東方龍優録〜心優しき少年の幻想郷生活〜 (餡 子太郎)
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本編
第一話 幻想入り



初めまして。初投稿なので読みにくい文章かもしれませんが、よろしくお願いします。




 

ピピピピッ ピピピピッ

 

携帯にセットしていたアラームが何もない空間に鳴り響く。

 

「...朝か」

 

俺はアラームを解除し、ベットから起き上がる。そして部屋のカーテンと窓を開けて身体を伸ばす。

 

「んん〜っ、ふぅ...」

 

さてと、朝飯でも作りますか。俺は重い瞼を擦りながら台所に向かう。

 

朝飯を作って、テレビを見ながら食べて、制服に着替えて学校に行く。

 

これが俺の日常だ。何処にでもいる普通の学生なのだ。

 

「行ってきます...」

 

誰もいない空間で俺は行ってきますと言う。

 

俺には家族が居ない。親戚だって居ない。物心ついた時から隣の家に住む叔母さんに面倒を見てくれた。俺が高校生になった時、バイトができる年になったので自分で生活費やら払っていた。あまり叔母さんには迷惑をかけたく無いし...。

 

通学路を歩いているとスーツを来た大人がバス停に向かって走っていたり、俺とは違う学生服を着た男女が腕を組んで楽しく歩いていた。べ、別に羨ましいなんて思ってないんだからね!

 

そんな事思っていると、幼稚園の服を着た女の子が、道路に飛び出した。危ないなぁと思っていたら本当に危なかった。

 

女の子が飛び出した道路には大型トラックが走っていた。スピードは遅いが、小さな女の子が当たったら元の子も無い。

 

「危ない!!」

 

俺は慌てて女の子に駆け寄る。俺は体力には自信がある方だ、だからそれほど距離が遠くないので間に合うだろう。俺は女の子を守るように抱きしめた。そして背中に強い衝撃が走り、そのまま吹っ飛ばされ頭に電柱を打った。

 

「うっ!」

 

それでも俺は女の子を守るように抱きしめた。頭と背中が痛い...。

 

「おい!大丈夫か!」

 

誰かの声が聞こえた。ぼやけて見えないが、おそらくさっきのカップルの彼氏だろう。

 

俺は一度女の子を見る。ぼやけて良く見えないが、怪我はないだろう。

 

「よかった...無事、で...」

 

段々と周りの声が聞こえなくなり、そのまま意識を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うっ...」

 

目を覚ました俺は起き上がろうとすると、頭に痛みが走る。

 

「いてっ...此処は?」

 

俺は周りを見渡すが、建物らしきものは一つも無くただ木しか無かった。

おそらく何処かの森なのだろう。でも住宅街に森なんてあったか?

 

「兎に角移動するか...」

 

もしかしたら近くに民家があるかもしれない。そう思った俺はいつも学校に持って行ってる鞄を持って歩き始めた。

 

 

 

 

〜数時間後〜

 

あれから何時間経ったのだろうか...。

 

未だに森を抜け出せないでいる。日はすっかり落ちて空には綺麗な三日月が照らしていた。

 

「!あれは」

 

歩いていると俺は一つの看板を目にした。そこには

 

 

『香霖堂』

 

 

と書かれた建物だった。俺はその建物の窓を見ると中はまだ明るかった。

俺はコンコンとノックをして、中に入る。

 

「ごめんください...」

 

「おや、これは珍しいお客さんだね」

 

カウンターには銀髪に眼鏡をかけた男の人が大きな本を読んでいた。

 

「実は森で迷ってしまって...、道を教えてほしいんですが」

 

「教えても良いけど、夜遅くに外に出るのは危険だよ?」

 

「危険...とは?」

 

「夜になると妖怪達の動きが活発になるからね。鉢合わせになると食べられてしまうよ」

 

「はい?」

 

俺は男の人の言葉に耳を疑った。妖怪が何故存在するのだろう...。

 

「...どうやら君には説明が必要みたいだね。この世界について」

 

「......此処は何処なんです?明らかに俺がいたところとは思えない」

 

「そう警戒しなくても大丈夫だよ」

 

男の人は開いていた本を閉じ、クイッと眼鏡をあげる。

 

「此処は幻想郷と言ってね、人間だけでなく妖怪、妖精、仙人、神様が共に暮らす世界であり、人に忘れられた者が集う世界。そして君のような外の世界から来た人を外来人と呼んでるんだ」

 

「ほぅ...」

 

成る程、どうやら俺は偶然にもこの幻想郷とやらに流れついたようだな。

 

「君はこれからどうするだい?」

 

「どうするって...。元いた世界じゃあ俺死んだんで帰るわけにも行きませんよ。だからこの幻想郷で過ごそうと思います」

 

「そうか...、君が選んだ答えなら止めはしないよ。ようこそ、幻想郷へ。僕はこの香霖堂の店主、森近霖之助《もりちか りんのすけ》って言うんだ」

 

「俺は霧影龍騎《きりかげ りゅうき》と言います。これからお世話になります」

 

お互い自己紹介をして、握手する。

 

「今日はもう遅いし、うちで泊まって行くと良いよ」

 

「すみません。ありがとうございます」

 

こうして俺は幻想郷で第二の人生がスタートした。





いかがでしたか?

不定期更新ですが、完結するまで頑張るのでよろしくお願いします。

アドバイス、感想等よろしくお願いします。


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第二話 博麗神社の巫女


どうもです。

今回から台詞の前にキャラ名を付けます。

それではどうぞ。


 

 

俺が幻想郷に来てから三日が経った。

 

香霖堂に泊めてもらった日から俺は森近さんの仕事を手伝いをしながら過ごしていた。

 

タダで住ませてもらっているので、何もしないって事はしたくない。

それに外の世界で勉強するより、此処で仕事してる方が数倍楽しい。

 

ちなみに俺の仕事は家事はもちろん、お店の商品の整理、掃除がメインだ。

 

特に、料理に関しては高評価である。森近さんは外の世界の料理を食べたことがないので、ハンバーグをご馳走したらとても喜んでいた。

 

一人暮らしで得た家事スキルが活かせて良かった...。

 

 

そんなある日。

 

霖之助「霧影くん、少しおつかいを頼んでも良いかな?」

 

龍騎「おつかい...ですか?」

 

商品の整理を終えた俺は森近さんに声をかけられ、おつかいを頼まれた。

 

霖之助「うん、そろそろ食糧も補充したいからね。それに君はまだこの店の外には出ていないだろ?」

 

龍騎「確かに...。今日までずっと此処で仕事してましたからね」

 

霖之助「ずっとこの店で居るつもりは無いんだろ?せめて人里には行ってみると良いと思ってね」

 

成る程、そう言う事か。確かにいつまでも森近さんのお店に居るつもりはないからな。

......あれ?それって俺の金で払えって事?まぁ良いんだけどさ。

 

龍騎「分かりました。でも此処は森の中ですよね?道が分からないんですが...」

 

霖之助「そう言うと思って...、はいこれ」

 

森近さんは俺に買い物籠と一枚の紙を渡した。

 

霖之助「幻想郷の地図だよ。これをあげるから地図の見て人里に行くと良いよ。あ、因みにうちはここだよ」

 

森近さんは地図に指を指した。あ、意外と人里より近かった。

 

龍騎「ありがとうございます。それじゃあ行ってきますね」

 

霖之助「あ!ちょっと待って!」

 

俺が外に出ようとすると、森近さんに止められた。なんで?財布ならちゃんと持ってるよ?

 

霖之助「いくら明るいからって妖怪が出てこないとは限らないんだ。これを持って行きな。護身用として」

 

森近さんは俺に木刀を渡した。凄え...、木刀なんて高校の修学旅行以来だ。あの時は買っちゃいけなかったからな...。

 

龍騎「ありがとうございます。それじゃあ行ってきます」

 

気を取り直して、俺は扉を開いて外に出る。

 

 

 

 

 

 

それから俺は地図を頼りに、人里へ向かう。進んでいくうちに人の声が沢山聴こえてくる。

 

そろそろだな...。

 

そして俺は人里に辿り着いた。そこにはまるで昔の日本のような光景だった。

 

お店やら家やらみんな木造で出来ており、里に住む人はみんな和服だった。

 

俺は短い間固まった。まるでタイムスリップしたような感じだった。

 

はっ!と我に返った俺は本来の目的を果たすため歩き始めた。

 

暫く進みながらいろんな店を見る。鍛冶屋があったり、食事処も沢山ある。内心とても興奮してる俺。見て回っていると俺は一つの階段を見つけた。近くに寄るとその階段は物凄い段数だった。もしかしたらこの先に神社があるかもしれない...。

 

龍騎「...せっかく来たんだし、お参りでもしてくるか」

 

俺は階段に登ることにした。暫く登ると赤色の鳥居が見えてきた。階段を登りきり、鳥居をくぐると目の前には少し?ボロボロな神社があった。

 

龍騎「...大丈夫なのかこの神社は?」

 

なんか思った以上にボロボロなんだけど...。余程歴史が長いのか又は何回も壊されては修理の繰り返ししたか...。

 

......取り敢えず、お祈りするか。

 

俺は目の前にあった『奉納』と書かれた箱の前に立ち、財布から5円玉を手に取り、ポイっと投げて二礼二拍手一礼をする。

 

龍騎(幻想郷での生活が早く慣れますように...)

 

......やり方合ってるよね?久々に神社に来たからやり方覚えてないから感情任せでやったけど大丈夫だよね?バチ当たらないよね?

 

なんて一人で心配していたら神社の奥からドドド、と足音が聞こえる。

え?ちょっと待って聴力高くね?

 

すると目の前にあった襖から赤と白の巫女服と頭にデカいリボンをつけた少女が出てきた。どうやらこの神社の巫女のようだ。脇が出てるけど...。

 

巫女「も、もしかして貴方が入れてくれたの!?」

 

巫女の少女は目を輝かせながら俺に近づく。

 

ちょっと待って近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い!!

 

近いって!?なんなのこの子!?幻想郷の女の子ってこんな子ばかりなの!?りゅーくんびっくりよ!?

 

龍騎「あ、ああ...。(早く離れてりゅーくんのSAN値はとっくにマイナスの領域に入ってるよ!!)」

 

巫女「ありがとうぉ!!これで当分山菜に苦しまなくて済むわ!!」

 

そう言って巫女の少女は俺の両手を掴んで上下にブンブンと乱暴に振る。

 

待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って!!

 

この子思春期ってものは無いのか!?お互いお年頃でしょ!?気にならないのか!?

 

龍騎「よ、喜んでもらえて良かったよ...。ってか今まで山菜で済ませていたのか?」

 

巫女「見ての通りうちの神社は参拝客が来ないのよ。だからお金が無いから山菜と水で済ませてたってわけ」

 

巫女の少女は俺から手を離してやれやれ、と言った表情で肩をすくめる。巫女って大変なんだな...。

 

巫女「でも貴方のおかげで暫く贅沢出来るわ!本当にありがとう!」

 

龍騎「もうお礼の言葉は受け取ったよ。それより5円玉で贅沢できるのか?」

 

俺は気になった事を巫女に言う。だって5円玉一枚で贅沢出来るとは思えない。

 

巫女「そりゃ、一文も持ってないんだからね」

 

一文?もしかして通貨が違うのか?

 

龍騎「...俺は最近幻想郷に来た外来人でな、まだこの世界についてあまり詳しくないんだ」

 

巫女「貴方外来人だったの!?」

 

そりゃ驚くわな。

 

巫女「...分かったわ、お賽銭してくれお礼に教えてあげるわ。取り敢えず中に入りなさい」

 

俺は巫女の少女に神社の中へ案内された。そして巫女の少女がお茶を出してる間、外を見てみると意外にも綺麗だった。巫女の少女にお茶を出されると、俺はズズズ、とお茶を飲む。やっぱり外の世界と違って幻想郷のお茶は美味い...。

 

巫女「それじゃあ本題に入るけど、幻想郷については何処まで知ってるのかしら?」

 

龍騎「...人間と妖怪達の共存、忘れられた者が集う世界。あと通貨が違うってところだな」

 

通貨が違うって思った瞬間はマジで焦った。巫女の少女は一文と言った。つまり外の世界で言うなら一円が一文、十円が一厘、百円が一銭、一万円が一円、となる。千円は知らん。なんで知ってるかと言うと歴史の授業で習った。つまり巫女の少女は今、五万円持っている事になる。

 

......あれ?五万円って、結構な金額じゃね?まぁいいか、良くは無いけど。

 

巫女「そう...、まぁそこまで知っていれば問題ないわね」

 

そう言って巫女の少女はお茶を飲む。俺も後に続いてお茶を飲む。

 

巫女「貴方は外の世界に帰るのかしら?」

 

龍騎「いや、幻想郷に残るよ。俺は外の世界で死んじまったから戻るわけにはいかないんだ」

 

巫女「それは災難だったわね...。ま、貴方そう言うなら別に良いわ。幻想郷は全てを受け入れるのだから」

 

龍騎「...これから世話になる。俺は霧影龍騎だ」

 

巫女「私はこの神社の巫女、博麗霊夢《はくれいれいむ》よ。改めて言うけど霧影龍騎、貴方を幻想郷に来たことを歓迎するわ」

 

龍騎「......これからよろしくな」

 

俺は軽く微笑んで言った。巫女の少女、博麗霊夢も笑顔で返してきた。

 

龍騎「まさか幻想郷にきてからこんな可愛い巫女さんと出会えるとはな」

 

霊夢「ふぇ!?///」

 

あれ?いきなり顔を赤くしたけど、どうしたんだ?ま、いいか。

 

それから暫く博麗と幻想郷について情報を聞いてから俺は神社を後にし、森近さんに頼まれた物を買って香霖堂に帰った。

 

ちなみに妖怪には襲われずに済んだ。 良かった...。

 

 

 

 




いかがでしたか?

霊夢参戦です。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

良かったら次回もよろしくお願いします。


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第三話 男勝りな魔法使い


どうもです。

第三話です。

それではどうぞ。


 

博麗神社に訪れて一週間、俺はいつものように香霖堂で手伝いながら生活していた。あれ以来おつかいを頼まれては博麗神社に参拝する事が増えた。賽銭を入れる度に毎回お茶とお菓子を用意してもらってる。

 

それはありがたいんだけどさ.....、賽銭を入れればお茶とお菓子が付いてくるシステムなのこの神社は?

 

まぁ、お陰様で霊夢(名前呼びにしろと言われた為)との話す機会が増えたことには感謝している。外の世界じゃあ女の子への耐性が無いからな。漸くフレンドリーに話せるまで成長した。

 

...え?なんで女の子の耐性が無いかって?中学時代女の子に理不尽な理由でいじめられてあれ以来軽い女性恐怖症になったからだ。

 

......だからってホモじゃないからね!?俺はガッツリノンケだからね!?

 

と、まぁこんな感じで毎回過ごしてます、はい。

 

 

 

 

そんなある日、俺はまた霖之助さんにおつかいを頼まれて人里にいる。いつもと同じものを買っては博麗神社に訪れて賽銭箱に5円玉を入れる。

 

そして霊夢にお茶とお菓子を用意してもらい、雑談をする。

 

霊夢「そういえば、貴方能力は知ってるの?」

 

龍騎「能力?」

 

霊夢が質問してきた。...え?そもそも幻想郷に能力って存在するの?

 

霊夢「...その顔だと知らないようね」

 

龍騎「初耳なんだが...」

 

霊夢「なら説明するわ、幻想郷には一部の住民は『〜〜程度の能力』を持っているの。私の場合『空を飛ぶ程度の能力』、霖之助さんの場合『道具の名前と用途が判る程度の能力』を持ってるのよ」

 

龍騎「はぇ〜すっごい」

 

霖之助さんにも能力持っていたんだ。だからお店にあった外の世界の超激レアな物があったのに分かったのか、納得。程度についてはあんまり意味は無いだろうな。

 

...少し疑問に思ったのが霊夢の能力は空を飛ぶだけなのだろうか?

 

龍騎「...俺にもあるのかな?」

 

霊夢「欲しいの?」

 

龍騎「いや、そんなんじゃない。ただ俺にも持ってるのかなって」

 

霊夢「とか言って、本当は欲しいんでしょ?」

 

霊夢は笑いながらお茶を飲む。何故バレたし...。

 

霊夢「ま、いつか持てるようになるわ」

 

龍騎「どうしてそう言い切れる?」

 

霊夢「前例があるからよ。幻想入りして来た人間は何日かしたら能力が持てるようになるのよ。と、言ってもほとんどが戦闘には向いてないし、幻想郷を出たらその能力は使えなくなるんだけどね」

 

龍騎「ふーん」

 

戦闘用と非戦闘用があるのか...。そんな事思いながらお煎餅を食べる。あ、この煎餅美味い。

 

霊夢「何か質問は?」

 

龍騎「もし能力が手に入るとしたらどれぐらいの期間なんだ?」

 

霊夢「人によるわね。早い人は早く手に入るし、遅い人は遅く手に入る」

 

龍騎「人によってランダムか...」

 

まぁ、気楽に待つとしますかね。...有ればの話しだけど。

 

龍騎「んじゃ、俺は帰るよ。ご馳走様」

 

霊夢「そう、またお賽銭よろしくね」

 

龍騎「おつかいを頼まれたらな」

 

俺は博麗神社を出て、香霖堂に向かった。

 

 

 

そして、香霖堂の扉の前に立つと中が少し騒がしかった。お客さんかな?

 

俺が扉を開けると、『うわっ!?』と、突然目の前にいた少女が倒れた。

 

その少女は白黒の服を着ていて、頭に大きめの黒色のとんがり帽子を被っていた金髪の少女だった。見た感じ魔法使いか魔女だな。

 

龍騎「...大丈夫?」

 

魔法使い「いってて...、誰だお前!」

 

龍騎「えぇ...(困惑)」

 

せっかく心配したのに...。

 

魔法使いは立ち上がり、曲がった帽子を直す。

 

魔法使い「私は霧雨魔理沙《きりさめ まりさ》だぜ。見ての通り普通の魔法使いだ!」

 

なんか勝手に自分の名前言ってきたんだが。

 

龍騎「ご丁寧にどうも。俺は霧影龍騎だ」

 

魔理沙「龍騎だな、これからよろしくな!」

 

随分と男勝りだなこの子...。まぁ嫌いじゃないけど。

 

霖之助「おかえりなさい龍騎くん」

 

龍騎「ただいま戻りました」

 

奥の部屋から出てきた霖之助さんに頼まれた物が入った買い物籠を渡す。

 

霖之助「お疲れ様、今日はもう休んで良いよ」

 

龍騎「分かりました」

 

俺は奥の部屋へ進む。

 

魔理沙「お前此処で働いているのか?」

 

ん?まだ居たのか?

 

龍騎「ああ、幻想入りしてから此処で住み込みで働いてる」

 

魔理沙「お前外来人だったのか!?」

 

...外の世界から来た人ってそんなに珍しいものなの?

 

魔理沙「じゃあ、まだ幻想郷には詳しくないんだな?」

 

龍騎「...そうだな、まだ人里と博麗神社しか知らないな」

 

魔理沙「だったら私が幻想郷を案内してやるぜ!」

 

龍騎「は?」

 

幻想郷の案内?いきなりなんで?

 

魔理沙「これから幻想郷に住むんだろ?だったら色々と見て回ろうぜ!」

 

龍騎「いや、でもな...」

 

いくら男勝りな女の子でも一緒にいるのはちょっと......。

 

魔理沙「なんだよ、私じゃあ不満か?」

 

霖之助「彼は女性への耐性が無いんだ。だから魔理沙でも抵抗があるかもしれないね」

 

魔理沙「お前一体何があったんだよ...」

 

龍騎「聞くな思い出したくも無い」

 

もうあんな思いをするのは二度とごめんだ。

 

中学時代.....、理不尽ないじめ......、うっ頭が!

 

魔理沙「...ま、いいか!それより早く行こうぜ!」

 

龍騎「えっ?すぐなの?」

 

俺のプライバシーは何処にいった...。

 

霖之助「行ってみたらどうだい?これを機会に」

 

龍騎「え、ええと...」

 

魔理沙「なぁ〜行こうぜ〜?」

 

魔理沙が俺を腕を掴んで子供のように引っ張る。

 

龍騎「わ、分かった分かった!行くから手を離せ!!」

 

俺は慌てて掴まれた腕を振り解く。魔理沙は『そこまで強く振り解く必要あるか?』と、言わんばかりの顔をして俯いてしまった。まるで子犬のような顔だった。

 

龍騎「ご、ごめん...」

 

魔理沙「いや、私も悪かった...。お前の事情も知らずに...」

 

あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!罪悪感が半端ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!

 

龍騎「は、早く行こう!!時間が勿体ない!!(ヤケクソ)」

 

魔理沙「えっ?ちょ、ちょっと!」

 

俺は魔理沙の腕を掴んで、香霖堂を飛び出した。

 

霖之助「頑張ってね、龍騎くん」

 

 

 

 

 

 

 

香霖堂を飛び出した俺と魔理沙は現在、人里にある甘味処でお茶をしている。物凄い罪悪感から解放されたくて無我夢中で走ってたら人里に着いていたのだ。

 

無言の状態が続く中、俺はお茶を少しずつ飲み、魔理沙は団子を頬張りながらお茶を飲む。

 

龍騎「...すまん、無理矢理腕を掴んで。奢るから許して」

 

魔理沙「ま、まぁ...お前がそこまで女に耐性は無かったとはな。何も知らなかった私も非があるし、お互い様って事で」

 

そう言って魔理沙はニカッと笑った。やっべすげーイケメンじゃん。

 

魔理沙「それで?まず何処に行きたいんだ?リクエストがあるなら連れてってやるぜ?」

 

龍騎「そうだな...」

 

俺は少し考える。他のところも行ってみたいがまだ人里のことはあまり詳しくないし...。よし。

 

龍騎「なら、人里の案内を頼む。さっきも言ったけどまだ博麗神社しか知らないんだ」

 

魔理沙「よっし!ならさっさとお茶飲んで行こうぜ!」

 

魔理沙は団子を食べ終えるとすぐに立ち上がり、俺も後に続いて立ち上がる。

 

 

 

 

 

 

 

すると、突然空が赤く染まった。

 

龍騎・魔理沙「「えっ?」」

 





いかがでしたか?

女の子にいじめられた話しですが、あれは自分の実話です。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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第四話 異変と氷精と大妖精

どうもです。

今回から紅霧異変に入ります。

それではどうぞ。


空が赤く染まった瞬間、人里の住民が騒ぎ出した。

 

『なんだなんだ!?』とか『異常気象か!?』等の声が聞こえる。

 

魔理沙「...龍騎、案内は中止だぜ」

 

龍騎「...だろうな」

 

魔理沙「こりゃ異変だぜ」

 

龍騎「異変?」

 

俺は初めて聞いた言葉に首を傾げた。

 

魔理沙「異変って言うのは、妖怪達が悪さするって事だ」

 

龍騎「は?」

 

誰だよそんな事した奴怒ってないから早く出てきなさい(半ギレ)

 

魔理沙「異変と分かれば、行くか!」

 

魔理沙は立てかけておいた箒を手に取り、空を飛ぶ準備をする。

 

龍騎「...場所は分かるのか?」

 

魔理沙「適当に向かえばいずれ着くだろ」

 

本当に適当だな......。仲間を集めるとかしないのか?...まぁ魔理沙なりの考えがあるんだろ。

 

龍騎「...向こうの方から赤い霧が広がってきた。あそこの方角に向かえば何かあるだろ」

 

俺は軽く溜め息をついて赤い霧が広がってきた方角に指を指す。地図で例えるなら湖の方向だろう。

 

魔理沙「マジでか!お前凄いな!」

 

龍騎「そんな事ないよ」

 

魔理沙「方角が分かれば後は黒幕を倒して解決だぜ!お前は此処で待っていろ、すぐに戻ってくるからな」

 

そう言って魔理沙は箒に乗って、空高く飛んで行ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍騎「...嘘でしょ?本気で置いて行くの......?俺を一人にしないでよ......」

 

一人取り残された俺は佇む。風が吹くと後ろに西部劇で出てくるコロコロしたあれが転がっていくような気がした。

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃。

 

神社を掃除していた霊夢は、空が赤い霧に覆われた事に気づいた。霊夢は『はぁ〜』と溜め息をついて手に持っていた箒を倉庫に仕舞い、部屋からお祓い棒とお札を持って空を飛ぶ。

 

暫く進むと、箒に乗った少女が現れた。それは霊夢の親友でもあり、仕事仲間でもある霧雨魔理沙だった。

 

魔理沙「よう霊夢!お前も異変解決か?」

 

霊夢「あら魔理沙じゃない。という事はあんたも?」

 

魔理沙「ああ、折角龍騎に幻想郷を案内してやろうと思ったのに」

 

霊夢「龍騎...?あんた霧影龍騎に会ったの?」

 

魔理沙「ああ、香霖堂でな」

 

霊夢「...そう」

 

魔理沙「龍騎によると、向こうの方に黒幕が居そうだって言ってたぜ」

 

霊夢「(私が向かおうとしてた方向じゃない...)なら行きましょう。私も同じところに行くつもりだったから」

 

そう言って二人は黒幕の居る場所に向かった。

 

 

 

 

 

 

その頃龍騎は...。

 

龍騎「...んぐっ...んぐっ... びゃあ゛ぁ゛゛ぁうまひぃ゛ぃぃ゛!」

 

湖の水を飲んでいた。

 

魔理沙に置き去りにされた龍騎は一度香霖堂に戻り、木刀と地図を持って湖に向かったのだ。数分後、湖に到着した龍騎は一休みという事で湖の水を飲んで休憩していた。

 

 

 

 

龍騎「ふぅ...幻想郷にもこんな所があるんだな」

 

俺は水を飲み終えると、地面に座り湖を眺めていた。赤い霧のせいで台無しだが、太陽の光が有れば神秘的なんだろうな...。

 

そんな事思っていると誰かに声をかけられた。

 

?「おい、そこの人間!」

 

龍騎「ん?」

 

俺が振り向くと、そこには青髪に大きな青色のリボンと氷の羽の生えた少女と緑色の髪をサイドテールにまとめ、隣の子とは別の羽が生えている少女がいた。

 

氷の少女「ここはアタイの縄張りだぞ!さっさと出て行け!」

 

どうやら此処は彼女の縄張りのようだ。だったら早く立ち去ろう。

 

龍騎「すまない、君の場所だと分からなかった。すぐに出て行くよ」

 

俺は地図を小さく畳んでポケットに入れ、木刀を持って立ち去ろうとする。

 

氷の少女「おい、人間!」

 

...何故か止められた。

 

龍騎「どうした?」

 

氷の少女「アタイの許可なしに縄張りに入ってきたんだぞ!ただで帰ると思ったか!」

 

龍騎「は?」

 

この子何言ってんの?俺急いでいるんだけど...。

 

緑の少女「ち、チルノちゃん辞めようよ...。この人困ってるよ」

 

緑の少女が氷の少女、チルノって子を止めようとする。

 

俺を心配してくれるのかあの子は...。なんて優しいんだもっと前から会いたかった...。やばい初めて女の子に優しくしてもらったから泣きそう。

 

龍騎「...その子の言う通り俺急いでるんだけど、帰って良い?」

 

チルノ「ハハッ!アタイがサイキョーだから怖気ついたな!」

 

龍騎「アーハイハイスゴイスゴイチルノサママジサイキョー」

 

チルノ「(カチンッ)ムッキー!人間の癖にアタイをバカにしたな!」

 

棒読みで返したらキレたチルノ。あっ、バカにしたところは分かるのね。

 

チルノ「こうなったらお前をアタイの冷気でカチンコチンに凍らせてやる!」

 

緑の少女「!?チルノちゃんそれはダメだよ!」

 

おお、あいつマジでやる気だな。

 

チルノ「くらえ!凍符『パーフェクトフリーz」

 

龍騎「アーアンナトコロニユーフォーガー」

 

チルノ「えっ!?ユーフォー!?どこどこ!?」

 

龍騎「あっち」

 

俺が嘘を言うとチルノは反応して攻撃を中止し、周囲をキョロキョロと見渡す。俺は適当に指を指すとチルノはすぐに指を指した方向に飛んで行ってしまった。

 

こいつ...馬鹿だな。こんな子供騙しが通じるとは...。まだまだ子供だな。

 

緑の少女「チルノちゃん!?...もう!チルノちゃんったら本当に自分勝手なんだから!」

 

龍騎「...君も大変なんだな。お疲れ様」

 

緑の少女「ごめんなさいご迷惑をおかけしてしまって...。私は大妖精《だいようせい》と言います。さっきの子はチルノちゃんです」

 

緑の少女、大妖精は深く頭を下げて謝罪する。大妖精か...。つまりチルノって子も妖精なのだろう。

 

龍騎「俺は霧影龍騎。最近幻想入りしてきた外来人だ」

 

大妖精「外の世界から来たんですか!?」

 

やっぱり驚くのか。もう慣れたけど。

 

龍騎「まぁね。一つ聞いても良い?」

 

大妖精「は、はい!」

 

龍騎「この湖の近くに建物ってある?」

 

大妖精「それでしたら、あそこの建物があります」

 

大妖精が指を指した方向を見てみると、そこには真っ赤に染まった建物があった。恐らくあそこで間違い無いだろう...。

 

龍騎「そうか...。ありがとな」

 

俺は大妖精の頭を撫でた。すると大妖精は『ふあ〜///』と顔を真っ赤に染めて幸せそうな笑顔をつくる。

 

守りたい、この笑顔...、守らなきゃ(使命感)そのために異変を解決しなくちゃ(決意)

 

龍騎「んじゃ、俺は行くよ。またな!」

 

大妖精「は、はい!さよなら!」

 

大妖精と別れた俺は異変の黒幕が居そうな建物に向かうのであった。

 




いかがでしたか?

次回は戦闘シーンを入れようと思います。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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第五話 いざ、紅色の館へ

どうもです。

第五話です。

前回後書きで戦闘シーンを入れようと言いましたが無いと言っても良いぐらいです。それでも良いという方はよろしくお願いします。

それではどうぞ。



龍騎「此処か...」

 

湖で妖精と出会った俺は、異変の黒幕が居そうな建物の前に立っていた。近くに行くとその建物は館であることがわかった。

 

それにしても紅い...。全部紅だよ。此処の主人の趣味なのか?

 

...まぁそんなのことは置いといて。

 

龍騎「なんで門が大変な事になってるの?」

 

俺が到着した時には門が門じゃなくなっていた。壁が所々丸い穴があるし、鉄格子の扉が片方は曲がっていたりもう片方は折れていたりしていた。あと誰か上半身地面に埋まってるし...。

 

...これ絶対魔理沙だろ。あいつの性格上ドンパチ派だろうしな。

 

ダレカータスケテクダサーイ...

 

...取り敢えず中に入りますか。不法侵入だけど勘弁してください。途中助けを呼ぶ女性の声が聞こえたような気がしたけど気のせいだろ。

 

扉を開けて館の中に入ると物凄い広さのエントランスホールだった。なんか某サバイバルホラーゲームみたいな所だな。

 

それから色々と部屋があっては中に入って捜索する。ちゃんとノックして。

 

でも殆ど空き部屋だった。...ってか此処広すぎない?

暫く進むと、奥の部屋から何かがぶつかり合う音が聞こえた。

 

...なんだろう、物すっごい嫌な予感がする。

 

俺はドアノブに手をかけようとすると何故か冷や汗がかき始め収まる様子が無かった。

 

...一体あの中で何があるって言うんだよ。

 

俺は意を決してドアノブを捻り、少しずつ扉を開く。そして俺はとんでもないものを見てすぐに固まった。

 

龍騎「...は?」

 

俺の目にしたものとは...

 

 

 

 

 

 

 

霊夢「ちっ!あんたその能力どうなってるのよ!?」

 

?「博麗の巫女がこんなものかしら?早く動かないとナイフの串刺しよ?」

 

...何故か中に霊夢と銀髪のメイドさんが戦っているんだが。なんで霊夢がいるのはさて置き、なんで戦っているの...?どうしてこうなった...。

 

霊夢はお札と紅白の玉を大量に投げるわメイドさんは三本投げた筈のナイフがいきなり増えるは訳分からん...。

 

龍騎「......今少しだけ分かったような気がする。こいつら普通じゃない(確信)」

 

バタン

 

俺は静かに扉を閉じて来た道を戻る。

 

龍騎「...今のは見なかった事にしよう(現実逃避)」

 

そう言い聞かせた俺は館の捜索を再開する。

 

龍騎「まさか霊夢が来ていたとはな...もしかして外の壁の穴は霊夢が開けたのか?」

 

そんな事考えながら暫く進むと、さっきまで見ていた扉とはまた違う扉を見つけた。此処でも何かがぶつかり合う音が聞こえる。

 

龍騎「...行くしか、ないよな」

 

俺は半分諦め状態で扉をゆっくりと開ける。

 

 

?「あんた!!いっつもいっつも私を本を盗んで!!いい加減返しなさいよ!!」

 

魔理沙「何回言ってんだよその言葉!それに人聞きが悪いな私は盗んでなんか無い借りてるだけだ!」

 

?「だったら返しなさいよ!!何が死ぬまで借りてくよ!!あんたのお陰で本が不足してるのよ!!」

 

中を覗くと周りには大量の本があった。どうやら此処は図書館のようだ。それと何故か魔理沙が本を何冊か持って箒で空を飛んで、紫色の髪に帽子を被ったまさに大魔法使いみたいな少女が魔理沙に向けて愚痴をこぼしながらレーザーやら火の玉やら放って行く。

 

魔理沙...お前何やってんだよ...。

 

俺は魔理沙の行いに呆れると、すぐ近くに羽と尻尾をつけた女の人が伸びていた。恐らくあの紫の魔法使いの攻撃に当たったのだろう。...あれ?そこに寝てたらまずくない?

 

そんなこと思っていると魔理沙がついに紫色の魔法使いに反撃を始めた。お互いレーザーやら火の玉やら放つ中、一つの火の玉が倒れている女の人に向かった。

 

紫の魔法使い「!?不味い!こあ逃げて!」

 

龍騎「!」

 

紫の魔法使いの言葉に反応した俺は無意識に足を走らせた。

 

龍騎「間に合えぇぇぇ!!」

 

女の人の所に着いた俺は手に持っていた木刀に力を入れて、野球のスイングのように火の玉を打つ。

 

打った火の玉は壁にぶつかり、爆発を起こす。そして俺が持っていた木刀はバキッと折れた。よく耐えたな...。

 

紫の魔法使い「こあ!」

 

宙に浮いていた紫の魔法使いは、地面に足をつくと羽と尻尾のついた女の人に駆け寄る。

 

紫の魔法使い「こあ大丈夫?怪我はない?」

 

こあ「...は、はい」

 

見た感じ無事のようだ。良かった...。

 

魔理沙「お前、なんで此処に来たんだよ!」

 

魔理沙がいること忘れてた...。

 

龍騎「...なんとなく?」

 

魔理沙「なんで疑問系なんだよ...」

 

魔理沙はガクッと肩を下ろす。だってしょうがないじゃん。興味本位で来た訳だし。

 

龍騎「...それよりお前此処知ってたのか?あの紫の魔法使いとは知り合いだったようだけど」

 

魔理沙「ん?ああ、まぁな。何回か此処に本を借りてきてるんだぜ」

 

その言葉を聞いて頭を抱えた。あの紫の魔法使いが言っていた『死ぬまで借りてく』って事は返す気は一ミリも思ってない事だ。だからあんなに怒っていたのか。こいつ今度から盗人魔法使いって呼んでやろうかな...。

 

俺は折れた木刀を捨てて、近くにあった扉へ向かうとする。

 

紫の魔法使い「ちょっと待ちなさい」

 

龍騎「へ?」

 

...何故か止められた。...あっるぇ?おかしいなこのやり取り何処か見たことがあるぞ?

 

龍騎「な、なんか用でしょうか...」

 

恐る恐る聞いてみる。

 

紫の魔法使い「貴方のお陰でこの子が助かったわ。ありがとう」

 

お礼を言われた。

 

龍騎「...」

 

俺は黙って扉に向かう。感謝されてるの分かる、けどまだ女の子に信用できた訳じゃない。紫の魔法使いには申し訳ないがあのお礼は俺には受け取ることはできない...。

 

扉の前に立った俺はドアノブを捻り、扉を開ける。

 

魔理沙「龍騎...」

 

紫の魔法使い「なんなの、あの男...」

 

魔理沙「あいつは昔、女にいじめられて耐性が無くなったんだ。今でもあいつは女を信用できていないし怖がっているんだぜ」

 

紫の魔法使い「そう...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紫の魔法使い「それはそうと、あんた早く本を返しなさいよ」

 

魔理沙「まだそんな事言うのか!?」

 

 

 

 

扉の先には階段が下へ続いていた。俺はその階段を降りて行く。そしたら何故か後ろから何かがぶつかり合う音が聞こえた。

 

またあいつらか...。

 

俺は一度振り向いて軽く溜め息をつく。そしてそのまま下へと降りて行く。暫く降りると扉を見つけた。此処もヤバそうな空気を感じるんですが...。

 

俺はドアノブを捻り、部屋の中に入る。

 

龍騎「なんだよ...これ...」

 

俺は部屋に入ると思わず声を出した。そこにはボロボロのぬいぐるみやら人骨があちこちにあった。おまけに異臭を漂わせておりすぐに気分が悪くなる。

 

龍騎「どうなってんだよ此処...、拷問部屋か何かか...?」

 

駄目だ震えが止まらない...。此処は予想を遥かに上回る危険な場所だ...。早く此処から出よう、そう思った俺はドアノブを手にかけようとする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『オニイサン、ダレ?』

 

その時、俺は思った。

 

俺、終わったな...。間違いなく...。

 

 

 

 

 




いかがでしたか?

コメントでご指摘がありました博麗神社の場所なのですが、自分が原作について全く理解が出来ていないので全て自分の妄想による設定にしています。

なので原作を既プレイの方は納得いかないかと思われます。
不快な思いをさせてしまったら申し訳ございません。

因みに主人公の女性へのトラウマは、同期(霊夢、魔理沙等の歳が近い女性キャラ)には耐性がない設定なのでチルノや大妖精に対しては普通に接する事ができるのです。

...訳分からないくてすみません。

魔理沙と紫の魔法使いとの関係は異変終了後に明らかにするのでツッコまないでくださいお願いします。m(_ _)m

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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第六話 狂気の少女

どうもです。

紅霧異変終盤です。

それではどうぞ。


『オニイサン、ダレ?』

 

部屋から出ようとドアノブに手をかけようとした時、誰かに声をかけられた。

 

声をかけられた方にゆっくりと振り向くと、そこにはサイドテールに金髪をまとめ帽子を被った可愛らしい少女だった。彼女も羽がついているのだが、今まで見てきた羽とは違い、一対の枝に色とりどりの結晶をぶら下がったような羽をつけていた。

 

金髪少女「オニイサン、ダレ?モシカシテアタラシイオモチャ?」

 

金髪少女は嬉しそうにキャキャとはしゃぐ。普通なら可愛いと思う。

 

()()()()...。

 

龍騎「あ、あの...俺...」

 

金髪少女「オニイサン、ワタシトアソビマショ?ナニシテアソブ?カクレンボ?オママゴト?」

 

龍騎「!!!」

 

ガチャ

 

俺は金髪少女の微笑みを見て、部屋から出てしまった。

 

?「ア、オニゴッコダネ!ジャアワタシガオニダネ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カンタンニコワレナイデネ、オニイサン♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい!!!

 

俺は同じ事を心の中で連呼しながら階段を駆け上がる。

 

あの子普通じゃない!いや、幻想郷に住んでる奴らも普通じゃないけどあの子はマジでヤバい!俺には分かる、あの微笑みは純粋なものじゃない。

 

あれは狂気だ...。それも比べものにならないくらいの...。

 

それにあの子、俺の事を『新しいおもちゃ』と言った。部屋の中にあったあの骨は恐らく人間か妖怪の骨...。あそこに残っていたら間違いなく骨組みの仲間入りだ。

 

龍騎(良かった!女性不審で助かった!!まさかトラウマに感謝する事になるなんて...)

 

女性不審に感謝しながら階段を登る。そして扉が見えて来た。

 

俺は勢いよく扉を開ける。ヤバい...、めっちゃ疲れた...。

 

霊夢「りゅ、龍騎!?」

 

魔理沙「お前何処に行ってたんだよ!」

 

息を整えていると目の前には霊夢と魔理沙が立っていた。それだけでなくさっき霊夢と戦っていた銀髪のメイドさんと紫の魔法使い、そして俺が助けた羽と尻尾をつけた女の人、そして先程の少女と似た服を着た帽子を被った少女がいた。

 

帽子の少女「あ、貴方...、一体何処から...」

 

帽子の少女は顔を蒼白くさせて俺に聞いて来た。

 

龍騎「そ、そんな事後!それよりあの先ヤバい子g」

 

 

 

ドカーーーーーン!!

 

 

「「「「「「「!?」」」」」」」

 

突然、俺が出てきた扉が大きな爆発が起きた。その場にいた全員が驚き固まった。煙が晴れると先程地下にいた少女が姿を見せた。

 

帽子の少女「ふ、フラン...」

 

霊夢「...知り合い?」

 

帽子の少女「知り合いも何も...『フランドール・スカーレット』私の妹よ」

 

龍騎「...妹?」

 

俺は少し疑問に思った。ちょっと待てよ...。なんで実の妹を地下に閉じ込めたんだよ...。

 

フラン「ア、オニイサンミッケ♪」

 

龍騎「!!」

 

フランドールは俺を見ると微笑んだ。まるで狙っていた獲物を見つけたように...。

 

霊夢「龍騎下がってなさい!この子は危険よ!」

 

龍騎「んなこたぁわかってらぁ!」

 

ヤバいテンパリすぎて口調が変わってしまった...。

 

フラン「アレ?シラナイヒトモイル...マ、イッカ!ミンナワタシトアソビマショ?」

 

帽子の少女「...全員フランに攻撃!なんとしても止めるわよ!」

 

紫の魔法使い「えぇ!」

 

銀髪のメイド「はい!」

 

こあ「分かりました!」

 

霊夢「魔理沙!私達も行くわよ!」

 

魔理沙「よっしゃ!いっちょやるか!!」

 

俺以外の人は一斉にフランドールに攻撃を開始する。

 

帽子の少女「神槍『スピア・ザ・グングニル』」

 

フラン「禁忌『レーヴァテイン』」

 

帽子の少女が放った赤い槍とフランの放った炎の大剣がぶつかり、大爆発が起こる。

 

龍騎「( ゚д゚)」ポカーン

 

俺はその光景を見て、口を開いたまま固まっていた。

 

こあ「此処は危険です!こっちです!」

 

こあは俺を腕を掴んで安全な(?)場所に避難させる。俺はあまりにも規格外すぎて自分の腕が掴まれてる事に気がつかなかった。

 

銀髪のメイド「幻符『殺人ドール』」

 

紫の魔法使い「日符『ロイヤルフレア』」

 

銀髪のメイドさんは大量のナイフを投げ、紫の魔法使いは巨大な赤い球を放つ。

 

フラン「アハハハ!マダマダアソビタリナイヨ!キュットシテ...ドカーーン!」

 

フランはそう言うと、銀髪のメイドさんが投げたナイフと紫の魔法使いが放った赤い球が爆発した。

 

龍騎「無茶苦茶すぎる...」

 

魔理沙「隙あり!恋符『マスタースパーク』」

 

霊夢「霊符『夢想封印』」

 

すかさず魔理沙と霊夢がレーザーやらお札やら打ってくる。フランは回避が間に合わず直撃する。

 

魔理沙「よっしゃ!」

 

霊夢「まだよ...」

 

煙が晴れると、元気に笑うフランの姿だった。

 

 

 

こあ「あの、大丈夫ですか?」

 

龍騎「は、はい...」

 

俺とこあは少し離れた所に避難していた。こあは俺を守るようにバリアを張る。

 

龍騎「...俺は、黙って見る事しかできないのか?」

 

俺は霊夢達が戦ってる姿を見て、言葉を呟く。

 

女子にいじめられて、女子に会うのが怖くなって、毎日のように怯えて、皆んな戦ってるのに俺は陰で見守るだけ...。

 

そう思うと自分が情けなく思う。自分がどれだけ無力なのか、いつまで女性に怖がっているのか...。

 

龍騎「俺に、力があれば...。戦える勇気があれば...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー力ならある。

 

......え?

 

ーーー力なら既に持っている。ただ鎖に繋がったまま、自分で鎖を外そうとしないだけだ。

 

なんだよそれ...。それより誰だよ...お前...。

 

ーーー今はどうでも良い。...それよりお前はどうしたい?戦うのか、逃げるのか。

 

...俺は。

 

 

 

 

 

 

 

龍騎「あの...こあ、さん」

 

こあ「は、はい」

 

龍騎「...頼みがあります」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フラン「...ツマンナイ、ツマンナイヨ」

 

帽子の少女「...昔より能力が強くなってる」

 

紫の魔法使い「全く、とんでもない子よ...」

 

銀髪のメイド(どうする?このままだとお嬢様方の体力がなくなるのも時間の問題...、どうしたら...)

 

霊夢「こんなに攻めても息一つ切れないなんて...」

 

魔理沙「今回ばかりはヤバいな...ん?」

 

全員が疲れきっている状態で魔理沙はあるものを見た。それは...。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍騎「こあさん!今だ!」

 

こあ「行きます!」

 

こあが龍騎の背中に抱きついて空を飛んでいた。龍騎が今だ、と言うとこあは龍騎をフランに向けて投げ飛ばした。

 

フラン「!?」

 

龍騎「いっけぇぇぇぇ!!」

 

そのまま龍騎はフランの羽を掴んで地面に向けて体重をかける。そのまま龍騎とフランは地面に落下した。

 

帽子の少女「なっ...!?」

 

銀髪のメイド「!?」

 

紫の魔法使い「なんて命知らずな...」

 

霊夢「龍騎!?」

 

魔理沙「あの馬鹿!」

 

帽子の少女と銀髪のメイドは龍騎の行動に驚愕し、紫の魔法使いは予想外の展開に頭を抱え、霊夢と魔理沙は落下した所に近寄る。

 

 

 

 

 

龍騎「いってて...、なんとか上手くいったみたいだな」

 

霊夢「何が上手くいったよ!貴方どんな神経してんのよ!」

 

龍騎「...それはこっちのせりh」

 

霊夢「あ?」

 

龍騎「ヒエッ!?ごめんなさい許してくださいマジ勘弁してください」

 

霊夢の圧にビビった俺は謝りながら土下座する。俺頑張ったのに...。

 

フラン「...ハハッ、オニイサンヤットヤルキニナッタ?」

 

フランは笑いながら立ち上がる。子供は風の子元気な子とは聞くけどさ、元気ありすぎじゃね?毎日元気100%なわけ?

 

そんな事思いながら俺は立ち上がる。

 

そして、フランとの戦い(遊び)は終わりを告げようとしていた。

 

 

 

 




いかがでしたか?

気がついたら3000文字を超えていました...。

次回、フランと決着です。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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第七話 覚醒少年

どうもです。

紅霧異変最終回です。

それではどうぞ。


なんとかこあとの連携により、フランを地上に下ろすことができた。

いやぁマジで危なかった...。身体中震えが止まらなかったし、失敗したらどうしようかと思ったし、背中になんか当たってたし...。

 

まぁ、あれは仕方ないと思う。空飛べないし、能力も持ってないし、弾幕も打てないし。

 

...謎の声は俺は元から力があると言っていたが、どうやって鎖を外せば良いのか分からない。なので俺は自分にできることをした。お陰様でフランは羽を痛めてしまい空が飛べなくなった。これだけでもかなり有利になった筈だ。多分...。

 

フラン「オニイサン、ワタシトアソビマショ?」

 

フランは笑いながら変な形をした棒を手に持つ。あれは確か帽子の少女が放った赤い槍をぶつけたやつだ。

 

龍騎(さて...どうすれば良い?相手は妖怪、明らかに人間が勝てる要素なんて一ミリもない。木刀もないし、霊夢達みたいに能力も持ってない。どうすれば...)

 

 

 

 

 

 

 

ーーーなら、俺に代われ。

 

龍騎(!?お前、どう言う事だ?)

 

ーーーお前の覚悟、しっかり見せてもらった。だがお前がそのまま戦うとなると真っ先に死ぬ。お前が死ねば俺も死ぬ。

 

龍騎(はぁ!?どう言う事だ!?)

 

ーーーそれは俺にも分からん、だが俺ならあのガキに勝てる。

 

龍騎(!...なんでそう言いきれる?)

 

ーーーお前より戦い方を知っている。それに俺は強い。ただそれだけだ。それにお前のついている鎖も外してやる。

 

龍騎(......)

 

ーーー早く選べ。相手は待ってくれないぞ?

 

龍騎(......分かった。でもこれだけは約束してくれ)

 

ーーー...言ってみろ。

 

龍騎(命は助けてやってくれ。あの子も、霊夢達も...。それだけだ、あとは俺の身体がどうなっても構わない)

 

ーーー......全く、お前は昔からお人好しだな。どうなっても知らんぞ?

 

龍騎(...好きにしろ)

 

ーーー...フッ、良いだろ。お前の我儘を聞いてやる。

 

龍騎(その前に...、お前は一体何者なんだ?)

 

ーーー俺は...()()()()()()()()()()さ。

 

龍騎(もう半分の...存在...?)

 

ーーーお喋りはここまでだ。仕事に取り掛かる。

 

龍騎(ちょ、おい!今のはどういう...)

 

俺は最後まで言いきる前に意識が失った。

 

 

 

 

 

 

 

フラン「ナニシテアソボウカナ〜、バクハツモイイケドキリキザムノモイイナ〜」

 

帽子の少女「フランやめなさい!相手は人間なのよ!」

 

フランは龍騎を何をして遊ぶか迷ってると帽子の少女はやめるよう問いかける。しかしフランはその言葉一向に聞いてない。

 

フラン「ウーン、ソラハモウトベナイカラシ...、アッ、ソウダ!イッソウノコトタベルッテコトモアリダネ!」

 

銀髪のメイド「!?」

 

紫の魔法「貴女正気なの!?」

 

こあ「そんな...」

 

霊夢「そんな事!」

 

魔理沙「やらせないぜ!」

 

銀髪のメイド、紫の魔法使い、こあはフランの言葉に蒼ざめ霊夢と魔理沙は阻止しようと立ち上がる。

 

 

「おいガキ」

 

 

「「「「「「!!」」」」」」

 

 

フラン「?」

 

「調子に乗るのも良い加減にしろ...」

 

フラン「!?」

 

「そんなに遊び足りないなら俺が相手になってやる」

 

一同は一人の人物の声に反応し今までにない気迫に押し黙った。

 

それはまるで別人のような顔つきをした龍騎だった。

 

フラン「ハ、ハハッ、アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」

 

龍騎の圧に戸惑ったフランだがすぐ様いつものように笑う。

 

フラン「イイヨイイヨ!オニイサントアソビタカッタモン!」

 

霊夢「龍騎...なの?」

 

龍騎「...確かに俺は霧影龍騎だが、今の俺は少し違う。もう一人の霧影龍騎と思えば良い」

 

霊夢「それって...?」

 

魔理沙「二重人格、ってことか?」

 

龍騎?「ああ、そんな感じだ」

 

フラン「オニイサン、ハヤクハジメマショ?」

 

龍騎?「...」

 

龍騎?は右手を握ったり離したりして身体に異常がないか確認した。

 

龍騎?「行けそうだな...。始めるか、俺のデビュー戦

 

 

フラン「イクヨオニイサン!禁忌『クランベリートラップ』」

 

フランは魔法陣を展開し、そこから弾幕を大量に発射する。龍騎?は弾幕が発射したと同時に走りだす。

 

フラン「アハハ!オニイサンジブンカラアタリニキタノ?バカダネ!」

 

龍騎?「...お前程じゃない」

 

龍騎?はフランの放った弾幕を当たる直前に身体を捻ったり、高く飛び跳ねたりして弾幕を避けながらフランに近づく。

 

フラン「ヘェ〜、オニイサンヤルネ」

 

龍騎?「...悪いが倒させてもらう」

 

フラン「ヤレルモノナラヤッテミナ!禁忌『フォーオブアカインド』」

 

フランは四人に分身して龍騎?に攻撃を仕掛ける。

 

龍騎?「分身、か...」

 

フラン1「禁忌『レーヴァテイン』」

 

フラン2「禁忌『カゴメカゴメ』」

 

フラン3「禁弾『スターボウブレイク』」

 

フラン4「禁忌『クランベリートラップ』」

 

龍騎?「だが!」

 

四人に分身したフランは龍騎に向かって一斉に弾幕を放つ。龍騎?は腕で弾幕を防ぎながら足を止めない。

 

フラン1「ウソ!?」

 

龍騎?「はあぁ!!」

 

龍騎?は右手に拳を作り、力を溜める。すると右手が赤と橙色が光りだす。そして龍騎?はフラン2に拳を当てる。

 

フラン2「ゴフッ!」

 

フラン2は壁に吹っ飛ばされた。龍騎?は攻撃を辞めず、フラン3、フラン4に殴りかかる。

 

フラン3、4「禁忌『レーヴァテイン』」

 

龍騎?「させるか!」

 

フラン3、4が技を宣言する前に龍騎?は攻撃を仕掛ける。龍騎?はフラン3を左手で顔を掴み、掌にエネルギーを溜め爆発する。すぐにフラン4を足蹴りをお見舞いし、吹き飛ばさないように片手で首を掴む。

 

龍騎?「どうする?辞めるか、続けるか?」

 

フラン4「...オニイサン、ナニカワスレテナイ?」

 

フラン4が笑うと後ろからフラン1が炎の大剣を持って襲いかかった。

 

フラン1「ワタシガイルコトヲ!」

 

フラン1は炎の大剣を振り下ろす。そして大爆発が起きた。

 

 

 

 

 

 

 

龍騎?「......お前が斬りかかることは予想済みだ」

 

フラン1「...ウソ」

 

龍騎?は片手で首を掴んでいたフラン4を盾にしてフラン1の攻撃を防いだ。龍騎?はフラン4の首を掴んでいた手を離す。動けなくなったフランの分身は消えて再度フランは一人になった。

 

龍騎?「恐らく今の分身は自分のパワー、スピードが4分の1になるようだな。いくら強力だからと言って何も考えずに行動するとこうなる」

 

龍騎?はゆっくりフランに近づく。

 

フラン「イ、イヤ......、コナイデ......」

 

フランは怯えていた。どんなに攻めても、どんなに立ち上がっても彼から勝てる要素がない。この人間は普通の人間じゃない...。まるで...、鬼神のような眼をしていた。先程まで狂い笑っていた表情が、今は恐怖に満ちて今にも泣き出しそうな表情だった。

 

龍騎?「...お前に恨みがあるわけではないが、戦うと決めた以上覚悟は持ってもらう」

 

フラン「い、いや...」

 

龍騎?「準備はできているな?」

 

龍騎?は右手を力強く握り、再び赤と橙色の光を放つ。そしてフランに向かって殴ろうと構える。

 

フラン「ひぃ!?」

 

フランは頭に手を当てて目を強く瞑る。

 

しかし、何も起こらない。

 

フラン「......?」

 

フランは恐る恐る目を少しずつ開けると、龍騎?は構えたまま動かなくなった。そして...。

 

ドサッ

 

右手に光っていた光は消え、力尽きたかのように龍騎?は倒れた。

 

龍騎?(くそっ、もう時間切れか...。まぁ()()()の魔力の量にしては良く頑張った方か...)

 

そのまま龍騎?は静かに眠るように目を閉じた。

 

 

 

 

 

 

霊夢「...」

 

魔理沙「...」

 

帽子の少女「...」

 

銀髪のメイド「...」

 

紫の魔法使い「...」

 

こあ「...」

 

霊夢達は龍騎?の戦闘に驚きを隠さないでいた。先程まで女性に恐れていた男がいきなり狂気の少女と戦い、戦意喪失まで追い込んだ事を。

 

霊夢「...はっ!龍騎!」

 

魔理沙「!おい、大丈夫か!?」

 

先に我にかえったのは霊夢だった。倒れた龍騎の元に走りだすと魔理沙も続いて後を追う。

 

霊夢「怪我は...無さそうね」

 

魔理沙「みたいだな...、それより...」

 

霊夢「分かってるわ、でも今は後よ。龍騎を運ばなくちゃ」

 

帽子の少女「なら空き部屋があるからそこで休ませると良いわ。咲夜!」

 

銀髪のメイド「畏まりました」

 

銀髪のメイド、咲夜は一瞬姿を消すと再び姿を現した。

 

咲夜「案内いたします。こちらです」

 

そのまま霊夢と魔理沙は龍騎を肩を組んで、咲夜と共に空き部屋へ向かった。

 

残ったのは帽子の少女と紫の魔法使い、こあ、最後にフランだった。

 

紫の魔法使い「...それで?貴女はどうするの?」

 

帽子の少女「あの男が目が覚めるまで休むわ。彼に少し興味が湧いたわ」

 

紫の魔法使い「そう...。なら私は彼の魔法について調べておくわ」

 

帽子の少女「えぇ、お願い」

 

紫の魔法使いはこあを連れてその場を離れた。

 

帽子の少女「フラン...」

 

フラン「お姉...様...」

 

帽子の少女はフランに近づき、優しく抱きしめる。

 

帽子の少女「ごめんなさい...。私の所為で、貴女を辛い思いをさせてしまって...」

 

フラン「お姉様...お姉さま...」ポロポロ

 

姉に抱きしめられたフランは涙を流す。そのあと、『ごめんなさい...、ごめんなさい...』と泣きながら謝罪、今回の異変は解決を迎えた。

 

 

 




いかがでしたか?

これで紅霧異変は終了となります。

次回は日常編へ行こうと思います。

UAが1000を超えました。読者の皆様に感謝申し上げます。本当にありがとうございます。不束者ですがこれからもよろしくお願いします。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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第八話 少年の決意(前編)

どうもです。

第八話の前編です。

それではどうぞ。


龍騎「うっ...、此処は...?」

 

俺は目が覚めると辺りは全て闇に包まれていた。

...もしかしてフランとの戦いで死んだ?

 

ーーー勝手に殺すな。

 

龍騎「!この声...」

 

聞き覚えのある声が聞こえた。すると目の前に赤い炎の形をした光る物体が現れた。

 

ーーー此処はお前の夢の中、精神世界ってやつだ。それとお前の言われた通りに命は助けてやった。

 

龍騎(自称俺の半身...)

 

ーーー言っとくがお前が考えている事は丸分かりだからな?

 

龍騎「ファ!?」

 

ーーー言った筈だ。此処はお前の精神世界、お前だけでなく俺もいる事を忘れるな。

 

龍騎「マジかよ...」

 

それ早く言って欲しかった...。

 

龍騎「...それで?なんで俺が精神世界に来てるわけ?」

 

ーーーお前に報告がある。それを伝えたら精神世界(此処)に戻ってくる事はない。

 

龍騎「報告?」

 

ーーー...お前の言われた通りにあのガキを救ってやった。だが思った以上に魔力を使い過ぎた所為で俺は消えかけている。つまり死だ。

 

龍騎「なっ!?」

 

ーーー心配するな、俺が先に死んでもお前は生きる。今の俺は影の存在、実体が無ければ生きてはいけない。

 

龍騎「...続けて」

 

ーーー魔力が無くなった所為でこれからお前と会話ができなくなる。それに魔力を回復するのに時間が掛かる。暫くお前とはお別れだ。

 

龍騎「えっ?」

 

ーーー今のお前は魔力が少ない。こうなる事になるのも分かっていた、お前が気にする事じゃない。

 

龍騎「......」

 

ーーーまぁ、精々下っ端の妖怪に喰われないようにな。

 

龍騎「ま、待ってくれ!聞きたい事がある」

 

ーーー...なんだ?

 

龍騎「どうしてお前は俺の半身だって分かった?あと、俺は最初から力を持っていたってどう言う事だ?」

 

ーーー......前者の答えは、詳しくは俺にも分からん。気がついたらお前の中にいた、としか言えん。ただこれだけは言える...。俺とお前は()()()()だって事だ。

 

龍騎「同じ存在...」

 

ーーー後者の答えは、お前は自分の力に気づかなかった。いや、気づいていなかったのが正しいな。だがお前は力を自分で封印した。

 

龍騎「俺が女の子にいじめられたから、か...」

 

ーーー確信はないが、恐らくそうだろう。そしてあのガキとの戦いでお前は覚悟を決めた時、繋がっていた鎖が緩んだ。それを俺が壊した。

 

龍騎「そう、だったのか...」

 

ーーーこれでお前もあの小娘らの仲間入りだ。あとは自分でなんとかしろ。

 

言われなくとも...、そのつもりだ。俺は変わるって決めた。自分を変えてトラウマを克服する...。今更道を変えるつもりはない。

 

そして俺の半身の炎は徐々に小さくなっていく。

 

ーーー...さっきも言ったが、お前が死ねば俺も死ぬ。覚えておけ。

 

龍騎「...忠告どうも、でも俺はお前のために生きる訳じゃない」

 

ーーーそれは俺も同じだ。...次会う時は強くなってる事を願っている。

 

炎の形をした光る物体は徐々に小さくなり、静かに消えた。そして俺も目蓋が重くなり目を閉じるとすぐに意識を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍騎「ん......、んんっ......」

 

目が覚めると目の前には見覚えのない天井だった。辺りは真っ暗で明かりが一つも点けていない。壁に付いていた時計を見ると既に夜の8時を過ぎていた。

 

俺は起き上がると、右手に違和感を感じた。気になった俺は右手を見てみると...。

 

フラン「...」zzz

 

フランが自分の腕を枕代わりにして寝息をたてながら寝ていた。もしかして俺を心配してくれたのだろうか......。

 

龍騎「...起こしちゃあ悪いよな」

 

俺はフランが起こさないように慎重にベットから降りて、風邪を引かないように毛布をかける。

 

龍騎「おやすみ、フラン」

 

一言言って俺は部屋から出る。

 

 

部屋に出ると、すぐ側に壁に寄りかかって本を読んでいた紫の魔法使いに出会った。

 

紫の魔法使い「目が覚めたようね」

 

龍騎「...ああ」

 

紫の魔法使い「フランはまだ部屋の中に?」

 

龍騎「寝ているよ、起こしちゃ悪いと思って」

 

紫の魔法使い「そう...、そういえば自己紹介がまだだったわね。私は『パチュリー・ノーレッジ』さっきまで居た図書館の管理をしてるわ」

 

龍騎「...俺は霧影龍騎、外来人だ」

 

パチュリー「龍騎ね。魔理沙から聞いたわ、貴方は昔女性にいじめられてトラウマになってるのよね?」

 

龍騎「うん...でも俺は変わるって決めた。もう怯えるのは嫌だから」

 

パチュリー「そう、良い心がけね」

 

龍騎「...一つ聞いて良いか?」

 

パチュリー「何かしら?」

 

龍騎「魔理沙とは知り合いのようだが、いつ知り合ったんだ?」

 

パチュリー「魔理沙とは一緒に魔法を研究した仲よ。一度魔理沙が此処に来た以来、頻繁に訪れる事が増えたわ。その所為で魔法書だのなんだの奪っていくのよ...」

 

龍騎「...心中お察しします。大変なんだな」

 

パチュリー「えぇ、でも慣れたわ」

 

そりゃガチギレする訳だ...。そう思っているとグゥ〜と腹が鳴る。当然俺だ。

 

龍騎「!ご、ごめん...」

 

パチュリー「丁度良いわ。この後夕食にするからついてらっしゃい」

 

龍騎「先食べてても良かったのに...」

 

パチュリー「そうはいかないわ。『大事な客人をもてなすのも主としての役目よ』ってレミィが言ってたわ」

 

レミィ?誰それ?もしかして帽子の少女のことか?

 

龍騎「...分かった。ご馳走になるよ」

 

そして俺はパチュリーの後を着いていく。暫く進むとパチュリーが扉を開くとそこは想像を超える程の広さの食堂だった。...広くない?

 

そこには霊夢と魔理沙はもちろん、帽子の少女、こあ、何故か頭にナイフが刺さった女の人が倒れてた。何があったんだ...。

 

帽子の少女「目が覚めたみたいね」

 

龍騎「は、はい...。お陰様で」

 

魔理沙「よう龍騎!元気そうで良かったぜ!」

 

霊夢「全く心配したんだからね!」

 

龍騎「済まない...、心配をかけた」

 

こあ「でも、お怪我が無くて良かったです!」

 

龍騎「こあさん...。あの時はありがとうございました。俺の我儘を聞いて貰って」

 

こあ「気にしないで下さい。少し怖かったですがお役に立てて良かったです」

 

あ〜なんて良い人なんだこの人は。いや、人じゃないよな...。

 

帽子の少女「...ところでフランはどうしたの?」

 

パチュリー「フランなら部屋で寝ているわ。起こしちゃ悪いと思ってね」

 

龍騎「...無理に起こさない方が良いかと」

 

帽子の少女「そうね...。あれだけ遊んだもの。貴方名前は?」

 

まず自分から答えるのでは?と、思ったが俺にはそんな事言える訳ないので素直に言う。逆らったらなんか面倒だし...。

 

龍騎「霧影龍騎です。外の世界から来ました」

 

帽子の少女「外の世界から...。私はこの紅魔館《こうまかん》の主、『レミリア・スカーレット』誇り高き吸血鬼よ」

 

龍騎「吸血鬼...」

 

という事はフランも吸血鬼って事か...。

 

レミリア「他にまだいるけど、紹介は夕食の後にしましょう」

 

霊夢「もちろん、フルコースよね?」

 

龍騎「少し抑えろ霊夢」

 

レミリア「良いのよ。好きなだけ食べていきなさい。咲夜」

 

咲夜「お呼びでしょうか?」

 

龍騎「ファ!?」

 

帽子の少女、レミリアが咲夜って人物を名乗ると銀髪のメイドさんが現れた。マジでビックリした...。

 

レミリア「彼に自己紹介を。そして夕食の準備をお願い」

 

咲夜「畏まりました。お初にお目にかかります。メイド長の十六夜咲夜《いざよい さくや》と申します」

 

龍騎「き、霧影龍騎です...」

 

咲夜「それでは夕食の準備を致しますので、失礼します」

 

そう言って咲夜さんは消えてしまった。どうなってんだ?

 

レミリア「驚いたかしら?咲夜の能力は『時を操る程度の能力』なのよ」

 

龍騎「時を、操る...」

 

成る程な...、霊夢が苦戦する訳だ。と言う事は、いきなり現れたって事は時を止めたって事か。......あれ?時を止めるっなんかの漫画に無かったっけ?

 

咲夜「皆様、夕食の準備が出来ました」

 

咲夜さんが夕食を持ってくると、テーブルの上に大量の皿を並べる。凄ぇ...。流石は紅魔館のメイド長。

 

皿を並べて終えると全員が席に座る。一人を除いて。

 

レミリア「フランはいないけど..、遅めの夕食にしましょう。いただきます」

 

「「「「「「いただきます」」」」」」

 

レミリアがいただきます、と言うと皆んなでいただきますと声を合わせる。

 

あの...、頭にナイフが刺さった女の人は無視ですか?(疑問)無視ですね(確信)了解です(納得)

 

フランとナイフが刺さった女の人を除いて遅めの夕食を堪能した。咲夜さん料理めっちゃ美味かったです。

 

 

 




いかがでしたか?

本文を書いてる途中に長くなりそうな気がして急遽前編、後編に分けました。

次回は後編からです。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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第九話 少年の決意(後編)

どうもです。

前回の続きです。

それではどうぞ。


夕食を済ませた俺たちは自己紹介をしていた。

 

レミリア「改めて、レミリア・スカーレットよ」

 

パチュリー「私も一応しといた方が良いわね。パチュリー・ノーレッジよ」

 

咲夜「改めてまして、十六夜咲夜と申します」

 

こあ「小悪魔《こあくま》と言います。気楽にこあとお呼び下さい」

 

ナイフが刺さった女の人「私は紅 美鈴《ホン メイリン》と言います。この紅魔館の門番をしています」

 

頭にナイフが刺さった女の人、美鈴さんが頭を擦りながら言った。さっきまで頭に刺さってたからな...。

 

龍騎「...改めまして、霧影龍騎です。外の世界から来ました」

 

霊夢「...終わったかしら?」

 

龍騎「...お前らはもうやったのか?」

 

魔理沙「もうとっくに終わったぜ」

 

マジかよ...。ってかさっきまで戦ってたのにいつの間にか仲良くなってんだよ...。やっぱこいつら普通じゃない。

 

それから霊夢と魔理沙は咲夜さんにお風呂場を案内され、パチュリーと小悪魔は図書館に戻ってしまった。食堂に残ったのは俺とレミリアだけ。

 

レミリア「...少し話しがあるのだけど、良いかしら?」

 

レミリアがグラスに入ったワインを飲んで聞いてきた。

 

龍騎「...俺も、聞きたい事があります」

 

レミリア「そう...、それと敬語は辞めて頂戴。堅苦しいのは嫌いなのよ」

 

龍騎「分かり...分かった」

 

駄目だ見た目が子供でも歳上だ。そう思うと余計緊張する...。

 

レミリア「...霊夢から聞いたけど、貴方は女性恐怖症らしいわね」

 

その話か...。霊夢の奴余計な事を...。

 

龍騎「まぁ、少し長くなる話になるけど...」

 

 俺が中学の時、一人の女の子に告白された。もちろん俺は嬉しかった。でもその時の俺は恋愛とか良く分からなかったから断ったんだ。翌日、俺は女子にいじめられた。告白を断ったのが理由では無かったけど小学校の時から俺の事が気に入らなかったらしい。確かに俺は一人暮らししてたから料理やら裁縫やら色々できる自分でも自覚してる。女子には『本当に男?女子力高すぎw』だの『なんで女に生まれてこなかったのがマジ不思議w』だの『一層のこと去勢すればwww』なんて言われた。告白してきた女の子は止めようとしたけど最終的に加害者の仲間になった。それが二年半続いて精神的に追い込まれた俺は女子に会うのが怖くなって、信用できなくなった。

 中学を卒業して、俺は男子校に入学した。女子との関わりが減ったお陰で精神的にも落ち着いて過ごす事ができた。でも俺の通っていた高校が今年から男女共学になった。偶に後輩の女子から声を掛けられると震えが止まらなかった。その時は適当に誤魔化して逃げた。それが暫く続いてある日に俺は事故で死んだ。

 

龍騎「気がついたら森で寝ていた、ってことだ」

 

レミリア「...」

 

レミリアは黙って話を聞いていた。

 

レミリア「大変だったのね...。今でも続いているの?」

 

龍騎「うん...、昔より恐怖心は無くなってるけど完全じゃない。こうやって話してるけど実際は心臓の鼓動が早くなってる。...でも俺は決めた。トラウマを克服するって、いつまでも怯えるのは嫌だから...、時間が掛かるかもしれないけど克服してみせる。克服して幻想郷の人間として生きる。それが俺の覚悟だ」

 

レミリア「...良い心がけね。それに良い眼をしている」

 

俺の覚悟を伝えるとレミリアはフッ、と笑いテーブルの上に置いてあるワイングラスを持つ。

 

レミリア「何か困ったことがあればいつでも私達に頼りなさい。力になるわ」

 

俺はレミリアの言葉に驚いた。

 

龍騎「...良いのか?さっきまで敵同士だったのに」

 

レミリア「『昨日の敵は今日の味方』と言うでしょ?それに此処は幻想郷、全てを受け入れる場所よ。貴方が幻想郷(此処)に来た時、貴方は私達の仲間よ」

 

龍騎「...」

 

俺はレミリアの言葉に涙が出そうになった。そう言ってもらえる人がいなかったからとても嬉しかった。

 

龍騎「...もっと、早くお前達みたいな人に会いたかった...。ありがとう、俺を受け入れてくれて」

 

レミリアはニコッと笑うとワインを飲む。飲み終えるとテーブルの上にグラスを置く。

 

レミリア「...この話はここまで。もう一つ話があるのだけど良いかしら?」

 

レミリアは真剣な顔で俺の顔を見る。

 

龍騎「...ああ」

 

レミリア「...フランとの戦い、あれはなんだったのかしら?」

 

やはりその話か...。俺もその話で聞きたい事があるので答える事にした。

 

龍騎「...実際、俺にも分からないんだ。レミリアは二重人格って信じるか?」

 

レミリア「二重人格?信じる信じないかは別として幻想郷に一人や二人はいると思うわよ?」

 

あっ、そうか...(納得)

 

龍騎「...あの時は俺がやったんじゃなくて、二重人格の方の俺がやったんだ。その時に俺は意識がなかったから覚えてないけど...」

 

レミリア「成る程...、中々興味深いわね」

 

龍騎「多分、二重人格の俺が出てくる事はないと思うけど、お陰で力の封印が解けたみたい」

 

レミリア「力の封印?」

 

龍騎「なんでも俺は元から力があったらしい。それを二重人格の俺が解いてくれたんだ」

 

...今思ったんだが俺は赤ん坊の時から力を持っていたって事なのか?なんで俺の半身が存在する?どうしてその半身が俺の力が封印されたと分かった?考えてみると色々とおかし過ぎる...。

 

レミリア「...それは能力の事かしら?」

 

龍騎「分からない...。でもそうだと思う」

 

レミリア「そう...。ならパチェに頼んでくると良いわ。パチェなら能力を調べることが出来るわ」

 

龍騎「...後でな。話変わるけど俺からも良いか?」

 

レミリア「えぇ」

 

龍騎「...なんでフランを地下に閉じ込めた?」

 

レミリア「!...そう言うと思ったわ」

 

レミリアは一瞬驚いた表情を見せたが直ぐに元の表情に戻った。

 

レミリア「今回の異変、なんで起こしたか分かるかしら?」

 

龍騎「...まずはお前達が吸血鬼だから。吸血鬼は日光に弱い、だから幻想郷全体に赤い霧を出して日光を遮断した。後は...フランの能力を恐れていた...、あの能力は他の奴らとは違う危険な能力だ。それに吸血鬼と言ってもフランはまだ幼い、コントロールも碌に出来ないから下手したら紅魔館のみならず幻想郷全体に被害が及ぶ。それを防ぐ為にフランを地下に閉じ込めた」

 

レミリア「...凄いわね。大体合ってるわ」

 

やっぱりか、どうやら俺の予想が当たっていたようだな。

 

レミリア「そう...、私は、私達はフランの能力を恐れていた。フランの能力は『ありとあらゆるものを破壊する程度の能力』を持っているの。貴方の言う通りフランは495年生きてるけど吸血鬼ではまだ幼いのよ。その所為で紅魔館の皆んなに、幻想郷全体に被害が及ばない為にフランを地下に閉じ込めた。私だってこんな事はしたく無かった...」

 

龍騎「...確かにお前はやった事は許される事じゃない。妹に怯えて500年近くも閉じ込めた。長年閉じ込められたら気が狂うのは当然だ。お前は俺と同じだ、ただ怯えて逃げていた。俺が言うのもあれだが主としてどうなんだ?家族を守るのも、大切にするのもお前の仕事だろ?」

 

レミリア「...そうね、貴方の言う通り。紅魔館の主も、姉も失格ね」

 

龍騎「...でもお前は凄いよ」

 

レミリア「えっ?」

 

龍騎「理由はどうあれ妹の為に幻想郷に喧嘩売ったんだろ?今回の異変が上手くいけばフランを解放させて、自由にさせてやりたかったんだろ?」

 

レミリア「!?」

 

龍騎「普通そんな事出来ないよ。でもそこまでしてお前は行動した。俺がお前の弟だったら誇りに思うよ」

 

レミリア「...」

 

レミリアは俯いた顔を上げて微笑んだ。

 

レミリア「ありがとう...龍騎」

 

龍騎「俺を受け入れてくれるんだろ?だったら俺もレミリアを受け入れる。お前を信じる。ただそれだけだ」

 

 

 

それからレミリアと雑談して風呂に入った。風呂場めちゃくちゃ広かった...。こんな広い風呂を独り占めできるとは思わなかった。良い経験ができた。

 

風呂に出て部屋に戻るとフランは居なくなっていた。自分の部屋に戻ったのだろうか...。あれ?そういえばフランの部屋って何処なの?まさか地下室じゃないだろうな?そんな事思いながらベッドに飛び込む。飛び込んだ瞬間すぐに睡魔が襲ってきてそのまま俺は眠りについた。

 

 

 

 

 

〜翌朝〜

 

龍騎「...ん、朝か......ん?」

 

目が覚めると俺は違和感を感じた。何故なら布団に人一人分の膨らみがあったのだ。

 

龍騎「......」

 

恐る恐る布団をめくると...。

 

フラン「...」zzz

 

...何故かフランがいた。そして俺はそっと布団をかける。

 

龍騎「...疲れているのかなぁ(現実逃避)」

 

そう思った俺はもう一度寝る事にした。30分くらい寝てもう一度布団をめくる。

 

フラン「...」zzz

 

はいフランちゃんいましたー(白目)まずいですよ!?こんなの誰か来たら誤解を招く事になる!

 

フラン「ん、んん...」

 

フランは起き上がると瞼を擦りながら周囲を見る。俺と眼を合わせると瞼を擦りながら挨拶した。

 

フラン「おはよう、お兄様」

 

龍騎「あ、ああ...おはようフラーーー」

 

 

 

 

 

 

ゑ?( ゚д゚)?

 

 

この子なんて言った...?お兄様?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

工工エエェェ((; ゚д゚))ェェエエ工工!?

 

 

 

 

その時、俺の心の叫びが紅魔館に響いたような気がした。

 

 




いかがでしたか?

フランの監禁理由については自分の妄想なのでご了承ください。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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第十話 俺はロリコンじゃない(義○風)

どうもです。

第十話です。

それではどうぞ。


フラン「おはよう、お兄様」

 

龍騎「あ、ああ...おはようフラーーーゑ?」

 

朝っぱらからフランが俺のことを『お兄様』と、とんでもない事を言い出して眠気が理不尽にも吹き飛んだ。

 

龍騎「お、お兄様!?お兄様ナンデ!?」

 

フラン「?お兄様はお兄様でしょ?」

 

違うそうじゃない。俺が聞きたいのはそこじゃない。

 

龍騎「...フラン、俺が言ってるは『なんで俺のことをお兄様って呼ぶんだ?』って事だ」

 

フラン「お兄様が私を助けてくれたんでしょ?だからお兄様!」ニパー

 

朝から良い顔しちゃってご馳走様です。

 

龍騎「...確かにフランを助けたのは俺だけと、あの時は二重人格、つまりもう一人の俺が助けた訳だから、実際に今の俺が助けた訳じゃないんだ」

 

フラン「でも、二重人格でもお兄様はお兄様でしょ?」

 

龍騎「それは...、そうだけど...」

 

フラン「それとも、お兄様って呼ばれるの駄目?」

 

フランが上目遣いで問いかける。ちょちょちょちょっと待って下さいよ!朝からこれはやばいですよ!?あとこのままだと俺がロリコンという名のレッテルが貼られてしまう!

 

龍騎「ち、違う違う!いきなりお兄様って呼ばれたからびっくりして...、それに俺一人っ子だったからこう言うのは慣れてなくて」

 

フラン「本当?」

 

龍騎「ああ...、だから嫌いになった訳じゃないよ」

 

フラン「!お兄様!」

 

嬉しさのあまりにフランは俺に抱きついてきた。さらに追い討ちをかけるようにフランは頭を俺の腹にぐりぐりする。俺、死ぬのかな...。

 

 

 

 

それから暫くフランにぐりぐりされて、一緒に朝食を食べに食堂へ向かう。食堂に入ると中にいた霊夢、魔理沙、レミリア、咲夜さん、パチュリー、小悪魔がこっちを見て固まった。何故か美鈴さんがいなかった。

 

龍騎「おはようございます」

 

レミリア「お、おはよう龍騎...、何でフランと一緒なの?」

 

龍騎「...まぁ、説明すると(かくかくしがじか)」

 

レミリア「...成る程」

 

霊夢「......まさか貴方手を出したんじゃないでしょうね?」

 

龍騎「アホかお前は」

 

魔理沙「ま、龍騎には無理だな。女性恐怖症だし」

 

霊夢には睨まれ、魔理沙は冗談なのか分からんが笑われた。例え女性恐怖症じゃ無くても俺のようなヘタレには出来ませんよーだ。

 

パチュリー「...フラン、次からは気をつけなさい。彼もいきなり部屋に入られると驚くわよ」

 

フラン「はーい」

 

龍騎「...ちなみに美鈴さんは?」

 

小悪魔「美鈴さんなら...」

 

小悪魔が指を指した方向を見ると、頭に一本のナイフが刺さった美鈴さんが倒れていた。いや何があった?

 

咲夜「皆さま、朝食の準備ができました」

 

そう言って咲夜さんはテーブルの上に皿を並べる。ふむ、今日も美味そうだ。並べ終えると美鈴さんを除いて全員が席に座る。こいつら美鈴さんの扱いが雑過ぎないか?何となく美鈴さんを席に座らせる。美鈴さんには申し訳ないけど重い...、俺より身長があるから?

 

レミリア「さて、それじゃあ食べましょうか。いただきます」

 

「「「「「「「いただきます」」」」」」」

 

今回はフランと一緒に食事をする。フランは美味しそうに朝食を頬張る。俺も咲夜さんの料理を一口入れる。

 

龍騎「...うん、美味しい」

 

咲夜「おかわりもありますので沢山食べて下さい」

 

龍騎「あ、はい...」

 

それにしても咲夜さんって凄いと思うな。料理は得意だし、時止められるし、本当レミリアが羨ましいと思う。絶対将来良いお嫁さんになれるな。うん絶対になれる」

 

咲夜「...///」

 

...あれ?何で咲夜さんの顔が赤くなってんだ?

 

レミリア「...貴方、中々やるわね」

 

龍騎「は?」

 

パチュリー「...声に出てたわよ」

 

龍騎「声に?何のこと?」

 

パチュリー「咲夜の事良いお嫁さんになれるって」

 

龍騎「...ゑっ?( ゚д゚)?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何やってんだ俺はぁぁぁぁぁぁ!!

 

龍騎「す、すみません...」

 

咲夜「い、いえ...、気にしてませんので///」

 

咲夜さん顔真っ赤にしてめちゃくちゃ怒ってるわ。すんません。

 

霊夢「ちょっと龍騎!何デレデレしてんのよ!」

 

龍騎「逆に何でお前が怒ってんだよ」

 

魔理沙(うわっ、こいつ意外と鈍いな)

 

レミリア・パチュリー((鈍いわね))

 

小悪魔(鈍いですね)

 

フラン「?」

 

どうして霊夢はキレてるんだ?それに何故か魔理沙達は同じ顔してるし。フランは分かってないし、咲夜さんはさっきからフリーズしてるし。

 

フラン「あ、お兄様口にケチャップ付いてる!」

 

龍騎「えっ?」

 

フランが俺の頬にケチャップが付いてることを教える。

 

フラン「私が取ってあげるね!」

 

フランが俺の顔に近づく。フランちゃん?布巾はどうしたのかな?

 

ペロッ

 

龍騎「えっ?」

 

霊夢・魔理沙「「はっ?」」

 

紅魔館組「「「「なっ...」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あ、ありのまま今起こったことを話すぜ!俺の口にケチャップが付いてたとフランが指摘されて拭いてあげると言ってきて布巾で拭くと思ったが舌で拭きやがった。な...、何を言ってるのか分からねーと思うが俺も何されたか分からなかった...。頭がどうかなりそうだったが...、夢だとか幻覚だとかそんなチャチャなもんじゃあ断じてねえ...。もっと恐ろしいものの片鱗を、味わったぜ...。

 

って違ーう!!

 

龍騎「フラン!おま『ちょっとあんた何考えてんのよ!』」

 

俺が言おうとしたら霊夢に言われてしまった。解せぬ。

 

フラン「?フランが取ってあげただけだよ?」

 

霊夢「布巾を使いなさいよ!態々、な...舐めなくてもいいでしょ!?」

 

何でお前がそんなにキレてるんだよ...。

 

それからぎゃーてぎゃーて騒ぎながら朝食を食べる。こんなに騒がしい食事は初めてだ...。

 

なんとか朝食を食べ終えて、部屋で少し休憩する。暫くすると霊夢が部屋に入ってきてそろそろ帰ると伝えてきた。確かにいつまでも此処にいる訳にはいかないよな、霖之助さんも心配してるだろうし。

 

帰る事にした俺はレミリアに一言言って外に出る。外に出ると紅魔館組が待っていた。

 

龍騎「...短い時間だったけど、楽しかったよ」

 

レミリア「またいらっしゃい。その時は歓迎するわ」

 

魔理沙「じゃ!また寄らせてもらうぜ!」

 

パチュリー・小悪魔「「あんた(貴女)は来なくて良い(です)!」」

 

完全に嫌われてるじゃねぇか...。

 

フラン「え〜!お兄様帰っちゃうの〜?」

 

龍騎「ごめんな、俺にもやる事があるから」

 

俺はフランの頭を撫でる。...こんな事してるけど俺はロリコンじゃない。

 

龍騎「少し落ち着いたらまた来るよ」

 

フラン「本当!?約束だよ!」

 

龍騎「ああ、約束」ニコッ

 

霊夢(何よ!あんなチビっ子にデレデレしちゃって!)

 

魔理沙(おー、龍騎の奴中々やるな)

 

レミリア(フラン、すっかり龍騎の事懐いちゃって)

 

咲夜(羨ましい...!いけないいけない!)

 

パチュリー(こうして見るとただの兄妹ね...)

 

小悪魔(妹様...とても幸せそうです)

 

美鈴(眠たい...)

 

魔理沙「よっし!行くか!」

 

龍騎「そうだな。って俺は歩きか」

 

霊夢「そうでしょうね。飛べないんだから」

 

うぅ...、早く空を飛べるようになりたい...。そんな事思いながら俺達は紅魔館を後にした。数分後、人里に着いた俺は甘味処で甘いものを購入して香霖堂に向かう。霖之助さんには心配かけたしお詫びの品として買った。黒糖饅頭三つで許してくれるかな?

 

香霖堂に着いた俺はいつものようにノックして香霖堂の扉を開く。

 

龍騎「ただいま戻りました」

 

霖之助「龍騎くん!?無事だったんだね」

 

龍騎「すみません、心配をお掛けして」

 

俺は一言謝罪して買ってきた黒糖饅頭を渡す。それから昨日あった出来事を話す。

 

霖之助「そんな事が...、何がともあれ無事で良かったよ」

 

龍騎「本当にすみません...」

 

もう一度謝罪すると、扉が勢いよく開かれた。

 

魔理沙「よう香霖!龍騎いるか?」

 

霖之助「魔理沙...」

 

龍騎「お前...、せめてゆっくり開けろよ」

 

すまんすまん、と魔理沙は片手で謝罪のポーズをとる。マジでびっくりした。

 

霖之助「それで、今日は何のようかな?」

 

魔理沙「龍騎の幻想郷案内の続きだ!」

 

龍騎「あっ(察し)そっか...」

 

すっかり忘れてた。

 

龍騎「...分かった、行くよ」

 

魔理沙「おっ、今回は乗り気だな」

 

龍騎「いつまでも女性にびびっていられないからな」

 

霖之助「...成長したんだね」

 

成長したんじゃない、覚悟を決めたまでだ。

 

龍騎「霖之助さん、行ってきます」

 

霖之助「うん、行ってらっしゃい」

 

そう言って俺は魔理沙と一緒に外に出る。

 

魔理沙「で、何処行きたい?」

 

龍騎「前も言ったけどまだ幻想郷には詳しくない。だからまず人里の案内頼む」

 

魔理沙「了解だぜ!」

 

そう言って俺と魔理沙は人里へ向かう。その途中、

 

霊夢「...魔理沙?」

 

龍騎「霊夢?」

 

何故か霊夢が空を飛んでいた。先帰ったんじゃあ...。

 

魔理沙「どうした霊夢?お前が道草とは珍しいな」

 

霊夢「違うわよ。妖精に絡まれたのよ」

 

魔理沙「妖精?」

 

龍騎「あっ(察し)」

 

なんとなく察した。

 

霊夢「それであんた達は何してるのよ」

 

龍騎「魔理沙に幻想郷を案内してもらってる」

 

霊夢「案内?」

 

魔理沙「本当は昨日案内するつもりだったんだが、異変が起きちまったから中止になったんだぜ」

 

霊夢「...なら私も行くわ。暇だし」

 

龍騎「お前神社放っておいて良いのかよ...。巫女だろ?」

 

霊夢「どうせ貴方以外誰も来ないわよ」

 

博麗の巫女であろう者がそんなんで良いのか...。誰かに叱られるぞ?急遽霊夢も加わり、俺の幻想郷案内はやっと始まった。

 

 

 

 




いかがでしたか?

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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第十一話 能力と修行(前編)

どうもです。

十一話前編です。

それではどうぞ。



紅魔館を離れて俺は霊夢と魔理沙に幻想郷を案内して貰っている。今日は人里だけの案内だが色々知る事もできた。幻想郷にも学校施設(寺子屋)があったのは驚いた。中には入らなかったがとても歴史的だった。昔の人はあそこに通っていたんだな...。太陽も沈みかかってきたので今回の案内は終了した。

 

翌朝、俺は博麗神社に訪れていた。いつも通りにお賽銭を入れて二礼二拍手一礼する。なんか慣れたな...。一礼を終えると襖から霊夢が現れた。相変わらず聴覚良いな...。

 

霊夢「あら龍騎じゃない。いつもより早いんじゃない?」

 

龍騎「まぁな...、少し霊夢に聞きたい事があってな」

 

霊夢「何かしら?」

 

龍騎「...霊夢って能力を調べる事って出来るのか?」

 

霊夢「能力?」

 

そう、俺が朝から霊夢に会いに来たのは能力を調べられるか聞きに来たのだ。パチュリーのところに行っても良いのだが、もし霊夢が調べられるなら近い方に調べてもらう方が良い、と思った。

 

霊夢「別に調べられるけど、いきなりどうしたのよ?」

 

龍騎「...俺、もう女性を相手にビビるのはもう嫌なんだ。だからトラウマを克服したい、そのために強くなりたい」

 

霊夢「それと能力と何の関係が...」

 

龍騎「その為には心だけじゃなく身体も強くならないといけない。もし俺に能力があるなら強くなる。これから幻想郷に生きていくんだ、力の一つや二つ身に付けても問題ないだろ?」

 

霊夢「...分かったわ、ちょっと待ってなさい」

 

霊夢は一度部屋に戻ると、一枚の紙を渡した。

 

龍騎「何これ?」

 

霊夢「この紙を額に当てて力を送るイメージをしてみなさい」

 

力を送るイメージ、か...。俺は霊夢に言われた通りにする。すると紙が何か文字のようなものが浮かび上がった。霊夢は俺の額からビリっと紙を外して紙を見る。痛い...。

 

霊夢「何々...『属性を操る程度の能力』?」

 

龍騎「属性を操る?」

 

何そのテンプレは...。それにしても能力があったのか、もしかして二重人格(あいつ)が言っていた力って属性を操る事なのか?

 

霊夢「それにしても良くありそうな能力ね。属性を操るって」

 

龍騎「そうだな...、パチュリーなら知ってるかな?」

 

霊夢「...ま、その話は後で。取り敢えず、霊力と魔力も調べておきましょう」

 

そう言って霊夢は新しい紙を持って俺の額に当てた。ちょっと霊夢さん?勝手にやらないで?またしても紙から文字が浮かび上がった。霊夢は先程と同じようにビリっと紙を外した。だから痛いって...。

 

霊夢「霊力、魔力共に高いわね...。こんなに高いのは外来人の中で貴方が初めてよ」

 

龍騎「そりゃどうも...。それで俺はどうすれば良い?」

 

霊夢「まず霊力、魔力のコントロールをマスターする事ね。と言っても瞑想したりして集中力を高める特訓だけど」

 

龍騎「...取り敢えず空を飛べるようにはしないとな」

 

それから霊夢に修行のメニューとアドバイスを貰いながら俺は香霖堂に帰宅した。香霖堂に戻っては霊夢に教えて貰った修行メニューを繰り返す日々が続いた。そんなある日、俺は紅魔館に訪れた。

 

龍騎「...」

 

美鈴「......」zzz

 

相変わらずサボってる門番こと、美鈴さん。そんなんで良く門番務まるよな...。なんて思っていたら突然美鈴さんの頭にナイフが刺さり美鈴さんは悲鳴をあげる。

 

咲夜「全く、まだ昼前なのだけどしっかりしてもらえるかしら」

 

美鈴「す、すみません...」

 

咲夜「お久しぶりです、龍騎様」

 

龍騎「ど、どうもです...。それと様つけは辞めて下さい。そういうの慣れてないので」

 

咲夜「そういう訳にはいきません。今日はどのような御用で?」

 

そういう訳にはいってほしかった...。

 

龍騎「パチュリーに用があるんですけど、今居ます?」

 

咲夜「パチュリー様でしたら図書館におられます。ご案内いたします」

 

龍騎「いや別に...お願いします」

 

最初は断ろうとしたけどまたさっきと同じ事をすると思って諦めた。下手したらエンドレスになる可能性がある。

 

咲夜さんに案内して貰って図書館に着くとパチュリーが本を読んでいた。

 

パチュリー「あら龍騎じゃない。何の御用で?」

 

龍騎「パチュリーに魔法を教わろうと思って来たんだが...、大丈夫か?」

 

パチュリー「魔法?どうして?」

 

俺は能力について話した。

 

パチュリー「属性を操る程度の能力...。非常に興味深いわね」

 

龍騎「そうなのか?良くありそうな能力だけど」

 

パチュリー「良くありそうな能力こそ珍しいものがあるのよ」

 

龍騎「...そんなものなのか?」

 

パチュリー「そんなものなのよ」

 

......今更だけど幻想郷って変わってるな。

 

パチュリー「まずこの本を読んで基礎を覚えなさい。分からなかったら私に聞きなさい」

 

そう言ってパチュリーは俺に一冊の本を渡す。それは『初心者必見!魔法使いへの道(初級編)』と書かれてあった。......なんだこの本のタイトルは?それを持って本を読んでる訳だが......、

 

龍騎(全っ然読めねぇ!)

 

何なのこの本全然読めねぇんだけど!英語は多少自信はあるが他の文が見たことがない!変な形をした文字があるけどなんて言うの?古代語なの?明らかに初心者向けじゃないよね?初見殺しだよね!?初見さん逝らっしゃーいだよね!?

 

龍騎(なんでパチュリーは黙って読めるんだよ...。翻訳してもらおうかな...)

 

そう判断した俺はパチュリーに頼んで文字を読めるようにして貰った。うん、さっきとは大違い。それから遅くまで本を読んでいた。珍しく長い時間本を読み続けたな...、何か落ち着いたような気がした。それから暫く図書館に通うことが増えた。ある程度基礎知識を叩き込んでまずは飛行魔法を教えて貰った。パチュリー曰く『殆どイメージすれば出来る』との事。そんなので良いのか...。試しに飛ぶイメージして見ると、1cm程浮いた。嘘やん...。

 

パチュリー「どうやら上手くいってるみたいね」

 

龍騎「おかしいって...。こんなのおかしいって...」

 

それから空を飛ぶ練習を続けた。始めて三日目で10m程飛べるようになった。なんか自分の才能に怖くなって来た...。

 

パチュリー(たった三日であそこまで成長するとは...、これは見ものね)

 

そして完璧に空を飛べるようになったので次のステップに進む。次は強化魔法と回復魔法の伝授である。パチュリーによると、属性を操る程度の能力は『火、風、氷、雷、光、闇、無属性』の七種類があり、一度に多種の属性を放ったり、合体させて放ったりする事が出来るらしい。うんチート(遠い目)教えて貰う強化魔法と回復魔法は無属性に入るらしい。

 

パチュリー「無属性の魔法は強化魔法、回復魔法だけで無く攻撃魔法にも使えるわ。まぁ、物理攻撃に近いわね」

 

成る程...、こいつは便利だな。まずは強化魔法と回復魔法をマスターしよう。まず最初に回復魔法をやってみる。初めて使うが多少身体が軽くなったような気がする。どうやら上手く言ったみたいだな。次は強化魔法の中で硬化魔法を教わる。この硬化魔法は自分だけじゃなく指定した相手にも使えるようだ。...何か使い所多すぎない?

 

それからひたすら回復魔法と硬化魔法の特訓を繰り返す。特訓を開始して一週間経過したある日、俺はパチュリーに渡された魔法の本を読んでる時、

 

パチュリー「龍騎、そろそろ弾幕ごっこの練習してみない?」

 

龍騎「弾幕ごっこ?」

 

パチュリー「えぇ、普通ならまだ時間が掛かるけど貴方は覚えが良いのか一週間でここまで行くとは思わなかったわ」

 

...まるで俺が人間の領域を超えたみたいな言い方だな。

 

弾幕ごっこか...。確か絶対に回避ができない攻撃はせず、相手に当てたり綺麗に見せることだって霊夢が言っていた。......でも早くない?始めてまだ一週間だよ?...まぁ良いか、これから先必要になってくるし。

 

龍騎「...まずどうしたら良い?」

 

パチュリー「最初は弾幕の形成からね。自分にあった攻撃パターンとか弾幕の形を見つけるの」

 

成る程な。パチュリーの場合、魔法陣を展開してレーザーやら火の玉やら放っているって事か。

 

パチュリー「あと、基本以外にもスペルカードってものがあるのだけど知ってるかしら?」

 

龍騎「それなら霊夢に聞いた事がある。確か必殺技みたいなものだよな」

 

パチュリー「えぇ、それでお互い同じ枚数のスペルカードを決めて基本弾幕とスペルカードを上手く組み合わせて相手に弾幕を当てる、それが弾幕ごっこのルールよ」

 

龍騎「......その為にも弾幕ごっこの練習するって事か」

 

パチュリー「そう、でもまだ無属性を練習したいなら無理強いはしないわ。自分のペースでやっていきなさい」

 

龍騎「いや、やるよ。覚悟はできてる」

 

パチュリー「......分かったわ。でも今は基礎の練習中だからまだ慣れていないでしょ?それに空を飛びながら弾幕を当てるのは難しいでしょうし...」

 

龍騎「あ、その辺に関しては帰って特訓してるからある程度できるぞ」

 

パチュリー「えっ?」

 

パチュリーが素っ頓狂な声を上げた。珍しい。

 

龍騎「...えっ?まだ早かった?」

 

パチュリー「...いつから?」

 

龍騎「空飛べるようになってから」

 

パチュリー(何なのそのふざけた才能は!?そんなの今まで見たことがないわよ!?)

 

何かドン引きされてるんだけど...。それから今度は弾幕を打てるようになる為特訓する。でも自分にあいそうなパターンや形が上手くいかない、何かが足りない気がする...。

 

龍騎(そういえば...、魔理沙は六角形の物を持ってレーザーを放ってたな...)

 

俺は魔理沙の攻撃をふと思い出した。俺も何か物を持てば上手く行くのでは?そう思った俺はパチュリーに頼んで何か借りる事にした。

 

龍騎(男はやっぱり剣だよな...)

 

俺は剣を借りる事にした。剣は男のロマン、はっきりわかんだね。そして俺の弾幕ごっこの特訓は本格的に始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがでしたか?

UAが2000を超えました。読者の皆様に感謝申し上げます。本当にありがとうございます。これからも頑張りますのでよろしくお願いします。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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第十二話 能力と修行(後編)

どうもです。

前編の続きです。

それではどうぞ。


剣を借りた俺は試し斬りという事で剣を構える。さてと、準備は出来た。取り敢えず斬撃を飛ばすイメージをしてみるか...。

 

龍騎「...それっ!」

 

俺は思いっきり剣を振ると、縦長の斬撃が出てきた。

 

龍騎「!すげぇ!!出来た!!やべぇめっちゃテンション上がる!!!」

 

流石の俺も大興奮した。これめちゃくちゃカッコいいじゃん!それに弾幕の形とパターンが俺にしっくりくるし最高だな!

 

パチュリー「...貴方、どうしてこんなに早く身に付くのよ」

 

龍騎「なんとなくだよ。イメージ通りにやってみただけさ」

 

パチュリー(有り得ないわ...、普通の人間でもそんな短期間で身に付く程魔法は簡単じゃない...、なのに彼はたった一週間でここまで成長してる...、恐ろしい男よ貴方は)

 

龍騎「それで、次はどうすれば良い?」

 

パチュリー「......そうね、なら次は属性を操る練習をしましょう」

 

いよいよか...。これは気を引き締めないとな。

 

パチュリー「まず簡単に説明するわね。魔法には『日』『月』『火』『水』『木』『金』の属性があるの」

 

龍騎「何か曜日みたいだな,.。あれ?俺とは違うのか?」

 

パチュリー「名前だけでしょうね。変わりは殆どないと思うから気にする必要はないわ。続けるけどここに水晶玉があるわ、一度触れて色が変わったら貴方が得意な属性が分かるわ」

 

龍騎「随分と便利な物があるんだな...」

 

そんな事思いながら水晶玉に手を触れる。すると水晶玉は赤色に変わり、そしてすぐに黄色に変化した。

 

龍騎「...綺麗だな」

 

パチュリー「赤、つまり火属性ね。黄色は雷属性かしら?」

 

龍騎「...取り敢えずやってみるか。これもイメージすれば良いんだろ?......はっ!」

 

俺は剣を握って、炎が剣を纏うようにイメージする。すると剣に火が着いた。

 

龍騎「うおっ!?本当に着いた!?」

 

やべぇよやべぇよ!!もう興奮状態だよ!!

 

龍騎「パチュリー!これどう思う!?」

 

パチュリー「......へっ?」

 

龍騎「いやへっ?じゃなくて!これどう思う!?」

 

パチュリー「え、えぇ...、最初にしては上出来よ(何が上出来よ!?明らかに初心者ってレベルじゃないわよ!?)」

 

ふむ、まだまだ序の口という訳か。よっし!何かやる気が出てきたぞ!もう一度剣に火を纏おうとすると、図書館の扉が開かれた。

 

フラン「あ!お兄様だ!」

 

龍騎「フラン!?」

 

フランは俺を見つけると抱きついてきた。いや危ないって!

 

フラン「久しぶりお兄様!」

 

龍騎「ひ、久しぶりだなフラン、ちょっと退いてくれないか?」

 

フランはすぐに退いた。うん偉い。

 

フラン「お兄様、どうして剣を持ってるの?」

 

龍騎「パチュリーに頼んで魔法を教えて貰ってるんだ。能力が持てるようになったから鍛錬しなきゃと思って」

 

フラン「お兄様能力持ってたの!?どんなの!?」

 

フランは目を輝かせ問いかける。そんなに興味があるのか...。

 

龍騎「属性を操る程度の能力だよ。火とか雷とか操れるんだ」

 

フラン「すごいすごい!お兄様弾幕ごっこしよ!」

 

パチュリー「...フラン、気持ちは分かるけどまだ彼は弾幕ごっこ出来る状態じゃないのよ。もう少し我慢しなさい」

 

えぇ〜、とフランは頬を膨らまる。可愛い...、ちょっと待てよ?少し危険かもしれないけどやってみる価値はあるな。

 

龍騎「...フラン、一緒に遊ぼう」

 

パチュリー「はぁ!?」

 

フラン「ほんと!?」

 

パチュリー「あ、貴方本気で言ってるの!?まだスペルカード一枚も持ってないのに!」

 

龍騎「違う違う。そこまでしないって」

 

パチュリー「はっ?」

 

龍騎「俺はまだ能力に慣れてないしさっき火を出したばっかりだ。スペルカードが無くても弾幕の一つぐらいは打てるだろ。それにフランは500年近く閉じ込められたんだから能力のコントロールが上手くいってないだろ?俺の特訓にもなるし、フランも能力のコントロール出来るし楽しめる。一石二鳥だろ?」

 

パチュリー「どんな発想したらそうなるのか......、もう分かった!結界貼るからちょっと待ってなさい」

 

そう言ってパチュリーは呪文みたいな事を唱える。すると図書館全体が壁みたいなのが貼られた。成る程、これが結界か...、後で教えて貰おう」

 

パチュリー「(結界まで習う気!?貴方何処まで強くなろうとしてるのよ!?)...出来たわ。これなら思う存分やれるわ」

 

龍騎「悪いな、我儘言って」

 

パチュリー「気にしなくて良いわ...。私がまずいって判断したら即中止よ。良いわね」

 

龍騎「了解した」

 

フラン「はーい!」

 

そう言ってパチュリーは近くにあった席に座る。俺は剣を構える。

 

龍騎「......さっきも言ったけど俺はまだ能力に慣れてないんだ。お手柔らかに頼む」

 

フラン「分かった!行っくよー!」

 

フランは地面を思いっきり蹴って俺に近づく。

 

フラン「禁忌『レーヴァテイン』」

 

......フランちゃん?話聞いてた?初っ端から手加減なしかよ!?

 

龍騎「クッソ!こうなったらヤケクソだぁ!」

 

俺は剣に炎を纏い、フランの大剣とぶつかり合う。ヤバいヤバいヤバい!圧倒的に火力負けしてるんですけど!!

 

フラン「まだまだ行くよ!!

 

龍騎「勘弁して下さい!(命乞い)」

 

フラン「禁忌『クランベリートラップ』」

 

龍騎「こぉらぁ!!弾幕打てないんだからちったぁ加減しやがれぇ!」

 

駄目だ完全にスイッチが入ってる...。畜生こうなったら密かに考えていた...。

 

パチュリー(これは駄目そうね.,。止めに行きしょ...)

 

龍騎「火剣『火炎斬り』」

 

パチュリー「......はっ?」

 

フラン「さっすがお兄様!」

 

俺はダメ元で技を放つとフランの放った弾幕を斬っていく。よっしゃ!上手くいった!ダメ元でやってみるもんだな!ちなみにこの技は某RPGゲームの技からお借りした。ス◯エ◯さんすんません!!体制を立て直そうとするが何故か身体に力が入らずバタン、と倒れてしまった。そして物凄い疲れが襲う。

 

フラン「お兄様?」

 

龍騎「はぁ...、はぁ...、もう無理...、ギブ、ギブアップ...」

 

パチュリー「...無茶しすぎよ。最初は魔力の量が少ないんだからあんな派手に技だしたらそうなるわよ」

 

龍騎「ち、畜生...」

 

流石に調子に乗ったな...。反省しなければ。それからパチュリーに回復魔法で回復して貰った。

 

パチュリー「取り敢えず火属性は大丈夫でしょう...。次は雷に行きましょう」

 

龍騎「...どうせイメージしろ、でしょ?」

 

パチュリー「話しが早くて助かるわ」

 

......これパチュリーに教わる必要あるのか?これから一人で修行としか言えないんじゃない?...取り敢えずやってみるか。俺はもう一度剣を握って今度は稲妻を纏うようにイメージする。すると剣から電流が流れた。

 

龍騎「おぉー!これはこれでかっこいいな!!」

 

フラン「お兄様すごい!こんな事も出来るんだね!」

 

フランも大興奮、やっぱりテンション上がるよな!!さて、取り敢えずもう一度技を放ってみるか。次はどうするか......よし!俺は先程と同じく剣を構えて一度呼吸を整える。

 

龍騎「雷剣『稲妻斬り』」

 

俺は剣を一振りすると、斬撃が出てきたがその斬撃は雷を纏っていた。ほぇーこれ遠距離攻撃にも使えるのか。これは大発見だ。

 

フラン「すごい!斬撃も飛ばせるんだ!!」

 

龍騎「まだまだだけど、これを弾幕にしようかなって思うんだ」

 

フラン「...でもお兄様、さっきみたいに倒れないね」

 

龍騎「さっきは無我夢中でやったからな。今回は魔力を少なくしたんだ」

 

パチュリー「(......やっぱりおかしいわ。こんな早く弾幕を形に仕上がるなんて...)まさか貴方剣でやっていくつもり?」

 

龍騎「剣は男のロマンだぜ?」

 

パチュリー(...もう考えるのは諦めましょう、考えたって時間の無駄だわ)

 

龍騎「さて、一応能力に関しては火と雷、無属性が操れるところまできた...、となると魔力の量を増やしていく必要があるな」

 

パチュリー「そうね、練習していけば自然に付くようになるわ」

 

ふーん、人間の筋肉と同じか...。能力もそうだけど剣で戦うって決めたら剣術も習わないとな...。誰かいないかな...。

 

龍騎「なぁパチュリー、幻想郷で剣術が使える人っているのか?」

 

パチュリー「そうね...、私が知ってる限りだと妖怪の山にいる白狼天狗ね」

 

...ハクロウテング?なにそれおいしいの?

 

パチュリー「白狼天狗は狼の天狗の事で、妖怪の山を警備してるの」

 

龍騎「ふーん...」

 

そんな奴がいたんだ...、どんな奴なんだろう...。(白狼天狗をイメージ)

 

天狗って言ったら顔が赤くて鼻が長いだろ?それに何の鳥だが知らないけど羽があってうちわみたいなのが持ってるだろ?それにケモ耳に尻尾に剣.............。

 

龍騎(あ、会いたくねぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!)

 

怖い!!マジで怖い!!想像しただけで恐ろしい!!

 

龍騎「......暫く魔法に専念します」

 

そう判断した俺は剣を後回しにして魔法に集中するのであった。

 

 

 

 




いかがでしたか?

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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第十三話 マスゴミ現る

どうもです。

第十三話です。

主人公の魔法と技の調達が少し早いとコメントがありました。なので暫く魔法と技の伝授は控えようと思います。

それではどうぞ。



パチュリーに魔法を教え始めて約二週間。少しずつだけど魔法は覚えてきている。でも火と雷以外何故か上手くいかない。やっぱり相性が悪いのかな?そんで今は人里に来ている。何故かパチュリーに、

 

パチュリー「貴方毎日のように来てるけど少しは休みなさい。後暫く図書館出入り禁止」

 

と言われてしまった...。何故だ...、俺は少しでも強くなりたいのに...。まぁ、仕方ないか...、パチュリーの言う通り毎日のように図書館に行っていたからな。偶には休憩ってのも悪くないか...。

 

龍騎「さてと、何するか...。やる事が無い」

 

人里をふらふらと歩いているが、何をするか何も決めていない為少し退屈である。さっき博麗神社でお賽銭したが霊夢が居なかった、珍しい。魔理沙は何処に住んでるのか知らないし...。

 

龍騎「一度香霖堂に戻って寝るかな...」

 

そう思うと昼寝なんて最後いつしたんだろ...、昼寝か、息抜きには丁度良いかもしれない。そうと決まれば早速香霖堂に...。

 

 

「あやや!?もしかして!?」

 

龍騎「ん?」

 

何か声が聞こえたような気がしたが気のせいかな?気のせいだよな。

 

「其処の男性の方!少しよろしいですか?」

 

龍騎「?」キョロキョロ

 

辺りを見渡しても誰も俺を呼んでいない。えっ?怖いんだけど...。俺は早歩きで移動する。

 

「ちょ、ちょっと!?待ってくださいよ!」

 

いやいやいや怖い怖い怖い!!誰なの!?どっから話しかけてきてるの!?

 

「上!上を見てください!」

 

龍騎「えっ?上?」

 

俺は言われた通りに上を向くとそこには......。

 

龍騎「...白か」

 

「!?!?!?」

 

あっ、やっべ間違えた。

 

龍騎「上から来るぞ!気をつけろ!!」

 

「いや落ちてこないですから!!浮いてますけど落ちませんから!」

 

あっ、そっか...。ってか誰?何か鴉みたいな羽がついて片手にカメラ持ってる黒髪のショートの女の子がいるんだけど。そんな事思っているとその女の子は降りて俺に近づく。

 

龍騎「...どちら様?」

 

「申し遅れました!私は文々。新聞を発行している清く正しい射命丸文と申します!」

 

......えっ?今なんて?ブンブンマル?

 

龍騎「え、えーと...清く正しい射命丸文、さん?随分と長い名前だな」

 

文「違います!!射命丸文《しゃめいまる あや》です!」

 

...だったら最初からそう言ってくんない?間際らしい。文々ハローユーチュー......じゃなかった、文々。新聞を発行してるって事はこの文って奴は記者か。

 

龍騎「...俺に何か御用で?」

 

文「実は!外来人である貴方に取材を『断る』えぇぇぇ!!」

 

おーこいつ良いリアクションするじゃん。芸人になれるよきっと。ってかいつ俺が外来人だと知った。

 

龍騎「...俺目立ちたくないし取材とか写真とか一番駄目なんだよね」

 

特に小、中学に貰ったアルバムなんて直ぐに捨てたレベルである。あんな黒歴史が残っていてはいけない、絶対に...。

 

文「ん〜、これは困りましたね...」

 

龍騎「...もう帰って良い?」

 

文「ま、待って下さい!!ほんの少し!ほんの少しだけで良いんです!」

 

龍騎「話し聞いてた?俺取材とか駄目なんだって、諦めてくれ」

 

文「もう少しだけ!もう少しだけお願いします!本当にネタが無くてキツいんです!!」ドゲザ

 

土下座してまで取材したいのか!?お前仮にも記者だろ!?少しはプライド持てよ!

 

龍騎「...はぁ〜(クソデカ溜め息)少しだけだぞ?変な事書いたら許さないからな」

 

文「!ありがとうございます!!それでは早速取材させて頂きます!」

 

そう言って文はメモ帳と鉛筆を取り出す。うわっ...(ドン引き)こいつチョロ、一気に目の色が変わった...。所詮はマスゴミ、はっきりわかんだね。

 

文「ではまずお名前をお願いします」

 

龍騎「...霧影龍騎」

 

文「年齢は?」

 

龍騎「17歳、今年で18歳」

 

文「身長と体重は?」

 

龍騎「...これ必要あるのか?」

 

文「勿論です!後々必要になっていくんですから!」

 

嘘だっ!!

 

龍騎「...身長169cm、体重は......」

 

文「?どうしました?」

 

龍騎「ご......」

 

文「ご?」

 

龍騎「54kg......です」

 

......これめちゃくちゃ恥ずかしい。なにこれ?公開処刑?だったら一思いに殺ってくれ。

 

(な、なんだってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?!?)

 

...なんで固まってんの?帰って良い?じゃあ帰りますね、そんじゃさよなら...。

 

文「...はっ!ちょっと待って下さい!何逃げようとしてるんですか!?」

 

龍騎「...いや逃げようとはしてないよ?(帰るとは言っていない)」

 

文「と、兎に角まだ終わって無いのでもう少しお時間下さい」

 

いや十分でしょ?

 

文「ゴホン...では気を取り直して!龍騎さんの好きなものと嫌いなものは」

 

...好きなものか、そういえば考えたことが無いな...。

 

龍騎「...甘いものが好きかな。昆虫、爬虫、両生類全般無理。あと写真に映る事と取材される事と辛いのも」

 

文「ほっほう〜、好きなものに関しては可愛らしいですね」

 

その所為でいじめられたんですけどね...。

 

文「特技はありますか?」

 

龍騎「...特にこれと言ったものが無いな。一人暮らししてたから家事も出来るし、密かに筋トレもしてたし」

 

文「それでこの細さですか」

 

龍騎「喧嘩売ってるなら今すぐ買うぞ?」

 

文「ひぃぃぃぃ!?すみませんすみません!!失言でした!!もう言いません!!」

 

龍騎「...もう良いでしょ?帰らせてくれない?」

 

文「あ、あと一つです!あと一つお願いします!」

 

こいつしつこいなぁ...。何か新手の詐欺師みたいだな。そう思うと少しイラつく。

 

龍騎「...早く言え」

 

文「ありがとうございます!!それでは最後の質問ですが......、どうして私を避けようとするんですか?」

 

龍騎「......それは新聞に関係のあることなのか?」

 

文「いえ、これは私個人の質問です」

 

...こいつ、以外と人間観察が得意みたいだな。伊達にマスゴミをやってる訳では無さそうだな。

 

龍騎「......外の世界で色々あった、それだけだ」

 

文「詳しくお聞きしても?」

 

龍騎「...あまり良い話じゃないぞ?」

 

文「構いません」

 

龍騎「...分かった」

 

それから文に俺の過去を話した。

 

文「そんな事が...」

 

龍騎「少しずつだが女性には耐性は付いてきてる、と思う...。お前みたいに今日会った女性だと怖くは無いけど緊張する」

 

文「......すみません、無理に取材してしまって」

 

龍騎「...気にするな、俺は気にしない」

 

文(龍騎さんがいじめにあった理由...、恐らく『嫉妬』でしょうね。龍騎さんのスペックに外の世界の女性は嫉妬して気に入らなかった、そしていじめた...、って所ですかね...)

 

龍騎「...もう良いだろ?」

 

文「あ、ありがとうございました!ご協力感謝します!!」

 

そう言って文は開いていたメモ帳を閉じた。

 

文「よろしければ新聞を買ってくれませんか?」

 

龍騎「新聞?」

 

別に良いけど今香霖堂に住んでるしな...。

 

龍騎「...機会があればな」

 

ってか俺やる事見つかったわ、今のうちに家探そう。

 

文「今回は貴重な時間をありがとうございました!!それでは!!」

 

そう言って文は空を飛んで去ってしまった。いや早いな!

 

龍騎「...さてと、香霖堂に戻るか」

 

物件を探そうと思ったが誰に相談すれば良いのか分からないので香霖堂に戻る事にした。

 

翌朝、香霖堂で新聞を読むと、俺の事が大きく書かれていた。あの野郎...、俺は目立ちたくないって言ったじゃねぇか...。

 

霖之助「龍騎くん、文屋に目をつけられたね」

 

龍騎「昨日は無理矢理取材されましたからね...」

 

霖之助「新聞を作ってくれるのはありがたいんだけど、殆どが嘘の情報だからね」

 

マジのマスゴミじゃねぇか...、あまり関わらない方が良さそうだな何されるか分からん。

 

霖之助「それに...、ほら」

 

俺は霖之助さんに指を指されたところを見る。そこには『美少女のパンツを見てしまったラッキーボーイ』と書かれてあった。

 

霖之助「こんな風に書かれる時が偶にあるんだ。だから龍騎くんも気をつけてね」

 

龍騎「......」

 

霖之助「...龍騎くん?」

 

龍騎「............」

 

霖之助「...まさか本当に」

 

バァン!

 

霖之助「!?」

 

龍騎「あんのマスゴミがぁぁぁぁぁぁ!!次会ったら焼き鳥(意味深)にしてやらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

一度机を強く叩いて勢いよく立ち上がり、窓を開けて大声で叫ぶ。今度マスゴミに会ったらトラウマ並の恐怖を植え付けてやろうと俺は決心した。

 




いかがでしたか?

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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第十四話 霧影龍騎の楽しい寺子屋授業

どうもです。

第十四話です。

それではどうぞ。



マスゴミの記事を見て発狂した後、俺は人里にある寺子屋に向かっている。霖之助さんに一人暮らしすると伝えると、

 

霖之助「それなら、寺子屋で教師をしている女性に会ってくると良いよ」

 

と、言われたので寺子屋を訪れた。

 

龍騎「すみませーん、誰か居ませんかー?」

 

俺は寺子屋の前で呼びかける。するとはーい、と返事が聞こえた。寺子屋の中から青色と銀色の髪に頭に帽子を被った女性だった。

 

「おや?君は確か外来人の...」

 

やっぱり知っていたか...。あのマスゴミめマジで許さん。

 

龍騎「は、初めまして...、霧影龍騎と言います」

 

「私は寺子屋で教師をしている上白沢慧音《かみしらさわ けいね》だ。それで今日はどう言った御用で?」

 

龍騎「...実はご相談がありまして、俺人里に住もうと思っているんです」

 

慧音「そうなのか?だがこれから授業が始まるところなんだ」

 

もうそんな時間なのか?これはタイミングが悪かったな...。

 

慧音「!そうだ、良かったら見学していくか?」

 

龍騎「良いんですか?」

 

慧音「ああ、それに外の世界の事を生徒達に教えてくれないか?」

 

ふむ、これは良い機会かもしれない。寺子屋がどんな感じなのか気になってたし。

 

龍騎「分かりました。よろしくお願いします」

 

慧音「では中に入ってくれ。案内する」

 

俺は寺子屋の中に入り、慧音さんの後に着いて行く。少しすると子供達の騒がしい声が聞こえてくる。懐かしいな...、小学校時代を思い出す...。まぁこれと言った思い出は無いんだけどね。教室に着くと慧音さんが扉の前で待っててくれ、と言われたので言われた通りにする。それにしても緊張するな...、こんなに緊張したのは高校の面接試験の時以来だ。

 

慧音「やぁみんな!おはよう!」

 

「「「「「おはようございます!!」」」」」

 

慧音さんは扉を開けて挨拶をすると、子供達も元気良く挨拶する。あぁ、懐かしい...。

 

慧音「さぁみんな!今日もしっかり勉強しよう!その前に今日は特別な先生が来ている。紹介しよう、入ってきてくれ!」

 

いよいよか...。俺は返事をして扉を開いて慧音さんの隣に立つ。

 

龍騎「皆さん初めまして、霧影龍騎です。外の世界から来ました。今日一日よろしくお願いします」

 

「「「「「よろしくお願いします!!」」」」」

 

うん、やっぱ子供は元気が一番!これ一番言われてるから。

 

慧音「何か霧影先生に質問はあるか?」

 

霧影先生か...、ちょっと恥ずかしいけど何か新鮮で良いかもしれない。

 

男子生徒A「はーい!慧音先生とは付き合ってるんですかー?」

 

龍騎「ファ!?」

 

慧音「ブフォ!?」

 

なんちゅー事聞いてるんだこのガキンチョは!?

 

龍騎「ううん、付き合ってないよ」

 

女子生徒A「はいはーい!慧音先生のことどう思ってますかー?」

 

慧音「ブハッ!?」

 

慧音さんの事?そうだな...、今日知り合った訳だし良く分からんし思った事を言えば良いか。

 

龍騎「とても面倒見が良くて頼りになる、そんな人...かな」

 

女子生徒B「霧影先生はどんな女性がタイプですかー?」

 

龍騎「......」

 

そんな事...、言える訳ないじゃないか...。

 

龍騎「...どうだろうね、まだ誰かとお付き合いしたいとは思わないから良く分からないな」

 

慧音「し、質問はここまで!授業を始めるから皆んな静かに!」

 

おっと、授業がある事を忘れてしまった。それから俺は生徒の後ろに行き、慧音さんの授業を見学する。一時間目は数学......じゃないな。幻想郷だと算数だな。

 

慧音「分からないところがあったら霧影先生に聞いても良いぞ。まず前回の復習をするぞ。教科書の36ページを開いてくれ」

 

慧音さんがそう言って白色のチョークを持って黒板に文字と数字を書いていく。まるで小学生の頃に戻ったかのような感じだ。ちなみに今やっている内容は掛け算と割り算だ。良くクラスの奴と誰が早く計算できるか勝負してたな...。

 

「霧影先生ー、ここ教えてー?」

 

龍騎「ん?ああ、分かった......げっ」

 

「?どうしたのー?」

 

俺は生徒に教えてほしいと言われたので生徒に近づき何処か分からないのか聞いてみたが、その子の顔を見るとそれは紅魔館の近くにあった湖で出会った氷の妖精、チルノだった。おいおいマジかよ...。チルノの奴寺子屋に通ってたのかよ...。でも俺のこと覚えていない様子だけど...、まぁ良いか。

 

龍騎「えーと、何処か分かんないの?」

 

チルノ「全部!」

 

うん知ってた。予想はしていたがまさか本当に当たっていたとは...、いや子供騙しで引っかかるぐらいだから尚更か。

 

龍騎「...えーと、問題が『6÷2』か。まず林檎が6個あるとしよう。それを2人で分けるんだ」

 

チルノ「林檎より蜜柑が好き!」

 

龍騎「お前の好みを聞いてるんじゃない!...じゃあ蜜柑6個を2人で分けたら1人何個食べられる?」

 

チルノ「えーと...、6個の蜜柑を2人で分けるから...3個?」

 

龍騎「そ、それが正解だ」

 

チルノ「ありがとー霧影先生!あと残りも教えて?」

 

龍騎「what?今教えた方法で出来る筈だぞ?」

 

チルノ「忘れた!」

 

龍騎「ウソダドンドコドーン!!」

 

こいつ本当に覚える気ある?教えても意味無いような気がする...。

 

龍騎「...慧音先生、今日一日こいつの専属家庭教師になって良いっすか?」

 

慧音「えっ?あ、ああ...それは構わないが...、大丈夫か?」

 

龍騎「(チルノの頭が)大丈夫じゃない、問題だ」

 

それから一時間目が終わるまでチルノ専属家庭教師と化した。

 

 

 

 

 

〜数分後〜

 

龍騎「」

 

チルノ「やったやった!全部解けたー!やっぱりアタイはサイキョーね!」

 

何が最強だよ馬鹿が、てめぇ一問一問忘れやがって...、もうオデノカラダボトボトダ!

 

男子生徒A「す、すげぇー!あのチルノを正解まで導きやがった!」

 

男子生徒B「あの先生、只者じゃねぇ!」

 

もう勘弁してもらって良いっすか...。これ後何時間あるの?

 

チルノ「ねぇ先生、アタイはチルノ!サイキョーの妖精よ!今日からアタイの子分にしてあげる!」

 

龍騎「結構です...」

 

それから算数は終わり、次は国語の時間。またチルノに漢字が書けないだの読めないだの連続だった。もう辞めて!先生をいじめないで!?

 

そして昼休み、俺は空き部屋で慧音さんと休んでいた。

 

慧音「お疲れ様、お茶を淹れよう」

 

龍騎「あ、ありがとうございます...」

 

マジで疲れた...、これを毎日続くとなるとキツいなぁ...。慧音さんがお茶と分厚いファイルを持ってくると俺はコップを受け取り、ちびちびと飲む。

 

慧音「それで、物件の話だが...」

 

龍騎「あ、そうだ忘れてた。何処か一人暮らしできる所ってあります?」

 

慧音「そうだな...、此処なんかどうだ?」

 

慧音さんは持ってきた資料を開いて指を指す。

 

慧音「一人暮らしには丁度良いと思うが、どうだ?」

 

龍騎「...少し家賃が高いですね。予算オーバーって感じです」

 

慧音「なら、これならどうだ?少し狭いが家賃は安いぞ?」

 

龍騎「...なんか微妙だな。取り敢えず保留にして他の物件を見てみたいですね」

 

それから色々物件を見てみたが、これと言った所が無かった。うーん別に悪くない所がたくさんあったけど、どうもこれだ!って感じが無いんだよね...。

 

慧音「参ったな...。もう昼休みが終わってしまう」

 

龍騎「...すみません、俺の為に時間を使って」

 

慧音「気にするな。私も久しぶりに時間を忘れてたからな」

 

物凄い申し訳ない...。終わったらご馳走作ってやろう...。

 

慧音「時間的にこれが最後だな...、しかし......」

 

何故か慧音さんが言い淀んだ。

 

龍騎「?どうしました?」

 

慧音「...一件だけ安くて一人暮らしに持ってこいの物件があるんだが...、お勧めはできない」

 

お勧めできない?事故物件か?

 

龍騎「...理由を聞いても良いですか?」

 

慧音「あそこは何年か前に自殺した女性の霊が出ると噂されているんだ。だからあまりお勧めできないんだ」

 

龍騎「因みに場所は?」

 

慧音「直ぐ其処だ。ほら、ここからでも見えるだろ?」

 

俺は外を覗くと一件だけボロい家があった。その時、不思議な事が起こった。俺の脳内でビビビッ!っと電撃が走って『これだぁ!!』と思った。

 

龍騎「慧音さん、俺其処にします」

 

慧音「なっ!?本気で言っているのか!?」

 

龍騎「大丈夫ですよ。霊が出るってあくまで噂ですよね?俺噂話は信じないんで」

 

慧音「いや、しかし......分かった君がそこまで言うなら止めはしない」

 

龍騎「ありがとうございます。ちなみに家賃は?」

 

慧音「家賃はいらない。住んでもらった方が家の方も嬉しいと思うしな」

 

龍騎「!じゃあ明日から住めるって事ですよね?」

 

慧音「ああ、私が手続きしておこう」

 

キタ━━━(゚∀゚).━━━!!!

 

まさかタダで家が手に入るなんてラッキー!慧音さんに会って良かった!もう俺一生慧音さんに着いて行くわ」

 

慧音「なっ!?///何を言っているんだ馬鹿者!!」

 

慧音さんが顔を赤くして怒った。えっ?何で怒られた?俺何か言った?

 

 

 

それから午後の授業が始まった。午後は外の世界の歴史と電子機器について説明した。特に生徒達は俺が持ってたスマホに大興奮していた。偶々会ったピアノとギターのアプリを使って遊ばせた。そのアプリはオフラインなので電波がない幻想郷でも使えるのだ。そう思うとオフラインって便利だよな。そして夕方になり、今日の授業は終了した。

 

「「「「「「先生さようなら!!」」」」」

 

龍騎「うん、さよなら」

 

慧音「気をつけて帰るんだぞ!」

 

生徒達が帰って行き、残ったのは俺と慧音さんだけだった。

 

慧音「今日はありがとな。お陰で楽しい時間を過ごす事ができた」

 

龍騎「俺の方こそありがとうございました。とても良い体験ができました」

 

慧音「そうか、もし良かったらまた来てくれないか?外の世界の事をもっと知りたいからな」

 

龍騎「これで良ければ喜んで」

 

するとグゥ〜、腹と鳴って俺と慧音さんは同時に『あっ』と言った。そしてお互い顔を真っ赤にする。

 

慧音「そ、そういえばお昼がまだだったな...///」

 

龍騎「...す、すみません。良かったら、何か作りましょうか?」

 

慧音「良いのか?ならお願いしよう」

 

それから俺は簡単なものを作って遅めの昼食...というより早めの夕食を取った。それから俺は慧音さんに感謝の言葉を言って香霖堂に戻った。何か忘れてるような気がするけど気のせいだろ。

 

 

 

 

 

 

龍騎「あ、霊夢のところで賽銭するの忘れてた。ま、いっか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霊夢「龍騎の奴......、賽銭してないな」ゴゴゴゴゴゴ

 

ドス黒いオーラを放ちながらぶつぶつ言う金欠巫女、霊夢であった。

 

 

 




いかがでしたか?

計算の説明で間違っていたらコメントお願いします。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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第十五話 幻想郷にもコスプレイヤーがいた

どうもです。

第十五話です。

それではどうぞ。


寺子屋で一日教師体験と新しい物件を見つけて翌朝、俺は香霖堂を去る日が来た。

 

龍騎「短い間でしたが、お世話になりました...」

 

霖之助「元気でね...、寂しくなったらまた此処に来ると良いよ」

 

龍騎「その時が来たらお願いします...、それでは」

 

俺は一言言って、香霖堂を後にした。

 

 

龍騎「...改めて見ると、普通の一軒家だな」

 

新居に着いた俺は家の前に立つ。それは何処も変わらない和風な家だった。これが女性の霊が出るとは思えない。

 

慧音「ん?霧影か?」

 

後ろを振り向くと、そこには慧音さんがいた。

 

龍騎「おはようございます慧音さん」

 

慧音「ああ、おはよう。どうだ?この家は」

 

龍騎「俺には勿体無いぐらいです」

 

慧音「そうか、何かあったら私の家に来ると良い。寺子屋の直ぐ近くに私の家がある」

 

慧音さんが指を指すと寺子屋が見えた。その隣が慧音さんの家らしい。えっ?近くね?通勤時間5分も掛からないとか羨ましい...。

 

慧音「それじゃあ私は寺子屋で授業してくる。何かあったら私のところに来い。それじゃあな」

 

龍騎「ありがとうございました」

 

慧音さんを見送り、俺は家の中にはいる。中は思っていた以上に酷くは無く、破損してるところは殆どなかった。ただ埃が酷い...。

 

龍騎「まずは掃除だな...」

 

スマホの画面を起動して時刻を確認すると、まだ八時前だった。

 

龍騎「この時間だと何処も開いてないよな...、霊夢のところに行くか」

 

そう決めた俺は博麗神社に向かった。博麗神社に着くと霊夢が朝から掃除をしていた。

 

龍騎「おはようれい...む?」

 

俺は霊夢の様子が変だと気づいた。いつもはこんな時間に掃除なんてしなかった霊夢が朝早くから掃除する訳が無い。それに...。

 

龍騎(なんかドス黒いオーラが出てる気がするけど...)

 

霊夢「あら龍騎じゃない...おはよう」ハイライトオフ

 

龍騎「ひぃぃ!?」

 

待って怖い!!霊夢の笑顔が怖い!!ってかハイライトさん!?消えてますよ!?戻ってきて!!俺が昨日賽銭するの忘れたからこうなったの!?そうだとしたらどんだけ金に執着してんだよ!?

 

龍騎「き、昨日は悪かった...、物件探しと寺子屋で体験教師してたからそっちに行く時間が無かったんだ」

 

霊夢「それは大変だったわね...、なら夜に来れば良いでしょ?」ハイライトオフ

 

龍騎「い、いやだって夜は妖怪が出るって言うから...」

 

霊夢「......」ハイライトオフ

 

龍騎「すいませんでした」

 

俺は土下座で謝った。そして霊夢が耳元で

 

霊夢「次、忘れたら...、分かってるわよね?」ハイライトオフ

 

龍騎「...ハイ」

 

...もう霊夢を怒らせるような行動は取らないようにしよう。霊夢に許して貰えた俺は昨日の分も賽銭をして暫く霊夢と雑談した。

 

霊夢「貴方物件探してたって言ってたけど、見つかったの?」

 

龍騎「ああ、寺子屋の直ぐ近くの家」

 

霊夢「ふーん(...あれ?そこって確か噂の家なんじゃ......ま、いいか)」

 

霊夢と雑談して約一時間、店が開く時間帯になり俺は人里に戻る事にした。

 

龍騎「...じゃあ俺は帰るよ」

 

霊夢「...分かってるわよね?」

 

いや怖いって、トラウマ克服できなくなるって...。それから俺は人里に戻った。

 

それから俺は人里で掃除道具を買って家に帰ろうとしたら

 

「くすり〜、くすりはいかがですか〜?」

 

...なんかうさ耳を付けたコスプレイヤーが居るんだが。幻想郷にも現代っ子っていたんだな。それにしても薬か...。

 

龍騎「...あ、あの」

 

コスプレイヤー「は、はい!」

 

龍騎「...この薬ってどの効果があるんです?」

 

俺は恐る恐る聞いてみる。魔法で治療はできるが風邪引いた時に薬を持っていても損は無いだろう。

 

コスプレイヤー「こ、これは傷薬ですね。風邪薬や包帯もありますよ」

 

ふむ、取り敢えず買っておくか。俺は財布を取り出し諭吉様(一万円札)をコスプレイヤーに渡す。

 

龍騎「...これで買えるだけの薬全部下さい」

 

コスプレイヤー「ぜ、全部!?それにこれ外の世界のお金!?」

 

龍騎「む、無理ですか...?」

 

コスプレイヤー「い、いえいえ!外の世界のお金でも使えますよ!」

 

あっ、そっか〜(納得)良かった...。

 

コスプレイヤー「...もしかして外来人の方ですか?」

 

龍騎「あ、はい。俺は霧影龍騎と言います」

 

コスプレイヤー「私は鈴仙・優曇華院・イナバと言います」

 

龍騎「??????????????」(音割れXファイル音)

 

...今なんて言った?とんでもない名前が聞こえたぞ?

 

龍騎「ワ、ワンモアプリーズ?」

 

やべっ、英語で言っちまった。

 

鈴仙「あはは...鈴仙・優曇華院・イナバ《れいせん・うどんげいん・いなば》です。『鈴仙』でも『優曇華院』でも『イナバ』でも好きな方で呼んで下さい」

 

れーせん・うどんげ・いなば...?また覚えにくい名前だな...。

 

龍騎「...じゃあ、鈴仙。薬を......」

 

鈴仙「あ、ありがとうございます!でも良いんですかこんなに?」

 

龍騎「...あー、今日から一人暮らしするから色々と買っていこうと思って」

 

鈴仙「そうなんですか?」

 

龍騎「ああ...、それじゃ俺はこの辺で......」

 

鈴仙「あ、龍騎さん!お釣り!」

 

龍騎「いえ、結構です...。それじゃあ」

 

俺は逃げるように離れる。駄目だやっぱり相手の年が近いと思うと緊張してしまう...。

 

「あややや!?これはもしかして!?」

 

...うーん、なんだろ。なんか聞き覚えのある声だぞ?俺は声が聞こえた方向に向くと、

 

文「やっぱり龍騎さんでしたか!いや〜この前はありがとうございました!」

 

鈴仙「げ、マスゴミ...」

 

文「マスゴミとは失礼な!!私は皆さん為にと思ってーーー」

 

龍騎「ようマスゴミ、お前にちょょょょと聞きたい事があるんだけど...」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

文「ひぇっ!?な、なんの事でしょうか...」

 

龍騎「お前に言ったよな?変な事書くなよって、何あの記事?ふざけてんのか?」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

文「ふ、ふざけてません!!私は事実をーーー」

 

龍騎「何が『美少女のパンツを見てしまったラッキーボーイ』だあああああ!!俺を変態扱いにするなあああああああ!!」

 

文「ひぃぃぃぃ!?すみませんすみません!!悪気はなかったんです!!」

 

鈴仙(やっぱりあれは嘘だったんだ...。そ、そうだよね!あんな優しそうな人がそんな事しないよね!!)

 

龍騎「てめぇ...、覚悟はできてんだろうなぁ?」

 

文「ごめんなさい!!もう龍騎さんに関しての記事は一切書きません!!約束します!!どうか命だけは!!」ドゲザ

 

龍騎「......ったく、人の許可も取らずにネタにしやがって。その言葉、嘘じゃないんだな?」ギロッ

 

文「は、はい!マジです!大マジです!!」

 

龍騎「...分かった、今回は不問にしてやる」

 

文「!あ、ありがとうございます『ただし』ふぇ?」

 

龍騎「次同じ事したら...分かってるな?」

 

文「は、はいぃ!」

 

そう言って文は逃げるように飛んでいってしまった。

 

龍騎「ふぅ...、これでよしっと」

 

鈴仙「...あの、龍騎さん?」

 

龍騎「は、はい」

 

鈴仙「...新聞の事って本当の事なんですか?」

 

龍騎「......」

 

俺は鈴仙の質問に頭を抱えた。そして俺はあの時の事を話した。あれは不可抗力なので俺は悪くない......、悪くないよね?そうだよね?

 

鈴仙「そうだったんですか...」

 

龍騎「...なんかごめん。こんなやつと居たくないよね」

 

鈴仙「そ、そんな事ないです!」

 

俺が一人で落ち込んで帰ろうとした時、鈴仙に腕を掴まれた。

 

龍騎「!(逃げるな...!落ち着け一度落ち着くんだクールになれ霧影龍騎!!)ど、どうひまひた?」

 

鈴仙「...えっ?」

 

龍騎「」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

噛んDAAAAAAAAAA!!(ゼ◯風)

 

鈴仙「......」

 

龍騎「」

 

俺は顔を真っ赤にして手で顔を隠す。黙らないでよ......、もうやだ...死にたい...お家帰る...。

 

鈴仙(か、可愛い...)

 

なんか固まったままなんだけど...。もう良いや早く帰ってやる事やっちまおう...。

 

龍騎「...帰ります。お薬どうもです......」

 

鈴仙「ど、どうもありがとうございました!」

 

今日はなんて不幸なんだ...。それから俺は家に帰って掃除をした。しかしこの家は凄かった。何故か冷蔵庫やら電子レンジやらあった。いやどうやって電気通っているの?ま、いいか。今日から人里に住む事になった俺は久しぶりの一人暮らしに懐かしさを感じながらこの日を終えた。さて、明日はどうするか...。




いかがでしたか?

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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第十六話 地縛霊と貧乏神

どうもです。

第十六話です。

それではどうぞ。


龍騎「んん〜......ふぅ...」

 

新居で一夜を過ごした俺は布団の上で身体を伸ばす。女性の霊が出るって言うのはただの噂だった。特に身体に異常は見当たらないし変な夢を見ていない。

 

龍騎「何が女性の霊が出るだよ...、全然出ないじゃん」

 

「呼びました?」

 

龍騎「えっ?」

 

俺は声が聞こえた方向に向くと、半透明の女の人が壁を貫通して俺を見ていた。

 

霊「あの...、さっき私の事呼びました?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍騎「キェェェェェェアァァァァァァシャァベッタァァァァァァァ!!! 」

 

数分後、落ち着いた俺はあぐらをかき、女性の霊は正座をした。

 

龍騎「...ごほん、さっきは騒いで悪かった」

 

霊「い、いえいえ。私の方こそ驚かせてごめんなさい」

 

龍騎「...まぁ、その話はこれで終わりって事で。もしかしてだけどあんたは......」

 

霊「は、はい...、私は間遠直子《まとお なおこ》と言います。数年前に死んだ幽霊...、所謂地縛霊です」

 

まさか噂は本当だったのか...。地縛霊って言われた瞬間、某赤い猫の妖怪が出てきてしまった。

 

龍騎「地縛霊、か...。どうして死んだんだ?」

 

直子「...少し、話しが長くなるんですが...、私が生きていた時には三つ上の彼氏がいました。その人は誰よりも真面目で優しくて人里でも評判は良かったんです。でも、私一人の男性に目をつけられまして...」

 

目をつけられた...、つまりストーカーに遭ったのか。

 

直子「それで彼氏に相談してその男性をどうにかして欲しいって頼んだんです。翌日彼氏は男性に会いに行ったんですが...、それから帰って来なくて...」

 

龍騎「...まさか」

 

直子さんはこくり、と首を縦に振る。なんて奴だ...。

 

直子「死因は撲殺、打撲の数が多くて切り傷が一つも無かったので死ぬまで殴られたかと...」

 

龍騎「...心中お察しします」

 

つまり彼氏が死んでショック死で死んだ。そしたら地縛霊になった、と...。

 

直子「...実はまだ話しは続くんですが」

 

龍騎「えっ?」

 

まだ話しは続く?嘘でしょ?ショック死で地縛霊になったんじゃないの?

 

直子「彼氏が亡くなった一週間後に、例の男性が私の所に来て『話がある』って言われて...」

 

龍騎「...それで?」

 

直子「人目につかないところまで連れて来られて、告白されました...」

 

龍騎「は?」

 

ちょっと待ってそれはおかし過ぎない?告白?馬鹿じゃないの?普通彼氏が亡くなって落ち込んでる時にすぐに告白するか?

 

直子「当然私は断りました。それでもあの人はしつこく言ってくるので...、私は平手打ちをして逃げたんです」

 

龍騎「良い判断(センス)だ」

 

直子「そしたら...、あの人は空を飛んで私を掴んで分からない所へ連れて行かれました」

 

龍騎「は?」

 

空を飛んだ?つまりその男は人間じゃない...?

 

直子「そのまま私は、その人に...無理矢理......」

 

龍騎「オケ把握、なんとなく察したわ」

 

つまり誘拐された後、わいせつされてそのまま殺されたと...、俺そう言うのは駄目なんだよ......。やっぱり純愛物しか勝たん。

 

龍騎「...まぁ、その男に殺されて幽霊になった直子さんは此処に戻って来た、と......。でもどうして地縛霊に?地縛霊って死んだ事が信じられない人がなる事だろ?」

 

直子「...実は、その人にやられた時の記憶が無くて...、気がついたらこんな姿に...」

 

成る程な、つまり薬品を使って眠らせた後目的を果たしたって訳か...。

 

直子「まさかこんな事になるなんて思いませんでした...。とても死にきれないです...」

 

そりゃそうだろうな。無理矢理犯されて殺されたんだからな。

 

直子「それから私はずっとこの家に居ました。何回かこの家を買ってくれる人がいたんですが...、私が出るって噂が広がって...」

 

龍騎「成る程...、この家に思い出があるのか?」

 

直子「そうですね...、私と彼氏の大切な場所でもありますから」

 

...逆に俺此処に住んで大丈夫なのか?

 

直子「い、いやですよね...。こんな霊と一緒にいるのは...」

 

龍騎「...別にそうは思わない」

 

直子「...えっ?」

 

龍騎「元から俺は噂なんて信じないから幽霊が出ようが妖怪が出ようが関係ない。悪霊が出たならお祓いして貰えば良いし、妖怪が出てきたらぶっ飛ばせば良い話しだ。それにさっきの話しを聞いて逆に俺は此処に住んで大丈夫なのか?ってぐらいだ。だから俺は出て行かないよ」

 

直子「...変わってますね。そんな事言うの貴方が初めてですよ」

 

龍騎「そうか?俺は本心を言ったまでだぞ?」

 

直子「...そうですか、ありがとうございます。龍騎さん」

 

龍騎「...それよりあんたはどうするんだ?成仏でもするのか?」

 

直子「で、できれば此処に残りたいなぁ〜なんて...『別に良いよ』無理ですよね...へっ?」

 

龍騎「流石に悪霊だったら無理矢理成仏させるけど、あんたのような優しい幽霊なら残りたいなら残す、成仏するなら成仏する。俺はなるべく他人の意思を尊重したい。例え幽霊であってもな」

 

直子「龍騎さん...」

 

龍騎「それにさ...、例え大切な物が手で持てないとしても簡単に手放しちゃ駄目だろ?」

 

直子「...あ、ありがとうございます龍騎さん」

 

直子さんは涙を流してお礼を言う。幽霊でも涙出るんだな...。そこから直子さんと雑談をして午前中を過ごした。

 

 

昼食を外で済ませて買い物に行こうとすると、直子さんが着いてきた。外に出て良いのかと聞くと、『霊感が強い人じゃないと私は見えない』との事。まぁ俺は霊力があるから見えるんだと思う...多分。

 

龍騎「さてと、何を買うか...」

 

直子「龍騎さんは家事とか出来るんですか?」

 

龍騎「まぁ、外の世界じゃあ一人暮らししてたからな」

 

直子「あ、外の世界から来たんですか」

 

龍騎「...驚かないのか?大半の人は驚いてるのに」

 

直子「まぁ珍しいですけどそこまで驚く事じゃないですからね」

 

やっぱりか...、みんな大袈裟なんだよ。なんて思いながら歩いていると

 

?「......」

 

何故か青い色の長い髪に薄汚れた服を着た少女が体育座りをしていた。近くにぼろぼろのお茶碗を置いて...。

 

龍騎「......何あれ?」

 

直子「あ、あの子...」

 

龍騎「知ってるのか?」

 

直子「あの子『依神紫苑《よりがみ しおん》って言って...、確か『貧乏神』だったような...」

 

貧乏神...、えっ?貧乏神?キ◯グ◯ン◯ー的な?

 

龍騎「...幻想郷にも貧乏神っていたんだな」

 

直子「まぁ、妖怪の山に神様がいるぐらいですからね」

 

龍騎「妖怪の山?」

 

直子「幻想郷の北西側に妖怪の山があって、頂上に『守谷神社』があります。そこに二柱と巫女さんがいるんです」

 

妖怪の山の頂上に二柱の神様に巫女、か...。今度行ってみるか...。取り敢えず俺は貧乏神、依神紫苑に近づく。そしてポケットから財布を取り出し一円玉をボロボロのお茶碗に入れる。

 

龍騎「...良かったら使ってくれ」

 

紫苑「?なにこれ?」

 

龍騎「外の世界のお金、幻想郷だと一万円の値段だ。それ使ってなんか食え」

 

紫苑「!!」

 

紫苑は目を輝かせた。そんなにひもじかったのか...、流石は貧乏神。

 

紫苑「...良いの?」

 

龍騎「...いくら貧乏神でも何か食べないとヤバいだろ?」

 

紫苑「...ありがとう」

 

紫苑は少し顔を赤くしてお礼を言う。...こういうのも悪くはないな。俺は軽く手を振って紫苑と別れた。

 

直子「...優しいんですね」

 

龍騎「何がだ?」

 

直子「私もそうですけど普通ならみんな近寄って来ないのに、どうしてですか?」

 

龍騎「...なんでだろうな。ほっとけないとかそんなんじゃない、ただの自己満足でやってるだけであってそれ以上でも以下でもないんだよ」

 

直子「...そうですか」

 

龍騎「ああ」

 

それから食材を買って、自宅に帰ろうとする。が...。

 

龍騎「...なぁ、直子さん」

 

直子「どうしました?」

 

龍騎「...なんか着いてきてね?」

 

俺の言葉に直子さんは振り向くと、さっき一円玉をあげた貧乏神、依神紫苑が着いてきていた。なんで?もっと金が欲しいのか?

 

直子「...着いてきてますね」

 

龍騎「...どうする?」

 

直子「どうしましょうか...」

 

それから紫苑の事は振り向かず帰宅する。そして玄関に着くと振り向いたら紫苑が居なくなっていた。いや...、物陰で隠れている、っていった方が正しいな。

 

龍騎「...いつまで隠れてるつもりだ。いい加減出てこいよ」

 

紫苑「!?」

 

紫苑は物陰から出てきた。

 

紫苑「...何でバレたし」

 

龍騎「いや、あれでバレないと思った?」

 

紫苑「...」

 

紫苑は俯いてしまった。仕方ない...。

 

龍騎「...どうすんの?帰るの?」

 

紫苑「...それは」

 

龍騎「...迷ってるなら中に入れよ。俺は別に構わんぞ?」

 

紫苑「...えっ?」

 

龍騎「なんで着いてきたか知らんが、恵んで欲しいならそう言えば良いだろ?」

 

紫苑「...良いの?」

 

龍騎「入るか帰るかは自分で決めろ。俺には決定権が無い」

 

紫苑「...お願い、します///」

 

紫苑は顔を赤くして恥ずかしそうに頼んだ。最初からそう言えば良いのに...。

 

龍騎「直子さんもそれで良いよな?」

 

直子「はい、それと家主は龍騎さんなので、龍騎さんが決めても大丈夫ですよ」

 

龍騎「そうか...、分かった」

 

それから紫苑と夕食を食べてお風呂にも入れさせた。流石に洗ってやれないので洗い方とシャンプーの場所を教えた。流石に不味いからね、しょうがないね。そして紫苑を布団で寝かせ、俺は予備の布団が無い為、床で寝ることにした。まぁ、少し色々あったけど一人暮らしには問題無さそうだな。そんな事思いながら俺は眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

?「全くいつになったら帰ってくるのやら...、姉さん大丈夫かな...?」

 

とあるボロい一軒家で一人の少女は姉の帰りを心配しながら待っていた。

 

 

 

 

 

 




いかがでしたか?

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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第十七話 こんな採用試験は嫌だ

どうもです。

第十七話です。

それではどうぞ。


貧乏神、依神紫苑が家にやってきて約二ヶ月が経ち、俺が幻想郷に来て半年が経過しようとしていた。夏も終わり食欲の秋のシーズンが始まった。現在、家には元家主の地縛霊、間遠直子さんと貧乏神である依神紫苑。そして何故か頭にサングラスをつけてまさかの茶髪に縦ロールをした自称紫苑の妹が居た。

 

?(ちょっと!ちゃんと説明しなさいよ!!)

 

こいつ、直接脳内に...!気を取り直して、彼女は依神女苑《よりがみ じょおん》紫苑の妹で疫病神らしい。彼女と出会ったのは紫苑を家に入れて翌日、姉を探しに人里に行ったら偶然出会ったのだ。女苑は最初紫苑を連れて帰ろうとするが、俺の家が気に入ってしまった為帰りたくないと駄々こねた。お前歳いくつだよ...。あれ?一応神様だから年齢なんて関係ないのか?まぁ良いか、そんな事より......。

 

龍騎「生活費が...、やばい...」

 

そう、お金が無くなってきているのだ。依神姉妹が住むようになって食費やらなんやらお金の減りが凄まじく早いのだ。お陰様で外の世界のお金も残り僅か、働いてる訳では無いので冗談抜きでヤバい。

 

龍騎「はぁ...、マジでどうしよう...」

 

今俺は求人票を見ているのだが、どれも俺がピッタリの職が無かった。何なの?薬の実験台なんて誰がやるもんか。宝塔探しはどんなものか分からんのでNG。寺子屋で教師をやっても良いが給料は期待できないし何よりチルノの相手をするとなると精神的にキツい。

 

龍騎「一層の事レミリアに頼んでみるか...」

 

そう決めた俺は早速出かける準備をする。依神姉妹に昼食代のお金を渡して紅魔館に向かった。あ、言い忘れたけど依神姉妹は直子さんの事見えるみたい。

 

数分後、俺は紅魔館に到着した。

 

龍騎「久しぶりだな...、此処に来るのも」

 

パチュリーに出禁出されて二ヶ月が経ったがもうそろそろ能力の特訓しても良いよね?そんな事思いながら門の前に立つ。

 

龍騎「...お久しぶりです。美鈴さん」

 

美鈴「......」

 

龍騎「...美鈴さん?」

 

美鈴「......」zzz

 

龍騎「ね、寝てる...」

 

何と美鈴さんは立った状態で居眠りをしていた。普通だったら無理だからね?なんて事を考えていたら突然美鈴さんの頭の上にナイフが刺さり悲鳴をあげた。

 

咲夜「全く美鈴ったら...、おや龍騎様、お久しぶりです」

 

龍騎「...お久しぶりです」

 

......なんか慣れたなこのやりとりも。

 

咲夜「今日はどのような御用で?」

 

龍騎「えっと...、レミリアって居ます?」

 

咲夜「お嬢様ならお部屋におります。ご案内します」

 

こうして俺は咲夜さんにレミリアの居る部屋へ案内された。相変わらず美鈴さんをほったらかしにされている。...本当に扱いが雑すぎない?咲夜さんに案内された俺はレミリアが居る部屋の前にいた。コンコン、と咲夜さんが扉をノックする。

 

咲夜「お嬢様、龍騎様がお越しになられました」

 

レミリア「入りなさい」

 

レミリアの許可を取り、咲夜さんはドアノブを捻り部屋に入る。俺も後に続いて部屋の中に入った。

 

レミリア「久しぶりね、龍騎」

 

龍騎「久しぶり...、レミリア。いきなり訪問して悪いな」

 

レミリア「気にしなくて良いわ、それより今日はどうしたのかしら?」

 

龍騎「...あー、実は紅魔館(此処)で働けないか聞きに来たんだが...」

 

レミリア「うちで?どうして?」

 

俺はこれまでの事をレミリアに伝えた。

 

レミリア「噂の霊が居る家...、それと貧乏神と同居...」

 

咲夜「しかしどうして依神姉妹と同居を?」

 

龍騎「なんか...、ほっとけないと言うか何と言うか...。自己満足でやってる感じですね」

 

レミリア「貴方も物好きね...。でもおかしいわね、貧乏神と同居してるなら不幸の一つや二つは起こる筈なのに何の起こらないなんて...」

 

それは俺も思った。何故紫苑の効果が発生しないのか...。紫苑の能力は『自分を含めて不運にする程度の能力』紫苑と一緒に居ると不運になるのだが一度も起こっていない。ついでに妹の女苑の能力は『財産を消費させる程度の能力』を持っているのだがこれと言った不運は起きてはいない。もしかして...。

 

龍騎(直子さんが能力に目覚めて無意識に発動している...?)

 

そう考えれば納得いく...。って今はそんな事言ってる場合じゃない。

 

龍騎「レミリア、求人の件だが...」

 

レミリア「あぁ、ごめんなさい。まぁ貴方なら大歓迎だわ」

 

マジで?それって面接試験は受けなくて良いって事か!?

 

龍騎「じゃ、じゃあ明日から通えるって事か?」

 

レミリア「えぇ、でも一つ条件があるわ」

 

龍騎「条件?」

 

レミリア「簡単よ、貴方の実力を知りたいの」

 

実力?それって家事の事か?なんだろう...、物凄い嫌な予感がするんだけど...。

 

龍騎「...それって何をすれば良いんだ?」

 

レミリア「今から咲夜と戦ってもらうわ」

 

龍騎「......ゑ?」

 

レミリア「家事も大切だけども紅魔館で働きたいならそれなりの実力が無いといけないの。それに、貴方が何処まで強くなったか気になるし」

 

...これって採用試験だよね?何?新人殺し?

 

龍騎「う、嘘だよね...。嘘だと言ってよレミィ!!」

 

レミリア「嘘みたいでしょ?事実なのよ、これ」

 

龍騎「もうだめだ...おしまいだぁ...(戦意損失)」

 

レミリア「安心しなさい、流石に本気では戦わせないわ。咲夜、準備をお願い」

 

咲夜「畏まりました」

 

龍騎「と"お"し"て"た"よ"お"お"お"!!」

 

採用試験の内容に納得がいかない俺だったが結局戦わないといけないので広場に向かった。広場に到着するとレミリアがルールを説明した。

 

レミリア「それじゃあルールを説明するわ。龍騎は何を使っても良し、咲夜はスペルカードは禁止、それ以外は許可するわ。どちらか戦闘不能、降参したら負け、以上よ」

 

咲夜「分かりました」

 

龍騎「...はい」

 

マジで勝てる気がしない...。でもやるしかないよな...。仕方ない覚悟を決めるか。

 

レミリア「それでは...、始め!」

 

レミリアの合図に咲夜さんとの戦いが始まった。

 

咲夜「参ります...」

 

咲夜さんはナイフを三本俺に向かって投げた。いきなりかよ...。

 

龍騎「くそっ!」

 

俺はギリギリ身体を捻りナイフを避けた。が、前を向くと咲夜さんがいなかった。

 

龍騎「!?何処に!?」

 

咲夜「そこ!」

 

声がした方向を向くと、咲夜さんは更にナイフを投げた。

 

龍騎「貴女の能力は便利だけど、敵になると本当に厄介だな!」

 

咲夜「それはどうも、まだまだ行きます!」

 

龍騎「ちぃ!」

 

咲夜さんが三本のナイフを投げる。俺はもう一度避けようとしたが三本のナイフが一瞬で数え切れない程の数で襲ってきた。

 

龍騎(落ち着け...、トリックはもう知っているんだ...)

 

俺は一度咲夜さんから離れて壁まで走る。

 

咲夜「壁まで走って何をしようと...」

 

そんな事言いながら咲夜さんは俺にナイフを投げる。俺はナイフを避けて一度距離を置く。そして壁に刺さったナイフを二本回収する。

 

龍騎「よし、これなら...」

 

レミリア(成る程、咲夜のナイフを使う為に壁まで誘導したのね)

 

咲夜「...ナイフ二本で私に勝てますか?」

 

龍騎「...無理ですね、明らかに経験不足な俺に勝てるとは思いません。でも、例え負けると分かっていても最後まで抗ってやる」

 

...何死亡フラグ建ててんの?馬鹿なの?アホなの?死ぬの?まぁそんな事は置いといて俺は二本のナイフを片手に一本ずつ持って右手に火属性、左手に雷属性を解放させてナイフに纏わせる。

 

咲夜「これは...」

 

レミリア「ほぅ...」

 

龍騎「...さて、第二ラウンドと行くか!」

 

俺は属性を纏わせたナイフを持って咲夜さんに近づく。

 

咲夜「接近戦で挑もうと...ならば!」

 

咲夜さんも便乗して俺に近づき、大量のナイフを投げる。こうなったらヤケクソだ!俺はナイフに当たりながら咲夜さんとの距離を縮める。所々痛みを感じるが気にしない。

 

咲夜「なっ!?」

 

レミリア「嘘!?」

 

龍騎「ここだ!」

 

俺は雷属性のナイフを投げた。咲夜さんは投げたナイフを避けるが服が少し裂けた。その時、咲夜さんの身体全身に電流が走った。

 

咲夜「がっ!?」

 

レミリア「!?一体何が...」

 

龍騎「俺の能力、『属性を操る程度の能力』の一つ、雷属性はどんなものでも感電する事が出来る。例え金属以外の感電しない物だとしても無意味、少しでも服が裂けても雷属性に触れた以上感電は免れない!」

 

咲夜さんは感電すると地面に膝を着いた。ちなみに電流も自由自在に操れるのだが、そんなに高いと感電死してしまう恐れがあるので後遺症が残らない程度の電流で流している。

 

これに気づいたのは一ヶ月前、冷蔵庫の電源コードの差し込み口が壊れてしまい、どうにか出来ないか考えてみたら俺が属性を操る能力を持ってる事に気がついた。冗談混じりに電源コードのプラグに能力で電流を流すと冷蔵庫が起動した。これもう凄くない?戦闘だけでなく日常生活にも使えるよ?

 

咲夜「うっ...くっ...」

 

咲夜さんは立ちあがろうとするが、感電している所為か上手く立てない。

 

龍騎「降参して下さい...。これ以上は戦いたくない」

 

俺は火を纏わせたナイフを咲夜さんに突きつける。

 

咲夜「......降参です」

 

レミリア「この勝負、龍騎の勝ち」

 

レミリアの言葉を聞くと、俺はだらけるように寝転んだ。マジで疲れた...。

 

龍騎「はぁ...はぁ...、魔力が足らない...、死んじゃう...」

 

レミリア「予想以上の実力ね...。正直驚いたわ」

 

龍騎「そ、そりゃどうも...、咲夜さん大丈夫ですか...?」

 

咲夜「は、はい...もう大丈夫です」

 

レミリア「二人とも、ご苦労様。龍騎、貴方を歓迎するわ」

 

龍騎「...それは試験に合格したって事で良いのか?」

 

レミリア「えぇ、明日からよろしく頼むわね」

 

龍騎「分かった...取り敢えず手当するか」

 

俺は回復魔法で咲夜さんを回復し、その後自分に回復魔法をかける。

 

龍騎「これで良し...」

 

咲夜「あ、ありがとうございます///」

 

龍騎「どういたしまして」ニコッ

 

咲夜「!?///」

 

何故か咲夜さんは顔を赤くした。何で?もしかして熱があるんじゃあ...。

 

レミリア「龍騎、今日は疲れたでしょ?家に帰って明日に備えなさい」

 

龍騎「えっ?でも咲夜さんは...」

 

レミリア「私が見ておくわ。初日から体調不良なんて笑えないわよ?」

 

龍騎「わ、分かった...、それじゃあまた明日」

 

何でレミリアは俺を追い出そうとしたんだ?良く分からん...。まぁ良いか、何とか無事に職場は見つかったし。咲夜さんをレミリアに任せた俺は家に帰る事にした。

 

 

レミリア「咲夜も大変ね...、彼に惚れるなんて」

 

咲夜「も、申し訳ございません...」

 

レミリア「別に謝る事じゃないわ。でも咲夜が男に惚れるなんて初めてじゃない?」

 

咲夜「...そうですね、龍騎様には他の男性とは違う何かを感じまして...、暖かいというか、安心するというか...」

 

レミリア「そう...、龍騎に惚れたなら落とすまで頑張りなさい。これから先ライバルは増えて行くわよ」

 

咲夜「!はい!」

 

レミリア「ふふ、これからどうなるのか楽しみだわ」

 

 

 

龍騎「くしゅん!...風邪?まさかな...」

 

 

 

 

 

 




いかがでしたか?

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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第十八話 執事の仕事は楽じゃない

どうもです。

第十八話です。

それではどうぞ。


紅魔館で採用試験に合格した翌朝、俺は朝早くから紅魔館に向かう準備をしていた。朝起きて、依神姉妹の朝食、昼食を作って必要な物を持つ。

 

龍騎「直子さん、留守番お願いします」

 

直子「はい、気をつけて下さいね」

 

そして俺は紅魔館に向かった。紅魔館に到着すると美鈴さんがなんか変な踊りをしていた。

 

龍騎「おはようございます、美鈴さん」

 

美鈴「あ、龍騎さん!おはようございます」

 

龍騎「...何をしていたんですか?」

 

美鈴「太極拳です。毎朝やるのが日課なので」

 

太極拳か...、名前は知ってたけど直接見た事が無かったな。後で見せて貰おっと。

 

美鈴「そう言えば、今日から此処で働くんでしたよね?」

 

龍騎「はい、これからよろしくお願いします」

 

美鈴さんに軽く挨拶をして紅魔館の中に入った。

 

咲夜「龍騎様、おはようございます」

 

龍騎「おはようございます。レミリアは居ますか?」

 

咲夜「お嬢様ならお部屋におりますが、龍騎様が来たら空き部屋で着替えてと言われております」

 

龍騎「着替えか...、分かりました」

 

それから咲夜さんに空き部屋まで案内して貰って、空き部屋に入るとベッドの上には執事服があった。...これを着れと?まぁ着ないと何言われるか分からないので黙って着る事にした。

 

龍騎「なんか落ち着かないな...、なんでサイズがピッタリなんだ?」

 

執事服を着てみたが全然似合ってないよなこれ。

 

龍騎「...まぁいいか」

 

外で咲夜さんを待たせているので俺は空き部屋から出た。

 

龍騎「お待たせしました」

 

咲夜「......」

 

龍騎「ど、どうですか...?初めて着る服なんで変じゃないですか?」

 

咲夜「......」

 

龍騎「咲夜さん?」

 

咲夜「ひゃい!?」

 

なにそれ可愛い。ってか固まってる時顔が赤くなってたけど大丈夫か?

 

咲夜「す、すみません///そ、それでは龍騎様には部屋の掃除をして貰います。その後、妹様の遊び相手になって貰います」

 

龍騎「遊び相手って...、弾幕勝負とか持ちかけて来ないですよね?」

 

流石に出来ないよ?まともに弾幕打てないんだから。

 

咲夜「お嬢様曰く『弾幕を使わない遊びをさせる』との事です」

 

龍騎「そっか...、良かった」

 

俺は一安心すると咲夜さんは時を止めたのか手には箒と雑巾を持っていた。本当に便利だよなその能力。

 

咲夜「それでは、よろしくお願いします」

 

龍騎「はい」

 

俺は言われた通り全ての部屋を掃除をした。咲夜さんがやっている所為か目立った汚れは少なかった。それから三時間程経ちお昼休憩になった。昼食を済ませて少し休んでいると、フランに声をかけられた。

 

フラン「あ、お兄様!」

 

龍騎「ん?フラ...、妹様。どうなされました?」

 

フラン「妹様?」

 

龍騎「俺は今日から此処で働く事になったんだ。立場上フランが偉いんだから妹様って言った方が良いだろ?」

 

フラン「でもお兄様に私の事を妹様って呼ぶのなんか変」

 

龍騎「仕事の時はな、プライベートの時はフランって呼ぶよ」

 

フラン「えぇ〜、じゃあお兄様、私の執事さんになってよ!」

 

龍騎「...妹様専属って事か?」

 

フラン「うん!咲夜はお姉様のメイドでしょ?私もメイドとか執事が欲しい!」

 

龍騎「俺は構わないが...、レミリアに聞いてみないとな...」

 

レミリア「私は構わないわ」

 

龍騎「レミリア!?」

 

後ろからレミリアが出てきた。普通にびっくりした...。

 

フラン「ほんとお姉様!?」

 

レミリア「えぇ、フランがどうしてもって言うなら」

 

フラン「やったーー!」

 

レミリアに許可を貰うとフランは嬉しそうな顔をして俺に抱きついた。ちょ、ちょっと!?

 

レミリア「ふふ、本当に兄妹みたいね」

 

龍騎「みんなにドン引きされるわ...」

 

人間と吸血鬼の組み合わせなんて常識的にあり得ない。ってか幻想郷じゃああり得てるんだよなぁ...。

 

レミリア「さぁ、午後も頑張って頂戴。フラン、龍騎と遊んでも良いけど弾幕勝負は禁止よ。流石に龍騎じゃあまだ早いからね」

 

フラン「はーい!お兄様早く行こ!」

 

龍騎「引っ張らなくても逃げませんよ妹様」

 

レミリア「別にフランの事妹様って言わなくても良いのよ?」

 

龍騎「...それ早く言ってくんない?」

 

それからフランの部屋に連れてこられた俺は、何をするか決めていた。

 

龍騎「で、何がしたいんだ?」

 

フラン「うーん、どうしようっかな〜」

 

するとフランはポンっと手を叩いた。何か思いついたようだ。

 

フラン「お兄様!鬼ごっこやろ!」

 

龍騎「鬼ごっこ?二人でか?」

 

フラン「大丈夫だよ、何人か妖精メイドもいるから誘ってやろうよ!」

 

...ちょっと待って?妖精メイド?そんなの居たっけ?俺が疑問に思っているとフランは窓の外を覗いたらそこにはメイド服を着た妖精が庭掃除をしていた。全然知らなかった...。それから妖精メイドを何人か呼んで鬼ごっこを始めようとしていた。

 

フラン「みんな揃ったね?制限時間は10分間、私が鬼をやるからみんなは逃げてね?」

 

龍騎「鬼はフラン一人か?」

 

フラン「うん!それじゃあ行くよ?」

 

そう言ってフランは両手で顔を隠して10秒数え始めた。その隙に俺と妖精メイド達はフランから離れる。10秒数え終えるとフランは動き始めた。

 

龍騎「10分か...、フラン一人が相手ならなんとかなる...、ちょっと待てよ?」

 

俺は少し疑問に思った。果たしてこれは()()()鬼ごっこなのだろうか...。そう思いながら走っているといきなり爆発音が響いた。そして、俺の読みが当たったのだ...。

 

龍騎「ダヨネーリュークンシッテタ」

 

フラン「あはははは!あと何人かな〜?」

 

フランが紅魔館をあちこち破壊しまくっていた。...弾幕使わないんじゃなかったっけ?

 

龍騎「...これはレミリアに報告した方が良さそうだな」

 

フラン「あ!お兄様みっけ!」

 

やべっ、フランに見つかった...。

 

さて、どこへ行こうか...。

 

1、図書館

 

2、門

 

3、レミリアの部屋

 

 

 

 

1の場合、

 

俺はなんとなく図書館に向かった。図書館に到着するとパチュリーが本を読んでいた。

 

パチュリー「あら、龍騎じゃない。久しぶりね」

 

龍騎「あ、ああ...、久しぶり」

 

パチュリー「どうしたの?息が切れてるけど」

 

龍騎「フランと鬼ごっこやってて...、此処に逃げてきた」

 

パチュリー「はぁ...、まぁ良いわ。フランが来たら適当に誤魔化しておくから少し休んでなさ...」

 

パリーン

 

突然図書館の窓が割れた。

 

魔理沙「ようパチュリー!また借りに来たぜ!」

 

龍騎「魔理沙!?」

 

パチュリー「また来たわねこの盗人!今日という今日は許さないわよ!」

 

龍騎「お、落ち着けパチュリー!魔法陣を出すな!」

 

魔理沙「相変わらずケチな奴だな、そっちがやるなら相手になってやるぜ!」

 

龍騎「魔理沙も辞めろ!此処でドンパチするな!」

 

それから二人は激しく弾幕を放つ。そして一つの弾幕が俺の方に向かってきた。

 

龍騎「え?」

 

パチュリー・魔理沙「「あ」」

 

ドーーーン!!

 

龍騎「お前らよ...、喧嘩するんじゃねぇぞ...」キボウノハナー

 

      

      GAME OVER

 

 

 

 

 

 

2の場合、

 

俺はなんとなく門に向かった。門に向かうと美鈴さんが起きていた。珍しい...。

 

美鈴「龍騎さん、今の爆発音はなんですか!?」

 

あ、この人絶対寝てたな。爆発音で目が覚めたと、オケ把握。

 

龍騎「ちょっとフランと鬼ごっこをしていて...」

 

ドーーーン!

 

突然門が爆発した。

 

龍騎「!?」

 

フラン「みぃ〜つけた〜」

 

美鈴「い、妹様!?」

 

フラン「おにぃさま〜!」

 

龍騎「ふおぉっ!?」

 

キーン!ドカーン!

 

フランは俺に抱きついてきたが、衝撃が強すぎた為、壁に激突してしまった。そして壁にぶつかった俺は背中に丸い穴が空いていた。

 

美鈴「りゅ、龍騎さーーーーん!!」

 

    

     YOU ARE DEAD

 

 

 

 

3の場合、

 

何処に逃げても捕まるので俺はレミリアに止めて貰おうと思い、レミリアの部屋に向かった。

 

龍騎「レミリア、居るか?」

 

レミリア「あら、龍騎じゃない。どうかしたの?」

 

俺はレミリアにフランの事を伝える。

 

レミリア「はぁ...、全くあの子ったら」

 

龍騎「すまないが、辞めて貰うよう頼んでくれないか?」

 

すると扉が突然勢いよく開いた。

 

フラン「お兄様みぃ〜け!」

 

レミリア「フラン!!」

 

レミリアが突然大声を出してフランを叱った。

 

レミリア「フラン、貴女あちこち壊したみたいね!」

 

フラン「うっ...」

 

それからレミリアの説教が始まり、数十分が経過した。

 

レミリア「貴女はいっつもそう!そうやって他人に迷惑を掛けてばっかりで!」

 

フラン「そういうお姉様こそ、フランの大事なプリン食べたじゃん!」

 

時間が経過していく次第に姉妹喧嘩になってしまった...。

 

龍騎「お、お前ら少し落ち着けって...」

 

レミリア・フラン「貴方(お兄様)は黙ってて!」

 

龍騎「はい」

 

それからレミリアとフランの喧嘩は徐々にデットヒートしていくうちに口喧嘩から弾幕勝負に変わった。...あれ?これデジャブ?

 

レミリア「神槍『スピア・ザ・グングニル』」

 

フラン「禁忌『レーヴァテイン』」

 

龍騎「や、辞めろぉ!!」

 

ドーーーン!

 

そのまま俺は爆発に巻き込まれた。

 

レミリア「げほっ、げほっ...、龍騎大丈夫?」

 

龍騎「」

 

レミリア「龍騎!?」

 

フラン「お兄様!?」

 

俺は地面に突き刺さったまま意識を失った。

 

     adieu...

 

 

 

 

 

龍騎「駄目だ正規ルートが無い(白目)」

 

三つの選択肢を頭の中で出したが誰もバッドエンドの未来しか見えないので絶望していた。そんな時、

 

フラン「もう逃げられな...、えっ?」

 

何故かフランが途中で言葉を言うのを辞めた。見てみると咲夜さんがフランを米俵の担ぐように持っていた。

 

咲夜「妹様、少しおいたが過ぎますよ」

 

すると咲夜さんはフランの尻を思いっきり叩いた。それも凄い音で。

 

フラン「い"た"い"っ"!?」

 

咲夜「それに!龍騎様にも!妖精メイドにも!迷惑を!かけて!」

 

フラン「ご、ごめんなさい!!ごめんなさい!!」

 

フランは泣きながら謝罪をするが叩くのを辞めない咲夜さん。容赦無さ過ぎる...。

 

龍騎「さ、咲夜さん...、流石にやり過ぎでは...」

 

咲夜「いいえ龍騎様、今回は被害が大きいのでそれなりの罰を与えるのもメイドの仕事です」

 

絶対違うでしょ...。そんなメイド見た事が無いよ...。

 

それから咲夜さんの説教が三時間に及び行われ、フランは二度と紅魔館を破壊しない事を約束した。

 

龍騎「はぁ...、初日から疲れた...」

 

咲夜「お疲れ様です。龍騎様」

 

食堂で休んでいると咲夜さんが紅茶を持ってきてくれた。

 

龍騎「あ、ありがとうございます」

 

咲夜「どうでしたか?初日の方は」

 

龍騎「あんな事がありましたが、まぁやれるだけやってみようと思います」

 

咲夜「...辞めたい、とは思わないんですね」

 

龍騎「...今の俺には依神姉妹と直子さん(家族)がいるから、あいつらの為に頑張ってやらないと、って思うと辞められないんですよ」

 

咲夜「...凄いですね。龍騎さんは」

 

龍騎「まだまだですよ、俺は」

 

それから咲夜さんと少し雑談をした。そして終了時間になった。

 

龍騎「もうこんな時間か...」

 

咲夜「では門までお送りいたします」

 

というわけで咲夜さんと門まで歩いた。

 

龍騎「それじゃあ、また明日」

 

咲夜「はい、お気をつけて...」

 

咲夜さんに別れの挨拶をして俺は帰宅しようとするが、何故か咲夜さんは寂しそうな顔をしていた。

 

龍騎「...どうしました?」

 

咲夜「い、いえ...、何でもありません」

 

何でも無くは無い、明らかに変だ...。仕方ない...、やってみるか。

 

龍騎「...無理は、しないで下さいね」ナデナデ

 

咲夜「!?」

 

俺は咲夜さんの頭を撫でた。少し迷ったが落ち込んだ表情されたら帰りにくい。それから暫く咲夜さんを撫でた。

 

龍騎「...落ち着きました?」

 

咲夜「は、はい」

 

先程の寂しそうな顔からいつもの咲夜さんの顔になった。

 

龍騎「さっきも言いましたけど、無理はしないで下さい」

 

咲夜「あ、ありがとうございます」

 

そして咲夜さんに軽く手を振って今度こそ家に帰った。手を振った時に咲夜さんも手を振って返してきてくれた事が少し嬉しかった。

 

 

 

 

 




いかがでしたか?

お気に入りが50件を超えました。読者の皆様に感謝申し上げます。本当にありがとうございます。

これからも頑張って行きますので、よろしくお願いします。


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第十九話 白狼天狗と同居

どうもです。

第十九話です。

それではどうぞ。


紅魔館で働き始めて数日後、今日は仕事が休みなので直子さんと買い物に来ていた。すっかり寒くなってきて今晩は鍋にしようと思う。生憎俺の家には炬燵やストーブが無いが、俺の能力で部屋を暖める事ができるので寒さには困らない。ちなみに能力で暖められるのは部屋だけでなく体温まで上げられるので寒がりの俺には持ってこいだ。マジでありがてぇ...。

 

直子「これで全て揃いましたね」

 

龍騎「ああ、早く帰って飯にしよう」

 

直子「そうですね。姉妹揃ってお腹空かせてると思うので」

 

そう言って俺達は帰ろうとすると、

 

?「あやや!龍騎さんじゃないですか!」

 

聞き覚えのある声が聞こえた。

 

龍騎「...お前か、文」

 

直子「射命丸さん...」

 

直子さんも文の事を知っていたようだ。

 

文「どうもお久しぶりです!少しお時間を...、って何ですかこの霊は!?」

 

龍騎「お前見えるのか?」

 

文「見えるも何もバリバリ見えますよ!」

 

直子「射命丸さんは『鴉天狗』なので幽霊である私の事が見えるんですよ」

 

直子さんが小さな声で俺に教えてくれた。成る程ね、つまり妖怪なのか...。

 

文「...ごほん、気を取り直して、龍騎さんに少し相談したいのですがよろしいでしょうか?」

 

龍騎「相談?」

 

文「はい、これは取材とかじゃなくて真面目な話しなんです。お願いします」

 

文が頭を下げて頼んできた。

 

龍騎「...何で俺に頼む?俺以外でも良いだろ」

 

文「相談の内容が男性に関わる事なので、龍騎さんに是非お願いしたいと思いまして...」

 

...この相談、只事では無さそうだな。

 

龍騎「...分かった、話しは聞く。だけどこっちも用事がある。その後で良いか?」

 

文「!ありがとうございます!それでは後ほど!」

 

文は嬉しそうな顔をして空高く飛んで行ってしまった。

 

直子「良いんですか?相談に乗って...」

 

龍騎「さっきの文の目...、あれはいつもの目じゃなかった。兎に角本人に直接話しを聞いてみよう、その前に腹ごしらえだ」

 

そう言って俺達は帰宅した。その後昼食を済ませて、外で文を待つ。数分後、文がやってきた。

 

文「お待たせしました」

 

龍騎「別に良い、それより中に入れよ寒いだろ?」

 

文「お気遣い感謝します。でも連れが居まして」

 

龍騎「連れが?」

 

文「はい、連れの居る所まで行きましょう」

 

そう言われたので俺は文に着いて行く。着いた場所は甘味処で其処には短めの白髪に犬みたいな耳と尻尾が付いている少女が居た。

 

?「あ、文さん...、そちらの方は?」

 

文「お待たせしました。彼が例の男性です」

 

龍騎「...文、彼女は?」

 

文「紹介します。彼女は犬走椛《いぬばしり もみじ》私の部下である白狼天狗です」

 

...えっ?白狼天狗?その椛って少女が?イメージしてたのと全然違った...。(第十二話参照)

 

龍騎「...それで?相談ってのは文じゃなくてその椛って事か?」

 

椛「い、犬走椛と言います...」

 

龍騎「...俺は霧影龍騎だ」

 

軽く自己紹介をして、本題に入る事にした。

 

龍騎「...それで?相談ってなんだ?」

 

椛「じ、実は...」

 

そう言って椛は俺に一通の手紙を渡した。俺は黙って手紙を読むと、

 

  『愛しき椛さん、僕は君を愛している』

 

と、書かれてあった。

 

龍騎「ラブレター、では無さそうだな...」

 

文「やはり龍騎さんもそう思いますか...」

 

龍騎「普通いきなり愛しているなんて言わないだろ...、明らかに『貴女の事見てますよ』って事だろうな」

 

文「そうですか...」

 

龍騎「...これはいつ貰ったんだ?」

 

椛「二ヶ月ぐらい前です。それから毎日のようにずっと届いて来て...」

 

うわっ...、これは完全にストーカーじゃねぇか...。

 

椛「最初は誰かの悪戯だと思ったんですが...、毎日手紙が届いて来て...、怖くて仕事に集中出来なくなったり、まともに寝れなくて...」

 

龍騎「この事を上司には?」

 

文「報告済みです。今も捜索しています」

 

龍騎「...それで?俺にそのストーカーを何とかしてほしい、と?」

 

文「...お願いします。私の大事な部下なんです」

 

椛「お、お願いします!」

 

二人は頭を下げてお願いしてきた。...そんな事言われたら断れないじゃないか...。

 

龍騎「...分かった、力になれるか分からんが、協力する」

 

椛「!本当ですか!?」

 

龍騎「ああ...」

 

文「ありがとうございます龍騎さん!」

 

椛「ありがとうございます!」

 

俺って本当にお人好しだな...、人間でも無い相手に協力するなんて...。

 

龍騎「確認するけど、二ヶ月前にストーカー男に手紙を毎日貰ってる、って事だよな?」

 

文「はい」

 

龍騎「仕事は大丈夫なのか?」

 

椛「今は有給を取ってます」

 

龍騎「まぁ当然だな、今の状態で仕事したら仲間に迷惑を掛けるだろうし、それにメンタルもやられてるんだ。少し休んだ方が良い」

 

椛「そう、ですか...」

 

龍騎「...ちなみにこれからどうするんだ?」

 

椛「どう、とは?」

 

龍騎「そのまま家に帰るのか?それだとまた手紙が来るんだろ?」

 

椛「そ、それは...」

 

文「あ、だったら暫く龍騎さんの家に住むってのはどうでしょうか!」

 

龍騎「は?」

 

何言ってんだこいつ?

 

文「そうすれば椛の手紙に悩まされなくて済むし、龍騎さんの女性恐怖症の改善にもなる。一石二鳥ですよ!」

 

龍騎「馬鹿かお前は。そんなんで椛が認める訳...」

 

椛「わ、私は...、龍騎さんなら良いかなって...」

 

なん...だと...、お前は羞恥心というのが無いのか...。いや、若干顔が赤くなってるから恥ずかしいのだろう。

 

龍騎「...無理はするな。嫌なら嫌だって言え」

 

椛「い、いえ!無理はしてません!それに、毎日怖い思いするのはもう嫌なんです!」

 

俺が無理はするなと言うと、椛は近づいて来て反論した。ちょっと近いよ!?

 

龍騎「わ、分かった...、そういう事にしておく。えっと...、じゃあ暫くうちに住むって事か?」

 

椛「は、はい。今日からよろしくお願いします」

 

龍騎「...えっ?今日から?...まぁ良いか、えっと...、よろしく」

 

文「それでは龍騎さん、椛をよろしくお願いします」

 

それから文は仕事に戻り、椛は泊まる準備をしに行ってしまった。俺も家に帰り、この事を皆んなに報告する。

 

直子「そんな事が...」

 

龍騎「という事で、暫くうちに住む事になったから、そこんところよろしく」

 

直子「はい」

 

紫苑「分かった」

 

女苑「まぁ、事情も事情よね」

 

それから皆んなで色々対策を考えてみたが、中々良い案が浮かばなかった。暫く考えているとコンコン、とノックする音が聞こえた。俺は玄関を開けると椛が荷物を持って立っていた。

 

龍騎「よく来たな...、まぁ上がれよ」

 

椛「お、お邪魔します...」

 

椛は恐る恐る中に入る。

 

直子「あ、どうも」

 

椛「ゆ、幽霊!?」

 

椛は直子さんの存在に驚いた。まぁ伝えて無いし驚くよな。

 

龍騎「...取り敢えず荷物置け、自己紹介はそれからだ」

 

そう言って椛は一旦荷物を床に置き、座布団の上に座った。

 

龍騎「...あー、改めて俺が霧影龍騎で、この家の家主だ」

 

紫苑「知ってると思うけど、私は依神紫苑。この家で居候してる」

 

女苑「依神紫苑の妹の依神女苑よ、よろしく」

 

直子「私は間遠直子と言います。今は地縛霊です」

 

椛「...もしかして、女性の霊が出る噂のですか?」

 

直子「はい、私の事です」

 

椛「そうなんですか...、文さんから聞いてはいたんですがいまいち信用が出来なくて...」

 

部下にも信用されていないマスゴミ、ざまぁないぜ!

 

龍騎「まぁ、別に被害が出てる訳じゃないし、そこまで警戒する必要はないぞ」

 

椛「は、はい...」

 

まだ緊張してるようだな。仕方ないかさっき知り合った男の家に暫く住む訳だし。

 

龍騎「...取り敢えず晩飯にするか」

 

紫苑「夕飯は何?」

 

龍騎「今日は寒いし、鍋にしようと思う」

 

女苑「おお!それは良いわね!」

 

椛「鍋...ですか?」

 

直子「もしかして苦手な物があるんですか?」

 

椛「い、いえ!多人数で食事をするのは久しぶりなので...」

 

女苑「そういえば今までどう言った食事をしてたわけ?」

 

椛「ストレスの所為か...、食欲が無かったので...」

 

これは相当参ってるな...。道理で痩せ細ってる訳だ。

 

龍騎「...じゃあ準備するか」

 

それから皆んなで鍋の準備をする。俺は調理担当、紫苑はテーブルを拭いて女苑は食器を並べる。直子さんは椛に部屋の案内をさせている。鍋が完成し、テーブルの上まで持っていって蓋を開ける。

 

紫苑・女苑「「おお!」」

 

椛「美味しそう...」

 

直子「醤油鍋ですか、良いですね」

 

龍騎「やっぱり王道を征く醤油だろ」

 

直子「はぁ...、地縛霊ですから食べれないのが悲しいです...」

 

まぁ死んじゃってるからね、しょうがないね。

 

龍騎「んじゃ食べますか、いただきます」

 

「「「いただきます」」」

 

俺がいただきます、と言うと皆んなが後に続いて言った。

 

紫苑「〜〜っ!あっつ...」

 

女苑「慌てすぎよ姉さん」

 

椛「......」

 

龍騎「?どうした椛、もしかして口に合わなかったか?」

 

椛「いえ、とても美味しいです...、やっとまともな食事が取れると思うと嬉しくて...」

 

椛がそう言うと、目から涙が出てきた。どれ程辛かったか良く分かる。

 

龍騎「...今は何も気にせず食え、〆に残った汁でうどん入れるか」

 

紫苑「おおー!」

 

女苑「あんたやっぱり最高ね!」

 

依神姉妹は目を輝かせる。本当に食べ物に関係すると食い付きが良いよな...。それから皆んなで鍋を堪能して俺が片付けをしてる間に女性陣を風呂に入らせる。女性陣が風呂に入り終えた事を確認して俺も風呂に入る。風呂から出たら布団を引くのだが、

 

龍騎「やべっ...、一人分足りない...」

 

三人分しか布団が無い事に気がついた。まぁまた床で寝れば良いか....、能力が無かったら死んでたかもしれない...。

 

椛「あの...、良かったら一緒に寝ませんか?」

 

......え?( ゚д゚)?

 

椛がとんでもない事を言い出した。何言ってんのこの子は?

 

龍騎「...いや、流石にそれは駄目だろ。抵抗があるというか...」

 

椛「そ、それじゃあ龍騎さんは何処で寝るんですか!?」

 

龍騎「...床だな、能力で体温を上げれば風邪は引かないだろ」

 

椛「駄目です!半分退くので布団に入って寝て下さい!」

 

龍騎「それが駄目だから言ってんでしょうが!」

 

それから色々言い合いになって最終的に俺が折れた。何か面倒臭くなった...。それから電気を消して椛がいる布団の中に入る。少し経つと椛が俺の背中に抱きついた。

 

龍騎「ひぃ!?」

 

俺は思わず声を出してしまった。マジでびっくりしたんだもん。

 

椛「ご、ごめんなさい...」

 

龍騎「せ、せめて一言言ってくれ...、びっくりするから」

 

椛「あ、あの...、暫くこうしても良いですか?」

 

背中を見せてるからどんな顔をしてるか分からないけど、弱々しい声で何となく分かった。

 

龍騎「...好きにしろ」

 

そう言うと、椛が先程より強く抱きしめてきた。あ、これ耐えられないかも...。それから俺の理性との死闘が始まった。

 

 




いかがでしたか?

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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第二十話 お出かけと謎の男

どうもです。

第二十話です。

最初は椛視点から始まります。

それではどうぞ。


〜椛side〜

 

 私は今、とある人の家にお邪魔している。その人は霧影龍騎さんと言って、半年前に幻想入りしてきた外来人らしい。その人については上司である文さんから聞いていたけど、外の世界で女性恐怖症になった彼を信用して良いのか少し不安だった。

 いざ実際に会ってみると、やはりと言うべきか幻想郷の男性とは違う何かを感じた。そして龍騎さんに今までの出来事を説明すると協力すると言ってくれた。まさか引き受けてくれるなんて思わなかった。それから文さんが勝手に龍騎さんの家に同居する話しになった。龍騎さんは否定したけど、何故か私は嫌という気持ちは無かった。寧ろ龍騎さんなら信用できる...、そう思うと顔が段々と熱くなる。でも龍騎さんは無理はするな、と言った。私は無理はしていない...、それに毎日のように手紙が届くのはもう嫌だ...!思わず本心を言ったら龍騎さんは少し焦った表情で同居を認めてくれた。私は嬉しかったのか今日から同居すると言ってしまった。何言ってんの!いきなりそんな事言ったら龍騎さんも困るでしょ!?でも龍騎さんの答えは断るどころか了承してくれた。あんな事言ったのにここまで受け入れてくれるなんて思わなかった...。

 それから私は一度自分の部屋に戻り、荷作りを始めた。ある程度終えると直ぐに龍騎さんの居る家に向かった。文さんの情報によると女性の霊が出る噂の家に住んでるみたいだ。龍騎さんの家に着いて扉をコンコン、とノックする。すると直ぐに龍騎さんが迎えに来てくれた。私は家の中に入ると、部屋の中に幽霊が居た事に驚いた。それから軽く自己紹介をすると、幽霊の間遠直子さんは地縛霊で例の噂の正体だった。それと依神姉妹は居候という形で住んでいるみたい。

 その後直子さんに部屋の案内をしてもらい、終わるととても良い匂いがした。リビングに戻るとテーブルの上には鍋が置いてあった。龍騎さんが鍋の蓋を取ると、とても美味しそうな醤油鍋だった。皆んなが集まると龍騎さんが先にいただきます、と一言言うと私達も後に続いていただきます、と言った。鍋をお皿によそって一口食べるととても美味しかった...。懐かしくて、暖かくて、安心する気持ちで一杯だった。気がつくと私は涙を流していた。鍋の具材を食べ終えると〆のうどんを入れて皆んなで堪能した。龍騎さんって料理上手だったんだ...。

 それから私達女性陣は先にお風呂に入った。少し狭かったけどこうして数人で入るのが久しぶりで楽しかった。お風呂を出ると直ぐに龍騎さんが入っていき、依神姉妹は冷蔵庫でお茶を飲んでいて私は直子さんと少し雑談をした。龍騎さんがお風呂から出てくると直ぐに布団を引き始めたのだが、一人分が足りないみたいだった。恐らく龍騎さんは私達を優先させる気だ、私は龍騎さんに一緒に寝ないかと言ってみたけど断られた。それから少し言い合いが続いたけど最終的に龍騎さんが諦めた。もしかして押しに弱いのかな...?

 それから布団に入って龍騎さんのスペースと取る為、半分ずれる。龍騎さんが電気を消すと半分開けて置いたスペースに入ってきた。暗い空間で寝るのは慣れているがどうしても手紙の事が思い出してしまう...、怖くなった私は龍騎さんの背中に抱きついてしまった。驚かせてしまったけど、とても安心する...。それから龍騎さんに許可を貰ってこのままの状態で寝る事にした。少し強めに抱きついちゃったけど大丈夫かな...?そんな事を思いながら眠りについた。

 

〜椛side out〜

 

 

 

 

チュンチュン、と鳥の鳴き声が聞こえる中、たった一人だけ朝早くに起きて目の下に隈がある男は誰でしょう。

 

そう、俺だ。...誰に言ってるんだろ。

 

俺は今超絶寝不足なのだ。原因は俺の側で寝息を立てながら寝ている白狼天狗、犬走椛である。昨日の夜、突然抱き枕にされた俺は全然寝れなかったのだ。いや、自分の理性を抑えていた、と言った方が正しいな。兎に角全然寝れなかったのでめちゃくちゃ眠い。二度寝しようにもそろそろ朝食も作らないといけないので寝るのは諦める事にした。久しぶりだよ夜更かし(オールナイト)したのは...。それから俺は朝食を作り、途中直子さんが起きたので皆んなを起こして貰う。幽霊の直子さんは皿とか箸とか持てないので皆んなを起こす事しか出来ないのだ。

 

直子「皆さん、起きて下さい。朝ですよ」

 

椛「ん...んん...」

 

紫苑「眠い...」

 

女苑「ふぁ〜...朝...?」

 

龍騎「よう、おはよう」

 

椛「おはようございま...、どうしたんですかその目は!?」

 

直子「本当だ、隈が出来てますよ」

 

龍騎「...気にするな、俺は気にしない」

 

それから朝食を済ませてこれからの事をどうするか考える。ちなみに紅魔館の仕事は土日休みなので今日は日曜日、やる事が無いのだ。まぁ無かったら寝れば良いだけなんだけどね。

 

椛「今日はどうしましょうか?」

 

龍騎「...どうする?お前が決めて良いぞ」

 

椛「な、なら一緒にお出かけでもしませんか?折角の休みなので羽を伸ばしたいし...、龍騎さんと一緒にいたいし...」ボソッ

 

龍騎「?」

 

最後小さい声で何か言っていたが良く聞き取れなかったので分からなかった。おかしいな、聴覚には自信があるんだが...。

 

椛「あ、でも無理して行かなくても良いですよ!龍騎さん寝不足ですし...」

 

龍騎「...お前は優しいんだな、ありがたいけど俺の事は気にするな。出かけるなら準備しようぜ」

 

椛「で、でも...」

 

龍騎「今のお前と比べれば俺なんて生易しいものだ。だから気にする必要はない」

 

椛「...」

 

椛は納得がいかないような顔をしている。...仕方ない。

 

龍騎「...なら布団も買いに行くついでに服選んで貰っても良いか?そう言うのは苦手でな...」

 

椛「!はい!」

 

俺がそう言うと嬉しそうに尻尾を振る椛。やっぱり尻尾って動かせるのか、すげぇな。

 

女苑「だったらお土産お願いね〜」

 

紫苑「私みたらし団子」

 

...ちゃっかりお土産頼んでんじゃねぇよ。それと紫苑、お前はいつから団子になったんだ?それから椛と一緒に人里を歩いた。布団は帰りに買うとしてそれまで店を見る事にした。まずは服屋に行って俺用の服を買う事にした。俺の服は何着か適当に買って着ているのだがセンスが無いのでどのような組み合わせで着れば良いのか分からなかった。その事を椛に伝えると、俺に合いそうな服を選んで貰った。幻想郷は和服しか無いのかと思ったが少し洋服があったのでそれを買う事にした。

 

店員「もしかしてお付き合いしてるんですか?」

 

龍騎「ブッ!」

 

椛「!?」

 

会計してる時、店員さんがそんな事を言ってきた。俺は思わず吹いてしまい、椛も顔を真っ赤になる。

 

龍騎「い、いえ...、付き合ってる訳では...」

 

店員「そうなんですか?とてもお似合いですよ」

 

椛「あ、ありがとうございます///」

 

会計を済ませて店の外に出る。すると椛が俺の袖を軽く掴んで引っ張った。

 

龍騎「どうした?」

 

椛「あ、あの...、私達ってカップルに見えますかね?」

 

龍騎「......知らん。でもさっきの店員さんがそう言ってたんだから見えていたんじゃないか?」

 

椛「...そう、ですか......。何かカップルって良いですね///」

 

龍騎「...人間と天狗の組み合わせか...、中々面白いな」

 

えへへ、と嬉しそうに笑う椛。でもな...、俺は昔の事があるから辞めて欲しいんだよ...。そんな事思っていると、

 

「おや?もしかして...」

 

何処からか聞き覚えの無い声が聞こえた。

 

「やっぱり椛さんじゃないか!」

 

椛「ま、真琴さん...」

 

椛がそう言うと、俺は椛が見ている方向に身体を向ける。其処には黒い羽がついた男が飛んでいた。その男は地面に着地すると羽を小さく畳んで椛に近づく。

 

真琴「最近仕事に来ていないから心配したんだよ?どうして人里に?」

 

椛「そ、それは...」

 

龍騎「...ってかお前何者だ?見た感じ妖怪だろ?」

 

真琴「君こそ一体何者なんだい?それに何故椛さんも一緒にいる?」

 

龍騎「...後者はこちらの事情で一緒にいるだけだ。前者はまず自分から名乗るのが普通だろ?」

 

真琴「...伊東真琴《いとう まこと》鴉天狗だ」

 

.........ん?(´・ω・)?

 

今なんて言った?イトウマコト?何か聞き覚えのある名前だぞ?某アニメとゲームの主人公じゃないよね?

 

真琴「さあ今度は君の番だ」

 

龍騎「...霧影龍騎」

 

真琴「霧影?例の外来人か...」

 

椛「真琴さん...、どうして此処に?今は仕事中じゃあ...」

 

真琴「今は休憩中なんだ、人里で一服しようと思って来てみたら椛さんが居たんだ」

 

休憩中、ねぇ...。時間帯的に少し早いのでは?

 

真琴「それはそうと、どうして人間なんかと一緒に居るんだい?」

 

龍騎「居ちゃいけない理由でもあるのか?」

 

真琴「君には聞いていない、少し黙っててくれないか?」

 

龍騎「なら教えてくれよ。俺が彼女と一緒に居ちゃいけない理由を」

 

真琴「......」

 

真琴は黙ってしまった。こいつ益々怪しいな...。

 

真琴「と、兎に角椛さんから離れろ!」

 

龍騎「何で怒ってんの?何?そんなに椛と一緒に居たい訳?」

 

椛「真琴さん落ち着いて...、龍騎さんも」

 

椛が止めに入り、真琴は俺を睨んでくる。だから何で怒ってんの?

 

真琴「...そろそろ僕は戻るけど、椛さん何かあったらいつでも言ってね」

 

椛「は、はい...」

 

そう言って真琴は羽を広げて飛び立とうとする。

 

真琴「...椛さんに何かあったら許さないからな」ボソッ

 

俺の耳元でそう呟いた。

 

龍騎「...ご忠告どうも、さっさと消えろ」ギロッ

 

真琴に睨みつけると逃げるように去っていった。伊東真琴...、取り敢えずマークしとくか。

 

龍騎「...大丈夫か?」

 

椛「は、はい...。でもどうして真琴さんが?」

 

龍騎「さあな、取り敢えず買い物を済ませるか...」

 

それから布団と枕、甘味処で団子を買って帰宅した。依神姉妹に渡すと大喜び。本当に食べ物に目が無いな...。その後皆んなで昼寝をした。俺が起きた頃には既に日は落ちていたので直ぐに夕飯の支度をしようとするが皆んな俺を抱き枕のように抱きつかれていた。あれ?これデジャブ?三密だよ三密、ソーシャルディスタンスだよ。俺は何とか脱出して夕食を作る。暫くして皆んなが起きてから遅めの夕食を食べて、明日は紅魔館の仕事があるので直ぐに休む事にした。

 

 




いかがでしたか?

伊東真琴については皆様が知っている人物とは全くの別人なのでご了承下さい。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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第二十一話 反撃(前編)

どうもです。

第二十一話です。

それではどうぞ。


椛と同居して一週間が経過した。俺は今、紅魔館でレミリアの部屋の掃除をしている。椛と出かけた後、伊東真琴とは会わなかったみたいだ。別に会っちゃいけないなんて言ってないんだが、どうもあの男が信用出来ない。何か隠してる感じがして怪しさがめちゃくちゃ感じる...。

 

龍騎「椛、大丈夫かな...」

 

俺が小さく呟きながら仕事をしていたら、レミリアに聞かれていた。

 

レミリア「何か心配事でも?」

 

龍騎「...いや、大した事......、なのかもしれない」

 

レミリア「ふーん、少し気になるわね。話してみなさい、相談に乗るわよ」

 

龍騎「実は...」

 

俺はレミリアに椛の事を説明した。

 

レミリア「成る程ね...、それは心配するわね」

 

龍騎「それに、俺的に怪しい人物が一人居るんだが、仮にそいつが犯人だったとしても証拠がない」

 

レミリア「確かにね...、貴方って妖怪にも優しいのね」

 

龍騎「...そんな事はない。俺の自己満足で動いてる訳であって決して相手の為に動いてる訳じゃない」

 

レミリア「それでも十分優しい方よ、今日は早めに帰すから彼女の側に居てあげなさい」

 

龍騎「いや流石に駄目だろ...、それに直子さんや依神姉妹が居るし大丈夫だと思うけど...」

 

レミリア「もし椛が犯人に誘拐されたら?」

 

龍騎「!?」

 

レミリア「いくら彼女が妖怪だからって犯人に勝てると100%言い切れる?それに、女を守るのも男の仕事でしょ?」

 

龍騎「...良いのか?」

 

レミリア「えぇ、外の世界と違ってそこまで社畜じゃないわよ」

 

...此処ホワイト企業を超えてるわ。エンジェル企業だ。

 

龍騎「すまん、昼には帰る」

 

レミリア「分かったわ、そっちが終わったら話聞かせて貰うわ」

 

それから午前中に仕事を終わらせて昼食を取らずに帰宅した。レミリアには感謝しないとな...。

 

直子「おかえりなさい。今日は随分と早いんですね」

 

龍騎「まぁな、それより椛は?」

 

直子「椛さんなら食器を洗ってますよ。昼食を取ったばかりなので」

 

昼食を取っていたのか...、良かった...。...俺ってこんなに心配性だったか?

 

椛「直子さん、洗い終わりました...、って龍騎さん!?」

 

龍騎「...よう、レミリアにお前の事話したら側に居てやれって、取り敢えずただいま」

 

俺が家の中に入ろうとすると、

 

「あ!いたいた!」

 

空から声が聞こえた。

 

椛「文さん?」

 

文「椛、真琴さんが話がしたいって言ってましたよ」

 

椛「なっ...!?」

 

直子「えっ...」

 

龍騎「......」

 

あの野郎、何する気だ...。

 

龍騎「ちなみに何の話しなんだ?」

 

文「それは分かりませんが...、あの先に真琴さんが待ってますよ」

 

椛「...私、行ってきます」

 

龍騎「!?お前正気か?何されるか分からないんだぞ!?」

 

椛「はい...、でも、逃げるのは嫌なので...」

 

そう言って椛は走って行った。本当に行かせて大丈夫なのか...?明らかに無事で済むような事じゃないって胸騒ぎがする。

 

直子「文さん!さっき真琴って言いませんでしたか!?」

 

突然直子さんが大声で文に聞いた。

 

文「は、はい、言いましたけど」

 

直子「苗字は伊東ですか!?」

 

直子さんは真琴の苗字を知っていた。それに何でそんなに焦って......、ちょっと待てよ!?俺は直子さんの過去を振り返る。

 

 

・直子さんは生前、ストーカーに遭っていた。

 

・そのストーカー男に人目に付かない所で告白された。

 

・逃げようとしたらストーカー男は空を飛んで捕まって知らない所に連れ去られた。

 

・そして殺された...。

 

龍騎「もしかして直子さんをストーカーした男って...!」

 

直子「その伊東真琴です!」

 

やっぱりかよこんちくしょう!!やっぱり椛を止めておけば良かったんだ!!

 

直子「それに私だけで無く、他の女性にも...」

 

本当どうしようもねぇ野郎だなこの野郎!!こんなに怒るのは初めてだ。

 

龍騎「文!大至急お前の上司に報告、お前の速さなら間に合う筈だ!」

 

文「は、はい!」

 

俺の指示で文は物凄いスピードで飛んで行ってしまった。俺は椛が走って行った道を全力で走る。手ぶらのまま椛は走って行ったから抵抗するにも出来ない筈だ。

 

頼む!無事でいてくれよ椛!間に合ってくれ!!

 

 

〜椛side〜

 

私は文さんに言われた通りに行くと、真琴さんが待っていた。龍騎さんが初めて真琴さんに会った日の夜、龍騎さんは真琴さんの事を疑っていた。龍騎さん曰く『どうも椛に執着している』との事。私は真琴さんの事はそんな風には見えない。いつも仕事熱心で私だけでなく色んな人にも優しく話してくれる人なのだ。だから龍騎さんの言っていた事は少し納得がいかなった。それでも龍騎さんは、

 

龍騎『誰が犯人なのか分からない...、俺達と文以外の奴は警戒しておけ』

 

と言った。確かに真琴さんが犯人じゃないと言い切れない。でも私は真琴さんが犯人じゃない事を心の中で祈るしかなかった。

 

真琴「やぁ、椛さん。待っていたよ」

 

椛「...それで、お話しというのは?」

 

真琴「此処じゃあ言い辛いから移動しよう」

 

そう言って人里から離れて、人目に付かない所に来た。どうしよう...、嫌な予感がしてきた...。

 

椛「此処じゃなきゃ駄目なんですか?」

 

私は慌てて真琴さんに言った。

 

真琴「そうだね...、この辺にしようか」

 

そう言って足を止めた真琴さん。そして一歩近づいて、

 

真琴「椛さん、僕は貴女の事が好きだ」

 

告白された。

 

椛「...えっ?」

 

頭の中が真っ白になる。どうして...?私は真琴さんとはあまり関わらなかったのに...。

 

真琴「本当はもう少し早く言おうと思ったんだけど...、心の準備が出来なくてね」

 

椛「......」

 

真琴「それで、返事はどうかな?」

 

正直、告白されるのは嬉しい。嬉しいんだけど何かが違う...、嬉しい筈なのに気持ちが満たされない。一体何が駄目なんだろう...、そう思ってると一人の人物が浮かび上がった。それは、見ず知らずの私に協力してくれて、料理を作ってくれたり、お金を稼いだり、一緒に寝てくれたりしてくたり、そして私の事を心配して帰って来てくれた人...。

 

そうか...、私......、龍騎さんの事好きになったんだ...。

 

椛「ごめんなさい」

 

私は真琴さんの告白を断った。すると暫く沈黙が続く。

 

真琴「...椛さん」

 

椛「はい」

 

真琴「抱いても良いかな?」

 

......はい?

 

椛「な、何を言って...」

 

真琴「その言葉通りだよ椛さん」

 

椛「いや、意味が分からないですよ...」

 

真琴「さっきのごめんなさいは『返事が遅れてごめんなさい』って事だろ?」

 

...この人何言っているの?どうしたらその捉え方になるの...。

 

椛「ち、違います...!お付き合い出来ませんという意味で!」

 

真琴「椛さんは可愛いなぁ...、そんなに照れるなんて」

 

椛「照れてません!もう良いですか?私は帰ります」

 

そう言って私は真琴さんから離れようとする。後ろに振り向いた瞬間、腕を掴まれて私の顔に近づけた。その時、私は思った。

 

椛(取られる...!)

 

そう思った私は真琴さんを力強く引っ叩いた。真琴さんは頬を抑えて私を見る。

 

椛「最低...、二度と私に関わらないで!」

 

そう言って私は全力で逃げた。急いで龍騎さんの所に戻ろう、この事を龍騎さんに伝えないと、その気持ちしか無かった。しかし、逃げてる途中に両腕を抱き締めるように捕まった。

 

椛「きゃ!」

 

そのまま私は地面に身体を着いてしまい、真琴さんは私を逃がさないようにした。

 

真琴「...酷いじゃないか椛さん。僕から逃げようとするなんて」

 

椛「あんな事して逃げない方がおかしいです!ご自分が何をしているか分かっているんですか!?」

 

真琴「僕は貴女とお付き合いしたいだけだよ?仮にあの言葉が本当なら僕の何処か嫌なんだい?」

 

あの言葉...、私がごめんなさいと断った事だろう。

 

椛「全部ですよ!貴方とお付き合いするなら、龍騎さんとお付き合いした方が幸せです!」

 

真琴さんはその言葉を聞いた瞬間、目を大きく開けて驚いていた。

 

真琴「...椛さん、それは勘違いだ。あんな人間に椛さんを幸せに出来ない。それに人間と妖怪じゃあ釣り合わないよ」

 

この人、龍騎さんを馬鹿にして...、許せない...!龍騎さんの事を少しも分かろうともしないで!

 

椛「それでも龍騎さんは私の為に動いてくれた!一緒に住んで、ご飯を食べて、お出かけもして、私の為に尽くしてくれた!だから私は龍騎さんの事が好きなったんです、見た目だけで判断する人が私は一番大っ嫌いなんです!!」

 

バシンッ!

 

最後まで言い終えると、頬に痛みを感じた。拳で殴られた訳じゃないけど平手打ちでもとても痛かった。私は涙を流したが表情は変えなかった。

 

真琴「住んでる...?ご飯も...?お出かけ...?」

 

真琴さんは私の言葉に混乱している。今だ、逃げるなら今しかない!そう思って私は逃げたそうとすると、再び捕まってしまった。

 

真琴「...全く、女ってのはどいつもこいつも同じだ。大人しく俺の物になれば良いのに...」

 

椛「どう言う...事?」

 

真琴「そのままの意味さ。さぁ椛さん、俺と楽しい事をしようよ」

 

私は真琴さんの言葉に恐怖を感じた。絶対に破廉恥な事だ...。

 

真琴「その前に聞きたい事があるんだけど...、あの男が何処が良い訳?細くて頼りない人間の何処に惚れる所があるの?」

 

龍騎さんを馬鹿にされて怒りが込み上げる。こうなったら...。

 

椛「貴方には分からないでしょうね...、()()()()()を...」

 

真琴「...どう言う事だ?」

 

椛「私の身体は...、私の全ては龍騎さんに捧げました。貴方にあげる物なんて一つも無いって事です!」

 

バシンッ!

 

また頬を殴られた。

 

真琴「う、嘘だ...、嘘だ...!嘘だぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

真琴さんは...、いや、もうさん付けするのは辞めよう。真琴は頭を掻きむしりながら叫んだ。

 

真琴「嘘だよな!?俺を騙す為に嘘を言ったんだよな!?」

 

椛「......私、基本嘘を言わないんですけど」

 

真琴「糞が......、クソがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

椛「ご愁傷様...」

 

真琴「っ!黙れ!!」

 

そう言って真琴は私の服を破り始めた。何も抵抗出来ない私はただ黙って服が破られるのを見ているだけだった...。そして私が下着姿になると一度手を止めた。

 

真琴「あー、もう駄目だ。もう我慢できねぇ」

 

椛「な、何を...」

 

真琴「察しが悪いなぁ、今から犯すんだよ!」

 

その言葉を聞いた私は顔を青ざめた。それはお互いが愛しあって行う事なんじゃ...。それに私、まだ経験が無いのに...。

 

椛「いや...、来ないで...」

 

真琴「さぁて、まずは何処から頂こうとするかな」

 

息を荒くなる真琴。助けて...、誰か助けて...!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   「止めろぉぉぉぉぉぉ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

聞き覚えのある声が聞こえた...。何か爆発音が聞こえて、目を開けると真琴は顔を抑えていた。

 

真琴「だ、誰だ!?」

 

「...さぁて問題です。女性が苦手にも関わらず、見ず知らずの女性の為にこんな馬鹿な事をしているお人好しな愚か者は一体誰でしょう...?」

 

この声は...、まさか!?

 

真琴「お、お前は...!」

 

椛「あ...、ああ...」

 

やっぱり、私の為に来てくれたんだ...。ありがとう...。

 

椛「龍騎さん...!」

 

龍騎「そう!霧影龍騎()だ!」

 




いかがでしたか?

最近タイトルを考えるのが適当な感じがしてタイトル詐欺になってないか心配です...。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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第二十二話 反撃(後編)

どうもです。

第二十二話です。

それではどうぞ。


龍騎「...大丈夫か?」

 

椛「龍騎さん...!龍騎さん!」

 

椛を立たせて俺に抱きついて来た。あーあ、服がビリビリに破かれてるじゃん...、まぁ下着が破かれていないのが救いだな。...おっといかんいかん、直ぐに服を脱いで椛に渡す。こんな冬に能力で体温が上げられるのがマジで助かる...。

 

真琴「な、何故だ...、何故お前が此処に...?」

 

龍騎「お前に殺された人が幽霊として俺の家に住んでるんだ。その人から全て聞かせて貰ったよ...。てめぇだけはぜってぇに許さねぇ...!」

 

椛「ど、どう言う事ですか!?」

 

龍騎「...こいつは過去にお前以外の女性を手に掛けた。直子さんもその一人だったのさ」

 

椛「そんな...」

 

真琴「嘘だ!椛さん、そいつに騙されては駄目だ!」

 

椛「貴方の事なんて信用出来ません!私を騙しておいて良く言えますね!」

 

龍騎「見事な嫌われっぷりだな...」

 

真琴「お前が...、お前がいる所為で!お前がいるから椛さんは!」

 

龍騎「黙れ!!罪の無い人達を殺めておいて何を言っている!女性が苦手な俺でもこんなに胸糞悪いのは初めてだよ」

 

真琴「うるさいうるさい!お前がいなければ椛さんは俺の物になれたのに...!」

 

龍騎「椛はお前の物じゃねぇ!それに、てめぇのような屑に好きになる人物なんて一人も居ねぇよ」

 

真琴「なんだと...!」

 

龍騎「...今の俺は今まで以上に怒ってる。お前は俺に超えちゃいけないラインを越えさせたんだ。覚悟は出来てるな?」ギロッ

 

真琴「っ!...やる気かい?俺は鴉天狗、妖怪なんだぞ?」

 

龍騎「分かってるさ。...例え勝てないって分かってても、てめぇだけは一発ぶん殴られねぇと気が済まねぇ!」

 

真琴「ははは!ヒーロー面かい?お人好しのお前にはピッタリの言葉だな!」

 

龍騎「...俺はヒーローでも正義の味方でも何でもない。俺は俺であってそれ以上でも以下でも無い。今回だって俺の自己満足の為に動いてるが椛の事がどうでも良いなんて一つと思ってない。こうやって椛の所に来たのは助けに来ただけじゃ無い」

 

俺は右手に拳を作り、火属性を解放して魔力を溜める。

 

龍騎「お前に殺された直子さんとその彼氏、そしてそれ以外の女性の方々、今回被害に遭った椛の為に、お前をぶっ飛ばす為に俺は此処にいる!」

 

真琴「俺をぶっ飛ばす?...ふっ、ふふふ...あはははははは!!これは面白い!人間が妖怪にぶっ飛ばすどころか傷一つ付ける事も出来る筈がない!」

 

龍騎「生憎俺は吸血鬼と戦った事がある...。お前と比べれば甘い方だ」

 

真琴「はっ!そんな嘘通用するとでも?だったら証明して貰おうか!」

 

真琴は余裕の笑みを浮かべて俺に接近してきた。文程の早さではないが中々早い。

 

真琴「おらっ!」

 

真琴は俺を殴り掛かって来た。俺は左手で真琴の拳を受け止める。

 

真琴「なっ!?」

 

龍騎「俺が能力持ちだと気づかなかったのか?」

 

そう言って俺は左手に雷属性を解放させて真琴を感電させる。

 

真琴「があぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

龍騎「俺の能力、『属性を操る程度の能力』の一つ、雷属性はどんなものでも感電させられる。例え妖怪でも電気には弱い筈だ」

 

真琴「く、くそぉ...、いつからそんなものを...!」

 

龍騎「吸血鬼と戦ってる途中にな、お喋りはここまでだ」

 

俺はゆっくりと真琴に近づく。

 

龍騎「まずは...、これは直子さんの仇だぁ!」

 

俺は火属性を解放させた拳で真琴の顔を殴った。

 

真琴「ごはっ!」

 

龍騎「そして...、これは直子さんの彼氏さんの仇!」

 

真琴「ごふっ!」

 

龍騎「そしてこれは...、お前が手をかけた女性達の仇!」

 

真琴「うぐっ!」

 

龍騎「最後に椛を怖がらせた分!」

 

真琴「ぐはっ!」

 

龍騎「おまけに...、俺を怒らせた罪だぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

俺は最後の一発を全ての魔力を使って真琴を殴った。殴られた真琴は二、三メートル程吹っ飛んでいった。

 

龍騎「はぁ...、はぁ...」

 

魔力を使い果たした俺は地面に膝を付ける。

 

椛「龍騎さん!」

 

椛が近寄って来て、俺を支えるように立たせた。

 

真琴「人間にしてはまずまずだが...、そんなんじゃあ俺以外の妖怪には倒せないぜ?」

 

真琴がふらふらしながら俺の元に戻ってきた。分かっていたがやはり妖怪は人間と違って頑丈だな...。

 

龍騎「...確かにな、今の俺じゃあ妖怪の一人や二人は倒せないだろうな。でもな...、お前何か忘れてないか?」

 

真琴「は?」

 

龍騎「俺が此処に来た目的...、何だっけ?」

 

真琴「...俺をぶっ飛ばしに来た事」

 

龍騎「そう言う事だ。つまり俺の用は済んだ」

 

椛「えっ...?」

 

真琴「なっ...」

 

龍騎「後は煮るなり焼くなり好きにしろ...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

上司様」

 

「真琴...貴様っ!」

 

真琴「なっ!?」

 

椛「大天狗様!?」

 

椛の上司、大天狗が空から現れた。ついでに文も。

 

文「お待たせしました龍騎さん!」

 

龍騎「ナイスタイミングだ文」

 

椛「ど、どうして大天狗様が此処に...?」

 

龍騎「説明しよう!俺が此処に到着する前の事である!」

 

 

 

〜到着する数分前〜

 

文と別れた俺は椛が走って行った道を全力で走っている。恐らく人目に付かない所に居る筈だ。僅かながら椛の魔力を感じる...。

 

龍騎「無事でいてくれよ...、頼むから...!」

 

文「龍騎さーん!」

 

俺が走っていると文がやって来た。

 

龍騎「...早くね?お前ってそんなに早かったっけ?」

 

文「そりゃ幻想郷では最速と言われてますからこのぐらい朝飯前ですよ!」

 

あ、幻想郷最速なんだ。マスゴミの中でナンバーワンなのか。

 

龍騎「...この先に僅かながら椛の魔力が感じる。恐らくその先だろう」

 

文「本当ですか!?それでは早く行きましょう!」

 

龍騎「待て、お前は上司を連れて来てくれ」

 

文「え?どうしてですか?」

 

龍騎「此処は確実に仕留めるぞ。お前達の上司を連れて来れば流石の真琴も何も出来ない筈だ。お前が上司を呼びに行ってる間に俺が真琴を抑える」

 

文「成る程、そう言う事ですか!分かりました!それでは行ってきます!椛をお願いします!」

 

文は俺に敬礼をして飛んで行ってしまった。さて、俺が何処まで時間を稼げるかだな...。せめて5分...、いや10分は最低でも稼がなくちゃならない。頼むぞ文...。

 

 

〜現在〜

 

龍騎「...と言う訳さ」

 

真琴「なん...だと...」

 

大天狗「全ては文から聞かせて貰った。伊東真琴、貴様を殺処分とする!」

 

真琴「そ、そんな...」

 

龍騎「お前にしては無様な最期だな。ま、同情なんてしないがな」

 

真琴「貴様だけは...、貴様だけは絶対に許さん!」

 

龍騎「だから何だよ?」

 

真琴「っ!殺す、殺してやる!」

 

最後の抵抗なのか真琴は俺に殺気を放ちながら近づいて来た。が、直ぐに拘束された。

 

文「往生際が悪いですよ真琴さん」

 

真琴「は、離せ!こいつだけは、こいつだけは!!」

 

龍騎「最期に聞きたい事がある。...何故罪の無い女性を狙った?」

 

真琴「俺は鴉天狗の中では優秀なんだ!そこらの男とは違う!だから恋愛にも絶対的な自信があった!でも女が悪いんだ!何故俺を見ない!?何故俺と一緒に居ようと思わない!?それに男にとっては女は宝だ!女性苦手のお前には分かるまい!」

 

龍騎「...確かに分かんねぇよ。女子にいじめられて、信用出来なくなった俺には理解出来ない話しだ。それに俺は優秀でも何でもないただの人間だ。でもな...、自分の理想が叶わないから命を奪うのか?てめぇ命の何だと思ってるんだ!!」

 

真琴「!」

 

龍騎「命なんて身近な物でも失う事が出来るんだぞ!?人間も妖怪も簡単に死んじまうんだぞ!?それをお前は平然とやっていたんだぞ!?何とも思わないのか!?自分の理想が叶わないのを理由に罪の無い女性を殺めてきたのに何も感じないのか!?」

 

真琴「...黙れよ、お前に何が分かる!?逆にお前は欲望は無いのか!?」

 

龍騎「あ?ねぇよそんなもん。そんなのとっくに外の世界で犬にでも食わせてきたレベルだ」

 

真琴「な...」

 

龍騎「俺はな、ただ平凡に生活していけば何もいらない。お前のように女が欲しいとか自分を好きになって欲しいなんて一度も思わない」

 

椛「龍騎さん...」

 

文「......」

 

真琴「貴様...!何も分かってないな!誰かを愛し、子供を授かり家庭を築こうとは思わないのか?」

 

龍騎「興味ないね」

 

真琴「!?」

 

龍騎「だけど、これだけは言える。お前のようにはなりたく無いってな」

 

真琴「ふざけるな!!椛さんは...、少なくともお前の事を好きなんだぞ!?」

 

龍騎「!?」

 

文「はいぃぃぃ!?」

 

大天狗「ほう...」

 

椛が...?俺の事を...?いや、何かの間違いだ。

 

龍騎「...例えそれが事実でも俺にはそんな資格はない。愛する事も愛される事もな」

 

真琴「!!貴っ様!」

 

文「こら!暴れないで下さい!」

 

真琴「お前は屑だ!何故彼女の気持ちを知ろうとしない!?何故受け止めようとしない!?」

 

龍騎「......これ以上喋るなよ。さっさと消えろよ。天国でも地獄でも無い無の世界に」ギロッ

 

それから真琴は何か言っていたが何故か俺の耳には入らなかった。真琴の言う通り俺は屑だ、俺を好きになるなんておかしいし、俺の何処に好きになる所があるのだろうか...。

 

文「あーもう!少し黙って下さい!」

 

真琴「がっ!?」

 

文は真琴に手刀で気絶させた。そのまま真琴は大天狗様の後に付いてきた部下の天狗達によって連れて行かれた。

 

龍騎「......」

 

大天狗「霧影龍騎...、だったか?」

 

龍騎「はい」

 

大天狗「お前の事は文から聞いている。礼を言うぞ」

 

龍騎「気にしないで下さい。自己満足で動いただけなんで...」

 

大天狗「それでも椛は助かった。感謝はしているさ」

 

龍騎「...そう言う事にしておきます」

 

大天狗「伊東真琴に関しては安心すると良い。二度と地上には現れないだろう」

 

龍騎「そうですか」

 

大天狗「では私は此処で失礼する。今度会う時が来たら話しでもしよう」

 

そう言って大天狗様は飛んで行ってしまった。

 

椛「龍騎さん!」

 

椛が近づいて来た。

 

椛「あの...、今回はありがとうございました!」

 

龍騎「...さっきも言ったけど、俺の自己満足で動いただけであってお前が気にする事は無い」

 

椛「それでもお礼が言いたいんです。本当にありがとうございました!」

 

龍騎「...分かった、そう言う事にしておく」

 

椛「...あの、大丈夫ですか?さっきから顔色が良くないんですが...」

 

龍騎「...どうしても昔の事を思い出しちまうんだ、お前達が俺を受け入れてくれると分かってても...」

 

俺が俯くと、椛はそっと抱きしめてくれた。

 

椛「それでも、私は龍騎さんの事が好きです」

 

龍騎「椛...」

 

椛「私は龍騎さんのお陰で救われたんです。私だけじゃない、直子さんや依神姉妹だって救ったんですよ。龍騎さんは自己満足で動いてると言ってますけどそれでもみんな龍騎さんに感謝してるんです」

 

龍騎「...そんなものなのか?」

 

椛「はい、だからもっと自信を持っていきましょう!」

 

龍騎「...うん」

 

文「......あれ?私は空気なんですか?」

 

椛「あ、文さんまだ居たんですか」

 

龍騎「先に帰ったかと思った」

 

文「二人していじめないで下さい!?」

 

それから皆んなで家に帰った。玄関前には直子さんが待っていた。俺達の方を見ると、涙を流して近づいてきた。そして伊東真琴の事を伝えると、

 

直子「本当にありがとうございます。お陰で私達の無念を晴らす事が出来ました」

 

なんて言っていたが、何か成仏しそうな展開だったので途中まで止めた。流石にいきなり消えるのは良くないよ?何はともあれ、これで椛のストーカー事件は終息した。もう二度とこのような事件が起きない事を俺達は心から願った。

 

 

 

 




いかがでしたか?

ついにダンカグがリリースされましたね。

ちなみに自分は妖夢と鈴仙が出ました。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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第二十三話 雪合戦

どうもです。

第二十三話です。

それではどうぞ。


椛のストーカー事件から暫く経ち、幻想郷に雪が降り始めた。遂に始まった本格的な冬に外はマフラーを着ける人や、腕を組み合っているカップルが見かける。

 

龍騎「...幻想郷の冬っていつもこんな感じなのか?」

 

直子「そうですね、今年はいつもより少し早めですけどね」

 

少し早めなのか、能力を持っていなかった絶対に外に出たく無いな。マジで能力に感謝感激。そんな事思ってると扉から声が聞こえた。

 

「おーい龍騎!居るかー?」

 

...しかも久しぶりに聞いた声だな。俺は玄関に向かい、扉を開ける。

 

龍騎「やっぱりか...」

 

魔理沙「よっ!久しぶりだな!」

 

霊夢「そんなの良いから早く中に入れなさいよ!今年は早めに雪が降ってきたから寒くて敵わないわ」

 

何で霊夢まで?

 

龍騎「...あー、別に中に入っても良いんだけど、ちょっと...」

 

魔理沙「何だ?なんかあるのか?」

 

龍騎「...まぁ中に入れば分かる」

 

そう言って二人は家の中に入った。せめて靴ぐらい揃えろよ...。そのまま二人はリビングに向かう。

 

魔理沙「邪魔するぜー...って、はぁ!?」

 

霊夢「あら、意外と暖かいじゃな...い?」

 

直子「あ」

 

紫苑「ん...」

 

女苑「げっ」

 

目と目が合うー瞬間好ーきだどー気づーいたー(幻聴)

 

魔理沙「ゆ、幽霊!?それに何で貧乏神まで!?」

 

霊夢「もしかして貴方この家って噂の...」

 

龍騎「...この家は目の前にいる幽霊の家なんだよ。噂の事故物件の」

 

二人は開いた口が塞がらない。そりゃ驚くわな。

 

女苑「あんたら何しに来たのよ...」

 

魔理沙「暇だから」

 

霊夢「寒いから」

 

龍騎「だから此処に来るなよ、それに此処はストーブも無けりゃ炬燵も無いぞ。おまけに本も何も無い。だから此処に来たって意味ないんだよ」

 

魔理沙「じゃあ何で部屋がこんなにあったかいんだよ?」

 

龍騎「俺の能力で温めてる」

 

魔理沙「お前そんな事も出来るのか!?」

 

龍騎「それだけじゃ無いぞ?電気だって流せるから実質使い放題だ」

 

霊夢「...ねぇ龍騎、今からうちに住まない?」

 

何か目が¥になってるんだが...。まさか俺を使って生活費を抑えようと!?

 

龍騎「もう住む所が出来たから無理」

 

霊夢「くそっ!折角電気代やガス代がチャラに出来る所だったのに!」

 

お前の神社どうやって電気流してんだよ...。と、心の中でツッコむと外から子供達の声が聞こえた。俺は気になって外を見ると、子供達は雪玉を作っては投げたり、雪だるまを作ったりしていた。

 

直子「楽しそうですね...」

 

龍騎「まぁ、そうだな」

 

魔理沙「あ、なら龍騎!私と雪合戦しようぜ!」

 

龍騎「雪合戦?」

 

女苑「なんでまた...」

 

魔理沙「良いじゃ無いか、偶には雪で遊ぶのも楽しい筈だぜ?」

 

...確かに良いかもしれない。そう言えば最後に雪で遊んだのいつだったかな?

 

霊夢「私は嫌よ。動きたく無いもの」

 

女苑「私もパス、姉さんの面倒見ないと」

 

紫苑「...」zzz

 

幸せそうに寝るなぁ紫苑の奴。

 

直子「私もですね。幽霊なので触らないですし、何より皆さんに怖がらせてしまうので...」

 

魔理沙「んじゃ決まりだな!」

 

龍騎「...俺の意思は?拒否権は?」

 

魔理沙「お前にそんなものあるとでも?」

 

横暴だこの盗人が!!それから無理矢理外へ連行された俺は仕方なく魔理沙の遊びに付き合う事にした。

 

龍騎「で、ルールは?」

 

魔理沙「そうだな...、まず空を飛ぶのは有りとして...」

 

ん?

 

魔理沙「次にスペルカードは3枚で良いか」

 

んん!?

 

魔理沙「いや、流石に可哀想だな...。まぁ何とかなるだろ」

 

おい待て待て待て待て、何でそうなるんだよ。

 

龍騎「...これ雪合戦だよね?何でスペルカードが出てくるんだよ?」

 

魔理沙「ただの雪合戦じゃあつまんないだろ?だから此処はスペシャルルールだ!」

 

龍騎「百歩譲って空は飛ぶのは良い、だけどスペルカードは無理だ。俺持ってないんだよ」

 

魔理沙「おいおい流石にそれは無いだろ...、せめて一枚ぐらい持っておけよ」

 

龍騎「アホか、ただでさえ日常生活にしか使ってない能力だぞ?弱っちぃに決まってるだろ」

 

魔理沙「ならこれから作るか?」

 

龍騎「やなこった。普通の雪合戦で良いだろ?その方が俺は好きなんだよ。シンプルイズベスト」

 

魔理沙「つまんない男だな」

 

ほっとけ、俺に面白い事を期待されても困る...。そんな事思ってると後頭部にひんやりとした物が当たった。俺は振り返ると男の子がケラケラと笑いながら俺に向かって指を指す。

 

男の子「あははは!ざまぁみろ〜!」

 

「こら!人に向かって雪玉を...、って霧影か!?」

 

龍騎「慧音さん?」

 

慧音さんが此処に居るって事は近くに寺子屋の子供達が居るって事か。

 

魔理沙「久しぶりだな慧音。お前が此処に居るって事は寺子屋の子供達も居るのか?」

 

慧音「まぁな、折角雪が積もってるんだ。使わないと損だろ?」

 

龍騎「...昔は嫌いだったな冬は。今はそうでも無いけど」

 

慧音「ん?霧影は寒がりなのか?」

 

龍騎「暑いのは大丈夫なんですが、寒いのはちょっと...」

 

慧音「ふむ、なら寺子屋の子供達と遊んでやってくれないか?」

 

龍騎「子供達と?」

 

魔理沙「何でまた?」

 

慧音「運動すれば身体と温まるし、子供達とも遊ぶのも楽しいものだぞ?」

 

魔理沙「そこまで言うなら...」

 

龍騎「俺は構いませんよ」

 

と言う事で俺達は寺子屋の子供達と相手をする事になった。慧音さんは一度寺子屋の子供達を呼び出し、俺達と雪合戦する事を伝える。それからチーム分けをしてルールを説明する。

 

・1チーム5人制、制限時間は無制限。

 

・雪玉は自分で作るのも良し、仲間の分を作るのも良し、大きさや形は自由。

 

・空を飛んだり、弾幕、スペルカードは禁止(←ここ重要)

 

・雪玉に当たった者は外野に行く。先に全滅したチームが勝ち。

 

と、こんな感じでやっていく。まずは俺のチーム対魔理沙チームだった。

 

一度俺のチームのメンバーを集める。

 

龍騎「あー、俺が霧影龍騎だ。よろしく」

 

大妖精「はい、龍騎さん。お久しぶりです」

 

?「大ちゃんこの人の事知ってるの?」

 

何か男の娘っぽい子が大妖精に問いかける。

 

大妖精「うん、夏に湖でチルノちゃんも会ったの」

 

?「そーなのかー」

 

?「道理で知ってる訳ね」

 

頭にリボンがついてる金髪少女は両手を広げて棒読み風に言い、鳥?のような子は納得する。

 

龍騎「...取り敢えず自己紹介しない?名前が分からん」

 

男の娘「そうですね。私は『リグル・ナイトバク』です」

 

金髪少女「『ルーミア』なのだー」

 

鳥?少女「『ミスティア・ローレライ』よ」

 

龍騎「よろしく、...もしかしてお前達は妖怪なのか?服装が他の子と違うんだけど」

 

リグル「はい、私は蛍の妖怪です」

 

ルーミア「人喰い妖怪なのだー」

 

ミスティア「私は夜雀よ」

 

成る程ね、寺子屋って妖精だけで無く妖怪も通えるのか。リグルが虫の妖怪だって事は知らなかった事にしよう。

 

龍騎「よし、作戦はどうするか...」

 

大妖精「だったら担当を決めませんか?雪玉を作る担当とか、雪玉を投げる担当とか」

 

龍騎「...お前達から何か意見は?」

 

リグル「私は無いです」

 

ミスティア「私も無いわね」

 

ルーミア「ないのだー」

 

龍騎「んじゃそうするか...」

 

それから軽く打ち合わせをして、いざ試合へ。魔理沙のチームは、魔理沙をリーダにチルノ、男子生徒二名、女子生徒が一名のメンバーだった。

 

そして、試合が開始された。魔理沙があらかじめ作っておいた雪玉を大量に投げ、チルノのギャグ漫画のように両腕をグルングルン、と高速で回しながら投げる。あれ漫画しか出来ないと思ったんだがまさか再現可能とは...。

 

俺達のグループは、攻撃担当のリグルとルーミアが横にずれたり、しゃがんだりして雪玉を避け、魔理沙のチームに当てていく。その後ろで大妖精とミスティアが雪玉を作り、俺はその後ろで雪の壁を作る。これで少しは攻撃を防げるだろう。

 

「んぎゃ!?」

 

誰かが雪玉に当たった。気になって振り向くと、チルノが大の字のなって倒れてた。

 

魔理沙「おま、何やってんだよ...」

 

ルーミア「あははは!チルノ雪だらけなのだー」

 

チルノ「くっそぅ〜!」

 

それからチルノは悔しそうに外野に行き、代わりに男子生徒が攻撃組に入った。

 

龍騎「おーい、こっちは出来たぞー」

 

俺がリグルとルーミアに声を掛けると、一旦雪玉を投げるのを辞めて俺の作った雪の壁に隠れた。

 

魔理沙「お前それいつの間に!?」

 

龍騎「よーし、一斉発射だ」

 

それから大妖精とミスティアも加わり、一斉に雪玉を投げる。最終的に魔理沙が残ったが結局当たってしまった。それからずっとこれを何試合かやり続けて、気がつけば皆んなヘトヘトになっていた。

 

魔理沙「いや〜、久しぶりに雪で遊んだな〜」

 

龍騎「そうだな。マジで疲れた...」

 

それ後、みんなにクッキーを焼いて霊夢や依神姉妹を呼んで一緒に食べた。それからまた夕方になるまで遊び続けた。こんな冬の日も偶には良いと思うな...。そんな事思いながら一日を過ごした。

 

 




いかがでしたか?

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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第二十四話 猫の扱いにはご注意を

どうもです。

第二十四話です。

今回から春雪異変に入ります。

それではどうぞ。


幻想郷に新年を迎え、新たな年が始まった。俺は家で直子さんと依神姉妹と一緒にお茶を飲みながらのんびりしていた。それにしても去年は色々あったな...。事故で死んで幻想郷に来てしまうわ、吸血鬼と戦うわ、常識じゃああり得ない事ばかりだ。まぁ大変だったけど中々充実した時間を過ごせたと思う。...え?クリスマスとお正月は何してたかって?そもそもクリスマスなんて幻想郷には存在しないし、正月なんて博麗神社で初詣に行ったぐらい、後知り合いのところに行っては軽く挨拶して帰ったから何もしてない、ずっと家で食って寝ての連続だった。こんな生活すれば普通なら太る筈なのに全然太らないのは何かショックだった...。いくら太りにくい体質でもこれは異常だよ...。

 

新年を迎えて五ヶ月が経ったのだが、未だに雪が降り続ける。俺は外を眺めていると隣に直子さんがやってきた。

 

龍騎「...これは明らかにおかしいよな」

 

直子「ですよね...」

 

いくらなんでも五月だぞ?異常気象にも程がある。これって恐らく...。

 

龍騎「異変、か...」

 

俺が呟くと玄関からドンドンドン、と叩いた音が鳴った。壊れるから辞めろよ...。

 

龍騎「はいはいどちら様で...」

 

魔理沙「龍騎!異変だ!」

 

玄関を開けると魔理沙が異変だ!って大声で言った。第一声がそれかよ...。

 

龍騎「やっぱりか...」

 

魔理沙「ああ!取り敢えず霊夢と合流して解決しに行こうぜ!」

 

あるぇ〜?おっかしい〜ぞ〜?何か急に『磯◯、野球やろうぜ!』的な展開になってるぞ〜?ってかいつの間に異変解決メンバーの仲間入りしたんだろう〜?

 

龍騎「...何で俺?お前らだけで良くない?」

 

魔理沙「何言ってんだよ、お前はこの異常気象に何とも思わないのか?」

 

龍騎「いや、確かに思ってるよ?でもさ、俺が居たら逆に足手まといになるんじゃね?」

 

魔理沙「流石にそれは無いだろ...。それにお前の能力がある意味切り札かもしれないぜ?」

 

龍騎「無い無い、紅魔館の時は二重人格がやってる訳であって実際に俺がやった訳じゃ...っ」

 

魔理沙「?どうした?」

 

俺は言葉を言ってる途中に何かに感じ取れた。俺は外に出て少し歩くと一つの民家を見つめた。後ろから魔理沙が追いかけてくる。

 

龍騎「...これは何だ?」

 

魔理沙「何か見つけたのか?」

 

龍騎「あの小さな家から何か感じないか?」

 

俺は民家に指を指した。

 

魔理沙「...確かに感じるな。これは妖怪の魔力だな」

 

龍騎「行ってみるか?」

 

魔理沙「おう!」

 

と言う訳で俺達はその民家に向かった。民家に着くと俺はノックをする。が、返事が無かった。不審に思いながら俺は扉を開けた。すると物陰から何かが出てきた。

 

?「にゃーーー!貴方は何者なんですかー?」

 

...猫?化け猫なのか?

 

魔理沙「橙!?何でお前が此処に!?」

 

橙?「あ、魔理沙さん!お久しぶりです!」

 

橙?は魔理沙に抱きついてきた。

 

龍騎「えーと...、オタクら知り合い?」

 

魔理沙「そういえばお前は知らなかったな。こいつは橙って言って紫の式神の藍の式神だ」

 

??????????????????????(音割れXファイル音)

 

...つまりどう言う事?(偏差値35(雑魚))それに紫って?藍って誰?

 

橙「初めまして、私は橙《ちぇん》と言います!」

 

龍騎「...あー、うん。よろしく」

 

もう考えるのは辞めよう...。時間の無駄だ。

 

橙「それで貴方達はどうして此処に来たんですか?私は侵入者が来たら倒せ、って命令されてるんですが」

 

龍騎「もしかして妖怪の魔力が感じ取れたのはお前が原因なのか?」

 

橙「はい!私は化け猫ですから!」

 

成る程な...。

 

魔理沙「橙は何か知ってるか?この異常気象の事」

 

橙「はい!これは間違いなく異変だ、って紫様が言ってました!」

 

魔理沙「やっぱりか...。なら教えてくれないか?」

 

橙「知りたい?ねぇ知りたい?」

 

橙は無邪気に笑って問いかける。可愛いんだけどさ...。その言い方何かイラっとしない?えっ、しない?そうですか。

 

魔理沙「何だよ、勿体ぶらずに教えてくれよ」

 

橙「ふふーん!じゃあかくれんぼしよ!」

 

龍騎・魔理沙「「は?」」

 

俺と魔理沙は声を合わせた。どうやら思ってる事は一緒みたいだ。

 

龍騎「...何でかくれんぼ?」

 

橙「暇だから!(大迫真)」

 

ズゴッ!!

 

俺と魔理沙は橙の返答にズッコケた。

 

龍騎「ひ、暇だからって、それは...、えぇ〜...(困惑)」

 

流石の魔理沙も困惑していた。あまりにも唐突だったので困惑しない方が無理な話しだ。

 

魔理沙「なぁ、他には無いのか?」

 

橙「ない!」

 

ダメだこりゃ(諦観)こうなったら付き合うしか無さそうだな...。

 

龍騎「...やるぞ魔理沙、こうなったら付き合ってやるしか無い」

 

魔理沙「やっぱりそうなるよな〜...。仕方ない、いっちょやるか!」

 

橙「やったーー!じゃあ私が隠れるね!家の中に隠れるから外で意味ないですよー」

 

そう言って橙はポンッと消えてしまった。

 

龍騎「...取り敢えず適当に探すか」

 

魔理沙「おう!」

 

それから俺達は橙の遊びに付き合う事になった。何かこの家の中が迷路みたいで目が回りそうになる...。隈なく部屋を探してみるが全然見つからない。気がついたら一時間は過ぎていた。

 

龍騎「畜生...、全然見つからねぇ」

 

魔理沙「なぁ、何か手っ取り早い捕まえ方無いのか?」

 

龍騎「一応あるにはあるんだが...、でもな...」

 

魔理沙「?どうした?」

 

龍騎「俺の雷属性で家全体に電気を流すんだ。俺の電気はどんなものでも感電するから捕まえられるけど...、いくら妖怪の橙でもまだ子供だからな...」

 

魔理沙「あー、そう言う事か」

 

俺の考えに理解してくれた魔理沙、すると魔理沙は何かを思い出したような顔をしてポンッと手を叩く。そしてポケットから一枚の葉っぱを取り出した。

 

龍騎「それは...、マタタビ?」

 

魔理沙「ああ!昔拾った物だがまだ使えるだろ」

 

龍騎「なーんだ、てっきり麻薬かと...」

 

魔理沙「そんなもん手ぇ出す訳ねぇだろ!」

 

おー、初めて魔理沙が突っ込んでくれた。これはこれで面白いな。今日からお前ツッコミ担当だな。ってか幻想郷にも麻薬ってあるんだな...。マタタビを取り出した魔理沙は地面に置くと、にゃーーー!と鳴き声が聞こえて来た。すると橙が急に飛び出して来てマタタビの置いてある所に向かった。

 

魔理沙「よっしゃ!大成功だ!」

 

龍騎「おおー、...あれ?」

 

魔理沙は喜んでいるが俺は橙の様子に異変を感じた。橙は、うーーっ、と目をグルグルと回しながら俺達の方に向く。

 

魔理沙「ん?何か様子が変じゃ無いか?」

 

龍騎「...ねぇ知ってる〜?猫にとってマタタビって興奮剤なんだって〜(豆◯ば風)あとマタタビは人間にも効くんだって〜(豆知識)」

 

魔理沙「...マジ?」

 

橙「うにゃーーーー!」

 

ふらついた身体で橙は沢山のスペルカードを取り出して俺達に向けて発射する。

 

仙符「鳳凰展翅」

天符「天仙鳴動」

鬼符「青鬼赤鬼」

鬼神「飛翔毘沙門天」

 

龍騎・魔理沙「「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」

 

俺と魔理沙は悲鳴を上げ、弾幕を避けながら家の中に走る。

 

魔理沙「畜生!まさか橙がマタタビに効きやすい体質だったなんて誤算だったぜ!」

 

龍騎「だからお前はアホなのだ!(某師匠風)

 

魔理沙「アホって言うな!んでどうすんだよこれから!」

 

龍騎「どうするって...、決まってんだろ...!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

逃げるんだよォ!まりーさーーッ!!」

 

魔理沙「わあ〜〜ッ!なんだこの男はーッ!」

 

取り敢えず俺達は迷路のような家の中をグルグルと走り回り、気がついたら橙の弾幕が来なくなった。振り向くと橙は目を回しながら倒れていた。

 

魔理沙「はぁ...、はぁ...、どうやらマタタビの効果が切れたみたいだな」

 

龍騎「だからよ...、止まるんじゃねぇぞ...」

 

魔理沙「もう良いわそういうのは!取り敢えず橙を連れて外に出るぞ」

 

それから魔理沙は橙を担いで、俺は息を整いながら家の外に出た。

 

霊夢「...なんでそんなに汗だくなのよ」

 

霊夢が玄関の前でスタンバってた。

 

龍騎「...何で居んの?」

 

霊夢「紫に頼まれて仕方なく異変の調査してるのよ。そしたら二人の悲鳴が聞こえてたから来た訳」

 

そう言う事ね。そんなに声大きかった?

 

霊夢「それで、私の質問の答えは?」

 

魔理沙「い、いや...、ちょっとかくれんぼと鬼ごっこしてた」

 

霊夢「は?」

 

龍騎「つまりそう言う事だ」

 

霊夢「あ?」

 

龍騎「すみませんでした一から十まで説明させていただきます」

 

俺は霊夢に事情を説明する。

 

霊夢「成る程ね、そう言う事だった訳ね」

 

橙「う、うーん...あれ?私は一体...?」

 

魔理沙「お、ようやく目覚めたか。悪いなマタタビなんか使っちまって」

 

橙「マタタビ?」

 

龍騎「あー、その話しは後で良いか?それより約束...」

 

橙「あ!そう言えばそうだった!じゃあ教えてあげますね。まずこの異変は春を奪われたから今のようになったんです」

 

龍騎・霊夢・魔理沙「「「春を奪われた?」」」

 

三人揃って問い返す。此処の三人が初めて考えが揃った瞬間でもある。

 

橙「はい、紫様によると冥界の主が何かをする為に春を集めてるそうです」

 

春を集める...ねぇ。集めて何がしたいんだが。

 

龍騎「...ってか冥界って何処なの?」

 

霊夢「冥界って確か、空に空いた巨大な空間の中にあるんだっけ?」

 

橙「はい、そこに冥界の主が居るかと」

 

成る程ね...。冥界って死者が集まる場所の事だろ?つまり今度の相手は幽霊か...。あれ?これ詰んでね?だって幽霊って半透明なんだから殴っても蹴っても意味ないって事でしょ?

 

龍騎「...大丈なのそれ。その冥界の主って直子さんみたいに半透明って事は無いよね?」

 

霊夢「さぁ?行ってみない分からないわね」

 

ダヨネーリュークンシッテタ。

 

龍騎「...覚悟を決めるか」

 

魔理沙「よっしゃ!んじゃ早速行くか!」

 

霊夢「そうね。流石にずっと寒いのは炬燵があってもキツいからね」

 

龍騎「...ま、異変と決まったのなら行くしかないよな」

 

橙「頑張って下さいね皆さん!応援してます!」

 

龍騎「サンキューな、じゃあな」ナデナデ

 

橙と別れを告げる前に軽く頭を撫でて、俺と霊夢、魔理沙は冥界に向けて空へ飛び立つ。さて...、一体どんな奴なのだろうか...。と、不安が募りながら俺は黙って空を飛ぶ。

 




いかがてしたか?

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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第二十五話 いざ、冥界へ

どうもです。

第二十五話です。

それではどうぞ。


化け猫の橙に情報を貰い、俺と霊夢、魔理沙は冥界に向かって空を飛んでいる。

 

魔理沙「うぅ...、寒っ、さっき汗かいたから身体が冷えて来たな」

 

龍騎「まぁ、あれだけ走ればな」

 

魔理沙は身体を震わせながら言う。因みに俺は能力で体温を上げてるので寒くは無い。...そういえば俺の能力って他人の体温も上げられるのか?そう思った俺は魔理沙の箒を掴んで熱を送るイメージをする。

 

魔理沙「...あれ?なんか暖かくなって来たぞ?」

 

お、どうやら上手くいったみたいだな。

 

龍騎「これで少しは寒さには問題ないだろ」

 

魔理沙「マジでか!サンキューな龍騎!」

 

霊夢「ほんと便利よね貴方の能力、一家に一つは欲しいわよ」

 

俺はいつから全自動卵割り機になったんだよ。なんて事を思っていると何か声が聞こえた。

 

「はーるでーすよー」

 

それは白い服を着た妖精だった。

 

龍騎「...何あれ?」

 

霊夢「あれは『リリーホワイト』って言って春を告げる妖精よ」

 

魔理沙「別に敵でも何でも無いから無視しても良いな」

 

それで良いのかよ...。まぁ良いか、今はやるべき事をやっちまおう。リリーホワイトの脇を通過して俺達は先に進んでいく。

 

リリーホワイト「はーるでーすよー」

 

...それ毎回言ってて大変じゃないの?

 

それから暫く進むと、巨大な空間が見えて来た...。意外と大きかった。

 

霊夢「どうやら此処のようね」

 

魔理沙「んじゃ、早速行くか!」

 

龍騎「...」

 

普通に行きたく無い...(白目)

 

霊夢「?どうしたのよ、さっさと行くわよ」

 

龍騎「帰って良い?」

 

霊夢「あ?」

 

龍騎「冥界だろうと地獄だろうと付いて行きます」

 

霊夢の圧に負けた俺は渋々霊夢と魔理沙に付いて行くのであった。冥界に入ると、先程とは景色が変わり、空気が重く、一面暗い感じがした。

 

魔理沙「此処が冥界か...。思ってたより暖かい所だな」

 

龍騎「春を奪ってるからそんな感じがするんだろ。んでこの階段の先に居るのか...」

 

霊夢「にしても凄い数の階段ね。うちよりもあるんじゃないかしら?」

 

魔理沙「ほら、早く行こうぜ」

 

霊夢「えぇ」

 

龍騎「あいよ」

 

魔理沙を先頭に俺達は階段を登って行く。数分登って行くが頂上に辿り着けていない。

 

龍騎「長くない?長いよねこの階段?」

 

霊夢「全く何処まで続いてんのよ...。神社だったらとっくに着いてるわよ」

 

魔理沙「めんどくせーから空飛んで行くか?」

 

龍騎「いや、なんか階段があるなら登らなきゃ、って言う使命感が強すぎて飛ぶ気になれない」

 

霊夢「私も」

 

魔理沙「かぁ〜、真面目だなぁ」

 

なんて雑談をしながら登り続ける。すると頂上が見えて来た。何か誰か居るんだけど...。

 

魔理沙「...誰か居ないか?」

 

龍騎「居るな」

 

霊夢「居るわね」

 

?「そこの人間、止まりなさい」

 

すると頂上に居た人が俺達を止めた。声を聞くと少女だと言う事が分かった。

 

?「此処から先は行かせません。ご退場願います」

 

魔理沙「はっ!やなこった!帰って欲しけりゃ春を返すんだな!」

 

?「...そうですか、なら致し方ありませんね」

 

そう言うとその人は、棒のような物を引き抜いた。するとキラリッ、と何かが光った。...もしかしてそれって刀?

 

刀の少女「この魂魄よう『あー、その前に一つ良いか?』...何ですかいきなり」

 

自分の名前を言ってる途中に俺が妨害した所為か凄い目で睨んでくる。ごめんね。

 

龍騎「どうでも良い事だけど、いつからスタンバってたんだ?」

 

刀の少女「どうでも良い事って...、まぁ朝からですけど」

 

あ、答えてくれるんだ。意外と優しいぞこの子。朝からご苦労様です。

 

刀の少女「ごほん、気を取り直して...、この魂魄よう『そう言うの良いからさっさと掛かって来なさい』何なんですかさっきから!?人が黒歴史覚悟で自己紹介してるのに!?」

 

黒歴史覚悟でやってるのか...。其処までにしてカッコ良く決めたいのか?ある意味男の娘だな。

 

魔理沙「...ぷっ、ぶははははははははははははは!!」

 

魔理沙が先程まで溜めていた我慢が限界になり、盛大に笑った。面白い要素あったか?

 

刀の少女「!?...許さない。散々邪魔した挙句に笑うなんて...、ゆ"る"さ"ん"!」

 

刀の少女はプルプルと震わせていて、何故か涙目になっていた。そんなに気にしてるの?邪魔したのたった二回なんだよなぁ...。まぁ気を取り直して...。

 

龍騎「...お前らは先に行け、こいつは俺がやる」

 

霊夢「なっ!?」

 

魔理沙「はぁ!?お前正気か!?」

 

龍騎「俺達の目的は元凶を倒して春を取り戻す、俺があいつと戯れあってる間にお前達が元凶を倒せば目的は達成する。効率よく、最短で行くぞ」

 

霊夢「だからって貴方がやる必要はないでしょ!?」

 

龍騎「エースは多い方が良いだろ?俺みたいなひよっこが先に行ったって足を引っ張るのがオチだ。時間稼ぎぐらい俺にだって出来るさ」

 

魔理沙「...分かった。行くぞ霊夢」

 

霊夢「魔理沙!?」

 

魔理沙は帽子を深く被って階段を登る。霊夢は魔理沙の返事に驚いていた。

 

魔理沙「大丈夫だ、龍騎ならやれる。龍騎なら雷の属性で感電出来るんだ。問題ないぜ」

 

霊夢「そう言う問題じゃないのよ!?龍騎はまだ弾幕は愚か、スペルカードの一枚も持ってないのよ!?それに相手は武器を持っているのにどうやって戦うのよ!?」

 

魔理沙「...それでも、それでも龍騎は戦うって言ってるんだ。なら龍騎を信じようぜ?」

 

霊夢「......」

 

魔理沙の言葉に霊夢は納得のいかない表情をする。

 

龍騎「...そんなに信用出来ないのか?俺の事」

 

霊夢「!?そんなんじゃ無いわよ!紅魔館の時みたいになるのが嫌で...」

 

紅魔館の時?...もしかして俺がフランの羽を痛めさせた時の事か?確かにあれは自分でも無茶したと思ってる、下手すれば命に関わる事だったからな。でもな、誰かが動かなきゃ行けない場面がある。その場面が来たから俺は動いた。そして今回もその場面が訪れた、ただそれだけだ。

 

龍騎「大丈夫、俺を信じて」

 

霊夢「!?」

 

俺は少し笑った顔で霊夢に言う。すると霊夢は少し顔を赤くして俯いてしまった。...あれ?もしかして間違えた?

 

霊夢「...必ず帰って来なさいよ、勝手に死んだら承知しないんだから!」

 

霊夢は涙を流しながら言うと、俺に抱きついて来た。...何これ?明らかに生きて帰れないよね?バリッバリ死亡フラグ立ってるよね?これバッドエンド確定ルートだよね?

 

龍騎「...分かった」

 

何が分かっただよ馬鹿、これから死にに行くんだぞ?

 

魔理沙「霊夢...」

 

魔理沙さん、親友を心配するのは良いけど俺にも少しは心配して?俺死んじゃうんだよ?

 

刀の少女「......何ですかこれ?」

 

それに関しては同意見だ。あとごめんねさっきから空気だったでしょ?

 

龍騎「...早く行け。こっちだって死にたく無いんだ早く終わらせようぜ」

 

霊夢「約束よ!絶対に生きてなさいよ!」

 

魔理沙「期待してるぜ龍騎!」

 

そう言って二人は飛び出して行った。俺も二人の後に続く。

 

刀の少女「逃がすか!」

 

霊夢・魔理沙「「邪魔よ(だ)!」」

 

龍騎「させない!」

 

俺は刀を持った少女に体当たりをして、二人の妨害を阻止する。

 

龍騎「お前の相手は俺だ」

 

刀の少女「くっ、邪魔をして!」

 

刀の少女は刀を構える。俺は右手に拳を作り、火属性を解放する。

 

龍騎「さて、何処までやれるか...」

 

刀の少女「幽々子様の為...、この魂魄妖夢《こんぱく ようむ》が斬り捨てる!」

 

龍騎「ご丁寧にどうも、俺は霧影龍騎。外来人だ」

 

妖夢「...例え外来人が相手でも、邪魔をすると言うなら斬る!」

 

龍騎「その台詞はもはやテンプレだな」

 

俺は某サ◯ヤ人風に構える。これで合ってるかな?

 

龍騎「...外来人、霧影龍騎」

 

妖夢「西行寺の庭師、魂魄妖夢」

 

龍騎「...推して参る」

 

その言葉を言ったと同時に俺は飛び出した。

 

妖夢「この楼観剣に斬れぬ物など...、あんまり無い!

 

龍騎「其処は嘘でも無いって言い切れよぉ!!」

 

まさかの言葉にズッコケてしまい、最悪のスタートになってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

?「もうすぐ、もうすぐね......ふふふ」

 

巨大な桜の木の下で、美しい着物を着た女性が扇子を口元に当てて不気味な笑みを浮かべる。

 

霊夢「其処までよ!この亡霊!」

 

?「あら、意外と早かったわね。もう妖夢に勝っちゃったの?」

 

魔理沙「妖夢?...ああ、さっきのおかっぱ頭の剣士の事か。あいつならうちの連れに任せてるぜ」

 

?「...ああ、そう言う事ね」

 

ふふふ、と笑いを浮かべる女性。

 

?「置いて来て良いのかしら?妖夢は半人前って言ってるけど中々の実力者よ?」

 

魔理沙「それはお生憎様だな。連れは吸血鬼相手に一度勝ってるんだ」

 

霊夢(まぁそれは二重人格の方だけどね...)

 

?「へぇ...、それは興味深いわね」

 

女性は扇子をもう一つ取り出して開くと、宙に浮き始めた。

 

?「まぁ、良いわ。貴女達は私を止めに来たのでしょう?」

 

霊夢「えぇ、あんたのお陰で毎日寒い思いするのは嫌なのよ」

 

魔理沙「そう言う事だ。黙って春を返すってなら今のうちだぜ?じゃなきゃ実力行使だ!」

 

そう言って魔理沙は八卦炉を取り出し、女性に向けて構える。

 

?「...良いわ、丁度博麗の巫女がどれ程の強さなのか気になっていたの」

 

霊夢「あら、私の事は知っているのね」

 

魔理沙「私は知らないのかよ!?」

 

?「この白玉楼の主、西行寺幽々子《さいぎょうじ ゆゆこ》が相手になるわ。掛かってらっしゃい」

 

魔理沙「この野郎...!霊夢の事は知ってて私は知らないってのか!行くぞ霊夢!」

 

霊夢「何であんたが其処まで怒ってるのか知らないけど、異変を解決するのも博麗の巫女の務め...。西行寺幽々子、あんたを退治するわ!」

 

こうして、外来人と剣士。巫女と魔法使いと亡霊。二つの勝負が幕を開けるのであった...。

 




いかがでしたか?

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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第二十六話 半人前の実力

どうもです。

第二十六話です。

今回は妖夢戦がメインなので、幽々子様の戦闘シーンは少ないです。

それではどうぞ。


妖夢「この楼観剣に斬れぬ物など...、あんまり無い!」

 

龍騎「其処は嘘でも無いっ言い切れよぉ!!」

 

まさかの言葉に俺はズッコケてしまった。妖夢も?を浮かべて一度刀を構えるのを辞めた。

 

妖夢「...私何か間違った事言いました?」

 

龍騎「言ったわ!何だよあんまり無いって!何で中途半端なの!?嘘でも良いから無いって言い切れよ!」

 

妖夢「な、何を言うんですか!?まだ半人前の私に大きい口を叩けって言うんですか!?黒歴史も良い所ですよ!」

 

龍騎「さっきの自己紹介と比べれば優しい方だわ!」

 

妖夢「なっ!?ま、まだ黒歴史になった訳じゃないですよ!」

 

龍騎「いや、カッコ良く決めたいって思った時点で黒歴史だからね?」

 

妖夢「そんな事無いみょん!黒歴史になって無いみょん!」

 

何そのみょんって可愛いなこんちくしょう」

 

妖夢「みょ!?///い、いきなり可愛いなんて言って...、ふ、不意打ちのつもりですか!?」

 

えっ?うっそ声に出てた?マジかよ...。

 

龍騎「...これで分かったろ、これが黒歴史って事だ」

 

妖夢「...そんなの知りたくも無いです」

 

誰だってそうだ。

 

龍騎「...取り敢えず仕切り直しって事で...。兎に角、嘘でも良いからあんまり無いって言うのは無し。OK?」

 

妖夢「お、おーけー?」

 

あ、こいつ英語分からないっぽいな。

 

龍騎「...まぁ気を取り直してやり直そう。Take2だ」

 

妖夢「ていくつー?」

 

......こいつの前では英語は控えよう。

 

龍騎「兎に角構えろ」

 

妖夢「は、はい!」

 

もう一度俺と妖夢は元の位置に戻り、俺は右手に火属性を解放させて、妖夢は刀を構え直した。

 

龍騎「改めて...、外来人、霧影龍騎」

 

妖夢「西行寺の庭師、魂魄妖夢」

 

龍騎・妖夢「「推して参る!」」

 

今度は上手く行き、ようやく戦闘が始まった。俺は右手で妖夢に殴りかかるが、あっさりと避けられてしまう。

 

妖夢「幽鬼剣『妖童餓鬼の断食』」

 

妖夢はすかさずスペルカードを発動して、弾幕を放つ。

 

龍騎「おっぶね!?」

 

俺は何とか弾幕を避けると、妖夢はまた新しいスペルカードを発動する。

 

妖夢「餓鬼剣『餓鬼十王の報い』」

 

妖夢ら地面を蹴って、一瞬で俺の側に接近してきた。

 

龍騎「早っ!?」

 

妖夢「殺った!」

 

妖夢は刀を俺の首を狙って、薙ぎ払う。

 

龍騎「っ!硬化魔法!」

 

俺は瞬時に腕を硬化魔法を使って、妖夢の刀を防いだ。

 

妖夢「なっ!?」

 

龍騎「このっ!」

 

俺は右足に火属性を解放されて、妖夢に足蹴りをお見舞いする。そのまま妖夢は後ろにあった木にぶつかった。俺はゆっくりと妖夢に近づくと、妖夢の身体がぐにゃぐにゃと形を変えて、最終的には白色の玉になった。

 

龍騎「一体これは...、っ!」

 

妖夢「貰った!」

 

俺は危険を察知して横に避けると、後ろから妖夢が斬り掛かって来た。あっぶね...、真っ二つになる所だった...。

 

妖夢「...今の避けますか」

 

龍騎「俺は他人の魔力と霊力を感知する事が出来る。だからお前の霊力を感知出来たから避ける事が出来たんだ」

 

妖夢「成る程、そう言う事ですか」

 

妖夢が納得すると、先程の白色の玉が妖夢の側に寄ってくる。

 

龍騎「お前、もしかして...」

 

妖夢「気が付きましたか。そうです、私は半分人間で半分幽霊...」

 

龍騎「...成る程ね、お前とその白玉みたいのがセットで一人分って事か」

 

こいつ、中々面倒だな...。

 

妖夢「では、続きと行きましょうか...」

 

妖夢が刀を構え直すと、俺ももう一度右手に火属性を解放する。先に動いたのが妖夢なのだが、先程より物凄い早さで接近して来た。俺はヤバいと思って身体を捻ったが、顔に切り傷が出来た。正直、全然見えなかった...。

 

龍騎「......」

 

妖夢「今のを避けるとは、中々の反射神経ですね」

 

龍騎「...まぐれだ」

 

...やべぇな、勝てる見込みが無くなったな。

 

妖夢「断命剣『冥想斬』」

 

次の瞬間、夢が接近して来て目の前に刀があった。

 

龍騎(やべっ!?避けられねぇ!?)

 

硬化魔法を使っても間に合わない、俺は死を覚悟して目を瞑ってしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー全く、世話が焼ける奴だ。

 

その言葉を聞いた瞬間、俺は意識を失った。

 

 

 

 

 

 

妖夢(勝った!)

 

妖夢は勝利を確信し、龍騎の首を目掛けて刀を振る。が、

 

ガシッ!

 

妖夢(!?)

 

首に触れる直前に、龍騎は刀を片手で受け止めたのだ。妖夢は慌てて引き抜こうとするが、力強く握り締めている為、中々抜けない。

 

妖夢「一体何が...」

 

龍騎「...悪いが俺はまだ死にたく無いんでね。ケリ着けさせてもらう」ギロッ

 

妖夢「!?」

 

妖夢は龍騎の変化に驚きを隠せなかった。先程の凛々しい表情から一転して、まるで別人のような目をしていた。龍騎は手を離すと、妖夢は一度龍騎から距離を取る。

 

妖夢「な、何者なんですか貴方は!?」

 

龍騎?「俺か?...俺は霧影龍騎だが?」

 

妖夢「そんな筈は無い!嘘を言うな!」

 

龍騎?「...ちっ、面倒な女だ。生憎俺の名前なんて無いんでな、霧影龍騎の二重人格だと思えば良い」

 

妖夢「二重人格...?」

 

龍騎?「あぁ、さっさと掛かって来い。時間を無駄にしたくは無い」

 

妖夢「...」

 

妖夢は刀を構えて、先程のように龍騎?に接近する。

 

妖夢「これで!」

 

龍騎?「無駄だ!」

 

妖夢が接近してる途中に龍騎?も接近して来て、妖夢に殴り掛かる。

 

龍騎?「はっ!」

 

妖夢「くっ!」

 

龍騎?の拳を刀で受け止めながら妖夢はチャンスが来るまで耐えていたが、龍騎?は雷属性を解放させると、妖夢の刀を掴んで電流を流す。すると妖夢は感電してしまった。

 

妖夢「がぁぁぁぁぁぁ!?」

 

龍騎?「終わりだっ!」

 

龍騎?は雷属性から火属性に戻して、妖夢の腹に拳を一撃与える。そのまま妖夢は吹っ飛ばされた。

 

妖夢「...も、申し訳、ございません...、ゆ、幽々子...さま...」

 

龍騎?「...心配するな、命は取っちゃいない。暫く其処で寝ていろ」

 

妖夢は気を失ってしまい、龍騎?は妖夢に近づく。そして妖夢が使っていた刀を拾う。

 

龍騎?「...こいつは使わせて貰うぞ。用が済んだらすぐに返す、俺は白黒の魔法使いとは違うからな。それよりも......

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

出て来いよ。隠れてるのはバレてるんだよ」

 

龍騎?と妖夢しか居ない筈の空間に突然、目玉が沢山ある空間が開き、一人の女性が現れた。それは、金髪のショートボブに金色の瞳、頭には角のような二つの尖りがある帽子を被り、九つの尻尾が扇状に伸びており、まるで九尾のような女性だった。

 

九尾の女性「いつから気づいていた?」

 

龍騎?「最初から...、と言いたい所だが、俺が刀を拾った時に別の魔力が感じられたから...、とでも言っておこう」

 

九尾の女性「ほぅ...、まさか空間の中に入ってる人物でも特定出来るとは、流石だな」

 

龍騎?「...貴様、何者だ」

 

九尾の女性「私の名前は八雲藍《やくも らん》この幻想郷の創造者、八雲紫様に仕える式神だ」

 

龍騎?「...その式神が俺に何のようだ?」

 

藍「そう警戒するな。私はお前と戦いに来た訳じゃ無い、頼みに来たんだ」

 

龍騎?「...頼みにだと?」

 

藍「この先にある白玉楼(はくぎょくろう)には西行妖(さいぎょうあやかし)と言う桜があるんだ」

 

龍騎?「桜?」

 

藍「その桜は満開になるとある人物が復活するのだ。その人物は...」

 

龍騎?「白玉楼の主、だろ?」

 

藍「!?ああ、その通りだ。しかし何故分かった?」

 

龍騎?「...此処は冥界、死者が集まる場所、此処に生きている奴が住んでるとは思えない」

 

藍「...成る程」

 

龍騎?「...それで?その主を止めてくれ、とでも?」

 

藍「見ず知らずの者にこのような事を頼むのは謝罪しよう。しかし、冥界の主、西行寺幽々子様は紫様の昔からの友人なのだ。だから救って欲しい」

 

龍騎?「...何故、その紫って言う張本人が居ない?」

 

藍「紫様は今私用により不在だ。何でも急に調べる事が出来たと言っていたがな...」

 

龍騎?「...そうか。ならもっと早く言え。俺じゃ無くもう一人の俺にこの事を伝えろ」

 

藍「もう一人?どう言う事だ?」

 

龍騎?「俺は今、この身体の持ち主に身体を借りている。元から俺は存在しないのさ」

 

藍「二重人格か...」

 

龍騎?「そう言う事だ。心配しなくともお前の...、いや、八雲紫の我儘には聞いてやる」

 

藍「...済まない、感謝する」

 

龍騎「気にするな、俺は気にしない...」

 

龍騎?は妖夢の刀を片手に白玉楼に向かった。

 

藍「...頼むぞ、外来人」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幽々子「華霊『ゴーストバタフライ』」

 

幽々子はスペルカードを発動して、霊夢と魔理沙に攻撃を仕掛ける。

 

霊夢「霊符『夢想封印』」

 

魔理沙「星符『メテオニックシャワー』」

 

霊夢と魔理沙もすかさず、スペルカードを発動して応戦する。

 

魔理沙「なんて綺麗な弾幕だ...」

 

霊夢「見惚れて無いで攻撃しなさいよ!」

 

魔理沙は幽々子の弾幕に見惚れて、霊夢が声を掛ける。

 

幽々子「あら、私の弾幕に見惚れたなんて嬉しいわ。ならもっと見せてあげる」

 

そう言って幽々子は別のスペルカードを取り出し、発動する。

 

幽々子「死符『ギャストリドリーム』」

 

今度もまた美しく輝く蝶のような形をした弾幕を放ち、霊夢と魔理沙の弾幕を打ち消した。

 

幽々子「まだまだこんなものじゃ無いわよ。冥符『黄泉平坂行路』」

 

幽々子は新たなスペルカードを発動して、弾幕を発射する。霊夢と魔理沙は幽々子の放った弾幕を避けるが、魔理沙は運悪く箒に当たってしまい、落ちてしまった。

 

魔理沙「やばっ!?」

 

幽々子「これでお仕舞いね」

 

霊夢「魔理沙!」

 

幽々子は容赦無く弾幕を放ち、魔理沙に止めを刺す。そのまま魔理沙に直撃し、爆発が起こり煙が上がる。

 

魔理沙「......?あれ?生きてる?」

 

魔理沙は目を開けて自分の身体を見て怪我を確認する。身体だけで無く、服も無傷だった。しかも落ちないように誰かに抱きしめられていた。

 

「全く...、手間かけさせやがって...」

 

魔理沙「お、お前は...」

 

幽々子「...あら、もしかして貴女達の連れって彼の事かしら?」

 

煙が消えると、其処には、刀を盾にして魔理沙を守った龍騎の姿だった。

 

霊夢「龍騎!」

 

龍騎?「久しぶりだな...、吸血鬼の時以来だな」

 

霊夢「吸血鬼の時って...」

 

魔理沙「二重人格の方の龍騎か!?」

 

龍騎?「...どうやら目の前に居る女が西行寺幽々子のようだな」

 

幽々子「あら、私の事知っていたのね」

 

龍騎?「...ある人物に教えて貰った」

 

龍騎?は一度地上に降りて魔理沙を下ろし、幽々子に向けて刀を突きつける。

 

龍騎?「西行寺幽々子...、お前を倒す」

 

ふふふ、と笑う幽々子。そして春を賭けた戦いは、終盤を迎えたのだった。

 

 




いかがでしたか?

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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第二十七話 決死の作戦

どうもです。

第二十七話です。

幽々子様との決着です。

それではどうぞ。


龍騎?「西行寺幽々子。お前を倒す」

 

幽々子「私を倒す?殺すのでは無く?」

 

龍騎?「俺は無益な殺生はしない。例え亡霊でも命は取ったりはせん」

 

幽々子「ふふふ...、随分と優しいのね」

 

龍騎?「...何処かの馬鹿のお陰でな」

 

龍騎?は刀を強く握り、幽々子は静かにスペルカードを一枚取り出す。

 

幽々子「...所で貴方、踊りはお上手で?」

 

龍騎?「...そう言うのは嫌いでな」

 

幽々子「あら、それは残念ね」

 

龍騎?「良く喋る亡霊だ...」

 

幽々子「『死人に口なし』とは言うけど、私は昔からお喋りよ?」

 

幽々子はスペルカードを発動し、弾幕を放つ準備をする。

 

桜符「完全なる墨染の桜 -開花-」

 

霊夢「!来るわよ!魔理沙は危ないから一度下がりなさ『博麗の巫女』なっ!?この声は...」

 

龍騎?『今お前に話しかけているのは、俺の霊力を使ってお前に話し掛けている』

 

霊夢「そんな事も出来るのね...」

 

龍騎?『一度しか伝えないから良く聞け。...今から俺は西行寺幽々子と一騎討ちをする』

 

霊夢「い、一騎打ち!?」

 

龍騎?『ああ、此処からが本題だ。お前は......」

 

霊夢「......その方法でいけるの?」

 

龍騎?『...リスクは高いが、少しでも確実に勝てるなら手段を選ばん』

 

霊夢「...分かったわ。無茶するんじゃないわよ!」

 

霊夢は龍騎?から離れると魔理沙の元へ向かう。

 

幽々子「あら、一人でやるつもり?」

 

龍騎?「...元からそのつもりだ」

 

幽々子「そう...、なら、この桜の下で美しく散りなさい!」

 

幽々子は龍騎?に目掛けて弾幕を発射する。

 

龍騎?「...俺には美学ってのは持ち合わせてはいない。だが、目の前に敵が現れたらぶった斬る!ただそれだけだ!」

 

龍騎?は幽々子の弾幕を斬りながら接近する。

 

幽々子「弾幕を斬るなんて中々の腕ね、それに良く見たらその刀...」

 

龍騎?「そうだ、少し借りさせて貰った。あと俺は今回初めて刀を握った初心者だ」

 

幽々子(あれで初めて?明らかに素人の腕では無いわ...)

 

幽々子は次々に弾幕を斬って行く龍騎?の動きに疑問に思った。仮に素人だとしてもそんな直ぐに基本的な動きがまだ出来ない筈なのに、初心者には思えない動きが完璧に出来ている。もしかしたら妖夢以上の実力者なのかもしれない...。

 

龍騎?(やはり拳より近接武器(こっち)の方が俺には合ってるな...)

 

幽々子「少し厄介ね...。死符『ギャストリドリーム』」

 

幽々子はスペルカードを発動して弾幕を発射する。龍騎?は刀を盾にして弾幕を受け止める。

 

龍騎?「くっ...」

 

幽々子「さっきの威勢はどうしたのかしら?」

 

龍騎?(そろそろだな...)

 

幽々子「これでトドメよ...。反魂蝶ー満開ー」

 

幽々子は新たなスペルカードを発動し、龍騎?に向けてレーザーを放つ。

 

幽々子「楽しかったわ...。死んで幽霊になった時は白玉楼(うち)に住んでも良いわよ?」

 

龍騎?「......こっちも楽しかったぜ、良い勝負が出来た。だが...、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

せめて完全勝利してからその言葉を言う事をお勧めするぜ?」

 

霊夢「霊符『夢想妙珠』」

 

幽々子「!?」

 

幽々子の横から弾幕が発射され、幽々子に直撃する。

 

霊夢「準備が出来たわ!」

 

龍騎?「よし...」

 

龍騎?は火属性を解放させて、刀に火を纏わせ、幽々子に斬りつける。

 

龍騎?「はあぁぁ!」

 

幽々子「くっ!?」

 

幽々子に斬りつけた後、瞬時に火属性から雷属性に切り替えて再び斬りつける。幽々子は扇子で刀を受け止めたが、龍騎?の雷属性の電気により、感電する。

 

幽々子「がぁぁぁぁぁ!?な、何故...!?」

 

龍騎?「俺の能力...、『属性を操る程度の能力』の一つ、雷属性はどんなものでも感電させられる。例え幽霊だろうと亡霊だろうと無条件で感電させられる」

 

幽々子「な、何よその能力......」

 

龍騎?「この状況じゃあ弾幕も撃てないな」

 

龍騎?は手に持っていた刀を捨てて、幽々子の後ろに周り、逃がさないように拘束する。

 

幽々子「なっ!?何する気!?」

 

龍騎?「今だ!撃て!!」

 

魔理沙「ようやく私の出番か...、待ちくたびれたぜ!!」

 

魔理沙は地上からミニ八卦炉を構えていた。

 

魔理沙「龍騎!この後どうなっても知らないからな!!行くぜぇ!!」

 

幽々子「ま、まさか貴方!?」

 

龍騎?「どうやら少し頭が固かったようだな。俺がお前とやり合ってる時にまず博麗の巫女にあの魔法使いがいつでも撃てるように場所と準備を頼んだ。そして準備が出来るまでの間、結界かなんかで魔法使いを死守するよう頼んだ」

 

幽々子「じゃあ、博麗の巫女が弾幕を撃ってきたのは、あの魔法使いが準備が出来たという合図...!?」

 

龍騎?「そう言う事だ。俺は言った筈だぜ?俺には美学なんて持ち合わせてはいないってな...、お前達はスペルカードルールってやつに従ってるみたいだが、俺はそんな遊びみたいなルール従うつもりは全くねぇんだよ!」

 

幽々子「!?」

 

魔理沙「覚悟は良いな!!魔砲『ファイナルスパーク』」

 

魔理沙はミニ八卦炉から極太レーザーを放ち、龍騎?と幽々子に迫る。

 

幽々子「あ、貴方このままだと自分も巻き込むわよ!?」

 

龍騎?「...この案を出したのは俺だ。そんなのは初めから知っている」

 

幽々子「まさか自己犠牲を覚悟で...、愚かね、自分の事を後回しにするなんて...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍騎?「命なんて安いものだ。特に俺のはな

 

そう言って龍騎?は幽々子と共に魔理沙の放ったレーザーに飲み込まれた...。

 

 

 

霊夢「......」

 

魔理沙「......手応えあり。確実に仕留めたな」

 

そう言って魔理沙はミニ八卦炉から出た煙をふっ、と吹いた。そしてバタッ、っと何かが倒れた音が聞こえた。

 

霊夢「龍騎!」

 

魔理沙「そういやあいつ大丈夫か!?」

 

霊夢と魔理沙は龍騎?の元に駆けつける。龍騎?も幽々子もボロボロの状態で倒れていた。

 

龍騎?「うっ...、くっ...!」

 

龍騎?はゆっくりと立ち上がる。しかし、立ち上がって直ぐに身体がふらつき、また倒れそうになる時に、霊夢に支えられた。

 

霊夢「ちょっとしっかりしなさいよ!」

 

龍騎?「...すまん」

 

魔理沙「ほっ...、どうやら無事だったようだな」

 

龍騎?「...上手くいったみたいだな。春の気配が感じなくなった」

 

龍騎?は西行妖を見て、異変が解決した事を確認する。

 

霊夢「そうね...、これで春が戻ってるでしょうね」

 

魔理沙「しかし、良くあんな方法で思いついたな。下手すればお前死んでたそ?」

 

龍騎?「言った筈だ...、確実に勝てる為なら手段を選ばん、とな」

 

魔理沙「いや、確かにそれは霊夢に聞いたが...」

 

龍騎?「...戦いにおいて必ずしも誰一人無傷で帰ってくるのは不可能だ。誰かしら重症を負うか、自分を犠牲にしなければならない場面がある。今回だってそうだ、その時が来たから俺が動いた。ただそれだけだ」

 

霊夢「...」

 

魔理沙「...」

 

龍騎?「...今のは俺の独り言だ。気にするな」

 

そう言って龍騎?は西行妖に近づく。

 

龍騎?「言われた通り、お前の我儘に答えたぞ。八雲紫」

 

龍騎?は西行妖を見つめる。殆どの桜が開花しているが、一つだけ蕾の状態の桜を見つけた。もう少し遅ければ西行妖は満開になり、幽々子は復活する...、いや、()()()()だろう...。

 

魔理沙「なぁ、この桜が満開したらどうなるんだ?」

 

後ろから霊夢と魔理沙がやって来て、魔理沙が質問する。

 

龍騎?「...俺も詳しくは知らんが、この桜の下にはある人物の死体があり、桜が満開すると、その死体が蘇るらしい」

 

霊夢「蘇るって...、まさか!?」

 

霊夢は何か察したらしい。魔理沙は良く分かっていない表情をしていた。

 

龍騎?「西行寺幽々子...、あそこで寝ている張本人だ」

 

魔理沙「はぁ!?」

 

霊夢「やっぱり...」

 

龍騎?「恐らく西行寺幽々子はこの桜が満開になると誰かが生き返ると分かってて、面白半分で咲かせようとしたんだろ」

 

魔理沙「咲かせたらどうなるんだ?」

 

龍騎?・霊夢「「西行寺幽々子は消滅する」」

 

魔理沙「はぁ!?な、何で!?」

 

霊夢「この桜がただの桜だと思った?この桜には妖怪の魔力が感じるのよ。もし、もし仮にこの桜が満開したら、下に埋まってる幽々子は消滅し、目の前に倒れてる幽々子自身を消滅するって訳」

 

魔理沙「な、成る程な...、霊夢は兎も角、何で龍騎も分かったんだ?」

 

龍騎?「...此処に来る前、八雲藍という妖怪に出会った。そしてこの西行妖の事を少し聞いて、西行寺幽々子を救って欲しいと言われた」

 

霊夢「藍に会ったのね...」

 

霊夢と魔理沙に説明を終えると、龍騎?はふらつき始めた。

 

霊夢「ちょ、ちょっと!?」

 

魔理沙「おい、大丈夫か!?」

 

龍騎?「潮時だな...。俺の出番はここまでだな」

 

霊夢「出番って...」

 

龍騎?「後はお前達に任せる...、この事はもう一人の俺に伝えておいてくれ...」

 

そう言って龍騎?は倒れてしまい、眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍騎「...うっ、...あれ?」

 

目が覚めると知らない天井だ。俺は布団に寝かされた事に気づき、起き上がると身体に痛みが走る。一体何が起こったんだ...?いきなり意識は無くなって気がついたら見知らぬ所に寝ていたし。

 

龍騎「...どうなってんだ?」

 

「目が覚めたみたいですね」

 

俺は頭を抑えて状況を確認していると、襖が開かれ、銀髪のおかっぱ頭の少女、魂魄妖夢がお盆の上にお茶を持って入って来た。

 

龍騎「あの...、これは一体...」

 

妖夢「私が此処に着いた時には、貴方と幽々子様がボロボロの状態で倒れていて、博麗の巫女と魔法使いが貴方を運んでいるのを目撃したので此処に休ませているんです。取り敢えず応急処置も済ませたので、ゆっくり休んで下さい」

 

妖夢がそう言うと、俺は自分の身体を確認すると、所々包帯が巻かれてある状態だった。道理で身体に違和感があった訳だ...。

 

龍騎「...すまない、でもどうして?」

 

妖夢「...西行妖の事を博麗の巫女から聞きました。幽々子様を救う為に行動したんですよね?」

 

......ゑ?( ゚д゚)?

 

ちょっと待って?ユユコサマ?サイギョウアヤカシ?ナニソレオイシイノ?

 

龍騎「...まぁな」

 

何がまぁなだよ全然わかんねぇよ。

 

妖夢「...どうしてあのような行動を?」

 

それは俺が一番知りたいよ。何で俺がやった事になってるの?

 

龍騎「...殆どは俺の自己満足だけど、こんな俺でも人の役に立てるなら命を賭けても守りたいって思いが強かったから...かな?」

 

ごめんなさい嘘ですそんな事一ミリも思ってません。それっぽく言ってみただけです。

 

妖夢「...そうですか」

 

そう言って妖夢はお盆を置いて立ち上がり、部屋から出ようとする。あれ?もしかして納得しちゃった?

 

妖夢「...私は食事の準備をして来ますので、少しお待ちください」

 

そう言って妖夢は部屋から出て行ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍騎「誰かぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!俺に説明してぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!

 

状況が読み取れない俺は布団に潜り、大声で叫んだ。




いかがでしたか?

幽々子様が西行妖を満開させようとした理由は自分の妄想なのでご了承下さい。

主人公の二重人格くんの名前はまだ募集中なので、思いついたら書いていただけると嬉しいです。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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第二十八話 宴会、そして再会(前編)

どうもです。

第二十八話です。

今回は長くなりそうなので前編後編と分けました。

それではどうぞ。


布団の中で叫んだ俺は一度部屋から出る事にした。少し歩くと、一つの部屋から良い匂いがする。俺は気になって扉を開けると、

 

ガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツ

 

一つのテーブルの上に大量の皿が重ねられていた。

 

霊夢「あら、起きたのね」

 

魔理沙「よう龍騎、大丈夫か?」

 

龍騎「...これどう言う状況?」

 

魔理沙「見れば分かるだろ?食事中だぜ」

 

それは分かってるよ。でもこれ明らかに食べ切れる量じゃないだろ。

 

幽々子「ふぁら、めふぁふぁふぇふぁふぉふぇ(あら、目が覚めたのね)

 

龍騎「は、はい...、それと喋る時は口の中のものちゃんの飲み込んでから『ゴックン』ちゃんと噛めよ...」

 

この人口の中にあったものを一気に飲み込んだぞ...。あ、人じゃなかった。

 

幽々子「ごめんなさいね。ちょっとお腹空いてたから夢中になっちゃったわ」

 

ちょっと...?ちょっとどころじゃないよね?明らかに十人前は軽く超えてるよね?

 

龍騎「え、えーと...、霧影龍騎と言います」

 

幽々子「私は西行寺幽々子、この白玉楼の主で、見ての通り亡霊よ」

 

龍騎「...で、どうして春を奪ったんですか?」

 

霊夢「それに関しては私が説明するわ」

 

それから霊夢に今までの事を教えて貰った。どうやら西行妖というデカい桜があって、なんでも死体を蘇る事が出来るらしい。その桜の木の下に幽々子さんの死体があるみたいで、その事を知らなかった幽々子さんは西行妖を面白半分で咲かせようとした。でもそんな事したら幽々子さんが消滅してしまうみたいなので止めたとの事。

 

霊夢「まぁ、殆どが貴方の二重人格がやった事だけどね?」

 

龍騎「二重人格が?道理でいきなり意識が無くなった訳だ...」

 

魔理沙「それにしても驚いたよな、自分が囮になって私のファイナルスパークが撃てるまで時間稼ぎをするなんてな」

 

龍騎「囮?」

 

霊夢「そのままの意味よ。貴方幽々子にガッチリ捕まえてそのまま魔理沙の弾幕にモロくらったのよ」

 

二重人格くん?君なんて事してくれてるの?これ俺の身体なんだよ?身体無くなっちゃったら元の子も無いでしょ?俺もお前も御陀仏よ?

 

龍騎「...まぁこうして生きてる訳だし、良いか」

 

幽々子「ごめんなさいね。私の所為でこんな事に巻き込んじゃって」

 

龍騎「もう良いですよ。終わった事なので」

 

霊夢「相変わらず優しいわね」

 

そう言って煎餅を齧る霊夢。

 

魔理沙「良く言うぜ、龍騎がぶっ倒れた後めちゃくちゃ心配してた癖に」

 

龍騎「えっ?」

 

霊夢「なっ!?///そ、そんな事無いわよ!」

 

魔理沙「大急ぎに龍騎を担いで、部屋荒らして布団をひかせてはすぐに龍騎を寝させて風邪引かないように毛布をかけて...」

 

霊夢「これ以上辞めないよあんたは!!///」グリグリグリ

 

魔理沙「痛い痛い痛い!?霊夢辞めろ!頭グリグリするな!!」

 

顔を真っ赤にさせて魔理沙の頭をグリグリと捻る?霊夢。

 

幽々子「ふふふ、とても仲が良いのね......、どうしたのかしら?」

 

龍騎「...え?あ、いやその,.....、今まで心配された事が無かったので...」

 

幽々子「...そう」

 

...今思うと誰にも心配された記憶が無い。外の世界に居た時に隣に住んでいた叔母さんにも心配された事が無かったからこんな気持ちになるのは生まれて初めてかもしれない...。

 

妖夢「幽々子様、お料理の追加で...、龍騎さん?」

 

龍騎「妖夢か...、なんだその馬鹿デカイ料理は?」

 

妖夢が部屋に入って来ると、通常の三倍...、いや十倍デカイお茶碗に山盛りの豚丼を持ってきた。いや...、流石にそれは...。

 

霊夢「あんた良く食べるわね...。亡霊の癖に」

 

幽々子「お腹ペコペコなんだも〜ん」

 

魔理沙「胃の中ブラックホールなんじゃ無いか?」

 

龍騎「其処はオ◯キュー◯だろ」

 

それから幽々子さんは妖夢が持ってきた馬鹿デカイ豚丼を食べ始め、五分も掛からずに平らげてしまった。...外の世界で大食い番組出る?優勝間違い無しだよ?

 

霊夢「...あ、そういえば」

 

霊夢が何か思い出したような表情する。

 

霊夢「宴会しなくちゃ(使命感)」

 

龍騎「は?」

 

幽々子「...」ビクッ

 

魔理沙「あーーー!そういえばすっかり忘れてたぜ!」

 

龍騎「...宴会ってそんなに大事な行事なのか?」

 

霊夢「紅魔館の時と今回の異変解決、そして貴方の歓迎会がまだしてなかったでしょ?」

 

魔理沙「まぁ、こう言うのは昔から恒例行事なんだよ」

 

龍騎「ふーん、宴会ねぇ...」

 

幽々子「...それは何処でやるのかしら?」

 

妖夢「幽々子様?」

 

霊夢「取り敢えず、うちでしょうね...。毎回うちで開いてるし」

 

幽々子「妖夢!急いで食料とお酒を買ってきて!」

 

龍騎・妖夢「「は?」」

 

幽々子「私達も宴会に参加するのよ!その為にはお料理が必要でしょ!?」

 

魔理沙「やっぱり食い物目当てかよ!?」

 

龍騎「お前もお前で大変だな...」

 

妖夢「お世話するこっちの身にもなって下さいよ...」

 

そう言って泣きながら人里に向かった妖夢。なんかほっとけないので荷物持ちとして着いて行く事にした。

 

妖夢「ありがとうございます。手伝って貰って」

 

龍騎「気にするな、俺は気にしない」

 

妖夢「...でも、どうしてこんな事を?」

 

龍騎「...さぁな、強いて言えば俺の自己満足だ」

 

妖夢「自己満足?」

 

龍騎「特に理由は無い、ただ無意識にそうしたいって思っただけだ」

 

妖夢「...そうですか」

 

なんか顔を少し赤くする妖夢。なんかまずい事言ったか?

 

龍騎「...どうした?体調でも悪いのか?」

 

妖夢「い、いえ!気にしないで下さい!」

 

良く分からない奴だな...。それから白玉楼に戻り荷物を置いて一度解散する事にした。そのまま俺は家に帰り、博麗神社で宴会を開く事を伝えると依神姉妹は目を輝かせながら俺に近づく。この目は絶対行くって事だよな...。それから暫く家で休んで俺達は博麗神社に向かった。

 

龍騎「なんか人がいっぱいだな...」

 

紫苑「ごっはん♪ごっはん♪」

 

女苑「おっさけ♪おっさけ♪」

 

直子「楽しそうですねお二人さん」

 

殆ど食い物と酒目当てだろう...。そう思ってると霊夢が現れた。

 

霊夢「あら、もう来たのね...、何でこいつらまで?」

 

龍騎「そう言うなよ...。こいつらだって楽しみにしてるんだぞ?」

 

霊夢「あのねぇ...、隣の幽霊ならまだしも二人は貧乏神よ?人様を不幸にさせてどうすんのよ?」

 

龍騎「そこでだ、ちょっと直子さんの能力を調べて欲しい。何故か貧乏神の効果が発動されないんだ」

 

霊夢「...マジで?」

 

そう言って霊夢はお札を取り出し、直子さんの額に付ける。するとお札に文字が浮かび上がった。俺は気になって霊夢に近づく。

 

霊夢「『正と負を操る程度の能力』か...」

 

龍騎「これで納得だな」

 

霊夢「(ちょっと近い近い近い!?顔を近づけるな!)そ、そうね...。これなら問題ないわね」

 

直子「私が能力を持っていたなんて...。何はともあれ良かったですね、紫苑さん、女苑さん」

 

それを聞いた瞬間は依神姉妹はハイタッチして喜んでいた。直子さんのお陰で二人は不幸体質から防ぐ事が出来たみたいだな。

 

魔理沙「おーい!こっちは準備出来たぞー!」

 

魔理沙の声が聞こえ、どうやら準備が出来たみたいだ。

 

霊夢「じゃ、行くわよ」

 

龍騎「ああ」

 

そう言って俺達は霊夢の後に続いた。

 

龍騎「...なぁ、どうしてこんなに人が沢山いるんだ?」

 

霊夢「文の仕業ね、偶に地獄耳になる時があるから」

 

...あのマスゴミめぇ、変な記事出したら唐揚げ(意味深)にしてやる...。

 

なんて思ってたら後ろから誰かに抱きつかれた。

 

フラン「えへへ♪こんばんわお兄様♪」

 

龍騎「フラン...」

 

レミリア「どうやら無事に異変は解決出来たみたいね、龍騎」

 

龍騎「レミリア...、来てたのか」

 

どうやら紅魔館組(美鈴・小悪魔はお留守番)も来てたみたいだ。フランは幸せそうに頭をグリグリする。

 

パチュリー「ふふ、相変わらず懐かれてるわね」

 

龍騎「良く人前で出来るよな...」

 

俺は少し溜め息をついてフランの頭を撫でる。

 

咲夜(う、羨ましい...)

 

まさか紅魔館組まで来るとは...、もしかしたら霖之助さんも来るのかな?

 

文「あやや!龍騎さんもう来ていたんですね!」

 

龍騎「余計な事してくれたなこのマスゴミ」

 

文「早速罵倒!?第一声がそれですか!?」

 

龍騎「本人の許しも無しに情報をバラす奴は何処のマスゴミだ、あ?」

 

文「し、心配しなくても新聞には出しませんから!」

 

椛「当たり前ですよ文さん、龍騎さん困ってるじゃないですか」

 

そう言って文の後ろから椛がやってきて溜め息をついた。

 

龍騎「椛か...、久しぶりだな」

 

椛「はい♪お久しぶりです♪」

 

そう言って椛は俺に腕を組んで嬉しそうに尻尾を振る。

 

龍騎「お、おい!?」

 

咲夜「なっ...!?」

 

パチュリー「あら」

 

レミリア「...貴方も隅に置かないわね」

 

フラン「?」

 

椛が俺の腕に抱きつかれた時、咲夜さんは驚愕、パチュリーは意外ね、と言わんばかりの顔をして、レミリアは溜め息を吐き、フランは理解出来ていない様子だった。ちょっと待って?何でレミリアはパチュリーはそんな反応なの?咲夜さんのリアクションの方が正しいからね?

 

レミリア「...これは中々厄介ね」

 

龍騎「何の話しだ?」

 

レミリア「こっちの話しよ、気にしないで頂戴」

 

そう言ってレミリアは咲夜さんと一緒に博麗神社の中に入って行った。

 

パチュリー「...こうして見ると兄妹とペットね」

 

龍騎「はぁ!?」

 

椛「ペ、ペットって何ですか!?...リュウキサンナラベツニ...」

 

椛さん?後半何で言った?俺が何だって?それからパチュリー、フラン、椛と別れて、俺は博麗神社の中に入った。中に入ると、霊夢が不機嫌そうに準備をしていた。

 

霊夢「さっきは随分と楽しそうだったわね」

 

見られてたのかよ...。だったら止めてくれても良かったろ...。

 

龍騎「...すまない。でも何でそんな怒ってんだよ?」

 

霊夢「...怒ってないわよ」

 

明らかに怒ってるよね?顔が般若に近いよ?

 

龍騎「もしかしてさっきのやり取り見て嫉妬した?なんつって」

 

霊夢「違うわよ!!

 

龍騎「!?」

 

いきなり霊夢が叫び出した。めっちゃびっくりした...。

 

霊夢「嫉妬なんかして無い!した事も無い!貴方がデレデレしてるのがムカついただけよ!!」

 

龍騎「......霊夢」

 

それを嫉妬してると言うのでは?(汗)

 

霊夢「...今日泊まっていかないと許さないから」

 

龍騎「ちょっと待てどうしてその結論になる」

 

霊夢「異論反論は認めない拒否権も与えない確定事項よ」

 

龍騎「プライバシーの侵害って知ってる?」

 

何で霊夢が嫉妬したのか分からんが従わないと後々面倒なので大人しく言う事を聞く事にした。どうしてこんな事に...。

 

魔理沙「おーい、殆ど揃ったぞ!」

 

霊夢「分かったわ、行くわよ」

 

龍騎「...ああ」

 

俺は霊夢の後に続き、部屋に入ると見知らぬ人が沢山居た。やっぱ皆んなお祭りとか好きみたいだな。

 

霊夢「皆んな集まったわね、今から隣に居る霧影龍騎の歓迎会を行うわよ。何か一言言いなさい」

 

そう言って俺にコップを渡して俺にバトンタッチする。コップ渡すの早くない?

 

龍騎「...えーと、霧影龍騎です。去年の夏頃に幻想入りした外来人です。よろしくお願いします」

 

霊夢「じゃあ『乾杯』するわよ。貴方がやりなさい」

 

龍騎「は?俺が?」

 

霊夢「貴方が主役なんだから一発決めてきなさいよ」

 

龍騎「お前は俺の黒歴史製造マシーンか何か?」

 

先にコップ渡したのはそう言う事かよ...。このまま断り続けたら時間の無駄だな...、ええいこうなったらヤケクソだ!!

 

龍騎「か、乾杯!!」

 

 「「「「「「「かんぱーい!!」」」」」」」

 

 

こうして、俺の為に開いてくれた宴会(長くて楽しい夜)が始まった。

 

 




いかがでしたか?

お気に入りが100件、UAが10000件を超えました。

まさかここまで読んでくれるとは思わなかったです...(泣)

皆様には本当に感謝しかありません。本当にありがとうございます。

これからも頑張っていきますのでよろしくお願いします。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

主人公の二重人格くんの名前も募集してますので、よろしくお願いします。


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第二十九話 宴会、そして再会(中編)

どうもです。

前回の前書きで前編後編に分けると言いましたが、予想以上に長くなってしまったので今回は中編です。

それではどうぞ。


俺が乾杯と言うと、皆んなグラスを持ってカキンッ、と当てる。そのまま料理を食べ始めたり、酒を飲むなり楽しんでいた。

 

文「いや〜、恥ずかしがる龍騎さん可愛いですね〜」ニヤニヤ

 

文の発言にムカついたので、取り敢えず感電させた。ぎゃぁぁぁぁぁ、と叫ぶ文に皆んなは大笑い、少しスッキリした。

 

魔理沙「あ、そうだ。龍騎少しいいか?」

 

龍騎「ん?」

 

魔理沙「お前に紹介したい友人がいるんだが、今大丈夫か?」

 

龍騎「...まぁ良いけど」

 

そう言うと、魔理沙は一度立ち上がり友人らしき人物を連れてきた。

 

魔理沙「待たせたな、こいつが私の友人だ」

 

?「全く引っ張るんじゃないわよ、服が伸びるでしょ...。初めて、私は『アリス・マーガトロイド』よ」

 

龍騎「霧影龍騎だ...、よろしく」

 

アリス「魔理沙から聞いてるけど、貴方女性恐怖症なんでしょ?今は大丈夫なの?」

 

龍騎「まだ完全に治った訳じゃないけど、昔よりは大分マシにはなってる...と思う」

 

霊夢「そこまで話せるようになったんならもう大丈夫よ」

 

隣に居た霊夢がそう言って酒を飲む、...ちょっと待て。

 

龍騎「何で酒飲んでんだよ」

 

霊夢「?飲んじゃいけない訳?」

 

龍騎「お前まだ未成年だろ?」

 

アリス「幻想郷には法律とかそう言う決まりが無いから、最低でも15歳になればお酒は飲めるのよ」

 

龍騎「な、なんだってぇぇぇぇぇ!?」

 

衝撃の事実!幻想郷に法律が無かった!!ウッソでしょ!?

 

魔理沙「そういやお前歳いくつだ?」

 

龍騎「18だ」

 

アリス「と言う事は、龍騎の方が二つ上なのね」

 

龍騎「え?お前ら16なのか?」

 

霊夢、魔理沙はコクッ、と頷いた。初めて知った...。いや、女性に年齢を聞くのは失礼だったな...。そうだよね?

 

霊夢「18なら飲んでみたら?お酒」

 

龍騎「いや、俺はいいや。酒には弱いんだ」

 

魔理沙「何で分かるんだ?」

 

龍騎「外の世界に住んでた時に、学校...、幻想郷じゃあ寺子屋に当たるな。其処で『アルコールパッチテスト』って言って自分が酒を飲める体質を調べる検査したんだが、酒に弱いって事が分かった」

 

霊夢「ふーん、ま、関係ないけどね」

 

龍騎「え?」

 

何故か魔理沙が俺の腕を掴んで動けないようにした。

 

魔理沙「今だ霊夢!やってやれ!」

 

龍騎「お、おい辞めろ!」

 

アリス「貴女達辞めなさいよ、困ってるでしょ?」

 

アリス...、まさか俺を助けてくれるのk...。

 

魔理沙「大丈夫だって!一口飲ませるだけだから!」

 

アリス「だからって捕まえなくても良いでしよ...、どうなっても知らないわよ」

 

ア"リ"ス"サ"ァ"ン"!? オンドゥルルラギルンディスカー! アンダドゥーレハ、アカマジャナカッタンデェ…モガッ!?

 

俺は無理矢理酒を飲まされて口から溢れてしまった。一口デカすぎる...。

 

龍騎「ごほっ、ごほっ...、お前ら...ヒック、ふざけんじゃねぇぞ...ヒック...」

 

霊夢(...少しやり過ぎたかしら)

 

魔理沙「どうだった?初めてのお酒は?」ニヤニヤ

 

魔理沙に揶揄われて、怒りが込み上げて来る。ヤバい理性を失いそう...。でも魔理沙の顔を見てたらムカついたので感電させた。

 

魔理沙「ぎゃあぁぁぁぁぁ!!」

 

アリス「はぁ...、私は知らないわよ。ごめんなさい、魔理沙が迷惑かけて」

 

龍騎「...気にするな。アリスが悪い訳じゃない」

 

アリス「本当にごめんなさいね、今度お詫びに人形作って来るわ」

 

龍騎「人形?」

 

アリス「えぇ、人形を作るのが趣味なの」

 

成る程ね...、じゃあ指に貼ってある絆創膏はそう言う事か。

 

龍騎「...分かった。有り難く受け取るよ」

 

そう言って俺は立ち上がり、夜風に当たろうと思い、外に出た。外に出て空を眺めると綺麗な月が見える。あそこに兎が餅つきしてたりして...。

 

?「貴方が霧影龍騎ね!」

 

そんな事思ってると誰かに声を掛けられた。其処には片手にガラケーを持ったツインテールの少女と、背中に馬鹿デカイ鞄を背負った少女だった。

 

龍騎「そうだけど...、何か用?」

 

?「私は姫海棠はたて《ひめかいどう はたて》射命丸文と同じく天狗で、記者をしてるわ」

 

?「初めましてだね盟友、私は川城にとり《かわしろ にとり》だよ。こう見えて河童なのさ」

 

龍騎「ご丁寧にどうも...、霧影龍騎だ」

 

はたて「で、早速なんだけどさ。貴方私の新聞買わない?」

 

龍騎「新聞?何でまた?」

 

はたて「最近文の新聞が貴方の事で持ちきりなのよ。だから私も貴方の記事で対抗しようと思った訳」

 

成る程、文とはたてはライバル関係って事か。つまりマスゴミコンビだな。

 

龍騎「...買っても良いが、俺をネタにするのは辞めてくれ。酷い経験したからな」

 

にとり「あー、確かパンツ見ちゃったって言う嘘っぱちのね」

 

はたて「その辺に関しては安心しなさい、文と違って捏造はしないから」

 

信用出来ないんだよなぁ...、ってかあいつ捏造するのかよ...。

 

龍騎「...まぁ、買っても良いぞ。まだ買ってなかったしな」

 

はたて「本当!?ありがとう!!」

 

そう言ってはたては俺の手を握ってブンブンと乱暴に振る。痛い痛い痛い!?

 

にとり「ねぇ盟友、盟友は外来人なんだろ?なら外の世界の機械は何か無いかな?」

 

外の世界の?俺はポケットから俺のスマホを取り出し、にとりに見せた。

 

にとり「おおー!これは一体何だい!?」

 

龍騎「スマートフォンって言って、携帯電話だ。ただ電話するだけじゃ無くて写真も撮れるし、ゲームも遊べるぞ?」

 

試しに俺はスマホのカメラを起動して、二人の写真を撮って二人に見せる。

 

にとり「これは驚いた、まさかこんなに綺麗に撮れるなんて」

 

はたて「いいなぁ〜、これが有れば写真もバッチリなのに...」

 

龍騎「...なんなら上げようか?」

 

はたて・にとり「「いいの!?」」

 

龍騎「どうせ外の世界には戻れないんだし、持ってても仕方ないからな。それにインターネットが使えないんじゃあ、写真を撮るか、電話するぐらいしか出来ないからな」

 

にとり「盟友、インターネットって何だい?」

 

にとりにインターネットの事を軽く説明する。

 

にとり「ほぇ〜、それは便利だね」

 

龍騎「外の世界じゃあインターネットは必要不可欠だからな」

 

はたて「にとり、幻想郷にもそのインターネットって使えるの?」

 

にとり「どうだろうね、幻想郷住民がスマートフォンを持ってる訳じゃないからね」

 

龍騎「...まぁ、悪用しなければ何しても良いから」

 

にとり「ありがとう盟友!まずはこのスマートフォンを解析してけら量産していこう!そしたらがっぽり儲かるぞ〜!」

 

はたて「完成したら私に渡しなさいよ!」

 

...これで幻想郷に産業革命が始まった...のか?それからはたてとにとりは去っていき、暫く休んでいると、馬鹿でかい尻尾がある女性に出会った。

 

?「霧影龍騎だな?」

 

龍騎「は、はい...」

 

?「私は八雲藍、紫様に使える式神だ」

 

八雲藍...。霊夢の話しによれば二重人格の奴と会った妖怪だったな...。それに紫って言う人...、橙の言う通りならこの人も妖怪なんだろう...。

 

龍騎「霧影龍騎です...」

 

藍「話しは聞いている。幽々子様を救ってくれて感謝する。紫様も大変お喜びだ」

 

龍騎「そ、そうですか...」

 

藍「?どうした?さっきから緊張してるようだが?」

 

龍騎「いや、えっと...、今まで会ってきた妖怪の中で一番妖怪に見えたので...」

 

藍「......ふ、ふふふ...、あはははははははははははははは!!」

 

藍さんが笑いだした。まずかったか?

 

藍「す、すまない...、そんな事言われたのはお前が初めてだよ」

 

龍騎「そ、そうですか...」

 

藍「別に怒ってはない。そう身構えるな」

 

そうは言ってもな...。そう思ってると何かを感じ取れた。

 

藍「どうやら来たようだな...」

 

龍騎「...」

 

藍「私はここで失礼する。今日は楽しめよ」

 

そう言って藍さんは何処へ行ってしまった。さてと...、俺も行きますか...。そう言って俺も動き始めた。

 

 

龍騎「此処だよな...」

 

俺が向かった先は屋根の上だった。其処に妖怪の魔力が感じられた。屋根の上に誰かがいる...。そう思って俺は屋根の上に向かった。すると其処には、傘をさした髪の長い女性が月を眺めていた。

 

?「月が綺麗ね...、あまり良い思い出は無いけれど」

 

龍騎「...」

 

?「貴方は月は好きかしら?霧影龍騎」

 

龍騎「...好きでも無いし嫌いでも無い。普通ですね」

 

?「...そう」

 

龍騎「...貴女が、八雲紫さんですね?」

 

紫「そう、私が八雲紫《やくも ゆかり》この幻想郷の創造者であり、賢者の一人...」

 

紫さんは振り返り、俺の方を見て挨拶をする。白と紫の道士服に長い金髪、その美しさに正直俺は見惚れていた...。

 

紫「あら、もしかして見惚れてたのかしら?」

 

龍騎「っ、すみません...」

 

紫「ふふふ、嬉しいわ...。ごめんなさいね、挨拶が遅れてしまって」

 

龍騎「い、いえ...、俺は気にしてませんから...」

 

紫「本当ならもっと早く挨拶に行きたかったのだけど、私も忙しい身でね」

 

龍騎「そ、そうなんですか...。あまり無理はしないでくださいね」

 

紫「......ありがとう、貴方は優しいのね

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

()()()

 

龍騎「?」

 

紫「...今日は此処で失礼するわ。まだやらなくちゃいけない事があるからね」

 

龍騎「そうですか...」

 

紫「今度会ったら一緒にお茶でも飲みましょ?」

 

そう言って紫さんは俺の顔を見てウインクして、目玉が沢山ある空間を開いて中入ってしまった。...不覚にも今のウインクにドキッとしてしまった。紫さんがいなくなった事を確認して、俺は宴会部屋に戻る事にした。

 

 

 

宴会部屋に戻ると、さっきと変わらず皆んなはしゃいでいた。一部は酔い潰れているが...。

 

文「龍騎さぁ〜ん、構って下さいよ〜」

 

文が徳利を片手に俺に抱きついて来た。酒臭っ!?その後バタンッ、と倒れてしまい、くか〜、といびきをかいて寝てしまった。

 

?「なんだい文、もう潰れたのかい?最近弱くなったんじゃ無いかい?」

 

俺の後ろから何か言ってきた。振り向くと、頭に二本の角がある少女だった。

 

角の少女「ん?ああ、お前さんが外来人か。私は伊吹萃香《いぶき すいか》って言うんだ」

 

伊吹...、そしてその頭の角...。もしかして鬼か?

 

龍騎「...霧影龍騎って言います」

 

萃香「話しは聞いてるよ、何でも吸血鬼と殺りあったらしいじゃないか」

 

何か違う意味の言葉が聞こえたような気がする...。

 

龍騎「...まぁ二重人格がやったんですけどね」

 

萃香「何だい?もう一つの人格があるのか?それは気になるねぇ〜、今度その二重人格って奴に戦わせてくれないかい?」

 

龍騎「それは二重人格(あいつ)自身が決めるので、俺じゃあどうしようもありません」

 

萃香「ぶぅ〜、何だい詰まんないの」

 

むぅ〜、と頬を膨らませる萃香さん。ちょっと可愛い。

 

萃香「なら酒だ!このぐらいなら付き合って貰うぞ!」

 

そう言って萃香さんは手に持っていた瓢箪を俺に渡した。

 

龍騎「ちょ、ちょっと待って下さい!俺酒には弱いんです、それにさっき霊夢達に無理矢理飲まされて理性失いかけましたから...」

 

萃香「大丈夫だって!一口なら問題ないだろ?ささ!ささ!」

 

アルコールハラスメント!略してアルハラですよ!?酒を飲む事に躊躇ってる俺の姿に痺れを切らしたのか、萃香さんが無理矢理酒を飲まされた。

 

萃香「あーもう!男の癖に悩んでるんじゃない!さっさと飲め!」

 

流石は鬼、小柄の姿にも関わらず物凄い力だ。抵抗しても全然びくともしない。そのまま口に流し込められ、全身が燃えるように熱くなる。

 

龍騎「げほっ、げほっ...、酷いじゃないですか!?」

 

俺は口から溢れた酒を手で拭いて萃香さんに文句を言う。

 

萃香「まぁまぁそう怒るなって(あれ?私が飲ませた酒は普通の人間なら酔い潰れる筈なのに...、もしかしてさっき霊夢に飲まされたから耐性が付いた?)」

 

龍騎「...そういうのは辞めて下さいよ」

 

萃香「じゃあ、酒に合うつまみでも作って貰おうかな〜」

 

龍騎「まぁそのぐらいなら...」

 

そう言って俺は台所に向かった。




いかがでしたか?

今回はここまでです。このまま書き続けると5,000文字にいきそうなので...。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

主人公の二重人格くんの名前もまだ募集してますので、よろしくお願いします。


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第三十話 宴会、そして再開(後編)

どうもです。

第三十話です。

それではどうぞ。


俺が台所へ向かっていると、霊夢が部屋から出てきた。

 

霊夢「あ」

 

龍騎「...」

 

俺は黙って霊夢を横切ろうとするが、腕を掴まれて止められた。俺は振り向かず、正面だけを見ていたら、

 

龍騎「...何だ」

 

霊夢「さっきはごめんなさい...、調子に乗り過ぎたわ...」

 

龍騎「...気にするな、俺は気にしない」

 

霊夢「貴方は良くても私は気にするの...、ほんとにごめん...」

 

龍騎「...」

 

分かった、謝罪は受け取る...。それを言おうとする前に霊夢が後ろから抱きついて来た。

 

龍騎「お、おい...」

 

霊夢「ごめん...、少し、こうさせて...」

 

それから暫く沈黙が続く...。一体俺は何を期待してるんだ...、どうも落ち着かない...。

 

龍騎「...落ち着いたか?」

 

霊夢「もう少し...」

 

龍騎「はぁ...、もう好きにしてくれ...」

 

俺はそういうと、霊夢はさらに強く抱きしめる。...これ誰かに見られたらヤバくね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

咲夜「失礼ですが、狭い通路で何やってるんでしょうか?」

 

龍騎「」

 

霊夢「!?さ、咲夜!?」

 

ほら言わんこっちゃない(白目)

 

霊夢「な、何であんたが此処にいるの!?」

 

咲夜「いけませんか?それより先程のやり取りを詳しく説明してくれませんか?」ゴゴゴ

 

龍騎「あ、あにょ...しゃくやひゃん?」

 

何でそんなに怒ってるの?思わず噛んじゃったじゃないか。

 

咲夜「どうしました龍騎様?」ゴゴゴ

 

龍騎「な、何でそんなに怒ってるんですか...?」

 

咲夜「怒ってませんよ?えぇ、私は至って正常ですよ?」ゴゴゴ

 

嘘つけ!明らかに某冒険漫画みたいに、後ろからゴゴゴって言ってるんですけど!?

 

咲夜「それで、龍騎様はどうして博麗の巫女に抱きつからてるんですか?」ゴゴゴ

 

龍騎「さ、さっき霊夢と魔理沙に無理矢理酒を飲まされて...」

 

咲夜「...ほぅ」ゴゴゴ

 

龍騎「ヒィ!?そ、それで今謝りに来て現在に至ります!」

 

霊夢(な、何よこの圧は!?メイドの癖に!)

 

咲夜「...まぁ、博麗の巫女に関しては大目に見るとして、あの白黒の魔法使いは何も反省してないと...?...ふふふ、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍騎様を傷つけた以上、死より恐ろしい恐怖を味わせて差し上げますわ...」ハイライトオフ

 

龍騎・霊夢「「ひぃぃ!?」」

 

やっぱり怒ってるじゃないか!!霊夢も悲鳴上げちゃったじゃん!!ってかいつの間にか目が真っ黒なんだけど!?ハイライトくん!?ちゃんとお仕事して!?そして咲夜さんはナイフを取り出して来た道に戻ろうとする。俺は慌てて咲夜さんの肩を掴んで止める。

 

龍騎「さ、咲夜さん!落ち着いて!俺は気にしてませんから!」

 

咲夜「離してください龍騎様、あの盗人には我々紅魔館組の恨みがありますので」ハイライトオフ

 

龍騎「ちょ!?駄目だって!?死んじゃう!?魔理沙が死んじゃう!」

 

咲夜「ご心配には及びません。殺しはしません...、少しO☆HA☆NA☆SHIするだけですわ」

 

だったらそのナイフしまってくれない!?O☆HA☆NA☆SHIだけで済ますつもり無いよね!?ええい、こうなったら!

 

龍騎「落ち着け咲夜!」

 

咲夜「!?」

 

俺が呼び捨てで叫ぶと、咲夜さんはビクッと、震える。ついでにハイライトくんも戻って来た、おかえり。

 

龍騎「...落ち着いて下さい。貴女が怒る事じゃない」

 

咲夜「...すみません、どうかしてました...」

 

霊夢(...もしかして)

 

ふぅ...、どうやら落ち着いたようだな。でも...、どうしてあんなに怒ってたんだ?

 

龍騎「じゃあ、俺は行きます。霊夢、台所借りるぞ」

 

霊夢「...え?あ、うん...」

 

咲夜「どうして台所に...?」

 

龍騎「さっき萃香さんと会って、(無理矢理酒飲まされた後)つまみを要求されたんですよ」

 

咲夜「!(こ、これはチャンス)よ、良かったご一緒にどうですか?」

 

霊夢「なっ...!?」

 

龍騎「えっ?どうして?」

 

咲夜「そ、その...、そう!お嬢様!お嬢様に何かお作りしようと思って!」

 

霊夢(嘘おっしゃい!明らかに今思いついただけでしょ!?)

 

龍騎「そうなんですか?ならさっさと作りましょう、お互い客がいるなら急ぎましょ」

 

霊夢「(この鈍チン!何で気がつかないのよ!?)ちょ、ちょっと待ちなさいよ!」

 

龍騎「?何?」

 

霊夢「...わ、私も行くわ、一緒に...(ど、どうしよう!?咄嗟に言っちゃったけど後の事全然考えて無かった...)」

 

龍騎「は?」

 

咲夜「あら、おつまみでしたら私達が作って差し上げますよ?()()()()()()

 

霊夢「ぐぬぬ...」

 

龍騎「...」

 

こ れ な ん て ギ ャ ル ゲ ー ?

 

龍騎「...来るならさっさと来い。待たせてる人が居る」

 

咲夜「なっ!?」

 

霊夢「!え、えぇ!」

 

俺は溜め息をついて、台所に向かった。

 

咲夜「ぐっ...」

 

霊夢「...」ジー

 

咲夜「!?」

 

霊夢「......マケナイカラ」ボソッ

 

咲夜「!......コチラモデス」ボソッ

 

バチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチ

 

龍騎(何か後ろで火花が散ってるんだけど!?花火でもしてるの!?)

 

背後からバチバチバチバチと音(幻聴)が聞こえたが無視する事にした。

 

 

 

台所に着くと、妖夢が一人で料理を作っていた。テーブルの上には成人男性の約15倍はありそうな料理があった。絶対幽々子さんの料理だ...。

 

龍騎「お疲れ妖夢」

 

妖夢「あ、龍騎さん。どうして台所に?」

 

龍騎「ちょっとつまみを作って来いって言われてな。少し借りても良いか?」

 

妖夢「どうぞ」

 

そう言って俺は材料を見て、何作るか頭の中で考える。さて、何作るか...。

 

霊夢(参ったわね...。何作るか全然決めてない...)

 

咲夜「あら、巫女様は何を作るのでしょうか?」

 

霊夢「!?い、今決めてるのよ!」

 

龍騎(う〜ん...、落花生あるし軽く炒めて塩掛ければ良いかな?)

 

咲夜「では何を作るか聞きましょうか」

 

霊夢「そ、それを今決めてる...」

 

咲夜「まさか何も考えずに着いて来た訳では無いですよね?」

 

霊夢「...っ」

 

妖夢(後ろが騒がしい...)

 

龍騎(何だ?霊夢の奴決めて無かったのか?ならアレを作らせるか...)

 

そう思った俺はあるものを持って霊夢に近づく。

 

龍騎「霊夢、こいつを使え」

 

霊夢「...何この緑のやつ?」

 

咲夜「アボカド...ですか?」

 

そう、俺が渡したのはアボカドだ。

 

龍騎「えぇ、こいつを調理してくれ」

 

霊夢「え!?」

 

咲夜「!?」

 

妖夢(ん?)

 

霊夢「わ、私そのあぼかどっての食べた事が無いから...」

 

龍騎「何なら俺と一緒に作るか?一品だけじゃあ足りなそうだし」

 

霊夢「ほ、本当!?」

 

咲夜「嘘...」

 

妖夢(私も教わろうかな...)

 

龍騎「ほら、さっさと作ろうぜ?」

 

霊夢「え、えぇ!よろしく頼むわ!」

 

やたら嬉しそうだな。そりゃそうか、初めて食べる料理だからワクワクするのかもしれない。知らんけど。

 

咲夜「ソウダ...龍騎様、少しよろしいでしょうか?」

 

龍騎「はい?」

 

咲夜「よ、よろしければ私にもご教授お願いできますか?」

 

龍騎「え?」

 

霊夢「は?(威圧)」

 

霊夢の「は?」がヤバかったんだけど...。

 

龍騎「ど、どうしてですか?」

 

咲夜「そ、その...、外の世界の料理が気になってですね...、外来人である龍騎様にご教授出来れば良いかな...と...///」

 

顔赤くして、そう言う咲夜さん。めっちゃ可愛い。

 

龍騎「俺は構いませんけど...」

 

今思ったけど紅魔館でバイトしてるんだから其処で教えれば良くね?まぁ良いか。

 

妖夢「それなら私にも教えてくれませんか?」

 

龍騎「え?」

 

霊夢・咲夜「「は?(威圧)」」

 

ちょっと待って何でそんなに威圧をかけるの!?妖夢に何か恨みでもあるのか!?

 

龍騎「な、何でまた...?」

 

妖夢「私も外の世界の料理に興味を持ちまして...」

 

龍騎「そう言う事か...、なら皆んなで作るか」

 

霊夢・咲夜((な、納得いかない!!))

 

妖夢「?(どうしてあんなに怒ってるんだろう...)」

 

それから色々作って宴会部屋に向かった。ちなみに作った料理は

 

・落花生の塩炒り

 

・アボガドのチーズ春巻き

 

・トマトとカマンベールチーズのカプレーゼ等

 

まぁこのぐらいあれば足りるだろ、そう思って宴会部屋に入る。

 

萃香「お、ようやく来たか」

 

龍騎「お待たせしました」

 

俺はテーブルの上につまみを並べて、早速萃香さんは手を出す。

 

萃香「うん、美味いねぇ〜」

 

龍騎「そりゃどうも」

 

軽く返事をすると、周りの人達もつまみに手を出す。中々の好評だった。喜んで貰えて良かった...。

 

幽々子「妖夢おかわり!」

 

妖夢「少し落ち着いて下さいよ幽々子様〜!!」

 

幽々子さんの食べっぷりに追いつかず、走り回る妖夢。仕方ない...、手伝ってやるか。

 

龍騎「妖夢、俺が料理を運ぶから調理頼む」

 

妖夢「え?で、でも...」

 

龍騎「お前がぶっ倒れたら元の子も無いだろ?だから気にするな」

 

妖夢「...ありがとうございます」

 

そう言って俺は作り置きしていた料理を運ぶ(主に幽々子さんに)全く胃袋どうなってんだが...。

 

椛「あれ?龍騎さん?」

 

龍騎「ん?椛か」

 

運んでる途中、椛に話しかけられた。

 

椛「どうして料理を運んでるんですか?」

 

龍騎「あー、ピンクの悪魔に運んでるんだ」

 

椛「ピンクの悪魔?...あ」

 

俺が幽々子さんの方を見ながら話したら椛も同じ方向に向き、何かを察したようだ。

 

椛「...もし良かったら手伝いましょうか?」

 

龍騎「すまない、頼む」

 

それから椛にも運んでる貰い、ようやく満足したのか幽々子さんはお腹を摩りながら幸せそうな笑顔になる。もう三十人分食ってると思うぞ...。

 

妖夢「あ、あの、ありがとうございました」

 

龍騎「気にするな、俺は気にしない」

 

椛「私も気にしてませんよ」

 

これで一段落がついたな...。一息つくと襖が大きく開かれた。

 

?「ごめんなさい!遅れました!」

 

それは、緑色の長髪に蛙と白蛇の髪飾りをした白と青の巫女だった。

 

霊夢「あら、大分遅かったじゃない」

 

緑髪の巫女「ごめんなさい霊夢さん。少し野暮用で......え?」

 

龍騎「...」

 

緑髪の巫女は俺を見ると固まってしまった。俺は、こいつを知っている...。今でも覚えている...。

 

霊夢「?どうしたの固まっちゃって」

 

緑髪の巫女「嘘......、何で......、なんで...」

 

龍騎「......」

 

忘れる筈の無い、初めて出会ったある日...。そして再開する事は無い、別れの時...。

 

龍騎「...久しぶり。約六年、いや七年か?まぁそんな事は良いか...。まぁ取り敢えず久しぶり......、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

東風谷......。いや、今は早苗って言った方が良いよな」

 

緑髪の巫女「〜〜〜ッ!」

 

緑髪の巫女、東風谷早苗《こちや さなえ》は涙目になりら俺に抱きついて

 

早苗「会いたかった...!ずっと寂しかった...!もう一度会いたかった...!」

 

龍騎「...俺も、もう一度お前の顔が見たかった...」

 

早苗「りゅーくん!!」

 

早苗は更に強く抱きしめて泣き始めた。

 

霊夢・咲夜・椛・妖夢「( ゚д゚)」カーン!

 

紅魔館組(咲夜除く)「((((;゚Д゚)))))))」キーン‼︎

 

その他「( д゚) ゚」ドーン!!!

 

 

 

 

魔理沙「ふぅ〜、やっと感電が治ったぜ...。ん?何でこんなに静かなんだ?」

 

龍騎に感電されて隣の部屋で休んでいた魔理沙は宴会部屋に戻ると、騒いでいた部屋が静かになった事に気づいた。気になって襖を開けると、龍騎が早苗に抱きつかれていた。

 

魔理沙「何だこれ?」

 




いかがでしたか?

次回で春雪異変編も終わりです。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

主人公の二重人格くんの名前はまだ募集していますので、よろしくお願いします。


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第三十一話 少年と少女の出会い

どうもです。

今回は主人公と早苗の過去話しです。

今回で春雪異変編を終わらせようとしましたが、馬鹿みたいに長いので次回で終幕させます。

それではどうぞ。


魔理沙「...なんだこれ?」

 

?「いや〜、遅れて済まなかったね」

 

?「...早苗?一体誰に抱きついてるんだい?」

 

早苗「あ!神奈子様!諏訪湖様!」

 

魔理沙が部屋に入って来ると、更に二人の女性(一人小さな女性)が入って来た。

 

魔理沙「...なぁ、これどう言う状況なんだ?」

 

龍騎「...いきなり早苗に抱きつかれた」

 

「「「「龍騎!(様!)(さん!)」」」」

 

龍騎「!?」

 

霊夢「これは一体どう言う事よ!?」

 

咲夜「そうです!理由をお聞かせください!」

 

椛「と言うか、早苗様との関係は何ですか!?」

 

妖夢「それ、私も気になります!(好奇心的な意味で)」

 

龍騎「...まぁ、言っても良いけど、正直あんまり覚えていないんだよ...」

 

早苗「なら、私が教えて上げようか?」

 

覚えてるのかよ...。こいつそんなに記憶力あったっけ?

 

龍騎「...頼む」

 

早苗「それでは説明しますね。これは私がまだ外の世界で住んでいた頃なんですが......」

 

 

 

 

 

 

 

私が当時七歳...小学二年生の頃、私はクラスの子からいじめを受けていました。最初は鉛筆とか教科書とか色々盗まれてはいたんですが、それからいじめはエスカレートしていって...。私がトイレに行った時に上から水を掛けて来て教室に戻ってはクラスの子達に笑われて、担任の先生にも味方になって貰えず、遂には男子からも身体を触られたり、体操着に着替える時にも覗き見されたりして精神的に追い込まれました。

 

そんなある日、昼休みに私はいじめに耐えきれずトイレで泣いたんです。そしたらドアの方からポチャポチャと音が聞こえました。また水をかけられる...。怖くなった私は目を瞑って身体を縮こませました。次の瞬間...。

 

 

 

「お前ら何やってんだよ」

 

 

一人の男の子の声が聞こえたんです。

 

 

女子生徒A「はぁ?何だって良いじゃん。ってか何で男子が女子トイレに入ってんの?ww」

 

女子生徒B「そうそうww、何?そう言う趣味?www」

 

女子生徒C「うわぁ〜ww、無いわ〜マジ無いわ〜www」

 

男子生徒「別に理由は無い。何でバケツなんか持ってるのか気になってな、それにまだ掃除の時間じゃあねぇだろ」

 

女子生徒A「あ〜そう言うことねww、ただ汚物があったから綺麗にしてる訳よww」

 

女子生徒B「そうそう、だから気にする事は無いよww」

 

男子生徒「...ふ〜ん、汚物、ねぇ...」

 

女子生徒C「そう言う事wだから帰っても良いよww」

 

男子生徒「......分かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なら俺も手伝ってやるよ」

 

女子生徒「「「はぁ?」」」

 

早苗「!?」

 

男子生徒「聞こえなかったのか?手伝ってやるって言ったんだ」

 

女子生徒A「はぁ?意味分かんないし」

 

女子生徒B「そんなもの必要ないし」

 

女子生徒C「さっきから何なのあんた?」

 

男子生徒「いや、別に

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

其処の扉の中に泣いてる声が聞こえたからどんな奴か見に来たまでだ」

 

早苗「!」

 

女子生徒A「へぇ〜、耳良いんだ」

 

男子生徒「昔からな」

 

女子生徒A「ふ〜ん、あんたもあいつが気に入らない?」

 

男子生徒「あいつ...?」

 

女子生徒B「東風谷よ東風谷。あいつ去年めっちゃ男子に告白されてさ」

 

女子生徒C「だからあたしらがこうしてる訳。分かる?」

 

男子生徒「嫉妬か...、醜いものだな...」

 

女子生徒A「はぁ?何?喧嘩売ってんの?」

 

男子生徒「その奥にいる東風谷って奴に嫉妬していじめてる時点で醜いんだよ。そうやって精神的にも、肉体的にも痛めつけやがるお前らが惨めで仕方がない」

 

女子生徒B「...あんた、そんな事言って良いと思ってる?」

 

女子生徒C「今此処であたし達が叫んだらどうなるんだろうなぁ〜w」

 

男子生徒「......

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やれるもんならやってみろよ」

 

女子生徒A「なっ!?」

 

男子生徒「そんな脅し俺には通用しない。叫びたければ叫べば良い」

 

女子生徒A「あ、あんた正気!?」

 

男子生徒「何ビビってんだよ?俺がどうなろうと知ったこっちゃ無い。お前らだってどうでも良い筈だろ?」

 

女子生徒A「くっ...」

 

キーンコーンカーンコーン

 

男子生徒「...もう時間だし教室戻れば?」

 

女子生徒A「...帰るよ」

 

女子生徒B・C「う、うん...」

 

そう言って女子生徒A、B、Cはバケツを置いて帰って行きました。

 

男子生徒「...おい、出てきても良いぞ。居るなら返事しろ」

 

そう言って来たので私はゆっくりと扉を開けました。そしてその男子生徒は女子生徒が置いて行ったバケツを洗面所で水を流しました。

 

早苗「...どうして、私を?」

 

男子生徒「...自己満足」

 

早苗「えっ...?」

 

男子生徒「同じ事を言わせるな。自己満足って言ったんだよ」

 

早苗「自己満足って...」

 

男子生徒「言いたい事は分かる。でもな、これと言った目的がある訳では無いんだ」

 

早苗「......」

 

男子生徒「ただ...」

 

早苗「ただ?」

 

男子生徒「...クラスの奴が、そうやってるのを見るとムカついて...、男子生徒だったら殴り飛ばしたかった」

 

早苗「...え?」

 

男子生徒「つまりだ、えぇ〜と...、何て言えば良いか分かんねぇや」

 

頭をかきかきと掻きながらバケツをしまう男子生徒。それに同じクラスだったんだ...。

 

早苗「...ありがと」

 

男子生徒「?」

 

早苗「助けてくれて...、ありがとう」

 

男子生徒「...気にするな、俺は気にしない」

 

そう言って男子生徒は教室に戻って行きました。私も途中から教室に戻って来たら、担任から『身体の方は大丈夫か?保健室で休んでると聞いたが』と言ってきました。私は一度、教室の周りを見渡すと、一人の男子生徒が机の上に膝を立てて、右手で頬を当てて外を眺めていました。あの子だ...、あの子が言ってくれたんだ...。

 

それから放課後になり、私は一人で帰って家に着くとお母さんが電話に出ていた。

 

早苗母「はい...、分かりました。ありがとうございます」

 

早苗「お母さん...」

 

早苗母「ごめんね早苗...、貴女がこんなに辛い思いをしてるのに気づかなくって...」

 

そう言ってお母さんは私を抱きしめてくれました。その時、今まで溜めてきたものを全て吐き出しました。今でも良く覚えています。

 

次の日の朝、この日は土曜日だったので学校はお休み。久しぶりにお母さんと出かける準備をしていた時にあるニュースを目撃しました。それは...

 

 

 

『〇〇市にある〇〇小学校に多数の教員が辞職した事が分かりました。調べによりますと、小学二年生の女子生徒をいじめを受けていたのにも関わらず、対処していなかったという事です。これにより〇〇小学校は暫く休校するとの事です。その通報者は何と同じクラスの男子生徒からとの情報です。その男子生徒は『自己満足でやった。だからいじめられていた子の為にやってない』との事です』

 

そのニュースを見て私は固まりました。自己満足と言ったら私を助けてくれた男子生徒の事...。普通ならそんな事出来ないのにあの子は平然とやって行きました。

 

その日からです。私が彼に意識し始めたのは...。

 

暫くして学校が再開して、教室に入ると誰も居ませんでした...。まだ時間があるのですがいつもはみんな先に来ていたのに...。

 

「よう、いつも通りの時間だな」

 

声をかけられた方向に向くと、例の男子生徒が腕を組んで壁に寄り掛かっていました。

 

男子生徒「今日は誰一人来ないぞ。俺とお前だけだ」

 

早苗「どう言う事?」

 

男子生徒「お前のいじめに関わった奴らみんな転校した。転校出来なかったら奴らは引きこもり...。そして教員の大半が教員免許剥奪。まぁ当然の報いだな」

 

早苗「...どうして此処までやったの?」

 

男子生徒「何の事だ?」

 

早苗「...ニュースで言ってたよ。クラスの子が通報したって」

 

男子生徒「マジかよ...、一体誰が...、まぁ良いや、バレちまったなら仕方ないな」

 

早苗「...どうしてあんな事を?」

 

男子生徒「ニュース見たなら分かるだろ?自己満足で動いただけでお前の為に動いた訳じゃない」

 

早苗「...」

 

男子生徒「ただ、理不尽な理由でいじめられたりとか、理由も無しに一方的に痛めつけられたりするのがムカついて居心地も悪かった。あんな奴らはさっさと消えちまえば良い...。それが本当の理由...かな」

 

早苗「......何か、ヒーローみたいでヒーローじゃないね」

 

男子生徒「当然だ。俺は正義の味方でも無ければ悪の組織に入ってる訳でもない、俺は俺が思ってる事を行動してるまでだ」

 

早苗「...漫画で書いてあったよ。『感情のままで行動する事は人間として正しい生き方だ』って」

 

男子生徒「...つまりそう言う事だ」

 

早苗「...ふふふ」

 

男子生徒「?」

 

早苗「...意外と不器用なんだね」

 

男子生徒「は?」

 

早苗「何か素直じゃないと言うか、捻くれてると言うか...、私にも分からないや」

 

男子生徒「?俺は本心を言ったまでだぞ」

 

早苗「自分ではそう思ってるけど私から見たらそう思うよ」

 

男子生徒「...それは褒め言葉なのか?それとも貶してるのか?」

 

早苗「さぁそれはどうでしょう〜?」

 

男子生徒「...くくっ」

 

早苗「ふふふ...」

 

男子生徒・早苗「「ははははははははは!!」」

 

早苗「...笑ったね」

 

男子生徒「久しぶりに笑ったな...」

 

早苗「ねぇ...、一つ良い?」

 

男子生徒「何だ?」

 

早苗「...私の、友達になって下さい」

 

男子生徒「...なっても良いけど、俺は基本自分から話し掛けないぞ?」

 

早苗「其処は私から話し掛けるよ」

 

男子生徒「...俺は一人が好きなんだが」

 

早苗「其処までしつこく話し掛けないようにする」

 

男子生徒「...俺以外いないのかよ」

 

早苗「私、今までいじめられたから親しいって思える友達が居ないの。だから...、私の友達1号になって下さい!」

 

男子生徒「...」

 

早苗「...」

 

男子生徒「...俺はロボットじゃないんだがな......、俺で良ければよろしくお願いします」

 

早苗「っ〜〜!私早苗!東風谷早苗!」

 

男子生徒「霧影龍騎だ。改めてよろしく」

 

早苗「霧影龍騎...、じゃありゅーくんだね!」

 

龍騎「いきなり渾名呼びかよ...、でも、不思議な事に嫌じゃ無いな」

 

早苗「これからよろしくね!」

 

 

 

これが...、私とりゅーくんが初めて友達になったお話し...。

 

 

それから私達は校長室に向かって、校長先生は今まで私のいじめに対して何も出来なかった(正しくは気づかなかった)事に謝罪して、今後、私とりゅーくんは他のクラスに入る事になりました。偶然にも私とりゅーくんは同じクラスだったのでとても嬉しかったです。

 

それから私達は一緒にいる時間が増えました。りゅーくんは一人が好きって言っていたけど、いつも私に付き合ってくれました。

 

この時間がいつまでも続けば良いのに...。

 

そんな風に考えていた時期が私にもありました...。

 

 

 

 

 

 

龍騎「転校...?」

 

早苗「...うん」

 

現実は本当に残酷なものです...。小学校卒業間近、私はりゅーくんにそう告げました。何でも、中学校に入学してもまたいじめられる可能性がゼロじゃ無いとの事で、田舎に引っ越す事になったんです...。

 

龍騎「......いつ出るんだ」

 

早苗「卒業式が終わって一週間後...」

 

龍騎「一週間...、卒業式明日だろ?」

 

驚きを隠せないりゅーくん、頭を掻きながら困った表情する。

 

早苗「...いやだよ......、りゅーくんとずっと居たい...」

 

龍騎「東風谷...」

 

早苗「まだ...、りゅーくんと遊んでいたい...、りゅーくんの側にいたい...」ポロポロ

 

龍騎「......っ」

 

私は我慢が出来なくて泣き出すと、りゅーくんは抱きしめてくれました。

 

早苗「...えっ」ポロポロ

 

龍騎「そう泣くなよ...、その顔はいじめられた時に卒業したんじゃ無かったんじゃないのか?」

 

早苗「で、でも...」ポロポロ

 

龍騎「別に一生のお別れじゃ無いんだから...な?」

 

早苗「だって、だって分からない田舎なんだよ!?本当にいつ会えるか分からないんだよ!?」ポロポロ

 

龍騎「なら俺が迎えに行ってやるよ」

 

早苗「っ!」ポロポロ

 

龍騎「例えお前が外国だろうが異世界だろうが何処に行ったって会いに行ってやるよ。これは俺の自己満足なんかじゃ無い、俺の本気の気持ちだ」

 

早苗「りゅーくん...」ポロポロ

 

龍騎「...お前が引っ越す日が来たら送り迎えしてやる」

 

早苗「ほんと...?」ポロポロ

 

龍騎「友達1号として当然の事だ。それに、一度決めた事は最後までやり通す...、中途半端は嫌いなんだよ」

 

早苗「...ありがと......りゅーくん...」ポロポロ

 

龍騎「泣くなって...、涙なんてとっくの前に出しただろ」

 

早苗「だって...、うれしくて...」ポロポロ

 

龍騎「はぁ...お前って意外と涙脆いんだな」ナデナデ

 

私はりゅーくんが言った言葉に嬉しさのあまりにりゅーくんの胸で大泣きして、りゅーくんは優しく私の頭を撫でてくれました。

 

その時、私は思いました......。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

りゅーくんの事、好きなんだなって...。

 

それから卒業式を迎えて、遂にお別れの時が来ました...。荷物を車に入れ終えてりゅーくんをずっと待っていたのですが、夕方になってもりゅーくんは姿を現れませんでした...。

 

早苗母「...早苗、残念だけどもう時間よ」

 

早苗「...うん」

 

私は諦めて車に乗り込もうとすると...、

 

コチヤー...、コチヤーー...、コチヤーー!

 

龍騎「東風谷ーーー!!」

 

早苗「!!」

 

りゅーくんが息を切らしながら走って来ました。

 

早苗「うそ...、本当にきた...」

 

私はまた涙を流してしまいました...、また泣くなって言われると思って私は目を擦って涙を拭きました。

 

龍騎「はぁ...、はぁ...、わりぃ...」

 

早苗「遅いよ...、大遅刻だよ...」

 

龍騎「...ヒーローは遅れてやってくるもんだろ?そんな大層な奴じゃ無いけど」

 

早苗「...馬鹿、ばかぁ...」ポロポロ

 

龍騎「ったく、最後の最後でも泣くのかよ...。ほれ」

 

そう言ってりゅーくんは私にあるものを渡しました。それは、蛙と白蛇の髪飾りでした。

 

早苗「これは...」

 

龍騎「本当はもっと良いの買いたかったんだが...、金と時間が無かったからそれにした」

 

早苗「りゅーくん、確か蛙とか蛇って駄目なんじゃ...」

 

そう、りゅーくんは昆虫類、両生類、爬虫類が全然駄目なのです。写真に写ってるものやおもちゃでも駄目なのに...。

 

龍騎「この一週間、お前に渡す物を探してたんだよ。お陰様でギリギリだったけどな」

 

早苗「...ありがと」ポロポロ

 

龍騎「...はぁ、もうお前の泣き顔には見飽きたな...。今度会う時はそれどうにかしろよ?お前にそんな顔を似合わない」

 

早苗「えっ...///」ポロポロ

 

龍騎「お前モテてたんだろ?だったらそんな顔しちゃ駄目だろうが(まぁ直らないなら俺の彼女にしてやるレベルだし。あり得ないけど」

 

早苗「///」ボンッ

 

りゅーくんは時々卑怯です...。心で言ってるつもりが口に出てる時があるのでいつも顔が熱くなるように真っ赤になります...///嬉しいけどやっぱり恥ずかしい...///

 

龍騎「(何で顔赤くしてんだ?まぁ泣き顔を見るよりはマシだな...)なるべく手紙は出すつもりだ。俺が高校卒業したらお前の所に行く」

 

早苗「...約束、だよ?」

 

龍騎「ああ...」

 

私とりゅーくんはお互い指切りをしました。

 

...多分、りゅーくんは私の事をただの友達としか思ってない筈...。

 

早苗「りゅーくん、あのね...」

 

龍騎「?」

 

早苗「わ、私...、りゅーくんの事が!」

 

早苗母「早苗〜そろそろ出発するわよ〜!」

 

龍騎「...呼ばれてるぞ?」

 

私が想いを伝えようとしたらお母さんが私を呼びに来ました...。

 

早苗(っも〜う!何でこんな時に来ちゃうのぉ〜!!)

 

龍騎「...行ってやれ。待たせるのは良くない」

 

早苗「...うん、ごめんね?」

 

龍騎「何謝ってんだよ。俺は気にしない」

 

...やっぱりりゅーくんは優しい......。本当にお別れするのが嫌だ...。

 

龍騎「...次会えるとしたら何年後だろうな」

 

早苗「どうだろうね...」

 

龍騎「ま、その日が来るまで気楽に待つさ」

 

早苗「りゅーくん...、ありがとう...」

 

龍騎「達者でな...」

 

早苗「私、今度会う時にはりゅーくんに認められるような女になる!」

 

龍騎「俺に認められるような女って何だよ...、まぁ良いか。その時が来たら泣きつくんじゃねぇぞ」

 

早苗「それは無理かな...」

 

だって、大好きな人と再開すると考えると思うと泣いてしまう自分が思い浮かび上がってしまう...。

 

龍騎「駄目じゃねぇか...、ま、陰ながら応援してる」

 

早苗「私、頑張るね!」

 

そう言って私は車に乗り、りゅーくんはドアの前で近づいて来ました。

 

龍騎「お前の事は忘れない、だからお前も俺の事忘れるんじゃねぇぞ!!」

 

早苗「約束する!絶対に忘れないって!!」

 

そう言って車が動き出し、りゅーくんも必死に後をおいかけました。私は窓を開けて...、

 

早苗「りゅーくん!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

     大好きだよぉ!!

 

 

 

そう言って私は窓を閉じました。後悔はして無い...、聞き取れなくても良い...、私は、自分の思いを告げられただけで満足したから...。

 

そう思って、りゅーくんから貰った髪飾りを優しく握りしめました...。

 

 

 

 

あれから三年...。

 

私は守谷神社で巫女としてお手伝いしていましたが、お母さんは病気で亡くなり、守谷神社の信仰も無くなって来た時に八雲紫様が現れて、幻想郷に来ないか?と提案され、私達は神社ごと幻想入りしたのでした...。




いかがでしたか?

今回は何と7,000文字を突破しました...。最後雑過ぎる...。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

主人公の二重人格くんの名前も募集してますので、よろしくお願いします。

〜追記〜

この度、ツイッター(人生初の)を開設いたしました。

SNSに関しては何も分かりませんが、質問、リクエスト等がありましたら何か書いて貰えると嬉しいです。(主に投稿更新のお知らせするのがメインなので、プライベートでの投稿はあまりしません)

是非、フォローお願いします。


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第三十二話 修羅場という名の女の戦い(?)

どうもです。

第三十二話です。

今回はキャラ崩壊が少し激しいのでご注意を。

それではどうぞ。


早苗「...と、言う訳です」

 

早苗が説明し終えると、一部の人は涙目になりながら聞いてくれていた。一部を除いて...。

 

俺はと言うと...、

 

龍騎(ああああああ〜!!恥ずかしい〜!!///)

 

顔を真っ赤にさせて両手で目を隠して心の中で発狂した。今振り返ると俺とんでもねぇ黒歴史作ってるじゃねぇか...。

 

龍騎「何だよこれ...、黒歴史暴露大会かよ...」

 

早苗「だ、大丈夫?」

 

龍騎「大丈夫じゃねぇよ!?まさか昔あんな事言ってたのかよ!?全っ然覚えて無いんだけど!?」

 

神奈子「まぁ七年前の話しだからね」

 

諏訪子「いや〜、それにしても早苗にそんな昔話しがあったなんてね〜」

 

龍騎「...所でどちら様で?」

 

神奈子「ん?ああ、そう言えば自己紹介がまだだったね。私は八坂神奈子《やさか かなこ》山の神さ」

 

諏訪子「私は守矢 諏訪子《もりや すわこ》私も神様で土着神だよ」

 

神様...、巫女服の早苗...。と言う事は、三人は妖怪の山の頂上に住んでるって事か...。

 

龍騎「よ、宜しくお願いします...」

 

早苗「りゅーくん...、本当に久しぶりだね...。でもどうして幻想郷に?」

 

龍騎「ちょっと外の世界でな...」

 

魔理沙「こいつ外の世界で、子供守る為に事故に遭って死んだんだ」

 

ちょ、魔理沙おまっ!?

 

早苗「うそ...」

 

ほーら言わんこっちゃ無い!!余計心配掛けさせてどうするんだy...。

 

早苗「じゃあずっとりゅーくんと一緒に居られるって事だよね!?」

 

龍騎以外「「「は?」」」

 

あっるぇ〜?おっかしぃ〜ぞ〜?何か俺が思ってた展開じゃ無いんだけど〜?

 

龍騎「お、お前...、どうしたらそう言う事になるの?」

 

早苗「確かに外の世界で死んじゃった事は信じられないよ?でも、それよりりゅーくんと一緒にいられるだけでも嬉しいんだもん!」

 

神奈子「それもそうだね、死んだんじゃあ外の世界に戻るって事はまずいからね」

 

早苗「そうですよね!」

 

諏訪子「そういえば君は住む所あるのかい?」

 

龍騎「え、はい...、人里に住んでますけど」

 

神奈子「じゃあ一人暮らししてるのかい?」

 

龍騎「いえ、あそこにいる女性の幽霊と貧乏神姉妹と住んでます」

 

守谷組「「「貧乏神!?」」」

 

紫苑「呼んだ?」

 

早苗「ゆ、幽霊の女性はまだしも(良くない)貧乏神は駄目だって!?」

 

直子「其処は問題ありませんよ。私の能力がお二人の効果を無くしてるみたいなので」

 

神奈子「能力持ちか...」

 

女苑「と、言う訳だから別にあんたらが思ってる事はして無いわよ」

 

諏訪子「そう〜?」

 

早苗「...本当に手を出して無いよね?」

 

龍騎「そんな事して俺に何のメリットがあるんだよ...、それと怖い」

 

本当に何もしてないよ?本当だよ?リュークンウソツカナイ。

ちなみに偶にりゅーくんと言ってるのは早苗から移ったので一つの癖である。

 

霊夢「...一つ良いかしら」

 

早苗「何でしょう?」

 

霊夢「......貴方達許嫁って事は無いわよね?」

 

龍騎「は?」

 

咲夜「話しから聞くと、明らかにそれっぽいんですけど」

 

龍騎「どうしたらそう言う捉え方になるんだよ」

 

椛「全部ですよ!!特に『迎えに行く』って所ですよ!!」

 

龍騎「確かに言ったよ?(憶えてないけど)でもこれはノンフィクションなんだからドラマみたいに都合の良い展開になる訳ないじゃん」

 

妖夢「のんふぃくしょん?どらま?」

 

龍騎「取り敢えず妖夢は話しに入ってない方が良いぞ?」

 

何で妖夢は英語に突っ込んで来るかな...。

 

霊夢「...つ、つまり、早苗との関係はあくまで友達って事で良いのよね?」

 

龍騎「お前がそう思うんならそうなんだろう、お前ん中ではな」

 

早苗「...やっぱりね。そう思ったよ」

 

早苗の言葉に俺を含めて全員が疑問に思った。どう言う事だ?

 

早苗「...りゅーくん、七年前にちゃんと言えなかった事此処で言うね」

 

霊夢・咲夜・椛「「「!!」」」

 

その他「「「「!?!?」」」」

 

神奈子・諏訪子((行け早苗!チャンスを物にするんだ!!))

 

龍騎「七年前に?ああ...、車に乗ってる時のか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

早苗「私、東風谷早苗は、世界中の誰よりも霧影龍騎くんの事が好きです。私と結婚前提にお付き合いして下さい」

 

龍騎「( ゚д゚)」カーン!

 

霊夢・咲夜・椛・妖夢

    「「「「((((;゚Д゚)))))))」」」」キーン!!

 

魔理沙・紅魔館組(咲夜除く)

    「「Σlll((((;゚Д゚)))))))」」ドーン!!!

 

その他

「「「工工工エエエエエエェェェェェェΣlll((((;゚Д゚)))))))ェェェェェェエエエエエエ工工工」」」

 

神奈子・諏訪子(勝った...、計画通り...!)

 

 

 

 

龍騎「...え?ちょ、まっ...ゑ?(思考停止)」

 

好き...?俺の事が...?ちょっと待てよ...、幾ら何でも急に...。

 

龍騎「な、何で...、俺なんかに...」

 

早苗「いじめられていた私を助けてくれた...、私の為に動いてくれた...、自己満足とか言いながら他人を優先して来た優しさが私を好きにさせたの」

 

龍騎「で、でも...、俺はお前の事...」

 

早苗「分かってる。でも、この事が言えなくてずっと後悔していたの」

 

龍騎「......」

 

早苗「まだ、りゅーくんに認められる女になってるか分からないけど...、これだけは言わせて...、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は誰よりもりゅーくんの事を愛してる、これだけは誰にも負けない...」

 

龍騎「......」

 

霊夢(...だめ......、いやだ...、龍騎...)

 

咲夜(...胸が苦しい、とても気分が悪い...、どうして...?)

 

椛(龍騎さん...)

 

妖夢(なんだろう...、とてもモヤモヤする...、それに少し苛立ちがする...、何で...?)

 

魔理沙(マジかよ...、早苗の奴勝負しに行きやがった!?)

 

幽々子(あらあら妖夢ったらとても複雑な顔をしてるわねぇ...、彼も罪な男ね♪)

 

文(くかぁ〜)zzz ⇦(爆睡中)

 

萃香(おうおうこれは良い土産話しになるねぇ〜)ニヤニヤ

 

 

 

 

 

龍騎「ありがとな、俺の事想ってくれて」

 

早苗「!」

 

霊夢・咲夜・椛・妖夢「「「「!?」」」」

 

霊夢(だめ...、言わないで...龍騎!)

 

龍騎「でも悪い、直ぐには答えは出せない」

 

霊夢・咲夜・椛・妖夢「「「「!?」」」」

 

早苗「...え」

 

神奈子・諏訪子「「は?(威圧)」」

 

その他「「「え?」」」

 

早苗「ど、どうして...」

 

神奈子「おい小僧!それはどう言う意味だ!?」

 

諏訪子「か、神奈子落ち着きなって!?」

 

納得がいかなかったのか加奈子さんは俺の胸ぐらを掴み、諏訪子さんは神奈子さんを止めようとする。

 

龍騎「...」

 

早苗「説明、して貰っても良い?」

 

龍騎「...簡潔に言えば、俺は女子にいじめられて女性苦手になった」

 

早苗「なっ...!?」

 

神奈子・諏訪子「「!?」」

 

龍騎の過去を知らない方々「「「え"っ!?」」」

 

龍騎の過去を知っている方々「「「......」」」

 

早苗「そ、そんな...」

 

龍騎「だから...、お前の気持ちを今はまだ答えられない。幻想郷なら俺を受け入れてくれるって分かってるけど、それを受け入れられない自分がいる...。また、裏切られるんじゃないかって...、余計に考えちまうんだ...」

 

早苗「...」

 

俺が説明すると、神奈子さんは俺の胸ぐらを掴んでた手を離した。

 

神奈子「すまない...、いきなり胸ぐらを掴んで」

 

龍騎「気にしないで下さい、俺は気にしてないので」

 

早苗「そう...、だったんだ...」

 

龍騎「でも、告白されたのは嬉しかった...、ありがとな」

 

霊夢(よ、良かった...のかな?)

 

咲夜(ほっ...、ひとまず安心ですね...、でも...)チラッ

 

椛(油断は出来ない...、まさか早苗様まで龍騎さんの事を...!)グヌヌ...

 

妖夢(何でだろう...、少しほっとしてる...)

 

魔理沙(ふぅ〜、龍騎が女性不審で助かったぜ...、これで霊夢にもまだチャンスがあるって訳だな)

 

レミリア(冗談じゃ無いわよ、誰であろうと龍騎は咲夜とくっつけさせて将来、私達専属の執事になってもらうんだから!)

 

幽々子(もしかして妖夢ったら自分の気持ちが分かって無いのかしら?それもそうよねまともに男性と話した事が無いのだから...)

 

神奈子「ふむ、なら早苗との結婚はまだ先だな」

 

全員(早苗・諏訪子以外)「「「「ブーーーーーーーーー!!!」」」」

 

神奈子さんの核爆弾並みの発言により、早苗と諏訪子さん以外の全員が吹き出した。

 

霊夢「ケッコン!?ケッコンナンデ!?」

 

加奈子「そりゃうちの為に働いて貰って信仰を増やしていかないとね」

 

諏訪子「それにこの子意外とモテてるからね、信仰を集めるのに丁度良いと思ってね」

 

信仰の為にって...、確かに神様は信仰が無くなると消えちまうからな、ってか俺はモテてない(きっぱり)

 

霊夢「ちょっと待ちなさいよ!そんな理由で龍騎と結婚させる訳ないでしょ!?」

 

咲夜「私も同じ意見ですね。信仰の為とはいえ、少なくとも龍騎様が決める事です」

 

椛「そ、そうですよ!確かに龍騎さんはモテますけども...」

 

フラン「お兄様は私のだよ!」(挑戦者が現れました)

 

レミリア「ちょ、フラン!?」

 

フラン「お兄様は私専属の執事なの!例え昔の友達でもお兄様は渡さないもん!」

 

萃香「はははは!良いぞ良いぞ〜!」

 

霊夢・早苗「「専属!?」」

 

咲夜「事実です、お嬢様も許可を得ているので」

 

早苗「りゅーくん...、まさか...」

 

椛「りゅ、龍騎さんはロリコンじゃありません!少なくとも小さい子に懐かれてるだけであって決していやらしい目で見てません!」

 

アリス「それ全然説得出来てないわよ?」

 

霊夢「と、兎に角龍騎との交際は認めません!」

 

魔理沙「お前はいつから龍騎の親になったんだよ」

 

早苗「...霊夢さん、私はここまで来た以上諦めるつもりは毛頭ありません!」

 

咲夜「残念ですが、龍騎様を渡すつもりは此方もありません。龍騎様は将来紅魔館一の執事になるのですからね」

 

椛「わ、私も龍騎さんに告白しましたが...、諦めた訳じゃありません!」

 

妖夢(私は...、どうしたら...)

 

幽々子「あらあらそれは残念ね、龍騎くんは将来うちで妖夢と一緒に庭師になって貰うからね♪」

 

妖夢(幽々子様!?)

 

神奈子「あくまでも諦めないつもりか...」

 

諏訪子「うわぁ〜結構好かれてるんだねぇ〜」

 

アリス「...其処まで言うなら本人に聞けば良いんじゃ無いかしら?」

 

霊夢・咲夜・椛・妖夢・早苗「「「「「!!」」」」」

 

魔理沙「そうだな、その方が早いな」

 

パチュリー「...ちょっと待ちなさい、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その張本人は何処に行ったのかしら?」

 

全員「「「「「えっ?」」」」」

 

萃香「ああ、龍騎ならさっき...、文が途中起きてきてさっきまでの出来事を盗撮されたのを龍騎に見つかって逃げだしたんだ。それを追いかけてるよ

 

ポン ポン ポン チーン...。

 

霊夢「...ふ、ふふふ」

 

咲夜「ふふふ...、ふふふ...」

 

椛「は、ははは...」

 

早苗「......(無言の圧力)」

 

妖夢「......(ゆっくりと刀を引き抜く)」シャキ

 

萃香(あ(察し)これは終わったな(確信)文、強く生きろ(南無三))

 

霊夢「...あんた達、一時休戦よ」ハイライトオフ

 

咲夜「そうですね...」ハイライトオフ

 

椛「それは名案ですね」ハイライトオフ

 

早苗「......(ボキボキと骨を鳴らす)」ハイライトオフ

 

妖夢「はぁ...、はぁ...(まだかまだか、と狂犬のように息を荒れる)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霊夢・咲夜・椛・妖夢・早苗「「「「「あの鴉天狗がぁぁぁぁぁぁぁぁ!!今すぐ焼き鳥(意味深)にしてやらぁぁぁぁぁぁぁ!!」ハイライトオフ

 

そう言って五人はハイライトを消して外へ飛び出してしまった。

 

幽々子「焼き鳥!?私も行くわ!!」

 

魔理沙「面白そうだな!アリス行こうぜ!」

 

アリス「ちょ、ちょっと引っ張らないでよ!?」

 

フラン「お姉様!私達も行こう!」

 

レミリア「そうね...、折角良い雰囲気をぶち壊してくれたお礼をしに行かなきゃね」ハイライトオフ

 

パチュリー「...私は留守番してるわ」

 

萃香「お?何だい皆んな行くのかい?なら私も行くとするかね!」

 

幽々子を始めとする少女達が五人の後に続くように外へ行ってしまった。

 

直子「...行っちゃいましたね」

 

女苑「ほっとけば戻ってくるわよ」

 

紫苑「そぉそぉ(龍騎が作ったつまみを食べている)」モグモグ

 

神奈子「......」

 

諏訪子「......」

 

神奈子・諏訪子((若いのって良いなぁ〜))

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜一方その頃〜

 

龍騎「待てやクソ鴉がぁぁぁぁぁぁぁぁ!!

 

文「あややややや!?ちょっと落ち着いて下さいよ龍騎さん!?」

 

龍騎「だったら大人しくお縄につけやゴラァァァァァ!!

 

龍騎は怒り狂いながら弾幕(出来損ない)を文に向けて乱射して追いかけていた。

 

龍騎「この野郎ぉ!何でこんな時に起きてんだよぉ!永眠させたろうかぁ!?(無慈悲)」

 

文「それは洒落になりませんよ!?取引しましょ!?さっきの写真のデータ消すので許して下さい!!」

 

龍騎「だったら死んで償えぇぇぇぇ!!

 

文「やっぱりですよねぇぇぇぇぇぇ!!(泣)」

 

文は泣きながらスピードを上げ、龍騎も負けじと追いかける。しかし文との距離は約100メートルも離れていた。

 

 

 

「「「「「文ぁぁぁぁぁぁぁ!!」」」」

 

 

文「おやおや!?皆さん丁度良いです!龍騎を止めてくださ...」

 

霊夢・咲夜・椛・早苗・妖夢

「「「「「大人しく焼き鳥(意味深)になれやゴラァァァァァァァァァ!!」ハイライトオフ

 

文「アイエエエ!?まさかの第三勢力ですか!?」

 

そのままハイライトオフ五人娘は容赦なく文に向けて弾幕を放った。スペルカードルールは回避不可能な弾幕は撃たない筈なのだが確実に避けられない弾幕を放っている。

 

魔理沙「早すぎるんだよあいつら...」

 

アリス「っても始まってるし...」

 

魔理沙だけで無く、アリスも幽々子さんも宴会に参加していた人達がほぼ全員来ていた。

 

文「な、何でそんなに怒ってるんですか!?私は何もして無いですよ!?」

 

霊夢「てめぇが龍騎を連れ出したんだろうがぁ!!」ハイライトオフ

 

文「連れ出した!?勝手に龍騎さんが付いて来ただけで...」

 

咲夜「結果的に連れ出したんだろうがぁ!!」ハイライトオフ

 

椛「文ぁ!てめぇ覚悟出来たんだろうなぁ!?」ハイライトオフ

 

早苗「ふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ」ハイライトオフ

 

妖夢「カキンカキンカキンカキンカキンカキンカキンカキンカキンカキンカキンカキンカキンカキンカキンカキンカキンカキンカキンカキンカキンカキンカキンカキンカキンカキンカキンカキンカキンカキンカキン(二本の刀をぶつけ合って今でも斬りかかろうとする妖夢)」ハイライトオフ

 

文「ひぃぃ!?だ、誰か助けて下さい!!お願いします何でもしますから!(泣)」

 

 

 

(´・ω・)ん?今何でもって言ったよね?

 

 

 

龍騎「お前ら」

 

文以外「「「「!!」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍騎「殺れ、跡形もなくもな(ゲス顔)」

 

龍騎・文以外「.....」ニヘラァ

 

文「あ、あにょ...、ゆるひて...、おねがい...(叶わぬ願い)だれかたすけて...(届かぬ想い)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

文「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ“あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"ぁ"ぁ"!!!

 

 

龍騎の許可により全員(アリスを除く)が同時にスペルカードを発動し、文に向けて弾幕が放たれ、最終的に文は全て諦めたかのように静かに目を閉じて弾幕をモロくらった。そのまま地上に落ちてしまった...。

 

アリス「...此処までする必要ある?」

 

龍騎「(結構恨み)あるんだなぁこれが」

 

アリス「はぁ...、程々にしておきなさいよ」

 

アリスがそう言うと霊夢・咲夜・椛・早苗・妖夢が何かスッキリしていた顔つきだった。ああ...、何かあったな...(⇦元凶)

 

そのまま俺たちは文を拾って博麗神社に戻り、二次会が行われた。俺も酒を(無理矢理)飲まされた。まぁ色々弄られたけどこれはこれで楽しかった。

 

お酒は二十歳になってから!アルハラにも気をつける事!りゅーくんとの約束だよ♪

 

誰に言ってるんだろ...。




いかがでしたか?

これにて春雪異変編は終了です。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

主人公の二重人格くんの名前も募集してますので、よろしくお願いします。


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第三十三話 霊夢の想い

どうもです。

第三十三話です。

今回は霊夢が動きます。

それではどうぞ。


龍騎「う、うぅ...」

 

目が覚めると頭にガンガンと響く。クッソ頭が痛い...。

 

俺は昨日の夜の事を思い返す。確か文を捕まえてそれから二次会やって...、あと片付けをして...、此処までしか覚えてねぇや。

 

龍騎「......酒は控えよう」

 

いくら酒が飲めると言っても未成年且つ耐性が無い俺には苦労される。

 

龍騎「水飲も...」

 

喉が乾燥して水を飲もうと台所に向かう。その途中、霊夢と会った。

 

霊夢「あら龍騎、おはよう」

 

龍騎「あ、ああ...、早いんだな」

 

霊夢「もう昼よ?」

 

マジかよ...、どんだけ寝てたんだよ...。

 

龍騎「...他の連中は?」

 

霊夢「殆ど帰ったわ...、全く昨日は災難だったわ(修羅場の事)」

 

龍騎「ああ、確かにな(文の事)」

 

霊夢「...そう言えば、貴方お風呂入った?」

 

霊夢が風呂に入ったのか聞いてきた。昨日は酔い潰れて入ってないと思うけど...、もしかして匂う?

 

龍騎「いや...、入ってないと思う」

 

霊夢「なら入ってらっしゃい。貸してあげるから」

 

龍騎「え?」

 

君さらっと何言ってるの?有難いけど...。

 

龍騎「...良いのか?」

 

霊夢「別に良いわよ、そのぐらい」

 

その言葉、軽い女と間違われるから気をつけた方が良いと思うぞ?

 

龍騎「じゃあ、お言葉に甘えて...」

 

そう言って俺は水を飲んでから風呂場に向かう事にした。

 

 

 

 

脱衣所に着いて、服を脱ぎ、腰にタオルを巻いて風呂場の扉を開くと、見事な露天風呂だった。

 

龍騎「おぉ〜、これは凄いな」

 

霊夢の奴いつも此処使ってるのか、羨ましい。そう思うながら一度シャワーを浴びて、風呂に入る。

 

龍騎「あ"あ"ぁ"〜」

 

風呂に浸かるとおっさんのような声を上げる。露天風呂なんて修学旅行以来だからめちゃくちゃ気持ちいい。

 

龍騎「朝風呂ならぬ昼風呂か...」

 

俺は肩まで浸かると、だらけるように力を抜く。ここ最近忙しかったからな...。

 

龍騎「昨日は本当に災難だったな...、早苗と再会しては爆弾発言するわ文には写真撮られるわ...」

 

昨日の事を振り返ると、ガラガラと扉の開く音が聞こえた。其処には...、

 

龍騎「なっ!?」

 

霊夢「お、お邪魔します...///」

 

霊夢がバスタオルを胸に当てて顔を赤くしながらやって来たのだ。

 

龍騎「ば、馬鹿!///俺が入ってる事知ってるだろ!?///」

 

俺は急いで後ろを向いて問いかける。

 

霊夢「その...///背中、流してあげようかと思って...///」

 

龍騎「べ、別に流さなくても...///」

 

霊夢「私がしたくて入って来たの...///黙って流されてなさいよ...///」

 

それは無理ですりゅーくん(理性)持たない。

 

龍騎「...///」

 

霊夢「...///」

 

沈黙が続き、気まずい空気が漂う。

 

 

こ れ な ん て エ ◯ ゲ ー ?

 

 

この展開やばくね?明らかに貞操の危機なんだけど?お風呂◯◯◯とか俺無理だよ?リュークンドーテーダモン。

 

龍騎「お、俺先に上がるわ」

 

霊夢「!待って!!」

 

俺は逃げるように立ち上がり扉に向かおうとすると、霊夢が背中に抱きついて止めて来た。

 

龍騎(ばかばかばかばか!!///当たってる!?当たってるんだけど!?///丸くて柔らかいものがががががががが(思考停止)///)

 

霊夢「お願い...///帰らないで...///」

 

龍騎「...///」

 

 

 

 

 

 

 

龍騎「...///」

 

霊夢「...///」ゴシゴシ

 

結局霊夢に背中を洗わされる俺でした...。

 

龍騎「...な、なぁ///」

 

霊夢「!な、何?///」

 

龍騎「ど、どうしてこんな事を?」

 

霊夢「...さっきも言ったけど、背中流しに来たのよ///」

 

龍騎「...そうか」

 

霊夢「...///」

 

龍騎「...」

 

 

え?本当にそれだけなの?

 

 

龍騎「も、もう背中は良い『待って』え?」

 

霊夢「...ま、前...///まだやってない...///」

 

龍騎「(  ˙-˙ )」真顔

 

もう...、好きにして下さい...(諦観)

 

それから霊夢の方に向き、目を瞑って洗い終わるのを待つ。にしても霊夢の力加減が丁度良くて気持ちいい...。

 

理性くん「(`・ω・´)」オレガイルコトワルレルナヨ〜?

 

大丈夫、まだ大丈夫。まだ理性くんは頑張ってるからまだ行ける。そんな事を思ってたら太腿が重くなった。これやばくね?そっと目を開けると霊夢が俺の太腿の上に乗って来た。

 

 

太腿の上に乗って来た!?

 

 

龍騎「ちょいちょいちょいちょい!?///」

 

理性くん「( ̄ω ̄ )」アッコレオワッタワ、アトハガンバ

 

理性くん!?諦めないで!?其処で諦めたら試合(人生)終了だよ!?

それに霊夢が俺の頭の後ろを掴んで来た。

 

龍騎「お、お前!?何やってるか分かって...!?」

 

霊夢「...き」

 

龍騎「へっ?」

 

霊夢「好き...、好きなの...、貴方の事が...///」

 

龍騎「.....ゑ?」

 

 

〜霊夢side〜

 

龍騎が起きて来てお風呂に入るよう伝えると、彼は少し戸惑ったが直ぐに風呂場に向かった。魔理沙が帰る時に私にある事を伝えた。それは..、

 

魔理沙『龍騎が起きたら風呂に入らせて背中流してやれ。今のところ一番厄介なのは早苗だからな、いつ仕掛けてくるか分からない以上、黙って見る訳にもいかないだろ?』

 

との事...。

 

正直、最初は反対だった。男性の裸なんて見たことが無いし、背中を流がすってどうすれば良いのか分からなかった...。魔理沙に色々教えて貰い、計画を立てた。所謂『色仕掛け』と言うやつだ...。ってか魔理沙はいつこういう事知ったのよ...。それから龍騎が風呂場に入ったと同時に私も脱衣所で服を脱ぎ、タオルを持って風呂場に向かう。

 風呂場に入ると、顔を赤くして後ろを向いてしまった。当然よね...、いきなり裸の女が入ってきたんだがら...。龍騎が何で入って来たか聞いてくると、私は魔理沙の言われた通りに背中を流しに来た、と伝えた。龍騎は遠慮してるが此処で引いたらいつチャンスがくるか分からない...、私は思わず抱きついてしまった。恥ずかしいけど...。それで今は龍騎の背中を洗ってる訳だけど...、

 

霊夢(意外と、大きいのね...、男の人の背中って...)

 

私は龍騎の背中を眺めながら強すぎず、弱すぎずの力加減でタオルで洗う。龍騎には失礼だけど、私と同じぐらいに細いから背中もそんなに大きくないと思っていたけど、大きくて逞しかった...。それから洗い続けてると、龍騎が再度問いかけてきた。適当に返事を返すが、このままだと洗い終わってしまい、龍騎が逃げてしまうかもしれない...。そう思った私は思い切って前も洗うと伝えた。一瞬、龍騎は固まったが「もう...、好きにして下さい...」と言った。

 

霊夢(龍騎って、押しに弱いのかしら...?)

 

それが本当ならもっと行動をすれば意識してくれる...、そう思った私は龍騎の太腿の上に乗って、両手を龍騎の頭の後ろに抑える。自分の身体を見られても恥ずかしくは無かった...。寧ろもっと見て欲しかった...。

 

龍騎「お、お前!?何やってるか分かって...!?」

 

霊夢「...き」

 

龍騎「へっ?」

 

霊夢「好き...、好きなの...、貴方の事が...///」

 

龍騎は口を開いた状態で固まってしまった。もう此処まできたら後戻りは許されない...、覚悟を決めるしかない...!

 

霊夢「いつか分かんないけど、貴方の事ずっと見ていた...。良く分からないけど貴方の事しか考えられなかった...、昨日の早苗を見てたら胸が締め付けられるように苦しかった...」

 

龍騎「霊夢...」

 

霊夢「嫌なの...、早苗に取られるのが...」

 

龍騎「...昨日も言ったが、俺はまだ女性苦手が直ってない。そんな状態で誰かを幸せに出来るとは思えない...。別に嫌って訳じゃない、ただ...、せめて付き合うなら女性苦手を直したい...」

 

霊夢「なら、それまで待つわ...」

 

龍騎「すまない...」

 

そう言って龍騎は優しく抱きしめてくれた。あぁ...、龍騎から感じる暖かさ、安心感...、とても落ち着く...、ずっとこうしていたい...。

 

龍騎「...ありがとな、俺を好きになってくれて」

 

霊夢「私も頑張るから...、早苗や咲夜、椛だって負けないぐらいの女になるから」

 

龍騎「俺も...、早く女性苦手を直して答えを出す...」

 

お互いこれからの行動を告げると、徐々に顔を近づけていく...。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ビュン!

 

いきなり龍騎が私を抱きしめて、空に向かって弾幕を撃った。

 

霊夢(え、...えっ?)

 

私は何がどうなってるのか分からなかった。でも、龍騎に抱きしめられたのか龍騎の心臓の音が聞こえる...。ドクンドクン、と早い速度で鼓動が鳴る...。

 

霊夢「ど、どうしたの...?」

 

龍騎「...誰かに見られた」

 

霊夢「えっ?」

 

龍騎「僅かながら、妖怪の魔力を感じた...。もう大丈夫だと思うけど...」

 

霊夢「嘘...、全然気づかなかった...」

 

龍騎「取り敢えず上がろう、また見られる可能性が高い」

 

霊夢「...うん」

 

そう言って龍騎は簡単に身体を洗って直ぐに風呂場を出て行ってしまった。

 

霊夢「...折角良い感じだったのに...」

 

私は少し歯を食いしばりながら、悔しい気持ちを抑えていた。

 

〜霊夢side out〜

 

 

 

風呂場で誰かに見られた後、俺は庭で警戒をしていた。いつまた見られるか分からないからである。

 

霊夢「龍騎、お茶持ってきたわよ」

 

龍騎「ああ、サンキュー」

 

俺は霊夢からお茶を受け取り、ゴクゴク、と一気飲みをする。

 

霊夢「...どう?様子は?」

 

龍騎「今のところ問題無しだな、大丈夫だろ」

 

霊夢「そう...」

 

そう言って霊夢はお茶をお盆の上に置く。恐らくさっきのやり取りの事を引き攣ってるのだろう...。正直、俺もあのやり取りの事は気にしている。なんか、『親にお菓子をお預けされた子供』ような感じだった。

 

龍騎「...さっきはいきなり抱きついて悪かった」

 

霊夢「!き、気にしないで、少しびっくりしたけど...、悪い気はしなかったから...」

 

龍騎「そっか...」

 

それから暫く沈黙が続き、気まずい空気が漂う。

 

龍騎「お、俺帰るわ...、流石に長居しすぎた」

 

霊夢「そ、そう...、気をつけてね」

 

龍騎「うん...、じゃあな」

 

別れの言葉を軽く言って、俺は空を飛んで家に向かった。

 

龍騎「まさかこんなに俺の事を好きになってくれる人がいたなんてな...、俺も早く直さないとな...」

 

こんな俺を好きになってくれた人がいる以上、ずっとこのままなのはいけないと思い、俺は早く女性苦手を直そうと決心した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜龍騎が弾幕を放ったその後〜

 

紫「あ、危なかったぁ〜...、もう少しで当たるところだったわ...」

 

藍「髪が少し焦げてますよ紫様」

 

龍騎が弾幕を放った後、八雲紫はスキマの中で尻餅をついていた。

 

紫「まさかあそこまで敏感だなんて思わなかったわ...、スキマから頭を出して三秒後に撃ってきたんだから」

 

藍「しかし、どうしてこのような事を?」

 

紫「偶々彼と霊夢が一緒になってるところを見てね、もうちょっと近くで見ようと思ったんだけど...」

 

藍「その彼に弾幕を撃たれたと...」

 

紫「あはは...」

 

藍「はぁ...、そんな事してる余裕があるなら休んで下さい。調べ物はまだ終わっていないのでしょう?」

 

紫「は、はい...、そうします...(それにしても、あんなに離れてるところから気づくなんて...、やっぱり何かあるわね...)」

 

そんな事を思いながら、開けていたスキマをそっと閉じたのだった...。

 

 

 




いかがでしたか?

霊夢が大胆な行動に出ましたが、R-18にはなってないので大丈夫(な筈)です。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

主人公の二重人格くんの名前も募集してますので、よろしくお願いします。


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キャラ紹介

どうもです。

ネタが尽きてしまったので今回はキャラ紹介です。

主人公がどんな姿なのか分からないと思ったので書いてみました。



霧影龍騎《きりかげ りゅうき》

 

年齢:18歳

 

イメージCV :決められないのでご想像にお任せします(何か合いそうな人がいたらコメントお願いします)

 

イメージテーマ:X opening stage(ロックマンX1〜8より)

 

誕生日:8月10日

 

容姿:東方projectの寅丸星をイメージ。髪が全体的に金髪で、少し男の娘よりの顔つき。場合によってはイケメンと化す。

 

性格:基本大人しく、あまり感情を表には出さないが、本人の気に入らない行動(暴力、わいせつ等)をとる輩に対しては容赦無く潰す主義。心で言った筈の言葉を口に出してしまうのが悪い癖(無自覚)

 

趣味:特に無し

 

特技:家事全般

 

好きなもの:甘いもの

 

嫌いなもの:虫、両性類、爬虫類、辛いもの、写真に映る事、目立つ事自分が気に入らないと思った奴

 

外の世界に住む高校三年生。交通事故により死んでしまい、人間と妖怪が共存する異世界『幻想郷』に幻想入りしてしまう。中学時代に女子からいじめを受け、軽い女性不審になるが、現在治療中。東風谷早苗とは小学時代の友人で、彼女から好意を抱かれるものの全く気づかない程の鈍さを持つ。『自己満足で動いてる』『気にするな、俺は気にしない』が良く使う言葉だが、幻想郷の住民から見れば、どんな事でも対応してくれる優しい人間、と認知されており、一部の住民(霊夢・咲夜・椛・早苗)では好意を抱いているが、彼は気づいていない。

 

 

能力::属性を操る程度の能力

 

『火・風・氷・雷・光・闇・無属性』の七種類あり、一度に多種の属性を放ったり、合体させて放つ事が出来る。戦闘だけで無く、体温や部屋の温度を上げだり、電気を流して電化製品を使用したりと日常生活にも使用可能。

 

 

 

 

霧影龍騎(二重人格)

 

年齢:不明

 

イメージCV:風間勇刀

 

イメージテーマ:zero of thema(ロックマンX1〜8より)

 

誕生日:不明

 

容姿:龍騎とさほど変わらない。強いて言うなら目つきがキツくなったぐらい。

 

性格:冷静沈着でクール系、龍騎に命の危険を感じると直ぐに龍騎の身体を乗っ取ったりする。

 

趣味:特に無し

 

特技:特に無し

 

好きなもの:特に無し

 

嫌いなもの:特に無し

 

紅霧異変に突如現れた龍騎のもう一つの人格。何故誕生したのかは不明で本人曰く『気がついたら龍騎の中にいた』との事。『龍騎が死ぬと自分も死ぬ』『龍騎と同じ存在』と不明な事を言っていたがいまいち本人も分かっていない。

 

能力:属性を操る程度の能力

 

龍騎と同じなので省略。




こんな感じです。

イメージCVとテーマは自分が勝手に決めたものです。何か意見がありましたコメントして貰えるとありがたいです。

前書きにも書いてある通り、ネタが尽きてしまい次回何書くか未定です。

『このキャラを出してほしい』『この作品を書いてほしい』と要望がある方は感想かツイッターて書いて貰えると嬉しいです。


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第三十四話 紅魔館組のお礼

どうもです。

第三十四話です。

それではどうぞ。


パチュリー「剣の本?」

 

龍騎「あぁ」

 

宴会が終わって数日後、俺は紅魔館のバイトの昼休憩に図書館に訪れた。それは宴会の時に文に向けて撃った弾幕が余りにも出来損ないだったので、去年出禁を食らう前に、剣を使って弾幕を撃ったら形が出来ていた事を思い出したので本格的に剣を習おうとしたのだ。

 

パチュリー「まぁ、あるにはあるけど...、別に本じゃ無くても良いでしょ?冥界の庭師さんがいるじゃない」

 

龍騎「いや、そうなんだけどさ...、この間の宴会の時文を追いかけた時があったろ?その時の妖夢がまるで殺人鬼(ジャック・ザ・リッパー)かと思ったから怖くて...」

 

パチュリー「何よそれ...」

 

マジであの時の妖夢は怖かった。F◯Oで例えるなら『セイバーからアサシンに変化した』って感じだった。

 

パチュリー「...それで、怖いから本人に頼むのでは無く本で学ぶ、と...」

 

龍騎「そんな感じだな。それに独学でやった方がオリジナリティがあって良いだろ?」

 

パチュリー「それを言う前にまず基礎を出来てから言いなさい」

 

龍騎「うぐっ...」

 

パチュリーの言う通り、まず基礎を知らないと話しにならない...。

 

パチュリー「剣の本ならあるから好きなだけ持っていきなさい。と言うかあげるわ。こあ、案内してあげて」

 

小悪魔「分かりました」

 

龍騎「え?貰って良いのか?」

 

パチュリー「私は魔導書だけあれば十分よ。剣の本なんてただの飾りみたいな物だから、それと前にフランを助けてくれたお礼も兼ねてよ」

 

龍騎「...何か悪いな」

 

それから小悪魔さんに案内されて本を取りに行った。そこから何冊か本を取り出し、次々と本を重ねていく。

 

小悪魔「これぐらいですかね」

 

龍騎「ありがとうございます、小悪魔さん」

 

小悪魔「いえいえ、そういえば私からもお礼させて下さい」

 

龍騎「お礼?」

 

パチュリーの次は小悪魔さんがお礼がしたいと言ってきた。

 

小悪魔「はい!こちらなんですが...」

 

小悪魔さんが取り出したのは、オレンジ色の腕輪だった。

 

龍騎「これは何ですか?」

 

小悪魔「これは私が作った魔法の腕輪なんですが...、お守りとして使って下さい」

 

お守り、か...。そういえばお守りなんて一度も持ってなかったな。俺は腕輪を受け取り、左腕に着けてみた。丁度良いサイズだった。

 

龍騎「ありがとうございます。大事に使わせて貰います」

 

それから昼休みが終わり、通常業務に戻る。と言ってもフランと遊ぶだけなんだけどね。

 

フラン「?お兄様、その腕のやつ何それ?」

 

フランと美鈴さんとボールを使って遊んでたら腕輪に気づいた。

 

美鈴「あ、本当だ。朝は着いてなかったのに」

 

龍騎「ああ、これは小悪魔に貰ったんだ。去年フランを助けてくれたお礼だって」

 

美鈴「そういえば、まだお礼がまだでしたね」

 

龍騎「もう十分ですよ。あの時ご馳走してくれただけで嬉しかったんで」

 

フラン「でも、こあだけずるいよ!」

 

龍騎「いや、パチュリーにも本貰ったし...」

 

美鈴「パチュリー様もですか...、私にあげられる物があればいいのですが...、そうだ!」

 

美鈴さんが何か思いついたような表情で、手をポンッと叩く。

 

美鈴「私が拳法を教えるってのはどうでしょうか?護身用にもなりますし、龍騎さんも強くなれると思うんです」

 

龍騎「そうだな...、そう言うのは色々分かんないからな。それじゃあ明日の昼からお願い出来ますか?」

 

美鈴「はい!」

 

フラン「むぅ〜」(。> ₃ <。)

 

美鈴さんに拳法を教わる事が決まると、フランが頬を膨らませてこちらを睨んで来た。可愛い。

 

フラン「皆んなずるい!フラン以外みんなお礼して!」

 

龍騎「いや、何ならレミリアと咲夜さんにはまだ貰ってないし...」

 

フラン「でも貰おうしてるんでしょ!」

 

龍騎「別にそんなんじゃ...」

 

俺が困っているとフランは何か閃いたのか頭の上に電球が出てきた。それて俺の顔を見てニヤニヤと笑う。

 

フラン「お兄様、少ししゃがんで?」

 

龍騎「?」

 

俺は言われた通りしゃがんだ。するとフランは俺の顔を両手で抑えた。

何かやな感じ......。

 

フラン「お兄様、私を助けてくれてありがとう」

 

チューーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

龍騎「!?!?」

 

美鈴「!?///」

 

突然、フランにキスされた。口と口が合体した。掃除機のようにめちゃくちゃ吸われてる(進行形)

 

美鈴「はわ、はわわわわ...///」

 

美鈴さんは両手を目に当てて隠してるつもりだが、指の間から覗いていた。意外とウブだった。

 

フラン「〜〜ぷはぁ」

 

龍騎「ごほっ、ごほっ...、お前、いきなり何してんだよ!///」

 

フランが俺の口から離れると、俺はすかさず咳をして右手の甲に唇を当ててフランに問いかける。

 

フラン「私からのお礼のキスだよ!」

 

何で無邪気なのこの子は!?フラン...、恐ろしい子!

 

龍騎「だ、だからって...///オレノハジメテ...///」

 

美鈴(可愛い)

 

ヒュン

 

龍騎「うおっ!?」

 

いきなり一本のナイフが飛んで来た。

 

咲夜「...これはどう言う事でしょうか?」ハイライトオフ

 

龍騎「さ、咲夜さん!?」

 

咲夜さんが現れるとハイライトくんが死んでいた...。何でなんだ...。

 

フラン「どうしたの咲夜?怒った顔なんかして」

 

咲夜「私は怒ってませんよ妹様」ニコッ+ハイライトオフ

 

おーい、目が笑ってないですよー。

 

龍騎「...ってか何で咲夜さんが此処に?」

 

咲夜「庭掃除してる途中に皆さんの声が聞こえまして...、どうやら私の勘違いのようですね」ハイライトオフ

 

にしては容赦無かったじゃないか...。

 

フラン「そうだ!咲夜もお兄様にお礼したら?」

 

龍騎「!」

 

咲夜「お礼...、ですか?」

 

フランがそう言うと、咲夜さんのハイライトくんが戻って来た。

 

フラン「うん♪去年私を助けてくれたお礼を皆んなしてるんだって♪」

 

咲夜「!そ、そうですか...(こ、これはチャンスなのでは!?で、でもお礼の品なんて私には持ってない...、どうしたら...)」

 

龍騎「べ、別に無理しなくても良いですからね?あの時ご馳走してくれただけでも嬉しかったので」

 

咲夜「ご馳走の時...」

 

 

『絶対将来良いお嫁さんになれるな。うん絶対になれる』(第十話参照)

 

 

咲夜「///」プシュー

 

咲夜さんは暫く固まっていると、顔が真っ赤になり俯いてしまった。

 

龍騎「咲夜さん?」

 

咲夜「!?な、何でしょうか?///」

 

龍騎「いやあの...、さっきから固まってるんで...」

 

フラン「もしかして咲夜ってお兄様の事好きなの〜?」

 

咲夜「!?///」ボンッ

 

龍騎「え?」

 

咲夜「///」モジモジ

 

龍騎「さ、咲夜さん...」

 

咲夜「わ、私は...、私は...、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍騎様の事を...、愛してます///」

 

 

龍騎「......」

 

美鈴「( ゚д゚)」ポカーン

 

フラン「やっぱり咲夜もお兄様の事が好きだったんだね!」⇦無自覚って怖い

 

龍騎「.....マジ、ですか」

 

咲夜「はい...///私、男性は苦手でして...、でも龍騎様は違くて...、暖かくて、安心すると言いますか...///この前、守矢の巫女が龍騎様に告白したときは胸が苦しくて、気分が悪かった...、あれぐらい嫉妬する程龍騎様の事が好きだって事に気づいたんです...」

 

龍騎「......そうですか」

 

正直、驚きを隠しきれていない。霊夢だけでなく咲夜さんにも好かれていたなんて...。

 

美鈴「咲夜さん...」

 

龍騎「....俺は、まだ女性苦手が直ってませんし、他の女性からも好かれてる...みたいなんです。なのに俺は...」

 

フラン「大丈夫だよ!」

 

龍騎「!」

 

咲夜・美鈴「「!?」」

 

フラン「お兄様が女の人が苦手なのは分かった。それでもお兄様が好きな人なんていっぱいいるんだよ。私も、お姉様も、咲夜や巫女さんだって皆んなお兄様が大好きなんだよ?」

 

龍騎「フラン...、でもな、一部は友人としてだろ?それに俺なんて何も魅力が無いへっぽこな人間なんだぜ?好かれる所なんて何処にも...」

 

美鈴「そ、そんな事はありません!龍騎さんには龍騎さんにしか無い優しさがあります!」

 

龍騎「俺は優しくなんか...」

 

咲夜「いいえ、龍騎様は十分、いや、これでもかってぐらい優しすぎるんです」

 

龍騎「そんな事は...」

 

咲夜「自分ではそうは思ってない、ですか?」

 

龍騎「...はい」

 

俺が返事をすると、咲夜さんは優しく抱きしめて来た。

 

咲夜「何も心配はありません。私、十六夜咲夜は何があっても霧影龍騎様を信じます」

 

龍騎「咲夜さん...」

 

咲夜「一人で抱え込まなくても良いですよ?もっと私達を頼って下さい」

 

フラン「私にもいっぱい頼って良いんだよお兄様!」

 

美鈴「わ、私もお手伝いします!」

 

龍騎「......」

 

フラン「お兄様?」

 

龍騎「......」ポロポロ

 

咲夜・フラン・美鈴「「「!?」」」

 

咲夜さんは俺の異変に気づき、一度俺から離れる。じわりと目から透明の液体が出てくる。俺は嬉しさのあまりに涙目を流したのだ。

 

龍騎「あ、あれ...、おかしいな...、とまらねぇ...」ポロポロ

 

咲夜「龍騎様...」

 

俺は手で涙を拭き続けるが、拭いても拭いても涙は一向に止まらない。

 

龍騎「ちくしょう...、なんでだよ...、なんで...」ポロポロ

 

咲夜「っ!」

 

再び咲夜さんに抱きしめられ、頭を優しく撫でてきた。辞めてくれ...、そんな事されたら、俺は...。

 

咲夜「龍騎様、溜め込んだものを吐き出して下さい。男性だからって泣いてはいけないとは誰も言ってませんよ」ナデナデ

 

龍騎「......それでも、俺は...、泣かないって決めたんです...。どんな時でも...、何があっても...、だから...」

 

俺は自分から咲夜さんから離れ、涙を拭きもう一度咲夜さんの顔を見る。

 

龍騎「だから俺は俺らしく生きてきけるんです。これが、霧影龍騎って言う人間の生き方の一つなんです」

 

咲夜「...心もお強いのですね、龍騎様は」

 

龍騎「俺なんかまだまだですよ...、ありがとうございます。俺の事を好きになってくれて...、でも...」

 

咲夜「分かっております。龍騎様の気持ちが整い次第、答えをお聞きします」

 

龍騎「すみません...、俺の我儘に...」

 

咲夜「心配には及びません。ですが...」

 

そう言って咲夜さんは俺の顔に近づける。

 

咲夜「...失礼します」

 

そう言って咲夜さんは目を瞑り、俺の口にキスをした。

 

龍騎「!?///」

 

美鈴「さ、咲夜さん!?なんて大胆な...///」

 

フラン「良いなぁ〜」

 

美鈴さんはまた先程のように手で目を当てて、指の間から覗き、フランは羨ましそうな表情で見つめる。いやさっきやったでしよ。

 

咲夜「...これが私が出来るお礼です///」

 

お互いの口から離れると、咲夜さんは顔を赤くして言った。

 

龍騎「...ありがとうございます///」

 

それから気まずい空気が流れる。それを打ち破ったのはこの場にいる人物では無かった。

 

レミリア「......そんな事するなら夜になってからやりなさいよ」

 

龍騎「レミリア!?」

 

咲夜・美鈴「「お嬢様!?」」

 

フラン「あ、お姉様。いつから此処にいたの?」

 

レミリア「外を眺めながら紅茶を飲んでたら貴方達がいたから来たのよ。そしたら咲夜が大胆な行動してたのよ」

 

咲夜「も、申し訳ございません...///」

 

龍騎「すまん...」

 

レミリア「...で、これはどう言った集まりなのかしら?」

 

俺はレミリアに事情を説明する。

 

レミリア「ふーん、去年のお礼、ねぇ...」

 

龍騎「俺はあの時ご馳走してくれただけでも嬉しかったんだが、どうしてもって言うから...」

 

レミリア「...でもあれはあくまで紅魔館組全員からのお礼であって()()()なお礼は別よ」

 

...なんだそれ。

 

レミリア「なら私にもお礼しないといけないわね」

 

龍騎「別にそこまでしなくても...」

 

レミリア「良いのよ、これは私の自己満足でやってるんだから。ちょっと待ってなさい」

 

そう言ってレミリアは何処かに行ってしまった。数分後、レミリアが帰ってくると何かを持っていた。

 

龍騎「...それは?」

 

レミリア「私達スカーレット家に伝わる名剣よ。受け取って頂戴」

 

龍騎「!?良いのかよそれ?」

 

レミリア「えぇ、私からのお礼よ」

 

俺はレミリアから剣を受け取り、一度鞘から抜くと、それは美しい紅色の両刃の剣だった。

 

龍騎「凄いな...、ありがとなレミリア」

 

レミリア「気に入ってくれて良かったわ。それとは別に、貴方に頼みがあるの」

 

龍騎「頼み?」

 

レミリアが俺に頼みがあると聞いて来た。

 

レミリア「貴方の血を貰っても良いかしら?」

 

龍騎「...は?( ゚д゚)」

 

レミリアの頼みの内容は俺の血を飲ませて欲しいと言ってきた。確かにレミリアは吸血鬼だから血は飲むだろうけど...。

 

龍騎「...味は保証しないぞ」

 

レミリア「大丈夫よ、大抵の人間の血って不味くないから」

 

そう言ってレミリアは俺の首筋にガブリっと噛んで、俺の血液を飲み始めた。うわぁ〜スッゲェ吸われてるぅ〜

 

レミリア「ぷはぁ〜、甘くて美味しい...、こんなの初めてだわ...♪」

 

フラン「お姉様だげずるい!私も!」

 

フランも俺の首筋を噛んで俺の血液を飲み始める。もう辞めて!りゅーくんのライフはゼロに近いよ!

 

フラン「〜♪美味しいぃ〜♪」

 

それならレミリアとフランが飲み終えると、俺の顔が真っ青になり身体がふらふらする。今咲夜さんに支えて貰ってるが、現在貧血を起こしている。

 

レミリア「ありがとね、美味しかったわ」

 

龍騎「もうちょっと飲む量を考えて欲しい...」(›´ω`‹ ) ゲッソリ

 

ミイラになるかと思った...。

 

フラン「ありがとお兄様!」ニパー

 

許す!可愛いは正義だ!だからと言って俺はロリコンでは無い!

 

レミリア「龍騎、休みをあげるから冥界に行ってみたら?剣を持つなら修行しないといけないでしょ?」

 

龍騎「良いのか?確かに剣術は習いたいとは思ったけど...」

 

この間の妖夢はマジで怖いんだよなぁ...、頼みづらい...。

 

咲夜(大丈夫かしら...、あの人斬りおかっぱ頭なら龍騎様に手は出さないとは思うけど...)

 

レミリア「ならこの手紙をピンクの亡霊に渡せば承諾するわ。100%にね」

 

ピンクの亡霊とは幽々子さんの事なのだろうか...。それに何で100%だって言い切れるんだ?

 

龍騎「...分かった。行ってみるよ」

 

こうして紅魔館組からお礼を受け取り、明日から冥界に行く事が決まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

美鈴「あれ?明日の昼から拳法教える約束は?」

 

尚、美鈴の拳法の伝授は省略します。by 餡 子太郎

 

美鈴「何で!?」

 

ぶっちゃけ思いつきで書いたからシナリオなんて無いよ。つまり君は紅魔館(中国製)のカカシなのさ。by餡 子太郎

 

美鈴「ちくしょうぉぉぉぉ!!」




いかがでしたか?

ちゃっかり参加してますが美鈴の独り言だと思って下さい。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

主人公の二重人格くんの名前も募集中してますのでよろしくお願いします。


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第三十五話 住み込み修行

どうもです。

第三十五話です。

それではどうぞ。


龍騎「あの〜、ごめんください」

 

レミリアに休み(半強制的に)を貰えた俺は、妖夢に剣を教わる為に白玉楼に来ていた。妖夢なら剣の扱いする方が上手いから頼もしいのだが、どうも宴会の事を思い出してしまう...。

 

龍騎「はぁ...、どうして白玉楼なんだよ...。他に居ないのかよ剣が使える人...」

 

ノックして誰か来ないか待っていると、門が開いた。

 

龍騎「あ、よう妖夢。朝早くから悪い...」

 

妖夢「曲者ぉ!」

 

龍騎「へ?」

 

門が開いたと同時に妖夢は俺に向かって斬り掛かって来た。俺は振り下ろした刀を両手で受け止めた。所謂『真剣白羽取り』ってやつだ。

 

妖夢「...!あれ?龍騎さん!?」

 

龍騎「いきなり斬り掛かって来るとは良いご挨拶だな...」

 

妖夢「す、すみません!てっきり曲者かと思いまして...」

 

龍騎「仮に俺が曲者でも直ぐに斬り掛かって来る奴なんていねぇよ!」

 

俺が文句を言うと、妖夢は刀を納めた。

 

妖夢「そ、それで...、今日はどのような御用で?」

 

龍騎「あー、実は...、お前に剣を教わろうと思ってな」

 

妖夢「......え?」

 

俺が訪れた理由を説明すると、妖夢は口を開いたまま固まってしまった。

 

妖夢「そ、それは...、弟子にしてくれって事ですか?」

 

龍騎「まぁそう言う事になるな。お前しか剣を使える知り合いなんていないし」

 

※尚、椛が剣を使える事に龍騎は知りません。

 

妖夢「ふぇ?ちょ....ええええええええええええ!!??」

 

妖夢が驚き叫ぶと同時に、俺は両耳を塞いだ。気持ちは分かるがうるさい...。

 

妖夢「むむむむむむ無理ですよ!?私はまだ修行の身ですし...」

 

幽々子「どうしたの妖夢?そんなに騒いで...。あら、貴方来てたのね」

 

龍騎「ど、どうも...。実は妖夢に弟子入りに来たんですが...」

 

幽々子「あら良いじゃない。折角此処まで来てくれたんだからなってあげなさい」

 

妖夢「ゆ、幽々子様まで!?」

 

幽々子さんは賛成みたいだが、肝心な本人は自身が無いのか断り続ける。あ、そうだ(唐突)

 

龍騎「幽々子さんにこれを渡すよう言われてるんだった」

 

幽々子「渡す物?」

 

俺は昨日レミリアに貰った手紙を幽々子さんに渡した。幽々子さんは手紙を読むと、大きく目を開いた。そしてプルプルと震え始める。え?どうしたんだ?

 

幽々子「妖夢」

 

妖夢「は、はい!」

 

幽々子「すぐに弟子にしなさい」

 

妖夢「はい!......え?」

 

幽々子「龍騎くん」

 

龍騎「何ですか?」

 

幽々子「弟子になるなら此処に住みなさい」

 

龍騎「え?」

 

幽々子さんがとんでもない事を言ってきて俺と妖夢は固まってしまった。

 

妖夢「ど、どう言う事ですか幽々子様!?」

 

幽々子「そのままの意味よ妖夢。これから剣の極意を習うのに彼を毎日自宅から冥界まで移動させる気かしら?」

 

妖夢「うぐっ...」

 

幽々子「なら此処で住んだ方が彼の負担が減るし、安心して修行も出来る。そして妖夢の男性への関わりも深まって一石二鳥でしょ?」

 

妖夢「!?」

 

幽々子さんの返事に妖夢は顔を赤くして俯いてしまった...。

 

幽々子「それに彼は本気みたいだし、やってみたら?」

 

龍騎「......因みに本音は?」

 

幽々子「龍騎くんが外の世界の料理作れるみたいだから食べたいのよ!

 

龍騎・妖夢「「やっぱりそっちが目的じゃねぇか(じゃないですか)!!」」

 

だと思ったよこんちくしょう。レミリアが幽々子さんに書いた手紙の内容が気になってはいたが、レミリアの奴食べ物で釣りやがったな...。

 

龍騎「...そういや、俺の家依神姉妹(居候)がいるんですけど」

 

幽々子「連れてきても良いわよ。あの子達料理出来ないでしょ?流石に放って置くのも嫌だしね」

 

ほっ、それを聞いて安心した...。いくら貧乏神でも置き去りにしたくは無いからな...。

 

妖夢「.....あーもう!分かりましたよ!!やりますよ!!師匠でもなんでもやってやりますよ!!」

 

幽々子「さっすが妖夢♪頼りにしてるわ♪」

 

妖夢「とほほ...」

 

ヤケクソになったのか師匠になる事を決めた妖夢に幽々子さんはいつもの調子に戻り、肩をガクッと落とす妖夢の姿を見た俺は苦笑した。妖夢...、強く生きろ...。

 

 

 

それから俺は一度家に戻り、依神姉妹と直子さんに伝えると依神姉妹は着いて行く事になり、直子さんは留守番する事になった。直子さん曰く『泥棒が来た時に撃退する時に私が必要ですから』との事。

 

そして白玉楼に戻って来ると俺達は早速昼食の準備をする。約一時間掛けて料理を作ったが、見ただけでドン引きするぐらいの量だった。成人男性の約三日分のカロリーだぞ...。そしてテーブルに皿を並べてみんなで食べ始める。ちなみに俺が作ったのはカレーだ。

 

幽々子「〜♪美味しい〜♪」

 

紫苑「〜♪」ガツガツ

 

女苑「行儀悪いわよ姉さん...」

 

妖夢「美味しい...、これ何て言うんですか?」

 

龍騎「カレーだよ。外の世界のある国のやつだ。白米の上に掛かるとカレーライスになって、うどんとかとんかつとかに掛けるとまた上手いぞ」

 

女苑「カレーってそんなに種類があるのね」

 

まぁキーマカレーとかグリーンカレーとかあるからな。

 

幽々子「妖夢おかわり!」

 

妖夢「もっと味わって食べて下さいよ...」

 

楽しい(?)昼食を終え、皿洗いを済ませてついに剣の修行が始まる。

 

 

 

 

妖夢「えぇ〜、これから龍騎さんには剣の基礎を習って貰います」

 

龍騎「おっすお願いしまーす」

 

妖夢「取り敢えず、その木刀で素振りをしてみて下さい」

 

そう言って妖夢は木刀を渡す。俺はしっかり両手で握り、上下に振る。

 

龍騎「ふっ、ふっ、ふっ」ブンッ

 

妖夢「...龍騎さん、それではただ振ってるだけです」

 

早速ダメ出しを食らった。しょうがねぇだろ全然分かんないんだから。

 

妖夢「肩に力が入り過ぎです。凄いカクカクしてますよ」

 

そんなに酷いの?ロボットの真似してる訳じゃないからね?至って真面目だからね?

 

妖夢「まず肩の力を抜きましょう。その状態で素振りしてみて下さい」

 

龍騎「肩の力を抜く...、リラックスリラックス...、そいっ!」スポッ

 

ヒューン コン...

 

龍騎「......」

 

妖夢「......」

 

今何が起こったのか説明しよう。妖夢の言われた通り肩の力を抜いて素振りをしたが、手の汗で滑ったのかスポッと木刀が抜けて飛んでいってしまった。

 

龍騎「......」

 

妖夢「......」

 

龍騎「すみません許してくださいマジ勘弁して下さい」

 

俺は急いで木刀を取りに行く。妖夢の顔がとてつもなく怖かった...、『こいつやる気あんのか?』って顔してたよ。(ʘωʘ╬)⇦こんな感じだったよ。

 

 

 

それからひたすら素振りを繰り返していた。めちゃくちゃ腕が痛い。握力が無くなって手の感覚は無くなるし、気がついたら手にデカイタコが出来ていた。

 

龍騎「いっちち...腕がいてぇ...」

 

妖夢「今日は此処までにしましょう。夕飯の準備をするので先にお風呂に入って下さい」

 

龍騎「ん」

 

妖夢は先に戻って行くが、俺はもう一度木刀を拾って構える。

 

龍騎「今日は此処までと妖夢は言っていた。だけど()()()()()()()()とは言ってないもんな」

 

俺は何故か勝ち誇ったように笑って火属性を解放する。後で何言われようが知ったこっちゃない。自分の技を研究するのも修行の一つだ!!...何か誰か言ってそうなセリフだなこれ。誰かいないかな...。

 

龍騎「うーん、と言っても何するか...。折角だから思いっきり弾幕を撃ってみるか」

 

そう思った俺は両手を頭の上に上げて、目の前にある岩に狙いを定める。威力がデカイと動けなくなる可能性があるので低めで撃ってみよう。

 

龍騎「いっけぇ!!」

 

剣を振ると、細い斬撃が出てきた。そのまま斬撃は岩に向かって飛んでいき、真っ二つにはいかなかったが、深い斬り込みがあった。

 

龍騎「なーんだ、やれば出来るじゃん」

 

妖夢「そうですね。なのでこれからもっと辛い特訓メニューがあるのねお覚悟を」

 

龍騎「ははは、こりゃ俺の身体が保てば良いけ.....ど......」

 

妖夢「......」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あるぇ?( ゚д゚)?

 

妖夢「......」

 

龍騎「し、ししょーさま?」

 

妖夢「......」ニコッ

 

ワーナンテエガオナンダロー(諦観)

 

 

 

 

 

 

妖夢「この...馬鹿者ぉぉぉぉぉぉぉぉ!!

 

龍騎「ひぃぃぃぃ!?すんませんでしたぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

 

それから約一時間に及ぶ説教が始まった...。『休む時はしっかり休む事!』だの『師匠()の指示には従う事!』だの言ってきた。俺が反論すると妖夢は自分の刀を三分の一まで抜いて脅してくるので言いたい事があっても言えないのだ...。俺の事思ってくれるのはありがたいんだけどさ...。

 

こいつ将来過保護になるぞ(確信)

 

 

 

 

龍騎「はぁ...、初日から疲れた...」

 

幽々子「あらあら、もう弱音吐いてるのかしら?」

 

風呂から出て、俺は部屋に戻る途中に幽々子さんが声を掛けてきた。

 

龍騎「別に修行が辛いって訳じゃないんですけど...、説教で精神的に...」

 

幽々子「分かるわ、妖夢って偶に過保護な時があるから怒られるとすっごい怖いのよ...」

 

龍騎「...幽々子さんもあるんですか?」

 

幽々子「つまみ食いでね」

 

......それは怒られて当然なのでは?

 

幽々子「まぁ、ゆっくりやっていけば良いわ。妖夢も貴方のペースに合わせてる筈だし」

 

龍騎「えぇ、そうします」

 

幽々子「ああ、そうそう」

 

そう言って部屋に入ろうとすると、再び幽々子さんに止められた。

 

幽々子「妖夢の事よろしくね♪」

 

龍騎「?分かりました」

 

そう言って俺は部屋に入った。一体何がよろしくね♪だよ...。そう思った瞬間、違和感を感じた。何故か布団は敷いてあるし、妙に膨らんでいる。

 

龍騎「もしかして紫苑か女苑か?全く自分の部屋あるんだから自分の部屋で.....」

 

文句を言いながら布団をめくると、其処は紫苑でも無く、女苑でも無かった。

 

妖夢「zzz」スヤァー

 

どうしてこうなった...。

 

 

 

 

 

〜数分前・妖夢side〜

 

夕食を終えて、私はお風呂に浸かっていた。今日はいつもより疲れた...。いきなり龍騎さんが弟子にしてくれと言ってきて幽々子様が食べ物目的で強制的に師匠になって...、そして龍騎さんが自主トレとか言って勝手に行動するわ...。自主トレするのは構いませんがそれで身体を壊したら元の子がないじゃないですか...。まぁ努力してるのは評価しますが教えるこっちの身にもなって欲しいです...。

 

妖夢「でも、どうしてあの人達は龍騎さんの事が好きなんだろ...」

 

私はふと、そんな事を思った。宴会の時に守谷神社の巫女が告白した時、私の側に居た博麗の巫女、銀髪のメイド、白狼天狗は絶望しきった顔になっていた事は覚えてる。私も何故か胸の中がモヤモヤしてて、少し苛ついた...。

 

妖夢「...はぁ、最近変だな......、自分らしくないと言うか、本調子じゃないと言うか......」

 

私は訳分かんなくなって潜るように頭を浸かった。

 

 

 

『殆どは俺の自己満足だけど、こんな俺でも人の役に立てるなら命を賭けても守りたいって思いが強かったから...』

 

 

命を賭けても守りたい思い...、か...。

 

それが龍騎さんの優しさなのだろうか...。

 

守谷神社の巫女が言っていた...、

 

『自己満足とか言いながら他人を優先して来た優しさが私を好きにさせた』

 

と...。

 

確かに彼は優しい...、何事も他人優先にするのは私も知っている。でも何処に惚れる要素があるのだろうか...。

 

妖夢「!?ふぱぁ〜」

 

息が苦しくなり、私は勢い良く起き上がる。はぁはぁ、と息を整いながら心を落ち着かせる。

 

妖夢「...もう寝よ」

 

私はお風呂を出て寝巻きに着替えて自分の部屋に寝た。

翌朝、目が覚めると私は着替えようと箪笥から服を取り出そうとするが、中身が何も無かった。

 

妖夢「あ、あれ?何で無いの?」

 

龍騎「ある訳ないじゃん」

 

妖夢「え?」

 

私は振り向くと、龍騎さんが両手を組んで立っていた。

 

妖夢「え、えぇ!?な、何で龍騎さんが此処に!?」

 

龍騎「それこっちの台詞。何で俺の部屋に寝てた訳?」

 

俺の部屋?私は周りを見渡すと私の部屋では無い事が分かった。つまり此処は私はの部屋では無いと言う事だ。

 

妖夢「も、もしかして部屋を間違えた...?」

 

龍騎「それしか考えられないだろ」

 

龍騎さんか何事も無いように返事すると、私は恥ずかしくなって顔が赤くなっていくのが分かる。

 

妖夢「す、すみません!///」

 

龍騎「気にするな、俺は気にしない。お前は今俺の師匠なんだから慣れない事で疲れるのは当然だ。今まで誰にも剣を教えた事なんて無いんだろ?だったらしょうがねぇよ。それに一々気にしてると身体に毒だぞ」

 

そう言って龍騎さんは私の頭にポンポン、っと軽く叩く。

 

龍騎「飯、早く食って修行しようぜ。俺だってまだ学びたい事があるんだ」

 

妖夢「...そんなにマイペースな人何て幽々子様みたいですね」

 

龍騎「その方が俺的には好きだからな。あとマイペースは知ってたのかよ...、まぁ良いや。今日も頼むぜ、妖夢先生」

 

そう言って龍騎さんは少し笑って部屋から出て行ってしまった。

 

妖夢「...本当に、おかし(不思議)な人......」

 

私は心の中で出てきた言葉を口にした。

 

霧影龍騎さん...、もっと彼の事を知りたい...、そんな気持ちがいっぱいだった...。

 

 

 

 

 

 

 

 

〜おまけ〜

 

幽々子に渡したレミリアの手紙の内容。

 

『拝見、西行寺幽々子様へ。本日貴女の元に霧影龍騎が来たら、彼を住み込みで剣の修行をさせて上げて頂戴。勿論、協力してくれたら彼の特性外の世界の料理をご馳走してあげるわ。別に断っても良いけど、そしたら外の世界の料理が食べられなくなってしまうわよ?引き受けるには、しっかり一人前にする事。これが絶対条件だからそれまで彼の事は好きにすると良いわ。でもまぁ、貴女にとっては素敵な時間でしょうけどね。

 

           レミリア・スカーレット』

 




いかがでしたか?

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

主人公の二重人格くんの名前も募集してますのでよろしくお願いします。


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第三十六話 叫んで、怒られ、看病して

どうもです。

第三十六話です。

それではどうぞ。


白玉楼で住み込み修行をして一週間、俺は毎日のように木刀で素振りをしていた。素振りしてきたのか腕に筋力がついた気がする。本当についてれば良いなぁ...。

 

妖夢「...龍騎さん、そろそろ次の段階に行きましょう」

 

妖夢が俺の素振りを見ている途中にそんな事を言ってきた。やっとか...。

 

龍騎「それで?次は何するんだ?」

 

妖夢「今度は木刀に霊力を使って斬撃を放ってみましょう」

 

斬撃?それって初日に魔力を使って放った斬撃の事か?

 

龍騎「...初日俺が自主トレした感じのやつか?」

 

妖夢「はい、龍騎さんの場合魔力を使う場面が多いので、霊力での攻撃方法を習って貰います」

 

ふむ、確かに霊力なんて使った事なんて滅多にないな。

 

龍騎「...それにしても剣での霊力と魔力の違いって何なんだ?」

 

妖夢「霊力の場合、斬撃の威力を補うって感じですかね。魔力は龍騎の場合、炎とか雷とか出せますよね?それで補う感じだと思います」

 

成程...、霊力は威力を、魔力は属性の効果で補うって事か。取り敢えず霊力で斬撃を飛ばしてみるか...。え?飛ばし方分かるのかって?イメージだよイメージ、イメージしろ(某カードアニメ風)

 

龍騎「......」

 

俺は木刀を両手で持って目を瞑って心を落ち着かせながら木刀に霊力を込める。全集中...、全神経フルスロットル...。

 

龍騎「行けっ!」

 

俺は木刀を振り下ろすと、物凄い轟音が鳴り、馬鹿デカイ衝撃波が起きた。そのまま白玉楼の部屋の中へ入ってしまった...。

 

ワースゴイリュークンカンゲキィー

 

妖夢「あああああああああああああああ!!??其処は幽々子様のお部屋ああああああああああああああああ!!??」

 

龍騎「やっちゃったZE☆」

 

妖夢「いややっちゃったZE☆じゃないですよ!?何カッコいい言い方してるんですか!?」

 

龍騎「大丈夫だ、ド◯ゴ◯ボ◯ルで生き返るさ(思考放棄)」

 

妖夢「何ですかド◯ゴ◯ボ◯ルって!?ってか生き返るって誰をですか!?」

 

龍騎「...気にするな、俺は気にしない(ネタ切れ)」

 

妖夢「一体貴方は何を言ってるんですか!?」

 

それから俺が斬撃で出来た穴を修理する。幽々子さんが今日紫さんの所に行ってて良かった...。あ、ちなみに依神姉妹は住み込み修行に飽きたらしいので先に帰った。

 

妖夢「ふぅ〜、これで修理は終わりですね」

 

龍騎「いや〜悪りぃ悪りぃ。まさかあんなのが出るは予想外だったわ」

 

妖夢「...本当に反省してます?」

 

龍騎「すみませんでした」

 

修理が終わり、修行を再開する。今度は霊力と魔力を合体させて斬撃を放てとの事。霊力と魔力の合体か...、一度もやった事が無いな。取り敢えず木刀を両手で持って構える。頭の中で霊力と魔力を同時に木刀に込めるイメージを作る。

 

妖夢「...?何してるんですか?早くやってください」

 

龍騎「いや、ね?さっきと同じ事が起きそうで...」

 

妖夢「ちゃんと当たっても大丈夫な方向に向いてるんですから問題ないですよ」

 

龍騎「目の前に壁があるのに?修理するんでしょ?」

 

何て言ってたらふぁ〜、と欠伸をしてしまった。目が歪んだ所為か壁が豆腐に見えてきた(幻覚)あ、今晩は豆腐ステーキにしよう(唐突)

 

龍騎「豆腐〜、豆腐はいかが〜、...俺はザ◯豆腐が好きだっ!」ブンッ!

 

 

ブオオオオオオオオオオン!!

 

 

どうでも良い事をリズムに乗りながら木刀を振り下ろした瞬間、先程とは比較にならないぐらいの馬鹿デカイ衝撃波が起き、目の前にあった壁が無くなった。

 

龍騎・妖夢「「......( ゚д゚)?...... (つд⊂)ゴシゴシ......( ゚д゚)???

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

工工工エエエエエエェェェェェェΣlll(;゚Д゚)ェェェェェェエエエエエエ工工工」」

 

俺と妖夢は巨大な穴の開いた壁を見ながら絶叫した。

 

妖夢「何してくれたんですか!?こんな穴直ぐに埋められないですよ!?」

 

妖夢は俺の胸ぐらを掴んで文句を言ってきた。

 

龍騎「いやいや俺だってあんなの出せるとは思わなかったんだよ!ってか霊力と魔力合わせたら駄目なやつじゃん!混ぜるな危険だよ!」

 

妖夢「と、兎に角一旦中止して幽々子様が帰ってくる前に壁の『私が帰って来る前になんだって?』修...理、を......」

 

幽々子「......」

 

妖夢が言ってる途中に聞き覚えのある声を聞くと、俺と妖夢は段々と顔を蒼くなり、ガグガグとロボットがゆっくり首を捻るように回すと、目の前には幽々子さんが扇子を開いて口を隠しながらニコニコと笑っていた。真っ黒なオーラを放ちながら...。

 

龍騎「あ、あにょ...、幽々子ひゃん?」ガグガク

 

妖夢「きょきょきょ今日はお早いご帰宅れひたれ」ガグガク

 

妖夢も幽々子さんが放ってるオーラにびびって滑舌が回ってない。いやマジで怖いんだって...。

 

幽々子「まぁね、最近紫は大変みたいだからいつもより早く帰って来たの。それで......、あれは一体どう言う事かしら...?

 

龍騎・妖夢((目の奥が笑ってない!?絶対に怒ってる!!))

 

俺達は正直に話すと、幽々子さんは開いていた扇子を閉じて回れ右をした。

 

幽々子「...貴方達」

 

龍騎・妖夢「「はいっ!」」ビシッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幽々子「ご飯の時間まで終わらせないと...、分かってるわよね?

 

 

 

龍騎「行くぞ妖夢!!間に合わなくなっても知らんぞ!」

 

妖夢「あ、ちょっと待って下さいよ!!」

 

それから大急ぎで壁を修復する。修理するのに約五時間掛かってしまい、今日は修行どころでは無かった...。幸い、幽々子さんはお昼に紫さんと食べに行ったとの事で食事の準備せずに済んだのが不幸中の幸いだろう。まぁ当然のように俺と妖夢の昼食は無しである。

 

 

〜夕方〜

 

龍騎「はぁ...、はぁ...、きつい...」

 

妖夢「お腹...、空いた...」

 

修理を終えた俺と妖夢は同時に床にぶっ倒れた。ちくしょう...、腹減りすぎてやばい...。ア◯パ◯マ◯助けて...、頭丸齧りさせて...。

 

幽々子「(ほ、本当にご飯の時間前に終わらせたわね...、中々のコンビじゃないかしら...)ご苦労様、早速ご飯にしましょう?」

 

妖夢「」

 

妖夢が絶望しきった顔になって、目から涙、口から涎を垂らしながら『もう駄目だ...、おしまいだぁ...』と唸ってきた。

 

幽々子「皆んな疲れたでしょ?今日は私が作ってあげるわ」

 

龍騎・妖夢「「え?」」

 

まさかの言葉に俺と妖夢は素っ頓狂な声を出した。

 

妖夢「幽々子様が...、お作りに?」

 

龍騎「...妖夢、幽々子さんの料理って大丈夫なのか?何か不安なんだけど...」ヒソヒソ

 

妖夢「わ、分かりません...。私も食べた事が無いので...」ヒソヒソ

 

その言葉を聞いた瞬間俺は決心した。

 

胃薬準備しよ(白目)

 

 

 

 

 

幽々子「さぁ出来たわよ!早く食べましょ!」

 

龍騎「は、はぁ...」

 

妖夢「......」

 

テーブルの上に置かれた大量の料理を見て俺は少し嫌な予感を感じ、妖夢はジー、と料理を見つめていた。

 

幽々子「それじゃあ、いただきます!!」

 

龍騎・妖夢「「いただきます...」」

 

幽々子さんの後に続いて俺達もいただきます、と言い夕食を食べ始めた。俺はまず白米を一口食べるとくちゃくちゃしていて水っぽかった。

 

龍騎(炊く時水入れ過ぎ...、これじゃあお粥だよ...)

 

続いて味噌汁を飲むと、味が濃過ぎて吹きそうになった。

 

龍騎(濃っ!?味噌入れ過ぎ!?)

 

幽々子「ん〜少しお味噌入れ過ぎたかしら?」

 

少しどころじゃねぇよ!どんな味覚してんだ!?

 

幽々子「どう妖夢?私の腕も馬鹿に出来ないでしょ?」

 

何故か得意げな顔をする幽々子さん。いや、確かに見た目は旨そうに見えるし盛り付けも文句無しだけど...、肝心の味が酷すぎる...。

 

妖夢「はい、とても美味しいですよ(白目)」

 

龍騎「妖夢!?」

 

妖夢が白目の状態でパクパクと食べ物を口に入れる。おいしっかりしろよ!?何で白目向いてんだよ!?絶対無理してんだろ!?

 

幽々子「良かったわ〜♪口に合わなかったらどうしようと思ったけど、これで一安心ね♪」

 

安心出来てねぇよ何ヤンデレ妹になってんだよあんた意外とサイコパスだぞ...。

 

幽々子「龍騎くんはどう?味の方は?」

 

俺に振ってきた...。此処は正直に答えよう...。

 

龍騎「...米炊く時にもう少し水減らした方が良いかと、あと味噌入れ過ぎですね」

 

幽々子「そう...、課題が増えたわね。妖夢も何か言っても良いのよ?」

 

妖夢「いえ、とても美味しいです(白目)」

 

お前もう休め!!悪い事は言わないから寝てくれ!!

 

 

 

 

 

 

〜翌朝〜

 

妖夢「ごほっ...、ごほっ...」

 

はーい皆さんおはようございます。誰に挨拶してるんだろ...。まぁそんな事よりご覧下さい。

 

妖夢が行動不能(ダウン)しました。うん絶対昨日の夕飯が原因だよね。

 

妖夢「す、すみません...、看病して貰って...」

 

龍騎「気にするな、俺は気にしない。何か欲しいのがあったら襖を開けてくれ。外で素振りしてるから」

 

妖夢「で、でもこれ以上は...」

 

龍騎「病人は黙って寝てろ。少しでも申し訳ないならさっさと治せ」

 

妖夢「...分かりました」

 

そう言って妖夢は目を瞑って寝てしまった。さてと、風邪移されたくもないので退散するとしますかね?...え?幽々子さんは何処に行ったかって?部屋で落ち込んでるよ。妖夢が風邪引いたのは私の所為なんじゃないかってぶつぶつ言いながら体育座りしてたよ。意外とネガティブだな...。

 

俺が立ち上がった瞬間、右足の袖を掴まれた。

 

妖夢「...りゅ、き...ん...」

 

妖夢が俺の名前を言いながら唸り声を上げる。...全く、しょうがない奴だな。俺はもう一度座り、氷属性を解放させて妖夢の頭を優しく撫でる。今までは冷蔵庫の代わりにしか使ってない氷属性だがこんな事も出来るのだ。いや〜マジ便利っすわ。

 

妖夢「りゅ...き.,.さ...」

 

龍騎「...心配すんな。俺は何処も行かねぇよ」

 

それから一日中、妖夢の頭を撫でまくった。素振りはどうしたって?一日ぐらいサボってもバチは当たらないだろ(適当)

 

翌日、幽々子さんが妖夢の部屋に入ってきて土下座をして泣きながら(ガチ)謝ってきた。其処まで泣く程なのだろうか...。俺も妖夢も少し引いていた。そして今、俺は庭でレミリアから貰った剣を両手で持って構えている。

 

龍騎「......」

 

俺は火属性を解放させて、直ぐに雷属性を解放させる。

 

龍騎「....っ」

 

だが、直ぐに二つの属性は消えてしまった。

 

龍騎「はぁ、はぁ、やっぱり合体は難しいなぁ...」

 

幽々子「あら、変わった練習をしてるのね」

 

後ろから幽々子さんが声を掛けてきた。

 

龍騎「まぁ、はい。属性の練習を...」

 

幽々子「そういえば、貴方の属性って同時に使えたり、合体出来たのよね?」

 

龍騎「えぇ、同時使うのは毎日やってるんですけど、合体は思ったより難しいので」

 

幽々子「別に剣を持たなくても良いじゃない?」

 

龍騎「それじゃあ意味がないんです。右手に火属性、左手に雷属性を解放させるとしましょう。手だと合わせてしまえば簡単に合体出来てしまうんです。だから棒状の物で手を固定して属性を合体させるんです」

 

幽々子「二箇所に二つの属性を合わせるので無く、一箇所に二つの属性を合わせる、って事ね」

 

龍騎「そうですね、そんな感じです」

 

幽々子「...でも木刀で良いんじゃないかしら?」

 

龍騎「何となく剣を持っただけですよ」

 

それから妖夢が風邪が治るまで、俺は属性の練習を繰り返した。勿論、素振りもしている。偶に幽々子さんに弾幕勝負をしたり、パチュリーに貰って剣術の本を読んで一人で練習していた。そして...、

 

 

 

妖夢「ご迷惑をお掛けしました。これより、最後の修行を始めます。内容は至って簡単...、私と勝負する事です」

 

龍騎「......」

 

妖夢「私が休んでる間、貴方の姿を見てました。貴方は独自で技を身につけてもう私が教える事はありません...。なので、貴方の腕...、剣に相応しいか見させて貰います」

 

そう言って妖夢は刀を抜き始める。

 

妖夢「これが...、師匠()なりの最後の務め、です...」

 

龍騎「......」

 

俺は黙ってレミリアから貰った剣を抜く。

 

妖夢「覚悟はよろしいですね?」

 

龍騎「ああ...」

 

これから俺の最後の修行が始まった...。

 




いかがでしたか?

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第三十七話 手合わせ

どうもです。

第三十七話です。

それではどうぞ。


幽々子「準備は良いわね?二人とも」

 

幽々子さんが確認すると、俺と妖夢はこくり、と頷く。

 

幽々子「では...、始め!」

 

幽々子さんの掛け声と共に、俺は妖夢に向かって飛び出した。妖夢も迎え打ち、お互いの剣がぶつかり合う。

 

妖夢「はあぁ!」

 

龍騎「くっ!」

 

カキンカキン、と金属がぶつかり合う音が響く。若干だが妖夢に押されている...。

 

妖夢「でやぁ!」

 

龍騎「ちっ!(このままじゃジリ貧だ...。一旦下がって体制を立て直すか...)」

 

俺は後退しようとした時、妖夢がニヤリと笑った。

 

妖夢「貰った!」

 

龍騎「!?やべっ!」

 

俺が下がってる途中に妖夢が斬撃を放ってきた。俺は身体を捻って避けようとするが間に合わず食らってしまい、後ろへ吹っ飛ばされた。

 

龍騎「ちっ、やりやがったな...」

 

妖夢「休んでる暇はありませんよ!」

 

妖夢が急接近して来る中、俺は一度剣を鞘に納める。そして妖夢が俺を突き刺そうとした瞬間、俺は思いっきり身体を捻って一気に剣を抜き、その勢いで妖夢の首を目掛けて振る。

 

妖夢「!?」

 

妖夢は予想外の展開に目を大きく開いた。俺はそのまま首まで剣を近づけて、首に触れる直前で剣を振るのを辞めた。

 

妖夢「......(何、今の...、何なの...)」

 

妖夢は冷や汗を流して、目玉だけを動かして俺の剣を見ていた。

 

龍騎「居合斬り、俺が考えたオリジナルバージョンだ」

 

妖夢「居合斬り...!?いつの間にそんな技を...」

 

龍騎「パチュリーに貰った本に書いてあったからやってみたけど、一発で出来て良かったぜ」

 

妖夢「...これは一本取られましたね」

 

俺は剣を妖夢の首から離れると、妖夢は俺から距離を取る。

 

妖夢「なら、此処からは本気でやらせて貰います。スペルカードや弾幕も使っても構いません」

 

龍騎「さっきまで手を抜いていた訳か...、舐められたものだ」

 

妖夢「そうではありません。あれで七割本気だったので」

 

そう言って妖夢はもう一本の刀を抜く。あれで七割?此処からヤバくなるんじゃね?

 

妖夢「女だからって手加減は入りません。出なければ師匠として最大の屈辱です」

 

龍騎「...元よりそのつもりだ」

 

俺はもう一度剣をかまえ、火属性を解放させて剣に炎を纏わせる。

 

妖夢「行きます...!」

 

龍騎「掛かって来い...」

 

妖夢が目一杯地面を踏み込んで、物凄いスピードで俺に接近してくる。俺は斬撃を放ち、妖夢が接近して来るのを阻止するが、簡単に避けられてしまう。

 

妖夢「はあぁ!」

 

龍騎「だあぁ!」

 

接近を許してしまい、お互いの剣がぶつかり合う。ギギギ、と音が鳴り、お互い後ろへ飛び、妖夢は一枚のスペルカードを取り出した。

 

妖夢「人鬼『未来衛劫斬』」

 

妖夢が素早い攻撃を仕掛け、俺はただ防御するのに精一杯だった。そして最後の一撃を食らってしまい、膝を着いてしまう。

 

龍騎「はぁ...、はぁ...」

 

妖夢「よく耐えましたね...、流石です(嘘でしょ?あれでまだ倒れない何てどれだけ頑丈なんですか...)」

 

龍騎「...まだ、終わっちゃいない、来いよ...」

 

俺は剣で支えながら立ち上がり、左手の四本の指を曲げて来いよ、と合図する。

 

妖夢「挑発のつもりですか?...いいでしょう、何を考えてるのか知りませんが、安っぽい挑発に乗りましょう!」

 

そう言って妖夢は、地面を蹴って向かって来た。恐らくチャンスは一度...、やるしかない...!

 

龍騎「行くぞ妖夢!これでも食らえぇぇ!!」

 

俺は剣に纏ってる炎を、フランのレーヴァテインのように大きくして、妖夢に向かって剣を振り払う。

 

妖夢「そんなもの!」

 

妖夢は高くジャンプして攻撃を避けた。だが、俺は思いっきり足に力を入れて強く地面を蹴飛ばして大きく飛び上がる。

 

妖夢「!?」

 

龍騎「オラァァ!!」

 

剣に纏っていた炎は消えてしまったが、それでも妖夢を斬れる距離まで詰められた。そして俺は妖夢に斬り掛かる。

 

妖夢「...忘れましたか?私が半人半霊であると!」

 

そう言って妖夢の半霊は俺の後ろに周り、妖夢の形になって斬り掛かろうとする。

 

妖夢「私の勝ちですね...」

 

龍騎「......お前こそ忘れてんじゃねぇのか?俺が.....火と雷以外の属性を使える事を!!」

 

そう言って俺は両足に風属性を解放して、ア◯ムのように半霊の後ろに回り込む。

 

そして、火属性と雷属性を同時に解放させて、剣に纏わせる。限界まで纏わせた剣は、まるで魔理沙のマスタースパーク並みの太さだった。

 

妖夢「!?ま、まさか...、この為に私を空中に誘導させた...!?」

 

龍騎「空を飛べても、地上の時よりスピードは出せないと思ってな!どうやらその通りみたいだな!」

 

妖夢「っ!ならば迎え打つ!」

 

龍騎「辞めておけ、こっちには何でも感電する電気があるんだ。それに仮に避けられたとしても服でも掠っちまえばどの道お前は動けない!」

 

妖夢「!」

 

龍騎「覚悟は良いな...、妖夢!」

 

そして俺は剣を振り下ろした。それでも妖夢は諦めずに俺に向かって突っ込んでくる。そして大爆発が起こった。

 

幽々子「妖夢...」

 

龍騎「はぁ...はぁ...、少しやり過ぎたな...」

 

俺は息を整えながら、倒れた妖夢の元へ向かう。属性の合体練習をしたお陰で魔力の量が増えたものの、やはりというべきか一回に二つの属性を使うとなると魔力の消費量が多すぎる。こればかりはひたすら特訓あるのみだ。

 

龍騎「...おい、大丈夫か?」

 

妖夢「うっ...、うぅ...」

 

妖夢に声を掛けるが、どうやら気絶してしまったみたいだ。

 

幽々子「...えぇ〜と、これは龍騎くんの勝ちで良いのかしら?」

 

龍騎「そうですね...、そうなんじゃないですか?」

 

俺は妖夢をお姫様抱っこして、部屋に運ぶ。...え?何でお姫様抱っこかって?何となくだよ。それから妖夢を部屋に運んで、回復魔法をかけながら夕飯まで妖夢の様子を見ていた。

 

 

 

〜妖夢side〜

 

妖夢「...此処は......?」

 

目が覚めると、私は横になっていた事に気がついた。起き上がると身体に痛みが走る。

 

妖夢「いたっ...」

 

身体を抑えながら辺りを見渡すと、龍騎さんが両腕を組んで座りながら寝ていた。もしかして私を此処まで運んで来たのだろうか...。

 

妖夢「...寝顔可愛い」

 

つい心の声を口に出してしまった。でも本当に可愛いのだ、いつまでも見ていたいぐらいの可愛さなのだ。

 

龍騎「...んあ、...あ、起きたか...」

 

龍騎さんが眠たそうな顔で私を見て言う。

 

妖夢「は、はい...、ありがとうございます」

 

龍騎「お前が無事なら別に良い。それよりもすまなかった、結構やり過ぎちまった」

 

ぼりぼり、と頭を掻きながら謝罪する龍騎さん。

 

妖夢「いえ、私が本気になってくれと頼んだのですから、気にしないでください」

 

龍騎「そうは言ってもな...、お前が良くても俺は嫌なんだよ」

 

...本当に優しい人だ。あんな事があったのに私の事を心配してくれるなんて...。

 

龍騎「なんか俺に出来る事があるなら言ってくれ。幽々子さんの飯作ってくれ、でも何でも良いぞ」

 

妖夢「別にそこまでしなくても...」

 

龍騎「俺はお前に怪我をさせた、師匠である妖夢に、だ。幾ら師弟勝負でも正直の所、お前に勝っても嬉しくは無かった、少し後悔してた」

 

妖夢「後悔...、してた?」

 

龍騎「あの時は勝ちたいって思いが強かったけど、もっと効率の良いやり方があった、筈なんだと思う...。俺がやりたかった事が出来てないから、あんまり素直に喜べないんだ」

 

妖夢「......」

 

龍騎「まぁ、そんなとこだ。別に何も求めてないんじゃそれで良い」

 

そう言って龍騎さんは立ち上がり、部屋から出ようとする。

 

龍騎「んじゃ、飯の準備してくるからお前はまだ休んで『待ってください』ん?」

 

私は龍騎さんを呼び止めた。

 

妖夢「そ、その...、さっきのお願い...、本当に何でも良いんですか?」

 

龍騎「...俺が出来る範囲だったらな」

 

妖夢「で、でしたら...、その...、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日一緒に寝てくれませんか?」

 

龍騎「......はい?」

 

龍騎さんはポカーン、とした顔で問い返す。

 

妖夢「そ、その言葉通りです...、い、一緒に...、寝てください...///」

 

私は恥ずかしさのあまりに、顔が赤くなってる事に気がついた。男の人と一緒に寝るとなると緊張してしまう...。

 

龍騎「......確認するが、俺で良いのか?」

 

妖夢「は、はい!寧ろ龍騎さんじゃないと駄目と言うか...、何と言うか...///」

 

龍騎「...お前がそれを望むなら、そうするよ」

 

妖夢「!良いんですか!?」

 

龍騎「ああ、相手の意思を尊重する、それが俺だ」

 

私は嬉しくて小さくガッツポーズをした。龍騎さんと一緒に寝ると思うと嬉しさが止まらない。

 

龍騎「まず寝る前に飯食って風呂入る事だな。準備してくるから待ってろ」

 

そう言って龍騎さんは部屋を出てしまった。龍騎さんが出て行くと、私はもう一度横になって微笑む。良かった...、勇気出して良かった...。それに胸がドキドキする...、余程嬉しかったのだろう。それから龍騎さんが戻ってくるまで胸の鼓動が治らなかった。

 

そして、夕食を終えて幽々子様とお風呂に入ってる途中...、

 

幽々子「妖夢は龍騎くんの事どう思う?」

 

妖夢「!?///」

 

幽々子様に背中を洗って貰ってる時に突然その言葉を言い出した。私はボンッ、と顔が赤くなる。

 

妖夢「な、何を言ってるんですか幽々子様!?///」

 

幽々子「そのままの意味よ♪妖夢が龍騎くんの事どう思ってるのか気になってね」

 

どうって言われても...。

 

妖夢「...凄い、人だと思いますよ。家事だって出来るし、私より強いし、そして何より自分の事を後回しにして他人を優先してくれる優しさが...、私は好きです///」

 

正直に話すととても恥ずかしくなる。早くお風呂に上がりたい...。

 

幽々子「それは一人の男性としてかしら?」

 

妖夢「......」

 

...正直な所、分からない。私が龍騎さんの事を一人の男性として見ているのだろうか...。恋愛には縁が無いと思っていた私は考えてみたが頭がごちゃごちゃしてくる。

 

幽々子「...じゃあ妖夢、もし龍騎くんに恋人が出来たと考えてみて」

 

妖夢「恋人...?」

 

幽々子「そう、龍騎くんと恋人が人里で一緒に歩いていると想像して。勿論手を繋いで...」

 

妖夢「......」

 

私は幽々子様の言われた通り、目を瞑って想像してみる。人里で龍騎さんと恋人...、手を繋いで...、そして私に見せられなかった龍騎さんの笑顔...。

 

妖夢「...っ」

 

少し考えただけで胸が一気に締め付けられる。とても不愉快だ...、龍騎さんに恋人が出来たとなると怒りが込み上げてくる。

 

幽々子「...妖夢、これで分かったでしょ?」

 

妖夢「...と、言いますと?」

 

幽々子「貴女は龍騎くんに、恋してるのよ。それはもう、博麗の巫女や守谷の巫女と同じぐらいに」

 

妖夢「!」

 

幽々子様の言葉に私は大きく目を見開いた。そうか...、これが恋なんだ...。

 

幽々子「じゃあ妖夢、さっき想像していた事を妖夢に置き換えてみて」

 

私が龍騎さんの恋人...、想像しなくても分かる。私が恋人だと思うと嬉しいし、楽しいし、とても幸せだ。

 

幽々子「(あらあら、妖夢ったら嬉しそうな顔しちゃって可愛い♪)どう?素敵でしょ?」

 

妖夢「...はい、恋って素晴らしいですね」

 

幽々子「そうでしょう?でも、ライバルが多いからね、頑張りなさい妖夢。私は貴女の味方よ♪」

 

妖夢「ありがとうございます!幽々子様!」

 

幽々子(若いって良いわねぇ〜...、もし私が生きていたら恋人になっくれたかしら...)

 

それからお風呂を出て、自室で待機している龍騎さんを呼びに行く。龍騎さんの居る部屋に行くと、龍騎さんは本を読んでいた。

 

龍騎「ん?出たか...」

 

妖夢「はい、お待たせしました」

 

龍騎「気にするな、俺は気にしない」

 

妖夢「なら、今日はもう休みましょう。夜も遅いので」

 

龍騎「ああ...」

 

そう言って龍騎さんは本を閉じて床に置き、一緒に私の部屋に向かった。そして同じ布団に入る。お互い背を向けてるのに緊張してるのか、胸がドキドキする。

 

数分後、私は眠りに付かなかった。それもその筈、初めて男性と寝てるんだ、直ぐに寝付ける訳がない。

 

妖夢「...あの、龍騎さん。起きてますか?」

 

龍騎「...どうした?」

 

どうやら龍騎さんも直ぐに寝付けられないみたいだ。

 

妖夢「その...、ありがとうございます。私の我儘を聞いて貰って...」

 

龍騎「...言ったろ、俺は相手の意思を尊重するって。気にする事は無い」

 

妖夢「そう、ですか...」

 

私はその言葉を聞いて少しホッとする。もしかして無理してるんじゃないかと思ったから心配していたのだ。...この際聞いてみても良いかもしれない。

 

妖夢「一つ...、聞いても良いですか?」

 

龍騎「...何だ?」

 

妖夢「...龍騎さんは、幻想郷の女性に告白された事ってありますか?守谷の巫女以外に」

 

龍騎「!?どうしてそれを?」

 

龍騎さんはビクッと身体を跳ねた。やっぱり...、それもそうか。龍騎さんならあり得なくは無いと思っていた。

 

妖夢「...あのですね、私...、恋をしまして...」

 

龍騎「...へっ?」

 

妖夢「いつから恋をしたのか分かりませんが...、いつも好きな人の顔が頭に出てきて...、その人の顔が全然離れないんです...」

 

龍騎「...それ程そいつの事が好きなんだろうな」

 

妖夢「はい、だから...、勇気を出して告白してみます」

 

私は龍騎さんの背中を抱きついた。

 

龍騎「え?ちょ、ちょっと妖夢!?」

 

妖夢「霧影龍騎さん、私は貴方の事が好きです」

 

龍騎「はあぁ!?」

 

龍騎さんは驚き叫ぶと、慌てた様子で手で口を押さえた。結構声が大きかったのか焦ったのだろう。

 

龍騎「ちょ、お前本気か!?」

 

妖夢「はい、本気です。どうしようもないぐらいに好きです」

 

龍騎「いや、別に好きになってくれるのは嬉しいんだよ?でも何で俺なんかに...」

 

妖夢「守谷の巫女と同じ意見です。自己満足と言いながら他人に優しく出来る貴方が好きなんです」

 

龍騎「......」

 

妖夢「もし、まだ女性に慣れていないのなら...、それまで待ちます。それまでに私は一人前の剣士になって、龍騎さんに認められる女になってみせます」

 

龍騎「...ほんと俺って屑野郎だな、五人に告白されてるのに逃げてばっかりで...、ほんと情けねぇよ...」

 

妖夢「...龍騎さん?」

 

龍騎「どうして...、どうして俺なんかに好きになるんだよ...。お前達には俺以外にも良い奴が居るだろうに...」ポロポロ

 

私は龍騎さんが泣いてる事に気がついた。もしかしたらこれが龍騎さんの本音なのだろうか...。

 

龍騎「どうして...、どうしてそんなに俺を優しくするんだ...。どうして俺の味方になるんだ...。どうしてなんだよ...、俺が何したっていうんだ...」ポロポロ

 

妖夢「......それは龍騎さんが誰よりも強いからですよ」

 

龍騎「......え?」ポロポロ

 

妖夢「龍騎さんには、龍騎さんにしか無い優しさを持ってるんです。それが龍騎さんの強さであり、皆んな龍騎さんの事が好きになってるんです。勿論、私も」

 

龍騎「...それは違う、俺は強くなんか無い。それに、そんな優しさを持ってたら自分じゃなくなる...」

 

妖夢「では龍騎さんは何で此処まで来れたんですか?」

 

龍騎「!?」

 

妖夢「龍騎さんは何の為に戦って、何を守ろうとしてるのか、自分は何の為に剣を習って、何で剣を習いたかったのか、分かりますか?」

 

龍騎「......」

 

妖夢「それは龍騎さんが自分にとって大切な何かを守りたかったからじゃないんですか?」

 

龍騎「大切な、何か...?」

 

妖夢「私は幽々子様をお護りする為に剣を振っています。龍騎さんも何か守りたいものがある筈なんです」

 

龍騎「......俺は」

 

龍騎さんが黙ってしまうと、直ぐに口を開いた。

 

龍騎「俺は...、守りたい...。霊夢や、早苗や、皆んなを...、幻想郷(故郷)を...、守りたい...。その為に、俺は...、強くなりたい...」

 

その言葉を聞いて、私は安心した。最後に『自分の命なんていらない』なんて言ったら引っ叩いてやろうと思ったけど、その心配は無かった。

 

妖夢「私も微力ながらお手伝いします...」

 

龍騎「すまん...、こんな俺なんかの為に...」

 

妖夢「気にしないで下さい。私が好きでやってるので」

 

龍騎「...ありがとう、妖夢」

 

妖夢「えっ?///」

 

龍騎「......」

 

それから龍騎さんは眠りに付いてしまった。初めて龍騎さんにありがとう、と言ってくれた。それだけで私は嬉しかった。朝には龍騎さんは地上に帰ってしまう...、せめて何かお礼をしよう。そんな事を考えながら私は眠りに付いた。

 

 

 




いかがでしたか?

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

主人公の二重人格くんの名前も募集してますので、よろしくお願いします。


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第三十八話 Let's go 命蓮寺

どうもです。

第三十八話です。

それではどうぞ。


龍騎「...よし」

 

身支度を整え、俺は地上に帰る準備をしていた。剣術も覚えた事だし、また一つ強くなった気がする。

 

妖夢「もう行かれるんですか?」

 

門の前に向かうと、妖夢と幽々子さんが立っていた。

 

龍騎「ああ、流石に依神姉妹(あいつら)がうるさいし」

 

幽々子「そう...、少し寂しくなるわね」

 

妖夢「そんな事言っておいて本当は外の世界の料理が食べられないのが残念なだけですよね?」

 

幽々子「ソ、ソンナコトナイワヨー」

 

図星を突かれた幽々子さんは慌てて目を逸らす。棒読みの時点でアウトな気がする...。

 

龍騎「...世話になったな」

 

妖夢「また手合わせお願いできますか?お互い良い経験になると思うのですが...」

 

龍騎「おう、その時が来たらな」

 

妖夢「!はい!」

 

妖夢が笑顔で返事をすると、俺は少し笑って門に手を着く時に妖夢に止められた。

 

妖夢「龍騎さん!」

 

龍騎「ん?」

 

振り向いた瞬間、妖夢が抱きついてきた。

 

龍騎「......え?」

 

幽々子「あら♪」

 

妖夢「...ありがとうございました。お陰で良い経験になりました」

 

??????経験?何の?

 

龍騎「???まぁ、どういたしまして?」

 

何の経験をしたのか分からんが適当に返事をする。妖夢の事だからR-18な事では無い筈だ。そう思うとなんか残念な気持ちが出てくるんだが...。

 

妖夢「...これはほんのお礼です」

 

そう言って妖夢は一気に顔を近づけて目を瞑った。すると唇に柔らかい感触が伝わった。

 

龍騎「!?///」

 

幽々子「妖夢ったら大胆〜♪」

 

妖夢の顔が離れると、俺は右手の甲に唇を当てて、後ずさる。

 

龍騎「お、おまっ!?何考えて..///」

 

妖夢「こ、これが私が出来るお礼です...///」

 

龍騎「...良くそんな事出来るよな///初めてなんだろ?」

 

妖夢「こ、こんな事するのは龍騎さんだけです///それとと初めては嫌ですか?///」

 

龍騎「......ありがとうございます///」

 

妖夢「...///」

 

それから暫く黙ってしまい、気まずい空気が流れる。俺は門を開けて外に出る。

 

龍騎「そ、それじゃあ俺は帰ります///」

 

幽々子「えぇ♪地上でも頑張ってね」

 

妖夢「お、お元気で...!」

 

俺は軽く手を振って門を閉じた。階段を降りながら俺は片手を顔を当てて恥ずかしさを爆発させた。

 

龍騎(何だよあの笑顔は!?めっちゃ可愛い過ぎるだろ!?チクショク全然頭から離れねぇ!///)

 

そんな事を心の中で呟きながら地上を目指した。

 

 

 

 

龍騎「ふぃ〜、やっと着いた」

 

自宅に到着し、玄関の前で背伸びをする。白玉楼に暫く居たから何て言われるやら...。そして玄関に触れようとした時、足に何かを蹴った感じがした。

 

龍騎「?何だこれ?」

 

俺は蹴った物を掴む。それは瓦屋根が付いていて、その下に水晶のような入ってあった。誰かの落とし物だろうか...?

 

龍騎「...取り敢えずこのガラクタは持っておくか。たでーま」

 

俺はガラクタを持って家に入った。すると直子さんが出迎えてくれた。

 

直子「龍騎さん、お疲れ様です」

 

龍騎「ただいま、あいつらはどうしてる?」

 

直子「それなら椛さんが面倒を見てくれましたよ。私では料理も洗濯も出来ないので」

 

椛が来てくれたのか...。礼を言っておくか。そう思ってリビングに向かうと依神姉妹は朝食を食べてる最中だった。

 

紫苑「あ、おかえり」モグモグ

 

女苑「口に含んだ状態で喋らないでよ姉さん...。早かったわね」

 

龍騎「まぁな、長居するつもり無かったし」

 

椛「あ!お帰りさない龍騎さん!」

 

椛がエプロンを付けてやって来た。

 

龍騎「おう、悪いな面倒見てもらって」

 

椛「全然問題ありませんよ。それよりも...」

 

そう言って椛は顔を近づいて、少し怒った表情になる。

 

椛「どうして早く私に言ってくれなかったんですか!」

 

龍騎「え?...剣術の事か?」

 

椛「そうです!私だって剣を使えるんですから教える事だって出来るんです!それに...」

 

椛が俺に抱きついてクンクン、と匂いを嗅ぎ始めた。

 

椛「女の匂いがします...、抱きついた、又は抱きつかれましたね!?」

 

何で分かるんだよ...、警察犬よりレベルが高いぞ...。

 

龍騎「...そ、そんなに匂うか?」

 

椛「勿論ですよ!それはもうプンプンと!」

 

頬を膨らませてプンプンと怒りながら尻尾を振る椛。可愛い、まるでうちで飼ってる犬みたいだ」

 

紫苑「犬だ」

 

女苑「犬ね」

 

直子「犬ですね」

 

椛「犬じゃないです!狼です!」

 

どんどん怒りを増す椛。あ、そうだ(閃き)

 

龍騎「だったら今日一日付き合ってやる。それで許してくれるか?」

 

椛「!良いんですか!?」

 

龍騎「ああ、実は玄関の前にこいつが落ちてたな。持ち主に届けてやろうかなって」

 

俺は玄関で拾ったガラクタを見せる。

 

椛「あ、それって宝塔じゃないですか」

 

龍騎「宝塔?」

 

椛「命蓮寺って所に住んでる毘沙門天の代理がいつも持ってる物でよく落とすんです」

 

よく落とすって...、そんなんで毘沙門天代理やって大丈夫なのか?

 

龍騎「あー、ならその命蓮寺ってとこ案内して貰えるか?俺知らないんだよ」

 

椛「分かりました!」

 

そして俺と椛は命蓮寺に向かう事になった。

 

 

 

 

龍騎「此処が命蓮寺か...」

 

命蓮寺の門の前に立つ俺と椛。にしてもデカイなぁ...、こんなデカイ寺は初めてかもしれない...。俺が呆気に取られていると、椛が門を叩く。

 

椛「すみませーん、毘沙門天の代理さん『また宝塔を無くしたんですかぁ!?』」

 

門の奥に怒鳴り声が聞こえてきた。気になって少し門を開けて覗いてみると、鼠の女の子が、頭の上に花の形をした飾りを付けた少女を説教していた。恐らくあいつが毘沙門天の代理だろう。

 

鼠の少女「何度無くせば気が済まんですか!?聖にバレたら拳骨だけで済まされませんよ!」

 

毘沙門天代理「うぅ...、本当にごめんなさい...」

 

龍騎「...これは早く渡した方が良さそうだな」

 

椛「ですね...」

 

もう一度椛は門を叩く。すると、鼠の少女や毘沙門天代理とは別の人が出てきた。

 

?「はーい、今日はどの様な御用で?」

 

椛「これ、毘沙門天代理さんの宝塔ですよね?お届けに参りました」

 

?「!ありがとうございます!星ー!宝塔あったわよーー!」

 

謎の女性の一言に毘沙門天代理と鼠の少女は急いでこちらに向かってくる。

 

毘沙門天代理「ほ、本当ですか!?」

 

?「えぇ、このお二人が持ってきてくれたのよ」

 

毘沙門天代理「ありがとうございます!!助かりましたぁ!!」

 

毘沙門天代理は俺に抱きついて泣きながら感謝の言葉を言う。いや辞めて?鼻水着くから。そして椛がムゥ〜、と頬を膨らませてこちらを見てくる。そんな顔されてもどうしようもないだろ...。

 

鼠の少女「何はともあれ良かった。ありがとね人間さん」

 

龍騎「気にするな、俺は気にしない」

 

毘沙門天代理「本当にありがとうございました!!私寅丸 星《とらまる しょう》と言います!」

 

?「入道使いの雲井 一輪《くもい いちりん》です」

 

鼠の少女「私は『ナズーリン』だ。よろしく、あと間違ってもミ◯キーなんて言ったらぶち56すからな」

 

悪ふざけで言おうと思ったけど、これはマジのやつだ。うん絶対に言わない。

 

龍騎「霧影龍騎です」

 

椛「犬走椛です」

 

星「霧影って...、新聞に書かれてあった外来人ですか?」

 

龍騎「ああ」

 

一輪「もしかして、能力はお持ちなんですか?」

 

龍騎「『属性を操る程度の能力』です」

 

ナズーリン「ふーん、それは便利なんじゃないか?」

 

それから軽く雑談をすると、新たに女性二人が入ってきた。一人は金髪に紫が掛かった女性、もう一人は船長みたいな少女だった。

 

金髪に紫が掛かった女性「あら、お客さんですか?」

 

一輪「えぇ、観光に来たみたいです。姐さん」

 

観光で来た訳じゃないんだよなぁ...。どんだけ宝塔をなくした事を隠したいんだよ...。

 

船長少女「それにしても何処かで見た顔だね...。何だっけ?」

 

椛「この人は霧影龍騎と言って、去年の夏頃に幻想入りした外来人です」

 

龍騎「ど、どうも...」

 

椛が紹介してくれたお陰で手間が省けた。

 

金髪に紫が掛かった女性「まぁ!貴方が例の外来人さんですね!私は聖 白蓮《ひじり びゃくれん》と言います」

 

船長少女「村紗 水蜜《むらさ みなみつ》だよ。よろしくね」

 

白蓮「所で龍騎さんは、妖怪とは仲がよろしいのですか?」

 

聖さんが俺に近づいて問いかけてくる。まぁ、仲は良いと言ったら良いんだろうな。

 

龍騎「そう、ですね...」

 

白蓮「そうですか!実は私は人と妖怪が手を取る世界を目指しているのですよ!どうですか!?龍騎さんも参加なされませんか!?」

 

そう言って聖さんは俺の両手を掴んで目を輝かせながら聞いてくる。えっ?これってもしかして詐欺?

 

水蜜「また始まったよ...」

 

ナズーリン「全く懲りないなぁ...」

 

溜め息付いてるなら助けてくれ...。なんて思ってたら後ろから妖怪の魔力を感じた。俺は振り向くと、背中に変な形をした少女が槍みたいな物で俺を貫こうとした。

 

龍騎「!」

 

俺は横に転がって槍の攻撃を回避する。

 

?「嘘!?今の避けるの!?」

 

龍騎「気が緩んだ所為で魔力が感じられた。其処まできたなら始末するまで姿を隠す事をオススメするぜ」

 

そう言って俺は雷属性を解放させて、急接近する。

 

?「ちっ!人間の癖に!」

 

龍騎「人間を馬鹿にするなよ」

 

謎の少女が持っていた槍を掴み、電気を流すと謎の少女は感電してしまった。

 

?「アバババババババババババババババ!?」

 

一輪「一体何が...」

 

椛「龍騎さんの『属性を操る程度の能力』には火・雷・氷・風・光・闇・無属性の七種類があって、その一つである雷属性はどんなものでも感電させる事が出来るんです」

 

白蓮「どんなものでも...」

 

星「す、凄い...」

 

ナズーリン「なんでも感電出来るとかチートだろ...」

 

水蜜「...まぁこれでぬえが悪戯しなくて済むね」

 

ぬえ?「あ、あがが...」ビクビクッ

 

少しやり過ぎただろうか...。俺が感電させた妖怪は封獣 ぬえ《ほうじゅう ぬえ》と言ってどうやら俺を驚かせる為に槍を使ったらしい。俺じゃなかったら串刺しになってたな...。あれ?その言い方だと人間辞めてるって事だよね?何か悲しくなってきた...。

 

白蓮「本当に申し訳ありません。ぬえがご迷惑を」

 

龍騎「気にしないでください。俺は気にしてないので」

 

白蓮「...それで話しは戻りますが」

 

龍騎「ああ、参加の事ですね...。お誘いの所申し訳ありませんが俺は結構です。俺もやりたい事があるので...」

 

白蓮「そうですか...、その気になれたらいつでも歓迎しますよ」

 

龍騎「...まぁ考えておきます(参加するとは言っていない)」

 

椛「...龍騎さん」

 

椛が俺の袖を掴んで引っ張る。早く行こうって事か。

 

龍騎「あいよ、それじゃあ俺達は失礼します」

 

白蓮「もう行かれるのですか?もう少しゆっくりしていっても...」

 

龍騎「うちのペットがうるさいので」

 

椛「ペットじゃないですって!」

 

椛がツッコミを入れると、聖さんは小さく笑った。

 

白蓮「本当に仲がよろしいのですね」

 

龍騎「...俺の数少ない仲間なので」

 

そして俺は命蓮寺を後にし、椛と買い物をした。昨日まで剣を振ってたから良い休息になった。にしても...、

 

龍騎「...近くね?何で腕に抱きついているの?」

 

椛に腕を組まされてるのだ。いや何で?

 

椛「龍騎さん今日一日付き合ってくれるって言ったじゃないですか。だから夕方になるまで私の我儘に付き合って貰いますからね♪」

 

龍騎「......マジかよ」

 

軽はずみで言うんじゃなかったな...、これじゃあデートじゃないか...。いや、男女がこうしてる訳だからデートか...。それから椛の要望に答えながら俺の休日は体力と金が無くなり一日を終えた。




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第三十九話 お面と琵琶と琴の付喪神

どうもです。

第三十九話です。

それではどうぞ。


とある日の休日の午前中、俺は人里に行われている人形劇を見ている。人形劇をやっているのはアリスで、物語の語り手となりながら器用に人形を操っている。ちなみに今行われてる人形劇の物語は白雪姫である。

 

アリス「こうして、姫と王子は末長く暮らしましたとさ...。おしまい」

 

アリスの終了の一言を言うと、劇を見ていた住民達が一斉に拍手をした。俺も釣られて拍手する、凄いな...、一人でやってるんだろあれ。

 

劇が終了すると、住民達はそれぞれの道に歩き始めた。子供だけで無く大人にも絶賛していたから結構アリスの人形劇は人気らしいな。

 

アリス「あら、見に来てくれたの?」

 

龍騎「ああ、何か集まっていたから気になってな。途中から見させて貰った」

 

アリス「どうだったかしら?白雪姫」

 

龍騎「正直すげぇと思った。だって一人でやってるんだろ?大変じゃないか?」

 

アリス「そんな事は無いわ。私が好きでやってる訳だし」

 

やっぱり凄いな...。俺も見習うべきなのだろう。

 

アリス「これからどうするの?午後は確かお面の子が踊るって聞いてたけど」

 

龍騎「お面の子?」

 

初めて聞いた言葉に首を傾げる。お面の子って誰だ?

 

アリス「お面で表情を表す女の子が午後から踊るのよ」

 

お面を使って表情を、か...。

 

龍騎「...そうだな。見てみるか」

 

アリス「なら一緒に見ましょう?私もこれから暇だし」

 

そしてアリスと一緒にお面の子の踊りを見るのであった。

 

筈だった...。

 

 

 

早苗「りゅーくん!」

 

龍騎「ぐへっ!?」

 

いきなり早苗に抱きつかれた。変な声を上げてしまったが倒れないように踏みとどまる。

 

龍騎「あ、危ねぇだろ...」

 

アリス「何で貴女が此処に居るのよ...」

 

早苗「買い物に来たんですよ。そしたらりゅーくんが居たから抱きつきました!」

 

龍騎「別に抱きつく必要ないだろ...」

 

やれやれ、と溜め息を吐きながら頭を掻く。するとまた人の集まりを見つけた。

 

アリス「どうやら始まりそうね」

 

早苗「何がですか?」

 

龍騎「なんかお面の子が踊るんだと」

 

早苗「ふーん...、りゅーくん折角だから一緒に見よ!」

 

龍騎「一緒に?」

 

早苗「駄目...、かな...」

 

顔を赤くさせて上目遣いで頼む早苗。そんな顔すればOK貰えると思ってる?ってかいつそれを知った?

 

龍騎「...別に断る理由が無いからな。アリスが良いなら俺は良いぞ」

 

アリス「私は構わないわよ」

 

早苗「ありがとーりゅーくん!」

 

アリスの許可を貰えて早苗は再び抱きついてきた。

 

龍騎「わ、分かったから離れろ!色々やばいから!(性的な意味で)」

 

アリス「...確かにやばいわね(周りの視線の意味で)」

 

早苗「えへへ♪」

 

嬉しそうな顔をしてぐりぐりと擦る早苗。

 

龍騎「(辞めて!?もう辞めて!?りゅーくんのライフ(理性)はレッドゾーンよ!?)...ア、アリス助けてくれ。動けない...」

 

アリス「...知らない」プイッ

 

アリスは頬を膨らませてそっぽ向いてしまった。えっ?何で怒ってんの?

 

アリス(何よ、デレデレしちゃって...。そんな事するなら他所でやりなさいよ..!)

 

早苗「もしかしてアリスさん、羨ましいんですかぁ〜?」

 

アリス「なっ!?」

 

ニヤニヤと笑いながら言った早苗の発言にアリスは顔を赤くする。えっ?怒ってた訳じゃないの?

 

アリス「そ、そんな訳無いでしょ!?私はただ周りの視線が痛いから他所でやって欲しいって思ってただけよ!」

 

腕を組んでふん、と勢いよく顔を横に振る。何そのツンデレみたいなやつ可愛い」

 

アリス「っ〜///」

 

早苗「..........そうですか、でもりゅーくんは渡しませんからね。りゅーくんは私のお嫁さんなんですから!」

 

龍騎「勝手に決めるな勝手に」

 

アリス「ふ、ふん!好きにすれば良いじゃない!わ、私には関係ない事だし!」

 

何強がったんだアリスの奴...。

 

すると、手を叩く音が聞こえたのでその方向に向けると先程より多くの人達がいた。どうやらこれから始まるらしいな...。

 

早苗「さっ、りゅーくん行こ!」

 

龍騎「お、おい!手を引っ張るなよ!?」

 

アリス「ま、待ちなさいよ!」

 

 

 

それから早苗に引っ張られて例のお面の子の踊りを見る事になった。人溜まりに向かうと三味線の音色が聞こえる。見える位置まで行くと、二人の少女が琴と琵琶を使って演奏し、ピンク色の髪に少女が扇子を二つ持って踊っていた。

 

アリス「いつ観ても良い踊りねぇ...」

 

龍騎「......」

 

早苗「?どうしたのりゅーくん」

 

龍騎「ん?あ、いや...、別に...」

 

アリス「何か気になる事があるの?」

 

龍騎「...気になると言うか...、勿体無いなって思った」

 

アリス・早苗「「勿体無い?」」

 

そう、俺が思ったのはお面の子が折角良い踊りをしているのに全くの無表情なのだ。アリスの言う通り、頭に着けているお面がちょくちょく変わっているから自分の顔の代わりにお面で表情を表しているのが本当に勿体無いと思った。

 

龍騎「ほら...、あの子普通に可愛いし、踊りも綺麗だけど、...やっぱり顔を使って表情を表した方がもっと良い気がするんだと思う...」

 

アリス「...まぁ言いたい事は分かるけど、仕方ないわよ。あの子付喪神だから」

 

龍騎「ふーん、付喪神か...。......えっ?神様って事?」

 

早苗「ちなみに私も神様なんだよりゅーくん!」ドヤ!

 

龍騎「嘘でしょ...、そんなに偉くなったのか...」

 

まさかの事実に驚愕する俺。だって七年前に離れ離れになった早苗がいつの間にか神様になってんだぜ?驚かない方が無理だ。それから踊りが終わって観客が去って行き、俺達も紛れて帰ろうとすると、誰かに袖を掴まれた。振り向くと、先程踊っていたお面の子だった。その後ろに演奏していた二人も居た。

 

お面の子「お前さっき私の踊り観てただろ」

 

龍騎「え?あ、うん...。所で何の様で?」

 

お面の子「やぁやぁ我こそは秦 こころ《はたの こころ》なるぞ。面霊気だぞ!」

 

龍騎「.....」

 

こころ「......」

 

早苗「......りゅーくん、何か言ってあげて」

 

龍騎「え?俺なの?ってか何て言えば良いんだ?」

 

アリス「......それで?何がしたい訳?」

 

こころ「......こっからどうすれば良いんだ!?」

 

龍騎「知るかっ!自分から言い出したんだろうが!」

 

?「まぁまぁ落ち着いて...、初めて外来人さん。私は九十九 弁々《つくも べんべん》と言います。琵琶の付喪神です」

 

?「私が九十九 八橋《つくも やつはし》だよぉ〜!弁々姉さんの妹で琴の付喪神だよ!」

 

琵琶の付喪神、九十九弁々が礼儀正しく頭を下げて挨拶してるのに対し、妹であり琴の付喪神、九十九八橋は現代っ子みたいな挨拶をしてくる。

 

龍騎「ご丁寧にどうも...、霧影龍騎です」

 

弁々「貴方の事は存じ上げでおります。何でも白狼天狗のストーカー事件を解決した、と...」

 

龍騎「...最終的には大天狗様がとどめを刺したんだ。俺の手柄は一つも無いよ」

 

八橋「それでも凄いよ!人間が妖怪を助けるなんて博麗の巫女でもやらないよ」

 

まぁ霊夢の場合容赦無いからなぁ...、特に妖怪に対して。

 

早苗「りゅーくんどう言う事!?椛さんのストーカーって!?」

 

アリス「私も気になるわね。話して貰えるかしら?」

 

龍騎「アリスなら兎も角...、早苗は知らなかったのか...、まぁ良いけど」

 

俺は素直に椛の事を説明した。

 

アリス「そんな事が...(通りでぐいぐい攻めてる訳か...)」

 

早苗(まさかとは思ってたけど...、椛さんまでりゅーくんの事が...)グヌヌ

 

八橋「良いなぁあの白狼天狗。羨ましいよ」

 

弁々「貴方は他の人間とは違う優しさの持ち主なんですね」

 

龍騎「そんな事は無い...。ただの自己満足で動いただけだ」

 

アリス「それにしては結構勇敢に立ち向かうじゃない。だから椛が好きになるのよ」

 

早苗「やっぱり其処は変わってないんだね、りゅーくん」

 

龍騎「.....」

 

変わってない、か...。なら俺は変われるのだろうか...。

 

こころ「よく分からんがお前が偉い事をしたのは分かったぞ!」

 

龍騎「分からないんじゃ分からなくて良いよ...」

 

こころ「そんなお前に私のお面をくれてやる!受け取れ!」

 

そう言ってこころは俺にあるお面を渡した。それは...、

 

龍騎(...なんでム◯ュ◯?)

 

それは某人気ゲームに登場するお面であった。いや何で持ってんだよ、災い起こす気か。

 

こころ「それかこれもくれてやろう!遠慮するな!」

 

そう言って石◯面やら虚◯状態の仮面やら次々に渡してくる。こんなにあってもな...。

 

龍騎「な、なんかありがとな...。こんなに貰っちゃって...」

 

こころ「うむ、他にもまだあるぞ?」

 

そう言ってまた新たなお面を取り出した。どんだけ持ってるんだよ...、あと何処から取り出した?

 

龍騎「いや、良いです...」

 

そう言って試しにム◯ュ◯の仮面を着けてみる。数秒経ってもうんともすんとも言わず、何の変哲も無いただのお面である事が分かった。そして早苗が石◯面を貸して欲しいと言ってきたので、貸すと直ぐに付けて、

 

早苗「俺は人間を止めるぞ!ジ◯ジ◯ーーー!」

 

と、懐かしいネタを使ってきた。やると思ったよこんちくしょう。それからあれこれお面を付けては皆んなで笑ったりしていた。

 

 

 

 

 

?「ふふふ、良い所に人間達が固まってる...」

 

龍騎達から少し離れた所に、傘を持った少女が物陰に隠れて笑みを浮かべていた。

 

傘の少女「最近、驚かせてないから良い獲物ね...。ふふふ、これから驚かせるとなるとワクワクするわ...」

 

そして傘の少女は足音を立てないように、慎重に龍騎達の元へ近づいていく。

 

傘の少女(さぁ、驚きなさい...!)

 

そして、傘の少女は龍騎の後ろへやって来た。そして、

 

傘の少女「う〜ら〜め〜し〜や〜」

 

龍騎を驚かせに行ったのだが...、

 

龍騎「ん?」⇦般若(高クオリティー)の仮面装着

 

傘の少女「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

 

逆に龍騎(の着けていた仮面)に驚いてしまい、絶叫を上げた後、気絶してしまった。

 

傘の少女「」チーン

 

 

 

 

龍騎「......こいつは何がしたかったんだ?」

 

早苗「驚かしに来たんじゃないかな...。それで失敗したんだと思う...」

 

アリス「...取り敢えず運びましょう」

 

それから傘の少女をアリスと早苗達に任せて、俺はこころに一日中、お面の着けてはまた別のお面を着けさせられての連続だった。

 

龍騎(まぁ、可愛いからいっか)

 

そんな事思いながらこころの相手をしていた。




いかがでしたか?

投稿ペースが遅くなっていますが、未完で終わらせるつもりは無いのでこれからもよろしくお願いします。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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第四十話 お料理教室

どうもです。

第四十話です。

それではどうぞ。


ちゅんちゅん、と小鳥の鳴き声が聞こえ、重い瞼を無理矢理にでも開けて身体を起こす。最近、仕事尽くしだった為疲れが取れず、肩の凝り、目の疲れが最近の悩みである。

 

龍騎「あいつらは.......、まだ寝てるのか...ん?」

 

周囲を確認していると、何故か俺の布団に謎の膨らみがあった。気になって布団を捲ると、見知らぬ少女が寝息を立てながら眠っていた。

 

龍騎「...?......!?.........!!??」

 

思わず二度目をしてしまい、目を擦って確認しても知らない少女であった。

 

えっ?何?泥棒?この娘が?うっそだーだって戸締りちゃんとしてたよ?

 

見知らぬ少女「う、う〜ん...、あれ?此処は何処?」

 

龍騎「よう不法侵入者」

 

それから少女の事情聴取を行った、ちゃんと朝飯を提供して。それで分かった事は彼女は古明地 こいし《こめいじ こいし》地下にある地霊殿《ちれいでん》に住んでるらしい。どうやらこいしには姉がいて、もう直ぐ誕生日らしいのでプレゼントを買いに行く為に地上にやって来た。やって来れたのは良いが、久しぶりに地上に来た為、道を迷ってしまい気がつけば夜になっていたとの事。そして俺の家を見つけて窓に入ってきて俺の布団で寝た...、との事。

 

...網戸にした状態で寝るんじゃ無かった......。

 

龍騎「...んで?お目当ての物は買えた訳?」

 

こいし「ううん、お姉ちゃん何が好きなのか分からないんだ。いつも『気持ちだけで嬉しい』って言ってたから」

 

龍騎「...成程、中々欲張らないタイプか」

 

女苑「あんたにそっくりね」

 

紫苑「意外と馬が合ったりして」

 

龍騎「無い無い、第一、言葉で判断しちゃいけないんだよ」

 

こいし「?どういう事?」

 

龍騎「仮にだぞ?仮にお前からプレゼントをあげるとするだろ?貰って一人になった瞬間はっちゃける可能性がある。ソースは俺」

 

小学五年の時、放課後に早苗の家に連れてかれてバレンタインでカップケーキをご馳走して貰った時、トイレに行くって言って中に入った瞬間嬉し涙を少し流した記憶がある。

 

紫苑「ソースって何?ウスターソース?」

 

龍騎「決して調味料の事じゃないからな」

 

 

 

 

 

 

 

龍騎「ってな感じなんだけどどうしたら良い?」

 

レミリア「態々私に聞く?それ」

 

紅魔館のバイトをしてる時にレミリアに相談という形でこいしの事を説明した。説明し終えるとレミリアはガクッと肩を落とし、はぁ、と溜め息をついた。

 

レミリア「期待して損した...」

 

龍騎「お前は何を望んでいたんだよ...」

 

レミリアは紅茶を一口飲むと、カップをテーブルの上に置き、こいしに視線を向ける。

 

レミリア「それで?そのプレゼントは何渡すか決めてないのよね何渡す気かしら?」

 

こいし「うーん...、まだ分からないんだよね。プレゼントとかするのはあんまり無いし」

 

龍騎「お前以外にプレゼントあげる奴はいるのか?」

 

こいし「えっとね...、お燐がマグカップで、お空が掌サイズの人形にするとか...」

 

なら被らない方が良いな...。しかし、こう言うのに限って俺は何にも協力出来ない。何でったってセンスが無いからな。

 

レミリア「...思い切って料理してみたら?」

 

こいし「料理?」

 

レミリア「えぇ、貴女料理は出来るの?」

 

こいし「いや...、した事がないよ」

 

レミリア「なら龍騎に教わりなさい。彼は家事全般出来るからか美味しい料理の一つや二つは出来るわよ」

 

龍騎「大袈裟だ。それにお前は料理出来るのかよ」

 

レミリア「あら、馬鹿にしてるの?私にだって出来るわよ」

 

龍騎「ほぅ、じゃあ何が出来るんだ?」

 

レミリア「えっと...、まずカレーでしょ?それとラーメンにパスタ...」

 

龍騎「絶対レトルトカレーだよな?ラーメンに関してはインスタントかカップ麺だろ?」

 

レミリア「......どうして分かったの?」

 

だって...、ねぇ...。

 

龍騎「お前(レミリア)が出来るとは思えないし」

 

レミリア「ぐふっ!」

 

龍騎「ってか一回お前俺に食わせて殺しかけたろ」

 

レミリア「ごふっ!」

 

龍騎「その時俺は決心した.....、二度とお前に料理させないってな!」

 

レミリア「がはっ!」

 

レミリアは椅子と共に倒れてしまい、プルプルと腕を震えながらテーブルに手を置く。レミリアに殺されかけたのはパチュリーに本を貰う前の日にレミリアが料理をすると言ってきたのでお言葉に甘えたのだが、食べた後の記憶が全く無かった...。なので俺はレミリア料理禁止令を心の中で発令したのだ。

 

レミリア「いっ、言ってくれるじゃない...、喧嘩売ってるなら買うわよ...」

 

龍騎「言っとくけど紅魔館の中で料理出来ないのお前だけだからな?」

 

レミリア「ゑっ?」

 

レミリアは絶望した顔で固まってしまった。これはレアだな、SSRか星5レベルの価値だ携帯あげるんじゃなかった。

 

レミリア「う、嘘よね...、パチェは兎も角フランが料理してるの...?」

 

龍騎「そりゃ午後の時間はフランと居る時間が多いからな。料理の一つや二つは出来るぞ?主にデザート系だが」

 

レミリア「ば、馬鹿な...、親友だけでなく妹にも先を越されるなんて...」

 

レミリアは椅子の上で三角座りして頭を抱えながらう〜⭐︎と唸ってしまった。落ち込み過ぎだろ...。

 

レミリア「龍騎!料理を教えなさい!これは命令よ!」

 

龍騎「そんな事で命令使うなよ...、俺じゃなくて咲夜さんに頼めば良いだろ!」

 

レミリア「良いじゃない別に!ここだけの話だけど咲夜より龍騎の料理が美味しいんだもん!」

 

龍騎「何がだもん!だよ!?あとちゃっかり咲夜さんの事ディスるなよ!?」

 

レミリアの我儘に頭を抱える。こいつ本当に吸血鬼かよ...。

 

レミリア「お願い!フランに負けてるとなると黙っている訳には居られないのよ!?」

 

龍騎「素直にそう言えば良いだろ...、あ、もうフランの面倒見ないと...」

 

レミリア「お願いしますお願いしますお願いしますお願いしますしますお願いしますしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますしますお願いしますしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますしますお願いますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いします......」

 

龍騎(こ、壊れた...)

 

プライドを捨てたのかひたすら同じ言葉を連呼するレミリアに俺は呆れるしかなかった。こいしは少し顔を引き攣って俺の後ろに立つ。はぁ...、仕方ない...。

 

 

 

 

 

 

龍騎「という訳で、『第一回お料理教室』を行いま〜す」

 

台所の天井に『第一回お料理教室』と書かれた看板をぶら下げて、俺とこい、レミリアはエプロン姿で台所に立っていた。こいしはいえーい、と言ってやる気に満ち溢れている。

 

レミリア「ふん、ようやくね。待ちくたびれたわ」

 

龍騎「レミリアは一人で出来るみたいだからこいしはマンツーマンでやろうか!」

 

こいし「はーい!」

 

レミリア「すみません調子乗りました私にも教えて下さい」

 

そして俺達は早速、料理をする事にした。

 

龍騎「今回作るのはこいしの姉貴にプレゼントするクッキーです」

 

そう言って俺はテーブルの上に絵が書いてある(絵画力皆無)ボードを二人に見せて説明する。

 

龍騎「まぁ、俺の口では説明しても分からないから身体で覚えろって事で早速やってみるか」

 

レミリア「ボードの意味ある?」

 

龍騎「こんな感じで作るよー的な感じで作った」

 

レミリア「......まぁ良いわ」

 

そしてクッキー作りを始めた。まず生地を作る為にバターを練る。

 

こいし「んしょ...、んしょ...」

 

龍騎「焦らなくて良いからゆっくりやろう...、レミリアは大丈夫か?」

 

レミリア「...何とか」

 

どうやらレミリアも順調のようだ。そして粉砂糖、塩、ほぐした卵を加えて混ぜる。

 

こいし「腕が疲れてきた...」

 

レミリア「ふぅ、こんな感じかしら...」

 

お互い第一ステップは完了だな。そして第二ステップに移る。次は薄力粉を加えて、切るように混ぜ、そぼろ状になってきたらボウルに押し付けるように混ぜて生地をまとめるのだが...、

 

レミリア「ああああ〜!?入れ過ぎたぁ〜!?」

 

レミリアが薄力粉を入れ過ぎたようだ。お陰様でボウルの中は白い粉でいっぱいだった。こいしは慎重派なのかちゃんと薄力粉を入れる事が出来た。

 

龍騎「...誰かやると思った」

 

そしてレミリアのクッキーは作り直しになった。

 

 

龍騎「よーし、次は生地を平たく伸ばして冷蔵庫で休ませるぞ。そしたら少し休憩しよう」

 

こいし「?どうして休ませるの?」

 

こいしが質問してきたので俺は当たり前のように答える。

 

龍騎「焼く時に生地が固くなったり縮んだりするからな」

 

レミリア「流石ね...、そんな事も知ってたのね」

 

伊達に一人暮らししてた訳じゃないからな。それから少し紅茶を飲んで休憩をし、休憩を終えると冷蔵庫から二人の生地を取り出し、生地を伸ばして再び冷蔵庫へボッシュートして冷やし固まったら型抜きをする。

 

こいし「ん〜、どれが良いかな〜」

 

こいしは型抜きを選んでる間に、レミリアは適当に型抜きを選んでは楽しそうに型抜きしていく。

 

龍騎(子供だなぁ...)

 

そしてこいしも型抜きを済ませて、オーブンで焼いていく。十数分後、二人のクッキーが完成した。

 

こいし「わぁ〜!美味しそう〜!」

 

こいしのクッキーは丁度いい焼き具合のクッキーだった。それに対してレミリアは...、

 

レミリア「何で真っ黒なのよ!?」

 

何故か木炭と化していた...。オーブンの温度を確認してみると、こいしが使っていた倍の温度に設定されていた。それは焦げる訳だ...。

 

龍騎「...レミリア、お前補習な」

 

レミリア「」

 

レミリアはクッキーとは反対に真っ白になってしまった。当然だ、あんな物食える訳がない(無慈悲)

 

龍騎「そういえば、姉貴の誕生日はいつなんだ?」

 

こいし「えっとね...、一週間後かな?」

 

一週間か...。

 

龍騎「なら三日間クッキー作りの練習して、四日目にテストしよう。合格できたら姉貴に渡すって事で」

 

こいし「うん!」

 

そして俺とこいしは真っ白のまま固まったレミリアを放置して台所を後にした。そしてこいしを帰った後、レミリアの補習(三時間)を行い、それ以降レミリアは料理する時は慎重になってしまった。

 後日、レミリアの手作りクッキー(木炭)を食った紅魔館組全員が意識を失ったのはまた別の話し...。

 




いかがでしたか?

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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第四十一話 姉をたずねて

どうもです。

第四十一話です。

それではどうぞ。


こいし「.....」

 

レミリア「......」

 

こいし、レミリアの為のお料理教室を開いて四日目、二人は自分のクッキーを焼いているオープンと睨めっこしていた。数分後、チーン、と出来上がった音が鳴り、二人は同時にオーブンの蓋を開けて自分のクッキーを見る。

 

龍騎「見た目はよし、後は...」

 

肝心の味だ...。だが、二人の腕は上がってきている。大丈夫な筈だ。まずはこいしのクッキーを一つ取り、口に入れる。

 

龍騎「......」

 

こいし「...どう、かな?」

 

龍騎「...うまい」

 

こいし「!じゃあ!」

 

龍騎「ああ、合格だ」

 

わーい!と喜ぶこいし、良く頑張ったぞと一声言って俺はこいしの頭を撫でる。

 

レミリア「...つ、次は私の番ね」

 

そう言ってレミリアは俺にクッキーを差し出す。俺はクッキーを受け取り口に入れる。

 

龍騎「......」

 

レミリア「......」

 

龍騎「...おまけだな」

 

レミリア「は?」

 

予想外の言葉にレミリアは口を開いたまま固まってしまった。

 

レミリア「お、おまけってどう言う事よ!?」

 

龍騎「少し砂糖入れ過ぎ、甘党な俺でも流石にちょっとキツい」

 

レミリア「うぅ...、貴方が甘い物好きだからいつもより多く入れたつもりだったのに...」

 

そう言ってレミリアは俯いてしまった。

 

龍騎「...お気遣いどうも。でもな、やっと基礎が出来たんだからもっと上手くなってからアレンジしろ。誰だって上手くいかねぇんだよ、だから落ち込むなもっと練習すれば咲夜さんみたいな料理が出来るぞ」

 

レミリア「...そう言って貰えると助かるわ。勉強になったわ」

 

そう言ってレミリアは微笑む。俺も少し笑って返す。そして、完成したこいしのクッキーをラッピングして『お誕生日おめでとう!』と紙を文字を書く。

 

こいし「完成〜!」

 

龍騎「これで姉貴も喜ぶだろ」

 

レミリア「なんてたって自分の妹が作った物だからね。喜ばない方がおかしいわ」

 

こいし「ありがとうお兄さん!」

 

龍騎「気にするな、俺は気にしない」

 

レミリア「さて、ならもう地下に行くのね」

 

こいし「うん、お姉ちゃんも心配してるだろうし」

 

レミリア「それもそうね。龍騎、迎えに行ってあげなさい」

 

龍騎「良いけど...、地下なんて言った事が無いから分からんのだが...」

 

こいし「私が案内するよ。クッキー教えて貰ったお礼で!」

 

龍騎「...分かった、着替えてくるから門で待っててくれ」

 

そう言って俺は部屋に戻り、いつもの服に着替えて、剣を背中に掛けて門に向かう。

 

龍騎「よう、おまたせ」

 

フラン「あ、お兄様!何処か行くの?」

 

外で遊んでたフランが声を掛けてきた。

 

龍騎「ああ、ちょっと外に出てくるから待ってろ」

 

フラン「もしかしてこいしちゃんの事?」

 

龍騎「そうだけど...、知り合いか?」

 

フラン「うん!さっきお友達になったんだ!ねぇ〜!」

 

こいし「ねぇ〜!」

 

俺の後ろからこいしが現れた。めっちゃビックリした...。魔力が感じられなかった...。

 

こいし「お兄さんビックリしたでしょ?私は『無意識を操る程度の能力』を持ってるんだよ」

 

龍騎「無意識...?」

 

うーん、と考えたが考えるのはよそう。日が暮れてしまう...。

 

龍騎「んじゃ行ってくるわ。留守番よろしく」

 

フラン「いってらしゃーい!」

 

こいし「バイバイフランちゃん!」

 

フランとこいしは手を振って別れを告げる。暫く歩いていると女性の叫び声が聞こえたが気にしない。

 

 

 

 

 

 

こいし「此処が地下に続く洞窟だよ」

 

龍騎「はぇ〜、すっごい大きい」

 

俺はこいしに案内されて大きな洞窟の穴に声を上げてしまった。いや割とでかいぞこの洞窟。

 

こいし「それじゃあ地底へごあんな〜い!」

 

龍騎「おっすお願いしまーす」

 

そう言って俺達は洞窟の中へ足を運んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「......行ったか?」

 

「ああ、行ったな......。はぁ...、何で俺達がこんな仕事しないと行けないんだが...」

 

「文句言うなよ、あのお方の命令なんだから...、俺だって今日は休日なのにいきなり面倒事に付き合わされてるんだぜ?」

 

「全く俺達の扱いが酷すぎるぜ...、何で俺達なんだよ...」

 

「仕方ないだろ...、お前の力が無いと出来ない仕事なんだからさ...。これ終わったら奢ってやるからさ、な?」

 

「...なら、さっさと終わらようぜ。確かあの男の()()調()()()んだったよな?」

 

「ああ、何でもこの下には鬼がうじゃうじゃいるらしいからな。戦闘は避けられるとは思えないし」

 

「そうだな...、おっとこうしちゃいられねぇ、早く追いかけようぜ」

 

「おう」

 

謎の男二人組は龍騎の後に着いて行った。勿論、龍騎はその事には気づかずに......。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍騎「結構降りてきてるけど...、まだまだなのか?」

 

こいし「うん、大分下の方だからね」

 

洞窟に入って数十分、ひたすら真っ暗な景色が続く中、俺達は休む事なく歩き続ける。

 

龍騎「...ん?」

 

俺はある看板を見つけた。其処には『頭上注意!!』と書かれてあった。

 

龍騎「なぁこいし...、これってどう言う事だ?」

 

こいし「うん?あーそれ?それはね...」

 

ヒュー......、ガンッ!

 

龍騎「がっ!?」

 

こいし「侵入者防止の為にキスメちゃんが落っこちて来るから気をつけてって事だよ」

 

龍騎「っ〜〜!それ早くってくれよ...」

 

キスメ?「(b`・ω・´)=o」⇦桶に入った状態でファイティングポーズ

 

こいし「キスメちゃん大丈夫だよ。このお兄さんは私のお客さんなの?」

 

キスメ?「(´・ω・)?」マジデ?

 

龍騎「...いきなり入ってきてすまなかった...。まぁそう言う事だ」

 

こいし「ところでお兄さん、頭大丈夫?」

 

龍騎「ああ、こう見えて頭の硬さには自信がある」

 

キスメ?「m(。≧ _ ≦。)m」ス、スミマセン!

 

龍騎「(この子喋れないのか...?)気にするな、俺は気にしない」

 

こいし「お兄さん、紹介するね。この子は『キスメ』ちゃんで釣瓶落としなんだよ」

 

龍騎「成程...、霧影龍騎だ。宜しく」

 

キスメ「(`・ω・´)ゞ」ヨロシクデス!

 

龍騎「んじゃ、警備?頑張れよ」

 

キスメ「(`・ω・´)b」マカセテクダサイ!

 

キスメと別れて再び歩き始める。そして橋が見えて来た。其処には一人の女性が立っていた。

 

?「あら?貴女が男を連れてくるなんて珍しいじゃない。それに人間...、妬ましいわね...」

 

妬ましい?何処に妬ましい要素あるの?

 

こいし「何〜?羨ましいの〜?」

 

?「そ、そんな訳ないわよ!妬ましい...!それより貴方名前は?」

 

龍騎「...その前に自分から名乗るんじゃないのか?」

 

?「ふん、...水橋 パルスィ《みずはし ぱるしぃ》よ」

 

龍騎「霧影龍騎だ...、んで?妬ましいってどう言う事だ?」

 

こいし「パルスィはね、『嫉妬心を操る程度の能力』を持ってるの」

 

...つまり口癖で良いのかな?

 

龍騎「まぁ良いや、取り敢えず通させて貰えないか?地霊殿に行きたいんだが...」

 

パルスィ「地霊殿?...ああ、そういやあの子誕生日か...。まぁ良いわ、それよりも貴方行き方分かるの?」

 

龍騎「こいしが居るから大丈夫だろ、多分」

 

パルスィ「多分って...、なんか心配になって来た、私も行くわ。ついでに買い物もしないといけないし」

 

そう言ってパルスィも着いて行く事になった。橋を渡り終えると辺りが明るくなり、声が聞こえ始めた。

 

龍騎「!此処は...」

 

パルスィ「ようこそ、地底の都、旧都へ」

 

俺は辺りを見渡すと、先程の真っ暗な洞窟の中とは違い、一気に賑やかになった。

 

パルスィ「そういえば、貴方何処まで地底の事知ってるの?」

 

龍騎「あ?ねぇよそんなもん」

 

パルスィ「は?」

 

パルスィが『こいつマジで言ってるの?』って顔を問い返して来た。いやマジで知らないんだが...。

 

パルスィ「...此処は気味悪い妖怪達の集まり場よ?なんとも思わないの?」

 

龍騎「別に...、ぶっちゃけどうでも良い」

 

パルスィ「!?どうでも良いって...、普通なら距離置くわよ」

 

龍騎「それは他人の場合だろ?俺は別に気にしないし他人と一緒にしないで欲しい。俺がどう思おうが俺の勝手だろ?それに俺はお前達を気味悪いなんて思ってないし」

 

パルスィ「......貴方って変わってるわね」

 

龍騎「お前らが変わり者なだけだろ」

 

こいし(......お兄さん、本当に優しい人だな...、これならお姉ちゃんもきっと...きゃ!」

 

そんな事話しながら歩いていると、こいしが誰かとぶつかった。俺とパルスィはこいしの方へ向くと、俺より身長が高い鬼が立っていた。

 

鬼「てめぇ何処見て歩いてやがる!?」

 

こいし「!?ご、ごめんなさい...」

 

鬼「ん?こいつよく見たらあの悟り妖怪の妹じゃねぇか。こんな所で出歩くとはな」

 

こいし「......」

 

こいしは身体を震えながら固まってしまった。これはヤバい...。

 

鬼「...?なんだこれ?」

 

鬼はある物を拾い上げだ。それは先程紅魔館で完成したこいしの手作りクッキーだった。鬼は袋を開封し一枚口に入れる。

 

こいし「!?辞めて!それはお姉ちゃんの!」

 

鬼「かぁ〜〜あっまっ!?なんだこれ!?不味すぎるわ!」

 

そう言って鬼は袋を握りつぶした。

 

こいし「!?」

 

パルスィ「...っ!」

 

龍騎「......」

 

鬼は握りつぶしたクッキーの袋を地面に捨てて、足でぐしゃぐしゃと踏み潰していく。粉々になったクッキーを蹴飛ばし、こいしは回収しに行く。

 

こいし「...折角、頑張って作ったのに...、お姉ちゃんの...プレゼントが...」ボロポロ

 

鬼「あ?プレゼント?あんな奴にプレゼントなんてやるとかテメェらふざけてんのか!?」

 

パルスィ「あんたねぇ...、これ以上言うとタダじゃおかいわよ!」

 

鬼「なんだ?俺とやるってのか?良いぜ相手になってやるよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

......................い

 

 

 

.................ない

 

 

 

...ゆ.......ない

 

 

 

     絶対に許さないっ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

龍騎「......てめぇだけは...、絶対に...、絶対に...、絶対に許さねぇ!!」ギロッ

 

俺の怒りが頂点を超えて、無意識に魔力と霊力を解放する。鬼とパルスィは俺の圧に驚いている。

 

龍騎「てめぇはもう謝っても許さねぇからな...!地獄に落ちる準備は出来てるんだろうなぁ!」ギロッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おいおいこれはヤバいんじゃないか!?」

 

「ああ...、まさかあんな力があったなんて...。でもこれはチャンスなんじゃないか?」

 

「あ、そうか!俺達はあの男の力の調査しに来たんだった!これは絶好のチャンスだぞぉ!」

 

「そうと決まれば早速データ採取だ!」

 

そう言って男の一人はカメラを龍騎に向けて撮影を始めた。一体彼らは何の為に龍騎の力を調査しているのか...。それはまだ先の話し......。




いかがでしたか?

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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第四十二話 人間 対 鬼

どうもです。

やっと中盤...、かな?まだ分かりませんが第四十二話です。

それではどうぞ。


鬼「......」

 

パルスィ「あ、貴方...」

 

俺は鬼を睨みつけると、鬼はニヤけて笑い始めた。

 

鬼「く、くくく...、あははははは!!地獄に落ちるだぁ?人間の癖に生意気言うじゃ『おらぁ!!』ぐはっ!?」

 

鬼が発言してる途中に俺は鬼の腹を目掛けて拳を放った。鬼は腹を押さえて俺に睨みつける。

 

鬼「てめぇ、人間の癖に!」

 

龍騎「...来いよ、相手になってやる」ギロッ

 

鬼「っ!?調子に乗るなぁ!!」

 

遂にキレた鬼が俺に向かってくる。俺は剣を抜き、火属性を解放させる。

 

鬼「おらっ!」

 

鬼が力強い拳を振ると、俺は拳か顔ギリギリまで待ち、瞬時にしゃがみ、剣をアッパーカットのように斬りあげる。

 

龍騎「でりゃぁ!!」

 

鬼「がっ!?」

 

斬りあげて直ぐに火属性から風属性に切り替え、鬼を斬り払い吹っ飛ばす。壁まで吹っ飛ばされた鬼は何事も無かったかのように元の位置に戻ってくる。

 

鬼「人間にしては中々やるじゃねぇか。少しは効いたぜ」

 

ボキボキと骨を鳴らしながら俺に近づいてくる鬼、俺はまた火属性を解放させて構える。

 

鬼「速さは文句無しと言ったところか...、だがな!」

 

鬼は一気に距離を詰めて来た。俺は剣で防ごうとする。

 

鬼「パワー()が足りないんだよ!」

 

龍騎「っ!?ぐわっ!」

 

とんでもない拳の力に負けて吹き飛ばされてしまった。壁にぶつかり、その衝撃で岩が落ちて来た。

 

龍騎「やべっ!?...っ!?」

 

脱出しようと思ったが、腕が壁に埋まってしまい脱出不可能になってしまった。そしてそのまま俺は下敷きにされた。

 

 

 

 

 

 

鬼「ふん、所詮はただの人間、無様なもんだ」

 

こいし「あ、ああ...」

 

パルスィ「......こいつ!」

 

鬼「さて...、次はお前が相手になるのか?お嬢ちゃん?」

 

パルスィ「...貴女は下がってなさい。私が相手するわ」

 

こいし「!?で、でも...」

 

パルスィ「大丈夫よ、貴女はあの男の所に行って」

 

こいしは涙目になりながら龍騎の元へ駆けつける。

 

鬼「一度はお前とはやりあってみたかったんだ...、どんなものか見させてもらうぜ」

 

パルスィ「全く、妬ましいったらありゃしない...」

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

 

パルスィ・鬼「「!?」」

 

お互い睨み合う中、突然、地震が発生した。そして岩が落下した時点に衝撃波が起こり、積み重なっていた岩があちらこちらへ飛び散った。

 

龍騎「...おいおい、まだ俺は負けを認めた訳じゃねぇぞ?続きと行こうじゃねぇか」

 

龍騎が血を流してそう言い、鬼に睨みつける。

 

鬼「......あれでくたばらないとは中々の耐久力だな」

 

パルスィ「でもどうして...、骨の一本か二本は折れてもおかしくないのに...」

 

龍騎「これだよこれ」

 

龍騎は左手首に付けてる腕輪を指さした。

 

龍騎「どうやらこいつはマジックアイテムみたいだな。岩が落ちてくる時に俺は身を守るイメージをしたらこいつから四角い結界を張ったんだ」

 

パルスィ「その腕輪にそんなものがあったなんて...、妬ましい...」

 

龍騎(ありがとう小悪魔さん...、お陰でまだ戦える!)

 

鬼「ふん、アイテムだがなんだか知らんが次こそは確実に仕留める!奇跡が起こるとおもうなよ!」

 

そう言って鬼は再び龍騎の元へ距離を詰める。

 

龍騎「...同じ手はもう使えない、ならば!」

 

鬼「おらっ!」

 

鬼はもう一度龍騎に力強い拳を放つ。そして龍騎は火属性を解放して先程と同じように鬼の拳をしゃがんで避ける。

 

鬼「あめぇんだよ!!」

 

そう言って鬼は回し蹴りをするが、

 

龍騎「お前の行動パターンは見えているんだよ!!」

 

身体を限界まで縮こませて足をくぐるように足蹴りを避ける。

 

鬼「なっ!?」

 

龍騎「ここだぁ!」

 

鬼「...そうくるとおもったぜ!」

 

鬼は回し蹴りをした時に発生した遠心力を利用して裏拳を放とうとするが、

 

龍騎「それも予測済みだ!」

 

龍騎は剣で裏拳を防ぐ。

 

鬼「!?ば、馬鹿な!?」

 

龍騎「言った筈だ、お前の行動パターンは見えてるってな」

 

鬼「っ!ちぃ!」

 

鬼は後ろ回し蹴りをするが、龍騎は大きくジャンプする。そして身体を思いっきり斜めに傾けて回し、少しずつ回転速度を上げて行く。

 

鬼「させるかよ!」

 

鬼もすぐさまジャンプして龍騎を殴りかかろうとする。龍騎は炎の纏った剣が高速回転により一つの火の輪っかが出来た。

 

龍騎「火剣『炎円斬」

 

龍騎は剣を一振りすると、円盤カッターのような火の輪っかを鬼に向けて射出した。鬼は意外な技に混乱したが火の輪っかを両手で受け止める。

 

鬼「ぐっ、なんてパワーだ...。あんな奴にこれ程の力があったとは...!」

 

龍騎「まだ終わりじゃねぇ!」

 

鬼「!?」

 

円盤カッターを投げ飛ばした鬼だが龍騎の声に反応すると、物凄いスピードで接近して来ていた。

 

龍騎「てめぇだけは絶対に...、負けねぇ!」

 

龍騎は残りの魔力、霊力を全て剣に注ぎ、重い一撃を放つ。

 

龍騎「火剣『煉獄火炎斬」

 

龍騎は鬼に無数に斬りつけ、最後の一撃を鬼の首に目掛けて斬りかかる。が、剣が鬼の首に触れる直前に、剣を90度に回転させてビンタする感じで鬼を吹っ飛ばした。が、

 

龍騎「やべっ、身体が動かねぇ(諦観)」

 

魔力と霊力を使い果たした龍騎はそのまま地面に落ちてしまった。

 

龍騎「い"っ!?〜〜っ!」

 

不時着したものの、龍騎は無事だった。剣を鞘に納めようとするが手に激痛が走り、剣を落としてしまう。

 

龍騎「...くそっ、痛くて取れねぇ...」

 

鬼「まだ...、終わってないぞ...!」

 

剣を取ろうとした時に鬼が左腕を押さえて近づいて来た。

 

龍騎「分かってはいたけど...、そんなにしつこいと嫌われるぞ?」

 

鬼「まだ終わらん...、どちらかが倒れるまで...、勝負は終わらん!」

 

血を流しているにも関わらず、鬼は再び闘志を燃やす。

 

龍騎(どうする...、右手は使えねぇし、だからと言って左手と足だけじゃ無理だ...、どうする?)

 

ーーーなら俺の力を使え。

 

龍騎(!?お前!?)

 

ーーー少しお前に力を分けてやる。後は自分で何とかしろ。

 

龍騎?が言い終えると、龍騎の左手から力が溢れ出す。

 

龍騎(...サンキュー、恩に切る)

 

鬼「行くぞ人間!」

 

鬼が最後の力を振り絞り、龍騎に迫る。

 

龍騎「あいつ(二重人格)に貰った力に賭けて、お前に勝つ!」

 

龍騎は左手に真っ黒なモヤを放つ。

 

鬼「俺の勝ちだ!」

 

鬼は右手に拳を作り、龍騎の顔に目掛けて拳を放つ。

 

龍騎「...!」

 

しかし、龍騎は拳を避けず、逆に拳をくらった。鬼も思わず顔をニヤける...、が。

 

龍騎「......少しは効いたぜ」

 

鬼「なっ!?」

 

龍騎「此処で吹っ飛ばさなかったのがお前の敗因だ...!」

 

龍騎は体制を低くして、左手の第一関節と第二関節を90度に曲げ、掌底打ちのように鬼の腹部に目掛けて放つ。

 

龍騎「暗黒拳『ブラックバンカー』!!」

 

腹部に当てた瞬間、衝撃波が発生し鬼は口から血を吐きながら吹っ飛ばされた。

 

龍騎「はぁ...、はぁ...、うっ...!」

 

龍騎は左手を押さえて倒れてしまった。技の反動が大きかった所為か左手が耐えきれずピキピキ、と音が鳴っていたのだ。

 

龍騎「さ、流石に無理しすぎた...。でもこれなら...」

 

鬼「...今までの中で一番効いたぜ、やるじゃねぇか」

 

鬼がふらふらしながら近づいて来た。龍騎は鬼の姿に青ざめた。鬼は龍騎の技に耐えたのだ、後一歩の所で龍騎は敗北したのだ...。

 

龍騎「......負けた...、完敗だ...」

 

鬼「...お前の実力、認めてやる。だが俺には勝てん、出直してこい」

 

龍騎(畜生...、こんなに悔しいと思ったのは初めてだ...、畜生...、ちく、しょ......)

 

そして、龍騎は力尽きてしまった...。

 

 

鬼「......待たせたな、お嬢ちゃん」

 

パルスィ「くっ...(あの男が負けるとは思ってたけど、予想以上の強さだった...。何なのよ全く...)」

 

鬼「さぁ、始めようじゃ『そこまで!』この声は...!」

 

鬼がパルスィに近づくと、一人の女性が止めに入った。それは長い金髪に額には赤い角が一本ついた女性だった。

 

金髪の女性「この勝負は私が預かる。お前はボロボロにも関わらずまたやろうってのかい?」

 

鬼「け、けど姐さん!」

 

金髪の女性「けどもくそもないだろ男の癖にみっともない...。それにお前、私のダチに何かしようってなら...、分かってるな?」ギロッ

 

鬼「ヒィ!?し、しません!?絶対に!」

 

金髪の女性が放った威圧に鬼は背筋を凍らせる。

 

金髪の女性「ならあそこのガキに謝りな、事の発端はお前だろ?」

 

鬼「は、はい!......すまなかった」

 

こいし「...も、もう良いです......。それよりよ...」

 

鬼の謝罪を受け取ったこいしは倒れている龍騎に視線を向ける。

 

金髪の女性「分かってるよ。お前は暫く頭を冷やせ、良いな?」

 

鬼「は、はい...」

 

鬼はボドボドして此処から去って行った。金髪の女性は『さてと...』と言って龍騎を片手で担いだ。

 

パルスィ「ちょ、ちょっと何処へ行く気?」

 

金髪の女性「ん?何って私の家だけど?」

 

こいし「ど、どうして...?」

 

金髪の女性「決まってるだろ?この人間の手当だよ、見た感じ両手をやっちまったみたいだからね」

 

こいし「お兄さん...」

 

パルスィ「......まぁ良いわ、兎に角行きましょう」

 

そう言ってパルスィ達は金髪の女性の家に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鬼「ぐっ、ぐわぁぁぁ!?」

 

鬼友「おいおい暴れるなって」

 

一方その頃、龍騎と戦った鬼は友人の鬼(鬼友)に治療を受けていた。

 

鬼「あの人間...、俺の予想を遥か上だった...。俺を此処まで追い詰めるのはあいつが初めてだ」

 

鬼友「僕だって信じられないよ、男の鬼で一番の君があそこまでボロボロになるなんて...」

 

鬼「あいつは負けたと言っていたが...、今回は俺の負けだな...」

 

鬼友「ん?どう言う事?」

 

鬼の発言に鬼友は首を傾げる。

 

鬼「あいつの一つ一つの攻撃が強かった、最後の一撃を食らった後、身体が妙に重くなってな...。立っているのがやっとなぐらいだ。もしあいつが立ち上がれる力があったら確実に負けていただろう」

 

鬼友「...最近の人間も馬鹿に出来ないね」

 

鬼「そうだな...、正直舐めてた...。去る前に名前聞いとけば良かったな...」

 

そう言って鬼は右手を見つめ、力強く握り締める。

 

鬼「次は今回みたいにはいかんぞ、兄弟」

 

そう言って鬼は龍騎を兄弟と認め、更に龍騎への再戦を心待ちしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい、見たかよ今の...」

 

「ああ...、あれは予想外だったな...。だがこれは良い収穫になったぜ」

 

二人は龍騎と鬼の戦闘を見て感想を言いながら、カメラを持っていた男はニヤリと笑った。

 

「これならあのお方も満足だろうな、さっ、早くずらかろうぜ」

 

「そうだな、『消失結界』!」

 

カメラを持った男が呪文を唱えると、二人の身体は透明になった。

 

「今回はありがとな、付き合って貰って。やっぱりお前の能力は良いよな『姿、気配、足音も消せる』なんて」

 

「そんな事はねぇよ。こう見えて制限時間があるんだぞ」

 

「それは初耳だな...、んじゃ行こうぜ」

 

「おう」

 

こうして二人は歩き出し、地底を後にした...。




いかがでしたか?

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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第四十三話 悟り妖怪と地霊殿

どうもです。

第四十三話です。

ついに二重人格くんの名前を発表します。

それではどうぞ。


龍騎「...汚ねぇ天井だ」

 

目を覚ますと、目の前にある天井を見て思った事を言った。いやマジで汚いんだって、木造建築なのか天井がカビだらけだし少し穴が空いている。そして自分の身体に違和感を感じ、確認すると上半身に包帯が巻かれていた。

 

龍騎「...ってか今何時だ?」

 

俺は時計を探していると、いきなり襖が開いて、金髪に頭に一本の角がついた女性が現れた。

 

金髪の女性「お、ようやくお目覚めかい?」

 

龍騎「あ、貴女は...」

 

金髪の女性「私は星熊 勇儀《ほしぐま ゆうぎ》あんたが戦った鬼の先輩だ。あの時は悪かったねうちの奴らが迷惑を掛けて」

 

龍騎「べ、別に良いですよ...」

 

あの時の鬼の代わりに謝罪する勇儀さん。この人は良い先輩なのかもしれない...。あ、人じゃなかった。そんな事を思っていたら再び襖が開かれ、こいしと知らない女性が入ってきた。

 

こいし「お兄さん!」

 

こいしは俺の顔を見ると抱きついて来た。ゆっくりと抱きついて来たので痛みは感じなかった。

 

龍騎「悪いこいし、負けちまった」

 

こいし「良かった...、良かったよぉ...」

 

今にも泣き出しそうな声を出すこいし。これはすごい心配掛けさせちまったな...。

 

謎の女性「あ、起きたんだ。私は黒谷 ヤマメ《くろたに やまめ》地底のアイドルだよ!」

 

龍騎「......あ、はい」

 

ヤマメ「え〜何その反応〜?」

 

自分からアイドルって名乗るか普通...。

 

龍騎「ってか俺どのぐらい寝てたんだ?」

 

勇儀「ん?あ〜、そういやどのぐらいだろうな...。二日は寝ていたんじゃないかい?」

 

龍騎「そんなに寝てたのか........、え?二日?」

 

二日寝ていた?ちょっと待てよ...、それって......。

 

勇儀「どうした?固まってるけど」

 

龍騎「こいし!姉貴の誕生日会ってやるのか!?」

 

こいし「えっ?」

 

龍騎「誕生日会やるなら何時にやるんだ!?」

 

俺は慌ててこいしに問いかける。

 

こいし「え、えっと...。夜の七時だよ」

 

龍騎「勇儀さん今何時ですか!?」

 

勇儀「六時三十八分だよ」

 

マジかよ......。後三十分もねぇじゃねぇか...。寝てる場合じゃない!!

 

龍騎「急がねぇと間に合わな、っ!〜〜!!」

 

立ち上がろうとすると、身体に激痛が走る。主に両手が。

 

勇儀「おいおい無茶するなって...」

 

龍騎「じ、時間が無い...。何か簡単なものでも...」

 

勇儀「気持ちは分かるが、まず自分の事を優先しな。それに今から作ったとしても時間内に地霊殿に届けられなかったら意味無いじゃないか」

 

龍騎「!」

 

勇儀さんの言葉に何も言い返せない。確かにどんなに最短で出来たとしても目的地へたどり着かなかったら意味が無い...。

 

龍騎「ちくしょう.....、何も出来ねぇのかよ......」

 

俺は握れない両手を強く握り締めた。自分の無力さが大きく、痛みなど感じなかった。

 

こいし「......大丈夫だよ、お兄さん」

 

そう言ってこいしは俺の頭を撫で始める。

 

こいし「プレゼントは渡せなかったけど...、お兄さんが無事でいてくれただけでも嬉しいから」

 

龍騎「...ごめん、俺が弱かったから......」

 

こいし「お兄さんは弱くないよ。私の為にクッキー作りを教えて貰ったり、私の為に怒ってくれたりして...。ありがとう、お兄さん」

 

こいしに励まされて、じわりと目から液体が出てくるが必死に抑える。今泣いたらいつ収まるか分からないからだ。

 

ヤマメ「...君って凄いんだね、私達みたいな嫌われ妖怪の為に動くなんて」

 

龍騎「...ただの自己満足で動いているだけさ。あの時は...、こいしが姉貴の為に頑張って作った努力の結晶を潰されて...。あれをブチ切れないのは無理な話しだ」

 

勇儀「自己犠牲を覚悟で戦いに挑んだって訳か......」

 

龍騎「結果的に負けましたけどね...。こんなに悔しいと思ったのは生まれて初めてですよ...」

 

そう言って俺は二日前の記憶を思い返す。確かにあの鬼が言ってた通りに俺にはパワーが足りかった。だから最後の時仕留めきれなかったんだ...。

 

勇儀「気に入った!!」

 

龍騎「...は?」

 

勇儀さんが訳分からない事を言ってきた。何が気に入ったんだ?

 

勇儀「お前のその正義感、そしてその思いやりが気に入った!」

 

龍騎「は、はぁ...」

 

俺に正義感やら思いやらあるのだろうか...。

 

ヤマメ「ってかこいしは戻らなくて良いの?」

 

こいし「少し遅れるって言ってあるけど、もう行った方が良いよね」

 

そう言ってこいしは立ち上がり、襖に手を掛ける。

 

こいし「じゃあねお兄さん、もう少ししたら戻ってくるから!」

 

龍騎「そのまま楽しんでこいよ...」

 

そう言ってこいしは家に出て行ってしまった。

 

勇儀「さてと、私は酒でも飲んでくるからお前は休んでな。ヤマメはどうする?」

 

ヤマメ「ん〜、一旦帰ろうかな」

 

そして二人は部屋から出ていき、俺一人となった。もう一度横になり目を閉じる。右腕を目の上に当てて眠りにつこうとする。すると誰かが『入って良い?』と問いかけてきた。

 

龍騎「ああ」

 

許可をすると、パルスィが小さい皿を持って部屋に入ってきた。

 

パルスィ「勇儀から目が覚めたって聞いたけど、身体の方は?」

 

龍騎「見た通り、寝てれば治る」

 

『そう...』と言って、パルスィは鍋の蓋を開ける。

 

パルスィ「お腹空いてると思って作ったけど、食べる」

 

龍騎「...ああ、すまん」

 

俺はスプーンを手で取ろうとするが、何故かパルスィが遠ざける。

 

龍騎「......何してんの?」

 

パルスィ「その手で食べようとしてる訳?全然妬ましくないわよ」

 

龍騎「妬ましい要素一ミリも無いからね?仕方ないだろ怪我してんだから...」

 

パルスィ「はぁ...、貴方馬鹿ね」

 

そう言うと、パルスィは少し顔を赤くして鍋の中身をスプーンで掬って俺の口に近づけた。

 

龍騎「...何の真似だ」

 

パルスィ「察しなさいよ、馬鹿...///」

 

......こいつマジで言ってんの?絶対無理してんだろ。

 

龍騎「...無理しなくて良いぞ。飯ぐらい一人で食べられる」

 

パルスィ「べ、別に貴方の為にやってる訳じゃないわよ!妬ましい!」

 

龍騎「其処でツンデレになるなよ...。あ、あーん...」

 

俺は諦めて顔を近づけてスプーンを口に入れる。

 

龍騎「......これお粥じゃないよな?」

 

パルスィ「お粥好きじゃないと思っておじやにしたのよ。感謝しなさい」

 

龍騎「そりゃどうも...。にしても美味いな」

 

パルスィ「!そ、そう?料理は少ししか出来ないから簡単な物しか作れないから心配してたけど...、そうでも無いみたいね」

 

龍騎「......」

 

パルスィ「...何よこっち見て、妬ましい」

 

龍騎「...すまん、気にするな」

 

もしパルスィが外の世界の人間だったらこうやって看病して貰いたい、って思ってしまった」

 

パルスィ「!?な、何変な妄想してるのよ!?///気持ち悪い!///」

 

え?まさかまたやっちまった?うっわ最悪だわ...。最近やらかしてなかったから油断してたわ...。

 

パルスィ「ベ、ベツニアナタナラシテアゲテモ...///」ボソッ

 

龍騎「?俺なら何だって?」

 

パルスィ「何も言ってないわよ!」

 

そう言ってパルスィはそっぽ向いてしまった。聞いちゃまずかったのか?

そしておじやを食べ終えると、俺はパルスィに一言礼を言って眠りについた。

 

 

 

 

「お...、ん...、おに...、さ...、お兄...、ん...、お兄さん!」

 

龍騎「ん?何だ...?」

 

俺は誰かに身体を揺らされて起こされた。痛いから辞めてくれ...。

 

こいし「あ、やっと起きた」

 

龍騎「...もう少しだけ寝かせてくれても良いじゃないか...、それで?」

 

こいし「お姉ちゃんがね、お兄さんの事会いたいんだって」

 

龍騎「はぁ?こいしの姉貴が?」

 

こいしの姉貴が俺に会いたいだと?どうしてだ?

 

龍騎「...俺なんかやらかした?」

 

こいし「違うと思うよ。それより歩ける?」

 

龍騎「あ、行く前提なんですね分かります。まぁ歩けるけど...」

 

こいし「じゃあ地霊殿へ行こう!」

 

龍騎「はいはい...」

 

こいしに理不尽にも起こされて眠気が吹っ飛ばされたので、地霊殿へ向かう事にした。

 

 

 

 

 

こいし「とうちゃーく!」

 

龍騎「おお...」

 

こいしに案内されてやってきたのは、大きな建物だった。簡単に言ってしまえば紅魔館の赤くないバージョンだ。

 

こいし「さ、入って入って!」

 

こいしが手招きして俺を誘導する。そして建物の中に入ると赤髪の少女が居た。

 

赤髪の少女「おかえりなさいませこいし様、この方は?」

 

こいし「お姉ちゃんが会いたいって言っていたお兄さんだよ」

 

龍騎「......霧影龍騎だ」

 

赤毛の少女「私は火焔猫 燐《かえんびょう りん》って言うの。気楽にお燐って呼んでね」

 

龍騎「え?いきなり渾名呼び?...まぁ分かったけど」

 

それからお燐に部屋に案内されて、中に入るとピンク色の髪に『このロリコンどもめっ!』と言ってそうな謎の目玉がある少女が居た。

 

こいし「お姉ちゃんただいま!」

 

ピンク髪の少女「おかえりこいし、それと初めまして。私はこいしの姉の古明地 さとり《こめいじ さとり》と言います。妹がお世話になりました、霧影龍騎さん」

 

龍騎「...気にするな、俺は気にしない」

 

俺の名前を知っているって事はこいしが俺の事を話したのか?......そういやあの時...、

 

 

鬼『ん?こいつよく見たらあの悟り妖怪の妹じゃねぇか。こんな所で出歩くとはな』

 

悟り妖怪は確か心を読めるんだったな...。オカルト知識は無いが、あの鬼が言ってる事が正しければ...。

 

さとり「そうです。私は人の心を読む事が出来るんです」

 

龍騎「......」

 

 

な に そ れ め っ ち ゃ 羨 ま し い

 

 

さとり「.....え?」

 

あ、心読めるから心で言った事はダダ漏れなのか。まぁ良いや、事実だし。

 

さとり「...何とも思わないんですか?心を読まれて嫌じゃないんですか?」

 

別に?こうやって心の中で言えば良い話しだし、それに読心術習いたいと思ってたし。

 

さとり「......そうですか。私の能力を嫌いにならない人が居たとは思いませんでした」

 

それは人によるな。別に俺は昔いじめられた以外、心読まれても困らないし。

 

さとり「射命丸文さんに変な記事を書かれていた事には未だに根に持ってるんですね」

 

龍騎「マジで焼き鳥(意味深)にしてやろうと思った

 

さとり「そ、そうですか...。この話しは一旦辞めて、こいしの事ありがとうございました」

 

龍騎「もう良いよ。本人が料理習いたいって言ってたから教えただけだ」

 

さとり「...何か最近、悩みはありますか?私で良ければご相談に乗りますよ」

 

悩みか...。俺の場合はお金が無い以外何にもないんだよなぁ...。

 

さとり「そうですか、()()()()は無いんですね?」

 

龍騎「?どう言う事?」

 

さとり「それは貴方ですよ......。二重人格さん...」

 

龍騎「!?いや、驚く事じゃないか...」

 

さとりが二重人格の事を言うと、すぐに納得してしまう。

 

ーーー......どうやって俺の存在を知った?こいつの心を読んだのか?それとも覗いた時に気づいたのか?

 

さとり「後者が正解です。勝手に貴方の過去を覗いた事は謝ります」

 

龍騎「気にするなって、それに口に出さなければ別に良い」

 

ーーー...それで?俺に何の用だ?

 

さとり「特に理由はありません。貴方と少し話したいと思いまして」

 

ーーー...話す事など無い。

 

そう言うなよ、身体貸してやるから少しは付き合ってやれ。

 

ーーー余計なお世話だ。そんな事する必要ない

 

さとり「だめ...、ですか...」

 

ーーー......そんな顔するな。別に嫌とは言ってない。

 

さとり「!ありがとうございます!」

 

ーーー...ちっ。

 

素直じゃないなぁ...。

 

ーーーお前と一緒にするな。俺は本心を言ったまでだ。

 

結局、あいつ(二重人格)は俺の身体を借りず、ずっとさとりと会話していた。俺とはと言うと、空気だったこいしを膝の上に乗せていた。

 

さとり「...それにしても、いつも二重人格と言われて嫌では無いんですか?」

 

ーーー...二重人格である事は事実だ。別に気にしてない。

 

さとり「でも名前はあった方が良いですよ。折角ですし名前付けてあげましょうか?」

 

龍騎「あ、確かにそれ良いかも」

 

こいし「じゃあ皆んなで考えよー!」

 

ーーー名前などいらん。

 

さとり「そう言わないで下さい。名前は自分で決められる訳では無いんですよ」

 

ーーー...好きにしろ。

 

そして、こいしがお燐と右腕に大砲みたいなのがついた少女を連れてきた。

 

大砲少女「うにゅ?お兄さん誰?」

 

お燐「ほら、さっき話したこいし様にお世話になった...」

 

大砲少女「あ!そっか!私は霊烏路 空《れいうじ うつほ》って言うんだ!皆んなからお空って呼ばれてるよ」

 

龍騎「霧影龍騎だ、よろしく」

 

そして、皆んな椅子に座り、二重人格の名前を考える事になった。

 

龍騎「まず誰から言う?」

 

こいし「はーい!私『ロゼ』が良い!」

 

龍騎「...その理由は?」

 

こいし「カッコいいから!」

 

龍騎「......返事が無い、ただの屍のようだ」

 

ーーー勝手に殺すな...、取り敢えず保留だな。

 

龍騎「次、誰かない?」

 

お燐「思いつきだけど『オルタナティブ』はどう?略して『オルタ』」

 

ーーー......保留。

 

龍騎「保留、次」   

 

お空「ねぇねぇ、こんなのはどう?『アルティメットストームブラックプラズママックスドラゴンナイト(以下略)』」

 

ーーー却下だ。(即答)

 

龍騎「激しく同意。流石に長すぎる、これ自己紹介する時十分は軽く超えるぞ?」

 

お空「えぇ〜?カッコいいじゃ〜ん」

 

ーーー...ちなみにお前は考えてあるのか?

 

俺?俺だったら『龍牙(りゅうが)』かな?兄弟的な意味で。

 

ーーー気に入らんな、お前の弟になるぐらいなら兄の座を奪うまでだ。

 

あ?(威圧)先に生まれたの俺だからな?お前は途中から生まれてきたんだから必然的に弟だろ。

 

ーーー俺は認めん、お前を兄になどと。

 

兄貴と呼べ(無慈悲)

 

ーーー断る(キッパリ)

 

さとり「落ち着いて下さい...、最後は私ですね...」

 

そう言ってさとりは一度咳払いをし、真剣な目で俺を見る。

 

さとり「それで、私が考えた名前ですが......、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

黒騎(クロキ)なんてのはどうでしょうか?」

 

 

ーーー......

 

龍騎「黒騎、か...」

 

こいし「それ良いかも!」

 

お燐「それなら『霧影黒騎』だね」

 

お空「やっぱり『アルティメットストームブラック(以下略)』」

 

龍騎「ネーミングセンスどうなってんだお前は...」

 

ーーー......分かった、俺の事は黒騎と呼べ。

 

さとり「!」

 

龍騎「はい、と言う訳で黒騎になりました」

 

こうして二重人格こと、黒騎の名前が決まった。決まっても尚、お空はあの長い名前が良かったとか......。




いかがでしたか?

と言う事で二重人格くんの名前は『黒騎』となりました。

皆様のご協力感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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第四十四話 向日葵と医者

どうもです。

第四十四話です。

それではどうぞ。


龍騎「短い間だったが、楽しかったよ。また機会があれば来るよ」

 

さとり「今日はありがとうございました。黒騎さんもお元気で」

 

ーーーこいつが死なない限り俺は何ともない。...まぁ良い時間潰しにはなった、感謝する。

 

相変わらず素直じゃないな...。

 

ーーー本心を言ったまでだ。

 

こいし「また来てねお兄さん」

 

龍騎「ああ、またな」

 

そう言って俺は地上へ向かった。勇儀さん達には帰る前に一言言っておいたので心配はない。家に帰る前に病院行かなきゃ...。

 

 

 

 

龍騎「やっべ、完全に道迷ったわ(白目)」

 

地上へ辿り着き、帰ろうとするがどうやって来たのかド忘れしてしまった...。空飛びたくても少ない魔力を無駄遣いしたくないし、リハビリを兼ねて徒歩で行く事にしたのだ。

 

龍騎「...お前此処が何処か分かる?」

 

ーーー......

 

もしもーし、黒騎さーん?

 

ーーー......zzz

 

はぁ〜つっかえ(辛辣)仕方ない...、自力で行くか...。

黒騎に頼ろうとしたが寝てしまったので諦めて足を動かした。暫く歩いていると、緑だった一面が黄色に変化した。

 

龍騎「......は?」

 

良く見てみると黄色の正体は向日葵だった。それにしても......、

 

 

龍騎「すっげぇ....、めっちゃ絵になる...」

 

思わず口に出してしまった。だってめちゃくちゃ広いんだって、東◯ドー◯100個分あるんじゃね?

 

「あら、貴方...」

 

俺は声を掛けられた方へ向くと、傘をさした緑髪の女性が居た。もしかしたらこの向日葵の所有者かもしれない。

 

龍騎「す、すみません...。勝手に入ってきて...」

 

緑髪の女性「怒っては無いわ。それはそうと、その包帯はどうしたの?」

 

龍騎「え?あ、ああ...、これは...」

 

俺は地底であった出来事を説明した。

 

緑髪の女性「鬼と戦って大怪我...、そして地上に帰って来れたは良いものの道に迷い此処まで来た、と...」

 

龍騎「は、はい...」

 

緑髪の女性は手を顎に当てて少し考えると、ニコッと笑った。え?何?怖いんだけど...。

 

緑髪の女性「...来た道を戻って少し進んだら歩いたら永遠亭《えいえんてい》と書かれた看板があるから其処へ行きなさい。腕の良い医者が居るから」

 

龍騎「え?」

 

緑髪の女性「医者の所に行きたいのでしょ?それに思った程重症みたいだし早く診て貰った方が良いわよ」

 

龍騎「あ、ありがとうございます!俺は霧影龍騎と言います」

 

緑髪の女性「風見 幽香《かざみ ゆうか》よ。怪我が治ったらまたいらっしゃい」

 

龍騎「ありがとうございます。それでは」

 

俺は幽香さんにお礼を言って指示に従う。いやぁ〜良い人で良かった。

 

 

 

 

 

幽香(あの少年...、他とは違う特別な魔力を感じる...。ふふ、今後の楽しみが増えたわ...。今度は私を楽しませて貰うわよ、坊や)ニヤッ

 

少し龍騎に興味を持った幽香はニヤリと笑って来た道を戻ろうとする。が、

 

 

ドーーーーーン!!

 

空から何かが落ちて来た。

 

?「いった〜い!!博麗の巫女めぇ〜〜!!待ってなさいよ直ぐに戻って今度こそ引導を『渡せると良いわね』へっ?」

 

幽香「......」ニコッ

 

?「あ、あらこれはこれは風見幽香さんじゃないですかやだー、どうしてこんな所へ?」アセダラダラ

 

幽香「......(人差し指を地面に向ける)」ニコッ

 

?「......(ゆっくりと地面に視線を向ける)」アセダラダラ

 

向日葵「」チーン

 

?「あっ(絶望)」アセダラダラ

 

幽香「引導を渡す前に...、まずお前から血祭りにあげてやる...

 

 

?「だ、駄目だ!辞めろ幽香!これ以上気(魔力)を高めるな!辞めろ幽香!落ち着けぇ!」

 

幽香「できぬぅ!!

 

幽香は謎の人物の胸ぐらを掴み、空高くに投げ飛ばし、傘を閉じて先端から光が集まり謎の少女に向ける。

 

幽香「元祖『マスタースパーク』」

 

傘から放出されたマスタースパークは魔理沙以上の出力であり、当たったら一溜りも無い程のパワーだった。

 

そして、謎の少女はどうする事も出来ず、マスタースパークに飲み込まれ大爆発が起きた。

 

?「不幸だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

 

 

龍騎「?誰か上◯さんの台詞言わなかったか?ま、良いや」

 

 

 

 

 

 

 

幽香さん教えて貰った通りに道を歩いて行くと、沢山の竹が生えていた。何か芸術的(小並感)

 

龍騎「さてと、この竹林の先に永遠亭があるんだよな。後一息か...」

 

そう言って俺は竹の奥へと進んだ。それにしても周りは竹ばっか、筍もあったりするけど季節外れだろ。

 

龍騎「ん〜にしても俺はどの辺に居るんだろ...。誰か近くにいないかな...」

 

そう言って俺は一度目を閉じて集中力を高め、魔力を感じる事だけを考える。すると、微力ながらも魔力と魔力のぶつかり合っている事が分かった。

 

龍騎「!よし、あそこに行ってみよう」

 

俺は魔力を感じた方角へ向かう。しかし何でだろ...、手汗が出てきた...。

 

三十分掛けてようやく目的地に到着した。ふぅ〜、疲れた...。俺は扉にノックして誰か居ないか確認する。

 

するとガラガラと、開いて誰かが顔を出して来たが次の瞬間、横から何か熱いものが当たって吹っ飛ばされた。

 

?「ああああああ!!だ、大丈夫ですか!?」

 

龍騎「......お、大きな星が点いたり消えたりしている...。あはは、大きい!彗星かな?いや、違う...、違うな。彗星はもっとバァーって動くもんな(精神崩壊)」

 

?「やめないか!」バシンッ!

 

龍騎「はっ!此処は何処!?私は誰!?」

 

?「良かった、戻ったみたいですね。...って龍騎さん!?」

 

龍騎「!お前は、えーと......、鈴仙、だっけ?」

 

鈴仙「!覚えていてくれていたんですね!?」

 

龍騎「え?あ、うん...(ごめんフルネームで言いたかったけど鈴仙しか覚えて無かった...)」

 

鈴仙「それで、今日はどう言った御用で?」

 

龍騎「あ、ああ...。実は訳ありで腕やっちまってな、診て貰いたいんだ」

 

鈴仙「そうですか!それでは中へ『ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』」

 

龍騎「!?何今の声!?」

 

鈴仙「気にしないで下さい、いつもの事なので。中へ入って下さい」

 

鈴仙は何事も無く中へ入ってしまった、慣れてるな...。

 

鈴仙「お師匠様、患者さんです」

 

?「入ってきて」

 

鈴仙に案内されてある部屋に入ると、赤と青の服に銀髪の髪をした女性だった。

 

お師匠様「初めまして、私は八意 永琳《やごころ えいりん》よ。よろしく」

 

龍騎「...き、霧影龍騎でしゅ」

 

ヤッベめちゃくちゃ歳上感が半端なくて噛んじゃった...、恥っず...。え?何で永遠先生は緊張するのに、勇儀さんとかは平気なのかだって?勇儀さんの場合、姉貴感が凄いから別に何とも思わないけど、永琳先生とか紫さんとかの場合、何か神秘的なものを感じたからだよ。...駄目だ説明出来てねぇ...。

 

永琳「ふふっ、それで?今回はその腕の包帯を診せに来たのね」

 

龍騎「あ、はい...。お願いします」

 

そして、永琳先生に腕を診せてはレントゲンで写真を撮られた。すると、レントゲンの写真を見てみると、両手首にひびが入っていた。

 

永琳「見た感じ、二ヶ月は安静って所かしらね。入院する必要はなさそうね」

 

二ヶ月か...、長く感じるなぁ...。

 

龍騎「参ったな...。家事出来ないしバイトも行けないんじゃ....」

 

鈴仙「そういえば、龍騎さんは何処に住んでるんですか?」

 

龍騎「人里、其処で貧乏神姉妹と幽霊と住んでる」

 

永琳「...それは大丈夫なのかしら?」

 

龍騎「えぇ、幽霊は別に悪い事してる訳じゃないしあの二人が居ても不幸なんて起きて無いんで」

 

鈴仙「で、でも家事は龍騎さん一人でやってる訳ですよね?」

 

龍騎「まぁな。姉妹揃って料理は碌に出来ないし」

 

鈴仙「...大変ですね」

 

永琳「......優曇華、暫く彼の側に居てあげたら?」

 

龍騎「は?」

 

鈴仙「え?」

 

永琳先生がアホみたいな事言ってきた。何でそんな事をナチュラルに言えんの?

 

鈴仙「な、なな何考えてるんですかお師匠様!?///」

 

永琳「言葉通りよ、彼を看病してあげたら?」

 

龍騎「いや、別に鈴仙じゃなくても『何か文句ある?』イエナニモアリマセン」

 

怖えよ...、目が笑って無かったよ...。

 

鈴仙「ど、どうして私何ですか?りゅ、龍騎さんにもご友人さんの一人や二人居る筈では...」

 

おいその言い方だと今まで友達居なかったみたいな事になるじゃねぇか。

 

永琳「別に良いじゃない。美少女に看病されるし、お互いの事も知れる。win-winじゃない」

 

鈴仙「私は龍騎さんの事知るだけですか!?」

 

明らかに鈴仙敗北してるじゃねぇか。まぁ美少女に関しては否定はしないが」

 

鈴仙「!?///」

 

永琳「決まりね。じゃ、そう言う事だから頑張ってね」

 

龍騎「...あれ?俺の意思は?」

 

永琳「拒否権なんて無いわよ」

 

龍騎「ねぇいつから俺の人権は失われたの?」

 

 

 

 

そして、鈴仙が俺の看病するという事で家に来る事になった。鈴仙は着替えやら荷物を取りに部屋に居る。俺は廊下で竹林を黙って庭を見ていると、

 

?「其処の貴方、少し良いかしら?」

 

声を掛けられた。横に向くとこの世とは思えない程の美女が立っていた。

頭に矢が刺さって無ければ最高なのだが...。

 

龍騎「...貴女は?」

 

矢が刺さった美女「私は蓬莱山 輝夜《ほうらいさん かぐや》外の世界では『かぐや姫』と呼ばれているわ」

 

龍騎「............かぐや姫!?かぐや姫ってあの竹取物語の!?」

 

うっそ本物!?マジで言ってる!?昔話しって嘘くさくて信じてなかったけど実在していたの!?幻想郷って凄ぇ!(今更)

 

輝夜「ふふふ、面白い人間ね。名前は?」

 

龍騎「あ、俺は霧影龍騎...です」

 

輝夜「別に敬語じゃ無くても良いわよ。堅苦しいのは嫌いだから」

 

龍騎「そ、そうか...」

 

やっぱり幻想郷の住民ってコミュ力高過ぎる...。

 

輝夜「所で貴方廊下で誰を待ってるの?」

 

龍騎「ん?鈴仙を待ってる。何か俺を看病する為に態々家で面倒見る事になってな」

 

輝夜「ふぅ〜ん。なら今は暇なのね?」

 

龍騎「そうだけど?」

 

輝夜「少し付き合ってくれないかしら?」

 

龍騎「?」

 

 

 

 

 

 

 

 

輝夜「えーと、何しようかなぁ...」

 

龍騎「...少し片付けたらどうだ?」

 

輝夜に連れて来られたのは彼女の部屋だった。が、姫とは思えない程部屋が散らかっていた。

 

輝夜「貴方ゲームは出来る?」

 

龍騎「ちょっとなら」

 

そう言って俺はゲームを集めては五十音順、シリーズ順に並べて布団を畳んで端に置く。

 

輝夜「なら、これで勝負よ!」

 

龍騎「...俺手使えないんだけど」

 

輝夜「しょうがないわね...。ならこれならどう?」

 

龍騎「...それなら何とかなるかな」

 

やるゲームが決まると輝夜は早速ゲーム機をテレビに繋げてカセットを入れる。因みにやるゲームはマットがコントローラーになってるソフトで最初に選んだソフトは格ゲーだった。

 

〜数分後〜

 

輝夜「中々やるわね...」

 

龍騎「意外と出来るもんだな俺も」

 

俺と輝夜は音楽のリズムに合わせて画面に表示された矢印をリズム良く合わせていく。所謂音ゲーをしている、誰が一番スコアが取れるか勝負してる訳で良くある勝負の内容だ。最初は慣れるのに苦労したが、俺の好きな音楽になるとリズムが取りやすくなり五分五分の勝負だった。

 

まぁ結果的には全敗なんですけどね(白目)

 

輝夜「ふぅ〜、楽しかった。また付き合って貰うわよ」

 

龍騎「怪我が治ったらな」

 

俺が適当に言葉を返すと、鈴仙が俺の名前を呼んでいた。それから俺は輝夜に礼を言って鈴仙と共に人里へ向かった。

 

鈴仙「な、何かすみません...。お師匠様が勝手な事を...」

 

龍騎「気にするな、俺は気にしない。ってか慣れた」

 

それから鈴仙との会話が続かず、気まずい空気が流れる中、突然地面に穴が空いた。

 

龍騎「え?」

 

そのまま俺は穴に落ちてしまった。

 

鈴仙「りゅ、龍騎さん!?大丈夫ですか!?」

 

?「くくく、良いね良いね〜上手く掛かってくれたねぇ〜」

 

鈴仙「!?てゐ!?またあんたの仕業ね!」

 

てゐ?「あれ?鈴仙が居る?じゃあ誰が罠に?」

 

龍騎「......」

 

鈴仙「あっ」

 

てゐ?「ん?どうしたのれいせ...」ガシッ

 

龍騎「......」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

てゐ?「あ、あはは...。元気?」

 

龍騎「......雷属性解放」

 

てゐ?「ご、ごめん!てっきり鈴仙かと思って!止めて!?何かバチバチ言ってるけど!?ごめんって!土下座でも土下寝でもするから!お願い!」

 

龍騎「......死刑♪」ニコッ

 

 

ぎゃあああああああああああああああああああああ!!

 

 

俺はクソ兎を感電させてポイッと捨てた。

 

鈴仙「す、すみません!うちのてゐがご迷惑を...」

 

龍騎「...知り合いか?」

 

鈴仙「あの子は因幡 てゐ《いなば てゐ》と言って、いつも悪戯ばかりする子なんです...」

 

龍騎「そっか...、お陰様で足を挫いた」

 

それから鈴仙が泣き目になって謝罪しまくっていた。謝罪を受け取り鈴仙に肩を借りながら帰宅する。

 

 

帰ったら牛乳飲も...。

 

 

 

 

〜おまけ・龍騎が永遠亭に向かう前〜

 

霊夢「はぁ〜、退屈ねぇ〜...。最近龍騎と会って無いし...」

 

霊夢は空を見上げながらお茶を飲む。ここ最近龍騎に会っていない霊夢は少し寂しさを覚えていた。

 

霊夢「龍騎、元気かしら...。怪我とかしてなきゃ良いけど...」

 

霊夢は独り言をぶつぶつと言ってる時に、一人の少女がやってきた。

 

?「ふっふっふ...、久しぶりね。博麗の巫女...!」

 

霊夢「......」

 

?「どうやら私に恐れて声も出せないようね!今日という今日こそ!この比那名居 天子《ひなない てんし》が引導を渡してくれるわ!」

 

霊夢「......」ボケー

 

天子「ちょ、ちょっと聞いてるの!?さっきからボーとしてるけど!?」

 

霊夢「......」ボケー

 

天子「おーい!返事しろー!不貞腐れるぞー!」

 

霊夢「......」ボケー

 

天子「泣くわよ!?さっきから無視されてるけど泣くわよ!?泣いても良いの!?うんともすんとも言わないけど...」

 

霊夢「さっきからうるさいのよあんたぁ!!

 

ついにキレたのか霊夢は天子を殴り飛ばした。

 

天子「あぁぁぁぁぁぁれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 

そして、天子は遠くまで飛ばされて太陽の畑まで飛ばされたのだった...。




いかがでしたか?

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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第四十五話 口喧嘩

どうもです。

第四十五話です。

それではどうぞ。


クソ兎こと、因幡てゐの作った落とし穴に落ちて、足をやってしまった俺。鈴仙に肩を借りて帰宅してるのだが...。

 

霊夢「だ〜か〜ら〜!龍騎は私が面倒見るって言ってるでしょ!」

 

鈴仙「そうはいかないんです!お師匠様に言う事は絶対なんです!」

 

霊夢「私が面倒見る事になったって言えば良いでしょ!」

 

鈴仙「そんな事言ったら何されるか分からないんです!」

 

霊夢「知ったこっちゃないわよあんたの事情なんて!」

 

鈴仙「貴女には分からないでしょうね!私の気持ちなんて!」

 

龍騎「......」

 

軽く修羅場ってた...。

 

 

 

〜遡る事数分前〜

 

龍騎「はぁ...、厄日だな...」

 

鈴仙「あ、あの...。大丈夫ですか?」

 

龍騎「ん?ああ、なんとかな...」

 

溜め息を吐きながら人里を目指していた俺に心配してくれたのか、鈴仙が励ましてくれた。有難いけどマジでついてない...。クッキー教えて届けてあげるだけなのに、鬼と喧嘩して、骨折して、おまけに落とし穴に落とされて足やっちまうわ...。これが溜め息吐かない訳が無い。

 

鈴仙「も、もう直ぐ人里ですから!頑張りましょ!」

 

龍騎「...ああ」

 

人里まで後数メートルまで来ていた俺達はそれから気まずい空気が流れながらも歩き続けた。

 

 

龍騎「やっと着いた...。やっぱ人里は落ち着くわ」

 

人里に着いた俺達は一息をつく。やっと帰ってこれた...。この実家のような安心感、やっぱ好きだわ。

 

鈴仙「もう少しなので、頑張りましょう」

 

龍騎「ああ、そうだな」

 

そして歩き始めようとした時、一軒家から怒鳴り声が聞こえてきた。

 

「龍騎が帰って来てないぃぃぃぃぃぃ!?」

 

しかも、聞き覚えのある声だった...。

 

鈴仙「これって...、龍騎さんの家からじゃないですか?」

 

龍騎(やっべ、この後の展開読めたわ...)

 

俺は一つの仮説を箇条書き風にまとめてみた。

 

・家から大声で叫んだ人が飛び出してくる。

 

        ↓

 

・俺達と会う。

 

        ↓

 

・鈴仙を見た瞬間、女同士の言い合いになる。

 

        ↓

 

・俺氏、空気。逃げ出したら死亡ルート確定。

 

        ↓

 

結論、/(^o^)\オワタ

 

 

俺にハッピーエンドなんて無かったよ...。

 

龍騎「...鈴仙、少し寄り道してから帰ろう」

 

鈴仙「...無理ですよ、あれ」

 

鈴仙が指を指した方向に向くと、ドス黒いオーラを纏った女の人が全速力で人里を走り回っていた。

 

龍騎「...なにあれ?」

 

鈴仙「私が聞きたいです...」

 

お互い白目を向いて感想を述べると、爆走していた女の人がこっちを見た瞬間、一瞬でドス黒いオーラを消して目から滝のように涙を流してこっちに走って来た。

 

霊夢「り"ゅ"う"き"い"ぃ"ぃ"ぃ"ぃ"ぃ"ぃ"!!」

 

先程とは一変して、まるで迷子になった子供が親を見つけた時みたいな顔で、ドス黒いオーラを纏った女の人、霊夢がやってきた。

 

龍騎「よ、よう...。久しぶり...」

 

霊夢「馬鹿ぁぁぁぁぁぁ!!」

 

龍騎「ゑゑゑ!?」

 

鈴仙「まさかの罵倒!?」

 

霊夢に罵倒されて少し心折れそうになった...。

 

霊夢「一体何処に行ってたのよ!最近顔出さないと思ったら家にも帰って無かったみたいだし!それにそんな包帯巻いて何しに行ったのよ!何考えてんのよ!」

 

お前は心配してるのか怒ってるのかどっちかにしろよ...。

 

鈴仙「れ、霊夢さん一回落ち着いて...」

 

霊夢「落ち着いてるわよ!」

 

龍騎「落ち着いてねぇから言ってんだろ。後涙拭け、後お前は心配してんのか?怒ってんのか?」

 

霊夢「どっちもよ!」

 

龍騎「俺死んで良い?生きていける自信無くしたよ」

 

霊夢は鈴仙に渡されたティッシュで鼻をかみ、袖で涙を拭いて一呼吸するといつもの霊夢の顔になった。

 

霊夢「...ふぅ、落ち着いた」

 

龍騎「(やっぱり落ち着いてなかったんじゃねぇか...)で、俺になんか用?」

 

霊夢「え?これと言った理由は特には」

 

龍騎「は?」

 

...こいつ本当に何しに来たの?

 

鈴仙「じゃ、じゃあなんであんなに荒ただしかったんですか?」

 

霊夢「りゅ、龍騎に会いに行ったのよ...。そしたらバイトから全然帰って来てないって聞いて...」

 

あー、そう言う事ね。

 

龍騎「...まぁ、事情を話すとだな......」

 

俺は今までの事を霊夢は話した。

 

霊夢「鬼と戦ったって...、大丈夫だったの?」

 

龍騎「このザマだけどな」

 

俺は包帯で巻かれた腕を見せる。

 

霊夢「ま、まぁ生きてるなら良いわ。それよりその腕じゃあ家事も出来ないし、バイトも行けないでしょ?私が看病してあげるわy」

 

鈴仙「あ、それ私がやるので大丈夫ですよ」

 

霊夢「は?

 

鈴仙「ひぃ!?」

 

何でキレてんの!?こっちまでビビったわ!

 

霊夢「...此処は私に任せない、貴女は帰っても良いのよ?」ゴゴゴ

 

鈴仙「な、何言ってるんですか!お師匠様に頼まれた以上、帰れる訳には行きません!」

 

霊夢「往生際が悪いわね。だから座薬なんて呼ばれるのよ」ゴゴゴ

 

鈴仙「ブチッ...、聞き捨てならないですね...。今の発言取り消して貰いましょうか」ゴゴゴ

 

霊夢「ふっ、取り消して欲しければ私に看病させなさい?それなら撤回してあげるわ」ゴゴゴ

 

鈴仙「貴女何言ってるんですか?人の話し聞いてました?私が看病するって言ったんですよ?これだから貧乏巫女は...」ゴゴゴ

 

やれやれ、と溜め息を吐く鈴仙、辞めろ馬鹿!煽ってんじゃねぇよ!

 

霊夢「...エ◯兎の癖に面白い子ね。だから同◯誌で◯◯◯(ピー)にされるのよ」ゴゴゴゴゴ

 

ちょ、そんな事言わないで!?

 

鈴仙「前回東方キャラランキング一位だった貴女がなんで二位なんでしょうね?日頃の行いが悪いからじゃないですかぁ?」ゴゴゴゴゴ

 

ブルータス!お前もか!!

 

 

 

〜現在〜

 

それからお互い言い合いになって一時間、本音という本音を言い切った所為かさっきまで煽っていた言葉が幼稚園児並みの言葉にグレードダウンしていた。

 

龍騎「はぁ...、おいお前ら。俺の為に動いてくれるのは有難いけどさ、もう辞めね?こんな事」

 

霊夢「こんな事!?貴方にとってこんな事なの!?」

 

龍騎「だったら二人で協力してやれば良いだろ、片方は掃除、洗濯。もう片方は俺の看病。一日交代で」

 

霊夢「......」

 

鈴仙「......」

 

霊夢・鈴仙「「こいつ天才か...!?」」

 

龍騎「何で驚くんだよ!」

 

全く...、もう少し頭使えよな...。

 

龍騎「もう良いだろ?俺腹減ってんだけど」

 

そう言って俺は腹をさする。地上に戻ってから何も食ってないから腹減っていた。

 

霊夢「な、なら早く帰りましょ!」

 

鈴仙「そ、そうですね!そうしましょう!」

 

二人は何事も無かったかのように仲を取り戻した。これがご都合主義と言うものか...。

 

それから俺達は帰宅すると、直子さんがガチ泣きして出迎えしてくれて、依神姉妹はまるで呪われた絵画のような表情で真っ白になっていた。こいつら何も食ってなかったのか...。

 

龍騎「えっと...、ただいま」

 

紫苑「飯ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」

 

龍騎「うおっ!?わ、分かった!食わせてやるから待ってろ!」

 

女苑「し...、しぬ......。なんか......くれ...」

 

空腹により紫苑は暴走、女苑に関しては某サバイバルホラーゲームに出てくるゾンビと化していた。霊夢と鈴仙に頼んで料理を作って貰い、テーブルに並び終えた時には姉妹揃って箸を持って料理を口に入れる。

 

紫苑「〜〜っ!」ガツガツ

 

女苑「ん〜!三日振りの食事最っ高〜!」

 

龍騎「そんなに慌てるなよ...」

 

よっぽど腹減ってたんだな、ほんと申し訳ないな...。にしても紫苑の奴最近食うようになったよな、幽々子さんみたいにならなければ良いけど...。

 

霊夢「はい龍騎、あ〜ん」

 

龍騎「えっ?」

 

霊夢が箸を持って俺に料理を口に入れようとする。いや、地底でもやって貰ったから、何て言ったら殺されるな...。

 

霊夢「あ〜ん」

 

龍騎「い、いやでも...」

 

霊夢「あ〜ん」

 

龍騎「いやだから」

 

霊夢「あ〜ん」

 

龍騎「れいm」

 

霊夢「あ〜ん」

 

龍騎「...イタダキマス」

 

押し負けちゃったよ...。いや、あのまま続いたらエンドレスだし、それに霊夢の顔が少しずつ怖くなって来てたし...。俺は黙って差し出された料理を口に入れる。

 

鈴仙「龍騎さん、そちらよりこっちの消化の良いものを召し上がってください」

 

そう言って鈴仙も霊夢の真似をする。

 

龍騎「俺は怪我人、病人じゃない」

 

鈴仙「はいあ〜ん」

 

龍騎「鈴仙さん?人の話し聞きまsy」

 

鈴仙「あ〜ん」

 

龍騎「れいs」

 

鈴仙「あ〜ん」

 

龍騎「モウヤダコノコタチ...」

 

 

 

何とか食事を終えて、風呂に入ろうとする。今思うと地底に居た時は風呂入って無かったからだ。で...。

 

霊夢「龍騎!背中流してあげる!」

 

鈴仙「いや、此処は私が!」

 

霊夢「あんたは皿洗いでもしてなさい!」

 

鈴仙「霊夢さんこそ神社放ったらかししてるじゃないですか!」

 

また修羅場ってるよ...。

 

直子「...もしかしてずっとあんな感じですか?」

 

俺は小さく頷くと、直子さんはご愁傷様です、と慰める。慰めるなら二人を止めて...。

 

直子「あ、あの...、お二人さん」

 

霊夢「何!?」

 

直子「どうしてそこまで龍騎の背中を流すのに必死なんですか?」

 

霊夢「そ、それは..」

 

直子「それに龍騎に対して拘り過ぎると思うんですが...」

 

鈴仙「......」

 

霊夢「......よ」

 

直子「えっ?」

 

霊夢「龍騎の事が好きだからよ!!」

 

鈴仙「......」

 

直子「......」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鈴仙・直子「「ええええええええええええええええええええ!!??」」

 

鈴仙「ほ、本気なんですか!?」

 

霊夢「...えぇそうよ!頭の中が殆ど龍騎の事で一杯な程龍騎が好きなのよ!///」

 

若干ヤケクソ気味な霊夢。

 

直子「そ、その話しkwsk!」

 

恋愛話しが好物な直子は霊夢に質問する。

 

霊夢「...龍騎がうちに来ては賽銭入れてくれたり、世間話ししたり...。退屈な時間が嘘みたいに楽しくなって、いつの間にか龍騎の事ばっかり見てたりして...///」

 

段々言ってる事が恥ずかしくなり、霊夢は顔を赤くする。

 

直子「それで!?龍騎さんに告白したんですか!?」

 

霊夢「......したわよ///」

 

鈴仙「ふぇ!?」

 

直子「それで、お返事は!?」

 

霊夢「...女性不審が治ったら答えを出すって」

 

直子「治ったらって...、もう治ってるのでは?」

 

霊夢「本人は自覚が無いのよ。もしかしたらまた裏切られるんじゃないか、て思ってるんでしょうね」

 

鈴仙「そ、それは流石に...」

 

霊夢「龍騎はね、自分を追い込んでるのよ。自分を犠牲にしたり、一人で物事を解決しようとする。私はそんな龍騎を支えたいのよ...。いつか、壊れるんじゃないかって...」

 

鈴仙「......」

 

直子「...そう、ですね」

 

霊夢「それに...、ライバルが多いのよ。特に早苗だけには負けたくない!」

 

鈴仙「ライバル?」

 

直子「まさか霊夢さん以外にも!?」

 

霊夢「...そうよ、早苗入れて三人よ」

 

※妖夢が龍騎に好意を抱いてるのは霊夢は知りません。

 

鈴仙「お、おぉ...」

 

直子「凄い凄い!龍騎さんってモテモテですね!」

 

霊夢「だ、だから負けたくないのよ!///他に言い触らすんじゃないわよ」

 

鈴仙「は、はい(四人か...、多いなぁ...。って何考えてるの私!)...あれ?龍騎さんは?」

 

霊夢・直子「「えっ?」」

 

 

 

〜一方その頃〜

 

女苑「ほら、動かないの!」

 

龍騎「背中だけで良いって!マズいから!(二重の意味で)」

 

紫苑「...♪」⇦やたらと楽しみながら頭洗ってる

 

女苑「手使えないんじゃ仕方ないでしょ!文句言わない!」

 

龍騎「だからって足洗うな!挫いてるんだから!」

 

霊夢、鈴仙、直子が話している間に、龍騎は依神姉妹に背中を流して貰っていた。風呂から上がった後、寝る場所まで言い合いなった。そして、結果的に龍騎が真ん中で、右が霊夢、左が鈴仙になり、龍騎の寝不足が確定した瞬間である。




いかがでしたか?

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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第四十六話 初デート

どうもです。

第四十六話です。

それではどうぞ。


骨折して暫く経ち、ようやく包帯を取っても良いとの報告を受けたので巻かれていた包帯を全て外した。

 

龍騎「やっと包帯から解放された...」

 

鈴仙「だからと言って重い物は持ったりはしないで下さいね。悪化する可能性があるので」

 

龍騎「ああ、分かった」

 

鈴仙「それでは私は此処で失礼します。短い期間でしたが楽しかったです」

 

龍騎「今日まですまなかったな、色々迷惑をかけた」

 

鈴仙「いえいえ、それではお大事に!」

 

そう言って鈴仙は荷物を持って行ってしまった。さてと、手が治った事だしバイトでも...。

 

「りゅーきー?居るー?」

 

龍騎「......」

 

俺は玄関の扉を開くと、霊夢が立っていた。

 

霊夢「あら起きてたの?おはよう」

 

龍騎「...おはようさん。で、どったの?」

 

霊夢「様子見よ様子見、やっと包帯が取れたって感じね」

 

龍騎「おう。で、それだけ?」

 

霊夢「暇なら今日は付き合いなさい」

 

龍騎「..え?」

 

付き合う..?出かけるから荷物持ちってか?

 

霊夢「だ、だから...、今日は一日付き合いなさいって言ってるのよ...」

 

少し顔を赤くして恥ずかしそうに言う霊夢。ま、まさか...。

 

龍騎「そ、それって...」

 

霊夢「......で、デートよ///私から誘ってるんだから少し察しなさいよ///」

 

龍騎「え...、す、すまん///」

 

予想外の事で頭が働かない。だって『磯◯!野球やろうぜ!』のデート版だぜ?そんな事言われてるんだよ?急に言葉失うって。すっごいよ顔がめちゃくちゃ熱いのが分かる。

 

霊夢「ど、どうなのよ...///行けるの?///」

 

龍騎「......///」

 

......一日ぐらいバイトサボっても良いだろ。(職務放棄)

 

龍騎「...分かった」

 

霊夢「へ?」

 

龍騎「そ、その代わり期待するなよ...///デートなんてした事無いし、それに...、お前が初めてだから...///」

 

霊夢「〜っ!えぇ!早く行きましょう!」

 

そう言って霊夢は俺の腕を掴み、無理矢理引っ張って何処かへと連れて行かれた。

 

 

 

霊夢「う〜ん、どれにするか...」

 

俺達がやって来たのは甘味処だった。まずは腹ごしらえ、と言いたいのか霊夢はメニュー表を見てどれを頼むか悩んでいた。その横で俺は霊夢を見る。こんな時リヤ充共はどうしてるのだろうか...。

 

霊夢「ねぇ、龍騎は決まった?」

 

龍騎「......」

 

霊夢「龍騎?」

 

龍騎「え?」

 

霊夢「何ぼーとしてるのよ、メニューは決まったの?」

 

龍騎「これでいいや(メニュー表の後ろに書かれた物を指を指す)」

 

霊夢「」バサッ ⇦指されたのが自分だと認識している。

 

霊夢がメニュー表を落としたまま固まった。

 

龍騎「どうした?」

 

霊夢「ふぇ!?///え、どれ!?///」

 

慌ててメニュー表を拾い、裏側を見て確認する。

 

龍騎「だからその『抹茶ぜんざい』だっての」

 

霊夢「ま、まままま抹茶ぜんざいね!///うん、分かった!///」

 

めっちゃ赤くなってるけど大丈夫か...?

 

その後霊夢も抹茶ぜんざいを頼み、来るまで少し話す事にした。

 

龍騎「...なぁ、どうして今日はデートなんか誘ったんだ?」

 

霊夢「べ、別にこれと言った理由は無いけど...、最近、会ってないじゃない...」

 

龍騎「まぁ、俺も忙しいからな。それはすまないとは思ってる」

 

霊夢「だ、だから...、少しでも貴方の側に居たいのよ...///」

 

そう言って霊夢は俺の肩に寄り掛かった。霊夢が肩に当たると物凄い早さで心臓が早くなり、霊夢に意識し始める。

 

龍騎「!?そ、そうか...///その...サンキュー...///」

 

店員「お待たせしてしました。抹茶ぜんざいです」

 

そんな事を言うと、店員が抹茶ぜんざいを持ってきた。抹茶ぜんざいを受け取ると何故かスプーンが一本しかなかった。

 

龍騎「え?あの、スプーンが一本しか...」

 

店員「あ、すみません。直ぐにお持ちしますので少々お待ち下さい」

 

と言って厨房に戻った。去る際に焦ってる様子は無く暖かな目で見られた。図ったなこの野郎...。

 

龍騎「...どうするか」

 

霊夢「どうしましょうか...」

 

俺はどうするか考えていると、霊夢が自分のぜんざいをスプーンで掬って俺の口に近づけた。

 

龍騎「...何の真似だ」

 

霊夢「い、良いじゃない別に...///」

 

龍騎「良くねぇって...、周り見てみ?」

 

 

「「「( ^ω^ )」」」⇦暖かな目で見てる。

 

 

めちゃくちゃ暖かな目でこっち見てんだよ?恥ずかしいったらありゃしない。

 

霊夢「こ、この前もやったんだから少しは慣れなさいよ///」

 

龍騎「霊夢さん?顔を赤くした状態で言わないで?説得力が無いよ?」

 

 

(((この前もやった...、だと...!?)))

 

 

霊夢!余計な事言うな!周りが驚いてるから!

 

霊夢「は、早くしなさいよ!///ど、どうせ取りに来ないんだから///」

 

龍騎「それは...」

 

俺はチラッと厨房を見ると抹茶ぜんざいを運んで来た店員さんは呑気に口笛を吹きながら皿洗いをしていた。洗ってる暇があるなら持ってきて?

 

霊夢「もう諦めなさい、私だってキツいんだから...///」

 

龍騎「だからって無理すんなよ...、あ、あーん」

 

俺は渋々差し出したスプーンを口に咥える?

 

霊夢「ど、どう?美味しい?」

 

龍騎「恥ずかしくって味が分かんね///」

 

そう言って俺は霊夢が持っていたスプーンを横取り、俺の抹茶ぜんざいを掬って霊夢に差し出す。

 

龍騎「...ほれ///」

 

霊夢「ふぇ!?///」

 

何がふぇ!?だ可愛いなクソッタレ。

 

龍騎「てめぇだけ被害を最小限に抑える訳ねぇだろ、死なば諸共だ」

 

霊夢「わ、わたひはいいわよ!?///は、はひゅかひぃひ///」

 

おーいしっかりしろ、滑舌回って無いぞー。

 

龍騎「恥ずかしいだぁ?今更何言ってんだよ一緒に寝た仲じゃねぇか///」

 

霊夢「しょ、しょれはしょれよ!///」

 

......やっべ、人を弄るのってこんなに楽しいんだ。Sに目覚めそう。

 

龍騎「諦めろって言ったのお前なんだぜ?だったらお前も諦めろよ」

 

霊夢「わ、私は諦めないわよ!///」

 

龍騎「それはおかしいんじゃねぇか?自分だけ助かろうだなんて卑怯じゃなぁーい?」

 

霊夢「ぐっ...」

 

龍騎「何がぐっ、だよ。今更悔やんでも仕方ないだろ?」

 

...ちょっとやり過ぎたか?

 

霊夢「...いじわる」

 

あーらら、泣き目になって俯いちゃった。

 

龍騎「わ、悪かったって...。ほら、ぜんざい食って良いから、ほら口開けて」

 

霊夢「......」

 

俺のぜんざいを掬って霊夢に食べさせると無言で食べ続ける霊夢。動物みたいで可愛い。いや、霊夢も人間だから動物なんだけどね。そして俺の分までぜんざいを平らげた霊夢は一向に機嫌が直らない。

 

龍騎「なんか追加するか?」

 

霊夢「......」コクッ

 

俺が霊夢に問うと黙ったまま頷く。それから俺はぜんざいでは無い他の物も頼んでは霊夢に食べさせる。なんか慣れてくると寝込んでるお婆ちゃんに飯与える絵面になってるような...。

 

霊夢「......」プイッ

 

満足したのか満腹になったのか知らんが俺が与えようとすると霊夢はプイッとそっぽ向いてしまった。すると俺の手に持っていたスプーンを持って今度は霊夢が俺に口に差し出した。選手交代ですね分かります。

 

それから俺は何もかも諦めて黙って霊夢に団子やら餡蜜やら食わされた。お金掛からなきゃ良いが...。

 

 

「すみませーん!抹茶一杯下さい!なるべく苦いので!」

 

「こっちはどくだみ茶!三杯!」

 

何故か苦い飲み物を注文する客が増えてきた。ブームか何かか?会計をしようとすると何故か払わなくて良いと言われてしまった。嬉しいは嬉しいんだがなんで顔色が悪かったのか分からなかった。

 

霊夢「ん〜!満足満足!」

 

龍騎「そうか、さっきは悪かった」

 

霊夢「もう良いわ、お互い様って事で」

 

なんとか仲直り(?)出来たので次の店に行く。まぁ、これと言ったトラブルは無かったので割愛する。そしてすっかり日が暮れて帰路についていた時だった。

 

霊夢「...ねぇ、一つ良い?」

 

龍騎「ん?」

 

霊夢「今日...、泊まって良い?」

 

龍騎「......ゑ?」

 

霊夢がまた泊めて欲しいと頼んで来た。

 

龍騎「......」

 

霊夢「だめ...?」ウワメヅカイ

 

駄目な訳が無い、断る理由が無い、無いんだが...。

 

龍騎「...お前いつから俺の理性の破壊神になったんだよ」

 

正直厳しいんです...。だって美少女がうちに泊まっては風呂入って布団に寝てを繰り返すとこっちにも限界ってのがあるんだよ。俺はベルリンの壁並みの脆さなんだよ(意外と頑丈)

 

龍騎「...俺は構わない。でも良いのか?神社空けといて」

 

霊夢「じゃあ貴方がうちに来る?」

 

龍騎「...あいつらが五月蝿いからな。それは無理だ」

 

霊夢が残念そうに声を出す。結局霊夢はうちに泊まる事になった。帰って来ては晩飯食べて風呂に入っての今まで通りだった。そして夜も更けて全員が熟睡してる時に俺だけは起きていた。

 

今日の霊夢は少し変だったような気がする。何か俺に甘えたかったのだろうか...。いや、霊夢だって甘えたい時だってあるんだ。そう言い聞かせて俺は瞼を閉じようとする。

 

霊夢「龍騎...、起きてる?」

 

隣で寝ていた霊夢が俺を呼んだ。

 

龍騎「...ああ、寝れないのか?」

 

霊夢「...そんな所」

 

そう言って霊夢は近づいて俺の布団の中に入る。

 

龍騎「!?何してんの?」

 

霊夢「良いじゃない...」

 

俺の背中に優しく抱き締める霊夢。こいつ本当に霊夢か?

 

龍騎「変な事聞くけど、今日お前どうした?やけに甘えたいって言うか積極的って言うか...」

 

霊夢「..そんな私は嫌?」

 

龍騎「そう言う訳じゃない。何か...、可愛かった///」

 

霊夢「!」

 

つい本音を出してしまったが焦らなかった。何だろ、この変な気持ちは...。

 

霊夢「ねぇ、こっち向いて?」

 

俺は言われた通り霊夢の方に向くと、今度は正面に抱きしめて来た。

 

龍騎「お、おい///」

 

霊夢「もう無理...」

 

そう言って霊夢は更に強く抱きしめてぐりぐりと俺の胸に頭を擦る。

 

霊夢「お願い...///今だけ、私の我儘を聞いて...///」

 

龍騎「...好きにしろ」

 

はーいこれから寝不足コースに入りまーす(白目)

 

霊夢「...好き、好きよ。龍騎...///」

 

そう言って霊夢は俺の唇を重ねた。赤くなってる霊夢を見るとこっちも赤くなってるのが分かる。

 

龍騎「...どのぐらいで満足出来る?」

 

霊夢「寝かせないから...///」

 

それだけは止めてください数時間後にはバイトなんです。

 

それから霊夢と抱きしめ合ってはキスの連続だった。でも一線は超えてないから安心して下さい。マジでやったら俺が俺じゃなくなる(語彙力)そしてマジで日が出るまで続けていたが、眠気は襲って来なかった。俺も俺で満足したのだろう、そう言い聞かせてバイトに向かった。




いかがでしたか?

今回はデートものに挑戦してみましたが、あれが限界です。

リアルでも付き合った事が無いので、自分の妄想なので...。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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第四十七話 魔の刺客

どうもです。

第四十七話です。

それではどうぞ。


〜魔法の森〜

 

?「全く、あのお方も人使いが荒い...。しかし命令は絶対、いつからこんな事に...」

 

魔法の森に一人の男が佇む中、愚痴を溢しながら空を見上げる。今日は灰色の雲が幻想郷を覆い強めの雨が降っている。

 

?「さて、任務を開始しますか...」

 

男は歩き始めて、何処かへ消えてしまった。

 

 

 

〜紅魔館〜

 

龍騎「雨、か...」

 

そう呟きながら窓の外を覗く。今は丁度バイトの休憩時間なので廊下を歩いていたら雨が降って来たのを確認していた。

 

レミリア「雨は嫌いかしら?」

 

窓の外を見ていたらレミリアに声を掛けられた。

 

龍騎「...あんまり好きじゃないな。濡れるし、寒いし、気分は上がらないし。デメリットだらけだ」

 

レミリア「そう?確かにそうは思うけど、私は嫌いじゃないわ」

 

龍騎「そう言う奴居るよな。一体何処か良いのか分からん」

 

レミリア「雨が降れば穀物は育ち、生き物の生息も出来る。雨は意外と偉大なのよ」

 

龍騎「確かにな、でも俺は好きにはなれない。雨は絵になれば良いって思ってる」

 

レミリア「あら、意外とロマンチストなのね」

 

龍騎「そんな訳無いだろ。思った事を言ったまでだ」

 

そう言って俺はまた窓の外を眺めていた。

 

 

 

 

〜紅魔館・門〜

 

美鈴「うぅ...、寒っ...。このままだと風邪引いちゃう...」

 

美鈴は雨具を着てブルブルと身体を震わせながらいつも通り(?)門番をしていた。

 

?「失礼...」

 

美鈴「ん?あ、はい」

 

美鈴の前に見かけない格好をした男が声を掛けた。傘もささずに...。

 

?「少しお訊ねしたい。此処は紅魔館で合ってるかな?」

 

美鈴「そうですけど...」

 

?「此処に人間がアルバイトをしてると聞いたのですが、お会い出来ないしょうか?」

 

美鈴「...すみませんが、お引き取り願います」

 

美鈴は目つきを変えて、男の申し出を断った。

 

?「おや、どうしてですか?」

 

美鈴「私には『気を操る程度の能力』を持っています。それを力に変えるだけで無く相手の気を感じとる事も出来ます。何故か貴方には...、邪悪な気が感じるんです」

 

?「...これはこれは、まさかそんなものがあったとは」

 

美鈴「っ!」

 

男はクククと笑い、美鈴は戦闘態勢になる。

 

?「貴女の言い分は分かりました。お通し出来ないのでしたら...、無理にでも入らせて頂きます!」

 

美鈴「させない!」

 

雨が強くなる中、二人の勝負が始まった。

 

 

 

 

 

 

ドクン... ドクン...

 

 

龍騎「!?」

 

レミリア「?どうしたの?」

 

龍騎は謎の胸騒ぎに目を見開いた。レミリアは気になって問いかけると龍騎から汗をかき始めていた。

 

龍騎「......悪い、ちょっと外に行ってくる」

 

レミリア「え?ちょ、ちょっと!?」

 

龍騎は慌てて門へ向かう。

 

何か良くない事が起きる...、直感がそう問いかける。

 

 

 

美鈴「華符『芳華絢爛』」

 

?「ほう、これが弾幕というものですか。確かに美しい」

 

美鈴がスペルカードを発動し、弾幕を発射すると男はただ弾幕を見物していた。

 

?「話しにはお聞きしましたが、流石はスペルカードルールですね。私には到底真似出来ませんね」

 

男は人差し指を美鈴に向けると小さな結界が展開され、弾幕を防いだ。

 

美鈴「いくつか弾幕を撃って分かった...、この人、只者じゃない...」

 

?「まぁ、人ではありませんけどね」

 

美鈴「やっぱり...」

 

龍騎「美鈴さん!」

 

美鈴が分析していると、龍騎が到着し謎の男に視線を向ける。

 

?「これはこれは...。まさか貴方様から来て下さるとは有り難き幸せ」

 

龍騎「何者だ貴様」

 

?「私はとある方の命により貴方様をお連れするよう頼まれております。私と共に御同行願います」

 

龍騎「だからってはい分かりました、って答えるか?」

 

?「分かってはおります。ですが、だからと言ってただでは帰りません。貴方様の実力を見せて貰いましょう」

 

龍騎「......」

 

ーーー気をつけろ、奴は他の奴等とは違う。

 

龍騎「分かってる...。あの雰囲気は中ボスってレベルじゃねぇ」

 

龍騎は剣を抜き、火属性を解放させる。男は指を曲げて龍騎を挑発させて龍騎はそれを従うかように接近する。

 

龍騎「はあぁ!」

 

?「ふん...」

 

龍騎「でやぁ!」

 

?「うむ...」

 

龍騎は男に斬りつけるが、軽々と避けられる。龍騎は剣を振り続けるだけで無く足蹴りを加えて攻撃するが、最初の一発だけしか当たらず、それ以降避けられるばかりだった。

 

?「成程...、確かにお強いですね。ですが、これなら如何でしょうか?」

 

そう言って男は人差し指を作り、地面に向けると龍騎は倒れてしまい立ち上がろうとしても全く立ち上がらない。

 

龍騎「な、何じゃこりゃ...!」

 

?「貴方様に少しばかり重力を掛けて貰いました。地上の重力よりざっと百倍と言った所でしょう」

 

美鈴「ひゃ、百倍!?」

 

?「まぁこれでも優しい方なんですけどね。もっと掛けても良いのですが...、そのまま潰れてしまって私にも貴女方にも困りますしね」

 

美鈴「!早く解放しろ!」

 

?「そう慌てないで下さい。ほら」

 

美鈴が怒りを燃やす中、男が龍騎に視線を向けると膝に手を着きながら立ちあがろうする龍騎の姿だった。

 

龍騎「ぐっ...」

 

美鈴「凄い...」

 

?「あぁ...、なんて素晴らしい根性!負けたくないという信念が伝わってきますぞ!」

 

龍騎「...まだ、勝負は終わってねぇ...」

 

?「良い...、良いですぞ!流石はあのお方の()()()()!やはり血は争えないですね!」

 

龍騎「何...?」

 

美鈴「御子息様?」

 

?「おっと失礼、今のは独り言です。申し訳ありません私は昔から思った事は口に出してしまう悪癖がありまして」

 

龍騎「どう言う事だ...、御子息って何だよ。それにさっきからあのお方って誰だよ」

 

?「それについてはまた後日という事で。まぁ、私以外にもこの事に()()()()()がおられるのでその方に聞いてみては?」

 

龍騎「誰なんだよそいつは!」

 

?「それはご自分でお考え下さい。ご自分で考えるのも強くなる為の一つですよ?...おや、どうやら予定時刻を過ぎてしまったようです。では私はこの辺で失礼致します」

 

美鈴「あ、待て!」

 

龍騎「おい!逃げんのか!喧嘩売ってきたのそっちだろ!」

 

?「私ももう少し付き合いたいのですが...、此方にも予定がございまして。そんなに焦らなくてもいつか、また会えますよ」

 

そう言って男は地面に魔法陣を展開して、その上に移動する。

 

?「あぁそうそう、肝心な事を忘れていました。これから貴方様には今までにない死闘が始まります。どうかご自身を見失いように...。それと、私が言っていた独り言、()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

そう言って男は消えてしまった。男が居なくなったと同時に重力から解放された龍騎は立ち止まっていた。

 

龍騎「これから先...、嫌でも知る事になる...?」

 

美鈴「死闘って、どう言う事なんでしょうか...?」

 

龍騎「分からない...、でも、良くない事が起こるのは...、間違いないと思うんです...」

 

龍騎は空を見上げると雨が次第に弱くなり、やがて雨は止み太陽が光を照らす。

 

 

 

 

〜???〜

 

壁に松明の炎が数多く灯す部屋に、龍騎と接触した男と玉座に座る一人の男が会話をしていた。龍騎と接触した男は跪いて今回の内容を報告していた。

 

?「...以上が今回の報告でごさいます」

 

?「......」

 

?「して、今後どうされるのでしょうか?」

 

?「...〇〇よ」

 

?「はっ」

 

玉座に座っていた男はあるものを取り出した。それは謎の液体と上部には花弁状のような開口部がある卵が入った容器だった。

 

?「こいつ貴様に預ける。どう使おうが勝手だ、見事此奴の本性を暴け出してみせよ」

 

?「!?お言葉ですが、何故それを...」

 

?「......我等がある時を迎えると如何なるか、知っておるだろう?」

 

?「...それが目的、なのですね?」

 

?「......」

 

?「しかし、あの場に放出されては今後の事も考えては些かまずいのでは無いかと...」

 

?「心配には及ばん、策は練っておる」

 

?「...承知致しました。我が身に変えても貴方様の命を果たしてご覧になってみせましょう」

 

?「...如何なるか見物させて貰うぞ......」

 

玉座に座っていた男は雄叫びをあげるように笑い出す。命を受けた男は謎の卵が入った容器をじっと見つめていた。

 

 

〜紅魔館〜

 

美鈴「一体何だったんですかね、さっきの男性は...」

 

龍騎「......」

 

天気が晴れて龍騎と美鈴はタオルで拭いていた。美鈴の言葉を聞かず龍騎は謎の男の言葉に頭を悩ませていた。

 

あのお方の御子息様...、この事の詳しい人物...、嫌でも知る事になる出来事...。

 

龍騎(俺は...、人間じゃなかった...?)

 

龍騎は自分の手を見つめる。自分は誰の子で誰に育てられたのか、どうしてあの男は俺を知っているのか、何が何だか分からなくなる。

 

ーーー......落ち着け、お前はお前で有り続ければ良い。

 

龍騎(黒騎...)

 

ーーー今のお前は霧影龍騎だ。妖怪でもなく、神でもないただ一人の人間だ。自分らしく生きろ、俺にはそれ以上は何も言えん。

 

龍騎(...サンキュー、黒騎...)

 

黒騎に励まされた事が嬉しかった龍騎。そうだ、俺は霧影龍騎だ。例え妖怪だろう神だろうと今の俺は人間だ。そう胸に刻んでいくのであった。

 

 

 

一方その頃

 

にとり「やっと雨が止んだか...、折角新作を試そうと思ったのに...ん?」

 

にとりは目の前にあった謎の容器を見つけた。彼女は拾ってみると、見た事の無い謎の液体と卵が入ってあった。

 

にとり「なんだこれ?」

 

 




いかがでしたか?

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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第四十八話 デートは連続的にやるものじゃない

どうもです。

第四十八話です。

それではどうぞ。


謎の男がやって来て翌日、俺はいつも通り紅魔館でバイトをしていた。この日は図書館の本の整理を任された。どうやら小悪魔さんがお使いの為留守なので俺が代わりにやれとの事。

 

龍騎「にしても凄いよな...、外の世界でもこんな大量の本は無いぞ...」

 

本の整理をしていると、改めてこの図書館の凄さを身に締めた。こんなにあれは魔理沙も盗む...、うん、盗むであってるな。まぁ誰も借りたくなるのは分かる気がする。

 

龍騎「...さて、このぐらいで大丈夫かな」

 

ある程度本当の整理を終え、身体を伸ばしているとパリン、とガラスの割れた音が聞こえた。

 

龍騎「...またか」

 

パチュリー「龍騎!お願い!」

 

龍騎「あいよー。ったく...」

 

俺はパチュリーの命令に従い、ガラスが割れた所に向かう。すると、魔理沙が本を何冊か片手に持ち図書館内を飛び回っていた。

 

パチュリー「あんたいい加減にしなさいよ!こっちは本どころか窓の修理だってしないといけないのよ!」

 

魔理沙「お前が直してる訳じゃないんだから良いじゃねぇか!(良くない)」

 

パチュリー「馬鹿言わないで頂戴!龍騎!魔理沙を捕まえて!」

 

龍騎「はいはい、仰せの通り」

 

魔理沙「うげぇ!?何でお前が居るんだよ!?」

 

龍騎「バイト」

 

魔理沙「それは知っとるわ!」

 

うるさいな...、さっさと捕まえますか...。俺は雷属性と風属性を解放させて足に風を纏わせて魔理沙に急接近する。一瞬で魔理沙の目の前に近づき箒を掴んで感電させる。

 

魔理沙「ぎゃあああああああああああああ!!」

 

感電して丸焦げになった魔理沙は落下し、ピクピクと痙攣していた。

 

パチュリー「ふぅ...、ありがとう龍騎、助かったわ」

 

龍騎「...取り敢えず魔理沙を追い出すか」

 

俺は魔理沙を外へ追い出して、パチュリーは魔法で割れた窓を直していた。修理が終わると咲夜さんがやって来てお昼だという事で食堂に向かった。昼食後、俺は咲夜さんと後片付けをする為に厨房に向かっていた。

 

咲夜「あ、あの...、龍騎様...」

 

龍騎「ん?どうしました?」

 

咲夜「そ、その...、午後って空いてますか?」

 

午後...?まぁ空いてるっちゃあ空いてるが...。

 

龍騎「空いてますけど...、お使いですか?」

 

咲夜「そ、そんな感じです。それでよろしければその...、ご、ご一緒にどうですか?///」

 

咲夜さんが顔を赤くさせてそう言った。...つまり荷物運びとして来いと?

 

龍騎「...分かりました。俺で良ければお供します」

 

咲夜「!ほ、本当ですか!?」

 

龍騎「は、はい...」

 

咲夜さんは俺がOKを出すと、顔を近づけて再確認した。近いって...。

 

咲夜「そ、それでは支度致しますので、門の前で待ち合わせましょう!」

 

龍騎「分かりました」

 

そう言って咲夜さんは時を止めたのか直ぐに居なくなった。俺も執事服のまま行く訳にはいかないので着替える為に一度部屋に戻る。

 

 

 

...あれ?これってもしかしてデートしようって事じゃね?

 

 

 

支度を済ませた俺は先に門の前で待っていると、咲夜さんもやって来た。咲夜さんは青と白のワンピース姿でやって来た時、俺は思わず見惚れていた。今までメイド服しか見た事が無かったからこれはこれでありかもしれない。

 

咲夜「お、お待たせしました...///」

 

龍騎「...お、俺もさっき来たばかりですよ」

 

なんかデートっぽい事言ってるけど大丈夫なのか?多分咲夜さんはデートの気分でいると思うけど...。

 

龍騎「...それで、何処に行くんです?」

 

咲夜「と、取り敢えず人里に行きましょう...」

 

そう言って俺が先頭に歩き始めると、咲夜さんは俺の腕に抱きついた。

 

えっ?抱きついた?

 

龍騎「ど、どうしました?」

 

咲夜「着くまで...、こうしていて良いですか...?///」

 

何この天使、外の世界の人だったら猛烈アタックNo. 1決めてるレベル」

 

咲夜「!///」

 

龍騎「ま、まぁ着くまでなら...///」

 

俺も赤くなりながら頭を掻いて許可を出す。何で赤くなってるのが分かるかだって?そりゃめちゃくちゃ顔が熱いからだよ今ならお湯沸かせるレベルである。

 

 

 

 

それから数分、咲夜さんに抱きつかれながら歩いていると人里に到着した。咲夜さんは残念そうに俺の腕から離れ、色々とお店を回る事にした。

咲夜さんが紅茶の茶葉を選んでいると、一人の女性店員に声を掛けられた。

 

店員「いらっしゃいませ、彼女さんとデートですか?」

 

龍騎「ぶふぉ!?」

 

試飲してたら店員の発言に口に入ってたお茶を全て吹き出した。

 

龍騎「げほっ...、げほっ...、な、何言ってんすかあんたは!?」

 

店員「あら違いました?とてもお似合いですよ」

 

龍騎「...///そんな暖かい目で見ないで下さい...」

 

この店員さんは俺の事応援してるつもりだろうが、それは咲夜さんに言うべきなのでは?そう思っていたら咲夜さんが茶葉を購入したのでお店から離れる事にした。見送りに来た店員さんに暖かな目で見送りながら...。

 

咲夜「折角ですし、お茶して行きませんか?」

 

龍騎「俺は構いませんよ、咲夜さんの行きたい所があれば何処にでも」

 

そして向かった先は甘味処だった。俺は以前、霊夢と此処でのやり取りを思い出してしまった。今思うとマジでリヤ充爆発しろって言われそうなぐらいだったからな...。

 

店員「いらっしゃいませ〜、...あ、今度はまた別の彼女さんですか?」

 

龍騎「ばっ!?何言って...!」

 

咲夜「...別の彼女?」

 

咲夜さんが聞き返した瞬間、ハイライトが消え去り俺の方へと首を向ける。いや怖い怖い怖い!!

 

咲夜「龍騎様?一体どういう事ですか?」ハイライトオフ

 

龍騎「そ、それはですね...。あれですよ、あれがあれがあれで...」

 

店員「紅と白の巫女さんとイチャイチャしてましたよ」

 

龍騎「シャーーーーラップ!!そしてダーーイ!!咲夜さん違うんですよ!!これには訳があって!」

 

店員「それに仲良く抹茶ぜんざいを食べさせ合いっこしてましたよね」

 

咲夜「食べさせ合いっこ?」ハイライトオフ+ゴゴゴゴゴゴ

 

ああああああああああああ!!??クソ店員の所為で更に悪化したぁああああああああ!!??

 

龍騎「だーかーらー!まずは俺の説明を聞いて下さい!!」

 

店員「そしたら我々は暖かな目で見送ったり抹茶とどくだみ茶の売り上げが上がりました。あの時は本当にありがとうございました!

 

龍騎「てめぇいい加減にしやがれ!!てめぇの所為で全然先が進んでねぇんだよ!!

 

咲夜「......」ハイライトオフ+ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

龍騎「あーーーもう全然話しが出来ねぇ!!咲夜さん移動しましょ!此処じゃない何処へ!」

 

店員「ああ、待ってください!謝りますから!お詫びとしてお代ただで良いですから!」

 

龍騎「そんなもんに釣られるかってんだ!もう行きましょう咲夜さ...」

 

咲夜「......本当にただ何でしょうね?」

 

ぬわぁに釣られてんだこの女ぁ!!明らかにクソ店員の作戦だろ!霊夢みたいな事を今度は咲夜さんでやれって事だぞ!?ふざけんな!二度とやるかそんなもん!!

 

店員「はい!私も少し言い過ぎましたので」ニヤリ

 

ほら見て!?ニヤって笑ったよ!『勝った...!計画通り...!』みたいな顔だったよ!それに何が言い過ぎただよ!?明らかに図ってんだろ!?

 

咲夜「......私、此処にします。龍騎様も良いですね?」

 

龍騎「えっ、あいや、別の所でも...」

 

咲夜「良いですね?」ハイライトオフ+ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

龍騎「イエス、ユア・マジェスティ」

 

結局此処の甘味処でお茶をする事に...。僕は何かも諦めたよパトラッシュ...。

 

そして何故か霊夢と一緒に食べた席に誘導された俺と咲夜さん。この店潰してやろうかな...。

 

店員「それではご注文がお決まりでしたら声をお掛け下さい。本日のお勧めは抹茶ぜんざ...」

 

龍騎「みたらし団子一本と柏餅と玄米茶」

 

店員「あ、はい...」

 

即座に注文して店員を追い出す。ふぅ...、これなら暫く時間は稼げる筈だ。

 

咲夜「......それで?説明してくれるんですよね?」ハイライトオフ

 

龍騎「あ、はい」

 

俺は包み隠さず咲夜さんに説明した。でも霊夢が泊まって行った事は伝えてない。言ったら霊夢を問い詰めそうだし、第一俺が死ぬ。説明し終えると咲夜さんのハイライトが復活して謎のオーラも綺麗さっぱり無くなった。

 

咲夜「......なら」

 

龍騎「奈良?」

 

咲夜「...博麗の巫女と同じ事をして下さい」ニコッ

 

龍騎「......はい?」

 

あらやだなんて素敵な笑顔、モデルになれるわよきっと将来スター間違いなしね(現実逃避)

 

龍騎「......マジですか?」

 

咲夜「マジです」

 

龍騎「マジか......」

 

予想はしてたよ?霊夢にもなったんだから私にもやれって事でしょ?知ってたよ、うん知ってた。

 

龍騎「...分かりました。それで許して下さい...」

 

咲夜「ダメです」

 

龍騎「ゑ?」

 

咲夜「私が満足するまで許しません」

 

龍騎「ア、ハイ」

 

もう勘弁して...、俺の理性は今は遥か理想の城(ロード・キャメロット)じゃないんだよ?

 

店員「お待たせしました。みたらし団子と柏餅と玄米茶です」

 

咲夜「あ、あと抹茶ぜんざい一つ」

 

店員「かしこまりました」

 

咲夜さんが抹茶ぜんざいを追加すると、店員さんは俺に暖かな目で見ながら厨房へと戻って行った。絶対楽しんでる...。

 

龍騎「た、食べ終わったからでも良かったんじゃあ...」

 

咲夜「何か文句でも?」ニコッ

 

龍騎「イエナニモ」

 

もうやだよその笑顔...、怖いったらありゃしない...。そして抹茶ぜんざいが来て咲夜さんがスプーンで掬って俺の口に近づける。

 

咲夜「はい、あ〜ん」

 

龍騎「...あ、あーん///」

 

俺は観念して黙って口を開いた。相変わらず恥ずかし過ぎて味なんて分からなかった。

 

咲夜「さぁ、どんどん食べて下さい」

 

龍騎「程々にして下さい夕飯食べられなくなっちゃいます」

 

それから暫く抹茶ぜんざいを食わされた俺は恥ずかしい思いをしながら咲夜さんの満足のいくまで耐えていた。その間、周りの人達が抹茶やらどくだみ茶を頼む人か増えていった。

 

咲夜「......時間も時間なので、この辺にしておきましょう」

 

龍騎「...は、はい」

 

ようやく終了のお知らせを聞いた俺はやっと解放されるが日は既に沈みかけていた。もうこの店来ない絶対に。

 

龍騎「ま、満足できました?そろそろ帰らないと...」

 

咲夜「いいえ、全然満足出来てません」

 

何かスッゲー面倒くさくなって来た...。

 

龍騎「......次は何すれば良いんですか?」

 

咲夜「今夜、紅魔館で泊まって下さい」

 

龍騎「は?」

 

咲夜さんが紅魔館で泊まれと言ってきた時、直ぐに返事してしまった。...何か違う形のデジャブ感が...。

 

龍騎「そ、それは無理ですよ!第一、依神姉妹の面倒見ないといけないのに!」

 

咲夜「ご心配には及びません。あの二人もこちらへ泊まるよう報告済みです」

 

相変わらず行動が早いなこんちくしょう!それで断ったらどうすふんだよ...。

 

咲夜「龍騎様は断りませんよ。私が満足するまで付き合ってくれるのですよね?」

 

ナチュラルに心を読まれた...。まさか...、ニ◯ータ◯プ!?

 

咲夜「それでは、早く紅魔館に戻りましょう。お嬢様も心配しますので」

 

あ、其処は心は読まないのね。それか敢えてツッコまなかったのかな?

 

そして二人で紅魔館に戻る事にした。人里に出て少し歩くと咲夜さんはまた俺の腕に抱きついてきた。慣れてしまったのか黙ったまま二人で歩く、慣れって怖いね。そして紅魔館に着き、咲夜さんはいつものメイド喫茶に着替えて夕食の準備をすると、俺も手伝う事にした。完成した料理を持って行くと、食堂では既に依神姉妹と直子さんが席に着いていた。そしていつもより騒がしい夕食を終えて、俺はいつもバイトで使ってる空き部屋で休んでいると、扉をノックする音が聞こえた。

 

龍騎「どうぞ」

 

咲夜「失礼します...」

 

咲夜さんが寝巻き姿で部屋に入って行き、俺の目の前に近づく。

 

龍騎「どうしました?まさかまだ満足出来てないんですか?れ

 

咲夜「...そんな所です」

 

あー、うん。そういう事ね、もう先の展開が読めたよ(白目)

 

俺は溜め息を吐いて布団の中に入る。そして招き猫のように咲夜さんを手で招くと、俺の言いたい事が分かったのか顔を赤くして布団の中に入ってきた。

 

咲夜「......どうして分かったのですか?」

 

龍騎「そういう展開になるのは予想してましたよ...。今更断っても面倒くさいので...」

 

咲夜「きゃ!」

 

そう言って俺は咲夜さんを抱きしめる。咲夜さんは軽い悲鳴をあげると俺の胸に耳を当てて心臓の鼓動を聞いていた、

 

龍騎「......俺だって緊張してるんですよ。こういうのは経験が無いんです...」

 

咲夜「...あったかい///」

 

龍騎「それは良かったです...」

 

咲夜「あ、あの...///」

 

咲夜さんが俺の顔を見て顔を赤くしながら俺に尋ねた。

 

咲夜「その...、わ、私の事は咲夜と呼び捨てで呼んで下さい...///」

 

龍騎「え...、あ、いやでも咲夜さんの方が歳上だし...」

 

咲夜「歳上だろうと歳下だろうと構いません...///龍騎にも呼び捨てで呼ばれたいんです...///」

 

と、歳上の人でも呼び捨てか...、中々ハードルが高いな...。

 

龍騎「...分かり...、分かった、これで良いか?さ、咲夜...///」

 

咲夜「!は、はい!ありがとうございます!」

 

こうして俺は咲夜の事を呼び捨てで呼ぶ事になった。まぁこれに関しては慣れなのでこの先の俺に任せるとしよう...。そう思った俺は咲夜と眠りついた。翌朝、レミリア達にニヤニヤされながら朝を迎えたのは別の話し...。




いかがでしたか?

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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第四十九話 現役J Kの人探しと再開

どうもです。

第四十九話です。

それではどうぞ。


〜外の世界〜

 

?「ふぅ、今日も学校終わった...」

 

自分の部屋に入り、鞄を手から離して制服を着たままベッドに入る女子高生。

 

?「さぁ〜て、幻想郷へと行きますか!」

 

女子高生は楽しげに言ってゆっくりと目を瞑る。そして深い眠りへと堕ちていった...。

 

 

〜幻想郷・魔法の森〜

 

女子高生「ん〜!やっぱりこっちは空気が全然違うわ!さて、先ず何処に行こうかな〜」

 

自室で眠ってきた筈の女子高生は何故か幻想郷の魔法の森にやって来ていた。この女子高生、宇佐見 菫子《うさみ すみれこ》は寝ている間だけ幻想入りする事ができるのだ。

 

菫子はひたすら歩き続けて人里に着くと寺子屋で教師をしている慧音と赤と白の服に銀髪のロングヘアーの少女を見かけた。

 

菫子「おっす〜!二人共久しぶり〜!」

 

慧音「菫子か、久しぶりだな」

 

銀髪の少女「最近姿が見えないと思ったけど、やっぱり勉強が忙しいのか?」

 

菫子「そうなんだよ!私って今年から受験生だからさ、勉強しようにもうるさくてうるさくて集中出来ないったらありゃしない!でも幻想郷って良いよね、外の世界とは全然うるさくないし、勉強に集中出来る場所もあるからもってこいよ!」

 

慧音「そんなに辛いのか?外の世界の勉強って」

 

銀髪の少女「慧音、外の世界と比べるな...」

 

菫子「何ならやってみる?」

 

そう言って菫子はテキストを取り出して慧音に見せた。慧音はブンブンと首を横に振って断った。慧音は一度、外の世界の参考書(中学生レベル)のを菫子に渡されてやってみたのだが、慧音の知らない事が多すぎて頭がパンク寸前まで追い込まれていたのだ。その所為で外の世界の勉強もするようになったのだが、二割程しか理解が出来ていない。

 

慧音「...それよりも妹紅、お前が言っている例の男の情報は無いのか?」

 

妹紅?「すまん...、ちらっとしか見てなかったからな」

 

妹紅と呼ばれた銀髪の少女は慧音に相談を受けていた。

 

菫子「え?何々?相談?私も相談に乗るよ!」

 

興味本位で妹紅?の相談に乗る事にした菫子は妹紅?に説明して貰った。

 

妹紅?「少し前に輝夜の所で殺し合ってたんだが、私の放った弾幕が永遠亭に来ていた患者に当たってな...。謝りに行こうと思ったんだが永琳の矢が頭に刺さって気絶しちまったんだ」

 

菫子「それで慧音先生に相談してた訳ね」

 

妹紅?「ああ、永遠亭の奴らに教えて貰おうと聞いたんだが『ゲーム感覚で自分で調べなさい』って言われてな...。仕方なく付き合ってるんだが...」

 

菫子「うわっ...、リアルサスペンスゲームとか...。それで情報はどのぐらい集まったの?」

 

慧音「金髪で背中に剣を背負っている男だけで、その時は両腕に包帯を巻いていたらしいんだ」

 

菫子「剣を背負っている金髪の男、ねぇ...」

 

全く情報が無いと言っても良い状況で、どうやって探すかも分からない三人は取り敢えずゆっくり探して行こう、という事で解散する事になった。

 

菫子「金髪の男、か...。男なんて幻想郷じゃ少ない方なんだよなぁ〜」

 

店員「へい、お待ち!」

 

菫子「まぁ最初は腹ごしらえね!いっただきまーす!」

 

妹紅?が探してる男を見つける為、菫子は一旦食事を済ませるべく蕎麦屋に来ていた。菫子はこの蕎麦屋の常連でもあり、幻想郷に来た時はいつものように通っていたのだ。

 

菫子「それにしても金髪の男か...、幻想郷じゃあ珍しいわよね〜」

 

ズルズルと蕎麦を啜りながら考える菫子。頭を働かせながら蕎麦を食べていると入口から若い男性が慌てた様子で店に入ってきた。

 

男「大将、いつもの」

 

店員「あいよ!」

 

菫子「そういえば...、私って男の知り合いはあまりいなかったわね...。二年前に死んじゃった先輩と霖之助さんぐらいしか...」

 

店員「へい、お待ち!」

 

男「いただきます」

 

菫子は今まで男性と関わった事を思い返していると、隣に居た男は速攻で蕎麦を平げ、代金をテーブルの上に置いた。

 

男「ごっつぁん!お金置いとくね」

 

店員「まいど!」

 

菫子「ねぇ店員さん。金髪で背中に剣を背負った若い男性って知ってる?」

 

店員「金髪の若い兄ちゃん?さっきお嬢ちゃんの隣で蕎麦食ってた奴だよ」

 

菫子「......えっ!?」

 

店員は男が置いていった食事代を回収して菫子に言うと、菫子は慌てて外に出てキョロキョロと辺りを見渡す。しかし、金髪の男は誰一人居なかった。

 

菫子「んもぅ〜!何で早く言わなかったの!?」

 

店員「そりゃあ俺に言われても...」

 

蕎麦屋の店員が困惑していると、菫子は急いで蕎麦を完食してお金を払って店を飛び出した。

 

菫子「はぁ〜、最悪、もう少し周りに気にしていれば良かった...」

 

今更後悔してる菫子は、取り敢えず手当たり次第金髪の男の情報収集を行うのであった。其処でまず足を運んだのは博麗神社だった。

 

菫子「霊夢さ〜ん、居る〜?」

 

霊夢「あら、あんたが来るなんて珍しいわね。勉強してたんじゃ無かったの?」

 

霊夢は箒を持って庭掃除をしていた。

 

菫子「息抜きって事で少しもこたんのお手伝いしてるんですよ。なんせそれが人探しで...」

 

霊夢「も、もこたん...?ああ、藤原 妹紅《ふじわらの もこう》の事か。その呼び方止めてくれない?分かりにくいったりゃありゃしない...」

 

菫子「まぁまぁ、今時の学生はそう言う呼び方が常識なんですよ」

 

霊夢「あんたと一緒にしないで頂戴」

 

そう言って掃除を再開する霊夢。菫子は霊夢にも金髪の男について聞いてみる事にした。

 

菫子「ところで霊夢さん、幻想郷に金髪に背中に剣を背負った若い男性って知ってます?」

 

霊夢「金髪に剣?ああ、それは龍き...!?」

 

霊夢は何かに気がついて言葉を途中で区切ってしまった。

 

霊夢(金髪に若い男...、背中に剣を背負ってる...、間違いなく龍騎よね...。何でこいつが龍騎の事を...、まさか!?)

 

霊夢は昔の出来事を思い出した。それは龍騎が幻想入りして一年が経とうとしていた時だった。

 

 

〜龍騎が幻想入りして一ヶ月・博麗神社〜

 

霊夢「...友人が亡くなった?」

 

菫子「はい......」

 

博麗神社に訪れた当時の菫子はいつもとは違い、テンションが低かったので霊夢が聞いてみた。

 

菫子「その人とは長い付き合いじゃ無かったんです。たった一ヶ月の付き合いだったんです...。その人は昔、訳あって私達みたいな女性に抵抗があって...、最初に会った時はいつも私を遠ざけようとしてたんです。でも私は諦めたくなかったんです、あの人なら友達になれるって信じてたんです。それで頑張った甲斐があったのかその人は少しずつではありましたけど、段々と克服出来てるようになって来たんです。でも、ある日の朝に他所の学校のカップルが車で轢かれそうになった時に、その人が庇って事故に遭って...、それで...」

 

霊夢「...それは災難だったわね」

 

菫子「今思うと、私って碌な思い出が無かったんです...。いつも教室の隅っこで本を読んでるし、オカルト好きで誰とも趣味が合わず、ずっと一人ぼっちがと思ったんです。でも、あの人が居てくれたから楽しく無かった学校生活が楽しいって感じるようになったんです。あの人は私の事をただの後輩としか思ってないと思いますが、私にとっては大切な友人なんです...」

 

霊夢「...それで?そいつの事はどう思ってる訳?」

 

菫子「...そうですね、好き...、なんだと思います...」

 

霊夢「何よその中途半端な答えは...」

 

菫子「恋なんてした事無いから分かりませんよ...、でも良いんです。いつまでも引き攣ってる訳にもいかないので」

 

そう言って菫子の初恋は残念な形で終わった...。

 

 

〜現在〜

 

霊夢(も、もし探してる男が龍騎なら絶対にライバルになる...!これ以上増やす訳には...!)

 

咄嗟にそう思った霊夢は焦っていた。これ以上ライバルが増えたら必ず(恋の)大惨事大戦になりかねないからだ。

 

霊夢「さ、さぁ...、知らないわね...。金髪って言ったら魔理沙か紫ぐらいしか知らないし...」

 

菫子「?さっき何か言いかけませんでした?」

 

霊夢「イッテナイワヨ?」

 

菫子「片言になってますよ?」

 

霊夢「キノセイヨ?」

 

菫子「......まぁ知らないって事にしておきます」

 

菫子は怪しさ満点な霊夢を見て言って、霊夢はほっとして胸を下ろした。

 

 

それから情報収集を再開した菫子だったが、一向に有力な情報が手に入らず、気がつけば夜になっていた。

 

菫子「はぁ...、ダメだ...。全然集まらない...、これじゃあもこたんに申し訳ないよ...」

 

溜め息を吐きながら肩を落とす。すると草が揺れる音が聞こえて、菫子は振り返ると二人の妖怪が姿を現した。

 

妖怪1「ククク、こいつは良い所に人間が居たな」

 

妖怪2「人間にしては中々良い顔付きじゃねぇか...」

 

菫子「うっわ...、本当マジ最悪...」

 

菫子に狙いを定めた妖怪達は涎を垂らしながら菫子に近づく。菫子も後退りながら逃げようとするが、足を滑らせてしまい転倒し、眼鏡を落としてしまった。

 

菫子「あれ...?眼鏡は...?」

 

妖怪1「おうおう、ちゃんと前向かないと危ないぞw」

 

妖怪2「まぁ、前に向いても向かなくても意味ないけどなw」

 

そう言って妖怪達は菫子を囲む。

 

菫子(もう本当やだ...、マジでついてない...)

 

自分の不幸に呪いながら菫子は目を瞑ると、

 

 

「はぁーい、其処まで」

 

一人の若い男性の声が聞こえた。

 

「こんな時間に出歩いたら親御さん心配するでしょうが、あ、お前達には親なんていないか」

 

妖怪1「て、てめぇは何時ぞやの!?」

 

「あ、良く見たらお前達この前の...、また懲りずにやってる訳か?さっさと帰れよ」

 

妖怪2「お、おい...、此処は大人しくズラかろうぜ、もうあいつとは戦いたくねぇよ...」

 

妖怪1「だったら先に行ってろ!俺はこいつにだけは...!」

 

「喧しい」

 

男は妖怪1に手刀で気絶させる。そして片手で持ち上げて妖怪2にポイっと投げる。

 

「さっさと帰れ、お前達に構ってやれる程元気じゃないんだよ」

 

そう言って妖怪2は妖怪1を担いで去ってしまった。男は眼鏡を拾い菫子に渡す。

 

「おい、大丈夫か?ほれ」

 

菫子「あ、ありがとうございま...、え?」

 

「え?」

 

菫子はお礼を言いながら眼鏡を掛けると、其処には金髪に背中に剣を背負った若い男性だった。そしてよりにもよって...、

 

菫子「き、霧影先輩!?」

 

龍騎「...お前宇佐見か?」

 

かつて菫子が初めて好きになった先輩である霧影龍騎でもあった。

 

菫子「え、何で!?何で先輩が幻想郷に!?」

 

龍騎「事故って死んで運良く此処に来れた」

 

菫子「本当運が良かったですね...、もしかしてもこたんが言ってた金髪に背中に剣を背負ってる若い男性って...」

 

龍騎「もこたんって誰?でも剣を使ってるのはあってるな」

 

菫子「そ、そうですか...。ってか何で蕎麦屋に居たのに声を掛けてくれなかったんですか!」

 

龍騎「え?お前居たの?急いでたから全然気づかなかった」

 

菫子は奇跡的な再開で頭が働いていなかった。そして龍騎の手を取って立ち上がり、パンパンとスカートを叩く。

 

菫子「...なんか、変わりましたね。先輩」

 

龍騎「......俺も色々あったんだよ」

 

菫子「どうですか?女性不審は治りましたか?」

 

龍騎「もう少しって感じだな...」

 

菫子「そうですか...」

 

それからお互い黙ったままの状態が続いた。そして先に口を開いたのは菫子からだった。

 

菫子「せ、先輩!じ、実はお話ししたい事g」

 

菫子の言葉が途中で区切られてしまい、咲夜が時を止めた感じにポンッ、と菫子が消えてしまった。

 

龍騎「え?......ゑ?( ゚д゚)」

 

龍騎は訳が分からず呆然していた。暫く立ち止まっていた龍騎は『疲れてるのかぁ...』と思い聞かせて帰宅した。翌朝、バイトが休みなので霊夢に菫子と再開した事を話したが、霊夢は少し落ち着かない様子だったが昨日の出来事を聞いて安心していた。

 

 

所は変わって菫子はというと......。

 

菫子「何で!!何で良い所で目が覚めるかなぁ!!」

 

絶賛後悔中だった。

 

菫子「次こそは!次こそは絶対に言ってやる!!」

 

そう言ってシャーペンを走らせ、受験に向けて勉強する菫子だった。いつか彼女の想いが届きますように...。

 

 




いかがでしたか?

自分の嫁を入れてみました。次出るかは未定ですが出してほしいとの要望がありましたら出そうと思います。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。



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第五十話 月へ

どうもです。

第五十話です。

遂に五十話か...。あっという間というか何というか...。

それではどうぞ。


迷いの竹林に訪れたにとりは両手には謎の液体の中に上部には花弁状なものがある卵の入った容器を持って、妹紅に永遠亭まで案内されていた。

 

妹紅「珍しいな...、お前が永琳に頼み事するなんて」

 

にとり「うん...、本当はこんな事したくなかったんだけど、いくらこいつを調べても皆んなエラーが発生して何も情報が無いんだ」

 

妹紅「そういやその卵、見た事が無いな...、いつ拾ったんだ?」

 

にとり「雨が降ってた日があったでしょ?雨が止んだから外に出てみると目の前にあったんだ」

 

妹紅「...それで?調べても分からず仕舞いだから月の連中に調べて貰おう、と...」

 

にとり「あーーもう!!科学なら誰にも負けないのに何なのさこの卵は!?どんな生き物なのか全く分かんないよ!!」

 

妹紅「......悪い予感がする」

 

妹紅は何か嫌な予感を察知し、悪い事が起こらないよう心の中でそう祈った。そして永遠亭に到着すると鈴仙が箒を持って掃除をしていた。

 

鈴仙「あ、妹紅さん。にとりさんもおはようございます。どうしたんですか?こんな朝早くに」

 

妹紅「ちょっと永琳に用があってな。今居るか?」

 

鈴仙「お師匠様ですか?ちょっと待って下さいね」

 

そう言って鈴仙は永遠亭の中へ入って行き、暫くすると鈴仙は戻って来て着いて来いと指示をすると妹紅とにとりは後に着いて行く。部屋に入ると永琳が椅子に座って待っていた。

 

永琳「珍しいじゃない。貴女が姫様と殺し合う以外で用があるなんて」

 

妹紅「用があるのは私じゃない、にとりだ」

 

永琳「でしょうね。その変な卵を見れば何となく察せるわ」

 

にとり「...これを月に持って行って調べて欲しいんだ」

 

にとりは永琳に卵を差し出すと、受け取った永琳は卵を凝視する。

 

永琳「何かしらこの卵...、私でも見た事が無いわね...」

 

妹紅「永琳なら見た事はあるとは思ってたけど、やっぱり知らないか...」

 

にとり「...これって相当ヤバい感じ?」

 

永琳「それ以上かもね...、分かったわ、一応掛け合ってみるわ」

 

妹紅「で?誰が届けに行くんだ?態々月の民に持って来て貰うのか?」

 

永琳「こちらが要求するのにそんな失礼な事する訳ないでしょ?でもどうしましょうか...、鈴仙は嫌がるし...」

 

にとり「......思い切って龍騎に頼んでみる?」

 

妹紅「龍騎?誰だそれ?」

 

永琳「部外者である彼を行かせる訳には行かないわよ。それに彼だって忙しいんだから...」

 

にとり「だよね...」

 

三人が溜め息を吐くと鈴仙が部屋に入ってきた。

 

鈴仙「お師匠様、龍騎さんが来ましたよ」

 

永琳「彼が?何故?」

 

鈴仙「何でも貧乏神が風邪引いたらしいので薬を貰いたいそうで...」

 

永琳「なんでこんなタイミングが良いのかしら...。分かったわ、ちょっと待ってて」

 

そう言って永琳は棚から薬の入った紙袋を手に持って玄関に向かった。

 

 

 

 

龍騎「はぁ...、まさか紫苑が風邪を引くとは...」

 

俺は軽く溜め息を吐きながら永遠亭に向かっていた。朝起きると紫苑が寒いと言い出して熱を測ったら風邪っぽいのでバイトを休んで薬を貰いに来ていた。ちなみに一度永遠亭に来た時にクソ兎こと、因幡てゐが作った落とし穴に落ちた所に俺の魔力を目印にしているので迷う事はなく向かう事が出来る。魔法って少し工夫すれば便利になる事を最近知った。

 

龍騎「よう鈴仙、おはようさん」

 

鈴仙「あ、龍騎さん!おはようございます!」

 

鈴仙が玄関前で掃除をしていたので挨拶する。

 

龍騎「朝早くから悪いな、風邪薬貰えるか?紫苑が風邪引いちゃってさ」

 

鈴仙「風邪薬ですね?ちょっと待って下さい」

 

そう言って鈴仙は永遠亭に入ると、何故か永琳先生が現れた。

 

永琳「おはよう龍騎、朝早くから大変ね」

 

龍騎「おはようございます永琳さん。別になんともないですよ」

 

永琳「そう...、はい風邪薬」

 

俺は風邪薬を受け取り、帰ろうとすると永琳先生に止められた。俺なんかした?

 

永琳「...いきなりで悪いんだけど、少しお使いを頼んでも良いかしら?」

 

龍騎「...お使い、ですか?」

 

お使いを頼まれた俺氏。なんでや(関西弁)

 

永琳「実はにとりが変な物を持ってきて、自分じゃあ解析出来ないから月に持って行って欲しいって言われてね」

 

ちょっと待って?この人なんて言った?月に持って行って欲しい?変な物を?頭おかしいんじゃない?

 

龍騎「無理に決まってるでしょ!?どうやって月に行くんですか!?ロケットは!?宇宙服は!?それに変な物ってなんですか!?怪しさ100%ですよ!!俺風邪薬貰いに来ただけですよね!?なんで俺に危険な依頼をしなくちゃいけないんですか!」

 

永琳「私だって貴方に頼むのは抵抗はあるわ。でもね、月に行けるのは限られてるの。優曇華もあそこへ行かせるのは...」

 

永琳さんが其処まで言う程月に何かあったんだな...。あれ?もしかして...。

 

龍騎「あ、あの...、もしかして永琳先生と鈴仙って月の人なんですか?」

 

永琳「えぇそうよ」

 

龍騎「な、なんだってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」

 

うっそでしょ!?輝夜に関してはなんとなく分かってたけと二人もそうだったの!?え?なんで幻想郷に居る訳!?訳が分かんないよ!?

 

永琳「...話しを戻すけど、やってくれるかしら?」

 

龍騎「えっ、それは...」

 

それって今すぐって事だよな?紫苑を見殺しにする訳にはいかないし、それに何かあったら一日帰って来れないかもしれないし...。

 

 

「なら少し手を貸してあげましょうか...」

 

龍騎「紫さん!?」

 

永琳「紫...」

 

突如現れた紫さんにびっくりして、永琳先生は平常心を保てていた。

 

紫「ごめんなさいね驚かせて。龍騎、悪いけどお願い出来ないかしら?貴方の家に居る依神姉妹と幽霊の面倒は見ておくわ」

 

龍騎「ど、どうして紫さんが...?」

 

紫「......」

 

黙り込む紫さんを見て、追及するのを止めた。いや、追及する気はさらさらなかった。

 

龍騎「...直ぐには帰って来れませんよ?なんでたって変な物なんですから」

 

紫「分かっているわ...、それで良いわね永琳?」

 

永琳「えぇ...、中に例の物があるから取ってきてくれないかしら?」

 

龍騎「分かりました」

 

俺は言われた通り永遠亭の中に入って部屋に向かうと、鈴仙とにとり、そして謎の銀髪美女がいた。

 

龍騎「にとり?久しぶりだな」

 

にとり「おー!盟友じゃないか!携帯電話ありがとね!お陰で外の世界の技術を知る事が出来たよ!」

 

龍騎「別に良いさ、それよりこれから月に行くから例の...」

 

妹紅「な、なぁ...」

 

にとりから変な物を受け取ろうとすると銀髪美女に声を掛けられた。

 

妹紅「わ、私の事覚えてるか?お前が此処に来た時に弾幕を当てた者なんだが...」

 

龍騎「...え?そうなの?」

 

別に気にしてなかったから分からなかった...。だからって決してMじゃないよ?ほんとだよ?リュークンウソツカナイ。

 

妹紅「わ、私は藤原妹紅って言うんだ...、あの時は悪かった...」

 

龍騎「藤原妹紅...、あっ!お前が宇佐見の言っていたもこたんか!俺は霧影龍騎だ」

 

妹紅「もこたん言うな!で、お前は何しに此処へ?」

 

龍騎「今から変な物を届けに月へ行くんだよ」

 

鈴仙・にとり・妹紅「「「えっ?」」」

 

龍騎「いやだから、月に行って変な物を届けに...」

 

鈴仙・にとり・妹紅「「「な、なんだってぇぇぇぇぇ!!??」」」

 

突然大声で叫び出す三人に慌てて耳を塞いだ。うるさいったらありゃしない...。鼓膜破りの達人か?

 

鈴仙「つ、月に行くんですか!?龍騎さんが!?一人で!?」

 

にとり「その...、これを!?」

 

そう言ってにとりは変な液体と気持ち悪い形をした卵が入った容器を見せてきた。うっわきっも...、そりゃ誰も持って行きたくはないよな...。

 

龍騎「みたいだよ」

 

妹紅「みたいだよってお前...」

 

龍騎「まぁそう言う事だから、んじゃこれは借りてくぞ」

 

俺はにとりから容器を受け取り、玄関に戻ると紫さんが目玉がある空間を開けて待っていた。

 

永琳「月の民からは連絡はしてあるわ。もし綿月って姉妹のどちらかに会ったらよろしく伝えておいてね」

 

龍騎「綿月ですね、分かりました」

 

紫「それじゃあ、このスキマに入りなさい」

 

あ、それスキマって言うんだ。ちゃんとした名前があったんだな。俺はスキマの中へ入り、暫く進むとまた別のスキマが開いてあるのを見つけた。それが月の入り口だと信じた俺は足を動かすのであった。

 

 

 

 

 

永琳「...何故彼に行かせたの?」

 

紫「彼について調べてたのよ。そしたらとんでもない事が分かってね...」

 

永琳「とんでもない事?」

 

紫「...永琳、貴女は二十年前の事憶えてるかしら?」

 

永琳「止めて頂戴その話しは...、折角忘れられたと思ったのにその言葉で蘇ったじゃない...」

 

紫「...あの日、私が一人の赤ん坊を拾ったの知ってるでしょ?」

 

永琳「赤ん坊?......確か直ぐに外の世界に...!まさか!?」

 

紫「そのまさかよ...」

 

永琳「なんて事......」

 

紫「月の民には申し訳ないけど、此処で()()()()を起こして貰っては困るのよ...。下手したら幻想郷全員が彼と戦わなければならなくなるし、何より...、霊夢達が嫌がるわ...」

 

永琳「...なんでそんな事早く言わなかった訳?」

 

紫「確証が無かったのよ、彼が本当にあの赤ん坊だったのか...。でもやっと確信したわ、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

近いうちに異変が起きるわ」

 

 

 

 

 

 

 

スキマから出ると真っ暗な空間が広がっていた。そして目の前には建物らしき明かりが照らされていた。

 

龍騎「ほ、本当に月に来たのか...?」

 

確信を持てない状態でゆっくり歩いていると、うさ耳がある小さな女の子が待っていた。俺の存在に気がづくとトテトテと走ってきた。

 

うさ耳少女「貴方が霧影龍騎さんですね?私は『レイセン』と言う者です!貴方様をご案内するよう命じられおります!」

 

龍騎「レイセン?優曇華の鈴仙とは違うのか?...まぁ今は良いか、改めて霧影龍騎です。こいつを解析をお願いしたい」

 

そう言って俺は卵をレイセンに見せると一瞬にして顔を青ざめた。

 

レイセン「きもっ......、あ、すみません!変な事言ってしまって!」

 

龍騎「いやその反応は誰だってするからね?俺もキモいって思ったから大丈夫」

 

レイセン「そ、そうですか...、それでは案内しますね!」

 

龍騎「おっすお願いしまーす」

 

それからレイセンに建物の中を案内された。この後とんでもない事態が起こる事を知らずに...。




いかがでしたか?

お気に入りが200件を超えました。まさか200行くとは思ってもいませんでした(泣)本当にありがとうございます。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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第五十一話 恐怖の始まり

どうもです。

第五十一話です。

ISばかり書いていて投稿が遅れました。申し訳ありません。

それではどうぞ。


月に着いてレイセンと名乗るうさ耳の子に案内されている。それはまるで某青い猫型ロボットが出てきそうな施設だった。...此処って月だよね?俺の知ってる月じゃないんだけど?

 

レイセン「どうですか?月の技術は?」

 

龍騎「...なんて言うか...、外の世界に行けば絶対儲かると思うぞ?」

 

レイセン「外の世界?」

 

龍騎「あれ?永琳先生から聞いてない?俺二年前に幻想郷に来た外来人なんだぜ?」

 

レイセン「えぇぇぇぇぇ!?外来人だったんですか!?」

 

久しぶりだなそのリアクション、月の民でも珍しいのだろう...。

 

龍騎「...そういや、綿月ってどう言う人?永琳先生によろしく伝えておいてって言われてるんだが」

 

レイセン「綿月様ですか?綿月様にはお姉様と妹様が居て、綿月 豊姫《わたつき とよひめ》様はお姉様の方で、綿月 依姫《わたつき よりひめ》は妹様の方なんです」

 

ふーん、様付けするって事は偉いって事か...、って事は永琳先生はその二人より偉いって事?

 

龍騎「...次永琳先生に会う時様付けした方が良いのかな...」

 

レイセン「あ、あはは...」

 

それからレイセンに案内されたのは一つの部屋だった。部屋の中に入ると明かりは点けておらずレイセンと同じようなうさ耳の子がポチポチとボタンを押しながら画面と睨めっこしており、その後ろで紫色のポニーテールをした女性が立っていた。

 

「依姫様、お連れしました」

 

依姫「ご苦労、初めましてだな霧影龍騎。私は綿月依姫、八意様から聞いている」

 

龍騎「やっべめっちゃ美人じゃん生きてて良かったわもう死んでも悔いないわ(霧影龍騎です、急にお邪魔してすみません)」

 

依姫「!?」

 

レイセン「ちょ!?龍騎さん!?本音と建前が逆になってますよ!?」

 

龍騎「え?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あ、ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!??」

 

依姫「................」

 

何やらかしてんの馬っ鹿じゃねぇの!?いくら目の前が美人だからって相手は月のお偉いさんだぞ!?いや心で言ったつもりだったんだよ!?でも永琳先生や紫さんにも負けないぐらい美しいんだよ!?そりゃ誰だってそう思うよ!」

 

依姫「〜〜〜〜〜〜〜っ///」

 

ほら見て!顔めっちゃ赤くなってるよ!?絶対怒ってるよデッドエンドだよ!?あ、でも美人さんに殺されるのもありかも...って俺はMじゃない!

 

龍騎「すすすすすすすみません!!もう煮るなり焼くなり好きにして下さい!!なんだったら貴女の刀で頸斬っても良いですから!」ドゲザ

 

依姫「お、落ち着け!私は怒ってはない!...ビジンナンテイワレタコトガナカッタカラ...」

 

何この人嫁に貰ってもいいかな?

 

依姫「っ!ん、ん"ん"っ!それで、八意様から例の物を預かっているな?」

 

龍騎「あ、はい。どうぞお納め下さい」

 

俺は土下座した状態で例の卵を渡す、まるで悪代官にお菓子の下に小判が入った箱を渡すように。

 

依姫「土下座のまま渡すのか?...まぁ良い、確かに受け取った。ご苦労だったな」

 

龍騎「いえいえ...、そう言えばお姉さんの方はどうしたんですか?挨拶しようとしたんですが...」

 

依姫「ああ、お姉様なら......」

 

豊姫『暇を潰すのに忙しいから依姫、後は頼んだ』

 

依姫「...と、言って今席を外している」

 

おいおいそんなんで良いのか姉さんよ...、少しは妹さんを見習ったらどうかと...。

 

依姫「すまない...、お姉様は天真爛漫な方で...」

 

龍騎「べ、別に良いですよ...、そういう人は嫌いじゃないので」

 

依姫「そう言って貰えると助かる...、これからどうするのだ?地上に戻るのか?」

 

龍騎「出来れば此処に残っても良いですか?折角月に来たんですから色々と見て周りたいですしおすし」

 

依姫「おすし...?」

 

......それに、嫌な予感がするんだよな...、あの卵から。

 

依姫「そうか...、ならレイセン、彼を案内してくれ。くれぐれも迷惑を掛けてはならんぞ。八意様の大事な助手なのだからな」

 

レイセン「はい!」

 

おいちょっと待て助手ってなんだよ助手って、鈴仙だろそれは。

 

レイセン「龍騎さん!外の世界について教えて下さい!」

 

依姫「......外の世界?」

 

龍騎「おう良いぞ、って言っても俺も詳しくは話せないけどな」

 

そう言って俺とレイセンは部屋を出て、外の世界について説明した。まず縄文時代から現代までの歴史について簡単に説明した。レイセンは飽きる様子は無く真剣な顔で話しを聞いてくれた。いや〜嬉しいねぇ...、こうやって真剣に聞いてくれると教えて良かったと思うよ、慧音さんの気持ちが分かる気がする。

 

レイセン「龍騎さん!この話しを皆んなに聞かせたいのですが大丈夫ですか?」

 

龍騎「俺は良いよ、おたくらが興味があるかどうかだけど」

 

レイセン「ありがとうございます!」

 

そう言って俺はある部屋に待機されてレイセンが何人かのうさ耳をつけた少女達がぞろぞろと入ってくる。.......多くない?何これ女子校?

 

レイセン「それでは龍騎先生!お願いします!」

 

「「「「よろしくお願いします!!」」」」」

 

あぁ〜、まったく小学生(?)は最高だぜ!(爆弾発言)

 

.....................なんてのは冗談です。言ってみたかったですなのでロリコン認定しないで下さいお願いします何でもしますから...。

 

龍騎「...あー、ごほん。皆さん初めまして、GTK(グレートティーチャーキリカゲ)こと霧影龍騎です。今日は特別授業(?)として外来人である私が外の世界の歴史についてご教授しましょう。本日はよろしくお願いします」

 

「「「「「よろしくお願いします!」」」」」

 

おー、やる気に満ち溢れているね〜。こっちもやる気が漲るってもんだよ。

 

「じゃあ説明していきますね...。まず我々人間が誕生する前はですね......」

 

其処から中学校から高校まで習ったであろう歴史を説明した。途中、うさ耳少女達の質問を受けては返していきの連続で鎌倉時代まで数時間は過ぎてしまった。俺もつい楽しくて時間を忘れていた。慧音さんの所で一回体験してたけど教師も案外悪くないかもな...。

 

そう思ってるその時、突然警音ブザーが鳴り響く。

 

龍騎「!?なんだ!?」

 

レイセン「敵襲!?」

 

『緊急事態発生!緊急事態発生!施設内に未確認生命体が出現!直ちに迎撃せよ!繰り返す!直ちに迎撃せよ!』

 

「未確認生命体!?」

 

「何それ!?」

 

レイセン「...龍騎さん!」

 

龍騎「まさか......、生まれたってのか!?」

 

まさか嫌な予感が的中した。恐らく生まれた時に部屋に脱出したのだろう。

 

龍騎「レイセン!追いかけるぞ!」

 

レイセン「は、はい!」

 

俺は廊下に出ると何人か倒れていた。俺は身体を起こして声を掛ける。

 

龍騎「大丈夫ですか!?しっかりして下さい!!」

 

「..............」

 

龍騎「大丈夫ですか!?大丈夫ですか!!??」

 

「.............................」

 

レイセン「龍騎さん...」

 

俺は脈があるが確認するが何も感じられなかった...。俺はレイセンに顔を向けて首を横に振る。レイセンは口を押さえて愕然とする。

 

レイセン「そ、そんな......、じゃあ此処に倒れてる人達も...」

 

龍騎「やられてると言っても良いだろ...、クソ!一体何が起こってるんだよ!」

 

...此処で怒っても仕方ない。俺は廊下を走り出すとレイセンも後に続いて来た。俺とレイセンは依姫さんと出会った部屋に向かうと、キーボードを打ち込んでいた二人のうさ耳少女も倒れており目の前のガラスが割れた形跡もあった。レイセンが生存確認してる時に倒れてるうさ耳少女の顔を見ると、

 

レイセン「きゃあああああああああ!!」

 

レイセンは悲鳴を上げた。俺はうさ耳少女の顔を見ると、思わず口を塞いでしまった。

 

龍騎「顔が...、無くなったる......」

 

顔面が血だらけ...、筋肉だけで無く骨も食いちぎられた痕が残っていた。恐らく隣のうさ耳少女もだろう...。

 

「いたぞ!あそこだ!!」

 

「逃がすな!追え!!捕まえろ!!」

 

龍騎「!?馬鹿!下手に捕まえようとするな!!」

 

俺は慌てて廊下に出て声がした方向に向かう。するとこちら側にうさ耳少女達の大群が蜘蛛のような生き物がぴょんぴょんと跳ねて逃げ回っている。

 

レイセン「な、何ですかあれ!?」

 

龍騎「あれが元凶か!にしても気持ち悪いなこんちくしょう!」

 

蜘蛛のような生き物は俺に気づくと俺の顔面に目掛けて飛びついて来た。俺は腕で防ぎ、雷属性を解放させて感電させる。蜘蛛のような生き物はビクビクと跳ねながら痙攣していた。

 

龍騎「な、なんだよこれ...」

 

依姫「龍騎!レイセン!無事か!?」

 

依姫さんが駆けつけると感電した蜘蛛のような生き物を見る。

 

龍騎「取り敢えず感電しておきました。今のうちに捕獲を」

 

依姫「すまない...、これは何とかしなくてはな......」

 

そう言って依姫さんが捕獲しようとすると、蜘蛛のような生き物は起き上がりゴキブリのように素早く去ってしまった。

 

依姫「何!?」

 

龍騎「なんて早さだよ...!」

 

レイセン「追い掛けしょう!」

 

それから俺達は追い掛けるが、隅から隅まで探して見たものの、やつの姿を見る事は出来なかった...。

 

龍騎「くっそ!何処に行きやがった!」

 

依姫「まずいぞ...、一刻も早く見つけ出さなければ被害が拡大するぞ...」

 

レイセン「でも、あの気持ち悪いのが行きそうな所なんてもう...『きゃあああああああああああああああ!!』!?」

 

龍騎・依姫「「!?」」

 

レイセンが言っている途中で悲鳴が響く。恐らくあの蜘蛛野郎に襲われたのだろう。

 

レイセン「今のは!?」

 

龍騎「っ!依姫さんはこの事をお姉さんに報告して下さい!蜘蛛野郎は俺に任せて下さい!」

 

依姫「し、しかし...」

 

龍騎「時間が無いんだ!うじうじしてる暇があるなら行動に移せ!」

 

依姫「!わ、分かった!直ぐに向かう!それまで無事で居ろよ!」

 

そう言って依姫さんは走り去って行くと俺とレイセンは悲鳴が聞こえた方角へ向かう。其処はなんと施設の外、其処からうさ耳少女の多くが倒れていた。

 

龍騎「くそ!遅かったか!」

 

レイセン「......!?龍騎さん!」

 

レイセンが指を指す方向を見ると、蜘蛛野郎がぶくぶくと身体が膨らみ、まるで蛇のような形となった。

 

龍騎「成長...したのか...?」

 

レイセン「嘘......」

 

俺とレイセンは固まっていた...。この謎の生命体の生態を...。

 

そして、この化け物と戦うと思うと恐怖を感じられずにはいられなかった...。




いかがでしたか?

オリジナル異変(異変かどうかは置いといて)なので少々不安ではありますが、楽しんで貰えるとありがたいです。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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第五十二話 暴走

どうもです。

第五十二話です。

それではどうぞ。


蜘蛛みたいな生き物が蛇の形になって俺達は固まった。恐らくレイセンの仲間の筋肉や血液を摂取した為成長したのだろう...。

 

龍騎「やるしかない...!レイセン、離れてろ!」

 

俺は剣を抜いて化け物に向けて構える。すると化け物は俺を捕食しようと襲い掛かって来た。俺は剣を振って攻撃するが、化け物のサイズが小さいのか簡単に避けられてしまう。

 

龍騎「くそ!だったら!」

 

俺は左手に雷属性を解放して化け物を掴んで感電させる。が、一度感電した所為なのか耐性がついたらしく感電しなかった。

 

龍騎「!?うっそだろ!?」

 

?「シャアアアアアアアアアアアアアア!!」

 

化け物は俺の左腕を噛み付いた。とてもじゃないがガッツリ噛まれていてミシミシと骨が悲鳴をあげる。

 

龍騎「!?この野郎!!」

 

俺は化け物を振り払い、回復魔法で治療する。振り払っても尚、化け物は元気である。再び化け物は俺に噛み付こうとすると化け物は何か弾丸のような物に当たって吹き飛んだ。

 

レイセン「龍騎さん!助太刀します!」

 

レイセンがライフルを持って援護してくれた。ナイスだレイセン褒めて遣わすぞ。

 

龍騎「レイセン!依姫さん達を呼んで来てくれ!多分俺じゃあ勝てない!」

 

レイセン「は、はい!」

 

俺がそう言うとレイセンは走り去って行った。これで少しは安心して戦えるな...。

 

ーーーあの化け物...、とんだ再生能力を持っているな。あのレイセンと言ったチビが撃った痕がもう塞がった。

 

龍騎「聞きたくなかった情報をどうもありがとう」

 

やべぇな...、再生能力が異常なら一気にケリつけないと危ないって事だろ...?どうする?俺は魔理沙みたいな火力の高い技なんて持ってないし...。

 

そんな事思っていたらまた化け物が襲い掛かって来た。

 

.......そうだ!あれを使えば足止めは出来るかも知れない!やった事なんて無いけど、やるしかない!!

 

?「シャアアアアアアアアアアアアアア!!」

 

龍騎「よっと!」

 

俺は化け物の噛みつき攻撃を横に避けて、右足に氷属性を解放させる。

 

龍騎「氷符『氷裂脚』

 

俺は化け物に向かって上に足蹴りをすると、地面から剣山のような氷が化け物に襲う。そして化け物は氷の剣山に当たり化け物は氷の山の中に閉じ込めるように氷ついた。

 

龍騎「流石に氷だったら身動きは取れないだろ、一気に叩く!」

 

俺は火属性を解放させて剣に炎を纏わせて化け物に斬り掛かる。

 

龍騎「火剣『煉獄火炎斬』

 

技を放ち、化け物に連続斬りをして左手に闇属性を解放させてブラックバンカーを放ち吹っ飛ばす。吹っ飛ばされた化け物は地面に何回がバウンドして動かなくなった。

 

龍騎「......倒せなくてもダメージは与えられただろ」

 

ーーーだと良いがな....,.。

 

?「ゔぅゔ......、ゔゔゔゔゔ......」

 

化け物が吹っ飛ばされた方向から謎の鳴き声が聞こえる......。俺は再び剣を強く握りしめて戦闘態勢に戻る。すると......。

 

龍騎「!?な、なんだこれ......!?」

 

ーーー流石は化け物だな...、気持ち悪い面だ...。

 

其処には蛇のような化け物では無く、人間のような五本指の足と手、尻尾が生えた謎の生命体が立っていた。

 

龍騎「おいおい...、いくらなんでも成長し過ぎじゃないか...?」

 

?「ウ"ゥ".......、ア"ァ"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア''!!

 

謎の生命体は雄叫びのような奇妙な声で叫ぶ。俺は咄嗟に耳を塞いでしまった。

 

龍騎「うるせぇぇぇぇぇ!耳イカれるわ!!」

 

ーーー面倒だな......。

 

?「ウ"ゥ".......!!ア"ァ"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!

 

謎の生命体は物凄い勢いで接近して、俺の腹を思いっきり殴って来た。

 

龍騎「がはっ!?」

 

俺は口から血を吐き出し腹を抑える。なんて一撃だ......、一発だけなのにとんでもねぇパワーだ...!

 

ーーー......!逃げろ!

 

龍騎「言われなくても......!」

 

俺は一度下がるものの、謎の生命体は俺の背後に周り、口を開くとプラズマが発生し出す。

 

龍騎「!?やべっ!」

 

?「ア"ァ"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!

 

俺は限界まで身体を捻ると、謎の生命体は口から虹色の極太レーザーを発射した。

 

龍騎「魔理沙のマスパみたいだな......!」

 

ーーー...違う、あれはマスタースパークそのものだ。

 

龍騎「.......と言うと?」

 

ーーー恐らく、奴は生き物の筋肉か血を摂取する事で自分を強化する仕組みになってるんだろうな。あいつは元々マスタースパーク自体知らない筈なのに糸も簡単に使っていた。それは......。

 

龍騎「俺の血を摂取したからデータとなって出来るようになった...、か...」

 

こいつ...、コピー能力を持っていたのか...。しかも俺のだけでなく魔理沙のも...、もしかしたら霊夢やレミリアの技を使えるんじゃ......。

 

龍騎「......くっそ、もう良い!こうなったらヤケクソだ!」

 

俺はもう一度火属性を解放させて接近する。謎の生命体も握り拳を作って殴り掛かる。

 

龍騎「はぁ!!」

 

?「ア"ア"ア"ア"!!」

 

俺は謎の生命体に斬りつけるが、予想外に硬く傷一つ付ける事が出来なかった。いや硬くね!?ガ◯ダ◯ウ◯合金かよ!?

 

?「ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!」

 

謎の生命体は雄叫びを上げながら俺に殴り付ける。パワーが尋常じゃない為、ダメージが大き過ぎる。

 

龍騎「くっ......!この野郎!!」

 

ーーー待て!迂闊に突っ込むな!!

 

黒騎が忠告して来るが俺は無視して攻撃を仕掛ける。

 

龍騎「火剣『炎円斬』

 

俺は炎円斬を放つが、謎の生命体は口を大きく開いて剣を受け止めた。

 

龍騎「!?」

 

そして謎の生命体は俺の剣を噛み砕いた。

 

龍騎「..............うそだろ...?」

 

俺は折れた剣を見て呆然としていた。レミリアに貰った剣が...、折れた...。

次の瞬間、頬に強い衝撃が走った。そのまま吹っ飛ばされて地面に叩きつけられた。

 

ーーーおい、身体を貸せ!俺がやる!

 

龍騎「..................」

 

黒騎が何か言っているようだが、何故か聞こえなかった...。それに段々意識が失っていく感じがして...、

 

ーーーおい、しっかりしろ!おい!!

 

......ああ、ダメだ......、もう、むり............。

 

レミリア......、フラン......、美鈴さん......、パチュリー......、小悪魔さん......、萃香さん......、文......、はたて......、にとり......、キスメ......、パルスィ......、勇儀さん.....、ヤマメ......、さとり......、こいし......、お燐......、お空......、慧音さん......、寺子屋の皆んな......、命蓮寺の皆さん......、鈴仙......、クソ兎......、輝夜......、永琳先生......、もこたん......、幽花さん......、幽々子さん......、藍さん......、橙......、紫さん......、霖之助さん......、アリス......、魔理沙......、

 

 

妖夢......、

 

椛.........、

 

早苗..............、

 

咲夜.....................、

 

霊夢............................、

 

ごめん............、俺................、死んだ.............。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

?「そろそろですね....」

 

?「うむ..............」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍騎「う"................、う"ぅ"ぅ"...................」

 

ーーーちぃ!何故だ!?何故乗っ取れない!?こいつ自身が否定しているのか!?

 

?「ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!」

 

ーーー!?

 

謎の生命体に攻撃を受け続けた龍騎は地面に倒れたまま微動だにしない。黒騎は何度も呼び掛けるも反応が無く、無理矢理乗り移ろうとするがそれが出来ずに焦っていた。そして謎の生命体が止めを刺そうと尻尾を龍騎に向けて突き刺そうとすると黒騎は咄嗟に死を覚悟した...。が、尻尾が突き刺さる事は無かった...。

 

龍騎「ヴヴヴ......」

 

龍騎が謎の生命体の尻尾を掴んでいた。

 

龍騎「グルルルゥ"ゥ"ッ..........

 

?「ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"アア"ア"!!」

 

謎の生命体は龍騎に向けてマスタースパークを発射しようとするが、龍騎は尻尾をへし折った。すると謎の生命体は悲鳴を上げるが龍騎はへし折った尻尾を引き千切ると尻尾から黄色い血液が飛び散り、腕に付くと物凄い早さで溶け出した。

 

龍騎「カ"ァ"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!

 

龍騎は謎の生命体に向かって大きくジャンプし、頭を踏み台にする感じで踵落としを決める。そして右手に火属性を解放させると思いっきり謎の生命体に殴り付ける。すると殴った痕から血が噴き出して龍騎は右腕に大量の血を浴びたがお構いなしに殴っては蹴りを入れていく。

 

謎の生命体も負けじと龍騎に攻撃をするが、龍騎の変貌した攻撃に与えるどころか逆に受けてしまっていた。龍騎はただひたすら殴り続けていく。

 

龍騎「ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

黒騎「........な、何が起きて...!?」

 

黒騎が目を覚めると其処には見覚えのない格好をしていた。

 

黒騎「..........どうなってやがる...?...まさかあいつの所為でこの身体に吹っ飛ばされたって事か...?」

 

黒騎は困惑していた。さっきまで龍騎の身体の中へ居たの筈だが、気がつけば見覚えの無い姿となっていた。

 

黒騎「.........あいつは今どうしてる...?」

 

黒騎は当たりを見渡すと、其処にはいつもとは違う龍騎と先程よりボロボロな謎の生命体の姿であった。

 

黒騎「一体何が起こってやがる....,?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍騎「カ"ァ"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!」

 

?「ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!」

 

龍騎と謎の生命体はひたすら殴り続けていた。お互い満身創痍でありながらも血を流しながらひたすら殴り続ける。

 

龍騎「カ"ァ"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!」

 

龍騎は最早使い物にならない右腕を振るうが謎の生命体は龍騎の右肩に齧り付いた。少しずつ顎の力を強めていき、食いちぎろうとするが、龍騎は無理矢理右肩を自分で骨を外すかのように強引に引き千切る。右腕から大量の出血するが、龍騎は左腕で謎の生命体の顔面に殴り付ける。

 

龍騎「カ"ァ"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!」

 

そして龍騎は謎の生命体の口の中に拳を突っ込んで余った魔力を利用して爆死覚悟で火属性を解放し、大爆発を起こした。

 

龍騎「..........」

 

黒騎「.............!」

 

?「ヴヴヴッ.........、グルルルル........!」

 

黒騎「あんだけ食らったのにまだ生きているのか.......、化け物め....!」

 

謎の生命体は爆発しても尚、生きていた。龍騎は左腕の肘から先を失くしたまま倒れたままだった。謎の生命体が龍騎にゆっくりと近寄る。

 

黒騎「あいつ...、捕食する気か...!」

 

黒騎は腕を抑えながら謎の生命体に近づく...。すると、

 

「戯れは終わりだ、醜き者よ。散れ」

 

謎の生命体の横から風が吹いて来ると、其処に居た筈の謎の生命体は一つも残らず消えてしまった。

 

黒騎「なんだ..........、今の...............?」

 

依姫「おい、大丈夫か!?」

 

黒騎「........っ、俺の事は良い、まずあいつを運べ」

 

依姫「...!?分かった」

 

依姫が声を掛けると反応が遅れた黒騎だったが、龍騎を運ぶよう伝える。依姫は一度困惑したが、黒騎の指示に従う。その後龍騎は施設に運ばれて緊急手術を行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

?「いかがでしたか?」

 

?「素晴らしい...!予想通りだ...!」

 

?「.........では、お戻りになりましょう」

 

?「うむ」

 

龍騎の暴走を見届けた謎の二人はまた何処かへ消えてしまった...。

 




いかがでしたか?

謎の生命体は映画『エイリアン』に出てくる『ゼノモーフ』をイメージしてみました。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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第五十三話 戦いの代償

どうもです。

第五十三話です。

それではどうぞ。


依姫「........成る程、話しを纏めると龍騎が謎の生命体と戦ってる間に突然暴走し出し、両腕を失ったものの致命症までダメージを与えた。そして暴走が始まったと同時に龍騎のもう一人の人格であるお前は魂ごと吹き飛ばれて近くにあった玉兎の死体に憑依した、と...」

 

黒騎「......ああ」

 

謎の生命体から三時間が経過、黒騎は死んだ玉兎の身体を使って依姫に報告した。龍騎は何とか一命は取り留めたがまだ意識が戻らない。

 

黒騎「しかしどうなっているんだ?あいつにあんな力なんて初めから無かったぞ?どうしてこんな時に...」

 

依姫「分からん...、あの化け物も調べたかったがもう何一つも残ってない」

 

黒騎「......あれは一体何なんだ?」

 

依姫は残念そうな顔になると、黒騎は気になっていた事を聞いた。それは謎の化け物が一瞬でいなくなった現象の事だ。

 

依姫「...お姉様の扇子には森を一瞬で素粒子レベルで浄化する風を起こす事が出来るんだ。あの風をもろに食らった化け物でもただでは済まない」

 

黒騎「.....お前達月の民はとことん恐ろしい者だ」

 

黒騎は机の上に足を置いて眠りにつこうとすると依姫に止められた。

 

依姫「黒騎......、すまないがその身体は返して貰えないだろうか?元は戦場で散った者の身体だ、せめて我々の手で棺桶に眠らせてやりたい...」

 

黒騎「.........」

 

依姫「......代わりにお前用の身体を用意する。機械の身体だが不自由はない筈だ」

 

黒騎「.............信じて良いんだな?」

 

依姫「任せろ、保障してやる」

 

黒騎「.....................良いだろう、なら早くしろ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍騎「...........................知らない天井だ、それもそうか」

 

俺は意識を取り戻すと身体に違和感を感じていた。俺は首を動かして右腕を見ると、

 

龍騎「.........腕ない」

 

と、冷静な状態で反応した。ついでに左手も見てみると膝から先が無かった。普通なら驚きを隠せないかもしれないが相手が相手だ。あんな化け物と戦って五体満足で生還出来る方が奇跡だ。

 

龍騎「これ......、絶対霊夢に怒鳴られるやつだ......」

 

俺は身体を上手く動かして上半身を起こすと何故か()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

龍騎「......?」

 

俺は気になって下を向くと、其処には()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

龍騎「.......................( ゚ ω ゚)?

 

あっれれ〜?おっかしい〜ぞ〜?男には無いものが存在してるぞ〜?

 

それになんか足がいつもより短い感じが...。俺は更に自分の胸を覗き込むように顔を近寄ると、先っぽにはピンク色のボタンに綺麗なピンクの輪っかがあった。

 

龍騎「..................( ゚ ω ゚)???

 

...........これは夢だ、夢に違いない...。だって存在しない筈のものがあるし、しかも太腿擦っても突起物のとの字も無いんだぜ?試しに身体を揺らして見ると俺の胸がプルンプルンと揺れていた。

 

龍騎「くぁwせdrftgyふじこlp!!??

 

う、嘘でしょ......?マジで言ってんの......?嘘だ......、嘘だ......!!

 

龍騎「嘘DAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!??」

 

俺が叫ぶと扉が開かれて知らない人物が出てきた。

 

?「ようやく起きたか..........、なんだその格好は?」

 

龍騎「マ◯ギ◯スゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!

 

俺は謎の人物に体当たりして八つ当たりした。

 

?「誰がマ◯ギ◯スだ!?お前本当に何があった!?」

 

龍騎「そ、その声......、黒騎?」

 

黒騎「ああ...、機械の身体だがお前のお陰でこうやって身体を手に入れる事ができた。一応礼は言ってやる」

 

龍騎「そんな事より俺を元に戻せぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 

そう、俺こと霧影龍騎は......、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人生初めて性転換(ロリ巨乳)を体験する事になったのだ...。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍騎「ふむふむ、成る程...、つまり俺は気絶したかと思ったら暴走して、腕が無くなったけどあの化け物を倒す事はできた。んでこうなったのは恐らく能力の過剰使用によるペナルティなんじゃないかって事だな?」

 

黒騎「ああ...、その後お前は緊急手術を行い、なんとか息を吹き返したと言うと訳だ。俺はその間憑依していた玉兎の死体と今の身体を入れ替えたと言う訳だ」

 

俺は黒騎の説明を受けていた。成る程ね、通りで姿は女の子っぽいけど肝心な声は全然変わらないと思った訳だ。ま、まぁ百歩譲ってTSになったり身長が縮んだりするのは別に良いんだよ?良くないけどまだペナルティは軽い方だよ?でもね...、両方はダメだよ...。なんでかって?そりゃあ......。

 

?「よーしよし♪良い子ね〜♪」

 

?「ふふふ...、可愛い我が孫よ...」

 

?「〜〜〜♪」カキカキカキ

 

謎の女性に弄ばれてるからだよ...。聞いたでしょ今の言葉?勝手に孫扱いされちゃったよ。だーめだよ完全に、新しい玩具を見つけた目をしてるんだもん。か弱い生命を弄ぶ超越者の目をしてるよ......。

 

黒騎「......綿月依姫、一人だけスケッチブックで会話をしている奴は誰だ?」

 

黒騎が気になったのか依姫さんに聞いてくる。あ、それは俺も知りたい。

 

依姫「あの方は稀神 サグメ《きしん さぐめ》様。『口に出すと事態を逆転する程度の能力』を持っている為、会話をする時はあれを使っているのだ」

 

黒騎「......成る程」

 

何そのチート能力...、敵になったらめっちゃ面倒くさいやつじゃん...。

すると俺の腹からグゥーと鳴り響く。

 

龍騎「腹減った......」

 

黒騎「さっきまで寝ていたからな。無理もない」

 

?「!なら私が作ってきてあげるわ!ちょっと待っててね!」

 

依姫「止めてください豊姫《とよひめ》姉様!食事が我々が......!」

 

豊姫「何言ってるの依姫!お腹を空かせた子供が居るのよ!?」

 

龍騎「俺もう二十歳なんですが......」

 

依姫「桃しか無い料理を出す気ですか!?」

 

豊姫「皆んな桃大好きでしょ!?」

 

依姫「限度があります!!」

 

?「ふふふ......、ならこの私が手料理を振る舞ってやろう!」

 

依姫「純孤《じゅんこ》......、貴様...!」

 

純孤「お腹空いたのだろう我が孫よ......、たらふく食べさせてやるぞ...?」

 

そう言って純孤と名乗る人は俺をおんぶする。なんでだろう...、見た目は美人なのに笑顔が怖い...。

 

サグメ『彼女は怪我人なのです。もっと健康に良い物を用意すべき』

 

サグメさんがスケッチブックでそう書いて俺達に見せる。確かにありがたいけど俺、男ね?女じゃないからね?

 

豊姫「ご心配には及びませんわザクメ様、彼に相応しい料理を提供しますので」

 

ふふふ、と笑う豊姫さん。あ、これピーチフェステバルだわ。

 

純孤「やはりお前達に任せてられんな...、此処は私が人肌脱ごう!」

 

それから誰が作るか言い合いになって時間だけが過ぎていく。俺の腹は更に食い物を寄越せと要求し出す。はぁ......、仕方ない。

 

龍騎「あ、あの〜......」

 

豊姫・純孤・サグメ「「『何!?』」」

 

 

 

龍騎「け、喧嘩しないで......、仲良くしてよ、ママァ〜....,」ウワメズカイ

 

 

豊姫「」

 

純孤「」

 

サグメ『』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

純孤「ふはははははははははははははははははははははは!!嫦娥よ!!見てるか!!遂に私に娘が誕生したぞおおおおおおおおおおおお!!」

 

 

豊姫「違うわ!!あの子は私の娘よ!!そう言ったのはあの子なのよ!!

 

さぐめ「ガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリ」⇦物凄いスピードで文字を書いては紙を破ってまた新しい紙に書きまくるザクメ

 

 

龍騎「.......やっちまったぜ⭐︎」テヘッ

 

黒騎「くだらん......」

 

黒騎の方へ見て左目を閉じて舌を出すと、黒騎に呆れられてしまった...。その後三人を残したまま俺は食堂へ向かい食事を済ませた。まぁ両腕がないからあーんは確定なんだろうけど.....、分かってはいたけどさ......。

 

龍騎(なんで玉兎だけ限定なの...?)

 

何故か俺の前には玉兎の長蛇が出来ていた。そして俺が満腹するまで一人一人スプーンを差し出しては俺が口に入れるのをひたすら繰り返すだけ...。

 

これは新手の拷問かな?

 

そして食事を済ませた俺は依姫さんに呼び出された。

 

依姫「...改めて礼を言わせてくれ。感謝する」

 

依姫さんは頭を下げてお礼を言った。

 

龍騎「も、もう良いですよ...。俺は気にしてないので...」

 

依姫「......そうか、せめて腕の怪我か治るまでゆっくりしていくと良い」

 

龍騎「えっ?治せるんですか?」

 

依姫「ああ、時間は掛かるが治せるぞ。一気に再生させる方法はあるが今のお前にはリスクが大き過ぎる」

 

成る程ね...、確かにそうかもしれない......。ってか失くした腕を治せるとか凄いな...、義手とかじゃないんでしょ?

 

それから俺は部屋に向かい、ベットの上で横たわる。振り返ってみると俺って結構面倒事に巻き込まれているんだな...。

 

龍騎「...あんまり、あいつらには...、迷惑を、かけ...ない...ように......しない、と......」

 

突然襲い掛かった睡魔にやられて俺は深い眠りに落ちた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

黒騎「それで?話しとはなんだ?」

 

依姫「.........黒騎、お前にはある奥義を習得して貰う」

 

黒騎「...........................」

 

依姫「それは我々月の民でも習得が難しいと言われた奥義、その名は......、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

月影『幻夢零』お前にはそれを習得して貰う!」




いかがでしたか?

黒騎の身体はFateのモードレッドだと思って下さい。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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第五十四話 男と玉兎と珍回答

どうもです。

第五十五話です。

それではどうぞ。


俺が目が覚めて三日、未だに元の姿に戻ってない俺はせめて義手だけでも付けろと言われたので付けて貰う事にした。流石は月の技術、数分もしない内に完成させやがったよ。そして試しに付けてみたらもう大興奮。えっ?なんでかって?

 

 

腕がロ◯ク◯ンになってるからだよ。

 

凄いよマジで、イメージしたらバスターになったり、ソードになったりしてもうロ◯ク◯ン◯グ◯みたいになってるもん。トランスミッション出来るよ。

 

そんな訳だがまだリハビリはまだするなと言われたのだが......。

 

龍騎「.........暇だ」

 

現在進行形で退屈していた...。身体は動けるのだが激しい運動はするなと言われてしまったので本を読む事しかやる事がない。

 

龍騎「はぁ...、誰か時間が潰せるもの持ってないかな......」

 

そんな事をぼやいていたらコンコン、とノックする音が聞こえた。俺は適当にどうぞー、と返事をするとレイセンが入ってきた。

 

レイセン「失礼します。お身体はどうですか?」

 

龍騎「暇すぎて瀕死の重症です」

 

レイセン「そうですか、問題ないみたいですね」

 

人の話し聞いてた?瀕死の重症だって言ったじゃねぇか。お前の着いてる耳は飾りなのか?それとも腐ってるのか?ちゃんと聴覚働いてる?

 

レイセン「そうだ!龍騎さんこの間の続きをやって下さい!」

 

龍騎「この間の続き?」

 

レイセン「はい!外の世界の歴史についてですよ!」

 

あ〜、そういえばやってたな。まぁ時間潰しには良いか。

 

龍騎「OK、んじゃやるか」

 

そう言って俺達は前回行った部屋へ向かうと、何人かの玉兎達は居た。レイセンが呼んだのか数分後には部屋はあっという間に満席状態になっていた。

 

龍騎「......多くね?前回より増えてね?」

 

レイセン「あ、あははは......」

 

笑い事じゃないでっせーレイセンさんや......。まぁ良いや、兎に角始めよう。

 

龍騎「え〜、皆様ご機嫌よう。UTK(アルティメットティーチャーキリカゲ)こと霧影龍騎です。前回の特別授業(?)が好評(?)につき、本日もやらせて頂く事になりました。それでは皆さん、よろしくお願いします」

 

「「「「「「よろしくお願いします!!」」」」」」」」

 

レイセン(グレートからアルティメットになっている...)

 

龍騎「んじゃあ始めるぞ〜、えーと前回は...」

 

それから前回の続きから現代まで三日掛けて教授した。そして歴史の他に外の世界の5教科も教えた。いや〜良い時間潰しになったよ。それにしてもやる事が減ってしまったな......、そうだ!

 

龍騎「テスト作るか!」

 

そう決めた俺は早速小テストを作る事にした。

 

 

〜数日後〜

 

龍騎「さぁ〜て!見ていきましょうかね!」

 

そう言って俺は赤ペンを持って玉兎達の回答を見ていく。

 

 

 

 

 

 

第一問(国語)

 

『上手な人も時には誤りを犯す』と言う意味を持つことわざを答えなさい。

 

レイセン:『猿も木から落ちる』

 

コメント:正解です。他にも『弘法も筆の誤り』や『河童の川流れ』などがあります。併せて覚えておくとよいでしょう。

 

 

玉兎A:『猿の川流れ』

 

コメント:猿が溺れてるだけです。

 

 

玉兎B:『弘法も木から落ちる』

 

コメント:随分とやんちゃな弘法ですね。

 

 

 

 

第二問(数学)

 

円周率を数字で表すといくつになるか答えなさい。

 

 

玉兎C:『3.14』

 

コメント:正解です。レベルが上がるとπを使用します。

 

 

玉兎D:『3』

 

コメント:まぁ正解としましょう。

 

レイセン:『3.141592653589793238462643383279502884197169399375105820974944592307816406286208998628034825342117......。』

 

コメント:ガチ勢居て草。◎を差し上げましょう。

 

 

 

第三問(社会)

 

『T.P.O』とは、何の略か答えなさい。

 

玉兎E:『時、場所、場合』

 

コメント:正解です。時(Time)場所(Place )場合(Occasion)の略で、時と場所、場合に応じた方法・態度・服装等の使い分けを意味したものです。

 

 

玉兎A:『豊姫様の、ピーチは、美味しい』

 

コメント:私も食べてみましたが確かに美味しいですね。

 

 

玉兎B:『豊姫様の、ピーチは、大きい』

 

コメント:貴女は思春期の男子生徒ですか?

 

 

玉兎C:『兎に角、パンは、美味しい』

 

コメント:私もパンは好物です。

 

 

 

第四問(英語)

 

次の短文を英語に直しなさい。

 

『私の名前はカズです』

 

 

玉兎F:『My name is kazu』

 

コメント:正解です。基礎問題ですね。

 

 

玉兎G:『I name is kazu』

 

コメント:残念。『I』は『私は』や『私が』を意味する言葉なので、『私の〜』をと言った物を所有する文を表す場合は『My』を使いましょう。

 

 

玉兎B:『My name is kuzu』(私の名前はクズです)

 

コメント:ケアレスミスだと信じています。必ず見直しはしましょう。

 

 

 

第五問(音楽)

 

音楽記号『ff』の読みとその意味を答えなさい。

 

 

玉兎H:『フォルテッシモ』 意味:『とても強く』

 

コメント:正解です。

 

 

玉兎I:『ファイヤーフレイム』 意味:『二重の炎』

 

コメント:新しい必殺技ですか?

 

 

玉兎J:『フ◯イ◯ル◯ァ◯タ◯ー』 意味:『仲間と奏でる連携力』

 

コメント:誰かしら答えるとは思いました。

 

 

 

第六問(家庭科)

 

野菜を1~2mmの大きさに細かく切り刻む包丁の切り方を何と言うか答えなさい。

 

 

レイセン:『みじん切り』

 

コメント:正解です。

 

 

玉兎K:『木っ端微塵斬り』

 

コメント:台所まで切り刻む気ですか?

 

 

玉兎J:『超級武神覇斬』

 

コメント:野菜切るために態々バスターソードを持ってくるんですか?

 

 

 

第七問(保健体育)

 

我々が生きていく上で必要な五大栄養素を全て答えなさい。

 

玉兎L:『炭水化物、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラル』

 

コメント:正解です。人間だけでなく妖怪、月の民でも大切な事です。日々心がけましょう。

 

 

玉兎M:『肉、魚、米、野菜、納豆』

 

コメント:栄養素とは食材とは別の物です。

 

 

玉兎J:『ポテチ、コーラ、ゲーム、ヘッドホン、パソコン』

 

コメント:保健体育関係ないじゃないですか。明らかに引きこもりですよね?

 

 

 

 

第八問(国語)

 

『まさか~ろう』という言葉を使い、短文を作りなさい。

 

玉兎N:『まさか、真面目な彼女が犯罪を犯すとは、誰も思わなかっただろう』

 

コメント:正解です。

 

 

玉兎J:『まさか、このゲームが炎上したのが、誰も思わなかっただろう』

 

コメント:貴女はゲームから一度離れるべきです。

 

玉兎O:『まさかりかついたきんたろう』

玉兎P:『まさかりかついたきんたろう』

玉兎Q:『まさかりかついたきんたろう』

 

コメント:やると思ったよこんちくしょう...。

 

レイセン:『まさかりかついたきんたろう』

 

コメント:ブルータス!お前もか!

 

 

 

第九問(歴史)

 

次の()の中を埋めなさい。

   1865年に発見された血液型などの遺伝子の法則を、報告者の名前からとり(   )の法則という。

 

玉兎R:『メンデル』

 

コメント:その通りです。

 

 

玉兎S:『メンタル』

 

コメント:心の法則...、ですか....。

 

 

玉兎J:『モルモット』

 

コメント:恐ろしい法則ですね。

 

 

 

第十問(数学)

 

台形の面積を求める公式を答えなさい。

 

 

レイセン:『(上底+下底)×高さ ÷2』

 

コメント:正解です。良くできました。

 

 

 

玉兎A:『上底+下底×高さ÷2』

 

コメント:惜しいですね。上底と下底には()がはいります。

 

 

玉兎T:『〇〇(玉兎A)+△△(玉兎B)×□□(玉兎C)÷2』

 

コメント:これは一体何の式なんですか?

 

 

 

第十一問(歴史)

 

外の世界の日本最古の物語と言われる源氏物語の作者を答えなさい。

 

 

レイセン:『紫式部』

 

コメント:正解です。清少納言と間違える事があるので気をつけましょう。

 

 

玉兎U:『清少納言』

 

コメント:残念。清少納言は『枕草子』の作者です。

 

 

玉兎J:『紫式部(F◯O)』

 

コメント:さては課金厨だなおめー。

 

 

 

 

第十二問(理科)

 

実験動物として使われているマウスのことを、俗に何というか答えなさい。

 

 

玉兎B:『モルモット』

 

コメント:正解です。実は種族としての名前でもあります。

 

 

玉兎C:『ネズミ』

 

コメント:確かにネズミだけども......。

 

 

玉兎J:『ミ◯キ◯マ◯ス』

 

コメント:馬鹿野郎!!D社に消される!!

 

 

玉兎H:『ミ◯ー◯ウ◯』

 

コメント:やめてええええええええええ!!

 

 

 

第十三問(歴史)

 

次の文を読み、空欄に言葉を入れなさい。なお、◯の中には漢字・ひらがなのいずれかが1文字ずつ入る。

 

   1814年から1815年の間に開催されたウィーン会議は、オーストリア外相メッテルニヒが主宰となり、ナポレオン戦争の戦後のヨーロッパの処理と、

 

  新たな国際秩序の建設、領土分割が主な議題だったが、晩餐会・舞踏会・音楽会三昧で一向に議事が進まなかった。

 

   このような会議の様を、『会議は踊る、◯◯◯◯◯◯』と風刺された。

 

 

レイセン:『されど進まず』

 

コメント:正解です。良くできました。

 

 

玉兎V:『無理なら無理』

 

コメント:諦めんなよ!!(松◯修◯風)

 

 

玉兎J:『ゲームしようぜ!!』

 

コメント:輝夜と一緒にやってろ!!

 

 

 

第十四問(理科)

 

赤色のリトマス試験紙を、水酸化ナトリウム水溶液に浸すと、リトマス試験紙はどうなるか答えなさい。

 

 

レイセン:『青くなる』

 

コメント:正解です。水酸化ナトリウム水溶液はアルカリ性ですので、赤色のリトマス試験紙は青色に変化します。

 

 

玉兎W:『泡が出る』

 

コメント:一体何を入れたんですか?

 

 

玉兎J:『濡れる』

 

コメント:当然です。

 

 

 

第十五問(英語)

 

次の英単語を日本語に訳しなさい。

 

『pride』

 

 

玉兎X『誇り』

 

コメント:正解です。

 

 

玉兎Y:『埃』

 

コメント:残念。その『埃』は『dust』です。同じ音の言葉で混同しないよう気をつけましょう。

 

 

玉兎J:『ほこり』

 

コメント:いい具合に誤魔化すとはやりますねぇ〜。

 

※△になりました。

 

 

第十六問(数学)

 

a+b+c=0の時、次の等式を証明せよ。

 

  2a2+bc=(b-a)(c-a)

 

 

レイセン:『a+b+c=0より、

 

      a+b+c=0

 

        c=(-a-b)である。

 

      この式を代入すると、

 

      2a^2+bc=(b-c)(c-a)

 

2a^2+b(-a-b)=(b-a)(-a-b-a)

 

      2a^2-ab-b^2=(b-a)(-2a-b)

 

      2a^2-ab-b^2=2a^2-ab-b^2

 

よって、この等式が成り立つことが証明される。

 

 

コメント:パーフェクトです。難しい問題を出してみましたがよく書けました。

 

※2a^2は2の二乗を意味します。

 

 

 

玉兎Z:『現実とは非情である。よってこの問題は証明できない』

 

コメント:勝手に決めつけないで下さい。

 

 

玉兎J:『長くて覚えてない』

 

コメント:正直なんですね貴女は。嫌いではないです。

 

 

 

第十七問(国語)

 

次の()の中を埋め、四字熟語を完成させよ。

    (   )肉(   )食

 

 

玉兎E:『弱 強』

 

コメント:正解です。誰もが聞いたことのある四字熟語ですね。

 

 

玉兎J:『焼 定』

 

コメント:貴女ならやると思いました。

 

 

玉兎F:『豚 主』

 

コメント:それマジで言ってます?

 

 

 

第十八問(社会)

 

外の世界の日本の民法における、男女の結婚できる年齢(婚姻適齢)をそれぞれ答えなさい。

 

 

レイセン:『男性...18歳 女性...16歳』

 

コメント:正解です。近年では女性が18歳に引き上げるなど改正を行ってるようです。

 

 

玉兎G:『愛さえあれば歳の差は関係ない』

 

コメント:夢と希望をありがとうございます。

 

 

玉兎J:『エ◯ゲーなら許される』

 

コメント:『そういう問題ではありません』

 

 

 

第十九問(理科)

 

磁石のS極とN極を近づけるとどうなるか答えなさい。

 

 

玉兎R:『接着する』

 

コメント:正解です。基本ですね。

 

 

玉兎S:『離れなくなる』

 

コメント:確かにそうですね。よって正解です。

 

 

玉兎J:『合体する』

 

コメント:.............正解としましょう。

 

 

 

第二十問(国語)

 

次の空欄に言葉を入れ、下記の意味を持つことわざを完成させなさい。

 

  『ことわざ…無い(    )ものは(    )ない 』

 

 

玉兎J:『無い( 袖 )は( 振れ )ない』

 

コメント:正解です。貴女がまともに出来たのはこの問題が初めてですね。良かったです。

 

 

玉兎A:『無い(  )は(  )ない』

玉兎B:『無い(  )は(  )ない』

玉兎C:『無い(  )は(  )ない』

 

        ・

        ・

        ・

 

コメント:何か間違えた答えを書いたのならまだしも、最初から何も書かないというのは少し感心しませんね。最初から何も書いていないのを見ると、 『最初からやる気が無かった』と捉えられる事が多いです。せめて、消しゴムで字を消した跡を見せるなり、間違っていても答えを書くなりなんらかの努力を見せなければ、見てる側から一方的に『やる気が無い』と思われるのも仕方があり

 

 

レイセン:『無い( 胸 )は( 揺れ )ない』

 

コメント:皆様には不快な想いをさせてしまい誠に申し訳ありませんでした。

 

 

 

 

 

 

龍騎「.........レベル高すぎたかな...」

 

俺は一通り丸つけを済ませると頭を抱えて溜め息を吐いた。もう二度テストなんてやらせない......。今回の反省を活かして今後テストを作らない事を俺は誓った。




いかがでしたか?

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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第五十五話 誤解

どうもです。

第五十五話です。

投稿遅くなって申し訳ありません。最近忙しくて...。

それではどうぞ。


月に滞在して二ヶ月が経とうとしていた。その間、軽いリバビリやら玉兎に勉強を教えてはテストを行っては読書の日々が続いた。あ、ちなみに腕は治りました。そんなある日...。

 

龍騎「ん〜、........ん?」

 

朝起きて身体を伸ばしたら違和感を感じた。今まで垂れ下がっていた胸はなくなり、足も伸びた感じがした。そして何より...、

 

龍騎「...............ある」

 

約二十年間共に居たもう一人の俺(相棒)が戻ってきていた。

 

龍騎「〜〜〜〜っ!!..........?」

 

俺は感動のあまり叫びそうになるが、何故か布団がやけに膨らんでいた事に気づいた。俺は警戒する事なく布団を捲ると...、

 

豊姫「...................zzz」

 

龍騎「」

 

何故か豊姫さんが裸で寝ていたよ.............。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

は?( ゚д゚)?

 

ちょ、ちょっと待って?俺昨日までロリ巨乳だったんだよね?そして今日、元の姿に戻ったんだよね?......そ、そうだ、多分悪戯か何かで忍び込んだんだそうに違いない...。しかし......、

 

龍騎「......なんで裸なの?」

 

豊姫さんは背中を向けて寝ているが下着が着用していないのだ。背中全体が肌色一色なのだ。俺は恐る恐る布団を捲る。

 

龍騎「......これはあくまで確認する為...、既成事実かどうか確かめる為...、これは決していやらしい事ではないそうではないのだよ」

 

そして俺はゆっくりと布団を捲って豊姫さんの下半身を確認した。そしたらまさかの事態が発生した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍騎「履いてない...、だと...

 

まさかまさかの下半身も肌色で染まっていました。

 

そして太腿辺りがなんか赤いしみみたいなのがある。

 

 

えっ?赤いしみ?

 

龍騎「......」⇦豊姫の太腿辺りにある赤いしみを直視

 

豊姫「...zzz」⇦寝返りをして龍騎の方へ向いた

 

 

 

 

 

 

 

 

龍騎「ファァァァァァァァァァァァァァァァァ!!??」

 

ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい!!

 

こ、こんなの誰かしら一人でもバレたら終わりだ!?このままだと...。

 

 

 

依姫『貴様...、よくもお姉様を......!ゆ"る"さ"ん"っ"!!見損なったぞ龍騎!!』

 

レイセン『龍騎さん........、どうして......!?』

 

黒騎『お前らしくない最期だな。ま、俺としてはどうでも良いがな』

 

サグメ『死刑』σ(・ω・)σ

 

 

処刑エンドまっしぐらだ!!ど、どうにかしなくては...!?

 

レイセン「龍騎さん、おはようございます!朝のトレーニングを.........」

 

龍騎「あ」

 

豊姫「...zzz」

 

レイセン「...............................................ごゆっくり」

 

突然レイセンが部屋の扉を開けて入ってくると、俺と全裸の豊姫さんの姿を見て固まってしまい、暫くすると何かを察したのかレイセンはゆっくりと扉を閉じようとしていた。

 

 

 

龍騎「待ってえええええええええええ!!??誤字なんです!!信じてえええ!!」

 

レイセン「.........大丈夫です!豊姫様との関係が其処まで行っても誰にも言いませんから!」

 

龍騎「めっちゃ信用できねえよそのセリフ!別にそんな関係じゃないから!俺童貞だから!信じて!」

 

レイセン「....................龍騎さん、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

童貞ってなんですか?」キョトン

 

龍騎「いや聞きたいところ其処!?」

 

それから俺(がどうしてこうなったのか)の俺による(全身全霊の説得)俺の(冤罪の)為の説明をした。

 

レイセン「そ、そう言う事でしたか...。すみません、変な勘違いをしてしまって...」

 

龍騎「俺の説明を信じてくれればもういい...。はぁ、朝から疲れた...」

 

レイセンが物分かりが良くて助かった...。

 

レイセン「そ、それでその......、き、昨日はお楽しみでしたね...///」

 

龍騎「は?(威圧)」

 

前言撤回、こいつ分かって無かったわ。ってか何処でその言葉覚えてきた。

 

レイセン「その......、サグメ様の作った小説に...、同じ展開なのが......///」

 

あの無口女あとでスケッチブックと小説全て焼き尽くしてやる。

 

龍騎「......取り敢えず豊姫さんを起こさないとな...、レイセン頼んだ」

 

レイセン「わ、私がですか!?」

 

龍騎「だって相手全裸なんだよ?」

 

レイセン「粉骨砕身でやらせていただきます!」

 

という訳でレイセンに豊姫さんを起こして貰う事にした。あのまま放置してたら相棒が元気はつらつになっちゃうからね。

 

レイセン「豊姫様、起きてください!朝ですよ!」

 

豊姫「んん......、あと五分だけ......」

 

俺は反対方向に向いてレイセンが豊姫さんを起こしているのだが、声だけでもめちゃくちゃエロいんだよ下手したらR-18ルート突入しそうでごさいまする。

 

レイセン「ダメですよ!龍騎さん起きてるんですから!」

 

豊姫「大丈夫よ〜、今はまだ女の子なんでしょう?だったら問題ない...」

 

レイセン「元に戻ってるから言ってるんじゃないですか!」

 

豊姫「元に戻ってるね、元に.......、へ?ええええええええええええええ!?」

 

やっと起きたか...、この人朝は弱い派だな。

 

豊姫「嘘.....、私、彼と寝ちゃったの?」

 

龍騎「貴女が悪戯しようとしたのがいけない...『もうお嫁にいけない...』は?」

 

豊姫「私、今までシた事なかったのに......」

 

龍騎「ゑ?」

 

レイセン「は?(威圧)」ハイライトオフ

 

あっれれ〜?おっかしい〜ぞ〜?なーんかやな感じ〜.....。

 

豊姫「こうなったら彼に私の嫁になって責任を取って貰わないと......」ナミダメ

 

レイセン「おいどう言う事だ話しがちげぇじゃねぇか」ハイライトオフ

 

嘘泣きで涙を流しながら悲しむ豊姫さんにハイライトくんさよならホームランを決めたレイセンが俺の頭を鷲掴みして問いかけてくる。

 

龍騎「レイセンさん!?落ち着いて!?あれ演技だから!?真っ赤な嘘だから!?」

 

豊姫「そんな...、私とは遊びだったって言うの!?」

 

龍騎「なに昼ドラみたいな事言ってんだ!?ってか俺昨日貴女と会ってないよね!?寝るまでずっとロリッロリだったよね!?」

 

豊姫「愛さえあれは歳の差は関係ないんでしょ!?だったら性別だって同性でも異性でも問題ない筈よ!」

 

綿月豊姫、玉兎Gだった説浮上。(第五十四話参照)

 

龍騎「そんな訳ないでしょ!?レイセンも何か言ってやれ!」

 

レイセン「お前が悪い(無慈悲)」ハイライトオフ

 

俺には味方が居なかったよ......。

 

依姫「騒がしいぞ、一体何事...、ってお姉様!?そして龍騎!?元に戻ったのだな!」

 

龍騎「えぇ、ご覧の通り。そしてこの人をどうにかして下さい」

 

依姫「.........,...,.お姉様、その格好は止めて下さいと何度言ったら分かるんですか?よりにもよって殿方の前で......」

 

あれ?その言い方だと常習犯って事?

 

豊姫「良いじゃい別に、この方が寝やすいんだから」

 

レイセン「え?ええええええええええ!?」

 

衝撃の事実!!豊姫さんはまさかの裸で寝る派だった!!レイセンも驚いてるって事は知らなかったって事か。

 

龍騎「.......取り敢えず、豊姫さんをどうにかして下さい」

 

依姫「ああ、そうだな。...ほらお姉様、早く服着て下さい」

 

豊姫「ちょ、ちょっと待って依姫!?貴女彼の味方になるの!?」

 

依姫「はい、天井に監視カメラがあるのでお姉様が悪戯目的で侵入して来たのは確認済みです」

 

監視カメラあったの!?え、俺この二ヶ月間監視されてたって事!?ストーカーかよ!?ってか観てたなら直ぐに助けに来いよ!

 

レイセン「え?じゃあこの赤いしみは...?」

 

依姫「恐らくお姉様の足にあった瘡蓋が取れて出血したのだろう」

 

あ、それなら俺無罪じゃね?

 

豊姫「そ、そんな事ないわ!私瘡蓋なんて...」

 

依姫「そういえばお姉様、この前何か足にぶつけて絆創膏貼ってましたよね?」

 

豊姫「......」

 

龍騎「......」

 

依姫「......」

 

レイセン「.....」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

豊姫「貴女のような勘の良い妹は嫌いよ」

 

ピッ!

 

依姫「証言ありがとうございます。全て録音させて頂いました」

 

豊姫「すみません許して下さい何でもしますから」ドゲザ

 

依姫さんが隠し持っていたボイスレコーダーを見せると豊姫さんは瞬時に土下座をして謝った。流石のレイセンもドン引きしてた。うん、仕方ないよ、俺だって同じ気持ちだから...。

 

それから豊姫はいつもの服に着替えて一緒に食事を済ませた。朝飯を食べ終えると依姫さんに別の部屋に連れて来られた。

 

依姫「龍騎、お前は確か剣を持っていたな」

 

龍騎「え?あ、はい」

 

そういやレミリアに貰った剣折れちまったんだよな...、それに小悪魔さんに貰った腕輪も...。なんか申し訳ないな...。

 

依姫「そこでだ、今回の迷惑料としてお前に月の科学力を詰め込んだ新しい剣を与える」

 

龍騎「良いんですか?...ありがとうございます」

 

そう言って依姫さんが渡したのは一本の剣だった。青い鳥が翼を広げたような形の鍔とその中央にはめ込まれた菱形の飾り、剣身の根元のやや幅が広い部分に刻印された三つの三角形があった。

 

.......これってアレだよね?某とある国のエルフ耳のお姫様の名前が由来の名作ゲームに出てくるアレだよね?

 

龍騎「......月の民ってゲーム好きが多いんですか?」

 

依姫「?気に入らなかったか?」

 

龍騎「いや、そんな事はないんですよ?ただ見た事があるな〜、って...」

 

大丈夫?ライフが満タンの時にビームとか出ないよね?攻撃力が上がるとかそんなんじゃないよね?

 

龍騎「......兎に角ありがとうございます。有り難く使わせて頂きます...」

 

色々とツッコみたいけどなんかそんな気が起きなかったので、俺は新しい剣を受け取った。

 

そろそろ地上に戻らないとな...。そんな事を思いながら今日一日を過ごした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サグメ「.........」

 

レイセン「......サグメ様?」

 

サグメ「ひゃい!?」

 

龍騎と依姫の会話に扉の後ろに隠れながら様子を見ていたサグメの行動に気になったレイセンはサグメに声を掛けると、サグメは可愛らしい悲鳴をあげると身体を軽く跳ね、直ぐにレイセンの口を抑える。

 

レイセン「!?んーーーー!?んんんんん!?(翻訳:サグメ様!?どうしたんですか!?)」

 

サグメ「しーーー!.........『彼の観察』」

 

レイセン「?何故です?」

 

サグメ『彼は元々男なのでしょ?だからどんな姿なのか見に来た』

 

サグメの目的を理解したレイセンはポン、と手を当てる。確かにサグメは龍騎の元の姿を見た事が無かった、気になるのは当然だろう。そんなサグメであるが先程からずっと龍騎の事を直視している。

 

レイセン「............もしかして、龍騎さんの事気になってるんですか?」

 

サグメ「!?そ、そそそそそそそそそそそそそそそそんな訳ないじゃない!?わ、わわわわわわわわわわわわわ私かそそそそそそそそそそそそそそそんなおおおおおおおおおおおおお男なんかにににににににににににににににに!?」

 

レイセン(分かり易い.........)

 

龍騎「なんの話し?」

 

レイセン「あ、龍騎さん。実はサグメ様...」

 

サグメ「ああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

 

レイセン「もがっ!?」

 

突然現れた龍騎にレイセンが事情を説明してる途中にサグメは手に持っていたスケッチブックをレイセンの口の中に突っ込み喋れなくした。

 

サグメ「な、ななななななななんでもありませんよ!えぇ、何でもありません!それではさよなら〜〜!!」

 

レイセン「んんーー!?んんんんんんん〜〜!?(翻訳:サグメ様!?龍騎さん助けて〜〜!?)

 

サグメは口にスケッチブックが入れっぱなしのレイセンと一緒に慌てた様子で走り去ってしまった。

 

龍騎「.........なんだったんだ一体...?あと可愛い声してたな....ってか喋ってたけど大丈夫なのか?」

 

龍騎は感想を述べると、サグメが走り去るのを見届けた。




いかがでしたか?

次回はクリスマスイブかクリスマスに投稿します。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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特別編 戦場のメリークリスマス

ジングルベール♪ ジングルベール♪ 鈴が〜鳴る〜♪

今日は〜♪楽しい〜♪筈のク・リ・ス・マ・ス♪

D⭐︎E⭐︎M⭐︎O♪

出張だー♪ 出張だー♪ HI⭐︎RO⭐︎SI⭐︎MAだ〜♪

ま・さ・かの上司と二人っきりだー♪Hey!







という訳で特別編です

※この特別編では本編には一切関係ないです。

12月24日の雪の日という設定です。

作者が(とち狂ったのか)少し出て来ます。

メタ発言多数ありです。

それではどうぞ。


クリスマス、それは外の世界の年に一度に行われるイベントであり、子供、家庭持ち、リア充にとっては最高の日でもある。

 

しかし、幻想郷にはそう言ったイベントが無い為、合も間変わらず人里に住む人間達は外に出ては野菜を売ったり、中に入っては暖炉で暖まっていたりしていた。

 

そんな中...。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

?「という訳だから、クリスマスイベントやるぞ」

 

龍騎「うん、馬鹿なの?」

 

霧影の家には白と黒しかないパンダカラーのスライム...、というより豆大福に似ている生命体がテーブルの上に居た。

 

?「は?何言ってんだよ。イベントやるっつってんだよこっちは」

 

龍騎「いやいやいや、いきなり現れて置いて良く言えるよな。お前さっき紫苑に食べられ掛けただろ」

 

?「大丈夫大丈夫、不死身だから」

 

龍騎「そういう問題じゃ......、ってか誰だよ...」

 

?「あ、そういやこうして合うのは初めてだったな。俺は餡 子太郎《あん こたろう》だ。4649」

 

そう、この豆大福『餡 子太郎』(作者)は何故か幻想郷に来たのだ。

 

龍騎「ちょっと待て!何でお前が居るんだよ!出張中じゃないのか!?」

 

作者「うるせぇ!俺にだって息抜きぐらいさせろや!言っとくけど大晦日には終わるけど少し休んだらまた出張なんだよ!数少ない俺のメンタルを癒させろ!」

 

龍騎「だからって此処に来る必要があるのかよ...」

 

作者「俺だって好きで出張行ってるじゃねえんだよ!!......兎に角、クリスマスイベントやるからお前は強制参加だ。異論反論は認めん」

 

龍騎「ねえ横暴過ぎない?せめてどうしてこうなったのか説明して欲しいんだけど」

 

作者「ん?そりゃあアレだよ、アレアレ......、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回、このイベントの景品がお前との外の世界旅行一泊二日券を餌にしたから」

 

龍騎「......................あ?」

 

作者「と、言っても説明になってないと思うから数日前にあった事を話すぞ」ホワンホワン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜数日前・帰宅中〜

 

作者(はぁ〜、今日も仕事疲れたぁ〜...、出張決まってから小説書く気が起こらないし(もう一つの作品の)アンチコメは増えていくばっかりだし......、確かに何も知らない事とか色々間違ってる俺も悪いんだけどさ......、はぁ......、せめて今年最後の投稿はしなくちゃな......)

 

そう思いながら電車に揺られながらネタを考えていた。偶々スマホを弄っていると偶々画面の下にあった広告が目に止まった...。

 

作者(クリスマス......、去年まではずっと部活にどっぷりだったな...。社会人になっても変わらず、か.........。.................ん?そうだ、この辛さをあいつ(龍騎)に味合わせてやろう!」

 

 

〜現在〜

 

作者「そういう事だから、舞台は俺が整いたからあとは楽しめよ」

 

龍騎「楽しめるかあああああああああああああああ!!」

 

作者の説明に納得がいかず、犬のように吠え出した龍騎。

 

龍騎「なんて事してくれてるんだこの豆大福!お前の存在自体賞味期限切れてるんじゃないのか!?」

 

作者「賞味期限切れてねぇよ!ってか俺は食べ物じゃねぇよ!お前だってこんなつまらない寒い日が続くのは嫌だろ?」

 

龍騎「いや、逆に好きだけど?」

 

作者「兎に角!お前が居ないとイベントが始まらないからそういう事!明日の朝8時に開催するから遅れんなよ。じゃあな」

 

作者はドロドロと溶けてしまい、床には濡れた形跡が無かった。

 

龍騎「..........はぁ、厄日だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

〜翌朝〜

 

龍騎が人里へ出てみると、小学校の運動会によく使用されているテントらしきものが建ててあり、その周りには人里の住民達がゾロゾロと集まっていた。

 

紫「あら、ようやく来たわね」

 

龍騎「紫さん?何で此処に?」

 

紫が声を掛けると龍騎は質問した。

 

紫「なんでも作者が面白いイベントを開くそうだから、様子を見に来たのよ。そしたらこうなったって訳」

 

龍騎「......ちなみに紫さんは何やるか知ってるんですか?」

 

紫「それが教えてくれなかったのよ。当日のお楽しみだ、って言ってたし」

 

当日のお楽しみ?一体何やらされるのやら......。少々不安気味な龍騎だが、突然作者が紫を呼び出す。そして紫はテントの方へ向かうと一枚の紙を持って現れた。

 

紫「え〜、皆様、この度は寒い中お集まり頂き誠に有難う御座います。開催者である作者の代わりに私、八雲紫がお礼申し上げます。さて、本日12月25日は『クリスマス』と呼ばれる外の世界のイベントであり、我々幻想郷にもイベントを開こうとの事で提案致しました」

 

紫は紙を見ながら説明すると、人里の住民達は歓声を上げる。

 

紫「それでは、開催者の作者から一言です」

 

そう言って紫は下がると、作者が朝礼台らしき台に乗り、マイクの前に立つ。

 

作者「あ〜、皆様ご機嫌よう。私がイベントの発案者である作者こと餡 子太郎であります。まぁ、堅苦しい説明は置いといて、簡潔にまとめると...、皆様にはクリスマスがどれだけ素晴らしいものか体験して頂きたく思い、この度はこのクリスマスイベントを開催させて頂きました。それではこれより、クリスマスイベントを開催する事を今此処に宣言致します」

 

作者がそう言うと、紫の説明している時より歓声が上がった。作者もただ何も考えもせずに開いたのでは無いのだな、と龍騎は思った。

 

作者「え〜、以上で開催式を終わります...。あ、その前に何やるか言ってねぇや。これより私が抽選で選んだ選ばれ者達による雪合戦(弾幕ごっこ)が行われます。皆様には誰かしら一人選んで、もしその人が優勝したら景品として外の世界のあの有名な『蒲◯さ◯太◯(業務用)』をプレゼント致します。あ、蒲◯さ◯太◯って言うのは先程皆様が試食して貰ったやつです」

 

「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」」」」」

 

龍騎「い、いつの間に......」

 

いつ用意したのか分からないが、どうやら人里の住民には蒲焼さん太郎にどハマりしたらしい。

 

作者「ちなみに抽選者にはそれより豪華な景品がありますので頑張って優勝して下さいね」

 

龍騎(それが、俺との外の世界旅行一泊二日券か......)

 

作者「それでは、対戦相手を発表します!

 

エントリーナンバー1 博麗神社の巫女、博麗霊夢選手!」

 

龍騎「れ、霊夢!?」

 

作者が霊夢の名前を言うと、龍騎は驚くと霊夢が作者の隣から現れた。

 

霊夢(これに優勝したら龍騎と旅行......、絶対に負けられない!)

 

作者「続いて、エントリーナンバー2 白黒の魔法使い、霧雨魔理沙選手!」

 

龍騎「魔理沙まで!?」

 

魔理沙「よう龍騎!私前から外の世界に行ってみたいと思ってたんだよな、だから参加させてもらうぜ」

 

作者「まだまだ行きますよ!エントリーナンバー3 紅魔館のメイド長、十六夜咲夜選手!」

 

咲夜(これに勝てば、龍騎と旅行......、絶対に勝ってみせる!)

 

作者「続きまして、エントリーナンバー4 白狼天狗、犬走椛選手!」

 

椛(ふふ、これに勝てば龍騎さんとデート...、優勝して龍騎さんにエスコートして貰うんだから!)

 

作者「どんどん行きますよ!エントリーナンバー5 半人半霊の庭師、魂魄妖夢選手!」

 

妖夢(はぁ......、幽々子様ったら優勝して外の世界のお土産買って来いなんて言い出して...。まぁ、優勝したら龍騎さんと旅行に行けるならお安い御用ですけどね!)

 

作者「それではラスト!エントリーナンバー6 守矢神社の現人神、東風谷早苗選手!」

 

早苗(ふふふ、今日の私は絶好調!今なら誰にだって負ける気がしない!優勝して、りゅーくんと外の世界へ行って、思い出の場所に向かって、そしてホテルで一緒にお風呂に入って.........ぐふふふふふふ...」

 

選手一度はやる気に満ちている中、一名はよからぬ事を考えていた。

 

作者「さぁそれでは!試合開始です!選手一同、前へ!」

 

作者の掛け声に、選手一同は前に出て、お互い睨みつける。

 

作者「それでは、試合かいし........」

 

 

「「「「「オラアアアアアアアアア!!」」」」」

 

龍騎「!?」

 

作者「は!?」

 

魔理沙「ちょ!?」

 

作者の掛け声が言い終える前に五人はフライングして弾幕を放ち出した。予想外の展開に龍騎、作者、魔理沙は唖然としていた。

 

霊夢「あんた達さっさとやられなさいよ!邪魔なのよ!

 

咲夜「だったら貴女がやられるべきでは無いのではないですか!

 

椛「ガルルルルルルルルルルルルルル!

 

妖夢「私にだって譲れないものがあるんです!なので斬らせてもらいます!

 

早苗「りゅーくんりゅーくんりゅーくんりゅーくんりゅーくんりゅーくんりゅーくんりゅーくんりゅーくんりゅーくんりゅーくんりゅーくんりゅーくんりゅーくんりゅーくんりゅーくんりゅーくんりゅーくんりゅーくんりゅーくんりゅーくんりゅーくんりゅーくんりゅーくんりゅーくんりゅーくんりゅーくんりゅーくんりゅーくんりゅーくんりゅーくんりゅーくん」ハイライトオフ

 

最早止まる事が無くなった五人。早苗に限っては既に暴走し出している。

 

作者「...............これ止めた方が良いやつ?」

 

龍騎「よし魔理沙、君に決めた!」

 

魔理沙「私かよ!其処はお前が行くべきだろ!」

 

作者「悪いけど魔理沙、止めて来てくんない?此処でこいつを逝かせるとヤバい(語彙力)」

 

魔理沙「...........別にいいんじゃねぇか?」

 

龍騎・作者「「え?」」

 

魔理沙の言葉に疑問に思った二人は、魔理沙の方へ向くと、五人は一斉にスペルカードを発動した。

 

霊夢「霊符『夢想封印』」

 

咲夜「幻符『殺人ドール』」

 

椛「牙符『咀嚼玩味』」

 

妖夢「人鬼『未来永劫斬』」

 

早苗「奇跡『白昼の客星』」

 

作者「あっ(察し)ふーん...」

 

五人が一斉にスペルカードを放つと、作者は何かを察したかのように頷いた。五人はが放った弾幕はそれぞれの狙った方向に向かっていき、やがて大爆発が起こった....。

 

霊夢「」

 

咲夜「」

 

椛「」

 

妖夢「」

 

早苗「」

 

煙が無くなると、五人は『出』の形をして倒れていた。その姿を見た人里よ住民達は呆然としていた。

 

作者「.........え〜、勝者。霧雨魔理沙」

 

龍騎「...........これで良いのかよ...」

 

魔理沙「私なんて弾幕一発も撃ってない...」

 

作者「.........................みんなでビンゴやるか」

 

それから全員でビンゴ大会が行われた。これが予想外に大盛り上がりし、作者の望む形では無かったが、楽しめたのでよしとした。

 

結局弾幕勝負の意味はあったのだろうか.......。そう思いながら作者は二枚のチケットを眺めていた。

 

そして......、そのチケットは紫と幽々子にプレゼントして二人は外の世界旅行を満喫したとさ...。

 

 

 

 

 

 

 

 

                おしまい。




メぇぇぇ~~~リぃぃぃぃクリっスマぁぁぁーーースぅ!!(精神崩壊)

龍騎「な、何なんだ一体!?作者が壊れたぞ!?」

黒騎「初めての長期出張が始まって精神的に参ってるのだろう。ほっとけば治る筈だ」

龍騎「いやいや、後書きがこんなんで良いの!?」

黒騎「仕方あるまい、作者も忙しいのだ。今回だけは多めに見てやれ」

龍騎「.........えぇ〜、作者に代わって皆さま楽しんで頂けましたでしょうか?今回は何か適当間がハンパない感じでしたがお許し下さい!作者も頑張って書いているので......」

ひゃあハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!(狂気)

黒騎「.........こんな感じだが、出張が終われば元に戻る。元旦には活動報告に今年を振り返りや今後の予定を投稿する予定だ。興味があったら是非読んでくれ、との事だ」

龍騎「という訳で今年の投稿はこれが最後です!皆さん、良いお年を!」


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第五十六話 帰還

どうもです。

2022年一発目です。

それではどうぞ。


月に滞在して約三ヶ月、そろそろ地上へ帰ろうと準備を進めてる中、

 

玉兎A「オラァ!」

 

龍騎「ごふっ!」

 

玉兎B「無駄ァ!」

 

龍騎「がはっ!」

 

玉兎C「ふぉあたあ!」

 

龍騎「ひでぶ!」

 

玉兎達に集団リンチに遭ってます......。なぜこうなったのかは数分前の事...。

 

 

〜数分前〜

 

龍騎「1982......1983......1984......1985......」

 

俺は重力スペースで素振りをしていた。あの化け物と戦って以来、身体が怠けてしまってるのでリハビリで重力スペースを利用している。調子に乗って某龍球みたいに100倍でやったら直ぐに潰れたよ。重力って凄い(語彙力)

 

それから重力を下げて素振りを続けていると、レイセンが部屋に入って来て玉兎の面倒を見て欲しいと頼んで来た。断る理由が無かったので面倒を見る事にした。部屋に入ると玉兎達は訓練の真っ最中だった。

 

そしてリーダーらしき玉兎が笛を吹くと他の玉兎達はだらけるように座り込んだ。懐かしいなぁあの笛、小学校時代にランドセルに付けてたけど一切使わなかった記憶がある。

 

玉兎A「あ、あの」

 

一人で思い出を思い返していると一人の玉兎に声を掛けられた。

 

龍騎「ん?どうした?」

 

玉兎A「わ、私と手合わせして下さい!」

 

どうやら玉兎は俺と手合わせしたいみたいだ。

 

龍騎「分かった、良いよ」

 

しかし、相手は人間より力はある。手加減出来る相手じゃない...。

 

龍騎「んじゃ、やるか...。レディーファーストだ、お先にどうぞ」

 

玉兎A「で、では.......、行きます!」

 

そう言って玉兎Aが俺に向かって殴り掛かって来た。俺は片手で受け止めたが、流石は玉兎。普通の人間とは全然違う。

 

玉兎A「でやぁ!」

 

龍騎「甘い!」

 

玉兎B「とうっ!.......やあぁぁ!」

 

龍騎「へ?.......がっ!?」

 

玉兎Aが足蹴りをして来たので俺は攻撃を避けると、いつの間にか居た玉兎Bが大きく飛び上がり身体を丸めて一回転すると、俺にキックして来た。俺は反応が遅れて後頭部にキックを食らった。

 

玉兎B「どうだ!これが正義の一撃!」

 

龍騎「いってて....、やりやがったなこのやろ.....」

 

玉兎C「よそ見ぃ!」

 

龍騎「げふっ!?」

 

玉兎Bの方に向いた瞬間、横から新たに別の玉兎が脇腹を狙って回し蹴りをして来た。俺はモロに食い、脇を抑える。

 

龍騎「ちょ、ちょっと待って!?何か人数増えてね!?バ○バ○ンでも使った!?」

 

玉兎A・B・C「「「まだまだいくよぉ~~~!!

」」」

 

そう言って三人の玉兎達は襲い掛かって来た。一瞬とある曲が流れたが気のせいだろう。

 

龍騎「......上等だ、やってやろうじゃねぇかよこの野郎!!」

 

そして、俺も玉兎達に立ち向かった。

 

 

 

 

 

 

 

数分後、サンドバッグにされました.......。

 

龍騎「チョ、チョットマッテクダザイヨ! オデノカラダハボドボドダ!」

 

玉兎A「衝撃のファースト・ブリット!!」

 

龍騎「げふっ!?マジで待って!?死んじゃう!!りゅーくん死んじゃう!」

 

玉兎B「撃滅のセカンド・ブリット!!」

 

龍騎「ごふっ!?すいません許して下さい何でもしますから!(命乞い)」

 

玉兎C「抹殺のラスト・ブリット!!」

 

龍騎「がはっ!?もう嫌〜〜〜〜〜〜〜〜!!」

 

レイセン「龍騎さん、昼食の準備........ってあああああああああああ!?」

 

レイセンが部屋に入って来ると悲鳴を上げた。俺ってそんなにやばい?顔ぐちゃぐちゃになってないよね?

 

レイセン「ちょっとストップストッープ!!皆んなご飯が出来たよ!」

 

玉兎A・B・C「「「!!はーい!!」」」

 

レイセンの掛け声により、他の玉兎達もずらずらと部屋を後にした。

 

レイセン「龍騎さん!大丈夫ですか!?」

 

龍騎「..........モウヤダオウチカエル...」

 

その後、俺はレイセンに運んで貰い昼食を済ました後、傷の手当をして貰い、帰る準備をしていた。もう当分月には行きたくない......。

 

依姫「準備は出来たか?」

 

龍騎「はい、色々お世話になりました」

 

依姫「礼を言うのはこちらの方だ。迷惑を掛けたな」

 

豊姫「いつでも遊びにいらっしゃっい。歓迎するわ」

 

龍騎「その時はよろしくお願いします」

 

サグメ『地上に着いたら八意様と輝夜様によろしくと伝えて置いて』

 

龍騎「了解です」

 

レイセン「あ、あの!また外の世界について教えてください!」

 

龍騎「おう考えてやるよ(教えてやるとは言ってない)」

 

純孤「ああああああああああああああああああああああああ!!息子よおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!行かないでくれええええええええええええええええええええ!!」

 

龍騎「あんたは相変わらずだな......」

 

なんだかんだ皆んなも俺と別れるのは名残惜しいようだ。一名に関してはガチで離れたくないみたいだが......。

 

龍騎「......お前は此処に残るのか?」

 

黒騎「ああ、まだやるべき事がある。用が済み次第地下に居るつもりだ」

 

俺は壁に寄り掛かっていた黒騎に問い掛けると、まだ月には残るようだ。

 

龍騎「でも何で地下になんだ?魔法の森でも良いと思うが...」

 

黒騎「......俺にとっては地下はベストな場所だと判断したからだ。それに鬼と関わなければ問題はない」

 

龍騎「......何かお前らしい考えだな」

 

機械の身体になっても何一つ変わってない黒騎に少し安心した。この様子だと大丈夫そうだな...。

 

豊姫「それじゃあ、送って行くけど何処に送って欲しい所とかある?」

 

龍騎「......じゃあ、博麗神社で」

 

俺が博麗神社を指定すると、豊姫さんは俺の手を掴んで能力を解放する。

 

龍騎「んじゃ黒騎、先帰るわ」

 

黒騎「.........ああ」

 

豊姫「それじゃあ行くわよ!」

 

龍騎「それじゃあお世話になりました。ありがとうございます!」

 

豊姫「そいっ!」

 

サヨーーナラーーーーーー ワガムスコオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ‼︎ ウルセェェェェェェ!!

 

そして、豊姫さんの能力により景色が一変してとても見覚えのある建物、博麗神社が目の前にあった。

 

......え?もう着いたの?早くね?ウー○ーイー○に活用したら絶対儲かるよ?

 

とまぁそんな事は置いといて、早速霊夢を呼ぶ事にした。

 

龍騎「おーい、霊夢ー?居るー?」

 

結構大きめに声で言うが全く反応が無い...。出掛けているのか?

 

龍騎「.........まぁいいや、ひとまず帰るか」

 

そう思った俺は一度帰宅する事にした。

 

 

 

 

家に到着すると、玄関に手を振れる。

 

龍騎「ふぅ、久しぶりの家......。あいつら大丈夫だよな......」

 

家の前で少し不安があったが思い切って玄関を開ける。

 

龍騎「たでーまー」

 

俺は何も無かったかのように玄関を開けると、誰も返事が無かった。俺は少し怪しいと思い、リビングへ向かうと........、

 

龍騎「は?( ゚д゚)?

 

なんとリビングには......、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霊夢や魔理沙は勿論、レミリア、咲夜、早苗、妖夢、椛、文、紫さんが(いつの間にか撮られていたのか)大きめな俺の写真と棺桶の前で正座していた。

 

......いや、これどう言う状況?

 

すると、俺の肩にポンポンと叩いてきた。それは見覚えの無い女性だった。

 

?「龍騎さん、おかえりなさい。直子です」

 

龍騎「え?直子さん?」

 

何とその人は直子さん本人だった。いや、確か幽霊だったよね?どうなってんの?

 

直子「詳しい説明するので、少しこちらに」

 

そう言って俺の袖を引っ張る直子さん。引っ張られて俺は家の外に出た俺。外には紫苑と女苑、藍さんが居た。

 

藍「久しぶりだな、どうやら月の出来事は解決出来たみたいだな」

 

龍騎「あ、どうも。お久しぶりです」

 

女苑「何か雰囲気変わった?」

 

龍騎「あー、ちょっと色々あってな......。んで、あれ何?」

 

俺は親指を立てて玄関を指すと、藍さんと直子さんが説明してくれた。

 

直子「見ての通りです。何故か龍騎さんが死んだ事になってるんです」

 

龍騎「何で?」

 

藍「どうやら霊夢達もお前が月に行ってる事に気づいたらしいのだが...、どうして葬式を上げてるのか分からないんだ...」

 

........えーと、つまり...、俺が『月に行ってる=死ぬ』って認識しちゃった感じ?

 

紫苑「月に行ったら生きて帰れない、昔からそう言われてる」

 

そんなに中が悪いの?めっちゃ良い人ばっかりだったけど......。

 

龍騎「......何となく読み込めたわ。んじゃ誤解を解きに行きますか......。その前に直子さん、その身体どうしたんです?」

 

俺は今の出来事の次に気になった事を言う。

 

直子「人形使いのアリスさんに作って貰ったんです。まぁ、人形に憑依したって言えば良いですかね」

 

直子さんの説明を聞いて、ポンッと手を当てる。それなら納得だな。

 

知りたかった事が知れたので、再び家の中に入る。

 

霊夢「認めない......、絶対認めないんだから......」

 

魔理沙「私だって認めるかよ...、こんなの信じるもんか......」

 

oh......、スッゲー心が痛い......。めちゃくちゃ心配掛けてるじゃないですかヤダー。

 

早苗「りゅーくん......、りゅーくん............」

 

咲夜「...............」

 

妖夢「......あの、大丈夫ですか.........」

 

咲夜「.........えぇ、大丈夫よ」

 

椛「き、気分が悪くなったら言ってください!介抱しますので!」

 

...............もう見てられないんだけど...、もうバラして良いよね?

 

文「うぐっ、龍騎さん......」

 

紫「......文、泣いても仕方ないでしょ?」

 

文「だっで...、あんなの聞いたら信じられませんよ......、龍騎さんが変な化け物で死んだなんて...!」

 

龍騎「え?」

 

文「あの時永遠亭なんて行かなきゃ......、あんな事聞かずに済んだのに......!」

 

龍騎「............」

 

つまり.......、それって................、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍騎「テメェの勘違いが原因じゃねぇかふざけんなクソ鴉ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!

 

文「へ?ぶぎゃ!?」

 

俺はツッコミと同時に文に向かってドロップキックをお見舞いする。

 

文「いててて..........、って、ぎゃあああああああああああああああああああああああああ!!化けて出て来たああああああああああ!!」

 

龍騎「なわけねぇだろ戯け!!しっかり生きとるわ!!」

 

俺は文に文句を言いながら踏み続ける。こいつどうしたらこんな誤解を生み出すんだが...。

 

霊夢「......龍騎?龍騎よね.........?」

 

龍騎「は?当たり前だよな?じゃなかったらこんな所に居ねえだろ」

 

魔理沙「ちょ、ちょっと待て!お前は本当に月に行ったのか!?」

 

龍騎「ああ、死にかけたけど。ってかこいつの勘違いだから」

 

レミリア「.........ちょっと良いかしら?貴方どうやって帰ってきたのかしら?」

 

龍騎「ああ、綿月豊姫さんに送って貰ったんだよ。あ、あと剣と腕輪壊しちまった。悪いな」

 

レミリア「私は良いのだけれども.......,」

 

早苗「りゅーーーーーくん!!」

 

フラン「お兄様ーーーーー!!」

 

レミリアに謝罪した時に早苗とフランが抱きついて来た。それも闘牛の如くに。

 

龍騎「げふ!?わ、悪かったな...、心配掛けた」

 

早苗「本当だよ!今日まで全然見かけなかったから......」

 

フラン「良かった......、良かったよぉぉぉ〜〜!!」

 

俺は二人の頭を撫でて落ち着かせる。まぁ何も言わずに月に行った俺が悪いんだけどね......。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれ?そういえば紫さんが知ってるんだから伝えられてないのか?

 

龍騎「紫さん?貴女俺が月に行くって知ってましたよね?」

 

紫「え?」

 

魔理沙「は?」

 

霊夢・咲夜・早苗・妖夢・椛「「「「「「........................」」」」」

 

フラン「???」

 

レミリア「どう言う事?」

 

俺は事の始まりを説明した。まず俺が紫苑に風邪薬を貰いに来たのが始まりで、其処からお使いとして月に行った事、そして紫さんのスキマで月に行った事、全て話した。まぁ、暴走した事は言ってないけど。

 

レミリア「.........つまり、紫は始めの部分は知ってたって事ね?」

 

龍騎「そう、そしてこのクソ鴉が永遠亭で盗み聞きして勝手に勘違いしてたって事だろうな」

 

魔理沙「じゃあ、私達は少しばかり騙されてたって事か?」

 

龍騎「そう......、なるのかな?」

 

紫「...................」アセダラダラ

 

霊夢「ユカリ」ガシッ

 

俺があやふやな返答すると、紫さんはまるで大雨のような勢いで汗を流してる中、霊夢が紫さんの肩を掴む。紫さんはビクッと身体を跳ねるとまるで錆びたネジを回してるかのように霊夢の方へ首を動かすと、

 

霊夢「チョーーーーーーーーートキキタイコトガアルンダケド、イイワヨネ?」ハイライトオフ

 

咲夜「ワタシモイイカシラ?コチラモキキタイコトガアルノ」ハイライトオフ

 

早苗「キグウデスネ。ワタシモアルンデスヨ」ハイライトオフ

 

椛「ミギニオナジク」ハイライトオフ

 

妖夢「ユユコサマモトテモゴシンハイシテイタンデス。ドウセキニントッテクレルンデショウネ」ハイライトオフ

 

紫「ら、藍!?居るんでしょ!?助けて!?」

 

龍騎「あ、藍さんなら橙の面倒見て来るって言って帰りましたよ」

 

紫「らあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんんんんんんんんん!!」

 

魔理沙「......お前ら、やり過ぎるなよ?」

 

レミリア「言っても無駄よ、聞く耳も無いわよ」

 

紫「お、お願い!私が悪かったわ!許して!ちょっとした出来心なのよ!!」

 

その割には随分と冗談が通じないのでは?

 

霊夢「ソノヘンモユーーーーーークリキクツモリダカラ、ネ?」ハイライトオフ

 

紫「龍騎!?助けて!?魔理沙でもレミリアでも良いわ!助けてお願い!何でも言う事聞くから!!」

 

龍騎「.........」

 

魔理沙「............」

 

レミリア「.............」

 

龍騎「紫さん......、ご武運を」( ̄^ ̄)ゞ

 

魔理沙「お前は良い奴だったよ、骨は拾っといてやる」( ̄^ ̄)ゞ

 

レミリア「悪いけど、貴女を助けても此方には何の得がないのよ。幾ら言う事聞くと言ってもね」( ̄^ ̄)ゞ

 

紫「ちょっと待って!?見捨てないで!!お願い、助けて!!」

 

そのまま紫さんはズルズルと霊夢に引かずられ家から居なくなってしまった。取り残された俺達は、俺のお帰りなさい会をする為紅魔館へ向かった。それからフランにめちゃくちゃ甘やかされた。

 

あ、ちなみに文は土に詰めた。8(紫):2(文)の割合でしっかり制裁をしてやったぜ。




いかがでしたか?

遅くなって申し訳ありません。スランプ状態が続いてしまって...。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

今年もよろしくお願いします。


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第五十七話 ちょっとした息抜き

どうもです。

第五十七話です。

それではどうぞ。


月から帰って来た次の日、俺は人里の甘味処である人物を待ち合わせていた。のんびりとお茶の飲みながら待っているとその人物はやって来た。

 

それはいつもの巫女服を着てる人物だった。

 

?「ごめんごめん、お待たせ」

 

龍騎「別に、んじゃ行くか」

 

俺の待っていた人物、東風谷早苗だった。

 

............其処の君達、待ち人が霊夢だと思った?ざーんねん!早苗ちゃんでしたーー!(謎の煽り)

 

........................誰に言ってるんだろ....。

 

早苗「ありがとね。付き合って貰って」

 

龍騎「バイト休んだし、如何って事ねぇよ」

 

そう、何故早苗に付き合ってるのかは昨日の昨晩の事だ...。

 

 

 

 

 

 

 

俺がレミリア達にお帰りなさい会をしてた時の事である。そろそろお開きって所で早苗がやって来て久しぶりに二人で出掛けないかと誘われた。特に予定が無かったのでOKを出した。その後レミリアにバイトを休みを取らせて貰い、今日に至るという訳だ。

 

早苗「懐かしいね、昔良く二人で登下校してたよね」

 

龍騎「......そういや、そんな事もあったな」

 

二人で人里を歩いていると、早苗が昔の事を語り出した。誰かと一緒に帰るって事は小学校以外無かった気がする...。にしても良く覚えていたな...。

 

それからぶらぶらと歩いていると、寺子屋の前に来ていた。丁度昼休みなのか子供達は外で元気に遊んでいた。俺と早苗は外で遊んでいる子供達を見つめていた。

 

早苗「......りゅーくんは子供は好き?」

 

龍騎「ん?...まぁ、嫌いじゃないな」

 

早苗が質問してくると、俺は本音で返事をした。子供は別に苦手では無い。だが、外の世界ではロリコンやらショタコンやら言われそうなのであまり関わりを持とうとは思わないのだ。

 

.........だからって子供が嫌いじゃないからね?本当だからね?

 

早苗「......もし、さ...。もしだよ?」

 

早苗が顔を赤くして俺の方へ向く。

 

早苗「もし、りゅーくんの子供が出来たらさ......、何人欲しい...?」

 

龍騎「..........................................................はい?」

 

訳の分からない言葉に思考が停止寸前になりかけた。

 

..........それって将来、結婚したら何人の子供が欲しいって事?別に俺が結婚するかどうか決めてな.........、

 

龍騎(.....ちょっと待って?結局のところ俺って結婚ルート確定コースなんじゃね?)

 

あれ?これってどうしようもないんじゃね?だって俺に好意を抱いてくれる人がいるのに蔑ろにする訳にはいかない......。

 

どっちにしろ結婚ルートですね分かります(諦観)リア充爆発しろって言ってきた俺がまさか爆発する側になったとは........、マジで爆発するの?

 

早苗「りゅーくん?ねぇりゅーくんってば!」

 

龍騎「お黙り、本気で考えてるから」

 

早苗がぐいぐいと袖を引っ張る中、俺は本気で考える事にした。でも子供か.........。

 

龍騎「.........最低でも二人かな.......」

 

早苗「...え?」

 

え?って何だよこっちは本気で考えてたんだぞ。

 

早苗「.............そっか、二人だね......」

 

早苗が顔を赤くしたまま俯いてしまった。何で?早苗は一人っ子政策派なの?

 

早苗「.........私、頑張るね!」

 

いや何を?あと誤解招きそうだから止めてくれない?って心の中でツッコんだら早苗が側に落ちてた葉っぱを拾って俺に差し出した。

 

早苗「ねぇりゅーくん、草笛吹いてよ」

 

龍騎「草笛?」

 

早苗「うん、久しぶりに聴きたくなったの。まだ吹ける?」

 

早苗の言う通り、俺は草笛を吹けるのだ。小学校の頃、ちょっとした趣味を持ちたくて探してた結果、公園で草笛を吹いてた老人に教えて貰ったのだ。早苗と別れる前に何度か草笛を聴かせていたのだが早苗の引っ越しと同時に吹かなくなってしまった。つまり10年振りの草笛である。

 

俺は早苗から葉っぱを受け取り、軽く叩き葉っぱを少し弄って吹ける準備をする。ちなみに草笛はツバキ、ヒサカキとかの常緑広葉樹の木かおすすめとの事。

 

そして、目を閉じて葉っぱを口に当てて息を吹きかける。すると綺麗な音色が響き渡り出す。

 

〜〜〜♪ 〜〜〜♪

 

※曲はゼ◯ダのエ◯ナの歌だと思ってください。

 

......10年もブランクはあるけど、中々悪くない。

 

早苗は目を瞑り、幸せな表情でゆらゆらと身体を揺らしながら楽しんでいた。

 

どうやら楽しんでるようだ。キリの良い所で吹くのを止めるといつの間にか俺の周りには人里の住人達が集まっていた。そしてパチパチと拍手を貰う。すっげー恥ずかしい......。

 

早苗「...いつ聞いてもりゅーくんの草笛は好きだよ」

 

龍騎「...そりゃどうも」

 

慧音「驚いたぞ、まさか草笛が吹けるなんてな」

 

どうやら慧音さんも聴いてたらしく、俺に近づいて来た。

 

龍騎「......昔、外の世界に居た時に吹いてたんですよ」

 

慧音「そうだったのか...。今度子供達に教えてやってくれないか?」

 

龍騎「俺で良ければ...」

 

慧音「それじゃあ私は失礼するよ。邪魔して悪かったな」

 

早苗「はい!それでは!」

 

そう言って慧音さんは手を振って去ってしまった。別に邪魔してなかったでしょ......。何て事を思ってたら早苗に右腕を引っ張った。

 

早苗「じゃあ次は何か食べよ!」

 

龍騎「ん?別に良いけど......」

 

?「あーーーーーーー!」

 

後ろで誰かの叫び声が聞こえ、振り向くと椛が顔を赤くしてトタトタと歩いて来た。

 

椛「な、何で龍騎さんが早苗さんと一緒にいるんですか!?」

 

早苗「別に良いじゃないですか。それに椛さんこそ何で居るんですか?お仕事の筈では?」

 

椛「大天狗様が偶には休みを取れと言われたので今日休みを取ったんです。それはそうと、一体何してるんですか!?」

 

椛が尻尾を振って怒っていた。あの尻尾触りたい」

 

椛「っ!龍騎さん!私もご一緒に良いですか?」

 

龍騎「え?」

 

早苗「なっ!?」

 

そう言って椛は俺の左腕を抱きついて来た。

 

早苗「だ、駄目に決まってるじゃないですか!?今日はりゅーくんと二人きりで......」

 

椛「龍騎さん.........

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もし、ご一緒させてくれたら好きなだけ尻尾触っても良いですよ」ボソッ

 

龍騎「吉幾三」キリッ

 

早苗「りゅーくん!?」

 

椛「えへへ♪龍騎さん優しい〜♪」

 

......はっ!一瞬意識がぶっ飛んでた...。

 

早苗「こ、この泥棒犬......!」グヌヌ

 

椛「泥棒犬だなんて失礼な、ちゃんと龍騎さんの許可貰いましたよ」ニヤッ

 

え?許可?何の?

 

椛「という訳で、龍騎さん行きましょ!」

 

龍騎「お、おい引っ張るなよ!」

 

早苗「ま、待ってよ!」

 

何故か椛まで着いて行く事になってしまった。決して椛の尻尾で釣られた訳じゃないよ?ホントだよ?リュークンウソツカナイ。

 

 

 

 

〜甘味処〜

 

んで、二人に連れて来たのは定番の甘味処である。此処ってデートスポットか何かだっけ?

 

早苗「すみませーん、二人と犬一匹なんですけど〜」

 

椛「私はペット扱いですか!?」

 

どんだけ根を持ってるんだよ...、と心でツッコむと一人の男性店員がやって来た。

 

店員「はーい、いらっしゃいませ.........」

 

龍騎「..................」

 

店員が俺の顔を見ると固まってしまい、俺も固まってしまった。まるでメデューサと目があって石化されたように...。

 

店員「..................」

 

龍騎「..................」

 

店員「(⌒▽⌒)b」キラキラ

 

龍騎「なぁ店変えね?ガッツリした物が食べたい」(╬ ⌒ω⌒)ブチッ

 

店員の期待してる目にグッチョプ......、めちゃくちゃ腹立つ...!

 

早苗「え?りゅーくん甘いの好きでしょ?」

 

店員「そうですよ、良く若い女性を連れて........」

 

龍騎「今度余計な事言うと口を縫い合わすぞ?」ゴゴゴ

 

店員「は、はい............」

 

椛「若い女性?」

 

龍騎「寺子屋の子供達に奢ってる時があるんだよ(バレバレの嘘)」

 

それから店内に入ってゆっくりとお茶の飲みながらメニューを決めていく。そして、またあの店員がやって来た。

 

店員「ご注文はお決まりでしょうか?今日のオススメは抹茶ぜんざいで...」

 

龍騎「いちごとチョコのバケツパフェ」

 

店員「え?」

 

俺は店員の言葉を遮る。

 

早苗「じゃあ、私はフルーツサンドとバナナシェイクで」

 

椛「私は栗羊羹と紅葉饅頭を」

 

店員「...ちなみに抹茶ぜんざいは......」

 

龍騎「以上で」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

店員「ハイ」

 

俺は意地を無理矢理通すと店員は渋々厨房へ戻って行くと、俺達は料理が出来るまで少し雑談する事にした。俺が月に行ってた事やら昔の事なら話していた。先程店員が若い女性に関して聞いて来た時はマジで焦った。上手く誤魔化せたもののこんなのバレたら何されるか分かったもんじゃない...、もう一種のトラウマだよ...。

 

店員「お待たせしました。こちらがフルーツサンドとバナナシェイクで、こちらが栗羊羹と紅葉饅頭、こちらがいちごとチョコのバケツパフェでございます」ドン!

 

龍騎「」

 

早苗「うわっ......」

 

椛「こ、これは......」

 

店員が持ってきたバケツパフェをテーブルの上に置くと、『もう天井に着いてんじゃね?』ってレベルの大きさだった。流石の早苗と椛もドン引きしている...。閉店セールか何かかな?

 

龍騎「.........」

 

早苗「りゅ、りゅーくん...?」

 

椛「こ、これ......、本当に食べるんですか?」

 

龍騎「....................イタダキマス」

 

出されてしまった以上、覚悟を決めるしかない.......。俺はスプーンを持って一口食べる。うん、味は悪くないよ?でもさ.......、

 

龍騎「晩飯要らねぇな...(白目)」

 

早苗「て、手伝うから......」

 

それから二時間掛けて食べ終えた......。初めてだよ、甘い物でこんなに精神的に追い詰められたのは......。

 

龍騎「」

 

椛「大丈夫ですか.........?」

 

正直、死ぬわ。腹パンされたら胃の中の物だけじゃなく血まで吐く自信あるぞ。

 

店員「完食おめでとうございまーす!完食したお客様にはお題は無料!さらに!抹茶ぜんざい一杯無料券をプレゼント......」

 

龍騎「ウワァァァァァァァァァァ!!」(;0M0)

 

 

 

 

その後、俺は気を失ってしまった...。早苗の話しによると例の無料券を見た瞬間、発狂してぶっ倒れたみたいなのだ。それから謎の抹茶ぜんざいの脳内再生が始まり、暫く鬱状態が続いたのはまた別の話し...。




いかがでしたか?

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回まよろしくお願いします。


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第五十八話 紅魔館戦争

どうもです。

今回はいつもより短い第五十八話です。

それではどうぞ。


雲一つない太陽の光が照らす良い天気の日。そんな中、ちょっとした争いが始まっていた...。

 

咲夜「......そっちに行ったわ、美鈴」

 

美鈴「分かりました...、仕掛けます」

 

紅魔館にいつ入って来たのか不明...。その者は性懲りも無く侵入し、人間だけでなく妖怪にも被害を及ばせていた...。

 

美鈴「っ!其処!」

 

美鈴は思いっきり地面を踏むが、標的は素早く回避し、カサカサと音を立てながら部屋の隅へ隠れてしまった。

 

咲夜「ならば!」

 

咲夜はスプレーを片手に標的が隠れた隅っこへ向かい、プシューとスプレーを噴射するが、標的は既に移動してしまった。

 

咲夜「くっ!」

 

美鈴「逃がすか!」

 

美鈴は素早く部屋の扉を閉め、標的が逃がさないように僅かに空いてある扉の穴をガムテームで固定する。

 

咲夜「もう逃がさないわよ....!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

咲夜・美鈴「「覚悟しろこのゴキブリ野郎!!」」

 

咲夜と美鈴は標的であるゴキブリに殺意丸出しで襲い掛かった。

 

 

後に我々が紅魔館戦争と呼ばれる事になる...。

 

 

 

 

 

〜事の始まりは三時間前〜

 

レミリア「〜〜〜♪ 〜〜〜♪」

 

レミリアは珍しく朝風呂に入ってる時である。上機嫌で鼻歌を歌いながらシャワーを浴びる時に......。

 

カサカサカサ

 

奴がやって来た......。

 

レミリア「??」

 

そして......。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴキブリ(以後G)「やぁ⭐︎」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レミリア「きゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

 

紅魔館戦争が開幕したのだ...。

 

 

 

 

 

 

 

咲夜「お嬢様!!どうかされましたか!?」

 

レミリア「ざぐや"ぁ"ぁ“ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"!!」

 

レミリアの悲鳴を聞いた咲夜が駆けつけると、レミリアは涙と鼻水を流しながら咲夜に抱きついてきた。そしてGは咲夜の前にも姿を現した。

 

G「また一匹虫ケラが死にに来たか......」

 

咲夜「なっ!?何故貴様がこの紅魔館に!?」

 

G「フフフ、お前達が戦う意志を見せなければ、俺はこの紅魔館を破壊(迷惑)し尽くすだけだぁ!」

 

咲夜「お嬢様に泣かせた罪は重いわよ...!幻符『ザ・ワールド』」

 

咲夜はスペルカードを発動し、時を止めてGの動きを封じる。

 

咲夜「フッ、所詮はゴミ虫...。無様なものね、何も知らずに串刺しになるんだから」

 

G「と、思っていたのか?」

 

咲夜「え?」

 

Gは突然動き出した。咲夜が時を止めたのにも関わらずに...。

 

咲夜「そ、そんな馬鹿な!?」

 

G「その程度のパワーでこの俺を倒せると思っていたのか?」カサカサカサ

 

咲夜「あ、ちょっと待ちなさい!」

 

Gは隙をついて何処かへ逃げて行ってしまい、咲夜は慌ててGを追いかける。Gが暫く咲夜と鬼ごっこをしていると、目の前には龍騎が窓掃除をしていた。

 

G「クズが...、血祭りに上げてやる......」

 

咲夜「!?龍騎様逃げて!」

 

龍騎「?どうしたの咲夜.......」

 

Gは龍騎のズボンの下から入って行き、襟から飛び出て来ると、龍騎はバタン、と倒れてしまった。顔を真っ青にして口から泡を吐きながら。

 

咲夜「っ!貴様....!よくも!!」

 

G「終わったな...、所詮クズはクズなのだ...!」

 

美鈴「咲夜さん!」

 

龍騎が倒れた後に美鈴がやって来た。

 

咲夜「美鈴!丁度良い、奴を潰すわよ!」

 

G「ハハハ!いくら数を増やしたところで、この俺を超える事はできぬっ!(金色のオーラ放出)」

 

美鈴「!?何ですかあのゴキブリは!?ただのゴキブリじゃないですよ!?」

 

咲夜「だからなのよ、龍騎様の仇とお嬢様を泣かせた罪を償って貰う!」

 

そう言って咲夜はナイフ...、では無く殺虫剤を取り出した。

 

咲夜「行くわよ美鈴!」

 

美鈴「はい!」

 

G「フフフ、そうこなくちゃ面白くない!」カサカサカサ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜冒頭に戻る〜

 

美鈴「このっ!」

 

美鈴はGに向かって拳を放つが、Gはあっさりと避けてしまう。

 

G「無駄な事を...、今楽にしてやる!」

 

Gは美鈴の方へ向くと球型のエネルギー弾を発射した。

 

美鈴「へあっ!?」

 

咲夜「嘘でしょ!?」

 

美鈴は何とかエネルギー弾を避けるが、Gの攻撃は止まる事はなかった。

 

G「とっておきだぁ...」

 

そう言ってGは先程より大きめのエネルギー弾を撃つ準備を始める。

 

美鈴「ちょちょちょっと待って!?手加減っての知らないんですか!?」

 

G「...手加減ってなんだぁ?」

 

咲夜「...もう駄目だ.....、おしまいだぁ...」

 

美鈴はテンパる中、咲夜は完全に意気消沈の状態だった...。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その時、不思議な事が起こった。

 

奥の部屋から虹色の極太レーザーが向かって来ていたのだ。

 

G「何!?」

 

美鈴「へっ?」

 

咲夜「っ!」メーリンノウシロカクレ

 

美鈴「え?ちょっと咲夜さん!?何で私の後ろに!?」

 

そのまま二人とGはレーザーに飲み込まれてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

咲夜「.......ふぅ、助かった...」

 

ドサッ

 

美鈴「さ、咲夜さん.........、ど、どうして............」

 

咲夜「...............

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

近くに居た、貴女が悪い♪」ニコッ

 

美鈴「そ、そんな理不尽............」チーン

 

美鈴はそのまま気絶してしまった。

 

咲夜「美鈴が死んだ!?」

 

魔理沙「この人でなし!!」

 

奥の部屋から魔理沙がやって来ると、咲夜にツッコミを入れる。

 

咲夜「魔理沙!丁度良いわ!そいつを消し炭にして!」

 

魔理沙「は?何言って.....、って何だこいつ!?」

 

G「何なんだぁ?今のはぁ?」

 

咲夜「魔理沙の攻撃を食らっても無傷だなんて...」

 

魔理沙「無傷って、バケモンかよ....」

 

G「俺がバケモノ...?違う...、俺は悪魔だぁ!」

 

魔理沙「良く分からんが、あれを黒焦げにすれば良いんだな?」

 

咲夜「お願い、貴女が頼りなの。報酬で盗もうとした本上げるわ」

 

魔理沙「そいつは有り難いな、なら一仕事と行きますか!」

 

咲夜(盗む事は否定しないのね...)

 

G「さぁ来い!此処がお前の死に場所だぁ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フラン「んも〜う、うるさいなぁ〜......、目が覚めちゃったじゃん...」

 

咲夜「い、妹様!?」

 

魔理沙とGが睨み合ってる中、フランが目を擦りながらやって来た。

 

フラン「どうしたの?そんなに慌てて」

 

咲夜「いや、その......、ちょっと虫の駆除を....」

 

フラン「虫の駆除?」

 

フランは魔理沙の前に居るGの姿を確認する。

 

フラン「......つまり魔理沙の奥に居る虫をやっつければ良いんでしょ?」

 

咲夜「そ、そうですが......」

 

フランの言葉に咲夜は冷や汗をかき始めて来た。物凄い良からぬ事が浮かんでしまったのだ...。

 

フラン「ちょっと待っててね?きゅっとして..........」

 

魔理沙「!?」

 

咲夜「い、妹様!?おやめ下さ..............」

 

フラン「ドカーン!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どかーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!!

 

バ、バカナァーーーーーーーーーーーーーーーーー!!

 

 

 

bgm:ギ◯ラ◯テ◯ッ◯ノ◯ァ崩壊のテーマ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

見事、フランの活躍によりGは幻想郷の塵となった。

 

多くの犠牲(主に紅魔館)を出してしまったが、再び奴の姿を見せる事は無いだろう..。

 

 

 

      紅魔館戦争  

          終結

 

 

 

 

 

 

 

 

レミリア「何良い話しだった風に終わってるのよ!!私の紅魔館を返せーーーー!!」




いかがでしたか?

本来なら先週上げる予定だったのですが、体調不良により書く気力を失い、少し短めなった事と投稿が遅くなってしまいました。

今年で完結は絶望的な感じです...。

皆様も体調管理にはお気をつけて下さい。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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第五十九話 ニュウイン?ナニソレオイシイノ?

どうもです。

第五十九話です。

今回は少しヤバめのネタを入れました。一応閲覧注意です。

それではどうぞ。


突然だが、俺には最近悩みがある。

 

龍騎「はぁ......、はぁ.....」

 

霊夢「......大丈夫?なんか息苦しそうだけど」

 

龍騎「......まぁ、ちょっとな」

 

そう、最近息苦しさを感じ始めているのだ。特に階段を上り下りしてる時突然胸が圧迫されてる感じがして咳き込む時がある。俺も歳なんだなぁ...(二十代)

 

霊夢「医者に診て貰ったら?」

 

龍騎「いや、多少我慢すれば何とかなる...」

 

霊夢「そ、そう...?ちなみにいつから?」

 

龍騎「一週間ぐらい前.........、あの、霊夢さん?何襟を掴んで...」

 

霊夢「黙って来る」

 

そう言って霊夢は俺の襟を掴んだまま何処かへ飛んでいってしまった。ちょっと待って死ぬ死ぬ死ぬ!!窒息する!!

 

そして数分後、迷いの竹林の入口に着いた。飛んでる間気を失ってたから全然憶えてない......。

 

霊夢「ほら、さっさと永遠亭に行くわよ」

 

龍騎「......襟掴んで空飛ぶ必要あった?ないよね?」

 

霊夢「態々気を遣ってあげたのよ。感謝しなさい」

 

龍騎「有り難迷惑だっつーの...。んじゃ行くか」

 

そして俺と霊夢は永遠亭を目指した。それからひたすら息苦しさと戦いながら歩き出す。あのクソ兎の罠に引っ掛かる事なく辿り着く事が出来た。

 

龍騎「はぁ......、辛っ......」

 

霊夢「本当に苦しそうね......」

 

鈴仙「あ、龍騎さん。霊夢さんも居るんですか」

 

玄関から鈴仙が箒を持って現れた。どうやらこれから庭掃除でもするのだろう。

 

霊夢「永琳は居る?診察を受けたいんだけど」

 

鈴仙「はい、お師匠様なら居ますよ」

 

そう言って鈴仙に案内されると、永琳先生は何か変な薬草を混ぜていた。いや何それ?しかも変な匂いがするし......。

 

永琳「あら、診察かしら?」

 

霊夢「私じゃないわよ、龍騎が最近息苦しいんだって」

 

勝手に説明して貰ってるけど、これじゃあ親子みたいじゃねぇか。二十歳の息子の面倒見るかーちゃんかよ。

 

永琳「成程...、なら検査をしましょう」

 

それから色々検査を受けて暫くすると、永琳先生が『あ〜......』と声が聞こえた。

 

.........そんなにヤバい奴なの?

 

永琳「...........」

 

龍騎「あの、永琳先生?」

 

永琳「.................

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気胸ね

 

龍騎「......は?」

 

霊夢「???」

 

永琳先生の一言で固まってしまった。

 

...............................................................気胸って何?(すっとぼけ)

 

永琳「分からないって顔をしてるわね。これを見て」

 

永琳先生が見せたのは、俺のレントゲン写真だった。

 

永琳「右の肺を見てみて、左の肺より小さいでしょ?」

 

霊夢「あ、本当だ。小さくなってる」

 

永琳先生がペンを使って説明してくれる。霊夢も俺の肺を見て小さくなってると指摘した。

 

永琳「本来なら肺って、骨に隠れて見えない筈なのよ」

 

龍騎「.........え?」

 

霊夢「治療方法は?」

 

永琳「肺に管を入れて膨らませるの。それが一般的な治療ね」

 

龍騎「............それって」

 

永琳「一週間ぐらい入院ね」

 

龍騎「帰らせて頂きます」

 

俺は扉に手を掛けようとすると、霊夢に肩を掴まれた。気のせいかピキッて音が鳴った気がする...。

 

霊夢「何逃げようとしてるのよ」

 

龍騎「いやだって...、そうお金!入院費やら治療費が払えないから.......」

 

永琳「あ、お金ならいいわ、月に行った時迷惑掛けちゃったし。それでチャラで」

 

龍騎「は?」

 

誰だそんな事言った奴、怒ってないから出て来なさい(半ギレ)

 

霊夢「なら良いじゃない。ただで良いって言ってるんだから」

 

龍騎「い、嫌だ!だって肺に何かぶっ刺すんでしょ!?だったらこのまま死んだ方がマシだ!!」

 

霊夢「駄々っ子か!ほらもう観念しなさい!」

 

龍騎「いーーやーーだーー!!俺もうね、逃げる(宣言)」

 

俺は霊夢と永琳先生を振り切り、廊下に出た瞬間、鈴仙にぶつかってしまった。

 

鈴仙「きゃっ!?」

 

永琳「優曇華!彼を取り押さえて!」

 

鈴仙「え?...あ、はい!」

 

 

 

 

 

 

 

※此処から先、(ネタ的に)ヤバいので一応閲覧注意。

 

〜READY? GO!〜(幻聴)

 

               ゴホッ!(アレルギー)

 

鈴仙とぶつかり倒れた龍騎は咳き込む。

 

龍騎「ん何だお前!?(驚愕)」

 

鈴仙が居る事を確認。

 

霊夢「オロナイン、抑えろ!」

 

霊夢参戦。

 

龍騎「何すんだおまっ.....、流行らせコラ!」

 

霊夢「〆サバァ!(寿司)」

 

龍騎「ん何だこいつ!?(今更)ヘドロヘド!(駄作)や〜めろお前!チッ!(舌打ち)あ"〜もう!(乙女)」

 

霊夢「転校しても無駄よ!(K◯R◯K◯R)

 

龍騎「ウザってぇ......(ガチギレ)」

 

鈴仙「素晴らしき菓子......(幻想郷銘菓)」

 

霊夢と鈴仙に取り押さえられても尚、暴れる龍騎。

 

龍騎「ウザコン、お前らに、お前ら二人なんかに負けるわけねえだろお前オゥ!(フラグ)流行らせコラ......、流行らせコラ! 郵便屋GOお前放せコラ!(意味不明)」

 

様子を見ていた永琳が呆れた顔をして、乱入。

 

龍騎「何だお前!?(困惑)」

 

永琳の参加に戸惑う龍騎。

 

霊夢「しばらくホッとしたろう!!(指摘)」

 

龍騎「コラドケコラ!」

 

霊夢「三人に勝てる訳ないだろ!!」

 

龍騎「馬鹿野郎お前俺は勝つぞお前!(死亡フラグ)

 

三人に取り押さえても抵抗を続ける主人公の鑑(?)

 

霊夢「繰り出すぞ!(スペルカード)」

 

鈴仙「フル焼きそば!!(ペ◯ン◯)」

 

龍騎「ゲホッゲホッ!!(致命傷)あ~やめろ!(舌打ち)あ~ヤメロ!!(舌打ち)あ”~!お前らニュートリノだからなお前!(博識)お前らにとり(河童)だからなお前!」

 

永琳「そっち持って!」

 

龍騎「放せコラ!ア"ーーー!(ク◯ー◯)

 

霊夢「シュバルゴ!(火炎魔法)       

 

龍騎「ゴホッ!!(HP残り1)」

 

霊夢「あ~もう・・・もう抵抗しても無駄だぞ!」

 

龍騎「嫉妬がぁ!(抵抗) 」

 

鈴仙「鼻糞がぁ!(変貌)」

 

龍騎「やめろぉ(本音)ライスぅ(米派)」

 

遂に身動きが取れなくなった龍騎。永琳が縄で縛り付ける。

 

龍騎「あ~やめろお前、どこ触ってんでぃ!(江戸っ子)どこ触ってんだお前!」

 

鈴仙「オラ見せてみろほら!(発情期の兆し)」

 

龍騎「お前なんだ男の身体触って喜んでんじゃねぇよお前!(歓喜)」

 

鈴仙「思った通りいいカラダしてるじゃねぇか!(発情期)」

 

霊夢「やはりヤバい(認識)何だお前!?(今更)」

 

鈴仙「エェ!?」

 

突如、鈴仙の様子がおかしくなり、龍騎の身体を触っていく。

 

龍騎「何だお前男、男大好きなのかよ(全笑い)」

 

鈴仙「なんだその派手な◯◯◯(ピーー)はよぉ(スーパーハイテンション)」

 

龍騎「イイじゃねぇか俺のとんかつー、カッテーナほんならよぉ(意味不明)お前らにごちゃごちゃ言われたくねぇぞ!(正論) 」

 

鈴仙「もっと見せてみろホラ!(制御不能)」

 

龍騎「ンァイ...、どけコラ!(強気)ヤぁメロこのやルルォこのへん......(気絶)」

 

鈴仙が暴走し出し、結局鈴仙一人で龍騎を止めた。霊夢と永琳はドン引きし、龍騎は鈴仙に取り押さえれたまま気を失った。

 

〜GEAM SET〜

 

 

 

 

 

龍騎「......あれ?」

 

目が覚めると俺はベットの上で寝ていた。確か俺暴れてた気が......。俺が起き上がろうとすると、右の胸に激痛が走る。

 

龍騎「っいっつ〜〜!」

 

永琳「如何やら起きたみたいね」

 

永琳先生が顔を出すと、俺は脇腹に何か繋がれてる事に気づいた。

 

永琳「今管が入ってる状態だから、あまり無理に動かさないでね。最悪手術する事になるから」

 

龍騎「マジかよ...」

 

手術なんて冗談じゃない、これは大人しくしてる必要があるな...。

 

永琳「それじゃあ、何かあったら直ぐに呼びなさい」

 

そう言って永琳先生は部屋から出て行ってしまった。俺は胸の痛みを我慢しながら無理矢理眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜一週間後〜

 

永琳「......取り敢えず退院ね」

 

龍騎「やっとか......」

 

退院の許可を得た俺は一息付く。この一週間はマジで地獄だった。飯食う時右利きだから動かそうとすると右胸が痛くて辛いし、薬の副作用の所為か熱っぽかったり、発情期状態の鈴仙に襲われたり(ここ重要)して散々だった。

 

永琳「良い?激しい運動は控えて頂戴。前にも行ったけど次は手術だからね」

 

龍騎「......はい」

 

永琳先生の有難いお言葉(忠告)を貰い、永遠亭を去る。あのクソ兎罠作ってなきゃ良いが...。そんな事思ってると、聞き覚えのない声が聞こえた。

それは狼みたいな耳をした女性だった。

 

龍騎「こんにちは、永遠亭に向かってるんですか?」

 

狼の女性「あ、はい......、足を挫いてちょっと動けなくなって...」

 

龍騎「......手伝いましょうか?」

 

狼の女性「良いんですか?」

 

龍騎「見て見ぬ振りは嫌いなので」

 

狼の女性「あ、ありがとうございます。い、今泉 影狼《いまいずみ かげろう》と言います...」

 

龍騎「霧影龍騎です。んじゃ行きますか、ほらおんぶ」

 

影狼「え?」

 

龍騎「いやいやいや、え?じゃなくておんぶ」

 

影狼「.........し、失礼します......」

 

俺は影狼さんをおんぶして歩き出す。剣持って来なくて良かった...。このぐらいなら肺に負担は掛からないだろう。

 

龍騎「どうして足を挫いたんです?」

 

影狼「た、偶々散歩してたら迷い竹林に入って...、そしたら躓いて...」

 

龍騎「あー、成程...」

 

まぁ、良くある事だな。暫くすると永遠亭が見えて来る。そして......、

 

妖怪「お、可愛子ちゃんはっけーん!」

 

ナンパ妖怪と出会ってしまった。剣持って来れば良かった...。

 

妖怪「ひひひ、今日はついてるぜ。まさかこんなに可愛い子だなんてな」

 

影狼「ひっ!」

 

影狼さんがビクッと身体を跳ねる。よっぽど怖いのだろう。

 

龍騎「あー、其処のお前。悪いけど他当たってくんない?今忙しいんだけど」

 

妖怪「良く言うぜ。おぶってる癖に」

 

龍騎「彼女怪我人、身動き取れない、OK?」

 

妖怪「......成程、ならその役目は俺に任せて貰おうか」

 

いや馬鹿なの?目の前永遠亭だよ?ってか良く迷いの竹林に入れたな。

 

影狼「け、結構です!龍騎さん急ぎましょう」

 

龍騎「そう言う訳だから、お疲れ」

 

俺はナンパ妖怪との会話を終了すると、何故か俺の前に立ち塞がった。

 

龍騎「......何?」

 

妖怪「悪いけどはいそうですか、って訳にもいかないんだわ。それに俺最近溜まってるし」

 

龍騎「医者に診て貰え(無慈悲)」

 

妖怪「そう言う訳だから、どうしても俺から離れたいんだったら力強くで......」

 

龍騎「言ったな?この野郎、んじゃ遠慮なく」

 

そう言って俺は影狼さんをおんぶしたまま妖怪に接近する。そして左足に雷属性を解放させて妖怪の腹に足蹴りを繰り出す。そのまま妖怪は吹っ飛ばされ、雷属性の効果で痺れて動けない。

 

妖怪「は、速い......、一瞬で懐に......」

 

龍騎「暫く其処で寝てろ」

 

俺はこの場を去ろうとすると、妖怪が俺に接近してきた。

 

妖怪「この、人間の癖に......!」

 

そう言って俺に殴りつけるが、俺はヒョイ、と避けて足を引っ掛けると、

 

妖怪「え」

 

龍騎「あ」

 

何と妖怪の下には人一人分の穴があり、妖怪はそのまま落ちてしまった。恐らくあのクソ兎の罠だろう。俺は穴を見ると、何と竹串が大量に設置されていた。

 

龍騎「おーい、大丈夫かー?」

 

妖怪「大丈夫じゃねぇーーー!!」

 

うん、ガッツリぶっ刺さってるけど元気そうだ。

 

龍騎「あ、あんな所に人参の食べカスある」

 

妖怪「要らねーーー!!」

 

流石に可哀想だが、これはこれで自業自得って事で俺は妖怪を放置して永遠亭に向かった。数分後、影狼さんは怪我の治療する事が出来た。ちなみに俺は......、

 

永琳「入院、直ぐ手術」

 

龍騎「ジュ、ジュジュジュ!?」

 

入院and手術宣言された。

 

龍騎「ツッ、チョッ、チョッチョマッテクラサイヨエーリンザァン! ソリャナイレショー?ドゥジデソウナルンディスガ!?」

 

永琳「肺が縮んでるのよ!恐らくさっき絡まれた妖怪が原因ね、検査して正解だったわ...」

 

龍騎「ウソダ......、ウソダドンドコドーン!!」

 

その後、手術をしてまた入院した。オデノココロトカラダハボドボドダ!




いかがでしたか?

アンケートの真ん中が誰一人居なくて驚いています。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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第六十話 刀持ちの訪問者

どうもです。

第六十話です。

それではどうぞ。


「.........」

 

とある真夜中に地下に続く洞窟の入り口に一人の男が立っていた。男は洞窟の入り口を見つめていると、一人の女性に声を掛けられた。

 

?「こんな夜遅くに何をしているのですか!!この先は人間が行って良いような場所ではありません!!今すぐ引き返しなさい!!」

 

男「.........何処にだ?」

 

?「え...?」

 

男「俺に帰る場所なんて無い...、無いから探している......」

 

?「だからって......、こんな所じゃなくても......」

 

男「それは俺が決める事だ......、それと俺は人間じゃない」

 

そう言って男は洞窟の中へと行ってしまった。

 

?「.......何なの...、この人...」

 

女性は少し心残りがあるものの、この場を去った...。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜地下・旧都〜

 

今日も旧都は妖怪達で溢れている。時間、場所関係なく鬼達は肩を組み合っては拳を交わす鬼達も居る。

 

そんな中、一人の男が旧都に紛れ込んでいた。長い金髪をポニーテールにして顎まで伸びたもみあげ、そしてワイシャツの上に黒いコート、腰には1メートルを超える刀を担いでいた。

 

すると、一人の鬼に肩をぶつかってしまう、

 

鬼「あぁ?てめぇ何処見て歩いてんだ!」

 

男「.........」

 

鬼「おいてめぇ聞いてんのか!?」

 

鬼は男の肩を掴むと、

 

男「俺に触れるな」ギロッ

 

男は殺意を出して言うと、鬼はビクッと身体を跳ね、男から離れる。すると、男の前からまた別の鬼がやって来た。

 

鬼「あ、兄貴...」

 

どうやらこの鬼はまぁまぁ偉い鬼なのだろう、若頭と言った所だ。

 

鬼(若頭)「おいおい、うちの若ぇのと何騒いだんだ?」

 

男「.........(この鬼...、何処かで......)」

 

鬼「あ、兄貴!こいつがぶつかって来ただけで......」

 

男「......ぶつかって来たのはそっちだ」

 

鬼「あぁ!?」

 

鬼(若頭)「待て!おい人間、此処が何処なのか分かってるんだろうなぁ?」

 

男「.........」

 

鬼(若頭)「此処はお前みたいなひよっこが来る所じゃねぇんだよ、分かったならさっさと引き返しな」

 

男「どいつもこいつも......、相手を見た目で判断するな、俺は人間でも妖怪でも無い」

 

鬼(若頭)「何?」

 

男「なんなら......」

 

男は腰にある刀を引き抜く。それは持ち手が青と白、刀身はエメラルドのような緑色に長さが約1.5メートルの刀だった。

 

男「試してみるか?俺は話し合いで解決するよりも暴力(勝負)で解決する方が向いている。お前もそうだろ?鬼は好戦的と聞いたが?」

 

鬼(若頭)「面白れぇ......、その喧嘩買った!」

 

そう言って鬼(若頭)は片手に持っていた瓢箪を投げ捨てて戦闘態勢に入る。男も刀を構えて、低い体勢になる。

 

鬼(若頭)「俺は我鬼(がき)、お前は?」

 

男「.........俺に名前は無い、どうしてもというのなら.........

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

黒騎、と呼んで貰おうか」

 

お互い睨み合い、両者の片足に力一杯踏み込むと我鬼は足蹴り、黒騎は刀で受け止める。

 

我鬼「へっ!思ってたより頑丈そうな刀じゃねぇか!」

 

黒騎「......」

 

我鬼(だがこの男...、何処かで見た事が...)

 

黒騎「考え事とは随分と余裕だな」

 

我鬼「!」

 

黒騎は我鬼の腹部に足蹴りを食らわせる。我鬼は腹を押さえて後退するが、直ぐに構え直す。

 

我鬼「悪い悪い...、前にお前みたいな奴と会ったような気がしてな」

 

黒騎「.........」

 

我鬼「まぁ良い、さて...、仕切り直しだ」

 

我鬼は妖気を解放すると、透明色のオーラが発生する。黒騎も我鬼に見習い魔力を解放する。

 

我鬼「行くぞ!『我王拳』」

 

我鬼は拳を突きつけると、拳の形をした波動が飛ばす。黒騎は我鬼が放った波動を刀で斬ると、我鬼は一瞬に黒騎の目の前まで接近し、アッパーカットを放つ。

 

我鬼「甘い!『昇狼拳』」

 

黒騎「ぐっ......!」

 

黒騎はそのまま我鬼の攻撃を食らってしまい、空中に吹き飛んだ。

 

我鬼「まだ終わらん!『我王拳』」

 

黒騎「ちっ!」

 

我鬼は更に波動を三発放つ。黒騎は刀で防ぐが、威力が高い為更に吹き飛ばされる。我鬼は足に力を入れて地面を蹴り、ジャンプして黒騎に急接近する。

 

我鬼「トドメだ!『我王・昇天脚』」

 

我鬼は身体を一回転して踵落としのように黒騎を狙う。

 

黒騎「.........馬鹿め」

 

黒騎は我鬼の攻撃を刀で防ぐ。それと同時に火属性を解放させて我鬼の足を弾くと、黒騎は刀に火を纏わせて斬りかかる。

 

我鬼「何!?」

 

黒騎「火剣『煉獄火炎斬』

 

黒騎は餓鬼に無数に斬りつけ、左手に黒いモヤを発生する。それを見た我鬼は目を見開いた。

 

餓鬼「!?(あれは......、まさか!?)」

 

黒騎「暗黒拳『ブラックバンカー』

 

黒騎は左手で我鬼の頭を鷲掴みして、掴んだ瞬間、衝撃波が発生し我鬼は吹っ飛ばされた。

 

我鬼(ま、間違いねぇ......!あ、あいつは......、あの時の......!)

 

我鬼はそのまま地面に墜落すると、黒騎を見つめる。

 

我鬼(あの悟り妖怪の妹を庇った人間......!)

 

どうやら我鬼は龍騎と勘違いしてるようだ。我鬼は立ち上がると、再び妖気を解放する。

 

我鬼「驚いたぜ、まさかあの時の人間が此処まで強くなるとはな」

 

黒騎「.........」

 

我鬼「面白れぇ......、血が騒いできたぜ........!」

 

黒騎「.........さっさと来い」

 

我鬼が構えると、黒騎は軽く溜め息を吐いて刀に纏わせていた炎を消す。そして刀を一度鞘に収めた。所謂抜刀術の構えである。

 

そして、お互い睨み合うと......、

 

 

 

?「其処まで!」

 

黒騎・我鬼「「!?」」

 

一人の鬼に止められた。それは......、

 

我鬼「あ、姐さん!?」

 

黒騎「......星熊勇儀」

 

我鬼の先輩である星熊勇儀であった。

 

勇儀「お楽しみの所悪いけど、こいつを借りていくぞ」

 

そう言って勇儀は黒騎に指を指す。

 

黒騎「俺に?」

 

我鬼「ま、待ってくださいよ姐さん!いくら何でも急過ぎでっせぇ!」

 

勇儀「私だって止めたく無かったさ、こんなに良い勝負が観られるとは思わなかったからね」

 

黒騎「なら何故止めた?」

 

?「それは私が原因だからです」

 

そう言って勇儀の後ろからピンク色の少女が現れた。

 

黒騎「古明地さとり......」

 

さとり「お久しぶりです、黒騎さん」

 

地霊殿の主である古明地さとりだった。

 

我鬼「な、何故悟り妖怪が此処に......?」

 

さとり「妹と近くに通り掛かった時に騒がしかったので覗いていたら貴方達が勝負していたという事です」

 

黒騎「.........何故俺だと分かった?」

 

さとり「......強いて言うなら...、女よ勘ですね」

 

黒騎「......そうか」

 

そう言って黒騎は刀から手を離すと、さとりに近づいた。

 

勇儀「......で、こいつは何者だい?知り合いみたいだが?」

 

さとり「彼は黒騎さん、霧影龍騎さんの二重人格です」

 

我鬼「なっ!?」

 

我鬼が驚くと、勇儀はふーん、と少し微笑む。

 

我鬼「お、お前......、あの男の二重人格だったのか?」

 

黒騎「......」

 

さとり「黙秘は肯定とする、って事でしょうね」

 

勇儀「ま、立ち話しもあれだし、うちに来な」

 

そう言って勇儀を先頭に黒騎とさとりは後に着いて行った。

 

 

 

 

 

 

 

勇儀の家に着くと、勇儀は杯に酒を入れると黒騎に差し出す。

 

勇儀「いや〜、まさかお前が地下に来るとは思わなかったね〜!」

 

さとり「そうですね、てっきり森に住み着くのかと思いました」

 

黒騎「.........俺にとって地下が一番だと判断したまでだ」

 

勇儀「そう言って貰えると嬉しいねぇ〜、今度は私と手合わせ願えるかい?」

 

黒騎「.........いいだろう」

 

勇儀「お、引き受けてくれるかい?」

 

黒騎「...暇潰しにもなるし戦闘経験も積める、一石二鳥だ」

 

そう言って黒騎は杯を持ち、酒を口の中に流し込む。

 

勇儀「気に入った!酒も勝負も強い男は好きだよ」

 

さとり「.........」

 

黒騎「......」

 

黒騎は杯を置くと、さとりの方へ目を向くとさとりは顔を赤くしてそっぽ向いてしまった。

 

黒騎(......?心が読めないのか?)

 

さとり(ど、どうしよう......、黒騎さんの心が読めない.......。だからってずっと見てたし、嫌だったかしら......)

 

黒騎は疑問に思う一方、さとりは黒騎の心が読めず黒騎を見つめていたが、黒騎がさとりの方へ向くと条件反射で別の方向に向いた。

 

黒騎(.........機械の身体では心が読めないのか......)

 

勇儀「..........」ニヤッ

 

二人の様子を見ていた勇儀は何かを思いついたような悪い笑顔になる。

 

勇儀「黒騎、あんた行く当てあるのかい?」

 

黒騎「......」フリフリ

 

黒騎が横に首を振ると......、

 

勇儀「なら地霊殿に住み込みな」

 

とんでもない事を言ってきた。

 

さとり「ふぇ!?」

 

黒騎「.........」

 

勇儀の提案にさとりは真っ赤になり、黒騎はまるで分かりきった表情をひて黙っていた。

 

さとり「な、ななななななな何を言い出すんですか!!///」

 

勇儀「別に良いじゃないか、そっちには人手が増えるし黒騎だって住む所が出来る、一石二鳥じゃないか」

 

さとり「だ、だからって......(この人何考えてるのなら......、全く読めない......)

 

混乱状態のさとり、相手の心か読めなくなっている。

 

勇儀「それにさ.........、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あいつを連れ込めばお前さんも嬉しいんじゃないか?」ニヤニヤ

 

さとり「っ!?///」

 

黒騎「.........」ハァ

 

勇儀がさとりの顔に近づいてそう囁くと、さとりは更に顔を赤くする。一方黒騎は二人のやり取りを見て、鼻で溜め息を吐く。

 

........どうやら聞こえていたらしい。

 

さとり「な、なんちゅう事考えてんだあんた!!///有罪(ギルティー)ですよ!地獄に堕ちなさい!!///」

 

黒騎「口調がおかしくなっているぞ」

 

勇儀「へっ、閻魔に世話になるのはごめんだね」

 

テンパるさとりに冷静にツッコミを入れる黒騎、勇儀は杯に酒を注いで口に入れる。

 

黒騎「............分かった、地霊殿に世話になる」

 

さとり「へ?」

 

黒騎の言葉にポカン、と口を開くさとり。

 

勇儀「お!お前さんは賛成か!」

 

黒騎「いつまでもこの話題に付き合ってるつもりは無い、それだけだ」

 

そう言って黒騎は立ち上がる。

 

さとり「何処へ?」

 

黒騎「......帰る場所が出来たなら、やるべきは一つだろ?」

 

勇儀「行ってやりな、後はお前さん次第だ」

 

さとり「.........はい」

 

そう言って黒騎とさとりは勇儀の家を後にした。

 

 

 

勇儀「......」

 

我鬼「良かったんですか姐さん?もう少しだけ残ってても良かったと......」

 

我鬼が勇儀の家の玄関から顔を出してそう言った。

 

勇儀「良いんだよ、私はこいつの姉貴にきっかけを作ってやったまでさ」

 

勇儀がそう言うと、後ろからこいしがひょこっと現れた。

 

我鬼「!?いつの間に......」

 

こいし「お姉ちゃんがお兄さんに会ってから興味があってね。だから私がお兄さんが来た時にお姉さんに教えたんだ」

 

我鬼「何であの餓鬼が出てきたと思ったんだ...?」

 

こいし「女の勘!」ドヤッ!

 

こいしが自信満々な言葉に我鬼は考えるのを止め、別の事を考える事にした。

 

我鬼「悪戯......、では無いですよね?」

 

勇儀「まさか......、どうせお前の事だから喧嘩になる事は分かっていたさ。だからそいつを利用したまでさ」

 

我鬼「姐さんも人が悪いぜ......、まぁ喧嘩っ早い俺も俺ですけど...」

 

勇儀「さ、私達の仕事は終わりだ。後はあの二人に任せるとして、今日は飲むぞ!」

 

我鬼「うっす!」

 

こいし「わーい!」

 

そうから三人だけの宴会が始まった。余談だが、こいしは妖怪の為酒は飲めるのだが、これがあまりにも予想外にこいしは豪酒だった事が判明、先に潰れたのはこいしでは無く我鬼だったとか.......。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜一方その頃〜

 

黒騎「.........」

 

さとり「.........♪」

 

黒騎「.........おい」

 

さとり「何でしょう?」

 

黒騎「......何故、腕に抱きついている?」

 

黒騎とさとりは地霊殿へ向かってる途中、さとりは黒騎の腕に抱きついて歩いていた。最初は黒騎は気にしなかったが歩いていると次第に気になり始めていた。

 

さとり「良いじゃないですか、別に減るものでは無いんですし」

 

黒騎「.........」

 

さとり「それに......、嬉しかったんです。また会えた事が......」

 

黒騎「.........」

 

さとり「まさかその姿で再会するとは思いませんでしたが、それでも嬉しかったんです」

 

黒騎「.........そうか...、どう思うかはお前次第だ、何も言わん」

 

さとり「そうですか、なら此方の好きにさせて頂きます♪」

 

黒騎「好きにしろ......」

 

そう言ってさとりは更に強く抱きしめると、黒騎は軽く溜め息を吐く。そして暫く歩くと地霊殿の玄関に到着した。

 

さとり「さぁ、入りましょう」

 

黒騎「.........これから世話になる」

 

黒騎がそう言うと、さとりはムッとした表情で黒騎の顔に近づける。

 

さとり「黒騎さん、今日から此処は貴方の家でもあるんです。遠慮は入りません。寧ろ他人行儀は止めてください。リラックスして下さい。あとフルネーム呼びは禁止です、ちゃんと名前で呼んで下さい」

 

さとりが指摘すると、面倒くさそうな表情で溜め息を吐く黒騎。

 

黒騎「.........了解した、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ただいま、さとり」




いかがでしたか?

久々の黒騎くんの登場、初のメイン回でした。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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第六十一話 驚かし隊結成

どうもです。

第六十一話です。

それではどうぞ。


龍騎「はぁ...、やっと退院だ...」

 

身体をふらふらと揺られながら竹林を歩いていく俺氏。二度目の気胸になり即入院、手術を行って約一週間、ようやく解放されましたよ...。全く、とんだ災難だった、肺改造されてなきゃいいけど......。

 

龍騎「...............」

 

......まさかとは思うけどマジで改造してないよね?段々不安になっていく首を横に振る。まさか......、まさかな............。

 

...............................。

 

 

龍騎「加速装置!」

 

某昭和のサイボーグアニメのセリフを言ってみた。何故かは知らん。しかし、うんともすんとも言わず、ただ風が吹いている現象しか起きなかった。

 

......正直、ちょっと期待してた。

 

龍騎「ま、まぁそんな上手くいく訳ないよな!加速装置って言っただけでマッハ20みたいな速さが出る訳.....」

 

『CLOCK UP』

 

龍騎「ゑ?( ゚д゚)?」

 

その時、不思議な事が起こった。ヒュー、と吹いていた風が突然止まり、無音となったのだ。何が起こってるが俺にも分からねぇ......。

 

ってか今クロックアップって言った?ウンメイノーで有名なアレ?

 

..............................。

 

ちょっと待て少しおかしいぞ。だって俺が言ったセリフの元ネタのあれは奥歯の内側にあるやつだから肺に付いてる訳ないじゃん。そもそも俺はベルトもゼ◯ター持ってねぇし...。

 

龍騎「そ、そうだよな!うん、絶対にあり得ない!!」

 

そう言い聞かせた俺は人里へと向かった。

 

 

 

 

〜人里〜

 

龍騎「......何故だ」

 

人里に着いたら里の人達が固まっているんだけど...。

 

龍騎「.............もしかして...」

 

俺は一度息を吸って心を落ち着かせる。

 

龍騎「加速装置!」

 

『CLOCK OVER』

 

もう一度加速装置と叫ぶと、固まっていた里の人達が一斉に動きだした。

 

龍騎「は、ははは......」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍騎「にとりぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!何処に居るぅぅぅぅぅぅぅぅ!!

 

俺は涙目になりながら幻想郷中を走り回った。

 

 

 

〜一方、白玉楼〜

 

にとり「よし、これで完了だ」

 

妖夢「ありがとうございます」

 

現在、にとりは白玉楼にてキッチンの水道管の修理をしていた。にとりが工具を片付けると妖夢がお礼を言う。

 

にとり「いいっていいって、このぐらいお安い御用さ。それに報酬はきっちり頂いたし」

 

そう言ってテーブルの上にあるきゅうりの山を見る。どうやらにとりの商売は金を払うかきゅうりを贈呈すれば何でもしてくれるそうだ。

 

にとり「さて、私は帰らせて貰うよ。作業も終わったし」

 

そう言って鞄を背負うと.....。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

にとりぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!

 

聞き覚えのある声が聞こえた。

 

 

 

 

 

 

 

 

龍騎「にとりぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!助けてくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 

俺は今、白玉楼の階段を上りながら叫んでいる。幻想郷中を手当たり次第走ってると、とある妖怪に教えて貰い冥界に来ていた。そして白玉楼の扉を突き抜けると、にとりの姿を発見した。

 

にとり「盟友!?」

 

妖夢「龍騎さん!?」

 

龍騎「助けてくれにとりぃぃぃぃぃぃ!!」

 

俺はにとりの肩を掴んで高速で揺らす。

 

にとり「ちょ、ちょっと落ち着きなって!!どうしたの!?」

 

龍騎「俺サイボーグになっちゃった!!(泣)」

 

にとり「まるで意味が分からんぞ!?」

 

 

 

〜青年説明中〜

 

にとり「成る程ね、いきなり人が動かなくなったと」

 

妖夢「...それよりお身体は大丈夫なんですか?」

 

龍騎「身体は大丈夫だけど、肺がね......」

 

にとり「全くしょうがないなぁ〜」

 

そう言ってにとりは鞄の中を漁り始める。すると一台のカメラを取り出した。

 

にとり「テッテテー♪、見透しカメラー♪」

 

妖夢「........何ですかその効果音は」

 

お前はたぬきみたいな猫型ロボットじゃねぇだろ。真似するな色だけにしてくれ。

 

にとり「いいかいりゅう太くん。このカメラ色んなもの見る事ができる、謂わばレントゲンカメラなんだよ」

 

龍騎「誰がりゅう太くんだよにとえもん。......取り敢えず、それで俺の肺を診てくれ」

 

そう言ってにとりは俺にカメラを向ける。

 

にとり「はい、きゅうり!」

 

龍騎「おい」

 

ついツッコミを入れると同時ににとりはシャッターを押した。するとカメラの上の部分から一枚の写真が出てきた。にとりはそれを見ると『あぁ〜』と声を出した。気になった俺は写真を見ると、何故か右の肺に小さい石みたいな点があった。

 

龍騎「なにこれ?」

 

にとり「恐らくこれが原因かもね、しかもこれ月の特注品だよ」

 

え?いつの間に埋め込まれてたの?

 

にとり「しかも結構奥に入ってるよ。取り出すにしても手術だね」

 

龍騎「ウゾダドンドコドーン!

 

妖夢「な、何とか出来ないんですか?」

 

にとり「やっても良いけど、無事で済む保証はないよ」

 

龍騎「畜生めぇ!!」

 

くそったれぇ...!!どうしてこうなった...!

 

にとり「ま、まぁ身体に異常は無いんだから良いじゃないか!」

 

龍騎「良くねぇよ!一割程サイボーグ化してんじゃねぇか!!」

 

妖夢「で、でも便利そうな機能してるじゃないですか!大丈夫ですよ!」

 

龍騎「純度100%の人間でありたいんだよ!お前に何が分かる...!オマエニナニガワカルンダー!」

 

にとり「そ、そんなに落ち込まなくても....」

 

龍騎「う~~ううう あんまりだ…H E E E E Y Y Y Y あ ァ ァ ァ ん ま り だ ァ ァ ア ァウァァ !!」

 

妖夢「えぇ......(困惑)」

 

俺は土下座みたいな姿勢になって泣き始め、それを見た妖夢は困惑した声を出す。だってしょうがないじゃないか、いつの間にか変な物を埋め込まれたんだぞ?もう完全に人間じゃなくなった...、中途半端なサイボーグですよ......。

 

いや、魔法使える時点で人間の領域超えてるわ.........。何かすっげぇ泣けてきた......。

 

妖夢「ど、どうするんですかこれは!完全に泣き崩れちゃってますよ!」ヒソヒソ

 

にとり「いや私に言われても......、取り敢えず取り出す方法を探ってみるよ。そうすれば盟友も少しは落ち着く筈......」ヒソヒソ

 

龍騎「あースッとしたぜ......」

 

妖夢・にとり「「もう直った!?」」

 

俺は心を落ち着かせると、何故か二人は驚いていた。それよりもこれはこれで良いかもしれない、女性の前で泣き喚くのは嫌だったけどお陰様でスッキリした。

 

龍騎「よし、帰るか」

 

妖夢「もう帰るんですか!?」

 

にとり「ってかその加速装置は良いの!?放置してて大丈夫なの!?」

 

龍騎「ん?あぁ、大丈夫だろ。後で永遠亭に慰謝料請求するから」

 

妖夢・にとり((それで良いのか......))

 

という事で俺はにとりにお礼を言って白玉楼を去った。さて、帰ったら請求書でも書きますか......。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

妖夢「ほ、本当に大丈夫なんですかね......?」

 

にとり「.........さっき盟友に加速装置が小さい石ころみたいな大きさと言ったよね?」

 

妖夢「そうですね」

 

にとり「あれは嘘だ(謎のイケボ)」

 

妖夢「......は?」

 

にとり「実はあのレントゲン写真は少し細工した奴なんだ。で、本物はこれ」

 

そう言ってにとりは妖夢に一枚の写真を見せた。

 

妖夢「これがどう違うんですか?あんまり変化はありませんが......」

 

にとり「よく見てみて、肺の色が少し濃いでしょ?」

 

妖夢「.........あ!本当だ、少し濃いですね」

 

にとり「多分、それは金属みたいな物だよ。それで肺を覆ってるのか、はたまたは実際に肺として機能してるのか.........」

 

妖夢「お、恐ろしい.......,...、でも何で龍騎さんに教えなかったんですか?」

 

にとり「考えてみて直ぐに予想は着くだろ?」

 

妖夢「.....................................何となく予想は付きます」

 

また泣きじゃくるだろう......、二人の意見はそうだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

龍騎「ふふふ、覚悟しとけよ...。俺をサイボーグ化させた事を後悔させてやる......!」

 

そう言って俺は片手にA4サイズの紙束を持って歩いていた。さぁて、請求する金額はいくらにしようかなぁ......。百万?二百万?思い切って一千万?

 

なんて呑気にそんな事を考えながらスキップする。うん、キモいな。

 

スキップをやめて歩いていると、子供の集団を見つけた。何故かチルノが先頭に立って頭の上には青い旗に白色のペンキで文字が書かれていた。

 

チルノ「これより、『たらここがさ』の強化合宿を始める!」

 

大妖精「たらこじゃなくて、『たたら』だよチルノちゃん!」

 

チルノ「え?そうなの?」

 

ルーミア「そーなのかー」

 

リグル「ルーミアも知らなかったのか......」

 

龍騎「...『たたらこがさ、おどかしとっくん!』」

 

チルノ「あ、兄貴!」

 

龍騎「お兄たまと呼べ」

 

後ろで旗に書かれていた文字を読むと、チルノに声を掛けられた。ちなみにチルノが兄貴と呼ぶようになったのは俺が偶に寺子屋に行ってたら勝手に付けられた渾名みたいなやつだ。

 

こころ「おー!お前は何時ぞやの!?」

 

龍騎「あれ?何で此処にいる訳?」

 

何故かこころまで居た。

 

龍騎「ってかこの『たたらこがさ』って誰?」

 

?「あ、私です......」

 

俺がたたらこがさと言うと、青髪にボロボロの傘を持った少女だった。

.........あれ?この子見覚えがあるぞ?

 

こころ「こいつが『全ての人間を驚かす方法を知りたい』と相談を受けてな。そしたらこいつらに聞かれた」

 

チルノ「さいきょーのアタイ達が手を貸してあげるんだ!カンシャすることだ!」エッヘン

 

感謝というより迷惑掛けるのでは?

 

龍騎「......取り敢えず、驚くのを強くすれば良いんだろ?」

 

チルノ「ならアタイ良いの思いついた!」

 

龍騎「タイチョウミズカラガ!?」

 

もう思いついたのかよ...、サスガダァ...。

 

チルノ「後ろから氷漬けにすれば良いんだよ!そーすれば驚く!流石アタイ!」

 

龍騎「ナニイテンダ、フザケルナ!」

 

リグル「ナニバカナコトイッテンダ!」

 

とんでもない事言い出したよこの⑨。流石は最強(笑)

ってかリグルはいつの間にその語録を?

 

大妖精「凍らせちゃダメだよチルノちゃん!」

 

ルーミア「そーなのかー」

 

小傘「いや私凍らせる事出来ないから!」

 

こころ「そうだそうだ」

 

龍騎「まず、どういう風に驚かしたいのか決めるべきでは?」

 

ルーミア「そーなのかー?」

 

大妖精「確かにそうですね、驚かすにも色々ありますからね」

 

小傘「例えば?」

 

リグル「......怖い話しをするとか?」

 

こころ「此処は私の出番だな」

 

そう言って鬼の仮面を取り出すこころ。いや、それは某仮面ライダーの青い鬼じゃねぇか...。

 

こころ「これを被って怖い話しをすれば、よりリアリティーが増す」

 

リグル「その仮面に合う話しはあるの?」

 

こころ「.......」

 

龍騎「......」

 

リグル「......」

 

大妖精「.....」

 

小傘「......」

 

ルーミア「......?」⇦あまり話しについて来てない。

 

チルノ「???」⇦一ミリもついて来てない。

 

......無いんですね、分かります。

 

龍騎「...ちょっと待てよ......?」

 

俺はある方法を思い付いた。俺は思い付いた案を伝えると皆んな賛成してくれた。ルーミアは『そーなのかー』しか言わないし、チルノの関しては理解出来ずにいた。

 

 

 

〜数日後〜

 

俺は夕方に人里の橋の近くに地面に布を敷いて正座していた。目の前には蝋燭が一本火がついており、周りには里の人達が集まっていた。

 

龍騎「これは、外の世界であった怖い話し......。少し奇妙な物語......」

 

と言っても全部嘘なんですけどね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある家の二人の子どもには不思議な能力があった...。

 

兄は『見えないもの』に取り憑かれやすく、妹にはそれが見えてしまうのだ...。

 

母親は、そのことで言い争いをしたりする子どもたちのことが心配で仕方がない。

 

そんなある日、兄が帰宅すると妹の顔色が変わった。

 

母親が声をかけると、兄は「眠くて仕方ないから寝る」と言う。

 

自分の部屋に行こうとして、2階に上がった妹は、兄の部屋の前を通った。

 

すると、背後でドアが開き、兄が声をかけてきた...。

 

背後で聞こえる水のしたたる音...。思い切って妹が振り向くと、

 

 

 

 

 

兄の背中には濡れた短い髪のセーラー服姿の女性が覆い被さっていた...。

 

しかもその女性には......。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

顔が......、無いのだ......。目も、鼻、口も、何一つ......。

 

 

 

里の人達「「「.........ッ」」」ザワ...ザワ...ザワ...

 

龍騎「もしかしたら......」

 

そう言って俺は奥に居た女性の指を指す。

 

龍騎「貴女の後ろに居るかもしれませんよ......?」

 

女性「!?」

 

女性は俺の言葉を聞くと、勢いよく振り返る。其処には...。

 

小傘「」(のっぺらぼう)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

きゃあああああああああああああああああああ!!

 

女性が悲鳴をあげると、周りの人達を一斉に騒ぎ出し皆んな逃げ出すかのようにこの場から去ってしまった。俺は蝋燭を持ってふっ、と息を吹いて火を消した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜霧影宅〜

 

「「「かんぱーい!」」」

 

そして一仕事を終えた俺達は家で打ち上げをしていた。

 

小傘「皆んなありがとう!こんなに驚くとは思わなかったわ!」

 

リグル「力になれて良かったよ」

 

大妖精「それにしても、中々怖かったですねあの話し...」

 

直子「私が考えた作り話しだったんですけどね」

 

そう、この話しを考えたのは直子さんだったのだ。ネタ探しに直子さんに相談したら作ってくれるとの事で任せたのだ。

 

チルノ「うんうん、さっすがアタイね!」

 

女苑「あんた最初から何もしてないじゃない」

 

チルノ「(´・ω・`)」ショボーン

 

ルーミア「そーなのかー」

 

こころ「お前も何もしてないだろ」

 

ルーミア「(´・ω・`)」ショボーン

 

確かにチルノとルーミアは何もしていない。宣伝は大妖精とリグルに任せて、こころはのっぺらぼうの仮面を持ってきて貰い、最終的には小傘で締めくくる、という計画で立てたのだ。

 

其処から夜遅くまで打ち上げは続いた。生憎家には酒は無いのでお茶かジュースと食べ物だけだが、これはこれで皆んな楽しめたので良しとするか。

 

でも何か忘れてるような......。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍騎「あ"っ!?請求書書くの忘れてた!?」




いかがでしたか?

怖い話しの内容は自分の妄想です。これを考えるのに時間が掛かってしまった...。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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第六十二話 下らない理由でも喧嘩はダメ(前編)

どうもです。

第六十二話です。

それではどうぞ。


龍騎「......」

 

?「......どうか、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうか暫く匿って欲しいのだ!」

 

龍騎「えぇ...(困惑)」

 

朝からとんでもない事が起きた(小並感)理由は数分前、寝てる時にバンバンと玄関を叩く音が鳴ったら見覚えのない女の子か居た。

 

そして冒頭に至る。......説明必要だったか?

 

?「怪しい者ではあるが一日だけで良いんじゃ!泊まらせてくれ!」

 

龍騎「尚更無理ですお帰りください」

 

?「頼む!!かれこれ何日も食べてないしお風呂にも入ってないんじゃ!」

 

龍騎「......他に行く宛は?」

 

?「ない!」

 

龍騎「尚更無理ですお帰りください」

 

そう言って俺は扉を閉じようとするが少女はそれを阻止する。

 

?「お願いじゃ!!もう頼れるのはお主しかおらんのじゃ!!」

 

龍騎「いやだからって無理だから。知らない人の家に行っては駄目って昔から言われてるから」

 

?「うぅ.....、そんな殺生な......」ウルウル

 

いや、涙目で見られても....。

 

龍騎「......はぁ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

?「ガツガツ......、ムシャムシャ......」

 

結局入れてしまった...。いやだってあんな目で訴えられた仕方ないじゃん。それに断ったとしても他所でも同じ事を繰り返す為近所迷惑だ。

 

龍騎「そんなに慌てなくても......」

 

?「ゲホッ......、ご馳走様」

 

ゲップするなよはしたない。

 

?「助けてくれて感謝するぞ!我は物部 布都《もののべの ふと》と申す!」

 

龍騎「霧影龍騎だ、んで?どうして野垂れてた訳?」

 

布都「うむ、実は事情があってな......」

 

そう言って布都は目を瞑り、事の出来事を語り出した。

 

 

 

 

 

〜回想〜

 

我が住んでる神霊廟(しんれいびょう)には三人で過ごしていたのだ。

 

そんなある日、我は一日の楽しみでもあるおやつの大福が何と無くなっていたのだ!!

 

我は二人に聞いてみたが、誰も食べてないし知らないと言ったのだ。

 

そして途中から入ってきたエ〇仙人とキョンシーが現れて、事情を話したら、

 

エ◯仙人「あら、それならこの娘が食べてしまいましたわ」

 

キョンシー「わはー」

 

布都「....................................................、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

野郎ぶっ殺してやらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!

 

其処からエ〇仙人と弾幕勝負になり、神霊廟にも被害が出てしまったのだ。

 

お陰で我らは寝る所が無くなってしまい、現在は復旧作業中じゃ。

 

そしたら、全責任を持って我だけが野宿しろと言うのだぞ!?他は宿で泊まってるのに!?おかしいでは無いか!此処まで来たら我も仲間に入れるべきではないか!

 

 

 

〜回想終了〜

 

 

布都「そして何処か泊めてくれる家をあちこち探し回っておったのだ」

 

龍騎「理由しょーもなっ!?」

 

いやいやいや幾ら好物の大福食われただけで内容がくっだらないんだけど!?食べ物の恨みは恐ろしいのは知ってたけど限度があるぞ!?

 

龍騎「......これから如何するの?」

 

布都「神霊廟が復旧作業が終わるまで暫くは動けん。完了次第置いてはくれぬだろうか?」

 

いや同居人探せよ。あと仙人とキョンシーに謝れよ。

 

龍騎「...だったらその神霊廟?の偉い人に会って話せよ。お互い悪いことたんだから謝るのが礼儀だろ」

 

布都「むぅ......、ならそれで...」

 

何で残念そうな顔してんだよ、まさか長居するつもりだったの?

 

直子「あ、龍騎さん。おはようございます」

 

龍騎「あ、どうも」

 

直子さんがリビングにやってくると、貴重品を持って玄関に向かっていく。今日は直子さんの人形の身体のメンテナンスの為、アリスの元へ向かうのだ。ちなみに紫苑が付き添いで行くらしい。すると朝風呂で上がった女苑がやって来た。下着姿で......。

 

女苑「ふぅ〜、あ、そういや今日だったわね」

 

直子「はい、それでは行って来ますね」

 

龍騎「お気をつけて、あと紫苑の事頼みます」

 

そう言って直子さんはリビングへ出て行くと、布都は不思議そうな顔で訪ねて来た。

 

布都「あの直子殿は一体何者なのだ?」

 

龍騎「ん?地縛霊だけど?」

 

布都「......へっ?」

 

女苑「今の直子は人形に憑依してるから人間にそっくりな姿だけど、本当は数年前に死んだ幽霊だよ」

 

布都「なんと!?」

 

布都は驚くと顎に手を当てて考え始めた。何考えてんだ?

 

布都「お主.....、もしや尸解仙じゃな!!」

 

龍騎・女苑((尸解仙...?))

 

何言ってんだこいつ...?ってか尸解仙ってなんぞや?

 

布都「お主が尸解仙なら...、風水も操れるのか!?」

 

龍騎・女苑((...なわけねーだろ))

 

布都「まさか人間にも風水が操れるとは...!我と共に神霊廟で風水を極めようぞ!」

 

龍騎・女苑((...なわけねーだろ!!))(リピート)

 

いやこいつマジで何言ってんの?尸解仙やら風水やら訳の分からない事を...、俗に言う宗教勧誘って奴か?

 

女苑「...する訳ないでしょ。私達に何のメリットがあるのよ」

 

龍騎「何だかんだ言ってこの家の空間が気に入ってるとか?」

 

冗談混じりに行ってみる。流石にこの家に入り込んで直ぐに馴染む訳......。

 

布都「心まで読めるのか!?お主、本当に人間か!?」

 

龍騎・女苑((それはひょっとしてギャグで言ってるのか!?))

 

布都「...っ!そうか!分かったぞ!」

 

龍騎・女苑((何だ?次は何を言い出すんだ!?))

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

布都「お主、もしや妖術を操ってあのキョンシーを操っておったな!!」

 

龍騎・女苑「「どうしてそうなるんだよ!!」」

 

それから、俺達は布都の家族を探す事になった。手当たり次第宿屋に聞き込みをしては皆んなで考える、それの連続だ。と言っても幻想郷の宿屋は多くないので、そこまで時間は掛からなかったが分かった事は『豊聡耳 神子《とよさとみみの みこ》』と『蘇我 屠自古《そがの とじこ》』しか情報は得られなかった。

 

布都「むぅ...、一体何処に居られるのだろうか...」

 

龍騎「せめて次の移動場所さえ分かればなぁ......」

 

俺達は人里を歩きながら考えていた。マジで何処へ行ったのやら......。

 

布都「...こうなったら、命蓮寺に行くしかあるまい」

 

何故命蓮寺なのか分からんが、心当たりがありそうなので布都に着いて行く事にした。そして命蓮寺についたら丁度聖さんが居たので許可を得て中へ入る事に。そしたら、

 

布都「!?太子様!屠自古!」

 

太子様「布都!?」

 

屠自古?「おまっ!?何で此処に!?」

 

布都が謎の女性を見つけると、一目散に走り出した。俺は慌てて着いて行く。

 

布都「い、一体何処へ居られたのですか!?探しましまたぞ!?」

 

屠自古?「そう言うお前こそ何で此処に居るんだよ!ってかこの男は誰?」

 

龍騎「...霧影龍騎、こいつからは事情は聞いている」

 

太子様「そうでしたか、私は豊聡耳神子と申します。うちの布都がご迷惑をお掛けしました」

 

屠自古?「蘇我屠自古だ」

 

龍騎「......取り敢えず、詳しく話しを聞いても?」

 

神子「は、はい」

 

それから神子さんから色々と話してくれた。7割は布都の言う通り、好物の大福を食われて激怒し、神霊廟を燃やしてしまったらしい。残りの3割は...、

 

神子「実は火事になる前に、大切にしていた壺が割れてしまって...、私もカッとなって......」

 

女苑「あー...」

 

分かる、その気持ち。その内容に似た喧嘩うちでもやったからなぁ......。

 

龍騎「ま、まぁこれでお相子って事で...」

 

神子「そうですね...、布都、本当にごめんなさい。全て貴女だけの所為ではないわ」

 

布都「太子様......」

 

屠自古「これで一件落着だな」

 

ふぅ、長引くかと思ったけど結構早く終わったな。それはそれで有難いけど。

 

神子「龍騎さんもご迷惑をお掛けしてすみませんでした」

 

龍騎「いえいえ、お気になさらず......。仲違いして欲しく無かったので」

 

神子「......あの、一つよろしいでしょうか?」

 

龍騎「何でしょう?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神子「一度...、私と手合わせお願い出来ませんか?」

 

龍騎「.........................................ゑ?( ゚д゚)?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いやいやいや.........、

 

いやいやいやいや.........、

 

いやいやいやいやいや.........、

 

龍騎「どうしてそうなるんだよ!!

 

何なの!?幻想郷の住民はポ〇モ〇みたいに出会ったらバトルしようぜ!って感じなの!?ってかそもそも何で俺!?

 

布都「た、太子様!?」

 

屠自古「どう言う風の吹き回しですか?」

 

神子「そのままの意味です。私は彼と手合わせをしたい、それだけです」

 

女苑「何で手合わせしたいと?」

 

神子「私も貴方の事を耳にしたのですよ。何でも面白い魔法が使えるとか」

 

龍騎「面白い魔法....?」

 

俺の魔法ってそんなに面白いか?属性を操る能力が珍しいとかでは無く?

 

神子「それで、どうでしょうか?お受けしますか?」

 

龍騎「............やっても良いですけど、俺に何のメリットがあるんですか?」

 

神子「見返りが欲しい、と?」

 

龍騎「そんなんじゃありません。ただ、この決闘は貴女の自己満足、無理矢理付き合わせてる俺には意味がありません」

 

神子「そうでも無いですよ。私はこう見えて仙人ですから、これから先いろんな種族と戦って行く者には良い経験が出来るかと」

 

成る程ねぇ......、確かに悪くないな。

 

龍騎「良いですよ、受けて立ちます」

 

神子「ありがとうございます。では後ほど此処で集まりましょう」

 

龍騎「.........え?これからやるの?今日?明日とかじゃ無くて?」

 

神子「えぇ、明日には神霊廟は直ってると思うので」

 

それ大丈夫なの?酷くこざっぱりしてないよね?ちょっとだけでの振動で倒れてこないよね?柱ゆるゆるじゃないよね?

 

龍騎「......なら、後ほど」

 

そう言って俺は命蓮寺を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

布都「まさか太子様があんな事を言い出すとは.....」

 

屠自古「私だってビックリだったぞ?普段はあんな事言わないのに」

 

俺達はお茶を飲んで一服していた。何故か着いて来た布都と屠自古。屠自古の足が大根になっていたのは家に着いてからだ。

 

龍騎「ちなみに、神子さんって強いの?」

 

屠自古「普通の人間だったら、一撃で終わるな」

 

龍騎「オワッタァ!!(某世紀末アニメ風)」

 

聞きたく無かった情報をありがとうございます。行く前に遺言書書いて行こ...。

 

紫苑「ただいま〜」

 

直子「ただいま戻りました」

 

丁度二人が帰ってきた。紫苑の手には紙袋を持っていた。

 

紫苑「はいこれ、苺大福」

 

どうやら紙袋の中は苺大福のようだ。

 

布都「おぉー!感謝するぞ紫苑殿!!」

 

屠自古「全くお前は本当に大福には目が無いなぁ......」

 

女苑「ってか何で幽霊の状態になってるの?」

 

龍騎「え?...あ、本当だ」

 

直子「実は少しトラブルが発生しまして......、明日まではこの状態なんです」

 

龍騎「そうですか」

 

まぁトラブルがあったなら仕方ないな。

 

屠自古「あーーーーーーーーーーーーーー!」

 

龍騎・女苑「「!?」」

 

突然、屠自古が叫び出した。それと同時に俺と女苑は身体をビクッと跳ねた。まさか......、またなのか!?

 

屠自古「お、お前は......、お前は.........!」

 

龍騎・女苑((おいおい、お前まで何を言い出すんだ!?))

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

屠自古「お前は数年前に居酒屋で出会った直子じゃねぇか!!

 

直子「.................え?..................あ、もしかして屠自古ちゃん?」

 

龍騎・女苑「「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!??嘘ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!??どう言う関係ぇぇぇぇぇぇぇぇ!!??」」

 

それから二人の出会いを三時間掛けて聞いてしまった。

 

 

 

 

神子「............遅い」




いかがでしたか?

久しぶりの前半後半で分けてみました。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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第六十三話 下らない理由でも喧嘩はダメ(後編)

どうもです。

前回の続きです。

それではどうぞ。


〜前回のあらすじ(シャク稼ぎ)〜

 

突如、尸解仙(?)の物部布都がやって来た。んで何だかんだあって豊聡耳神子に決闘を申し込まれた龍騎は引き受ける事に。

 

そして、決闘を申し込まれて五時間後......。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神子「遅い!!

 

五時間も仁王立ちで待っていた神子。

 

神子「遅すぎる!!もう日が暮れ掛けているのに一向に来ないなんてあり得ない!!」

 

龍騎「お待たせしましたーー!」

 

神子「っ!......ふっ、ようやく来ましたか。待ちくたびれましたよ、よっぽど自信があるんですね」

 

龍騎「いや〜すみませんすみません。ちょっと準備に手間が掛かって」⇦背中には斬〇刀・〇月

 

神子「ちょっと待ってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 

 

 

 

 

 

俺は頭をボリボリと頭を掻きながら謝罪すると何故か神子さんは大声を出した。えっ?何事?

 

龍騎「ん?どうしました?」

 

神子「どうしましたじゃないですよ!そんなデッカい剣持ってなかったでしょ!?」

 

龍騎「何?難癖つける気ですか?これが俺の本気(マジ)モードの一つなんですよ」

 

神子「何が本気モードの一つですか!!確かにこれといった条件は無かったですけど仮にも決闘ですよ!お遊びじゃないんですよ!!」

 

神子さんが指摘すると、俺は目を腐らせこの言葉を返した。

 

龍騎「それは、決闘と言うにはあまりにも(リスクが)大き過ぎた。

 

大きく、分厚く、重く、そして、大雑把過ぎるウソだった

 

神子「聞き覚えのあるセリフで文句言わないで下さい!!」

 

龍騎「何が気に入らないんですか、いつも使ってる剣ならちゃんと脇差しで使ってますよ」

 

そう言って俺は腰に付いてる剣を見せる。

 

龍騎「日本と言ったら侍、侍と言ったら日本刺しでしょうが。真剣勝負ぐらい侍らしく衣装するでしょうが」

 

神子「侍の有るまじき屁理屈を言い出した!?」

 

屠自古「...しかしお前さん、流石にそれは無理があるぞ」

 

横から屠自古がそう言ってきた。

 

神子「そ、そうですよね!屠自古なら分かって.........」

 

布都「こっちの方が似合ってるぞ!」

 

神子さんが何か言ってる途中に布都が俺に緑の服と三角帽子を被せられた。うん、絶対あれだよね。何とは言わないけど皆んなこれ好きだよね、てっきり別の会社の奴かと思った。

 

神子「そう言う問題ではありません!!べ◯セ◯クからゼ◯ダにすり替わっただけじゃないですか!!」

 

龍騎「訳が分からないよ(小声)

 

それは、ゼ◯ダというにはあまりにも進化し過ぎていた。

 

初代とか、神トラとか、当時の2Dアクションが好きだった

 

神子「いや何の話しですか!?」

 

布都「それは、ゼ◯ダというにはあまりにもストーリーが良過ぎた

 

時オカとか、スカウォとか、あれぐらいの感動が好きだった。

 

神子「何で貴女まで出てくるんですか!!」

 

龍騎・布都「「それは、ゼ◯ダというにはあまりにも伝説過ぎた。

 

ブレワイの次回作が楽しみ過ぎて夜も寝られない日が続いた(前作未プレイ)」」

 

神子「揃いも揃って訳の分からない事言わないで下さい!!」

 

屠自古「...良いから始めろよ」

 

屠自古が待ちくたびれたのか頭に血管が怒りのマークが出来ていた。そろそろ真面目にやらないと殺されるな...。

 

龍騎「さて、前置きはこのぐらいにして......、始めますか」

 

そう言って俺は背中にある大剣を取り出す。

 

神子「っ!...ゴホン、では、始めましょうか」

 

神子さんが腰にある剣を引き抜くと、俺は同時に大剣を構え........、るのでは無く、

 

龍騎「やな宿題(ゴミ)は全部ゴーミ箱に捨てちゃえ〜」

 

某ウ◯ト◯兄弟が持っているア◯ス◯ッ◯ーのようにポイっと捨てた。

 

神子「え、えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」

 

龍騎「何驚いてるんです?早く始めましょうよ」

 

神子「何で投げちゃうんですか!本気モードの一つを捨てちゃうんですか!ってか何で見事な大剣が折れ曲がってるんですか!?」

 

龍騎「あれ本気に信じてたんですか?バカじゃないですか、あんな不良品が本気モードの一つな訳ないでしょ」

 

だってあれダンボールで作ったやつだもん。ちなみに制作者は依神姉妹。クオリティー高いよね、外の世界で動画で投稿したら十万回再生は余裕だと思う。

 

神子「馬鹿って言わないの!私の辞書に馬鹿って文字は存在しない!」

 

龍騎「なんて自分勝手な辞書なの!?」

 

神子「自分勝手という言葉もない!行くぞ!」

 

龍騎「ヴェ!?チョ、チョットマッテクダサイヨ!」

 

いきなり神子さんが突っ込んで来て、俺は剣で神子さんの攻撃を防ぐ。それから神子さんの連撃を繰り出すが、俺も負けじと攻撃を防ぐ。ちょっと待って早いって!?何とか対応出来てるけど長く保たねぇぞ!?

 

神子「ホラホラ!もっと行きますよ!!」

 

龍騎「くそったれぇーーー!!(ヤケクソ)」

 

もう考えるのを止めた俺はひたすら剣を振り続ける。金属がぶつかり合う音が人里全体に響いているのが分かる。

 

神子「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!」

 

龍騎「あたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたた!!」

 

お互い別の漫画ネタを入れながら攻撃しては防ぐのを繰り返す。せめてネタは統一したかったけど咲夜と被りそうだったからあえて別作品にした(余計な気遣い)

 

神子「はぁ......、はぁ.....」

 

龍騎「ぜぇ......、ぜぇ......」

 

流石に一時間も連撃はキツいなぁ.....、俺もだけど神子さんも息が上がってる......。

 

龍騎「......時間も時間なんで、一気に決めさせて貰いますよ」

 

神子「っ!なら私も全力でお相手しましょう!」

 

そう言って俺は火属性を解放させて、剣に炎を纏わせる。そして剣を両手に持って牙◯のような体勢になると、神子さんも同じように剣を両手で持って構える。

 

龍騎「丁度、新しい技があるんですよね。加減なんか効きませんよ」

 

神子「それは奇遇ですね、私も有るんでよ。新しい技」

 

ほぅ...、そいつは面白い......。なら.........、

 

龍騎「全力でぶつかるのみ!!」

 

神子「さぁ、手加減は無用です!」

 

俺は地面をめり込むように踏み出すと、両手で剣を持っていた左手を標準の代わりにして神子さんに向かって一直線に突っ込む。同時に神子さんも俺に向かって飛び出した。

 

龍騎「竜火『竜滅剣』

 

俺は剣を突き刺すと、剣に纏っていた炎が竜の形となり、噛みつこうするように神子さんに襲い掛かる。

 

神子「食らいなさい!!私の新技を!」

 

すると神子さんは身体を丸めて高速回転させて向かってきた。

 

神子「超必殺!飛鳥文化アタックゥゥゥゥゥゥ!!」

 

龍騎「それダメなやつぅぅぅぅぅぅ!!」

 

まさかの技が出てきて驚きを隠せなかった。そしてそのままクルクルと回転していき.......、

 

龍騎(......あれ?このままだと.........)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グサッ!!

 

龍騎「やっぱり...........」

 

当たり所が悪かったのか神子さんの背中に剣がぶっ刺さった。

 

神子「ア"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"!!??(某不死身猫の叫び声)」

 

とてもじゃないが女性が出してはいけない悲鳴だろ、どっからその声が出るんだよ。

 

神子「あ"あ"ぁ"!?あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!??あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!」

 

ゴロゴロとギャグ漫画のように左右に転がる神子さん。ちなみに布都はどういう表情をすれば良いのか分からずオロオロしており、屠自古はまるでゴミを見るような目をしていた。いや、主人をそんな目で見ちゃ駄目でしょ...。

 

女苑「......あんたの勝ちで良いんじゃない?」

 

龍騎「......これで良いのか?」

 

紫苑「これで良いのだ(バ〇ボ◯風)」

 

直子「...良いんじゃないんですか?あの方も良く頑張ったと思いますし」

 

何か心残りがあるが、俺は剣を鞘に納める。何か......、釈然としないな......。

 

?「これは一体何事ですか!?」

 

すると空から女性の声が聞こえてきた。

 

布都「!皆の者!空を見ろ!」

 

そう言われて俺達は空を見上げると、

 

紫苑「鳥だ!」

 

女苑「飛行機だ!」

 

直子「いや、あれは............」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍騎「ピンクだ!!(意味深)」

 

屠自古「違うだろ!いい加減にしろ!」

 

屠自古にツッコミとゲンコツを食らった。地味に痛い...。そして空から一人の女性が降りて来た。それはピンク色の髪にお団子が二人あり、左腕には鎖のついた腕輪、右腕には包帯が巻いてある。

 

龍騎「......どちら様で?」

 

?「私は茨木 華仙《いばらぎ かせん》という仙人です」

 

龍騎「仙人?」

 

幻想郷にも仙人が居たとはな......。

 

華仙「それで、これはどういう事ですか?人里で激しい金属のぶつかり合う音が聞こえたので」

 

やっぱ近所迷惑だったか。まぁ日が暮れてるしね、しょうがないね(開き直り)

 

龍騎「まぁ、説明しますとね............」

 

 

 

〜青年説明中〜

 

 

華仙「...全く、同じ仙人として恥ずかしいです......」

 

龍騎「え?神子さんも仙人何ですか?」

 

もしかしてこの華仙って人は仙人であっても神子さんとは違う仙人って事か?仙人にも種類があるんだなぁ......。

 

華仙「.........事情は分かりました。しかし、こんな夜遅くに決闘するのは許される事ではありませんね、きちっと反省するように」

 

そんな事言ったって......、しょうがないじゃないか......(え◯り風)

 

龍騎「...言い訳ですけど、俺は決闘になんてするつもりは無かったんですよ。全て豊聡耳神子って奴の仕業なんだ......」

 

神子「」

 

そう言って俺は気絶してる神子さんに指を指す。すると華仙さんは溜め息を吐くと、気絶してる神子さんを担ぎ始めた。

 

龍騎「あの、神子さんを持って何処に?」

 

華仙「彼女は私の家に休ませます。あと、この一件の事を詳しくお聞きします」ニコッ

 

良い笑顔なんだけど目が笑ってない...、これは説教コースですね分かります。それにしても華仙さんって何か雰囲気が凄いな...、紫さんとは違う感じがするし、美人だし、まるで近所のお姉さん的な感じだな」

 

華仙「っ!?な、何を言ってるんですか!?///不潔ですよ!!///」

 

えっ?うっそまた声に出てたの?俺まで説教は嫌だよ?

 

華仙「と、兎に角!///彼女は私が預かります!貴方も今日は早く休むように!」

 

そう言って華仙さんは神子さんを連れて何処かへ行ってしまった。二人の姿が見えなくなると、俺の腹の音が鳴り響いた。さっきの新技で魔力も無くなっちゃったし、腹減りが凄まじい。

 

龍騎「......晩飯何食いたい?」

 

紫苑「夜は焼肉っしょ!!」

 

女苑「無理に決まってるでしょ...」

 

屠自古「なら私の行きつけの居酒屋に連れてってやる、それで良いだろ?」

 

直子「まぁ、それが良いんじゃないかな。私は食べれないけど」

 

布都「なら善は急げじゃ!早く行かないと閉まってしまうぞ!」

 

そう言って布都はルンルン気分で屠自古の行きつけの居酒屋に向かって行き、俺達も布都の後に着いて行く。そして、今日一日お疲れ様会という事で店が閉まる直前まで飲みまくった。




いかがでしたか?

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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第六十四話 魔法相談会

どうもです。

第六十四話です。

そろそろ日常編も終わりにしたい...、したいのにネタが......。

主にシリアスな場面を書きたいのに戦闘シーンより難しいので......。

......それではどうぞ。


ちゅんちゅん、と小鳥が鳴き、綺麗な太陽が中途半端に出て来る雲一つない新しい日...。

 

なのだが.................、

 

龍騎「ぎゃあああああああああああああああああああ!!??」

 

昨日、豊聡耳神子という仙人に決闘を受けて何とか勝って、その後皆んなで飲みに行ったのだが、珍しく泥酔してしまい、吐き気が天元突破したものの、何とか帰宅出来たのは良いのだが.........。

 

龍騎「身長がない!?魔力がない!筋肉がちょっとある!?どうなってんのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!??」

 

俺は頭を掻きむしりながら叫び出す。そして、俺はある日を思い出す。

 

・身長が縮んだ。

 

・魔力がなくなった。

 

・筋肉が多少なくなった。

 

そして今回起こってない現象は女体化のみ.........。

 

結論:またなった。

 

龍騎「またかよ畜生めぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 

まぁ、何が言いたいかというと..................。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ショタになったって事さ...(´・ω・`)

 

 

 

 

女苑「ふーん、あんたの能力もデメリットがあったのね」

 

直子「それも身長が縮んだり性別が変わったりすると...」

 

龍騎「全く冗談じゃないよ、何でこんな時に縮むのか検討も付かない」

 

女苑「あれじゃない?昨日の新しい技」

 

えぇ〜......、確かにあれは燃費が悪いけどそこまで能力使ってなかったぞ?

 

龍騎「取り敢えず、今日がバイトが無くて助かったわ。..........ってか紫苑さんや、いい加減離してくだせぇ」

 

紫苑「ティヒヒヒヒ♪」

 

現在、紫苑の膝の上に乗せられてる俺氏。何がティヒヒヒヒだよ、俺はお人形じゃないんだぞ?まぁ慣れてるし良いんだけどさ、良くないし、慣れちゃダメなんだけど。あとさっきから中途半端な柔らかい感触が背中に擦れてるんだけど。

 

なんて一人で感想を述べてると、玄関のドアが叩く音がした。

 

アリス「龍騎〜?居るー?」

 

声からしたらアリスだな。もしかして直子さんの身体のメンテが終わったのか?そう思った俺は玄関に向かい、ドアを開ける。

 

龍騎「ようアリス、こんな姿で申し訳ないが直子さんなら中に居るぞ。何も無いけどゆっくりしていってくれ」

 

アリス「......」

 

龍騎「......?」

 

アリス「............」

 

あのー......、アリスさん?さっきから俺の事ガン見してますけどどうしました?

 

龍騎「...おーい、聞いてる?」

 

アリス「...ぁ」

 

あ?

 

アリス「......ぁぁ」

 

ああ?

 

アリス「............ぁぁぁぁぁ」

 

おい何でこっちに手を伸ばしてんだよ、何なの!?怖いんだけど!?あとさっきからうんともすんとも言ってないけどどうしてなの!?泣くよ!?りゅーくん泣いちゃうよ!?

 

アリス「......か」

 

龍騎「へ?」

 

アリス「かぁああああわいい〜〜〜〜!!///」

 

工工工エエエエエエェェェェェェ( ゚д゚)ェェェェェェエエエエエエ工工工

 

突然アリスに抱っこされ、更にはアリスの胸に抱きしめられた。

 

ヤ、ヤバいぞ...!?アリスの胸って結構デカいぞ!?

つまり何だ!?アリスは着痩せするタイプなのか!?

 

龍騎(や、やめろぉぉぉぉぉ!!///これ以上はいけない!!俺のA⭐︎I⭐︎BOがぁぁぁぁぁぁ!!)

 

マジで止めてください!?幾ら身長が縮んだとはいえ、二十歳の男の子なのよ!?

次回、りゅーくん(理性的に)死す!になっちゃう!!

 

龍騎「アリス落ち着け!こんな事してる場合じゃねぇだろ!!後離せ!今パ◯パ◯(ピーーー)状態だから!!絵図的にマズイから!!」

 

アリス「おもちかえりぃ〜〜♪///」

 

やめろぅ!(建前)ナイスぅ!(本音)

 

その後アリスに抱きつかれ続けたのは言うまでもない...。

 

そして途中から鼻血ブーして気絶していた事に気づく事はなかった......。

 

 

 

 

 

 

龍騎「......んあ?」

 

魔理沙「お、やっと起きたか」

 

..........何で魔理沙が居るの?ってか此処何処?

 

魔理沙「おーい、龍騎が起きたぞー」

 

そう言って魔理沙は部屋から出て行く。状況が読み込めない俺は部屋の辺りを確認する。誰かの家みたいだが皆目見当がつかない。

 

.........もしかして誰かに誘拐された?

 

な訳ねぇか、魔理沙居たし(適当)取り敢えず部屋から出て、外に向かうと、目の前が木しかなかった。

 

......なぁにこれぇ?

 

魔理沙「おーい、こっちだー」

 

魔理沙の声が聞こえたので振り向くと、白の丸型のテーブルにお菓子やらティーカップやら置いてあり、魔理沙とアリス、何故かパチュリーが椅子に座っていた。

 

...何だこの集まりは?女子会?

 

そんな事を思いながら魔理沙達の元へ向かう事にした。

 

龍騎「......これは何の集まりなんだ?ってか魔理沙は俺の姿を見て正常保ってるのか」

 

魔理沙「アリスがお前を抱えて持ってきたからな。最初は驚いたぜ」

 

お持ち帰りされたぁぁぁぁぁぁぁぁ!!犯されるぅぅぅぅぅぅぅぅ!!

 

パチュリー「...アリスって子供好きだったかしら?」

 

魔理沙「知らなかったのか?アリスの奴、自分が可愛いと思ったら抱きつく悪癖があるんだぜ?」

 

男女関係無く抱きつくというのか!?動物だけでなくショタもロリもイケるのか!?ヤバい、身の危険しか感じない!?

 

アリス「お待たせ。...あら龍騎、起きたのね」

 

お巡りさーーーん!!この人でーーーす!!俺を誘拐した犯人(変態)でーーーす!!

 

そう心で叫びながら魔理沙の後ろに隠れる。するとアリスはビクッと身体を跳ねると、地面に膝をついて落ち込み始めた。魔理沙はハハハ、と苦笑し、パチュリーは小さく溜め息を吐いた。

 

 

 

 

龍騎「魔法相談会?」

 

パチュリー「えぇ」

 

暫くして、アリスが落ち着いたタイミングを計ってこの集まりは何なのかを聞いてみた。どうやら不定期に魔法使いが集まって新作の魔法やら近況報告やらする集まりのようだ。

 

龍騎「でも良いのか?俺が女子会に参加して」

 

パチュリー「構わないわ、一人二人増えた所で問題ないもの」

 

という事訳で、折角なので参加してみる事にした。

 

魔理沙「......所でアリス」

 

アリス「何かしら?」

 

魔理沙「お前いつまで龍騎を膝の上で座らせてるんだよ

 

アリス「仕方ないじゃない、椅子が足りないんだから」

 

魔理沙「百歩譲って椅子が無いとはいえ、龍騎の顔見てみろ。目が腐ってこの世の終わりみたいな顔してるぞ」

 

魔理沙さん?それってどう言う表情なのかな?

......かなぁ?(威圧)...大事な事なので二回言いました。

 

パチュリー「早く始めましょう?時間の無駄よ」

 

龍騎「お、そうだな」

 

そして唐突に始まった魔法相談会。俺はテーブルの上にあったお菓子を手に取って口に入れる。あ、このマカロン美味いな。

 

魔理沙「で、何から話す?」

 

龍騎「魔理沙よ、行動を起こす時は二手三手先を読めよ」

 

パチュリー「全くね」

 

アリス「その通りよ」

 

魔理沙「お前達は私に恨みがあるのかよ!?」

 

パチュリー「数え切れない程にね!」

 

アリス「腐る程あるわよ!」

 

龍騎「だから絶壁(意味深)って言われるんだよ!」

 

 

 

げ ・ ん ・ ご ・ つ  ⭐︎

 

 

 

龍騎「うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!殴られたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

アリス「ちょっと魔理沙!相手は子供よ!」

 

魔理沙「中身は大人だろ!ってか絶壁とか言うな人が気にしてる事を!」

 

拳骨を食らった俺はアリスに抱きつき泣き出すと、アリスは優しく包んでくれた。ヤバい、超えちゃいけないラインを超えそう(語彙力)

 

ってか周りからみたらただのエ◯ガキじゃねぇか。

 

パチュリー「貴女まだ自分の胸の事に気にしていたの?そんなのただの飾りよ」

 

魔理沙「嫌味か!?嫌味で言ってるのか!?」

 

アリス「全く胸の話しするんじゃないわよ、魔法相談会はどうしたのよ」

 

魔理沙「原因はお前だろ龍騎!」

 

龍騎「...?アリスお姉ちゃん、此処に訳の分からない人が居るよ?」

 

アリス「さぁりゅーちゃん、中に入ってお人形遊びでもしましょうねー」

 

 

 

げ ・ ん ・ こ ・ つ ⭐︎

 

 

 

アリス「っ〜〜!何で私まで......」

 

龍騎「二度も殴ったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!パパにも打たれた事無いのにぃ!!」

 

※龍騎に父親はいません。

 

魔理沙「お前達マスパで消し炭にされたいようだなぁ!?お望み通りにしても良いんだぜぇ!?」

 

そう言って八卦炉を取り出して脅してくる。ふぇ〜ん、怖いよぉ〜.....。

 

パチュリー「......帰っていいかしら?」

 

龍騎「あ、なら俺も帰りたい」

 

魔理沙「わーー!!分かった!もう私の所為で良いから!!悪かったって!!」

 

アリス「良かったわねーりゅーちゃん」ナデナデ

 

龍騎「うん!」ニパー

 

...これ以上は止めよう。アリスが暴走し出そうとしてるし、何より............、キモい。

 

 

 

〜数時間後〜

 

魔理沙「う〜ん......」

 

パチュリー「.........」

 

アリス「..........」

 

龍騎「ふあぁ〜......」

 

あれから数時間、真面目に始めた魔法相談会は『四人による合体魔法』を話題にして話しあっているのだが、全く良い案が浮かばない状態である。魔理沙は頭をフル回転させながら考えている中、パチュリーは紅茶を飲みながら魔導書を読み、アリスは二体の人形とじゃれあい、俺は大きく欠伸をしていた。

 

ってかそもそもお互いの魔法スタイルが偏ってる為、どうしようも無いのでは?

 

パチュリーの場合はバランス系、アリスは人形を使った繊細系、魔理沙は脳筋ゴリ押し系、俺もどちらかと言えば魔理沙寄りなので相性がバラバラなのだ。

 

魔理沙「なぁ何か良い案は無いか?」

 

パチュリー「逆に貴女はどんなのが良いのよ」

 

魔理沙「私か?やっぱここはアリスとパチュリーが足止めをして、私がトドメをさす!って感じだな」

 

結局は手柄目当てかよ...、まぁいいんじゃないか?

 

アリス「貴方はどうなの?龍騎」

 

龍騎「ん?俺か?俺はだな.........」

 

俺は目を瞑って顎に手を当てて考え始める。う〜ん...、いざとなるとあんまり浮かばないなぁ〜......。

 

龍騎「......適当に相手の懐に入ってゼロ距離で技を打ちかます」

 

魔理沙「おー、それ良いな。私のマスパなら一撃で仕留められるな」

 

アリス「その分、反動が大きいんじゃない?」

 

龍騎「多分、骨にヒビが割れてもおかしくないな」

 

魔理沙「心配はご無用だぜ!しっかり鍛えてるしな!」

 

パチュリー「あら意外、てっきり牛乳だけで飲んだだけなのかと思ったわ」

 

魔理沙「馬鹿にするなよ?私だって毎朝牛乳は飲んでるぜ?」

 

龍騎「それでその身体か」

 

 

 

げ ・ ん ・こ ・つ ⭐︎

 

 

 

龍騎「てめぇいい加減にしやがれ!!セクハラ発言とはいえ何発殴ってんだよ!!」タンコブ

 

魔理沙「乙女の心を傷つける奴に言われたくねぇよ!」

 

龍騎「お前に乙女のおの字もねぇだろ!」

 

魔理沙「よろしいならば戦争だ!クソガキ表出ろや!」

 

龍騎「上等だ胸部装甲娘が!みっくみくにしてやるわ!」

 

パチュリー「落ち着きなさいよ貴方達、喧嘩したって意味ないでしょ......」

 

アリス「それに龍騎が不利なのは分かってるでしょ......」

 

俺と魔理沙の喧嘩を止めようと声を掛けるパチュリーとアリス。すると空からカシャ、と音がした。

 

文「あやや!これは良いネタを見つけましたよ〜!これは早速記事にしましょう!」

 

そう言って文は去って行った。...........あ、そうだ(唐突)

 

龍騎「魔理沙、箒と魔力貸してくんない?」

 

魔理沙「は?」

 

龍騎「良い事思いついた」

 

魔理沙は頭の上にハテナマークを浮かばせ、渋々箒と魔力を俺に渡した。そして俺は箒を槍投げのように文に向かって思いっきり投げた。

 

文「へぶっ!?」

 

見事に文の左頬に当たり、文はそのまま墜落していく。

 

龍騎「雷鞭『サンダーウィップ』」

 

魔理沙から貰った魔力で雷属性を解放させ、右手首から黄色いロープのようなものを文に向かって投げ、グルグル巻きにして拘束し、俺の方へ引っ張る。そして地面にぶつかる直前に、

 

龍騎「フタエノキワミ、アッー!」

 

思いっきり文の顔面に殴りつけた。

 

魔理沙「( ゚д゚)」

 

アリス「( ゚д゚)」

 

パチュリー「( ゚д゚)」

 

龍騎「......精神を極限まで高め、全てを拳に集中させる。そうして生まれたエネルギーに魔力とパワーを上乗せし、全力で相手にぶつける。これが俺が考えた新感覚の...、魔法(マジカル)だ」キリッ

 

三人「「「物理(フィジカル)だよ!!」」」

 

ペ◯ソ◯5の主人公のポーズで言ったらツッコまれた。

 

魔理沙「何処が魔法だよ!八割拳じゃねぇか!」

 

龍騎「逆に手ぶらの状態になった時に対処法はあるのかよ」

 

アリス「何の為の弾幕よ......」

 

パチュリー「...それより、あの鞭のような魔法は何処で覚えたの?今まで使った事無かったでしょ?」

 

龍騎「あれは月に行った時に開発したんだよ。お披露目したのは今回が初めてだけど」

 

それから俺が月に行った時の事について質問攻めになり、魔法相談会はお開きとなった。そして魔理沙とパチュリーは帰宅し、俺も帰ろうとするが......、

 

アリス「夜も遅いし、今日は泊まっていきなさい♪言っとくけど拒否権はないから♪」

 

龍騎「不幸だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

アリスに捕まり、泊まる事になった......。その後どうなったのかはご想像にお任せします.....。

 

龍騎「もう、お婿に行けない.........」




いかがでしたか?

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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第六十五話 宣戦布告

どうもです。

今回から最終章に入ります。今までシリアスなんて無かったのにシリアスを入れるのでよろしくお願いします。

...個人的には戦闘シーンよりシリアスな場面の方が書くのが難しい...、ってか向いてないのかも......。

それではどうぞ。


〜???〜

 

とある部屋に巨大なカプセルが複数おいてあり、中にはピンク色や青色等の液体が入っており、この世の者とは思えない生き物が眠っていた。一人の科学者はタブレットを片手に、画面をスライドしながら作業を行っていた。

 

科学者「...............」

 

?「例の様子はどうだ?」

 

科学者「!?これは我が陛下!今のところ問題ありません、予定通りに進んでおります。しかし、幾つかトラブルがありましてお目覚めになるのはもう少し時間が掛かるかと...」

 

陛下「...多少の遅れなど気にするで無い、変化が有り次第報告せよ」

 

科学者「はっ!」

 

陛下「......ふふふ、もう少しだぞ。もう少しで我が理想は叶えられる......!」

 

そう言って部屋の中央にある緑色の液体に入った容器に触れる男。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

陛下「皆の者よ、良く聞け!覚えているか20年前の屈辱を、我々は数多の惑星(ほし)を支配し、勢力を強まってきた。しかし、そんな我々か支配出来なかった惑星が存在した!それは『幻想郷』である!我々とは違う種族が共存し合う惑星に我々は初の黒星を飾ったのだ!だが、我々もこのままおめおめと引き下がる訳には行かん!!よって、三ヶ月後に『幻想郷侵略作戦』を決行する事を、今ここで宣言する!」

 

 

 

「「「ウオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!」」」

 

 

 

陛下「これまでの戦いには意味がある!これは我々一族が生きていく為に必要な行為なのだ。第一、我々は戦いからは逃れられん、戦い続けなければならない、戦わなければ生き残れないのだ!!」

 

「「「クリーク!クリーク!クリーク!クリーク!」」」

 

陛下「我々の希望の為に、自らの道を拓く為、諸君らの力を私に貸していただきたい!そして我々が全人類最強の一族として君臨するだろう!」

 

 

「「「ウオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メイド1「.........困りましたね」

 

メイド2「本格的にマズイではないですか!何か対策を取らねば!」

 

メイド1「取るにしてもどうすると言うのですか?我々に出来る事は限られているのですよ?」

 

メイド2「どうしてお姉様は立ち向かおうとしないのですか!このままでは私達は人形どころか奴隷みたいな立場なのですよ!」

 

メイド1「...貴女の言いたい事も分かりますし、私も同じ考えです。しかし今は耐えるのです。そしたら新しい方法が......」

 

メイド2「お姉様は毎回そう言ってるではありませんか!知ってるんですよ、お姉様は戦いたくないと!」

 

メイド1「.........では、貴女は戦場に出たいと?」

 

メイド2「違います!私は戦いを望まない民を救いたいのです!しかしお姉様は私を止めようとする...、何故ですか!?」

 

メイド1「................私は、貴女の無事を.......」

 

メイド2「ならお姉様は私に信用していないのですね?」

 

メイド1「!?そんな事は...」

 

メイド2「いつもそうです!私を慕ってくれるのは嬉しいです、ですが!私だってもうお姉様に守られるのは嫌なんです!私にも自分を守れるぐらいの力を持っています!お姉様は少し私だけでなく周りにも......!」

 

?「おやおや、姉妹喧嘩ですか?」

 

メイド姉妹「「!?」」

 

メイド姉妹の言い争いに一人のロープ姿の男が現れた。

 

メイド妹「!?マ、マリーン様!?」

 

メイド姉妹は慌てて片膝をつき、頭を下げる。

 

マリーン「そう畏まらないで下さい、別に止めるような事はしませんよ」

 

メイド姉「いえ、私達は喧嘩など......」

 

マリーン「しかし、貴女方の気持ちも良く分かります。いくら我々が戦闘狂でも戦いを望まない者が居てもおかしくは無い...、特に妹様は戦いを望まぬ者の為に動こうとする気持ちも分かりますよ」

 

メイド妹「!」

 

マリーン「しかし、お姉様の案も分かります。後先考えずに行動しては墓穴を掘る、と言いたいのでしょう」

 

メイド姉「!」

 

メイド妹「マ、マリーン様は戦いに賛成なのですか?」

 

マリーン「...正直、どちらでも良いのです。私は()()()()()が見られればそれで良いのです」

 

メイド妹「面白いもの?」

 

メイド姉「それは一体...?」

 

マリーン「其処までは分かりませんよ、私だって預言者では無いのですから...、あ、そうた。言い忘れた事があります」

 

メイド姉妹「「!?」」

 

マリーン「そう警戒しないで下さい。貴女達には一週間程休むように、と陛下が言っております。勝手ならが休暇を申請したのは謝罪します。ただでさえ人手不足なのですから、優秀な二人が倒れ込んでは此方も困りますので、それでは......」

 

そう言ってマリーンはお辞儀をするとメイド姉妹から姿を消した。

 

メイド姉「...マリーン様、どうして......」

 

メイド妹「お姉様!今がチャンスですよ!この休暇を利用して策を練りましょう!」

 

メイド姉「しかし......、どうすれば.........っ!」

 

その時、メイド姉に電流が走る。

 

メイド妹「......お姉様?」

 

メイド姉「......ラナ、貴女は確か空間移動魔法が使える友人が居ると言ってましたね?」

 

ラナ「え?は、はい......」

 

メイド姉「.........一歩間違えれば命に関わる事ですけど、着いてきますか?」

 

ラナ「っ!勿論です!シアお姉様!」

 

シア(戦いは避けられない.......。けど、あの噂が正しければ、何とかなるかもしれない......!)

 

早速メイド姉妹は自室へ向かい、出掛ける支度をするのであった。

 

 

 

 

 

 

マリーン「ふふふ...、さて、これからどうするのか。楽しませて貰いますよ。まぁ、監視はしませんけど.........」

 

 

 

 

 

 

 

〜一方、幻想郷〜

 

龍騎「でやぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

霊夢「はあぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

龍騎は博麗神社で霊夢と弾幕ごっこの最中であった。霊夢が放たれた弾幕を剣で斬っては回避し、お祓い棒との衝突が始まる。

 

魔理沙「おー、霊夢の奴腕を上げたなぁ」

 

早苗「でも、りゅーくんも凄いですよ!あの霊夢さんと渡り合ってますよ!」

 

魔理沙「いや、霊夢の力はそんなもんじゃないぜ?多分龍騎に合わせてるんだろうな。にしては龍騎も良く食らいつくよなぁ」

 

二人の観戦をしている魔理沙と早苗が感想を言うと、地面に誰かが墜落きた。

 

 

 

 

 

 

龍騎「いってて...、また負けた......」

 

霊夢「ふっ、私に勝とうだなんてまだまだ早いわよ」

 

霊夢との弾幕ごっこに負けた俺は頭を抑える。畜生、全然勝てる気がしねぇ......。

 

霊夢「でも龍騎も強くなってきてるわよ、殆ど私の弾幕を斬ってたじゃない」

 

龍騎「まだまだ余裕そうなお前に言われてもな......」

 

霊夢「いや、あぁ見えて六割本気だから」

 

龍騎「六割しか本気出して無いんだろ?フルパワーでやったら瞬殺じゃん」

 

そう言って剣を鞘に収めて、土が着いた服を叩く。

 

紫「あらあら、精が出るじゃない」

 

龍騎「紫さん...」

 

突然スキマから紫が顔を出してきた。もう驚かない俺は成長したって事で良いよね?

 

霊夢「紫...、あんた見てたの?」

 

紫「最近修行してるみたいだし、様子見よ。龍騎もまた腕を上げたわね」

 

龍騎「いや、俺なんかまだまだですよ...」

 

そう言って頭を掻きながらそう言うと、横から霊夢が腕を摘んで来た。

 

龍騎「......何?」

 

霊夢「...何デレデレしてんのよ」

 

龍騎「してないから、あと痛い」

 

魔理沙「.....紫にも嫉妬し出したか」

 

早苗「やれやれ、それ程で嫉妬するなんて霊夢さんはまだまだですね」

 

早苗の発言に眉間がピクッと動き、ジッと早苗を睨みつける霊夢。いや怖い...。

 

霊夢「......何が言いたいのよ?」

 

早苗「霊夢さんはりゅーくんに依存してるって事ですよ。だから紫さんとか他の女性にも簡単に嫉妬するんですよ。こういうのはもっと余裕を持って受け入れるものですよ!」

 

魔理沙「おい、私は範囲外かよ」

 

龍騎「君のようながさつな女は嫌いだよ(火の玉ストレート)」

 

魔理沙「何だと!?」

 

早苗「まぁまぁ落ち着いて...。話しを戻しますと、霊夢は心に余裕がないから簡単に嫉妬してしまうんですよ。私みたいにこうやって堂々といれば良いんですよ!」

 

魔理沙「確かに、霊夢がどれだけ龍騎が好きなのかはもう知ってるしな。いつも龍騎の事になると必死になるよな」

 

霊夢「うっ.........」

 

あの、張本人の前で言うのは止めて貰えます?知ってても恥ずかしいんじゃ......。

 

龍騎「......そう言う早苗はどうなんだよ?嫉妬するのか?」

 

早苗「ははは!そんな事無いよ!だって()()()()()()()()()()として嫉妬なんてバケツパフェと比べて甘いもんだよ!」

 

うおっ、こいつ言い切ったぞ。

 

霊夢「.........あ"あ"ぁ"!?

 

龍騎「ひぃ!?」

 

魔理沙・紫「「!?」」ビクッ

 

霊夢のドス黒い声でビビる俺達、いやマジで怖かったんだって!?もう人間が出せる声じゃなかったよ!?ってか絶対お嫁さんワードが決定的だったよね!?頼む違うと言ってくれ!バケツパフェの方だと言ってくれ!

 

霊夢「......今のは聞き捨てならないわね...。誰が近々お嫁さんになる身ですって...?」ギロッ

 

早苗「言葉通りですよ霊夢さん。逆に何で私が霊夢さんの為に言わなきゃいけないんですか?」フフフ

 

霊夢「ホンット面白い子ね、見ていて飽きないわ...............、殺すのは最後にしてやる...!

 

早苗「ふふふ、やれるものなら......、やってみな!(大◯田◯務風)

心臓と肺だけを治癒で再生してやりながら、爪先からじっくり切り刻んでやる

 

怖ぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!二人共めちゃくちゃ怖ぇよ!!ってか早苗!お前結構エグい事言ってるぞ!?

 

龍騎「助けてマリえもん!」

 

魔理沙「誰がマリえもんだ!そんなもん無理に決まってるだろ!下手に刺激したらこっちにも被害が及ぶぞ!?」

 

紫「...............」

 

俺はマリえもんに救済要請を出すが直ぐに断られた。その隣には紫さんが黙ったまま微笑む。

 

龍騎(......これだ、俺が求めていた日常はこれなんだ..........)

 

外の世界では散々な目に遭った、でも幻想郷はそんな俺を受け入れてくれた。ちょっとぶっ飛んでるけど俺はこの世界にいつの間にか好きになっていた。

 

龍騎(俺もいい加減、決着を着けないとな.........。よし、近々宴会が開くみたいだし、その日に告げよう...!)

 

正直言って彼女達の想いに応えられる自信は無い...。それでも俺に慕ってくれてる以上、俺も男を見せるしかないのだ。結局は誰が一人を選ばなくてはならないのだ。

 

龍騎(......でも、この平和な時間を過ごしながら考えるか...)

 

なんて事を思いながら空を見上げる。今日も雲一つ無い青空な天気...。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドドドドドドドドドドドドドドドド

 

突然、大きな地震が発生した。

 

龍騎「うおっ!?」

 

霊夢「な、何!?」

 

魔理沙「何だこの地震は!?今までのとは比べものにならないぞ!?」

 

紫「まさか........、もしかして!?」

 

早苗「紫さん...?」

 

紫さんの顔を見ると青ざめていた。一体どうなってんだ?この地震に何か関係が.........。

 

 

 

 

 

 

聞け!幻想の民よ!

 

「「「「「!?」」」」」

 

突如空から中年の男の声が聞こえた。空を見上げるとまるでラ◯ュ◯のような要塞が宙に浮いていた。親方!空から変なものが!?ってか何だよあれ!?ラ◯ュ◯ってレベルじゃねぇぞ!?

 

龍騎(ってか何だよこの感じた事のない魔力は!?何もしてないのに息が苦しくなりそうだ...!)

 

我等は鬼神龍!二十年前の屈辱を果たすべく参上した!

 

霊夢「鬼神龍?」

 

魔理沙「何だそれ?」

 

早苗「聞いたことか無い.........」

 

龍騎「............」

 

紫「あ、あぁ.................」

 

龍騎「紫さん?」

 

紫さんは膝を着くと俺は紫さんの側に近寄る。とても震えている...、何者なんだ鬼神龍って...。

 

これより三ヶ月の猶予を貴様等に与える。精々我等に抗えるようにするのだな!

 

そう言ってラ◯ュ◯もどきは姿を消した。そして何も無かったかのように魔力も感じなくなった。

 

龍騎「何なんだよ..........、鬼神龍って........?」

 

そう言って俺はラ◯ュ◯もどきが現れた空を見上げるのであった......。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜ラ◯ュ◯もどき・研究室〜

 

マリーン「陛下、何故猶予を与えたのですか?直ぐにでも良かった筈では?」

 

陛下「まだその時では無い...、こいつが目覚めるまではな......」

 

マリーン「...................殿()()()()()()()のを待つのですか?そして直ぐに戦場に出すおつもりで?」

 

陛下「無論だ。あの憎き幻想郷を我が手中に収める事が出来なかった二十年前の屈辱、今度こそ我等がものにするのだ。我が息子を使ってな!」

 

そう言って陛下は研究室にあるカプセルに触れる。中には人間らしき生き物が眠っていた。

 

陛下「マリーン、◯◯に例の行動を決行せよと伝えろ」

 

マリーン「例の行動とは?」

 

陛下「お前が知る必要は無い」

 

マリーン「................承知致しました。(これでは非戦闘派が不満の声を上げる訳ですね。さて、貴女方はどうするのでしょうね....?)」




いかがでしたか?

最終章に突入しましたが、最終章っぽい感じが無いような.........。

...........ええい!もうやっちまったもんは仕方ない!(ヤケクソ)

当たって砕けろだ!困ったらゴリ押し、押してダメなら諦めろだ!

という訳でなんかめちゃくちゃな展開になるかもしれませんが次回もよろしくお願いします。


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第六十六話 集合会議

どうもです。

第六十六話です。誰かシリアスの書き方教えて下さい...。

......それではどうぞ。


 

謎のラ◯ュ◯もどきが現れた直後、俺達は紫さんを介抱しながら今後について話し合っていた。ありゃどう見ても宣戦布告だよな......。

 

魔理沙「.....なぁ、さっきの連中知ってるか?」

 

霊夢「知る訳無いでしょ...、何よ鬼神龍って...」

 

早苗「しかも一度幻想郷に来たことがあるって言ってましたよね?」

 

龍騎「それも俺達が生まれる前にな...」

 

紫「...............」

 

皆んなで話し合う中、紫さんはまだ落ち込んでいた。紫さんなら何か知ってる筈だ......、しかし今の状態で聞くとなると紫さんが更に辛くなる可能性がある...。

 

紫「........ごめんなさい、私は此処で失礼するわ」

 

霊夢「紫?」

 

紫「詳しい事は後で必ず話すわ...。霊夢、いつでも戦える準備だけはしておきなさい...」

 

そう言って紫さんはスキマを開いて中に入ってしまった。

 

霊夢「紫......」

 

魔理沙「あんな顔をした紫を見たのは初めてだな...」

 

早苗「やはり、紫様なら知ってるって事ですよね?」

 

龍騎「.........おい文、居るのは分かってんだよ。出て来いよ」

 

文「あやや、やはりバレましたか......」

 

そう言って文が鳥居の裏から現れた。文もあまり良い顔をしていない...、無理に笑顔を作っているのがバレバレである。

 

霊夢「...何しに来たのよ」

 

龍騎「待て霊夢、.........文、お前なら知ってるんだろ?さっきの連中を」

 

文「...............」

 

魔理沙「なぁ何でそんなに言いたくないんだよ?そんなにヤバい連中なのか?あの鬼神龍って奴等は?」

 

文「.........ごめんなさい、私からは何も言えません...」

 

「「「「は?」」」」

 

文から言えない?どう言う事だ?

 

文「......あの紫様からこの事は若い者には伝えるな、と言われているので......」

 

口止めされてるって事か......。紫さんだけでなく文まで怯えてる...。それってつまり、

 

龍騎「幻想郷が滅ぼす事が出来る奴等だな?その鬼神龍って奴等は」

 

文「......っ」

 

文の表情が一瞬変わった...。これは正解と言っても良いな......。

 

早苗「ど、どう言う事なの?りゅーくん?」

 

龍騎「ちょっと頭を捻れば簡単な話しさ。文だけで無く紫さんまでも怖がらせる連中、そして紫さんが文以外の妖怪達にも口止めされる程隠したかった...。そして奴等は...、俺と早苗が生まれる年に幻想郷に攻めてきた。つまり、丁度俺達の世代の若者が知ったら死を覚悟しないといけなくなるって事になる」

 

魔理沙「ちょっと待てよ、私達はついさっき鬼神龍を知ったんだぜ?何で死を覚悟しないといけないんだ?」

 

龍騎「さっきの発言を思い返してみろ、奴等は一度此処に攻めて来た。でも奇跡的に幻想郷は助かった。結論からすれば鬼神龍を退ける事が出来た。そして今日、そのリベンジの為に宣戦布告して来たんだろう......」

 

霊夢「......それって異変ってレベルじゃないわよ!?戦争どころか大戦争よ!?」

 

龍騎「だからそれを経験した紫さんや文が怯えたんだよ。トラウマとしてな....,」

 

魔理沙「じゃ、じゃあ.........、このままだと幻想郷は...........」

 

龍騎「大戦争を超えた戦いが始まるって事だな......」

 

霊夢「......!」

 

魔理沙「なっ!?」

 

早苗「!」

 

文「.........」

 

三人が青ざめる中、文は微動だにしない...。もうどうしようも無いって事か......。

 

文「.................何で」

 

龍騎「ん?」

 

文「何で.........

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何でそんなに冷静に居られるんですか?」

 

龍騎「...え?」

 

文の発言に耳を疑った。俺が...、冷静?

 

文「確かに鬼神龍は恐ろしい一族です...、其処は認めます。龍騎さんが言っていたのも大方合ってます。でも何で冷静なんですか!?霊夢さんや魔理沙さん、早苗さんだって青ざめてるのに龍騎さんは何一つ変化してない!表情も何一つ変わってない!どうしてですか!?」

 

龍騎「いやそんな事言われても......」

 

確かに.........、緊急事態だって時に妙に落ち着いている...。落ち着いているところか何だこの昂りは...?身体がゾクゾクして血が騒ごうとしている...。

 

龍騎(何で俺、こんなに熱くなりかけているんだ......?気のせいかワクワクしてる感じが......)

 

そうと分かると謎の恐怖心が襲いかかる。両手で両腕を強く握りしめ、ブルブルと震え始める。

 

分からない......、分かりたくても分かろうとしない........、いや、分かりたくないのかもしれない.........。

 

俺は.........、知ってないけないものを知ろうとしてるのか.........?

 

すると身体の力は抜けて地面に膝をつく。

 

龍騎「あ、ぁぁ.........」

 

霊夢「龍騎!」

 

早苗「りゅーくん!」

 

魔理沙「おい!大丈夫か!?」

 

俺が震え始めると三人が近づいて来た。霊夢と早苗に支えられながら立ち上がるとゆっくりと深呼吸する。

 

龍騎「...すまん、取り乱した.......」

 

文「.....すみません、此方も感情的になってました........」

 

龍騎「...もう良い、取り敢えず俺達は出来る事をしよう...」

 

魔理沙「出来る事って何だよ......」

 

龍騎「俺達が足りないのは情報だ。幻想郷を回りまくって手当たり次第情報を得るんだ」

 

文「無駄ですよ、皆んな紫様に口止めされてます」

 

龍騎「やって見なければ分からん、俺は地下に向かう」

 

霊夢「私は天界に行ってみるわ」

 

魔理沙「なら私は紅魔館に行ってみるぜ!」

 

早苗「私は加奈子様と諏訪子様に聞いてみます」

 

それぞれの目的地を決めると、俺達は小さく頷いた。

 

龍騎「...どちらにしろ戦いは避けられない.........。もう覚悟を決めるしか無い......」

 

霊夢「そうね.........」

 

魔理沙「.....よし、後で博麗神社(此処)で落ち合うぞ」

 

早苗「分かりました」

 

龍騎「よし、行動を開始するぞ。でも気をつけろよ、もしかしたら奴等の一人や二人は何処かに潜んでるかもしれないからな」

 

霊夢「えぇ」

 

魔理沙「おう!」

 

早苗「うん!」

 

そう言って四人は別れてそれぞれの目的地へと向かった。取り残された文は黙って俺達を見ていた。

 

文「どうして......、そんな事するんでしょうか...,,.,。無駄だって分かっているのに............」

 

そう言って膝をつく文は泣き始めた。その事に俺達は当然知らなかった...。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜???・飲み屋〜

 

此処はとある飲み屋、昼間にも関わらず満席になる程繁盛していた。其処には私服姿のメイド姉妹、シアとラナが酒を飲みながら待ち人を待っていた。

 

男「よう、待たせたな」

 

すると一人の男性が現れ席に座る。

 

男「どうしたんだよ、いきなり呼び出しておいて」

 

シア「突然お呼びして申し訳ありません。貴方に教えて欲しい事があるのです」

 

ラナ「..........」

 

男「......話してみろ」

 

シア「貴方の空間移動魔法で私達を幻想郷に連れて行って欲しいのです」

 

男「はぁ!?」

 

男が勢い良く立ち上がると騒がしかった飲み屋の空間が静寂に包まれた。男は慌てて席に座ると二人の顔を近づけて小声で返事をする。

 

男「幻想郷って、三ヶ月後に攻める異世界だろ?何で其処に行くんだよ?まさか陛下の命令で偵察か?」

 

シア「違います」

 

男「...じゃあ何の目的だよ」

 

ラナ「ザラ!お願い!力を貸して!」

 

ザラ「だから目的を知りたいって言ってるだろ、少し落ち着けよ」

 

ラナが言った男、ザラそう言っていつ頼んだのか分からないが、テーブルの上に置かれたジャッキを飲み始める。

 

ラナ「......貴方、幻想郷に一度行ったんでしょ?」

 

ザラ「陛下の命令でな...、ある人物の調査とデータ採取の為にな。それがどうした?」

 

シア「私達はその方に会わなくてはなりません...、これは一刻を争う事なのです」

 

ザラ「どうしてだ?幻想郷が手に入れば俺達は新しい土地として住めるんだぜ?」

 

ラナ「そうじゃないの...、土地なんて要らない。私は皆んなが平和に暮らせる事が出来るようにしたいの...」

 

ザラ「?今も十分平和じゃねぇか」

 

ラナ「戦闘派の貴方ならそうかもしれない、でも非戦闘派の私達はどうなの?これが平和だって言いたいの!?」

 

ザラ「ラナ、いくら戦いたくないからって無理な話しにきまってるだろ?()()()()()、知らない訳じゃねぇだろ?」

 

ラナ「そんなの大嘘よ!所詮は昔の噂話しじゃない!」

 

ザラ「ならお前は成人した時に()()()()は起きたのか?確かお前あれを抑える為に薬打ったんだよな?」

 

ラナ「っ!」

 

ザラ「要は戦いたくないからあの現象にビビって予防したんだろ?だからお前等はメイドって身分の奴隷扱いされるんだよ」

 

ラナ「ザラ!」

 

シア「お止めなさいラナ」

 

ザラの発言にラナは胸倉を掴もうとするがシアに止められた。ザラは飲み干したジャッキをテーブルの上に置くと腕を組んで話しを続ける。

 

ザラ「今更幻想郷に行ったって無駄だぜ?ついさっき宣戦布告して来たんだからな」

 

シア「宣戦布告!?」

 

ラナ「それ本当なの!?」

 

ザラ「ああ、だからもう幻想郷の民共は終わりだぜ。今回ばかりはマジで潰しに掛かるからな」

 

ラナ「そんな.........」

 

シア「...............」

 

ザラの言葉に俯くラナ。

 

ラナ「じゃあ、もう駄目なの......?また駆り出されるの?」

 

シア「......,,.,まだ、可能性はあります」

 

ラナ「...え?」

 

ザラ「それは?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シア「あの方が鬼神龍に覚醒すれば、希望はあります」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜幻想郷・八雲邸〜

 

紫「.........皆んな、集まったわね?」

 

加奈子「ああ」

 

幽々子「居るわよ〜」

 

永琳「欠席者は居ないみたいね」

 

白蓮「今回は欠席する訳にはいきませんからね」

 

レミリア「まぁ今回は、ね.........」

 

八雲邸では紫を始め、加奈子、幽々子、永琳、白蓮、レミリアが集まっていた。

 

紫「皆んなも知ってる通り、奴等が来るわ......」

 

加奈子「そんな事言っていたな....。諦めの悪い一族だ」

 

レミリア「どう考えても本格的に潰しに来るわよ?あいつ等は、此方も本気でやらないと冗談抜きで死ぬわよ?」

 

白蓮「どうしても戦いは避けられないのですね......」

 

紫「白蓮、気持ちは分かるわ...。でも気づいているでしょ?奴等との和解は無理だって事を」

 

白蓮「..........」

 

永琳「......所で紫」

 

紫「.........何かしら」

 

永琳「彼には...、例の事話したの?」

 

紫「...............」

 

永琳「.................そう」

 

幽々子「?何の話し?」

 

永琳「此方の事情よ、気にしないで頂戴」

 

レミリア(何故かしら...、彼って聞いた時龍騎が思い浮かんだ......。仮に龍騎がその例の話しをしたとすると.........)

 

幽々子(紫......、何か隠してるわね............)

 

加奈子「..........それで、これからの事だが.....」

 

紫「...確実に奴等と戦う事になるわ。戦争は免れない...........」

 

白蓮「そうなりますね........」

 

永琳「月にはもうこの事は伝えてあるわ、いざとなったら応援を呼べるようになってるわ」

 

レミリア「随分と準備が良いのね」

 

永琳「前回の反省を活かしたまでよ」

 

紫「感謝するわ...。兎に角、奴等は三ヶ月後にやって来る、幻想郷の為に力を貸して頂戴」

 

そう言って紫は頭を下げた。

 

レミリア「............貴女が其処までする必要は無いわ」

 

加奈子「元よりそのつもりだ。(あくまでも早苗と龍騎を添い遂げる為にな)」

 

幽々子「紫、私達の仲じゃない。こういう時こそ頼って良いものなのよ。(妖夢と龍騎くんをくっつける為にもね)」

 

白蓮「そうですよ、こんな時こそ力を合わせるのです(前に龍騎さんと椛さんが来た時に見せた笑顔、私達が守らねば!)」

 

レミリア「私だって忘れてた訳じゃないもの。今度こそケリを付けましょう(咲夜が龍騎をものにする為にくたばる訳にはいかないもの)」

 

紫「.........ありがとう。皆んな...、感謝するわ......」ポロボロ

 

紫の目から大粒の涙が出てきた。涙を拭い、パチンと強く顔に平手打ちをするといつもの紫に戻った。

 

紫「このまま迎え打っては確実に負けるわ...。兎に角、鬼神龍に向けて対策を練りましょう......」

 

それから数時間に及ぶ大会議が行われた。しかし、これと言った案は浮かぶ事は無く、今回の集合会議は終了した。しかし、紫には()()()が残っていた。

 

紫(最悪、これを使えば何とかなるかもしれない.........。ごめんなさい、もしかしたら貴女との約束を破ってしまうかもしれないわ.........)

 

そう心の中で呟いた紫の手には、一つの巻物があった......。




いかがでしたか?

シリアスってこんな感じで良いのかどうか正直良く分かりませんが楽しんで貰えると有難いです。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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第六十七話 情報収集

どうもです。

今回は少し長めの第六十七話です。

それではどうぞ。


 

〜天界〜

 

龍騎達と別れた霊夢は天界に居た。しかし、目の前には比那名居天子が立ち塞がっていた。

 

天子「ふはははははは!!態々其方から来るとは愚かね!そんなに私に首を刎ねられたいみたいね!」

 

霊夢「てめぇの頭はハッピーセットかよ」

 

天子「そう焦るな、直ぐにでも引導を渡してあげるわ!」

 

霊夢「馬鹿じゃないの?それどころじゃないのよ」

 

天子「さぁ博麗の巫女!今度こそケッチャコ....................、決着を付けてやるわ!」

 

霊夢(噛んだわね......)

 

?「総領娘様!お待ちください!」

 

突然、一人の女性が現れた。

 

霊夢「丁度良い所に来たわね。この変人をどうにかして頂戴」

 

?「......霊夢さんが此処に居ると言う事はもしや............」

 

霊夢「もしかして、さっきのやつ知ってるって訳?」

 

?「はい......、天界にも聞こえましたからね..........」

 

霊夢「......衣玖。聞きたい事があるの」

 

衣玖「...............」

 

霊夢に質問された女性、永江 衣玖《ながえ いく》は黙ってしまった。

 

霊夢「鬼神龍って、何なの......?」

 

衣玖「............ごめんなさい、私からの口からでは言えません」

 

霊夢「......まさか紫に口止めされてる訳?」

 

衣玖「................はい」

 

霊夢「衣玖!教えて!私達はどうしても知りたいのよ!」

 

そう言って霊夢は衣玖の肩を掴む。衣玖は動揺するが、また黙ってしまった。

 

衣玖「本当にごめんなさい......、この件だけは.............」

 

天子「こらーー!無視するなーー!」

 

霊夢「あんたは黙ってなさい!」

 

天子「ってか鬼神龍って二十年前に来た神の一族でしょ?何でそんな事を知りたいのよ?」

 

霊夢「!!」

 

衣玖「総領娘様!?」

 

霊夢「あんた!?今の本当なの!?その辺詳しく!!」

 

霊夢は天子の言葉を聞いて、天子の肩を掴んだ。衣玖は天子がボロを出したのを聞いて絶望していた。

 

天子「?良いわよ!私の武勇伝を聞かせてあげるわ!」

 

霊夢「武勇伝は良いから!鬼神龍について教えて!」

 

天子「えぇーとねー..........、確か見た目は人間なんだけどとんでもない力を持ってたわね。偶々私に視界が入ったのか直ぐに襲い掛かったわ」

 

霊夢「とんでもない力...........」

 

衣玖「あぁ..............、こんなの旦那様が知ったら............」

 

天子「そのまま吹っ飛ばされたけど、直ぐに戻ってきたら驚いてたわ!その時こう言ってやったのよ!『殺して(撃って)良いのは、殺される(撃たれる)覚悟がある奴だけだ!』って!あの時のアホ面は面白かったわ!」

 

衣玖「もうやめてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!(泣)」

 

それから天子の武勇伝は続き、衣玖は泣きながら必死に止めようとするが天子は止まる様子は無かった。霊夢は一部の情報を抜き取って頭の中に記録していた。

 

 

 

 

 

 

〜紅魔館・図書館〜

 

魔理沙「おーい、パチュリー......。ってあれ?」

 

紅魔館にやって来た魔理沙は図書館にやって来ると中には誰も居なかった。

 

魔理沙「おかしいな......、いつもならパチュリーが居るはずなのに.........。もしかして運動不足予防で出掛けてぶっつぶれたか?」

 

パチュリー「勝手に殺さないで頂戴」

 

魔理沙「うぉわ!?」

 

後ろからパチュリーの声がして、魔理沙は跳ね上がった。

 

魔理沙「脅かすなよ!!寿命が縮むわ!ってか居るなら返事しろよ!」

 

パチュリー「不法侵入してる貴女に言われたくないわ。今日は何しに来たのよ?」

 

魔理沙「......なぁ、パチュリー。聞きたい事があるんだが.........」

 

パチュリー「何よ、改まって.........。気持ち悪い、心底気持ち悪いわ」

 

魔理沙「こっちは真剣に聞いてんだよ!......話しを戻すが、お前は鬼神龍について知ってるか?」

 

パチュリー「っ!!」

 

魔理沙の質問にパチュリーは目を見開いて驚いた。

 

パチュリー「.................何でその話しを聞きたいのかしら?」

 

魔理沙「さっき奴等が宣戦布告して来た。三ヶ月後には幻想郷は戦争だってよ」

 

パチュリー「....................それは本当なの?」

 

魔理沙「私が信用出来ないってか?何なら龍騎か紫を呼んで来ようか?」

 

パチュリー「............成る程ね」

 

そう言ってパチュリーはいつもの席に座った。

 

パチュリー「悪いけど鬼神龍については知らないわ。今調べてるのよ」

 

魔理沙「知らないのか?本の一冊も無いのか?」

 

パチュリー「えぇ...、残念な事に......」

 

魔理沙「マジかよ.........、当てが外れたか..........」

 

そう言って頭を掻きながら扉に向かう魔理沙。

 

魔理沙「じゃあな、私は帰るぜ。あとこいつは借りてくぜ」

 

そう言って魔理沙は隠し持っていた本をパチュリーに見せた。

 

パチュリー「っ!?それはダメ!他のにして!」

 

魔理沙「は?」

 

パチュリー「それだけは止めて!読み出したら爆発するわよ!」

 

魔理沙「今時そんな騙しに引っ掛からねぇ...........あれ?」

 

パチュリーの慌てる理由の本を見ると魔理沙は固まってしまった。その本の表紙には

 

        きじんりゅうでんせつ

 

 

翻訳すると『鬼神龍伝説』と書かれていた......。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜人里・稗田家〜

 

早苗は人里にある名家に来て居た。

 

早苗「う〜ん......、やっぱり無い.......」

 

?「お目当ての物は見つかりましたか?」

 

早苗「いえ、それが何処にも........、阿求さんの所なら情報が得られると思ったんですが......」

 

そう言って手に持っていた本を棚に戻す早苗。稗田家の当主、稗田 阿求《ひえだの あきゅう》は座りながらお茶を啜っていた。

 

早苗「はぁ〜、加奈子様に聞こうと思ったら居ないし、諏訪子様も用事が出来たって何処か行っちゃったし...。本当困りしたよ」

 

阿求「それは大変でしたね...。それで、早苗さんがお求めであるのは一体何ですか?」

 

早苗「......実は、さっき宣戦布告して来た鬼神龍について調べてるんです」

 

阿求「っ!鬼神龍...、ですか......」

 

早苗「阿求さん!阿求さんなら知ってますよね!?」

 

早苗は阿求に近づくと、阿求の顔が変わった。

 

阿求「.............早苗さん。すみませんが鬼神龍については私には分かりません」

 

早苗「え!?」

 

阿求「ごめんなさい......。当時の出来事が酷くて記録して無い......、いえ、しなかったんです......」

 

早苗「記録を...、してない?」

 

阿求「八雲紫からも口止めされてますが......、これだけは教えられます。鬼神龍はどの種族が束になっても勝てる可能性は限らなく低い、という事です」

 

早苗「そ、そんな........、それじゃあ私達がどんなに頑張っても勝てる要素がゼロなんですか......?」

 

阿求「ゼロでは無いですが.......、そう捉えても良いのかもしれません.......」

 

早苗「一体何の為に...............」

 

阿求「分かりません............。兎に角、私が教えられるのは此処までです...」

 

早苗「.......あの、鬼神龍って皆さんが言いたく無い程の恐ろしい存在なんですか.......?」

 

阿求「それはもう......、夢なら覚めてくれって思うぐらい...........」

 

その後、早苗は阿求から情報を得られるのは不可能と思い、阿求邸を去った。阿求は早苗を見送った後、部屋にある本棚の隣の押し入れの開くと、床の板を外す。すると小さな箱が出て来た。阿求は箱の蓋を開けると其処には一冊の書物があった。

 

阿求「早苗さん...、貴女を騙すような事を言ってすみません......。でも、これを知ったら......、貴女は...、貴女達はきっと後悔する..........」

 

その書物には『第一次鬼神龍大戦』と書かれてあった......。

 

 

 

 

 

 

 

〜地下・地霊殿〜

 

龍騎は地霊殿に向かって居た。しかし、入口でお燐に止められており入る事が出来ないのだ。

 

龍騎「入れないって、どうしてだよ?」

 

お燐「ごめんね?今お客さんが来てるから立て込んでるんだ」

 

龍騎「なら黒騎は?あいつもう此処に来てるだろ?」

 

お燐「それが今さとり様の側に居るから無理なんだよ」

 

龍騎「マジかよ......、ならお燐。お前は鬼神龍って言う連中を知ってるか?」

 

お燐「...........知ってるよ。でもね?実は何も知らないんだ」

 

龍騎「......は?」

 

お燐「いや〜、それがその時抵抗するので精一杯でさ〜。あんまり覚えて無いんだよね〜」

 

お燐の返答に昭和のズッコケをする龍騎。

 

龍騎「ナンテコッタ...、こんなのあんまりだよ......」

 

お燐「だから力にはなれなくてごめんね?」

 

龍騎「はぁ.........、地底は無理そうだな......。もっと間近で見た人..........あっ!?」

 

龍騎は何かを思い付くと、手をポンと叩く。

 

龍騎「サンキューお燐!黒騎によろしく言っといてくれ!」

 

お燐「え?あ、ちょっと!?」

 

そう言って龍騎は走り去ってしまった。

 

お燐「...これってもしかしてヒント与えちゃった感じ?」

 

?「いや、そうでも無いかもね」

 

そう言うと大鎌を持った赤毛の女性が現れた。

 

お燐「ん?そっちはもう終わったの?小町さん」

 

小町「まだだよ、でももうそろそろ終わると思うよ」

 

そう言って大鎌を持つ女性、小野塚 小町《おのつか こまち》はお燐の側に座り込む。

 

お燐「でもお兄さんに教えなくて良いのかな?」

 

小町「どうせ知らなくてもこれから先知る事になるさ。それに私達だって一から十まで知ってる訳じゃないからね」

 

お燐「それもそうだね.......」

 

 

 

 

 

 

 

〜地霊殿・さとりの部屋〜

 

?「......以上です」

 

さとり「............」

 

黒騎「...........」

 

さとりの部屋には緑髪に厳かな帽子、手には尺を持った少女がさとりと黒騎に説明をしていた。

 

?「奴等が攻めてくるのは三ヶ月後の事......。恐らく地底にも攻めて来るでしょう......」

 

さとり「............そうですね。何か策はあるんですか?」

 

?「現在、八雲紫が策を練ってる所です。無論、私を考えてはいるんですが今の所は......」

 

さとり「そうですか......」

 

黒騎「.........四季映姫、と言ったな」

 

映姫「何でしょうか?黒騎」

 

黒騎「その鬼神龍と名乗る奴等は何者なんだ?名前からして聞いてみれば神の一族らしいが......」

 

映姫「......そう、奴等は神の一族です。それも幻想郷には存在しない神族...」

 

黒騎「幻想郷に存在しない神族?」

 

映姫「はい。そもそも鬼神龍自体、幻想郷だけで無く外の世界にも存在しない......。イレギュラーな存在です」

 

黒騎「イレギュラー......、か」

 

映姫「そうです。ですからその鬼神龍を調べるにも成す術が無いのです。幾ら八雲紫に口止めされて無くても全て知れる訳では無いのです」

 

黒騎「それはお前もなのか?」

 

映姫「勿論」

 

黒騎(.........成る程、八雲紫が調べ物をしていたのは鬼神龍についてだったのか...)

 

黒騎「では八雲紫しか鬼神龍については知らないんだな?」

 

映姫「それは如何でしょうか?現在も調べてるみたいなので...」

 

黒騎「............そうか」

 

映姫「では、私は失礼します。出来るだけ私も協力しますが、戦いが早まるかもしれません」

 

そう言って四季 映姫・ヤマザナドゥ《しき えいき・やまざなどぅ》は席から立ち上がる。

 

黒騎「.....その前に疲れ切った顔を直せ」

 

映姫「......?」

 

黒騎「...........隈が出来てるぞ。お前も十分に休め、良い顔が台無しだぞ」

 

映姫「え.........」

 

さとり「っ!?」

 

黒騎の発言にさとりは驚き、映姫は慌てて部屋にある鏡を見てみると、若干だが目の下には薄く黒ずんだものがあった。

 

映姫「あ、貴方!///な、何て事言ったんですか!?///」

 

黒騎「...?俺は本心を言ったまでだ」

 

映姫「わ、私が......///い、良い顔だなんて...........///こ、これでも私は閻魔ですよ!?///閻魔を口説こうだなんてひゃひゃひゃ百年早いです!///」

 

黒騎「さっきも言ったが本心を言ったまでだ......。二度も言わせるな」

 

映姫「〜〜っ!///帰ります!」

 

そう言って映姫は部屋から出て行ってしまった。

 

さとり「...............」

 

黒騎「.......そんな顔をするな。わざと言った訳じゃない」

 

さとり「..........じゃあ何故あのような事を言ったんですか?」

 

黒騎「四季映姫は仕事熱心な奴だ。恐らく自分の身体の状態に気づいてない。戦う前に身体を崩されては此方が困る」

 

さとり「だからあの言葉を言ったんですね?でもそれだと誤解されてしまうのでもう少し考えてから発言して下さい」

 

黒騎「......俺が言葉で解決出来ないのは知っているだろ。ならさとり、お前が言えば良いだけの話しだ」

 

さとり「.................」

 

黒騎「.......嫉妬、したのか」

 

さとり「!?ち、違います!///」

 

映姫が出て行っても尚、夫婦漫才をしている黒騎とさとり。意外とさとりは独占欲は高い方のようだ......。

 

 

 

 

〜地霊殿・外〜

 

映姫「............」

 

小町「あ、お帰りなさい四季様」

 

映姫「............」

 

お燐「?どうしました?さっきから黙ったままですけど?」

 

映姫「...........小町、今日は帰りましょう。そして今日の仕事は此処までです」

 

小町・お燐「「え?」」

 

映姫「............」

 

小町「し、四季様......?一体どうされたんですか?何か様子が..........」

 

 

黒騎『...........隈が出来てるぞ。お前も十分に休め、良い顔が台無しだぞ』

 

 

映姫「っ〜〜!///ああーー!もう!そんなんじゃ無いです!!そんなんじゃ無いんです!!」

 

小町「四季様!?」

 

お燐「ど、どうしちゃったの!?」

 

小町「こっちが聞きたいよ!?」

 

お燐「...まさか、黒騎お兄さんが変な事言っちゃったとか.............」アセダラダラ

 

 

映姫『わ、私が......///い、良い顔だなんて...........///こ、これでも私は閻魔ですよ!?///閻魔を口説こうだなんてひゃひゃひゃ百年早いです!///』

 

黒騎『さっきも言ったが本心を言ったまでだ......。二度も言わせるな』

 

 

映姫「違います!絶対違います!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぜったい.....、ちがうんですから............///」

 

小町(四季様が恋する乙女の顔になってらっしゃるぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!?)

 

お燐(何してくれてんのさお兄さぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!)

 

 

 

その後、四季映姫は帰宅後に仕事に取り掛かったが殆どの時間が上の空だったのか.........。

 

 

映姫「死刑...、死刑...、死刑...、死刑...、死刑...、死刑...」

 

死刑の連続で仕事どころでは無いので小町が問答無用で自宅に帰宅させて寝かしつけると直ぐに寝てしまったという.........。

 

 

 

 

 

 

〜魔法の森・香霖堂〜

 

霖之助「......来るとは思って居たよ。いらっしゃい」

 

龍騎「お久しぶりです。霖之助さん」

 

龍騎は香霖堂に訪れた。理由は勿論、霖之助に鬼神龍について聞く為である。

 

霖之助「......立ち話しもあれだし、其処に座ってくれ。お茶を入れるよ」

 

そう言って霖之助は一度カウンターから離れると、龍騎は言われた通り椅子に座った。すると霖之助はお盆を持ってくると龍騎にお茶を注ぎ、差し出す。

 

龍騎「頂きます......」

 

そう言ってお茶を啜る。情報収集してから一度も休んでいなかったのかお茶がとても美味く感じていた。

 

霖之助「君の事だ、さっきの連中について調べてるんだろ?」

 

龍騎「はい......、霖之助さんも知ってたんですね」

 

霖之助「まぁね、でも僕から教えられるのは殆ど無いよ」

 

龍騎「紫さんに口止めされてる......、訳じゃないんですか?」

 

霖之助「されてはいるよ?でもどちらにしろ君も知る事になるんだ。隠しても意味が無いからね」

 

龍騎「.........驚いた。皆んな教えてくれないから霖之助さんも駄目かと思った......」

 

霖之助「無理もないさ。皆んな辛い思いして来たからね...」

 

龍騎「......それでも、俺は知りたい。教えて下さい」

 

霖之助「............分かった。話せるだせ話そう」

 

そう言って霖之助は眼鏡を直すと、真剣な目で龍騎を見つめる。

 

霖之助「......鬼神龍、それはどの世界でも存在しない特殊な神の一族.........」

 

龍騎「どの世界でも存在しない......、神の一族......」

 

霖之助「そう、鬼神龍は戦闘においてはトップクラス......。いや、人類最強って言っても過言では無いかもしれない......」

 

龍騎「人類...、最強......!?」

 

霖之助「嘘みたいだろ?でも事実さ......、鬼神龍の実力は本物。あの紫ですら恐怖のドン底に落とされるぐらいにね......」

 

龍騎「..............」

 

霖之助「本当にあの時は良く凌いだと思うよ......。大勢の人間やら妖怪やらの犠牲は大きかったし、そして何より.........」

 

龍騎「何より?」

 

霖之助「.........霊夢の母親、『先代巫女』も瀕死の重症を負う事になったんだから..........」

 

龍騎「霊夢の...、お母さん.....?」

 

霖之助「うん、先代巫女も幻想郷じゃあトップクラスの実力者だったんだけど......」

 

龍騎「霊夢のお母さんもが苦戦した一族.........、その後どうなったんです?」

 

霖之助「......先代巫女は何とか息を吹き返したけど、ダメージが大き過ぎて巫女を引退するしか無かったんだ...。その二年後に霊夢が生まれたと同時に亡くなったよ......」

 

龍騎「そう、ですか........。鬼神龍...、一体何の目的でこんな事を............」

 

霖之助「僕にも分からない......、どうして幻想郷がこんな目に遭わなければいけないのか.........」

 

霖之助の説明に龍騎は黙ってしまうと、霖之助もお茶を飲む。

 

龍騎「......やっぱり、戦って勝つしか無いんでしょうか......」

 

霖之助「説得は無意味だと思うね......、鬼神龍は好戦的だから」

 

龍騎「もう、戦うしか無いんだな.........」

 

龍騎はカウンターに肘をついて頭を抑える。戦って勝つ.......、幻想郷が救われるのはそれしかないのか..........。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドカーーーーーーーーン!!

 

龍騎・霖之助「「!?」」

 

突如、外から爆発音が響いた。

 

霖之助「何事だ!?」

 

龍騎「俺が行きます!霖之助さんは此処に居て下さい!」

 

そう言って香霖堂を飛び出した龍騎は魔力を使い、爆発があった所まで走り出す。すると其処には......。

 

龍騎「!?お前は.........」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

?「我は鬼神龍の一人、貴様を排除しに来た」

 

大きな体格の鬼神龍が龍騎の前に立ち塞がった。




いかがでしたか?

何と今回は7,000文字オーバーです。うん、疲れた......。

これから多分今回みたいに長くなったり短くなるかもです。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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第六十八話 鬼神龍の恐怖

どうもです。

今回は少しグロい第六十八話です。

苦手な方はご注意を。

それではどうぞ。


 

?「我は鬼神龍の一人、貴様を排除しに来た」

 

体格のデカい男が目の前に立ち塞がった。しかもその相手が鬼神龍だった。

 

龍騎「俺を排除?どう言う事だ!」

 

そう言って俺は剣を抜こうを構える。

 

鬼神龍「言葉通りだ、これから消える者に答える義理はない」

 

そう言って鬼神龍も戦闘態勢に入る。

 

龍騎「なら......、無理矢理聞くまでだ!」

 

そう言って俺は鬼神龍に飛び掛かり、剣を抜き攻撃を仕掛ける。

 

鬼神龍「遅いな」

 

龍騎「なんの!」

 

俺は攻撃を止めず、ひたすら攻撃をするが一発も当たらない。

 

鬼神龍「遅い、遅すぎる」

 

龍騎「ちぃ!だったら!」

 

俺は左手首からサンダーウィップを出して、鬼神龍を拘束する。そして感電させる事が出来た。

 

龍騎「どうだ......」

 

鬼神龍「.......舐められたものだな」

 

龍騎「っ!?」

 

鬼神龍「そんな安っぽい手品で我が倒せるとでも?」

 

ちょ、ちょっと待って?さっき感電させたよね?

 

龍騎「何で効いてないんだよ!?」

 

鬼神龍「しかし、感謝するぞ?お陰で肩凝りが取れた」

 

俺は電気式マッサージ機じゃねぇよ!

 

鬼神龍「礼と言っては何だが......、一撃であの世に送ってやろう」

 

龍騎「冗談じゃねぇぞ......!」

 

そう言って鬼神龍は再び戦闘態勢に入る。すると鬼神龍はいつの間にか懐に入って来た。やべっ......。

 

龍騎「加速装...」

 

鬼神龍「くたばれ」

 

そのまま鬼神龍は俺に向かって拳を振った.............。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

が、俺はギリギリ回避できた。

 

龍騎(あっぶね!?危うくマジで死ぬかと思った......!)

 

しかし、加速装置を起動中の俺は有利な筈。このまま背中をぶった斬る!

 

龍騎「火剣『煉獄火炎斬』

 

そのまま俺は鬼神龍に斬り掛かった......。

 

 

が、次の瞬間、鬼神龍の裏拳により逆に吹っ飛ばされた。

 

鬼神龍「成程、反射神経は良いようだな。だが無意味だ」

 

その言葉を聞く事なく吹っ飛ばされる俺。そのまま遠くへ飛ばされた俺は何回が地面にバウンドしてようやく勢いが収まった。

 

龍騎「......あの時、あらかじめ硬化魔法を使っといて良かった...、何も無い状態で殴られてたら頭吹っ飛んでいた.........」

 

改めて鬼神龍の恐ろしさを知る......。この震え......、完全に鬼神龍に怖気ついてる......。

 

龍騎「なのに.........、何だよこの気持ちは............!余計血が騒ぐなんて.........!」

 

どうしなってんだよ全く.........。俺は怖いのか?それとも楽しいのか......?余計分かんなくなってくる......!

 

鬼神龍「ほう......、まだ生きていたか.........」

 

俺の目の前に鬼神龍がやって来た。嘘だろ?結構飛ばされた筈なのにあっという間に追いかけて来たの?

 

龍騎「テメェら......、一体何の為にこんな事を.........」

 

鬼神龍「言った筈だ。これから消える者に答える義理は無いと」

 

ヤバい......、正直、詰んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霊夢「龍騎ーーー!」

 

早苗「りゅーーーくーーーん!」

 

すると聞き覚えのある声が聞こえた。俺は驚いて声の聞こえた方向へ向くと、霊夢と魔理沙、早苗が此方へやって来た。

 

龍騎「!?馬鹿野郎!!来るんじゃねぇ!!早く逃げ............」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鬼神龍「余所見する程、随分と死にたかったようだな」

 

その声が聞こえたと同時に鈍い音が鳴った。

 

視界を戻すと鬼神龍が腕を伸ばしたまま固まっていた。そのまま俺は鬼神龍の腕を見てみると...........。

 

俺はどうやら腹を貫かれたようだ.........。

 

 

 

 

 

 

〜数分前・霊夢side〜

 

私は天人から情報を手に入れ、博麗神社に戻った。暫くすると魔理沙と早苗が戻って来たが、龍騎がまだ戻って来なかった。流石に地底から戻ってくるのに時間は掛かるとはいえ、あまりにも遅すぎた。その時、私はある一つの考えが浮かんだ......。

 

霊夢(もしかして......、地底以外にも心当たりがあるとしたら.........。霖之助さん!)

 

そう思った瞬間、私は香霖堂へ向かった。後ろには魔理沙と早苗が着いて来たが、それよりも龍騎の事が心配で仕方なかった。

 

霊夢(お願い......、無事でいて.....!)

 

そして香霖堂に着くと、外には霖之助さんが居た。私は霖之助さんに聞いてみると、

 

霖之助「頼む霊夢!龍騎くんを助けてやってくれ!今鬼神龍と交戦しているんだ!」

 

その言葉を聞いた瞬間、私は慌てて駆け出した。

 

龍騎(お願い......!死なないで!!)

 

私は涙目になりながら龍騎の所へ急行すると、龍騎ともう一人の男が居た。

 

霊夢「龍騎ーーー!」

 

早苗「りゅーーーくーーーん!」

 

私は龍騎の名前を呼ぶと、早苗も後ろから龍騎の名前を叫ぶ。

 

龍騎「!?馬鹿野郎!!来るんじゃねぇ!!早く逃げ.........」

 

その後の言葉を龍騎は言う事は出来なかった......。何故なら........。

 

龍騎は鬼神龍の攻撃により、腹部を貫かれたからだ...........。

 

 

 

〜霊夢side out〜

 

龍騎「ぁ、ぁぁ...............」

 

龍騎は手に持っていた剣を落とすと、鬼神龍は龍騎を貫いた腕を抜く。

 

そのまま龍騎は口から血を吐き、倒れてしまった......。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

早苗「いやああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

 

霊夢「龍騎いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」

 

早苗が泣き叫ぶと、霊夢は慌てて龍騎の側に近づく。

 

鬼神龍「博麗の巫女に白黒の魔法使い......、風祝までも来たか......」

 

魔理沙「!?何故私達の事を......!?」

 

龍騎「ねぇ龍騎!しっかりして!ねぇ目を開けてよ!!お願い!目を覚まして!!」

 

鬼神龍「無駄だ、保ってあと数分の命だ」

 

霊夢「っ......、貴様ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

 

早苗「許さない.........!絶対に許さない!!」

 

魔理沙「なっ!?お前等落ち着けって!?あーーもう!!」

 

霊夢は鬼神龍の発言に怒りが限界に来たのか、鬼神龍に襲い掛かった。早苗も怒りにより鬼神龍へ突撃する。魔理沙は二人を止めようとするが、既に二人を止められず、覚悟を決めて鬼神龍に攻撃を仕掛ける。

 

霊夢「霊符『夢想封印』」

 

早苗「奇跡『白昼の客星』」

 

魔理沙「恋符『マスタースパーク』」

 

鬼神龍「無駄だ」

 

三人がスペルカードを発動する直前に、鬼神龍の攻撃が入り、三人は龍騎程では無いが、吹っ飛ばされる事になった。

 

霊夢「くっ..........!」

 

早苗「いたた...........!」

 

魔理沙「ど、どういう怪力してんだよ......!」

 

鬼神龍「まだ立ち上がれるのか、流石は幻想郷の人間だ。しかし貴様等も消されたいようだな」

 

霊夢「あんただけは.........!倒す.........!」

 

鬼神龍「威勢は良いが、此処までだ」

 

鬼神龍は霊夢の元へ近づき、拳を作り霊夢に殴り掛かるように構える。

 

早苗「霊夢さん!」

 

魔理沙「止めろ!!」

 

霊夢「.............」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

火剣『炎円斬』

 

 

鬼神龍「っ......」

 

霊夢・早苗・魔理沙「「「!?」」」

 

突然、横から赤色の円盤が鬼神龍に向かって飛んできた。鬼神龍は片手で受け止めると、空へ放り投げた。

 

鬼神龍「まさか...、生きていたのか?」

 

?「違うな......、選手交代だ」

 

霊夢「だ、誰......?」

 

?「.........無様だな、博麗の巫女であるお前がこの姿とは......」

 

魔理沙「お前......!まさか.........!」

 

早苗「し、知り合いですか魔理沙さん...?」

 

魔理沙「恐らく......、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍騎の二重人格の方だ」

 

鬼神龍「ほう、奴に二重人格が居たとはな...」

 

黒騎「.......貴様が、鬼神龍だな?」

 

鬼神龍「いかにも、貴様も我に相手をするのか?」

 

黒騎「当然だ、貴様には聞きたい事が山ほどある......。話して貰うぞ」

 

そう言って黒騎は手に持っていた刀を構え直す。

 

鬼神龍「例え二重人格であろうと、話す舌は持たぬ」

 

黒騎「なら、此処で斬る!」

 

そう言って黒騎は鬼神龍に接近する。黒騎が接近して来た事により鬼神龍は拳を振るがら黒騎は身体を限界まで捻り、攻撃を回避する。そして黒騎も刀を振るが、鬼神龍は腕を盾にして攻撃を防ぐ。

 

魔理沙「あ、あいつ...、龍騎より粘ってるぞ.....!」

 

紫「貴女達!早くスキマに!」

 

霊夢「紫!?わ、私達より龍騎を!?」

 

紫「とっくにやっておいたわよ!早く入りなさい!」

 

そう言って紫は隙をついて三人をスキマの中に入れるとすぐに消えてしまった。

 

鬼神龍「成程、奴等を避難させる為の時間稼ぎか」

 

黒騎「違うな、八雲紫が勝手にやった事だ」

 

鬼神龍「ふむ、そう言う事か........」

 

そう言って二人は一度距離を置くと、黒騎は刀を下ろす。

 

黒騎「.....もう一度言う。貴様等の目的を言え」

 

鬼神龍「言った筈だ。話す舌も持たぬと」

 

黒騎「そうか......、残念だ........」

 

そう言って黒騎は刀を鞘に戻すと、低い姿勢で構える直す。

 

鬼神龍「何の真似だ?居合か?抜刀術か?」

 

黒騎「......この剣技を受ければ分かる」

 

鬼神龍「ほう、それは楽しみだ」

 

黒騎は低い姿勢を維持続けると、刀の持ち手を強く握り締め、一気に抜刀する。すると抜刀した時に発生した巨大な縦型の斬撃波が高速で鬼神龍に向かって放たれた。

 

鬼神龍「............」

 

黒騎「............相手を見誤ったな」

 

そう言って黒騎は刀を納める。すると鬼神龍の身体中心に縦線が光り、そのまま半分に分かれてしまった。

 

黒騎「どうだ?これが月影『幻夢零』だ......。既に死んでるお前に聞かれても分かるまいな......」

 

そう言って黒騎は鬼神龍の身体を回収し、この場から去ってしまった......。

 

 

 

 

 

〜永遠亭〜

 

霊夢「龍騎!」

 

早苗「りゅーくん!」

 

鈴仙「待って下さい!今手術中です!」

 

魔理沙「お前等落ち着けって!まだ手当てしてる途中だろ!」

 

あの後、紫により三人は助かったものの、龍騎は緊急手術を行なっていた。

 

霊夢「私の事なんて良いの!それより龍騎を!」

 

魔理沙「馬鹿!お前に何が出来るんだよ!お前医者じゃないだろ!」

 

霊夢「このまま黙ってろって言うの!?冗談じゃないわよ!」

 

魔理沙「お前等少し龍騎を信用しろよ!!」

 

霊夢「っ!」

 

早苗「!」

 

魔理沙「私だって後悔してるよ!魔法使いなのに回復魔法も一つも使わず、ずっと攻撃魔法にしか使ってなくて、何が魔法使いだよ!何の為の魔法だよ!何してんだよ私は!!」

 

そう言うと魔理沙は涙を流しながら霊夢と早苗の顔を向く。

 

霊夢「魔理沙......」

 

魔理沙「でも、もう遅いんだよ......、行動を移すのが......。私達が出来るのは..........、龍騎の無事を...........、祈るぐらいしかないんだよ..........」

 

そう言うと魔理沙は床に膝をつく。何も出来ない自分の無力さを実感しているからだ...。

 

早苗「う、うぅ.........」

 

早苗もとうとう泣き始めてしまい、鈴仙が早苗の優しく抱きしめる。

 

早苗「やだよ.........、りゅーくん.........」

 

霊夢「...............」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

永琳「あ、貴女何者!?」

 

「「「「!?」」」」

 

三人が泣き崩れると、部屋から永琳の声が聞こえた。慌てて四人は部屋に入ると、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

部屋には永琳と紫、そして手術を受けてる龍騎、そして一人の女性が片手にメスが握られていた......。




いかがでしたか?

某炎柱みたいに腹を貫かれた龍騎くん。そして幻夢零の初披露......。

......幻夢零出すの早すぎたかな...?

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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第六十九話 語られる真実

どうもです。

第六十九話です。ついに真実が語られます。

それではどうぞ。


 

〜手術室〜

 

龍騎「..................」

 

永琳「不味いわね...、脈が弱まっていく.......」

 

紫「永琳、何とかならないの!?」

 

永琳「今何とかしてるんでしょうが!でも出血も酷いし治療が追いつかない......、どうしたら.........」

 

永琳は龍騎を治療に全力をあげているが、龍騎の回復する事は無く、ひたすら時間だけが過ぎていく......。

 

永琳(こうなったら......、蓬莱の薬に頼るしか......)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

?「失礼」

 

永琳・紫「「!?」」

 

突如、手術室に謎の女性が入り込んだ。

 

永琳「あ、貴女何者!?」

 

そう永琳が言うと、謎の女性はメスを手に持つと手術室の扉が開かれた。

 

霊夢「な、何よあんたは!?」

 

?「............」

 

霊夢の言葉を無視して、謎の女性はメスで自分の手首を切ると、切り傷から血が出ると、龍騎の口に近づけた。

 

永琳「ちょ、ちょっと貴女!」

 

?「ご無礼を承知しております。しかし、この方を救うにはこれしかないのです」

 

そう言って謎の女性は血を龍騎の口に入れる。暫く血を飲ませると龍騎の顔色が元に戻り始める。

 

永琳「う、嘘.....、脈が元に戻ってきてる.........」

 

紫「貴女......、まさか.......」

 

?「..........これでこの方は無事です。心配は御座いません」

 

霊夢「ちょっと何なのよあんた!?龍騎に血を飲ませるわ何なのよ!?」

 

霊夢は謎の女性の肩を掴んで激しく揺らす。

 

紫「止めなさい霊夢、この女性は......、恐らく味方よ」

 

霊夢「は?」

 

魔理沙「味方?」

 

早苗「信用できませんよ......」

 

?「無理も御座いません、元は私は貴女方の敵なのですから.........」

 

永琳「つまり.........」

 

霊夢「まさか............」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シア「私は鬼神龍の一人、シアという者です。どうかお見知りおきを」

 

謎の女性、シアが自己紹介をすると霊夢が胸倉を掴んで来た。

 

霊夢「......何しに来たのよ...。何で龍騎を助けたのよ.....?」

 

シア「この方は貴女方にも、そして我々にとっては最後の希望なのです。このまま死んでほしくないのです」

 

霊夢「冗談じゃないわよ!龍騎を痛めつけといて良く言うわよ!」

 

紫「待ちなさい霊夢!」

 

霊夢「っ!」

 

霊夢は紫の圧の掛かった言葉に黙ってしまった。そのまま胸倉を掴んだ手を離す。

 

永琳「.........紫、そろそろ」

 

紫「分かってるわ......、もう、言うしかないわよね......」

 

魔理沙「......聞かせて貰おうじゃないか」

 

シア「なら私がご説明致しましょう。当の本人である私なら質問にも答えられますので」

 

紫「......頼めるかしら」

 

シア「承知致しました」

 

それからシアの説明が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鬼神龍...、それは生まれながら戦闘スキルに恵まれ百戦錬磨と呼ばれる程の力を持つ神の一族。

 

しかし、強大な力を持つ故に戦いを快楽と感じ、生き甲斐だと思う者が八割存在します。

 

そんな鬼神龍ですが、戦闘を望まない者を少なからず存在するのです。この私もその一人......。

 

ですが、鬼神龍にはある呪いがあると噂されているのです.........。

 

『戦わなければ、理性を失い暴走し、その状態が一生続く』

 

というのが、昔から伝えられており掟みたいになっているのです。

 

我々が此処へ進行してきたのも、その掟を守る為......。そして、新たな土地を得る為に数々の世界に宣戦布告し、土地を奪っていった......。

 

戦いを望む者は家庭の為に、己自身の欲求を満たす為に戦場に出され、それを望まぬ者も無理矢理駆り出されていった......。

 

鬼神龍は基本的に、どの種族でもスペックが高い分類なので負ける事は無い.....。なので我々は数々の世界を進行していった......。

 

しかし、そんな我々が唯一支配出来なかった世界が存在した......。それが此処、幻想郷なのです。

 

 

 

 

 

霊夢「.........」

 

魔理沙「.........」

 

早苗「..........」

 

シア「一通りの説明は以上となります」

 

シアの説明に、その場に居た全員が息を呑んだ。

 

霊夢「......ちょっと良いかしら?あんたみたいな戦闘を望まない鬼神龍はどうしてるのかしら?」

 

シア「いつも通りの生活をしています。貴女方と同じように」

 

早苗「も、もし戦いに拒否したら......、どうなるんですか?」

 

シア「その時によりますが.........、最悪、処刑ですね」

 

魔理沙「そりゃねぇだろ......、残酷過ぎるだろ.........」

 

永琳「ちょっと良いかしら?......貴女は確か、龍騎が最後の希望と言っていたわね?」

 

シア「その通りで御座います」

 

永琳「何故其処まで彼に頼っているのかしら?特別な何かが秘めている訳なの?」

 

早苗「..........ちょっと待って下さい!もしそれが本当ならりゅーくんが元から鬼神龍だった事になりませんか!?」

 

霊夢「なっ.........」

 

早苗「もしりゅーくんにその特別な何かを持っていたら鬼神龍にとっては不味いものだから先にりゅーくんを消そうとした...、じゃないと説明がつきません!」

 

魔理沙「ちょ、流石にそれは......」

 

永琳「そうよ早苗、それだけの理由で彼を襲うなんて.........」

 

シア「.........」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紫「..........そうよ」

 

霊夢(待って.........、それ以上言わないで.........、お願い..............)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紫「龍騎は元々鬼神龍よ、そして次の王になる後継者でもあるのよ

 

霊夢(聞きたく無かった...........、その言葉............)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は今、何処に居るんだろう.........、真っ暗で、何も無い、まさに闇の空間のような場所だった........。

 

俺は......、死んだのかな......。確か腹を貫かれた気が..........。

 

 

ーーー◯◯◯◯◯........。

 

..........誰か呼んでいる...?

 

ーーー......私の可愛い◯◯◯◯◯.....。

 

...........誰だ?私の可愛い.........、何だ?

 

ーーーお目覚めなさい...。◯◯◯◯◯.......、貴方は私の......、希望の光......。

 

その言葉を聞き終えると、俺は意識を失った......。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍騎(...............何だ此処......?)

 

再び意識を取り戻すと、俺の口には何かが装着していた。それに心拍数を計る機械の電子音が聞こえる。どうやら俺は助かったみたいだ......。

 

早苗「......................じゃないと説明がつきません!」

 

早苗が何か慌ただしい様子で何かを言っていた。何の事だ?

 

魔理沙「ちょ、流石にそれは......」

 

永琳「そうよ早苗、それだけの理由で彼を襲うなんて.........」

 

何の話しなのかついて行けないのでこのまま眠っている状態にする。

 

紫「.........そうよ」

 

あ、紫さん居たんだ。ってか今魔力使えないから誰が居るのか分からん。

 

 

紫「龍騎は元々鬼神龍よ、そして次の王になる後継者でもあるのよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今、何て言った....................?

 

俺が..............、鬼神龍...............?それに次の王になる後継者って...............。

 

どう言う事だ.........、俺は、元から人間じゃなかったって事かよ..........。

 

 

紫「龍騎はね......。あの子が生まれて直ぐにこの幻想郷へやって来たのよ......。戦争中に........」

 

霊夢「戦争中.........?」

 

永琳「当時の彼は、まだ赤ん坊だったの。私達が戦ってる間に幻想郷の地上に降り立ったのよ」

 

魔理沙「え?じゃあ赤ん坊だった龍騎と戦ったのか?」

 

永琳「そんな訳無いでしょ?あの子はまだ生まれて間もなかったのよ」

 

早苗「じゃあ......、どうして.........?」

 

シア「それはこの方の母親の独断による行動なのです」

 

魔理沙「龍騎の母ちゃんのか?」

 

シア「......龍騎様、本名『アルカード』様の母である、『イザベラ』様は当時のアルカード様を連れて逃げ出したのです」

 

魔理沙「逃げ出した......?」

 

シア「夫であり、民をまとめる陛下である『ジャック』様の考えにイザベラ様は反対しておりました。そして二十年前に起こった戦争を利用してアルカード様を連れて脱出を試みましたが、直ぐにバレてしまい逆に狙われてしまったのです」

 

紫「じゃあ、あの時攻撃が止み始めたのは......」

 

シア「イザベラ様を捜索する為です。当時の我々鬼神龍も少数しか戦場に出て居ないので、イザベラ様が脱走するという事は予想外だったのです」

 

早苗「つまり、幻想郷が助かったのはりゅーくんのお母さん.........、イザベラさんが脱走したから助かったんですね」

 

紫「えぇ、その後.........」

 

 

 

 

〜二十年前・幻想郷〜

 

イザベラ「............」

 

イタゾー! ハヤクツカマエロー! ニガスナー!

 

イザベラ(このままでは.........、せめてこの子だけでも............!)

 

イザベラは走っていた。自分の子供を強く抱きしめて走り続ける、ひたすら走り続ける中、イザベラは足を躓き転がってしまう。

 

イザベラ(この子だけは......!この子だけは........!)

 

 

 

 

 

?「おい、大丈夫か!?しっかりしろ!」

 

イザベラ「......あ、貴女は.........?」

 

イザベラが目を開けると、目の前には藍が手を差し伸べていた。

 

藍「大丈夫か!?酷い怪我だぞ!?」

 

イザベラ「私の事より........、この子を............」

 

そう言ってイザベラは自分の息子を藍に渡した。

 

イザベラ「私はもう............、時間が無い.........。助からないでしょう......、でもその子だけは.....、アルカードをお願い.........」

 

藍「......ああ、分かった」

 

イザベラ「ごめんなさい......、アルカード.........。私が不甲斐ないばかりに、貴方を.........、辛い思いをしてしまって.........。私の可愛いアルカード.........、強く生きて.........、そして、鬼神龍を.........、平和を.........................」

 

そう言ってイザベラは息を引き取った。藍はイザベラの言葉に少し戸惑っては居たが、彼女の言う通りにアルカードを......、龍騎を保護したのだ。

 

 

 

〜現在・永遠亭〜

 

紫「あの後藍に説明して貰って、戦争が終わった後その赤ん坊を私達で面倒を見ていたのよ......。そして私は、『彼を人間として、優しい人間になって欲しい』と願い、彼を『霧影龍騎』と名付け、外の世界に送ったのよ」

 

霊夢「そう、だったの...........」

 

魔理沙「......ある意味龍騎も、被害者なんだな......」

 

早苗「可哀想に..........」

 

永琳「..............」

 

そうだったのか.........、俺が知らなくて当然だよな......。

 

 

 

 

 

 

その後、中に居た全員が居なくなりただ時間だけが過ぎていった。時刻は夜の8時、俺はまだベットの上で目を開けたまま考え事をしていた。

 

龍騎(戦い続ける運命、か......。これから先どうしたら良いんだよ......、戦いを望まない鬼神龍だって居るのに...........、俺に何が出来るんだよ........)

 

龍騎「教えてくれよ......、母さん.....」

 

俺は無意識のうちに涙を流した。そして最後の言葉に亡くなった母を呟いた事に俺が気が付かなかった......。




いかがでしたか?

鬼神龍の説明は大雑把でしたが、簡単に言えばサイヤ人の神様バージョンだと思ってください。

ちゃっかり優曇華がハブラレてますがお気になさらず......。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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第七十話 信じる者

どうもです。

遂に七十話に突入しました。

アンケートの結果、賛成派が多かったのでタイトルを変更します。

それではどうぞ。


 

衝撃の事実から一日経った夜、目を覚めてから皆んなの様子はこれと言った変化は無かった。しかし、俺が鬼神龍である事は隠しているみたいだ......。まぁ、もう知ったしまったのだからどうだって良い......。

 

俺は今、夜に浮かぶ月を眺めていた。

 

龍騎「........俺は、どうしたいんだろ...」

 

思わず声に出してしまった。俺は一体何を望んでいるのか......。それが分からずにいた...。

 

早苗「りゅーくん......」

 

龍騎「...早苗?どうしてこんな時間に?」

 

何故かこの時間帯に早苗がやってきた。

 

早苗「りゅーくんの事、心配になって......」

 

龍騎「.........」

 

そう言って早苗は俯くと、俺は早苗の隣に移動し再び月を眺める。

 

龍騎「......悪かった、心配掛けて......」

 

早苗「......ううん、私こそごめん......。早く助けに来られれば........」

 

龍騎「もう良いよ......、お前達が無事なら.....」

 

そう言うと早苗は俺の肩に頭を乗せる。よっぽど寂しかったんだろう......。

 

早苗「............月が、綺麗だね......」

 

龍騎「.........この場合、早苗の方が綺麗だよって言えば良いのか?」

 

早苗「...............りゅーくんが本気で思ってくれるならね」

 

龍騎「............」

 

早苗「............」

 

それから俺達は黙ってしまった...。告白するには絶好のシチュエーションなのかもしれないがタイミングが悪過ぎる。

 

早苗「.........その、りゅーくん」

 

龍騎「無理に話す必要は無いぞ、早苗」

 

早苗「え.......」

 

龍騎「知っちゃったんだよ.......、俺が鬼神龍だって事」

 

早苗「!?」

 

早苗は驚くと肩に乗せていた頭を離れる。

 

龍騎「だから......、気を使う必要はない。逆に使わないでくれ......」

 

早苗「......ごめん」

 

龍騎「謝るなよ......、別に怒ってる訳じゃないんだから......」

 

早苗「でも......」

 

龍騎「気にするな、俺は気にしない......」

 

早苗「......りゅーくん、無理してない?」

 

龍騎「.........え?」

 

早苗がそんな事言うと、俺は素っ頓狂な声を出してしまった。

 

龍騎「い、いや別に無理してないけど......」

 

早苗「してるよ......、私達に合わせようとしてないかな?」

 

龍騎「......何で合わせる必要が...」

 

早苗「だって、さっきまで龍騎が鬼神龍だって事黙ってたんだよ?でもりゅーくんはあの時に知っちゃった.........、私達に気を遣って知らないフリをしてきたんでしょ?」

 

龍騎「......まさか」

 

早苗「りゅーくん......」

 

そう言うと早苗は俺に優しく抱きしめて来た。

 

早苗「私......、りゅーくんの本心を聞きたい.........」

 

上目遣いでそう言ってくる早苗に思わずドキッとしてしまう。

 

龍騎「......お、俺の本心って言われても..........、正直良く分からない.........」

 

早苗「なら...、りゅーくんが今叶えたい事って何?」

 

龍騎「叶えたい...、事?」

 

早苗「何でも良いよ、例え叶わない事でも良いの......。りゅーくんがどうしたいか、知りたいの」

 

俺が、どうしたいか.........。俺は真剣に考える......、大人ぶってた心を一度子供にしてみる.....。

 

...................あぁ、そうか......。俺は......、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正義のヒーローに、憧れていたんだな......。

 

早苗「......りゅーくん?」

 

俺は自分の心を理解すると、涙が出て来た。

 

龍騎「やっと分かったんだ......。俺、ヒーローに憧れていたんだよ...。でも、ヒーローぶってるのが恥ずかしくて、だから『自己満足』という理由で逃げていたんだ......。今でも、そう思ってる......、だってもう大人なんだぜ?もうそんな年じゃないんだぜ?でもよ......、憧れは..........、止められねぇんだ......。誰かの役に立ってるヒーローに、なりたいんだよ......。こんな男でも、助けたいんだよ......。だから.........」

 

俺は涙を流したまま早苗に向く。

 

龍騎「俺は......、幻想郷を救いたい......。皆んなを助けたい......、そして......、戦いの望まない鬼神龍を守りたい......。誰もが...、戦わない世の中にしたい......、でも、戦いたくない自分が居る......」

 

俺は両手を両腕を掴んで膝をつく。

 

龍騎「元から戦いなんて好きじゃないんだよ...。喧嘩だったり、弾幕ごっこだったり......、だから......、戦争だなんて嫌なんだよ......」

 

俺は言いたい事を言うと、ひたすら泣き続けた。これが俺の本音、包み隠さず言った。二十歳になって厨二病やら言われるのが怖くて自己満足と言う言葉を使って逃げていたんだ。

 

ヒーローに憧れてるなんて、誰も信じてくれないって思っていたから......。

 

 

 

早苗「......りゅーくん、小学校の頃憶えてる?」

 

龍騎「え......」

 

早苗「私わね、りゅーくんの事はヒーローのような人なの。りゅーくんはずっと自分の心を押し殺していたから他の人からの気持ちが分からないと思うけど、本当に感謝してるんだよ」

 

龍騎「......よく、分かんない.....」

 

早苗「無理もないよ、りゅーくんは他の人より大人っぽく接していたから我儘になれなかったんだよ」

 

龍騎「でも.....、もう今更......」

 

早苗「大丈夫」

 

そう言って早苗は再び優しく抱きしめる。

 

早苗「幻想郷は全てを受け入れる......。私もりゅーくんの事を受け入れる、皆んなりゅーくんを受け入れる......。だから......、りゅーくんも私達を受け入れて......」

 

そう言って早苗は俺の顔を掴んで、顔を近づけて早苗の唇が俺の唇に当てた。そしてそっと唇を離すと早苗も涙を流していた。

 

早苗「私は、りゅーくんの為なら何だってやるよ...。りゅーくんの為なら鬼神龍と戦う、私の身も心も全部りゅーくんに捧げられる」

 

龍騎「!?止めてくれ!俺はそんなの望んでない!」

 

早苗「私は本気だよ。だって、私がこうして生きていられるのはりゅーくんが居てくれたからだよ。今度は、私がりゅーくんを守る番だよ」

 

龍騎「早苗.........」

 

早苗「.........」

 

どうやら早苗は本気のようだ...。

 

龍騎「...........俺は」

 

 

 

 

「「「龍騎さん(様)!」」」

 

 

 

龍騎・早苗「「!?」」

 

突然三人の声が聞こえた。俺と早苗は声がした方向へ向くと、咲夜と椛、妖夢が慌てた様子でやって来た。

 

龍騎「ど、どうして此処に......?」

 

咲夜「龍騎様が大怪我をなさったと聞いて駆けつけて来ました!」

 

妖夢「何でもあの鬼神龍と戦ったとか........」

 

椛「良かった〜〜!!本当に良かったですよ〜〜!!」

 

俺が鬼神龍にやられた事を聞いてすぐに駆けつけて来たようだ。どうやらまだその事は知らされてなかったようだ。

 

龍騎「...すまん、迷惑を掛けた」

 

咲夜「........紫様からお聞きしましたが、龍騎様はどれぐらいご存知ですか?」

 

龍騎「殆ど知ってるよ......、俺が鬼神龍だった事も」

 

咲夜「そう、ですか......」

 

妖夢「私は幽々子様からお聞きしました。とても信じられませんでしたが.....」

 

龍騎「ごめん、元は俺の...、俺達鬼神龍の責任だから...」

 

咲夜「そんな事はありません!全て龍騎様が背負う事は無いんです!」

 

龍騎「でも.........」

 

咲夜「私は今までお嬢様の為に尽くして来ました。でも龍騎様との出会いが私の人生を変えて下さったのです。今の私は、龍騎様に全てを捧げられます!」

 

龍騎「咲夜......」

 

妖夢「私も、今まで幽々子様のお世話や庭師の仕事しかして来ませんでした。でも龍騎さんと会ってから私は仕事以外にも楽しい時間を過ごす事が出来たんです。私も龍騎さんの為なら鬼神龍だろう何だろうと戦います!」

 

龍騎「妖夢......」

 

椛「私もこうして生きていられるのは龍騎さんのお陰です!龍騎さんが居なかった恐らく、ストーカーに殺されていたでしょう.......。見ず知らずの私を助けてくれた龍騎さんが居たから今の私は生きているんです!今度は私が龍騎さんをお守りします!」

 

龍騎「椛......」

 

三人の言葉に心を打たれる。どうして......、そんなに俺の事を......。

 

早苗「りゅーくんは一人じゃないよ」

 

そう言って早苗に肩を叩かれる。

 

......ありがとう、皆んな......。

 

俺、決めたよ......。

 

龍騎「......この騒動が終わったら、皆んなに伝えようと思う...。俺の気持ちを......」

 

 

「「「「!?」」」」

 

龍騎「その為にも、俺は死ぬ訳にはいかない......。幻想郷も、皆んなも、失いたく無い.......。だから......、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦うよ、俺は...。鬼神龍を............、倒す。力を貸してくれ......」

 

 

 

 

 

〜霊夢side〜

 

龍騎が鬼神龍だったと言う事実を知って三日目、私は部屋で横になっていた。未だに龍騎が鬼神龍だった事に受け入れられないのだ。

 

霊夢(一番辛いのは....、龍騎なのに......)

 

この件で一番の被害者は龍騎だ...。だから龍騎を側に居てあげて少しでも安心させてあげたい......。けど.........、

 

霊夢(龍騎が鬼神龍だなんて.........、言える訳ないじゃない.............)

 

私は涙を流して毛布を隠すようにして蹲る。そんな事言ったらショックを受けるに違いない...。

 

私は、どうしたら.........。

 

龍騎「霊夢?入るぞー」

 

部屋の扉が開くと、龍騎が顔を出した。

 

霊夢「......龍騎?龍騎なの!?」

 

龍騎「あ、あぁ......。永琳先生に無理言って外出許可を貰ったんだ。それよりどうした?具合でも悪いのか?」

 

龍騎はそう言って私の側に近寄る。こんな状況でも優しくしてくれるのね.......。

 

霊夢「だ、大丈夫よ......。心配には及ばないわ」

 

龍騎「...そっか、なら良いんだけど」

 

そう言って龍騎は床に座り込む。そして真剣な目で見てきた。

 

龍騎「その、さ......。俺が鬼神龍だったって事なんだけど......」

 

霊夢「!?」

 

嘘....、いつ知ったの....?

 

龍騎「俺さ、戦うよ......。鬼神龍と......」

 

霊夢「.........え」

 

戦う.........?鬼神龍と.........?

 

霊夢「あ、貴方正気なの!?」

 

龍騎「......あぁ、俺は本気だ」

 

霊夢「何で!?元は貴方と同じ仲間でしょ!?」

 

龍騎「同じ仲間でもやって良い事とやってはいけない事だってある」

 

霊夢「同族と戦うなんて嫌じゃないの!?それに貴方負けたじゃない!?」

 

龍騎「確かにまだ抵抗があるよ......、それにボロ負けしたしな.......」

 

霊夢「なのに......、どうして......」

 

龍騎「.........俺にとって、幻想郷は故郷でもあって守りたいものの一つなんだ。それに霊夢、お前を死なせたくない」

 

霊夢「え.........」

 

その言葉を聞いて固まってしまった......。

 

龍騎「俺は幻想郷で生きたい......、戦いを望まない鬼神龍達を救いたい......、そして、霊夢も魔理沙、咲夜や妖夢、早苗も椛も紫さんも......守りたい。それが出来るかどうかは分かんないけど、俺も......、一人の人間として...、叶えたい願いがあるんだ」

 

霊夢「.........」

 

龍騎「その為には......、お前の力を貸して欲しいんだ。霊夢」

 

霊夢「私を......?」

 

龍騎「前の俺だったら、一人で何とかしようとしてただろうな.....。でも、俺には信じてくれる人が居た、それを改めて知ったよ。こんな我儘な俺を受け入れてくれるなら、力貸してくれ」

 

そう言うと龍騎が深々と頭を下げる。

 

霊夢「............そんな事」

 

龍騎「...........」

 

霊夢「そんな事、言われたら......、断れないじゃない.........」

 

龍騎「霊夢.........」

 

霊夢「......何処へでも着いて行くわ。貴方の力になれるなら、例え相手鬼神龍だろうと閻魔だろうと着いて行く......。だから......、私を、貴方の心の柱にさせて.........」

 

そう言って私は龍騎に抱きつく。龍騎に抱きついた事で今まで悩んでいた事が嘘のように無くなりだす。

 

龍騎「......ああ、よろしく頼む」

 

すると龍騎から私にキスして来た。私は一瞬驚いたが直ぐに受け入れた。ああ.....、今の私は愛されてる......。そして一緒になっていた唇を離すと龍騎は顔を赤くしてこう言った。

 

龍騎「......続きは、この騒動が終わってからで......///」

 

霊夢「そ、それって......///」

 

龍騎「.........///」

 

私は思わず期待してしまった。もしかして............///

 

 

シア「お取り込みの所申し訳ありませんが失礼します」

 

龍騎・霊夢「「!?」」

 

すると横からシアが現れた。全く気配を感じなかった......。

 

シア「アルカード様、霊夢様。皆様に大切なお話しがございます。ご同行願います」

 

龍騎「.........分かりました。霊夢も良いな?」

 

霊夢「う、うん......」

 

シア「ありがとうございます。それと私の事は呼び捨てで構いません」

 

龍騎「なら......、俺の事もアルカードなんて呼ばないでくれ」

 

シア「しかし......」

 

龍騎「良いんだ、鬼神龍のアルカードはとっくの昔に死んだ。仮に生きているとしても今の俺は霧影龍騎さ」

 

シア「......分かりました。それでは龍騎様、霊夢様。ご案内致します」

 

それから私達はシアの後に着いて行った......。何が起こるのかは分かんないけど、もう何も怖くない......。

 

霊夢(だって、側には彼が居るから.........)




いかがでしたか?

今更ですがUAが60,000突破しました。本当にありがとうございます!

少し駆け足気味ですが、必ず完結させるのでよろしくお願いします。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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第七十一話 レジスタンス結成

どうもです。

第七十一話です。

それではどうぞ。


 

シアに連れて来られた俺と霊夢は、森の奥へと進んでいた。

 

龍騎「.....シア、俺達は何処へ向かっているんだ?」

 

シア「この奥には小さな祠があるのです。詳しくは目的地へ着いた時に説明します」

 

霊夢「祠なんてあったかしら.....」

 

シア「いえ、我々が作った祠です。無断で作成した事は謝罪します」

 

霊夢「別に良いわよ、対して変わりはないわ」

 

いや良くはないと思うぞ?何て思っていたら目的地に着いていた。其処には小さな祠があった。

 

霊夢「で、これからどうするの?」

 

シア「霊夢様、申し訳ありませんが出来るだけ多くの人を此処へ集めて下さい。これから皆様には我々鬼神龍に対抗するべく、訓練をして貰います」

 

龍騎・霊夢「「!?」」

 

き、鬼神龍に対抗する為の訓練...?で、出来るのか......?

 

シア「その為には私の力では不可能.....、それを可能にするには龍騎様のお力が必要なのです」

 

龍騎「お、俺?」

 

どう言う事だ......?俺の力が必要って......?

 

シア「はい。鬼神龍には戦闘派と非戦闘派が存在している、それはご存知ですね?」

 

龍騎「......その非戦闘派に協力して貰う為に、王の後継者である俺に説得して欲しい、と.........」

 

シア「その通りでございます」

 

霊夢「ちょ、ちょっと待って」

 

霊夢が横から割って入ってくる。

 

霊夢「説得するって言うけど、上手くいくの?だってそっちは龍騎は死んだ事になってるんじゃ......」

 

シア「確かに我々は龍騎様とイザベラ様が死んだと認識しております。これはある意味、賭けです」

 

霊夢の言いたい事は分かった。要は死んだ奴が説得して大丈夫か、って事だ。しかし俺達は迷ってる時間が無い。俺はその賭けに乗った。

 

龍騎「霊夢、俺達に残された時間は限られている。それに俺は決めたんだ、アイツ等と戦うって。もう後戻りは出来ないしする気も無い、必ず説得して来る。だから霊夢は皆んなを集めて来てくれ」

 

霊夢「.........必ずよ?」

 

龍騎「任せろ」

 

そう言って俺は霊夢の頭を優しく撫でる。そして撫で終えるとシアの方へ向く。

 

龍騎「で、どうやってその非戦闘派の鬼神龍達に会いに行くんだ?」

 

シア「その祠に触れれば直ぐに行けます。それでは行きましょう」

 

そう言ってシアは俺の手を掴んで祠に触れると、祠の側に置いてあった箱が開いた。

 

霊夢「いってらっしゃい...」

 

龍騎「行ってきます」

 

そう言って俺とシアは吸い込まれるように箱の中へ入って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍騎「......此処は?」

 

シア「私達の街です。此処では戦闘派も非戦闘派の鬼神龍が共に暮らしています」

 

そう言いながら俺達は街を歩き出す。それにしても凄いなぁ......、まるでロンドンの街並みみたいな風景だ......。

 

?「あ、シアお姉様!」

 

街を歩いていると、一人の少女が手を振って近寄って来た。

 

シア「ラナ、上手くいきましたか?」

 

ラナ「はい!並べく多くの民に集まって貰いました!」

 

龍騎「......シア、彼女は?」

 

シア「ご紹介が遅れました。私の妹のラナでございます」

 

ラナ「お初目にかかります、アルカード様。私はラナと申します」

 

龍騎「......よろしく、あと今の俺は霧影龍騎だからアルカードって呼ぶのはやめてくれると有難い」

 

ラナ「承知致しました、龍騎様。お姉様、準備は出来ております。此方へ」

 

それからラナに案内されると、街のど真ん中に人......、非戦闘派の鬼神龍が集まっていた。

 

シア「龍騎様、これから私が軽く皆様にご説明致します。その後に皆様にご説得をお願いします」

 

龍騎「.........分かった」

 

そう言ってシアは大きな木箱の上に登り始めると、俺は今とんでもない事に気がついてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

説得するって言っても何言えば良いの?

 

あの、何も考えて無いんだけど?え?もしかしてアドリブで言えってか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

待て待て待て待て!!流石にそれは無理よ!?だって小学生並みの感想レベルの語彙力しかない俺が説得出来る言葉なんて思い付かないよ!?

 

......待て、慌てる事は無い。此処は一句読んで心を落ち着かせよう。

 

 

現実(リアル)かな?

 

現実(リアル)じゃないよ

 

現実(リアル)だよ(現実)

 

あ、これもうあかんわ。どう見てもリアルだわ......。

 

シア「龍騎様......」

 

なんて下らない事を考えていたら俺の番が回って来た。

 

どうしよう......、何も考えて無い......。

 

俺は滝のように汗を掻きまくりながら木箱の上に登る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍騎「......鬼神龍の皆さん。私は霧影龍騎と言う者です。私は見た通り人間でありますが、本当は皆さんと同じ鬼神龍であり、私の父、ジャックと今は亡き母、イザベラの子であるアルカードでもあります。私は、二十年前に幻想郷という世界でとある人物に助けられました。そして母は私を守る為に犠牲になりました。私が鬼神龍であった事は最近知り、私が今過ごしている幻想郷が宣戦布告した事は皆さんもご存知の筈です。私は、心から愛している幻想郷を救いたい...、幻想郷で出会った仲間達と共に生きる為に私は、自分と同じ種族である鬼神龍に敵対する事を此処で宣言します!」

 

 

「「「「「!?」」」」」

 

 

龍騎「ですが、今の我々では皆さんには勝てないでしょう。それに皆さんは戦闘を望まない事も把握しております。其処で、皆さんには我々幻想郷組のお力をお借りしたい!」

 

 

 

「「「「「!」」」」」

 

 

 

龍騎「私は鬼神龍に敵対すると宣言しましたが、皆さんのような非戦闘派には手を出しません。逆に皆さんには協力してほしいのです。もし、我々に協力して下さるのなら、戦後の皆さんに安心して平和に暮らせる環境を与える事を約束します!直ぐに受け入れられないかもしれません、どうか皆さんのご協力をお願いします!」

 

そう言って龍騎は頭を下げる。そして静寂が包まれる......。

 

 

 

 

龍騎(やはり......、駄目か......。そりゃそうだよな、こんな演説じゃあ...)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺は協力します!アルカード様!」

 

龍騎「.........え?」

 

「アルカード様、俺も協力させて下さい!」

 

「今は亡きイザベラ様の為、アルカード様に着いて行きます!」

 

「アルカード様なら、イザベラ様の望んだ平和な世界になると信じています!」

 

「アルカード様が非戦闘派だなんてなんと心強い!」

 

龍騎「.........皆さん」

 

「俺達も戦うぞ!平和の為に!」

 

「平和は自分達で掴むものだ!逃げてばっかりはもう御免だ!」

 

「アルカード様!是非お供させて下さい!」

 

「アルカード様!」 「アルカード様!」

 

龍騎「............ありがとう、皆さんのご協力に感謝します!皆さんの平和の為に、私も全力で頑張ります!これを機に非戦闘派の皆さんと幻想郷組を戦闘派の鬼神龍反発組織として『レジスタンス』を結成する事を宣言します!」

 

 

「「「ウオォォォォォォォォォォォォォォォ!!」」」

 

 

 

こうして、不安はありながらも非戦闘派の鬼神龍に協力を得た龍騎だった。

 

 

 

 

?「騒がしいと思ったら街中で何やってんだよ」

 

龍騎「!?」

 

謎の男の声を聞こえると、龍騎は振り返る。すると一人の男の鬼神龍が壁に寄り掛かっていた。

 

シア「ザラ!」

 

龍騎「知り合いか?」

 

シア「.....戦闘派の鬼神龍です。私達姉妹とは昔馴染みでもあります」

 

ザラ「シア、まさか本当に行動を起こすとはな。それに誰だよその男は?もしかして彼氏か?」

 

シア「口を慎みなさいザラ。この方は陛下の御子息ですよ」

 

ザラ「陛下の御子息?...............ふーん」

 

そう言ってザラは片膝をつく。

 

ザラ「お初目にかかります殿下。私はザラと言う者です、先程のご無礼をお許しください」

 

龍騎「.........顔を上げてくれ、今の俺は鬼神龍じゃないから片言で良い」

 

シア「龍騎様...!」

 

ザラ「ありがとうございます。お言葉に甘えてさせて貰います」

 

そう言ってザラは立ち上がると龍騎の目の前に近寄る。

 

ザラ「何のつもりだ?」

 

龍騎「俺は戦いの望まない鬼神龍の為に、そして俺の大切な居場所を守る為に動いている。戦闘派のお前達を倒す為にな」

 

ザラ「......勝てるのか?俺達戦闘派の鬼神龍に?」

 

龍騎「もう負けない......、負けられないんだよ」

 

そう言いながら二人は睨み合う。

 

ザラ「やってみせろよ......、王子様」

 

龍騎「なんとでもなる筈さ......」

 

ザラ「.........」

 

龍騎「.........」

 

ザラ「......はぁ」

 

ザラは溜め息を吐くと、床に巨大な魔法陣を展開した。

 

シア「ザラ?」

 

ザラ「幻想郷に行くんだろ?だったら一気に行った方が良いだろ?」

 

龍騎「......」

 

ラナ「ザラ.........」

 

ザラ「良いか?その魔法陣に入ったらお前等は俺の敵だ、次会ったら攻撃する、ついでにお前等の縁も切る」

 

シア「.........」

 

ラナ「.........」

 

ザラ「.........さっさと行け」

 

龍騎「.........皆さん、魔法陣の上に来て下さい」

 

龍騎の呼び掛けで非戦闘派の鬼神龍はゾロゾロと魔法陣の上にやって来る。そして、殆どが乗り切ると魔法陣の光が増し、魔法陣の上に居た鬼神龍は消えてしまった。

 

シア「......龍騎様、ラナ。行きましょう」

 

ラナ「はい......」

 

龍騎「...良いのか?」

 

シア「昔馴染みとは言えど、其処まで親しい関係ではないので」

 

シアの言葉に龍騎は黙ってしまい、シアとラナ、龍騎は魔法陣の上に向かう。

 

ザラ「おい、確か......、霧影龍騎...、だったか?」

 

龍騎「......何だ?」

 

ザラ「三ヶ月後の決戦の日、真っ先にお前を狙いに行く。覚悟しておけよ」

 

龍騎「......ああ、覚えておくよ」

 

そう言って龍騎は魔法陣の上に乗り、幻想郷へと向かった。

 

ザラ「.........」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

魔法陣により幻想郷に向かってる途中、龍騎はある疑問に思っていた。

 

龍騎「......何で直ぐに受け入れてくれたんだろう」

 

シア「......それは恐らく、イザベラ様の性質を受け継いでいるからだと思われます」

 

龍騎「......性質?」

 

シア「イザベラ様は、昔は田舎に住んでいたお方だったのですが先祖代々から伝わる『指導者』の性質を受け継いでいたんです」

 

龍騎「指導者?」

 

ラナ「簡単に言えば、その性質を持った者がリーダーに立つと、仲間はその者に従う事が出来るという性質です。恐らく龍騎様にもその性質があるのだと思われます」

 

龍騎(そうか......、だからあんなに上手くいったのか......。それにしてもあの人がね.....)

 

そう心で呟くと視界が変わり、祠の前にやって来た。

 

龍騎「......戻って来たのか?」

 

シア「お疲れ様でした、龍騎様」

 

紫「龍騎!」

 

龍騎「紫さん......」

 

龍騎の目の前に紫がスキマを開けて飛び出して来た。

 

紫「霊夢に事情は聞いたわ。説得してきたみたいね」

 

龍騎「はい、すみません勝手に行動して」

 

紫「寧ろ感謝してるわ、幾ら非戦闘派の鬼神龍でも戦闘経験はゼロじゃないもの、良くやってくれたわ」

 

龍騎「紫さん......、そういえば鬼神龍達は?」

 

紫「今私の家に居るわ、霊夢達も其処へ待機して貰ってるわ」

 

シア「では行きましょう、善は急げです」

 

そう言って紫がスキマを開くと俺達は中へと入っていった。

 

これから戦闘派の鬼神龍に向けて本格的な動きが始まろうとしていた......。




いかがでしたか?

ちなみにですが、シアとラナのイメージは『ゼルダ無双』で出てくる『黒の魔女・シア』『白の魔女・ラナ』が元ネタです。イザベラのイメージはFGOのアルトリアかジャンヌのどちらかです。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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第七十二話 強化訓練

どうもです。

第七十二話です。

それではどうぞ。


 

シア「......さて、皆様にはこれから戦闘派の鬼神龍に対抗するべく強化訓練をさせて頂きます」

 

スキマで八雲邸にやってきた俺達は既に多くの人達が集まっており、シアの説明を受けていた。遂に来たか....。

 

霊夢「......一つ良い?強化訓練をするのは否定しないけど、そんな事出来るの?」

 

霊夢が手を上げて言ってきた。確かにそれは可能なのだろうか.....。

 

シア「時間は多少時間は掛かりますが、可能です」

 

出来るのか......。

 

シア「鬼神龍に互角に戦うのに、鬼神龍と同じ領域に立つ必要があります」

 

龍騎「......もしかして、鬼神龍のような力を持つ為の訓練か」

 

シア「仰る通りです」

 

魔理沙「あー......、つまり私達も神の力が使えるようになるのか?」

 

シア「そうですね、神の力を得ると言う事は神に近い存在になると言う事になります」

 

..........なんか、霊夢達が俺と同じ存在になるって事になると.....、複雑だな......。

 

シア「それでは始めましょう。皆様には非戦闘派の鬼神龍が指導します。なるべく早く神の力を得て下さい」

 

加奈子「ちょっと待て。早苗や霊夢なら兎も角、私達も神だがそんな事する必要はあるのか?」

 

シア「はい、我々の力は皆様の持ってるものとは全く異なるものです。例え同じ存在でも力は違うのです」

 

加奈子「......成程」

 

紫「その力と言うのは鬼神龍のよね?私達が身につけても平気なのかしら?」

 

シア「紫様のような妖怪や加奈子様のような神等の種族は問題はありません。しかし、人間である霊夢様、魔理沙様、今の龍騎様には身体に負担が掛かるでしょう」

 

紫「......それ程強力な力なのね」

 

今の俺では、か........。

 

シア「龍騎様、龍騎様には他の皆様とは違う訓練を行って貰います」

 

龍騎「他の訓練?」

 

どう言う事だ?霊夢達と同じ事をするじゃないのか?

 

シア「元は鬼神龍である龍騎様には我々と同じ神の力を既に持っています。なので龍騎様には特別コースの訓練を受けて貰います」

 

.........そう言う事か。

 

シア「ラナ、指導をお願いします。私は龍騎様の面倒を見ます」

 

ラナ「分かりました」

 

シアはラナに霊夢達の指導を任せると、俺は別の場所へ連れて来られた。

 

 

 

 

シア「龍騎様、先ずは龍騎様が持ってる鬼神龍の力を解放します」

 

龍騎「鬼神龍の力の解放......?」

 

シア「その為にはこれを持って下さい」

 

そう言ってシアが取り出したのは、長方形の箱だった。シアは箱の蓋を開けると何かが布で包まれていた。シアは丁寧に布を捲る。

 

龍騎「それは?」

 

シア「こちらは我々鬼神龍に伝わる剣、以下なるものでも簡単に斬り裂き、全てを破壊出来ると言われる『龍帝剣』です」

 

龍騎「!?」

 

鬼神龍にそんなのがあったのか!?その剣がこの箱の中に......。

 

シア「ご覧下さい、此方が龍帝剣です」

 

そして龍帝剣が包まれた布を外す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

は?( ゚д゚)?

 

其処には神々しく輝く剣かあるのだが......................。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サイズが爪楊枝並みに小さかった...。

 

ちっちぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!

 

龍騎「ちょっと待って!?これが龍帝剣なの!?こんな爪楊枝が!?品性を疑うんだけど!?」

 

シア「落ち着いて下さい。取り敢えず龍帝剣を持ってみて下さい」

 

そう言って俺は渋々爪楊枝サイズの龍帝剣を摘むように持った。にしてもちっちぇえ...。

 

龍騎「......」

 

シア「......」

 

龍騎「......」

 

シア「......」

 

龍騎「...ねぇ、うんともすんとも言わないんだけど?」

 

シア「つまりそう言う事です」

 

.........こいつふざけてんのか?

 

シア「龍帝剣が何も反応しない、それは龍騎様が持ってる力がゼロに等しいという事です」

 

.........つまり、どう言う事でござまいましょうか?

 

シア「龍帝剣は鬼神龍専用に作られた神器、既に人間として生きている龍騎様が龍帝剣を手にしても反応が無いのは龍騎様の力は無くなってしまっているという事です」

 

龍騎「...仮に持っていたらどうなるんだ?」

 

シア「龍帝剣か大きくなり、この箱に収まるようになります」

 

そんなギミックになっていたのか......。ん?ちょっと待って?

 

龍騎「ってかこれ何処から持ってきた?」

 

シア「陛下の部屋には隠し部屋がありまして、其処からお借りしました」

 

わーすげー度胸だ、流石のりゅーくんもビックリ。

 

龍騎「大丈夫なのそれ?良くバレなかったな......」

 

シア「問題ありません、この剣は陛下は使われませんので」

 

じゃあ何で取っといておいたんだよ......。そう思いながら龍帝剣を見つめる。この先不安でしかない.........。

 

シア「では始めましょう、先ずは座禅をして貰います。座禅には精神の安定や感情のコントロールに大きく関わっていき、ストレスが軽減されリラックスできます」

 

龍騎「座禅って、ただの座禅で良いのか?」

 

シア「はい、しかしそのままだと効果が無いので少し工夫します」

 

そう言ってシアは壺のようなものを取り出した。壺の蓋を開けるとピンク色の煙が上がる。

 

龍騎「それは?」

 

シア「時間経過で酸素濃度が薄く、重力が掛かる煙です。私の合図があるまで龍騎様は座禅を続けて下さい」

 

龍騎「分かった」

 

そう言って俺は地面に座って座禅を組む。そして目を瞑り神経を集中させる。座禅やった事ないけど大丈夫かな......。少し不安はあったがシアがツッコんで来ないのでやり方はあってるのだろう。

 

龍騎(......あれ、急に呼吸が苦しくなってきた...、それになんか重くなったような......)

 

僅かな時間が経過しただけでもう辛くなってきた。

 

龍騎(ちょ、これはマズイですよ!酸素が薄くて集中力が乱れる......!それに重力で身体が重くなってる所為か更に集中力が乱れる!こんなダブルパンチ聞いてないぞ!?)

 

それでも俺は座禅を組み続ける。辛くても押し殺すしか無いのだ......。

 

 

 

 

 

〜数時間後〜

 

シア「其処まで」

 

龍騎「」

 

シア「お疲れ様でした、龍騎様」

 

龍騎「......じ、じぬ...............」

 

遂にシアの合図で座禅から解放された俺、初見殺しってレベルじゃないって............。

 

シア「本日の訓練は此処までです。ゆっくりとお休み下さい」

 

龍騎「............ち、ちなみに何時間ぐらい経ってるの...?」

 

そう言うとシアは懐中時計を取り出して時刻を確認する。

 

シア「現在朝の四時四十七分、約二十時間近くです」

 

龍騎「に、二十時間...........、だって............?」

 

シア「戦闘派の鬼神龍でしたら最高で三日間継続出来ます」

 

龍騎「お前等神様じゃねぇ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜八雲邸〜

 

龍騎「畜生......、身体が動かないなんて......」

 

シア「大丈夫ですか?龍騎様?」

 

俺は今シアにおぶって貰ってる。理由は勿論座禅のし過ぎによって足が全然動かないからだ。本当に情けない.........。

 

龍騎「もしかして霊夢達も同じ内容の訓練を?」

 

シア「はい、龍騎様との違いはあの壺があるかないかです」

 

龍騎「成程、確かにあれを霊夢達がやったら途中ぶっ倒れるよな......。なら俺もそれにすれば良かったんじゃ?」

 

シア「龍騎様は鬼神龍です。幻想郷組と同じ訓練内容では全く身につきません」

 

何だよそれは拷問だ、偉い人に訴えてやる。

 

そう言っていると、皆んなが待っている部屋に着く。シアが襖を開けると

 

霊夢「」

 

魔理沙「」

 

紫「」

 

その他の幻想郷組「「「「「」」」」」

 

全員ダウンしていた.........。

 

龍騎「だ、大丈夫か?」

 

霊夢「.........むり」

 

魔理沙「あんなに長時間座禅だなんて信じられないぜ.........」

 

紫「座禅だなんて何年振りかしら............、もう動きたく無いわ.......」

 

龍騎「お、お疲れ様です.........」

 

ラナ「皆様、お風呂の準備が出来ております」

 

ラナが風呂の準備が出来たと報告にやって来た。皆んな動けなさそうだから先に入ろう。そう思った俺は風呂場に向かった。

 

 

 

 

 

霊夢「まさか鬼神龍の力を得るにはこんなに訓練が過酷だなんて......」

 

魔理沙「座禅なんてもうやりたくないぜ......」

 

早苗「いたた......、まだ痛みが取れない......」

 

レミリア「いやーー!!座禅キライーー!!大っ嫌い!!(泣)」

 

咲夜「お、お嬢様!?しっかりして下さい!」

 

妖夢「こんな長く座禅する事になるのは予想外でしたね......」

 

椛「これからそれ以上な事するんですよね?」

 

文「これは記事に出来るレベルじゃないですよ........」

 

紫「......でも、此処で諦めてしまったら全てが終わるわ。幻想郷も私達も」

 

加奈子「そうだな......」

 

霊夢(そうよ......、此処で諦めたら全てが終わる......)

 

魔理沙(此処で、くたばる訳にはいかない......)

 

咲夜(必ず、必ずこの訓練に乗り越えてみせる......!)

 

妖夢(幻想郷の為にも......!)

 

早苗(りゅーくんの為にも!)

 

椛(絶対に乗り越えてみせる......!)

 

文(もう二度と、あの日の事を繰り返さない為にも......)

 

紫(やるしか無いのよ、私達には選択肢は無い......)

 

全員が弱音を吐く中、紫の言葉に活気が戻る。

 

 

 

 

 

ギャアァァァァァァァァァ!!

 

 

 

「「「「「!?」」」」」

 

その直後、龍騎が悲鳴を上げ勢い良く襖が開かれた。

 

腰に小さいタオルを付けた状態で......。

 

 

年頃の女性方「「「「「キャアアアアアアアアアアアアアア!!」」」」」

 

 

御年輩の女性方(((((ウホッ、良い身体......)))))

 

当然、若い女性達は悲鳴を上げる。

 

龍騎「た、助けてくれ!シアが!?シアがぁ!?」

 

シア「龍騎様、まだ身体を洗ってないどころか湯船にも浸かってませんよ。早くお戻りを」⇦全裸(タオルなし)で片手にシャンプー所持

 

龍騎「ギャアァァァァ!!馬鹿寄るな!!俺の側に近寄るなぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

霊夢「りゅ、龍騎のエッチ!!///」

 

龍騎「ちょ、違うから!誤解だから!」

 

咲夜「ふ、不潔ですよ龍騎様!///」

 

龍騎「だから違うって!!」

 

妖夢「ち、近寄らないで下さい!///刀で斬りますよ!///」

 

龍騎「やめて!俺のA⭐︎I⭐︎BOを失ったら生きていけない!死者蘇生出来ないから!」

 

椛「と、取り敢えず服着て下さい!///目を瞑るので///」

 

龍騎「両手で目を隠しても指の間に覗き見してるから全然説得力無いぞ!?」

 

文「」カシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャ

 

龍騎「撮るんじゃねぇよクソ鴉!!この場でとり天にしてやろうか!?」

 

早苗「そ、そんなに溜まってるなら言ってくれれば私が...///」

 

龍騎「そう言って服を脱ごうとするな!!マジでやめて!?」

 

魔理沙「死ね童貞!」

 

龍騎「死ね!?一番傷ついたわ!ってかテメェも処女の癖に生意気言ってんじゃねぇよ!」

 

魔理沙「なっ!?お、お前良く恥ずかしい事言えるな!///」

 

龍騎「童貞って言い出したの何処のどいつだよ!?」

 

シア「?龍騎様、早くお風呂場へ......」

 

 

「「「「誰の所為でこうなってると思ってんだよ(のよ)!!」」」」」

 

 

 

 

 

それから龍騎は誤解を解いてみせたが、霊夢、咲夜、早苗、妖夢、椛は顔を真っ赤にさせながら固まってしまい、魔理沙に関しては何故かシアを睨みつけていた。そして、シアには『龍騎の背中流しの禁止令』が発令した事は言うまでも無い。こうして、鬼神龍対策訓練の初日を終えた龍騎達。

 

最後に龍騎の一言......。

 

 

龍騎「シアの裸を見た時、A⭐︎I⭐︎BOが反応してしまった.....」




いかがでしたか?

もうこう言ったネタが無い......、というか思いつかないから最終決戦行っても良いかな......、良いよね?

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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第七十三話 訓練のやり過ぎは身を滅ぼす

どうもです。

第七十三話です。

それではどうぞ。


 

地獄の訓練から約二ヶ月が経とうとしていた日、俺達は確実に強くなっていた。理由としては俺は勿論、霊夢や魔理沙達も神の力を感じ取れるようになってきたからだ。

 

主な訓練内容は、『神の力を習得、そのコントロールする事』そして『神の力と能力、スペルカードに適合する為の訓練』である。

 

たった二つの事しかやってないが簡単な事じゃない。神の力を得てもコントロール出来なければ意味は無いし、神の力を使ってのスペルカードを使用は身を滅ぼす可能性もある。なので皆んな時間を掛けて慎重に訓練を受けていた。

 

最初の頃とは皆んな弱音を吐く事は無くなり、逆に皆んな強くなってきてる事に自信がついたようだ。

 

それは勿論俺もだ。皆んなより少し遅れを取ったが今は皆んなと同じ所まで来ていた。のだが.........。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍騎「...................」

 

朝目覚めたら胸に見覚えのあるエベレストがあった。

 

 

ま た か (´・ω・)

 

 

もう驚かない俺は成長したって事で良いよね?

 

龍騎「はあぁ〜〜......(クソデカ溜め息)」

 

もうどうなってんの俺の能力......。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜八雲邸・大広間〜

 

龍騎「はあぁ〜〜......(二度のクソデカ溜め息)」

 

霊夢「溜め息吐いたってしょうがないでしょ?なっちゃったもんはなっちゃったんだから」

 

龍騎「他人事のように言ってるけどこの状態だと何も出来ないからね?能力は使えないし、魔力も使えない、デメリットだらけだよ」

 

溜め息が止まらない中、俺は皆んなと一緒に朝食を取っていた。今日どうするんだよ...、訓練は無理なのかな......。

 

早苗「でもりゅーくんの能力にそんな仕組みになっていたんだね。知らなかったよ」

 

龍騎「まぁ初めてなったのが月に行った時だからな」

 

永琳「原因は分かってるのかしら?」

 

龍騎「能力の過剰使用によるペナルティです、昨日は能力の訓練を受けていたので」

 

シア「本日も能力強化の訓練の予定ですが、そのお姿だと流石に無理がありそうですね」

 

紫「龍騎、今日の訓練は休みなさい。下手にやったら先延ばしして決戦に間に合わないかもしれないわ」

 

龍騎「そうさせていただきます......」

 

魔理沙「なんだよ、羨ましいなぁ」

 

龍騎「お前は今回の訓練で心も鍛え直せ」

 

何だと!?と怒る魔理沙を無視して白米を口に運ぶ。うん、やっぱ朝飯に米は最高だな、パン派だけど。

 

魔理沙「ちっ!だったらお前のその垂れ下がった胸を寄越せ!」

 

そう言って俺の胸を掴もうとする魔理沙、ちょ、馬鹿じゃないの!?

 

龍騎「上げられるものなら上げてぇよ、最初の頃は慌ててたけど慣れちゃうともう邪魔で邪魔で仕方ない。それに俺は男だからこんな気持ちは良く分からん」

 

魔理沙「............え?くれるの?」

 

おい何だよ最初の間は、一瞬迷ったろ。

 

魔理沙「...................ありがとう」

 

そう言って俺に肩を叩き、半泣きする魔理沙。いやありがとうってなんだよ!?マジで貰う気!?

 

 

 

「魔理沙ーー、居るなら返事してくれーー」

 

すると男性の声が聞こえた。声からすると......、霖之助さんか?

 

魔理沙「もう着いたのか?意外と早かったな」

 

龍騎「何を頼んだんだ?」

 

魔理沙「ああ、八卦炉を改造して貰ったんだぜ。今まで使ってた八卦炉じゃ多分保たないと思ってな」

 

龍騎「ふーん、良く考えたな」

 

魔理沙「お前の言う通り『二手三手先を読んだ』だけだぜ!」

 

魔理沙も成長してるんだな......、頭だけでなく胸までも成長してほしいものだ。

 

魔理沙「おい今失礼な事考えなかったか?」

 

龍騎「ソ、ソンナワケナイジャナイデスカヤダー」

 

何で分かるんだよ!?いつ読心術覚えたんだよ!?そんな事思ってたら大広間の襖が開かれ、霖之助さんが入ってきた。

 

霖之助「おや、食事中だったのか。お邪魔したね」

 

魔理沙「よう香霖!気にする事はないぜ!」

 

気にしろよがさつ、だから乙女のおの字も無いんだよ。そう心でツッコむと霖之助が魔理沙に渡したのは小さなおもちゃのような鉄砲だった。

 

霖之助「魔理沙専用に使った『八卦炉・神式』今までの八卦炉とは違って火力は勿論、耐久性もパワーアップしてるから神の力を使っても問題はないと思うよ」

 

龍騎「凄ぇ、霖之助さんが作ったんですよね?」

 

霖之助「まぁね、ところで君は誰?」

 

え?まさか気づいていないのか?

 

龍騎「俺ですよ、霧影龍騎です。能力の使い過ぎで今女になってるんです」

 

霖之助「」パリンッ(⇦眼鏡が割れる音)

 

ゑゑゑ!?何で眼鏡が割れたの!?どう言う仕組み!?

 

龍騎「ちょ、霖之助さん!?戻って来て!聞こえます!?」

 

霖之助「はっ!ごめんごめん、少しショックを受けていたよ......」

 

ショック受けただけで眼鏡が割れる事ってある!?ってかそんな奴居る!?居ねぇよな!?また眼鏡潰すぞ!(マ◯キー風)

 

龍騎「あ、だったら俺にも何か射撃用の武器作って下さいよ」

 

霖之助「え?」

 

霊夢「いや何で?」

 

龍騎「もしこの状態がまだ続いたら戦力外だからな、剣や能力を使わなくても戦えるようにしたいからな」

 

最悪だが、この状態が続いたらマジで戦力外だ。幾ら鬼神龍な俺でも足を引っ張る事は間違い。弾幕もまともに打てなくても拳銃とかだったら何とかなるかもしれない。

 

龍騎「という訳で霖之助さん、お願いできます?」

 

霖之助「.........」

 

龍騎「.........霖之助さん?」

 

霖之助「え?あ、な、何の話しかな?」

 

何だ話し聞いてないだけか、俺はむぅ、と口を尖らせて再度問い掛ける。

 

龍騎「俺用の射撃武器、作ってくれるかなー?」

 

霖之助「い、いいともー!」

 

何だろ......、なんかぎごちないような気がする。ってかさっきから俺の事目を逸らしまくってるけどまだ慣れていないのか?......それともネタが古いからか?

 

魔理沙「.....おい香霖」

 

霖之助「っ!?」

 

何かに勘付いたのか魔理沙は霖之助の肩を掴む。

 

魔理沙「まさかとは思うが......、今の龍騎の姿に......」

 

霖之助「な、何を言っているんだ君は!?何か勘違いしてないか!?僕が今の龍騎くんの姿に驚きを隠せてないだけであって決して魔理沙が思ってる事じゃ無いから!」

 

魔理沙「どの口が言うんだよ!龍騎が女になった瞬間眼鏡を割りやがって!胸か!?お前も胸がデカい方が良いのか!?」

 

霖之助「眼鏡が割れたのは僕の所為じゃない!それにそういうのは男にとってロマンだ!そうだろ龍騎くん!」

 

何俺まで巻き添えさせようとしてるんだこの人は......。

 

龍騎「正直、胸が大きかろうが小さかろうがどっちでも良いです。ぶっちゃけ興味ないんで」

 

霖之助「あれ!?君も年頃だからそういうのは意識しないのかい!?」

 

龍騎「何言ってんのこの人!?ってかさっきから変ですよ霖之助さん!」

 

今日に限って様子がおかしい霖之助さん。薬でもやっちまったか?その時魔理沙がやれやれと言わんばかりの溜め息を吐く。

 

魔理沙「香霖はな、女になった龍騎に.......」

 

霖之助「駄目だ魔理沙!これ以上は言っちゃ......!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

魔理沙「一目惚れしたんだとよ」

 

霖之助「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!

 

 

龍騎「え?」

 

ごめん、先に霖之助さんが発狂した所為で全然聞き取れなかった......。多分俺以外の人も聞き取れてないと思うよ......。

 

魔理沙「けっ!お前がそんな奴だったとはな......、見損なったぜ」

 

霖之助「誤解だ!断じて違う!そもそもこういう事になったのは魔理沙じゃないか!」

 

魔理沙「私の所為にするな変態眼鏡!」

 

何か二人だけの空間になってる所為か何が何だか全く分からん......。それと霖之助さん、顔を隠しながらえびぞりになったりよく分からない動きしないでくれます?はっきり言ってキモいです」

 

霖之助「」ビクッ

 

何か急に動きが止まったぞ?どうした?ぎっくり腰か?

 

龍騎「......えぇーと、霖之助さん?」

 

霖之助「......頼む、今は僕の事は見ないでくれ」

 

駄目だこりゃ、ガキンチョみたいにいじけちゃってるよ。

 

龍騎「......こ、この騒動が終わったら外の世界へ行きません?『秋葉原』って街に今の俺みたいな格好をした人がうじゃうじゃ居ると思うんで」

 

俺は精一杯のフォローを微笑みながら言う。俺が出来る事は多分このぐらいだろう。

 

霖之助「いや、そう言う事じゃないんだ」

 

龍騎「え?」

 

「「「「「は?」」」」」

 

霖之助「あ」

 

んんー?気のせいなら良いんだけど...、今爆弾発言しなかった?

 

霖之助「...................................................................ちょっと来世でやり直してくるよ」

 

そう言って霖之助さんは襖を開けて物凄いスピードで逃げ出した。

 

 

魔理沙「おい待てやクソメガネ!さっきの言葉の真意を言ってから来世に逝けや!

 

魔理沙が怒鳴り散らかすと、霖之助さんを追い掛ける。全く状況が読めない俺はただただ二人の姿が消えるのを見届けるしかなかった......。

 

 

 

 

 

 

 

〜地下・地霊殿〜

 

一方、地霊殿では黒騎が屋上で壁に寄り掛かりながら目を瞑っていた。

 

黒騎「.........」

 

小町「お前さんは地上に行かなくても良いのかい?」

 

黒騎「......何しに来た」

 

小町「地底・天界以外の奴等は皆んな鬼神龍の訓練を受けているみたいだけど、あんたは受けなくて良いのかい?」

 

黒騎「...必要ない。お前はどうなんだ?」

 

小町「あたいは自分の仕事があるからね、四季様も同じさ」

 

黒騎「.........」

 

さとり「黒騎さん、お茶は入りましたよ」

 

話しの途中でさとりがやって来る。

 

小町「おいおい、もう少しで決戦だってのに呑気だねぇ」

 

さとり「こういう時だからこそ、落ち着く必要があるのです。焦ってしまったらかえって命取り、だそうですよ」

 

小町「......誰に教えて貰ったんだい?」

 

さとり「本に書いてあった事を言っただけですよ。どうですか?貴女もご一緒に」

 

小町「......ちょっとだけなら」

 

黒騎「..........」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紫『......という訳なの。貴方も訓練受けてみない?』

 

黒騎『......誘って貰った事には感謝する、だか遠慮させて貰おう』

 

紫『!?』

 

黒騎『確かに鬼神龍に対抗するにはそれしか方法は無いだろう、俺も受けて損は無い筈だ』

 

紫『......何が言いたいの?』

 

黒騎『正直、興味がない。神の力を得ようが鬼神龍が強かろうがどうでも良い、俺はただ、俺を信じてくれる者の為に剣を振るうだけだ。それ以外の目的の為に動くつもりは無い』

 

紫『......なら、訓練は受けないって事で良いのね?』

 

黒騎『ああ』

 

紫『......でも、戦争には協力してくれるのよね?』

 

黒騎『俺の目的を果たす為だ、目の前に敵が立ちはだかるなら......、叩き斬るまでだ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

黒騎(俺の選択した答えに、後悔はない......。俺はただ目的を果たすまでだ......)

 

さとり「......?黒騎さん?」

 

黒騎「......直ぐに向かう」

 

さとりが心配して黒騎に声を掛けると、黒騎もさとりの後に着いて行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜八雲邸・風呂場〜

 

龍騎「あ、あのー皆さん?これは一体どう言う事でしょうか?」

 

霊夢「何って、背中流してるだけよ?」

 

龍騎「いやそれは分かるんだよ?分かるんだけさ......」

 

早苗「もしかしてこういうのは嫌?」

 

龍騎「いや嫌いじゃないんだよ?寧ろ嬉しいんだよ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でも皆んなと一緒に入る必要はあるの?

 

俺は今、現在進行形で皆んなと大浴場に居ます......。理由としてはまたシアに背中流しを防ぐ為に一層の事皆んなで入れば何も怖くない!的な感じになってしまった。もう訳ワカメ.....。

 

紫「大丈夫よ♪別に悪戯する訳じゃないんだから♪」

 

え?悪戯する前提だったって事?流石に貞操の危機を感じるよ?

 

妖夢「痒い所はありませんか?」

 

咲夜「もしあったら直ぐに言ってください」

 

龍騎「大丈夫だよ、だからもう此処から出して?」

 

椛「ダメです♪」

 

現在目隠しをされながら風呂場でよくわからないプレイをされている俺氏。決してR-18の事では無いのでご安心を。出来れば早く元に戻りたいものだ.........。

 

 

......ってか決戦まで一週間も切ってるのにこんなんで大丈夫か?

 

決戦まであと...、3日。




いかがでしたか?

最後の決戦まであと3日と書いてありますが、ネタが無いので次回最終決戦です!

次回は最終決戦です!大事な事なので二回言いました!

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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第七十四話 勃発、鬼神龍大戦

どうもです。

今日に限って本日二本目です。

今回から戦争です。

それでは一発目どうぞ。


 

紫「......遂に、この時が来たわね」

 

龍騎「........」

 

霊夢「........」

 

魔理沙「.........」

 

咲夜「.........」

 

早苗「.........」

 

妖夢「.........」

 

椛「.........」

 

「「「「「............」」」」」

 

八雲邸の庭で俺達は紫さんの作戦を聞いていた。

 

遂に来てしまった......、鬼神龍との決戦が......。

 

ちなみにこの場に居ない地下、天界の住民達は紫さんのスキマ利用して声が聞こえるようになっている。まぁ糸電話的なやつだ。ちなみに非戦闘派の鬼神龍達は人里の住民達を避難させている。勿論、俺が演説したロンドンの街並みみたいな所にだ。

 

紫「作戦を説明するわ。まず奴等は......、戦闘派の鬼神龍は三ヶ月前に来た要塞のような物が空から現れるわ。恐らく其処から地上に向かってくるでしょう...。奴等の目的はあくまでも地上、地下や天界、冥界なんてオマケ程度でしょうね。なので地上を強く固める事にするわ、それに非戦闘派の鬼神龍全員が此方に付いているから戦闘派の鬼神龍の数も少なくなっている筈よ。でも気をつけてほしいのは戦闘派の鬼神龍には、龍騎と戦った実力者が居るって事よ」

 

龍騎「っ!それは本当ですか?」

 

紫「えぇ、鬼神龍は戦闘能力に恵まれてるとはいえ、全員がそういう訳じゃないのよ。中でも、龍騎と戦った鬼神龍と同じ実力者があと三人居るのよ」

 

霊夢「.........」

 

紫さんの言葉に霊夢の方を向くと、歯をくいしばるように唇を強く噛み、握り拳を作っていた。

 

龍騎「.........落ち着け、此処で怒っても意味がない」ボソッ

 

霊夢「分かってるわ......」ボソッ

 

黒騎「......ならその実力者の数はあと三人だ」

 

 

「「「「「え?」」」」」

 

 

黒騎が地底からスキマを使って、謎の言葉を言うと全員が固まってしまった。

 

紫「ど、どういう事?」

 

黒騎「その言葉通りだ、あの鬼神龍は俺が仕留めた」

 

龍騎「何!?」

 

魔理沙「ど、どうやって!?証拠はあるのかよ!?」

 

黒騎「証拠ならある。八雲紫、此方へ来い」

 

そう言って紫さんは地底に繋いでるスキマに顔を覗かせると、『なっ!?』と驚いた声をして元の位置へ戻った。

 

紫「......今地底に顔を出したら......、龍騎と戦った鬼神龍の死体を確認したわ」

 

 

「「「「「え!?」」」」」

 

 

奴の死体を......!?本当なのか!?じゃあ月に長く滞在してたのはあの鬼神龍を倒せる程の力を身に付ける為!?

 

龍騎「......黒騎、地下から地上に着くのにどれぐらい掛かる?」

 

黒騎「......邪魔が無ければ、十分も掛かるか掛からないぐらいだな」

 

龍騎「.......もし地下から奴等が攻めてきたとして、倒したら直ぐに地上へ来てくれ」

 

黒騎「.........何故だ」

 

龍騎「恐らく奴等の親玉はラ◯ュ◯もどきの中に居る筈だ。多分自分から出てくるとは思えない」

 

黒騎「......そういう事か。了解した」

 

よし、多分黒騎が来てくれれば地上は何とかなりそうだ。問題は天界だ、あそこには天人達が居ても依神姉妹と直子さんが居る......。

 

 

 

 

〜数分前〜

 

龍騎『お前達は天界に行って、直子さんを守ってやってくれ』

 

紫苑『それは良いんだけど...、何で天界?』

 

龍騎『地上、地下、天界のうち、天界が一番狙われづらい所だからだ。地上がメインに攻めて来るけど、天界も攻めて来ないとは限らない。冥界も入り口を閉じちまったからもう行っても入れないしな、それに鬼神龍の攻撃はもしかしたら直子さんに効くかもしれない』

 

女苑『どういう事!?』

 

龍騎『奴等はそれぞれ戦い方が違うと思うから、元は幽霊である直子さんを簡単に消す事も出来ると思うんだ』

 

直子『なっ!?』

 

女苑『そんな!?』

 

紫苑『嫌だよそんなの!!』

 

龍騎『俺も助けてやりたいけど、俺は地上に残る。だからお前達が直子さんを守るんだ』

 

依神姉妹『『......』』

 

直子『ごめんなさい、私が不甲斐ないばかりに皆さんに迷惑を...』

 

龍騎『そんな迷惑だなんて......』

 

紫苑『分かった......』

 

女苑『姉さん?』

 

紫苑『直子は私達が守る......、その代わり、龍騎も帰って来て。そして皆んなでまた家でご飯食べよ?』

 

龍騎『......ああ、約束しよう。皆んなであの家に帰ろう』

 

 

 

 

 

〜現在〜

 

もう紫苑達は天界に向かった.....。後は天界に来ないか、少人数で来るかに願うしかない......。

 

紫「......話しを戻すわね。恐らく鬼神龍はあの要塞から地上に向かってくる。でも地上では迎え打たず、先手を取るわ。その為には魔理沙、貴女の出番よ」

 

魔理沙「お?早速か?」

 

紫「えぇ、貴女のマスタースパークで降りて来る鬼神龍を狙うのよ」

 

魔理沙「合点承知だぜ!」

 

龍騎「........魔理沙、それなんだが............」

 

魔理沙「.........................オッケーだ!任せておけ!」

 

幽香「なら私も参加するわ」

 

龍騎「幽香さん?」

 

魔理沙にある事を教えると、後ろから幽花さんが声を掛けてきた。

 

幽香「なんだがとても面白そうな事しようとしてるわね、魔理沙だけ楽しもうなんて酷いじゃない」

 

魔理沙「ふん、分けてやる程お人好しじゃないぜ」

 

幽香「欲張りねぇ......」

 

龍騎「そう言うなよ。幽香さん、お願い出来ますか?少しでも魔理沙の負担は掛けたくないので」

 

幽香「良いわ、その話し乗ったわ」

 

魔理沙「ってか大丈夫なのかよ、幽香の奴訓練受けてないんだろ?」

 

そう、幽香さんは訓練に受けていないのだ。幽香さん以外にも受けていない人達も居るが、余程の自信があるんだろう。

 

紫「決まりね、そして次は地上、地下、天界の防衛。これがメインね、私達はあくまで幻想郷を守る事が優先第一よ。決して鬼神龍を全滅しろだなんて無理だわ」

 

霊夢「だから守りながら隙をついて、あの要塞の中に居る黒幕を倒す、って事ね」

 

龍騎「......それに関しては俺と黒騎でやらせてくれ」

 

紫「なっ......」

 

 

「「「「「は!?」」」」」

 

 

黒騎「.........」

 

俺の言葉に皆んなが目を見開いた。

 

龍騎「皆んなの言いたい事は良く分かる。でもこれだけは譲れない、これは俺達鬼神龍の問題だ。自分の種族のけじめは、自分達でつけさせて貰う」

 

黒騎「.........俺からは特に言う事はない」

 

霊夢「で、でも二人だけじゃ危険よ!私も行くわ!」

 

咲夜「龍騎様!私もご一緒に行きます!」

 

妖夢「私も行きます!」

 

早苗「りゅーくん!私も行くよ!」

 

椛「私もお供します!」

 

皆んなが俺に着いて行くと言ってるが、俺は首を横に振るう。

 

龍騎「......気持ちは嬉しいけど、これはけじめをつける為でもあって落とし前を付ける為でもあるんだ。それに相手は腐ってても俺の親だ、親子水入らず、決着を着けたい」

 

霊夢「.........」

 

咲夜「.........」

 

妖夢「.........」

 

早苗「.........」

 

椛「........」

 

魔理沙「..........」

 

「「「「「............」」」」」

 

紫「.........................分かったわ、親玉は二人に任せるわ」

 

龍騎「!」

 

「「「「「!?」」」」」

 

紫「ただし、これだけは約束して......................」

 

龍騎「.........」

 

黒騎「.........」

 

紫「必ず五体満足で帰ってくる事、良いわね?」

 

紫さんは涙目になって俺に伝えて来た。

 

龍騎「.........分かりました」

 

紫「黒騎、貴方もよ」

 

黒騎「......善処する」

 

 

 

 

 

 

 

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド

 

 

 

「「「「「!?」」」」」

 

突然、大きな地震が起きた。

 

紫「来た......!」

 

龍騎「魔理沙!」

 

魔理沙「おうよ!」

 

幽香「さぁて、久しぶりに暴れるわよ......!」

 

そう言って魔理沙と幽花さんは飛び出して言った。俺も後に続いて外に出ると、空からあの時と同じラ◯ュ◯もどきがやって来た。

 

龍騎「あそこに......、あそこに黒幕が.........!」

 

俺がラ◯ュ◯もどきを睨みつけると、空には魔理沙と幽花さんがラ◯ュ◯もどきに向かって空を飛んでいる。するとラ◯ュ◯もどきから何かが飛んで来た。もしかしたら戦闘派の鬼神龍が地上に向かって降りて来たのだろう。

 

魔理沙「行くぞ!幽香!」

 

幽香「こっちは準備OKよ!」

 

そう言って二人はラ◯ュ◯もどきの真下に向かうと、お互いの背中を付けて魔理沙は八卦炉神式、幽花さんは傘を突き付ける。

 

魔理沙「神気解放、恋符『神・マスタースパーク』」

 

幽香「元祖『マスタースパーク』」

 

互いがマスタースパークを発射すると、二人は時計周りに旋回する。すると地上に向かって降りて来た鬼神龍に直撃する。

 

ただ、一人だけ森へ辿り着いてしまった。

 

龍騎「.........」

 

シア「龍騎様、人里の住民の避難が完了しました」

 

龍騎「......シア、これからお前が鬼神龍の指揮をとれ。なるべく地上と地下、天界にバランス良く分けて防衛に当たるよう指示してくれ」

 

シア「畏まりました」

 

龍騎「それと......、ザラの事だけど、本当に良いんだな?」

 

シア「......構いません」

 

龍騎「......そうか」

 

そう言って俺はこれ以上言う事無く、森へと向かった。

 

 

 

 

 

魔理沙「よっしゃ!上手くいったぜ!」

 

幽香「にしても数が少なかったわね......、もしかしたら地下と天界にも向かわせたのかしら?」

 

魔理沙「まっ、私達はあくまでこの地上の防衛だからな。他の所は其処の奴等に任せようぜ」

 

幽香「そうね、さてと.........」

 

幽香が空を見上げると、先程とは倍の数の鬼神龍が降りて来た。

 

魔理沙「おっ始めるか!」

 

幽香「簡単には死なないでね、神様?」

 

 

 

 

 

 

 

〜魔法の森〜

 

ザラ「.........来たか」

 

龍騎「...............」

 

ザラ「約束、覚えていたんだな」

 

龍騎「............男同士の約束とは、少し違うけどな」

 

ザラ「なら良い.........」

 

そう言ってザラは手に持っていた西洋刀を鞘から引き抜き、俺も背中から愛剣を引き抜く。

 

ザラ「.........もう一度言う、勝てるもんならやってみせろよ!王子様よ!」

 

龍騎「俺は......、俺は死なない!どんな事があっても、守りたい世界があるんだ!!」

 

こうして俺とザラ、鬼神龍同士の一騎打ちが始まった...。




いかがでしたか?

さぁ始まってしまった鬼神龍との戦い、果たしてどうなるのか。

なんか無理矢理戦争っぽい雰囲気を出してますが、これから戦争らしくするのでよろしくお願いします。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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第七十五話 一騎打ち

どうもです。

第七十五話です。

それではどうぞ。


 

〜ラ◯ュ◯もどき〜

 

ジャック「......奴等、二十年前より力を付けたな」

 

マリーン「いかがなさいますか?陛下」

 

ジャック「仕方あるまい......、民の者も送らせよ」

 

マリーン「.........陛下、その事なのですが......」

 

ジャック「.................ふん、そういう事か」

 

マリーン「............(本当にやってくれましたね......、さて、どうなる事やら...)」

 

ジャック「いや、良い頃合いかもしれんな......」

 

マリーン「と、言いますと?」

 

ジャック「........反対派の奴等も皆殺しにしろ」

 

マリーン「なっ!?(ほ、本気で言ってるのですか!?)」

 

ジャック「弱者など要らん、全ては強者が支配するのだ」

 

マリーン(これは大変な事になりましたね......、本当にどうなるか予想がつかなくなりましたよ)

 

 

 

 

 

ザラ「オラァ!」

 

龍騎「はあぁ!」

 

龍騎とザラは手に持っている剣をぶつけ合う。金属が交わる衝撃音が響き、火花が飛び散り、時間が伸びていくと互いの攻撃速度が加速し、金属音と火花が更に増していき、鍔迫り合いになるとお互いの顔に睨みつける。

 

ザラ「...何故能力を使わない?」

 

龍騎「偶には小細工無しの決闘も良いと思ってな...」

 

ザラ「......ふっ、それが命取りにならなければ良いけどな!」

 

そう言ってザラが斬り掛かる。龍騎も地面を蹴って飛び込むと再び互いの剣が交じり合い。

 

ザラ「......お前達は正しいのか?」

 

龍騎「何......?」

 

ザラ「お前達は正しいのかと聞いている!」

 

龍騎「!?」

 

ザラは強い言葉と同時に龍騎を振り払う。その反動により龍騎は後退する。

 

龍騎「お前の言う『正しい』って何だよ!」

 

ザラ「俺は、犠牲の上に成り立つ平和が、本当に正しいか確かめたいだけだ!」

 

龍騎「犠牲の上に成り立つ平和?」

 

ザラ「鬼神龍は戦い続けなければならない一族だ、例え寿命を迎えても、生まれ変わってもこの運命からは避けられない!」

 

龍騎「!?(寿命を迎える!?鬼神龍は不老不死じゃないのか!?)」

 

龍騎は知られざる鬼神龍について驚愕すると、ザラが再び龍騎に剣を下ろし、龍騎はザラの攻撃を受け止める。

 

龍騎「戦い続ける運命なんて出鱈目だ!こんなの言い訳に過ぎない事にお前だって気づいてる筈だ!」

 

ザラ「なら俺達は要らないのか!?戦う為に生まれてきた俺達は切り捨てられるのかよ!?」

 

ザラは剣に重りを乗せて、龍騎を苦しめる。

 

龍騎「鬼神龍は、ただ戦う為に生まれてきた訳じゃ無いはずだ!だったら戦い以外の事も考えてみろ!」

 

そう言って龍騎はザラに足蹴りを食らわせると、ザラは後ろへ後退する。

 

ザラ「俺は、戦士として扱われた戦闘派の代弁者だ。俺は俺以外を含む鬼神龍、全てのために戦っている。俺とお前はこうして戦っている。戦っている時こそ、お前も俺も充実しているのではないのか!?俺とお前は同類だ。戦場でしか、己の存在意義を見出すことが出来ないんだ!」

 

龍騎「違う!!俺は......、俺は人間だ!!」

 

ザラの言葉に龍騎は強く言うと、ザラに向かって剣を振り、ザラは剣で龍騎の攻撃を受け止める。

 

ザラ「俺はお前を認めない、戦いしか取り柄しか無い鬼神龍に武器を捨てるのは間違っている!」

 

龍騎「じゃあクソ親父の言いなりになるのかよ!」

 

ザラ「それが戦う者の魂のよりどころとなる!」

 

ザラが龍騎の剣を弾き、回し蹴りをすると、龍騎は吹っ飛ばされる。

 

龍騎「そんなの間違ってる........、それじゃあ悲しく惨めな歴史の繰り返しだ。ここで流れを食い止めなければ、また俺たちと同じような存在が現れ、新たに悲劇という名の歴史がいつまでも続く......」

 

ザラ「っ!」

 

ザラは龍騎の言葉を聞いて動きが止まる。

 

龍騎「なぁ、お前達はあと何回命を奪うんだ?」

 

ザラ「!」

 

龍騎「お前達は.....、俺達鬼神龍はあと何回、命を奪ったり悲鳴を聞かなきゃいけないんだ?俺は命を奪った事は無いから分からない......、教えてくれザラ!」

 

ザラ「っ!」

 

ザラは龍騎の言葉に迷いが生じた。ザラも数々の世界で命を奪い、何度も悲鳴や嘆き声を聞いてきた。それが本当に正しい事なのかどうか、本人だって分かってる筈だ。

 

ザラ「なら、ならどうしろって言うんだ!俺だって家族が居る、両親だってまだ生きてる!子供だってまだ幼い!非戦闘派の家庭を守るには戦うしかないんだよ!」

 

龍騎「...っ!?」

 

ザラは叫びながら龍騎に剣を突き刺す。龍騎は少量だが血を吐くが必死に耐える。

 

龍騎「この......、分からず屋あぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

ザラ「ごふっ!?」

 

龍騎は剣を手から離して拳を作り、ザラに向かって殴りつけた。そのままザラは倒れてしまい、龍騎は貫かれた剣を抜いて落とした。

 

龍騎「お前が信じて戦ってるのは何だ!帰りを待つ家族の為か!?出鱈目な掟の為か!?クソ親父の為か!?」

 

ザラ「!?」

 

龍騎「守る為に殺して、殺したからそれで終わり、それで本当に最後は平和になるのかよ!?」

 

ザラ「っ!黙れぇ!!」

 

龍騎「ぐはっ!」

 

ザラが立ち上がり龍騎の顔面に殴りつける。

 

ザラ「其処までお前が正しいって言うのなら俺に勝って見せろ!」

 

ザラが剣を持って龍騎に襲い掛かる。そして龍騎も剣を拾う。

 

ザラ「でやあぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

龍騎「この.........、馬鹿野郎ぉぉぉぉぉ!」

 

ザラが斬り掛かる時、龍騎は身体を小さくして時計回りに回転し、剣をザラの首を目掛けて振る。

 

ザラ「!?」

 

龍騎「...............」

 

ザラは咄嗟に目を瞑ってしまった。龍騎に斬られる時に見せた眼が恐ろしかった事、そして死を覚悟したからだ。

 

しかし、ザラは目を開けると手に持っていた剣だけが折れており、肝心の首は無事だったのだ。

 

ザラ「............」

 

龍騎「............」

 

ザラ「殺せ......」

 

龍騎「.....無益な殺傷はしない、する気もない」

 

ザラ「.........何故だ、何故見逃す!?此処で殺さなければまた殺しに来るぞ!?」

 

龍騎「......その時が来たら、また強くなって戦うだけだ」

 

ザラ「!?」

 

龍騎「俺は、生きる。生きて仲間と明日を掴む。それが、俺の戦いだ。お前も......、生きる為に、戦え」

 

ザラ「なっ......」

 

龍騎「俺達は......、皆んなの未来の為に戦うんだ」

 

そう言って龍騎は剣を鞘に収めてこの場を去った。ザラは膝をつくと、握り拳を作り地面に叩きつけた。

 

ザラ「くそっ!」

 

ザラの目には大粒の涙が流れていた。

 

ザラ「......次こそは、次こそは...!お前を討つ!」

 

 

 

 

 

龍騎「いっつ......、流石に貫かれるといてぇや」

 

俺はザラを置いて暫く歩くと、回復魔法で傷を癒していた。幾ら鍛えたからって貫かれたら痛いもんは痛い。何であの時生きてたのが不思議だ.....。

 

龍騎「えっと......、取り敢えず人里に行こう...」

 

俺はまだ痛みが取れてない身体に鞭を打つ。此処で休んでる場合じゃない。少しずつだが人里に向かって歩き出す。

 

 

?「失礼......」

 

龍騎「!?」

 

いきなり背後から男の声が聞こえた。俺は振り返るとロープを纏った男が立っていた。全然気がつかなった......。ん?こいつ何処かで.........。

 

?「お久しぶりでございます、殿下」

 

龍騎「......っ!お前は!?」

 

思い出した...!こいつは確か雨の日に紅魔館にやって来た奴だ!

 

?「安心して下さい、私は敵ではありませんよ。私はマリーンと申します」

 

龍騎「.........何しにきた」

 

マリーン「実は、貴方方に朗報があるのでお伝えしに参上しました」

 

龍騎「朗報......?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マリーン「陛下は幻想郷の民だけで無く、非戦闘派の鬼神龍を全滅させようとしています」

 

龍騎「っ!!」

 

マリーン「そして現在、人間の里で戦闘が行われています」

 

龍騎「なっ!?」

 

な、何だと......!?非戦闘派の全滅!?何考えてんだあの野郎!!

 

マリーン「早く向かわなかければ、大変な事になりますよ?」

 

龍騎「っ!!」

 

俺はマリーンの言葉を聞いて直ぐに人里に向かって走り出した。

 

龍騎(頼む.....、何も起きないでくれ!)

 

 

 

 

マリーン(ふふっ......、さて、どうなる事やら.........)

 

 

 

 

〜人里〜

 

龍騎「はぁ......、はぁ......」

 

俺は息を切らしながら走り続ける。あそこには霊夢達や非戦闘派の鬼神龍が居る筈だ。

 

あのマリーンという男の事も気になるが、今は人里だ。俺は皆んなが無事である事を祈りながらひたすら走る。

 

しかし、俺が目にした光景は言葉に出来なかった....。

 

 

龍騎「.........なんだよ...、これ......」

 

人里に着くと、建物は全て破壊されては炎が燃えていた。そして地面には赤い液体が広がっていた。

 

ま、まさか......、

 

鬼神龍「お、ようやくお出ましか。待ちくたびれたぜ」

 

一人の鬼神龍が振り向くと、手には非戦闘派の鬼神龍の一人の死体を手に持っていた......。




いかがでしたか?

何か短い感じはしますが、今回は二人の決闘がメインなので今回は此処までです。

何か戦争っぽくないな.....、どうしたら良いんだろ......。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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第七十六話 黒騎、怒る

どうもです。

第七十六話です。

戦闘シーンがめちゃくちゃ(適当な意味で)なので念の為ご注意を。

それではどうぞ。


 

〜地下・旧都〜

 

勇儀「で、その鬼神龍はいつ来るんだい?」

 

萃香「紫によると、もう地上は来てるらしいよ」

 

ヤマメ「あら〜、もう始まってるのね」

 

我鬼「......姐さん、奴等は正面から来るんでしょうか?」

 

勇儀「どうだろうね...、まぁ正面から来てくれれば百点満点だけどね」

 

パルスィ「その採点基準はどうなってるの、妬ましい........」

 

ヤマメ「パルスィは平常運転だね、何か安心したよ」

 

パルスィ「意味が分からないわよ......」

 

キスメ「(b`・ω・´)=o」ヤッタルデ!

 

萃香「おー、珍しくキスメがやる気だね。気合い入ってるよ」

 

地下では勇儀を始めとする鬼、妖怪達が旧都に待機していた。そして、

 

 

 

 

 

 

 

 

ドカーーーーーーン!

 

 

 

「「「「!?」」」」」

 

 

鬼神龍が天井からやって来た.....。

 

勇儀「まさか天井から来るなんてね、これは減点対象だね」

 

パルスィ「だからその採点基準はどうなってんのよ......」

 

キスメ「((((;゚Д゚)))))))」ガクガクガク

 

萃香「おーい震えてるぞー?さっきの気合いは何処いった?」

 

ヤマメ「やっぱり怖いよねー」

 

黒騎「........」

 

我鬼「.....やけに落ち着いてるじゃねぇか」

 

黒騎「攻めて来るのは分かりきってる事だ、焦る事は無い」

 

勇儀達の後ろに黒騎が冷静な表情で言う。黒騎の言う通り、今更焦っていても戦闘は避けられない。

 

お燐「にしても.......、思ってたより数は少ないね」

 

さとり「非戦闘派が抜けた事で戦闘派の鬼神龍も数が少なくなったのでしょう」

 

お空「さとり様?私達特訓受けてないけど大丈夫なんですか?」

 

さとり「えぇ、私達が束になっても勝てないのは至極当然。出来る限り時間を稼ぐんです、龍騎さん達が親玉を倒すまで」

 

こいし「......ねぇ黒騎お兄さん、いつ地上へ向かうの?」

 

黒騎「......其処までだ」

 

黒騎は黙ったまま鬼神龍達を見つめながら一歩、二歩と歩き出す。

 

黒騎「お前達は後方支援を頼む、後は俺が何とかする」

 

さとり「黒騎さん......」

 

黒騎「......」

 

さとりが引き止めると、黒騎は歩くのを止める。

 

さとり「.........ご無事で」

 

黒騎「.........ああ」

 

我鬼(......おい、この展開は結構不味いのでは...?)

 

二人のやり取りを見た我鬼は少々不安になり始めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鬼神龍(子分A)「親分、あの一角鬼には気をつけてくだせぇ!他の連中とは格が違いまっせぇ!」

 

鬼神龍(親分)「ふーん、そいつは面白いじゃねぇか」

 

リーダーらしき鬼神龍の親分は子分にそう言われると、ポキポキと首の骨を鳴らす。

 

鬼神龍(子分B)「親分、あの奥の男も危険っすよ!なんでも親分と同じ四銃士の一人を真っ二つにしたって事でっせぇ!」

 

鬼神龍(親分)「真っ二つ...、ねぇ......。面白ぇ!俺があの二人をやる、お前等は他の奴等を好きにしろ!」

 

鬼神龍(子分C)「親分!あの桶に入ってる幼女狙って良いっすか?」

 

鬼神龍(子分A)「お前は相変わらずだなw、まぁ良いんじゃねぇか?なら俺はあの金髪嬢ちゃん二人貰うぜ」

 

鬼神龍(子分C)「Foo〜!やる気が出るってもんよ!」

 

鬼神龍(子分B)「おまっ、ずりぃぞ!!なら俺はもう片方の鬼を貰う!」

 

鬼神龍(子分D)「なら俺は奥の鳥娘だ!」

 

鬼神龍(子分E)「俺は奥の紫髪の幼女だ!」

 

 

 

 

 

「「「「!?」」」」

 

勇儀「?どうした?」

 

パルスィ「いや、何か寒気が......」

 

ヤマメ「私も......」

 

キスメ「((((;゚Д゚)))))))」ガクガクガクガクガクガクガクガクガク

 

黒騎「...........」チラッ

 

さとり「」ガクガクガク

 

黒騎「..............................どうやら狙われているようだな」

 

勇儀「で、どうする?」

 

黒騎「さぁな、だが.....、敵である事には変わりは無い」

 

勇儀「あんたらしい......、でもその考えは嫌いじゃないね!」

 

鬼神龍(親分)「お前等、やっちまえ!」

 

「「「「「よっしゃあああああああ!!」」」」」

 

萃香「来るよ!」

 

鬼神龍達が攻めて来ると同時に黒騎達も戦闘態勢に入る。すると鬼神龍(親分)が黒騎と勇儀にラリアットを食らわせる。

 

黒騎「なっ!?」

 

勇儀「ぐっ!?」

 

鬼神龍(親分)「お前等の相手は俺だぜ?」

 

黒騎「ちっ!」

 

黒騎は刀を引き抜き、ラリアットから解放させる。勇儀も鬼神龍(親分)の胸倉を掴み、背負い投げをお見舞いする。

 

鬼神龍(親分)「へっ、そう来なくっちゃな!」

 

黒騎「......此処を任せたい、頼めるか?」

 

勇儀「何だい?譲ってくれるのかい?」

 

黒騎「どう解釈するかはお前次第だ」

 

勇儀「なら譲ってくれたって事で、早く行きな!」

 

鬼神龍(親分)「おっと逃げられるとでも!」

 

勇儀に鬼神龍(親分)を任せ、黒騎が移動すると鬼神龍(親分)が襲い掛かる。

 

黒騎「......月影『幻夢零』」

 

黒騎は幻夢零の斬撃波を放つと、鬼神龍(親分)はギリギリ避ける。そして勇儀が鬼神龍(親分)の両手を掴る。

 

勇儀「おいおい、折角サシにしてくれたんだ。私と遊んでいきなよ」

 

鬼神龍(親分)「サシ、ね.........。そういやうちの奴等を鍛えていたからサシなんてやって無いな......。よっしゃ!相手になるぜ!」

 

こうして勇儀と鬼神龍(親分)の一騎打ちが幕を開けた。

 

 

 

 

 

萃香「へぇ!子分の割には中々やるじゃないか!」

 

鬼神龍(子分B)「お前もな!」

 

萃香は鬼神龍(子分B)と拳を交えていた。

 

萃香「鬼神龍って馬鹿みたいに強い奴って聞いたけど、思ってた以上だね。これは楽しめそうだ!」

 

鬼神龍(子分B)「俺もだぜ、まさかお前みたいなちっこい鬼がこんなに力があるとはな!」

 

萃香「伊達に長生きはしてないってね!」

 

二人の拳は加速し出す中、まだまだ余裕なのか口も動かしていた。萃香と鬼神龍(子分B)の勝負は始まったばかり......。

 

 

 

 

鬼神龍(子分A)「へっ!まさか幻想郷にもこんなに可愛い娘が隠れていたとはな!」

 

ヤマメ「えへへ〜、そんな事言ってもプレゼントはこれぐらいしか出せないよ?」

 

パルスィ「真面目にやりなさいよ!妬ましい!」

 

鬼神龍(子分A)がヤマメを褒めると、ヤマメはお礼に弾幕を展開して発射した。鬼神龍(子分A)は拳と足を使って弾幕を弾き、ヤマメに近づいて行くが、ヤマメは距離を取りながら弾幕を放つ。鬼神龍(子分A)の背後にパルスィも弾幕を放つ。

 

 

ヤマメ「ん〜、最近ファンが増えてないんだよね〜。お兄さん私のファンになってくれる?」

 

パルスィ「勧誘するな!」

 

鬼神龍(子分A)「そいつは嬉しいねぇ、俺今フリーだからな。でもファンじゃなくてマネージャーってのはどうだ?」

 

パルスィ「駄目に決まってるでしょ!ってかあんた等戦ってるのに良く話せるわね!妬ましい!」

 

ヤマメ「ほんと!?嬉しい〜!」

 

パルスィ「受け入れるな!妬ましいってレベルじゃないわよ!」

 

二人の楽しい(?)会話(戦闘)にツッコミを入れるパルスィ。それから謎の打合せが始まり、パルスィの(ツッコミによる)苦労が増えるのであった。

 

 

 

 

キスメ「ε=ε=ε=ヾ(*>ω<)ノ」ヒエェェェl!!!

 

鬼神龍(子分C)「へいへい其処のお嬢ちゃん、俺と一緒に遊んでくれよなぁ〜頼むよぉ〜」

 

こいし「キスメちゃんこっち!」

 

キスメは桶から出て鬼神龍(子分C)に追いかけられていた。其処にこいしがキスメを抱っこして鬼神龍(子分C)に向けて弾幕を放つ。

 

こいし「本能『イドの解放』」

 

こいしがピンク色のハート弾を放ち、鬼神龍(子分C)に直撃する。しかし鬼神龍(子分C)は腕をクロスして防いだ訳でも無く黒煙が無くなると二人に向かって再び走り出す。何故か十傑集走りで。

 

鬼神龍(子分C)「foo〜!気もちぃ〜!(快楽)ホラホラもっと打ってこい!(王者の風格)」

 

こいし・キスメ((駄目だこいつ......、早く、何とかしないと......))

 

鬼神龍(子分C)の性格(ロリコン)にドン引きしてしまうこいしとキスメ。それに構わずに近づくロリコン子分。どう打開するか考えずにはいられなかった......。

 

我鬼「オラッ!」

 

鬼神龍(子分C)「ぐへっ!?」

 

我鬼が横から鬼神龍(子分C)を殴り飛ばした。

 

我鬼「おいおい、俺を忘れちまっちゃあ困るぜ?」

 

鬼神龍(子分C)「あ"っ!?テメェどの面下げて殴って来たんだ!?邪魔すんじゃねぇよ!」

 

我鬼「だったら俺と遊んでいけよ、ウズウズしてんた......」

 

鬼神龍(子分C)「上等だ若造!塵一つ残らないようにしてやる!」

 

我鬼に邪魔された事にロリコン鬼神龍(子分C)は拳を強く握り締める。

 

 

 

 

 

鬼神龍(子分D)「おい、E!邪魔すんな!」

 

鬼神龍(子分E)「邪魔はテメェだろ!」

 

鬼神龍(子分D)「お前だろ!横から入って来やがって鳥娘が狙えねぇ(意味深)だろ!」

 

鬼神龍(E)「テメェが邪魔なポジションに居るからだろ!」

 

一方その頃、鬼神龍(子分D、E)は何故か喧嘩していた。

 

さとり「お燐!お空!」

 

お燐「はい!いくよお空!」

 

お空「アラホラサッサー!」

 

お燐「妖怪『火焔の車輪』」

 

お空「爆符『ギカフレア』」

 

お燐とお空はスペルカードを発動して、討論している鬼神龍(子分D、E)に向かって弾幕を発射する。お燐の壁のように斜めに並んだ光弾を交互に発射し、お空の凄まじい極太の火炎放射を放つ。

 

鬼神龍(子分D、E)「「え?」」

 

二人は討論に夢中になってたのか、お燐とお空の放ったスペルカードに気づかずそのまま直撃した。

 

鬼神龍(子分D)「ちょっと待って!?あの鳥娘あんな力があったのか!?」

 

鬼神龍(子分E)「ってか何で俺まで巻き添えに!?」

 

鬼神龍(子分D)「お前が邪魔して来たからだろ!E!」

 

鬼神龍(子分E)「俺の所為にするじゃねぇよ!こちとらまだ百年ちょっとしか生きて無いんだぞ!」

 

鬼神龍(子分D)「俺だって百十年ちょいだぞ!?」

 

鬼神龍(子分E)「俺より十年長生きしてるじゃねぇか!」

 

ガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミ

 

鬼神龍(D、E)「「畜生〜!次はバケてでてやるぅ~!!」

 

そのまま鬼神龍(子分D、E)は爆散した。

 

お空「任務、完了......」

 

お燐「あ、今のセリフカッコいい」

 

お空「えへへ〜、そうでしょ?こいし様と一緒に考えたんだ」

 

さとり「さ、二人とも。黒騎さん達の所に行きましょう」

 

お燐・お空「「はーい」」

 

 

 

鬼神龍(子分D)「なーんちゃって!」

 

お燐・お空「「え?」」

 

鬼神龍(子分E)「やぁ、さっきぶり」

 

お燐「な、何ぃぃぃぃぃぃ!?」

 

お空「ば、馬鹿な!?奴等は不死身か!?」

 

鬼神龍(子分D・E)「「貧弱、貧弱ゥ!ちょいとでも俺に勝てると思っていたのかマヌケがぁ!!」」

 

そう言って鬼神龍(子分D・E )はお燐とお空に殴り飛ばした。

 

お燐「WRYYYYYYYYYYYY!?」

 

お空「うにゅーーーー!?」

 

さとり「お燐!お空!」

 

鬼神龍(子分D)「ほれよそ見ぃ!」

 

さとり「うっ!?」

 

さとりは鬼神龍(子分D)に腹部を殴られ、腹を押さえて膝をつく。

 

さとり(い、一撃が大き過ぎる......!これが鬼神龍......!)

 

鬼神龍(子分E)「トドメだぁ!撃滅!」

 

さとり「っ!」

 

 

 

 

 

 

 

黒騎「秘技『落鳳破』」

 

鬼神龍(子分E)「!?」

 

鬼神龍(子分E)がさとりにトドメをさす前に後方からエネルギー波が迫る。鬼神龍(子分E)は直ぐに反応してエネルギー波を避けると、発射された方向に黒騎が地面に拳を突き付けた状態でいた。

 

黒騎「貴様等......!」

 

鬼神龍(子分E)「お前、確か親分の所に......」

 

鬼神龍(子分D)「関係ねぇよ、どちらにしろぶっ潰すだけだ!」

 

そう言って鬼神龍(子分D・E)は黒騎に向かって拳のラッシュを仕掛ける。

 

鬼神龍(子分D)「どららららららららららららららららららららららららららららららららららららららららららららららららららららららららららららららららららららららららららららららららららららららららららららららららららららららららららららららららららららららららららら!!」

 

鬼神龍(子分E)「アリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリ!!」

 

黒騎「くっ!(あの時は一人だが、二人となると......!)舐めるな!秘剣『水円斬』」

 

二人の鬼神龍に攻撃を防ぎつつ、黒騎も回転斬りで抵抗する。

 

鬼神龍(子分D)「俺達の攻撃を防ぐとはな、中々やるじゃないか」

 

鬼神龍(子分E)「見直したぜ」

 

黒騎「まだ終わらん、秘剣『疾風牙』」

 

黒騎は刀を構えて直すと、高速で二人の鬼神龍に近づき刀で斬りつける。

 

鬼神龍(子分D)「ちっ!思ってたより早いな!」

 

鬼神龍(子分E)「でもな!」

 

そう言って鬼神龍(子分E)は黒騎の頭を掴んで地面に叩きつけた。

 

黒騎「がはっ!」

 

鬼神龍(子分E)「ホラホラ、さっきまでの威勢はどうした?」

 

何度も地面に叩きつけられる黒騎。

 

我鬼「ぐわっ!」

 

すると黒騎の前から我鬼が吹っ飛んで来た。我鬼が吹っ飛んで来た方向には鬼神龍(子分C)が血まみれで歩いて来た。

 

鬼神龍(子分C)「いっけね、紫髪の娘の方に行っちまった」

 

黒騎「が、我鬼......」

 

鬼神龍(子分D)「おいおい脅かすなよ、びっくりしたぜ」

 

鬼神龍(子分C)「すまんすまん、それとお前達に見せたいものがあるんだ」

 

鬼神龍(子分E)「見せたいもの?」

 

鬼神龍(子分C)「ああ、前からやってみたかった事だ」

 

そう言って鬼神龍(子分C)はさとりの元へと歩き出した。

 

黒騎「....!貴様!」

 

鬼神龍(子分E)「おっと動くなよ、暴れんな」

 

黒騎「は、離せ!!さとり逃げろ!!」

 

黒騎は起き上がろうとするが、鬼神龍(子分E)の拘束によって身動きが取れなかった。そのまま鬼神龍(子分C)はさとりの元へ辿り着き、さとりの顎を引き上げると.........、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鬼神龍(子分C)はさとりの唇を奪った。

 

黒騎「      」

 

鬼神龍(子分E)「や、やりやがったーーー!」

 

鬼神龍(子分D)「流石鬼神龍の中で最もロリコンな男!俺たちにできない事を平然とやってのけるッ!そこにシビれる!あこがれるゥ!」

 

さとり「............」ポロポロ

 

黒騎「            」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

 

本心状態だった黒騎は、さとりの流した涙が地面に付着すると、黒騎が拘束されている場所に地面が凹み始める。

 

鬼神龍(子分D)「な、何だこの揺れは!?」

 

鬼神龍(子分E)「い、一体何が.........」

 

黒騎「う"................、う"ぅ"ぅ"...................」

 

鬼神龍(子分E)「!?こ、この現象は......、まさか!?」

 

黒騎「き.........、さま..........、だけ......、は..............、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

貴様だけは許さんぞおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!

 

すると黒騎から印度藍色のオーラを発生する。オーラの発生に吹き飛んだ鬼神龍(子分D・E )は顔を青ざめる。

 

鬼神龍(子分D)「な、何故だ......、何故だ!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何故お前が王の証である印があるんだ!?」

 

何と黒騎の額には龍の形をした印が光っていた......。




いかがでしたか?

何かもうゴリ押し感が半端ないですが、黒騎くん覚醒です。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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第七十七話 許す者と許さぬ者

どうもです。

前回はめちゃくちゃですみませんでした。

第七十七話です。

それではどうぞ。


 

拘束されていた黒騎は印度藍色のオーラを発生させ、鬼神龍を吹き飛ばすと静かに立ち上がり、鬼神龍(子分C)を睨みつける。

 

鬼神龍(子分D)「な、何故だ!?何故お前が王の証である印があるんだ!?」

 

黒騎「......」

 

鬼神龍(子分E)「ちょ、ちょっと待てよ!?あの変化.....、激情態に似ているぞ!?」

 

鬼神龍(子分D)「そんな馬鹿な!?あれは成人した時になるもんだろ!?一度なったら理性を失って暴れまくるのが当たり前、それを奴がやってるって言うんなら何故理性を保ち続けてるんだよ!?」

 

黒騎「.......成る程、月であいつが暴れたのはその為か」

 

鬼神龍(子分C)「......へっ、嫉妬して覚醒か?醜いな」

 

黒騎「貴様だけは......、叩き斬る」

 

黒騎は手に刀を取り、強く握りしめる。

 

鬼神龍(子分C)「王の証を持ってるからって、根本的な強化なんてしてないだろ?さっきみたいに寝取られた気分を味わっていれば良いんだよ!」

 

そう言って鬼神龍(子分C)は黒騎に遅い掛かり、拳を振るう。黒騎は刀を構える事なく、ただ待っていた。そして、鬼神龍(子分C)の拳を受け止めた。片手で。

 

鬼神龍(子分C)「なっ!?(こいつ.......、!?全然離れねぇ!?)」

 

黒騎「貴様には、一つだけ教えてやろう」

 

そう言って黒騎は鬼神龍(子分C)を上空に投げ捨てる。鬼神龍(子分C)は呆気に取られながら空中に浮く。

 

黒騎「俺は、霧影龍騎のもう一つの人格。つまり、俺も鬼神龍の一人という事だ」

 

鬼神龍(子分C)「っ!舐めるなぁぁぁぁぁぁ!!」

 

鬼神龍(子分C)は黒騎の真上に向かって接近する。

 

さとり「黒騎さん!」

 

黒騎「愚かな......」

 

黒騎は左手に闇属性を解放させ、掌から黒いモヤを発生させる。そして鬼神龍(子分C)は黒騎の脳天を目掛けて拳を放つが、黒騎は身体を傾けて攻撃を回避、そして黒騎は鬼神龍(子分C)の顔面に向けて黒いモヤを当てる。

 

次の瞬間、鬼神龍(子分C)の身体は飛散した。既に鬼神龍(子分C)の身体の原型は残っておらず、辺りには鬼神龍(子分C)らしき筋肉やら骨やら、脳みそやらが飛び散っていた。

 

黒騎「汚い花火だ......」

 

鬼神龍(子分D)「う、嘘だろ......?Cを一撃で......」

 

鬼神龍(子分E)「あ、悪魔だ......」

 

鬼神龍(子分C)の最期を目にした二人は黒騎に恐怖した。先程までは圧倒されていた黒騎が、謎の覚醒により鬼神龍(子分C)は死んだ。

 

黒騎「......さて、残るはお前達」ギロッ

 

鬼神龍(子分D・E)「「!?」」ゾクッ

 

黒騎「さっきの奴程では無いが、貴様等も生かしてはおけん。憎むなら自分達の行いを憎むんだな」ゴゴゴ

 

鬼神龍(子分E)「あ、ああああああああああ!!」

 

鬼神龍(子分D)「!?おい止めろ!」

 

鬼神龍(子分E)は無我夢中で黒騎に接近し、鬼神龍(子分D)は止めようとするが既に遅かった。鬼神龍(子分E)は黒騎に攻撃を仕掛けて来たからだ。黒騎は刀を構え、鬼神龍(子分E)の攻撃に備える。

 

鬼神龍(子分E)「やってやる!やってやるぞぉ!覚醒したからなんだぁ!」

 

黒騎「...宣言する、貴様は三手で詰む」

 

鬼神龍(子分E)「でやあぁぁぁぁぁぁ!!」

 

鬼神龍(子分E)は拳を振るうが、黒騎は軽々と避けて刀で殴って来た腕を斬り飛ばす。

 

鬼神龍(子分E)「あ、ああああああああああ!!」

 

黒騎「一つ」

 

鬼神龍(子分E)「っ!ふざけやがってぇぇぇぇぇ!!」

 

鬼神龍(子分E)は足で黒騎を蹴り払おうとするがまたもや避けられてしまい、黒騎はもう片方の腕を斬り捨てる。

 

鬼神龍(子分E)「があああああああああああああ!!」

 

黒騎「二つ」

 

そして黒騎は鬼神龍(子分E)の真上にジャンプし、背後に回り刀を逆手に持ち直す。鬼神龍(子分E)は背後に向いた状態で蹴り払いをするが、黒騎はしゃがんで回避。そして逆手に持った刀を鬼神龍(子分E)に向けて突き刺した。

 

黒騎「詰み(チェック)

 

そう言って黒騎は刀を抜き取り、付着した血を振り払う。そして刺された鬼神龍(子分E)は倒れてしまい、そのまま動かなくなってしまった。

 

黒騎「......」

 

鬼神龍(子分D)「や、殺った......。殺りやがった......!」

 

黒騎「......」チラッ

 

鬼神龍(子分D)「ひぃ!?」

 

仲間を殺された鬼神龍(子分D)は完全に黒騎に怯えていた。一度鬼神龍(子分D)の方へ向いた黒騎はゆっくりと歩き始めた。鬼神龍(子分D)は尻餅を着いてしまい、虫のように後退る。が、壁に当たってしまい逃げる事が出来なくなってしまった。

 

黒騎「心配するな、お前一人にはさせん。地獄のど真ん中にお前達の墓を建ててやる。有り難く思え、これが俺からの贈り物だ」

 

鬼神龍(子分D)「た、頼む!命だけは!助けてくれ!」

 

黒騎「......言った筈だ。憎むなら自分達の行動に憎むんだな」

 

鬼神龍(子分D)「止めろぉぉぉぉ!!」

 

黒騎「死ね」

 

鬼神龍(子分D)の言葉に耳を傾ける事無く、黒騎は躊躇いも無く刀を振り下ろした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さとり「やめて!!

 

黒騎「!?」

 

突然、さとりの大声により黒騎の腕が止まり、纏っていたオーラを消えた。唖然する黒騎はゆっくりとさとりを向くと、涙を流しながらゆっくりと歩いて来ていた。

 

さとり「貴方は...、貴方はそんな事をする人じゃない!もうやめて!!」

 

黒騎「......」

 

さとり「お願い......!いつもの黒騎さんに戻って!」

 

黒騎「.......すまん」

 

さとり「っ!」

 

そう言って再び刀を振りかぶる黒騎。

 

鬼神龍(子分D)「ひぃ!?」

 

さとり「やめてぇぇぇぇぇ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ところがぎっちょん!」

 

黒騎「がっ!?」

 

黒騎が刀を振り下ろそうとした時、横から殴られて鬼神龍(子分E)のトドメをさすのを防がれた。

 

鬼神龍(親分)「悪いがこれ以上はやらせはしないぜ?」

 

黒騎「ちっ」

 

横から殴って来たのは鬼神龍(親分)だった。

 

勇儀「おい!私との勝負は着いてないだろ!?」

 

鬼神龍(親分)「悪いな嬢ちゃん、一旦休憩って事にしといてくれ」

 

黒騎「......」

 

鬼神龍(親分)「......随分とうちの子分に世話になったな。このツケはきっちり返させて貰う」

 

黒騎「......そうだな。部下の責任は上司が取るべきだな」

 

鬼神龍(親分)が黒騎を睨みつけて拳をポキポキと骨を鳴らす。そして黒騎も消えていた印度藍色のオーラを発生し、額に龍の紋章を浮き出す。

 

鬼神龍(親分)「お前......、もうコントロールが出来るのか」

 

黒騎「......」

 

鬼神龍(親分)「言葉は不要、か......。行くぜ?」

 

黒騎「......」

 

鬼神龍(親分)が武術の構えるを取ると、黒騎は片足で跳ね始め、リズムを取るように鬼神龍(親分)の様子を伺う。そして、一定のリズムを取った黒騎は次の瞬間、その場から居なくなった。

 

鬼神龍(親分)「!?(消えた!?いや、高速で接近しているだけだ!)其処だ!」

 

鬼神龍(親分)が回し蹴りをすると、背後には黒騎が斬り掛かろうとしていた。回し蹴りを食らった黒騎はそのまま吹っ飛ばされたが、直ぐに態勢を立て直し、再びリズム良く跳ね始めた。

 

鬼神龍(親分)「驚いたぜ、まさか『縮地』が使えるなんてな」

 

さとり「縮地?」

 

勇儀「実際に存在する技法で、体重移動を前進エネルギーとして活かす歩法。いつの間にそんな技法を......」

 

鬼神龍(親分)「慣れない事はしない方が良かったな。お前の縮地は見切ったぜ?」

 

黒騎「......なら、これならどうだ?」

 

そう言って刀を一度収納する黒騎。しかし、刀を鞘に収めても跳ねるのを止めなかった。

 

鬼神龍(親分)(何のつもりだ?天瞬殺の真似か?)

 

鬼神龍(親分)の読みは正しかった。次の瞬間、黒騎が一気に近づいて来て刀を引き抜こうとしていたからだ。

 

鬼神龍(親分)「やっぱりそう来たか!」

 

鬼神龍(親分)は自信たっぷりで拳を振るう。黒騎は一度足を止めて抜刀術の構える。すると鬼神龍(親分)はニヤリと笑い空いていた足で黒騎の首を狙った。

 

鬼神龍(親分)(勝った......!)

 

が、次の瞬間、黒騎は左足を前に出した。その踏み込みにより刀を加速させ、そのまま鬼神龍(親分)の背中に斬りつけ、上空に吹き飛ばした。

 

鬼神龍(親分)「がっ......(な、何ぃ!?)」

 

黒騎「......」

 

鬼神龍(親分)(天瞬殺で仕掛けると見せかけて、ギリギリのところで馬鹿みたいに早い抜刀術で決めやがった!しかもあの王の証の影響で威力も上がっている!強過ぎる......、俺達が敵う相手じゃない......!)

 

そして鬼神龍(親分)は天井にぶつかり、そのまま落下し、気を失っていた。

 

黒騎「......確かに貴様は強い、仲間想いのところも認めよう。だが、貴様の敗因はただ一つ......。貴様は俺を怒らせた......、死をもって償え」

 

そう言って黒騎は印度藍色のオーラと額に浮き出てる証を消すと、刀を振り下ろす構えを取る。

 

さとり「!?待って黒騎さん!」

 

勇儀「待ちな!」

 

さとり「離して下さい!黒騎さんを止めないと!」

 

勇儀「黙って見てな」

 

さとり「っ!......」

 

 

 

 

 

 

鬼神龍(子分D)「ま、待ってくれ!」

 

すると鬼神龍(親分)の前に鬼神龍(子分E)が前に立ち塞がった。

 

鬼神龍(子分D)「親分を殺さないでくれ!せめて、せめて安らかに眠らせてやってくれ!」

 

勇儀「どういう事だいそれは?」

 

鬼神龍(子分D)「お、俺達鬼神龍は神であっても寿命が存在する。人間より長生き出来るが、親分はもう限界が来てんだよ!若く見えるがただ老化が遅いだけであって身体はボロボロなんだよ!頼む!殺すなら俺を殺してくれ!だから、だから親分だけは...!」

 

黒騎「......」

 

鬼神龍(子分D)「頼む......、頼むよ......」

 

黒騎「......チッ」

 

鬼神龍(子分D)の説得により、黒騎は刀をゆっくりと下ろした。すると、離れた所で戦っていた鬼神龍と萃香、ヤマメ、パルスィがやって来た。

 

鬼神龍(子分A)「おい、何があった!?って親分!?」

 

萃香「......勇儀、これって......」

 

勇儀「その通り、やっちまったよ。殺しては無いけど」

 

鬼神龍(子分B)「嘘だろ......、親分が負けた......?」

 

鬼神龍(子分B)が膝を着くと、後ろから非戦闘派の鬼神龍が大勢でやって来た。

 

「す、すみません!遅れました!」

 

黒騎「.........奴等を任せる」

 

「え?」

 

黒騎「どうするかはお前達が決めろ、殺すなり生かすなり好きにしろ」

 

「は、はぁ.......」

 

こいし「お兄ーさーん!」

 

するとこいしが慌てた様子で黒騎に近づいく。

 

こいし「お、鬼のおじさんが!危ないの!」

 

黒騎「っ!」

 

こいしの言葉を聞いて黒騎は走り始める。向かった場所は我鬼が倒れている場所だ。

 

我鬼「..................」

 

キスメ「(´;Д;`)」グスッ...

 

黒騎「おい、しっかりしろ」

 

黒騎が駆けつけると、キスメが重傷を負った我鬼を見張っていた。

 

我鬼「.......お、おう...、兄弟............。その様子だと、勝った...、みたい......、だな......」

 

黒騎「口を動かすな、今回復魔法を......」

 

我鬼「.........いい」

 

黒騎「......何?」

 

我鬼「......すまねぇ、もう......、意識が......、無くなりそうなんだ......」

 

黒騎「だったら尚更だ」

 

我鬼「ふっ、話しを聞けや......。奴等の事で、一つ分かった......、事がある......。奴等......、感電やら、鈍足やら......、そう言ったものには......、効かねぇみたいだ......。さっき、やってみたが......、効果はない...」

 

黒騎「もう良い、それだけで十分だ」

 

我鬼「......へっ、最期に、友とこうして眠るのが...、夢、だったんだぜ......。すまんな、兄弟......」

 

黒騎「......おい、気をしっかり保て!」

 

我鬼「後で......、姐さんに、謝っといてくれ.........。カッコ悪い......、男だったって......」

 

黒騎「馬鹿を言うな!」

 

キスメ「(´•̥ ω •̥` )」シナナイデ!

 

我鬼「.........でもな、あの...、悟り妖怪のい、妹.........。守れた......、だけでも....、いいか.............」

 

黒騎「...おい、.......おい!」

 

最期の力で黒騎の手を握る我鬼。

 

我鬼「お.......、まえ..........、は.............。おれ、みたいに......、なるな.........。かてよ........、きょ、だ.........」

 

そして全身の力が抜けたかのように我鬼は眠った。

 

黒騎「おい......、おい......!」

 

キスメ「.˚‧º·(ฅдฅ。)‧º·˚.」ウワァァァァァン!

 

身体を揺らす黒騎、だが我鬼の返事はしなかった。キスメはただ泣き続ける中、黒騎はそっと我鬼の身体を寝かせ、刀を片手に振り返る。

 

黒騎「......我鬼、お前の約束は果たせるかどうかは分からんが、お前はカッコ悪くない。友として、誇りに思う。後の事は俺に任せろ」

 

こうして黒騎は地上へと歩き始める......。自分の目的の為に...。




いかがでしたか?

前回よりマシになった......、筈です!

次回は天界ルートです。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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第七十八話 依神姉妹、本領発揮

どうもです。

第七十八話です。

それではどうぞ。


 

〜天界〜

 

衣玖「......総領娘様、此方へ接近してくる者がいます」

 

天子「ほほぅ〜、やっぱり来たかぁ。まぁ良いんだけどさ」

 

女苑「緊張感ってのが無いのかしら...」

 

直子「......」

 

紫苑「大丈夫、直子は守るから」

 

直子「.........ありがとうございます」

 

天界に鬼神龍が攻めてくる中、直子は不安になっていた。幾ら人形に憑依してるとはいえ、自分に出来る事はあるのだろうか.....。

 

衣玖「っ!来ます!」

 

衣玖の声と同時に、鬼神龍がやって来た。数は五体の内、一体はリーダーなのかその者だけ大剣を手に持っていた。

 

鬼神龍(リーダー)「やっぱり此処にも居たか...、どうやら非戦闘派の奴等は来てないみたいだな」

 

直子「あれが鬼神龍......」

 

紫苑「直子は下がってて......」

 

紫苑が直子を非難させると、女苑と共にスペルカードを取り出す。

 

紫苑「女苑、最初からフルパワーで行くよ」

 

女苑「おう......、姉さんが真面目になった顔久しぶりに見た...。まぁ言われれなくてもそのつもり......」

 

 

天子「先手必勝ぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

鬼神龍(リーダー)「へぶっ!?」

 

紫苑・女苑「「え!?」」

 

戦闘態勢が整った紫苑と女苑の前に、天子がいきなり鬼神龍(リーダー)を殴り飛ばした。

 

天子「ふははははは!アンタよく見たら前に来た奴じゃない!さぁ続きをしよう!早速しよう!」

 

鬼神龍(リーダー)「げっ!?お前はあん時の変態娘!」

 

天子「変態ではない!私は痛覚を愛し、痛覚に愛された女だ!」

 

鬼神龍(リーダー)「別の意味での変態じゃねぇか!!」

 

衣玖「あぁ......、もう滅茶苦茶ですよ.......」

 

女苑「他の鬼神龍もドン引きしてるよ......」

 

紫苑「......これ天子様に任せたら良いんじゃない?」

 

直子「だと良いんですけど......」

 

天子と鬼神龍(リーダー)の茶番に衣玖は頭を抱えて、女苑は他の鬼神龍と同じくドン引き、紫苑は天子に全て押し付けるような発言をした。

 

鬼神龍(リーダー)「クソっ!お前しつこいんだよ!!」

 

天子「ふははは!怖かろう!それに言った筈、『殺して(撃って)良いのは、殺される(撃たれる)覚悟がある奴だけだ』ってね!」

 

鬼神龍(リーダー)「ちぃ!」

 

天子の攻撃が当たっていく中、鬼神龍(リーダー)は大剣で防いでいた。そして、ある事故が起こった。

 

天子が鬼神龍(リーダー)を吹き飛ばすと、鬼神龍(リーダー)の後ろには部下の鬼神龍がおり、鬼神龍(リーダー)がぶつかると部下の鬼神龍はぶつかった反動で天界の外へ吹っ飛ばされた。

 

鬼神龍(部下)「え?」

 

天子「あ(察し)」

 

鬼神龍(リーダー)「ちょ」

 

紫苑・女苑「「あぁ......(黙祷)」」

 

鬼神龍(部下)「ウワァァァァァァァァァ..........

 

そのまま外へ吹き飛ばされた部下の鬼神龍は雄叫びを上げながら落下し、徐々に彼の声は聞こえなくなってしまった。

 

紫苑「......こうして仲間は犠牲になったのだ。古くから続く犠牲...」( ̄人 ̄)ナームー

 

女苑「意味が分からないわよ姉さん......」

 

衣玖「でもこれで一人減りましたね」

 

女苑「あとは四人......」

 

紫苑、女苑、衣玖は残された三体の鬼神龍を睨みつける。それに気づいたのか三体のうち一体がビクリと身体を跳ねる。

 

鬼神龍(部下2)「おいどうすんだよガイアの兄者!」

 

ガイア「......仕方あるまい。オルデカ、マッシュ!奴等にジェットストリームアタックを仕掛けるぞ!」

 

オルデカ・マッシュ「「おう!」」

 

そう言ってガイア、オルデカ、マッシュは一列に並んで三人に向かって走り出す。

 

衣玖「気をつけて下さい!何か仕掛けて来ます!」

 

女苑「分かってるわよ!」

 

紫苑「直子は守る!絶対に負けない!」

 

ガイア「でやぁ!」

 

ガイアが背中にあった棒を取り出すと、赤く発光し三人に斬りつける。しかし、三人はそれぞれ散開して攻撃を回避。しかし、ガイアの後ろに居たオルデカ、マッシュは三人が散開したと同時に攻撃を仕掛けて来た。

 

オルデカ「そらよ!」

 

紫苑「きゃ!」

 

マッシュ「オラっ!」

 

女苑「いだっ!?」

 

衣玖「っ!(な、何という連携!?)」

 

ガイア「先ずはあのボロボロの服の小娘を片付けるぞ!」

 

オルデカ・マッシュ「「あいよ!」」

 

そう言ってガイアを先頭に、紫苑に向かって三人は一列となって走り出す。

 

衣玖「!不味い......!」

 

女苑「姉さん逃げて......、ぐへっ!?」

 

衣玖「!?」

 

女苑が助けに向かおうとすると、後ろから何かがぶつかって来た。

 

天子「......ふふふ、良い。良いわ!やっぱアンタ最高よ!!」

 

鬼神龍(リーダー)「ちっ、こいつどんだけタフなんだよ......」

 

天子「昂る......、昂るぞ!!昂る...、魂ィィィィィィィィィィィィ!」

 

そう言って天子はやや暴走気味で鬼神龍(リーダー)に飛び掛かってきた。一方、天子にぶつかった女苑は完全に伸びていた。

 

女苑「」

 

衣玖「総領娘様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!なんて事してくれたんですかぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

衣玖は思わず頭を抱えて叫び出した。ただでさえ戦力が無いのにこんなにゴタゴタなのは仕方ない事だ。

 

紫苑「くっ......」

 

ガイア「よーし、トドメだ!」

 

ガイアは紫苑に向かって赤く発光した棒を振ると、紫苑は落ち着いて回避、しかし後ろに居たマッシュの腹パンにやられる。

 

紫苑「ぐっ!?」

 

オルデカ「終わりだぁ!」

 

オルデカが手の指を交互に組んで殴りつけようとすると、

 

 

直子「やめてぇぇぇ!!」

 

紫苑の前に直子が腕を広げて立ち塞がった。

 

オルデカ「ええい!生意気な!」

 

オルデカはお構い無しに直子に殴りつけた。

 

紫苑「直子!!」

 

そして、直子の頭部が砕かれ、バタリと倒れてしまった。

 

ガイア「ちっ、仕方ない。もう一度ジェットストリームアタックを仕掛けるぞ!」

 

オルデカ・マッシュ「「了解!」」

 

再び一列となったガイア、オルデカ、マッシュは再度紫苑に向かって走り出す。直子の身体を見て放心状態の紫苑。

 

龍騎『奴等はそれぞれ戦い方が違うと思うから、元は幽霊である直子さんを簡単に消す事も出来ると思うんだ』

 

紫苑の頭に龍騎の言葉が蘇る。もしそれが本当なら直子は......。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紫苑「やれやれ......、本当にやってくれたな......」

 

突然、紫苑から禍々しいオーラが発生する。それによりガイア、オルデカ、マッシュの足が止まる。

 

ガイア「な、何だこの禍々しいオーラは!?」

 

紫苑「......この私、依神紫苑は最凶最悪の貧乏神。貧乏だからってケラケラ笑う人間がいればお構い無しに貧乏にし、未だに貧乏から脱出出来てない家庭も居る。偶に恵んでくれる奴は居るが、殆どがニセモノで分かった時はもう二度と私の前に現れる事は無かった。食べ物が無い時は、そこらで生えている雑草で腹を満たした時はしょっちゅうよ。だが、こんな私に『幸せ』を与える人が居た!お前は私にやっちゃあいけねぇ事をした!ましては直子をーー!お前等が強かろうが何だろうが分かんないし関係ない......。だが、お前等は......、私が裁く!」

 

紫苑が睨みつけると、ガイア、オルデカ、マッシュは身震いをする。

 

ガイア(な、何だこの圧は!?こんな奴が居たとは!?)

 

紫苑「そして......!」

 

すると紫苑から出てきたオーラが形を変え、まるで拳のような形へと変形した。そして紫苑は三人に突っ込み、ガイアの頭の上に足を乗せ、力強く踏み込む。

 

ガイア「!?お、俺を踏み台にしたぁ!?」

 

マッシュ「っ!オルデカ、逃げろ!」

 

紫苑がオルデカに狙いを定めると、マッシュがオルデカを庇い前に出る。

 

オルデカ「マッシュ!」

 

紫苑「オラッ!」

 

紫苑は拳の形へと変形したオーラをマッシュに叩きつける。一度拳を叩きつけると更に拳を放ち、徐々に加速していく。

 

紫苑「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!」

 

オルデカ「あんにゃろぉ!!」

 

ガイア「待てガイア!早まるな!」

 

痺れを切らしたのか、オルデカまで突っ込むと紫苑のオーラは新たに拳を形成し、オルデカに向かって放たれた。

 

紫苑「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!」

 

ガイア「オルデカ、マッシュ......、クソッ!」

 

ガイアも意を決して紫苑の元へ走り出すが、また新たに出来た拳がガイアを襲う。

 

紫苑「オラオラオラオラ!私が無敵のスーパー貧乏神だぁぁぁぁぁ!!そして、裁くのは!私の(スタンド)だぁぁぁぁぁぁ!!」

 

最後の雄叫びを上げると、アッパーカットのように三人を吹き飛ばした。遠く吹き飛ばされたガイア、オルデカ、マッシュはまるで子供向けのアニメのように星になった。

 

紫苑「..........やれやれだぜ」

 

衣玖「...凄い」

 

天子「あ、あれ......?あの子ってあんな力あったっけ?」

 

鬼神龍(リーダー)「なんて奴だ......」

 

衣玖どころか天子と鬼神龍(リーダー)も開いた口が塞がらなかった。

 

紫苑「さて、其処の鬼神龍」

 

鬼神龍(リーダー)「!?」

 

紫苑「今の私はとてつもなく気分が悪い、さっさと此処から去るなら見逃しても良い。やるってんなら相手になる。しかし、あの三人のようにはいかないぜ?」

 

ポキポキと骨を鳴らす紫苑。

 

鬼神龍(リーダー)「......挑戦は受けさせて貰うぜ。俺だって鬼神龍、プライドってもんが........」

 

天子「『全人類の緋想天』」

 

鬼神龍(リーダー)の背後から天子が周囲の気質を集めて極太レーザーのように照射した。鬼神龍(リーダー)は気づく事なくレーザーに飲み込まれた。

 

天子「卑怯だなんて言わせないわ、だって勝てば全て良かろうなのだ!」

 

紫苑「やれやれ、相変わらず派手な事で」

 

天子「うん、取り敢えず元に戻ったら?流石にゾクゾク.......、ビクビクするから」

 

紫苑「......まだ事が終わってねぇてのに調子はそのまま、か......」

 

そう言って紫苑は地上へ顔を覗かせると、ラ〇ュ〇もどきから何かが降りて来てる様子が伺えた。

 

紫苑「ちとヤバいかもしれない......。天子様、此処は任せる」

 

天子「え?ちょ、ちょっと!何処行く気なの!?」

 

天子が慌てて止めようとするが、紫苑は既に地上へ飛び降りてしまった。

 

女苑「......いってて...、あれ?奴等は?」

 

衣玖「もう終わりましたよ、紫苑さんのお陰で」

 

女苑「姉さんが?一体何が......」

 

女苑が目を覚ますと、衣玖に現状を聞く。そして少し離れた所から、

 

直子「あ、あの......、大丈夫ですか皆さん?」

 

幽霊状態の直子が顔を出した。

 

女苑「直子!?どうして幽霊に!?」

 

直子「じ、実は紫苑さんを庇ったら人形の身体と分離されまして......、暫く気絶していたんです」

 

女苑「あー成る程、それに怒った姉さんが片付けたと......。まぁ姉さんが怒ると誰も止められないから...」

 

衣玖「でもあんなに怒ったのは始めて見ましたよ」

 

女苑「うーん、取り敢えず後は姉さんに任せましょう。私達はこのまま待機って事で」

 

衣玖「その方が良いかもしれませんね」

 

天子「ねぇ衣玖ー?私も地上へ行って良い?」

 

衣玖「総領娘様、先程まで散々暴れ回ったじゃないですか」

 

天子「足りるかー!だったらそっちは任せた!私一人で行くから!」

 

そう言って天子が地上へ向かおうとすると、衣玖は少し溜め息を吐いて電撃を放つ。

 

天子「ギャアアアアア!!」

 

衣玖「......せめて行くなら先ず女苑さんに謝ってから行ってください」

 

女苑「行かせる気はあったんだ......」

 

それから天子は地上に向かうのを諦め、天子、女苑、衣玖、直子、そして途中からやって来た非戦闘派の鬼神龍も共に天界の警備に当たっていた。




いかがでしたか?

次回は地上ルートです。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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第七十九話 神気解放

どうもです。

戦争も後半戦に突入した第七十九話です。

それではどうぞ。


 

〜霊夢side〜

 

空から巨大な要塞が出現したと同時に魔理沙と幽香の攻撃が始まった。そして龍騎も一人で森へと走ってしまい、私達は作戦通りに人里の防衛を始めた。

 

レミリア「やはりこっちがメインのようね」

 

咲夜「そのようですね」

 

加奈子「私達は妖怪の山周辺を防衛する。一箇所に集まっては意味がないからな」

 

諏訪子「確かにね、早苗もこっち側だよ」

 

早苗「分かりました」

 

文「なら私達も妖怪の山付近の警備ですね」

 

椛「そうなりますね、其方はお願いします」

 

レミリア「パチェ、他の皆んなと一緒に紅魔館の防衛をお願い。恐らく其方にも来る筈よ」

 

パチュリー「そう思って皆んな待機させているわ。フランが納得いってなかったけど」

 

レミリア「無理も無いわ、フランに此処で戦ったら人里が滅茶苦茶よ」

 

パチュリー「まぁそれもそうね......。そっちは頼んだわよ」

 

そう言ってそれぞれの防衛場所に向かった。

 

紫「皆んな...、頼んだわよ」

 

シア「霊夢様、我々の事はお気にならさらず」

 

霊夢「元よりそのつもりよ」

 

大人数の鬼神龍が接近してくると、私達はスペルカードを取り出す。

 

霊夢「前衛は私達で何とかするわ、貴女達は後衛で援護を!」

 

シア「承知致しました」

 

そう言ってシアは後方へ下がる。そして私達は一斉にスペルカードを発動した。

 

霊夢「霊符『夢想封印』

 

咲夜「幻符『殺人ドール』」

 

レミリア「神槍『スピア・ザ・グングニル』」

 

紫「境符『四重結界』」

 

スペルカードを発動し、鬼神龍に向かって弾幕を発射する。しかし、直撃してる筈が戦闘派の鬼神龍は怯む事なく近づいて来る。

 

   ウオオオオオオオオオオオオ!!

 

霊夢「やっぱり駄目か......、皆んな!」

 

私が振り返ると、全員が頷く。

 

「「「「神気解放」」」」

 

霊夢「霊符『神・夢想封印』」

 

咲夜「幻符『神・殺人ドール』」

 

レミリア「紅符『神・スカーレットシュート』」

 

紫「境符『神・四重結界』」

 

私達が神気を解放させ、更にスペルカードを発動すると、先程よりダメージを与える事が出来た。

 

紫「さっきよりはマシな方ね」

 

レミリア「これが神気......」

 

咲夜(......これは...、強力過ぎる......)

 

霊夢「これなら...!」

 

神気の力を上回せした弾幕に驚く皆んな。私は自信がつき、お祓い棒を構える。

 

霊夢「行くわよ!」

 

私の合図で一斉に戦闘派の鬼神龍の群れに向かった。

 

 

〜霊夢side out〜

 

 

 

 

 

〜紅魔館〜

 

パチュリー「.........」

 

小悪魔「あ、あの...、パチュリー様?本当に此処に来るんでしょうか?」

 

パチュリー「えぇ、来るわ。現在進行形で」

 

美鈴「こっちに来てるんですか!?」

 

パチュリー達は紅魔館の前で戦闘派の鬼神龍が此方へ攻めて来るのに備えていた。

 

パチュリー「大丈夫よ、其処まで数は多く無いわ。ざっと三十体ぐらいよ」

 

美鈴「少なくは無いですよね!?」

 

小悪魔「何か不安になって来ました......」

 

フラン「.........」プクー

 

パチュリー「......フラン、いい加減を直しなさい」

 

フラン「......私もお姉様の所に残りたかったのに」

 

フランはレミリアと共に戦いたかったのか、頬を膨らませて拗ねていた。

 

パチュリー「あのね...、紅魔館(此処)が無くなったら私達は終わりよ?その為にも守らなくちゃいけないの。分かる?」

 

フラン「ふんだ」プイッ

 

パチュリー「駄目だこりゃ......」

 

フランがそっぽ向くとパチュリーは頭を抱える。そして......、

 

「見つけたぞ!」

 

「「「!」」」

 

遂に戦闘派の鬼神龍が到着した。

 

パチュリー「予定通りのご到着ね......、こあ!美鈴!」

 

美鈴・小悪魔「「はい!」」

 

パチュリーの合図に美鈴と小悪魔は戦闘態勢に入る。

 

フラン「あ、ちょっと待って!」

 

突然フランが声を掛けて、戦闘態勢を取るのを止めさせた。

 

パチュリー「何よ?これからって時に」

 

フラン「ちょっとやってみたい事があるんだけど良いかな?」

 

パチュリー「やってみたい事?」

 

そう言ってフランはレーヴァテインを取り出すと、戦闘派の鬼神龍の群れに向かって飛び出した。

 

パチュリー「ちょ!?」

 

小悪魔「妹様!?」

 

美鈴「何するんですか!?」

 

フラン「神気解放!火剣『煉獄火炎斬』」

 

「「「え?」」」

 

フランが神気を解放させると、何故か龍騎の技の一つである『煉獄火炎斬』を放った。そのまま大剣を振り回し、戦闘派の鬼神龍を薙ぎ払っていく。

 

鬼神龍1「ぎゃあああああああ!!」

 

鬼神龍2「熱い!!何だこの炎は!?」

 

フラン「まだまだ行くよぉ〜!火剣『炎円斬』」

 

更にフランは高く飛び、また龍騎の技の一つ『炎円斬』を放つ。

 

鬼神龍3「な、なんだこの技......、ぐはっ!」

 

鬼神龍4「な、なんて貫通力......、がはっ!」

 

フラン「はーい次は......、炎剣『アロンダイト』」

 

今度は大剣を大きく構えると、大剣を包んでいた炎が固まり、まるで悪魔のようなデザインの大剣になった。

 

フラン「え〜と、確か...、一 刀 両 断 !!」

 

鬼神龍5「がっ!?」

 

フランが鬼神龍を縦に斬り裂くと、鬼神龍は真っ二つになる。そして続け様に鬼神龍を斬っていく。

 

鬼神龍6「あ、悪魔だ〜!!」グサッ

 

鬼神龍7「犯罪的だ!!強過ぎる!!」ザシュ

 

鬼神龍8「可愛いくて強いのね!嫌いじゃないわ!嫌いじゃな......」ズサッ

 

パチュリー「( ゚д゚)」

 

小悪魔「( ゚д゚)」

 

美鈴「( ゚д゚)」

 

次々と鬼神龍を斬っていくフランの姿に三人は口を開いたまま固まってしまった。そんな事はお構いなしにフランの攻撃は続く。

 

フラン「じゃあ次はこれだね。禁忌『レーヴァテイン』」

 

フランはもう一本のレーヴァテインを取り出すと、アロンダイトを連結させ、槍のようにグルグルと回転させ、大きく構える。

 

フラン「フランドール・スカーレット、いっきまーす!」

 

元気良く言うと、翼を大きく広げて残りの鬼神龍に接近する。

 

鬼神龍9「やってやるぅ、やってやるぞぉ!」

 

鬼神龍10「こぉいつぅ!」

 

鬼神龍11「やってやるぅ!」

 

残りの鬼神龍も覚悟を決め、フランに立ち向かう。しかしあっという間に攻撃を受けてしまう。

 

鬼神龍9「うわぅ!うわあぁぁぁぁぁあ!」

 

鬼神龍10「ぐぁ!や、やられたぁ!」

 

鬼神龍11「がぁぁ!パワーが違い過ぎる!」

 

フラン「ん〜、じゃあ残りは......」

 

鬼神龍「「「!?」」」

 

そう言ってフランは連結させていた二つの大剣を両手に持ち、上空へ向けると巨大な炎の柱を形成する。

 

フラン「秘剣『メテオインパクト』」

 

鬼神龍12「な...、何だコイツのパワーは!?」

 

鬼神龍13「つ、強い!強過ぎるぅ!」

 

鬼神龍14「くっそぅ!こんなもんでやられる......」

 

二つの大剣を振り下ろすと、残りの鬼神龍を跡形も無く消し去った。そして鬼神龍を倒したフランは大剣をしまい、最初の頃とはスッキリした表現を浮かべていた。

 

フラン「ふぅ〜、これで終わりだね」

 

パチュリー「フ、フラン?いつからそれを.....?」

 

フラン「?お兄様と遊んでる時に思いついて練習したんだよ」

 

(((わ、私達が居る意味は.....?)))

 

全部フランが片付けてしまい、パチュリーと小悪魔、美鈴は存在意義が無くなっていた。

 

 

 

 

〜一方、妖怪の山付近〜

 

早苗(神気解放)「フハハハハ、我が世の春がキター!」

 

鬼神龍「「「な、何だこいつ!?」」」

 

何故か早苗ら某御大将化していた。

 

諏訪子「さ、早苗!?何かテンション高くない!?」

 

加奈子「恐らく想像以上に力が強力だと分かって調子に乗ってるんだろ」

 

諏訪子「何でそんな冷静で語れるの!?」

 

加奈子「いや、何か昔の早苗みたいで楽しそうだな〜って(小並感)」

 

諏訪子「語彙力が落ちてるよ!」

 

早苗「フフフ、神化した風祝の力で全ての鬼神龍(龍騎以外)を破壊して新しい時代を始めるのだ!」

 

鬼神龍A「か、風祝が何だが知らんが舐めるなよ!」

 

鬼神龍B「よし、Aに続け!」

 

鬼神龍達が早苗に向かって飛び出すと、文と椛が行く手を阻む。

 

文「椛!行きますよ!」

 

椛「はい!」

 

文「神気解放!竜巻『神・天孫降臨の道しるべ』」

 

椛「神気解放!牙符『神・咀嚼玩味』

 

文と椛のスペルカードによる弾幕に次々と鬼神龍に当てていくが、鬼神龍達は怯む事は無く接近して来る。

 

文「中々しぶといですね......」

 

椛「でもダメージは与えてますよ。このまま押し切れば......」

 

早苗「ふん!」

 

鬼神龍A「へぼっ!?」

 

文・椛「「!?」」

 

突然早苗の強烈な弾幕により、鬼神龍Aが直撃し落下する。

 

早苗「鬼神龍は!この世から消えればいいのだ!」

 

そう言って早苗は鬼神龍Bの顔を鷲掴みする。そして掌からエネルギーを溜め、

 

早苗「戦いがそんなに好きかぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

爆発させた。

 

鬼神龍B「」

 

早苗「成る程...、サナエフィンガーとはこういうものか!」

 

椛「何ですかそれは!?」

 

文「いつ作ったんですかその技!?もっとkwsk!」

 

椛「戦闘中にカメラ持たないで下さい!」

 

早苗の謎の新技に文はカメラを取り出すと早速写真に収め始める。

 

早苗「鬼神龍になァ、風祝を超えるなど、出来るわきゃねぇだろぉぉぉっ!!」

 

更にテンションが上がったのか早苗は鬼神龍の大群に向かって飛び始める。

 

鬼神龍C「ひ、怯むな!相手は一人だ!」

 

鬼神龍D「撃て!撃ちまくれ!」

 

そう言って鬼神龍達は魔法やら光線銃やら早苗向けて放つ。早苗は腕をクロスして防御すると、黒い煙が発生する。

 

鬼神龍D「やった!やったぞ!◯◯!(←鬼神龍Dの恋人)」

 

早苗「フ、フフフ......」

 

「「「!?」」」

 

早苗「兄弟よぉ、今女の名前を呼ばなかったかい?戦場でなぁ、恋人や女房の名前を呼ぶ時というのはなぁ、瀕死の兵隊が甘ったれて言う台詞なんだよォ!」

 

煙が無くなると、早苗は笑いながら鬼神龍達に接近する。

 

早苗「今までのお前達は間違っていたのだ!自分達は戦いを忘れることなどできはしない。だから、この私が全てを正してみせる!」

 

そう言って早苗は弾幕を放ちなが距離を詰めて行く。

 

早苗「開海『神・モーゼの奇跡』」

 

早苗がスペルカードを発動すると、鬼神龍の頭上に瞬間移動し、海と同時に相手を叩き割る。早苗のスペルカードを直撃した鬼神龍達は大ダメージを受け地上へと落ちてしまった。

 

早苗「このパワーすごいよ!流石神の戦闘種族の力!!」

 

文「おー!早苗さんカッコいいですよ!!」カシャカシャ

 

椛「文さん!写真をしまって下さい!」

 

加奈子「早苗......、立派になったな......(嬉し泣き)」

 

諏訪子「ちょっと!?私達は!?私達の出番は!?」

 

加奈子「......もう早苗に任せよう。世代交代だ(職務放棄)」

 

諏訪子「いやまだまだ現役でやろうよ!?ってか早く早苗を止めよう!?何か更に暴走してない!?」

 

早苗「ハハハハハ!絶好調である!!」

 

諏訪子「誰か〜!!誰か早苗を泊めてくれ〜!!」

 

見事早苗の活躍により、妖怪の山に攻めて来た鬼神龍を撃破に成功したが、早苗を撮りまくる文を止める椛、早苗の活躍を見て思考放棄した加奈子、そして言いたい事が多過ぎてツッコミが追いつかない諏訪子。そして先程より高笑いする制御不能な早苗。

 

もはやカオスである(断言)

 

 

 

 

 

〜人里・霊夢side〜

 

皆んなと分かれてから鬼神龍との戦いは続いていた。神の力を得てから互角に戦えてはいるが未だに一人も倒していなかった。

 

霊夢「くっ!中々しぶといわね!」

 

鬼神龍「流石は博麗の巫女、相手にとっては不足は無い!」

 

私と戦っている鬼神龍は接近戦が得意とする相手。弾幕を打っても拳や足蹴りで跳ね返されてしまう。

 

霊夢「仕方ない......、()()を使うしかないか......」

 

そう言って私は一枚のお札を取り出す。そしてお札に霊力を注ぎ込むとボンッとお札から煙が発生する。煙が上がるとお札が一本の刀に変化した。

 

霊夢「先祖代々から伝わるこの刀......、『博麗剣』」

 

博麗剣......、それは私のご先祖様が代々引き継がれて来たと言われる最強の剣にして、博麗の巫女最終兵器でもある。

 

これを知ったのは決戦前夜に紫に呼び出された事から始まった。

 

 

〜数時間前〜

 

紫『霊夢、いざとなったらこれを使いなさい』

 

霊夢『......何このお札?見た事が無いんだけど?』

 

紫『試しに使ってみたらどうかした?ちなみにそれは武器を召喚するお札よ』

 

霊夢『武器を召喚するお札?そんなのがあったのね......』

 

私は試しにお札に霊力を与えると、小さい爆発が起き、其処には一本の刀があった。

 

霊夢『な、何これ?』

 

紫『貴女のご先祖である初代博麗の巫女から受け継がれて来た『博麗剣』よ。今の貴女になら扱える筈よ』

 

霊夢『こ、こんなのがあったの?知らなかったんだけど...』

 

紫『当然よ、今まで扱えて来たのは初代しか居ないんだから』

 

霊夢『ちょ、本気で言ってるの!?』

 

紫『大丈夫よ、貴女なら出来るわ。それに龍騎の力になりたいんでしょ?』

 

霊夢『っ!』

 

それを聞いて黙ってしまった。でも私が扱えるかどうか不安だった。でも......、これで龍騎の為になるなら......。

 

霊夢『上等よ......、剣でも何でも使いこなしてみせるわ!』

 

 

〜現在〜

 

 

霊夢(とは言ったものの...、剣なんて使った事が無いから分かんないわよ......)

 

鬼神龍「中々手入れしてある刀じゃないか。ならめちゃくちゃ硬いんだろうな!」

 

霊夢「!」

 

鬼神龍が拳を振ってくると、私は刀で攻撃を受け止めた。そして刀で振り払り、再び構えを取る。

 

霊夢(こうなったらご自慢の勘で何とかするしかないわね......)

 

鬼神龍「面白くなって来やがった!行くぜ!」

 

再び鬼神龍が接近してくると、私は心を落ち着かせて一呼吸を置く。

 

霊夢「神気解放!」

 

私が神気を解放させて、鬼神龍の後ろに回り込む。

 

鬼神龍「早い...!」

 

霊夢「......霊剣『陰陽斬』」

 

私は鬼神龍の背後に刀を振り下ろすと、鬼神龍の背中には深い傷が残りそのまま倒れた。

 

霊夢「凄い......、これが先祖代々から伝わる剣と神の力......。これなら何とかなりそう...!」

 

先程のダメージが与えた事により自信が付くと、後ろから建物が次々と破壊されていった。

 

霊夢「!?な、何!?」

 

私が振り返ると、其処には......、

 

鬼神龍「さて、反逆者の駆除と行きますか」

 

先程の鬼神龍とは全く違う鬼神龍の集団が現れた。




いかがでしたか?

R-18版ですが、書く気力が無くなったので非公開にしました。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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第八十話 暴走再び

どうもです。

第八十話です。

それではどうぞ。


 

〜霊夢side〜

 

私が鬼神龍を倒すと、背後から別の鬼神龍の集団が現れた。それに良く見たら建物に火がついていた。

 

鬼神龍「さて、反逆者の駆除と行きますか」

 

いつの間に背後から......、まさか挟み撃ち!?

 

霊夢(もしそうなら...、これはヤバいわね......)

 

ただでさえ一体倒すのにやっとなのにこんなに数が多いと骨が折れるってレベルじゃない......。

 

シア「誤算でした...、まさか背後からやって来るなんて...」

 

鬼神龍「お前...、陛下専属のメイドか。まさかお前まで裏切るとはな」

 

シア「私は元々、アルカード様にお使えする筈のメイドです。例え陛下でも従うのは抵抗がありましたよ」

 

鬼神龍「非戦闘派が.....、だったらお前達を修正してやる」

 

そう言って鬼神龍は腰にあった短剣を取り出す。

 

シア「.........」

 

霊夢「シア、下がりなさい。私がやるわ」

 

シア「霊夢様!?」

 

私がシアの前に立ち、刀を構える。

 

鬼神龍「俺の相手が務まるか?」

 

霊夢「やってみなくちゃ分かんないでしょ!」

 

そう言って私は鬼神龍に接近してスペルカードを取り出す。

 

霊夢「霊符『神・夢想封印』」

 

私が弾幕を放つと鬼神龍に直撃する。しかし鬼神龍はまだまだ余裕の笑みを浮かべていた。

 

鬼神龍「へっ、少しは効いたぜ」

 

霊夢「参ったわね......、あれで少しか......」

 

鬼神龍「今度はこっちの番だ!」

 

鬼神龍が急接近すると、高速で短剣を振るう。私は何とか避けるが掠ったのか服に傷が付いた。

 

霊夢「くっ...!早い...!」

 

鬼神龍「そらよ!」

 

続けて鬼神龍の攻撃が迫る。私は刀で受け止めるが足蹴りを食らって吹っ飛ばされる。

 

霊夢「早過ぎる...!それに刀じゃあ短剣との相性が悪い...」

 

鬼神龍「そうだ、剣はリーチが長くて斬る力もある。しかし短剣の場合はリーチが短かろうが急所を狙えば一撃で仕留められる利点がある。見た感じお前はその刀を使えこなせていないようだな」

 

霊夢「っ......」

 

確かに鬼神龍の言う通り、まだこの刀を使えるには時間が必要......。でもどうする?相手の動きが早過ぎて捉えられない...。

 

鬼神龍「勉強の時間はここまでだ。続きが知りたかったらあの世に行って教えて貰うんだな!」

 

鬼神龍が短剣を逆手に持ち替えて再び接近する。

 

霊夢「夢符『封魔陣』」

 

私は咄嗟にスペルカードを使って弾幕を発射するが、あっさりと避けられてしまう。私は焦って刀で斬り掛かろうとする。そして鬼神龍の短剣と私の刀がぶつかり合う。

 

鬼神龍「ふっ、剣術の才能は無くても力はあるようだな」

 

霊夢「伊達に博麗の巫女をやってないわよ!」

 

鬼神龍「そうか.....、でも詰めが甘いな」

 

そう言って鬼神龍の左手には新たな短剣を持ち、私の右肩に突き刺した。

 

霊夢「なっ!?」

 

鬼神龍「とっておきは最後まで取っておく事だぜ」

 

一度鬼神龍から離れ、突き刺さった短剣を抜く。しまった...、利き腕が右だから上手く動かせない...。万事急須か...。

 

「おおおおおお!!」

 

「あの巫女を助けろ!!」

 

鬼神龍「何!?」

 

霊夢「!」

 

鬼神龍の背後から非戦闘派の鬼神龍が飛びついて来た。そして鬼神龍の動きを封じる。

 

霊夢「あ、貴方達何やってんの!?」

 

鬼神龍(非戦闘派1)「へっ、お嬢ちゃん達だけ良い思いはさせねぇよ!」

 

鬼神龍「クソッ!離せこの!」

 

鬼神龍は振り解こうとするが、非戦闘派の鬼神龍達は耐えていた。

 

鬼神龍(非戦闘派2)「俺達にもやれる事がある筈だ!やってみる価値はありますぜ!」

 

霊夢「でも、そんな事したら......」

 

鬼神龍「いい加減に離せ!」

 

鬼神龍が非戦闘派の鬼神龍を振り解くと、非戦闘派の鬼神龍に短剣を斬りつけた。

 

鬼神龍(非戦闘派1)「ぐわっ!」

 

鬼神龍(非戦闘派2)「っ!この野郎!」

 

鬼神龍「勝てると思うなよ、弱者が!」

 

続けて鬼神龍は非戦闘派の鬼神龍の首を短剣を斬る。首から血が勢い良く放たれ、私の顔や服に付着する。

 

鬼神龍(非戦闘派2)「く......そ......」

 

鬼神龍(非戦闘派3)「ひ、怯むな!俺達だって鬼神龍だ!」

 

鬼神龍(非戦闘派4)「くっそー!よくも!」

 

仲間が倒れても尚、諦める事をしない非戦闘派の鬼神龍...。

 

鬼神龍「笑止、木っ端微塵にしてくれる!」

 

鬼神龍は新たに短剣を持ち、非戦闘派の鬼神龍に高速で斬り掛かった。次々と非戦闘派の鬼神龍は斬られ、建物に向かって吹き飛ばされてしまい、ドミノ崩しのように家やお店が崩壊していく。

 

霊夢「あ、あんた......!絶対に許さない...!」

 

鬼神龍「ふん、所詮世の中弱肉強食よ。強ければ生き、弱ければ死ぬ、ただそれだけだ」

 

霊夢「黙れぇぇぇぇ!!」

 

鬼神龍「遅い」

 

霊夢「うっ!」

 

無我夢中で鬼神龍に接近したら呆気なく足蹴りを受けてしまい、地面に倒れてしまう。そして髪を掴まれて顔だけが上がる。

 

鬼神龍「これで分かったろ?弱者が強がった所で結果は変わらないんだよ」

 

霊夢「...違う、弱くても......、諦めない心があれば......!あんた達なんかに!」

 

鬼神龍「ふっ、良いセリフだ。感動的だな、だが無意味だ」

 

霊夢(此処までなの......?何が何処へでも着いて行くよ......、龍騎の...、心の柱になれないじゃない......)

 

私は悔しさのあまりに涙を流して目を閉じた......。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ウルァァァァァァ!」

 

鬼神龍「ぐわっ!」

 

霊夢「っ!」

 

突然、何かの叫び声が聞こえると、鬼神龍は私を掴んでいた手を離した。

 

鬼神龍「て、てめぇ...!生きていたのか!」

 

鬼神龍(非戦闘派)「はぁ...、はぁ...」

 

霊夢「あ、貴方......」

 

鬼神龍(非戦闘派)「この方は、アルカード様の大事なご友人だ。誰一人も殺させはせん!」

 

鬼神龍「死に損ないがぁ!」

 

そう言って鬼神龍が急接近し、短剣を振ろうとすると、非戦闘派の鬼神龍が腕を掴み、攻撃を防いだ。

 

鬼神龍(非戦闘派)「アルカード様の為!イザベラ様の理想の為!やらせはせん!やらせはせんぞ!」

 

鬼神龍「この......、いつまでも調子に乗るなぁ!」

 

そして鬼神龍は非戦闘派の鬼神龍の腕を振り解き、喉に向かって突き刺した。

 

鬼神龍(非戦闘派)「ぐ......、アルカード......、様.......。我等に......、栄光を......」

 

非戦闘派の鬼神龍は龍騎を全て託したかのように鬼神龍に体重をかけるように倒れた。

 

霊夢「あ、ああ.........」

 

鬼神龍「ったく、無駄な抵抗をしやがって...」

 

 

 

 

龍騎「.........なんだよ...、これ......」

 

そして、龍騎が現れた。

 

霊夢「りゅ、龍騎......」

 

鬼神龍「お、ようやくお出ましか。待ちくたびれたぜ」

 

非戦闘派の鬼神龍の死体を見た龍騎は震え始める。

 

龍騎「あ、ああ......、あああ......!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!

 

龍騎が叫び出すと同時に大きな地震が起きた。

 

霊夢「な、何!?」

 

鬼神龍「こいつは......、まさか......」

 

龍騎「ヴヴヴ......」

 

すると龍騎が態勢を低くすると獣のように唸り始める。

 

龍騎「ガァ"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!」

 

霊夢「龍騎......、なの......?」

 

私は龍騎の姿に固まってしまった。目の前に立っている霧影龍騎は、私の知っている霧影龍騎では無かったから......。

 

〜霊夢side out〜

 

 

 

 

龍騎「ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!」

 

鬼神龍「成る程、こいつ激情態になった事が無かったのか」

 

霊夢「げ、激情態?」

 

鬼神龍「鬼神龍はある時期になると、こうやって本能的になって理性を失い、視界に入った者に攻撃する習慣がある。発情期みたいなものだ」

 

霊夢「そんな......」

 

龍騎「ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!」

 

 

 

 

 

 

レミリア「!?な、何今の!?」

 

咲夜「今の声......、まさか!?」

 

紫「何故......、何故あの現象が!?」

 

「何だ?今のは?」

 

「何か面白そうだし、行ってみるか!」

 

「よっしゃ、そうと決まれば!」

 

紫達と戦っていた鬼神龍達が、龍騎の変貌した声に反応して龍騎の元へ去ってしまった。

 

レミリア「あ、ちょっと待ちなさい!」

 

紫「止めては駄目よ!」

 

レミリア「な、何故よ!?」

 

紫「今の龍騎に......、会っては駄目......!逆に殺されるわ!」

 

咲夜「どう言う事ですか?」

 

紫「......今の龍騎は理性を失って暴走してるのよ...。多分、私達が声を掛けても碌に聞かないわよ......」

 

レミリア「一体どうして知ってるのかしら?」

 

紫「......私があの現象を知った時、丁度にとりが変な卵を持ってきたのよ。もしかしてと思って龍騎を月に送ったのよ」

 

咲夜「な、何故黙ってたんですか!?」

 

紫「あのまま龍騎が暴走したら誰も止められないからよ!それに貴女達だって彼と戦いたく無いでしょ!?それに彼が帰ってきた時こう言ってたじゃない!『ああ、死にかけたけど』...つまり彼は月の民と戦ったのでは無く、例の卵が卯化した化け物と戦った証拠よ!」

 

咲夜・レミリア「「!?」」

 

紫「それが今の龍騎の状態なの......、どうしようも無いのよ......」

 

咲夜「......龍騎様は、龍騎様はそんな弱い男性ではありません!理性を失ったのは月に行った時だけ、きっと必死に抗ってる筈です!今から止めて来ます!」

 

紫「待ちなさい!本気で殺されるわよ!」

 

咲夜「......例え死ぬ事になっても、龍騎様になら構いません」

 

そう言って咲夜は時を止めて龍騎の元へと駆けつけた。

 

紫「......彼女には恐怖心が無いのかしら...」

 

レミリア「それは違うわ。暴走してる龍騎が元に戻る事を信じてるからよ」

 

紫「......彼がどれだけ信用できるのかは分かる。でも......、本当に殺されたら元の子も無いのよ......?」

 

レミリア「そうね......、でも、初めて咲夜の本気が見れた気がするわ」

 

紫「本気......?」

 

レミリア「今までは私に凄く忠誠心があったのに、いつの間にか龍騎に横取りされたもの。例えメイド長をクビにされてまでも龍騎と一緒に居たいのよ」

 

紫「......」

 

レミリア「......早く行きましょ?まだ取り返しはつくわ」

 

紫「......えぇ、そうね」

 

そう言って紫とレミリアも龍騎の元へ駆けつける。

 

 

 

 

 

 

龍騎「ウ"ウ"ウ"ッ".........、ウ"ウ"ウ"ッ"........!」

 

鬼神龍「こいつは面白れぇ、よく見てな!暴走した鬼神龍の力を!」

 

そう言って鬼神龍は龍騎に向かって短剣を投げる。龍騎は右手の甲で短剣を弾くと、目の前には鬼神龍が接近していた。

 

鬼神龍「オラよ!」

 

鬼神龍は新たに短剣を取り出し、龍騎の左肩に突き刺す。

 

龍騎「ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!」

 

龍騎は悲鳴を上げながら鬼神龍の胸倉を掴む。そして龍騎は勢い良く鬼神龍を投げ飛ばした。

 

鬼神龍「流石は激情態だな!パワーが全然違う!」

 

龍騎「ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!」

 

龍騎は再び雄叫びを上げると、鬼神龍の懐に入り込み、アッパーカットをして上空に吹き飛ばす。

 

鬼神龍「中々!でもな!」

 

そう言って鬼神龍は新たにもう一本の短剣を取り出し、龍騎に向かって投げる。龍騎は避ける事無く、投げた短剣に当たるが怯む事は無かった。

 

鬼神龍「悪いがこれで終わらせる!死にな!」

 

そう言って鬼神龍は最後の一本の短剣を取り出し、身体を回転させて龍騎に接近する。

 

鬼神龍「斬り刻んでやるぜ!」

 

龍騎「ウ"ウ"ウ"ッ"..............、ナ...........メル...............ナァアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

 

龍騎は左腕から氷の柱を発生させ、身体を回転させてる鬼神龍に向けて発射した。

 

鬼神龍「何!?しかし俺の威力は収まらないぜ!」

 

鬼神龍は氷の柱を削りながら龍騎に近づく。言葉通り鬼神龍の威力は下がらない。

 

龍騎「.........ヒ、ケン.........!ヒケン......!」

 

龍騎は何かを溜めてるかのように剣に手を掛ける。

 

鬼神龍「じゃあな王子様!お母様と一緒に暮らせよ!」

 

そう言って鬼神龍は龍騎を斬りつけた......。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

が、その直前で龍騎はその場から消えた。

 

鬼神龍「なっ.........」

 

鬼神龍の後ろには龍騎が既に鞘から剣を抜いていた状態で待ち構えていた。

 

龍騎「火剣『円炎斬・火車』

 

そして龍騎が剣を振り下ろすと、鬼神龍は斜めに斬り裂かれた。身体が二つにされた鬼神龍はそのまま地面に落ちてしまい、龍騎も着地すると荒く息を整える。

 

龍騎「ウ"ウ"ウ".........、ウ"ウ".........」

 

霊夢(何なの......、本当に龍騎なの......?)

 

霊夢は怯えていた。あれ程戦いを嫌っていた彼が凶暴且つ残酷な戦いをした......。更には同族でありながら何の躊躇いも無く殺害した事に涙が溢れてしまう。

 

龍騎「ウ"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!」

 

霊夢「!?」

 

龍騎が突然吠え始めると、霊夢に向かって飛び出した。霊夢は反応が出来ず目を瞑ってしまった。

 

霊夢「.........生きてる」

 

「全く、世話が焼ける奴だ」

 

霊夢が目を開けると、其処には一人の男が龍騎を黒い空間で動きを封じていた。そして黒い空間を解くと、龍騎を吹き飛ばし、崩れた建物の中に入れた。

 

霊夢「だ、誰.........?」

 

「無事のようだな、博麗の巫女」

 

霊夢「......もしかして、黒騎...、なの?」

 

霊夢の目の前に居たのは地下からやって来た黒騎だった。

 

黒騎「どうやらまた月の時みたいになったらしいな。仲間ですら手を出すとは...」

 

黒騎がそう言うと、龍騎が崩れた建物から飛び出し、狙いを黒騎に定める。

 

龍騎「ガァ"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!」

 

黒騎「仕方ない...。まず奴を止める必要があるな」

 

そう言って黒騎は刀を引き抜き、構えを取る。

 

黒騎「来い...、頭を冷やしてやる」

 

龍騎「ガァ"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!」

 

黒騎の発言に龍騎が飛びついて来た。そして黒騎は龍騎に向かって剣を振った。

 

 

〜推奨ED『Armour Zone(仮面ライダーアマゾンズより)』〜




いかがでしたか?

最後のはやってみたくてやりました。後悔は無いです。こう言う終わり方は個人的に好きなんですよね。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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第八十一話 激突、黒騎 対 龍騎

どうもです。

第八十一話です。

それではどうぞ。


〜ラ◯ュ◯もどき〜

 

ジャック「......中々やるではないか、これは予想以上に楽しめそうだ」

 

科学者「へ、陛下様......」

 

ジャック「.........例の()()を投下しろ」

 

科学者「!?しかし陛下!アレはまだ最終段階に入っておりません!せめてあと十五分はお時間を......」

 

ジャック「関係ない、やれ。一匹残らずだ」

 

科学者「.........承知致しました」

 

ジャック「......ふふふ、さて、この先どうなるかじっくりと見物させて貰うぞ」

 

 

 

 

〜人里〜

 

黒騎「来い...、頭を冷やしてやる」

 

龍騎「ガァ"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!」

 

龍騎が飛びついて来ると、黒騎は刀を振る。龍騎は黒騎の刀を手に持っていた剣で受け止めると荒い様子で剣を振る。黒騎は落ち着いて龍騎の攻撃を避けては、刀を使って受け流す。

 

黒騎「らしく無いな。まるで野性の獣だな」

 

龍騎「ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!」

 

黒騎「......どうやら本格的に理性が無くなってるみたいだな。だか、それでこそ叩き甲斐がある」

 

黒騎がそう言うと、印度藍色のオーラを発生し、額に龍の紋章を浮き出す。

 

龍騎「ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!」

 

龍騎が黒騎に向かって走り出すと剣を突き付けるが、黒騎は軽々と避けて龍騎に峰打ちをする。

 

龍騎「ウ"ッ"!?」

 

黒騎「どうした?その程度か?」

 

龍騎「ウ"ウ"ウ"........、ウ"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!」

 

黒騎「......お前も地に落ちたな...。ならお前に引導を渡す」

 

そう言って黒騎は一度刀を鞘に収めると、抜刀する構えを取る。

 

霊夢「ま、待って!引導を渡すって何考えてるの!?」

 

霊夢は慌てて黒騎の前に立ち塞がる。

 

黒騎「...言葉通りだ」

 

霊夢「何でよ!?殺す事は無いでしょ!?」

 

黒騎「......なら貴様が奴を殺せるのか?」

 

霊夢「......え?」

 

黒騎「奴は既に理性を失っている。このまま放って置けば戦闘派の鬼神龍どころでは無い。戦争は殺すか殺されるかのどちらかだ」

 

霊夢「そ、そんな.........」

 

龍騎「ガァ"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!」

 

霊夢「!?」

 

黒騎「!」

 

黒騎と霊夢が話してる隙に龍騎が襲い掛かる。黒騎は咄嗟に霊夢を後ろに連れて行き、刀を抜刀しようとしたが、次の瞬間龍騎は何者かによって動きを封じられてしまった。

 

咲夜「龍騎様!もうお止め下さい!」

 

霊夢「咲夜!」

 

黒騎「ちっ、余計な事を......」

 

「お?何だありゃ?仲間割れか?」

 

黒騎「......残りの鬼神龍か」

 

黒騎が振り返ると、紫達と交戦していた鬼神龍がやって来た。

 

紫「龍騎!」

 

レミリア「な、何よあれ......、本当に龍騎なの?」

 

鬼神龍に続いて紫とレミリアも到着する。

 

紫「やはり理性が失っているわね......、黒騎!貴方は鬼神龍を相手して!」

 

黒騎「.........」

 

龍騎「ウ"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!」

 

咲夜「龍騎様!」

 

霊夢「龍騎お願い!元に戻って!」

 

龍騎が暴れ出すと、霊夢も龍騎を抑えに行き、紫とレミリアも加勢する。

 

レミリア「落ち着きなさい!私達が分からないの!?」

 

紫「龍騎!しっかりしなさい!自分が何をすべきなのか分かる筈よ!」

 

黒騎「......どうやらお前達の声も届かないようだな」

 

鬼神龍「おいおい、俺達を無視するなよ」

 

「「「「!?」」」」

 

四人が必死に龍騎を止めてる中、一体の鬼神龍が襲い掛かる。

 

黒騎「邪魔だ」

 

だが黒騎が刀で鬼神龍の頸を斬り飛ばした。

 

黒騎「貴様等が出て来た所で犬死にするだけだ。馬鹿な事はしない事だな」

 

龍騎「ウ"ウ"ウ".........」

 

「こ、こいつ......、一撃で........」

 

「慌てるな!俺達が束に掛かれば!」

 

「よ、よし!行くぞ!」

 

そう言って鬼神龍は大群となって接近する。

 

黒騎「愚かな.........」

 

龍騎「ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!」

 

「「「「きゃ!!」」」」

 

黒騎「何!?」

 

取り押さえられていた龍騎が四人の拘束を無理矢理解くと、単身で鬼神龍の大群に突っ込んで行く。

 

霊夢「龍騎!」

 

龍騎「ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!」

 

龍騎はまず一体の鬼神龍に腹部を殴りつけると貫通し、両手を組んで鬼神龍の頭部に目がけて振り下ろすと木っ端微塵になる。そして背後から飛びついて来た鬼神龍にはブラックバンカーを当てると、上半身が無くなり下半身だけが残った。

 

龍騎「カ"ァ"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!」

 

そして龍騎はサンダーウィップで霊夢達が居る場所にあった剣を回収すると、逆手に持って槍投げのように投擲する。すると剣は鬼神龍を三体貫通させて崩壊した建物にぶつかった。続け様にサンダーウィップで一体の鬼神龍の首に巻き付け、上空へ投げ飛ばすと右腕に氷属性を解放させ、カッター状の刃を三本形成すると、上空に飛ばされた鬼神龍が地面に着く直前に氷で出来た刃を斬りつける。そして斬られた鬼神龍は上半身と下半身に分けられてしまい絶命した。

 

黒騎(.......これが鬼神龍の本能、か...)

 

「な、何だこいつ......。強過ぎる.......」

 

「だ、駄目だ......、勝てる要素が見つからなねぇ....」

 

龍騎「ウ"ウ"ウ"ッ".....、ウ"ア"ッ"、ウ"ゥ".........」

 

黒騎(?様子が変化した.......)

 

鬼神龍が怯える中、龍騎は突然苦しむように身体を丸くし出した。

 

黒騎「どうした?もうお終いか?」

 

龍騎「.............ク、チ......、ヲ.........。ツツ....シ...メ....」

 

黒騎「?」

 

龍騎「ワレ.....ハ......、オウ.....ノ、コウ......、ケイ...、シャ......」

 

黒騎「.....成る程、今のお前は『霧影龍騎』としては無く、鬼神龍の次の王である『アルカード』という訳か」

 

龍騎「......ア、アア.......」

 

黒騎「聞こう、もう一人のお前は何て言っていた?」

 

龍騎(アルカード)「......ウッ...、ナニモ、イッテナイ.........。ワレハ...、ワレノコトバニ...、シタガッタ......、ダケ......」

 

黒騎「......つまり、殺られる前に殺れ、か...。そんな事で王の後継者と名乗るな」

 

龍騎(アルカード)「......ダマレェェェェェェ!!」

 

龍騎が殴り掛かると、黒騎は刀を地面に刺して拳でカウンターを決める。龍騎はダメージを負いながらも黒騎に攻撃を止めないが、黒騎に避けられては受けながられるの連続だった。

 

黒騎「弱いな......」

 

龍騎(アルカード)「......ナニ...?」

 

黒騎「鬼神龍でありながら、貴様はそんなに弱いのか?俺の知っている奴はそんなものじゃない...、霧影龍騎(あいつ)もっと強かった!」

 

龍騎「......ウルサイ...!ワレガ......、サイキョウダァァァ!!」

 

黒騎の挑発に龍騎は再び右腕に氷の刃を形成し、黒騎に向かって走り出す。

 

霊夢「もう止めて!!」

 

龍騎(アルカード)「!?」

 

しかし、霊夢が龍騎の身体を抱きしめて動きを封じた。

 

霊夢「お願い...、もう止めて......。いつもの貴方に戻って......」

 

龍騎「ハ、ハナセ......!」

 

霊夢「離さない...!貴方が元に戻るまで離さない!」

 

咲夜「っ......」

 

レミリア「ちょ、咲夜!?」

 

霊夢の行動に咲夜も龍騎の元へ駆けつける。

 

咲夜「龍騎様......!もうお終いにしましょう!」

 

龍騎(アルカード)「ジャマダ!ドケ!」

 

霊夢「どかない!約束したでしょ!貴方の心の柱になるって!」

 

龍騎(アルカード)「!?」

 

咲夜「龍騎様を一人にはさせません!何があってもお供します!」

 

霊夢「もう一人で抱え込まなくて良いのよ!私達を頼って!」

 

龍騎(アルカード)「ア......、アアアア...........!」

 

 

 

霊夢・咲夜「「お願い!私の大好きな霧影龍騎に戻って!!」」

 

 

龍騎(アルカード)「ア.........、アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

 

霊夢と咲夜の言葉を聞いて、龍騎は頭を抑え、苦しみ出す。

 

龍騎(アルカード)「ナ、ナンダ......!ナンダコレハ......!?」

 

黒騎「......今少しだけ分かった事がある。霧影龍騎(あいつ)はお前みたいな野獣のような者じゃない。時に悩んで、意気地無しな所もあった。そんな弱い部分を乗り越えたこそ、今の霧影龍騎(あいつ)が存在する......、貴様がその身体を使うなど笑止千万、返して貰うぞ」

 

そう言って黒騎は地面に刺した刀を手に取り、龍騎に近づく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー......そうだ。それは......、俺の身体だ.....。お前は......、とっくの昔に死んでいる......。

 

 

 

龍騎(アルカード)「......!?キ、キサマ!?」

 

 

 

ーーーこれ以上......、俺の.....、俺の.........!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大切なものを奪うんじゃねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!

 

 

 

龍騎(アルカード)「ウ......!ウアアアアアアアアアアアアアア!!」

 

 

龍騎が頭を抑えながら絶叫すると、額から光が輝き出す。

 

霊夢「な、何の光り!?」

 

咲夜「こ、これは一体......!?」

 

黒騎「......お目覚めか」

 

龍騎「はぁ......、はぁ......、も、戻った......」

 

霊夢「りゅ、龍騎なの...?」

 

龍騎「...ああ、ただいま」

 

霊夢・咲夜「「龍騎(様)!!」」

 

元に戻った龍騎が微笑むと、霊夢と咲夜は龍騎に抱きついた。

 

咲夜「良かった...!本当に良かったです!」

 

霊夢「もう!本当に元に戻らないのか心配してたんだから!」

 

龍騎「ごめん、本当にごめん......」

 

レミリア「ヒ、ヒヤヒヤさせるわね貴方は......」

 

紫「でも良く戻ってくれたわ...。本当に良かった......」

 

龍騎「レミリア、紫さんもすみませんでした......。黒騎...、助かった。お前に借りが出来たな」

 

黒騎「気にするな、俺は気にしない」

 

その場に居た者が龍騎が元に戻った事に一安心していた。そして黒騎が残りの鬼神龍を方へ視線を向けると、鬼神龍はビクッと震わせる。

 

黒騎「残りの奴等はどうする?排除でもするか?」

 

「ま、待ってくれ!降参だ!もう此方の戦意はもう無ぇ!」

 

「頼む!助けてくれ!」

 

鬼神龍は両手を上げたまま微動だにしなかった。

 

黒騎「愚かな......。自分達だけが助かりたいが為に簡単に白旗を上げるとは......。貴様等には鬼神龍としての誇りも無いらしいな」

 

そう言って黒騎は刀を構えるが、龍騎が黒騎の肩を掴んで止める。

 

龍騎「待て黒騎、放って置け」

 

黒騎「......何だと?情けを掛ける気か?」

 

龍騎「俺は最初から命のやり取りをしてた訳じゃない。それにこいつ等はもう戦う意志が無くなっている。無抵抗な奴等を殺して何の意味がある?」

 

黒騎「......」

 

龍騎「......皆んなはどうする?こいつ等を生かすか、殺すか」

 

霊夢「私はどちらでも良いわ、龍騎が無事ならそれで」

 

咲夜「私も同じ意見です」

 

レミリア「咲夜の意見に任せるわ」

 

紫「龍騎の好きなようにしなさい」

 

龍騎「.........って言ってるけど、お前はどうするんだ」

 

黒騎「...............ちっ、勝手にしろ。どうなっても知らんぞ」

 

そう言って黒騎は刀を鞘に収め、背を向ける。

 

紫「素直じゃなわね......」

 

紫が微笑むと、鬼神龍達は安心したのか一息吐く。

 

シア「龍騎様!」

 

するとシアが龍騎の剣を持って走って来た。

 

シア「良くぞご無事で!」

 

龍騎「すまん、心配掛けた」

 

シア「構いません。それより...、遂に覚醒致したのですね」

 

龍騎「覚醒?」

 

黒騎「その額にある紋章だ。それは王の証との事だ」

 

龍騎「......もしかして、お前もなのか?」

 

黒騎「......俺にあって、お前が無い訳が無いだろ」

 

シア「龍騎様、龍帝剣を手にして下さい。そうすれば、龍帝剣本来の姿に変わる筈......」

 

 

 

「な、何だあれ!?」

 

 

「「「「「!?」」」」」

 

 

シアが説明している最中に、一体の鬼神龍が空に指を指して大声を上げる。全員が上空を見上げると、ラ◯ュ◯もどきから複数の物体が落ちて来た。

 

霊夢「何あれ......」

 

紫「隠し兵器......、では無さそうね......」

 

龍騎「........おい、アレって...!?」

 

黒騎「...........嫌な記憶が蘇ったな」

 

上空から落ちて来たのは龍騎と黒騎には心当たりがあった。

 

 

 

それは人間のような五本指の足と手、尻尾が生えた謎の生命体......。龍騎が月で戦ったあの化け物が人里へ舞い降りて来たのだ。

 

龍騎「な、何で....!何でこんな!!」

 

黒騎「密かに研究していたみたいだな.....。これは予想以上に不味いかもしれないな......」

 

霊夢「ね、ねぇ......、貴方達は知ってるの?あの化け物を......?」

 

黒騎「......月に行った時に戦った化け物だ」

 

紫「何ですって!?」

 

咲夜「では何故あんな数多くを!?」

 

レミリア「......これは非常に不味い状況ね...」

 

シア「陛下.........」

 

 

 

 

「「「ウ"ァ"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!」」」

 

 

そして、化け物は龍騎達に向かって飛び出した。

 

 

 

〜推奨ED『DIE_SET_DOWN(仮面ライダーアマゾンズseason2より)』〜




いかがでしたか?

また性懲りも無くやってしまいました。だが悔いはないです。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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第八十二話 悪夢の再来

どうもです。

第八十二話です。

ラストバトルまでもう少しです。

それではどうぞ。


 

「「「ウ"ァ"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!」」」

 

月で戦った化け物がラ◯ュ◯もどきから大量に降って来て、雄叫びを上げて俺達に襲い掛かって来た。

 

龍騎「シア!剣を!」

 

シア「は、はい!」

 

俺が指示するとシアは俺の剣を投げ渡し、上手くキャッチして構える。

 

龍騎「気をつけろ!奴は鬼神龍とは違う!」

 

俺がアドバイスを言うと、全員が散開し、一体ずつ排除していく。

 

「ウ"ァ"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!」

 

霊夢「くっ!こいつ以外と凶暴的ね!」

 

鬼神龍「うわっ!?俺達もかよ!?」

 

どうやら鬼神龍もターゲットに入ってるようだ。霊夢は左腕で刀を振っているが、上手く攻撃が出来ないでいた。俺は霊夢の元へ駆けつけようとするが、化け物が束になって襲い掛かって行く手を阻む。

 

龍騎「邪魔だどけぇ!!」

 

俺は火属性を解放させ、剣に炎を纏わせ攻撃する。

 

龍騎「火剣『煉獄火炎斬・烈火』

 

俺は炎を纏った剣を化け物に斬り続ける。この煉獄火炎斬は通常とは違い、一撃を与えた後、コンマ数秒インターバルを挟んで次の一撃を与えるのだが、烈火は一撃を与えた後直ぐに全身の力を使って新たに一撃を与える。まるで龍が舞っているかのような斬撃である。当然威力も通常の三倍である。

 

龍騎「......?」

 

襲い掛かって来た化け物を斬りつけた後、俺はある違和感を感じた。

 

黒騎「......どうした?」

 

黒騎が俺が違和感を感じた事に気づいたのか声を掛けて来た。

 

龍騎「......何か、脆くないか?あいつ等」

 

黒騎「......やはりそう思ったか」

 

俺が感じた違和感......、あの化け物の耐久性だ。月で戦った時は剣でも斬れなかった身体なのに斬れてしまった。技の威力が上がって無くても多分切れてしまうのかもしれない......。

 

黒騎「どうやら中身までは完全にコピー出来なかったようだな......」

 

龍騎「......みたいだな。でもこの数は......」

 

次々と増えていく化け物。俺達は一ヶ所に集まり、追い込まれていた。ちっ、これじゃあジリ貧だ......。

 

咲夜「数が多過ぎる......」

 

紫「身体は脆いようだけど、中々の戦闘力ね......」

 

レミリア「くっ、これじゃあキリがないわ......」

 

龍騎「大丈夫か霊夢?まだやれるか?」

 

霊夢「え、えぇ......、何とか...(龍騎に回復魔法をかけて貰ってる......。こんなに嬉しい事はない.....)」

 

「ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!」

 

黒騎「来るぞ!」

 

一匹の化け物が尻尾を伸ばした時に黒騎が合図すると、黒騎は伸びて来た尻尾を両断する。尻尾を斬ると血が飛び散る。血が黒騎に付着するが、色が黄色から黄緑色となっており月では溶け始めた血液が、溶ける事は無かった。

 

黒騎(溶けないだと?まさか......)

 

魔理沙「おーい!助けに来たぜー!」

 

黒騎は一つの考えを出すと、空から魔理沙と幽香がやって来た。

 

龍騎「魔理沙!幽香さん!」

 

幽香「あらあら、随分と楽しそうじゃない」

 

魔理沙「にしてもキモい野郎だぜ」

 

紫「良く来てくれたわ!少し手伝って頂戴!」

 

幽香「お言葉に甘えるわ。あ、そうそう...、坊や」

 

龍騎「...?俺ですか?」

 

何故か俺を呼んだ優香さん。

 

優香「いきなり矢が飛んできて一緒にこれが着いて来たのよ。あとこれも」

 

そう言って優香さんは俺に紙と携帯端末を投げて来た。ってか矢で一緒にあるとか凄いな...。恐らく永琳さんからの伝言だろう。

 

『やぁ盟友!そっちは頑張ってるようだね!永遠亭組は今の所問題ないみたいだよ。この手紙と一緒に盟友から貰ったスマホがある筈だ。詳しい事情はスマホを起動シタマエ! byにとり』

 

どうやらにとりからの手紙だった。俺はにとりの手紙に書いてあったように電源を入れる。するといきなり着信が入った。俺は着信に出ると、

 

にとり『おっ!上手く繋がったみたいだね!』

 

にとりの声がした。

 

龍騎「にとりなのか!?どうしたんだよこんな時に?」

 

にとり『うん、今空には変なのが宙に浮いてるだろ?』

 

龍騎「あ、ああ......」

 

にとり『実はそいつにダメージを与えられる兵器が存在するのだ!!』

 

龍騎「そ、それは本当なのか!?」

 

にとり『勿論!なんてたった月の民との共同作業だからね!』

 

いつの間にそんな事を......。ん?それってつまり.......。

 

龍騎「そっちには月の民が居るのか?」

 

にとり『うん居るよ?なんなら今も作業してる訳だし』

 

龍騎「え?」

 

その時、拳銃の発砲音が響いた。

 

レイセン「龍騎さん!お待たせしました!」

 

龍騎「レイセン!?」

 

豊姫「あら、私達も居るわよ?」

 

依姫「加勢するぞ、龍騎!」

 

霊夢「綿月姉妹!?なんで此処に!?」

 

紫「これは思っても無いサプライズね...」

 

何と豊姫さん、依姫さん、レイセン率いる玉兎達がやって来た。

 

依姫「八意様から事情は聞いている。まさかお前達が鬼神龍だったとは......」

 

龍騎「鬼神龍の事は知っていたんですか?」

 

依姫「八意様が初めて恐怖をした一族だと聞いている。だが、今となってはこんな状況だ」

 

紫「......本当に感謝するわ」

 

依姫「......八雲紫、決してお前の為じゃない。あくまで八意様の為、そして龍騎の借りを返す為だ」

 

紫「それでも構わないわ。本当にありがとう......」

 

龍騎「俺からもありがとうございます。本当に助かりました」

 

紫さんが頭からを下げると俺も頭を下げる。理由はどうあれ駆けつけた事に感謝しきれないぐらい感謝している。元は敵である鬼神龍の俺でも味方になってくれた。それだけでも嬉しさが溢れてくる。

 

豊姫「さて、じゃあお仕事と行きますか!」

 

魔理沙「こいつはまたと無い機会だからな!」

 

レイセン「各員!一匹残らず始末しろ!」

 

「「「了解!」」」

 

玉兎J「ヒャッハー!汚物は消毒だー!」⇦ガトリング乱射

 

玉兎A「ちょ!?落ち着いて!?」

 

レミリア「......大丈夫かしら?」

 

黒騎「中身はあれだが、頼りになる奴等だ。心配するな」

 

にとり『盟友!その場で聞いて!もう少しで秘密兵器が完成するからもう少しだけ待っててくれ!」

 

龍騎「了解した。だったら一気に行くぞ!」

 

そう言って俺は火属性を解放させると、他の皆んなはスペルカードを取り出す。

 

霊夢「夢想天生

 

咲夜「デフレーションワールド

 

魔理沙「ブレイジングスター

 

レミリア「スカーレットディスティニー

 

紫「深弾幕結界 ‐夢幻泡影‐

 

幽香「百花繚乱マスタースパーク

 

豊姫「トヨタマヒメイア・マチカネンシス

 

依姫「ヤマタノオロチ・インストール

 

黒騎「月影『幻夢零』

 

龍騎「竜火『竜滅剣・焔』

 

レイセン「各員!てぇーー!」

 

霊夢達がそれぞれスペルカードを発動すると、数え切れない程の弾幕を発射する。何故か魔理沙に関しては特攻して行ったがツッコまないでおこう。そして黒騎は横型の斬撃波を放ち、レイセンの合図でライフルの弾丸を発射する。そして俺は剣を突きつけると、炎で出来た巨大な竜が化け物に向かって一直線に向かって放たれた。

 

シア「す、凄い......」

 

黒騎「......大方、掃除は出来たが...」

 

そう言って黒騎が空を見上げると、ラ◯ュ◯もどきから更に化け物が追加して行く。

 

龍騎「くっ......!一体何体居るんだよ......!」

 

にとり『盟友!おまたせ!』

 

突然にとりがスマホから叫び出す。どうやら撃てる準備が出来たようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

にとり「さぁ皆んな!準備は良いな!?」

 

「「「イエッサー!」」」

 

にとりの合図にモブ河童が拳を空高くに突きつけると、其々の指定場所に着く。

 

モブ河童A「こちらA、システムに異常無し」

 

モブ河童B「こちらB、砲撃角度修正完了。C、月は出ているか?」

 

モブ河童C「こちらC、月を確認。準備完了」

 

にとり「オッケー!......あっ、聞こえる?こっちは準備は出来たよ。そっちは?......オッケー!んじゃ早速始めますか!」

 

そう言ってモブ河童達は砲台から避難する。

 

にとり「よーし、そんじゃ行くよー!受信開始!」ポチッ

 

 

 

 

〜月・司令室〜

 

玉兎(オペレーター)「予定ポイントに信号を検知!」

 

サグメ『マイクロウェーブ放射!』

 

玉兎(オペレータ)「了解!マイクロウェーブ射出!』

 

地上からの信号を読み取ると、オペレータの玉兎がキーボードを高速で打っていくと、外にある太陽光発電施設から青色の細いレーザーを射出した。

 

 

 

〜地上・狙撃ポイント〜

 

にとり「おっ、来た来た!」

 

月から射出されたレーザーは受信機に当たると、レーザーがエネルギーとなり砲台へと流れて行く。

 

にとり「チャージ完了まで......、30%......、20%.......、10%......。0!」

 

チャージご終わる事を確認するとにとりは引き金タイプのコントローラーを握る。

 

にとり「よーし!狙い撃つぜぇ!!」

 

そしてにとりが引き金を引こうとした瞬間...。

 

 

 

「「「ちょっと待った!!」」」

 

 

何故かモブ河童がにとりを突き飛ばした。

 

にとり「ちょ!?何やってんの!?」

 

モブ河童A「にとりだけずるい!」

 

モブ河童B「自分だけ楽しもうだなんて!」

 

モブ河童C「抜け駆けはダメ」

 

にとり「いや抜け駆けじゃないから!ま、まさか...!?君たち撃つのかい!?」

 

 

「「「撃っちゃうんだなぁこれが!!」」」

 

 

そう言ってモブ河童達は仲良く引き金を引いた。

 

すると砲台の銃口から集まったエネルギーが溜まり、一瞬にして広範囲を殲滅するほどの巨大なビーム砲が放たれた。そのままビームはラ◯ュ◯もどきに向かって一直線に伸びて行き、そのままラ◯ュ◯もどきに直撃した。

 

 

 

「「「ふははははは!河童と兎!二つの技術は世界一ィィィ!!」」」

 

 

にとり「あーー!それ私が言いたかったセリフー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

突然、森の方から極太なビーム砲が放たれてラ◯ュ◯もどきに直撃した。貫通しては無いが、ラ◯ュ◯もどきに穴が空いていた。

 

龍騎「す、凄ぇ......」

 

魔理沙「わ、私のマスタースパークより火力があるぜ......」

 

幽香「河童もやる時はやるじゃない」

 

紫「......っ!龍騎、黒騎!貴方達はあの要塞の中へ行きなさい!此処は私達が引き受けるわ!」

 

龍騎「!」

 

黒騎「っ........」

 

シア「龍騎様、此処はお任せを」

 

龍騎「.....分かった、後は頼んだ!」

 

咲夜「龍騎もご無事で!」

 

レミリア「黒騎も頼んだわよ」

 

魔理沙「死ぬんじゃねぇぞ二人共!」

 

幽香「帰ってきたら手合わせ願うわよ」

 

豊姫「必ず帰って来てね、待ってるわ」

 

依姫「決着を付けて来い!龍騎、黒騎!」

 

レイセン「どうかご無事で!」

 

玉兎達「「「(`・ω・´)ゞ」」」

 

龍騎「......」

 

皆んなの言葉を聞いて改めて実感する。俺には...、帰る場所があるって......。

 

龍騎「......ああ、必ず終わらせて来る」

 

そう言って俺はラ◯ュ◯もどきの方向へ向くと、

 

霊夢「龍騎......」

 

霊夢が俺を呼び止めた。俺は振り返ると笑顔で、

 

龍騎「行ってらっしゃい」

 

そう言ってくれた。俺も笑顔の表情を作って、

 

龍騎「行ってきます」

 

行ってきますと返事を返す。そして先に黒騎が空を飛ぶと俺も後に続いて空を飛ぶ。これは意地でも帰らなくては......、そう思っていたのだが更に化け物が降ってくる。

 

龍騎「ちぃ!何て数だ!?」

 

黒騎「流石に此処まで多いとなると辿り着くのは困難だぞ.....」

 

降って来る化け物が邪魔をして中々進めない。辿り着く前にこっちがやられちまう......。

 

 

「助けに来たぞーー!兄弟!!」

 

 

龍騎「!?この声は...」

 

声が聞こえた方向に向くと、大量の弾幕が化け物へと放たれて来た。

 

早苗「この東風谷早苗を差し置いて、抜け駆けは許さんぞこの化け物!」

 

龍騎「早苗!?何かキャラ変わってね!?」

 

何か早苗のキャラが御大将になってるけどどうしてなの...?

 

 

「やれやれ、やっぱりこうなっていたか......」

 

 

そして次は上空から禍々しいオーラを放ち、拳の形にしたものが化け物に向かってラッシュしてきた。

 

 

「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!」

 

 

 

黒騎「敵が減っていく......」

 

紫苑「此処は、この依神紫苑に任せて貰おう......、先に行きな」

 

龍騎「紫苑......」

 

何故か某不良のレッテルを貼られた高校生みたいになってる紫苑。ツッコミたいのは山々だがそれどころじゃない。

 

龍騎「すまない早苗、紫苑!此処は任せた!」

 

黒騎「.........」

 

早苗「任された!この東風谷早苗が貴様等に神の世界への引導を渡してやる!」

 

紫苑「やれやれだぜ」

 

そう言って早苗と紫苑は化け物の群れに突っ込むと早苗は大量の弾幕を、紫苑はオーラで拳を作ってラッシュを放つ。

 

早苗「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!」

 

紫苑「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!」

 

龍騎「良いぞ二人共!そのまま頼むぞ!」

 

黒騎「.........そろそろ着くぞ」

 

二人の様子を見ながら移動してると、黒騎の報告ににとりが空けたラ◯ュ◯もどきの穴の近くまで来ていた。そして俺と黒騎は穴の中へ入る。

 

龍騎「うわっ......、宇宙戦艦並みの広さだな......」

 

黒騎「......此処からは二手に分かれるぞ。俺は右側に向かう」

 

龍騎「よし、俺は左側を行く」

 

黒騎「......おい」

 

そう言って俺は走り出そうとすると、黒騎に止められた。

 

黒騎「........正直に言う。俺は今まで、心の底から共と呼べる奴が居なかった...。最初は欲しいとは思わなかったがな......。だが、お前は......、出会って来た中で、唯一の友と......、呼べるのかもしれない」

 

龍騎「......フッ」

 

黒騎の発言に思わず笑いが出てしまった。黒騎はムッとした表情で睨んでくる。

 

黒騎「何がおかしい......」

 

龍騎「す、すまん......。お前が俺にそう言ってくれるなんて、ちょっと......、以外だ...」

 

黒騎「......言った筈だ、正直に言うと」

 

黒騎は恥ずかしくなったのか顔を赤くして反対方向へ向かってしまった。可愛い奴め。

 

龍騎「馬鹿だな...、俺達仲間だろ?」

 

黒騎「......っ」

 

龍騎「例え俺の二重人格でも、同じ存在でも、お前はお前だ。最初の頃言ったろ?『俺はお前のために生きる訳じゃない』お前も『それは俺も同じだ』って。だからお前はお前の為の戦いをしろ、俺も俺の叶えたいものの為に戦う」

 

黒騎「.........」

 

龍騎「死ぬなよ......、黒騎」

 

黒騎「.........お前もな」

 

そう言って黒騎は走り出した。黒騎の背中を見送り、俺も走り出す。

 

龍騎「これで、全てが終わる......。鬼神龍の出鱈目な呪いも、幻想郷の危機も、そして......、俺自身の戦いも......、決着を着ける。待っていろ皆んな、今、約束を守る!」

 

そう心に強く誓い、ラ◯ュ◯もどきの内部捜索を開始した。




いかがでしたか?

後もう一息......、この作品が終わってしまう......。

こんな作品を読んで下さる読者の皆様に感謝します。本当にありがとうございます。どうか最後までお付き合い下さい。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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第八十三話 親と子

どうもです。

第八十三話です。

もしかしたら次回か次々回で最終回になるかもです。この後、アンケートをとりますので皆様の意見で次回で終わるか次々回で終わるか決めます。

後書きは少し書きたい事があるので此処で書いちゃいます。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

それではどうぞ。


 

龍騎と別れた黒騎はひたすら廊下を走っていた。しかし走り続けても部屋のドアや分かれ道が一つも存在しなかった。

 

黒騎「妙だな...。デカい要塞にしては部屋が少なすぎる......。どうなっているんだ......?」

 

疑問に思いながら走り続けると、一つの部屋のドアを見つけた。しかしドアは自動ドアになっており、動く様子が無かった。黒騎は仕方なく刀で斬り、部屋へ侵入する。

 

黒騎「......どうやら大広間のようだな」

 

その部屋はとても広い大広間であった。其処にはテーブルと椅子しか無く、それ以外の物は何一つ無かった。

 

黒騎「......読みが外れたな」

 

「仕方ありませんよ、この部屋は何も使われて居ないのですから」

 

黒騎「!?」

 

突然聞いた事の無い男の声がすると、黒騎は振り返り刀を抜こうとする。黒騎が振り向くと、其処にはロープ姿の男が待て、と言わんばかりに手を出す。

 

「失礼、驚かせてすみません。私はマリーンと申します」

 

黒騎「.....何者だ?」

 

マリーン「ご心配には及びません。危害を加えようなどありませんので」

 

黒騎「何だと......?」

 

マリーン「こう見えて私は鬼神龍では無いのですよ。それに出来る限り戦闘は避けたいので」

 

黒騎「......貴様は敵なのか?それとも......、何処にも属さない分類か?」

 

マリーン「後者が正解ですね、私はこの幻想郷の住民では無いのです」

 

黒騎「......そうだろうな」

 

そう言って黒騎は刀を鞘に収め、部屋から出ようとする。

 

黒騎「...確か、マリーンと言ったな?この要塞には詳しいのか?」

 

マリーン「えぇ、それ程には」

 

黒騎「敵でないなら聞いても良いのだろ?この部屋以外あといくつある?」

 

マリーン「此処の部屋は殆ど無いですよ?一つは此処の中央にある大広間、最上階にある研究室、そして最下階にある王室しかありません」

 

黒騎「何故それしか無い?」

 

マリーン「これは元々、研究室しか使われなかったのですよ。そして今日に向けて要塞にしたのです」

 

黒騎「道理で部屋の数が少ない訳だ......。最後に聞きたい、貴様の目的は何だ?」

 

マリーン「そうですね......、面白いものが見たいですかね。私は預言者では無いのでこの後の展開が気になるのですよ。だから私に見せて下さい、予想を遥かに超える結末を...」

 

黒騎「......言ってる意味が分からんし、変な趣味を持った奴だ...。全てが片付いたらこの要塞も破壊する。邪魔だからさっさと消えろ」

 

マリーン「ご心配無く。自分で言うのもあれですが、これでも大魔術師ですから」

 

マリーンがそう言うと、黒騎は部屋から出て、最上階へ向かった。

 

マリーン「......頑張って下さいね。貴方達には期待しているんですから」

 

部屋に一人残されたマリーンはそう言って微笑むと、床に魔法陣を展開して何処かへ消えてしまった。

 

 

 

黒騎「本当に何も無い......、敵が居ると思っていたが全員外に出したのか...。何故だ?鬼神龍の残りやあの化け物の一つや二つは居てもおかしくは無い筈......」

 

黒騎は思考を巡らせながら走っていた。謎の多いラ○ュ○もどきについての情報が足りてないからだ。すると最上階に着いたのか一つのドアを見つけた。

 

黒騎(マリーンの言葉が正しければ、此処は研究室だった筈......)

 

黒騎はドアに近づいくとドアは自動で開かれ、部屋の中へ侵入する。

 

黒騎「なんだこれは......」

 

黒騎は部屋に入ると同時に驚きを隠せなかった。研究室には巨大なカプセルが数え切れない程置いてあり、中にはピンク色や青色等の液体が入っており、この世の者とは思えない生き物が眠っていた。あるものは、先程地上で戦った化け物も入っていた。

 

黒騎「これは一体......」

 

「ん?陛下......っ!?」

 

部屋に科学者らしき人物が顔を出すと、黒騎は科学者に接近して背後から回り込むと科学者の口を手で塞いで首に刀を突き付ける。

 

黒騎「動くな、お前には聞きたい事がある。言った質問に応えれば生かす」

 

科学者「っ!」

 

黒騎「まず一つ、此処にあるものは何だ?」

 

黒騎は質問すると、科学者の口を塞いでいた手を退かすと科学者は震え声で返答する。

 

科学者「き、今日まで出会って来た特殊生命体のコピー体とデータです...」

 

黒騎「それは今地上に放たれている化け物もか?」

 

科学者「は、はい......」

 

黒騎「では何故貴様達があの化け物のそのデータを持っている?オリジナルのデータは取れてない筈だが?」

 

科学者「あ、あの日......、陛下とマリーン様が......、様子を見に...」

 

黒騎「(つまり、あの時見られていたのか......。側にあのマリーンという男の魔術の所為で分からないのは当然だな...)二つ目、この要塞はいつ完成した?」

 

科学者「も、元々は彼は研究施設だったんです...。そして今回の戦争で改造したのです.....」

 

黒騎「(成程、直ぐに取り掛かった所為で出来たのは三つしか部屋が出来なかったのか......)最後の質問だ、地上に放たれた化け物は合計で何体居る?」

 

科学者「あ、あれは『ゼノモーフ』と言いまして......、オリジナルのような完全体にはなりませんがスペックはオリジナルと同等になっております.....。数はざっと四千体です...」

 

黒騎「!?四千体だと?間違いないんだな?」

 

科学者「は、はい!半年前から作成しておりまして、形上完成したのが四千体のゼノモーフです.....。しかし、研究してる最中に放たれたので時間の問題かと...」

 

黒騎「それはどう言う事だ?」

 

科学者「じ、時間が......、行動できる時間が極めて短いのです......。長くて一時間が限界だと......」

 

黒騎「そうか......」

 

聞きたい事が聞けた黒騎は約束通り科学者を解放する。そして周囲を見渡す黒騎。地上に放たれた化け物、ゼノモーフの他に見た事の無い生命体がカプセルの中に眠っていた。そして黒騎は一つのカプセルを見つめた。

 

黒騎「おい、これはなんだ?」

 

科学者「そ、それは......」

 

黒騎が科学者に声を掛けてカプセルをよく見ると、その中には他の生命体とは違い、人型の生命体が眠っていた。しかし、それを見た黒騎は思わず顔を青ざめると科学者の胸倉を掴んだ。

 

黒騎「どう言う事だ..,、これは一体どう説明する気だ!」

 

科学者「し、知りません!陛下のご命令に従っただけです!」

 

黒騎「では何故これになるんだ!これでは.........」

 

パリンッ!

 

黒騎が説明を求める途端、突如カプセルが割れる音が鳴った。

 

黒騎・科学者「「!?」」

 

案の定、カプセルが割れたのは人型の生命体が立っていた。

 

科学者「あ、ああ.........、目覚めてしまった.........」

 

黒騎「...............」

 

?「.........」

 

黒騎は人型の生命体はゆっくりと目を開け、黒騎を見つめると、ゆっくりと微笑み始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍騎「.........」

 

俺は黒騎と分かれるとそのまま廊下を走り続けると、段々と下へ降りて行く事が分かった。どうやら俺は最下階へ向かってるのだろう。そして俺は一つの扉の前に立っていた。

 

龍騎「.........恐らく、この中に......」

 

俺は意を決して扉を開けた。

 

 

 

 

〜王室〜

 

ジャック「来たか......」

 

龍騎「.........」

 

部屋に入ると壁に松明が火を灯し、広い部屋を明るくしていた。そして俺の真正面には親玉らしき男が王様が座るのに相応しい椅子に座っていた。

 

ジャック「一体何しにこの部屋に来た......?霧影龍騎...、いや我が息子、アルカードよ」

 

龍騎「その言葉は止めてくれる?イライラするんだよ......」

 

ジャック「ふん、我は事実を言ったまでだ」

 

龍騎「あんたのお子さんはとっくに死んだよ。もうこの世には存在しない」

 

ジャック「あくまで人間を気取るか......、愚かな......」

 

龍騎「生憎だな、俺は人間だ。人間で沢山だ、鬼神龍だの神様だの始めからなる気は無いんだよ」

 

ジャック「......この出来損ないが...、やはりあの時始末しておけば良かったか......」

 

そう言って男は立ち上がる。

 

龍騎「あんただけは...、倒す!何の罪の無い鬼神龍に戦場に駆り立てて、気に入らなければ切り捨てる。あんたが俺の子供でもそんな親はこっちから願い下げだ!そして親子の縁も切らせて貰う!今日、此処で!」

 

そう言って俺は剣を引き抜いて構える。

 

ジャック「勝てるのか?この我を......、実の父親である我を」

 

龍騎「俺ならやれる!やってみせる!」

 

そう言って俺は剣を強く握り締め、額に王の証を浮き出すとクソ親父の向かって飛び出した。

 

ジャック「ほう、もうそれを使えるようにしたか。大したものだ」

 

龍騎「覚悟しやがれクソ親父ィィィ!!」

 

ジャック「おまけに反抗期と来たか......、見くびるなよ雑種」

 

そう言ってクソ親父は俺の顔面を鷲掴みにして地面に叩きつけた。

 

龍騎「ぐっ......」

 

ジャック「伊達に王をしてる訳では無い」

 

龍騎「......だったら!」

 

俺は地面にブラックバンカーを放ち、その反動で態勢を立て直す。そして剣に炎を纏わせる。

 

ジャック「お前の能力は実に面白いものだ...。『属性を操る程度の能力』だったか?」

 

龍騎「教えてやる義理は無いね!」

 

竜火『竜滅剣・焔』

 

俺は竜滅剣をクソ親父に向けて放つ。しかしクソ親父は一ミリのその場から動かなかった。そして剣がクソ親父の首に当たる時に、あり得ない事が起きた。

 

何とクソ親父は指二本で俺の剣を止めたのだ。

 

龍騎「!?!?」

 

ジャック「技は派手だが、我を敵に回すには貴様はまだ未熟!」

 

困惑する俺にクソ親父はそう言うと、俺の腹部に蹴りを入れる。俺はそのまま吹っ飛ばされて壁にぶつかった。そしてクソ親父はゆっくりと俺に近づいて来る。

 

龍騎「......うっ、なんて力だ.........」

 

ジャック「怯えろぉ!竦めぇ!己自身の力を活かせぬまま、死んで行けぇっ!」

 

龍騎「守ったら負ける......、攻めろ...!ああああああああああ!!」

 

気合いを入れ直して再びクソ親父に向かって突っ込む。俺は攻撃を始めるが今度は手で受け止めるのでは無く軽々と避けられる。

 

ジャック「ふん!楽しませてくれる!」

 

龍騎「倍返しだぁぁぁぁ!!」

 

無双剣『龍剣乱舞』

 

 

俺は再び火属性を解放させて、高速で連続斬りを放つがそれも避けられてしまう。

 

ジャック「遅い!」

 

そして隙を突いて俺の顔面に殴り掛かった。俺は硬化魔法を使う時間も無くそのまま吹っ飛ばされたが、なんとか足でブレーキをかけて勢いを殺す。しかし、ダメージが大き過ぎて膝を着いてしまう。

 

龍騎「はぁ......、はぁ......」

 

ジャック「何故そこまで弱者に拘る?世の全ては力が無ければ生きていけん、当然力無き弱者が戦う事は犬死にするという事」

 

龍騎「それは......、お前の理屈......」

 

ジャック「違うな、我だけの望みではない。これが我々鬼神龍の夢、我々の望み、我々の業!他者より強く、他者より先へ、他者より上へ!」

 

龍騎「.........」

 

ジャック「だが貴様は例外だ!弱者を導き、強者に楯突くなどとイザベラと同じだ!」

 

龍騎「......っ!」

 

ジャック「弱者は強者が居なければ何もならんのだ!強者に対する恩義も知らず盾突こうなど万死に値する!」

 

龍騎「.........あんた馬鹿だろ、強者は誰一人存在しない!世の中皆んな弱者なんだ!俺もあんたも弱者なんだよ!」

 

ジャック「我は弱者だと......?笑わせるな!」

 

そう言ってクソ親父は突っ込んで来た。

 

ジャック「我は弱者と認めん!我が......!我々鬼神龍が最強なのだ!出来損ないの貴様にこの我は倒せん!」

 

龍騎「......上等だ、奇跡を見せてやろうじゃないか!」

 

そう言って俺はポケットからあるものを取り出す。それは爪楊枝サイズの龍帝剣だった。

 

龍騎「俺の命なんて安いものだ......。でもな...!こんな俺でも譲れない物の一つや二つはあるんだよ!!」

 

そして俺は龍帝剣に魔力を流し込むと、龍帝剣は光り輝き、俺の愛剣を超える程の長さへと変貌した。

 

ジャック「あれは......、龍帝剣だと!?」

 

龍騎「俺はッ!生きるッ!生きてッ!皆んなの所に帰るんだッ!!」

 

ジャック「何!?」

 

そう言って俺もクソ親父に突っ込んで行き、龍帝剣を振る。攻撃は間一髪に避けられるが、左手に持っていた愛剣を振る。そしてようやくダメージを与える事が出来た。

 

ジャック「ぐっ!?き、貴様......!」

 

龍騎「まだまだぁ!!」

 

そう言って更に斬る。斬って斬って斬りまくる。そして愛剣をクソ親父の胸に突き刺して龍帝剣を地面に刺して態勢を低くし両腕を引っ込める。

 

 

龍騎「双拳『ツインバンカー』

 

 

引っ込んだ両腕を掌底打ちのようにクソ親父の腹部に当てるとそのままクソ親父は吹き飛ばされた。

 

龍騎「......どうだ、へっぽこでもやる時はやるんだよ!」

 

ジャック「.........こ、殺してやる.....!」

 

クソ親父は頭を抑えてながら立ちあがろうとするが直ぐに倒れてしまった。

 

ジャック「くっ......!おのれぇ......、よくも......!」

 

龍騎「終わりにしようぜ......、クソ親父......」

 

そう言って俺は龍帝剣を両手に持ち、一度目を閉じる。すると俺の周りから白い綿のようなものが出てきて、龍帝剣へと集まる。

 

龍騎「この一撃で......、全てを賭ける。この『夢幻斬』でなっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

〜数時間前〜

 

藍『龍騎、お前にはこれを渡しておく』

 

藍から渡されたのは一つの巻物だった。

 

龍騎『なんですかこれ?』

 

藍『それは紫様が隠し持っていた物だ。それはとある最強にして禁断の大技とも言えるものだ』

 

龍騎『最強にして禁断の大技?』

 

藍『......その技が当たれば、どんな物でも消し去るという一撃必殺の技でもある反面、発動者は一つの持ち物を代償にするというデメリットも存在する事になる』

 

龍騎『一つの持ち物を代償?』

 

藍『運が悪ければ......、命を代償にする事になる。それは死を意味する事だ』

 

龍騎『!?何でそんなのが紫さんが持っているんですか!?』

 

藍『......とある人物からの貰い物だ。恐らく紫様はこの技を使おうとしたのだろう...。私はそれを予想してこの巻物をお前に渡す事にした』

 

龍騎『......ちなみにそれはどうやって使うんですか?』

 

藍『ん?この巻物に使用者の血を与えれば直ぐに......、まさか!?』

 

龍騎『そのまさかです』

 

そう言って龍騎は氷属性を解放させ、指にツララを作ってもう片方の手に切った。そして龍騎の血は巻物に付着した。

 

藍『なっ!?お前!?私は巻物を預けると言ったのだ!その技を使えとは言っていない!』

 

龍騎『......俺、そう言うのは受け付けられないんですよ。紫さんが全て背負う事は無いんです。例え戦う事が罪なら......、俺が背負いますよ』

 

 

 

 

 

 

〜現在〜

 

藍さんとのやりとりを思い出していると、綿のようなものが龍帝剣に集まっていくと、白色のレーザー刀のように変化した。

 

龍騎「これで、この戦いも........、お前との縁も......、鬼神龍も........!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

終わりだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!

 

 

そして俺は高く飛び上がる。レーザー刀が既に天井を貫いてがこのラ◯ュ◯もどきを破壊する気で龍帝剣を......、

 

 

龍騎「幻想剣『夢幻斬』

 

大きく振り抜いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドカーーーーン!!

 

龍騎「!?」

 

後ろから天井が崩れ、誰かが落ちて来た。それはボロボロの状態で身体から火花を散っている黒騎の姿だった。

 

俺は黒騎の姿を見て態勢がずれてしまい、狙っていた方向から少し外れてしまった。

 

夢幻斬を放ち終えると、俺は黒騎の方へ振り向くと更に天井から崩れ落ちる音が鳴った。そして其処に落ちて来たのは褐色の肌に銀髪の男が裸であるのだが........、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺に()()()()な姿をしてた.....。




次回
         東方龍優録
     〜心優しき少年の幻想郷生活〜

          最終回

新たな敵......。

「フハハハハハ!貴様等の負けだ!我の切り札によってな!」

崩壊する要塞.........。

「俺は......、そうだな......。『オルタ』とでも名乗っておくか......」

二人の運命は............、幻想郷の未来は.............。

「全く......、お前は凄い奴だ......」

次回、完結......。



「俺は、お前が好きだ」


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最終話 果てしなき未来(あす)へ

 

突然天井から現れたボロボロの黒騎と、謎の褐色の肌の男。どうしてこの現状になったのか俺は理解するのに時間が掛かった。

 

龍騎「っ、黒騎!.........え」

 

俺は黒騎の元へ駆けつけようとすると、身体に違和感を感じていた......。全身は動けるのにある部分が全く機能していなかったのだ......、それはというと......。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍騎「み、右目が......、見えない......」

 

そう、俺は右目の視力を失ったのだ...、夢幻斬の代償により......。

 

黒騎「うっ......」

 

黒騎の呻き声が聞こえると、俺は我に返って直ぐに黒騎の元へ向かう。でも最悪だ......、よりにもよって右目を失う(やっちまう)なんて......。

 

龍騎「おい黒騎!大丈夫か!?しっかりしろ!」

 

黒騎「...............生きてる、みたいだな......」

 

龍騎「......お前...、まず自分の事を考えろよ......」

 

ジャック「フ、フフフ......、フハハハハハハハハハハハ!!」

 

黒騎の状態が分かると、後ろからクソ親父の高笑いが聞こえて来た。

 

龍騎「何がおかしい!!」

 

ジャック「フハハハハハ!貴様等の負けだ!我の切り札によってな!」

 

龍騎「切り札?」

 

そう言ってクソ親父は更に高笑いをして立ち上がった。しかしクソ親父の右腕が無くなっていた。つまり俺の夢幻斬が当たったのか......。

 

ジャック「紹介しよう、我の息子のアルカードだ!」

 

龍騎「なっ!?」

 

黒騎「っ!?」

 

アルカード?「............」

 

何とクソ親様の隣に立っているのがアルカードと言うのだ。いや、ちょっと待て...!

 

龍騎「何馬鹿な事言ったんだクソ親父!血が足りなくなって頭までイカれたか!?」

 

ジャック「ふん、これを見てそう言えるか?」

 

そう言ってクソ親父は褐色の男の前髪を捲ると......、何と王の証があった。

 

龍騎「な、何で......!?」

 

黒騎「............」

 

ジャック「アーッハハハハハハ!!貴様等とは天と地程の差があるのだ!!さぁ殺れ!奴等に地獄を見せてやるのだ!!」

 

形勢逆転したと思っているのかクソ親父の笑いは止まらない。俺は一度黒騎の方へ向く。

 

龍騎「......黒騎、動けるか?」

 

黒騎「...............すまん、今はまだ......」

 

龍騎「分かった........、後は任せろ」

 

俺は黒騎が動けない事を確認してクソ親父の方へ向き直す。正直勝てる見込みが無い........、こうなったら一箇所に二人を集めて拘束し、夢幻斬でケリをつけるしか無い.......。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グサッ!

 

 

そう思った瞬間、鈍い音が鳴った。

 

龍騎「..........え」

 

黒騎「な..........」

 

アルカード?「.............」

 

ジャック「...................何を、やっている」

 

何と褐色の男はクソ親父の胸部を腕で貫いたのだ......。俺と黒騎は開いた口が閉じる事なく、ただ唖然としていた。

 

ジャック「な、何故.........、何故我を.............!」

 

アルカード?「............バーカ!!」

 

ジャック「!?」

 

そう言って褐色の男は勢いよく腕を引っ込める。クソ親父は血を吐いて胸を抑えながら膝を着く。

 

アルカード?「アハハハハハハ!!オレがお前の子供?笑わせんじゃねぇよ!!誰がテメェの子供だよクソがっ!!」

 

ジャック「な...に..........?」

 

アルカード?「テメェはなーんにも分かっちゃいなぇなぁ......。オレみたいな()()()()()を作り出した時点でテメェはクソ以外なんだよぉ....!」

 

ジャック「き、貴様.........!我を裏切る気か!?」

 

アルカード?「大声出すなよ......、落ち着けよ中年。みっともねェっつの」

 

そう言って褐色の男は耳の穴に小指を入れてぐりぐりと掻き回し始めた。そしてクソ親父の頭を鷲掴みする。

 

アルカード?「オレはテメェ等がどうなろうが知ったこっちゃあねぇんだよぉ。そんでもってテメェが居ようが居なかろうがどうでもいいんだよぉ!!」

 

笑いながらクソ親父を蹴り飛ばす。コロコロと転がるクソ親父に褐色の男ゆっくりと歩き始める。

 

アルカード?「さぁーてと.......、スクラップの時間だぜ!!クッソ野郎がっ!!」

 

そう言って褐色の男はクソ親父を持ち上げ、上空に蹴り上げるとクソ親父は天井にぶつかり、瓦礫と共に落ちて来た。そして丁度褐色の男の腰の位置までクソ親父が落ちてくると、更に足蹴りして壁にぶつかる。

 

アルカード?「オラオラァ!もう一発かましてやるからかっこよく敗者復活でもしてみろっての!」

 

そう言ってそう言って褐色の男はクソ親父を一発殴っては吹き飛ばし、更に一発与えては吹き飛ばすの繰り返しの作業をしていた。しかし、褐色の男は気づいていない...。

 

既にクソ親父は息をしてない事を.........。

 

龍騎「もうよせ!これ以上は止めろ!」

 

俺は見ていられず、褐色の男を止めようとするがクソ親父の死体を俺の方へ放り投げた。俺はクソ親父の死体を持つと、物凄い重量だった為地面に倒れてしまった。念の為クソ親父の脈を確認するが既に亡くなっていた。

 

龍騎「.........お前、何も感じないのか...?こんな事して楽しいのかよ!!」

 

アルカード?「あぁ?」

 

龍騎「死んだんだぞ......、命が......、命が消えたんだぞ...!何とも思わないのか!!」

 

アルカード?「違うな...」

 

龍騎「え......?」

 

アルカード?「オレはお前じゃない......。オレは......、そうだな......。『オルタ』とでも名乗っておくか......」

 

龍騎「......は?」

 

俺の質問を無視して別の事に返答する。それを聞いて俺は無性に腹が立ってくる。

 

アルカード?(=オルタ)「で?命が消えて何とも思わないだ?はっ!そいつは元は敵なんだぜ?だったら倒さなくちゃいけないよなぁ!お前が倒し損ねたからオレが倒してやったんだ、感謝して欲しいなぁ?オリジナルくんよぉ!」

 

龍騎「オリジナル......?」

 

オルタ「オレはお前のデータを元にして作られた所謂改造人間、しかも変な生き物のデータも埋め込められた試検体........、この結果がこれだ!」

 

黒騎「........奴等が集めたデータ全てお前に入れて、容量がオーバーした結果、あの男が思っていた生命体では無くなった......。そして自分自身も出来損ないと認める程の生命体になってしまった、か.........」

 

オルタ「そうだ......!オレはその所為でこんな戦う事でしか満たされない身体にやっちまったって訳だ......」

 

龍騎「.........だからって殺す必要は無いだろ!」

 

オルタ「分かってねぇな?今は戦争なんだろ?殺すか殺されるか、テメェの甘っちょろい戯言に付き合う訳ねぇだろ!!」

 

そう言って俺に襲い掛かるオルタ。俺は龍帝剣を盾にして防いだが、予想以上の力に吹き飛ばされる。

 

龍騎「なんてパワーだよ......!」

 

オルタ「オォォォォォォォリジナルくゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥん!!」

 

龍騎「!結界!」

 

再び襲い掛かるオルタに、咄嗟に光属性を解放させて四角い結界を作るが直ぐに破かれてしまった。

 

龍騎「何!?(馬鹿な!?俺の結界はそこらの攻撃じゃあビクともしないんだぞ!?)」

 

オルタ「あぁぁぁぁぁぁそびぃぃぃぃぃぃましょおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

オルタの掛け声と同時に膝蹴りを食らう。丁度みぞに当たってしまい更に激痛が増す。

 

龍騎「がっ!?」

 

オルタ「おいおい、そんなもんじゃねぇだろ!」

 

次に俺の髪を掴んでオルタの頭が勢いよく俺の頭にぶつける。それにより軽い脳震盪が起こってしまい、立っている状態がキツくなる。

 

龍騎「くっ........そ......」

 

オルタ「もう終わりか?あのクソ野郎と戦いでバテたのかよ」

 

そう言ってオルタは俺の首を掴むと徐々に力を強めていき、握っていた龍帝剣を落としてしまう。

 

龍騎「あ.........、が.............」

 

オルタ「オリジナルなんて所詮そんなもんか、期待外れだな.........。最期に華々しく散らしてやるから感謝しろぉ」

 

龍騎「ぁ.............、ぁ................」

 

そして更に力が強まり、意識が失おうとしていた......。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

月影『幻夢零』

 

次の瞬間、俺の真正面から斬撃波が飛んで来た。俺は絞首されてた力から解放すると盛大に咳を吐いた。

 

黒騎「はぁ......、はぁ......」

 

オルタ「へぇ〜、まだ生きてたのか。大したもんだ」

 

そう言って斬られた腕を再生させるとオルタはポキポキと骨を鳴らす。

 

龍騎「黒騎.........」

 

黒騎「......待たせたな、やるぞ」

 

龍騎「......よし」

 

そう言って俺は龍帝剣を拾い、立ち上がると同時に火属性を解放させる。

 

オルタ「ようやくその気になったか!いいぜぇ......、二人まとめて掛かって来やがれ!」

 

オルタがそう言うと、俺と黒騎が武器を構える。次の瞬間、いきなり地震が起きた。

 

龍騎「うおっ!?」

 

黒騎「これは.........」

 

オルタ「.........なぁるほど、そういう事か」

 

オルタが何かに感づいたようだ。一体何が.........。

 

オルタ「此処、崩れ始めてるぜ?」

 

龍騎「何!?」

 

黒騎「やはりか.........」

 

オルタ「恐らくあのクズ野郎そのものが動力源だったらしいな。まぁあんだけドンパチやりゃ耐えられる訳ねぇよな?」

 

マジかよ......、じゃあ時間も限られてるのかよ......!

 

オルタ「ほら、早くしねぇと下の奴等みーんな下敷きになっちまうぜ?」

 

黒騎「.........行くぞ!」

 

龍騎「よし来た!」

 

黒騎の合図に俺は飛び掛かる。まず俺が龍帝剣で仕掛けるとオルタは足蹴りで対抗し、その隙に黒騎が刀で斬り掛かる。が、オルタは腕で黒騎の刀を弾き、俺の龍帝剣も受け流されカウンターを食らう。

 

黒騎「ちっ!二人掛かりでも対応出来るのか...!」

 

龍騎「俺に合わせろ黒騎!」

 

黒騎「俺に命令するな!」

 

そう言って俺は右足に氷属性を解放させて、氷裂脚を放つがオルタ余裕の笑みを浮かべて軽々と避けるが、その後ろに回り込んだ黒騎が仕掛ける。

 

空間『ダークホールド』

 

黒騎が黒い球体の空間を放つと、オルタを閉じ込める事に成功した。そして俺はオルタの懐に、黒騎は背後から

 

龍騎「ツイン.........」

 

黒騎「ブラック.........」

 

龍騎・黒騎「「バンカー!!」」

 

同時に技を放った。

 

オルタ「ぐはっ!」

 

そしてようやくオルタにダメージを与えられた。俺と黒騎は息を整えながら様子を見る。

 

オルタ「.....は、ははは..........」

 

龍騎「っ......、まさか......」

 

オルタ「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」

 

オルタは笑いながら立ち上がった。あれだけ食らっても高笑い出来る程の余裕を見せる。

 

龍騎「あれだけ食らってもまだ立っていられるのか......!?もうくたばってもおかしく無いのに......」

 

黒騎「奴は規格外の化け物だな......」

 

オルタ「良いね良いね!最っ高だね!!楽しいねぇ...、目的があるってのは本当に楽しい...!」

 

龍騎「目的?」

 

オルタ「決めたんだよ......、テメェ等を限界まで痛ぶって殺すってなぁ!!」

 

その言葉を聞いたと同時にこう思った.....。

 

あいつ、本気だ......。本気でそうしようとする目をしている......。

 

龍騎「っ!行くぞ!こうなった以上、やるしかない!」

 

黒騎「みたいだな!」

 

そう言って俺と黒騎はオルタに向かって足を踏み込もうとした時には俺は殴られていた。

 

龍騎「な、何が!?」

 

黒騎「早過ぎる.....!」

 

オルタ「オラオラ!まだまだこんなもんじゃ無いだろ!!」

 

それからオルタの猛攻は止まらない。防御しようにも生身で受けてるダメージは変わらず、避けようにも早過ぎて避けられない。

 

オルタ「どうしたオリジナルゥ!!もうギブアップか!?」

 

その言葉を放ったオルタは俺と黒騎を吹き飛ばした。殴られた箇所からボギボキと骨が砕ける音が聞こえていた。正直、立つのは無理に近かった。

 

龍騎(万事休す、か.......,)

 

黒騎「.........まだだ、まだ終わらんよ...!」

 

そう言って黒騎は立ち上がった。

 

オルタ「お前凄ぇな!オリジナルとは大違いだ!!」

 

黒騎「.........」

 

オルタ「でもよぉ、お前の身体悲鳴上がってるって気づいてるか?まさかその状態でやろうってか?」

 

黒騎「......物分かりが良くて助かる」

 

オルタ「はっ!カッコいいねぇ......!まるで正義のヒーローだな!それとも何だ?オリジナルがメインヒーローだとすればお前はオマケ、ヒーローが奇跡を起こして復活し、逆転勝ちでも狙ってるのか?まさに英雄の末路ってな!」

 

黒騎「.........フッ、お前は馬鹿だな」

 

オルタ「......あ?」

 

黒騎「俺は正義のヒーローでも無ければ、自分を英雄と名乗った憶えは一度も無い。俺はただ、自分を信じるものの為に戦っている。これからも、そのつもりだ」

 

そう言って黒騎は刀を強く握り締め、先端を上に向けて左目まで持ってくる。

 

黒騎「俺は悩まない......。目の前に敵が現れたのなら...........、

 

叩き斬るまでだ...!!

 

そう言って黒騎はオルタに向かって飛び出した。

 

黒騎「月影『幻夢零』

 

そう言って黒騎は幻夢零を放つ。

 

オルタ「言うじゃねぇか!漢を見せるねぇ!でもな......!せめてパワーアップしてからそれを言えってもんだぁ!!」

 

オルタが足蹴りで幻夢零を弾き飛ばした。

 

黒騎「!?(馬鹿な!?弾き返しただと!?)」

 

オルタ「最期に良いもん聞かせてくれてありがとう、今からお前に天国の日帰り旅行をプレゼントしてやる...、まぁ、あまりにも良い所だから帰る気が失せるかもな...」

 

そう言ってオルタは黒騎の胸部を貫いた......。

 

黒騎「あ..................」

 

龍騎「.........っ!」

 

俺は黒騎の貫かれた瞬間を見たと同時に怒りが増した。俺はアドレナリンが溢れ出たのか先程より痛みが和らげられ、龍帝剣を支えにして立ち上がる。

 

龍騎「よくも......!よくも黒騎を......!」

 

オルタ「お前がちんたらしてっからだろ?お前も一緒に天国に送ってやるよ!!」

 

俺は龍帝剣を強く握り締め、オルタに睨みつけると額にある紋章が光り輝く。

 

黒騎「.......フッ、フフフ」

 

龍騎「...?」

 

気のせいだろうか......?黒騎の笑い声が聞こえた気が.........。

 

 

 

 

 

 

黒騎「まんまと引っ掛かったな、この阿呆」

 

オルタ「!?お前まだ生きて!?」

 

次の瞬間、黒騎は刀を手放し、オルタの両目を手刀で突き刺した。

 

オルタ「あ"あ"っ"!?」

 

するとオルタは黒騎を貫いた腕を引っ込み、両目を抑えながら発狂する。

 

オルタ「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!??」

 

黒騎「っ.....!」

 

オルタがふらついてる時、黒騎は背後に回り込んでオルタを拘束する。

 

黒騎「今だ!!トドメを刺せ!」

 

龍騎「!?」

 

黒騎がトドメを刺せと指示する。でもそんな事したらお前が......。

 

オルタ「テメェェェェェェェェェェェェェ!!最初からこれを狙ってたなぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

黒騎「御名答、あの時挟み撃ちでの攻撃が当たった時に貴様が痛覚を感じる事に分かった時にな!流石に両目を潰されれば何も出来まい!」

 

オルタ「んだとこのやろぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!ぶっ殺してやる!!」

 

オルタは目を潰されても黒騎を振り解こうと抵抗するが、黒騎は最後の力を振り絞って拘束を解かない。

 

黒騎「何をしている!?早く夢幻斬とやらでぶった斬れ!!」

 

龍騎「馬鹿!お前まで巻き込まれるぞ!?」

 

黒騎「このまま奴の好きにさせてはならん!お前も男なら覚悟を決めろ!!」

 

龍騎「だからってお前が犠牲になる事は無いだろ!」

 

俺は思わず涙を流してしまう。......そうだ!あの黒い球体の空間を作って貰って、それで拘束すれば.....!

 

 

 

ーーー彼を信じなさい......、アルカード......。

 

 

龍騎「......え」

 

何故か女の人の声が聞こえた...。幻聴.....?

 

 

 

ーーー大丈夫よ......。さぁ、貴方の覚悟を決めなさい......。

 

 

龍騎「ウアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」

 

俺は涙を流したまま龍騎を肩幅を開き、両手で天高くまで構え、声が枯れる程、喉が潰れる程に、力強く叫ぶ。自分の命を賭けて必死にオルタを拘束する戦友(黒騎)に感情を込めた咆哮をあげた。

 

龍騎「ハァァアアアアアアアアアアアアアアアアッッ!!」

 

腰を落とし、膝を少しずつ曲げていき、そして龍帝剣から巨大な白いレーザー刀を発生させる。

 

オルタ「クソッ、クソォォォ!!早く離しやがれ!!テメェまで巻き込まれるぞ!!??」

 

 

 

 

 

 

 

 

黒騎「......俺と一緒に、地獄に行こうぜ...

 

オルタ「ああ!?」

 

龍騎「!」

 

黒騎「地獄への道連れは......、此処に居る俺達とこの戦いにしようぜ......!」

 

龍騎「黒騎.........!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

黒騎「やれ!!霧影龍騎ぃぃぃ!!

 

龍騎「あああああああああああああ!!

 

そして俺は開いていた足を閉じ、膝を曲げて地面を蹴り、大きくジャンプする。そして........、

 

 

龍騎「幻想剣『夢幻斬』!!

 

涙を流して龍帝剣を振った。巨大なレーザー刀はラ◯ュ◯もどきを貫きそのままオルタと黒騎の方へと向かっていく。

 

オルタ「チクショウ......!コンチクショウォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!」

 

黒騎「............」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜霊夢side〜

 

「「「ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!??」」」

 

霊夢「な、何!?」

 

魔理沙「急に苦しみ出したぞ!?」

 

紫「一体何が......」

 

化け物と交戦してる時、化け物がいきなり唸りを上げて苦しみ出した。そしてバタリと倒れるとピクリとも動かなくなってしまった。

 

咲夜「し、死んだ......?」

 

レミリア「.........みたいね」

 

レミリアが槍でつんつんと突っつくとうんともすんとも言わない。本当に死んだようだ...。

 

紫「......貴女は何故か分かるかしら?」

 

シア「申し訳ありません...」

 

「な、何だあれ!?」

 

「「「!?」」」

 

一人の鬼神龍が空に指を指すと要塞から白いレーザーのようなものが飛び出て来た。

 

霊夢「何あれ.....?」

 

紫「!?まさか!?」

 

紫は小さなスキマを出し、中に手を入れる。すると慌てた様子で手を戻した。

 

紫「巻物が.....、無い...!?いつの間に!?」

 

霊夢「どうしたの?」

 

紫「あれは......、私達賢者の最強にして危険な技...。それが今、龍騎か黒騎のどちらかが放ってるのよ」

 

咲夜「それにはどう言う効果が?」

 

紫「簡単に説明すると..、あれに当たれば以下なるものでも消滅出来る大技よ」

 

豊姫「私の扇子とそっくりね...」

 

紫「でも、使用者は持ち物の一つをランダムで失うデメリットもあるの...、下手したら命が......」

 

依姫「なっ!?なんでそんなものが龍騎の手に渡っている!?」

 

紫「分からないわよ!!兎に角、あの二人が無事を祈るぐらいしか無いのよ!」

 

魔理沙「また祈るしか無いのかよ......」

 

幽香「......そうでも無いわ」

 

幽香がそんな事を言うと、要塞に指を指す。

 

幽香「少しずつかしら...、崩れていってないかしら?」

 

良く見てみると、要塞の所々が崩壊し始めていた。

 

霊夢「ちょ!?これはまずいわよ!?」

 

レミリア「あんな状態で落ちて来たら此処もだけど元の子も無いわよ!?」

 

紫「全員、振ってくる破片を破壊して!出来るだけ細かく!多少の被害は大目に見るわ!」

 

魔理沙「よっしゃ!一番乗りだ!」

 

そう言って魔理沙は箒に乗り、一目散に駆け出した。私達も魔理沙に続いて飛び出すと、要塞が真っ二つになり破片が落ちてくる。私達は弾幕を撃っては破片を粉々にしていくが、あまりにも数が多く見逃してしまうのがいくつもあった。

 

霊夢「これじゃあキリがない......!」

 

愚痴を溢しながら弾幕を放っていくと......、

 

「サナエファンガァァァァァァァァァァァァ!!」

 

星形の弾幕が飛んできた。

 

早苗「この私を忘れて貰っては困るなぁ!兄弟!」

 

霊夢「早苗!?あんた何か違くない!?」

 

「やれやれ、全く手間が掛かるぜ......」

 

次は禍々しいオーラの拳か無数に飛んできた。

 

オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!

 

魔理沙「紫苑!?」

 

今度は紫苑がやってきた。やはり彼女もキャラが変わっていた......。

 

文「霊夢さーん!」

 

椛「手伝いに来ました!」

 

妖夢「やっとこれと言った出番が........」

 

今度は文やら椛やら多くの仲間がやって来た。何故か妖夢だけは目から滝のように涙を流していた。恐らくこき使われたのね......。

 

早苗「戦だ戦だぁー! みんなぁ!目一杯楽しめよお"っ"!?」

 

一人ではしゃいぎながら弾幕を放っていた早苗に破片が頭からに当たり落ちて行ってしまった。

 

早苗「オ・ノーレェェェェェェェェェェェェェェェェェェッ!!」

 

(((ヤムチャしやがって......)))

 

でも皆んなが来てくれた事により、徐々に破片は無くなっていく。そして人里に向かって来た破片は無くなり、全員がその場から離れた。

 

そして、要塞は無くなった。

 

霊夢「.........終わった、のよね...」

 

紫「まだ警戒してなさい、生き残りが居るかもしれないわ」

 

シア「龍騎様......」

 

ラナ「お姉様!!」

 

するとラナがやって来た。

 

シア「ラナ、まだ此処に居いてはいけません。早く持ち場に......」

 

ラナ「お姉様!私達勝ったんです!陛下は敗北したんです!」

 

「「「え!?」」」

 

ラナの発言に全員が驚く。一体どう言う事......?

 

ラナ「先程マリーン様のご報告によりますと、龍騎様と黒騎様が討ち取ったとの事です!」

 

シア「!では......!」

 

ラナ「はい!私達はこの戦いに勝ったんです!もう誰も戦わなくても良いんです!」

 

 

「「「っしゃあああああああああああああああああああ!!」」」

 

 

その言葉を聞いてその場に居た皆んなが歓声を上げた。勝った...、勝ったんだ......、私達......!

 

霊夢「.....そういえば龍騎は?一緒じゃないの?」

 

ラナ「え?其方に居ないのですか?」

 

霊夢「え?」

 

ラナ「え?」

 

......話しが噛み合わない。

 

ラナ「私はずっと人里の皆様の護衛にあたっていたのですよ?皆様とご一緒では無かったのですか?」

 

ラナと一緒じゃない?........もしかして!?

 

霊夢「龍騎と黒騎は脱出していない!?」

 

「「「え!?」」」

 

魔理沙「それって本当なのか!?」

 

妖夢「でも破片を粉々にしてる途中に龍騎さんと黒騎さんの姿は確認しなかったですよ!?」

 

霊夢「もしかしたら破片の影に隠れていたのかもしれない......!兎に角探すのよ!早くしないと二人の命が...!」

 

紫「全員に報告!至急人里に急行!龍騎と黒騎を探すのよ!」

 

紫がスキマを使って全員にそう伝えると、私達は其々に散らばり龍騎と黒騎の捜索に入る。

 

霊夢「お願い...!無事で居て......!」

 

 

〜霊夢side out〜

 

 

 

黒騎「..........」

 

ラ◯ュ◯もどきが崩壊した後、黒騎は瓦礫の山の頂上に横になっていた。既に左腕と下半身を失い、こうして生きている事が奇跡なぐらい彼は助かったのだ。

 

黒騎「...........」

 

黒騎は目を開けると、何処からか足音が近づいて来ていた。そしてその足音は黒騎の側に近づくと足音は止み、一人の女性が膝を落とす。

 

黒騎「......笑えよ、この無様な姿を」

 

「笑いませんよ、無事で良かった......」

 

黒騎「......泣くなよ。お前に涙は似合わない」

 

「だって......、貴方が無事だと思うと.......嬉しくて.........!」

 

黒騎「..........すまない」

 

黒騎がそう言うと、女性は黒騎の身体を持ち上げる。

 

リュウキー! イタラヘンジシロー! リュウキサマー! リュウキサーン!

 

黒騎「......探さなくて良いのか?」

 

「龍騎さんの事は皆さんにお任せします。私は貴方が大事ですから...」

 

そう言って女性は黒騎を抱きしめる。

 

 

イマシタ!リュウキサンデス! リュウキ! アア、ナンテキズ... イソイデエイエンテイニ!ハヤク!

 

黒騎は霊夢達の声がした方向へ視線を向ける。其処には黄色の髪が黒に変色し、身体中血まみれの龍騎が妖夢と椛によって運ばれて行く光景だった。

 

黒騎「全く......、お前は凄い奴だ......(...なんとくわかった気がする。お前は守りたいものがあるから戦えるだと思っていた。守りたいという強い心が得体のしれない力を生み出しているのだと......、確かにそれもあるかもしれないがそれは今の俺も同じ...、だと思う...。俺はただ生きる為に戦って来たつもりだった。だがお前は違う...、お前は自分の事を後回しにして他人を優先していた......。その所為で相手の生命を断つ事に拘りはしなかったのか......)認めよう...、お前がナンバーワンだって事を.....」

 

「......どうしました?」

 

黒騎「........すまん、少し......疲れた.........」

 

「.................................そうですか」

 

黒騎「ああ................」

 

「...........分かりました、ゆっくりお休みになって下さい...。でも、その前に......」

 

そう言って黒騎に口づけ交わす女性。

 

「ありがとう.........、黒騎さん......」

 

「ああ......、最期に言い忘れた.........

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ただいま......、さとり......」

 

さとり「おかえり......、黒騎さん.........」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜一ヶ月後〜

 

菫子「やっと......、やっと受験が終わったーーーー!」

 

あれから一ヶ月後、菫子は幻想郷にやって来ていた。

 

菫子「来月から大学生...、今まで溜めてきたストレスをこの幻想郷で全部発散させて..............................................ってなんじゃこりゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!

 

菫子は無残な人里を見て発狂した。発狂した後、現実世界で目覚めてしまった菫子は部屋の壁に頭突きを繰り返したとか......。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜???〜

 

ゆっくり目を開けると、何処か水の中に居た......。なのに全然苦しく無い......、それより沈んでるというより浮いているような......。

 

 

ーーーアルカード......。

 

すると目の前に光が集まると、一人の女性が姿を表した。

 

ーーー良く頑張ったわね、無事で良かった......。

 

龍騎「......貴女は...」

 

ーーーごめんなさい....,。私が不甲斐ないばかり貴方の人生を狂わしてしまった......。

 

龍騎「謝らないで......、貴女が俺を守ってくれたから今の俺はこうして生きている。そして、心から友と呼べる仲間も出来た......。本当に感謝してるよ」

 

ーーー......貴方は優しいのね。そう言って貰えるとありがたいわ。向こうでもしっかりやるのよ......。

 

龍騎「うん、ありがとう......。さようなら......、母さん......」

 

ーーーさようなら......、いつまでも愛してるわ......、龍騎.....」

 

そう言うと俺は意識を失った......。

 

 

 

 

〜永遠亭〜

 

龍騎「.........」

 

目が覚めると一ヶ月前から見慣れた天井があった。

 

永琳「おはよう龍騎、体調はどうかしら?」

 

そう言って永琳先生は体調の具合を聞いてきた。

 

龍騎「目以外は問題ないですよ」

 

永琳「そう...、なら早速検査をするから着いて来て」

 

俺は永琳先生の指示に従い、大人しく検査を行った。

 

永琳「......もう大丈夫そうね、退院しても良いわよ」

 

龍騎「そうですか......」

 

永琳「......目の事だけど、本当に良いの?依姫達に言えば直ぐに新しい目が手に入るのに...」

 

龍騎「良いんですよ、長年の付き合いですから死ぬまで付き合って貰いますよ」

 

永琳「.....分かったわ、もう何も言わないわ」

 

龍騎「お世話になりました」

 

永琳「あ、そうそう。今晩宴会を行うから参加しなさい、って紫ぎ言っていたわ」

 

龍騎「宴会......、ですか?」

 

そうか.......、そういえば皆んな復旧作業で忙しかったもんな......。

 

龍騎「分かりました。参加しますよ」

 

永琳「..........しつこく言うけど、絶対に戦闘には関わらない事。もう貴方の身体はもう......」

 

龍騎「大丈夫ですよ、俺も戦う事は無いと思ってるので......」

 

そう言って俺は部屋に出ると、側にはシアとラナ、そしてザラがが待っていた。

 

シア「龍騎様.......」

 

龍騎「どうした?」

 

ラナ「.....どうかお考えを改めて貰えないでしょうか?貴方様が王になれば我々は......」

 

ザラ「ほっとけよラナ、やる気が無いって言ったんだからやらなくていいじゃないか」

 

龍騎「ザラ.........」

 

ザラ「.........いつかお前を超える」

 

龍騎「.........」

 

そう言ってザラは何処かへ行ってしまった。

 

シア「申し訳ありません龍騎様......」

 

龍騎「気にするなよ......。いつ戻るんだ?」

 

ラナ「明日には帰る予定です。そして私達が会う事はもう......」

 

龍騎「そうか......、今夜宴会やるから楽しんでいけよ。折角幻想郷に来たんだ、楽しんで帰って貰えたら俺も嬉しい」

 

シア「龍騎様......」

 

ラナ「........」

 

シア「.........お言葉に甘えさせて貰います」

 

一度姉妹が顔を合わせると、参加すると言ってお辞儀した。

 

龍騎「ああ、俺は寄る所があるから行って来るよ」

 

シア「いってらっしゃいませ」

 

ラナ「お気をつけて」

 

そう言って俺は永遠亭を去り、人里へと向かった。

 

 

 

 

〜人里〜

 

龍騎「人里はまだ復旧作業の真っ最中、か......」

 

俺は人里を歩きながら周りの様子を見ていると目的違うに到着した。

 

紫苑「あ、龍騎!」

 

紫苑が俺の言葉に気がつくと抱きついて来た。

 

龍騎「よう、皆んないるな」

 

直子「お帰りなさい、龍騎さん」

 

女苑「全く、退院するなら言ってくれれば迎えに来たのに」

 

龍騎「悪い悪い、でもどうするかこれ」

 

俺は横を見ると、其処は俺達が住んでいた家だった。もう見る面影も無い修復不可能なぐらい潰れてしまった。

 

紫苑「......」

 

女苑「......姉さん、落ち込んでも仕方ないわよ。それに私達天界に住む事になってるんだから」

 

龍騎「そうなのか?」

 

直子「えぇ......、でも紫苑さんは......」

 

紫苑「.........」

 

龍騎「......紫苑」

 

俺が紫苑の名前を呼ぶと、優しく頭を撫でる。

 

龍騎「寂しくなったら俺の所に来い」

 

紫苑「......え?」

 

龍騎「お前、家が無くなって皆んなバラバラになると思ってるんだろ?馬鹿だな...、俺達は一つ屋根の下で暮らした家族じゃかいか。例え離れ離れになっても俺達は家族だ」

 

紫苑「.....う、うぅ.......、うあああああああああ!!」

 

紫苑は泣き始めると更に抱きしめる力を強くする。

 

紫苑「離れたくないよ!!皆んな一緒に居たいよ!!また皆んなとご飯食べたいよ!!」

 

龍騎「......大丈夫、大丈夫だ。俺はもう何処にも行かねぇよ」

 

直子「.........女苑さんもしなくて良いんですか?」

 

女苑「ちょ!?何で私まで!?」

 

直子「女苑さんも気持ちは一緒なのでしょ?」

 

女苑「それ言わないでよ!?折角我慢したのに..........、うあああああああああああああ!!」

 

遂に我慢が出来なくなったのか女苑も泣き出して俺に抱きついて来た。

 

女苑「私だって別れたく無いわよ!!このまま家族四人で暮らして行きたい!!」

 

龍騎「......そうだな、俺だってそうだ。だからまた集まろう、そしてまた皆んなで飯でも食べよう」

 

紫苑・女苑「「うん......」」

 

よし、と一言言って俺は二人の頭を撫でる。

 

龍騎「俺ちょっと行く所あるから行ってくる。宴会前には戻るよ」

 

「「「いってらっしゃい」」」

 

三人に見送られながら俺は歩き始めた。

 

 

 

 

 

〜地霊殿〜

 

龍騎「.....よう、退院したぜ」

 

俺は片膝を着いて片手に持っていた花を置く。目の前には『黒騎之墓』と書かれた墓だった。

 

さとり「あら龍騎さん、こんにちわ」

 

龍騎「さとりか......」

 

さとりがやって来ると、黒騎の墓に俺とは別の花を置いた。

 

龍騎「あれからどうなんだ地底は?」

 

さとり「いつも通りですよ。ただいつもみたいな賑やかでは無いですけど......」

 

龍騎「そうか......」

 

それもそうだ、何でたって鬼にも犠牲者が出てしまったのだから......。

 

龍騎「......今日の宴会来るだろ?」

 

さとり「はい、皆んな参加しますよ」

 

龍騎「そうか......、待ってるよ」

 

そう言って立ち上がり、来た道に戻ろうとする。

 

龍騎「それじゃ、宴会で」

 

さとり「はい、では後ほど......」

 

そう言って俺は歩き出した。じゃあな、黒騎......。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜推奨ED『君は僕に似ている(機動戦士ガンダムSEED DESTINYより)』〜

 

〜数時間後・博麗神社〜

 

紫「それでは.....、鬼神龍との戦いに勝利を機に......、乾杯!!」

 

「「「「「かんぱーい!!」」」」」

 

遂に始まった宴会、紫さんの合図に合わせて皆んな酒の入ったグラスをぶつけて一気に飲み始めた。俺も負けじと飲み始める。非戦闘派の鬼神龍も最初はオドオドしていたが、時間が経つにつれて慣れていき、飲み比べやら競い合うようになった。それからアリスの人形書きやら妖精達の踊り等、皆んなを楽しませていた。

 

......そろそろ行くか。

 

そう思った俺は席を立ち上がり、ある人物の所へ向かう。

 

龍騎「すまん、ちょっと良いかな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺はある人と一緒に博麗神社から離れた所にやって来た。

 

龍騎「いい加減.....、決着を着けようと思ってな...。あれから悩んだんだ、俺は誰と一緒に居たいのかって」

 

「.......」

 

龍騎「結構迷ったよ、こんな俺に五人も好きになってくれたんだから......。でも、今夜でもう終わり......」

 

そう言って俺は彼女の手に取る。

 

「!」

 

「俺の生涯を全部お前に捧げたい.....。だから、お前の人生を俺に預けてくれないか?一緒に暮らして、俺達の子供を作って、そして.......、死ぬ時は俺と同じ墓に入って欲しい........、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は、お前が好きだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして、一人の少年の戦いが終わった......。

 

そして彼に待っている幸福がある事を我々は、心より願っている......。

 

阿求「これでよし、っと」

 

?「阿求終わった?」

 

阿求「えぇ、丁度終わったわ小鈴。これは今までの中で最高傑作かもしれないわ」

 

小鈴「へぇ〜、後で見せて!」

 

阿求「分かったわ......。あ、そうだ!題名を考えなくっちゃ.........、そうねぇ.........!これよ!!」

 

そう言って阿求は筆を動かす。彼女が書いたのは.........

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幻想龍優録

 

と書かれてあった.........。

 

 

 

 

 

 

龍騎「くしゅん!風邪かな.........」

 

鼻を人差し指で擦ると、隣にいた彼女が『大丈夫か?』も言わんばかりの顔をしていた。俺は大丈夫だよ、と笑顔で返すと彼女も笑顔で返してくる。

 

正直に言おう......、今がとっても幸せだ.......。

 

そう思ってると心地よい風が吹く。

 

俺は彼女の手を握って空を見上げる。

 

龍騎「今日も良い天気だ.........」

 

きっと、この風は俺達の幸せを運んでくる風なのかもしれない......。

 

そう思った俺は彼女と歩き始める......。

 

俺達の未来は......、これから始まる......。

 

 

東方龍優録

〜心優しき少年の幻想郷生活〜

 

 

fin




どうもです!餡 子太郎でございます!

これにて、『東方龍優録〜心優しき少年の幻想郷生活〜』はこれにて終了でごさいます!

投稿を始めて丁度一年......、ここまで頑張れたのは皆様のお陰です!書いてる途中涙出ましたw(マジ)

さて、これにて東方の物語は終わりですが龍騎くんの戦いは終わりではありません!

察しの良い方はもう分かると思いますが、続編を作ろうとかと思います!!

それは何なのか......、それは次回のお楽しみに!

以上、餡 子太郎の『東方龍優録〜心優しき少年の幻想郷生活〜』でした!

皆様、ご愛読ありがとうございました!!


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コラボ回
ナポえもんさんとコラボ回!心優しき少年とちょっと・ふしぎな幻想郷「後編」


どうもです。

今回はナポえもんさんとのコラボ回でごさいます。

これは後編なので、ナポえもんさんの前編から読む事をお勧めします。

それではどうぞ。


 

龍騎「ん〜、今日も良い天気...」

 

太陽が優しい光を放つ中、背中には剣を背負っていて、一人で森を歩いているの男は一体誰でしょう......。

 

そう、俺だ。 ...............いい加減飽きたなこのネタ...。

 

まぁそれは置いといて本当に良い天気だ。絶好のバイト日和、やる気が出るってもんだよ。

 

龍騎「平和だなぁ......、ずっとこのまま続けば良いのに......」

 

そんな風に呑気に思いながら歩いて行く......。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

が、次の瞬間強い魔力を感じた。

 

妖怪だぁ!!

 

龍騎「ん?誰かの叫び声が聞こえたような...」

 

魔力を感じだと同時に子供の悲鳴らしき声も聞こえた。まさか森に迷い込んだ所為で妖怪に襲われたのか?

 

龍騎「行ってみるか......」

 

俺は急いで声がした場所へ急行する。すると其処には犬の妖怪と子供がリアル鬼ごっこしていた。

 

龍騎「遅刻確定だな......、仕方ない.......」

 

そう心の中で言って、剣を抜き取った。

 

 

 

 

 

 

 

〜のび太side〜

 

さ、最悪だ...!まさか犬の妖怪と鉢合わせするなんて...!

 

僕は慌ててその場から走り出すと、妖怪も逃がさないと追い掛けて来る。

 

のび太「わぁ〜!誰か助けて〜!」

 

僕が涙を流しながら全力で走っていると......。

 

 

火剣『炎円斬』

 

 

その声が聞こえると、横から赤い円盤のようなものが妖怪にぶつかった。

 

のび太「え...?な、何?」

 

龍騎「君、大丈夫かい?」

 

僕が困惑してると、目の前には剣を持った男の人が立っていた。

 

龍騎「君は動くなよ、怪我するぜ」

 

のび太「は、はい...」

 

僕は言われた通りに大人しくする。すると男の人は持っていた剣を妖怪に向けて突き付ける。

 

龍騎「餓鬼に手を出すとはな......、弱い物いじめにも程があるぜ?」

 

妖怪「ガルルルル......!」

 

龍騎「そう強がるなよ......、弱く見えるぞ?」

 

妖怪「ガァアアアアア!!」

 

さっきの言葉が不味かったのか犬の妖怪は男の人に襲い掛かって来た。

 

のび太「危ない!?」

 

龍騎「最初に言っておく、俺はかーなーり、強い!

 

男の人がそう言うと、剣から炎が出て来た。

 

龍騎「火剣『煉獄火炎斬』

 

そして男の人は炎を纏った剣を犬の妖怪に振り下ろした。そして直ぐに新たに攻撃を与え、最後の一振りで犬の妖怪を遠くへ吹っ飛ばした。

 

のび太「凄い...」

 

僕は思わず声を出してしまった...。まるでテレビで放送していたアニメのような光景だったから......。

 

龍騎「ふぅ......、こんな感じかな」

 

そう言って男の人は剣を鞘に収めると、僕の方へ振り向いた。

 

 

〜のび太side out〜

 

 

 

 

 

 

 

一仕事を終えた俺は剣を鞘に戻して振り向く。

 

龍騎「君、怪我は...................」

 

のび太「は、はい!大丈夫です!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アイエェェェェェェ!?ノビタクン!?ノビタクンナンデェ!?

 

ちょっと待って!?何で!?どう言う事だってばよ!?何でドラえもんでお馴染みののび太くんが幻想郷に来てる訳!?まさか野比家から追放された!?いやそんな事あったらドラえもんファンブチ切れ案件だぞ!?

 

......いや、待て。もしかしたらそっくりさんかも知れない...。可能性は限りなくゼロに近いが確定じゃない...。頼む、そっくりさんと言ってくれ!

 

龍騎「そ、そうか...。ところで君、名前は?」

 

のび太「あ、僕のび太です。野比のび太と言います!」

 

張本人ktkrーーー!!まさかあののび太くんに会える日があるとは!!我が生涯に一片も悔いなし!!もう鉄人兵団が攻めて来ても何も怖くないわ!逆に返り討ち出来るレベルまでだ!

 

龍騎「そ、そーなのかー...。で、何故のび太くんが此処に居る訳?」

 

のび太「あ、そうだった!実は......」

 

其処からのび太くんの説明を聞いた。話しによるとのび太くんは夏休みに友達(ジャイアン、スネ夫、しずかちゃん)にハブられ、親友(ドラえもん)も用事で出掛けてしまい、一人になった所、今彼の腹に着いてる『スペアポケット』を持って幻想郷に来てしまったようなのだ......。

 

龍騎「......それは、災難だったな...」

 

のび太「い、いえ...、いつもの事ですから......」

 

マジで同情するぞ......。それから話しはまだ続きがあった。それは時空乱流という現象で、過去から未来へと流れる時の川が渦をまいて人をのみ込むことであり、巻き込まれたら最後、永久に亜空間を漂うか、運がよければちがう世界へ出られることもある......、との事。

 

龍騎「つまり、君はその時空乱流に巻き込まれて此処に来てしまったと......」

 

その時空乱流は『どの世界にも存在する』との事が判明した。つまり......、

 

龍騎(のび太くんはその時空乱流によってA(のび太くん)の幻想郷からB(俺)の幻想郷に来てしまった、と言う事か......)

 

そうじゃなきゃ平行世界なんて行ける訳が無い。流石の紫さんも骨が折れるだろうな......。

 

のび太「あ、あの...」

 

おっと、自己紹介をしてなかった。

 

龍騎「俺は霧影龍騎だ、よろしく」

 

のび太「よ、よろしくお願いします!龍騎さん!」

 

あぁ〜、国民的アニメキャラにさん付けされるなんて......、早苗に自慢しよう(使命感)

 

のび太「龍騎さん、此処は一体何処なんですか?」

 

のび太くんが聞いてくると、俺は一度咳払いをして説明する。

 

此処は幻想郷であって、のび太くんが居た幻想郷では無く平行世界の幻想郷である事。のび太くんは運良くこの幻想郷に流れ着いた事。

 

のび太「そ、そうなんですか......。それじゃあ此処は...?」

 

龍騎「魔法の森だよ、君も一度は来てるだろ?」

 

のび太「は、はい.......」

 

龍騎「どちらにしても此処じゃあ何だし、博麗神社に行こうか」

 

のび太「分かりました」

 

そう言ってのび太くんはスペアポケットに手を突っ込むが、中々取り出せない。

 

龍騎「?どったのせんせー」

 

のび太「あれ?おかしいなぁ......。もしかして落としちゃった?」

 

マジかよ...、折角のタケコプターが拝める事が出来ると思ったのに......。仕方ない...。

 

龍騎「のび太くん、それはどういう物なの?」

 

のび太「えっと...、タケコプターと言って竹とんぼみたいなのを頭に着けると空を飛べる道具です」

 

やっぱりねーりゅーくん知ってた。まぁ元から知ってたんだけどね?それからのび太くんと俺はタケコプターを探す事にした。三十分後、のび太くんが『みつかったー!』と叫び声が聞こえた。どうやら見つかったみたいだ。

 

龍騎「それがタケコプター?」

 

のび太「はい!探してくれてありがとうございます!」

 

リアルタケコプターキター!!やっべテンション上がってキマシタワー!でも土だらけだけど大丈夫か?そしてのび太くんが頭に着けて飛ぼうとするがタケコプターのプロペラが回転する事は無かった。

 

のび太「...あれ?おかしいな......、電池切れかな......」

 

いや、恐らく地面に落としたショックで何処かイカれたんだろう......。

 

龍騎「......それは後で直しておくよ。取り敢えず移動しよう」

 

のび太「え?で、でも......」

 

龍騎「大丈夫、俺飛べるから」

 

そう言って俺はのび太くんを担ぐと空を飛ぶ。

 

のび太「うわっ!?本当飛んでる!?龍騎さんってもしかして......」

 

龍騎「......君が思ってるのとちょっと違うな」

 

そう言って俺とのび太くんは博麗神社に向かった。

 

 

 

 

 

〜博麗神社〜

 

博麗神社に着くと、のび太くんを降ろして賽銭箱の前にやってくる。財布を取り出し小銭を投げると霊夢が現れた。

 

霊夢「あら、龍騎じゃない。今日はバイトの筈でしょ?」

 

龍騎「よう霊夢。ちょっと面倒事になってな...」

 

のび太(.....あれ?この幻想郷の霊夢さん、何か雰囲気が違うような......)

 

霊夢「面倒事って、その子に何か関係があるの?」

 

そう言ってのび太に指を指す霊夢。

 

龍騎「あぁ、詳しくは本人から聞いてくれ。俺はレミリアの所に行って休み貰ってくる」

 

霊夢「分かったわ、気をつけて」

 

そう言って龍騎は空を飛んで去ってしまった。

 

霊夢「...それで?貴方は外来人なのかしら?」

 

のび太「えぇーと...、そうだと言うか...、そうじゃないと言うか......」

 

霊夢「?......質問を変えましょう。どうして此処に来たのか教えて頂戴」

 

のび太「は、はい......」

 

こうしてのび太の説明が始まる。自分はもう一つの幻想郷に幻想入りした事。時空乱流によってこの幻想郷に来てしまった事。霊夢はしっかり聞いてくれたのかのび太も説明しやすかった。

 

のび太(此処の霊夢さんは優しいな...、僕が居た幻想郷の霊夢さんとは大違いだ......)

 

霊夢「......何となく分かったわ、後で紫にでも頼んでおくわ。それまでうちで居ると良いわ」

 

のび太「あ、ありがとうございます!」

 

のび太(良かった......、今の僕はお金なんて無いから泊まる事なんて出来ないし本当にラッキーだ!)

 

龍騎「戻ったぞー」

 

魔理沙「遊びに来たぜー」

 

のび太「あ、龍騎さん!」

 

霊夢「あら、おかえり龍騎。魔理沙もいらっしゃい」

 

魔理沙「ん?誰だこいつは?」

 

龍騎「あー......、平行世界の住民?」

 

魔理沙「は?」

 

 

 

〜少年説明中〜 デデッデデッデケデケデン

 

魔理沙「成程、それなら納得だぜ」

 

霊夢「でもどうするの?その時空乱流ってやつが発生するのを待つの?」

 

龍騎「......いや、待たない」

 

のび太「え?」

 

龍騎「仮に...、時空乱流が発生したとしよう。そしてのび太くんが入ったら元に居た幻想郷に帰れるとは限らない。時空乱流自体、移動手段として使うものじゃないからな。下手したらまた別の平行世界に行くか、最悪......」

 

のび太「っ!?」

 

のび太は龍騎の言葉に身体を震わせた。それを見た龍騎は頭を掻き始める。

 

龍騎「でも今回はマジでどうしようも無いぞ?異世界の移動なら紫さんがやってくれると思うけど、平行世界となると簡単じゃないぞ?」

 

魔理沙「......魔法でどうにか出来ないのか?」

 

龍騎「パチュリーなら知ってそうだがな......」

 

のび太「あ、あの......」

 

三人が悩んでる中、のび太が小さく手を上げる。

 

のび太「にとりさんに頼むってのはどうですか?僕にとりさんと会った事があるので、事情を説明すれば......」

 

龍騎「そうなの?だったら俺が行ってくる」

 

そう言って龍騎は立ち上がる。

 

霊夢「待って、にとりが何処に居るか分かるの?」

 

龍騎「妖怪の山の近くに居るんだろ?分かんなくなったら椛か早苗に聞くつもりだけど」

 

その言葉に霊夢はムッとする。

 

霊夢「だったら私が案内するわ、その方が効率が良いわ」

 

龍騎「いや、別に霊夢じゃ無くても......」

 

霊夢「ごちゃごちゃ言わない!私を困らせたいの!?」

 

龍騎「何キレてんの!?お、おい引っ張るなよ!?」

 

そう言って霊夢は龍騎の腕を引っ張って出て行ってしまった。

 

魔理沙「ははは...、相変わらず仲が良いぜ」

 

のび太「ど、どうしちゃったんですか?」

 

魔理沙「のび太も分かる日が来るぜ」

 

魔理沙の発言にあまりピンと来なかったのび太であった。

 

 

 

〜のび太side〜

 

龍騎さんと霊夢さんが出掛けて三十分後、二人が帰って来ると龍騎さんの手には茶色の紙袋を持っていた。

 

龍騎「たでーまー、どら焼き買ってきたから食おうぜ」

 

魔理沙「おー、気が効くな!」

 

のび太「ありがとうございます!」

 

そう言って紙袋をテーブルの上に置くと、霊夢さんがお盆を持ってきた。

 

お茶を湯呑みに注ぎ、皆んなでどら焼きを食べながら話しを聞いた。それにしてもどら焼きなんて久しぶりな気がする...。

 

魔理沙「で、どうだった?」

 

龍騎「あー、何かにとりの奴が......」

 

 

にとり『実は自力で外の世界へ行ってみようと思って、時空転送装置を作ってるんだ。八割程完成してるから後は最終調整するだけだよ』

 

龍騎「って言ってな、もしかしたら外の世界じゃ無く平行世界にも行ける説が浮上した」

 

のび太「!?じゃあその時空転送装置が完成すれば帰れるんですね!?」

 

龍騎「恐らくね、分かんないけど」

 

良かった....、このまま帰れなくなったらどうしようと思った......。

 

霊夢「ちなみにその時空転送装置は明日完成するらしいわよ」

 

龍騎「あ、そうそう。だから今日はうちに泊まって行くと良いよ」

 

のび太「本当ですか!?」

 

龍騎「野宿したいか?」

 

のび太「と、とんでもないです!?」

 

龍騎「嘘だよ(便乗)」

 

のび太「も、もう〜、揶揄わないで下さいよ〜!」

 

霊夢・魔理沙「はははははは!!」」

 

それから僕について色々質問された。僕の親友が青い猫型ロボットの事や、スペアポケットについて等......。

 

龍騎「...のび太くん、能力とか持っているのか?」

 

そんな時、龍騎さんか突然質問して来た。

 

 

〜のび太side out〜

 

俺はのび太くんが能力を持ってるか聞いてみた。理由はもし能力を持っていたら今後色々とややこしくなると思ったからだ。主にドラえもんファンには......。

 

のび太「能力ですか?......持ってなかったと思いますよ」

 

それを聞いて安心した。もし持ってたと思うと俺の思ってるのび太くんじゃないもん。しかし、魔力を感じ取れる俺はのび太くんの魔力を見てみるとあまり強い魔力では無かった。

 

龍騎「よし...、のび太くん」

 

のび太「何ですか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍騎「今から魔力の使い方を教えてやる♪」

 

のび太「........え?」

 

 

           〜後編その2につづく〜




いかがでしたか?

本当はこれで終わらせようとすると、めちゃくちゃ長くなりますので次回に続きます。

今回はタケコプターだけでしたが、秘密道具は次回、お披露目します。

それでは次回もご期待下さい。


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ナポえもんさんとコラボ!心優しき少年とちょっと・ふしぎな幻想郷「後編その2」

どうもです。

後編その2です。

前回の続きなのでナポえもんさんの前編、自分の後編を先に読む事をオススメします。

それではどうぞ。

※のび太くんがこれじゃない感が浮上する可能性があります。


 

のび太「ま、魔力の使い方......?」

 

龍騎「あぁ......」

 

龍騎の発言に目を大きく見開くのび太。

 

のび太「ど、どうしてですか......?僕は魔法も使えないんですよ?」

 

龍騎「......ちょっと勘違いしてないか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は()()()使()()()()()()()だけであって、魔法を教えるとは言ってないぜ?」

 

のび太「......へっ?」

 

魔理沙「......そういう事か」

 

霊夢「成程ね......」

 

どうやら霊夢と魔理沙は龍騎の言ってる意味が分かったようだ。

 

龍騎「いいか?確かに魔法なんて摩訶不思議なもので馬鹿馬鹿しいものだ。でも実際に存在する、自分もその目で見てきただろ?」

 

のび太「......はい」

 

龍騎「俺は他人の魔力を感じ取る事が出来る。勿論、のび太くんもちゃんと存在する、小さいけど」

 

のび太「ほ、本当なんですか!?」

 

龍騎「あぁ、もっと分かり易く言えば....、魔力を生命エネルギーに置き換えよう。生き物は生命エネルギーが無いと生きていけないからな。これから先、君は強敵達に出会うだろう...、その為に魔力の使い方を伝授して少しでも役立て貰おうと思ってな」

 

のび太「で、出来るんですか?」

 

龍騎「出来る出来る。な?魔理沙先輩」

 

魔理沙「あったり前だぜ!なんてたって弾幕はパワーだからな!」

 

のび太(此処の魔理沙さんはあんまり変わってないや.......)

 

龍騎「あー言う脳筋が居るから気をつけろよ?」

 

魔理沙「お前もこっちよりだろ!」

 

龍騎「俺はちゃんと考えてますよーだ!一緒にすんな!そうだろ霊夢!?」

 

霊夢「...........まぁ、どっちかと言えば......、同じね」

 

龍騎「同じ...、ってどういう事だよ!?」

 

霊夢「もう面倒くさいわね......、じゃあ龍騎は脳筋だという人、手を上げ」

 

そう言うと霊夢は手を軽く上げる。魔理沙も手を上げると龍騎は軽く舌打ちをすると、のび太は手を上げていなかった。

 

龍騎「の、のび太くん...?も、もしかして........」

 

のび太「い、いやその.......、まだ龍騎さんの事知らないので...、何とも.......」

 

霊夢「じゃあ、龍騎はガキだと言う人、手を上げ」

 

霊夢が別の質問をすると、魔理沙は当然手を上げる。龍騎は不安になりながらものび太を見る。

 

龍騎「........」

 

のび太「.......」腕の角度30°

 

ピピピッ

 

龍騎「.........」

 

のび太「.........」腕の角度45°

 

ピピピピーポーピーポーピーポー

 

龍騎「.......」

 

のび太「.........」腕の角度90°

 

ピピッ!

 

龍騎「」

 

まさかののび太の裏切り(?)により、龍騎は真っ白になった......。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍騎「.......これより魔力の使い方を教えます」

 

のび太「す、すみません龍騎さん!まさかあんなに真っ白になるとは思わなくて........」

 

龍騎「.......気にするな、俺は気にしない」

 

現在、博麗神社の外に出ている。のび太くんが精一杯謝って貰ってるがマジで気にしてない。気にしてないよ?ほんとだよ?リュークンウソウカナイ......、なのに何で目から天然水が出てくるんだろ........。

 

のび太「ほ、本当に大丈夫ですか?」

 

龍騎「大丈夫だ、問題ない」

 

これ以上迷惑を掛ける訳にはいかないので早速始める事にした。

 

龍騎「まぁ教えるって言っても殆どがイメージしろ、って感じなんだけどね」

 

のび太「そうなんですか?」

 

龍騎「魔導書で呪文を唱えたりとか、力を溜めて放つとかそんなんじゃ無いんだよ。だから難しく考えないで良い、自分のやり易い方法を見つけてやれば良いんだから」

 

のび太「はい!」

 

おっ、意外とやる気があるな。まぁやり方を覚えてしまえば直ぐに出来るレベルなんだけど。

 

龍騎「取り敢えず肩の力を抜こうか、先ずは自分の魔力を理解出来るようにする特訓だ」

 

のび太「自分の魔力を理解する...、ですか?」

 

龍騎「簡単に言えば魔力の量を知る事さ。自分がどれだけ魔力を持っているか知っておく必要があるからな。じゃあ先ず手を出して」

 

そう言うとのび太くんは両手のひらを見せてきた。

 

龍騎「そして手を合わせるように形を作って、腕から魔力を流し込んで両手の中心から小さい球を作るイメージをしてみよう」

 

そう言うとのび太くんは目を瞑り、俺の言われた通りにやってみる。少しずつだがのび太くんの魔力が強まってくる。だがそれ以降、何も起こらなかった。

 

のび太「...あれ?上手くいかないなぁ......」

 

龍騎「......なら一度止めて、もう少し自分なりのイメージを意識してみよう。先ずは魔力を........、アニメみたいにオーラが出る感じにイメージしてみて」

 

のび太「オーラが出る感じ......」

 

そう言ってのび太くんは再び目を瞑る。すると少しずつ魔力が高まり出した。

 

龍騎「いい感じ、次はそのオーラが肩から腕に流れるイメージをしてみて」

 

そう言って俺はのび太くんの両肩を線でなぞるように指を動かす。

 

のび太「肩から腕に.......」

 

龍騎「そして腕に流れた魔力を掌からビリビリっと二箇所から一箇所に集まるようにイメージしてみて。そしたら集まった魔力は小さな球になって見えるから」

 

のび太(二箇所から一箇所に集まる......、段々イメージが出来て来たぞ...!)

 

するとのび太くんの掌から電流が発生して、中心には小さな球が発生した。サスガダァ...、伊達に現在過去未来を冒険して来ただけはあるな。

 

のび太「っ!できた!できたぁ〜!」

 

目を開くとのび太くんは大喜び、まぁその年頃なら嬉しい筈だ。しかしのび太くんが出した魔力の球は直ぐに消えてしまった。

 

のび太「あ、あれ?」

 

龍騎「嬉しい過ぎて集中力か切れちゃったからね、でもたった数分足らずで魔力を引き出すとは」

 

のび太「龍騎さんのアドバイスが良かったからですよ!」

 

龍騎「いやいや、小学生並みの感想みたいな語彙力しかない俺が出来るアドバイスはこのぐらいさ。さぁ、もう一度やってみよう。今度は目標10分間耐える事」

 

のび太「いぃ〜!?じゅ、10分ですか!?」

 

龍騎「大丈夫大丈夫、10分なんてあっという間だから」

 

それから特訓は少しずつレベルを上げていきながらのび太くんに教えた。

 

 

 

〜霊夢side〜

 

龍騎がのび太に魔力の使い方を教えて一時間か経った。今は魔力から出来た球を10分間耐える特訓をしている所だ。私は少し離れた所でお茶の飲みながら二人のやりとりを見ていた。

 

魔理沙「のび太の奴、意外とやるじゃないか。龍騎の教えが良かったのかもな」

 

霊夢「いや、単に龍騎の直接的な教えが良かったのよ。龍騎の場合は身体で覚えるタイプじゃない」

 

魔理沙「確かにな、口で教えるより実際に教えた方が良いもんな」

 

そう、頭で考えるより直接試してみて覚える。龍騎はいつだってそうだ、剣術は知らないけど殆ど独学と言っていた覚えがある。

 

それは置いといて...........、

 

霊夢「こうして見ると...、本当の兄弟みたいね」

 

魔理沙「正確には師弟関係じゃないか?」

 

霊夢「正確にはね、でもあれじゃあ師弟というより兄弟よ」

 

そう思いながら二人を眺める。すると龍騎の顔が青ざめた。気になった私は龍騎の側に近寄ると......。

 

 

 

 

何とのび太が魔力の球を放ちながら涎を垂らして寝ていた。

 

 

〜霊夢side〜

 

 

 

俺は今、衝撃な事を目撃してしまった...。ずっとのび太くんの魔力の球を見ていたら『ぐぅ......、ぐぅ.......』と変な声がしたのでのび太くんの顔を見てると........。

 

のび太「......zzz ......zzz」

 

涎を垂らし、寝息をたてながら寝ているのび太くんだった。しかも魔力を解放させた状態で.........。

 

俺は驚愕のあまり顔を青ざめた。それと同時に少し怖いと思ってしまった。気がつくと霊夢が側に居て、口が開いたまま固まってしまった。魔理沙も気になったのか近づいて来ると魔理沙も固まってしまった。

 

魔理沙「嘘だろ......?寝てる状態で魔力を使ってるのか....,.?」

 

龍騎「可愛い顔してるだろ、嘘みたいだろ?寝てるんだぜ、それで......、大した辛い事してないのに、ただ......、ちょっと目を離しただけで......。もう(寝てる所為で)動かないんだぜ、な?嘘みたいだろ?」

 

魔理沙「........ワナダ」

 

霊夢「魔理沙?」

 

魔理沙「粉バナナ!?(翻訳:これは嘘だ!?)寝てる状態で魔力を解放状態を維持するなんて出来る筈が無い!」

 

流石の魔理沙も慌てておりまする。

 

霊夢「これもうのび太にしか出来ないんじゃないかしら......。私だって寝てる状態で霊力を解放し続けるのは無理よ......」

 

な、なんて奴だ.....!のび太くん...、恐ろしい子!これじゃあ某酔えば酔う程強くなるみたい奴じゃないか!酔拳改め睡拳じゃねぇか!!

 

のび太「ん......、あれ?」

 

目が覚めたのかのび太くんが涎を拭いた。それと同時に魔力の球も消えた。

 

のび太「......っ!?もしかして寝ちゃってた!?」

 

龍騎「う、うん.......」

 

のび太「ご、ごめんなさい!いつの間にか寝ちゃって!」

 

龍騎「いや別に怒ってないからね?逆に驚いた事があったけど...」

 

霊夢「まさか寝てる状態で魔力を維持できるとはね。良い課題が出来たじゃない」

 

魔理沙「うぅ...、私は絶対に無理だぜ......」

 

のび太「えぇーー!?僕寝ながら魔力を使ってたんですか!?」

 

流石の張本人もビックリ、いや普通出来ないからね?全集中・常中してる訳じゃないからね?

 

龍騎「......取り敢えず別の特訓をしよう。じゃあこれ持って」

 

そう言って俺は愛剣をのび太くんに渡す。

 

のび太「はい......、うわっ!?」

 

龍騎「重いだろ?刀とかは1.5〜2kgなんだけど、こいつの場合は5kgかな?」

 

のび太「ご、5kg!?どうしてこんなに重いのをさっき軽々と振り回していたんだ...?もしかして......」

 

龍騎「ご名答、じゃあ言わなくても分かるな?」

 

のび太「......はい!」

 

決意を固めたのかのび太くんは俺の剣を両手で持って魔力を流し込む。

 

あ、ちなみに俺が愛剣を振れるのは魔力を使った訳じゃなく自力で持ってる。じゃなきゃ月に行った時に重力スペースで素振りなんてしないからね?(第五十六話参照)

 

なんて思ってたらのび太くんが愛剣を持っていた。どうやら魔力の使い方が分かってきたみたいだな。

 

のび太「龍騎さん!持てましたよ!」

 

龍騎「よし、そのまま俺に攻撃して来い」

 

のび太「え?」

 

のび太くんか間抜けな顔をして固まった。いや今日に限って固まり過ぎじゃね?

 

龍騎「俺はそのまま持って終わりだなんて言ってないぞ?」ニヤニヤ

 

のび太「っ!?は、嵌められた〜!」

 

キー!と悔しがるのび太くん。うん、これは激レアだな。

 

龍騎「さぁ手加減する事はない!思いっきり掛かって来い!」

 

のび太「もう!こうなったらやってやる!」

 

俺の煽りにキレたのかのび太くんが剣を両手で構えて襲い掛かった。鞘に納めた状態だけど良いの?と思ってたけど意外にも早い攻撃だった。

 

のび太「やぁ!」

 

龍騎「ホイ!(ナ◯ト◯ル◯風)」

 

のび太「でやっ!」

 

龍騎「ホラホラ、もっと打って来い!」

 

しかし中々良い太刀筋だと思う。何だっけ......、電光丸だっけ?その所為で身体に刻まれたのか素人感があんまりない。

 

のび太「ぜい...、ぜい...、もうむりぃ〜......」

 

体力が無くなったのかのび太くんは地面に寝そべってしまった。でも良く頑張った方だ。

 

龍騎「お疲れさん、今日は此処までにしよう」

 

のび太「は、はい.......」

 

霊夢「お疲れ様、良く頑張ったわね」

 

のび太「あ、ありがとうございます...」

 

龍騎「...さ、今日は帰るか。丁度日も暮れて来てるからな」

 

そう言って俺は夕日を見る。のび太くんは『うわぁ〜』と言いながら眺めていた。こんな夕日は久しぶりかもしれない...。

 

のび太「きれいだな〜」

 

魔理沙「確かにな」

 

龍騎「......じゃあ帰るか」

 

そう言って俺はのび太くんを連れて帰宅した。

 

 

 

 

 

 

 

〜PM18:00・霧影家〜

 

のび太「がつがつ...、むしゃむしゃ...」

 

紫苑「もぐもぐ......」

 

龍騎「おいおい...、そんなに慌てなくても飯は逃げねぇよ」

 

のび太「いや〜美味し過ぎて......っ!?んーー!?」

 

龍騎「ほら言わんこっちゃない......」

 

直子「はい、お茶ですよ」

 

のび太「ごくごく......、ぷはー!ありがとうございます直子さん!」

 

現在、夕飯を食べてるのだがやっぱり成長期なのかのび太くんは沢山料理を食べてくれる。それに負けじと紫苑もがっついているが...。

 

のび太「それにしても龍騎さんがご飯を作れるなんてビックリしました!それにとっても美味しいです!」

 

龍騎「一人暮らししてたからな、そう言って貰えると嬉しいよ」

 

紫苑「直子おかわり!」

 

のび太「僕も!」

 

女苑「あんた達......」

 

直子「ははは......」

 

 

〜数分後〜

 

のび太「はぁ〜、ご馳走様〜」

 

紫苑「ふぅ〜、満腹満腹〜」

 

腹を摩りながらご満悦な二人。......食費大丈夫かな.........。なんて思いながらタケコプターを修理する。と言っても中身を見せて貰ったが電池に傷が出来てそれを交換、後はこれと言った所は無事だった為、傷があった所を塗装する。

 

女苑「これがひみつ道具なのね...、このラッパみたいなのは何?」

 

俺の側では女苑と直子さんがひみつ道具を触れていた。良いなぁ、俺も触りたい...。タケコプター触ってるけど。

 

のび太「あー、それは『ハメルンチャルメラ』だよ。この道具は片付けたいものに向かって吹くと、片付けたいものが、山へ独りでに行くんだ。そして、二度と帰ってこないラッパだよ」

 

.....そんなやつあったなー(すっとぼけ)

 

女苑「......なんて恐ろしい」

 

直子「じゃあこのクリームは?」

 

そう言うと直子さんは化粧クリームのようなものを手に持った。

 

のび太「それは『あべこべクリーム』って言って、寒い時や暑い時に塗ると熱さと寒さが逆転するんです。でも塗り過ぎには注意が必要ですよ」

 

女苑「ふーん、龍騎の能力みたいなものか....」

 

まぁあながち間違いではないな。

 

紫苑「ねぇのび太、このフラフープは何なの?」

 

そう言って紫苑はフラフープのような物を手に取った。

 

のび太「それは『通りぬけフープ』って言うんだよ紫苑ちゃん。これを壁に貼り付けると輪っかの部分が穴になって通り抜けるんだ」

 

紫苑「ふーん、昔の直子みたいなものか」

 

直子「まぁ、そうですね」

 

それから色々ひみつ道具を取り出してのび太くんが解説していく、それが暫く続き、その後皆んな風呂に入って就寝しようとする。

 

龍騎「どうだった?別の幻想郷に来た感想は?」

 

のび太「はい!見た目はあんまり変わってないけど此処の幻想郷も皆さんはとても良い人でした!」

 

龍騎「そうかそうか、それなら良かった。あ、タケコプター直しておいたよ、試運転も済んでるから直ぐにでも使えるよ」

 

のび太「本当ですか!?ありがとうございます!」

 

そう言って直したタケコプターを渡した。試運転で使ってみたらマジで動いたので調子に乗り掛かった。......しょうがねぇだろ!?誰もが憧れるタケコプターだぞ!?分かるだろこの気持ちがよ!?

 

龍騎「所でのび太くん、明日には帰れると思うが.........、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帰る前にテストしようと思う」

 

 

 

 

〜のび太side〜

 

直してくれたタケコプターを受け取ると、龍騎さんがテストすると言ってきた。

 

のび太「て、テストですか?」

 

龍騎「あぁ、今日の特訓でどれだけ魔力を使えるかテストする。勿論、其方に有利な条件を出す。別に断っても良い、でも自分がどれだけやれるか試してみたいと思わないか?」

 

のび太「......」

 

僕は龍騎さんの言葉を聞いて少し考えた。確かに、今までドラえもんやひみつ道具に頼ってきたけど今回は一度も頼ってない。龍騎さんが魔力の使い方を教えてくれたから今日一日を過ごせて来た......。そう思うと自分の実力が何処まで通用するか気になり始めた。

 

のび太「......やります!やらせて下さい!」

 

龍騎「嘘じゃないな?」

 

のび太「ありません!」

 

龍騎「.........よし、明日博麗神社でやろう。詳しい事は明日に伝える」

 

のび太「はい!」

 

正直不安な所はあるけど、明日も早い。僕は明日に備えて布団の中に入ると直ぐに眠ってしまった...。

 

 

〜のび太side out〜

 

 

〜翌朝・博麗神社〜

 

龍騎「......準備は良いな?のび太くん」

 

のび太「はい!」

 

龍騎「じゃあルールを説明するぞ?制限時間は10分、一度でも俺に攻撃を当てられたらそっちの勝ち、一度も当てられず10分が経過してしまったら俺の勝ち。特別ルールとしてそっちはひみつ道具を使っても良いよ、しかし、一つだけだ。一つだけ許可する」

 

のび太「一つだけ......」

 

龍騎「俺もこの木刀だけで相手する。勿論能力も魔法も使わない。攻撃もしないが防いだり避けたりはするけど、それしかしない......、んじゃ始まるか」

 

俺がそう言って木刀を構えると、のび太くんはスペアポケットからひみつ道具を取り出す。それは......、

 

のび太「名刀電光丸!これで行きます!」

 

龍騎(ほぅ......、接近戦に挑むのか)

 

のび太(本当なら空気砲でやりたいけど、恐らく簡単に避けられてしまう。だったら名刀電光丸で勝負するしかない!)

 

のび太くんが名刀電光丸を構える。のび太くんが射撃が得意なのは知っているが、名刀電光丸と来たか......。

 

霊夢「......二人共、準備は良いわね?」

 

龍騎「ああ」

 

のび太「はい!」

 

霊夢「それでは..........、始め!」

 

こうしてのび太くんのテストが始まった。霊夢の合図でのび太くんが飛び掛かって来た。

 

のび太「やぁ!」

 

龍騎「よっと」

 

のび太「でやぁ!」

 

龍騎「はあぁ!」

 

一発目は避けて、二発目は木刀で弾く。するとのび太くんの攻撃速度は早くなっていく。どうやら電光丸の本領発揮したみたいだ。

 

のび太「それ!」

 

龍騎「なんの!」

 

のび太「まだまだ!」

 

龍騎「甘い!」

 

のび太くんの攻撃は更に増す中、俺も何とか対応して行く。気がついたらそろそろ10分が経とうとして来た。

 

のび太(どうしよう...、もう時間がない!)

 

龍騎(さぁ......、どうする?)

 

のび太「......こうなったら!」

 

そう言ってのび太くんは大ジャンプして斬り掛かって来た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その時、不思議な事が起こった。電光丸の刀身が黄色から赤に変色したのだ。

 

龍騎「!?」

 

な、何が起こってるんだ!?電光丸が赤色に変化したぞ!?どういう事!?まるで意味が分からんぞ!?

 

のび太「でやぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

龍騎「っ!」

 

そのまま俺は呆気に取られてのび太くんの一撃を食らってしまった。

 

 

 

のび太「はぁ...、はぁ...」

 

霊夢「勝負あり!勝者、のび太!」

 

のび太「......え?勝ったの?」

 

龍騎「...お見事、俺の負けだ」

 

のび太「........やった...、やっっったあぁぁぁぁ!!」

 

俺が負けを認めるとのび太くんはピョンピョンと跳ねながら喜んでいた。

 

霊夢「......わざと負けたでしょ」ボソッ

 

霊夢が小声でそう言って来た。失礼な.........。

 

龍騎「まさか......、普通にやったら大人気ないだろ?」ボソッ

 

霊夢「師匠としてどうかと思うわよ」ボソッ

 

龍騎「弟子にした覚えはないよ」

 

でも何故電光丸が赤くなったんだ?恐らく魔力を使ったから赤色に変色したっぽいけど......。もしかして能力に目覚めのか?

 

龍騎(本当だったら、『ひみつ道具を強化する程度の能力』なんだろうな......)

 

魔理沙「おーい!お前等ー!」

 

そんな事思っていると、空から魔理沙がやって来た。箒の後ろにはにとりが乗っていた。

 

魔理沙「待たせたな!のび太、時空転送装置が出来たみたいだぞ!」

 

のび太「本当ですか!?」

 

にとり「君がのび太だね?会えて光栄だよ、多分知ってると思うけど河城にとりだよ。君の事情は昨日聞いたから分かってるよ、さぁ時空転送装置は私の家にあるから行こっか」

 

そう言って俺達はにとりの家に向かった。

 

 

 

 

〜にとりの家〜

 

にとり「さぁ、これが時空転送装置だよ!」

 

のび太「これが......」

 

にとりと家にやってくると、一つのカプセルだった。

 

にとり「のび太、カプセルの中に入ってみて」

 

のび太「はい」

 

そう言ってのび太くんはカプセルの中に入ると、にとりは隣にある操作盤をポチポチと操作していく。

 

にとり「ん〜と、のび太の幻想郷はね.......、あ、これだ!」

 

龍騎「見つかったのか?ってか何で分かるんだよ」

 

にとり「其処は企業秘密(ご都合主義)さ、じゃあ早速起動するよ」

 

にとりが色々と準備をしていると、俺はのび太くんの近くによる。

 

龍騎「達者でな、のび太くん」

 

のび太「龍騎さん...、本当にありがとうございました!」

 

龍騎「......これはアドバイスになるかどうか分かんないけど、これから先、色んな種族と戦う事になったり、色んな異変も起こるだろう。でも、これだけは覚えておくといいかもな......、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どんなに苦しい時があっても仲間の為に諦めるな。覚悟と勇気を捨てない限り、きっと良い結果は出せる」

 

のび太「覚悟と......、勇気......」

 

これは俺がいつも心掛けてる事だ。春雪異変の時に妖夢と戦う時だってそんな感じだった。霊夢と魔理沙を負担を掛けたくないと思い、妖夢と戦う覚悟と異変に立ち向かう勇気があったから結果的に異変は解決出来たものだ。

 

龍騎「君はまだ若い、これからもっと経験する事になるだろう。多分辛い事があるかもしれない......。でも、君だって男だ。覚悟を決めなきゃいけない時だってあるんだ、君が幻想郷の住民だけでなく、君の友達(ジャイアン、スネ夫、しずかちゃん)や親友(ドラえもん)を、これからも守ってやれよ」

 

のび太「......はい!」

 

俺はのび太くんの肩に手を置くと、のび太くんは元気良く返事した。

 

にとり「準備完了!いつでも行けるよ!」

 

龍騎「にとり、始めてくれ!」

 

俺が合図を出すと、のび太くんが入ってるカプセルの蓋が閉じられ、段々と光が強くなっていく。

 

のび太「皆さん!短い間でしたがお世話になりました!龍騎さん!昨日と今日の事、一生忘れません!」

 

龍騎「あっちに行ってもしっかりやるんだぞ」

 

霊夢「機会があったらまたいらっしゃい、歓迎するわ」

 

魔理沙「次会ったら私と勝負しようぜ!」

 

にとり「行くよ!転送開始!」

 

のび太「皆さん、ありがとうございました!さよーならー!」

 

そう言ってカプセルは目を瞑る程光ると、カプセルの中にいたのび太くんは居なくなっていた。

 

にとり「転送完了、上手くいったみたいだね」

 

龍騎「......そうか」

 

霊夢「名残惜しい?」

 

龍騎「まぁな......、でも良いんだ。余計なお世話かもしれないけど、俺は出来る事をしたまでさ」

 

そう言って外に出て、空を見上げる。其処には雲一つない青空の天気が広がっていた。

 

 

 

 

 

 

 

〜のび太side〜

 

のび太「う〜ん......、此処は......、魔法の森?」

 

カプセルの光に包まれた僕は目を開けると、森の中に居た。

 

のび太「えぇ〜と、取り敢えずタケコプターで飛んでみよう」

 

そう言ってスペアポケットからタケコプターを取り出し、頭に着けて空を飛ぶ。

 

のび太「ほ、本当に戻って来れたのかな.........」

 

僕は不安になりながらも辺りを見渡すと......、

 

 

 

のび太ーー!

 

誰かが僕の名前を呼んでいた。僕は声が聞こえた方向へ向かうと......。

 

のび太「霊夢さーん!魔理沙さーん!」

 

霊夢(ナポえもんさん)「のび太!?」

 

魔理沙(ナポえもんさん)「お前、本当にのび太なのか!?」

 

僕の事を知っている霊夢さんと魔理沙さんだった。

 

霊夢(ナポえもんさん)「どうやって戻って来たのよ!?」

 

のび太「えーとですね......、説明すると長くなるんですけど......」

 

僕は簡単に説明をした。僕は時空乱流に巻き込まれた後、平行世界の幻想郷に流れ着いた事、そして其処の霊夢さんと魔理沙さん、更に龍騎さんに色々お世話になった事を話した。

 

霊夢(ナポえもんさん)「そう......、でも無事で良かったわ」

 

魔理沙(ナポえもんさん)「あの後大変だったからなー?紫が目玉が血になるまで探してたぜ?私達はもしかしたらと思って幻想郷を回りまくってたんだぜ」

 

のび太「し、心配掛けてすみませんでした......」

 

僕は深くお辞儀をして謝る。

 

霊夢(ナポえもんさん)「まぁ、見つかったなら良いわ」

 

魔理沙(ナポえもんさん)「それもそうだな!」

 

のび太「霊夢さん......、魔理沙さん.........」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霊夢・魔理沙(ナポえもんさん)

「「お帰り、のび太!」」

 

 

のび太

うん!ただいま!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  【ナポえもん✖️ 餡 子太郎 コラボ回】

 

  心優しき少年とちょっと・ふしぎな幻想郷

 

          完




以上、コラボ回でした。

疲っれたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!

今回すっごい気合い入れたせいか、何と10,000文字超えてしまいました。

後編その1とその2を合わせたら15,000文字は行ってると思います。

この達成感、半端ないです。以上でこれでコラボ回でした!

ナポえもんさん、コラボありがとうございました!そして、のび太くんを強化(?)してしまい申し訳ございませんでした!

これからも餡 子太郎とナポえもんさんをどうぞよろしくお願い致します。


【今回出てきたひみつ道具】

・ハルマンチャルメラ

音色を聴いたら、二度と山から降りられなくなってしまう恐ろしい道具(ドラニュー参照)


・あべこべクリーム

からだに塗ると、熱いものは冷たく感じ、冷たいものは熱く感じるようになる(ドラニュー参照)


・通りぬけフープ

壁などにつけると、壁の向こう側に通りぬけられる穴を作り出してくれる(ドラニュー参照)


・名刀電光丸

刀に仕組まれたコンピューターのおかげで、これさえ使えば絶対に剣の決闘で負けることがない......、のだが相手が相手なので絶対に勝てるとは思えない(ドラニュー参照)


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カナード・ヤマトさんとコラボ!心優しき少年と自由の翼『後編』

どうもです。

今回はカナード・ヤマトさんとのコラボです。

※今回のコラボは本編完結後の話しです。ヒロインは霊夢なのでご了承下さい。

あらかじめ本編の内容を知っておくと楽しめると思います。

それとこれは後編なので、カナード・ヤマトさんの前編を先に読む事をオススメします。

それではどうぞ。


 

鬼神龍との戦いが終わって約二ヶ月......。俺は今、宴会の時に告白した女性と一緒に人里を歩いていた。ある程度人里も復旧が完了しているのでもう少しすればまた賑やかな人里に元通りだろう......。

 

ただ、騒がしい集団が一つ存在した......。

 

 

霊夢「いい加減に離れなさいよ!往生際が悪いわよ!」

 

咲夜「それはお生憎様、私はまだ諦めたつもりはありませんので」

 

早苗「そうですよ!私だってりゅーくんとイチャイチャしたいんですから!」

 

妖夢「というか何一人で独占しようとしてるんですか!龍騎さんだって人権があるんですから私達も構ってもらう義務があるんですから!」

 

龍騎「え?そんなのあったの?」

 

椛「皆んな龍騎さんと一緒に居たいんですよ、霊夢さんだけなんて不公平です!」

 

霊夢「なら椛はペットとして扱えば良いんでしょ?ほらお座り」

 

椛「貴女には従いません!!」

 

なら俺なら良いのかよ......。とまぁこんな感じに俺の取り合いをしていた。あの日、俺が選んだ女性は霊夢だ。あの後クソ鴉に盗聴され、幻想郷全体に晒してしまった為、『誰もが認めるバカップル』とレッテルを貼られてしまった。当然、選ばれなかった四人は認めず俺の取り合いをしているのだ。おかしいな......、ハーレムの筈なのにこの修羅場は何故か慣れない......。

 

魔理沙「やれやれ、毎度毎度飽きないよな」

 

龍騎「見てないで助けて?」

 

魔理沙「だが断る、ずっと見てても見飽きないからな」

 

 

ニヒヒ、とイタズラ少年のような笑みを見せる魔理沙、殴りたい、この笑顔。

 

「な、何だあれ!?」

 

「「「「「「「!?」」」」」」」

 

突然里の人が声を上げた。俺達はその人を見ると空に指を指した。其処には巨大な影があった。

 

霊夢「何あれ!?」

 

魔理沙「め、めちゃくちゃデケェ!!」

 

咲夜「鳥だ!」

 

妖夢「飛行機だ!」

 

椛「いや、あれは......」

 

フリーダム「」⇦落下中

 

龍騎・早苗「「フリーダム!?」」

 

何と空からガンダムが降って来た.....、いや何で!?するとフリーダムは翼を広げると二つの砲門を展開する。

 

龍騎「!皆んな伏せろ!!」

 

俺が大声で合図すると、近くに居た里の住民達が一斉に伏せる。そしてフリーダムの砲門から赤色のビームを放つ。砲門を発射した反動で人里の入り口当たりにフリーダムは不時着し、トリコロールカラーだった装甲が灰色に変わってしまった。

 

龍騎「皆んな無事か!?」

 

霊夢「えぇ、何とか......」

 

魔理沙「また人里がぶっ飛ぶところだったぜ......」

 

咲夜「それよりも、あれは何なのかしら......?」

 

妖夢「見た感じロボットのようですけど......」

 

早苗「りゅーくんりゅーくん!凄いよ!!フリーダムだよフリーダム!!」

 

龍騎「落ち着けって早苗......、でもこれにとりが作ったものじゃ無いよな?」

 

椛「そうですね、彼女がこんな巨大なロボットを作ってる所見た事が無いですし......」

 

するとフリーダムのコクピットが開かれ、水色のスーツとヘルメットを被った人が降りて来た。その手には拳銃が握り締めていたが、俺は少しずつヘルメット男に近づく。

 

?「動かないで下さい」

 

そう言って拳銃を向けるヘルメット男。この声......、まさか......。

 

龍騎「此方は戦闘の意思は無い、銃を捨てるか仕舞ってくれ」

 

?「.........」

 

俺の言葉を聞いても拳銃を突きつけるヘルメット男。はぁ、少し強引な手段を使うしかなさそうだ......。

 

龍騎「......加速装置」

 

『CLOCK UP』

 

俺は加速装置を起動させ、ヘルメット男の背後に回り拳銃を取り上げて遠くへ投げ捨てる。そしてサンダーウィップでグルグル巻きにする。

 

『CLOCK OVER』

 

?「!?」

 

加速装置を解除するとヘルメット男は拘束されてる事に気づき、アタフタして地面に倒れてしまった。

 

龍騎「ごめんよ、あまりにも返事が遅かったから拘束させて貰ったよ」

 

?「あ、貴方は一体......」

 

龍騎「まずは自分の名前から言うのが礼儀だ、覚えておくと良い」

 

そう言って俺はヘルメットと外す、案の定()だった。

 

龍騎「やっぱりか......、スーパーコーディネーター、キラヤマとえ!?」

 

早苗「あの!キラ・ヤマトさんですか!?ガンダムSEEDの主人公の!?」

 

キラ「え?」

 

「「「「「は?」」」」」

 

突然早苗に突き飛ばされた俺氏、そして目を輝かせて彼の手を握る早苗。

 

キラ「え?あ、いやその..........」

 

早苗「あれフリーダムガンダムですよね!?ストライクフリーダムの一個前の機体ですよね!?私ガンダムシリーズの中でフリーダムが一番好きなんですよ!!お会い出来て光栄です!!」

 

龍騎「早苗ェ......」

 

このままでは埒があかないので一先ず人里から離れる事にした。ちなみにフリーダムは何とか運びました。え?大丈夫なのかだって?困ったらゴリ押し、押して駄目だな諦めろ、だ。

 

 

 

 

 

〜キラside〜

 

あの後、霊夢さん達に森まで連れて行かれた。辿り着く前に男の人と早苗さんが二人がかりでフリーダムを持ち上げて運んで行ったのは驚きを隠せなかった......。お陰でフリーダムは今、石のように丸まっている。大丈夫なのかな......。

 

霊夢「それじゃあ改めて、博麗霊夢よ」

 

魔理沙「霧雨魔理沙だぜ!よろしくな!」

 

咲夜「十六夜咲夜と申します」

 

妖夢「魂魄妖夢です」

 

椛「犬走椛です」

 

霊夢「それと彼が.........」

 

龍騎「凄ぇよ早苗!コクピットがアニメのまんまだ!」

 

早苗「ちゃんとレバーも動くよりゅーくん!」

 

龍騎「しかもフルバーストする時のやつもしっかりある!やべぇロマンの塊ってレベルじゃねぇぞ!?」

 

早苗「さっきまでこれを動かしてたんでしょ!?私も一度動かしてみたい.........」

 

霊夢・魔理沙「「真面目にやらんかいこのオタク共!!

 

お二人が勝手にフリーダムのコクピット中を見物していると、霊夢さんと魔理沙さんが二人の頭に目掛けてドロップキックをかました。痛そう......。

 

龍騎「いって〜!何すんだよこっちは忙しいんだよ」

 

早苗「そうですよ!邪魔しないで下さい!」

 

魔理沙「何処か忙しいだよ!?こっちは真剣にやってるってのに遊んでんじゃねぇよ!」

 

龍騎「どうせのび太くんの時みたいに、時空乱流に巻き込まれたアレでしょ?何となく察せられるから」

 

早苗「え!?りゅーくんのび太くんと会った事あるの!?」

 

龍騎「言ってなかったっけ?のび太くんうちに来たぞ、タケコプターを使って空飛んだぜ」

 

早苗「ずるいずるい!!りゅーくんだけずるい!」

 

龍騎「はっ!その場に居なかったお前が悪い!」

 

 

    げ ⭐︎ ん ⭐︎ こ ⭐︎ つ 

 

 

霊夢「いい加減にしなさい!ってか早苗!イチャイチャするな!龍騎もノリに乗らない!」

 

龍騎・早苗「「すみませんでした........」」

 

キラ「......あ、あの...」

 

咲夜「お気になさらず、いつもの事なので」

 

妖夢「そうですよ」

 

椛「気にしたら負けですよ」

 

いや何に?そう思っていると霊夢さん達が男の人と早苗さんを引っ張って来た。

 

龍騎「......えーと、霧影龍騎です。こう見えて元神様です」

 

早苗「東風谷早苗です。妖怪の山にある守矢神社の巫女をしています」

 

キラ「......よろしくお願いします」

 

僕は軽くお辞儀をする。それからどうして僕が此処に来てしまったのかを聞いて来たので軽く説明をした。

 

 

霊夢「......つまり貴方は元々は外来人で、宇宙戦争をしてたけど多分やられたと思ったら此処とは別の幻想郷にやって来た、と......」

 

妖夢「そして向こうの紫様が『並行世界』がある事が分かって頼み事でこっちにやって来た......」

 

咲夜「そして此処に辿り着いたは良いものの、あのフリーダムというロボットの推進剤が切れて落ちてしまったと......」

 

キラ「大体合ってます」

 

椛「でも凄いですよね、キラさんの世界はロボットがあるなんて」

 

魔理沙「そりゃロボットを使って戦争が出来るぐらいだからな。流石の河童の技術でも無理だろ」

 

龍騎「」

 

早苗「」

 

さっきから固まってる龍騎さんと早苗さん。一体どうしたのだろうか?

 

龍騎「し、死んだ...?主人公が?続編どうするの?SEED DESTINYは?」

 

早苗「れ、歴史が...、歴史が変わっちゃう......。ど、どうなっちゃうんだろう...」

 

何か慌ててる様子で顔を合わせる二人。恐る恐る聞いてみるととんでもない事実が発覚した。

 

どうやら龍騎さん達が居た外の世界では僕が経験した事がアニメとなり放送していたそうなのだ......。

 

キラ「そう、だったんですか......」

 

龍騎「.........これからどうするか」

 

魔理沙「というかキラは何が目的でこっちに来たんだ?」

 

魔理沙さんが聞いてくると思わず考えてしまう。確かにこれと言った目的が無い。

 

キラ「分からないです......。取り敢えず観光でもして行こうかなと」

 

「「「「「「あー......」」」」」」」

 

僕が訪ねると、他の皆さんは顔を合わせて言いにくそうな表情を見せる。

 

龍騎「えっと......、それなんだけどさ.....。こっちの幻想郷は観光出来ないんだよね」

 

キラ「観光出来ない?」

 

それから龍騎さんが詳しく説明してくれた。今から二ヶ月前に『鬼神龍』という種族が攻めて来て、その種族と戦争をしてたそうなのだ......。そして何とか勝利を収めたものの、人里はほぼ壊滅状態、しかも鬼神龍と共に現れた要塞の破片が所々落ちてしまい、撤去作業の最中だそうなのだ。

 

キラ「そんな事が......」

 

龍騎「どの世界に行っても争いはあるもんだ...。悲しいけど、これ現実なのよね」

 

キラ「......龍騎さんは、辛いとは思わなかったんですか?」

 

龍騎「辛くないと言ったら、嘘になるな。だって同じ種族と戦ったんだから抵抗は感じるよ。でも、それでも俺は戦った......。だって俺には側に居てくれる人達が居るから戦えた......。例え右目の視力が失われても、戦う力が無くなっても、戦友()と呼べる奴が死んでも、後悔は無い.......。この戦いで死んでいった奴等の分も生きる、それが生きている俺達が出来る使命だと思ってる」

 

キラ「.........」

 

龍騎の言葉を聞いて感動してしまった。僕と違って心も強い人だと思ってしまった。

 

キラ「......龍騎さんは強いんですね」

 

龍騎「強く無いよ。何でもかんでも自分一人で物事を片付けようとするし、その所為で迷惑を掛けまくった自己満足で済ませる男なんだよ」

 

霊夢「確かにそうね、どれだけ心配して来たのか」

 

龍騎「うっ......、兎に角!俺は第二の人生を楽しんでるから良いの!」

 

そう言って顔を赤くして腕を組む龍騎さん。

 

紫(キラ側)「キラ!大丈夫?」

 

キラ「紫さん?」

 

すると紫さんがスキマ使ってやって来た。あれ?此処に来て大丈夫なのかな?

 

龍騎「紫さん.....、いや違う......。キラの所の紫さんだな」

 

紫(キラ側)「その通りよ、うちのキラが世話になったわね」

 

魔理沙「別に問題はないんだせ」

 

紫「其方の事情は把握したわ。どうやらタイミングが悪かったようね、また連れて来ても良いかしら?」

 

龍騎「俺は構いませんよ」

 

紫「ありがとう、それじゃあ帰りましょうか」

 

そう言って紫さんはスキマを大きくして先に入ってしまった。でもフリーダムは動かないのでどうすれば......。

 

龍騎「誰か、フリーダム運ぶの手伝ってくれない?」

 

キラ「え?」

 

フリーダムをどうしようかと悩んでいると龍騎さんが思い切った事を言い出した。

 

霊夢「私は構わないわ」

 

魔理沙「私はパスで、この後用事があるからな」

 

咲夜「私もそろそろお嬢様の元へ戻らないと行けないので」

 

妖夢「私も幽々子様のお食事を作らないといけないので」

 

椛「私もそろそろ勤務に戻りますので」

 

早苗「私は大丈夫だよ」

 

龍騎「よし、決まりだな。じゃあさっさとやっちまおうぜ」

 

そう言って龍騎さん達はフリーダムの元へ行くと、せーのと合図を掛けたと同時にフリーダムを持ち上げた。

 

紫「!?す、凄い......、フリーダムを三人掛かりで持ち上げた......!?」

 

魔理沙「じゃあなキラ!また来いよな!」

 

咲夜「次に会った時はおもてなしさせて頂きます」

 

妖夢「向こうでも頑張って下さいね」

 

椛「龍騎さんみたいに無茶しないで下さいね?」

 

龍騎「おい椛!それどういう意味だよ!?おいコラー!」

 

龍騎さんのツッコミを無視して皆さんはそれぞれ飛んでいってしまった。

 

龍騎「ったく、んじゃ行くか」

 

そう言って龍騎さん達はフリーダムをスキマの中へと入って行った。そして僕もフリーダムの後ろへ歩いていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、僕が居た幻想郷へ戻って来ると龍騎さん達はフリーダムをその場に設置した。改めて見ると良く運べたな......。

 

龍騎「ふぃ〜、一仕事完了ってな」

 

キラ「ありがとうございます。フリーダムを運んでくれて」

 

龍騎「気にするな、俺は気にしない」

 

霊夢「それじゃあ、元気でね」

 

早苗「次に来たらまたお話ししましょうね」

 

そう言って三人はスキマの中へと歩き出す。そして開かれたスキマはゆっくりと閉じられてた。

 

早苗(キラ側)「キラさん!」

 

すると僕の知っている早苗さんが駆けつけて来た。

 

キラ「早苗さん....」

 

早苗(キラ側)「ご無事で良かったです......。にとりさんが推進剤を詰めるのを忘れたって聞いて心配で.......」

 

あ、推進剤が切れたのは単なる入れ忘れか......、解せぬ。

 

キラ「......早苗さんから貰ったお守りのお陰ですよ」

 

そう言って僕はお守りを見せた。ある意味このお守りがあったから僕は助かったのかもしれない......。

 

早苗(キラ側)「それなら良かったです...。さぁ帰りましょう、加奈子様も諏訪子様も心配してましたよ」

 

キラ「うん...」

 

こうして僕の少し不思議な体験が終わった。けど、とても貴重な時間を過ごせた思う。そう僕は思ったまま守谷神社へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜数時間後・博麗神社〜

 

龍騎「あの......、お二人さん?」

 

霊夢「何?」

 

早苗「どうしたの?」

 

龍騎「どうしたのじゃねぇよ!何で下着姿なんだよ!!」

 

霊夢「今夜は寝かせないって」

 

早苗「決めてたからね」

 

龍騎「おいこら!お前等さっきまで俺の取り合いしてただろ!?いつの間に仲良くなってんだ!」

 

霊夢「それはそれは」

 

早苗「これはこれだよ」

 

龍騎「意味分かんねぇよ!」

 

霊夢「と言う訳で......」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霊夢・早苗「「覚悟しなさいよね(してね)?」」

 

 

 

この後、めちゃくちゃおもちゃ(意味深)にされた。

 

 

 

 

      心優しい少年と自由の翼

 

 

           完




いかがでしたか?

以上でコラボでした。カナード・ヤマトさん、ありがとうございました!

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。


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ナポえもんさんとコラボ!(二回目)ドラえもん のび太の幻想龍優録『後編』

どうもです。

今回はナポえもんさんとのコラボ二回目です。

※これは本編終了後の話しです。ヒロインは椛ルートです。

先に本編、ナポえもんさんの前編から読む事をオススメします。

それではどうぞ。


 

〜のび太side・魔法の森〜

 

「「「「「うわああああああ!!」」」」」

 

トランクを開けた途端にブラックホールみたいなものに吸い込まれた僕達はそのまま別の所へ追い出すかのように飛ばされた。

 

ドラえもん「いてて......、皆んな大丈夫?」

 

のび太「な、なんとか......」

 

ジャイアン「一体なんだってんだよ......」

 

しずか「此処は......、森かしら?」

 

スネ夫「見た感じそうだと思うよ.....」

 

皆んな無事な事に安心したけど、此処は何処かの森だった。するとある記憶が思い出す。

 

のび太(そういえば、あの人と出会いも森だったな......)

 

ドラえもん「のび太くん?」

 

のび太「え?な、何!?」

 

ドラえもんが声を掛けてくると僕は思わず声を上げてしまった。

 

ドラえもん「取り敢えず此処から出ようって事になったから、移動しよう」

 

のび太「う、うん......」

 

こうして僕達は移動しようとした時に茂みから音が鳴った。

 

しずか「何の音かしら......」

 

ジャイアン「どうせ狐か狸だろ?」

 

ジャイアンは気にせず歩き出すが、僕はそんな事は思わなかった。

 

のび太(これってもしかして......)

 

ガサガサガサ......、

 

そして僕の悪い勘が当たってしまった........。

 

妖怪「ガルルルル......!」

 

何と犬の妖怪が現れたのだ。

 

「「「「「よ、妖怪だぁー!!」」」」」

 

のび太「ド、ドラえもん!?何か道具は無いの!?」

 

ドラえもん「ちょっと待って!?えーとえーと......」

 

そう言ってドラえもんは慌てて四次元ポケットから色々と取り出しては捨てての連続だった。そして犬の妖怪が飛びかかって来た。

 

のび太「っ!」

 

僕は咄嗟に目を瞑ってしまう。しかし、その後何もして来ないので恐る恐る目を開くと、犬の妖怪は氷の山の中に閉じこもっていたのだ。

 

スネ夫「な、なにこれ!?」

 

のび太「い、今のドラえもんなの?」

 

ドラえもん「僕じゃないよ......。一体誰が......」

 

「君達、大丈夫かい?」

 

「「「「「え?」」」」」

 

空から男の声が聞こえて来る。僕達は空を見上げると一人の男の人が宙に浮いていた。

 

ドラえもん「あ、貴方は......」

 

「......のび太くん?」

 

のび太「え?」

 

男の人が僕の名前を呼んだ。僕は目を凝らして見ると...。

 

のび太「......もしかして、龍騎さん?」

 

龍騎「やっぱり俺の知ってるのび太くんか...」

 

その人は僕の師匠みたいな人、霧影龍騎さんが居た。

 

 

〜のび太side out〜

 

 

折角の休日だと言うのにいきなり妖怪だー!と悲鳴が聞こえた俺は現場へ急行すると、五人の集団が犬の妖怪に襲われていた。......何か一人だけ人間じゃない奴が居るけど大丈夫なのか?

 

龍騎「全く、今日ぐらい大人しくしてくれよな......」

 

それはさて置き、俺は氷属性を解放させて冷気で出来た球を犬の妖怪に向けて投げると犬はあっという間に固まった。

 

龍騎「君達、大丈夫かい?」

 

俺はゆっくりと五人の集団の方へ近づくと見覚えのある顔が居た。もしかして......。

 

のび太「......もしかして、龍騎さん?」

 

龍騎「やっぱり俺の知ってるのび太くんだったか...」

 

俺は納得するとゆっくりと着地する。

 

龍騎「久しぶりだな、ちったあ逞しくなったか?」

 

のび太「龍騎さん!!」

 

そしてのび太くんは俺に向かって走り出して来た。いや、兄貴と再会した弟か。

 

のび太「お久しぶりです龍騎さん!」

 

ドラえもん「の、のび太くん?知り合いなの?」

 

するとドラえもんがのび太くんに質問して来た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

え"っ"!?ドラえもん!?しかも後ろにはいつもの面子がいらっしゃる!?

 

のび太「うん!一度僕を助けてくれた人なんだ!」

 

龍騎「えーと......、霧影龍騎だ。のび太くんとは一年前に会った事があるんだ」

 

ドラえもん「そうだったんですか!初めまして僕ドラえもんです」

 

しずか「源静香です」

 

ジャイアン「剛田武!ジャイアンでいいぜ!」

 

スネ夫「僕ちゃんは骨川スネ夫さ」

 

あぁ......、のび太くん以外にも会えるなんて......。感動の嵐!!

 

龍騎「よろしく、のび太くんの友達と猫型ロボットくん」

 

ドラえもん「だから僕はたぬきじゃな........え?」

 

ドラえもんは怒ってる途中にキョトンとした表情を見せた。多分いつものノリに乗ったな......。

 

ドラえもん「ぼ、僕が猫型ロボットだって分かったんですか?」

 

のび太「え?あ、ああ......、前にのび太くんから聞いたんだ」

 

ドラえもん「......う、うぅ.....」

 

龍騎「!?」

 

のび太「ドラえもん!?」

 

急にドラえもんが泣き出した。え?さっきの言葉マズった?

 

ドラえもん「ぼ、僕の事を一回で猫型ロボットを言ってくれたのは貴方が初めてかも知れない....」

 

いや違った。嬉しすぎて泣き出したんだ。ってか大袈裟過ぎない?

 

龍騎「と、取り敢えず移動しよう!事情はそっちで聞くから!」

 

のび太「そ、そうですね!ドラえもん、タケコプター出して!」

 

ドラえもん「うん...、はい」

 

未だに泣き止まないドラえもんは四次元ポケットからタケコプターを人数分取り出した。てっきり『テッテテー』って効果音が出る事に期待していた。

 

龍騎「じゃあ俺に着いて来て」

 

そう言って俺は宙に浮き始めると、皆んな頭にタケコプターを着けて俺に着いて行った。

 

 

 

〜龍騎・椛宅〜

 

龍騎「ただいまー」

 

椛「あ、龍騎さん。お帰りなさい」

 

「「「「「お邪魔しまーす」」」」」

 

椛「え?あ、あの......」

 

帰宅すると、椛は出迎えくれたがのび太くん達が入ってくると困惑した。そりゃ伝えて無いからね、しょうがないね。

 

龍騎「外来人、森で妖怪に襲われてたから連れてきたんだ」

 

椛「そうだったんですか、私は犬走椛です。今からお茶用意しますね」

 

龍騎「ああ、頼む」

 

そう言って椛は台所に向かった。すると俺の腕にチョンチョンと指で叩かれた。

 

のび太「りゅ、龍騎さん?何で椛さんが此処に居るんですか...?」

 

椛を知ってるって事はもう()()()には会っているのか。それなら話しが早い。

 

龍騎「......俺達、結婚したんだよ。去年に......」

 

 

「「「「「えええええええ!?」」」」」

 

 

「オギャーーー!!」

 

「「「「「え!?」」」」」

 

龍騎「しー!静かに!子供が起きちゃう!!」

 

「「「「「!!」」」」

 

いきなり五人が叫び出すと、赤ん坊が泣き始めて俺は慌てて五人を静かにすると、五人は直ぐに手を口に当てて塞いだ。

 

龍騎「よしよし、ごめんな驚かせて.....」

 

椛「どうしました!?」

 

慌てた様子で椛が出て来た。俺達って多分親バカになりそう......。

 

龍騎「ごめんごめん、ちょっと驚かしちゃって」

 

「「「「「ご、ごめんなさい!!」」」」」

 

椛「え?ど、どういう事ですか?」

 

椛に俺達が結婚した事に驚いて大声を出してしまい、泣き出した事を簡単に説明した。

 

椛「そ、そうだったんですか......。意外でした?」

 

のび太「な、何というか......、前会った時は霊夢さんと魔理沙さんしか会った事が無かったので.....」

 

龍騎「そりゃ無理も無いよ。自分で言うのも何だけど椛以外にもあと四人に好かれてたから」

 

スネ夫「四人!?」

 

ジャイアン「めちゃくちゃモテモテじゃねぇか!?」

 

龍騎「あ、あはは......」

 

椛「だからって浮気は駄目ですからね?」

 

龍騎「もう子供も居るのにする訳ねぇだろ?......ネトラレナケレバ」ボソッ

 

椛「ん?」ニコッ

 

龍騎「ヴェ!?マリモッ!」

 

怖ぇよ...、うちの嫁怖ぇよ.....。多分椛じゃなくてもこうなんだろうな.......。

 

しずか「そ、そういえばお子さんが居るって......」

 

しずかちゃんが話題を変えて来た。ナイスだしずかちゃん。

 

龍騎「あ、ああ......、子供が一人出来たんだ。男の子」

 

のび太「見ても良いですか?」

 

龍騎「ああ良いぞ」

 

俺が許可を出すとのび太くん達はベビーベットに向かった。ベッドには椛と瓜二つの赤ん坊がぐっすりと眠っていた。

 

「「「「「可愛い〜〜!!」」」」」

 

ドラえもん「いつ生まれたんですか?」

 

椛「丁度一年になりますね」

 

ジャイアン「すげぇ!ちゃんと耳も生えてるぞ!」

 

スネ夫「今まで僕ちゃんが見てきた中で一番かもね」

 

しずか「名前は何て言うんですか?」

 

龍騎「犬走 椛丸《いぬばしり もみじまる》だよ」

 

のび太「椛丸くんか......。にしても可愛いなぁ」

 

皆んなが椛丸に夢中になってる中、俺はある事に悩んでいた。

 

........いじめられないかなその名前。ごめんな、お父ちゃんがこんなにもネーミングセンスが無さ過ぎて......。いじめられたら俺を殺しても良いぞ...。

 

椛「......どうしました?」

 

龍騎「いや、改めて俺のネーミングセンスが無さ過ぎて......」

 

椛「そうですか?私は好きですよ?」

 

違うそうじゃない、いじめられないか心配しているのだ。なんて口に出せる訳も無く俺は歯を食いしばって涙を流した。

 

のび太「龍騎さん、ちょっと良いですか?」

 

龍騎「ん?何?」

 

突然のび太くんが聞いてきた。

 

のび太「さっきから気になっていたんですけど......、髪の毛どうしたんですか?前までは黄色だったのに黒になってますし......、それに目も少し変じゃないですか?」

 

「「「「え?」」」」

 

椛「.........」

 

龍騎「......そう言うと思ったよ。取り敢えず座りな」

 

そう言って俺はのび太くん達を座らせる。椛は悲しい表情を見せるが俺は優しく撫でると俺の隣に座った。

 

龍騎「......今から説明するのは俺達が体験した大規模な事だ。それめも聞きたいか?」

 

皆んなが俺の言葉に頷くと俺はゆっくりと説明した。一年前に鬼神龍が攻めてきた事、俺もその鬼神龍の一人だった事、そして鬼神龍と戦って勝った事、俺の髪が黒になり、右目が見えてない状態である事を説明した。

 

のび太「そんな......」

 

ジャイアン「何なんだよ鬼神龍って奴等!殆ど自分の事しか考えてねぇじゃねぇか!」

 

スネ夫「落ち着きなよジャイアン、そんな事言ったってもう戦いは終わったんだよ?それに非戦闘派と生き残りの戦闘派の鬼神龍は今は平和に暮らしてるんだから良いじゃない」

 

ジャイアン「だけどよ......!」

 

のび太「ジャイアンの言いたい事も分かるよ。でも龍騎さんも覚悟してたから鬼神龍と戦ったんじゃないかな?」

 

龍騎「その通り。いくら同族の奴等とはいえ、俺は幻想郷の皆んなとの時間を選んだ。今でも後悔は無いよ、それに今は可愛い嫁や息子が居るから幸せさ」

 

ドラえもん「うぅ......、何て強い人なんだ......」

 

しずか「ほんとね......」

 

ドラえもんとしずかちゃんは俺達の事に感動したのか涙を流し、ジャイアンは鬼神龍に対して怒りをぶつけるがのび太くんとスネ夫によって怒りを鎮める。

 

スネ夫「でも、目が見えないんじゃあ今でも大変なんじゃ......」

 

龍騎「其処は夫婦の力で何とかするさ、な?」

 

椛「違いますよ?私達三人で、です!」

 

龍騎「......そうだな」

 

のび太(凄いなぁ......、僕もいつかしずかちゃんと......)

 

のび太くんがしずかちゃんに視線を向けた。ははーん、さては......。

 

龍騎「のび太くんも良い人見つけたらこうなれよ?」

 

のび太「え!?」

 

ドラえもん「そうだね!のび太くんも龍騎さん達を見習わなくちゃだね!」

 

のび太「ドラえもん!?」

 

「「「はははははははは!!」」」

 

それからのび太くん達は今日はうちに泊めさせる事にした。皆んなが風呂に入ってる間に俺は紫さんに事情を話し、のび太くん達を外の世界へ戻すよう頼んでくる。そして帰って来たら直ぐに風呂に入ろう服を脱いだら、俺の腹に出来た傷に男子一同は悲鳴を上げた。

 

龍騎「のび太くん、魔力は今でも使える?」

 

のび太「はい!何回か使ってますよ」

 

俺が風呂に出た後、俺はのび太くんに魔力が使えるか訪ねた。

 

ジャイアン「何!?のび太魔力使えるのか!?」

 

のび太「まぁね」ハナタカ

 

ドラえもん「凄いじゃないかのび太くん!」

 

スネ夫「くぅ〜!のび太の癖に生意気な!」

 

龍騎「...何なら教えて上げようか?」

 

「「「え!?」」」

 

俺が魔力の使い方を教えてやると言い出したら食いついてきた。やっぱ男の子だな。

 

龍騎「ただし、悪用はするなよ。其処は自己責任になるからな」

 

「「「はーい!」」」

 

それから三人に魔力の使い方を教えた。まぁ殆どはのび太くんの説明してくれたので俺はその隙に椛丸の世話をした。

 

龍騎「椛丸、お前もデカくなったら強い男にしてやるからな」

 

椛丸「あい!」

 

龍騎「え?」

 

 

 

 

 

 

〜椛side〜

 

私は今、しずかちゃんと一緒にお風呂に入っていた。

 

椛「ごめんなさいね狭くて」

 

しずか「大丈夫ですよ、それにしても気持ちいいですね。私の家のお風呂より気持ちいいです」

 

椛「そう言って貰えて良かった」

 

しずか「あの...、椛さん」

 

椛「?」

 

しずかちゃんが突然私に声を掛けて来た。

 

しずか「椛さんは龍騎さんの何処に惹かれたんですか?」

 

椛「龍騎さんの?」

 

まさかのガールズトークでお馴染みの恋愛話だった。

 

椛「.....実はね、龍騎さんとは私がストーカーに遭った時に出会ったの」

 

しずか「ストーカー!?」

 

椛「その時は私怖くて、先輩にあたる人に聞いたらある人を手伝わせると言ってね。それが龍騎さんなの」

 

しずか「そ、それでどうなったんですか?」

 

椛「その時の龍騎さんは軽い女性恐怖症でね、ちょっと避けられた所はあったけど私の為に尽くしてくれたの。そしてある日にストーカーの犯人に騙されて人気のない所まで連れてかれて酷い事されそうになりかけた時に龍騎さんが助けてくれたの」

 

私は目を瞑りながら当時の事を思い出しながら語り出す。懐かしい...、あの事件が無かったら今みたいになってないだろう......。

 

椛「あの時の龍騎さんはカッコ良かった......。本当のヒーローみたいだった......」

 

しずか「素敵な話しですね......」

 

椛「しずかちゃんも好きな人いるの?」

 

しずか「え!?///」

 

私の質問に顔を更に赤くするしずかちゃん。

 

しずか「え、えーとそれは......///」

 

椛「答えなくても良いよ、その反応で分かったから」

 

しずか「......いじわる///」

 

椛「ふふっ、ごめんなさい。上がりましょうか」

 

そう言って私としずかちゃんはお風呂に上がった。

 

 

 

〜翌日〜

 

紫「迎えに来たわ」

 

龍騎「すみません、よろしくお願いします」

 

朝食を食べ終わると紫さんがタイミング良く現れた。うん、ちょっと怖い。

 

のび太「龍騎さん、昨日はありがとうございました!」

 

「「「「ありがとうございました!」」」」

 

龍騎「気をつけて帰るんだぞ」

 

椛「また来たらいつでも歓迎しますよ」

 

椛丸「あー!」

 

紫「それじゃあ皆んな、スキマに入って頂戴」

 

そう言ってスキマを開くとのび太くん達はスキマの中へ入って行った。

 

「「「「「さよーならー」」」」」

 

そしてスキマが閉じると、紫さんも帰って行った。

 

龍騎「さてと、俺も仕事に行きますかね」

 

椛「行ってらっしゃい、龍騎さん」

 

椛が俺の唇にキスをすると、俺も椛の頭を撫でて仕事場へ向かう。さて、今日もやりますか!

 

 

 

 

 

 

 

 

〜のび太side〜

 

のび太「やっと帰って来れた......」

 

ジャイアン「よしスネ夫!野球やるぞ!魔力でどこまで飛ぶか実験だ!」

 

スネ夫「良いね!僕ちゃんも気になってた所なのさ!」

 

しずか「私も帰るわね」

 

ドラえもん「うん!皆んな気をつけてね!」

 

「「「バイバーイ!」」」

 

皆んながそれぞれ帰っていくと僕達も家に入ろうとする。でも何だろう、何か忘れてるような......。

 

 

のび太「あ!宴会の事忘れてた!!

 

 

 

〜一方その頃〜

 

紫(ナポえもんさん)「......」

 

藍(ナポえもん)「......あの、紫様?いつまで三角座りしてるのですか?」

 

紫「......彼らが来るまでよ」

 

その後、夜になってもスタンバってた八雲一行。後日、のび太が謝りに行ったのだが紫(ナポえもんさん)はめちゃくちゃ拗ねた。

 

 

 

お し ま い




いかがでしたか?

これにてコラボは以上です。

ナポえもんさん!二回もコラボありがとうございました!

後日談は着々と進んでいるのでもう暫くお待ちください!

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。


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カナード・ヤマトさんのコラボ!(二回目)永遠の自由と戦神と心優しき龍『後編』

どうもです。

今回はカナード・ヤマトさんとのコラボ回です(二回目)

それではどうぞ。

※これは前回のコラボの続編という形ですが、龍騎くんの幻想郷ではニ年経ってる設定にしております。

あまりの細かい事は気にせずごゆっくりお楽しみに下さい。


 

〜魔法の森〜

 

魔理沙「ったく、香霖堂には碌な物がなかったぜ」

 

アリス「そう言うけど魔理沙は何渡す気だったの?」

 

魔理沙「そんなもんおもちゃとかそんな所だな。折角男の子が産まれたんだからそう言うのが良いだろ」

 

アリス「魔理沙らしい思考というか......、ん?」

 

魔理沙「?どうした?」

 

アリス「......何あれ?」

 

森を歩いていた魔理沙とアリスは何か不審な事に感じると空を見上げる。すると......、

 

∞ジャスティス「」⇦落下中

 

アレウス「」⇦落下中

 

魔理沙「上から来るぞ!気をつけろ!」

 

アリス「ほんとに何あれ!?」

 

魔理沙とアリスがその場から避難すると、二機のロボットが墜落した。

 

魔理沙「これは.......、ガンダムってやつか?」

 

アリス「ガンダム?何それ?」

 

魔理沙「この前来た別の幻想郷の奴が乗ってきたロボットだ。確かそいつはこれを使って宇宙戦争をしてたとか...」

 

アリス「そんなロボットが何で此処に......?」

 

魔理沙「また別の幻想郷から来たのか、はたまた外の世界から来たのか、だな」

 

「おーい、其処の嬢ちゃん達ー!」

 

魔理沙「あ?」

 

アリス「え?」

 

魔理沙が仮説を立てると、また空から魔理沙達を呼ぶ声が聞こえた。二人は再び空を見上げると、

 

イージス「」⇦手を振ってる

 

ストライク「」

 

ブリッツ「」

 

新たなガンダムが降りてきた。

 

アリス「またガンダム!?」

 

魔理沙「何だよ今日に限って!?ガンダム多過ぎだろ!!」

 

訳が分からなくなった状況に二人は叫ぶしか無かった。

 

 

 

 

〜博麗神社〜

 

?「あ〜う......」

 

龍騎「こらこら、蝶に夢中になるのは良いけどちゃんと前見ろよ」

 

?「?」キョトン

 

ああ、可愛い......、ほんとに男の子なの?男の娘の間違いじゃね?何て思いながら我が息子を抱き抱える。あれから二年の月日が経ち、幸せな事に一人の子供も授かった。

 

霊夢「龍騎ー、悪いけど宴会の準備手伝ってくれない?」

 

龍騎「あいよー、よし龍星。お母さんの所に行くぞ」

 

龍星「あい!」

 

この子は龍星、俺と霊夢の間に生まれた男の子の二歳だ。ちなみに今日誕生日なので二歳になった。最近よちよち歩きようになり、さっきまで通りかかった蝶を追い掛けていた。俺は龍星を抱えたまま霊夢の所へ向かおうとすると、何か機械の音がした。

 

龍騎「?何だこの音?」

 

?「龍騎さーん」

 

振り返ると俺の名前を言いながら手を振るロボットが空を飛んでいた。

 

?「......ゑ?( ゚д゚)?

 

俺が目にしたものは変わり果てた(褒め言葉)フリーダムの姿だった。

 

霊夢「な、何今の音!?ってガンダム!?」

 

龍騎「何これ.....?にとりの贈り物?」

 

龍星「あーう!あー!」キラキラ

 

龍星は興味津々に片手を振る。いや確かにカッコいいけど何でこんな形になった?せめて来るならストフリで来いよ(無慈悲)

 

キラ「龍騎さん、お久しぶりです」

 

龍騎「......キラ?」

 

フリーダムのコクピットから水色のノーマルスーツを着たキラが現れた。

 

龍騎「.........何しに来たの?」

 

キラ「観光しに来ました」

 

龍騎「別に俺の所じゃ無くても良くね?」

 

キラ「この前は観光出来なかったので今度こそは、と」

 

龍騎「うん、うちはあれから二年経ってるけどね」

 

キラ「え?」

 

龍騎「え?」

 

キラ「......に、二年ですか?」

 

龍騎「多分そっちの幻想郷との時間軸が一緒じゃないんだよ」

 

キラ「ああ......、納得しました」

 

霊夢「ってか本当に何しに来たの?多分そっちとは変わりないでしょ?」

 

キラ「この前のリベンジです。龍騎さん達にとっては二年経ってますけど」

 

龍騎「観光しなくても良いからさ、良かったら今晩宴会に参加しないか?実は今日子供の誕生日なんだ」

 

龍星「あい!」

 

龍星が鼻からフンス、と言わんばかりのドヤ顔をなる。よっぽど嬉しいんだろうな。

 

キラ「可愛いですね......。娘さんなんて言うんですか?」

 

龍騎「龍星、それと息子な」

 

キラ「......はっ?」

 

キラが間抜けな顔をする。言いたい事は分かるよ......。

 

キラ「む、息子さん......?この子が......?」

 

龍騎「認めたくないものだ...、自分の子供の可愛さ故の性別というものを......(要約:自分の息子が男の娘であるのが認められない意味)」

 

魔理沙「龍騎ーー!」

 

俺は地面に視線を向けると空から魔理沙の声が聞こえた。様子から見て慌ただしいように見える。

 

魔理沙「龍騎!大変だ!ガンダムが.....、ってキラ!?」

 

キラ「お久しぶりです、魔理沙さん」

 

魔理沙「おう!久しぶり......って今それはスルーして!龍騎大変だ!またガンダムが降ってきたぞ!」

 

龍騎「は?」

 

霊夢「え?」

 

龍星「あう?」キョトン

 

キラ「あー......」

 

何かキラが心当たりがありそうな表情を見せる。絶対こいつ絡みだ......。

 

龍騎「......お前達が見つけたガンダムは森だろ?霊夢、ちょっと行って来る。龍星を頼んだ」

 

霊夢「分かったわ、気をつけて......。それと」

 

龍騎「大丈夫、戦闘はなるべく避けるよ」

 

キラ「あ、僕も行きます」

 

龍騎「よし、んじゃ行くか」

 

そう言ってキラはフリーダムに乗り込み、俺達は森へと向かった。

 

 

 

 

 

〜魔法の森〜

 

アリス「あ、来た」

 

魔理沙「待たせたアリス」

 

龍騎「うわっ......、フリーダムと着て次は隠者かよ.....。その隣は......、デスティニー?何か魔改造されてね?」

 

俺達が魔法の森へやって来ると、其処には寝そべってる∞ジャスティスとデスティニーらしきガンダムがあった。それと隣にはイージス、ストライク、ブリッツが立ったまま固まっていた。

 

......何かストライクいつもと違くね?いつの間にフルアーマー化したの?

 

 

※龍騎はライトニングストライクについて全く知りません。

 

 

ムウ「よう坊主、遅かったな」

 

トール「待ちくたびれたぞキラ」

 

キラ「ごめんごめん、ちょっと話しに夢中にやってて」

 

ニコル「無理もありませんね、其方の方は?」

 

キラ「ああ、紹介するよ。この人は.........」

 

龍騎「?????????????????????(音割れXファイル音)」

 

 

何で不可能を可能にする男と首チョンパされた友人と回想で何回も殺された戦友が居るの?

 

キラ「......龍騎さん?」

 

龍騎「イ゙ェアアアア!?」

 

やべっ、変な奇声上げちった。

 

龍騎「え、えーと...。貴方達はキラと一緒に着たって良いんですよね?」

 

ムウ「ああ、そうだな。俺はムウ・ラ・フラガだ、よろしくな」

 

トール「トール・ケーニヒです」

 

ニコル「ニコル・アマルフィです。よろしくお願いします」

 

龍騎「き、霧影龍騎です......。キラから大体聞いてます、ようこそうちの幻想郷へ」

 

魔理沙「......なぁ龍騎」ヒソヒソ

 

魔理沙が俺の耳元に小さく話し出す。

 

魔理沙「もしかしてこいつら、キラの居た幻想郷から来たのか?」

 

龍騎「そう捉えて良いだろうな、原作だとこの三人は死んでるし。一人生存してるけど......」ヒソヒソ

 

魔理沙「じゃあ、隣で寝ている奴等もか?」ヒソヒソ

 

魔理沙が指を指すと、其処には二人の男がアリスに回復魔法を掛けられていた。やっぱこいつらだったか......、もしかしたら.........。

 

龍騎「......皆さん、落ち着いて聞いてください」

 

俺は一つの仮説をキラ達に説明する。

 

ムウ「成る程、其処に居る坊主達は俺達が外の世界へとは違う『別世界の住民』であって......」

 

トール「でも実際はあの二人は生きてる筈なのに......」

 

ニコル「僕達と同じく戦争を死んで、この幻想郷に来てしまったと......」

 

龍騎「そうじゃないと説明が尽きませんからね。取り合えずあの二人にも説明してから次の事を考えましょう」

 

キラ「そうですね。僕達は帰る場所があるけど、あの二人は.......」

 

そう言って一同は倒れてる二人に視線を向ける。

 

?「う、うぅ......」

 

すると一人が呻き声を上げる。それは『裏切っては浮気もしくわ不倫しまっくる最低最悪野郎だった』

 

?「......此処は?」

 

アリス「目が覚めたのね」

 

キラ「アスラン!」

 

アスラン「キラ......?キラ!?」

 

アスランと呼ばれた男は起き上がろうとすると直ぐにアリスに止められる。

 

アリス「ダメよ、幾ら乗り物の中とは言え安静にしてなさい」

 

アスラン「......すまない」

 

ニコル「でも無事で良かったです」

 

トール「そうだな」

 

アスラン「ニコル......!?ニコルなのか!?」

 

ムウ「よう坊主!何か大人っぽくなったんじゃないか?」

 

アスラン「フラガ一佐!?」

 

トール「一佐じゃないんだけどな。やっぱり龍騎さんの読み通りみたいですね」

 

でしょうね。隠者が出てきてる時点で察せるよ。

 

龍騎「取り敢えずその状態で良い、俺は霧影龍騎。此処は幻想郷って言って人に忘れられた者が集う世界。まぁ異世界だと思ってくれ」

 

アスラン「異世界......?幻想郷......?」

 

キラ「......アスラン、取り敢えずはどうして此処に来たのか説明してくれないかな?」

 

アスラン「あ、ああ.......」

 

それからアスランは説明してくれた。要はアスランの駆る∞ジャスティスとデスティニーを魔改造した機体『アレウス』と戦ってる時に何とか勝ったものの『ジェネシス』に巻き込まれたそうなのだ。おいおい、ジェネシスで死ぬ事多くないか?もう俺がそっち行って二度と戦争出来ないようにしてやろうか?

 

キラ「そうなんだ......、じゃあ僕と一緒だね」

 

アスラン「ど、どう言う事なんだ?お前はジェネシスには撃たれては...」

 

龍騎「実はこのキラはお前さんが良く知るキラじゃないんだ。謂わば平行世界のキラ達で実はもうあっちじゃ死んでる事になってるんだ」

 

アスラン「成る程、じゃあキラ達がこの幻想郷とやらに居るのは既に死んだから居るのか」

 

ムウ「正確には、俺達は観光目的で別の幻想郷に来てるんだけどな」

 

アスラン「......は?」

 

ニコル「此処は確かに幻想郷です、でも僕達が居た幻想郷とは全く違う所何ですよ」

 

トール「そうそう、それにキラには早苗さんが居るしな」

 

キラ「ト、トール!余計な事を!」

 

アスラン「......」

 

理解をしようとしてるが全く追いつかない表情を見せるアスラン。俺は彼の肩を置いてアドバイスを言い渡す。

 

龍騎「あまり難しく考えない方が良い、幻想郷は常識に囚われたら駄目から」

 

アスラン「意味が分からない......」

 

龍騎「要は法律やら縛りやらこれと言ったものは無いって事さ」

 

トール「そうそう、気楽に行こうぜ?」

 

アスラン「......」

 

アスランが渋々頷くと、その隣で寝ていた男も起き始めた。

 

?「.........あ、あれ?此処は......」

 

アスラン「起きたか、大丈夫かシン」

 

シン「アスラン......、って何だ此処!?」

 

アスランよりリアクションを取るシンと呼ばれた少年、まさに現代っ子感が出てるな。

 

アスラン「シン......、落ち着いて聞いてくれ。此処は俺達が居た世界とは違う所、所謂異世界に来てるんだ」

 

シン「異世界?」

 

それからアスランがシンに俺が話した事を説明する。

 

アスラン「......以上だ」

 

シン「.....マジなんですか?異世界って言ったらアニメやゲームとかじゃ無くて?」

 

龍騎「何ならその目に焼き付けておくと良いよ」

 

そう言って俺は氷属性を解放させて足から冷気が発生し、地面が冷たく凍って行く。

 

シン「冷たっ!?ってか本当に氷なのか!?」

 

ムウ「魔法が使えるのか......」

 

龍騎「俺の能力は『属性を操る程度の能力』で火・風・氷・雷・光・闇・無属性』の七種類を操れるんですよ」

 

キラ「本当にゲームみたいですね」

 

龍騎「まぁ実際そうなんだけどね」

 

シン「マ、マジかよ......」

 

アスラン「......これで分かっただろ?信じたく無くても、認めるしか無いんだ」

 

シン「......そうみたいですね」

 

シンもようやく認めてくれたので本題に移る。

 

龍騎「さて、此処で一旦確認するけど、キラ、ムウさん、トール、ニコルはうちの幻想郷で観光しに来た。そしてアスラン、シンは外の世界......、現実世界で死んじゃってこっちに来たって事で良い?」

 

キラ「はい」

 

アスラン「ああ」

 

龍騎「魔理沙、にとりの所に行って格納庫の確保してきてくれ。今からそっちにこいつらを運ぶから」

 

魔理沙「了解だぜ、アリス行くぞ」

 

アリス「私も?まぁ良いけど」

 

そう言って魔理沙とアリスは先ににとりの所へ向かった。

 

龍騎「よし、んじゃ次はこいつらだ」

 

そう言って俺はボロボロの隠者とアレウス?を見つめる。見た感じ動かなそうなのでどうするか考える。持ち上げられるとはいえ、一人じゃ無理だし誰か呼びに行ってる間に妖怪達に出会ってしまったら面倒くさいし......。

 

キラ「そうだ、僕達がこの二機を運べば良いんだよ」

 

キラがそんな事言ってきた。

 

龍騎「良いのか?燃料とかは節約しなくても大丈夫なのか?」

 

キラ「その時はうちの紫さんに頼むから大丈夫ですよ。あの人の目的は土産話しですし」

 

オケ把握、後でネタを仕入れてやるか。

 

龍騎「じゃあお言葉に甘えさせて貰うよ、頼んだ」

 

キラ「分かりました。皆んな!」

 

ムウ「ああ!」

 

トール「おう!」

 

ニコル「はい!」

 

アスラン「すまないキラ、恩にきる......」

 

キラ「別に良いよ、後は僕達に任せて」

 

そう言ってキラ達は自分達のガンダムに乗り込み、隠者とアレウス?を肩を組むように持ち上げる。

 

龍騎「んじゃ俺達も行くか」

 

シン「あの......、何処へ?」

 

龍騎「何って河童の所」

 

シン「か、河童?」

 

龍騎「まぁ行ってみたらのお楽しみ、よし行くぞ!」

 

アスラン・シン「「え?ちょ、あ、ああああああああああああ!!」」

 

俺は二人を担いで宙に浮く。すると二人は暴れ出す。

 

アスラン「と、飛んでる!?本当に飛んでるのか!?」

 

シン「待って待って待って!!生身でこれはキツいって!ジェットコースターより怖いって!!」

 

龍騎「暴れんな!手元が狂って落ちたら助けてやらねぇぞ!」

 

シン「アッハイ......」

 

俺が忠告したらビビって暴れなくなったシン。お前それでも主人公かよ......。

 

龍騎「じゃあ俺が誘導するんで着いてきて下さい」

 

俺がそういうと、フリーダムの指がグッチョプと形を作ると俺はにとりの元へ向かった。ちなみに少しばかり悪戯したらシンは失神した。アスランは明らかに乗り物酔いしたみたいに顔が真っ青である。そんなんじゃ幻想郷で生きて行けねぇぞ?そんな事を心で愚痴りながら空を飛ぶ。

 

 

 

 

 

〜にとりの工房〜

 

魔理沙「お、来たみたいだな」

 

にとり「成る程、あれが盟友が言ってたガンダムってやつか......」

 

龍騎「よう、お待たせ」

 

にとりの所へ着くと俺は二人を下ろす。シンは完全に伸びており、アスランは今にも吐き出しそうなぐらいヤバい顔をしていた。

 

アリス「......大丈夫?顔色が悪いわよ?」

 

アスラン「......タイジョウブジャナイ」

 

にとり「後は私がやって置くよ。君達ゆっくり休むと良い」

 

そう言ってにとりは格納庫のシャッターを開けて、パイロット達に指示を与えながら中へ入っていった。

 

龍騎「......はぁ、今日は龍星の誕生日だったのに」

 

魔理沙「全くだよな」

 

アリス「今年で二歳だっけ?」

 

龍騎「ああ」

 

キラ「終わりましたよ」

 

キラ達が戻ってくると、にとりはスマホを片手に戻って来る。

 

にとり「あの二機は修理出来そうだけど時間が掛かるね。運んでくれたのはエネルギーを補給しとけば大丈夫だけど」

 

アスラン「直せるのか......?」

 

にとり「まぁね、万全な体制にしておくよ」

 

アスラン「すまない......」

 

魔理沙「あ、そうだ!」

 

すると魔理沙が何か思いついたかのように手をポンっと叩く。

 

魔理沙「こいつらを龍星の誕生日会を参加させようぜ!」

 

「「「「「え?」」」」」

 

 

 

                〜続く〜




いかがでしたか?

長くなりそうなので次回に続きます。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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カナード・ヤマトさんとのコラボ!(二回目)永遠の自由と戦神と心優しき龍『後編その2』

どうもです。

コラボその2です。

それではどうぞ。


 

魔理沙「こいつらを龍星の誕生日会を参加させようぜ!」

 

「「「「「え?」」」」」

 

魔理沙の提案にガンダム組は素っ頓狂な声を出す。

 

龍騎「あ、それは良いな。親睦会ついでに」

 

アリス「でも急過ぎない?」

 

龍騎「今更だろ?それにキラ達には土産話しのネタも手に入るし、食い物は食べられるは、酒は飲めるはで好都合じゃん」

 

魔理沙「そうと決まれば早速霊夢に報告だ!」

 

そう言って魔理沙は猛スピードで博麗神社に向かった。相変わらず行動力が凄いな......。

 

キラ「ほ、ほんとに参加して良いんですか?」

 

龍騎「大丈夫大丈夫、大半は飯か酒目当ての奴も居るし」

 

ムウ「ならお言葉に甘えるとしますかね」

 

トール「そうですね」

 

アスラン「お、おい......」

 

キラ「アスランはどうするの?此処で留守番する?」

 

アスラン「.........」

 

キラ「それに......、シン、だっけ?彼も行く気みたいだし」

 

シン「ま、まぁ楽しそうだなと......」

 

龍騎「そんな貴方に〜、この言葉を贈ろう〜。幻想郷は全てを受け入れる」

 

アスラン「!」

 

龍騎「例え過去に何があっても俺達は受け入れる。幻想郷の奴等は皆んなそんな感じさ、だからもっとリラックスしようぜ」

 

ニコル「そうですよ、アスランは肩に力が入りっぱなしですよ。もっと気楽に行きましょう?」

 

アスラン「........分かった、其処まで言うなら着いて.....」

 

グゥゥゥゥ......。

 

おい誰だ腹鳴らした奴怒ってないから出てきなさい。

 

シン「.....すみません」

 

 

げ ⭐︎  ん ⭐︎  こ ⭐︎  つ

 

 

シン「」

 

アスラン「シィィィィィィィィィン!?」

 

龍騎「よし、じゃあ博麗神社に行くか」

 

キラ「何でそんな何事も無かったような顔してるんですか!?幾ら何でも無茶苦茶......」

 

龍騎「あ"?」

 

キラ「ヴェ!?マリモッ!」

 

龍騎「ほら早くしろ、誰かガンダムに乗って送って。どうせムウさんは酒飲むんだから」

 

トール「じゃ、じゃあ俺が操縦します.....」

 

そう言ってトールは慌ててストライクを引っ張り出す。そしたガンダムパイロット達はストライクの手の上に乗り、俺は空を飛んで博麗神社へと向かった。

 

 

 

 

〜博麗神社〜

 

龍騎「ただいまー」

 

霊夢「お帰り龍騎、それとまたガンダム見つけて来たの?」

 

龍星「あー!」

 

博麗神社に着くと、霊夢と龍星が出迎えてくれた。それとストライクは見つけたんじゃ無く、こっちに来たんだよなぁ......。

 

キラ「もう始まるんですか?結構人が多いですね」

 

霊夢「まぁうちの子目的で来るのと酒目当てよ」

 

アスラン「......此処は何なんだ?」

 

キラ「此処は博麗神社だよ」

 

アスラン「神社......?聞いた事があるな。ニホンって言う国にある偉人とか義士とかの霊などが神として祀られる施設だったな?」

 

ニコル「凄いですねアスラン。神社を知ってたんですね」

 

アスラン「あ、ああ......、偶にニュースで見かけるからな」

 

え?C.Eに日本の情報流れるの?初耳なんだけど......。

 

ムウ「それにしても、此処の霊夢はやけに大人びてるな。うちの霊夢とは大違いだ」

 

霊夢「そっちの私と一緒にしないでくれる?私は霧影龍騎の妻で、もう一児の母なのよ」

 

龍星「あい!」

 

霊夢がそう言うと、龍星もそうだ、と言わんばかりな表情を見せる。

 

ニコル「可愛いお子さんですね!」

 

トール「名前なんて言うんですか?」

 

霊夢「龍星よ、霧影龍星。こう見えて男の子なんだけどね」

 

ニコル「え!?」

 

トール「男!?」

 

アスラン「そ、そうには見えない......」

 

龍星「むぅー!たぁーた!」

 

龍星は違うと言いたいのか頬を膨らませて反論する。ちょっと待って?さっきから俺達の言葉が理解出来るのか?

 

ムウ「どうやら俺達の言葉を意味が分かるみたいだな。凄い怒ってるぞ」

 

霊夢「そうなのよ、多分魔理沙達が毎日のように遊んだり話したりしてるから自然的に学習したのかもね」

 

何それ優秀過ぎね?コーディネーター所かスーパーコーディネーター超えるかもよ?

 

シン「......いってて、あれ?此処は?」

 

霊夢「あら?まだ一人居たの?」

 

シン「...っ」

 

シンが起きると、霊夢を見た瞬間何か身体が跳ねたような気がしたけど気のせいだよな?気のせいじゃ無かったら変態仮面みたいにビームサーベルで串刺しにするぞ?

 

霊夢「?どうしたの?」

 

シン「え!?あ、いえ大丈夫です!」

 

アスラン「......シン、取り敢えず土まみれの服をどうにかしろ」

 

シン「え?......あっ」

 

アスランに指摘されるとシンは慌てて服に着いた土を叩く。

 

シン「あ、俺シン・アスカって言います」

 

何故か霊夢の方向に向いて自己紹介をしやがったシン。てめぇ旦那が目の前に居るのにNTRするとは良い度胸だな。気が変わった今すぐロード・ジブリールみたいに蒸発させてやる(バレバレの殺意解放)

 

シン「!?」ゾクッ

 

霊夢「?どうしたの?顔色が悪いけど」

 

シン「い、いえ!お構いなく!(な、何で後ろから物凄い殺気が!?振り向いたら即殺される!)」

 

ムウ「なぁお嬢ちゃん、そろそろ中に入って良いか?」

 

霊夢「別に良いけど準備が終わってないわよ?貴方達が参加するってさっき聞いたからその準備もしないといけないし」

 

シン「お、俺手伝います!」

 

キラ「そうだね、ただで参加する訳にはいかないね」

 

ニコル「そうですね」

 

トール「だな」

 

ムウ「それもそうだな」

 

アスラン「......分かった、お前達に従う事にする」

 

霊夢「それじゃあまずお酒の在庫確認、人数分の皿と箸の準備、あとお料理の運ぶ手伝いぐらいかしら?」

 

ムウ「なら俺は酒の在庫確認でもしてきますかね」

 

キラ「なら僕はお皿を用意しますね」

 

アスラン「俺もその箸というのを運ぼう。キラ一人じゃ大変だろう」

 

トール「なら俺とニコルは料理の運ぶ係だな」

 

ニコル「そうですね、シンさんはどうしましょう?」

 

トイレ掃除でもさせろ(無慈悲)

 

シン「え、えっと......、あ!俺皿とか洗いますよ!ほら!追加の料理出す時にいつでも使えるように!」

 

この野郎完全に霊夢に良い所を見せようとしてるだろ...!このクソガキがぁ!!

 

霊夢「そう?それじゃあお願いしようかしら」

 

シン「......よし」グッ

 

こいつ小さくガッツポーズしやがって......!あぁ腹立つ!!

 

霊夢「じゃあ龍騎は龍星の面倒お願いね」

 

龍騎「おう任された」ゴゴゴゴゴゴゴ

 

霊夢「.....何怒ってるの?」

 

龍騎「怒ってる?俺は怒ってないよ?いつものりゅーくんだよ?ホントだよ?リュークンウソツカナイ」ゴゴゴゴゴゴゴ

 

霊夢「.......まぁ良いわ。それじゃあちゃっちゃと始めましょう」

 

それからそれぞれの役割に分かれて仕事を行う。俺は龍星を抱えたまま日が暮れかけている空を眺める。

 

龍騎「龍星......、お父ちゃん子供相手に嫉妬しまくってるよ。どうしたら良いかな......」

 

龍星「あう?」キョトン

 

龍騎「情けねぇよな.........、そりゃ霊夢は昔と比べたら綺麗になったよ?そんな霊夢を取られたく無いって思うお父ちゃんはどうしたら良いと思う?」

 

龍星「あーぅあーぅ」

 

いーこいーこ、と言いたいのか龍星は俺の頬を撫でて来た。ああ...、何ていい子なんだ.....。そして.........、

 

 

 

 

〜博麗神社・大広間〜

 

霊夢「それじゃあ、龍星の二歳の誕生日兼新たな飲み友達の歓迎会の開催って事で!乾杯!」

 

「「「かんぱーい!!」」」

 

宴会が始まった。皆んなグラスを合わせると一斉に酒を飲み始めては食べ物に食いつく。一部では霊夢の所に居る龍星にプレゼントを渡していた。

 

魔理沙「おめでとだぜ龍星!これプレゼントな!」

 

アリス「はい龍星くん!特性のお人形よ!」

 

龍星「あう!」

 

霊夢「ありがとうって言ってるわよきっと」

 

アリス「はう〜!おもちかえりぃ〜〜♪///

 

魔理沙「おい、馬鹿止めろアリス!誰か手伝ってくれ!!」

 

若干アリスが暴走しているが、其処はそっちに居る面子で頑張って貰おう。

 

ムウ「それじゃあ俺達も、乾杯!」

 

「「「かんぱーい」」」

 

俺達は俺達で男子会してた。こんなに男大勢で何かしらやるのは初めてかもしれない。

 

ムウ「ぷはー!やっぱ幻想郷の酒は格別だな!」

 

アスラン「確かに上手いですね。このニホンシュというのも悪くないです」

 

キラ「アスランは良いよね、お酒が飲めて」

 

トール「無理もないよキラ、俺達はまだ未成年なんだから」

 

ニコル「そうですよ、お酒が飲めなくても食べ物があるじゃないですか」

 

龍騎「別に飲んでも良いよ、此処は最低でも十五歳から飲めるから」

 

キラ「そうなんですか?」

 

龍騎「ソーナンス」

 

俺がそう言うと、三人はグラスに日本酒を少し入れて同時に飲む。

 

「「「苦い......」」」

 

龍騎「ははは、まぁ日本酒はビールとか違って独特だからな」

 

シン「.........」

 

キラ「........シン?」

 

シン「っ、な、何ですか?」

 

キラ「さっきからどうしたの?何か上の空だったけど」

 

シン「あ、いや......。こう言った事は初めてで......」

 

意義あり!!その証言は明らかにムジュンしています!何故なら貴方はさっきから霊夢の事をガン見しながらジュースどころかお茶でも無くただの水道水を飲んでいた!!完全に心を奪われた証拠です!!

 

 

ムウ「何だ坊主、こう言うのは初めてか?」

 

シン「は、はぁ........」

 

ムウ「......もしかしてお前さん」

 

シン「っ!」

 

ムウさんは何かを勘づいたのかシンに質問しようとする。逆にシンは若干身体を跳ねた事に俺は見逃さなかった。ムウさん言っちゃう?言っちゃうんですか!?どうぞ言っちゃって下さい!!

 

ムウ「お前......、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの龍星って赤ん坊に羨ましがってるな?」

 

シン「......は?」

 

「「「「え?」」」」

 

龍騎(違うそうじゃない......!)

 

まさかの予想外の返答に俺は怒りをぐっと抑える。

 

シン「ち、違いますよ!どうしてそうなるんですか!?」

 

ムウ「あれを見てたら羨ましがるだろ?お前も男なら両手に花とかハーレムとか憧れるだろ?」

 

シン「そ、そんな事思ってませんよ!」

 

そうだもんね!だって俺の嫁を狙ってるからだもんね!(殺意)

 

アスラン「揶揄わないでやって下さい。困ってますよ」

 

ムウ「ほう、じゃあお前さんは今の坊主の事を見てどう思った?」

 

シン「ちょ、ちょっと!?」

 

アスラン「そうですね......」

 

アスランが顎に手を当てて考える。さぁお前はなんて言うんだ!?

 

アスラン「............ちやほやされたい?」

 

シン「.........」

 

「「「「「は?」」」」」

 

龍騎(どうしたらそう言う事になるんだよ!ムウさんとほぼ変わんないじゃんか!いい加減にしろ!)

 

アスラン「違うのか?」

 

シン「どうしたらそうなるんですか!」

 

キラ「それムウさんと同じ事言ってるようなものだよ......」

 

龍騎「全くその通りです」

 

馬鹿馬鹿しくなって来たので俺は酒を口に運ぼうとする。

 

ニコル「もしかして、霊夢さんの事きになってたりして」

 

シン「っ」

 

龍騎「」

 

その時、俺の全神経が停止した。

 

トール「え?どう言う事だ?」

 

ニコル「気のせいで無ければ、先程から霊夢さんの方を見てませんでしたか?」

 

シン「い、いやそんな事......」

 

ムウ「成る程、赤ん坊じゃなくて人妻を狙ってたのか」

 

シン「だから違いますって!た、確かに霊夢さんは綺麗な人......、ですけど.....。その......、なんて言うかその.......」

 

 

パリンッ!

 

 

「「「「「!?」」」」」

 

龍騎「あ、ごめん。手が滑ってグラス落としちゃった。代わりのを持って来るよ」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

シン「ヒィ!?」

 

キラ(な、何であんなに圧を掛けてるの......?)ヒソヒソ

 

ニコル(ヤキモチですよ。龍騎さんはきっと霊夢さんが取られる事に嫉妬してるんです)ヒソヒソ

 

トール(いやあれはどう見ても嫉妬ってレベルじゃないぞ!?)ヒソヒソ

 

ムウ(以外と嫉妬しやすいんだな坊主は......)

 

アスラン「あ、あの......、グラスならこれを」

 

龍騎「良いの?悪いな」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

(((頼むからその圧をどうにか鎮めてくれ!!)))

 

それから長い夜が始まった。ムウさんは飲兵衛組と絡み合い、キラとトール、ニコルは龍星と仲良く食事を楽しみ、アスランは酔っ払ってるメンバーから『ズラ』と弄られ、シンは無理矢理酒を飲ませてたのでぶっ潰れた。

 

 

〜博麗神社・廊下〜

 

龍騎「はぁ.....」

 

霊夢「どうしたの?折角の宴会なのに」

 

俺は廊下で夜風に当たっていると霊夢が隣に座って来た。

 

龍騎「.....別に」

 

霊夢「何でもない訳じゃないんでしょ?言ってご覧なさい」

 

龍騎「.........」

 

俺は少し言いづらかったが、暫くして口を開いた。

 

龍騎「......嫉妬してた」

 

霊夢「......え?」

 

龍騎「子供相手に......、嫉妬してた......」

 

俺はそっぽ向くと霊夢はクスリと笑い出した。

 

霊夢「だと思った......」

 

龍騎「......え?」

 

霊夢「分からないと思った?あれだけ殺気出してれば気づくわよ」

 

龍騎「.........しょうがねぇだろ」

 

霊夢「......大丈夫よ」

 

そう言って霊夢は俺の肩に頭を乗せる。

 

霊夢「私は龍騎一筋よ、この想いは一生変わらないわ」

 

龍騎「.........俺も、愛してる」

 

霊夢「私もよ.........」

 

そう言って俺達は唇を重ねる。そして少し休んだら再び大広間に戻った。

 

 

 

 

 

 

〜翌日〜

 

キラ「昨日はありがとうございました。とても楽しかったです」

 

龍騎「気をつけてな」

 

朝になるとキラが居た幻想郷の紫さんが現れ、今別れの時が来たのだ。むうさん、貴方めちゃくちゃ飲んだのにピンピンしてるよ......。豪酒だったのか......。ちなみに皆んなは既にガンダムに乗っている。

 

紫(キラ側)「昨日は世話になったわね、土産話しが楽しみだわ」

 

龍騎「それなら良かったです。また来て下さい」

 

紫(キラ側)「その時が来たらね。それじゃあ帰りましょうか」

 

そう言って紫さんはスキマを開く。

 

キラ「それじゃあ龍騎さん、また会いましょう」

 

龍騎「元気でな」

 

キラ「.....アスランはまだ此処に残るんだよね?」

 

アスラン「ああ、まだジャスティスが直ってないからな」

 

キラ「あっちで待ってるね」

 

アスラン「ああ......」

 

龍騎「龍星、お兄ちゃんにバイバイって」

 

龍星「あうあーう!」

 

龍星が手を振ると、パイロット達は手を軽く上げるとスキマの中へ入って行き、そのままスキマは閉じてしまった。

 

霊夢「さて、それじゃあ片付けでもしましょうか」

 

龍騎「ああ......、でもその前に」

 

アスラン・シン「「?」」

 

俺はアスランとシンを方向を向く。

 

龍騎「二人は今日から此処に住んでも良いけど、護身用として修行して貰う。特にシン、お前はビシバシ行くから覚悟しておけよ(八つ当たり)」

 

シン「な、何で俺だけなんですか!?」

 

龍騎「じゃあ単刀直入に聞くけどさ、お前霊夢の事どう思ってる訳?」

 

シン「え!?な、何で霊夢さんの話しになるんですか!?///」

 

顔を赤くした時点でお前は有罪(ギルティー)だ。

 

アスラン「あ、あの......、一体どう言う事なんですか?」

 

状況が飲み込めないアスランは俺に聞いてくる。

 

龍騎「こいつは俺の嫁に一目惚れしたんだと」

 

シン「ちょ!///」

 

アスラン「なっ!?」

 

俺が火の玉ストレートに言うと、シンは更に顔を赤くし、アスランは驚愕していた。そりゃそうだもんな、俺が嫉妬するぐらいだもんな。

 

アスラン「.........本気なのか?お前...」

 

シン「ち、違いますよ!///第一、俺なんか霊夢さんと釣り合う訳......」

 

龍騎「なーんてほざいてますけど、彼はどう思ってるんですかさとりさん」

 

さとり「朝早く来たと思ったらこんな事の為に連れて来られたんですか......」

 

アスラン・シン「「!?」」

 

俺は加速装置を利用してさとりを地上へ運んでいた。理由は勿論、シンが霊夢に対してどう思ってるか確かめる為だ。まぁ返答次第では修行メニューが変わるがな。

 

さとり「率直に言うと『第一印象が出会って来た女性で一番美しい』『綺麗な人だ』『こんな人と結婚したらきっと幸せだろうな』等、霊夢さんに対しての想いが強くなっていってますね」

 

アスラン「ど、どうして分かるんだ...?」

 

さとり「私は相手の心が読める悟り妖怪。例え口で誤魔化しても心は正直な貴方には嘘は通用しませんよ」

 

シン「う、嘘......」

 

龍騎「よーし修行メニューが決まったぞ。取り敢えず妖怪の山に仙人が居るからその人に頼んで修行して来い。ざっと一年

 

アスラン・シン「「え!?」」

 

龍騎「龍星、お兄ちゃんに頑張れって応援してやれ!」

 

龍星「あうあぇ!」

 

アスラン「ま、まさか俺も!?」

 

龍騎「部下の失敗は上司の責任(要約:巻き添え)って言うだろ?」

 

アスラン・シン「「うああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」」

 

 

それから二人の過酷な修行が始まった。そして彼らが強くなって帰って来るのはまだ先の話し......。

 

 

 




いかがでしたか?

以上でコラボ回でした。なんとか今日中に出来た......。

カナード・ヤマトさん、ありがとうございました!

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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後日談
楽園の素敵な巫女編


どうもです。

後日談その1です。

それではどうぞ。


 

『俺の生涯を全部お前に捧げたい.....。だから、お前の人生を俺に預けてくれないか?一緒に暮らして、俺達の子供を作って、そして.......、死ぬ時は俺と同じ墓に入って欲しい......』

 

今思うと、俺はとんでもない厨二病発言をしてしまったのでは無いかと思ってしまうこの頃、もうちょっと良い表現が出来なかったのかと少し後悔をしていた俺は縁側でお茶を啜る。

 

「えい!やぁ!とーう!」

 

そして、俺の近くには小さな女の子がお祓い棒を持って振り回しながら遊んでいた。

 

「おとーさん!一緒に遊ぼ!」

 

龍騎「......ああ、分かった」

 

そう言って俺は立ち上がり、ご要望通りに()と遊ぶのであった。

 

 

 

 

龍騎『俺は、お前が好きだ。博麗霊夢さん』

 

霊夢『嘘.....、本当に私なの?』

 

龍騎『ああ、お前じゃないと意味が無いない。お前じゃなきゃ駄目なんだ。これが俺の出した......、覚悟と決断だ』

 

鬼神龍との戦いから約十年が経とうとしていた。あれから幻想郷は異変一つ起こる事無く、平和な日々が続いた。お陰様で俺と霊夢はめでたく結婚もし、三人の子供に恵まれた。今は末っ子の娘と遊んでいるのだが残りの二人は現在、寺子屋で勉強中。

 

末っ子「おとーさん!おとーさんが悪者役ね!れーかが正義のヒーロー役やる!」

 

龍騎「よっしゃ!んじゃやるか!」

 

この子は博麗 霊華《はくれい れいか》。三人目の子で霊夢にそっくりな女の子。現在は4歳で霊夢の跡継ぎの一人でもある。実はこう見えて霊華は俺と霊夢の能力が使えるのだ。それが発覚したのは三年前に魔理沙と遊んでいたらいきなり魔理沙の帽子が燃えていた。魔理沙曰く『霊華が火を出した!』との事。つまり霊夢の能力どころか俺の能力を受け継いでいるのだ。遺伝って怖ぇ......。

 

霊夢「あら、楽しそうじゃない」

 

霊華「おかーさん!」

 

洗濯を終えた霊夢が顔を出すと霊華は霊夢に向かって走り出し、勢い良く抱きついた。

 

霊華「ねぇおかーさん。おかーさんも一緒に遊ぼ?」

 

霊夢「ごめんね、もうちょっとお仕事があるから終わってからね」

 

霊華「はーい!」

 

そう言って霊夢は霊華を下ろすと、今度は俺に霊華は抱きついて来た。

 

龍騎「ははっ、霊華はいつも元気が良いな」

 

「「ただいまー」」

 

すると後ろから二人の男女の声がした。

 

龍騎「おう、お疲れさん。龍星、霊奈」

 

龍星「ただいま、父さん」

 

霊奈「ねぇご飯はまだ?」

 

龍騎「まだ昼前だよ、それより手洗って来い」

 

龍星・霊奈「「はーい」」

 

そう言って二人は洗面所へと向かった。

 

男の子の方は霧影 龍星《きりかげ りゅうせい》俺にそっくりな男の子で三兄妹の長男坊の九歳。昔の俺にそっくりで能力も俺の『属性を操る程度の能力』を受け継いでる。しかも歴代の博麗の巫女が男の子を産むのは霊夢が初めてだったらしく、紫さんは感動と予想外の事にガチ泣きしたとか...。

 

そしてもう一人の女の子は博麗 霊奈《はくれい れいな》三兄妹の真ん中で霊華のお姉ちゃんの七歳。彼女も霊夢にそっくりで『空を飛ぶ程度の能力』を受け継いでいる。

 

霊奈「ねぇ兄さん、今から人里に行きましょ?」

 

龍星「い、今から?」

 

霊奈「どうせ暇でしょ?良いから行くよ!」

 

龍星「え?ちょちょっと!?」

 

龍騎「行くのは良いけど日が暮れる前には帰って来いよー」

 

霊奈「はーい、じゃあ兄さん行くよ」

 

龍星「ちょっと待ってよ!?僕一言も言ってないだろ!?ってか父さん止めてよ!?」

 

龍騎「だが断る」

 

龍星「断らないでよ!?あーちょっと!?」

 

......ご覧の通り、霊奈はブラコンである。まぁ仲が良いので別に止める気は無い。そのうち勝手に兄離れするだろう、多分。

 

龍星と霊奈が人里へ行くと空からおーい、と声を掛けられる。空を見上げると魔理沙とアリスが箒に乗ってやって来た。

 

霊華「まりちゃん!ありちゃん!」

 

魔理沙「よう霊華!今日も元気だな!」

 

龍騎「よう、良く来たな」

 

アリス「相変わらずね、良い加減その長い髪を切ったら?」

 

龍騎「俺のヘアスタイルに口出ししないで貰える?」

 

そう、俺はあれから髪を伸ばしていた。理由は特に無い、何となく切るのが面倒臭いだけだ。お陰様で某流浪人状態である。え?ダサい?ハハハ!うるさいよ。

 

霊夢「あら、今日も来てたの」

 

魔理沙「おう!邪魔するぜ」

 

霊華「ねぇまりちゃんまりちゃん!今日もアレやって!」

 

霊華が魔理沙の腕を引っ張って訪ねて来た。

 

魔理沙「アレだな!よーし!お姉ちゃん頑張っちゃうぞー!」

 

霊夢「頼むから人様に迷惑を掛けないようにしてよね」

 

魔理沙「行くぞ!マスタースパーク!!」

 

キャキャ喜ぶ霊華に魔理沙は霊夢の忠告を無視してマスパを空高く放った。そのままぐんぐんとマスパは空へ伸びていき、

 

「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

 

何かが落ちて来た。よし、見なかった事にしよう!

 

霊華「?まりちゃん、何か落ちなかった?」キョトン

 

魔理沙「気のせいだぜ」

 

龍騎「気のせいだな」

 

アリス「気のせいね」

 

霊夢「気のせいよ」

 

霊華「???」

 

霊華を除く奴等は皆んな遠い目で見ていた。......今晩は唐揚げにしよう。

 

霊華「ふぁ〜、眠たくなってきた......」

 

霊夢「それじゃあお昼寝でもしましょうか」

 

そう言って霊夢は霊華を抱っこするとそのまま部屋に向かった。

 

アリス「ああ......、いつ見ても可愛いわね.......」

 

龍騎「霊夢の子供なんだから可愛いのは当然だ。可愛くないって言った奴は血祭りに上げてやるレベルだ」

 

魔理沙「物騒な父親だぜ.....、まぁ霊華もだけど龍星も霊奈も可愛いけどな」

 

龍騎「龍星がまさか男の娘よりなのは今でも驚いてる。三人共霊夢に似てるからな...」

 

何故か龍星は男の子というより男の娘なんだよね、四割程。お陰で寺子屋で男女にも人気なんだとか。まぁ霊奈が全部追い返してるけど。

 

アリス「.......ねぇ龍騎」

 

龍騎「?どうした?」

 

アリスが俺の耳元でこう囁いた。

 

アリス「私も可愛い子供が欲しいの...、だから作ってくれない?」

 

龍騎「」

 

その言葉を聞いて俺は固まってしまい、次の瞬間俺のアリスの間に弾幕が飛んできた。

 

霊夢「良く聞こえなかったけど、何か変な事言わなかった?」ゴゴゴ

 

霊夢が禍々しいオーラを放って笑いました。ちょ、殺気が......。

 

アリス「べ、別に何も言ってないわよ!そんなに睨まなくても!」

 

霊夢「ふーん、じゃあ何て言ったのかしら?」ゴゴゴ

 

アリス「あ、アレよ!霊華ちゃんにプレゼントする為の人形の好みを聞いたのよ!ね!龍騎!」

 

龍騎「え!?あ、うん!」

 

こいつ俺に振ってきやがった...!此処で下手に違いますって言ったら説教フルコースなので敢えてアリスに合わせる。

 

霊夢「......そういう事にしておくわ」

 

そう言って霊夢は部屋に戻って行った。鬼嫁、恐るべし.......。

 

アリス「そ、それじゃあ私達は帰るわね!」

 

そう言って慌ただしい様子でアリスは手を振る。

 

魔理沙「じゃあな龍騎!」

 

龍騎「おう」

 

アリス「あ、そうそう」

 

そして何故がアリスが俺の方に戻ってくると、

 

アリス「あの話し、本気だから」ボソッ

 

龍騎「......ゑ?」

 

そう言ってアリスはウインクして魔理沙と共に行ってしまった。

 

龍騎「.........ナンテコッタイ」

 

俺はアリスの言葉に思わず頭を抱えてしまった。

 

 

 

〜数時間後〜

 

龍星「zzz......」

 

霊奈「zzz......」

 

霊華「zzz......」

 

霊夢「はい、龍騎」

 

龍騎「ああ、悪い」

 

子供達が隣で寝てる中、霊夢が酒瓶を差し出すと俺はカップに酒を注いで貰って口にする。酒は毎晩飲んではいるがほんの少量しか飲まない決まりを立てた。霊夢はああ見えて酒癖が悪いのだ。何回も宴会で酔っ払っては暴れ回っていたからな......。

 

霊夢「もうあれから十年か...。時間が経つのが早く感じるわ......」

 

龍騎「そうだな......」

 

全てが終わって十年...、失うものが多かった。でも俺達はこうして生きている、生きているから今の幸せがある。それならどうするか、そんなの決まってる......。

 

犠牲になった人達の分まで、精一杯幸せに時間を過ごすまでだ。

 

霊夢「ねぇ龍騎......」

 

そう言って霊夢は俺の肩に頭を乗せる。

 

霊夢「愛してる......」

 

龍騎「俺もだ......」

 

そう言って俺達は口づけを交わす。すると霊夢が俺を押し倒した。

 

龍騎「どうした?」

 

霊夢「その、ね......。えーと......、最近()()ないじゃない?だから、その......///」

 

酒の力を頼りたかったのか徐々に霊夢の顔が赤くなり、恥ずかしさが増していく。

 

龍騎「........霊夢のエッチ」

 

霊夢「っ!///バカバカ!何でそんな事言うの!?///」

 

ポカポカと俺を叩いてくる霊夢。あー、めちゃくちゃ可愛い......。すると霊夢が叩くのを止めると、

 

霊夢「こ、このエッチな嫁は嫌い......?///」

 

上目遣いからの涙目、それに若干服が乱れて色気が増す。

 

理性くん「(◉ ◉)」キュイーーーン

 

そんな事言われたら.....ねぇ......?

 

龍騎「......言ったな?」

 

今度は俺が霊夢を押し倒した。既に俺の理性くんはお亡くなりになったのでまさにS◯E◯状態。

 

龍騎「言い出しっぺはお前だからな?寝られると思うなよ?」イケメンフェイス

 

霊夢「っ!///」

 

龍騎「四人目作る勢いでするから......、覚悟しておけよ?」イケメンフェイス

 

霊夢「.........はい♡」

 

こうして、俺達の長い夜が始まった......。




いかがでしたか?

以上で霊夢編でした。次回は誰なんでしょうか.....。

アンケートはまだ受け付けているのでどんどん投票してください!

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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祀られる風の人間編

どうもです。

後日談その2です。

それではどうぞ。


 

『俺の生涯を全部お前に捧げたい.....。だから、お前の人生を俺に預けてくれないか?一緒に暮らして、俺達の子供を作って、そして.......、死ぬ時は俺と同じ墓に入って欲しい......』

 

あの言葉が原因で俺の人生は薔薇色に.........。

 

早苗「えへへ〜♪りゅーくん♪」

 

龍騎「なぁ早苗?くっつくのは良いんだけどさ、動きづらい......」

 

「おい、何だよあのカップルは......」

 

「周りから幸せのオーラが凄まじく感じるぞ......!」

 

「ってかあの緑髪の娘すっげー可愛い.....」

 

なりまくっていた.........。

 

現在、俺は早苗と共に外の世界へ観光に来ていた。なので先程から周囲の視線が痛々しい程に突き刺さる。

 

龍騎(うぅ......、どうしてこんな事に......)

 

どうしてこうなったのか、それは昨日の夜が原因だった......。

 

 

 

 

〜数時間前〜

 

龍騎「外の世界で旅行?」

 

加奈子「そうだ」

 

昨日の夜、夕食を食べていた俺と守谷組は突然、加奈子さんのある一言で始まった。

 

加奈子「お前と早苗が結ばれて早三年、身を固めてもおかしくないと思ってな」

 

龍騎「えーと、それって新婚旅行的なやつですか?」

 

諏訪子「簡単に言えばねー」

 

そう言って箸を進める諏訪子さん。何考えてんだ......。

 

早苗「りゅーくん行こうよ!私も外の世界へ行ってみたいし!」

 

龍騎「俺は構わないんだけどさ......」

 

ぐいぐいと俺の腕を引っ張る早苗を俺は一度加奈子さんの方へ視線を向ける。

 

龍騎「何が目的なんですか......?」

 

加奈子「正直、孫の顔がみたい」

 

龍騎「いやいやいや、気が早いですよ。別に焦る必要は無いじゃないですか」

 

此処だけの話し、早苗とは何回か大人の階段は登ってるがちゃんと万全の体制でやってるから問題は無い......、筈......。やばい、心配になって来た......。ま、まぁ出来たら出来たで責任は取りますよ?ホントだよ?リュークンウソツカナイ。

 

加奈子「私だってな!可愛い可愛い早苗の子供が見てみたいんだよ!!それで私の事を『おばあちゃん』って呼んで欲しいんだよ!!」

 

テーブルに拳を叩きつける加奈子さん。自分で自分をBBAだと認めちゃったよこの神様。

 

諏訪子「私の場合はお姉ちゃんかな?」

 

龍騎「いや、神様なんだからお姉ちゃんは流石に無理かと......」

 

諏訪子「じゃあお姉さん?」

 

龍騎「あんたも加奈子さんと同じ立場だよ」

 

諏訪子「やだやだー!加奈子と一緒はやだー!だってこんなに小さくて可愛い神様がおばあちゃんだなんて呼ばれたくないよ!」

 

まぁある意味ロリババアだからな。

 

早苗「ねぇりゅーくん?私は加奈子様と諏訪子様のお願いとか関係なくりゅーくんと旅行に行きたいの。ダメ?」

 

龍騎「......はぁ」

 

それから二人の我儘と早苗の要望に答えるように渋々了承した。流石にあの上目遣いには勝てなかったよパトラッシュ....。

 

 

 

〜現在〜

 

そして本日、外の世界へ到着した俺達はまず服屋に行く事にした。流石に巫女服はマズいし、俺も男用の服とは思えないものを着てるから逆に目立ってしまう。それから服を調達して着替え、そのまま街へ歩いていた。とまぁこんな感じである。

 

龍騎「外の世界はあんまり変わっては無いんだな」

 

早苗「私からしたら物凄く変わって見えるよ」

 

龍騎「そりゃ早苗は十何年振りだからな、変わって見えても仕方ねぇよ」

 

早苗「......こうして、また二人きりになると昔を思い出すね」

 

龍騎「......そうだな」

 

早苗が俺の腕に更に力を強くして抱きしめる。またこうして歩くのは久しぶりだ......。懐かしさが込み上げてくる。

 

早苗「ねぇ、折角だから遊んで行こうよ!ゲームセンターとかカラオケとか!」

 

龍騎「そうだな、そうするか」

 

そして俺達は色々と店に回る事にした。ゲームセンターではレースゲームやUFOキャッチャー等遊んだり、カラオケでアニソン歌いまくったり、現在流行りの物を食べながら街中をぶらつき、幻想郷組に数えきれない程のお土産を購入する。

 

早苗「ん〜!久しぶりにハメ外したなぁ〜」

 

龍騎「ほれ」

 

早苗「あ!ありがとう!」

 

とある公園のベンチで早苗が休んでいると、俺は自販機で早苗にココア、俺はコーヒー缶の蓋を開けて飲み始める。

 

早苗「今日はありがとねりゅーくん!」

 

龍騎「恋人の頼み事なら断る訳無いだろ?」

 

早苗「そう言ってりゅーくんも楽しんでたじゃん」

 

龍騎「そりゃ...、久しぶりの外の世界に来て楽しくない筈ないだろ?俺にとっては第二の故郷でもあるんだから」

 

早苗「......それなら私もそうだね」

 

龍騎「あ、そっか......。言われてみればそうだな」

 

早苗「......ねぇ、りゅーくん」

 

龍騎「ん?」

 

早苗「......私達、結婚しない?」

 

龍騎「ブフォ!?」

 

早苗の爆弾発言により口にしていたコーヒーをマーライオンの如く吹き出した。

 

早苗「うわっ!?大丈夫!?」

 

龍騎「ごほっ、ごほっ!お前が変な事言うからだろ!?」

 

早苗「た、確かに驚く事だけど、大袈裟過ぎるよ......」

 

お前の大袈裟の基準はどうなっているんだ......。

 

龍騎「......で?訳を聞かせても?」

 

早苗「......昨日の夜、加奈子様が言ってたでしょ?身を固めてもおかしくないって」

 

龍騎「そりゃ言ってたけど......」

 

早苗「私もね、加奈子様と同じ事思ってたんだ」

 

龍騎「......え?」

 

早苗も加奈子さんと同じ考え?本気なのか......?

 

早苗「私ね、実はずっと待ってたんだ。りゅーくんからプロポーズされる事を......」

 

龍騎「っ......」

 

早苗「でも、もう我慢出来ない.........、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

りゅーくん......、いや、霧影龍騎さん。私と結婚して下さい!」

 

龍騎「.........」

 

まさかの逆プロポーズを受けてしまい、思考が停止したまま固まってしまった。

 

早苗「もう恋人の関係は嫌なの......。私はりゅーくんのお嫁さんになりたい......。なりたいの.....」

 

龍騎「.........」

 

早苗が涙を流すと、胸が針で突き刺さるような感覚が襲った。

 

.........俺って、馬鹿だ......。こんなにも待たせていたなんてな......。

 

龍騎「....,これじゃあ、彼氏どころか旦那失格だな......」

 

早苗「え......?」

 

龍騎「........ちょっと着いて来て、寄りたい所がある」

 

 

 

 

 

〜とある繁華街〜

 

早苗「.........」

 

龍騎「悪い悪い、待たせたな」

 

俺はある店から出てくると、外で待たせて居た早苗と合流する。

 

早苗「大丈夫だよ。それにしてもその紙袋は何なの?」

 

俺が手に持っていた小さな紙袋を気になった早苗はそう指摘すると、俺は早苗に紙袋を差し出した。早苗は不思議そうに紙袋を受け取り、中身を取り出すと、其処には小さな白色のケースがあった。

 

早苗「これって......」

 

龍騎「まぁ、開けてみろよ」

 

早苗はゆっくりとケースを開けると、其処には一つの指輪が入っていた。

 

早苗「っ!!」

 

龍騎「...............帰りに、渡そうと思ってた」

 

早苗「嘘............」

 

龍騎「お前からプロポーズされて、正直焦った......///」

 

早苗「............」

 

龍騎「.........やっばり、公園で渡した方が良かったか?」

 

早苗「.........ううん、そんな事無いよ。とっても嬉しい///」

 

早苗は再び涙を流す。何年経っても泣き虫は卒業出来ないのか......。でも喜んでくれて良かった......。

 

龍騎「......今度は俺から言わせてくれ」

 

早苗「うん......」

 

龍騎「.....,東風谷早苗さん。もう一度言う、何度だって言う。俺の生涯を全部お前に捧げたい。だから、お前の人生を俺に預けてくれないか?一緒に暮らして、俺達の子供を作って、そして.......、死ぬ時は俺と同じ墓に入って欲しい。俺はお前が好きだ、俺と結婚してくれ」

 

早苗「うん.........!よろしくお願いします......!」

 

そう言って早苗は俺に抱きついて来た。俺も早苗を優しく抱きつくと、周りから黄色い歓声をあげるが俺達には届かなかった。今は......、この時間を大切にしたいから.........。

 

早苗「......ねぇりゅーくん」

 

龍騎「どうした?」

 

早苗「りゅーくんにね、お知らせがあるの」

 

お知らせ?一体何だろうか......。そう思っていると早苗は一度俺から離れ、鞄から一枚の紙を渡した。その紙を黙読すると......。

 

龍騎「.........妊娠届?」

 

早苗「...........昨日ね、体調が悪くなって永遠亭に行ってみたら...、三ヶ月なんだって」

 

龍騎「...............」

 

そう言って早苗はお腹をさすり始める。周りの人達は更に声を上げるが、早苗の妊娠報告を受けると俺は涙を流し出す。そうか......、俺、もう父親なのか......。全然自覚無ぇや......。

 

龍騎「う、うぅ.........」

 

早苗「りゅーくん!?」

 

俺は思わず膝を着くと、早苗が優しく抱きしめる。そうか、そうなのか......。俺はまだ幸せが残っているのか......。

 

龍騎「......早苗、式を挙げよう」

 

早苗「え?」

 

龍騎「結婚式、外の世界(此処)で......。皆んなを招待しよう......」

 

そう言って俺は隣にある店に視線を向ける。其処は丁度ウエディングドレスが展示されていた店だった。

 

龍騎「必ず此処で式を挙げる、約束する。だから......、俺達の元気な子供を産んでくれるか?」

 

早苗「そんなの......、イエスしか選択肢は無いよ」

 

龍騎「......ありがとう、好きだ。愛してる......!」

 

早苗「私もりゅーくんの事大好き......。小学校の頃から大好き!」

 

そう言って早苗は俺に抱きつくと同時に俺の唇を奪う。俺も早苗を優しく抱きしめて早苗の想いを答える。そして周りの人達がパシャパシャと写真を撮られているが今の俺達にとってはどうでも良い。今は......、この幸せな時間を過ごしたいから......。

 

 

 

 

 

 

〜一ヶ月後〜

 

牧師「新郎 霧影龍騎。汝はこの女を妻とし、良き時も悪き時も、富める時も貧しき時も、病める時も健やかなる時も、共に歩み、他の者に依らず、死が二人を分かつまで、愛を誓い、妻を想い、妻のみに添うことを、神聖なる婚姻の契約のもとに、誓いますか?」

 

龍騎「誓います」

 

牧師「新婦 東風谷早苗。汝はこの男を夫とし、良き時も悪き時も、富める時も貧しき時も、病める時も健やかなる時も、共に歩み、他の者に依らず、死が二人を分かつまで、愛を誓い、夫を想い、夫のみに添うことを、神聖なる婚姻の契約のもとに、誓いますか?」

 

早苗「誓います」

 

牧師「では、誓いのキスをお願いします」

 

牧師がそう言うと、俺達は顔を合わせて互いの顔を近づける。

 

そっと誓いのキスをした。

 

同時に周囲から『おめでとう!!』の声が会場全体に響いた。

 

そして俺は早苗の手を掴んで教会の外へ出ようとする。

 

早苗「これからもよろしくね、りゅーくん!」

 

龍騎「ああ、勿論だとも」

 

もう何も恐れる事は何も無い......。だって、俺には........、最高のパートナーが居るから......。




いかがでしたか?

以上で早苗編終了です。

結婚エンドはやってみたかったので早苗編に入れてみました。

......妊娠+結婚は現実だとまぁたぁヤバいかもだけど二人なら大丈夫!な筈!

アンケートはまだ受け付けているのでどんどん投票して下さい!

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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完全で瀟洒な従者編

どうもです。

後日談その3です。

それではどうぞ。


 

〜紅魔館・寝室〜

 

?「zzz......」

 

咲夜「起きなさい。もう朝よ」

 

?「ん〜........、そのプリンはさやのぉ.......」

 

咲夜「早く起きなさい、パパが待ってるわよ」

 

?「パパ!?......あれ?ママだ」

 

咲夜「パパじゃなくて悪かったわね。それより早く支度しなさい、朝ご飯食べたら初仕事よ」

 

?「はつしごと?」

 

咲夜「貴女ね......、『明日からメイドとしてママとパパのお手伝いをする!』って言ったの何処の娘かしら?」

 

?「......そんなこと言ったかも」

 

咲夜「はぁ...、まぁ良いわ。パパを待たせてるから早く支度しなさい」

 

?「はーい!」

 

咲夜「......全く、相変わらずね」

 

 

 

〜紅魔館・門前〜

 

龍騎「はぁ...、はぁ...」

 

美鈴「朝の訓練は此処までしましょうか」

 

龍騎「そうですね......、ありがとうございます」

 

俺は日課である美鈴さんとの太極拳と組み手を行っていた。あれから八年の月日が経ち、俺は紅魔館の家族として暮らしている。

 

 

 

『俺の生涯を全部お前に捧げたい.....。だから、お前の人生を俺に預けてくれないか?一緒に暮らして、俺達の子供を作って、そして.......、死ぬ時は俺と同じ墓に入って欲しい......』

 

あの時はカッコつけて少し笑われた記憶がある。何でも『俺には似合わない言葉だったから』だそうだ。つまり不器用な台詞で言って欲しかったって事?折角良い台詞を考えた時間を返して欲しい......。

 

?「パパー!」

 

すると一人の銀髪の女の子がやって来た。

 

龍騎「おう、おはよう沙耶」

 

紹介しよう。彼女は十六夜 沙耶《いざよい さや》俺と咲夜の間に生まれた七歳だ。沙耶は咲夜の髪型がツインテール風になってると思えばイメージが付くほど嫁に激似である。ちなみに能力は『時を予測する程度の能力』と言い、謂わば未来予知能力である。

 

沙耶「パパー、お疲れ様!朝ご飯出来たよ!」

 

龍騎「了解だ沙耶、美鈴さん行きましょうか」

 

美鈴「そうですね」

 

沙耶「パパ抱っこ!」

 

龍騎「しょうがないな......、ほれ!」

 

沙耶「わー!高ーい!」

 

沙耶がだっこして欲しいと言われたので仕方なく抱っこする。娘はこうして喜んでくれてるがいつ反抗期が来るか不安である......。

 

沙耶「大丈夫だよパパ!沙耶はパパの事嫌いにならないから!」

 

あれれ〜?おっかしいぞ〜?何か俺が思ってる事読まれたぞ〜?

 

沙耶「パパ!気にしたら負けだよ!」

 

龍騎「チョットナニイッテルカワカラナイ」

 

そのまま俺達は食堂へ向かう。すると既に紅魔館メンバーは揃っていた。

 

レミリア「毎朝精が付くわね」

 

龍騎「ようレミリア」

 

沙耶「おはようございます!レミリア様!」

 

レミリア「えぇ、沙耶もおはよう」

 

パチュリー「確か今日からだったわね、メイドの仕事」

 

龍騎「ああ、まぁ何とかなるだろ」

 

小悪魔「あはは...、何かあったら助太刀しますね」

 

龍騎「その時はお願いします」

 

フラン「お兄様!早く座ろう!」

 

龍騎「お、そうだな」

 

フランの言われた通りに席に座ると、咲夜が朝食を持ってくる。そしてテーブルの上に料理を並べると俺の左側に座る。ちなみに右側がフラン、前が沙耶である。

 

......え?なんで沙耶が前に居るのかって?俺の膝の上に座ってるからだよ、ってか毎朝こんなの続けたらもう慣れちゃうよ。慣れって怖い......。

 

「「「「「頂きます」」」」」

 

皆んなで手を合わせて一緒に頂きます、と言うと早速朝食にありつける。

 

沙耶「はいパパ!あーん」

 

フラン「あ、ずるい!フランも!」

 

龍騎「おいこら止めろ、普通に食わせてくれ。頼むから隣で咲夜が殺気出てるから」

 

咲夜「何の事でしょうか?殺気なんて出してませんよ?」ニコッ

 

龍騎「笑って誤魔化しても意味ないからね?ってか笑ってるように見えてるけど目が笑って無いからね?」

 

咲夜「気のせいですよ。しっかりお顔を洗いましたか?」

 

龍騎「しっかり、手洗いうがいにんにく団子して来たわ」

 

沙耶・フラン「「むー!」」

 

パチュリー「朝から元気ね.....」

 

レミリア「でも嫌では無いんでしょ?」

 

パチュリー「.....否定出来ないのが悔しいわ」

 

美鈴・小悪魔「「あはは......」」

 

それから騒がしい(楽しい)朝食を済ませ、俺はフランの勉強を見ていた。普通なら寺子屋に通わさせても良かったのだが、ただでさえ片町が長いのに往復するとなると面倒くさい。なので俺がこうして家庭教師としてフランの勉強を見ていた。

 

フラン「お兄様、此処が分かんない」

 

龍騎「其処はだな......」

 

コンコン

 

沙耶「し、失礼します...!」

 

突然部屋のドアにノック音が聞こえると、沙耶がティーカップやら乗せたトレーを持ってきた。

 

沙耶「い、妹様!おにょみものをもってきまひた!」

 

緊張しまくってる所為で噛みっ噛みである我娘、何この生き物めちゃくちゃ可愛い。流石は紅魔四大天使の一人、ちなみに残りはスカーレット姉妹と我が嫁である。え?パチュリー達はだって?申し訳ないが外野です。

 

フラン「ありがとう沙耶!じゃあ其処に置いといてね」

 

沙耶「は、はい!」

 

フランの指定された場所に沙耶がトレーを置こうとした時、沙耶の足が自分の足と絡んでしまいこけようとしていた。

 

沙耶「あ!」

 

龍騎「っ!加速装置!」

 

『CLOCK UP』

 

俺は咄嗟に加速装置を発動させると、倒れ掛けていたトレーとカップ類を素早く回収して沙耶を支えるように態勢を作る。

 

『CLOCK OVER』

 

沙耶「きゃ!」

 

フラン「!?大丈夫!?」

 

沙耶「す、すみません妹様!」

 

フラン「良いよ良いよ、気にしてないから」

 

龍騎「それより怪我は無いか?」

 

沙耶「う、うん......」

 

怪我が無い事にフランも一安心すると、沙耶は今にも泣き出しそうな顔をしていた。

 

沙耶「......ママみたいに出来ない......」

 

龍騎「......心配すんなよ。誰だって失敗はするんだから。ママも結構失敗してたんだぞ?」

 

沙耶「......そうなの?」

 

龍騎「ああ、パパがずっと見てきたからな」

 

嘘ですずっとなんて見てないですそれはそれでストーカーです。

 

フラン「ほ、ほら!『失敗は成功の元』......で良いんだよね?」

 

おいフラン、其処まで言ったなら最後疑問系で返すなよ。

 

龍騎「そう言う事、だから沢山失敗を重ねて学べば良い。お前はあの一のメイド、十六夜咲夜の娘なんだから」

 

沙耶「......うん!いつまでもこうしちゃいられないよね!」

 

龍騎「そうだ!それでこそ我が娘だ!」

 

沙耶「そして世界は私が守る!」

 

龍騎「あるぇ?」

 

何か話しが脱線してるけど?まぁ元の調子に戻ったので良しとしよう。それから沙耶は部屋の掃除をしては埃まみれになったり、窓拭きで高い所を拭こうと箒を雑巾を使って窓拭きをしてたら窓を割ってしまったり、フランにおやつを作ろうと台所に立ったものの、電子レンジが爆発して黒焦げになったりと散々な結果だった。

 

俺も咲夜も『初めてだから仕方ない』と許しては居るんだが、沙耶のプライドが許さないのかまた泣き出しそうな顔を何回も見せた。沙耶はあー見えておっちょこちょいなのだ、これはもう少し修行させてからやるべきなのだろうか......。そんな過保護な思考を巡らせながら今日の仕事を終えた。

 

 

〜寝室〜

 

沙耶「zzz......」

 

咲夜「ぐっすり眠ってますね」

 

龍騎「あれだけ動けばね」

 

現在は夜の八時を過ぎた頃、夕食を食べ終えた沙耶は疲れが溜まったのか直ぐに眠りについてしまった。俺達は沙耶を寝室へ運び、彼女の寝顔を堪能していた。

 

あぁ......、めちゃくちゃ可愛い......。今日まで溜めていたストレスと疲れが嘘のように無くなっていく......。

 

沙耶「ママ.....、パパ......」

 

咲夜「楽しそうな夢を見てるのでしょうね......」

 

龍騎「きっと三人で遊んでる夢だろうな......」

 

沙耶「大好き......、えへへ......」

 

龍騎・咲夜「「っ!!」」

 

沙耶の幸せそうな笑顔を見た途端、俺と咲夜は鼻を抑えた。危ねぇ、危うく血が出るところだった。

 

咲夜「自分の娘だけあって、殺人的な笑みでしたね」ハナジ

 

龍騎「それは同感だけど、鼻血」ハナジ

 

咲夜「旦那様こそ」ハナジ

 

龍騎「......」フキフキ

 

咲夜「......」フキフキ

 

龍騎「......ふっ」

 

咲夜「......クス」

 

お互いの行動に小さく笑ってしまう。こうして笑ってるのが何より幸せな証拠だ。

 

龍騎「咲夜.........」

 

咲夜「どうしました?」

 

龍騎「......ありがとう、こんなに可愛い娘を産んでくれて...。凄く幸せだ」

 

咲夜「......私も幸せですよ。旦那様」

 

龍騎「旦那様はよしてくれよ。いつも通りの龍騎で良いよ」

 

咲夜「......龍騎様、私も今とても幸せです。私を選んでくれて......、ありがとうございます」

 

咲夜が改まって様子でお辞儀すると、俺は咲夜の顔を上げて口づけを交わす。

 

龍騎「咲夜......、愛してる.....」

 

咲夜「私も、愛しております.......」

 

龍騎「......これからも、俺の側に居てくれるか?」

 

咲夜「勿論です......、これからも貴方の側におります......」

 

そしては再び俺達はキスをする。そして咲夜の顔を離れると、何か物足りない様子の咲夜に頭を撫でる。すると咲夜は俺に優しく抱きしめてくる。

 

龍騎「......俺達もそろそろ寝ようか」

 

咲夜「そうですね......」

 

そして俺達は沙耶が眠るベットの中に入る。沙耶を真ん中に川の字のように横になる。

 

龍騎「おやすみ。咲夜、沙耶」

 

咲夜「おやすみなさい。龍騎様、沙耶」

 

沙耶「zzz......、ムニャムニャ......」

 

いつ見ても可愛いな......。そんな事を思いながら俺は眠りについた。

 

 

 

 

 

〜翌朝〜

 

沙耶「パパー!ママー!起きて起きて!朝だよー!」

 

龍騎「ん......、沙耶?」

 

目が覚めると沙耶が仕事服を着てベットの上で俺達を起こしに来てくれた。

 

咲夜「.....あら沙耶、おはよう。早いのね」

 

沙耶「うん!沙耶は早くママみたいになりたいもん!」

 

龍騎「そうか......、目標が出来て良かったな」

 

沙耶「ねぇ早く朝ご飯食べよー!」

 

龍騎「そうだな......、行こうか咲夜」

 

咲夜「はい」

 

そして俺達三人で食堂へ向かう。勿論、手を繋ぎながら......。

 

今日も新しい日が始まる......。




いかがでしたか?

以上で咲夜編でした。

やっと折り返し......。この作品も後二つで終わりか......。

残りの後日談もよろしくお願いします。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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下っ端哨戒天狗編

どうもです。

後日談その4です。

それではどうぞ。


 

『俺の生涯を全部お前に捧げたい.....。だから、お前の人生を俺に預けてくれないか?一緒に暮らして、俺達の子供を作って、そして.......、死ぬ時は俺と同じ墓に入って欲しい......』

 

何てカッコつけて言っていた俺を思い出してみると、もしかしたら自分の子供にも言ってしまうのでは無いのかと不安になるここ最近。

 

龍騎「......今日の訓練は此処までにしよう」

 

?「あ、ありがとうございました......」

 

そう言って俺の目の前に立つ小さい白狼天狗は姿勢を正して上半身を90度に傾ける。

 

龍騎「よし、朝飯にしよう。その前にシャワー浴びて来いよ」

 

?「はい!父上!」

 

そう言って俺の側を通り過ぎる少年、犬走 椛丸《いぬばしり もみじまる》は家の中へと入って行った。俺も後に続いて中に入る。

 

あれから七年、俺は椛と結婚して一人の子供が授かった。それが椛丸だった。容姿がとても椛に似ていたので名前を椛とお揃いにしたく考えたのが椛丸だった。当初は虐められないか心配だったが、そんな事は無く皆んな椛丸に優しくして貰っている。

 

ちなみに椛丸は文武両道で剣術も上級者、同じ年齢ではダントツトップである。それと椛丸は俺と椛が持ってる能力の二つを受け継いでいる。二個持ちだよ?二個持ち、遺伝とはいえ羨ましいだろ......。

 

 

〜自宅・リビング〜

 

椛「お疲れ様、朝ご飯できてますよ」

 

椛丸「おはようございます母上!」

 

龍騎「おはよう椛」

 

椛が朝食を並べていたので俺達は席に着く。

 

「「「頂きます」」」

 

三人で同時に頂きますと言うと、朝食を食べ始める。

 

椛「そういえば今日でしたね、格闘大会」

 

龍騎「ああ。でも大丈夫だよ、椛丸なら」

 

椛丸「必ず優勝してみますよ!母上!」

 

椛「ふふっ、期待してますよ」

 

そう、今日は天狗のみが行われる格闘大会が開かれるのだ。前回までは椛が出場していたみたいなのだが、仕事と被ってしまい代わりに椛丸が参加する事になったのだ。俺は外野で応援兼観戦しに行く。

 

「「「ご馳走様でした」」」

 

朝食を食べ終えると、椛は仕事の支度を始める。

 

椛「それじゃあお仕事行って来ますね」

 

椛丸「いってらっしゃいませ母上!」

 

龍騎「気をつけてな」

 

そう言って椛は仕事先へ向かった。俺は皿洗いと洗濯を済ませて格闘大会への準備を進める。

 

龍騎「おーい椛丸、準備出来たかー?」

 

椛丸「いつでも良いですよ」

 

龍騎「よし、んじゃ行くか!」

 

椛丸「はい!」

 

そう言って俺達も格闘大会の会場へ向かった。

 

 

 

 

〜格闘大会・観客席〜

 

龍騎「意外と見に来る奴も居るんだな......」

 

文「あやや!龍騎さんじゃないですか!おはようございます!」

 

龍騎「うげっ、お前何で此処に......?」

 

いきなり文が現れた。こいつ急に出てくる時があるから毎度毎度困っている......。

 

文「うげっ、は無いでしょ......。私は今日行われる格闘大会を記事にしに来たんです。龍騎さんは?」

 

やっぱりネタ集めの為か......。

 

龍騎「息子の応援、って所だな」

 

文「あやや!?椛丸くんも参加するんですか!?」

 

龍騎「椛の代わりにな、そういやこの大会は毎年やってるのか?」

 

文「毎年じゃないですよ、五年に一度に開かれる天狗だけの大会なので龍騎さんは参加出来ませんよ」

 

龍騎「いや戦う気無いし、ドクターストップされてるんだから無理に決まってるだろ」

 

文「あー、そう言えばそうでしたね」

 

こいつ肝心な所を忘れてんじゃねぇよ......。って思っていたら司会者がマイクを使って呼び掛けた。

 

司会者「皆様、お待たせしました!これより、第151回天狗格闘大会を開催致します!」

 

司会者が開催宣言すると、周りに居た天狗達は歓声を上げる。

 

龍騎「ま、毎回こんな感じなのか......?」

 

文「そうですよ、龍騎さんは今回が初めてなんですか?」

 

龍騎「ああ、前回の時は椛丸の面倒見てたからな」

 

文「そうですか......、あ!椛丸くんですよ!」

 

そう言って文はカメラのシャッターを押しまくる。お前は運動会で自分の子供に写真を撮りまくる親バカかってんだ。

 

椛丸「」ガクガクガクガク

 

龍騎「あーあ、あいつ緊張してるな」

 

文「おー!椛丸くんが緊張してる姿は激レアですよ!!あー、とっても可愛いです!!」カシャカシャ

 

龍騎「可愛いのは認めるが記事にはするなよ」

 

文「それはどうでしょう?椛丸くんが優勝したら大きく載せようと考えてますけど?」

 

龍騎「......優勝したら許してやる」

 

文「椛丸くーん!頑張って下さーい!応援してますよー!」

 

こいつ切り替えが早すぎる......。殴りたい、グーで殴りたい......!なんて思ってたら対戦表が表示された。椛丸は......、五試合目か。すると次は選手の紹介が始まり、椛丸の番がやって来た。

 

司会者「では次の方、自己紹介をお願いします!」

 

椛丸「い、犬走椛丸と申します!きょ、今日が初めてなのでよろしくお願いします!」

 

司会者「椛丸くんは七歳の男の子で、剣にはとても自信があるとの事です。それに今日はお父さんが観に来てくれてるんですよね?」

 

椛丸「は、はい!」

 

そう言って椛丸はキョロキョロと見渡す。俺はクスッと笑い手を上げて振る。

 

龍騎「椛丸ー!頑張ったら文お姉ちゃんがご飯食べさせてくれるってよ!だから頑張れよー!」

 

文「ちょ」

 

椛丸「!!父上ー!僕頑張りまーす!」

 

そう言って尻尾をフリフリと振ると、椛丸も手を振って返す。その様子を見た観客と司会者は『尊い......』という感情が溢れ出ていた。

 

司会者「......はっ!い、以上椛丸くんでした!頑張ってくださいね!」

 

椛丸「はい!ありがとうございます!」ニパー

 

ブシュー

 

椛丸のキラースマイルが発動し、司会者は目、鼻、口から大量に血を吐き出して倒れてしまった。

 

椛丸「司会者様!?」

 

龍騎「司会者が死んだ!」 

 

文「この人でなし!」

 

それから司会者は緊急搬送され、代わりに別の司会者が務めた。そして選手紹介が終わると直ぐに第一試合が始まる。俺は椛丸をおんぶしながら観戦していた。

 

龍騎(流石だな......、やはり長年生きてきた天狗は伊達ではないようだ)

 

椛丸「......父上?」

 

龍騎「椛丸、この試合のルールは知ってるな?」

 

椛丸「は、はい!基本弾幕の使用は禁止。武器の使用は可能、しかし使用する場合は木製の剣、盾、槍のみ。気絶、又は降参したらその選手は負け。飛行は三十秒間なら可能、三十秒過ぎると即失格、ただし一度着地した後に飛行は可能。それも三十秒、ですね?」

 

龍騎「ああ。それにこれは能力を使うな、とは言われて無いからな。最初から全力でぶつかれ、良いな?」

 

椛丸「はい!」

 

そして試合は順調に進み、五試合目が始まろうとしていた。

 

龍騎「別に勝ってこいなんて言わない。せめて全力でやれよ?」

 

椛丸「分かりました!では行ってきます!」

 

龍騎「おう、頑張って来い」

 

そう言って椛丸は歩き出す。そして俺も観客席に戻ると、椛丸は手に木製の剣と盾を持って現れた。

 

司会者「これより、第五試合目を開始します!」

 

椛丸「よ、よろしくお願いします!」

 

白狼天狗「よろしく、言っとくけど子供だからって手加減はしないからね!」

 

司会者「それでは!試合開始!」

 

白狼天狗「はあぁ!」

 

椛丸「っ......」

 

試合が始まると、対戦相手の白狼天狗が飛び出す。椛丸は目つきを変えると白狼天狗の攻撃を避けると、一定の間隔を開けながら攻撃を回避する。

 

白狼天狗「くっ......、全く当たらない......」

 

椛丸「そこっ!」

 

白狼天狗「なっ!?」

 

白狼天狗がほんの少し隙を見せたのか椛丸はその隙を見逃さず、相手の懐に入り込む。そして木製の剣から炎を纏わせる。

 

椛丸「火剣『昇竜斬』

 

椛丸は剣をアッパーカットのように斬り上げると、相手の白狼天狗の顎に当たりそのまま倒れてしまった。そして司会者が直ぐに駆けつけると相手の白狼天狗の容態を確認する。

 

司会者「......気絶!よって勝者、犬走椛丸!」

 

「「「ウオォォォォォォォォォ!!」

 

椛丸が勝利したと司会者が叫ぶと観客も叫び出す。椛丸は剣と盾を背中に収めると俺の方を向いて手を振った。俺は片手で手を振るが隣に居る文のシャッター音がうるさくて引っ叩いた。

 

それから椛丸の快進撃は止まらない。順調に試合を勝ち進み、何と決勝戦まで進出した。これは俺も予想外だった、失礼だが準決勝までかと思ってたからだ。そして決勝戦が行われようとしていた。対する相手は前回の準優勝の鴉天狗のようだ。

 

鴉天狗「君の活躍は見させて貰った。流石はあの犬走の息子だな、だが悪いが優勝は渡さんぞ!見事私に打ち勝つのだな!」

 

椛丸「よ、よろしくお願いします!」

 

司会者「それでは!決勝戦、始め!」

 

司会者が開始の合図をすると、鴉天狗は椛丸に襲い掛かった。鴉天狗は椛丸に木製の剣で攻撃をすると、椛丸は落ち着いた表情で攻撃を回避。立て続けに鴉天狗の攻撃をするが椛丸には通用しなかった。

 

鴉天狗「反射神経は良いようだな!ではこれならどうだ?」

 

そう言って鴉天狗は剣を払うように攻撃する。椛丸は対応して避けるが、鴉天狗の攻撃は川の流れのように止まる事なく椛丸を襲う。

 

椛丸「っ!」

 

椛丸は次の攻撃に対応しきれず、盾で攻撃を防ぐがそれが仇となった。盾で防御した事で鴉天狗の攻撃速度が上がっていき、少しずつ盾が削られて行く。

 

椛丸「くっ........!」

 

鴉天狗「ほらほら!もっと抵抗したまえ!さもないと盾が小さくなって今度は自分に当たるぞ!」

 

椛丸「なら!」

 

そう言って椛丸は小さくなった盾を使って鴉天狗の攻撃を弾くと、鴉天狗に向けて盾を投げる。鴉天狗は椛丸が投げた盾を避けると、正面には椛丸が消えていた。

 

鴉天狗「!?一体何処に!?」

 

椛丸「貰った!」

 

鴉天狗「何!?空からだと!?」

 

そう、椛丸は鴉天狗の真上に居た。盾を投げた後直ぐに上空に飛んだのだ。そして椛丸は木製の剣に炎を纏わせる。

 

椛丸「火剣『煉獄火炎斬』

 

そして、俺がかつて使っていた技を放った。上空から鴉天狗を斬りつけて最後の一振りで壁まで吹き飛ばす。最後の一振りは木刀とはいえ、殺傷力がゼロとは限らないのでいつもと同じように剣を90度に回転させてビンタする感じで鬼を吹っ飛ばした。

 

一瞬だが、椛丸に当時の俺の面影が重なったような気がした......。

 

鴉天狗「参った......、降参だ」

 

司会者「勝者!犬走椛丸!よって優勝は犬走椛丸に決定!!」

 

「ウオォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!」

 

鴉天狗が両手を上げて降参すると、司会者が優勝したのが椛丸だと告げると観客全員は大歓声を上げた。

 

文「凄いじゃないですか!!椛丸くんが優勝しちゃいましたよ!!」バシバシ

 

龍騎「興奮すんなよあと叩くなよ...、でもマジで優勝するとは思わなかった......」

 

椛丸「父上ー!やりましたー!」ピース

 

椛丸が俺に向かってピースサインをしながら嬉しそうな笑顔を見せる。俺も笑顔で某仮面ライダーの主人公風に親指を立てる。

 

司会者「さて、優勝した椛丸くんには優勝トロフィーが贈られます!皆様、大きな拍手を!」

 

司会者がそう言うと、観客全員が拍手する。そして司会者は椛丸にマイクを向ける。

 

司会者「では少し椛丸くんに聞いてみましょう!優勝した感想はいかがでしたか?」

 

椛丸「まさか優勝できるとは思いもしませんでした!これも父上と母上のお陰です!」

 

鴉天狗「完敗だ、私の負けだよ。君ならより優秀な天狗になれるだろう」

 

椛丸「あ、ありがとうございます!」

 

そう言って椛丸と鴉天狗は握手すると、再び拍手が起きる。

 

司会者「それでは第151回、天狗格闘大会を終了致します!」

 

こうして、椛丸の初めてにして新たな経験に幕が閉じた。

 

 

 

 

〜数時間後〜

 

椛丸「zzz....」

 

椛「ぐっすり眠ってますね」

 

龍騎「あれだけ動いたんだ、疲れない訳がないよ」

 

あれから色々天狗達に囲まれたり、文に取材を受けたり写真を撮られたりと椛丸は苦労していた。約束通り、文の奢りで飯は食いに行った。勿論、椛も一緒に。それから言えに帰る頃には既に椛丸は熟睡してしまっていた。俺は帰宅すると直ぐに布団を敷いて椛丸を寝かせた。

 

椛「それにしても凄いですよね...、まさか椛丸が優勝するとは思いませんでしたよ」

 

龍騎「俺も予想外さ、でもこれも一つの経験って事で良いんじゃないか?」

 

椛丸「......ちち、うえ.......」

 

椛「あらあら、龍騎さんと一緒に居る夢でも見てるみたいですね」

 

龍騎「......今度皆んなでどっか行こうか」

 

椛「それ良いですね、きっと椛丸も喜びますよ」

 

そうと決まれば早速計画を立てるとしよう。そう思いながら俺と椛はリビングで話し合っていた。そして、俺家族三人で楽しく旅行に出かけたのはまた別の話し......。




いかがでしたか?

以上、椛編でした。

書いてる自分が言うのもアレですが......、やっぱ男の娘は良いな......。

次回でラストです!そしてこの作品も終了します!

アンケートは終了致します。沢山の投票、ありがとうございました!

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回、正真正銘のラスト回!お楽しみに!


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半人半霊の庭師編

どうもです。

後日談その5です。

ラストは妖夢視点オンリーです。

それではどうそ。


 

〜妖夢side〜

 

『俺の生涯を全部お前に捧げたい.....。だから、お前の人生を俺に預けてくれないか?一緒に暮らして、俺達の子供を作って、そして.......、死ぬ時は俺と同じ墓に入って欲しい......』

 

あの日の夜、私はその言葉を聞いた。とても嬉しかった、それと何故私なのだろうか......。二つの気持ちが同時に私の心を襲った。今でもそう思っていた......。

 

 

 

〜白玉楼〜

 

幽々子「ん〜、いつも食べても妖夢の料理は美味しいわ♪」

 

妖夢「ありがとうございます、幽々子様。それと並び終えてから召し上がって下さい」

 

私は幽々子様に朝食を並べていると、全て並び終える前に幽々子様が食べ始めていた。鬼神龍との戦いから一年...、私と幽々子様は龍騎さんを白玉楼に招いて一緒に生活をしていた。あの宴会に龍騎さんに告白されて、晴れて私達は恋人同士になったものの、恋愛に疎い私はどうしたら良いのか分からなかった。

 

幽々子「そういえば、龍騎くんはどうしたの?さっきから見かけないけど」

 

妖夢「龍騎さんなら今さっき香霖堂へ向かいましたよ。何でも新しい剣が仕入れたと言って」

 

幽々子様が一度箸を止めて聞いてくると、私は食べ終わった皿をお盆の上に重ねながら答えた。

 

幽々子「新しい剣?もう彼はもう戦えないんじゃ......」

 

妖夢「私も思ったんですよ、でも『一応護身用として』って言って行っちゃったんです」

 

幽々子「大丈夫なのかしら......、何事も無ければ良いのだけど......」

 

妖夢「だと良いんですけど......」

 

私は不安な気持ちを抑えながらお盆を持って台所へ向かおうとすると、幽々子様に止められた。

 

幽々子「.......妖夢、お皿を置いて来たら龍騎くんの所に行って来なさい」

 

妖夢「......へ?」

 

幽々子様がそんな事を言うと、私は思わず返事をしてしまった。

 

幽々子「彼を心配してるのでしょ?恋人ならそのぐらいして来なさい」

 

妖夢「幽々子様......」

 

幽々子「残りは私がやっておくから、ね?」

 

妖夢「.........ありがとうございます。それよりも、お皿洗い出来るんですか?それに洗濯も掃除もあるんですよ?」

 

幽々子「今とても良い雰囲気だったじゃない!?どうして逆戻りするの!?それと私を何だと思ってるの!?そのぐらい私にも出来るわよ!?」

 

妖夢「言いましたね?なら幽々子お一人で!!頑張って下さいね?決して紫様や藍様には頼らないで下さいよ?」

 

幽々子「分かったわよ!分かったから行って来なさい!」

 

少し怒り気味の幽々子様のお言葉に甘えてお盆をテーブルの上に置いて自室へ移動、身支度と刀を持って白玉楼を出発した。

 

妖夢(待っていて下さいね......、龍騎さん.....!)

 

 

 

 

 

 

 

〜香霖堂〜

 

妖夢「ごめんください」

 

龍騎「あれ?妖夢?」

 

香霖堂に到着した私は中へ入ると、龍騎さんがカウンターの前に立っていた。

 

龍騎「どうしたの?此処まで来て」

 

妖夢「そ、その......、龍騎さんの事.........、心配で.........」モジモジ

 

龍騎「え?」

 

龍騎さんに説明するのが恥ずかしくり、顔が熱く感じる。うぅ.......、無理に言わない方が良かった......。

 

龍騎「.......ふっ」

 

龍騎は恥ずかしがってる私を見て小さく笑った。

 

妖夢「わ、笑わないで下さいよ!///」

 

龍騎「ごめんごめん、恥ずかしがってる妖夢が可愛かったからつい..」

 

妖夢「うぅ......///」

 

龍騎(涙目で睨みつける妖夢...、可愛い)

 

霖之助「おや、君が来るなんて珍しいね」

 

龍騎さんを睨みつけると、奥の部屋から霖之助さんが現れた。その手には二本の刀を持っていた。

 

龍騎「霖之助さん、それは?」

 

霖之助「これが新しく入った刀さ。青い刀は『爪龍刀』赤い刀は『牙龍刀』と言うらしいんだ」

 

龍騎「ほぅ......」

 

龍騎さんが霖之助さんが持って来た刀を手に取ると、興味津々に刀を眺める。確かに龍の文字が付くのに相応しい刀だった。

 

龍騎「これ良いですね、貰っても良いですか?」

 

霖之助「構わないよ、持って行くと良い」

 

龍騎「それじゃあこれを......」

 

そう言って龍騎さんは財布を取り出すと、霖之助さんは首を横に振る。

 

霖之助「お代は良いよ、元々は君に譲る気で居たから」

 

龍騎「でも客ですよ?」

 

霖之助「この店は僕が法律さ、だからどうしようが僕が決める。それだけさ」

 

龍騎「......なら、お言葉に甘えて頂戴します」

 

そう言って龍騎さんは二つの刀を背中に背負う。普通は腰に着けるのに......。

 

龍騎「それじゃあ俺達は行きますね、刀ありがとうございました」

 

妖夢「お、お邪魔しました.....」

 

霖之助「うん、またのお越しを」

 

霖之助さんに見送られ、私達は外へ出た。

 

龍騎「ごめんな?心配掛けてたみたいで」

 

妖夢「いえ、ご無事なら良いんです......」

 

確かに龍騎さんが無事で良かったけど、このまま帰って良いのかな........。そんな事を思っていたら龍騎さんが口を開いた。

 

龍騎「なぁ妖夢.........、これからデートしない?」

 

妖夢「......はい?」

 

 

 

 

〜人里・服屋〜

 

妖夢「ど、どうでしょうか......?」

 

龍騎「とても似合ってて可愛いよ」

 

妖夢「か、可愛い......///」

 

私は龍騎さんに連れられて人里にある服屋に来ていた。デートと言われた時はどうしたら良いのか分からなかった為、まだ仕事があると言って逃げようとしたが、龍騎さんに手を掴まれて『俺に任せて』と言ったので龍騎さんに頼む事にした。そして私は服屋で洋服を着せらたが、龍騎さんが可愛いと言ってくれたので嬉しかった。

 

龍騎「折角だし、それ着て行く?」

 

妖夢「い、良いんですか?」

 

龍騎「ああ、寧ろ着てくれ」

 

妖夢「......龍騎さんがそう言うなら///」

 

龍騎「ありがと、それじゃあ会計してくるよ」

 

そう言って龍騎さんはお金を払うと私の手を握って店を出る。

 

妖夢(これが......、デートなのかな......)

 

良く分からない感情が込み上げてくるが、悪い気はしなかった。寧ろ......、楽しいと思っている。それから龍騎さんと甘味処へ移動する。そして適当に注文し、甘い物が届くと......、

 

龍騎「はい」

 

私に甘い物を差し出して来た。

 

妖夢「.........え?」

 

龍騎「だから口開けて、あーん」

 

妖夢「みょん!?///」

 

何と龍騎さんからあーんさせて来た。私は咄嗟に変な声を出して手を振る。

 

妖夢「ま、待って下さい龍騎さん!///別に此処でやる事は......///」

 

龍騎「いや、ラブラブなリア充なら当たり前だぞ?」

 

妖夢「む、無理です!///それなら白玉楼に帰ってでも出来ますよ!///」

 

龍騎「そんなにキッパリ断られると泣いちゃうよ?それに俺だって恥ずかしいんだよ......///」

 

龍騎さんは顔を赤くして下を向く。やっぱり恥ずかしかったんだ......。ちょっと可愛いかも......、そう思いながら私は龍騎さんに差し出された甘い物を口にする。

 

龍騎「......どう?」

 

妖夢「......良く分かりません///」

 

龍騎「ははっ......、前の俺と同じ答えだ」

 

前と同じ?どう言う事だろう.....、今は良いか。

 

妖夢「つ、次は私ですね...!///は、はい龍騎さん///」

 

そう言って私は龍騎さんに私のを差し出す。すると龍騎さんはありがとう、と一言言って差し出した甘い物を口に咥える。

 

妖夢「みょん!?///」

 

龍騎「驚くと思った?残念ながら驚かないのだよ」

 

妖夢「そ、そんな......」

 

何故か悔しい......、負けた感じがする......。

 

龍騎「でも嬉しいよ、ありがとう」

 

そう言って龍騎さんは私に頭を撫でてくる。撫でられると恥ずかしさが増す。

 

妖夢「うぅ........///」

 

龍騎「可愛い」

 

妖夢「〜っ!もう〜!さっきから揶揄わないで下さいよ!///」

 

可愛いと言われると、更に恥ずかしさが増し、耐えきれず龍騎さんの腕を叩く。

 

「だ、誰かゴーヤは持ってるか!?ピーマンでもほうれん草でも良い!!苦いのを!苦いのを頼む!!」

 

「ダメだ!抹茶じゃ効かねぇ!店員さん頼む!もっと苦いのを!!」

 

「む、無理だ!あの空間と一緒には居られねぇ!俺は帰るぞ!」

 

何やら周りが騒がしくなっており、龍騎さんも何故か遠い目をしていた。

 

龍騎「......そろそろ別の所へ移動しようか」

 

妖夢「そ、そうですね.....」

 

そう言って私達は代金を払って店を後にした。それから人里で歩いていると私は龍騎さんにある事を質問した。

 

妖夢「あの......、龍騎さん......」

 

龍騎「ん?」

 

妖夢「......どうして、私を選んだんですか?」

 

龍騎「.......は?」

 

私の質問に龍騎さんは素っ頓狂な声を出した。それでも私は言い続ける。

 

妖夢「正直な所、私が選ばれる事なんて無いと思ってたんです...。確かに私は龍騎さんの事は好きです。これは何一つ変わってません......、でも、私と過ごした時間はそこまで長くないじゃないですか......。だから.........」

 

龍騎「妖夢」

 

私が言ってる途中に、龍騎さんが私の名前を呼ぶと優しく抱きしめて来た。そして唇に柔らかい感触が伝わった。

 

妖夢「え......」

 

龍騎「そんな事言うなよ......、これは俺が決めた選択だ。後悔なんて無い、する筈が無い。時間が足りないならこれから埋めていけば良い、そうだろ?」

 

妖夢「で、でも.......、私は他の皆さんよりスタイルは良くないし、家事とか剣を振る事しか出来ないし......、それに女子力が無いというか......」

 

龍騎「馬鹿だな......、俺はそんなお前に惚れたんだよ」

 

妖夢「.........え?」

 

龍騎「スタイルが良かろうが良くなかろうが関係ない、家事や剣を振る事しか無いなら新しい事に挑戦してみれば良い、それに妖夢は女子力が無い訳じゃない。だって......」

 

そう言って龍騎さんは私の頬を軽く摘んで引っ張る。

 

妖夢「みょん?」

 

龍騎「妖夢の全部が好きだから、俺が妖夢を選んだ理由だ」

 

妖夢「っ!」

 

龍騎そう言って私の頬を摘んだ手を外すと、頭を撫でる。それと同時に私は無意識に涙が出た、それと今までモヤモヤしてたものが嘘のように消えた。

 

妖夢「............」ポロポロ

 

龍騎「!?ど、どうした!?俺変な事言った!?」

 

妖夢「.....違うんです、嬉しいんです...」ポロポロ

 

龍騎「.....どう言う事?」

 

妖夢「私、不安だったんです......、龍騎さんの恋人に相応しいのかどうか......。ずっと悩んでたんです......、ちゃんと恋人として上手くやっていけてるのか.........」ポロポロ

 

龍騎「.........そっか、心配だったのか。俺と釣り合うのかどうか」

 

妖夢「はい......」ポロポロ

 

龍騎「......すまなかった、何も気づけてやらなくて......。これじゃあ恋人以前に男失格だな...」

 

妖夢「龍騎さんの所為じゃないです...。私の勝手な思い違いだったんですから......」ポロポロ

 

龍騎「妖夢......」

 

妖夢「......だから、仕切り直しましょう。改めて、私を......、恋人になってくれませんか...?」ポロポロ

 

龍騎「......勿論だ」

 

そう言って龍騎さんは私に優しく抱きしめてくれた。あぁ......、今なら分かる......、今がとても幸せなんだと......。

 

龍騎「愛してる......、妖夢」

 

妖夢「私も、愛してますよ......。龍騎さん」

 

それから私達は恋人らしいデートを再開した。先程とは打って変わって緊張感が無くなり、幸せな時間を過ごす事が出来た。これからもこうして幸せな時間が続くとなると更に気分が上がる。結婚はまだ早いけど、今から式を上げても良いかな......。そんな事を思いながらデートを続けた。

 

 

〜妖夢side out〜

 

 

 

 

 

紫「おかしい......、ゴーヤ食べてるのに甘く感じる......」

 

藍「紫様、特性スムージーは如何ですか?」

 

紫「ナイスよ藍、頂くわ」

 

幽々子「良かったわね、妖夢......」

 

上空から妖夢達の様子を伺いながら紫はゴーヤを丸齧りをし、藍は苦い物を集めた特性スムージーを差し出す。幽々子は妖夢の様子を見て安心しながら金平糖を齧っていた。当然、デートに夢中になっている妖夢と龍騎は気づく事は無い......。




いかがでしたか?

以上、妖夢編でした。

そしてこの作品も完全完結です!

後日談も読んでくださり、誠にありがとうございました!

これから活動報告にて皆様にお知らせがあります。是非見に来て下さい!

以上、餡 子太郎による『東方龍優録〜心優しき少年の幻想郷生活〜』でした!!本当にありがとうございました!!


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