凍てつく翼の報告記 (VerT-EX)
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プロローグ

 こんにちは、いつも楽しいウェルテさんです。また新しいやつですが、今回はちょっと志向を変えてみます。読者参加型の予定です。ええ。


 真っ白な空間。『彼』の意識が再び浮上したのは、そんな場所だった。

 

(ここは、どこだ?自分は……)

 

 見渡す限りの白。違和感があるが違和感のない四足歩行の体を起こすと、もう一度周囲を見た。

 すると、白の中に浮く『白』が視界に入った。

 

 四つ角を持った、純白のドラゴン。知らないが識っているという感覚に、軽い混乱を引き起こす。

 

(あれは……ミラ……いや、自分は、あんなの初めて見るのに、なんでわかるんだ……?)

 

 『彼』がそう混乱していると、純白のドラゴン――――ミラルーツが振り向いた。

 

 そして、神々しく威厳に満ちた姿で、口を開いた。

 

『あ、おはよー』

(?!)

 

 あまりにも気さくすぎるその一言に、『彼』は更に混乱を加速させた。

 

『わーーー?!落ち着いてーー?!』

 

──────

 

『落ち着いた?』

 

 コクリと頷く。ミラルーツが羽毛でわさわさとしたおかげで落ち着いた様子だ。もふもふは正義。

 

『それは良かった。早速質問だけど……ぼくが何者かは知ってる?』

 

 頷くような首を振るような微妙な動作。

 

 (識っているが、知らない。ミラルーツというモンスターはよく識っているが、この存在が何なのかは知らない……)

 

『あー、やっぱりかぁ。うむむむ……』

 

 (それよりも、自分が誰でどうしてここにいるのかが知りたいな……)

 

『そう?うん……そう言うなら。教えよう』

 

 ミラルーツは苦笑い(のつもり)をすると、どこか気まずそうに話し始める。

 

 

『まずは、謝罪からだ。申し訳ないが、こちら側の不手際によって「混ざって」しまった』

 

(混ざる?)

 

 『彼』は首を傾げる。状況が分からない、と言った様子だ。

 

『見てもらったほうが早いかな』

 

(……!?)

 

 ミラルーツは「よっこいしょ」と、何やら大きな鏡を取り出してくる。

 

 そこに映る『彼』の姿は、凍てついた龍の姿だった。

 白を基調とした甲殻に包まれ、体色の一部は濃紺に染まっている。冠のよな突起を備え、大きな翼は巨大な雪の結晶のよう。長い尾は先端が鋭く、細くしなやかだ。

 

 

 "冰龍"イヴェルカーナ――――冷気を操りすべてを凍てつかせる、氷の古龍。周囲を銀世界に変える、銀盤の貴人。

 

 その龍が、大きな鏡に映っていた。『彼』が混乱しつつ前脚を動かせば、鏡の中の冰龍も同じように前脚を動かす。

 

(イヴェルカーナ?!いや、自分は人間の……あれ?もとから?あれ……?)

 

『落ち着いて。こちら側のミスなんだ。人間のキミと、冰龍のキミ。死んだキミ達の魂を転生させようとしたら、混ざってしまったんだ。死んだときのこと、覚えてる?』

 

(死んだ?確か、自分は……あの狩人に……車に……あれ、二つある?)

 

『やっぱりかぁ……変に混ざっちゃってる、か。名前も思い出せないでしょ?』

 

 考えてみて、「確かに」と『彼』は頷く。名前が全く思い出せない代わりに、思い出せるのはモンスターや世界についての知識だ。

 一周して段々冷静になってきたのか、『彼』は混乱しなくなってきていた。

 

『私がやってるわけじゃないけども、様々な世界で死した魂は、一度集約されてから、また様々な世界に生を受ける。その時記憶はリセットされるんだけど、たまに残っちゃうのがあるんだ。そういうのが転生ものみたいな感じで、前世の記憶を引き継ぐんだ』

 

(ふむ)

 

『だけど今回ね、ちょっとした手違いで君たちの魂が混ざっちゃって、応急処置としてここに来てもらったんだ。わざと混ぜた事例もあるけど、今回は想定外だからね』

 

 ミラルーツは、いつかの者達を思い出す。が、そんな場合ではないと思って気を取り直す。

 

(そこまでは分かった。しかし、それなら説明してそのまま転生させればいいのではないだろうか)

 

『そうなんだけどね、これを利用しない手はないってことになったんだ』

 

(?)

 

『こっちのミスでこうなって申し訳ないけど、頼みがあるんだ。特殊な状態になるけど転生させるから、定期的に感じたことをどんな形でもいいから送ってくれないかな』

 

 ミラルーツからの説明を聞きながら、頑張って『彼』はかみ砕いて整理してみる。

 

 ミラルーツが言うには、彼(彼女?)の管轄は『モンスターハンターの世界』になるらしい。そこに転生させるから、世界を見て色々定期報告してほしいのだと。

 ちなみに、実際にそういう頼みをしている人物は何人か今いるようだ。

 

 で、なぜ定期報告してほしいのかだが、ミラルーツは世界を見ておきたいのだが、易々と動くわけにはいかない。だから、前世の記憶に龍を持つ数名に頼んでいるのだそうだ。

 

 その一人に、『彼』も加わってもらえないかということだ。

 「特殊な状態」がよくわからないが……。

 

『……頼める?』

 

(……拒否する意味はあんまりない。なにより、目の前にいるのはかの”祖龍”だ。二重の意味で、逆らいたくない)

 

 『彼』は同意の意味で頷く。

 

『ああ、ありがとう!これでドヤサレナクテスム……』

(?)

『あ、こっちの話。じゃあ、転生させるから――――』

 

▼▼▼

 

「……あー、頭痛い」

 

 変な夢を見て目が覚めて、俺は体を起こす。打ち付けたのか、頭が痛い。案の定、頭には包帯がまかれている。

 

 俺の名前は、ヴェルカ・ヒョーリユ。現在16歳。夢の中で『彼』と言われていた輩だ。

 いわゆる転生者。ただし、あの"祖龍"ミラボレアスの言った通り、人間と"冰龍"イヴェルカーナが混ざった、特殊なタイプの転生者だ。

 まあ、モンハンの世界への転生は妄想しまくっていたのでそれはいい。

 

 白っぽい水色の髪に、紺色の目。背は平均より少し高いくらいで、若干やせ型。種族は一応人間族。友人に竜人はいるけど。

 

 

「にゃ、起きたニャ?どんな感じニャ??」

「頭が痛い……血出てる?」

「止血はしたにゃ」

「出てたかぁ」

 

 看病をしていてくれたフルフル装備のアイルーが、テーブルの上の血だらけの包帯を指さす。よく死ななかったな、というのが1番に出た感想だ。

 

「しかし、びっくりしたニャ。クシャルダオラに遭遇して崖から落ちたって聞いた時は、嘘かと思ったニャ」

「あはは……まさか噂に聞く古龍がほんとうに居るとは思わなかったからね。頭から血を流すだけで良かったよ」

「本当ニャ!」

 

 アイルーの言う通り、俺の怪我の間接的な原因は"鋼龍"クシャルダオラだ。

 

 

 この村────ウユリ村は、海岸に面するが豪雪地帯。少々特殊な気候だが、冬も一応他の村や街への交通手段はある。

 その手段というのが村の東の山の洞窟だが、俺が怪我したのはそこじゃない。

 北側にある山へと雪山草を探しに行っていたら、クシャルダオラに遭遇し、その龍風圧で崖から落とされたのだ。

 

 気絶してしまっていたが、幸いにも雪に落ちたためか怪我は頭の流血だけで済み、たまたま近くを散歩していた村人に発見されたので、今ここにいる。

 

「まあ、もう少し大人しくしとくのニャ。出発は4日後ニャんだし、ヴェルカは傷の治りも早い体質だし、そうすれば問題なく出られるはずなのニャ」

「それもそうだな。ありがとう」

 

 

 俺は"祖龍"に言われた通り、世界を見て回ろうとしている。まずはウユリ村から最も近い大きな街に行って、そこから色々目指そうと思う。

 

 ハンターになろうかとも考えたことはあるが、ぶっちゃけ武器を使うよりこう……手っ取り早い護身手段があるし、別に命のやり取りのスリルを楽しみたいとか思ってないのでやめた。

 むしろ世界を旅するのに、『ハンターズギルドへの登録』はちょっと不便になるかもしれない。

 

 一応、表向きの護身手段として、簡易的なライトボウガンのようなものは扱えるようにはしてある。それよりも殴った方が早いけど……。

 

 

 まあ、で。その出発が4日後だって言うのに俺は怪我したのだ。俺のバカ……ウッウッ

 

 

 アイルーが包帯などを回収し、とてとてと部屋を出ていくのを見届ける。

 何しようかな……

 

 

 ガシャァァァァァン!

 

「?!」

 

 とりあえず暇だし、村を散歩しようかなぁ……と思った瞬間、外から大きな音が聞こえた。

 

 何事かと思い、ついつい窓を飛び越えて外に飛び出してしまった。




軽いキャラデータ

【ヴェルカ・ヒョーリユ】
男、16歳
・かつて人間であり、また、かつてイヴェルカーナだった転生者。大体祖龍のせい。
若干龍寄りの思考なものの、かなり人間らしい。性格は人間の方ゆずりとは祖龍のコメント。


【"祖龍"ミラボレアス(ミラルーツ)】
???、???歳
・おなじみ真っ白ドラゴン。ヴェルカの魂をやらかした張本人(龍)。あらゆる竜の祖(自称)の、規格外も規格外、それこそ神に近い存在だが、かなりおっちょこちょい。
ヴェルカ曰く、「見た目以外に威厳がない」らしい。




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一枚目:ゆきがみさまと旅立ち

ブドウガムおいしい、ウェルテさんです。

キャラ募集設けました。こちらです【https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=263061&uid=242786】
お待ちしております( ˘ω˘ )


─────むかしむかし、とてもとてもとおくの雪山から、傷だらけのゆきがみさまがやってきました。

 

 むらの人々は、とてもびっくり。おおきくてまっしろなゆきがみさまが、傷だらけでやってきたからです。

 

 むらの人々は、がんばってゆきがみさまを看病しました。ゆきがみさまは無事にげんきになり、おれいに「こどもたちとともに、この地をまもりましょう」といいました。

 

 それから、そのむらはゆきがみさまとそのこどもたちとともに、たすけあってくらすことになりました――――

 

              ウユリ村の童話『ゆきがみさま』(一部省略)

 

 

◇◇◇◇

 

 物音に飛び出すと、運んでいたであろう壺を割ってオロオロしている少年がいた。別にモンスターとかじゃないのか、よかった。

 

「おーい、大丈夫か?」

「あ、ヴェルカにーちゃん!え、えっと、たたた助けて!」

「あ、おっま!」

 

 少年は俺の後ろに隠れた。どーしたもんだと思って割れた壺を見てみれば、その中からハチミツがこぼれている。

 

 あーなるほど、と理解する。すると案の定、怒った様子の竜人の青年がやってきた。

 

「どこ行った!……ってああ、ヴェルカ。その後ろに隠してる小僧をな」

「ネーギルガ、まずは状況を聞きたいんだが」

 

 ネーギルガ・ジールメーツ。だいたい同い年の、竜人族の新人ハンター。俺の幼馴染だ。少々喧嘩っ早いが、悪い奴じゃない。

 ちなみに、この村のギルド支部では仮登録までしかできないため、本登録のためにも四日後に共に街まで旅立つ予定だ。

 

「そこの小僧がな、俺のとっておきの甘味を盗んだんだ!」

「マ?」

「マ、だ。だから、引き渡せ」

 

 少年を見れば、震えながら助けを求める目で見てきた。

 しょーがない、庇うだけ庇うか。

 

「まあまあ、反省してるみたいだし、まずは落ち着け」

「落ち着いていられるか!とっておきが割れたんだぞ?!」

「ほら、新鮮なやつの方が美味いだろ?新しいのが取りに行ける機会になったじゃないか」

「それはそうだが、うむむ、美味いハチミツ……」

 

 ネーギルガは考え込む様子を見せる。それから、かんがえついたのか。

 

「チッ……分かった。出発日に少しより道だ。……ただ、小僧。村長に叱ってもらうからな?それで許す」

「そ、村長?!」

「なんだ?氷牙竜のほうがいいか?」

「う……ごめんなさい……ありがとう……」

 

 おずおずと少年は前に出て頭を下げる。

 ネーギルガも落ち着いたのか、ため息をついて「とりあえず片付けろ」と言った。

 そう言われて、少年はとてとてと道具を採りに家に向かって言った。

 

 

「つったく……で、改めてだが起きたのか」

「ん?まあな。すぐ治るから心配すんなよ」

「そこは心配してない。それで、やっぱりハンターにはならないのか?」

 

 ネーギルガはよく、「ハンターにならないかと」聞いてくる。どこぞの上から3だか4番目の鬼か?!とかちょっと思ったこともあるが、心の底から色々考えてくれているので違う。

 

 ならないと言い続けて早5年、初めはキレられたものの今では割とわかってくれているらしい。半分冗談のように言ってくる。

 

「言った通りだ。ギルドって縛りがあるとできないことも多いからさ」

「そうか……突然なりたくなったら言えよ。俺はいつでも歓迎するぞ」

「それはありがたいな」

 

 そう会話しているうちに少年が戻ってきたので、共に割れた壺を片付け始めた。

 

 

▼▼▼

 

 

――――そして、四日後。

 村の人々から大規模に送り出され、俺とネーギルガは村を出ようとしていた。

 

「じゃ、行くか」

「ハチミツのために寄り道するからな」

「はいはい」

 

 そう話していこうとすると、村長が一歩前に来て言う。

 

「頑張ってくるのじゃぞ。ゆきがみさまへの挨拶も忘れずにの」

 

「わかってるよ、村長」

「ああ、ちゃんと挨拶はしていく」

 

「うむ。たまには帰ってくるのじゃぞ」

 

 その言葉を聞いて、俺たちは出発する。

 

 

 「ゆきがみさま」は、ウユリ村に伝わる守り神のことだ。

 遥か昔に何かあったようで、ここら一体のポポと共に、代々外来の大型モンスター……例えば、"轟竜"ティガレックスとか、"獄狼竜"ジンオウガ亜種とかから守ってくれている。

 

 そして、村の外に行くときと返ってくるときは、洞窟に入る前に「ゆきがみさま」に挨拶していくことが掟のようになっている。

 

 一応、昔、育ての親に連れられて「ゆきがみさま」に会ったことがあるが、なかなかのド迫力だった。同時に、優しさも感じ取れた。

 

 

 

「ヴェルカ、この時期ならどのあたりが一番ハチミツが採れる?」

「今の時期なら……「ゆきがみさま」のとこの近くだな」

「じゃ、先に挨拶していくか」

 

 雪山を登る。雪山だが、あまり険しくはない。もう片方の雪山はなかなか険しい。まあ、あっちはいまクシャルダオラが住み着いてるっぽいし、用はないし……。

 

 ハチミツやら小型モンスターやらの出現に関してはネーギルガも詳しいはずなのだが、昔から、2人で行動するときは俺が情報でネーギルガが体力で、みたいな感じなのでその癖だ。

 

 

 

 ポポの親子を横目に、登山道を行く。もふもふのポポの子供はやっぱりかわいい。ふわふわしている。

 

 

 しばらく進むと、頂上……ではないが、開けた場所に出る。

 そこには、「ゆきがみさま」とその子供、何匹かのポポがいた。

 

「おー。相変わらず「ゆきがみさま」は大きいよな」

「ネーギルガは何回か外出てるから多く会ってるのか」

「まあな。……ってことで、「ゆきがみさま」、俺達村の外でちょっと頑張ってくるわ」

 

 「ゆきがみさま」は、『パオォォォォォン』と答える。なるほど、「いってらっしゃい」ということか。

 

「おおっ、音圧……」

「体が大きいし、「ゆきがみさま」の種族自体デカいからね」

「子供はポポみたいなのにな」

 

 真っ白で大きく、像のような姿の「ゆきがみさま」――――"銀嶺"ガムートが、優しげな眼差しで見つめてくる。

 

 この"銀嶺"は、どういうわけか代々この辺りを護っている。理由を直接聞こうと思ったことはあるが、ここまで来るのはなんとなく面倒なので聞いたことはない。

 

「……あ、そうだ、「ゆきがみさま」。この近くのハチミツ、採っていいです?」

 

 そういや近くのハチミツを採るし、一応聞いといたほうがいいだろう。

 

 すると「ゆきがみさま」は、静かに目を閉じ、その長い鼻で一点を指す。

 そこを見れば、大きな蜂の巣がひとつ。なるほど。

 

「あれを持ってけってさ」

「本当か?!「ゆきがみさま」、感謝するぞ!」

 

 嬉々とした様子で、ネーギルガはハチミツを採るべく蜂の巣に駆け寄る。

 その間に、なんとなーく「ゆきがみさま」を観察してみる。

 

 ガムートの老いた個体である"銀嶺"の特徴である、白銀の毛並みがきれいだ。あと、めちゃくちゃデカい。確か、たまーに村から見えるときもあったっけな。

 

 傷はあるものの、それはいつぞや"轟竜"ティガレックスを撃退してくれた時のものだろう。

 

 

 ……基本的に、この辺りに住むモンスターは穏やかな個体が多い。

 また、中・大型モンスターもガムート以外にはウルクススがいるくらいだ。

 海に目を向ければ違うだろうが、どういうわけかギアノスやらブランゴやらとかも生息してないので、かなり平和だ。クシャルダオラが飛来して来てる?あれは例外だ。

 

 あ、いや、確か洞窟にフルフルがいたっけ。たまにケルビ食ってるだけののんきな奴だ。別に害はない。

 

 

 まあそういうわけで、稀に外からとんでもねーのが来る以外は平和な地域なのだ。おそらく「ゆきがみさま」こと"銀嶺"ガムートのおかげだろう。

 何故ポポだけでなくウユリ村も守っているのかは分からないが、間違いなく特別穏やかな個体だろう。

 

 

「ヴェルカ、待たせたな」

「おっ。いいの採れたか?」

「最高だ。それじゃあ、「ゆきがみさま」、行ってくる!」

 

 そう言い、「ゆきがみさま」が見送る中、俺達は洞窟へと向かう。

 

 

 

 ――――この辺りは「ゆきがみさま」のおかげで平和だが、一歩洞窟を抜ければ「ゆきがみさま」の威容は届かない。

 魑魅魍魎跋扈する……とは言わないが、それでもやはり、様々なモンスターがいるため危険だ。

 

 だが、きっとこの先危険なことはいくらでもあるだろう。気にするほどではない。 

 それよりも、この先に出会う人々や起こることに対してのワクワクが強い。

 

 

 俺達はギルドのある街――――ユアンシキリへ向けて進みだした。

 

 

 

 ……あ、そういや報告の手紙も書くのを忘れないようにしないとな。




軽いキャラデータ

【ネーギルガ】
17歳、男
・ウユリ村出身、珍しい竜人族の新人ハンター。ヴェルカの幼馴染。
 あまいものとガムートが好きで、特に甘いものはハチミツを好む。
 ヴェルカ曰く、「短気だけどいいやつ」

軽い拠点データ

[ウユリ村]
・「ゆきがみさま」が護る地域にある村。山に囲まれた海岸の豪雪地帯に位置する。
 ハンターズギルドの支部はあるが権限は弱く、仮登録までしかできない。
 そのため、ちゃんと登録するなら最寄りのユアンシキリの街までいかなければならない。
 村の旗は白いガムートのような形。


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二枚目・雪の森

オオナズチ討伐20体、サイレント☆オオナズチウェルテさんです。出来立てのポップコーン食べたい。

 早速キャラ募集の方への応募、本当にありがとうございます。あまりの速さにめちゃくちゃびっくりしてます。あとめちゃくちゃ嬉しいです。ひゃっほい!!!!!!!


「でえええぇい!!」

 

 巨獣剣が一閃。傷を負い、「これはまずい」と判断したのか、ギアノス達は一目散に逃げていく。

 

 

「ふぅ、こんなものか」

「ああ、全部逃げて行ったみたいだ」

「つったく、面倒かけやがって……」

 

 ネーギルガは巨獣剣を納刀すると、ため息をついた。

 

 洞窟を抜けた俺達は、ユアンシキリの街を目指して雪の森を歩いていた。村から街まで、だいたい平均4日。今は4日目、街までもう少し……のはずなのだが、先ほどからやたらとギアノスの群れに絡まれていた。多分今追い払ったこれで、ひと段落だろうが。

 

 

「あとどのくらいだ?」

「もう1時間ほどまっすぐ行けば見えてくるはずだけど……」

 

 雪の上の足跡は、ギアノス以外には特に見当たらない。ヒトもそうそう通らない道だ。迷わないように気を付けなきゃな。

 

 

 ……というフラグを建ててしまったのがいけなかったのだろう。

 

「……ここどこだ?」

「えーっと……どこ?」

 

 そう、俺達は盛大に迷っていた!どこなのここ!!!

 まだ森の中で一応開けた場所なのだが、わからん。そもそも開けた場所に出るのは森を抜けた時だけのはずだ。

 

「えっ、そのはずだよな?」

「言いたいことはわかるし、俺の記憶ならその通りだ。だが、ここは知らんな……どこだここ」

 

 わからん、さっぱりわからん。俺よりも通ったことのあるはずのネーギルガも分からない様子だ。

 空を飛んで見たいところだが、人間では翼がない。手段はあるにはあるが、そういうのは緊急用だし……。

 ああ、木を全部氷漬けにして砕いたら早いんだろうな……やらないけど。

 

 まあそれはそれとして、今考えるべきはどうやって迷子から脱出するかだ。

 

「えーっと、いまギリギリ見えてる太陽があっちで……」

「年輪的にもこっちが北だな。ちょっと木に登って見てくるか」

「頼んだ」

 

 ネーギルガがもこもこしたガムート装備にもかかわらず、身軽に木に登る。村のある、つまり「ゆきがみさま」の山の位置を確認するためだ。

 

 少しして戻ってくる。

 

「あっちが山だな。だったらユアンシキリの街は……」

「だいたい……あっち側だ!」

「行くか!」

 

 なんとかなりそうだ。時間はかかりそうだが、とにかく進もう。

 

 

▼▼▼

 

 

 森の先に、街の影が少し見えた。よかった、間違っていなかったようだ。

 

「もう少しだな」

「それじゃ、陽も傾いてきたし、急ご――――うっ?!」

 

 背中に衝撃。なにか投擲物が当たったのだ。ガムートの毛で織られたコートでよかった。でも痛いものは痛いし、なんとなく痺れる。

 前に倒れたが、すぐに立ち上がる。

 

「ちぃ、何だ?!」

 

 ネーギルガが巨獣剣を抜刀し、周囲を警戒する。

 俺も同じく周囲を警戒する。簡易的なライトボウガンもどきに装填する。通常弾だけど。

 

 

 森の奥の方から、ゆっくり歩みを進めてくる大きな黒い影。

 狼のようなシルエット――――ジンオウガ亜種が、現れた。

 

 

「"獄狼竜"?!」

「た、確かに何度か「ゆきがみさま」の山に来ていたからいてもおかしくないけど……!」

 

 おかしくないけど、こんな人里近くまで来るのか?!というか、いつの間にこんな近くまで来てたんだ?!

 

「流石に俺の実力では相手にできんぞ……だが、このまま逃げるのも至難……」

「なんとかして追い払うしかないけど、ジンオウガ亜種はえーっと」

 

 全力で脳内の知識を探る。

 確か弱点は雷と水で、こっちの攻撃手段は通りが微妙な氷のみ。龍光を纏っているので通るには通るが、だとしてもどうしろって言うんだ 

 

 おそらく俺がぶつかったのは『蝕龍蟲弾』だ。

 昔の性質を若干受け継ぐだのなんだのあの真っ白トカゲは言っていたが、本当にそうなのか、龍属性エネルギーでちょっと痺れてる。麻痺して動けないって程ではないので、よく生きてるな俺。

 

 

 幸い、ガムート素材の装備には龍耐性がある。属性的な面での防御はまあ大丈夫だ。ぶっちゃけ問題は、その凶悪すぎる物理攻撃力と、機動力だ。一時的でもいいので、何かしら妨害できればいいのだが……

 

 

 

 とか考えているうちに、ジンオウガ亜種がいわゆる「お手」を繰り出してくる。

 ネーギルガが前に躍り出て、その盾で受け止める。

 

「オラッ!」

 

 そのまま盾の後ろから、巨獣剣を振るう。が、硬い甲殻に阻まれて弾かれる。

 それでも衝撃は来たのか、ジンオウガ亜種は一度飛び退く。

 

「やっぱり硬いな……」

「無理はするなよ」

「分かっている。が……っ!」

 

 ジンオウガ亜種の攻撃を盾で受けつつ、回避も織り交ぜている。無論、俺も狙われるがそれは紙一重でだが回避できている。

 

 このままではジリ貧だ。おそらく、ジンオウガ亜種が諦めるより俺達がぶっ倒れるほうが先になる。どうすれば……

 

 

 

「――――目を瞑りなさい!」

 

 女性の声。反射的に目を瞑ると、瞼で閉ざされていても分かるほどの強烈な光が周囲を覆う。

 おそらくは、閃光玉。

 光がおさまるや否や目を開ければ、目がくらんだのかジンオウガ亜種はあらぬ方向へと攻撃を繰り出していた。

 

 

「こっち。いいから、早く!」

 

 再度、声。その方向を見れば、ミディアムボブの金髪を持った、マフモフ装備の女性ハンターがいた。

 

 どうしよう、と一瞬悩んでネーギルガと顔を見合わせると、真っ直ぐに女性ハンターの方へと走った。




ヴェルカのレポート

【ジンオウガ亜種】
・雷ではなく龍のエネルギーを扱う"獄狼竜"。雪原にも火山にもいる。
 ウユリ村周辺に稀に出没していたが、だいたいそういうのはゆきがみさまがペーンとぶっ飛ばしてた。
 弱点は雷>水。氷は龍光まとい中じゃないと通らない。蝕龍弾、痺れるから好きじゃない。




※キャラクターデータは本格的に登場した初回に掲載させていただきます。その際に原案者様のお名前も掲載します。


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三枚目・寒空の街

MHST2発売ひゃっほい、ウェルテさんです。相変わらずドスランポスがかわいい。

 キャラの応募や村の方への応募、本当にありがとうございます。できる限り原案を踏まえて登場してもらうので、どしどし応募お待ちしております( ˘ω˘ )
【https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=263061&uid=242786】


「着いたわ。ユアンシキリよ」

「ありがとうございます」「感謝する……ます」

 

 金髪の女性に連れられて、なんとかユアンシキリの街へとたどり着くことができた。

 ユアンシキリの街はウユリ村やポッケ村ほどではないが雪が積もっており、寒冷地に向いた装備……例えばウルク装備とか、ザボア装備とか……そういう着こんだ装備のハンターが目に付く。

 

 この女性ハンターもそうだ。この人のおかげで、なんとかジンオウガ亜種から逃げきれたのだ。

 

 

▼▼▼

 

 

 時はさかのぼって数時間前。

 

 閃光玉による目つぶしのせいであらぬ方向に攻撃を繰り出しているジンオウガ亜種の唸り声を耳にしつつ、声の主である金髪の女性ハンターのもとへと、俺達は走った。

 

 そしてたどり着くや否や、頭を抑えて茂みに隠される。

 

「お、おいっ?!」

「シッ!……静かに」

 

 女性ハンターは暴れ回るジンオウガ亜種の様子を見、閃光玉の効果が切れてジンオウガ亜種が匂いで俺達を探そうとしているのを確認する。

 すると、なにやらもう2つ手投げ玉を取り出すと、まあまあの距離だというのにジンオウガ亜種の鼻の辺りに命中させてみせる。

 

 片方はどぎついピンク色をしており、その玉の片方は割れるや否や強烈な……えーっと……かぐわしい臭いを放ち、ジンオウガ亜種の嗅覚を麻痺させる。

 その臭いを嫌がったのか、獄狼竜はスタコラサッサと森の奥へ逃げていった。

 

 

「……よし。もういいわよ」

 

 その言葉を受けて、俺達は茂みから立ち上がる。めっちゃ葉がついたけどそこはいい。

 

「っ……だああ!!なんなんだ?!なんなんだ!!!!!」

「落ち着け落ち着け!!」

 

 キレるネーギルガをなだめるために、ポーチの中からハチミツを取り出して口にシュートする。すると落ち着いたのか、おとなしくハチミツを飲み込んだ。……アオアシラとか思ったのは内緒だ。

 

 女性は呆れたように一つ息を吐く。

 

「大丈夫?」

「あ、だ、大丈夫です」

「そう、それならよかった。ジンオウガ亜種、やっぱりこんな近辺まで来ていたのね」

 

 「報告を入れなきゃ」と女性は呟く。ジンオウガ亜種の情報自体はあったらしい。

 

「助けてくれてありがとうございます」

「いいの。目の前で死なれちゃ寝目覚めが悪すぎるわ。どうして森の中に?」

「俺達はウユリ村からユアンシキリの街へ向かう所なんだが、迷ってしまってな……」

「なるほどね、この森は予めの情報が無ければ迷いやすいものね……いいわよ。私もユアンシキリに行くつもりだし」

 

 聞けば、この女性ハンターは調査の依頼を受けて来ていたらしい。「"獄狼竜"が出現したが足取りが掴めないから痕跡を探してほしい」というものだそうで、痕跡を見つけて帰還しようとしたところに俺達を見つけたそうだ。

 

「ありがとうございます。ぜひお願いします。えっと……」

「エルネロッテ。ハンターよ。君たちは、新人?」

 

「俺はネーギルガ。ヴェルカともどもウユリ村から来た。俺は新人ハンターだが……こいつはハンターじゃないな」

「ヴェルカです。色んなとこを見て回るためにもハンターではないです」

 

「なるほど。ギルドの誓約とかあるものね。ユアンシキリには遠方への交通手段もあるから、どちらにせよ向かうのがいいわ」

 

 そんな感じで、エルネロッテさんにユアンシキリまで送ってもらったのだ。

 

 

▼▼▼

 

 

「一時はどうなるかと思ったけど、何とか無事ね」

「本当にありがとうございます……」

「いいのよ。それより、ネーギルガくんはハンターの本登録だったわよね」

「あ、ああ」

「なら、ついでに連れてってあげる。この街、まあまあ迷いやすいからね」

「本当か!」

「ええ。でも、口調は頑張ってね?」

 

 エルネロッテさんの申し出に、ネーギルガが食いつく。敬語がなってないのを指摘されて「うっ……」となっているが、頑張ってみる様子だ。

 

「んじゃあ、此処でお別れになるかな」

 

「だな。なら、またどこかで会うまで……」

 

「ああ」

 

「「またな!」」

 

 そう言って、俺は雑貨屋の方へ、ネーギルガとエルネロッテさんはギルドの方へ。

 

 さて、何処へ向かおうか。まずは閃光玉とか護身用のアイテムを買っていくか――――

 

 

 

 

 ――――とか言って別れたはずなのだが。

 

 

「「お前もこの竜車かよ?!」」

 

「いやー、これには驚きね……」

 

 南の方に向かおうかなと思って乗った竜車に、なんと別れたはずのネーギルガとエルネロッテさんも乗っていた。

 

 いやビックリした。まあ確かに、南側には雪原がある。そこにはクリスタル系の素材があると聞いているが、目的はその辺りだろうか。

 

「あー、あんな別れ方したのがこっ恥ずかしくなってきた……」

「俺もだよ……」

「まあ、そんなこともあるわね」

 

 聞いてみれば、エルネロッテさんに勧められ、雪原での小型モンスター討伐依頼に、素材あつめがてら行くことにしたのだとか。

 エルネロッテさんもエルネロッテさんで、雪原への調査依頼のために雪原へ向かうとのこと。

 

 そういえば、雪の森で助けてもらった時も調査依頼だったとか言っていたっけ。

 

 そう思っていたのが口に出ていたのか。

 

「情報は大切よ。それは旅先でも、モンスターでも変わらない。狩猟するにも、相手のことをしっかり調べないと、防げるものも防げないわ」

 

「なるほどな。俺達は雪の森に獄狼竜がいることを知らなかった……だから、何も対策できず、エルネロッテ先輩がいなかったら……」

「ふふっ、そういうことかもね」

 

 エルネロッテさんは、眼鏡を拭きつつ笑った。ミステリアスな印象だ。

 

「そういや、ヴェルカはどこに向かってるんだ?」

「俺は、とりあえず南の方に行こうかなって。そこの村経由で、次の目的地でも探そうかな」

「南……フェルト村ね。どのみち雪原を経由するからこの竜車に乗っていたのね」

「そういうことです」

 

 

 ガタゴトと竜車が揺れる。先導する車を引くポポがかわいいなあと思いつつ雑談しているうちに時間は過ぎていった。




キャラクターデータ

【エルネロッテ】※原案:オリーブドラブ 様.
・「情報」の重要性を重んじる、眼鏡をかけた知的な美女。情報収集の一環として、調査依頼を引き受けることが多い。
 つかみどころのない印象を受けるが、集めた「情報」を人々を護るために活かしたいという思いは本物であり、いざとなれば装備も気に留めず強敵に立ち向かう。
 装備はマフモフ装備、武器はボーンククリ。出身はポッケ村。

ヴェルカのコメント:『ネーギルガの先輩にあたる人物。利用できるものをなんでも利用する頭の回転の速さは、ある種経験と才能の集合体だと思う』


拠点データ

[ユアンシキリ]
・ウユリ村から最も近い大きな街。近辺に「雪の森」と呼ばれる森があり、度々獰猛なモンスターが現れるため、モンスター情報の収集を置く別依頼としてよく張り出している。
 ハンターズギルドの支部があり、ウユリ村含む雪原地帯の中で最も多い。
 街のシンボルはクシャルダオラの翼を模した灰色のもの


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四枚目・雪原を進む

 ふわふわパオウルムー、ウェルテさんです。MHST2発売ですね。イヴェルカーナも登場するようなので頑張って仲間にしたいですね……古龍……タマゴ……うっあたまが



※言い訳:リアルの多忙さと、スランプで更新が遅れました。申し訳ない成績が虚無


 雪原の拠点にたどり着き、竜車が止まる。ここから先は、地形の関係上少し歩かなければならないのだそうだ。

 

 荷物を持って竜車を降りる。今回はきちんと、雑貨屋で売っていた(売ってくれた)閃光玉と音爆弾を持ってきている。流石にこやし玉は売ってなかった。そりゃそうだよな。

 

「さて、改めてここで一旦お別れになるわね」

「そうですね。フェルト村は南で……」

「狩場は西だからな。と言っても」

 

 また会いそうなんだよなぁ……というのは、この場に居る3人全員同じだろう。狩場の一部を通るし。

 

「ま、その時はその時ね」

「だな……です。じゃあ、まあ……また会おう、だな」

「ああ」

 

 そう、2度目の別れの言葉を言い合って二人と別れた。

 

 別れ際、エルネロッテさんが「あっ」と言って振り返った。

 

「道次第だけど、崖崩れが起きやすくなっているわ。くれぐれも落ちないようにね」

 

 

▼▼▼

 

 

 雪原を進む。別段ギアノスに襲撃されるとかはなく、今のところ平和だ。

 

 今向かっているフェルト村は、雪原を下ったところにある。規模はユアンシキリやドンドルマのような街程大きくはないが、ウユリ村よりもはるかに大きいらしい。イメージとしては、「陸のジャンボ村」のような感じだ。話に聞くにはあそこまで大きく発展しているようではないが。

 

 今進んでいるのはポツポツ針葉樹が生えているだけのだだっ広い雪原だ。いやまあそもそもここは「雪原」なんだけどね。

 

「ポポとケルビはどこにでもいるな……」

 

 ふわふわした子ポポを視界の端に更に進んでいくと、徐々に足元は雪の積もった土から、凍った地面に変わってきた。

 ガムートの毛織物のコートを着ているため寒くはないが、滑って転びたくはない。下り坂になってきたし、気を付けるか。

 

 

 辛うじて生き残っている、雪に埋もれた低木の茂みに脚を踏み入れた時、近くで鳴き声が聞こえた。

 

『……キュ……』

 

「ん?」

 

 微かに聞こえる弱弱しい鳴き声。方向は、針葉樹の森の方だ。

 針葉樹の森の方は、場所によっては切り立った崖が雪に隠されているため、危険だ。

 しかし、近くくらいならいいだろう。近くに崖はみえないし。

 

 

 雪をかき分けて針葉樹の森に踏み入れると、まず飛び込んできたのは赤く染まった雪だ。

 

 嫌な予感がしつつも顔を上げると、衝撃的な光景が目に入った。

 

 

「……っ!」

 

 そこには、あまりにも酷すぎる傷を負った"氷牙竜"ベリオロスが、いた。赤い血の源泉は、そのベリオロスだった。

 その傍には中身がめちゃくちゃにされた割れた殻のようなものが散乱している。おそらく、タマゴだろう。それも孵化前の。

 

 ただ一匹だけ、傷だらけの小さなベリオロスの幼体は、重症のベリオロスの傍で弱々しく、親に縋るように鳴いていた。

 

「これは……」

 

 周囲を見渡せば、戦闘の跡が見受けられる。凍り付いた木々はおそらくベリオロスのものだろうが、雷などによって焼けたような痕や、殴りつけられたような痕は間違いなく別の何かのものだ。

 親ベリオロスの傷はあまりにも深く手遅れだが、子ベリオロスはまだ間に合いそうだ。

 

 とにかく見つけてしまった以上、ほおっておくわけにはいかない。昔、俺が……イヴェルカーナが住んでいた地の近くに同種が住んでいたよしみだ。

 

 鞄の中から薬草を取り出す。回復薬はヒト用に加工されたものだから、下手にモンスターに与えられない。

 

 一歩近づこうとすると、親ベリオロスは重傷だというのに俺の方を見て、首を少し起こして低く唸った。そりゃ、警戒するだろう。

 しかし、このままでは親ベリオロスだけでなく子ベリオロスも死んでしまう。

 

 だから、少し奥の手だ。

 少し目を伏せ、それから、親ベリオロスを睨みつける。流石のベリオロスといえど、「敵意はない、動くな」という意味を込められて古龍(イヴェルカーナ)の眼に睨まれれば下手に動けないだろう。

 

 龍の眼になった目をもう一度伏せると、人のモノに戻る……戻ってるよね?

 

 あのポンコツ白トカゲ(ミラルーツ)に言われたのだが、いくらか冰龍の特性を受け継いでいるらしい。さっきの眼とかだ。頑張れば規模が小さいブレスも吐けなくはないし、滅茶苦茶頑張れば冰龍の姿になれる(らしい)が、曰く「下手すりゃ命削るから奥の手だよ???」と言われている。

 モンスターの言葉を理解することもできるが、話すことはできない。それっぽい鳴き真似はできるが声帯が違う。どこぞのジンオウガ教官みたいに上手くはないし。

 

 

 子ベリオロスに、薬草を使う。できる限りベタベタ触らないようにしつつ手当を施す。

 体温がかなり下がっていたので、(無添加)ホットドリンクをできる限り薄めたものに薬草を混ぜ、飲ませる。

 

「一口でいい。頑張れ!」

 

 子ベリオロスはなんとか一口飲みこむ。それで少しずつ体温が安定してきたのか、呼吸が整ってくる。

 

 親ベリオロスはそこまでの様子を静かに見守っていた。子ベリオロスの容態が落ち着いてきたのを見て、警戒を緩めてくれたのだろう。

 

 

「よし、次はお前だな」

 

 手遅れかもしれないが、するだけしないとと思い、親ベリオロスの手当ても始めようとした時だ。

 

 頭上を、黄金色の光線がかすめた。

 

 親ベリオロスが、俺の背後に向けて弱々しく唸る。

 

 背後を見れば、黒く大きなゴリラがそこにいた。頭部に角を携えたそのゴリラは……"金獅子"ラージャンは、気光砲を放った後なのか、口元にほんのり煙を持っていた。

 

 

 そうか、この傷跡の主がラージャンならつじつまが合う!なるほど、このベリオロスはラージャンに襲われたのか。これまた厄介な!

 

 ラージャンはおそらく、睨みつけた程度では退いてくれないだろう。だってラージャンだもの。

 

 

『グォゴゴゴ!』

 

 ラージャンは大音量の咆哮を放ちながら黄金に輝く。

 かと思えば、大跳躍。狙いは俺達纏めてだろう。回避するにはあまりにも速すぎる。

 

 回避なんてできるわけなく、振動に脚をとられて尻もちをつく。

 エイムがブレブレだったおかげで直撃こそ免れたが、どっちにしろピンチだ。

 

 着地したラージャンはこちらに振り向く。せめてどうにかできないかとライトボウガンもどきに装填して撃ってみるが、硬すぎて抜けない。

 

 唸り声をあげながら、ラージャンは再び跳躍しようと、雪の地面を踏みしめる。

 今度こそダメだ。奥の手を……と思った瞬間。

 

「……?」

 

 地面が揺れる。ベリオロスも、ラージャンも困惑している様子を見せる。

 真っ先に我に返ったラージャンが、今がチャンスと拳を地面に叩きつける。

 それがトドメとなったのか、地面が崩れ始める。

 

「おわあああ?!」

 

 白い地面は俺もベリオロス親子もラージャンも吞み込み、下へと崩れていった。




ヴェルカのレポート

【ベリオロス】
・氷上を駆ける"氷牙竜"。物凄くかっこいい。
 氷の螺旋気流を起こしたり、跳躍して回り込んだりと、その姿はどこかの伝承で聞いた騎士そのもの。
 雪原に住んでいるのは知っていたが、大怪我をしていてびっくりした。
 弱点は火。氷はもちろんしっかり耐性がある。

【ラージャン】
・スーパーライトニングキンピカゴリラ。


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五枚目・零下の白騎士

 晴れすぎて干からびかけ、ウェルテさんです。夏休み入ったのでしばらくは更新が安定すると思います。多分。

 イヴェルカーナ、MHST2に出ましたね。狩技めちゃくちゃ綺麗で豪快で大好きです。ところでオオナズチとバルファルクのオトモン実装どこですか?


 雪に呑まれ、落下する。そういえばエルネロッテさんが言っていたっけ、「崖崩れが起きやすくなっている」と。

 なるほど、此処は針葉樹の森の中でも崖に近い場所だったのが、雪が積もって崖に見えなくなっていたのか。それが、ラージャンの行動がトドメになって崩れた、というあたりか。

 

 視界が白に呑み込まれる中、胸元に何かふわりとしたものが飛び込んでくる。俺はそれを、反射的に抱きとめながら落下していく。

 

「ッグ!」

 

 数秒して、背中に衝撃が走る。身構えようにも共に落ちる雪に阻まれていたので無理だ。

 衝撃の後、すぐにどさどさどさと雪塊が積もる。抱えたふわふわを守るような体勢。口の中に雪が入らないよう、口を閉じて。

 

 すぐにどさどさとは聞こえなくなったが、覆いかぶさる雪が重くなっていくあたり、かなりの量なのだろう。息がしにくい。

 

 段々と意識が朦朧としはじめてきた。ヤバい――――――――

 

 

『グォルルルルル!』

 

 轟音と衝撃で意識が覚醒する。気がつけば、体が空中に投げ出されていた。

 

「?!」

 

 雪に埋もれたラージャンが、勢いよく飛び出した。そばに埋もれていたからか、その時に一緒に跳ね飛ばされたようだ。

 そのまま、再び雪の地面に叩きつけられる。が、今度は雪が覆いかぶさったりはしてこない。

 

 全身が痛いが、ふわふわを抱きかかえたまま無理矢理体を起こす。

 

『キュ……』

 

 抱えた物体から鳴き声がして見てみれば、ベリオロスの子供だった。あの手当をした子だ。縋るような眼でこちらを見ている。

 

 

 ラージャンの方を見れば、崖崩れで落ちたのが癇に障ったのだろう。イラついた目でこちらを見ている。おおかた、俺達が原因とでもおもっているというところか。八つ当たりやめてください。

 

 手元にライトボウガンもどきはあるが、手持ちの弾は効かない。閃光玉で目くらまししたいが、手元に荷物がない。落ちるときに飛ばされたのか、ラージャンの向こう側に荷物が見える。あれでは取りに行けない。

 

 

 ラージャンは拳を振り上げながら息を吸い込む。気光砲の前動作だ。

 おそらく避けきれない。切り札を切るべきか?いや、まだか?と、悩んで反応が遅くなっているうちに、ラージャンは量の腕を地面についていた。

 

 避けることはできず、エネルギーの波が俺達を襲う――――――――

 

 

 

 

 

――――――――ことはなかった。

 

 代わりに頬を撫でる冷気。

 不思議に思って、反射的に瞑っていた目を開けば、俺達とラージャンの間に割って入るように傷だらけの白い影が……親ベリオロスが、いた。

 

 ラージャンの攻撃が中断させられたのは、親ベリオロスの放った冷気のつむじ風が命中したからだ。

 

『グ、クルルルル……』 

 

「お前……!」

 

 牙はひびが入り、棘は半数折れ、体中についた傷から血を流しながらも、しっかりとラージャンを睨みつけている。

 

 ラージャンは割って入って邪魔をして来たベリオロスを睨み、唸りながら睨み返す。

 

 かと思えば、突然ラージャンは跳躍し、ベリオロスへ向けて空中から飛び込みを仕掛けた。

 

 若干鈍いながらも、ベリオロスは的確にラージャンへとブレスを命中させる。

 

 

 左脚を凍らされたラージャンは、空中にいるというのに無理矢理体勢を立て直し、ベリオロスに向けて雷電を纏って飛び込む。

 

 既にボロボロのベリオロスは避けきることが出来ず、モロにダイブをくらう。

 しかし、それでもなおベリオロスはラージャンに一矢報いて撃退しようと、その琥珀の牙を突き立てる。

 

 鮮血が飛び散る。ラージャンの剛毛と言えど、牙のように一点に力を込められれば貫通する。

 ラージャンはベリオロスを剥がそうとベリオロスの首根っこを掴むが、その体のどこに力が残っているのか、ベリオロスは食らいつき続ける。

 

 

 呆然と見ていたが、ふと今なら……と思い立ち、俺は子ベリオロスを抱えたまま鞄の方へと走った。

 そして、鞄の中から閃光玉を探り出す。

 

 

 その瞬間、「ボキッ」という音が響いた。見れば、ベリオロスが中空に投げ出されていた。牙が無くなっており、折れた牙はラージャンの腕に深深と刺さったままになっている。

 

 どさり、と雪の上に叩きつけられたベリオロスから、白い雪の上に赤い血が広がっていく。ラージャンはそこに追撃をしようと腕を振り上げた。

 

 

「っ、せい!」

 

 ラージャンの顔面の前で、投げた閃光玉が破裂する。強烈な光が周囲を包む。真っ白い雪にも反射して、光の強さは普段よりも強く襲いかかる。

 

 俺は咄嗟に目を瞑り、子ベリオロスの目を塞ぐ。それでもなお、瞼の上から刺すような光が襲いかかる。

 

 そしてしばらくして、光が止んで目を開ける。

 

 光に眩んでクラクラしたラージャンは、驚いてその場で地面を殴りつけている。

 

 その間に、慌てて親ベリオロスの方へと駆け寄る。

 親ベリオロスに近づくなり、すぐに子ベリオロスは腕の中からするりと抜け出した。

 

『キュ〜……キュー!!』

 

『クルルル………』

 

 親ベリオロスは風前の灯火どころか、残り火しかないような状態だ。

 子ベリオロスもそれが分かっているのか、それでも親が死ぬのは嫌なのか、必死で傷を舐める。

 親ベリオロスは穏やかな眼差しで子ベリオロスを見つめると、優しく子ベリオロスを毛繕いした。

 

「………」

 

 

 親の死に目に会える子は少ない。それは、人間もモンスターも変わらず。

 むしろモンスターなら、親に殺されかねない事もある。電竜などがその好例だろう。

 

 しかし、このベリオロス親子はまだ幸せな方だ。死ぬ間際に、何やら話せたのだから。

 

 しばらく親子が話しているのを見ていれば、子ベリオロスは『キュ』とひとつ力強く頷き、こちらへと飛び込んできた。

 

「うわっとと?!」

 

 どういうことかと親ベリオロスを見れば、「任せた」とでも言わんばかりの小さな鳴き声を発した。

 

 断るなんて野暮なことは出来ない。こればかりは仕方ない。

 

「分かったよ。任せてくれ」

 

 ならば、まだラージャンが混乱している間にこの場を離れなければ。

 荷物と子ベリオロスをしっかりと抱え、ラージャンの脇を抜けて走り出した。

 

 

 しかし、その瞬間目くらましが解けたラージャンが、怒り狂った様子でこちらへ突撃してきた。

 

 ヤバい、と思ったものの衝撃は来ることがなかった。来たのは頬を撫でる冷風だ。

 

 親ベリオロスが、最後の力を振り絞ってブレスをぶつけたのだ。その執念にビビったのか、左半身を凍らせたラージャンはどこかへと逃げて行った。

 

 

「……ありがとう」

 

 親ベリオロスが目を閉じたのを見送り、フェルト村へと足を進めた。




モンスターデータ

【ラージャン】
・白トカゲに「ちゃんとやって」と怒られたから改めて書く。
 金色の雷を纏う"金獅子"。超攻撃的生物、古龍級生物とも言われる、自然界の超実力者・黄金の暴風雨。キリンの角を折って食べるらしい。怖い。
 普段は黒い色をした剛毛だが、ひとたび闘気化すると黄金に変わる。超野菜人
 弱点は氷。雷と火だけでなく、龍属性も無効化する。親ベリオロスがラージャンを撃退できたのは、弱点だったというのもあると思う。


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六枚目・立つ鳥達の村

 蒸し暑過ぎてクーラードリンクが欲しくなる、ウェルテさんです。ミストでもいいぞ。

 ST2のアプデも決まりましたね。マムタロト来てくれるのはちょっと嬉しい。


 ラージャンのことや親ベリオロスのこと、ハンターズギルドにでも情報共有しておこうかと考えながら、雪道を進む。今度はちゃんと、崖とかには気をつけて進んでいる。

 

「落ちて迷子になるなよ、ジュハク」

 

『クュ……』

 

 頭に乗っかる、『ジュハク』と名付けた子ベリオロスにそう言う。名前は「氷刃佩くベリオロス」から、「氷刃佩く」をもじったものと樹氷をかけたものだ。ヒョウガにしようとしたが、そういやMHSTに出てくる金髪の少女が連れていたベリオロスがそんな名前だった気がしてやめた。

 

 ジュハクのサイズは幼体なのもあって頭に乗る。最初は抱えて歩いていたのだが、荷物を整理するのにいちど頭に乗せてみたら、なんとなくその形でおさまってしまった。棘がちょっと痛いのはもう諦めた。

 

 

 

 と、やっと見えてきたフェルト村。開けた場所に作られた村であり、飛行船や竜車、雪上船が行き交っているのがこの位置からでも見え、飛行船に混じって数匹の飛竜が飛んでいるのも見える。ライダーでもいるのだろうか。

 

 本来ならもっと坂や崖を下りてで時間がかかったはずなのだが、がけ崩れに巻き込まれたからこんなに早く着いたのだ。ある意味ではあのラージャンに感謝か。まあ、それはそれこれはこれで報告はちゃんとするけどね。

 

 

 目の前の崖だけを迂回して下っていけば、フェルト村の入口へとたどり着く。

 

 ウユリ村やユアンシキリの街のように雪が積もっているが、2つの村街とは違い、雪がある程度掻き分けられたりしてあって、歩いたりするのにとても楽。ただ、寒いのは変わらない。ガムートの毛織物コート様々だ。

 

「まずは宿の確保とラージャンの報告だな」

 

『むくゅ……』

 

 とりあえず見渡してみると、目に入るのは荷物を運ぶ人々やポポ。陸のジャンボ村というような辺り、交易も盛んなのだろう。箱の中身をちらりと見たら、(多分)モスジャーキーや、(おそらく)何かしらのモンスターの甲殻や欠片が入っていた。多分色合いと見た目的にグラビモスとかバサルモスなんじゃないかな、あれ。

 

 ただ建物の形がだいたいみんな同じなせいで、どこが宿でどこがハンターズギルドなのかが分からない。なんで赤い屋根ばっかなんだ。進んでも進んでも赤い屋根。せめて色変えて欲しかった。

 

 

 そして現在、ここ何処状態。ぶっちゃけ迷子だ。どこここ。

 周囲を見渡せど、どうも人気は少ない。多分住宅街な気がするが、ここからの戻る道順が分からない。

 

「俺、方向音痴なのかな……」

 

『?』

 

 ジュハクをもふっと撫でて落ち着く。ベリオロスの幼体はどうしてここまでもふもふなのだろうか。

 

 しかし、どうしようか。ウユリ村ならまだしも、フェルト村は初めて来る。初見マップで地図無しみたいなのはしょーじき苦手である。

 

 

 と、困っているところにひとつ鳴き声が響いた。

 

『クォォォォォ!クオオオオオ!』

 

 振り向けば、紫の体色に襟巻蜥蜴のような襟を持った鳥竜……"狗竜"ドスジャギィがそこにいた。

 

 モンスターの襲撃か?!と思ってライトボウガンもどきを構えようとしたが、ドスジャギィの背に鞍があるのが目に入り、ライトボウガンもどきを構えるのをやめた。

「チーフ?どうしたの……ん?」

 

 ジャギィ装備の黒髪の少女が、ドスジャギィの元へと駆けてきた。ドスジャギィのことを「チーフ」と呼ぶ彼女は、俺達に気がついてとたたっと来た。

 

 

「こんにちは!こんな所でどうしたの?散歩?」

 

「ど、どうも。あー……いや、散歩というか迷子、ですね。ここ何処なんですか?」

 

 そう尋ねてみると、少女は目を見開いてから。

 

「ここはフェルト村だけど?」

 

 と答えた。違う、そうじゃない。そういう意味じゃない。そう思ったのはドスジャギィ……チーフ(?)も同じらしく、なんとも言えない微妙な表情をしている。

 

「もう少し範囲を絞って貰えれば……えっと、宿かハンターズギルドに行きたいんですよ」

 

「そういうことなら、ここからならハンターズギルドが近いし案内するよ?」

 

 その提案はありがたい。断る理由は特にない。

 

「お願いします」

 

「任せて!わたしはヤシロ。こっちはオトモンのチーフ!」

 

「俺はヴェルカ。この子はベリオロスのジュハクです」

 

 チーフさんに若干先導されつつ進み出すヤシロさんに、俺達もついていく。ハンターズギルドで宿とかの場所も聞くかあ、なんて呑気に進んでいく。

 

 

 

───数十分後。

 

 

 そして、俺達はめっちゃ迷子になっていた。




キャラクターデータ

【ヤシロ】※原案:アッアッオ---ウwww 様.
・ハクム村出身の、新人ライダーの少女。レウスを連れた伝説のライダーのように、絆を大切にした立派なライダーを目指している。
 天然で少々抜けているところもあるものの、観察眼と先読みには頭一つ抜けたものがある。
 装備はジャギィ装備、武器はコマンドダガー。「ぐぅれいとぉ!」が口癖……らしい。

【チーフ】
・ヤシロのオトモン、"狗竜"ドスジャギィ。
 ヤシロによってタマゴから孵されたドスジャギィであり、おそらく群れ長としての本能からヤシロを可愛い妹分として見ている。保護者。
 ただし、ヤシロの観察眼と先読みには特に信頼を置いているらしく、戦闘時はまた違った関係性を見せるようだ。

ヴェルカのコメント:『フェルト村で迷ってたらチーフさんが見つけてくれて、そこからヤシロさんが案内してくれることになった。なんとなくチーフさんにはさん付けしたくなる』


拠点データ

[フェルト村]
・陸上、雪上、そして空の交通網が発達した村。ユアンシキリの街からここへ来て、遠方へ行くものも多い。逆に来る者や物もいっぱい。ライダーも比率的には少数ながら訪れている。
 ハンターズギルドの支部があり、他に宿屋や雑貨屋などが多く存在している。名物のフェル豚饅は1度食べてみたいお土産ランキング第3位を獲得したことがあるとかないとか。
 村のシンボルは『零下の白騎士』ベリオロスの横顔を模したもの。
 



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