NWOで好きなことしたい!(仮称) (色素が抜けた葉っぱさん)
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初めてのNWO

初投稿になります!見つけていただいてありがとうございます!


「ただいまー」

 

 

 返事が帰ってくることは無い、なにせ誰もいないんだから。

 この春に高校進学と共に一人暮らしを始めた俺こと『碧花詩葉(あおばなことは)』しかいないのだから。

 

 

「まあ、煩い人達がいなくて清々するよねー」

 

 

 詩葉は親が嫌いだった。父親は仕事してお金を入れてくれはするが殆ど家には帰らず浮気三昧、母親はそれをいいことに仕事もせず家に男を入れるとこちらも浮気。

 家にいれば『そういう行為』の声がうっさいし、詩葉の顔が女子と間違われる程のせいか家に上がり込んできた母親の浮気相手に襲われそうになり、何度も友達の家に逃げた事もある。

 

 

「……よしっと」

 

 

 嫌いな人達を思い出してしまい苦虫を噛み潰したよう顔をしながらも詩葉はある作業をしていた。

 

 

「これでNWOのDLが終了っと……始めますかぁ!」

 

 

 NWO……NewWorld OnlineというVRMMOの略称である。サービス開始と同時にゲームにハードとパッケージ版を購入していた詩葉だが、あろう事かネット環境が整っていなかったり、急な一人暮らしで悪戦苦闘してたりとゲーム所ではなかった。

 だが最近は気持ち的にも落ち着いてきたのでそろそろと始める事にした。

 

 

「名前……名前ねぇ」

 

 

 詩葉はVRでは無いオンラインゲームでは良く『葉っぱ』という名前を使っていた。純粋に名前の『詩葉』から『葉』だけを取り、『葉っぱ』にしただけだった。

 今回もその例に漏れず、しかしカタカナで『ハッパ』にした。

 

 

「キャラクリ……ってそんなに弄れないのか」

 

 

 詩葉は自身の分身であるハッパにはイケメンになってもらおうと思ったが、どうやら声は元の高い声のままらしいし自身の体型からそんなに変えられないと知り、目だけ碧眼に変えてキャラクリを終了にした。

 

 

「武器か、何にしようかね」

 

 

 大剣、片手剣、短剣、メイス、大盾(と短剣)etc.と色々ある武器の中から槍を選択した。

 武器を選択したあとはステータスの割り振り、詩葉はこのステ振りにだいぶ悩んでいた。

 

 

「うーん折角のVRMMO、魔法も使ってみたいよなぁ」

 

 

 このゲームに振れるステータスは【HP】【MP】【STR】【VIT】【AGI】【DEX】【INT】の計7種類。合計100の数字を割り振れるようだった。

 悩みに悩んだ結果、ハッパのステータスはこうなった。

 

 

 ハッパ

 Lv1

 

 HP 40/40

 MP 32/32

 

【STR 0(+25)】

【VIT 0】

【AGI 30】

【DEX 30】

【INT 20】

 

 装備

 頭【空欄】

 体【空欄】

 右手【初心者の槍】

 左手【初心者の槍】

 脚【空欄】

 靴【空欄】

 装飾品

【空欄】

【空欄】

【空欄】

 

 

 MPに20、AGIに30、DEXに30、INTに20

 凡そ近接戦闘をするとは思えないとしか言えないステータスをしていたが、詩葉は別に最強を目指す気もガチ勢になる気もなく、自由気ままに今はこれしたいと割り振った結果であり、パーティを組む際も特に気にせず煩くない人(所謂エンジョイ勢)と組めばいいやと思っていた。

 

 

「よし、れっつごー」

 

 

 と気の抜ける替え声と共にステ振りを終了、そして初期位置と思われる賑やかな街に出た。

 街行く人々はハッパのように初期装備と思われる人や、ある程度進んだと思われるプレイヤー、初心者に教えてあげようとする奇特なプレイヤーもいる。なんで教えてあげようと分かるかって? 

 

 

「わかんないことがあれば教えまーす!」

 

 

 とまあ、大声で声をかけていた。

 丁度聞きたい事もあるし、ハッパは聞いてみることにする。

 

 

「すみません」

 

「お! なんだい?」

 

「えっと、スキルを買えるお店と初心者におすすめの狩場を教えて欲しいんです」

 

「スキルのお店とおすすめ狩場だね! スキルの店はここからあの道を通った所に巻物の絵が描かれてる看板があるからそこだ、武器のスキル、魔法なんかもそこで買えるけど、武器スキルは武器を使って敵を倒すことで手に入れられるから買うなら魔法だけが良いかもね。

 次におすすめの狩場だけど東の森の浅い所がおすすめだ、そこは兎が出てくるからそこで戦闘の感覚とレベリングをすると良い」

 

「巻物の絵のお店で魔法だけと東の森の浅い所ですね、わかりましたありがとうございます」

 

「いいっていいって!」

 

 

 そういって親切なプレイヤーは他に聞いてきた初心者と思わしきプレイヤーの質問に答え出したのでハッパは早速言われたスキル屋に行き、そこで火魔法と風魔法を買って覚えた。初期所持金の3000Gが消えたのはご愛嬌。

 次に東の森へ行きお目当てのうさぎを探してみた。

 

 

「うーん兎さーん、兎ちゃんやーい、うさ「兎さあああああああああん!」…………えぇ?」

 

 

 突如大声で兎を呼ぶ声がしたのでその声の元に向かってみると、身長150あるかないかくらいの女の子が「兎さあああああああああん!」と悲しんでいた。

 これが後にラスボスと言われるとは知らず、ハッパは見なかったことにしてその場を後にした。……意外と近いうちに会うとも知らず。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【NWO】クッソ可愛い子おった

 

 

 1.名無しの槍使い

 まじ可愛い惚れた

 

 

 

 2.名無しの大盾使い

 画像も貼らずにスレ立てとな!? (AA略)

 

 

 

 3.名無しの大剣使い

 kwsk

 

 

 

 4.名無しの槍使い

 まあ待ちたまえ、初心者だろうから始まりの街に行けばすぐ見つかると思うぞ? もしくは東の森

 

 

 

 5.名無しの片手剣使い

 もしかしてプラチナブロンドのボブヘアーの子? 槍持ってる? 今スキル屋から出てきてるけど

 

 

 

 6.名無しの杖使い

 ガタッ

 

 

 

 7.名無しの大盾使い

 ガタッ

 

 

 

 8.名無しの大剣使い

 ガタッ

 

 

 

 9.名無しの槍使い

 そうその子! 可愛くね? 

 

 

 

 10.名無しの片手剣使い

 これは……ヤバいね

 

 

 

 11.名無しの槍使い

 だろ!? ワイ今の今までその子にスキル屋の場所とおすすめ狩場聞かれてたんや

 

 

 

 その後もハッパの知らない所で盛り上がっていき、そのうち親衛隊と呼ばれる組織が出来るがそれはまた別のお話。

 




読んでいただいてありがとうございます。


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