どうやら俺はたくさんの世界に転生するらしい【完結】 (夜紫希)
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どうやら俺の物語はここから始まるらしい プロローグ

気軽に読んでください


「ほ、本当か!?」

 

 

「あぁ、さっき伝言を頼まれてね」

 

 

「よっしゃあああァァ!ちょっと行ってくる!」

 

 

「ごゆっくり~」

 

 

ふははは!!俺の時代が来たぞー!

 

今日で【彼女居ない暦=年齢】の称号を捨てる時が!

 

俺は廊下を走り抜ける。途中で先生が何か叫んでいたが俺は無視した。

 

無理だ。今の俺には何も聞こえない。それほど、俺は興奮していた。

 

 

「うおおおおおおおおおおおお!!!」

 

 

テンションはMAX。明日は筋肉痛になるだろうなぁ、こんなに走ったら。

 

そんなことを気にしながら、階段を一気にかけ降り、自分のくつ箱に向かう。

 

上履きからスニーカーに履き替えた後、体育館の裏へと走っていった。

 

 

(もうすぐだ!)

 

 

高鳴る胸の鼓動を抑えながら走る。

 

俺は友人に教えてもらった待ち合わせ場所の体育館の裏にある体育倉庫に向かった。

 

 

 

 

そして、そこで俺の身に危険が迫っているのも知らずに……。

 

________________________________________________________

 

 

 

「誰も来ないな……」

 

 

俺は体育倉庫に無事到着することができた。

 

しかし、10分、30分、1時間待っても誰も来なかった。

 

 

「何故だ」

 

 

俺は友人に電話をしようとスマホを取り出す。

 

電源を入れるとメールが一通届いていることに気付いた。

 

すぐにメールを開き、中を確認する。内容は【今日は何日?】と書かれt…………………あ。

 

 

 

 

 

「エイプリルフールかあああああァァァァ!!!!」

 

 

 

 

 

今日は4月1日でした。

 

 

「ちくしょう、俺を弄びやがって……。」

 

 

ははは、目から汗が出てくるぜこの野郎。あいつは後で泣かす。ボコボコにして絶対泣かす。というかよく1時間も待ったな俺。

 

俺は友人を殴r……話をするために倉庫を出ようとする。が、

 

 

「いてッ」

 

 

ドサッ

 

 

跳び箱の角が足にあたってその場でこけてしまう。スニーカーを履いてても地味に痛い。

 

 

「あー、ついてない……」

 

 

愚痴りながら俺は近くにあった棚に掴まり、体を起こそうとする。

 

 

バキッ!!

 

 

その時、古くなってしまった木材で出来ていたためか、少し体重を掛けただけで棚は簡単に壊れてしまった。

 

 

ガララッ!!

 

 

「ぐはッ!?」

 

 

本日二度目の転倒をする。次は顔から転倒した。さっきより10倍は痛い。

 

 

 

そして、俺は気付かなかった。棚が何であんなに簡単に壊れたのか。

 

 

 

木材で出来ていたからだけではない。

 

 

 

じゃあ、なぜ?

 

 

 

答えは単純だ。

 

 

 

既に重い物が棚にあったからだ。

 

 

 

ラグビー部が体を鍛えるために時々使っている、

 

 

 

鉄アレイが何十個も入っている箱が置いてあったからだ。

 

 

 

鉄アレイは一つで5kg~20kgまでのがよくあるが、ここに置いてあるのは全て15kg。

 

 

 

そんなに鉄アレイあるのにも関わらず、俺はそこに力を加えてしまった。当然棚は壊れる。

 

 

 

だが、棚が壊れるだけの事故では済まなかった。

 

 

 

そして、今から最大の不幸が彼を襲う。

 

 

 

「!?」

 

 

 

気付いたときには遅かった。

 

 

 

すでに俺の目の前に、

 

 

 

何十個もの鉄アレイが降ってきていた。

 

 

 

俺は避けることもできず、

 

 

 

………俺の意識は暗闇に吸い込まれていった。

 

 

 

________________________________________________________

 

 

 

「というわけじゃ」

 

 

「………」

 

 

俺は神にどうして自分が死んでしまったかを聞いた。

 

ん? 誤字はない。言葉の通りだ。どうやら俺は死んでしまったらしい。

 

でも、どうやって死んだかわからなかった。

 

記憶が曖昧になっていて思い出せなかった。

 

だから、目の前にいるおっさn「神じゃ」……神に聞いてみた。………人の思考に勝手に入ってくんなよ。

 

 

「お前さんの死因をまとめると、友人に『お前に告白したい女子が体育倉庫で待っている』と騙され、帰ろうとしたときに転んでしまい、起き上がろうとすると棚が壊れ、棚にあった物が頭を強打し、死んでしまったのじゃ」

 

 

不幸のフルコースじゃねーか。今日の占い運勢絶対最下位だわ。

 

 

「それにしても……」

 

 

ん?

 

 

 

 

 

「死因:鉄アレイ(笑)」

 

 

 

 

 

いやあああああああァァァァァ!!!!!やめてええええええェェェェェ!!!!!!

 

まじでショック受けてんだから止めろよ!本当になんだよ鉄アレイって!そんなもので死にたくなかったよ!ラグビー部、許さねぇ……!

 

 

「男の汗と涙の結晶がついた鉄アレイ(笑)」

 

 

おい!?気持ち悪いこと言うなよ!ラグビー部に謝れッ!てか俺はラグビー部の敵なのか?味方なのか?

 

 

 

 

________________________________________________________

 

 

 

「すまん、言い過ぎた」

 

 

「……分かってくれて嬉しいよ」

 

 

おっさん(神)に弄られ、心が折れかけてもう死にたいと思ったが俺、死んでだっけ今。

 

 

「その通りじゃ、お前さんは死んでいる。それでは本題を話そう」

 

 

「天国か地獄って話でもするのか?」(ナチュナルに心を読んだことはスルーしよう)

 

 

「本来ならそのはずじゃが、今回は違う」

 

 

今回は違う?……………………………………まさか!?

 

 

「私が神か」

 

 

「……………」

 

 

めっちゃ睨まれた。軽蔑と『こいつ馬鹿なのか?』の二つを含んだ視線だ。なんだよ神に転職じゃねーのかよ。

 

 

「お前さん、実は馬鹿なのか?」

 

 

「本題を話してくれ」

 

 

俺は話を逸らそうとした。ば、馬鹿じゃないもん、点数で人を決めつける人が馬鹿なんだよ!

 

 

「そんなこと考える人が一番馬鹿なのじゃ」

 

 

「……………」

 

 

「本題行こうか」

 

 

「そこで話を逸らすのは余計に傷つくんだが?」

 

 

「お前さんには転生してもらう」

 

 

無視かよ……………………って、

 

 

「ゑ?」

 

 

転生?俺はまた生きていけるの?

 

転生ってアレだよなラノベやSSでよくある展開のアレだよな?もう一回人生やり直して『俺って最強だろ!』みたいな無双をするアレだよな?

 

 

「そうじゃ、しかし普通の転生じゃない」

 

 

「普通じゃない?」(もうお前と会っている時点で普通じゃねぇ)

 

 

「お前さんには何度も転生してもらう」(一回一回失礼な事を考える奴じゃな……)

 

 

は?ドユコト?

 

 

「例えばお前さんに【A】の世界に転生させる」

 

 

ふむふむ。

 

 

「お前さんはそこで自由に暮らしてもらってけっこうじゃが、ある程度の期間がたったら次に【B】の世界に行ってもらう」

 

 

「それに何の意味がある?」

 

 

「お前さんをいろんなところに転生させても意味も問題もないのじゃが…」

 

 

「?」

 

 

 

 

 

「お前さんは【A】の世界の人を一人、【B】の世界に一緒に連れて行くのじゃ。」

 

 

 

 

「!?」

 

 

これってつまり、ドラ〇もんをサ〇エさんの世界に連れていくようなことができるということだよな!?おい、の〇太はどうなる。ぼっちじゃねーか。ジャイ〇ン助けてやってよ。映画のジャ〇アンって心が綺麗だよな?

 

 

「そこは少し訂正しておこう。一緒に転生してもAの世界とBの世界、両方に存在することができる」

 

 

「よくわからないけど、一緒に転生しても元の世界は問題ないという認識で大丈夫か?」

 

 

「あぁ、問題ない」

 

 

「これをどのくらい繰り返すつもりだ?」

 

 

「さぁ?」

 

 

疑問を疑問で返された。これ本当に神なの?

 

 

「違う世界に連れていって何の意味があるんだよ?」

 

 

「ちょっとしたデータ収集じゃ」

 

 

データ?女の子のスリーサイズとか?変態じゃねぇか。いや、コイツは変態の神なのかもしれん!?

 

 

「しばくぞ」

 

 

マジ切れ乙です。あと怖い。

 

まぁこのことはあまり気にしなくて大丈夫みたいだな。

 

 

「ようするに、最初に俺は【A】の世界に行き、【A】の世界の人と一緒に【B】の世界に行く。次に【B】の世界の人を一人決めて、【A】と【B】の二人を連れてまた新しい世界、【C】の世界に行く。これを繰り返して行くかんじで?」

 

 

「あぁ、どんどん人数が増えてくから原作ブレイクしまくりじゃが、気にしなくていいぞ」

 

 

自由すぎるだろ。それでいいのか神様。……俺は大賛成だ。

 

 

「良いのじゃ」

 

 

「あっそ。ところで……」

 

 

「転生特典じゃな」

 

 

「おう!話が分かっているじゃないか!」

 

 

「二つだけなら良いぞ」

 

 

「完全記憶能力と身体強化」

 

「普通じゃのお」

 

 

「うるせぇ」

 

 

王道こそ正義。安全第一だ。

 

ちなみに3つも良かったら『主人公補正』を希望した。

 

 

「やらぬぞ」

 

 

「くれよ」

 

 

主人公だぞ、俺は。

 

 

_________________________

 

 

 

「それじゃ、最初は【とある魔術と禁書目録】&【とある科学の超電磁砲】の世界じゃ」

 

 

「おぉ、悪くないな」

 

 

「向こうでも死んだらOUTだから気をつけるのじゃぞ」

 

 

「もう死にたくねぇよ、あとひとつ聞いていいか?」

 

 

「なんじゃ?」

 

 

 

 

 

「ハーレム作るのはあr「勝手にせい」……よし!」

 

 

 

 

 

「それじゃ、行ってくるがよい

 

 

 

 

 

 

 

 

楢原(ならはら) 大樹(だいき)よ」

 

 

 

「おう、行ってくる」

 

 

 

次の瞬間、俺の意識がまた暗闇に吸い込まれていった。

 




楢原 大樹 (ならはら だいき)

年齢17

学年はもう少しで3年生だったが、死んでしまった。

容姿 黒髪のオールバック。

身長 175~180くらい。




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禁書目録編 そして物語は始まる

転生条件が分かりにくい人のために例を使って簡単に補足します。

とある魔術の禁書目録に転生する。

主人公が活躍する。

その世界の住人の上条当麻を連れて新しい世界へ行くことになる。

進撃の巨人の世界に主人公と上条が転生する。

主人公と上条が活躍。

進撃の巨人の世界の住人のエレンを連れて転生することになる。

主人公と上条とエレンの三人で新しい世界に転生する。

これを繰り返す。

分かりにくてすいません。

続きです。


学園都市

 

 

 

 

 

東京西部に位置する【完全独立教育研究機関】のことを指しており、総面積は東京都の3分の1を占めるほどの広さを持っている。

 

人口は約230万人で、その八割は学生である。

 

さらに学園都市は 最先端の科学技術が運用され文明レベルが外部より20~30年進んでおり、科学の街とも呼ばれている。

 

 

そして、学園都市はその最先端技術を使い超能力開発の実用化をしている。

 

 

手を使わずに物体を動かすことができる

念動力(テレキネシス)

 

相手の心を読んだりすることができる

読心能力(サイコメトリー)

 

他にも、多くの超能力が開発されている。

 

そして、学園都市では能力者を、能力の強さを段階に分ける格付けがされている。

 

無能力者(レベル0)

学園の生徒の六割はこれに当てはまり、全く【無い】という訳ではないが、能力的にはおちこぼれと呼ばれる。

 

低能力者(レベル1)

多くの生徒が属し、スプーンを曲げる程度の力を持っている。

 

異能力者(レベル2)

レベル1と同じく日常ではあまり役には立たない。

 

強能力者(レベル3)

日常では便利だと感じる程度の力を持ち、能力的にはエリート扱いされ始める。

 

大能力者(レベル4)

軍隊において戦術的価値を得られる程の力。

 

そして、学園都市で七人しか存在しない能力者

 

 

 

 

 

超能力者(レベル5)

 

 

 

 

 

一人で軍隊と対等に戦える程の力を持っている。

 

 

 

 

 

超能力者たちが住む街……それが学園都市。

 

 

 

 

 

 

 

その学園都市に一人の転生者がやって来た。

 

 

_________________________

 

 

俺は学園都市に転生することに成功した。

 

最初は赤ん坊からスタートするかと思ったが、あの日死んでしまった体と同じ、17歳の体と同じだった。

 

 

(神にはいろいろと世話になってるな……)

 

 

死んでしまった自分に新しい人生をくれた。

 

たくさんの世界に転生させてもらえる。

 

転生特典をもらい、自分を変える機会をくれた。

 

ハーレムをつk………なんでもない。

 

 

(感謝してもしきれないなぁ……)

 

 

いつか恩返しをしたい。素直にそう思った。

 

そして、

 

 

ありがとう、神様。

 

俺はそう呟いた。

 

 

_________________________

 

 

 

 

 

「前言撤回!!!!!!」

 

 

大声で俺は叫んだ。

 

 

俺は神に感謝したことを後悔した。

 

 

俺は学園都市に転生した。

 

そこでさっそく問題が発生した。

 

 

 

なぜなら俺の転生場所は学園都市の………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………上空3000メートルだからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「嘘だろおおおおおおォォォォォ!!!!!」

 

 

凄い速さで落ちてくよ、凄い速さで。大事なことなので二回言いました。まーる。

 

こんなこと考えてる場合じゃないんだけど……とにかく落下が速い。風圧が強過ぎてまともに目が開けられない。

 

 

「本気でヤバくなってきたぞ……!?」

 

 

街全体が見える。うん、なかなかの絶景だ。

 

 

「どうにかしないとこれが最後に見る景色になるぞ俺!?」

 

 

やべぇ、ちょっとおかしくなってしまったわ。

 

 

「ど、どうせあれだろ。ほら、衝突する寸前に体がフワッてな感じで浮くんだろ!?」

 

 

き、きっとそうだ。間違いない。アニメみたいな展開になるはず……なるはず!さっきから二回も言い過ぎだろ俺。

 

俺は助かる。俺は助かる。俺は…………。

 

 

目の前に川が迫ってきた。

 

 

俺はあそこにおちr………フワッと浮くだろう。……ちょっと自分でも死期を悟っているな。

 

 

「仮に落ちたとしても、川なんかじゃ浅すぎだろ……」

 

 

そして、俺は最後に、

 

 

「あぁ、これ……死んだかも」

 

 

 

 

 

そして、

 

 

 

 

 

川に大きな音を出して落ちた。

 

 

________________________

 

 

 

結論。生きてたよ俺。やったね。出落ちで死とか洒落にならん。

 

 

「全然痛くねぇ」

 

 

まさか、転生特典の身体強化がここまで強いとは思わなかった。

 

川に落ちた時、体にサッカーボールが当たったくらいの痛さだった。え、サッカーボールでも痛い?俺は学校の授業でボール当たった(悪意によって)けど、全然痛くなかったよ?………変なこと思い出させんなよ。泣くぞゴラ?

 

 

「それよりも問題は……」

 

 

俺は自分の服を見る。もちろん、びしょびしょだ。

 

制服は防水だが、中のカッターシャツやパンツや靴下はビショビショ。

 

 

「ここから行く宛もないし、どうしよう」

 

 

今の俺は身分証明できるものがない。さらにこの世界では俺に関するデータもない。そして、空からの不法侵入。

 

うん。俺めっちゃ怪しい奴じゃん。これ、警備員(アンチスキル)風紀委員(ジャッチメント)に見つかったら終わりじゃん。逮捕されちゃうよ。

 

警備員(アンチスキル)は警察組織のひとつだが、次世代兵器で武装した教員で構成されている。こわっ。

 

学校外での事件を担当している。逆に学校内での事件を担当するのが風紀委員(ジャッチメント)。こちらは能力を持った生徒で構成せれている。こっちもこえー。

 

 

(とりあえず、服を乾かしに……いや、新しいのを買ったほうがいいかな……金がねぇだろ俺)

 

 

とりあえず歩き回りながら考えよう。そんなことを考えたとき、

 

 

「おい!大丈夫か!」

 

 

「!?」

 

 

一人の青年が俺に向かって走ってきた。坊主頭をしており、いかにも運動ができそうな顔をしている。

 

しかし、俺が驚いたのは男の腕についているモノだった。

 

 

(風紀委員の腕章をつけてる!?)

 

 

さっそく見つかったよ。はえーよ。風紀委員は俺の目の前にまで走ってきた。

 

 

(俺が空から落ちたとこは……見てないよな?)

 

 

俺の服が濡れているから心配してるんだよな?

 

顔を真っ青にした俺に青年は急いで近づいて来る。

 

 

「お前!空から落ちてきてるのに大丈夫なのか!?」

 

 

見てたのかよ!視力いいなオイ!

 

 

「あ、あぁ。大丈夫だ……」

 

 

「空から落ちてきたのに!?」

 

 

確かに、普通は大丈夫じゃないな。俺氏、普通じゃないデュフ。

 

 

「まぁ、とにかく大丈夫だ」

 

 

「いや、でも!?」

 

 

「大丈夫、骨を折るどころか、かすり傷ひとつない」

 

 

「それはそれでやばくね!?」

 

 

風紀委員めっちゃびっくりしてる。大丈夫、当の本人が一番びっくりしてるから。……何で無傷だんだろう……。

 

 

「とにかく、大丈夫だから気にすんな」

 

 

「いや、だから!」

 

 

「それよりも………寒っ」

 

 

「……びしょ濡れじゃねーか」

 

 

ガクガクと体を震わせ、歯をガチガチと鳴らす。寒い。夏なのに寒いよ……。

 

 

「とりあえず俺の寮がこの近くにある。そこで着替えを貸すからついてこい」

 

 

「ありがてぇ」

 

 

よかった。服を買おうにも財布持ってなかったから。

 

さすが風紀委員。優しいなぁ。

 

 

「着替えたあとに話を聞くからな」

 

 

さすが風紀委員。厳しいなぁ。

 

俺は風紀委員にどう言い訳するか考えながら一緒に寮に向かった。

 

 

 

_________________________

 

 

 

寮に着いた俺は白いラインが入った赤のジャージを貸してもらった。これで俺もヤ〇クミだ!

 

このジャージはあの坊主頭の風紀委員が通っている学校のジャージらしい。

 

そして、俺は今、風紀委員の部屋で待たせてもらっている。

 

 

「ほい、お茶」

 

 

「……迷惑ばっか掛けて悪いな」

 

 

「気にするな、そんなこと」

 

 

風紀委員、かっこいい。

 

 

「さて、自己紹介がまだやっていなかったな。俺は石華(いしか)工業高校に通っていて風紀委員をやっている原田という。よろしくな」

 

 

「よろしく。俺は楢原 大樹だ。空から落ちてきた神だ」

 

 

「えッ!?」

 

 

「すまん、冗談だ」

 

 

「……ちょっと本気で信じかけたぞ」

 

 

助けてもらったので本当のことを言いたいんだが……

 

 

(実は俺、転生しましたとか言ったら駄目だろうな)

 

 

俺はここの寮に着くまで言い訳を考えていたが騙すようなことはしたくないと思った。

 

 

だから俺は、

 

 

「実は俺は学園都市の生徒じゃない」

 

 

「……なんだと?」

 

 

原田は俺を睨む。警戒する目だ。

 

 

「事情があってここに空から不法侵入した」

 

 

「はいストップ待って、そこおかしいから」

 

 

「?」

 

 

「いや、何が?って顔をされても困るから」

 

 

「空から不法侵入の何がおかしい?」

 

 

「あれ、俺がおかしいのこれ?」

 

 

「続きいいか?」

 

 

「あぁ、うん、もういいよ、続けてくれ……」

 

 

悪いな、本当はおかしいよ、空から不法侵入なんて。馬鹿を越えた馬鹿だ。

 

 

「それで原田にお願いがある」

 

 

「……学生証が欲しいということか?」

 

 

やっぱり警戒しているな。

 

 

「できれば学校に通いたい」

 

 

「悪さをするためか?」

 

 

「違う。青春を謳歌するためだ」

 

 

「え?」

 

 

「え?」

 

 

「それだけ?」

 

 

「それ以外に何がある?」

 

 

嘘はついてないぞ。本当にそう思ってたし。

 

 

「まじかよ……青春謳歌するために空からパラシュート無しのスカイダイビングしたのかよお前…」

 

 

…………うん、アホだな俺。

 

 

「いや、俺もまさかスカイダイビングするとは思わなかったよ…」

 

 

「だよな」

 

 

あぶねぇ、あやうく変態になるところだった。

 

 

「もう一度言うが、学生証どうにかなるか?」

 

 

「……本当に悪さをしないか?」

 

 

「あぁ、絶対にしない。神に誓って」

 

 

「………」

 

 

原田はしばらく黙っていたが

 

 

「俺には無理だが、どうにか出来る人を知っている。」

 

 

「誰だ?」

 

 

月詠(つくよみ)先生だ」

 

 

ん?

 

 

「あの先生なら大樹を助けてくれるだろう」

 

 

「……ひとつ聞いていいか?」

 

 

「なんだ?」

 

 

「月詠先生のフルネームを言ってくれ」

 

 

「月詠 小萌(こもえ)だが、どうしてそんなことを聞くんだ?」

 

 

Oh……あなたでしたか、小萌先生……。

 

俺はこの人物をよく知っている。有名な人だ。知らない人は少ないと思う。

 

 

「今から会いに行ってこいよ、案内してやる」

 

 

「ありがとう、この仮は必ず返すぜ」

 

 

「おう、今度飯おごってくれ」

 

 

俺達は小萌先生に会うために寮を出た。

 

(さて、これから俺はどうなるんだ?)

 

 

ちゃんと学校に通えるか心配になってきたぞ。

 

俺はそんな気持ちで小萌先生がいる学校に向かった。

 




感想や評価をくれると嬉しいです。


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偽りのレベル

通算UAが100越えました。

ありがとうございます。

続きです。


「ここだ」

 

 

原田に連れてこられた場所は小萌先生の住んでいるボロいアパートだった。小萌先生はどうやら現在、学校では無く、アパートに帰宅しているらしい。

 

(ここ住めるの?)

 

 

ここまでボロいとさすがに住人に同情するぞ……。

 

小萌先生が住んでいる部屋の前に行き、原田がインターホンを押すと中から「はーい」と返事が返ってきた。

 

がちゃりとドアが開いて、身長140センチ……は無いな、135センチくらいの小さな子供が出てきた。

 

 

「あ、原田ちゃんじゃないですか!」

 

 

「こんにちは、小萌先生」

 

 

そう、この小さな子供こそが先生である。いやいや、嘘ついてないよ俺。

 

小萌先生は俺の方を見て、

 

 

「あれ?この子は?」

 

 

「初めまして、楢原 大樹です」

 

 

「小萌先生、今日は大樹について相談したいことがあるんです」

 

 

原田は「ちょっとここで待ってろ」と言って 、原田と子萌先生は部屋のなかに入っていった。

 

俺は一階と二階を繋ぐ階段に座っていた。

 

 

(大丈夫かな?)

 

 

30分くらいたったが、まだ部屋からは誰もでなかった。

 

 

「やっぱり、無理だったのかもな」

 

 

その時、子萌先生の部屋のドアが開いた。

 

出てきたのは原田だった。

 

 

「どうだった?」

 

 

「安心しろ、今から学生証明書を作りにいくぞ」

 

 

よかった。失敗したらどうなってることやら。

 

 

「あなたが楢原ちゃんですね」

 

 

「はい!助けていただいてありがとうございます!」

 

 

「はい、今日からよろしくおねがいしますねー」

 

 

 

 

 

ん?

 

 

 

 

 

「すいません、何がおねg「すいません!ちょっと大樹と話すことがあるので!」……っておい!放せ!」

 

 

原田に小萌先生に聞こえない場所に引っ張られた。

 

 

「原田、何がお願いしますだ?」

 

 

「…お前の学生証明書を作るために子萌先生の生徒になってもらったんだ」

 

 

なんだ、そんなことか。

 

 

「そんなもん気にしなくていいよ。むしろ感謝してる」

 

 

「………」

 

 

あれ、なぜまだ黙る。

 

 

「…大樹、今お金はどのくらいある?」

 

 

「あー、1円も無いな」

 

 

「大樹、それじゃ寮は借りれないぞ」

 

 

うわぁ、まさか野宿ということか。

 

 

「小萌先生は生徒に野宿なんて駄目ですって言ってたから…」

 

 

「ど、どうしたんだ?」

 

 

 

 

 

「……冗談で先生のところに泊めてよって聞いたら……おーけーですよって………言われた」

 

 

 

 

 

最後の最後であなたは何やってるの?

 

 

「しかも、雑用させる人ができてよろこんでた」

 

 

あの部屋を俺が掃除?ハハハッ、まじかよ☆

 

とてつもなく汚かったぞ。まじで。

 

 

「話相手もできるですよーとかさっき言ってた」

 

 

悲しいなおい。断るに断れねーじゃん。

 

 

「はぁ、まぁいいよ。学園都市に追い出されるより何倍もいいし」

 

 

「悪い……」

 

 

「気にするな、それより学生証明書を作りに行くぞ」

 

 

まぁ、野宿よりましだろ。

 

俺達は待たせている小萌先生のところに行った。

 

 

_________________________

 

 

俺は恐ろしいものを見ている。

 

 

「原田、俺は幽霊でも見てるのか」

 

 

「バカが、幽霊なんて科学的にありえねーよ」

 

 

俺達は小萌先生のところに行こうとしたらアパートの前に一台の車が来た。

 

車が来るのはよかったんだ。でも、

 

 

 

 

 

「じゃあ、何で運転手乗ってないだよ…」

 

 

 

 

 

俺と原田は足が震えていた。

おい、科学的にありえないって言ったくせにびびるなよ。

 

 

「き、きっと能力で自分の姿を消してるんだ」

 

 

声………震えてますよ。

 

 

その時車の中から、

 

 

「原田ちゃーん、楢原ちゃーん、早くのってくださーい」

 

 

「「は?」」

 

 

俺達は同じタイミングで声を上げた。

もしかして……

 

 

「…小萌先生?」

 

 

「そうですよー、どうしましたー?」

 

 

「「OK、理解した」」

 

 

なるほど、そりゃ見えねーな。低すぎて。これ心臓に悪いから止めて欲しいのだが?そのうち都市伝説になるぞ。

 

俺達は小萌先生の車乗り、これから俺が通う学校に向かった。

 

_________________________

 

 

身体検査(システムスキャン)?」

 

 

「あぁ、簡単に言えば超能力があるかどうかの検査だ」

 

 

俺達は学校に到着し、職員室で書類を書き終わったところだ。

 

書類の枚数がまさか50枚越えるとは思わなかったよ……一体何十回自分の名前を書いたか……。

 

そしてやることがあと一つ、身体検査(システムスキャン)らしい。

 

 

「俺の予想だがレベル3か4はあるな」

 

 

「あるわけねーだろ」

 

 

「……空から落ちても無傷なのに?」

 

 

「………」

 

 

い、言えねー!俺が無傷なのは身体能力が物凄いからでーす☆とか言えねー!

 

 

「楢原ちゃーん、身体検査はじめますよー」

 

 

「は、はい!」

 

 

「レベル4に1000円」

 

 

おい!?何賭け事やってるんだ!?

 

 

「お前はどれに賭ける?」

 

 

「いや、俺はやr「どれに賭ける?」…レベル0で」

 

 

どんだけ真剣になってんだよ。

 

 

_________________________

 

 

「レベル0ですね」

 

 

「ば、バカな!?」

 

 

はい、1000円ゲットー\(^o^)/

 

検査ではスプーンなんか物理的に曲げてやったよ!………小萌先生に怒られたけど。

 

 

100メートル走とかあったけど、

 

 

 

 

 

100分の1の力で走ってもこの学校の男子の平均タイムだった。まじか…。

 

 

 

 

本気で走ったらどうなるか……。

 

 

「原田?」

 

 

「だ、大樹!残念だったな!無能力者でもまだ諦めたら駄目だ!もしかしたらレベルが上がるかもしれないぞ!だから、「1000円」…ちくしょう」

 

 

誤魔化しても無駄だ。

 

 

「あと楢原ちゃんは【真】の無能力者ですよー」

 

 

なるほど、どんなに頑張っても意味ないのか。能力使えないことが決定しました!拍手!……はぁ……能力使いたかったな……。

 

 

「楢原ちゃん、これが学生証明書ですよ」

 

「ありがとうございます」

 

 

「それとこれを」

 

 

1000円札を三枚渡される。まさか、おこづかい!?

 

 

「スーパーで今日の夕飯と朝食の材料を買ってきてくださいね。あ、ビールも忘れずにお願いしますね」

 

 

ですよねー。さっそくパシリですか。

 

 

「大樹、俺からはこれを」

 

 

原田から小さな携帯電話を渡される……って

 

 

「え!?いいのかよ、こんな高価なもん貰って!?」

 

 

「別にいいよ、それ俺の前の携帯電話だから」

 

 

ありがとう!1000円返さないけどね!

 

「ソーラーパネルを太陽光にあてるだけで充電が可能になるようにしてるからな」

 

 

さすが学園都市。そんなことができるのか。

 

 

「じゃあ、俺は風紀委員の仕事があるからもう行くから何かあったらその携帯電話で連絡してくれ」

 

 

「原田、本当に今日はありがとな!」

 

 

原田はこちらに手を振りながら部屋を出ていった。

 

 

「じゃあ、先生は先に帰りますけど、7時には帰ってきてくださいね」

 

 

そう言って小萌先生も部屋から出た。

 

 

さて、俺も買い物に行きますか。

 

 

_________________________

 

 

俺は買い物を終えて子萌先生のアパートに帰ってきた。途中帰り道で本屋に寄り、料理本を買った。それを参考にしてオムライスを作ってみせた。

 

 

「すっごく美味しいのですよー!」

 

 

と絶賛された。

 

完全記憶で本の内容は全部覚えた。この本は先生にあげよう。独り身だから……ね。

 

 

ピンポン、ピンポーン

 

 

インターホンが二回鳴った。

 

 

「はーい、今出ますですよ」

 

 

ガチャッ

 

 

「どちら様ですー?」

 

 

「こんばんは、小萌先生」

 

 

「上条ちゃん!?」

 

 

「ぶふっ!?」

 

 

俺は訪問者を見てお茶を吹き出した。

 

 

(一日目から展開早いだろ!)

 

 

そこには血まみれのシスターをおんぶしている

 

 

この世界の主人公、上条 当麻がいた。

 

 




感想や評価をくれると嬉しいです。


なるべく早く投稿していきます。


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永遠の約束

通算UAが400越えた!
読んでくれた方々
本当にありがとうございます!

続きをどうぞ


今、俺の目の前には血塗れの少女を背負っている少年が玄関から入ってきた。だから少年に

 

 

「シスターを誘拐とか随分マニアックだな」

 

 

「違うッ!!」

 

「あれ?違うのか?」

 

 

「当たり前だ!……俺が今背中に抱えてるシスターをよく見て同じギャグが言えるかどうか試してみろよ」

 

 

上条は後ろを向き少女の血が見えるようにする。

 

 

「ぎゃああ!?」

 

 

小萌先生が驚く。俺は

 

 

「なるほど、ロリコンか貴様」

 

 

「言えた……だと……!?」

 

 

めっちゃびっくりしてる。だってシスターが何で血塗れなのか知ってるんだもん!

 

 

「……ってあんた誰だよ!?」

 

 

今ごろ?

 

 

「人に名前を聞くときはまず自分の名前から言うのが常識だろ?」

 

 

「えっ、いや、あんたのほうが常識「はよ言え」上条 当麻です……はい」

 

「俺は楢原 大樹だ。事情があって小萌先生と一緒に住まわせてもらっている。ちなみに小萌先生が担当しているクラスに今度転入する予定だ。同じクラスだから仲良くしてくれよな」

 

 

「そうだったのか。こちらこそよろしくな!」

 

 

そう言って上条は俺に笑顔を向ける。だが、

 

 

「てか和んでる場合じゃねぇよおおおおォォォ!!」

 

 

だから気づくの遅いって。

 

 

「人の命が危ないんだぞ!」

 

 

「!」

 

 

俺の顔は驚愕に染まる。そして

 

 

ピッ、ピッ、ポッ、prururururuガチャッ

 

 

『はい、風紀委員の原田ですが』

 

 

「おまわりさん、こいつです」

 

 

「やめろおおおおおおおおォォォォォ!!!!!」

 

 

バシッ!!!! と携帯電話を蹴られる。あ、原田から貰った携帯電話が。

 

 

「すいませんもう時間が本当に無いので勘弁してくださいお願いします」

 

 

と腰を90°曲げて俺にお願いする上条がいた。まぁそろそろ止めておくか。

 

 

小萌先生は終始開いた口がふさがなかった状態だった。

 

_________________________

 

 

上条とインデックスは部屋に上がった。インデックスは床に横たわっている。

 

 

「なぁ、インデックス。なんか俺にやれる事ってないのか?」

 

 

上条はインデックスにそっと話しかける。

 

しかし

 

 

「ありえません。この場における最良の選択肢は、あなたがここから立ち去る事です」

 

 

と無慈悲に告げられた。インデックスの声はまるで機械。感情の無い声だった。

 

 

「……じゃ、先生。俺、ちょっとそこの公衆電話まで走ってきます」

 

 

「て、………え?上条ちゃん、電話ならそこに……」

 

 

と上条はその言葉を無視して、部屋を出ていく。

 

 

「上条!」

 

 

俺も部屋を出る。あ、俺も子萌先生に言い訳を。

 

 

「……小萌先生。俺はコンビニでエロ本を購入するためにちょっとそこまで走ってきます」

 

 

「えぇ!?この状況で何言ってるんですか!?」

 

 

「いざ楽園へ!!」

 

 

「駄目ですよ!!未成年は!!」

 

 

いや、買わないから。…………買わないから。

 

 

_________________________

 

【上条視点】

 

 

 

上条は走っていた。

 

 

何も考えたくなかった。

 

 

ひたすら走り続けた。

 

 

速く、速く、速く走った。

 

 

(俺は何も出来なかった…)

 

 

上条はインデックスを助けることはできない。

むしろ、居るだけで迷惑な存在になっていた。

 

 

(ちくしょう……!)

 

 

上条は右手を握りしめる。

神様の奇跡でも打ち消せるのに、女の子一人を守れなかった。

 

 

(俺があの時、インデックスを引き止めておけば…!)

 

 

今さら後悔しても遅い。この人生(ゲーム)にはセーブやロードは出来ない。もう後戻りは……出来ない。

 

 

(もっと、もっと強かったら…!!)

 

 

魔術師と戦ったあとからずっと考えてた。

 

もしあの時、紙のインクが消えないよう細工されていたら敗北していただろう。

 

 

あの時は運がよかっただけ、本当は負けていた。

 

 

そんな言葉が頭の中から離れない。

 

その時俺は泣きそうな顔になっていた。

 

 

 

 

 

「いつまで暗い顔してるんだ」

 

 

 

 

 

「!?」

 

 

いつの間にか、さっきの少年が横を走っていた。

 

驚いたが、顔に出ないように仮面をかぶる。

 

 

「……なんでついてきた」

 

 

素っ気ない態度をとってしまった。

 

 

「何でそんなに落ち込んでるか聞くために」

 

 

俺を慰めるのか?ふざけんじゃね。

 

しかし俺は

 

 

「インデックスを助けてやれなかったからだ…」

 

 

自然と声に出ていた。

 

 

「何があったんだ?」

 

 

何故か俺は今日あったことを話した。本当は話してはいけないのにと思うも口から言葉があふれるでる。

 

あの時は、インデックスを引き止めておけばよかったこと。

 

インデックスを守れず傷だらけになってしまって後悔したこと。

 

インデックスの回復魔術に俺が回復魔術をするのに邪魔なことが悔しかったこと。

 

 

全部言った。肩で息するほど疲れてしまった。

 

言い過ぎた。

 

そう思った。

 

彼に謝ろうとすると

 

 

 

 

 

「よかったな」

 

 

 

 

 

あり得ない言葉が返ってきた。

よかった?何が?

 

 

「お前話聞いていたのかよ!?」

 

 

「聞いたよ。命懸けで魔術師と闘って彼女を守ったこと。傷を治すために彼女を背負って、子萌先生のアパートまで走ってきたこと。彼女の回復魔術を成功するために出来るだけ遠くに行こうと走ってきたこと……凄いことじゃんか」

 

 

「!?」

 

 

驚いた。こんな評価されるとは思わなかった。

 

その言葉を聞いたとき心が軽くなった。

 

 

「もっと誇ってもいいんじゃないか?」

 

 

駄目だ。俺はそれでも………

 

 

「もうお前にはどうするか分かってるだろ」

 

 

「………」

 

 

「罪悪感なんか抱いてたら、彼女は悲しむぞ」

 

 

わかってる!!

 

でも、俺じゃ……

 

 

 

 

 

「俺じゃ駄目だとか思ってるのか?」

 

 

 

 

 

「!?」

 

 

 

 

 

「今のインデックスには」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前しか頼れる味方がいないんだぞ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………そうか。

 

 

「いいのか?」

 

 

「当たり前だ。今の彼女にとって」

 

 

彼は言った。

 

 

 

 

 

 

「お前しかいないんだ」

 

 

 

 

 

「でも俺はレベル5でも無い。最弱のレベル0だ。」

 

 

「知ってる」

 

 

「不良に喧嘩売られても、自分が不利ならば逃げる」

 

 

「弱いな」

 

 

「そうだな、でも」

 

 

俺は宣言する。

 

 

 

 

 

「インデックスは絶対に助ける」

 

 

 

 

 

言い切った。

 

 

「そうか」

 

 

彼は後ろを向き

 

 

 

 

 

「お前ならできる」

 

 

 

 

 

彼もまた言い切った。

 

 

「回復魔術終わったみたいだ。子萌先生から連絡があった」

 

 

「!」

 

 

「はやく会ってこいよ」

 

 

 

俺はまた走り出した。

 

 

 

 

 

 

さっきより、はやく走れた。

 

 

_________________________

 

【大樹視点】

 

 

 

 

「すげぇな」

 

 

大樹は心の底から感心した。上条に 。

 

幻想殺しがあっても、俺は魔術師と闘えない。

 

きっと怖くて放棄してしまうだろう。

 

 

(励ます必要無かったな)

 

 

彼はきっとドン底に落とされても、絶対に這い上がってくる。守るモノを守るために。

 

上条 当麻は記憶があっても無くても強い人間だった。

 

 

「俺もいつかはあいつみたいになりたいなぁ」

 

 

でも、なることはできない。

 

 

なぜなら

 

 

俺は上条 当麻じゃない、

 

 

楢原 大樹だから。

 

 

俺は俺のやり方を貫く。

 

 

あいつが脇役?いいや、上条は主役だ。

 

 

脇役は俺が…………いや、

 

 

 

 

 

 

 

 

二人で主役するか。

 

 

 

_________________________

 

 

「青春だなぁ」

 

翌日、俺はアパートの部屋の前にいた。スーパーで買い物をして帰ってきたとき、上条の怒鳴り声が聞こえた。

 

何事かと思い盗み聞きしてると……大丈夫みたいだな。

 

上条はインデックスを守る約束をしていた。

 

上条とインデックスを留守番させて正解だったな。

 

 

(俺も覚悟を決めなきゃな…)

 

 

俺は二人のために戦うときがある。

 

その時に俺は悪役になってもいい。

 

 

 

 

 

 

ハッピーエンドを迎える。

 

 

 

 

 

そんなこと決意した。

 

 

「ぎゃああああああァァァァ!!!!!!」

 

 

噛みつかれたか…。上条の叫び声が聞こえた。

 

 

「そろそろ行くか」

 

 

俺はドアノブを回した。

 

 

_________________________

 

 

「おっふろ♪おっふろ♪」

 

 

インデックスはスキップをするほど上機嫌だった。

 

 

(やべぇ、超かわいい)

 

 

なんだあの小動物。お持ち帰りOKですか?

 

上条はインデックスに話しかける。

 

 

「何だよそんなに気にしてたのか?正直、匂いなんてそんな気になんねーぞ?」

 

 

「汗かいてるのが好きな人?」

 

 

「そういう意味じゃねぇッ!!」

 

 

「もしもし、警察でs」

 

 

「やめろッ!!!」

 

 

バシッ!!

 

 

あ、原田から(以下略)

 

 

あれから3日経ち、俺達三人は戦闘に向かっていた。

 

 

あ、戦闘になることは俺しか知らないか、テヘペロ☆

あー、あー、訂正訂正。俺達は銭湯に向かっていった。

 

 

実は子萌先生のアパートは風呂が無いのだ。

だからこの様に銭湯に行くしかないのだ。

 

 

道中でインデックスの話を聞いた。

 

彼女には一年前にあるものを無くした。それは

 

 

記憶だ。

 

 

「くそったれが………」

 

 

上条が呟いてるのが聞こえた。無意識で呟いてるのだろう。

 

こんな小さな少女が魔術師にわけもわからず追い回されていることを考えると俺でも怒りを覚える。

 

 

だけど今は我慢しろ、上条 当麻。

 

 

_________________________

 

 

「あれ?」

 

 

上条が周囲を見渡す。

 

 

「…誰もいない」

 

 

不気味なくらい静かだった。

 

 

「…たぶん、これは」

 

 

「僕が人払いの刻印(ルーン)を刻んだ」

 

 

インデックスが何かを答えようとしたとき、男の声がした。

 

漆黒の修道服を着た2メートル近い身長の人が現れた。髪が赤色に染め上げられ、顔の下にバーコードみたいなタトゥーがある。

 

 

(ステイル=マグヌス……)

 

 

俺は心の中で呟く。敵だ。

 

 

「この一帯にいる人に【何故かここには近づこうと思わない】ように集中を逸らしているだけです。多くの人は建物の中でしょう。ご心配はなさらずに」

 

 

「………」

 

 

次は女性の声が聞こえた。インデックスが上条の後ろに隠れる。

 

ステイルの後ろから女性が歩いてきた。女はTシャツに片足を切ったジーパンを履いていた。腰には2メートルは越えるであろう刀が鞘に収まっていた。

 

 

(……神裂 火織か)

 

 

「魔術師……!」

 

 

上条が敵を睨み付ける。

 

 

(原作通りじゃないな……?)

 

 

原作ならばインデックスとはぐれ、神裂(かんざき)と上条が戦うはずだった。だが、

 

 

(二人同時で来たか…!)

 

 

「インデックス、子萌先生のところに帰るんだ」

 

 

上条がインデックスに引き返すように言う。

 

 

「でも!!」

 

 

「大丈夫だ、約束しただろ」

 

 

「………」

 

 

上条は優しく微笑む。

 

 

「……絶対、絶対に帰ってくるんだよ!」

 

 

「当たり前だ。帰ってくるときはコンビニでお前の好きなアイス買ってきてやる」

 

 

インデックスは泣きそうな顔になるが我慢し、来た道を走って引き返した。

 

 

「いいのかい?あの子を一人にして?僕らの仲間がすぐに追いかけに行くよ?」

 

 

「それはあり得ないな」

 

 

「……なぜそう思うのですか?」

 

 

ステイルの嘘を大樹は見抜いた。神裂は俺に理由を聞く。理由?簡単だろ。

 

 

「俺はお前らを知っているからだ」

 

 

「……理解出来ないですね」

 

 

「する必要なんかねーよ。なぁ上条?」

 

 

「あぁ、そうだな」

 

 

俺達は二人の魔術師を挑発する。

 

 

 

 

「「どうせここでお前らとここで決着をつけるからな」」

 

 

 

 

俺達二人は拳を握り締めた。

 

 

 




次回はバトルパートです。

頑張って書きます。


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最弱は最強に

転生条件の例を使って簡単に復習をします。

主人公、大樹が転生する。

転生先で一緒に転生する人を選ぶ。

一緒に転生。

新しい世界で大樹と前の世界の人と過ごす。

そして新しい世界で同じように一緒に転生する人を選ぶ。

三人で新しい世界に転生。

繰り返す。

分かりにくてすいません。

続きです。今回はバトルパートです。


俺達二人は魔術師と睨みあっていた。

 

沈黙が続くなか、神裂が沈黙を破る。

 

 

「自己紹介はまだでしたね。神裂 火織(かんざき かおり)と申します。……できれば、もう一つの名は語りたくないのですが」

 

 

「救われぬ者に救いの手を(Salvere000)」

 

 

 

「「!?」」

 

 

神裂の魔法名を言う前に、俺が言った。

 

神裂とステイルの顔に驚きが走る 。

 

 

「な、なぜ知っているのですか!?」

 

 

「俺は指をくわえて見てるのは嫌なんでね。ずっとお前らのこと調べてたんだよ」

 

 

嘘です。本当はこの世界に来る前から知っていた。

 

 

「……無能力者がそこまでできるとはな」

 

 

ステイルが問う。

 

 

「弱者には弱者の戦いかたがあるんだよ。レベルで相手の強さを判断すると痛い目見るぞ」

 

俺は中指を立てて、魔術師の二人に言ってやった。

 

 

 

 

 

「レベル0を甘く見るんじゃねぇ」

 

 

 

 

 

「「………」」

 

 

二人の目付きが変わった。

 

そろそろ始める時だ。

 

 

ダッ!!

 

 

上条が先手を取るためにステイルに向かって走る。

 

だが、

 

 

「【魔女狩りの王(イノケンテイウス)】!」

 

 

ステイルの目の前に炎の巨神が現れた。

 

炎の巨神は上条に殴ろうとする。上条は臆することなく右手で迎えた。

 

 

バシュンッ!!

 

 

しかし、炎の巨神は消えなかった。実際は幻想殺しは発動しているが、消されていると同時に新しい炎が生み出さしている。おかげで炎の巨神は存在を保っている。

 

 

(上条が足止めしている今がチャンス…!)

 

 

ステイルに向かって走ろうとした時、

 

 

「七閃」

 

 

「!?」

 

 

俺は慌てて横に飛び回避する。

 

 

ドゴンッ!!

 

 

その瞬間、元居た場所のアスファルトの地面が抉り取られた。神裂はその光景に驚いていた。

 

「初見であれを回避しますか…」

 

 

「あんなモノ、見えれば簡単だろ」

 

 

「…見えるのですか」

 

 

「あぁ、ワイヤーだろ」

 

 

大事なことだからもう一回言うけど、前から知ってる。

 

 

「本当にあなたはレベル0ですか?」

 

 

「おう、【真】のレベル0だッ!!」

 

 

俺は神裂に向かって走る。

 

 

「七閃」

 

 

神裂が迎え撃つが、

 

 

「遅い!」

 

 

「!?」

 

 

大樹は神裂の後ろを取った。身体強化で音速を越える速さで神裂の後ろを取ったのだ。

 

 

(この私が後ろを取られるなんて…!?)

 

 

神裂は刀を盾にして、防御をする構えをする。

 

が、大樹には無意味だった。

 

 

「邪魔だッ!!!」

 

 

回し蹴りを刀にぶち当てる。

 

 

ミシッ!!

 

 

「!?」

 

 

刀からいやな音が聞こえた。

 

 

「ッ!」

 

 

折れるのを防ぐために力を受け流す。

 

 

「七閃!」

 

 

力を受け流しながらカウンターをくりだす。

 

大樹は七閃が来る前に後ろに飛んで回避する。

 

 

(また避けられた…!?)

 

 

自分の攻撃が一度も当たらないことに驚愕する神裂。

 

 

「灰は灰に 、塵は塵に、吸血殺しの紅十字!!」

 

 

「!?」

 

 

ステイルの手に炎が渦巻き、上条に向かって炎を飛ばした。上条は右手だけでは無理と分かり、急いで横に飛んで回避する。

 

が、

 

 

「七閃」

 

 

大樹から距離を取った神裂は大樹が次の攻撃を仕掛ける前に上条に攻撃する。

 

 

「ッ!?」

 

 

何かに引き裂かれるような痛みが上条の体を襲う。そして、上条は後ろにふっ飛ばされる。

 

 

「上条!」

 

 

大樹が上条の名前を呼ぶ。上条はすぐに立ち上がり、大丈夫なことを見せつける。

 

 

「……何でだよ?」

 

 

上条が呟く。

 

 

「何でインデックスを傷つけるんだよ」

 

 

「「………」」

 

 

二人の魔術師は沈黙する。

 

 

「知ってんのかよ。アイツ、テメェらのせいで一年ぐらい前から記憶がなくなっちまったんだぞ?一体全体、どこまで追い詰めりゃそこまでひどくなっちまうんだよ」

 

 

返事はない。

 

 

「黙ってたら何も分からないだろ?」

 

 

しばらく黙っていたが

 

 

「僕だって、できればこんなことしたくなかったんだ」

 

 

ステイルが口を開く。

 

 

「けどこうしないと生きていけないんです。」

 

 

神裂も口を開く。

 

二人の表情は悲しい顔をしていた。

 

 

「…死んで、しまうんですよ」

 

 

「ッ!?」

 

 

上条は驚きで声も出ない。

 

 

「完全記憶能力、という言葉は知っていますか?」

 

 

「ああ、一度見たモノを残さず覚える能力だろ。」

 

 

神裂の問いに上条は答える。

 

神裂はうなずき、代わりにステイルが続ける。

 

 

「彼女の性能は凡人。僕たちとほぼ変わらないんだ。」

 

 

「………?」

 

 

「彼女の脳は85%以上が禁書目録。10万3000冊に埋め尽くされているんだ。残り%15をかろうじて動かしている状態でさえ、僕達とほぼ変わらない凡人なのさ」

 

 

「何が言いたい?」

 

 

ステイルの言葉に苛つきを感じている上条。

 

 

「僕達は消したんだよ」

 

 

「だから何が言いたい!?」

 

 

上条は大声を上げる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「記憶を」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その言葉を聞いた瞬間、上条の顔が青くなってた。

 

ステイルは上条に構わず続ける。

 

 

「さっき僕は彼女脳の85%が禁書目録だと言ったね。彼女は常人の15%しか脳が使えない。並の人間と同じように記憶していけば、脳がパンクする。つまり」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「死んでしまうんだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

上条の呼吸が、死んだ。

 

それほどの驚きだった。

 

ステイルは悲しそうな顔を横にそむけた。

 

上条はもう考えることを放棄しかけたが、【否定】を探すことで脳を働かせる。

 

 

「だって……だって……おかしい。お前……だって、残る15%でも、俺達と同じだって……」

 

 

「はい。確かに言いました。」

 

 

上条の質問に神裂が答える。

 

 

「ですが、彼女に私達と違うモノがあります。」

 

 

「なるほど、ここで完全記憶能力が問題になるのか」

 

 

神裂の代わりに俺が答える。

 

神裂はうなずき、俺の答えを肯定する。

 

俺は言葉を続ける。

 

 

「インデックスは完全記憶能力のせいで、15%をすぐに埋めてしまいパンクしてしまう。それを防ぐためにお前らは一年前、インデックスの記憶を消したんだな」

 

 

「その通りです」

 

 

神裂は認めた。

 

 

「今のが正しいのなら、お前らとインデックスは仲間なのか?」

 

 

「はい。彼女は私の同僚にして……………………大切な……………親友です」

 

 

血を吐くように、神裂は言った。つらい表情だ。

 

 

「それをインデックスは覚えていない。だからインデックスはお前らを悪人だと思ったのか」

 

 

「………」

 

 

俺の言葉に返事は返ってこなかった。

 

 

「何だよ。そりゃ」

 

 

上条は激怒した。

 

 

「なんだよそりゃ、ふざけんな!!アイツが覚えてるか覚えてないかなんて関係あるか!!」

 

 

上条の怒号は止まらない。

 

 

「いいか、分っかんねぇようなら一つだけ教えてやる。」

 

 

上条は二人に人差し指を指す。

 

 

「俺はインデックスの仲間なんだ、今までもこれからもアイツの味方であり続けるって決めたんだ!!」

 

 

インデックスが傷つけられたあの日。上条は決意した。

 

 

「テメェらのお得意の聖書にかかれてなくたって、これだけは絶対なんだよ!!」

 

 

「「………」」

 

 

神裂とステイルは黙る。

 

 

「なんか変だと思ったぜ、単にアイツが【忘れてる】だけなら、全部説明して誤解を解きゃ良いだけの話だろ?」

 

 

上条は続ける。

 

 

「何で誤解したままにしてんだよ、何で敵として追い回してんだよ!!テメェら、なに勝手に見限ってんだよ!!アイツの気持ちを何だと

 

 

その先は聞こえなかった。

 

 

 

 

 

「うるっせえんだよ、ド素人が!!!」

「黙れ、能力者が!!!」

 

 

 

 

 

なぜなら二人が大声を上げて上条を怒鳴りつけたからだ。

 

神裂は怒鳴り続ける。

 

 

「知ったような口を利くな!!私達が今までどんな気持ちであの子の記憶を奪っていたと思ってるんですか!?分かるんですか、あなたなんかに一体何が!!」

 

 

火に油を注いだようにさらに叫ぶ。

 

 

「私達がどれほどの決意の下に敵を名乗っているのか!!大切な仲間のために泥を被り続ける私やステイルの気持ちが、あなたなんかにわかるんですか!!!」

 

 

「っ!?」

 

 

神裂の豹変ぶりに驚く上条。

 

次にステイルが叫ぶ。

 

 

「僕達だって足掻いて、足掻き続けたんだ!!思い出を作ったりして忘れないようにたった一つの約束をして日記や写真を胸に抱かせて!!」

 

 

神裂同様、ステイルも叫ぶ。

 

 

「日記を見ても、写真を見ても………彼女は謝るんだ。ゴメンなさいっと。それでも諦めないで何とか記憶を残そうとした。何度も繰り返した。何度も、何度も、何度も!!」

 

 

そしてステイルは静かに告げる。

 

 

「それでも、家族も、親友も、恋人も、全部………無に還るんだ」

 

 

ステイルは俯く。

 

神裂が言葉を続ける。

 

 

「私達は………もう耐えれません。これ以上、彼女の笑顔を見続けるなんて、不可能です」

 

 

神裂も俯いてしまった。

 

 

 

 

 

「「ふざけんな!!!」」

 

 

 

 

大樹と上条は叫ぶ。

 

上条は右手を握りしめる。自分の爪が皮膚に食い込んで今にも血が出てしまいそうになるくらい。

 

 

「んなモノは、テメェらの勝手な理屈だろうが」

 

 

大樹は二人を睨めつけながら言う。

 

 

「インデックスの事なんざ一瞬も考えてねぇじゃねぇか!!」

 

 

上条は足に力を入れながら怒鳴る。

 

 

「ハッ、笑わせんじゃねぇ」

 

 

鼻で笑い大樹は二人を馬鹿にする。

 

 

そして、上条が

 

 

 

 

 

「テメェらの臆病のツケをインデックスに押し付けてんじゃねぇ!!!」

 

 

 

 

 

叫ぶと同時に走る。

 

ステイルは炎の巨神で上条の進路を妨害する。

 

上条は再び炎の巨神を右手で殴る。がさっきと同じように消えなかった。

 

 

「無駄だ、君には倒せない!」

 

 

「ああ、俺だけでは倒せないな」

 

 

上条は大樹を見ながら言った。

 

大樹は神裂にから七閃の攻撃を避け続けていた。

 

 

(まだか…!?)

 

 

大樹は心のなかでは焦っている。

 

大樹は上条を見ていた。いや、炎の巨神を見ていた。

 

 

(まだ消えないのかよ!)

 

 

大樹は七閃を避けながら走り続ける。そして、

 

 

(これでどうだ!)

 

 

次の瞬間、炎の巨神は消えた。

 

 

「馬鹿な!?なぜ消えた!」

 

 

ステイルは辺りを見渡すと、あるモノが目に入った。

 

 

 

 

 

大樹がばらまかれているはずのルーンを何十枚も手に持っていたからだ。

 

 

 

 

 

大樹は笑みを浮かべて「どうだ?」と言わんばかりの顔をしていた。

 

 

「い、いつの間に…!?」

 

 

ステイルは声に出して驚いていたが、神裂のほうが驚いていた。

 

 

(私の攻撃を避けながらルーンを回収していた!?)

 

 

上条はステイルに向かって走り続ける。

 

 

「しまった!?」

 

 

「ステイル!」

 

 

神裂はステイルを呼ぶ。助けようと七閃を

 

 

「どこ見てんだよ」

 

 

「!?」

 

 

神裂はミスを犯してしまった。大樹から目をはなしてしまったことを。

 

すぐ目の前に大樹が構えていた。

 

 

 

 

 

「「うおおおおおおおおォォォ!!!!」」

 

 

 

 

 

上条はステイルの顔に右ストレート。

 

大樹は神裂に回し蹴りを。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギリギリのところで当てなかった。

 

 

「「………」」

 

 

魔術師は驚いて放心していた。そして、負けたことを悟った。

 

 

「「俺達の勝ちだ、この野郎!!」」

 

 

勝敗が決した。

 




感想や評価をくれると嬉しいです。

通算UA800越えました。

とても嬉しいです。ありがとうございます。


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あの子の笑顔を見るために

禁書目録編最後です。

いつもより長くなっております。


「ほら、俺が大好きな缶コーヒーだ。味は保証する」

 

「ありがとう」

 

 

「ありがとうございます」

 

 

ステイル、神裂の順で二人に缶コーヒーを渡す。

この缶コーヒー、ここの自動販売機だけしか売ってないんだよ。うめぇー。

 

 

「何でお前ら和んでるんだよ!!!」

 

 

上条は大声でツッコミをする。

 

俺達は戦いのあと、俺のお気に入りの場所の公園のベンチで休憩していた。

 

上条がうるさいので弄ることにしよう。

 

 

「うるさいぞ、ロリコン」

 

 

「誰がロリコンだ!?」

 

 

神裂が俺の言葉に驚き、

 

 

「彼女に手を出させません…!」

 

 

「するか!!」

 

 

「ロリコンでもいいんじゃないか?」

 

 

「「「お前は何を言っている、ステイル!?」」」

 

 

ステイル………お前………。

 

 

「でも、上条よりは大丈夫だな」

 

 

「俺はそこまで信用ないのか……」

 

 

「「「だって【歩く教会】壊して裸にしたじゃん」」」

 

 

「はいちょっと待って、何で知っているの皆さん?神裂とステイルが知っているのは分かる。でも裸にしたことまで何で知ってるの?そして大樹は一番知らないはずだぞ?場合によってはお前警察呼ぶよ?」

 

 

「……呼ばれて困るのはあなたじゃないですか?」

 

 

「………」

 

 

神裂の冷静な答えに上条は黙ってしまう。哀れ、上条。

 

 

「話を戻すぞー、俺達が仲良くやってるのは目的が同じ。つまり、インデックスを救うことだ。共闘しても損はないだろうが」

 

 

話が進みそうになかったので、俺が話を戻す。

 

 

「だから俺は神裂に止めを刺さなかった、上条もな」

 

 

上条は俺の言葉にうなずいて肯定する。

 

 

「さて、ここから真面目な話をするぞ」

 

 

こうして、インデックスを助けるための作戦会議が始まった。

 

 

_________________________

 

 

「単刀直入に言う。インデックスを助ける方法を」

 

 

「「「はえーよ!!!」」」

 

 

開始二秒で解決策が出ました。だって知ってるもん☆

 

 

「……今から話すことはステイルと神裂は覚悟して聞いてくれ。」

 

 

俺は声のトーンを落とす。

 

二人は迷う事なくうなずいた。目は真剣だった。

 

 

「分かった。話すぞ」

 

 

俺は話始める。

 

 

「まず、インデックスの脳の状況を言えるか上条?」

 

 

「……85%が10万3000冊の本が記憶されている。そして残りの15%あるけど、完全記憶能力のせいで一年間で埋め尽くされてしまい、脳がパンクして……死んでしまう」

 

 

「ああ、合ってるか二人とも?」

 

 

上条の声は小さくなっていたが、俺達にはちゃんと聞こえた。ステイルと神裂は俺の言葉にうなずく。

 

 

「そうインデックスの脳の85%は本で埋め尽くされているんだ」

 

 

大樹は三人に問う。

 

 

「なぁ、おかしいと思わねーか?」

 

 

もっともおかしな点について。

 

 

「85%って?」

 

 

魔術師の二人は未だに意図が分からず戸惑っている。

 

が、上条は顔を真っ青になっていた。あることに気がついたから。

 

 

 

 

 

「どうやって、どうやって85%という数字が分かったんだ…!?」

 

 

 

 

 

「「!?」」

 

 

魔術師の二人も気付いたみたいだ。

 

 

「そうだ、科学ですらそんなこと分からないのに何故魔術側の人間が分かるのか」

 

 

俺は静かに言う。

 

 

 

 

 

「答えは単純。俺達は魔術師に騙されていたんだ」

 

 

 

 

 

三人を絶句させるには十分だった。

 

 

「「「………」」」

 

 

大樹は三人を気にせず続ける。

 

 

「それと、脳がパンクして死ぬって言ったけど」

 

 

俺は言う。

 

 

 

 

 

「ありえねぇから」

 

 

 

 

 

完全記憶能力なんかじゃ死なないことを。

 

 

「し、しかし!」

 

 

神裂は反論する。

 

 

「彼女は10万3000冊もの本を覚えているのですよ!!だから」

 

 

 

 

 

「例えどれだけの図書館の本を覚えても脳がパンクされるなんて脳医学上ありえない話なんだ」

 

 

 

 

 

「……………」

 

 

科学的に無理。そう否定することで神裂を黙らせた。

 

 

「……僕達は、僕達は何をしていたんだ」

 

 

ステイルは拳を握り締める。

 

 

「僕達は彼女を傷つけていただけじゃないか!!!」

 

 

ステイルは唇を噛み締める。

 

神裂は俯いたが、

 

 

「………彼女は一年が経つ3日前に予兆が起きます」

 

 

「予兆?」

 

 

上条が聞く。

 

 

「はい、記憶がパンクする予兆です」

 

 

「でも、それはさっき……」

 

 

「分かっています。ですが、予兆で強烈な頭痛に襲われるんです。ですから」

 

 

信じきれないんだな俺の話を。

 

でも、予兆の原因ぐらいなら分かる。

 

 

「馬鹿が。俺達は魔術側の人間に騙されていたんだ。だったら魔術師がインデックスに細工を施したって考えるのが当たり前だろ。一年周期前に頭痛が起きるように」

 

 

「………」

 

 

神裂は俺の言葉に何も言うことは無くなった。

 

次に上条が声を出す。

 

 

「なら、インデックスにかけられた魔術」

 

 

真剣な目で俺を見る。

 

 

 

 

 

「それを解けばインデックスは助かるのか?」

 

 

 

 

 

「「!?」」

 

 

魔術師の二人は顔を上げる。

 

 

「その通りだ」

 

 

俺は答える。まだ希望はあるということ。

 

 

「俺達はインデックスに細工されている魔術を解除するんだ」

 

 

「……ってやるよ」

 

 

俺の言葉に上条が賛同する。

 

「10万3000冊の本を守るためだけにインデックスを傷つけないといけないというなら

 

 

 

 

まずは、その幻想をぶち殺すッ!!!」

 

 

 

 

上条は右手を握り締めながら言った。

 

 

「僕達も協力させてくれ」

 

 

ステイルが言う。

 

 

「彼女を救いたいのは私達も同じです」

 

 

神裂がステイルに続けて話す。

 

これで役者は揃った。

 

 

「それじゃ、助けるか」

 

 

俺の言葉にうなずく三人。

 

 

「インデックスを」

 

 

_________________________

 

 

 

作戦会議(インデックスを助けるとか大雑把に決めただけ)が終わった直前、電話が掛かってきた。小萌先生からだ。

 

 

俺は席を立ち、その場から少し離れ電話をとる。

 

 

「もしもし?」

 

 

『な、楢原ちゃん!大変です!シスターちゃんが!』

 

 

「!?」

 

 

俺は小萌先生から知らせを聞き、すぐに三人のところに戻る。

 

 

「おい!!インデックスが!!」

 

 

 

 

 

倒れた事を伝えた。

 

 

 

 

 

俺達は魔術師を連れて、子萌先生のアパートに戻った。

 

_________________________

 

 

「ではお願いしますねー」

 

 

子萌先生はそう言って部屋から出ていく。

 

あの後、俺達は子萌先生のアパートの部屋まで走って(俺と神裂は超人的スピードで上条とステイルを置いてきた)戻ってきた。

 

そして子萌先生は銭湯に行き、俺と神裂で布団で横になっているインデックスの看病をしている。

 

 

10分後……

 

 

「た、ただいま……」

 

 

汗だくになった上条&ステイル帰宅 。おい、いつからお前らの家になった。

 

 

「い、インデックスは大丈夫か!?」

 

 

「た、倒れてる奴に言われたくないと思うよ僕は……」

 

 

「いいからはやく来いお前ら」

 

 

玄関で倒れてる上条とステイルに来るように言う。

 

 

「インデックスは何で倒れたか分かるか?」

 

 

俺が二人に質問する。

 

 

「さきほど話した予兆です」

 

 

「強烈な頭痛のことか」

 

 

神裂の答えに上条が答える。神裂はうなずき肯定する。

 

 

「僕達は脳がパンクする予兆だと聞かされた」

 

 

ステイルが続ける。

 

 

「でも、記憶を消さなくてもいいと分かった。なら予兆での頭痛の原因を取り除かなければならない」

 

 

「どんな魔術が掛けられているか分かるか?」

 

 

俺の質問に二人は首を横に振る。

 

上条は自分の右手をインデックスの頭にのせる。

 

 

「駄目だ、何も起きない」

 

 

「………前から思っていたのだがその右手は一体どんな能力が?」

 

 

ステイルは上条の右手を見て、疑問を口にする。

 

 

「俺の右手は異能の力ならなんでも消すことができるんだ」

 

 

「……それで頭に魔術が掛かっているなら打ち消せると思ったわけか」

 

 

ステイルは右手の謎に納得したようだ。

 

 

「……まだインデックスに触れてないところを」

 

 

「「変なところ触ったら殺す」」

 

 

「触るか!!」

 

 

ステイルの手には数枚のルーン。神裂はいつでも七閃ができる体制。おい落ち着けお前ら。

 

 

「………!」

 

 

上条が何か思い付いたようだ。

 

上条はインデックスの口を開き中を見る。そして右手を彼女の口に入れる。ステイルと神裂は上条の真剣さを見て静かに見ていた。

 

そして、

 

 

 

 

 

バギンッ!!

 

 

 

 

 

「ッ!?」

 

 

上条の右手が勢い良く後ろに飛ばされた。

 

 

「避けろッ!!!!」

 

 

「「「!?」」」

 

 

ステイルが大声を出す。その瞬間、何かが爆発し、飛ばされた。

 

玄関まで飛ばされ、ドアが壊れ、部屋の廊下にドアと一緒に飛ばせれる。ステイルと上条は本棚にぶつかり、神裂は玄関で膝をついていた。

 

……一応全員意識があるみたいだ。

 

しかしそんなことを気にしている場合じゃなかった。

 

インデックスは部屋の奥で立っており、

 

 

 

 

 

目には真っ赤な魔方陣が光っていた。

 

 

 

 

 

「警告、第三章第二節。Index-Librorum-Prohibitorum」

 

 

インデックスは機械のように何かを言っている。

 

 

「禁書目録の【首輪】、第一から第三まで全結界の貫通を確認。再生準備………失敗。【首輪】の自己再生は不可能、現状、10万3000冊の【書庫】の保護のため、侵入者を迎撃を優先します」

 

 

とインデックスは壊れた本棚のそばにいる上条を見る。

 

 

「【書庫】内の10万3000冊により、防壁に傷をつけた魔術の術式を逆算………失敗。該当する魔術は発見できず。術式の構成を暴き、対侵入者用の特定魔術(ローカルウェポン)を組み上げます」

 

 

インデックスは

 

 

 

 

 

「侵入者個人に対して最も有効な魔術の組み込みに成功しました。これより特定の魔術【(セント)ジョージの聖域】を発動、侵入者を破壊します」

 

 

 

 

 

魔術を発動した。

 

 

 

 

 

バギンッ!!

 

 

 

 

 

インデックスの目にあった2つの魔方陣が大きくなる。直径が2メートルを越える2つの魔方陣が重なるようにし、左右の目の中心に固定された。

 

 

「          」

 

 

インデックスは何かを歌う。内容は理解できない。人の言葉ではないからだ。

 

そして魔方陣は輝き、空間を引き裂くように真っ黒な亀裂が四方八方に走り抜け、1つの防壁みたいなモノをつくりだした。

 

 

刹那、

 

 

 

 

 

ゴッ!!!

 

 

 

 

 

亀裂の奥から光の柱が上条に襲いかかった。

 

 

「!?」

 

 

上条はとっさに右手を出し打ち消す。が、消えない。

 

 

(【魔女狩りの王(イノケンテイウス)】と同じような効果か!?)

 

 

上条はステイルと戦った時を思い出す。

 

 

「ど、【竜王の殺息(ドラゴン・ブレス)】!?」

 

 

「そもそも何であの子が魔術を…!?」

 

 

ステイルと神裂は驚く。

 

 

「そんなことは後回しだ!!上条を援護しろ!!」

 

 

俺は上条を助けるように言う。

 

 

「上条の右手がインデックスに触れれば助けれる!!」

 

 

ステイルと神裂の目が見開く。

 

 

 

 

 

「お前らがずっと望んできたことだろッ!!!」

 

 

 

 

 

ステイルと神裂の心に火をつけるのは簡単だった。

 

 

「Fortis931」

 

 

ステイルの服の内側から何万枚というカードが飛び出した。壁や床、天井を隙間なく埋まった。

 

 

「命を助けることができるなら僕はそのためなら誰でも殺す。いくらでも壊す!そう決めたんだ、ずっと前に」

 

 

ステイルはルーン一枚右手に持ちながら言う。

 

 

そのとき上条の腕が弾き飛ばされた。

 

上条に光の柱が襲いかかる。が

 

 

「Salvare000!!!」

 

 

神裂は魔法名を叫ぶ。

 

神裂は畳に七閃をあてた。インデックスは足場を失い後ろに倒れ込む。光の柱は上を向く。そのときに壁と天井が一気に引き裂かれた。光の柱は雲まで引き裂く。

 

破壊された部分が光の羽となり、はらはらと舞い散る。

 

 

「それは【竜王の吐息(ドラゴン・ブレス)】。伝説にある(セント)ジョージのドラゴンの一撃と同義です!!右手の力があるとはいえ、人の身でまともに取り合おうと考えないでください!!」

 

 

神裂は上条に叫んでいた。

 

上条はそれを分かった上でインデックスに向かって走りだす。

 

だが、インデックスが上条に再び光の柱を当てるため、狙いを定めようとする。

 

 

「【魔女狩りの王(イノケンテイウス)】!!!」

 

 

上条の前に炎の巨神が現れ、上条の盾となる。

 

 

「行け、上条 当麻!!」

 

 

ステイルは初めて上条を名前で呼ぶ。

 

上条はぶつかりあう炎と光を迂回してインデックスのもとに走る。

 

 

「警告、第六章第十三節。新たな敵兵を確認。戦場の検索を開始………完了。現状、最も難易度の高い敵兵【上条 当麻】の破壊を優先します」

 

 

光の柱がもう一度上条に向く。が炎の巨神が上条をまた守る。

 

あと1メートル。そこまでインデックスに迫っていた。

 

 

「ダメです!!!上!!!」

 

 

神裂が大声を上げる。

 

上条の頭上に光の羽が舞い降りてきた。羽に触るとダメージが与えられる仕組みになっているのだろう。

 

「警告、二十二章第一節。炎の魔術の術式の逆算に成功しました。曲解した十字教の教義(モチーフ)をルーンにより記述したものと判明。対十字教の術式を組み込み中………第一式、第二式、第三式。命名、【神よ、何故私を見捨てたのですか(エリ・エリ・レマ・サバクタニ)】完全発動まで十二秒」

 

 

光の柱が赤く染まった。

 

光の柱が炎の巨神を押している。炎の巨神が消えるのも時間の問題だろう。

 

上条は、

 

 

 

 

 

光の羽を無視してインデックスに向かって右手を出した。

 

 

 

 

 

上条は光の羽が自分に当たることよりインデックスを助けることを優先した。

 

 

上条は心のなかで叫んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この物語(せかい)が、神様(あんた)の作った奇跡(システム)の通りに動いてるってんなら

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まずは、その幻想をぶち殺す!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バギンッ!

 

 

上条の右手がインデックスの頭に触れた瞬間、展開していた魔方陣が壊れた。

 

 

「警、こく。最終……」

 

 

もう何を言っているのか分からなくなっている。

 

 

「再生、不可………消」

 

 

ブツンッ

 

 

インデックスの口からはもう何も聞こえない。目を閉じ、その場に崩れ落ちた。

 

上条はインデックスが転ばないように優しく抱き寄せる。

 

 

 

 

 

その時、上条の頭に光の羽が舞い降りきていた。

 

 

 

 

 

が、

 

 

 

 

「正義を語る矢よ!!」

 

 

 

 

 

大樹が叫ぶ。

 

 

 

 

 

「一刻の時、一矢に悪を貫く光をやどしたまえ!!」

 

 

 

 

 

弓を引く。

 

 

 

 

 

「【アストライアーの聖矢】!!!」

 

 

 

 

 

矢の先から100を越える光の矢が放たれる。

 

光の矢は光の羽を全て消した。

 

 

 

 

 

「もっと自分の体、大切にしろバカ野郎」

 

 

 

 

 

そこには弓を構えた楢原 大樹がいた。

 

 

_________________________

 

 

「朝ごはんできたぞー、集まれー」

 

 

「やったー!!」

 

 

インデックスが一番にちゃぶ台の前に席につく。そのあとインデックスに続いてどんどん席につく。上条が最後についた。そして

 

 

「「「「「「いただきます」」」」」」

 

 

「楢原ちゃーん、醤油とってくださいー」

 

 

「はいよー」

 

 

「おかわりなんだよ!」

 

 

「はいはーい、ってはえーよ!!」

 

 

平和な朝食だった。だが上条は違った。

 

 

 

 

 

「なんでお前らも居るんだよ!」

 

 

 

 

 

ステイルと神裂に上条は言った。

 

 

「うるさいぞ、ご飯くらい静かに食べるんだ」

 

 

ステイルに怒られる上条。

 

 

「え?この状況をおかしいと思っているの俺だけなの?」

 

 

「火織、お茶のおかわりなんだよ!」

 

 

「はい、どうぞ」

 

 

「……………」

 

 

ここで何かを言えば異端者扱いされると思ったのだろう。上条、まじ哀れ。

 

 

俺が弓を射った後、インデックスと上条は救われた。

 

俺はインデックスにステイルと神裂の誤解を解いてやったが、インデックスが怒っていた。しかし、最後には仲直りをした。神裂は号泣してずっとインデックスに抱きついており、ステイルはインデックスを背に向けて、プルプル肩を震わせていた。

 

え、俺と上条?ああ、帰ってきた小萌先生に部屋が壊れているのを見られ、廊下に正座させられてました。トホホ。

 

そのあとは部屋を直しました。俺と上条で。

 

 

俺があの時に射った矢はインデックスに手伝って貰って台所の下に隠していたんだ。俺が材料を集めインデックスがお祈りをしてくれたモノだ。比率で表すと1:9で俺が左でインデックスが右だ。俺何もしてねーじゃん。役立たずジャン?

 

そして、あの時に射った。

 

ちなみにあの後ステイルと神裂に壊された。これがあると、ある国が戦争を始めるらしい。こわっ!

 

アストライアー。

 

ローマ神話の正義の神の名前だ。ゼウスとテミスのあいだの娘。

 

昨日はこの神に世話になった。サンキュー。

 

いやいや本当に感謝してるよ。だって上条に降っている光の羽を打ち落とすだけだったのに全部打ち消すからびっくりしたよ。

 

それに、

 

 

(こうしてご飯を一緒に食べれるのだから)

 

 

俺は神に祈りを捧げた。

 

 

_________________________

 

 

「真ん中がいいんだよ!」

 

 

「私も真ん中がいいですー!」

 

 

「何喧嘩してんだよ、二人一緒に真ん中居ればいいだろ?」

 

 

「僕はここでいいよ」

 

 

「ステイル、そこは写りませんよ」

 

 

「よーし、撮るぞー」

 

 

インデックス、子萌先生、上条、ステイル、神裂は部屋で並んでいた。

 

俺はカメラにタイマーをセットしていた。

 

ご飯を食べたあと俺は風紀委員の原田が貸してくれたカメラをインデックスが見てみんなで撮りたいと言い出した。ステイルは嫌がっていたがインデックスの一言で撃沈した。おいインデックスに甘過ぎるだろお前。

 

そして、部屋の中で撮影している。

 

 

「ごー、よーん」

 

 

秒数を数えながら五人のところに行く。

 

 

「さーん、にー、いち!!!」

 

 

パシャッ

 

 

 

 

 

その写真には

 

 

敵としてインデックスを追い回したステイルと神裂。

 

 

敵から一年近く必死に逃げてきたインデックス。

 

 

それを助けるために右手を握り締め戦った上条。

 

 

インデックスを魔術を使い助けてくれた子萌先生。

 

 

そして俺。

 

 

そんな彼らはたくさんの事があった。敵対したり、傷つけあったり、泣いたり。

 

 

みんなが幸せに解決できる方法。そんなモノはないと思っていた。

 

 

一生交わることはない、平行線だと。

 

 

 

じゃあ何故彼らは写真を撮っているのか?

 

 

簡単だ。

 

 

俺達は目的が同じだったからだ。

 

インデックスを救うという目標が。

 

誤解と魔術側の人間が嘘を吐いたのが原因だ。

 

そのせいで、命懸けで戦ったりした。

 

でも

 

 

それを解くことができた。

 

 

そして最後には一緒に戦った。

 

 

助けたい人を助けれた。

 

 

そして、今……。

 

 

 

 

 

この写真には、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全員が笑顔で写っていた。

 

 

 




通算UAが1200越えました。

感謝の気持ちでいっぱいです。

次回は超電磁砲編に入っていきます。



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超電磁砲編 科学実験

ここからは超電磁砲編です。





 

「「あちー」」

 

 

俺と原田は声に出して夏の暑さについて感想を言った。

 

俺と原田は炎天下の大通りを歩いていた。

 

 

あの事件の後、しばらくはステイルと神裂は一緒に子萌先生の部屋に住んでいたが、次の仕事があるそうなので、イギリスに帰るらしい。

 

 

「もう帰るのか?」

 

 

「次の仕事があるからね」

 

 

俺の質問答えるステイル。

 

 

「それより」

 

 

その時、ステイルはR指定が入るほどの怖い顔になり、

 

 

「僕らを騙したあいつらを灰にしてやらないとね……」

 

 

やべぇ、目がマジだ。神裂に止めてもらうように言わないと。

 

 

「ステイル」

 

 

神裂が買い物から帰ってきた。

 

 

「釘とハサミと金づち、それにチェーンソーを買ってきました」

 

 

「ありがとう、助かるよ」

 

 

さらば魔術師。安らかに眠れ。俺にはあいつらを止めれない。

 

 

 

そして二人を見送って帰る途中、原田と会ったというわけだ。

 

原田はこれからデパートで買い物をするらしい。だったら俺も夕飯の材料を買うから同行させてくれ。というわけだ。

 

 

「ま、まだか?」

 

 

「も、もう少しだ……」

 

 

俺は8回目になるであろう質問をする。それに8回答える原田。

俺達はバス賃を節約するため歩いてデパートに向かうことにしたが、遠いです。ものすごく。

 

俺達はフラフラと歩いていった。

 

 

_________________________

 

 

「着いた…」

 

 

原田が呟く。おい死ぬな、ここまで来て。

 

デパートに入ると

 

 

「「Oh…,It’s cool!!」」

 

 

あまりの涼しさに英語になっちまったぜ☆

 

 

「よーし、行くぞ!」

 

 

スーパーハイテンションになった原田と一緒に歩く。お前誰だ。

 

 

「原田は何を買いに?」

 

 

「〇〇〇〇〇!」※卑猥の言葉なので伏せています。

 

 

「帰れ」

 

 

なんて言葉を公共の場で発言してんだよ!

 

 

「冗談だよ冗談」

 

 

冗談で済まされる言葉じゃねーよ。

 

 

「本当は新刊の本を買いに来たんだ」

 

 

「近くの本屋じゃだめなのかよ?」

 

 

「ここの本屋のほうが1日早く出るんだ」

 

 

なるほど。

 

 

「タイトル名は?」

 

 

「俺の〇〇〇〇が〇〇〇

※卑猥の言葉なので伏せています

 

 

「お前いい加減にしないとぶっ飛ばすぞ」

 

 

原田が全部を言い終わるまえに声を被せる。こいつまじぶっ飛ばそうかな?

 

 

「いや、ほんt」

 

 

ゴッ!

 

 

「ヘブンッ!?」

 

 

原田に右フックを入れる。いや本当なら、なお悪いわ。

 

 

「目的違うし別行動なー」

 

 

床に倒れた原田を無視して夕飯の材料を買いに行った。

 

 

「い、いってら………しゃい……」

 

 

よく言えたなおい。

 

 

_________________________

 

 

ピンポンパンポーーーーーーーーーーーーーーーン

 

 

『今から一階の休憩大ホールで伊瀬(いせ)医科高校の生徒、三年、宮川 慶吾(みやがわ けいご)の研究ショーが始まりす。ふるってご参加してください』

 

 

最後音なげーよ。どうしたら出るんだよ。

 

放送案内が流される。

 

 

ピンポンパピ、ピンポ、ピンポンパンポーン

 

 

やり直しばっかしてんじゃね。失敗しすぎだ。

 

俺は放送を流した人を少し心配する。クビにされそうで怖いわ。

 

 

(まだ時間あるし見に行くか、暇潰しに)

 

 

俺は一階の休憩大ホールに向かった。

 

 

_________________________

 

 

「こんにちは、宮川 慶吾です」

 

 

俺が着いた時に丁度始まった。

 

休憩大ホールの真ん中に円形状のステージの上に白衣を着た少年、宮川がいる。そして回りには人がそ囲み、用意された椅子に座っている。客は100を越えるほどいた。そのせいで椅子には座れなかったので、後ろのほうで立って観ることにした。

 

 

「私が長年研究してきたモノが遂に完成しました」

 

 

宮川は手を広げ、言う。

 

 

「それをここで発表したいと思います!どうぞ!」

 

 

客は入り口からやって来た、赤い布が掛かった大きな四角形が運ばれてきたモノに拍手する。

 

 

「これが僕が開発したものです!」

 

 

赤い布を宮川は取る。

 

箱の中には水が入っていた。そう水だけしか入ってなかった。

 

観客がざわざわと騒ぐ。

 

 

「これは僕が作った特殊な水です」

 

 

おおお、と観客は歓喜の声を上げる。

 

 

「この水はどんなモノでも吸収する水なんです」

 

 

観客の頭の上に?がたくさんでる。

 

 

「論より証拠。そして、これを見てください」

 

 

そういって宮川は薄い茶色の球体を取り出す。

 

そして、

 

 

 

 

 

「核爆弾です!」

 

 

 

 

 

「「「「「なにいいいいィィィ!!!」」」」」

 

 

何てモノを取り出すんだ!?

 

観客は騒ぎ出した。

 

 

「お、落ち着いてください!これは本物ではありません!」

 

 

そ、そりゃそうか。本物持ってくるわけないよな。持ってきたらそいつは相当頭がいってるな。

 

観客は静かになる。

 

そして、

 

 

 

 

 

「レプリカです。半径1500メートルしか爆発しません!!」

 

 

 

 

 

「「「「「わああああああァァァァ!!!」」」」」

 

 

こいつは頭がいってるな。

 

 

「これを今ここで爆発させます!」

 

 

「「「「「やめろおおおおォォォォ!!!」」」」」

 

 

あ、スイッチみたいなの押しやがった。

 

 

「これで15秒後には爆発します!!」

 

 

「「「「「おいいいいィィィ!!!」」」」」

 

 

自由すぎるだろアイツ!?

 

宮川は核を水の中に入れた。

 

 

「皆さん、観ていてください!核が爆発を吸収される瞬間を!!」

 

 

観客たちは静かになり、水槽を観る。

 

なるほど。これが実験か。

 

 

「大丈夫です!!爆発しません!!」

 

 

観客は笑顔に

 

 

「ぶっつけ本番ですが問題ありません!成功します!」

 

 

「「「「「おおありじゃあああァァァァ!!」」」」」

 

 

ならなかった。むしろ泣いている人やお祈り捧げる人まで出た。世紀末かここは。

 

そして、

 

 

 

 

 

バフンッ!

 

 

 

 

 

間抜けな音を出して爆発した。

 

水槽は割れていない。

 

 

「せ、成功したあああああァァァァ!!!」

 

 

「「「「「よかったあああァァァァ!!!」」」」」

 

 

超巨大隕石は地球を避けました!と同じ位喜んでるな。

 

宮川も喜んでいた。

 

 

「よかった。作ってよかった」

 

 

泣いてるし。が

 

 

「核の使用許可が出ないから2年かけて作ってよかった…!」

 

 

とんでもないことを言い出した。

 

 

「み、水を長年かけて作ったんじゃないのか…?」

 

 

観客の一人が聞く。

 

 

「え?いや、水は7日で出来たよ?」

 

 

もうなんなのこいつ?

 

 

「僕は核を作りたかったんだ」

 

 

何か語りだしたぞ。

 

 

「でも製作の許可が取れなかった…」

 

 

当たり前じゃ、ボケ。

 

 

「でも僕は諦めなかった!そして僕は2年かけて作り出した!核を!!」

 

 

違法だからな?それ。

 

 

「そして核を爆発させたかった」

 

 

殺人鬼になりたいの、お前?

 

 

「被害が出ないようにはどうすればいいか考えた」

 

 

爆発させないという考え方はないのか。

 

 

「だから俺はこの水を一週間で作り上げた!」

 

 

もうついていけねー。

 

 

「そして僕は今日爆発させれたんだ!!」

 

 

そうですかー。よかったですねー。あ。

 

 

「僕はこれからも核を「確保ー」……… Ha?」

 

 

ガシャンッ!

 

 

宮川の腕には手錠をかけられる。

 

 

「ちょっと署で話をしようか」

 

 

「(^q^)」

 

 

違法なのは知ってたんだな、あいつ。

 

 

「君の罪は重い。だが」

 

 

ん?

 

 

「そこの水を爆弾処理班に提供して罪を償わないか?」

 

 

「!?」

 

 

おお、これは良い展開に

 

 

「核以外を爆発させるだと!?この外道が!!」

 

 

核を爆発させるお前のほうがよっぽどの外道だ。

 

 

「………とりあえず行こうか」

 

 

ポリスが諦めやがった。ちょっとは何か言えよ。

 

こうして、研究ショーは終わった。客は全員口を開けていた。

 

_________________________

 

 

「ネギ安かったなー」

 

 

ネギが一本20円で売っていた。10本買っても200えーん。

 

野菜が安かったので沢山買ってきました。今夜は野菜パーティーだ!!

 

原田からメールを受け取り、集合場所のベンチで休憩していた。

 

 

(肉抜き野菜炒め、金平ゴボウ、ほうれん草のお浸し他には………)

 

 

俺は今晩のメニューを考えていた。肉……肉も食いたいなぁ。今から買ってくるか?

 

 

その時、

 

 

 

 

 

ドゴオオオオォォォォ!!!!!

 

 

 

 

 

「!?」

 

鼓膜が破けるような音がした。

 

 

(爆発!?)

 

 

デパートの客は逃げる。そして

 

 

『この建物は我々が貰った。死にたくなければすぐにこの建物から立ち去れ』

 

 

放送が流れた。

 

 

ガガガガガッ!!!

 

 

同時に、銃声が鳴り響いた。

 




少し執筆状況を話します。

転生する世界は3つ目まで考えてあります。(1つ目はとあるです)
もし4つ目はこの世界にいってほしいという意見も受付てありますのでよろしくお願いいたします。

執筆状況はストックは全くない状態です。完成したらすぐに出すようにしています。
次はこの時間までには書くのでよろしくお願いいたします。



感想や評価をくれると嬉しいです。


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永遠反射 (エターナルリフレクト)

オリジナル能力がでてきます。


続きをどうぞ。


【原田視点】

 

 

大樹に殴られた後、俺は本屋に向かっていた。もちろん、発売される本を買いに。え?卑猥な本を?違う違う。R-18だから安心しろ。

 

本を買ったあと、大樹を合流しようと思ったが

 

 

「お、白井じゃん」

 

 

ツインテールの少女は振り返る。

 

 

「原田先輩!」

 

 

白井(しらい)がこちらに走ってきた。

 

白井 黒子(くろこ)は俺の後輩だ。まだ中学生なのにレベル4。俺なんか高3でやっとレベル4だぞ!

 

 

「先輩はどうしてこちらに?」

 

 

「俺は本を買いに来たんだ、白井は?」

 

 

「わたくしはご友人と待ち合わせをしておりますの」

 

 

「あー、引き止めて悪かったな」

 

 

「いえ、約束まで時間はまだありますので」

 

 

白井は声のトーンを落とし、

 

 

「それよりも先輩に聞いてほしいことが」

 

 

「………場所を移そう」

 

 

白井の真剣さ理解し、喫茶店へ入っていく。

 

適当に注文し、白井が口を開く。

 

 

「単刀直入に聞きます」

 

 

「何だ?」

 

 

「【知的能力の低下(キャパシティダウン)】をご存知でしょうか?」

 

 

「あれか」

 

 

知的能力の低下。

 

能力者の演算能力を大幅に阻害する音響兵器。

 

レベル4である白井は全く使えなくなり、レベル5でもかろうじてしか使えない。能力者に最悪な状況を巻き起こす代物だ。

 

 

「聞いたことはあるが見たことはないな」

 

 

「その装置の強化版が作られていることは?」

 

 

「!?」

 

 

それは初めて聞いた。もしそんな物を作られたら……!

 

白井の言うことに驚愕する。

 

 

「先日、取り締まった者たちがそんなことを話していました」

 

 

「信憑性は?」

 

 

「高い方だと思われます」

 

 

これを悪用されたらとんでもないことが起きる。

 

 

「具体的な強化内容は分かるか?」

 

 

「……………」

 

 

白井は黙っていたが重い口を開いた。

 

 

「レベル5の能力を完全使わなくさせるほど」

 

 

「………」

 

 

ここまでは予想どうりだ。だが

 

 

 

 

 

「距離は半径1キロメートルまで可能になったらしいです」

 

 

 

 

 

「!?」

 

 

俺は目を見開く。ありえないモノでも見るのような顔になる。

 

 

 

 

 

「しかも小音量でも500メートルは効果があるそうです」

 

 

 

 

 

俺は呼吸をするのを忘れていた。

 

白井は続ける。

 

 

「なので発見が困難になるそうです」

 

 

「まじかよ……」

 

 

俺は上を見てそう呟いた。

 

その時、注文の品が来た。

 

俺はブラックコーヒーを、白井は紅茶を飲む。

 

 

「わかった。今日の定例会で話しておこう」

 

 

「ありがとうございます」

 

 

「お礼を言うのはこっちのほうだ」

 

 

定例会でこれを言えば被害を出さずに済むかもしれない。

 

 

「ではわたくしはこれで」

 

 

「おう」

 

 

と白井が席を立つと、

 

 

 

 

 

ドゴオオオオォォォォ!!!!

 

 

 

 

 

「「!?」」

 

 

爆発音がした。

 

 

「な、なんですの!?」

 

 

白井が驚く。そのとき

 

 

『この建物は我々が貰った。死にたくなければすぐにこの建物から立ち去れ』

 

 

ガガガガガッ!!!

 

 

アサルトライフルの銃声が鳴った。悲鳴も聞こえる。

 

 

「お姉様!!」

 

 

「待て!!白井!!」

 

 

引き止めたが遅かった。すでにもういない。能力で移動したのだ。

 

白井の能力【空間移動(テレポート)

 

名前の通り空間を瞬間移動する能力だ。おそらく既に放送の犯人のところに行ったのだろう。

 

俺も喫茶店を出ようと立ち上がるが、

 

 

頭が締め付けられるような痛みが襲ってきた。

 

 

「ぐッ!?」

 

 

俺はその場に倒れた。立ち上がろうとするが全く動けない。

 

 

(せ、せめて応援を…!)

 

 

俺は携帯電話を取りだし、緊急のボタンを押した。

 

 

 

 

 

「緊急事態発生!!場所は電話から逆探知しろ!!」

 

 

 

 

 

今一番大事な事を言うんだ。

 

 

 

 

 

「【知的能力の低下】だ!無能力者でのチームを作り上げ、迅速に対処しろ!!」

 

 

 

 

 

俺はもう喋ることが出来ないような痛みに襲われ、携帯電話を手から放した。

 

 

_________________________

 

 

【第三者視点】

 

 

「人質は?」

 

 

「8人です」

 

 

「……ひとり増えてないか?」

 

 

「風紀委員が人質の救助をしようとしたため装置を起動して無力化しました」

 

 

黒の覆面を被った二人が話す。

 

人質は手を縄で縛られて一ヶ所に集められている。

 

4人は女子中学生、残りの4人は男子高校生だ。

 

そのうちの6人はぐったりと横になっている。意識はかろうじてある。

 

その周りを四人の覆面が囲む。

 

見張り役として入り口と出口に2人待機させている。黒の覆面は合計で10人だ。

 

 

「よし、爆弾はあるか?」

 

 

「はい、ここに」

 

 

覆面の一人が爆弾を取り出す。

 

 

「いつでも起動出来るようにしろ」

 

 

覆面の男は爆弾に細工をする。

 

 

「どうしてこんなことをするの?」

 

 

その時、一人の女子中学生が声を出した。

 

 

「ああ?」

 

 

覆面は苛立ちを隠さず、彼女に近づく。

 

 

「金だよ!金!」

 

 

覆面は笑いながら続ける。

 

 

「ここにある金は全部とった!あとはお前らと助けにくるやつらをこの爆弾で殺すのさ!」

 

 

「ど、どうして殺す必要が…!」

 

 

少女は怖くなるが、勇気を出して質問する。

 

 

「んなもん、証拠隠滅に決まってんだろ。わずかな証拠でも消す。当たり前だろ?」

 

 

覆面はナイフを取りだし、

 

 

「そうだ、俺に歯向かった記念にお前から殺すか?」

 

 

「!?」

 

 

少女の顔が真っ青になる。

 

 

「や、やめなさい…!」

 

 

倒れている少女が止めるように促す。だが、

 

 

「誰が止めるかよ、ばーか」

 

 

覆面は嘲笑い、ナイフを少女の首に当てた。

 

 

「ほら、その気になったらいつでも死ねるぞ?」

 

 

少女は動けなくなり、一言も声を出せなくなった。

 

 

「さっきの威勢はどうした?」

 

 

覆面は声を上げて笑う。

 

 

そして、

 

 

 

 

 

「じゃあな、お嬢ちゃん」

 

 

 

 

 

 

ゴスッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

刹那、ナイフを持った覆面が消えた。

 

 

否、覆面は20メートル先にある壁まで転がっていた。

 

 

「「「「「!?」」」」」

 

 

残った5人の覆面が驚く。

 

ナイフをもった覆面がいた場所に一人の少年が立っているからだ。

 

 

「だ、誰だ!?」

 

 

「どうやってここまで!?」

 

 

「見張りはどうした!?」

 

 

入り口には二人の覆面が倒れていた。体から力が抜けてピクリとも動かない。

 

それを見た五人は銃を少年のほうに構えた。

 

 

「撃て!!!」

 

 

覆面の誰かが言うと、一斉に射撃しようとした。

 

が、

 

 

 

 

 

既にその場所には少年がいなかった。

 

 

 

 

 

「「「「「!?」」」」」

 

 

そして、

 

 

「ガハッ!?」

 

 

一人の覆面が倒れる。

 

後ろには、

 

 

 

 

 

さきほどの少年がいた。

 

 

 

 

 

「い、いつの間に!?」

 

 

「能力者!?」

 

 

「ば、馬鹿な!?装置を発動してるんだぞ!?」

 

 

「か、構わん!!撃て!!!」

 

 

ガガガガガッ!!!

 

 

「危ないッ!!」

 

 

誰かが声を上げるが

 

 

少年は前に向かって走りだした。

 

 

 

 

 

弾を避けながら

 

 

 

 

 

そして、一人を右の拳でぶん殴った。

 

覆面は後ろに飛んでいき壁に衝突する。覆面はあまりの衝撃の強さに気絶した。

 

「う、嘘だろ!?」

 

 

弾を避けられたことに驚愕する三人。

 

 

「何事だ!?」

 

 

出口を見張っていた二人の覆面が走ってきた。

 

 

「く、来るな!!」

 

 

誰かが声をあげたが、遅かった。

 

少年は片方ずつの手を使って応援に来た二人の顔を掴み、地面に叩きつけた。

 

 

「ガッ!?」

 

 

「ッ!?」

 

 

突然の出来事に一人は声すらあげれなかった。

 

 

「クソッ!!」

 

 

一人は30センチメートルのナイフを取りだし、少年に突っ込む。

 

 

ガシッ!!

 

 

 

 

 

そして、少年はナイフの刃を掴んだ。

 

 

 

 

 

ピチャッ

 

 

少年の手から血がしたたる。地面には小さな血の水たまりができる。

 

 

「ヒッ!?」

 

 

覆面は恐怖に顔を歪ませる。そして

 

 

バギンッ!!

 

 

 

 

 

少年は手に力を入れてナイフを折った。

 

 

 

 

 

少年は足に力を入れて、

 

 

ドゴッ!!

 

 

「グフッ!!」

 

 

回し蹴りを覆面の横腹に当てた。

 

覆面は10メートルほど吹っ飛び、白目を剥いて動かなくなった。

 

 

「う、うごくな……」

 

 

声がしたほうには銃口を女の子に向ける二人の少女がいた。

 

 

「う、うごいたら撃つぞ!?」

 

 

少年は覆面を睨んだまま動かない。

 

そして、

 

 

「おい、今なら殺せるぞ!?」

 

 

「俺が撃つのか!?」

 

 

「いいから撃て!!!」

 

 

もうひとりはこちらに銃を向ける。

 

そして、

 

 

少年はハイスピードで銃を少女に向けた覆面との距離をゼロにした。

 

 

ドゴッ!!

 

 

覆面が蹴り飛ばされる。

 

 

「アガッ!!」

 

 

「!?」

 

 

もうひとりの覆面が急いで銃を少年に向ける。

 

 

「ば、化け物…!」

 

 

だが、覆面は撃つことはできなかった。

 

 

 

 

 

恐怖に支配されたせいで。

 

 

 

 

 

少年は最後の一人に近づく。

 

 

「………化け物か」

 

 

少年は初めて口を開く。

 

 

「俺はお前らの方が化け物に見えるぜ」

 

 

少年は血が出ている右手を握り締める。

 

 

「無差別に人質を捕まえ……」

 

 

少年は覆面を睨み付ける。

 

 

「女の子に恐怖を与え、殺そうとしたやつに」

 

 

少年は覆面に向かって走り、

 

 

 

 

 

「人間様を語ってるんじゃねぇッ!!!!!」

 

 

 

 

 

覆面の顔をぶん殴った。

 

 

_________________________

 

 

【大樹視点】

 

 

現在進行形で俺は今ぶちキレてる。

 

 

覆面の奴らをボコボコにした。

 

 

俺は植木ばちに隠してある機械に目を向け

 

 

(うるせぇ音だな)

 

 

ガシャンッ!

 

 

蹴っ飛ばした。耳障りだ。

 

その瞬間、

 

 

バチバチッ!!

 

 

倒れていた女子中学生が青い火花を散らして縄をほどいていた。電気で縄を切ったのか。

 

 

シュンッ!

 

 

もう一人の少女は瞬間移動して脱出していた。

 

 

って、

 

 

 

 

 

「ありがとう、助かったわ」

 

 

「わたくしからもお礼を言いますわ。どうしようもできない状況でしたので」

 

 

 

 

 

御坂(みさか) 美琴(みこと)と白井 黒子がいた。

 

 

 

 

 

(はあああああああァァァァ!!!!!???)

 

 

びっくりした。 超びっくりした。さらに、

 

 

「助けていただいてありがとうございます!」

 

 

「友人を救って頂きありがとうございます!」

 

 

 

 

 

佐天(さてん) 涙子(るいこ)初春(ういはる) 飾利(かざり)もいた。

 

 

 

 

 

俺、原作キャラクター四人を一気に助けた。まじで?

 

テンションが上がってきた俺に、

 

 

「「「「ありがとうございます!!」」」」

 

 

男子高校生がお礼を言う。あ、こいつらは知らねぇや。

 

 

「大樹!!」

 

 

女の子たちと会話しようとしたら声がかけられた。誰だ!?俺のイチャイチャを邪魔しようとするやつは!?

 

声がするほうを見ると原田が走ってきていた。

 

 

「大丈夫か!?」

 

 

「おう、テロリストを10人ボコボコにしてぐちゃぐちゃにしただけだ」

 

 

「そうか、なら………ってよくねーよ!!!」

 

 

ノリツッコミか。

 

 

「しかも最後グロい!?本当に大丈夫なのかよ(テロリスト)!?」

 

 

「ああ、俺はこれが終わったら結婚するって決めてたからな。死ぬわけにはいかねーよ(テロリスト?死んだ)」

 

 

「死亡フラグをたてんじゃねー!(……安らかに眠れ!)」

 

 

ぎゃーぎゃーうるさいな。あとアイコンタクトで会話するなよ俺たち。

 

 

「あの……」

 

 

男子高校生の一人が話しかけてきた。

 

 

「なんだ?」

 

 

俺が答える。

 

 

「さっきからこれ減っているですけど?」

 

 

「減ってる?」

 

 

それを見てみると

 

 

 

 

 

爆弾についている液晶の画面が59、58、57と減っていた。

 

 

 

 

 

「おい、これって……」

 

 

「お前のせいだぞ大樹。フラグをたてるから」

 

 

 

 

 

 

「「「「「ああ、こいつはやばい」」」」」

 

 

 

 

 

 

声を揃えてみんなで言う。

 

 

「おい、やべぇ!!これ核爆弾のレプリカだ!!」

 

 

「な、なんで分かるんだ!?」

 

 

「あの馬鹿が!!ちゃんと処理しろよ!!」

 

 

「俺の質問に答えろ!!」

 

 

「うるせぇ!!」

 

 

「逆ギレ!?」

 

 

「こいつは半径1500メートルを吹っ飛ばすほどの威力だ!!」

 

 

「「「「「はああああああァァァァ!!??」」」」」

 

 

40秒

 

 

「ど、どうすんだよ!大樹何とかしろ!」

 

 

「風紀委員の貴様が何とかしろ!」

 

 

「わ、私が電気で操作できます!」

 

 

「「!?」」

 

 

俺と原田の言い争いに提案をする御坂。

 

 

だが

 

 

「で、でもそれはONのボタンだけで構成された爆弾です!一方通行になっていてOFFにすることはできません!」

 

 

初春が無理だと言う。

 

 

25秒

 

 

「み、水だ!!」

 

 

「な、何言ってんだ!?」

 

 

「一階の休憩大ホールに水槽がある!その中で爆発させれば助かる!」

 

 

「駄目だ!!走っても間に合わねぇ!!」

 

 

ここは二階の一番奥の場所でかなり距離がある。

 

 

15秒

 

 

「そこでお前の能力だ!!」

 

 

「はぁッ!?」

 

 

「いいから爆弾に能力発動しろおおおォォ!!」

 

 

「わ、分かった!!」

 

 

10秒

 

 

「できたぞ!!」

 

 

俺は爆弾を掴み、

 

 

 

 

 

「いっけえええええェェェ!!!!!!」

 

 

 

 

 

豪速球で投げた。

 

 

「「「「「はぁッ!!??」」」」」

 

 

全員が声を上げる。

 

 

「何しとんじゃボケ!!」

 

 

「いっけえええええェェェ!!!!」

 

 

「うるさいわ!!!!」

 

 

3秒

 

 

「全員伏せろおおおォォォ!!!」

 

 

爆弾は、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

爆発しなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「た、助かったのか?」

 

 

原田が声をあげる。

 

 

「ま、まじでか……」

 

 

大樹が驚いていた。

 

 

「いや、お前がどうにかしたんだろ?」

 

 

原田がたずねる。

 

 

「だ、だって成功するわけないと思ってたから」

 

 

「そもそも何をしたんですか?」

 

 

佐天が質問する。

 

 

「ついてきたら分かると思う」

 

 

大樹はそう言って歩きだした。

 

他の人も大樹について行った。

 

 

_________________________

 

 

「ここだ」

 

一階の大ホールだった。円形状のステージに上に四角形の水槽がある。てか男子高校生も居るし。

 

 

 

 

 

その中にさきほどの爆弾の残骸があった。

 

 

 

 

 

原田と白井は驚愕した。他の者は首を傾げて?を頭に浮かべる。

 

 

「おい………嘘だろ…!?」

 

 

原田が声をだす。

 

 

「ど、どうしたのよ黒子?」

 

 

御坂が聞く。

 

 

「…原田先輩はレベル4ですの」

 

 

説明を始める。

 

 

「能力は【永遠反射(エターナルリフレクト)】」

 

 

「どんな能力なんですか?」

 

 

次に佐天が聞く。

 

 

「物体に反射能力を与える能力だ」

 

 

今度は原田が説明する。

 

 

「ビー玉に反射能力を与えて、壁に飛ばすと1分は部屋の中を反射し続けることができる」

 

 

「そんなのでレベル4なんですか?」

 

 

初春、少しはオブラートに包めよ。

 

 

「初春、反射した物体は加速していくのですよ?」

 

 

「「「?」」」

 

 

みんな理解してないのか……。

 

 

「加速した物体をぶつけられたら?」

 

 

「あー、なるほどそれは痛いですね」

 

 

みんな理解したみたいだな

 

 

「人の肌にぶつかっても物体は反射します。それを利用して」

 

 

白井は苦虫を潰したような顔をして

 

 

「犯人が立て籠った部屋に大量のビー玉を投げ込んで全身アザだらけにさせた事件もありました」

 

 

「「「うわぁ…」」」

 

 

犯人に同情する三人。俺も聞いたとき同情した。

 

 

「最後は泣きながら部屋から出て来ました……」

 

 

白井も同情してるな。

 

 

そこで御坂は理解した。

 

 

 

 

 

「まさか、あそこから投げ、反射を利用してここに入れたの…!?」

 

 

 

 

 

「「「「「!?」」」」」

 

 

 

 

 

「反射も計算に入れてな」

 

 

「しかも丁度水の中で爆発させないと水槽の底で跳ね返ってしまいますの」

 

 

絶句された、俺を見て。やべぇ何か言わないと。

 

 

「………俺、人間だけど?」

 

 

「「「「「それはない」」」」」

 

 

「……………」

 

 

 

規格外おめでとう、俺。




永遠反射 (エターナルリフレクト)

物体をスーパーボールのように反射できるようになる能力。

跳ね返れば跳ね返るほどスピードは上がり、物体の威力は上がる。
止めようと思えば、能力を消すこともできる。

ビー玉を一分間反射できると言っていたが、実はビー玉に反射能力をしたところ、一分しか耐えれず、壊れてしまったからである。

デメリットは大きな物体や人体には使えない。風や水、電気といった形が無いものには使えないこと。

レベル4なのは物体がある程度反射しないと威力が強くならないからである。


長い能力説明、申し訳ありません。

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強さの象徴

続きです。


「「「「レベル0!?」」」」

 

 

「お、おう」

 

 

び、びっくりした~。危うく心臓が破裂するところだったぜ。何で飛び出さないんだよ、グロい。

 

 

俺達はあの事件の次の日、助けてくれたお礼がしたいと言われた。断ろうとしたが原田に「無理矢理でも連れて来る!」と俺の服などに能力を使われ、ファミレスに連れてこられた。原田?ああ、俺をバスケットボールみたいに扱ってくれたから、お礼として原田にはサッカーボールになってもらい、お星様の刑に処した。

 

 

(生きてるかな?)

 

 

まぁ、反射能力をうまく使って生きてるだろ。どうやってかは知らないけど。

 

で、今俺達はコの字のテーブルにいるが、左上から初春、佐天、俺、御坂、白井の順で座っている。

 

 

「【知的能力の低下(キャパシティダウン)】が効かなかったのはそういうことだったのですね」

 

 

白井が納得した様子でうなずくが、

 

 

「ではあの時は身体能力だけで犯人を!?」

 

 

初春が声を驚きの声をあげる。だから声がでかい!

 

 

「えっと、初春?もう少し静かにしないと…」

 

 

「はっ」

 

 

店員さんがこちらを睨んでいる。

 

 

ニコッ(^-^)

 

 

睨んでいる店員さんに最高のスマイルを送ってやった。

 

 

ハァ(´Д`)

 

 

なんか呆れられた……。

 

 

「な、なんかすいません…」

 

 

「言うな、何も言うな」

 

 

俺の笑顔ってあれなのか?あれなのか?

 

俺はレベルの話をする前に自己紹介をした。その時に呼び方はどうするか?ということになったが、俺は皆の苗字を【さん】や【ちゃん】を付けずに呼ぶことで決定だが、一人だけ例外がいる。

 

次に俺の呼び方をどうするかになったが、初春と佐天は大樹先輩、白井は楢原先輩と呼ぶことになった。

 

ただ、

 

 

「なにやってんのよ、あんたは」

 

 

「いや、笑顔は世界を救えるからこのファミレスも救ってやろうと」

 

 

「何救うのよ?」

 

 

「短パンお嬢様」

 

 

「だ~い~き~?」

 

 

「まじすんませんでした」

 

 

俺は地面に頭をしっかりとつけて土下座する。中学生に頭を下げる俺。マジカッコ悪い。

 

御坂は俺のことを大樹と呼ぶ。そして

 

 

「美琴こえー」

 

 

「何か言った?」

 

 

バチバチッ!!

 

 

「夕飯は親子丼にしようって言いました、サー!!」

 

 

美琴の電撃を見て俺は自衛隊に負けない綺麗な敬礼をする。

 

そう、俺は御坂のことを美琴と呼ぶことになった。

 

なんで呼ぶのかって?それはファミレス集合時間の15分前の出来事だった。

 

 

 

 

 

「大丈夫かなあいつ?」

 

 

俺は原田を蹴り飛ばした後、一人でファミレスの前で待っていた。

 

 

「あ」

 

 

常盤台中学の制服を着た御坂が来た。

 

 

「こんにちは」

 

 

「ああ、こんにちは」

 

 

向こうから挨拶をしてきた。もちろん俺も返す。

 

 

「あの時はありがとうございました」

 

 

「いやいや、当然のことをしただけだから」

 

 

お互いに微笑みを交わす。

 

その時、タイミング悪く、携帯電話が鳴った。

 

 

「ごめん、ちょっと話してくる」

 

 

「気にしないでください」

 

 

ええ子やの~。誰だ!幸せの一時を邪魔するのは!

 

 

『もしもし?俺だけど』

 

 

「くたばれ」

 

 

『……俺何かしたか?』

 

 

電話をしてきたのは上条だった。

 

 

「要件を8文字以内に言え」

 

 

『………右手がもげた』

 

 

「……Really?」

 

 

『まじだ』

 

 

もしかして?

 

 

「魔術師?」

 

 

『よくわかったな』

 

 

「魔術師と戦って右手が厄介だから斬られたと」

 

 

『凄いな、そこまで分かるのか!!』

 

 

「俺がお前と戦ったら同じことする」

 

 

『やめてくれ』

 

 

「右手が無くなったから介護して欲しいから電話してきたのか?」

 

 

『いや、右手はあるよ』

 

 

「そうか。用件はなんだヒトデ野郎」

 

 

『ひどっ!!』

 

 

「悪い悪い、どうせお前のことだから何があっても死なないと思ってたから」

 

 

『俺は人間だ』

 

 

「用件なに~?」

 

 

『無視かよ。まぁいいや。用件はインデックスの』

 

 

「お大事に」

 

 

『ま、待ってくれ!殺される!助けて!』

 

 

「すまないな、俺はこれから常盤台の人と食事するから」

 

 

『まってえええェェェ!!!』

 

 

インデックスの食欲はやばい。3日分はあったはずの食料が半日で無くなったことがある。きっとお腹の中にブラックホールがあるに違いない。

 

 

『って常盤台?何でそんなお嬢様達と飯なんか食うんだ?』

 

 

「助けてくれた礼がしたいってさ」

 

 

『何やったんだお前?』

 

 

「テロリストをボコボコにして核爆弾をどうにかした」

 

 

『お前人間か?』

 

 

ブチッ、ツー、ツー

 

 

prururururu,、ピッ

 

 

『切るなよ!!』

 

 

だって~、俺のこと~、馬鹿にしたも~ん。

 

 

『てか常盤台ってビリビリがいたな』

 

 

御坂のことか。

 

 

超電磁砲(レールガン)のこと?」

 

 

『そう、そのビリビリ』

 

 

「実はそのビリビリと食事するんだが」

 

 

『……………………………………………………………まじ?』

 

 

「まじ」

 

 

沈黙長すぎだろ。

 

 

「今からそっちにビリビリを送るから」

 

 

『やめて!もう体がもたない!』

 

 

「選べ!①インデックスを世話してもらえるがビリビリがお前に超電磁砲を撃つ②ビリビリは来ないがインデックスがお前に噛みつく」

 

 

『いやだ!どっちもいやだあああァァァ!!!』

 

 

「③お金で解決」

 

 

『汚なッ!!貧乏な人から金を取るなんて!!』

 

 

「④俺、Mだから①と②、どっちも受ける!」

 

 

『誰がMだッ!!違うわッ!!』

 

 

「⑤爆死」

 

 

『何で死ぬんだよ!?』

 

 

「⑥ロリコンになる。あ、もうロリコンかw」

 

 

『やかましいわッ!!!!』

 

 

「否定は………しないのか」

 

 

『違う!俺は「⑦次は左手がもげる」……聞けよ!!』

 

 

上条弄るの楽し~。そろそろ終わるか。

 

 

「⑧インデックスの世話をしてやる。借りは返せ」

 

 

『⑧ッ!!!』

 

 

元気ありすぎだろ。本当に病人?

 

 

『それじゃ頼んだぜ!』

 

 

「おう、まかせろ」

 

 

そして、電話を切った。

 

さて、戻るか。

 

 

 

 

 

ここで俺は失敗した。

 

 

あの時、上条の電話なんかに出るんじゃなかったことを。

 

 

御坂がファミレスの前の看板を見ている。俺はそんな素敵な女の子に声をかける。

 

 

 

 

 

「ごめん!待たせたな、ビリビリ」

 

 

 

 

 

無意識って怖いわー。

 

 

「………」

 

 

「あ」

 

 

御坂が固まってる。い、言い訳しないと!

 

 

「え、えっとその、これには」

 

 

「何で私が嫌いなあだ名を知っているんですか?」

 

 

顔は笑顔だが、目がやばい。超怒ってるわ。

 

 

「お、俺の友達だ!俺の友達が言っていたんだ!」

 

 

俺は上条を売る。

 

 

「もしかして?あの能力を何でも消しちゃうあいつですか?」

 

 

コクコクッ!

 

 

うなずいて肯定する。友達って時には犠牲になってもらってもいいよね?

 

 

「へぇー、あいつの仲間かー」

 

 

何か駄目な方向に進んでる気がする……。

 

 

「あいつと同じようにあたしをビリビリって呼ぶの?」

 

 

ついに敬語の「け」の字も無くなった。

 

 

「いや、それは無い!見下してない!」

 

 

やばい!機嫌を直さないと!

 

 

「ほら!俺は能力を消せないし!弱いし!」

 

 

「テロリストをボコボコにするようなやつが?」

 

 

「弱くないですね、はい」

 

 

万事休すか… …。

 

 

バチバチッ!

 

 

青白い火花が弾け飛ぶ。ヒッ!!

 

 

「お、俺はお前を見下さない!」

 

 

怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い!!何か言わないと!(脳フル稼働中)

 

 

「こんなに可愛いお嬢様を見下す?そんなことはしない!」

 

 

「か、かわっ!?」

 

 

御坂の顔が赤くなる。やばい怒ってる!

 

 

「お前とは対等な存在になってほしい!」

 

 

「ふぇっ!?」

 

 

さらに顔が赤くなる御坂。

 

対等な存在になるには?対等な存在ってどうすれば?そもそも俺は誰だ?(脳がオーバーヒートしました)

 

 

「俺のことは大樹と呼べ!」

 

 

「どういうこと!?」

 

 

「対等な存在には名前で呼ぶことだろ!!」

 

 

「いや、そういう「君の名前は!!」み、御坂 美琴!」

 

 

「美琴!!」

 

 

「は、はい!」

 

 

「俺の名前は楢原 大樹だ!!」

 

 

「な、なら「大樹だ!!」…大樹……先輩」

 

 

「先輩なんかいらない!俺たちは対等な存在だろ?」

 

 

俺はここで最高のスマイルを見せる(もうなにこれ)

 

 

ボンッ!

 

 

美琴の顔がリンゴよりも赤くなった。

 

 

「………だ、大樹」

 

 

ぐはっ!!上目遣いとか威力たかっ!!

 

 

「お、おう!よろしくにゃ!」

 

 

「っ!?」

 

 

美琴は口をおさえながら笑う。

 

か、噛んだ!!!

 

落ち着け、冷静さを保つんだ。俺はCOOLなキャラだ。って「おう」とか熱血キャラじゃね?「ああ、よろしく」とかの方がクールじゃん!!失敗した……。

 

 

「………はぁ、なんか馬鹿らしくなったわ」

 

 

笑い終わった後は俺の相手をするのに疲れたように言った。

 

ごめんなさい。さっきは頭がおかしくなったの。(まえから) ←おい、喧嘩売ってんのか?

 

 

「分かったわ、大樹と私は対等な存在ね」

 

 

「分かってくれたか!」

 

 

「ええ、仲良くしましょ大樹」

 

 

良かった。上条みたいに戦うところだった。セーフ。

 

 

「いつか戦って、あたしが強いってところ見せてやるんだから」

 

 

アウトッ!!!

 

 

「………お手柔らかにお願いします」

 

 

諦めたよ俺。もっと頑張れよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以上。ファミレス集合時間前の出来事でした。

 

まぁ、いいと思うよ。敬語を使わない後輩。なるほど、俺には先輩としての威厳がないのか。やかましいわ。

 

 

「……あの」

 

 

佐天が俺の右手を見ながら聞いてくる。右手には包帯が巻いてある。

 

 

「それ、大丈夫ですか?」

 

 

「ああ、気にするなこのくらいかすり傷だ」

 

 

「……全治一週はかすり傷ではありませんよ」

 

 

白井め!心配させないようにしたのに!

 

 

「えっと、まぁ皆が無事だったから、これくらい何ともない」

 

 

「……強いんですね」

 

 

佐天は俺を見る。

 

 

「私、能力が無いと弱いと思っていました」

 

 

佐天は言葉を続ける。

 

 

「でも、能力が無くても強い人はいるんですね!」

 

 

「違うよ」

 

 

「え?」

 

 

佐天の言葉を否定する。

 

 

「俺にとって強い人はみんな優しいんだ」

 

 

俺は上条達を思い浮かべる。

 

 

「誰かのために命を賭けて、守る奴は」

 

 

これは確かなことだ。

 

 

 

 

 

「負けることは無い」

 

 

 

 

 

「「「「……………」」」」

 

 

「ほら、俺はお前を守るために負けなかった」

 

 

俺はこう思う。

 

 

「守れるモノがある人がこの世で強い人だと思う」

 

 

素直にそう思った。

 

 

「かっこいい……」

 

 

え、誰?誰が言ったの?聞いてなかったよ……。

 

 

_________________________

 

 

俺はパフェをおごってもらった。

 

 

ってなるかと思ったが、

 

 

「大樹!よくも蹴り飛ばしてくれたな!!」

 

 

チッ

 

 

「誰だ!!舌打ちしたやつは!!」

 

 

俺だよ。言わねーけど。

 

ファミレスに原田が入場して来た。

 

 

「あのあと自分の服を反射させて何とか生き残ったよ!!痛かったし!!」

 

 

あっそ。どうでもいい。あ。

 

 

「原田、これ」

 

 

「ああ!?なんだこれ?」

 

 

 

 

 

伝票渡して俺達は走り出した。

 

 

 

 

 

「おいいィィ!!シャレになんねーぞ!?」

 

 

聞かなかったことにした。

 

 

_________________________

 

 

「ふぅ、やっと帰ってきたぜ」

 

 

あの後はすぐに解散した。また会いたいと言われたのでメールアドレスなどは交換しておいた。

 

そして、インデックスに電話をして先に子萌先生のところに置いておいた。

 

そして、帰宅である。

 

 

「ただいま~」

 

 

「あ、楢原ちゃん遅いですよー」

 

 

「待ちくたびれたんだよ!」

 

 

「おかえり」

 

 

「はい、違和感全く無かったけどあなた誰?」

 

 

子萌先生、インデックスの次に巫女の服着た人がいた。

 

 

姫神(ひめがみ)秋沙(あいさ)、よろしく」

 

 

「今日から一緒に住むことになったんですよー」

 

 

「そうなのか」

 

 

姫神の能力は吸血殺し(ディープブラッド)だったな。

 

吸血鬼が姫神の血を吸うと灰になって死んでしまうらしい。

 

魔術師のアウレオルスから上条が助けた人だったな。

 

 

「俺も子萌先生の同居人、楢原 大樹だ、よろしくな」

 

 

「それよりもご飯なんだよ!」

 

 

インデックスはもう待てないみたいだな。

 

 

「はいはい、親子丼作るから待ってろ」

 

 

~料理感想~

 

インデックスに食べられて、白飯しか食べられませんでした。

 

 

~追記~

 

姫神が居間で寝ると、狭いので玄関で寝た。女の子の横で寝たらアカン。……首痛ぇ。

 




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もう答えは決まっている

続きです。


「またか…」

 

 

テーブルに置かれたコーヒーを飲みながら呟く。片手には最新機種のタブレット(バイトして買った)をもってニュースを眺める。内容は立て続けに研究所が襲われる事件だ。

しかし、この事件は普通では公開されていない。

 

 

(襲われている研究所は…)

 

 

絶対能力進化(レベル6シフト)計画

 

 

名前の通り超能力者(レベル5)絶対能力者(レベル6)へ進化させる実験。

 

しかし、この実験で成功する可能性があるのは学園都市で7人の超能力者の内、ひとりだけしかいない。

 

その人物は、

 

 

学園都市第一位 一方通行(アクセラレータ)

 

 

実験内容は特定の戦場を用意し、シナリオ通りに戦闘を進める事で成長の方向性を操作する。

 

予測演算の結果、128種類の戦場を用意し、

 

 

 

 

 

超電磁砲(レールガン)】御坂 美琴を128回殺害する事で絶対能力者になると結果が出た。

 

 

 

 

 

【超電磁砲】を複数確保するのは不可能だ。

 

 

しかし【量産型能力者(レディオノイズ)計画】の【妹達(シスターズ)】を利用することで可能にできる。

 

 

【妹達】とは御坂 美琴を素体にしたクローンである。

 

しかし、性能は素体である御坂の1%にも満たない劣化版しか作れなかった。

 

 

だが、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方通行は武装させた()()()の【妹達】を殺害することで絶対能力者への進化を達成することが判明した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、あと少しで一万人目が殺害されるところまで順調に進んでいる。

 

 

(襲撃された研究所の全てがこれに関わっているな)

 

 

コーヒーをもう一度飲む。さっきと味が違って不味くなっていた。

 

 

(本来なら上条が止めるんだが…)

 

 

10032次実験で上条は一方通行を倒すことになっている。

 

しかし、

 

 

上条は魔術師と戦いにイギリスに行った。

 

 

(最初が違うとここまで違くなるのか…!?)

 

 

原作ブレイク。上条はステイル達とよく悪の魔術師を倒すために共闘することが多々ある。

 

記憶喪失ならこんなことにならなかっただろう。

 

 

「……………」

 

 

俺はタブレットを見つめながら事件の解決法を思考しる。コーヒーはもう冷えきっていていた。

 

 

 

_________________________

 

 

「クソッ!!」

 

 

ダンッ!!

 

 

俺は目の前にあるテーブルを叩く。客からの迷惑そうな視線も無視する。俺はまたいつもの喫茶店にいた。

 

あれから数日後、研究所が残り二つだけとなった時、美琴が片方を潰している間、俺はもう片方の研究所を潰した。

 

パソコンはひとつ残らず壊した。

 

情報はハッキングして消した。が、

 

 

「引き継ぎ施設は78…!」

 

 

奥歯を噛み締めながらタブレットに写っている文字を小さな声で読んだ。

 

当初の128もの施設を引き継ぎをしようとしたが、俺が研究所を破壊したため、数が減った。が、

 

 

(それでも多すぎる!)

 

 

さらに研究所が破壊された場合、新しい施設を用意すると書かれている。

 

 

(どうする?このままじゃ…)

 

 

いつか美琴は一方通行に超電磁砲を撃ち、返り討ちにされることを望む。

 

美琴は自分がとても弱い存在だったと研究者に見せつければこの実験が終わると考えるだろう。

 

この実験は美琴は強いという前提で計画されているから、最初の原点である美琴は弱かったという認識をさせることで実験を凍結させようと研究者は思うだろう。

 

 

(………解決案はある)

 

 

美琴とは逆の発想。一方通行が実は弱かったことにする。これは上条が本来ならばやることだ。

 

無能力者(レベル0)が一方通行を倒すことで実験を終わらせる方法。

 

だが、

 

 

 

 

 

大樹には幻想殺しが無い。

 

 

 

 

 

倒せない。どう頑張っても無理だった。

 

一方通行の能力は運動量・熱量・光量・電気量など、体表面に触れたあらゆる力の向き(ベクトル)を自由に操ることができる。

 

今の俺には倒せない。

 

 

(ちくしょう…!)

 

 

右手を血が出てしまうくらい強く握った。

 

 

そのとき、窓の外に、

 

 

 

 

 

横断歩道を歩いている美琴がいた。

 

 

 

 

 

しかし、額にゴーグルが着けている。

 

 

(妹達!?)

 

 

俺はすぐに外に出て彼女を追いかけた。

 

 

「御坂!」

 

 

呼び掛けると振り替えってくれた。

 

 

「ミサカのことでしょうか、とミサカは確認をとります。」

 

 

「ああ、間違いない」

 

 

やっぱり妹達だ。

 

 

「単刀直入に聞く。シリアルナンバーは?」

 

 

「ミサカのことを知っているのですか、とミサカは警戒します」

 

 

「大丈夫だ、実験を邪魔しようとは思ってないからな」

 

 

妹達はしばらく黙っていたが、

 

 

「ミサカは10032号です、とミサカは自分のシリアルナンバーを明かします」

 

 

「………そうか」

 

 

シリアルナンバーを言ってくれた。しかも

 

 

上条が助ける時の妹達だった。

 

 

(もう…時間がない…)

 

 

おそらく、明日の夜には実験が行われるだろう。

 

 

「あなたは自分のクローンが現れたらどう思いますか、とミサカは尋ねます」

 

 

「は?」

 

 

突然の質問に驚くが、ちゃんと答える。

 

 

「びっくりはするのじゃないか?」

 

 

「びっくりですか、とミサカは確認をとります」

 

 

「人それぞれだと思うぞ。もしかしたら気持ち悪がられるかもしれないし」

 

 

俺の発言を聞いた後、ミサカは顔を後ろを向けた。

 

 

 

 

 

「お姉様はわたしのことを気持ち悪いと思ったのでしょうか」

 

 

 

 

 

「………何か言われたのか?」

 

 

俺は理由を聞き出す。

 

 

「はい、もう私を見たくないと言いました」

 

 

「………」

 

 

大樹は下を向き、黙った。

 

 

 

 

 

「あの時ミサカは胸が痛くなりました、とミサカはお姉様に言われた時のことを話します」

 

 

 

 

 

「!?」

俺はその言葉を聞いて目を見開いた。

 

 

俺は愚かだった。

 

 

今の彼女はクローンだ。けど

 

 

人間だ。

 

 

感情を持った立派な人間だ。

 

 

モノじゃない。人形じゃない。

 

 

……楢原大樹。何故ここで立ち止まっている。

 

 

「その痛み、取りたいか?」

 

 

「治せるのですか、とミサカは医者でも治せなかった痛みを取れると言われて驚愕します」

 

 

何やってんだ俺は。もう答えは出てるじゃないか。

 

 

「ああ、待ってろよ」

 

 

「どこへ行くのですか、とミサカはあなたの行く先を聞きます」

 

 

人に、上条に、頼ってんじゃねーよ俺。

 

 

「ちょっとお嬢様を救ってくるだけだ」

 

 

 

 

 

俺が 一方通行を倒してやる。

 

 

妹の存在価値を否定させないために。

 

 

 

_________________________

 

 

【第三者視点】

 

 

ドゴオオオォォ!!!

 

 

「ひあああっ!」

 

 

突如、爆発が起こり、研究員はふっとばされる。

 

 

「何だ……?」

 

 

「爆発……?」

 

 

研究員は状況が理解できていない。が

 

 

「………いえ、あれは」

 

 

一人の研究員が気付く。

 

 

バチバチッ!

 

 

「ひっ!?」

 

 

煙の中には御坂 美琴がいた。

 

 

「うわあああっ!!」

 

 

研究員達は恐怖のあまりに慌てて逃げ出した。

 

 

美琴は気にせず、装置を壊し続けた。

 

 

_________________________

 

 

【美琴視点】

 

 

 

(そうよ、まだ終わった訳じゃない)

 

 

美琴は電撃の槍を飛ばし、装置を壊していく。

 

 

(諦めちゃダメだ)

 

 

四方八方に電撃を飛ばし壊す。

 

 

(ぜんぶ潰してしまえばいい)

 

 

データの欠片も残らないように壊す。

 

 

(いまあるもの、これから引き継ぐものもぜんぶ)

 

 

壊す。

 

 

(機材も)

 

 

壊す。

 

 

(資金も)

 

 

壊す。

 

 

(欲も野心も底を割って跡形も無くなるまで!!)

 

 

「アハッ、アハハハハハハ!!」

 

 

(そうすればいつか!)

 

 

 

 

 

『いつか?』

 

 

 

 

 

もう一人の【私】が心の中で問う。

 

 

 

 

 

『そんな都合のいい日が訪れるとしてその時までにあと何人【妹達】が死ぬの?』

 

 

 

 

 

美琴は歯を噛み締める。

 

 

「うるさいっ!!!」

 

 

電撃が飛ぶ。四方八方に飛ばしながら床や壁を抉りとる。

 

 

「ならどうすればいいってのよ!?」

 

 

美琴は叫ぶ。

 

 

「計画を!今!すぐに!中止に追い込む!」

 

 

部屋のほとんどが瓦礫や機材の破片だけになった。

 

 

「どんな方法があるっていうのよッ!!」

 

 

美琴は肩で息をする。

 

 

ふと、目にあるものが映った。

 

 

壁にモニターがあった。かろうじて電撃から逃れた機材。

 

モニターの右上には【LIVE】という文字がある。

 

しかし、画面に映っている二人の人物を見て驚愕した。

 

 

「なんで…」

 

 

暗い路地裏の一本道の場所で、

 

 

「どうして…」

 

 

学園都市第一位の一方通行が不気味に微笑んでる。

 

その一方通行の目の前には、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんであんたが戦っているのよ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

右腕から血を流し、その腕を抑えて痛みに耐えている少年。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「大樹!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

楢原 大樹がいた。

 

 




次はバトルパートとなります。

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救いの手を

バトルパートです。
続きをどうぞ。




「あァ?何だァお前?」

 

 

一方通行はだるそうな声で言う。

 

俺は一発殴った。が能力で反射された。

 

右腕はあり得ない方向に折れ曲がり、血も出ていた。

 

 

「いってぇ……」

 

 

「バカなのかお前は?」

 

 

「はは、バカで上等だ」

 

 

俺は痛みに耐えながら言う。乾いた笑い声しか出せない。

 

 

「自己紹介まだだったな、俺は楢原 大樹だ」

 

 

「……マジで何言ってンだお前」

 

 

俺の言葉を気に入らなかったのか、一方通行は不機嫌な顔になる。

 

だが、俺は無視して告げる。

 

 

「今からお前をぶん殴る」

 

 

俺は笑みをこぼしながら言った。

 

 

「俺を殴るだァ?面白ェ、やってみろよ」

 

 

俺は拳を作って構える。血が流れるが気にしない。

 

 

「お前、レベルはなンだァ?」

 

 

「0だけど?」

 

 

「こりゃ傑作だァ!レベル0が俺に勝るとでもォ

 

 

「思ってる」

 

 

一方通行の言葉に被せる。

 

 

「調子に乗るンじゃねェ!!」

 

 

ダンッ!!

 

 

一方通行は右足で地面を踏みつける。

 

 

「ッ!?」

 

 

地面のコンクリートの破片が俺に襲いかかる。

 

後ろに飛び回避する。だが、

 

 

ベゴッ!

 

 

第二の攻撃。次は道の脇に置いてあったゴミ箱が勢いよく飛んで来た。

 

 

「ちっ」

 

 

舌打ちをして左手で殴ってゴミ箱の軌道を変える。ゴミ箱は俺の横を通り過ぎていった。

 

 

「へェ、レベル0の癖にやるじゃねェか」

 

 

「……何故だ」

 

 

「あァ?」

 

 

「何故絶対能力者(レベル6)になりたいんだ」

 

 

俺は睨み付けて一方通行に尋ねる。

 

 

「何だ知ってンのかお前」

 

 

一方通行は頭をかきながらめんどくさそうに言う。

 

 

「何度も言うけどよォ、俺は絶対的な力が欲しいンだ」

 

 

一方通行は手を広げながら言う。

 

 

「誰も挑むことが許されない存在になァ」

 

 

一方通行は大樹の顔を見る。どんな顔をするか見たかったから。

 

 

だが、

 

 

 

 

 

大樹は笑っていた。

 

 

 

 

 

「よかったぜ、大丈夫みたいだな」

 

 

一方通行は声が出ない。

 

 

「なるほど、誰も挑まなくなったら」

 

 

大樹は言う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「誰も傷付けずにすむからな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何、言ってンだ、お前?」

 

 

「苦しかったろ、妹達殺して」

 

 

「!?」

 

 

一方通行は一歩後ろにさがってしまった。

 

 

「俺が助けてやるよ、お前を倒してな」

 

 

「………倒すだとォ?」

 

 

一方通行は俺を睨む。

 

 

「つまンねェこと言ってンじゃねェよ」

 

 

呆れたような声で言う。

 

 

「お前の右手で俺を殴れたかァ?無理だったろ?それなのにお前は戦うのかよ」

 

 

「ああ、一回目はこんな結果になったけど」

 

 

大樹はボロボロになった右手を握りしめる。痛みを気にすることなく。

 

 

 

 

 

「次は手加減無しな」

 

 

 

 

 

「そうかよォ」

 

 

一方通行は右手を路地裏の壁を軽く叩く。それだけで、

 

 

ドゴッ!

 

 

「ッ!?」

 

 

横の壁から鈍器で殴られたような衝撃に襲われた。

 

一方通行は力のベクトルを床から壁へ。壁から俺の頭へと衝撃を与えた。

 

 

「ぐッ」

 

 

それでも大樹は倒れなかった。

 

 

(身体強化していてもこんなに痛いのか……!?)

 

 

さきほどの衝撃は殺傷力のある威力だった。鈍器で殴られたような感覚だったのは身体強化のおかげだ。本来の威力を考えると鳥肌が立つ。

 

 

(一方通行を倒す方法は……)

 

 

音速のスピードで一方通行に迫る。

 

 

「ッ!?」

 

 

一方通行は大樹のスピードに驚愕する。そして

 

 

ガッ!

 

 

もう一度一方通行を殴った。しかし、左手がまた痛む。

 

 

「……………へッ」

 

 

俺は笑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方通行が倒れたから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は一方通行を殴ることに成功した理由。それは一方通行の能力を発動するまえ。反射されるまえに手を引いたのだ。

 

これはのちに木原(きはら)数多(あまた)が一方通行を倒すときの技だ。最初の一回目は失敗したが二回目は自分にもダメージをくらったが成功した。

 

 

「あ、は?い、いたい。はは、何だよそりゃあ?」

 

 

倒れている体をゆらゆらと起こす。

 

 

「何をしやがったあああああァァァァ!!!」

 

 

一方通行は能力を使い、高速で大樹の目の前に迫る。

 

右手を大樹の体に近づける。が

 

 

「!?」

 

 

驚いたのは一方通行だった。なぜなら

 

 

 

 

 

目の前にいた大樹が消えていたから。

 

 

 

 

 

「もうお前は俺に勝てねぇよ」

 

 

「なッ!?」

 

 

大樹は一方通行の後ろにいた。

 

 

ドガッ!

 

 

「がッ!?」

 

 

大樹は血塗れの右手で振り向いた一方通行の顔を殴る。

 

一方通行は吹っ飛び、また倒れる。

 

 

「お前の能力は無敵なんかじゃない」

 

 

「ッ!!」

 

 

ゴッ!

 

 

一方通行はうずくまりながら右手を地面に叩きつける。

 

危険を察した大樹は後ろに飛ぶ。

 

 

ドゴッ!!

 

 

さきほど大樹がいた場所の地面のアスファルトがひび割れ、宙に舞った。あのままそこにいたら体を吹っ飛ばされていただろう。

 

 

「調子にのってンじゃねェよ、三下あああァァ!!」

 

 

一方通行は能力を使って高く飛ぶ。そして宙に舞っている無数のアスファルトの破片に触れる。

 

 

ヒュンッ!!

 

 

それだけで空気を切るような音をだしながらマシンガンのように大樹に飛んでいく。

 

 

「ハッ、三下はお前だあああァァ!!」

 

 

大樹は鼻で笑い、前に走るだけで全てをかわす。

 

そして、一方通行の真下まで行き、一方通行に向かって跳躍する。

 

 

「落ちろおおおォォ!!」

 

 

大樹は回し蹴りを一方通行の腹にいれる。

 

 

ドカッ!

 

 

「があッ!?」

 

 

ドゴンッ!!

 

 

一方通行は吹っ飛び、路地裏の壁に叩きつけられる。一方通行の能力で壁を突き抜けて中に入ってしまう。

 

 

(大丈夫か?)

 

 

大樹は一方通行を気絶させるだけでいいと考えていた。死んだらヤダよ?

 

突き抜けた壁から中に入る。

 

 

(上か?)

 

 

この建物は全く使われていないらしい。歩くだけでホコリの足跡がついた。上にいく階段に足跡がある。

 

大樹は階段をのぼる。足跡を追って。

 

 

_________________________

 

 

(屋上?)

 

 

足跡は階段が終わっているところまで続いた。そして足跡は1つしかない扉に続いている。

 

 

(この先にあいつが…)

 

 

ドアノブをひねり、ドアを開ける。

 

 

 

 

 

「よォ、待ちくたびれたぜェ」

 

 

 

 

 

一方通行が待ち構えていた。

 

鼻からは血を流し、頬が真っ赤になっている。

 

 

「随分逃げたじゃねぇか?」

 

 

「………黙れよ三下ァ」

 

 

プライド高いやつだなこいつは。

 

 

「俺の能力を破った理由はわかンねェが」

 

 

一方通行は右手の人差し指で上を指す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここでご退場だァ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大樹の頭上には無数の鉄骨が落下して来ていた。

 

 

「んなッ!?」

 

 

慌てて避けようとするが立っていた床が抜けた。

 

 

(やべぇッ!!)

 

 

一方通行が右手を床に叩きつけて足場を破壊したのだ。

 

 

ドゴンッ!!!!

 

 

無慈悲に鉄骨が大樹に向かって降り注ぐ。鉄骨は相当高く飛ばされていたため、床を簡単に貫通する。

 

 

ドゴオオンッ!!!!!

 

 

爆発したような音をたてながら建物は崩壊した。

 

 

_________________________

 

 

【美琴視点】

 

 

美琴は走っていた。

 

 

(お願い!生きてて!)

 

 

あの時、助けてもらった少年のところに向かっていた。

 

 

(大樹!!)

 

 

心の中でずっと呼び続ける。だが、

 

 

 

 

 

「え?」

 

 

 

 

 

美琴は自分の目を疑った。

 

なぜなら目的地の路地裏が無くなっていたからだ。正確にはコンクリートの瓦礫の山が出来て路地裏が無くなっていた。

 

瓦礫の山の頂きに白髪の人が大声で笑っていた。

 

 

「はァ……久々に笑っちまったよォ。笑い過ぎて疲れたぞォ」

 

 

美琴は声が出ない。

 

 

(だ、大樹は……?)

 

 

美琴は瓦礫の山に近づく。少年の姿はどこにも見当たらない。

 

 

「あァ?」

 

 

一方通行は美琴の存在に気付く。

 

 

「よォ、またァ会ったなァオリジナル」

 

 

「……つ…………こ……」

 

 

「はァ?」

 

 

「あいつはどこよ!!」

 

 

バチバチッ!!

 

 

美琴は怒鳴り上げる。と同時に電撃を一方通行に向けて放つ。

 

が、一方通行には効かない。一方通行は悪魔のような笑みを作る。

 

 

 

 

 

「アハッ、もしかしてェさっき殺した奴のことォ言ってンのか?」

 

 

 

 

 

美琴はその言葉に凍り付く。

 

 

 

 

 

「あンなやつはァ初めてだったぜェ。なンせ俺の能力を破りやがったンだからなァ」

 

 

 

 

 

美琴の耳には殺したというのは嘘だとしか思えなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今はこの瓦礫の中に埋まってるぜェ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「嘘よ……」

 

 

美琴は首を振る。

 

 

「そんなの……」

 

 

 

 

 

「嘘じゃねェよ」

 

 

 

 

 

一方通行は笑みを浮かべたまま言った。

 

 

「……………」

 

 

「………なンの真似だ三下ァ?」

 

 

美琴は無言で右手にコインを乗せ、一方通行に向ける。

 

 

(私の責任だ)

 

 

バチバチッ

 

 

美琴の回りに青い電気が走る。

 

 

(私がこの実験を早く終わらせないから)

 

 

美琴は一方通行を睨み付ける。

 

 

(でも、今ここで……)

 

 

コインを弾く。

 

 

 

 

 

(終わらせるッ!!!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドガアアアンッ!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「!?」」

 

 

一方通行と美琴は爆発音のような音に驚愕する。

 

 

チンッ

 

 

コインは超電磁砲にならなかった。コインはそのまま地面に落ちた。

 

 

音の正体は瓦礫の山の中から何かが弾け飛んだからだ。

 

 

一方通行の喉が乾上がる。

 

 

二人は瓦礫の山に穴が空いた場所を見続ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぇ……口の中が砂やホコリだらけだチクショウ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ………あ……」

 

 

美琴は大樹を見て声を上げようとしたが出なかった。

 

 

大樹の姿はボロボロだった。右腕は血塗れになり、左手は赤くなっている。おそらく両腕とも骨は折れているだろう。

 

 

でも、

 

 

生きている。それだけのことが分かっただけで、いつの間にか涙を流していた。

 

 

_________________________

 

 

【大樹視点】

 

 

全く痛く無い。と言ったら嘘になるが、不思議と本当にあまり痛くないのだ。

 

 

(一方通行の能力を直接食らった方が強力だったてことか)

 

 

瓦礫を軽く吹っ飛ばしてみたが余裕でまだまだ体は動く。右手は結構痛いけど。

 

 

(いつの間にか美琴がいるし、カッコ悪いとこ見せれないな)

 

 

大樹は一方通行を見る。それだけで一方通行は一歩後ろに下がった。

 

 

「そんじゃ、第二ラウンド行こうか」

 

 

大樹は目付きを鋭くする。

 

 

 

 

 

「一方通行あああああァァァ!!!」

 

 

 

_________________________

 

 

一方通行は焦っていた。

 

 

(バカな……!)

 

 

絶対に死んだと確信していた。

 

 

(今までどンだけの数殺ってきたと思ってンだ)

 

 

あの建物は屋上まで30メートルほど地面との距離があった。そこから落とした。

 

 

(どうすりゃ人間が壊れるかなンてイヤってほど知り尽くしてる)

 

 

さらに鉄骨を何本もぶち当てた。なのに、

 

 

 

 

 

(あれで立ち上がれるはずがない!!)

 

 

 

 

 

「……………」

 

 

無言で一方通行を睨み付ける大樹。目は虚ろに……なっていない。

 

鋭い眼光。弱者を圧倒する強い眼だった。

 

 

「………面白ェよお前」

 

 

「……………」

 

 

「最っ高に面白ェぞ!!」

 

 

未だに無言を貫く大樹に一方通行は足元にある大きな塊の瓦礫を蹴り飛ばした。

 

 

(これで終わりだァ!)

 

 

瓦礫は砲丸のように飛んでいく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「面白ェ?本当にそう思ってんのかよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガンッ!

 

 

「!?」

 

 

大樹は左手を横に払うだけの仕草で砲丸のように飛んできた瓦礫を粉々に破壊する。

 

その出来事に目を張る一方通行。

 

 

(本当にレベル0かよォ!?こいつは……!?)

 

 

無能力者が。ただの無能力者が。

 

 

(指先が触れるだけでとどめはさせる……)

 

 

そんな奴に、

 

 

「負ける訳がねェだろうがあああァァァ!!」

 

 

一方通行は大樹に向かって突進する。

 

両手を前に突き出しながら。

 

 

「いや、お前には負けてもらう」

 

 

大樹は横に体をそらすだけで避ける。

 

 

 

 

 

「さぁ、最強の引退だ」

 

 

 

 

 

大樹は血塗れの右手を握り締める。

 

 

_________________________

 

 

この能力はいつか世界そのものを敵に回し、

 

 

本当に全てを滅ぼしてしまうかもしれない。

 

 

「だが」

 

 

白衣をまとった中年の男は言う。

 

 

「【最強】の先へと進化すれば何かが変わるかも」

 

 

中年の男は続ける。

 

 

「その為には計画に従い実験の遂行を」

 

 

 

 

 

チカラが争いを生むなら

 

 

 

戦う気も起きなくなる程の

 

 

 

絶対的な存在になればいい。

 

 

 

そうすれば、

 

 

 

いつかまた…………

 

 

 

 

 

そうすればもう、誰も傷つけなくて………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………ホント

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何やってンだ、俺………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴスッ!!!

 

 

 

 

 

大樹の右手は一方通行の顔を殴った。

 

 

 

 

 

一方通行の意識はそこで消えた。

 

 

 

 

________________________

 

 

 

目が覚めると白い天井がまず目に入った。ベッドの上で寝ていたようだ。

 

 

「おはようさん」

 

 

「!?」

 

 

隣にあいつがいた。

 

 

「そう敵対するんじゃねぇよ」

 

 

「………なンのつもりだァこれは」

 

 

一方通行は大樹に問いかける。

 

 

「はぁ?最初に言っただろ俺はお前を助けるって」

 

 

「ッ!?」

 

 

耳を疑った。

 

 

「……無理に決まってンだろ。俺はもう闇でしか生きれねェ」

 

 

クローンでも人を殺した。そのことは変わらない。

 

 

「……あの後、実験が中止になったのは知ってるか?」

 

 

「は?」

 

 

中止?何故そうなった。

 

 

「研究員たちはお前が最強ではないと判断したからさ」

 

 

「…………」

 

 

そうだ、負けた。俺はこいつに。

 

 

「これでお前はもう誰も殺さなくていいな」

 

 

「………そォだなァ」

 

 

しかし、絶対に。必ず暗部の人間が俺のところにくる。

そしたらまた、実験が。

 

 

「なぁ」

 

 

「なンだよォ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そんな闇、壊してやろうか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「!?」

 

 

「俺が壊してやるよ、一方通行」

 

 

何をいっているんだ?

 

 

「無理だ。俺はもう

 

 

「無理じゃねって言ってんだろ」

 

 

「……………」

 

 

一方通行の言葉に大樹は被せる。

 

 

「お前がやったことは許さない」

 

 

「……………」

 

一方通行は黙って聞く。

 

 

「だから、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【罪滅ぼし】やろうか」

 

 

________________________

 

 

 

「ほい、出来たぞお前らー」

 

 

「待ってたんだよ!」

 

 

「わーい!ってミサカはミサカは子供のようにはしゃいでみたり」

 

 

二人の子供がちゃぶ台の回りにくる。

 

 

そして次々に座っていき、俺が最後に座る。

 

 

「「「「「「「いただきます」」」」」」」

 

 

約二名言わなかったな。まぁいいか。

 

 

「楢原ちゃん、醤油をとってくださーい」

 

 

「はいはーい。どうぞ」

 

 

「おかわりなんだよ!」

 

 

「だから早いよ!」

 

 

朝ごはんを皆で食べている。ちゃぶ台小さいな。あと狭い。

 

 

 

 

 

「一体これは……?」

 

 

 

 

 

おお、さっきの言わなかったな奴の一名がしゃべったああああ!!

 

 

「大人数で食べると美味しくなるだろ?」

 

 

「呼びすぎだ!!」

 

 

上条が大声をだす。

 

俺、上条、子萌先生、インデックス、ステイル、神裂、姫神、一方通行、打ち止め(ラストオーダー)がちゃぶ台の回りに座っている。

 

なんだこの混沌とした光景は。

 

 

「上条ちゃん、ご飯の時は静かにしてくださーい」

 

 

「当麻!食べないなら貰うよ!」

 

 

「全く、毎回君は注意されないと学習しないのかい?」

 

 

「インデックス、私の目玉焼きいりますか?」

 

 

「子萌、私にも醤油」

 

 

「……………」無言で食事

 

 

「マナーは守らなきゃ駄目だよってミサカはミサカは注意してみたり」

 

 

「あっれー、俺が悪いのか?」

 

 

異端者上条、まじ哀れ。

 

 

 

 

打ち止め(ラストオーダー)

 

病院で一方通行が退院したあと、二人で実験をまだやろうとしているバカどもの駆除にいった。一方通行さん……関係無い建物はあまり破壊しないでよ。

 

壊しているうちに打ち止めと出会った。

 

俺は一方通行に打ち止めを守るようにいいつけた。一方通行は嫌がると思っていたが、案外素直に受けてくれた。

 

天井(あまい)?知らない子ですね?※既に大樹がぶっ飛ばしました

 

 

ギャー、ギャー、ギャー

 

 

賑やかな食卓ですね。ごめんなさい嘘です。超うるさいです。

 

 

でも

 

 

平和でなによりだ。

 

 




これで超電磁砲編は終わりです。

次でこの世界での物語は最終回です。

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終幕。そして開幕

この世界での物語はこれで最後です。





「………ここは?」

 

 

俺はベッドで寝ていたはずだが。

 

 

「久しぶりじゃの」

 

 

「!?」

 

 

お、お前は!?

 

 

「えっと、どちら様?」

 

 

「神じゃ」

 

 

「ああ、そうだった」

 

 

わざとだけど。

 

 

「喧嘩を売っているのか?」

 

 

「滅相もございません」

 

 

勝てるわけねーだろ。

 

 

「今はそうじゃの」

 

 

「………今?」

 

 

俺はその言葉が気になった。だが心当たりがあった。

 

 

「転生特典の身体強化か」

 

 

「やはり気づいておったか」

 

 

そう、俺は一方通行と戦った時を思い出す。

 

一方通行と戦った時、反射ではないダメージを一度くらった。あの時は鈍器で殴られたような痛みだった。なのに

 

鉄骨を何本も落とされたあげく、30メートル近い場所から落とされて痛くなかったのだ。

 

矛盾している。

 

 

「その身体強化は特別なやつでな」

 

 

特別なのは大体予想できていた。

 

 

「進化していく身体強化なのじゃ」

 

 

「進化?」

 

 

「戦えば戦うほど強くなるのじゃ」

 

 

「チートにチート足して大丈夫かよ」

 

 

もう化け物じゃねーか。

 

 

「強くなればいつか神を越えられる、そういうことか」

 

 

「その通りじゃ」

 

 

……………まぁいい。

 

 

「用件はそれだけじゃないんだろ?」

 

 

「おお、忘れるところじゃった」

 

 

大丈夫かよこの神。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「明日、違う世界に転生じゃ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっと待てや駄神」

 

 

「ひどいのう」

 

 

「ひどいのはお前の頭だ!」

 

 

はえーよ!明日!?誰一人行ってくれそうな人いねーよ!

 

 

「まだ連れていく人決めてねーよ!」

 

 

「それじゃ、また会おう」

 

 

「話をきけええええェェェ!!!」

 

 

 

________________________

 

 

「お前の人生、俺にくれ!」

 

 

「ちょっ、何言ってるのあんた!?」

 

 

ざわざわ……

 

 

ファミレスの中が一気に騒がしくなる。

 

 

「すまん、順を追ってはなそうか」

 

 

俺はファミレスにいる。

 

 

「あんたはホントに何言ってるのよ」

 

 

美琴と一緒に。

 

美琴は注文した紅茶を飲む。

 

 

「あー、どこから話そうか…」

 

 

そうだなぁ……まずは、

 

 

 

 

 

「俺はこの世界の人間じゃない」

 

 

 

 

 

「………うん、ごめん。何言ってるのか分かんない」

 

 

ですよねー。

 

 

「ようするに俺は異世界から来たんだ」

 

 

「えっ」

 

 

美琴は驚く。

 

 

「俺のいた世界には学園都市とか無かったんだよ」

 

 

「ほ、ホントに異世界から……!?」

 

 

俺はうなずいて肯定する。

 

 

「大樹みたいな奴がたくさんいる世界……!?」

 

 

「いや違うから。俺は特別だから」

 

 

俺みたいに強い奴がたくさんいる世界。やべぇな。キモイの一言に尽きる。……自虐乙。

 

 

「………もしかして、その世界に帰るの?」

 

 

「いや、違うだなそれが」

 

 

「え?じゃあどうするの?」

 

 

何て説明するかな……。

 

 

「俺は新しい違う異世界に行かなきゃならないんだ」

 

 

「ど、どうして?」

 

 

「ならないんだ」

 

 

「……………」

 

 

俺は一度死んだんだよ。それで神から転生していくことを言い渡された。

 

うん、ちょっと言えない。

 

 

「そういう………運命?なんだよ」

 

 

「今思い付いたよね?」

 

 

バレたか……。

 

 

「とにかく行かなきゃならないんだ!」

 

 

「随分強引ね……」

 

 

すいません、必死なんです。

 

 

「なるほどね、話が見えてきたわ」

 

 

分かったんだ。すげぇ。

 

「ようは一緒に行く人を捜してるのね」

 

 

「おお、その通りだ」

 

 

「いくつか質問があるわ」

 

 

だろうな。これは断られそうだな。

 

 

「この世界には帰ってこれるの?」

 

 

「……………」

 

 

やっぱり聞くか。それを。

 

 

「無理だな」

 

 

「………そう」

 

 

美琴は目を伏せて言う。

 

 

「二つ目、次はどんな世界に行くの?」

 

 

「行ってみないとわからない」

 

 

厳しい質問ばかりだな。

 

でも普通だ。異世界に一緒に行こうだなんて聞かれても普通は行かない。ましてやもう戻れないなんて言われたら行く人なんていない。この世界が嫌にならない限り。

 

 

「………三つ目の質問よ」

 

 

まだあるのか。

 

 

 

 

 

「なんで私なの?」

 

 

 

 

 

「……………」

 

 

思ったことをそのまま口にする。

 

 

「……………から……」

 

 

「え?」

 

 

 

 

 

「可愛い…から…」

 

 

 

 

 

ボンッと美琴の顔が赤くなる。

 

 

「あ、いや!それだけじゃない!一緒にいたら楽しくなりそうとか!話しやすいとか!」

 

 

俺は慌てて言う。

 

 

「もしかして……これ告白…!?」

 

 

「え、何て?」

 

 

「な、なんでもないわよ、馬鹿!」

 

 

お、怒られたよ。ぐすん。

 

 

「と、とにかく事情は分かったわ」

 

 

「そ、そうか」

 

 

「でもすぐには決めれないわ。一週間待っ

 

 

「ごめん、明日には異世界行くんだ」

 

 

あーあ、一週間あったら来てもらえたかもしれないのに。

 

「………あんた馬鹿なの?」

 

 

俺に言うなよ……神に言えよ……

 

 

「一日で別れとか済ましきれないわよ!」

 

 

「あー、それは必要無いんだよ……」

 

 

「え?」

 

 

どう説明すればいいんだ?

 

 

「……もしかして、最初から居なくなったことに?」

 

 

美琴は恐る恐る聞く。

 

 

「それは俺だけだな」

 

 

「……ちょっと良く分からないわ」

 

「簡単に言うと俺がこの世界に来なくなった状態になるんだよ」

 

 

美琴は黙ってそれを聞く。

 

 

「この世界の本来あるべき姿に戻るんだ」

 

 

「じゃあ、実験がまだ行われている世界に……」

 

 

「……………」

 

 

俺はその事については何も言えない。

 

 

「「……………」」

 

 

沈黙が続く。が

 

 

「今日の夜、ここの近くの公園で待ってる」

 

 

そう言って立ち上がる。

 

 

「来たくなかったら来なくていい」

 

 

俺はテーブルに置いてある伝票を掴む。

 

 

「ごめん、こんな言い方して」

 

 

美琴はこちらに顔を向ける。しかし俺は顔をそらす。

 

 

「でも俺は来てほしくないと思っている自分がいるんだ」

 

 

「……………」

 

 

美琴は静かに聞く。

 

 

「俺について来るなんて、人生を俺にくれるようなものじゃないか」

 

「ッ!?」

 

 

美琴は息を飲む。

 

 

「よく考えて欲しい。じゃあな」

 

 

俺は店を早足で出た。

 

 

________________________

 

 

「うおおおおおおォォォォ!!!」

 

 

ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!

 

 

俺は公園のベンチに頭をぶつけていた。人の目?ああ、何か頭いってると思われているが気にしない。

 

 

「何言ってんだよ俺はああああァァァ!!」

 

 

ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!

 

 

何が「人生を俺にくれるようなものじゃないか」だよ!別に異世界で勝手に何かしててもいいじゃねぇか!

 

 

ゴンッ!ゴンッ!ゴン

俺は頭をぶつけるのをやめた。

 

 

「……あーあ、馬鹿だな俺は」

 

 

「そォだなァ」

 

 

「美琴と一緒に行きたいなぁ……」

 

 

「誘えばいいじゃねェかァ」

 

 

「誘ったよ!でもいい返事が………っていつからいた!?」

 

 

一方通行(アクセラレータ)が隣に立っていた。

 

 

「お前が頭をぶつけ始めるところからだァ」

 

 

「全部かよ!」

 

 

見てたら止めろよ!

 

 

「頭ン中壊れたかと思ったぞ」

 

 

「正常だ!」

 

 

「………さっきやってたこと思い出してみろよォ」

 

 

「……………」

 

 

うん、頭のネジが数本取れてる。病院行かなきゃ!

 

 

「そういえば打ち止め(ラストオーダー)は?」

 

 

「………今探してンだよ」

 

 

「うん、どんまい」

 

 

また迷子か。一方通行さんお疲れ様です。

 

 

「はやく見つけてあげな、母ちゃん」

 

 

ダンッ!

 

 

「あぶねっ!?」

 

 

一方通行は足下にあった石を弾丸のように飛ばす。

 

 

「誰が母ちゃンだ三下ァ」

 

 

「おま…………いえ、何でもありません」

 

 

今あいつ、ベンチを飛ばそうとしたぞ!公共のモノは大切にしてください。

 

 

「ってあれ打ち止めじゃね?」

 

 

遠くの方にいる打ち止めを見つける。

 

しかも何か怖い奴らに囲まれてる!!

 

 

「お、おい一方通行!」

 

 

一方通行に声をかけるがいない。あれ?

 

 

 

ぐあああああァァァァ!!!

 

 

「………oh」

 

 

もう打ち止めのところにいる。そして怖い奴らは5メートルくらいの高さまで宙を舞った。仕事はえー。

 

 

「わーん!怖かったよお母さん!ってミサカはミサカは母性溢れるあなたに抱きついてみたり」

 

 

「やっぱ母ちゃんじゃん、一方通行」

 

 

ギロッ!

 

 

やべぇ!聞かれた!てかここから聞こえるのかよ!?

 

俺は音速のスピードで逃げ出した。

 

________________________

 

 

「………やっぱ来ねぇか」

 

 

もうすぐで深夜1時を過ぎる。

 

夜7時から待っているが美琴は来なかった。

 

 

「でもそれが現実か………」

 

 

RPGのように簡単に仲間になったりはしない。現実とはそういうものだ。この世界にはセーブポイントもない。死んだらそこで永遠のゲームオーバー。何一ついいことない。

 

そんな世の中だ。命くらい大事にしたい。危険を犯して異世界に行くなんて

 

 

馬鹿げてる。

 

 

「一時になっても来る気配は無いか…」

 

 

タッタッタッタッ

 

 

「?」

 

 

足音が聞こえる。走ってくる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ごめん!遅くなった!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「美琴ッ!?」

 

 

美琴がこちらに走ってきた。

 

 

「何で来たんだ!」

 

 

「何でって一緒に行くからよ。自分から誘っておいてその態度なの?」

 

 

「でも一緒に行くってことは

 

 

「知ってる。だから来たの」

 

 

俺の言葉に美琴はかぶせる。

 

 

「別れは言ってないわ。どうせ意味無いんでしょ」

 

 

「それでも!何で俺なんかに……」

 

 

美琴は俺の言葉にため息をつく。

 

 

「な、なんだよ」

 

 

「あんた、馬鹿ね」

 

 

昼間にも同じようなこと言われたな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あんたとの思い出なんかを大切にしたい、そう思ったからよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「!?」

 

 

俺は目を見開き、美琴を見る。

 

 

「だから行ってあげるわ、異世界へ」

 

 

真っ直ぐな瞳で俺を見て

 

 

 

 

 

「ちゃんと楽しませてよね」

 

 

 

 

 

美琴は右手をこちらにだす。

 

俺は驚いて動けなかったが、

 

 

「エスコートさせてもらうよ、お嬢様」

 

 

笑顔でその右手を優しく握った。

 

 

________________________

 

 

「準備はいいか?」

 

 

「ええ、いつでもいいわよ」

 

 

俺は美琴の手を握ったまま空を見る。

 

 

(ほら、さっさと転生させろよ駄神)

 

 

『あいかわらず酷いのう』

 

 

(うっせぇ、こっちは大変だったんだ。転生するなら一週間前に言えよ)

 

 

『努力する』

 

 

(おい)

 

 

『次はお前さんが転生する世界は【緋弾のアリア】じゃ』

 

 

(次の世界も楽しめそうだな。いや

 

 

 

 

楽しんできてやるよ!!)

 

 

 

 

 

 

そして二人はこの世界から消えた。

 

 

 




次は緋弾のアリア編です。


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緋弾のアリア編 転生者は報われない

ついに緋弾のアリア編です。


どうぞお楽しみ下さい。




武偵(ぶてい)

 

 

武装探偵の略であり、凶悪化する犯罪に対抗して作られた国際資格である。

 

武装を許可され、逮捕権を有す。

 

報酬に応じ【武偵法】の許される範囲においてあらゆりる仕事を請け負う者たちのことを指す。

 

いわゆる【何でも屋】と呼ばれている。

 

そして、その武偵を育成するための教育機関が東京湾岸部に南北約2キロ、東西500メートルの人工浮島(メガフロート)の上に存在する。

 

 

 

東京武偵高校

 

 

通称【学園島】

 

 

東京武偵高校は一般科目に加えて武偵の活動に関わる専門科目を履修できる。

 

 

強襲科(アサルト)

 

狙撃科(スナイプ)

 

諜報科(レザド)

 

尋問科(ダキュラ)

 

探偵科(インケスタ)

 

鑑識科(レピア)

 

装備科(アムド)

 

車輌科(ロジ)

 

通信科(コネクト)

 

情報化(インフォルマ)

 

衛生科(メディカ)

 

救護科(アンビュラス)

 

超能力捜査研究科(SSR)

 

特殊捜査研究科(CVR)

 

 

このように専門科目は数多く存在する。

 

 

そして、武偵の生徒は一定期間の訓練期間の後、民間から有償の依頼(クエスト)を受けることができる。

 

それらの実績と各種訓練の成績に基づいて

 

 

生徒には【ランク】がつけられる。

 

 

E、D、C、B、Aの順にランクは高くなる。

 

 

そして、Aの上には特別なランクがある。

 

 

【 S 】

 

極限られた人物にだけそのランクが与えられている。

 

差し支えない実力のAランクが束になっても敵わない実力差である。

 

 

そんな人達が集まる学校。東京武偵高校。

 

 

この世界に2人の転生者がやってくる。

 

 

 

 

________________________

 

 

「どうも、楢原(ならはら) 大樹(だいき)です」

 

 

初心に帰って自己紹介する。やっぱり大事だよな、自己紹介。

 

 

「えー、無事に転生することができました」

 

 

隊長!転生前の出来事のことを簡単に報告します!

 

 

「俺は前の世界で御坂(みさか) 美琴(みこと)と一緒に転生することになりました」

 

 

やったぜ!幸せすぎて、今なら空でも飛べそうだ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まぁ……飛んでるけどね………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

再び上空3000メートルからの落下しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「またかよおおおおおォォォォォ!!!!!!」

 

 

もう!何で俺だけこんな扱いなの!ぷんぷん!

 

美琴の姿は見えない。違うところから落ちてるのかな?……落ちないで欲しいけど。

 

 

「ちくしょおおおォォォ!!駄神がああァァ!!!」

 

 

駄目だあいつ。早く何とかしないと。

 

 

「あ、学園島が見えた!!まじで海の上にある!!」

 

 

あれが今回の舞台か。楽しみだなぁ~。

 

 

「違う!!それより今だ!これをどうにかしないと!」

 

 

もう濡れるのイヤー!!いや、もっと気にしないといけないことがあるだろうがっ!(ノリツッコミ)

 

そして、だんだんと海面に近づいていく。

 

 

「ふっ」

 

 

俺は笑い、最後にこう呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もう………いやぁ………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

心が折れた。弱音吐いちまったよ。

 

 

さらば、人生よ。まぁどうせ生きてると思うよ。

 

 

ドボンッ!!

 

 

そして、大樹は海に落ちた。

 

 

________________________

 

 

「ぶはッ!つ、疲れた…」

 

 

どれだけ泳いだのだろう。海岸近くに落ちてくれればいいのによ。泳ぐのあまり得意じゃないんだよ。

 

 

「……………」

 

 

びしょ濡れになった自分を見て、落ち込む。このまま引きこもりになれるレベルで病んでるわ俺。

 

 

「川の次は海か……」

 

 

もう止めてくれ。普通に転生してくれ。ほら気がついたらベッドで寝てましたという展開プリーズ。

 

 

「あ、いた!!」

 

 

天使のような声がするほうに振りかえると、

 

 

「み、美琴!?」

 

 

常盤台中学の制服ではなく、武偵高校の制服を着た御坂 美琴がいた。

 

 

「………何でびしょ濡れになってんのよ」

 

 

「いや、この世界に今来たからだよ………」

 

 

美琴は頭に?を浮かべる。

 

 

「だーかーら、この世界に来るとき空から落とされただろ?」

 

 

俺は美琴に説明する。

 

 

 

 

 

「え?あたし、気がついたらベッドに寝てたけど?」

 

 

 

 

 

はい、神に嫌われました。男女差別反対ッ!!!

 

 

「……………………………………………ひぐっ」

 

 

「ちょっとあんた!?何泣いてるのよ!!」

 

 

違う!汗だ!目から汗が止まらないだけなんだ!

 

 

~10分後~

 

 

「はぁ、そういうことだったのね」

 

 

「理不尽だろ……」

 

 

俺は前の世界でも同じことがあったことを話した。そう、川に落ちたことを。

 

 

「そういえば美琴はいつこの世界に来たんだ?」

 

 

「昨日の夜来たばっかりよ」

 

 

「そうか」

 

 

そして、俺は一番気になっていることを聞く。

 

 

「なんで高校生の服なの?」

 

 

俺の記憶が正しければ美琴は中3だったような……。

 

 

「これよ」

 

 

美琴は一枚の紙を取り出す。

 

 

「あたしのポケットに入ってあったの。この制服に着替えて、今日の午前から始まる編入試験を受けろって書かれてるの」

 

 

美琴が簡単に説明する。

 

 

ん?

 

 

「ちょっと待て。俺は?試験は?」

 

 

「大樹は特別編入で試験受けなくていいみたいよ」

 

 

おお、よかった。これで学校行けなかったら何しにこの世界に来たんだよって話になるわ。

 

 

「確かランクは……E」

 

 

おい。最低ランクじゃねーか。

 

 

「何でいつも最低なんだよ……」

 

 

レベル0、Eランク。2つとも一番下だよこの野郎。

 

 

「はぁ、とりあえずどうするかなぁ……」

 

 

家に帰りたい。でも無いんだよね。

 

 

「とりあえず家に帰る?」

 

 

「いや、俺は家無いよ」

 

 

「え?」

 

 

美琴はキョトンと驚く。

 

 

「家、無いの?」

 

 

「おい待てや。まさか……」

 

 

いやだ。もう聞きたくない。

 

 

「あたしはマンションの部屋の一室貰ったよ」

 

 

もう俺のライフは0ですよ?美琴さん。神は俺を見捨てたのか……。まぁ俺を空から落すぐらいの扱いだもんな。うん、酷い。

 

 

「ぷっ」

 

 

俺の絶望する姿を見て、笑う美琴。ドSの素質があると見た。

 

 

「ごめんごめん。あんたの部屋もあるわよ」

 

 

「よっしゃああああァァ!!」

 

 

神は俺を救った。ありがとう。でも落とした恨みは忘れない。

 

 

「あんたとあたしで一緒に住むらしいよ」

 

 

え?それって、

 

 

「同棲……」

 

 

「なっ!?」

 

 

俺の言葉に美琴は顔を赤くした。

 

 

バチバチッ!!

 

 

「ぎゃッ!!」

 

 

俺の体に電気が走り、痛みが襲い掛かった。体は痺れ、膝から崩れ落ちた。

 

 

「な、何言ってるのよ、あんたは!!」

 

 

どうやら美琴の能力で出された電撃みたいだ。

 

 

「ほら!さっさと行くわよ!」

 

 

すいません。痺れて動けません。

 

 

________________________

 

 

「ここよ」

 

 

美琴に案内してもらい、今日から住むマンションの前にいた。

 

薄い黒色のマンションで、10階立てだった。外装が綺麗なので新築なのだろう。

 

 

「学校から近くはないが、遠くもない」

 

 

なかなかいいな。遅刻しそうでも走れば間に合うし。おっと、本気を出せばすぐに着けるんだった。てへっ。

 

中に入るとエレベーターに乗り10と書かれたボタンを押す。

 

 

「最上階か」

 

 

「そうよ。しかも1部屋しか無いんだから」

 

 

oh………凄くね?

 

 

「家賃はどのくらいだろう」

 

 

「月々15万よ」

 

 

「高っ!!」

 

 

ひゃー!前いた世界でのバイト3ヶ月分の給料じゃん!ひゃー!俺全然稼げてないじゃん!

 

 

「でも大丈夫でしょ」

 

 

「何で?」

 

 

「え?通帳よ、通帳」

 

 

ちょっと待てや。いや待ってください。

 

 

「ポケットに入ってるでしょ」

 

 

大樹はポケットを確認する。4回も。

 

 

「………もしかしてまた無いの?」

 

 

コクッとうなずく。

 

 

「つ、通帳を見せてくれるか?」

 

 

「え、ええ。いいわよ」

 

 

御坂 美琴と書かれた通帳。中を開けると、

 

 

 

 

 

残額 300,000,000と書かれていた。

 

 

 

 

 

「3億………」

 

 

俺の通帳を誰か知りませんか?3億と書かれた通帳を。

 

 

「………暗証番号教えるから一緒に使いましょ?」

 

 

「………うん」

 

 

そう言って、美琴は優しく俺の頭を撫でた。

 

 

________________________

 

 

 

「この部屋よ」

 

 

「わー、広いなー、綺麗だなー」(棒読み)

 

 

「………何かもう見てられないわ」

 

 

ごめん。俺の扱いがここまで酷いなんて思わなかったから。

 

部屋の中は一式そろっていた。装飾品がないだけで、テーブル、テレビ、ベッド、冷蔵庫、洗濯機などの生活に必要な必需品はそろっていた。

 

 

「そういえば誰がこんなの用意したんだろう?」

 

 

「気にしたら負けだ」

 

 

神です。犯人は神様ですよ。

 

俺たちは椅子に座る。

 

 

「美琴は試験受けたんだよな?」

 

 

「そうよ。しかも今日ね」

 

 

「………ランクは?」

 

 

「もちろんSよ」

 

 

ですよねー。もう分かってましたよ。……何か美琴の言葉だけを聞くとSMみたいですよね。じゃあ俺はドMかよ。違うよ。

 

 

「専門科目は?」

 

 

強襲科(アサルト)よ」

 

 

「へー、以外だな。超能力捜査研究科に入ると思ってた」

 

 

レベル5だしな。

 

 

「何であんたそんなに詳しいの?」

 

 

ギクッ!

 

 

「さっき海で武偵高校特集を拾って、泳ぎながら見ていたんだよ」

 

 

「本はくちゃくちゃじゃないの?」

 

 

やべぇ!何か無いのか!?

 

俺はポケットに手を入れて閃く。

 

 

「ほ、本に武偵高校のURLが書いてあって、携帯電話で調べたんだよ!」

 

 

よかったぁ!!防水で!!原田には感謝だな。

 

 

「なるほどね、理解したわ」

 

 

ホッ、こんな嘘に騙されるなんて、美琴は将来詐欺に会いそう。まぁそんな詐欺師は俺が潰すけどな。

 

 

「あ、俺の専門科目は?」

 

 

強襲科(アサルト)にしておいたわ」

 

 

「美琴が決めたのかよ……」

 

 

「何よ、文句ある?」

 

 

「いや、美琴と一緒だから文句はねぇよ」

 

 

「………そ、そう」

 

 

美琴は俺から顔をそらす。

 

 

「そ、そういえばあんた!」

 

 

何かを思い出し、席を立つ。

 

 

「専門科目の先生から明日、試験をするらしいから覚悟しておいてだって」

 

 

あれ?用意じゃなくて覚悟ですか?危ない予感しかしない。

 

 

「そ、そうか」

 

 

「あと夕食はどうする?」

 

 

「そうだな………買い物しに行くか」

 

 

「料理出来るの?」

 

 

「ふふふ、このシェフにお任せあれ」

 

 

「そう、なら期待するわよ?」

 

 

「おう!んじゃ買い物行きますか」

 

 

「ええ」

 

 

俺たちは近くのスーパーに出掛けた。

 

 

________________________

 

 

 

「そろそろ寝るか、明日も早いし」

 

 

「そうね」

 

 

俺たちは高校の教科書を広げて予習をしていた。まぁ俺は完全記憶能力があるからほとんど覚えたぜ。え?数学?何それおいしいの?

 

 

「………美琴」

 

 

「うん?」

 

 

俺は真剣な目で美琴を見る。

 

 

 

 

 

「後悔してないか?」

 

 

 

 

 

「……………」

 

 

美琴はしばらく黙ったあと。

 

 

「半分かな」

 

 

「半分?」

 

 

「ええ、もといた世界でまだやりたいこともあったわ」

 

 

「……………」

 

 

俺は黙って聞く。

 

 

「黒子や佐天さんに初春さんに会いたいと思ってる」

 

 

美琴は大樹を見る。

 

 

 

 

 

「でもね、もう半分は来てよかったと思ってる」

 

 

 

 

 

「え」

 

 

俺は驚愕して、つい声が出てしまう。

 

 

「今日大樹と一緒に居てすっごく楽しかった」

 

 

美琴は続ける。

 

 

「料理ができる大樹を見て少し悔しかったけど…」

 

 

「え?」

 

 

「でもね」

 

 

美琴は笑顔でこちらを向く。

 

 

 

 

 

「いつか100%、来てよかったって思わせてよね」

 

 

 

 

 

美琴の言葉に涙がでそうになった。

 

俺は上を向いて涙をこらえる。

 

 

「……分かった。約束する」

 

 

美琴の目をしっかりと見て、俺は右手の小指を前に出した。

 

 

「うん。約束」

 

 

俺たちは右手の小指どうしを絡ませる。

 

 

「それじゃおやすみ」

 

 

「ああ、おやすみ」

 

 

二人はそれぞれ自分の部屋に戻った。

 

 




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武装しない武偵

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続きをどうぞ。


俺と美琴は朝御飯を食べていた。そして美琴の話を聞いて一言。

 

 

「ず、ずるいな……」

 

 

「別に問題ないでしょ」

 

 

美琴は拳銃で撃った弾を能力を使って、銃弾の軌道を自在に操れるということだ。射撃テストではどんなに下手な撃ち方でも真ん中に当たる。チートか。

 

 

「あれ、俺の銃は無いのか?」

 

 

「あ……」

 

 

「おい、まさか」

 

 

「注文するの忘れてた。てへ☆」

 

 

「可愛いから許す」

 

 

「か、可愛い!?」

 

 

舌をチロッと出した美琴は超可愛かった。あぶねぇ、鼻血を出すところだったぜ。

 

 

「じゃあナイフもか?」

 

 

「……………うん」

 

 

「武装しない武偵ってどうよ?」

 

 

もう探偵じゃん。どうしよワトソン。

 

 

「か、かっこいい?」

 

 

「今日から武装しない」

 

 

「え!?う、嘘よ!嘘!」

 

 

嘘だったのか。かっこいいって言われて探偵になろうとしたのに。ごめんワトソン、新しい相棒を見つけてくれ。

 

 

「そろそろでないと遅刻するんじゃね?」

 

 

「あ、ホントだ」

 

 

俺たちは急いで支度した。俺は防弾制服だけ武装した。

 

 

________________________

 

 

 

「そういや今日試験だったな……」

 

 

覚悟しとけと言われた試験。ふえぇ……怖いよぉ。

 

 

「死にはしないでしょ」

 

 

なるほど、大怪我はするのですか。おいやめろ。変なことを考えるな。

 

 

「てか武装してない状態で試験とか受けていいのかよ」

 

 

「………盲点だったわ」

 

 

いやいや、そんな馬鹿な。

 

 

「射撃とCQC(ナイフ術)は0点確定だな」

 

 

「ふふっ」

 

 

いや、笑うなよ。絶対俺怒られるよ。

 

 

「だ、大丈夫よ」

 

 

「なにがだよ」

 

 

「テロリストや学園都市第一位を素手で倒す実力があるから」

 

 

おっと、そいつは人間か?

 

そんな他愛もない会話をしてながら学校に向かっていると、とっさに美琴は振り返った。

 

 

「どうした?」

 

 

「……………」

 

 

真剣な顔で後ろを見続ける。

 

 

 

 

 

「爆弾、あの自転車に爆弾が仕掛けてある」

 

 

 

 

 

「!?」

 

 

俺は目を凝らして美琴の指差す方を見る。

 

自転車を必死に漕ぐ少年。その隣には銃を固定しているセグウェイが走行している。おそらく銃は9mm短機関銃(UZI)だ。

 

 

「爆弾の解除はできるか?」

 

 

「あのセグウェイから出てる音波がジャミングしてるせいで、上手くできない」

 

 

「ならあのセグウェイは任せろ。美琴は爆弾を」

 

 

「分かったわ」

 

 

俺はセグウェイに向かって走り出す。

 

 

「お、おい!?こっちに来ちゃ駄目だ!」

 

 

少年は俺に向かって叫ぶ。

 

 

ガガガガガガガッ!!

 

 

セグウェイに固定してある銃が俺に向かって射撃する。が

 

 

「ハッ、下手くそだなおい」

 

 

俺は音速を越えるスピードで銃弾を避けながら進んだ。そして、

 

 

「オラアアアァァ!!!!」

 

 

バコンッ!!!

 

 

セグウェイを蹴り飛ばす。セグウェイは空中で粉々になりながら飛んでいく。

 

 

バチンッ!

 

 

「爆弾解除したわよ!」

 

 

美琴は少年に呼び掛けるが

 

 

「まだだ!この自転車に爆弾が仕掛けてあるんだぞ!!」

 

 

おい、聞こえてねぇぞ美琴の声。もう解除したよ馬鹿野郎。

 

少年はそのまま全速力で漕ぎ、どんどん俺たちとの距離を広げていく。

 

 

「「あ」」

 

 

ピンク色の髪のツインテールの女の子がパラシュートを使ってビルから落ちてきた。

 

 

「まさか」

 

 

俺はその光景に見覚えがあった。そのまま少年にぶつかり救出。いやもう仕事終わってますけどね。

 

 

「だ、大樹!」

 

 

「ふぇ?」

 

 

美琴に呼ばれ俺は情けない声を出す。あれ?なんかこっちに近づいて来てない?

 

少年を抱えた女の子がこちらに迫ってきた。

 

 

「ちょっ!?」

 

 

ドゴッ!!

 

 

そして、ぶつかった。

 

 

「ぐぇッ!!」

 

 

少年の体当たりがクリティカルヒット!さらに女の子の膝が顔面にかいしんの一撃!

 

大樹は倒れた。少年と女の子は24の経験値を貰った!

 

 

「生きてる?」

 

 

………グッ!

 

 

美琴に心配されたが、俺は右手の親指を立て、大丈夫なことをアピールする。はやく降りてくれ二人とも。

 

 

「ば、爆弾は!?」

 

 

少年が辺りをキョロキョロと見ながら叫ぶ。

 

 

「あたしがもう解除したわよ」

 

 

「「え」」

 

 

あ、女の子も起きた。

 

 

「い、いつの間にそんなことを……?」

 

 

「解除したこと伝えたけど聞こえなかったの?」

 

 

「………あの時か!」

 

 

少年は思い出したように言う。

 

 

「………あなた何者?」

 

 

女の子が美琴に聞く。が

 

 

「いや、そんなことより」

 

 

美琴は指を指す。

 

 

 

 

 

「あれ、どうするの?」

 

 

 

 

 

「「!?」」

 

 

いつの間にかセグウェイに前と後ろを囲まれていた。俺は気付いてたけどね。てかはやくどいて。

 

 

「まだいたのねっ!?」

 

 

女の子はスカートの中から銃を取り出し、銃口をセグウェイに向ける。

 

 

「いたって何が!?」

 

 

「【武偵殺し】のオモチャよ!」

 

 

少年の質問に答える女の子。立ち上がろうとするが、

 

 

「ぐえッ!?」

 

 

「きゃッ!?」

 

 

女の子は俺の腹を踏みつけてしまった。痛いよ……ぐすんっ。

 

そして、女の子はバランスを崩して、

 

 

「ッ!?」

 

 

少年の顔に女の子のお尻が乗っかった。

 

 

「ひゃッ!?」

 

 

女の子は短い悲鳴を上げてすぐに立ち上がる。

 

 

「うぐッ!?」

 

 

そして、また俺の腹を踏みつけられる。トホホ。

 

 

「こ、この変態!!」

 

 

女の子は少年をビンタしようするが、

 

 

スカッ

 

 

かわされた。

 

 

「ごめんね、でも不可抗力だったんだ」

 

 

「「「へ?」」」

 

 

「可愛い女の子に失礼なことをした。その罪は十分重いのは分かっている」

 

 

「「「……へ?」」」

 

 

少年の性格が豹変した。

 

美琴の目が点になる。女の子もポカンとしてる。

 

 

「あとで罪は償うよ。でも今はあのオモチャ(セグウェイ)をどうにかしないとね」

 

 

少年はなぜか俺に手を伸ばす。

 

 

「さっきの君を見て思った。君は相当の実力者だ」

 

 

少年はセグウェイを見ながら言う。

 

 

「半分、頼めるか?」

 

 

「………あ、ああ」

 

 

おっと、俺までポカンとしてた。

 

 

「ひ、ひとりで立てるよ」

 

 

俺はひとりで立ち上がる。なんか握りたくなかった。

 

 

「君の名前は?」

 

 

「人に名前を聞くときはまず自分の名前から言うのが常識だろ?」

 

 

俺は主人公に毎回これ言ってないか?

 

 

「はは、そうだね。遠山(とおやま) 金次(キンジ)だ」

 

 

「楢原 大樹だ。よろしくな遠山」

 

 

「ああ、こちらこそよろしく大樹」

 

 

その少年は、この世界の主人公だった。

 

________________________

 

 

キンジは拳銃を右手に持つ。

 

 

「じゃあ後ろのセグウェイを頼むよ、大樹」

 

 

「あ、ああ」

 

 

俺は遠山に返事する。その時、美琴がこっちを見ていたようなので、そっちを見てみると。

 

 

チラッ

 

プイッ

 

 

顔をそらされた。やべぇ、また目から汗が……。

 

この状況。実は一瞬で終わらせる裏技があります!

 

 

(美琴が能力使ったら一瞬だったのに……)

 

 

キンジと俺がこの状況をどうにかするような雰囲気になってしまった。あー、働きたくないでござる。

 

 

「……………」

 

 

女の子は俺を………いや、全く見てないな。キンジをずっと見ている。

 

キンジは前方のセグウェイに向かって歩き出す。

 

そして、

 

 

ガガガガガガガッ!!!

 

 

7機のセグウェイに固定された銃は一斉に射撃された。

 

だが、

 

 

 

 

 

キンジには一発も当たらなかった。

 

 

 

 

 

「「!?」」

 

 

美琴と女の子は驚愕する。当然だ。右や左に少し動く程度で全ての銃弾をかわしているのだから。

 

キンジは銃から7発の銃弾を撃つ。そして、全ての銃弾は、

 

 

 

 

セグウェイに固定された銃の銃口に入っていった。

 

 

 

 

 

(あいつも人間卒業だな♪)

 

 

俺は同類を見つけて心の中で喜ぶ。

 

セグウェイに固定された銃は粉々になった。

 

そして、折り重なるように次々とセグウェイは倒れていった。

 

キンジはこちらに歩いてくる。

 

 

「さぁ、次は君の番だよ」

 

 

超爽やかな笑顔で俺に微笑む。うわー、イケメンがおる。リア充爆発しろ。って

 

 

 

 

 

「はぁ?もう終わったぞ?」

 

 

 

 

 

「「「え」」」

 

 

三人は同時に声を出す。

 

前方には粉々になったセグウェイや銃が転がっていた。

 

 

「いや、だって相手が待つわけないじゃん」

 

 

「「「……………」」」

 

 

三人はそれはそうだな、と納得するが納得できない顔をする。

 

 

「でも大樹とセグウェイの銃声は聞こえなかったが?」

 

 

キンジは疑問を俺に聞く。

 

 

 

 

 

「いや、俺は銃持ってねぇからな」

 

 

 

 

 

「「え」」

 

 

「……………」

 

 

キンジと女の子は驚愕………違う。俺を馬鹿を見るような目で見ている。

 

美琴は顔をそらした。いやいや、原因は美琴だろ?

 

 

「セグウェイの銃声がならなかったのは」

 

 

俺はとりあえず気にせず続ける。

 

 

 

 

 

「撃たれる前にセグウェイを無力化させたからな」

 

 

 

 

 

「「!?」」

 

 

二人は驚愕する。

 

 

「大樹………あんた本当に

 

 

「言うな。何も言うな」

 

 

きっと続きは人間?と聞かれるのだろう。立派な人間だ俺は!

 

 

「お、恩になんか着ないわよ。あんなオモチャぐらい、あたし1人でも何とかできた。これは本当よ。本当に本当」

 

 

お、おう。そんな強気に言われたら「はい」か「YES」しか答えれねぇよ。

 

 

「そ、それに、さっきの件をうやむやにしようったって、そうはいかないから!あれは強制猥褻!レッキとした犯罪よ!」

 

 

女の子はキンジに指を指す。えー、不可抗力だろ。じゃあ俺も二人に傷害罪出していい?出さないけど。うわ、俺って優しい!この調子だと世界も救えそうだ!

 

 

「………それは悲しい誤解だよ」

 

 

え?悲しいの?あんなラッキースケベが?オイコラ俺と交代しろや。

 

 

ギャー!ギャー!

 

 

女の子は一方的にキンジに怒鳴り付ける。キンジはそれを冷静になだめていた。

 

 

「学校………行かない?」

 

 

おふう、美琴様はこの状況に呆れなさったご様子で。

 

 

「そうだな、てかこれ遅刻してんじゃん」

 

 

俺は携帯電話を取り出し時刻を確認した。OK、もうすぐで遅刻するなコレ。

 

 

「あんたいったい!何して!くれて!んのよ!」

 

 

何か凄い地団駄してるな。流行らせようかな?

 

 

「よし、冷静に考えよう」

 

 

未だに冷静を保つお前はある意味やべぇぞ。

 

 

「俺は高校生。それも今日から二年生だ」

 

 

そういえば、美琴も高校二年生だって。朝聞いてビックリしたわ。中学通わないのか。

 

 

 

 

 

「中学生を脱がしたりするわけがないだろう?歳が離れすぎだ。だから安心してほしい」

 

 

 

 

 

火に油注ぎやがったよ。

 

 

「あたしは中学生じゃない!!」

 

 

女の子は涙目になりながらも、キンジを睨み続けている。

 

 

「お、おい遠山」

 

 

この次の言葉は………あかん。

 

俺はキンジに声をかけるが、遅かった。

 

 

 

 

 

「………悪かったよ。インターンで入ってきた小学生だったんだな。助けられたときから、そうかもなとは思っていたんだ。しかし凄いよ、君は」

 

 

 

 

 

やりやがったよこいつ!!俺の言葉を無視して!!

 

 

「こんなヤツ………こんなヤツ………助けるんじゃ、なかった」

 

 

うん?助けたっけ?

 

 

ガッガキュンッ!!

 

 

「うおッ!?」

 

 

女の子は二発の銃弾をキンジの足元に撃つ。

 

 

 

 

 

「あたしは高2だ!!」

 

 

 

 

 

「え」

 

 

美琴は驚く。ああ、お前もキンジと同じこと考えてたのか。まぁ普通の反応っちゃ反応ですが。

 

 

「ま、待てッ!!」

 

 

キンジは女の子に近づき女の子の銃を構えた細い両腕を両脇に抱え込んで後ろに突きださせた。

 

 

(何か第2ラウンド始まったな)

 

 

俺と美琴は見学する。レディ……ファイトッ!!カァンッ!!

 

 

「んっ」

 

 

女の子は体をひねり、

 

 

「やぁッ!」

 

 

女の子を掴んでいたキンジを投げ飛ばした。

 

 

「「おお……」」

 

 

俺と美琴はその技に思わず声がでる。体格差があんなにあるのにすごいな。

 

 

「うおッ!?」

 

 

キンジは転がり受け身をとった。

 

 

「覚悟しなさい!って、あ、あれ?」

 

 

女の子はわしゃわしゃとスカートの内側を両手でまさぐった。

 

 

「ごめんよ」

 

 

キンジの手には弾倉(マガジン)を持っていた。女の子は銃に再装填する弾。弾倉(マガジン)を探していたのだ。

 

 

「あッ!」

 

女の子はキンジの持った弾倉(マガジン)を見て、驚愕の声をあげる。

 

 

ポイッ

 

 

キンジは弾倉を空高く飛ばして信号機の上に載せる。うわ、いやな嫌がらせ。

 

暇なので俺は信号機によじ登り、弾倉(マガジン)を取りに行った。不法投棄はだめですよ~。

 

 

「もう!許さない!ひざまずいて泣いて謝っても、許さない!」

 

 

女の子は銃をスカートの中にしまうと、背中に隠してあった刀を二刀流で抜いた。

 

女の子はキンジに飛びかかる。

 

「強猥男は神妙に

 

 

次の言葉は続かなかった。

 

 

「っわぉきゃッ!?」

 

 

女の子は後ろに倒れた。いや転けた。

 

女の子の足元にはさきほど破壊したUZIの弾丸がいくつも転がっていた。

 

 

(あそこだけ異常に弾が集まってる?ってまさか)

 

 

仕組んであった。最初から。

 

 

(まじかよ……誘導ってレベルじゃねぇぞ)

 

 

俺は無事に弾倉(マガジン)をゲットする。そして、信号機から飛び降りる。

 

 

「こ、このッ………みゃおきゃッ!?」

 

 

そして、女の子がまた転んだ。

 

キンジは女の子の姿を見て、一目散に逃げていった。

 

 

「この卑怯者!でっかい風穴あけてやるんだからぁ!!」

 

 

女の子は涙目で大声をあげた。

 

 

________________________

 

 

 

俺が元の場所に帰ってくると美琴の姿が見えなかった。しかし、一枚の紙切れが落ちていた。

 

 

『もう事件は解決したので先に学校に行きます。遅すぎると怒られるので。』

 

 

「俺も連れて行ってよ……」

 

 

『後始末よろしく』

 

 

「逃げやがったな!!」

 

 

うわっ!?これって後でたくさんの書類を書かないと帰してもらえないパターンだ!よくある展開だよコレッ!?

 

 

「まぁ、それより」

 

 

俺は女の子に近づき、女の子の足元に転がっている弾を蹴り飛ばした。

 

 

「大丈夫か?あとこれ」

 

 

「あ、ありがとう」

 

 

俺は回収してきた弾倉を女の子に渡した。

 

女の子の顔が少し赤い。そりゃそうだ、あんなに転けたところ見られたら恥ずかしい。お嫁には十分行けると思うけど。

 

 

「これって後で書類書かなきゃダメなのか?」

 

 

「ええ、書くでしょうね確実に」

 

 

「はぁ………」

 

 

天気は晴れているのに俺の心はくもりだよ……。

 

俺はいつまでも座っている女の子に右手を差し出す。いつまでも地面に座っているのはよくないからな。

 

 

「自己紹介まだだったわね」

 

 

女の子は俺の右手を握り、その場から立ち上がる。

 

 

 

 

 

神崎(かんざき)(えいち)・アリア よ。よろしく」

 

 

 

 

 

「ああ、こちらこそ」

 

 

知ってるけどな。

 

 

「神崎はこの後、どうするんだ?」

 

 

「アリアでいいわよ。私も大樹って呼ぶから」

 

 

アリアは腕を組み思考させる。

 

 

「とりあえず学校に連絡してみるわ」

 

 

その後は書類書かされて尋問されるんですね。はい、未来が見えるんです僕。

 

俺の嫌そうな顔を見たアリアは笑みをうかべながら言う。

 

 

「大丈夫よ、なるべく早く解放されるようにしてあげるわ」

 

 

「あ、ありがとぅ」

 

 

うぅ、よかった。優しい子だよアリアは……!

 

俺はアリアの優しさに感動した。

 

 




執筆状況を少し書きます。

話のストックは全くありません。ですが毎日更新できるように頑張って書いています。

これからもよろしくお願いいたします。


感想や評価をくれると嬉しいです。


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悪魔が笑う最恐試験

続きです。




「失礼しました」

 

 

俺はドアを開けて部屋を出る。さきほどまで書類を書かされたが二枚ほど書いただけですんだ。

 

 

(アリアのおかげで助かったぜ)

 

 

事件についてはアリアがほとんど話してくれた。俺は確認するだけの簡単な質問をされるだけだった。

 

 

「あ、終わったのね」

 

 

廊下の壁に背を預けている美琴がいた。

 

 

「……………よくも裏切ってくれたな」

 

 

「今日お弁当作ったんだけど」

 

 

「許す」

 

 

「…………あいかわらず私に甘いわね、あんた」

 

 

やったぁ!!女の子の手作り弁当だぁ!!

 

 

「はやく行くわよ、先生が呼んでる」

 

 

ふふふ、弁当!弁当!手作り!

 

俺の頭のなかは弁当しか考えていなかった。

 

 

________________________

 

 

 

「はーい皆さん。二年生最初のHRをはじめますよー」

 

 

教室全体に教師の声が響く。先生の声で席をたっていた人は全員席につく。

 

 

「去年の3学期に転入してきた子と今日から編入してきた二人の子たちに自己紹介してもらっちゃいますよ」

 

 

先生の後ろには二人の少女と一人の少年がいた。

 

 

ざわざわっ

 

 

教室は一気にざわつく。

 

 

三人は黒板の前まで歩く。その瞬間、

 

 

 

 

 

誰も喋らなくなった。

 

 

 

 

 

「強襲科の神崎・H・アリアです」

 

 

アリアが自己紹介するが、誰1人見ていない。

 

 

「同じく、強襲科の御坂 美琴です。よろしくお願いします」

 

 

美琴も見られてない。

 

 

 

 

 

「強襲科のア◯パンマンです。みんなよろしく」

 

 

 

 

 

アンパンマ◯の顔をかぶっている少年。全員はその少年を見ていた。

 

服はこの高校の男子生徒の制服を着用していた。

 

 

「それじゃ新しい子に質問がある人は手をあげてくださーい」

 

 

バッ!!

 

 

キンジ以外の全員が手をあげた。

 

 

「そ、それじゃあ武藤(むとう)君」

 

 

「先生!なんでアンパ◯マンがいるんですか!?」

 

 

「「ぷッ」」

 

 

その質問に美琴とアリアは笑いだす。

 

 

「あぁ?それくらい自分で考えろよ」

 

 

「◯ンパンマン性格悪ッ!?」

 

 

「ったく仕方ない、説明してやるよ」

 

 

「あ、ありがとうございます?」

 

 

武藤はアンパンマ◯にお礼を言う。なぜ?

 

 

「俺はこの教室にくる前、美琴とアリアと一緒に職員室で待っていたんだ」

 

 

生徒は黙って話を聞く。

 

 

「職員室の後ろには例のアレがあった」

 

 

ゴクリッ

 

 

生徒は唾を飲む。

 

 

 

 

「そう……アン◯ンマンの顔が」

 

 

 

 

 

ズゴッ!!

 

 

教室にいた全員が転けた。

 

 

「そしたら美琴とアリアが俺にかぶせやがって」

 

 

アンパ◯マンは両手を広げる。

 

 

 

 

 

「取れなくなったのぉ………ぐすッ」

 

 

 

 

 

「「「「「……………」」」」」

 

 

クラスの皆は可哀想な目で見ていた。

 

 

しかし、美琴とアリアは笑っていた。

 

 

 

________________________

 

 

スポンッ!

 

 

「や、やっと抜けたぁ……」

 

 

あー、苦しかった。

 

 

「改めてまして、強襲科の楢原 大樹です。助けてくれてありがとう」

 

 

クラスの皆に手伝ってもらい脱出に成功した。

 

 

「そ、それじゃあ席なんだけど」

 

 

「先生」

 

 

アリアは先生に声をかける。

 

 

「大樹とあいつの近くに座りたい」

 

 

おお、出ました!キンジが狙われ…………え?

 

 

「俺も!?」

 

 

ざわざわッ

 

 

「よかったなキンジ!何か知らんがお前にも春が来たみたいぞ!!」

 

 

俺は?俺には来ないの?遠山に負けるの?

 

 

「先生!俺、転入生さんと席代わりますよ!」

 

 

「あ、俺も代わるよ!」

 

 

キンジの横の2つの席が空く。

 

 

「それじゃあ遠山君の隣に神崎さん、その隣に楢原君が座る形でいいかな?」

 

 

「ダメだ!!」

 

 

俺の反論にクラスの皆が俺に視線を移す。

 

 

「俺の隣に美琴が座るならいいだろう!」

 

 

「なッ!?」

 

 

美琴の顔が赤くなる。

 

 

ざわざわっ!!

 

 

「なら私が代わります!」

 

 

俺の席の隣の女の子は言う。

 

 

「よしっ!!」

 

 

ガッツポーズで喜ぶ。よっしゃあッ!!

 

 

「な、なに考えてんのよあんたは!?」

 

 

ふふふ、両手に花だぜ。キラーン。

 

 

「分かった!理子(りこ)わかっちゃった!」

 

 

キンジの逆隣に座っている女の子は席を立ち大声で言う。

 

その理子と名乗った少女の制服はヒラヒラなフリルだらけの制服に改造してあり、金髪で……何か……こう、何?……二次元に出て来そうな女の子みたいな子だった。

 

 

「これはもう修羅場だよ!修羅場!」

 

 

キンジはもう疲れたような目で理子を見ている。

 

 

「ツインテールさんはキンジとアンパ◯マンに二股の恋をしているの!」

 

 

おーい、俺は大樹だよー?

 

 

「でもア◯パンマンは美琴ちゃんに恋をしている!まさに修羅場!」

 

 

ア◯パンマン、表に出ろ。美琴には指一本触れさせん!ていうか、今の修羅場だったか?まぁいいか。

 

 

ざわざわっ!!!

 

 

理子の発言で一気に騒がしくなる教室。

 

 

ズキュンッズキュンッ!!

 

 

銃声が二発なった。

 

教室が静まり返る。撃った犯人はアリアだった。その証拠に銃を二つ取り出し、銃口を上に向けてる。天井には二つの穴ができている。

 

 

「れ、恋愛だなんてくっだらない!!」

 

 

アリアは少し顔を赤くし叫ぶ。

 

 

「全員覚えておきなさい!そういう馬鹿なことを言うやつには」

 

 

銃口を前に向けて、

 

 

「風穴、あけるわよ!!!」

 

 

キーン、コーン、カーン、コーン

 

 

HR終了のチャイムが鳴り響いた。

 

 

________________________

 

 

 

「お前は死にたいのか?」

 

 

身長が二メートル近くあるがごつい男の先生は言う。

 

 

「滅相もございません」

 

 

俺は目を逸らしながら否定する。額からは汗がダクダクと流れている。

 

 

 

 

 

「なら何で武器を持っていないんだ?」

 

 

 

 

 

「……………」

 

 

「今日は試験をさせると伝えていたが?」

 

 

「き、聞きました」

 

 

「なら何で武装していない?」

 

 

「すいません……」

 

 

クスクスッ

 

 

くそっ、恥ずかしい!

 

職員室で怒られています。

 

俺は今強襲科の試験を受けるはずが受けれない。理由は簡単。武装していないから。

 

 

「舐めているのか?」

 

 

ブンブンッ!

 

 

顔を勢いよく横に振る。

 

 

「まぁこのことは許してやろう」

 

 

あざーす。

 

 

「だが少しくらい訓練はするよな?」

 

 

「もちろんです!全力で取り組みます!」

 

 

「そうかそうか。ならお前は今からここに向かってくれ」

 

 

男の先生は一枚のプリントを俺に渡す。

 

 

「そこで訓練をしてこい。モニターで生徒は全員見てるからカッコ悪いとこ見せるんじゃねぇよ?」

 

 

「了解です!」

 

 

俺は訓練が行われる場所に向かった。

 

 

________________________

 

 

「ここか」

 

 

走って一分で着いた。いやいや本気で走ってないよ?

 

 

「訓練に参加する人はこの名簿に名前を書いてくださーい」

 

 

「あ、書きます書きます!」

 

 

急いで受付場所に行き、名前を記入する。

 

 

「ではこの建物の四階で待機してください。詳しいことはアナウンスが流れますので」

 

 

「はーい」

 

 

俺は建物の中に入り、階段をのぼった。

 

 

(随分ボロボロだな)

 

 

壁はたくさんの穴が空き、床は汚れたコンクリートだ。

 

 

(何が始まるんだ?)

 

 

そして四階に着くと、真ん中で待機した。周りに人は誰もいない。

 

 

(下にはあんなに人が居たのに何故だ?)

 

 

軽く30人はいた。

 

 

(そして名簿に書いてあったのが俺を除いて4人)

 

 

この建物は6階立て。ひとつの階に1人の人間を置くならあと一人は参加するはず。

 

 

(なるほど、見学か)

 

 

30人近い人たちは全員見学だったのかもしれない。先生も言っていたしな。

 

 

(………ごちゃごちゃ考えても仕方ない)

 

 

俺はアナウンスを待つことにした。

 

 

『今から訓練を始めます』

 

 

アナウンスはすぐに鳴った。女の子の声が建物全体に響く。

 

 

『ルールはバトルロワイヤル方式です。参加人数は6人。範囲はこの建物の中のみです。窓から出たりした場合は失格です』

 

 

おぉ、なかなか本格的だな。

 

 

『武器は違法で無ければ許可します。グレネード等も使っても構いません。ナイフ、近接格闘は当然ありです』

 

 

ん?武器?グレネード?持ってないぞ?

 

 

『勝利方法は相手を無力化、もしくはナイフを首に当てるなどの相手に勝利し、最後の一人になった者のみが勝ちです』

 

 

ガチ訓練キター!!!って俺は武器持ってねぇよ!?

 

 

『なお参加者一名は教官、残りはAランク武偵の参加となっております』

 

 

はぁ!?俺はEランクだぞ!?

 

 

ビーッ!!

 

 

無慈悲にも開始の合図を知らせるブザーが鳴り響いた。

 

 

 

________________________

 

 

 

訓練が始まった。いや訓練にしては本格的すぎる。そう……これは訓練じゃない。殺し合いだ……大袈裟だな。訓練で良いよ。

 

教師から貰ったプリントをもう一度見る。

 

 

(参加者は全員Aランク。なのにプリントにはここで訓練を受けると書かれている)

 

 

間違い通達。いや、嫌がらせだ。名簿に書く作業もあった。

 

 

(………ん?)

 

 

足音が後ろからした。

 

 

(集中して聞かないと聞き逃すくらい音が小さいな)

 

 

さすがAランク。だが、

 

 

(俺なら十分に聞こえる!)

 

 

柱の後ろに隠れて息を潜める。待ち伏せだ。

 

そして、

 

 

ゴッ

 

 

「うッ!?」

 

 

歩いて来た敵に気付かれないように近づき、手を刀のようにして、相手の首の後ろを叩く。

 

 

バタッ

 

 

少年は気を失い、倒れた。

 

 

(一度こういうのやってみたかったんだよね)

 

 

俺は少年を部屋の隅に移動させる。戦闘に巻き込まれたら大変だ。

 

 

(この少年は下から来たのか)

 

 

ここは四階。一つのフロアに一人居るなら、下にはあと二人いるな。

 

 

(下から攻略していきますか!)

 

 

俺は足音を殺しながら、階段を降りていった。

 

 

________________________

 

 

こちらジャック。A地点まで到着した。

 

…………簡単にいうと二階まで来た。

 

 

(二階には居ない…………一階か?)

 

 

一階に二人居ることになる。

 

 

(銃声は聞こえないから闘ってないはず……いや)

 

 

俺みたいに敵を倒すなら別か。

 

音を殺しながら俺は階段を降りていく。一階に辿り着き、部屋を恐る恐る見る。

 

しかし、一階にも誰も居なかった。

 

 

(……………よし)

 

 

俺はわざと足音をたてて、部屋の中央に行く。

 

 

その時、

 

 

「「もらった!!」」

 

 

前と後ろから人が出てきた。

 

彼らは協力していたのだ。例えば最後の二人になるまで協力しよう。とか言って組んだのだろう。

 

だが、

 

 

「「!?」」

 

 

 

 

 

さきほどまで居た場所に大樹は居なかった。

 

 

 

 

 

「後ろだ」

 

 

ゴッ!

 

 

「がはッ!?」

 

 

前にいた少年の横腹を回し蹴りぶっ飛ばす。

 

少年は壁にぶつかり、動かなくなった。気を失わせただけだ。

 

 

「このッ!!」

 

 

ガガガガガガガッ!!

 

 

後ろにいた少年が銃を撃つ。

 

俺はその銃弾を見切り、

 

 

 

 

 

イナバウアーで避けた。

 

 

 

 

 

「はあああああァァァァ!?」

 

 

少年は避け方に驚愕する。

 

 

クルンッ

 

 

俺はイナバウアーの状態から横に回転し、体制を整える。と同時に音速のスピードで相手に迫る。

 

 

「フィギュアパーンチ!!」

 

 

「ガッ!?」

 

 

要するに腹パン。少年は前から崩れ落ち、床に倒れた。

 

そして一言。

 

 

「フィギュアスケート、明日夜8時から放送されるぞ」

 

 

スケートの宣伝をした。頑張れ!浅田〇央ッ!

 

 

________________________

 

 

(あと二人か)

 

 

再び四階まで戻ってきた大樹。

 

残るは教官と生徒1人。さすがに協力は無いだろう。

 

 

(五階にも人はいない……)

 

 

残るは六階だけ。

 

 

(きっと生徒はやられてるだろ)

 

 

となると残りは教官だけとなる。

 

俺は息を潜めながら階段をゆっくりとのぼる。

 

 

ガギュンッ!!

 

 

「ガッ!?」

 

 

大樹があげた声ではない。上から聞こえた声だ。

 

 

「もう終わりか?弱いなおい」

 

 

大樹は身を隠しながら様子をうかがう。

 

教官と少年が戦っていた。

 

 

ゴスッ!

 

 

「グッ!?」

 

 

教官と思わしき人物が少年の顔を蹴り飛ばす。少年は鼻や口から血を流していた。

 

力の差は歴然。教官が一方的に生徒をボコボコにしていた。

 

 

「!?」

 

 

その教官には見覚えがあった。

 

 

「おい」

 

 

大樹は隠れるのを止めて、二人に近づく。

 

 

「なんだお前、生き残っていたのか」

 

 

 

 

 

俺にプリントを渡した男だった。

 

 

 

 

 

「もうそいつは無力化されている。もう止めろ」

 

 

俺は身長が二メートル近くある男を睨み付ける。

 

 

「何言ってるんだお前?」

 

 

男はニヤリッと笑い、

 

 

「瀕死になるまでしなきゃ無力化とはいえないだろ?」

 

 

「………ッ!!」

 

 

……この糞野郎!!

 

 

「ほらよ」

 

 

男は倒れている少年をゴミを投げるような仕草で、こちら側に投げるた

 

 

「くッ」

 

 

俺は前に走って少年を受け止める。その時、

 

 

「隙だらけだ」

 

 

ガギュンッ!!

 

 

銃声が鳴った。

 

 

ドスッ

 

 

「グッ!?」

 

 

銃弾は俺の左腕に当たる。しかも銃弾は訓練用じゃない。実弾だ。

 

 

「この野郎ッ!!」

 

 

「動くな、もう囲まれている」

 

 

「!?」

 

 

建物の柱の後ろから、何台ものセグウェイが出てきた。

 

セグウェイには銃が固定されていた。

 

 

「前に武偵殺しの事件で使われたモノを真似してみたんだ」

 

 

前に2台。右と左に3台ずつ。そして後ろに2台の計10台。

 

 

(囲まれた!?)

 

 

俺ならこの状況は簡単に突破できる。だが今は怪我をした少年がいる。

 

「おっと、余計なことはするな。動くとセンサーが反応して射撃してしまうぜ?」

 

 

「くっ」

 

 

どうする?階段までの距離は遠い。

 

考えろ。助かる方法を。

 

この状況を打破する策を!!

 

 

「いいのかよ?これ、みんなに見られてんだろ?」

 

 

話をして時間稼ぎをする。今はそれしかなかった。

 

 

「この階だけは映らねぇんだよ、残念だったな」

 

 

「………このことがバレたら牢屋行きだな?」

 

 

「そうならないように今からボコボコにするんだろ」

 

 

前、右、左、後ろ。くそっ!突破口は無いのか!?

 

 

「俺はこれを続けて半年、全くバレねぇんだよ」

 

 

「……………」

 

 

「お前ら以外にこうなったやつはあと3人ほどいるぜ?」

 

 

「ッ!!」

 

 

俺は唇を強く噛む。口の中には鉄の味がした。

 

 

「そろそろお喋りも終わりにしようか」

 

 

「ッ!」

 

 

無い。俺だけでも逃げれるが、下手したら少年の命が危ない。

 

 

(ちくしょう……!!)

 

 

今の俺には何もできない。そんな自分に絶望する。

 

首が重くなり、下を向く。

 

 

「なんだよ?諦めたのか?」

 

 

下を向いたまま右手に力を入れる。撃たれた左腕から血が床に落ちた。

 

 

 

 

 

床?

 

 

 

 

 

「それじゃあ、フルボッコタイムの始まりだ」

 

 

あった。この状況を打破する方法。

 

俺は笑みを浮かべる。その顔を見た男の表情が曇る。

 

 

「何だ?頭でもおかしくなったのか?」

 

 

「そうだな、全く」

 

 

俺は右手に力を。ありったけの力を入れる。

 

 

 

 

 

「こんな方法、頭のおかしい奴しか考えないだろ」

 

 

 

 

 

俺は床に右手を降り下ろす。

 

 

「砕けろおおおおおおォォォォォ!!!!!」

 

 

ドゴオオオオォォォォ!!!!

 

 

爆発でもしたような音が鳴り響く。

 

 

「なっ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大樹は六階の部屋全体の床を破壊した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガガガガガガガッ!!

 

 

セグウェイに固定された銃は発泡するが、バランスを崩して狙いを外す。

 

六階に居た三人とセグウェイ10台は五階に落ちる。

 

 

「ッ!」

 

 

大樹は少年を抱えたまま綺麗に着地する。そして階段まで急いで走っていく。

 

 

(とりあえず安全な場所へ!)

 

 

俺は一気に四階まで降りる。そして、一番最初に倒した人をおんぶする。

 

 

(男をお姫様だっこ。もう1人はおんぶ。最悪だなおい)

 

 

再び走り出した。

 

一階まで来たところで二人を降ろす。

 

 

(一階には四人の生徒。これで全員か)

 

 

四人の安否を確認したあと俺は階段を再びのぼる。

 

 

あの野郎だけは許さない。

 

 

________________________

 

 

「クソッ!」

 

 

大樹は再び五階に戻ってきたが、男は瓦礫をどけてやっと脱出できたみたいだ。

 

 

「よぉ、随分まぬけだな」

 

 

大樹は馬鹿にしながら挑発する。

 

 

「このガキッ!!」

 

 

ズキュンッ!

 

 

男は発泡する。が大樹は頭を傾けるだけで回避する。

 

 

「ちっ!」

 

 

男は舌打ちする。そして服の中から手榴弾を取り出す。

 

 

「くたばれッ!!」

 

 

チンッ

 

 

ピンを抜いて俺に投げる。

 

 

ドゴオオオオォォォォ!!!!

 

 

大樹の目の前で爆発した。

 

 

 

 

 

「どこに投げてんだ?」

 

 

 

 

 

「!?」

 

 

後ろから声がした。男の顔は真っ青になり、恐る恐る振り返る。

 

そこには無傷の大樹がいた。

 

 

「ば、バカなッ!?」

 

 

大樹は殺意が籠った瞳で男を睨み付ける。

 

 

「ひッ!?」

 

 

それだけで男は悲鳴をあげる。

 

 

「今の俺は最高にぶちギレてる」

 

 

男に向かって歩く。

 

 

「く、来るな!!」

 

 

ズキュンッ!

 

 

男はまた発泡する。

 

 

「邪魔だ」

 

 

ガキンッ!

 

 

「!?」

 

 

大樹はさきほど拾った瓦礫の破片を持っていた。それを投げて銃弾を相殺する。

 

 

「ッ!!」

 

 

ガチンッ!!

 

 

「ガッ!?」

 

 

まだ撃とうとする男。大樹は瓦礫の破片をもう一度投げて、男の拳銃にぶち当てる。

 

 

「歯を食いしばれよ」

 

 

「や、やめろ……」

 

 

男の声は小さかった。

 

 

「お前みたいな悪党は大嫌いだ、だから」

 

 

「やめろおおおォォ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺が、全部潰すッ!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドゴンッ!!!!

 

 

ありったけの力を入れた右手で、男の顔を殴る。

 

 

ガゴンッ!!

 

 

建物を支える柱にぶつかるが、そのまま柱を破壊して後ろに吹っ飛ぶ。

 

 

ドンッ!!!

 

 

一番後ろの壁まで飛んで行き、やっと止まる。

 

男はぐったりとしており、もう動かない。残念ながら気を失っただけだ。

 

 

この訓練。いや、この戦闘は楢原 大樹の勝利で幕を閉じた。

 

 




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一言だけでいい

続きです。





「……という訳なんです、はい」

 

 

「「「……………」」」

 

 

絶句する三人の教師。俺は事件について正直に話した。

 

 

六階の床を破壊したことも。

 

 

最初は爆弾で破壊したと嘘をついたがすぐにバレた。男の犯罪者(教師?そんな名で呼ぶわけねぇだろ)が俺のことを全部ばらしたらしい。あいつもう一回ぶん殴ろうかな?

 

あの後はいろいろな人が来て、あいつは逮捕された。あと脅されていた三人は無事だった。もちろん、あの時助けた少年も。

 

 

「お前、人間か?」

 

 

女の教師はそんなことを聞く。聞き飽きたわー、その言葉。

 

 

「当たり前です。酸素を吸って二酸化炭素を吐くところとか人間と同じです」

 

 

「……それ以外は人間と同じじゃないということか」

 

 

「そんなわけあるか」

 

 

女の教師の隣にいる男の教師は予想を斜め上いく解釈をしやがった。

 

 

「まぁこの話題は後程たっぷりと尋問しようか」

 

 

ひッ!?何この女の人、こわッ!!

 

 

「私はもうひとつ確認したいことがあるのだよ」

 

 

「な、なんでしょう?」

 

 

もう早く帰りたい。

 

 

 

 

「お前、武器を持っていないって本当か?」

 

 

 

 

 

うわー、今一番聞かれたくない質問NO.1聞かれたよ。

 

 

「はい、持っていません……」

 

 

俺は少し小さい声で言う。教師たちは目を見開き驚いていた。

 

 

「………化け物か」

 

 

「生徒を化け物扱いすんじゃねぇよ」

 

 

さっきから全く喋らなかったもう一人の男の教師がとんでもないこと言い出したぞ。

 

 

「これは面白い奴がきたなぁ……」

 

 

も、もう怖いよッ!!おかあさーん!!

 

 

「今日はとりあえずもう帰っていいぞー」

 

 

今日は?ふむ、明日は絶対危ない。休もう。

 

 

「休むなんてバカなこと考えるなよ?」

 

 

「明日、がっこー、たのしみだなー」

 

 

この学校、ろくな教師がいねぇな。

 

 

________________________

 

 

 

「なるほどねぇ……」

 

 

家に帰宅した俺は今日あった事件を美琴に話した。

 

 

「あんた本当に

 

 

「もうそのくだりやめて」

 

 

もうわかりましたよ。はいはい、俺は人間卒業しましたー。

 

 

「モニターで見ていたけど六階ではそんなことがあったんだ」

 

 

「なんだよ、見てたのか」

 

 

「まぁ大樹ならAランクなんか余裕だと思ってたから放っておいたわ」

 

 

「いや、助けにこいよ」

 

 

酷くね?この世界に来てから俺の扱いなんなの?みんないじめはダメなんだよ?

 

 

「そうね、助けに行ったら撃たれなかったもんね」

 

 

美琴は包帯で巻かれている俺の左腕を申し訳なさそうな目で見る。

 

 

「……別にお前のせいではないだろ?それに俺があの訓練に入っていないとあいつをぶっ飛ばせなかったんだから」

 

 

俺は笑顔で言う。

 

 

「それに俺のこと信じてくれたんだろ?」

 

 

「え?」

 

 

「俺が勝つって」

 

 

「ッ!」

 

 

頬を赤くした美琴は大樹を見る。

 

 

「ありがとうな」

 

「う、うん……」

 

 

美琴はさらに頬を赤く染めた。

 

 

ピンッポーンッ

 

 

その時、うちのドアのチャイムが鳴った。

 

 

「はーい、今出るよー」

 

 

俺は席を立ち、玄関に向かう。

 

 

ガチャッ

 

 

鍵を開けて扉を開く。

 

 

「ほら見なさいキンジ。大樹は5秒以内にドアを開けたわよ」

 

 

そこには腕を組んだアリアがいた。

 

 

「たまたま玄関の近くに居ただけだろ」

 

 

その後ろには死んだ魚の目をしたキンジがいる。

 

 

「………まぁこの際なんで俺の家を知っているかは聞かないでおこう。で、何のようだ?」

 

 

あとをつけられてたのか?いやん、ストーカーされた!

 

 

「美琴にも話があるわ」

 

 

「そうか、んじゃあ中で話すか」

 

 

俺はドアを全開に開けて二人を招き入れた。

 

 

________________________

 

 

 

「大樹、あんた私のパートナーになりなさい!」

 

 

「おい、何で俺は奴隷で、大樹はパートナーなんだよ」

 

 

「いやいや、話が見えないのだが?」

 

 

何がどうなってるの?美琴さん、睨まないで。我、何も悪いことしてないぞよ?

 

 

「あたしのパーティーに入ってほしいの」

 

 

「何で俺?」

 

 

「今日、大樹の戦いを見せてもらったわ」

 

 

モニターですね!アリアも見てたのかよ……。

 

 

「遠山じゃダメなのか?」

 

 

「キンジは奴隷よ?」

 

 

その返しは予想外だわ。

 

 

「美琴もあたしのパーティーに入ってもらうわ」

 

 

「えぇッ!?」

 

 

「え、もう決定してるの!?」

 

 

アリアさん強引すぎ。美琴も俺も驚くしかないよ。でも、何かカッコいいな。

 

 

「おい!俺は入らないぞ!」

 

 

キンジは反論する。どうしても入りたくないようだな。

 

 

「あたしもパスだわ」

 

 

え?美琴も?

 

 

「何でだ?」

 

 

大樹は美琴に尋ねる。

 

 

「そのパーティーに入ってもメリットが無いからよ」

 

 

そういえばシャンプー切れてたな(嘘)。明日買いに行こ。そのメリットじゃねぇよ。

 

 

「そうね、武偵は金で動くものだったわね」

 

 

アリアは右手を胸に当て、部屋全体に響く声で言う。

 

 

 

 

 

「あたしのパーティーに入ったら一千万前後の報酬をあげるわ!」

 

 

 

 

 

「い、一千万!?」

 

 

キンジはアリアの言葉に驚く。だが、

 

 

 

 

 

「「何だ、一千万か」」

 

 

 

 

 

俺達は少しがっかりした声で言った。

 

 

「こ、この金額で不満なの!?」

 

 

逆にアリアが驚き、俺達に向かって怒鳴りつける。

 

 

「いや…………だって………ね?」

 

 

俺は歯切れの悪い答え方をする。

 

口で話すより見せる方が話が早いと判断した美琴は通帳をアリアに見せた。

 

 

 

 

 

残額299,995,000を。

 

 

 

 

 

アリアとキンジは絶句する。

 

 

「ど、どうやったらこんなに金を貯めれるんだ……」

 

 

「ま、まぁ俺達は金に困ってないから金以外でのメリットを美琴に提示してあげてくれ」

 

 

俺は未だに通帳を見続けるアリアに言う。

 

 

「てか大樹はどんなメリットがいいんだ?」

 

 

キンジは大樹に質問する。は?

 

 

 

 

 

「いや、俺は別にいらないぞ?」

 

 

 

 

 

「「「え」」」

 

 

三人の声が重なる。

 

 

「だーかーら、別にメリットとか関係無しに組んでやるって言ってるんだよ」

 

 

「ま、まじで言ってるのか大樹!?」

 

 

キンジの言葉に何度も頷く。まじまじ。超本気。

 

 

「い、いいの?」

 

 

「いや、誘った本人が何でそんなこと聞くんだよ」

 

 

アリアの言葉に呆れたような声で返す。

 

 

「ほ、本気なの!?」

 

 

美琴が俺に大声で聞く。

 

 

「な、何でそんなにみんなして大声出すんだ?」

 

 

「だって何も良いことが無いじゃない!」

 

 

美琴はメリットのことを気にしているのか。

 

 

 

 

 

「人を救うのにメリットやデメリットなんかいらねぇよ」

 

 

 

 

 

「「え?」」

 

 

「ッ!?」

 

 

美琴とキンジは俺の言っていることが理解できていない。だがアリアは分かったようだ。

 

 

「大樹……知ってるの?」

 

 

アリアは小さな声で尋ねる。

 

 

 

 

 

「あぁ、アリアの母さんを助けるためだろ?」

 

 

 

 

 

「「!?」」

 

 

美琴とキンジはその言葉に驚いた。

 

 

「……そうよ、あたしには時間が無いの。ママの冤罪の無実を証明しないといけないの」

 

 

アリアは悲しそうな声で言う。さっきまで元気だったのが嘘だと思うくらい声が小さかった。

 

 

「あたしはママに会いたい時には会えない。会えたとしてもアクリルの壁越しでほんの少しの時間しか話せない……」

 

 

自分の母親の現状について改めて話す。それだけでアリアの声は震えていてとても小さくなる。

 

 

「あたしはママを早く助けたい!」

 

 

小さな手を強く握る。

 

 

「お金なら後でいくらでも出すわ!だからお願いあたしを助けて!」

 

 

アリアは三人に助けを求める。だが、

 

 

 

 

 

「ふざけるな」

 

 

 

 

 

「ッ!」

 

 

無慈悲に放たれる言葉に泣きそうな顔になるアリア。

 

言ったのは大樹。助けると言った本人だった。

 

 

「ふざけてんか、お前?」

 

 

「お、おい大樹」

 

 

「金ならいくらでも出すから協力しろ?ハッ、いい加減にしろよ」

 

 

キンジが呼び掛けても大樹は言葉を続ける。

 

 

「な、何で?さっき組んでくれるって」

 

 

アリアは消えそうな声で尋ねる。

 

 

「言ったよ。確かにそう言った。でもなぁ……」

 

 

大樹は真剣な顔で告げる。

 

 

 

 

 

「金を払わないと協力しないような奴とか思ったのか、俺の事を?」

 

 

 

 

 

「ッ!?」

 

 

アリアはその言葉に驚愕した。

 

 

「いいかアリア。俺はそこまで腐った人間じゃないぞ」

 

 

大樹は口元に笑みを浮かべて優しい声で言う。

 

 

「そんな強引なやり方はもうしなくていい」

 

 

そして、大樹はアリアに右手を差し出した。

 

 

 

 

 

「一言。それだけでいい。アリアがしてほしいこと言ってみろよ。俺はその言葉に答えて見せる。絶対に」

 

 

 

 

 

「だ、大樹ぃ………」

 

 

アリアの綺麗な赤紫(カメリア)色の瞳から水が流れる。

 

アリアは大樹の右手を握る。

 

強く。

 

強く握った。

 

 

「あたしを………ママを………………!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「助けて……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「任せろ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大樹はアリアの頭を優しく撫でた。

 

 

「アリアの母さんにきせられた罪は指で数えられるほど少なくは無い」

 

 

大樹は美琴とキンジに大事なことを告げる。

 

 

 

 

 

「アリアの母さんは今懲役864年を言い渡されている」

 

 

 

 

 

「「なッ!?」」

 

 

美琴とキンジはその数字に驚愕する。

 

 

「お前らはどうする?」

 

 

二人はしばらく沈黙する。

 

最初に沈黙を破ったのは、

 

 

 

 

 

「やるわ。あたしもパーティーに入れて」

 

 

 

 

 

美琴。美琴は協力してくれるそうだ。

 

残るはキンジ。

 

 

「………俺は無理だ」

 

 

キンジは大樹たちから目をそらした。

 

 

「今の俺にはお前らの力になれない。でも……」

 

 

キンジは真剣な目で再び大樹たちを見る。

 

 

 

 

 

「こんな俺でいいなら、入れてほしい」

 

 

 

 

 

「なんだよ、てっきり断るかと思ったぜ」

 

 

「俺もそこまで腐ってねぇよ」

 

 

これで全員がパーティーに参加した。

 

 

「どうだアリア?お前の本心の一言で皆集まったぞ」

 

 

大樹は笑みをうかべて言う。

 

 

「ありがとぅ………みんなぁ……!」

 

 

あーあ、せっかくの可愛い顔がぐしゃぐしゃになっちゃって。

 

 

「ちょっと泣かさないでよ、大樹」

 

 

「大樹が泣かしたな」

 

 

「俺ッ!?俺なのッ!?俺が悪いのッ!?」

 

 

二人に責められ、大樹は慌ててアリアを慰める。

 

 

「んっ、もう大丈夫よ……」

 

 

アリアの目は赤くなっているが、涙は出ていない。何かを決意した瞳だった。

 

 

 

 

 

「みんな、あたしを助けて」

 

 

 

 

 

改めてアリアは真剣な顔でみんなに尋ねる。だけど、三人の答えは決まっていた。

 

 

 

 

 

「「「まかせろ」」」

 

 

 




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強襲科最強の4人

続きです。


ざわざわっ

 

 

「「はぁ…」」

 

 

大樹とキンジはもう何度目になるか分からないため息を同時に吐く。

 

強襲科でたくさんの人から見られたり、ひそひそと話されたりされているからだ。

 

理由は簡単。

 

大樹はAランク武偵を倒し、悪徳教官までボコボコにした少年。しかも武器無しで。

 

キンジは入試でSランクを取った人物。最強の一年として有名になった人物だ。

 

強襲科の全員がそんな有名人たちを放っておくわけがない。

 

 

「居心地悪すぎるだろ、ここ」

 

 

「全くだ。はやく帰りたい」

 

 

大樹とキンジは愚痴る。多分、今の俺たちは目が腐っていると思う。

 

 

「………帰ってきたみたいだぞ」

 

 

大樹は後ろを見て言う。

 

そこには美琴とアリアがいた。

 

 

「本当にやるのか?」

 

 

キンジは面倒くさそうな声で言う。

 

 

「当たり前よ。一度決めたことはやるの」

 

 

アリアの返答にキンジは嫌そうな顔をした。

 

そう今から特訓をするのだ。

 

 

「それじゃあ始めるか」

 

 

俺は低い声で告げる。

 

 

「覚悟は………いいよな?」

 

 

コクッ

 

 

美琴とアリアはうなずく。キンジはあまり乗るきではなさそうが、一応うなずいた。

 

 

ざわざわっ

 

 

強襲科の人が騒ぎだす。一体何が始まるのか緊張感が伝わる。

 

俺は手元に持ってる缶コーヒーを飲み切る。

 

 

「これで準備は整った」

 

 

大樹の目は真剣だった。

 

 

「ルールは無用だ。とにかく倒せ。倒して、倒して、倒しまくるんだ!」

 

 

その言葉を聞いた強襲科たちはざわつきだす。

 

 

「おい、これって不味いんじゃないのか?」

 

「模擬戦闘でもこれはやばいだろ」

 

「誰か先生呼んでこいよ」

 

 

ざわざわッ

 

 

「うるせぇ、外野は黙ってろ」

 

 

大樹の一言で周りは静かになる。

 

 

「これは真剣勝負なんだよ、邪魔するんじゃねぇ」

 

 

そして、大樹は缶コーヒーは床に置く。

 

 

「さぁ!始めようぜ!」

 

 

大樹は笑みをうかべて言う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「缶蹴りをッ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「は?」」」」」

 

 

「いくぞッ!!最初はグー!ジャンケン」

 

 

大樹たちは右手を振りかぶって、

 

 

「「「「ポンッ!!」」」」

 

 

大樹 チョキ

 

美琴 チョキ

 

キンジ パー

 

アリア チョキ

 

 

「げッ!?」

 

 

キンジは嫌そうな顔をする。綺麗に一発で決まったな。

 

 

「時間は一時間!!罰ゲーム内容は缶を多く蹴った人が決めることができる!」

 

 

大樹がルール説明をする。

 

 

「範囲は半径700メートルだ!それじゃあ」

 

 

大樹は右足を大きく振りかぶり、

 

 

「ゲームスタートだああああァァァ!!!」

 

 

カァアアアアアアンッ!!!

 

 

缶を蹴り飛ばす。缶はもの凄いスピードで飛んでいく。

 

それと同時に美琴とアリア、そして俺は逃げ出す。

 

 

「なッ!?」

 

 

キンジは大樹が蹴った缶が予想外な距離まで飛ばされたことに驚く。

 

しかし、キンジは急いで走って缶を回収しに行った。意外と勝負ごとにマジで取り組む子かもな。

 

こうして地獄の缶蹴りゲームが始まった。

 

 

「「「「「…………」」」」」

 

 

強襲科の人たちは開いた口が塞がらなかった。

 

 

________________________

 

 

 

「タイムアップッ!!!」

 

 

「「やったぁ!!」」

 

 

「ふぅ、負けたよ」

 

 

勝負はキンジが負けた。いや正直危なかった。

 

キンジは試合の前半はもうボッコボコにやられていたが、

 

 

「あ、キーくんだ!!」

 

 

理子が来て、

 

 

「おわッ!?」

 

 

理子が転けた。何かわざとらしいような気がしたが……まぁいい。

 

そして………もうお分かり頂けただろう。

 

 

「ッ!?」

 

 

理子の胸がキンジの顔に直撃した。うらやましい。

 

そこからキンジは強かった。

 

そういえばまだキンジの能力説明していなかったな。

 

    

ヒステリア(Histeria)サヴァン(Savant)シンドローム(Syndrome)

 

 

通称HSS。

 

遠山は【ヒステリアモード】と呼んでいる。

 

まぁ理論説明は長いから簡単に言うと、

 

 

 

 

 

性的に興奮するとスーパーモードになるんだ。

 

 

 

 

 

悪いな遠山。説明するのが難しかった。ヒステリアモードになると論理的思考力、判断力、反射神経などが飛躍的に向上する。

 

あと、ヒステリアモードになったら不思議な心理状態になるらしい。

 

ひとつは女の子を何がなんでも守りたくなってしまうこと。女の子から「助けて!」って助けてを求められたら求められるままに戦ってやりたくなってしまうとか。なんだこの紳士。絶対モテるな。

 

そしてもうひとつは、

 

 

「大丈夫かい二人のお嬢さん?」

 

 

「え、えぇ…」

 

 

「も、問題ないわ」

 

 

キンジの言葉に驚く美琴とアリア。

 

 

そう、もうひとつは女子に対してキザな言動を取ってしまうこと。誰だお前。

 

 

ヒステリアモードの時の遠山は女子に優しく接するわ、誉めるわ、慰めるわ、あげくの果てにさりげなく触るらしい。ちょっと最後は聞き逃せない。ちょっと署まで来てもらおうか。

 

ヒステリアモードがどれだけ凄いかというと、

 

美琴のチート技である電撃で缶を飛ばす攻撃なんか缶に当たる前に遠山が缶を踏んでいた時はびびった。

 

俺が音速のスピードで缶を蹴ろうとしたら遠山は銃で缶を撃ち、俺からの蹴りを回避させたりされた。

 

 

もう人間離れしているのだ。ざまぁwww。俺と同類オメデトウ。ヨロシクネ。

 

 

「そ、それじゃあ、罰ゲーム行こうかぁ」

 

 

肩で息をする俺。一時間ずっと集中してたし、ずっと走っていた。もう俺のライフ0。

 

 

「強襲科の奴ら全員に喧嘩売ってこい」

 

 

「おいそれはヤバいだろ」

 

 

あ、戻ってる。よう、通常モードのキンジ。

 

 

「じゃあ二学年全員に喧嘩売ってこい」

 

 

「悪化したぞッ!?」

 

 

「ったく、文句ばっか言いやがって」

 

 

「今の俺が悪いのか?……もっと別のことにしてくれ」

 

 

「スカートめくり30連続行ってみようか」

 

 

「ぶっ飛ばすぞ」

 

 

怒るなよ、冗談だよ。

 

 

「嘘だ、10連続だ」

 

 

「本当に勘弁してくれ」

 

 

頭下げられちゃったよ……。仕方ない。

 

 

「じゃあ強襲科の担当の先生に好きですって言う」

 

 

「死ねと?」

 

 

「……………」

 

 

「え?嘘だよな?嘘だと言ってくれよ?」

 

 

キンジは大樹の胸ぐらを掴む。焦り過ぎだ。服が伸びるだろ。

 

 

「じゃあもうこれにするか」

 

 

「?」

 

 

俺は長い白のハチマキみたいなものを取り出す。

 

 

 

 

 

「ゴムパッチン」

 

 

 

 

 

「「「「「うわぁ……」」」」」

 

 

美琴とアリアどころか強襲科全員が声を上げた。

 

ゴムパッチン。それはお笑い芸人がよくやるやつだ。片方のゴムを口で加えて反対から引っ張り、放すあれだ。

 

 

「おいッ!?長すぎるだろ、それ!!」

 

 

3メートルはある。だがもう遅い。

 

 

「確保ッ!!」

 

 

バッ!

 

 

強襲科の人たちがキンジを抑える。

 

 

「あばよ、遠山」

 

 

大樹はキンジの口に無理やりゴムを噛ませる。

 

 

そして伸ばす。伸ばす、伸ばす。

 

 

「ッ!!」

 

 

あまりの長さに、何人もの人たちが目をそらす。

 

 

 

 

「また来世で会おう」

 

 

 

 

 

俺はゴムを放した。

 

 

________________________

 

 

 

「いてぇ…」

 

 

真っ赤になった顔をしているキンジは呟く。

 

 

「超楽しかった」

 

 

「超痛かった」

 

 

それぞれ違う感想を述べる大樹とキンジ。

 

俺達4人は家に帰宅していた。

 

 

「今日の飯は何にしようかな」

 

 

俺は今日の夕飯について思考する。

 

 

「大樹、料理できるの?」

 

 

「人並みには」

 

 

「あの味で人並みなの……!」

 

 

アリアの質問に答える俺。美琴は何か言っていたが聞こえなかった。

 

 

「キンジとは大違いね」

 

 

「悪かったな、料理できなくて」

 

 

キンジは全く罪悪感の無い謝罪をする。

 

 

「ふむ、今日はあれが届くな」

 

 

昨日注文しておいたんだよねー。

 

 

「何が?」

 

 

そういえば美琴にも言ってなかったな。

 

 

 

 

 

「超高級なカニとももまん」

 

 

 

 

 

「「「………ごくりッ」」」

 

 

どんだけ食べたいんだよ……。ちなみにももまんは前から興味があったので注文しておいたんだ。カニは俺が好きだからだ。金はこういう時に使うんだ。

 

 

「あー、アリアと遠山も食べに来るか?」

 

 

「「行く」」

 

 

即答かよ。

 

俺たちはカニの話をしながら帰っていた。どう調理するかの話だけど。

 

その時、アリアが急に立ち止まった。

 

 

「どうかしたか?」

 

 

キンジがアリアに声をかける。

 

 

「ここって何?」

 

 

「ゲームセンターだろ、そんなことも知らないのか?」

 

 

「帰国子女なんだからしょうがないじゃない」

 

 

そんな会話をする二人に美琴が提案する。

 

 

「まだ時間もあるし入ってみない?」

 

 

「そうだな」

 

 

俺はその提案に賛成する。

 

 

「二人も入るよな?」

 

 

アリアとキンジは大樹の言葉にうなずいた。

 

 

「んじゃあ、遊ぼうか」

 

 

俺たちはゲームセンターの中に入った。

 

 

________________________

 

 

 

中に入ると耳が痛くなるような音がドワッと襲ってきた。

 

 

「うるさい場所ね」

 

 

アリアが店に入って言った感想の一言でございます。イメージアップしなくては……!

 

 

「ねぇ、何これ」

 

 

アリアは近くにあった機会に指をさす。

 

 

「UFOキャッチャーだ」

 

 

「UFOキャッチ?」

 

 

キンジが名前を教えるが、アリアにはよく分かっていないみたいだ。

 

 

「なんかコドモっぽい名前ね」

 

 

僕の名前はU・FO・キャッチャーだよ!あ、子供の名前じゃない、子供っぽい名前ですね。間違えました。

 

アリアは箱の中にある縫いぐるみを見る。

 

 

「ッ!?」

 

 

アリアの視線が釘付けになる。

 

 

「ど、どうしたの?」

 

 

美琴が心配して話かける。

 

 

 

 

 

「……かわいー……」

 

 

 

 

 

ズコッ

 

 

美琴とキンジは転けた。

 

アリアは箱の窓に張り付いて縫いぐるみをずっと見ている。ってアリアの顔、頬がめっちゃ緩んでいますよ。あと可愛い。

 

 

「ほしいの?」

 

 

コクコクッ

 

 

美琴の言葉に上下にうなずくアリア。

 

 

「ならこの美琴様にまかせなさいッ」

 

 

っと言って美琴は百円を入れると、箱から音楽が流れ出した。

 

美琴はボタンを押して、アームを右に移動。次に奥に移動させて

 

 

「ここよッ!」

 

 

アームが縫いぐるみに向かって落ちていき、耳を掴む。

 

そして引っ張りあげる。

 

ここで縫いぐるみの説明をしよう。縫いぐるみの名前はレオポンという猫みたいな小さな縫いぐるみだ。

 

美琴がとっているのは携帯などに付けれるチェーンがついたストラップ型の縫いぐるみだ。

 

チェーンの穴の大きさはあまり大きくない。アームでこの穴を狙うのは難しいだろう。だから美琴は耳を狙ったのだ。

 

だがこのチェーンが奇跡を起こすきっかけとなる。

 

 

一匹のレオポンがどんどん上に上がっていく。

 

 

「「「おお」」」

 

 

美琴を除く三人が声をあげた。

 

取れそう。そう思った。

 

 

「あ」

 

 

アリアが声をあげる。

 

なんとレオポンについてるチェーンがもう一匹のレオポンの足に引っ掛かって二匹同時に上に上がっているのだ。

 

 

「おお、すごいな」

 

 

キンジは感心した。だが

 

 

「まだよ」

 

 

美琴の顔は真剣だった。

 

 

「「「!?」」」

 

 

三人は声を失った。

 

 

 

 

 

もう一匹のレオポンのチェーンに二匹のレオポンの足が絡まってた。

 

 

 

 

 

そしてそのままアームは帰ってきて、

 

 

ストンッ

 

 

四匹が穴に落ちた。

 

美琴は四匹の景品をもって一言。

 

 

 

 

 

「あたし、これ得意なんだ♪」

 

 

 

 

 

「得意ってレベルじゃねぇよ!?」

 

 

神業だった。神の領域に踏み込んでいた。

 

美琴の言葉にツッコミを入れる大樹であった。

 

 

その後、レオポンは一人一個ずつ渡され、みんな携帯電話につけた。

 

アリアは今日一番の笑顔で喜んでいた。

 

 

 

________________________

 

 

 

UFOキャッチャーのあとはキンジと格闘ゲームで対戦した。もちろん、罰ゲームつきで。

 

そして俺が勝った。ノーダメージで。ゲームは俺の十八番だ。舐めんな。

 

 

「んじゃあ二回目のゴムパッチン行こうか」

 

 

ゲームセンターで遊んでいた他の学生たちに協力してもらい、キンジに二回目のゴムパッチンをした。

 

 

「もう顔の感覚が無い」

 

 

再び真っ赤になった顔のキンジの感想だった。

 

 

「三回目をしたら治るかも?」

 

 

「頼むからもう止めてくれ」

 

 

えー、ゴムパッチンやりたいやりたーい。

 

 

「ねぇねぇ、あれは」

 

 

上機嫌のアリアはプリクラ機を指をさす。

 

 

「プリクラね」

 

 

「プリクラ?」

 

 

「あの中で写真を撮って、その写真に落書きできる機械よ」

 

 

美琴がアリアに説明する。

 

 

「なら四人で撮りましょ!」

 

 

アリアの提案に誰も異議を唱えない。

 

俺達はプリクラ機の中に入る。

 

プリクラ機にお金を入れるといろいろと指示が出された。俺達はそれに従うが、

 

 

「ど、どこにいればいいんだ?」

 

 

へいへい、遠山びびってるー。大丈夫、俺も少しびびってる。へ、変な顔にならないように気を付けないと……。

 

 

「大樹、笑顔がひきつってるよ…」

 

 

美琴に指摘される。すんません。

 

プリクラ機から「はい、チーズ」の合図が出され写真を撮る。

 

 

「それじゃあ、次は落書きね」

 

 

美琴が画面を操作する。

 

 

「なんでも書いていいの?」

 

 

「ええ、何でもいいわよ」

 

 

アリアの質問に答える美琴。アリアは画面に文字を書いていく。

 

 

「何でそれを書いた」

 

 

「いいじゃない、別になんでもいいんでしょ?」

 

 

「そうだが……」

 

 

アリアの書いた文字にキンジは微妙な顔をするが、

 

 

「まぁアリアがいいって言うならいいか」

 

 

納得した。頬が緩んでますよー。

 

プリクラは四等分に綺麗に分けられた。俺は携帯電話の裏に貼った。なんか今日だけで携帯電話がすごくなったな。

 

 

「そろそろ帰ろうぜ、帰りにスーパー寄っていかないと材料が無い」

 

 

カニとももまんだけでは健康に悪い。野菜を買いたい。

 

 

「そうね、帰りましょうか」

 

 

アリアが俺の言葉に賛成してくれた。

 

俺たちは再び帰り道を歩く。その時、俺は何度もプリクラを見ていた。

 

プリクラには何度も取り直しをしてやっと皆が笑顔で撮れたプリクラ。そこにはアリアらしい文がこう書かれていた。

 

 

 

 

 

仲間を信じ、仲間を助けよ。

 

 

 

 

 

俺はその文字を見てこう呟いた。

 

 

 

 

絶対にお前らを守ってやるよっと。

 

 




通算UAが10000越えました。

作品をたくさんの人が見てくれて本当に嬉しいです。


次回はとても長い話となっています。



感想や評価をくれると嬉しいです。


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彼は必ず現れる

明日の投稿。5月13日の投稿はお休みします。


理由は後書きで書きます。


続きをどうぞ。


【キンジ視点】

 

 

 

「やべぇ!乗り遅れる!」

 

 

俺は大雨の中、急いでバス停まで走る。

 

バスに乗る理由は自転車を修理に出しているからだ。チャリジャックにあったときは何とか無事だったが、何故か昨日の朝には前輪と後輪がパンクされていた。

 

一体誰の嫌がらせだろうか。一応被害届けは出しておいた。犯人に一矢報いたい。

 

「げッ!?」

 

 

バス停には既にバスが来ていた。

 

 

「やった!乗れた!やったやった!おうキンジおはよう!」

 

 

俺の悪友である武藤がバンザイしている。

 

 

「乗せてくれ、武藤!」

 

 

「そうしたいとこだが無理だ!満員!お前チャリで来いよっ」

 

 

バスの中は生徒でギチギチになっており、もう誰一人乗ることが出来ない状態だ。

 

 

「というわけで二時間目に会おう!」

 

 

キラーンっと笑顔で言う武藤。おい、それは遅刻しろと言っているのか!?

 

そんなやりとりをしているうちに時間は過ぎ、バスのドアが閉まる。

 

遅刻が確定した瞬間だった。

 

 

 

 

 

仕方なく俺は大雨の中を傘を差して歩いていた。

 

走っても一時間目は途中参加になるくらいなら二時間目から参加したほうがいいという結論にたどり着いた。

 

 

「前の俺なら受けたいって思ってたな」

 

 

一時間目は一般校区での国語。なぜ受ける必要があるか。

 

それは俺が普通の高校に転校したいからである。

 

 

(もうそんなことやめるけどな)

 

 

俺の家系は代々【正義の味方】をやってきた。

 

時代によって職業は違っていたがヒステリアモードの力を使い、力弱き人のため何百年も戦ってきた。

 

俺の父さんは武装検事として活躍していたし、武偵だった兄さんは俺の目標となる人だった。

 

中学では酷い目に遭わされたヒステリアモードだっていずれ父さんや兄さんみたいに使いこなせるようになるだろう。

 

当時の俺は前向きに物事を考えられた。だが

 

 

 

 

 

俺の目標だった人、兄さんは死んだ。

 

 

 

 

 

浦賀沖海難事故。

 

日本船籍のクルージング船、アンベリール号が沈没し、乗客一名が行方不明となった。

 

行方不明になったのは船に乗り合わせていた武偵

 

 

それが、兄さんだった。

 

 

警察の話によれば乗員乗客を船から避難させ、そのせいで自分が逃げ遅れたそうだ。

 

俺はその話を聞いて、改めて兄さんを誇りに思った。

 

 

 

 

 

だが、周りの人間は兄さんを非難した。

 

 

 

 

 

乗客たちからの訴訟を恐れたクルージングイベント会社、そしてそれに焚きつけられた一部の乗客は事故の後、兄さんを強く非難した。

 

ネットで、

 

週刊誌で、

 

遺族の俺に向かって吐かれた罵詈雑言の数々。

 

 

最悪だった。

 

 

今にでも夢を見てうなされる日がある。

 

 

どうしてこうなった。

 

 

なんであんなことに。

 

 

俺は悩みに悩んだ。もう苦しかった。

 

 

そしてひとつの答えにたどり着いた。

 

 

 

 

 

ああ、そうだ。ヒステリアモードのせいだ。

 

 

 

 

 

こんな遺伝子のせいで兄さんは。

 

 

 

 

 

武偵をやっていたからだ!

 

 

 

 

 

武偵なんて。

 

 

 

 

 

正義の味方なんて。

 

 

 

 

 

戦って、戦って。傷ついた挙げ句、石を投げられる。

 

 

 

 

 

ろくでもない損な役割じゃないか…!

 

 

 

 

 

いらない。正義の味方なんて称号。

 

 

 

 

 

捨てたい。武偵なんて肩書き!

 

 

 

 

 

俺はもう武偵をやめたかった。

 

 

 

 

でもあの日、パーティーを結成した日は違った。

 

 

 

 

 

アリアを見て思った。

 

 

純粋に助けを求めていた。

 

 

あの偽りの無い言葉。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺はこの女の子を助けたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

心の底から思った。

 

 

母親のために今までたった一人で命を賭けてきた女の子。

 

 

アリアの母親は兄さんと同じだ。

 

 

懲役864年分の冤罪を着せられている。

 

 

 

 

 

ふざけるな。

 

 

 

 

 

なんで罪の無い人間をここまで傷つける。

 

 

なぜ誰も助けてあげない。

 

 

俺はもう兄さんみたいに傷つけられている人を見たくない。増やしたくない。

 

 

 

 

 

戦ってやるよ。

 

 

 

 

 

そんなふざけた野郎ども、

 

 

 

 

一人残らず、俺が叩きのめしてやるッ!!

 

 

 

 

 

俺はあの日から変わることができた。

 

 

________________________

 

 

大雨の中、傘を指して歩いていると携帯電話がなった。

 

 

「もしもし」

 

 

レオポンのついた携帯電話を耳に当てる。

 

 

『キンジ。今どこ』

 

 

アリアだった。

 

時刻は8時20分。授業中のはずだ。なのに電話してくるとは、どういうことだ?

 

 

「んー、強襲科のそばにいる」

 

 

俺は辺りを見回して、場所を確認してアリアに伝える。

 

 

『ちょうどいいわ。そこでC備に武装して女子寮の屋上に来て。今すぐ』

 

 

「……何があったんだ?」

 

 

嫌な予感がした。

 

 

『事件よ。武偵殺しが現れたわ』

 

 

「ッ!?」

 

 

嫌な予感が的中し、俺は驚愕する。

 

 

「わかった!すぐ向かう!」

 

 

俺は傘を折り畳み、走り出した。

 

 

________________________

 

 

【大樹視点】

 

 

 

俺と美琴は傘をさして登校していた。残念ながら相合い傘じゃない。クッ、不覚。

 

 

「すごい大雨ね」

 

 

「傘さしても服が濡れるぞ、ちくしょう」

 

 

大樹の制服はびしょびしょになっていた。もちろん美琴も。

 

ちなみにまだ冬服の制服なので、服が透けてブラがッ!?っていう展開は無いのでご安心を。……何を安心すればいいんだ。

 

 

「風邪ひいたら覚えとけよ学校」

 

 

「……あんたなら学校の1つや2つ簡単に潰せそうね」

 

 

超電磁砲飛ばせる人に言われたくないな。学校の3つや4つは貫通できそうね。

 

 

「ん?」

 

 

ポケットに入ってる携帯電話が振動する。昨日授業をうけたときのマナーモードを切るのを忘れてたみたいだ。

 

 

「もしもし?」

 

 

『大樹。今どこにいるの?』

 

 

電話してきたのはアリアだった。

 

 

「すまん、もう少しで学校につくから」

 

 

まだ学校に来ていない俺たちを心配して掛けてきたのだろと推理して、アリアの質問に答える。

 

 

『いえ、学校に行かなくていいわ』

 

 

「なんでだ?」

 

 

『事件よ。バスジャックが起きたわ』

 

 

「ッ!?」

 

 

俺は驚くが、すぐに返事をかえす。

 

 

「わかった。すぐ向かう」

 

 

だが、その時。

 

 

 

「………嘘ッ」

 

 

美琴は目を見開いて後ずさりした。

 

 

「………すまんアリア。先に行ってくれ。後から追いかける」

 

 

『ど、どうしたの?』

 

 

ガガガガガガガッ!!

 

 

「ッ!」

 

 

俺たちに向かってものすごい数の銃弾が飛んでくる。

 

美琴が能力を使って全ての弾を電撃で撃ち落とす。そのおかげで一発も被弾しなかった。

 

 

『大樹、大丈夫なの!?』

 

 

「悪い、武偵殺しのオモチャに囲まれた」

 

 

銃をつけたセグウェイに大樹と美琴は囲まれた。

 

 

「こっちを片付けたらすぐそっちに向かう。アリアはバスジャックの解決を急げ」

 

 

『でも…!?』

 

 

「武偵憲章1条」

 

 

『あ……』

 

 

アリアなら分かってくれるだろ?

 

 

 

 

 

『「仲間を信じ、仲間を助けよ」』

 

 

 

 

 

声が重なった。

 

 

「これが終わったら、すぐに助けに行くから」

 

 

『それはこっちの台詞よ、大樹』

 

 

「それじゃあ、また後でな」

 

 

俺は携帯電話の電源を切り、ポケットに直す。

 

 

「美琴、バスジャック事件だそうだ」

 

 

「そう、なら早く片付けましょ」

 

 

「だな。美琴は後ろを頼む」

 

 

「………私なら一瞬で終わるけど?」

 

 

「一瞬は難しいと思うぜ」

 

 

「え?」

 

 

俺は上を見上げる。

 

 

ババババババッ!!!

 

 

「ヘリコプターまでオモチャになってるとはな………武偵殺しって俺たちを警戒しすぎだろ」

 

 

 

 

 

上空に一機のヘリコプターが現れた。

 

 

 

 

 

 

ヘリコプターの下部にはガトリングガンらしき機関銃が取り付けてある。

 

 

「………電撃、届くかしら」

 

 

「ヘリコプターなら俺にまかせろ。美琴はセグウェイを頼む」

 

 

「分かったわ」

 

 

早く終わらせて、アリアを助けに行くぞ。

 

 

 

________________________

 

 

 

【キンジ視点】

 

 

C装備に着替えた俺は屋上についた。

 

 

「なッ!?」

 

 

そして、大樹たちが襲われていることを聞いた。

 

 

「今は大樹たちを信じましょ。それよりも作戦をヘリの中で行うわ」

 

 

俺の頭上には一機のヘリコプターが飛んできていた。

 

 

 

 

 

「バスジャックよ」

 

 

「バス?」

 

 

ヘリコプターの中でアリアから事件の詳細を聞いていた。

 

 

 

 

 

「武偵高校の通学バス。キンジのマンションの前にも7時58分に停留したハズのやつ」

 

 

 

 

 

「ッ!?」

 

 

何だって!?あの中には武藤がいる。それにあのバスはギュウギュウでたくさんの生徒が入っているんだぞ!?

 

 

「………犯人は車内にいるのか?」

 

 

「たぶんそれは無いわ。バスには爆弾が仕掛けられてるから」

 

 

爆弾。

 

俺はチャリジャックを思い出す。

 

 

「俺のチャリジャックの犯人と今回のバスジャックの犯人は同一人物ってとこか」

 

 

「キンジのくせによく分かってるじゃない」

 

 

「くせには余計だ」

 

 

何となく予想はできた。

 

 

「アリアが前に言っていた武偵殺しは真犯人じゃないって言っていたこと、何となく分かってきたぞ」

 

 

武偵殺しが捕まっているならチャリジャックやバスジャックは起きない。簡単なことだ。

 

 

 

 

 

武偵殺しは、まだいる。

 

 

 

 

 

「もう武偵殺しの好きにはさせないわ」

 

 

アリアは手に力をこめる。

 

 

「作戦を言うわ。あたしとキンジがバスに乗り込み人質の救助と爆弾の解除よ」

 

 

アリアは俺の隣の人物に目を向ける。

 

 

「レキはあたしたちの援護をお願い」

 

 

コクッ

 

 

とレキはうなずく。

 

 

(アリアが呼んだのか)

 

 

レキ

 

 

青いショートカットの髪に大きなヘッドフォンをしており、小柄な女の子。入試で俺と同じSランクに格付けされ、今も狙撃科でSランクの天才少女だ。

 

苗字は知らない。実は本人も知らないそうだ。

 

レキは狙撃銃であるドラグノフに弾を籠めていた。

 

アリアも銃に弾を籠めていた。

 

 

「見えました」

 

 

弾を籠め終わったレキは窓の外を見て言う。

 

 

「何も見えないぞレキ」

 

 

「ホテル日航の前を右折しているバスです。窓に武偵高の生徒が見えています」

 

 

「よ、よく分かるわね。あんた視力いくつよ」

 

 

「左右ともに6,0です」

 

 

レキはサラッと言う。アリアはその数字に驚いていた。

 

 

「す、すごいなレキ」

 

 

俺は思ったことを言う。

 

 

「いいえ。そんなことありません」

 

 

「いや、すごいだろ。こんなにいい視力を持っている人はいないだろ」

 

 

 

 

 

「ですが、大樹さんは8,0です」

 

 

 

 

 

「「……………」」

 

 

大樹は本当に何者なんだよ。

 

 

「レキは大樹のこと知っているのか?」

 

 

「はい。モニターで特別に見学していました」

 

 

モニターを見てないの俺だけじゃないか。

 

 

「キンジ!無駄口叩かないで準備しなさい!」

 

 

ヘリコプターはもうバスの近くまで来ていた。

 

 

________________________

 

 

 

俺とアリアは強襲用のパラシュートを使ってバスの屋根に降りる。

 

 

「うおッ!?」

 

 

俺は着地する寸前にバランスを崩すが、アリアが腕を掴んでくれたおかげで助かった。

 

 

「あんた大丈夫?」

 

 

「悪い。これでも本気でやってるんだ」

 

 

「いざとなったらあたしがあんたを守ってあげるわ」

 

 

「そうならないことを願うよ」

 

 

俺は車内をこっそり確認する。犯人が中にいる可能性があるからだ。

 

犯人と思われる人はいなかった。

 

俺は窓を叩いて、窓を開けてもらう。

 

 

「キンジ!」

 

 

俺は声がする方へ顔を向けると、俺を見捨てた武藤がいた。

 

 

「武藤。二時限目はまだだが、会っちまったな」

 

 

「あ、ああ。ちくしょう………!なんで俺はこんなバスに乗っちまったんだ?」

 

 

見捨てたバチが当たったな。

 

 

「それよりもキンジ。あれだ」

 

 

武藤は背後にいた女子生徒。いや、女子生徒の持っている携帯電話を指でさした。

 

 

「それは?」

 

 

「女の子が持っていた携帯電話がすり替えられていたんだ」

 

 

『速度を落とすと爆発しやがります』

 

 

すり替えられた携帯電話から機械染みた声が聞こえる。

 

俺は耳についた無線のインカムに手を当てる。

 

 

「アリアの言った通りだ。バスの爆弾は遠隔操作されてる。そっちはどうだ?」

 

 

『爆弾らしいモノがあるわ!』

 

 

「どこだ!?」

 

 

『バスの下よ!』

 

 

くそッ、厄介な場所にあるな。

 

 

『カジンスキーβ型のComposition4(プラスチック爆弾)。見えてるだけでも炸薬の容積は3500立法センチはあるわ!』

 

 

「なッ!?」

 

 

過剰すぎる炸薬量じゃないか!?電車でも吹っ飛ぶぞ!!

 

『潜り込んで解体を』

 

 

言葉は続かなかった。 キンジが外の様子の異変に気づいた。

 

 

「伏せろおおおォォォ!!!」

 

 

ガガガガガガガッ!!!

 

 

真っ赤な車が横に回り込んで、無人の座席から銃を載せた銃座がこちらを狙い射撃した。

 

 

バリンッ!!バリンッ!!バリンッ!!

 

 

バスの窓が後ろから前まで全て割れる。

 

 

「ぐッ!?」

 

 

俺は一発胸にあたった。防弾ベストのおかげで怪我はないが、強い衝撃が襲い掛かってきた。

 

 

ぐらっ

 

 

バスが妙な動きをしていた。運転手を見ると

 

 

「ッ!」

 

 

負傷していた。右腕からは血が流れている。

 

 

(被弾している……!)

 

 

『有明コロシアムの角を右折しやがれです』

 

 

携帯電話から新たな指示が出される。

 

 

「武藤!運転を変われ!減速させるな!」

 

 

俺は防弾ヘルメットを武藤に投げ渡す。

 

 

「い、いいけどよ!オレこの間改造車がバレてあと一点しか違反できないんだぞ!」

 

 

「そもそもこのバスは通行帯違反だ。良かったな武藤。晴れて免停だぞ」

 

 

「落ちやがれ!轢いてやる!」

 

 

俺は窓から身を乗りだし前の様子を見る。

 

 

「こんな爆発物を都心に入らせる気かよ……!」

 

 

バスはレインボーブリッジに入っていく。

 

入り口の近くの急カーブに近づく。

 

 

「カーブするぞ!みんな左に寄れ!!」

 

 

武藤が言うとバスに乗っている生徒は左に急いで寄る。

 

ギャギャギャギャッ!!

 

 

タイヤの滑る音が大きく聞こえる。数名、生徒たちの悲鳴も聞こえた。

 

 

(生徒たちを左側に集めて重心を保ったのか)

 

 

さすが車輌科の優等生なだけはある。

 

武藤はこう見えて車輌科ではAランクなのだ。

 

俺はバスの窓から体を出し、屋根に上がった。そして、ちょうど俺と同じように屋根に上がろうとしたアリアのところへ行く。

 

 

「おい!アリア!大丈夫か!」

 

 

「キンジ!」

 

 

「アリア、ヘルメットはどうした!」

 

 

「さっきの車に追突されたときにぶち割られたのよ!それよりもあんたこそどうしたの!」

 

 

「運転手が負傷した!今武藤にヘルメットを貸して運転させてる!」

 

 

「危ないわ!そんな無防備じゃ!」

 

 

アリアもバスの屋根に上がる。

 

 

「すぐに車内に隠れ……!?」

 

 

キンジの背後を見て、アリアの目が見開いた。

 

 

 

 

 

「後ろッ!伏せなさいッ!!」

 

 

 

 

 

「え?」

 

 

 

 

 

キンジの後ろ。バスの前にはさっき射撃した真っ赤な車が走行していた。そして

 

 

 

 

 

銃座がこちらに向き、銃がキンジを狙っていた。

 

 

ガガガガガガガッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アリアが急いでキンジに駆け寄る。

 

 

 

 

 

駄目だ、二人とも………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

死んだ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガッガッガチンッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え」

 

 

前方で銃弾をはじくような音がした。

 

 

俺の体には傷一つなかった。

 

 

こちらに駆け寄ったアリアも無傷だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「悪い、遅くなった」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺の目の前にはあいつがいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だ、大樹!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アリアが名前を呼ぶ。

 

 

俺の目の前にはライオットシールドを構えている大樹がいた。

 

 

________________________

 

 

【大樹視点】

 

 

何とか間に合った。

 

 

「お返しだッ!!」

 

 

俺は車にライオットシールドを投げつける。

 

 

ガシャンッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

投げつけた勢いが強すぎて、車が宙を舞った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「は?」」」」」

 

 

アリアとキンジだけでなく、バスの中にいる生徒まで声がでた。

 

 

車はバスの上を通りすぎ

 

 

ガシャアアアンッ!!

 

 

後ろで粉々になった。

 

 

アリアとキンジは大樹の滅茶苦茶さに絶句する。

 

 

「おい、いつまで座ってる」

 

 

大樹の声でハッとなる。

 

 

「第二ラウンドだ。……いや俺は3か?」

 

 

大樹の声で後ろを見ると、

 

 

「「!?」」

 

 

先程と同じ車種の五台の車が迫ってきた。

 

 

「まだいるのかよッ!」

 

 

キンジは銃を構える。

 

 

「いや、応戦の必要は無い」

 

 

俺は遠山の銃をおさえる。

 

 

「運転手!死にたくなかったらアクセル全開ッ!!」

 

 

「え!?大樹!?」

 

 

「死にたい?」

 

 

「アクセル全開行きます!!」

 

 

ギュルルルルッ!!

 

 

バスのスピードが上がる。

 

 

 

 

 

「美琴ッ!!今だ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドシャアアアアアアンッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ひゃうッ!?」

 

 

バスがさっきいた場所に巨大な落雷が落ちる。あ、アリアは雷苦手だったな。ごめん。

 

迫ってきた車が吹っ飛んだ。あるいは消し炭になった。

 

 

 

 

 

「ふぅ、終わったわよ」

 

 

 

 

 

上から美琴が落ちてきた。

 

 

「「え」」

 

 

「お疲れ様。あとやり過ぎだ」

 

 

何故美琴が上から落ちてきたか説明すると。

 

俺と美琴は無事に武偵殺しのオモチャを全て破壊した。

 

その後、俺は美琴を担いで(お姫様だっこ)で急いでレインボーブリッジに先回りしていた。

 

でもバスはすぐ来たので正直ギリギリだった。

 

俺は遠山が撃たれそうになったので、美琴をレインボーブリッジの橋の上で降ろして、急いで助けにいった。

 

ライオットシールドはセグウェイがつけていた。邪魔臭かったので引き剥がして俺の装備品として役立てていた。役に立ってよかった。

 

 

「遠山、インカム貸してくれ」

 

 

「あ、ああ」

 

 

俺は遠山からインカムをもらう。

 

 

「レキ、聞こえるか?」

 

 

『はい、聞こえてます』

 

 

「よし、爆弾の解除は美琴がやるからレキは俺の援護を頼む」

 

 

『わかりました』

 

 

俺はインカムを遠山に返す。

 

 

「おい、援護って何だよ?」

 

 

「前見ろ、前」

 

 

俺は前を指をさす。

 

 

 

 

 

二台の車。そしてヘリコプターが迫っていた。

 

 

 

 

 

「「!?」」

 

 

「さっきから多いなぁ………どんだけあるんだよ」

 

 

アリアと遠山は驚愕し、俺は嫌な顔をする。

 

 

「やるしかないか……」

 

 

俺は深呼吸をして、

 

 

「美琴は爆弾の解除を頼む」

 

 

「分かったわ」

 

 

美琴はうなずく。

 

 

「遠山とアリアは二台の車を任せる。間違ってもバスなんかに当てるなよ」

 

 

アリアと遠山は肯定しない。いやできない。

 

 

「大丈夫だ。お前らならできる」

 

 

俺は二人の肩を軽く叩く。

 

 

 

 

 

「いや、俺達ならできる」

 

 

 

 

 

二人は驚くが、

 

 

「そうね、やってみせるわ」

 

 

「ああ、絶対に成功してやる」

 

 

自信満々に言い切り、銃を構えた。

 

 

「俺とレキがヘリコプターをどうにかする」

 

 

 

「「できる?」」

 

 

こいつら……仕返しかよ。

 

 

俺は笑みを浮かべて返答する。

 

 

 

 

 

「まかせろ、絶対に成功させる」

 

 

 

 

 

俺も自信満々で言ってやった。

 

 

バチバチッ

 

 

美琴は俺の言葉を聞いたあとすぐに爆弾の解除に取り掛かる。

 

 

遠山とアリアは車に向かって射撃する。

 

 

ズキュンッ!ズキュン!ガヒュンッ!!

 

 

遠山は一発、アリアは両手に持った銃からそれぞれ一発ずつ撃つ。

 

 

アリアの撃った弾は左側の車の二つの前輪を破壊する。

 

 

ギュルルルルッ!!!

 

 

車はスリップする。

 

 

遠山が撃った弾は右側の車の前輪の右のタイヤを破壊させる。

 

 

ギュルルルルッ!!!

 

車は左側にスリップする。

 

 

 

 

 

そして衝突した。

 

 

 

 

 

ガシャアアンッ!!!

 

 

 

 

 

「うおッ!?」

 

 

運転している武藤が声をあげる。

 

互いにぶつかった勢いで左側の車は左に衝突。右側の車は右に衝突した。

 

 

 

 

 

そして、真ん中に道が空いた。

 

 

 

 

 

(ヒステリアモードのキンジじゃなくても十分すごいな)

 

 

遠山はやはり強い。改めて実感した。

 

バスは二台の車の間をすり抜ける。

 

 

 

 

 

「「大樹!」」

 

 

 

 

 

遠山とアリアは俺の名前を呼ぶ。

 

次は俺の番だ。

 

ヘリコプターは約30メートルも上にいる。

 

そんな場所からヘリコプターは機体の下についた多銃身機関銃(ガトリングガン)で一斉に射撃しようとした。

 

その瞬間、

 

 

 

 

 

「私は一発の銃弾。銃弾は人の心を持たない。故に何も考えない。

 

 

 

 

 

ただ目的に向かって飛ぶだけ」

 

 

 

 

 

ガシャンッ!!!

 

 

多銃身機関銃が爆発し、破壊された。

 

レキの撃った弾は多銃身機関銃の一つの銃口に入り、中から破壊したのだ。

 

 

「あとはまかせろッ!!」

 

 

俺はバスから飛び降りる。

 

レインボーブリッジの橋のアスファルトに着地する。

 

そして、足に力を入れて、勢いを殺す。

 

 

ズシャアアアッ

 

 

着地成功。

 

俺は上空にあるヘリコプターを見上げる。

 

 

(余裕だな)

 

 

笑みを浮かべた後、俺は足に力を入れる。そして、

 

 

ダンッ!!

 

 

飛んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヘリコプターの目の前まで。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「はああああァァァ!?」」」」」

 

 

美琴以外の全員が驚きの声をあげている。あり得ない光景に。

 

俺が元いた場所には大きなクレーターができていた。飛ぶ勢いが強過ぎたせいだ。

 

 

「落ちろッ!超スピードでッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺はヘリコプターを両足で踏みつけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガシャアアアンッ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は反動を利用してヘリコプターだけ落として、俺は空中で後ろに回転する形になった。

 

ヘリコプターはものすごいスピードで海に落ち、

 

 

 

ザバアアアンッ!!!

 

 

 

レインボーブリッジと同じくらいの高さの水しぶきをあげた。

 

大樹は無事に橋のアスファルトに着地した。

 

 

 

 

 

「解除したわ」

 

 

 

 

 

ちょうど美琴の作業が終わった。

 

 

「二回目よ、それ見るの」

 

 

美琴は呆れた顔をする。

 

だが距離が遠くて大樹には聞こえない。ちなみに最初のヘリコプターは右手で叩きつけた。

 

 

 

 

 

「ミッションコンプリィィィトッ!!」

 

 

 

 

 

俺は右手を空に向かって突きだし、笑顔で言った。

 

 

「……滅茶苦茶だなあいつ」

 

 

「え、ええ」

 

 

キンジとアリアは大樹の強さにド肝抜かれた。

 

 

バスは止まり、遠山たちが降りて来る。そして、俺のところに走って来た。

 

 

「ほら、俺達ならできただろ?」

 

 

笑顔で聞いてくる大樹。

 

美琴、キンジ、アリアは声を揃えて言った。

 

 

「「「当たり前だ、バカ」」」

 

 

 




明日の投稿はお休みです。

本当にすいません。理由は





深刻なネタ切れです。






全く続きが書けません。

ですが明後日の18:00までには投稿してみせます。

本当に申し訳ありません。



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空と地上の決戦 ~決戦前の舞台編~

お待たせいたしました。 空っぽの頭をひねって、やっと続きを書くことができました。


それでは続きどうぞ。




新宿警察署の前には4人の人影があった。

 

 

「ここか……」

 

 

建物を見上げた大樹が呟く。

 

 

「ええ、行きましょ」

 

 

アリアがそう言って中に入る。俺と美琴と遠山はその後を追いかける。

 

俺たちはあのバスジャック事件の後、警察が到着した。武偵殺しの犯人が証拠を残していないか探偵科と鑑定科が調べたが何も出なかった。

 

 

 

 

 

俺は正体を知っているがまだ言わない。まだその時ではないから。

 

 

 

 

そのあとはキンジの家でご飯を食べていた(例のごとく俺が作った)時にアリアが、

 

 

「明後日、あたしのママに会ってみない?」

 

 

俺たちはびっくりした。だが、みんな行きたかったので4人で行くことにした。

 

 

神崎かなえ

 

 

アリアの母親で俺達が助け出す人だ。懲役864年の冤罪を着せられている人物。

 

俺達はその人に今から会う。

 

俺達四人は留置人面会室で待っていた。

 

アクリルの板越しに出てきた美人にアリア以外の三人は驚いた。

 

母親というより、年の離れたお姉さんの感じが強かった。

 

 

「まぁ………この方たちがアリアのお友達ね」

 

 

「ち、違うわよ、ママ」

 

 

「初めまして、アリアのとても仲の良い友達をやっています。御坂 美琴です!」

 

 

「ちょっと!?」

 

 

そんな事を言われたアリアは顔を赤くし、恥ずかしがる。ははは、ナイスだ美琴。

 

 

「同じく、アリアと超仲の良い友達の遠山 キンジです」

 

 

「や、やめなさい!」

 

 

よし、ここは俺も言わなくては。

 

 

 

 

 

「アリアの彼氏をしています。楢原 大樹です」

 

 

 

 

 

ガンッ!ゴンッ!

 

 

「ぐふッ!?」

 

 

アリアに蹴りをいれられ、美琴に殴られた。なんでッ!?

 

 

「な、ななな何言ってるのよ!バカ!!風穴開けるわよ!?」

 

 

おかしい。遠山と反応が全然違う。

 

 

「ふんッ」

 

 

美琴は何で不機嫌なの?もうわからないよ、しくしく。

 

 

「みなさん、初めまして。わたし、アリアの母で神崎かなえと申します。娘がお世話になってるみたいですね」

 

 

「あ、いえ……」

 

 

遠山は緊張しすぎだろ。ああいうタイプが弱いのか?

 

 

「ママ。面会の時間が少ないから手短に話すね。キンジは武偵殺しの三人目の被害者なの。武偵高で自転車に爆弾を仕掛けられたの」

 

 

アリアは早口で言っていく。かなえさんの表情が固くなる。

 

 

「さらにもう一件、一昨日はバスジャック事件が起きてる。奴の活動は急激に活発になってきているのよ。てことはもうすぐ尻尾を出すはずだわ。だからあたし、狙い通りまずは武偵殺しを捕まえる」

 

 

アリアは席を立ち上がる。

 

 

「奴の件だけでも無実を証明すればママの懲役864年が一気に742年まで減刑されるわ」

 

 

一人捕まえても、あと700年以上もあるのか。

 

 

「最高裁までの間に、他も絶対、全部なんとかするから」

 

 

アリアは手に力を込める。

 

 

「そして、ママをスケープゴートにしたイ・ウーの連中を全員ここにぶち込んでやるわ」

 

 

アリアの顔には怒りが現れていた。

 

 

「アリア。気持ちは嬉しいけどイ・ウーに挑むのは早いわ。それよりもパートナーは見つかったの?」

 

 

「そ、それは……」

 

 

アリアは俺の顔を見る。ん?俺?

 

 

「………いるわ。ここに」

 

 

「へ?」

 

 

アリアは俺に向かって指をさす。俺は予想外すぎてアホみたな声を出した。

 

 

「大樹ならあたしを助けてくれるわ。どんなときでも」

 

 

すっごい期待されちゃったよ。

 

 

「まぁ助けてやる約束したしな」

 

 

俺はこの三人は絶対に守る。

 

 

「大樹さん」

 

 

かなえさんが真剣な表情で俺の名前を呼ぶ。

 

 

「あなたはどれだけアリアを知っていますか?」

 

 

……………。

 

 

「さぁ?知りません」

 

 

「ッ!?」

 

 

アリアは俺の顔を見る。

 

 

「初めて会ってからそこまで日にちは経っていませんし」

 

 

「だ、大樹」

 

 

美琴が俺の名前を呼んで止めようとする。だけど、俺は続ける。

 

 

「遊んだのも数回ですし、パートナーとは言えません」

 

 

アリアが落ち込んでいるのが横目で見て分かる。

 

遠山は俺を睨んでいる。

 

 

「ですが」

 

 

俺はかなえさんを見て言う。

 

 

 

 

 

「俺にとって大切な人たちの中の一人です」

 

 

 

 

 

「ッ!」

 

 

アリアが俺の顔を見ている。

 

 

「アリアを全く知らないわけではありません。知っていることとすれば」

 

 

俺は笑顔で言う。

 

 

 

 

 

「アリアは母親が大好きな優しくて強い女の子です」

 

 

 

 

 

「大樹……」

 

 

頬を赤くしたアリアが俺の名前を呟いた。

 

 

「美琴と遠山だってアリアのことをそう思っていますよ」

 

 

美琴と遠山の方を見ると、二人も笑みを浮かべていた。

 

 

「そう………」

 

 

かなえさんも優しい笑みを見せた。

 

 

「アリア。とてもいい人達に恵まれたわね」

 

 

「ありがとう、ママ」

 

 

かなえさんは俺の方を向く。

 

 

「アリアをよろしくお願いします」

 

 

「はい、必ず守ります」

 

 

美琴と遠山もうなずく。

 

 

「時間だ神崎!」

 

 

「あ……!」

 

 

後ろにいた二人の管理官が羽交い締めにするような形で引っ張る。

 

 

「やめろッ!ママに乱暴するな!」

 

 

アリアの呼び掛けに応じない管理官。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピシッ!

 

 

「「「「「「!?」」」」」」」

 

 

その場にいた大樹以外の人が驚愕した。大樹は手をアクリルの上に置いてあるだけでヒビが入った。

 

 

「その人にこれ以上乱暴に扱ってみろ」

 

 

俺は低い声で言う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「次は許さねぇ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「ひッ!?」」

 

 

俺は管理官に殺意を向ける。

 

管理官はかなえさんを急いで放す。

 

 

「ありがとう、大樹さん」

 

 

「………いえ」

 

 

かなえさんは乱暴にされず部屋を退室した。

 

 

………お礼を言われた。

 

 

てっきり怖がらせたと思ったのに違った。

 

 

「大樹」

 

 

アリアは俺の名前を呼び、

 

 

 

 

 

「ありがとう」

 

 

 

 

 

アリアにもお礼を言われた。

 

 

「お前ら………俺、怖くなかったか?」

 

 

「そんなわけないだろ」

 

 

遠山は俺の言葉を否定する。

 

 

「ああでもしてくれないと能力使ってたわ。よくやったわね」

 

 

美琴は上から目線で俺を誉める。

 

 

「…………そうか」

 

 

アリアだけじゃなく、俺も大切な人に恵まれてるな。

 

 

________________________

 

 

 

 

「嫌な天気だな」

 

 

俺は空を見上げ呟いた。

 

あれから数日の時がすぎた。

 

 

(そういえば今日、アリア休みだったな)

 

 

今日の俺の隣は空席だった。

 

 

(何でだろう………嫌な予感がする)

 

 

俺は学校のベンチから立ち上がる。と同時にポケットに入れた携帯電話が鳴った。

 

 

「もしもし」

 

 

『大樹、大変だ』

 

 

電話の相手は遠山だった。

 

 

「どうした?」

 

 

『アリアが危ない』

 

 

「ッ!?」

 

 

その言葉に全てを察した。しまった!今日だったか!

 

 

「場所はッ!?」

 

 

『羽田空港だ』

 

 

「分かった、すぐ行く。お前も早くアリアと合流しろ!」

 

 

『わかった』

 

 

俺は電源を切り、音速のスピードで走りだした。

 

 

________________________

 

 

 

「な、なんだよこれ……」

 

 

俺は羽田空港に着いた。だが、

 

 

 

 

 

「何で凍ってるんだよ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

空港の中は氷で覆われていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前が楢原 大樹か」

 

 

「!?」

 

 

奥から声が聞こえて振り返る。

 

 

 

 

 

魔剣(デュランダル)……!?」

 

 

 

 

 

ジャンヌ・ダルクがいた。

 

 

 

 

 

 

銀髪を2本の三つ編みにし、つむじの辺りで結ったストレートロングヘアの髪形。綺麗な蒼色。サファイアのような瞳。

 

西洋な甲冑を身に纏い、剣を握っていた。

 

 

「ほう、私を知っているのか」

 

 

おかしい。ジャンヌの出番は早すぎる。

 

 

「何でここに居る」

 

 

「足止めだ」

 

 

「………まさか!?」

 

 

俺の質問に答えるジャンヌ。その答えに少し思考して結論を出す。

 

 

 

 

 

「確実にアリアを殺す気か…!!」

 

 

 

 

 

「お前はかなりの実力者と聞いた。彼女ではかなわない敵らしいからな」

 

 

彼女。それは武偵殺しのことだ。

 

 

ひゅッ

 

 

「ッ!」

 

 

ジャンヌは俺の足元に向かってナイフを飛ばすが、俺は後ろに飛んで避ける。だが

 

 

「なッ!?」

 

 

ナイフの刃から床が凍りだす。そして、俺の着地する場所まで凍った。

 

 

(ヤバいッ!)

 

 

凍りついてる床に触れた瞬間に体を凍らせられる。そう思った瞬間。

 

 

 

 

 

「大樹!!」

 

 

 

 

 

バチバチッ!!

 

 

「美琴!?」

 

 

美琴は電撃を床に飛ばし、氷を砕いた。

 

 

「何でここに!?」

 

 

「俺が呼んだ」

 

 

ガキュンッ!

 

 

遠山の声が聞こえたかと思うと、遠山は拳銃を持ってジャンヌに向かって撃つ。

 

 

「くッ」

 

 

ジャンヌは剣を盾にして銃弾を防ぎ、弾いた。

 

 

「大樹、アリアを助けに行ってくれ」

 

 

「だ、だけど」

 

 

「大丈夫よ、ここは私たちが何とかする」

 

 

美琴は俺を見て言う。

 

 

「武偵憲章第1条」

 

 

「ッ!」

 

 

ったく。ズルいなお前らは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「仲間を信じ、仲間を助けよ」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三人の声が重なった。

 

 

「頼んだ!!」

 

 

俺は走りだした。

 

 

「逃がすか!」

 

 

ジャンヌは俺に向かって剣を振るおうと飛び出すが、

 

 

「させないッ」

 

 

バチバチッ!

 

 

美琴は電撃を飛ばし、ジャンヌの進行方向を妨げる。

 

ジャンヌは急いで後ろに飛んで回避する。その隙に俺は空港の中へと走って行った。

 

 

「君の相手は俺たちだ」

 

 

遠山は銃を構える。美琴も電撃を身に纏わせて構える。

 

 

 

 

 

「「ここから先は行かせない」」

 




明日から再びしっかりと毎日投稿しますのでよろしくお願いします。


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空と地上の決戦 ~絶対零度編~

続きです。


【キンジ視点】

 

 

「遠山キンジ、御坂 美琴か」

 

 

ジャンヌは二人の名前を言う。

 

 

「あんた、一体何者?」

 

 

美琴はジャンヌに問う。

 

 

「ジャンヌ・ダルク」

 

 

ジャンヌはサファイアの瞳を細めて誇らしく言う。

 

 

 

 

 

「ジャンヌ・ダルク30世だ」

 

 

 

 

 

「「……………」」

 

 

「し、知らないのか!?」

 

 

美琴とキンジは顔を合わせる。

 

 

「知ってる?」

 

 

「いや、知らないな…」

 

 

「ぐッ!」

 

 

ジャンヌは不機嫌になる。

 

 

「ふんッ、まぁいい。どうせお前たちはここで終わりだ」

 

 

ジャンヌは手に持った剣を構える。

 

 

「この聖剣デュランダルに切れないモノは無いッ!」

 

 

ジャンヌは二人に飛びかかる。

 

 

ズキュンッ! !

 

 

キンジはジャンヌに向かって撃つ。しかし、

 

 

ガキンッ!!

 

 

「なッ!?」

 

 

ジャンヌは剣を盾にしながら突き進み、弾を弾いた。

 

 

「くッ!」

 

 

キンジは剣が降り下ろされる前に後ろにさがろうとするが、

 

 

「逃がさん!」

 

 

「ッ!?」

 

 

足元が凍っていて動けなかった。

 

 

(しまった!?)

 

 

キンジに剣が降り下ろされる。

 

 

「させないわよッ!!」

 

 

バチバチッ!!

 

 

「ッ!!」

 

 

美琴は電撃を出して当てようとするが、ジャンヌは後ろに飛んで避ける。

 

 

「ッ!」

 

 

そのすきにキンジはナイフを取りだし、凍っていてる足元を砕く。

 

 

「貴様は超偵だったか」

 

 

超偵

 

武偵とは違い、超偵は超能力が使える者を言う。

 

先日、俺は美琴から能力者だと聞いた。

 

 

「ええ、そうよ」

 

 

美琴はジャンヌの言葉に肯定する。

 

 

私に続け(フォロー・ミー)、御坂 美琴。イ・ウーで役に立たせてやる」

 

 

「お断りよ、そんな組織」

 

 

美琴はジャンヌの誘いをバッサリっと断る。

 

 

「後悔するなよッ!!」

 

 

ジャンヌは美琴に剣を突き刺そうとする。

 

美琴は電撃を飛ばそうとする。だが、

 

 

 

 

 

「【オルレアンの氷花(Fleur de la glace d'Orleans)】」

 

 

 

 

 

「避けろッ!!」

 

 

ジャンヌの持っている剣から吹雪が吹き荒れる。キンジは危険を察知し、叫ぶ。

 

 

「くッ!!」

 

 

美琴は能力を使い大きく横に飛び逃げる。

 

 

カッ!!

 

 

剣の先から閃光弾を使ったような光が弾けた。

 

 

「「!?」」

 

 

二人は驚愕した。

 

 

 

 

 

さきほど、美琴の居た場所には大きな薔薇の氷が出来ていた。

 

 

 

 

 

「避けられたか」

 

 

ジャンヌは剣を構え直す。

 

 

(厄介な相手だ……)

 

 

キンジは心の中で思考させる。真正面から戦ってもダメだ。

 

 

(恐らく相手はまだ余裕だろう)

 

 

2対1。不利な状況をもろともしない。

 

 

「弱いな」

 

 

ジャンヌは俺たちに言う。

 

 

「私の目的は本来なら一人の超偵を拐ってくることだったのだが、こんな無駄な時間を過ごすくらいなら誘拐方法でも考えているほうが有意義だ」

 

 

拐う?

 

 

「一体誰を拐うつもりだ」

 

 

「特別に教えてやろう」

 

 

ジャンヌは笑みを浮かべて言う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

星伽(ほとぎ) 白雪(しらゆき)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なッ!?」

 

 

俺は耳を疑った。

 

 

「な、なんで白雪が!?」

 

 

星伽 白雪

 

彼女とは俺の幼なじみだ。しばらく会っていなかったが学校の入試の日に不良に襲われているのを助けた時に再会した。

 

今でも弁当や朝ごはんを作ってくれる。

 

そして彼女は星伽の巫女だ。だが普通の巫女では無い。

 

 

武装巫女だ。

 

 

星伽神社はその武装巫女が守っているのだ。

 

白雪は鬼道術という超能力があることは聞かされていた。

 

 

その白雪がなぜ狙われている。

 

 

「お前は彼女の素晴らしさを分かっていない」

 

 

ジャンヌは笑う。

 

 

「彼女は原石だ。あれを磨けば磨くほどより強力な超能力者(ステルス)になる」

 

 

「な、何を言っている」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「彼女をイ・ウーの騎士にする」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふざけるなッ!!」

 

 

俺は右手に持っている拳銃をジャンヌに撃つ。

 

 

ズキュンッ!!

 

 

「?」

 

 

ジャンヌは不思議そうな顔をした。

 

 

「ッ!?」

 

 

俺は驚いていた。

 

 

 

 

 

外したことに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、ヒステリアモードが切れたことに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そ、そんな……!?」

 

 

こんな大事な時に……。

 

拳銃を握った手が震える。

 

 

「これが終わったら私は彼女を誘拐する」

 

 

俺は……白雪を守れない……。

 

 

「さらばだ、遠山 キンジ」

 

 

ジャンヌは俺に剣を降り下ろした。

 

キンジはその攻撃を避けれない。

 

 

 

 

 

ガキュンッ!!

 

 

 

 

 

キンッ!!

 

 

「くッ」

 

 

ジャンヌは剣を降り下ろすのをやめて、飛んで来た弾を弾く。

 

 

「!?」

 

 

ジャンヌは驚愕する。

 

 

 

 

 

銃弾が飛んできた方向には誰も居なかった。

 

 

 

 

 

ガキュンッ!!

 

 

「なッ!?」

 

 

キンッ!!

 

 

次は後ろから飛んできた。ジャンヌはギリギリ剣で防ぐ。

 

 

「な、何が起きている!?」

 

 

ジャンヌは不可解な現象に焦る。また銃弾の飛んで来た方向に誰もいなかったからだ。

 

 

 

 

 

「諦めちゃダメよ」

 

 

 

 

 

俺の後ろには美琴がいた。

 

 

「キンジが諦めたら星伽さんはどうするの?」

 

 

「ッ!」

 

 

そうだ。ヒステリアモードが切れたくらいで何諦めてる。

 

 

バスジャックの時は無くても大丈夫だったじゃないか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……行くぞ、遠山 キンジ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「美琴、まずはあの剣を破壊するぞ」

 

 

「どうやって?」

 

 

「俺が剣の動きを止める。美琴は電撃で剣を破壊してくれ」

 

 

「できるの?」

 

 

美琴は心配して聞く。

 

 

 

 

 

「やれるだけやってみる」

 

 

 

 

 

俺は拳銃を防弾制服の上着になおす。そして、上着を脱いだ。

 

上着の中に着ていたカッターシャツになった俺は美琴を見る

 

 

「!」

 

 

美琴が何かに気付いた。どうやら作戦が伝わったみたいだな。

 

俺は右手に上着だけ持ち、左手にナイフを持つ。

 

 

「何をしようと無駄だ」

 

 

ジャンヌは剣を再び構える。

 

 

「その自信を今から捻り潰してやる」

 

 

チャンスは一回だ。

 

 

ヒュンッ

 

 

俺はナイフを投げる。だが

 

 

「遅い」

 

 

避けられた。

 

 

俺はナイフを投げると同時にジャンヌに向かって走っていた。

 

 

バッ!

 

 

「ッ!?」

 

 

右手に持っていた上着をジャンヌの目の前に投げつけた。

 

 

「その程度で目眩ましになると思っているのか!」

 

 

ジャンヌは両手で持っていた剣のうち左手を放し、横になぎ払う。

 

上着は床に落ち、視界が見えるようになる。

 

 

「終わりだ!!」

 

 

ジャンヌは右手にもっている剣を降り下ろす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「むぐッ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジャンヌの顔に床に落ちたはずの上着が襲ってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「美琴ッ!!」

 

 

俺はジャンヌが怯んでいるうちに剣を奪い取り、上に投げた。

 

 

「任せなさい!!」

 

 

チンッ

 

 

美琴は右手にあるコインを弾く。

 

 

ズキュウウウンッ!!!!

 

 

空気が悲鳴をあげたかのような音が響く。

 

 

 

 

 

美琴の右手から、超電磁砲が出た。

 

 

 

 

 

超電磁砲はキンジが投げた剣を砕き、そのまま空港の屋根を貫通する。

 

 

ガラランッ!!

 

 

刃が折れた剣が落ちてきた。

 

 

「私の………聖剣が………!?」

 

 

ジャンヌは目を疑うような光景を目の当たりにする。

 

 

「ッ!!」

 

 

ジャンヌは逃亡しようと後ろを向いて逃げようとする。

 

 

「なッ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジャンヌの目の前にさっき投げられたキンジのナイフが空中で浮いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒュンッ

 

 

「くッ!!」

 

 

空中に浮いたナイフは一瞬でジャンヌの首筋に当てられる。

 

 

「動かないで」

 

 

美琴は拳銃を構える。

 

 

「「ジャンヌ・ダルク、お前(あなた)を逮捕する(わ)」」

 

 

俺はジャンヌに手錠をかけた。

 

 

________________________

 

 

「何をした」

 

 

「え?」

 

 

大人しくなったジャンヌが美琴に話しかける。

 

 

「貴様の超能力が全く分からなかった」

 

 

ジャンヌは分からなかったことについて挙げていく。

 

 

弾がどこからもなく現れたこと。

 

床に落ちたはずの上着が顔に襲ってきたこと。

 

空中に浮いたナイフ。

 

 

「簡単なことよ」

 

 

美琴は自分の拳銃を床に落とすが、落ちなかった。

 

 

空中で止まっている。

 

 

「磁力を操作することで意のままに動せるの」

 

 

拳銃は美琴の回りをぐるぐる回る。

 

「ナイフのトリックは分かった。だが上着は鉄などついてないぞ」

 

 

俺はトリックを教えるために上着を手に取る。

 

 

「それは俺が細工したんだ」

 

 

俺は上着から、

 

 

 

 

 

拳銃を取り出す。

 

 

 

 

 

「ッ!!」

 

 

ジャンヌが思い出したような顔をする。

 

美琴は上着に入った拳銃を操ることで上着を浮かしたりすることができたというわけだ。

 

 

「なるほど、私はまんまと騙されたというわけか」

 

 

ジャンヌの顔には笑みがあった。

 

 

「最後のトリックも教えてくれ」

 

 

銃弾がどこからもなく現れるトリック。

 

 

「あたしが撃った弾を能力でただ操っただけよ」

 

 

美琴は拳銃を構えて発砲する。

 

 

ズキュンッ!!

 

 

だが

 

 

パキンッ!!

 

 

「ッ!?」

 

 

美琴の後ろの壁に弾が当たる。

 

 

「こんな感じでねッ」

 

 

美琴は拳銃をくるくる回す。

 

 

ジャンヌはため息を吐く。

 

 

「私はとんでもない奴と戦っていたのか」

 

 

「俺から見たら二人ともとんでもないぞ」

 

 

俺は思った通りのことを言う。

 

 

「これでも(グレード)は高い方なんだがな、貴様のGは何だ」

 

 

ジャンヌの問いに美琴は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「G27よ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なッ!?」

 

 

ジャンヌの顔が青くなる。

 

 

「まぁGなんてどうでもいいわ」

 

 

美琴は自分が開けた穴を見る。

 

 

 

 

 

「大樹は大丈夫、よね」

 

 

 

 

 

小さな声で、そう呟いた。

 

 

 




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空と地上の決戦  ~天空編~

今回は長いです。

続きです。




(アリアが乗っているのはAMA600便!)

 

 

大樹は空港の中を走っていた。

 

 

(さっき会ったのはジャンヌだった)

 

 

ジャンヌは原作では白雪を誘拐するときに登場する人物。

 

 

(なのにあいつは現れた……!)

 

 

先程から嫌な予感がする。

 

俺はふっと窓を見ると一台の飛行機が動いていた。

 

 

「ッ!?」

 

 

俺は飛行機の窓からあいつが見えた。

 

 

 

 

 

「アリアッ!!」

 

 

 

 

 

おもわず名前を呼ぶ。しかし、彼女にはその声は届かない。

 

ヤバい。もう離陸しようとしている。

 

 

パリンッ!!

 

 

俺は空港の窓を突き破り、飛行機を追いかける。

 

 

だが、飛行機の車輪は地面を離れ、飛んだ。

 

 

________________________

 

 

アリアは窓の外を見る。外は大雨で遠くが見えなくなるほど暗かった。

 

 

(なんにも通達無しで急に帰ってこいだなんて)

 

 

ロンドンの武偵局部から帰還命令が出された。だが、日帰りで帰ろうと思っている。長くはならないので、みんなにはこのことを報告していない。

 

 

(最近いろいろあって疲れたわ……)

 

 

キンジのチャリジャック、バスジャック。目まぐるしい日々だった。

 

アリアは椅子にもたれかかって目を瞑った。

 

 

(少しだけ……)

 

 

アリアは静かに眠った。

 

 

________________________

 

 

 

 

「さ、ささささ寒いいいいィィィ!!!」

 

 

俺は寒さに震える。

 

 

俺はあの後音速のスピードで走って追いかけて

 

 

 

 

 

車輪に掴まった。

 

 

 

 

 

「おわッ!?」

 

 

そしてそのまま車輪と一緒に機体の中に一緒に収納された。侵入に成功したが中はどんどん温度が低くなり、今にいたる。

 

 

「ああ、疲れたな」

 

 

俺は目を瞑った。

 

 

「少しだけ……」

 

 

俺は静かに眠った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だめだあああああァァァ!!!!」

 

 

あぶねぇ!!やめろパトラッシュ!!俺はもう死にたくない!!

 

 

「くそッ、どうやってここから出ようか…」

 

 

まさか出口が無いなんて。

 

 

「………ちょっと乱暴だが仕方ない」

 

 

俺は天井に向かって思いっ切り殴った。

 

 

 

________________________

 

 

パンッ!パンッ!

 

 

「ッ!?」

 

 

アリアは飛び起きる。

 

 

(銃声!?)

 

 

まだボーッとする頭を叩き起こして廊下に出る。

 

廊下に出ると二人の男性が倒れていた。

 

倒れている男の後ろには拳銃をもったアテンダントがいた。

 

 

「動かないでッ!」

 

 

アリアはスカートから銃を取りだし、構える。

 

 

Attention Please(お気を付けください)、でやがります」

 

 

そう言ってアテンダントは手に持ったガス缶を投げる。

 

 

プシューッ

 

 

「みんな部屋に戻ってドアを閉めて!!早く!!」

 

 

アリアは乗客に避難を呼び掛ける。

 

機内が一気にパニックに陥った。

 

 

「くッ」

 

 

アリアも部屋に戻り、煙から逃げる。

 

 

(なんとか大丈夫みたいね)

 

 

自分の体がしっかり動くことを確認する。

 

 

(今のは武偵殺し……!?)

 

 

アリアは歯を食いしばる。こんな場所で出会うなんて予想外だった。

 

 

(ちょうどいいわ、ここで捕まえてママの冤罪を晴らしてやる!!)

 

 

ポポーン、ポポポン、ポポーン…………

 

 

機内に謎のアナウンスが流される。

 

 

(和文モールス……)

 

 

 

オイデ オイデ イ・ウー ハ テンゴク ダヨ

 

オイデ オイデ ワタシ ハ イッカイノ

 

バー ニ イルヨ

 

 

 

「上等よ」

 

 

アリアはスカートから二丁目の銃を取り出し、

 

 

 

 

 

「風穴あけてやるわ」

 

 

 

 

 

ドアを開けて、バーに向かった。

 

 

________________________

 

 

 

バーに行くと武偵高校の制服を着た女性が座っていた。

 

顔をよく見ると、さっきのアテンダントだと分かった。

 

 

「今回もキレイに引っ掛かってくれやがりましたねぇ」

 

 

女性はベリベリッと薄いマスクのようなものを剥がした。

 

 

 

 

 

「あんた……(みね)…理子ね」

 

 

 

 

 

キンジの隣の席の女子生徒だった。

 

 

Bon Soir(こんばんは)

 

 

こいつが……武偵殺し!

 

 

「この日を待っていたよ、オルメス」

 

 

「ッ!?」

 

 

何でその名前を知ってるの!?

 

 

「あんた……一体何者……?」

 

 

アリア質問に理子は笑みを浮かべて答える。

 

 

 

 

 

「理子・峰・リュパン4世。それが理子の本当の名前」

 

 

 

 

 

「リュパン!?」

 

 

この子、アルセーヌ・リュパンの曾孫なの!?

 

 

「でも家の人間はみんな理子を【理子】とは呼んでくれなかった」

 

 

理子は椅子からおりる。

 

 

「お母さまがつけてくれたこのかっわいい名前を」

 

 

頭を横に振り、呆れたように振る舞う。

 

 

「4世、4世、4世4世さまぁー」

 

 

理子はふらふらと近づいてくる。

 

 

「どいつもこいつも使用人まで……理子をそう呼んでたんだよ、ひっどいよねぇ」

 

 

「そ、それがどうしたっていうのよ。4世の何が悪いっていうのよ……」

 

 

理子は歩くのをやめて立ち止まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「悪いに決まってんだろ!!あたしは数字か!?あたしはただのDNAかよ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「!?」

 

 

突如、理子はキレて怒鳴り散らした。

 

 

「あたしは理子だ!!数字じゃない!!どいつもこいつもよォ!!」

 

 

怒り狂った理子は一気に言いたいことを言う。あるいは叫ぶ。

 

 

「曾お爺さまを越えなければあたしは一生あたしじゃない。【リョパンの曾孫】として扱われる!!」

 

 

理子は自分の手を強く握り締める。

 

 

「だからイ・ウーに入って力を得た!この力であたしはもぎ取るんだ!あたしをォ!!」

 

 

理子はアリアを見る。その瞳には殺意が籠っている。

 

 

「100年前、曾お爺さま同士の対決は引き分けだった。つまりオルメス4世を倒せば、あたしは曾お爺さまを越えたことを証明できる」

 

 

理子は続ける。

 

 

「チャリジャックとバスジャックではイレギュラーなことが起きた。邪魔されなかったらもっとはやく戦えたのねぇ」

 

 

理子は右手に持った銃の銃口をこちらに向けた。

 

 

「今日がお前の命日だ、オルメス!!!」

 

ガキュンッ!!

 

 

「ッ!?」

 

 

アリアは理子が撃った弾をとっさに横に避ける。そして、理子に向かって飛びかかる。

 

だが、

 

 

「アリア、二丁拳銃が自分だけだと思っちゃダメだよ?」

 

 

「ッ!」

 

 

理子はスカートから二丁目の拳銃を左手に持つ。

 

 

ガチンッ!!

 

 

理子はアリアの腕を自分の腕で上手く払い、アリアの銃口の先から逃れる。

 

アリアは睨み、理子は笑みを浮かべていた。

 

互いの距離がゼロになった。ここからは近距離の戦闘だ。

 

 

ガッガキュンッ!!

 

 

理子は二発の銃弾撃つ。

 

アリアはそれをしゃがんで避ける。

 

 

ガッガキュンッ!!

 

 

アリアも下から二発の銃弾を撃つ。

 

だが理子は上半身を後ろに傾けるだけで回避する。

 

 

ドゴッ!!

 

 

理子はしゃがんでいるアリアに一発。二発と銃弾を撃たず、手で殴った。

 

 

「ぐッ!!」

 

 

アリアは小さくうめく。

 

 

「は、はは、あははははッ!!」

 

 

理子は気が狂ったように笑う。

 

 

「このッ!!」

 

 

アリアは理子の腕を掴む。

 

 

「なッ!?」

 

 

理子は驚愕する。

 

 

 

 

 

アリアは理子を一瞬にして床に押さえつけたのだ。

 

 

 

 

 

「そこまでよ!!」

 

 

アリアは理子の頭の眉間に銃を突き付ける。

 

 

「ふふふ、アリアは甘いなぁ」

 

 

理子は不気味に笑う。

 

 

「な、何よ!」

 

 

追い詰められているはずの理子が笑いだし、アリアは理子を警戒する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「武偵殺しが一人だと思わないことね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ッ!?」

 

 

突然後ろから声がかけられた瞬間、首に何かを刺された。そして、アリアは強烈な目眩に襲われ、横に倒れた。

 

アリアは倒れていながらも、必死に意識が落ちないようにする。

 

 

「…………あ、あんたは……………!?」

 

 

 

 

 

イ・ウーのメンバー、夾竹桃(きょうちくとう)がいた。

 

 

 

 

 

「な、なんであんたが……!?」

 

 

夾竹桃はあたしの戦妹(アミカ)である間宮(まみや) あかりが今追っているはずの人物。

 

 

「全くなにやられているの」

 

 

「ごめんね~、キョーちゃん。理子は悪い子だから」

 

 

「理由になってないわよ。私はわざわざ間宮の秘毒をお預けしてまで来たのだからちゃんと勝ちなさい」

 

 

………やられた。

 

甘かった。相手が一人だと決めつけるなんて。

 

 

「くふふふ、これで理子の勝ちだね」

 

 

理子は右手に持った銃をアリアに押し付ける。

 

 

「じゃあね、アリア」

 

 

アリアは目を瞑った。

 

 

(あたしはまだ死ぬわけにはいかない!)

 

 

アリアは体に力を入れようとするが入らない。

 

 

(まだママを助けるまでには!)

 

 

アリアは心の中で叫ぶ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(誰か助けてッ!!!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガキュンッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「!?」」

 

 

理子と夾竹桃は驚愕した。なぜなら、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アリアが消えたから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「待たせたな、アリア」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

理子と夾竹桃の後ろから声がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこにはアリアをお姫様抱っこをしている大樹がいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「大樹……!」

 

 

アリアは名前を呼んで、意識を失った。

 

 

「な、なんでお前がいるッ!?機内の入り口で見張っていて、来ていないことを確認したはずなのにッ!?」

 

 

理子が大声を出す。

 

 

「俺はそんなところから入っていないぞ」

 

 

大樹は顔に笑みを浮かべて、

 

 

 

 

 

「車輪と一緒に来たからな」

 

 

 

 

 

「「は?」」

 

 

「ひとまず退散だ」

 

 

大樹は後ろを向き、走り去る。

 

 

「逃がすかッ!!」

 

 

理子は銃を大樹に向けて発砲する。

 

 

ガキュンッ!!

 

 

「させるか!!」

 

 

大樹は横にある客室ドアを開けて、盾を作る。

 

 

ガチャッ、ガチャッ、ガチャッ、ガチャッ、ガチャッ、ガチャッ、ガチャッ、ガチャッ、ガチャッ、ガチャッ

 

 

「「なッ!?」」

 

 

一瞬にして合計10枚の壁を作った。少しは時間稼ぎができるだろう。

 

 

(アリアを安全な場所に……!!)

 

 

大樹はアリアを抱えて逃げ出した。

 

 

________________________

 

 

大樹はアリアをベットに寝かせる。

 

ここは飛行機の一番奥の客室だ。

 

 

(さっき居たのは夾竹桃……!)

 

 

状況から察するに、アリアは毒にやられたのだろう。

 

 

(何で夾竹桃がいるんだよ……!)

 

 

夾竹桃は毒に関してはエキスパートだ。下手をするとアリアはもう……。

 

 

(一刻もはやく病院に行かないと…!)

 

 

アリアには一体どんな毒を射たれたのか分からない。対処法も分からない。

 

 

「………解毒剤」

 

 

もしかしたら夾竹桃が持っている可能性がある。

 

……なら俺の目的は明確だ。

 

 

「どんな理由があるにしろ、あいつら絶対に捕まえる。」

 

 

俺はアリアに顔を向ける。

 

 

「すまん、こんなことになって」

 

 

約束したはずなのに。

 

 

「守るって言ったのに」

 

 

だけど。

 

 

「もうこれで終わりだ」

 

 

 

 

 

アリアを傷つけるのは。

 

 

 

 

 

「もう絶対にさせねぇ」

 

 

 

 

 

俺は部屋を出た。

 

 

________________________

 

 

 

「バッドエンドの時間ですよー」

 

 

理子と夾竹桃が奥から現れる。

 

 

「夾竹桃」

 

 

「なにかしら」

 

 

「アリアにどんな毒を射ちやがった」

 

 

夾竹桃は笑みを浮かべて教えてくれた。

 

 

弛緩毒(しかんどく)よ」

 

 

………………。

 

 

「説明してください」

 

 

「もう少し勉強したらどう?」

 

 

うるせいやい。

 

 

「解毒剤はあるのか」

 

 

「持っているわよ」

 

 

夾竹桃は手に取り出す。

 

 

「いくらだ」

 

 

「よこせとは言わないのね」

 

 

犯罪行為はしませn………なるべくさけます。

 

 

「欲しければ取ってみなさい」

 

 

「ハッ、なめるなよ!」

 

 

俺は音速のスピードで夾竹桃に近づこうとするが、

 

 

「ッ!?」

 

 

やめて後ろにさがる。

 

 

「あら、見えていたのね」

 

 

 

 

 

夾竹桃のまわりにはワイヤーが張り巡らされていた。

 

 

 

 

 

T  N  K(ツインテッドナノケブラー)ワイヤー」

 

 

夾竹桃はワイヤーの説明を始める。

 

 

「その防弾制服にも織り込まれている極細繊維よ」

 

 

「チッ」

 

 

俺は舌打ちをする。ワイヤーは見えるが問題は張り巡らせた形だ。体がすり抜ける場所が見つからない。

 

 

ズキュンッ!!

 

 

「ッ!」

 

 

大樹は体を横にそらして銃弾を避ける。

 

 

「はやくどけよ、イレギュラー」

 

 

理子が撃ったようだ。

 

 

「イレギュラーだと?」

 

 

「理子の計画では一番お前が邪魔だったんだよ」

 

 

「ごめんなさい、とでも謝ればいいのか?」

 

 

「ッ!!このッ!!」

 

 

ズッズキュンッ!

 

 

理子は二発銃弾を俺に向かって放つ。

 

 

「ッ!?」

 

 

俺は驚愕した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

銃弾が空中で止まっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(何だコレ!?)

 

 

否、銃弾は少しずつこっちに向かって来ている。

 

銃弾が超スローモーションで見えているのだ。

 

 

(もしかしたら、いける!!)

 

 

俺は二発の銃弾に右手を向ける。そして、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人差し指と中指、中指と薬指に銃弾をはさんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クルンッ

 

 

銃弾の勢いを殺さないように素早く体を回転させる。

 

 

(これでどうだ!)

 

 

銃弾がはさまった指を放した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガシャンッ!!ガシャンッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いたッ!?」

 

 

理子の両手に痛みを感じた。そして、理子の顔は驚きに変わる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

理子の銃が両方共壊れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

銃弾は見事に両方の拳銃の銃口の中に入った。

 

 

「せ、成功した………」

 

 

銃弾返し(カタパルト)

 

 

遠山が使う技の一つだ。物語ではまだ使えないが。

 

 

(俺の場合は2つ………)

 

 

もう人間ちゃう。化け物や。

 

 

「あ、ありえない……」

 

 

理子は後ろにさがる。顔が真っ青になっている。

 

 

「チェックメイトだ」

 

 

俺は二人に告げる。

 

 

カチャッ

 

 

俺は右手と左手に服の内側から出した銃を持ち、二人に狙いを定める。

 

この銃はアリアから借りたモノだ。

 

 

「あら、わたしはまだよ」

 

 

夾竹桃の後ろからトランクが現れる。隠していたか。

 

 

ガシャンッ

 

 

 

 

 

夾竹桃は多銃身機関銃(ガトリングガン)を取り出した。

 

勝利を確信した夾竹桃は笑みを浮かべた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やらせるかああああァァァ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は地面に落ちてある理子の拳銃の残骸を蹴り飛ばした。

 

 

ガシャンッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

残骸が音速のスピードで当たり、多銃身機関銃を破壊した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「!?」

 

 

「もう一度言う。動くな」

 

 

俺は再び二人に向かって銃を構える。

 

 

「あーあ、あと少しで理子がアリアを殺せたのに」

 

 

「そんな物騒な考え……やめろ」

 

 

俺は理子を睨む。

 

 

「大樹は何で理子の体に銃弾を当てなかったの?」

 

 

「女の子にそんなことしねぇよ」

 

 

「大樹って優しいね。でも」

 

 

理子はニヤリッと笑った。

 

 

 

 

 

「それが仇になるよ?」

 

 

 

 

 

理子の髪が不自然に動く。

 

 

ぐらりッ

 

 

その時、飛行機が大きく揺れた。

 

 

(しまった!?)

 

 

俺は体制を崩す。

 

 

「ッ!?」

 

 

夾竹桃もバランスを崩した。夾竹桃は知らなかったみたいだ。このことに。

 

だが、俺が見たのは最悪の光景だった。

 

 

 

 

 

夾竹桃がワイヤーに向かって倒れようとしていた。

 

 

 

 

 

(あのバカッ!!)

 

 

俺は音速のスピードで夾竹桃のところに向かって走る。

 

 

(あのワイヤーは簡単には切れない)

 

 

防弾制服の極細繊維だ。とてもじゃないが素手で切るのは不可能。

 

 

(それでも!!)

 

 

俺はワイヤーを掴み手に力を込める。そして、

 

 

 

 

 

一気にワイヤーを引き伸ばした。

 

 

 

 

 

ブチッ

 

 

 

 

 

一本を切った。だが十分だ。

 

自分の体がはいれる空間が出来ていた。

 

俺はその穴に飛び込み夾竹桃を抱き止める。

 

 

「ぐッ」

 

 

俺の左手から大量の血が流れ出した。右手は何とか無事だった。

 

だが、指などが切れなかったことは不幸中の幸いなのだろう。

 

 

「ばいばいきーん」

 

 

理子はその場から逃げ出した。

 

 

「まちやがれッ!!」

 

 

ガシャンッ

 

 

俺は手錠を夾竹桃と廊下の手すりにつける。そして、俺は理子を追いかけた。

 

理子はバーの片隅にいた。壁には丸い円のように爆薬が貼り付けてあった。

 

 

「ホントにイレギュラーな存在だねぇ……」

 

 

理子は不機嫌そうな声で言う。

 

 

「理子の計画無茶苦茶だよ」

 

 

「うるせぇ、早く捕まれ。アリアが待ってる」

 

 

「アリア、アリアアリアアリア」

 

 

理子は俺を睨みつける。

 

 

 

 

 

「何であいつばっか味方するんだよォ!!」

 

 

 

 

 

怒鳴った。

 

 

「何で理子には……いないんだよ……」

 

 

だが、その元気はすぐに無くなり、下を向いた。

 

 

「ッ!?」

 

 

俺はあることに気づいた。

 

 

 

 

 

「理子………ペンダントはどうした?」

 

 

 

 

 

俺は学校でペンダントを着けているのをみたことがある。だが理子のペンダントがなかった。ペンダントが取られるのはこの事件のあとのはず。

 

 

「な、何で知っているの………!?」

 

 

「いいから答えろ」

 

 

「………取られたの」

 

 

「………ブラドにか」

 

 

「……何でも知っているんだね」

 

 

理子は小さな声で言う。

 

 

「バスジャックの時にあれほどの大掛かりなことをしたにも関わらずアリアを倒すことが出来なかったから」

 

 

 

 

 

理子は涙を流す。

 

 

 

 

 

「取られ………ちゃった……!!」

 

 

 

 

 

「……………」

 

 

俺は銃をポケットに直す。

 

 

「理子」

 

 

彼女の名前を呼ぶ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺がブラドから取り返してやる」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「!?」

 

 

理子は驚き、俺の顔を見た。

 

 

「む、無理だよ。ブラドは

 

 

「大丈夫だ」

 

 

理子の言葉に声を重ねる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺がぶっ潰してやる」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ッ!」

 

 

俺は理子の手を掴みこちらに引っ張る。血だらけになった左手で触るのは流石にヤバイので右手で理子の手を引く。

 

 

「もう逃げるな。俺が助けてる」

 

 

優しい声音で理子に言う。理子は目を見開いて驚いていた。

 

 

「ほ、ホント?」

 

 

「ああ、俺はいつだって女の子の味方だ」

 

 

理子の言葉に俺は肯定する。

 

 

「当然、理子の味方でもあるからよ」

 

 

「大樹……」

 

 

 

 

 

ドゴオオオオォォォ!!!

 

 

 

 

 

「うおッ!?」

 

 

突然の出来事に俺は後ろに理子と倒れる。

 

 

「ミサイルだよ!!」

 

 

わ、忘れてた!!

 

 

「理子!」

 

 

俺は理子の顔を見て言う。

 

 

「とりあえず、この状況を何とかするぞ!」

 

 

理子は笑って答える。

 

 

 

 

 

「まかせて、だいちゃん!」

 

 

 

 

 

「その呼び方はやめてくれ」

 

 

母親を思い出します。母ちゃん、俺は元気でやっています。一回死んだけど。

 

 

________________________

 

 

 

「夾竹桃!!」

 

 

俺は廊下にいる夾竹桃に駆け寄り、話しかける。

 

 

「アリアの解毒剤をくれ!!」

 

 

「これよ」

 

 

「出さないってならちかr…………ってはやっ!!」

 

 

即答したうえに、もう俺の手には解毒剤らしきモノが!?

 

 

「お、おう。と、とりあえずこの状況をどうにかしたいからてつd「わかったわ」………そうか」

 

 

はえー。まじはえー。夾竹桃先輩かっくいー。

 

俺は夾竹桃の手錠を外した。

 

 

「二人は先に操縦室に行ってくれ!」

 

 

俺はアリアのいる部屋に急いで行く。

 

 

「アリア!!」

 

 

ドアを勢い良く開けて、俺はアリアの寝ているベッドまで駆けつける。

 

 

「解毒剤だ!」

 

 

解毒剤はドリンクみたいに飲むみたいだ。俺はアリアに飲ませる。

 

効果はすぐに現れた。

 

 

「……大……樹?」

 

 

「おう、俺だ」

 

 

「大樹!!」

 

 

「おごッ!?」

 

 

ガンッ!!

 

 

「うぐッ!?」

 

 

アリアに飛びつかれたのは死ぬほど嬉しい。だが、アリアの頭は見事に腹に強打。そして後ろの壁に頭を激突して死ぬほど痛い。

 

 

「大樹!ありがとう!」

 

 

「う、嬉しいのは俺もだが今は……」

 

 

ピンポンパンポーン

 

 

 

 

 

『この飛行機は現在墜落中よ』

 

 

 

 

 

夾竹桃がアナウンスでとんでもないことを言い出した。

 

機内が一気に騒がしくなる。

 

 

「あ、あいつ!!」

 

 

「だ、大丈夫だアリア!!今は仲間だ!!」

 

 

「な、仲間!?あんた向こう側についたの!?」

 

 

「違げぇよ!!」

 

 

『早く帰って来てだいちゃん!!』

 

 

「その名前で呼ぶな!」

 

 

『じゃあア〇パンマンで』

 

 

「どこだ!盗聴器はどこだ!!」

 

 

何で俺の言葉に返せた!

 

 

『違う違う。あーそこそこ。もう!椅子の下だよ!』

 

 

「キリがねええェェ!!」

 

 

盗撮までしてたよ!

 

 

________________________

 

 

「というわけだ。こいつら仲間。OK?」

 

 

「なるほどね」

 

 

アリアに二人の説明をした。俺たちは操縦室にいる。

 

 

「でも逃がさないわよ」

 

 

「俺もそのつもりだから大丈夫だ」

 

 

アリアは操縦席に座っている二人に言う。

 

 

「ええ、好きにするといいわ」

 

 

「チッ、何でオルメスなんかに……」

 

 

二人は抵抗しないみたいだ。

 

 

「ねぇ」

 

 

夾竹桃は俺たちを呼ぶ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「着地するときの車輪が壊れているのだけど」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「なッ!?」」

 

 

「………………」

 

 

アリアと理子は驚愕する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やべぇ、心当たりがありすぎる…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あんたたちがやったのでしょ!!」

 

 

「そんなことしてねぇよ!!」

 

 

アリアと理子が喧嘩し始めた。あー、やめてぇ。

 

 

「あ、あのな」

 

 

俺は……俺は……!

 

 

 

 

 

「さっきのミサイルで壊れたっぽいぞ!」

 

 

 

 

 

嘘を言った。

 

 

「「「ダウト」」」

 

 

ソッコーでばれた。今の一秒掛かったか?

 

 

「窓から飛行機の下の状況を見るのは不可能よ」

 

 

夾竹桃に論破された。

 

 

「ふッ」

 

 

俺は笑い、

 

 

 

 

 

「すんません多分俺が壊しましたごめんなさい」

 

 

 

 

 

俺のお仕置きが決定した。

 

 

________________________

 

 

 

「ぐすん」

 

 

俺は今正座をしている。

 

 

「なるほどね、だからだいちゃんを発見できなかったのか」

 

 

「だからだいちゃnなんでもありません」

 

 

銃をこっちに向けたアリアが………怖いです。

 

 

「ねぇだいちゃん」

 

 

「はいなんでございますか」

 

 

もうこれ以上は体が持たないッス。

 

 

「武藤君に連絡取れる?」

 

 

「ああ、ちょっと待ってろ」

 

 

俺は武藤に電話する。

 

 

『もーしーもーしー?』

 

 

 

 

 

美琴の声が聞こえた。

 

 

 

 

 

「…………すいませんまじで間違えました」

 

 

み、美琴!?何で!?

 

 

『あんた、あたしには掛けてこないで……』

 

 

「そ、それには深いわけが!?」

 

 

『………心配、した…んだからぁ…』

 

 

美琴が泣き出した。

 

 

「ちょッ!?ご、ごめん!まじでごめん!!」

 

 

ガンッ!ガンッ!ガンッ!ガンッ!

 

 

俺は床に向かって何度も土下座をする。

 

 

「こ、この埋め合わせは絶対する!!何でもする!!」

 

 

『……何でも?』

 

 

「何でも!!だから許してくれ!!」

 

 

『………分かった。代わるね』

 

 

ホッ

 

 

『もしもし、武藤だ』

 

 

「轢いてやる」

 

 

『ええ!?』

 

 

おっと、やつあたりしちゃったぜ☆

 

 

『ってそんなことより神崎さんが大変だぞ!!』

 

 

「アリアなら隣にいる」

 

 

『そうか…………はぁ!?』

 

 

「実はかくかくしかじかなんだ」

 

 

『分かるか!!』

 

 

便利じゃない世の中だな。

 

 

「飛行機、ハイジャック、なんとか操縦権利ゲット、だけどミサイル飛んできた、ヘルプミー。OK?」

 

 

『何でだろう………大体分かった』

 

 

まじかよ……。

 

 

『ミサイルはどこを破壊した?』

 

 

「翼についてる内側のエンジンを二基をやられた」

 

 

『良い報告をしよう。その飛行機は最新モデルだ。内側のエンジンが破壊されても問題なく飛べる』

 

 

「じゃあ俺から悪い報告だ。こいつ、燃料漏れしてるぞ」

 

 

『なッ!?』

 

 

「そして車輪も壊れた」

 

「壊したのはあんただけどね」

 

 

心の底からごめんなさい。

 

 

『最悪な状況だな。とりあえず、羽田空港に緊急着陸してくれ。俺は羽田空港に連絡をする』

 

 

「いや、そいつは無理だ。羽田空港に緊急着陸はできない」

 

 

『……なんだと?』

 

 

「防衛なんちゃら大臣からの許可がおりないようになってる」

 

 

『チッ』

 

 

武藤は舌打ちをして、違う電話機で電話をし始めた。無駄なのに。

 

 

『大樹?』

 

 

「おお、遠山か」

 

 

武藤の代わりで遠山が電話に出た。

 

 

『大丈夫なのか?』

 

 

「正直わからん。主に俺のせいで」

 

 

『……………』

 

 

車輪を壊したのは駄目だったな。いやわざとじゃないよ?

 

「………神崎・H・アリア」

 

 

夾竹桃がアリアを呼ぶ。

 

 

「私、操縦とかできないのだけれど」

 

 

「「なぜ座った!!」」

 

 

あれ?でも車輪の壊れているかどうか分かるから……あれ?

 

 

「それじゃあ、お願いね」

 

 

夾竹桃とアリアが席を代わる。

 

 

「大樹」

 

 

「ん?」

 

 

夾竹桃が俺に何かを差し出した。

 

 

「これ使って」

 

 

「何これ?」

 

 

「毒よ」

 

 

「おい!」

 

 

「消毒液」

 

 

「あ、なるほど」

 

 

左手の怪我に塗るのか。

 

 

「サンキュー、助かるぜ」

 

 

俺はビンに入った茶色い液体を左手につける。

 

 

「ッ!!」

 

 

いっっっっっったい!!

 

 

「大丈夫?」

 

 

「あ、ああ何とか………!?」

 

 

俺は驚愕した。なんと左手の怪我が

 

 

「治ってる!!」

 

 

傷痕も無く、治っていた。元通りと言っても過言ではない。

 

 

「これも毒なのか?」

 

 

「そうよ、特殊な毒よ」

 

 

これを毒と言って良いのだろうか。いや言っていいわけがない。これ反語な。テストに出るぞー。

 

 

「……………ねぇ」

 

 

「うん?」

 

 

「何であの時助けたの?」

 

 

夾竹桃が俺に質問する。

 

 

「人助けが俺の仕事だからだ」

 

 

「………へぇ」

 

 

な、なんだその目は。や、やるのかコラァ!!

 

 

「面白いわね、あなた」

 

 

「よく言われる」

 

 

顔とか、顔とか、顔の事とか。くそッ、イケメンになりたかった。

 

 

『………大樹、忘れていないか?』

 

 

遠山の声が下に置いている携帯電話から聞こえる。うん。忘れてた。

 

 

『大樹の言うとおり羽田空港は使えなかった』

 

 

「そうだな」

 

 

『でも今、自衛隊が安全な場所に案内してくれるらしい』

 

 

俺は窓の外を見る。窓の外には戦闘機が一機が並んで飛んでいる。

 

 

「理子、アリア。誘導を無視しろ」

 

 

『おい、大樹!!』

 

 

「撃ち落とされるぞ」

 

 

『「「「なッ!?」」」』

 

 

アリア、理子、夾竹桃。そして、電話越しの人たちも驚くのが分かった。

 

 

『どういうことだ!?』

 

 

遠山が大声をあげる。

 

 

「簡単なことだ。政府は俺たちを見捨てたのさ」

 

 

『!?』

 

 

俺は隣に並んで飛んでいるジェット機を睨む。

 

 

「どこの世界に行っても政府はクズだな」

 

 

『おいッ!?もう時間が無いぞ!!どうやって着陸する!!』

 

 

俺は目を瞑り、思考する。

 

 

(車輪がでない状態での着陸は駄目だ)

 

 

機体がバラバラになる。

 

 

(コンクリートじゃない場所………)

 

 

いや、無理だ。あったとしてもほとんど使えない。

 

 

(大きな浜辺は無い)

 

 

いや、その前に着陸する時の距離が足りない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(距離が…………足りない…………)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これしかない」

 

 

俺は皆に向かって言う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「水面着陸」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『な、何考えているんだ!?』

 

 

携帯電話から武藤の声がする。

 

 

「車輪が出ない状況でコンクリートに着陸するのは危険だ。だが水面なら問題ない」

 

 

『おおありに決まってるだろ!!』

 

 

武藤は叫ぶ。

 

 

『水面着陸の成功確率は低いんだぞ!?経験が全くない初心者ができるわけがない!?』

 

 

「だったら今からできるようになる」

 

 

『は?』

 

 

「理子、できるだけ多くの空港と通信を取ってくれ」

 

 

「まかせてー」

 

 

『な、何する気だ』

 

 

「繋いだよ、だいちゃん」

 

 

「よし、そいつらに水面着陸方法を一度に言わせろ」

 

 

『一度に!?お前、聖徳太子じゃないんだぞ!!』

 

 

「できる。10人…………いや」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「50でも構わない。言わせろ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『「「「はああああァァァ!?」」」』

 

 

「やかましいぞ」

 

 

『50ってお前ッ!?本気で言っているのか!?』

 

 

「余裕」

 

 

完全記憶能力を使えばな。どうも、(スーパー)聖徳太子です。何この名前。全然かっこよくない……。

 

 

「よし、それじゃあ通信を繋げ」

 

 

俺はヘッドフォンを着け、聞こえてくる声を聞いた。

 

 

________________________

 

 

 

「………………ふぅ」

 

 

俺はヘッドフォンを外す。

 

終わった。前半の方はほとんどが「水面着陸とかバカじゃねぇの?」みたいなことを言われた。うるせぇよ……。

 

だが後半はしっかりと熱烈に教えてくれた。

 

 

「理子、バトンタッチだ」

 

 

俺は理子と席を代わる。

 

 

「武藤、お願いがある」

 

 

『何だ』

 

 

「着陸したときにすぐに救助できるように手配してくれ」

 

 

『……あーもう分かったよ!絶対にしくじるなよ!!』

 

 

通話が切られる。

 

 

「あー、あー、お客様。今から当機は緊急着陸をする。激しい揺れが襲いかかるのでご注意ください」

 

 

俺は機内全体にアナウンスを流す。

 

 

「それじゃあ………やるぞ」

 

 

俺の言葉にアリア、理子、夾竹桃の三人はうなずいた。

 

 

________________________

 

 

 

着陸地点である海が見えてきた。

 

 

「水面着陸する……!!」

 

 

俺は全神経を集中させる。

 

飛行機は徐々に水面に近づく。

 

 

(海は着地地点じゃない)

 

 

ザバアアアアァァァ!!

 

 

水面に機体が接触した。

 

 

(海は機体のスピードを落とすための過程に過ぎない)

 

 

飛行機の飛行スピードが徐々に落ちていく。

 

水面に着地しても沈んだら終わり。なら水面に着地したあとどこで止まるかが重要だ。

 

 

(機体を止める役割は………)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前方に海辺の砂浜が見えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(砂浜だ!! )

 

 

ガタガタガンッ!!!

 

 

「きゃッ!?」

 

 

アリアが小さな悲鳴をあげる。

 

機体が大きく揺れた。今壊れても全くおかしくない揺れだ。

 

 

ドシャアアァァァ!!!

 

 

機体はそのまま浜辺に、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突っ込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「止まりやがれえええええェェェ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

機体は砂浜の上にのり、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やがて、止まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………は、はは」

 

 

止まった。本当に止まった。機体はしっかりと海の上ではなく、砂浜に着陸した。

 

 

「やったぜ………」

 

 

俺以外の三人は気を失っている。怪我は無いみたいだ。

 

 

「帰ってきたか………日本に」

 

 

俺は力なく笑う。変な形で帰って来たぞ日本。笑えよ。

 

外では騒がしい声がする。きっと武藤たちだ。助けに来てくれたのだろう。

 

俺は力一杯叫ぶ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺たちはここにいる!!全員無事だ!!」

 

 




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地下倉庫で企てる者

「前回は長かったから今日は休み」そんなことはありません。


続きをどうぞ。




事件は解決した。

 

あの後はイ・ウーのメンバーである理子、夾竹桃、ジャンヌは逮捕された。

 

だが、三人は司法取引をおこない釈放された。まぁそこまで悪い奴らじゃないからいいけどな。

 

しかし、三人はアリアの母親である神崎かなえさんの冤罪を証言してくれることになった。

 

そしてかなえさんは最高裁まで年単位で延ばすことに成功した。

 

 

 

 

 

「一体何なんだ、これは?」

 

 

 

 

 

そして、何故か俺の家でパーティーが行われていた。

 

 

 

 

 

俺、美琴、アリア、遠山が居るのはまだいい。

 

武藤、白雪、レキは……まぁ良しとしよう。だが、

 

 

 

 

 

理子、夾竹桃、ジャンヌは解せぬ。

 

 

 

 

 

「てか人多い!」

 

 

俺は大声で文句を言う。

 

 

「一体何のパーティーだよ!何でこんなに人が多いんだよ!何でイ・ウーのメンバーがいるんだよおおおおォォォォ!!!」

 

 

「お、落ち着きなさいよ」

 

 

苦笑いをした美琴が俺をなだめる。

 

 

「飛行機が無事に着陸できた祝いよ」

 

 

アリアが説明する。それだけの説明じゃ納得いかんぞ!

 

 

「だから理子たちも来たの!」

 

 

「あ、もういいです結構ですー」

 

 

原因作ったのお前だろ!

 

 

「てか飯は誰が作るんだよ」

 

 

俺の発言にみんながこちらを向く。って、

 

 

「多いわ!一人で出来るか!」

 

 

「大樹」

 

 

美琴が俺を呼ぶ。

 

 

 

 

 

「何でも言うこと聞くって言ったわよね?」

 

 

 

 

 

「一生懸命やらせていただきます!!」

 

 

バッ!

 

 

俺は自衛隊のように敬礼した。

 

________________________

 

 

 

「え?アドシアードには出ないのか?」

 

 

アドシアード

 

年に一度行われる武偵高の国際競技大会のことだ。

 

 

「ああ」

 

 

「何でだよ?」

 

 

俺と遠山は俺の作った飯を食いながら話をしていた。

 

 

「いやお前ら体育の時間の俺を見ただろ?」

 

 

「「ああ、あれか……」」

 

 

遠山と武藤は遠い目をする。お、死んだ魚の目だ。

 

 

「何をやったのだ?」

 

 

ジャンヌが尋ねる。

 

 

「ちょっと暴れただけだ」

 

 

~体育の授業~

 

野球

時速300kmを越える球を投げる投手。

 

バスケットボール

ボールを貰った一秒後にはダンクシュート。

 

アメリカンフットボール

はいはい、俺と言う名の特急列車が通りまーす。

 

テニス

避けろ!死人が出るぞ!

 

バレーボール

アタックしたらボールは破裂した。

 

100m走

測定不能を叩き出した俺を越えてみせろッ!

 

サッカー

イナ◯マイレブンの必殺技を約30%以上が再現可能。

 

 

うわぁ……こいつ人間か?あ、俺だった。

 

 

「と、とにかく出ねぇよ」

 

 

そして、もう一つ理由があるからな。

 

 

「私は見たかったわね」

 

 

夾竹桃が俺を見ながら言った。

 

 

「俺が戦うところか?」

 

 

「ええ、特に近接格闘とか」

 

 

「「やめろおおおォォ!!」」

 

 

うおッ!?いきなり声を出すなよ。

 

 

「あれは人間同士の戦いじゃない………!」

 

 

「戦闘機があっても無理だ………!」

 

 

二人は震えだす。おい、戦闘機は俺でも………無理かな?

 

 

「そういえば大樹ってまだ武器持ってないの?」

 

 

アリアが俺に質問する。

 

 

「まぁな」

 

 

「いい加減持てよ……」

 

 

遠山は呆れた顔をした。

 

 

「大樹は拳銃を持っても持たなくても変わらないわよ」

 

 

美琴様、言わないで!!

 

 

 

 

 

「だって射撃テストでEランクだったもの」

 

 

 

 

 

言いやがったよ……。

 

 

「「「「「え」」」」」

 

 

その場に居る全員が驚愕した。あ、レキは全く無反応です。

 

 

「あの時、銃を構えたのは脅しだったの?」

 

 

そうです、さすが夾竹桃姉さん。よくぞ見破った。

 

 

「えー、だいちゃんかっこ悪い」

 

 

ちょっと黙ろうか、理子。

 

 

「すごいのは身体能力だけか……。筋肉バカ?」

 

 

お前も黙ろうか、遠山。

 

 

「キンちゃんは私の中では全部すごいからね」

 

 

白雪は頬を赤く染めて言う。どう殺してやろうか、リア充の遠山よ。

 

 

「ちくしょう、轢いてやる……」

 

 

武藤は遠山達を見て呟く。あ、武藤と共犯しよう。そして、全ての罪を武藤に着せよう。

 

 

「銃を持つ気は?」

 

 

「あっても無くても変わらないから要らねぇ」

 

 

アリアの質問に首を横に振って答える。

 

 

「じゃあ刀とかは持たないのか?」

 

 

遠山は提案する。

 

 

 

 

 

「…………剣はもう持たない」

 

 

 

 

 

「え?」

 

 

「それより俺は狙撃する方がいいな」

 

 

俺はレキの方を振り向く。

 

 

「レキ、今度教えてくれないか?」

 

 

コクッとレキはうなずく。

 

 

「せっかくの身体能力がもったいないわね」

 

 

夾竹桃はバカを見るような目で見てくる。

 

 

「別にいいだろ。俺がどんな武器を使っても」

 

 

「困るわよ」

 

 

アリアが言う。

 

 

「あんたはあたしのパートナー。一緒に最前線で戦いなさい」

 

 

「お断りします」

 

 

「風穴」

 

 

「やらせてください」

 

 

アリア、銃を下げて。脅迫駄目だよ。

 

 

「言っておくが俺には銃なんか必要ない」

 

 

俺は銃を人差し指でクルクル回す。

 

 

「銃弾よりはやく走れるから」

 

 

「「「「「……………」」」」」

 

 

おい、そんな目で俺を見るな。

 

 

「もうこのことには触れないでおきましょ」

 

 

美琴の発言にみんながうなずいた。

 

 

「みんな嫌いだちくしょう!!」

 

 

俺は手元の近くにあったジュースをイッキ飲みした。ゲホッゲホッ!

 

 

________________________

 

 

「せいッ!やぁッ!たぁッ!!」

 

 

春が始まったばかりの3月下旬。綺麗な桜の木の下で一人の男の子が竹刀を持って素振りをしていた。

 

だが、普通の素振りではない。男の子は両手に二本の竹刀を持っていた。

 

彼は二刀流の練習をしていた。

 

 

「ふぅ、やっぱ疲れるな……」

 

 

少年は素振りをやめて息を整える。

 

 

「まだまだ先は長いなぁ……」

 

 

「何が長いの?」

 

 

「うわッ!?」

 

 

後ろから急に声をかけられ、びっくりする。

 

 

「ご、ごめんね!?」

 

 

「い、いや別に……!?」

 

 

男の子は驚愕した。

 

男の子に声を掛けてきたのは女の子だった。

 

しかし、女の子の友達は一杯いた。だから驚くことはあり得なかった。

 

でも、その女の子は違った。

 

 

女の子はとても綺麗だった。

 

 

可愛いと表現は正しいかもしれないが、可愛いよりも美しい方が似合う女の子だった。

黒髪のロングヘアーが風に揺られる。それだけで男の子は女の子に釘付けになる。

 

 

「え、えっと」

 

 

男の子は緊張していて上手く喋れない。

 

 

「ご、ごめんね。急に話しかけて」

 

 

「い、いや大丈夫だよ!そ、それでどうしたの?」

 

 

男の子は女の子を直視出来ない。

 

 

「えっとね、何が長いのか聞きたいの」

 

 

「え?ああ、そのことね」

 

 

男の子は両手に持った竹刀を見る。

 

 

「剣道を習っているんだ」

 

 

「え?」

 

 

女の子は竹刀を不思議そうに見る。

 

 

「剣道の試合って一本だけじゃないの?」

 

 

「うん、一本しか使えないよ」

 

 

「どうして二本も持っているの?」

 

 

男の子は二本の竹刀を持って構えを見せる。

 

 

「大人になったら二本使ってもいいんだよ」

 

 

女の子はハッとなる。

 

 

「だから長いのね、大人になるまで」

 

 

「そういうこと」

 

 

男の子は笑顔で肯定する。

 

 

「君はどうしてここに居るの?」

 

 

「私はこの近くの学校に通うことになったの」

 

 

「転入生?」

 

 

「うん」

 

 

「もしかして、多々羅(たたら)小学校?」

 

 

「え?知っているの?」

 

 

「知ってる。俺もそこに通っているから」

 

 

「ホントッ!?」

 

 

女の子は男の子の両手を握る。

 

 

「ッ!?」

 

 

男の子の顔が赤く染まる。

 

 

「何年生!?何組!?」

 

 

女の子は凄い勢いで聞いてくる。

 

 

「さ、三年一組だよ」

 

 

「同じよ!!」

 

 

「ぐぇッ!?」

 

 

今度は強く抱き締められた。

 

 

「ご、ごめんなさい!!」

 

 

「い、いや別にいいよ」

 

 

女の子は男の子から離れる。

 

 

「それじゃあよろしくな。………えっと名前は?」

 

「私は      」

 

 

「俺の名前は楢原 大樹。よろしくな     」

 

 

_________________________

 

 

 

「……………」

 

 

大樹は目を覚ました。時計は3:06。まだ夜中だ。

 

パーティーが終わり、美琴以外のみんなは帰った。

 

 

「……………何でこんな夢を」

 

 

絶対記憶能力が思い出させたのかもしれない。余計なお世話だ。

 

 

「………チッ」

 

 

大樹は舌打ちをして、再び二度寝をしようと横になる。

 

だが、結局朝まで眠ることは出来なかった。

 

 

________________________

 

 

 

アドシアード当日はあっという間に来た。パーティーが終わったあと何事も無く、平和だった。

 

そして、アドシアード当日だというのに大樹はまだ自分の部屋にいた。

 

 

「よし」

 

 

俺は拳銃に弾を入れる。

 

この銃はコルト・パイソン。回転式銃だ。

 

弾は6発しかなく、撃ったあとはリボルバーを自分で回さないと撃てないようになっている。

 

 

(でも俺が使うと最高に使える)

 

 

俺なら身体強化ですぐにリボルバーを回すことができる。そして装備科の連中に改造してもらい、とんでもない速さで撃つことができるようになった。

 

名付けるなら、ダイキフォルム!!うわッ気持ち悪そう!!………………自分で言うか普通?

 

 

ピピピピッ

 

 

「ッ!」

 

 

タブレットから何かを知らせるような音が流れる。

 

 

(やっぱり動きやがったが)

 

 

俺は拳銃を服の内側になおし、急いで部屋を出ていった。

 

 

________________________

 

 

 

東京武偵高には【3大危険地域】がある。

 

 

専門科目で一番危険な強襲科。

 

 

危険な教師の詰め所の教務科(マスターズ)

 

 

そして、地下倉庫(ジャンクシヨン)だ。

 

地下倉庫は本来の名前を柔らかく表現したもの。

 

 

 

 

 

地下倉庫とは【火薬庫】なのだ。

 

 

 

 

 

そんな場所に一人の男が訪れた。

 

男は奥に進んでいく。そして、火薬の置いてある棚の前まで行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何をしているのですか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ッ!?」

 

 

声をかけられ男は驚愕する。声をかけた人物は

 

 

「…………楢原君ですか」

 

 

「ええ、そうですよ小夜鳴(さよなき)先生」

 

 

大樹だった。そして、男の正体は小夜鳴先生だった。

 

ブランドのスーツとネクタイを着込み、スラッとした細身で長髪の美青年。メガネのブリッジ部分を指で上にあげる。

 

 

「ここは立ち入り禁止ですよ?」

 

 

「すいません、その立ち入り禁止に怪しい人が入ったのかと思って、後をつけたんですよ」

 

 

「そうだったんですか。申し訳ない、誤解させてしまって」

 

 

「いえ、先生だと分かってよかったです」

 

 

大樹は棚を見る。

 

 

「先生は何をしていたんですか?こんな場所で」

 

 

「研究で少し火薬が必要でしたので取りに来たのです」

 

 

「そうだったんですか」

 

 

大樹は服の内側から、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで一体どこを爆発させる気だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カチャッ

 

 

大樹は拳銃コルト・パイソンを取り出した。拳銃の銃口を小夜鳴に向ける。

 

 

「な、何のことですか!?銃を下ろしなさい!!」

 

 

「とぼけんじゃねよ、小夜鳴。いや」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ブラド」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ッ!?」

 

 

小夜鳴は目を見開き、驚愕した。

 

 

「芝居はもうやめろ。全部バレてる」

 

 

「……………」

 

 

小夜鳴はしばらく黙っていた。だが、

 

 

「なるほど、さすがですね」

 

 

小夜鳴は参ったかのように両手を広げる。

 

 

「リョパン4世を倒しただけのことはあります」

 

 

「……………」

 

 

大樹は黙って小夜鳴の言葉を聞く。

 

 

「君の遺伝子が欲しくなりましたよ」

 

 

「ハッ、気持ち悪いこと言ってんじゃねぇよ」

 

 

大樹は鼻で笑い、睨み付ける。

 

 

「遺伝子がそんなに大切かよ、遺伝子中毒者が」

 

 

「大切に決まっているじゃないですか。有能な遺伝子を持てば持つほど優れた人材になるのですから」

 

 

小夜鳴は大樹の言葉に即答する。

 

 

「無能な遺伝子が集まったらその人間は無能になります。そう、リョパン4世のようにね」

 

 

ギリッ

 

 

大樹は歯に力を入れる。気に食わない。

 

 

「それ以上理子を悪く言うなよクソ野郎」

 

 

大樹は拳銃を小夜鳴の顔に標準を定める。

 

 

「今のお前は吸血鬼になれない。諦めろ」

 

 

「おや?何か勘違いしてませんか?」

 

 

「勘違いだと?」

 

 

大樹は小夜鳴の余裕の表情を見てイラつく。

 

 

「楢原君は御坂さんを知っていますかね?」

 

 

「ッ!?」

 

 

何故ここで美琴の名前が出るのか大樹には分からなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「彼女のDNAはとても素晴らしかったですよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「な、何言ってるんだ……」

 

 

大樹の手が震える。嫌なビジョンが頭をよぎっている。

 

小夜鳴はポケットから赤い液体の入った注射器をだした。

 

 

「この液体は彼をすぐに呼ぶことができるとても優れたものです。私が改良して開発しました」

 

 

小夜鳴は悪魔のような笑みをうかべて、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この液体は彼女の血が入っています」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なッ!?」

 

 

「彼女のおかげで私はいつでも彼を呼ぶことが可能になったんですよ」

 

 

小夜鳴は不気味に笑う。

 

 

(……………最悪だ)

 

 

大樹は【妹達】を思い出す。

 

 

(また………美琴は……………DNAを……………)

 

 

大樹は銃を持っていない左手を強く握る。

 

 

(こんなことに使われたのかよ………!!)

 

 

「彼女には感謝していますよ。健康診断とか嘘を言ってみたら、簡単に血をくれましたよ」

 

 

小夜鳴は首に注射器を打つ。

 

 

「さぁ彼の登場だ」

 

 

ビリビリッ

 

 

小夜鳴の着ていたスーツは破けていき、獣のような黒い毛が出てきた。みるみると体は大きくなっていき、

 

 

 

 

 

バケモノが現れた。

 

 

 

 

 

 

「よお、お前が楢原か」

 

 

身長は二、三メートルのある獣。ブラドは大樹を見る。上半身には3つの目玉模様がある。

 

「俺がブラドだ」

 

 

ブラドは後ろについた翼を広げる。

 

 

「お前のことは小夜鳴から聞いてる。なんでも4世を倒したそうじゃねぇか」

 

 

大樹は何も答えない。

 

 

「まぁあの欠陥品は使えないからな。だけどお前の遺伝子は使えそうだな?」

 

 

ブラドは持っていた注射器を横に投げ捨てる。

 

 

「お前の遺伝子を俺によこせ、楢原」

 

 

大樹は拳銃を服の内側になおす。

 

 

「なんだ?もしかして遺伝子をくれるのか?」

 

 

「ゆるさねぇ…………」

 

 

大樹は小さく呟く。

 

 

「あぁ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前は絶対に殺すッ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大樹は音速のスピードでブラドに飛びかかった。

 

 

 




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強者を喰らう者

続きです。


ドガッ!!!

 

 

「がッ!?」

 

 

二メートルは越えている巨体が背後にあった棚を倒しながら吹っ飛ぶ。

 

大樹は怒りにまかせてブラドを殴っていた。

 

 

「図に乗るなッ!!」

 

ブラドはすぐに立ち上がり、大樹に向かって右手で殴る。

 

 

ドゴッ!!!

 

 

「!?」

 

 

ブラドは驚愕する。

 

大樹は右手を前に出すだけでブラドの攻撃を受け止めた。

 

 

「クソッ!!」

 

 

次にブラドは反対の手。左手で大樹を殴る。だが、

 

 

バキッ!!

 

 

「ガッ!?」

 

 

左手は上に90°に曲がって折れた。

 

大樹は左足で蹴りあげた。ただそれだけでブラドの腕を折った。

 

 

バキバキッ!!

 

 

だが、ブラドの腕は嫌な音を立てながら元に戻る。

 

 

「おい」

 

 

大樹はブラドを呼ぶ。

 

 

「今から実験でもしようぜ?」

 

 

「じ、実験だと?」

 

 

ブラドは恐れていた。この男を。

 

 

 

 

 

「ああ、今からお前をどんなにぐちゃぐちゃにしても再生できるかどうかの実験だ」

 

 

 

 

 

「ッ!?」

 

 

ブラドは後ろに下がる。 大樹から溢れるどす黒い殺意がブラドを襲う。

 

黒い瞳は全てを飲み込んでしまうようなドス黒い色をしていた。

 

 

(なんなんだよ、こいつは!?)

 

 

ブラドには再生能力がある。銃弾を何発当てられても一秒後には回復し、元通りになる。

 

だが弱点がある。それは目玉模様が描かれた場所にある4つの魔臓を同時に破壊すること。

 

そうでもしない限り、ブラドは無敵だ。だが

 

ブラドは大樹には勝てない。ブラドの体がそう訴えている。 脳が伝えている。

 

 

「覚悟しろよ、駄犬がああああァァァ!!!!」

 

 

大樹は音速のスピードでブラドに近づく。

 

 

ドゴッ!!

 

 

「グハッ!?」

 

 

ブラドの腹部に強い衝撃が襲いかかった。あまりの衝撃の強さに体内の空気が一気に吐き出される。

 

 

ドンッ!!

 

 

そして、背後の壁に激突する。

 

ブラドは前から倒れる。

 

「立てよ」

 

 

大樹はブラドの目の前まで来る。

 

 

「早く立てよ」

 

 

大樹はブラドの頭を掴み、持ち上げる。

 

 

「グッ!!」

 

 

「何で美琴の血がお前なんかに流れるんだ」

 

 

ブラドは答えない。

 

 

「何で美琴のDNAを悪用するんだ」

 

 

大樹は叫ぶ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何でお前らみたいなクソ野郎に美琴の血を悪用されなきゃならねぇんだよッ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドゴオオオオオォォォンッ!!!!

 

 

大樹はブラドを地面に叩きつけた。大きな音が響き渡り、地面にはクレーターが出来た。

 

 

「ッ!?」

 

 

ブラドの顔に痛みが走る。ブラドの無限回復は痛覚までは消すことは出来ていなかった。

 

 

「ッ!!」

 

 

ドゴッ!!

 

 

地面に倒れているブラドを蹴り飛ばした。

 

 

「まだ終わらねぇよ」

 

 

大樹はブラドをゴミでもみるような目で見下す。

 

 

 

 

 

「お前は殺す」

 

 

 

 

 

「ッ!?」

 

 

ブラドは急いでその場から立ち上がり、後ろに下がる。

 

 

「グオオオオオォォォォ!!!!」

 

 

ブラドは凄まじい雄叫びをあげる。

 

 

「この程度で倒せると思うなあああァァ!!!」

 

 

バチバチッ!!

 

 

「ッ!?」

 

 

大樹はブラドの電気に驚愕した。そしてブラドの体から青い電撃が大樹に向かって飛ばされる。

 

 

「ッ!?」

 

 

ブラドはそこで気付いた。大樹を倒すことだけを考えていたせいで。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここは火薬庫であることを。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドゴオオオオオォォォ!!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、もう遅かった。

 

 

火薬庫は大爆発した。

 

 

 

 

________________________

 

 

 

 

「ガハッ!」

 

 

ブラドはそれでも生きていた。体の上に乗った瓦礫をどける。

 

地下倉庫は完全に大破した。地下から這い上がり、ブラドの体は太陽に照らされる。だが太陽に当たっても克服しているので全く痛くも痒くもなかった。

 

 

「ッ」

 

 

大樹の姿は見えない。

 

 

「………ゲゥゥウアバババハハハハ!!」

 

 

ブラドは大声で笑った。

 

 

「人間はやっぱりもろいものだな!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うるせぇよ駄犬」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ッ!?」

 

 

ブラドの後ろから聞き覚えのある声が掛けられた。ブラドは恐る恐る振り返る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこには全くの無傷の大樹がいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

________________________

 

 

 

「なッ!?」

 

 

ブラドは俺の姿を見て驚く。

 

俺が無傷なのは単純。

 

 

 

 

 

入り口まで音速のスピードで逃げた。ただそれだけ。

 

 

 

 

 

ブラドと戦う前に、俺は一度ここに訪れた。そしてこの地下倉庫を全てを把握しておいた。絶対記憶能力を使って。

 

そして、爆発と同時に入り口まで音速のスピードで逃げた。ただそれだけだ。

 

 

「あの爆発でもよくお互いに生きていたな、ブラド」

 

 

だが、俺は爆発の中でも無傷だったという演出をしている。

 

ブラドは動けない。まるで金縛りにあったかのように。

 

 

「それよりも俺は気になることがあるんだが……」

 

 

大樹はブラドに向かって歩きだす。

 

 

「お前、何で美琴の能力使えるんだよ」

 

 

ブラドは大樹が近づくたびに後ろに下がる。

 

彼から溢れ出る恐怖のオーラ。それが怖くて仕方なかった。

 

 

「俺たちを舐めているのか?本当にバカな奴だな」

 

 

大樹は服の内側から銃を取り出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いい加減にしやがれええええェェェ!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガッガッガッガキュンッ!!!!

 

 

「うぐッ!?」

 

大樹は撃った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目玉模様がある右肩、左肩、右脇腹。そして口の中にある舌を撃ち抜いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何故射撃テストでEランクなのに銃弾が弱点の目玉模様に当たったのか。

 

 

大樹はデリンジャーを使ったのだ。

 

 

デリンジャーとは狙って撃つのではなく、対象物に押しつけて撃つ技だ。

 

この技ならどんなに下手でも当てることができる。

 

 

 

 

 

大樹は音速のスピードでこれを一秒間で四回行った。

 

 

 

 

 

「う、うぐゥ…………」

 

 

弱点を撃たれたブラドは倒れた。太陽の光がブラドの体を焼く。

 

 

ドゴッ!!

 

 

「ぐふッ!?」

 

 

ブラドは大樹に蹴り飛ばされた。

 

 

「まだ終わらねぇって言ってるだろ」

 

 

大樹は銃をブラドの頭に押しつける。

 

 

「…………………ッ」

 

 

ブラドは何も喋れない。死がそこまで迫っている恐怖で。

 

 

「言っただろ」

 

 

大樹はトリガーに手をかける。

 

 

「絶対に殺すって」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『やめて!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガキュンッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

銃弾はブラドを外した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ッ!?」

 

 

大樹の頭の中で、あの女の子の声が響いた。

 

それに驚いて銃口をずらしてしまった。

 

 

「……………」

 

 

大樹は自分の拳銃を見る。

 

 

「お、俺は………!!」

 

 

冷静になった瞬間、状況が分かり、体が震えだした。

 

 

殺そうとした。命を奪おうとしていた。

 

 

そのことに今さら気付いた。

 

 

「ッ!」

 

 

大樹は拳銃を強く握り締め、再びブラドに銃口を向ける。

 

 

「……………どこだ」

 

 

大樹はブラドを睨み付けたまま言う。

 

 

「理子のペンダントはどこだ」

 

 

「……………」

 

 

ブラドは答えない。

 

 

「死にたいなら死なせてやるぞ」

 

 

「……………」

 

 

ブラドはズボンのポケットから青く輝いた十字架をゆっくりと取り出した。

 

大樹はそれを取り上げる。だが、

 

 

 

 

 

「ガアアアアアァァァ!!!!」

 

 

 

 

 

バチバチッ!!!

 

 

ブラドは最後の力を振り絞って、電気を大樹に流した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで満足か?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「!?」

 

 

大樹には全く効いていなかった。

 

ブラドをゴミのように見下した大樹の瞳がブラドを映す。真っ黒い瞳が。

 

 

ゴスッ!!

 

 

「ガッ!?」

 

 

大樹はブラドの頭を蹴りあげた。そのまま後ろに倒れ、動かなくなった。ブラドはもう戦えない。

 

 

「……………クソが」

 

 

大樹は吐き捨てる。

 

 

 

 

 

「もう忘れたいんだよ…!」

 

 

 

 

 

大樹の脳裏には、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

頭から血を流した女の子を思い出していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちくしょう………!!」

 

 

大樹はその場で膝をついて、震える腕を憎らしげに見つめた。

 

 

________________________

 

 

 

爆発事故。

 

俺とブラドの戦いは俺のミスで引き起こった事故として扱われた。そしてその後は教務科が駆けつけて来た。ブラドのことを話すと、教務科は事件について一切の他言無用をするように言った。

 

 

だが、美琴たちにはすぐにバレるだろう。

 

 

俺は事件のことを尋問科にいろいろと聞かれた後、帰宅していた。現在の時刻は午後8:00だ。

 

 

「はぁ………」

 

 

俺は正直今日は帰りたくなかった。ブラドの戦いのあとはテンションがどうしてもあげれなかった。

 

俺は部屋の前まで行く。

 

 

(いつも通り、いつも通り)

 

 

そう言い聞かせ、ドアを開けた。

 

 

「ただいまー」

 

 

 

 

 

ガッガキュンッ!!ダンッ!!ガキュン!!

ガガガガッ!!ドゴンッ!!

 

 

 

 

 

「ぎゃああああァァァッ!?」

 

 

ドアを開けた瞬間、一斉に射撃された。

 

「何すんだこの野郎!!」

 

 

「「「大樹!!」」」

 

 

「うぐッ!?」

 

 

美琴とアリアと理子に突進された。いや抱きつかれた?

 

 

「ど、どうしたんだよ!?」

 

 

「大樹のバカ………」

 

 

美琴の震えた声が聞こえる。

 

 

「あんた、何で一人で戦ったのよ……」

 

 

「……………」

 

 

俺はその質問に答えれない。

 

 

「ママの冤罪が証明されたことは感謝するわ」

 

 

アリアは俺の服を強く掴む。

 

 

「でも一人で戦わないで!!」

 

 

アリアが大声をあげる。

 

 

「悪い……」

 

 

もう知っていたのか。

 

 

「もう次からはしないよ」

 

 

俺は美琴とアリアに約束した。

 

 

「だいちゃんは理子に約束してくれたね」

 

 

理子は涙を流しながら言う。

 

 

「ありが、とう……!」

 

 

「理子……」

 

 

俺はポケットからペンダントを取り出す。

 

 

「ほら、もう泣くな」

 

 

「ッ!?」

 

 

俺は理子の首にペンダントをつけてあげる。

 

 

「だいちゃん!!」

 

 

ゴッ!!

 

 

「うぐッ!?」

 

 

理子が再び抱きつき、押し倒された。そして、地面に後頭部を強打。

 

 

「ちくしょう………裏切り者……」

 

 

玄関から武藤の声が聞こえた。玄関では武藤、遠山、白雪、レキ、夾竹桃、ジャンヌの昨日のメンバーがいた。

 

 

「見てたのかよ……」

 

 

てかお前ら、さっき撃ったな?手に銃を持っているし。

 

 

「何で抱きつかれてるか知らねぇけど後で轢いてやる」

 

 

あ、武藤だけブラドのことを知らないんだ。やーい仲間外れざまぁ。

 

 

「轢いてみろよ。返り討ちにしてやる」

 

 

「ごめんなさい」

 

 

武藤はすぐに謝った。おい、それは俺が本当に返り討ち出来ると思ってるのか?………できるけど。

 

 

「……………」

 

 

「ん?」

 

 

夾竹桃がこちらに近づき

 

 

「足元がすべったわ」

 

 

そんなことを言って、俺に向かって転けた。いや抱きついてきた!?

 

 

「ちょッ!?」

 

 

これで合計四人が俺に抱きついているハーレム状態が完成。

 

 

「ちょっとあんたたち離れなさいよ!」

 

 

「あたしのパートナーに何すんのよ!」

 

 

「だいちゃんは理子のモノだもんねー」

 

 

「あなたにそういう権利は無いわ」

 

 

修羅場が降臨。

 

遠山とジャンヌは苦笑い。レキは無表情。白雪は遠山を見て、抱きつこうか悩んでいる。武藤は……あれだ。

 

俺は四人に向かって、

 

 

「お前ら!!少しは落ち着けえええェェェ!!」

 

 

俺の声がマンションに響いた。

 

そして、俺のどんよりしていた心はいつの間にか消えていた。

 

 




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危険な緊急任務

続きです。


通学路に二つの人影があった。

 

 

「おはよう、大樹」

 

 

「おはよう、   」

 

 

俺と   は一緒に登校していた。

 

 

「今日の放課後も部活するの?」

 

 

「まぁな。もうすぐ三年生最後の大会だからな」

 

 

「大丈夫なの?」

 

 

   は心配そうな顔をする。

 

 

「ほっとけばいいんだよ、あんな奴ら」

 

 

きっと部活で俺をいじめる奴らのことを言っているんだろう。

 

 

「きっと俺の二刀流に嫉妬してるんだよ」

 

 

「えー」

 

 

「えー、その返しは無いわー」

 

 

そう言って二人は一緒に笑った。

 

 

「それに俺はもう二刀流に関しては師範代と同等とに戦えるしな」

 

 

「それだけはすごいんだよね」

 

 

「それだけってどういう意味だよ」

 

 

「私がいないと勉強できないとか」

 

 

「うッ」

 

 

俺は目をそらす。

 

 

「別に私は大樹といられるから良いけどね」

 

 

「は?何か言ったか?」

 

 

「内緒よ」

 

 

   は上機嫌になった。

 

 

「応援してるからね」

 

 

「ん?」

 

 

「剣道の大会」

 

 

「ああ、優勝してきてやるよ」

 

 

俺は   と約束をした。

 

 

 

________________________

 

 

 

「………………ッ!!」

 

 

最悪の夢から目が覚めた。

 

 

「はぁ…、はぁ…、はぁ…」

 

 

背中には汗をビッショリかいており、息が苦しい。

 

頭が何度も殴られたような痛みが襲い掛かって来る。

 

 

「もうやめろよ………!」

 

 

俺は頭を抱え込み、夢を見ないように朝まで起き続けることにした。

 

しかし、この苦しみは全くなくならなかった。

 

 

 

________________________

 

 

 

「んなッ!!」

 

 

キンジは掲示板に貼られた紙を見て、驚きの声をあげる。

 

 

2年A組 遠山 金次 

 

専門科目(探偵科) 1,9単位不足

 

 

「アッハハハ!!来年は俺の後輩だな!!」

 

 

隣では大樹が手を叩いて大笑いしている。

 

 

「あんたもよ」

 

 

「HA?」

 

 

美琴はそう言って遠山の字が書かれてる下を指差す。

 

 

2年A組 楢原 大樹

 

専門科目(強襲科) 1,7単位不足

 

 

「なんだとッ!?」

 

 

ば、バカな!?俺が留年だと!

 

 

「本当にバカね、あんたたち」

 

 

アリアは俺たちを見て、ため息をつく。

 

 

「ハッ、緊急任務(クエスト・ブースト)があった!!」

 

 

キンジは急いで隣にある掲示板に移動する。

 

 

「………これだ!!」

 

 

 

カジノ「ピラミディオン台場」

 

私服警備

 

必要生徒数 4~6名(女子を推奨)

 

被服の支給有り

 

1,9単位

 

 

 

「大樹!」

 

 

「断る」

 

 

「まだ何も言ってないぞ!?」

 

 

どうせ『一緒にやろうぜ!』って言うんだろ。

 

 

「俺はこれを受けるからな」

 

 

俺は受ける緊急任務を指差す。

 

 

 

ホスト店「きらら」

 

接客をする

 

必要生徒数 1名のみ(男子生徒のみ)

 

1,7単位

 

 

 

「労働時間は三時間。女と話をするだけの簡単な仕事だ。いいだろ?」

 

 

ドヤァと俺はみんなに見せつける。

 

 

「それは止めておいたいいぞ、大樹」

 

 

「は?なんでだよ」

 

 

あれ?遠山、何でそんなに嫌な顔をするんだ。

 

 

 

 

 

「そこの店、男しか出入りしない店だぞ」

 

 

 

 

 

「一緒にカジノの警備やらせてください」

 

 

何でこんなもの緊急任務にあるんだよ!!

 

 

________________________

 

 

 

「このチョコカツカレーパンください」

 

 

「はいよ」

 

 

俺は強襲科の授業をさぼって購買に来ていた。てか何だこのパン。超不味そう。

 

 

「み、見た目が悪いだけだよな」

 

 

そして一口食べる。

 

 

「ノーデリシャス」

 

 

不味い!!絶対にチョコ要らねぇ!!

 

 

『大樹、メールが来たわよ』

 

 

携帯電話から美琴の声がメールを知らせる。ふははは、いいだろ?美琴の着信ボイスだ!土下座して頼んだかいがあったぜ!

 

 

「美琴からか」

 

 

俺はメールを開く。

 

 

 

 

 

『アリアが決闘をしている』

 

 

 

 

 

「ッ!?」

 

 

俺は不味いパンを急いで全部食べて、強襲科に向かった。

 

 

________________________

 

 

 

 

「それじゃあ、始めましょう」

 

 

「……………」

 

 

女の子は銃も持たず構える。そして、アリアは銃を両手に持ち構える。

 

十分前に目の前にいる女の子に札幌武偵高(サツコウ)の女子生徒にアリアは決闘を申し込まれた。

 

断る理由も無かったため、受けることにした。

 

美琴はアリアを心配していたが、大丈夫だと伝えて納得させた。

 

 

ざわざわッ

 

 

強襲科の生徒がギャラリーとして見学している。もちろん美琴も見ている。

 

 

「始めッ!!」

 

 

強襲科の蘭豹(らんびょう)先生が合図する。

 

 

ガッガキュンッ!!

 

 

と同時にアリアは二発の銃弾を撃つ。だが

 

 

パッパンッ!!

 

 

ガッガキンッ!!

 

 

「ッ!?」

 

 

銃弾は何かに当たり、軌道をそらされた。

 

 

(まさか今の一瞬で銃を撃ったというの!?)

 

 

アリアは女の子の早撃ちに驚愕する。しかし驚きは顔には出さないようにする。

 

 

「………【ピースメーカー】ね」

 

 

「よく分かったわね。私の銃はコルトS A A(シングルアクションアーミー)。通称は平和の作り手(ピースメーカー)

 

 

アリアは銃をなおし、背中から二本の刀をとる。

 

 

「でもどうして分かったの?」

 

 

「あたしには銃声とマズルフラッシュで分かるわ」

 

 

女の子は目を細めて小さな声で言う。

 

 

「そう。さすがはホームズ卿の曾孫ね」

 

 

「ッ!」

 

 

アリアは女の子に向かって跳びかかり、刀を振るう。

 

 

「遅いわ」

 

 

パンッ!!

 

 

「うあッ!?」

 

 

アリアの体に痛みがはしった。被弾した。

 

 

「アリアッ!!」

 

 

美琴が名前を呼ぶのが聞こえる。

 

 

(銃が見えない!?)

 

 

どんなに目をこらしていても見えなかった。見えたのはマズルフラッシュだけ。

 

 

ざわざわッ

 

 

ギャラリーが今の戦いを見てざわつく。

 

 

「どうなってんだこれ!?」

 

 

「弾が見えなかったぞ!」

 

 

「札幌武偵高にあんなすげぇ女子が居たのか!」

 

 

アリアは撃たれたと同時に隅っこに飛んでいった刀を見る。

 

取りに行くのは駄目だと判断し、アリアは2つの銃を再び両手に持つ。

 

 

「神崎・H・アリア」

 

 

女の子はアリアの名前を呼ぶ。

 

 

「もうちょっとあなたを見せてごらん」

 

 

パンッ!!

 

 

右前方が光り、銃声がなった。

 

 

ガキンッ!!

 

 

「「「「「ッ!?」」」」」

 

 

その場にいた全員が驚いた。

 

 

アリアと女の子の間には、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

右手に銃を持った大樹がいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………」

 

 

大樹は無言で女の子を睨み付けた。

 

 

________________________

 

 

【大樹視点】

 

 

「あなた………楢原 大樹ね」

 

 

「ああ」

 

 

俺は女の子の質問を肯定する。こいつは、

 

 

 

 

 

カナだ。

 

 

 

 

 

俺もよくわからないがカナは遠山の兄貴、遠山 金一(きんいち)でもあるらしい。

 

 

「あなた………今銃弾を叩き落としたわね」

 

 

そう、大樹はカナが撃った銃弾を自分の拳銃に当てて叩き落とした。

 

 

「楢原ァ!!てめぇ授業サボった癖に授業妨害してるんじゃねぇ!!」

 

 

蘭豹は大樹に叫ぶ。

 

 

「うるせぇなッ!!!ちょっと黙ってろッ!!!」

 

 

「「「「「!?」」」」」

 

 

大樹のキレた叫び声に蘭豹だけでなく、ギャラリーの生徒も恐怖を感じた。

 

 

「おい」

 

 

俺はカナに銃を向ける。

 

 

「一秒であの世にご案内させてもいいが?」

 

 

大樹はカナを脅す。

 

 

「……………」

 

 

カナはしばらく黙っていたが、

 

 

「分かったわ、ここは一旦引くわ」

 

 

そう言ってカナは後ろを向き、この場から立ち去った。

 

「大丈夫か、アリア」

 

 

俺はカナが立ち去ったのを確認して、アリアのもとに駆けつける。

 

 

「大樹………あんた」

 

 

「分かってる。決闘の邪魔をして悪かったと思ってる。」

 

 

俺はアリアが怪我をしていないか確かめる。防弾服を着ていても強い衝撃がくる。

 

 

「アリア!!」

 

 

美琴がこちらに駆け寄ってきた。

 

 

「美琴も聞いてほしい」

 

 

俺は美琴とアリアに言う。

 

 

「俺は大切な人が傷つくのは見たくない」

 

 

俺はアリアと美琴の手を握る。

 

 

「二人を傷つけるモノは俺が全部潰す。そして、一生守ってやるからな」

 

 

「「い、一生!?」」

 

 

ボッとアリアと美琴の顔が赤くなる。

 

 

「そ、そそそうね、頼りにしてるわ!」

 

 

「ちゃ、ちゃちゃちゃんと守りなさいよ!」

 

 

「おう、任せろ」

 

 

俺は笑顔で二人にそう言った。

 

 

________________________

 

 

 

【キンジ視点】

 

 

「カナ!!」

 

 

俺は強襲科から出てきた兄さん。いや、カナを呼ぶ。

 

 

「キンジ?」

 

 

カナは俺のいる方を振り向く。

 

 

「昨日は大丈夫だった?」

 

 

「あ、ああ」

 

 

やっぱり夢じゃなかったんだ。

 

昨日の夕方、空き地島で俺はカナに言われた。

 

 

 

 

 

「これから一緒にアリアを殺しましょう」

 

 

 

 

 

もちろん断った。そんなこと出来るわけがない。

 

俺はカナを止めようと戦った。だが負けた。

 

カナの攻撃で空き地島の風力発電のプロペラから落とされ、気を失った。

 

 

「あの後、私のワイヤーで釣り上げて、気絶しているあなたを部屋まで運んだのよ」

 

 

「……………そうかよ」

 

 

「ほんと昔っから手が掛かる子」

 

 

カナは俺に微笑む。

 

 

(やっぱりカナの中では俺はいつまでたっても子供なんだな)

 

 

俺は口をへの字に曲げた。

 

 

「私これからホテルに帰るわね」

 

 

「………その後はアリアを殺すのか」

 

 

「殺さないわ」

 

 

「え?」

 

 

「楢原 大樹………面白い子ね」

 

 

カナが何を言っているのか分からなかった。

 

 

「キンジ、もうアリア達に関わるのはやめなさい」

 

 

カナは歩いていく。しかし俺は追いかけない。

 

 

「あなたを危険にさらしたくない」

 

 

そう言ってカナは帰っていった。

 

 

「……なんだよそれ」

 

 

痛くなるほど手に力を入れる。

 

 

「半年も失踪しておいて……いきなり何だよ…!!」

 

 

俺の震えた声は、誰の耳にも届かなかった。

 

 

________________________

 

 

 

【大樹視点】

 

 

「ここは……?」

 

 

いや、見たことあるな。

 

 

「ワシじゃよ」

 

 

「シャアアアアアァァァ!!!」

 

 

ゴスッ!!

 

 

「危ないやつじゃの」

 

 

「いってえええェェェ!!!」

 

 

神に飛びかかったら返り討ちにされた。頭が割れる!!

 

 

「よくも……よくもだましたなああああァァァ!!」

 

 

「何がじゃ」

 

 

「決まってるだろ!俺を二回も空から落としやがって!美琴と俺の扱いが違いすぎるんだよ!!」

 

 

「まぁそんなどうでもいいことは置いといて」

 

 

「どうでもいい!?置くの!?」

 

 

うわッ!神って残酷!

 

 

「一週間後に転生じゃ」

 

 

「分かった。その時にお前を倒すわ」

 

 

「めんどくさいのう……」

 

 

はは、絶対潰す。

 

 

「ところでクソ駄神」

 

 

「もっと悪くなったのう」

 

 

「転生特典の返却は可能か?」

 

 

「………一度渡したものは無理じゃのう」

 

 

「………そうか。じゃあ一週間後な」

 

 

そこで俺は目を覚ました。

 

 

________________________

 

 

 

 

「ストレートフラッシュ」

 

 

「ぐッ」

 

 

ざわざわッ

 

 

対戦相手はどっかの金持ちのオッサンは顔を歪める。まわりの客たちは俺のカードを見てざわめいていた。

 

俺は公営カジノの警備をやっている。遊びながら。

 

 

「なにやってるんだ、大樹」

 

 

遠山がこちらの様子を見に来たようだ。

 

 

「社長狩り」

 

 

「やめろ。今すぐやめろ」

 

 

チッ、あと一人で5人目だったのに。

 

俺と遠山はその場から立ち去る。

 

 

「大樹はトランプ得意なのか?」

 

 

「まぁな」

 

 

真剣衰弱とか絶対に負ける気がしない。

 

俺は遠山からジュースを貰い一緒に飲む。

 

 

「この金どうしよう」

 

 

「いくらあるんだ?」

 

 

「1億」

 

 

「ぶふッ!!」

 

 

「うわッ!?汚なッ!?」

 

 

キンジは大樹に向かってジュースを吹き出した。

 

 

「何やってるんだよ!!返してこい!!」

 

 

「よし、ゴミ箱にシュート」

 

 

「おい!?」

 

 

返すのがめんどくさいです。

 

 

「まじでやったよこいつ……」

 

 

「あ、美琴たちじゃん」

 

 

俺の前から4人の女の子がこちらに来た。

 

4人の内、3人はバニーガールだが、レキは金ボタンのチョッキを着ていた。

 

 

「くッ、俺はカメラを持ってこなかったことを一生後悔するだろう」

 

 

楢原、一生の不覚……!

 

 

「何やってんのよ、あんた」

 

 

四つん這いで悲しんでる俺に美琴が話しかける。

 

 

「キンジ、大樹はどうしたの」

 

 

「え、いやー、その」

 

 

アリアに聞かれたキンジは答えようにも答えられなかった。

 

 

「はッ!?」

 

 

俺は気付く。

 

 

「携帯電話があった!!」

 

 

俺は携帯電話を開けて

 

 

「二人とも写真をとらせ

 

 

グサッ

 

グサッ

 

 

「バルスッ!?」

 

美琴とアリアの頭についているウサ耳の先端で俺の両目が潰された。

 

 

「き、キンちゃん、この衣装どうかな……」

 

 

「ど、どうって言われても…」

 

 

「美琴、そのウサ耳を少し貸してくれ」

 

 

俺は美琴のウサ耳を手に持ち、

 

 

グサッ

 

 

「うぐおッ!?」

 

 

「キンちゃん!?」

 

 

遠山の目を突いた。リア充よ、滅べ。

 

 

「キンちゃんをいじめちゃだめ!!」

 

 

グサッ

 

 

「ぐあああああァァァ!!!」

 

 

白雪にもやられた。しかもさっきより威力が強い。もう失明しそう。

 

 

「みなさん」

 

 

レキが皆に呼び掛ける。

 

 

「よくない風が吹き込んでいます」

 

 

レキはバーのカウンターに走り、中に飛び込む。

 

 

「レキ?」

 

 

キンジはレキが飛び込んだバーのカウンターに行くと。

 

 

ガシャンッ!!

 

 

ドラグノフ狙撃銃を構えた。

 

 

「「「「!?」」」」

 

 

「え、何?何が起きてるの?」

 

 

美琴、アリア、遠山、白雪の4人はレキの様子を見て、事件が起きたと察した。大樹は未だに涙が止まらないせいで状況が把握できない。

 

 

ガキュンッ!!

 

 

ドゴンッ!!

 

 

フードを被った人間の頭に当たった。

 

 

「「「「「!?」」」」」

 

 

だがそいつは人間じゃなかった。

 

全身が真っ黒の体をしており、腰に茶色い布を巻きつけているだけの姿。

 

 

そして頭が犬だった。

 

 

犬男がいた。

 

 

「みんな逃げろッ!!」

 

 

遠山は客に向かって叫ぶ 。

 

 

カジノは一瞬でパニックになった。

 

 

 

 

 

「え!?マジで何が起きてるんだよ!?」

 

 

 

 

 

大樹の目はまだ回復していない。

 




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イカサマされた盤上

続きです。


「な、なんだこれ……」

 

 

あ…ありのまま今起こった事を話すぜ! 俺は美琴とアリアと白雪の頭についてるウサ耳の先端で俺の目に突き刺さし、しばらく目を開けれなかったんだ。だが次に目を開けた瞬間、

 

 

 

 

 

人間と真っ黒な犬男の戦いが繰り広げられていたんだぜ!

 

 

 

 

 

マジです。いや何あの黒いの。あ、パ◯ドラで見たことあるわ。アヌビス?だっけ。

 

 

「気をつけろ!!10コンボすると攻撃力が10倍になるぞ!!」

 

 

「何言ってるんだお前!?」

 

 

遠山は驚愕する。あ、パ◯ドラ関係ないか。

 

 

「大樹さん、頭を借ります」

 

 

「はぁ!?肩をつか

 

 

ガキュンッ!!

 

 

「えぐッ!?」

 

 

頭に強い衝撃が襲いかかり、舌を噛む。レキさん……ひどい……。

 

俺の頭を使って狙撃した銃弾は犬男の額に当たり、後ろに倒れる。

 

 

「今よ!!」

 

 

ガッガキュンッ!!ガキュンッ!!

 

バチバチッ!!

 

 

アリアの合図でアリアと遠山は射撃。美琴は電撃を飛ばした。

 

そして、犬男に命中する。

 

 

 

 

 

だが、サァッと犬男は黒い砂になった。

 

 

 

 

 

「ど、どういう事だよッ………!」

 

 

遠山は不可解な現象にイラつく。アリアと美琴の表情も険しかった。

 

 

「あれは?」

 

 

俺は砂になった犬男を見る。

 

 

カサッ

 

 

砂の中から黒いコガネムシが出てきた。

 

 

「皆、あの虫に触れちゃダメ!!呪われちゃう!!」

 

 

白雪が叫んで呼び掛ける。

 

 

「はぁ?ただの虫じゃないか」

 

 

「いいから無視しようぜ。虫だけに」

 

 

「「「「「……………」」」」」

 

 

そんな目で見ないでぇ!!

 

俺がアホな発言をしている間に、虫は逃げるように窓から外へ逃げて行った。

 

 

「終わりか?」

 

 

「まだです」

 

 

遠山の答えをレキは否定する。レキは天井に向かって銃を構える。

 

 

「………!?」

 

 

遠山は天井を見て驚愕する。

 

 

 

 

 

天井には先程と同じような犬男がウジャウジャと何十人も張り付いていた。

 

 

 

 

 

「き、気持ち悪ッ……!!」

 

 

俺は思ったことをそのまま口にする。やべぇ………あれとは戦いたくない。

 

 

「もう、何なのよ……」

 

 

美琴があまりの気持ち悪さに少し泣きそうになっていた。……………ブチッ。

 

 

 

 

 

「てめぇら全員血祭りじゃあああああァァァ!!!」

 

 

 

 

 

ドガッ!!

 

 

ガシャアアアンッ!!

 

 

俺は近くにあったテーブル状のルーレット台を蹴り飛ばして、天井に張り付いていた黒いスパイダーマン。もとい犬男にぶち当てた。

 

約半分は砂になり、中から虫が飛び出した。

 

 

「「「「「ッ!」」」」」

 

 

残りの奴らは降りてきて、武器を構える。斧、槍、剣などいろいろ持っている。

 

 

「6匹………いや、6人か」

 

 

ちょうどだな。

 

 

 

 

 

「It's show time 」

 

 

 

 

 

ガッガッガッガッガッガキュンッ!!

 

 

音速で犬男に近づき、ブラド戦で使ったデリンジャーを使った。一瞬で6人の頭の額を銃弾で撃ち抜いた。

 

 

そして、6人は砂になる。

 

 

「「「「「……………」」」」」

 

 

五人は大樹を見て、驚愕する。

 

 

「人間じゃねぇ」

 

 

「知ってる」

 

 

遠山の言葉にもう肯定し始めた俺。うん、もう開き直ろう。

 

 

「大樹!!」

 

 

アリアが俺の名前を叫ぶ。

 

 

「上!!」

 

 

「ッ!?」

 

 

上にまだ一人いた。犬男は刀のような長い剣を持っており、 俺に向かって切りかかった。

 

俺は後ろに飛んで避ける。

 

 

(え?)

 

 

 

 

 

しかし、俺の体は動かなかった。

 

 

 

 

 

スローモーションで犬男が俺に切りかかってくるのが分かる。だが体が動かない。

 

 

 

 

 

「大樹!!」

 

 

ガキュンッ!!

 

 

「ッ!」

 

 

アリアの射撃で犬男が吹っ飛ぶ。

 

 

「あ……」

 

 

俺の金縛りのようなモノが解け、動けるようになった。

 

 

「大丈夫か!?」

 

 

「あ、ああ……」

 

 

遠山が駆け寄ってくる。

 

 

「どうしたんだよ、お前」

 

 

「悪い、迷惑かけた。ありがとう、アリア」

 

 

「別にいいわ。それより」

 

 

アリアは犬男を見る。砂にはまだなっていない。

 

 

「オオォォォォォォン!!」

 

 

犬男は遠吠えをし、武器を放り捨てて逃げ出した。

 

 

「追うわよ!」

 

 

「ま、まてアリア!!」

 

 

アリアの後を遠山は追いかける。

 

 

「……………」

 

 

何故さっき体が動かなかった。

 

 

「大樹」

 

 

俺は一体どうしたんだ……

 

 

「大樹!!」

 

 

バチバチッ!!

 

 

「うぐッ!?」

 

 

俺の体に電気が流れた。ピリピリとした痛みが全身に回った。

 

 

「さっきから呼んでるでしょ!」

 

 

「ご、ごめん」

 

 

美琴がさっきから俺を呼んでいたそうだ。完全にぼーっとしていた。

 

 

「白雪と美琴の二人で水上バイクでアリアたちを追いかけてくれ」

 

 

俺は二人に指示を出す。

 

 

「待って、この中には黒いのはもう居ないの?」

 

 

「…………うん、大丈夫だよ。蟲人形(むしひとがた)はもう居ないみたい」

 

 

美琴の質問に白雪が建物の中に居るかどうか超能力で調べ、居ないと分かった。

 

 

「レキは俺と一緒に来い」

 

 

コクッとレキはうなずく。

 

美琴と白雪は水上バイクに乗りに向かう。

 

 

「レキ、いつでも狙撃できる準備をしろ」

 

 

「わかりました」

 

 

そう言ってレキは二秒ほどで準備を済ませる。

 

 

「こっちだ」

 

 

俺はレキと外に出る。海にはさっきの犬男が四つん這いになって、なんと海の上を走っていた。

 

レキは狙撃しようとするが、

 

 

「まだだ」

 

 

俺は手を横に出してそれを止める。

 

 

ブオオオオォォォ!!

 

 

右の方からアリアと遠山が乗った水上バイクが現れた。

 

 

ガキュンッ!!

 

 

遠山は犬男のかかとに命中させる。犬男はこけて、海に沈んでいった。

 

 

「レキ、構えろ」

 

 

俺はレキに言う。

 

 

「あの船が見えるか?」

 

 

「…………!」

 

 

さすがのレキも眉が少し動いた。

 

あれは現代では見ないような船だ。

 

 

「あの船に狙撃銃を持っている奴は?」

 

 

「一人います」

 

 

「よし、アリアたちが撃たれるまえに仕留めろ」

 

 

「はい」

 

 

レキは集中する。そして

 

 

ガキュンッ!!

 

 

撃った。

 

 

ガッ

 

 

銃弾は狙撃銃を持っていた女の額に当たった。

 

女は犬男と同じように砂になる。

 

 

「よし、さすがだな」

 

 

「大樹さん」

 

 

「ん?」

 

 

「何故船が待ち伏せすると分かったのですか?」

 

 

原作を知ってるから。………言えねぇ。

 

 

「遠吠えだ。あれで仲間に知らせたと考えたんだ」

 

 

うん。適当に言っておいた。二秒で考えた言い訳。

 

 

「さすがですね」

 

 

「お、おう」

 

 

ほ、誉められたよ。

 

 

「レキはここじゃない場所で狙撃して援護してくれ」

 

 

「大樹さんは?」

 

 

「俺はあの船をぶっ壊してくる」

 

 

あ、一ついい忘れてた。

 

 

「レキ、十分以内にはこの建物、ピラミッドから離れろよ」

 

 

俺はレキに注意しておいた。

 

 

________________________

 

 

【遠山視点】

 

 

「な、なんだ!?」

 

 

俺は犬男を倒した後、目の前に船が現れた。金や銀で飾られた船体。現代の船ではないことは一目瞭然。

 

 

「キンジ!」

 

 

アリアが俺の名前を呼ぶ。

 

 

「さっきの奴らよ!」

 

 

船にはさっきの犬男が何人もいた。

 

 

カチャッ

 

 

「くッ」

 

 

犬男は銃口をこちらに向けてきた。

 

 

 

 

 

「させないわよ!」

 

 

 

 

 

バチバチッ!!

 

 

「「「「「!?」」」」」

 

 

後ろから電撃が飛んで来て、犬男たちに直撃した。

 

 

「キンちゃん!」

 

 

美琴と白雪が応援に駆けつけてくれた。

 

 

「うおおおおおォォォォ!!!!」

 

 

その時、大樹の声が聞こえた。

 

 

 

 

 

大樹は上から飛んで来た。誤字はない。

 

 

 

 

 

ザシャアッ!!!

 

 

そのまま海に沈み、

 

 

「ぷはッ!」

 

 

あがってきた。

 

 

「あんた一体どこから来てるのよ!?」

 

 

美琴が驚きながら大声をあげる。

 

 

「飛んできた、以上。それより船に乗り込むぞ」

 

 

もうめちゃくちゃだな。

 

俺たち5人は船に乗り込む。

 

 

「派手にやってくれたのう。小僧」

 

 

船の奥からおかっぱ頭の女性がいた。エジプトの女王。そんな雰囲気をかもしだしていた。

 

 

「ッ!?」

 

 

俺が驚いたのは女性ではない。その後ろにいる人物。

 

 

 

 

 

漆黒のコートを着ている兄さんがいた。

 

 

 

 

 

「兄さん……!」

 

 

兄さんは何も喋らない。

 

 

「妾の計画をよくも邪魔をしてくれたのう」

 

 

「ああ、もしかしてこの幼稚園児レベルの作戦のことか?」

 

 

大樹はニヤリと笑みを浮かべながら女性を挑発する。

 

 

「なんぢゃ………妾を愚弄するのか」

 

 

「落ち着け、パトラ」

 

 

兄さんはここにきてやっと口を開く。

 

 

「1,9タンイだったか?それに釣られたくせにそのような生意気なことを言えるのう」

 

 

「ふっ……」

 

 

大樹は笑っていた。

 

 

「だからお前は幼稚園児レベルなんだよ、パトラ」

 

 

「………なんぢゃと?」

 

 

「お前は俺たちに向かって餌をぶら下げていたけどよぉ」

 

 

大樹は笑みを浮かべて言う。

 

 

 

 

 

「サメを釣るとかバカなんじゃないの?」

 

 

 

 

 

ザシャンッ!!!

 

 

「「「「「!?」」」」」

 

 

船の横から魚雷のようなモノが3つ浮かんできた。

 

 

「それは……!」

 

 

兄さんが驚く。

 

 

海水気化魚雷(スーパーキャビテーション)だ。お前らイ・ウーなら当然知ってるだろ?」

 

 

パカッ

 

 

魚雷の上に付いてる蓋が開く。

 

 

「やっほー、りこりんだよー!」

 

 

フリフリのフリルだらけの制服を着た理子が出てきた。

 

 

「ちょうどいい時間だな」

 

 

その隣は銀色の甲冑を着たジャンヌ。

 

 

「これが【太陽の船】ね……」

 

 

そして最後に武偵高校の女子生徒の制服を着た夾竹桃が出てきた。

 

 

「ちなみにあそこからはレキが狙撃準備してるから」

 

 

そう言って大樹はカジノの方を指差す。

 

 

「9:2だ。降参するなら今のうちだぜ?」

 

 

大樹は悪魔のように笑みを浮かべる。悪だ。悪者がいる。

 

 

「ナラハラダイキ。哀れじゃのう……」

 

 

「はぁ?」

 

 

大樹は「なに言ってるんだ、こいつ」みたいな顔をする。

 

 

「妾はあの神殿型の建造物が有る限り、妾の力は無限大ぢゃ」

 

 

「………まさか!?」

 

 

パトラはピラミッド型のカジノを指差す。大樹は驚く。

 

 

 

 

 

「永遠に超能力を使えるというのか!?」

 

 

 

 

 

「「「「「!?」」」」」

 

 

大樹の発言にみんなが驚く。

 

 

 

 

 

「まぁ知ってるけど」

 

 

 

 

 

「「「「「はぁ!?」」」」」

 

 

さらに驚く。お前、マジで何者だ。

 

 

「対策くらいしてるさ」

 

 

大樹は咳払いをする。

 

 

「こちらスネ◯ク。起動してくれ、理子大佐」

 

 

「りょーかいッ☆」

 

 

理子は携帯電話を取りだし、画面を操作する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドゴオオオオオォォォォ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピラミッドの上の角が爆発した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「んなッ!!??」」」」」

 

 

「なんぢゃと!?」

 

 

「……………!?」

 

 

全員驚いていた。あの兄さんでさえも目を見開いて驚いていた。理子と大樹は敬礼していた。

 

ピラミッドはピラミッドでは無くなった。

 

 

(全部分かっていたのか!?)

 

 

パトラと兄さんが襲撃しに来ることも。

 

 

(本当に何者なんだ……大樹は……!?)

 

 

大樹は笑みを浮かべている。

 

 

「これで無限大の力では無くなったな」

 

 

大樹は両手を広げる。

 

 

 

 

 

「さぁ!!正々堂々戦おうぜ?」

 

 

 

 

 

悪じゃない、ゲスがいた。

 

 

 

 

 




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海に響く戦闘の旋律

続きです。


「鬼だ……」

 

 

「悪魔だ…」

 

 

「ゲスだ…」

 

「だまらっしゃーい」

 

 

仲間にそこまで言われるとへこむぞ!?

 

 

「遠山」

 

 

俺は遠山を呼ぶ。

 

 

「お前は兄貴と決着をつけてこい。一人で」

 

 

「ッ!?」

 

 

遠山は目を白黒させて驚いていた。

 

 

「む、無理だ!今の俺は

 

 

「あ、そうだった」

 

 

ゴスッ!!

 

 

俺は遠山を軽く蹴飛ばし

 

 

「きゃッ!?ききききキンちゃん!?」

 

 

「むぐッ!?」

 

 

白雪の胸にダイブさせた。羨ましい……。

 

 

「バニーガールは良かったか、遠山?」

 

 

「ホントにやってくれたね、大樹」

 

 

簡単にヒステリアモードになったな。

 

 

「ごめんよ、白雪」

 

 

「う、うん……」

 

 

白雪の顔は真っ赤に染まっている。

 

 

「それじゃあ、俺らは8人でパトラをやっつけるか」

 

 

「女性をいじめるのは感心しないな」

 

 

「敵の心配より自分の心配しろよ」

 

 

そう言って俺らは笑う。

 

「んじゃ逝ってこい」

 

 

「大樹、字が違う」

 

 

おい、それは言ったらアカン。

 

 

________________________

 

 

【キンジ視点】

 

 

「兄さん」

 

 

俺は兄さんと対立する。

 

 

「キンジ、俺と戦うのか?」

 

 

兄さんは俺に向かって殺気を放つ。

 

 

「ああ、兄さんがアリアを殺そうと企んでるなら」

 

 

「お前はたった一人の兄に逆らうのか?」

 

 

「違う」

 

 

俺は右手に拳銃を持つ。

 

 

「俺の憧れの存在だった兄さんはもう死んだ。人殺しをするような奴と俺の兄さんを一緒にするな!」

 

 

俺は銃口を兄さんに。いや、

 

 

 

 

 

「元・武偵庁特命武偵、遠山金一!殺人未遂罪の容疑で逮捕する!!」

 

 

 

 

 

金一に銃口を向けた。

 

 

「いいだろう。かかってこい」

 

 

だが金一は銃を持たない。構えもしない。

 

いや、あれが構えなのだ。

 

 

【不可視の銃弾(インヴイジビレ)】

 

 

金一が使う技だ。

 

目に見えないスピードで繰り出される早撃ち。

 

アリアでも見えなかった恐ろしい技だ。

 

 

(それでも勝つんだ!!)

 

 

パンッ!!

 

 

金一の正面が一瞬だけ光った。

 

 

ドスッ

 

 

俺は避けなかった。

 

 

「何故避けなかった?」

 

 

俺の腕から血が流れる。だが、俺は笑みを浮かべる。

 

 

 

 

 

「………視えたぞ、【不可視の銃弾】!!」

 

 

 

 

 

わざと喰らった。そして突破口が見えた。金一は驚きで目を見開く。

 

 

「……さすが俺の弟だな。だが見抜いたところで状況は変わらん」

 

 

「いや、変わるさ」

 

 

俺は自信を持って答える。

 

 

 

 

 

「変えて見せる」

 

 

 

 

 

「……………」

 

 

金一は嫌な顔で見ていた。

 

 

「アリアを殺さなくてはイ・ウーは壊滅できないんだ」

 

 

イ・ウーの壊滅だと!?

 

 

「方法は2つ。【第一の可能性】はイ・ウーのリーダーの死と同時にアリアを抹殺し、イ・ウーが新たなリーダーを見つけるまでの空白期間を作ることだ」

 

 

「それが何になる」

 

 

「束ねる奴らが居なくなれば彼らは、生徒たちは【同士討ち(フォーリング・アウト)】を始める」

 

 

【同士討ち】

 

武偵が強大な犯罪組織と戦う時に、その組織を内部分裂させて敵同士を互いに戦わせて弱体化させる手法。

 

 

「そして、【第二の可能性】は現リーダーの暗殺」

 

 

「ッ!?」

 

 

俺は暗殺という言葉に驚く。

 

 

「だが、俺やお前らには【第二の可能性】は無理だ」

 

 

「だからアリアを殺すのかよ…!」

 

 

俺は金一を睨み付ける。

 

 

「そうだ」

 

 

金一は素っ気なく答えた。

 

 

 

 

 

「ふざけるなッ!!」

 

 

 

 

 

「ッ!」

 

 

俺の叫びに金一は眉を寄せる。

 

 

「何でそういう解決方法しか出せねぇんだよ!」

 

 

俺は銃を持っていない左手に力を入れる。痛くても強く握り続ける。

 

 

「俺がバカなあんたに教えてやるよ」

 

 

「………なんだと?」

 

 

金一から怒りを感じさせた。

 

 

「俺たちをしっかり見ていろよ。俺たちは」

 

 

左手に兄さんの形見であるバタフライ・ナイフを持ち

 

 

 

 

 

「絶対に負けない」

 

 

 

 

 

右手に持った拳銃の銃口を金一に向けた。

 

 

「………そうか、残念だ」

 

 

金一はため息をつき、落胆する。

 

 

「眠れ、キンジ。兄より優れた弟などいない」

 

 

俺は金一に向かって走り出した。

 

 

「浅はかだ」

 

 

パンッ

 

 

(見えるッ!!)

 

 

金一が腕を動かすのが!

 

 

俺は左手に持ったナイフを、

 

 

 

 

 

飛んできている銃弾に投げた。

 

 

 

 

 

ガチンッ!!

 

 

 

 

 

ナイフと銃弾は当たり、銃弾は横に逸れて、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ナイフは金一に向かって回転しながら飛んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガシャンッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ッ!?」

 

 

金一は驚愕した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ナイフは見事に金一の持っている拳銃。ピースメイカーの銃口に刺さり、壊れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガチャッ

 

 

「動くな」

 

 

俺は右手に持った銃の銃口を金一に向ける。既に距離は詰めていた。

 

 

 

 

 

「兄さん、俺たちは弱くない」

 

 

 

 

 

兄さんは驚く。そして、

 

 

「強くなったな、キンジ」

 

 

兄さんは目を瞑り、両手を上げた。

 

 

________________________

 

 

【大樹視点】

 

 

ここで一言。

 

 

 

 

 

パトラさん、マジぱねぇわ。

 

 

 

 

 

「78ッ!!」

 

 

犬男を永遠と倒していた。

 

 

「おかしいッ!無限大の力は封じたのにッ!」

 

 

「大樹!まだ海から出てくるわよッ!」

 

 

美琴が電撃を振り撒きながら言う。

 

 

「パトラの強さはイ・ウーでは元・NO.2だッ」

 

 

剣を降り下ろしながらジャンヌは説明する。

 

 

「簡単に言うと大樹の倒したブラドより強いということよ」

 

 

夾竹桃はTNKワイヤーを使って犬男を縛り上げ、引き裂く。

 

 

「イ・ウーでは元・NO.2ってどういう意味よッ」

 

 

ガッガキュンッ!!

 

 

アリアは二発の銃弾を撃ち、2人の犬男の頭の額に当てる。

 

 

「パトラは退学されたんだよッ」

 

 

ガッガキュンッ!!

 

 

理子もアリアと同じように両手に拳銃を持って犬男の胸に当てる。

 

 

「あまりにも素行が乱暴すぎて退学になったの!いわゆる大樹みたいな問題児ッ!」

 

 

理子は髪の毛を操ってナイフを二本持ち、犬男を切りつける。

 

ていうか俺って問題児なの?いや、超ウルトラ心当たりある。しかもつい最近、授業サボって購買行ってたわ。反省反省。

 

 

「それじゃあ、ブラドは元々NO.3だったのねッ」

 

 

バチバチッ

 

 

美琴は電撃を飛ばして犬男に当てる。

 

 

「なるほど。パトラはピラミッド無しでも結構強い奴だったのかっよッ!82ッ!!」

 

 

犬男はトゲがついた鉄球を投げてきたが、殴って鉄球を破壊したあと、犬男に近づき、蹴り飛ばした。

 

 

「パトラの力は私と桁が違う。ここまで強いなんてッ」

 

 

ズバッ!!

 

 

白雪は銘刀イロカネアヤメで犬男を斬る。

 

 

「いや、強くねぇよ。でも数が多いッ!89ッ!!」

 

 

音速のスピードで犬男に近づき、右ストレートを喰らわせた。

 

 

ガキュンッ……!

 

 

「ッ!」

 

 

遠くから狙撃音が聞こえてきた。銃弾は見事に犬男の額に当てる。

 

さすがレキだ。狙撃率100%じゃねぇか。

 

 

「そのパトラはどこいったのよッ」

 

 

美琴はキョロキョロと辺りを見渡し、パトラを探す。

 

船にパトラの姿は見えない。

 

 

「あそこにいるわ」

 

 

夾竹桃が海に向かって指をさす。

 

 

 

 

パトラは海の上に立っていた。

 

 

 

 

 

「うわッ!?あいつズルい!!92ッ!!」

 

 

いや、俺も人のこと言えたもんじゃないけど。

 

 

「このッ!!」

 

 

ガキュンッ!!

 

 

アリアはパトラに向かって一発だけ撃つ。

 

 

ボスッ

 

 

「!?」

 

 

パトラの目の前に砂の盾が現れた。銃弾は全く貫通せず、砂にめり込んでいた。

 

 

「妾にそのような攻撃は通用せんわい」

 

 

「だったらこれならどうだッ!!95ッ!!」

 

 

ドゴンッ!!

 

 

犬男をパトラに向かって蹴り飛ばした。

 

 

ゴスッ!

 

 

だが盾に当たった瞬間に犬男は砂に変わる。

 

 

「無駄じゃ」

 

 

パトラは余裕の表情を浮かべる。

 

 

「96ッ!97ッ!98ッ!99ッ!100ッ!!」

 

 

連続でパトラに向かって蹴り飛ばす。もしくは掴んで投げ飛ばす。

 

だがやはり盾に当たった瞬間に犬男は砂となる。

 

大量の砂がパトラの回りを撒き散らす。

 

 

「懲りぬのう」

 

 

パトラはあきれる。

 

 

だが俺はこう思う。

 

 

 

 

 

作戦成功。

 

 

 

 

 

パトラの回りの砂が目眩ましになっているということにパトラは気づいていない。

 

 

ピンッ

 

 

コインを弾く音が聞こえる。

 

 

「お前の負けだ、パトラ」

 

 

 

 

 

ズキュウウウウンッ!!!!

 

 

 

 

 

空気を引き裂くような音が響く。

 

美琴はパトラに向かって超電磁砲を撃ちだした。

 

 

「ッ!?」

 

 

盾は簡単に貫通した。

 

パトラにはギリギリ当たらなかった。いや、美琴はわざと当てなかったのだろう。

 

 

サァッ………

 

 

船にいた犬男が全員、砂となった。パトラの驚きが犬男を操作する集中力が切れて、砂となったのだろう。

 

 

「ッ!?」

 

 

ジャポンッ

 

 

その時、浮遊していたパトラが海に落ちた。………………え。

 

 

「パトラ!!」

 

 

遠山と金一の戦いが終わって、俺たちの戦いを見ていた2人。金一がパトラを見て、助るために海に飛び込んだ。

 

 

「兄さんッ!」

 

 

遠山は金一の名前を呼ぶ。

 

 

「ぷはッ!」

 

 

10秒も経たずにパトラと金一が水面から顔をだしてきた。

 

 

「何をするのぢゃ!妾は泳げるぞッ」

 

 

「そうだな。でも恐怖のせいで体が動かなかったら溺れてしまうよ?」

 

 

「なッ!?」

 

 

遠山の兄貴すげぇな。そんなことまで分かったのかよ。

 

金一に助けられたパトラの顔は真っ赤だった。

 

 

________________________

 

 

 

「これで一件落着か」

 

 

キンジは大きく息を吐き、そう呟いた。

 

 

「キンちゃん、終わったよ」

 

 

白雪はキンジの治療が終わった。しかし、応急措置なのではやく病院へ行くことを勧める。

 

 

「あ、ああ」

 

 

遠山は白雪から目を逸らす。今あいつ、白雪の胸見た後目を逸らしやがった。

 

 

「ねぇ」

 

 

美琴が俺を呼ぶ。

 

 

 

 

 

「何かが来るわ……!」

 

 

 

 

 

「!?」

 

 

遠山の兄貴、金一が立ち上がり、

 

 

 

 

 

「みんな!逃げるんだッ!」

 

 

 

 

 

「…………!」

 

 

金一は叫ぶ。

 

俺は海を見続けた。いや、睨み続けた。

 

 

(やっぱり来たか…!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ザアアアアアアアッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その場に居る全員が驚愕した。

 

海が持ち上がっているのだ。

 

否、何かが浮上してきた。

 

 

「黒幕の登場だ………!」

 

 

俺は浮上してきたモノを睨み付ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海の中から潜水艦が姿を現した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その巨体の装甲には【伊U】の文字が描かれていた。

 




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越えられない絶望と死の壁

緋弾のアリアでのラストバトル突入です。


続きをどうぞ。




「ボストーク号…!?」

 

 

アリアが潜水艦を見て驚く。他のみんなも同じように驚いていた。

 

史上最大の原子力潜水艦。

 

 

「見て、しまったか……」

 

 

金一の声は小さかった。

 

 

「かつてボストーク号と呼ばれていた戦略ミサイル搭載型・原子力潜水艦だ」

 

 

金一は説明する。

 

 

「ボストーク号は沈んだのでは無い」

 

 

一呼吸置き、金一は潜水艦を睨み付けながら告げる。

 

 

 

 

 

「史上最高の頭脳を持つ【教授(プロフェシオン)】に盗まれたんだ……!」

 

 

 

 

 

「「「「!?」」」」

 

 

「……………」

 

 

美琴、アリア、遠山、白雪は驚く。俺はまだ潜水艦を睨み続ける。

 

 

「!?」

 

 

俺は驚愕した。

 

 

艦橋に男が立っていた。その男は、

 

 

 

 

 

【不可視の銃弾】を狙撃銃でやるのが見えた。

 

 

 

 

 

「あぶねぇ!!」

 

 

ビシュンッ!!

 

 

ガキンッ!!

 

 

銃弾は金一の方に飛んできた。

 

俺は飛んできた銃弾をもう銃弾が入っていない拳銃で叩き落とした。

 

 

「チッ、いきなり殺しにかかりに来やがったか」

 

 

黒いコートを着ており、右手にはパイプ、左手にはステッキを持っている。

 

教科書に載っている有名な人物。そいつは歳が20代くらいに若く見える。

 

 

「!?」

 

 

アリアが一番驚いたであろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「曾……おじいさま……!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アリアの祖父、シャーロック・ホームズ1世がいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そ、そんな……」

 

 

遠山も驚愕している。

 

 

パチンッ!!

 

 

「「「「「!?」」」」」

 

 

俺たちは目を疑った。

 

 

 

 

 

海が一瞬にして凍りついたのだ。

 

 

 

 

 

(ジャンヌの技か…!)

 

 

シャーロック・ホームズ。こいつはイ・ウーの生徒全員の能力を兼ね備えた完成形の存在。

 

足が震えた。

 

こいつは俺以上の化け物だ。

 

 

 

 

 

「もう逢える頃と、推理していたよ」

 

 

 

 

 

最強の名探偵は凍りついた海に降り立つ。

 

 

 

 

 

「初めまして。僕は、シャーロック・ホームズだ」

 

 

 

 

 

彼はそう名乗った。

 

 

「アリア君」

 

 

呆然としていたアリアはビクッと体を伸ばした。

 

 

「時代は移ろってゆくけれど、君はいつまでも同じだ。ホームズ家の淑女に伝わる髪型を君は守ってくれているんだね」

 

 

シャーロックは飛んで、俺たちが乗っている船に乗り込む。

 

俺とアリア以外の全員が銃をシャーロックに向ける。もしくは刀やワイヤーを構える。

 

 

「鋭い刃物を弄んでいると、いつかはその手に怪我をすることになるものだからね」

 

 

その言葉だけで皆の手は金縛りあったかのように動かなくなった

 

 

「アリア君。君は美しい。そして強い。ホームズ一族で最も優れた才能を秘めた天与を一族に認められない日々はさぞかし辛いものだったろうね」

 

 

シャーロックはアリアに近づく。

 

 

「だが僕は君の名誉を回復させることができる。僕は君を、僕の後継者として迎えに来たんだ」

 

 

「………ぁ………」

 

 

アリアが小さく声を上げた。

 

 

「おいでアリア君。君の都合さえ良ければ、おいで。悪くてもおいで。」

 

 

シャーロックはアリアに手を差し出す。

 

 

「そうすれば、君の母親は助かる」

 

 

「ッ!?」

 

 

アリアの目が見開いた。

 

そしてシャーロックはアリアの手を掴もうと、

 

 

 

 

 

「アリアに触るんじゃねぇ!!!」

 

 

 

 

 

大樹は音速のスピードでシャーロックに近づく。だが、

 

 

 

 

 

「邪魔をしないでくれ」

 

 

 

 

 

ドゴッ!!

 

 

「ガッ!?」

 

 

シャーロックの蹴りが腹にめりこんだ。

 

 

バキバキッ

 

 

腹から嫌な音が聞こえた。何かが砕けるような音が体に響き渡る。

 

そのまま俺は凍りついた海に吹っ飛び、硬い氷の床に叩きつけられる。

 

 

「大樹ッ!!」

 

 

美琴の叫ぶ声が聞こえる。

 

 

バキッバキッバキンッ!

 

 

凍りついた海にヒビが入り、溶け始めた。

 

 

「くそッ……」

 

 

俺は必死に体を動かそうとするが

 

 

バキンッ!!

 

 

冷たい海に落ちてしまった。

 

 

________________________

 

 

 

「さぁアリア君」

 

 

「あ……」

 

 

シャーロックはアリアをお姫様抱っこをして潜水艦の艦橋に向かって飛ぶ。

 

 

「行こう。君のイ・ウーに」

 

 

「アリアッ!!」

 

 

キンジが叫ぶ。

 

 

「このッ!!」

 

 

美琴は怒りに任せて電撃をシャーロックに向けて放つ。

 

 

ボスッ!!

 

 

「嘘ッ!?」

 

 

美琴は驚きの声をあげる。

 

 

 

 

 

シャーロックの目の前には砂の盾が出現した。

 

 

 

 

 

「あれは妾の!?」

 

 

パトラが叫ぶ。

 

 

サァ………

 

 

砂の盾の後ろには既にシャーロックとアリアの姿は居なかった。

 

 

________________________

 

 

 

「ぶはッ!!」

 

 

俺は海面から顔をだす。

 

 

「大樹ッ!!」

 

 

美琴が俺の名前を呼ぶ。少し涙目だった。

 

 

「悪い、心配かけたな。それよりアリアは」

 

 

「潜水艦の中よ」

 

 

夾竹桃は俺に手を伸ばしながら答える。

 

 

「分かった。行ってくる」

 

 

「おい!一人で行くのかよ!!」

 

 

遠山は俺に向かって叫ぶ。

 

 

「あいつを倒せるのは俺だけだ」

 

 

「でもあんたさっき負けたじゃない!!」

 

 

そうだ。俺は音速のスピードで飛びかかったのにあいつは反応できた。

 

 

「でも、俺はアリアを助けないといけない!だから

 

 

 

 

 

パチンッ!!

 

 

 

 

 

「ッ!?」

 

 

頬に鋭い痛みを感じた。

 

 

 

 

 

「だからって一人で行かないでよッ!!」

 

 

 

 

 

美琴は涙を流しながら叫んでいた。

 

 

「あんたにはあたしが見えないの!?」

 

 

美琴は俺の服を乱暴に掴む。

 

 

「あんた……言ったわよね。あたしが傷つくのは見たくないって」

 

 

美琴は俺の目を真剣に見る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あたしだってあんたの傷つくのは見たくないわよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「美琴……」

 

 

俺は痛感した。

 

 

 

 

 

バカだな、俺は。

 

 

 

 

 

美琴を傷つけたのは俺じゃねぇか。体じゃなく、心を。

 

 

「最低だな………俺」

 

 

俺は呟く。

 

 

「美琴」

 

 

俺は泣いている彼女の名前を呼ぶ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「一緒に行こう。これからも」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………うんッ!」

 

 

美琴は笑顔で答えてくれた。

 

 

「みんな、俺たち二人でアリアを助けに行ってくる」

 

 

「………できるのか?」

 

 

遠山は少し笑顔で聞いてきた。

 

 

「愚問だな。なぁ美琴」

 

 

「そうね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺たちなら」「できるッ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺と美琴はハイタッチを交わした。

 

 

________________________

 

 

 

「ここが……!?」

 

 

俺と美琴は防弾制服に着替えたあと、潜水艦の中に侵入した。

 

 

ドゴンッ!!

 

 

………どうやら潜水艦は沈み始めたみたいだ。もう後戻りはできない。

 

 

「何よここ……」

 

 

そこはまるで博物館か美術館だった。高い天井から巨大なシャンデリアが照らし、床には恐竜の全身骨格標本がそびえ、周囲には動物の剥製が並べられていた。

 

生きたシーラカンスや熱帯魚を入れた水槽が並べられた暗い部屋を抜け、孔雀や歩き極彩色の鳥が飛び交う植物園を駆け抜け、鉱石を陳列した標本庫を突っ切る。

 

 

(どこだよッ!アリア!)

 

 

多彩な部屋の数々を走って突っ切るが、全くアリアが見つからなかった。

 

 

「くそッ!」

 

 

たくさんの肖像画がある部屋で、俺はイラつきシャーロックの肖像画を叩く。

 

 

「……………」

 

 

美琴はその肖像画を真剣に見ていた。

 

 

「ッ」

 

 

美琴は肖像画を能力を使って、軽く攻撃した。

 

 

バチバチッ

 

 

「美琴?」

 

 

「この先………空洞だわ」

 

 

肖像画を手で破ると、奥には通路があった。

 

 

「この先にシャーロックが……!」

 

 

俺たちは再び走り出した。

 

 

通路を抜けると教会があった。奥ではステンドグラスが綺麗に光っていた。

 

 

「アリアッ!!」

 

 

俺はステンドグラスの下で祈りを捧げているピンク色のツインテールをした少女を呼ぶ。

 

 

「大樹………美琴………」

 

 

アリアは振り返る。アリアも防弾制服を着ていた。

 

俺たちはアリアのもとまで駆け寄る。だが、

 

 

 

 

 

「帰って」

 

 

 

 

 

「え……?」

 

 

冷徹な一言。アリアの言葉に耳を疑う美琴。

 

 

「あたしはここで、曾お爺さまと暮らすの」

 

 

「何、言ってるのよ……」

 

 

「……………」

 

 

美琴は首を横に振っていた。信じたくないんだろう、そのことを。

 

俺は黙って話を聞く。

 

 

「一族は果たすべき役割を正しく果たすことが求められるものなの。そうじゃないと、存在することが許されない………」

 

 

アリアは自分の一族について、悲しげに言う。

 

 

「あたしは欠陥品と呼ばれ、バカにされて、ママ以外には無視された」

 

 

アリアは手に力を入れる。

 

 

「あたしはッ、ホームズ家にはいないものとして扱われたのよッ!!ずっと昔からッ!!」

 

 

アリアは叫ぶ。その叫びは怒りや悲しみなどの、負の感情が詰まったものだった。

 

 

「あたしがここまで来れたのは曾お爺さまを心の支えにしてきたからよ。彼は武偵の始祖でもあるの。だからあたしは武偵になったの」

 

 

アリアは後ろに下がる。俺たちと距離をとった。

 

 

「あたしにとって曾お爺さまは神様のようなものなの。その彼があたしの目の前に現れて、あたしを認めてくれたの!欠陥品と呼ばれたあたしを後継者と呼んでくれた!」

 

 

アリアはシャーロックに対する気持ちを俺たちに向かって言った。

 

 

「でもそのシャーロックが、かなえさんに罪を着せたのよ!」

 

 

「そんなのもう解決できるわ。曾お爺さまはあたしにイ・ウーを下さると言った。だからこの事件は……」

 

 

「は、犯罪者の一員になるの……!?」

 

 

「そうじゃないとイ・ウーに勝つことは不可能よ!」

 

 

アリアは叫んだ。だが、

 

 

「あなたたちじゃ………曾お爺さまには……勝てない……」

 

 

すぐに声は小さくなった。

 

 

「……………」

 

 

黙って聞いていた俺は

 

 

「それでも俺はシャーロックを潰すぞ」

 

 

「ッ!?」

 

 

アリアの目が見開いた。

 

 

「あいつは俺の大切な人たちを傷つけた。あいつは許せない」

 

 

「大樹はあたしを傷つけるの……?」

 

 

そうきたか……。

 

 

「曾お爺さまを傷つけて、あたしを傷つけるの?」

 

 

「………なら撃てよ」

 

 

「え……?」

 

 

 

 

 

「曾お爺さまを守りたきゃ俺を撃て」

 

 

 

 

 

「ッ!?」

 

 

俺は両手を広げる。

 

 

「簡単な質問だ。俺たちとシャーロック。どちらが大切か」

 

 

最低な質問だと自分でも思う。それで何が解決できるだろうか。

 

 

「そ、そんなの……!」

 

 

「……………」

 

 

アリアは唇を強く噛み、スカートの中から銃を取り出した。銃口は俺に向いている。

 

 

「曾お爺さま、よ……」

 

 

アリアの答えの言葉は小さく、震えていた。手も震えている。

 

 

「だから帰って!!」

 

 

「なら撃てよ」

 

 

「い、いやよ……!」

 

 

「俺はシャーロックを倒すぞ。何がなんでも」

 

 

ガキュンッ!!

 

 

アリアは俺の足元に発砲する。

 

 

「お願いッ……帰ってよッ……」

 

 

「大樹!」

 

 

美琴が俺を呼んでいる。でも俺はアリアに近づく。

 

 

「こ、来ないで……」

 

 

「……………」

 

 

俺はアリアにどんどん近づく。

 

 

ガキュンッ!!

 

 

ビッ

 

 

「ッ!」

 

 

アリアはまた発砲する。銃弾は右耳をかすった。右耳から血が流れる。

 

だが、歩くのはやめない。

 

そして、アリアの目の前まで来た。

 

 

「アリア」

 

 

俺はアリアの震えている拳銃を持った手を優しく包み込む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「戻ってこい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………ぁ……」

 

 

アリアの目から涙が流れ出した。

 

 

「俺たちはアリアが必要なんだ。誰でもない、アリアが必要なんだ」

 

 

俺の後ろから美琴も駆け寄り、一緒に優しく握った。

 

 

「あたしもアリアといつまでも親友でいたいわ」

 

 

「み、美琴……」

 

 

アリアは美琴を見る。

 

 

「チャンスをくれないか?」

 

 

「チャ、ンス…?」

 

 

俺はアリアに提案する。

 

 

 

 

 

「シャーロックは俺と美琴で戦わせてほしい」

 

 

 

 

 

「!?」

 

 

アリアは驚愕する。

 

 

「俺たちが勝ったら戻って来てくれるか、アリア」

 

 

「だ、大樹……」

 

 

アリアが俺を悲しげ見る。

 

 

「アリアは何もしなくていい。アリアはシャーロックを撃てないのは分かっている」

 

 

俺は真剣にアリアの綺麗な瞳を見つめる。

 

 

「俺はアリアが大切な人だ。だからもうこの方法で解決するしかない」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺たちが勝ったら戻って来てくれ、アリア」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アリアは驚いて、何も喋れなかったが、

 

 

「………うんッ」

 

 

アリアは小さくうなずいてくれた。

 

 

________________________

 

 

 

俺は美琴とアリアと一緒に奥に進んでいく。

 

この先にシャーロックはいるらしい。

 

今までに一番広大なホールにでた。奥には巨大な柱が並んでいた。いや

 

 

「ICBM……!?」

 

 

美琴が驚く。柱の正体は大陸間弾道ミサイルだ。

 

弾頭の性質次第ではどんな大国でも1日とかからず壊滅するだろう。

 

 

「なんでなの……!」

 

 

アリアが周りを見渡す。

 

 

 

 

 

「あたし、この部屋を見たことがある……!」

 

 

 

 

 

「……………」

 

 

俺は理由を知っている。

 

 

「本当なの?」

 

 

美琴がアリアに尋ねる。

 

 

「ええ、あるわ。そしてここで2人を見たことがある」

 

 

ブツンッ

 

 

美琴が何か言おうとしたとき、音楽が流れてきた。

 

曲はモーツァルトの【魔笛】だ。

 

 

 

 

 

「音楽の世界には和やかな調和と甘美な陶酔がある」

 

 

 

 

 

シャーロックがICBMの裏から現れた。杖をカツカツッと響かせながら近づいて来る。

 

 

「それは僕らの繰り広げられる戦いという混沌と美しい対象を描くものだよ」

 

 

シャーロックは立ち止まり、笑みを浮かべる。

 

 

「このレコードが終わる頃には、戦いのほうも終わるだろうね」

 

 

「曾お爺さま……」

 

 

アリアは一歩前に出る。

 

 

「あ、あたしはあなたを尊敬しています。だから銃を向けることはできません」

 

 

アリアの声は小さいが、はっきりと聞こえる。

 

 

「彼らは私がやっと見つけた大切な人たちです。だから…」

 

 

「いいんだよ、アリア君」

 

 

シャーロックは笑顔だった。

 

 

「僕より彼らが大事な存在になったことはとてもいいことだ。君たちはさきほどより強く結びついたのだろう」

 

 

シャーロックの言い方に苛立ちを感じる。

 

 

「ここまで推理通りかよ、名探偵」

 

 

「こんなの推理の初歩だよ」

 

 

シャーロックは俺たちを弄ぶかのように笑う。

 

 

「なぁシャーロック」

 

 

「なんだい」

 

 

「俺たちはお前をマジで倒す」

 

 

俺はシャーロックを睨み付ける。

 

 

「賭けをしようぜ、クソ名探偵」

 

 

「口が悪い少年だ。それで、何を賭ける?」

 

 

「俺たちが負けたら俺たちをお前の好きにしろ」

 

 

俺はいつでも戦えるように構える。

 

 

「俺たちが勝ったらアリアの母、かなえさんを釈放できるようにしろ」

 

 

「いいだろう」

 

 

シャーロックは即答した。

 

 

「君たちが勝てばの話だがね」

 

 

「ハッ、その安いプライド、捻り潰してやるよッ!!」

 

音速のスピードでシャーロックに飛びかかる。

 

 

ドゴンッ!!

 

 

「なッ!?」

 

 

回し蹴りを喰らわせようとしたが、受け止められた。いや、受け流されたのだ。

 

 

「ッ!」

 

 

俺は後ろに飛んで後退する。そして、

 

 

バチバチッ!!

 

 

その隙に美琴がシャーロックに向かって電撃を飛ばした。

 

 

パキンッ!!

 

 

「「「ッ!?」」」

 

 

俺たちは驚愕した。

 

 

シャーロックの目の前には大きな氷の壁ができていた。

 

 

「美琴ッ!!」

 

 

俺は上に飛び、美琴を呼び掛ける。

 

 

「大樹ッ!!」

 

 

バチバチッ!!

 

 

美琴は電撃の槍を作り、大樹に向かって投げた。

 

 

 

 

 

「貫けッ!!」

 

 

 

 

 

俺はその槍をオーバーヘッドキックで蹴返す。

 

美琴との連携技だ。

 

 

ドゴンッ!!!

 

 

電撃の槍を蹴った瞬間、爆発的に威力が上がり、氷の壁を貫いた。

 

電撃の槍はそのままシャーロックに向かっていく。

 

 

「推理通りだよ」

 

 

シャーロックの目の前に第2の盾。砂の盾が現れた。

 

砂の盾はひとつではない。10枚はある。

 

 

ズバンッ!!

 

 

9枚は貫いたが、10枚目が貫けなかった。

 

 

「う、嘘でしょ…!?」

 

 

美琴は驚愕する。

 

 

「まだだッ!!」

 

 

俺はシャーロックに向かって落下していき、

 

 

ドゴンッ!!

 

 

最後の砂の盾を蹴り飛ばした。

 

盾は崩れ、シャーロックが見える。

 

 

「ッ!?」

 

 

俺は盾を破壊したことを後悔した。

 

 

 

 

 

砂の盾の中から爆弾が現れた。

 

 

 

 

(やべぇッ!)

 

 

ドゴオオオオオンッ!!!

 

 

「ッ!?」

 

 

あまりの衝撃強さに声が出なかった。

 

 

「「大樹ッ!!」」

 

 

美琴とアリアは俺の名前を叫ぶ。

 

俺は美琴たちのところまで吹っ飛んだ。

 

 

「ぐッ」

 

 

口の中は鉄の味がした。

 

 

「大樹君、戦いの真っ最中だが、今から【緋色の研究】を講義しないといけない」

 

 

「緋色……だと……?」

 

 

まさか……

 

 

シャーロックは静かに目を閉じた。

 

 

「「「!?」」」

 

俺たちは目を疑った。

 

 

 

 

 

シャーロックの体が緋色に光だした。

 

 

 

 

 

「僕がイ・ウーを統一出来たのはこの力があったからだ」

 

 

シャーロックはポケットから一発の銃弾を取り出す。

 

「これが緋弾だ」

 

 

弾頭は薔薇のような、炎のような、血のような、緋色をしていた。

 

 

「至大なる超常の力を人間に与える物質。【超常世界の核物質】なのだ」

 

 

「それがイロカネか……」

 

 

倒れていながらも、シャーロックの言葉を返す。

 

 

「知っているのかい?君はもしかして博学なのかな?」

 

 

「ハッ、学校では問題児だけどなッ。日本では緋々色金(ヒヒイロカネ)って名で呼ばれてる金属だろッ」

 

 

「素晴らしい。そこまで知っているのかい」

 

 

シャーロックは本当に感心していた。

 

 

「アリア君」

 

 

シャーロックは右手の人差し指をアリアに向ける。

 

その瞬間、

 

 

 

 

 

アリアの右手の人差し指が光だした。

 

 

 

 

 

「な、なによ……,これ……」

 

 

美琴もアリアも驚愕していた。

 

 

「それは【共鳴現象(コンソナ)】だ。質量の多いイロカネ同士は、片方が覚醒すると共鳴する音叉のように、もう片方も目を覚ます性質がある」

 

 

シャーロックは目を細めた。

 

 

「………僕が推理していた光の強さじゃないね」

 

 

シャーロックは左に銃を持ち。

 

 

「大樹君、悪いが」

 

 

銃口をこちらに向けて

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「死んでほしい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガキュンッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シャーロックが撃った銃弾は大樹の額を貫いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「ッ!?」」

 

 

美琴とアリアが目を疑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は二度目の死を迎えた。

 

 






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どうやら俺は大切な人達のために戦うらしい

続きです。





「……………」

 

 

俺は箱の中で寝ている少女を見つめる。周りでは声をだして泣いている人や、下を向いて、床を見続ける人がたくさんいた。

 

 

「    」

 

 

俺は箱の中で寝ている少女の名前を呼ぶ。

 

 

「何で………何で………」

 

 

俺は涙を流す。

 

 

 

 

 

こんなことになったんだよ………

 

 

 

 

 

俺はその場で泣き崩れた。

 

________________________

 

 

彼女が死んだのは今から二年と半年前のことだ。

 

 

俺はいつも通りの生活を送っていた。

 

 

そして、放課後。

 

 

母親から「死んだ」と泣きながら伝えられた。

 

 

自分の耳を疑った。疑って耳をおもいっきり引っ張り、ちぎろうとした。

 

 

彼女が死んだのは自室。遺書や手紙は無かった。

 

 

意味が分からない。いつも放課後に一緒に帰った人が死んだなんて。

 

 

その日から俺の日常は灰色になった。

 

 

味のないご飯。面白くない大好きな番組。いつも以上につまらない授業。

 

 

剣道ことなんかその時はどうでもよかった。

 

 

大会なんてどうでもよかった。

 

 

あの時の俺が最後に笑ったのはいつだろうか?

 

 

もうそんなことは覚えていない。

 

 

________________________

 

 

俺は虐められていた。

 

 

剣道部の連中に。

 

 

この頃の俺は二刀流を特別に使っていいのは俺だけだった。

 

 

師範代に気に入られ、熱心に教えられた。

 

 

だが、周りは俺のことを気に入らなかった。

 

 

竹刀の紛失。バッグを隠され、泥だらけにされたことは多々あった。

 

 

でも気にしなかった。

 

 

嫉妬している奴らが醜いことをしている。そう考えていた。

 

 

だから、放っておいた。

 

 

でも、ある日。

 

あのクズ共は許されないことをした。

 

 

俺をいじめるのではなく、    をいじめだした。

 

 

彼女の泣き顔を見た瞬間。

 

 

俺の中でなにかが生まれた。

 

 

きっと今ならそれが何かが分かる。

 

 

 

 

 

殺意だ。

 

 

 

 

 

その日の放課後。あいつらを竹刀で殴った。

 

 

何度も。何度も何度も。

 

 

やめてくれと懇願してきた。やめない。

 

 

血が出てきた。だから何だ?

 

 

気を失ったやつがいた。邪魔だ。

 

 

気を失っていない奴が最後の一人となった。

 

 

そいつは震えていた。

 

 

俺は両手に竹刀を持って

 

 

殺そうと、剣を降り下ろした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やめて!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バキッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………ぁ…………」

 

 

俺は    を竹刀で殴った。

 

 

彼女は急に俺の目の前に飛び出してきた。

 

 

彼女は倒れる。

 

 

頭から大量の血が流れる。

 

 

「    !!」

 

 

彼女に駆け寄った。

 

 

「    !!    !!」

 

 

何度も名前を呼んだ。

 

 

「……………………」

 

 

彼女は小さな声で言った。

 

 

 

 

 

ごめんね

 

 

 

 

 

理解できなかった。

 

 

彼女は何も悪くないのに。

 

 

 

 

________________________

 

 

 

その後彼女は救急車に運ばれ、入院となった。

 

 

俺は停学となった。

 

 

だが、いじめていた奴らは停学すらならなかった。

 

 

ふざけるな。

 

 

何で俺が罰をくらい、あいつらには罰がないんだよ。

 

 

彼女はすぐに退院したが、俺はまだ停学中だった。

 

 

学校に行っているあいつのことが心配だった。

 

 

そして、停学が終わった。

 

 

久しぶりに登校してみたが、彼女は欠席だった。

 

 

周りの視線は痛かった。

 

 

きっといじめていた奴らが俺の悪い噂でも流したのだろう。

 

 

我慢だ。

 

 

明日になれば彼女に会える。

 

 

彼女に謝って、仲直りしたい。

 

 

早く彼女に会いたい。

 

 

だから今は我慢だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、無情にも彼女はその日に自殺した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1ヶ月が経った。

 

 

久しぶりに部室にいった。

 

 

置いている荷物を回収するためだ。

 

 

「なんだよ、また来たのかよお前」

 

 

いじめていた奴らだ。

 

 

7人はいる。

 

 

「それにしても残念だったなぁ、彼女さんが死んで」

 

 

そんな挑発に乗らない。

 

 

「まさか本当に死ぬとはなぁ」

 

 

いじめていた奴らは笑う。

 

 

こいつらは何か知っているのか?

 

 

「あいつ、愛するお前のために死んだんだぜ?」

 

 

は?

 

 

「俺たち、あいつにこう言ったんだよ」

 

 

そいつは笑いながら言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前が死んだら楢原をもういじめないってな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「な、何言ってんだ………お前……」

 

 

俺の顔が真っ青になったのが自分でも分かる。

 

 

「おっと、殴りかかるなよ?俺のじいちゃんはここの校長。父さんは教育委員会だ」

 

 

そいつは笑う。

 

 

「この前みたいにお前だけ停学なっちまうぞ?」

 

 

……………ああ、そうか。

 

 

「まぁ、約束は破るけどな。とりあえず今日からお前を俺たちのサンドバッグにするけどいいよな?」

 

 

こいつらが…………

 

 

「おい、何さっきから黙ってんだよ」

 

 

彼女を殺したのか。

 

 

俺は自分の荷物から2本の竹刀を取り出す。

 

 

今日で………剣を持つのはやめよう…………

 

 

その後は全て忘れよう。

 

 

今はこいつらを………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うあああああああああァァァァァ!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

部室の壁や床は真っ赤に染まっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

________________________

 

 

 

「………………」

 

 

思い出した。何もかも、完璧に。

 

 

「お前さんはその後、捕まった。じゃが、警察の調べで、いじめていた奴らが彼女を脅していたことなどが分かり、お前さんは転校するだけで済んだ」

 

 

神が俺の隣にいた。

 

 

「お前さんはそのことを必死に忘れようとした。そして忘れた」

 

 

「……………」

 

 

「高校での学校生活が残り一年となったころにはもう覚えてすらいなかった」

 

 

神はどこかの探偵のように答え合わせをする。

 

 

「そして、体育倉庫でお前さんは死んだ」

 

 

「……………」

 

 

「そのあとは転生してもらえるようになった」

 

 

「……………」

 

 

「じゃがお前さんはワシがあげた転生特典」

 

 

神は言う。

 

 

「完全記憶能力で思い出してしまった」

 

 

神は続ける。

 

 

「犬男と戦っている時、刀を見ると体が動かなかった理由はトラウマがよびがえり、体が硬直してしまったのが原因じゃな」

 

 

「……………」

 

 

「聞いておるのか?」

 

 

「……………ああ」

 

「残念じゃが死んでしまったのう」

 

 

「……………」

 

 

「お前さんの身体強化は進化をやめていたからのう」

 

 

「………どういうことだ」

 

 

「包丁で指を切ることはできるかのう?」

 

 

「当たり前だろ、そんなの」

 

 

「なぜじゃ?」

 

 

「皮膚はそこまで強くない。すこし当たっただけでも血は出る」

 

 

「お前さんも?」

 

 

「そうだ。身体強化を持っても変わらない」

 

 

「じゃが、お前さんは床をぶち抜いても手には傷ひとつつかなかった」

 

 

「ッ!?」

 

 

矛盾している……?

 

 

「どういうことだ?」

 

 

「身体強化はお前さんは思いが力の源なんじゃ」

 

 

「思い?」

 

 

「お前さんの身体強化の強さはお前さんが決めたんじゃ」

 

 

「俺が?」

 

 

「ナイフは切れるっという常識。床をぶち抜くことくらいできるという考え方」

 

 

「…………」

 

 

「お前さんの身体強化は進化すると嘘を言われても、信じた。そして、強くなったと勘違いして、お前さんは強くなった」

 

 

「なッ!?」

 

 

それが身体強化………いや。

 

 

「俺にどんな特典を渡した」

 

 

「それは秘密じゃ」

 

 

「………………」

 

 

「お前さんはまだまだ強くなれる」

 

 

「もう………終わったけどな………」

 

 

俺は死んだ。

 

 

「お前さん、死んだ彼女の名前はわかるか?」

 

 

「……………」

 

 

思い出せない。

 

 

「彼女はお前さんのことをどう思っていたのじゃろうか」

 

 

知らない。

 

 

「ワシは愛していたと思うぞ」

 

 

「ッ」

 

 

その言葉に罪悪感を感じた。

 

 

「命を捨ててまで守りたかった人じゃぞ」

 

 

「うるせぇよ……」

 

 

「お前さんは彼女が守ってくれた命を、ここで終わってよいのか?」

 

 

「うるせぇって言ってるだろッ!」

 

 

「あの二人はどうなる?」

 

 

「ッ!」

 

 

俺は美琴とアリアを思い浮かべる。

 

 

俺は………

 

 

「また彼女のように二人も同じ運命を辿るのか?」

 

 

「違うッ!!!」

 

 

「ならもう答えは出ておろう」

 

 

俺は………もう弱くない。

 

これは彼女がくれた人生だ。

 

 

「なぁ」

 

 

無駄にしない。

 

 

「何じゃ」

 

 

彼女の分まで生きる。

 

 

「考え方や思いが俺に最高の力をくれるって解釈でいいか?」

 

 

俺は……

 

 

「そうじゃ」

 

 

「なら」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は死なない!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

________________________

 

 

「大樹ッ!大樹ッ!」

 

 

「………ぁ………ぁぁ…」

 

 

美琴は必死に頭から血を流す大樹の体を揺らす。しかし、ぴくりとも動かない。アリアはその光景にショックを受け、何も喋れなかった。

 

 

「いや、いやぁ………」

 

 

アリアは後ろに下がり、

 

 

 

 

 

「いやああああああああァァァァァ!!!!!」

 

 

 

 

 

アリアの体全体が緋色に光った。

 

 

「さぁ、来るんだアリア君」

 

 

アリアは右手の人差し指をシャーロックに向けて光を放つ。

 

シャーロックも同じように光を放った。

 

 

パァッ…………

 

 

光はぶつかり、融合した。

 

 

「僕には死期が推理できた。どんなに引き伸ばしても、今日この日までしかもたないと」

 

 

二つの光は互いを消すように収まってく。

 

 

「僕はその日までに緋弾を子孫の誰かに【継承】する必要があった」

 

 

美琴は大樹を抱きながら聞く。

 

 

「だが緋弾の継承には条件があった。ひとつは性格だ。情熱的でプライドが高く、どこか、子供っぽい性格をしていなくてはならない」

 

 

シャーロックは続ける。

 

 

「2つ目はアリア君が女性として心理的に成長する必要があったこと」

 

 

緋色だった光球が透明になる。

 

 

「3つ目、継承者は能力が覚醒されるまで、最低でも3年のあいだ緋弾と共にあり続ける必要があった」

 

 

融合していく2つの光は、レンズのような形に変わっていく。

 

 

「これを成立させるために、僕は今日までこの緋弾を持ち続けて、さらに3年前の君に渡されなければならなかった」

 

 

レンズになにかが映りだした。

 

 

「うそ………」

 

 

アリアはレンズを見て驚愕する。

 

 

「これが、日本の古文書にある【暦鏡(こよみかがみ)】。時空のレンズだ」

 

 

レンズの中にいるのは

 

 

 

 

 

金糸のような亜麻色のツインテールを煌めかせているアリアだった。

 

 

 

 

 

目の色も赤紫色ではなく、サファイアのような紺碧の瞳をしている。

 

 

「アリア君。君は13歳の時、母親の誕生日パーティーで狙撃されたことがあるね」

 

 

「……………はい」

 

 

「撃ったのは僕だ」

 

 

「!?」

 

 

アリアの目が見開いた。

 

 

「いや、これから撃つのだ。これはどちらの表現も正しい」

 

 

カチャッ

 

 

シャーロックは左手に拳銃を持ち、構える。

 

 

「緋弾の力をもってすれば、過去への扉を開くことさえもできる。」

 

 

シャーロックは銃口をレンズに映ったアリアに向ける。

 

 

 

 

 

「僕は3年前の君に今から緋弾を継承する」

 

 

 

 

 

「よけてッ!!」

 

 

美琴はレンズに向かって叫ぶ。

 

レンズの中のアリアはこちらを向き、背中がシャーロックのほうに向けられ

 

 

 

 

 

パァンッ!!

 

 

 

 

 

銃弾はアリアの背中を貫いた。

 

 

 

 

 

そして、レンズになった光球は消えた。

 

 

「…………ッ!!」

 

 

アリアは何も喋れない。

 

 

「緋弾には2つの副作用がある。緋弾には延命の作用があり、共にある者の肉体的な成長を遅らせる。体格があまり変わらなくなったのはそれが原因だ」

 

 

シャーロックは続ける。

 

 

「もうひとつは体の色が変わることだ。髪や瞳などが綺麗な緋色に近づいていく。今の君のようにね」

 

 

シャーロックは緋弾を失ったせいか、いきなり何歳か歳を取ったように見える。

 

 

「これで講義は終了だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そうか。話が長すぎてもう一回死ぬところだったぜ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「!?」」」

 

 

シャーロックもこのときは驚いただろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

頭から血を流している大樹がシャーロックの目の前にまで接近していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドゴンッ!!

 

 

 

 

 

「ぐッ!」

 

 

大樹は右手でシャーロックの腹部を殴った。

 

シャーロックが初めて顔を歪める。

 

 

「【無刀の構え】」

 

 

大樹はそのまま右手に力を入れて

 

 

 

 

 

「【黄泉送り】!!」

 

 

 

 

 

ズドンッ!!

 

 

シャーロックの腹に重い衝撃が襲う。

 

 

ドゴンッ!!

 

 

そのまま後ろに勢いよく吹っ飛び、ICBMにぶつかる。

 

だが

 

 

「なかなかやるね。その技はなんだね?」

 

 

シャーロックは何事もなかったかのように振る舞う。

 

 

「俺の先祖はかなり変わった奴だよ」

 

 

俺は説明する。

 

 

「ただ技だけを磨き続ける人だった。戦なんてモノは興味はなく、争いを好まない奴だったんだ」

 

 

大樹はアリアと美琴のところに行く。

 

 

「現代風に言うとサーカスみたいなことをして稼いでいたらしい」

 

 

大樹はアリアと美琴の手を握り、微笑む。俺は大丈夫だと。

 

 

「そして、その技を昔からずっと引き継いできた」

 

 

大樹はアリアから2本の刀を借りさせてもらう。

 

 

「あの日、俺は技を捨て、もう使いたくないと思っていたが………」

 

 

俺は2本の刀を持ち、構える。

 

 

「でも、もうそんなこと言ってられないな」

 

 

俺は右手の刀をシャーロックに向ける。

 

 

 

 

 

「役に立つときが来たぞ、先祖」

 

 

 

 

 

シャーロックはこちらに歩いてきた。

 

 

「ならばその力を見せてくれたまえ」

 

 

 

 

 

ガガガガガガガガガガガガキュンッ!!

 

 

 

 

 

「「!?」」

 

 

シャーロックの高速の12連撃の【不可視の銃弾】が大樹に向かって飛んだ。

 

 

あまりの早さにアリアと美琴は驚愕する。

 

 

「二刀流式、【阿修羅の構え】」

 

 

ジャキンッ!!

 

 

「!」

 

 

 

 

 

「【六刀鉄壁(ろっとうてっぺき)】!!」

 

 

 

 

 

シャーロックはまた驚く。

 

 

大樹は2つの刀を高速で振り回し、銃弾を全て弾いた。

 

 

先祖の技には【構え】と【技】がある。

 

【構え】はその場に応じた戦闘スタイルを瞬時に変えたりすることができる。攻撃に徹するか、防御に徹するか。状況に応じて変えれる。そして【技】は【構え】の中に入っている技術だ。

 

先程の【阿修羅の構え】は防御に優れた戦闘スタイルだ。そして、【六刀鉄壁】は四方八方からの全ての攻撃を叩き落とす技術だ。

 

「シャーロック、次で終わらせてやるよ」

 

 

髪がもう白髪になったシャーロックに言う。

 

 

「いいだろう、来たまえ」

 

 

俺が使える最強の技で決める。

 

 

 

 

 

「二刀流式、【紅葉(こうよう)鬼桜(おにざくら)の構え】」

 

 

 

 

 

 

俺は刀を十字にする。

 

 

次に出す技の名前は、彼女の名前が入っている。

 

 

俺は彼女の名前を思い出した。

 

 

彼女と一緒に考えた技。

 

 

その技で、決める。

 

 

 

 

 

俺はもう弱くないことを証明するために。

 

 

 

 

 

俺は創造する。

 

 

音速を越えたスピードで走ることを。

 

 

「ッ!」

 

 

 

 

 

光速のスピードでシャーロックの目の前まで走る。

 

 

 

 

 

俺は創造する。

 

 

シャーロックを倒すことを。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「【双葉(そうよう)雪月花(せつげつか)】!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

斬った瞬間は音はなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シャーロックは無傷だ。

 

 

 

だが

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズドオオオオオオオオオンッ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シャーロックの後ろにあるICBMや壁や床が十字を描くように、全てを吹き飛ばし、破壊した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天井には星が………いや夜の空が見えた。

 

潜水艦はいつの間にか浮上していた。もし海の中だったら沈没していただろう。

 

シャーロックは言葉が出ないほど驚いていた。

 

 

ビッ

 

 

シャーロックの頬が斬れた。傷口から赤い鮮血が流れる。

 

 

「俺の勝ち、………だッ」

 

 

バタッ

 

 

大樹は前から倒れた。

 

 

「「大樹ッ!!」」

 

 

美琴とアリアは大樹に駆け寄る。

 

「大樹ッ!しっかりして!」

 

 

「やべぇ………この技使わなきゃよかった………」

 

 

人殺しは流石に駄目だろ…。

 

美琴の呼び掛けにしっかりと答える大樹。

 

 

「ひぐッ、だいきぃ……!」

 

 

アリアはもう泣いてしまった。

 

 

「泣くなよ、ちょっと疲れただけだ」

 

 

俺は寝ながらアリアの頭を撫でる。

 

 

「実に見事だった」

 

 

シャーロックは手を叩き、拍手する。

 

 

「あれは確かに僕の敗けだ。約束は守るよ」

 

 

シャーロックはICBMに乗り込んだ。

 

 

「それと君を殺してしまってすまなかった。あとでどうにか生き返らせようとしたんだが、必要なかったね」

 

 

「ゾンビなんぞお断りだ、老いぼれ名探偵が」

 

 

「はは、本当に口の悪い少年だ。僕の推理をここまで狂わせたのは君が初めてだ。歳には勝てないものだね」

 

 

「それで、今から死ぬつもりか?」

 

 

「【老兵は死なず。ただ、消え去るのみ】と。さぁ卒業式の時間だ。花火で彩ろう……」

 

 

シャーロックは笑い、ICBMのドアを閉めた。

 

 

「曾お爺さまッ!!」

 

 

アリアは俺が持っていた2本の刀を奪い取り、逆手に持ち、右左と交互に突き刺しながら、アリアはロッククライミングのようにICBMをよじ登る。

 

 

「待って!アリアッ!!」

 

 

美琴は能力を使い、アリアの後を追いかける。

 

 

「アリア君、短い間だったが楽しかったよ。何か形見をあげたいところだが、申し訳ない。僕はもう君にあげるものを持っていないんだ 」

 

 

シャーロックの声が中から聞こえる。

 

 

「だから名前をあげよう。僕は【緋弾のシャーロック】という2つの名を持っている。その名を君にあげよう」

 

 

シャーロックは最後の言葉を言う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さようなら、【緋弾のアリア】」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の瞬間、ICBMがゆっくりと持ち上がっていく。

 

 

「アリ、ア………み、こと………」

 

 

俺はボロボロになった体を無理矢理動かし、ICBMに向かって飛翔する。

 

 

ガシッ!!

 

 

僅かな窪みに捕まり、一緒に持ち上がっていく。

 

 

「アリアッ!!もう放さないと!!」

 

 

「いやよ!曾お爺さまがどこかに行っちゃう……」

 

 

2人の声が上から聞こえてくる。

 

 

そして

 

 

 

 

 

ミサイルはもの凄い速さで上昇した。

 

 

 

 

 

「ぐッ!!」

 

 

尋常じゃない風圧が襲い、呼吸が出来なくなる。

 

美琴とアリアも耐えることに精一杯だ。

 

 

ボンッ!!

 

 

ミサイルは雲を突き抜けた。

 

地平線が丸く弧を描いて見え始める。

 

あまりの気温の低さに体が凍りついてきた。

 

 

「ッ!!」

 

 

美琴とアリアが手を離したのが見えた。

 

 

 

 

 

(アリアッ!!美琴ッ!!)

 

 

 

 

 

俺も手を離して、落下する。

 

 

俺は体を真っ直ぐに伸ばして落下速度を加速させる。

 

 

俺の下を先に落下しているアリアと美琴の手が届きそうで届かない。

 

 

 

 

 

「美琴おおおォォ!!!アリアあああァァ!!!」

 

 

 

 

 

2人の名前を叫ぶ、そして

 

 

 

 

 

「届けええええええェェェ!!!!」

 

 

 

 

 

バシッ

 

 

右手で美琴の手を掴み、左手でアリアの手を掴んだ。

 

 

そのまま俺は2人を抱き寄せる。

 

 

「ごめんね……」

 

 

アリアが謝った。

 

 

「こんなことになって………」

 

 

「「許す」」

 

 

「え?」

 

 

俺と美琴は笑顔で言う。

 

 

「許すって言ったんだよ」

 

 

「だからもう気にしないでいいわよ」

 

 

俺と美琴はアリアに言う。

 

 

「ありがとう。ありがとう、あたしのパートナーと親友。あたしはあんたたちを誇りに思う」

 

 

アリアは強く俺たちを抱く。

 

 

「だからあたしはそんなあんたたちを助けたい!!これからも!!」

 

 

ゴッ!!

 

 

海面が見えてきた。暗くてよくわからないが、もうすぐで衝突することぐらいは分かる。

 

 

「あたしの大切な人を失わせはしない!!」

 

 

アリアは目を閉じ、集中する。

 

 

「曾お爺さまはきっと、この瞬間が来ることも推理してたんだわ。だからホームズ家の女に代々この髪型にさせた……!」

 

 

俺と美琴は目を疑った。

 

 

アリアのツインテールが大きく、大きく、

 

 

 

 

 

翼のように広がった。

 

 

 

 

 

ばさッ

 

 

落下速度がみるみるうちに落ちていく。

 

 

俺はその翼にみとれていた。

 

 

「あ、あんまり見ないで。………すごく、恥ずかしい………!」

 

 

「綺麗………」

 

 

「うぅ……」

 

 

美琴に誉められ、顔を赤くするアリア。

 

 

「本当に綺麗だな……」

 

 

「もうッ……!」

 

 

アリアは拗ねて、下を向いて喋らなくなった。

 

暗い海に、一つの光が見える。

 

船だ。

 

 

船には遠山、白雪、理子、レキ、ジャンヌ、夾竹桃、遠山の兄貴である金一、そしてパトラがいた。

 

みんな驚いた表情でこちらを見ていた。

 

 

「ね、ねぇ」

 

 

アリアは震えた声で言う。

 

 

「ぶ、武偵憲章1条!!」

 

 

「仲間を信じ、仲間を助けよ…………あ」

 

 

俺は言っては気づいた。

 

 

「それがどうしたの?」

 

 

美琴は分かっていないようだ。

 

 

「何でも言ってみろよ、アリア」

 

 

俺はアリアに言う。

 

 

「と、とりあえず浮き輪になりなさいッ!!」

 

 

アリアは泳げないんだ。

 

美琴は笑いをこらえている。

 

 

「おう、まかせろ」

 

 

次の瞬間、再び落下した。

 

アリアのツインテールは翼をやめたのだ。

 

 

ザバンッ!!

 

 

「ぷはッ」

 

 

アリアと美琴を抱き寄せたまま、海面から顔をだす。

 

 

「ははッ」

 

 

自然と笑いが込み上げてきた。

 

 

(俺の人生は面白いぞ)

 

 

俺は彼女の名前を呼ぶ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ありがとな、双葉(ふたば)」

 

 

 




技とキャラと転生特典の説明と感想を書かせていただきます。


無刀(むとう)の構え】

文字通り、刀を持っていない状態の構えです。


【黄泉送り(よみおくり)】

相手の腹に拳をぶつけ、衝撃を与えます。名前が物騒ですね。


【阿修羅(あしゅら)の構え】

四方八方に攻撃をしたり、防御ができるようになる構え。防御の方が攻撃より優秀である。

【六刀鉄壁(ろっとうてっぺき)】

刀を高速で動かし、防御する技。阿修羅→腕が六本→六刀鉄壁。五秒で完成しました。


【紅葉鬼桜(こうようおにざくら)の構え】

技の威力を規格外並みに上げる技。デメリットとして体に負担がかかる。紅葉(もみじ)とは読みません。


【双葉(そうよう)・雪月花(せつげつか)】

二刀流専用で刀を十字にして、敵を十字に切る技。十字で突っ込みません。斬ります。そして双葉(ふたば)とは読みません。雪月花って文字はかっこいいですね。


双葉(ふたば)

大樹の親友で黒髪のロングヘア。中学三年あたりで自殺。苗字は考えてなゲフンゲフン、不明。


【身体強化】→【?】

自分の死を拒否させてしまうほどの力。思いや考え方によって強さが変動。チートを越えたと思います。


感想や評価をくれると嬉しいですが、技や大樹の過去については批判しないでほしいです。


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再び終幕。再び開幕。


緋弾のアリアはこれで最後です。

続きをどうぞ。


「ママッ!!」

 

「アリアッ!!」

 

 

アリアはアリアの母である、かなえさんに抱きついた。

 

松葉杖を両手に持っている俺、遠山、美琴の3人はその光景を眺めていた。

 

そう、かなえさんは今日、釈放されたのだ。

 

 

 

 

シャーロックと戦って、次の日です。

 

 

 

 

 

仕事早すぎんだろ、シャーロックさん。

 

 

「よがっだ、ね……!!」

 

 

美琴、アリア親子と同じくらい号泣してる……

 

 

あの後は遠山たちに救助され、病院に連れられた。診断結果は足とあばら骨が折れてました。シャーロックまじで覚えてろよ……。

 

それと、遠山の兄貴とパトラは姿を消しやがった。愛の逃避行ってやつか?爆発しろ。

 

そして、かなえさんは釈放された。いや、まじで。

 

裁判なんて無かった…。俺もこの状況に追いつけない。

 

 

「あとは親子水入らず、俺たちは帰るか」

 

 

そう言って、俺は松葉杖をつきながら帰っていった。

 

 

________________________

 

 

「ほ、箒」

 

 

「うん」

 

 

通信科の中空知(なかそらち)は赤い糸であやとりを披露する。

 

 

「は、橋」

 

 

「おー」

 

 

「ご、ごじゅうのとう」

 

 

「いきなりレベル上がりすぎだろ!?」

 

 

マジで五重塔だ!!

 

 

「か、かめ」

 

 

「おぉ」

 

 

「う、うちゅう」

 

 

「宇宙だあああああァァァ!!」

 

 

な、何だこれは!?どうなっているんだ!?

 

 

「お、恐ろしいものを見てしまった………」

 

 

「何やってんだ、大樹」

 

 

遠山は俺に声をかける。

 

 

「授業サボってあやとり見てた」

 

 

「何やってんだよ……」

 

 

中空知は何回か一緒に任務をやったことがある。通信機を使うと滑舌がプロのアナウンサー並みに上手なのに、普段はおどおどしている。

 

 

「おおおおおおはようござ#あ%せ$ふ¥じ£こ@???」

 

 

「「落ち着けや」」

 

 

大丈夫かよ……。

 

 

「まぁ本当は別の理由があったからな」

 

 

「別の理由?」

 

 

「単位不足」

 

 

「………あぁ」

 

 

遠山は遠い目をする。

 

そう、俺たちは単位不足なのだ。理由は【警備任務を円滑に継続させるにはいたらなかったから】だそうだ。シャーロック、もう絶対に許さん。

 

 

「俺は怪我人だし、体を動かすことができないしな。簡単な仕事を探して貰っていたんだ」

 

 

「俺にもそれ、やらせてくれないか?」

 

 

「何やるか知ってるのか?」

 

 

「いや、知らねぇけど」

 

 

「一年の奴らの教育だ。先輩としていろいろ教えてやるのが目的だ、分かったかコミュ障」

 

 

「誰がコミュ障だ」

 

 

え、お前だけど?

 

 

「早く決めろ。YesかNoか半分か」

 

 

「半分ってなんだよ。やるよ」

 

 

「ちなみに強襲科の一年な」

 

 

「げッ!?」

 

 

はい、聞かなかったお前が悪いー。

 

 

________________________

 

 

「よーし、それじゃあ射撃してみろー」

 

 

俺の合図で一年生は一斉に射撃する。

 

 

「Eランクが教えていいのかよ……」

 

 

「うるせぇよ」

 

 

「お手本見せてくれよ、先生?」

 

 

遠山は笑いながら聞いてくる。コイツ…!!

 

 

「あ、俺も見たいです!」

 

 

「あたしもー!」

 

 

「ぐッ!!」

 

 

一年生は俺に射撃をしてほしいそうな目で見る。

 

 

「い、いいだろう!」

 

 

遠山は笑っている。ふふふ、今に見てろよ。

 

俺は的の目の前に行き、

 

 

ガキュンッ!!

 

 

「「「「「!?」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【不可視の銃弾】をやってみせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

的はギリギリ端に当たった。

 

 

「はい、しゅーりょー」

 

 

「大樹!お前何やった!?」

 

 

「お前の兄貴の技をパクった」

 

 

完全記憶能力でやり方を見ていたからな。

 

 

ざわざわっ

 

 

一年生は騒ぎだす。好評だったみたいだな。

 

 

「あれが楢原先輩の実力…!」

 

 

「Sランクが束になっても勝てないと言われる人じゃない!?」

 

 

「上の方では2つ名が検討されているらしいぞ」

 

 

「ば、化け物だ…!!」

 

 

訂正。恐れられている。

 

 

「一年、グランド10周」

 

 

「「「「「えぇ!?」」」」」

 

 

「八つ当たりすんなよ…」

 

 

ここでは私が王だ。

 

 

________________________

 

 

「あ、あの!」

 

 

「ん?」

 

 

一年生の女の子が話かけてきた。

 

 

「あの時はありがとうございました!」

 

 

「いや、順番に話さないと分からないんだが……」

 

 

あれ?この子って…

 

 

「間宮か?」

 

 

「え!知ってるんですか!」

 

 

「ああ、アリアの戦妹だろ」

 

 

間宮あかり。アリアの戦妹だ。

 

 

「夾竹桃から解毒を貰い、妹を無事に助けることができました!」

 

 

「ああ、別に気にすんな」

 

 

「それと先輩」

 

 

間宮は少し寂しそうな目をする。

 

 

「アリア先輩を知りませんか?」

 

 

「アリアなら旅行中だ」

 

 

「へ?」

 

 

「聞いてないのか?母親と旅行してること」

 

 

「そ、そうなんですか」

 

 

教えてなかったのか…

 

 

「その内帰ってくるから安心しろ」

 

 

「………はい!」

 

 

間宮は笑顔で答えた。

 

 

「見つけたぞ!!あそこだ!!」

 

 

「今は負傷中だ!!」

 

 

「上勝ちするなら今だ!!」

 

 

あーあ、見つかったよちくしょう。

 

実は先程から追いかけられている。上勝ち。上級生に死闘で勝つことで大手柄を狙ってくる奴が増えた。

 

 

「じゃあな、間宮!」

 

 

俺は片足に力を入れて校舎の二階に飛びうつる。

 

 

 

 

 

が、できなかった。

 

 

 

 

 

「あ、あれ?」

 

 

『聞こえるかのう』

 

 

「うおッ!?」

 

 

頭の中に神の声が聞こえた。

 

 

『お前さん、今、力をだせるかのう?』

 

 

「いや、それが出せないんだ!たった今!」

 

 

『ふむ……………充電切れでは無いのう』

 

 

「ちょっと待てや」

 

 

え?俺の転生特典って充電式なの?

 

 

『ほい』

 

 

ゴッ!!

 

 

「痛ぇ!?」

 

 

頭に衝撃が走った。

 

 

『直らないのう』

 

 

「俺は昔のテレビか!!」

 

 

『すまないが、その転生特典は少し返して貰うぞ』

 

 

「は?」

 

 

『しばらくは完全記憶能力だけで頑張ってくれ』

 

 

「ここがどんな世界か分かるか?」

 

 

銃弾が飛び交う世界なんだぜ?

 

 

『次の転生場所も変えておこうかのう』

 

 

「安全な場所だよ………な……?」

 

 

『それは言わないほうがいいと思うのう』

 

 

や、やめろ………。平和が一番だ……。

 

 

『それじゃあ5日後にまた会おう』

 

 

「ああ」

 

 

………………って

 

 

「ッ!!」

 

 

今転生しないと危ないだが!?

 

俺は後ろを見て、一年生を見る。

 

 

ざわざわっ

 

 

「あの人、ちょっとヤバくないか?」

 

 

「独り言にしては酷いよな…」

 

 

「お、おい。もうやめようぜ」

 

 

また恐れられている。うん、ずっと独り言をいっていたみたいに見えるよな。

 

 

________________________

 

 

「ただいまー」

 

 

帰宅なう。

 

 

「おかえり、大樹」

 

 

うはー。帰ったら嫁がいた。

 

 

「ねぇ」

 

 

「ん?」

 

 

「この前言っていたことなんだけど」

 

 

「異世界か?」

 

 

「うん」

 

 

美琴にはもう次の異世界に行くことを伝えてある。

 

 

「連れていく人、あたしが決めてもいい?」

 

 

このことも教えた。

 

 

「ああ、別にいいよー」

 

 

美琴が居れば俺は幸せだからな!

 

 

 

 

 

うん?

 

 

 

 

 

連れて行く人→友達?親友?→男→彼氏→大切な人→結婚

 

 

 

 

 

「美琴は誰にも渡さんッ!!!」

 

 

「んなッ!?」

 

 

バチバチッ!!

 

 

「ぎゃッ!?」

 

 

俺の体に電撃が流れた。

 

 

「なななな何言ってるのよ!?」

 

 

「うぅ………美琴………行かないでぇ……」

 

 

「ど、どうしたのよ……」

 

 

目から汗がぁ……

 

 

「男を連れて行くのか?」

 

 

「え、違うけど」

 

 

「……………」

 

 

俺はどうやら勘違いしていたようだ。テヘペロ☆

 

 

「で、誰なんだ?」

 

 

「それは秘密よ」

 

 

美琴はそう言って、右手の人差し指を口に当てる。おふう、可愛い。

 

 

________________________

 

 

はい、5日が経ちました。

 

え?5日間は何かあったかって?大人しく家でモ◯スターハンターをやってましたが?

 

 

「よし」

 

 

俺は背中に2本の刀を装備する。これに黒のコートを着たら黒の剣士になっちゃう。

 

 

「腰につけるか……」

 

 

俺は左右に1本ずつ腰に装着した。

 

この刀は装備科の連中に作ってもらった。お金は有り余っているからな。

 

 

「一応これも持っていくか」

 

 

拳銃のコルト・パイソンを服の内側のポケットに入れる。うわッ、もう完全武装だわ。

 

 

「美琴ー、準備できたかー?」

 

 

「ええ、もうできてるわよ」

 

 

そう言って美琴はコインを弾く。

 

 

「なんだ?そのコイン」

 

 

ゲームセンターにあるようなメダルではない。

 

 

「超合金で作られたコインよ」

 

 

「………超電磁砲か」

 

 

「威力が上がって、5倍も遠く飛ばせるのようになったの!」

 

 

「5倍ッ!?」

 

 

やべぇ、ここにもチートがいたわ。

 

 

「ま、まぁとりあえずこの話題は置いといて」

 

 

俺はずっと気になっていたことを聞く。

 

 

「連れていくひ

 

 

ピンポーン

 

 

「はーい」

 

 

「……………」

 

 

タイミング悪くね?

 

 

「大樹!連れてきたよ!」

 

 

「え?」

 

 

そこにいたのは

 

 

 

 

 

「待たせたわね、大樹」

 

 

 

 

 

「アリアッ!?」

 

 

アリアが部屋の中に入ってきた。

 

 

「旅行はどうしたんだよ!?」

 

 

「さっき終わったわよ」

 

 

アリアは俺の目の前まで来て

 

 

 

 

 

「あたしも異世界に連れていきなさい!」

 

 

 

 

 

「えぇ!?」

 

 

「何よ。文句あるの?」

 

 

「やっとかなえさんが戻ってきたのにいいのかよ!?」

 

 

「ママともちゃんと話してきたわ」

 

 

アリアは真剣な目をして言う。

 

 

「確かにママと別れるのはつらいわ。でも」

 

 

アリアは俺の手を握る。

 

 

 

 

 

「ママはこう言ったわ。私より大切な友達のところに行きなさいって」

 

 

 

 

 

「……………」

 

 

アリアは涙目になっていた。

 

アリアは母親と会えないのはかなりつらいことだろう。

 

でも、俺たちと一緒に行くことを選んでくれた。

 

 

「大樹…」

 

 

美琴は心配そうな目で見てくる。

 

 

「アリア」

 

 

俺は名前を呼ぶ。

 

 

 

 

 

「一緒に来い。俺は。いや、俺と美琴はアリアが必要だ。これからもずっと」

 

 

 

 

 

俺はアリアの手を強く握る。

 

 

「うんッ」

 

 

アリアは笑顔を俺に向けてくれた。

 

 

________________________

 

 

 

俺と美琴とアリアは輪を作って手を繋ぐ。

 

 

(おーい、神様ー)

 

 

『………頭でもぶつけたのか?』

 

 

「バカにしてるのかッ!?」

 

 

「「!?」」

 

 

美琴とアリアがびっくりする。

 

 

「わ、悪い。なんでもない」

 

 

『バカじゃのう』

 

 

(あの時のカッコいい神はどこいった)

 

 

『次の世界なんじゃが』

 

 

(はいはい、無視ですか)

 

 

尊敬して様づけしたことを後悔した。

 

 

 

 

 

『【バカとテストと召喚獣】じゃ』

 

 

 

 

 

「よっしゃあああああァァァ!!!」

 

 

「「!?」」

 

 

「ご、ごめん。そんな目で見ないで」

 

 

『そんなによかったかのう?』

 

 

(平和な世界がやっときたぜ)

 

 

『苦労してるのう』

 

 

(やかましい)

 

 

『それじゃ始めるぞ』

 

 

 

 

 

そして3人はこの世界から消えた。

 





緋弾のアリアはとても長かったですね。

次はあまり長すぎないようにしたいです。10~13話くらい。

感想や評価をくれると嬉しいです。


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バカとテストと召喚獣編 転生者と理不尽と格差社会

バカとテストと召喚獣編です。


続きです。


文月学園高等部

 

 

革新的な学力低下対策された進学校である。

 

 

この学校の生徒は成績が優秀であればあるほど、設備が充実した高級ホテルのような教室で勉強することができ、バカであればあるほど汚くボロい教室で勉強しなければならない格差社会な学校だ。

 

 

A、B、C、D、E、Fの6つのクラスがあり、振り分け試験によって、生徒はクラスを分けられる。Aに近ければ近いほど、成績優秀者が集まっていく。

 

しかし、遠ければ遠いほど、成績が低い者たちが集まっていくのである。

 

 

 

そして、この学校は【試験召喚システム】が導入された進学校だ。

 

 

【試験召喚システム】とは科学とオカルトと偶然によって完成したシステム。テストの点数に応じた強さをもつ【召喚獣】を喚び出して戦うことができて、教師の立ち会いの下で行使が可能となる。

 

そのテストは他の学校とは違う点がある。

 

 

それはテストの点数に上限がないということだ。

 

 

1時間という制限時間のなかで無制限に用意されたテストを解き続け、採点する。

 

 

テストの点数が高ければ高いほど召喚獣は強くなり、逆に低ければ低いほど召喚獣は弱くなる。

 

そして、召喚獣を用いたクラス単位の戦争。別名

 

 

 

 

 

【試験召喚戦争】

 

 

 

 

 

 

試召戦争とも呼ぶ。

 

総合科目の点数に比例した武器・防具を装備し(攻撃力は勝負科目に比例する)、召喚獣による【設備の異なる教室状況】を改善するためのクラス間抗争。

 

教室状況の改善といっても、教室を交代するだけである。

 

下位クラスは良い環境の上位クラスの教室を手に入れるために、試験召喚戦争で勝たなければならない。

 

 

そんな世界に3人の転生者がやってきた。

 

 

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【化学の問題】

 

有機物をできるだけ多く書きなさい。(1個につき1点が加算されます)

 

 

 

御坂 美琴の答え

 

砂糖、でんぷん、エタノール、たんぱく質

 

 

先生のコメント

 

正解です。

 

 

 

楢原 大樹の答え

 

メタン、ブタン、エタン、プロパン、エチレン、メタノール、タンパク質、ブドウ糖、果糖、ポリエチレン、ポリプロピレン、PET樹脂、サラダ油、植物油脂、酢酸、グルタミン酸、ビニール、ナイロン……………裏まで続く。

 

 

先生のコメント

 

採点がとても大変でした。それだけでBクラスレベルの点数です。

 

 

 

吉井 明久の答え

 

有機物、有機物、有機物、有機物、有機物、有機物、有機物、有機物、有機物、有機物、有機物、有機物、有機物、有機物、有機物、有機物、有機物、有機物、有機物、有機物、有機物…………裏まで続く。

 

 

先生のコメント

 

そういう意味ではありません。

 

 

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ジャポンッ

 

 

「あつッ!?」

 

 

転生に成功した楢原 大樹。

 

 

「ふ、風呂!?」

 

 

なんと空からではなく、風呂に転生されてしまった。たぶんネタ切れなんじゃない?いや、身体強化が無いから空から落ちたら我、死ぬじゃん。

 

 

「でも結局濡れるのか…」

 

 

俺はびしょびしょになった服を見て、溜め息をつく。

 

 

「ここってどこ?」

 

 

骨折などの怪我は治っていた。ありがたやー。

 

 

ガチャッ

 

 

「!?」

 

 

扉が開いた。そこには

 

 

 

 

 

「「「あ」」」

 

 

 

 

 

美琴とアリアがいた。

 

もちろん裸です。

 

 

「「「……………」」」

 

 

沈黙が続く。

 

 

「えーと、一緒に風呂に入るなんて仲がいいですね!」

 

 

「「……………」」

 

 

二人は喋らない。

 

 

「ゆ、湯気で何も見えないよー!」

 

 

実はちゃんと見ました。

 

 

「「……………」」

 

 

それでも二人は喋らない。

 

 

「不可抗力だ。転生したらここだったんだって待って!!超電磁砲はアカンッ!!アリアあああァァァ!!拳銃はマジで死ぬうううううゥゥゥ!!!」

 

 

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「……………ハッ!!」

 

 

死んだ。そう思ったが生きていた。俺って結構タフだった。

 

 

「ごめん、ちょっとやり過ぎたわ」

 

 

「あたしも少しは反省してるわ」

 

 

美琴とアリアは謝る。

 

 

「いや、あいつが一番悪い」

 

 

「あいつ?」

 

 

美琴が首をかしげる。神よ、お前…………よくやった。

 

 

「うおおおおおォォォ!!!」

 

 

ガンッ!ガンッ!ガンッ!ガンッ!

 

 

「「!?」」

 

 

俺は床に頭を打ちつける。

 

 

「ちょッ!?何してるのよ!?」

 

 

ごめん、美琴!!こんな煩悩だらけの俺で!

 

 

「アリア、俺を銃で撃ってくれ!」

 

 

「す、少しは落ち着きなさい!」

 

 

ごめんなさああああい!!!

 

 

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「嘘………だろ……?」

 

 

俺はその言葉に耳を疑った。

 

 

 

 

 

「本当よ、今日はFクラスがDクラスに勝ったのよ」

 

 

 

 

 

振り分け試験、昨日で終わってた☆

 

 

「はぁ………俺はどうせFクラスだろ?」

 

 

「ええ、そうよ」

 

 

もう!うっかり自殺しちゃうだろ!

 

 

「んで、君達はAクラスだと」

 

 

「当たり前じゃない」

 

 

アリアは胸を張って誇らしげに言う。

 

 

「そういえば