場にカッパード達は歓喜し、コスモは怯えていた。

そしてコスモの口からダークネストの存在を聞いたこうたは奴こそがノットレイダーのボスである事を知った。

 

『プリキュア・・・・!』 

 

「まさか、アイワーンの意識を乗っ取ったというのか⁉︎」

 

「くっ・・・・みんな・・・・許さないっつうの・・・・」

 

「アイワーン・・・・」

 

ダークネストによって身体を支配されてしまったアイワーンはかろうじてその怒りだけは保たれていた。

だがその姿をコスモはどこか可哀想な気持ちで見ていた。

コスモはバケニャーンとしてアイワーンの近くにいた時に聞いた事があった。

ダークペンは想像力を塗りつぶして強いノットリガーを生み出すことができると、だがノットリガーにされた者の人格は残るとアイワーンから聞いていた。

 

「想像力を塗りつぶす・・・・」

 

「ノットリガー!」

 

「ダークネスト様のお力は想像力を塗りつぶすという次元ではない!」

 

「みんな・・・・消えろっつうの!」

 

カッパードの言う通り、今のノットリガーはさっきまでとは違い想像力を塗りつぶすだけではなくその力も強化されていて力が強すぎるのかアイワーンは先ほどから頭を抱えて苦しんでいた。

 

「助けてあげないと・・・・」

 

「え?」

 

「うぅ・・・・」

 

「助けてあげないと!」

 

ひかるの言葉を最初は聞き取れなかったコスモだが、アイワーンの苦しむ姿を見たひかるはアイワーンを助けると決意した。

 

「アイワーンを?」

 

「だって、苦しんでる! わたし・・・・わたし・・・・助ける!」

 

「たく、そこは『わたし』じゃなくて『わたし達』・・・・だろ? 」

 

「うん!」

 

そしてこうたもそれに賛同してひかるの隣に並び立った。

 

「ノットリガー!」

 

「・・・・本当に、お節介な子達ニャン・・・・」

 

コスモは苦しむアイワーンとひかるとこうたを交互に見て仕方ないと諦めてアイワーンを助ける為に戦う決意をした。

 

「待て!」

 

「っ!」

 

するとノットリガーの目の前に雷が落ちるとその落下地点から1人の人物が現れた。

 

「サーディス⁉︎」

 

「久しぶりだな、キュアスペース。」

 

その人物とはこれまでに2回こうた達と戦ったトレジャーハンターのサーディスだった。

しかし、サーディスの身体からは今のノットリガーから発せられているエネルギーと同じエネルギーが放出されていた。

 

「なんかあれ・・・・」

 

「ルン、今までと違うルン!」

 

その姿にえれなとララはこれまでのサーディスとは何かが違うとすぐにわかった。

 

「キュアスペース、俺と戦え!」

 

「え?」

 

「決着をつけようぜ!」

 

サーディスはこうたとの勝負を望んでいた。

 

「・・・・もし断ったら?」

 

「その時はアイツらと一緒に暴れてやるよ。もっとも、今のお前達に俺達全員を止められるとは思ってないけどな。」

 

「(確かに、今の消耗してるひかる達にノットリガー達だけでなくサーディスの相手もさせるのは流石に厳しいか?)」

 

サーディスの言う通りこうたはひかる達と比べてまだ余力はあるが、それでもひかる達の事を考えるとこの現状にサーディスも加わるとアイワーンを救うのが更に難しくなるのは明白であった。

 

「・・・・わたった、決着をつけようぜ。」

 

「へっ! そうこなくっちゃな!」

 

「こうた!」

 

こうたがサーディスの申し出を承諾するとすぐにひかるがこうたに話しかけた。

 

「ダメだよ! こうただけでなんて!」

 

「けどやるしかないんだ。」

 

「待ちなさい!」

 

そこへコスモも割り込んで話に入ってきた。

 

「これは罠よ。明らかに何か企んでるに違いないわ!」

 

「わかってる。」

 

「わかってないニャン! 今のアイツは今までとは違う。 危険すぎるわ!」

 

「それでもだ! この状況でみんながサーディスまで相手にしてたらアイワーンを助けるのは更に難しくなる。なら俺がアイツを惹きつける事でみんなにはノットリガーに集中してもらった方が絶対に良いんだ。だから・・・・」

 

「・・・・ちょっと待ってなさい。」

 

「コスモ?」

 

するとコスモはフワとプルンスの所へ歩き出した。

 

「ちょっとそれ貸して?」

 

「フワ?」

 

コスモはフワに預けていたペンの入った袋を受け取るとその中に入っていたペンを何本か取り出して再び袋をフワに預けるとこうたの所へと戻っていった。

 

「はい。」

 

「これって⁉︎」

 

コスモがこうたに渡したのは彼女がこうたから奪った5本のウルトラスターカラーペンだった。

 

「ホントはわたしのだけど、特別に貸してあげる。」

 

「コスモ・・・・ありがとな。」

 

「か、勘違いしないで!//// あなたにいなくなられたら困るから貸してあげるの!・・・・だから、必ず帰って来なさい!」

 

「あぁ! 約束する!」

 

こうたはコスモから受け取ったウルトラスターカラーペンを握りしめながらコスモと約束をした。

 

「こうた!」

 

そこへララ、えれな、まどかの3人もやって来た。

 

「こうた・・・・あの・・・・オヨ?」

 

ララが心配そうな眼差しでこうたを見ているとこうたが右手でララの頭を撫でた。

 

「心配すんな、必ず戻ってくるよ。」

 

「・・・・ルン!」

 

「気をつけてね!」

 

「ご武運を!」

 

「あぁ! みんなも気をつけてな!」

 

ララ、えれな、まどかの3人との話を終えると真っ直ぐサーディスの元へと歩いていった。

 

「こうた! 絶対! 絶対戻ってきてね!」

 

ひかるがこうたに向かって叫ぶとこうたは振り返らずに進みながら右手を横に広げるとその手でサムズアップのサインをする事で返事をした。

 

そしてこうたは無言で歩き続けていると身体が光りキュアスペースに変身した。

そしてサーディスの目の前へと到達した。

 

「待たせたな。」

 

「いや、それじゃあついて来い。 誰にも邪魔されない所で決着をつけるぞ。」

 

「わかった。」

 

そう言ってサーディスがワープホールを開くと中へと入っていき、スペースもその後をついていくとワープホールは閉じた。

 

「こうた・・・・」

 

「ひかる!」

 

「いくルン!」

 

「わたくし達はわたくし達のやるべき事をしましょう!」

 

「みんな・・・・うん!」

 

こうたの事を心配するひかるにえれな、ララまどかが声をかけてひかるもこうたを信じて4人はプリキュアに変身してコスモはノットリガーに、スター達4人はカッパードとノットレイ達に向かって行った。

 

その頃、サーディスとスペースは別の場所へと到着した。

 

「ここは? 惑星レインボー?」

 

「あぁ、さっきいた場所から大体1キロぐらい離れた場所だ。」

 

そこは惑星レインボーだが、さっきまでいた場所から1キロ離れた場所にある草も木もない広い場所にこうた達はやってきた。

 

「ここで戦うぞ。」

 

「望むところだ!」

 

そう答えてスペースは構えるのだが・・・・

 

「まぁ待て、まずはコイツらに会わせてやる。」

 

「コイツら?」

 

スペースはサーディスの言った意味がわからなかったがサーディスは懐から禍々しい力を宿した黒い3本のペンを取り出した。

 

「何だよそのペン⁉︎」

 

「これは『ウルトラダークペン』ウルトラスターカラーペンがダークペン化したものだ。」

 

「ウルトラダークペン? まさかそのペンって⁉︎」

 

「察しがいいな、そうだ。 これはお前から奪ったのと俺が持ってたウルトラスターカラーペンがダークネストの力で染められたペンだ。 だが、それだけじゃないぜ!」

 

サーディスがそう叫び3本のペンを空中に投げるとペン達はそれぞれ邪悪な光を放ちながら人間サイズの黒い人の形へと変化していく。

 

1人はこうたがよく知るウルトラマンXに・・・・

 

もう1人は大きな剣を持った黒いウルトラマンに・・・・

 

最後の1人は目つきの悪い黒いウルトラマン

へと変化した。

 

3人のウルトラマンの目とカラータイマーと身体のラインの一部はダークネストの力を受けて禍々しい緑色になっていた。

 

(イメージとしてダークネス達の赤い目とカラータイマーと身体の赤いラインが緑色になった感じです。 by作者)

 

「エックスさん⁉︎ それにこの人達は、まさか⁉︎」

 

「そうだ、コイツら俺が持ってたウルトラスターカラーペンに力を宿していたウルトラマン達の力がダークネストの力で邪悪な力を纏って具現化されたものだ。」

 

スペースはサーディスの目の前に横並びで現れたウルトラマン達、左からウルトラマンジードダークネス、ウルトラマンエックスダークネス、ウルトラマンオーブダークネスの順番で並び立っていた。

 

「エックスさん・・・・皆さん・・・・必ず助けます!」

 

「お前にできるのか? 俺達はダークネストの力を受けて強くなったんだ。もうお前に負ける事なんてねぇ! 行け!」

 

サーディスの指示を聞いて3人のダークネス達は同時にスペースに向かって襲い掛かった。

スペースは3人の攻撃をどうにかかわし続けるがジードダークネスの技で胸の前で重ねた両腕を水平に広げて放つ光の刃。『レッキングリッパー』を受けて吹き飛ばされてしまった。

 

「うわあっ!」

 

その隙を逃さんとばかりに今度はオーブダークネスがオーブカリバーの土の紋章を選択して放つ必殺技『オーブグランドカリバー』を発動し、オーブカリバーを地面に突き立て、弧を描きながら地を這う二条の円状のエネルギー波を噴出させた。

 

そしてエックスダークネスは上空に飛び上がり、全身にエネルギーを集中させた後両腕両脚をX字に開いて一気に放射、広範囲を焼き尽くす大技『アタッカーX』を放ち、スペースはその同時攻撃をまともにくらってスペースの周りは複数の爆発が起こり大ダメージを受けた。

 

「ぐあああああっ!」

 

スペースはまともに立っていられなくなり、そのまま前のめりに倒れてうつ伏せになった。

 

「うっ、うぅ・・・・」

 

「どうした? もう終わりか?」

 

「・・・・んなわけ・・・・ないだろ‼︎」

 

スペースはそう叫び全身を光らせながら起き上がり、立ち上がると同時に全身の光が弾けて中からキュアスペースギンガが現れた。

そしてその手にはギンガの武器、ギンガスパークランスが握られていた。

 

「そうこなくっちゃな!」

 

「ハアッ!」

 

サーディスがダークネスソードを振りかぶるとスペースはギンガスパークランスの先端で受け止めてすぐに押し返すとギンガスパークランスを横に振ってサーディスを攻撃するがサーディスは後方にジャンプしてそれをかわした。

 

そして背後からオーブダークネスがスペースに襲い掛かるがスペースはギンガスパークランスを両手で持ち、その手と手の間の棒の部分でオーブカリバーを受け止めた。

 

すると再び背後から今度はエックスダークネスがエレキングアーマーを装着して電撃を放とうとしていた。

それに気づいたスペースはタイミングをみてオーブカリバーを押し退けて横っ飛びする事でその場を離れてエックスダークネスから放たれたエレキング電撃波はオーブダークネスに直撃してオーブダークネスがダメージを受けた。

 

「プリキュア・ギンガファイヤーボール‼︎」

 

ギンガスパークランスを片手に持ちながらもう片方の手を大きく振りかぶるとスペースギンガの全身のクリスタルは赤く光ってスペースの周りには無数の高熱の火炎弾が生み出されてそれをエックスダークネスに向かって放ち、それが直撃したエックスダークネスはダメージを受けた。

 

「流石だな!」

 

「っ!」

 

今度はサーディスが両手に持ったダークネスガンを連射して攻撃してくるとスペースは手を前に出して展開されたプラズマバリアーの防御幕『ギンガハイパーバリアー』でそれを防いだ。

 

「4体1にも関わらずここまでやるんだ、それでこそ倒しがいがあるってもんだ!」

 

「なんで? どうしてそこまで俺に勝つことに拘るんだ?」

 

「俺は、強くなりたい! 誰にも負けない強さが欲しい! お前にも、アイツにも負けない強さが・・・・」

 

「アイツ?」

 

サーディスのいうアイツが誰なのかスペースにはわからなかった。

 

「・・・・俺の両親はトレジャーハンターとして色々な星を冒険していた。息子の俺も一緒にな。」

 

サーディスは自身の過去をスペースに語りだした。

 

 

To Be Continued

 

 




        次回予告


自身の過去を語り出すサーディス

一体サーディスの身に何があったのか?

なぜサーディスは力を求めるのか?

その理由が遂に明らかとなる。

次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第56話 明かされる過去 サーディスが求めるもの

次回も楽しみに!

次回は全てオリジナルストーリーです。
そしてサーディスの過去にはオリキャラが複数登場しますのでそれに合わせてキャラ設定も更新します。

次回もお楽しみ!


※もしよろしければ、皆さんがこれまでの話で感じた感想やコメントがあれば送って下さい。
皆さんからのコメント、そして評価が頂けたら凄く嬉しいです。
よろしくお願いします。


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第56話 明かされる過去 サーディスが求めるもの

今回から書き方を変えてみました。
これなら誰がどのセリフを言っているのか分かりやすくて読みやすいのではと思っています。
それに合わせて過去の話も順に変更していくのでそれにより来週の投稿は出来なくなるかもしれないので予めご了承ください。

そして今回登場するオリキャラに合わせてキャラ設定も更新したのでそちらも良かったら読んでみて下さい。


ノットレイダーや他のプリキュア達から離れた場所で決着をつけるべく戦っているキュアスペースとサーディス。

その戦いの中でサーディスは自らの過去を語り出した。

 

 

「父さんは優秀なトレジャーハンターとしてその鍛えられた肉体を駆使して様々なトラップを突破し、母さんは科学者として父さんを手助けするアイテムの発明や解析に解読といった形で父さんをサポートして2人で協力してお宝をGET。2人は最高のコンビでそばで見ていた俺はそれが誇らしくて、そんな2人に褒められた時は凄く嬉しかったのを今でも覚えている。」

 

『凄い! やれば出来るじゃない!』

 

『流石、俺達の息子だな!』

 

サーディスは過去を語りながら父『レノン』と母『アイナ』との思い出を思い出していた。

 

「けど、俺が14歳の時・・・・」

 

 

サーディスが14歳の時、とある星の遺跡の中へ入り・・・・

 

「そこを退け、それは俺のもんだ!」

 

「よせ! やめろ!」

 

「これはとても危険な物よ! 触れてはダメ!」

 

「うるさいですよ。こちらにいらっしゃるデラスト様はその魔石が欲しいと仰っているのです。そこを退きなさい!」

 

その遺跡の広間には、何かの文字が書かれた大きな石板があり、その中心には丸い手のひらサイズの紫色の魔石が埋め込まれていた。

アイナはその石板に書かれた文字を手持ちのタブレットにある解読機能を使って解読したところ、この魔石にはとても強力な力が秘めていてかなり危険な代物としてここに封印されたと書かれていた。

 

それを知った一行は魔石を残してその場を離れようとした時に『デラスト』と『オリバス』と名乗る2人組の男が現れてその危険な魔石を手に入れようとしていたのでサーディスの両親がそれを邪魔した。

 

「オリバス退け! 邪魔するってんなら力ずくで手に入れるまでだ。」

 

「はっ!」

 

オリバスはデラストの指示に従い後ろに下がると真っ直ぐ石板へと近づいていった。

 

「させるか!」

 

レノンはその前に立ちはだかりいきなり格闘戦を始めた。

 

レノンは両手を使い交互にジャブを打ち込むがデラストはそれらを全てかわすとレノンのお腹に拳による強力な一撃を打ち込んだ。

 

「うっ!」

 

「父さん!?」

 

「あなた!?」

 

それを受けたレノンはその場でうずくまってしまった。

 

「邪魔だ」

 

「キャッ!」

 

「母さん!?」

 

それからデラストはアイナを押し退けて石板の目の前にやってくると右手で魔石を石板から抜き取ってしまう。

そして魔石が紫色の光を放つとデラストの身体の周りも紫色に光りだしていた。

 

「おぉ、スゲェ・・・・力が・・・・力が漲ってくるぞ!」

 

そして魔石はデラストの右手の黒いグローブの手の甲の部分に埋め込まれていた。

 

(イメージとしてはポケモンのメガグローブのような感じです。by作者)

 

「ふぅ・・・・コイツは頂いてくぜ・・・・あ?」

 

「・・・・・・・・」

 

デラストがその場から去ろうとしている所に同時少年だったサーディスがその場に落ちていた石ころをデラストの頭に投げつけていた。

 

「小僧、いい度胸だな・・・・覚悟は出来てるんだろうな?」

 

サーディスはデラストの殺気を放つ視線に怯えて震えていた。

 

「丁度いい、この魔石の力・・・・少し試してみるか・・・・」

 

すると魔石が再び紫色の光を放つとデラストはその右手をサーディスに向けた。

 

「じゃあな、小僧・・・・」

 

そう言い残すとデラストは閉じていた右手をサーディスに向けて開くとそこから紫色の光線が放たれた。

 

サーディス目を閉じてジッと痛みがくるのを待っていたが爆発は起こったものの痛みがいつまで経ってもこなかった。

そしてサーディスが恐る恐る目を開けてみると・・・・

 

「あっ・・・・あぁ・・・・」

 

そこにはサーディスを庇い背中が黒焦げになって倒れている両親の姿があった。

 

「父さん!? 母さん!?」

 

サーディスは慌てて両親の元へ駆け寄った。

 

その直後に遺跡内で地震が発生した。

 

「ん? 何だ?」

 

「マズイ! 恐らく魔石の封印が解かれた事でこの遺跡自体が崩壊を始めたんです! デラスト様、急いでここから脱出しましょう!」

 

「わかった・・・・小僧!」

 

「っ!」

 

「悔しかったら強くなれ! 強くなって、この俺を倒してみろ! さっきはついカッとなっちまったが俺に石を投げた時のお前の目、嫌いじゃないぜ。」

 

「・・・・・・・・」

 

「デラスト様! お早く!」

 

「あぁ」

 

そしてデラストとオリバスはその場を後にした。

 

「父さん! 母さん!!

 

「サーディス・・・・早く・・・・逃げろ・・・・」

 

「嫌だ! 逃げるなら2人も一緒に!」

 

「サーディス・・・・私達の分も・・・・生き・・・・て・・・・」

 

「母さん? 母さん!?」

 

アイナはそのまま静かに眠りについた。

 

「サーディス・・・・行け・・・・」

 

「父さん!?」

 

レノンは最後の力を振り絞り起き上がってサーディスの両肩を両手で握りしめた。

 

「行くんだ・・・・母さんの最後の願いを無駄にするな・・・・」

 

「けど・・・・」

 

すると崩壊する遺跡の頭上から瓦礫が降り注いできた。

 

「っ!? サーディス!」

 

「っ!?」

 

レノンはサーディスを思いっきり放り投げるとサーディスは入口の方へと飛ばされた。

 

「(サーディス・・・・俺達は・・・・いつまでも・・・・お前を見守ってるからな・・・・)」

 

レノンはそう思いながらは瓦礫の下敷きになりそのまま目を覚ます事はなかった。

 

「うっ・・・・父さん!」

 

そして起き上がったサーディスが見たのはさっきまで両親がいた場所に降り注ぐ瓦礫達だった。

 

「父さん・・・・母さん・・・・」

 

そして遺跡の崩壊は加速していく一方だった。

サーディスはゆっくりと立ち上がると両親を残してその場から離れた。

 

「父さん・・・・母さん・・・・俺、強くなるよ・・・・強くなって、いつかアイツを・・・・」

 

そう決意したサーディスは家族で使っていた宇宙船に乗ってその星を離れた。

サーディスはアイナから宇宙船の操縦やその他の技術も教わっていたのでそれらを生かしてレノン用に保管されていた予備の武器を改造してダークネスガンとダークネスソードを作った。

 

「それから俺はソロのトレジャーハンターとして活動を初めてデラストのように何処かで強い力が手には入らないかと期待しながら宝探しに明け暮れた。時にはお宝を求めて誰かと争ったり、必要な技術や情報を教えてもらったりしながらな。そんな時、宝を探しに行った遺跡の石板の光に包まれた俺はお前達の知るこの星空界に飛ばされた。そこで見つけたんだ、ウルトラスターカラーペンを・・・・」

 

こうしてサーディスはどうして星空界にやって来たのかがわかった。

 

「ウルトラマンの力なら、デラストに勝てる!そう思った俺はペンを集め始めた。そんな時、ペンを探していたノットレイダーの連中と出会い、最初は敵対してたが、話を聞くとアイツらが探してるのは俺が探してるのとは別の種類のペンだと知った俺は連中と取引した。ペンを探すのを手伝うからその代わり報酬をよこせってな。そっからはお前が知ってる通りだ、ペンを探してる中でお前達と出会い今に至るってわけだ。」

 

「アンタに、そんな過去が・・・・」

 

スペースはサーディスの過去を知って予想以上に驚いていた。

 

「だから俺は勝つ!お前にもデラストに勝って俺の強さを証明する! そうでなきゃ、父さんと母さんの無念を晴らせないからな!」

 

サーディスの声に反応してジードダークネスがスペースGに突っ込んできた。

 

「くっ!」

 

スペースはジードダークネスの攻撃に応戦している中でギンガスパークランスを落とすとジードダークネスの強力なパンチをまともに受けて後方へと下がっていった。

 

スペース「うっ!」

 

その後ジードダークネスは全身を発光させながら赤黒い稲妻状の光子エネルギーを両手に集中させて腕を十字に組んで放つ70万度の必殺光線『レッキングバースト』をスペースに向かって放った。

 

「っ! プリキュア・ギンガクロスシュート‼︎」

 

それを見たスペースは慌てて必殺技を放ち2つ技は拮抗していた。

 

「ハアアッ! ダークネスショット‼︎」

 

そこへサーディスが2丁のダークネスガンを使ってダークネスショットを放ってその力がジードダークネスのレッキングバーストと合わさり強力な光線になった。

 

「うっ・・・・くぅぅぅ・・・・」

 

スペースは何とか光線を押し返そうとするがスペースの方が徐々に押され初めていた。

 

「うぅ・・・・ぐああああっ!」

 

そしてサーディス達の技がスペースに直撃するとスペースの身体のあちこちから火花が散り、そしてスペースの全身が光りだすとギンガの力は解除されて元のキュアスペースに戻ってしまい、そのままスペースは前のめりに倒れた。

 

「星空界に飛ばされる前に調べたんだがデラストは『デラスト海賊団』を結成して宇宙海賊として更に色々なところで暴れ回ってるらしい・・・・きっと奴自身もあの時よりも強くなってるはず・・・・だから、こんなところでお前に負けてなんていられねぇんだよ!」

 

「うっ・・・・」

 

スペースはダメージが大きいのかすぐに立ち上がる事が出来なかった。

 

「俺は強くなる! 強くなってアイツを超える・・・・お前はそんな俺の糧になってもらうぞ。」

 

サーディスはスペースにとどめを刺そうとスペースに近づく。

果たしてスペースはこのままサーディスに敗れてしまうのだろうか?

 

 

To Be Continued

 




         次回予告


絶体絶命のスペース・・・・

そんなスペースの元に新たな光が舞い降りる・・・・

新たな絆と共にスペースの反撃が始まる!

次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第57話 バディ ゴー! 絆の力で立ち向かえ!

次回もオリジナルストーリーです。

次回もお楽しみ!



※もしよろしければ、皆さんがこれまでの話で感じた感想やコメントがあれば送って下さい。
皆さんからのコメント、そして評価が頂けたら凄く嬉しいです。
よろしくお願いします。


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第57話 バディ ゴー! 絆の力で立ち向かえ!

これまで投稿した話の修正ですが、次回でこの第5章が終わるので次回の投稿後に修正しようと思います。
そして今週の後半から夏休みなのでワンチャン今週中に次回を投稿できるかも?

そして今回の話でスペースとサーディスの戦いに決着がつきます。
最後まで読んでくれたら嬉しいです。
よろしくお願いします。



ひかる達から離れた場所で戦っていたスペースとサーディス。しかしそこで待っていたのはダークネストの力で実体化し、ダークネスとなった3人のウルトラマン達だった。

彼らとの戦いの中でスペースはサーディスの過去を知り再び戦いは再開されるとスペースは絶対絶命のピンチに陥っていた。

 

「くっ、うぅ・・・・」

 

「これで・・・・終わりだ。」

 

うつ伏せになっているスペースの正面にサーディスがダークネスソードを持って立っていてその背後に3人のダークネス達が控えていた。

 

そしてサーディスがダークネスソードを振りかぶりスペースを斬ろうとしたその時・・・・

 

「うっ!」

 

「っ!」

 

サーディスは何者かの攻撃を受けるとそれを見たスペースは驚いた。

なにせサーディスを攻撃したのはサーディスの背後にいたオーブダークネスだった。

 

オーブダークネスは持っていたオーブカリバーでサーディスの背中を斬ったのだ。

 

「なっ!? なんで!?」

 

『お前はもう用済みだ。』

 

「誰だ!」

 

オーブダークネスの緑色の目が光ると声が聞こえてきてサーディスはその声に聞き覚えがあった。

 

「ダーク・・・・ネスト・・・・」

 

そう、その声は先程ノットリガーの身体に取り憑いてサーディスに力を与えた張本人、ノットレイダーを統べる者『ダークネスト』だった。

 

「なんで? どうして仲間を攻撃した!?」

 

『お前達は数少ないウルトラマンの力を扱える者達、お前達を亡き者にしてその力を全て頂く。』

 

ダークネストが喋っている間にオーブダークネスはダメージを受けて膝をついているサーディスの目の前に立って止めを刺そうとしていた。

 

「くっ、くそぉ・・・・」

 

オーブダークネスはオーブカリバーを振り上げてサーディスにオーブカリバーを振り下ろした。

サーディスは目を瞑り斬られるのを待っているが中々剣がやってこないので恐る恐る目を開けてみると・・・・

 

「くっ・・・・」

 

「お前!?」

 

そこには赤い光を纏った両腕をクロスしてオーブカリバーを受け止めていたスペースの姿があった。

 

「何で・・・・」

 

「ハアッ!」

 

スペースはオーブカリバーを押し返すとオーブダークネスは後退りその側に他のダークネス達も集まってきた。

 

「はぁ・・・・はぁ・・・・」

 

「何で、何で俺を助けた? 俺は敵だぞ!」

 

「確かに、アンタは俺達の敵だ。でも、何でかな・・・・放っておけなかったんだよ。アンタの事・・・・」

 

「は?」

 

「折角アンタの両親が命懸けで助けた命をこんな形でなくしていいはずないじゃないか!」

 

「お前・・・・」

 

サーディスはスペースの言葉を聞いて改めて自身の両親の事を思い出した。

 

「ハアッ!」

 

そしてスペースはダークネス達の所へ駆け出すとダークネス達もそれに応戦して戦闘が再開された。

 

「・・・・・・・・」

 

「ぐあっ!」

 

スペースがオーブダークネスを攻撃してる間にその隙を狙ってエックスダークネスとジードダークネスが左右から攻撃してスペースにダメージを与えた。

ダークネス達の数を利用した攻撃に苦戦しているスペースの姿をサーディスはずっと見ていた。

 

『愚かな奴だ。黙って見ていれば敵が1人減ったというのに・・・・』

 

「うるさい・・・・助けたいって思っちまったんだからしょうがないだろ。」

 

『理解できんな・・・・互いに違う星に生まれた者同士、分かり合うことなど不可能だと言うのに・・・・』

 

「そんな事ない! 生まれた星が違ったって分かり合うことはできる! フワやララ、プルンスとだって分かり合えた。ヒカルさん達やこれまで出会った人達とも、ブルーキャットとだって今では分かり合えたって思ってる。そりゃ、最初は上手くいかない事もあった。けどな! 自分の気持ちをちゃんと相手に伝えれば相手もそれに答えてくれる! そうする事でお互いに分かり合う事ができるんだ!」

 

『くだらん・・・・お前の戯言に付き合うつもりはない・・・・消えろ!』

 

ダークネス達3人はそれぞれ光線技を発動してそれをスペースに向けて放った。

 

「俺は信じてる! 俺達は・・・・互いに手を取り合い・・・・一緒に歩いていけるって・・・・だから、こんな所で・・・・負ける訳にはいかないんだ!」

 

スペースはゆっくりと立ち上がり両腕をクロスしてダークネス達の光線を防ごうとしたその時・・・・

 

『お前の覚悟、受け取った!!』

 

「っ!?」

 

するとスペースと光線の間に3つの光が割って入りスペースを光線から守り、それにより大きな爆発が起こった。

 

『なにっ!?』

 

「なんだ?」

 

「うわっ!」

 

その爆発の直後にスペースは辺り一面を光に包まれて再び目を覚ますとこうたの姿に戻っていて、そこはこれまでウルトラマン達と会話をした白い空間が広がっていた。

 

「よぉ!」

 

こうたは声のした方向を向くとそこには3人のウルトラマン達が立っていて、左から頭に星がついた凄い筋肉を持つ赤と黒のウルトラマン、中央にはタロウのような角やプロテクターがある赤と銀のウルトラマン、そして右には青がメインカラーの細い身体のウルトラマンが立っていた。

 

「あなた達は?」

 

「俺は、ウルトラマンタイガだ! よろしくな!」

 

「私の名はウルトラマンタイタスだ、よろしく頼む。」

 

「俺のウルトラマンフーマってんだ、よろしくな坊主!」

 

「如月こうたです、よろしくお願いします。」

 

こうたとタイガ達はそれぞれ挨拶をした。

 

「でも、どうして皆さんのペンが俺の所に?」

 

「それはな、お前の覚悟が俺達の所に届いたからだ。」

 

「覚悟?」

 

「お前言ってたじゃねぇか! 生まれた星が違っても互いに分かり合えるってよ!」

 

「君の熱い思いが私達のペンを呼び寄せたに違いない。」

 

タイガ達はこうたの強い気持ちに自分達のペンを呼び寄せたのではないかと推測した。

 

「それにな、こうたの気持ちは凄く良くわかるからな。」

 

「どういう事ですか?」

 

タイガがこうたの気持ちがよくわかると言った意味がわからなかった。

 

「実は俺達3人は全員違う星の出身なんだ。」

 

「そうなんですか!?」

 

こうたはタイガが全員違う星の出身だと知って驚いた。

タイガはM78星雲、タイタスはU40、フーマはO-50の出身である。

 

「あぁ、だが今ではこうして同じチームの仲間として共に行動しているんだ。」

 

「出会った頃は色々あったが、今の俺達は一心同体! これまでもそしてこれからもずっと一緒だと思ってる。」

 

「(凄い・・・・やっぱり違う星の人同士でもちゃんと分かり合う事はできるんだ!)」

 

こうたはタイガ達の話を聞いて違う星の人同士でも分かり合える事はできると理解して嬉しくなっていた。

 

「ありがとうございます! タイガさん! タイタスさん! フーマさん! 俺、これからも自分の気持ちを信じて頑張ります!」

 

「ん? なんか良くわかんないけど、頑張れよ。」

 

「はい!」

 

こうたにお礼を言われて心当たりがないタイガは一応返事をした。

 

「さてと、それじゃあそろそろいきますか?」

 

「あぁ! こうた君、私達のペンを使いなさい。共に戦おう!」

 

「いいんですか!?」

 

「当たり前だ! 先輩達の力をあんな事に使われて黙っていられるか!」

 

するとこうたの手元に赤と銀のラインの入ったタイガのウルトラスターカラーペンと全体が赤と黒のそしてタイタスの姿が写る場所が黄色い星の型をしたタイタスのウルトラスターカラーペン、そして青と銀の色がメインカラーのフーマのウルトラスターカラーペンがあった。

 

「皆さん、ありがとうございます! 一緒に戦いましょう!」

 

「「「あぁ!」」」

 

タイガ達が頷くと再び辺り一面が光だし、その光が消えると元のサーディス達と戦っていた惑星レインボーの広場に戻ってきていた。

 

『何だ? 今のは?』

 

「これは、あの時と同じ・・・・」

 

ダークネストは何がどうなっているのか理解できていなかったが、サーディスは最初にスペースと戦った時にスペースがビクトリーナイトの力を発動する直前にも同じような事が起きていた事を思い出した。

 

「俺達は負けない! ウルトラマンの皆さんの力をお前の好きにはさせない! ウルトラスターカラーペン・フーマ! ウルトラカラーチャージ!」

 

それからスペースはプリキュアに変身する時と同じようにペンをペンダントのキャップの部分に挿入し、それを抜いて星のマークを描く。

そしてペンの先でもう一度ペンダントの星の部分をタッチした。

するとペンの先から青い光の線が現れてプリキュアに変身する時のようにその光の線がキュアスペースと接触するとスペースの姿が少しずつ変化していった。

 

胸元や両肩には軽い銀のプロテクターが装着され服の色が赤と白から青と銀へと変わり、そして額にはひし形の青いクリスタルのついた銀のバンダナをして右手にはタイガ達が装着しているガントレット型アイテム『タイガスパーク』が装着されて『キュアスペースフーマ』への変身が完了した。

 

『なんだ? その姿は?』

 

「また新しいウルトラマンの力かよ。」

 

「さぁ、ブッ飛ばすぜ!」

 

スペースはダークネス達の周囲を高速で移動していた。

ダークネス達がスペースの事をそれぞれ攻撃するがそれらはスペースの残像『神速残像』ばかりで全然攻撃が当たらなかった。

 

「セヤッ!」

 

そうしている間にスペースは高速移動しながら速射する手裏剣状のエネルギー体『光波手裏剣』を放ち続けてダークネス達を攻撃した。

 

「ハアアアアッ! セイヤッ!」

 

そしてスペースは右手に鋭い光の剣『光波剣・大蛇』を生成してダークネス達の横を通り過ぎながらその剣でダークネス達を切り裂いた。

 

『くぅぅ!』

 

ダークネス達もダメージを受けて跪くとスペースも動きを止めて技を発動しようとした時・・・・

 

「え? 何だ? ギンガのペンが・・・・」

 

すると突然、スペースのペンが入ったホルダーから出てきたギンガのペンが光りだしてそのペンが光の粒子となりスペースの左手首に集まっていた。

 

「これは!?」

 

するとペンはギンガのカラータイマー(胸周り)と頭頂部がモチーフであろうブレスレットへと変化した。

 

「「俺の力も使えって事ですか? よし! 行きますよ、ヒカルさん!」

 

『ギンガレット、コネクトオン!』

 

スペースがギンガレットの上に右手のタイガスパークを被せるとブレスレットの光のエネルギーがタイガスパークの手の甲のバディスフィアに収束していく。

エネルギーの収束が終わると正面にギンガの幻影が現れてスペースフーマと一つになった。

 

「エックスさん、いま助けます!」

 

そう決意しているスペースの右手には虹色の光を放つ手裏剣ができていた。

 

「プリキュア・七星光波手裏剣!!」

 

プラズマエネルギーによって斬撃力が増大し、7色に輝くようになった7枚の光波手裏剣を放つギンガとフーマのエネルギーが合わさった技『七星光波手裏剣』がエックスダークネスに直撃するとエックスダークネスの身体が虹色に輝きながら後ろに倒れていき、倒れた瞬間、エックスダークネスは爆発した。

そして爆発した場所から黄緑色の光がスペースのところへ飛んできてスペースがそれに触れると光は弾けて中からエックスのウルトラスターカラーペンが出てきた。

 

「おかえりなさい、エックスさん。」

 

スペースがエックスのペンを取り戻した事を嬉しく思っているとジードダークネスがスペースに突然飛びかかってきた。

 

「っ!」

 

スペースは咄嗟の事で反応が遅れてしまい両腕をクロスして防御しようとすると、ジードダークネスは横から飛んできた攻撃を受けて落下した。

 

「え?」

 

スペースが攻撃が飛んできた方向を見るとそこにはダークネスガンを構えるサーディスの姿があった。

 

「どうして?」

 

「それ、全く同じ事をさっき俺も思ったぞ。でもこれで、さっき助けてもらった借りは返したからな。」

 

そう言いながらサーディスはスペースに近づいてきた。

 

「お前に勝ちたいって思ってるのは本当だ。けどな、それ以前に俺は自分がコケにされるのだけは我慢ならねぇんだよ!」

 

「サーディス・・・・」

 

「足引っ張ったら承知しねぇぞ。」

 

「え?」

 

「・・・・・・・・」

 

スペースはいきなりの事で動揺してサーディスを見たが、サーディスに共闘しろ言われた事をようやく理解した。

 

「・・・・そっちこそな。」

 

「フン!」

 

そして2人は立ち上がったオーブダークネスとジードダークネスに向き直るとお互いに戦う体勢に入った。

 

「いくぞ!」

 

「あぁ!」

 

その掛け声と同時にサーディスとスペースが駆け出すとダークネス達もスペース達に向かって駆け出した。

 

サーディスは両手に持ったダークネスソードを振り下ろすとオーブダークネスがオーブカリバーでそれを受け止めた。その頃、スペースはジードダークネスの手をかわしながら攻撃しているがそれでも決定打を与える事はできずにいた。

 

そしてスペースとサーディスは互いに少し離れた位置でスペースはジードダークネスと、サーディスはオーブダークネスと戦っていた。

 

『まさかお前達が手を組むとはな。』

 

「うるせぇ! 今はお前をぶっ潰せればそれでいいんだよ!」

 

サーディスとオーブダークネスは互いの剣を使って鍔迫り合いを続けていた。

 

「ハアッ!」

 

スペースは得意のスピードでジードダークネスを撹乱するがジードダークネスも徐々にスペースの動きに慣れてきたらしくスペースの攻撃が決まらなくなってきていた。

 

「このままじゃ埒が明かない・・・・だったら!」

 

するとスペースはペンの入ったホルダーから別のペンを取りだした。

 

「ウルトラスターカラーペン・タイタス! ウルトラカラーチャージ!」

 

スペースは先程と同じように更なる変身を始めた。

 

両肩や胸元はフーマの時よりも頑丈な銀と金のプロテクターが装着され、その下の身体全体は赤と黒の2色で染まり、額の黒いバンダナには青い星形のクリスタルがつい右手にはフーマと同様にタイガスパークが装着された。

 

全身が金色に光り輝きその光が弾けると中から『キュアスペースタイタス』が姿を現した。

 

「マジかよ!?」

 

『っ!?』

 

それを近くで戦っていたサーディスや正面のジードダークネスを通して見ていたダークネストも驚いていた。

それからジードダークネスはスペースタイタスに向かって殴りかかるがスペースはその手を右手で受け止めた。

 

「賢者の拳は全てを砕く! ハアッ!」

 

スペースは空いた左手に力を集めるとその左手は緑色に光りだし、一撃で相手の身体に穴を開けると言われている賢者の拳『ワイズマンズフィスト』を放つとそれに直撃したジードダークネスは後方へと吹き飛ばされてしまった。

 

「なっ!? なんてパワーだ。」

 

その威力にサーディスも驚かずにはいられなかった。

そしてなんとか立ち上がったジードダークネスはレッキングバーストを放つ体勢に入った。

 

「させるか! プリキュア・アストロビーム!!」

 

それを見たスペースは額のクリスタルにエネルギーを収束し、その額から大きなエネルギーを発射する破壊光線『アストロビーム』を発射してジードダークネスが光線技を使うのを阻止した。

 

「今だ! ん? エックスさん?」

 

すると先程のギンガのペンの時のように今度はエックスのウルトラスターカラーペンが光りだして光の粒子となりスペースの左手首に集まっていきペンはエックスのカラータイマー(胸周り)と頭頂部がモチーフのブレスレットへと変化した。

 

「よし!」

 

『エックスレット、コネクトオン!』

 

スペースがエックスレットの上に右手のタイガスパークを被せるとブレスレットの光のエネルギーがタイガスパークの手の甲のバディスフィアに収束していく。

エネルギーの収束が終わると正面にエックスの幻影が現れてスペースTと一つになった。

 

「プリキュア・エレクトロバスター!!」

 

スペースはタイガスパークのバディスフィアから気力とエネルギーで緑色のエネルギー光球を生成し、それにはエックスを力を含んだ緑色の電撃エネルギーも付加されていた。

そしてスペースはそのエネルギー光球をX字に組んだ腕から撃ち出す技『エレクトロバスター』をジードダークネスに向かって放ちそれが直撃したジードダークネスは全身から火花を散らしてそのまま爆発した。

 

すると爆発のあった場所から紫色の光がスペースの元へと飛んできてそれをスペースが触れると光は弾けて中から赤と銀がメインカラーで少しだけ黒も混じったジードのウルトラスターカラーペンが姿を現した。

 

「ふぅ・・・・」

 

「うわあっ!」

 

「っ!」

 

そこへ攻撃を受けたサーディスがスペースの近くに倒れてきた。

 

「うぅ・・・・」

 

「大丈夫か!?」

 

『渡せ・・・・』

 

「え?」

 

『ウルトラマンの力・・・・渡せ・・・・』

 

スペース達の所へ全身から禍々しいエネルギーを放出するオーブダークネスがゆっくりとスペースT達に近づいてきた。

 

「そんな事言われて渡す訳ないだろ! ウルトラスターカラーペン・タイガ! ウルトラカラーチャージ!」

 

そう言ってスペースは再び変身を開始した。

 

水色のラインが入った銀のプロテクターを胸に装着し、スペースの服は銀色に変化してそこには赤いラインが入り、手には赤いグローブをつけて右手にはタイガスパークも装着されていた。

そしてスペースは『キュアスペースタイガ』へと変身した。

 

「いくぞ!」

 

スペースはタロウと同じ構えを取るとオーブダークネスへと向かっていった。

 

オーブダークネスもオーブカリバーを振り下ろすがスペースはそれを横にかわしてオーブダークネスのお腹を右足で蹴って攻撃しオーブダークネスはオーブカリバーを横に振り抜くとスペースは後方にジャンプしてかわした。

 

そしてスペースは再びジャンプするとタロウのようにその中で何回転もしながら飛び蹴りをしてオーブダークネスに攻撃した。

 

オーブダークネスはそれをオーブカリバーで受け止めると今度はオーブカリバーの火の紋章を選択して、オーブカリバーから放つ円形の高熱火炎に閉じ込めた敵を炎を纏った刃『オーブフレイムカリバー』をスペースに向かって放つ。

 

「プリキュア・スワローバレット!!」

 

スペースはそれを横っ飛びでかわし、体内エネルギーをタイガスパークに集め、十字に組んだ腕から連射される速射光弾『スワローバレット』を放ちそのいくつかがオーブダークネスにも直撃した。

 

それに反撃しようとオーブダークネスはオーブカリバーを持つ右手とは逆の左腕から光の輪を発射する『オリジウムソーサー』をスペースに向かって放った。

 

スペースがそれを迎え撃つ姿勢でいるとそこへサーディスが割り込んできてオリジウムソーサーをダークネスソードで切り裂いた。

 

「サーディス!?」

 

「お前ばっかりにいいカッコさせてたまるかよ。」

 

するとオーブダークネスはオーブカリバーが操る4つの属性とオーブ自身が持つ光と闇の力を融合させ、掲げたオーブカリバーを円を描くように振るってから放つ技『オーブスプリームカリバー』をスペースTに向かって放った。

 

「いくぞスペース!」

 

「あぁ! みんなと約束したんだ! 必ず帰るって・・・・だから!」

 

「ダークネスストライク!!」

 

「プリキュア・ストリウムブラスター!!」

 

サーディスはダークネスソードにエネルギーを集めて、そのエネルギーで斬撃を放つ技『ダークネスストライク』を放った。

 

その横でスペースも虹色に光りながら体内エネルギーを貯めた後、両腕をT字型に組んでタイガスパークのクリスタル部から発射する高熱の破壊光線『ストリウムブラスター』を放った。

 

先にサーディスとオーブダークネスの技が激突するとその後からスペースTの技がダークネスストライクを後押ししてそのままオーブスプリームカリバーを押し返してオーブダークネスに2人の技が直撃した。

 

「今だ!」

 

サーディスがスペースに向かって叫ぶとスペースのペンの入ったホルダーから今度はロッソのウルトラスターカラーペンが光りながら出てきて光の粒子となりスペースの左手首に集まっていくとペンはロッソのカラータイマー(胸周り)と頭頂部がモチーフのブレスレットへと変化した。

 

『ロッソレット、コネクトオン!』

 

スペースがロッソレットの上に右手のタイガスパークを被せるとブレスレットの光のエネルギーがタイガスパークの手の甲のバディスフィアに収束していく。

エネルギーの収束が終わると正面にロッソの幻影が現れてスペースと一つになった。

 

「プリキュア・フレイムブラスター!!」

 

今回はロッソのエネルギーが加わった事でスペースの全身は虹色ではなく燃える炎のように赤く輝き、炎のエネルギーで強化された技『フレイムブラスター』をオーブダークネスに向けて放った。

 

オーブダークネスも最初はオーブカリバーで受け止めていたが、徐々に受け止めきれなくなりオーブカリバーはどこかへ飛んでいき、光線がオーブダークネスに直撃するとオーブダークネスはそのまま後ろに倒れて爆発した。

 

すると水色の光がスペースのところへ飛んできてスペースがその光に触れると光は弾けて中から上の部分は赤と銀、ペン先のである下の部分は黒いオーブのウルトラスターカラーペンが現れた。

 

「よかった、無事にペンを取り戻す事ができて・・・・」

 

「・・・・それじゃあ・・・・邪魔者はいなくなった事だし、決着をつけようぜ。」

 

「本当に戦わなくちゃいけないのか?」

 

スペースはサーディスがさっきの続きをしようと言ってきてどうするか戸惑っていた。

 

「当然だろ、その為に俺達は今、ここにいるんだ。」

 

「けどさっきは俺の事を助けてくれたじゃないか!」

 

「あれは借りを返しただけだ! もうその貸し借りもない。これで心置きなく戦える。」

 

「(どうしても、やるしかないのか・・・・ならせめて、戦いが長引かないように一撃で決着をつけるしかない。)」

 

スペースの意思が通じたのかペンの入ったホルダーから光ったブルのウルトラスターカラーペンが出てきた。

 

「わかった、ならこの一撃で戦いを終わらせる!」

 

「上等だ! やれるもんならやってみろ!」

 

ブルのウルトラカラーペンは光の粒子となりスペースの左手首に集まっていくとペンはブルのカラータイマー(胸周り)と頭頂部がモチーフのブレスレットへと変化した。

 

『ブルレット、コネクトオン!』

 

スペースがブルレットの上に右手のタイガスパークを被せるとブレスレットの光のエネルギーがタイガスパークの手の甲のバディスフィアに収束していく。

エネルギーの収束が終わると正面にブルの幻影が現れてスペースと一つになった。

 

「ハアアアッ! ダークネスストライク!!」

 

「プリキュア・アクアブラスター!!」

 

サーディスは2本のダークネスソードを使って最大パワーのダークネスストライクを放つと、スペースはブルのエネルギーが加わった水のような青い輝きで全身を包み、水のエネルギーで強化された技『アクアブラスター』をサーディスに向けて放った。

 

「ハアアアアアッ!」

 

「なっ!?」

 

2人の技が激突するとスペースは更に力を高めた。

それによりダークネスストライクを押し退けたアクアブラスターはサーディスに向けて飛んでいった。

 

「ぐああああっ!」

 

アクアブラスターが直撃したサーディスの身体や周りでは水の爆発があちこちで起こり大きなダメージを受けたサーディスは前のめりに倒れて、スペースはそんなサーディスに近づいた。

 

「うぅ・・・・」

 

「俺の、勝ちだ。」

 

「あぁ、そうみたいだな。」

 

うつ伏せになっていたサーディスは仰向けになって自身の負けを認めた。

 

「ほら、さっさと止めを刺せ。」

 

しかしスペースは首を横に振った。

 

「断る、俺はアンタを殺さない。」

 

「正気か? ここで俺を殺しておかないと俺は何度でもお前の前に現れるぞ。」

 

「それでもだ、もうやめよう。これ以上の続けても余計に傷つくだけだ。」

 

「それが何だ! 俺は強くなる! 強くなってお前を超える!」

 

「ならまずは考えろよ!」

 

「は? 何を言ってる?」

 

サーディスはスペースが言った事が理解できなかった。

 

「どうして俺がアンタに勝てたのか? なんで自分が負けたのか? その理由を考えろよ。」

 

「そんな事して何になる? 何にもなりゃしねぇよ!」

 

「それは違う! 俺がここまで強くなれたのはみんながいたからなんだ。」

 

「みんな?」

 

「あぁ、ひかるやララ、えれなにまどか、フワとプルンス、そしてブルーキャットとウルトラマンの皆さん・・・・俺を信じ、支えてくれるみんながいたから俺は今日まで戦ってこれた・・・・だから強くなれたんだ。」

 

「信じ、支える・・・・」

 

「俺には大切な仲間がいる。アンタも両親の事が好きだったならわかる筈だ。大切な人を思う気持ちが・・・・」

 

「大切な人を思う気持ち・・・・」

 

「それを踏まえてもう一度良く考えてみてくれ。アンタが、アンタの両親が一番望んでいる事は何なのかを。」

 

そう言い残すとスペースは仲間達の元へ飛んでいった。

 

「ハッ・・・・ガキが一丁前に説教なんてしやがって・・・・」

 

サーディスはそう言いながら腕で自身の両目を覆った。

 

「大切な人を思う気持ちだぁ? そんなの言われなくてもわかってんだよ・・・・チクショ・・・・」

 

目で覆っているサーディスの瞳からは涙が流れていた。

 

 

 

「うわっ!」

 

そしてが空を飛んでいるスペースのペンが入ったホルダーが光ると辺り一面が真っ白になり先程タイガ達と話していた空間にこうたの姿で再びやって来た。

 

「よぉ。」

 

「こんにちは。」

 

こうたが振り向くとそこには黒っぽいジャケット着た男性と、その隣には青いデニムジャケットを着た青年が立っていた。

 

「俺の名はクレナイ ガイ・・・・よろしくな。」

 

「僕の名前は朝倉リク、よろしくね。」

 

「は、はい! 如月こうたです! よろしくお願いします!」

 

「まずは礼を言わせてくれ。俺とリク、そしてエックスさんのペンを解放して取り返してくれて・・・・ありがとな。」

 

「ありがとう。」

 

「いえそんな、俺はただ無我夢中で・・・・それに俺一人の力じゃ、きっと取り戻せませんでした。」

 

「だが、お前は仲間の大切さを理解してるだろ?」

 

「そして一人ではできないことも仲間と一緒なら乗り越えられるって事もわかってるよね?」

 

「はい! もちろんです。」

 

「ならいい、一人で出来ることには限界がある・・・・一人で強がらずに誰かに頼る事は決して悪い事じゃない。」

 

「ガイさん・・・・」

 

「困った時は仲間の事を、仲間達と過ごした時間を思い出して、それがきっと君の力になってくれるはずだよ。」

 

「リクさん・・・・」

 

こうたはガイとリクの言葉をしっかりと心の中に受け止めた。

 

「ガイさん、リクさん、ありがとうございます。」

 

「あぁ、それと俺のペンは今後、お前に預けるからな。」

 

「僕のペンもね、何か困った事があったら遠慮なくボクの力を使って。」

 

「わかりました。」

 

すると空間全体が光りだしてその光が収まるとそこは先程までいた空中でスペースの姿に戻ったスペースは自身の手のひらの中にあるオーブとジードのウルトラスターカラーペンを握りしめた。

 

「ガイさん、リクさん、ありがとうございます。これからよろしくお願いします。」

 

そう言うとスペースは再びひかる達の所へ向かって飛んでいった。

 

 

To Be Continued

 




         次回予告


ノットレイダーとの戦いに挑むプリキュア達

しかし、ダークネストの力で強化されたノットリガー達を相手に苦戦を強いられる。

果たしてプリキュア達はアイワーンを救う事ができるのだろうか?

次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第58話 コスモとスペース 新たな仲間と新たな力!

次回もお楽しみ!

※そして次回でこの第5章も終了となりその後は新章がスタートするので次回の本編終了後には新章予告があるのでそちらもお楽しみ。


※もしよろしければ、皆さんがこれまでの話で感じた感想やコメントがあれば送って下さい。
皆さんからのコメント、そして評価が頂けたら凄く嬉しいです。
よろしくお願いします。


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第58話 コスモとスペース 新たな仲間と新たな力!

台本形式で投稿しようと思っていましたが、結論から言いますと今までのやり方に戻します。  

なので最新話や他の話の修正や再投稿をしましたので今後ともよろしくお願いします。


スペースとサーディスとの戦いはダークネストの介入で追い込まれるもウルトラマンタイガ達『トライスクワッド』の協力とサーディスとの共闘という予想外の展開で乗り切り、その後のサーディスとの一騎討ちもスペースが勝利。

結果、スペースはサーディスが持っていたオーブとジードのウルトラスターカラーペンも手に入れて今も戦っているひかる達の所へと向かった。

 

そして時は少し遡り、スペースとサーディスがワームホールの中に消えた直後、ひかる達はプリキュアに変身してコスモはノットリガーに、スター達4人はカッパードとノットレイ達に向かっていった。

 

『プリキュア・・・・』

 

「我らも行く!」

 

『ノットレーーイ!』

 

「ノットリガー!」

 

するとノットリガーの目から赤い光線が放たれてそれを受けたノットレイ達の目が光り、先程のサーディス同様に全身から禍々しいエネルギーが放出されて、ノットレイ達がパワーアップした。

 

『ノットレーーイ!』

 

「ダークネスト様の御前、俄然士気が上がる!」

 

「っ!」

 

カッパードの薙刀から放たれた斬撃をスターはかわすがその斬撃は大地を割り、こちらも威力が強化されているのが見てわかった。

 

「ふっ!」

 

セレーネは矢を空中に放ち、その弓は空で散弾へと変わりノットレイの集団へと降り注いだ。

 

「ルン!」

 

ミルキーは周囲のノットレイ達に電撃を放ち、ノットレイにそれが直撃していた。

 

「ふっ!はぁぁ!」

 

ソレイユは近くのノットレイ達を順番に対処していくと、自身の炎を空中へと放ちそして跳び上がると、ソレイユ、ミルキー、セレーネの3人の矢と炎と電撃による合体技を空中から地上にるノットレイ達に向けて放った。

 

「「「っ!」」」

 

『ノットレーーイ』

 

しかしそれが直撃したにも関わらずノットレイ達は難なく立ち上がる。

 

「ノットリガー!」

 

「くっ!」

 

一方、ノットリガーと一人で戦っているコスモはノットリガーのパンチを受けて後方へと吹き飛ばされていた。

 

「ええい!」

 

「ううっ!」

 

カッパードはビームの薙刀の出力を上げてスターに切り掛かり、スターもそれを星形のエネルギーを盾にして防ごうとしたがその勢いを止める事は出来ずに後方の岩山に吹き飛ばされてしまった。

 

「アイワーンとの戦いで消耗か? まぁ、自分でまいた種さ。」

 

「・・・・」

 

カッパードはアイワーンが持っていたダークペンをスターに見せた。

 

「そう。かの星でお前が手に入れられなかったプリンセス力・・・・それが元となり、この事態を招いたのだよ!」

 

カッパードの言葉を聞いてスターは無言で拳を握る。

 

「激しい感情は自分を奮い立たせる・・・・」

 

カッパードが話している途中にスターはカッパードに向かって真っ直ぐ突っ込んでいった。

 

「それと同時に冷静さを失わせる・・・・カッパードストライク!!」

 

カッパードが自身に向かってくるスターに対して必殺技を放つがスターは星形のエネルギーをバリアにして片手で受け止めた。

 

「返して! おひつじ座のペン!!」

 

「っ!」

 

カッパードは冷静さを失ったと思っていたスターが冷静さを保っていた事に驚いた。

 

「・・・・・・・・」

 

「奴を、見ている。」

 

カッパードはスターが自分ではなく、ノットリガーにされて苦しんでいるアイワーンを見ている事に気づいた。

 

「早く行かないと! 退いてぇぇ!」

 

「うわっ!」

 

スターの身体が光るとそこから発せられたエネルギーによってカッパードは後方へと吹き飛ばされた。

 

「スターパンチ!!」

 

「うわああああっ!」

 

カッパードはスターパンチを受けて更に吹き飛ばされて持っていたダークペンを手放してしまい、それをスターがキャッチすると邪悪な力は消え去って中から赤と白の2色がメインカラーのおひつじ座のプリンセススターカラーペンが現れた。

 

「くっ!」

 

「ふぅ・・・・」

 

カッパードは地面に着地してすぐに両膝をついて自身の敗北を悟るとスターはペンを取り戻せた事に安心したのか優しくペンを胸元に寄せて抱きしめた。

 

「ノットリガー!」

 

ノットリガーはコスモを踏みつけようとするがコスモはそれを上手くかわした。

そんなコスモの横にカッパードとの戦いからすぐに駆けつけたスターがやって来た。

 

「キュアスター・・・・っ!」

 

そしてコスモはスターが持っていたおひつじ座のペンを見て、アイワーンが使っていたダークペンを取り戻した事を悟った。

 

「プリンセスの力・・・・』

 

「ノットリガー!」

 

スターが持っていたおひつじ座のペンを見てそれを手に入れようとノットリガーを操って片手を伸ばすダークネストだったが、スターとコスモはその手をジャンプしてかわすと、その腕の上に着地してそのまま駆け上がり今度は2人でノットリガーの頭の上までジャンプした。

 

「「ハアアアアッ!」」

 

「ノットリガー・・・・」

 

2人は同時にノットリガーの頭に踵落としをするとそれを受けたノットリガーは両膝をついてバランスを崩して倒れた。

 

「フワ!」

 

「凄いでプルンス・・・・」

 

それを見ていたフワとプルンスは2人の連携が凄いと思っていた。

 

『遅い、アイワーン・・・・無駄な考えは捨てよ。止めよ、思考を!』

 

「うっ、ううううっ!」

 

「っ!」

 

ダークネストの瞳が更に赤く光るとそれと同時にノットリガーが目を覚ましてダークネストと同じように目は赤く輝き、金髪だった髪は白く染まっていた。

更にノットリガーの力は強くなると同時にアイワーンの苦しさも更に強くなっていた。

 

「やめて・・・・やめてぇぇぇぇ!」

 

スターはおひつじ座のペンを握りしめながら叫んだ。

 

「プリキュア・おひつじ座・スターパンチ!!」

 

スターはおひつじ座のペンの力で強化された赤いスターパンチをノットリガーに向かって放つがそれを受けたノットリガーは踏みとどまりしっかりと堪えていた。

 

「堪えた!?」

 

『っ!』

 

それを見ていたフワ、プルンス、ミルキー、ソレイユ、セレーネ達はとても驚いていた。

 

「っ!」

 

そして攻撃を受けた直後から目を瞑っていたノットリガーの瞳が再び赤く輝くとスターもそれに対して怯えてしまっていた。

 

「ノットリガー!」

 

ノットリガーが拳を振るとその衝撃がスターとコスモの元へ飛んでいき、それをかわした2人だったが衝撃は後方の岩山を簡単に吹き飛ばしてしまった。

 

「ノットリガー!」

 

しかしジャンプしたノットリガーの両手がスターとコスモを捉えてそれぞれの手に2人は押し潰されてしまった。

 

 

「スターを助けるルン!」

 

『ノットレイ!』

 

「しつこいですね!」

 

ミルキー達はスター達を助けに行こうとするがダークネストの力で強化されたノットレイ達の妨害を受けて動けずにいた。

 

『ノットレイ!』

 

「力が増してるルン。」

 

「ホント参ったね。」

 

「ですが、諦める訳にはいきません!」

 

「だね、今もきっとスペースは頑張ってるだろうし・・・・」

 

「ルン! スペースに負けないようにわたし達も頑張るルン!」

 

「「うん(えぇ)!」」

 

ミルキー、ソレイユ、セレーネの3人は今も頑張っているであろうスペースに負けないように自分達も頑張ろうと更に気合を入れてノットレイ達に向かっていった。

 

その頃、ノットリガーの攻撃を受けたスターとコスモは何とか立ち上がろうとしていた。

 

「勝てるはずがない・・・・ダークネスト様のお力は絶対・・・・見よ! あの姿を・・・・」

 

「ノットリガー・・・・」

 

「一切の思考を止め、圧倒的な力を得た奴を!」

 

「うぅ・・・・」

 

「力を得た? こんな力アイワーンが望んでるわけないニャン!」

 

「思考を止めたって、何も考えないってこと? 前言ってたじゃん!」

 

『考えた事もなかろう・・・・宇宙の最果て・・・・黒く凍える場所に追いやられ・・・・闇に潜んで生きてきた我々を・・・・!』

 

『実は想像力ないっつーの!』

 

スターは前にカッパードとアイワーンから言われた言葉を思い出していた。

 

「わたしには想像力がないって言ってたけど・・・・今、目の前にいるあなたがどんなに苦しんでいるかわかるよ!」

 

「スター・・・・」

 

そしてスターは真っ直ぐノットリガーへと向かって行った。

 

『愚かな。』

 

「うぅぅ・・・・」

 

「ノットリガー!」

 

ノットリガーはそんなスターを地面に叩きつけた。

 

「気持ちだけでは勝てんのだよ・・・・」

 

「うっ・・・・」

 

「フワ!」

 

「逃げるでプルンス!!」

 

そしてノットリガーはスターの正面に立ち、両手を合わせて頭上に振りかぶり今にもその手を振り下ろそうとしていて、それを見たプルンスとフワは逃げるように叫んでいた。

 

「・・・・・・・・」

 

「ノットリ・・・・ガー!」

 

そしてノットリガーは両手をスターへと振り下ろしてその付近はそれによる衝撃で風が吹き荒れた。

 

「ノッ!?」

 

「なっ!?」

 

「え?」

 

ノットリガーによる攻撃はコスモが両手で受け止めて防いでいた。

 

「うぅ・・・・」

 

『無駄な事を・・・・』

 

「ノットリガー!」

 

「っ!」

 

ノットリガーはすかさず両手をコスモから離すと素早く右手を振りかぶってコスモを殴ってきた。

コスモは後ろで倒れているスターを守る為に回避はせずに受け止める事を選択して両手を前に出してその拳を受け止めようとしていた。

 

しかし・・・・

 

「え?」

 

「何だアレは!?」

 

コスモもカッパードも何が起こっているのかわからなかった。

 

「アレは、星?」

 

彼女達が見ていたのはノットリガーの拳とコスモの間に回転する黄色いエネルギー体があってそれがノットリガーの攻撃を受け止めてコスモを守っていた。

それがスターには星に見えていた。

 

「ノットリガー!」

 

しかしそれは星ではなく手裏剣でその回転する手裏剣から左右に別の黄色いエネルギー体の手裏剣が現れてそれがノットリガーの顔に直撃してノットリガーは両手で攻撃を受けた目を押さえていた。

 

「一体なにが・・・・っ!」

 

「何? 竜巻!?」

 

すると今度はノットリガーやコスモ達から少し離れた場所の空中に竜巻が発生しそれが徐々に地上へと落ちていくと・・・・

 

「待たせたな! キュアスペースフーマ、銀河の風と共に参上!!」

 

「スペース!」

 

竜巻が地面に降り立つとその竜巻は少しずつ消滅していき、中からフーマのペンの力を使ったキュアスペースフーマが回転しながら地面に着地して登場した。

 

『キュアスペース!』

 

「ノットリガー!」

 

「っ! 危ない!」

 

ノットリガーが攻撃対象をスペースに変更するとノットリガーはすぐにスペースに殴りかかりコスモは注意するように叫ぶがその時には既にノットリガーの拳はスペースがいる場所の地面に触れていてその衝撃はコスモとスターの所にまで届いていた。

 

しかし・・・・

 

「2人とも、大丈夫か?」

 

「なっ!?」

 

「えぇ!?」

 

「いつの間に!?」

 

スペースの姿はノットリガーが攻撃した場所には既になく、その姿はスターとコスモの所にあった。

 

「あなた、一体何をしたの!? それにその姿は!?」

 

「あぁ、この姿は新しく手に入れたペンの力を使っているんだ。」

 

「新しくって、もしかして新しいウルトラマンの力?」

 

「あぁ、その通りだ。」

 

「じゃあ、さっきの光の盾も、もしかしてあなたが?」

 

「そうだけど、アレは盾じゃなくて手裏剣だ。」

 

スペースの言う通り、アレは盾ではなくて光のエネルギーを腕のクリスタル状の部分から取り出し、素早く十字手裏剣状のエネルギー体に変換して放つウルトラマンフーマの必殺技『極星光波手裏剣』で、その技はただの手裏剣としてだけでなく防壁としても使用できるため、先程はそれでノットリガーの拳を受け止めたのだ。

 

「なぜ貴様がここにいる!? サーディスは? あの戦士達はどうした!?」

 

「あの戦士達?」

 

「あぁそれなら全員倒したよ。」

 

「なんだと!?」

 

「けどサーディスには止めを刺してない。だからアイツがこれからどうするかは知らない。」

 

「あり得ん・・・・あれ程の力を持った者達が破れるなど・・・・そんな事が・・・・」

 

「俺が今こうしてここにいる、それが何よりの証拠だろ?」

 

カッパードはダークネス達が誕生した瞬間に立ち会っていただけに彼らの力がどれ程のものかは多少なりとも理解していた。

だからこそ、その力を持っていた者達が全員負けた事に対して動揺を隠せずにいた。

 

「・・・・よかった・・・・」

 

「スター?」

 

「スペースが、こうたが無事で・・・・良かった。」

 

「ひかる・・・・」

 

スターが目に涙を浮かべながらスペースの無事を喜んでいるとスペースはしゃがんで優しくスターの頭を撫でた。

「約束してただろ? 必ず戻るって・・・・でもありがとな、心配してくれて・・・・」

 

「うん!」

 

その光景を側で見ていたコスモはどこか優しそうな表情で見ていた。

 

「ん? どうかしたか?」

 

「なっ、なんでもないニャン! ただ、相変わらずアンタは規格外だなって思っただけよ!」

 

「規格外って、そんな大袈裟な・・・・」

 

『キュアスペース・・・・』

 

「っ! ダークネスト・・・・」

 

するとノットリガーを操っているダークネストは真っ直ぐスペースを見つめるとそれに合わせてスペースもダークネストを見つめ返した。

 

『お前は、危険な存在だ・・・・ここで排除する・・・・』

 

「やれるもんならやってみろ。」

 

「ノットリガー!」

 

「いくぜ!」

 

スペースは再び高速で移動を開始し、スペースはノットリガーの周りを移動しながら光波手裏剣で攻撃して着々とノットリガーにダメージを与えていた。

 

「キラやば~っ☆! めっちゃ速〜い!」

 

「なんてスピードなの!」

 

スターとコスモはそのスピードにとても驚いていた。

 

「疾風怒濤! 俺はお前より速ェぞ。」

 

するとスペースのペンの入ったホルダーから光り輝くビクトリーのウルトラスターカラーペンが出てきて、ペンが光の粒子になるとスペースFの左手首に集まっていきペンはビクトリーのカラータイマー(胸周り)と頭頂部がモチーフのブレスレットへと変化した。

 

「何アレ!?」

 

「ペンが、ブレスレットに!?」

 

『ビクトリーレット、コネクトオン!』

 

スペースがビクトリーレットの上に右手のタイガスパークを被せるとブレスレットの光のエネルギーがタイガスパークの手の甲のバディスフィアに収束していく。

エネルギーの収束が終わると正面にビクトリーの幻影が現れてスペースFと一つになった。

 

「プリキュア・鋭星光波手裏剣!!」

 

「ノットリガー・・・・」

 

スペースはビクトリウムエネルギーによってV字型に変形させた光波手裏剣を生成し、矢のように射出する技『鋭星光波手裏剣』をノットリガーに向かって放つとノットリガーも両腕をクロスしてガードするが、その衝撃でノットリガーは後方へと何歩か後退した。

 

「フワ!」

 

「うわあああっ!」

 

「っ!フワ!」

 

「危ない!」

 

「ハアッ!」

 

「ノットレ〜イ!」

 

フワとプルンスが一人のノットレイに襲われている事に気づいたスペースは両手を使って複数の光波手裏剣を同時に放ちノットレイは吹き飛ばした。

 

「スペース!」

 

「ありがとうでプルンス!」

 

「っ! スペース危ない!」

 

「ノットリガー!」

 

「っ!」

 

フワ達を助けるのに気を取られたスペースはノットリガーの拳に気づくのに遅れてかわす事はできず、その攻撃が直撃してしまった。

 

「スペース!」

 

「よし!」

 

スペースが攻撃を受けてしまい、スターは心配し、カッパードは思わずガッツポーズをとっていた。

 

「これでわかっただろう? ダークネスト様に敵う者などいないのだよ。」

 

「そんな・・・・」

 

「・・・・それはどうかしらね?」

 

「何を言って・・・・っ!」

 

スターは下を向いてショックを受けているとコスモは何かに気づきそれはどうかと聞くとその直後にスペースのいた場所が金色の光が放たれた。

 

「くっ、うぅ・・・・」

 

「なんだと!?」

 

スペースはタイタスのウルトラスターカラーペンを使って変身してノットリガーの拳を受け止めていた。

 

「また姿が変わったルン!」

 

「あの姿も見た事ないよ!」

 

「凄いです!」

 

ノットレイ達との戦いがようやく落ち着いてきたミルキー、ソレイユ、セレーネの3人は遠くから見ていてスペースの新たな力に驚いていた。

 

「ハアッ!」

 

「ノットリガー!」

 

スペースはノットリガーの拳を押し返すとノットリガーの胸と同じ高さまで上昇してそこで静止した。

 

「ノットリガー!」

 

「ハアアッ!」

 

スペースは両手にワイズマンズフィストを発動してノットリガーの両手の拳とスペースの両手の緑色に輝く拳が交互に激突して両者の拳は何度も打ちあっても互いに一歩も引かずに互角の勝負をしていた。

 

「ノットリガーと互角!?」

 

「凄い!」

 

「バカな!?」

 

ノットリガーと互角の勝負をしていることにコスモとスター、カッパードは驚いていた。

 

「ハアッ!」

 

「ノッ!?」

 

スペースは力を右手に収束するとその力でノットリガーの拳に打ち勝った。

 

「ハッ! ハッ! ハアアッ・・・・」

 

その後スペースは左手で右手に、その後は逆に右手で左手に触れるとそのどちらの手にもエネルギーが収束されて右手は赤く、左手は水色のイナズマのような形をしたエネルギーが集まり、その両掌を合わせると両手は金色のイナズマのエネルギーとなり更に力が高まった。

 

「プリキュア・タイタスプラネットハンマー!!」

 

左手のマイナスエネルギーと右手のプラスエネルギーを集めて合わせた両手を敵に振り下ろして叩きつける技『タイタスプラネットハンマー』でノットリガーの頭上から攻撃するとノットリガーはあまりの衝撃でそのまま仰向けに倒れてしまった。

 

「(今だ!)」

 

するとスペースはペンの入ったホルダーからジードのウルトラスターカラーペンを取り出すと、ペンが光の粒子になってスペースの左手首に集まっていきペンはジードのカラータイマー(胸周り)と頭頂部がモチーフのブレスレットへと変化した。

 

『ジードレット、コネクトオン!』

 

スペースがジードレットの上に右手のタイガスパークを被せるとブレスレットの光のエネルギーがタイガスパークの手の甲のバディスフィアに収束していく。

エネルギーの収束が終わると正面にジードの幻影が現れてスペースと一つになった。

 

「プリキュア・レッキングバスター!!」

 

スペースはタイガスパークのバディスフィアから気力とエネルギーで生成した緑色のエネルギー光球を生成し、そのエネルギー光球の周りが赤黒い稲妻状の闇の破壊エネルギーで破壊力が強化された技『レッキングバスター』をノットリガーに向かってパンチで撃ち出して放つと起き上がろうとしていたノットリガーに直撃してノットリガーは再び倒れた。

 

「バカな・・・・ダークネスト様のお力が・・・・あんな地球人の子供に・・・・」

 

「あいつ・・・・どこまで強くなるのよ・・・・」

 

カッパードは自分達の主人の力が圧倒される光景に動揺し、コスモはスペースの更なる進化を目の当たりにして驚いていたが・・・・

 

「ウルトラスターカラーペン・タイガ・ウルトラカラーチャージ!!」

 

そしてスペースはタイガのウルトラスターカラーペンを使ってキュアスペースタイガになった。

 

「また変身したフワ!」

 

「もう色々凄すぎて驚かない自分がいるでプルンス。」

 

フワはスペースの変身に驚いていたが、プルンスはこれまで見せたスペースの力に慣れたのかあまり驚いていなかった。

 

「これで決め」

 

「待って!」

 

「コスモ?」

 

スペースがオーブのウルトラスターカラーペンを取り出すとそこへコスモが話しかけてきた。

 

「わたしにもやらせて。」

 

「けど・・・・」

 

「・・・・許せないの。」

 

「え?」

 

「アイワーンは許せない・・・・でも・・・・アイワーンを乗っ取って、考えを、自由を奪うあいつは・・・・もっと許せない!」

 

するとコスモのペンダントが光り輝くとコスモの周りも強い光に包まれた。

 

「なっ!」

 

するとコスモがいつも他の誰かに変身する時に使う香水が光り出して新たな形へと変化した。

 

「っ!」

 

「アレは!?」

 

『・・・・・・・・』

 

その変化した姿にミルキー、ソレイユ、セレーネ、フワ、プルンスは見惚れていた。

そして変化した香水の入れ物が更に光り輝くとスターが持っていたおひつじ座のペンもそれに反応するかのように強い光を放ちだした。

 

「え?」

 

スターはそれを見て何かを悟ったかのように頷いた。

 

「コスモ!」

 

そしてスターはコスモにおひつじ座のペンを投げるとコスモはそれを片手でキャッチした。

そしてスターがコスモに向かって頷くとコスモもそれに応えるかのように頷いてアイテムを掴んだ。

 

『忌々しい!』

 

「ノットリガー!」

 

「いくぞコスモ!」

 

「えぇ!」

 

そして2人は技を使う体勢に入った。

 

「レインボーパフューム! いくニャン!」

 

それからスペースが持っていたオーブのウルトラスターカラーペンは光りながら光の粒子となり左手に集まっていくと他のウルトラマン達のペンと同様にカラータイマー(胸周り)と頭頂部がモチーフのブレスレットへと変化した。

コスモもおひつじ座のペンをレインボーパフュームにセットした。

 

「プリンセススターカラーペン! おひつじ座! くるくるチャージ!」

 

『オーブレット、コネクトオン!』

 

パフュームの上の部分を回してエネルギーがチャージされると、そのパフュームをノットリガーに向けた。

そしてチャージされたエネルギーはサザンクロスのようにひし形の光を放っていた。

 

「「プリキュア!」」

 

「レインボースプラッシュ!!」

 

「スプリームブラスター!!」

 

コスモがトリガーを引くと、パフュームから虹色の光の香水『レインボースプラッシュ』を、スペースはオーブの力で光のエネルギーが増幅して発生した光の輪で破壊力が強化された『スプリームブラスター』を放ちそれがノットリガーに直撃すると、その直後にはコスモが使ったペンのおひつじ座のマークが浮かび上がった。

 

「ノットリガー・・・・」

 

ノットリガーは2人の技を受けて光に包まれてそのまま消滅した。

 

『プリキュア、愚かなイマジネーションを持つ者達よ・・・・』

 

ダークネストはそう言い残すとそのまま消えてしまった。

 

「(ダークネスト・・・・アイツにだけは、絶対に負けられない。)」

 

スペースタイガは元のキュアスペースに戻りながら心の中でダークネストとの戦いに勝つ事を誓った。

 

「スペース!」

 

「ミルキー?」

 

するとミルキーがスペースに話しかけてきた。

 

「無事で良かったルン!」

 

「ホントホント!」

 

「おかえりなさい!」

 

「みんな・・・・ありがとう。」

 

ミルキーとソレイユ、セレーネがスペースを迎え入れるスペースもそれが嬉しかったのか嬉しそうに返事をした。

 

スペース達がそんなやりとりをしていた頃、コスモは気絶して倒れているアイワーンに付き添っていた。

 

「うっ・・・・アタイは・・・・プリキュア?」

 

「世話が焼けるニャン。」

 

「ニャン!? お前まさか!?」

 

「そう、わたしよ。」

 

アイワーンはブルーキャットがプリキュアになった事を理解しそれに驚いた。

 

「バケニャーン・・・・お前だけは許せないっつうの! アタイが連れてきたバケニャーンが裏切り者だったっつうの!」

 

「アイワーン、帰還するぞ。」

 

「アタイの立場はないっつうの!」

 

「え!? それわたしの宇宙船!」

 

アイワーンはカッパードの言葉を無視してコスモの宇宙船に勝手に乗り込んだ。

 

「覚えてろっつうの!」

 

「また会おう、バケニャーン、いや、キュアコスモ。」

 

カッパードの乗ったUFOはワープホールの中に消えるがアイワーンの乗った宇宙船はワープホールの中には入らずそのまま上昇して惑星レインボーから離脱した。

 

「ていうかわたしの宇宙船 返して・・・・」

 

コスモはアイワーンに宇宙船を取られて若干落ち込んでいた。

 

 

 

「(俺は、これからどうすればいいんだ・・・・)」

 

スペースに負けたサーディスなフラフラしながら歩き続けて自身が呼び出したワープホールの中に入り惑星レインボーから姿を消した。

 

 

 

 

 

それからこうた達はプリキュアの変身を解除すると、ブルーキャットが持つレインボーパフュームとおひつじ座のペンを見せてもらっていた。

 

「ブルーキャットがプリキュアになるなんて・・・・」

 

「フワ!」

 

「キラやば~っ☆ だよね!」

 

プルンスはブルーキャットがプリキュアになった事に困惑しているが、フワとひかるはとても喜んでいた。

するとおひつじ座のペンが突然光りだした。

 

「っ!」

 

「フワ!」

 

「呼んでる。」

 

「え?」

 

「いこう! スターパレスに!」

 

「スタープリンセスの所へ?」

 

「うん!」

 

「・・・・・・・・」

 

ブルーキャットはひかるの話を聞いてスタープリンセスに会えると聞くと自身が持っていたおひつじ座のペンをひかるに渡した。

 

そしてひかるがトゥインクルブックにおひつじ座を差し込んでからトィンクルブックをおひつじ座のペンでタッチするとそこにはおひつじ座の星座が浮かび上がった。

 

「フワ・・・・おひつじ座フワ!フーーーワーーー!」

 

フワの容姿は全身が赤く変化し、ひつじのように全身は赤い毛に覆われて2本の黄色くて小さい角も生えていた。

それからフワの掛け声とともに全員スターパレスへと移動させられた。

 

「星の輝きーーー戻るフーーーワーーー!!」

 

フワから赤いの星形の光が放たれると、その光が飛ばされた場所に光が満ちて、そこに赤くて長い髪と赤いのドレスを着たおひつじ座のスタープリンセスが姿が映るとスターパレスに先程と同じ姿をしたおひつじ座のスタープリンセスが姿を現した。

 

「おひつじ座のプリンセスフワ!」

 

「・・・・・・・・」

 

フワがおひつじ座のプリンセスの登場に反応しているとその隣にいたブルーキャットはスタープリンセスの姿に見惚れていた。

 

「みなさん、ありがとう。」

 

「スター・・・・プリンセス・・・・」

 

「新たにプリキュアが誕生するとは・・・・」

 

「惑星レインボーは・・・・レインボーはプリンセススターカラーペンを集めれば元に戻るの?」

 

ブルーキャットはおひつじ座のプリンセスにプリンセススターカラーペンを全て集めれば元に戻るのかを問いただした。

 

「星座の力、そしてフワの力があれば宇宙に平穏が訪れます。」

 

「フワ?」

 

するとその場にいるみんなの背後が突然光り出すとその光からおうし座スターのプリンセスが姿を現した。

 

「おうし座のプリンセス!」

 

「イマジネーションの力が集まれば奇跡が起きます。必ず星も戻るでしょう。」

 

「・・・・・・・・」

 

「キラやば〜っ☆! やったね、ブルーキャット!」

 

「良かったな。」

 

「え、えぇ。」

 

ブルーキャットがおうし座のプリンセスから聞いた言葉に反応して瞳が潤んでいるとひかるがブルーキャットの右手を両手で掴んで喜び、こうたにも話しかけられて少し戸惑いながらブルーキャットは返事をした。

 

それからこうた達は惑星レインボーに戻って来ると先程ノットレイダーが来る前まで話をしていた広場に来ていた。

 

「大切な人なんだね。」

 

「まぁね、私達はみんな、オリーフィオの子。」

 

『え?』

 

「オリーフィオはわたし達の父であり、母でもある。そしてわたし自身でもある、わたし達は一つなのよ。」

 

「なんだか哲学的ですね。」

 

「う〜ん? あっ! 家族ってこと?」

 

「え? まぁ・・・・そんなところ・・・・かな?」

 

「そっか! だったら早く戻してあげよう!」

 

「あぁ、俺も早く戻してあげたい!」

 

「一緒に行こ? 地球に!」

 

「わたしが!? ニャンで!?」

 

ひかるが一緒に地球に行く事を誘うとブルーキャットは動揺していた。

 

「うん! だってプリンセススターカラーペン集めるんでしょ?」

 

「えぇ! みんなで協力しましょう?」

 

「お構いなく!」

 

『え!?』

 

「高性能のレーダー手に入れたから一人で十分よ!」

 

「嫌だつまんない! 一緒に行こうよ!」

 

「ちょっと離して!」

 

その誘いをブルーキャットは断るがひかるは強引にブルーキャットの手を掴んで彼女ゆ一緒に連れて行こうとする。

 

「ていうかお前、バケニャーンに宇宙船を取られたんだろ? 他にも宇宙船があるのか?」

 

「あっ! そうだった・・・・」

 

こうたの言葉を聞いて宇宙船がない事を思い出したブルーキャットはしょんぼりしてしまった。

 

「一緒にいた方が効率的ルン! フワのワープもあるし。」

 

「フワ!」

 

「ね? いこ!」

 

「・・・・わかったわ。行くニャン・・・・地球に・・・・」

 

「やったぁ〜っ! キラやば〜っ☆!」

 

こうしてブルーキャットと共に地球へ戻る事になった一行は早速出発の準備に取り掛かった。

 

「なんか悪いな。」

 

「え?」

 

ひかる達が先を歩く中で後ろを歩くこうたとブルーキャットはこうたの方からブルーキャットに話しかけた。

 

「その・・・・強引に連れてく事になっちゃってさ。」

 

「今更ね、そう思うなら遠慮してほしかったんだけど。」

 

「そういうわけにもいかないだろ? 今のお前は自力でこの星から出られないんだし、それじゃあペンも探しに行けない。」

 

「それは・・・・」

 

ブルーキャットは事実を言われて何も言い返せなかった。

 

「それにこれから先、ノットレイダーの連中も本格的に動き出してくるはずだ。とくにあのダークネスト・・・・奴と戦って思ったんだけどさ、アイツはヤバい。力もそうだけど、他にも何かあるんじゃないかってそんな気がしてならないんだ。」

 

「そうね・・・・それについてはわたしも同意見よ。」

 

こうたとブルーキャットはダークネストについてそれぞれの考えを口にした。

 

「アイツが動き出した以上、これからの戦いはこれまで以上に厳しい戦いになると思う。だからこっちとしても戦力は多いに越したことはないんだ。だから、ブルーキャットにはこれからも俺達と一緒にノットレイダーと戦って欲しいんだよ。」

 

「お断りよ、なんでわたしがそこまでしなくちゃいけないのよ。 それにあの子達にはあなたがいるじゃない。あなたは今回の戦いでサーディスに勝って更に強くなった、あのダークネストの力を上回る程にね。あなたがいれば何の問題もないじゃない。」

 

「それは今回の話だろ? この先はどうなるかわからない。 勿論俺もただジッとしてるつもりはないけど、それでもいざという時に備えてブルーキャットにも協力してほしいんだよ。お前だってこの星を救うためにも俺達の持ってるペンやフワを連中に奪われるのは困るだろ?」

 

「それはそうだけど・・・・そうね、一応考えておくわ。」

 

「あぁ、そうしてくれ。」

 

「おーい! こうた! ブルーキャット!」

 

「早く来るルン!」

 

「あぁ!」

 

こうたとブルーキャットはひかるとララに呼ばれて慌てて後を追いかけた。

 

その頃、ノットレイダーの拠点ではいかにも主人が座りそうな椅子の前に禍々しいエネルギーが集まり続けていた。

 

『・・・・・・・・』

 

その様子をノットレイダーの幹部であるガルオウガは静かに見守っていた。

しかしそれはガルオウガだけではなく、彼の後ろにはカッパードやテンジョウ、ノットレイ達もその様子を静かに見守っていた。

 

そしてエネルギーの収束が終わるとこれまでダークネストの意志が宿っていたひし形の宝石は砕け散り、そして身体に濃い緑色の蛇が巻き付いた同じく濃い緑色の鎧と赤いマントを付けた存在が禍々しい力を纏ってガルオウガ達の前に降臨した。

 

「ダークネスト様」

 

「・・・・・・・・」

 

そう、ガルオウガの言う通り、その鎧を纏った存在こそ彼らの主人、ダークネスト本人だった。

ガルオウガがダークネストの前で跪くとカッパードやテンジョウ、ノットレイ達も続いて跪いた。

 

「素晴らしい・・・・」

 

「いやまだだ・・・・ダークネスト様のお力はこんなものではない・・・・」

 

「完全復活の為にもわたし達が・・・・」

 

「手に入れよ、プリンセスの力・・・・」

 

「全宇宙をこの手に!」

 

『ノットレイ! ノットレイ! ノットレイ・・・・!』

 

ダークネストとガルオウガの言葉を聞いたノットレイ達の声がその付近に響き渡っていた。

 

「そしてお前達には新たな指令を与える。」

 

『ハハッ!』

 

ダークネストからの言葉をガルオウガ、カッパード、テンジョウの3人は再びダークネストの前で跪いた。

 

「あの者を・・・・キュアスペースを排除しろ・・・・奴は危険な存在だ・・・・必ず倒し、そして奴の持つウルトラマンの力を手に入れるのだ!」

 

『ハハッ!』

 

「必ずや、ダークネスト様の願いを叶えてご覧にいれます!」

 

「我々の手でキュアスペースを!」

 

「必ず倒し、その力も奪ってみせます!」

 

こうしてノットレイダーはプリンセスの力だけでなくキュアスペースの排除とスペースの持つウルトラマンの力を奪う為に行動を開始したのであった。

 

 

そして惑星レインボーを離脱したこうた達は星空界の宇宙空間を漂っていた。

 

「キラやば~っ☆! わたしも変化してみたい!」

 

こうた達に見守られる中でひかるとブルーキャットはブルーキャットが持つレインボーパフュームの変身能力についての話に夢中だった。

 

「あなたには無理よ、香水は変化が未熟なレインボー星人を助ける道具よ。」

 

「え? 未熟?」

 

「っ!」

 

「そういえばブルーキャットの変化はいつも尻尾と耳が出てたでプルンス。」

 

「う、うるさいニャン!////」

 

ブルーキャットはプルンスに図星をつかれて頬を赤くしながら反論した。

 

そんな話をしていると、ララはトィンクルブックに星の形をしたクッキーを描くとそれが実体化した。

 

「クッキーフワ!」

 

「え!? トィンクルブックから!?」

 

「ルン、お腹いっぱいじゃないとフワワープできないルン。」

 

「みんなも出来たてドーナツ食べるでプルンス。」

 

「キラやば〜っ☆! いただきま〜す!」

 

そしてプルンスが出来たてのドーナツが何個も入った大きなお皿を持ってくるとひかる達はその周りに集まってみんなでドーナツを食べていた。

 

「ハァ・・・・先が思いやられるわ・・・・」

 

その様子を離れた場所から見ていたブルーキャットはため息をつきながら今後の事を不安に思っていた。

 

「そういうなって・・・・」

 

そこへドーナツを片手に持ったこうたがブルーキャットの近くにやってきた。

 

「みんなやる時はやるって事は知ってるだろ?」

 

「・・・・まぁね。」

 

それからブルーキャットはロケットの外を眺めるとドンドン距離が離れていく惑星レインボーの事をジッと見つめていた。

 

「食べるでプルンス。」

 

「え?」

 

するとプルンスが自身の作ったドーナツを持ってブルーキャットのところへやってきた。

 

「マオさんに食べてもらいたいってずっと言ってましたもんね。」

 

「・・・・っ! 美味しいニャン。」

 

「当然でプルンス。」

 

「良かったね、ブルーキャットが喜んでくれて。」

 

「確かに、最初の頃よりは上手く作れるようになったよな。」

 

「こうたは少し黙ってるでプルンス。」

 

「はむっ!」

 

プルンスはこうたが余計な事を言わないようにドーナツをこうたの口に咥えさせる事でこうたの口を封じた。

 

「・・・・ブルーキャットじゃなくて『ユニ』よ。」

 

「え?」

 

「わたしの名前・・・・」

 

そしてブルーキャットはひかる達の事を少しは認めてくれたのか、自身の本名が『ユニ』である事を明かした。

 

「え!? ユニちゃんっていうの!?」

 

「ユニの方が効率的ルン!」

 

「効率的だね。」

 

「効率的ですね。」

 

みんながユニの方が効率的と言っている横でこうたも口に咥えたドーナツを食べながら首を縦に振ってそれに同意していた。

 

「ユニでいいわ。」

 

「うん! じゃあユニ、よろしくね!」

 

その頃地球では雲は徐々になくなり先程までの雷雨が嘘のように晴れた天気になっていた。

 

「雨が上がったな・・・・」

 

その様子を見ていたひかるの祖父、春吉は雨が上がって庭掃除を始めた。

 

そしてお腹いっぱいになったフワのワープで地球に戻ってきたひかる達が見たのは空にかかる虹だった。

 

まるでひかる達の帰還を祝福するかのようなとても綺麗な虹だった。

 

 

To Be Continued

 

 

 

 

そして予告した通りこの後は新章予告を行います。

今後は新章予告を行う場合は次回予告より先に行います。

 

(一部ネタバレも含みますので予めご了承ください。) 

 

それではどうぞ!

 

 

 

 

 

        新章予告⑤

 

 

7月7日、世間は七夕だが、星奈家はそれ以外でも特別な日だった。

 

『お父さんおかえり!』

 

『ただいまひかる!』

 

その日はひかるの父、陽一が一年に一度帰ってくる特別な日だった。

一年に一度の大切は日をひかるは両親と共に楽しそうに過ごしていた。

 

『ウェルカム☆ユニ!』

 

その後はユニの歓迎会をみんなで開いたり、一緒に夏祭りに行ったりとこうた達は少しずつユニとの思い出を作っていくのであった。

 

そんな中、ララの故郷、惑星サマーンからプリンセススターカラーペンが見つかったと連絡を受けたララはみんなで惑星サマーンに向かう事になった。

 

『そういえばさ、ララにお兄さんがいるなんて知らなかった。』

 

『ロロは双子の兄でしっかり者ルン。』

 

「へぇ、双子なんだ。」

 

『ルン。父も母もサマーンでは人望あって、家族はみんなわたしと違うルン・・・・』

 

しかしララは家族と自分を比べて家族は優秀だけど自分は違うとララは自身を過小評価していた。

 

そしてサマーンに到着してからもララは自身がプリキュアである事を家族に明かすかで悩んでいた。

 

『自分がプリキュアだって言えばきっと認めてくれるルン。 それに調査員として全てを報告するのが大人の責任ルン。でもみんなは・・・・プリキュアが、星空連合に入ったらみんなの生活が滅茶苦茶ルン。』

 

しかし、そんな彼女達に襲い掛かる魔の手が止まる事はなかった。

 

『今日は気分がいい、思う存分遊んでやろう!』

 

『あはははははっ! せっかく助けに来たのにやられるだけ、呑気にお仲間ごっこなんてしちゃってアンタ達は甘いのよ!』

 

『バケニャーン・・・・許せない・・・・アタイを騙してたっつうの・・・・アンタの所為でアタイはノットレイダーにいられなくなったっつうの! 全部お前の所為だっつうの!』

 

迫りくる魔の手からみんなを守るため、キュアスペースの力は更に進化し続ける。

 

『プリキュア・オーラムストリウム!!』

 

『プリキュア・エクシードエクスラッシュ!!』

 

しかし・・・・

 

『プリンセスの力、そして・・・・そいつを渡してもらおう。』

 

ノットレイダーの幹部、ガルオウガが遂に動き出した。

ガルオウガの圧倒的な強さの前に苦戦を強いられるプリキュア達、しかし・・・・

 

『フワを、守る!』

 

『見せてやるぜ! 俺達の絆!』

 

スター、ミルキー、ソレイユ、セレーネ、コスモ、スペース、フワの絆が更なる奇跡を呼び起こす!

 

 

 

『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

 

第6章 十二星座とフワの覚醒! 編

 

お楽しみ!

 

 




         次回予告


7月7日、世間では七夕の日だが、ひかるにとっては一年に一度お父さんが帰ってくる大切な日だった。

そしてその日がララの誕生日だったらしくダブルでお祝いする事に・・・・

しかし、祖父の春吉は何やら納得できない事があるらしい・・・・


次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第59話 おかえりお父さん! 星奈家の大切な一日 前編

次回もお楽しみ!



※もしよろしければ、皆さんがこれまでの話で感じた感想やコメントがあれば送って下さい。
皆さんからのコメント、そして評価が頂けたら凄く嬉しいです。
よろしくお願いします。


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第6章 十二星座とフワの覚醒! 編
第59話 おかえりお父さん! 星奈家の大切な一日 前編


お待たせしました。
今日から投稿再開です。

そしてキュアコスモが登場したのでここで発表しますが、この小説のヒロインはユニとララで、メインヒロインはユニです。

この小説を書き始めたのは元々、スタプリとニュージェネをコラボさせたいという気持ちもあったのですが、スタプリの二次小説でユニがメインヒロインの小説が少ないと思ったのがもう一つの理由です。

現在のこうたに対するユニの気持ちですが、実力は認めているけど恋愛対象としてはみていません。
なのでそんな2人が今後どうなっていくのかも注目してもらえたらと思います。

それでは第6章スタートです!



惑星レインボーでの戦いから数日が経過したある日の朝、こうたはギンガのペンを手に入れた湖に向かってスペースの技を放っていた。

 

「ハァ・・・・ハァ・・・・」

 

そしてウルトラマンの力を纏っていた姿とプリキュアへの変身を解除したこうたは右手に持ったオーブとジードのペンを見ていた。

 

「凄い力だ。ガイさんとリクさんの力はその場の状況に応じて力や能力を変化させて戦えるのか・・・・ちゃんと考えて使わないとな・・・・」

 

こうたはここでオーブとジードの力の扱い方の練習をしていたのだ。

 

「けど、オーブさんのあの力、ゾフィーさんとベリアルさんの力だけはどうしても使えないんだよな・・・・」

 

こうたはオーブ(サンダーブレスター)の力を制御どころか力を使うことすらできなかった。

 

「こんな朝早くから何してるの?」

 

「え? ユニ?」

 

するとこうたは背後から声が聞こえてきたので振り向くとそこにはユニが立っていた。

 

「どうしてここに?」

 

「この辺で凄い音がしたから気になって様子を見に来たのよ。それで? 何をしてたわけ?」

 

「ちょっと新しい力の練習をしてたんだ。まだ全部を使いこなせてるわけじゃないけどな」

 

「そう、随分と頑張るのね」

 

「まぁな、いつまたノットレイダーの連中が襲ってくるかわからないからな」

 

こうたはこの前の戦いでダークネストの力を目の当たりにして彼らへの警戒心は更に強くなっていた。

だからこそ、自分が持っている力についてちゃんと把握する意味もあってこうして練習をしているのだ。

 

「まっ、せいぜい頑張りなさい」

 

「あのさユニ、この後ひかる達と会う約束をしてるんだけどユニも来ないか?」

 

「遠慮するわ。団体行動は苦手ニャン。それじゃ!」

 

「あっ! ちょ!」

 

こうたの誘いを断るとユニはそのまま森の方へと姿を消した。

 

「ハァ・・・・ちゃんと仲間になってもらうにはまだまだ先が長そうだな・・・・っと、俺もそろそろ行かないと・・・・」

 

こうたもひかる達と待ち合わせをしているララのロケットのある場所へと向かった。

 

その後、ロケットに到着したこうたはプルンスやえれな、まどかと一緒にロケットの掃除を行い、その間にララはロケットのメンテナンスを行っていた。

そしてフワはそんなララに付き添っていた。

 

「異常なしルン」

 

「みんな〜!」

 

そこへ笹を持ったひかるがやってきた。

 

「今日、バーベキューするんだ。みんなも来て!」

 

「いいねぇ!」

 

ひかるは他のメンバーをバーベキューに誘うと周りをキョロキョロし始めた。

 

「ユニ、まだ戻ってきてないの? どこ行っちゃったのかなぁ?」

 

「ユニなら今朝会ったぞ」

 

「えぇ!? ホント!? どこどこ!? どこにいたの!?」

 

こうたがユニに会ったと言うとひかるはこうたに詰め寄り話を聞こうとしていた。

 

「近い近い! 森で練習してる時に会ったんだよ。その後はまたすぐにいなくなったけどな。一緒に来るかって誘ったけど断られたし・・・・」

 

「そっか・・・・」

 

「きっとフラッと戻ってくるでプルンス」

 

「それで、練習って何の練習ルン?」

 

「あぁ、これだよ」

 

「それって・・・・」

 

「サーディスが持っていたペンですか?」

 

ひかるはユニがまたいなくなったと聞いてしょんぼりしているとララの質問に答えるためにこうたがオーブとジードのペンを取り出すとえれなとまどかがそれはサーディスが持っていたペンではないかと言ってきた。

 

「あぁ、この2人のウルトラマンの力はこれまで使ってきたウルトラマン達の力と少し違ってて姿や能力が多彩に変化するみたいだからちゃんと使いこなせるようになりたいんだ」

 

「そうだったんだ」

 

「ですが、あまり無理はしないで下さいね」

 

「そうルン。 こうた一人が頑張る必要はないルン。みんなで一緒に頑張るルン!」

 

「あぁ、2人ともありがとな」

 

こうたの説明にえれなが納得するとまどかとララがこうたに一人で頑張らずにみんなで頑張ろうという気持ちを伝えるとこうたもそれに対して感謝の気持ちを伝えた。

 

「そういえばひかる、その木なにルン?」

 

「七夕の笹だよ」

 

「七夕?」

 

こうたのペンの話がひと段落したところでララはひかるが持っていた笹の木が気になっていたので質問した。

 

「織姫と彦星が一年に一度天の川を渡って会えると言われている日。それが今日、7月7日の七夕です。」

 

『本日はララ様の誕生日です。』

 

『えぇ!?』

 

まどかが七夕について説明するとAIが今日はララの誕生日だと伝えるとみんな驚いていた。

 

「オヨ?」

 

「キラやば〜っ☆ 今日はいい日だな・・・・嬉しいことがいっぱいある!」

 

「そっか今日だったか」

 

「他にも何かあるの?」

 

「フワーーーッ!」

 

ひかるの言葉に納得するこうたにえれなは何があるのかと聞くと突然フワの悲鳴が聞こえてきたのでフワのいる場所を見ると・・・・

 

「フワ!」

 

「こ、これは・・・・」

 

「あぁ!」

 

「ケサランパサランか? キラやば~っ☆」

 

「お父さん!」

 

『えぇぇぇぇぇ!?』

 

いま目を輝かせながら、フワを両手で掴んで観察をしている髭を生やして日焼けした男性はひかるの父『星奈 陽一』だった。

 

「お父さん! おかえり!」

 

「ただいまひかる!」

 

「お久しぶりです。陽一さん」

 

「こうた君! 久しぶり、元気にしてたかい?」

 

「はい!陽一さんもお元気そうで・・・・」

 

「いやいや、それにしても凄いな・・・・」

 

「フワ!?」

 

「ケサランパサラン、宇宙生物説がこれで証明されるかもしれない! ヒューマノイドに! タコクラゲ型宇宙人もいる!! キラやば~っ☆」

 

ひかるやこうたと挨拶を終えると陽一は暴走しているかのようにフワやララ、プルンスのことを観察し始めた。その様子を見ていたひかるも瞳を輝かせていて、まさしく親子という感じだった。

 

「キラやば~はお父さん譲りだったんだね。」

 

「うわ〜っ! やめるでプルンス!」

 

「流石はひかるの父ルン」

 

「お父さんはUMA(ユーマ)とか宇宙人を研究しているんだ。」

 

「UMAって・・・・」

 

「ネッシーとかツチノコと言った存在が確認されていない生物のことです」

 

「詳しいねまどか」

 

「父の資料で見ましたので」

 

えれながUMA(ユーマ)とは何かを考えているとまどかは過去に読んだ資料を元にえれなに説明した。

 

「お父さんは研究のために世界中を旅していて、一年に一度七夕の日に帰ってくるんだ!」

 

「嬉しいこととはこのことだったのですね?」

 

「うん!」

 

「いやちょっと待て、これ何かまずくないか?」

 

ひかるが嬉しそうにまどかと話していると陽一の姿を見ていたこうたが焦り始めた。

 

「これでUMAと各地の伝承の秘密を解き明かせるかもしれない」

 

「こうたの言う通り、喜んでいる場合じゃないルン! 地球人に存在を知られたら・・・・」

 

「そうだった! お願い、お父さん!このことは内緒にして! じゃないとみんな地球にいられなくなっちゃうの!」

 

「陽一さん、お願いします!」

 

「え?」

 

『・・・・・・・・』

 

プルンスの乗っていた小型のUFOを虫眼鏡で調べた後に今度はプルンス自身を観察し始めた陽一にひかるは両手を合わせてララ達のことを秘密にしてほしいとこうたも一緒に頼んだ。

そう頼まれた陽一は改めてプルンスやララ、他のみんなの顔を見るとみんなとても緊張した表情をしていた。

 

「・・・・よし、わかった!」

 

「ありがとう!」

 

「えぇ!? 理解はやっ!?」

 

「流石ひかるの父ルン!」

 

「そんな解釈でいいのか?」

 

プルンスは陽一の理解の早さに驚き、ララはそれはひかるの父だからと納得し、こうたはそういう解釈でいいのかと疑問に思っていた。

 

「驚かせて悪かったね。ひかるの父、星奈陽一です」

 

すると陽一はえれなとまどかに近づいて挨拶をした。

 

「え? もしかしてあの星奈陽一さんですか!? ご本読ませていただきました!」

 

「え? 僕の本を?」

 

「はい! 父の書斎にあったので、UMA伝承と人間心理の相関、UMAに関する深い考察が素晴らしかったです!」

 

「いや・・・・」

 

陽一が2人に挨拶をするとまどかは過去に陽一の本を読んだことがあるらしくそれを少し興奮気味に語ると陽一は頭の後ろをかきながら照れていた。

 

「お父さん、いこ!みんな待ってるよ!」

 

そう言ってひかるは陽一が背負っていたリュックを持って早く帰ろうと伝えた。

それから一行はひかるの家に到着すると家の前にある犬小屋の中にいた星奈家の全身真っ白な愛犬『イエティ』が陽一を出迎えた。

 

「ワン! ワン!」

 

「よしよし! イエティ、久しぶりだな!」

 

「イエティとはヒマラヤに生息していると言われているUMAですね?」

 

「似てるでしょ?」

 

まどかはイエティという単語に反応して自身の知識を語りだした。

 

「まどか、結構詳しいんだね?」

 

「まぁ、まどかは昔から勉強熱心だったからなぁ・・・・」

 

えれなはまどかにUMAに関する知識がたくさんあることに驚いているとまどかと小学生の頃から友達だったこうたはまどかのことを知っているからこそ知ってて当然だと思っていた。

 

「お父さん帰ってきたよ!」

 

「おかえりなさい!」

 

「ただいま!」

 

ひかるが陽一を連れて家の中に入るとひかるの母、輝美が出迎えてくれた。

 

「うわっ! 日焼けしてる」

 

「南の島に行ってたからね。輝美も元気そうだ。」

 

「元気元気!漫画もバリバリ描いてる!」

 

「おかえり陽一」

 

「ただいま、お袋」

 

すると今度は陽一の母でひかるの祖母である星奈陽子がスミレの花を花瓶にさし、それを持って出てきた。

すると部屋の奥に台所へと歩く陽一の父でひかるの祖父である春吉の姿があった。

 

「親父・・・・ただいま」

 

「・・・・・・・・」

 

陽一が春吉に話しかけると春吉は立ち止まり、それから何も言わずに陽一を睨みつけていた。

 

「・・・・・・・・」

 

「お父さん、「ただいま帰りました!」だよ」

 

「そういうことではない!」

 

そう言って怒った春吉は新聞を持ってそのまま行ってしまい、その様子を見ていた陽一はどこか寂しそうな表情をしていた。

 

「ワンワン!」

 

「わかったわかった! 輝美、イエティの散歩に行ってくるよ」

 

「ワン!」

 

「うん! バーベキューするから早めに帰ってきてね!」

 

「OK!」

 

するとイエティが陽一の足元に来ておねだりをしていると陽一はイエティの散歩に出かけていった。

 

それからみんなで陽一の帰還とララの誕生日を祝うバーベキューの準備が始まった。

 

「わたしも何が手伝うルン!」

 

「いいからいいから! ララは今日の主役なんだからゆっくりしててくれ」  

 

「でも・・・・何かしてないと落ち着かないルン」

 

「じゃあ、俺達が準備してる間フワの世話を頼む」

 

「わかったルン」

 

こうたにフワの世話ん頼まれたララはトゥインクルブックでミルクを具現化させてそれをフワに飲ませていた。

 

「そういえば、なんでひかるの父は一年に一回しか返ってこないルン?」

 

「前はね、一緒に住んでたんだよ」

 

そしてひかるはどうして陽一が普段から家にいないのかを説明した。

陽一は元々UMAについての調査をするために世界中のいろんな所に行きたいと思っていたが、当時陽一は大学の教師として働いていた事やひかる達家族に寂しい思いをさせてしまうという理由でそれらをずっと我慢していた。

だが、幼いひかるや輝美に後押しされて陽一は研究をして、その内容を本にするために海外に行く決心をした。

しかし春吉はそれに反対したが陽一はそのまま海外へと出発した。

 

「お爺さまは反対なさったのですね」

 

「うん。でもお父さんは外国に出かけて今は一年に一度七夕の日に帰ってくるんだ」

 

「会いたくならない?」

 

「たまにはね。でもお父さん、世界中からいっぱい手紙を送ってくれるから!」

 

「そっか・・・・」

 

えれなが会いたくならないかと聞くとひかるは陽一がたくさん手紙を送ってくれるから大丈夫だと伝えた。

それから外の机の上にバーベキュー用の食材や飲み物にお皿などの準備も完了し、あとは陽一が帰ってくるのを待つだけとなった。

 

「お腹空いた・・・・」

 

「お父さんが帰ってきたらね」

 

「うん!」

 

しかしひかるのお腹がなり、自身が空腹であるとひかるの身体も知らせるとひかる本人は恥ずかしそうに苦笑いしながら頬を赤く染めていた。

 

「ルン。ドーナツ持ってきたルン」

 

ララはプルンスが作ったドーナツを持ってきたことを思い出すとドーナツを取りにひかるの家の中へと入っていった。

 

「何もないな・・・・」

 

「何してるルン?」

 

「っ!」

 

ララは冷蔵庫の中を見ている春吉に声をかけた。

 

「な、何もしておらん!」

 

「バーベキュー、一緒にしないルン?」

 

「私は、いい・・・・」

 

春吉は強がってみせるが、身体は正直で先程のひかるみたいに春吉のお腹がなると強がっていることがララにバレてしまった。

 

「くっ・・・・」

 

「オヨ?」

 

そんなララは首を傾げて何で春吉がみんなとバーベキューをしないのか不思議に思っていた。

 

 

 

To Be Continued

 

 




         次回予告


家族が離れ離れになったのは自分の所為だと思っている春吉

そんな春吉にひかるとこうたの思いは届くのか?


次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第60話 おかえりお父さん! 星奈家の大切な一日 後編

次回もお楽しみ!



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第60話 おかえりお父さん! 星奈家の大切な一日 後編

なんですか今日のデッカーは!?

映像が神がかっててめちゃくちゃテンション上がりました。

今回の話を担当した越監督はガッツホークのデザインを初めて見た時からデッカーと合体させようと考えていたそうです。

しかし、そのシーンの撮影時にデッカーのスーツアクターを担当する岩田さんからは「俺、これ(ガッツホーク)無くても飛べるよ」と言われたそうです。



ひかるの父、陽一の帰還とララの誕生日を祝うバーベキューを行うためにひかるの家にやってきたこうた達は準備を終えて陽一がイエティの散歩から帰ってくるのを待っている間に空腹のひかるのためにプルンスが作ったドーナツを取りにひかるの家の中に入ったララはそこで同じくお腹を空かせたひかるの祖父、春吉と遭遇し持ってきたドーナツを少し分けてあげた。

 

「離れて暮らしていて、外国のご両親は心配していないのか?」

 

「わたしのほ、国では私の年は大人ルン」

 

「親と言うのはいつまでたっても子供が心配なものだ」

 

「っ! あなたはひかるの父の父ルン?」

 

「ああ」

 

「でも心配してないルン・・・・仲悪いルン!」

 

「んんっ!」

 

ララがはっきりと指摘された春吉は思わずむせてしまっていた。

 

「はっきりいうのう・・・・」

 

ララにそう言われた春吉は陽一が初めて海外に出発した日のことを思い出していた。

その日はひかる達は陽一のことを見送っていたが、春吉だけはその様子を家の中から見ているだけだった。

 

「ドーナツ、ごちそうさん」

 

そう言って春吉はそのままどこかへ出掛けてしまった。

 

 

そして、ララと春吉が話をしていた頃・・・・

 

「あれ? こうたは?」

 

「なんか、一回家に帰るって言ってたよ」

 

ひかるはこうたがいない事に気づくとえれながこうたは家に帰っていることを伝えた。

 

すると・・・・

 

「こんにちは」

 

「あっ! おじさん!」

 

「しずかさんも!」

 

「こんにちはみんな」

 

そこへこうたの両親であるさとしとしずかがやってきた。

 

「お二人ともどうしてここに?」

 

「こうたから陽一くんが帰ってきていると聞いてね。だから私達もそのお祝いのバーベキューに参加しようと思ってね」

 

「だからほら! 追加の食材も持ってきたからみんなで食べましょ?」

 

「やったぁ!」

 

「ありがとうございます」

 

さとし達はこうたから陽一が帰ってきたことを聞いてバーベキューに参加するために追加の食材を持ってやってきたのだ。

 

「あの? こうた君は一緒ではないのですか?」

 

「あぁ、こうたは用事があるとか言ってどこかへ出掛けてしまっていてね」

 

「そうなんですか!?」

 

「そうなの。バーベキューまでには戻ると言っていたんだけど、どこに行っちゃったのかしら?」

 

まどかはこうたは一緒じゃないのかと質問するとこうたはどこかへ出掛けたとみんなに伝えた。

すると再びひかるのお腹がなりひかるはそれに対して苦笑いをした。

 

「おじいちゃん呼んでくる」

 

するとひかるの家からドーナツを取りに行ったララが出てきた。

 

「出掛けちゃったルン」

 

「えぇ!?」

 

「まぁ、どこにいっちゃったのかしら?」

 

「わたし、探してくる!」

 

「あたし達も!」

 

陽子が春吉の心配をしているとひかる達は春吉を探しに出掛けていった。 

 

 

 

「ありがとうございました!」

 

一方その頃、こうたは商店街で買い物をしていた。

 

「よし、そろそろ帰るか」

 

買い物を終えたこうたは自転車を走らせて帰りそして自転車と買ってきたものを自宅に置いて再びひかるの家へと向かった。

 

「ただいま」

 

「おかえりこうた」

 

そこでしずかがこうたを出迎えるがこうたは周りをキョロキョロ見渡すがひかる達の姿が見当たらなかった。

 

「あれ? ひかる達は?」

 

「それが、春吉さんがどこかへ出掛けちゃったらしくて探しに行ってるのよ」

 

「こうた、お前も春吉さんを探しに行ってこい」

 

「わかった。ちょっと行ってくる」

 

「気をつけてね!」

 

さとしはこうたも探しに行くように伝えるとこうたもそれを承諾してしずか達に見送られながらこうたも春吉を探しに出掛けた。

 

 

その春吉は天文台の入り口の側にある煉瓦の上に座って考え事をしていた。

 

「春ちゃん、陽一君帰ってきてるんだろ? いいのかい? こんなところにいて」

 

「フン! あんな奴・・・・」

 

「相変わらずだね・・・・」

 

そこへ春吉と、そして陽子の若い頃からの友人である遼じぃが春吉に話しかけるが春吉は相変わらず陽一と向き合おうとせずにいた。

 

「ハァ・・・・私が育て方を間違えたのか?」

 

「すみません!」

 

「はいはい!」

 

「遼ちゃん、忙しそうだな?」

 

「七夕だからね」

 

「そうか・・・・七夕か・・・・」

 

いま天文台では七夕に関するイベントを開催していてたくさんの親子が参加していた。

遼じぃは参加者から呼ばれてすぐに対応すると春吉は忙しい遼じぃを気遣って天文台を後にした。

 

「・・・・・・・・」

 

その様子を天文台の屋根の上からユニが見ていたのであった。

 

春吉は周りに木がたくさん生えている道を歩きながら真っ直ぐ自宅へと向かっていると草からガサガサと音がして気になってそこに視線を向けた。

 

「ノットレーイ!」

 

「なっ!?」

 

するとこのから数人のノットレイが頭に木の枝をつける変装をして出てきた。

 

春吉は驚いて腰を抜かしてしまうが何とかに逃げようとするもすぐに他のノットレイ達によって囲まれてしまう。

 

「あらちょうどいい・・・・ふふっ・・・・」 

 

ノットレイ達と一緒にいたテンジョウは春吉をノットレイへと変えてしまった。

 

「うわああああっ!」

 

「っ! 今の声は!」

 

そしてその近くにいたこうたは春吉の悲鳴を聞いて慌ててそこへ向かうとそこでテンジョウ達を見つけた。

 

「テンジョウ!」

 

「あらキュアスペース、グッドタイミングね」

 

「お前、ここで何をしてる!」

 

「決まってるじゃない。アンタ達のペンを奪うのさ! けど、それだけじゃないのよね・・・・」

 

「どういう意味だ!」

 

テンジョウは何かを企んでいる表情を見せるとこうたはテンジョウにその理由を問いただした。

 

「ダークネスト様からのご命令により、アンタを排除するのよ!」

 

「俺を排除するだと!?」

 

「そうよ! ダークネスト様はアンタを危険な存在と判断してわたし達にその排除を命じられたわ。だからアンタはここで終わりよ!」

 

「くっ!(ダークネストはペンだけじゃなくて俺にも狙いを絞ってきたってことか・・・・)」

 

こうたはノットレイダーの方針が変更されたことについて何となく想定はしていたが、まさかこうもはっきりと自分を狙ってくるとは思っていなかった。

 

「こうた!」

 

「っ! ひかる! みんな!」

 

そこへひかる、ララ、えれな、まどかの4人とプルンスとフワも駆けつけた。

 

「あら? 来たわねお嬢ちゃん達、さぁいけ!」

 

「ノットレーイ!」

 

するとテンジョウの背後から服装や髪型、そしてメガネが春吉そっくりの巨大ノットレイが姿を現した。

 

「おじいちゃん!?」

 

「春吉さん!?」

 

「ウッフフフフフ・・・・さぁ、ペンをおよこし!」

 

テンジョウや巨大ノットレイを警戒するこうた達の目の前に突然どこからか飛び降りてきたユニが姿を現した。

 

「ユニ!?」

 

「さっさとやるわよ!」

 

「今までどこに行ってたでプルンス!」

 

プルンスは今まで姿を見せなかったユニに対して文句を言っている間にみんなそれぞれ自身のペンダントとペンを取り出した。

 

 

 

『スターカラーペンダント!カラーチャージ!』

 

『キラめく~星の力で~!憧れの~私描くよ~!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『スター☆トゥインクル〜!スター☆トゥインクルプリキュア~~!』

 

 

「宇宙(そら)に輝く〜キラキラ星!キュアスター!」

 

「天にあまねく〜ミルキーウェイ!キュアミルキー!」

 

「宇宙を照らす!灼熱のきらめき!キュアソレイユ!」

 

「夜空に輝く!神秘の月明かり!キュアセレーネ!」

 

「銀河に光る!虹色のスペクトル!キュアコスモ!」

 

「光輝く聖なる宇宙!キュアスペース!」

 

 

『スター☆トゥインクルプリキュア!!』

 

そしてプリキュア達はコスモも入れた6人での初めての変身と名乗りを成功させた。

 

「まさか、裏切り者がプリキュアとはね」

 

「驚いたニャン?」

 

「フン! ダークネスト様のためにもまとめてやっておしまい!」

 

「ノットーーレイ!」

 

テンジョウが攻撃命令を出すと巨大ノットレイのメガネの両目から2本の青い光線が放たれるがプリキュア達はジャンプしてそれを回避する。

 

「おじいちゃーーん!」

 

ソレイユとミルキーが光線を回避しながら注意を惹きつけている間にスターは真っ直ぐ巨大ノットレイに向かって走っていた。

 

「ノットーーレイ!」

 

「ハアッ!」

 

そしてその光線がスターに向かって放たれるとセレーネは矢を放ちその光線を相殺する。

 

「ノット・・・・」

 

「させっかよ!」

 

「ノッ!?」

 

巨大ノットレイがメガネにエネルギーを集めている隙を狙ってスペースは巨大ノットレイの足元を狙ってスペースレイを放ち巨大ノットレイはバランスを崩した。

 

「ノットレーイ!」

 

「ルン!」

 

「フッ!」

 

「こっちこっち!」

 

だが巨大ノットレイはすぐに体勢を立て直して再び眼鏡から光線を放つが今度はミルキーが電撃を放ってそれを相殺したりスペースとソレイユが光線の注意を惹きつけたりする事で巨大ノットレイに向かうスターを援護した。

 

「ふぅん・・・・協力技ってわけね・・・・」

 

コスモは近くの木の枝にのってスペース達の戦いを観察していた。

 

「こっちもいくぜ! ウルトラスターカラーペン・ジード! ウルトラカラーチャージ!!」

 

スペースはプリキュアに変身する時と同じように ウルトラマンジードのペンをペンダントのキャップの部分に挿入し、それを抜いて星のマークを描く。

そしてペンの先でもう一度ペンダントの星の部分をタッチするとペンの先から紫色の光の線が現れてプリキュアに変身する時のようにその光の線がキュアスペースと接触するとスペースの姿が少しずつ変化していく。

 

服装が白い部分が銀色に変化すると、ペンダントの周りの胸の部分が赤くなっておへそから股関節の部分は黒くなると両手両足の部分に赤と黒のラインが入り、スペースはジードの力をやどした『キュアスペースジード・プリミティブ』へと姿を変えた。

 

「あれは!?」

 

「新しい姿ルン!?」

 

「なっ!? アイツまた・・・・」

 

それを見たソレイユとミルキー、そしてテンジョウはスペースの更なる変身に反応していた。

 

「プリキュア・レッキングリッパー!!」

 

スペースはジャンプした空中で胸の前で両腕を交差させ、両腕から放つ赤い切断光線『レッキングリッパー』を巨大ノットレイの足元に放ち巨大ノットレイの動きを一瞬だが封じた。

 

「おじいちゃん!」

 

そんなみんなからの援護のおかげでスターは巨大ノットレイの側までやってきた。

 

『息子の育て方を間違ってしまった。輝美さんやひかるに辛い思いをさせてしまって・・・・私のせいで・・・・こうなってしまった!』

 

「ノーーットレーーーイ!」

 

「ちょっと、何!?」

 

春吉の負の感情が高まると巨大ノットレイは暴走して敵味方関係なく見境なしに光線を放ち始めた。

 

「おじいちゃん! うっ!」

 

スターは春吉に呼びかけようとするが飛んできた光線を星形のエネルギーを生成しバリアにして防ぐがその勢いまでは止められず、スターは後方へ吹き飛ばされた。

 

『家族は一緒にいなければ・・・・いけないんだ!』

 

そして巨大ノットレイの光線が再びスターに向かって放たれるとそれをスペースは両手から放射した光のエネルギーで、体の前面に円状のバリア『ジードバリア』を展開してスターを守った。

 

「スペース!」

 

「春吉さん、あなたの気持ちもわかります。確かに家族は一緒にいないと寂しい時もある・・・・けど、ひかるや輝美さんは陽一さんからの手紙を読んでとても嬉しそうにしてた。手紙を通して伝わる陽一さんが頑張っている姿に2人はいつも元気や勇気をもらってたんです! その時に思ったんです。離れてたって思いは繋がってるんだって!」

 

 

「そうだよ! わたし・・・・大好きなものを追いかけてるお父さんとお母さんが大好きなんだ! 離れてたって・・・・家族は、家族だよ!!」

 

「ハアッ!」

 

「ノットレイ・・・・」

 

スペースはバリアで光線を弾くと巨大ノットレイはそれに怯んでいた。

 

「くっ、さっさとやっておしまい!」

 

「ノットーーレーーイ!」

 

『うわあっ!』

 

『ううっ!』

 

テンジョウが持っていた扇子に歪んだイマジネーションの力を込めると巨大ノットレイはプリキュア達に連続で光線を放ち続けた。

 

「サザンクロスショットが打てない・・・・」

 

スター達は光線を回避するので精一杯でサザンクロスショットを打つ余裕がなかった。

 

「ジードクロー!」

 

そんな中でスペースが頭上に右手をかざすとそこに光の粒子が集まって形になった。

 

それは持ち手のトリガーがついていて中央のスイッチを押し込むことで、トリガーを引いた回数に応じた必殺技が発動する左右に2本の爪を持つ武器『ジードクロー』だった。

 

そしてスペースはジードクローのトリガーを2回引いた。

 

「プリキュア・コークスクリュージャミング!!」

 

トリガーを2回引いてスイッチを押し込むと、クローを頭上に突き出してスペースは体をドリルのようにスピンさせて赤黒い闇をエネルギーを周りに纏いながら敵へ突撃する技『コークスクリュージャミング』でスペースは巨大ノットレイのボディーに突撃した。

 

「うおおおおおおっ!!」

 

その攻撃を巨大ノットレイはなんとか立ったまま踏ん張っているがスペースは回転するスピードを更に加速させて技の威力の上げた。

 

「ノットレイ・・・・」

 

それに耐えられなくなった巨大ノットレイの胸元が爆発するとそのまま仰向けに倒れた。

 

「ノット・・・・」

 

「はああああっ!」

 

しかし巨大ノットレイはそれからすぐに上半身を起き上がらせると再び眼鏡から光線を放とうとエネルギーを蓄えているのを見たスペースも両手を横に広げて先程のように全身から赤黒い闇のエネルギーを放出し目も激しく光っていた。

 

「スペース!?」

 

「何するつもり!?」

 

それを見ていたセレーネとソレイユはスペースを心配する眼差しで見ていた。

 

「プリキュア・・・・」

 

「レーーイ!!」

 

「レッキングバースト!!」

 

巨大ノットレイが今までで一番強い威力の光線を放つと、スペースは全身を発光させながら赤黒い稲妻状の光子エネルギーを両手に集中させた後に腕を十字に組んで放つ70万度の必殺光線『レッキングバースト』を放つと2つの光線は激突して激しく拮抗していた。

 

「ノットレーーイ!」

 

「はああああっ!」

 

しかし徐々にスペースの技が巨大ノットレイの光線を押していきレッキングバーストは巨大ノットレイの顔に直撃した。

 

「ノットレーーイ! ノット!? ノットレイ!?」

 

その時に巨大ノットレイの眼鏡が破壊されて周りが見えなくなった巨大ノットレイは両手を前に出して周りをキョロキョロしていた。

 

「今だ!」

 

「ちょっと借りるニャン」

 

「オヨ!?」

 

「コスモ!?」

 

スペースがプリキュア達に呼びかけると先程までずっと観察していたコスモがミルキーの背後に現れてミルキーが持つふたご座のプリンセススターカラーペンを持って巨大ノットレイの前に立った。

 

「レインボーパフューム! いくニャン!」

 

コスモはふたご座のペンをレインボーパフュームにセットした。

 

「プリンセススターカラーペン! ふたご座! くるくるチャージ!」

 

パフュームの上の部分を回してエネルギーがチャージされると、そのパフュームをノットリガーに向けた。

そしてチャージされたエネルギーはサザンクロスのようにひし形の光を放っていた。

 

「プリキュア・レインボースプラッシュ!!」

 

「ノットレーイ・・・・」

 

巨大ノットレイはレインボースプラッシュを受けて浄化されると巨大ノットレイがいた場所にはうつ伏せに倒れている春吉の姿があった。

 

「フン!」

 

その様子を木の影から見ていたテンジョウはそのまま転移して撤退した。

 

「んっ・・・・」

 

スターが春吉を抱き起こすと春吉は気絶しているだけだとわかりみんな安心していた。

 

「コスモ、ありが・・・・あれ?」

 

「また消えちゃったルン・・・・」

 

「全く、おいしいところを持っていくでプルンス・・・・」

 

「あっ!」

 

スターがコスモにお礼を言おうとしたが既にコスモの姿はなく、スペースは近くにあるベンチの上に先程コスモが使ったふたご座のプリンセススターカラーペンが置かれているのに気づいてペンを回収した。

 

「ワン! ワン!」

 

「イエティ! 待って! どこに行くんだ!?」

 

「お父さん!?」

 

「急いで隠れろ!」

 

そこへイエティと陽一がやって来てスター達は春吉をベンチに座らせるとそのままその後ろの林の中にみんなで隠れた。

 

「親父!?」

 

陽一は春吉の存在に気づくと急いで駆け寄った。

 

「大丈夫か?」

 

「うっ・・・・だ、大丈夫だ・・・・何がなんだか・・・・」

 

春吉が目を覚まして安心した陽一だったが春吉はベンチから立ち上がるがその身体はフラついていたので陽一は何も言わずに春吉に肩を貸すのであった。

 

「おっと」

 

「お前の助けなど借りん!」

 

「いいから・・・・」

 

「・・・・・・・・」

 

最初は助けを拒んだ春吉だったが最後には素直になり2人で夕日に照らされた道をゆっくりと歩きながら自宅へと向かい、そんな2人の表情はどこか嬉しそうな表情をしていた。

その様子を見ていたひかる達も別ルートでひかるの家に向かい、夜になると準備していた陽一の帰還とララの誕生日を祝うバーベキューが始まった。

 

「ララ、お誕生日おめでとう! そしてお父さんおかえりなさい!」

 

『おめでとう!』

 

「ありがとルン」

 

陽一は輝美と、ララはひかるや他のみんなと持っていたカップを使って乾杯していた。

 

「・・・・うまいでプルンス。」

 

「フワ!」

 

木の影に隠れているプルンスとフワは焼いたお肉やとうもろこしを食べていてとても満足そうにしていた。

 

「やっぱりこの町は星がきれいだな・・・・」

 

「お父さんは世界中で星を見てるんだよね」

 

「どこにいても星は見えるものね」

 

「あぁ。空はこの町につながっているからな」

 

陽一は両脇にいる輝美とひかるの肩を抱き寄せながら3人で夜空を見ていた。

 

「七夕は一年に一度、大切な人に会える日ルン?」

 

「あぁ・・・・」

 

「ひかる嬉しそうルン」

 

ララと春吉は話をしながらひかる達のことを見ていた。

ひかる達はベガとアルタイルの話や輝美の次の漫画はUMAを主人公にしたらどうかなど色々なことを楽しそうに話していた。

 

その様子を見ていた春吉は安心したような表情をしながら家の中へと入っていった。

 

「ララ!」

 

「こうた? どうしたルン?」

 

「改めて、誕生日おめでとう! これ、俺からの誕生日プレゼント。よかったら受け取ってくれないか?」

 

「ありがとルン! 中を見てもいいルン?」

 

「勿論」

 

こうたはミントカラーのリボンがついた大きな袋をララに渡すとララはリボンを解いて中身を取り出すと、中からプルンスぐらいの大きさの黄色い星形のクッションが出てきた。

 

「ララがプリキュアに変身すると頭の飾りとかセンサーが星形になるからどうかなって思ったんだけど、気に入ってもらえたかな?」

 

「嬉しいルン。ありがとルン!」

 

ララはクッションを胸元で抱きしめながらこうたにお礼を言った。

 

「あぁ〜! こうたがララにプレゼント渡してる!」

 

それに気づいたひかる達がこうた達のところに集まってきた。

 

「抜け駆けは良くないんじゃないかな?」

 

「わたくしだってララにプレゼントを渡したかったです!」

 

「ごめん悪かったって・・・・」

 

えれなとまどかもこうたに文句を言ってきてそれに対してこうたはみんなに謝罪した。

こうたが買ってきたクッションはさっき出掛けていた時に買ったもので、こうたはララに誕生日プレゼントを買うために出掛けていたのだ。

 

「(こうた・・・・ありがとルン)」

 

ララはそのクッションを大事に抱きしめながらみんなに詰め寄られているこうたに対して心の中で改めて感謝の言葉を送っていた。

それからひかる達も後日改めてララにプレゼントを送ることになり、こうたもひかる達がそれぞれ誕生日の時にプレゼントを渡すということでその場はおさまった。

 

その後もみんなで話をしたりバーベキューの料理を食べたりとみんなそれぞれ盛り上がっている姿をユニはひかるの家の屋根の上からジッと見ているのであった。

 

「食べるか?」

 

「え?」

 

そこへキュアスペースに変身したこうたがバーベキューのお肉や野菜などを乗せた小皿を持ってやってきた。

 

「あなた、こんなことにプリキュアの力を使っていいの?」

 

「仕方ないだろ? 食べ物を持って自力でここまで来るのは無理だったし、前にも荷物運びでプリキュアの力を使ったしな」

 

「なにやってるのよ・・・・」

 

ユニは戦い以外の理由でプリキュアの力を使っていることに対して呆れていた。

 

「ユニも見てないでみんなと一緒に食べればいいのに・・・・」

 

「言ったでしょ? 団体行動は苦手ニャン。それに一人の方が色々と動きやすいしラクなのよ」

 

「まぁそうかもしれないけどさ・・・・」

 

スペースはユニが一人でいたいという理由を全てではないが少しは納得していた。

 

「けど何も食べずに帰るってのもなんだしさ、これぐらいは食べてってくれよ」

 

「え? ちょっ!?」

 

「それじゃあ! あと今日はありがとな。マジで助かった」

 

そう言うと飛んでいたスペースは家の裏に着地してこうたに戻ると再びみんなのところに戻っていった。

 

「全く、相変わらずお節介な奴ニャン・・・・美味しい」

 

強引に料理を渡してる去るスペースに対して呆れていたユニだったが、もらったお肉を一口食べると美味しかったので結局全て完食すると誰にも気づかれないように食べ終えた小皿をそっと他の小皿が置いてあるところに置くと再び姿を消した。

 

 

翌朝、陽一が再び海外に出発するので家の前で家族みんなで見送りをしていてそこには春吉の姿もあった。

 

「いってらっしゃい」

 

「気をつけてね」

 

「・・・・・・・・」

 

すると輝美と陽子が陽一と話してる間に春吉は無言で家の中へと戻ってしまった。

 

「おじいちゃん・・・・」

 

「もう! しょうがないわね・・・・」

 

「でも、今日は見送りに出てくれた」

 

「あぁ」

 

ひかると陽子は春吉が戻ってしまったことにしょんぼりしていたが輝美と陽一は見送りに出てくれただけでも進展してると考えていて嬉しそうだった。

 

「いってきます!」

 

「お父さん、いってらっしゃい!」

 

こうして陽一は出発し、ひかるも陽一が見えなくなるまで手を振り続けていた。

 

 

 

To Be Continued

 




         次回予告


ユニの歓迎会を開くこうた達・・・・

しかし、フワがユニの持っていたクッキーを食べて大変なことに・・・・

一体どうなってしまうのか・・・・


次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第61話 大パニック! フワの大量発生! 前編

次回もお楽しみ!



※もしよろしければ、皆さんがこれまでの話で感じた感想やコメントがあれば送って下さい。
皆さんからのコメント、そして評価が頂けたら凄く嬉しいです。
よろしくお願いします。


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第61話 大パニック! フワの大量発生! 前編

遅くなってすいません。

仕事など色々な事情があり投稿が遅くなってしまいました。

なのでお詫びも含めて、今日の夜にも後編を投稿するのでそちらも楽しみにしていてくれたら嬉しいです。



『ウェルカム! ユニ!』

 

「歓迎会って、今さら?」

 

こうた達はロケットの中でユニの歓迎会を開き、机の上にはお菓子やサンドイッチ、ジュースなど色々な食べ物や飲み物が並んでいた。

 

「ユニいつも何してるルン?」

 

「ちゃんとご飯食べてるの?」

 

「なるほどね・・・・それで急に歓迎会って言いだしたわけ・・・・」

 

「まぁ、そんな感じかな? ユニが何処にいるわからないから探すの苦労したんだぞ?」

 

ララとえれながユニが普段は何をしてるかとかご飯の心配したことでユニは自分の事を心配したひかる達がこんな歓迎会を開いたのだと理解した。

 

「でも大丈夫ニャン!」

 

「ん?」

 

「携帯食持ってるから」

 

「いい匂いフワ・・・・」

 

ユニは携帯食だという猫の顔の形をしたクッキーを取り出してその匂いにフワは反応していた。

 

「クッキーもいいけど、見てよ! えれなさんが作ったキラやば〜っ☆ なご馳走!」

 

「みんなでいただきましょう」

 

「ペンを集めに行かないなら帰ってもいい・・・・あ!」

 

ユニは手に持っていたクッキーを食べようとするとその手にクッキーがないことに気づくとユニが持っていたクッキーはフワが勝手に取って食べてしまっていた。

 

「それは食べちゃダメ!」

 

「フワ! フワ・・・・」

 

「フワどうしたでプルンス!?」

 

クッキーを食べたフワは突然顔を真っ赤にすると急に大人しくなり、プルンスがフワに近づいて心配していた。

 

「フワ・・・・フワ・・・・ひっく!」

 

「え?」

 

「なっ!?」

 

そんなフワがしゃっくりをすると突然フワが増殖してフワが4体になった。

 

『えぇ〜〜っ!!』

 

 

その後もフワの増殖は止まることなくロケットの中はフワの分身体でいっぱいになりつつあった。

 

「ユニ、そのクッキーを貸してくれ」

 

「えっ、えぇ・・・・」

 

「ララ、このクッキーの分析を頼む」

 

「わかったルン!」

 

こうたはユニから携帯食のクッキーを預かるとそれをララに渡してロケットの機材を使ってAIにクッキーの分析をしてもらった。

 

『宇宙マタタビ入りのマタークッキーがフワの増殖を引き起こした確率は99.26%』

 

「宇宙マタタビって猫が好むあのマタタビですか?」

 

「地球にもあるルン?」

 

「宇宙にもあるんだ!」

 

AIの解析の結果、マタークッキーに含まれる宇宙マタタビの成分が原因でフワが増殖していることが判明し、まどかとララ、そしてひかるは猫が好むマタタビについて話していた。

 

「私は食べても大丈夫だけど、まさかこんなことになるなんて・・・・」

 

「フワ・・・・ひっく!」

 

「別にユニの所為じゃないだろ?」

 

「でも、私の不注意の所為でこんな・・・・」

 

「反省するより先に、まずはこの状況をどうするかを考えるのが先だろ?」

 

「・・・・そうね」

 

ユニは責任を感じているとこうたがユニに話しかけてこれからどうするか考えるように促した。

 

『お腹空いたフワ!』

 

「え?」

 

すると突然、フワ達はお腹が空いたと言って歓迎会の為に用意された料理を片っ端から食べ始めた。

 

「料理が消えちゃった!?」

 

『美味しいフワ!』

 

「増殖したフワも消えました!」

 

「食べれば消えるってこと?」

 

「そうみたいだな」

 

料理がなくなることにひかるが驚いている間にそれを食べたフワが次々と消滅したのをまどかが確かめるとどうやらフワ達はご飯を食べると消えるということが判明した。

 

『お腹空いたフワ!』

 

『美味しいフワ!』

 

『お腹空いたフワ!』

 

『美味しいフワ!』

 

そしてひかるがトィンクルブックに食べ物を描いて具現化させるとそれを食べたフワ達は消滅し、そしてまた別のフワ達が来てひかるが食べ物を描いて具現化させた物をフワが食べるとそのフワ達も消滅し、そしてまた別のフワ達が・・・・とそれがずっと繰り返されていた。

 

「これじゃあ追いつかないよ!」

 

「本物のフワは何処でプルンス!?」

 

ブーーッ! ブーーッ!

 

『緊急事態です』

 

プルンスが本物のフワを探している間にロケットの警報が鳴り響いて何事かと思っていると増殖したフワ達が勝手にロケットの外へと出てしまい、その中には本物のフワもいてロケットの外でもフワが増殖し続けていた。

 

「あぁ!? まずいでプルンス!」

 

『ロケットの外に出たコピーフワの足取りを追跡しています』

 

「こんなにたくさん外へ・・・・」

 

『フワからコピーフワが増え続けています』

 

「早く本物のフワを連れ戻さないと大変なことになるぞ!」

 

「コピーもフワも何とかしないと!」

 

AIからの知らせを聞いてユニとこうた、えれなの3人は一刻も早くフワ達を何とかしなければいけないと焦っていた。

 

『美味しいフワ!』

 

「こっちも限界・・・・」

 

「まもなくドーナツが出来上がります!」

 

『お腹空いたフワ!』

 

ひかるも悲鳴を上げる中でまどかとララはドーナツを大急ぎで作っていた。

 

「・・・・フワは、私が何とかするニャン!」

 

「あっ! おいユニ!」

 

「ユニ! こうた!・・・・ん?」

 

ユニがロケットから飛び出すとそれを追ってこうたもロケットから出ていった!

それを見ていたえれなはこれからどうするかを考えている時に偶然ロケットの角に小皿と一緒に置かれていた紙袋の存在に気づいた。

 

「ここはお願い!」

 

そしてえれなもその紙袋を持ってロケットの外へと飛び出した。

 

 

 

 

「ニャン! ・・・・あなたも、あなたもコピー・・・・」

 

「ユニ、闇雲に飛び出したって食べ物がないとコピー達をどうすることもできないだろ?」

 

「それは・・・・」

 

『お腹空いたフワ!』

 

こうたはフワを探すユニに追いつくが食べ物がないのでコピー達に対処できずにいた。

 

「どうすれば・・・・」

 

「食べ物ならあるよ!」

 

「えれな?」

 

そこへ紙袋を持ったえれなも合流した。

 

「今朝、サンドイッチ作った時のパンの耳。どうぞ?」

 

『美味しいフワ!』

 

紙袋から出されたパンの耳を食べたフワ達はそのまま消滅した。

 

「えれなサンキュー! 助かった」

 

「どういたしまして」

 

「パンの耳?」

 

「食パンの端をね、切り落とすの・・・・はい」

 

ユニは食パンの耳を知らなかったのでえれなは説明しながらパンの耳をいくつかえれなに渡した。

 

『お腹空いたフワ!』

 

すると近くにいた大量のコピーフワ達が一斉にこうた達の所に集まってきた。

 

「まずいニャン!」

 

「これじゃあ人に見つかっちゃう!」

 

「えれな! いくつかパンの耳を渡してくれ!」

 

「わかった!」

 

そしてこうた達は手分けしてパンの耳をコピーフワ達に食べさせた。

 

『美味しいフワ!』

 

「パンの耳足りるかな・・・・」

 

『美味しいフワ!』

 

『美味しいフワ!』

 

『美味しいフワ!』

 

それから何とかその場に集まってきたコピーフワ達は全員消滅した。

 

「パンの耳全部食べられた!」

 

しかしパンの耳も全て食べられてしまい、ユニはパンの耳が入っていた紙袋をクシャクシャに握りつぶした。

 

「こうた! ユニ! えれなさん!」

 

「ひかる!」

 

そこへたくさんのドーナツの入った箱を持ったひかるとプルンスがこうた達のところへやって来た。

 

「これ」

 

「絶品プルンスタードーナツのお届けでプルンス!」

 

「ナイスひかる!」

 

「宇宙栄養士として完璧な調合を・・・・」

 

「ありがとう。で、ロケットの方は大丈夫?」

 

「ララとまどかさんに任せたから大丈夫!」

 

「本物の動きは?」

 

「フワは森を出て湖の方へ向かってるってAIさんが・・・・」

 

「って! 聞いてるでプルンス!?」

 

「プルンス! 説明なら後で聞くから今はフワの方が優先だ!」

 

「せ、正論でプルンス・・・・」

 

えれなとユニはひかるから現状の確認と本物のフワの行方に関する情報を聞いているとプルンスがドーナツについての説明をするがみんなそれを聞いていなかったことに怒るが、こうたにフワの方が優先だと言われてそれが正しいと理解するとそれ以上は何も言わなかった。

 

 

「湖なら1人で行ける!」

 

「ユニ!」

 

「俺が行く!」

 

「別の群れがひかるの家の方へ接近中なんでプルンス!」

 

「私は家の方へ行くからえれなさん、こうたと一緒にユニと行って!」

 

「OK!」

 

ユニとこうた、そしてえれなの3人は湖の方へ、そしてひかるとプルンスはひかるの家へと向かった。

 

その後はみんなの奮闘もありロケット内とひかるの家付近にいたコピーフワ達は無事に対処できた。

 

しかし、ロケットのドーナツ製造機はオーバーヒート、ひかるは春吉に大事な話をするということになり身動きが取れなくなった。

そんな中でララとまどかは完成しているドーナツを持ってロケットの外へと向かった。

 

『フワーッ!』

 

『フワーッ!」

 

こうた達は湖に向かう途中で出会ったコピーフワ達に対処しながら商店街の近くにある湖へと向かっていた。

 

「観星町のことは調べたし、湖の場所もわかってる! 本物のフワは私が保護するから!」

 

「お前そんなことしてたのか?」

 

「そうよ! 万が一に備えて色々と準備してたの! だからここは私に任せて・・・・」

 

「任せてって・・・・アレも1人で何とかできるの?」

 

「え?・・・・ニャッ!?」

 

「なっ!?」

 

えれなに言われた方向でユニとこうたが見たのは本物のフワも混じった大量のコピーフワ達が湖の上の橋を渡って商店街へと向かっているところだった。

 

『フワ!』

 

「フワ・・・・ひっく! フワ・・・・ひっく!」

 

『お腹空いたフワ!』

 

「フワ、商店街に向かってる!」

 

「ヤベェ!」

 

『フワ!』

 

こうた達は今も増え続けているコピーフワ達を追って急いで商店街へと向かったのであった。

 

 

 

To Be Continued

 

 




         次回予告


フワの増殖は自分の所為だと責任を感じているとユニ

そんなユニを思うえれな達の気持ちはユニに届くのだろうか?


次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第62話 大パニック! フワの大量発生! 後編

次回もお楽しみ!



※もしよろしければ、皆さんがこれまでの話で感じた感想やコメントがあれば送って下さい。
皆さんからのコメント、そして評価が頂けたら凄く嬉しいです。
よろしくお願いします。



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第62話 大パニック! フワの大量発生! 後編

ロケットでユニの歓迎会を開いていたこうた達だったが、ユニが携帯食としてもっていたマタークッキーを食べたフワが突然増殖してロケットの外へと出て行ってしまった。

 

そのコピーフワの群れを追ってこうた、ユニ、えれなの3人は商店街に向かうコピーフワの群れに何とか追いつくことができた。

 

「早く、ドーナツをフワに!」

 

「今はダメ!」

 

ユニがドーナツをコピーフワ達にあげようとするがえれなはそれを止めた。

その理由は前方から2人のお婆さんが歩いてきていたのでお婆さんの目の前でコピーフワ達を消滅させるわけにはいかなかったのでえれなはユニを止めたのだ。

 

「おや? キャット?」

 

「ドッグじゃない?」

 

お婆さん達はフワが猫が犬と勘違いしてるお陰でやり過ごすことができ、それに便乗してこうた達も一緒にお婆さんの横を通り過ぎていった。

 

「商店街に行けばもっと人が・・・・」

 

「人目を避けられればその間に・・・・」

 

「けど、商店街の人達の注意を引くにしたってどうやって・・・・」

 

「・・・・っ! フワをお願い!」

 

「え?」

 

「ユニ!」

 

ユニ、えれな、こうたの3人はどうするかを考えていると何かを思いついたユニが持っていたドーナツをこうたに預けてコピーフワ達より先に商店街の中へと入っていった。

 

そんなユニの手にはレインボーパヒュームが握られていた。

 

「みんな! こんにちは!」

 

「ん?」

 

「だれ?」

 

「宇宙アイドル『マオ』ニャン! 私の歌聞いてニャン!」

 

それからユニは宇宙アイドル『マオ』へと変身して商店街の入り口付近の広場の中心にある噴水のてっぺんに立って歌い始めた。

 

みんなが歌に夢中になっているその隙にこうたとえれなはドーナツを使ってコピーフワ達を建物の角へと誘導してドーナツをコピーフワ達に食べさせた。

 

「みんな・・・・今日はありがとニャン!」

 

こうして突然のライブを終えたユニはその場を離れるとこうたとえれなのところに合流した。

 

「本物のフワいた?」

 

「いや、いなかった」

 

「そう・・・・」

 

本物のフワがいないと知るとユニは最初はガッカリした表情を見せるがすぐに気持ちを切り替えて1人で本物のフワを探しに行こうとした。

 

「待って! どうして一人で行こうとするの?」

 

「決まってるでしょ! 私の責任だから・・・・」

 

「責任って・・・・」

 

えれながユニを呼び止めてユニが一人で行こうとする理由を聞くとユニは自分の所為だと責任を感じていることを話してくれた。

 

「私の所為で起きたことだから、誰にも迷惑はかけたくない!」

 

「ユニ・・・・」

 

「・・・・あのね、責任だとか迷惑だとかそんなこと思ってない。みんな、フワが心配で探してるんだよ。フワだけじゃない・・・・あなたのことも・・・・」

 

「っ!」

 

えれながユニも心配だと伝えるとユニもそれに反応してユニは振り返ってえれなのことを見た。

 

「今までは一人でなんでも解決してきたかもしれないけど、一人で抱え込まないで・・・・みんなで分け合うっていいもんだよ」

 

「みんなで分け合う?」

 

「うん」

 

「・・・・・・・・」

 

ユニはえれなに言われた言葉を聞いてこうたの方を見るとそれに気づいたこうたは静かに頷くことで自分もえれなと同じ気持ちであることを伝えた。

 

「アレは!?」

 

するとそこへノットレイダーが使っているUFOが商店街近くの草むらに飛来した。

 

それを見たえれな達はそこへ急いで向かった。

 

「なにぃ!? これは、どれが本物のフワなのだ!」

 

「ノットレイ!」

 

「ノットレイ!」

 

カッパードやノットレイ達も本物のフワを探しているがコピーフワが多すぎて見つけられずにいた。

 

『お腹空いたフワ!』

 

「カッパード!」

 

「プリキュア」

 

そこへこうた達も到着してフワを探し始めた。

 

「本物のフワは・・・・」

 

「っ!」

 

「フワ・・・・ひっく! フワ・・・・ひっく!」

 

「いた!あそこ!」

 

ユニは顔を真っ赤にしてしゃっくりをしている本物のフワを見つけてそこへ真っ直ぐ駆け出した。

 

「ん? そこか!」

 

「バレた」

 

「フッ!」

 

「ダメ!」

 

「やめろユニ!」

 

カッパードが本物のフワのところへ向かう為にUFOから飛び降りるとユニはフワん庇うためにフワの前に両手を広げて飛び出した。

 

「バカめ!」

 

「うわあっ!」

 

「ユニ!」

 

ユニはカッパードの水攻撃を受けて吹き飛ばされてしまうとカッパードはその手にフワを捕まえた。

 

「フワ? フワ〜ッ!」

 

「フッハハハハハハ!」

 

「ユニ、大丈夫か?」

 

こうたは倒れているユニの身体を支えて立ち上がらせた。

 

「ユニ、怪我はない?」

 

「ごめん、おじいちゃんの説得で遅くなっちゃった!」

 

「フワが・・・・」

 

そこへえれなとそしてひかる達も合流した。

 

「フッハハハハハハ! 遂にフワを手に入れたぞ!」

 

「フワ!」

 

「フッハハハハハハ! 」

 

カッパードはフワを宙に浮かぶ檻の中に閉じ込めるとUFOの上に乗ってある程度の高さまでUFOと共に上昇した。

 

「・・・・私の所為・・・・」

 

「ユニ・・・・」

 

ユニが自分を責めているのをこうたは側で心配していた。

 

「さぁ、キュアスペース・・・・次はお前の番だ!」

 

「なに!?」

 

するとカッパードが今度はこうたに狙いを定めてきた。

 

「ダークネスト様から命により、貴様をこの場で排除する!」

 

「こうたを排除ってどうゆうこと!?」

 

こうたが狙われていることを知ったひかるがどういうことなのかと叫んだ

 

「そいつは危険な存在だ。我々にとっては大きな障害でしかない! 故にダークネスト様はキュアスペースを排除し、奴の持っているウルトラマンの力を全て奪うように我々に命じられたのだ!」

 

「こうたを排除って・・・・」

 

「そんな・・・・」

 

「そんなこと、させません!」

 

「みんな・・・・」

 

それを聞いたララ、えれな、まどかはこうたを守ろうとする意志を強く示した。

 

「フワは渡さないし、こうたも絶対に守る! みんな!」

 

『うん!』

 

「いくぞ」

 

「・・・・えぇ!」

 

ひかるの掛け声にララ、えれな、まどかの3人が反応し、こうたもユニに話しかけるとユニもそれに反応した。

 

 

『スターカラーペンダント!カラーチャージ!』

 

『キラめく~星の力で~!憧れの~私描くよ~!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『スター☆トゥインクル〜!スター☆トゥインクルプリキュア~~!』

 

 

「宇宙(そら)に輝く〜キラキラ星!キュアスター!」

 

「天にあまねく〜ミルキーウェイ!キュアミルキー!」

 

「宇宙を照らす!灼熱のきらめき!キュアソレイユ!」

 

「夜空に輝く!神秘の月明かり!キュアセレーネ!」

 

「銀河に光る!虹色のスペクトル!キュアコスモ!」

 

「光輝く聖なる宇宙!キュアスペース!」

 

 

『スター☆トゥインクルプリキュア!!』

 

 

 

『ノットレーイ!』

 

「ハアアア〜ッ!!」

 

『ノットレーイ』

 

変身が完了すると向かってくるノットレイ達をスターが力を貯めた拳で殴り飛ばした

 

「フワを助けるルン!」

 

『ノットレーイ』

 

ミルキーの電撃を受けたノットレイ達は次々と倒されていった。

 

「そして、スペースもやらせない!」

 

「そうです! あなた方の好きにはさせません!」

 

『ノットレーイ』

 

ソレイユの炎を纏った蹴りとセレーネの矢による攻撃を受けたノットレイ達もまた次々と倒されていった。

 

「あの・・・・気持ちは嬉しいんだけどさ・・・・俺も一緒に戦うから・・・・」

 

「ダメです!」

 

「敵の狙いはスペースルン!」

 

「ここはあたし達に任せて!」

 

「フワは絶対、わたし達が取り戻すから!」

 

「えぇ・・・・」

 

スペースも戦いに参加しようとするとセレーネ、ミルキー、ソレイユ、スターに止められてしまいスペースは守ってくれる気持ちは嬉しいが思うように動けなかった。

 

「いくニャン!」

 

「コスモ!?」

 

「単独行動は危険です!」

 

そんな話をしている間にコスモは一人でカッパードの側にいるフワのところへジャンプするとそれに気づいたソレイユとセレーネがやめるように訴えるがコスモにはそれが聞こえていなかった。

 

「フワは手に入れた。プリキュアを、特にキュアスペースを倒して全てのペンもこの手にしよう・・・・我が刃よ!とくと吸え!歪んだ!イマジネーション!」

 

そしてカッパードは目をつけたコピーフワ達の胸から暗い色のハートが現れてそれがカッパードの薙刀へと吸収されるとその薙刀が歪んだイマジネーションを纏った白いモコモコへと変化するとコピーフワ達はイマジネーションを吸い取られて気絶していた。

 

「コレは、中々面白そうだ」

 

「ハアア〜ッ!」

 

「ノットレーイ!」

 

「邪魔ニャン!」

 

ジャンプしたコスモに向かってくるノットレイに対してコスモは蹴り技で対抗して蹴られたノットレイを足場にしてカッパードまで一気にジャンプする。

 

「フッ」

 

カッパード薙刀を頭上で振り回すとそのモコモコからたくさんのモコモコがコスモに向かって放たれていき、コスモはそれを一つずつかわしていく。

 

「私が、必ずフワを・・・・」

 

「くっ」

 

「取り戻す!」

 

「甘い!」

 

「っ! しまった! 出られない・・・・」

 

カッパードは薙刀を振り回す回転速度を上げると先程よりも大量のモコモコがコスモのところへ飛んでいき、なんとか避け続けたコスモだったが大きなモコモコに捕まるとそのモコモコと一緒に地上へ落ちていった。

 

「トドメだ!」

 

「「プリキュア!」」

 

「ソレイユシュート!!」

 

「タイガ・スペースレイ!!」

 

「くっ!」

 

ソレイユの技とスペースのタイガのペンの力で強化された虹色の光線の技を放たれたことでカッパードはコスモへと追撃を諦めて防御を選択した。

 

「うわあああ〜っ!」

 

「コスモ!」

 

そしてコスモを閉じ込めたモコモコが地面に激突して跳ね上がるとそれと同時にコスモはモコモコから解放されるがこのままでは地面に激突してしまう。

 

そんなコスモをプルンスをマット状に広げたコスモとスペース以外のプリキュア4人がコスモを受け止めた。

 

「え?」

 

「危なかったでプルンス」

 

「どうして・・・・え?」

 

コスモはどうして自分を助けてくれたのかがわからず戸惑っているとソレイユが乙女座のプリンセススターカラーペンをコスモに渡した。

 

「言ったでしょ? 責任、分け合うって・・・・」

 

「・・・・・・・・」

 

「フワを、取り戻して!」

 

『・・・・うん!』

 

みんなソレイユと同じ気持ちなのか、スター、ミルキー、セレーネもそれに頷いていた。

 

「コスモ」

 

「え?」

 

そこへスペースも話に入ってきた。

 

「お前はもう一人じゃない。だから・・・・一緒にいくぞ!」  

 

「アンタ・・・・」

 

「でもスペースは・・・・」

 

「責任、分け合うんだろ? 俺だけ仲間はずれはなしだぜ!」

 

「・・・・わかった。お願い!」

 

「おう!」

 

ソレイユはスペースを止めようとするがスペースの言葉を聞いてスペースの参加を認めた。

 

そしてみんなの視線がコスモに集中するとコスモは戸惑いながらもソレイユの持っていたおとめ座のペンを掴んだ。

 

「・・・・任せるニャン!」

 

キラーン!

 

「ん?」

 

するとスペースのペンケースの中から光が溢れだし、スペースがその光っているペンを取り出すとそれはオーブのウルトラスターカラーペンだった。

 

「ガイさん、力を貸してくれるんですね。よぉし! ウルトラスターカラーペン・オーブ! ウルトラカラーチャージ!!」

 

スペースはウルトラマンオーブのペンをペンダントのキャップの部分に挿入し、それを抜いて星のマークを描く。

そしてペンの先でもう一度ペンダントの星の部分をタッチするとペンの先から虹色の光の線が現れてプリキュアに変身する時のようにその光の線がキュアスペースと接触するとスペースの姿が少しずつ変化していく。

 

服装は全体が黒い長ズボンに、グレーのTシャツと上着に赤い縦ラインが入り胸の部分も赤くなっていた。

そして額に縦長の水色の宝石がついたグレーの細いバンダナを巻くとスペースの何もなかった右手に突然、『オーブカリバー』と呼ばれるオーブ自身の紋章と、風・火・土・水の4つのエレメントの紋章が描かれた円形の盤面を持ち、そこに付いているリング・カリバーホイールのついた太い長さを持つ聖剣が握られていた。

そして変身が完了するとそこにはオーブの力を纏った『キュアスペースオーブ・オーブオリジン』が立っていた。

 

「キラやば〜っ☆! デッカい剣!」

 

「これがスペースの新しい力の一つ」

 

「今度のウルトラマンはどんな力を持ってるんだろう?」

 

「興味深いです」

 

「全く、アンタはもう・・・・」

 

「新たな力、それに武器だと!? 面白い! ならばその力ごとまとめて倒すのみ!」

 

スター、ミルキー、ソレイユ、セレーネ、コスモ、そしてカッパードらスペースの新たな姿にそれぞれが反応していた。

 

「いくぞ」

 

「えぇ」

 

「戯れの時間は終わりだ」

 

カッパードが自身の力を薙刀に注ぎ込むとモコモコが歪んだイマジネーションを吸収して黒緑色へと変化して、そのモコモコをカッパードはプリキュア達に向かって放った。

 

「セレーネアロー!!」

 

セレーネが正確にモコモコを狙って技を放ちそのモコモコを消滅させた。

 

「まだまだ!」

 

「スターパンチ!!」

 

「ミルキーショック!!」

 

そして今度はスターとミルキーが技を放ちモコモコを消滅させた。

 

「なんの!」

 

しかしカッパードは怯むことなくモコモコを放ち続けた。

 

そんな中で上昇を始めたスペースは持っていたオーブカリバーのカリバーホイールを回転させて風の紋章を選択してトリガーを引いてから再びカリバーホイールを回転させた。

 

「プリキュア・オーブウインドカリバー!!」

 

「なに!?」

 

スペースがオーブカリバーを大きく振ると巨大な竜巻を発生させる技『オーブウィンドカリバー』でモコモコ達は吹き飛ばされていきカッパードが放ち続けていたモコモコ達と共に互いに激闘して消滅した。

 

「くっ! 諦めん! わたしは諦めんぞ!」

 

カッパードがまた攻撃をしようとするのを見たスペースは再びオーブカリバーのカリバーホイールを回転させて、今度は火の紋章を選択してトリガーを引いてから再びカリバーホイールを回転させた。

 

「プリキュア・オーブフレイムカリバー!!」

 

「ぐあっ!」

 

スペースはオーブカリバーから放たれる円形の高熱火炎『オーブフレイムカリバー』でカッパードが放つモコモコ達を次々を燃やして消滅させるとその技がカッパードが振り回していた薙刀に命中してそれによりカッパードは怯んでしまい、黒緑色になっていたモコモコは元の白いモコモコへと戻っていた。

 

「今だ!」

 

「フッ!」

 

「コスモ・・・・シュート!」

 

状況を見定めたソレイユがジャンプしたコスモの足の裏に自身の足を乗せてソレイユがそのまま蹴り上げる事でコスモはカッパードが載っているUFOよりも高くジャンプする事ができた。

 

「ハアアア〜ッ!」

 

「なに!? 小癪な!」

 

「フッ!」

 

カッパードは突然目の前までやってきたコスモに慌てて攻撃するがコスモはそれをかわしてカッパードの頭に両手を置くと今度はそこに両足を乗せてそのままジャンプしてフワを閉じ込めていた檻を掴んだ。

 

「フワ・・・・」

 

「いま出してあげる」

 

「させるか!」

 

「それはこっちのセリフだ!」

 

カッパードが薙刀でコスモを攻撃しようとするとスペースがオーブカリバーで薙刀のモコモコを受け止めた。

 

「くっ、貴様・・・・」

 

「狙いは俺なんだろ? だったら相手してやるからかかってこい!」

 

「チッ!」

 

「お願い!」

 

「なに!?」

 

そしてコスモはフワの入った檻を放り投げるとそれを近くまでジャンプしてきていたスターが受け止めた。

因みにフワを閉じ込めていた檻はコスモが投げた時に壊れてしまい中から飛び出したフワをスターが優しく抱きしめた。

 

「フワ、大丈夫?」

 

「怖かったフワ」

 

そしてスターは他のプリキュア達の近くに着地した。

 

「コスモ・・・・スペース・・・・」

 

ソレイユがそう呟く中で、スター達は今も戦っているスペースとコスモの戦いを見守っていた。

 

「余計な真似を!」

 

「だから! それはこっちのセリフだって言ってるだろ!」

 

「そうよ! その言葉、そのまま返すニャン!」

 

スペースがオーブカリバーでカッパードを力で押し返すとそんなバランスを崩したカッパード目掛けてスペースの両肩に両足を乗せてジャンプしたコスモが薙刀を持つカッパードの右手に飛び蹴りをするとカッパードは薙刀を手放してしまい、薙刀は宙を舞った。

 

「いまだ!」

 

「レインボーパフューム! いくニャン!」

 

コスモはおとめ座のペンをレインボーパフュームにセットした。

 

「プリンセススターカラーペン! おとめ座! くるくるチャージ!」

 

 

『解き放て! オーブの力!』

 

スペースが持っていたオーブカリバーが突然小さくなると、スペースのペンダントから光の粒子がスペースの左手に集まっていき、それがオーブのカラータイマーを模したリング部分に取っ手が付いた外見をしている『オーブリング』になるとリングの中心に小さくなっあオーブカリバーをリードしてオーブリングがそれに反応する。

 

そしてオーブリングが消えるとオーブカリバーは元の大きなサイズに戻るとスペースは再びトリガーを引いてカバーホイールを回転させた。

 

「「プリキュア!」」

 

「レインボースプラッシュ!!」

 

「オーブスプリームカリバー!!」

 

オーブカリバーが操る4つの属性とオーブ自身が持つ力を融合させ、掲げたオーブカリバーを円を描くように振った後に聖剣から放たれる技『オーブスプリームカリバー』とレインボースプラッシュの2つの技がカッパードの薙刀に命中すると薙刀に含まれていた歪んだイマジネーションは消滅し薙刀は元の形に戻り、カッパードはそれをキャッチした。

 

「くっ、今日の武器はイマイチだ!」

 

文句を言っていたカッパードはUFOに乗ったままワープホールの中へと撤退していった。

 

「やったねコスモ、スペース!」

 

「あぁ」

 

みんなのところへ戻った2人をソレイユが暖かく受け入れてくれた。

するとフワがコスモのところへ近づいていった。

 

「クッキー食べてごめんフワ」

 

「そういえば、フワのしゃっくり止まったルン!」

 

「きっと、驚かされたから・・・・」

 

「しゃっくり?」

 

スペースはミルキーとセレーネが何を言っているのかわからなかったが、後で聞いた話だと、どうやらフワはマタークッキーを食べるとしゃっくりを起こしてしまい、そのしゃっくりがフワが増殖する原因である事がわかったのである。

 

「ふぅ・・・・」

 

「お疲れ」

 

「・・・・あなたもね」

 

コスモの右側に立っていたスペースが左手の拳を出すとコスモも自身の右手の拳をスペースの拳に重ねた。

 

 

 

 

「それにしても、こうたを狙われてたなんてビックリルン!」

 

「そうだよ! どうしてもっと早く言ってくれなかったの!」

 

「これからはもっと用心しないとね」

 

「そうですね。こうた君も何かあったら必ず言って下さいね!」

 

「いや、そこまでしなくても・・・・」

 

それからみんなはプリキュアへの変身を解除して残りのコピーフワの捜索をしている中でララ、ひかる、えれな、まどかの4人はこうたが狙われていることに対する対策を考えていた。

 

「あら? 一人で抱え込まないでみんなで分け合うんじゃなかったのかしら?」

 

「ユニ・・・・ここでそれを言うか・・・・」

 

「ふふっ・・・・」

 

ユニは楽しそうにこうたをからかっていた。

 

「・・・・わかった。何かあったら必ず知らせるよ」

 

とりあえず、こうたに関しての話は何かあったら必ず知らせて事になり、そうなった時の備えとしてこうたには後でララがAIと連絡を取る時に使っているグローブの予備のグローブが渡されて緊急時にはそれで連絡することになった。

 

 

 

「フワ・・・・」

 

「これで完了ルン」

 

そして最後のコピーフワの消滅を確認するとユニは静かにその場を立ち去ろうとしていた。

 

「何処いくんだよ?」

 

「え?」

 

そんなユニをこうたが呼び止めた。

 

「ユニ!」

 

そして今度はえれながユニを呼んで近づいた。

 

「一つ借りができちゃったわね。じゃあ・・・・ん?」

 

「ならこれからその借りを返してくれる? ウェルカムパーティで!」

 

「今から!?」

 

手を振って立ち去ろうするユニの片手をえれなが掴むとすぐに借りを返すようにユニに伝えた。

 

「お料理全部食べられちゃったルン」

 

「ドーナツなら、一つですが・・・・」

 

「8人で分け合うの難しそう・・・・」

 

「うち兄弟多いから貸してごらん?」

 

ララ、まどか、ひかるがどうするかで悩んでいるとえれながドーナツを手でちぎって8等分に分けてくれた。

 

『おぉ!』

 

「じゃあまずはこれで乾杯!」

 

「・・・・・・・・」

 

「ウェルカムユニ!」

 

『乾杯!』

 

えれなの掛け声と共にみんなでドーナツを重ねて合った。

 

「ほらユニ」

 

「え?」

 

そしてまだドーナツを重ねていなかったこうたが一緒に重ねようと手招きしていた。

 

「・・・・・・・・」

 

そしてユニはゆっくりとだが自身が持っていたドーナツをみんなのドーナツに近づけてくれた。

 

きっとユニは今日の出来事をきっかけに少しはこうた達のことを認めてくれたに違いない。

 

 

To Be Continued

 




         次回予告


プリンセスの力を求めて星空界のアイスノー星へとやってきたこうた達

そこは氷の星で、その星で喋る雪だるまのような姿をした住人、ユキオと出会う

そんなユキオにはどうしても叶えたい願いがあった



次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第63話 心の氷を溶かせ! 氷の星の演奏会! 前編

次回もお楽しみ!



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よろしくお願いします。


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第63話 心の氷を溶かせ! 氷の星の演奏会! 前編

デッカーの新展開に目が離せません!

そして谷口さんのケインさんに続く、2人目の3大特撮制覇おめでとうございます。

スーパー戦隊、仮面ライダー、そしてウルトラマンと様々な作品で変身できるなんて羨ましいです。

それでは最新話をどうぞ!


季節は夏、学校が夏休みになったこうた達は今日もプリンセススターカラーペンを探しにロケットに乗って宇宙へと飛び出した。

しかし宇宙に出た途端、突然ひかるがへばってしまった。

 

「ハァ・・・・地球暑すぎ・・・・」

 

「それなに?」

 

「かき氷機だよユニ!」

 

「かき氷機?」

 

「何でそんなの持ってきてるんだよ」

 

「家の冷蔵庫が故障してたから氷を分けてもらおうと・・・・」

 

ひかるは自身の家の冷蔵庫が壊れているらしくロケットの氷を分けてもらいそれでかき氷を作る為に持ってきたらしい。

 

「ロケットの冷蔵庫も調子が悪いルン」

 

『現在、復旧率38%です』

 

「かき氷食べたかった・・・・」

 

「かき氷フワ?」

 

「うん! 冷たくて美味しいの!」

 

「美味しいフワ!」

 

「一度食べてみたいでプルンス!」

 

どうやらロケットの冷蔵庫も調子が悪いらしく、そんな中でひかるがかき氷とはどういう食べ物なのかを説明するとフワとプルンスは食べてみたいと少し興奮していた。

 

「ウチも弟や妹達に毎日かき氷作ってるよ」

 

「ホント!? えれなさんの家に行けば食べられるの!?」

 

「かき氷フワ!」

 

「ただし、その日やる宿題を終わらせたあとでね」

 

「うぅ〜、それじゃ私、8月の終わりまで食べられないじゃん」

 

「先に宿題を終わらせれば良いだけの話だろ?」

 

「宿題は計画的にやらなきゃね」

 

えれなが宿題をちゃんとやればかき氷を作ると言うとひかるは再び元気をなくしてしまった。

 

「好きな教科はすぐに終わっちゃうんだけどな・・・・」

 

「・・・・まどか?」

 

「え?」

 

「どうしたんだよ? さっきからボウっとして・・・・」

 

こうたは先程から会話に入ってこないまどかに声をかけた。

 

「なんでもないです」

 

「ひょっとしてまどかさんも宿題で憂鬱なの?」

 

「それはひかるだけだ」

 

「いえ、宿題はもう半分終わりました。」

 

「夏休み2日目で!?」

 

まどかが宿題を半分終わらせたと聞くとひかるはテーブルにうつ伏せになってしまった。

 

「流石だな。じゃあどうしたんだよ?」

 

「何か心配ごとルン?」

 

「ピアノの練習をしなきゃって・・・・」

 

「ピアノ?」

 

「前は学校でもよく弾いてたよね?」

 

「あぁ、そういえば最近はあんまり弾いてないよな?」

 

ララは初めてピアノのことを聞いてそれが何なのかわかっていなかったが、えれなとこうたは同じクラスということもあり、まどかがピアノが弾けることを知っていた。

 

「えぇ、最近はあまり練習をしていなくて・・・・」

 

「え? どうして?」

 

「まどかは弓道で忙しいルン!」

 

「生徒会の仕事もあるしね」

 

「確かにな・・・・」

 

ララとえれなは弓道や生徒会の仕事があるからピアノの練習ができないと考えていたが、まどかとは小学校の頃からの付き合いであるこうたの考えが少し違っていた。

 

「(時間がないから練習しない・・・・いつものまどかなら何とかして練習時間を確保しようとするはず・・・・現にどんなに忙しくてもロケットに来る時間はちゃんと確保している・・・・じゃあ、どうしてまどかは・・・・)」

 

こうたはまどかがどうしてピアノの練習をしないのか、その理由を自分なりに考えていた。

そんな中でまどかは過去に自身が参加したピアノのコンテストでの出来事を思い出していた。

確かに優勝していたのはまどかだが、まどか自身は自分よりも入賞もしなかった一人の女の子の事を考えていた。

まどかが演奏している時はみんな真剣な表情でまどかの奏でる音楽を聴いていたが、その子の演奏は奏でていた本人も、それを聴いていた人達も笑顔になっていた。

 

まどかはその子の演奏と自身の演奏の違いは何なのかがどうしてもわからなかった。

 

「あの、ユニ」

 

「ん?」

 

「マオの歌を歌う時に何か気をつけている事とかありますか?」

 

「マオの歌?」

 

「えぇ。 マオの歌は何故あんなにも観客を惹きつけられるのですか?」

 

「・・・・・・・・」

 

『素敵だね!』

 

ユニはまどかに質問されてどうしてかを考えていると、過去にオリーフィオに言われた言葉を思い出すと少し寂しい表情をみせた。

 

「ユニ?」

 

「ご、ごめんなさい! わたくし余計なことを聞いてしまったみたいですね」

 

「・・・・別に」

 

「(ユニ・・・・)」

 

まどかは必死に謝罪しているがこうたはユニを心配しつつ見守ることに徹していた。

 

〜〜♪

 

「っ! ペンダントが!?」

 

「みずがめ座を指しているでプルンス!」

 

そしてまどかのペンダントがみずがめ座のペンの場所を示すとフワのワープホールを通って星空界へと向かった一行は雪だるまのような形をした惑星へとやってきた。

 

「反応はあの星からです」

 

「何か雪だるまみたいだね」

 

「キラやば〜っ☆」

 

それから一行はその星にロケットを着地させるとそこは地球の南極みたいな雪と氷でいっぱいの星だった。

 

「涼しい〜〜っ!」

 

「雪と氷ばっかりルン」

 

「アレなら特大のかき氷ができるよ」

 

「かき氷食べにきたわけじゃないでしょ?」

 

「そういうのは全部終わってからにしろ」

 

「終わってからならいいの?」

 

ひかるが氷山を見て特大のかき氷が作れると興奮しているとそれにユニとこうたがツッコミを入れるが今度はこうたの言った言葉にユニがツッコんだ。

 

「お前らそのロケットに乗ってきたのか?」

 

「キラやば〜っ☆! 雪だるまが喋った!?」

 

そこへ見た目が雪だるまにそっくりな宇宙人がやってきた。

 

「雪だるま? 何だそりゃ? 俺の名前は『ユキオ』だ! 雪だるまじゃない」

 

「この星の方ですか?」

 

「あぁ! この『アイスノー星』じゃ、ちょっとしたイケメンさ! クールだろ?」

 

『・・・・・・・・』

 

ユキオと名乗る雪だるまそっくりの宇宙人は岩の上に片足を乗せて決めポーズをとるがひかる達はみんなポカーンとしていた。

 

「反応薄いな・・・・あっ! この鼻がダメか?」

 

『うわぁぁぁっ!!』

 

「鼻が! 鼻が!」

 

「お鼻ないフワ!」

 

「大丈夫ルン!」

 

「これならどうだ? クールだろ?」

 

そう言ってユキオは先程までつけていた先端が曲がった鼻を外して曲がったスプーンのような物を取り付けた。

 

「こんなのもある」

 

そう言って今度は棒付きのたわしを取り付けた。

 

「どう? ベイビー?」

 

「どうって・・・・」

 

「どんどんカッコ悪くなってるぞ」

 

「ハァ・・・・俺って、どんな鼻つけても似合っちゃうんだよな・・・・」

 

「いやだから・・・・」

 

こうたの言葉をまるで聞かないユキオは完全に自分の世界に入ってしまっていた。

 

「やっぱり、雪だるま感満載・・・・」

 

「そしてこれがとっておきのイケメン鼻さ!」

 

『あぁぁぁ!』

 

みんなユキオが新しくつけた鼻に驚いていた。何故ならそれはみんなで探していたプリンセススターカラーペンだったからだ。

 

〜〜♪

 

そしてまどかがペンダントをかざすとペンダントもそれに反応していて、どうやらユキオが持っていたのみんなで探していたみずがめ座のペンで間違いにないようだ。

 

「間違いありません」

 

「その鼻・・・・」

 

「クールだろ? 氷の中に埋まっていたのをこの前みつけて掘り出したんだ」

 

「あのねユキオ、実はそのペン、私達が探してた物なの」

 

「ペン?」

 

「そのお鼻のことです」

 

「鼻? これ?」

 

「その為に地球からここまでやってきたルン!」

 

「プリンセススターカラーペンフワ!」

 

「譲ってもらえないでプルンス?」

 

「ん? ダメ!」

 

「早っ!?」

 

ひかる達がみんなでユキオに事情を説明してペンを譲ってくれないか交渉するがあっさり断られてしまった。

 

「お願いします! 何でもするから!」

 

「う〜ん」

 

「お願いユキオ!」

 

「それは凄く大切な物なんです!」

 

「う〜ん」

 

「何とぞ・・・・」

 

「頼むル〜ン」

 

「う〜〜ん」

 

「ほら! こうたとユニもお願いして!」

 

「え? あぁ! 頼むよユキオ!」

 

「何で私まで・・・・」

 

ひかるが土下座までしてみんなでお願いするが・・・・

 

「・・・・あっ! イルマ!」

 

「え? ちょっとちょっと!」

 

すると何かに気づいたユキオはそこへ向かって走り出して行ってしまい、慌ててその後を追いかけた。

 

するとこうた達は空を飛んでいる氷と同じ表面をしている短髪の『イルマ』という名の綺麗な女性の存在に気づいた。

 

「ユキオ、その人達は?」

 

「地球とかいうところから来たんだってさ。そんなことより今日も綺麗だねイルマ」

 

「そんなこと扱いでプルンス!?」

 

ユキオの言葉にプルンスは思わず怒りだしてした。

 

「昨日さ、転んだら鼻が折れちゃってさ。 こんな風に・・・・」

 

そう言いながらユキオは鼻につけていたペンを鞄にしまうと中からにんじんを取り出してそれを折って食べ始めた。

 

「ぷぷぷ・・・・」

 

「ちょっとひかる・・・・」

 

「だって、面白いよ」

 

「フワ!」

 

それを聞いたひかるは口を押さえて笑っているとえれながそれを注意した。

 

「そう」

 

「・・・・そう・・・・」

 

しかしイルマは表情一つ変えなかったのがユキオにはショックだった。

 

「あなたもこの星の人ルン?」

 

「えぇ、イルマです。それじゃ・・・・」

 

そう言ってイルマは再び空を飛んでどこかへ行ってしまった。

 

「綺麗な子ですね」

 

「この辺りじゃ村一番の美人さ」

 

「ちょっと冷たい感じでプルンス」

 

「何言ってんだ! イルマの笑顔は最高なんだぞ!」

 

「へぇ・・・・どんな笑顔なの?」

 

「知らない! 見たことないもん!」

 

「見たことないのに最高って・・・・」

 

えれながイルマの笑顔についてユキオに質問するがユキオは知らないと偉そうに言った。

 

「だから見たいんじゃん! 彼女一度も笑ったことないんだ!」

 

「一度も?」

 

「笑顔を見たい・・・・」

 

『・・・・・・・・』

 

まどかの言葉を近くにいたこうたとユニの2人は聞き逃さなかった。

 

「どうしてイルマは笑わないの?」

 

「この星は何もないつまらない星、だから笑ってくれないんだよ」

 

「何もない? そんなことないじゃん!」

 

「ん? 氷だぞ? 雪だぞ? 面白いことあるか?」

 

「最高にキラやば〜っ☆だよ!」

 

「え?」

 

こうしてひかる達は氷や雪の素晴らしさをユキオに教える為にかき氷を作ってみんなで食べたり、氷の上をアイススケートのように滑ったり、更には雪合戦をしたりとみんなで氷と雪の素晴らしさをユキオに教えた。

そうやってひかる、こうた、ララ、えれな、まどか、プルンス、フワが楽しそうにしているのをユニはただジッと見ているだけだった。

 

「ユニもやろうぜ。雪合戦」

 

「何で? そうすればペンが手に入るの?」

 

「それは・・・・」

 

そう言われてこうたは何て返事をすればいいかわからず黙ってしまった。

 

「ハァ・・・・そうじゃないなら勝手にやってれば・・・・っ!」

 

ユニは喋りながら振り向いて何処かへ行こうとするとユニの頭に雪が直撃した。

 

「やったぁ!」

 

「命中ルン!」

 

どうやらひかるとララの投げた雪がユニに直撃したらしい。

 

「全く、子供じゃないんだから・・・・っ!」

 

「いいじゃん! いいじゃん!」

 

「みんなでやると楽しいですよ」

 

すると今度はえれなとまどかの投げた雪がユニの顔に直撃した。

 

「ユニ? 大丈夫か?」

 

「・・・・あんた達・・・・覚悟しなさい!!」

 

こうたが心配してユニに話かけると、ユニは怒りを露わにしてひかる達の雪合戦に参戦すると雪合戦は乱戦状態に陥ってしまった。

 

それから雪合戦を終えたこうた達はたくさんの氷柱がある洞窟の中へとやってきていた。

 

その氷柱をひかるがスプーンで叩くと音が鳴った。

 

「スゲェ・・・・氷で音を?」

 

「どう? キラやば〜っ☆じゃない?」

 

それからいくつもの氷柱を叩くことで様々な音が洞窟内に鳴り響いていた。

 

「・・・・イルマも一緒に笑ってくれるかな?」

 

「うん! きっと笑ってくれるよ!」

 

「俺、誘ってみる! イルマが笑ってくれたらお礼にこれ譲るよ!」

 

そう言ってユキオはイルマが笑ってくれたらペンを譲ると約束して彼女を呼びに洞窟を出て行った。

 

「ホント!? やったね!」

 

「ハァ・・・・」

 

「どうしたのユニ?」

 

ひかるはペンを譲ってもらえると喜んでいるとユニはため息をついていた。

 

「焦ったいわね。 笑わなかったらどうするのよ?」

 

「うぅ・・・・だ、大丈夫だよ・・・・きっと・・・・」

 

ユニの言葉を聞いてひかる達は一気に不安になってしまっていた。

 

「ひかるの言う通り、大丈夫だって」

 

「こうた?」

 

こうたが喋り出すとひかるが反応した。

 

「やる前から失敗すること考えてたってしょうがないって・・・・まずはやってみる。 それで失敗したらまた別の方法を考える。それでいいんじゃないか?」

 

「・・・・ハァ・・・・そうするしかなさそうね」

 

ユニもこうたの意見に納得するとみんなでユキオ達の到着を静かに待つことになった。

 

 

 

 

To Be Continued

 

 




         次回予告


氷柱を使って音楽を奏でるまどか

しかしイルマの表情に変化がみられない

まどかは自分に何が足りないのか、それを考えている時にユニがとった行動とは・・・・


次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第64話 心の氷を溶かせ! 氷の星の演奏会! 後編

次回もお楽しみ!



※もしよろしければ、皆さんがこれまでの話で感じた感想やコメントがあれば送って下さい。
皆さんからのコメント、そして評価が頂けたら凄く嬉しいです。
よろしくお願いします。


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第64話 心の氷を溶かせ! 氷の星の演奏会! 後編

読んでくれる皆さんに楽しんでもらえたら嬉しいです。



みずがめ座のペンを探しに星空界のアイスノー星へとやってきたこうた達。その星の住人であるユキオとイルマに出会うとユキオの笑ったことのないイルマを笑わせたいという願いを叶えるお手伝いをする為に行動するこうた達は洞窟内の氷柱を使って音楽会を開催することにした。

 

 

「どうしたの?こんなところに連れてきて」

 

「氷柱を使った音楽会さ」

 

「音楽会?」

 

そしてイルマを連れてユキオが戻ってきた。

 

「まどかさんお願い!」

 

「わたくしですか?」

 

「まどかならピアノも上手いしね」

 

「確かに、この中ならまどかが一番適任かもな」

 

「・・・・わかりました」

 

そしてひかるから指名されたまどかはスプーンを受け取り氷柱の前に立つと演奏を始める前に一度イルマのことを見た。

イルマは相変わらず無表情のままだった。それからまどかは一度深呼吸をした後に演奏を始めた。

 

〜〜♫

 

それはとても綺麗な音で最初はみんなその音を聞き入っていた。

しかしユキオがイルマの表情を見るとその表情に変化はなく、他のメンバーの表情も徐々に困惑した表情になっていた。

 

「(まどか、頑張れ!)」

 

そんな中でこうたは心の中でまどかのことを応援していた。

 

「イルマ・・・・」

 

「・・・・・・・・」

 

「(笑顔を見せてくれない・・・・わたくしに、何が足りないの?)」

 

まどかは自分に何が足りないのか必死に考えるがそれがどうしてもわからなかった。

 

そんな時に・・・・

 

「好きよ、嫌いよ、どっちが本音〜」

 

するとユニがマオの歌をアカペラで歌い始めた。

そしてユニはまどかの顔を見ながら歌い続けて何かを訴えかけるとそれを理解したまどかはユニの歌に合わせて氷柱で音楽を奏で始める。

 

パン! パン!

 

「(え?)」

 

すると今度はその音楽に合わせてひかるとララ、えれなとこうたが手拍子をしたりフワとプルンスが踊りだしたりと周りが楽しそうに盛り上げ始めた。

 

「(わたくしに足りなかったのは・・・・楽しむ心!)」

 

まどかは自分に足りなかったもの、それは楽しむ心だと理解した。

そんな中でユニも過去にオリーフィオの前で歌った時のことを思い出していた。

 

『いい歌声だ』

 

オリーフィオに褒められた時のことを思い出したユニの表情も自然と笑顔になっていた。

 

「(あんな表情のユニ初めて見たけど、いい笑顔じゃないか)」

 

こうたも初めて見たユニの笑顔がとても素敵だと思っていた。

 

「あっ、鼻、鼻が!」

 

そしてユキオも楽しそうに踊っているとその中で転んでしまい、鼻につけていたペンが落ちてしまった。

 

「えへへ・・・・」

 

そしてその鼻に再びペンをつけて笑って見せると、それを見たイルマは両手で顔を隠して走り去ってしまった。

 

「あっ、イルマ!」

 

「イルマちゃん!」

 

「え?」

 

「イルマ!」

 

ユキオはそれを追いかけて行ってしまった。

 

「ダメだったんでしょうか?」

 

「そんなことない」

 

「こうた君・・・・」

 

落ち込んでいるまどかにこうたが話しかけた。

 

「まどかの気持ちはきっと届いてるさ。だって、俺達すっごく楽しかったんだからさ!」

 

「そうだよ!」

 

「ルン!」

 

「みんな・・・・」

 

こうたの意思に賛同するかのようにひかるとララも2人の会話に入ってきた。

 

「とにかく、俺達も追いかけよう!」

 

「はい!」

 

そしてこうた達もイルマとユキオを追いかけた。

 

すると・・・・

 

「おいアレ!」

 

「ノットレーイ」

 

「踏み潰しておしまい」

 

「うわあああっ!」

 

こうた達が見たのはテンジョウによって両肩に大砲をつけた巨大ノットレイになったイルマがユキオに襲い掛かろうとしている姿だった。

 

「ユキオ! みんな!」

 

「ルン!」

 

「いくぞ!」

 

ひかるの声にララが返事をしてまどかとユニも頷いていた。

 

 

『スターカラーペンダント!カラーチャージ!』

 

『キラめく~星の力で~!憧れの~私描くよ~!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『スター☆トゥインクル〜!スター☆トゥインクルプリキュア~~!』

 

 

「宇宙(そら)に輝く〜キラキラ星!キュアスター!」

 

「天にあまねく〜ミルキーウェイ!キュアミルキー!」

 

「宇宙を照らす!灼熱のきらめき!キュアソレイユ!」

 

「夜空に輝く!神秘の月明かり!キュアセレーネ!」

 

「銀河に光る!虹色のスペクトル!キュアコスモ!」

 

「光輝く聖なる宇宙!キュアスペース!」

 

 

『スター☆トゥインクルプリキュア!!』

 

 

 

「ノットレーイ!」

 

『ノットレーイ』

 

そしてプリキュアに変身したスペース達を巨大ノットレイの大砲による雪玉攻撃をみんなそれぞれ回避すると今度はノットレイ達が襲いかかってきた。

 

「しし座・ミルキーショック!!」

 

「てんびん座・ソレイユシュート!!」

 

『ノットレーイ・・・・』

 

そんなノットレイ達はミルキーとソレイユの技で吹き飛ばされた。

 

「「ハアアアアッ!」」

 

その頃、スターとスペースは巨大ノットレイの雪玉攻撃を殴ったり蹴ったりしながら対処していた。

 

「くっ、キリがない!」

 

「俺がなんとかする!」

 

そしてスペースはジードのペンを取り出した。

 

「ウルトラスターカラーペン・ジード! ウルトラカラーチャージ!!」

 

そしてスペースはキュアスペースジードへと変身してスターの前に出た。

 

「プリキュア・レッキングロアー!!」

 

スペースは口から超音波を放射して敵を攻撃する絶叫技『レッキングロアー』で雪玉達を相殺した。

 

「イルマ!」

 

「っ! ユキオ! くるな!」

 

そんな中でスペースはユキオが巨大ノットレイの近くまで来ていたことに気づいて叫んだ。

 

「目を覚ましてくれよ!」

 

しかしユキオの声はイルマには届かず、ユキオは巨大ノットレイの雪玉攻撃を受けて吹き飛ばされてしまった。

 

「ぐああああっ!」

 

「「ユキオ!」」

 

そんなユキオをセレーネとコスモが支えて助けたがユキオは気絶していた。

 

「目を覚まして! ぐあっ!」

 

「スター!」

 

スペースがユキオに気を取られている間にスターが雪玉攻撃を受けてしまい吹き飛ばされてしまい、スペースは慌ててスターのところへ向かった。

 

「大丈夫か?」

 

「うん。 けどイルマちゃんが・・・・」

 

「わかってる。イルマちゃんも、ユキオも、みんなの笑顔もアイツらの好きにはさせない!」

 

そしてスペースのペンダントから光の粒子がスペースの胸元に集まるとそれが形となり、そこに浮いているのはリクがジードに変身する時に使うアイテム『ジードライザー』とリクがレムと通信する時にも使っている『ライザー』、そして『ウルトラカプセル』呼ばれる2本のカプセルだった。

 

「スペース?」

 

「大丈夫だ。任せろ!」

 

「うん」

 

そしてスペースはスターより少し前に出た。

 

「ジーッとしてても、ドーにもならねぇ!」

 

そしてスペースは2本あるカプセルの内の一つを掴んだ。

 

「融合!」

 

スペースがカプセルを起動するとそこから右手を頭上に翳した青いウルトラマン『ウルトラマンヒカリ』が現れて、そのカプセルをライザーにセットした。

 

「アイゴー!」

 

そしてもう一つのカプセルも起動するとそこからもう一人の青いウルトラマン『ウルトラマンコスモス』も左手を頭上に翳して現れるとそのカプセルもライザーにセットしてジードライザーを起動した。

 

「ヒアウィーゴー !」

 

そしてスペースは右手に持ったジードライザーでカプセルをセットしたライザーをリードしてジードライザーにそのウルトラマン達の力を送った。

 

『フュージョンライズ』

 

「見せるぜ! 衝撃!!」

 

そしてスペースはジードライザーを頭上に掲げるとそれを胸元の位置に持ってきた。

 

「ジード!」

 

『ウルトラマンヒカリ! ウルトラマンコスモス! キュアスペースジード・アクロスマッシャー!』

 

そして2人のウルトラマンが光となってスペースと一つになると、スペースの身体が光り輝いてその光が消えるとそこには青い上着と銀色の服、その銀の服には青いラインがいくつも入った『キュアスペースジード・アクロスマッシャー』が姿を現した。

 

「スペースの新しい姿ルン?」

 

「キラやば〜っ☆ 綺麗・・・・」

 

それを見たミルキーとスターはスペースの新たな姿に見惚れていた。

 

「また姿が変わった!? とっととやっておしまい!」

 

「ノットレーイ!」

 

テンジョウの命令で巨大ノットレイがスペースに狙いを集中して攻撃してきた。

 

「プリキュア・スマッシュビームブレード!!」

 

スペースはウルトラマンヒカリのナイトビームブレードを継承した右手首から光の剣『スマッシュビームブレード』を形成して放たれた雪玉を高速で次々と切り裂いた。

 

「早っ!」

 

ソレイユはそのスピードに驚いた。

 

「まだまだ!」

 

それからスペースは巨大ノットレイの周りを高速で飛びながら巨大ノットレイを連続で切り裂いた。

 

「ノットレーイ」

 

巨大ノットレイはスペースの連続攻撃を受けて膝をついた。

 

「何してんだい! 早く立つんだよ! 」

 

テンジョウからの命令を聞いた巨大ノットレイは何とか立ち上がると、今度はユキオの側にいるセレーネとコスモを狙って雪玉を複数放った。

 

「「っ!」」

 

「させるか! プリキュア・アトモスインパクト!!」

 

スペースは両腕を回しながらエネルギーを貯め、左手を右腕の関節に乗せて十字を組み、大気中のエネルギーをスパークさせて収束させた青い光線『アトモスインパクト』を放ち、その腕を動かしながら光線を打ち続けることでスペースはセレーネ達に襲いかかる雪玉を全て打ち落とした。

 

「何ですって!?」

 

これにはテンジョウも驚きを隠せなかった。

 

「プリキュア・スマッシュムーンヒーリング!!」

 

そしてスペースは両手を回しながら両脇に寄せて、それを前方に突き出しながら放つ興奮抑制効果のある鎮静化光線『スマッシュムーンヒーリング』を巨大ノットレイに放つとそれを受けた巨大ノットレイは大人しくなった。

 

「大人しくなったルン」

 

「凄い!」

 

それを見たミルキーとスターは凄いと思っていた。

 

「イルマちゃん! もうやめるんだ! こんなことしちゃダメだ!」

 

『私は・・・・』

 

「何してんだい! さっさとソイツらをやっつけてペンを奪うんだよ!」

 

『うっ、うぅ・・・・』

 

「ノットレーイ!」

 

「イルマちゃん!」

 

しかしテンジョウが持っていた扇子に歪んだイマジネーションを注ぎ込みそれを巨大ノットレイに送ると巨大ノットレイは再び暴れ出した。

 

「さぁ、とっととやっておしまい!」

 

「そんなことさせない!」

 

すると再びスペースのペンダントから光の粒子がスペースの胸元に集まって形になると、ジードライザーとライザー、そして先程とは別のウルトラカプセルが2本現れた。

 

「融合!」

 

スペースがカプセルを起動するとそこから右手を頭上に翳した赤いウルトラマン『ウルトラセブン』が現れて、そのカプセルをライザーにセットした。

 

「アイゴー!」

 

そしてもう一つのカプセルも起動するとそこからもう一人の赤いウルトラマン『ウルトラマンレオ』も右手を頭上に翳して現れるとそのカプセルもライザーにセットしてジードライザーを起動した。

 

「ヒアウィーゴー !」

 

そしてスペースは右手に持ったジードライザーでカプセルをセットしたライザーをリードしてジードライザーにそのウルトラマン達の力を送った。

 

『フュージョンライズ』

 

「燃やすぜ! 勇気!!」

 

そしてスペースはジードライザーを頭上に掲げるとそれを胸元の位置に持ってきた。

 

「ジード!」

 

『ウルトラセブン! ウルトラマンレオ! キュアスペースジード・ソリッドバーニング!』

 

そして2人のウルトラマンが光となってスペースと一つになると、スペースの身体が光り輝いてその光が消えると全身が赤く染まり、両肩とペンダントの周りの胸には銀色の鎧のようなものが装着されていて、両手、両足にも何かをセットできるような長方形の窪みがあり、そして両手首にも赤い装甲がついていて、身体の前後と両手、両足にはブースターのようなものもついている。

更に額の細い銀色のバンダナには緑色のビームランプがついている『キュアスペースジード・ソリッドバーニング』へと変身した。

 

※因みにウルトラマンジードが頭につけている『ジードスラッガー』をスペースは頭につけてなくて、必要な時は頭の上に手を翳すと現れるようになっている。

 

 

「また変わりました!」

 

「いつものことよ」

 

それを見たセレーネは驚き、コスモはもう驚くこともなくいつもの事と受け流した。

 

「いけ!」

 

「ノットレイ!」

 

テンジョウの命令で巨大ノットレイが雪玉による攻撃を再開させるがスペースはブースターを点火して後方へとバク転するような形で飛んで回避した。

 

「ノットレーイ・・・・」

 

それからスペースは額のビームランプから放つ必殺光線『エメリウムブーストビーム』を放ち、巨大ノットレイを攻撃してそれが巨大ノットレイの身体に直撃した。

 

しかし負けじと巨大ノットレイは攻撃を再開するが、スペースは頭上に両手を添えるとそこにはジードスラッガーが現れてスペースが両手を前に出すとジードスラッガーはそれに合わせて飛んでいき、次々と雪玉を切り裂いていった。

 

「そんな!?」

 

「プリキュア・ソーラーブースト!!」  

 

「きゃああああっ!」

 

『ノットレーイ!!』

 

そしてスペースの胸部のプロテクターがいくつか開き、そこから発射する71万度の熱量を秘めた破壊光線『ソーラーブースト』がテンジョウと他のノットレイ達に直撃してダメージを受けていた。

 

「うぅ・・・・」

 

「ユキオ!?」

 

「しっかり!」

 

そんな中で気絶していたユキオが目を覚ました。

 

「イルマ・・・・俺は・・・・君の・・・・笑顔が見たいんだ」

 

「笑顔? ペンを渡せば私がいくらでも見せてやるわよ」

 

「お前は黙ってろ!」

 

「きゃあああっ!」

 

ユキオの言葉に反応したテンジョウにスペースが思いっきりパンチするとテンジョウは後方へ吹っ飛んでいった。

 

ピカーン!

 

すると、ユキオの鼻についていたみずがめ座のペンが急に光り輝きだした。

 

「みずがめ座のペンが!?」

 

「これがあればイルマは元に戻るのか?」

 

「えぇ、必ず元に戻してみせます!」

 

「頼む」

 

「ユキオ、任せてください!」

 

ユキオがセレーネにペンを渡すと光が弾けて中から全体が青色のみずがめ座のプリンセススターカラーペンが姿を現した。

 

「プリキュア・みずがめ座・セレーネアロー!!」

 

そしてセレーネはみずがめ座の力で強化された水の弓矢で放ったセレーネアローが2つに分裂すると巨大ノットレイの両肩に乗っていた大砲を同時に破壊した。

 

「ノットレイ!」

 

「ちっ!」

 

「コスモ!」

 

「え?」

 

そしてセレーネはコスモにペンを投げるとコスモもそれを片手でキャッチするがどうしてか理解できず戸惑っていた。

 

「スペースもお願いします!」

 

「あぁ!」

 

セレーネはスペースに呼びかけた後に再びコスモの顔を見て頷くと、その意志を理解したコスモも頷いた。

 

その頃スペースは、右手首の周りについていた装甲を開いてエネルギーを右手に集中していた。

その光景はまるで右手が燃えているようにも見えた。

 

「レインボーパフューム! いくニャン!」

 

コスモはみずがめ座のペンをレインボーパフュームにセットした。

 

「プリンセススターカラーペン! みずがめ座! くるくるチャージ!」

 

「「プリキュア!」」

 

「ストライクブースト!!」

 

「レインボースプラッシュ!!」

 

スペースの装甲を展開した右手首の発射口にエネルギーを集中させて高熱火炎をまとった72万度の爆熱光線を正拳突きの姿勢で放つ技『ストライクブースト』とレインボースプラッシュの2つの技が左右から巨大ノットレイに命中すると巨大ノットレイは浄化されて元のイルマに戻り、彼女はその場に倒れて気絶していた。

 

「ノットレーイ・・・・」

 

「くっ、いくわよ!」

 

『ノットレイ』

 

敗北したテンジョウ達は転移して撤退した。

 

そしてプリキュア達はトィンクルブックにみずがめ座のプリンセススターカラーペンでタッチするとそこにはみずがめ座の星座が浮かび上がった。

 

「フワ・・・・みずがめ座フワ!フーーーワーーー!」

 

フワの姿が全体的に青色に変化し、両耳は水の雫のような形になった。

フワの掛け声とともに全員スターパレスへと移動させられた。

 

「星の輝きーーー戻るフーーーワーーー!!」

 

フワから青色の星形の光が宇宙の空へ向かって放たれると、その光が飛ばされた場所に光が満ちて、そこにみずがめ座のスタープリンセスの姿が映ると、スターパレスの玉座にみずがめ座のスタープリンセスが姿を現した。

 

「プリキュア、感謝します。 残りのペンはあと2本。プリキュアとして6人の心を一つにして・・・・頼みます」

 

みずがめ座のプリンセスから感謝の言葉を受けたプリキュア達はその後アイスノー星に戻り、変身を解除して今も気を失っているイルマに付き添うユキオのところへと向かった。

 

「イルマ、大丈夫?」

 

ユキオがイルマに声をかけ続けているとイルマが目を覚ました。

 

「・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・」

 

「・・・・ぷっ」

 

「イルマ?」

 

「ユキオ、可愛い!」

 

なんと目を覚ましたイルマはユキオを顔を見るなりいきなり笑い出した。

 

「わ、笑った。イルマが笑った!」

 

「笑った!」

 

「いいねぇ!」

 

「ルン!」

 

「本当に素敵な笑顔ですね」

 

「あぁ、そうだな」

 

イルマが笑ったことにひかるとえれな、ララ、まどか、こうたも喜んだ。

 

「嬉しいよ。笑ってくれて・・・・イルマ?」

 

するとイルマの笑いは止まることなくずっと笑い続けていた。

 

「うふふふっ、アハハハハハ・・・・お腹いたい・・・・アハハハハハ・・・・」

 

「ひょっとしてイルマちゃんって・・・・」

 

「笑い上戸?」

 

「私ね、笑いだすと止まらなくなるの、だから・・・・」

 

「ワザと笑わないようにしてたの?」

 

どうやらイルマは笑い上戸らしく一度笑い出すと自分でも止められないらしい。

 

「だって、ユキオに嫌われたくなくて・・・・アハハハハ・・・・可愛い・・・・最高・・・・さっきの歌も演奏も凄く素敵だったんだけどユキオが転んで鼻を・・・・笑い出して止まらなくなったら失礼だと思って・・・・」

 

「そうだったんですか・・・・」

 

「なんか・・・・思ってた理由と全然違ったな・・・・うん」

 

イルマが演奏中に抜け出したのは笑いを必死に堪えていたのが理由だったと知ったまどかとこうたは少し拍子抜けしていた。

 

「イルマ、全然気にしなくていいよ。笑ってくれよ。俺、嬉しいよ!」

 

「凄く、楽しい!」

 

ユキオとイルマはお互いに笑顔で楽しそうに話していた。

 

「ありがとう」

 

まどかがユニに演奏会でのお礼を言うとユニもそれに頷いた。

 

「にしてもユニもあんな笑顔ができるなんて知らなかったな・・・・」

 

「なっ、何よ?」

 

「いやさ、普段からああやって笑っててもいいのになって思ってな」

 

「余計なお世話よ!」

 

そう言うとユニはこうたの足を思いっきり踏んづけた。

 

「いってぇ! 何すんだよ!」

 

「フン!」

 

ユニは知らん顔で先に歩いていくとそれに合わせてみんなもユキオ達にお別れの挨拶をしてアイスノー星を後にした。

 

それからまどかは音楽に大事なのは楽しむ心だと知り積極的にピアノの練習を再開したのだった。

 

 

To Be Continued

 

 




         次回予告


観星町星祭が今年も開催される日がやってきた!

今年はこうた達もみんなで一緒に参加することに・・・・

最初は乗り気じゃなかったユニを楽しませることができるのだろうか?


次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第65話 ユニの思い出 みんなで夏祭り! 前編

次回もお楽しみ!



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第65話 ユニの思い出 みんなで夏祭り! 前編

デッカー15話、めちゃくちゃ心に響く話でした。
カナタの決意やダイナミックタイプの戦闘など見どころ満載で今後の展開も楽しみです。



「何? うるさくて眠れやしない・・・・ん?」

 

日も沈んで夕方になったある日、木の上で昼寝をしていたユニは周りから何やら騒がしい音が聞こえて目を覚ますとそこには様々な出店と子供から大人とたくさんの地球人達が集まっていた。

 

「ユニ見つけた!」

 

ユニは声がする方向に目を向けるとそこにはいつもとは違う浴衣姿のこうた達が立ってた。

因みに髪が短いララはいつもと同じだが、ひかるは2つのお団子頭になっていたり、えれなはポニーテールに、まどかは頭の後ろに長い髪を纏めていたりと普段とは違う髪型をしていた。

 

浴衣の色はひかるがピンク、ララが白、えれなが黄色、まどかが紫、こうたが藍色だった。

 

「あなた達・・・・」

 

「こんなところにいたルン」

 

「探しましたよ」

 

「何なのこの騒ぎ」

 

「今夜は観星町星祭りだよ」

 

「お祭り?」

 

今日はひかる達が住んでいる観星町で行われる『観星町星祭り』が開催されるのだ。

 

「うん!ユニも一緒に行こう!」

 

「興味ないわね」

 

「そう言わずに行こうぜ」

 

「ちょっ!?」

 

するとこうたはユニいる木を登り、彼女の手を掴んで一緒に降りた。

 

「お祭りには楽しいものがいっぱいあるんだから、今日くらい楽しもう!」

 

「・・・・・・・・」

 

そうして何とかユニもお祭りに行ってくれることになり、ロケットに戻った一行はひかるの持ってた青い浴衣をユニに貸してそれに着替えているユニを待っていると・・・・

 

『おぉ・・・・』

 

「キラやば〜っ☆」

 

「いいね!」

 

「可愛いフワ!」

 

「似合うじゃん」

 

ロケットから浴衣に着替えたユニが出てきてみんな絶賛していた。

その時のユニの髪型も普段とは違い三つ編みになっていた。

 

「この格好・・・・」

 

「夏祭りと言えば浴衣だよ!私のだけどぴったりで良かった!」

 

「ちょっと動きづらいけど素敵ルン!」

 

そう言いながらもララ回転しながら楽しそうにしていた。

 

「地球には変わった風習があるでプルンスな〜」

 

今回プルンスは風船に化けてお祭りに参加するらしい。

 

「私も楽しみです。初めての夏祭りですから」

 

「そういえばまどかは初めてだっけ?」

 

「はい!」

 

「よ〜し!いっぱい楽しんじゃうぞ〜!」

 

『おぉーっ!』

 

「・・・・・・・・」

 

こうしてみんなで天文台近くで行われている観星町星祭りへと向かい、会場へ到着するとそこにはとうもろこしやたこ焼きなどの食べ物屋さんから射的やくじ引きなど食べ物以外にも楽しそうなお店がたくさんあった。

 

「楽しそうなお店がいっぱいあるルン!」

 

「ねぇ、ユニの星にはお祭りって無いの?」

 

「私の星?」

 

「キャー!天宮えれな先輩よ!」

 

「香久矢まどか先輩も!」

 

ひかるがユニに質問するとちょうどその時にこうた達が通っている観星中の女子生徒達がみんなと同じく浴衣姿でえれなとまどかを取り囲んでしまい、側にいたユニも一緒に取り囲まれると恥ずかしそうにしながら大人しくしていた。

 

「やっぱり浴衣姿も決まってる!」

 

「ねぇ? あの可愛い子誰?」

 

「さぁ? 見ない顔だけど・・・・」

 

女子生徒達はユニの存在に気づくとみんなであの子誰だろうって感じでユニに注目していた。

 

「オッ〜ホッホッホ!ごきげんよう皆さん。晴れやかな浴衣ですこと! あら? あなたは・・・・」

 

「?」

 

そこへ今度はひかる達のクラスメイトである『姫ノ城桜子』が浴衣姿で現れて彼女もまたユニの存在に気づいた。

 

「(天宮先輩と香久矢先輩達と一緒とは・・・・いったい何者!?)」

 

「(っ! 何この鋭い視線・・・・まさか私が異星人だと見抜いて・・・・)」

 

「えぇっと、彼女はその・・・・」

 

姫ノ城はユニに対して強い警戒心を剥き出しにしているとそれを感じたユニは自分が異星人だとバレたのではと勘違いしてユニもまた警戒心を剥き出しにしていた。

それに気づいたひかるはどう説明しようかと考えていた。

 

「おぉ! 新しい転校生!?」

 

「ニャン!?」

 

「ニャン?」

 

そこへ今度は同じくひかる達のクラスメイトの『軽部タツノリ』が浴衣姿で現れた。

彼の登場に驚いたユニは思わずニャンと言ってしまう。

 

「この子は俺の親戚の子なんだよ。夏休みってことでこっちに遊びにきてるんだ」

 

「え?」

 

それを庇うかのようにこうたがユニの前に立って説明した。

 

「おぉそうなんですか! よろしくな、ニャン子!」

 

「ニャン子!? 私の名前はユニよ!」

 

「そっか!バイニャン、ユニ子! にゃははははっ!」

 

「むぅ・・・・」

 

そう言ってタツノリは笑いながら去っていくが、その後ろ姿をユニはずっと睨みつけていた。

 

「そんなにかっかしないでさ、笑顔笑顔」

 

「みんなユニのことが珍しくルン」

 

「お祭りは楽しまなきゃ損だよ! ほら見て見て!」

 

ひかるに言われてユニは周りを見てみるとそこにはお祭りを楽しんでいるたくさんの人達の姿があった。

 

「・・・・・・・・」

 

「(ユニ?)」

 

それを見てユニは少し暗い表情を見せたのをこうたは見過ごさなかった。

 

「お? お嬢ちゃん、やってみるかい?」

 

そして射的のやってるお店の前を通りかかるとまどかがお店の人に話しかけられた。

 

「っ! ・・・・わかりました。心して挑みます」

 

話しかけられたまどかも最初は嬉しそうな表情を見せるとその後すぐに真剣な表情をしながら返事をした。

 

「(表情の変化スゲェな)」

 

こうたもこれには驚していた。

 

そしてまどかは射的に使う銃を構えて集中していた。

 

「まどかさん・・・・」

 

「この緊張感、弓道大会以来ルン・・・・」

 

「これ、遊びなんだけどな・・・・」

 

ひかるとララはめちゃくちゃ緊張しているがこうたはそこまで緊張していなかった。

 

「お嬢ちゃん、もうちょっと肩の力を抜いて・・・・」

 

お店のおじさんがアドバイスをしてくれるが、まどかは迷わず引き金を引いた。

するとその衝撃なのか的が全て同時に倒れた。

それを見ていた人達はひかる達も含めて歓喜に包まれていた。

 

「うそ〜ん」

 

「ま、毎度あり」

 

こうたとお店のおじさんも驚いていたが、まどか本人はめちゃくちゃ笑顔だった。

 

その後もえれなの輪投げやひかるとララのヨーヨーつりなどみんなお祭りをとても楽しく過ごしていた。

まぁ、そんな中でプルンスがヨーヨーと一緒に流されたり、フワがいなくなり綿飴と間違われたりと少しだけトラブルもあったがそれも問題なく解決した。

 

「もう、離れちゃダメだよ」

 

「ごめんフワ・・・・」

 

そんな中でユニは花火の絵が描いてあるこの祭のポスターを見つけてそれを見ていた。

 

「・・・・・・・・」

 

その時にユニは故郷(惑星レインボー)で見た花火のことを思い出していた。

 

「ユニ!」

 

「ニャッ!?」

 

ユニは呼ばれて振り向くとそこには動物のお面をつけたひかるとララがいた。

 

「あ、あなた達! 私を嵌めたわね!」

 

「オヨ? ただのお面ルン」

 

「さぁユニ、こっちこっち!」

 

「ちょっと、何処つれていくの!」

 

「いいから! いいから!」

 

するとひかるはユニにお面をつけてユニ手を引っ張りながら何処かへ移動した。

 

そして一行は金魚すくいのお店へとやってきた。

 

「こ、これは・・・・」

 

「金魚すくいだよ」

 

「・・・・美味しそうニャン」

 

「金魚は食べ物じゃないんだけど・・・・」

 

ユニが金魚達を見て美味しそうな目で見ていた。

 

「これを使って掬うんだよ」

 

「ユニ、俺達でどっちが多く掬えるか勝負しようぜ」

 

「・・・・楽勝ニャン!」

 

そしてこうたのユニの勝負が始まったが、ユニは網が破れて中々思うように出来ずにいた。

 

「がっ!? ・・・・っ!」

 

「よっと!」

 

その横ではこうたが次々と金魚達を掬っていた。

 

「こうた凄いルン!」

 

「やるじゃん」

 

「ふっ、伊達に毎年この祭りに参加してないぜ」

 

ララとえれながこうたを褒めるとこうたも少しだが調子に乗っていた。

 

「こうた、一時期金魚すくいが上手く出来なくて特訓とかしてたよね?」

 

「そんな事してたんですか?」

 

「そ、そんなの昔の話だって!」

 

そんな中でひかるに過去の話をされてまどかから質問をされたこうたは恥ずかしがっていた。

 

「も、もう一度!」

 

そしてユニもリベンジするが再び網が破れてしまった。

 

「(そんな・・・・宇宙怪盗ブルーキャットとして数々のお宝を奪い返してきたこの私が・・・・!?)」

 

ユニは動揺して完全に冷静さを見失っていた。

 

「ユニ、ポイは水面に水平に、金魚を角に追い込むのがコツだ。そうすれば掬いやすくなるぞ」

 

「・・・・ポイは水面に水平に、金魚を角へ追い込み・・・・」

 

それを聞いたユニはそれを口にしながらそれを実行して見事金魚を掬いあげるのに成功した。

 

「やったニャン!」

 

「流石だな!」

 

「・・・・これくらい当然よ!」

 

こうたから褒められるとユニも口では威張っていたが表情はとても嬉しそうにしていた。

 

「やれば出来るじゃん!」

 

「こうた君のアドバイスのおかげですね」

 

「ユニ楽しそうルン!」

 

「うん! いい笑顔だね!」

 

それを側で見ていたひかる、まどか、ララ、えれなもユニの嬉しそうな表情を見て嬉しく思っていた。

 

「っ!」

 

そんな中でユニはお祭りの風景を見ている中で惑星レインボーでのお祭りのことを再び思い出していた。

 

『ユニ!』

 

『オリーフィオ!』

 

それは花火を見ながらオリーフィオとお祭りを楽しんでいた楽しい思い出だった。

 

「・・・・・・・・」

 

「ユニ? どうした?」

 

それを思い出したユニが深刻そうな表情を見せるとこうたは心配そうな表情をしながら話しかけた。

 

「・・・・私、帰る」

 

「え?」

 

そう言ってユニはお面をつけると立ち上がって帰るために歩き出した。

 

「えぇ!? もう帰っちゃうの!? 待ってよユニ!」

 

ひかるは急いで追いかけるが人混みの中でユニを見失ってしまった。

 

「「・・・・・・・・」」

 

それを見ていたこうたとララはユニのことを心配していた。

 

「・・・・すいません。これください」

 

そしてこうたは近くにあったりんご飴屋さんでりんご飴を2つ購入した。

 

「こうた、それ何ルン?」

 

「これか? りんご飴って言って地球のりんごって果物を使ってできた食べ物なんだ」

 

そこへララもやってきてこうたにりんご飴について説明した。

 

「それをどうするルン?」

 

「差し入れでユニに持って行くんだよ。あいつ、お祭りに来てからまだ何も食べてないからな」

 

「・・・・私も行くルン!」

 

「ララも?」

 

「ルン! 私もユニのことが心配ルン!だから・・・・」

 

「・・・・なら、りんご飴一つ追加だな」

 

「っ! ルン!」

 

こうしてララの分のりんご飴を追加で購入したこうたはララと共にユニを探しに森の方へと向かったのであった。

 

 

 

To Be Continued

 

 

 




         次回予告


ユニはついつい惑星レインボーのことを考えてしまいお祭りを最後まで楽しめなかった。

そんな彼女を気遣ってやってきたこうたとララは自身の思いをユニに伝える。

果たして2人の思いはユニに届くのか?

次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第66話 ユニの思い出 みんなで夏祭り! 後編

次回もお楽しみ!



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第66話 ユニの思い出 みんなで夏祭り! 後編

浴衣回の続きです。

早速本編をどうぞ!


こうた達はみんなで観星町星祭りに参加して射的や輪投げ、ヨーヨーつりに金魚すくいと色々なことで遊び、楽しい時間を過ごしているかに思えていたが、そんな中でユニは一人暗い表情のまま帰ってしまう。それを心配したこうたとララはりんご飴を買ってユニを探しにお祭りの会場から離れた場所にある森の中へとやってきていた。

 

「・・・・・・・・」

 

ユニはお面をつけたまま木の枝の上に座ってそこから夜空を眺めていた。

 

「ユニ・・・・」

 

「よっ」

 

「?」

 

そんなユニをこうたとララは見つけるとユニに声をかけた。

 

「あのさ、これ買ってきたんだ」

 

「食べるルン?」

 

「いらないわ」

 

グゥ〜

 

ユニはいらないと言うが、それとは反対にユニのお腹が鳴りユニが空腹であることがこうた達にバレてしまった。

 

「相変わらず素直じゃないのな」

 

「うるさいニャン!」

 

そしてこうたとララもユニのいる木を登り、横からユニ、ララ、こうたの順番で木の枝に座った。

 

「これ、本当に美味しいの?」

 

「私も初めてルン」

 

「え?」

 

「さっきララにも説明したけど、それは『りんご飴』っていって、地球のりんごって果物を使ってできたもので、甘くて美味しいんだ。とりあえず舐めてみろよ」

 

「そんなこと言われても・・・・」

 

「食べてないのに決めつけはなしルン・・・・ルン! 甘くて美味しいルン!」

 

「だろ?」

 

ララがこうたに言われた通りにりんご飴を舐めると甘くて美味しいとララはりんご飴を気に入ってくれたようだ。

 

「・・・・っ! まぁまぁね!」

 

ユニも恐る恐るりんご飴を舐めると口ではまぁまぁと言っているけど内心では少しくらいは気に入ってくれたみたいだった。

 

「もしかして、お祭り嫌いだったルン?」

 

「そんなことないわ」

 

「じゃあ、どうして楽しまないんだよ?」

 

「今の私は仮の姿だから・・・・」

 

「仮?」

 

「ルン?」

 

ユニの言ってることがこうたとララにはあんまり良く理解できなかった。

 

「宇宙アイドルも、宇宙怪盗も、本当の私じゃない。今あなた達とプリキュアをやってるのもペンを集めて惑星レインボーのみんなを救うため・・・・あなたも私と同じ異星人でしょ? どうして地球人と一緒に遊んでいられるの?」

 

ユニはララがどうして素直に地球人達と一緒に遊んでいられるのかが理解できずにいてそれをララに直接聞いてみた。

 

「・・・・最初は私もそう思ってたルン」

 

「え?」

 

「そういえばそうだったな。ララも俺やひかると出会った頃は意見が合わなくていつも言い争いしてたっけ?」

 

「こ、こうた!//// それはもう忘れるルン!////」

 

ララは過去の出来事が恥ずかしかったのか頬を赤く染めながらこうたに忘れるように頼んだ。

 

「けど、こうた達と出会って楽しい思い出がいっぱい増えたルン! それにみんなといると宇宙が広がるルン!」

 

「宇宙?」

 

ユニはララにそう言われて夜空を見上げた。

 

「その宇宙じゃないルン」

 

ララはそう言って自身の胸に手をあてた。

 

「みんなのおかげで心の中の宇宙が無限に広がっていくルン」

 

「心の宇宙・・・・」

 

「要するに、自分が知っている宇宙だけが全てじゃない。色んな人達と触れ合うことで自分が知っている宇宙がどんどん大きく広がっていくってことをララは言いたいんじゃないか?」

 

「ルン。その通りルン!」

 

「悪いけど私にはわからないわ」

 

「オヨ?」

 

「おい!」

 

ユニはララとこうたの考えが理解できないと言って木の枝から飛び降りて地面に着地した。

 

「私にとって大事なのは、全てのペンを手に入れて惑星レインボーを甦らせること。あなた達の力を借りるつもりはないわ」

 

そしてユニはそのまま歩いてどこかへ行ってしまった。

 

「オヨ・・・・」

 

「・・・・あいつも素直じゃないよな」

 

「こうた?」

 

ララが落ち込んでいる隣でこうたが喋り始めた。

 

「きっとユニはただ強がってるだけなんだよ。今まで一人でやってきたのにここで俺達を頼ってしまったら今までの自分を否定してしまうかもしれない。そんなことを気にしなくていいのにな・・・・」

 

「オヨ?」

 

こうたはそう言いながらララの頭を撫でた。

 

「大丈夫だ。ララの気持ちはきっとユニに届くよ。ララが俺達の気持ちを受け止めてくれたみたいにな」

 

「こうた・・・・ルン!」

 

ララが笑顔を見せるとこうたはララの頭から手を離してさっきユニがやったように木の枝から飛び降りて地面に着地した。

 

「よっと! そんじゃ俺はユニを連れ戻してくるとしますか。ララは先にみんなのところへ戻っててくれ」

 

「わかったルン」

 

こうたはララにそう伝えるとユニの後を走って追いかけていった。

 

 

 

こうた達と別れたユニは一人で夜の森の中を歩いていた。

 

「キュアコスモ」

 

「っ!」

 

「お仲間ごっこはもうおしまい?」

 

「テンジョウ!?」

 

そこへ今度はテンジョウとノットレイ達が現れるとユニはすぐにノットレイ達に取り囲まれてしまう。

 

「ペンを手に入れようと思ったけど、邪魔なあなたから始末してあげる」

 

「コマちゃん達!」

 

『ノットレイ!』

 

「煽れ団扇よ! 膨れろ! 歪んだイマジネーション!」

 

テンジョウは一ヶ所に集まったノットレイ達に歪んだイマジネーションを送り込むとノットレイ達は一つになり、いつものグレーの戦闘服を着た巨大ノットレイが誕生した。

 

「ノットレーイ!」

 

「スターカラーペンダント!カラーチャージ!」

 

「キラめく~星の力で~!憧れの~私描くよ~!」

 

「トゥインクル!トゥインクルプリキュア!」

 

「トゥインクル!トゥインクルプリキュア!」

 

「トゥインクル!トゥインクルプリキュア!」

 

「スター☆トゥインクル〜!スター☆トゥインクルプリキュア~~!」

 

「銀河に光る!虹色のスペクトル!キュアコスモ!」

 

 

 

巨大ノットレイはコスモに変身したユニを捕まえようと右手を伸ばしてきた。

 

「ノットレーイ! ノット!」

 

「ハアアーッ!」

 

しかしコスモはジャンプしてその右手の上に着地するとそのまま一気に駆け上がり、巨大ノットレイの頭上へとジャンプした。

 

「フッ! ハッ!」

 

コスモはそのまま巨大ノットレイの背後にある木に着地するとそこから別の木、更にまた別の木へと巨大ノットレイの周りを高速で移動し続けた。

 

「ノット、ノット、ノットレーイ」

 

巨大ノットレイはコスモの動きについていこうとするが失敗してその場で転んでしまう。

 

「楽勝ニャン!」

 

「フン! だったら、見せてあげる! ダークネスト様の力! あなたに勝てるかしら?」

 

「っ!」

 

するとテンジョウは歪んだイマジネーションを更に巨大ノットレイに与えると巨大ノットレイは1人から3人へと分裂し、戦闘服のお腹の部分にはちょうど数字の1から3の数字が刻まれていた。

 

『ノットレーイ!』

 

分裂した巨大ノットレイ達のパンチをコスモはギリギリでかわし続けていた。

 

「ううっ! こうなったら! っ!」

 

コスモはレインボーパフュームを取り出すが、プリンセススターカラーペンが手元にない事に気づいた。

 

「仲間がいなければペンを借りることも出来ない。レインボースプラッシュとやらも使えないわね」

 

『ノットーーレーーイ!』

 

「っ!」

 

動きが止まったコスモの隙をついて巨大ノットレイ達は同時にコスモにパンチを繰り出した。

 

そして巨大ノットレイのパンチで地面から土煙が舞っていた。 

 

「ノッ? ノット!?」

 

しかし、パンチを当てた場所にコスモの姿は何処にもなく、それに巨大ノットレイ達は動揺していた。

 

「いない!? どこ? どこに行ったの!?」

 

巨大ノットレイとテンジョウはいなくなったコスモを必死に探した。

 

そしてコスモ本人は目を瞑り、ジッと痛みがくるのを待っていたがいつまで経っても痛みはこなかった。

 

「危なかったな」

 

「え? あなた!?」

 

コスモが目を開けるとそこにはコスモのことをお姫様抱っこするキュアスペースジード・プリミティブの姿があった。

 

「キュアスペース!」

 

「あなた、どうして?」

 

「そんなの、助けに来たからに決まってるだろ?」

 

「けど、私は・・・・あっ」

 

コスモは俯くとその頭をスペースは撫でた。

 

「コスモが俺達をどう思っていようと、お前は俺達の仲間だ。誰が何と言おうとな」 

 

「(何で? どうしてコイツは私のことをそんな簡単に受け入れられるの?)」

 

スペースの言葉を聞いたコスモは潤んだ瞳でスペースを見て、どうしてスペースはそこまでしてくれるのかと考えていた。

 

「キュアスペース!」

 

するとテンジョウがスペースの名前を呼ぶとスペースもテンジョウと巨大ノットレイの方を向いた。

 

「あなたの方から来てくれるなんて好都合だわ。あなたを倒してウルトラマンの力も根こそぎ頂くわよ!」

 

「そんな事、させるわけないだろ」

 

「問答無用! いけ!」

 

『ノットレーイ!』

 

テンジョウの指示で巨大ノットレイ達はスペースへと突撃した。

 

「ノットレイ!」

 

「ノットレイ!」

 

スペースはコスモを巻き込まないように飛行してコスモから離れると巨大ノットレイ達のパンチをスペースは全て飛びながらかわした。

 

「プリキュア・レッキングリッパー!!」

 

スペースは巨大ノットレイより高い位置まで飛ぶとレッキングリッパーを放ち、巨大ノットレイ達にダメージを与えた。

 

「ちっ、やっぱりそう簡単にはいかないか・・・・っ! そうだ。コマちゃん達、アイツを狙いなさい!」

 

「っ!」

 

するとテンジョウは巨大ノットレイ達にコスモを狙うように指示した。

 

「コスモ!」

 

「ノットレイ!」

 

「くっ!」

 

スペースもコスモを助けにいこうとするが巨大ノットレイの一人に阻まれてコスモに近づけずにいた。

 

「ノットレイ!」

 

「ノットレイ!」

 

「うああっ!」

 

「コスモ!」

 

コスモも最初はジャンプしてかわしていたが、ジャンプした空中で巨大ノットレイからのラリアットをまともにくらってしまったコスモはそのまま吹き飛ばされてしまうと、最初からいた巨大ノットレイが倒れていたコスモを片手で鷲掴みにして捕まえてしまった。

 

「キュアコスモ、これで終わりよ」

 

「うううっ、うああああっ!」

 

「やめろおおおおっ!」

 

『ノットーーレイ!』

 

「ぐあああっ」

 

コスモを助けようと真っ直ぐ突っ込んでいったスペースだったが、コスモを捕まえた巨大ノットレイ以外の巨大ノットレイ2人のダブルラリアットを受けたスペースは自分から突っ込んでいく形からのカウンターだったのでかなりのダメージを受けてしまう。

 

「ううっ・・・・」

 

「ノットレイ!」

 

「ノットレイ!」

 

「ぐうっ、うあっ!」

 

その後も戦いの中でスペースは巨大ノットレイ達から殴られたり蹴られたりを連続で受けてしまうとその場にうつ伏せになって倒れてしまった。

 

「あっ!」

 

それを見たコスモは心配そうな表情でスペースを見ていた。

 

「あはははははっ! せっかく助けに来たのにやられるだけ、呑気にお仲間ごっこなんてしちゃってアンタ達は甘いのよ!」

 

「(・・・・ほらみなさい。裏切り者の私なんかと関わるからこんな事になるのよ・・・・)」

 

「それが、どうした・・・・」

 

「え?」

 

俯いていたコスモはスペースの声を聞いて顔を上げるとそこには痛みに堪えながら立ち上がるスペースの姿がそこにはあった。

 

「俺達がやってるのはごっこじゃない。コスモはこの広い宇宙で出会えた大切な仲間なんだ。だから見捨てない・・・・俺が絶対、絶対に助ける!」

 

「理解できないわね。そんな裏切り者の為にどうしてそこまでするの? いつかアンタ達のことだって裏切るかもしれないのよ」

 

「・・・・そうかもしれない。でも! コスモは惑星レインボーを、仲間を救おうと必死に頑張ってる。そんなコスモのことを俺は信じる! そして星を、仲間を思うコスモを俺は助けたい! だって俺達は・・・・仲間だから! はあああああっ!」

 

スペースは自身の覚悟を口にすると同時に両手を横に広げて全身から赤黒い闇のエネルギーを放出し目も激しく光っていた。

 

「っ! コマちゃん達!」

 

『ノットレイ!』

 

「プリキュア・・・・レッキングバースト!!」

 

テンジョウも慌てて巨大ノットレイ達に指示を出すが時すでに遅く、スペースは貯めたエネルギーを使ってレッキングバーストを放つと3人いる巨大ノットレイの内の1人に命中してその巨大ノットレイは爆発して消滅した。

 

「くっ!」

 

「まだまだぁ!」

 

そしてスペースはジードライザーとライザー、そして2本のウルトラカプセルを出現させた。

 

「融合!」

 

スペースがカプセルを起動するとそこから右手を頭上に翳したウルトラマンヒカリが現れて、そのカプセルをライザーにセットした。

 

「アイゴー!」

 

そしてもう一つのカプセルも起動するとそこからウルトラマンコスモスも左手を頭上に翳して現れるとそのカプセルもライザーにセットしてジードライザーを起動した。

 

「ヒアウィーゴー !」

 

そしてスペースは右手に持ったジードライザーでカプセルをセットしたライザーをリードしてジードライザーにそのウルトラマン達の力を送った。

 

『フュージョンライズ』

 

「見せるぜ! 衝撃!!」

 

そしてスペースはジードライザーを頭上に掲げるとそれを胸元の位置に持ってきた。

 

「ジード!」

 

『ウルトラマンヒカリ! ウルトラマンコスモス! キュアスペースジード・アクロスマッシャー!』

 

そして2人のウルトラマンが光となってスペースと一つになると、スペースはキュアスペースジード・アクロスマッシャーへと変身した。

 

「ジードクロー!」

 

スペースはジードクローを召喚して高速で移動しながら、巨大ノットレイ達を攻撃し続けた。

その中でコスモを捕まえていた巨大ノットレイはコスモを盾にしようとしたが、スペースはギリギリの所でコスモを持つ腕を避けると、スペースはその右手の周りを回転しながらその腕をジードクローで切り裂いた。

 

「ノットレーイ!」

 

「きゃっ!」

 

巨大ノットレイは痛みからコスモを握っていた手を離してしまい、コスモはそのまま下へ落下するが、スペースがそんなコスモをキャッチしつつ一旦巨大ノットレイから距離を取った。

 

『シフトイントゥマキシマム!』

 

スペースはジードクローをジードライザーでリードしてクローを展開させた後、持ち手のトリガーを3回引いてスイッチを押し込んだ。

 

「プリキュア・ディフュージョンシャワー!!」

 

「ノットレーイ」

 

スペースはジードクローからエネルギーを撃ち出すとそれが空中で停滞し、それが無数に分散する破壊光線となって相手の頭上に放つ技『ディフュージョンシャワー』を巨大ノットレイの内の一体に放つとそれを受けた巨大ノットレイはそのまま消滅してしまった。

 

「大丈夫か?」

 

「え? えぇ・・・・っ! 来るわよ!」

 

「ノットレーイ!」

 

そして最後の巨大ノットレイがゆっくりとスペース達に近づいてきていた。

 

「絶対に、守ってみせる!」

 

 

そう言ってスペースの周りに再びジードライザーやライザー、そして新たな2本のウルトラカプセルが現れるとそれを掴んだ。

 

「融合!」

 

スペースがカプセルを起動するとそこから右手を頭上に翳した頭に2つのゼロスラッガー装着した上半身が青で下半身が赤いウルトラマン『ウルトラマンゼロ』が現れて、そのカプセルをライザーにセットした。

 

「アイゴー!」

 

そしてもう一つのカプセルも起動するとそこから頭に2本のウルトラホーンをつけた赤とグレーのウルトラマン『ウルトラの父』も右手を頭上に翳して現れるとそのカプセルもライザーにセットしてジードライザーを起動した。

 

「ヒアウィーゴー !」

 

そしてスペースは右手に持ったジードライザーでカプセルをセットしたライザーをリードしてジードライザーにそのウルトラマン達の力を送った。

 

『フュージョンライズ』

 

「守るぜ! 希望!!」

 

そしてスペースはジードライザーを頭上に掲げるとそれを胸元の位置に持ってきた。

 

「ジード!」

 

『ウルトラマンゼロ! ウルトラの父! キュアスペースジード・マグニフィセント!』

 

そして2人のウルトラマンが光となってスペースと一つになると、スペースの身体が光り輝いてその光が消えるとそこにはメインカラーは青・赤・銀で、胸と両腕は銀の鎧のようなものに守られており、両肩には赤い角のようなものもついている『キュアスペースジード・マグニフィセント』へと変身した。

 

※スペースはウルトラマンジード・マグニフィセントのような頭についた2本のウルトラホーンはスペースについていません。

 

 

 

「ノットレーーイ!」

 

巨大ノットレイは自身の右手を大きく振りかぶりそのままスペースを殴ろうとするが、スペースは両手を前に出して体の前面にウルトラアレイを模したエネルギーの盾を形成する技『アレイジングジードバリア』を発動して巨大ノットレイのパンチを防いだ。

 

「ノッ!? ノットレイ! ノットレイ!」

 

それからも巨大ノットレイは両手を使って連続でパンチを繰り出すが強力なバリアを突破する事はできなかった。

 

「そんな!?」

 

「なんて頑丈なバリアなの」

 

これにはテンジョウもコスモも驚きを隠せずにはいられなかった。

 

「フッ!」

 

「ノットレーイ!」

 

スペースは手裏剣状の光のカッターを形成する技『メガスライサークロス』を巨大ノットレイを狙ってアンダースローで投擲すると、それを受けた巨大ノットレイは後方へ後ずさっていった。

 

「ハアッ!」

 

そこから追い討ちをかけるかのようにスペースはジャンプすると巨大ノットレイの胸を狙って肩と肘の間に生み出した光の回転ノコギリで相手を切り裂く技『メガ二ストライク』で巨大ノットレイを攻撃した。

 

「くらえ!」

 

「ノットレーイ」

 

そしてスペースは両肩の尖った赤い角のようなものから電撃を発生させ、相手にムチのように打ち据える『メガエレクトリックホーン』を巨大ノットレイにぶつけて吹っ飛ばした。

 

※本来なら、ジードはこの技を頭のウルトラホーンから放っていますが、スペースにはそれがないのでスペースの場合は肩からの発動とさせていただきます。

 

 

 

「凄い・・・・」

 

「くっ、なにしてるの! さっさと立ちなさい!」

 

「ノッ、ノットレイ・・・・」

 

コスモがスペースの戦いを見ているとテンジョウは倒れた巨大ノットレイに指示を出して立ち上がらせた。

 

「ノットレイ!」

 

「ハアッ!」

 

巨大ノットレイからのパンチに対してスペースは拳に緑色のエネルギーを纏って放つ技『メガボンバーパンチ』で巨大ノットレイのパンチにぶつけた。

 

「ノットレイ! ノットレイ!」

 

「ハアッ! デヤッ!」

 

それからスペースは両手の拳に緑色のエネルギーを纏わせると、お互いに両手で殴り合いとなり、互いに一歩も引かない戦いが続いていた。

 

「・・・・・・・・」

 

コスモは黙ってスペースの戦いをジッと見ていた。

 

『コスモは惑星レインボーを、仲間を救おうと必死に頑張ってる。そんなコスモのことを俺は信じる! 』

 

「(全く、どこまでもお人好しなんだから・・・・)」

 

そう考えながら座っていたコスモはゆっくりと立ち上がった。

 

「レインボーパフューム! いくニャン!」

 

コスモはちょうどスペースから離れた巨大ノットレイに向かってレインボーパフュームを構えた。

 

「プリキュア・コスモシャイニング!!」

 

そしてコスモはパフュームを青く輝かせると足元に青い三角のフィールドをできていて、トリガーを引くと青い光の香水を放って相手にあびせて怯ませる技『コスモシャイニング』を受けた巨大ノットレイは少しだが怯んでいた。

 

「今よ!」

 

「あぁ!」

 

コスモがスペースに向かって叫ぶと、それを聞いたスペースは飛ぶのをやめて地面に着地した。

 

スペースは両手の拳を合わせるとそこからゆっくりと両腕を横に広げていった。

その時の両腕には緑と青い光のエネルギーを貯められていた。

 

「プリキュア・ビッグバスタウェイ!!」

 

「ノットレーイ・・・・」

 

スペースは両腕にエネルギーを貯めた後、腕をL字に組んで体内エネルギーをスパークさせて発射する必殺光線『ビッグバスタウェイ』を放つとそれを受けた巨大ノットレイは爆発して、その周りには巨大ノットレイになっていた複数のノットレイ達が倒れていた。

 

「ちっ! 出直しだね」

 

そう言ってテンジョウはノットレイ達を連れてワープホールを使って撤退した。

 

「ハァ・・・・ハァ・・・・うっ!」

 

その直後、立っていたスペースは全身を光らせながら地面に膝をついた。

 

膝が地面についた頃にはプリキュアへの変身も解けて元の浴衣姿のこうたに戻っていた。

 

「ちょっと! 大丈夫!?」

 

それを見たコスモが慌ててこうたに駆け寄った。

 

「あぁ、なんとかな・・・・」

 

こうたはそう言うがコスモはそう思わなかった。何故なら、先程の戦いの中で巨大ノットレイ達に痛めつけられた時のダメージでこうたの顔や手足には擦り傷や痣がたくさんできていて、それがこうたの現状を示していたからだ。

 

「おーい!こうた! コスモ!」

 

「2人とも大丈夫?」

 

するとそこへプリキュアに変身したスター達が駆けつけてスターとソレイユがこうたとコスモに声をかけてきた。

 

「私は大丈夫よ。けど・・・・」

 

「こうた君!? 大丈夫ですか!?」

 

「怪我してるルン!?」

 

こうたが怪我してる事に気づいたセレーネとミルキーが膝をついているこうたに合わせて自分達もしゃがんでこうたに声をかけた。

 

「大丈夫だってこれくらい・・・・いっ!」

 

「全然大丈夫じゃないでプルンス!」

 

「痛そうフワ・・・・」

 

「早く手当てしないと!」

 

「急いでロケットに戻ろう!」

 

プルンスとフワもこうたを心配し、スターとソレイユの提案でこうたを連れて急いでロケットに戻る事にした。

 

そしてロケットに戻ったスター達はみんな変身を解除して元の浴衣姿に戻ると、そこにあった救急セットでこうたを手当てを行った。

 

幸い大きな怪我はなかったが、身体中に擦り傷や痣、それによる身体の痛みもあったのでこうたは絆創膏や湿布、傷当てパッドを顔や身体につける為に消毒をしたり、キズ薬を塗ったりしたのだが・・・・

 

「痛い痛い痛い痛い! そこもう少し優しく・・・・」

 

「我慢、我慢」

 

「男の子なんですから」

 

「今それ関係な、イッテェェ!」

 

こうたの手当てをしていたえれなとまどかの容赦のない行いにこうたはずっと痛がっていた。

 

「けどさ、大きな怪我がなくてホントに良かったよ」

 

「ルン」

 

「ララがこうたの帰りが遅いとソワソワしていたのを見かねて、みんなで様子を見に行ったでプルンスが・・・・無事でよかったでプルンス」

 

「プ、プルンス!////」

 

ひかるとララがこうた達の無事に安心しているとプルンスがみんなでこうた達を待っていた時のララの事を話した。それによりララは頬を真っ赤に染めて恥ずかしがっていた。

 

そしてユニはロケット内の隅っこでこうたが手当てされている姿を黙って見ていた。

その後こうたの手当てが終わるとユニはこうたの側に近づいた。

 

「いててててて、ん? ユニ? どうした?」

 

「その・・・・一応お礼を言っておこうと思って・・・・」

 

「お礼?」

 

「えぇ、さっきは助かったわ。だから、ありがとう////」

 

ユニは照れているのか少しだけ頬を赤くしながらそっぽ向いた状態でこうたにお礼を言った。

 

「どういたしまして。けど気にしなくていいからな。だって俺達は・・・・」

 

「『仲間だから』って言いたいんでしょ?」

 

「わかってるじゃん」

 

「あれだけ言ってたらいやでもわかるわよ」

 

「そっか、でもユニが無事で良かった」

 

「フン!」

 

ユニは再びそっぽ向くが、今までとは違いユニの口調からは厳しさではなく優しさが感じられたのをこうたは気づいた。

だからこそ、こうたも無事で良かったと自然と口にできたのだ。

 

ドーン! ドーン!

 

「あっ! 花火始まっちゃった」

 

こうたとユニが話してる時に外から大きな音がするとひかるが今回の祭りの名物でもある花火が始まった事に気づいた。

 

「天文台まで急ごう」

 

「ですが、今のこうた君に無理をさせるわけには・・・・」

 

「そっか・・・・」

 

えれなは急いで天文台に行こうと言うが、まどかは怪我をしているこうたのことを考えてそれは難しいと判断した。

 

「・・・・っ! それならいい場所があるルン!」

 

ララが何を思いつくとみんなでロケットの外に出て、それからみんなでロケットの上に登り、ロケットの上にあるリボンの飾りに背中を預けて先端の丸まってる部分に座る事でそこからみんなで花火を見た。

 

『おぉ・・・・』

 

「キラやば〜っ☆!」

 

「オヨォ、綺麗ルン」

 

「あぁ、最高の眺めだな」

 

その時の座る順番は左からえれな、ひかる、こうた、ユニ、ララ、まどかの順番で座り、プルンスとフワはリボンの飾りの上に座っていた。

 

「みんなで見ると格別だね」

 

「えぇ、とっても素敵です」

 

えれなとまどかもこの光景にとても満足しているとユニは静かに花火を見ながら惑星レインボーで見た花火とそこでの思い出を思い出していた。

 

「ユニ、どうしたルン?」

 

「別に、何でもないわ」

 

「お祭りって楽しいでしょ?」

 

「・・・・まっ、悪くないわね」

 

ひかるに楽しいかと聞かれて悪くないと答えるユニを見て、ララとこうたは自然と笑顔になった。

 

こうして大変な事もあったが、ユニの中でひかる達との新しい思い出ができて、こうたに対する印象が変わるきっかけとなった夏祭りは幕を閉じたのであった。

 

 

To Be Continued

 




         次回予告 


ララの故郷、惑星サマーンにいるララの兄から通信が入った。

内容はプリンセスの力が見付かったというものでみんなでサマーンへ向かうことに・・・・

しかしララはみんなで行くことに対してあまり乗り気ではなかった。


次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第67話 いくぞサマーン! みんなでパジャマパーティーだ! 前編

次回もお楽しみ!



※もしよろしければ、皆さんがこれまでの話で感じた感想やコメントがあれば送って下さい。
皆さんからのコメント、そして評価が頂けたら凄く嬉しいです。
よろしくお願いします。



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第67話 いくぞサマーン! みんなでパジャマパーティーだ! 前編

こうたはひかる達と共にユニを誘って観星町の星祭りに行ってみんなで楽しんでいたのだが、突然ユニが帰ってしまいそれを追ってこうたとララがユニと話をするが彼女は再び一人で行ってしまった。そこへ今度はノットレイダーの襲撃を受けるがスペースの活躍でそれを撃退。しかしその戦いの中でこうたが負傷してしまい、天文台には戻らずにみんなでロケットの上から花火を見て夏の思い出を満喫していた。

 

 

『ララ様、惑星サマーンより通信が届いています』

 

「ルン?」

 

そこへララのグローブから彼女の故郷『惑星サマーン』から通信が届いた事をロケットのパーソナルAIが教えてくれた。

 

『ロケットより転送します』

 

『ララ、何処にいるルン? すぐ帰ってくるルン!』

 

「オヨ? ロロから通信ルン」

 

「ロロって誰だ?」

 

「私の兄ルン」

 

「ええっ!? お兄さん!?」

 

ララの口から出たロロという人物が誰なのかとこうたが聞くとララの兄だと知ってひかるは驚いた。

 

『見つけたルン・・・・プリンセスの・・・・力!』

 

「ルン!?」

 

『えぇ〜〜っ!?』

 

なんとそれはララの兄からの残り2つのプリンセスの力の内の一つを見つけたという連絡だった。

その日はもう夜ということもあったので詳しい事は明日決めることになりその日は解散となった。

 

そして翌朝、ひかる達はロケットに集まるとサマーンから通信が届いたことをアブラハムと通信で連絡を取って話していた。

 

『サマーンのメッセージデータか』

 

「メッセージデータ?」

 

「通信データをダウンロードするの!全部のデータがダウンロード出来たらね、声とか映像を再生出来るんだよ。」

 

「詳しいですね」

 

「だって、アブラハム監督の『宇宙清掃』に出てきたもん!」

 

ひかるはアブラハムが撮影した映画での出来事が今回のことと一致したらしく、わからなかったまどかに説明をした。

 

「さも自分のアイデアのように映画でまるっと使ったでプルンスなぁ・・・・」

 

『オホン!』

 

プルンスにツッコまれるとアブラハムは咳払いをした。

 

『でも、地球とサマーンは距離が離れすぎだ。そう簡単にダウンロード出来ない筈・・・・』

 

「きっとロケットが星空界に行った時に、多くのデータを蓄積してたニャン」

 

「成る程・・・・って君だれ?」

 

「あぁ・・・・彼女は新しく仲間になったユニっていって、詳しい事はまた今度話します!」

 

アブラハムからユニのことを聞かれるとこうたはユニが新しい仲間であることだけを伝えて、惑星レインボーや彼女が新しいプリキュアになったことなどの詳しい詳細は今度説明する事にした。

 

「あのさ・・・・話に全然ついていけないんだけど・・・・」

 

「はい。さっぱりです」

 

「キョトンフワ」

 

「とにかく、プリンセスのペンが見つかったってことよ」

 

話が理解できなかったえれなとまどか、フワに対してユニが要点だけを彼女達に伝えた。

 

「うん! 行こう! サマーンに!」

 

「オヨ!? 大丈夫ルン! 一人で行ってくるルン!」

 

「え? 何で?」

 

ひかるがサマーンへ行くことを決めるとララは一人で行くと言い出した。

 

「ええっと・・・・そうルン! サマーンに行ったら私も調査の報告とか色々あるルン! 一週間は帰れないルン!」

 

「だったら泊まる準備をしていくよ」

 

「えぇ、他ならぬララのお兄様からの連絡です。行きましょう」

 

「大丈夫! 夏休みだし、学校ないし!」

 

えれなもまどかもひかるもサマーンに行く気満々だった。

 

「でも、家には何て言うルン?」

 

『そういうことなら私に任せてくれ。君達のご家族には私から話しておこう。泊まりのロケ撮影に協力してもらうとでもね・・・・』

 

「オヨ!?」

 

そこへアブラハムが助け舟を出した事で全ての問題はクリアされてしまった。

 

「よぉし! みんなでサマーンへ、レッツゴー!」

 

『おぉ〜っ!』

 

「オヨ・・・・」

 

こうして明日の早朝に泊まりがけで惑星サマーンへ出発することが決定し、そんな中でララだけはため息をついていた。

 

『ていうかこうた君、きみその怪我はどうしたんだい?』

 

「あぁ、これは昨日ノットレイダーと戦った時に怪我しちゃって・・・・まぁ大した怪我じゃないですけど・・・・」   

 

『そうかい? だがあまり無理はするんじゃないぞ』

 

「はい、お気遣いありがとうございます。アブラハムさん」

 

こうたとアブラハムの話が終わると通信が終わり、早速ひかる達は明日の準備の為にそれぞれの自宅へと帰宅した。

 

「ララ、大丈夫か?」

 

「こうた?」

 

しかしこうただけは一人残って元気のないララに声をかけた。

 

「もしかして、俺達がサマーンに行くことで何かマズイことでもあるのか?」

 

「そ、そんなことないルン! 大丈夫ルン!」

 

「そうか? ならいいんだけど・・・・」

 

こうたはララが元気ないのは自分達がサマーンに行くことが原因じゃないかと心配して聞いてみたがそうではないとララは答えた。

 

「それよりも私はこうたの方が心配ルン!」

 

「え? 俺?」

 

「ルン。こうた、怪我はホントに大丈夫ルン?」

 

ララはこうたの怪我が心配だと自身の気持ちを伝えた。

 

なにせ昨日のことでもあったので今のこうたの服装は両肩から袖の部分が赤く、それ以外は全て白い半袖のTシャツとジーパンに黒い靴という服装だが、こうたの左腕の二の腕には痣ができた左腕を冷やす為に湿布を貼り、それが剥がれないように上から包帯が巻かれているのでそれがTシャツの袖からはみ出していた。

 

他にもこうたの左頬には傷当てパッドが貼ってあり、こうたから見て右の眉毛の上には絆創膏も貼ってあったりと顔や身体、手足など、昨日の戦いで受けたダメージがまだ完全には治っていないことをララは心配していた。

 

「俺なら大丈夫だって。まだ痛みはあるけど、そこまで激しい動きをしなければ平気だって父さんも言ってたし、だから問題ないさ」

 

「ルン・・・・」

 

こうたは包帯が巻いてある左腕を触りながら大丈夫だと言うが、ララの表情は暗いままだった。

 

「ララ?」

 

「あの時、私もこうたと一緒にユニを追いかけていれば、こうたがそんな怪我をすることはなかったかもしれないルン」

 

「え? いやそんなことは・・・・」

 

「あるルン! こうたはノットレイダーから狙われているってわかってたはずなのに・・・・なのに私は、こうたならきっと大丈夫だってどこか安心してたルン。そしてその油断がこうたが怪我をするって結果を招いたルン」

 

「ララ・・・・」

 

こうたは気づいた。ララは自分の所為でこうたが怪我をしたと自分を責めていることに・・・・それに気づいたからこそこうたはララに近づいて椅子に座っている彼女の側でしゃがむとその頭を優しく撫でた。

 

「オヨ? こうた?」

 

「ごめんな」

 

「え? どうしてこうたが謝るルン?」

 

「だって、俺が怪我をしたのは自分の所為なのにそれでララが責任を感じるのは違うって思ったからさ」

 

「こうた・・・・」

 

「俺ならホントに大丈夫だ。まだ本調子じゃないけど、そこはララ達に助けてもらおうって思ってるし、だからもし困った事があったらその時は俺の事を助けてくれないか?」

 

「・・・・ルン! 勿論ルン! その時は私がこうたの事を助けるルン!」

 

「あぁ、頼りにしてるぜ」

 

「ルン!」

 

こうして少しは元気を取り戻したララに見送られてこうたもサマーンに向かうための準備をするために帰宅した。

 

そして翌朝、こうたはひかるとフワと共にロケットへと向かい問題なく到着したのだが、その移動中はひかるもフワもとても眠そうにしていた。

 

「フワァ・・・・」

 

「なんだか眠そうですね?」

 

「うんサマーン行けると思ったらフワと盛り上がっちゃって・・・・」

 

眠そうにしてることについてまどかが尋ねると、どうやらひかる達はサマーンに行けることに興奮しすぎてほとんど眠らなかったらしい。

 

「全然寝れなくて・・・・」

 

「ねむねむフワ・・・・」

 

「お前なぁ・・・・」

 

「全く・・・・」

 

「みんな!」

 

それを聞いたこうたとユニが呆れているとそこへえれなが遅れて到着した。

 

「お待たせ!」

 

「これで全員揃ったな」

 

それからこうた達はロケットの中に入りそれぞれ席に座ってシートベルトをつけた。

 

「じゃあサマーンに向けて、出発!」

 

『おぉーっ!』

 

「オヨ・・・・発射ルン」

 

そして乗り気じゃないララはロケットの発射ボタンを押すとロケットは発射されて問題なく宇宙空間へと到着した。

 

〜〜♫

 

「オヨ?」

 

「きっとサマーンにあるペンに反応したでプルンス!」

 

「フワ! フーーワァ〜〜ッ」

 

ララのペンダントがサマーンにあるペンに反応しフワがいつものようにワープホールを開いてロケットはその中に入るが、ワープホールを出た先には何やら巨大な雲があってロケットはそれに激突した。

 

「オヨ・・・・」  

 

「いててて・・・・」

 

「ふわっと柔らかい小惑星、『ショウフワクセイ』の御蔭で助かったわね」

 

ユニはひかるの持つ星形の望遠鏡で周りの星を観察して自分達がいま星空界の何処にいるのかを調べていた。

 

「・・・・サンメラワーか」

 

「お花の太陽?」

 

「てことは、シータ378系ね」

 

「サマーンまでは大分距離があるルン」

 

「ワープ失敗でプルンスか!?」

 

「フワァ・・・ ねむねむフワ・・・・」

 

「フワ?」

 

ユニのおかげで現在地は確認できたがサマーンとは関係ない場所にワープしてしまったためワープ失敗となってしまった。

その理由はフワの寝不足が原因らしくフワはトゥインクルブックの中に入るとそのまま眠ってしまった。

 

「夜ふかしの所為でプルンスなぁ・・・・」

 

「ひかる・・・・」

 

「反省してます・・・・ふあぁ・・・・」

 

ひかるも反省はしているがとても眠そうにしていた。

 

「ひかるも休んだ方がいいのでは?」

 

「ちゃんとベッドでパジャマに着替えてさ」

 

「パジャマ! そうだった! パジャマ!」

 

『?』

 

そしてパジャマという単語を聞いた途端にひかるは元気になり、全員がパジャマに着替えさせられた。

勿論こうただけは自身の部屋で着替えて、他のメンバーは中央の広い部屋で着替えた。

 

「ユニも私のパジャマピッタリだね」

 

「何であたし達まで・・・・」

 

「地球の時間だとまだ朝なのに・・・・」

 

「寝てる場合じゃないの! 泊まりがけって聞いた時から決めてたの! キラやば〜っ☆!なパジャマパーティーをするって!」

 

「「パジャマパーティー?」」

 

「すっかり元気になりやがった」

 

ララとユニはパジャマパーティーがどういうものか知らないみたいだったがこうたはさっきまで欠伸していたひかるとは別人のように元気になったひかるを見て若干驚いていた。

 

「って何ルン?」

 

「よくぞ聞いてくれました!全部ビデオが教えてくれる!」

 

『ビデオ?』

 

「友達と夜更かしして映画を観たり、お菓子を食べて盛り上がる!それがパジャマパーティー! 」

 

「コイツ全然懲りてねぇ・・・・」

 

ひかるは家から持ってきたビデオをセットしてみんなでお菓子やドーナツ、飲み物を用意するとみんなで並んでその映画を観ようとしていた。

並び順は左からまどか、ララ、ひかる、えれな、こうた、ユニの順番で並び、用意した座布団に座っていた。

 

「この映画が教えてくれたの。アブラハム監督の初期の名作『ジャマシック・パーク』! それもTV放送版!」

 

そしてロケットのモニターから映画が再生されタイトルの『ジャマシック・パーク』が表示されて映画が始まると、そこには雷雨の夜の中にたつ屋敷の姿があった。

 

「今どきテープなんてアナログすぎでプルンス」

 

「まぁ最近はもうDVDとかBDがメインだからそう思うのも無理ないか」

 

「それが良いんじゃん! ある嵐の晩にシックなパジャマを着てパジャマパーティーをしてるところに・・・・宇宙モンスターが!」

 

「うわああああっ!」

 

「えれな!? っていうかイッテェ!」

 

頭に2本の触角をつけた作られた着ぐるみっぽい緑色のモンスターが画面に現れると、突然えれなが悲鳴を上げてこうたの右手にしがみついてきた。

こうたはそれに驚くが、それ以前にこうたの右腕も絆創膏や傷当てパットはしていないが痛めていることには変わりないのでそこを思いっきり掴まれてこうたは痛がっていた。

 

「えれなさん?」

 

「お化けと怖い映画は苦手なの・・・・」

 

「マジ?」

 

「ノットレイダーと戦っているのに?」

 

「それとこれとは違うから・・・・」

 

えれなはお化けや怖い映画が苦手という新たな事実が発覚するとこうたとユニがえれなにツッコむがどうやら本当らしい。

 

「怖いって、めちゃくちゃ安っぽいルン」

 

「きっと予算が少なかったんだろうな」

 

「このSFXがいいんじゃないの! 手作り感がいっぱいでさぁ・・・・」

 

「はい! このセンス、素晴らしいです!」

 

「オヨ!?」

 

ひかるの説明を聞きながら何故かまどかもその映像に感動していてララはそれに驚いた。

 

「うぅ〜〜っ!」

 

「痛い痛い痛い痛い!」

 

すると今度は誰かが鍵のかかった扉をこじ開けようとするシーンになると再びえれなが悲鳴を上げてまたこうたの右腕にしがみついた。

 

「大丈夫だよ。今のはただの風でね・・・・」

 

「って! ネタバレ禁止です!」

 

「ごめん」

 

「まどか、マジでハマってるんだな・・・・」

 

ひかるがえれなに説明しようとするとまどかからネタバレ禁止と注意されるひかるを見て、こうたはまどかが本気でこの映画に夢中だって事を理解した。

 

ブゥ〜〜ッ! ブゥ〜〜ッ!

 

「うわああああっ!」

 

すると今度はロケットの警報が鳴り、再びえれなが悲鳴を上げた。

 

「ロケットの警報ルン。どうしたルン?」

 

『外部ハッチが解放・・・・」

 

「ルン!?」

 

『・・・・閉まりました』

 

どうやらロケットの外部ハッチが勝手に開いた事に対する警報だったが、それもすぐに収まった。

 

「ショウフワクセイにぶつかった所為でセンサーが誤作動したルン?」

 

「そうなのか?」

 

「ああああっ!」

 

「何ぃ!?」

 

「プルンスのドーナツがないでプルンス!!」

 

すると今度はプルンスが驚きの声を上げるとそれに対してもえれなは反応したが、どうやらテーブルの上に置いてあったプルンスのドーナツがなくなっている事に対して驚いていたらしい。

 

「誰が食べたでプルンス!?」

 

「私じゃないよ!」

 

「ハッ! この密室で大胆不敵に物を取る。そんな芸当ができるのは宇宙怪盗でプルンス! 」

 

「あぁ、ユニなら・・・・」

 

「って、寝てるでプルンス!?」

 

「どうやら飽きたみたいでさっきからずっと寝てるぞ」

 

プルンスはドーナツを食べた犯人がユニだと判断するが、その時ユニはソファーの上で丸くなって寝ていることをこうたがプルンスに教えた。

 

「こんなに怖い映画を観ながら寝られるって信じられない」

 

「いや、俺もその気になれば多分寝られると思うけど、今はえれなの所為でそれどころじゃないんだよなぁ・・・・」

 

「ご、ごめん!」

 

「怖がる方が信じられないルン」

 

こうたは右腕が痛くなってきたのでえれなに手を離してもらうと、えれなは持っていた枕を抱きかかえたまま蹲ってしまい、ララが呆れた表情をしている横でまどかは興味津々といった表情をしながら目を輝かせていた。

 

「ユニ、起きて! これからモンスターが暴れまくりだよ!凄いんだよ!」

 

「だから、ネタバレ禁止です!」

 

「重要なシーンだから巻き戻すよ」

 

「巻き戻し禁止!」

 

ひかるがユニを起こそうとしたり、巻き戻そうとしたり、他にもまどかやえれなから様々なことを禁止にされたりと色々なことが起こりながらも映画の上映は続いた。

 

 

To Be Continued

 

 




         次回予告


フワのワープ失敗により宇宙空間を漂うロケットの中で、パジャマパーティーの効果なのかひかる達は普段はしないような話をしてお互いの事を更に知る事ができた。

それによって得た団結力で、彼女達はノットレイダーを迎え撃つ!


次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第68話 いくぞサマーン! みんなでパジャマパーティーだ! 後編

次回もお楽しみ!



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第68話 いくぞサマーン! みんなでパジャマパーティーだ! 後編

久々の投稿になってしまい申し訳ありません。

お詫びに次回の話は今週中に前編と後編をまとめて投稿しますのでそちらも楽しみにしていてもらえたら嬉しいです。



こうた達はララのお兄さん『ロロ』からプリンセススターカラーペンをみつけたという連絡を受けたララは、みんなでララの故郷『惑星サマーン』に向かうことになったのだが、フワが夜更かしして寝不足だったのが原因で星空界のサマーンとは関係に場所に出てしまった。

フワと同じく寝不足だったひかるに寝るように勧めると突然パジャマパーティーが始まってしまい、ひかるが持ってきた映画のビデオをみんなで見ることになった。

 

そしてその映画もエンディングを迎えて無事に上映は終了した。

 

「ブラボー! 最高でした!」

 

「ねぇ! 良かったでしょ?」

 

「はい! 素晴らしかったです!」

 

「「「や、やっと終わった・・・・」」」

 

まどかとひかるは映画にかなり満足していたがこうたと、ララ、えれなの3人は何もしてないのにクタクタだった。

 

「で? 何するの?」

 

そこへ先程目を覚ましたユニがみんなに質問してきた。

 

「う〜ん、どうしようねぇ・・・・」

 

「では! アンコール上映を・・・・」

 

『もういい(ルン)!』

 

「しぃ〜、フワが起きるでプルンス」

 

みんなで大声を出してしまいプルンスに注意されてしまった。

 

それからのロケット内はフワを気にしてかとても静かになった。

 

「それにしても、宇宙って静かだね・・・・」

 

「うん。私さ、初めてなんだよね・・・・」

 

『えっ(ルン)?』

 

ひかるが初めてと言ったことについて、みんなが気になっていた。

 

「お泊まりは前に合宿でしたけど、みんなとこうしてパジャマパーティーするのがさ・・・・」

 

「あたしも、家の事があるとね・・・・」

 

「わたくしも、学校行事やこの前の合宿ではありますが・・・・」

 

「そっか・・・・」

 

「えれなは家族のことをずっと気にかけてたし、まどかも習い事とかで忙しそうだったからな・・・・まぁ俺もひかる以外とこうやって誰かと一緒にパジャマパーティーするのは初めてだけどさ」

 

ひかるとえれな、まどか、そしてこうたはこうしてみんなで集まってパジャマパーティーをするのが初めてだとそれぞれ話していて、ユニとララはそれを静かに聞いていた。

 

「随分と久しぶりな気がします。静かで穏やかな一日は・・・・」

 

「え?」

 

「花道、茶道、弓道、ピアノのお稽古、勉強とやる事がいっぱいで・・・・」

 

「そういえばまどかさん、泊まりってお父さん大丈夫だったの?」

 

「えぇ、まぁ・・・・」

 

まどかは冬貴と話をして留学を前に見聞を広げるのも良い事だと許可をくれたらしい。

 

「まどかさん、留学するの?」

 

「えぇ。夏休みがあけたら準備に入ります」

 

「てことはこれから益々忙しくなりそうだな」

 

「凄いね」

 

「凄いですか? 父も祖父も留学してましたし、そういうものだと・・・・」

 

「まぁ家族が当たり前だと思ってることは自分でも当たり前だと思っちゃうよな」

 

「そうかもしれません。えれなは? お家の方は?」

 

「うん・・・・」

 

まどかはえれなの方はどうなのかと聞いてみると、えれなも弟や妹のことが心配で今回のサマーン行きをどうしようかと悩んでいたが、両親が背中を押してくれたおかげでえれなもみんなと一緒にサマーンに行くことができたのだ。

 

「正直、今も気が引けてるんだ。朝、ギリギリまで弟達の面倒見てて遅れてね・・・・パパはお店があるし、ママも英語とスペイン語の通訳ができるからね。忙しいんだ」

 

えれなは自身の気持ちをみんなに打ち明けた。

 

「でも俺は2人とも凄いと思うよ。色々大変なのにそれでもちゃんとやるべき事をやってるって気がしてさ・・・・」

 

「でも、それならあたしもこうたの事を凄いって思ってるよ」

 

「え? 俺?」

 

「えぇ、わたくしもです」

 

「まどかも?」

 

こうたは突然自分の事を話題にされて少し驚いていた。

 

「実はあたし達、昔のこうたの事をさとしさんから聞いたんだ」

 

「え? 父さんから?」

 

「はい。昔のこうた君は誰にも頼らず、自分だけの力で頑張ろうとしていた時期があったと・・・・」

 

「っ!」

 

テーブルに右手の肘をついて、その右手で顔を支えながら話を聞いていたユニはこうたの話を聞いて驚きの表情を見せていた。

 

「けどこうたはひかると出会ってから誰かの為に頑張るようになったんでしょ?」

 

「えぇ!? そうだったの!?」

 

えれなの言葉を聞いて、それらの話を初めて聞いたひかるはとても驚いていた。

 

「まぁな。俺は両親の事を尊敬してて、自分も両親のようになりたいって頑張ってたけど、今になって思うとそれは違うんだってわかった。俺は父さんや母さんとは違う。俺は俺だって、きっと俺にしかできない事が必ずある。だから今は、それをみつける為に俺ができる事をしようってそう思ってる」

 

「そうだったんだ」

 

「みつかると良いですね」

 

「あぁ」

 

えれなとまどか、そしてこうたは互いの思い聞いて3人の仲は更に深まったのであった。

 

「ルン・・・・優秀な家族がいると大変ルン」

 

その会話を聞いていたララはふと自身の思いを呟いた。

 

「そういえばさ、ララにお兄さんがいるなんて知らなかった」

 

「オヨ? 言ってなかったルン?」

 

「あぁ、ララの家族についての話って殆ど聞いた事ないよな」

 

「ロロは双子の兄でしっかり者ルン」

 

「へぇ、双子なんだ」

 

ひかるがロロの話をするとこうたもララの家族の話を殆ど聞いてないと考えた。

そしてロロはララの双子の兄だと知るとえれなはそれに驚いていた。

 

「ルン・・・・父と母もサマーンでは人望あって、家族はみんな私と違うルン」

 

「違っていいんだよ」

 

「ルン?」

 

ララの言葉を聞いてこうたが話に割り込んできた。

 

「さっきも言ったろ?両親と自分が違うのは当たり前で、自分にしかできない事は必ずある! それにララだって充分しっかり者だから大丈夫だって、俺が保証する!」

 

「こうた・・・・」

 

こうたに自分がしっかり者だと言われてララは少し戸惑っていた。

 

「こうたの言う通り、ララはしっかり者だって私も思うよ。だって今回のお泊まりもララが一緒なら大丈夫だってあの厳しいおじいちゃんが許してくれたもん!」

 

「・・・・ありがとルン・・・・ちょっと嬉しいルン」

 

こうたやひかるの言葉を聞いてララは照れながら感謝の気持ちを伝えた。

 

「っ・・・・ごめん」

 

するとえれなは突然ユニに謝った。

 

「えっ? あぁ家族の話だから? 何も気にしてないわ。ただ自分達の事をベラベラ話すなぁって・・・・驚いて聞いてただけニャン」

 

「そういえば、そうだね・・・・」

 

「パジャマの効果でしょうか?」

 

ユニの話を聞いて、えれなとまどかも少し驚いていた。

 

「そうだね」

 

「え?」

 

「こうしてさ、パジャマでみんなとお喋り、だなんてみんなに会う前、ちょっと前の自分からは想像できなかったよ。」

 

『・・・・・・・・』

 

それらをひかるが納得するとユニはどういう事かわからなかったが、ひかるは自身の気持ちを喋りだすとみんなそれを黙って聞いていた。

 

「私さ、友達と遊ぶより一人かこうたと一緒に天文台に行ったりするのが楽しかったから。星座とか宇宙人、UMA(ユーマ)を調べてる方がさ・・・・でも、わかったんだ。一人でいるのも楽しいけどみんなとこうしているのもすっごく楽しいんだって、みんなで新しい世界を知ったりとかさ、とっても、とぉ〜っても、キラやば〜っ☆ なんだよね!」

 

「ひかる・・・・」

 

小惑星に隠れて光が遮られていた窓からひかるの言葉に合わせて小惑星の側を通過して光が降り注ぐとまるで自分達のこれからの未来を照らしてくれているみたいで、ララの気持ちはとても前向きなものになった。

 

「だから、みんなで一緒にもっと、いろんなところに行きたいんだ!」

 

「・・・・ハァ・・・・しょうがないなぁ・・・・」

 

「こうた?」

 

ひかるの気持ちを聞いたこうたが突然呟いた。

 

「ひかる一人だとまたいつ暴走するかわからないから、俺が面倒をみてやるよ・・・・だから、どこまでも付き合うぜ」

 

「っ! うん!」

 

ひかるはこうたが一緒についてきてくれると理解すると笑顔で喜んだ。

 

「うぅ・・・・」

 

『っ!』

 

するとロケットの中にひかる達の知らない声が聞こえてきたのでみんな一斉に反応した。

 

「誰かいるでプルンス!」

 

「出てきなさい!」

 

「・・・・青春ヤン! 泣けるヤン!」

 

プルンスとユニが語りかけるとみんなの前にあるテーブルの反対側で背中にバケツをつけたのヤドカリのような姿をした存在が泣いていた。

 

「えぇ!?」

 

「何者でプルンス!」

 

「ウチ、『ヤンヤン』ヤンか・・・・」

 

「キラやば〜っ☆ ヤンヤンヤンさん」

 

「違う! ヤンは2回でヤンヤンさんヤン!」

 

ひかるが間違えて覚えた名前にヤンヤンはツッコんだ。

 

「語尾がややこしいでプルンス」

 

「貴方に言われたくないニャン」

 

「同感」

 

プルンスはヤンヤンの名前がややこしいと言うが、ユニとこうたがそれにツッコんだ。

 

「何でロケットに乗ってるルン?」

 

「人のロケットに黙って乗り込んで宇宙に出たヤンか・・・・でも途中で放り出されてショウフワクセイでボゥとしてたらこのロケット来たヤン?」

 

「で? 勝手に入ったルン?」

 

「人の家に入るのは得意ヤンか」

 

「成る程なぁ・・・・つまりさっきの外部ハッチが開いた警報はこの子が侵入した時の警報だったって事か・・・・」

 

さっき外部ハッチが勝手に開いた警報は誤作動かと思われていたが、本当はヤンヤンが入ってきた時になった警報だったらしい。

 

「何だかヤドカリみたいです」

 

「あぁ! さてはドーナツを食べた犯人でプルンスなぁ! プルンス特製『プルンスタードーナツ』をよくも・・・・」

 

「っ! 貴方が作ったヤンか!? めっちゃくちゃ美味かったヤンか! やるヤン!」

 

「ほぉ〜、でプルンス////」

 

ヤンヤンは両手でプルンスの足を掴んでプルンスを褒めると、プルンスも照れているのか顔を赤くしながら返事をした。

 

ドカーン!

 

『っ!』

 

そこへもの凄い衝撃がロケットを襲うとそれに合わせて警報も鳴り響いていた。

 

「何だ!?」

 

「見つけたぞ、プリキュア!」

 

それはみんなが持っているペンの反応を追って攻撃してきたカッパードによるものだった。

 

ララはロケットを操縦してその場から逃げた。

 

「小惑星帯に入るルン」

 

『光線による攻撃で制御ができません』

 

「オヨ!? まずいルン!」

 

しかし、先程のカッパードの攻撃によるダメージが原因でロケットがコントロール不能の状態となっていた。

 

『酸素がある星を発見』

 

「行くルン」

 

そしてAIが小惑星の中に酸素がある星を見つけるとララはその星にロケットを不時着させた。

 

「みんな大丈夫か?」

 

「な、なんとか・・・・」

 

「頭ぶつけたヤンか! もっと綺麗に着陸するヤンか!」

 

「無茶言うなって俺達はいま攻撃されててその所為でロケットがコントロールできなくなってるんだぞ」

 

「あの苛立ち、使えそうだな」

 

こうたがみんなの無事を確認する中でヤンヤンが怒っていた。

そしてその苛立ちをカッパードは感じ取っていた。

 

「我が刃よ!とくと吸え!歪んだ!イマジネーション!」

 

カッパードが叫ぶとヤンヤンの胸から暗い色のハートが現れてそれがカッパードの薙刀へと吸収されるとその薙刀が歪んだイマジネーションを纏った先端がヤドカリのハサミのような形をした槍へと姿を変えた。

 

「みんな!」

 

こうた達はみんなでロケットの外へ出るとそのまま変身する体勢に入った。

 

 

『スターカラーペンダント!カラーチャージ!』

 

『キラめく~星の力で~!憧れの~私描くよ~!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『スター☆トゥインクル〜!スター☆トゥインクルプリキュア~~!』

 

 

「宇宙(そら)に輝く〜キラキラ星!キュアスター!」

 

「天にあまねく〜ミルキーウェイ!キュアミルキー!」

 

「宇宙を照らす!灼熱のきらめき!キュアソレイユ!」

 

「夜空に輝く!神秘の月明かり!キュアセレーネ!」

 

「銀河に光る!虹色のスペクトル!キュアコスモ!」

 

「光輝く聖なる宇宙!キュアスペース!」

 

 

『スター☆トゥインクルプリキュア!!』

 

 

 

「いけ!」

 

『ノットレーイ!』

 

「宇宙空間での機動力ならノットレイの方が上!」

 

カッパードとノットレイ達は足に装備されたブースターを使って宇宙空間を自由に飛びながらプリキュア達に迫っていった。

 

「っ! あぁ!」

 

「止まらない!」

 

プリキュア達は迫ってくるノットレイをジャンプしてかわすがセレーネとソレイユ、そして他のプリキュア達も止まる事ができずにお互いの距離がドンドン離れていった。

 

「宇宙空間では陣形が取れない。皆の機動がバラバラ・・・・連携が、とれまい!」

 

「カッパード!」

 

「っ!」

 

するとカッパードの元へスペースが真っ直ぐ突っ込んできて右手に赤い光を纏った拳でカッパードに殴りかかるがカッパードはその拳を槍で受け止めた。

 

「くっ、そういえば貴様は宇宙空間でも自由に活動できていたな。全く厄介な存在だよ、キュアスペース!」

 

「っ!」

 

カッパードはスペースの拳を振り払うとそのまま槍を振り回してスペースを攻撃しようとするが、スペースはそれらの攻撃をかわしながら反撃しようとしていた。

 

「っ! うっ!」

 

「ん?」

 

しかしその中でスペースは左手の拳で反撃して、その拳をカッパードが槍で受け止めるとその衝撃が痛めていた左腕の二の腕を刺激して、一瞬スペースの表情が歪み、動きが鈍るとカッパードはスペースの異変に気づいた。

 

「ハアッ!」

 

「うわっ!」

 

その隙をついてカッパードの攻撃がスペースにお腹に命中するとスペースはお腹を右手で抑えながらカッパードから距離を取った。

 

「成る程、どういう理由かは知らんが、キュアスペース・・・・今の貴様は手負いと見た!」

 

「・・・・だったらなんだ」

 

「決まっている! 貴様を倒せるこの千載一遇のチャンス、ものにさせてもらう!」

 

「させるわけないだろ。ウルトラスターカラーペン・オーブ! ウルトラカラーチャージ!!」

 

スペースは痛めていた身体の悲鳴に耐えながらキュアスペースオーブ・オーブオリジンに変身した。

 

「銀河の光が我を呼ぶ!」

 

そう言ってスペースは向かってくるカッパードの槍をオーブカリバーで受け止めると槍と剣の鍔迫り合いが続いていた。

 

「スペース!」

 

『ノットレイ!』

 

「うっ、うぅ・・・・」

 

それを見ていたミルキーはスペースを助けに行こうとするが、宇宙空間で思うように動けず、そんなミルキーにノットレイ達が迫っていた。

 

しかしそれをスターは足の裏に星のエネルギーを集めて生成し、それを足場にしてジャンプすると、そのままミルキーを抱き抱えながら離脱してノットレイ達から助けた。

 

「助かったルン」

 

「宇宙だと厄介ね」

 

コスモも複数の小惑星を足場にしてノットレイと戦っているが思うように動かす困っていた。

 

「でも、弱みをカバーして、強くなる!」

 

そしてスターとミルキーは互いの足の裏を足場にしてジャンプするとスターはスペースの、ミルキーは他のプリキュア達の所に向かった。

 

「こっちは任せて、ハアアアッ!」

 

「くっ!」

 

「スター!?」

 

スペースは自身の戦いの途中でスターが参戦した事に驚いた。

 

「ここは任せて、スペースはみんなの所に行って!」

 

「けど・・・・」

 

「私は大丈夫だから! 今のうちに!」

 

そう言ってスターは再びカッパードへと向かっていった。

 

「・・・・わかった」

 

そう言ってスペースはその場を離脱した。

 

「っ! 待て!」

 

「させないよ!」

 

「くっ!」

 

カッパードがスペースを追いかけようとするが、スペースは右手の拳に星のエネルギーを集めて生成するとその拳でカッパードを攻撃した。

 

その頃、スターとスペース以外の4人のプリキュア達は一つの小惑星に集まってみんなで分担して全方位を警戒していた。

 

「離れた連中は私達に任せるニャン。」

 

「あっ、スペース!」

 

そこへスペースが到着するとスペースは小惑星の中心で持っていたオーブカリバーを杖の代わりのように使い、膝をついた自分を支えていた。

 

「大丈夫ルン?」

 

「あぁ、何とかな・・・・」

 

「怪我してるんだから、スペースはそのまま休んでて」

 

「ここは、わたくし達に任せてください!」

 

「けど・・・・」

 

「いいから、あなたはそこでジッとしてない!」

 

ミルキーが心配して話しかけてくるとソレイユとセレーネ、コスモはここは自分達に任せるようにスペースに伝えた。

 

「スペース、約束したのを覚えてるルン? 困った時は必ず助けるって、今がその時ルン!」

 

「ミルキー・・・・」

 

「プリキュア・コスモシャイニング!!」

 

「てんびん座・ソレイユシュート!!」

 

「いて座・セレーネアロー!!」

 

「しし座・ミルキーショック!!」

 

そして4人のプリキュアは不利な宇宙空間で連携してノットレイ達の迎撃に成功した。

 

「くっ、不利な宇宙空間で連携を!?」

 

「パジャマパーティーのおかげだよ!」

 

「パジャマだかお邪魔だか知らんが、パーティーで強くなるなどありえん!」

 

「あるんだぁぁぁぁ! お互いの事を、もっと、いっぱい、たくさん、知り合ったから!」

 

スターはカッパードとの戦いの中でパジャマパーティーのおかげでみんなの絆が更に強くなった事を語ると、その中でもスペース以外の4人のプリキュア達はお互いをフォローしながらノットレイ達を迎撃していた。

 

「おうし座・スターパンチ!!」

 

スターの技がカッパードに命中するとカッパードはそのまま後方へと吹き飛ばされていた。

 

「みんな・・・・凄い・・・・俺も負けてられないな」

 

そう言うとスペースの全身が突然光り出すとスペースの身体は元のキュアスペースに戻るがその左手にはガイがオーブに変身する時に使うアイテム、オーブリングが握られていて、スペースの周りには青と黄色の2つの光が漂っていた。

 

そしてその内の青い光をスペースが掴むとそれはウルトラ戦士の光の力を宿したカード『ウルトラフュージョンカード』へと変化した。

 

「ウルトラマンさん!」

 

『ウルトラマン!』

 

そしてスペースが『ウルトラマン』のカードをオーブリングにリードすると、スペースの左隣にウルトラマンのビジョンが現れた。

 

「ティガさん!」

 

『ウルトラマンティガ!』

 

更にスペースがもう一つの黄色い光を掴んでカードになった『ウルトラマンティガ』のカードをオーブリングにリードすると、スペースの右隣にティガのビジョンが現れた。

 

「光の力、お借りします!!」

 

そしてスペースはオーブリングを頭上に翳すとそのトリガーを引いた。

 

『フュージョンアップ!』

 

「オヨ?」

 

「何?」

 

オーブリングの音声に反応して近くにいたミルキーとコスモはスペースの方を見た。

 

そしてウルトラマンとティガのビジョンがスペースに重なり一つになった。

 

『キュアスペースオーブ・スペシウムゼペリオン!』

 

そしてスペースの全身が光るとその光は足から徐々に消えていくと、スペースの長ズボンは黒く染まるとお腹の部分がグレーに染まると、お腹の上、胸や首は黒いのだがその黒とグレーの間には赤いラインが入っていた。

スペースが羽織っている上着は肩や二の腕の部分はグレーだか、肘から手首の部分は黒くなっていて額に縦長の紫色の宝石がついたグレーの細いバンダナを巻いた『キュアスペースオーブ・スペシウムゼペリオン』にフュージョンアップした。

 

「俺の名はキュアスペースオーブ。闇を照らして悪を撃つ!」

 

「スペース?」

 

「スペースが・・・・」

 

「また変わりました」

 

戦っていたスター、ソレイユ、セレーネはスペースの新たな変身に気づくとそれに反応した。

 

「フン! やれるものならやってみろ! いけ!」

 

「ノットレーイ!」

 

「スペース!」

 

数人のノットレイ達がスペースに向かって真っ直ぐ向かって行った。

 

「ハアッ!」

 

『ノットレーイ』

 

そしてスペースは両手で放つ手裏剣状の速射ビーム光線『ハンドスラッシュ』を使ってノットレイ達を迎撃した。

 

「ハッ!」

 

そしてノットレイ達のいる場所へスペースは飛んでいった。

 

「フッ!」

 

「ノットレイ!」

 

「ハアッ!」

 

「ノットレーイ!」

 

スペースは高速で移動しながらノットレイ達を殴ったり蹴ったりしながら攻撃して無駄な接触を最小限に抑えつつノットレイ達と戦っていた。

 

「早っ!?」

 

「動きが見えません」

 

「全く、ジッとしててって言ったのに・・・・」

 

ソレイユとセレーネはスペースの素早い動きに驚いていたが、コスモだけは休んでいてほしかったのに結局戦ってしまった事に呆れていた。

 

『ノットレーイ!』

 

「プリキュア・スペリオン光線!!」

 

『ノットレーイ・・・・』

 

そしてスペースはノットレイ達の増援に対して、右腕、左腕の順番に両腕をL字に広げてスペシウムエネルギーとティガの光を融合させて貯めた後、十字に組み直して放つ技『スペリオン光線』をノットレイ達に放った。

その時には、前面に光の輪が展開されていて光線を受けたノットレイ達はそのまま吹っ飛ばされてしまった。

 

「手負いでその強さ、やはり貴様は危険だ!」

 

「っ! しまった!」

 

スターとの戦闘中にカッパードは隙をついて真っ直ぐスペースに突っ込んでいった。

 

「フッ!」

 

そしてスペースは再び全身を光らせるとまた元のキュアスペースに戻るがその左手にはオーブリングが握られていて、スペースの周りには緑と水色の2つの光が漂っていた。

 

「ジャックさん!」

 

『ウルトラマンジャック!』

 

スペースが掴んだ緑色の光は『ウルトラマンジャック』のカードになり、それをオーブリングにリードすると、スペースの左隣にジャックのビジョンが現れた。

 

「ゼロさん!」

 

『ウルトラマンゼロ!』

 

更にスペースが水色の光も掴んでカードになった『ウルトラマンゼロ』のカードをオーブリングにリードすると、スペースの右隣にゼロのビジョンが現れた。

 

「キレの良いやつ、頼みます!!」

 

そしてスペースはオーブリングを頭上に翳すとそのトリガーを引いた。

 

『フュージョンアップ!』

 

そしてジャックとゼロのビジョンがスペースに重なり一つになった。

 

『キュアスペースオーブ・ハリケーンスラッシュ!』

 

スペースの全身が光るとその光は足から徐々に消えていき、スペースの膝から足元の色はグレー、太ももの部分は青くなり、その上から首の部分まで黒く染まり、足のグレーと黒の間には赤いラインが入り、上着の肩の部分にはゼロの肩部プロテクターがつき、その下の二の腕から手首の部分は青くなり、額に縦長の水色の宝石がついたグレーの細いバンダナを巻いた『キュアスペースオーブ・ハリケーンスラッシュ』にフュージョンアップした。

 

※スペースにはウルトラマンオーブ・ハリケーンスラッシュみたいに頭にゼロスラッガーはついていませんが、スペースが頭に手を添えるとゼロスラッガーが現れます。

 

「光を超えて、闇を斬る!!」

 

「ハアアアアッ!」

 

カッパードは真っ直ぐスペースに向かって行くが、スペースは突然消えてしまった。

 

「何っ!? どこだ!?」

 

「ここだ」

 

「なっ!? おわっ!」

 

そしてスペースはカッパードの真横に現れるとそのままカッパードを蹴り飛ばすが、その時の蹴りには青い風を纏いながら攻撃していた。

 

「今のって、瞬間移動!? キラやば〜っ☆」

 

「もう何でもありルン?」

 

スターはスペースの技に興奮していたが、ミルキーは既にスペースの新しい力を何度も見てきたのでそこまで大きな反応はしていなかった。

スペースは瞬間移動する事で身体への負担を最小限に抑える戦い方を選んでいた。

 

「その力、まさかガルオウガ様と同じ・・・・なぜ貴様がその力を使える!?」

 

「ガルオウガ? 誰だか知らないが、これは俺に力を貸してくれるウルトラマンの力だ!」

 

そう言いながらスペースが頭に両手を添えるとそこにゼロスラッガーが2つ現れてスペースが両手を横に広げるとゼロスラッガーは真っ直ぐカッパードに向かっていった。

 

「何だこれは!? くっ!」

 

カッパードは持っていた槍で飛んできたゼロスラッガーを何度も弾いていた。

 

「オーブスラッガーランス!」

 

そしてゼロスラッガーがスペースの所に戻りそれを手元で回転させると、先端左右の刃はゼロスラッガーを模していて、柄にエネルギーをチャージするランスレバーを備えている三又槍型必殺武器『オーブスラッガーランス』が出現した。

 

「ほう? 同じ槍で勝負という事か、いいだろう! こい!」

 

「ハアッ!」

 

「フッ!」

 

スペースとカッパードは互いの槍を交えながら戦い、互いの槍の先端が激突する度に激しい音が鳴り響いていた。

 

「プリキュア・オーブランサーシュート!!」

 

「のわっ!」

 

オーブスラッガーランスのランスレバーを1回引いて発動し、ランスの先端から放つ必殺光線『オーブランサーシュート』をカッパードに向かって放つがカッパードは槍でそれを受け止める事で身体へのダメージを防いだ。

 

「っ!」

 

そしてスペースは再びカッパードの目の前に瞬間移動してオーブスラッガーランスのランスレバーを3回引いた。

 

「プリキュア・トライデントスラッシュ!!」

 

「くっ! うわっ!」

 

オーブスラッガーランスのランスレバーを3回引いて発動できて、槍の刃に巨大な光の刃を形成して残像を伴いながら相手を滅多切りにする技『トライデントスラッシュ』でカッパードを何度も切るがカッパードも持っていた槍で防ごうとするがうまくいかず、最後の一撃でスペースはカッパードが持っていた槍を飛ばして手放させることに成功した。

 

「あとは任せて! スター!」

 

「うん!」

 

そして小惑星経由でスターに近づいていたコスモがスターからおうし座のペンを受け取った。

 

「レインボーパフューム! いくニャン!」

 

コスモはおうし座のペンをレインボーパフュームにセットした。

 

「プリンセススターカラーペン! おうし座! くるくるチャージ!」

 

「プリキュア・レインボースプラッシュ!!」

 

レインボースプラッシュが槍に命中すると歪んだイマジネーションは無事に浄化されて、槍は元のカッパードの薙刀へと戻った。

 

「ええい、武器がイマイチ、イマジネーションの歪みが弱かったか・・・・」

 

カッパードはいつものようにワープホールを使わずにUFOに乗ってその場を離脱した。

 

「ふぅ・・・・」

 

「相変わらず無茶するわね・・・・」

 

「コスモ?」

 

スペースの所にスターにペンを返したコスモがやってきて、宇宙空間を漂っていたコスモにスペースが手を差し伸べるとコスモがその手を掴む事でスペースの側にたどり着いた。

 

「あなたは怪我人なんだからもう少し自重しなさい」

 

「ごめん」

 

コスモに注意されてスペースは素直に謝った。

 

「まぁまぁコスモもその辺で・・・・」

 

「今はロケットをどうするかを考えましょう」

 

「・・・・そうね」

 

そこへソレイユとセレーネもやってきてコスモを宥めると話題はロケットの話となり、プリキュア達は変身を解除してロケットの前に集まっていた。

 

『システムの88%が機能停止、とくにバーニアの破損は極めて深刻です』

 

「ルン、これじゃあ進めないルン」

 

「フワもぐっすり爆睡でプルンス。ワープも使えないでプルンス」

 

「と言ってもここじゃロケットの修理なんてできないしなぁ・・・・」

 

「どうしよう・・・・」

 

「ヤンヤンの家まで送ってくれヤン。そしたらロケット直すヤンか」

 

「えっ? ホントに!?」

 

「借りはキチンと返す。ヤンヤンのポリシーヤンか」

 

するとヤンヤンが自身の家まで送ってくれたらロケットを直すと言ってきた。

 

「でも、ロケット壊れてるのにどうやって移動するでプルンス?」

 

「確かにな・・・・俺が怪我してなければタイタスさんの力でロケットを運ぶ事もできたけど・・・・」

 

「今はやめときなさい。そんな事したら怪我が悪化するだけよ」

 

「だよな・・・・」

 

「何かさ、ユニって急にこうたの事を心配するようになったよね・・・・」

 

「そういえば・・・・」

 

こうたの怪我を気にかけるユニの姿を見て、えれなとまどかはユニのこうたに対する態度の変化に気づいた。

 

「っ!//// コイツが怪我したのは私を助けようとしたのが原因だから、だから早く治してほしいだけニャン!////」

 

ユニは頬を赤く染めながらえれなとまどかに自身の考えを伝えた。

 

「けどさ、ホントにどうするんだ? これから」

 

「・・・・・・・・」

 

「プル?」

 

こうたがこれからどうするかをみんなに聞くとヤンヤンは真っ直ぐプルンスの事を見つめていた。

 

そしてプルンスは大量の酸素を吸い込んで巨大化するとロケットの周りに足を巻きつけて身体をロケットに固定した。

 

「はあああっ、フゥ〜〜〜ッ!」

 

そんなプルンスが吸い込んだ酸素を一気に吹き出すとその勢いを利用してロケットは飛んでいき移動を開始した。

 

「ハァ・・・・まさかの移動手段でプルンス・・・・」

 

「やったぁ!」

 

こうしてロケットは何とか目的地であるヤンヤンの家がある星へと向かっていったのであった。

 

 

 

To Be Continued

 

 




         次回予告


ヤンヤンの故郷、プルルン星に到着したひかる達

そこはまるで海の中にいるような水の星だった。

そこでひかる達は地球のお話にも登場するあの姿へと変身する。


次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第69話 みんなで変身! 水の星をスーイスイ! 前編

次回もお楽しみ!



※もしよろしければ、皆さんがこれまでの話で感じた感想やコメントがあれば送って下さい。
皆さんからのコメント、そして評価が頂けたら凄く嬉しいです。
よろしくお願いします。


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第69話 みんなで変身! 水の星をスーイスイ! 前編

前編が完成したので先に投稿します。
後編は今夜投稿しますので、そちらもお楽しみに


ショウフワクセイでロケットに乗り込んできたヤンヤンの案内でノットレイダーの攻撃で損傷したロケットを修理する為に、彼女の故郷であるブルルン星へと向かっていた。

 

「ヤンヤンの星ってまだ遠いの?」

 

「ポップスターが見えたからもうすぐヤンか」

 

「まんまポップコーンじゃん」

 

「キラやば〜っ☆」

 

ロケットから見えたのはまんまポップコーンの形をした星、ポップスターが見えていた。

 

「フワ、中々目を覚ましませんね」

 

「よっぽど疲れてたルン」

 

トィンクルブックの中で眠り続けているフワの様子をまどかとララが見守っていた。

 

「あっ、見えてきたヤンか」

 

「えっ!? どれどれ!?」

 

「水色でキラキラしてる星ヤン」

 

「あぁ・・・・あぁ・・・・」

 

「何あれ?」

 

ひかるが望遠鏡で確認するとそこには水の玉が宇宙空間に浮いているような水に包まれたとても綺麗な星だった。

 

「キラやば〜っ☆!」

 

「まるで水の玉が浮いてるみたいですね」

 

「うちの故郷、プルルン星ヤン」

 

「プルンスとプルルン、何か運命的なものを感じるでプルンス」

 

「そんなん全然ないヤンか」

 

「ガーン!! 名前が似てるでプルンス・・・・」

 

プルンスが自身の名前と似てると言う理由で感動していたが、ヤンヤンはそう思っていないらしく、ショックを受けていた。

 

「どうでもいいけど、このままだと通り過ぎちゃうニャン」

 

『あっ』

 

「方向が変えられないルン」

 

ユニが指摘した通り、今のロケットはコントールができないので方向転換ができず、このままではプルルン星を通り過ぎてしまう。

 

「困ったヤン・・・・」

 

「・・・・・・・・」

 

ヤンヤンの本気で困った表情をプルンスは側で見ていた。

 

「・・・・出番でプルンス! 非常に過酷なミッションでプルンス! しかし、いま、この苦境にあって、ヤンヤンを故郷にお連れできるのはこのプルンスしかいないでプルンス!」

 

「急がないと通りすぎちゃうわよ」

 

「プルンス、よろしくね!」

 

「頼んだぞ」

 

プルンスがやる気全開になるとユニとひかる、こうたがプルンスに声をかけた。

 

そして宇宙空間に出たプルンスは再び大きくなってロケットの先端に巻きつき自身の身体をロケットに固定した。

 

「やるでプルンス」

 

「プルンス、左60度にコース変更ルン」

 

ララの指示に従い、プルンスはロケットの向きを調整して無事にプルルン星への進路を確保した。

 

「やった! プルンス!」

 

「ハァ・・・・疲れたでプルンス・・・・」

 

「お疲れプルンス!」

 

「素敵です!」

 

「ありがとうヤンか! おかげで故郷に帰れるヤン!」

 

ロケットの中に戻ったプルンスはかなり疲れ切っていたが、えれなとまどか、そして何よりヤンヤンは笑顔でプルンスに感謝の気持ちを伝えた。

 

「何のこれしきでプルンス! いついかなる時も頼りになる! それがこのプルンスでプルンス!」

 

「急に元気になったな」

 

ヤンヤンにお礼を言われたプルンスは目にハートマークを浮かべながら急に元気になった。

 

「あれ? あの星、よく見るとあちこちに泡が浮いてる?」

 

「あの中には空気があって島になってるヤンか」

 

「水の中に浮く島々か・・・・」

 

「キラやば〜っ☆」

 

ひかるが望遠鏡を使って星の中を覗いているとあちこちにたくさんの泡が浮いていて、ヤンヤン曰くあの中には空気があって島があると聞いてえれなはそれに興味を示していた。

 

そしてロケットがプルルン星の中に入るとそこら中に見たことのない魚などの海の生き物達が泳いでいた。

 

「あぁ・・・・海の中みたい・・・・」

 

「うちの家は星の中心近くヤンか」

 

「このスピードではだいぶ時間がかかりそうですね」

 

「そうヤンな・・・・」

 

「っ!」

 

まどかに目的地への到着までまだ時間がかかると言われて元気をなくしてしまったヤンヤンにプルンスは気づいた。

 

「またもやプルンスの出番でプルンス! ソフトな身体に固い意志、クールな瞳に熱いハート、いざ、ヤンヤンの家に向けて潜航でプルンス!」

 

「プルンス、頑張って!」

 

「・・・・じゃ、邪魔でプルンス・・・・」

 

せっかくプルンスがヤンヤンの前でカッコつけようとしている所に2人の間にひかるが割り込んだ事でヤンヤンからプルンスが見えなくなり、プルンスは静かに退いてもらうようにひかるに頼んだ。

 

それから再び大きくなったプルンスはロケットのブースターの部分からロケットを押して先程までよりも速く潜航していった。

 

「まるで大きな水族館、キラやば〜っ☆」

 

「何処で直せるルン?」

 

「うちの近所にな、どんなロケットでも直せる職人がいるんヤンか」

 

「オヨ! どんなロケットでもルン?」

 

「そうヤン!」

 

「プルンス! ヤンヤンの家に向けて全速前進!」

 

先程まで絵を描く事に夢中になっていたひかるはララとヤンヤンの話を聞いてプルンスに更に進むように頼んだ。

 

「ハァ・・・・ハァ・・・・もうこれ以上は無理でプル・・・・」

 

「・・・・・・・・」

 

「ラジャーでプルンス! プルプルボディーにハートの心、それが・・・・」

 

「あぁ! アレ!?」

 

プルンスがヤンヤンの元気のない表情を見て再びやる気を出したが、ひかるの声と共にプルンスの声は遮られた。

 

「マンタに似ていますね」

 

「そうだね・・・・」

 

「あの・・・・プルンスでプルンス・・・・」

 

「プルンス・・・・ドンマイ」

 

「うぅ・・・・」

 

みんなの目は既にマンタに似たこの海の生き物へと向いていてプルンスが一人おいてきぼりされたのをこうたが慰めた。

 

それからはみんなそれぞれドーナツを食べたり、ジュースを飲んだりと、みんな自由にロケットの中で過ごしていた。

 

「あっ、そうだ! ユニに伝えたい事があったんだ」

 

「何よ?」

 

こうたはユニに伝えておきたい事を思い出した。

 

「もし良かったらなんだけどさ、俺の家で一緒に暮らさないか?」

 

「あなたの家で?」

 

「あぁ」

 

「っ!」

 

こうたはユニに自身の家で一緒に暮らさないかと提案して、それを側で聞いていたララは驚いたのと同時に少し動揺していた。

 

「何で私があなたの家で一緒に暮らさないといけないのよ。大体、私はレインボー星人よ。地球人と一緒に暮らすなんて・・・・」 

 

「そっか、それいいかも!」

 

「えっ?」

 

「ですね。こうた君のご両親はわたくし達がプリキュアである事も、ララ達が星空界から来た事も知っています。ユニの事だって事情を話せばきっと受け入れてくれますよ」

 

乗り気じゃなかったユニとは違い、えれなとまどかはこうたの意見に賛成してくれた。

 

「ちょっ、ちょっと待つニャン! 私の意思はどうなるのよ!」

 

「勿論、ユニの了承がもらえたらの話だよ。既に父さん達には話を通してあるから」

 

「いつの間に・・・・」

 

 

それはこうた達がサマーンに出発する前日の夜の出来事だった。

 

「なるほどな、つまりそのユニって子がうちで一緒に暮らす許可が欲しいと、お前はそう言いたいんだな?」

 

「あぁ、なんとかならないかな?」

 

こうたはしずかに包帯を巻いてもらいながら、さとしにユニが抱えている事情を説明してこうたの家で一緒に暮らせないかと相談していた。

 

「私は構わないわよ。一度でいいから娘が欲しいって思ってたの」

 

「母さん、ユニは母さんの娘じゃないって」

 

「あらあら、冗談よ冗談。でも私が賛成なのは本当よ。そんな年頃の女の子が見ず知らずの星で野宿なんて身体に良くないわ。ね? さとしも良いでしょ?」

 

「父さん・・・・」

 

しずかはこうたのお願いを聞いてくれた。

 

そしてさとしは・・・・

 

「・・・・いいだろう」

 

「父さん!」

 

さとしも許可をくれた。

 

「ただし、節度をわきまえて生活するのが条件だ。お前はまだ中学生なんだ。間違ってもそれを破るような事はするなよ」

 

「わ、わかってるって!」

 

こうしてこうたは両親からユニが一緒に暮らす許可をもらえたのであった。

 

「ユニだって地球で暮らしていくのに、衣食住がちゃんと整っていた方が色々と助かるだろ?」

 

「それは・・・・」

 

「まぁ、急いで答えを出せとは言わないからさ。その気になったらいつでも言ってくれ」

 

「・・・・わかったニャン」

 

そしてユニは候補の一つとして今後の地球での暮らしについて考える事にしたのであった。

 

「・・・・・・・・」

 

「ララ? どうしたの?」

 

「っ! なっ、何でもないルン!」

 

「そう?」

 

「ルン!」

 

その会話を聞いていたララは少し元気をなくしているとそれに気づいたひかるがララに話しかけるが、ララは何でもないと答えた。

 

「(どうしてルン? さっきから、心がモヤモヤするルン・・・・)」

 

ララは気持ちがモヤモヤしていて、そんな気持ちになったのは初めてなのでその原因が何なのか自分でもわかっていなかった。

 

その後もみんなそれぞれ自由に寛いでいる中で、ひかるはトィンクルブックにこの海の中にいる生き物達の絵を描き続けていた。

 

「ハァ・・・・」

 

「どうしたの?」

 

「せっかくこんな素敵な星に来たんだから泳ぎたいよね」

 

「泳ぐ?」

 

「ですが、ここは水中ですよ? 泳ぐといっても息が続きません」

 

「だな。酸素ボンベがないと俺達は数分も活動できないからな・・・・」

 

ひかるが泳ぎたいと言い出すが、地球人は長時間水中で活動する為にはその為の道具や装備がないと活動できないのだ。

 

「ララ、潜水服とか積んでないの?」

 

「オヨ? ないルン」

 

「ユニみたいに変化できればいいのに・・・・」

 

「何になるルン?」

 

「水の中で息ができるように、半魚人!」

 

「ルン!? それは嫌ルン・・・・」

 

「あたしも・・・・」

 

ひかるはユニみたいに他の姿に変身できるなら半魚人になると言い出すと、ララとえれなはそれを嫌がった。

 

「私の変化は外見を変えるだけだから、半魚人みたいに水の中で息はできないの」

 

「そうなんだ・・・・」

 

「コレを使えば良いヤンか!」

 

「え? これは何?」

 

ユニが自身の変化についての説明を聞いてがっかりしていたひかるにヤンヤンが紐を通した真珠をひかるに見せた。

 

「真珠?」

 

「変身珠ヤン」

 

「変身珠?」

 

「何だそれ?」

 

「一粒で一回、変わりたいものになれるヤンか」

 

「えぇ!? 半魚人にも!?」

 

「なれるヤン」

 

「「ちょっとちょっと!」」

 

ヤンヤンが見せたのは『変身珠』といって一粒で一回どんな姿にも変身できる不思議な力を秘めた真珠でそれを受け取ったひかるが半魚人になるのではとえれなとララは慌てて止めた。

 

「それで、潜水服を着た姿になればいいのでは?」

 

「それがいいルン。」

 

「う〜ん、私はやっぱり!」

 

「あぁっ!ちょっと!?」

 

「待てひかる!」

 

みんながひかるを止めようとするが、ひかるは聞く耳を持たずに変身珠を使ってしまった。

 

そしてひかるの姿は上半身は水着のような姿になると足は魚のようなピンクの鱗の足になり、人魚に変身してしまった。

 

「おぉ・・・・」

 

「その姿は!」

 

「人魚ですか?」

 

「うん!この方がいいかなって」

 

「流石ひかる!あたし達も!」

 

「ルン!」

 

それならララ、えれな、まどか、ユニ、ヤンヤンの5人もそれぞれ上半身が水着のような姿をした人魚の姿へと変身した。

 

「凄い! 水の中でも息ができる!」

 

「会話もできるんですね」

 

「オヨォ・・・・」

 

「キラやば〜っ☆! キラやば〜っ☆!」

 

えれな、まどか、ララ、ひかるはそれぞれ初めて味わった他の生き物への変身に個人差はあるがみんなそれぞれ興奮していた。

 

「ハァ・・・・魚座のプリンセスを思い出すでプルンス。みんな羨ましいでプルンス・・・・」

 

「あと1粒残ってるヤン」

 

「おぉ! けどこうたは使わないでプルンスか?」

 

「俺は怪我してるから今回はパス。擦り傷とか水の中で染みたらマジで痛いからな」

 

「そうでプルンスか? じゃあプルンスが遠慮なく・・・・」

 

そしてプルンスが最後の変身珠を使うと紫色の巨大なクラゲに変身してみんなガクッと倒れた。

 

「いつもと殆ど変わってないじゃん・・・・」

 

「どうして人魚にしなかったルン?」

 

「うお座のプリンセスに近い姿になるなんて畏れ多いでプルンス」

 

「フゥワ! フゥワ!」

 

「お? フワも起きたのか?」

 

「フワ!」

 

ひかるとララがプルンスにツッコんでいるとフワが目を覚ましてこうたがフワを抱き抱えた。

 

「フワも一緒に泳ぐ?」

 

「行きたいフワ!」

 

「でももう変身珠がないヤンか・・・・」

 

「え?」

 

「他に方法はないでしょうか?」

 

「う〜ん・・・・そうだ! こうた、トィンクルブック貸して!」

 

「え? あぁ・・・・」

 

そしてこうたからトィンクルブックを受け取ったひかるはおうし座のペンで泡を具現化して、フワんその泡で包む事でフワが水中でも活動できるようにした。

 

「フワ? フワ!」

 

「これでOK! それじゃあ、いざ出発!」

 

『オーッ!』

 

「あんまり遠くに行くなよ」

 

怪我をしているこうたはロケットで留守番する事になり、他のメンバーはみんなそれぞれ自由にあちこちで泳いだり、海の生き物達と触れ合ったりなど、自由に動ける初めての水中をみんな楽しんでいた。

 

「ユニ!変われるって、楽しいね!」

 

「えっ?」

 

その中でひかるとユニが一緒にいる時にひかるは突然ユニに姿が変わる事が楽しいと伝えるとユニはそれを聞いて困惑していた。

 

「見て! あれ!」

 

えれなが上の方を指差して全員がその方向を見ると光が水を照らして見えるとても綺麗な光景が広がっていた。

 

「まるで宇宙みたい・・・・キラやば〜っ☆! ね!」

 

「・・・・まぁ、ね・・・・」

 

ひかるや他のみんながその光景に感動しているとひかるの横にいたユニも嬉しそうに微笑みながら一緒にその光景を見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

「あそこからペンの反応がするっつーの!ついに見つけたっつーの! ケヒャヒャヒャヒャ! もう逃がさないっつうの!」

 

その頃、プルルン星のから離れた場所、ポップスター付近でペンの反応を追ってその場所を目指している宇宙船の姿があった。

 

 

 

To Be Continued

 

 




         次回予告


プルルン星の海を楽しんでいたひかる達を突然何かが襲ってきた。

その正体はユニへの強い憎しみを抱いたアイワーンだった。

アイワーンの強い憎しみがコスモを苦しめる。

そんなコスモを救う為に、スペースは黄金の鎧を纏う。




次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第70話 みんなで変身! 海の星をスーイスイ! 後編

次回もお楽しみ!



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第70話 みんなで変身! 水の星をスーイスイ! 後編

お待たせしました。


ヤンヤンの故郷、プルルン星へとやってきたこうた達。

そこは水の玉のような形をしていて中は水中と同じ海の星だった。

ひかる達はヤンヤンから渡された変身珠を使って人魚に変身して水中で楽しく過ごしていた。

 

そんな時・・・・

 

「っ!」

 

「どうしたのユニ?」

 

「何か来る!」

 

ひかるがどうしたのかと聞くとユニは何かを察知したらしい。

すると水の竜巻を纏ったのような謎の存在がもの凄い勢いでひかる達に迫ってきた。

 

「何アレ!?」

 

「危ない!」

 

ひかるの危険を察知したまどかはひかるを助けた。

 

「戻ってきたよ!」

 

えれなの言う通り、ひかるとまどかを狙ってかわされた竜巻は引き返してきて再びこちらを狙って迫ってきた。

 

みんな必死になって竜巻の体当たりをかわしていた。

 

「フワァァァ!」

 

「フワ!」

 

その中で泡に包まれたフワがみんなとは違う方向に流されてしまった。

 

「大丈夫、フワ?」

 

「ありがとうフワ」

 

そんなフワの事をユニが受け止めて助けた。

 

ピコーン! ピコーン!

 

「ルン! 何か光り始めたルン!」

 

「変身が解けるヤンか!」

 

「オヨ!?」

 

そんな時に変身珠が紫色に光り出すと、ヤンヤン曰く、それはもうすぐ変身が解けるという危険信号だった。

 

「ロケットに戻りましょう!」

 

「また来たルン!」

 

「うわぁぁぁぁ!」

 

「プルンス!」

 

「流されるでプルンス!」

 

まどかは急いでロケットに戻ろうと提案するが竜巻の所為でロケットはドンドン別の方向に流されてしまっていた。

 

「まずいな、AI!」

 

ロケットの中で危険を悟ったこうたはAIに呼びかけた。

 

「変身が解けちゃう!」

 

「あそこに飛び込むヤンか!」

 

「そうか! あそこには空気がある!」

 

「えぇ!」

 

慌てるひかるの近くでヤンヤンが空気のある泡の中へ逃げようと提案するとえれなとまどかも賛成してみんなでその泡の所へ急いで向かった。

 

しかし・・・・

 

「っ! 追いかけてくるルン!」

 

ララの言った通り、さっきの竜巻が後ろからひかる達に迫ってきていた。

 

「このままだと追いつかれるわよ!」

 

「どうしよう!?」

 

ユニとひかるはどうすればいいかと考えていると竜巻の横から赤い光を纏った何かが竜巻に激突して竜巻の動きが鈍った。

 

「えっ?」

 

「何?」

 

まどかとえれなも何が起こったのかわからなかった。

 

そして赤い光が徐々に消えていくと・・・・

 

「みんな、今のうちに早く!」

 

「スペース!」

 

そこにはAIに頼んで、プリキュアに変身してロケットの外に出たキュアスペースがいた。

彼は全身に赤い光を纏って体当たりする事で竜巻からみんなを守ったのだ。

 

「また無茶して・・・・」

 

「急ぐルン!」

 

ユニはスペースがまた無茶したと呟く横で、ララは今のうちに泡の中に飛び込むようにみんなに伝えた。

 

そしてひかる達は泡のある場所まで到着するが、泡の膜が中々破れず、それを破ろうと必死に押し込んでいた。

 

『うぅ〜〜〜っ!』

 

そこへロケットを持ったプルンスもやってきて、みんなで泡の膜を押し込むと泡が破れて中に入る事に成功した。

 

『やったぁ!』

 

『っ! うわぁぁぁぁぁ!』

 

しかしその先は空中でみんな落下するとその途中で変身珠は時間切れとなり、みんな元の姿に戻ってしまった。

だが、プルンスとロケットは大きさからか先に水辺に着水していて、ひかる達はプルンスをクッションにした事でみんな怪我などはなく、それと同時にプルンスも元の姿に戻った。

 

「みんな大丈夫?」

 

「うん・・・・」

 

「大丈夫です・・・・」

 

ひかるがみんなに大丈夫かと聞くとえれなとまどかがそれに返事をした。

そしてひかるは自身が使っていた変身珠を見ると、先程まで綺麗に光っていた真珠は使い終わったからか真っ黒になっていた。

 

「うわあああああっ!」

 

「スペース!」

 

そこへ竜巻と戦っていたスペースが竜巻と共に中へ入ってくると、攻撃を受けたのかスペースはそのまま水中へと落ちていった。

 

「うそっ!? 入ってきた!?」

 

「フワ!」

 

ひかるが驚いているとフワが怯えてひかるの胸元に抱きついてきた。

 

そして謎の物体の周りにあった水が落ちていくとそこには見覚えのある宇宙船の姿があった。

 

「っ!」

 

「あの宇宙ジェットは!?」

 

「ユニの!?」

 

そう、それは以前ユニがブルーキャットとして活動していた時に使っていた宇宙船だった。

しかし、見た目はかなり変化していてまるで誰かに改造されているみたいだった。

 

「ケヒャヒャヒャヒャヒャ! 逃がさないっつうの!」

 

『っ!』

 

「お前らのペンの反応を追いかけてきたっつうの」

 

「アイワーン!」

 

宇宙船のハッチが開くとそこにはユニの宇宙船を奪ったアイワーンの姿があった。

 

バシャーン!

 

『っ!』

 

すると水中から何かが飛び出してきてひかる達の前に膝をついて着地した。

 

「ったく、どこまでもしつこい奴だな」

 

「スペース!」

 

その正体はスペースで水中にいたからか全身ずぶ濡れ状態だった。

 

「大丈夫ルン?」

 

「あぁ」

 

「プルンス、フワを!」

 

「了解でプルンス!」

 

「みんな!」

 

『うん!』

 

ひかるがフワをプルンスに預けるとスペース以外のメンバー達は変身する体勢に入った。

 

 

『スターカラーペンダント!カラーチャージ!』

 

『キラめく~星の力で~!憧れの~私描くよ~!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『スター☆トゥインクル〜!スター☆トゥインクルプリキュア~~!』

 

 

「宇宙(そら)に輝く〜キラキラ星!キュアスター!」

 

「天にあまねく〜ミルキーウェイ!キュアミルキー!」

 

「宇宙を照らす!灼熱のきらめき!キュアソレイユ!」

 

「夜空に輝く!神秘の月明かり!キュアセレーネ!」

 

「銀河に光る!虹色のスペクトル!キュアコスモ!」

 

「光輝く聖なる宇宙!キュアスペース!」

 

 

『スター☆トゥインクルプリキュア!!』

 

 

「ペンとフワは渡さない!」

 

「んなもんにもう興味ないっつうの」

 

「えっ? じゃあ私達を狙う理由ないじゃん」

 

スターがペンやフワを守ると宣言するがアイワーンの目的は別にあった。

 

「あるんだっつうの。アタイの狙いはソイツだっつうの!」

 

そう言ってアイワーンは真っ直ぐコスモの事を指差した。

 

「バケニャーン・・・・許せない・・・・アタイを騙してたっつうの・・・・アンタの所為でアタイはノットレイダーにいられなくなったっつうの! 全部お前の所為だっつうの!」

 

「・・・・・・・・」

 

「いやいや、元あといえばお前が惑星レインボーをめちゃくちゃにしたのが原因だろ? それって完全に自業自得じゃあ・・・・」

 

「うるさいっつうの!」

 

「(逆ギレかよ)」

 

アイワーンはスペースに図星をつかれて逆ギレした。

 

「アタイの居場所はなくなったのに自分はちゃっかり居場所をみつけて、超ムカつく! ぶっ潰してやるっつうの!」

 

そう言ってアイワーンは何か禍々しいエネルギーが溜め込まれた謎の物体を取り出した。

 

「あれはダークペン!?」

 

「形が違うルン!」

 

「こいつはアンタへの恨み・・・・怒りのイマジネーションをエネルギーにして貯めたもんだっつーの」

 

「っ!」

 

「闇のケミストリー、爆発だっつうの!」

 

そしてアイワーンはその物体を宇宙船にセットするとロケットの下の部分から手足が飛び出してきて、人型に近いロケットへと変形した。

 

「アイワーンロボ16号だっつうの!」

 

「何で16号ルン?」

 

「15号まではテストだっつうの。イケイケっつうの!」

 

「ミルキーショック!!」

 

アイワーンロボの左手の手首から指先が手の中に消えるとそこが砲台となりアイワーンのイマジネーションで生まれたエネルギー弾が放たれてそれをミルキーショックが相殺した。

 

「自分勝手ルン!さっきスペースが言ったように、貴方だって、コスモの大切な居場所を奪ったルン!」

 

「はぁ? 知らねーっつーの」

 

「惑星レインボールン! 彼女の故郷に、酷い事をしたルン!」

 

「それだけじゃないでプルンス!ノットレイダーとしてパレスを襲い、プリンセス達を散り散りにしてしまったでプルンス!」

 

「だから何だっつーの? 自分が何かされたら、人を騙したりしていいんだ? スッゲェなぁ!」

 

「っ!」

 

ミルキーとプルンスがアイワーンに訴えかけるがアイワーンを聞く耳を持たず、それどころかアイワーンの言った言葉にコスモは反応し、動揺していた。

 

「覚悟しろっつうの!」

 

「フッ!」

 

「ハアッ!」

 

アイワーンロボはエネルギー弾を2発連続で発射するがそれをセレーネの矢とソレイユの蹴りで相殺し、2人は一気に距離を詰めるが・・・・

 

「邪魔だっつうの!」

 

『うわああああっ!』

 

「ソレイユ!」

 

「セレーネ!」

 

アイワーンロボはジャンプして両手を伸ばし、それに捕まったソレイユとセレーネはそのまま地面に叩きつけられてしまった。

 

「まだまだこれからだっつうの!」

 

「ここは俺が・・・・」

 

「私がいくルン!」

 

「ミルキー!?」

 

すると今度はアイワーンロボの両手から強力な水鉄砲のような攻撃が飛んできて、スペースが前に出ようとするが、ミルキーがそれを止めると、ミルキーは電撃で対抗するが片方しか相殺できず、もう片方の攻撃を受けてしまった。

 

「うぅぅぅ!」

 

「ミルキー!」

 

「やめなさい。アイワーン!」

 

「お前を叩き潰したらやめてやるっつうの!」

 

「ハアアアアッ!」

 

アイワーンロボが右手の拳でコスモに殴りかかってきて、それに対抗する為にスターも右手に星のエネルギーを生成して2人の拳はそのまま激突した。

 

するとアイワーンロボの右手首の部分が爆発して力比べはスターの勝利となった。

 

「今だよコスモ!」

 

「フッ! ハアアアアッ!」

 

その隙を狙ってコスモはジャンプしてそのままアイワーンロボに迫った。

 

「・・・・ふざけんなっつうの!」

 

「っ!」

 

『自分が何かされたら、人を騙したりしていいんだ?』

 

その時コスモはアイワーンに言われた言葉を思い出して攻撃をやめてしまった。

 

「コスモ!?」

 

「ヤバい!」

 

動かなくなったコスモをアイワーンロボは左手で掴んでそのまま投げ飛ばした。

 

「うっ! だあああああっ!」

 

「危ない!」

 

そんなコスモをスペースがギリギリ身体で受け止めると2人はそのまま浜辺に転がりながら衝撃をなくした。

 

『コスモ! スペース!』

 

「いててて・・・・大丈夫か?」

 

「あなた・・・・」

 

仰向けに寝転がるスペースの上にコスモが抱きつく体勢でいると、スペースが大丈夫かと聞いてきてコスモはスペースがまた助けてくれたのだと認識した。

 

「いい気味だっつうの。バケニャーン、マオ、ブルーキャット、地球人・・・・おまけに今度はプリキュアかっつーの!ころころ変わりやがって・・・・お前はそうやって姿を変えて、みんなを騙してるんだっつーの!」

 

「・・・・・・・・」

 

「違う!」

 

「っ!」

 

アイワーンの意見をスターは真っ向から否定した。

 

「変わることは悪いことじゃない! 楽しいことだよ!」

 

「はぁ?」

 

スターは使い終わった変身珠を見せながら自分の気持ちを伝えるが、アイワーンには理解できなかった。

 

「変わることで新しい自分を知ることができるから・・・・」

 

「スターの言う通りだ」

 

そこへスペースが話に割り込んでくると、仰向けに寝転がっていたスペースはコスモを抱き抱えながら起き上がった。

 

「変わることで、今まで見てきた世界の新しい可能性を知ることができるんだ」

 

スペースはひかるとの出会いで起きた自身の変化を理解してるからこそ、変わる事が悪い事ではないというスターの考えに賛同した。

 

「それにコスモも、アイワーンに言われた事を一々気にするなよ」

 

「えっ?」

 

「前にも言っただろ? 誰が何と言おうとコスモは俺達の大切な仲間だって・・・・これまでも・・・・そしてこれからも・・・・その気持ちは変わらない・・・・」

 

「スター・・・・スペース・・・・」

 

「それに、コスモには変わらない所だってちゃんとあるじゃんか。惑星レインボーを、星の仲間達を救いたいって気持ちだけはずっと変わってないだろ?」

 

「っ!」

 

スペースの言葉を聞いてコスモはこんな自分にも変わってないものがあると気づいた。

 

「俺達は出会った頃は色々あったけどさ、でも今は同じ目的を持つ仲間だ。コスモが惑星レインボーを救いたいと思っているように、俺達だって惑星レインボーを、そしてこの宇宙を救いたいって思ってる。だから・・・・」

 

そう言ってスペースは立ち上がると今も座っているコスモに右手を差し伸べた。

 

「俺達と一緒に行こう。みんなで力を合わせて惑星レインボーを、この宇宙を救うんだ」

 

「・・・・・・・・」

 

手を差し伸べられたコスモが周りを見渡すとスペース以外のプリキュア達もスペースと同じ気持ちなのか、みんなコスモを見ながら頷いていた。

 

「(・・・・そう・・・・コイツはそういう奴だったわね・・・・困ってる人がいたら迷わず手を差し伸べる・・・・そして助けてくれる・・・・そういう奴だから、私は・・・・)」

 

そしてコスモはスペースの顔を見ながらその手を掴んで立ち上がった。

 

「私は必ず、惑星レインボーを・・・・みんなを救う!」

 

「ちっ!」

 

アイワーンはコスモが立ち直った事が気に入らないのか舌打ちをした。

 

「(そうだ、俺達はみんな同じ目的を持った仲間なんだ。生まれた星が違っていても、みんなで力を合わせて前に進む。俺もタイガさん達、トライスクワッドの皆さんのように互いに助け合いながら大切なものを守っていきたい!)」

 

ピカーン!

 

「まっ、眩しい!」

 

「くっ! 何だっつうの!?」

 

するとスペースが持つタイガのペンが突然光り出すとスターとアイワーンはその光の眩しさに目を瞑った。

 

そして辺りが強い光に包まれるとこうたは再び何もない真っ白な空間に一人で立っていた。

 

そして・・・・

 

「よっ! 久しぶり!」

 

「タイガさん!」

 

こうたは名前を呼ばれて振り向くと、そこにはこうたに力を貸してくれているウルトラマンの一人、ウルトラマンタイガが立っていた。

 

「お前の仲間を思う気持ち、俺にもしっかり届いたぜ!」

 

「そうだったんですね。俺も、タイガさん達みたいに互いに助け合い、支え合いながら力を合わせて戦えるようになりたいです」

 

「サンキューな。けどまぁ、俺達も最初から今のような関係だったわけじゃないんだぜ」

 

「そうなんですか?」

 

「あぁ。出会った頃は俺とフーマがしょっちゅう喧嘩してて、その度にタイタスが間に入ってくれて・・・・あの頃は色々大変だったなぁ・・・・けど今じゃ、お互いに背中を任せて一緒に戦える最高の仲間だって思ってる」

 

「そういうの、凄くいいですね。俺もひかる達とそんな関係になれますかね?」

 

「なれるさ。お互いがお互いを信じ、助け合おうする意思があれば、必ずな」

 

「はい!」

 

こうたはタイガと言葉を交わし、改めて仲間の大切さを認識する事ができた。

 

「よし! いくぞこうた! お前の仲間達と、そして俺達の力を見せてやろうぜ!」

 

「はい!」

 

そしてこうたの身体が赤く光るとそのままキュアスペースタイガへと変身し、胸のペンダントから赤い光の粒子が出てきてスペースの目の前で集まると、それはタイガに変身する時に使う『ウルトラタイガアクセサリー』の形となるが、そのアクセサリーが黄金に光り出すと形を変えて『フォトンアースキーホルダー』へと変化した。

 

そしてスペースはキーホルダーを掴んで右手のタイガスパークをリードした。

 

『アース!』『シャイン!』

 

「輝きの力を手に!」

 

そしてスペースがキーホルダーを右手で掴むとキーホルダーの斜め上の部分が広がり、その力がタイガスパークに注ぎ込まれた。

 

『叫べこうた! バディゴー!』

 

「バディ・・・・ゴーーーッ!」

 

『キュアスペースタイガ・フォトンアース!』

 

スペースは時計回りに両手を大きく振ると、その後にキーホルダーを握った右手を強く頭上に翳してそこから黄金の光が放出されてそれがスペースの身体に降り注ぐとスペースの身体の手足や腰、肩に黄金の鎧が装着されて、金がメインでその周りが銀と黒に包まれた『キュアスペースタイガ・フォトンアース』へと転身した。

 

そして光り続けていたスペースの身体から黄金の光の柱が現れてそれが徐々に消えていくと、そこには新たな姿となったスペースが立っていて、その場にいた全員が今のスペースを見て驚いていた。

 

「キラやば〜っ☆!」

 

「黄金の、スペース・・・・」

 

「綺麗・・・・」

 

「凄いです・・・・」

 

「またパワーアップしたのね」

 

「やったでプルンス!」

 

「やったフワ!」

 

スター、ミルキー、ソレイユ、セレーネ、コスモ、プルンス、フワはそれぞれの気持ちをそのまま口にした。

 

「けっ! お前もころころ変わりやがって、まとめてぶっ潰してやるっつうの!」

 

「みんな聞いてくれ! 俺に考えがある。みんなの力を貸してくれ!」

 

「勿論だよ!」

 

「ルン!」

 

「OK!」

 

「任せてください!」

 

「仕方ないわね・・・・」

 

スター、ミルキー、ソレイユ、セレーネは素直に賛同し、コスモの口ではあぁ言うが、心の中では了承していた。

 

「俺が正面から突っ込むからスターとソレイユは俺の後ろからついてきてくれ」

 

「大丈夫なの?」

 

スペースの案に心配したスターは大丈夫かと聞いた。

 

「大丈夫だ、俺を信じてくれ。俺が奴に一発入れたら2人はそのまますぐに攻撃してくれ」

 

「うん!」

 

「わかった!」

 

「ミルキーとセレーネは後ろから援護を頼む」

 

「任せるルン!」

 

「了解です!」

 

スペースの説明にスターとソレイユ、ミルキーとセレーネはOKの返事をした。

 

「そして最後は俺とコスモが決める。コスモ、やれるか?」

 

「私が? でも・・・・」

 

「コスモ!」

 

スペースに指名されて戸惑っているコスモにスターはおひつじ座のペンを差し出した。

 

「お願い・・・・」

 

「・・・・任せるニャン!」

 

そしてコスモはスターからペンを受け取った。

 

「よぉし、いくぞみんな!」

 

『オーッ!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【BGM:Buddy, steady, go!】

 

 

そしてスペースを先頭にその後ろからスターとソレイユがスペースを追う形でみんなで走っていた。

 

「うおおおおおっ!」

 

「くらえっつうの!」

 

アイワーンロボは先程ミルキーを吹っ飛ばした強力な水鉄砲を放つが、スペースは両手をクロスしてそれをガードしながらそのまま走って距離を縮めていった。

 

「ハアアアアーッ! デヤッ!」

 

アイワーンロボの目の前に辿り着いたスペースはそのままアイワーンロボのことを両手で何度も殴り続けた。

 

「うおおおおおっ!」

 

「くぅ・・・・負けないっつうの!」

 

「フッ!」

 

「っ!」

 

「スターパンチ!!」

 

「ソレイユシュート!!」

 

スペースが空中へ離脱するとその後ろにいたスターとソレイユが技を放ち、アイワーンロボにダメージを与えた。

 

「うぅ! まだまだぁ!」

 

アイワーンロボがスターとソレイユを狙って左手のエネルギー弾を放とうとしていた。

 

「ミルキーショック!!」

 

「セレーネアロー!!」

 

「ぐっ!」

 

それを阻止する為にミルキーとセレーネも技を放ち、アイワーンロボの左手にそれぞれ命中した。

 

「プリキュア・スワローバレット!!」

 

スペースも空中から技を放ち、アイワーンロボとその周辺に命中した。

 

「この! 鬱陶しいっつうの!」

 

そう言ってアイワーンはスペースに向けてエネルギー弾を連射するがスペースはそれを全て回避した。

それにより当たらなかったエネルギー弾はそのまま頭上の膜を破って大量の水がスペースのところに降り注いだ。

 

「プリキュア・ウルトラフリーザー!!」

 

スペースは強力な冷気を生み出す技『ウルトラフリーザー』で降り注ぐ水を氷結させ、氷片を弾丸として放ち、いくつもの氷片がアイワーンロボに降り注いだ。

 

「これで決める、コスモ!」

 

「えぇ! レインボーパフューム! いくニャン!」

 

スペースの合図と共にコスモはおひつじ座のペンをレインボーパフュームにセットした。

 

「プリンセススターカラーペン! おひつじ座! くるくるチャージ!」

 

そしてスペースも両手を腰において全身を黄金に光らせながら地球のエネルギーを体内に集中した。

 

「「プリキュア!」」

 

「レインボースプラッシュ!!」

 

「オーラム・・・・ストリウム!!」

 

レインボースプラッシュとトリウムブラスターと同じ体勢から黄金の短剣型の光弾を連射する『オーラムストリウム』がアイワーンロボに命中すると、怒りのイマジネーションでできた手足は爆発して破壊され、元の宇宙船へと戻った。

 

「・・・・次は必ず、お前をぶっ倒すっつうの!」

 

そう言い残してアイワーンは宇宙船に乗ってその場を離脱した。

 

「アイワーン・・・・」

 

「「・・・・・・・・」」

 

宇宙船を見つめながらアイワーンの事を気にするコスモの事をスターとスペースは側で見ていた。

 

「フワ・・・・」

 

「・・・・大丈夫ニャン」

 

そんなコスモに心配したフワが抱きつくとコスモは優しくフワを抱きしめた。

 

それから一行はアイワーンと戦った島を離脱すると再びヤンヤンの家を目指して潜航を開始した。

 

「綺麗・・・・」

 

「あれが星の中心ヤンか」

 

そして遂にヤンヤンの家がある星の中心となる大きな水玉に包まれた場所へと辿り着き、えれなはその綺麗な姿に見惚れていた。

 

「あれが・・・・」

 

「キラキラフワ!」

 

「まるで宝石箱だね!」

 

その綺麗な姿にまどかとフワ、ひかるは少なからず興奮していた。

 

「ロケットを直せるルン!」

 

「よぉし! 行こう!」

 

『うん(ルン)(はい)(あぁ)!』

 

ひかるの声に合わせてみんなそれぞれ返事をしてユニも返事はしていないが頷いていた。

 

「全速前進でプルンス!」

 

そしてプルンスに押してもらいながらロケットは目的地へと進んでいった。

 

 

 

「ちょっといいかしら?」

 

「ん? どうした?」

 

そんな中でこうたがソファーで休んでいるとユニが声をかけてきて、こうたが座るソファーの隣に座ると、緊張しているのか頬を赤く染めながら両足をモジモジさせていた。

 

「ユニ?」

 

「その//// ・・・・また助けられちゃったけど・・・・さっきは助かったわ。だから・・・・ありがとニャン////」

 

「ん? あぁ、どういたしまして・・・・」

 

「それで、その・・・・さっきの話なんだけど・・・・////」

 

「さっきの?」

 

「えぇ//// ・・・・私が貴方の家に住むって話・・・・あれ・・・・受け入れることにするわ///」

 

「えっ?」

 

「だから、貴方の家に一緒に住むって言ってるの! ////」

 

「えぇ!?」

 

こうたは突然の事でビックリしていたが、ユニはこうたが提案した彼女がこうたの家で一緒に暮らすという提案を承諾したのだ。

 

「何で貴方が驚くのよ。先に話を持ちかけてきたのは貴方でしょ?」

 

「そりゃそうだけど・・・・いきなりだったからちょっとビックリして・・・・」

 

「そういうわけだから、これからよろしく頼むわね・・・・"こうた"////」

 

「えっ?」

 

こうたはユニに初めて名前を呼んでもらったのでそれに動揺して一瞬だが思考が止まっていた。

 

「なっ、何よ?//// 私達は仲間なんでしょ? だったら名前で呼んだって別にいいじゃない! ////」

 

ユニは顔を真っ赤にしながらそっぽ向いて、両手を座っていた自身の両足の太ももで挟みながらこうたに文句を言った。

 

「あっ、あぁそうだな。改めてよろしくな、ユニ」

 

「えぇ」

 

「待つルン!」

 

「「っ!」」

 

するとそこにララが話に割り込んできた。

 

「ユニがこうたの家に住むなら私も一緒に住むルン!」

 

「「えぇ!?」」

 

すると今度はララもこうたの家で一緒に住むと言い出した。

 

「何言ってるのよ。貴方にはこのロケットがあるでしょ?」

 

「ダメルン! クラスの友達に聞いたルン。学校には『家庭訪問?』っていうのがあって、ロケットの事を知られるわけにはいかないルン!」

 

「だったら、あのアブラハムって人に何とかしてもらいなさいよ!」

 

「嫌ルン! 私もこうたと一緒に住むルン!」

 

「あのさ・・・・2人とも少し落ち着いて・・・・」

 

『こうたは少し黙ってる(ルン)(ニャン)!』

 

「あっ、はい・・・・」

 

2人の凄い勢いにこうたは何も言えなかった。

 

「これは・・・・」

 

「大変な事になってしまいましたね」

 

「えっ? 何? どういうこと?」

 

「どういうことフワ?」

 

「知らなくていいでプルンス」

 

「えぇ!?」

 

えれなとまどかはどう対処すべきかと考えている中で、ひかるとフワはそれがどういうことか理解できず、プルンスに知らなくていいと言われた。

 

「「ぐぬぬぬぬ・・・・」」

 

「ハァ・・・・勘弁してくれ・・・・」

 

それから何とか話は纏まり、ユニとララ、そしてプルンスは地球に戻ったらこうたの家で一緒に暮らすことになり、こうたは新たにフォトンアースの力を手にすると同時に新たな同居人も増えたのであった。

 

 

 

To Be Continued

 

 




         次回予告


目的地に到着したこうた達はヤンヤンの家の近所に住んでいるプラズマ星人のフレアにロケットの修理を依頼する。

そしてフレアの提案でみんなで協力してロケットを修理する事に・・・・

果たしてロケットを修理できるのか?


次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第71話 熱く燃えるぜ! みんなでロケット修理! 前編

次回もお楽しみ!



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第71話 熱く燃えるぜ! みんなでロケット修理! 前編

お待たせして申し訳ありません m(_ _)m

体調不良や他の小説の執筆など約2ヶ月の間投稿できずにいてすいませんでした。

今日からまた投稿を再開していくのでよろしくお願いします。

そして昨日で『ウルトラマンデッカー』が最終回を迎えて素晴らしいハッピーエンドだったと思います。

因みにそんな昨日は私の誕生日でもあったので私が生まれた日にデッカーが最終回を迎えたと勝手に運命を感じている自分がいます。

そんなわけで今年もよろしくお願いします。

それでは本編をどうぞ!



壊れたロケットを修理する為にヤンヤンの故郷『プルルン星』へとやってきたこうた達、途中でアイワーンからの襲撃を受けるも何とかそれを撃退し、一行は無事にヤンヤンの家とロケットを直せる職人がいると言われている星の中心部へと到着した。

 

 

「ここがプルルン星の中心部ヤンか!」

 


「やっと着いたでプルンス・・・・」

 

「お疲れプルンス」

 

プルンスはここまでずっとロケットを運んできてくれていたのでこうたは疲れきっているプルンスに労いの言葉をかけた。

 

「キラやば〜っ☆!竜宮城みたい!」

 


「楽しそうな場所ルン!」

 

そこは磯巾着や珊瑚などと同じ形をした岩や建物だけでなく、地球の海にも生息している海の生き物達に似た姿の宇宙人達がたくさんいてとても賑わっていた。

 

「フワ!」

 

「・・・・美味しそう・・・・」

 


「ガクッ! 絶対に食べるなよ」

 

「うっ」

 

そんな宇宙人達の姿を見てユニが美味しそうな目線を送っているのに気づいたこうたは念の為にとユニに注意をした。

 

「どんなロケットでも直せる職人さんはどこにいらっしゃるんですか?」



 

「こっちヤン!」

 

まどかが自分達が探している職人がどこにいるのかをヤンヤンに尋ねるとその場所へ案内してくれて、町から離れた場所まで歩いてきたこうた達は目的地となる立派な工房のある建物の前に到着した。

 

「ここヤン!」

 

『おぉ・・・・」

 

「フレアさんは元々プラズマ星人で、めっちゃ熱いヤンか!」

 


「プラズマ星人?」

 

「フレアさん!こんにちは・・・・ん?アチチチチチチチ! 何なの!?」

 

ひかるが工房の出入口に扉に向かって駆け込んで挨拶をしようとするが、床の熱さに耐えられず火傷しそうになっていた。


 

「凄い熱だ」

 

「一体、何の用じゃけ?」

 


『えぇぇぇぇっ!?』

 

すると中から炎に目や手足がついたような姿をした凄い熱を発する宇宙人が出てきて、この宇宙人こそヤンヤンが言っていたプラズマ星人のフレアだった。

そしてその燃え上がる炎のような姿を見たこうた達はみんなとても驚いていた。

 

『カニ!カニ!カニ!カニ!』

 


「美味しそう・・・・」

 


「だからダメだって・・・・」

 

それからヤンヤンから事情を聞いたフレアは小型の蟹のような姿をした宇宙人達に指示してロケットを大きな板に乗せてここまで運んできてもらった。


その姿を見ていたユニが再び美味しそうな視線を送っている事に気づいたこうたは改めて注意した。

 

「ストーップタツ!」

 


『カニー!』

 

竜の落とし子のような姿をした宇宙人・タツの指示で、蟹達はゆっくりとロケットを乗せた板をその場に下ろした。

 

「親方!」

 


「おう!」

 


「フレアさんはあの炎でどんな硬い物でも飴みたいに溶かせるヤンか!」

 


「キラやば〜っ☆!」

 

ヤンヤンからフレアについての説明を聞いたひかるはいつものように興奮していた。

 

「こいつは、中々個性的なロケットじゃの・・・・」

 

「フレアさん・・・・」

 


「親方って呼ぶタツ!」

 


「あっ、はい・・・・ えっと、親方!ロケットの修理、お願いします!」

 


「お願いヤン」

 

ひかるがフレアの事を呼ぼうとするとタツに呼び方を注意されてしまい、改めてひかるとヤンヤンはフレアにロケットの修理をお願いした。

 

「まっ、ご近所のヤンヤンちゃんの頼みなら、聞かん訳にはいかんのぉ・・・・」

 


「ありがとうございます!」

 

フレアがロケットの修理を引き受けてくれる事になり、こうたはフレアにお礼を言った。

 

「どれくらいで直る?」

 

「・・・・こんだけのロケットを修理するとなると特大の炎が必要じゃけ・・・・おいタツ! 支度しろ!」

 


「へい!親方!」

 

ユニの質問に対してフレアは特大の炎が必要と判断してタツや周りの蟹達はさっそく準備に取り掛かった。


その後、蟹達が互いに向き合う形で2列に並んで太鼓を構え、その近くには巨大な釜戸とそして空気を送るシーソー型の器具が用意されていて、そのシーソーの近くにはイカとタコのような姿をした2人の宇宙人が立っていた。

 

「これは何でプルンス?」

 


「風を送って、親方の炎をメラメラさせるタツ!」

 


「そうすれば、ロケットが直せるの?」

 


「その通りタツ!」

 

そしてフレアは釜戸の上に乗り配置についた。

 

「親方!いつでもいけるじゃなイカ!」

 


「オクトパス!」

 


「・・・・まぁ、待つじゃけ・・・・おう!嬢ちゃん達と兄ちゃん!」

 


『?』

 


「ロケットを直したいっちゅうなら・・・・ハートを見せい!!」

 

フレアは修理を始める前にこうた達に彼らのハートを見せろと言ってきた。

 


「ハートを見せるって?」

 

「どういう意味ですか?」

 

「・・・・お前とお前とお前とお前は燃料をよこすじゃ・・・・」

 

ひかるとこうたがフレアに質問をするとフレアはララ、ひかる、ユニ、こうたの4人に自身に必要な燃料を送る係に選ばれた。

 

「お前とお前、体力ありそうじゃけ・・・・イカリンとタコリンの代わりに吹子を踏むじゃけ!」

 

そしてえれなとまどかには吹子を踏んでフレアに風を送る係に任命された。

 

「イカリン?」

 

「タコリン?」

 

「多分あそこにいる2人のことだろ? あの! 俺も体力には自信があるのでえれな達と同じ事をしたらダメですか?」

 

「ダメじゃけ! お前さんは怪我しとるじゃろ? 怪我人は大人しくしとれ!」

 

「わ、わかりました」

 

フレアはこうたの顔や身体に貼ってある絆創膏やガーゼを見て怪我をしている事を考慮し、あえてえれな達とは別の役割をこうたに与えたのであった。

 

 

「自分らのロケットは自分らで直せ」

 


「頑張ろう、みんな!」

 

『おぉ!』

 

燃料送りを担当するこうた達は、団扇を持ちながら炭火で焼かれているステーキの周囲を囲むように立っていて、えれなとまどかは空気を送るシーソーの両脇に立っていた。

 

「準備はいいタツ?」

 


『うん(はい)!』

 


「フワもやりたいフワ!」

 


「オヨ?」

 

するとフワも応援がしたいと言い出し、ララがトゥインクルブックから小さなドラムを具現化させた。

 

「応援するフワ!」

 

「始めるタツ!」

 

タツの掛け声と共にイカリンとタコリン、蟹達、そしてフワがそれぞれ太鼓やドラムを叩き始めた。

 

「ファイヤーじゃけ!」

 


「イカ!」

 


「タコ!」

 


「イカ!」

 


「タコ!」

 

えれなとまどかは掛け声を合わせながら、交互に吹子を踏んでフレアに空気を送っていた。


 

「いい匂い・・・・」



 

「プルルン星名物、『サンゴインステーキ』ヤンか!」

 

「めちゃくちゃ美味しそう・・・・」

 

「食べたらダメよ」

 

「わかってるって・・・・それさっきのお返しか?」

 

「さぁ? どうかしらね?」

 

こうた達は『サンゴインステーキ』を焼き続けている中でこうたが美味しそうと言ったのに対してユニが反応して先程までの仕返しとばかりにこうたに注意をした。


 

「じゃんじゃん燃料よこさんかい!」

 


『はい(ルン)!』


 

「プルンス!フレアさんに届けてヤン!」

 


「お任せでプルンス!親方!」

 

ヤンヤンがステーキをプレートに乗せてそれをプルンスに託し、それをフレアの所へ運ぶとフレアが口を開けてプルンスがステーキを放り込み、フレアはそれを1口で食べてしまった。

 

「・・・・おう、風が足りないじゃけ」

 

「イカ!」


 

「タコ!」

 


「イカ!」

 


「タコ!」

 

「いまいち燃えないじゃけ!」

 


「えぇっ!?」

 


「もっと早く踏んでみましょう!」

 


「OK!」

 

えれなとまどかが吹子を踏み続けるが、いまいち燃えないと言われてしまう。


そう言われた2人は早く踏もうとまどかが提案し、えれながそれを承諾して再び吹子を踏み始めた。

 

「イカ!」

 


「タコ!」

 


「イカ!」

 


「タコ!」

 


「イカ!」

 


「タコ!」

 


「うぉぉぉぉっ!」

 

2人が早いペースを吹子を踏むとフレアの身体が青白く燃え上がった。

 

「凄いパワーでプルンス!」

 


「流石、観星中の太陽と月!」

 


「太陽と月じゃ?」

 

えれなとまどかの姿をひかるが褒めるとフレアがその言葉に反応した。

 

「イカ!」

 


「タコ!」

 


「イカ・・・・!」

 


「タコ・・・・!」

 


「イカ・・・・」

 


「タコ・・・・」

 


「イカ・・・・」

 


「タコ・・・・」

 

えれなとまどかは疲労がみえてきて徐々にペースが落ちてきた。

 

「ん?」

 

そして先程まてま青白く燃え上がっていたフレアの身体が元の色に戻ってしまった。

 

「イ・・・・カ・・・・」

 

「タ・・・・コ・・・・」

 

「はぁ・・・・はぁ・・・・イ・・・・カ・・・・」

 

「はぁ・・・・はぁ・・・・タ・・・・コ・・・・」

 

「まずいな」

 

2人の疲労が限界に達している事に気づいたこうたは2人の事を気にかけてた視線を送っていた。

そしてえれな達は吹子を踏む足の動きを止めてしまった。

 


「なんじゃ?そんなもんか?」

 


「あ、足が・・・・」

 


「動けません・・・・」

 

「えれなさん、まどかさん!」

 


「大丈夫ルン?」

 

その様子に、ひかる達も心配そうに見つめた。

 

そして・・・・

 

「はぁ・・・ はぁ・・・ もう限界かも・・・」

 


「はぁ・・・ はぁ・・・ はい・・・ これ以上は無理です・・・」

 


「・・・・ふん!情けないのぉ・・・・お前らのハートはそんなもんか!?」

 

『っ!?』

 

息を切らす2人に対するフレアの叫びを聞いた2人は表情を曇らせてしまう。

 

するとみんなの頭上から雨が降ってきた。

 

「あれ?」

 


「やめじゃ!やめじゃ!」

 

『えっ?』

 


「スコールがくるタツ」

 


「プルルン星名物、スコールヤン!」

 


「消えちまうといけねぇ。スコールが行っちまうまで休憩じゃけ」

 

その時、天候が変わって雨が降り始めた。


フレアは自身の炎を守る為に大皿を傘代わりに使って他の仲間達と一緒に工房の中へと入っていった。

 

『ん? うわああああっ!?』

 

その直後に大雨が降り出してきてこうた達も慌てて工房の中へと入っていった。

 

「えれなさん、まどかさん!大丈夫?」


 

しかしえれなとまどかはフレアに言われた言葉がショックだったのか大雨が降っているにも関わらずその場に座り込んで一歩も動こうとしなかった。

 


「ごめんね・・・・」

 


「わたくし達の所為で、修理が遅れてしまって・・・・」

 


「・・・・・・・・っ!」

 

「こうた!?」

 

「どこ行くルン!?」

 

するとこうたは走って工房の奥へと向かっていき、それから少しして戻ってくると、その手には3枚の白いタオルが握られていた。

 

「ちょっとこれ持っててくれ!」

 

「えっ? うん・・・・」

 

それをひかるに預けるとこうたはえれな達の所まで走っていった。

 

「んな事気にしてる場合じゃないだろ! 今はとにかく中に入れ!」

 

「でも・・・・」

 

「わたくし達がもっとちゃんとできていたら・・・・」

 

「反省なんて後でいくらでもできるだろ!それよりここで体調を崩される方がよっぽど俺達に迷惑をかける事になるんじゃないのか!」

 

『っ!』

 

こうたの言葉を聞いた2人はゆっくりとだが立ち上がった。

 

「ほら! 早く行くぞ!」

 

そんな2人の手を引いて、こうたはひかる達のいる工房の中へと入っていった。

 

 

 

To Be Continued

 




         次回予告


ロケットの修理が上手くいかずに落ち込んでしまうえれなとまどか

しかし、互いの良さを知った2人の炎は熱く激しく燃え上がる

果たしてその熱はフレアに届くのだろうか?


次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第72話 熱く燃えるぜ! みんなでロケット修理! 後編

次回もお楽しみ!



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第72話 熱く燃えるぜ! みんなでロケット修理! 後編

まさか、『仮面ライダーギーツ』で景和のサポーターになったカエルの置き物ことケケラの声を担当していたのが、『ウルトラマンネクサス』で溝呂木役だった俊藤光利だと知った時はとても驚きました。
アマゾンズ時代は撮影時にすれ違うニチアサ組の元気で明るい姿(当時のライダーはエグゼイド)が羨ましいと仰っていただけに、今回の出演はアマゾンズを知ってる者としても凄く嬉しいです。



ヤンヤンの家の近所に暮らしている職人、プラズマ星人のフレアにロケットの修理を依頼したこうた達はフレアから修理を手伝うように言われてみんなでロケットを修理する事になった。

 

しかしその中でえれなとまどかは思ったように修理が上手くいかなくて落ち込んでしまっていた。

 

そんな2人を連れてこうたは工房の中へと戻るとひかるに預けていた白いタオルを受け取り3人で濡れた髪や身体を拭いていた。

 

「みんな、ごめん・・・・」

 

「わたくし達が不甲斐ないばかりに・・・・」

 

「・・・・次は私達がやるルン」

 

「うん! 頑張ろう!」

 

「それにしても凄い雨でプルンス・・・・」

 

えれなとまどかの落ち込んでいる姿を見たララは次は自分達がやると言い出してひかるもそれを承諾した。 

ララもひかるも少しでもえれなとまどかに元気になってほしくて言った気遣いの言葉だった。

そしてこうたはそんな2人に何て話しかけようかと頭の中でずっと考えていた。

 

「釜の火を弱めたじゃけ」

 

「えっ?」

 

「とりあえず中で休め」

 

するとフレアがこうた達に一言声をかけてくれた。

どうやらこうた達の事を考慮して工房内の気温を調整してくれたようだ。

 

「この星に来て大分経つが、これだけは慣れんのぉ」

 


「ねぇ、プラズマ星と言えば熱い火の星でしょ?」

 


「火の星?」

 


「ルン。みんなメラメラ燃えてるルン。」

 


「えぇっ!?」

 


「そのプラズマ星人の貴方が、どうしてここに?」

 


「どうしてかの・・・・よく分からんのじゃけ・・・・」

 


『えっ?』

 

降り続けるスコールを見ながら呟くフレアにユニは思っていた疑問を伝えた。


するとフレアは過去の出来事を、自分がこの星に来た時の出来事をこうた達に話してくれた。

 

「ただのぉ・・・・とにかく見てみたかったんじゃ。儂はプラズマ星じゃ若くて、威勢の良い職人じゃった。ある日のことじゃけ、儂は水の星、プルルン星のことを知ったんじゃ。どうしても行ってみたくなってのう・・・・家族や友達は皆止めた。『プラズマ星人が水の星になど行ける訳がない。消えてしまうぞ』とな。じゃが、儂には納得できんかった・・・・プラズマ星人が水の星に行けないなどと誰が決めたんじゃ? そんなことは行ってみないと分からん。儂は1人旅立った。そしてこれこの通り、儂はここで生きとる。あの時諦めとったらハートの炎は消え、一緒にくすぶっとったじゃろうな・・・・」

 

確かに、普通に考えたら暑さを好むプラズマ星人が自分達とは真逆の性質を持つ星になど行けるわけがない。

しかしフレアはそんな考えを持ち前の熱いハートで乗り切って今ここにいるのだ。

 


「おっと! 儂としたことが喋り過ぎた。すっかり弱火になっちまったじゃけ。おい、中でサンゴインステーキを焼くじゃけ!」

 

「うん!」

 

フレアの話をえれなとまどかはとても真剣に聞いているとフレアの計らいでみんなでサンゴインステーキを焼く事になり、えれなとまどかを残して他のメンバーはみんな工房の奥へと向かうフレアの後についていった。

 

「・・・・はぁ・・・・情けないって言われてもしょうがないよね」

 


「えぇ、そうですね・・・・」

 

「親方は凄いよ。火の星から水の星に来ちゃうなんてさ・・・・」

 

「最後まで諦めなかったのですね」

 

「うん・・・・」

 

えれなとまどかは先程諦めてしまった自分達とは違い、諦めなかったフレアの事を凄いと尊敬していた。

 

「そういえば、いつも元気なえれながもう限界なんて言うの初めて聞きました」

 


「えっ? そんなこと、ないよ・・・・まどかの方こそこんな弱音吐くなんて・・・・」

 


「わたくしは、えれな程強くありません。」

 


「強いよ!」

 


「えっ?」

 

まどかは自分を過小評価しているとえれなからそんな事ないと言われて驚いた。

 

「まどかは生徒会も弓道も習い事も、ちゃんと出来ていて、すっごく忙しいのに、辛いとか言わない。ほんと凄いよ!」

 


「えれなの方が、お店の手伝いや弟さん妹さんのお世話をして、それなのにいつも笑顔で・・・・私には真似出来ません!」

 


「まどかの方が凄いって!」

 


「いいえ!えれなの方が凄いです!」

 

2人はお互いの良い所を伝え合っていく内に徐々に熱くなり今にも喧嘩になるのではないかというくらい言い争っていた。

 

パキッ!

 

『っ! ・・・・ふぅ、はははははっ!』

 


すると側にある釜の中で燃えた薪が弾けた音を聞いた2人は我に帰ると突然笑い始めた。

 


「自分の事って、自分じゃよく分からないんだね」

 


「そうですね。」

 


「あたし達、自分で自分を決めつけてたのかも」

 


「えぇ・・・・」

 

えれなもまどかもお互いに相手から伝えられた言葉によって改めて自分の良さを知る事ができたのであった。

 

「そう考えると、やっぱりこうたって凄いよね。どんな時も諦めずに、自分の信じる道を真っ直ぐ進んでるって感じでさ・・・・」

 

「ですね。けどこうた君自身は自分が凄いとは思ってないみたいですよ?」

 

「そうなの?」

 

すると今度はこうたの話題になり、彼についての話が始まった。

 

「前にこうた君が言ってたんです。自分はただ目の前の事に一生懸命なだけだって・・・・」

 

「そうなんだ・・・・けどそれが出来るのもこうたの中にフレアさんのような熱いハートがあるからなのかな?」

 

「はい。きっとそうだと思います」

 

「俺がどうしたって?」

 

『っ!』

 

そして2人が話している所にこうたが戻ってきてそれに対して2人とも驚いていた。

 

「2人とも中々来ないから気になって様子を見に来てみたら、俺のどんな話をしてたんだ?」

 

「どんなって、それは・・・・」

 

「こうたは凄いねって話をしてたんだよ。ねっ、まどか」

 

「はい。その通りです」

 

「俺が? いやいや、俺は全然凄くないだろ・・・・」

 

「そんな事ないよ!」

 

「はい! こうた君は凄いです! これだけはハッキリと断言できます!」

 

「マジ?」

 

こうたは急に2人から凄いと褒められて戸惑っていた。

 

「けど、俺はホントに凄くなんてないぞ。現に俺はみんなに迷惑をかけてるんだからさ」

 

「迷惑?」

 

「あぁ、俺が怪我なんてしてなければホントは俺が2人がやってた事をやるはずだったのに、その所為で2人に迷惑をかけた。俺がもっとちゃんとしてたら2人が落ち込むような事はなかったかもしれないのに・・・・だから、ごめん」

 

「・・・・顔を上げてください」

 

こうたが頭を下げて謝るとまどかが顔を上げるように行ってきた。

 

「こうた君は何も悪くありません。これは全て、わたくし達の力不足が原因なんですから」

 

「そうだよ。こうた一人が責任を感じる必要なんてないって」 

 

「けど・・・・」

 

「けどじゃありません。それに今回の事でわたくし達はお互いに自分が知らなかったそれぞれの良さを知る事ができました」

 

「だね。今のあたし達なら次はきっと大丈夫と思う」

 

「えれな、まどか・・・・」

 

「ですからこうた君、今回はわたくし達に任せてもらえませんか?」

 

「今度は絶対に上手くやってみせるから!」

 

今のえれなとまどかには先程までの落ち込んでいた時の姿はなく、前を向いて進もうとする強い意思が感じられた。

 

「・・・・わかった。頼んだぜ、2人とも」

 

『うん(はい)!』

 

こうたは2人に託す意味も込めて右手の拳を前に突き出すとそれに合わせてえれなとまどかも右手の拳を前に出して3人の拳がTの形になるように重なり合い、そんな3人の表情は自然と笑顔になっていた。

 

 

「フハハハハハッ!」

 

『っ!』

 

すると突然聞こえてきた笑い声に反応して3人は雨が降る外を見た。

 

「水も滴する男・・・・カッパード、参上!」

 


「カッパード!」

 


「水の星・・・・最高だ!」

 

カッパードがノットレイダーのUFOの上に乗って登場すると、その声を聞いて工房の中にいたひかる達もこうた達の所へ戻ってきた。

 

「今日は頗る調子が良い!」

 

「みんな!」

 

「いくよ!」

 

「えぇ!」

 

「あぁ!」

 

ひかるとえれなの声を聞いて、まどかとこうたもペンダントを取り出しながらそれに返事をした。

 

『スターカラーペンダント!カラーチャージ!』

 

『キラめく~星の力で~!憧れの~私描くよ~!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『スター☆トゥインクル〜!スター☆トゥインクルプリキュア~~!』

 

 

「宇宙(そら)に輝く〜キラキラ星!キュアスター!」

 

「天にあまねく〜ミルキーウェイ!キュアミルキー!」

 

「宇宙を照らす!灼熱のきらめき!キュアソレイユ!」

 

「夜空に輝く!神秘の月明かり!キュアセレーネ!」

 

「銀河に光る!虹色のスペクトル!キュアコスモ!」

 

「光輝く聖なる宇宙!キュアスペース!」

 

 

『スター☆トゥインクルプリキュア!!』

 

 

「フッ、まだロケットは修理できていないようだな」

 

「すぐに直してまた出発するんだから!」

 

「お前一体なんなんじゃけ!」

 

すると騒ぎを聞きつけてフレア達も中から出てきた。

 

「成る程、プラズマ星人にロケットを修理させようというわけか・・・・ならばその炎、消してやろう! カッパードストライク!!」

 

カッパードはフレアに向かって技を放った。

 

「させるか!」

 

そこへスペースが割って入り、全身を赤く輝かせて身体を強化した状態で両手をクロスしてカッパードの技を受け止めた。

 

「くっ! いつもより・・・・強い・・・・!」

 

天候は雨、そしてここは水の星、カッパードにとって最高の舞台という事なのか、いつもよりも技の威力が増していて、スペースは何とか技を受けきったがその場で膝をついてしまう。

 

「うぅ・・・・」

 

「お前・・・・」

 

「スペース!」

 

「大丈夫ですか!?」

 

フレアがスペースに気にかけているとそこへソレイユとセレーネもやってきてスペースに寄り添った。

 

「そうはさせない! 親方の熱い炎は・・・・」

 

「わたくし達が守ってみせます!」

 

「お前達・・・・」

 

ソレイユとセレーネの熱い気持ちをフレアは近くで感じ取っていた。

 

「ほぉ? 面白い!」

 

『ノットレーイ!』

 

「行け! ペンを奪うのだ!」

 

『ノットレーイ!』

 

カッパードが乗っているUFOからたくさんのノットレイ達が飛び出すとプリキュア達に一斉に襲いかかってきた。

ノットレイ達の突然をスター達は回避するとそれぞれ自身の技や能力を駆使してそれに対応していた。

 

「ハハハハハッ! 水を得たカッパードは無敵!」

 

カッパードは自身に向かってくるソレイユとセレーネに向かって再びカッパードストライクを放つと2人はそれを回避するが、その技がフレアの工房に直撃して建物が壊れてしまった。

 

「親方!」

 

「こっちでプルンス!」

 

建物が崩れてフレア達は工房の中に、プルンスはフワとヤンヤンを連れて外へと逃げ出した。

 

『ノットレーイ』

 

その頃スター、ミルキー、コスモの3人はノットレイ達に囲まれていた。

 

「今日は気分が良い・・・・思う存分遊んでやろう!」

 

「ハアーッ!」

 

「ハアッ!」

 

上機嫌なカッパードに向かってソレイユは炎を纏った左足での蹴りを、セレーネは矢を放って攻撃するが、カッパードはソレイユを蹴りを回避してセレーネの矢を薙刀で弾いた。

 

『なっ!?』

 

「フッ! 無駄だ!」

 

「逃げるでプルンス!」

 

カッパードは連続でカッパードストライクを放つとその一つがプルンス達に向かって放たれてしまいプルンス達は慌てて逃げた。

しかしプルンスとは逆方向に逃げたヤンヤンを追いかけるかのようにカッパードストライクによる水の竜巻が後方からヤンヤンに迫っていた。

 

「危ないでプルンス!」

 

プルンスはヤンヤンを庇う為にヤンヤンを突き飛ばすと自分がカッパードストライクを受けてしまった。

 

「プルンス!」

 

ヤンヤンが涙目になりながらプルンスを呼ぶと技は収まりそこには転がっているプルンスの姿があった。

 

「おいプルンス! 大丈夫か!? しっかりしろ!」

 

「プルゥ・・・・」

 

スペースがプルンスを抱き抱えるとプルンスは目を回して気絶していた。

 

「カッパードォ・・・・ウルトラスターカラーペン・オーブ! ウルトラカラーチャージ!!」

 

スペースはカッパードへの怒りを露わにするとオーブのウルトラスターカラーペンを使ってキュアスペースオーブへと変身した。

 

そしてスペースは全身を光らせるとまた元のキュアスペースに戻るが、その左手にオーブリングを持ち、スペースの周りには赤と銀色の2つの光が漂っていた。

 

「タロウさん!」

 

『ウルトラマンタロウ!』

 

スペースが掴んだ赤い色の光は『ウルトラマンタロウ』のカードになり、それをオーブリングにリードすると、スペースの左隣にタロウのビジョンが現れた。

 

「メビウスさん!」

 

『ウルトラマンメビウス!』

 

更にスペースが銀色の光も掴んでカードになった『ウルトラマンメビウス』のカードをオーブリングにリードすると、スペースの右隣にメビウスのビジョンが現れた。

 

「熱いやつ、頼みます!!」

 

そしてスペースはオーブリングを頭上に翳すとそのトリガーを引いた。

 

『フュージョンアップ!』

 

そしてタロウとメビウスのビジョンがスペースに重なり一つになった。

 

『キュアスペースオーブ・バーンマイト!』

 

そして光がスペースの全身を包むとその光が下から徐々に消えていくとそこには上着や首元から膝の部分まで全身真っ赤なボディに膝から足の裏までは銀色のズボンに赤いラインが入り、胸のペンダントの周りには炎をイメージさせるような金色のラインが入った『キュアスペースオーブ・バーンマイト』が姿を現した。

 

※本物のバーンマイトのようなウルトラホーンは付いていません。

 

「紅に燃えるぜ!」

 

『ノットレーイ!』

 

するとスター達を囲んでいるノットレイ達とは別のノットレイ達がスペースに向かっていくとスペースはジャンプして空中で何度もひねりや回転を加えてから繰り出すタロウの得意技『スワローキック』をノットレイの一人にぶつけるとその場で着地して右手に炎を纏わせるとその拳でノットレイ達の何人かを殴り飛ばした。

 

「うおりゃ!」

 

『ノットレーイ!』

 

「ノットレイ!」

 

「フッ! そぉらっ!」

 

『ノットレーイ』

 

するとノットレイの一人がスペースに飛びかかってきたのでスペースはそれをバク転しながら後方へジャンプして回避するとそのまま地面に着地して足先に炎のエネルギーを纏わせてそのまま滑り込むように繰り出すスライディングキック『ストビュームフット』を放ちながらノットレイ達の足元に突っ込んでいき、まるでボウリングのピンを倒すかのように次々とノットレイ達を倒していった。

 

「アイツにばっか良いカッコさせるもんですか! ミルキー! 」

 

「ルン!」

 

「行くニャン! プリンセススターカラーペン! しし座! くるくるチャージ!」

 

ノットレイ達に囲まれていたコスモはミルキーからしし座のペンを受け取りそれをレインボーパフュームにセットした。

 

「プリキュア・レインボースプラッシュ!!」

 

『ノットレーイ』

 

技を受けたノットレイ達はそのまま吹き飛ばされていった。

 

「ハアッ!」

 

「ノットレーイ!」

 

スペースは再び向かってきたノットレイを炎を纏った右手で殴り飛ばした。

 

「今の俺に触ると、火傷するぜ!」

 

『ノットレーイ!』

 

スペースの言葉にも怯まずにノットレイ達はスペースに向かって突っ込んでいった。

 

「プリキュア・ストビュームダイナマイト!!」

 

スペースは全身に炎を纏って相手に体当たりし、抱きついて爆発する捨て身の技『ストビュームダイナマイト』を発動するとスペースの全身が炎に包まれた。

 

「ノット!?」

 

「うおおおおおおっ!」

 

『ノッ!? ノットレーイ!』

 

全身が燃えているスペースがこちらに向かってくるのを見たノットレイ達は反転してスペースから全力で逃げた。

しかしスペースの方が速くて追いつかれるとノットレイ達の中心でスペースは大爆発を起こしてノットレイ達は全員吹っ飛んでいき、爆発した場所にはスペースがただ一人その場で立っているだけだった。

 

「あれは流石に・・・・」

 

「ルン。火傷だけじゃ済まないルン・・・・」

 

それを近くで見ていたコスモとミルキーは明らかにやりすぎだという意味のこもったジト目の視線をスペースに送っていた。

 

その頃、カッパードと戦っていたソレイユとセレーネ必死にフレアの事を守っていた。

 

「フン! さてそろそろ、終わりにしようか・・・・カッパードストライク!!」

 

『うぅ、うぅぅーーっ!』

 

今まで以上に力を込めて放たれたカッパードストライクをソレイユとセレーネは身体を張って受け止めた。

 

「ハハハハハッ! 諦めるんだな、これがお前達の限界なのだよ!」

 

「諦めない!」

 

「わたくし達は諦めません!」

 

ソレイユとセレーネはカッパードの言葉を聞いても全く諦めようとはしなかった。

 

「限界は・・・・限界は、超えるためにあるんだ!!」

 

「お前達・・・・」

 

「熱いハートがある限り、わたくし達に限界などありません!!」

 

ソレイユとセレーネの熱い気持ちをフレアは近くで聞いていた。

 

『ハアアアアーッ!・・・・いっけぇぇぇぇっ!』

 

そして2人は全身を金色に輝かせながらカッパードストライクを吹き飛ばした。

 

「バカな!?」

 

「上出来だ!」

 

そこへスペースオーブ・バーンマイトが合流した。

 

「いけるな、2人とも?」

 

「当然!」

 

「勿論です!」

 

「よぉし、いくぞ!」

 

『プリキュア!』

 

「おとめ座・ソレイユシュート!!」

 

「いて座・セレーネアロー!!」

 

「ストビュームバースト!!」 

 

「うわああああっ!」

 

ソレイユの放った炎の玉とセレーネの矢、そしてスペースが両腕で巨大な火球を作り出して相手に向かって放つ技『ストビュームバースト』がカッパードに向かって飛んでいき、それに直撃したカッパードは足場にしていたUFOから吹き飛ばされると、そのUFOは再びカッパードの下へ滑り込むことでカッパードは再びUFOの上に立った。

 

その間にソレイユ達のところにスター達他の3人のプリキュア達も合流した。

 

「今日はここまでとしておこう」

 

そう言ってカッパードは乗っていたUFOごと転移して姿を消した。

 

 

 

 

 

「雨止んだじゃけ・・・・」

 

『親方!』

 

「ん?」

 

「もう一度やらせて下さい!」

 

「ロケットを直してサマーン星に行きたいんです!」

 

それから雨も上がるとまどかとえれなが再びロケットの修理に挑戦させてほしいとフレアに頼みこんだ。

 

「・・・・・・・・」

 

『・・・・・・・・』

 

「・・・・タツ!」

 

「ヘイ!」

 

「始めるじゃけ!」

 

「ヘイ! 親方!」

 

少しの間、両者の睨み合いが続くとフレアは2人の熱い気持ちを受け取りみんなで行う再びロケットの修理が再開された。

 

「始めるタツ!」

 

「ファイヤーじゃけ!」

 

「イカ!」

 

「タコ!」

 

「イカ!」

 

「タコ!」

 

えれなとまどかも最初の時より2人の熱い思いが風に乗りフレアの炎を青白く、そして激しく燃え上がらせた。

 

「お前らのハートを感じるじゃけ!」

 

「こんなにメラメラしてる親方は初めてタツ!」

 

「良いじゃイカ!」

 

「やるタコ!」

 

「イカ!」

 

「タコ!」

 

「イカ!」

 

「タコ!」

 

「イカ!」

 

「タコ!」

 

「イカ!」

 

「タコ!」

 

「ファイヤーじゃけぇぇぇぇ!」

 

それからもえれなとまどかの勢いは更に増していくとフレアの炎は眩しいくらい光り輝いていた。

 

その後、ロケットは新品と言われても納得するくらい以前よりピカピカになって復活した。

 

「終わったじゃけ・・・・」

 

「親方、お疲れ様タツ!」

 

「お疲れ様じゃイカ!」

 

「オクトパス!」

 

「親方!」

 

『ありがとうございました!』

 

「おう!」

 

フレアがタツ達から労いの言葉を受けているところにひかる達もロケットを直してもらったお礼を伝えた。

 

「熱いハートを忘れるなじゃけ」

 

『っ! はい!』

 

フレアからの言葉を聞いたえれなとまどかはしっかりと返事をした。

 

その頃、離れた場所ではプルンスとフワ、そしてヤンヤンの3人がここでもお別れの挨拶をしていた。

 

「助けてくれてありがとうヤン!」

 

「プルッ!?」

 

「溶けたフワ・・・・」

 

ヤンヤンは助けてくれたお礼を伝えた後にプルンスの頬にキスするとプルンスは顔を真っ赤にして溶けてしまった。

 

それからこうた達はロケットに乗って出発した。

 

「またねーヤンかぁ!」

 

「またねぇでプルンス!」

 

こうして一行はプルルン星を後にして再び星空界の宇宙空間へと戻ってきた。

 

「次はいよいよララの故郷だね」

 

「早くお会いしたいです。ララのご家族に」

 

「っ! ルン・・・・」

 

「・・・・」

 

えれなとまどかの言葉を聞いたララがまた少し元気のない姿を見せるとこうたはそんなララの事を気にするような視線を送っていた。

 

「それじゃあ惑星サマーンに・・・・GO!」

 

「フワーッ!」

 

ひかるとフワの掛け声と共に一行は惑星サマーンに向かって出発したのであった。

 

 

 

To Be Continued

 




        次回予告


遂にたどり着いた惑星サマーン!

そこで遂にこうた達はララの家族と出会う

それによってこうたはどうしてララが自分に自信を持てないのかを知ることになる


次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第73話 帰ってきたサマーン! ララの憂鬱 前編


次回もお楽しみ!



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第73話 帰ってきたサマーン! ララの憂鬱 前編

遅くなりました。
最新話の投稿です。
そしてこちらも遅くなりましたが『ニュージェネレーションスターズ』がスタートしました。
ギンガの話を観て私も懐かしくなりました。
あれからもう10年も経ったんですね。


プルルン星でロケットの修理を終えたこうた達はフワのワープで本来の目的地であるララの故郷、惑星サマーンに到着した。

 

「あれが、惑星サマーン・・・・ララの星! キラやば〜っ☆」

 

「ララの星ではないだろ。ララが生まれ育った星だ」

 

ひかるの言葉を訂正したこうただったが、ララだけが他のメンバーと比べて何処か元気のない表情をしていたのをこうたは見逃さなかった。

 

「うわぁ〜っ! おっきい建物!」

 

「フワ!」

 

ロケットの窓から見たサマーンの景色は今まで行った星空界の星々に比べると近未来的な建物や乗り物がたくさんあって、中にはいま自分達が乗っているロケットの改造前の物と同じロケットがあちこちに飛んでいた。

 

「居住スペースルン。サマーン人はみんなあそこに住んでるルン」

 

「みんな? 一戸建てとかは?」

 

「ないルン。あの方が効率的ルン。インフラが整備しやすくて自然を壊さずに・・・・「見て見てキラやば〜っ☆! ロケットがいっぱい!」」

 

「いっぱいフワ!」

 

「ロケットポートでプルンスなぁ」

 

「ひかる、いまララが話してるんだからちゃんと聞けよ・・・・」

 

そして一行はサマーンにあるロケットポートに自分達のロケットを着陸させた。

 

「おーい! ララ!」

 

「ルン? クク!」

 

するとそこにホバーボードのような乗り物に乗ったククと呼ばれるララよりだいぶ年上のおじさんのサマーン人がララの所にやってきた。

 

「もしかしてララのお兄さん!? はじめまして! 私、星奈ひかる! 宇宙と星座が大好きな・・・・「違うルン! ククは私の上司ルン!」」

 

「だよね」

 

「流石になぁ」

 

「双子のお兄さんには見えないニャン」

 

そしてララとククは互いのセンサーをタッチして挨拶をした。

 

「どうしてここに?」

 

「ロケットの識別信号で入港を知ったルン。調査報告もなしで何処行ってたルン!」

 

「オッ! オヨォ〜・・・・ちょっと遠くの星に・・・・」

 

「キラやば〜っ☆!何か浮いてるし!」

 

するとララ達が話してる最中にも関わらずひかるは目を光らせてククが乗っているホバーボードのような乗り物に興味津々だった。

 

「はいはい。話の最中だから後にしようなぁ・・・・」

 

「えぇ!? ちょっ!? もっとよく見せてぇ!」

 

そんなひかるを見たこうたはひかるの服の首根っこを掴んで引っ張っていった。

 

「ん?見たことない異星人ルン。君達は?」

 

「あっ! 私達は地球から・・・・「あああああっ!」」

 

ひかるが自己紹介をしようとするとプルンスが大きな声を出してそれを遮った。

 

「星空連合に所属していない地球人が来たと知れたらまずいでプルンス!」

 

「この人達は・・・・」

 

「話せば長いでプルンス!」

 

「・・・・・・・・」

 

ララとプルンスが必死に誤魔化さそうしているとククの表情は徐々に相手を怪しく思っている表情へと変化していった。

 

『彼女達はララ様が航行中に保護した異星人、宇宙星空連合の宇宙法第4条、『漂流中の者は保護し、再び宇宙に送り出す責務がある』によりお連れいたしました』

 

「保護ねぇ・・・・まぁ、ララのパーソナルAIが言うなら間違いないルン」

 

そこへララのロケットのパーソナルAIが代わりに事情を説明するとククもそれを聞いて納得した。

 

「それにしても随分と派手に改造したルン」

 

「ル、ルン・・・・」

 

ククはララのロケットを見て素直な感想を口にした。

 

「ねぇ? パーソナルAIって?」

 

「オヨ? ロケットAIの正式名称ルン」

 

『惑星サマーンには大元にならAI『マザーAI』と個人をサポートする『パーソナルAI』があります』

 

「へぇ・・・・」

 

「AIにも色々な種類があるんだな」

 

ひかるがララに質問し、それをララが答えるとそれを聞いてひかるとこうたは納得した。

 

「なんて話してる場合じゃないルン! ロロの表彰式が始まってしまうルン!」

 

「ルン? 表彰式ルン?」

 

ククによるとララの兄であるロロがプリンセスの力をみつけた事でそれを讃える為の表彰式が今日行われるらしい。

 

表彰式が行われるサマーン内でも特に大きな建物の前に到着するとその通路の入口には電磁バリアのようなものが展開されていてすんなりと中に入れないようになっていた。

 

するとララは通路の側にある装置の前に立つと装置からララ達サマーン星人と同じ触覚のようなセンサーが出てきてララが自身のセンサーを使ってそれにタッチした。

 

「何してるの?」

 

「センサーの電流で個人を識別するルン」

 

「なんだか指紋みたいですね」

 

「あぁ。地球でいう指紋がサマーンではセンサーの電流って事なんだろうな」

 

『ID 90862773・・・・ララ様と確認しました』

 

「え? これってAIの声?」

 

「似てるけどこれはマザールン」

 

「つまりこの建物はマザーAIが管理してるって事か?」

 

『こちらの方々は?』

 

『マザー、こちらはララ様のご友人です』

 

『・・・・承知致しました。』

 

ララのパーソナルAIがマザーAIにひかる達の事を説明すると通路を塞いでいた電磁バリアが解除されて通れるようになった。

 

『ララ様のパーソナルAI、直ちにマザーAIにアクセスしてデータの共有を願います』

 

『はい。 ・・・・後ほど致します』

 

「ん?」

 

マザーAIからの申し出に対する返事に間があったのに気づいたこうただった。

 

「ねぇ、データの共有って何?」

 

『マザーと私の情報を一緒にします』

 


「簡単に言うと、マザーとロケットのAIのデータが一緒になるルン。旅から帰ると、情報を更新するルン。」

 

「更新したらどうなっちゃうの?」

 

『データが上書きされ、私であって私でない新たなAIになります。』

 

「(もしかして、さっきの間は・・・・)」

 

こうたはもしかしたらララのパーソナルAIがマザーAIとのデータを共有するのを躊躇っているんじゃないかと思っていたが、あくまで推測なのでそれ以上は何も考えない事にした。

 

そして自動で動く通路の先には教会の中に似ている大きな広間に到着するとそこにはサマーン星人とは違う4人の宇宙人達が立っていた。

 

「ん?」

 

「あぁ! 今度こそララのお兄さん! はじめまして! わたし・・・・」

 

「それはもういいから!」

 

ひかるの勘違いが再び発動したのでこうたはまたひかるの服の首根っこを掴んで引き留めた。

 

「どう見ても双子じゃないし・・・・」

 

「この人って?」

 

「トッパー代表でプルンス!星空連合のトップで、星空界の多くの星が属している宇宙星空連合を纏めている凄い人でプルンス!」

 

えれなとユニはこの人は誰かと考えているとプルンスが真っ先に反応した。

このいかにも偉い人って感じのお爺さんはトッパーという宇宙星空連合の代表だった。

 

「・・・・のぉ! プルンス殿!ご無事で!スターパレスが襲われ、心配してましたである!今まで何処に?」

 

「話せば長いでプルンス・・・・」

 

「・・・・ならば後程・・・・サマーン中に中継されているのであるし・・・・」

 

トッパーは表彰式の直前でこの場所の様子はサマーン中に中継されていることから話の続きは後で聞く事になった。

 

『ロロ様とご両親の入場です』

 

マザーAIの言葉と共に後方の扉が開くとそこにはララの双子の兄とロロとララの両親が立っていた。

 

「あれがララのお兄さん! それにお父さんとお母さんだよね!」

 

「ルン・・・・」

 

ひかるの言葉に返事をするララだったが、そのララはどこか元気のない返事をした。

 

『ララ!』

 

そしてララの家族はみんなララの所に集まってきた。

 

「やっと帰ってきたルン」

 

「何処に行ってたルン?」

 

「調査報告もせずに」

 

「オ、オヨォ・・・・サマーン中の人が見てるルン」

 

「早速、表彰式をするのである!」

 

ロロと母、父の言葉責めにあったララは少し恥ずかしそうにしていた。

それからすぐにロロの表彰式が開始された。

 

「人って、これだけ?」

 


「少し寂しいですね」

 


「中継で星中の人が観てるルン。みんなが集まるなんて効率的じゃないルン」

 

「そういうもんかねぇ」

 

地球での表彰はもっと大勢の人達が集まって行っている事からえれなとまどか、こうたの3人は人数の少なさに寂しさを覚えた。

 

「サマーン星の調査員ロロよ! プリンセスの力を見つけた功績を讃え、宇宙星空連合を代表して勲章を授けるのである!」

 

「ありがとうルン!」

 

ロロのセンサーにトッパーが両手でタッチした後に勲章のバッチをロロの服の胸元に付けられるとひかる達も拍手を行い無事に表彰式は終了したが、その時もララは何処か元気がなかった。

 

それから場所を移して何処かの個室に入るとそこはサマーンの街並みを見渡すことができる場所だった。

 

「良い景色!」

 


「綺麗フワ!」

 



「いいのですか?トッパーさんに会いに行かなくて」

 


「後で行くでプルンス」

 

まどかにトッパーとの事を聞かれたプルンスら後で行くと言うと、ララの家族がこうた達に挨拶をした。

 

「では改めて、ララの父のトトルン」

 


「母のカカルン」

 


「兄のロロルン」

 


「父はAIの研究員、母はロケット工学の博士ルン」

 

「みんなお仕事かっちょイイ!」

 

「別に、マザーの決定に従っているだけルン」

 

「え?」

 

ひかるがトト達の仕事の話を聞いて興奮していたが、本人達にとっては大した事ないようだった。

「お仕事を、AIが決めたのですか?」


「そうルン。その人の性格や能力に特性から、マザーが決めてくれるルン」

 

「へぇ〜!すっごい!」

 

「ロロはランク1位の最高級の調査員ルン。ララは1番下のランク8位の調査員ルン」

 


「オヨ・・・・」

 


「僕はランク1位ルン。だから下のララを助けてあげる責任があるルン」

 


「・・・・・・・・」

 

「(成る程な、だからララは・・・・)」

 

トト達の説明を聞いて俯いてしまうララを見たこうたはどうしてララが自分に自信を持てないのか、その理由をなんとなく理解できた。

 

「仕事の話はいいニャン。それよりも、プリンセスの力を見つけたんでしょ?」

 

「ルン」

 

「で、何処にあるのよ?」

 


「今、マザーが調査してるルン。」

 


「調査ルン?」

 

ユニが話に割り込んでプリンセスの力について聞くと現在はこことは別の場所で調査を行なっているらしい。

 


「プリンセスの力だというのは分かったけど、詳しいことはまだルン」

 


「レーダーも無いのに探し出すなんて、やるわね」

 


「本当凄いよ!」

 


「AIを使えば大したことないルン。AIは万能ルン! AI! みんなを分析ルン!」

 

『?』

 

ロロがAIに指示を出すと、指示を受けたAIがひかるの分析を行った。

 

『興奮による発汗で、塩分が減少傾向』

 

「え?」

 


「塩分を3%加えたグミを頼むルン」

 

するとひかる髪の色と同じピンク色の小さくて四角いグミがお皿に乗って出てきた。

 

「どうぞルン」

 

「え?」

 

「これは?」

 

「食事でありデザートでもあり・・・・」

 


「水分補給でもあるルン」

 


「サマーンではこれしか口にしないルン。皆さんも分析するルン」

 

するとAIがララ以外の他のメンバーの分析を行い、それぞれの髪と同じ色のグミが人数分でてきた。

 

『いただきま〜す! おいしい!』

 

そのグミを食べたこうた達はみんな口を揃えて美味しいと言った。

 

『それと、こちらの方は身体の一部に負傷を確認しました』

 

「えっ? 俺?」

 

AIはみんなを分析する中でこうたの負傷に気づいた。

 

「それは本当ルン?」

 

『はい。直ちにメディカルポッドの使用を推奨します』

 

「わかったルン。AI、マザーに連絡してメディカルポッドの使用を申請するルン」

 

『了解しました』

 

するとトトはAIに指示を出して話をトントン拍子で進んでいき、こうた達は流れについていけていなかった。

 

「メディカルポッド?」

 

「サマーンで使われている医療用の機械で怪我や病気など様々な症状を治せるルン」

 

「凄い!」

 

「それにしても、ララももう少しAIを使いこなしてくれれば・・・・」

 


「せめてホバーボードに乗れれば・・・・」

 


「でも・・・・」

 

トトとカカから色々と指摘されてララはしょんぼりしていた。

 


「上手くAIを使いこなせれば、乗り物酔いしないルン」

 


「それが出来れば苦労しないルン」

 


「でもララは足腰が強いから、宇宙のゴミ、デブリ調査は適任ルン」

 

「ゴミの調査?」

 

「AIが選んだルン。ララにはララに合った仕事があるルン。大変な仕事は僕らに任せるルン」

 

ロロが自信満々に話をしているとまだかはどこか曇った表情で話を聞いていた。

 

「・・・・見つけたルン、私も・・・・」

 

「どんなデブリを見つけたルン?」

 

「デブリ、ゴミじゃなくて・・・・」

 

「見つけたといえば、発見はプリンセスの力だけじゃないルン!プリキュアが現れたルン!」

 

「っ!」

 

ララはプリキュアという単語に目を見開いて反応した。

 

「プリキュア?」

 

「ロロの調査でわかったルン」

 


「ケンネル星を始め、様々な星で宇宙の伝説『プリキュア』を名乗る者達の目撃情報が多発してる。どうやらプリキュアもプリンセスの力を集めている。最近プリンセスがスターパレスに戻ってるって情報もあるルン。きっとプリキュアの活躍と関係あるルン!」

 


「星空連合はプリキュアを見つけて連合に入れようとしているルン」

 

「ルン!?」

 


「プリキュアを!?」

 


「星空連合にでプルンスか?」

 

「・・・・・・・・」

 

ロロの調査でプリキュアの活躍をはじめとする様々な情報が調べられているだけでなく、トトの口から星空連合はプリキュアを自分達の仲間にしようとしている動きがあるという話を聞いたララはとても動揺していた。

 

『トト様、マザーからの許可が降りました。メディカルセンターへの移動をお願いします』

 

「わかったルン。えぇっと・・・・」

 

「あっ、俺はこうた、如月こうたです」

 

「ではこうた君、メディカルセンターで君の治療を行うので一緒に来て欲しいルン」

 

「わかりました」

 

「私も一緒に行くわ」

 

「ユニ?」

 

トトはAIからメディカルポットの使用許可が出たのでこうたを連れて行こうとするとユニがそれに同行したいと申し出た。

 

「一人ぐらい付き添いがいた方がいいでしょ? いいわよね?」

 

「構わないルン。では行くルン」

 

「はい。じゃあみんな、ちょっと行ってくる」

 

「うん」

 

「いってらっしゃい」

 

「ちゃんと治してきてね」

 

「あぁ」

 

「・・・・・・・・」

 

ひかるとまどか、えれなの3人が返事をするが、こうたはララだけは何も言ってこなかった事が気になったがトトを待たせているので後で話せばいいかと思いその場を後にした。

 

メディカルポッドは折り畳み式になっていて、患者がポッドの中で仰向けに横になるとその上からカバーが降りてきて患者を中に入れる。

カバーは上半身の部分はガラスになっているので患者の様子を見る事ができるが下半身の部分は白いプラスチックになっているので見えなかった。

 

(イメージとしてティガとダイナの映画でデータ取りの為にとアスカがデスフェイサーのコックピットの機械で乗った物の下半身が白いプラスチックで覆われているような外見というイメージです。by作者)

 

それからこうた達はメディカルセンターの中にあるメディカルポッドが2台並んで置いてある個室に到着すると患者衣に着替えたこうたがポッドの中に入り、機械が起動すると治療が開始された。

その様子を機械を操作する隣の部屋からサマーン星人の医者とトト、ユニの3人が見守っていた。

 

「どうルン?」

 

「大丈夫ルン。この程度の怪我なら30分ぐらいポッドの中で治療を受ければ治るルン」

 

「はぁ・・・・良かったルン」

 

「ふぅ・・・・」

 

医者からの診察結果を聞いて、椅子に座りポッドを操作する医者の隣に立つトトと、その後ろで手足を組んで椅子に座りながら様子を見ていたユニは安心のため息をついた。

 

「では私は他の患者の治療があるので一旦ここを離れるルン。時間になったら戻ってきますけど、何かあったらすぐに呼んでほしいルン」

 

「わかったルン。けど私もこの後仕事に戻らなくてはいけなくて・・・・君はどうするルン?」

 

「私は最後までこうたに付き添うわ」

 

「わかったルン。こうた君をよろしく頼むルン」

 

「では私もこれで」

 

そして医者とトトはユニを残してその部屋を後にした。

 

「はぁ・・・・」

 

再びため息をついたユニは立ち上がってこうたが入っているメディカルポッドのある部屋に入るとガラス越しにこうたの顔を覗き込んだ。

 

「ユニ? どうした?」

 

「調子はどう?」

 

「さぁ? まだ始まったばかりだから良くわからないな」

 

「そう」

 

「ありがとな」

 

「何よ急に?」

 

ユニはいきなりこうたにお礼を言われてどういうことかわからなかった。

 

「俺の付き添いで一緒に来てくれて」

 

「アンタの怪我は私の所為でもあるんだからちゃんと治ったどうか確かめたかっただけニャン」

 

「相変わらず素直じゃないなぁ・・・・」

 

「何か言った?」

 

「いや何も」

 

ユニがこうたを睨んできたのでこうたは慌てて顔をユニから逸らした。

 

「それよりどうするの?」

 

「何が?」

 

「プリンセスの力よ。今まで行った星の人達と違ってこの星の人達はプリンセスの力がどういうものかをちゃんと理解してる。それに星空連合も関わっているとなると『プリンセスの力を渡して』と頼んでも『はいどうぞ』とはいかないわ」

 

「だよなぁ・・・・」

 

ユニとこうたはどうやってプリンセスの力を譲ってもらおうかと2人で一緒に考えていた。

 

「なんなら私がパパッと取ってきましょうか?」

 

「いや、それはダメだ」

 

「なんでよ?」

 

「ここはララの生まれた星だ。もしも盗んだのが俺達だとバレたらララが反逆者、悪者になっちまう」

 

「私がそんなヘマをすると思ってるの?」

 

「もしもの話だ。俺はララを悪者にしたくない」

 

「じゃあどうするのよ」

 

「・・・・とりあえず、後でララと相談してどうするか決めよう。この星の事は俺達よりもララの方が詳しいからな」

 

「・・・・そうね。情報収集は必要だし、仕方ないわね」

 

そうして2人は今後の事はララと相談して決めると決断するとこうたは自身の治療に専念した。

 

 

To Be Continued

 

 




         次回予告

ララは自身がプリキュアである事を家族に明かすかで悩んでいた。

そうする事によって今後の自分達の生活がどうなるかが心配だったからだ。

しかし、プリンセスの力を狙ってノットレイダーが再び現れた。


次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第74話 帰ってきたサマーン! ララの憂鬱 後編


次回もお楽しみ!



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第74話 帰ってきたサマーン! ララの憂鬱 後編

明日はいよいよ『ウルトラマンデッカー 最終章 旅立ちの彼方へ』が公開、配信されますね。
今からとても楽しみです。


こうたが治療を受けている間、カカは仕事、ロロは調査報告があるとの事でひかる達とは別行動となった。

 

 

「キラやば〜っ☆!建物の中に湖が!?」

 


「ここはレクリエーションルームルン。何でも映せるルン」

 

ひかる達はララに連れられてレクリエーションルームと呼ばれる様々な星の風景を映し出せる部屋に来ていて、今は自然が豊かな星の風景が映し出されていた。

 

「ケンネル星を」

 

ララがそう言うと部屋の中が以前みんなで行った骨がいっぱいのケンネル星の風景に変化した。

 

「凄い!」

 

「凄いフワ!」

 

「どういう事!?」

 

ひかる、フワ、えれなは周りの変化に驚いているとプルンスが骨に触ろうとした時に一瞬ノイズのようなものが走った。

 

「ホログラムね」

 

「あっ! ユニ! こうたも!」

 

背後からユニの声が聞こえたのでみんなで振り向くとそこには声を発したユニと治療を終えたこうたが一緒に戻ってきた。

 

「怪我は大丈夫だった?」

 

「あぁ。無事に完治したぞ」

 

「良かったです」

 

えれながどうなったか聞いてきたのでこうたは無事に完治したと伝えるとそれを聞いたまどかは安心していた。

みんながこうたとの話を終えるとララが説明を再開した。

 

「この建物には宇宙のいろんな星のデータが入ってるルン。仕事によっては建物から一生出ない人もいるルン」

 

「えぇ!?」

 

「外に出なくてもサマーンでは楽しく暮らせるルン。惑星ゼッケインを頼むルン」

 

ララの言葉にみんな驚いていたが、惑星ゼッケインと呼ばれる星の風景に変わると綺麗な夜空とたくさんの小さな光が周りを照らしていた。

 

「絶景ですね」

 

「あぁ」

 

「凄い星空!」

 

「あっち行ってみよう!」

 

「イイね!」

 

「行くフワ!」

 

みんなゼッケインの風景に興奮し、ひかる、フワ、えれなの3人はあちこち動きながら楽しんでいた。

 

「そういえばあの山頂でマオの野外フェスをやったニャン」

 

「あぁ! あのプレミアチケットになったやつでプルンスなぁ・・・・」

 

「うん」

 

ひかる達がはしゃいでいる横でユニとプルンスは惑星ゼッケインにある山の山頂でマオの野外フェスがあった事を思い出していた。

 

そんな中でララは一人で今だに俯いていた。

 

「悩んでいるのですか?」

 

「オヨ?」

 

ララは声の聞こえた方を向くとそこにはまどかとこうたの2人がいて、ララの隣に並び立った。

 

「ルン?」

 

「ご家族にお話するべきかどうか?」

 

「サマーンに来てからずっと考えてるんじゃないか?」

 

「・・・・2人とも、良くわかってるルン。自分がプリキュアだって言えばきっと認めてくれるルン。それに、調査員として全てを報告するのが大人の責任ルン。でもみんなは・・・・プリキュアが星空連合に入ったらみんなの生活がめちゃくちゃルン。地球に帰してもらえるかもわからないルン」

 

「ララ・・・・」

 

ララは自身がプリキュアである事を打ち明ければ、きっと家族から認められてペンも渡してくれるかもしれない。しかしそれをしたら星空連合が動き、みんなが今まで通りの生活を送れなくなるかもしれない。ララはそれが不安だったのだ。

 

「お気持ちはわかります。わたくしも悩みましたから・・・・」

 

「ルン?」

 

「父に真実を話すべきかどうか」

 

「まどかはプリキュアになる前からそれでずっと悩んでたもんな」

 

「えぇ、父は政府の高官です。話せば国が動き、ノットレイダーをなんとかしてくれるかもしれない・・・・そう考えた事もありました」

 

まどかも冬貴に真実を伝えるかどうかで悩んでいた。

真実を伝える事で状況は解決するかもしれない。

けどそうする事で自分達にとって不都合な事も起こるかもしれない。

その可能性がまどかをずっと悩ませていた。

 

「何で言わなかったルン?」

 

「直感、でしょうか?」

 

「直感?」

 

「わたくしがプリキュアになった時『フワを守りたい』その一心でした。後先の事を考えず、思った事に素直に、自分の気持ちに初めて従いました。その直感は・・・・」

 

「ひかる」

 

「えぇ、そしてこうた君です」

 

「えっ? 俺も?」

 

「はい。2人が教えてくれました」

 

『お父さんの事はわかったけど、先輩はどう思ってるんですか?』

 

『自分が今、何をしたいのか・・・・誰かに言われたからじゃなくて・・・・自分で考えて・・・・自分で決めろ!』

 

「お2人の言葉をお借りするなら・・・・ララはどう思っていて何がしたいのですか? 自分の気持ちに従うべきです」

 

「・・・・・・・・」

 

「(はぁ・・・・俺が言いたかった事は全部まどかに言われちゃったなぁ・・・・)」

 

まどかはこれまで自分が思った事、経験してきた事から今のララの気持ちを誰よりも理解していた。

だからこそ自身がこれまで考え、感じてきたものをララに伝えて彼女の力になろうと接している。

自分がひかるやこうたにそうしてもらったように・・・・

 

それを側で見ていたこうたは言いたい事を言われて出番をなくした事に嬉しいような寂しいような複雑な気持ちになっていた。

 

まどかの言葉を聞いてララは自身の頭の中で色々考えていると・・・・

 

ウォ〜ン! ウォ〜ン!

 

突然部屋に大きな警報が鳴り響いた。

 

「えっ!?」

 

「警報ルン!」

 

『研究所に侵入者、関係セクションは対処を願います』

 

「研究所?」

 

「プリンセススターカラーペンを調査してる所ルン!」

 

『っ!?』

 

「行こう!」

 

「あぁ!」

 

警報が鳴り響く事で部屋の中のホログラムは解除されて何もない部屋になると、AIからの知らせを聞いてペンが保管されている場所でトラブルが発生した事を知ったひかるがみんなに行こうと伝えるとこうたが返事をしてみんなで研究所へと向かった。

 

その頃、研究所ではテンジョウ率いるノットレイ達によってその場にいたサマーン星人達の何人かが倒されて残るはペンを持つクク1人となっていた。

 

『ノットレイ!』

 

「プリンセスの力、お寄越し!」

 

「渡す訳にはいかないルン!」

 

「あらそう? だったらしょうがないわね!」

 

そう言ってテンジョウは自身が持つ天狗団扇に力を送り出した。

 

「オヨォ〜!」

 

「地震か!?」

 

それから数分後、こうた達が研究所の建物付近に到着した直後に地震のような大きな揺れが発生した。

 

その揺れは研究所内から発生していて最後には巨大なサマーン星人の姿をした巨大ノットレイが研究所の建物を突き破って外に飛び出してきた。

 

「ノットレーイ!」

 

「ノットレイダー!?」

 

「ルン? クク!?」

 

そしてララはあの巨大ノットレイはククが変身していると気づくとその帽子の上に立っていたテンジョウもこうた達に気づいた。

 

「あら? 来たわねプリキュア」

 

そして巨大ノットレイのセンサーが何かに巻きついていて、それはプリンセススターカラーペンの入った透明なカプセルである事にえれなが気づいた。

 

「っ!? プリンセススターカラーペン!?」

 

「みんな!」

 

ひかるが全員に呼びかけてみんなそれぞれのペンダントとペンを取り出した。

 

 

 

『スターカラーペンダント!カラーチャージ!』

 

『キラめく~星の力で~!憧れの~私描くよ~!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『スター☆トゥインクル〜!スター☆トゥインクルプリキュア~~!』

 

 

「宇宙(そら)に輝く〜キラキラ星!キュアスター!」

 

「天にあまねく〜ミルキーウェイ!キュアミルキー!」

 

「宇宙を照らす!灼熱のきらめき!キュアソレイユ!」

 

「夜空に輝く!神秘の月明かり!キュアセレーネ!」

 

「銀河に光る!虹色のスペクトル!キュアコスモ!」

 

「光輝く聖なる宇宙!キュアスペース!」

 

 

『スター☆トゥインクルプリキュア!!』

 

 

 

「さぁいきなさい!」

 

「ノットレ〜〜イ!」

 

巨大ノットレイはミルキーが普段やってるのと同じようにセンサーから紫色の電撃を放つとプリキュア達はそれぞれジャンプしてかわした。

 

「危ないでプルンス!」

 

「フワ!」

 

「ノット〜〜ッ!」

 

「うわっ!」

 

「ルン!」

 

巨大ノットレイは連続で電撃を放ち続けてプルンスとフワもプリキュア達も必死にそれを回避し、ミルキーはハート型のバリアでそれを受け止めた。

 

「ノット〜〜ッ!」

 

「うわっ!」

 

「ミルキー!」

 

「近づけません!」

 

「まいったね」

 

「くっ!」

 

巨大ノットレイが電撃の威力を上げるとミルキーのバリアは破壊されて電撃が直撃したミルキーはそのまま吹き飛ばされた。

その後も巨大ノットレイの電撃攻撃は続き、プリキュア達は巨大ノットレイに近づく事が出来なかった。

 

「大丈夫か?」

 

「ありがとルン・・・っ!」

 

スペースが立ち上がろうとするミルキーを支えているとそんな2人の目の前に巨大ノットレイが立っていた。

 

「さぁ? プリンセススターカラーペンをお渡し?」

 

「渡さないルン! そのペンも! はああああっ!」

 

「待て! ミルキー!」

 

「ふたご座・ミルキーショック!!」

 

「ノット・・・・レーーイ!!」

 

立ち上がったミルキーは巨大ノットレイに向かっていきミルキーショックを放つが巨大ノットレイも電撃を放ち、2人の電撃は拮抗していた。

 

「うぅ・・・・」

 

「ミルキー!」

 

『ノットレイ!』

 

スター達も加勢しようとするが他のノットレイ達に阻まれてミルキーの所へ行けなかった。

 

「強情ね、さっさと諦めなさい!」

 

「ミルキー!」

 

「諦めないルン!」

 

「っ!」

 

一番近くにいたスペースが加勢しようとしたがミルキーの声を聞いて一旦止まった。

 

「喜んでるルン。兄が、ロロがみつけたから・・・・トトも・・・・カカも・・・・みんな、私の家族が喜んでるルン! だから・・・・私は・・・・何があっても、守るルン!!」

 

「なっ!?」

 

「ハアアアアアーッ・・・! ルン!」

 

ミルキーの強い思いが技の威力を更に高めるとミルキーショックは巨大ノットレイの電撃に競り勝った。

 

「まずい!」

 

「ノットレイ!」

 

「っ!」

 

テンジョウが巨大ノットレイから離れた直後に電撃が巨大ノットレイに直撃すると持っていたペンが手放されてミルキーはそれをダイビングキャッチした。

 

「ノットレーイ!」

 

「っ!」

 

その直後に巨大ノットレイは地べたを這いつくばりながらミルキーに突撃してきて反応が遅れたミルキーは直撃を覚悟して目を瞑った。

 

「ノッ!? ノットレーイ」

 

「よくやったな、ミルキー」

 

「オヨ?」

 

ミルキーが恐る恐る目を開けるとそこには巨大ノットレイの顔を左手で押さえて突撃を止めていたキュアスペースタイタスの姿がそこにはあった。

 

「スペース!」

 

「ミルキーの気持ち、確かに聞いたぜ。後は任せろ!」

 

「スペース・・・・ルン!」

 

「キュアスペース・・・・」

 

「せっかく怪我も完治した事だし、久しぶりに暴れるぜ! ハアッ!」

 

そう言ってスペースは右手に力を集め始めた。その右手は緑色に光りだすとスペースはそのままワイズマンズフィストを巨大ノットレイの顔面に直撃させた。

 

「ノットレーイ!」

 

技を受けた巨大ノットレイはそのまま後方へと吹っ飛んでいった。

 

「さぁ、いくぜ!」

 

ゴォーン!

 

スペースは飛びながら巨大ノットレイを追いかけると両手に力を集めてその両手を使って連続でワイズマンズフィストを放ち、巨大ノットレイはそれをボディに連続で受けて立っていた身体が膝をつくと、スペースはそのまま右手のアッパーを巨大ノットレイの顎に直撃させて巨大ノットレイは仰向けに倒れた。

 

因みに顎にアッパーが直撃した時には『ゴォーン!』とまるで鐘の音が鳴ったような大きな音が響いていた。

 

「スペース!」

 

「やっぱり凄い!」

 

「完全復活ですね!」

 

「まぁまぁね」

 

それを他のノットレイ達を相手にしていたスター、ソレイユ、セレーネはスペースの復活と活躍に喜び、コスモも口では厳しい事を言っているがその表情はどこか嬉しそうだった。

 

「何やってんだい!しっかりおし!」

 

「ノット・・・・レーーイ!!」

 

テンジョウが自身の天狗団扇に力を注ぐと巨大ノットレイが禍々しいオーラに包まれて再び立ち上がってそのままスペースに向かって電撃を放った。

 

「ハアアアアーッ・・・! うおりゃー!」

 

スペースは右手に今まで以上に力を集めて最大パワーのワイズマンズフィストで電撃を押しのけた。

 

「バカな!?」

 

「賢者の拳は全てを砕くってな! これで終わりだ!」

 

『エックスレット、コネクトオン!』

 

「プリキュア・エレクトロバスター!!」

 

スペースがエックスレットの上に右手のタイガスパークを被せるとブレスレットの光のエネルギーがタイガスパークの手の甲のバディスフィアに収束されてそのエネルギーを使ってエレクトロバスターを放ち、直撃した巨大ノットレイは全身を緑色に光らせながら仰向けに倒れてそのまま爆発した。

その爆発の中から緑色の光が地面に飛んでいき、それが地面に触れて弾けると中から気絶したククが現れた。

 

「チッ! 覚えてなさい!」

 

テンジョウは最後にそう言い残して姿を消した。

 

こうた達は変身を解除してククの元へと集まった。

 

「うぅ・・・・」

 

「気がついたルン」

 

それからすぐにククが目を覚ました。

 

「私は何を・・・っ! ララ! そのペンをどうした!?」

 

「オヨ!?」

 

「なぜ君が!? ん? 研究所が・・・・どういう事ルン!?」

 

「あ、あの・・・・それはルン」

 

『プリンセスの力、お寄越し!』

 

「ん?」

 

『あらそう? だったらしょうがないわね!』

 

ララがククに事情を説明しようとすると研究所のパーソナルAIが研究所にノットレイダーが襲撃した時の映像を流した。

 

『カメラ、消失、解析、状況把握、不能・・・・』

 

「いや、状況はわかるルン! マザー! 助けを呼ぶルン! 調査員ララがプリンセスの力を奪う気ルン!」

 

「ルン!?」

 

「なっ!?」

 

ククはララ達が今回の事件を引き起こした犯人だと断言した事にララとこうたは驚き、マザーAIによってララやこうた達の姿を写した映像がサマーン中に表示された。

 

『ID 90862773・・・・ララを捕らえよ。仲間達を確保せよ』

 

「オヨ・・・・」

 

「私の経験上、逃げた方が良いニャン」

 

ユニがそう言うとひかる達は急いでその場から離脱した。

 

「どうして・・・・どうしてそうなるんですか!?」

 

「オヨ!?」

 

しかしこうたにはユニの声は聞こえておらず、真っ直ぐククに掴み掛かった。

 

「ララはプリンセスの力を奪われないようにって頑張ったんですよ! それがどうしてこういう事になるんですか!?」

 

 

一方・・・・

 

「ケヒャヒャヒャヒャヒャヒャ・・・・」

 

マザーが映し出した映像を見て不気味な笑みを浮かべるアイワーンがサマーンのビルの上に立っていた。

 

「ん? あいつらは・・・・」

 

そしてもう一人、サマーンの森の中でこうた達の映像を見て驚いている人物がいた。

 

「は、離すルン! 大人しくプリンセスの力を返すルン!」

 

「プリンセスの力を狙っていたのはノットレイダーです! 俺達は連中からそれを取り返したんですよ!」

 

「取り返した!? 一体どうやって取り返したルン!?」

 

「それは・・・・」

 

こうたはそれを説明しようとしたが、それをすると自分達がプリキュアである事がバレてしまうのでそこから先は何も言えなかった。

 

こうたはララがプリキュアである事を明かすかどうかで悩んでいたのを知っているからこそ、自分が勝手にそれを決める訳にはいかないと判断したのだ。

 

「言えないって事はやっぱりお前達が盗んだに違いないルン!」

 

「違います! とにかく俺達じゃあ・・・っ!」

 

そしてこうたが周りを見渡すとそこには浮遊型カメラが数台とホバーボードに乗ったサマーン星人達によって囲まれていた。

 

「やばっ」

 

そうしてこうたはククの説得に夢中になりすぎてひかる達には置いてきぼりにされて自分が包囲されている事を自覚した。

 

「もう逃げられないルン! 観念するルン!」

 

「(どうする、このままじゃあ・・・・)」

 

ククから観念するように言われるこうたはどうやってここから逃げるかを必死に考えていた。

 

そして浮遊型カメラからサマーン星人と同じような黄色いセンサーが数本出てくるとゆっくりとこうたに近づいていった。

 

パン! パン! パン!

 

すると数回の銃声が聞こえた直後に浮遊型カメラ数台が地面に落下した。

そのカメラには何かで撃ち抜かれたような跡が残っていた。

 

「なっ!? 何が起こったルン!?」

 

ククが状況を理解できずパニックになっていると突然こうたの目の前に黒いロングコートと黒の長ズボンで黒髪の男が着地した。

そしてその人物はこうたの知っている人物だった。

 

「たく、こんな所で何やってんだ」

 

「サーディス!?」

 

そう、こうたの目の前に現れたのはこれまでこうたと何度も戦ったトレジャーハンターのサーディスだった。

 

「何であんたがここに!?」

 

「話は後だ。来い!」

 

「え? ちょっ!?」

 

そしてこうたはサーディスに手を引っ張られながら彼がダークネストからもらったワープホールの力を使い、2人はそこを潜ってその場から姿を消したのであった。

 

 

 

To Be Continued

 

 

 




         次回予告


追われる身となったララ達

サマーンで暗躍するノットレイダー

彼らの行動がサマーンの運命を大きく左右する



次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第75話 サマーンを救え! ララの決意! 前編


次回もお楽しみ!



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第75話 サマーンを救え! ララの決意! 前編

報告ありがとうございます
こちらの方で修正しました。


ララの双子の兄、ロロからの通信でプリンセスの力が見つかったという連絡を受けたこうた達はララの故郷、惑星サマーンへとやってきた。

そこでララの家族と対面するが、星空界を守る為に活動している宇宙星空連合がプリキュアを仲間にしようと考えている事を知る。

家族に自分達がプリキュアである事を打ち明けるかを悩んでいるララの前にまたしてもプリンセスの力を狙ってノットレイダーが現れる。

それを撃退したララ達だったが、何故か自分達がプリンセスの力を狙う悪者にされてしまいララ達は逃亡、こうたもサーディスと共にその場を後にした。

 

 

「んで、どうしてアンタがサマーンにいるんだよ?」

 

「理由なんかねぇよ。ただ何も考えずに彷徨っていたらここに行き着いただけだ」

 

こうたとサーディスはサマーンの森の中で息を潜めながら会話していた。

 

「何も考えずにって・・・・」

 

「俺は惑星レインボーでお前に負けてから何もかもがわからなくなっちまった。デラストを倒す為に力を求めて、その過程でお前に出会って、お前に勝てれば奴に勝つ為の強さにまた一歩近づけると思った。けど結果はダークネストに裏切られ、ペンも失い、お前にも負けた。もうどうしたらいいかわかんねぇよ」

 

「サーディス・・・・」

 

こうたは黙ってサーディスの言葉を聞いて彼の気持ちを知った。

どうしても勝ちたい相手がいて、その人に勝つ為に力を求めてそれに失敗したことを・・・・

 

「・・・・力だけが強さの全てじゃないんじゃないか?」

 

「何だと?」

 

「力の強さだけで言ったら俺よりもアンタの方が上だった。それは間違いないと思う」

 

「ならどうして俺は負けたんだよ」

 

「・・・・思いの強さ、かな?」

 

「思いの強さ?」

 

「俺にはどうしても守りたいものが、守りたい人達がいる。その人達を守りたいっていう強い思いがあったから、俺は最後まで戦う事が出来たんだ」

 

「思いの、強さ・・・・」

 

「あぁ、けどそれはアンタにもあるだろ?」

 

「俺にも?」

 

「アンタのそのデラストに勝ちたいっていう強い意志は思いの強さと違うのか?」

 

「俺の、強い意志・・・・」

 

サーディスはこうたの言葉を聞いて自分自身の事を改めて見つめ直した。

 

「それに、何となくだけど思うんだ。アンタのその強い意志の源はアンタの優しさからきてるんじゃないかって」

 

「はぁっ!?」

 

サーディスはこうたに優しいと言われて動揺した。

 

「ふざけんな! 俺のどこが優しいんだよ!」

 

「そのデラストに勝ちたいっていうのも家族を奪われたからだろ?家族の事を大切に思っていてそれを奪った奴が許せない。それって誰かを思う心があるからこそだろ? 俺の事だって、惑星レインボーの時やさっきだって助けてくれたし」

 

「それは、お前を助けたのは借りを返す為とさっきのは・・・・ただの気まぐれだ」

 

「でもその気まぐれに俺は助けられた。だから、ありがとう」

 

「・・・・フン!」

 

サーディスは照れているのか自身の顔をこうたから逸らした。

 

「おかしな奴だ。自分を狙ってた相手に礼を言うなんて・・・・」

 

「確かに、けどアンタの気持ちもわかるんだよ。俺も一時期はアンタの事だけを考えてた時があったから」

 

こうたもエックスのペンを奪われた直後はサーディスに勝つ事とペンを取り戻す事だけを考えて周りが見えていない時があった。

だからこうたにもサーディスの気持ちが理解できるのだ。

 

「んで、お前はこれからどうするんだよ?」

 

「まずは誤解を解く。プリンセスの力を狙ったのは俺達じゃないって事を証明する」

 

「どうやって?」

 

「そりゃやっぱり相手を説得して・・・・」

 

「さっきは出来てなかったじゃねぇか」

 

「それは・・・・けどこの星はララの故郷なんだ。そんな星で騒ぎを起こすような事はしたくない」

 

「今でも十分騒ぎになってると思うけどな」

 

「うっ」

 

サーディスに正論を言われてこうたは何も言えなくなった。

 

「・・・・まっ、お前のやりたいようにやればいいんじゃねぇか?」

 

「え?」

 

「お前に負けた俺がとやかく言う資格はねぇだろ?お前がそう思うならお前の思った通りにやればいい」

 

「サーディス・・・・」

 

こうたはサーディスが初めて背中を押すような発言をした事に驚いた。

 

「正直に言うと俺はお前が憎かった。こんなガキがどうして俺より強いんだってな・・・・けどこうやってお前と話をして何となくだけどわかった気がするぜ。どうして俺がお前に勝てなかったのか、その理由が・・・・」

 

「・・・・・・・・」

 

「それと・・・・」

 

「っ!」

 

すると突然、サーディスは右手でこうたの頭を鷲掴みにした。

 

「さっきから思ってたけど、俺はお前よりも年上なんだぞ。助けてもらった相手を呼び捨てで敬語も使わないってのはどういう事だ? あぁ?」

 

「痛い痛い! だって俺達これまで敵同士だったのにいきなり敬語とか・・・・」

 

「けど助けてもらった相手にはそれなりに敬意を持ってもいいんじゃないか?」

 

「持ってるって! だからさっきお礼を言ったじゃんか・・・・じゃないですか!」

 

「そんなんじゃ全然足りねぇなぁ! お礼にペンを一本よこ「嫌です!」 ちっ!」

 

サーディスは要望を断られるとこうたの頭を鷲掴みにしていた右手を離した。

 

「そこまで言うなら今後俺達とは戦わないって事でいいんですね?」

 

「今の所は、な・・・・まっ、俺が力をつけたらまたいつかリベンジを「結構です!」・・・・わぁったよ」

 

「それじゃあ俺はもう行きますね。またいつか会いましょう。サーディス・・・・さん」

 

「何だよそのぎこちない呼び方は?」

 

「仕方ないでしょ! まだ慣れてないんですから! 後、俺はお前って名前じゃないんでこうたって呼んで下さい!」

 

「へいへい」

 

『ララ! 出てくるルン!』

 

「何だ?」

 

「ロロ!」

 

2人が見たのは空中に表情された映像にロロとトト、カカの3人がララに呼びかける映像だった。

 

「あいつらは?」

 

「ララの両親と双子の兄です。(家族だから、心配するのは当たり前だよな。ララ、お前はどうする?)」

 

こうたはこの呼びかけを聞いてララがどうするのかを気にすると同時に彼女の心配もしていた。

 

 

 

そして時は少し遡り、ユニの助言でその場を後にしたララ達はこうたがいない事に気づいた。

 

「あれ? こうたがいない!」

 

「ホントだ!」

 

「迷子になってしまったんでしょうか?」

 

ひかるがこうたがいない事に気づくとそれにえれなとまどかが反応した。

 

「こうた・・・・」

 

「大丈夫よ」

 

「オヨ?」

 

ララがこうたを心配しているとそんな彼女にユニが声をかけた。

 

「アイツがそう簡単に捕まるようなヘマをするわけないでしょ? きっと自力で何とかしてるわよ」

 

「・・・・ルン」

 

それからララ達は町を離れてこうたとは別の場所の森の中に身を潜めていた。

 

「来てるでプルンス」

 

「しつこいニャン」

 

「カメラは温度も感知できるルン。見つかるのは時間の問題ルン」

 

彼女達の近くを多くの浮遊型カメラが飛び回っていて、そのカメラには熱を探知できるセンサーが搭載されているらしく、カメラの一つがララ達の体温を探知すると真っ直ぐそちらへ向かっていくが別のカメラがそのカメラに体当たりしてそれを阻止した。

 

「オヨ!?」

 

『ジャミングをかけてマザーとカメラの通信を妨害しました』

 

「AIさん!」

 

「助かったルン」

 

ララのロケットのパーソナルAIがジャミングをかけた事で近くを飛んでいたカメラ達が次々と落下して機能が停止していた。

 

 

 

 

「見失った!?」

 

『ララのパーソナルAIの妨害です』

 

「そんな、ありえないルン!?」

 

一方でサマーンの管理棟内にある管理室でもララのロケットのパーソナルAIによる妨害を探知していて、マザーからもたらされた情報にククは混乱していた。

 

「パーソナルAIはマザーの分身と聞いたである。裏切り行為とは・・・・」

 

「前代未聞ルン」

 

「んん・・・・」

 

その管理室にはククだけでなくトッパー率いる宇宙星空連合のメンバーも集まっていた。

その部屋に今度はロロとトト、カカ、ララの家族全員がやって来た。

 

「きっと何かの間違いルン」

 

「何か理由があるルン」

 

「僕達も協力するルン」

 

それからロロ達の申し出を承諾したトッパーは彼らの言葉を映像で伝える事にして先程の映像が公開されたのであった。

 

『ララ! 出てくるルン!』

 

『一緒に謝ってあげるルン!』

 

『心配しなくていいルン!』

 

『僕達が何とかしてあげるルン!』

 

「・・・・オヨ、やっぱり半人前・・・・子供扱いルン」

 

しかしララにとってそれは自分が一人前だと認めてもらえてないのと同じだと思ってしまい、ララは落ち込んでしまった。

 

「だったらプリキュアだって言いに行けば? みんな認めてくれるわ」

 

「逃げた方が良いって言ってたくせに話が違うでプルンス!」

 

「状況が違うから・・・・信じてくる、家族がいるなら・・・・」

 

ユニは故郷の仲間達の存在をとても大切に思っている。

だからこそ、自分を信じてくれる家族がいるなら本当の事を話すのも悪くないと思っていた。

 

「幾つになっても妹の事が心配なんだよ。たとえ双子でもね」

 

「お父様、お母様も心配しています」

 

自身にも弟や妹がいるえれなだからこそ、ロロの気持ちがよくわかっていた。そして両親を大切にしているまどかもそれは同じだった。

 

「ルン。でもみんながプリキュアだってバレたら面倒な事になるルン」

 

「どうして?」

 

「星空連合がプリキュアを取り込もうとしてるでプルンス」

 

「みんなに迷惑がかかるルン」

 

ララは家族に自分がプリキュアだと打ち明けたいという気持ちはあるが、それをする事で他のみんなに迷惑をかける事になるという気持ちもあってどうすれば良いかでずっと悩んでいた。

 

「ララ」

 

「ルン?」

 

そんなララのセンサーをひかるは両手で優しく包み込んだ。

 

「大丈夫だよ」

 

「っ!」

 

「私達の事なら気にしなくていいから。ララが決めた事なら私、私、信じる!」

 

「ひかる・・・・」

 

ひかるのララの意思を尊重する気持ちがララはとても嬉しかった。

 

「そうだね。あたしも信じる!」

 

「わたくしもです。それにこうた君もこの場にいたらきっと同じ事を言っていたと思いますよ」

 

「みんな・・・・」

 

そしてえれなとまどかもララの意思を尊重すると決めていた。

 

すると遠くの方からホバーボードに乗った警備隊が数人やってきた。

 

「オヨ!? 警備隊ルン!」

 

『ホバーボードはマザーのアシストで動いています。停止させますか?』

 

「オヨ・・・・」

 

「ララ!」

 

『ララ!』

 

AI、ひかる、ロロの声を聞いてララはどうするかで若干パニックになっていた。

 

「オヨ・・・・」

 

しかしララはどれだけ考えてもどうするかを決断する事が出来なかった。

 

『うわああああっ!』

 

『っ!』

 

すると警備隊が乗っていたホバーボードが暴走してコントロールを失っていた。そしてそれは他のサマーンのロケットも同じだった。

 

「AIがやったルン?」

 

『いいえ』

 

「ロケットが変フワ!」

 

「どうしたルン?」

 

『オロ!?』

 

「ロロ!?」

 

すると今度はロロ達の通信にも異常が発生して通信が途切れた。

 

『うわああああっ!』

 

すると今度はマザーとそれに繋がるパーソナルAI達が暴走してサマーンの人々を突然襲い始めた。

 

「どうなってるルン?」

 

『マザーが何者かに操られている可能性が極めて高いと思われます』

 

「オヨ!? 大変ルン!」

 

「早く何とかしないと!」

 

「ルン!」

 

ひかるが早く対象したいとという言葉を受けたララは他のメンバーを連れてマザーAIがいる管理棟へと向かった。

 

 

 

「ホバーボード無しじゃ、無理ルン・・・・」

 

管理棟にいたロロ達は外に出て走って逃げていたが、普段からホバーボードに頼り切りだった事が仇となり殆ど進む事が出来ていなかった。

 

『走るのなんてあり得ないルン・・・・』

 

なので結局途中でへばってしまい動けなくなってしまったが、そんな事はお構いなしで暴走したホバーボードがロロ達に迫っていた。

 

「オロ〜〜ッ!」

 

ロロは悲鳴を上げてもうダメかと思ったその時・・・・

 

「っ!」

 

駆けつけたララの手に引っ張られてロロ達は助かった。

 

「ララ?」

 

「大丈夫ルン?」

 

「大丈夫じゃないルン! AIがないと何も出来ないルン!」

 

「しっかりするルン!」

 

「オロ?」

 

ロロはAIからのサポートを失い動揺していたが、そんなロロにララは喝を入れた。

 

「AIがなくても大丈夫ルン! 学校で経験済みルン!」

 

「学校?」

 

「みんなで集まって学ぶ所ルン。学校で、ううん・・・・私は地球でひかるやこうた達といて学んだルン。考えて、想像して、自分の力でなんとでもなるルン!」

 

「ララ・・・・」

 

ロロやトト達はララの言葉を聞いて彼女の成長を実感していた。

 

「騒ぎを納めなくては・・・・」

 

「どうすれば・・・・」

 

「見つけたわよ」

 

「アイワーン!」

 

そこへこうた以外のメンバーも到着するとテンジョウとノットレイ達、そしてアイワーンが姿を現した。

 

「約束だっつうの。ペンはやるからアイツはアタイが頂くっつうの」

 

「成る程、これって貴方の仕業ね」

 

「そうだっつうの。お前達をあぶり出す為だっつうの」

 

アイワーンはテンジョウ達と手を組んでいた。

そしてマザー達AIの暴走はアイワーンが浮遊型カメラの一つからマザーにアクセスしてマザーを始めとする全てのAIを乗っ取って自身の支配下においた事で今回の騒動が発生したのだ。

全ては騒ぎを起こしてプリキュアを誘い出す為に・・・・

 

「アイツ! 研究所に来た奴ルン!」

 

「奴らが犯人って事であるか!?」

 

ククの証言でペンを狙っていたのはララ達ではなくテンジョウ達だった事を知ったトッパーは驚いていた。

 

「ふっ!」

 

そして複数の浮遊型カメラからサマーン星人のセンサーのような黄色いロープがユニに襲いかかるがユニはそれをバク転しながらのジャンプで回避した。

 

「っ!」

 

「ユニ!?」

 

しかし身動きのとれない空中でユニは両手両足をロープで拘束されて動きを封じられてしまった。

 

「引っ込んでろっつうの!」

 

『ううっ!』

 

そしてひかる達他のメンバーも同じようにロープで身体を拘束されてしまった。

 

「マザー! やめるルン!」

 

「無駄だっつうの! マザーはこのアイワーン様が乗っ取ったつうの! 超天才的頭脳で、ケヒャヒャヒャヒャヒャ!」

 

「これじゃあプリキュアになれない」

 

「離すでプルンス・・・・」

 

「最高ね」

 

『ノットレイ!』

 

ひかる達も身動きを封じられて自由に動けない姿を見たテンジョウとノットレイ達は嬉しそうにしていた。

 

「やっぱりララはララ、所詮はランク8の調査員ルン。期待したのが間違いルン」

 

捕まってしまったララ達を見てククは所詮ララはその程度だとガッカリしていた。

 

「そんな事ない!」

 

「ララは凄いフワ! 助けてくれたフワ!」

 

「そうでプルンス! 宇宙を彷徨っていたプルンス達を助けてくれた「感動的なショーね、けどお腹いっぱい。アイワーン、約束通りプリンセススターカラーペンは頂くわよ」」

 

「良いっつうの。アタイも約束通りアイツはもらうっつうの!」

 

ひかるとフワ、プルンスの話に割り込んできたテンジョウはアイワーンとの取引を再確認するとそれを承諾したアイワーンは複数のホバーボードを操ってそれを拘束したユニめがけて体当たりさせようとしていた。

 

「たく・・・・」

 

「・・・・・・・・」

 

その光景に動揺していたララだったが、今の彼女にはどうする事も出来なかった。

 

 

 

To Be Continued

 




         次回予告


マザーを始めとするサマーンのAI達が全てアイワーンに乗っ取られてしまった。

捕まってしまったひかる達に逆転の一手はあるのか?

そしてララのパーソナルAIの行動を受けてララは遂に決断を下す!



次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第76話 サマーンを救え! ララの決意! 後編


次回もお楽しみ!



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第76話 サマーンを救え! ララの決意! 後編

遅くなりましたが最新話の投稿です。
そして昨日『グリッドマンユニバース』を観てきました。

率直に言えば、これでもかというくらい盛り沢山の内容で何度も観たいと思ってしまうくらい最高の映画でした。

こちらの物語もこれから盛り上げられたらと思います。



一度は撤退したがそのままサマーンに残ったテンジョウ達の前にアイワーンが現れて彼女は浮遊型カメラを通じてマザーとそれに繋がるパーソナルAIをハッキングすることで自身の支配下におく事でマザー達に指示をだしてサマーン中を混乱に陥れた。

それを止めようとするララ達だったがアイワーンに乗っ取られたAI達によって捕まってしまう。

 

 

 

その頃、こうたは・・・・

 

「何だよこれ、一体どうなってんだ!?」

 

「あのマーク、恐らくアイワーンの仕業だな」

 

「アイワーン!? 何でアイツがここに!?」

 

「俺が知るわけないだろ」

 

こうたは何が起こったのかわからずにいた横でサーディスはすぐにアイワーンの仕業だと見抜いた。

 

「で、どうするよ。このままだとこの星はアイワーンにめちゃくちゃにされちまうぞ」

 

「そんな事させない! 俺が絶対に止める!」

 

「ならあのデカい建物に行け」

 

「え?」

 

こうたはサーディスが指差す方向を見るとそこにはとても大きな塔のような建物が立っていた。

 

「あそこは?」

 

「管理棟だ。マザーと呼ばれるサマーンのAI達の中枢はあそこにある。あそこへ行けばAI達の暴走を止められるかもな」

 

「何でそんな事知ってるんですか?」

 

「俺はトレジャーハンターだからな。お前の仲間にサマーン星人がいるとわかった時からこの星の情報を予め集めておいたんだよ」

 

サーディスはこれまでの戦いの中でララ(サマーン星人)の存在に気づくと、何があってもいいようにとサマーンに関する情報を予め集めていたのだ。

 

「この騒動の解決方法はお前の仲間も気づいてるはずだ。あそこへ行けば仲間と合流できるかもな」

 

「わかりました、ありがとうございます。サーディスさん」

 

「おう。それと、これを通っていけ」

 

するとサーディスは部屋の扉より大きいワープホールを開いた。

 

「お前なら飛んで行くのも有りだと思うがこれを通って行った方が手っ取り早いと思うぞ」

 

「わかりました。それじゃあ行ってきます」

 

「おう。精々頑張りな」

 

「はい!」

 

そう言ってこうたは走ってそのワープホールを潜って行った。

 

しかしその先は・・・・

 

「・・・・え? 」

 

管理棟の真上の空中だった。

 

「・・・・え? え? うわあああああ!」

 

こうたは何度か周りを見渡すが、プリキュアに変身してないから当然飛べないのでそのまま地面に向かって落下した。

 

「アイツ絶対ワザとやっただろ! 今度会ったとき覚えてろよぉ!」

 

と落下しながら文句を言ったこうたはそのまま自身のペンダントにペンを差し込みそれと同時にこうたの全身が光り輝きプリキュアに変身した。

 

「じゃあなこうた、しっかりやれよ」

 

そう言い残すとサーディスは再びワープホールを開いてそれを通る事でサマーンから姿を消した。

 

「クソォ・・・・っ! ユニ!」

 

プリキュアに変身したスペースは真下でユニがホバーボード数機に襲われそうな所を目撃するとすぐにフーマのペンを取り出してキュアスペースフーマに変身した。

 

 

 

 

 

「たく・・・・」

 

「・・・・・・・・」

 

そして場所は管理棟前に戻り、ユニに迫るホバーボード達を他のメンバーはただ見ている事しか出来なかった。

 

しかし・・・・

 

キン!キン!キン! ドカーン!

 

「っ!」

 

「何!?」

 

「どうしたの?」

 

迫っていた複数のホバーボードに光の手裏剣が次々と直撃して爆発するとそれを見ていたララ、テンジョウ、ひかるは何が起こったのか理解出来ていなかった。

 

「・・・・ハァ、やっと来たわね」

 

「え?」

 

ユニの発言にララは何を言っているのかさっぱりだったが、その答えはすぐに自分達とノットレイダー達の前に降り立った。

 

「ふぅ、ギリギリ間に合ったな」

 

「スペース!」

 

ララ達とノットレイダーの間にキュアスペースフーマは着地し、先程の攻撃はウルトラマンフーマの技『光波手裏剣』を複数同時に放ってユニに迫るホバーボードを全て撃ち落としたのだ。

 

「随分と遅かったじゃない。何処で何してたのよ?」

 

「悪かったな。けど良く言うだろ? 『主役は遅れて来る』ってな」

 

「はいはい。わかったから早くこれ何とかしてくれない?」

 

「了解」

 

そしてスペースはクロスした両手を左右に広げて再び複数の光波手裏剣を同時に放ち、それらを上手くコントロールしてユニ達を切らないように拘束しているロープのみを切った。

 

「やった!」

 

「ありがとうございます!」

 

「どういたしまして」

 

えれなは拘束から解放された事を喜び、まどかがスペースにお礼を言うとスペースもどういたしましてと返事をした。

 

「あれが・・・・」

 

「伝説の戦士・・・・」

 

「プリキュア・・・・」

 

「あの少年が・・・・」

 

スペースを見てロロ、トト、カカ、トッパーも初めて見るプリキュアの登場に驚いていた。

 

「キュアスペース・・・・」

 

「よう! アイワーン。相変わらずユニを狙ってるのか?」

 

「うるさいっつうの! いつもいつもアタイの邪魔ばっかりして・・・・許さないっつうの!」

 

「それはこっちのセリフだ。お前の好きにはさせないぜ!」

 

「黙れっつうの! マザー! まずはアイツからやれっつうの!」

 

『了解しました』

 

アイワーンがマザーに指示を出すとホバーボードや浮遊型カメラ達が一斉にスペースに向かって体当たりやロープによる拘束で攻撃を開始した。

 

「フッ!」

 

しかしスペースはフーマの力で高速移動しながらロープを『光波剣・大蛇』を右手に発生させて切り裂いたり、向かってきたホバーボードを蹴ったり殴ったりして対応していた。

 

「(こうた・・・・)」

 

スペースが一人で戦っている姿を見ていたララは自分も加勢しようと考えるが、後ろで家族が見ているのを気にしてどうしても躊躇してしまっていた。

 

「こっちを忘れてもらっちゃ困るよ! コマちゃん達!」

 

『ノットレイ!』

 

「煽れ団扇よ! 膨れろ! 歪んだイマジネーション!」

 

テンジョウは一ヶ所に集まったノットレイ達に歪んだイマジネーションを送り込むとノットレイ達は一つになり、いつものグレーの戦闘服を着た巨大ノットレイが誕生した。

 

「ノットレーイ!」

 

「マジかよ・・・・」

 

「スペース!」

 

ひかるが心配そうな表情で叫んだ。何せスペースは浮遊型カメラ、ホバーボード、巨大ノットレイを全て一人で相手にしているからである。

 

「(くそっ、これじゃあキリがない!)」

 

スペースは複数の浮遊型カメラやホバーボードによる体当たりや巨大ノットレイからの連続パンチをフーマのスピードや残像を生かして何とか対応しているがそれでも厳しい状況が続いた。

 

「っ! ヤべッ!」

 

「スペース!」

 

そしてスペースはホバーボード達の体当たりを回避できない状況に陥るとララから悲痛な叫び声が聞こえてきた。

 

ホバーボードがスペースに直撃しようとしたその時・・・・

 

ゴーン!

 

「え?」

 

そこへホバーボードよりもっと大きな何かがホバーボードに体当たりしてスペースを守った。

 

「っ!?」

 

「ルン!?」

 

「ん? あれは!?」

 

アイワーン、ララ、ククがそれに反応した。

 

「ララのロケットルン」

 

「来てくれたルン?」

 

スペースを守って地面に落下したのはみんなで改造したララのロケットだった。

 

『はい。ですが、申し訳ありません。ロケットに傷をつけてしまいました』

 

「AI・・・・」

 

「どうなってるっつうの?」

 

『このパーソナルAIは頑なにマザーとの接続を拒否しています』

 

「くっ! マザー! 行けっつうの!」

 

アイワーンの指示を受けてマザーはララのロケットを先程までのひかる達と同じのように拘束した。

 

「だったら直接乗っ取るっつうの!」

 

「ダメルン!」

 

『アクセス』

 

「AI!」

 

そしてマザーのセンサーがロケット内に侵入してロケットのコックピットからパーソナルAIに直接アクセスしてきた。

 

「やめろ!」

 

「邪魔はさせないよ!」

 

「ノットレーイ!」

 

スペースがロケットの所へ行こうとするがテンジョウと巨大ノットレイがそれを妨害した。

 

『ララ様、お役に立てず申し訳ありません』

 

「何言ってるルン」

 

『旅のお供が出来て光栄でした』

 

「AI!」

 

そんな中でAIはララとそしてこうたやひかる達と一緒に過ごしてきた日々を思い出していた。

 

『ララ様や皆様と過ごしてきた日々はひかる様がいう『キラやば〜っ☆』な日々でした』

 

パーソナルAIの言葉を聞いたスペースとユニ以外のメンバーは涙目になってそれを聞いていた。

 

『ありが・・・・と・・・・う』

 

そう言い残してパーソナルAIの機能は停止した。

 

「AI・・・・」

 

「おしまいだっつうの」

 

「お前・・・・」

 

「アイワーン、あなた・・・・」

 

「何で!?」

 

ララは悲しい泣きそうな声を出すとスペースとユニは明らかに怒りの感情を露わにしていてひかるアイワーンに問いかけるかのように叫んだ。

 

「アタイが失ったものに比べれば大したことないっつつの! ロケットのAIを再起動だっつうの!」

 

「ルン!?」

 

「アイツらを襲わせろっつうの!」

 

『承知致しました』

 

「そんな!?」

 

「ケヒャヒャヒャヒャヒャ!」

 

そしてロケットが再起動して逆さまになっていたロケットのボディはロケットのエンジンが点火した事で姿勢を立て直して正しい形に戻った。

 

「AーーIーーっ!」

 

ララはパーソナルAIに呼びかける為に思いっきり叫んだ。

 

『・・・・・・・・ID 90862773・・・・ララ、敵対する人物ではない』

 

「ルン!?」

 

『パーソナルAIからの情報で判明・・・・』

 

「ロケットのAIとマザーが情報を共有したルン」

 

『ララ、いえ、羽衣ララ、友好的なパートナー』

 

ロロの推測通り、ロケットのパーソナルAIがララに関する情報を共有した事でマザーAIが乗っ取られる前の状態に戻ったのだ。

 

「よっしゃー! プリキュア・極星光波手裏剣!!」

 

「ノットレーイ!」

 

スペースは必殺技を放ち、それが巨大ノットレイの胸に直撃すると巨大ノットレイはそのまま仰向けに倒れた。

 

「そんな、ハッキングしたマザーが戻ってるっつうの!」

 

「ルン!?」

 

「ララのパーソナルAIが戻したルン!」

 

マザーAIがアイワーンから解放された事にアイワーン自身とカカとトトも驚いていた。

 

「あら? もうおしまい?」

 

「うるさいっつうの! こうなったらもう一度マザーをハッキングして・・・・」

 

「アイワーン!」

 

テンジョウとアイワーンが話をしている所にスペースが飛びながら接近して割り込んだ。

 

「言ったはずだせ! お前の好きにはさせないってな!」

 

「うるさいっつうの! 偶然元に戻ったからって調子に乗るなっつうの!」

 

「偶然なんかじゃない! ララとAIの互いを思いやる気持ちが、ハッキングされていたマザーを元に戻す事が出来たんだ!」

 

「スペース・・・・」

 

スペースとアイワーンの会話をララは聞いていた。

 

「思い? 気持ち? ありえないっつうの! 所詮は人と機械、違うもの同士が繋がるなんて起こるわけないっつうの!」

 

「けどそれは起こった。相手が人だからとかそうでないからとか関係ない!大切なのは相手を信じる心、その思いが今回の出来事に繋がったんだ! それを誰にも否定させない! 勿論アイワーン、お前にもだ!」

 

「くっ」

 

ピカーン!

 

スペースがアイワーンを指差しながら語っているとスペースのペンケースから強烈な光が漏れ出していた。

 

 

「ここって・・・・」

 

そして眩しい光に目を瞑っていたスペースが目を開けるとそこはこれまでウルトラマン達と会っていた辺り一面真っ白な空間で自身の姿もスペースからこうたに戻っていた。

 

「こんにちは」

 

「大地さん!?」

 

こうたは声をかけられた方向を向くとそこにはXioの隊員服を着ている『ウルトラマンX』と共に戦っている地球人『大空大地』が立っていた。

 

「久しぶりだねこうた君。それと改めてお礼を言わせてほしい、Xの力を取り戻してくれて本当にありがとう」

 

「そんな、俺の方こそお二人の力を奪われちゃって、すみませんでした!」

 

こうたは思いっきり頭を下げて謝罪した。

 

「気にしなくていいよ。それより今回は君に渡す物があって来たんだ」

 

「渡す物?」

 

「これだよ」

 

そう言って大地はこうたに虹色に光る短剣のような何かを取り出した。

 

「それは?」

 

「これはエクスラッガーといって、昔俺の両親が研究していた物なんだ」

 

「大地さんの両親が?」

 

その虹色の剣『エクスラッガー』はウルトラマンXのパワーアップアイテムであり、以前は大地の父が発掘した古代の遺物として研究が進められていた。

 

「これを俺に?」

 

「あぁ、誰かとの繋がりを大切に思う君にならこの力を使いこなせるはずだ」

 

そう言って大地はこうたにエクスラッガーを渡してこうたはそれを受け取った。

 

「ありがとうございます」

 

「どう致しまして、さっきこうた君が言ってた事は俺にも良くわかるんだ。だからこそ君はエクスラッガーを持つに相応しいと思ったんだ」

 

「相応しいなんてそんな・・・・」

 

「謙遜しなくていいよ。誰かとの繋がりはとても大切なものだって思うし、俺の夢を叶える為にはこうた君のような考えを持った人達が大勢必要だしね」

 

「大地さんの夢?」

 

「あぁ、俺の夢は人間と怪獣が共存して一緒に暮らせる世界を実現させる事なんだ」

 

大地がそう言うと、突然大地の手元に怪獣の人形が入った透明なカプセルが現れた。

 

「その人形は?」

 

「こいつはゴモラ、子供の頃からずっと一緒で、今は人形の姿をしてるけど本当は他の動物達と同じように生きてるんだ」

 

「えぇ!?」

 

こうたはスパークドールズになったゴモラを見てとても驚いていた。

 

「ゴモラはサイバーゴモラとして俺達と一緒に戦ってきたけど、最初の頃は俺の事を心配して俺と繋がる事を拒んでいたんだ。けど俺の気持ちをゴモラに伝えたらゴモラもわかってくれて今では俺や仲間達にとってもかけがえのない存在になった。だからこそわかる、例え自分とは違う存在であってもわかり合える、繋がる事が出来るってね」

 

「大地さん・・・・」

 

こうたは大地の話を聞いて誰かと繋がる事がどういう事かを改めて認識した。

 

「さぁ行こう! 君と、彼女達の繋がりをこんな所でなくしちゃいけない!」

 

「はい! ありがとうございます。大地さん!」

 

それから再び光に包まれたこうたはキュアスペースXとなりララ達とノットレイダー達の間に降り立った。

 

「ちっ、いつまでも寝てないでとっとと起きない!」

 

「ノットレーイ!」

 

テンジョウが扇子に力を込めるとそれによって強化された巨大ノットレイは更に巨大化して立ち上がり、そんな超巨大ノットレイの胸元には先程までは何も書いていなかったが今は『XL』と書かれている。

 

「ここからはさっきまでのようにはいかないよ!」

 

そんな巨大ノットレイの姿にララの家族は怯えていたが、ララは全く怯んでいなかった。

 

「ララ!」

 

「スペース?」

 

スペースが背後のララを見て頷くとそれから少ししてララも何かを決意した表情で頷いた。

 

「・・・・ひかる、スペース、私決めたルン」

 

「え?」

 

「AIが頑張ってくれたルン。私も、みんなの為に・・・・プリキュアになるルン!」

 

「うん!」

 

「わかった。行くぞ!」

 

「ルン!」

 

そしてララを始め、ひかる達他のメンバー達も自身のペンを取り出した。

 

 

『スターカラーペンダント!カラーチャージ!』

 

『キラめく~星の力で~!憧れの~私描くよ~!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『スター☆トゥインクル〜!スター☆トゥインクルプリキュア~~!』

 

 

「宇宙(そら)に輝く〜キラキラ星!キュアスター!」

 

「天にあまねく〜ミルキーウェイ!キュアミルキー!」

 

「宇宙を照らす!灼熱のきらめき!キュアソレイユ!」

 

「夜空に輝く!神秘の月明かり!キュアセレーネ!」

 

「銀河に光る!虹色のスペクトル!キュアコスモ!」

 

「光輝く聖なる宇宙!キュアスペースX!」

 

 

『スター☆トゥインクルプリキュア!!』

 

 

そしてプリキュア達は変身を終えるとミルキーを中心に横一列に並び立った。

 

 

「プリキュアって!?」

 

「まさか!?」

 

「ララが!?」

 

「うっそーっルン!?」

 

「伝説の戦士プリキュア・・・・あこ少女達も!?」

 

ララ達がプリキュアに変身したのを見てロロ達家族やクク、そしてトッパーはスペースが現れた時以上に驚いていた。

 

「ノット! ノット! ノットレーイ!」

 

「ふたご座・ミルキーショック!!」

 

「おひつじ座・スターパンチ!!」

 

「さそり座・ソレイユシュート!!」

 

「いて座・セレーネアロー!!」

 

「レインボーパフューム! いくニャン! プリキュア・コスモシャイニング!!」

 

「プリキュア・ザナデュウム光線!!」

 

「ノットレーーイ!!」

 

歩きながら接近してくる超巨大ノットレイに向かって6人同時に技を放つとそれを受けた超巨大ノットレイは後方へと吹き飛ばされた。

 

「しっかりおしよ!」

 

そんな超巨大ノットレイに向かってテンジョウは叱っていた。

 

「ララがプリキュアだなんて!?」

 

「信じられないルン!?」

 

「・・・・ララは大きくなってるルン。僕らには想像できないくらいに・・・・」

 

トトとカカは未だに信じられない様子だが、ロロだけは違った、ロロはこれまでのララの行動や言葉を聞いてララは自分達が想像できないくらい成長しているのだと実感していた。

 

「サマーンを、みんなを、守るルン!」

 

するとミルキーの意思に反応したのかプリンセススターカラーペンが入っていたカプセルが砕け散り、中からペンが現れるとミルキーがそれを掴むとかに座のプリンセススターカラーペンが姿を現した。

 

「プリキュア・かに座・ミルキーショック!!」

 

そしてミルキーが技を放つと2つの電撃はまるで蟹の鋏のような形をしていて超巨大ノットレイはその電撃を受けて怯んでいた。

 

「スペース!」

 

「あぁ! 行きますよ、大地さん!」

 

スペースが意識を集中していると胸元のペンダントから虹色の光が現れてそれらが2つの物に具現化すると一つは大地がXに変身する時に使うエクスデバイザーで、もう一つはエクシードXのスパークドールズだった。

 

『キュアスペースX、パワーアップ!』

 

スペースがエクシードXのスパークドールズをロードすると先程大地から受け取ったエクスラッガーが姿を現し、スペースはそれを右手で掴むと今度は左手で刀身側面にあるパネル・フラーポイントを下から上へのスライドタッチを行ってブーストスイッチを押した。

 

「行くぞ! エクシードキュアスペースエーックス!」

 

そしてスペースはそう叫びながらX字形に振るとその時に発生したX字形がスペースのペンダントに触れるとスペースの身体が虹色に光りだして両腕の赤色だった服はグレーに染まり、基本的には長袖の上着と中のシャツ、そして長ズボンはグレーと黒がメインカラーだが、股関節の部分には紫と青のラインが縦に入っていたりお腹の部分には赤の横ライン、胸元にはオレンジ色の横ラインと様々なラインが入っていて、額のグレーのバンダナには虹色の角のような物が付いていた。

 

そうしてスペースは『キュアスペースエクシードX』へとパワーアップを遂げて、周りには虹色の衝撃が放たれていた。

 

「虹色の、スペース?」

 

「キラやば〜っ!☆」

 

「ま、まぁまぁね」

 

ミルキー、スター、コスモはそれぞれにスペースの姿を見てそれに反応していた。

 

「何してるんだい! とっとと行きな!」

 

「ノットレーイ!」

 

「フッ! ハアッ!」

 

スペースは拳を握りながら右腕の肘を曲げた状態で上に上げて、逆に拳を握りながら左腕の肘を曲げた状態で下に下げる普段エクシードXがやっていた構えをとると真っ直ぐ超巨大ノットレイに突っ込んでいった。

 

「ノットレイ!」

 

「ハアッ!」

 

超巨大ノットレイが右手で殴ってきたのを直前でかわし、そのまま懐に飛び込んで両手での連続パンチを浴びせた後に右足で蹴り飛ばすと超巨大ノットレイは後方へと後ずさっていった。

 

「そらっ!」

 

「ノットレーイ!」

 

するとスペースは超巨大ノットレイの右手を掴んでそのまま自身の後ろに放り投げると超巨大ノットレイはそのまま投げ飛ばされてしまった。

 

「そらもういっちょう!」

 

「ノットレーイ!」

 

今度は超巨大ノットレイの左足を掴んで後ろに投げ飛ばした。

そしてスペースが額の虹色の角の部分に右手を添えると角は形を変えてエクスラッガーへと変化した。

 

「行くぞ! エクスラッガー!」

 

そしてスペースは左手で刀身側面にあるフラーポイントを下から上へのスライドタッチを2回行ってブーストスイッチを押した。

 

「プリキュア・エクシードスラッシュ!!」

 

「ノットレーーイ」

 

スペースはそのままエクスラッガーを高速で振り回して敵を虹色の光刃で何度も斬り付ける技『エクシードスラッシュ』を発動して超巨大ノットレイを切り裂いた。

そしてスペースは再びフラーポイントを下から上へのスライドタッチを3回行いエクスラッガーを左手に持ち替えて柄の下部にあるブーストスイッチを右手で押すと剣先が伸びた。

 

「プリキュア・エクシードエクスラッシュ!!」

 

スペースがエクスラッガーを持った左手を頭上に掲げてそれを地面に突き刺すと周りが虹色の空間に包まれた。

 

「こ、これは!?」

 

「どうなっているであるか!?」

 

その現象にククとトッパーは驚く事しか出来なかった。

 

そしてスペースは再びエクスラッガーを右手に持ち替えて飛びながら真っ直ぐ超巨大ノットレイに向かって突っ込んで行った。

 

「ハアアアアッ!」

 

そしてスペースは超巨大ノットレイの横を往復しながらエクスラッガーで切り裂いて元の位置に戻ると超巨大ノットレイの身体から歪んだイマジネーションが消え去り、最初の合体する前のノットレイ数人に戻っていた。

これがエクスラッガーの力を発動した状態で敵の前後を高速で往復しながら繰り出す突進斬りの技『エクシードエクスラッシュ』である。

 

「ノッ!?」

 

「ノットレイ!?」

 

「ノットレイ!?」

 

「何ですって!?」

 

「ノットレイ達が元に戻るなんて・・・・」

 

「凄すぎ・・・・」

 

「わたくしもビックリです」

 

これにはこれには流石のテンジョウやノットレイ達、そしてコスモ、ソレイユ、セレーネでさえも驚かずにはいられなかった。

 

「決めるぞミルキー!」

 

「ル、ルン! みんな!」

 

その光景に呆然としていたミルキーもスペースに呼びかけられて正気を取り戻すとスター達に声をかけた。

 

『宇宙(そら)に輝け!イマジネーションの力!』

 

『トゥインクルステッキ!』

 

「スタートゥインクル!」

 

「ミルキートゥインクル!」

 

「ソレイユトゥインクル!」

 

「セレーネトゥインクル!」

 

『4つの輝きよ、今一つに!』

 

スター達が技を発動する体勢に入るとその横でスペースはエクスラッガーを額に戻し、右手でエクスラッガーの下の部分を押さえながら左手をエクスラッガーの先端をゆっくりと下へとスライドさせていった。

 

『プリキュア!』

 

『サザンクロス・・・・』

 

「エクスラッガー・・・・」

 

『ショット!』

 

他の技とは違い逆方向にスライドタッチすることで発動する技『エクスラッガーショット』は額のエクスラッガーから虹色の強力な光線を放つ事が出来てその光線とサザンクロスショットを受けたノットレイ達はその場に全員倒れていた。

 

「アンタの所為でこのザマだよ!」

 

「負けたのはおばさんの所為だっつうの!」

 

「「フン!」」

 

テンジョウとアイワーンは喧嘩しながらお互いに姿を消した。

 

その後、アイワーンの所為で暴走したAI達はマザーを中心に体制を立て直す事が出来た。

 

「ララがプリキュアだったなんて・・・・」

 

「隠しててごめんルン」

 

ララは自身がプリキュアだって事を隠していた事を家族に謝罪した。

しかしそんな中でララの持つかに座のプリンセススターカラーペンが光りだした。

まるで早くスタープリンセスを解放するように訴えかけているかのように・・・・

 

「トゥインクルブックでプリンセスをスターパレスに戻すルン」

 

「「えぇ!?」」

 

「もう何があっても驚かないルン。行ってくるルン」

 

「ルン!」

 

ララがスタープリンセスをパレスに戻すと言ってトトとカカは驚いていたが、ロロだけはそれらを理解してララを送り出してくれた。

 

「星の輝き・・・・戻るフーーーーワーーーー!」

 

そしてフワの力とかに座のペンによってかに座のスタープリンセスがスターパレスに戻った。

 

「かに座のプリンセスフワ!」

 

「皆さん、ありがとう。残るはうお座のプリンセスのみ。プリキュア、頼みます!」

 

かに座のプリンセスの言葉を聞いてユニ以外のメンバー全員が了承の意味を込めて頷いた。

 

それから一行はサマーンに戻り、ララの家族との挨拶をしていた。

 

「修理はバッチリルン!」

 

「流石ロケット工学の博士!」

 

「後は、AIを起動ルン」

 

ララはロケットのパーソナルAIを起動する為に自身のグローブにセンサーをタッチさせた。

 

「ID 90862773・・・・ララ、パーソナルAI起動ルン」

 

『・・・・IDとは堅苦しいですねララ様』

 

「ルン!?」

 

「前のままだ」

 

起動したAIは今まで一緒に過ごしてきたパーソナルAIと全く変化していなかった。

 

「ありえないルン! AIは均一化するはず・・・・」

 

『厳密に言えば以前とは違います。マザーと情報を共有しました。ですが、ララ様、ひかる様、こうた様、皆さんのデータは際立っています。埋もれる事はありませんでした』

 

「さっきこうたも言ってたルン。大切なのは相手を信じる心、きっと、AIの心の宇宙でみんなの記憶が輝いたルン。」

 

ララはパーソナルAIについて嬉しそうに語っているとその後ろではこうたとユニは並んで立っていて、その時のユニはどこか嬉しそうな表情をしていた。

 

「な、何よ?」

 

「いや、ユニも嬉しそうしてて良かったなって思っただけだよ」

 

「何でそうなるのよ?」

 

「だって、この星にアイワーンが来たのは自分の所為だって思ってるんじゃないか? だからもしもララのパーソナルAIに何かあったらって心配してたんだろ?」

 

「そ、それは・・・・まぁ・・・・」

 

「お? 今回は珍しく素直に認めたな」

 

「う、うるさいニャン! もう知らない!」

 

「ご、ごめん悪かったって・・・・」

 

「フン!」

 

とこうたとユニが話している間にもララ様達の話は進んでいった。

 

「AIに心!?」

 

「ホント、どこまで僕らの想像を超えてくるルン」

 

「って話してる場合じゃないルン! 星空連合にみつかるルン!」

 

「今のうちに行くルン!」

 

「でもプリキュアってバレちゃった事迷惑にならないルン?」

 

「迷惑どころか誇りに思ってるルン」

 

「ロロ・・・・」

 

それを聞いたララはロロから認められたような気がして凄く嬉しかった。

 

「でも、辺境の星は少し心配ルン」

 

「辺境って・・・・」

 

「大丈夫ルン! 私は大人ルン! それに楽しいルン! いろんな星を見るのは素敵ルン!」

 

そうしてララは家族との別れの挨拶を済ませるとみんなと一緒にロケットに乗ってサマーンを後にした。

そんなサマーンではララ達が追われる原因となったククに厳重な処罰が与えられたとか与えられなかったとか・・・・

 

「色々あったけど、ホント、楽しい夏休みだったね!」

 

ひかるがトゥインクルブックに惑星サマーンの絵を描いていたり他のメンバーもそれぞれのんびり過ごしている中でララだけは徐々に離れていくサマーンの姿をジッと見つめていた。

 

「大丈夫だ」

 

「こうた?」

 

そんなララにこうたが話しかけた。

 

「これが永遠の別れってわけじゃないんだ。会いたくなったらいつでも会いに行けばいい・・・・だろ?」

 

「・・・・ルン!」

 

ララはそれを聞いて再び元気を取り戻してロケットの操縦席へと向かった。

 

「それじゃあ地球に戻るルン!」

 

『承知しました。ララ様』

 

「フーーーワーーーッ!」

 

そしてフワのワープホールが開かれるとロケットはそこへ向かって飛び込み地球へと向かった。

 

 

 

 

しかし・・・・

 

 

 

 

 

「全エンジン出力最大、目標、プリキュアであ〜る!」

 

 

そんな彼女達の事を宇宙星空連合が逃す筈がなかった。

 

 

To Be Continued

 

 

 




         次回予告


目的を達成したこうた達は1週間ぶりに地球へと帰還した。

しかし、そんなこうた達を追って宇宙星空連合が地球にまで追いかけてきてしまう。

星空連合の代表でのトッパーから連合に加わってほしいと言われたこうた達はどうするのか?


次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第77話 背負っているもの ガルオウガ襲来! 前編

次回もお楽しみ!



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第77話 背負っているもの ガルオウガ襲来! 前編

一ヶ月以上更新できずにすいませんでした。
これからまた少しずつ再開していきます。

そして後編も今夜中に更新するのでお楽しみ!


「うおお・・・・地球だ!」

 

「とても久しぶりな気がします」

 

「出発して数日しか経ってないのにね」

 

「それだけ充実したことが沢山あったって事だろ?」

 

惑星サマーンで無事にかに座のプリンセススターカラーペンを手に入れて、そのままかに座のプリンセスも解放し、目的を果たしたこうた達は数日ぶりに地球が見える宇宙空間へと帰還した。

 

「ルン? 何か来るルン」

 

するとララがロケットのレーダーで後方から何かが接近している事に気づくとロケットが通ってきたフワのワープホールからそれよりも白い長方形の巨大な宇宙船が現れた。

 

『船からの通信です』

 

「星空連合のトップ、トッパーでプルンス!」

 

AIがその宇宙船から通信がきている事を知らせるとロケットのモニターに宇宙星空連合の代表、トッパーの姿が映し出された。

 

『プリキュアの諸君、逃がさないであ〜る!』

 

「マジ!?」

 

こうたもまさか太陽系まで追ってくるとは思っていなかったらしく、トッパーの執念とも言える行動に驚く事しか出来なかった。

 

それからこうた達はいつもロケットを置いている森の中に着陸させるとその隣に白くて丸い小型ポットのような宇宙船が着陸して中からトッパーとその部下と思われる人物が2人、小型ポットから降りてきた。

 

「こんな辺境の星から来ていたとは・・・・ララくんとプルンス殿はこの星の住人に存在を知られたであるな?」

 

「「ギクッ!」」

 

「宇宙法違反である。100年間旅の禁止である!」

 

『オヨオオオオオ(あああああああ)!』

 

「待ってよ! アブラハム監督はララ達が地球にいても良いって言ったよ!」

 

「アブラハム!?」

 

それ聞いたトッパーはすぐに通信でアブラハムと連絡をとった。

 

「君ね! プリキュアの事、報告なしとか困るである!」

 

「sorry Mr.トッパー」

 

「罰としてもっと辺境の銀河の監視に行ってもらうである!」

 

「NOォォォォォ! 映画の撮影もあるし! 許してぇぇぇぇ! please! I'm sorry! これ以上辺境の星に行くのは嫌デース! ペコペーコ! ペコペーコ!」

 

「もういいである」

 

アブラハムが泣きながら土下座して必死にトッパーに謝罪していると、その姿を見たトッパーはその謝罪を受け入れた。

 

「もしかしてアブラハムさん、何かやらかして地球まで来たんじゃ・・・・」

 

「あり得るわね」

 

その光景を見ていたこうたとユニは互いに思った事を口に出していた。

 

「アブラハムの件はこちらにも責任があるのである。よって、ララくん達の処分は免除するのである」

 

「ホント!? ありがとうトッパーさん!」

 

「じゃあ、さよならルン!」

 

「さらばである! ・・・・・・・・違うである!」

 

「オヨ?」

 

ララがさよならと言ってトッパー達も最初は本当に帰ろうとしたが本来の目的を思い出して踏み止まった。

 

「まだ大事な話が残っているである。プリキュアに星空連合に加わってほしいのである」

 

「え? 私達が?」

 

「ぜひ頼むである」

 

やはりトッパーはこうた達に星空連合に加えようと誘ってきた。

 

「連合とか面倒、団体行動苦手ニャン」

 

「え?」

 

「店の手伝いあるし、弟達見ないといけなくて・・・・」

 

「学校と習い事もありますし・・・・」

 

「えぇ!? ちょっと、そんなプライベートな理由で断るであるか!?」

 

ユニ、えれな、まどかはそれぞれ個人的な理由で断ろうとしていた。

 

「あっ、もう帰らないと、チャオ!」

 

「わたくしも失礼致します」

 

「じゃあね!」

 

「フワ!」

 

「軽い、信じられないである」

 

「何かすいません」

 

そしてえれなとまどかはそのまま帰ってしまい、唖然としているトッパーに申し訳なく思ったこうたは謝罪した。

 

「あ、俺達も帰らないと、ユニの事を父さん達に紹介しないといけないし」

 

「えぇ!?」

 

「何だよ、家で一緒に暮らすって決めただろ?」

 

「そ、そうだけど・・・・」

 

こうたがユニを連れて行こうとするとユニは緊張してるのか、中々その場から動こうとしなかった。

 

「ほら行くぞ! ララも一緒に来てくれ」

 

「わかったルン」

 

「プルンス、悪いけど代わりにトッパーさん達に俺達が出会った経緯とか、どうやってプリキュアになったのかとか、その辺の説明をAIと一緒にしといてくれないか?」

 

「了解でプルンス!」

 

「AIもよろしくルン」

 

『了解しました。ララ様』

 

「んじゃ行くぞ」

 

「わかったニャン! わかったからその手を離して!」

 

そうしてこうたは後の事をプルンスとロケットのパーソナルAIに任せてユニの手を引きながらララと一緒にその場を後にした。

因みにユニ達がこうたの家で暮らす事をトッパーに追求されたプルンスが説明に苦労したのは別の話である。

 

そして、こうた、ユニ、ララの3人はこうたの家の前までやってきた。

 

「こうたの家に来るのも久しぶりルン」

 

「そういえばそうだったな。けどこれから地球にいる間はこの家で一緒に暮らすんだぜ」

 

「ルン! 私、こんな家に住んだ事ないから何だか楽しみルン!」

 

「そっか」

 

「・・・・・・・・」

 

「んで、何でユニはさっきからずっと黙ってるんだよ」

 

「う、うるさいわね。こっちにも心の準備ってのがあるのよ」

 

「あの有名な宇宙怪盗が、地球の家で暮らすってだけでビビってどうすんだよ」

 

「うるさいニャン!」

 

そんな感じでこうた達は家の前で雑談を続けていると突然こうたの家の扉が開いた。

 

「あら? こうたおかえり」

 

「ただいま母さん」

 

「こんにちはルン!」

 

「あら? ララちゃんいらっしゃい! っとそっちの子は・・・・」

 

「っ!」

 

扉からしずかが出てきたこうたとララが挨拶をすると視線がユニの方へと向き、見られたユニは一瞬身体をビクッとさせていた。

 

「もしかして、あなたがユニちゃん?」

 

「は、はい・・・・そう、です」

 

「何で敬語?」

 

「うるさいニャン!」

 

こうたにツッコまれてユニは緊張してますます萎縮してしまった。

 

「いらっしゃい、待っていたわよ。私はこうたの母のしずか、これからよろしくね」

 

「よ、よろしく・・・・」

 

「さっ、みんな家に入って、さとしも中にいるから挨拶してね」

 

そしてみんなで家の中に入り、居間へとたどり着くと椅子に座りながら机の上で新聞を読んでいるさとしの姿があった。

 

「ん? こうた帰ってきたのか」

 

「ただいま父さん」

 

「こんにちはルン」

 

「ど、どうも」

 

「ララちゃんもいらっしゃい。で、そっちの君がユニちゃんか?」

 

「あぁ」

 

「はじめまして、こうたの父のさとしだ。これからよろしく。君の事はこうたから聞いてるよ。これからはこの家を自分の家だと思ってくれて構わないからね」

 

「あ、ありがとニャン」

 

「いつもよりずっと素直だ」

 

「っ!」

 

ユニが感謝の気持ちを伝えると、そんなユニの普段とは違う姿に驚くこうたに対してユニは目だけこうたに向けて睨みつけていた。

 

「それじゃあ早速ユニちゃんの歓迎会の準備をしなくちゃ。てな訳で私はこれから買い物に行ってくるから、みんなは疲れてるだろうしゆっくりしてて」

 

「あぁ父さん、母さん、ちょっと聞いてほしい事があるんだけど・・・・」

 

それからこうたは両親にララとプルンスもこうたの家で暮らす事、星空連合の代表トッパーが来ている事を伝えた。

 

「なるほど、まぁララちゃんがそれでいいならこちらは問題ないが・・・・その星空連合の代表の方は大丈夫なのか?」

 

「あぁ、そっちはこれから話をしてどうするかを決めようと思ってる。だからまたちょっと出かけてくる」

 

「そうか・・・・保護者として俺も一緒に行った方がいいか?」

 

「大丈夫だよ父さん。俺達だけで平気だから、何かあったらちゃんと知らせるよ」

 

「わかった」

 

「気をつけてね。帰ってきたらユニちゃんが好きだっていう海鮮料理のご馳走を用意して待ってるから」

 

「海鮮料理って何ルン?」

 

「魚とか魚介類を使った料理だよ」

 

「魚!?」

 

魚と聞いてユニが真っ先に反応し、そこには先程まで緊張していたユニはいなくなり、今は目をキラキラさせながら若干興奮しているユニがいた。

 

「わかった。んじゃとりあえず行ってきます」

 

「「行ってきます(ルン)」」

 

「あぁ」

 

「いってらっしゃい」

 

そうしてこうた達は送り出されて再びプルンスやトッパーのいるロケットへと戻って行った。

 

 

 

 

その頃、ノットレイダー達の拠点ではダークネストの言葉をガルオウガが聞いていた。

 

『プリンセスの力、残りは一つ、ならぬ、プリキュアに取られては』

 

「既に皆出撃し、捜索を行なっております』

 

『こちらカッパード、最後のペンの反応を捉えました。遊泳するかのように宇宙を移動、まさにうお座』

 

「追えカッパード」

 

『お任せを』

 

そんな中、最後のペンを捜索していたカッパードがペンの場所を特定し追跡を開始した。

 

「私も出ます」

 

『ほう?』

 

「最後のプリンセスの力はカッパードらに任せます。私の狙いはプリキュアが持つ11のプリンセスの力と、同じく11のウルトラマンの力、そしてプリンセスが残した希望」

 

ガルオウガはひかる達が持つプリンセススターカラーペンの力を自力で探知し、その場所に向かってワープする準備を始めたのであった。

 

 

「・・・・・・・・」

 

そしてこうた達がロケットに戻ってきた時には既に夕方になっていて、そこでこうた達が見たのは先に戻っていたひかるが用意した大量のおにぎりを前に固まっているトッパー達の姿だった。

 

「地球人は石を食べるであるか?」

 

「おにぎりだよ」

 

するとこうたと一緒に戻ってきたララとユニ、そしてフワとプルンスがそのおにぎりを食べ始めた。

 

「ひかるのおにぎりうまうまフワ!」

 

「初めて食べた時は感動したルン」

 

「まぁまぁね」

 

「って! 何でお前らが先に食べてるんだよ! 」

 

美味しそう食べているララ達だったが、それはひかるがトッパー達の為に用意した物だったのでこうたはララ達に注意した。

 

「私は買収できないである」

 

「ん? そんなんじゃないよ! お腹空いたかなぁと思って作ってきたの! 食べてみて! さぁさぁ!」

 

「グイグイ来るであるな・・・・わかった。食べるである」

 

ひかるが目をキラキラさせながらおにぎりを持ってトッパーに迫ると流石のトッパーも観念して大人しくおにぎりを食べた。

 

「あぁん・・・・・・・・美味いである!」

 

「「美味しい!」」

 

トッパーがおにぎりを食べて美味しいと言うとそれに続いてトッパーの部下達もおにぎりを食べ始めるとみんな美味しいと言ってくれた。

 

「お腹空いたフワ」

 

「まだ食べるルン?」

 

「じゃあトゥインクルブックで!」

 

おにぎりを食べても満足していないフワの為に、ララはかに座のペンを使ってトゥインクルブックにホットケーキを書くとそれが具現化された。

 

「なんと!?」

 

「いただきますフワ!」

 

その様子を見ていたトッパーはかなり驚いた様子だった。

 

「『星々の輝きが失われし時、トゥインクルブックと共に現れる戦士プリキュアが再び輝きを取り戻す』」

 

そうしている間に辺りは真っ暗な夜になり、みんなそれぞれの家に帰る事になった。

 

「んじゃ帰るか」

 

「ルン!」

 

「それじゃあ「ひかる殿、こうた殿」 ん? トッパーさん?」

 

ララはロケットをキャリーモードにして最後にひかるが挨拶しようとした時にトッパーがひかるとこうたを呼び止めた。

 

「帰宅する前に少しいいであるか?」

 

「え?」

 

「まぁ、俺は大丈夫ですけど。ララ、ユニ、プルンス、悪いけど先に帰ってて。俺も後から追いかけるから」

 

「わかったルン」

 

「了解でプルンス」

 

「早くしなさいよ」

 

ララ達が先に帰るとトッパーはひかる、こうた、フワを連れて自身が乗ってきた小型ポッドに乗って大気圏外の宇宙空間までくるとそのままワープして月に待機させていた先程見た長方形の巨大な宇宙船な前に到着した。

 

「おぉ!」

 

「月までワープした!?」

 

「凄いフワ!」

 

「フワくんのワープには敵わないである。星空界から地球まで我々のワープ航法なら10年はかかるであるから」

 

「えぇ10年!?」

 

「そんなにかかるんですか!?」

 

こうた達はフワのワープを使ってほぼ数分で星空界を行ったりきたりしていたからてっきり星空界まではそれぐらいの時間がかかると思っていたが、実際は10年かかるという事を知り改めてフワが特別な存在で凄いのだと実感した。

その後は宇宙船の上の部分がミントカラー色の四角い光のバリアに覆われるとみんなを乗せた小型ポッドがその光の中に入って着陸してこうた達はポッドから降りた。

 

「バリアの中には空気があるである」

 

「わぁ!」

 

「スゲェ! こんな事もできるんですね」

 

「キラやば〜っ☆!」

 

「綺麗フワ!」

 

「ロケットの窓から見るのとはまた違うね!」

 

「そうだな」

 

「本来の星の輝きはこんなものではないである。随分と輝きが失われたである」

 

「え? 」

 

トッパーの言葉を聞いて興奮していたひかるはすぐに落ち着きを取り戻した。

 

「プリンセスが力を失ったから?」

 

「・・・・わざわざここに来てもらったのはリーダー同士腹を割って話をしたいからである」

 

「リーダー? それってこうたの事?」

 

「いやいや俺はリーダーなんて柄じゃないって。リーダーはひかるでいいだろ」

 

「え? 私がリーダー!? ホントに!? キラやば〜っ☆!」

 

「どちらでも構わないである。プルンス殿の話によれば君達2人が初めてプリキュアになり、ララくんらに道を示したと・・・・まさにプリキュアのリーダー」

 

「そんな〜っ! 私、トッパーさんみたいにドッシリしてないし〜っ!」

 

ひかるはリーダーと言われた事に照れているのか興奮しているのか1人ではしゃいでいた。

 

「私など大したことないである。私は・・・・守れなかったである」

 

「トッパーさん・・・・」

 

「泣いてるフワ?」

 

「守れなかった?」

 

「私はスタープリンセスを、宇宙を守れなかった・・・・自分の弱さを知ったである」

 

トッパーは目に涙を浮かべながらノットレイダーにスターパレスが襲撃された時の事を思い出していた。

 

「だが、私はトップを、リーダーを退かなかったである。何故だかわかるであるか?」

 

「えぇっと・・・・」

 

「守りたいものがあるからですか?」

 

「勿論それもあるである。だが他にも理由があるである」

 

トッパーが星空連合のリーダーを退かない理由を聞かれてひかるは考えて続けていて、こうたは守りたいものがあるからかと聞くがトッパーはそれ以外にも理由があるとあると言った。

 

「責任である!」

 

「責任?」

 

「失った星の輝きを取り戻す! 私にはその責任があるである! だが、無力な私には頼るしかないのである。君達の力に、だから星空連合に入ってくれである!」

 

「えぇ・・・・でも・・・・」

 

「無力は私にも責任がある。だが、力がある者にも責任があるのである。皆を守る責任が・・・・」

 

「守る責任・・・・」

 

「・・・・トッパーさんの気持ちはわかりました」

 

「こうた?」

 

トッパーの強い意志、責任を背負った者の覚悟、それを聞いてどうするか考えていたひかるの隣にいたこうたが先に口を開いた。

 

「ですが、すみません。ひかるはどうするかわからないけど、少なくとも俺は星空連合に入るつもりはありません」

 

「なっ!?」

 

「こうた!?」

 

「ですが協力はします。何かあれば遠慮なく言ってください」

 

こうたの星空連合には入らないが協力はするという言葉に、その場にいたひかるやトッパーは困惑していた。

 

「何故であるか!? 連合に入らないが協力はするとは言ってる意味がわからないである!」

 

「それは・・・・俺は全ての宇宙を、星を平等に守りたいと思ってるからです」

 

「平等?」

 

「どういう事であるか?」

 

「星空界には連合に所属している星とそうでない星がある。そうですよね?」

 

「確かにその通りである」

 

「ならもし、連合に所属している星とそうでない星が同時に襲われた時、俺達はどっちを助ければいいか、ひかるはわかるか?」

 

「そんなのどっちも助けるに決まってるよ!」

 

「それは俺も同じだ。けどな、もしも俺達が連合に入ったら連合に所属している星を助けるのが優先されて所属してない星は後回しになる可能性があるんだ。ですよね?」

 

「・・・・・・・・」

 

こうたの話を聞いたトッパーは何も言わずに目を瞑った。

こうたの言う通り、もしもプリキュアが連合に所属して連合に所属している星から救援を求められたら助けに行くのが普通だが、もしもその時に連合に所属していない別の星も同時に襲撃されたらどちらを優先すべきか・・・・それは連合という立場上、所属している星を先に助けなければいけなくなり、その間連合に所属していない星は助けられない可能性がある。

 

何よりこうたは連合に所属していなかった惑星レインボーの事を思い出していた。連合に所属している星もそうでない星も関係なく襲うノットレイダー。その所為で悲しい思いをしたユニ。だからこそこうたは、もう誰にもユニが味わったような辛く悲しい思いをさせないと強く誓ったのだ。

 

「トッパーさん、もう一度言います。俺は全ての宇宙や星、そしてそこに住むみんなを守りたい。そりゃ連合に所属したら出来る事も増えると思います。けど逆に出来ない事も出てしまうんです。だったら連合とは協力関係を築いた上で今まで通りのやり方で宇宙の為に行動したい。それが俺の答えです」

 

「こうた」 

 

「・・・・・・・・」

 

「フワ!」

 

「えぇ!?」

 

「どうしたフワ」

 

「ん!?」

 

フワの異変に反応するひかる達だったが、すると突然バリアの中にノットレイダー達が使うワープホールが出現した。

 

「ノットレイダー!?」

 

そして中からガルオウガが姿を現したのであった。

 

 

To Be Continued

 

 




         次回予告


突然現れたガルオウガ

応戦するスターとスペースだったがその強さの前に苦戦を強いられる。

果たして最後のプリンセススターカラーペンは誰の手に?

次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第78話 背負っているもの ガルオウガ襲来! 後編

次回もお楽しみ!



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第78話 背負っているもの ガルオウガ襲来! 後編

先程投稿した前編の続きです。
それではどうぞ!


地球に戻ってきたこうた達だったがそんな彼らを追って宇宙星空連合とその代表、トッパーが地球へとやってきた。

月付近でこうたとひかるがトッパーと話をしていると突然そこにノットレイダーの幹部、ガルオウガが現れた。

 

「ノットレイダー!?」

 

「こんな所で星空連合と密会とはな。プリンセスの力・・・・。そして・・・・」

 

「フワッ!」

 

「何、今の?」

 

「テレポートか!」

 

ガルオウガは左手に付けた腕輪の力でひかる達の目の前にテレポートしてフワに触れようとするがフワが後方へ退いた事でそれは回避された。

 

「そいつを渡してもらおう」

 

「渡すわけないだろ! ひかる!」

 

「うん! フワは、渡さない!」

 

「「スターカラーペンダント!カラーチャージ!」」

 

「「キラめく~星の力で~!憧れの~私描くよ~!」」

 

「「トゥインクル!トゥインクルプリキュア!」」

 

「「トゥインクル!トゥインクルプリキュア!」」

 

「「トゥインクル!トゥインクルプリキュア!」」

 

 

「「スター☆トゥインクル〜!スター☆トゥインクルプリキュア~~!」」

 

「宇宙(そら)に輝く〜キラキラ星!キュアスター!」

 

「光輝く聖なる宇宙!キュアスペース!」

 

「プリキュア!」

 

ひかるとこうたがプリキュアに変身するとそんな事お構いなしにガルオウガが正面から突っ込んできた。

 

「うわぁぁぁっ!」

 

ガルオウガがパンチを繰り出すとスターは星型のエネルギーをバリアして防ぐが後方へと飛ばされてしまう。

 

「スター! このぉ!」

 

「遅い!」

 

「ぐぅ!」

 

そこへスペースも負けずとガルオウガに殴りかかるがガルオウガはテレポートでそれを回避してスペースの背後に回り込むとスペースの背中を蹴り飛ばしてスペースは前のめりに倒れた。

 

「スペース!」

 

「お前達など、このガルオウガの敵ではない!」

 

そしてガルオウガは再びテレポートすると今度はスターの背後に回り込んだ。

 

「うぅ!」

 

「とくと見るがいい・・・・ダークネスト様よりお借りした腕輪の力」

 

「うわぁ!」

 

「待て!」

 

スターを捕まえたガルオウガはノットレイダー達が使うワープホールを生成するとそこへスターを投げ込んで自らもそこへ飛び込んだ。そしてそれを追ってスペースもそのワープホールへと飛び込むとワープホールは閉じて3人はその場から姿を消した。

 

「スター! スペース!」

 

「艦内聞こえるか! 通信を頼むである!」

 

フワが2人を心配しているとその隣でトッパーは艦内に通信を送っていた。

 

「うっ、ここは・・・・月!?」

 

そしてスターが降り立ったのはさっきまで自分達がいた星空連合の船の近くにあった月の上だった。

 

「宇宙空間でも呼吸が出来るようになるのか・・・・私もだ! ダークネスト様のお力で・・・・くっ! 何だ!?」

 

ガルオウガがまたもテレポートでスターの背後を取って突っ込んでいこうとするが、そのガルオウガに2つのブーメランのようなものが飛んできてガルオウガを攻撃した。

 

「同じ手はくわないぜ!」

 

「スペース!」

 

そこへ今度はオーブ・ハリケーンスラッシュに変身したスペースが降り立つと、ここへ来る途中に呼び出した2つのスラッガーがガルオウガを攻撃していた。

 

「小賢しい!」

 

「「ハアアアーッ!」」

 

スターとスペースは2人並んでガルオウガに向かっていくとダブルパンチを繰り出すがガルオウガはテレポートでそれをかわすと2人の前に突然現れて右足の回し蹴りを繰り出すが2人とも両腕をクロスしてそれを防ぎながら後方へとジャンプするがそこへガルオウガが2人の目の前にテレポートで現れて攻撃してくるが2人ともそれもジャンプして回避した。

 

「ハアッ!」

 

「フッ!」

 

「何っ!? ぐあっ!」

 

ガルオウガがスペースを攻撃しようとするとスペースもまたガルオウガと同様に瞬間移動してそれをかわし、ガルオウガの脇腹に右足にエネルギーを集中した『流星スラッシュキック』を繰り出してそれが命中したガルオウガはバランスを崩した。

 

「テレポート出来るのはアンタだけじゃないんだよ!」

 

「おのれ!」

 

それからはお互いにテレポートしながら攻撃し、周りからは目にも見えない速さでの攻防が繰り広げられていた。

 

「凄っ」

 

それを近くで見ていたスターは凄い以外の言葉が見つからなかった。

 

そして2人がテレポートをやめると互いが両手を掴み合っていて力比べをしている状態だった。

 

「(ダメだ。流石に力じゃ敵わない)」

 

「ハアッ!」

 

「ぐっ! この!」

 

ガルオウガがスペースの手を掴んだまま投げ飛ばそうとするとスペースも再び2つのスラッガーを召喚して『オーブスラッガーショット』を繰り出してガルオウガを攻撃するとそれを受けてガルオウガもダメージを負うがスペースもガルオウガが手を離した事で中途半端に投げ飛ばされてしまい、そのまま落下してダメージを負った。

 

「大丈夫!?」

 

「あぁ、なんとかな」

 

そこへスターが駆け寄ってきてスペースを心配する。

 

「プリキュアを助けるである!」

 

そこへトッパー達が駆けつけると宇宙船のビームでガルオウガを攻撃するがガルオウガはワープホールを生成してビームを受け止めると宇宙船の真横に別のワープホールが現れてそこから宇宙船が放ったビームが出てきてそれが直撃した宇宙船は損傷してしまう。

 

「どわぁぁ・・・・」

 

「フワァ!」

 

「フワ!」

 

「船の急所は外してある。奴を生かしたまま連れ帰えらねばならないからな」

 

「そうはさせない! フワもプリンセススターカラーペンもウルトラマンの力も、守る!」

 

「そうだ。絶対に、守ってみせる!」

 

「っ!」

 

スター達の守るという言葉を聞いたガルオウガは一瞬ビクッと反応した。

 

「やあっ!」

 

スターは真っ直ぐガルオウガに向かっていくがその拳をガルオウガは片手で受け止めた。

 

「守るだと?」

 

スターの手を掴んだガルオウガはそのままスターの身体を振り回した。

 

「うわあああっ!」

 

「守るなどと・・・・軽々しく口にするな!!」

 

スターを頭上に投げ飛ばしたガルオウガは自身もテレポートしてスターの正面に現れるとバットを振る勢いで両手を掴んだ腕を振ってスターを殴り飛ばした。

 

「うああああっ!」

 

『力がある者にも責任があるのである』

 

「(責任・・・・)」

 

『宇宙の伝説でプルンス!』

 

『私が? キラやば~っ☆!』

 

「(私が、守る?)」

 

スターは吹き飛ばされながら先程のトッパーの言葉やこれまでの出来事を思い出していた。

 

「スター!」

 

落下してきたスターをスペースが真下から受け止めた。

 

「スター! 大丈夫か? おい!」

 

『自分の弱さを知ったである』

 

「(守るって、私には・・・・)」

 

「スター! しっかりしろ!」

 

「スペース、私、どうしたらいいの?」

 

「え?」

 

「私、どうしたらみんなを守れるの?」

 

「スター・・・・」

 

『ガルオウガ様!』

 

「ん?」

 

スター達を見ていたガルオウガの元にカッパードから通信が送られてきた。

 

『プリンセスの力を発見つけました!』

 

それはカッパードが宇宙を漂う最後のプリンセススターカラーペンを見つけたという知らせだった。そしてペンの気配を感じ取ったガルオウガはペンの目の前にワープホールを生成するとそれを通ってきたペンをガルオウガは片手でキャッチした。

 

「どうしたプリキュア、お前達の守りたいペンがここにあるぞ」

 

「なっ! あれは、最後のプリンセススターカラーペン!?」

 

スペースはガルオウガが最後のペンを持っている事に驚いた。

 

「ここは・・・・っ! ガルオウガ様!」

 

「黙って見ていろ! コイツらのペンを根こそぎ頂く」

 

そこへさっきまでペンを追っていたカッパードがUFOに乗ってその場に現れるとガルオウガは静観を命じた。

 

「・・・・・・・・」

 

「スター」

 

スターは自身を抱き抱えているスペースの顔を真っ直ぐ見つめた。

 

「どうすればみんなを守れるかなんて、俺にもわからない」

 

そしてスペースはゆっくりとスターを仰向けに寝かせた。

 

「けどな、何もせずに諦めるのだけは絶対にしたくない。だから・・・・」

 

そして立ち上がったスペースの周りを2つのスラッガーが漂っているとそれらが渦のように回転して中からオーブスラッガーランスが出現するとスペースはそれを右手で掴んだ。

 

「俺は最後の最後まで・・・・絶対に諦めない!」

 

そしてスペースはオーブスラッガーランスを両手で持って構えた。

 

「良い覚悟だ・・・・来い!」

 

「ハアアアーッ!」

 

スペースはガルオウガに向かって行きながらオーブスラッガーランスのランスレバーを3回引いた。

 

「プリキュア・トライデントスラッシュ!!」

 

ガルオウガはそれをテレポートでかわしてスペースの背後に回り込むとスペースはそれを読んでいてオーブスラッガーランスを背後に振り回した。

 

「ぐっ!」

 

ガルオウガはテレポートした直後だったのでランスの刃を右腕でガードする形で受け止めた。しかし刃が腕に当たった事もあり、ガルオウガもそこから痛みを感じていた。

 

「同じ手はくわないって言ったはずだぜ」

 

「この、調子に乗るな!」

 

ガルオウガは空いていた左手でオーブスラッガーランスを掴んで何処かへ放り投げるとそのままスペースに何度も殴りかかった。

スペースもそれをギリギリで対象するがそれも長くは続かなかった。

 

「ハアッ!」

 

「ぐあああっ!」

 

「スペース!」

 

ガルオウガは右手にエネルギーを集めてそれをスペースの腹にゼロ距離でぶつけて放つとスペースは後方へと吹き飛ばされてしまい、それによってハリケーンスラッシュの変身も解除されて元のスペースに戻ってしまう。

 

「うぅ・・・・」

 

「さぁ、まずはお前のペンを頂くとしよう」

 

「スペース!(助けなきゃ・・・・でも、どうしたら・・・・)」

 

『一人じゃない』

 

「え?」

 

スターの頭の中に突然フワの声が聞こえてきた。

 

「スターは、一人じゃないフワ! みんなで守るフワァァァァ!!」

 

すると宇宙船にいたフワの身体がピンク色に輝き始めるとその光は離れていたスターにも見えていた。

 

「フワ!?」

 

「フーーーーワーーーーッ!」

 

そしてフワがスター達の近くにワープホールを生成するとそこからララのロケットが現れた。

 

『スター! スペース!』

 

「「みんな!」」

 

「トッパーから連絡をもらったんでプルンス」

 

ロケットの上には他のプリキュア達が立っていて、プルンスがロケットを操縦してそのロケットを着陸させると駆けつけた4人がロケットから飛び降りてスターとスペースの所へ駆け寄った。

 

「探す手間が省けた。お前達が持つ全てのペンを頂く」

 

「大丈夫ですか?」

 

「うん」

 

「まさかガルオウガ相手とはね、流石の貴方も苦戦してるみたいだし」

 

「まぁな。でも・・・・」

 

「ルン。最後のプリンセススターカラーペン」

 

「このまま渡さない!」

 

セレーネがスター、コスモがスペースに声をかけるとミルキーとソレイユは最後のペンを渡さないとガルオウガ相手に構えていた。

 

「いくよ!」

 

「来い!」

 

『ハアアアアーッ!』

 

プリキュア達は真っ直ぐガルオウガへと向かっていき、最初はスペースがパンチ、ソレイユは踵落としで攻撃するがそれらが両腕で防がれると今度はスターが正面から星のエネルギーを纏ったパンチを繰り出すがそれも両手で受け止められてしまう。

その隙にミルキーとコスモが左右からキックを繰り出すがスターを弾き飛ばしたガルオウガは2人のキックを両腕でそれぞれ防いだ。

 

「フッ!」

 

そこへセレーネが矢を放つとガルオウガはテレポートでそれを回避する。

 

「っ!」

 

それに驚いたセレーネだったが自身の背後にガルオウガが現れた事に気づくとすぐにその場から離脱して距離を取り、そこへソレイユが割り込んで月の砂をガルオウガにかけて隙を作った。

 

「スター!」

 

「コスモ!」

 

その間にコスモはスターからおうし座のペンを受け取りスペースと一緒に技を発動する体勢に入った。

 

「レインボーパフューム! いくニャン! プリンセススターカラーペン! おうし座! くるくるチャージ!」

 

「「プリキュア!!」」

 

「レインボースプラッシュ!!」

 

「ギンガ・スペースレイ!!」

 

「うおおおおおおっ!」

 

しかしガルオウガは2人の技を左手に付けた腕輪の力で迎え撃ち、それを相殺させた。

 

「なっ!?」

 

「くっ、やるニャン」

 

「みんな!」

 

「「「うん!」」」

 

それに驚くスペースとコスモの近くで今度はスター達が技を発動させようとしていた。

 

『宇宙(そら)に輝け!イマジネーションの力!』

 

『トゥインクルステッキ!』

 

「スタートゥインクル!」

 

「ミルキートゥインクル!」

 

「ソレイユトゥインクル!」

 

「セレーネトゥインクル!」

 

『4つの輝きよ、今一つに!』

 

『プリキュア・サザンクロスショット!』

 

「くううううううっ!」

 

『ハアアアアアーッ!』

 

「うぅ・・・・うああああああっ!」

 

「っ! そんな、サザンクロスショットが!?」

 

ガルオウガは持てる力を振り絞り、サザンクロスショットまでも凌ぎ切ってしまう。

 

「守るなど、何もわからぬ者どもが・・・・我々は全宇宙を乗っ取る。お前に、お前達にこの宇宙を守れるというのか? お前達の手には余る!」

 

「(さっきから嫌な感じの光るあの腕輪、アレを何とかしないと・・・・でもどうすれば・・・・力を封じる・・・・打ち消す・・・・そうだ!)ウルトラスターカラーペン! エックス!ウルトラカラーチャージ!」

 

何かを閃いたスペースはエックスのペンを使ってキュアスペース・エックスへと変身するとそのままペンダントから光が放出されるとそれらはエクスデバイザーとエクシードXのスパークドールズへと具現化された。

 

『キュアスペースX、パワーアップ!』

 

「行くぞ! エクシードキュアスペースエーックス!」

 

そしてスペースはそのままキュアスペース・エクシードXへとパワーアップした。

 

「どんな姿になろうと無駄だ!」

 

「それはどうかな? エクスラッガー!」

 

すかさずスペースはエクスラッガーを呼び出すとフラーポイントを下から上へのスライドタッチを3回行いエクスラッガーを左手に持ち替えて柄の下部にあるブーストスイッチを右手で押すと剣先が伸びた。

 

「プリキュア・エクシードエクスラッシュ!!」

 

スペースは虹色の空間を生み出すとそのまま真っ直ぐガルオウガへと突っ込んでいった。

 

「無駄だ! っ!」

 

ガルオウガはテレポートしようとするが、出来なかった事に驚いているとその間に往復したスペースに斬られてしまうと腕輪から放出されていた邪悪な光は完全に消えてしまっていた。

 

「これは返してもらうぜ」

 

「っ! しまっ、うぅ・・・・(まさか、ダークネスト様のご加護が・・・・)」

 

スペースはガルオウガの側を往復した時に一緒にうお座のペンも一緒に回収していた。

その直後からガルオウガは何故か苦しそうにしていた。

 

「これでもうアンタはその腕輪の力は使えない。スター!」

 

「うん! プリキュア・うお座・スターパンチ!!」

 

スペースからペンを受け取ったスターはそのまま技を発動してガルオウガはそれを防ごうとしたが完全には防ぎきれず爆発が起こり当たり一面は土煙で包まれてしまった。

そしてその土煙が晴れるとそこにはスターの左手の拳をガルオウガが左手で防ぐ姿が見えた。

 

「くぅ・・・・(これしきのか弱き小さな拳で・・・・)」

 

「・・・・私一人だったら手に余るかもしれない。でも、みんなの力が合わせれば・・・・」

 

そんなスターの後ろには仲間のプリキュア達が並び立っていた。

 

「(まずい! これ以上は!)」

 

ガルオウガはスターの拳を離すと大きな深呼吸を行い、必死に息を整えようとしていた。

 

「奴らの攻撃が効いていたのか?いや、またしてもキュアスペースの力か? どちらにせよガルオウガ様は宇宙空間では呼吸が・・・・」

 

そしてガルオウガはゆっくりと上昇し、自身が生み出したワープホールへと向かっていった。

 

「プリキュア・・・・」

 

ガルオウガはプリキュア達を睨みながらワープホールへと入っていき、それを追ってカッパードの乗ったUFOも入ったのちにワープホールは閉じた。

 

「・・・・はぁ、行ったぁ・・・・」

 

スターも限界だったのかその場に座り込んでノットレイダーが撤退した事を安心していた。

 

「遂にプリンセススターカラーペンが全て揃ったでプルンス!」

 

「行こう! スターパレスへ!」

 

そしてスターはうお座のペンをトゥインクルブックに差し込むと、トゥインクルブックから大きな星が浮かび上がり、その宇宙の中の星にペンでタッチすると、うお座の星座が浮かび上がり、その力がフワに注がれた。

 

「フワ! うお座フワ!フーーワーーッ!」

 

フワがピンクの人魚のような姿に変化するとフワから放出され続けて、プリキュア達もスターパレスへとワープした。

 

「星の輝き戻るフーーワーーッ!」

 

フワがピンク色の星を宇宙に放つとそこにうお座のスタープリンセスの姿が浮かび上がり、それからすぐにスターパレスの玉座にうお座のプリンセスが姿を現した。

 

「皆さん、ありがとう」

 

「プルゥ・・・・プリンセスが・・・・プリンセスが全員戻ったでプルンス!! ありがとうでプルンス! みんなありがとうでプルンス!!!」

 

「プルンス」

 

「良かったな」

 

12星座のスタープリンセスが全員復活し、パレスに戻った事に感動したプルンス泣きながらプリキュア達に感謝の言葉を送った。

 

「では、フワに食事を」

 

『え?』

 

「何で今?」

 

「別にお腹空いてないフワ」

 

「じゃっ、じゃあ・・・・」

 

一同が困惑しているとプリンセス達は首を振り、どうしてとフワに食事をさせたいようだった。なのでスターはうお座のペンでトィンクルブックに水色のゼリーとお皿を書いてそれが具現化されるとそれをフワに食べさせた。

 

「いただきますフワ! あむっ・・・・フワ!?」

 

「ペンが!?」

 

するとフワがピンク色に光り輝くと12本のプリンセススターカラーペンが宙に浮かび上がると12本のペンが円を描くように回転する中心にそれぞれのペンの力が注がれていた。

その注がれた何かが更に浮かび上がるとハートの絵がついた新しいピンク色のスターカラーペンが誕生した。 

 

「フーーーワーーーッ!」

 

そしてそのペンがトィンクルブックに差し込まれるとフワの輝きは更に強くなり、その姿が少しずつ変化していき、手足や耳、尻尾は以前より長くなり、翼も大きくなって虹色の毛並みと額には大きな角とまるで角が生えたペガサスのような姿へと変化した。

 

『フワが変わったぁぁぁ!?』

 

「おぉ・・・・」

 

「フワ?」

 

スター達は激しく動揺し、スペースは動揺以前に言葉が出ない様子だった。

 

 

To Be Continued

 

 




         次回予告


姿が変化して成長したフワ

しかしまだ成長途中らしい

そこへ本気になったガルオウガが現れてプリキュア達は追い込まれてしまう

次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第79話 重なる想いと絆! 目覚める新たな力! 前編

次回もお楽しみ!



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第79話 重なる想いと絆! 目覚める新たな力! 前編

遂に12星座のペン全てを手に入れたプリキュア達だったがスタープリンセス達からフワに食事をさせるように言われて言う通りにするとフワの身体が輝き出して新たなペンが現れるのと同時にフワの姿が変化してしまった。

 

 

「フワを育てるってこういう事だったの!?」

 

「フワァ!」

 

「ですが、まだです。フワの力は完全ではありません。フワはまだ成長の途中・・・・「途中って? ま、ま、ま、まさか!? あのふわふわのフワが!?」」

 

おうし座のプリンセスが説明してる途中でスターは勝手に大きな馬の姿に成長したフワを想像していた。

 

「あの・・・・もしもし?」

 

「落ち着け」

 

「あいた!」

 

そんなスターの頭にスペースがチョップをくらわせてツッコミをいれた。

 

「あははは・・・・とにかくフワを成長させなければなりません」

 

「星の輝きも戻らず、宇宙の平和も戻りません」

 

「惑星レインボーも・・・・」

 

「「・・・・・・・・」」

 

うお座、おうし座のプリンセスの話を聞いたコスモは今のままでは惑星レインボーは元に戻らないと言われてショックを受けているとスターとスペースはコスモを見ながら心配していた。

それからスター達は地球へ戻ると時間が夜という事もあり続きは明日考えようという事になるとこうた達はそれぞれの家に帰り、トッパー達も月周辺に宇宙船を待機させつつ破損部分の修復を行う事になった。

 

それからこうたの家ではララとユニ、プルンスの歓迎会としてみんなで海鮮料理を美味しく食べた。

 

「ふぅ・・・・こうた、お風呂上がったルン」

 

「あぁ。服は俺が前に着てたやつだけど大丈夫か?」

 

「大丈夫ルン。大きさも丁度いいし問題ないルン」

 

そこには以前こうたが着ていた白い半袖のTシャツと水色の短パンを穿いて首元に巻いたタオルで髪を拭くララの姿があった。

 

「そっか、なら良かった」

 

「今度、ララちゃん達が着る寝巻とか必要な物を一緒に買いに行きましょうか?」

 

「ルン!」

 

ララはしずかから買い物の提案をされて喜んでいた。

 

「あっ、こうた、悪いんだけどユニちゃんを呼んできてくれる? 次はユニちゃんにお風呂に入ってもらいたいから」

 

「わかった」

 

しずかに言われてこうたはユニが使う事になっている2階にあるユニの部屋へと向かった。

 

コンコン!

 

「ユニ? いるか?」

 

「いるけど、どうしたの?」

 

こうたがユニの部屋の扉を叩いて話しかけると部屋の中からユニが返事をしてきた。

 

「母さんが次はユニがお風呂に入る番だから呼んできてくれってさ」

 

「そう・・・・私は遠慮しておくわ。お先にどうぞ」

 

「・・・・・・・・部屋に入ってもいいか?」

 

「・・・・・・・・好きにすれば」

 

先程のユニの姿を思い出したこうたはユニの許可を得て彼女の部屋に入るとそこには普段着のままベッドの上に座るユニの姿があった。しかし部屋の電気は消えているが外からの街頭や月の光が入ってきていたので真っ暗ではなかった。部屋の中は引っ越してきたばかりだから仕方ないが机やベッド、箪笥に絨毯と必要最低限の物しかなかった。

 

「・・・・・・・・」

 

「どうした?」

 

こうたはユニの左隣に座るとそのまま彼女に話しかけた。

 

「やっと全てのペンが、スタープリンセスが揃って惑星レインボーが救えると思ったのに・・・・」

 

「ユニ・・・・」

 

ユニはノットレイダーにいた頃から全てのペンが揃えば願いが叶うと思っていたからこそ、それだけでは足りないと知らされてショックだったのだ。

 

「俺達は全てのペンを揃えてその力をフワに与えて育てる事が宇宙を救う唯一の方法だって初めてスタープリンセスに会った時に聞いてたからそれを信じてこれまでやってきたけど・・・・そこへ辿り着くにはまだまだ先が長そうだな」

 

「私は一刻も早くみんなを、オリーフィオを救いたいのに・・・・」

 

「ユニ・・・・」

 

こうたは隣で落ち込んでいるユニの頭を右手で優しく撫でた。

 

「っ!」

 

「大丈夫。惑星レインボーも、石になった人達もきっと助けられるって俺はそう信じてる。だから、これからも一緒に頑張ろう。なっ!」

 

「・・・・えぇ」

 

それから夜が明けて朝になるとこうた達はいつもロケットを着陸させていた場所に集合し、トッパー達星空連合に12星座のペンが揃い、スタープリンセスが全員スターパレスに戻った事を伝えた。

 

「そうか、12星座のスタープリンセスがお戻りに・・・・良かったのである」

 

「トッパーさん」

 

「フワ? フワも大きくなったフワ! とっても高く飛べるフワァ!」

 

「ちょっとフワ!」

 

「わかったからとりあえず降りてこ〜い!」

 

トッパーがスタープリンセス達の期間に嬉しそうにしている時にフワは以前よりも高く飛べるようになっていて、飛んでいったフワをひかるとこうたが呼び戻そうとしていた。

 

「しかし、これがあの時のフワとはな、君達色々と展開が激しいである」

 

「まぁ、そうですね」

 

「えぇ、今回はとくに」

 

「うん」

 

トッパーの発言にこうたとまどか、ひかるの3人は同意した。

 

「はぁ、フワを成長させるって言われてもなぁ・・・・」

 

「悠長な事を言ってられんである!」

 

「ガルオウガも出てきたし・・・・」

 

「こちらからノットレイダーに攻め込めれば・・・・」

 

「無理よ。ガルオウガのワープでしたかノットレイダーがいる星には行けないわ」 

 

「では場所もわからずか・・・・」

 

「言えるのはブラックホールが近い宇宙の片隅とだけ」

 

ユニとトッパーがノットレイダーの拠点について話しているがそれでも彼らの所へ行く手段が今のこうた達や星空連合にはなかった。

 

そのノットレイダーはというとガルオウガがダークネストの前で膝をつき、前回の戦いでの失態を反省していた。

 

「この度の一件、私めの失態、全ては私めの責任、ダークネスト様より賜った力も無駄に・・・・」

 

『12星座は戻った。だが・・・・まだだ」

 

「っ!」

 

するとダークネストが手を前に出すとガルオウガが持っていた腕輪が宙に浮かび上がり、その腕輪にダークネストが今まで以上に自身の力を腕輪に注ぎ込んだ。

 

『まだ力を得ていない』

 

「力?」

 

「奪うのだ!」

 

「フワをですね。ではこのカッパードにお任せを・・・・「言ったはず!」」

 

カッパードが出撃しようとするがガルオウガに止められた。

 

「全ては私の責任と、私が行く!」

 

「ガルオウガ様?」

 

「必ずや、 ご期待に添えてみせます!」

 

『行け!』

 

「はっ!」

 

こうして新たな力を得た腕輪を左手につけたガルオウガは地球に向けて出発した。

 

その頃、地球ではひかる、ララ、えれな、まどかの4人がフワを囲むように集まっている側でトッパー達星空連合のメンバーは何かを話していて、ユニは靴と靴下を脱いだ両足を近くの川に入れて座っているとその側でこうたは仰向けに寝転がって寛いでいた。

 

「成長といえば、まずご飯!」

 

「オヨ?」 

 

「たい焼きフワ!」

 

ひかるがうお座のペンでトィンクルブックにたい焼きを書いて具現化させるとそのたい焼きをフワに食べさせた。

 

「美味しくフワ!」

 

「次は私ルン!」

 

すると今度はララがかに座のペンでたこ焼きを書いて具現化させるとそれをフワに食べさせた。

 

「今度はたこ焼きフワ!」

 

「今度はあたしが!」

 

「わたくしも!」

 

それに続いてえれなはさそり座、まどかはやぎ座のペンを使って次々と食べ物を具現化させてそれらをフワに食べさせた。

 

「ドンドンいくでプルンス!」

 

「次はおうし座ペンで!」

 

「今度はふたご座ペンルン!」

 

「ふぁ〜っ、ん?」

 

みんなドンドンフワに食べ物を与えている時にこうたは欠伸をしながらのんびりしているとユニは濡れた足を拭いて靴下と靴を履いてひかる達の様子を見に行った。

 

「どう? って、これでホントに大丈夫ニャン?」

 

「成長というか・・・・」

 

「お腹はぽっこりだね」

 

「あんまり食べ過ぎるとお腹を壊すから気をつけろよ」

 

「は〜い」

 

フワは満腹を言わんばかりにお腹がぽっこり膨れていた。

 

「ご馳走様フワ!じゃ、みんなで遊ぶフワ!」

 

「ちょっとフワ!」

 

「どこ行くでプルンス!?」

 

お腹いっぱい食べたフワはそのまま森の方へ飛んで行ってしまうとみんな慌ててフワの後を追いかけていった。

 

「フゥワァ! みんな遅いフワ!」

 

「待つでプルンス!」

 

「え? アレって!?」

 

フワん追いかけていたひかるは頭上にノットレイダーのワープホールが開いた事に気づいた。

 

「フワッ! ビックリしたフワ。 誰フワ?」

 

するとよそ見をしていたフワが目の前の何かにぶつかって地面に落ちると目の前にはガルオウガが立っていた。

 

「フワァ!」

 

「あっ!」

 

「プリキュア」

 

そしてようやくこうた達がフワに追いつくとそこには右手でフワを掴んだガルオウガが立っていた。

 

「ガルオウガ! フワを「フワをよこせ!」 えっ? フワ!」

 

「何っ!? フワだと!?」

 

ガルオウガがフワを投げるとひかるがそれを受け止めて、そのひかるが自分が投げたものをフワと呼んだ事にガルオウガは驚いた。

 

「全く姿形が違う。 くっ、はかったな」

 

『いやいやいや』

 

「そういう訳では・・・・」

 

「そっちが勝手に勘違いしただけだろ」

 

ガルオウガの勘違いにみんなでツッコんだ。

 

「ふん! まぁいい、お前達を倒して奪い取る!」

 

「プルンス」

 

「任せるでプルンス!」

 

「みんな、いくよ!」

 

『スターカラーペンダント!カラーチャージ!』

 

『キラめく~星の力で~!憧れの~私描くよ~!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『スター☆トゥインクル〜!スター☆トゥインクルプリキュア~~!』

 

 

「宇宙(そら)に輝く〜キラキラ星!キュアスター!」

 

「天にあまねく〜ミルキーウェイ!キュアミルキー!」

 

「宇宙を照らす!灼熱のきらめき!キュアソレイユ!」

 

「夜空に輝く!神秘の月明かり!キュアセレーネ!」

 

「銀河に光る!虹色のスペクトル!キュアコスモ!」

 

「光輝く聖なる宇宙!キュアスペース!」

 

 

『スター☆トゥインクルプリキュア!!』

 

 

「うおおおおおおっ!」

 

『はああああああっ!』

 

プリキュアへの変身を終えるとガルオウガ、そしてプリキュア達は真っ直ぐ相手に向かって突っ込んでいった。

 

「っ!」

 

しかしガルオウガはその途中でワープしてプリキュア達の背後に回り込むと回し蹴りで横並びになっているプリキュア達を蹴り飛ばした。

 

「プリキュア!」

 

「何事であるか?」

 

「渡せ! そいつを!」

 

「ノットレイダー!?」

 

後からやってきたトッパーは状況を確認しようとすると月煙からガルオウガが現れて驚いていた。

 

「渡さない! おうし座・スターパンチ!!」

 

スターが技を放つがガルオウガはワープでそれを回避した。

 

「っ!」

 

「奴を守る事ばかりに意識を集中しているから隙ができる!」

 

「うわぁぁぁっ!」

 

スターはワープしたガルオウガに蹴り飛ばされてしまう。

 

「違うよ! 守るものが多ければ、大きければ、それだけ! 強い力になるんだ!」

 

ソレイユが炎を纏った左足で踵落としをするが、ガルオウガは左腕でそれを受け止めた。

 

「知ったような口を!」

 

「うわぁ!」

 

その左足をガルオウガは右手で掴むとそのままソレイユを投げ飛ばした。するとそこへセレーネが3本同時に矢を放つがガルオウガはそれをジャンプしてかわした。

 

「フワを守りたい思いは誰にも負けません!」

 

ガルオウガの着地地点にスター、ミルキー、コスモ、セレーネが囲むように着地するとガルオウガは再びワープでセレーネの背後にまわった。

 

「え?」

 

「自分を捨てる覚悟のないものが・・・・」

 

「っ!」

 

「何を守る!」

 

「セレーネ!」

 

ガルオウガはセレーネの頭上からパンチを叩き込むと周りには再び土煙が漂っていた。

 

「守るものが多ければ強くなる? お前達は何も知らない。力なきものは何も救えぬ! 私のようにな。圧倒的な力の前では全ては無力。私は星を、仲間を、失った」

 

「・・・・・・・・」

 

ガルオウガの言葉を聞いてコスモは惑星レインボーやそこに住む仲間達の事を思い出していた。

 

「お前ならわかるな。この憤り!」

 

「うわああああっ!」

 

「コスモ!」

 

「私は失った星の近くに居続けた。やがて、星を追われ、居場所を失ったもの達が集う地となり我らの元にダークネスト様が現れた」

 

『闇に追われし者達よ、我に従え。さすれば力を与えよう』

 

ガルオウガは戦いながら自身の過去とノットレイダーが結成された経緯を語っていた。

 

「私は全てを捧げ力を得た。お前達は甘い! 守るべきものが多ければ力が出るだと? 偶々拾ったそいつの為に力が? 笑わせるな!お前達のその思いはただの可愛がり! そいつを子供扱いしているだけ! 自分の力が上だと思っているゆえの発想!」

 

「うわあああっ!」

 

ガルオウガがミルキーの正面にワープするとそのまま右手を振りかぶってパンチを繰り出すとミルキーも両手をクロスしてガードするが衝撃までは抑えられず後方へ吹き飛ばされてしまった。

 

「ミルキー!」

 

ミルキーを所は行こうとするスターだったがそんなスターの腕をワープしたガルオウガが掴んで動きを封じた。

 

「うああっ!」

 

ガルオウガはスターを空中に放り投げるとそんなスターの頭上にワープして両手を握った状態で頭上からその手を振り落としてスターを地面に叩きつけた。

 

「スター!」

 

「驕るな、プリキュア」

 

「・・・・言いたい事は、それだけか?」

 

「何?」

 

ガルオウガは背後から声が聞こえてきたので振り向くとそこにはキュアスペース・エクシードXがスターをお姫様抱っこして立っていた。

 

 

 

To Be Continued

 

 




         次回予告


ガルオウガの前に立ちはだかるキュアスペース

そんなスペースの想いに応えるかようにあの究極の力が解放される

果たしてプリキュア達はフワを守り抜く事ができるのか?



次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第80話 重なる想いと絆! 目覚める新たな力! 後編

次回もお楽しみ!



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第80話 重なる想いと絆! 目覚める新たな力! 後編

遅くなってすみません。キャラ設定を考えて更新するのに時間がかかってしまいました。その理由は最後の新章予告でわかるので最後まで読んでくれたら嬉しいです。


フワを育てて成長させようと色々試行錯誤している所にそのフワを狙ってガルオウガが姿を現した。苦戦プリキュア達だったが、そんなガルオウガの目の前にキュアスペース・エクシードXが立ち塞がる。

 

「また貴様か」

 

「ガルオウガ、ここからは俺が相手だ!」

 

「いいだろう。来い!」

 

「エクスラッガー!」

 

スペースはエクスラッガーを握るとフラーポイントを下から上へのスライドタッチを3回行いエクスラッガーを左手に持ち替えて柄の下部にあるブーストスイッチを右手で押すと剣先が伸びた。

 

「プリキュア・エクシードエクスラッシュ!!」

 

スペースは前回の戦いと同じようにエクシードエクスラッシュを発動してガルオウガに向かって真っ直ぐ突っ込んでいったが、ガルオウガはワープでそれを回避してしまう。

 

「なっ!?」

 

「甘いわ!」

 

「ぐあっ!」

 

「スペース!」

 

スペースの背後にワープしたガルオウガがエネルギーを纏った左手の拳でスペースを思いっきり殴るとそのままスペースは吹き飛ばされてしまい、それと同時にエクシードXの力は解除されてしまい、それを心配するプルンスがスペースに向かって叫んだ。

 

「その技は二度とくらわん」

 

「ちっ! なら! ウルトラスターカラーペン・ギンガ! ウルトラカラーチャージ!!」

 

スペースはギンガのペンを取り出してキュアスペースギンガに変身するとその腕をクロスしたまま胸元に持ってきてその後は右手を大きく振りかぶるとスペースの全身のクリスタルは赤く光って周りには無数の高熱の火炎弾が生み出されていた。

 

「プリキュア・ギンガファイヤーボール!!」

 

スペースは技を発動するがガルオウガはこれもワープして回避するとスペースもすぐに瞬間移動してガルオウガのその後の攻撃を回避する事に成功する。

 

その後は辺り一面で火花がバチバチ飛び散っていて、スペースとガルオウガによる激しい戦闘が繰り広げられているのが容易に想像できた。

そしてワープが終わるとそこにはスペースの右手の拳とガルオウガの左手の拳が激突していた。

 

「くっ!」

 

「貴様、それだけの力を持ちながら何故こんな奴らを守る」

 

「どういう意味だ?」

 

「貴様の持つウルトラマンの力は強大だ。その力があればお前一人でも我々と戦う事は可能だろう。なのに何故、自分よりも弱い存在を守ろうとする? こんな連中、貴様にとっては足手纏いでしかないはずだ!」

 

「「「「「・・・・・・・・」」」」」

 

「そんなことない!」

 

「「「「「っ!」」」」」

 

ガルオウガの言葉を聞いてスター、ミルキー、ソレイユ、セレーネ、コスモはその通りだと思ってしまうとみんなそれぞれで俯いてしまっていたがスペースの言葉で全員が再び頭を上げた。

 

「みんなは俺の大切な仲間だ! これまでだってみんなで力を合わせて一緒に頑張ってきたんだ!」

 

「仲間だと? くだらん! 誰かと一緒でないと戦えないなどと、そんなものは真の強さではない!」

 

「それは違う! 助け合ったり、色んな事を一緒に考え合ったりしてるうちに大事な仲間ができて、みんなを・・・・仲間を守りたいって思う気持ちが俺をどんどん強くしてくれた」

 

スペースはそう言った後に周りにいる仲間達全員の事を見渡した。

 

「みんながいたから俺は今日まで戦ってこれたんだよ」

 

「スペース・・・・」

 

それを聞いたスターや他のプリキュア達、そしてフワとプルンスはとても嬉しい気持ちでいっぱいだった。

 

「だから絶対、この宇宙も大切な仲間達も、お前達の好きにはさせない!」

 

ピカーーン!!

 

「っ! 何だ!?」

 

するとスペースの胸のペンダントやスペースのペンが入っていたホルダーから強い光が放たれると辺り一面が強烈な光に包まれた。

 

「うぅ・・・・これって」

 

目を閉じていたこうたが目を開けるとそこはウルトラマン達と会話する真っ白な空間だった。

 

「よっ!」

 

「っ! ヒカルさん!? ショウさんも!?」

 

「久しぶりだな」

 

「元気そうで何よりだ」

 

こうたはひかるの声に反応して振り向くとそこには礼堂ヒカルとショウが立っていてショウ、ヒカルの順番でこうたに挨拶をした。

 

「お二人が俺をここに?」

 

「あぁ。お前に渡したい物があったんでな」

 

「渡したい物?」

 

「そうだ。これを受け取れ」

 

ショウがそう言うと2人はギンガスパークとビクトリーランサーを取り出してそこから光を放出するとそれがギンガとビクトリーのペンへと送り込まれた。光の放出が終わると2本のペンが激しく輝くと今度はそのペン2本から光が放出されて一つのアイテムへと変化し、それはストリウムブレスとは色違いの青がメインカラーのブレスレットだった。

 

「これは?」

 

「ウルトラフュージョンブレスだ」

 

「ウルトラフュージョンブレス?」

 

「そうだ。これにはギンガとビクトリーを含めた10人のウルトラマン達の力が宿っているんだ」

 

「10人!?」

 

こうたはヒカルからの説明を聞いてとても驚いていた。

 

「こんな凄い物を俺に?」

 

「あぁ」

 

「今のお前にならこれを使いこなす事が出来るはずだ」

 

「ヒカルさん、ショウさん・・・・」

 

こうたはヒカルとショウから認められたのだと思いとても嬉しくなった。

 

「ありがとうございます!」

 

「気にするな」

 

「さぁ! こっから反撃開始だ!」

 

「はい!」

 

ショウとヒカルの言葉を聞いたこうたが気合いを入れると再び空間が光り出すと元の森の中へと戻っていて、スペースの右手にはビクトリーランサーが握られていて、左腕にはウルトラフュージョンブレスが装着されていた。

 

「くっ! 一体何が!?」

 

「見てください! スペースの左腕!」

 

「アレって新しいアイテム!?」

 

ガルオウガが状況確認をしている時にセレーネがウルトラフュージョンブレスの存在に気づくとソレイユがそれに反応した。

 

「ガルオウガ!」

 

「っ!」

 

「アンタは確かに強い! けどな、俺達は絶対にこの宇宙を救って、みんなを守る!」

 

「何だと!?」

 

「見せてやるぜ! 俺達の絆!」

 

そう言ってスペースは両手を左右に広げた。

 

「ウルトラタッチ!」

 

そしてスペースはウルトラフュージョンブレスのディスクを縦から横向きにするとビクトリーランサーの先端でウルトラフュージョンブレスにタッチした途端、そこから青と黄色の強い光が放出されてその強い光がスペースの身体を包み込んだ。

その光がおさまるとそこには両腕、両足、両肩にVの形で輝くクリスタルが装着され、黒い長ズボンに両脇の腰から足にかけて太い赤いラインが入っていた。そしてお腹と両腕にはにはグレーのラインが入り、胸の両側と額の細いバンダナにも青く輝くクリスタルが装着された『キュアスペースギンガビクトリー』が誕生した。

 

 

【BGM:ウルトラマンギンガの歌2015】

 

「キラやば〜っ☆!」

 

「またパワーアップしたルン!」

 

「全く、どこまで強くなれば気が済むのよ」

 

その姿にスターとミルキーは興奮し、コスモも口では厳しい事を言っているが、表情は笑顔で内心では嬉しそうにしていた。

 

「ふん! どんなに姿が変わろうと、ダークネスト様のお力を授かったこの私が負けるはずがない!」

 

そう言ってガルオウガは再びワープしてスペースの背後に回り込んで左手の拳で殴ろうとしていた。

 

「危ない!」

 

それを見たスターが危険だと叫ぶが、スペースはすぐに身体を横にズラしてその拳を左手で受け止めた。

 

「何っ!?」

 

「前にも言ったはずだぜ。同じ手はくわないってな!」

 

「ぐあっ!」

 

ガルオウガの拳を受け止めたスペースはガルオウガの手を掴んだまま、そのガルオウガを地面に叩きつけた。

 

「なんて力」

 

「凄いルン」

 

それを見てソレイユとミルキーも驚いていた。

 

「ちっ!」

 

ガルオウガはすぐにワープして再びスペースの背後に回ると再びスペースに殴りかかった。

 

「ハアッ!」

 

しかし・・・・

 

「ぐっ!」

 

ガルオウガの拳は空振りとなりその下に入り込んだスペースの右手の拳がガルオウガの腹に直撃した。

 

「アンタ、学習能力無さすぎ」

 

「うっ・・・・」

 

ガルオウガはお腹を両手で押さえたままその場で跪くとスペースは後方へジャンプして距離を取った。

 

「嘘でしょ? あのガルオウガが手も足も出ないなんて・・・・」

 

その光景を見ていたコスモは驚きを隠せずにいた。

 

「何故だ。確かに私は全てを捨ててダークネスト様のお力を授かって強くなったはず。それなのに、それなのに・・・・こんな・・・・貴様のその強さは一体何なのだ!」

 

「アンタには一生わからないよ! 全てを捨てて力を得たアンタにはね!」

 

「何だと!?」

 

「確かに俺は何も失ってないからアンタの考えを理解するなんてできない! けどな、それでも俺は何も失いたくないから、みんなを守りたいって思うから、その思いが俺を、俺達を強くするんだ!」

 

「何も失いたくない・・・・守りたい・・・・そんな気持ちで、私に勝てると思うな!」

 

ガルオウガはスペースの正面にワープするとまた右手の拳を振りかぶって殴りかかるとスペースも構えを取って対応する姿勢を見せるがその拳がスペースに届く事はなかった。

 

「・・・・何が、私に勝てると思うなよ!」

 

「っ! コスモ!?」

 

スペースへの拳はコスモが両腕をクロスして防いでいた。

 

「コイツはアンタとは違う!大切なものを守ろうと必死になって戦ってる! そんなスペースの思いを踏み躙ってまで奪っていいはずない!」

 

コスモがクロスした両腕を思いっきり開くとその衝撃でガルオウガは後方へと吹き飛ばされた。

 

「フン! 怪盗のお前に言われるとはな」

 

「痛い所をつくニャン。でも、もうたくさんなの・・・・奪い取られるのは・・・・失うのは!」

 

そしてコスモは真っ直ぐガルオウガへと突っ込んでいき、右手でパンチを繰り出すが、それはかわされてしまうとすかさず右足の回し蹴りをするがそれもガルオウガの左手でガードされてしまう。

 

「ハアッ!」

 

しかしコスモはそれからすぐに左足でガルオウガの顎を下から蹴り上げようとするが、ガルオウガもすぐに顔を後ろに引く事でそれも回避した。

 

「くっ!」

 

ガルオウガはコスモを追撃しようとするがそれをミルキーの電撃によって邪魔されてしまう。

 

「自分が上だなんて思った事ないルン。ただ、守りたいって思っただけルン!」

 

「ちっ!」

 

「出会ったのがさ、ぬいぐるみだと思ったらプリンセスの希望だったってだけだよ!」

 

すると今度はソレイユが再び空中から踵落としを繰り出すとガルオウガは両腕をクロスしてそれを防いだ。

 

「くっ!」

 

そしてガルオウガは誰もいない場所にワープした。

 

「っ!」

 

しかしその背後には既にセレーネが先回りしていた。

 

「驕りなんてありません。ただ、必死に、フワの事を思っていただけです!」

 

セレーネがガルオウガに張り手で攻撃するとガルオウガは両腕をクロスしてガードするが衝撃まで抑えきれず、後方へと吹き飛ばされてしまう。

 

「くぅぅぅっ! 無駄だ!」

 

「私、確かにプリキュアになって何でもできるってちょっぴり思ってた!」

 

そう言いながらスターが左手で殴りかかるとガルオウガも左手の拳でそれに対抗し、互いの拳が激突した。

 

「何も知らなかったから・・・・」

 

「だから何だ! 宇宙を知って強くなったとでと言うか!」

 

ガルオウガの力が勝り、スターは後方へと吹き飛ばされるがスターはしっかりと踏ん張ってちゃんと立っていた。

 

「はぁ・・・・はぁ・・・・違う! わかったんだ!」

 

「ん?」

 

「宇宙って広いんだなぁって、色んな人達に出会って、色んな人達がいて、色んな考えがあって、まだよくわからないし、貴方の事もめちゃくちゃ怖い。でも・・・・フワを守りたい! あの気持ちだけは変わらない! てか変えられない!」

 

「フワ?」

 

スターはこれまでに行った星、そこで出会った人達の事を思い出しながら自分が思った事を語っていた。それを聞いていたフワもスターの言葉に反応した。

 

「「はあああああっ!」」

 

スターとガルオウガが再び正面から突っ込んでいった。

 

「だから私が!」

 

「っ!?」

 

「フワを、守る!!」

 

そしてスターの拳がガルオウガの腹に直撃するが、ガルオウガは全身に腕輪の力を纏わせる事でダメージを最小限に抑えた。

そしてスターはスペース以外の4人のプリキュア達がいる所へ着地した。

 

「みんな!」

 

「・・・・・・・・」

 

プリキュア達の言葉を聞いていたフワとトッパーはそれぞれその戦いをずっと見ていた。

 

「ごたくはもういい! はああああっ!」

 

ガルオウガエネルギーを集めて強力な一撃を放とうとしていた。

 

「そうはさせない!」

 

「スペース!」

 

そこへスペースが間に入るとウルトラフュージョンブレスのディスクを横から縦にしてディスクをスライドさせた。

 

「ウルトラマンコスモスの力よ! はあっ!」

 

するとディスクはウルトラマンコスモスの絵柄の所に止まってスペースは頭上に揚げた両腕を胸の前に出して回転させる事で気を集めた。

 

「プリキュア・ブレージングウエーブ!!」

 

その気を両手を突きだすとともに帯状に超高熱火炎の「圧殺波動」としてコスモスのコロナモードが放つ技『ブレージングウエーブ』を放つとガルオウガの攻撃と激突して2つの技は相殺された。

 

「なっ!?」

 

「ウルトラマンゼロの力よ!」

 

そして今度はディスクがウルトラマンゼロの絵柄の所で止まるとスペースは右手を腰の部分におき、左手を横に広げた。

 

「プリキュア・ワイドゼロショット!!」

 

「ぐああああっ!」

 

そして腕をL字に組んで放つゼロの技『ワイドゼロショット』を放つとそれに直撃したガルオウガは後方へと吹き飛ばされた。

 

「おのれ、私は勝つ! 勝って、ダークネスト様のお役に立つのだ! はああああっ!」

 

するとガルオウガは先程以上にエネルギーを集めて始めた。

 

「まとめて消し飛ばしてくれる!」

 

「プリキュア!」

 

「フワ!」

 

そしてフワが飛び出すとプルンスが慌てて叫んだ。

 

「だったらもう一度「フワ!」フワ!?」

 

 

スペースがウルトラフュージョンブレスに触れようとすると正面にフワが現れて驚いた。

 

「守るフワ! フワも、プリキュアを守るフワ!」

 

「「フワを・・・・」」

 

「「守る!」」

 

フワに合わせてミルキーとコスモ、そしてソレイユとセレーネが声を合わせて叫んだ。

 

「みんなを!」

 

『フワを、守る!』

 

そして今度はフワとスペース以外のプリキュア5人の声が重なった。

 

「フーーーワーーーッ!」

 

するとスターのペンダントからフワが変化する時に現れた新しいペンが姿を現した。

 

「あっ! またあのペン!」

 

するとフワの角が強く輝き出した。

 

「みんなの想い、重ねるフワ!」

 

フワの掛け声と共にフワの所に力が集まるとそこにピンクの星型マークがつきた金色の球が現れた。

 

「シャイニートゥインクルペン!」

 

そして先程現れたシャイニートゥインクルペンをその球に刺すと金色の玉が輝き出した。

 

「声を重ねるフワ! キラキラ〜!」

 

『トゥインクル!』

 

「キラキラ〜!」

 

『トゥインクル!』

 

フワを中心にスター、ミルキー、ソレイユ、セレーネ、コスモの5人は手を繋いでフワに合わせて叫んだ。

 

「フーーーワーーーッ!」

 

そしてフワから放たれた星が頭上へ飛んでいくとそれは5つの星に分かれた。

 

『イマジネーションの輝き! なりたい自分に!』

 

スター達の頭に『トゥインクルティアラ』が現れるとそこに先程分かれた5つの星がそれぞれのプリキュア達の王冠に触れるとスター達の姿が変化してスター達は『トゥインクルスタイル』へと変身した。

 

「星の力〜! 輝くフーーーワーーーッ!」

 

『想いを重ねて!』

 

フワを中心にスター達が金色の球に力を注ぎ、みんなの想いと力が一つになると彼女達の目の前に輝く大きな五角形の星が姿を現した。

 

『プリキュア・スタートゥインクル・・・・イマジネーション!!』

 

そしてみんなの想い一つにして放つ技『スタートゥインクルイマジネーション』がガルオウガのエネルギー弾に向かって放たれた。

 

「俺も忘れてもらっちゃ困るぜ」

 

そしてスペースもウルトラフュージョンブレスのディスクをスライドさせてギンガとビクトリーの紋章が重なったものの絵柄の所に止まると同時に、ティガ、ダイナ、ガイア、コスモス、ネクサス、マックス、メビウス、ゼロと8人のウルトラマンの姿が映し出された。

 

「プリキュア・ウルトラフュージョンシュート!!」

 

スペースは両腕を曲げた状態で横に広げると今度はその腕を横に広げて伸ばしてエネルギーを自身の身体に蓄えた。その後に両腕を十字に組んで蓄えたエネルギーを放つ必殺光線『ウルトラフュージョンシュート』を放つと2つの技はガルオウガのエネルギー弾をあっという間に飲み込んでそのエネルギーはガルオウガにも届いた。

 

「何っ!? ぐあああああっ!」

 

そのエネルギーにダークネストの力が宿った腕輪は耐えられずに砕けるとガルオウガは後方へと吹き飛ばされた。

 

「っ! 何だ!?」

 

すると砕けた腕輪から強力なエネルギーが放出されるとそこからダークネストの姿が映し出された。

 

「・・・・ダークネスト様」

 

「ダーク、ネスト」

 

『とうとう器が完成したか』

 

「器?」

 

「何のことだ!」

 

『だが、器だけでは・・・・フフフフフ』

 

ダークネストは笑いながらガルオウガの後方にワープホールを開くとそれを通ってガルオウガと共に姿を消したのであった。

 

「ひかる!」

 

「フワ! ありがとう!」

 

手に持っていたシャイニートゥインクルペンを見つめていたひかるの所にフワが飛んでくるとひかるはフワの事を優しく抱きしめた。

 

「みんな、ありがとうフワ!」 

 

「感動でプルンス!」

 

ひかるがフワにお礼を言うとフワもひかるに、そして他のみんなにもお礼を言った。

 

すると突然、シャイニートゥインクルペンが輝き出した。

 

「えっ? 何っ!?」

 

するとみんなの足元に五角形の星が光り輝き辺り一面が光に包まれてみんな目を瞑って再び目を開けた時にはそこはスターパレスで目の前にはスタープリンセス達が立っていた。

 

「えっ? スタープリンセス!?」

 

「プリキュア、ありがとう。貴方達の想いがフワに力を与えたのです」

 

「フワ!」

 

「じゃあこれで、惑星レインボーは・・・・」

 

「・・・・・・・・」

 

「何その沈黙、まだ何かあるわけ?」

 

ユニはスタープリンセス達の反応に苛立ちを見せるとおうし座のプリンセスに近づいて心意を問いただそうとしていた。

 

「まだ、完成ではありません」

 

「最後の希望を真の形にする為には集めなければなりません」

 

「集めるって?」

 

「トゥインクルイマジネーション」

 

「トゥインクルイマジネーション?」

 

おうし座のプリンセスとうお座のプリンセス話を聞いてひかるが何を集めるを聞くとおうし座のプリンセスが答えてくれた。

 

「それがフワを大いなる力へと導きます」

 

「大いなる力、ルン」

 

「それは何処にあるの?」

 

「それは、あなた方自身で見つけるしかありません」

 

しし座のプリンセスが説明してくれたがララとユニが何処にあるか聞くとおうし座のプリンセスから自分達で見つけなければいけないと言われてしまった。

 

「う〜ん、手がかりなしか・・・・」

 

「そんな事言われましても・・・・」

 

「何処をどう探せばいいのか・・・・」

 

こうたとまどか、えれなの3人もどうやって探せば良いのかわからずにいた。

 

「見つければ良いんだね! トゥインクルイマジネーション!」

 

「「ひかる!?」」

 

「また始まった」

 

そしてひかるの根拠のない自信にララとプルンスが驚き、こうたはまたひかるの暴走が始まったと若干諦めていた。

 

「わかった。任せて!」

 

「全く・・・・」

 

「しょうがない。こうなったひかるは誰にも止められないからな」

 

ひかるの発言にユニが呆れているとこうたはそんなユニに声をかけた。

 

「それとこうたさん」

 

「はい? 何ですか?」

 

するとおうし座のプリンセスがこうたに声をかけた。

 

「貴方は今回の戦いで更なる進化を遂げました。その力を狙って良からぬ存在が貴方を狙ってくるかもしれません」

 

「良からぬ存在、ですか?」

 

「はい。くれぐれも気をつけてくださいね」

 

「わかりました」

 

「・・・・・・・・」

 

こうたがおうし座のプリンセスからの忠告を聞いている横で同じくそれを聞いていたユニが心配そうな眼差しでこうたを見ていた。

 

 

一方、撤退したノットレイダーの拠点では・・・・

 

『お前は来る戦いに備えよ』

 

そう言ってダークネストは新しい腕輪をガルオウガに与えた。

 

『まだ器のみ』

 

「(器? フワの事か?)」

 

カッパードは器とはフワの事ではないかと推測した。

 

『トゥインクルイマジネーションで満たされる前に手に入れよ。器を』

 

「「「ハッ!」」」

 

こうしてノットレイダーは来るべき戦いに向けてちゃくちゃく準備を始めていた。

 

 

「トゥインクルイマジネーション? 我々も調査を開始するのである! 君達は君達で探すである」

 

その後ひかる達は地球に戻ってトッパーに事情を説明するとトッパーは協力すると言ってくれた。

 

「星空連合に入らなくていいの?」

 

「フワと君達に連合の立ち入る隙はないである」

 

「トッパーさん」

 

「安心するである。地球の近く、星空連合の支部、天の川ステーションに止まるである。何かあれば私に言ってくれである。」

 

「ありがとうございます!」

 

トッパーは先程の戦いでのフワとプリキュア達の絆を目にしてプリキュアを連合に誘うのは諦めたのと同時に何かあれば力になると約束してくれたのでこうたはお礼の言葉をトッパーに送った。

 

「じゃあみんな! トゥインクルイマジネーションを探そう!」

 

『おう!』

 

そしてこうた達もトゥインクルイマジネーション捜索に動き出したのであった。

 

 

 

 

To Be Continued

 

 

 

そして次回からは第7章に突入しますので新章予告を行います。

 

一部ネタバレも含みますので、予めご了承ください。

 

それではどうぞ!

 

 

 

 

         新章予告⑥

 

 

トゥインクルイマジネーションの捜索に乗り出したこうた達だったが・・・・

 

『トゥインクルイマジネーション探しに行くフワ!』

 

『フワ!』

 

成長していつもより活発的になったフワにみんな振り回されて大騒ぎ!

 

更に、スタープリンセスの心配が現実のものになってしまう。

 

『俺はナックル星人のバッカスだ! テメェの持ってるウルトラマンの力、根こそぎ頂くぜ!』

 

こうたの力を狙って宇宙ハンターのナックル星人【バッカス】が地球にやって来た。

 

そして・・・・

 

『バッカス! アンタの思い通りにはさせない!』

 

そのバッカスを追って謎の少女、カリンも現れる。

 

この2人の関係は・・・・

 

そして・・・・

 

『俺はもう二度と、プリキュアにはならない』

 

こうた戦意喪失、一体こうたに何が?

 

 

しかし、それで終わりではなかった。

 

『お前達がプリキュアだな? 』

 

今度は地球にあのデラスト海賊団が現れた。

 

その目的は?

 

 

次々と現れる敵に苦戦するプリキュア達だったが、現れるのは敵だけではなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

『キュアップ・ラパパ! ダイヤ! ミラクル・マジカル・ジュエリーレ!』

 

 

魔法つかいプリキュア参戦!!

 

一体彼女達はスター達と共にどんな活躍を見せてくれるのか?

 

 

 

次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

 

第7章 迫り来る悪と魔法つかい編

 

 

 

『変えるぜ! 運命!!』

 

『まとうは極!金色の宇宙!』

 

 

お楽しみ!

 

 

次章は久々にオリジナルストーリーとオリジナルキャラありでお送りします。

 

オリキャラについてはキャラ設定にて説明しているのでそちらを読んでみてください。

 

 




         次回予告


トゥインクルイマジネーション探しに乗り出すこうた達

しかし成長して活発的になったフワは落ち着きがなくあちこちに動き回ってしまう。

そんなフワにみんな振り回されてしまって・・・・


次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第81話 フワのお手伝い! みんなの役に立つ為に! 前編

次回もお楽しみ!



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第7章 迫り来る悪と魔法つかい編
第81話 フワのお手伝い! みんなの役に立つ為に! 前編


更新が遅くなってしまい大変申し訳ありませんでした。
7章はオリジナルストーリーメインの構成なのでそういった部分も楽しんでもらえたらと思います。


フワを狙い襲いかかってくるガルオウガをスペースやスター達は新たな力で撃退する事に成功する。しかし、スタープリンセス達からトィンクルイマジネーションを探すように言われたこうた達はそれを見つける事ができるのだろうか?

 

 

「ふぁ〜っ」

 

「眠そうね」

 

「そりゃ遅くまでララの夏休みの宿題みてたからな」

 

「面目ないルン」

 

夏休みが終わり新学期初日の朝、こうたが眠そうにしているのをユニに指摘されるとどうやらまだ夏休みの宿題が終わっていないララの面倒を見ていた事で寝不足になっていた。

 

「こうたはその宿題っていうのは終わってるの?」

 

「まぁな。大急ぎでやって何とか夏休み最終日の前日には終わらせたんだけど・・・・」

 

「私が全然終わらなかったからずっとこうたに宿題を教えてもらってたルン」

 

「それでここ何日かずっと部屋に篭ってたのね」

 

こうた、ユニ、ララの3人は朝食を食べながら宿題について話していた。

 

「ご馳走様! さて、俺達はそろそろ学校に行かないと。ユニはこれからどうするんだ?」

 

「私はプルンスやAIと一緒にトィンクルイマジネーションについて調べてみるわ」

 

「わかった。ララ、そろそろ支度して行くぞ」

 

「わかったルン!」

 

それからこうたとララは学校へ向かい、途中でユニと別れると後方からひかるが慌てて走って来た。

 

「おはようひかる。相変わらず寝坊か?」

 

「違うよ! こっちはフワが大変だったんだから!」

 

「フワが?」

 

「どういう事ルン?」

 

ひかるの話によるとフワが自由にワープを使えるようになったらしく、その所為で支度に遅れてしまったらしい。それとわかったのが食事は今までプリンセススターカラーペンを使っていたが新たにシャイニートィンクルペンで描いたものが良いらしく、しかもフワはそれを自分で食べられるようになったそうだ。

 

「フワも成長してるんだな」

 

「成長し過ぎにも程があるよ! いいフワ? 学校が終わるまでトィンクルブックから出てきちゃダメだよ」

 

「どうしてフワ? トィンクルイマジネーション探しに行かないフワ?」

 

「探すよ勿論、学校が終わったらね」

 

「早く探しに行きたいフワ!」

 

「今、ユニとプルンス、AIがトィンクルイマジネーションについて調査中ルン」

 

「じゃあユニとプルンスのお手伝いに行くフワ!」

 

「オヨッ!?」

 

するとフワがトィンクルブックから飛び出して何処かへ行こうとしたのをララが慌てて阻止した。

 

「お願いだから放課後までトィンクルブックの中で大人しくしてて」

 

「フワ・・・・」

 

フワは納得いってなさそうな表情だったがひかるからの頼みというのもあって仕方なく了承してくれたようだ。

 

 

 

そして約束の放課後になったのだが、夏休みの宿題が終わっていないひかるとララは学校の図書室で残りの宿題をやっていた。

 

「旅の間もAIにスケジュール管理してもらって毎日コツコツ頑張ったルン」

 

「尊敬する偉いよララ」

 

「そんな事ないルン。数学が難しくてスケジュール通りに進まないからこうたにはよく助けてもらってたルン」

 

「それでも数学以外の科目は自分の力で出来たじゃんか。ララは良く頑張ってるよ」

 

「あ、ありがとルン////」

 

ララは照れているのかこうたに褒められると頬を赤く染めていた。

 

「いいなぁララ、それに比べて私は単純作業苦手なんだよね・・・・」

 

「それ、今日中に終わるルン?」

 

「夏休み中何してたんだよ」

 

「自由研究に時間使い過ぎた。やるしかない! やるしか・・・・」

 

「もう学校終わったフワ? トィンクルイマジネーション探しに行くフワ!」

 

「そっか、ごめんねフワ。これ全部終わるまで帰れないんだ。」

 

「フワ? 手伝うフワ!」

 

「えっ? ちょっ!? フワ!?」

 

フワは手伝うと言い出すとひかるのノートに自身の足跡を沢山つけた。

 

「足跡だらけルン」

 

「これじゃあ提出できないよ! もう少しだけ大人しくしてて。お願いだから・・・・」

 

「フワ・・・・」

 

フワは再び大人しくしててと言われて大人しくなると、そんな図書室の前をまどか達生徒会のメンバーが段ボールを持って歩いてる姿が見えた。

 

「まどかも忙しそうルン」

 

「前にまどかさんとえれなさんが話してた。3年生は夏休みが終わると進路を決めなくちゃならないし、猫の手も借りたい程忙しくなるって」

 

「猫の手?」

 

「そうなんだよなぁ・・・・」

 

「こうたは進路、どうするかもう決めてるルン?」

 

「俺? まぁ俺は近くの高校に進学するつもりだけど、その先の事、将来についてはまだ何にも決めてないんだよなぁ・・・・」

 

「そうルン?」

 

「あぁ」

 

「・・・・っ! お手伝いするフワ!」

 

「オヨ?」

 

「フワ!?」

 

するとフワが一人で何処かへ飛んで行ってしまった。

 

 

「全く、俺が行ってくるから2人は宿題を続けてくれ」 

 

「わかったルン」

 

「こうた、フワをお願いね」

 

「あぁ」

 

そしてこうたはフワを追いかけて図書室を後にした。

 

 

 

「生徒会で管理する物、持ち主に返却する物、処分する物に分けてください」

 

「これはどうするフワ?」

 

「その衣装は演劇部に・・・・っ!?」

 

「お手伝いするフワ!」

 

「フワ!? どうして?」

 

まどか達生徒会メンバーが学校の備品整理をしている所にサンタのコスチュームを纏ったフワが現れてまどかはとても驚いていた。

 

「フワ? ふざけないで真面目におやりなさい! ん? 貴方誰なの?」

 

「あぁ! ふ〜わ山さんはこちらへ・・・・」

 

「ふわ山さん?」

 

生徒会メンバーでひかる達のクラスメイトでもある姫ノ城がフワとまどかのやりとりに気づいてフワの顔を見ようとするが、その前にまどかがフワを連れてその場を離れた。

 

「まどか、トゥインクルイマジネーション探しに行くフワ!」

 

「今日は忙しくて、ごめんなさい」

 

「まどかも行けないフワ?」

 

「フワ! やっと見つけた!」

 

そこへこうたもやって来た。

 

「フワ、あんまりみんなに迷惑かけたらダメだろ」

 

「迷惑かけてないフワ!」

 

「フワは手伝ってくれようと・・・・」

 

「お手伝いフワ!」

 

「お〜い!」

 

そこへ今度はえれながやって来た。

 

「えれな! トゥインクルイマジネーション探しに行くフワ!」

 

「フワ!」

 

「今日はママが仕事で忙しいから帰って色々やらないと・・・・」

 

「色々フワ」

 

「足並みが揃わずごめんなさい」

 

「チャオ! また明日!」

 

「わたくしも生徒会に戻りますね」

 

「あぁ。2人ともまたな!」

 

そしてえれなとまどかはその場を後にした。

 

「さぁ、俺達もひかる達の所に戻るぞ」

 

「トゥインクルイマジネーション探しに行きたいフワ!」

 

「我が儘言うなって今日はみんな予定があるんだから仕方ないだろ」

 

「我が儘じゃないフワ!」

 

「それが我が儘なんだよ! いい加減にしないと怒るぞ!」

 

「・・・・もういいフワ! ユニの所に行くフワ!」

 

「あっ、おいフワ!」

 

「フーーーワーーープ!」

 

そしてフワはこうたの言葉を無視してワープする事でその場からいなくなってしまった。

 

「はぁ・・・・確かユニはプルンスと一緒にロケットにいたよな」

 

そしてこうたはユニがいるであろうロケットに通信する為に以前ララから渡された予備のグローブを取り出した。

 

 

 

「フワーーーーッ!」

 

「ワウッ!」

 

その頃フワはワープに失敗して再びひかるの家の真上にワープするとそのまま頭から落下して犬小屋で昼寝していたイエティの頭に直撃した。

 

「またワープ失敗フワ。飛んだ方が早いフワ」

 

「ワン!」

 

「諦めないフワ! トゥインクルイマジネーション探しに行くフワ!」

 

「ワウン! ワ、ワ、ワ、ワウ〜ン!」

 

そう言ってフワがロケット目指して飛び立つとイエティも慌ててフワの後を追いかけた。

 

 

 

To Be Continued

 

 




         次回予告


フワに振り回されるこうた達

しかしフワがお手伝いをしようとするのには理由があった。

それを知った時、こうたは何を思うのか?



次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第82話 フワのお手伝い! みんなの役に立つ為に! 後編

次回もお楽しみ!



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第82話 フワのお手伝い! みんなの役に立つ為に! 後編

ユニとプルンス、そしてロケットのパーソナルAIはロケットの中で朝からトゥインクルイマジネーションについてずっと調べていた。

 

『トゥインクルイマジネーションに関連するデータは星空連合加盟惑星内には一件も見当たりません』

 

「これだけ調べて何も出ないってどういう事でプルンス?」

 

「謎は深まるばかりって事ニャン」

 

しかしどれだけ調べてもトゥインクルイマジネーションに関する情報は何も見つからなかった。

 

「ユニ! ここにいたフワ!」

 

「フワ? 一人で来たの?」

 

そこへこうたと別れたフワがやって来た。

 

「ひかる達はどうしたでプルンス?」

 

「ひかるとララは宿題フワ、まどかとえれなは忙しいフワ。こうたは・・・・知らないフワ! だからユニとトゥインクルイマジネーション探しに行くフワ!」

 

「探したくてもこっちも手掛かりゼロ。お手上げニャン」

 

「フワ・・・・」

 

フワはユニから探したくてもどうしたら良いかわからないと聞かされて落ち込んでいた。

 

「あぁあ、何処かに宇宙の事なら何でも知ってる魔法つかいみたいな人いないニャン?」

 

「魔法・・・・いるフワ!」

 

「単独行動はダメでプルンス!」

 

プルンスが何処かへ行こうとするフワを捕まえようとするがフワはそれを回避してロケットから出て行ってしまった。

 

『ユニ様、こうた様から通信です』

 

「こうたから?」

 

 

その頃・・・・

 

「魔法つかいと所に行くフワ!」

 

「ワン! ワン!」

 

そしてフワを追いかけてロケットまでやって来たイエティだったが、再び何処かへ飛んで行ったフワを見るその後を追いかけて行った。

 

 

「ほう? 君があのフワか、こんなに立派に育つとは・・・・長生きするもんだね」

 

「宇宙の事、何でも知ってる遼じぃ、教えてほしいフワ!」

 

「宇宙人よりも宇宙に詳しいか自身はないが、どんな事かな?」

 

「トゥインクル「ワン! ワン!」」

 

「イエティ! こっちにフワがいるのか?」

 

そこへイエティの後を追ってこうたとユニ、そしてこうたのリュックに変装したプルンスがやって来た。こうたはフワと別れた後にロケットにいるユニと連絡を取ってフワが再び何処かへ行ってしまったと知らされる。こうたは一旦ユニ達と合流しようとロケットへ向かっているとその途中でイエティと遭遇してユニ達にも連絡してイエティの後を追いかけてきて今に至る。

 

「・・・・確かに魔法つかいっぽいけど・・・・」

 

「こうたの新しい友達かい?」

 

「まぁね」

 

お互い初対面の遼じぃとユニだったが遼じぃはユニはこうたの友達か聞いてきてこうたはそうだと返事した。

 

「・・・・こうた、何しに来たフワ?」

 

フワは先程の事を気にしているのかこうたの事を見るなり不機嫌になってしまった。

 

「決まってるだろ? フワを迎えに来たんだ。俺はひかる達からフワの事を任されてるんだ。だからあんまり勝手な事しないでくれ。頼むからさ」

 

「・・・・勝手じゃないフワ!」

 

「あっ! フワ!」

 

フワは再び何処かへ飛んで行くとみんなでその後を追いかけた。

 

「仲良くな」

 

遼じぃはこうた達が喧嘩していると思い走って行くこうた達に言葉を送った。

 

「フワ! 待てって!」

 

「待たないフワ! こうた、何にもわかってないフワ!」

 

「フワ!」

 

「フーーーワーーープ!」

 

「ワン!」

 

「イエティ!?」

 

フワは再びワープを使うとフワの尻尾に捕まったイエティも一緒にワープしてしまった。

 

「ガルオウガの悪影響でワープ使いまくりでプルンス」

 

「フワ・・・・」

 

「こうた・・・・」

 

こうたの元気が若干なくなってきた事を気にしてユニはこうたの事を心配そうに見ていた。

 

「・・・・ユニ、手分けしてフワを探そう」

 

「わかったわ」

 

「プルンス、悪いんだけどひかる達にこの事を知らせてくれ。みんな忙しいとは思うけど、それでも・・・・」

 

「わかってるでプルンスよ。みんなもきっとフワの捜索を手伝ってくれるはずでプルンス」

 

「あぁ、頼んだ」

 

それからこうた達は手分けしてフワの捜索を開始した。

 

 

「フワ! プリキュア! 何処にいる!」

 

「フワーーッ!」

 

「ん?」

 

一方、カッパードが湖の上で停滞させたUFOの上に乗った状態でフワやプリキュアの捜索をしていると何かが湖に落ちた事に気づいてそちらを見た。

 

「フワ、またワープ失敗フワ」

 

「ふん、姿は多少変わったが、正にフワ! それに・・・・」

 

カッパードはフワを見つけるとその近くで陸に向かって泳いでいるイエティの姿を見ていた。

 

「ワウン・・・・」

 

「ほう? 辺境の星の下等生物にも歪んだイマジネーションはあるらしい」

 

「イエティ! 何処フワ!」

 

「我が刃よ! とくと吸え! 歪んだ! イマジネーション!」

 

カッパードが自身の武器にイエティの歪んだイマジネーションを吸収させると右手にはイエティの顔の形をした金色の盾を、左手にはイエティの尻尾の形をしたビームの剣へと変化した武器を持っていた。

 

「ふむ、不格好だがやむを得んか・・・・」

 

「フワ! イエティを返すフワ!」

 

「愚かな奴め!」

 

するとカッパードが自身に向かってくるフワ目掛けて持っていた盾を向けるとその盾の口が開いてそこから衝撃波が放たれてそれに直撃したフワが吹き飛ばされてしまった。

 

「フワ!」

 

そこへ駆けつけたこうたが落ちてきたフワを受け止めた。

 

「来たな! キュアスペース!」

 

「フワ! 大丈夫か!」

 

「フワの所為で、イエティが、イエティが・・・・」

 

「違う。フワの所為なんかじゃない!」

 

「ごめんなさいフワ。フワ、みんなの役に立ちたかったフワ」

 

「フワ・・・・そっか、ごめんなフワ。俺、フワの気持ち全然考えてなかった。けどな、俺もみんなもトゥインクルイマジネーションを探すのと同じくらい今の生活が大切なんだ」

 

「大切フワ?」

 

「あぁ、今の生活があるから今の俺達がある。だからとても大切で大事なんだ」

 

そしてこうたはフワを抱き抱えたままゆっくり立ち上がりカッパードを睨みつけた。

 

「だから絶対、フワを守って、イエティも助けてみせる!」

 

「友情ごっこは終わりだ。フワとペンを奪い取るのだ!」

 

『ノットレーイ!』

 

カッパードの合図でこうたの周りを囲んでいたノットレイ達が全員こうたに突っ込んでいくとこうたの身体から強烈な光が放たれて向かってきたノットレイ達は全員吹き飛ばされた。

 

「・・・・・・・・」

 

その中心にはフワを抱き抱えたまま目を瞑っているキュアスペースが立っていて、スペースはゆっくりと目を開けるとそのままカッパード目掛けて飛んで行った。

 

「ハアッ!」

 

「くっ!」

 

スペースはフワを左手で抱えた状態のまま右手を振りかぶってカッパードを赤い光を纏った右手の拳で殴るがカッパードは持っていた盾でそれを防いだ。

 

「フン」

 

『ノットレーイ!』

 

そしてカッパードが余裕の笑みを見せると先程スペースに吹き飛ばされたノットレイ達が足の裏のブースターを点火してスペースに向かってきていた。

 

「ちっ!」

 

スペースは背後から向かってくるノットレイ達をどうするか考えていると・・・・

 

「セレーネアロー!!」

 

「ソレイユシュート!!」

 

「ミルキーショック!!」

 

「スターパンチ!!」

 

「プリキュア・コスモシャイニング!!」

 

『ノットレーイ』

 

そのノットレイ達は駆けつけたスター達によって再び吹き飛ばされた。

 

「みんな!」

 

「遅くなったでプルンス!」

 

「スペース! フワを!」

 

「あぁ、頼んだ!」

 

そしてスターが星形のエネルギーを生み出してそれを足場にしてスペースが戦っているUFOまでやって来るスペースはフワをスターに預けてカッパードとの戦いに専念した。

 

「スター!」

 

「もう大丈夫だよ」

 

フワは自身を抱き抱えているスターに抱きついた。

 

「ごめんなさいフワ」

 

「ううん。私もフワのお願い聞いてあげられなくてごめんね」

 

「ちっ!逃すか!」

 

「お前の相手は俺だ!」

 

カッパードがフワの所へ行こうとするがスペースがそれを妨害した。

 

「キュアスペース、貴様どこまで我々の邪魔を・・・・」

 

「するに決まってるだろ。フワも、この宇宙も、お前達の好きにはさせない!」

 

「ならばこの場で貴様を倒してウルトラマンの力諸共奪うのみ!」

 

カッパードはビームの剣でスペースに斬りかかるがスペースはそれを何とか回避し続けたがカッパードが持つ盾の口から衝撃波が放たれるとそれを受けたスペースがUFOの上に落ちてしまう。

 

「「「「「っ!」」」」」

 

「スペース!」

 

「スペースを援護するルン!」

 

スター達他のプリキュア達がスペースを援護しようとするがそこへノットレイ達が割り込んできてそれを妨害した。

 

『ノットレーイ!』

 

「これじゃあスペースを援護できない」

 

「くっ! この!」

 

「させん!」

 

「ちっ!」

 

スペースは何とかウルトラマンの力を使おうとするが、その隙を狙ってカッパードが攻撃してくるのでウルトラマンの力を使えずにいた。

 

「もらった!」

 

「っ!」

 

カッパードは再びスペースに向かって盾の口から衝撃波を放とうとしていた。

 

「スペース・・・・フワも、助けたい・・・・みんなを、助けたいフワ!」

 

「フワ!?」

 

「フーーーワーーープ!」

 

するとスターに抱き抱えられていたフワがワープしてカッパードとスペースがいる近くの空中に現れるとそのまま盾を持つカッパードの右手に体当たりした。

 

「フワーーーッ!」

 

「のわっ!」

 

「っ! 今だ! ウルトラスターカラーペン! ビクトリー! ウルトラカラーチャージ!!」

 

フワのおかげで衝撃波がスペースから外れるとその隙にスペースはビクトリーのペンを使って変身した。

 

「この、よくも邪魔を!」

 

『ウルトランス!シャパードン!セイバー!』

 

「くっ!」

 

カッパードが盾から放つ衝撃波でフワを狙おうとするとスペースがシェパードンセイバーを召喚して斬りかかり、カッパードは盾でそれを防いだ。

 

「ハアッ!」

 

「のわっ!」

 

その後スペースはシェパードンセイバーフラッシュでV字型にカッパードを斬ろうとしたがカッパードは盾でそれを防ぐも勢いまでは止められず後方へと吹き飛ばされた。

 

「フワ!」

 

「スペース! ワープ成功フワ!」

 

「フワ、ありがとな。おかげで助かった」

 

「どういたしましてフワ!フワも仲間フワ! だからフワもみんなを守るフワ!」

 

「そうだな。フワも俺達の仲間だ。一緒にみんなを守るぞ!」

 

「フワ!」

 

そしてスペースはフワと共にスター達のいる地上へと降りた。

 

「フワ! 大丈夫?」

 

「大丈夫フワ! フワもみんなと一緒に守るフワ!」

 

「フワ・・・・うん!」

 

「おのれ・・・・」

 

そして体勢を立て直したカッパードがプリキュア達を睨みつけていた。

 

「よぉし! 見せてやるぜ! 俺達の絆!」

 

するとキュアスペースビクトリーの胸のペンダントから光が放出されてそれがスペースの両手に集まっていくと右手にはビクトリーランサー、左腕にはウルトラフュージョンブレスが装着された。

 

「ウルトラタッチ!」

 

そしてスペースがウルトラフュージョンブレスのディスクを縦から横向きにするとビクトリーランサーの先端でウルトラフュージョンブレスにタッチしてスペースはキュアスペースギンガビクトリーに変身する。

 

「その姿は・・・・」

 

「ウルトラマンメビウスの力よ!」

 

ディスクがウルトラマンメビウスの絵柄の所で止まるとスペースは両腕を重ねた。

 

「プリキュア・メビュームシュート!!」

 

「ぐあああっ!」

 

スペースは重ねた両腕を左右に広げるとその両手を頭上まで運んでいき、その頭上でエネルギーが集められた両腕を十字に組んで放つ技『メビュームシュート』を放つとカッパードは盾の衝撃波で対抗するが、その衝撃波はあっさり押し負けてカッパードに光線が直撃するとその衝撃でカッパードは持っていた盾と剣を手放してしまった。

 

「今だよ!」

 

「みんなの想い、重ねるフワ!」

 

スターの掛け声にスペース以外のプリキュア達とフワが技を放つ体勢に入った。

 

「シャイニートゥインクルペン!」

 

「声を重ねるフワ! キラキラ〜!」

 

『トゥインクル!』

 

「キラキラ〜!」

 

『トゥインクル!』

 

「フーーーワーーーッ!」

 

『イマジネーションの輝き! なりたい自分に!』

 

そしてスター達はトィンクルスタイルへと変身する。

 

「星の力〜! 輝くフーーーワーーーッ!」

 

『想いを重ねて!』

 

そしてみんなの想いと力が一つになると彼女達の目の前に輝く大きな五角形の星が姿を現した。

 

「ウルトラマンマックスの力よ!」

 

ブレスのディスクがウルトラマンマックスの絵柄の所で止まり、スペースが左手を頭上に上げるとその左腕のクリスタルに大気中の光が集中していた。

 

『プリキュア!』

 

『スタートゥインクル・・・・イマジネーション!!』

 

「マクシウムカノン!!」

 

スペースはクリスタルに光が集まると両腕を逆L字形に組む事で放つ技『マクシウムカノン』を放ち、2つの技が盾と剣にそれぞれ命中するとイエティから奪った歪んだイマジネーションは浄化されて元のカッパードの武器に戻った。

 

「この程度では歪みが足りぬ」

 

カッパードはイエティの歪んだイマジネーションに文句を言うとそのままワープホールを通って撤退した。

 

 

 

「イエティ、良かった! フワも危ない事しちゃダメだよ」

 

「イエティ、ごめんなさいフワ」

 

それからイエティは元気を取り戻すとひかるとフワがイエティに抱きついた。

 

「ワウン」

 

「くすぐったいフワ」

 

フワがイエティに謝るとイエティはフワの頬を舐めた事からもうフワを許しているようだ。

 

「全く、誰かさんに良く似てるでプルンス」

 

「そうですね」

 

「暴走っぷりとかね」

 

「けど、決して揺るがない思いはある」

 

「そういう所、育ての親にそっくりルン」

 

「え? それって私?」

 

プルンス、まどか、えれな、こうた、ララの言葉を聞いてひかるはそれは自分なのかとみんなに聞いた。

 

「あぁ!」

 

「どうしたの?」

 

「宿題! まだ終わってないよ!」

 

「もう手遅れルン!」

 

「急げばまだ間に合うかも」

 

「学校に戻るフワ! フーーーワーーー・・・・」

 

「ワープはだ・・・・」

 

フワがワープしようとしたのでひかるが止めようとしたが、時すでに遅く2人は何処かへワープしてしまった。

 

「とんだ技を覚えたもんでプルンス」

 

「同感だ」

 

プルンスが呆れているとこうたもそれに同意した。

 

その頃ひかるとフワは学校ではなくひかるの家の前にワープしてしまい、結局その日のうちに宿題は終わらず、先生にお願いして何とか翌日に残りを宿題を全て終わらせて提出したのであった。

 

 

To Be Continued

 

 




         次回予告


突如地球に宇宙ハンターのナックル星人バッカスが現れた

彼の目的はこうたの持つウルトラスターカラーペンを奪い取る事だった。

そんなバッカスを追って今度はカレンと名乗る謎の女性まで現れる


次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第83話 狙われたウルトラマンの力 宇宙ハンターバッカス登場! 前編

次回もお楽しみ!


※次回はオリジナルストーリーを前後編でお送りします。

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第83話 狙われたウルトラマンの力 宇宙ハンターバッカス登場! 前編

遅くなりましたが最新話の投稿です。
今回は前回予告した通りオリジナルストーリーをお送りします。



とある休日、こうたはロケットを隠している森の中にある木の下で両手を頭の後ろに置いた状態で寝転がって昼寝をしていた。するとそんなこうたの頭上に両手を後ろに組んだユニがこうたの顔を覗き込んできた。

 

「何してるの?」

 

「見てわかるだろ? 昼寝だよ」

 

「見てるだけじゃわからないから聞いてるんだけど?」

 

「最近色々あったからな。たまにはこうやってのんびりしたい時もあるんだよ」

 

「そう」

 

こうたの言う通り最近はトッパー達星空連合が来たり、フワが成長したり、ガルオウガがやって来てノットレイダー達の動きが激しくなったりと騒がしい日々を送っていたのは確かである。そしてユニは寝転がっているこうたの頭の上で日陰となっている木に寄りかかるように座った。

 

「平和だなぁ・・・・」

 

「そうね・・・・」

 

それからこうたは本当に眠ってしまうとそんなこうたの寝顔をユニは見ていた。

 

『貴方は今回の戦いで更なる進化を遂げました。その力を狙って良からぬ存在が貴方を狙ってくるかもしれません』

 

そんな中でユニは以前おうし座のプリンセスが言っていた事を思い出した。

 

「(何でこうたが狙われなきゃいけないの? ウルトラマンに認められたから? けどそれだけでどうしてこうたばっかり危険な目にあわなくちゃいけないのよ)」

 

ユニはこれまでのこうたの戦いを思い出していた。クマリン星での初めてビクトリーの力を使った戦い、惑星レインボーでのサーディスやダークネストとの戦い、夏祭りの日にこうたが身体を張ってユニを守った戦い。そうやってこうたは誰かの為に命懸けの戦いを続けてきた。どの戦いも一歩間違えれば命に関わるかもしれない。そんな戦いだったからこそユニはこうたの事を心配していた。

 

「(全く、人がこんなに心配してるっていうのに、呑気に昼寝なんてしちゃって・・・・)」

 

そんな事を考えながらユニは眠っているこうた近づくとこうたの前髪を軽く触った。

 

「(いつからかしらね。貴方の事がこんなにも気になるようになったのは・・・・)」

 

ユニは自分に起きたこれまでの出来事を思い出していた。初めて会った時は敵同士だった2人だが、ユニがプリキュアになってみんなと一緒に地球に来てからは一緒に色々な事を経験し、色々な所へ行ったりもした。そうやってなんだかんだ一緒に行動してきたユニだったが、そんな彼女がこうたを意識する決め手となったのはやはり先程も思い出していた夏祭りでの戦いだろう。

 

『コスモは惑星レインボーを、仲間を救おうと必死に頑張ってる。そんなコスモのことを俺は信じる! そして星を、仲間を思うコスモを俺は助けたい! だって俺達は・・・・仲間だから!』

 

「(コイツは私がいつ裏切るかわからない状況でも私の事を信じるって言ってくれた。そして守ってくれた。暫く忘れていたけど、誰かに信じてもらうのってこんなにも心地いいものなのね・・・・オリーフィオ)」

 

ユニは木の下で涼しい風を感じながら綺麗な青空を見上げると惑星レインボーで今も石化しているオリーフィオに向けて語りかけた。

 

 

 

その頃、ユニ達がいる森の中で次元の歪みが発生すると別次元に繋がるゲートが開いた。

 

「ここか? ウルトラマンのペンが放つエネルギー反応がある星は・・・・」

 

そのゲートから右手に持った銃を何度も自身の右肩に当ててその度にカチカチと音を鳴らす宇宙人が現れると左手には何かの探知機を持っていた。

 

 

宇宙人が地球に降り立ってから数十分後・・・・

 

「ふぁ〜っ」

 

「全く、いつまで寝てるつもりよ」

 

「悪かったって、つい気持ち良くてさ・・・・」

 

「はいはい」

 

ユニに起こされたこうたは2人でみんながいるロケットを置いてある場所へと歩いて向かっていた。

 

「おーい!」

 

「こうたーっ!」

 

すると前からひかるとララが大きな声でこうたの事を呼びながらえれなやまどか、フワとプルンスと共に走ってこちらに向かって来た。

 

「どうしたんだよみんな、そんなに慌てて」

 

「何かあったの?」

 

「さっきAIがこの森で次元の歪みを検知したんでプルンス!」

 

「次元の歪み?」

 

「ルン。それで、これから原因の調査に向かうところルン」

 

「調査?」

 

「そうなんだよ! 次元の歪みって漫画やアニメだとそこから異次元からの来訪者とか主人公と戦う敵が現れたりするでしょ? それが実際に発生したんだよ! もうキラやば〜っ!☆ なんだよ!」

 

「と、そんな感じでさっきから興奮しっぱなしで・・・・」

 

「わたくし達で調査しようと言って聞かないんです」

 

「あははは・・・・」

 

「ひかる・・・・」

 

ララから次元の歪みの話を聞いているとひかるはずっと興奮しっぱなしで一緒にいたえれなとまどかはそんなひかるの意見に押し切られたらしく、それに対してユニは苦笑いし、こうたは呆れていた。

 

「早速調査するフワ!」

 

「フワも落ち着くでプルンス!」

 

「よう!」

 

『っ!』

 

突然自分達以外の声を聞いたこうた達は周辺を見渡すと近くの茂みから見た事のない宇宙人がこうた達の前に現れた。

 

「キラやば〜っ☆! もしかして貴方が次元の歪みから来た宇宙人!? 初めまして! 私は・・・・」

 

パン!

 

ひかるが目をキラキラさせながらその宇宙人に近づくとそんなひかるの足元に宇宙人は持っていた銃で発砲した。

 

「え?」

 

「ちょっと!」

 

「何するルン!」

 

「悪いな。俺様はお前らと仲良くするつもりなんざ微塵もねぇんだよ」

 

「何ですって」

 

突然足元を撃たれたひかるは驚きを隠せず、それを見ていたえれなとララが宇宙人に向かって叫ぶと宇宙人から仲良くするつもりがないと言われてまどかは怒りの籠った声を発した。

 

ピピピピピピ・・・・

 

「ん? こいつは・・・・」

 

宇宙人が持っていた機械からアラームのようなものが鳴りだすと宇宙人がひかる達に探知機を向けるとそれがこうたに向けられた時に反応が更に強くなった。

 

「この反応、それにこの数・・・・まさかこんなに早く見つかるたぁ運は俺様の味方みたいだな!」

 

「アンタ、一体何者なんだ!」

 

「俺様はナックル星人のバッカスだ! テメェが持ってるウルトラマンのペンを頂くぜ!」

 

「なっ!?」

 

こうたはバッカスから自身が持つペンを奪うと言われて驚いた。

 

「どうしてウルトラスターカラーペンの事を知ってるんですか!?」

 

「噂で聞いたのさ、宇宙にはウルトラマンの力を宿すペンが存在するってな。それで過去に俺様の同族が持ち帰ったウルトラマンのデータを元に作らせたこの探知機を頼りにそれを探してたってわけだ。ウルトラマンの力を欲しがる奴なんていくらでもいる。コイツを高値で売り捌いて大儲けするのが俺様の目的よ!」

 

まどかが理由を聞くとバッカスは金儲けの為にウルトラスターカラーペンを狙っている事を教えてくれた。

 

「ウルトラマンの力をそんな事に使うなんて・・・・」

 

「許せないルン」

 

それを聞いたえれなとララは怒りの感情を露わにした。

 

「ダメだよそんなの! ウルトラマンの力は宇宙を守る為にあるんだよ!」

 

「うるせぇなぁ・・・・お前らの意見なんて聞いてねぇっつうの。大人しくペンを渡せ。そうすりゃ命だけは助けてやる」

 

「断る! これはみんなから俺に託された大切な物なんだ。アンタみたいな奴には絶対に渡さない!」

 

ひかるの言葉にも耳を貸さないバッカスに対してこうたはペンを渡さないと宣言した。

 

「そうかよ。だったら遠慮はしねぇ、力ずくで頂くぜ!」

 

「そうはさせない!」

 

「みんな、いくよ!」

 

ひかるの掛け声と共にこうた達はそれぞれ自身のペンを取り出した。

 

『スターカラーペンダント!カラーチャージ!』

 

『キラめく~星の力で~!憧れの~私描くよ~!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『スター☆トゥインクル〜!スター☆トゥインクルプリキュア~~!』

 

 

「宇宙(そら)に輝く〜キラキラ星!キュアスター!」

 

「天にあまねく〜ミルキーウェイ!キュアミルキー!」

 

「宇宙を照らす!灼熱のきらめき!キュアソレイユ!」

 

「夜空に輝く!神秘の月明かり!キュアセレーネ!」

 

「銀河に光る!虹色のスペクトル!キュアコスモ!」

 

「光輝く聖なる宇宙!キュアスペース!」

 

 

『スター☆トゥインクルプリキュア!!』

 

 

「プリキュア? 聞いた事ねぇな。まっ、邪魔するってんなら容赦しねぇ。いくぞ!」

 

バッカスは持っていた銃をプリキュア達に向けて数発発砲するとプリキュア達はそれぞれ散開してそれを回避した。

 

「チッ! ちょこまかと」

 

「ハアッ!」

 

「おっと!」

 

そこへソレイユが飛び蹴りを繰り出すがバッカスはジャンプしてそれをかわすと透かさずソレイユに向かって銃を発砲する。

 

「っ!」

 

「させないルン!」

 

その弾をミルキーがハート形のバリアを展開して防いだ。

 

「「ハアアアッ!」」

 

そこへ今度はスターとコスモが着地した直後のバッカスに殴りかかるとバッカスは両腕をクロスしてそれをガードするが後方へと吹き飛ばされてしまう。

 

「この! 調子に乗るな!」

 

「ハッ!」

 

バッカスが再び数発発砲するがその弾は全てセレーネの正確な矢によって相殺されてしまう。

 

「何だと!?」

 

「今です!」

 

「あぁ!」

 

「どあああああっ!」

 

流石のバッカスもこれには驚きを隠せずにいるとその隙を狙ってスペースがバッカスの懐に飛び込むと右手にエネルギーを集めて赤く光る右手の拳をバッカスの顔に直撃させるとバッカスはそのまま殴り飛ばされた。

 

「くそっ、思ったよりやるな。だが、俺様の力はこんなもんじゃねぇぞ!」

 

バッカスが立ち上がるとその周りには邪悪なエネルギーが漂っていた。

 

「何あれ?」

 

「わかりません」

 

「怖いフワ」

 

「下がってるでプルンス!」

 

ソレイユとセレーネは状況が理解できず、後ろで見ていたフワが怯えていたのでプルンスはフワを下がらせた。

 

「さぁ、来いよ」

 

「くっ、ハアッ!」

 

バッカスが手招きして挑発するとスペースが右手の拳で真っ直ぐバッカスに殴りかかるとバッカスはスペースの拳を片手で受け止めた。

 

「なっ!?」

 

「それよ!」

 

「がはっ!」

 

「スペース!」

 

バッカスはスペースの拳を掴んだまま勢いよくスペースの身体を地面に叩きつけた。

 

「この!」

 

「よくも!」

 

そこへ今度はソレイユとコスモがバッカスに突撃するがバッカスは2人の蹴り技を次々と回避した。

 

「遅ぇ!」

 

「「ぐあっ!」」

 

バッカスは両手で2人の片足の足首をそれぞれ掴むと先程の様に2人の身体を地面に叩きつけた。

 

「ソレイユ!」

 

「コスモ!」

 

「一体どうなってるルン」

 

セレーネとスターがソレイユとコスモの名前を叫んでいる隣でミルキーは冷静に状況を分析していた。

 

「こう見えて俺様は落ちこぼれでな。他の連中みたいに巨大化できねぇし、バカだから相手を分析して対策したりなんて面倒な事もできねぇ。俺様にできんのは身体や技術を鍛えて力をつける事だけだった。だが俺様は他の連中を見返してやろうだなんて思っちゃいねぇ。ただ自分が満足できりゃそれで良いんだよ。だからお前らの持ってるウルトラマンの力を俺様によこせ! 俺様がお前らよりも有効活用してやる」

 

「ふざけるな」

 

スペースはゆっくりと立ち上がった。

 

「そんな自分勝手な奴にギンガさん達の力は絶対に渡さない!」

 

「そうかよ。んじゃ、とっとと終わらせてもらうぜ」

 

『スペース!』

 

バッカスがスペースに銃を向けるとその場にいた全員がスペースの名前を叫んだ。

 

「じゃあな」

 

バッカスはゆっくりと引き金に指をかけた。

 

「待ちなさい!」

 

すると何処からか女の子の声が聞こえてくるとバッカスに向かって火の球が2つ飛んでくるとバッカスはそれを横っ飛びしてかわした。

 

「何もんだ!」

 

声の主がスペースとバッカスの間に着地するとそこには赤いマフラーにまるで忍者のようなグレーと赤い服に黒い短パンを穿いた金髪ポニーテールの少女が両手に持つ2本の赤い双剣を構えて立っていた。

 

「誰だテメェ!」

 

「私を忘れたのバッカス。 私は貴方を忘れた事なんて一度もなかったわ!」

 

「うるせぇ! 何処の誰だか知らねぇが俺様の邪魔をするってんなら容赦しねぇぞ!」

 

「望むところよ! この日をずっと待ってたの。お父さんとお母さんの仇、取らせてもらうわ!」

 

バッカスが銃を数発発砲すると謎の少女は両手に持つ双剣で全て弾きながらバッカスとの距離を詰めた。

 

「なっ!?」

 

「ダブルスラッシュ!!」

 

「ぐあっ!」

 

少女は双剣に炎を纏わせてバッカスの身体を切り裂いた。

 

「このヤロー! くらいやがれ!」

 

バッカスは何処からか銃をもう一挺取り出すと2挺同時に銃を乱射するバッカスに対して少女は高速で移動しながらそれを回避した。

 

「フレアボム!!」

 

「熱っ!」

 

少女は双剣2本の片方をしまうと空いたもう片方の手のひらに火の球を生成してそれをバッカスに投げるとそれに直撃した途端火の球は爆発してバッカスの身体は軽く燃えていた。

 

「熱っ! 熱っ! 熱っ! ・・・・この・・・・調子に乗ってんじゃねぇぞ!」

 

「っ!」

 

バッカスは身体の火を払うを再び邪悪なエネルギーを解放して瞬時に少女との間合いを詰めて殴りかかった。

 

「なっ!?」

 

「え?」

 

しかしその拳は少女に届く事はなく、拳は間に入ったスペースのクロスした両腕によって阻止された。

 

「テメェ・・・・」

 

「プリキュア・セレーネアロー!!」

 

「ミルキーショック!!」

 

「っ!」

 

そこへセレーネとミルキーがバッカスに向かって技を放つがバッカスは横っ飛びしてそれを再び回避してしまう。

 

「チッ! 流石に武が悪いか。おい小僧! 今日の所は引いてやる。だが忘れるな! そのペンは俺様が必ず頂く! 覚えとけ!」

 

そう言ってバッカスはその場から姿を消すとそれ以降姿を見せなかったのでプリキュア達はバッカスがいなくなったと判断して安堵した。

 

「大丈夫か?」

 

「えぇ、ありがとう。おかげで助かったわ」

 

「それはこっちのセリフだ。さっきは助けてくれてありがとう。そういえばまだ自己紹介してなかったな。俺の名前はキュアスペース。君は?」

 

「私の名はカリン。かつて惑星ホルスで王女だった者よ」

 

 

こうしてスペース達は突如現れたバッカスに襲われるもカリンによって助けられて難を逃れたのであった。

 

 

To Be Continued

 

 

 




         次回予告


バッカスを追って地球へとやって来たカリン

彼女にはどうしてもバッカスを倒したい理由があった。

こうた達はウルトラマンの力を守りきれるのだろうか?


次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第84話 狙われたウルトラマンの力 宇宙ハンターバッカス登場! 後編

次回もお楽しみ!

※次回もオリジナルストーリーでお送りします。

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よろしくお願いします。


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第84話 狙われたウルトラマンの力 宇宙ハンターバッカス登場! 後編

遅くなって申し訳ありません。
久しぶりに1万文字を超えてしまいました。
そして実はバッカスには奥の手がありまして、詳細は今回の話とキャラ設定を見ればわかりますので良かったら見てください。

最後に予め伝えておきますが、今回の話はかなりシリアス強めの話になっているのでご了承ください。



こうたの持つウルトラスターカラーペンを狙って宇宙ハンターであるナックル星人のバッカスが襲って来た。戦闘中だった彼らの前に突如カリンと名乗る謎の少女が現れた。彼女はバッカスを追って地球へとやって来た惑星ホルスの王女だった。

 

「キラやば〜っ☆ 貴女王女様なの!?」

 

「え、えぇ・・・・」

 

「ひかる! 顔が近いルン!」

 

バッカスが退却した後、こうた達はカリンから事情を聞く為に彼女をロケットまで連れて来ると王女だと聞いたひかるが目をキラキラさせながらカリンに顔を近づけるがララに後ろから引っ張られていた。

 

「正確には『元』王女なんだけどね」

 

「何かあったんですか?」

 

カリンの元という言葉に反応したまどかが質問した。

 

「私の故郷、惑星ホルスにはフレイムストーンと呼ばれる星の秘宝があったの」

 

「星の秘宝?」

 

「うん。元々ホルスは強力な炎の力が秘められた星でそれを制御する為に私達の先祖がフレイムストーンを備えたらしいわ。そのおかげで私達は平和に過ごしていたんだけど、突然バッカスが現れてフレイムストーンを奪おうとしたの。勿論私達もそれを阻止しようとしたんだけど私達はバッカスに負けてフレイムストーンは奪われちゃったわ。その結果星のバランスが崩壊して惑星ホルスは滅んだ。私は生き残った仲間達数人と脱出したんだけど、お父さんとお母さんはホルスと一緒に・・・・」

 

カリンから事情を聞いたこうた達はそれぞれ暗い表情になっていた。

 

「だから決めたの。もっともっと強くなっていつかこの手でホルスやお父さん達の仇を取るって。その為に旅をしながら修行して、自分では以前より強くなれた思ってる。勿論バッカスの行方も追っていたわ。そんな時にバッカスがウルトラマンの力が宿るペンを探しているって情報を入手して私もそれを探し始めて今に至るって感じよ」

 

「そうだったんだ」

 

「星を・・・・」

 

「・・・・・・・・」

 

カリンのこの場を聞いてえれなが納得している後ろで立った状態で腕を組んで壁に寄りかかるユニがそう呟くとそれが聞こえたこうたは自然とユニへと視線を向けた。

 

「それで、これからどうするルン?」

 

「恐らくバッカスはそう遠くない内にまた襲ってくると思う。だから私も貴方達と一緒に戦わせてほしいの。お願いできるかしら」

 

「それは・・・・」

 

「・・・・仇を取るって事はアイツを殺すって事か?」

 

カリンの申し出に対してまどかが返答を迷っているとこうたがカリンに質問した。

 

「そうよ。アイツは私達から多くのものを奪っていった。だからその報いを受けさせなきゃ気が済まないわ」

 

「・・・・悪いけど、協力できない」

 

「っ!? どうして!? 狙われているのは貴方なのよ! ここで殺しておかないとアイツは何度でも貴方の前に現れるわ」

 

「かもしれない。けど俺達プリキュアは相手の命を奪う為に戦ってるわけじゃない。大切なものを守る為、平和な宇宙を取り戻す為に戦ってるんだ。だから君の敵討ちには協力できない。ごめん」

 

「・・・・そう。なら私は、私の好きにさせてもらうわ」

 

そう言い残して少し怒ったカリンはそのままロケットを後にした。

 

「こうた・・・・」

 

「悪い。勝手な事言って」

 

「気にしないでください」

 

「そうだよ。こうたは間違ってない」

 

「うん。私もこうたに意見に賛成!」

 

「みんな・・・・」

 

「・・・・・・・・」

 

カリンが出て行った後、ララが心配そうな眼差しでこうたに声をかけるとこうたはみんなに対して謝罪した。するとまどか、えれな、ひかるはこうたの意見に賛同してくれた。

その後ユニは何も言わずにロケットから出て行こうとしていた。

 

「ユニ!」

 

「・・・・ちょっとあの子の様子を見てくるわ。故郷を失った時の気持ち、私には痛い程わかるから」

 

「ユニ・・・・」

 

こうたがユニを呼び止めると彼女はそう言い残してロケットを後にした。

 

 

 

その後ユニはカリンを探しに行くと彼女は湖のすぐ近くに立っていた。

 

「こんな所で何してるの?」

 

「貴方は確か・・・・」

 

「ユニよ。少しいいかしら?」

 

「え? えぇ・・・・」

 

ユニはカリンから許可をもらうと彼女の隣に並びたった。

 

「さっき、あの子達を見てなんてあまい連中なんだろうって思ったでしょ?」

 

「それは・・・・」

 

「どうなの?」

 

「・・・・えぇ。その通りよ」

 

「でしょうね。私も以前はそうだった」

 

「え?」

 

「私もあの子達と始めて会った頃はなんてあまい連中なんだろうって思ったわ。けど、一緒に行動する内に思ったの。あの子達はあの子達なりに自分の信じる道を進んでるって。それにアイツは・・・・こうたはきっと貴女の事も救いたいって思ってるんじゃないかしら?」

 

「私も?」

 

「えぇ。ちょっと悔しいけど、この私もアイツに救われた一人だから・・・・何となくわかるのよ」

 

「貴女も?」

 

「まぁね。実は私も故郷の星を、仲間を失ってるのよ」

 

「えっ!?」

 

カリンはユニが故郷を失っていると聞いて驚いた。

 

「まぁ貴女と違って私の星はまだ残ってるけど、そこにいた人達はみんな石になっているのよ」

 

「石に?」

 

「だから私はいつかきっと星のみんなを元に戻して惑星レインボーを元の星に戻すのが今の私の目標ニャン」

 

「・・・・それがどうして彼に救われる事に繋がるのよ」

 

「以前の私は星のみんなを救う為ならどんな手段も厭わなかった。平気で相手を騙したり裏切ったりもした。けどこうたはそんな私の事を信じてくれた。お人好しって言ったらそれまでだけど・・・・けどアイツは誰かを信じる事、救おうとする事に全然迷いがないの。それこそ自分がどんな危険な目にあっても誰かの為なら平気で命を賭けられる。アイツはそういう奴よ。そんなアイツの優しさに私は救われたニャン」

 

ユニはこれまでのこうたの行動を思い出しながらカリンにこうたの事を語った。

 

「カリン」

 

「何よ?」

 

「こうたの事、信じてあげて・・・・私が伝えたかったのはそれだけよ。じゃあね」

 

ユニはカリンに思いを伝えるとその場を後にした。

 

「信じる・・・・」

 

カリンはユニと話した内容を通じてこうたの、そしてひかる達の事を考えるのであった。

 

 

 

 

 

 

その日の夜、ノットレイダーでは・・・・

 

「謎の宇宙人だと?」

 

「はい。どうやら我々とは別の勢力がプリキュア達を襲撃したそうです」

 

「ふむ・・・・」

 

ガルオウガはカッパードからの知らせを受けて今後の方針を考えていた。

 

すると・・・・

 

「お前らがノットレイダーか?」

 

「何者だ!」

 

「俺様はバッカス。さっきお前らが話してた宇宙人だ」

 

バッカスはプリキュアに関する情報収集をしている中でノットレイダーの存在を知り、同族が使っていた銃を発砲してそこに次元の穴を発生させる能力を使い、ノットレイダー達の拠点へとやって来たのだ。

 

「我々に何のようだ」

 

「なに簡単な事だ。お互い協力してあのプリキュアって連中と戦わないか?」

 

「何をふざけた事を! プリキュアは我々が・・・・」

 

「待てカッパード。貴様の望みは何だ」 

 

「俺様の望みは奴らが持つウルトラマンの力を宿すペンだ」

 

「それは我々も求めている物。お前に渡すつもりはない」

 

「・・・・ならこういうのはどうだ? 俺様が知る限り奴が持ってるウルトラマンのペンは全部で11本。それを俺達で分け合うってのはどうだ?お前らも奴には手を焼いてるんだろ?俺様との協力はお前らにとっても悪くない話じゃないか?」

 

「ガルオウガ様」

 

「・・・・一つ聞く。お前はプリンセスの力やその器についてはどう思う」

 

「プリンセス? 器? そんなの興味ないね。俺様はウルトラマンの力さえ手に入ればそれでいい」

 

「・・・・良かろう。カッパード、奴に手を貸してやれ」

 

「ガルオウガ様!?」

 

「これからの事を考えるとキュアスペースの存在は我々の計画における大きな障害となる可能性が高い。ならば今のうちにその障害を排除しておく必要がある。その為なら多少の損失は目を瞑ろう」

 

「決まりだな。心配すんな、お前らの邪魔はしねぇ。ウルトラマンの力を手に入れたらこんな宇宙とっととおさらばしちまうからよ」

 

こうしてバッカスとノットレイダーの協力関係が成立した。

 

 

 

 

翌日・・・・

 

「見つけたぞプリキュア!」

 

「ノットレイダー!?」

 

ロケットに向かう為に森の中を移動していたこうた達の前にカッパードとノットレイ達が現れた。

 

「俺様もいるぜ」

 

「えぇっ!? 何でバッカスがノットレイダーと一緒にいるの!?」

 

「お互いの欲しいものを手に入れる為に手を組んだのさ」

 

「私は不本意だが、ガルオウガ様の命令とあらば仕方ない」

 

バッカスの登場にひかるは驚きバッカスのノットレイダーが手を組んだのだとすぐにわかった。

 

「今日こそフワとお前達の持つペンを頂く!」

 

「ウルトラマンのペンは俺様のものだ!」

 

「くっ」

 

それからこうた達はプリキュアに変身して戦闘が開始された。

 

 

ドーン!

 

「あれは!?」

 

離れた場所にいたカリンはプリキュア達の戦闘による爆発を目撃するとその場所へと駆け出した。

 

『うわああああっ!』

 

「みんな!」

 

「よそ見すんな!」

 

「ぐあっ!」

 

「スペース!」

 

スター達がカッパード達に苦戦している姿を見たスペースはそのよそ見が隙となりバッカスの弾丸の嵐をまともに受けてしまった。

 

「さぁ、大人しくペンを渡せ!」

 

「渡さない! 絶対に渡さない! ペンもみんなも俺が守る! ウルトラスターカラーペン・オーブ! ウルトラカラーチャージ!!」

 

スペースはオーブのペンの力を解放してキュアスペースオーブ・オーブオリジンになると真っ直ぐバッカスに向かって突っ込んでいった。

 

「それがウルトラマンの力か? イイぜ! まずはその力からだ!」

 

バッカスは右手に持った銃の弾丸をスペースに向かって乱射するがスペースはオーブカリバーの円形の盤面の部分を盾代わりにして防ぐとそのまま真っ直ぐ突き進んだ。

 

「ハアッ!」

 

「ぐっ! このヤロー!」

 

バッカスはオーブカリバーに斬られると銃をしまって接近戦を挑んできた。

 

「フッ」

 

スペースは再びオーブカリバーを盾にしてバッカスの拳を防ぐとスペースがオーブカリバーを横に振りかぶってそのまま勢いよく振るがバッカスは後方にジャンプしてそれを回避した。

 

「ジャックさん!」

 

『ウルトラマンジャック!』

 

「ゼロさん!」

 

『ウルトラマンゼロ!』

 

「キレの良いやつ、頼みます!!」

 

『フュージョンアップ! キュアスペースオーブ・ハリケーンスラッシュ!』

 

「光を超えて、闇を斬る!!」

 

スペースはその間にジャックとゼロのウルトラフュージョンカードを使ってハリケーンスラッシュに変身すると2つのゼロスラッガーを召喚してカッパードやノットレイ達に向けて放った。

 

「くっ! 邪魔するな!」

 

カッパードは持っていたビームの薙刀でゼロスラッガーに対処している隙にスペースはバッカスに正面から戦いを挑んだ。

 

「やっぱりウルトラマンの力はスゲェな」

 

そう言ってバッカスは前回の戦いでも見せた邪悪なエネルギーを解放して自身の身体に纏うとバッカスの力が強化された。

 

「ハアッ!」

 

「このっ!」

 

スペースは両足に青い風を纏いながら何度も回し蹴りを繰り出してバッカスを攻撃し、その攻撃をバッカスは両腕でガードしてそれを凌いでいた。

 

『ノットレーーイ!』

 

『ハアアーーッ!』

 

その頃、他のプリキュア達とノットレイダーの戦いはプリキュア側が優勢だった。

 

「うお座・スターパンチ!!」

 

「ふたご座・ミルキーショック!!」

 

「おとめ座・ソレイユシュート!!」

 

「いて座・セレーネアロー!!」

 

「プリキュア・コスモシャイニング!!」

 

『ノットレーーイ』

 

「チッ!」

 

「ぐあっ!」

 

そしてスター達の所に行っていたゼロスラッガーも戻ってきてバッカスへの攻撃に加わるとバッカスはスペースの蹴りを受けて後方へと飛ばされた。

 

「もう諦めろ! 大人しく帰るんだ!」

 

「ハッ! 冗談はよせ、そんな甘い考えじゃ俺様は倒せないぜ」

 

「戦いには勝つ。けど俺はアンタの命まで取るつもりはない」

 

「何だと?」

 

「俺が戦うのは守りたいものがあるからだ。俺自身が誰かから何かを奪うつもりはない」

 

「随分とあまい奴だな。そんな考えでやっていけると思っているのか?」

 

「やってみせるさ」

 

「面白い。なら見せてみろ! お前の力とその覚悟を!」

 

するとバッカスは懐から手のひらサイズで機械仕掛けの銀色の球を取り出すとその中心にある緑色のボタンを押した。

すると球が光り出して光の粒子となってバッカスの体の周りに集まっていき、そしてその身体には銀色の鎧が装着されていた。

 

「何だその鎧」

 

「この『ブーストアーマー』は俺様の力を極限まで高めてくれる代物だ。ここからの俺様は一味違うぜ!」

 

この鎧はバッカスが儲かったお金を使って闇商人から高額で買った鎧でこれを纏ったバッカスは今まで一度も負けた事がないのだ。

 

(イメージとしては『特装戦隊デカレンジャー』の『マッスルギア』のようなものです。by作者)

 

「あれは!?」

 

その様子を木の影からこっそり見ていたカリンはその薬を見て過去の出来事を思い出していた。

 

「(あの鎧はあの時の・・・・)」

 

カリンは惑星ホルスでの戦いでバッカスを後一歩という所まで追い詰めるがバッカスがブーストアーマーを使った事で形成逆転されてカリン達は負けてしまいフレイムストーンは奪われてしまったのだ。

 

「オーブスラッガーランス! ハアアーーッ!」

 

スペースはオーブスラッガーランスを使ってバッカスに斬りかかるがその刃が鎧の肩の部分に当たっても傷一つついていなかった。

 

「っ!?」

 

「そぉら!」

 

「ぐああああっ!」

 

バッカスが右手にエネルギーを集めてそのエネルギーを纏った拳でスペースの身体を殴るとスペースは後方へと吹き飛ばされてしまい、それと同時にハリケーンスラッシュの姿は解除されてオーブオリジンの姿に戻ってしまう。

 

「スペース!」

 

「大丈夫ルン!?」

 

スターとミルキーがスペースの危機を察知して真っ直ぐスペースの所に駆け寄った。

 

「さぁ、次はどいつだ?」

 

「みんな、いくよ!」

 

『うん(ルン)(はい)!』

 

「プリンセススターカラーペン! おひつじ座! くるくるチャージ!」

 

『宇宙(そら)に輝け!イマジネーションの力!』

 

『プリキュア!』

 

「レインボースプラッシュ!!」

 

『サザンクロスショット!!』

 

「くっ・・・・ハアアアーーーッ!」

 

しかし2つの技はバッカスの力によって弾き返されてしまった。

 

「そんな!?」

 

「悪くない攻撃だったぜ。こいつはお返しだ!」

 

バッカスは先程のように右手に邪悪なエネルギーを集めるとそれをビームとして放った。

 

『うわああああああっ!』

 

その攻撃を受けたスター達は吹き飛ばされてしまい、同時にかなりのダメージを負ってしまう。

 

「何という力だ」

 

それを側で見ていたカッパードはバッカスの力に驚いていた。

 

「トドメだ」

 

「させない」

 

「スペース!?」

 

倒れているスター達の前にフラフラになりながらも立ち上がったスペースオーブ・オーブオリジンが割り込んだ。

 

「何だ? ペンを渡す気になったか?」

 

「言っただろ、ペンは渡さないし、みんなも守るって・・・・」

 

「わかんねぇな。そんな奴ら守って何になる? 守る価値がソイツらにあるのか?」

 

「ある。みんなは俺の大切な友達で、大切な仲間だ。だから守る! 理由なんてそれだけで十分だ!」

 

「・・・・・・・・」

 

スペースが必死に仲間を守ろうとする姿をカリンはジッと見つめていた。

 

『こうたの事、信じてあげて・・・・』

 

「私は・・・・」

 

『お父さん! お母さん! みんなーーっ!』

 

カリンはユニに言われた事を思い出しながら自身が惑星ホルスから脱出した時の事を思い出していた。

 

「友達? 仲間? そんな連中守って儲かるわけでもないのに無駄な事を・・・・」

 

「アンタにはわからないよ。そうやって常に自分が得をする事ばかり考えてるアンタにはな」

 

「言うじゃねぇか。ならとっととお前を倒してウルトラマンの力を頂くぜ!」

 

バッカスは自身の銃をスペースに向けるとスペースは真っ直ぐその銃口を見つめた。

 

「じゃあな・・・・っ! 何だ!?」

 

バッカスが引き金を引こうとしたその時、バッカスに向かって2つの炎の球が飛んできてバッカスの攻撃を妨害した。

 

「あれは!?」

 

その後スペースとバッカスの間に今度はカリンが割り込んできた。

 

「カリン!?」

 

「またお前か!」

 

そしてカリンはゆっくりスペースの側まで歩いた。

 

「どうして・・・・」

 

「言ったでしょ? 私の好きにさせてもらうって・・・・だから勝手に助太刀させてもらうわ」

 

「カリン・・・・ありがとう」

 

「かっ、勘違いしないで//// 私はただアイツに勝ちたいだけ! 向こうは協力関係を結んだみたいだし、それに対抗する為には貴方と手を組んだ方が効率が良いってだけよ!」

 

「そっか」

 

「そうよ・・・・」

 

カリンはそっぽ向くと後ろにいるコスモと目が合った。するとカリンはコスモにだけ笑みを浮かべるとコスモも笑みを浮かべた。

 

「さぁ、行くわよ!」

 

「あぁ!」

 

カリンは双剣を、スペースはオーブカリバーを構えるとバッカスとカッパードも臨戦体制に入った。

 

『ハアアアーーーッ!』

 

そしてお互いに全速力で駆け出すとスペースのオーブカリバーとカッパードのビームの薙刀が激突し、カリンの双剣の刃をバッカスは両腕をクロスして防いだ。

その後もカリンは持ち前の高速移動でバッカスを翻弄しつつ攻撃するがブーストアーマーの防御力に阻まれて決定打を与える事が出来なかった。

 

『解き放て! オーブの力!』

 

「フレイムバースト!!」

 

「ハアアーーッ!」

 

「カッパードストライク!!」

 

「プリキュア・オーブスプリームカリバー!!」

 

カリンは双剣2本を左手で持つと右手を前方に出してそこから強力な炎を放つ中距離系の技『フレイムバースト』を、バッカスも再び邪悪なエネルギーの光線、そしてカッパードとスペースもそれぞれ技を放ち、4人の技が十字線のような形となり中央で激突して大きな爆発が起こり4人全員がその爆風で吹き飛ばされてしまった。

 

「うっ、うぅ・・・・」

 

「今だ! ハアアーーッ!」

 

カリンは倒れているバッカスを見てチャンスと判断すると彼女の全身が炎に包まれた。

 

「バーニングインフェルノ!!」

 

カリンは自身の切り札でもある全身に炎を纏って相手に体当たりする技『バーニングインフェルノ』でバッカスに向かって体当たりすると2人が激突した場所では再び大きな爆発が起こりその直後にカリンの身体が大きく吹き飛ばされてきた。

 

「危ない!」

 

飛んできたカリンの身体をスペースがキャッチして受け止めた。

 

「大丈夫か?」

 

「えぇ、何とか・・・・ハァ・・・・ハァ・・・・」

 

バーニングインフェルノは強力な技だが消耗が激しく、カリン自身も反動でダメージを受けてしまう正に諸刃の剣なのだ。

 

「でもこれでようやくみんなの仇を・・・・っ!」

 

しかしカリン達が目撃したのはバッカスの正面に発生している緑色の光のバリアだった。

ブーストアーマーにはこのように光のバリアを展開して相手の攻撃を防ぐ機能も備わっていたのだ。

 

「危ねぇ、このバリアがなかったら今頃あの世行きだったかもな」

 

「そんな!? 私の、とっておきの技が・・・・効いてない!?」

 

「残念だったな、けど誇っていいぜ。俺様がこのバリアを使ったのは今回が初めてだからな。さてと、そんじゃさっきの攻撃のお礼をしなくっちゃな」

 

「うわっ!」

 

「うっ!」

 

バッカスがスペースとカリン所まで来るとカリンを守ろうとしたスペースを跳ね除けて右手でカリンの首を絞めた。

 

「うっ、うあっ・・・・」

 

バッカスはゆっくりとその右手を上に上げていきカリンの足の裏は地面から離れてしまい徐々に首が絞められ続けた。

 

「やめろ!」

 

スペースはオーブカリバーをバッカスに向かって振り下ろすがバッカスは再びバリアを展開してそれを防いだ。

 

「邪魔だ」

 

「うああああっ!」

 

「こうた!」

 

バッカスの光線技を受けて後方へ飛ばされたスペースは変身が解けてこうたに戻るとこうたはそのまま横に転がるとそんなこうたを心配してスターがこうたの名前を叫んだ。

 

「おっと忘れたぜ。アイツからペンを回収しないとな」

 

「ケホッ、ケホッ・・・・」

 

バッカスはカリンを離すとゆっくりとこうたの所まで歩いていき、そして今度は両手でこうたの首を掴んで上に持ち上げた。

 

「うっ、ああっ・・・・」

 

「こうた!」

 

「やめなさい!」

 

ミルキーとコスモも必死に叫ぶがバッカスは全く聞いていなかった。

 

「さぁ、ペンを頂くぜ」

 

そう言ってバッカスの右手がこうたの懐に触れようとしていた。

 

そして・・・・

 

「ん?」

 

「・・・・・・・・」

 

苦しくて両目を瞑っていたこうたが片目だけ開くとそこにはバッカスの背後からカリンが双剣の内の1本でバッカスの背中を刺そうとしていたが鎧によってそれは防がれてしまっていた。

 

「やめなさい。これ以上、貴方には何も奪わせない」

 

「たくしつこいな・・・・」

 

するとバッカスはこうたを離して再びカリンの首を左手で掴んだ。

 

「そんじゃ、まずはお前からだ!」

 

そしてバッカスの右手に纏った邪悪なエネルギーの光線が・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カリンの胸を貫いた。

 

『っ!?』

 

バッカスがカリンを離すと胸に穴は空いていないが攻撃を受けた部分の服は黒焦げでなくなっていた。そして胸には大きな火傷の跡が残っていてカリンの口からは血も出ていた。

 

「カリン!」

 

こうたは慌ててカリンに駆け寄り倒れているカリンの身体を抱き起こした。

 

「カリン! カリンしっかり!」

 

「・・・・ケホッ、ケホッ、ごめんなさい」

 

「え?」

 

「私、貴方の事をあんまり良く思っていなかった。けど・・・・貴方が戦っている姿を見て、本気で大切なものを守ろうとしてるんだと思った・・・・昔の私もそうだった」

 

「昔の?」

 

「えぇ・・・・私も、ホルスを・・・・ホルスのみんなを・・・・守りたかった・・・・けど出来なくて・・・・せめて仇をって思ったけど・・・・それも叶わなかった・・・・」

 

するとカリンの身体が徐々にオレンジ色に輝きだした。

 

「カリン! ダメだ! 死んじゃだめだ!」

 

「こうた・・・・貴方は・・・・私みたいにならないで・・・・貴方は・・・・貴方の守りたいものを・・・・絶対に、守っ・・・・て・・・・」

 

そしてカリンがゆっくりと目を瞑るとカリンの全身がオレンジ色の光に包まれた。そして光は弾けてカリンがいた場所には何もなくなると光はゆっくりと空へと昇っていきそして見えなくなっていった。

 

「そんな・・・・」

 

「カリンさん・・・・」

 

それを見ていたソレイユやセレーネ、他のプリキュア達は涙を流しながらカリンの死を悲しんでいた。

 

「ったく、面倒な手間かけさせやがって・・・・」

 

バッカスはまるで何もなかったかのようにこうたの服の襟の部分を掴んで無理矢理こうたを立たせるとこうたからペンを奪おうとした。

 

「・・・・さない」

 

「は? 何だって?」

 

「お前だけは、絶対に許さない!!」

 

ボワーーーーッ!

 

するとこうたの持つオーブのペンから赤と黒が混ざったようなあまり綺麗な色とは思えない光が放出されるとバッカスは一旦こうたから距離をとった。

 

そしてこうたの全身が光り、今までならこのタイミングでウルトラマン達がこうたの前に現れるのだが、今回こうたの周りには辺り一面真っ黒な空間が広がっていた。

 

「許さない・・・・カリンさんの命を奪った・・・・アイツだけは・・・・」

 

バッカスに対する怒りを露わにしているこうたの背後に何かが姿を現した。

 

「・・・・・・・・」

 

それは光の国を壊滅寸前まで追い詰めて宇宙に大きな混乱をもたらした最悪のウルトラマン『ウルトラマンベリアル』だった。

 

そしてベリアルは何も言わずに背後からこうたの事を優しく抱きしめるとベリアルの力が一気に解放された。

 

そして光が収まるとキュアスペースオーブ・オーブオリジンが立っていて、その手にオーブカリバーはなくオーブが変身する時に使うオーブリングだけを持っていて、スペースの周りには黄色い光に包まれたカードと紫色に包まれたカードの2つの光が漂っていた。

 

「スペース!」

 

「もしかして、またパワーアップするんじゃ!」

 

「ちょっと待つルン!」

 

「何か様子が・・・・」

 

ソレイユとスターがスペースがまたパワーアップするのではと興奮していたが、ミルキーとセレーネは冷静にスペースの異変に気づいていた。

 

『ゾフィー!』

 

そしてスペースは何も言わずに黄色いカードを手に取って『ゾフィー』のカードをオーブリングにリードすると、スペースの左隣にゾフィーのビジョンが現れた。

 

『ウルトラマンベリアル!』

 

更にスペースがもう一つの紫色の光を掴んでカードになった『ウルトラマンベリアル』のカードをオーブリングにリードすると、スペースの右隣にベリアルのビジョンが現れた。

 

「うぅぅぅぅ・・・・だああああああっ!」

 

『フュージョンアップ!』

 

そしてスペースが乱暴にオーブリングを振り回してトリガーを押すとゾフィーとベリアルのビジョンがスペースに重なり一つになった。

 

『キュアスペースオーブ・サンダーブレスター!』

 

スペースの身体から赤い光が放出されてそれがなくなるとそこには服の胸から膝の部分は黒く、そして膝から足の裏は銀色で脛の部分には赤い縦のラインが入っていて、肩は銀色だが肩から指先までは黒く、そこにも脛と同様に赤いラインが入っていた。そして額に縦長の赤いの宝石がついたグレーの細いバンダナを巻き、ゆっくりと目を開けたスペースの瞳は赤く光る『キュアスペースオーブ・サンダーブレスター』が姿を現した。

 

「一体、どうしちゃったのよ」

 

コスモもスペースの異変に気づいていたが、何故そうなったのかわかっていなかった。

 

「何だか良くわかんねぇが、とにかくやる事は変わんねぇ。いくぜ!」

 

「うああああっ!」

 

バッカスはスペースに向かっていくとスペースは雄叫びを上げながら赤いラインを光らせると同じようにバッカスに向かっていき、そのままバッカスの首にラリアットをくらわせてバッカスはその場に倒れた。

 

「ぐあっ! このヤロッ、のわっ!」

 

そしてスペースすぐに倒れていたバッカスの両足を掴んでそのまま回転しながらジャイアントスイングでバッカスを放り投げた。

 

「のわあああああっ! 野郎、やりやがったな。お返しだ!」

 

バッカスは両手に邪悪なエネルギーを集めるとその両手にスペースの胸に連続パンチを繰り出すがスペースは全くダメージを受けておらずそんなバッカスの両手の拳はスペースは両手でそれぞれ受け止めた。

 

「何だと!?」

 

スペースの両手にはバッカス以上の邪悪なエネルギーが集まっていてバッカスの拳を受け止めるのはそんなに難しい事ではなかった。

 

「ぐっ! おっ! ぐあっ!」

 

スペースは左手でバッカスの拳を掴んだまま右手でバッカスの胸を何度も殴った。

 

「どうしちゃったの!? スペース!」

 

「目を覚ますルン!」

 

スターとミルキーがスペースに止めるように促すがスペースは全く聞いていなかった。

 

「ぐああああああっ!」

 

スペースは両足による飛び蹴りをバッカスにくらわせるとバッカスは後方へと吹っ飛んでいった。

 

「ちょっと! いい加減にしなさいよ!」

 

「こんな戦い方、貴方には相応しくありません!」

 

「うっ、うああああああっ!」

 

『きゃああああっ!』

 

「まどか!」

 

「ユニ!」

 

両サイドからコスモとセレーネがスペースを止めようとするがスペースは全身から力を解放する事で2人を吹き飛ばした。

間近でそれを受けたコスモもセレーネはそれに巻き込まれて吹き飛ばされると2人の変身は解除されてしまい、倒れている2人の所に他のプリキュア達が集まってきた。

 

「くっ、今の奴は危険だ。引き上げるぞ!」

 

カッパードは今のスペースは危険と判断するとノットレイ達と共にワープホールを通って撤退した。

 

そしてスペースは力を解放した状態で両手を広げて高速で回転するとその勢いのままバッカスに突っ込んでいき、相手に回転ダブルラリアットを繰り出す技『スピンドルZアタック』を使った。

 

「くっ、うぅぅぅ・・・・どあああああっ!」

 

バッカスはアーマーのバリアを展開してそれを凌ごうとするが攻撃は止まらず、スペースは何度も何度も回転しながらラリアットを繰り出した。そうしている内にバリアが限界を迎えて破壊されるとその攻撃をバッカスはまともに受けてしまった。

 

「バカな・・・・俺様が、こんな奴に・・・・」

 

連続攻撃を受けたブーストアーマーはあちこちから火花が飛び散り、かなりのダメージを受けていた。

 

「うああああっ・・・・ハアアアーーーッ!」

 

しかしスペースの攻撃が終わる事はなく、左腕に光、右腕に闇の力を集中させた後に両手を左右に広げて、その後は十字に組んで右手のクローから放つ光と闇の破壊力を併せ持った必殺技『ゼットシウム光線』が放たれた。発射時には前面に光と闇の輪が展開されて放たれた光線は赤・黒・黄の雷を纏っていて、

 

「ぐあああーーーっ・・・・ハハッ、とんでもねぇ奴だな。お前が自分の闇とどう向き合うのか。あの世からじっくり見物させてもらうぜ。ハハハッ・・・・アッハハハハハハッ!」

 

光線が直撃したバッカスは身体のあちこちから火花を散らしながら仰向けに倒れると最後には爆発した。

 

「ハァ・・・・ハァ・・・・ハァ・・・・」

 

「スペース・・・・」

 

「っ!」

 

バッカスを倒した後、スペースはミルキーの声を聞いて我にかえり慌てて振り返るとそこにはまどかとユニが倒れていて、周りを見渡すとバッカスの姿がなく、あったのは爆発の痕跡とその近くでバッカスが着ていたと思われる鎧の破片が飛び散っていた跡だった。

 

そしてスペースの身体が光るとサンダーブレスターの姿から元のキュアスペースの姿へと戻った。

 

「まどか大丈夫?」

 

「はい。何とか・・・・」

 

「ユニは?」

 

「私も平気よ」

 

「・・・・俺が、俺がやったのか?」

 

えれなとひかるがまどかやユニの状態を確かめている間、こうたは一体何があったのかを何となくだが察していた。

 

「スペース、大丈夫ルン?」

 

「っ! 来るな!」

 

「オヨッ!」

 

ミルキーがスペースを心配して近づくとスペースはそれを拒絶し、ミルキーはそれに驚いた。

 

「来ないでくれ・・・・ミルキー、今の俺に・・・・近づいたらダメだ」

 

「スペース・・・・」

 

「俺は、カリンを守れなかった。それどころかバッカスを殺して・・・・みんなを、傷つけた」

 

「それは・・・・」

 

「俺は命を奪った。人殺しになったんだ。今の俺にはもう・・・・みんなと一緒にいる資格はない。一緒にいたら・・・・いけないんだ!」

 

「っ! スペース!」

 

そしてスペースはそのまま何処かへ飛んで行ってしまい、如月こうたは観星町から姿を消したのであった。

 

 

 

To Be Continued

 

 




         次回予告


地球の事を知る為に星空連合の視察が行われる事になった。

視察にやって来たサボローを案内しようと張り切るえれなだったがサボローに地球の良さを伝える事が出来るのだろうか?


次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第85話 思いよ届け! えれなとサボロー!

そして次回は原作初の1話完結でお送りします。理由は主人公不在というのが理由です。

次回もお楽しみ!

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よろしくお願いします。



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第85話 思いよ届け! えれなとサボロー!

遅くなってしまい申し訳ありません。

今回から数話、主人公不在でのお話が続きますがよろしくお願いします。



「キラやば〜っ☆!宇宙からのお客さん!?」

 

『星空連合はプリキュアの住む地球がどんな星か詳しく知りたがっている』

 

「それでわたくし達に地球を案内してほしいと?」

 

『そう。これから視察員のサボロー氏がそっちに向かうそうだ』

 

「サボローさん?」

 

バッカスとの戦いから数日が経過したある日、アブラハムからの連絡で星空連合から地球の事を知る為に視察員が派遣される事になり、その案内をプリキュアにお願いしたくて今回連絡してきたらしい。

 

「トゥインクルイマジネーションを探すのに忙しいっていうのに、それに・・・・アイツの事だって・・・・」

 

『・・・・・・・・』

 

ユニの言葉を聞いてその場の空気がどんよりしてしまっていた。

 

『彼の捜索についてはこちらでも行っているが、今の所進展はみられない。だが、こちらも大事な案件だ。客人をキチンともてなさないと地球はいつまで経っても辺境の星扱いだぞ』

 

「地球の事なら任せるルン!」

 

「って貴女も異星人ニャン」

 

「オヨ? そうだったルン」

 

「地球人も異星人も関係ないでプルンス!」

 

「地球を気に入ってもらえるようにみんなでおもてなししよう!」

 

「あたしも張り切っちゃうよ! ママが通訳の仕事をしてるからさ。いつも色んな人を案内してるんだ」

 

初めて地球に来る宇宙人を案内するという事でえれなは自分も母のように案内したいと張り切っていた。

 

「頼もしいルン」

 

「よぉし! サボローさんをみんなでおもてなするぞ!」

 

『おぉーっ!』

 

こうしてまもなく地球に訪れるサボローをもてなす為にひかる達は行動を開始した。

 

そして全員ロケットの外へ出るとひかるが【歓迎! 地球へようこそ!】と大きく書かれたプレートを両手で持って全力でアピールしていた。

 

「歓迎! 地球へようこそ! キラやば〜っ☆!楽しみ〜!」

 

「っていうか、日本語で書いても伝わらないんじゃ・・・・」

 

「あっ! ガーン・・・・」

 

しかし、えれなに日本語の事を指摘されると明らかにひかるのテンションが下がっていった。

 

「サボローさんとはどんな方なのでしょう?」

 

「星空連合には色々な星の異星人がいるでプルンスからな・・・・」

 

まどかはサボローがどんな宇宙人なのか考えていると、この中で誰よりも星空連合の事を知っているプルンスでもどんな宇宙人から知らなかった。

 

「早くお友達になりたいな〜!」

 

ひかるはサボローに会いたい気持ちを胸にみんなと共に待ち続けたが、どれだけ待ってもサボローの乗った宇宙船の姿は現れなかった。

 

「遅いね」

 

「とっくに到着時間は過ぎてるルン」

 

「何かあったんじゃない?」

 

『ララ様』

 

「オヨ?」

 

『上空に飛行物体を確認』

 

えれなやララが心配しているとAIが上空から落下してくる飛行物体を捕捉した。

 

「あっ、宇宙船だ!」

 

『おーい!』

 

ひかるもそれを目視するとみんなで手を振るがひかる達がいる場所とは別の場所へと落下していった。

 

「何処行くでプルンス!?」

 

「待ってよ! サボローさーん!」

 

そのロケットを追ってひかる達も落下地点へと走って行った。

 

「え? キラやば〜っ☆! 可愛い宇宙船!」

 

「こんなの初めて見るでプルンス」

 

ひかる達が到着してそこにあったのはまるで植物の種のような形をした宇宙船だった。

そしてその宇宙船はまるで花が咲くみたいに大きく開くと中からメキシコの民族衣装のような格好をした宇宙人が現れた。

 

「サボローさん地球へようこそ!初めまして、わたし星奈ひかる!」

 

ひかるが自己紹介をして握手しようとしたが、サボローは何故か体を左右に揺らし始めた。

 

「どうしたのかな?」

 

「様子がおかしいルン」

 

それからサボローが更に身体を激しく動かすと、身に付けていた衣服がズレ落ちた。

そこにはまるでサボテンのように棘を生やした植物のような細い身体をした姿があった。

 

「サボテン?」

 

「きっと植物の進化した星の出身ルン」

 

「宇宙にはそんな星が?」

 

その姿を見たえれなは少し疑問に思い、ララは冷静に分析し、まどかは驚いていた。

 

「キラやば〜っ☆! サボテンのサボローさん!」

 

「でも、ペンダントがあるのにどうして言葉がわからないのかな?」

 

「ここは宇宙のあらゆる言葉を知り尽くす、プルンスの出番でプルンスな〜、ようこそ! プルンスでプルンス!」

 

プルンスが挨拶しにサボローに近づくがサボローは全く返事をしなかった。

 

「もしも〜し? プルンスでプルンスよ〜」

 

そしてプルンスがサボローに触れようとするとサボローの棘がプルンスの手に刺さった。

 

「ぎゃー! 痛いでプルンス・・・・」

 

「トゲトゲフワ!」

 

「そっか、棘があると握手もできないね」

 

「言葉も喋れないみたいだし、コミニケーションを取るのは難かしそうね」

 

するとサボローはひかる達に何かを伝えようとジェスチャーを始めた。

 

「え? 何々?」

 

「何か伝えようとしているのでは?」

 

「えぇっと・・・・わかった! 『僕と一緒にフラメンコダンスを踊ろう!』」

 

そう判断したひかるがサボローに合わせて踊り出すがサボローは首を振って違うとジェスチャーした。

 

「違うようですね」

 

「えぇ!? そんな・・・・」

 

「・・・・もしかして『水』って言ってるんじゃないかな?」

 

「えれなわかるでプルンスか?」

 

「何となくだけどね。あたしはえれな。水、案内するよ」

 

そうしてみんなで良く来る湖が見えてくるとサボローは突然走り出し、到着するなり足を水に浸からせてその足から水を飲んでいた。

 

「足から水を飲んでるルン?」

 

「そっか、喉が渇いてたんだ!」

 

それを見たえれなも履いていた靴と靴下を脱いでサボローの隣に座って一緒に足を水に浸からせた。

 

「サボロー気持ちいい?」

 

サボローは両手を広げてとても喜んでいた。

 

「喜んでいるみたいですね」

 

「流石えれなさん!」

 

「やっぱり植物に必要なのは、たっぷりのお日様と水分だよね」

 

水分補給を終えるとサボローに街を案内する為に再び移動を開始した。

歩いてる途中、サボローが地面に生えてる花を見つけて一礼したり、天文台に寄って僚じぃにサボローを紹介したり、一緒にプラネタリウムを観たり、到着した観星町の建物などの色んなものをえれなが付きっきりサボローに教えていた。

 

「えれなさんのお陰ですっかり楽しんでくれてるみたい」

 

「どんな人でも笑顔に出来るのが、えれなの天性ですね」

 

「あの異星人、本当に星空連合の視察員?」

 

「ルン?」

 

「遊んでばっかりで、地球を視察してる様には見えないけど・・・・」

 

ユニはサボローの様子を見ている中で地球を事を調べるのではなく純粋に楽しんでいる姿に視察員としての違和感を覚えていた。

 

「何言ってるでプルンス。これぞ地球人と異星人の友好の架け橋でプルンス」

 

「そうそう!」

 

「おもてなし、順調です」

 

そんなユニの言葉にプルンス、ひかる、まどかの3人はサボローが楽しんでいるのだからこれで良いという気持ちを口にした。

 

「後はここに、こうたがいてくれたらもっと良かったんだけど・・・・」

 

『・・・・・・・・』

 

突然ひかるがこうたの事を話すと周りの空気が再び暗くなってしまった。

 

「・・・・大丈夫ルン」

 

「ララ?」

 

「こうたは絶対帰ってくるルン。私、信じてるルン!」

 

「ララ・・・・」

 

「そうですね。こうた君はきっと帰ってきます」

 

「そうでプルンスな」

 

「ルン!」

 

ララの言葉を聞いたひかる、まどか、プルンスに再び元気が戻った。

その隣にいたユニは何も言わずに真っ直ぐ空を見上げた。

 

「(全く、みんなをこんなに心配させて・・・・早く帰ってきなさいよ・・・・バカ)」

 

ユニは心の中で離れているこうたに向かって文句を言った。

 

「そうだ! ウチのお店においでよ! 綺麗なお花がいっぱいあるんだ!」

 

それを聞いたサボローは何度も頷き2人でえれなの家のお店へと向かった。

しかしそれがまずかった。

サボローはお店で売っている花を見ると突然怒った表情をして走り去っていき、地球へ来たロケットの中に籠ったっきり出てこなくなった。

 

「あたし、怒らせちゃったのかも・・・・」

 

『え?』

 

「どうしてルン?」

 

「植物型の異星人だから地球人が花を売っているのを見てショックだったのね」

 

ユニはこれまでのサボローの様子から何故サボローが引き篭もってしまったのかの理由を推理した。

 

「このままじゃ、地球と星空連合との関係も決裂してしまうでプルンス!」

 

「サボロー・・・・」

 

 

結局その日は解散となったが、夜になってもえれなは自宅の椅子に座ったままため息をついていた。

 

「はぁ・・・・」

 

「どうしたの?」

 

「ママ? おかえり」

 

「珍しいわね、えれながため息なんて」

 

するとそこにえれなの母、かえでが帰って来た。

 

「うん・・・・ねぇママ、わかり合うって難しいね。ママは凄いよ。通訳のお仕事で、どんな国の人でも笑顔に出来るんだから」

 

それを聞いたかえではえれなと向かい合うように椅子に座った。

 

「・・・・えれな、いくら英語やスペイン語が上手に話せてもね、わかり合えない事だってあるのよ」

 

「そうなの?」

 

えれなはかえでからそんな言葉が出てくるとは思っていなかった。

 

「わかり合うのは簡単な事じゃないわ。だからこそ、相手の事をもっと良く知らないとね。笑顔も大事だけどもっと大事なのは、理解しようとすること」

 

「理解・・・・」

 

 

 

翌日、ララからの連絡を受けた一同はロケットの中に集まった。

 

「ララ、何かわかったの?」

 

「大変ルン! あのサボローは別人ルン!」

 

ララとプルンスがサボローとはどんな人物なのかを調べていると昨日えれな達と一緒にいたサボローは別人で、本人は地球への視察をサボりバカンスに行っているらしい。よって地球への視察は中止となった。

 

「じゃあ、あっちのサボローは?」

 

『偶々地球に立ち寄った異星人のようです』  

 

「お騒がせでプルンスなぁ」

 

確かに自分達と一緒にいたサボローは別人だったが、えれなの中ではまだ何も解決していなかった。

 

「みんな、ちょっと待って。まだ、何も解決してないよ。サボローは友達になりたかっただけなんだ。だけど、このままじゃ・・・・わかり合えないまま行っちゃう。あたし・・・・あたし・・・・サボローに謝りたい!」 

 

「えれなさん」

 

「ひかる?」

 

「行こう! サボローに会いに!」

 

「・・・・うん!」

 

えれな達はサボローの所へ走って向かっていたが、そんな彼女達の目の前に巨大な何かが姿を現した。

 

「ノットレーイ」

 

「あれは!?」

 

そこにいたのはテンジョウによってサボローの歪んだイマジネーションから生まれたサボローによく似た巨大ノットレイだった。

 

「サボロー!」

 

「さぁ、やっておしまい!」

 

「ノットレーイ」

 

「なんて事を・・・・」

 

「みんな」

 

『うん!』

 

「サボロー、いま助ける!」

 

『スターカラーペンダント!カラーチャージ!』

 

『キラめく~星の力で~!憧れの~私描くよ~!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『スター☆トゥインクル〜!スター☆トゥインクルプリキュア~~!』

 

 

「宇宙(そら)に輝く〜キラキラ星!キュアスター!」

 

「天にあまねく〜ミルキーウェイ!キュアミルキー!」

 

「宇宙を照らす!灼熱のきらめき!キュアソレイユ!」

 

「夜空に輝く!神秘の月明かり!キュアセレーネ!」

 

「銀河に光る!虹色のスペクトル!キュアコスモ!」

 

 

 

 

「あら? キュアスペースは一緒じゃないのね」

 

「それは・・・・」

 

プリキュアに変身したスター達だったがスペースの不在を指摘されて少し動揺していた。

 

「まぁ良いわ。アイツがいないのなら好都合。今のうちにアンタ達をギタギタにして全部奪ってあげる! やれ!」

 

「ノットレーイ!」

 

「危ない!」

 

巨大ノットレイの棘がミサイルとなってプリキュア達に向かって放たれるが全員ジャンプする事でそれを回避した。

 

「おうし座・スターパンチ!!」

 

「ふたご座・ミルキーショック!!」

 

「やぎ座・セレーネアロー!!」

 

「ノットレーイ!」

 

『うわああああっ!』

 

スター達の技は棘のミサイルに押し負けてしまい、それらが全てプリキュア達に命中しダメージを負ってしまった。

 

「ノットレーイ」

 

「サボロー、やめよう。貴方と戦いたくない」

 

「笑わせるわね。そんな言葉がコイツに届くとでも?」

 

「っ!」

 

「違う星の者同士、わかり合える訳ないのさ!」

 

「ノットレイ!」

 

「うわああーっ!」

 

『ソレイユ!』

 

倒れているソレイユに追撃となるミサイルが直撃するとソレイユは爆風で吹き飛ばされてしまう。

 

「確かに言葉は届かないかも知れない。わかり合えない相手もいるかも知れない・・・・けど!わからないからって何もしないなんて、そんなの・・・・そんなの・・・・あたしは嫌だ!」

 

ソレイユは心の底からサボローを助けたい! わかり合いたいという気持ちでいっぱいだったが、それだけではなかった。

 

「(それに・・・・それにこうたは、どんな時も諦めずに最後まで立ち向かってた。だからあたしも、最後の最後まで諦めない! 絶対にサボローと、仲直りするんだ!)」

 

ソレイユは心の中での決意を胸にゆっくりと立ち上がった。

 

「フン!だからお前達は甘いのよ!」

 

巨大ノットレイから更に4発のミサイルが放たれるとそれら全てをソレイユ以外の4人のプリキュア達が蹴り飛ばしてミサイルの軌道をズラした事でソレイユには当たらなかった。

 

「みんな!」

 

「ソレイユ! おもてなしはまだ終わっていません!」

 

「ルン。サボローに・・・・」

 

「地球の事をもっと好きになってほしい!」

 

「その邪魔はさせないニャン!」

 

「無駄だよ!」

 

『ううぅぅぅ!』

 

「みんな!?」

 

セレーネ、ミルキー、スター、コスモがソレイユの後押しをしてくれるが巨大ノットレイの攻撃で4人は吹き飛ばされてしまった。

 

「さぁ、トドメよ!」

 

「ノットレーイ!」

 

「サボロー・・・・」

 

その時、ソレイユの頭の中では昨日自分達と共に過ごしていた時のサボローの楽しそうな姿が思い浮かべられていた。

 

「あたしは・・・・あたしは・・・・あなたと友達になりたいんだーーっ!」

 

「ノット」

 

するとソレイユを踏み潰そうとした巨大ノットリガーの足が止まった。

そんな巨大ノットレイの目に写っていたのはソレイユが自身の胸元でハートと形を作っている姿だった。

それを見た巨大ノットレイはその場で立ち尽くしてしまう。

 

「そんな!?」

 

「(こうた、あたしに力を貸して!)・・・・みんな!」

 

『うん!』

 

「みんなの想い、重ねるフワ!」

 

「シャイニートゥインクルペン!」

 

「声を重ねるフワ! キラキラ〜!」

 

『トゥインクル!』

 

「キラキラ〜!」

 

『トゥインクル!』

 

「フーーーワーーーッ!」

 

『イマジネーションの輝き! なりたい自分に!』

 

「星の力〜! 輝くフーーーワーーーッ!」

 

『想いを重ねて!』

 

『プリキュア・スタートゥインクル・・・・イマジネーション!!』

 

「ノットレーイ」

 

スタートゥインクルイマジネーションを受けたサボローが元の姿に戻るとテンジョウとノットレイ達は撤退した。

 

そしてサボローが地球から旅立つ時が訪れた。

 

「サボロー、あたしの星では大切な人に心を込めて花を贈るんだ。でもごめん。サボローの気持ちを考えてなかった。あたし、サボローに笑顔になってほしかったんだ。本当にごめん・・・・」

 

えれながサボローに謝っているとそんなえれなの瞳から涙が零れた。

 

「っ!」

 

それを見たサボローは突然着ていた衣類を脱ぎ始めて再びジェスチャーで何を伝えようとしているが、みんなその意図を理解できなかった。

するとサボローが両手を大きく広げた途端、身体全体を覆う程の沢山の花が咲き誇り、頭の上にも花が咲いた。

 

「サボロー・・・・」

 

そしてサボローはその中の花を1つえれなにプレゼントした。

 

「あたしに?」

 

サボローが頷くとえれなはその花を受け取った。

 

「・・・・ありがとう」

 

サボローはまた自身の気持ちを伝える為にジェスチャーを始めた。

 

「・・・・うん。友達、いっぱい出会えるといいね」

 

それを見たえれなはサボローが宇宙を旅しているのは色んな人達と出会い、そしてその人達と友達になる為に旅をしているのだと理解した。

 

そしてサボローがえれな達に手を振りながらロケットは閉じていき、えれな達に見送られてサボローは宇宙へと飛び立っていった。

 

『バイバーイ!』

 

「・・・・チャオ」

 

 

 

 

To Be Continued

 

 

 




         次回予告


そろそろ次の生徒会長を決める時期が訪れる。

そんな中でまどかはひかるに生徒会長をやってみないかと勧める。

それに納得のいかない姫ノ城と選挙を行う事に・・・・


次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第86話 選挙バトル! 次の生徒会長は誰?

次も1話完結でお送りします。

次回もお楽しみ!

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よろしくお願いします。


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第86話 選挙バトル! 次の生徒会長は誰?

思ってたより早く完成したので今日は久しぶりに1日に2話投稿しちゃいます。



「まもなく、わたしたち3年生は引退です。次の会長を選出したいと思います」

 

「(遂に来ましたわ!観星中の金星!この姫ノ城桜子の時代が!)」

 

生徒会室での会議の中でまどかは次の生徒会長についての話を始めるとそれを聞いていたひかるやララのクラスメイトである姫ノ城桜子が次の生徒会長は自分がという気持ちで頭の中はいっぱいだった。

 

「誰か立候補する方はいませんか?」

 

「立候補ですか?」

 

「これまでは会長が次の会長を指名してきましたが・・・・」

 

「わたくしは自分の思いを持ってこの観星中をより良くしていける方に会長を引き継ぎたいと思っています」

 

まどかは誰かに言われたからやるのではなく自分の意思で生徒会長をやってくれる人に引き継ぎたいと考えていた。

 

「(ガツガツしては印象が良くありませんわ。焦りは禁物、ここはみんなに頼まれて・・・・)」

 

「立候補、いませんか?」

 

『・・・・・・・・』

 

まどかは立候補が誰もいない事に暗い表情を見せる。

その横で姫ノ城は自分から名乗り出るのではなく周りから頼まれて生徒会長になろうと考えていた。

 

「・・・・では、生徒会長については次に集まる時まで保留とします」

 

「え?」

 

「皆さん、それぞれでどうするか考えておいてください」

 

「え? え?」

 

姫ノ城はまさかこれで話が終わるとは思っておらずかなり動揺しながら周りをキョロキョロしていた。

 

「会長」

 

「何でしょう?」

 

「最近、如月君が学校に来ていないんですけど何か知りませんか?」

 

「えっ!?」

 

3年生の女子生徒からこの所こうたが学校を休んでいる事を聞かれてまどかは一瞬動揺した。

 

「そういえばそうね」

 

「アイツがこんなに長く学校を休むなんて今までなかったよな」

 

「会長は何か知りませんか?」

 

「えぇっと・・・・」

 

それを聞いた3年生の生徒会メンバー達も気にし初めてしまいまどかは何と言ったらいいのかと必死に考えた。

 

「・・・・申し訳ありません。こうた君についてはわたくしも知らないんです。今度、わたくしの方で確認しておきますので、こうた君についてはわたくしに任せていただけますか?」

 

「わかりました」

 

とりあえずは何とかなった事にまどかは安堵し、この日の生徒会の会議は終了となった。

 

 

 

「修学旅行?」

 

「他の星から?」

 

「例えばって話だよ」

 

一方、ロケットの前の広場ではひかるがフワにご飯をあげながら他の星からの修学旅行について話していた。

 

「修学旅行で地球に来てもらって、観星中の生徒たちで町を案内出来たら楽しくない?」

 

「この前に来たサボローみたいに?」

 

「そうそう!それで、宇宙人と合同生徒会開くとか!」

 

「へぇ、他の星の学校との交流か・・・・」

 

「面白そうでプルンス」

 

「勿論、宇宙人の転校生もあり!」

 

「もういるルン!」

 

「隠したりしないってこと!」

 

「フワも学校行けるフワ?」

 

「うん。キラやば〜っ☆! じゃない?」

 

ひかるの話を聞いてみんなそうなったらとても楽しいだろうなって想像を膨らませていった。

 

「素晴らしいです!」

 

「まどかさん?」

 

そこへ生徒会を終えたまどかがやってきた。

 

「ひかる、その発想力を生徒会長になって生かしてみませんか?」

 

「生徒会長・・・・えぇ!?」

 

あまりに突然な事に反応が遅れたがひかるはまどかからの提案にとても驚いた。

 

「宇宙からの修学旅行や合同生徒会・・・・実現は簡単ではありません。けど、そういう新しい発想を持った方にこそ次の生徒会長をやってほしいのです!」

 

「そっか、次の生徒会長を選ぶ時期だね」

 

「まどか交代するルン?」

 

「えぇ、でも誰も立候補者がいなくて・・・・」

 

「えぇ、でも私が?」

 

「ひかるなら、プリキュアとしてもみんなを纏めてくれてますし・・・・」

 

「確かにひかるを中心に自然に纏ってるルン」

 

「それって大事な才能かも」

 

「えれなさんまで・・・・」

 

「意外と向いてそうでプルンス」

 

「えぇ・・・・」

 

ひかるはみんなから生徒会長に向いていると言われて悪い気はしないがどうしようかと戸惑っていた。

 

「ひかる・・・・どうですか?」

 

「うぅ・・・・」

 

まどかの真剣な表情を見て、ひかるはどうするか悩んでいた。

 

「悩むなんてらしくないニャン」

 

「ユニ」

 

そこへこれまで黙っていたユニが口を出し、ララとえれなも暖かい表情でひかるを見守っていた。

 

「まどかさん・・・・わかった! やってみるよ! 生徒会長に立候補しまーす!」

 

「そうこなくっちゃ!」

 

「ひかる、頑張るルン!」

 

「うん!」

 

ひかるが生徒会長になる事を決意するとえれなとララもそんなひかるの背中を後押しするような言葉をかけた。

 

「もしもこうたが帰ってきた時にひかるが生徒会長になってたらどんな反応をするかしらね」

 

「きっと凄く驚くだろうね」

 

「それは間違いないルン」

 

そこにユニがこうたが帰ってきた時にひかるが生徒会長になっていたらどんな反応をするかと口にしたらえれなやララはそれぞれの想像をそのまま口にした。

 

 

 

翌日、生徒会の会議でひかるが生徒会長に立候補する事を他の生徒会メンバーに伝えたら・・・・

 

「異議ありですわ!!」

 

「姫ノ城さん・・・・」

 

当然、自身が生徒会長になろうと考えていた姫ノ城はそれに反対した。

 

「あなたは生徒会の事を何もご存知ない!ご存知?いいえご存知ないわ!ご存知ない事をご存知ですわよね!?」

 

「は、はぁ・・・・」

 

「仕方ありませんわ。もはや、このわたくしがやるしかございませんわねぇ!」

 

「あの!・・・・どうしよう」

 

「え、えっと・・・・」

 

ひかるがまどかに助けを求めるがまどか自身もどうすれば良いのかまだ答えがみつかっていなかった。

 

「選挙をしたらどうでしょう?」

 

「「選挙?」」

 

「賛成です」

 

他の生徒会メンバーから選挙で決めようと提案された。

 

「・・・・分かりました」

 

「選挙・・・・私はそこまでやらなくても・・・・」

 

ひかるはそこまで事を大袈裟にしなくてもと考えていたが、既に姫ノ城の闘争心には火がついており、ひかるの事をずっと睨みつけていた。

 

「・・・・闘志満々、だね」

 

 

 

こうしてひかると姫ノ城による生徒会選挙が開催される事が正式に告知された。

 

「この度、時期生徒会長に立候補した2年星奈ひかるで〜す!」

 

「おぉ、星奈頑張れ〜!」

 

ひかるが演説し、ひかるの母、輝美が書いてくれたひかるの似顔絵のポスターを持ったララが隣に立っていた。

 

「私が生徒会長になりました暁にはこの観星中を・・・・」

 

クラスメイトのカルノリを始めとする他の生徒達はひかるが何を言うか緊張しながら聞いていた。

 

「キラやば〜っ! な学校にしたいと思います!」

 

「オヨッ!」

 

ズコッ!

 

「おもしれ〜!」

 

カルノリ以外の生徒がズッコけた。

 

「宇宙規模でキラやばな観星中となって、宇宙からの転校生を受け入れ・・・・あ、あれ?」

 

「みんなひかるを宇宙人を見るような目で見てるルン」

 

カルノリは面白がっていたが他の生徒達からはあまり受けの悪い反応をされてしまっていた。

 

「あぁ〜、いきなりしくじったかな」

 

「まだまだ始まったばかりルン」

 

「みんなが望む生徒会長ってなんだろう?」

 

「まどか先輩の後の生徒会長か・・・・」

 

「最高だったよね。まどか先輩は・・・・」

 

ひかるが生徒会長に必要なものについて考えていると近くを通りかかった生徒達がまどかについて話していた。

 

「最高の生徒会長・・・・これだ!」

 

ひかるは何を思いつくと生徒達にまどかについての話を聞いて周り始めた。

 

「どうしてまどかの事を聞いてるルン?」

 

「ズバリ、最高の生徒会長のやる事が一番正しい事って事でしょ?」

 

「なるほどルン!」

 

 

翌日の朝・・・・

 

「わたくし星奈ひかるは!香久矢まどか先輩の意志を継ぎ、まどか先輩のやり方でより素晴らしい学校にしたいと思います!目指せまどか会長!一歩先行く気遣いの生徒会長!」

 

『おぉ!』  

 

「星奈ひかるをよろしくルン!」

 

ひかるの演説を聞いた生徒達からは拍手が送られて生徒達に好印象を与えた。

 

その横では・・・・

 

「わたくし、姫ノ城桜子が生徒会長として目指す観星中!それは! 生徒会による校内風紀の徹底、罰則規定の制定。そして、生徒会長姫ノ城桜子のお茶会の開催!桜子の部屋の開設!桜子の目安箱を各階10個ずつ設置! 姫ノ城桜子の姫ノ城桜子による、姫ノ城桜子の為の生徒会長、姫ノ城桜子ですわ!!」

 

「どんだけ姫ノ城桜子連呼するんだ?」

 

「こりゃ星奈に分がありだな」

 

もの凄く気持ちのこもった演説だったが生徒達からは最初のひかると同様にあまり受けの悪い反応をされてしまった。

 

「何故ですの!?」

 

一方のひかるはまどかのような生徒会長になろうと生徒一人一人に気を配り、ララと一緒に学校中を見て回ったりとまどかのようにやろうと必死に頑張っていた。

 

「何かひかる変わったね」

 

「うん。前はあまり周りの事に興味なさそうだったけど・・・・」

 

「まどか先輩みたいになろうって頑張ってるし、次の生徒会長はひかるかもね」

 

「・・・・・・・・」

 

まどかが生徒会室を出ると廊下でひかるの事を話している女子生徒の話を聞き、そのまどか本人は何処か心配そうな表情をしていた。

 

 

 

 

 

「はぁ・・・・疲れた・・・・」

 

「大丈夫かい? 少し休むなさい。身体壊しちゃったら元も子もないわよ」

 

ひかるが家に帰ってソファーに座るとひかるの祖母、陽子がひかるに休むようにと伝える。

 

「休んでなんかいられないよ。もっともっと頑張らなきゃ」

 

それを聞いた陽子はひかるの隣に座った。

 

「ひかる、夢中になってるかい?」

 

「え?」

 

「小さい頃のひかるは何でも自分の好きな事に夢中になってたわ。それこそ周りの事なんてお構いなし、でも好きな事を話してる時はとっても楽しそうでね。聞いてるこっちまで幸せな気分になったわ」

 

ひかるは何か思い当たる事があるのか真剣に陽子の話を聞いた。

 

「ここ何日かひかるの口から聞くのは【大変】【頑張る】【もっと】・・・・心配になるわ」 

 

「(夢中・・・・私、夢中なのかな?)」

 

ひかるは天井を見上げながら今の自分は生徒会長に夢中になっているのか考え始めた。

 

 

 

 

翌日の放課後、ひかるとララは野球部の試合を応援しに行く為にグラウンドまで走っていた。

 

「野球部の試合、始まっちゃうルン!」

 

「明日は美術部発表会の手伝い・・・・」

 

「ひかる! 家でも全然遊んでくれないしつまんないフワ!」

 

そこへフワがトィンクルブックから飛び出してきてひかるに文句を言った。

 

「ごめん!選挙終わるまでの辛抱だからお願い我慢して」

 

「選挙なんてつまんないフワ!」

 

「選挙活動か?」

 

そこへカルノリがやってくるとフワは慌ててトィンクルブックの中に戻った。

 

「お疲れ〜」

 

「もうすぐ投票だからね」

 

「あのさ、俺は姫ノ城の方が良い感じって思うんだよなぁ」

 

「えぇ!?」

 

「何でルン?」

 

「あいつ、意外と面白いっしょ」

 

「まどかさんは、生徒会長を面白い面白くないでやってないよ」

 

カルノリから次の生徒会長は姫ノ城の方が面白くて良いと言われてひかるはその理由が気になった。

 

「でもさぁ、どうして桜子の部屋やりたいとか、お茶会やりたいとか知りたくならねぇ?」

 

「あっ」

 

「それにさ、あいつ何か毎日遅くまで学校に残ってるみたいだし」

 

「学校に!?」

 

それを聞いたひかるとララは急いで学校に引き返した。

 

「とにかく学校に行ってみよう。何か選挙で勝つ秘策があるのかも」

 

「ルン!」

 

その様子をひかる達が通りかかった建物の屋根の上で猫達と何か話をしていたユニが目撃した。

 

その頃ロケットではプルンスとえれな、まどかの3人がひかるの事で話をしていた。

 

「ひかる、まどかさんのように、まどかさんのようにって毎日呪文みたいに繰り返してるでプルンス」

 

「わたくしはもっとひかるらしくやってほしいと思っていたんですけど・・・・」

 

「そうだね」

 

まどかとえれなは最近のひかるはひかるらしくない。何処か無理をしてるのではと心配していたのだ。

 

「こんな時、こうたならひかるの事を止めてくれたのかな?」

 

「わかりません。ですがこうた君なら今のひかるを見て何もしない筈はありません」

 

「だよね・・・・」

 

「わたくし達がひかるの為にできる事は何かないのでしょうか?」

 

「う〜ん」

 

「ひかるがどうしたの?」

 

そこへユニがやってきた。

 

「ちょっと心配って話」

 

「ふ〜ん。何か慌ててララと一緒に走ってったニャン。学校がどうのって」

 

それを聞いたまどか達もひかるを追って学校へと向かったのであった。

 

そしてひかるとララが校舎前までやって来るとその入口に誰かのメモ帳が落ちている事に気づいた。

 

「落とし物? 誰の?」

 

ひかるは誰が落としたのかを知る為にメモ帳の中身を読んだ。

 

『3階階段、おどり場のガラスに亀裂』

 

『2階、1年生の掃除用具入れ倒れやすい』

 

『桜子の部屋、生徒たちの悩みを聞く場に。お茶会をやりながら気楽な会話の中で、新しい意見も出るかも知れない。生徒会といえども、部活のように楽しく生徒が話せる観星中に・・・・』

 

「ルン。これって・・・・」

 

「うん・・・・」

 

ひかるとララはこのメモ帳の持ち主が姫ノ城のだとすぐに気づいた。

 

「きゃあああああっ!」

 

「っ! 何っ!?」

 

「行ってみるルン!」

 

すると突然悲鳴が聞こえたひかるとララはグラウンドの方へと入っていった。

するとそこには・・・・

 

「ルン? あれは!?」

 

「カッパードフワ!」

 

「きたかプリキュア。この美しく歪んだ花で見事に散らせてやろう」

 

「ひかる!」

 

「何事!」

 

そこへまどか達も駆けつけるとカッパードの武器の形は歪んだイマジネーションを取り込んで形状が槍となり、その先端は逆三角形のような形でその周りには黒い5枚の花びらがあった。

 

「黒い桜・・・・まさか!? 姫ノ城さん!?」

 

ひかるの推測通り、カッパードの武器は姫ノ城の歪んだイマジネーションを吸収して変化したものだった。

 

「ショウタイムだ!」

 

『ノットレーイ』

 

「みんな、いくよ!」

 

『スターカラーペンダント!カラーチャージ!』

 

『キラめく~星の力で~!憧れの~私描くよ~!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『スター☆トゥインクル〜!スター☆トゥインクルプリキュア~~!』

 

 

「宇宙(そら)に輝く〜キラキラ星!キュアスター!」

 

「天にあまねく〜ミルキーウェイ!キュアミルキー!」

 

「宇宙を照らす!灼熱のきらめき!キュアソレイユ!」

 

「夜空に輝く!神秘の月明かり!キュアセレーネ!」

 

「銀河に光る!虹色のスペクトル!キュアコスモ!」

 

 

 

カッパードの周りにノットレイ達が集まるとひかる達もプリキュアに変身する事でそれに対抗した。

 

「スターパンチ!!」

 

「セレーネアロー!!」

 

『ノットレーイ』

 

「ミルキーショック!!」

 

「ソレイユシュート!!」

 

『ノットレーイ』

 

ノットレイ達はスター達の技で全員倒された。

 

「コスモシャイニング!!」

 

「美しく散るがいい!」

 

「うわあああっ!」

 

「ああっ!」

 

「コスモ!」

 

「まだまだ!」

 

コスモの技はカッパードの武器から放たれた黒い花吹雪によって掻き消されるとカッパードは続けて先程よりも強い花吹雪による竜巻を放ち、プリキュア達の視界を遮り着々と追い詰めていった。

 

「うぅ・・・・」

 

「身動きがとれない」

 

「フン。テンジョウから話は聞いていたが本当にキュアスペースはいないようだな」

 

「え?」

 

スターは竜巻の外にいるカッパードの声を聞いた。

 

「お前達がこんな状況に陥っても現れないという事は奴は逃げたという事。所詮奴の実力などその程度だったという事だ!」

 

「(違う! そんな事ない! こうたは、そんな人じゃない!)」

 

ひかるは花吹雪に耐えながら心の中でこうたはそんな人間じゃないと必死に訴えていた。

 

「ふむっ!」

 

するとそこへ1枚の紙がスターの顔に張り付いた。

 

スターがそれを取るとそれは姫ノ城が選挙に使っている自己PRのポスターだった。

 

「これって、姫ノ城さんの・・・・」

 

「そういえばそこに書かれている女、さっきはお前の絵を破ろうとしていたぞ」

 

「え? うぅ・・・・」

 

そこへカッパードは花吹雪の力を更に強めた。

 

「ハハハハハッ! お前への歪んだイマジネーション。今日の武器は強い。実に狂おしい程強いよ。これがあの女の想い。歪んでいる。実に歪んでいる」

 

「違う! 歪んでなんか、いない!」

 

「何だと?」

 

「私、何にも知ろうとしてなかった。姫ノ城さんの事を・・・・でも、今は少しだけわかる。私、もっと知りたい。彼女の事を・・・・そして、こうたの事を!」

 

「同感だ。敵を知れば弱点もわかる。倒すのに好都合というもの・・・・」

 

「違う! 私は、私の事も知って欲しい」

 

「敵に自分の事を? ハッ! 何の為にだ!」

 

「わかり合う為」

 

「わかり合うだと? くだらん! そんな事に意味はない」

 

「意味がなくなんかないよ」

 

スターは花吹雪の竜巻の中をゆっくりとだが前に進もうとしていた。

 

「きっと・・・・そこから生まれるんだ!キラやば〜っなものが!!」

 

するとスターの胸元のペンダントから強烈な光が放たれた。

 

『っ!?』

 

「この、大きなイマジネーションは?」

 

その輝きから放たれた力はスターパレスにいるスタープリンセス達も感じ取っていた。

 

「ハアアーッ!」

 

『ノットレーイ!』

 

「何っ!?」

 

そしてその光はカッパードが放つ黒い花吹雪の力を跡形もなく吹き飛ばしてしまった。

 

「凄いパワーでプルンス!」

 

「みんな、行くフワ!」

 

フワの掛け声と共にスター達は全員ほぼ同時に頷いた。

 

「みんなの想い、重ねるフワ!」

 

「シャイニートゥインクルペン!」

 

「声を重ねるフワ! キラキラ〜!」

 

『トゥインクル!』

 

「キラキラ〜!」

 

『トゥインクル!』

 

「フーーーワーーーッ!」

 

『イマジネーションの輝き! なりたい自分に!』

 

「星の力〜! 輝くフーーーワーーーッ!」

 

『想いを重ねて!』

 

『プリキュア・スタートゥインクル・・・・イマジネーション!!』

 

カッパードはその場から離脱して技が槍に直撃すると歪んでイマジネーションは浄化されて元に戻った武器はカッパードの手元に戻った。

 

「何だったのだ、あの力は?」

 

カッパードは訳もわからず敗北し、そのまま撤退した。

 

「今の一体、何だったんだろう?」

 

そしてそれは力を発動したスター自身もわかっていなかった。

 

「わたくしは一体何を・・・・」

 

「姫ノ城さん!」

 

姫ノ城が校舎の廊下で目を覚まし、剥がれそうになっていたひかるのポスターを直した所へちょうどひかるとララがやってきた。

 

「これ、姫ノ城さんのでしょ?」

 

「ああっ!? 中を見ましたの?」

 

姫ノ城は慌ててひかるが持っていたメモ帳を受け取るとひかるに背を向けた。

 

「うん。少しだけ」

 

それを聞いた姫ノ城がそのまま去っていくとその時ひかるは何かを決意した表情をしていた。

 

 

そして次の生徒会長を決める投票日がやってきた。

 

「では、投票前の最終演説をどうぞ。星奈ひかるさんから」

 

「え〜、わたし星奈ひかるは! 全力で・・・・姫ノ城桜子さんを応援します!」

 

『えぇ!?』

 

「ハハッ! 面白れぇ!」

 

その言葉を聞いていたえれなやまどかだけでなく体育館に集まっていた生徒や先生達も驚いていたが、カルノリだけは面白そうに笑っていた。

 

「姫ノ城さんは相手が上級生であっても廊下を走っていたら注意出来る人なんだよ! 素敵じゃない!それに・・・・」

 

「相手の応援演説始まっちゃったね」

 

「えぇでも・・・・ひかるらしくて素敵です」

 

えれなとまどかも最初は驚いていたが、今のひかるは選挙活動をしてた頃のひかるよりもとてもひかるらしいと思っていた。

 

「姫ノ城さんが生徒会長になったら、とってもキラやば〜っな学校になると思います!」

 

こうしてひかるが辞退した事で姫ノ城が正式に次期生徒会長になる事が決定した。

 

 

 

その後、生徒会室で・・・・

 

「これから、教える事が沢山あります」

 

「・・・・・・・・」

 

まどかと姫ノ城が生徒会長としての大事な話をしていた。

 

「よろしくお願いします。姫ノ城生徒会長」

 

「はい!」

 

その様子を見ていた周りの生徒会メンバーから拍手が送られると嬉しさのあまり姫ノ城は涙を流し、それを正面から見ていたまどかが姫ノ城に優しく寄り添った。

 

それから放課後になり、ひかるとララは姫ノ城が下校するのを待っていると姫ノ城の姿が見えてすぐにひかるが声をかけた。

 

「おめでとう!次期生徒会長!」

 

「まぁ、あなたも健闘しましたわね」

 

「わたし気が付いたの。自分はまどかさんの真似っていうか、後を追いかける事をしてただけだって」

 

「っ!」

 

「でも、姫ノ城さんは自分のやり方で頑張ろうとしてた。夢中になってた!」

 

「夢中?」

 

「わたし、姫ノ城さんに生徒会長になってほしいって本気で思ったんだ!」

 

「わ、わたくし観星中の金星に真っ向勝負など100年早いお話ですわよ!」

 

「観星中の金星・・・・へぇ〜私は何かな?」

 

「あなたはそうねぇ、観星中の・・・・銀河におなりなさい!」

 

「ぎ、銀河ルン!?」

 

「それ、キラやば〜っ☆!」

 

ひかるが銀河になれと言われて一人で興奮している姿を姫ノ城は笑いながら見ていたのであった。

 

 

 

それから姫ノ城と別れたひかるとララが一緒に下校した夜・・・・

 

「ここが地球か・・・・」

 

「はい。デラスト様が欲しているものはこの星にあります」

 

地球の大気圏外に謎の宇宙船が光学迷彩で隠れながら飛来し、その船にはかつてサーディスに心の傷を負わせたあのデラストがウルトラマン達がしているような黒いマントを羽織った状態で宇宙船の艦長席的な偉い人の席に座っていた。

 

(宇宙船はガンダムUCに登場したガランシェールが真っ黒になった感じです。 by作者)

 

「そうみたいだな。コイツが反応しているし、まず間違いないだろう」

 

オリバスに説明された後、デラストは右手にしているグローブについた紫色の魔石が点滅するように光っている事から自身の欲しい物はここにあると確信していた。

 

「待ってろよ。すぐに俺の元にしてやるからな」

 

 

 

 

To Be Continued

 

 

 




         次回予告


こうたの事を心配しながらいつもと同じ日々を過ごしているひかる達・・・・

そんな彼女達の前にデラスト海賊団が現れた。

彼らの高い戦闘能力を前に苦戦するひかる達の前に現れたのは・・・・


次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第87話 狙われたプリキュアと生命の石

次回もお楽しみ!



※次回からは再びオリジナルストーリーをお送りします。

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第87話 狙われたプリキュアと生命の石

今回からオリジナルストーリーが数話続きます。

皆さんに楽しんでもらえたら嬉しいです。

今後ともよろしくお願いします。



生徒会選挙も終わり、落ち着いた日常を取り戻したひかる達だったがそれでも全ての問題が解決したわけではなかった。

 

『・・・・・・・・』

 

こうたの家でお世話になっているララとユニはこうたの母、しずかが作った朝食を食べているが2人とも何も言わず黙々と食べ続けるだけだった。

 

「2人ともどうしたの? 元気ないけどもしかしてご飯美味しくなかった?」

 

「そんな事ないわ」

 

「ルン。ご飯はとっても美味しいルン! でも・・・・」

 

「こうたの事か?」

 

それまでずっと新聞を読んでいたこうたの父、さとしが話に入ってきた。

 

「ルン。最初の内はこうたはすぐに帰って来ると思ってたルン。でも・・・・」

 

「アイツがいなくなってもうすぐ一カ月、流石に心配するなっていうのは無理な話よ」

 

「確かにな」

 

「貴方はこうたの父親でしょ? 息子が心配じゃないの?」

 

「心配に決まってるだろ。可能なら今すぐ探しに行きたいくらいだ」

 

「だったら・・・・」

 

「だが、何の手掛かりもない状況で闇雲に探すのは得策じゃない。それはわかるだろ?」

 

「それは・・・・」

 

ユニはさとしの冷静な判断に納得せざるを得なかった。

 

「こうたが心配なのは私達も同じよ。けど私達は待つ事にしたの」

 

「待つ?」

 

「えぇ。あの子がいつ帰って来ても良いように私達はここでこうたの帰りを待って、そして帰って来たら【おかえり】って言ってあげるの。だってこの家はあの子にとっても大切な場所だから・・・・」

 

『っ!』

 

しずかは冷静に話してるように見えるがその手が震えている事にユニとララは気づいた。きっと本当はすぐにでも探しに行きたいのを我慢しているのだと2人は理解した。

 

その後、出かけた2人はロケットでひかる達と待ち合わせるとここでもこうたの話をしていた。

 

「こうた、何処に行っちゃったんだろう」

 

「ちゃんとご飯食べてるかな」

 

「心配です」

 

「心配フワ」

 

「そうでプルンスなぁ」

 

そこでもひかる、えれな、まどか、フワ、プルンスがこうたの事を心配していた。

 

「プルンス、星空連合から何か連絡はきた?」

 

「いや、サボローの一件以来連絡はないでプルンスよ」

 

「そっか・・・・」

 

ひかるがこうたの捜索をお願いした星空連合から連絡がきているかを聞くがまだその連絡はないらしい。

 

 

 

 

 

 

一方その頃・・・・

 

「どうだクライス、そっちの状況は?」

 

「ダラスか? 問題ない。順調過ぎて欠伸が出るくらいだ」

 

デラスト海賊団の宇宙船【ガルザーグ】の中にあるコンピュータールームでバット星人の【クライス】が何かを調べている所にザラブ星人の【ダラス】がやって来た。

 

「宇宙星空連合のシステムにハッキングしてプリキュアに関する情報を入手したらそれをダラスに伝えろってオリバスは言ってたが、これっていつもの潜入だろ?」

 

「だろうな。ったく、いつもいつも人をこき使いやがって・・・・んで、どうなんだよ?」

 

「もう少しだ・・・・よし、データのコピー完了。どれどれ・・・・」

 

クライスは星空連合からコピーして盗んだ情報を早速閲覧し始めた。

 

「・・・・成る程、プリキュアのメンバーが1人行方不明になってるのか。丁度いい。ダラス、今回はコイツに化けろ。んでもんってここにある情報をしっかりと頭に叩き込んでおけ」

 

「りょーかい」

 

そしてダラスはこうたの姿に変身すると星空連合が知る限りのプリキュアに関する情報を頭に叩き込んだ。

 

 

 

結局この日も何も進展はなく、外は既に夕方という事もあってみんなそれぞれの家に帰る事になってみんなで一緒に森の中を歩いていた。

 

「ひかる! こうたを探しに行くフワ!」

 

「私だってそうしたいよ。けど、こうたが何処にいるかわからないんだよ」

 

「わからなくても探すフワ!」

 

「そんな無茶苦茶な・・・・」

 

「俺がどうしたって?」

 

「え?」

 

ひかるが声のする方向を向くと木の後ろからこうたが出てきた。

 

「こう、た?」

 

「ただいま、ひかる」

 

「・・・・こうた!」

 

するとひかるは駆け出してこうたに抱きついた。

 

「もう! 何処に行ってたの? ずっと・・・・ずっと心配してたんだから!」

 

「ごめんごめん。けどもう大丈夫だから」

 

「本当に、心配したルン!」

 

「けど、無事で良かった」

 

「もう、何処にも行かないでくださいね」

 

「あぁ、みんなも心配かけてごめん」

 

ひかるに続いてララ、えれな、まどかもこうたの近くに集まるとそれぞれ思っていた事をそのまま口にした。

 

「全く、連絡の一つぐらいしなさいよ。みんな貴方がいなくなって心配してたんだから」

 

「あぁ、ユニも悪かったな」

 

「フン!」

 

「こうた、おかえりフワ!」

 

「おかえりでプルンス!」

 

「あぁ、フワとプルンスもありがとな」

 

後から続いて来たユニやフワ、プルンスにもこうたは声をかけた。

 

しかし・・・・

 

「(よしよし、まずは接触に成功っと)」

 

みんなと一緒にいるこうたはダラスが化けた偽物だった。しかしその事にひかる達は気づいておらず、完全にこうただと思い込んでいた。

 

「そうだ。俺、みんなに聞きたい事があったんだ」

 

「聞きたい事?」

 

「あぁ、実は探してる物があってそれをみんなが持ってるって知ったんだけど・・・・」

 

「探してる物?」

 

「それってどんな物ですか?」

 

こうたから探している物があると聞いてひかるやえれな、まどかはそれが何なのかわからなかった。

 

「あぁそれは・・・・」

 

「見つけたわよ!」

 

するとそこに沢山のノットレイ達を連れたテンジョウが現れた。

 

「ノットレイダー!?」

 

「(チッ、あと少しだったのに・・・・)」

 

こうた(ダラス)はあと少しで知りたい事がわかったのに邪魔された事に苛立ちを覚えた。

 

「あら? 今日はキュアスペースがいるのね。丁度いいわ。全員纏めて相手してあげる。コマちゃん達!」

 

『ノットレーイ!』

 

「みんな、いくよ!」

 

『うん!』

 

『スターカラーペンダント!カラーチャージ!』

 

『キラめく~星の力で~!憧れの~私描くよ~!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『スター☆トゥインクル〜!スター☆トゥインクルプリキュア~~!』

 

 

「宇宙(そら)に輝く〜キラキラ星!キュアスター!」

 

「天にあまねく〜ミルキーウェイ!キュアミルキー!」

 

「宇宙を照らす!灼熱のきらめき!キュアソレイユ!」

 

「夜空に輝く!神秘の月明かり!キュアセレーネ!」

 

「銀河に光る!虹色のスペクトル!キュアコスモ!」

 

 

「あれ? こうたは変身しないの?」

 

「え? あぁ、俺は・・・・」

 

スターからこうたは変身しないのかと指摘されて戸惑っているとコスモはそんなこうたに違和感を覚えた。

 

「(まずい。変身するだけなら問題ないが、俺には連中のようなアイテムはない。それがバレたら潜入は失敗だ) あぁ・・・・ごめんみんな、俺、まだ戦うのはちょっと・・・・」

 

「そっか、まだあの時の戦いの事を気にして・・・・」

 

「わかりました。ここはわたくし達に任せてください」

 

「こうたはフワ達と一緒に隠れてるルン」

 

「あぁ、頼んだ!」

 

こうたはまだバッカスとの戦いでの心の傷がまだ癒えていないと判断したソレイユ、セレーネ、ミルキーがこうたはフワやプルンスと一緒に隠れているように指示されてそれに従った。

 

「ハアッ!」

 

『ノットレーイ』

 

こうしてプリキュア達とノットレイダーの戦いが始まりこうた(ダラス)は隠れながらその様子を見守っていた。

 

「(これがプリキュア・・・・)」

 

「あぁもう焦ったいわね! 煽れ団扇よ! 膨れろ! 歪んだイマジネーション!」

 

テンジョウは一ヶ所に集まったノットレイ達に歪んだイマジネーションを送り込むとノットレイ達は一つになり、いつものグレーの戦闘服を着た巨大ノットレイが誕生した。

 

「ノットレーイ!」

 

『うわああああっ!』

 

「くっ! うわああっ!」

 

巨大ノットレイが地面にパンチするとその衝撃でプリキュア達は吹き飛ばされてしまい、こうた(ダラス)にも衝撃は飛んできたので最初は必死にたえていたが結局吹き飛ばされてしまった。

 

「良いわよ! その調子でドンドンやっちゃいなさい!」

 

「ノットレーイ!」

 

その後も巨大ノットレイからの猛攻に襲われたプリキュア達は防戦一方だった。

 

「こうた! 今こそこうたの力が必要でプルンス!」

 

「えぇ!?」

 

「何してるでプルンス! いつもみたいにみんなのピンチを助けるでプルンスよ!」

 

プルンスはこうたが偽物だと気づかずこうたに戦うように頼んだ。

 

「けど俺は・・・・」

 

「お願いでプルンス!」

 

「こうた! みんなを助けるフワ!」 

 

「・・・・・・・・」

 

「そんな所に隠れていたのね」

 

「っ!」

 

そしてテンジョウ達にこうた達の位置がバレてしまった。

 

「(チッ、最悪コイツらを見殺しにしてでも・・・・)」

 

こうた(ダラス)は最悪フワ達を犠牲にしてでも自分だけは助かろうと考えていて、そんなこうた(ダラス)の動きにコスモは再び違和感を覚えた。

 

「(アイツ、もしかして・・・・)」

 

「さぁ、今までのお返しよ!」

 

「ノットレーイ!」

 

巨大ノットレイからのパンチが繰り出されようとしたその時・・・・

 

「ノットレーイ!」

 

「何っ!?」

 

「え?」

 

巨大ノットレイは何処からかはわからないが別方向からの攻撃によりダメージを受けた。

 

「どうなってるんだい? 一体どこから・・・・うっ!」

 

すると今度は辺り一面に強烈な光が放たれると敵味方問わず視界を遮られた。

 

「(今だ!)」

 

その隙にこうた(ダラス)はキュアスペースに変身する事に成功した。

 

「あぁ!」

 

「スペース!」

 

「やっと戦う気になったでプルンスか!」

 

スペースの姿にスター、ソレイユ、プルンスが嬉しそうにしていた。

 

その様子を1人の人物が離れた場所から見ていた。

 

「ったく、手間かけさせやがって・・・・」

 

そこにいたのはデラスト海賊団の一員にして海賊団一のスナイパーであるブライがいた。

 

先程の攻撃や光はブライの狙撃と閃光弾によるものだった。

 

「連中から情報を得る為だからって俺までサポートにまわすとか、オリバスは慎重過ぎるんだよ」

 

「プリキュア・スペースレイ!!」

 

「ノットレーイ!」

 

スペース(ダラス)の攻撃が巨大ノットレイの身体に直撃した。

 

「今だみんな!」

 

「うん!」

 

「みんなの想い、重ねるフワ!」

 

「シャイニートゥインクルペン!」

 

「声を重ねるフワ! キラキラ〜!」

 

『トゥインクル!』

 

「キラキラ〜!」

 

『トゥインクル!』

 

「フーーーワーーーッ!」

 

『イマジネーションの輝き! なりたい自分に!』

 

「星の力〜! 輝くフーーーワーーーッ!」

 

『想いを重ねて!』

 

『プリキュア・スタートゥインクル・・・・イマジネーション!!』

 

「ノットレーイ」

 

「くそっ! 次こそは必ず!」

 

巨大ノットレイが倒されたテンジョウはそのままノットレイ達と共に撤退した。

 

「ありがとうスペース!」

 

「スペースのおかげで助かったルン!」

 

「あぁ、みんなも無事で良かったよ」  

 

「待って!」

 

スターとミルキーがスペース(ダラス)の所に駆け寄ってお礼を伝えているとそこにコスモが割り込んできた。

 

「貴方、本物のスペースじゃないわね?」

 

「え?」

 

「何言ってるのコスモ?」

 

「そうですよ。彼は紛れもなくスペースですよ」 

 

コスモの発言をソレイユとセレーネが否定した。

 

「同じ変身能力を持つ私だからわかる。貴方、スペースに化けた偽物ね!」

 

『えぇぇぇぇ!?』

 

コスモの発言にスペース(ダラス)以外の全員が驚いた。

 

「ちょっ!? ちょっと待ってくれ! 俺が偽物? そんなわけないだろ。俺は・・・・」

 

「じゃあどうして真っ先に私達を守ろうとしなかったの?」

 

「守る?」

 

「そうよ。変身しなかったのはバッカスの件があったからだと百歩譲って認めても、フワやプルンスがピンチになった時、いつもの貴方なら例え変身しなくても2人を守ろうとするんじゃない?」 

 

「そういえば・・・・」

 

「言われてみれば確かに・・・・」

 

コスモの推理にミルキーとセレーネはそれに納得した。

 

「いや、だから俺は・・・・」

 

「いい加減に正体をみせない!」

 

「ぐはっ!」

 

コスモが思いっきりスペース(ダラス)の顔を殴るとスペース(ダラス)は思いっきり吹っ飛んで仰向けに倒れた。するとスペース(ダラス)の身体が歪み初めて元のザラブ星人の姿に戻った。

 

『ああっ!』

 

「ん? ・・・・しまった!?」

 

「遂に正体を現したわね。この偽物!」

 

「くっ」

 

「凄い! コスモよくわかったね!」

 

「当然ニャン。宇宙怪盗を甘くみない事ね」

 

スターから称賛されるとコスモは珍しく胸を張って威張った。

 

「まさかこうたに化けてあたし達に近づくなんて・・・・」

 

「許せないルン!」

 

「覚悟してください!」

 

自分達が騙されていた事を知ったソレイユ、ミルキー、セレーネはその怒りをダラスにぶつけようとしていた。

 

すると・・・・

 

ドカーン!

 

『ううっ!』

 

ダラスとプリキュア達の間に紫色のもの凄いエネルギーを纏った何が降り立ち、その衝撃がプリキュア達を襲った。

 

「よう。随分と楽しそうじゃねぇか」

 

「貴方は?」

 

「俺の名はデラスト。一応宇宙海賊ってのをやっててな。んでソイツは俺の部下だ」

 

そこから現れたのはまさかの団長であるデラスト本人だった。

 

「宇宙海賊!? キラやば〜っ☆! かっちょいい!」

 

「ほう? お前、俺のカッコよさに気づくとは中々見所があるな」

 

「スター! 興奮してる場合じゃないルン!」

 

スターが宇宙海賊という単語に興奮しているデラストにも何故か認められてそんなスターをミルキーが落ち着かせようとしていた。

 

「そうだよ! さっきこの人、あの宇宙人を自分の部下って言ったんだよ!」

 

「えぇ、それに先程の力、只者ではありません」

 

側にいたソレイユとセレーネもデラストの登場にもの凄いプレッシャーを感じていた。

 

「デラストですって!?」

 

「知ってるでプルンスか?」

 

「えぇ、前にこうたから聞いた事があるわ。アイツがサーディスの両親を殺し、様々な星で暴れ回ってる宇宙海賊だって」

 

コスモは過去にこうたから聞いた話をプルンスにも話した。

 

「怖いフワ」

 

「大丈夫ルン」

 

怯えていたフワをミルキーが優しく抱きしめた。

 

「お前達がプリキュアか?」

 

「だったら何?」

 

「単刀直入に言う。生命(いのち)のリンクルストーン【エメラルド】を渡せ」

 

コスモがプリキュアかと聞かれて答えるとデラストは更なる要求を言ってきた。

 

「生命のリンクルストーン?」

 

「エメラルド?」

 

「って何ルン?」

 

スター、ソレイユ、ミルキーはエメラルドと聞いて心当たりが全くなかった。

 

「惚けるな。俺の部下達が調べた情報ではこの星に存在するエメラルドをプリキュアと呼ばれる者達が持っていると既に調べはついている」

 

「と言われましても・・・・」

 

「知らないんだから仕方ないじゃない」

 

デラストから追求されるもセレーネもコスモも知らないものは知らないと答えた。

 

「そうか・・・・だったら!」

 

『っ!』 

 

すると突然デラストの周りからもの凄い量のエネルギーが放出され始めた。

 

「お前達を痛めつけて情報をはかせてやる」

 

「っ! ううっ!」

 

「スター!」

 

近くにいたスターがデラストのパンチを受けると数本の木をへし折りながら後方へと吹き飛ばされていった。

 

「次は誰だ?」

 

「このぉ!」

 

ソレイユが炎を纏った右足で踵落としをするがデラストはそんなソレイユの右足を右手一本で受け止めた。

 

「そんな!?」

 

「ふむ、大した熱さじゃないな。そら!」

 

「うあああああっ!」

 

「ソレイユ!?」

 

そのままは右手を掴まれたまま投げ飛ばされてしまった。

 

「ミルキー!」

 

「ルン!」

 

「「プリキュア!」」

 

「いて座・セレーネアロー!!」

 

「しし座・ミルキーショック!!」

 

「フン!」

 

デラストはセレーネとミルキーの技を両手を使ってそれぞれ受け止めた。

 

「そんな!?」

 

「ありえないルン!」

 

「ほら、お返しだ!」

 

「「うわああああっ!」」

 

そしてデラストは受け止めたエネルギーをそのままセレーネとミルキーに投げ返すとそれを受けた2人も吹き飛ばされてダメージを負った。

 

「ハアッ!」

 

「最後はお前か?」

 

コスモはジャンプして猫の手の形をしたパンチを繰り出すがデラストは右手の掌でそれを受け止めた。

 

「ハアッ!」

 

「カハッ!」

 

コスモはそのまま仰向けに地面に叩きつけられてしまう。

 

「終わりだな」

 

「コスモォォォォ!」

 

「っ!」

 

そこへ最初に倒されたスターが右手に星のエネルギーを集めた拳で殴りかかって来たのを見たデラストは右手を出してそれをガードし、その隙に倒れていたコスモはその場から離脱するとそれを見たスターもデラストから距離を取った。

 

「どうした? お前達の力はその程度か?」

 

「みんな! 行くよ!」

 

『うん!』

 

 

「みんなの想い、重ねるフワ!」

 

「シャイニートゥインクルペン!」

 

「声を重ねるフワ! キラキラ〜!」

 

『トゥインクル!』

 

「キラキラ〜!」

 

『トゥインクル!』

 

「フーーーワーーーッ!」

 

『イマジネーションの輝き! なりたい自分に!』

 

「星の力〜! 輝くフーーーワーーーッ!」

 

『想いを重ねて!』

 

『プリキュア・スタートゥインクル・・・・イマジネーション!!』

 

「おおおおおおっ!」

 

デラストの右手のグローブの魔石が光ると全身が魔石のエネルギーに満たされていった。

そんなデラストがスタートゥインクルイマジネーションの星を右手の拳で殴ると最初は拮抗していた力も徐々にデラストが上回り最後には星が砕けてプリキュア達の技はデラストには通じなかった。

 

「そんな!?」

 

「ハアアアアアーッ!」

 

『うわあああああっ!』

 

そしてデラストの紫色のエネルギーがそのままプリキュア達に襲いかかるとプリキュア達は全員吹き飛ばされてしまった。

 

「プリキュア! うあああっ!」

 

その衝撃は近くにいたプルンスも一緒に吹き飛ばす程の威力でデラストが力を放った後には木は跡形もなく消し飛び、残っていたのはデラストの力で更地になった地面と変身が解除されて倒れているひかる達だけだった。

 

「うぅ・・・・」

 

「つ、強すぎルン・・・・」

 

ひかるやララ、そして他のメンバーも意識はあるが今の彼女達にはもう戦う力は残っていなかった。

 

「さぁ、これが最後だ。エメラルドを渡せ」

 

「だから・・・・知らないって・・・・言ってるでしょ・・・・」

 

「そうか、それなら・・・・」

 

ユニが残った力で知らないと伝えるとデラストは自分よりも大きな紫色の球体のエネルギーを生成した。

 

「これで終わりだ」

 

「(こうた!)」

 

ひかるは目を瞑りながらこうたの名前を心の中で叫んだ。

 

そして・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「プリキュア!」

 

『っ!』

 

「ダイヤモンド・エターナル!!」

 

突然デラストが生成した球体がダイヤモンド型のケージに閉じ込められるとダイヤモンドはそのまま宇宙に放出されてから爆発し浄化された。

 

「誰だ!」

 

デラストが自身の邪魔したのは誰かと叫ぶと空から3人の女の子達がひかる達とデラストの間に降り立った。

 

「お前達は・・・・」

 

「ふたりの奇跡!キュアミラクル!」

 

「ふたりの魔法!キュアマジカル!」

 

「あまねく生命に祝福を! キュアフェリーチェ!」

 

『魔法つかいプリキュア!』

 

 

ひかる達の絶対絶命のピンチを救ったのは【ダイヤスタイル】のキュアミラクルとキュアマジカル、そしてキュアフェリーチェの3人で結成されたチーム、【魔法つかいプリキュア】だった。

 

 

 

 

To Be Continued

 

 




         次回予告


ひかる達のピンチを救ったのは伝説の魔法つかいと言われている魔法つかいプリキュアだった。

なぜ彼女達は現れたのか?

今後のプリキュアとデラスト海賊団との戦いはどうなるのか?


次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第88話 キュアップ・ラパパ! 舞い降りる魔法つかい!

次回もお楽しみ!


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第88話 キュアップ・ラパパ! 舞い降りる魔法つかい!

王様戦隊キングオージャー、次回で第一部最終回 
9月からはその2年後が舞台の新章スタート!
しかも今度の舞台は宇宙という事で今後も目が離せません!


ひかる達の元にこうたが帰って来たかと思えばそのこうたは偽物だった。それが判明した直後にデラスト海賊団の団長デラストが現れてひかる達はピンチに陥る。そんなひかる達のピンチを救ったのはひかる達が会った事のないプリキュアだった。

 

「魔法つかいプリキュア? ん?」

 

デラストが右手のグローブについた魔石をフェリーチェに向けると今までよりも強く魔石が反応していた。

 

「こいつは・・・・成る程、どうやら俺が探してたプリキュアはお前達だったみたいだな」

 

「あの紫色の石、もしかしてアレが校長先生の言ってた・・・・」

 

「えぇ、多分そうでしょうね」

 

ミラクルがデラストの持つ魔石を見るとマジカルと何かを話していた。

 

「おいプリキュア! お前が持ってるそのエメラルドを渡せ!」

 

「お断りします! 貴方にエメラルドを渡すわけにはいきません!」

 

デラストからの申し出をフェリーチェははっきりと断った。

 

「そうかよ。なら力尽くで頂くだけだ!」

 

「リンクル・ピンクトルマリン!」

 

フェリーチェがフラワーエコーワンドにリンクルストーン・ピンクトルマリンをセットして唱えると花形のバリアを発生させて突撃してきたデラストのパンチを受け止めた。

 

「ハアアッ!」

 

しかしデラストが力を込めると徐々に押され始める。

 

「くっ」

 

「リンクル・タンザナイト!」

 

続いてミラクルとマジカルがフェリーチェの後ろでジャンプするとミラクルがリンクルステッキにリンクルストーン・タンザナイトをセットして唱えると強い光を放ってデラストの目をくらませた。

 

「リンクル・アクアマリン!」

 

今度はマジカルがリンクルステッキにリンクルストーン・アクアマリンをセットして唱えると吹雪を起こしてデラストの身体の一部が凍りついた隙にミラクルとマジカルがダブルキックでデラストを後方へと蹴り飛ばした。

 

「「ハアアアッ!」」

 

「ううっ!」

 

「エメラルド! キュアー・アップ!」

 

キックの後に着地した2人の後ろではフェリーチェがリンクルストーン・エメラルドをフラワーエコーワンドにセットして技を発動する体制に入っていた。

 

「プリキュア・エメラルド・リンカネーション!!」

 

そして自身の周りで咲いた花達の力を借りたフェリーチェは∞(無限大マーク)を描いて濃いピンク色の光線と∞から分かれた2つの緑色のリングを放ち、光線で動きを封じた後に花とリングで包み込んで浄化する技【エメラルド・リンカネーション】をデラストに向けて放った。

 

「こぉんのぉぉぉぉ!」

 

しかしデラストは両腕をクロスして気合いでフェリーチェの技を耐え切った。

 

「そんな・・・・」

 

「あの人達の技も通じないなんて・・・・」

 

その様子を見ていたえれなとまどかは技が破られた事に動揺していた。

 

「大丈夫モフ!」

 

「え?」

 

「貴方は?」

 

「モフルンモフ! よろしくモフ!」

 

そんなえれなとまどかの側にミラクルが大切にしている人形のモフルンがやってきた。

 

「人形が・・・・」

 

「喋ってるルン!?」

 

人形が動いて喋っている事にユニとララはかなり驚いていた。

 

「キラやば〜っ☆! 私、星奈ひかる! よろしくねモフルン!」

 

「よろしくモフ!」

 

そんなモフルンをひかるが両手で抱っこして挨拶をした。

 

「これがエメラルドの力か・・・・いいな。益々欲しくなったぜ」

 

「何なのよコイツ・・・・」

 

「マジカル・・・・」

 

マジカルはミラクルの方を見るとミラクルが背後にいるひかる達の方に視線を送った。そしてミラクルが何を考えているのかを理解したマジカルが頷くとミラクルも頷いた。

 

「リンクル・ペリドット!」

 

「くそっ、前が見えねぇ・・・・」

 

マジカルがリンクルステッキにリンクルストーン・ペリドットをセットして唱えると葉の吹雪を放ちデラストの身体を包んだ。

動きを封じるまでには至らないが視界を遮るには十分だった。

 

「リンクル・アメジスト」

 

その隙にミラクルがリンクルステッキにリンクルストーン・アメジストをセットして唱えると自身だけでなく、マジカルやフェリーチェも一緒にひかる達の所に瞬間移動した。

 

「早く、今のうちに!」

 

それからミラクル達はひかる達を連れてアメジストの力でその場から離脱した。

 

「くっ・・・・アイツらは? 何処に行った!?」

 

「どうやら逃げられたようですね」

 

デラストが辺りを見渡しているとその背後から紫色の短髪に眼鏡をかけたデラストの側近的な存在であるオリバスと先程まで隠れていたダラスがやってきた。

 

「たく、せっかくお膳立てしてやったっていうのにまんまと逃げられやがって・・・・」

 

そこへ今度は先程巨大ノットレイを狙撃したブライがライフルを肩に背負って歩いてきた。

 

「オリバス! 俺に何も伝えずにコソコソ動くたぁどういう事だ!」

 

「申し訳ありません。エメラルドがこの地球にあるという所まではわかっていましたが、その正確な位置までは把握出来ていませんでしたので、まずはそれを突き止める所からと思い動いていた所存です」

 

「だったら俺にも探させろ! 欲しい物の場所は教えてもらうより自分で探してみつけた方が面白いからな」

 

「承知しました。ですが今日はもう日が暮れます。続きは明日にしましょう」

 

「ちっ、仕方ねぇな」

 

そうしてデラスト達は引き上げてその場から姿を消した。

 

 

 

 

一方、ミラクル達はデラスト達がいる場所からかなり離れた場所の森の中にいた。

 

「ふぅ〜、ここまで来れば大丈夫じゃないかな」

 

「貴女達は一体・・・・」

 

ミラクルが安全確認をしているとまどかが代表してミラクル達に質問をした。

 

「私達は魔法つかいプリキュアです」

 

「魔法つかいルン?」

 

「そうなの」

 

ミラクル達は変身を解除するとそれぞれ魔法学校の制服姿に戻った。

 

「私、朝比奈みらい。よろしくね!」

 

「花海ことはだよ! はーちゃんって呼んでね!」

 

「十六夜リコよ。貴女達がはな達が言ってた【スター☆トゥインクルプリキュア】ね」

 

「えぇ!? 何で私達の事知ってる? それにはなちゃん達の事まで!?」

 

みらい達が自己紹介する中でリコがはな達の事、そして自分達の事を知っている事にひかるは驚いた。

 

「うん。はなちゃん達とは何度か一緒に戦った事もあるし、たまにだけど一緒に遊んだり連絡を取り合ったりもしてるの。だからその時に貴女達の事も聞いたんだ」

 

「成る程」

 

みらいの説明を聞いてひかるは納得していた。

 

「まぁ、それより前から貴方達の事は知ってたんだけどね」

 

「どうして?」

 

みらいの言った事が気になってひかるが質問した。

 

「私達も宇宙大魔王との戦いの時に地球から貴方達にミラクルライトの光を届けていたからよ」

 

「そうだったんだ」

 

「あの時はありがとうルン」

 

リコの話を聞いてえれなとララはみらい達にお礼を伝えた。

 

「ていうか・・・・さっき魔法つかいって言った!? キラやば〜っ☆! まさか本物の魔法つかいさんに会えるなんて! ねぇねぇ! 何か魔法見せてよ! お願い!」

 

「あのね、今はそんな事してる場合じゃないでしょ」

 

「はい・・・・」

 

ひかるは初めて会った魔法つかいに興奮して魔法を見せてほしいと強請るが、ユニが後ろからひかるの服の首根っこを引っ張って落ち着かせた。

 

「教えて、アイツらが欲しがってるエメラルドって一体何なの」

 

「エメラルドは世界の誕生と共に現れた伝説のリンクルストーンで、もの凄い力を秘めていると言われているの。それこそ、その力を悪用したら世界に大きな影響を及ぼす程にね」

 

「それ程の力がこの石に・・・・」

 

ユニがエメラルドについて質問するとリコがそれに答えてくれてそれを聞いたまどかはことはの掌の上にあるエメラルドを見て改めてエメラルドがどういうものなのかを理解した。

 

「そう言えばまだお礼も言ってませんでしたね。先程は助けていただきありがとうございました」

 

「ありがとうフワ!」

 

「助かったでプルンス」

 

「どういたしまして」

 

「ていうか、貴方何?」

 

「プルンスはプルンスでプルンスよ!」

 

「そ、そう・・・・」

 

まどかとフワ、プルンスがお礼を伝えるとプルンスを初めて見たリコはプルンスの事が気になっていた。

 

「けどどうやってここまで来たルン?」

 

「確かに、助けてもらっておいてなんだけど、あんなにタイミング良く駆けつける事が出来るなんて・・・・一体どうして?」

 

「それはね、校長先生の占いについて調べていたからみんなのピンチに駆けつける事が出来たの!」

 

『占い?』

 

ララとえれなが質問するとことはがその理由を答えたがひかる達はまだピンとこなかった。

 

「そうなの。私達が通ってる魔法学校の校長先生の占いで何か良くない兆しが現れたらしくて・・・・」

 

みらいが校長先生についてひかる達に説明した。

 

 

そんなひかる達とみらい達が出会う数時間前に遡る・・・・

 

「校長先生! 新しい占いが出たって本当ですか!?」

 

「うむ。そうなんじゃよ」

 

魔法学校に来ていたみらい達は校長室へやって来ると校長から新しい占いが出たと伝えられた。

 

「それで、占いは何と?」

 

「あぁ、『星の彼方より来る紫の石と生命の石が混じわれば、大きな災いが訪れる兆しあり』ここに記されている生命の石とは恐らくエメラルドの事じゃろう」

 

「それじゃあ、その紫の石っていうのは?」

 

「ワシにもわからん。じゃが、その力が何か良からぬ力を持っているのは間違いないじゃろうな」

 

「星の彼方、という事はその石は宇宙から来るという事でしょうか?」

 

「恐らくは・・・・それと、占いはもう一つある」

 

「もう一つですか?」

 

「その内容は?」

 

「うむ。『災いが世界に降りかかりし時、災いを退ける光の力を持つ戦士あり』」

 

「光の力を持つ戦士?」

 

「一体誰の事を言ってるのかしら?」

 

みらい達は校長と共に少しずつ予言の内容を読み解いていったが全てを解き明かす事は出来なかった。

 

「皆、気をつけるんじゃぞ」

 

「はい!」

 

「私達に任せてください!」

 

校長先生の言葉を聞いたリコとみらいは元気良く返事をした。

 

こうしてみらい達は校長室を後にしてひかる達のいるナシマホウ界へと戻り、魔法の水晶にも協力してもらい占った結果、何とか場所を観星町にまで絞り込む事が出来て・・・・

 

「そしてこの町を調べている途中に今回の騒ぎに気づいて駆けつける事が出来たんだ」

 

「成る程・・・・」

 

「それにしても光の力を持つ戦士って誰なんだろう?」

 

みらいの説明にひかるは納得し、えれなは占いにあった光の力を持つ戦士が誰かなのかを考えていた。

 

「貴女達も知らないの?」

 

「ルン。私達にもわからないルン」

 

「そう。貴女達にもわからないとなると正直お手上げね」

 

「光の力を持つ戦士・・・・」

 

「ユニ?」

 

「何か心当たりがあるの?」

 

リコとララが話している近くで何かを思い出しそうなユニにえれなとひかるが声をかけた。

 

「・・・・もしかして」

 

『ん?』

 

何かに気づいたユニだったがそれを近くで見ていた他のメンバーはそれをわかっていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

ブラジルのとある村

 

 

 

村の人口は数十人という小さな村、その中でフード付きのマントで顔まで隠した1人の人物がそのまま一件の家の中へと入っていった。

 

「おかえり、こうた」

 

10歳の少年が声をかけた人物こそ、ひかる達がずっと心配していた本物の如月こうただった。

 

 

 

To Be Continued

 

 

 




         次回予告


みらい達と協力してデラスト海賊団に立ち向かう事にしたひかる達・・・・

そんな中でこうたの捜索が本格的に行われようとしていた。

果たして彼女達はこうたに再び会う事が出来るのだろうか?



次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第89話 一緒に帰ろう! 届け、ララの想い!

次回もお楽しみ!


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第89話 一緒に帰ろう! 届け、ララの想い!

まだまだオリジナルストーリーが続きます。




みらい達が観星町にやって来たのは魔法学校の校長先生の占いで良くない兆しが現れたのがきっかけだった。彼女達はその元凶となる紫の石とは何かを探りつつ、それに対抗しうる光の力を持つ戦士を探していた。

 

「もしかして・・・・」

 

「ユニ?」

 

「何か心当たりがあるの?」

 

そんな中で何かを思い出したユニにえれなとひかるが声をかけた。

 

「【光の力を持つ戦士】それって多分ウルトラマンの事を言ってるのかも」

 

「ウルトラマン?」

 

「何それ?」

 

ユニから初めてウルトラマンという単語を聞いたみらいとことはは何の事なのか全くわからなかった。

 

「思い出した! 確か私達がいるこの宇宙とは別の宇宙で沢山の宇宙や星の危機を救った光の巨人でしょ!」

 

「そうよ」

 

ひかるは以前スタープリンセスやこうたから聞いた話を思い出して語るとユニはその説明を肯定した。

 

「光の巨人・・・・」

 

「ウルトラマンモフ?」

 

それを聞いていたリコとモフルンもウルトラマンに対して興味を示していた。

 

「そして、そんなウルトラマンの力を持つ戦士といえば・・・・」

 

「「「「こうた!」」」」

 

ユニが示した人物が誰なのか、ひかる達は考えるまでもなくそれが誰なのかすぐにわかった。

 

「こうた?」

 

「それって誰なの?」

 

「私達の大切な友達で今までずっと一緒だったもう一人のプリキュアなの!」

 

こうたの事を知らないみらいとリコにひかるがこうたの事を説明した。

 

「そういえばはなちゃんが言ってた。ひかるちゃん達の仲間で凄く強い男の子のプリキュアがいるって」

 

「それがそのこうたっていう子なのね」

 

「その通りでプルンス!」

 

「こうたはみんなのヒーローフワ!」

 

「でも、その子何処にもいないよ」

 

「いないモフ」

 

みらいとリコもはなからこうたの事を聞いていた事を思い出すがことはとモフルンはこうたがいない事に気づいた。

 

「実はこうた君は今・・・・」

 

「行方不明、なんだ」

 

「「「「行方不明(モフ)!?」」」」

 

まどかとえれなからこうたが行方不明と聞いてみらい達は驚いた。

 

「何があったの!?」

 

「実は・・・・」

 

みらいは何があったのかを聞くとプルンスがこれまでの出来事を説明した。

 

「そんな事が・・・・」

 

「けどどうするの? 占いの通りだとしたらアイツに対抗できるのは彼だけなんでしょ?」

 

「確かに・・・・」

 

「あのデラストに対抗する方法があるとしたら、こうたの持つウルトラマンの力しか・・・・」

 

みらいとリコがこうたの事を知って今後の事を相談してくるとえれなは悩み、ユニはデラストに正面から立ち向かえるのはこうただけかもしれないと考えていた。

 

「探そう!」

 

「探すって」

 

「こうたを?」

 

「うん!」

 

ひかるが探すと言い出すとまどかとユニはこうたの事かを確認してひかるは強く頷いた。

 

「やっぱり私、こうたをこのままにしておけない。何とかしてこうたを助けないと!」

 

「助けるって」

 

「どうするのですか?」

 

「それは・・・・」

 

「私に任せるルン!」

 

「ララ?」

 

ひかるはこうたを助けたいと言うがえれなとまどかから具体的にどうするのかと聞かれて戸惑っているひかるの側にいたララが自分に任せてほしいとみんなに言った。

 

「私、前にこうたと約束したルン! もしもこうたに困った事があったらその時は私がこうたを助けるって。だから、絶対に何とかしてみせるルン!」

 

「ララ・・・・」

 

ララは以前サマーンへ里帰りする直前にこうたと交わした約束を果たすという強い決心をしていた。

 

「けどその肝心のこうたが何処にいるのがわからないんじゃ・・・・」

 

「こんな時、私達のペンダントがこうたの持ってるペンにも反応してくれたらなぁ・・・・」

 

「ペンの反応・・・・」

 

えれなとひかるがこうたを探す方法を考えているとひかるの発言を聞いたララが何やら考え込み始めた。

 

「ララ?」

 

「どうしました?」

 

それを近くで見ていたユニとまどかがララに声をかけた。

 

「・・・・そうルン!」

 

『ん?』

 

その後ララはすぐにアブラハムと連絡を取って何かをお願いすると辺りはすっかり夜となり、ひかる達はそれぞれの家に帰り、みらい達はララやユニと共にロケットの中で一夜を過ごしたのであった。

 

 

その翌日・・・・

 

『ララ君に頼まれて探していた物だが、確かに遺留品の中から見つかったよ。ちゃんと動く事も確認済みだ』

 

「ホントルン!?」

 

「ララ、アブラハムさんに何をお願いしてたの?」

 

ひかるはララがアブラハムに何を頼んでいたのかを尋ねた。

 

「あのバッカスって宇宙人が持ってた探知機ルン!」

 

「探知機?」

 

そう。ララはアブラハムに頼んで星空連合が回収したバッカスの遺留品の中から奴がこうたの持つウルトラスターカラーペンを探す為に開発させた探知機でこうたを探せるのではと思いつき、アブラハムにお願いしてそれを見つけてもらったのだ。本来ならこのような事は良くないのだが、緊急事態という事でアブラハムがトッパーに掛け合って特別に許可をもらい、動いてくれたのだ。

 

『もうすぐその探知機を乗せた小型ポッドがそちらに到着する筈だ。こうた君の事をよろしく頼んだよ』

 

「任せるルン!」

 

その後アブラハムとの通信を終えるとララのロケットの近くに空から何かが落ちてきてそれが地面に激突した。そこには小さなクレーターが出来ていて、中心には地球人が旅行の時に使うトランクぐらい大きな長方形の白い箱があった。

 

「・・・・あったルン!」

 

ララが箱を開くと衝撃に耐えられるようにクッションに包まれつつ袋に入れられた探知機を見つけた。

 

「やったねララ!」

 

「これでこうたを探しに行けるよ!」

 

「ルン!」

 

「それで、こうた君は何処にいるの?」

 

「ちょっと待つルン」

 

ひかるやえれなと共に喜んでいたララにみらいが話しかけるとララは早速探知機を起動させてこうたの居場所を探し始めた。

 

「ここって」

 

「ブラジルですね」

 

「ええっ!? こうた、今ブラジルにいるの!?」

 

リコとまどかが探知機が示す地形からそこがブラジルであると判断するとひかるはそれに驚いた。

 

「よぉし! みんなでこうたを連れ戻そう!」

 

「「「「「「「「おぉーっ!」」」」」」」」

 

「待って!」

 

「どうしたのリコ?」

 

ひかるがみんなに声をかけてやる気になっている所にリコが割り込んできてみらいがどうしたのかと聞いた。

 

「良く考えてみたら私達全員がこの町から離れるのは危険よ」

 

「どういう事?」

 

「要するに、私達全員がここを離れている間にデラスト達がこの町に現れたらみんなめちゃくちゃにされるかもって事?」

 

「えぇ。彼らは私達がこの町にいる事を知ってる。なら私達がいない間に何かあったら町を守れる人がいなくなってしまうわ」

 

「確かにそうですね」

 

リコはデラスト海賊団が自分達が観星町にいる事を知っている事からそう遠くないうちに必ずまた現れると考えていて、それを考慮して全員でこうたを捜索するのは良くないと考えていて、その意見にユニとまどかも賛同した。

 

「じゃあどうするの?」

 

「私が行くルン!」

 

「ララが?」

 

「ルン! 私がこうたを連れ戻すルン!」

 

「私も行く!」

 

「はーちゃん!?」

 

ララは自分がこうたを探しに行くと言い出すとことはも行くと言い出した。

 

「私も、そのこうたって人とお話ししたい!」

 

「はーちゃん・・・・」

 

「・・・・わかったわ。ララ、はーちゃん、お願いできる?」

 

「うん!」

 

「任せるルン!」

 

みらいとリコ、そして他のメンバーもそれに納得し、結果、ララ、ことは、プルンス、フワがこうたを探しにロケットでブラジルに向かう事が決定した。

 

「ララ、こうたの事お願いね」

 

「ルン!」

 

「はーちゃん、良い子にしてるんだよ」

 

「もうみらい! 私そこまで子供じゃないよ!」

 

「観星町の事は任せて!」

 

「わたくし達が必ず守ってみせます!」

 

ひかるとみらい、えれなとまどかがララとことはにそれぞれ出発前の挨拶を済ませるとみんなを乗せたロケットはこうたのブラジルへと出発したのであった。

 

 

 

 

「ロケットが?」

 

「はい。あの町から別の場所に向かって飛び立った事が確認されました」

 

そしてララのロケットがブラジルに向かった事はデラスト達の所でも確認されていた。

 

「もしかしてエメラルドを持ったプリキュアもそのロケットに?」

 

「可能性はゼロではないかと」

 

「ふむ・・・・」

 

「デラスト様!」

 

「クライスか?」

 

デラストとオリバスが話している所にバット星人のクライスがやって来た。

 

「そのロケットの追跡、わたくし目にお任せいただいてもよろしいでしょうか?」

 

「お前にか?」

 

「はい。丁度対プリキュア用の新装備が完成したのでそのテストも兼ねてお任せいただければと思います」

 

「ほう? そいつは面白そうだ。良いぜ。行って来いクライス」

 

「ハハッ!」

 

そしてクライスはマントを翻しながらその場から去っていった。

 

「よろしいのですか?」

 

「構わねぇよ。アイツの開発した新装備ってのにも興味があるし、いつも俺の我が儘を聞いてもらってる分、偶にはアイツの好きにさせてやるのも一興かもってな」

 

「はぁ・・・・」

 

戦闘や自らの欲しい物以外にも面白そうな事が好きなデラストはクライスがどんな働きを見せてくれるのか楽しみにしていた。

 

 

 

 

 

一方そのブラジルでは・・・・

 

「おかえりこうた!」

 

「ただいまオルン」

 

こうたが一つの家の中に入ると半袖半ズボンの服装で少し日焼けした黒い短髪で10歳の少年オルンに挨拶した。

 

「おかえりなさいこうた」

 

「ただいまです。エメルアンナさん」

 

そんなオルンの母にして肌の色はオルンよりは肌色に近くて黒いタンクトップにジーパンを履いた黒いロングヘアーの女性、エメルアンナにも挨拶した。

 

「お使いご苦労様。ちょうどご飯ができた所だから良かったらこうたも食べて」

 

「ありがとうございます」

 

そしてこうたはそんな2人と共にエメルアンナが作ったご飯を食べていた。

 

「こうたがウチに来てからもうすぐ2週間ぐらいかな?」

 

「そうね。あの時はオルンから森で倒れているこうたの事を知らされて驚いたものよ」

 

「あの時の事は本当に感謝してます」

 

こうたは誰にも関わらないようにと世界中を転々としていたが、水や食料もなくブラジルの森で行き倒れていた所を森に水を汲みに来ていたオルンに助けられた。

誰かと関わる事を避けていたこうただったが流石に助けてもらって何もしないというのは良くないと判断した結果、今はこの家にお世話になりながらオルンやエメルアンナの生活の手伝いをしているのだ。因みにこうたがオルン達と話が出来ているのはペンダントの効果である。

 

「こうたはこの後どうするの?」

 

「そうですね。そろそろ水がなくなりそうなので森の方に水を汲みに行ってこようと思います」

 

「なら俺も行く!」

 

「そうだな。一緒に行くか?」

 

「やったぁ!」

 

「気をつけて行くのよ」

 

こうしてこうたとオルンは両手にバケツを持って2人で一緒に森の中へと向かった。

 

 

その森では・・・・

 

「こっちの方で間違いないでプルンスか?」

 

「ルン。間違いないルン」

 

「よぉし! こうたを探すぞ!」

 

「探すフワ!」

 

「あぁ、ちょっ!? 待つでプルンスよ!」

 

ブラジルに到着したララ達が探知機を頼りにこうたの捜索を開始していた。

 

 

そのこうたはオルンと共に水が流れる川へと辿り着くとバケツにその水を汲み始めた。

 

「よいしょっ、よいしょっと」

 

「あんまり入れすぎるなよ。帰る時に大変だからな」

 

「わかってるわかってる!」

 

「見つけたルン!」

 

「え?」

 

こうたは声のする方向を向くと、そこにはララとそのリュックに変装したプルンス。そしてこうたは会った事のないことはとそのことはに抱っこされているフワがいた。

 

「こうたぁ!」

 

「フワ!?」

 

「会いたかったフワ! 会いたかったフワ!」

 

「フワ・・・・」

 

フワはことはの腕の中から飛び出して泣きながらこうたの胸に抱きついた。

 

「やっと見つけたでプルンスよ」

 

「貴方がこうた?」

 

「君は?」

 

「私は花海ことは! よろしくね!」

 

「あ、あぁ・・・・」

 

「こうた・・・・」

 

「ララ・・・・」

 

こうたがことは達と話している中でララは俯きながらこうたに近づき、正面から自身の頭をこうたの肩に当てた。

 

「良かったルン。こうたが無事で、本当に・・・・ううっ・・・・」

 

ララはその状態のまま泣きそうになっていて、そんなララをこうたは抱きしめようとするがその手でララに触れるのをやめた。

 

「こうた、この人達誰?」

 

「あっ、えっと・・・・」

 

オルンがララ達を見てこうたに誰なのかと尋ねた。

 

「あっそうだ! こうた! 緊急事態でプルンス! 観星町が大変なんでプルンスよ!」

 

「え?」

 

「そうフワ! デラスト海賊団が現れて大変フワ!」

 

「ルン! 特にそのデラストって奴は凄く強くて私達の技も効かなくて・・・・だから、こうたの力を貸してほしいルン!」

 

「それは・・・・できない」

 

「オヨッ!?」

 

「どうしてでプルンス!?」

 

「俺は、自分の力をコントロールする自信がないんだ。怖いんだよ。俺の力でみんなを傷つけるかもしれないのが・・・・」

 

「こうた・・・・」

 

こうたはサンダーブレスターの力でバッカスの命を奪いみんなを攻撃した事、そしてもしも他の力も制御できなくなってみんなを傷つけたらという恐怖からこうたは闘う事ができなくなっていた。

 

「・・・・大丈夫ルン」

 

「ララ?」

 

「こうた、前に言ってくれたルン。1人で何でも頑張ろうとするなって。私にはこうた達がついてる。だから私が周りに合わせるんじゃなくて、私は私のまま、いつも通りでいて良いんだって。失敗したって自分達が支えるし同じ失敗を繰り返さないように努力すればいいって。あの言葉、今でもちゃんと覚えてるルン」

 

「ララ・・・・」

 

「だから今度は私の番ルン! こうたには私達がついてるルン! 色々大変な事もあると思うけど、みんなで力を合わせれば絶対に乗り越えられるって私は信じてるルン!」

 

「・・・・・・・・」

 

ララはこうたの右手を自身の両手で優しく包みながらこうたの目を真っ直ぐ見て自身の思いを伝えた。

 

「俺は・・・・」

 

「嫌だ!!」

 

「オルン?」

 

するとオルンが話に割り込んできた。

 

「こうたはこれからもずっと俺と母さんと一緒に暮らすんだ! お前達なんかに渡すもんか!!」

 

「あっ、おい待て! オルン!」

 

オルンは持ってきたバケツを放り投げて1人で走り去ってしまった。

 

「オルン・・・・」

 

その姿をこうたは見ている事しかできなかった。

 

 

 

To Be Continued

 

 




         次回予告


どうすればいいか決断できずに悩むこうた・・・・

そんなこうた達がいる村にクライスの魔の手が迫る。

こうたは力の恐怖を克服する事ができるのだろうか?


次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第90話 目覚めろこうた! 闇を抱いて、光となれ!

次回もお楽しみ!


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第90話 目覚めろこうた! 闇を抱いて、光となれ!

遅くなりました!

かなり長い内容になりましたが、最新話が完成したので投稿します。

そして今週はいよいよプリキュア映画が公開されます!

初日は難しいですが、土日のどっかで観に行こうと思っているので今からとても楽しみです!



ララ達がこうたを探しにブラジルへ出発した後、ひかる達はみらい達に観星町を案内する事になり、最初は遼じぃのいるプラネタリウムに来ていた。

 

「これがプラネタリウム・・・・」

 

「凄く綺麗・・・・ワクワクもんだぁ!」

 

「お星さまがいっぱいモフ!」 

 

「ねっ! ねっ! キラやば〜っ☆! でしょ?」

 

「うん! キラやば〜っ☆! だね!」

 

初めて来たみらい達はプラネタリウムで観る星にそれぞれが興奮し、そんな姿にひかるも嬉しそうだった。

 

「ていうか、こんな事してて大丈夫なの?」

 

「どういう事?」

 

それを部屋の外から見ていたユニが気にしているのに対してえれながどういう意味か聞いた。

 

「そもそも私達がここに残ったのはこの町を守る為でしょ? だったら何かしらの対策を立てておく必要があるんじゃない?」

 

「そうかもしれませんけど、今はこうしてみらいさん達にこの町を案内するのもとても大切な事だと思いますよ」

 

「そっ」

 

えれなとまどかはみらい達に観星町を案内してこの町の事をもっと良く知ってもらいたいと思っていた。

 

「それにしても意外だったなぁ」

 

「何が?」

 

「こうたの事、ユニって最近こうたと一緒にいる事が多かったからさ。てっきりララ達と一緒に行くと思ってた」

 

「わたくしもです」

 

「べ、別にいいでしょそんなの! ・・・・それに・・・・」

 

「ん?」

 

「・・・・こうたを連れ戻すって言ったララの顔を見て思ったのよ・・・・今回はあの子に任せておけば大丈夫だって・・・・」

 

「そっか・・・・」

 

「そうですね。ララ達ならきっとこうた君を連れて帰ってくる筈です」

 

ユニが同行しなかったのはララを信じて任せたからという理由を聞いてえれなとまどかは納得した。

 

「だからこうたは必ず帰ってくる。そうでなきゃ、許さないんだから・・・・」

 

「ユニ・・・・」

 

しかし、それでもこうたに対して許せない思いがある事もまどかは理解したのであった。

 

 

 

 

 

 

一方ブラジルでは・・・・

 

「それじゃあ今はあの子の家にお世話になってるんだね」

 

「あぁ」

 

こうたはララ達に自分がここにいる経緯を説明すると、ことはが纏めた内容を話してこうたはそれを認めた。

 

「ホントは今すぐにでもここを離れなきゃいけないって思ってるんだけど・・・・オルン達を見てるとどうしても放っておけなくてな・・・・」

 

「・・・・良かったルン」

 

「え?」

 

「こうたはこうたのまま、変わってないってわかって安心したルン」

 

「どういう意味だよ」

 

「私の知ってるこうたは困っている人を絶対に放っておけない。助けてもらったお礼もせずにそれを仇で返すような事は絶対にしないルン。だから、こうたがこうたのままでいてくれて良かったルン」

 

ララは両手を後ろで組んだままこうたの隣を歩き、笑顔でこうたの顔を見ながら話をしていた。

 

「ララ・・・・けど俺は・・・・」

 

「こうたの気持ち・・・・ちょっとだけどわかるよ。私も前に家出した事あるから・・・・」

 

「え?」

 

すると今度はララの反対側でこうたの隣を歩いていたことはが話に入ってきた。

 

「私が持ってるエメラルドが狙われてて、その所為でみらいやリコが大変な目にあっちゃう。だから私と一緒にいたらいけないんだってその時は思ったんだ」

 

「ことはちゃん・・・・」

 

「けどね! そんな私にみらいとリコが言ってくれたの!」

 

『一緒だよ。ずっと、ずーっと一緒だよ!』

 

『もう二度とはーちゃんを一人になんてさせるもんですか!』

 

「・・・・私、嬉しかった。色々大変かもしれないけど・・・・それでも、私はここにいて良いんだって、そう思ったら凄く嬉しかったんだ」

 

ことはは以前、自身が持っているエメラルドが狙われている所為でみらいとリコまで狙われてしまうかもしれない。それが嫌で家出したのだが、そんなことはを探しに来たみらいとリコからずっと一緒にいようと言われた事が凄く嬉しかったのだ。

 

「こうたもそう。私にみらいやリコ、モフルンがいるみたいに、こうたにもララやひかる達みんながいる。だから大丈夫! こうたも自分の気持ちに正直になって良いんだよ。 あっ、そうだ!」

 

すると何かを思いついたことはが懐からリンクルスマホンとそれに付いている魔法のタッチペンを取り出した。

 

「キュアップ・ラパパ! こうたとララ達がずーっと一緒にいられますように!」

 

ことはが呪文を唱えながらタッチペンを頭上に翳してこうた達に魔法をかけた。

 

「これは・・・・」

 

「私の魔法だよ。これでもう大丈夫! これからはみんなとずっーと一緒だよ!」

 

「はーちゃん、ありがとルン!」

 

「ありがとうでプルンス!」

 

「ありがとうフワ!」

 

「これが、魔法・・・・」

 

こうたは自身の周りに降り注ぐミントカラーの光の粒に見入っていた。

 

ドカーン!

 

「どうしたでプルンス!?」

 

「怖いフワ」

 

「あの方角は・・・・まさか、村に何かあったんじゃ!」

 

「こうた!」

 

「待つルン!」

 

こうたが爆発のあった村の方へと走って行くとことはやララ達も慌てて後を追いかけた。

 

 

 

 

「何だよコレ!?」

 

こうたが村に戻るとそこには白と黒のボディに顔の中心には赤い眼のようなものがついた謎の集団が村に対して破壊活動を行なっていた。

 

「くるな! くるな!」

 

「っ! オルン!」

 

するとこうたはオルンとエメルアンナに今にも襲い掛かろうとしている一人に気づいた。

 

「やめろ!」

 

こうたはオルンとエメルアンナに襲い掛かろうとしている奴の後ろから飛びかかって身体を抑える事で動きを止めた。

 

「こうた!?」

 

「早く逃げろ!」

 

「う、うん!」

 

そうオルンとエメルアンナはすぐに立ち上がってそのまま走って逃げた。

 

「ぐあっ!」

 

しかしこうたよりも相手の方が力が強く簡単に振り払われてしまったこうたはそのまま蹴り飛ばされて後方へと吹き飛ばされた。

 

「こうた!?」

 

「大丈夫ルン!?」

 

後から駆けつけたことはとララが倒れているこうたに慌てて駆け寄った。

 

「見つけましたよ。プリキュアのお嬢様方・・・・」

 

「何者でプルンスか!」

 

「私はデラスト海賊団所属のバット星人クライスと申します。そしてコイツらはバリスレイダー、我々の忠実な僕です」

 

すると今度はデラスト海賊団の一員を名乗るバット星人の【クライス】とその僕であるアンドロイド、【バリスレイダー】達が集まってきた。

 

「デラスト海賊団」

 

「コイツらが・・・・」

 

「さぁ、エメラルドを渡してもらいましょうか?」

 

「嫌だ! 貴方達にエメラルドは渡さない!」

 

「そうですか・・・・では仕方ありません。力ずくで頂くとしましょう」

 

クライスがそう言って指を鳴らすとバリスレイダー達が剣の武器、レイディングソードを取り出して戦闘体制に入った。

 

「ララ、行くよ!」

 

「ルン!」

 

そしてことははリンクルスマホンを、ララはペンダントを取り出した。

 

「キュアップ・ラパパ! エメラルド!」

 

ことはが魔法のタッチペンでスマホンの画面に筆記体の【F】を書くと残りのスペルが浮かび【Felice】と表示された。

 

「フェリーチェ・ファンファン・フラワーレ!」

 

ことはが呪文を唱えると身体が光り輝き徐々に姿が変化していった。

 

「あまねく生命に祝福を! キュアフェリーチェ!」

 

そして蕾が花開くと中から変身を終えたキュアフェリーチェが登場した。

 

 

「スターカラーペンダント!カラーチャージ!」

 

その隣ではララも変身する体制に入っていた。

 

「キラめく~星の力で~!憧れの~私描くよ~!」

 

「トゥインクル!トゥインクルプリキュア!」

 

「トゥインクル!トゥインクルプリキュア!」

 

「トゥインクル!トゥインクルプリキュア!」

 

「スター☆トゥインクル〜!スター☆トゥインクルプリキュア~~!」

 

「天にあまねく〜ミルキーウェイ!キュアミルキー!」

 

そしてララも変身を終えるとこうたの目の前にフェリーチェとミルキーが並び立っていた。

 

「キュアフェリーチェ・・・・ことはちゃんもプリキュアだったのか」

 

「「ハアアーッ!」」

 

こうたが驚いているとフェリーチェとミルキーは真っ直ぐバリスレイダー達へと向かっていった。

 

「ハッ!」

 

「ルン!」

 

フェリーチェが一体を張り手で弾き飛ばすとミルキーも右手でバリスレイダーを殴り飛ばした。

 

するとバリスレイダー3体がフェリーチェ達にレイディングソードを振りかぶりながら飛びかかってきた。

 

「リンクル・ピンクトルマリン!」

 

フェリーチェがピンクトルマリンの力で花形のバリアを発生させるとバリスレイダー達の攻撃はそのバリアによって阻まれた。

 

「プリキュア・ミルキーショック!!」

 

その隙にミルキーはジャンプしてバリアの上から電撃を放ちバリスレイダー3体を破壊した。

 

「ハアアーッ!」

 

「ルーーン!」

 

その後もフェリーチェとミルキーは力を合わせてバリスレイダー達を倒していった。

 

「流石、といった所でしょうか?」

 

「残るは貴方だけです!」

 

「観念するルン!」

 

そしてバリスレイダー達は全員倒されて残るはクライスのみとなった。

 

「観念? ご冗談を、観念するのは貴方達の方ですよ」

 

「どういう意味ですか?」

 

「つまり、こういう事です!」

 

そしてクライスは懐から手のひらサイズで機械仕掛けの金球を取り出して中心の赤いボタンを押すとその球が光り出してクライスの上半身に金色の鎧が装着されていた。

 

「それは!?」

 

「おや? ご存知でしたか? これはブーストアーマーと呼ばれる代物です。まぁ、私の手で少し改造させてもらっていますが」

 

ミルキーは以前バッカスが使っていたブーストアーマーを思い出した。

クライスはバッカスが使っていた物とは色違いのブーストアーマーを使っているが、クライスの手で改造が施されていた。

 

「ブーストアーマー・・・・」

 

「気をつけるルン。あのアーマーを着けるともの凄く強くなるルン」

 

フェリーチェとミルキーはブーストアーマーを装着したクライスに警戒して迂闊に攻められなくなっていた。

 

「どうしました? 攻めてこないのですか? ならばこちらから行きますよ!」

 

クライスは真っ直ぐミルキーに突撃してパンチを繰り出そうとするとミルキーはハート型のバリアを展開してその一撃防ぐが、クライスはそのまま連続パンチを繰り出してバリアを破壊した。

 

「ハアッ!」

 

「うあああっ!」

 

「ミルキー!」

 

後方へと殴り飛ばされたミルキーをこうたが正面から受け止めた。

 

「大丈夫か?」

 

「うぅ・・・・」

 

「ハアッ!」

 

こうたが抱き抱えているミルキーを心配しているとその間にフェリーチェが右足の回し蹴りをクライスに繰り出すが、クライスはそれを左腕で受け止めてノーダメージだった。

 

「ふむ。エメラルドの力とはその程度なのですか?」

 

「っ!」

 

攻撃が効いていないと判断したフェリーチェは慌てて距離を取り、フラワーエコーワンドを取り出すとそれにエメラルドをセットした。

 

「エメラルド! キュアー・アップ!」

 

フェリーチェが技を発動する体制に入ったにも関わらずクライスは何もしようとはしなかった。

 

「プリキュア・エメラルド・リンカネーション!!」

 

フェリーチェの技はクライスに命中した。

 

しかし・・・・

 

「っ!? そんな!?」

 

フェリーチェの技はクライスに全くダメージを与えていなかった。

あのデラストでさえ多少なりともダメージを受けていたにも関わらずだ。

 

「先程アーマーを改造したと言ったでしょう。これにはあなた達がデラスト様と戦った時の戦闘データが組み込まれています。あなた達プリキュアの邪悪な力を浄化する力、もしくは聖なる力と呼ばれる力を無力化できるように改良を施したのです。よって、あなた達の技では今の私を止める事はできません」

 

「そんな、プリキュアの技が効かないなんて・・・・」

 

「フワ・・・・」

 

それを聞いてプルンスとフワはとても不安な表情を見せていた。

 

「・・・・まだ、ルン」

 

「おや?」

 

「ミルキー?」

 

ミルキーはゆっくりとだが座っているこうたの目の前で立ちあがろうとしていた。

 

「まだ・・・・諦めないルン」

 

「往生際が悪いですね。あなた達の攻撃は私には効かないと何度言ったら・・・・「関係ないルン!」 ほう?」

 

「こうたは、どんな状況でも最後まで諦めずに目の前の相手に立ち向かっていったルン。だから私も、最後の最後まで諦めないルン!」

 

「ミルキー・・・・もうやめろ! それ以上戦わなくていい! 後は俺が・・・・」

 

「・・・・大丈夫ルン」

 

するとミルキーはこうたのいる後ろを振り返ってしゃがむとペンダントとペンを持って震えているこうたの両手を優しい包んだ。

 

「こうた、無理して戦おうとしなくていいルン。今までこうたが守ってくれた分、今度は私がこうたを守るルン」

 

「ミルキー・・・・」

 

そしてミルキーは何も言わずに両手をこうたの脇の下に通して自身の顔がこうたの顔の横にくるように優しく抱きしめた。

 

「っ!」

 

「例えこうたがプリキュアになれなくても私はこうたの側にいたい。これからも一緒にいたいルン」

 

「ミルキー・・・・ミルキーの気持ちは嬉しい。けどプリキュアじゃない俺なんて一緒にいる意味あるのか? 例えプリキュアになったとしてもまたいつ暴走するかわからないのが怖い・・・・俺は、俺自身を信じられないんだ・・・・」

 

「大丈夫ルン。私も、ひかるも、えれなも、まどかも、ユニも、フワも、プルンスも、みんなこうたの事を大切に思ってるルン。だからこうたが自分を信じられなくても私は、私達はこうたの事を信じてるルン。だから帰るルン。ひかるやみんなが待ってる私達の町に・・・・」

 

「ミルキー・・・・うぅ・・・・」

 

こうたはミルキーの言葉が嬉しかったのか涙を流しながら優しくミルキーを抱きしめた。

 

そんな2人の姿をフェリーチェとフワとプルンスは優しい表情で見守っていた。

 

「ハァ・・・・誰もこんな感動シーンは求めていないんですよね・・・・」

 

『っ!』

 

クライスの発言に周りの視線がクライスに集中する。

 

「さぁ、とっととエメラルドを渡し・・・・イタッ!」

 

すると何処からかクライスの顔に石が投げられた。

 

「これ以上こうた達をいじめるな!」

 

「オルン!?」

 

こうたの視界に入ってきたのは沢山の石を手に持っているオルンの姿だった。

 

「こうた! 俺達も一緒に戦う! みんなでこの村を守るんだ!」

 

「そうよ」

 

「エメルアンナさん!?」

 

「私達だけじゃないよ!」

 

オルンの横に同じく石を抱えたエメルアンナが現れるとこうた達やクライスの周りには先程まで逃げ隠れしていた村の住人達が同じく石を持って集まっていた。

 

「ワシらもやるぞ!」

 

「若いもんだけに良いカッコをさせるもんですか!」

 

「コラッ! やめなさい! イタッ! 人の顔に石を、グハッ!」

 

クライスはあちこちから自身の顔目掛けて石を投げられて痛がっていた。

 

「みんな・・・・」

 

「こうた」

 

するとミルキーはこうたから離れて立ち上がった。

 

「ちょっと待ってるルン。アイツをやっつけてみんなで一緒に帰るルン」

 

「ミルキー・・・・」

 

そしてミルキーは笑顔を見せるとすぐに振り返ってクライスに近づいていった。

 

「フェリーチェ、行くルン!」

 

「はい!」

 

「「ハアアーッ!」」

 

そしてフェリーチェとミルキーは再びクライスに向かって行った。

 

「俺は・・・・」

 

こうたは自身が持っているペンダントとペンをジッと見つめた。

 

「俺だって出来るのならみんなを守りたい。一緒にいたい。けど・・・・良いのか? 俺は人の命を奪って、守りたい人達を傷つけた。そんな俺が・・・・みんなと一緒にいたいって思っても良いのか?」

 

『良いんじゃないか?』

 

「えっ?」

 

するとこうたの周りは突然発生した強い光に包まれた。

 

「うっ・・・・っ! 貴方達は!?」

 

「よっ!」

 

「こんにちは、こうた君」

 

「久しぶりだね」

 

「元気にしてたか?」

 

辺り一面真っ白な空間にいるこうたの目の前に現れたのはクレナイ・ガイ、朝倉リク、湊カツミ、湊イサミの4人だった。

 

「皆さん、どうして・・・・」

 

「どうしてって? 決まってるだろ? お前さんの思いが俺達の所にも届いた、んでもってどうしても謝りたいと思ったんだ」

 

「えっ? 謝る? 」

 

こうたはガイがこうたを心配してきてくれたと聞いて少し驚いた。

 

「あぁ。俺が持ってるベリアルさんの力がお前さんをかなり苦しめちまったみたいだからな。だから一言詫びを入れたかったんだ。本当に、すまなかった」

 

「そんな!? ガイさんの所為だなんて思ってないですよ! だから頭を上げてください!」

 

こうたは目の前で頭を下げるガイに頭を上げるように言った。

 

「俺も、ベリアルさんの力を制御出来なかった所為で危うく知り合いを殺す所だった。だからお前さんの気持ちは俺には良くわかる」

 

「ガイさん・・・・」   

 

ガイはサンダーブレスターの力を制御出来なかった所為で危うくギャラクトロンに囚われていたナオミを死なせてしまうかもしれなかった。

 

「俺もだ。俺も前に一歩間違えたら俺やカツ兄達の大切な人を死なせちまう所だったんだ」

 

「イサミさんも?」

 

「あぁ・・・・」

 

一方イサミも彼らが子供の頃から慕っていたコマ姐がメカゴモラに囚われた時に町を守る為とはいえ、メカゴモラを倒す選択をした。その時はカツミがコマ姐を助けたが、それが間に合わなかったらコマ姐は確実に死んでいた。それを気にしてイサミも一時期変身が出来なくなった事があった。

 

「そうだったんですか。あの、皆さんはそれからどうしたんですか?」

 

「俺はアイツから勇気をもらった。自分は味方だと、困っているなら手を差し伸べると、アイツの言葉と勇気が俺を救ってくれたんだ」

 

「ガイさん・・・・」

 

「俺もコマ姐のおかげで思い出せた。俺は俺自身が思ってるほど弱くないって、俺なら出来るってな。コマ姐の言葉が俺に自分を信じる勇気をくれたんだ」

 

「イサミ・・・・」

 

「イサミさん・・・・」

 

イサミの言葉を聞いていたカツミはどこか嬉しそうで、こうたもまたイサミの話を真剣に聞いていた。

 

「でも、やっぱり俺怖いです。もしも、また同じ事をしちゃったらって思ったら・・・・」

 

「大丈夫」

 

すると今度はリクがこうたに話しかけてきた。

 

「こうた君は一人じゃない。君にも僕達のように頼りになる仲間がいるはずだよ」

 

「仲間・・・・」

 

「うん。もしも僕一人だったら何も出来なかったかもしれない。でも僕には仲間がいた。みんながいたから僕は運命を変える事が出来た」

 

「運命を、変える」

 

「あぁ。こうた君が心の底から誰かを守りたい。みんなを傷つける運命を変えたいって思うならきっと変えられる。だって君も一人じゃないんだからね」

 

「リクさん・・・・俺、良いんでしょうか? ララやみんなと、一緒にいたいって思っても・・・・」

 

『あぁ!』

 

こうたは彼らの言葉を聞いている内に心の中で勇気が漲り始めていた。

 

「皆さん、ありがとうございます! 俺、もう一度頑張ります! 俺自身の為に、そして・・・・みんなの為に!」

 

「あぁ」

 

「僕達も力を貸すよ」

 

「頑張れよ」

 

「あんな奴に負けんじゃねぇぞ!」

 

「はい!」

 

ガイ、リク、カツミ、イサミの励ましてもらったこうたは再び立ち上がる決心をして辺りが再び光り輝くとこうたはミルキー達が戦っている元いた場所に戻っていた。

 

「「うわあああっ!」」

 

「っ!?」

 

こうたは悲鳴が聞こえた方を向くとそこにはフェリーチェとミルキーが倒れていてその直後に2人の変身が解除されてことはとララに戻ってしまった。

 

「さぁ、エメラルドを渡してもらいましょうか?」

 

「うっ・・・・」

 

 

2人ともボロボロだが何とか立ちあがろうとしている中でこうたはゆっくりとララ達の間を歩き、クライスの前に立ちはだかった。

 

「おや?」

 

「こうた?」

 

「危ないルン・・・・早く逃げるルン・・・・」

 

「ララ」

 

「オヨ?」

 

「ありがとな。後は任せてくれ」

 

「でも・・・・」

 

「大丈夫だ。俺はもう逃げない。俺は、俺を信じる。 嬉しい事も、辛い事も全部受け入れて前に進む!」

 

「こうた・・・・」

 

こうたがペンダントとペンを強く握りしめて立っている姿にフワとプルンス、そしてララは自分達が知ってるこうたが戻ってきたと確信すると涙目で嬉しそうにしていた。

 

「こうた」

 

「オルン、危ないからエメルアンナさんと一緒に下がってろ」

 

「フン。今更一人増えたくらいで何だと言うんですか? 貴方達に勝ち目はないというのに・・・・」

 

「さっきララも言ってたろ。最後の最後まで諦めないってな。だから俺も絶対に諦めない!」

 

そしてこうたは再びゆっくりと歩き出した。

 

「スターカラーペンダント!カラーチャージ!」

 

こうたはペンダントにペンを刺して抜いた直後にインクのついたペンを横に振るとその横線から光が放出されてそれがこうたの周囲に集まり弾けた直後にこうたは歩きながらキュアスペースに変身していた。

 

「・・・・うおおおおおっ!」

 

「フッ!」

 

スペースがいきなり走り出すとクライスは右手首の部分についていた2本の小型のビーム砲から赤いビームを複数放ったが、スペースは周囲が当たらなかったビームで爆発してるにも関わらずそれに恐れる事なく真っ直ぐ突っ込んでいった。

 

「ハアアッ!」

 

「くっ、この!」

 

スペースがジャンプした直後に右手を振りかぶってクライスの胸にパンチを繰り出すとそれを受けたクライスも反撃とばかりにパンチやキックを繰り出すがスペースはそれを上手くかわしたり手足で防御しながらカウンターを決めていた。

 

「せあっ!」

 

「うっ!」

 

スペースが右手に赤いエネルギーを集中して放ったパンチがアーマーが装着されていないお臍の部分に直撃するとクライスの動きが鈍くなった。

 

「プリキュア・スペースレイ!!」

 

スペースが少し離れて光線技を放つがそれを受けたブーストアーマーが全て無力化していた。

 

「無駄ですよ。貴方達の攻撃が私に届く事はありません」

 

「(確かに、このままじゃ勝てない。アイツに勝つ為には・・・・)」

 

スペースは考えた末に何かを決意した表情でオーブのペンを取り出した。

 

「ウルトラスターカラーペン・オーブ! ウルトラカラーチャージ!!」

 

そしてスペースはオーブのペンの力を解放してキュアスペースオーブ・オーブオリジンになるとオーブカリバーを地面に刺すと胸のペンダントから放出された光の粒子が2枚のカードとオーブリングになった。

 

「スペース・・・・」

 

ララは心配そうな表情でスペースの様子を見ていた。

 

「・・・・ガイさん、皆さん・・・・俺に力を貸してください! ゾフィーさん!」

 

『ゾフィー!』

 

スペースはゾフィーのカードをオーブリングにリードすると、スペースの左隣にゾフィーのビジョンが現れた。

 

「ベリアルさん!」

 

『ウルトラマンベリアル!』

 

更にスペースがもう一枚のウルトラマンベリアルのカードをリードすると、スペースの右隣にベリアルのビジョンが現れた。

 

「光と闇の力、お借りします!!」

 

『フュージョンアップ!』

 

スペースが両手を振り回してオーブリングを持った左手を頭上に上げた状態でトリガーを押すとゾフィーとベリアルのビジョンがスペースに重なり一つになった。

 

『キュアスペースオーブ・サンダーブレスター!』

 

スペースはサンダーブレスターに変身したが目を瞑ったままその場でジッとしていて動かなかった。

 

「あの姿は!?」

 

「プルンス、何か知ってるの?」

 

「スペースは以前あの姿になった時に暴走して敵味方関係なく暴れたんでプルンスよ」

 

「そんな!?」

 

「スペース・・・・」

 

プルンスが慌てているとそれが気になったことはが質問してその理由をプルンスが説明している横でララは先程同様スペースをジッと見つめていた。

 

「どうしました? 派手な変身をしたと思えば今度はそのまま動かないとは・・・・まぁいいでしょう。その隙にエメラルドを頂くとしましょう」

 

「っ! こっちに来るでプルンス!」

 

クライスがゆっくりとことはとプルンスの所へ歩き出した。

 

「スペース!」

 

「っ! ハアアーッ!」

 

「ぐあああっ!」

 

ララの叫び声に反応してスペースが目を開けると右手にエネルギーを収束した状態で振りかぶりながらクライスに飛びかかるとクライスは横顔に強烈なパンチを受けて勢いよく殴り飛ばされた。

 

「スペース!」

 

「やったでプルンス!」

 

スペースが自分達を守ってくれた事にことはとプルンスは喜んだ。

 

「ぐぅ・・・・貴様・・・・」

 

「・・・・2人とも大丈夫か?」

 

「うん! 平気だよ!」

 

「助かったでプルンス!」

 

「スペース、もう大丈夫ルン?」

 

「あぁ。身体が思った通りに動く。これなら大丈夫そうだ」

 

ララもことは達の所へ歩きながらスペースに声をかけるとスペースは右手を閉じたり開いたりする事で力を制御出来ていると実感し、クライスの方に身体を向けて構えた。

 

「闇を抱いて光となる!」

 

「よくも・・・・よくも私の顔を・・・・許さん。許さんぞ貴様!」

 

「上等だ。来いよ!」

 

「ハアアーッ!」

 

クライスはスペースに突撃するとスペースの胸に連続でパンチを繰り出すがスペースの身体はびくともしなかった。

 

「フッ、ハアッ!」

 

「ぐっ!」

 

スペースはクライスの拳を振り払い逆に今度はスペースがクライスの胸に連続パンチをくらわせた。

 

「このぉ!」

 

「サンダークロスガード!」

 

クライスは手首から再びビームを放つが、スペースは光と闇の力を集中させた両腕を交差させて発動する防御技【サンダークロスガード】でそのビームを完全に防いだ。

 

「何だと!?」

 

「これで終わりだ!」

 

スペースは左腕に光、右腕に闇の力を集中させた後に両手を左右に広げた。

 

「プリキュア・ゼットシウム光線!!」

 

その後は十字に組んで右手のクローからゼットシウム光線を放つとクライスはその光線をブーストアーマーで受け止めた。

 

「全く、何度言ったらわかるんですか? 貴方達の技は私には通用しない・・・・ん? これは?」

 

ゼットシウム光線を受け続けるアーマーに少しずつだがヒビが入っていた。

 

「有り得ない。こんなバカな事、一体なぜ・・・・」

 

「決まってるだろ。この力には光の力だけじゃない。闇の力も含まれてるからな」

 

「何ですって!? それこそ有り得ない! 伝説の戦士と呼ばれるプリキュアが闇の力を使うなど!?」

 

「かもな、けど俺は違う。人の心には光があれば闇もある。当然俺の中にも・・・・でも、俺はもう闇を恐れない。光と闇、その両方受け入れて俺はこれからも生きていく。それが俺の覚悟だ! うおおおおおっ!」

 

スペースがゼットシウム光線の威力を更に高めるとクライスのブーストアーマーのヒビが全体に広がり、そしてアーマーが破壊されると光線がクライスに直撃した。

 

「バカな! こんな! こんな事が! お許しください! デラスト様ーーーッ!」

 

最後にそう叫んだクライスのいた場所では爆発が起こり、その爆発がおさまった後にクライスの姿は何処にもなかった。

 

「ハァ・・・・ハァ・・・・」

 

スペースは肩を大きく揺らすほど息を荒くしていた。そしてクライスのいた場所を見つめているスペースの拳は無意識なのか強く握りしめられていた。スペースは覚悟していたのだ。これから自分はクライスを倒すと。今度は暴走してではなく自分の意思で相手の命を奪うと・・・・それらを受け止める事も含めて前に進むと決心したスペースだが、自分のしてしまった事に身体の震えが止まる事はなかった。

 

「スペース・・・・」

 

「ララ?」

 

そんなスペースの拳をララは両手で優しく包んでくれた。その時のララは何も言わなかったがスペースも何も言わずに側にいてくれるララの優しさに心が救われたような感じがしていた。

そしてスペースは変身を解除してこうたに戻った。

 

「こうた! 助けてくれてありがとう!」

 

「ありがとうでプルンス!」

 

「ありがとうフワ!」

 

「みんな・・・・」

 

それからことは、プルンス、フワもこうたの所に集まってきて助けてもらったお礼を伝えた。

 

「こうた!」

 

「オルン」

 

すると今度はオルンやエメルアンナを始めとする村の住人達がこうたの所に集まってきた。

 

「ありがとうこうた! 母ちゃんや村のみんなを守ってくれて!」

 

「私からもお礼を言わせて、オルンや村のみんなを守ってくれてありがとね」

 

「君のおかげで家族みんな無事に生き延びられたよ!」

 

「ありがとな!」

 

「ありがとう!」

 

オルンやエメルアンナに続いて村の住人達が次々とこうたにお礼を伝え始めた。

 

「みんな・・・・」

 

「こうた」

 

「ララ?」

 

「みんな、こうたが守った人達ルン。こうたが戦ってくれたからみんな助かったルン。こうたがみんなの命を救ったルン。だからこうた・・・・私を、みんなを守ってくれて・・・・ありがとルン!」

 

ララは今もこうたの手を包みながら頬を赤く染めた満面の笑顔でこうたにお礼を言った。

 

「ララ・・・・俺の方こそ、ありがとう。ララが、みんながいたから俺はもう一度立ち上がる事が出来た。だから俺からもお礼を言わせてくれ。みんな、本当にありがとう!」

 

「ルン!」

 

「良かったね!」

 

「こうた完全復活でプルンス!」

 

「復活フワ!」

 

「ことはちゃんもプルンスとフワもありがとな」

 

「どういたしましてでプルンスよ」

 

「フワ!」

 

「そうそう。あと私の事ははーちゃんって呼んでね!」

 

「了解。はーちゃん」

 

「うん!」

 

『ララ様』

 

「オヨ? どうしたルン?」

 

『アブラハム様より緊急の通信が入っております』

 

みんなで盛り上がっているとAIからアブラハムからの緊急の通信が入ってきた事が伝えられた。

 

「こうた!」

 

「あぁ。オルン、俺・・・・」

 

「行ってきなよこうた!」

 

「えっ?」

 

「心配すんなって母ちゃんの事は俺が絶対に守るから!」

 

「良いのか?」

 

「そりゃあ、最初は嫌だったけどさ。でもこうたの戦ってる姿やそこのいる姉ちゃん達の姿を見て、こうたがどれだけ必要とされてるのか、こうたがどう思ってるのかわかったから・・・・だから俺もこうたに負けない様にこれから頑張るぜ! だからこうたも頑張れよ!」

 

「オルン・・・・あぁ、俺もオルンに負けない様に頑張るよ」

 

「そうこなくっちゃ!」

 

オルンが右手の拳を突き出すとそれに合わせてこうたも右手の拳を突き出して互いの拳を合わせた。

 

「こうた」

 

「エメルアンナさん。その・・・・色々お世話になりました」

 

「こちらこそ、色々と助かったわ。本当にありがとう。これからも頑張ってね。私もオルンも、村のみんなも貴方の事を応援してるわ」

 

「はい! 皆さん、お世話になりました!」

 

こうたは村の人達に頭を下げて改めて感謝の気持ちを伝えた。

 

「こうた! 元気でな! ありがとう!」

 

「あぁ! オルンも元気でな!」

 

こうしてこうた達はオルン達に見送られて村を後にしたのであった。

 

そして村から離れた場所でキャリーモードだったロケットを元の大きさに戻して中に入るとすぐにアブラハムからの通信を受信した。

 

『おぉやっと繋がったか。 ん? こうた君! 無事だったんだね! 良かった良かった!』

 

「はい。アブラハムさんにもご心配をおかけしてしまってすみませんでした」

 

「いやいや気にしなくて構わんよ。それよりも緊急事態だ」

 

「どうしたルン?」

 

『先程観星町の上空にデラスト海賊団の宇宙船が姿を現したんだ』

 

「何ですって!?」

 

アブラハムからの通信の内容は観星町の上空にデラスト海賊団の宇宙船が姿を現したという内容だった。

 

『どうやら向こうは完全に戦闘態勢に入っているようだ。既に町のあちこちで戦闘が始まっているという報告も入っている。君達も急いで観星町に向かってくれ』

 

「了解ルン!」

 

「わかりました。すぐに向かいます! (みんな、無事でいてくれ・・・・)」

 

アブラハムとの通信を切ったこうた達は急いで観星町に向けて出発したのであった。

 

 

 

To Be Continued

 

 




         次回予告


遂に観星町への侵攻を開始したデラスト海賊団

それを食い止めるべく立ちはだかるプリキュア達

彼女達はデラスト海賊団の侵攻から町を守る事が出来るのだろうか?

次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第91話 動き出す海賊団! 守れ! みんなの帰る場所を!

次回もお楽しみ!


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第91話 動き出す海賊団! 守れ! みんなの帰る場所を!

プリキュアオールスターズF観てきました!
内容が何処も神がかっていて、この映画も神映画の仲間入り確定です!
流石は今でも神映画と呼ばれているスタプリの秋映画の監督が今回の監督を担当しているだけの事はあります!

そして入場特典の歴代プリキュアのカードも一発でスタプリのカードを引き当てたのでもう満足です。

それとちょっと考えている事があるのですが皆さんの意見を聞かせてください。

皆さんはどうしてほしいですか?

詳細は下のアンケートをご確認ください。



「クライス・・・・」

 

「まさかあの状況からクライスが負けるとは・・・・」

 

軌道上の宇宙空間を彷徨っているガルザーグの広いコックピットでデラストとオリバスはスペースとクライスの戦いの一部始終を映像で目撃していた。

因みに宇宙船の操縦や整備などその他の雑用は全てバリスレイダー達が行っている。

 

「やってくれんじゃねぇかプリキュア。いや、キュアスペースだったか?」

 

「いかが致しますか? 直接あのプリキュアを対処しに動きますか?」

 

「いや、その必要はねぇよ」

 

「え?」

 

「久々に骨のありそうな相手を見つけたんだ。アイツは俺の獲物だ」

 

「・・・・はぁ、また始まってしまった」

 

オリバスは知っている。デラストはお宝集めに負けないくらい強い相手と戦って勝利する事に拘る男だという事を。

 

「ではどう致しましょうか?」

 

「そうだな・・・・よし、船をあの町の上空へ! それとブライ達を呼べ!」

 

それからデラストはガルザーグをワープさせて観星町の上空に停滞させるとブライ、ダラス、ギールの3人を呼び出した。

 

「どうしたリーダー。いきなり俺達を呼び出して」

 

「俺達に何か用か?」

 

「兄貴! いよいよ俺様の出番が来たのか!?」

 

狙撃手としてこのメンバーのサポートをしてきたブライ、様々な姿に変身して情報収集から暗躍まで器用にこなすダラス、デラストを兄貴と慕って色々なお宝を集めては略奪も平気で行うバロッサ星人の【ギール】がデラストに呼ばれてコックピットに集まった。

 

「いいから聞きなさい。先程クライスがプリキュアに倒されました」

 

「っ!」

 

「クライスが!?」

 

「ホントですか兄貴!?」

 

「あぁ。倒したのはキュアスペースと呼ばれる男のプリキュアだ。良いかお前ら、これからこの町で暴れてキュアスペースを誘き出せ。んでもって奴が来たらすぐ俺に知らせろ。奴は俺が相手をする。良いな? 」

 

「OK」

 

「了解」

 

「わかったぜ兄貴! んじゃま、早速ひと暴れしてくるぜ!」

 

そうしてブライ達はそれぞれ観星町へと降り立った。

 

「デラスト様」

 

「何だオリバス」

 

「いえその、"あの男"は今回の戦いに参加させないのですか?」

 

「アイツも俺に似て気まぐれな所があるからな。アイツの好きにさせてやれ。まぁ俺の獲物を横取りしようとしたら容赦しねぇけどな。ほら、お前もとっとと行ってこい」

 

「私もですか!? しかし私には貴方を支えるという使命がありますし、皆さんのような戦闘能力はありませんので」

 

「確かにな。だからコイツを使え」

 

するとデラストはオリバスに掌サイズの黒い四角形で中心に赤いボタンがついた小さなスイッチを渡した。

 

「これは?」

 

「クライスの置き土産だ。何かの召喚装置なんだと。とりあえず格納庫にソイツがあるらしいから降りる前にそれが何なのか確かめてから行け」

 

「わ、わかりました。それでは失礼します」

 

そしてオリバスはコックピットを後にするとすぐに格納庫へと向かった。

 

「こ、これは!?」

 

そこでオリバスが見たものとは・・・・

 

 

 

 

その少し前、観星町にいるひかる達はみらい達にスタードーナツをご馳走していた。

 

「美味しい!」

 

「そうね。イチゴメロンパンも好きだけど、これも悪くないわね」

 

「イチゴメロンパン?」

 

「私達が暮らしてる津成木って街のMofu Mofu Bakery(モフモフベーカリー)っていう移動販売車が売ってるイチゴ味のメロンパンの事だよ。イチゴとメロン、2つの味が楽しめてとっても美味しいパンなんだ!」

 

リコが口にしたイチゴメロンパンの事が気になったひかるにみらいがイチゴメロンパンがどういう食べ物なのかを説明してくれてその後もみんなで楽しく話をしながらスタードーナツを食べていた。

 

「っ!」

 

「ユニ?」

 

「どうかしましたか?」

 

そんな中で何かに反応して立ち上がったユニをえれなとまどかが気にかけた。

 

「(何なの、この妙な胸騒ぎは・・・・っ!)」

 

すると商店街の上空にデラスト海賊団の宇宙船であるガルザーグが突然姿を現した。

 

「何あれ!?」

 

「何処から来たの!?」

 

「わかりません!」

 

みらいとリコ、まどかが突然現れたガルザーグに驚き、何処から来たのかもわからなかった。

 

『うわあああああっ(きゃあああああっ)!』

 

するとあちこちから悲鳴が聞こえてきた。ひかる達が周りを見渡すとバリスレイダー数人とその後ろにダラスもいた。

 

「アイツらは?」

 

「こうたに化けてた偽物だ!」

 

リコはコイツらが何者なのか気にしているとひかるが後ろにいたザラブ星人のグラスの存在に気づいた。

 

「ようプリキュアの嬢ちゃん達、この前は世話になったな」

 

「それはこっちのセリフだよ!」

 

「こうた君に化けてわたくし達を欺いた貴方を絶対に許しません!」

 

「みんな、行くよ!」

 

グラスの発言にえれなとまどかが反論するとひかるの掛け声と共に彼女達はそれぞれのペンを取り出した。

 

『スターカラーペンダント!カラーチャージ!』

 

『キラめく~星の力で~!憧れの~私描くよ~!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『スター☆トゥインクル〜!スター☆トゥインクルプリキュア~~!』

 

 

「宇宙(そら)に輝く〜キラキラ星!キュアスター!」

 

「宇宙を照らす!灼熱のきらめき!キュアソレイユ!」

 

「夜空に輝く!神秘の月明かり!キュアセレーネ!」

 

「銀河に光る!虹色のスペクトル!キュアコスモ!」

 

 

「リコ、私達も!」

 

「えぇ!」

 

「「キュアップ・ラパパ!」」

 

「「トパーズ!」」

 

「「ミラクル・マジカル・ジュエリーレ!」」

 

ひかる達に続いてみらいとリコもプリキュアに変身する為に呪文を唱えるとトパーズの力が発動してミラクルには黄色を基調としたバルーンスカート型のコスチュームが特徴で、ヘアスタイルは三つ編みを輪っか状にし、根元にキャンディ型のアクセサリーをつき、マジカルにはミラクルとは別で頭にはプリンがかたどられたカチューシャをつけ、指輪、スカート、パンプスにはホイップクリームの飾りがついている。そんな2人にはそれぞれ光の玉が2個付き従うように飛んでいた。

 

「ふたりの奇跡!キュアミラクル!」

 

「ふたりの魔法!キュアマジカル!」

 

そしてミラクルとマジカルは【トパーズスタイル】への変身を完了させた。

 

「キラやば〜っ☆! この前と姿が違う!!」

 

「ええっと・・・・」

 

「ちょっ、ちょっと・・・・」

 

以前と違う姿に興奮したスターは目にも止まらぬ速さでミラクルとマジカルの周りを移動して2人を観察しているとどうしたらいいかわからないミラクルとマジカルは戸惑っていた。

 

「ちょっと! 真面目にやりなさい!」

 

「ごめんなさい・・・・」

 

それをコスモに無理矢理止められたスターは反省していた。

 

「これ以上、あなた方の好きにはさせません!」

 

「あたし達が相手になるよ!」

 

そしてセレーネとソレイユが前に出てグラス達の思い通りにはさせないと宣言する。

 

「フン! 俺としては大歓迎だが、良いのか? この場にいる俺達だけに気を取られてよ」

 

「え?」

 

「どういう意味よ!」

 

グラスの言葉の意味がスターとマジカルにはわからなかったが、その答えはすぐにわかる事になった。

 

ドカーン!

 

『っ!』

 

するとスター達がいる場所とは別の二ヶ所でも爆発が起こり騒ぎになっていた。

 

「どうなってるの!?」

 

「まさか、同時攻撃!?」

 

「ピンポーン! 大正解! 今頃は別の場所でも俺と同じようにデラスト様に仕えている奴らが暴れてる頃だろうよ」

 

ミラクルが突然の事態に動揺しているとコスモは冷静に推理して答えを導き出すとグラスが正解だと言って詳細を説明してくれた。

 

「そんな・・・・」

 

「あたし達の町が・・・・」

 

「どうしよう・・・・」

 

自分達の町が壊れていく姿にセレーネ、ソレイユ、スターの3人は動揺を隠せなかった。

 

「ボーっとしないの!ここは手分けして対処しましょう!」

 

「うん! それがいいよ!」

 

「・・・・そうね。今はそれしかないわね」

 

そこへマジカルとミラクルがスター達に提案してコスモがそれを了承した。

 

「うん! わかった!」

 

「やろう! みんなが帰ってくる場所を守らないと!」

 

「ですが、誰と誰が組めばよろしいのでしょうか?」

 

「ここは私とスターが引き受けるわ。ソレイユはセレーネと、ミラクルはマジカルとのペアでそれぞれ対処しましょう」

 

スターとソレイユがやる気になっている横でセレーネは誰と誰がペアになれば良いのか考えているとコスモがそれを指示してくれた。

 

「わかった!」

 

「OK!」

 

「了解です!」

 

「みんなで頑張ろう!」

 

「油断したらダメよ!」

 

スター、ソレイユ、セレーネ、ミラクル、マジカルは声をかけた後にそれぞれのペアと共に移動を開始した。

 

「俺達の相手はお前らか?」

 

「そういう事!」

 

「さぁ、行くニャン!」

 

そしてスターとコスモはグラスとバリスレイダー達に向かって突っ込んでいった。

 

 

 

 

「きゃああああっ!」

 

「助けてくれ!」

 

「ハハハハハッ! オラオラどうした! 地球人ってのはみんな雑魚ばっかりか!」

 

「ハアアアーッ!」

 

「グハッ!」

 

町中の別のではバリスレイダーを引き連れてバロッサ星人のギールが暴れているとそんなギールにソレイユが右足に炎を纏った飛び蹴りを直撃させてギールは吹っ飛んだ。

 

「テメェ、何しやがる!」

 

「それはこっちのセリフだよ!」

 

「わたくし達が相手です!」

 

「上等だ!」

 

そこへセレーネも到着して戦闘態勢に入った。

 

すると・・・・

 

「っ!」

 

何かに気づいたセレーネが即座に別方向に向かって矢を放つとセレーネの矢と何かが相殺されて弾かれた。

 

「セレーネ!?」

 

「誰かがわたくし達を狙っています」

 

「えぇ!?」

 

セレーネの話を聞いてソレイユは驚いた。

 

「ソレイユ、ここはお願いします。わたくしはこちらを狙っている狙撃手の対処に向かいます」

 

「わかった。気をつけてね」

 

「はい。ソレイユも!」

 

そしてセレーネは何かが飛んできた方角へと走り出した。

 

 

 

 

「まさか俺の弾に瞬時に対処してくる奴がいるとはな。こいつは面白い」

 

建物の中の高い場所に身を潜めて狙撃したブライだったがこちらに向かってくるセレーネを見ながら笑みを浮かべつつ再びセレーネに狙いを定めた。

 

 

 

「見つけた!」

 

「そこまでよ!」

 

「現れましたねプリキュア」

 

ミラクルとマジカルは最後の一ヶ所に到着するとそこにはバリスレイダー達に囲まれたオリバスが立っていた。

 

「貴方もデラスト海賊団なの?」

 

「いかにも、私の名はオリバス。デラスト様を支える忠実な僕です。以後お見知りおきを。キュアミラクル、キュアマジカル」

 

「っ!?」

 

「私達の事を!?」

 

「えぇ勿論、貴方達の事は改めて調べさせてもらいましたよ。魔法界という世界では伝説の存在として有名のようですね」

 

オリバスが自分達の事を調べていた事にミラクルとマジカルは驚いた。

 

「早速ですが、私と一緒に来てもらいますよ。あなた達を人質にして彼女、キュアフェリーチェからエメラルドを頂く為にね」

 

「そんな事!」

 

「させる訳ないでしょ!」

 

ミラクルとマジカルは光の玉をハンマーに変形させてバリスレイダー達に戦いを挑み次々と蹴散らしていった。

 

「素晴らしい。やはりこの程度の実力では相手にもなりませんか」

 

「何笑ってるのよ!」

 

「仲間がやられて何とも思わないの?」

 

「思いませんよ。コイツはただの機械、つまり道具です。道具に感情移入する事などありませんよ」

 

「そんな・・・・」

 

デラストの発言にマジカルもミラクルも怒りが込み上げてきたがオリバスはバリスレイダー達の事を何とも思っていなかった。

 

「それではいきなりですが、切り札を投入させてもらいます」

 

オリバスはデラストから貰った召喚装置のスイッチを押した。

 

すると彼らのいる場所の頭上にゲートが光るとそこから光の粒子が放出されていた。

 

「何が起こってるの?」

 

現状を全く理解出来なかったマジカルをよそに、光の粒子は地面に触れる前にそれらが集まり徐々に形になっていた。まずは足、そこから動体、胸、腕、そして顔へと変化して完成すると、ミラクル達の目の前には自分達よりも大きい巨大ノットレイサイズのバリスレイダーが立っていた。

 

「何これ!?」

 

「大きすぎでしょ!」

 

「さぁ行きなさい! あの2人を捕まえるのです!」

 

こうしてそれぞれの場所での戦闘が開始された。

 

 

 

 

To Be Continued

 

 




         次回予告


それぞれの場所で戦闘が始まったプリキュア達とデラスト海賊団

自在に姿を変えるグラスに対してスターとコスモはどう立ち向かうのか


次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第92話 惑わされるな! VSグラス戦

次回もお楽しみ!


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よろしくお願いします。


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第92話 惑わされるな! VSダラス戦

いよいよオリジナルストーリーも後半戦に突入です。
最後までよろしくお願いします。


突然観星町を襲撃したデラスト海賊団。その目的はキュアスペースを誘き出す為だとは知らず、他のプリキュア達は分散してそれぞれの相手に対処する事になった。

 

そのうちの一つ、スターとコスモがザラブ星人のダラスとバリスレイダー達との戦いを繰り広げていた。

 

「やあっ!」

 

「ハアッ!」

 

スターとコスモは襲ってくるバリスレイダー達をスターの星の形をしたエネルギーのパンチやコスモの素早さや足技を駆使した戦い方で次々と倒していった。

 

「チッ、やっぱつぇ〜な」

 

「残ってるのは貴方だけよ」

 

「これ以上観星町に酷い事しないで!」

 

「わかったわかった。大人しく降参するよ」

 

ダラスが降参を宣言して両手を握ったまま両腕を上に上げようとしていた。

その姿にスターはやった!と喜び、コスモはふぅ〜と安心のため息をついた。

 

「・・・・何て言うと思ったか?」

 

「「っ!」」

 

するとダラスは右手に持っていた白い球を地面に思いっきり叩きつけると白い球は弾けて辺りは白い煙幕が発生し、その時の衝撃でスターとコスモは離れ離れになってしまった。

 

「コスモ! コスモどこ!?」

 

「スター! いたら返事をしなさい!」

 

2人はそれぞれの名前を呼び続けながら煙幕の中を彷徨った。

 

「スター!」

 

「コスモ!」

 

そしてスターを見つけたコスモがスターの所へ駆け寄ってきた。

 

「大丈夫?」

 

「うん。けど、これじゃあ相手が何処にいるかわからないよ」

 

「そうね。慎重に探しましょう」

 

「うん」

 

そしてスターが少し前を歩き、その後ろからコスモが歩いているとコスモの口元がニヤリと動いた。

 

そして・・・・

 

「うわっ!」

 

何とコスモはスターの背中を思いっきり蹴り飛ばしてそれによってスターは前のめりに倒れてしまった。

 

「何するの!?」

 

「前から思ってたけど、貴方のそういう能天気な所が気に入らなかったのよ」

 

「能天気!? 私はいつも真面目にやってるよ!」

 

そしてスターがコスモに飛び掛かるとコスモは後方に下がってそれをかわすと再び煙幕の中に姿を消した。

 

 

 

 

「スター! 何処にいるのよ全く・・・・」

 

「コスモ!」

 

スターを探しているコスモの所にスターがやってきた。

 

「やっと見つけたニャン。気をつけなさい。相手が何処から攻めてくるかわからないわ」

 

「うん」

 

そしてコスモが周辺を警戒しているとスターは背後からいきなりコスモの首を絞めた。

 

「ううっ・・・・スター・・・・どうして・・・・」

 

「私、コスモの事がずっと前から気に入らないって思ってたんだ。だってそうでしょ? 全然素直になってくれないし、こうた以外の人達にはあんまりお話ししないし、もっと私達の事を信じてくれても良いんじゃない?」

 

「うぅ・・・・こ、のぉ!」

 

コスモは背後にいるスターに肘打ちをする事でスターの拘束から抜け出した。

 

「余計なお世話ニャン! どうしようが私の勝手でしょ!」

 

そしてコスモがスターに向かっていくとスターは煙幕の中に消えて見えなくなった。

 

それから少しして煙幕が完全に晴れるとスターとコスモはお互いが探している相手を見つけた。

 

「コスモ! さっきのはどういう事!? 能天気って私の事そんなふうに思ってたの!?」

 

「そっちこそ! 私に言いたい事があるならハッキリ言いなさいよ!」

 

そして2人はダラスが目の前にいるのにも関わらずその場で口喧嘩を始めてしまった。

 

「フン!」

 

「「うわああああっ!!」」

 

その隙を狙ってダラスは両手から光線を放ってスターとコスモを攻撃した。

 

「どうしたどうした? さっきまでの威勢は何処にいったんだ? ほら、ドンドン行くぞ!」

 

そしてダラスは再び白い球を地面に叩きつけて煙幕を発生させた。

 

「また・・・・」

 

「これじゃあ何も見えないよ!」

 

コスモとスターは再び煙幕を使われた事で離れ離れになると喧嘩はしていてもそれでもお互いを探し始めた。

 

「コスモ!」

 

そしてコスモの所にスターがやってきた。

 

「さっきはごめん! 私、コスモに酷い事しちゃった・・・・」

 

「・・・・私も、さっきはちょっと言い過ぎたニャン。ごめんなさい」

 

そうして仲直りした2人はダラスを探して煙幕の中を歩き始めた。

 

しかし・・・・

 

「ハアッ!」

 

「ううっ!」

 

スターはいきなりコスモの事を殴り飛ばした。

 

「何するのよ! さっきは謝っておいて今度はいきなり襲いかかってくるなんて・・・・」

 

「私の事を簡単に信じたコスモが悪いんだよ。それにコスモだってこうやっていろんな人達を騙してたんじゃないの?」

 

「っ!?」

 

確かにコスモは宇宙アイドルや宇宙怪盗にバケニャーンと様々な手段で惑星レインボーを救う方法を探す中で何人もの人達を騙してきた。それは紛れもない事実なのでコスモはそれ以上何も言い返せなかった。

 

「そうやってコロコロ姿を変えて、気味が悪いったらないよ!」

 

「っ!」

 

『ユニ!変われるって、楽しいね!』

 

「(もしかして・・・・)」

 

コスモはプルルン星の海でみんなで人魚に変身して泳いでいた時にひかるが言ってた言葉を思い出すと今のスターに対して違和感を覚えた。

 

「ねぇスター、覚えてる? エメラルドをデラストに取られない為にみんなで隠し場所を決めたわよね?」

 

「隠し場所!? えぇっと・・・・何処だったっけ?」

 

「忘れたの? デラスト達に気づかれないようにララのロケットの中に厳重に保管しようって話してたじゃない?」

 

「あぁ・・・・そうだったそうだった! ごめんごめんすっかり忘れてたよ! エメラルドを取られたら大変だもんね。教えてくれてありがとう」

 

コスモはエメラルドをララのロケットに隠したという情報をスターに伝えるとスターもそれを聞いて思い出したと話を合わせてきた。

 

「・・・・かかったわね」

 

「えっ? 何? どういう意味・・・・ぐっ!」

 

コスモはスターの胸に向かってパンチを繰り出した。

 

「コスモ、どうして・・・・うわっ!」

 

そのままコスモはスターを空中に放り投げるとスターよりも高くジャンプして踵落としを繰り出す事でスターを勢いよく地面に叩きつけた。この衝撃で煙幕も吹き飛んで周りが良く見えるようになった。

 

「えっ? 何? 何が起こったの? って私!?」

 

その状況を理解できていない《本物の》スターがあたふたしているともう一人の自分が地面に倒れている事に驚いていた。

その直後に倒れているスターの身体に変化が起きてダラスの姿に戻った。

 

「やっぱり、そういう事だったのね」

 

「えっ? コスモ、これって一体・・・・」

 

「コイツは私達に化けて仲間割れさせようとしてたのよ」

 

「えぇ!?」

 

そこへコスモがやって来てスターに事情を説明するとスターは驚いていた。

コスモの言う通り、ダラスは煙幕で視界を遮ってそれぞれの相方に化ける事でスターとコスモが仲間割れしてあわよくば同士討ちさせようとしていたのだが、それに気づいたコスモによって阻止されてしまった。

 

「くっ、どうしてわかった」

 

「簡単よ。貴方に嘘の情報を教えて偽物かどうか確かめさせてもらったってわけよ」

 

「そうだったんだ。っていうかどうしてコスモはあの宇宙人が私の偽物だって気づいたの?」

 

「そ、それは・・・・私が変身のプロだからに決まってるでしょ?」

 

「そうなんだ! キラやば〜っ☆! やっぱりコスモって凄いんだね!」

 

「と、当然ニャン」

 

嘘である。コスモが偽物に気付けたのはこれまでスターと一緒に過ごしてきた日々があったからこそその違和感に気づく事ができたのだが、コスモはそれを恥ずかしがって素直に言えなかったのだ。

 

「スター、ペンを貸して。一気に決めるわよ!」

 

「わかった!」

 

そしてコスモはスターからうお座のペンを受け取った。

 

「レインボーパフューム! いくニャン! プリンセススターカラーペン! うお座! くるくるチャージ!」

 

「「プリキュア!!」」

 

「おひつじ座・スターパンチ!!」

 

「レインボースプラッシュ!!」

 

「あ、あぁ・・・・うわあああああっ!」

 

2人の技を受けたダラスは気絶して戦闘不能になった。

 

「やったぁ! やったよコスモ!」

 

「まっ、当然の結果ね」

 

「へへっ」

 

「フン」

 

スターが笑顔で右手を出すとコスモは恥ずかしいのかそっぽ向いてしまうがそれでも右手だけは出してくれたので2人は仲良くハイタッチをした。

 

 

 

一方・・・・

 

「急ぐでプルンスよぉ!」

 

「わかってるルン!」

 

「みらい・・・・リコ・・・・」

 

ロケットの中では既にプリキュアに変身しているミルキー、フェリーチェ、スペース、そしてプルンスとフワがミルキーの操縦で全速力で観星町へ向かっていた。

 

「みんな、俺達が到着するまで持ち堪えててくれよ」

 

スペース達を乗せたロケットは尚も加速した状態で観星町に向かって飛び続けていたのであった。

 

 




         次回予告


町で暴れ回るギールを止める為に戦うソレイユ、そしてこちらを狙って狙撃しようとしているブライと撃ち合うセレーネ。

一筋縄ではいかない相手に彼女達は苦戦を強いられるが・・・・


次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第93話 信じてるよ 預ける互いの背中!

次回もお楽しみ!


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よろしくお願いします。



そしてこの度、【ひろがるスカイ! プリキュア】と【仮面ライダーギーツ】のクロスオーバー小説を書き始めたので良かったらそちらも読んでもらえたら嬉しいです。

https://syosetu.org/novel/326502/


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第93話 信じてるよ 預ける互いの背中!

スターとコスモがまだダラスと戦ってた頃、別の場所ではソレイユとセレーネも目の前の相手と戦っていた。

 

「ハァーッ!」

 

ソレイユが炎を纏った飛び蹴りをバロッサ星人のギールに繰り出すとギールは何処からか取り出した大剣を両手で持ってそれを受け止めた。

 

「オラァ!」

 

ギールが大剣を振ってソレイユを弾き飛ばすとソレイユは後退りつつ何とか体勢を整えた。

 

「これ以上、あたし達の町に酷い事しないで!」

 

「うるせぇ! 欲しいもんがあればどんな手段を使ってでも手に入れる。それが俺達宇宙海賊だ!」

 

ギールはジャンプしてその勢いを利用して大剣を売り下ろすがソレイユは横っ飛びしてそれを回避した。

 

 

 

その頃セレーネは離れた場所から自分達を狙っている狙撃手のブライを止める為に少しずつその距離を縮めていた。

 

「フッ!」

 

ブライは自身のエネルギーを弾丸に注ぐ事で着弾した時の威力を底上げする事が出来るのだが、その弾丸をセレーネは自身の矢をぶつける事で相殺しつつブライに接近していた。

 

「チッ! そろそろここから離れるか」

 

セレーネを狙っていた狙撃手のブライは愛用しているライフルを持ったまま移動を開始する。

 

そしてセレーネはブライがいた狙撃ポイントに到着するが既にブライの姿はなかった。

 

「遅かったみたいですね」

 

セレーネはブライがいない事を確かめるとその建物の外に出たがその直後に・・・・

 

「っ!?」

 

セレーネは何かを察知して咄嗟に横っ飛びでブライの放った弾丸を回避した。

 

「やるな。プリキュア」

 

そしてセレーネは声が聞こえてきた方向を向くと先程までセレーネがいた建物の向かい側の建物の屋根の上に姿を見せたブライがセレーネに声をかけた。

 

「貴方ですか? 先程からわたくし達を狙っていたのは?」

 

「あぁ、俺はデラスト海賊団のブライだ。よろしくな。プリキュアの嬢ちゃん」

 

「嬢ちゃんではありません! わたくしはキュアセレーネです!」

 

「キュアセレーネか・・・・俺の弾丸にここまで対応してきたのはウチのリーダー以来だな」

 

ブライはかつて賞金首となっていたデラストを狙って狙撃した事があるがデラストはその全てに対応し、ブライはデラストを仕留める事が出来なかったがその射撃の腕を見込んだデラストがブライを仲間に誘うとそれを了承したブライはデラスト海賊団の一員となった。

 

「お前に恨みはないがウチの仲間がお前らの仲間にやられたんでな。こういうのは柄じゃないんだが敵討ちがてらひと暴れさせてもらうぜ」

 

「敵討ち? どういう事ですか?」

 

「知らないのか? お前の仲間のキュアスペースが俺達の仲間、クライスを倒したんだよ」

 

「スペースが!? 彼は無事なんですか!?」

 

「さぁな。けど俺達がこの町で暴れたのだってソイツをここに誘き寄せるのが目的だからな。だから今の所は無事なんじゃないか?」

 

「そうですか・・・・こうた君、無事だったんですね・・・・良かった・・・・」

 

セレーネは両手を自身の胸に添えてこうたが無事だと知って安心していた。

 

「ならば、尚更貴方達の好きにさせる訳にはいかなくなりました。彼を狙ってこんな事をする貴方達を止めて・・・・そして、彼の帰ってくる場所は必ず守ってみせます!」

 

セレーネは再び弓を召喚してブライに向かって構えた。

 

「そうかい。やれるもんならやってみな!」

 

ブライは即座にライフルを構えて発砲するとセレーネも対抗して矢を放ち戦闘が再開された。

 

 

 

 

 

「うわああああっ!」

 

「くうううううっ!」

 

ソレイユとギールはお互いの攻撃の反動で吹き飛ばされていた。

 

「たくしつけぇな! いい加減諦めろ!」

 

「嫌だ! あたしは諦めない! みんなも頑張ってるんだ。それに、セレーネはあたしを信じてこの場を任せてくれた。その思いに応える為にもここで諦めるわけにはいかないんだぁ!」

 

ソレイユは再びギールに向かって正面から突っ込んで行った。

 

「しゃらくせぇ!」

 

「うっ!」

 

ギールはブライから貰ったハンドガンを取り出して両手に持って発砲するとソレイユは両手をクロスさせてその攻撃に耐えながら距離を縮めていた。

 

「ハアッ!」

 

「グハッ!」

 

ソレイユは炎を纏った右足の回し蹴りがギールの横顔に直撃するとギールはそのまま蹴り飛ばされてしまった。

 

「くそっ」

 

「ハアアーッ!」

 

「ま、待て!」

 

ソレイユがギールに接近するとギールは左手を出して待てと促すとそれを聞いたソレイユは一旦動きを止めた。

 

「バル、バル、バル〜〜ッ」

 

ギールは左手の掌にあった渦巻き紋をソレイユに見せて左手を回すように動かした。

 

「あ、あれ?」

 

ソレイユは徐々に頭がボーっとしてきたのか何回か首を振って意識を保とうとしていた。

これはバロッサ星人の能力で渦巻き紋をかざすことで相手の動きを止めたり、催眠状態にする能力を持っていてギールはそれを使ったのだ。

 

それによってフラフラになったソレイユをギールは正面から蹴り飛ばした。

 

「うわっ!」

 

それによって仰向けに倒れたソレイユの上にギールが跨るとギールは両手でソレイユの首を絞め始めた。

 

「うっ、うぅ・・・・」

 

「ほらほら、さっきまでの威勢はどうした?」

 

 

 

そして別の場所でセレーネと戦っていたブライは距離が近い事もあってライフルを専用のバックにしまってそれを背負い、両足に装備していた黒いハンドガンを両手に持ってセレーネを攻撃していた。

 

「ハアッ!」

 

「フッ!」

 

2人の距離は20mあるかないかという距離だったが、その距離を維持したままお互い横並びで走りつつ、互いの周りは弾丸と矢が降り注いでいた。

 

そうして走り続けていた2人だったが、セレーネは目の前では襲われているソレイユの存在に気づいた。

 

「っ! ソレイユ!? ・・・・うっ!」

 

「隙ありだぜ」

 

セレーネはソレイユに気を取られた一瞬の隙をつかれてブライの攻撃を受けてしまった。

 

「うぅ・・・・ハアッ!」

 

「グアッ!」

 

しかしセレーネはそれでもソレイユの上に跨るギールに向かって矢を放ちそれに直撃したギールはソレイユの上から離れた。

 

「仲間の心配してる場合かよ!」

 

「うわあああっ!」

 

セレーネはブライの両手に持つハンドガンから放たれた弾丸の嵐をまともに受けてしまいその場で前のめりに倒れてしまう。

 

「ふぅ・・・・他人の心配なんてくるから痛い目にあうんだぜ・・・・うわっ!」

 

すると今度はブライが横からの攻撃を受けて吹っ飛ばされた。

 

「ハァ・・・・ハァ・・・・」

 

その攻撃は立ち上がってすぐにソレイユが放ったソレイユシュートだった。

 

「セレーネ、大丈夫?」

 

「はい・・・・大丈夫です。おかげで助かりました」

 

「それはこっちのセリフだよ。ありがとうセレーネ」

 

「いえ・・・・」

 

ソレイユとセレーネは互いに支え合いながらゆっくりと立ち上がった。

 

「このヤロォ・・・・」

 

「やってくれたな」

 

攻撃を受けたギールとブライもゆっくりと立ち上がってソレイユとセレーネを睨みつけていた。

 

「セレーネ、まだやれる?」

 

「勿論です」

 

そしてソレイユとセレーネは互いに背中合わせとなった状態でそれぞれの相手に対して向かい合っていた。

 

「いくよ!」

 

「はい!」

 

 

 

 

【BGM:キミのソンリッサ】

 

ソレイユとセレーネはそれぞれの相手に向かって駆け出した。

 

そしてソレイユは両足に炎を纏って連続でギールに向かって蹴り技を繰り出した。

 

「フッ! ハッ!」

 

「くっ! このぉ!」

 

ギールは右手でパンチを繰り出すがソレイユはギリギリで横に避けると右足の蹴りをギールの左肩に直撃させた。

 

「うっ・・・・調子に、乗るなぁ!」

 

「ハアッ!」

 

ギールに片手剣を右手に持ってソレイユを斬ろうとするがソレイユは先程よりも強い炎を纏った右足の回り蹴りでその剣をへし折った。

 

「う、嘘ぉ、・・・・うわっ!」

 

動揺していたギールの隙をついてソレイユはギールを蹴り飛ばした。

 

「な、何で・・・・何で急にこんな・・・・くそぉ!」

 

ギールは再びハンドガンでソレイユを攻撃するがソレイユは連続で左右に避けながらギールに向かっていき、最後には目の前まで辿り着くとハンドガンを持つギールの右手を掴んで上に上げさせて自身を狙わせなくした。

 

「ふざけんなよ・・・・俺様は、俺様はデラスト海賊団だぞ!」

 

「そんなの知らないよ! あたしはただ、あたしが守りたいものを守る為に戦う。ただ、それだけなんだぁ!」

 

そしてソレイユはギールの肩を踏み台にして高くジャンプした。

 

「プリキュア! さそり座・ソレイユシュート!!」

 

「バルバルバル・・・・バロッサーーーッ!」

 

ソレイユシュートが直撃して爆発が起こるとギールはその場に倒れて気絶し戦闘不能となった。

 

「ハァ・・・・ハァ・・・・みんなの笑顔も・・・・大切な場所も・・・・あたしが守る!」

 

ソレイユは家族の笑顔、仲間達の笑顔、そんなみんなと出会えた大切な場所を守りたいと思う意志がソレイユに勝利をもたらしたのであった。

 

 

 

 

【BGM:Moonlight Signal】

 

「まだやるのか?」

 

「はい。先程も言った筈です。貴方達の好きにさせないと」

 

「ならお互いこの一発でけりを付けるってのはどうだ?」

 

「わかりました」

 

ブライが一つの弾丸を取り出すとお互いにこの一発で決着をつけようと提案する。セレーネがそれを了承するとブライはその弾丸をライフルに装填してセレーネも弓を召喚する。

 

「コイツが地面に落ちたら開始の合図にする異論はあるか?」

 

「ありません」 

 

ブライはたった今装填した弾丸とは別の弾丸を取り出してその弾丸が地面に落ちたタイミングを勝負開始の合図にした。

 

「それじゃあいくぜ!」

 

ブライは弾丸を指で高く弾くとその直後にライフルを構えた。

 

「プリキュア! いて座・・・・」

 

そしてセレーネもいて座のペンを使って矢を放つ体勢に入った。

 

「「・・・・・・・・」」

 

弾丸が地面に落ちてくるまでの間、2人は何も喋らずその姿勢を保ったままずっと動かずにいてそんな2人の周りでは静かに風が吹いていた。

 

「(この弾丸に俺の力の全てをかける)」

 

ブライがこれで決めるという時は必ずライフルを通じて装填された弾丸にありったけのエネルギーを注ぎ込んでいる。それによって真っ黒なライフルが青白い光を放ち続けていた。

 

「(わたくしは・・・・)」

 

一方セレーネは狙いを定めながらこれまでこうた達と過ごした日々を思い出していた。

 

そして落ちてきた弾丸が2人の視界に入るとその弾丸はゆっくりと地面に落ちていった。

 

そして・・・・

 

「「・・・・・・・・」」

 

・・・・弾丸は地面に落ちた。

 

「フッ!」

 

バァーン!

 

「セレーネアロー!!」

 

セレーネも矢を放つと放たれた弾丸と矢が互いに激突する。そしてセレーネの矢がブライの弾丸を粉々に粉砕してそのまま矢はブライに直撃した。

 

「ぐうぅぅ・・・・見事だ。キュアセレーネ・・・・お前の・・・・勝ちだ」

 

そしてブライはそのまま仰向けに倒れた。

 

「わたくしに大切な事を教えてくれたかけがえないのない人達・・・・皆さんには指一本触れさせません!」

 

この勝負は強い決意を持って挑んだセレーネの勝利となった。

 

それぞれの戦いに勝ったソレイユとセレーネは歩きながら互いに近づき、相手の目の前までやってくるとソレイユの表情は笑顔になり、セレーネは微笑んだ表情を見せるとお互いに右手を出してハイタッチをした。

 

 

 

「急ぐわよ!」

 

「うん! 早くみんなと合流しないと!」

 

ダラスとの戦いに勝利したスターとコスモは他のメンバーと合流する為に誰もいない町中を走っていた。

 

しかし2人はその様子を建物の屋根の上から黒いロングコートを着た謎の人物が見ていた事に気付いていなかった。

 

 

 

To Be Continued

 

 




         次回予告


オリバスの指示で襲いかかってくる巨大バリスレイダー

立ち向かうミラクルとマジカルはそれに打ち勝つ事が出来るのか?

そんな彼女達の知らない所で新たな敵がスターとコスモに迫っていた。


次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第94話 大ピンチ!? ゴルドラ襲来!

次回もお楽しみ!


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第94話 大ピンチ!? ゴルドラ襲来!

やっと最新話が完成しました!
待ってくれていた方々、遅くなってしまい申し訳ありません!


「「ハアアーッ!」」

 

オリバスが呼び出した巨大バリスレイダーと戦っているミラクルとマジカルはそれぞれの光の玉を足場にして高くジャンプすると巨大バリスレイダーの胸に向かって2人同時にパンチを繰り出してそれを受けた巨大バリスレイダーはバランスを崩した。

 

「なっ!?」

 

「ハアアーッ!」

 

ゴォーン!

 

オリバスがそれに驚いている間もミラクルはマジカルの分の光の玉も合わせて巨大な光のハンマーを作るとそれを巨大バリスレイダーの頭に思いっきり叩きつけた。

それによって巨大バリスレイダーはその場で跪いてしまう。

 

「マジカル!」

 

「えぇ!」

 

「「リンクルステッキ! 」」

 

「モフーッ!」

 

「「トパーズ!」」

 

ミラクルとマジカルはリンクルステッキを召喚するとモフルンから光の玉を受け取りトパーズがリンクルステッキにセットされた。

 

「「金色の希望よ!私たちの手に!」」

 

モフルンからトパーズを受け取った2人は互いの手を握りしめながら呪文を唱え始める。

 

「「フルフルリンクル!」」

 

2人がステッキを稲妻の形に振りながら呪文を唱えると黄色い竜巻と稲妻が発生させるとそれは巨大なリンクルステッキへと変化してステッキから発せられる魔法陣で巨大バリスレイダーは動きを封じられた。

 

「「プリキュア・トパーズ・エスペランサ!!」」

 

ミラクルとマジカルが呪文を唱えると巨大バリスレイダーをレールガンのように射出し、射出された巨大バリスレイダーはその直後に破壊された。

 

「そんなバカな!?」

 

「さぁ、残ってるのは貴方だけだよ!」

 

「大人しく降参しなさい!」

 

「くっ」

 

ミラクルとマジカルから降参の呼びかけを受けたオリバスはどうするか考えていた。

 

 

 

こうしてそれぞれの戦いが終息しつつある状況でスターとコスモの事を見つめる謎の存在が遂に動き始めた。

 

「・・・・・・・・」

 

その黒いロングコートを着た謎の男は建物の上から高くジャンプすると走っているスターとコスモの目の前に突然降り立つと辺りには着地の衝撃で土煙が舞っていた。

 

「ええっ!?」

 

「何っ!?」

 

目の前で突然起こった出来事にスターとコスモは立ち止まるが驚きを隠せずにいた。

 

「なぁ、お前ら・・・・強いのか?」

 

「えっ?」

 

「何言ってるの、コイツ・・・・」

 

「返事ナシか・・・・まぁいい・・・・なら直接、戦って確かめる!」

 

「っ!? ううっ!」

 

男はスターの目の前まで一気に距離を詰めると右手の拳を思いっきり振りかぶって殴ろうとするとスターは両手をクロスして防御するが、衝撃で後方まで吹っ飛ばされてしまった。

 

「スター!? ・・・・っ!?」

 

すかさず男はコスモに右足の回し蹴りを繰り出すとコスモは腕を盾にして防ごそうとするがやはりこちらも衝撃を抑えられずそのまま蹴り飛ばされてしまう。

 

「うぅ・・・・アンタ、一体何なのよ!」

 

「俺か? 俺の名はゴルドラ・・・・強さを追い求める者」

 

「ゴル、ドラ?」

 

「アンタもデラスト海賊団なわけ?」

 

「知らんな。俺はただ宇宙で最強となったデラストと戦う為に一緒にいるだけだ」

 

ゴルドラは今まで出会った中で一番強かったデラストが宇宙で一番強い男を目指していると知り、そうなったデラストと戦いたいと思ってその時を待ちつつデラストを相手に時々模擬戦をしたりして行動を共にしている。

なのでゴルドラ自身は強い相手と戦えさせすればそれ以外はどうでもいいのだ。

 

「最強って・・・・強い相手と戦えさえすればそれで良いの?」

 

「構わない。強い相手と戦い、己を高められればそれで良い」

 

「そんなのおかしいよ! 宇宙には強さ以外にも楽しい事や嬉しい事がいっぱいあるんだよ!」

 

「ふむ。ならば俺が間違っていると力で示してみせろ!」

 

スターの言葉を聞いたゴルドラは立ち上がったスターに向かって再び突っ込んでいった。

 

 

場所は戻り、追い込まれたオリバスは懐から何かを取り出した。

 

「ここぞという時まで温存するつもりでしたが、どうやら今がその時のようですね!」

 

オリバスが懐からデラストが使っている紫色の魔石とは違うビー玉サイズの紫色の球を取り出すとそれを一口で飲み込んだ。

 

「っ!? ううっ!?」

 

すると突然オリバスは苦しみ始めると身体中から紫色のオーラのようなエネルギーが漏れ出していた。

 

「何? 何が起こってるの?」

 

それを近くで見ていたマジカルにも何が起こっているのか分からなかった。

 

「うぅ・・・・うおおおおおおおっ!」

 

するとオリバスの身体が徐々に大きくなるにつれてかけていたメガネは砕けて上半身の服は破れて長ズボンも下の部分は破れて最早半ズボンと殆ど変わらなかった。

 

変化したオリバスは身長が3メートルぐらいまで大きくなり、上半身のみ裸で手足は筋肉ムキムキとなり身体からは今も紫色のオーラが溢れ出ていた。

 

「どうなってるの?」

 

「これはデラスト様の力の一部を取り込む事で得た力・・・・本来であればこのような醜い姿を晒したくはなかったのですが致し方ありませんね」

 

ミラクルが動揺しているとオリバスは自ら説明を始めた。これは彼が道中でデラストが戦闘中に放出した自身のエネルギーをクライスに回収させてそれを圧縮させた物が先程のビー玉サイズの紫色の球だったのだ。

 

「(ぐっ! ですが強引な強化で私の身体にも負担が・・・・)」

 

デラストが使う魔石の力はデラストが使うからこそ問題ないが戦闘能力が皆無のオリバスが強引に使うと身体に大きな負担が生じた。

 

「(しかし、これも全てはデラスト様が宇宙の頂点に君臨する為に必要な事・・・・私が必ずデラスト様を宇宙の頂点に!)」

 

オリバスがこの球を用意していたのはいつか自分自身が戦う時がくるかもしれない時に備えての事だった。例え自分がどうなろうとデラストが最強になる為の全力を尽くすというオリバスなりの覚悟が今の状況を作り出していた。

 

「行くぞ。プリキュア!」

 

オリバスがミラクル達に突っ込むとミラクルとマジカルも臨戦態勢に入った。

 

 

 

そしてゴルドラと戦うスターとコスモだったが、その強さの前に苦戦を強いられていた。

 

「プリキュア・おうし座・スターパンチ!!」

 

「フン」

 

ゴルドラはスターの技を身体を横に逸らす事であっさりかわした。

 

「このぉ!」

 

その背後からコスモが飛び掛かるがゴルドラは開いた左手をコスモの方に向けるとその手から紫色のエネルギー弾が連射されてそれがコスモに襲いかかる。

 

「ううっ!」

 

「コスモ!?」

 

エネルギー弾が直撃したコスモは落下して地面に落ちるがそれでも何とか立ち上がった。

 

「スター、同時に行くわよ!」

 

「わかった!」

 

スターとコスモは左右から同時にゴルドラに殴りかかるがゴルドラはその場から動かず両手を使って2人の拳を受け止めた。

 

「「っ!?」」

 

「その程度の拳、避ける必要すら感じられないな」

 

「「うわああっ!」」

 

ゴルドラはそのまま2人の手を掴んで投げ飛ばした。

 

「つ、強い・・・・」

 

「けど、諦めない! 最後の最後まで・・・・こうたが、そう教えてくれたから!」

 

ゴルドラの強さに動揺するコスモの横でスターはこうたのこれまで戦ってきた姿から得たもの『諦めない気持ち』を胸に再び立ち上がった。

 

「そうね。ここで諦めたらアイツに笑われるニャン」

 

そしてコスモも立ち上がるとスターとコスモは互いを見て頷くと【何かをやり取り】してスターが先頭を走り、その後ろからコスモがついて行く形でゴルドラに突っ込んでいった。

 

「何度やっても同じだ」

 

ゴルドラは右手から再びエネルギー弾を連射するとスターが星形のバリアを生成してそれを盾にしながら真っ直ぐゴルドラに突っ込んで行った。

 

「プリキュア・スター・・・・」

 

「遅い」

 

「うわあああっ!」

 

そして至近距離までやってきたスターがバリアを解除して技を発動しようとするがその前にゴルドラがスターを殴り飛ばしてそれを阻止した。

 

「コスモ!」

 

「っ!?」

 

スターの言葉を聞いたゴルドラが慌ててコスモの方を見るとそこには【チャージ済み】で光り輝くレインボーパフュームを持ったコスモがゴルドラの懐まで辿り着いていた。

 

「プリキュア・レインボースプラッシュ!!」

 

ほぼゼロ距離から放たれた技がゴルドラに直撃して爆発が起こった。

 

先程、ゴルドラに向かって行く直前にスター達かしていたやり取りはスターがコスモにおうし座のペンを渡してコスモはそれを受け取っていた。

そしてコスモはスターの後ろを走りながらおうし座のペンのエネルギーをレインボーパフュームにチャージし続けた結果、スターに気を取られたゴルドラの隙をついてレインボースプラッシュをゴルドラに当てる事が出来たのだ。

 

「やったニャン!」

 

「・・・・思っていたよりやるな」

 

「っ!?」

 

爆発の煙が晴れるとそこにはグレー色の姿をした怪物のような姿をしたゴルドラの姿がそこにはあった。

 

(イメージは全身がグレー色になった仮面ライダーカブトのカッシスワーム・ディミディウス)

 

「そんな・・・・」

 

「お返しだ」

 

するとゴルドラの右手に虹色のエネルギーが集まり始めていた。

 

「嘘・・・・」

 

「レインボースプラッシュ」

 

「ああああっ!」

 

今度は逆にコスモが至近距離でレインボースプラッシュを受けてしまい、それによって吹き飛ばされたコスモは直後に変身が解除されてしまった。

 

「どうして・・・・貴方が、レインボースプラッシュを?」

 

「俺の能力は特殊でな。受けた技を吸収して自分のものに出来るんだよ」

 

ゴルドラには相手の技を吸収して自分の力としてその技が使えるようになるという特殊能力があり、様々な相手の技を吸収してはそれを糧にしつつ自身を磨いてゴルドラは強くなっていった。

 

「ユニ! ハアアーッ!」

 

そんなユニを守る為にスターはゴルドラに向かって行き格闘戦を仕掛けるがスターの攻撃をゴルドラは完璧に防いでいた。

 

「やああーっ!」

 

「フッ!」

 

「ああっ!」

 

しかしゴルドラのカウンターを受けたスターはゴルドラから後ずさるとゴルドラは肘を曲げた両手を広げるとその手にエネルギーが収束されていき、その両手をゴルドラが前方に突き出すと合わせた両手から光線が放たれてそれがスターに直撃する。

これはザラブ星人が得意とする光線技でゴルドラは以前ダラスからこの技を受けた事があったので使う事が出来るのだ。

 

「うわあああああっ!」

 

光線を受けたスターは倒れているユニの近くまで転がるとその直後にスターの変身も解除されてしまう。

 

「ひかる・・・・」

 

「終わりだな」

 

 

 

別の場所では強化されたオリバスの力はミラクル達を圧倒していた。

 

「ハアアーッ!」

 

「「うわあああっ!」」

 

ミラクルとマジカルが光の球を盾にして攻撃を防ごうとするがオリバスの拳の前に簡単に砕かれてしまいオリバスの拳を2人ともまともに受けてしまった。

 

「ううっ!」

 

「この、離しなさいよ!」

 

そしてオリバスはミラクルとマジカルの身体を左右の手で掴むと高くジャンプして高さが限界まで辿り着くとオリバスはミラクルとマジカルを思いっきり地面に向かって投げ飛ばした事で高い場所から勢いよく落とされた上に、地面に直撃した時にかなり強い衝撃を受けた事で2人の変身は解除されてしまった。

 

「みらい! リコ!」

 

「うっ、うぅ・・・・」

 

「モフルン、来ちゃダメ・・・・」

 

その様子を心配したモフルンは慌ててみらい達に駆け寄った。

 

「さぁ、私と一緒に来てもらいましょうか?」

 

そう言いながらオリバスはみらい達に徐々に近づいていくと背中に何かが当たったような違和感を覚えたオリバスが背後に振り向くとそこには弓を構えるセレーネとその隣に立つソレイユの姿があった。

 

「ソレイユ、セレーネも」

 

「来てくれたのね」

 

「みんな、遅くなってごめん!」

 

「ここはわたくし達に任せてください!」

 

みらいとリコがソレイユとセレーネの登場に安心していると2人はみらい達に声をかけた後に再びオリバスの方を向いた。

 

「何人増えた所で同じ事、全員纏めて相手をしてあげましょう!」

 

そしてセレーネは矢を放って攻撃する横でソレイユがオリバスに向かって突っ込んでいった。

 

「ハアアーッ!」

 

「オオオオオッ!」

 

オリバスは矢を片手で弾くとその直後にソレイユの炎を足に纏った飛び蹴りを胸に受けてしまうがすぐに体制を立て直してソレイユの足を掴んでセレーネに向かって投げ飛ばした。

 

「「ぐうっ!」」

 

その隙にオリバスが右手の掌から紫色の光線を放ちそれがソレイユ達に直撃して爆発が起こった。

 

「フン。他愛もない・・・・くっ・・・・」

 

しかしオリバスも力を使った反動で少しだがダメージを負っていた。

 

「「ハアアーッ!」」

 

すると煙の中からソレイユとセレーネが飛び出すとオリバスに向かって突っ込んで行った。

 

「愚かな。ハアッ!」

 

オリバスが右手の拳で殴りかかるとセレーネがそれを綺麗に受け流して攻撃を外させた。

 

「なっ!?」

 

その間にソレイユとセレーネはオリバスの両足の脛をそれぞれ蹴る事でオリバスは体制を崩してその場で跪いた。

 

「おわっ!」

 

「「プリキュア!」」

 

「てんびん座・ソレイユシュート!!」

 

「やぎ座・セレーネアロー!!」」

 

「うわああああっ!」

 

2人の技がオリバスの身体に当たって爆発するとその隙にソレイユとセレーネは倒れているみらい達に駆け寄った。

 

「大丈夫?」

 

「うん。何とか・・・・」

 

「えぇ、おかげで助かったわ」

 

「どういたしまして」

 

「さぁ、今の内にスター達と合流を・・・・」

 

「危ないモフ!」

 

「「っ!?」」

 

ソレイユがみらい達に大丈夫か聞くとみらいもリコも大丈夫だと伝えてセレーネがスター達と合流する為に移動しようと提案した直後にモフルンが危険を知らせてきて振り向くとソレイユ達の後ろには紫色の光線がすぐそこまで迫っていた。

 

回避は不可能と判断したソレイユとセレーネは自分達の身体を盾にしてみらい達を守った。

 

「「うわああああっ!」」

 

「ソレイユ!」

 

「セレーネ!」

 

攻撃を受けた直後にソレイユとセレーネの変身も解除されてえれなとまどかはその場で前のめりに倒れてしまう。

 

「えれなちゃん! 大丈夫!?」

 

「まどか! しっかりしなさい!」

 

「うっ、うぅ・・・・」

 

「やってくれましたね」

 

「「っ!?」」

 

先程の攻撃はオリバスの右手から放たれたものでダメージは確かに与えているが倒すには至らなかったようだ。

 

「そんな・・・・」

 

「もうあなた達を人質にするなんて生温いやり方はやめです。全員ここで消えなさい!」

 

「「「「「っ!?」」」」」

 

オリバスは彼女達にトドメを刺そうと先程より強い光線を両手で放った。

 

その頃、ゴルドラもひかる達に近づいて止めを刺そうとするとユニがそんなゴルドラの前に立ちはだかった。

 

「待ちなさい」

 

「ほう?」

 

「この子には指一本触れさせない!」

 

「面白い」

 

「ぐぅ!」

 

「ユニ!」

 

ゴルドラは右手でユニの首を絞めるとそのまま右手を上に上げたらユニの足は地面から離れていた。

 

「ううっ!」

 

「何故他人を庇う? 自分さえ良ければ周りの者達などどうでも良いではないか?」

 

「そうね・・・・以前の私なら・・・・貴方の考えに賛同してたかもしれないニャン・・・・」

 

「ならば何故?」

 

「伝染、かしらね。アイツのお節介をずっと見てきたから・・・・」

 

「アイツ?」

 

ユニもまた先程のスターのようにこうたの事を思い出していた。

 

「アイツは・・・・こうたは・・・・どんなに自分が傷ついても・・・・苦しんでも・・・・それでも誰かの為に頑張れる。そんな姿を見てきたから・・・・私もこうたみたいに誰かの為に頑張りたいって・・・・そう思ったのかも・・・・しれないニャン」

 

「フン。くだらん」

 

そう言うとゴルドラはユニを離して地面に落ちたユニに向かって右手の掌にエネルギーを集めて光線を放とうとしていた。

 

「ユニ! 逃げて!」

 

「案ずるな。2人纏めて消し飛ばしてくれる」

 

ひかるが必死に叫ぶがユニは目を瞑り甘んじて受け入れるつもりでいた。

 

「(私は・・・・多分、ここで終わり・・・・けど、例え私が死んでも貴方ならきっと、宇宙を、惑星レインボーを救ってくれるって信じてる)」

 

そしてゴルドラの収束したエネルギーが限界に達するとゴルドラは光線を放つ体制に入った。

 

「(さよなら、こうた・・・・)」

 

そしてゴルドラが光線を放つとユニとひかるがいた場所は跡形もなく消し飛ばされてしまい、辺りは光線によって発生した土煙で覆われていた。

 

「ハァ・・・・プリキュアなど所詮この程度の連中だったという事か・・・・ん?」

 

土煙が晴れるとゴルドラは一つ疑問に思った。それはユニとひかるの身体、もしくは衣類の痕跡が全くなくて、あるのは光線によって地面が削れた跡しか残っていなかった。

 

「どういう事だ・・・・っ!?」

 

ゴルドラが辺りを見渡すと何かを目撃して驚いた。

 

それは・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユニを抱き抱えて立っているキュアスペースの姿だった。

 

「貴様は!?」

 

「うっ・・・・っ!? 貴方!?」

 

「ごめん。遅くなった」

 

ユニ自身も何が起こったのか理解出来ずにいると自信がスペースに支えられている事に気づいて驚いていた。

 

「いたっ!」

 

「間に合ったフワ!」

 

「ギリギリセーフでプルンス!」

 

その近くでは突然現れたひかるが地面に落ちるとそこへフワも一緒に現れた。ひかるはフワのワープによって助けられてそこへプルンスも合流した。

 

「ひかる、大丈夫フワ?」

 

「フワ!? 助けてくれてありがとう!」

 

「どういたしましてフワ!」

 

 

 

 

 

 

そしてオリバスの光線にやられそうになっていたみらい達は目を瞑っているが、いつまで経っても光線がこない事が気になってゆっくりと目を開けると・・・・

 

「・・・・っ!」

 

「「ハアアーッ!」」

 

みらい達の前でフェリーチェとミルキーがピンクトルマリンの花形のバリアとハート形のバリアを展開して彼女達を守っていた。

 

そして光線を受け切った事で2人はバリアを消滅させた。

 

「何だと!?」

 

「フェリーチェ!」

 

「ミルキー!」

 

「みんな! 大丈夫ルン?」

 

「遅くなってすみません!」

 

みらいとまどかがそれぞれ名前を呼ぶとミルキーとフェリーチェも遅くなった事を謝罪しつつみらい達に大丈夫かと尋ねた。

 

 

 

「こうた・・・・」

 

「ユニ、よく頑張ったな。後は任せてくれ」

 

「待って!」

 

スペースが歩き出すとユニはスペースの手を掴んでそれを止めた。

 

「貴方、大丈夫なの?」

 

「あぁ、俺はもう逃げない。決めたんだ。嬉しい事も、辛い事も全部受け入れて前に進むって。だからどんな事があっても最後の最後まで俺は戦う!」

 

「そう・・・・」

 

それを聞いたユニは掴んでいたスペースの手を離した。

 

「必ず勝ちなさい。負けたら承知しないわよ!」

 

「あぁ!」

 

ユニが右手の拳を出すとそれに合わせてスペースも右手の拳を出して2人は拳を重ねた。

 

その後スペースは再び歩き出すとその後ろでユニはスペースから自身の顔の見えなくなったのを確かめるとユニは心配そうな表情でスペースの事を見つめていた。

 

「貴様、何者だ?」

 

「俺はキュアスペース。お前達を倒してみんなを、大切なものを守る者だ!」

 

「守るだと? くだらん。他人の為に自分の力を使うなど愚かな行為に他ならない」

 

「そんな事ない! 誰にも傷ついてほしくないから・・・・苦しんでほしくないから・・・・俺は全力で戦う! そして・・・・アンタを倒す!」

 

「面白い。やれるものならやってみろ!」

 

こうして、スペースとゴルドラの戦いの火蓋は切って落とされた。

 

 

 

 

To Be Continued

 

 




         次回予告


仲間のピンチに駆けつけたスペース達

しかしゴルドラは手を緩める事なくスペースに襲いかかる。

苦戦するスペースだったが黄金の光を纏ってそれに立ち向かう。



次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第95話 纏うは極み! 金色のスペース!

次回もお楽しみ!


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第95話 纏うは極み! 金色のスペース!

一ヶ月以上投稿出来なくて申し訳ありませんでした!

m(_ _)m

長くお待たせしてしまいましたが、今日から投稿を再開しますので今後ともよろしくお願いします!

そんなオリジナルストーリーも今回を入れてあと4話となり、最後まで楽しんでもらえたら嬉しいです!



突然現れたデラスト海賊団最後の一人ゴルドラ、そして奥の手を使ったオリバスの前に追い詰められるスター達、そんな彼女達のピンチを救ったのは行方不明だったスペースと彼を迎えに行ったミルキーとフェリーチェだった。

 

 

そしてスペースとゴルドラは互いに構えた状態での睨み合いが続いていた。

 

「(ひかるとユニがここまでやられるなんて・・・・コイツ、強い!)」

 

「(なるほど。 勢いに任せて向かってこない所を見るに、先程の2人よりは骨がありそうだな)」

 

「気をつけなさい! ソイツは相手の技を吸収して自分のものに出来るの! だから無駄に技を使ったらダメよ!」

 

「わかった。サンキューユニ!」

 

スペースとゴルドラが思考を回転させている所にユニから助言を受けたスペースは更に思考を回転させる。

 

 

 

 

 

「やっと来たか。最初は俺が戦おうと思っていたが、奴がゴルドラを相手に何処までやれるのか・・・・興味があるなぁ・・・・」

 

その様子をデラストも宇宙船のモニターから観ていて、最初は自分が戦おうと思っていたが、ゴルドラとスペースの様子を見て考えが変わり、どっちが勝つのか興味を持ったデラストはもう少しこの戦いを見物する事にした。

 

「(技を吸収されるなら接近戦で行くしかない!)」

 

光線技が使わないと決めたスペースは接近戦での勝負を選択してゴルドラに向かって突撃した。

 

「フン!」

 

スペースとゴルドラ、互いの右手の拳が激突するとそのまま2人は互いに連続パンチを繰り出しながら相手の拳を防御したり受け流したりして対応していたが、ゴルドラの強烈な一撃をスペースも防いだものの後方へと吹き飛ばされた。

 

「ハアッ!」

 

「ぐっ!(このままじゃ埒が開かない。・・・・なら!)ウルトラスターカラーペン・タイタス! ウルトラカラーチャージ!!」

 

スペースはタイタスのペンを使ってキュアスペースタイタスになるとタイタスの力で強化された肉体を駆使して戦闘を再開する。

 

「ハアッ!」

 

「くっ! 姿が変わって力が上がるか・・・・面白い!」

 

強化されたスペースの力にゴルドラは押され始めるとゴルドラの心からは焦りではなく喜びが感じられた。自身が苦戦を強いられる。それが彼のような強さを求める者にとっては更なる高みを目指す上で必要な事だからだ。

 

「レインボースプラッシュ!!」

 

「なっ!?」

 

ゴルドラはスペースから距離を取っていきなりコスモの技を使った事にスペースは驚いた。

 

『エックスレット、コネクトオン!』

 

「プリキュア・エレクトロバスター!!」

 

それに対抗しようとスペースもエックスのペンをブレスレットに変化させて技を発動する。そしてその技はゴルドラの技に競り勝つとそのままゴルドラに直撃した。

 

「ぐあっ! ・・・・中々やるじゃないか。だが・・・・」

 

ゴルドラは多少なりともダメージを受けて跪くがすぐに立ち上がり先程のスペースと同じ構えをとった。

 

「まさか!?」

 

「エレクトロバスター!!」

 

「くぅ! ううぅ・・・・ぐああああっ!」

 

スペースは両手をクロスして攻撃を防ごうとするが防ぎきれず技が直撃すると後方へと吹き飛ばされながらタイタスの力は解除されて倒れてしまう。

 

「スペース!」

 

「その程度の力では俺には勝てないぞ」

 

倒れているスペースを心配してひかるが叫ぶがゴルドラにはまだまだ余裕があった。

 

「くっ・・・・(技を吸収されるっていうなら・・・・武器で勝負だ!) ウルトラスターカラーペン・ロッソ! ウルトラカラーチャージ!!」

 

スペースは今度はロッソのペンを取り出してキュアスペースロッソ・フレイムになると両手にルーブスラッガーロッソを召喚した。

 

「ルーブスラッガーロッソ! ハアッ!」

 

スペースは両手に持ったルーブスラッガーロッソでゴルドラに切り掛かるがゴルドラは両腕にエネルギーを収束する事でスペースの斬撃に対抗していた。

 

その姿はまるでスペースが身体の一部にエネルギーを収束して相手を攻撃したり、攻撃を防いだりしている時と同じだった。

 

「どうした? それでは俺に勝てんぞ。俺を倒したかったらもっと強力な技を使ってみろ」

 

「くっ」

 

スペースも先程はレインボースプラッシュに驚き慌てて反撃してしまったが、それが仇となりゴルドラはスペースの技を吸収してしまった。それを見たスペースは武器を使っての戦闘に切り替えたまでは良かったが、それでも決定打にかけていた。

スペースの剣とゴルドラのエネルギーを纏った腕が拮抗しているとゴルドラは更に力を込めてスペースを押し返した。

 

「フン!」

 

「ぐあっ!」

 

「先程までの威勢は何処へ行った? 俺達を倒すんじゃなかったのか? 俺の能力を恐れてその様とは情けない」

 

「ハァ・・・・ハァ・・・・」

 

このまま持久戦になる事はスペースとしてもどうしても避けたいと思っていた。ゴルドラとの戦いが終われば途中から別行動になったミルキー達との合流。そして彼女達曰くスペースにしか対抗出来ないと言われている連中のリーダー、デラストとの戦い。この先の事を考えてもここで足止めをくらう訳にはいかない。だったら、自身の最大パワーとも言えるギンガビクトリーの力で一気に押し切るか? だがもし、それでも決めきれなかったらもう勝ち目はない。

 

そういった事を頭の中でずっと考えていたスペースはどうしたら良いのか分からず悩んでいた。

 

「(くそっ! どうすれば良い・・・・どうすればアイツに勝てる・・・・俺には無理なのか?)」

 

『諦めるな!』

 

「っ!?」

 

するとスペースは何処からか聞こえてきた声に反応し、誰の声なのか確かめようとすると、胸のペンダントが激しく光の点滅を繰り返していた。

 

『こうた君、君は一人じゃない! 俺達がついてる!』

 

「カツミさん!?」

 

その声の主はウルトラマンロッソに変身する湊カツミだった。スペースがロッソのペンで変身している最中だった事もあり、カツミの声が直接こうたの頭の中に届いたのだ。

 

『俺も、イサミも、アサヒも、何でも一人で出来たわけじゃない。俺達は家族みんなで力を合わせて困難に立ち向かい、それを乗り越えてきたんだ!』

 

『そうだぜ!』

 

「えっ?」

 

するとスペースの腰にあったペンケースからブルのペンが勝手に飛び出すとブルのペンを中心にウルトラマンブル・アクアの半透明の幻影がスペースロッソの隣に並び立った。

 

「誰だお前?」

 

「イサミさん!?」

 

ブルの出現にゴルドラもスペースも驚いた。

カツミの声に反応するかのようにブルのペンからも力が放出されてトリプルオリジウム光線を放つ時のようにブルの幻影が現れた。

 

『俺も同じだ。カツ兄やアサヒ、父さんや母さんがいたからこれまでやってこれたんだ。だから、俺達も一緒に戦うぜ!』

 

『みんなで力を合わせれば絶対に勝てる! だからこうた君も俺達を、自分を信じろ!』

 

「カツミさん・・・・イサミさん・・・・はい!」

 

若干戦意を失いかけていたこうたの心はカツミとイサミも言葉を受けて再び闘志が燃え上がっていた。

 

「スペース!」

 

こうたは声が聞こえてきた背後を振り返るとそこにはひかる達が立っていた。

 

「頑張って!」

 

「頑張るフワ!」

 

「ファイトでプルンス!」

 

ひかる、フワ、プルンスは必死にスペースを応援しようと叫んでいた。

 

「やっと帰ってきたと思ったらいつまでそんな腑抜けた姿を見せるつもり? さっさと反撃しなさいよ!」

 

「ユニ・・・・」

 

スペースはみんなの応援とユニの喝を受けて再び目の前の相手に集中した。

 

「行きますよ! カツミさん! イサミさん!」

 

『『ああ!』』

 

「来い!」

 

ゴルドラは再び戦闘体勢に入るとスペースロッソとブルは技を放つ体勢に入った。

 

「プリキュア!」

 

『フレイム・・・・』

 

『アクア・・・・』

 

『『「ハイブリッドシュート!!」』』

 

フレイムスフィアシュートとアクアストリュームを途中で収束させて放ち、単体光線の3倍の破壊力を持つ合体光線。【フレイムアクア・ハイブリッドシュート】がゴルドラに襲いがある。

 

「ぐっ、うおおおお・・・・ぐああああっ!」

 

ゴルドラも最初は堪えていたが防ぎきれず吹き飛ばされてしまい、技も吸収しきれずダメージを受けた。

 

「技を吸収できなかった!?」

 

「凄い!」

 

その様子にユニとひかるが驚いていた。確かにゴルドラの能力は厄介だが、それは一人を相手にしての事、複数の力が混ざった同時攻撃はゴルドラでも吸収する事が出来なかった。

 

『今だ!』

 

『行け!』

 

「はい!」

 

カツミとイサミの後押しを受けたスペースは2人の力を右手に集中していた。それにより、幻影だったブルが消えるとスペースロッソのペンダントとブルのカラータイマーからスペースの右手に送られた光の粒子はこれまでのルーブクリスタルよりはるかに大きく、表面にはルーブの顔が描かれている【キワミクリスタル】へと変化した。

 

『キワミクリスタル!』

 

スイッチを押すと音声と共に角が3本展開し七色に光る「極」の文字が現れた。

 

「セレクト! クリスタル!」

 

スペースはロッソ達の変身アイテム『ルーブジャイロ』を召喚するとキワミクリスタルをルーブジャイロにセットした。

 

『兄弟の力を一つに!』

 

「纏うは極み! 金色の宇宙!」

 

スペースはルーブジャイロのグリップを3回引いてクリスタルの力を解放する。

 

『キュアスペースルーブ!』

 

そしてスペースは銀色の服に黒いラインが入り、胸や肩、両手、両足には金色の鎧がつき、胸の鎧にはロッソの赤、両手の鎧にはブルの青と兄弟2人の力である事が強調された小さなパーツが組み込まれた【キュアスペースルーブ】が誕生した。

 

「キラやば〜っ☆」

 

「新しいスペースフワ!」

 

「それでこそスペースでプルンス!」

 

「フン・・・・」

 

ひかる、フワ、プルンスが興奮しているしている横でユニは静かで凛としていたが、その後すぐにその表情は崩れて微笑みを見せた。

まるで「(そうこなくっちゃ)」と思っているかのように・・・・

 

 

 

 

「面白くなってきたぁ・・・・!」

 

一方、2人の戦いを映像で見ていたデラストはスペースの更なる変身を観て面白そうに笑っていた。

 

 

 

 

「・・・・・・・・」

 

スペースの目の前に立つゴルドラは更に集中力を高めて右手にエネルギーを集中していた。

 

「ハアアーッ!」

 

「フン!」

 

ゴルドラは右手に集中していたエネルギーを光線にして放つとスペースルーブはそれを右手一本で受け止めた。

 

「なっ!?」

 

「受け止めた!?」

 

「嘘ぉ!?」

 

その光景にゴルドラ、ユニ、ひかるは驚きを隠せずにいた。そしてスペースルーブはゆっくりと歩きながらゴルドラとの距離を詰めていくと光線を受け止めていた右手はゴルドラの拳を掴むと空いている左手でスペースルーブはゴルドラの右の脇腹に数発パンチを繰り出すとすかさず右の回し蹴りでゴルドラは再びダメージを受けて吹き飛ばされた。

 

「な、何なんだ・・・・この力は?」

 

「どうした? アンタの力はそんなもんか? もっと来いよ!」

 

「このぉ・・・・調子に乗るなぁ!!」

 

ゴルドラは以前ひかる達との戦いでデラストが見せた大きな紫色の球体のエネルギーを生成した。

 

「これならどうだ!」

 

するとスペースは再びルーブジャイロを召喚するともう一つ、ギンガ、ビクトリー、エックス、オーブ、ジードと5人のウルトラマンの姿が写ったクリスタルを具現化した。

 

『ニュージェネレーションヒーロー!』

 

そのクリスタルをルーブジャイロにセットして3回グリップを引くと先程の5人のウルトラマン達の幻影が姿を現した。

 

「プリキュア・ニュージェネレーションバリア!!」

 

スペースは5人のウルトラマンの幻影が放つ光線状のエネルギーで相手の攻撃を押し返す【ニュージェネレーションバリア】でゴルドラが生成した球体を押し返し、ゴルドラは自身の技とスペースの光線を両方受けてしまった。

 

「ぐああああっ!」

 

「ルーブコウリン!」

 

そしてスペースは胸元に手を添えるとペンダントの周りが円状に光り出して、それが6枚の円刃を展開して丸鋸のような武器【ルーブコウリン】が現れた。

 

「ルーブコウリンロッソ!」

 

「ぐっ! ぐあっ!」

 

スペースルーブはルーブコウリンの丸鋸を回転させながらそれを振り下ろしてゴルドラに攻撃し、ゴルドラもそれによってダメージを受けた。

 

「ルーブコウリンブル!」

 

するとスペースルーブは突然加速してゴルドラの周りを駆け抜けながらルーブコウリンで何度もゴルドラの身体を切り裂いた。

 

「・・・・うわああああっ!」

 

そしてスペースルーブが動きを止めた直後にゴルドラの身体から火花が飛び散りゴルドラは大ダメージを受けてその場に跪いた。

 

「ルーブコウリンロッソ!」

 

「つ、強い・・・・もっとだ・・・・もっと俺を楽しませろぉ!」

 

ゴルドラは立ち上がって全身を光らせるとその光が分裂して2人の分身を生み出した。

 

「分身したでプルンス!」

 

「そんなのアリ!?」

 

「落ち着きなさい!」

 

それにプルンスとひかるが動揺したがユニがすぐに落ち着かせた。

 

「大丈夫よ。スペースなら、きっと・・・・」

 

ユニはスペースを信じているからこそ冷静にひかる達に声をかけた。

 

そして3人のゴルドラはスペースルーブを中心に三角形になるように周りに展開するとそれぞれが技を放つ体勢に入り、一斉に光線を放つとスペースルーブは空中へと飛んでそれを回避しながらキワミクリスタルをルーブコウリンにセットする。

 

『高まれ! 究極の力!』

 

「プリキュア・ルーブボルテックバスター!!」

 

スペースルーブは着地した直後にルーブコウリンの後部スイッチを押して7色の破壊エネルギーを発射する技【ルーブボルテックバスター】をゴルドラの1人に向かって放つとそのゴルドラは光の粒子となって消滅した。どうやら分身体には本物のように相手の技を吸収する能力はないようだ。

 

「ドンドンいくぜ! ルーブコウリンブル!」

 

『高まれ! 究極の力!』

 

「プリキュア・ルーブコウリンショット!!」

 

スペースが再びキワミクリスタルをルーブコウリンにセットし直すと持ち手のトリガーを引いてルーブコウリンから7色の光の回転カッターを発射する技【ルーブコウリンショット】を放ち、そのカッターに切り裂かれたゴルドラは真っ二つになり光の粒子となって消滅した。どうやらこのゴルドラも分身体だったようだ。

 

「くっ!」

 

そして分身を全て倒されたゴルドラはスペースルーブを睨みつける。

 

「プリキュア・ルービウム光線!!」

 

「ぐぅ・・・・うおおおおおっ!」

 

スペースルーブは両腕にエネルギーを集中させ、十字に組んだ腕から黄金の破壊光線を放つ技【ルービウム光線】を放ち、ゴルドラはそれを受け止めて何とか耐え切った。

 

「ハァ・・・・ハァ・・・・凌いだぞ・・・・お前の一撃・・・・」

 

「くっ、これでもダメなのか・・・・」

 

『まだです!』

 

「っ!」

 

すると今度はグリージョのペンが光り出してスペースルーブはそれを手に取った。

 

『諦めないでください! お兄ちゃん達も言ってたでしょ? みんなで力を合わせれば絶対に勝てるって・・・・だから、最後の最後まで諦めちゃダメです!』

 

「アサヒさん!?」

 

スペースルーブが聞いた声はカツミとイサミの妹、湊アサヒの声だった。

 

『私も一緒に戦います! この戦いに勝って、みんなでハッピーになりましょう!』

 

「はい!」

 

そしてグリージョのペンから光の粒子が放出されるとスペースルーブの左手に新たなクリスタルが具現化する。そのクリスタルは中心に「真」という文字が刻まれた丸い形をした『マコトクリスタル』と呼ばれるクリスタルでスペースルーブはそれをルーブコウリンにセットした。

 

『マコトクリスタル! 輝け! 希望の光!』

 

「くらえ! ルービウム光線!!」

 

「プリキュア・シン・ボルテックバスター!!」

 

ゴルドラは先程受けた事で使えるようになったルービウム光線を放つとスペースルーブはルーブコウリンにマコトクリスタルをセットして放つと光線技【シン・ボルテックバスター】を放った。その威力は通常のルーブボルテックバスターの10倍と言われている。

 

「おおおおおおっ!」

 

「ああああああっ・・・・ハアアアアアアッ!!」

 

ゴルドラとスペースルーブの技が激突して最初は拮抗していたがすぐにシン・ボルテックバスターが競り勝ち、光線がゴルドラに直撃する。

 

「うわああああっ・・・・これが・・・・絆の力・・・・ぐあああああっ!」

 

ゴルドラは強すぎる光線を吸収出来ず、身体が耐えられなかった。そしてスペースルーブがルーブコウリンを持ったままゴルドラに背を向けるとゴルドラの身体は大爆発を起こした。

 

「やったぁ!」

 

「勝ったでプルンス!」

 

スペースルーブの勝利にひかる達も喜ぶの声を上げていた。

 

爆発のあった場所にはゴルドラが倒れていて気絶していた。

 

「ハァ・・・・ハァ・・・・」

 

「こうたぁ!」

 

「うおっ!」

 

息を切らしていたスペースルーブの身体が光り出すとこうたの姿に戻り、そんなこうたの元にひかるは駆け出すとそのままこうたの首に両手を伸ばして抱きついた。

 

「ちょっ、ひかる!?」

 

「良かった・・・・こうたが無事で、ホントに良かったぁ・・・・」

 

こうたに抱きついたひかるはこうたの無事を喜びながら泣いていた。

 

「ひかる・・・・ごめんな、心配かけて・・・・」

 

そんなひかるをこうたは受け止めるとひかるの頭を優しく撫でた。

 

「・・・・・・・・」

 

「ユニ・・・・」

 

こうたは自身の目の前から近づいてくるユニに気づくと抱きついていたひかるを離してユニの方に意識を向けた。

 

「遅いわよ。バカ・・・・」

 

「ごめん・・・・」

 

ユニはいつも通り厳しい言葉を述べるがその表情はひかると同じように涙目になりながらこれまで溜まっていた心配やら帰ってきた喜びなどが一気に溢れてきていた。そんな2人はゆっくりだが互いに距離を詰めて歩み寄ろうとしていた。

 

そして・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まさかゴルドラに勝つなんてなぁ・・・・」

 

『っ!?』

 

ゴルドラが倒れている場所から声が聞こえて全員がそっちを向くとそこには膝を抱えてゴルドラの身体を突っついているデラストの姿があった。

 

「デラスト!?」

 

「コイツが!?」

 

ユニの言葉を聞いたこうたは目の前にいるのがデラストだと認識した。

 

「まぁいい、会いたかったぜキュアスペース・・・・俺と勝負だ!」

 

 

 

To Be Continued

 

 




         次回予告


遂に激突するスペースとデラスト!

そんな2人の戦いに更なる乱入者が現れる!

一体この戦いはどうなってしまうのか?



次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第96話 激突! デラストVS光と闇の戦士!

次回もお楽しみ!


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第96話 激突! デラストVS光と闇の戦士!

遅くなりましたが新年最初の投稿です。

あぁでもないこうでもないと話の内容を書いては消してを繰り返すうちにかなり時間がかかってしまいました。

それでもやりたい事が多すぎて文字数が一万オーバーしてしまいました。
今年も私の投稿した話を読んで面白いと思ってくれたら嬉しいです。

そんな私の今年の目標は、今年中にスタプリの小説を完結させてひろプリの小説を本格始動する事です。

それでは本編スタートです!



ゴルドラとの戦いに苦戦していたスペースだったが、湊兄妹の力を借りて戦いに勝利した。しかし喜びも束の間、こうた達の前にデラストが現れてこうたに直接勝負を申し込んだ。

 

「俺と勝負?」

 

「そうだ。お前の戦いは見させてもらった。俺はお前と戦いたい! クライスに倒し、ゴルドラにも勝ったお前の実力は本物だ。そんなお前に勝って俺は更なる高みへと昇ってみせる!」

 

デラストはブラジルでのクライスとの戦い、そして先程のゴルドラとの戦いを見て強い相手との戦いに飢えているデラストにとってこうたはこれ以上にない相手なのだ。

 

「そんな理由でこの町を、俺の大切な仲間を襲ったのか?」

 

「いや、俺達がこの星に来たのはエメラルドを手に入れる為だった。けどそこで嬉しい誤算が生じたんだよ」

 

「嬉しい誤算?」

 

「あぁ、それがお前だキュアスペース。お前という強い存在が目の前にいて立ちはだかっている。まさか地球にこんな奴がいるとな」

 

「アンタの考えなんてどうでもいい。このまま大人しく地球から出ていくなら見逃すけど、そうもいかないんだろ?」

 

「当たり前だ!さっきも言っただろ? 俺はお前と戦いたい! 戦ってどちらが強いか知りたいんだ!」

 

「・・・・ハァ・・・・わかった」

 

「こうた!?」

 

デラストと話していたこうたが相手の申し出を了承した事にひかるは驚いた。

 

「ひかる、こうなった以上戦いは避けられない。ここは俺に任せてくれ」

 

「けど! ・・・・ユニ?」

 

それでも引き下がらないひかるの肩をユニが掴んだ。

 

「ひかる、貴女にもわかるでしょ?デラストは強い」

 

「それは・・・・けどユニは良いの? 折角こうたが帰って来たのにこんなのって・・・・」

 

「わかってるわよ! 私だって・・・・私だって本当はこうたと一緒に戦いたいニャン! ・・・・でも、みんなとも話したでしょ? デラストに太刀打ちできるとしたらきっとこうたしかいないって・・・・」

 

「それは・・・・」

 

「ここはこうたを信じましょう」

 

「・・・・うん。こうた! 絶対、絶対に勝ってね!」

 

「あぁ!」

 

そしてこうたはデラストの方へと意識を向けた。

 

「待たせたな」

 

「構わねぇよ。俺としてもお前とはサシで勝負したいと思ってたから好都合だ。さぁ・・・・始めようぜ!」

 

「あぁ」

 

デラストが構えるとこうたの全身が光り出して無言でキュアスペースに変身した。

 

「ウルトラスターカラーペン・ギンガ! ウルトラカラーチャージ!!」

 

スペースはいきなりギンガのペンを使ってキュアスペースギンガに変身するとその右手と左腕には既にビクトリーランサーとウルトラフュージョンブレスも具現化されていた。

 

「ウルトラタッチ!」

 

スペースがウルトラフュージョンブレスのディスクを縦から横向きにしてビクトリーランサーの先端でウルトラフュージョンブレスにタッチするとそこから青と黄色の強い光が放出されてスペースギンガの全身を包むとその光が弾けて中からキュアスペースギンガビクトリーが現れた。

 

「いきなり変身か?」

 

「アンタの強さはララ達から聞いてるよ。だからこそ、最初から全力でいく!」

 

「イイねぇ・・・・そういうの俺は好きだぜ!」

 

スペースは移動中のロケットの中でララ達からデラストの力について簡単にだが説明を受けていた。その力がスタートゥインクルイマジネーションを上回る事も。だからこそスペースはデラストと戦う事になったら最初からギンガビクトリーでいこうと決めていた。

 

「いくぜ!」

 

「ハアアーッ!」

 

デラストは紫、スペースは水色の光で全身を輝かせながら突撃して互いの拳が真正面から激突する。

 

「「はああああっ!」」

 

その後は互いに空を飛びながら全身を輝かせつつ空中で蹴ったり殴ったりと肉弾戦を繰り広げていた。

 

「オラァ!」

 

その中で距離が離れた直後にデラストはサッカーボール位の大きさの紫色に輝くエネルギーの球をスペースに投げた。

 

「ウルトラマンネクサスの力よ!」

 

「プリキュア・クロスレイ・シュトローム!!」

 

ウルトラフュージョンブレスのディスクをスライドさせてウルトラマンネクサスの絵柄の所に止めると左側に両手を添えて掌にエネルギーを集めるとそのまま腕を十字に組んで放つ破壊光線【クロスレイ・シュトローム】を放ちデラストの投げた球を相殺し爆発が起こった。

 

「ハアアーッ!」

 

「っ!?」

 

その爆煙の中からデラストがスペースに向かって真っ直ぐ突っ込んできた。

 

「オラァ!」

 

「ぐっ!」

 

殴りかかってきたデラストの拳をスペースは両腕をクロスしてそれを防ぐがその後もデラストの連続パンチにスペースは防戦一方となっていた。

 

「どうしたどうした? お前の力はそんなもんじゃないだろ! もっと本気を見せてみろぉ!」

 

「くっ・・・・だぁあああーっ!」

 

「がはっ!」

 

スペースはデラストが大振りで拳を振りかぶったタイミングを狙って右足の蹴りをデラストの腹に命中させてデラストの攻撃を阻止する。そのデラストは蹴り飛ばされて空中にいる2人の間には再び距離ができた。

 

「ウルトラマンコスモスの力よ!」

 

再びディスクをスライドさせると今度はウルトラマンコスモスの絵柄の所で止まるとスペースは両手を頭上でクロスさせてそのまままるで三日月を描くようにクロスさせた両手を振り、それによって描かれた三日月の形をした刃はスペースの目の前に移動した。

 

「プリキュア・エクリプスブレード!!」

 

「ぐううぅ・・・・」

 

スペースは三日月型の破壊光刃を発射して邪悪なエネルギーを砕く技【エクリプスブレード】を放つと今度はデラストがスペースの攻撃を両腕をクロスさせて防ぐがそれでも多少なりともダメージを受けた。

 

「ウルトラマンメビウスの力よ!」

 

すかさずスペースはウルトラマンメビウスの力を発動させると空高く飛び上がり、キックの体勢で回転しながらデラストに向かって突撃した。

 

「プリキュア・バーニングメビウスピンキィィィィック!!」

 

「ぐうううう・・・・・・・・がはっ!」

 

スペースはきりもみ回転しながら炎を纏い攻撃する【バーニングメビウスピンキック】を繰り出すとデラストはクロスしたままの両腕に紫色のエネルギーを集中させてスペースのキックを防ぐが、貫通する程の威力を持つこの技を受けたデラストの身体の貫通はしていないが真っ直ぐ地面に向かって落ちていき、その結果背中から観星町から離れた森の中の地面に激突し、その衝撃で地面にクレーターが出来て周りは土煙に包まるとスペースはその直後に離脱して再びデラストから距離をとって様子を伺っていた。

 

 

 

 

 

そして時は数分遡り・・・・

 

「「ハアアーッ!」」

 

スペースとは別の場所で戦っていたミルキー達は丁度フェリーチェとオリバスが戦いを繰り広げていてオリバスの拳をフェリーチェが両手の掌で受け止めていた。

 

「ミルキーショック!!」

 

「チッ!」

 

オリバスが動きを止めた隙にミルキーが電撃を放つがオリバスは後方へ下がる事でそれを回避する。

 

「逃しません!」

 

「ぐっ!」

 

しかしフェリーチェはミルキーの電撃に気を取られたオリバスの懐に飛び込むと両手で放つ張り手をオリバスの腹に繰り出してオリバスにダメージを与えた。

 

「くそっ・・・・っ!? デラスト様!?」

 

『っ!?』

 

膝をついたオリバスが立ち上がろうと上を向いた直後に丁度空中で戦いを始めたデラストとスペースの姿がオリバスの視界に入った。

 

「それじゃあ、一緒に飛んでるのってもしかして・・・・」

 

「はい。スペースです」

 

「スペース!? スペースが帰ってきたのですか!?」

 

えれなの疑問にフェリーチェが答えるとまどかが真っ先に反応した。

 

「ルン。スペースはひかる達の所に向かって私達がこっちに来たルン」

 

「そうだったんだ・・・・」

 

「彼が、キュアスペース・・・・」

 

ミルキーの話に納得したみらいとその横にいたリコはスペースとデラストの戦いをジッと見ていた。そしてデラストの紫色の球とスペースのクロスレイ・シュトロームが激突して相殺された直後にスペースは防戦一方になってしまう。

 

「スペース!?」

 

「フン。少しはやるようですが、デラスト様に敵う者などこの世にいないのです」

 

「そんな事ないルン!」

 

「ん?」

 

「 スペースは・・・・スペースは絶対に負けないルン!」

 

「そうだね。スペースは絶対に負けない!」

 

「はい! わたくしもスペースが勝つと信じています!」

 

ミルキー、えれな、まどかはスペースが勝つと信じていた。それを証明するかのようにスペースは反撃を開始し、デラストはエクリプスブレードを防ぐがバーニングメビウスピンキックを受け止めきれず地面に向かって落ちていった。

 

「デラスト様!!」

 

「やったぁ!」

 

「凄い!」

 

「あのデラストを相手にあそこまで戦えるなんて・・・・」

 

その光景にオリバスは驚き、えれなとみらいは喜び、リコもスペースの強さに驚いていた。

 

「どうルン! 貴方達にもう勝ち目はないルン!」

 

「エメラルドは諦めて大人しく帰ってください!」

 

「フフッ・・・・フフフ・・・・」

 

ミルキーとフェリーチェはオリバスに戦闘をやめて帰るように伝えるがオリバスからは何故が笑い声が聞こえてきた。

 

「・・・・それで勝ったつもりですか?」

 

「どういう意味?」

 

「貴女方は知らないんですよ。あのお方の本当の力を・・・・」

 

オリバスの言葉にリコがどういう意味か聞くとその直後にデラストが落ちた辺りから強力な紫色の光の柱が現れた。

 

 

 

そして時は現在に戻り・・・・

 

「くっ、何だ?」

 

突然現れた強力なエネルギーを持つ紫色の光の柱からの衝撃にスペースは吹き飛ばされないように耐えていた。

 

「やってくれるじゃねぇか・・・・」

 

「っ!?」

 

そして光の柱が消滅するとそこには全身から先程以上の紫色のエネルギーを纏い、右手のグローブについた紫色の魔石が怪しく輝き続けるデラストの姿があった。

 

「俺がここまでやられるなんて久しぶりだ。それこそゴルドラと初めて出会った時以来か・・・・まぁそんな事はどうでもいい・・・・ここからは俺も全力だ! とことんやろうぜ!」

 

「くっ!」

 

全身に紫色の光のオーラを纏い続けるデラストがクレーターから飛び出して真っ直ぐスペースに向かって突っ込んでいったが・・・・

 

ドカーン!

 

「「っ!?」」

 

2人の間に何かが落ちてきて、その衝撃で土煙が起こると突撃していたデラストは動きを止めてスペースも様子を伺っていた。

 

「まさか、こんな所にいたとはな・・・・」

 

「お前は?」

 

土煙は風が吹いてなくなると、そこにはスペースも知る黒いロングコートと同じく黒の長ズボン、中にはグレーのベストに白いYシャツを着た男が立っていた。

 

「サーディスさん!?」

 

「よっ!」

 

その人物は以前スペース達とペンを巡って争っていたトレジャーハンターのサーディスだった。

 

「どうしてここに?」

 

「トレジャーハンターとして活動してる中でデラスト海賊団が地球に向かったって情報を手に入れてな。それを聞いて急いで来たんだが・・・・驚いたぜ。まさかあの曲者連中を相手に勝ってるなんてな・・・・だがまっ、メインディッシュは頂くぜ!」

 

「誰だお前?」

 

「おいおい忘れたのか? アンタがその右手のグローブにつけてる魔石を俺の目の前で奪っていたじゃねぇか?」

 

「魔石を・・・・っ!? まさかお前、あの時のガキか?」

 

「思い出したみたいだな」

 

デラストは魔石という単語を聞いて当時まだ子供だったサーディスの事を思い出した。

 

「あれから姿を見せないからてっきり死んだと思ってたが、まさか生きてたとはな・・・・」

 

「生きてたさ。アンタに復讐する為にな!」

 

サーディスはすかさず右手で懐からダークネスガンを取り出してデラストを狙って撃ちながら接近するがデラストは紫色のオーラを纏った腕で弾き、近づいてきたサーディスに殴りかかった。サーディスもそれを避けながら至近距離で銃弾を放つがデラストもそれを避けながら拳を打ち込もうとしていて、そんな攻防が続く中でデラストの拳がサーディスの腹に直撃する。

 

「ガハッ!」

 

「その程度か? だったら出直して「んな訳ないだろ!」」

 

サーディスは左手に持ったダークネスソードに力を貯めた。

 

「ダークネスストライク!!」

 

サーディスは至近距離でダークネスストライクを使ってデラストを切り裂こうとして剣がデラストの肩に触れた直後に爆発が起こりサーディスは吹き飛ばされた。

 

「ぐあっ!」

 

「サーディスさん!」

 

近くまで転がってきたサーディスをスペースは受け止めた。

 

「大丈夫ですか?」

 

「あぁ」

 

「・・・・なるほどな」

 

「「っ!?」」

 

すると爆煙の中からゆっくりとオーラを纏ったままのデラストが歩いて出てきた。

 

「確かにあの頃のよりは強くなったが・・・・まだまだだな」

 

「ちっ」

 

サーディスはゆっくりと立ち上がった。

 

「人が折角楽しんでんだから邪魔すんじゃねぇよ!」

 

「ぐはっ!」

 

デラストは加速して距離を積めると右足の回し蹴りが直撃するとサーディスはそのまま横に蹴り飛ばされた。

 

「よし、続きといこうぜ!」

 

バーン!

 

しかしデラストの左肩にサーディスが放った弾丸が命中するがデラストが纏っていたオーラに阻まれて全くダメージを与えていなかった。

 

「あぁもうしつけぇなぁ!」

 

「ごはっ!」

 

デラストは再びサーディスに距離を詰めた直後に放った膝蹴りがサーディスの腹に直撃して蹲ったサーディスの頭の髪をデラストが左手で掴んで上に引っ張った。

 

「お前じゃ俺には勝てねぇ!」

 

「ぐっ」

 

「それが現実だ!」

 

「ガハッ!」

 

「現実を受け止めて大人しく引っ込んでろ!」

 

「ぐあっ!」

 

デラストはサーディスの髪を頭上に引っ張りながら右手の拳に力を貯めてサーディスの顔を何度も殴り続けた後にサーディスを放り投げた。

 

「じゃあな」

 

デラストは右手にエネルギーを集めて紫色の光の球を倒れているサーディスに向かって放ち、サーディスは身体に力を込めて痛みがくるのをジッと待っていたが、どれだけ待っても痛みはこなかった。そしてサーディスは恐る恐る目を開けると・・・・

 

「ぐっ、ぐぅぅぅぅ・・・・」

 

「スペース!」

 

そこには両腕をクロスさせてデラストの攻撃を防いでいるスペースの姿があり、スペースはその光の球を弾き飛ばすとその場で跪き、ひかるはそんなスペースを心配して叫んだ。

 

「お前・・・・どうして・・・・」

 

「ハァ・・・・ハァ・・・・そんなの、助けたいと思ったからに決まってるでしょ!」

 

「・・・・・・・・」

 

「おいおい、もうちょっとで邪魔者を排除できるんだから引っ込んでろよ」

 

「嫌だね。俺は、俺の守りたいものを守る為に戦ってるんだ。だから・・・・絶対に退かない!」

 

「・・・・ハァ・・・・弱い奴を守って何になるんだよ。お前にはガッカリだぜキュアスペース。お前なら俺を更なる高みは連れてってくれると思ったのによ・・・・しゃあない。これで終わりだ」

 

そう言うとデラストは右手の拳に今まで以上の紫色のエネルギーを収束し始めた。

 

「・・・・まだ、だ・・・・」

 

「ん?」

 

するとスペースの後ろにいたサーディスが立ち上がり、ゆっくりとスペースの前に出た。

 

「俺は・・・・最後まで諦めない」

 

「あのさ、お前じゃ俺には勝てないって言っただろ? 大人しく退いててくれないかなぁ」

 

「断る。俺はコイツから教わったんだ。大切なのは力の強さじゃない。思いの強さだって・・・・」

 

「サーディスさん・・・・」

 

「思いの強さ? くだらない、そんなんで勝てたら苦労しないんだよ!」

 

「そうだな。俺も以前まではそう思ってた。けど違った。出会った頃は俺より弱かったコイツが徐々に強くなって、そして最後は俺に勝ってみせた。その時に言ってたんだよ。大切なのは力の強さじゃなくて思いの強さで俺にもそれがあるって・・・・あの時はどういう事かわからなかったけど、今ならわかる。ていうかさっきコイツが俺を庇った時に気づいたんだ。一番重要なのは俺自身がどうしたいのかだって・・・・」

 

「はぁ? 何言ってんだお前?」

 

「お前の所為で父さんと母さんは死んだ。それはこの先も許せない! けどな、過去ばかりを見て、いま目の前にあるものを無視するような事はもうしない。これからは俺のやりたい事をやりたい様にやる! まずは手始めにお前を倒す!」

 

「ハッ! よく吠えた! だがここまでだ!」

 

しかしデラストは先程から力を溜めていた光の球をサーディスに向かって投げたが・・・・

 

ピカーン!

 

何処かの星の海の中にあった灰色のペンが紫色に光ると突然上昇して海を、そして星を超えて目で追えないくらいもの凄いスピードで何処かに向かって飛んでいき、それがサーディスの目の前に降り立ちその攻撃を防いだ。

 

「何だと!?」

 

「アレは!?」

 

デラストとスペースは突然現れたペンに驚き、サーディスはゆっくりと手を伸ばしてそのペンを掴むと紫色に光っていたペンの光が更に強くなりサーディスの視界を覆い尽くした。

 

「うぅ・・・・ここは?」

 

サーディスが目を開けると周りは赤と黒が入り混じった正しく闇の空間と言うに相応しい場所にサーディスは立っていた。

 

「よぉ!」

 

そしてサーディスが声をした方向を向くとそこにはベージュのステンカラーコートを着用して中に茶色いベストに白いシャツを着た茶髪の男が立っていた。

 

「アンタは?」

 

「俺の名はイグニス。宇宙一のトレジャーハンターだ。よろしくな」

 

サーディスの前に現れたのはイグニスと名乗るトレジャーハンターだった。

 

「宇宙一だと? おいおい随分と大きくでたな」

 

「事実を言ったまでさ。俺はゴクジョーなお宝を逃しはしない。と言いたい所だが、一度だけ逃した事があるんだよなぁ」

 

「あるんじゃねぇか。それで宇宙一とは笑わせるぜ」

 

「仕方ないだろ。大切な仲間達のいる星がどうなるか分からないってなったら諦めもするさ」

 

「どういう事だ?」

 

サーディスはどうしてイグニスがお宝を諦めたのかその理由が気になった。

 

「俺の故郷、リシュリア星は闇の巨人の一人、ヒュドラムに滅ぼされた。仲間も幼い命も一つ残らずにだ。俺はそれをただ見ている事しか出来なかった」

 

「・・・・ソイツに復讐したいとは思わなかったのか?」

 

「思ったさ。いつかリシュリア星を復活させて、俺が仇を取るってな。けどな、そんな俺だったけど出会っちまったんだよ。新しい仲間に」

 

「新しい仲間?」

 

「あぁ。アイツらは俺が信頼を裏切るような事をしても許してくれた。そんな俺の事を仲間だと言ってくれた。だからこそ、俺の所為でアイツらが悲しむ姿は見たくなかったんだ」

 

イグニスはエタニティコアを使ってリシュリア星を復活させようとしたが、それをする事でケンゴ達のいる地球がどうなってしまうか分からなかった事も考慮してエタニティコアを諦める事にしたのだった。

 

「お前だってアイツの事を思って守ろうしてるんだろ?」

 

「アイツ?」

 

「ほら、お前と一緒にいるプリキュア? だっけか?アイツがお前を庇ってくれた様にお前もアイツの為に身体を張ろうとしてるだろうが」

 

「違う! 俺はたださっき助けられた借りを返す為に・・・・」

 

「ハイハイ。そういう事にしといてやるよ」

 

「チッ」

 

「大切なものを失う辛さは俺にも痛い程わかる。だからこそ、お前がどんな結論を出すのか。コイツを通して見届けさせてもらうぜ」

 

そう言ってイグニスは先程のペンをサーディスに渡した。

 

「コレは?」

 

「このペンには俺が持ってるトリガーダークの力が宿っている。いざという時は遠慮なく使いな」

 

「・・・・わかった」

 

「おっと、そろそろ時間みたいだな。まっ、精々頑張んな。お前が納得のいく答えをみつける事を陰ながら祈ってるぜ。じゃあな!」

 

そして2人のいた空間が消滅するとサーディスはスペースとデラストのいる場所へと戻ってきた。

 

「今のは一体何だったんだ?」

 

「デラスト!」

 

状況を確認しているデラストにサーディスが声をかけた。

 

「ここからの俺は一味違うぜ!」

 

「何だと?」

 

「ダークウルトラスターカラーペン・トリガーダーク! ダークウルトラカラーチャージ!!」

 

ダークウルトラスターカラーペンは以前X達のペンが歪んだイマジネーションで変化したウルトラダークペンとは違い、最初から闇の力を持っているペンで、サーディスがペンで紫色の星形を描くとその星がサーディスの胸に溶け込む様に入っていき、サーディスの全身が紫色に光り輝いてそれが弾けると黒かったロングコートと長ズボンは灰色に染まり、中に着たベストは金色に染まったサーディストリガーダークへと変身していた。

 

「サーディスさんが、変身した!?」

 

「ほう? 面白いな。その力、どれだけのもんか見せてみろ!」

 

デラストはサーディスに向かって右手で殴りかかる体勢で突撃するとサーディスはその拳を右手一本で鷲掴みして受け止めるとすぐにその拳を離してサーディスも右手でデラストの身体を殴り飛ばした。

 

「なっ!?」

 

「うおりゃ!」

 

「ぐはっ!」

 

その直後にサーディスの右手が赤く光り出すとサーディスは握った拳を開いた。するとその赤い光が光の粒子となって集まり具現化するとそれはイグニスが持っているザイゴーグのGUTSハイパーキーだった。しかしそのハイパーキーはまた光り出して今度は一本の赤いペンへと姿を変えた。

 

「これは・・・・」

 

それは怪獣の力を宿したペン【モンスターカラーペン】と呼ばれるペンと呼ばれる物でそのペンにはザイゴーグの力が宿っていた。そのペンをサーディスはすかさずダークネスソードにセットする。

 

『セット! ザイゴーグ!』

 

「ダークネススラッシュ・インパクト!!」  

 

「グア〜ッ!」

 

普段は紫色の光で放たれるダークネススラッシュが刺々しい赤い光の斬撃となって放たれたダークネススラッシュ・インパクトが直撃したデラストは後方へと吹き飛ばされた。

 

「あのデラストを吹っ飛ばした!?」

 

「凄い力でプルンス!」

 

その光景を見ていたユニとプルンスもかなり驚いていた。

そしてサーディスは今も膝をついているスペースの所へ歩きて向かうとスペースに向かって手を差し伸べた。

 

「・・・・ほら」

 

「あっ、ありがとうございます」

 

スペースはサーディスの手を掴んで立ち上がった。

 

「こっからは共闘だ」

 

「えっ?」

 

「守りたいものがあるんだろ? しょうがないから付き合ってやる。それでさっき助けられた借りはチャラだ」

 

「サーディスさん・・・・」

 

「いくぞ。キュアスペース」

 

「・・・・はい!」

 

 

 

 

 

【挿入歌:英雄の詩】

 

 

 

並び立ったスペースギンガビクトリーとサーディストリガーダークはそれぞれの巨人と同じを構えを取った。

 

「うおおおおっ!」

 

デラストが纏っていた紫色のオーラの全身から複数の紫色の球が放出されてそれがスペースとサーディスに襲いかかるが、スペースはそれを真っ直ぐジャンプし、サーディスは横っ飛びで回避するとその後ろで大きな爆発が起こるがスペースはそのままデラストに突撃した。

同じく攻撃を回避したサーディスの左手が今度は青い光を放っていてそれが集まるとホロボロスのハイパーキーとなり、そのキーがそのまま青いモンスターカラーペンへと変化してサーディスはそのペンをダークネスガンにセットする。

 

『セット! ホロボロス!』

 

「ダークネスショット・ライトニング!!」

 

「ぐううっ!」

 

サーディスはホロボロスの力で強化された青いエネルギー弾を放ち、それがデラストに直撃してダメージを与えた。

 

『ウルトランス!シャパードン!セイバー!』

 

「ハアッ!」

 

スペースはジャンプした空中でビクトリーランサーにクリスタルスパークドールズをリードすると地面が割れてスペースが着地して前転しながら右手を地面に伸ばしたタイミングに出てきたシェパードンセイバーを受け取るとそのままデラストの身体を切り裂いた。

 

「サーディスさん!」

 

「おう!」

 

『セット! ザイゴーグ!』

 

スペースが合図をするとサーディスはダークネスガンにザイゴーグのペンをセットする。

 

「ダークネスショット・インパクト!!」

 

「ハァーッ!」

 

「ぐあああああっ!」

 

サーディスはダークネスショットにザイゴーグの力を加えて放つとスペースもシェパードンセイバーの必殺技、シェパードンセイバーフラッシュを放って2人の攻撃がデラストに直撃するとデラストはその場で膝をついた。

 

「何なんだよ・・・・何なんだよお前ら・・・・どうして・・・・どうして急にこんな・・・・」

 

「アンタには一生わからないよ」

 

「なんだと?」

 

「俺達には守りたいものが、大切なものがある。それが俺やみんなに力を、勇気を与えてくれる。だから戦うんだ! 大切なものを守る為に・・・・自分の事しか考えてないアンタに俺達の気持ちはわからないよ」

 

「ふざけるなぁ!」

 

デラストは更に魔石の力を引き出して纏っているオーラの力を強めると先程よりも更に素早い動きでスペース達に迫っていった。

 

「いいぜ。とことん相手になってやる!」

 

サーディスはそう言うとホロボロスのモンスターカラーペンから青い光の粒子が放出されてそれが集まり、ホロボロスのハイパーキーになるとサーディスの全身からも紫色の光が放出されてその光がサーディスの右手の掌に集まるとイグニスが使うブラックスパークレンスが具現化されて、そのブラックスパークレンスにホロボロスのキーが差し込まれた。

 

『Boot up Lightning!』

 

「オオオオオッ!」

 

その直後にサーディスの背中から青い稲妻が現れるとサーディスもデラストと同様に高速で移動し始めて2人による高速戦闘が始まった。

 

「うおおおおおっ!」

 

「ハアアーッ!」

 

サーディスとデラストが互いに離れた場所から真っ直ぐ突撃して激突するとその瞬間に爆発が起こって2人とも吹き飛ばされるが受け身をとって倒れるサーディスと違い、デラストは上手く着地してサーディスに追撃をかけた。

 

「チッ!」

 

それを見たサーディスは今度はザイゴーグのペンを使ってザイゴーグのハイパーキーと再びブラックスパークレンスを具現化するとブラックスパークレンスにハイパーキーを差し込んだ。

 

『Boot up Impact!』

 

「ぐあっ!」

 

その直後にサーディスの身体からハリネズミのように赤い光の棘がサーディスの身体全体から放出されて突撃して近くまで来ていたデラストに棘が直撃してデラストは吹っ飛ばされた。

 

「まだだ。俺は最強の・・・・デラスト様だぞ!」

 

「ウルトラマンガイアの力よ!」

 

「っ!?」

 

スペースはウルトラフュージョンブレスのディスクをウルトラマンティガ、ダイナ、ガイアの3人がいる絵柄の所に止めると両手を横に広げた後に広げた両手で自身の顔を覆い隠すようにしながらしゃがみん込むとそんなスペースの頭からは赤い光の鞭のようなものが現れていた。

 

「プリキュア・フォトンエッジ!!」

 

額の赤い光はウルトラマンガイアが得意とする技で、鞭のようにしならせながら光エネルギーを変換した超高熱の刃【フォトンエッジ】だった。

 

「グア〜〜ッ!」

 

それが直撃したデラストはそのまま仰向けに倒れた。

 

「ううぅ・・・・」

 

「俺も忘れてもらっちゃ困るぜ。 ウルトラマンダイナの力よ! プリキュア・ソルジェント光線!」

 

スペースは追撃として両腕を十字型に組んで体内の光のエネルギーをスパークさせて撃ち出すウルトラマンダイナの必殺技【ソルジェント光線】を放つと膝立ちしていたデラストは両手をクロスして光線をガードし、それを防ぎ切った。

 

「ハァ・・・・ハァ・・・・認めて、たまるか・・・・思いの力・・・・守りたいものがあるから強くなれる? そんなもんに俺が・・・・俺達デラスト海賊団が負けてたまるか!」

 

「負けるんだよ! アンタ達は!」

 

「お前らの敗因は俺達の覚悟を侮った事だ。それをこれから先ずっと後悔するんだな」

 

そしてサーディスは両腕を腰の位置まで引き前方で交差させた後、左右に大きく広げて闇を変換した破壊エネルギーを集約していた。

 

「ウルトラマンティガの力よ!」

 

同じタイミングでスペースもティガの力を発動して両腕を腰の位置まで引き前方で交差させた後に左右に大きく広げて光を変換した破壊エネルギーを集約した。

 

「ハアッ!」

 

「プリキュア・ゼペリオン光線!!」

 

「うおおおおおっ!」

 

スペースとサーディスはほぼ同時に腕をL字型に組んで右腕全体からサーディスは【ダークゼペリオン光線】、スペースは【ゼペリオン光線】を放つとデラストも負けじと右手の拳を突き出してその拳から紫色の光線を放ち、互いの光線が激突する。

 

「「ハアアアーッ!」」

 

「くううっ・・・・・・・・うわあああああっ!」

 

しかしスペースとサーディスが更に力を込めて技の威力を上げるとデラストの光線は徐々に押し返されていき最後には2人の光線がデラストに直撃すると大爆発が起こった。

 

「やったぁ!」

 

「スペース達が勝ったフワ!」

 

それを見ていたひかるとフワはスペース達の勝利に喜びの声をあげる横でユニは何も言わなかったが隠れてガッツポーズをとっていた。そして爆発が治るとデラストは仰向けになって倒れていたが彼の右手のグローブについた紫色の魔石が僅かにだが怪しく光っている事には誰も気づいていなかった。

 

 

 

To Be Continued

 

 

 




         次回予告


デラストとの戦いに勝利したスペースとサーディス

しかし、戦いはまだ終わっていなかった。




次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第97話 交わした約束 変えるぜ! 運命!!

次回もお楽しみ!


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第97話 交わした約束 変えるぜ! 運命!!

こんにちは。
オリジナルストーリーも今回を入れて残り2話となりました。
その後は原作ストーリーに戻りますが、オリジナルストーリーは今後もありますが、まずはこちらの話をどうぞ。


スペースとデラストの戦いに乱入したサーディス。しかし苦戦を強いられる中でサーディスは新たな力を手にしてスペースと共にデラストを打ち倒した。

  

 

 

「くっ・・・・」

 

「サーディスさん!」

 

その後サーディスとスペースはそれぞれの巨人の力を解除するとサーディスはいつもの姿、スペースも元のキュアスペースに戻り、倒れかけたサーディスを隣にいたスペースが支えた。

 

「大丈夫ですか?」

 

「あぁ、なんとかな」

 

「スペース!」

 

そこへ戦いを見ていたひかる達が駆け寄ってきた。

 

「キラやば〜っ☆! やったねスペース! あのデラストに勝っちゃうなんて!」

 

「凄い戦いだったフワ!」

 

「まっ、貴方が勝つって最初から分かってたけどね」

 

「とか言って途中からソワソワしながら見てたのをプルンスは気づいてたでプルンスよ・・・・アイタッ!」

 

ひかるとフワが興奮しながら話しかけてくる中、ユニは勝って当然という言い方する横で実はユニがソワソワしていた事をプルンスが喋るとユニがプルンスの頭に軽くチョップをした。

 

「それで、アイツはどうするんですか?」

 

スペースがサーディスにデラストをどうするかを尋ねた。デラストはサーディスの両親の仇、そんな相手を今後どうするのかをスペースは知りたかったのだ。

 

「・・・・・・・・」

 

カチャ

 

『っ!?』

 

サーディスは何も言わずにダークネスガンを倒れているデラストに向けた。

 

「・・・・ハァ・・・・殺しはしない。だが、相応の罪は償ってもらうつもりだ」

 

しかしサーディスはすぐにダークネスガンを下ろして殺さないが罪は償わせる事にした。

 

「そうですね。それが一番だと思います」

 

「私も!」

 

「貴方がそうしたいなら好きにすればいいニャン」

 

サーディスの意思にスペースとひかる、ユニも賛同した。

 

「あっ、そうだ!」

 

ふとひかるが何かを思い出すと跪いているサーディスの正面に跪いてサーディスの顔を見ながら彼の右手を両手で握った。

 

「さっきはスペースの事、助けてくれてありがとう!」

 

ひかるは満面の笑顔でサーディスがスペースの事を助けたお礼を伝えた。

 

「お、おう・・・・」

 

それを聞いたサーディスは恥ずかしそうにひかるから顔を逸らした。

 

「あら? もしかして照れてるニャン?」

 

「恥ずかしがってるでプルンスかぁ?」

 

「う、うるさいぞ!」

 

『アハハハハハッ!』

 

それを見たユニとプルンスがサーディスを揶揄うかの様に話しかけるとそれに対するサーディスの反応を見て、サーディス以外のメンバー以外は全員笑っていた。

 

 

 

 

ドカーン!

 

『っ!?』

 

そんな一同のすぐ近く、デラストが倒れていた場所から先程以上の紫色のエネルギーの柱が現れた。

 

「何だ!?」

 

『ケシテヤル・・・・ナニモカモ・・・・スベテ・・・・』

 

「この声って・・・・」

 

「デラストか!?」

 

「ええっ!?」

 

スペースがすぐに反応してひかる達の前に出ると光の柱から声が聞こえてきたのでユニが誰の声か考えているがサーディスはすぐにその声の主がデラストだと気づいてひかるはそれに驚いた。

そして光の柱が弾けてなくなると中から全身をドス黒い紫色の闇に包まれて人ではあるがそれが誰なのか認識する事は出来ない存在が宙に浮いていた。

 

(イメージとしてはSAOアリシゼーション編の最後にキリトと戦ったガブリエルが心意の力を操る事で現れる漆黒の異形の姿が黒と紫に染まった感じです。 by作者)

 

「アレが、デラスト?」

 

「怖いフワ・・・・」

 

「大丈夫だよ」

 

流石のユニもその姿に恐怖し、同じように怖がっていたフワをひかるが優しく抱きしめた。

 

『ホロビロ・・・・スベテノイノチ・・・・スベテノヒカリ・・・・マズハ・・・・オマエタチカラダ・・・・』

 

そう言い残すとデラストはそのまま宇宙へと飛んで行き、デラストが出て行ってから軌道上に待機させていたデラスト達の宇宙船【ガルザーグ】の船体の上に降り立つとデラストは全身からドス黒い紫色の闇を観星野に向けてバラ撒いた。

 

「何あれ!?」

 

「一体何が起こってるルン!?」

 

この事態にみらいとミルキーも若干混乱していた。そして闇が地上に降り注ぐとその一つ一つが今のデラストと同じ姿へと変化した。

 

『ホロビロ・・・・ホロビロ・・・・』

 

それはまるでゾンビの様に両手をダランと下げてゆっくりと歩きながらスペース達との距離を詰めていた。

 

「これって・・・・」

 

「暴走してやがる」

 

「暴走?」

 

スペースが状況を確認しているとサーディスは冷静に状況を分析していた。

 

「あの魔石は元々、強力すぎる力を封じる為に封印されていたんだ。それをデラストが無理矢理持ち去った。けどその力が今まで暴走しなかったのは恐らくデラストが魔石に取り込まれるような隙を作らなかったからだ。だが今回俺達に負けた事で肉体と精神が不安定になった事で隙が生じて魔石に乗っ取られちまったんだ」

 

「そんな・・・・」

 

「だったらどうするのよ!」

 

「・・・・デラストを殺すか、魔石を破壊するか、そのどちらかしかない」

 

「だとしても! くっ! コイツらをこのままにしておくわけに・・・・」

 

スペースは近づいてきた闇の人間達と戦いながらこれらを放置してデラストの所へ行く事が出来ずにいた。

 

「ひかる! 私達も行くわよ!」

 

「うん!」

 

それを見ていたユニとひかるもプリキュアに変身して戦闘に参戦した。

 

 

 

 

 

「マズイよ! このままじゃあたし達の町が・・・・」

 

「何とかしなくては・・・・」

 

別の場所で戦っていたミルキー達の所にも闇の人間達が現れてえれなとまどかも状況の悪さを理解していた。

 

「・・・・えれな、まどか、貴女達はミルキーと一緒にひかる達の所に行きなさい!」

 

「リコ?」

 

「ここは私達が引き受けるわ」

 

そしてリコはここは自分達が引き受ける事でえれな達にはひかる達に合流するように伝えた。

 

「でも!」

 

「大丈夫だよ! 私達を信じて!」

 

「モフルン達に任せるモフ!」

 

えれなが反対しようとするがそこにみらいとモフルンが割って入りそれを止めた。

 

「さぁ、早く!」

 

「・・・・わかったルン」

 

フェリーチェの声を聞いたミルキーはそれを承諾する事にした。

 

「みんな、気をつけてね!」

 

「必ず、また会いましょう!」

 

「うん!」

 

えれなとまどかもみらい達に思いを伝えるとみらいが元気よく返事をしてミルキー達はひかる達の所へ向かった。

 

「いくよリコ!」

 

「えぇ!」

 

「「キュアップ・ラパパ!」」

 

「「ダイヤ!」」

 

「「ミラクル・マジカル・ジュエリーレ!」」

 

みらいとリコがプリキュアに変身する為に呪文を唱えるとダイヤの力が発動して、2人はダイヤスタイルへと変身した。

 

「素晴らしい! デラスト様! 貴方は更なる力を手にしたのですね!」

 

「何言ってるのよ!」

 

「こんなの絶対におかしいよ!」

 

「貴方は主人の異変に気づいていないのですか?」

 

オリバスが暴走するデラストを称賛しているとマジカルとミラクル、フェリーチェの3人がそれはおかしいと否定した。

 

「確かに貴女達の言いたい事はわかります。ですが、あのお方ならきっとこの力をも使いこなしてみせるでしょう! まっ、その過程で星の一つや二つなくなってしまうかもしれませんが・・・・」

 

「そんな・・・・」

 

「貴方はそれで良いの!?」

 

「構いませんよ。いずれ宇宙の頂点に君臨するデラスト様の前で星の一つや二つなくなった所でどうという事はないでしょう」

 

そしてオリバスが指をパチン!と鳴らすと宇宙船からモニターがついたドローンが大量に射出されるとそれが地球のあちこちに飛び散っていき、あるものは複数のモニターが連携して巨大スクリーンを作ったり、あるものは家庭のテレビをハッキングしたり、またあるものは都内にある巨大モニターをハッキングしてガルザークの上で力を使い続けているデラストの姿を映していた。

 

『ホロビロ・・・・スベテ・・・・キエテシマエ・・・・』

 

その様子は世界中に生中継されていた。

 

「何あれ!?」

 

「一体、何が起こってるの!?」

 

その様子を外にいた【HUGっと!プリキュア】の一人、キュアエールこと【野乃 はな】と【キラキラ☆プリキュアアラモード】の一人、キュアホイップの【宇佐美 いちか】はそれぞれ違う場所で仲間達と共に突然目の前に現れた巨大スクリーンの映像を観て驚いていた。

 

 

「さて、それでは私も本来の目的であるリンクルストーン・エメラルドを頂くとしますかね」

 

「そんな事・・・・」

 

「絶対にさせません!」

 

オリバスの意思にミラクルとフェリーチェが反発するとミラクル達3人のプリキュアは真っ直ぐオリバスに向かって突撃した。

 

 

 

 

「プリキュア・スターパンチ!!」

 

「プリキュア・コスモシャイニング!!」

 

その後、スターとコスモは迫ってくる闇の人間達を次々と倒していくが次々と別の闇の人間達が迫っていた。

 

「くっ・・・・」

 

「サーディスさん!」

 

サーディスも戦おうとするが、先程のトリガーダークの力を使う前の戦闘で受けたダメージが響いていて思う様に身体が動かず、そんなサーディスをスペースがカバーしながら戦っていた。

 

「このままじゃ・・・・っ!」

 

スペースがどうすれば良いかを考えていると何処からか緑色の電撃と炎の球、そして光の矢が飛んできて闇の人間達を消し去った。

 

「これって・・・・」

 

「お待たせルン!」

 

スターは見覚えのある攻撃にもしやと思うと彼女達の目の前にスターが予想していた3人が立っていた。

 

「ミルキー! ソレイユ! セレーネ!」

 

「みんな大丈夫?」

 

「遅くなって申し訳ありません!」

 

ミルキー達の合流にスターは喜び、ソレイユとセレーネはみんなに声をかけた。

 

「ソレイユ、セレーネ・・・・あの・・・・」

 

しかしスペースだけは2人になんて声をかけようか迷っているとソレイユとセレーネの方からスペースの所に歩いていき、ソレイユは自身の拳をスペースの胸に当てた。

 

「おかえり、スペース」

 

「必ず帰ってくると信じていましたよ」

 

「2人とも・・・・」

 

スペースは2人が自身の事を信じてくれていた事が凄く嬉しかった。

 

「ミラクル達は?」

 

「向こうも戦ってる。あたし達も目の前の相手に集中しよう」

 

スターがミラクル達の事を聞くとソレイユがミラクルも戦っている事を教えてくれた。

 

「けどコイツら、いくら倒してもキリがないニャン!」

 

コスモが苛立ちを見せている近くでスペースは闇の人間達を出現させているデラストを直接叩くしかないと考えていた。

 

「(早くアイツを何とかしないと! けど、ここを離れるわけにもいかないし、どうしたら・・・・)」

 

スペースは戦いながら町を守りつつ、デラストも止める方法を必死に考えていた。そんな考えが行動に出ていたのか戦いながら何度も上を見るそぶりを見せるスペースの姿に気づいたスターもまた何かを考えて俯いていると彼女は一つの結論をだした。

 

「スペース、行って!」

 

「えっ?」

 

「私達なら大丈夫だから!」

 

「でも、それじゃあみんなが!」

 

「スターの言う通りルン!」

 

「だね。ここはあたし達に任せてよ!」

 

「ミルキー・・・・ソレイユ・・・・」

 

スターの発言にスペースが驚くと、ミルキーとソレイユもスターの考えに賛同した。

 

「この町はわたくし達にとっても大切な場所です。ですから、必ず守り抜いてみせます!」

 

「うん! 私達は私達にできる事をするよ。だからスペースも自分にできる事をして!」

 

「セレーネ・・・・スター・・・・わかった!」

 

セレーネとスターからの後押しも受けたスペースはデラストの所へ向かう決心をした。

 

「ルン! だから後の事は「私達が引き受けるニャン!」」

 

ミルキーが話そうした所にコスモが割り込んできた。

 

「だけど、これだけは約束しなさい! 必ず、必ず生きて帰ってくるって・・・・もし破ったら・・・・許さないから・・・・」

 

コスモ自身はスペースの事が心配で本当は行かせたくないと思っているが、その気持ちを押し殺してコスモは潤んだ瞳でスペースを見つめる。そんなコスモの肩をソレイユが優しく触れると他のメンバーはスペースを信じているという気持ちを込めて微笑みながら頷いた。

 

「キュアスペース」

 

「サーディスさん・・・・」

 

そこへ今度はサーディスが話に割り込んできた。

 

「・・・・行けよ。本当は俺の手で終わらせたかったが・・・・譲ってやる。行って今度こそちゃんとケリをつけてこい」

 

「サーディスさん・・・・コスモ・・・・みんな・・・・ありがとう・・・・約束する。絶対、絶対に生きて帰ってくる!」

 

スペースがそう言うとみんなが頷き、その後にスペースも頷き、そのままジャンプして真っ直ぐ宇宙に向かって飛び立っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

【挿入歌:ウルトラマンビクトリーの歌 2015】

 

 

「あれってもしかして?」

 

「スペース!?」

 

デラストの所へ飛んで行くスペースの姿が映像に映し出されるとそれを観たはなの仲間であるキュアエトワールの【輝木 ほまれ】とキュアアンジュの【薬師寺 さあや】が驚きを見せた。

 

「まさか、一人で戦うつもりなんじゃ・・・・」

 

「そんなの無茶よ!」

 

一方、いちかの仲間のキュアショコラこと【剣城 あきら】とキュアパルフェこと【キラ星 シエル】もスペースが宇宙に向かって飛んで行く姿を見て何をしようとしているのかを察していた。

 

 

『・・・・ジャマスルヤツ・・・・キエロ!』

 

デラストはスペースの存在に気づくと叫びながら両手の指から紫色のエネルギー弾をスペースに向かって連射し始めた。

それに対してスペースは向かってくるエネルギー弾を避けながらデラストの所に向かって飛び続けた。

 

「スペース!」

 

その様子を地上から映像で観たスターは心配の声を上げるが、目の前に闇の人間が迫ってきたのでそっちに意識を切り替えて対応した。

 

「絶対に止める! これ以上、お前の好きにはさせない!」

 

スペースはそう叫びながら飛び続けた。

 

 

 

「あっ!」

 

「危ない!」

 

スペースの様子を一緒に観ていた【Go!プリンセスプリキュア】のキュアトゥインクルこと【天ノ川 きらら】とキュアフローラの【春野 はるか】が思わず叫んだ。

 

「くっ!」

 

スペースもギリギリでエネルギー弾を回避し続けていたが、デラストはこれまでよりもエネルギー弾の量を増やしてスペースを狙い撃つとスペースは回避できず両腕を頭上でクロスして防御する姿勢をとった。そして複数のエネルギー弾がスペースに直撃する。

 

「あぁ!」

 

「そんな!?」

 

その様子を【ハピネスチャージプリキュア】のとキュアラブリーこと【愛乃 めぐみ】とキュアプリンセスの【白雪 ひめ】はスペースが攻撃を受けた事にショックを受けていた。

 

「やっぱり一人で挑むなんて無茶だったのよ」

 

「ううん。きっとまだ・・・・」

 

【ドキドキ!プリキュア】のキュアダイヤモンドこと【菱川 六花】は一人で挑んだのが間違いだったと考えている横でキュアハートの【相田 マナ】はまだ終わっていないと思っていた。

 

そんなマナの考えが証明されるかのように爆発で発生した爆煙の中から金色に光が放たれて爆煙が吹き飛ぶとそこにはビクトリーのウルトラスターカラーペンを使って変身したキュアスペースビクトリーの姿があった。

 

「変身キター!」

 

「良かった。無事だったんだ」

 

変身したスペースの姿に【スマイルプリキュア!】のキュアピースこと【黄瀬 やよい】が興奮している横でキュアハッピーの【星空 みゆき】はスペースが無事だった事に安堵していた。

 

『ウルトランス! キングジョー!ランチャー!』

 

スペースはキングジョーのスパークドールズをビクトリーランサーにリードして右腕にペダニウムランチャーを実体化させると頭上から降ってくるエネルギー弾を狙い撃って相殺しながら再び上昇を開始した。

 

「大丈夫かしら?」

 

「大丈夫! きっと大丈夫よ! ここで決めなきゃ女がすたる!」

 

「彼、男の子なんだけど・・・・」

 

そんなスペースを【スイートプリキュア♪】のキュアリズムこと【南野 奏】が心配しているとキュアメロディの【北条 響】が大丈夫だと断言したが、キュアビートの【黒川 エレン】が響の発言にツッコミを入れた。

 

「もう少しです! 頑張ってください!」

 

「いっけぇぇぇぇ!」

 

【ハートキャッチプリキュア】のキュアブロッサムこと【花咲 つぼみ】とキュアマリンの【来海 えりか】はスペースの事を必死に応援していた。

 

『ハアアーッ!』

 

デラストは巨大なエネルギー弾を両手で持ってスペースに向かって投げ飛ばした。

 

「そんなのアリ!?」

 

「危ないわ! 逃げて!」

 

それを見た【フレッシュプリキュア!】のキュアピーチこと【桃園 ラブ】は驚き、キュアパッションの【東 せつな】はスペースに逃げるように叫んだ!

 

『ウルトランス! EXレッドキング! ナックル!』

 

今度はEXレッドキングのスパークドールズをビクトリーランサーにリードするとスペースの右腕に炎に包まれた巨体な腕が具現化されるとスペースはその腕にエネルギーを集め始めた。

 

「まさか、正面から迎え撃つつもり!?」

 

「大丈夫! きっとなんとかなるよ!」

 

 

【Yes! プリキュア5】のキュアルージュこと【夏木 りん】がスペースの行動に驚いている横でキュアドリームの【夢原 のぞみ】はきっとなんとかなると考えていた。

 

「ハアアーッ! どりゃァァァァッ!」

 

スペースはエネルギーを貯めたEXレッドキングの右腕で迫ってくる巨大なエネルギー弾を思いっきり殴るとエネルギー弾は爆発して跡形もなく消滅した。

 

「あの攻撃を殴り飛ばすなんて・・・・」

 

「凄い力だわ・・・・」

 

その光景に【ふたりはプリキュア Splash Star】のキュアブルームこと【日向 咲】とキュアイーグレットの【美翔 舞】はとても驚いていた。

 

スペースはEXレッドキングの腕を戻して再び上昇を再開した。

 

「いけーっ!」

 

「頑張れーっ!」

 

「プリキュアーッ!」

 

戦うスペースの姿を観ていた大勢の人達がスペースの事を応援し始めた。

 

「頑張れーっ!」

 

「頑張ってーっ!」

 

そして【ふたりはプリキュア Max Heart】のキュアブラックこと【美墨 なぎさ】とキュアホワイトの【雪城 ほのか】も他の人達と同じようにスペースの事を応援していた。

 

 

 

 

 

そうして遂に成層圏を突破して宇宙へ辿り着いたスペースはデラストがいる宇宙船【ガルザーク】を肉眼で確認し、船の上に立つデラストの目の前に降り立った。

 

『・・・・・・・・・・・・』

 

「デラスト。もう、終わりにしよう・・・・」

 

『・・・・ウアアアアアアッ!』

 

デラストは雄叫びをあげながら片手でバランスボール位の大きさの紫色のエネルギー弾をスペースに向かって投げると避けようとしないスペースに直撃して爆発が起こり、その爆煙がスペースを包み込んだ。

 

 

 

 

 

 

【挿入歌:フュージョンライズ!】

 

 

『放て! 聖なる力!!』

 

その声と共に爆煙が青い光で吹き飛ばされると中から右手にナイトティンバーを持ったキュアスペースビクトリーナイトが立っていた。

 

「ハアーッ!」

 

『ウアーッ!』

 

スペースがナイトティンバーを振りかぶりながらデラストに突っ込むとデラストは右手を剣の形に変化させてナイトティンバーを受け止めた。

その後は互いの剣が何度も激突し、その度に火花が飛び散っていた。

 

『ツー! ナイトビクトリウムブレイク』

 

「プリキュア・ナイトビクトリウムブレイク!!」

 

デラストから距離を取ったスペースがナイトティンバーのポンプアクション2回行いトリガーを引くとシェパードンセイバーフラッシュを放つ時と同じようにVの字を描くとそれがデラストの所へ飛んでいくが、デラストは左手も剣に変化させると両腕の剣をクロスしてそれを開くように両手を広げてスペースの技を弾き飛ばした。

 

「ウルトラスターカラーペン・エックス! ウルトラカラーチャージ!!」

 

ビクトリーナイトの技が通じないと判断したスペースはすぐにキュアスペースエックスに変身するとエクスラッガーを呼び出した。

 

『キュアスペースエックス、パワーアップ!』

 

そのままスペースはエクシードキュアスペースエックスへと変身してエクスラッガーを右手に持つと刀身側面にあるフラーポイントを下から上へのスライドタッチを3回行ってブーストスイッチを押した。

 

「プリキュア・エクシードイリュージョン!!」

 

スペースは青・紫・赤・黄の4体に分身して斬撃を素早く放つ幻影剣技【エクシードイリュージョン】を発動するとデラストを取り囲むように別れた4体の分身が順番にデラストに接近し斬りかかった。同時ではなくバラバラの攻撃だった事もありデラストは対応しきれずダメージを負ったがまだまだ余力は残されていた。

それを見たスペースはスペースは再びフラーポイントを下から上へのスライドタッチを3回行いエクスラッガーを左手に持ち替えて柄の下部にあるブーストスイッチを右手で押すと剣先が伸びた。

 

「これならどうだ! プリキュア・エクシードエクスラッシュ!!」

 

『ウアアアアアアッ!』

 

スペースがエクスラッガーを持った左手を頭上に掲げてそれを地面に突き刺すと周りが虹色の空間に包まれてスペースは再びエクスラッガーを右手に持ち替えて飛びながら真っ直ぐデラストに向かって突っ込んで行ったがデラストは雄叫びをあげると同時に魔石のエネルギーを自身の周りに放出し始めた。

 

「くっ!」

 

そのエネルギーによって発生した衝撃がデラストに突撃したスペースは弾き飛ばされてしまい、エクシードエクスラッシュがデラストに届く事はなかった。

 

「だったら・・・・ウルトラスターカラーペン・オーブ! ウルトラカラーチャージ!!」

 

スペースはすぐにオーブのペンを使い、キュアスペースオーブへと変身するとすぐにオーブリングと2枚のカードを具現化する。

 

「ゾフィーさん! ベリアルさん! 光と闇の力、お借りします!!」

 

『フュージョンアップ! キュアスペースオーブ・サンダーブレスター!』

 

スペースは走りながらキュアスペースオーブ・サンダーブレスターに変身するとそのままデラストとの殴り合いを始めてしまう。この時、デラストの両腕は剣から元の手に戻っていた。

 

「凄い戦いなのです」

 

「どうやら今の彼は、私達と一緒に戦った時よりも遥かに強くなっているようです」

 

スペースの戦いを観ていたキュアマシェリこと【愛崎 えみる】はその光景に圧倒されているとその横でキュアアムールこと【ルールー・アムール】はスペースの成長を冷静に分析していた。

 

「プリキュア・ゼットシウム光線!!」

 

『ハアアッ!』

 

「くぅ・・・・ぐああーっ! ・・・・ハァ・・・・ハァ・・・・くそっ!」

 

スペースがゼットシウム光線を放つとデラストは突き出した右手の拳から紫色の光線を放ち、ゼットシウム光線を押し返してしまった。

 

「フレフレ! スペース! フレフレ! スペース!」

 

「はな?」

 

すると突然、はながスペースの応援を始めた事に他のはぐプリメンバーが気づいた。

 

「ほら、みんなもスペースを応援しようよ! スペースがあんなに一生懸命頑張ってるんだから私達も私達にできる事をやらなくちゃ!」

 

「はな・・・・」

 

「だね」

 

はなの言葉を聞いたさあやとほまれもはなの気持ちを理解して一緒に応援を始めた。

 

「フレフレ! スペース! フレフレ! スペース!」

 

『フレフレ! スペース! フレフレ! スペース!』

 

「(なんでもできる!なんでもなれる! 頑張れ、スペース!)」

 

はなや他のメンバーはただ観ているのではなくスペースの事を全力で応援し、そんなはなはスペースの事を心から信じて応援していた。

 

「輝きの力を手に! バディ・・・・ゴーーッ!」

 

『キュアスペースタイガ・フォトンアース!』

 

スペースはその後、タイガのペンを使ってキュアスペースタイガに変身するとそのままキュアスペースタイガ・フォトンアースへと姿を変えた。

 

「頑張れーっ!」

 

「プリキュアーッ!」

 

「頑張れーっ!」

 

そして子供から大人まで多くの人達もまたスペースの事を応援していた。

 

「ハアアーッ!」

 

『グアアーッ!』

 

スペースはデラストが放った複数のエネルギー弾を両腕をクロスしながらフォトンアースの鎧で防ぎつつデラストに向かって突撃して行き、その後は金色に光った右手の拳でデラストを殴り飛ばした。

 

「プリキュア・オーラムストリウム!!」

 

スペースは必殺技をデラストに向かって放ち、それに直撃したデラストの身体が光線による爆発に包まれた。

 

『フフフ・・・・』

 

「っ!?」

 

しかしデラストは笑いながらその爆煙の中から歩いて出てきた。

 

「これでもダメなのか・・・・」

 

『オオォォォ・・・・ハアアーッ!』

 

デラストが口元に紫色のエネルギーを収束すると口から紫色の光線が放たれてスペースはそれを両腕をクロスする事でガードした。

 

「くっ、ううっ・・・・ぐああああっ!」

 

しかし、その光線を受け止めきれなかったスペースはフォトンアースの鎧が吹っ飛び、そのまま元のキュアスペースの姿に戻ってしまうと光線によって後方へと吹っ飛ばされてしまう。

 

「あぁ!」

 

「スペース!」

 

それを映像で観ていたプルンスとフワがスペースを心配して叫んだ。

 

「うっ、くぅ・・・・」

 

『オワリダ・・・・ハアッ!』

 

「うわああああっ!」

 

デラストが右手から光線を放つと倒れていて動けないスペースに直撃してしまい、それによって宇宙船から放り出されたスペースはそのまま地球へと落下して行った。

 

「まさか!?」

 

「そんな!?」

 

「スペースーーーーッ!」

 

スペースが負けた事にソレイユとセレーネは驚き、スターはスペースに呼びかけるかのように大きな声で叫んだ。

 

「(負けない・・・・負けないルン・・・・スペースは絶対に・・・・)」

 

「(約束したじゃない。必ず生きて帰るって・・・・だから、こんな事でやられるんじゃないわよ!)」

 

ミルキーとコスモは口には出してはいないが心の中ではスペースの事を信じてスペースの復活を強く願っていた。

 

「負けられない・・・・約束したんだ・・・・絶対に勝って、みんなの所に帰るって・・・・だから・・・・だから、こんな所で・・・・やられてたまるかーーーーーっ!」

 

『そうだ。諦めてはいけない』

 

ピカーーーッ!

 

地球の大気圏に向かって落下するスペースのペンケースに入っていた一本のペンが光り輝くとそれがスペースの身体を包み込んだ。

 

「うっ、ここは?」

 

眩しくて目を瞑っていたこうたが目を開けるとそこはいつもウルトラマンやその変身者と話をしている周りには何もない真っ白な空間だった。

 

『よく来た』

 

「えっ?」

 

こうたは何処からか聞こえてきた声の主を探しているとこうたの目の前で黄金の光の粒子が集まり、それが一人のウルトラマンへと姿を変えた。

 

「貴方は?」

 

「私の名はウルトラマンキング」

 

「ウルトラマンキング・・・・あっ、はじめまして! 俺、如月こうたっていいます!」

 

こうたはキングの姿に見惚れていると我に返り慌てて自己紹介をした。

 

「あの、どうして貴方の声が俺の所に届いたんですか?」

 

「それは・・・・君と、君の仲間達の強い思いが彼の力を通して私の所に届いたのだ」

 

「これって、リクさんの・・・・」

 

するとこうたの目の前の宙に朝倉リクが変身するウルトラマンジードのウルトラスターカラーペンか紫色に輝きながら浮いていた。そのペンを通じてこうたやこうたを思うララ達の思いがキングの所に届いたのだ。

 

「あの! いきなりこんな事頼むのは良くないかもしれないですけど・・・・お願いします!俺に力を貸してください!」

 

こうたはキングに力を貸してほしいと頭を下げて頼んだ。

 

『・・・・なぜ力を求める。力を手にして君は何を望む?』

 

「・・・・俺、力が怖くて逃げ出した事があるんです。この力の所為で大切なものを傷つけるんじゃないか? 取り返しのつかない事をするんじゃないかって、それが怖かったんです。けどララやみんなのおかげで気づいたんです。力はただ力、その力をどう使うかが大事なんだって。だから俺はこの力を大切なものを守る為に使うって決めたんです。そしてみんなはこんな俺を信じてくれた。信じて送り出してくれた。俺はみんなの思いに応えたい。俺を信じてくれたみんなやみんながいるこの星、この宇宙を守りたい! それが俺の意思、俺の覚悟です!」

 

こうたはサンダーブレスターの力が暴走した事で力を恐れて逃げ出してしまった。そんなこうたの事をララが励まし、ガイ達が後押ししてくれた。そうして立ち直り帰ってきたこうたをひかる達も受け入れてくれて、宇宙に送り出してくれた。そんな彼女達の思いに応えたい、彼女達のいるこの宇宙を守りたい。その思いが今のこうたを突き動かしていた。

 

『・・・・わかった』

 

キングはこうたに力を貸すことを了承した。

 

『彼が君を信じたように私も君を信じよう。そして私の元に届いた君を思う彼女達の気持ちを・・・・』

 

「キングさん・・・・」

 

『行きなさい。君の守りたいものは君自身が守るんだ』

 

「はい!」

 

こうたが強い意志を込めて返事をするとジードのペンは更に輝きを増してこうたの身体を包み込むとこうたはそのままキュアスペースジードへと変身して右手にはジードライザー、左手にはウルトラカプセルをセットするライザーを持ち、彼の周りには2本のウルトラカプセルが宙に浮いていて、スペースは2本あるカプセルの内の一つを掴んだ。

 

「融合!」

 

スペースがカプセルを起動するとそこから右手を頭上に翳した黒いウルトラマン『ウルトラマンベリアル』が現れて、そのカプセルをライザーにセットする。

 

「アイゴー!」

 

そしてもう一つのカプセルも起動するとそこからもう一人のマント羽織ったウルトラマン『ウルトラマンキング』も右手を頭上に翳して現れるとそのカプセルもライザーにセットしてジードライザーを起動した。

 

「ヒアウィーゴー !」

 

そしてスペースは右手に持ったジードライザーでカプセルをセットしたライザーをリードしてジードライザーにそのウルトラマン達の力を送った。

 

「ハッ!」

 

『ウルトラマンベリアル! ウルトラマンキング! 我、王の名の下に!」

 

スペースがカプセルの力が溜まったジードライザーのトリガーを押すとキングソードが具現化されてスペースがそれを掴んだ直後にライザーにセットされていたウルトラマンキングのカプセルが飛び出してスペースがそれをキャッチするとカプセルをそのままキングソードにセットする。

 

『ウルトラマンキング!』

 

「変えるぜ! 運命!!」

 

『ジュワッ!』

 

「ハッ!」

 

スペースがカプセルをセットされたキングソードに手を翳すとその力が解放されてスペースの周りが黄金の光に包まれた。

 

「ジーーーーーード!」

 

『キュアスペースジード・ロイヤルメガマスター!!』

 

スペースが頭上に飛び上がると全身を黄金の光で包み込んだ。

 

そして場所は宇宙に戻ると落下していたスペースは急上昇してデラストがいる宇宙船よりも高い位置に辿り着くと纏っていた光が弾けた。中から両手の肘から指先と両足と膝から足の指先までが金色で、両肩と胸のペンダントの周りも金色の鎧に包み、それ以外は紫の服に銀色のラインが入った【キュアスペースジード・ロイヤルメガマスター】が誕生した。そんなスペースの全身から弾けた大量の黄金の光の粒子はそのまま地上へと降り注いで次々と闇の人間達を消滅させていった。

 

『・・・・・・・・』

 

デラストを見下ろすスペースとスペースを見上げるデラストは互いに睨み合いが続き、本当の最後の戦いが始まろうとしていた。

 

 

 

To Be Continued

 

 

 




         次回予告


スペースとデラストの最後の戦いが始まる。

最強を目指して力を求めるデラストと大切なものを守る為に力を求めるスペース

そんな2人の戦いの結末は・・・・


次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第98話 本当に強いのは・・・・

次回もお楽しみ!


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よろしくお願いします。


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第98話 本当に強いのは・・・・

遂にこのデラスト海賊団との戦いをえがくオリジナルストーリーも最後の話となります!

次回からは原作ストーリーへ戻ります。

最後まで楽しんでもらえたら嬉しいです!



暴走するデラストを止めるべく1人宇宙で戦うスペース。そんなスペースはウルトラマンキングの助力でロイヤルメガマスターの力を得てデラストの最後の戦いに挑もうとしていた。

 

 

 

その頃、地上にはスペースがロイヤルメガマスターに変身した時に弾けた黄金の光の粒子が大量に降り注ぎ、魔石の力で生み出された闇の人間達が次々と消滅していった。

 

「これは?」

 

「どうなってるの?」

 

予想外の事態にセレーネとソレイユも理解が追いついていなかった。

 

「この光は一体・・・・」

 

「みんな、消えていくルン」

 

コスモとミルキーもみんな消えていく事に驚いていた。

 

「スペースだ!」

 

そこに映像を観たスターがこれはスペースがやった事だと気づくと他のメンバーも映像に意識を向けるとそこにはロイヤルメガマスターとなったスペースの姿があった。

 

「あれが、スペース?」

 

「もしや、また新しい力を手にしたのでは?」

 

「流石スペースルン!」

 

「そうでなきゃ困るニャン」

 

ソレイユとセレーネはスペースの新たな姿に驚き、ミルキーとコスモはスペースなら出来て当然だと思っていた。

 

「なっ、何なんですかこの光は!?」

 

「黄金の、光?」

 

「綺麗・・・・」

 

「何だか、とても暖かいです」

 

一方、オリバスはこの状況を理解できず、マジカルとミラクルはその光に見惚れていて、フェリーチェは両手を胸元に当ててこの光が暖かいと感じていた。

 

「甘い匂いモフ・・・・」

 

「モフルン?」

 

「とーっても! 甘い匂いがするモフーッ!」

 

「モフルン!?」

 

「モーーーフーーーッ!」

 

すると光を浴びたモフルンの身体が光り輝くとその姿が徐々に子供サイズの人の姿へと変化していった。

 

そして・・・・

 

 

 

「モフモフモフルン! キュアモフルン!」

 

キングの光を浴びたモフルンはキュアモフルン(モフルンスタイル)に変身した。

 

「モフルンが!?」

 

「プリキュアに!?」

 

「凄い! ワクワクもんだぁ!」

 

その光景にマジカルとフェリーチェは驚き、ミラクルはとても喜んでいた。

 

「興味深いですねぇ。人形が人間になるなんて・・・・是非とも持ち帰って分析しなくては・・・・」

 

「そうはさせないわ!」

 

「貴方の思い通りにはなりません!」

 

「モフルンは私の大切な友達なの!」

 

マジカル、フェリーチェ、ミラクルはオリバスの考えを全力で否定した。

 

「ではエメラルド同様、力尽くで頂くとしましょうか!」

 

 

 

 

 

 

【挿入歌:キラメク誓い】

 

 

ミラクル、マジカル、フェリーチェ、モフルンの4人はオリバスに向かって突撃した。

 

「ハアアーッ!」

 

オリバスも向かってくる彼女達に向かって突撃して拳を振り下ろした。

 

「リンクル・ピンクトルマリン!」

 

フェリーチェがピンクトルマリンの力で花形のバリアを発生させてその拳を受け止めた。

 

「リンクル・タンザナイト!」

 

「ううっ!」

 

ミラクルがリンクルステッキにリンクルストーン・タンザナイトをセットして呪文を唱えるとステッキから強烈な光が放たれてその眩しさにオリバスは目を瞑った。

 

「「ハアーッ!」」

 

「ぐうっ!」

 

その隙にマジカルとモフルンのWパンチがオリバスの腹に直撃してオリバスは後方へと吹っ飛ばされた。

 

「このぉ!」

 

オリバスは開いた右手から紫色のエネルギー弾を連発して放った。

 

「リンクル・ムーンストーン!」

 

しかしマジカルがリンクルステッキにリンクルストーン・ムーンストーンをセットして呪文を唱えると満月形のバリアを複数生み出してその攻撃を防いだ。

 

しかしオリバスもそれで負けずと今度は両手でエネルギー弾を連射し始めた。

 

「ああっ!」

 

ムーンストーンの力だけでは防ぎきれずミラクル達も後方へ吹っ飛ばされてしまう。その隙を逃さんとばかりにオリバスは再びミラクル達に突撃して拳を振り下ろす。

 

ピカーン!

 

「なっ!?」

 

「「「ううっ・・・・」」」

 

するとオリバスの目の前にリンクルストーンルビーが映し出されるとそこには【ルビースタイル】になったミラクルとマジカルの両手を握りしめるモフルン、モフルンと左手を繋いで右手でオリバスの拳を受け止めるミラクル、逆に右手をモフルンと繋いで左手でオリバスの拳を受け止めるマジカルの姿があった。

 

「「ハアアーッ!」」

 

ミラクルとマジカルはルビーの力を解放すると強烈な炎をそれぞれの手に纏わせてオリバスを押し返した。

 

「ぐぅ〜っ、であああっ!」

 

しかしオリバスも負けずと反撃して2人を吹っ飛ばすとモフルンの所へ向かった。

 

「モフーッ!」

 

モフルンも自身の右手に炎を纏わせてオリバスとモフルンの拳が激突して爆発が起こる。

しかし体勢を立て直したオリバスは再びモフルンに突撃する。

 

「フッ!」

 

しかしそこへフェリーチェが割り込んでオリバスを攻撃するがオリバスもそれに対応して2人の戦闘が始まった。

 

「「モフルン!」」

 

「モフッ!」

 

その間にミラクルとマジカルがモフルンの両手を掴むと今度はリンクルストーン・サファイアが映し出されて3人は【サファイアスタイル】へと変身する。

 

「きゃっ!」

 

オリバスと戦っていたフェリーチェが吹っ飛ばされると3人は飛びながら高速で移動し、オリバスの身体に攻撃しては離脱、また攻撃しては離脱を繰り返してオリバスを翻弄する。

 

「舐めるなーっ!」

 

オリバスも全身に紫色のエネルギーを纏うと高速で移動を開始し、4人とも目に見えない速さで戦闘を繰り広げた。

 

「「「ハアアーッ!」」」

 

「オオーーッ!」

 

ミラクル達とオリバスは互いに正面から激突すると大きな爆発が起こり、少ししたらその中から全員出てきて地上に着地する。

 

『ハァ・・・・ハァ・・・・』

 

そして彼女達は互いに距離を取り、そこへフェリーチェも合流してそれぞれ様子を伺いながら息を整えていた。

 

「ぐっ! この状態もそろそろ限界ですか」

 

オリバスは魔石の力を無理矢理引き出した反動で身体にダメージを受けると自身の身体に限界が近い事を悟った。

 

「ですがまだ・・・・まだぁ!」

 

オリバスはデラスト程ではないが紫色の大きなエネルギー弾をミラクル達に向かって放ち、それがミラクル達に命中する。

するとリンクルストーン・トパーズが映し出されてミラクル達は【トパーズスタイル】に変身して彼女達は光の球を壁にする事でオリバスの攻撃を防いでいた。

 

「ハアアーッ!」

 

「くっ、この・・・・」

 

マジカルは2つの光の球を一つにして大きく長いロープを作るとそれをオリバスに巻き付けて動きを封じた。

 

「モフーッ!」

 

「てやーっ!」

 

「ぐあっ!」

 

モフルンも2つの光の球を一つにして大きな光の球を作り出すとミラクルは光の球をテニスラケットに変形させてそれでモフルンが作った光の球を打ってオリバスにぶつけた。

 

「ありえない・・・・私は、私達は選ばれた存在・・・・この宇宙の頂点に立つ存在になるはず・・・・」

 

「貴方は、根本的な所から間違っています!」

 

「私達は、宇宙の頂点とか・・・・そんな事どうでもいいのよ!」

 

「モフルン達にはそれ以上に大切なものがあるモフ!」

 

「うん。私はみんなが好き。みんなと一緒に過ごす時間が大好き。リコと、はーちゃんと、モフルンと、これからもずっとみんなで一緒にワクワクな未来を歩いて行きたいの!」

 

ピカーン!

 

「モフ?」

 

するとキングの光で一時的に復活したハートフルリンクルストーンが輝きだすとミラクル達を照らした。

 

「みんな、行こう!」

 

『えぇ(はい)(モフ)!』

 

ミラクルの声にマジカル達も返事をする。

 

『みんなの願いを!』

 

ハートフルリンクルストーンが力を発揮し、レインボーキャリッジにセットされる事で4人は【ハートフルスタイル】へと変身した。

 

「出会えた奇跡と!」

 

「惹かれ合う魔法と!」

 

「そこから紡がれる幸せを!」

 

「諦めないモフ!」

 

『フル、フル、フルフルリンクル!』

 

ミラクル、マジカル、フェリーチェ、モフルンが呪文を唱えると大きな魔法陣が彼女達の目の前に現れた。

 

『プリキュア・ハートフルレインボー!!』

 

魔法陣から強力な虹色の光線【ハートフルレインボー】が放たれた。この技はアレキサンドライトの力で発動する【エクストリーム・レインボー】よりも強い力を持っている。

 

『キュアップ・ラパパ! 虹の彼方に!』

 

「うわああああっ! デラスト様ぁぁぁぁぁっ!」

 

技を受けたオリバスと彼が取り込んだ魔石の力を持つ球は分離して球は力を失い砕け散るとオリバスは気絶してその場に倒れていた。

 

「やりましたね!」

 

「今回は流石に危なかったけどね」

 

「モフ?」

 

フェリーチェとマジカルが話しているとハートフルリンクルストーンが光りだして彼女達の頭上に浮いていくとそれは光の粒子となって消えてしまい、モフルンも元の人形のモフルンへと戻ってしまった。

 

「消えちゃったモフ」

 

「きっと、1回だけの奇跡だったのかもしれないわね」

 

モフルンがしょんぼりしているとマジカルがそんなモフルンの頭を撫でながら励ました。

 

「ですが、まだ戦いは・・・・」

 

「大丈夫だよ」

 

フェリーチェがまだ戦いが終わっていないのにリンクルストーンが消えた事にどうしようかと考えているとミラクルが大丈夫だと言った。

 

「きっと、彼が何とかしてくれる。そんな気がするんだ」

 

ミラクルは右手をゆっくり握りしめながらスクリーンの中で戦うスペースの姿を見ていた。

実は先程降り注いだ光に触れたミラクルはその光を通じて感じていた。スペースの大切なものを思う気持ち、その優しさを・・・・だからこそ大丈夫だと思う事ができたのだ。

 

「(頑張って、貴方なら負けないって信じてるから!)」

 

ミラクルはスペースを信じてその戦いを見守っていた。

 

 

 

場所はスペースのいる宇宙へと戻るとスペースはデラストが立つ宇宙船の上へと降り立った。

 

『ウアアーーーッ』

 

デラストが身体に纏ったオーラから複数のエネルギー弾を放つとスペースはキングソードに手を添えた。

 

『アン!』

 

「ハッ! プリキュア・バルカンスパークル!!」

 

スペースがキングソードに1回手をかざすとキングソードのクリスタルが青く輝き、杖モードのキングソードから、バルカン砲のようにウルトラエネルギーを変換した無数の光弾【バルカンスパークル】が放たれてデラストが放ったエネルギー弾を全て撃ち落とした。

 

『ウウッ・・・・ウアアーーッ!』

 

その事に怒ったデラストは正面からスペースに突撃した。

 

『アン! デュウ!』

 

『ハッ! プリキュア・スウィングスパークル!!』

 

『グウウッ・・・・』

 

スペースはキングソードに2回手をかざすとキングソードのクリスタルが赤く輝き、剣モードのキングソードの刀身にウルトラエネルギーを集めてエネルギー光波を横一閃に放射する斬撃技【スウィングスパークル】を放ち、それを受けたデラストはダメージを負った。

 

『マダ、ダ・・・・ワレハ・・・・コノウチュウヲ・・・・スベテ・・・・ヤミニソメナクテハナラナイ・・・・』

 

「させるかよ。この宇宙は、宇宙に生きるみんなのものだ! それをお前の勝手な都合で闇に染められてたまるか!」

 

 

 

 

【挿入歌:GEEDの証】

 

 

デラストとスペースはキングソードを剣モードにして2人は互いに宇宙船の上を走りながら距離を詰めて行き、デラストがスペースに手を伸ばすとそれをキングソードで受け止めたスペースはその手を跳ね除けて数回デラストの身体を切り裂いた。

 

『グッ、ウアアーーッ!』

 

デラストが雄叫びを上げて衝撃波を放つとスペースはすぐに後方へとジャンプしてそれを回避してスペースの胸元のペンダントから光の粒子が放出されてそれがスペースの左手に集まるとウルトラマンのウルトラカプセルへと変化した。

 

『ウルトラマン!』

 

「ハッ!」

 

スペースはウルトラマンのカプセルをキングソードに装填して技を発動する体勢に入った。

 

「プリキュア・スペシウムフラッシャー!!」

 

ウルトラマンのカプセルをキングソードに装填してキングソードのクリスタルが青く輝くと杖モードのキングソードからスペシウム光線の力を宿した電撃【スペシウムフラッシャー】を放ち、それを受けたデラストの周りには爆発が起こっていた。

 

『ウウッ・・・・』

 

『ウルトラマンタロウ!』

 

「ハッ!」

 

続けてスペースはウルトラマンタロウのカプセルを具現化するとそれをキングソード装填した。

 

「プリキュア・ストリウムフラッシャー!!」

 

タロウのカプセルをキングソードに装填するとキングソードのクリスタルが赤く輝く。全身にエネルギーを貯めた後にストリウム光線の構えで杖モードのキングソードから高熱光線を放つ【ストリウムフラッシャー】をデラストは両腕をクロスしてガードするがそれでも防ぎきれず再びデラストの周りで爆発が起こりダメージを負った。

 

『キエロ・・・・キエテシマエーッ!』

 

「オオオオッ!」

 

デラストとスペースは互いに宇宙船の周りを飛び回りながら接近戦をしたり、互いに離れた距離からエネルギー弾やバルカンスパークル、スウィングスパークルを使って攻撃したりと宇宙船の周りでは激しい戦いが繰り広げられていた。

 

『フレフレ! スペース! フレフレ! スペース!』

 

「頑張れーっ!」

 

『頑張れーっ!』

 

はな達はぐプリメンバー、いちか、そして他のプリキュア達もスペースの事を応援し続けていた。

 

「こうたーーっ!」

 

「頑張ってーっ!」

 

「負けるなーっ!」

 

「プリキュアーッ!」

 

「頑張れーっ!」

 

しかし応援しているのはプリキュア達だけではない。ブラジルにいるオルンやエメルアンナをはじめとする村の人達。そして映像を観ていた世界中の人達がスペースの事を応援していた。

その姿に映像を送るドローンも反応し、映像を投影するいくつかのドローンはスペース達の映像ではなく、彼を応援する人々の姿を撮影するようになっていた。

 

「オヨッ!」

 

「これって・・・・」

 

「皆さん、スペースの事を応援してくれているんですか?」

 

「キラやば〜っ☆! 凄い! 凄いよ!」

 

スター達が観ていていた映像の一部がスペースを応援する人々の姿に切り替わるとミルキー、ソレイユ、セレーネ、スターは驚き、そして興奮していた。

 

「(こうた、聞こえる? みんなが・・・・みんなが貴方の事を応援するこの声が・・・・)」

 

コスモは心の中でスペースに呼びかけるかのように自身の思いをスペースに送っていた。

 

『聞こえるかこうた君。この声が・・・・』

 

「(はい! 聞こえます! 俺を応援してくれる・・・・みんなの声が!)」

 

『ゾフィー!』

 

「ハッ!」

 

スペースは頭の中に聞こえたウルトラマンキングの声に耳を傾けると、それから自身を応援する地球のみんなの声に嬉しさが込み上げてきてその勢いでスペースはゾフィーのウルトラカプセルをキングソードに装填した。

 

「プリキュア・87フラッシャー!!」

 

スペースはゾフィーのカプセルをキングソードに装填してキングソードのクリスタルが黄色く輝くと、杖モードのキングソードからM87光線の力を宿した破壊光線【87フラッシャー】を放ち、それが宇宙空間で直撃したデラストは落下して宇宙船【ガルザーク】の上に激突した。

 

『ナゼダ・・・・ナゼタタカウ・・・・オマエヲツキウゴカスモノハナンダ・・・・』

 

「俺はもう、受け取ったんだ・・・・仲間から・・・・みんなから・・・・未来を生き抜く・・・・力の全てを・・・・」

 

スペースはキングソードを持つ右手とは逆の左手の拳を握りしめながら思い出していた。

 

優しく抱きしめて励ましてくれたミルキー・・・・

 

泣きながら無事を喜んで抱きついてきたひかる・・・・

 

逃げ出した自分の事をずっと信じてくれて優しく迎えてくれたソレイユとセレーネ・・・・

 

最後まで心配し、必ず帰る事を約束させてくれたユニ・・・・

 

応援してくれるフワやプルンス、そして地球のみんな・・・・

 

「・・・・だったら、応えるしかないだろ!」

 

『解放せよ、宇宙最強の力!』

 

『アン! デュウ! トロワ!』

 

「ハッ!」

 

スペースはキングカプセルを装填したキングソードをジードライザーでリードし、3回手をかざすとキングソードのクリスタルが虹色に輝き出した。

 

『オオオォォ・・・・ヌアアアアアアッ!』

 

デラストは先程フォトンアースの鎧を吹き飛ばした口から放つ光線のエネルギーを口元で蓄え始めると収束したエネルギーを一気に放出した。

 

「プリキュア・ロイヤルエーーンド」

 

杖モードのキングソードに左腕を当てて十字を組み190万度の破壊光線を放つロイヤルメガマスターの最強技【ロイヤルエンド】がデラストの放った光線と激突する。

 

『オオオオーーーッ!』

 

「ハアアアーーーッ!」

 

2人の光線は激しく激突した後も激しく拮抗していた。

 

「ダアアアーーッ!」

 

スペースは更に力を込めてロイヤルエンドを放つと徐々にデラストの光線をお仕返し始めて最後にはロイヤルエンドがデラストに直撃した。

 

『グアアーーッ! ・・・・なんでだ・・・・俺の方が強いのに・・・・力を持ってるのに・・・・なのになんで・・・・』

 

デラストは直撃した黄金の光線の中で正気を取り戻すと光線を浴びながら何故負けるのかが理解出来ていなかった。

 

「力が全てなんかじゃない! 本当に強いのは・・・・強いのは・・・・誰かを思いやる・・・・人の想いだ!」

 

『うああああああっ!』

 

光線に浴びていたデラストの身体が爆発するとそれに誘発して宇宙船のあちこちにも爆発が起こり始めて最後には宇宙船そのものが大爆発を起こし、その爆発がおさまると気絶したデラストは宇宙空間を漂っていた。

 

その大爆発は地上からも見えていてその直後に映像を送っていたドローンも次々と機能を停止して地面に落下していく。

 

「勝った、の?」

 

「やった、ルン?」

 

その状況に理解が追いつかないスターとミルキーは互いにどうなったのかを聞き合っていた。

 

「やった・・・・」

 

「やりました・・・・」

 

ソレイユとセレーネも少しずつ思考が追いつきスペースが勝った事を理解する。そしてコスモは何も言わずにただ安堵の表情を見せた。

 

『・・・・やったぁ!』

 

そしてスター達は喜びを爆発させてみんなで抱きしめ合いながらスペースの、自分達の勝利を喜んだ。

 

「やりましたね!」

 

「えぇ!」

 

「やったぁ!」

 

「やったモフ!」

 

別の場所ではフェリーチェとマジカル、ミラクルとモフルンもスペースの勝利を喜んでいた。

 

そして喜んでいるのは彼女達だけではなく、スペースの戦いを映像で観ていた大勢の人達もまたスペースの勝利を喜び騒いでいた。

 

「(やったね、こうた!)」

 

「(凄い! 凄いよ!)」

 

別の場所で映像を観ていたはなといちかを始め、他のプリキュア達もまたスペースの勝利を喜び祝福していた。

 

一方、とうのスペース本人はというとロイヤルメガマスターの姿のまま1人宇宙空間を漂っていた。

 

「守れたんだな。俺、この星を・・・・みんなを・・・・」

 

スペースは地球を眺めながらこの星を守れたのだと実感していた。

 

『こうた・・・・貴方は・・・・私みたいにならないで・・・・貴方は・・・・貴方の守りたいものを・・・・絶対に、守っ・・・・て・・・・』

 

「・・・・守ったよ。カリン・・・・俺の、大切なものを・・・・」

 

スペースはカリンが亡くなる直前に残した言葉を思い出し、自身の大切なものを守れたとカリンに届く事を祈りながら呟いた。

 

「・・・・さて、帰るか!」

 

スペースは気絶したデラストを回収すると全身に黄金の光を纏ってみんなが待ってる観星町へと向かった。

 

それからすぐに観星町へと降り立つと纏っていた黄金の光が弾けてスペースはこうたの姿に戻り、抱えていたデラストを地面におろした。

 

「おーい! こうたぁーっ!」

 

そこへ同じく変身を解除し、既に合流していた私服のひかる達や魔法学校の制服を着たみらい達がこうたに手を振りながらこうたの所へ向かって走ってきていたのだが、その先頭をユニが走っていて、そのまま勢いよくこうたに抱きついた。

 

「うおっ! おいユニ・・・・「良かった・・・・」ん?」

 

「貴方が無事で・・・・良かったニャン・・・・」

 

「・・・・ごめん・・・・ありがとな。ユニ・・・・」

 

「・・・・うん」

 

ユニは自身の顔がこうたに見えないように彼の肩に顔を当てて隠し、泣きながらこうたの帰還を喜んだ。そんな彼女がこうたを抱きしめる力がとても強い事を感じたこうたは優しくユニの頭を片手で撫でた。

 

その光景にララはムッとした表情を見せるが、今回は見逃す事にしたのか諦めの表情を見せた。

 

「やったねこうた!」

 

「お疲れ様ルン!」

 

「ホントにね」

 

「はい。無事に帰ってきてくれて良かったです」

 

「みんな、ありがとう」

 

「こうた!」

 

ひかる、ララ、えれな、まどかが話していて、こうたが抱きついていたユニを離すとそこへことはがこうたに声をかけた。

 

「はーちゃん」

 

「さっきの金ピカ凄かったね! ホントに凄かった!」

 

「あっ、あぁ、ありがとな」

 

「貴方、中々やるじゃない」

 

そこへ今度はリコがこうたに話しかけてきた。

 

「えっと、君は?」

 

「そういえば貴方とは初めましてね。私は十六夜リコよ。よろしく」

 

「よろしく。そっか、君がはーちゃんが言ってたよく箒に乗って落ちてるって子か」

 

「落ちてないし! ていうかはーちゃん! 余計な事言わないでよ!」

 

こうたの言った事にリコが反応するとその近くでことははクスクスと笑っていた。

 

「はじめまして!私、朝日奈みらい。よろしくねこうた君!」

 

「あぁ、よろしく」

 

みらいがこうたに挨拶するとみらいはジッとこうたの顔を見つめた。

 

「あの、どうかした?」

 

「えっ? あぁごめんね。さっき降ってきた光からこうた君の心? みたいなのを感じたの。とても暖かくて優しい光だったからどんな人なんだろうって気になって・・・・」

 

「そ、そうなんだ・・・・」

 

暖かくて優しいと言われてこうたは頭の後ろを手で引っ掻いて照れていると隣にいたユニが右肘でこうたの脇腹を強めに突いた。

 

「イタッ! なんだよ!」

 

「フン! 何でもないわよ」

 

「えぇ・・・・」

 

ユニはそっぽ向くとこうたは何でユニが怒っているのか分からなかった。

 

 

 

その後、デラストや他の仲間達は星空連合に引き渡された後に星空警察の収容所へと移送された。

 

「んじゃま、俺もそろそろ行くわ」

 

「あの、サーディスさんはこれからどうするんですか?」

 

「決まってるだろ? 俺はトレジャーハンター だぜ。この広い宇宙に眠るお宝を探し続けるだけさ。それが男のロマンってもんだろ?」

 

「は、はぁ・・・・」

 

「じゃあな。また気が向いたら遊びに来てやるよ」

 

「はい。どうかお元気で」

 

「おう。お前もな・・・・」

 

そう言ってこうたとサーディスは互いの拳と拳を合わせるとサーディスはワープホールを通って地球を後にした。

 

そしてみらい達はもう夕方という事もあり、プリキュアの事情を知っているこうたの家に一晩泊めてもらい明日の朝、魔法界に帰る事になった。

この日の夜は如月一家にララとユニ、そしてみらい達と大人数だった事もあってみんなですき焼きを食べてとても賑やかな時間を過ごした。

そうして楽しい時間はあっという間に過ぎていき、みんなそれぞれ眠りにつく中でこうたは夜中に目を覚ましてしまうと自宅の庭に出てそこから満月や星が輝く夜空を見上げていた。

 

「どうかしたの?」

 

「みらいちゃん」

 

するとそこへララから借りたパジャマを着たみらいが歩いてきた。

 

「別に何かあるわけじゃないんだけど、あんまり眠れなくてさ・・・・みらいちゃんは?」

 

「私は、何でだろう。ちょっと目が覚めちゃって、そしたらこうた君が庭に出て行くのが見えたから気になって」

 

「そっか・・・・」

 

「ねぇ、良かったらお話ししない?」

 

「えっ? あぁ・・・・」

 

それから2人は家の中から庭に出られる窓を開けるとそこに並んで座った。

 

「ララから聞いたけど、みらいちゃん達がみんなの事を助けてくれたんだろ? だから、助けてくれてありがとう」

 

「そんな! 私達だって助けてもらったし、おあいこだよ!」

 

「ん? 俺いつみらいちゃん達を助けたっけ?」

 

「あのデラストって人を止めてくれたでしょ? それにブラジルでもはーちゃんの事を助けてもらったし、あの時のこうた君は凄かったってはーちゃん言ってたよ」

 

「そんな・・・・」

 

こうたはみらいと話す内に徐々に暗い気持ちになっていった。

 

「俺はただ、自分の力から、戦いから逃げただけさ」

 

「逃げた?」

 

「あぁ。俺は力を制御できずに暴走させた。その所為でみんなを傷つけた。だから、またみんなを傷つけるんじゃないかってそれが怖くて逃げ出したんだ。俺はみんなが思ってるような立派な人間じゃないんだよ」

 

「そんな事ないよ!」

 

こうたの考えをみらいは否定した。

 

「だって、本当にそうならこうた君はここに帰って来なかったと思うし、ひかるちゃん達がこうた君の事を本気で心配して助けようとする筈ないもん!」

 

「ひかる達が?」

 

「うん。この前、ララちゃん達がこうた君を迎えに行く前に言ってたの・・・・」

 

『やっぱり私、こうたをこのままにしておけない。何とかしてこうたを助けないと!』

 

『私、前にこうたと約束したルン! もしもこうたに困った事があったらその時は私がこうたを助けるって。だから、絶対に何とかしてみせるルン!』

 

みらいはひかる達が言っていた言葉をそのままこうたに伝えた。

 

「そっか、2人がそんな事を・・・・」

 

「うん。それにひかるちゃんやララちゃんだけじゃなくて他のみんなもこうた君の事を凄く心配してたし大切に思ってるって私は感じたよ」

 

「みんなが・・・・」

 

こうたはみらいを通じてひかる達がこうたの事をどれだけ心配し、思っていたのかを聞かされて改めて仲間達の思いを知る事ができた。

 

「私もね、リコ達と離れ離れになるかもしれないって思ってそれが凄く不安で怖かった時があるんだ」

 

「えっ?」

 

みらいはリコ達と離れ離れになる直前まで陥った出来事があった。

 

リコとは追試を終えて魔法界からナシマホウ界に帰る時・・・・

 

ことはとはドクロクシーとの決戦の時・・・・

 

モフルンとはダークマターとの戦いの時・・・・

 

それぞれ一時的に離れ離れになったり話が出来なくなったりしてみらいの中でそれが凄く辛い出来事として残っていた。

 

「それで決めたんだ。悲しいお別れはもうしたくないから何があってもみんなとずっと一緒にいよう。みんなでたくさん笑顔でいようって」

 

「みらいちゃん・・・・」

 

「こうた君は逃げ出したって言ったけど、本当はそんな事したくないって、ひかるちゃん達と離れたくない、一緒にいたいって思ってたんじゃないの?」

 

「それは・・・・」

 

確かにこうたはひかる達と離れたくないと思ってはいたが一緒にいる事でカリンの様に突然自分の前から誰かがいなくなるかもしれない。それが怖かったからこそこうたは彼女達から離れる決心をしたのだ。

 

「大丈夫!」

 

「えっ?」

 

「だってこうた君にはひかるちゃん達っていう大切な友達が、仲間がいるでしょ! みんなが一緒なら力が湧いてくる。何だって出来るの。私もリコ達と一緒にいてそれに気づけた。だから大丈夫だよ!」

 

みらいはリコ達と一緒に過ごし、共に戦う事でみんなで力を合わせれば何でも出来ると実感する事が出来たのだ。

 

「そっか、そうだよな。わかるよその気持ち。俺もみんなが助けてくれなかったら、応援してくれなかったらきっとデラストには勝てなかったと思うから・・・・」

 

「こうた君・・・・」

 

「それに俺も決めたんだ。もう逃げない。どんな事があってもそれを受け入れて前に進むって。だから俺、これからも戦うよ。大切なものの為、守りたいものを守る為に・・・・」

 

「うん。お互い頑張ろう!」

 

「あぁ!」

 

こうたとみらいは互いの拳を合わせた後、再び部屋に戻って眠りについた。

 

 

 

翌朝・・・・

 

「それじゃあみんな、元気でね!」

 

「また会いましょう」

 

「うん!」

 

「約束ルン!」

 

ロケットを着地させている森の中の広場でことはとリコ、ひかるとララがそれぞれお別れの挨拶をしていた。

 

「バイバイモフ!」

 

「バイバイフワ!」

 

「色々ありがとうでプルンス!」

 

モフルンとフワ、そしてプルンスもお別れの挨拶をしていた。

 

「お世話になりました」

 

「元気でね」

 

「・・・・またね」

 

まどかとえれな、そしてそっぽ向いたユニも別れの言葉を送った。

 

「「・・・・・・・・」」

 

そしてこうたとみらいは互いに何かを話す事なく、笑みを浮かべながら昨夜と同じく互いの拳を合わせるだけだった。それだけで今の2人には充分だったからだ。

 

「それじゃあみんな!」

 

「さようなら!」

 

「バイバーーイ!」

 

「バイバイモフーッ!」

 

みらい、リコ、ことは、モフルンはそれぞれ魔法の箒に乗って飛び立って行った。

 

「さようならーっ!」

 

「またルーーン!」

 

「ありがとーっ!」

 

「お元気でーっ!」

 

それをひかる、ララ、えれな、まどかが大声を出しつつ手を振りながらみらい達を見送り、その横でこうたとユニも手を振りながらみらい達を見送った。

 

「(みんな、ありがとう。俺、これからも頑張るよ!)」

 

「(頑張って、こうた君! 私も頑張る!)」

 

こうたとみらいはそれぞれの思いを胸に望む未来に向かって歩いて行くのであった。

 

 

 

To Be Continued

 

 




         次回予告


突然もたらされた惑星レインボーのお宝情報

それを手に入れる為に行動を開始するユニ

しかしその場所は宇宙マフィアのパーティ会場だった。


次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第99話 大切な人の指輪 宇宙怪盗復活! 前編

次回もお楽しみ!


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第99話 大切な人の指輪 宇宙怪盗復活! 前編

遅くなりましたが、スタプリ5周年おめでとうございます!

そんなスタプリの二次小説であるこの物語も次回で100話目となります。

投稿頻度は不定期になってしまいますが、みなさん今後ともよろしくお願いします。


ロケットの中に集まっているこうた達はデラスト海賊団との戦いに勝利し、みらい達と別れた後、再びトゥインクルイマジネーションについて考えていた。

 

「この前の何だったルン?」

 

「凄いパワーだったけど・・・・」

 

「この前って?」

 

「実は・・・・」

 

ララとえれなは以前スターが見せた強い力について考えているとその場にいなかったこうたは事情を知らないのでまどかが説明してくれた。

 

「は? ひかるが生徒会長!? ないないないない! コイツに生徒会長なんてやらせたら学校がUMAとか星座とか一種の博物館状態になるぞ」

 

「そんな事しないよ!」

 

こうたの言葉をひかるは全力で否定した。

 

「それはそれとして、あの時の力は一体何だったんでプルンスかねぇ」

 

「う〜〜ん」

 

プルンスが話を戻すとひかるはフワを抱っこしながらその力が何なのかを考えていた。

 

「トゥインクルイマジネーションと何か関係があるのでしょうか?」

 

「もしそうならトゥインクルイマジネーションは物ではなく別の何かって可能性も出てくるなぁ」

 

「別の何かって?」

 

「そこまではわからないけど・・・・・」

 

まどかとこうたの会話にえれなも加わり、みんなで意見を出し合うがそれでもトゥインクルイマジネーションについての手掛かりは何も得られず、そんな中でユニはその力を発動させたひかるを黙ってドーナツを食べながら観察していた。

 

『報告があります』

 

「ルン?」

 

『トゥインクルイマジネーションの情報を探す為、以前共有したマザーAIのデータベースを調べた所、宇宙マフィアのドン・オクトーが惑星レインボーの指輪を手に入れたというニュースを見つけました』

 

「これは!?」

 

ロケットのパーソナルAIから惑星レインボーの指輪が見つかったという知らせを聞いてユニはとても驚いていた。

 

「ドン・オクトー?」

 

「それって確か・・・・」

 

「えぇ。この前のオークションに参加されていた方です」

 

ひかるは忘れていて、こうたも見覚えあると思っていたが、まどかは以前みんなでプリンセススターカラーペンを探す為にオークションに参加した時に会場にドン・オクトーがいた事を覚えていた。

 

「あぁ!」

 

「宇宙マフィアとは、宇宙の闇社会で幅を利かせる怖い異星人達でプルンス」

 

「えぇ!? そうなの!?」

 

プルンスから宇宙マフィアの話を聞いてひかるが反応した。

 

「ユニ、どうする?」

 

「当然返してもらうわ。惑星レインボーの宝!」

 

えれなは真っ先にユニにどうするか聞くと思っていた通り指輪を取り戻すつもりでいた。

 

「でも簡単に返してもらえるとは思えないルン」

 


「忘れたの?私の別の顔」

 


「まさかマオたん!?」

 


「そっちじゃなくて・・・・」

 

ララがその方法を考えているとユニの別の顔と言ってプルンスは以前ユニが変装していた宇宙アイドル【マオ】の事を思い出すがユニはそっちではないと否定すると変身の時に使う香水を自身にかけた。

 

「この宇宙怪盗ブルーキャットに盗めない物はないニャン!」

 

「ダメだよ! 盗むのは!」

 

「ダメフワ!」

 

「・・・・・・・・」

 

ユニは帽子とサングラスを使って宇宙怪盗ブルーキャットに変装して指輪を盗む気満々でいるとひかるとフワがそれを止めた。

 

 

一方その頃、星空界の平和と安全を守る星空警察の本部がある惑星では1人の警部補が星空刑事して認められていた。

 

「おめでとう! アン警部補。今日から君ははえある星空刑事だ。この星空警察の名を汚さぬよう頑張ってくれたまえ」

 

「はい!これから平和の為に、バンバン悪い人を捕まえるであります!」

 

彼女、犬の顔した宇宙人【メリー・アン】警部補は上司から警察手帳と銃、そして手錠を受け取ると星空界の平和の為に全力を尽くす事を決意していた。

 

 

それから時は流れて星空界の宇宙空間ではドン・オクトーが乗っているタバコを口に咥えた鮫型の宇宙船が他の多くの宇宙船を中に受け入れていた。ドン・オクトーの宇宙船の大きさはとてつもなく大きく、大きさだけならトッパー達が乗っていた星空連合の宇宙船よりも大きかった。

そんなドン・オクトーの宇宙船に地球のトラックのような宇宙船が入り込むとドン・オクトーの部下の1人が宇宙船のコックピットまで来て検問を行っていた。

 

「パーティー用の食材です」

 

「・・・・よし進め」

 

操縦していた宇宙人が確認を終えるとトラック型の宇宙船は奥へと進んだ。その後、宇宙船の中に入っていた箱のロックが解除されると中からフワが出てきた。

 

「フワ!」

 

「ヒヤヒヤしたルン」

 

「ドン・オクトーのアジトってこんなに大きな宇宙船だったんだね」

 

「流石に凄すぎるだろ・・・・」

 

続けてララや他のメンバーも箱の中から出てくるとえれなとこうたは宇宙船の大きさにとても驚いていた。

 

「何とか潜入できて良かったです」

 

「当然よ」

 

まどかが一安心しているとユニは1人で箱の中から飛び出して行った。

 

「・・・・・・・・」

 

その様子をひかるは何も言わずに見ているだけだった。

 

時は少し遡り、ユニ達はロケットに乗って指輪を持っているドン・オクトーが乗っている宇宙船の近くにフワのワープでたどり着いていた。

 

「フワのワープは大分アバウトだから、直接アジトには行けない。・・・・あの輸送船、使えそうニャン」

 

「他にも宇宙船がいるみたいですが・・・・」

 

「AIの情報によれば、これからアジトで星空マフィアを集めたパーティーをやるみたいね」

 

「えぇ!?」

 


「そんなタイミングで行くなんて危険すぎるルン!」

 

まどかが他にも多くの宇宙船が集まっている事を気にしているとユニはAIに事前に調べてもらっていた事でこの日はドン・オクトー主催の宇宙マフィアを集めたパーティーが開かれる事を説明したらプルンスは驚き、ララは危険だとユニを止めようとする。

 


「むしろ逆よ。私の場合、人混みに紛れた方が盗みがしやすいの」

 

「【木を隠すなら森の中】って事か?」

 

「そういう事」

 

しかしユニは逆にたくさん人がいた方が動きやすいのだと主張する。

 

「むぅ・・・・」

 

「すっごく不満そうでプルンス」

 

しかしひかるはムッとした表情でユニの事を見ていた。

 

「言いたいことがあるなら言えば?」

 


「最初に言ったよ!ドラムスさんの時もだけど盗むなんて駄目だよ!」

 


「あれは惑星レインボーの物よ。それに素直にお願いして返してくれる相手だと思ってるの?」

 


「やってみなきゃ分かんないじゃん!」

 


「やらなくても分かるでしょ!」

 

「2人とも喧嘩はやめるでプルンス!」

 

ひかるとユニが口喧嘩を始めてしまい、プルンスがそれを止めた。

 

「貴方達も反対なんでしょ?」

 

ユニが他のメンバーにも聞いてみるとえれなは頷いた。

 

「良いやり方だとは思いません」

 

まどかもそのやり方は良くないと主張し、ララは何も言わないがその顔はあまり乗り気ではなさそうに見えた。

 

「・・・・・・・・」

 

そうしてユニはまどか達を見渡した後に最後にここまで何も言わないこうたの方を見た。

 

「・・・・確かに、ユニの言う通りお願いしただけで返してくれる可能性は低いかもしれない」

 

「こうた!?」

 

ひかるはこうたがユニの後押しをするような発言をした事に驚いた。

 

「でもひかる達の言う通り盗みをするのは良くないっていうのも分かる」

 

「じゃあどうするの?」

 

「・・・・とりあえず、行くだけ行ってみようぜ。俺達はドン・オクトーの事を何も知らない。まずは相手を知る事も必要だ」

 

そして現在に戻り、ひかる達も箱の外に出た。

 

「大丈夫かな、ユニ・・・・」

 

「大丈夫さ。今のアイツならきっと・・・・」

 

ひかるがユニの心配をしているとこうたが大丈夫だと言い切った。

 

「どうしてそう思うルン?」

 

「一緒に過ごす内に感じたんだ。今のユニは俺達と出会って間もない頃のユニとは違うって。それに、大切なものを失う辛さはユニが一番良く知ってる筈だ」

 

「こうた・・・・」

 

そう言ってこうたはユニの後を追いかけるとひかる達もその後に続いた。

 

そんなこうた達とは別の場所では掃除屋に変装したアンが鼻歌を歌いながら宇宙船の廊下をモップで掃除していた。

 

「クンクン。やっぱりジュースがこぼれていたであります」

 

「アイツ中々良い掃除屋だな」

 

「本官は鼻が良く効くでありますから!」

 

「本官?」

 

「ハッ! 何でもないであります!」

 

アンはドン・オクトーの部下達が自身の事を話しているのが聞こえると思わず星空警察で話していた時と同じように喋ってしまい、慌てて掃除を再開した。

 

「(それにしても、何で初任務がマフィアの情報収集なんでありますか? 早く任務を終わらせて辺境で希少種を狙うハンターや、宇宙怪盗ブルーキャットみたいな大悪人をバンバン捕まえに行きたいであります!)」

 

アンの初任務はこの宇宙マフィアのパーティー会場にマフィアから情報を手に入れる為の潜入任務を命じられてそれを不満に思っていた。

 

そんなアンや会場の入口で受付をしているマフィアの構成員達の前に人組のマフィア達がやって来た。

 

「お名前を伺えますでしょうか?」

 

「ドンフワフワのファミリーです」

 

「フワッフワ!」

 

しかしそれはユニやひかる達が帽子やサングラス、カツラやマスクを被って変装した姿でこうたは帽子は被っていないが黒いサングラスをかけて両手をズボンのポケットに入れてガラの悪い男を演じていた。

 

「何でフワがドン?」

 

「さぁ?」

 

えれなは何故フワがドンなのかをまどかに聞くがその理由はまどかも知らなかった。

 

「フワッフワ?そんなマフィアいたっけ?」

 


「いつまで待たせる気かしら?ボスは気が短いのよ?」

 


「フワッフワ!」

 

「しっ、失礼しました! 」

 

「どうぞ!」

 

ユニとフワが相手を脅すように声をかけるとそれに恐れた受付の人達は慌てて入口の扉を開いてユニ達を中に入れた。

 

「クンクン・・・・。今の匂い・・・・」

 

しかし、近くで掃除をしていたアンは何やら嗅ぎ覚えのある匂いに気づいた。

 

そうして中に入ったユニ達が辺りを見渡すとみんな帽子を被り、スーツを着てサングラスをかけた怖そうな宇宙人達があちこちで話をしていた。

 

「怖そうな人がいっぱいルン。 オヨッ!」

 

みんなで歩いている時にララはすれ違った相手にぶつかってこうたに寄りかかってしまう。

 

「ちっ、気をつけろよ」

 

「大丈夫かララ?」

 

「だ、大丈夫ルン」

 

「離れると危ないからあんまり側を離れるなよ」

 

「・・・・ルン////」

 

こうたにそう言われたララは頬を赤く染めながらこうたの腕に抱きついて歩いていた。

 

そして会場の隅っこまでやってきた一行はそこから会場を見渡してドン・オクトーの事を探していた。

 

「・・・・っ! いたわ!」

 

「あっ、ユニ!」

 

ユニはドン・オクトーを見つけると彼の元へそのまま駆け出して行った。

 

「それが貴族の借金の代わりに分捕った惑星レインボーの指輪か?」

 

「おうよ。本当はプリンセスのペンが良かったが、これは惑星レインボーのお宝の中でもとびきりの代物なんだ。何故だか分かるか?」

 

「その指輪は、身につけた者の感情で色が変化する。今は喜びを示すイエロー、他にも悲しみのブルー、怒りのレッドなど七色の感情に反応する。・・・・ですよね?」

 

ドン・オクトーが他のマフィア仲間と話をしているとユニがそこに割って入り、指輪について説明した。

 

「正解だ。良く知ってるな」

 

「えぇ、だって・・・・」

 

そしてユニがドン・オクトーから離れると彼女の指にはさっきまでドン・オクトーがしていた指輪がはめられていた。

 

「コレは私の大事な人の物だから」

 

そう言うと指輪が赤く光り出した。赤はレッド。つまりユニが怒っている事を示していた。

 

「あぁ!? いつの間に・・・・っ!」

 

すると赤い光は先程よりも強く輝き出すと周りをその光で包み込み、その光がおさまるとそこにはもうユニの姿はなかった。

 

「・・・・盗賊だ! 捕まえろ!」

 

ドン・オクトーは身体を真っ赤にして怒り出すとユニは変装を解除してブルーキャットの姿になり会場の出口を目指して全力で逃げた。

 

「相変わらず仕事早いなぁ」

 

「もう指輪取っちゃったルン!」

 

「追いかけよう!」

 

あまりの手際の良さにこうたとララが驚いているとえれなが追いかけようと提案してみんなでユニの後を追いかけた。

 

ドン・オクトーの部下達はユニが何処に行ったか探していた。

 

「何処だ〜っ!」

 

「あっちへ逃げて行ったぞ!」

 

「そうか!」

 

そこへ黒いスーツを着た猫の宇宙人がブルーキャットが逃げた方角を示すと部下達はそっちへ走って行った。

 

「ふふっ」

 

しかしその男もユニの変装で部下達はそれに騙されたのであった。

 

「見つけたであります!」

 

「ん?」

 

「怪盗ブルーキャット!」

 

しかしアンだけはその姿に騙される事なく男に飛びかかるとユニは後方へジャンプしてかわし、変装を解いた。

 

「何で正体を見破れたの?」

 

「本官は星空警察のアン警部補。星空警察が管理している悪人の匂いは全て覚えているであります!」

 

「星空警察?そういえばそんな組織があったわね。捕まりそうにもなった事ないから、忘れてたわ」

 

アンは掃除屋の服装から星空警察の姿に戻ると持っていた手錠をユニに向けて構えた。

 

「正義の為に、今日こそ逮捕するであります!手錠ブーメラン!」

 

アンは手錠を投げるとユニはそれをジャンプして回避するがその手錠はその名の通りブーメランのようにアンの元へと戻った。

 

「厄介な物持ってるじゃない」

 

「刑事道具は他にも持っているであります。・・・・あっ!これは今使う物じゃなかったであります!」

 

アンは他の道具を取り出そうとするが何故か小さなペンライトを取り出して戸惑っていた。

 

「いたぞ!」

 

そこへ宇宙マフィアの連中が騒ぎを聞きつけて集まってきた。

 

「ご協力感謝であります! ・・・・えっ? ちょっと、待つであります!」

 

アンはユニの逮捕に協力してもらえると思っていたが逆に自分がマフィアに捕まってしまった。

 

「あれ? なんで本官を?」

 

「宇宙マフィアと星空警察は長年の敵対関係お前もアジトに忍び込んでいたのは一緒やろがい!」

 

「・・・・そうだったでありますぅ!」

 

ドン・オクトーから宇宙マフィアと星空警察の関係を聞かされて冷静に状況を判断したアンは自身のミスにショックを受けていた。

 

「結構ドジなのね」

 

その隙にユニは宇宙船からの出口に繋がる通路へと辿り着いていた。

 

「タダで済むと思うなよ。ブルーキャットの前にたっぷりお仕置きしてやる!」

 

「ひぇ〜」

 

ドン・オクトーの脅しにアンは涙目になりながら怯えていた。

 

「・・・・ハァ」

 

その場を立ち去ろうとしたユニだったが何かを諦めたようなため息をつくとアンの所へ戻り、ドン・オクトーの足元を蹴り飛ばして転ばせるとその部下達からアンを助け出す事に成功した。

 

「行くわよ!」

 

「えっ?」

 

「早く!」

 

「りょ、了解であります!」

 

ユニに助けられたアンは何で助けられたのか分からずにいたがユニに言われるがままに2人は並んで駆け出したが、ドン・オクトーのタコのような長い足に2人とも締め付けられて捕まってしまった。その時にユニは指輪を落としてしまい、それをドン・オクトーがはめると怒りのレッド、赤く光り輝いていた。

 

「この状況で2人で逃げようなんて甘すぎるだろうが・・・・まとめてお仕置きだ!」

 

「「っ!」」

 

その頃、プリンセススターカラーペンの反応を追ってドン・オクトーの宇宙船の近くまでノットレイダーの宇宙船に乗ったテンジョウが来ていた。

 

「こんな所にプリキュアが、ふふっ・・・・」

 

 

To Be Continued

 

 




         次回予告


捕まってしまったユニとアン

しかし、本当にこれで良いのかとユニ自身も迷っていた。

そんなユニが出した結論とは・・・・



次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第100話 大切な人の指輪 宇宙怪盗復活! 後編

次回もお楽しみ!


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第100話 大切な人の指輪 宇宙怪盗復活! 後編

遂に100話目に突入しました!

第1話を投稿してから約3年、間が空いてしまう事もありましたがこれまで読み続けてくれた読者の皆さん、本当にありがとうございます!

そして唐突ですが、今回で第7章は終了して次回からは第8章がスタートします。

7章がスタートしたのがおよそ半年前、これまでの章の中で一番長かったですね。

次回からは再上映が決まった神映画と呼ばれるあの物語へと突入します!




突然こうた達の元に齎された情報。それは惑星レインボーの指輪を宇宙マフィアのドン・オクトーが手に入れたというものだった。それを知ったユニは宇宙怪盗ブルーキャットとしてその指輪を奪おうと行動を開始する。そうしてドン・オクトーの宇宙船に潜入した彼女の前に星空警察のアン警部補が立ちはだかるが、ユニはそのアンを助けようと動いた結果2人ともドン・オクトーに捕まってしまう。

 

そうしてユニ達が捕まってしまった頃、こうた達はというと・・・・

 

「完全に見失っちゃったルン!」

 

「どこ行っちゃったんだろう」

 

こうた達は予め、この船から脱出する時の経路をここにやってきた時にユニと決めていたのだが、その待ち合わせ場所にいつまで経ってもユニが現れない事をみんな心配していた。

 

「もしかして捕まっちゃったんじゃ・・・・」

 

「その可能性はありますね」

 

えれなはユニがドン・オクトーに捕まってじったのではと推測するとまどかもその可能性があると感じていた。

 

「こうた、どうしよう」

 

「大丈夫だって、こういう時の為に・・・・」

 

ひかるがこうたに今後の相談をするとこうたが自身のスターカラーペンダントを取り出すとそのレーダーが何処かを示して反応していた。

 

「オヨッ!? レーダーが反応してるルン!?」

 

「どうして? もしかしてここにウルトラスターカラーペンがあるの!?」

 

「いいや。違うぜ」

 

「・・・・まさか!?」

 

ララがそれに驚き、えれなはこの船の何処かにウルトラスターカラーペンがあるのではと考えるがこうたはそれを否定した。それを聞いたまどかはみんなよりも先にその答えに辿り着き、こうたは口元に笑みを浮かべていた。

 

遡る事こうた達が星空界に来る直前の出来事だった。

 

「ユニ!」

 

「・・・・何よ」

 

こうたはみんなと別れて一人でロケットの隅で立ちながら目的地への到着を待っているユニの所へ来ていた。

 

「これを預けておこうと思ってな」

 

「ちょっと!? これって!?」

 

ユニはこうたが取り出した物を見て驚いた。何故ならそれはこうたが大切にしていたウルトラスターカラーペンの内の一本、ウルトラマンオーブのペンだったからだ。

 

「どういうつもり?」

 

「決まってるだろ? お前の事だからきっと無理してでも指輪を手に入れようとする筈だ。けどもしもの時にお前の居場所が分からないと不便だからこれを預けておく」

 

「成る程ね。つまり私が勝手に何処かへ行かないようにする為の目印ってわけ?」

 

「違う。ユニが危なくなった時に助けに行く為だ」

 

「っ!?」

 

こうたがペンを預けようとしているのはいざという時に自分を助ける為だと聞いてユニは驚いた。

 

「どうして? 貴方も本当はこんなやり方は反対なんでしょ? なのにどうしてそんな私に大事なペンを預けられるの?」

 

「ハァ・・・・何度も言わせるなよ。前にも言ったろ? ユニは俺達の大切な仲間だ。だから助けるのは当たり前だろ。その気持ちは今も、そしてこれからも変わらない。まぁ今はただの御守りだと思って預かっておいてくれ。じゃあな」

 

「ちょっ、ちょっと!?」

 

そう言ってこうたは強引にペンをユニの右手に握らせると一人でひかる達の所へ戻って行った。

 

「全く、相変わらずお節介な奴ニャン」

 

そう言いながらもユニはこうたから預かったオーブのペンを胸元付近で両手を使ってギュッと握りしめていた。

 

 

 

そして現在に戻り、捕まっているユニもまたその時の事を思い出していた。ユニ達がいる場所は左右にマグマの水槽があり、その上には複数の鎖が吊るしてあっていかにも拷問室って感じの部屋の中央にある2本の柱に2人はそれぞれロープで縛られて拘束されていた。

 

「本官が捕まるなんて情けないであります。これから沢山正義の為に活躍する予定だったのに〜〜っ!」

 

アンは目に涙を浮かべながら捕まっている現状にショックを受けて弱音を吐いていた。

 

「正義ね・・・・」

 

「何であります?」

 

「別に」

 

ユニの呟きにアンが反応するがユニはそれを無視する様な形でそっぽ向いた。

 

「あっ、お礼を言い忘れていたであります」

 

「えっ?」

 

「さっきは本官を助けに戻って来てくれてありがとうであります。・・・・なんだか聞いてた印象と違うであります」

 

「でしょうね」

 

「・・・・折角なので言わせてもらうであります!」

 

「ん?」

 

アンが面と向かってユニに何かを伝えようとするのを聞いていたユニは先程までそっぽ向いていたが再びアンの方を見た。

 

「盗みは良くないでありますよ。騙されたり、自分の物を取られた人の気持ちを考えるであります!」

 

「っ!?」

 

それを聞いた時、ユニはロケットでひかる達に盗みを否定された時の事を思い出した。

 

「・・・・それは貴女も一緒でしょ?」

 

「えっ?」

 

「ここでスパイしてたんでしょ? 正義の為なら変装して騙しても良いの?理由があれば何をしても良いんならそんなの誰にでもあるんじゃない?」

 

「そ、それは・・・・」

 

アンはユニから任務とはいえ、正義と為なら誰かを騙して良いのかと言われて言い返す事が出来ず戸惑っていた。 

 

「・・・・今のは忘れて。自分に行った様な物だから・・・・」

 

「・・・・ブルーキャットには悪い事をする理由、あるでありますか?」

 

「さぁね・・・・でも・・・・」

 

「ん?」

 

ユニはその時、頭の中でこれまでのこうたの姿を思い出していた。

 

「彼ならきっと、もっと違ったやり方で解決してたかもしれないわね」

 

「彼って、一体誰・・・・『ピピピピ・・・・』・・・・あっ!」

 

会話している最中に2人が隔離されている部屋の扉のロックが解除された。

 

「お仕置きの時間かしらね?」

 

そして扉がゆっくりと左右に開いていくとアンはこれから自分はどうなってしまうのかとビクビクしていた。

扉が完全に開ききるとそこにはユニがよく知る人物達が立っていた。

 

「待たせたな」

 

「ユニ!」

 

「無事!」

 

そこにはペンダントの反応を頼りにやって来たこうた達がいて、こうた、ひかる、えれながユニに声をかけると声をかけられたユニもまさかこのタイミングでみんなが来るとは思っていなかったので驚いていた。

 

「・・・・遅いニャン」

 

しかしユニは全く驚いていない風に振る舞うと既に解いていたがそのままにしていたロープを床に落とした。   

 

「あっ! ええっ!?」

 

「あれだけお喋りする時間があればこれくらいわけないわ」

 

アンはユニがあっさり縄を解いていた事に驚いていた。

それからアンの拘束も解くとみんなで一緒に逃げる為に宇宙船内の廊下を走っていた。

 

「星空警察のお巡りさん!? かっちょいい〜〜っ!」

 

「お巡りさんじゃなくて警部補であります!」

 

「逃さんぞ! 仲間がいたとはな」

 

ひかるがアンに対して目をキラキラさせながら走っていると彼女達の行手をドン・オクトーとその部下達が塞いでいた。

 

「まぁね」

 

「おのれ・・・・この指輪は俺が金と力でぶんどった物だ! それを奪おうとする奴は全員お仕置きだ!」

 

ドン・オクトーの怒りの感情に反応して指輪の石が赤く光り輝いていた。

 

「その意気よ」

 

「テンジョウ!?」

 

そこへ宇宙船に侵入していたテンジョウとノットレイ達が姿を現した。

 

「煽れ団扇よ! 膨れろ! 歪んだイマジネーション!」

 

テンジョウが持つ団扇から歪んだイマジネーションがドン・オクトーに注がれるとドン・オクトーはノットレイが着ているのと同じスーツを着たかの様な巨大ノットレイになってしまった。

 

「さぁ、プリキュアを倒すのよ!」

 

「ノットレーイ!」

 

「お静まりください!」

 

「茹で蛸になってしまいます!」

 

「ノットレーイ!」

 

『うわああああっ!』 

 

ドン・オクトーの部下達が何とか彼を静めようと呼びかけるが歪んだイマジネーションの力が含まれた墨を吐き出すとそれを受けた部下達が流されていった。

 

「手当たり次第でプルンス!」

 

「止めなきゃ!」

 

「ルン!」

 

ひかるとララの意思に賛同するかの様に他のメンバー達も自身のペンを取り出した。

 

 

 

『スターカラーペンダント!カラーチャージ!』

 

『キラめく~星の力で~!憧れの~私描くよ~!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『トゥインクル!トゥインクルプリキュア!』

 

『スター☆トゥインクル〜!スター☆トゥインクルプリキュア~~!』

 

 

「宇宙(そら)に輝く〜キラキラ星!キュアスター!」

 

「天にあまねく〜ミルキーウェイ!キュアミルキー!」

 

「宇宙を照らす!灼熱のきらめき!キュアソレイユ!」

 

「夜空に輝く!神秘の月明かり!キュアセレーネ!」

 

「銀河に光る!虹色のスペクトル!キュアコスモ!」

 

「光輝く聖なる宇宙!キュアスペース!」

 

 

『スター☆トゥインクルプリキュア!!』

 

 

 

「プリキュア!? 星空界を救う為に戦っていると噂の、ブルーキャットが!?」

 

アンは自身が捕まえようとしていた相手が実は星空界を救う為に戦っている存在だと知ってとても驚いていた。

 

「ノットレーイ!」

 

巨大ノットレイは自身の足を伸ばしてプリキュア達を捕まえようとするが全員ジャンプしてそれを回避する。

 

しかし、8本の足が凄い勢いで襲ってくるので全員回避するので精一杯だった。

 

「凄い手数です!」

 

「ハアッ!」

 

セレーネに迫って来た足をソレイユが蹴り飛ばした事でセレーネは守られた。

 

「俺に任せろ! ウルトラスターカラーペン・ジード! ウルトラカラーチャージ!!」

 

するとスペースは一旦巨大ノットレイから距離を取り、ジードのペンを使ってキュアスペースジードに変身するとそのままジードライザーとライザー、そして2本のウルトラカプセルを出現させた。

 

「融合!」

 

スペースがカプセルを起動するとそこから右手を頭上に翳したウルトラマンヒカリが現れて、そのカプセルをライザーにセットした。

 

「アイゴー!」

 

そしてもう一つのカプセルも起動するとそこからウルトラマンコスモスも左手を頭上に翳して現れるとそのカプセルもライザーにセットしてジードライザーを起動した。

 

「ヒアウィーゴー !」

 

そしてスペースは右手に持ったジードライザーでカプセルをセットしたライザーをリードしてジードライザーにそのウルトラマン達の力を送った。

 

『フュージョンライズ』

 

「見せるぜ! 衝撃!!」

 

そしてスペースはジードライザーを頭上に掲げるとそれを胸元の位置に持ってきた。

 

「ジード!」

 

『ウルトラマンヒカリ! ウルトラマンコスモス! キュアスペースジード・アクロスマッシャー!』

 

 

スペースはキュアスペースジード・アクロスマッシャーに変身すると両手に光のエネルギーを集め始めた。

 

「プリキュア・スマッシュムーンヒーリング!!」

 

スペースは両手から興奮抑制効果のある鎮静化光線【スマッシュムーンヒーリング】を放ち、これで巨大ノットレイを大人しくさせようとしたが、巨大ノットレイは全身から歪んだイマジネーションを放出する事でそれを跳ね除けてしまった。

 

「ダメか・・・・だったら、スマッシュビームブレード!!」

 

スペースは右手首から光の剣を出現させるとスペースは高速で移動しながらその剣で巨大ノットレイを攻撃した。

 

「ルン? オヨ〜ッ!」

 

そんな中で巨大ノットレイの足による攻撃を受けてしまったミルキーが高く飛ばされてしまった。

 

「あっ!」

 

それに気づいたコスモがジャンプしてミルキーが背中から壁に激突する前にミルキーと壁の間に割り込んで受け止める事でそれを防いだ。

 

「油断しないの!」

 

「ルン!」

 

しかし、2人が話している隙に巨大ノットレイは自身の足をコスモの足に絡ませて彼女を地面に向かって投げ飛ばした。

 

「うわああああっ!」

 

「コスモ!?」

 

「あらあらお優しい事。でも、甘いわね」

 

「っ!」

 

「バケニャーンの時は食えない相手だったけど、プリキュアといる内に弱くなったんじゃない?」

 

「くっ!」

 

「アッハハハハハハ!」

 

コスモはテンジョウに笑われてとても悔しそうにしていた。

 

ドカーン!

 

「ノットレーイ」

 

「何っ!?」

 

すると巨大ノットレイの顔に何かが直撃して爆発が起こった。テンジョウが攻撃してきた方向を慌てて向くとそこにはジードクローを右手に構えて【クローカッティング】を放ったスペースの姿があった。

 

「キュアスペース・・・・」

 

「笑ってんじゃねぇよ・・・・」

 

「何ですって?」

 

「アンタみたいに、自分さえ良ければそれで良いと思ってる奴が、コスモの優しさを否定してんじゃねえよ!」

 

スペースは昂った感情に身を任せて、新たに具現化された2本のカプセルを起動させた。

 

「融合!」

 

スペースがカプセルを起動するとそこから右手を頭上に翳したウルトラマンベリアルが現れてそのカプセルをライザーにセットする。

 

「アイゴー!」

 

そしてもう一つのカプセルも起動するとそこからウルトラマンキングも右手を頭上に翳して現れてカプセルをライザーにセットしてジードライザーを起動する。

 

「ヒアウィーゴー !」

 

そしてスペースは右手に持ったジードライザーでカプセルをセットしたライザーをリードしてジードライザーにそのウルトラマン達の力を送った。

 

「ハッ!」

 

『ウルトラマンベリアル! ウルトラマンキング! 我、王の名の下に!」

 

スペースがカプセルの力が溜まったジードライザーのトリガーを押すとキングソードが具現化されてスペースがそれを掴んだ直後にライザーにセットされていたウルトラマンキングのカプセルが飛び出してスペースがそれをキャッチするとカプセルをそのままキングソードにセットする。

 

『ウルトラマンキング!』

 

「変えるぜ! 運命!!」

 

『ジュワッ!』

 

「ハッ! ジーーーーーード!」

 

『キュアスペースジード・ロイヤルメガマスター!!』

 

スペースは杖モードのキングソードを右手に持ち、背中のマントを風で靡かせながらテンジョウと巨大ノットレイを睨みつけていた。

 

「あら? 今回の姿は随分と派手ね。やっておしまい!」

 

「ノットレーイ!」

 

巨大ノットレイは複数の足を同時に使ってスペースを攻撃した。

 

『ウルトラセブン』

 

「ハッ!」

 

スペースはキングソードにウルトラセブンのカプセルを装填するとウルトラセブンの幻影が現れてキングソードの剣先にエネルギーが収束されていった。

 

「プリキュア・スラッガースパーク!!」

 

スペースは剣モードのキングソードからアイスラッガーの形をした回転する電撃刃を飛ばす【スラッガースパーク】で巨大ノットレイの向かってくる足を全て切り落とした。

 

「ノットレーイ!」

 

「キャッ!」

 

巨大ノットレイはそれを猛烈に痛がってジタバタしているとテンジョウはそれによって振り落とされてしまった。

 

しかし、それによって巨大ノットレイの矛先は完全にスペースの方へと向くと巨大ノットレイは残りの足全てを使ってスペースを攻撃してきた。

 

『ウルトラマンエース』

 

「ハッ!」

 

今度はキングソードにウルトラマンエースのカプセルを装填すると今度はウルトラマンエースの幻影が現れて再びキングソードの剣先にエネルギーが収束された。

 

「プリキュア・バーチカルスパーク!!」

 

今度はエースの力が宿った剣モードのキングソードからバーチカルギロチン状の刃を飛ばし、敵を切り裂く【バーチカルスパーク】を上手く刃を横向きにして放った事で残りの足を全て切り落とした。

 

「ノットレーイ」

 

「チッ!そんな奴は後回しにして先に弱い奴からやっておしまい!」

 

「ノットレーイ!」

 

テンジョウの指示で巨大ノットレイはコスモに狙いを変更して口から歪んだイマジネーションの力を含んだ墨を放ち、動けなかったコスモを目を瞑って攻撃が来るのを待っていたがその攻撃はスターが星形のエネルギーで作ったバリアで防いだ。

 

「優しくて、何がいけないの!」

 

「っ!」

 

「ハアーッ! ルン!」

 

そこへすかさずミルキーが電撃を放って巨大ノットレイを攻撃した。

 

「貴女達が気づいてないだけルン!」

 

「コスモはね、誰よりも他人を思いやる心を持ってる!」

 

そこへソレイユが走りながら右足に炎の力を蓄えてそのまま巨大ノットレイを蹴り飛ばした。

 

「素直じゃないけどね」

 

「はぁ?」

 

「本音を言うのが人より少し苦手なだけです!」

 

ソレイユに素直じゃないと言われて少しだが怒りを覚えたコスモだがセレーネにも矢を放ちながら自分の事を言われて少し動揺していた。

 

「ちょっと・・・・」

 

「とにかくコスモは誰よりも優しくてとっても、とーっても良い子なんだぁ!」

 

そしてスターが右手に星形のエネルギーを集めた拳で巨大ノットレイを殴るとそれを受けた巨大ノットレイは仰向けに倒れた。

 

「ニャン////」

 

それを聞いていたコスモは顔を真っ赤にして恥ずかしがっていた。

 

「つまりはそういう事さ」

 

そこへスペースがコスモの所へゆっくりと歩きながら近づいてきていた。

 

「誰も優しさが弱さだとは思ってない。優しいからこそ、他人を思いやれて、その人達の為に頑張れる。その思いが、その心が、俺達に勇気を与えてくれる。自分を強くしてくれる。だからコスモは何も間違ってない」

 

「スペース・・・・」

 

コスモは真っ直ぐスペースの瞳を見つめていた。

 

その光景を見ていたアンは何かを決意すると持っていた銃をテンジョウに向けて構えた。

 

「星空警察であります!」

 

「あら? 警察が怪盗の味方をして良いのかしら?」

 

「っ! 良くはないでありますが、ブルーキャットは本官を助けてくれたであります。だから今だけは助けるであります! ビリビリビーム!」

 

「チッ!」

 

「ノットレレレレレ・・・・」

 

テンジョウの揺さぶりにも負けず、アンは自分の意思を貫きコスモを助ける為に行動して銃から放たれた電撃をテンジョウは避けるが巨大ノットレイはそれを受けて痺れていた。

 

「今であります!」

 

「貴女・・・・」

 

「コスモ」

 

「あっ」

 

するとコスモの目の前にスペース達が集まっていて、スペースは杖モードのキングソードを左手に持って右手をコスモに差し出した。

 

「全く、良くあんな恥ずかしい事言えるニャン・・・・・・・・ありがと」

 

「えっ?」

 

「何でもない。さぁ、行くニャン!」

 

スターはスペースの手を掴んで立ち上がったコスモが何て言ったのか聞き取れなかったがコスモの言葉にスター達は頷き、隣にいたスペースは微笑みながらコスモの事を見た。

 

「(どういたしまして)」

 

スペースは一番近くにいたからコスモが何と言ったのか聞こえていたのだ。

 

 

「みんなの想い、重ねるフワ!」

 

「シャイニートゥインクルペン!」

 

「声を重ねるフワ! キラキラ〜!」

 

『トゥインクル!』

 

「キラキラ〜!」

 

『トゥインクル!』

 

「フーーーワーーーッ!」

 

『イマジネーションの輝き! なりたい自分に!』

 

「星の力〜! 輝くフーーーワーーーッ!」

 

『想いを重ねて!』

 

『プリキュア・スタートゥインクル・・・・イマジネーション!!』

 

『ウルトラマンジャック』

 

「ハッ!」

 

スター達が技を放つ横でスペースはキングソードにウルトラマンジャックのカプセルを装填するとウルトラマンジャックの幻影が現れてキングソードの剣先にエネルギーが収束されていった。

 

「プリキュア・ランススパーク!!」

 

剣モードのキングソードからウルトランスの力を宿した光線【ランススパーク】が巨大ノットレイの身体を貫くとそこへスタートゥインクルイマジネーションが直撃して巨大ノットレイは浄化されて元に戻ったドン・オクトーが気絶した状態で倒れていた。

 

「くっ!」

 

テンジョウはすかさずノットレイ達と共に撤退した。

 

 

 

その後、ドン・オクトーが目を覚ますとユニは一人でドン・オクトーへと近づいて行った。

 

「ユニ!」

 

心配しているみんなの中でひかるがユニに声をかけるがユニはこちらを振り向く事なく歩き続けてドン・オクトーの目の前までたどり着くと真っ直ぐ彼の持つ指輪を見つめた。

 

そこへドン・オクトーの部下達が彼の周りに集まり再び指輪が取られない様に警戒していた。

 

しかしユニは何もせず、自身の変身を解いて元のレインボー星人としての姿を彼らに見せた。

 

「私はレインボー星人よ」

 

「っ!?」

 

「その指輪はオリーフィオ。私と星のみんなにとって一番大切な人が身に付けていた物。だから返して欲しいの。お金が必要ならすぐは無理でも必ず用意する!」

 

「その話を信じろというのか?」

 

「・・・・・・・・」

 

そう言われてユニは暗い表情を見せた。

 

「俺からもお願いします!」

 

『っ!?』

 

そこへこうたも声を出した事でその場にいたこうた以外の人達全員の視線がこうた一人に集中するとこうたはそんな事は気にせず歩き始めてユニの隣に並び立った。

 

「俺達は以前、惑星レインボーに行った事があります。だからこそ、あの星が今どんな状態か知ってるし、彼女がどんな思いでこれまでやってきたのか、少しは理解してるつもりです。だからと言って盗みが許されるわけじゃない。貴方にも嫌な思いをさせた事は謝ります。けど! そんな彼女が盗むのではなく、真っ直ぐ貴方と向き合ってお願いをしたその意思にだけでも応えてもらえませんか?」

 

そう言ってこうたはドン・オクトーに向かって真っ直ぐ頭を下げて再び周りの人達は驚いた。

 

『っ!?』

 

「その指輪はユニにとって本当に大切な物なんです!きっとその指輪には彼女と彼女の大切な人との思い出が沢山詰まっているんだと思います。だからどうか、どうかその指輪を彼女に返してあげてください! お願いします!」

 

「こうた・・・・」

 

こうたが隣で頭を下げて必死になって頼み込む姿にユニは驚いていた。

 

「・・・・付けてみろ」

 

ユニはドン・オクトーから指輪を付けてみろと言われて指輪を受け取るとその指輪をつけていたオリーフィオの事を思い出してしまった。その時の事を考えながら指輪を右手の薬指にはめる指輪の石が青く光り輝いた。

 

「ブルー、確か悲しみの色と言っていたな・・・・・・・・持っていけ」

 

「っ! ありがとう」

 

ユニが微笑みながらお礼を言うと後ろにいたひかる達や隣にいたこうたも嬉しそうに微笑んでいた。

 

「さっ、帰るわよ」

 

それからユニは香水で普段の姿に戻るとみんなに帰ろうと言った。

 

「待つであります!」

 

そんなユニの事をアンが止めた。

 

「何よ?」

 

「盗みの理由は何となくわかったでありますが、これまでの事は反省の形を示してもらわないと。まずは10年ほど本官とボランティアをするのはどうでありますか?」

 

「はぁ? ふふっ」

 

一瞬呆れた様な表情を見せたユニだったが、その後すぐにアンの肩に軽く触れた。

 

カチン!

 

「えっ?」

 

しかしアンの両手にはいつの間にかユニに取られていた彼女自身の手錠によって拘束されていた。

 

「あ〜っ! 本官の手錠で〜っ!」

 

「(まぁ、そうなるよな)」

 

こうたには当然ユニがそんな申し出を受ける事はないと分かっていた。

 

「ほら、行くわよ!」

 

「えっ? おいちょっ!」

 

ユニは隣にいたこうたの手を掴んで引っ張りながら走り出した。

 

「バイバイニャン!」

 

ユニはわざとらしくまるで悪戯した子供みたいに舌を出しながらウインクして走り去って行った。

 

「やっぱり怪盗は怪盗であります! 信じた本官が間違っていたでありま〜す!」

 

そう言ってアンもユニの後を追いかけて行った。

 

ユニ達はロケットに乗ってドン・オクトーの宇宙船から離脱するとその後をアンが乗った星空警察の宇宙船が追いかけてきていた。

 

一行はフワのワープホールで振り切ろうとするが、アンの宇宙船も迷わずワープホールに飛び込んできて追いかけてきていた。

 

「このままだと追いつかれるルン!」

 

「ブースター点火!」

 

アンはスイッチを押してブースターを点火して更に宇宙船のスピードを上げた。

 

「待つでありま〜す! って、止まらないでありま〜す!」

 

そう言いながらアンの乗った宇宙船はロケットを追い越して先に行ってしまった。

 

「追い抜いて行ったでプルンス・・・・」

 

「もしかしてあの人、結構ドジだったりして」

 

「それ、私も思ったわ」

 

こうたの意見に隣に座っていたユニも賛同した。

 

それからユニ達もワープホールを通過して地球が見える起動上へと戻って来た。

 

「ユニ、怪盗は続けるルン?」

 

ユニが地球を見ながら何かを考えているとララはみんなが思っているであろう事を代表してユニに聞いた。

 

「そうね。惑星レインボーの宝を取り戻すまで止めるわけにはいかない。けど、みんなを悲しませる様な事はしないわ」

 

「ユニ・・・・」

 

「うん!」

 

ユニの自分達の事を考えての気持ちにララやひかる、そして他のメンバーも嬉しそうにしていた。

 

「(ん? あれは・・・・)」

 

そんな中でこうたはユニが付けていた指輪が黄色く光っている事に気づいた。

 

「(黄色、イエローは確か【喜びの色】だったか? そっか・・・・)」

 

こうたはその輝きを見て彼女が自身の事を思ってくれるこうた達の気持ちを嬉しく思っているのだと判断して、こうた自身もそれが嬉しかった。

 

 

ロケットを地上へ着陸させるともう時刻は夕方という事でみんなそれぞれ家に帰る事になり、こうた達も家に帰って夕飯を食べ終えるとお風呂に入った後に白い長袖に赤い長ズボンのパジャマを着たこうたは部屋に戻って学校がある明日の準備をしていた。

 

コンコン!

 

「ん? は〜い!」

 

こうたは部屋の扉からノックの音が聞こえたので扉を開けるとそこには上下同じ水色の長袖長ズボンのパジャマを着たユニが扉の前に立っていた。

 

「ユニ? どうかしたのか?」

 

「ちょっと、話があって・・・・良いかしら?」

 

「えっ? あぁ」

 

こうたはユニを部屋の中に入れるとお互いにベッドを椅子代わりにして並んで座った。

 

「はいこれ。確かに返したわよ」

 

「あぁ。サンキュー」

 

ユニはこうたが預けていたオーブのウルトラスターカラーペンをこうたに返した。

 

「それと今日の事、まだお礼言えてなかったから・・・・」

 

「お礼?」

 

「えぇ。私が指輪を返してもらう様にお願いした時、貴方も頭を下げて頼んでくれたでしょ? だからそのお礼を言いたかったのよ。私の為、そしてオリーフィオの為に頭を下げてくれて・・・・ありがとう」

 

ユニはベッドの上に座って状態で上半身だけ自身の右側にいるこうたの方を向きながら頭を下げてお礼を伝えた。

 

「ちょっ!? 良いってそんなの! 俺はただ自分がそうしたいからそうしただけで、別にユニが頭を下げる必要なんてないって!」

 

「そうよね。貴方ならそう言うと思ってたわ。けどこれが私の素直な気持ち、みんなは私が素直じゃないって言ってたけど、何故かしら? こうたにだけは素直に自分の気持ちを伝えられるのよね」

 

「う〜ん。俺そんなユニに特別な事したっけか?」

 

「全く、ホントに鈍いんだから。ちょっとあっち向きなさい!」

 

「ん? あぁ・・・・」

 

こうたはユニが正面を向いてる様に指をさしていたので言われた通り正面を向いてるとユニは自身の顔をこうたに近づけた。

 

そして・・・・

 

 

 

 

 

チュッ!

 

 

「っ!?」

 

こうたは自身の左頬に何か柔らかい感触を感じると慌てて左頬を押さえながら距離をとった。

 

「えっ? えっ?」

 

「フフッ、私は宇宙怪盗よ。欲しいものは必ず手に入れる主義なの。だから、覚悟しておきなさい!それじゃ、おやすみニャン」

 

そう言い残してユニはこうたの部屋を後にした。

 

「・・・・・・・・マジ?」

 

こうしてこうたはユニが自分に好意を寄せている事に気づかされるのであった。

 

一方、自分の部屋に戻ったユニは部屋の扉を閉めるとそのまま真っ直ぐ自身が使っているベッドの上にダイブして顔を枕に埋めた。

 

「(・・・・っ//// もう! 何やってるのよ私・・・・っ////)」

 

こうたが余りに鈍いのでそれにイラついたユニはその場の勢いでこうたの頬にキスした事が後になって凄く恥ずかしくなってしまい顔を真っ赤にして枕に顔を埋めた。

 

こうしてお互いがお互いの事を思いながら今日という日は終わりを迎えるのであった。

 

 

 

To Be Continued

 

 

 

 

 

 

次回から新章がスタートします。

その予告をどうぞ!

 

 

 

 

 

         新章予告⑦

 

 

突然降り注いだ流星群?

 

それが全ての始まりだった。

 

『これは一体・・・・』

 

『きっとUMAだよ!』

 

ひかるとララが出会ったのは星の形をした謎の生命体、ひかるはその存在をUMAと呼ぶ事にした。

 

『世界の不思議スポットへGO!』

 

ひかる達はUMAが持つ不思議な力を借りて世界各地の不思議スポットを巡る旅を始めた。それによってひかるとララはUMAとより一層仲良くなっていった。

 

しかしそのUMAを狙って宇宙ハンター達が地球にやって来た。

 

『さぁ、そいつを渡せ!』

 

何故宇宙ハンター達はUMAを狙うのか?

 

UMAに隠された秘密とは?

 

『2人とも行って!』

 

『ここからじゃ声は届かない。直接あの子に呼びかけるの』

 

『それが出来るのはお2人だけです!』

 

『道は俺達が作る。2人の思いをあの子に伝えるんだ!』

 

『行こう!』

 

『ルン!』

 

ソレイユ、セレーネ、コスモ、スペースの後押しを受けたスターとミルキーはUMAに思いを伝える事が出来るのか?

 

 

 

 

『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

 

第8章 星のうたに想いをこめて編

 

 

お楽しみ!

 

 

 

 




         次回予告


突然宇宙から降り注いだ流星群の様な星の大群

こうた達3年生が沖縄へ修学旅行へ行っている間にひかるとララは謎の生命体と出会う。

その出会いが2人に齎すものとは?


次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』

第101話 キラやば〜っ⭐︎! 宇宙(そら)からUMAがやってきた!

次回もお楽しみ!


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