後輩に絡まれる大学ライフは間違っているだろうか。 (TK@ぼっち党員)
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1話

「ここ要注意だぞ、メモしとけ」トントン

 

「と…もうこんな時間か、今日の講義はここまで、試験まで日がないから各自しっかり試験対策しとくように」ガラガラ

 

「今日も終わった〜、ちゅかれた〜」バタ-ン

 

「このあとどうする?バイトないならカラオケ行こうぜ」

 

「いいね〜、じゃんけんで負けたやつ奢りな〜」

 

「こういうのは言い出しっぺが奢ることになるんだぜ」

 

「ふん、いいよかかってこいよ」

 

「「「じゃんけん…」」」

 

八幡「はぁ〜…」

(ガキかよ…みっちり7限まで講義受けてよくそんな元気でいられるな、講義を真面目に受けてないだけか。そんなことより、俺も途中意識が朦朧としたとこまとめとかないとな…)カキカキ

 

「比企谷さん、ここ書けた?もう消しちゃっていいですか?」

 

八幡「まだ書いてるからいいですよ、後でやっときます」カキカキ

 

「わかりました。比企谷さんってよく残って勉強されてますよね、真面目なんですね」

 

八幡「真面目だったら講義中にしっかり書き終わりますよ」ハハハ

(この人よく話しかけてくるけど何がしたいのだろう、俺なんかに気があるわけでもないだろうし、あとあなたの上半身の大きなぶつで丁度書きたいとこの黒板見えないんだが)

 

「そうかもですね。あ、私今日のでわからない所があって教えてほしいんですがいいですか?」

 

八幡「イイっすよ、ただ俺がわかるところだったら」

 

「ありがとうございます。ここなんですけど、要注意って言ってたんですけど、よくわからなくて…」

 

八幡「あ〜、あの人の要注意とか重要とかあてにしないほうがいいですよ。あの人重要なとこは覚えていて当然試験は別のとこ出すってような人ですから。」

 

「え、そうなんですか…!確かに試験で参考書の端の方に書かれてるおまけみたいなのが試験で出てたような気がします。ありがとうございます」ペコペコ

 

八幡「いやいや、今までの試験で思ったことです。本当にそうかはわかりませんよ。」

(おいおい、ペコペコしてるから上半身についてる大きなぶつが揺れて大変なことになってるぜ)

 

「比企谷さんに頼ってよかったです。比企谷さんってこのあ(((」

 

「比企谷くーん、お客さん来てるよー」

 

(ん?誰だ、俺に客なんて…材木座か?)

 

「比企谷くんならあそこに座ってるよ」

 

スタスタスタスタ

 

八幡「一色」

 

いろは「せーんぱい、一色ではなくいろはって呼んでください」ダキ

 

八幡「ちかいちかいちかいちかい、久しぶりの再会で距離間も忘れたか、ちかいちかい」

(おかげさまで一色のぶつが少し背中に伝わってくるようなきがするが、ここは心をミジンコにしてみんみん鳴いておこう………ミジンコ?)

 

いろは「も〜、今朝先輩にLINE送ったじゃないですか〜『せーんぱい!今日私と帰りませんか?7限終わったら迎えに行きますね♪』って」

 

八幡「見たような見てないような…」

 

「せんぱい…ふたり、、、って………」

 

八幡「あ、ごめんごめん国松さん、それで何か話してなかったかな?」

 

「いえ、大丈夫です。そんなたいした話じゃないので」

 

八幡「あ、そう?気を使わせちゃってごめんね。」

 

いろは「そんなことより先輩帰りましょ、私先輩がいないと嫌なんですよ〜」

 

八幡「はいはい、かわいいかわいい。拾ってくれって書いてあるダンボールに入ってるねこ並にかわいいよ〜」

 

いろは「ねこ好きにはたまらない言葉なんでしょうけど、それ私って捨てられてそうって意味ですか!」プンプン

 

八幡「ちげーよ」

 

いろは「もしかして、『捨てねこは可愛くて拾っちゃうくせがあるんだよね』って言って私のことを拾って持ち帰ろうとしてますか!ごめんなさい、持ち帰られたい気持ちは山々なんですが大前提として私がなんで捨てられてるんですか、やり直してくださいごめんなさい。」

 

八幡「はいはい、ごめんね国松さん騒がしいよね、とっとと連れて帰るから」

(一色がうるさいのに俺が謝ることになるんだぜ、この世界は弱者に厳しい世界だ)

 

「いえいえ大丈夫ですよ。比企谷さんがあぁやって人といじり合いするの初めて見て新鮮でした。…あ、私が黒板消しとくので彼女さんを連れて帰ってあげてください。遅くなると何かと物騒なので」

 

八幡「え、いいんですか?すみません、甘えさせてもらいます。国松さんも遅くなりすぎないようにね」ニコニコ

 

八幡「あ、それと。彼女じゃないです」

 

いろは「私もこんなヘタレ絶対彼氏にしたくないです。こんなんだったら戸部先輩の方がましです」

 

(俺戸部より下なの…いや、戸部はいいやつだから俺のほうが下であたりまえか。久しぶりに戸部と飯でも食いに行きたいな)

 

八幡「じゃまた来週」ガラガラ

 

「はい、来週です。わからないとこ教えてもらってありがとうございます。」

 

八幡「いえいえ、また聞いてください」ガラガラ トン

スタスタスタスタ

 

「おい見たか!?あの比企谷君を女の方から迎えに来たぜ」

 

「あの比企谷君をか〜」

 

「しかもめっちゃ可愛くなかったか!?あの子選考どこなんやろうな」

 

「く〜、あの比企谷君にあの超可愛い子か〜…俺も彼女ほし〜」

 

「お前は見ためが少しいいぐらいで中身クソだからできねーよ」ワラワラ

 

「あ?言ったな!今日のカラオケお前奢りな〜」

 

「はぁ〜〜〜」ダルダル

 

(比企谷さんにあんな可愛らしい女の子の知り合いがいたんだ…先輩って言ってたし高校生の時とかの後輩さんなのかな?、、、後輩さんは『ありえない』みたいなこと言ってたけどあの感じたぶん比企谷さんに気があるよね〜、、、私…勝てるかな……………)



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2話

八幡「で、君はなんで俺の大学に来てんの」

 

いろは「さっき迎えに来たって言ったじゃないですか、先輩もしかしてニワトリさんですか?」

 

八幡「俺は3歩歩いても忘れねーよ、なんで急に連絡よこして急に来てんのって話、わかるー?」

 

いろは「先輩って奉仕部の方々にっていうか、誰にも何処の大学行くか言わなかったじゃないですか〜、そんな時にたまたま先週近くのTSUTAYAで見かけて(あ、あれ先輩かな?先輩のような〜でも先輩じゃなかったときに気まずいな〜)って思いまして声をかけずにその日は帰ったんですけど、気になって周りの大学調べてたら昨日の夜に隣の大学ってわかって〜今にいたるって感じです」

 

八幡「な、なるほど。」

(何この子、気になったから調べたって個人情報だよ、しかもそれを言ったやつがいるってことじゃんか、もう八幡人間不信になっちゃう。あと、説明長すぎ。会話好きのご近所さんかよ)

 

八幡「経緯はわかった。ただそれで会うにはならねーだろ、なんなの君産まれながらの出会い系サイトちゃんなの?」

 

いろは「誰が夜の街のキャッチか、失礼な」プンプン

 

八幡「そこまでは言ってねーよ」

 

いろは「ま、結構こう見えて心配してたんですよ〜。誰にも何処行くか言わないし、ただでさえ対人スキルないのに大学なんてキラキラしたとこ先輩が生きて行けるはずがないって」

 

八幡「お、おう。まずは行く大学を言わなくてすまなかった。俺はもうお前たちと関わる気が無かったから言わないままを選んだ。そして誰がコミュ障鼻水たらしロリコンじゃ」プンプン

 

いろは「いやいや言ってません。コミュ障もニュアンスだけですし、その他はもう先輩の被害妄想じゃないですか」

 

八幡「で、俺の大学に乗り込んで来たと」

 

いろは「そゆことです」

 

(何なのこのこ、単身で乗り込んで来て、心配してたんですよって…勘違いしちゃうじゃないですか〜)

 

八幡「ま〜なんだ、せっかく来たんだし家よってく?一人暮らしだからそこまでたいしたもてなしできねーけど」

 

いろは「やった〜、今日の晩ごはん代浮きますね」

 

八幡「人の善意をなんだと思ってんだこの後輩は」ハァ~

 

いろは「甘えられるものにはとことん甘えとかないとですよ、先輩」

 

………

……

 

いろは「先輩ってもしかして優良物件ですか?」

 

八幡「よく言われる」

 

いろは「あ、そういう冗談はいいんで。それにしても男の一人暮らしにしては部屋結構きれいだし、料理も結構美味しかったし…先輩って女性ですか?」

 

八幡「一色はニワトリさんなの?どこをどう見たらそんな結論でるの?」

(きれい好きで料理ができる男はみんな女ならこの世の男女比率は女性が圧倒的に上回っちまうだろ)

 

八幡「専業主夫志望なめるなよ、家事なんてな小学生のころから習得済みなんだよ。あの頃はよく小町と料理したりお風呂洗いしたな〜」ウルウル

(あ、やばい思い出したら涙が…小町もあと一年で進学か就職だもんな〜…あの小町がもう大人になるんだな〜………八幡許せない、小町は俺のものだ。世界中の妹は兄のものだ。…………うん、気持ち悪い)

 

いろは「あ〜はいはい、すごいですね〜」

 

(こいつ俺と小町の思い出を軽く流しやがって)

 

いろは「じゃ〜先輩、時間も時間なんで私は帰ります」

 

八幡「もうそんな時間か、あれだったら駅まで送ってくよ」

(女の子一人は怖いしな)

 

いろは「大丈夫ですよ、私を夜の街のキャッチって言ったの先輩じゃないですか〜。そんなやつに話しかけてきませんよ」

 

八幡「そうか、じゃ〜気をつけて帰れよ。あとそんなこと一言も言ってねーよ」

 

いろは「それではさよならです。先輩」ガチャ

 

八幡「おう、おやすみ」

 

いろは「はい!、、、また来ます♪」バタン

 

(なんか最後変な言葉が聞こえたような………気のせいか。それにしても高校の奴らとは絡む気なかったのにな〜、特に一色とはな………久しぶりだったからか自然に話せたな。あのとき俺がかける言葉を変えてたらまた違った世界になってたのかもな。一色ともっと自然に話せてた、一色ともっと共に過ごす時間が増えていた、そんな世界があったのかもな。でもそれを俺が拒んだんだ、今更そんなこと考えたって都合が良くて無責任で無意味なことだよな)



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3話

ピロリン♪

 

久しぶり八幡!

 

おぉ〜久しぶり、なんかあった?

 

な〜んにも、LINE整理してたら八幡の連絡先があって連絡しちゃった!

 

なるほど、戸塚とLINEなんて久しぶりだな

 

ね!僕も八幡と最近連絡取れてなくて安心した

 

俺も戸塚が俺のこと忘れてなくて安心したww

 

僕が八幡のこと忘れることなんてないよ

 

ありがと

 

いえいえ、僕今日お昼からひまなんだけど八幡もひまかな?もし八幡がいいなら一緒にテニスやりたいなって思って

 

おぉ〜、俺で良ければいつでも相手するよ、なんなら講義中だって大募集

 

流石に話聞こうよ

 

戸塚>>>>>>>>>>講義

 

う、嬉しいけどなんか複雑だね。

 

じゃ、駅前の本屋さんに13:00集合でいいかな?

 

わかった、楽しみにしとく

 

うん!僕も楽しみ!!

 

(久しぶりに戸塚とLINEしたが…死にそう、俺戸塚とデートの約束しちまった…死ぬ)

 

………

……

 

戸塚「はちま〜ん」オテテフリフリ

 

八幡「おぉ〜、久しぶり」

(やめてくれ、そんな笑顔で手をふって近づかれたら俺の命が削れる)

 

戸塚「いきなり連絡しちゃってごめんね、八幡の名前見たら連絡したくなっちゃった」

 

八幡「最近連絡とってなかったからな」ハハハ

 

戸塚「そーだよ八幡、卒業前に行く大学教えてくれててもよかったのに」

 

八幡「いやその、悪い」

 

戸塚「いいよ、言いたくないことってみんなもあると思うし、僕も八幡に言ってないことあるもん」

 

八幡「え、もしかして俺嫌われてるの…」ガックシ

(べつに人からどう思われてようがどうでもいいが戸塚に嫌われてるのは超辛い)

 

戸塚「八幡の事が大好きってことだよ」ニコニコ

 

(拝啓 お祖父様、私比企谷八幡は近頃そちらに向かいます。もう少しお祖母様とお待ちください。PS萌え死にって保険適用されますかね?)

 

戸塚「八幡、八幡ってば!」

 

八幡「は!ここはどこ、私はだれ?戸塚結婚しよう」

 

戸塚「あ、戻ってきた。そろそろ行こっか、それと同性結婚は日本じゃできないからちょっと難しいかな〜」

 

八幡「悪い悪い、冗談冗談。とりあえず俺は場所わかんねーから案内よろしく頼む」

(ん?日本じゃ難しいってことは、海外じゃ難しくないってことだよな…ってことは海外でなら結婚できるという、一種の戸塚からのプロポーズなのでは!)クハッ

 

………

……

 

戸塚「ここでやろう」

 

八幡「ここって大学だよ、しかも戸塚ここの生徒じゃないよね?」

 

戸塚「うん、そうだよ。ここにテニスしてる友達がいて、今日はコート空いてるって教えてもらってちょうどいいやってその子も誘ったんだ♪みんないたら楽しいしさ」

 

八幡「な、なるほど」

(戸塚よ…その楽しそうな発想はいいが、コミュ力ブロンズ帯の俺にはちょっと厳しい試練だ)

 

戸塚「あ、そうだ。八幡ってなんで僕がここの生徒じゃないってわかったの?僕言ったっけ?」

 

八幡「いや、言ってない。」

(ん〜、口滑ったな…どうしようか)

 

「彩加さーんお待たせしてしまって申し訳ありませーん」タッタッタッタ

 

戸塚「うぅん、僕たちも今来たところだよ」

 

「そうだったんですね。あ、初めまして彩加さんと同じテニススクールに通ってた、くにま、、、つ………えっ比企谷さん!!」アセアセ

 

戸塚「あれ国松さん八幡と知り合いだったの?」

 

「し、知り合いというか…」

 

八幡「俺通ってる大学言ってなかったけど、ここなんだ」

 

戸塚「え、そうなんだ。だから国松さんとも面識があったんだね」

 

八幡「そうなる」

(なんか言わないようにしてたけど、なんやかんやみんなにバレていってるな…戸塚にも話の流れで大学言わずに済んだのに結局言ってるし。なんか安っぽいダサいプライドでも着てんのかな俺…)

 

「比企谷さんって彩加さんと知り合いだったんですね」

 

八幡「同じ高校でクラスも一緒だったんだ」

 

戸塚「なつかしいね、高校生活って言ったらもう八幡との思い出がたくさんだね」

 

「え、そうなんですか!そ、そんなに深い中に…」アセアセ

 

八幡「深いって言い方やめない」

 

戸塚「僕は八幡とこんなに仲が深くなれて嬉しいよ」ニコニコ

 

(戸塚それオーバーキル)

 

戸塚「じゃ、国松さんも来たことだしやろっか」

 

「はい、私今度こそ彩加さんに勝ちますよ」ガンバルゾー



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4話

「あ、あれおかしいな」アセアセ

 

戸塚「どうしたの八幡、高校のときより断然うまくなってるよ」

 

八幡「それでも戸塚には勝ててないからそこまでだと思う」

 

「比企谷さんがそんな言い方したら私どうなっちゃうんですか、私二人ともに負けちゃって悔しいです」

 

八幡「俺が国松さんに勝てたのはまぐれだよ、乱数乱数、あと3回やったら3回とも負けるよ」

(何とは言いませんけどね、国松さんのぶつが荒ぶっていて精神的にとてもしんどかったですよ。あと3回もしたら国松さんのぶつがとんでもないことになりそうだからやらないけど)

 

「はげまされてる」プ~

 

戸塚「でも実際八幡テニス上手くなってるよ、どこかで練習したの」

 

八幡「テニスの王子様を読んでデータテニスに目覚めたんだよ、って言っても適当に観察してなんとなくで動いてるだけだけどな。人間観察は八幡の108の特技の一つだからな」

 

「人間観察か〜」ジ~

 

八幡「な、なに国松さん」

 

「見た目はあんまりスポーツできなさそうな比企谷さんだけど、結構プレーが様になっていて凄いなと思いまして」

 

八幡「誰がド陰キャマンドラゴラや」プンプン

 

「いや言ってません」

 

八幡「ま、体を動かせないと専業主夫として台所にはたてないからな、戸塚俺はいつでも準備できてるからな」

 

戸塚「八幡ったら」ッポ

 

「え、比企谷さんと彩加さんってそんな仲だったんですか。じゃ、あの彼女さんはいったい」

 

八幡「そうそう俺と戸塚一緒にサウナに入るほどの裸の付き合いをするほどの仲だ。」

 

八幡「あと、一色は彼女じゃないから」

 

戸塚「え、まだ付き合ってなかったの」

 

八幡「いや、付き合うも何もどっちからも矢印なんかでてねぇーから。出てくるのは罵倒だけだよ」

 

戸塚「なるほど、それが八幡は快感と」

 

「比企谷さんってドMなんですか」!!

 

八幡「いやちげーから」アセアセ

(戸塚には罵られたい、そして踏まれたい)

 

戸塚「僕はお似合いだと思うけどな」

 

「そんなに比企谷さんと一色さんって相性抜群なんですか」アセアセ

 

戸塚「抜群というか、簡単に言ったらお互いがお互いをわかってそうって感じかな」

 

「た、たとえば」

 

戸塚「そうだな、生徒会の仕事でいろはちゃんが持ってる荷物を無言で自分から持ちに行ったり、昼休みに練習してると八幡がいつもご飯食べてるとこに先にいろはちゃんが来て待ってたりしてたな」

 

「カップルじゃないですか、いやもう夫婦と言っても過言じゃない距離感ですよそれ」アセアセ

 

戸塚「多少膨らんだ話になっちゃったかもだねどそんな感じかな」

 

八幡「戸塚、俺がこんなに戸塚のことを愛しているのに戸塚はそう思っていたのか」ツラ

 

八幡「俺から言うのはあれだが、俺は一色の無言の圧に負けて荷物を持ってたんだ。自分からお手伝いなんかしたくねーよ、つか働きたくない。それとあいつが俺のとこに来るのはだいたいは面倒くさいことを手伝えとか平塚先生のグチとかで、戸塚が言うようなそんな仲では決してない」

 

「けっしてですか」??

 

八幡「け、けっして」

 

「ほんとですか」?? ウワメズカイ

 

八幡「ほ、本当だ」アセアセ

(どしたの国松さんあざと系にキャラ変えたの。国松さんが見上げるってことは、俺が国松さんを見下ろすってことだ、国松さんのぶつが視界に入ってしまってやべ)

 

戸塚「そんなことより、僕お腹空いたしご飯食べに行きたい、八幡も国松さんも一緒に行こ」

 

「はい、喜んで」

 

八幡「おう」

(ナイス戸塚、助かった)



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5話

「そうだ、比企谷さんっていつもどういう系のご飯を食べてるんですか?」

 

八幡「俺は一人暮らしだからコンビニ弁当とかで済ますケースが多いかな、気分がいい時とか雨が降ってる時は自炊って感じ」

 

戸塚「八幡それ雨の中外出るのめんどくさ〜って考えでしょ、自炊自体はいい事だけど雨でも外でようよ」

 

八幡「いや雨って嫌じゃん、ジメジメするし泥跳ねるし洗濯物乾かないし」

 

「意外に主婦目線なんですね」

 

戸塚「じゃ、今度僕と一緒に雨具買いに行こ!八幡がお外出れるように」オメメキラキラ

 

八幡「戸塚とデートはいいけど〜………」

(雨の日か〜〜〜正直出たくないな、なんなら毎日ベットで過ごしたいまである。いや待てよ、僕と一緒に買うってことはワンちゃん戸塚も買うのか?傘をさして待ち合わせをする戸塚………俺に気づき傘を持ってない方の手を胸の前ぐらいで小さく手をふる戸塚………喫茶店に入り『少し濡れちゃった』とタオルを取り出ししっとり濡れている髪にタオルを当てる戸塚………『八幡と買ったこの傘ずっと使ってるんだ、八幡と一緒に選んでお揃いにしたやつ』………少し頬を染めながらうつむき上目遣いの戸塚………ふと外を見ると雨がやんでおり店のガラスに張り付いてこちらを見る材木座………いや、最後のはいらないな)

 

八幡「よし買いに行こう、いつにする?明日?明後日?なんなら今から」アセアセ

 

「今の一瞬で比企谷さんの頭では何がおこってこんなにお外出たいっこになったんだ」ビックリ

 

戸塚「また今度にしよ、楽しいことは1日だけじゃなくこの先にもあるってなったら毎日楽しくなるしね」ニコニコ

 

八幡「その言葉で救われた命がここに」ア~トツカカミ

 

???「お、比企谷じゃないか」

 

(ん、嫌な予感が何か物凄く嫌な予感が…気づかないふり)

 

スタスタスタスタ

 

???「比企谷〜無視するな〜」

 

(絶対そうだ、100%そうだ…さらば俺の人生)

 

八幡「あ、偶然ですね。こんなとこであうなんて」ハァ~

 

戸塚「平塚先生久しぶりです」ニコ

 

平塚「もしかして戸塚か、髪の毛くくってたから一瞬わからんかったぞ〜偉くべっぴんさんになってこの野郎」

 

(わぁ〜平塚先生見ないうちに親父感ましたな〜べっぴんさんなんか言ってる人初めて見たよ)

 

「え、えっと比企谷さんと同じ大学の国松と申します」アセアセ

 

平塚「そんなに丸くならんでいいよ、君は大学生ださほど私と変わらんよ」ニカッ!

 

(気分的に変わらなくても年齢はぜんぜん違いますよね〜)

 

平塚「比企谷それ以上考えるとゴッチ式パイルドライバーが炸裂するぞ」ゴゴゴ

 

八幡「なんのことかさっぱりでごザマス」ヒャ~

(俺の寿命いくばくか)

 

平塚「そんなことより、あの比企谷が可愛い子二人も連れて〜私を煽っているのか」コノコノ~

 

八幡「声のトーンと俺の腹をゴリゴリしてる肘の威力が比例してない件についてどうお考えですか」イタイ…

 

平塚「気にするな気にするな、私達の仲じゃないか」

 

「たぶん柔道かレスリングの顧問の先生なのかな」ブツブツ

 

平塚「3人で遊んでるときにすまんな邪魔した」

 

戸塚「いえいえ、久しぶりに話せて良かったです。また今度学校にお邪魔します」

 

平塚「歓迎する。あと、比企谷は来週あたり予定開けとくように。あ、比企谷に予定が入ることないか」

 

八幡「平塚先生と同じでわたくし暇なのでお相手しますよ」ハハハ

 

平塚「言うね〜」ニコニコ

 

メキメキ

 

(最後のは聞かなかったことにしよう、うんそうしよう。)



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6話

いろは「せ〜んぱい!」ギュ

 

八幡「僕が黒板写してるのわからないの君、少しは周りの目も気にしてほしいんだけど」

(何なのこの子学校違うのにここまで来て周りに人いっぱいいるのにこんなことしてきてバカなの?俺にヘイト集まるじゃん)

 

いろは「いや〜、先輩の背中が私を引き寄せたんですよ〜なので先輩が悪いです」

 

八幡「あ〜そだね〜凄い凄い君は天才だー」

 

いろは「ちゃんと話聞いてましたか」ハァ~

 

八幡「よしできた、黒板消してくるから待ってろ」

 

いろは「もう先輩ツンデレなんだから〜」コノコノ~

 

八幡「肘でつんつんするの辞めて、力なさすぎてこしょばいの」ケシケシ

(この光景最近あったような〜、前回はもっと威力が半端なかったけどな………やめとこう、呼び出されてるんだしなんかあったときにとどめを刺されそうだ)

 

「あの、比企谷さん」

 

八幡「ん?」

 

「今日一緒にご飯食べませんか、テニスのお礼もしたいですし」

 

八幡「ぜんぜんいいのに、でも貰えるものは貰っとこう」

 

いろは「私という女がいるのに、目の前にいるのに別の女を家にあげるんですか」プンプン

 

八幡「そんなこと言わないの、付き合ってないでしょ、あと生々しいよ、八幡そんな昼ドラ系の話好きじゃないの」

 

「あの、迷惑だったら別に…」

 

八幡「ほら一色が変なこと言うから〜、ぜんぜん気にしなくていいよ、なんなら来てほしいまである」

 

いろは「先輩それは流石に気持ち悪いです、国松さん交換条件と行きましょう」

 

「交換条件?」

 

いろは「高校のときの先輩の話をするので大学での先輩を教えて下さい」コショコショ

 

「え、わ、わかりました」コショコショ

 

八幡「話終わった?」

 

いろは「はい、バッチグーです」

 

八幡「いつの時代の返事だよ」

 

「今の時代の人は使わないんだ」ボソボソ

 

八幡「そんじゃ帰りにスーパーによって帰るか、3人分も冷蔵庫に残ってなかったと思うし」

 

「比企谷さんなんかいいことありました?」

 

八幡「とくにはないけど、なんで?」ポカーン

 

「この前気分がいいと料理するって言ってたので」

 

八幡「あ〜、いや流石にお客さん来るのにコンビニ弁当ですます専業主夫はいないよ」ハハハ

 

いろは「もしかして今、お客さんと言い特別アピールして最終的には、君は僕である専業主夫が支える相手つまり奥さんなんだからって回しで口説いてましたか、特別アピールとかぶっちゃけ心踊っちゃうんですけど流石に一人のときにしてください、ごめんなさい」

 

八幡「いや口説いてないから」ハァ~

 

「え、?え…?」アセアセ

 

八幡「あ、ほっといていいから」

 

「え、あ…はい」

 

いろは「早く行きましょ先輩、今日はお肉が食べたい気分です」

 

八幡「だめです、あなたそれ以上体重増えたら見ためからもわかりそうになるよ」

 

いろは「誰がステラおばさんか!ていうか、先輩私の体重知らないでしょ、私案外軽いんですからね」プンプン

 

八幡「いや言ってないし、お前いっつも背中にのしかってくるからおおよそは把握できるわ」

 

いろは「セクハラですよ、国松さんこの変態どう痛めつけますか」プチン

 

「そ、そうですね…関節から行くのはどうでしょうか」

 

いろは「いいですね、それでは肘から行きましょう」

 

八幡「辞めて辞めて怖い怖い、話が物騒よ八幡怖い」ビクビク

(この子達急にサイコパスキャラに、最近の若い子は何しでかすかわかったもんじゃない)

 

八幡「俺が悪かった、早く買い物行こ?」ウルウル



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7話

いろは「結構買いましたね」

 

八幡「3人いるしこんなもんだろ」

(余ったらそれはそれで後から俺の腹に入るだけだし)

 

「ジャガイモに鶏もも肉にキノコににんじんにたまねぎに、何作るんですか」

 

八幡「今日の晩ごはんはカレーです」

(みんなと食べるならこれなんだよな、簡単で量作れるし)

 

いろは「カレーならミスする可能性ないから安心ですね」ワ~イ

 

「比企谷さんってカレーに鶏肉とキノコなんですね、それには深いわけが」??

 

八幡「ないよ、ただ好きなだけ」

 

八幡「じゃ、たぶん他の材料は冷蔵庫にあると思うしちゃっちゃと始めますか」

 

………

……

 

「比企谷さんってプロの方ですか」オイシィ

 

八幡「ただ切って入れて火つけただけだよ」

 

いろは「カレーに鶏肉って案外合うんですね、先輩が料理上手いの負けた気がしてなんか腹が立ちます」ムムム

 

八幡「素直に美味しいって言えよ、この後輩」

 

いろは「国松さんこれが先輩です、上に立てたら最後永遠にネチネチ来ます。面倒くさいでしょこの先輩」

 

「そ、そうなんですかね。なんか二人のやり取りを見るととても羨ましく思います、二人の築いてきた信頼みたいな」ハハハ

 

いろは「信頼のしの字もありませんよ。この人頼んでも文句ばっか言ってきて、あれがなんやこれがなんやって最終的には手伝ってくれるんですけどいちいちめんどくさいんですよ」ハァ~

 

八幡「よ〜しわかった。じゃこれから一色の頼み事は全部手伝わんからな」

 

いろは「やだな〜、嘘に決まってるじゃないですか〜。私と先輩の仲じゃないですか〜これからも手伝ってくださいよ〜」

 

「頼る気まんまんなんだ」ハハハ

 

八幡「都合がよろしいことで」ハァ~

(って言ってもなんやかんや助けてしまってるしな、たまには一色一人で解決してほしいもんだ)

 

いろは「そうだ先輩」

 

八幡「ん」??

 

いろは「私と国松さん今日泊まるんでよろしくです」

 

八幡「了解」

 

八幡、国松「「は」」!?

 

八幡「何言ってんの」ビックリ

(泊まるってひとつ屋根の下で一緒寝るってことだよな、この子何を言っているんだ、バカなの)

 

「そですよ、急に泊まるって比企谷さんにも迷惑に」アセアセ

 

いろは「いいじゃないですか、それに二人っきりじゃなくて三人いるんだから大丈夫でしょ」

 

八幡「お前な」ハァ~

 

いろは「ただでさえヘタレな先輩なんですから大丈夫でしょ、それともあれですか、襲う気まんまんなんですか」キモチワルイ

 

八幡「襲わねーよ、そこじゃなくて世間体とかさいろいろあるだろ、国松さんからもこのバカに言ってよ」

(この子正気なの、自分でやばいこと言ってるの自覚してる)??

 

いろは「国松さん」ウィンク

 

「………お泊りしましょう」!!

 

八幡「国松さん」エ…

 

いろは「ほら先輩国松さんもお泊りしたいって言ってますしお泊りしてもいいですよね」オメメキラキラ

 

「比企谷さん、私からもお願いします」オメメキラキラ

 

八幡「………」

(この子達マジで言ってるの、やばいよ君たち。一人暮らしの男の家に泊まるってもうそれ犯罪よ、いや襲わんけどさやばいよ、マジで。)

 

いろは「先輩」オメメキラキラ

 

「比企谷さん」オメメキラキラ

 

八幡「………」ハァ~

 

八幡「君たちはベットとソファーで寝な、俺は台所で寝るから」ハァ~

(なんで、なんでこうなったんた)



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8話

八幡「起きろ」オ~イ

 

いろは「ん〜、、あと5分〜」スヤスヤ

 

「ん、」オメメスリスリ

 

八幡「おはよ国松さん、ごはんとパンどっちがいい」

 

「パンが、いい、、です」オメメスリスリ

 

八幡「わかった、悪いけど横のバカ起こしといてくれ」

 

「わかりました、一色さ〜ん朝ですよ〜」

 

いろは「う、うぅ…お、おはようござい、ます」ファ~

 

八幡「一色も国松さんもタオルおいてるから顔洗ってきていいよ、場所はわかるよな」

(く〜八幡気が聞いてやっさし)

 

………

……

 

いろは「そういえば先輩、なんでパンとおかずなんですか?カレー余ってましたよね」

 

八幡「せっかくのお泊まりだし朝は朝の食事をしたいと思ってな」

 

いろは「先輩たまにカッコいいこと言いますよね」コノコノ

 

「あ、そういえば比企谷さんベット借りてしまってすみません」ペコペコ

 

八幡「あ〜いいよ、俺寝袋案外好きだから」

 

いろは「一人で閉じこもっちゃって〜」

 

八幡「次からベランダで寝てもらう」

 

いろは「やだな〜、冗談じゃないですか〜」アセアセ

 

「比企谷さんってどうしてこんなに料理が上手なんですか、私より断然美味しいし盛り付けも上手ですよね」

 

八幡「あ〜、小学校のころ親が仕事でよく小町…妹とご飯作ったり風呂洗ったりしてたから家事はだいたいできる、ま〜俺が作るのはシンプルなものばっかだけどな」

(今日だって食パンにウインナーとスクランブルエッグとサラダだ、焼いて葉っぱ乗せて終わり。誰でもできる3分クッキングだ)

 

「へぇ〜、妹さんと仲いいんですね」

 

いろは「そういえばお米ちゃん元気ですか」??

 

八幡「米じゃねーよ、LINEする分には元気そうだよ、まぁ〜あいつ受験生だからそろそろ忙しい時期になるとは思うけど」ハチマンシンパイ

 

いろは「元気そうならいいです、てか妹とそんな頻繁に連絡とるんですね」コノシスコンガ

 

八幡「聞こえてるよ〜、心の声聞こえちゃってるよ〜、そもそも千葉のきょうだい全てシスコンでありブラコンなんだよ」

(ほら川なんとかさんとか弟大好きすぎて毎日お弁当作ってるじゃん、千葉のきょうだいはそんなもんだろ)

 

「そんなに妹さんのこと大好きなんですね、ちょっとあってみたいです」ワクワク

 

八幡「俺が言うのもなんだが小町は可愛い世界一可愛いからほんといやマジで、それであいつ俺より家事できるからな〜、マジで養ってほしい」

 

いろは「専業主婦どこ行ったんですか先輩」ハァ~

 

八幡「家事はするよ、するけど働いたら負けじゃん、やらないでいいなら俺は積極的にやらない」キッパリ

(やらなくていいものをやるってそれアホだよ働いたら負けだよ、ってことで俺は全敗だよ。だってどうせ頼まれたら断れないもん。ほんと俺って親切でいい男だよな〜)

 

いろは「やれやれ」ハァ~

 

「そろそろいい時間なので準備して行きますか」

 

いろは「じゃ〜食器洗いは帰ってきた先輩へのおすそ分けってことで行きましょう」レッツゴー

 

八幡「君おすそ分けって言葉の意味理解してる」??



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9話

八幡「ねぇ〜、なんで俺挟まれてんの?他の座席とか空いてるじゃんそっちに座りなよ」

(周りの視線が気になる…なんで電車まで隣どうしなの、昨日あんまり寝れてないから寝たいんだけど…)

 

いろは「いいじゃないですか、こんな可愛い子が両方に座ることなんてそうそうないですよ、今のこの状況を楽しんでください」

 

「か、可愛い…かな………」エヘヘ

 

八幡「はいはい、あんまり騒がない」

(周りの視線がとても痛いの)

 

(なんでこの子達こんなに元気なの、人の家で熟睡しすぎだろ、おかげでこちとら寝不足なん…だよ……)

 

………

……

 

「比企谷さ〜ん、もうすぐ駅につきますよ〜」

 

八幡「ん、あぁ〜…」オメメスリスリ

(いかん、寝ちまってた)

 

「おはようございます、すみません昨日私達がベットを独占しちゃって」

 

八幡「いや大丈夫だよ、所で一色は」??

 

「一色さんなら2駅前に降りましたよ。起こさないようにって優しさだと思います」

 

八幡「そうなんだ…」

(疲れてるから寝かせてくれる、一色も成長したな〜)

 

(あれ、LINEが2件きてらー、一色と…平塚先生か)

 

(一色のは〜…は!?俺の寝顔の写真!!、俺の寝顔はぜんぜんええが国松さんの肩に寄りかかってんじゃん!!やっべ)

 

八幡「ごめん国松さん、もしかして肩に寄りかかってた?」アセアセ

 

「いえいえ大丈夫ですよ、あまりにも気持ち良さそうだったので私も眠くなっちゃいますました」エヘヘ

 

八幡「本当に申し訳ない」ペコリ

 

「ほんとに大丈夫ですよ、ほらつきますよ行きましょう」

 

八幡「すまん、ありがとう」

(あっぶねぇ〜、国松さんが優しくなかったら俺処刑されてたぜ、あと一色はぜんぜん優しくない、許さん)

 

(あと平塚先生からもLINE来てたな…見たくないな、現実を受け入れられない…)

 

おはよう、ちゃんと1限から出席してますか?

来週の金曜日お時間ありますか、もしよければ晩ごはんを一緒に食べませんか?

 

来週の金曜日わかりました

できる限り予定を空けるようにします

先生とのご飯楽しみだなー(棒)

 

(最後の必要だったか?ま、いいか)

 

「れいの先生ですか」??

 

八幡「そ、出頭命令でたから行かないといけなくなってしまった」ダルイ

 

「出頭命令ですか、でも大人の女性とお食事なんていい経験なんじゃないんですかね」

 

八幡「普通の余裕ある女性ならね…」ハァ~

 

「ま、まるで余裕がないような言い回しなんですね…」

 

八幡「だって毎回ぐちばっかだもん。いい男がいないだの、また知り合いの結婚式に呼ばれただの、親に結婚しろって言われただの。あの人にプライベートの余裕なんてないよ」

 

「そ…そうなんですね………」

 

八幡「早く誰か貰ってやってほしい、じゃないと俺が貰わないといけなくなる」ハァ~

 

「………え」!?



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10話

(結局講義中ずっと寝ちまってたな…)

 

(あのあと国松さんは、一人でぶつぶつ歩いて行って、今もぶらぶらさせながら黒板消してるし、一色のバカはLINEよこすだけよこして、俺からのLINEは既読つけねーし)

 

(そんなことより黒板が消える前に書くか〜)カキカキ

 

「あ、あの比企谷君」チョンチョン

 

八幡「ん」?

(こいつらは体力底なしのバカそうな3人組か、名前覚えてねーし3バカでいいや)

 

八幡「俺の肩に何かついてた」?

 

「このあいださ比企谷君を訪ねてきた女のこいたじゃん」

 

八幡「このあいだ………一色か」

 

「そ、その一色さんなんだけどさ………」モジモジ

 

「早く言えよ」ヒソヒソ

 

「もじもじしててもかわんねーぞ」ヒソヒソ

 

「え、と…その、一色さんと比企谷君はどういうか、関係なんですか?」アセアセ

 

八幡「どういうって………」ウ~ン

(このバカ1号はたぶん一色に気があるんだろうな。だが俺のサイドエフェクトで見える未来には…)

 

ぽわぽわぽわ〜ん

 

「一色ちゃん今日は楽しかった?」

 

いろは「はい、バカ1号さんの紹介してくれたカフェ、とても雰囲気よくて夜の街とベストマッチで、心躍りました」

 

「そ、そう。よかったよ」

(よし、絶対脈ありじゃん!持ち帰れるぞ!そして俺は!!)

 

「ところでさ、一色ちゃん。このあと寄りたいところがあって…どうかな」キメ

 

いろは「バカ1号さんの紹介してくれるところ、ぜひ行きたいんですけど〜、私門限があって〜、そろそろ帰らなくちゃいけないんですよ」ウルウル

 

「そ、そうなんだ…ま、またの機会にしようか」

(女の子は門限とか厳しいのか、俺も娘ができたら絶対に門限とか決めそ〜、だって一色ちゃんとの子供だぜ、可愛いに決まってんじゃん。そんな子を夜遅くまでなんて、考えたくもない)

 

「じゃ、家までおくるよ。何があるかわからないからね」キメ

 

いろは「え〜、いいんですか〜?私の家ここからだと結構遠くになっちゃうんで、おくってもらうなんて悪いです」

 

「いいよ、何かあってからじゃ遅いからね、なんならタクシーを呼ぼう」スマホポチポチ

 

いろは「え〜…いいのに〜………ッチ」

 

「ん?」

 

いろは「何かありましたか?」

 

「いや気のせいだよ、あと3分後にくるみたい。ちょっとまっててね」

(これで一色ちゃんの家がわかれば、いろんな事ができるぞ…)ウヘヘ

 

いろは「は〜い……………あ、」タッタッタ

 

「え!一色ちゃん!」

 

いろは「はやませんぱーーーい!!!」ダキッ

 

葉山「あれ、いろはこんな時間に一人?」

 

いろは「そ〜なんです。友達ったら先に帰っちゃって〜、なので葉山先輩送ってください」ニコッ

 

葉山「仕方ない、こんな時間だしな」サワヤカー

 

「あ、あああ…ああ………」ガク…バタン

 

 

 

(うん、こうなるね。あまり甘い期待を残したらこいつが立ち直れなくなるかもしれないしな〜、でもここで彼女って言うのも一色に悪いしな〜、上手く間を攻めた事を言わないとな…)ウ~ム

 

八幡「こ、高校の先輩と後輩………以上の、関係かな」ハハハ

 

バコーン!!!

 

八幡「く、国松さんどうしたの」ダイジョウブ?

 

「大丈夫です、足がもつれちゃって黒板に頭が当たっちゃって、お騒がせしました。」アセアセ

 

八幡「き、気をつけてね」

(当たっちゃったって音じゃなかったぞ、まるでヘッドバットをかましたような………というか足がもつれただけだったら国松さんには大きな2つのクッションがあるから、あ〜はならないと思うが…)イロンナイミデシンパイ

 

八幡「ま〜、そんな感じなんだけど何か聞きたいことでもあった」?

 

「いや、いいよ……ありがとう」

 

「よし、今日は俺の奢りだ」

 

「俺も奢るぜ、何食べたい」ワイワイ

 

「お前たち…」ウルウル

 

(わ、悪いことしたのかもな…でも、仲のいい友達がいてよかったな。3バカよ永遠なれ)



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11話

ガラガラ、イラッシャイ

 

平塚先生「おぉ〜比企谷こっちこっち」

 

右手を上げて子供のように笑顔で手をふる先生は何度見ても見慣れないものだ

 

八幡「こんばんわ…お久しぶりですね先生、それとその手をふるの恥ずかしいのでやめてください」

 

平塚先生「まぁ〜まぁ〜、座れ座れ…今日君と話せるのを心待ちにしていたよ」

 

もうお酒が回っている先生は上機嫌で、どこか歳を感じるような雰囲気だ

 

八幡「それはそれは、嬉しい限りです」トホホ

(前回は先生がぶっとうしで3時間話してそのまま寝たからな、今日はいったい何時間かかるのだろうか…)

 

平塚先生「とりあえず飲もう、君は何にする」

 

メニュー表をこちらに向けて注文をうながしてくれる、一通り各種酒類に目を通しパタリとメニュー表を片付けぎこちない笑顔を作る

 

八幡「そうですね〜…俺まだ19なんで烏龍茶で」

 

平塚先生「そうか君の誕生日は来月だったな、それじゃー烏龍茶1つと生1つと皮とももを3本ずつ、あ〜、こいつの分一本づつにはネギ抜きで」

 

八幡「いや〜僕のことわかってますね〜」

(さり気なく誕生日も覚えていて、八幡的にポイント高い!)

 

平塚先生「そりゃー君との付き合いは長いからね」

 

(同席している人の好みがわかり、気遣いもできる…なんでこの人独身なの…つか俺のこと知りすぎで少し引きそう、これが原因なのか?)

 

ビールをあおぐ先生はいつもカッコよく、決まって生徒の悩みを聞いてくる

 

平塚先生「君の大学生活はどうかね」

 

八幡「どうって言われても、去年と同じただ講義受けて、バイトして変わりバエのない日々を送ってますよ」

(そう俺は去年の1年間ほんと変わりバエのしない1日を過ごしていた。講義を受けバイトして泥のように眠る、俺はなんでも1人でこなし、1人以上の成果を上げていた。大学でのランキング、バイトの売上すべてが上手く行き上に上に登りつめていた)

 

八幡「しいて上げるなら、焦らなくなったことですかね」

 

なぜか、スッと出た答えに平塚先生は一瞬驚き、すぐにいつもの顔に戻る。戻らないのは俺の気持ちだ、俺は俺で自分から出た答えに驚いている。なぜその答えが出たのかわからず、言葉にするのが難しい。

 

平塚先生「それはどういう」

 

平塚先生は俺の言葉を待つようにゆっくり問てくれる。それに答えるように俺も考えながら、ゆっくり言葉を絞り出す

 

八幡「そうですね、あの頃の俺は何かから逃げるために、勉強やバイトをひたすらしてました。ですが今は心に余裕が持てていると思います。ただひたすらに自分の居場所から逃げている日々が、自分の居場所を作る日々に変わってきていると思います。変わった理由は、わかりません。自分が変わってしまったのか、自分が変えられてしまったのか、今の俺にはわからないことだらけです。でもその理由がつかめたとき、また一歩踏み出せる気がします。」

 

平塚先生に伝えるために必死に考え絞り出した答え。わからないところはまだまだある、ただ先生に聞いてほしい一心で発した言葉はきっと平塚先生に伝わっている、そう思い覚悟を決め、顔をあげた

 

八幡「そんな感じじゃないでしょう、かって」

 

平塚先生「スー、スー」スヤスヤ

 

八幡「いやここまで話させといて、あんた寝てんのかーい」

(あ〜なんだろ超はずい、俺の思いとか気持ちとか出しといて、話し相手寝てる、また同じ話をする。もう〜、1回で聞いてくれよまじで…)トホホ

 

………

……

 

平塚先生「比企谷、水をくれ」オメメスリスリ

 

2時間と20分寝た先生からは、酒がぬけしっかりとした顔だちになっている。仕事を頑張って倒れそうなさっきまでの顔からは人が変わったかのようにキレイだ。何か心の不安が消えたような

 

八幡「どぞ…それで、先生はどこまで話を覚えてますか」

 

平塚先生「そうだな…」 

 

椅子に深く腰をかけ直し、俺の顔を見つめてくる

 

平塚先生「すべて覚えているよ。君は気づいていると思うが私から見てもいい方向に変わっている。私から変わった理由を言うことも可能だが、今の君には必要ないな。君は成長したよ。何度もいうが、君は成長している。それは君自身の力であり、君自身では生み出せなかった力だ。彼女達のおかげであり、君の頑張りだ。誇りたまえ」

 

八幡「はい………さっきまで寝てた人に言われるとなんか、むずがゆいですね」

 

平塚先生「そうか失礼失礼」

 

ポケットからタバコを取り出しながら、そう言う先生はサマになっていてどこかカッコよく見える。

 

カシュ、カシュ、

 

平塚先生「オイルが無くなったな…」

 

先生はどこか悲しげな面持ちでそうつぶやく

 

八幡「買ってきましょうか」?

 

先生は少し悩み、首を横にふる

そしてライターを握った手を俺に向ける

 

平塚先生「君に私の特注品をやる」

 

八幡「いやいや、俺まだ19ですし吸う予定ないですよ」

 

両手をひらひらさせ断る俺を押し切り、先生はライターを握らせる

 

平塚先生「吸っても吸わなくてもいい、それは君が決めることだ。ただ私は君にこれを持っていてほしい。それは善意や悪意などといった感情じゃなく、君という人に私を託したい、そう思ったからだよ」

 

平塚先生の顔は俺を見ていて、さらに奥に何かを見据えているように見えた。どこか覚悟を決めたような、一人の女性の目をしていた。

俺は平塚先生に何かあったのだと直感した。聞いていいのか…わからない………

 

………

……

 

八幡「ごちそうさまです」

 

頭をさげる俺に手を乗せる先生

 

平塚先生「おう、頑張りたまえ」

 

八幡「はい、先生も婚活頑張ってください」

 

平塚先生「あ、私来月結婚するから」

 

八幡「は」???

 

 

 

今回11話に入ったと言う事でセリフ以外の描写も入れてみたんですが、とても難しいです。書いてはみたんですが自分なりに納得しにくくとても厳しいです。でもこれからも頑張ってみます。もし気持ち悪い、前までのほうがいいと言う方がいたら言ってください。これは僕の挑戦みたいなところがあるので、この作品じゃなくてもできます。もしよかったら、少しお付き合いください。



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12話

いろは「先輩こんなのはどうですか?」

 

八幡「お前俺の話聞いてた?結婚式は新婦が主役だから俺ら脇役はそんな派手な服は着ないの、返してきなさい」シッシッ

たく、なんで俺が日曜日を返上して買い物なんかに…日曜日はプリキュアあるから忙しいっていうのに…

あのバカは、え〜せっかくなら可愛くしたいのに〜とかわけもわからんこと言いながら服探してるし

 

八幡「あのね君、普通こういうのは家族と決めるものなんだよ、なんで俺が選ばなきゃいけないんだ」ハァ~

結婚式の服装とか普通家族と決めるだろ、つかなんでよりにもよって結婚から真反対の俺を服選びにつれてきた、わかるわけがないだろ

結婚というのは人生の墓場だ、何かをしようとしてもパートナーへの報告連絡相談、なぜ家で社会と同じことをしなくてはならないんだ。人が真面目にプリキュア見てるときに番組変えやがるし。それでも人間か!このキュア八幡が退治してやる!プリキュア八幡ドリームアターック!

 

いろは「だって今家族は実家に行ってて、誰も家にいないんですもん。………ていうか今、家族が選ぶものっていって遠回りに俺が選ぶってことは俺は一色と家族になる、みたいなノリで口説いてるんですか、実際家族にってノリはなんかロマンチックで良いんですが、先輩が言うとなんか気持ち悪いので他の言葉でお願いします、ごめんなさい」ペコリ

 

八幡「いやいやどこをどう聞いたらそんな話になるの」アキレ

そんな話をしながら一色は、ぶつぶつ言いながら体にエプロンを当てては、なんか違うんだよな〜って言いながら別のエプロンを取ってはそれを続けている。

君何を買いに来たの?平塚先生の結婚式に着る服だよね?何かどころの話じゃないよね。君エプロンで結婚式出席しちゃうの?そんな格好で行ったら絶対に厨房のスタッフに間違えられちゃうよ?

 

ライン!

 

せわしなくエプロンを観察する一色から目をはなし、ポケットからスマホを取り出す。ロック画面には体育祭の時に撮った戸塚の学生服姿と、店の前ついたよ!という戸塚からのLINEが来ている。

 

俺は一色にちょっと迎えに行ってくると伝え、その場を後にした。

だってあそこ怖いんだもん。おば様方は横目で俺のこと超睨んでくるし、学生さんたちはヒソヒソ話しては笑ってるし。何これ、なんてハードコアなの。八幡耐えれない。そんなに意味有りげに見つめられると、心に眠るプリキュアの力が目覚めちゃう。そしてすぐに堪忍袋の緒が切れました!って怒り出しちゃうのっ…て、それキュア〇〇〇〇〇やねん。危ない危ないあとちょっとで、〇〇〇ブロッサムが出てくるところだった。

 

戸塚「あ、はちま〜ん!」オ~イ

そこには、俺に気づくと大きく手を振り、近寄ってくる美少女がいた。

 

八幡「おう」

俺は軽く胸ぐらいの高さまで右手を上げ、挨拶をかわす。それを何が狂ったか、イェーイと戸塚が小さな手のひらを、軽く上げていた俺の手のひらに合わしてきた。

ズキューン!11時23分、比企谷八幡の心臓は活動を停止した…



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13話

戸塚「いろはちゃん久しぶり」

戸塚は俺のときと同じように手を上げて挨拶をしている

 

いろは「戸塚先輩お久しぶりです、戸塚先輩も服を買いに来たんですか?」

戸塚は、そうなんだ〜と答えながら一色と並んでエプロンを手にとって見ている。戸塚がエプロンとか犯罪的な可愛さだろ!

 

いろは「せんぱ〜い、私わかんないんでちょっと選んでみてください」

 

八幡「何なのその、お前の実力見せてみろみたいな言い方、大雑把にしかわからんが」

やっぱ白貴重だよな、でも真っ白ってのも新婦に被るからそこまで白を攻めすぎるのも良くないしな。

 

八幡「どっちでもいいんだけど、この薄いピンク色のワンピースに白の羽織物とかでいいんじゃね」

俺が持ってきた2種類のワンピースを見ながら、一色は面食らったように佇んでいる。

 

いろは「せ、先輩がまともなもの持ってきた」

目を見開いて口をパクパクさせる一色と、おぉ〜と感心して目を輝かす戸塚、そんなに戸塚に見つめられちゃうと、開いてはいけない扉を開けそうになっちゃう

 

戸塚「八幡、この無地のワンピースと、少し薔薇の模様が写ってるワンピースを選んだ理由ってあるの」?

戸塚は顎に指を当て、どっちも可愛いと眺めている

 

八幡「色は適当だな、白のワンピースよりは主張が抑えられていて、一色に合いそうだったから。柄は、ピンクの薔薇の花言葉が感謝だったから、生徒会で無茶できたのは平塚先生のおかげでもあるから感謝の気持ちを込めるための薔薇柄だな。無地が候補にあるのは、薔薇は攻めすぎかもって思って…ま、決めるのは一色だから」

なんでこんなに気持ち悪いほど考えてるんですか〜と、ぶつぶつ言いながら手にとって、こっち…それともこっち…と何往復も続けている。一応俺が候補に出した2つで悩んでるから、俺の考え方には間違いはないようだ。

 

戸塚「いろはちゃんのことをしっかり考えながら立場をも忘れない、八幡はやっぱり凄いよ〜」

両手を胸の前でグーにして力強く褒めてくれる戸塚に惚れない男はいない。戸塚はもしかしたら天下をも取れる逸材なのではないかと思う今日このごろ…

 

一色はまだぶつぶつ言いながらエプロンを見ている。いや結局エプロンなのね君、まいいけど

 

戸塚「よし、今度は僕たちの服だね」

え?戸塚はエプロンじゃないの?戸塚が毎日エプロンで俺の帰りを待っていてくれるなら、俺はどんなブラック企業でも生き続けることができそうだ。結婚は人生の墓場?笑わせるな。戸塚以外の結婚相手なんて認めない。ゴッドオブゴッドの戸塚以外に花嫁衣装が映える人なんて存在しないだろう。

いや、今のはべつに平塚先生にどうこういったわけじゃないから、ただ戸塚が可愛いそれだけだ



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14話

戸塚「八幡はどんな服にするの」?

頬に人差し指をつけてどれにするか悩んでいる様子の戸塚

 

八幡「今回は親戚のを借りようと思ってる」

戸塚はなるほど…とつぶやきたくさんの服を見ながら悩んでいる。その姿はどこかかっこよくもあり、可愛くも見える。将来良い母親になりそうだな…

 

八幡「戸塚なんならこの水色のワンピースはどうだ」?

戸塚に合いそうな薄い無地のワンピース。そこから見える戸塚の白い肌は頼りなく、そしてすべてを支える力を持っていそうだ。

うん、だめだ。こんな姿で結婚式に行ったら絶対にだめだ。会場にいる全ての男が惚れ、女は見惚れることだろう。ワンピース姿の戸塚は俺だけのもの、俺以外には絶対に譲らん。俺この結婚式終わったら、ワンピース姿の戸塚と海でデートするんだ。それまでは絶対に死ねない。俺は生きて帰る。

 

戸塚「も〜八幡ったら、僕もちゃんとした男の子なんだから。ちゃんとした礼服着ていくもん」

少しほっぺたを膨らませ俺の胸をポカポカ叩く。良い気持ちいい、軽く30回は死ねる………いかんいかん

 

八幡「そうだな、礼服持ってないからスーツで行く人いるけど、あれってあんまりよろしくはないらしいぞ。ほんとに準備できんなかったら、できるだけ黒いものにしたらいいらしいぞ」

 

戸塚「そうなんだ!今日八幡が服選びに呼んでくれてなかったら僕大変だったよ。八幡は何でも知ってるんだね」

 

八幡「何でもは知らないぞ、知っていることだけ」

どっかのアニメで聞いたようなセリフだな。

 

………

……

 

戸塚「八幡どう?カッコよくキメれてる」?

礼服を着た戸塚が萌え袖で訪ねてくる

 

八幡「おう、かわ…カッコイイぞ、あとは裾を調整だけだな」

調整しなくてもいいよ、俺が死ぬだけだから

 

戸塚「せっかくなら八幡も作ろうよ、大きさは変わるけど僕と同じのにしようよ」

俺の手を両手で包んで上目遣いでそう言う戸塚

 

八幡「作ります」

もうね、ずるいよね。戸塚に言われたらツボでも何でも買っちゃいそうだ。あれと同じだ、孫に何でも買っちゃう祖父母

 

………

……

 

いろは「やっぱり服選んだんですね、先輩は戸塚先輩の言う事断れないから」

耳元に手をあて核心をついてくる一色。もう片方の手には紙袋を2つ握っている。

 

八幡「うっせ、てかお前結局エプロン買ったの」

なんとか下さんのように眉間に指をおさえ、呆れ半分で言葉が出ていた

 

いろは「いいじゃないですか、これすっごく可愛かったので似合うと思うんです」

袋を持ち上げ誇らしげに胸を張っている

 

八幡「似合うじゃなくて、似合うと思う…か、いいんじゃね」

 

いろは「はい!これでいいんです、何かご飯食べてから帰りましょう」

右手を上げてレッツゴーと行って進んでいく一色を、戸塚と二人並んで追いかける



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15話

俺と戸塚と一色は招待状を片手に、結婚式専用の式場にやって来た。挙式を先に親族だけで終わらしていたらしく、俺達が参加するのは披露宴と二次会だけだ。ま、二次会なんて行くわけないんだがな。いや、あのての集まりって読んでないやつが来たときの空気半端じゃないから。

 

式場に到着すると、スタッフさんたちが案内してくれ、すんなり会場に到着することができた。その途中に招待状だったり、いろいろやったが、スタッフさんの素早い仕事で、トントンと席まで行けた。

 

席には5つの座席があり、ネームプレートが置いてある。左右を開けて正面に一色と戸塚の席がある。ネームプレートには、流石現代文の先生と言うべきか、きれいな字でフルネームが書かれている。俺以外は。一色と戸塚は、平塚先生の字ってかっこいいよねと話しているが、その会話に俺は入るに入れない。

だって俺のネームプレート…『きみ』だもん…

何これ、新手のいじめかな?八幡言いつけちゃうぞ!と、心でつぶやきながら隣の席を確認する。

 

いろは「やっぱり、先輩方二人とも来るんですね」

俺の視界に顔を覗かせ、少し笑みのある顔をする。なんだかんだ大変だったが、また会えるのが楽しみなんだろう。大学がはなれていたら滅多に会う機会に恵まれないからな。ま、どっかの誰かさんは俺がいる教室まで、ドカドカ入って来るけどな。なんなら俺の部屋まで来て、料理に文句つけて帰るまである。なんてひどい人!その人の顔が見てみたいわ。

 

戸塚「結衣ちゃんに雪ノ下さんか、懐かしいな〜」

戸塚もまた、顔を覗かせネームプレートを見て楽しげに話す。入りたいけど入りづらい。みんなもそうでしょ、女子二人で話してるところに入りに行く勇気なんて八幡にはないよ。ん?戸塚は男?知らん知らん!

 

俺の頭の中の天使の八幡と悪魔の八幡が戸塚論争を繰り広げているとき、後ろから透き通った声が響いてくる。

 

雪乃「久しぶりね比企谷君。2年も経つとあなたも、少しはまともに見えるようになったのね」

 

八幡「おかげさまで」

久しぶりに会ったのに、なんでちょっと強めのジャブから入ってくるのこの方。八幡のガラスのハートが射抜かれちゃう。射抜かれるのかよ。それなんて、ドM

 

結衣「ヒッキーにいろはちゃん、さいちゃんもやっハロー」右手をヒラヒラさせていつものバカっぽい挨拶をする由比ヶ浜。それそろそろやめたら…こっちが恥ずかしい

 

戸塚「うん…や、やっハロー」

右手を上げ少し顔を赤らめて、由比ヶ浜に挨拶をする戸塚。何それ可愛いもっと流行らそうぜ。

戸塚もそろそろ、その挨拶きつくなり始めてるぜ、歳って感じだな〜。いやべつに平塚先生に嫌味言ってるわけじゃねーから。実際にこうやって俺たちを結婚式によんでくれているし。いい先生だよ。ほ、ほんとだよ?八幡嘘つかないもん

 

雪乃「あら、比企谷君のネームプレートはおしゃれね」

俺のネームプレートを手にとり、勝ち誇ったかのように笑みをこぼすなんとか下さん。

 

八幡「ほっとけ」

雪ノ下は俺のネームプレートを、机に戻すと女子四人で世間話を繰り広げだした。久しぶりってこともあり、四人とも高校のときの話や、大学での話で盛り上がっている。

ていうか今初めて知ったんだけど、由比ヶ浜大学行ってんだ…由比ヶ浜なんて2メートルを140cmって言ってもおかしくないぞ。俺の中での由比ヶ浜と現実での由比ヶ浜って違うの!?案外勉強できる説。総武高にも合格したんだしな…そうなのか…

いや、俺ひどいこと考えてるな忘れよ。

 

「ご会場にお集まりの皆様、今回司会進行を務めさせて………

 

マイクからスタッフさんの声が聞こえ、おのおの自分の席に着席する。

あと数分で俺らの恩師の晴れ舞台の幕が開かれる。



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16話

扉が開かれそこには平塚先生と新郎が立っていた

平塚先生は客観視、とてもキレイでスタイル抜群、どこかのモデルと言ってもおかしくないだろう。隣には、そんなキレイな先生にも引けを取らないスタイルの新郎さん。少し痩せ型にも見える体型だが、軽く運動をしているような肉付きでこちらも、モデルのように見える。先生からの話だと、高校のときの先輩だそうだ。卒業後は疎遠だったようだが、数年前から新郎の方から積極的にアピールがあり、今に落ち着いたようだ。

 

白のタキシードを着た新郎とウエディングドレスに身をつつむ平塚先生。いつも身につけている白衣とはまた別の白い生地で、自分が知る平塚先生はそこにおらず、その違いにたくさんの思いを感じ席につく俺ら5人は見惚れていた。誰もが自分のウエディングドレス姿を意識するだろう中先生はまっすぐ先を見据えていた。それはまるで、何かを変えるための覚悟の現れにも見て取れる。扉の前で会場に頭をさげ一歩、また一歩と歩をすすめる。

 

会場にある各席一つ一つに行き、挨拶をする。

ある席では平塚先生が笑みをこぼし、少し困ったように笑っている。あの席に座ってる美人って陽乃さんじゃん。じゃその隣に座っている和装のお方は…ママンまで来ている。あそこって案外交流があるんだな。陽乃さんの隣には、これまたイケメン葉山隼人君が座っている。何あそこ、他とは別次元の華が開花してんだけど。童話で例えるところの、スイミー並みに目立っている。格付け決まっちゃったよ。あそこ絶対に一流芸能人だよ、その周辺が普通で〜………俺?映る価値無しってより、皆の視界にそもそも入らないまである。俺は影だ。光が強いとまた、影も濃くなる。頭の中で幻のシックスマンを演じていると、会場の視線が俺たちに集まっていることに気づいた。そして、それに応じて足音が近寄ってくる。

 

俺らの席に近寄る平塚先生。その歩んでいる姿はカッコよく、機関銃でも持たせたい気分だ。

平塚「君たち、来てくれてありがとう」

ゆっくりと一言一言、温もりのある言葉で挨拶をする先生。由比ヶ浜→戸塚→一色→雪ノ下、一人一人と目を合わせ最後に微笑む。あれ、俺は?俺の顔見ないの?俺と目が合っても何も害ないよ?あれれ…?

 

平塚「久しぶりに君たちの顔を見れて嬉しいよ」

5人それぞれにたくさんの思いや心配をしていたのかもしれない。その言葉には安堵の気持ちが感じ取れる。

 

雪乃「はい、私も平塚先生とこのような場でお顔を合わすことができ、てとも嬉しく思います。改めてご結婚おめでとうございます」

この中で1番まともな雪ノ下が、初めに挨拶しやがった。このあと誰がしめるんだよ。

 

いろは「平塚先生、私が生徒会でたくさんとイベントができたのは平塚先生のおかげです。たくさん無茶をしましたが、平塚先生のフォローのおかげでどのイベントも大成功しました。本当にありがとうございます。平塚先生にプレゼントを用意してるんで後で持って帰ってください」

あれ?案外まともなことをおっしゃっておられる。途中のは前俺が言ったやつだけど。ま、服からもわかるように薔薇柄で本当に感謝の心が感じるんじゃね?しらんけど

 

結衣「平塚先生、平塚先生が奉仕部を紹介してくれなかったら、私はここにいなかったと思います。ゆきのんやヒッキー、さいちゃんやいろはちゃんと、こんなに仲良くなれなかったと思います。あの時困っている私に声をかけてくれて、ありがとうございました。ご結婚おめでとうございます!幸せになってください!」

最後の最後に力強く拳を握りしめる由比ヶ浜。ガハマさんそんなキャラじゃない………そんなキャラか。

 

戸塚「平塚先生、改めてご結婚おめでとうございます。この前話したばっかなのに、次あったらこんな素敵な姿になっていて僕言葉が出ません。ウエディングドレス姿とっても似合ってます、本当におめでとうございます」

少し瞳を潤わし、嬉しそうにしゃべる戸塚。平塚先生はそっと戸塚を抱きしめ、ありがとうと言葉にする。イベントやマラソン大会など無理をさせたことを平塚先生も知っているから、先生目線での戸塚はとても思うところがあったのだろう。結構体張ってくれたりするから、俺も頼っちゃうところあったしな。

 

そして平塚先生は俺を見る

何を思っているかわからない。だが俺のことを思っていてくれてるんだなとわかる。そんな温かい目だ。俺は恥ずかしくてつい、軽く流してしまう。

 

八幡「そんなに見ても何も出ませんよ」

 

平塚「良いじゃないか、昔は人と目を合わせるなんて1秒もできなかった君が、今はこうして憎まれ口まで言えるようになってるんだ。君は大いに成長しているよ。」

力強く俺の肩に手を乗せる先生。

 

平塚「君と話したいことはたくさんあるが、君に伝えるべきことは全て伝えたつもりだ。後は君自身で見つけ出し答えを出すといい。君は言ったな、本物がほしいと。私は偽物にも本物があると思う。偽物にだって本物になるチャンスがある。君にだってそうだ。君にも絶対に答えを導き出すチャンスが訪れる。それを掴み取れ」

徐々に熱くなり、頑張れよと声をかける先生は、よく知っている俺たちの先生の顔だった。



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17話

いろは「せ〜んぱい、何した向いてるんですか」

講義の板書をうつしている俺の視界を遮るように、一色いろはは声をかけてくる。なんだよポケモンバトルみたいに迫ってくるなよ。

 

八幡「考え事だよ、つか覗き込んで来るな、毎回左からお前の顔が生えてくるの地味にこえーんだよ」

 

いろは「こんなにかわいい子が目の前にいるなんて先輩の人生ではありえないことなんですよ、もっとありがたみを持ってください」ムフ~

 

八幡「はいはい、ありがたありがた」

 

いろは「全然思ってないな〜、そんな先輩にはお仕置きです」プンプン

 

一色はスマホを激しく操作し始めた。鍛えられた俺にはどんな羞恥を受けようと華麗に流す実力がある。まだまだだよ、いろはす

 

「いろはさ〜ん、お久しぶりで〜す」タッタッタ

 

さっき一色がスマホをイジっていたのは国松さんを呼ぶためだったのか。先輩を呼び出すとか怖すぎいろはす。そして、今にも飛び出てきそうなメロン、この人また大きくなってね…

それを何とか下さんにも分けてあげて。平塚先生の結婚式で久しぶりに見たけど、雪何とかさんだけ寂しそうだったもん。どこがとは言いませんけど…

 

いろは「お久しぶりです。急におよびたててすみません」

 

「ぜんぜん大丈夫ですよ…ちょっと会わない間に少し大人びました?」

 

少し目を広げ驚かれている様子の国松さん。変わりましたかね?僕はあなたの大きなのを見ると、他のもの全てちっぽけに感じます。あぁ〜神よ、なぜ神は一人に祝福を集めるのですか。何とかのんさんや雪何とかさんにもお慈悲を与えてはもらえないだろうか。八幡見ててかわいそうになっちゃう。そうあれは小学5年生のとき…やめよう、自分で自分の黒歴史をぶり返すなんてまさにドM。いや、戸塚や小町に罵られて喜んでいるのは、Mってわけではなく主食?全ての始まり?ヘンゼルとグレーテル?響きだけで何も関係なかったは。

 

いろは「わかっちゃいます?私一人の花嫁姿を見て、私も夢見る一人の女性であることに気づいたんです」

 

「あ、平塚先生の結婚式私も行きたかったな。その日体調悪くて欠席しちゃったんだ」ショボーン

 

あれはいかなくて正解だったかもしれないな…

初めは良かったが、二次会三次会と盛り上がりみんなが解散する流れの中、俺だけ平塚先生に連れ回され夜の街に…つかれたよ、花嫁がビール片手にマイク握って、さっきまでのかっこよさはどこへやら

ま、その他のイベントは全て良かったしな。ブーケトスなんて戸塚が取って俺と並んでたから勘違いするやつが何人もいたし、いや勘違いじゃ無いんだけどね。ケーキも美味かったし、スピーチ類やムービー類も泣けたし、平塚先生の子供の頃が一番印象的だったな。あんな子いたら世の男性みんな好きになっちゃうよ。

ま、それがおこらないのが平塚先生なんだけど。写真では可愛く写ってても、クラスの男子に垂直落下式ブレンバスターとかやってそう。

 

いろは「だからいなかったんですね」ナルホド~

 

「そうなんです…あ、そういえば私なんで呼ばれたんですか?」

 

いろは「そうそう、そのことなんですが」ニタニタ



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18話

いろは「あ、手が滑った〜」ドン

 

「キャー」

 

俺は今、机と大きな柔らかいものに挟まれている。何が目的なのかわからないが、一色は国松さんを押し倒したのだ。国松さんの正面に立っていた俺は、避けることもできず一緒に倒れ込んだ。

背中が机の角に当たり激痛が走ったが、それよりも衝撃的な感触が俺の胸をめぐる。俺の胸に国松さんの大きく柔らかいものが押し付けられているのだ。これがよく耳にするギガビックマックなのか…圧倒される大きさと包容力。一般的に大きいとされるサイズの軽く1.3倍。

そして、穂香で光溢れる温かい森林のような、全ての者を包み込む優しい香り。ギガビックマックと合わさり俺を殺しに来ている。国松さんの鼓動を感じる。それが俺の鼓動と共鳴し徐々にテンポを上げていく。そして何より柔らかい…いやいや、何とかしないと

 

八幡「く、国松さん、大丈夫ですか」

 

「大丈夫です。比企谷さんも大丈夫ですか?先程すごい音がしてましたが」イタソウ

 

倒れ込んではいるが、俺の首元に国松さんの頭があるから必然的に上目遣いになっている。そこから心配そうに顔を覗いてくる。近いかわいい近い近い、近いよ顔の距離10センチもないよ、気づいて国松さ〜ん

 

カシャ、カシャカシャ

 

八幡「君はいったい何をしているんだい」

 

いろは「いやいや〜、いい感じだな〜と思いまして」カシャカシャ

 

「あっ…」

 

自分の体勢に気づき、国松さんの顔が耳まで真っ赤に染まっていく。

無言で立ち上がり下を向いたまま後ずさり

 

「ごめんなさーい」ダダダ 

 

2つのギガビックマックを携え全力疾走で、走り去ってしまった。

 

八幡「君、また今度誤りなさいよ」アキレ

 

いろは「確かに、あぁなるのを仕掛けたのは私ですけど、それで興奮したのは誰ですかね〜」ネ~センパ~イ

 

グーの音も出ねぇ…

 

俺は散らかってしまった道具をまとめ、帰り支度をする。

 

八幡「で、君はなんでこんなことをしたの?」

 

いろは「お仕置きって言ったじゃないですか、この写真をお米ちゃんに送ります」

 

八幡「まじで勘弁してください、不可抗力だ俺は悪くない社会が悪い、というかお前が悪い」

 

いろは「ほら〜、そうやって最終的には人のせいにするじゃないですかー」プンプン

 

八幡「はいはい、全面的に俺が悪かった申し訳ない。なので小町にだけは送らないでくださいお願いします」

 

いろは「妹の名前が出たとたんこれですか、ほんと先輩ってシスコンですよね」

 

八幡「千葉のきょうだいはみんなシスコンであり、ブラコンなんだよ」

当たり前すぎる、テストに出るぞここ。雪なんとかさんのお姉さんや、川なんとかさんだってそうだろ?千葉に住むきょうだいはみんなそうなんだよ

 

いろは「変な方程式持ってこないでください」

 

いろは「私は連絡するだけです。あとはお米ちゃんに任せます」

 

八幡「そんな…悪魔!ビッチ!いろはす!」

 

いろは「最後のは悪口なんですか…」ヤレヤレ



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19話

はぁ〜…つかれた

あのバカの相手をすると毎回体力を持っていかれる

つか、なんであいつ当たり前かのように教室入ってきてんだよ隣の大学だろうが

足重…

 

今日も今日とて、朝と変わらない部屋が俺の帰りを歓迎するのさ…

 

八幡「ただいま〜朝と変わらない愛しのマイハウス」ガチャ

 

小町「お兄ちゃんおかえり〜」

 

バタン

 

え〜と、ここは何階だ?

エレベーターの表示を確認すると俺の住んでいる階

そこからドアを数えながら3番目

部屋の表札には比企谷

 

ガチャ

 

小町「お兄ちゃん何してんの、早く入りなよ」

 

八幡「なんで君ここにいるの?ママンには言ったの」ハァ~

 

呆れながら聞く俺に小町はさも当然のように

 

小町「言ってないであります。そして二泊三日よろしくであります」敬礼

 

ポチポチポチ…トゥルルルン♪トゥルルルン♪

 

八幡「あ、警察ですか?俺の部屋にバカがあがりこんでんだけど、応援求む」

 

八幡「………あそ」ピッ

 

小町「お母さんなんて?」

 

八幡「まかせたとさ」ハァ~

 

ただでさえ一色のせいで疲れてんのにこいつの面倒も見なきゃいけねーのかよ

いっきに肩が重たくなったな…

 

小町「玄関で立ち尽くしてもなんにもないから、汚いけどあがれば?」

 

八幡「じゃお言葉に甘えて…てぉいー俺の部屋やないかーい」⤴

 

小町「は」キモチワル

 

そんな目で見ないでよ、疲れてるんだよ…トボトボ

 

部屋がきれいになってる

パット見わからないが、布団のシワ、テレビの裏のほこり、ほのかに甘い香り…

 

八幡「掃除とかいろいろすまんな」

 

小町「そういうときは愛してるでいいんだよ」

 

八幡「そうか、愛してるぞ小町」キリ

 

小町「小町はそうでもないけどありがとう」ルン

 

こいつは…

 

八幡「ところで小町ちゃんは、なんでここにいるのかな」

 

俺がベットに腰かけると小町はもじもじしながら正面の座布団に座り込む、頑張って自然体に振る舞おうとしているがどこかぎこちなく、頬を赤く染めている

 

八幡「な、なんだよ」

 

小町「お、お兄ちゃんがこいしくてつい…」ウルウル

 

八幡「そうか…その背中に隠してる問題集はなにかな?」

 

小町「あ…わかんないから教えて」テヘ

 

舌まで出してテンプレ化のように

お前もう高校3年生だぞ、そろそろ歳を考えろよ

って言っても陽乃さんやガハママはいくつになってもやってんだろうな〜…ま、あの二人にはそれが可能な容姿と振る舞いが備わってるからな

その点で見たら小町もまだまだ現役か…

これはクラスの男子諸君はさぞ浮足立ってそうだな

ま、小町は誰にも譲らんがな

 

八幡「俺はその結婚許さんぞ」プンプン

 

小町「何言っての」アキレ



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20話

八幡「わかったか」?

 

小町「うん、よくわかんないであります」ニコニコ

 

八幡「お前は何処かのケロン人かよ」アキレ

コママ、ま〜可愛いな

コマコマコマコマコマ

 

ピー

 

小町「あ、ご飯が炊けたから晩ごはんにしようよ」

 

八幡「まだ勉強始めて30分も経ってないぞ」

この子大丈夫か?勉強わかんない教えろって来たのに、身が入ってないしすぐ話をそらすし…勉強はたてまえか?

本当は俺に会いたかっただけとかな…可愛いやつめ

こんなおにあいの妹を持ててお兄ちゃん嬉しい

おにあいといえば、お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねってどんな終わり方したっけな

 

小町「はい、お兄ちゃん」

 

八幡「お〜サンキュー、なんで赤飯なの」?

 

小町「とぼけなくていいよ、小町知ってるんだから」

ウインクをしながら俺の前にお椀を置くその姿は、新婚生活になれて少し旦那を可愛がる新妻のよう…く、可愛い

でわなくて

 

八幡「べつに誕生日でもないよな、いや小町が祝ってくれるなら今日が誕生日でいい、Happy Birthday to me」

 

小町「そういうのいいから…ほらいろはさんからこんな写真きてるよ、もうお兄ちゃんのくせにこんなに可愛い人見つけちゃって」キャー

 

小町は顔に手を当て嬉しそうにその写真を見せてくる

そこには、あたかも俺がギガビックマックを携えた女性と楽しそうに見つめ合っている写真が…

 

八幡「いや違う、違くないが違う断じて違う」

 

小町「またまた〜」

赤らめた頬を隠しながらニマニマしている

 

覚えてろよ一色

 

八幡「俺は悪くない、カクカクシカジカシカクイムーブでだな、全て一色が悪い」

世界が悪い

 

小町「その国松さんをいろはさんが倒して、そこにいたお兄ちゃんは反応できなくて押し倒されたと、だから俺は悪くないと」

 

八幡「そういうことだ」ウムウム…?

てかなんでさっきので伝わったの

国松さんの名前なんか出したことなかったのに

八幡怖い、頭の中を覗かれてるわ

 

小町「なんでアルミホイルもってるの」アキレ

 

八幡「いや、なんでもない」

 

八幡「とま〜、そういうことだから、別に何もなかったから…つか、そういう写真を送るとかあいつ非常識すぎるだろ、セクハラだセクハラ」プンプン

 

八幡「俺の初めては戸塚に捧げると神と一緒に誓ったんだ」

 

小町「神様もそちらのお方でしたか」アキレ

 

小町「どうでもいいから食べよ、小町お腹すいちゃった」

 

………

 

……

 

 

八幡・小町「「ごちそうさまでした」」

 

小町「お風呂湧いてるから入ってきたら」

食器をかたす小町から耳寄りな話を聞いてしまったからにはお言葉に甘えなくてはな

 

本当はお兄ちゃんと入りたいくせに〜このやろ〜

 

八幡「ひさs」

 

小町「小町先入ったからお皿洗ったら寝るね」

 

知ってた…

 

小町「残り湯飲まないでね」

 

八幡「飲まねぇーよ」アホ

 

ガチャ………

 

八幡「あと、お前勉強しろよ」

 

小町「…」テヘ



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21話

小町「おはよ〜、ふぁ〜」オメメスリスリ

 

あくびをしながら小町はリビングに入ってくる

1LDKで俺の寝室を小町は、あたりまえかのように占領していた

いや、別にいいけどね。ソファーで寝るの好きだし…腰痛い

 

八幡「おはよ、朝飯は机の上にあるぞ。あと、Tシャツ一枚でうろつくな、下着見えてるぞ。お前他の人の前でもそんなんなの」アキレ

なぜ俺は朝から妹の際どい姿を見なくてはいけないんだ…

つか、際どいというか黄色のしまパン見えてるし…

 

小町「やだな〜、お兄ちゃんだけに決まってるじゃん。小町が好きなのはお兄ちゃんだけだよ。」今の小町的にポイント高い!

 

八幡「はいはい、嬉しい嬉しい。俺も好きだぞ〜」

 

小町「お兄ちゃん!お兄ちゃんからはぜんぜん気持ちが伝わってこない!小町はこんなにも気持ちをあらわにしてるのに!もっと感情を表に出して」サーハヤク

 

八幡「おいやめろ、熱血教師キャラは俺に効く。二人組を作ってお互い声を出し合って、とか言い出すんだぞ!たまったもんじゃない。地獄以外の何物でもない…」

 

小町「ていうか、そのゲームで使ってるブンブン飛んでるハエみたいなのなに」?

 

小町はTVを指さして不思議そうに言う

 

八幡「ばか!お前ガンランスの良さがわからないのか!」

 

小町「どったのきゅうに」

 

驚く小町をよそに俺は、いちガンサーとして小町にガンランスの良さを語ることにした

 

八幡「ガンランスの1番の魅力はフルバレットファイアだな。味方を巻き込むからマルチではやらないが、一人で狩るときに合気からのフルバレットファイアが決まったなら脳汁ブッシャーなるぞ。そしてブラストダッシュやリバブラからの叩きつけで思いのほかダメージでるし、そこからのフルバースト高速リロードからのなぎ払い、叩きつけフルバースト高速リロード、からのブラストダッシュやリバブラにつながる無限ループ、そこに鬼火ダウンやガルクの痺れが発動、沼だったりヌシダウンも合わさった日には高速周回待ったなし。小町、スラアクなんて捨てて俺と一緒にガンサー道を歩もうじゃないか」

 

小町「おいし〜」ムフ~

 

八幡「人の話を聞けよ」サミシイ

 

人の話を聞かずにフレンチトーストを頬張りやがって…

ほっぺたに手を当てご満悦のご様子で…話を聞いてくれないが、これはこれで作った身からするとなによりだな

こんなに美味しそうに食べてくれるなら、お店開いてる人の気持ちもわかる気がするな…

 

小町「お兄ちゃん、前から思ってたけど…これ美味しいよ!お店ひらこ!絶対に儲かる」ヤルベキ!!

 

八幡「小町俺は儲かる商売がしたいわけじゃないんだ…俺は働きたくない!俺は専業主夫になるんだ」ムフ~

 

小町「何言ってんの」アキレ



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22話

ピンポーン!

 

小町「お兄ちゃん、誰か来たよ〜」オ~イ

 

俺が皿洗いをしていると勉強を再開した小町が声をかけてくる

いや、自分で行く選択肢はないんだね。別にいいけど

 

八幡「はい、どちらさまですか」

 

いろは(せんぱーい、可愛い後輩が来てあげましたよ〜)

 

八幡「あ、大丈夫です」

 

いろは(先輩の部屋には華がないから私がいてあげないと〜)

 

八幡「いえ、間に合っております」

 

いろは(もぉ〜、入れてくださいってば〜)プンプン

 

八幡「いえ、本当に間に合っております」

 

しつこいな…

 

小町「大丈夫そう」?

 

俺がインターホン越しの人との会話に、てこずっている様子を察し、小町が不安そうに見つめてくる。

 

八幡「はい。それでは…大丈夫大丈夫。宗教のあいてするの慣れてるから。小町ちゃんも宗教とか、新聞とか来たときに扉開けないようにね」

小町が出てきたら可愛さのあまり襲われる可能性もあるからな…

でも仕方ないよな、だって小町可愛いんだもん。

 

小町「ほへ〜、小町小さい頃に開けちゃったことあって、そこから長話されたんだよな〜。みなさんそれが仕事なんだから仕方ないんだろうけど…」ウンザリ

 

遠くを見る小町からするに、2.3時間コースだったんだろうな…

新聞やセールスは子供相手だとあんまり強気に来ないが、宗教だと優しく語りかけてくるからな〜。

ほんと、玄関があるからこんなことになるんだよな。玄関を葬り去ってずっと部屋でこもってたい…

 

八幡「そうだろ、だからむやみに友達や彼氏に家の合鍵とか渡さないようにな。自分がいないのに勝手に上がってるやつとかいるから」キヲツケナ

合鍵は俺にだけ渡してもらったらそれでいい

 

小町「なるほど…お兄ちゃんは渡す相手いないから安全だね」!

 

ガシャン…ガチャ

 

いろは「せんぱーい、愛しの私が来たのになんで開けてくれないんですか〜…え、お米ちゃん」ビックリ

 

小町「あ、お久しぶりです…えっと」

 

お互い目を合わせ気まずそうな雰囲気、まるで二股がバレたときのよう…いやしてねーよ

 

八幡「お前なんでうちの合鍵持ってんだよ。俺誰にも渡してねーだろ」

 

いろは「これは前来たときにこっそり国松さんと作ったやつです」ドヤ~

 

鼻から息を出し、平然とやばいことをドヤってやがる…

 

小町「なんだ、小町はてっきり二人がそういう関係なんだと」キマズカッタ

 

いろは「安心してください、こんなひねくれた頭おかしい人を相手してくれるのは、ベーリング海並の心優しい戸塚さんぐらいですよ」

 

八幡「おい、戸塚が優しくて可愛くて天使なのは間違っていないが、俺はいたって普通だ。それに、ベーリング海はカニ漁をしているとこだぞ、戸塚はそんな狂気じゃねーよ」

 

小町「しれっと可愛いい天使が追加されてる…」アキレ

 

小町「でも、いろはさん。さっきお兄ちゃんが「宗教が来た」って言ってましたよ」

 

いろは「なるほど〜そっちがその気なら、私だって考えがあるんですよ」

 

八幡「なんだよ、俺は別に悪いことをしてない」

 

いろは「では、この部屋の鍵を平塚先生に渡しますね」

 

八幡「本当に勘弁してください。私が悪かったです。」



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23話

小町「いろいろありまして、お兄ちゃんにお勉強を教わってるであります」ケイレイ

 

だからどこのケロン人だよ

そういえばこの前You Tubeで、ケロロの共鳴集めてみた的なのがアップされてたな。公式で…

コマコマコマコマ…かわいいな

 

いろは「そうなんだ、でも先輩なんで鍵開けてくれなかったんですか〜」ヒドイ

 

八幡「いや、休みの日まで君といたら休めないじゃん。大学になってから体育がなくなって少しは体力残ってるけど、その分体がついてこれなくなってるから。」シンドイ

 

いろは「なに歳老いたおじいちゃんみたいなこと言ってるんですか、先輩の人生これからですよ。もっと熱くなれよ〜!」

 

なにこの熱血キャラ。テレビで見るのは別に構わんがリアルでこんな熱血キャラいたらうざいだけだろ

あ、でも戸塚に「がんばれ〜!あとちょっとだよ!」って応援されるなら熱血キャラありだな。うん、ありあり最高。

 

………

 

……

 

 

八幡「こらこら小町ちゃん、また1問につき一回問題文読んでるでしょ。長文系の問題は物語はあとに読むの、先にだいたいどんな事が聞かれるか全部問題を見てから物語を読むの」

 

問題と物語を何往復もして考え込んでいる小町に俺なりの解き方を教えてやった。実際の会話も話す前に同意を求めているのか解決策を求めているのかわかったほうが絶対に話しやすいだろう。とくに女性は先に自分の中で答えだしてんのに話しかけてくるからたちが悪い。ま〜…女性との会話の経験なんて平塚先生や陽乃さん、戸塚ぐらいしか無いけどな

 

いろは「せ、先輩がそれっぽそうなこと言ってちゃんと教えてる」ビックリ

 

八幡「ほっとけ」

 

いろは「ていうか、そのゲームで使ってるブンブン飛んでるハエみたいなのってなんですか」?

 

一色はTVを指さして不思議そうに言う

 

八幡「ばか!お前ガンランスの良さがわからないのか!」

 

いろは「どうしたんですかきゅうに」

 

驚く一色をよそに俺は、いちガンサーとして小町同様に一色にもガンランスの良さを語ることにした

 

八幡「ガンランスの1番の魅力は〜………」ペラペラ

 

小町「また始まった。こうなったら長いんですよ」アキレ

 

いろは「そ、そうなんだ…」

 

八幡「使えばガンスの良さがわかるはずだ。ガンスについて学びたいなら、ガンサーの抹茶さんの動画を見るといい。基本はゆっくり実況だが、最近は生声を多く出しててだな、それがイケボなのに会話の内容はネタにぶっ飛んでて面白いぞ。それにMMDだったり、モンハン15周年のときに出された海色のMADはものすごくカッコよく作られててだな、なんでもできるあの人は天才だ」

 

いろは「人に興味がない先輩がここまで語るなんて、ガンサーの抹茶恐るべしですね。あとで検索してみようかな」

 

八幡「一色も一緒にガンサー道を歩もうじゃないか」



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24話

八幡「昼飯は具無しペペロンチーノな」

小町につきっきりで勉強を教えていたらバイトに行く時間が迫っていた。すぐに人数分作れておいしいなんて素敵な料理。世のママさんにもオススメ

 

 

いろは「具ないんですか!」ブーブー

 

小町「ドケチ!守銭奴!八幡!」

 

八幡「なら蒙古タンメン中本でもUberするか」

 

いろは「すみません、勘弁してください」

 

小町「お兄ちゃんが作る料理ならなんでも食べれちゃう」

 

ほんとこいつらは…

訓練だと思え、彼氏に連れられた店がそれほどでもなかったときにバレないような笑顔を作る訓練だと思え。この先絶対に必要になるぞ。俺が言えた義理じゃないが

あと、中本そんなに嫌なの…?美味しいじゃん、辛いを通り越して痛いけど、その奥に秘めた旨味。それに気づいたら定期的に欲してしまう体になるんだよな

 

いろは「そういえば、先輩バイトでなにしてるんですか?」

 

八幡「金稼ぎ」

 

いろは「なんでやってるのかじゃなくて、何をやってるのか聞いたんですけど」

 

八幡「それで場所とか何してるとか言ったら君探して来るじゃん、嫌だよ」

 

いろは「そんなわけないじゃないですか〜」

 

八幡「君前科ありますよね、大学に凸ってきましたよね」

 

いろは「やだな〜、愛ですよ愛〜」

 

八幡「俺はそんな愛はいらん、かの有名な方も『愛ほど歪んだ呪いはないよ 』と言うくらいだからな」

 

いろは「それ何まさるですか」

 

八幡「ちげーよ、お前それだと超次元サッカーアニメのキャラになるだろうが」アキレ

 

小町「・・・」ジ~

 

八幡「な、何かな小町ちゃん」

 

小町「いや、楽しそうに夫婦漫才するな〜と思って。バイトの時間大丈夫そう」?

 

八幡「普通にやべー」ウワッ

 

小町に言われて時計を見ると、確かに一色のせいで走らないと間に合わない時間になっていた。

 

出禁をくらったときように電車で通う距離にしたら逆に毎回ギリギリで危なくなってんだよな

 

八幡「台所においてあるから自分らで食べて皿洗いよろしく」ジャ

 

ガチャ…バタン

 

………

 

……

 

 

小町「さ、ご飯にしましょう。あ〜やって言ってましたけどいつも結局は、具いっぱい入れてくれるんですよ」

 

いろは「先輩ってほんと不器用だよね、それとニンジンとかパプリカとか入ってるし、ちゃっかりしてる」

 

小町「ほんとです。いつも彩り考えながら野菜もしっかり入れてくるんですよ」

 

いろは「やっぱり、ひねくれたことばっかり言ってるけど根は優しいよね。憎まれキャラなのに憎めないって、むしろ本人は気づいてないけど結構先輩のこと思ってる人おおいからね」

 

小町「お、経験者は語るですか?」ムフフ

 

口を手で隠してニヤリ笑う小町ちゃんはとても楽しそうだ

 

いろは「いじらないでよ、それに私の片思いはまだ続いてるんだから。これからだよ」



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25話

葉山「比企谷遅かったな」

 

八幡「お兄ちゃん大好きな妹と後輩に捕まってたんだよ」

 

葉山「兄妹なかいいんだな、店長には遅れるって伝えてあるから準備してきな」ニコッ

 

八幡「おうすまんな、あいかわらず気が利くな。気持ち悪い」

なんだよこの爽やかイケメン

なんでこんなきったねー古本屋で働いてんのこいつ

もっとジャズとか流れる喫茶店のウェイトレスでもやってろよ

 

葉山「最後の声に出てるよ」ハハハ

 

………

 

……

 

 

八幡「すみません、店長遅れました」

 

店長「いやいいよ、どうせうち暇だし」ファ~

 

なんでこの店人数少ねーってのに店長はあくびしながらパソコンでゴッドフィールドしてんの

 

店長「そういえば葉山くんにも聞いたんだけど、給料たりてる?」

 

八幡「ぜんぜん足りてますよ、バイトの人数も少ないんでシフト入れられてるし、そもそも店やってる日も少ないんで楽しながら働かせてもらってます。ま〜、定期的に自炊してたら困りませんよ。」

 

店長「そうか…時給500円上げとくわ」メモメモ

 

八幡「え、困ってないっすよ。貰える分にこしたことないんですけど、貰いすぎても申し訳ないっす」

 

店長「いやいや、文字通り全てを任せっきりだから本当に正当報酬だよ。噂に聞くとコストコなんかは1500円~2000円とかって話だし、気にしないで」

 

八幡「は〜…わかりました。ありがとうございます。では仕事に行きます。」

あの店長だいぶんやばいな

バイトしてるのが俺と葉山だけにしてもほとんど何もしてないぞ

本を整理して、掃除して、レジ打ちぐらいだしな…

いや、ほんとにどうかしてるな

 

八幡「働きますか〜」ハァ~

 

葉山「比企谷には似合わないセリフだな」ハハハ

 

八幡「うっせ」

 

葉山「店長はなんて言ってた」?

 

八幡「ぜんぜん大丈夫だと、怒られるどころか給料まであがって意味わかんね」

 

葉山「あ、比企谷も聞いたのか。俺計画的に貯金してて本当にお金には困ってないんだけどな」

 

八幡「俺は最近部屋に人来るからありがたいが、それでも申し訳ないな」

だって本当に買いに来る人いねーしこの店

なんで経営成り立ってんの?

店長ってその道の人なのか?

 

葉山「なんか、マンションを持っててそっちで結構稼いでいて暇つぶしらしいよ」

 

八幡「何その貴族の遊び、俺もして〜」

 

葉山「でも比企谷はなんとなくだけど、起業とか向いてそうだな」

 

八幡「それはどこの会社にも雇われなさそうっていう嫌味かな」?

 

葉山「なんでそんなにマイナス思考なんだよ、結構褒めてるつもりで言ってるぞ」

 

八幡「はいはい、そういうことにしといてやるよ」

ほんとこいつは何を考えているやら

 

葉山「そういえば、後輩っていろはのことか」?

 

八幡「ほっとけ」



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26話

「すみませ〜ん。買い取りしてもらってもいいですか」?

 

葉山「いらっしゃいませ。本日はどのような本をお売りになさいますか」ニコッ

 

「一昨年大学受験のために使った参考書類と資格関係の参考書類とコミックなんですけど大丈夫ですか」?

 

葉山「わかりました。参考書類は私の方で確認しますので、コミック類担当を呼んでまいります」ニコッ

 

「ありがとうございます」

建物は結構趣がある感じだけど、お若い方が切り盛りしてるんだ。

いや、流石にバイトさんかな。歳は同じぐらいか少し上ぐらいかな、私もそろそろバイト探さないとな〜。

 

八幡「すみません、おまたせしました。コミック類は私の方で確認させていただきま、、、」

 

「、、、」

 

葉山「どうしたんだ比企谷」??

 

八幡「えっと…大学で同じ専攻の国松さん。」

 

「あ、えっと…初めまして、国松愛里です。比企谷さんとは最近仲良くさせてもらってます。」

 

葉山「こちらこそ初めまして、葉山隼人です。比企谷とは高校からの付き合いで、お泊りしたり、ディステニーランドに行ったり、温泉でサウナに入ったりたくさん遊ばせてもらいました」

 

「そっそんなに、比企谷さんってもしかしてそっちの方ですか」

 

八幡「おい、右手の甲を左頬にあててそんなこと言うな。お前も実際にあったけど、あたかもみたいな感じで話すな、国松さんは勉強できても、その他は残念なんだから信じちまうだろ」

ほんと、こいつはすきを見せるとこれだから困る…

こいつ的には逆にそっちの人って思われる方が楽なのかもしれないが、俺を巻き込むな

 

八幡「とりあえず、査定しますので少々お待ち下さい」

 

「は〜い」

 

………

 

……

 

 

葉山「おまたせしました。こちらの通りに買い取らせてもらいます」 

 

「こんなに、優良買い取りしていただきありがとうございます」

 

 

八幡「ま、ほとんど綺麗だったし、単行本とかは読み方の癖とかで値がつきにくいのとかあるから、自分の本の読み方に感謝だな」

 

「な、なるほど…」ポカ~ン

 

八幡「何かあった」?

なにか説明ミスったか?

まるで由比ヶ浜に勉強を教えた時のような反応だが

 

「比企谷さんってなんでもできるんだなと思いまして」

 

八幡「それは遠回しにディスってるのかい」プンプン

 

葉山「でもそうなるよね、なんでも器用にこなしちゃうからな。バイト始めてからここにある資格系の参考書読みあさって勉強料ただで資格何個か取ってるもんな」

 

八幡「うっせ、そもそもお前が誘ってきたんだろ」ケッ

 

葉山「そのおかげでどの分野に行ってもそこそこ給料貰えるようにはなっただろ」オレガサソッタオカゲ

 

「違いますよ葉山さん。たぶん比企谷さんは、資格マウントをとりながら自分は働かないきです」



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27話

葉山「俺と比企谷バイト終わりにいつも一緒にごはん食べて帰るんだけど、国松さんもどうかな」ニコ

 

査定も終わりひと息ついた頃に葉山がえげつない提案をしていた

お前初対面で飯さそうの早すぎだろ。普通の大学生はそういうものなのか?

あと、いつも一緒にとか言うなよ気持ち悪いだろうが。俺がラーメン食べて帰ってたらお前がかってについてくるようになっただけだろ

 

「いつも2人でごはん…やはり」ブツブツ

 

お〜い、勘違なのに確信したような表情してますけど

これじゃどっかの海老名さんと同じだよ

 

「あ、すみません。なんでもないです。えっと、本当についていっても大丈夫ですか」?

 

葉山「大丈夫だよ。国松さんさえ良ければだけど」

 

「では、お言葉に甘えさせてもらいます」

 

つか、俺の意見は一切聞いてこないのね。ま、いいんだけど

どうせ帰ったら、我が物顔で居座る小町がいるだけだし

食って帰るってLINEいれとけばいいか

 

八幡「俺の家と葉山の家は反対方向だが、こんな時間に女性を一人で帰すのもあれだから、国松さんの家の近くで探すか」

 

べつに国松さんの家が知りたいとか、そういうわけじゃないんだからね!

世の中物騒だから心配してるだけなんだからね!

 

「ありがとうございます。私の家ここからだと徒歩5分ぐらいなんですけど、あまり外食しなくて…」

 

八幡「なるほど、じゃ〜…」

 

つか、家ちっか

それもそうか。俺だって長距離移動してまで本売りに行こうとは思わないし。だからこんなこじんまりな本屋も知ってたんだな

 

葉山「そうだ、あそこはどうだ。この前比企谷が言ってたVIP席がある店」

 

八幡「あ〜、わかった。店長に連絡いれておく」

 

………

 

……

 

 

「すっごく美味しいです」ムフ~

 

机の上にある料理を口に運ぶたび、笑顔溢れんばかり頬張っており、どこか凄く可愛く見えてしまう。いや、実際なんで俺なんかに話しかけてくるのってぐらい可愛いんだけどね。

結構ポンコツなところ多いけど、それがまたいいって声も聞こえてくるしな

 

葉山「比企谷、たぶんだが、メニューに書いてあるより多く盛り付けられてる気がするんだが」

 

八幡「そりゃー、VIP席だからな。もともと平塚先生と店長が知り合いらしくて、平塚先生が何時間寝ても許されるどころか、とうとう俺が来てもVIPあつかいしてくれるような店長だからな」

 

毎回サービスとか言ってたのんでもないのに、おでんや唐揚げ、きっちりサラダまで持ってきてくれるからな。

なんかあの人に弱みでも握られてんのかよ店長

 

ま、でも客と話しながら自分まで酒のんで楽しそうに働いてんだから天職なんだろうな

俺も戸塚と結婚して専業主夫に勤しみますか



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28話

「比企谷さんってお酒強いんですね」ビックリ

 

八幡「ま〜、飲み方かな。あとは、俺が潰れたら平塚先生の介護役がいなくなっちまうから、ように酔えない」

俺が飲めるようになってから、はじめてあの人に連れ回されたとき、気づいたら陽乃さんの家で寝てたからな…

酔いつぶれた先生と、その犠牲になった俺を陽乃さんが回収してくれた。その日を堺に飲むときは気をつけるようにしている。

 

葉山「何カッコつけてんだよ、この前アルチュウカラカラ〜とか言って、家に帰れなくなって俺の家に泊まったの誰だよ」

 

八幡「アルチュウカラカラは全員が通る道だろ!プリキュア、マイメロ、アルチュウカラカラ、この三角形が世界の中心であり沼なんだよ。義務教育で習うだろ」

 

葉山「義務教育で習うのは、薬物乱用防止教育やアルコールやタバコの体に与える有害性とかであって、アルチュウカラカラの意志をつげってわけじゃないぞ」

 

「あるちゅうからから?ってあの炭酸のほうが薄いハイボールを作る人ですよね。あの人の料理って料理じゃないのになぜか、見れちゃいますよね!つくってみたいみたいな」

 

八幡「わかる。俺も料理するけど、あそこまで行き過ぎた料理はやってみたいけど、やる自信ないな」

基本人の咀嚼音とか無理なのにあの人の動画はなぜか見れちゃうんだよな〜

最近、というかずっと動画上がってないんだよな〜

この前YouTuberの結婚式でシャムさんは生存確認できたけど、どうなんだろ

 

店長「比企谷君おつかれ〜、静ちゃん元気にしてる?」

 

八幡「店長もお疲れ様です。先生も先生なりに新生活を充実させてますよ。今のところ仕事の愚痴でしか呼ばれませんし」

 

店長「そうかそうか、良かったよ君みたいな優しい子が静ちゃんの知り合いになってくれて。静ちゃんって周りから従われてたけど、その分責任みたいなのに追われてる感じで、はたからみて大変そうだったんだよ。これからも相手してあげてね」

 

八幡「悪酔いしなければ良いんですけどね」トホホ

 

店長「それは難しいな」ハハハ

笑いながらビールを一気に飲んでいる

この人ずっと飲んでるけど大丈夫か?経営とかもろもろ

 

店長「お、そういえば今日は初めてのお連れさんだな、なんだよ彼女を紹介しに来たのかよ」

 

八幡「いやちげーよ」アキレ

 

「か、かのじょ…」キャー、テレテレ

 

葉山「高校で同じクラスだった葉山です。こんなに美味しい料理をサービスしてくださりありがとうございます」

 

店長「いいよいいよ、静ちゃんと比企谷君のお友達だろ、いっぱい食べちゃってよ!そのほうがこっちも作りがいあるし」

 

「比企谷さんとはまだ付き合ってませんが、同じ大学で仲良くさせてもらってます国松愛里です」

 

この酔っぱらいなに言ってんだ



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