遊戯王GX 転生者、都市伝説に挑む (Mr.後困る)
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転生しちゃいました(>▽<)

遊戯王GXSSを見て書きたくなりました。
ノリで始めてしまった。
後悔はしているが反省はしない。


遊愛 恤は唐突に神様みたいな奴と

精神世界みたいな所で二人きりになった。

 

「唐突ながらお前は死んだ、 冥府に行くか

我が世界に転生し世界最強のデュエリストを目指すか好きな方を選ぶが良い」

「は?」

 

唐突に神様みたいな奴から宣告を受けた。

 

「俗に言う神様転生って奴?」

「そうだ、 お前は選ばなければならない」

「・・・・・世界最強のデュエリストって言うのは何?」

「お前は転生するか否か、 選ばなければならない」

「いや・・・こういうのって男がやるもんじゃないの?」

「男なんぞ信用おけん!!」

「え・・・何それ・・・」

「同じ女同士だからこそ女のお前を選んだ」

「貴方女なの?」

「中性的とは良く言われる」

「あらそう・・・」

「悪いが、 早く決めてくれ、 残り10秒」

「え!?」

「9」

「ちょ!!」

「8」

「わ、 分かったわよ!! 転生する!!」

 

 

 

 

そう言って早十数年。

遊愛 恤 通称:メグはすくすくと育ちデュエルアカデミアの入学試験を受ける迄

成長したのでした。

 

 

「遊戯王GXの世界っぽいわね・・・神様っぽいのが用意したのか

前世の頃のカードコレクションは持ち越せたわね・・・

美少女になれたしプラマイゼロ?」

 

今のメグは高校生、 赤い髪に盛っている髪型である。

中々の美少女である、 遊戯王GXヒロインの天上院明日香にも負けない。

 

「でもなぁ・・・ここどこよぉ・・・」

 

そんなメグは絶賛迷子中である。

前世の頃はスマホ等で地図を調べる事も出来た。

しかしこの世界にはそんな便利な物は普及していない。

 

「あーもー・・・一体何処よここ・・・」

「あのー・・・すみません」

「ん?」

 

青髪の少年がメグに尋ねて来た。

 

「何?」

「えーっと・・・デュエリストの方、 ですよね?

実は今日、 デュエルアカデミアの入学試験が有りまして・・・

会場が何処か分からなくて困っているんですが」

「奇遇ね、 私もよ」

「そうですか・・・どうしよう」

「如何しましょうかね・・・」

「また来年受験しましょうか」

「それは嫌、 仕方ない・・・ここはコンビニで聞くか・・・」

 

現代日本ではありえないコンビニで道を尋ねると言う

アナクロな方法で海馬ドームに辿り着いた二人。

 

「ここがうみうまドーム・・・」

「かいばドームね、 君・・・名前は?」

「青文字ひはつです、 貴方は?」

「遊愛 恤、 漢字が面倒だからメグで良いわ」

「そうですか、 貴方のお陰で辿り着く事が出来ました

ありがとうございます」

 

ゴン、 とガラスの自動ドアに激突するひはつ。

 

「・・・こ、 このドーム見えない結界が張ってある!!」

「自動ドアよ」

 

そんなこんなで試験会場に辿り着いた二人。

 

 

 

 

 

試験会場は騒がしかった。

 

「嘘だろ!? あのクロノス先生が!?」

「デュエルアカデミア実技担当最高責任者が敗北なんて!!」

 

あぁ十代VSクロノス戦が終わったんだなと思うメグだった。

 

「あの、 すみませーん、 迷子になって遅れましたー」

 

ひはつがクロノスに空気を読まずに言う。

 

「え? あ、 そうナノーネ、 じゃあ私が実技の相手をするノーネ」

「じゃあ如何します? メグさん先に行きます?」

「じゃあ私から始めますか、 よろしくお願いします」

「よろしくナノーネ」

 

 

 

「「デュエル!!」」

 

デュエルリングでメグとクロノスが対峙する。

 

「シニョーラメグ、 貴女が先行ナノーネ」

「じゃあ遠慮なく行きます

ローンファイア・ブロッサムを召喚して

効果発動、 生贄に捧げてデッキから椿姫ティタニアルを特殊召喚」

 

メグのフィールドにあっという間に

最上級モンスターが現れた事により騒めく観衆達。

 

「カードを1枚伏せてターンエンド」

「いきなり最上級モンスターを出すとはすばらしいノーネ

でもこっちも負けてないノーネ、 ドロー」

 

クロノスがデッキからカードをドローする。

 

「手札からトロイホースを召喚!! 更に二重召喚を発動!!」

 

観衆達が騒めく、 ダブルコストモンスターと二重召喚。

これの意味する事は・・・

 

「古代の機械巨人を召喚!!」

「伏せていたサンダー・ブレイク発動します」

「え」

 

現れた古代の機械巨人が雷に打たれて破壊される。

 

「むむむ・・・カードを一枚伏せてターンエンドナノーネ」

「じゃあ私のターンドロー、 今ドローしたサイクロンで伏せカードを破壊」

「くっ、 ドレインシールドが・・・」

「手札のカードを1枚捨ててワン・フォー・ワンを発動

デッキからイービル・ソーンを特殊召喚

そしてイービル・ソーンの効果発動

イービル・ソーンを生贄に捧げて相手に300ポイントのダメージ」

 

クロノスLP4000→3700

 

「そして2体のイービルソーンを召喚

次に2体のイービルソーンを生贄に捧げて桜姫タレイアを召喚」

 

2体目の最上級モンスターの召喚に沸く生徒達。

 

「ふぅむ、 素晴らしいデュエルタクティスクナノーネ」

「いえいえ、 まだ勝っていない、 2体のモンスターでダイレクトアタック」

「負けナノーネ・・・」

 

 

クロノスLP3700→0

 

「見事なノーネ、 次は君、 名前は?」

「ひはつです、 青文字ひはつ」

「ではシニョールひはつ、 リングに上がって来るノーネ」

「はい」

 

ひはつがデュエルリングに立つ。

クロノスの隣に。

 

「・・・・・シニョールひはつ?」

「はい」

「あの・・・そっち側ナノーネ」

「あ、 そう言う事か・・・」

 

向こう側に行ったひはつだった。



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むむっ、中々出来る(; ・`д・´)

お気に入り登録している人も居るし調子に乗って投稿


「「デュエル!!」」

 

ひはつとクロノスのデュエルが始まった。

 

「さぁて特等席で見させてもらいますかね」

 

メグはデュエルリングを降りて直ぐ脇で観戦する事にした。

 

「アンタ、 あんなに簡単に最上級モンスターを

ぽんぽん召喚してすげぇな!!」

「ん?」

 

元気はつらつの少年遊戯十代に話しかけられるメグ。

 

「そりゃどーも、 君も中々強そうだねぇ」

「アンタともデュエルしてみたいぜ!!」

「それはどうも・・・」

 

おぉ!! と観客達が驚く声がする。

 

「ん? 一体何が・・・」

 

デュエルリングを見るとひはつのフィールドには

魔法罠ゾーンにカードが4枚伏せられ手番がクロノスに移っている。

 

「手札事故したのか?」

「いや・・・分からない・・・」

 

二人の感想をよそにクロノスは闘志を燃やしていた。

 

「(ここで負けたら新入生に三連敗・・・それだけは避けるノーネ)

大嵐を発動するノーネ、 これで君のフィールドの魔法と罠を全て破壊するノーネ」

「じゃあチェーンして伏せカードを発動します

アストラルバリア、 銀幕の鏡壁、 積み上げる幸福が二枚です」

「攻撃力半減の銀幕の鏡壁・・・危なかったノーネ」

 

冷や汗を流すクロノス。

 

 

 

 

 

「なぁ、 今の可笑しく無いか?」

 

観客席で見ていた受験生の一人取巻太陽が呟いた。

 

「何が?」

 

太陽の相方である慕谷 雷蔵が相槌を返す。

 

「積み上げる幸福って・・・確か・・・これだろ?」

 

カードを取り出す太陽。

 

積み上げる幸福

通常罠

チェーン4以降に発動できる。

自分のデッキからカードを2枚ドローする。

同一チェーン上に複数回同名カードの効果が発動されている場合、

このカードは発動できない。

 

「同一チェーンに複数回同盟カードが発動されていたら発動出来ないんだから

二枚積み上げる幸福使うのは可笑しいんじゃあ・・・」

「全く可笑しくない」

「「万丈目さん!!」」

 

みんな大好き万丈目 準が現れる。

 

「積み上げる幸福2枚目の段階ではまだ同一チェーン上に

積み上げる幸福は1つしか存在しない、 故に発動可能だ」

「勉強になります・・・」

 

 

 

 

デュエルリングに場面は戻った。

チェーンの効果処理でフィールドのカードは全て破壊されるが

積み上げる幸福2枚の効果で4枚ドローに成功したひはつ。

 

「さて、 これで安心して動けるノーネ

手札から迷える仔羊を発動、 仔羊トークン2体を召喚

そして2体のトークンを生贄にモンスターをセット

迷える仔羊は」

「発動ターンにモンスターを召喚・反転召喚・特殊召喚できないけども

セットは出来る、 ですよね?」

「ほうシニョールひはつ、 中々勉強しているノーネ

余裕も有りそうナノーネ、 でも残念ながら攻撃する手筈は整っているノーネ

太陽の書を発動してセットした古代の機械巨人を攻撃表示にするノーネ

そしてダイレクトアターック!!」

 

ひはつLP4000→1000

 

「これでターンエンドなノーネ」

「ではこちらのターン」

 

カードをドローするひはつ。

 

「アーマード・ビーを召喚」

「う・・・そのカードは・・・」

「アーマード・ビーの効果発動

古代の機械巨人の攻撃力を半分にします

そして攻撃」

「う・・・古代の機械巨人は戦闘破壊されるノーネ・・・」

 

クロノスLP4000→3900

 

「カードを2枚伏せてターンエンド」

 

 

 

「おぉ!! 下級モンスターで最上級モンスターを倒すとかやるなぁ!!」

 

十代がはしゃいでいる。

 

「まぁこの位は出来て当然でしょう、 問題はここからよ」

 

メグが冷静に分析する。

 

「ここから?」

「クロノス先生は充分なライフが有り

アーマード・ビーは攻撃力1600、 逆転出来ない事は無い」

「そうか・・・厳しいのか?」

「如何でしょうね」

 

 

 

「私のターンドロー!!」

 

クロノスがドローする。

 

「古代の機械兵士を召喚して古代の機械戦車を装備させるノーネ!!

これで古代の機械兵士の攻撃力は1900ナノーネ!!」

「だったらこちらも永続罠スピリット・バリアを発動」

「むっ・・・モンスターが居る限り戦闘ダメージを0にするカードナノーネ・・・

それでもアーマード・ビーを攻撃!!」

 

古代の機械戦車に搭乗した古代の機械兵士がアーマード・ビーを攻撃し撃破する。

 

「これでターンエンドナノーネ」

「エンドフェイズ時に奇跡の残照を発動

アーマード・ビーを墓地から攻撃表示で特殊召喚します」

「むぐぐ・・・これは厳しいノーネ・・・」

「それでは僕のターン、 ドロー

KA-2 デス・シザースを召喚します」

「う、 そのカードは・・・戦闘破壊した場合に破壊したモンスターの

レベル×500ポイントダメージをこっちに与えて来るカード・・・」

「はい、 アーマード・ビーで古代の機械兵士の攻撃力を半分の950に下げます」

「く・・・だけど、 デスシザースの効果ダメージと

アーマード・ビーの攻撃を受けてもライフはあと少し残るノーネ」

「装備魔法ニトロユニットを古代の機械兵士に装備させます」

「ノーネ? こっちに装備魔法?」

「デス・シザースで攻撃します」

「だ、 だけどこっちも古代の機械戦車が破壊された事で

シニョールに600のダメージナノーネ」

「受けます

ですがデス・シザースの効果で2000ポイントのダメージです

そしてニトロユニットの効果発動、 装備モンスターが破壊された場合

装備モンスターの攻撃力分のダメージを相手ライフに与える

この場合1300ダメージですね、 そしてアーマードビーでダイレクトアタック」

「ノーネエエエエエエエエエエ」

 

ひはつLP1000→400

クロノスLP3900→3850→1850→550→0

 

 

 

「かっ・・・た!?」

 

3000以上のライフを削り切って勝利した事に驚く観衆達。

 

「コンボをきちんと考えられているし

気合い入れ直さないとね・・・」

 

メグはくるりと方向転換して試験会場から立ち去ったのだった。

 

 

 

そしてその帰り道。

 

「行きで迷子になったんだから帰りも迷子になるわね

当然だわ」

「メグさーん、 ここどこぉ?」

 

メグとひはつは警察の厄介になって帰宅する事に成功したのだった。



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家族を紹介します(*‘ω‘ *)デュエル無し回

今日はメグちゃんとひはつ君の家族を紹介する回です


無事デュエルアカデミアの入学試験に合格したメグは

自宅でデュエルアカデミアに行く為の準備を終えた。

 

「ふぅー、 終わった終わったー」

「メグー、 ちゃんと準備終わったー?」

「終わったよーママ―」

 

リビングに向かうメグ。

リビングでは煎餅をぽりぽり食べながらメグの今生での母親である

遊愛 慄(ゆうあい りつ)がテレビを見ていた。

 

「パパ出てるよー」

「そう・・・」

 

テレビでやっている番組は【ユー】と言う都市伝説を取り扱っている番組だった。

 

『さぁ今週も始まりました

貴方の身近なそれって本当に常識ですか?【ユー】です

司会は私、 棚木 良治、 そして今回のお相手は最早レギュラーの

都市伝説学者の遊愛 衆さんです』

 

司会に紹介されて遊愛 衆(ゆうあい しゅう)がぺこりと頭を下げる。

 

「やっぱウチの旦那かっこいいわぁ」

「パパの事好きだねぇ・・・」

 

メグもぽりぽりと煎餅を食べ始める。

 

『今週の気になる都市伝説は

【サイバー流と宇宙人の密約? 鮫島師範は火星人だった!?】

【筋力が有るデュエリストは実力も高い!? デュエルマッスル理論!!】

【プロデュエリストのエド・フェニックス、クローン人間説!!】』

「相変わらず変な話ばっかりねぇ・・・」

「いやいやウチの旦那はこういう突拍子もない事でも説得力を持たせてくるのよ」

「それって学者のやる事なの?」

「まぁそう聞かれると困るけど・・・でもそういう討論をする旦那は

良い男の顔なのよ、 そこに惚れたんだけどね

私が今の旦那に最初に論破された時の事、 聞く?」

「もう結構聞いているからお腹一杯です」

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃、 ひはつは自宅の自室にて

パソコンの前に座ってチャットをしていた。

 

 

「おにーちゃん、 ご飯できたよー」

 

ひはつの妹の青文字 女無天(みんと)がひはつを呼びに来た。

 

「うん、 ちょっと待ってね」

「パソコンやってるの?」

「うん、 ギルドの皆と話してた」

「ギルド?」

「デュエルモンスターズオンラインのギルド」

 

デュエルモンスターズオンラインとはデュエルモンスターズの

オンライン対戦を可能にした大ヒットしているネットゲームである。

運営会社は有名玩具メーカー【狸屋】。

個人順位やレートと言うネットゲームにありがちな機能や

ギルドと言う複数のユーザーからなるチーム戦での順位格付け

ネットオリジナルルール等も人気の一つである。

 

「そう・・・結局はデュエルが大事なんだね・・・」

「???」

 

首を傾げて食堂に向かうひはつ。

 

「遅かったわねひはつ」

 

ひはつの母、 青文字 七が鍋を持つ。

 

「待ちかねたぞ」

 

ひはつの父、 青文字 生姜が新聞を読んでいた。

 

「お父さん、 それ昨日の新聞です」

「道理で知って居る事ばかり書いてあると思った

予知能力に目覚めたかと思った」

 

そんな事を言いながら食事を取る青文字一家。

 

「ひはつ、 デュエルアカデミアへの転入の色々はもう済ませたか?」

 

生姜がひはつに尋ねる。

 

「うん、 ばっちりだよ」

「転入とかの書類は持ったか?」

「うん」

「着替えは?」

「用意した」

「デュエルディスクとかカードは?」

「バッチリ」

「手帳は?」

「用意した」

「ならば良い」

「・・・・・お兄ちゃん、 やっぱりデュエルアカデミア行くの止めない?」

 

ぽつりとミントが言う。

 

「またそれ?

僕の取り得ってデュエル位だしそれで稼げるようにならないと駄目でしょ」

「お医者さんに見て貰おうよ、 もっと良いお医者さんに」

「うーん・・・」

「ミント、 お兄ちゃんを困らせないの」

 

七が止める。

 

「でも心配だよ、 何なの、 孤島にある全寮制学校って

何で孤島に有るのよ、 明らかに変じゃない?」

「海馬コーポレーションが設立した企業だし問題は無いんじゃないのか?」

「心配だなぁ・・・」

 

不安がるミント。

 

「心配ならメール送るよ」

「メールねぇ・・・お兄ちゃんのメールって誤変換多いのよ」

「(´・ω・`)ショボーン」

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで各家庭の夜は更けていったのだった。




キャラ設定

遊愛 慄
メグちゃんをロングヘア―にして少し成長させた感じ
旦那に恋している、元々は過激なヴィーガンだったが
農耕の方が環境破壊していると旦那に論破され丸くなる。

遊愛 衆
瑠璃色のツーカットで物静かな文学青年が成長した感じ
元ディベート部部長で弁舌が上手い。
趣味は嫁に適当な事を言って混乱させる事

青文字 女無天
ロリ水色ツインテール、年齢はひはつの1つ下
お兄ちゃん大好きでデュエルにお兄ちゃんを取られたと思い
少し嫌っている、ただ出来ない訳ではない

青文字 七
水色の髪の毛の主婦。
天然ツッコミ体質でおおらかな性格。

青文字 生姜
青色の髪の毛の中年男性
中々に美形だが天然さん


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デュエルアカデミアに入学しました、これがオベリスク・ブルーの実力かぁ(・_・)

遊戯王Wikiが一時的に見れなくなったので
投稿遅れました(´・ω・`)


デュエルアカデミアに入学するメグは

入学生達を連れた船でデュエルアカデミアに向かった。

メグは既に制服に袖を通している、 制服の色は青。

彼女はオベリスク・ブルーに入寮する事になった。

 

「とは言っても女子は全員オベリスク・ブルーだからなぁ」

 

うーん、 と背を伸ばしながら折角の船旅だからと甲板に上がった。

 

「うぇぇん、 お部屋どこぉ」

 

またしても迷子になっているひはつを見つけた。

彼の制服は赤、 オシリス・レッド寮に入寮したようだ。

 

「ひはつ君、 貴方オシリス・レッドに入ったの?」

「あ、 メグさん、 そうなんですよ」

「クロノス先生を倒したし、 ラー・イエローかと思った」

「筆記が壊滅的に駄目だったらしいです」

「あぁ・・・」

 

筆記試験はデュエル関係の事もやるが普通の学力試験も行っている。

 

「でもそんなに難しかったかしら」

「物凄い難しかったです」

「うーん、 私には簡単だったけど・・・」

 

これがゆとり教育の弊害か、 と思ったメグであった。

 

 

 

 

 

 

 

デュエルアカデミアについた入学生は鮫島校長の長い話を終えて解放された。

ひはつは寮に行くのにも迷子になった。

 

そんなこんなでデュエルリングでデュエルの実習を行っている

オベリスク・ブルー生徒を観客席から眺めるメグ。

 

「・・・・・」

 

心底つまらなそうにボケーっとした顔で見ている。

 

「あら、 貴女、 クロノス教諭とデュエルした・・・えぇと」

「遊愛 恤、 メグで良いわ、 天上院明日香さん」

 

声をかけた明日香に対して向き直るメグ。

明日香の傍にはおなじみの枕田ジュンコと浜口ももえが居る。

 

「私も明日香で良いわ、 メグ」

「呼び捨てかぁ・・・まぁ良いか」

「私の事知って居るの?」

「勿論、 全中の1年で優勝してたでしょ?」

「懐かしいわね・・・」

「全中?」

 

ジュンコが首を傾げる。

 

「全国中学大会の略ですわ、 恐らくデュエル部門の」

 

ももえが補足する。

 

「あの時は若きデュエル・クイーンとか呼ばれてたっけ美人だしね」

「ふっ、 昔の話よ」

「まぁ中学生大会だから相当レベル低かったけどね」

「むっ・・・」

 

むすっとする明日香。

 

「それよりも明日香、 貴女この有様を見て如何思う?」

「この有様?」

 

明日香が首を傾げる。

 

「このレベルが低過ぎる連中の事よ

オベリスク・ブルーが聞いて呆れる、 レベルが低過ぎる」

「そうかしら? それなりに強いと思うわよ?」

「見る目が無いね」

 

呆れる様子のメグ。

 

「それじゃあ私とデュエルする?」

「え、 ヤダよ」

「ヤダって何で?」

「だってアンタ弱いじゃん」

 

明日香に面と向かって言うメグ。

 

「ちょ、 ちょっと・・・」

「あ、 明日香様・・・」

 

ジュンコとももえが心配そうにする。

 

「貴女、 勘違いしていない?

中一の頃よりも私は強くなっている」

「その割には全中2年3年と優勝していないけどねぇ」

「貴女こそ優勝していないじゃない」

「雑魚を何人倒しても面白くないじゃない

寧ろ自分は強いと慢心するから雑魚とは戦いたくないのよ」

「言ってくれるじゃない、 デュエルリングに出なさい

授業だしデュエルはしなくちゃならないんだから」

「はいはい」

 

 

 

 

 

 

 

「うぇぇーん、 ここどこぉ・・・」

 

ひはつはまだまだ迷っている。

 

「あれ、 アンタは入学試験の時の・・・」

「だぁれ?」

 

十代に話しかけられるひはつ。

 

「俺は遊戯十代!!」

「僕は青文字 ひはつ、 迷子になってます」

「そうなのか・・・デュエルリング見にいかね?」

「えぇ? 何でそんな事になるの?」

「折角だしさ!! 行こうぜ!!」

「アニキィ!! 大変ッスゥ~!!」

 

丸藤翔が走ってやって来た。

 

「如何した翔?」

「この間クロノス教諭を倒したデュエリストがデュエルするそうッス!!」

「メグさんか、 見てみよう」

 

意見を翻してひはつもデュエルリングに向かう事にしたのだった。

 

デュエルリングの周りには人だかりが出来ていた。

 

「明日香さん!! がんばってー」

「ファイトですわー」

 

ジュンコとももえも応援している。

 

「天上院君のデュエルかあ」

「是非とも頑張ってほしいですね」

「そうですね」

 

万丈目と取り巻き二人も見ている。

 

 

 

 

 

「何だか大騒ぎになって来ちゃったね」

「それだけ貴女は注目されているって事よ

クロノス教諭を倒して実力見せて貰うわ」

「ふぅん、 まぁ良いよ、 来なさい」

 

「「デュエル!!」」

 

「余裕そうにしていたし先行は貰うわ」

「好きにしなさい」

「私のターン、 ドロー!!」

 

明日香手札:5→6

 

「手札から融合を発動!!

手札のエトワール・サイバーとブレード・スケーターを融合!!

融合デッキからサイバー・ブレイダーを攻撃表示で召喚!!

更にサイバー・プチ・エンジェルを守備表示で召喚!!

デッキから機械天使の儀式を手札に加えてカードを1枚伏せてターンエンド!!」

 

明日香手札:6→2

 

「じゃあ私のターンね、 ドロー」

 

やる気無くドローするメグ。

 

メグ手札:5→6

 

「ローンファイア・ブロッサムを召喚

生贄に捧げて桜姫タレイアをデッキから攻撃表示で特殊召喚して

サイバー・ブレイダーに攻撃」

「良いわ、 でも相手フィールドのモンスターが1体の時

サイバー・ブレイダーは戦闘では破壊されない」

 

明日香LP:4000→3300

 

「手札からカードを2枚セットしてターンエンド」

 

メグ手札:6→3

 

 

 

 

 

「あっさりとエトワール・サイバーより攻撃力の上のモンスターが出るとは・・・」

「そんなに驚く事じゃないでしょ攻撃力2100の耐性が無いモンスターだし」

 

驚く十代にあっさりと答えるひはつ。

 

「耐性?」

「地割れ地砕き洗脳、除去手段なんて幾らでもあるじゃない」

「それはリスペクトに反するッス!!」

 

ひはつの言葉に過剰反応する翔。

 

「りすぺくとにはんする? 何それ? ローカルルール?」

「ローカルルールって・・・サイバー流のリスペクトデュエルッスよ!!」

「おい」

 

翔が肩を掴まれる。

 

「はい?」

 

ぼこり、 と顔面を殴られる翔。

ぺたりと座り込む。

 

「悪いね、 如何やら同門が馬鹿をやったみたいで」

 

青い制服のやや小柄の赤いポニーテールの少女が座り込んだ翔に肩を貸して運ぶ。

 

「お、 おい」

「コイツはあたしが保健室に運んどくよ、 全くサイバー流の恥知らずが・・・」

 

ぶつぶつ言いながら去っていく少女。

 

「誰だアイツ?」

「佐倉杏子さんだったかな? 一昨年の全中で見た事有るよ、 ベスト16になってた」

「へぇ、 翔が心配だからちょっと見て来るよ」

「気を付けてー」

 

十代も後を追ったのだった。

 

 

 

 

「騒がしいな」

 

十代達の所を見る万丈目。

 

「しめて来ますか万丈目さん」

「止めろ慕谷、 万丈目さんに恥をかかせるな、 みっともない」

 

慕谷 雷蔵を止める取巻 太陽。

 

「ふん・・・」

「しかしあれですね万丈目さん、 この状況天上院さんがピンチなのでは?」

「確かにサイバー・ブレイダーよりも強いモンスターを出して来るのは痛い

伏せカードも気になる、 だが思い出せ

天上院君は最初のターンに機械天使の儀式を手札に加えている」

「なるほど、 儀式召喚・・・!!」

「でも相手は攻撃力2900のモンスター

儀式召喚でそんな攻撃力の有るモンスターを出すには相当のレベルが必要の筈です」

「ふむ・・・お手並み拝見だな」

 

 

 

 

 

「私のターン、 ドロー!!」

 

明日香手札:2→3

 

「手札から機械天使の儀式を発動!!

私はフィールドのサイバー・ブレイダーとサイバー・プチ・エンジェルを生贄に捧げ」

「はぁ!?」

 

驚くメグ。

 

「な、 何よ」

「いや、 誰だって驚くでしょ、 何で手札3枚消費して出した

サイバー・ブレイダーを生贄に捧げたの? アド損じゃない?」

「それは単純よ、 私が召喚するのは

サイバー・エンジェル-荼吉尼-!! レベル8の儀式モンスター!!

だからレベル7のサイバー・ブレイダーとサイバー・プチ・エンジェルを生贄に捧げた訳よ」

「サイバー・エンジェルを入れるんだったらサイバー・ブレイダーは無しでも良いと思うけど?」

「その余裕な顔もこれでおしまいよ!! 荼吉尼の効果は」

「言わなくても良いよ、 儀式召喚に成功した場合に

相手は自身のフィールドのモンスター1体を墓地へ送らなければならない

タレイアを墓地に送るわ」

 

墓地に送られるタレイア。

 

「荼吉尼の攻撃力は2700だから攻撃力1300のモンスターを出せれば私の勝ち!!」

「なら、 さっさと召喚したら?」

「安心しなさい、 召喚するわ」

 

デュエルディスクをぽち、 と操作する。

 

「墓地からね、 トラップ発動!! リビングデッドの呼び声!!

墓地のサイバー・ブレイダーを攻撃表示で特殊召喚!!

これで総攻撃力は4800!!」

「おっと、 ならば私も伏せていたリビングデッドの呼び声を発動

タレイアを墓地から攻撃表示で召喚」

「くっ・・・モンスターを裏守備表示でセットしてターンエンド」

 

明日香手札:3→1

 

「では私のターン、 ドロー」

 

メグ手札:3→4

 

「伏せて有るリミット・リバースを発動して墓地のローンファイア・ブロッサムを召喚

生贄に捧げて効果発動、 デッキから姫葵マリーナを攻撃表示で特殊召喚」

「でもサイバー・ブレイダーは効果で攻撃力が倍になるわ!!」

「ふん、 とんだロマンチストね」

「どういう事?」

「このままで済ます程、 私は大人しい女じゃあないの

手札からライトニング・ボルテックスを発動

サイバー・ブレイダーと荼吉尼を破壊して貰うわ」

「私こそ殴られっぱなしで済ませる程優しい訳じゃない!!

墓地の機械天使の儀式を除外して効果発動!!

自分フィールドの光属性モンスターが戦闘・効果で破壊される場合

代わりに墓地のこのカードを除外できる!!」

「どうでも良いわ、 今墓地に捨てた天啓の薔薇の鐘を除外して効果発動

手札から攻撃力2400以上の植物族モンスター1体を特殊召喚する

手札のギガプラントを攻撃表示で特殊召喚」

「3体目・・・でもこれで」

「残念ながらまだこのターン通常召喚をしていない

私は手札からライトロード・マジシャン ライラを召喚」

「え? 植物族デッキじゃないの?」

「ライトロードは便利だからね、 それでは

マリーナでサイバー・ブレイダーを、 荼吉尼でタレイアに攻撃」

「くっ!!」

 

マリーナとタレイアの攻撃で明日香のモンスターが破壊される。

 

明日香LP:3300→2800→2100

 

「セットモンスターをライラで攻撃」

「あぁ・・・エトワール・サイバーが・・・」

 

裏守備表示になっていたエトワール・サイバーが破壊される。

 

「ギガプラントでダイレクトアタック」

「くっ・・・」

 

明日香LP:2100→0

 

 

 

 

「負けた・・・か・・・良いデュエルだったわ、 大口叩くだけは有るわね」

「うん、 次デュエルする時は融合か儀式かハッキリした方が良いと思うわ」

「言ってなさい」

 

やんややんや言いながらデュエルリングを降りる二人だった。

 

「・・・・・終わりかぁ」

「おい、 レッドが何でこんな所に居るんだ?」

 

オベリスク・ブルーに絡まれるひはつ。

 

「迷いました」

「あ、 あぁそうかい・・・」



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サイバー流の体制と早寝早起きのひはつ( 一一)Zzz

今回はこの作品内でのサイバー流とかの解説と
ひはつ君のデュエル回です。


「うぅん・・・知らない天井だ」

 

翔が目を覚ますと保健室のベッドの上だった。

 

「目が覚めた?」

 

保健の鮎川先生が翔を見る。

 

「君、 急に倒れたんだって、 大丈夫?」

「急に? いや、 僕は」

「あー、 先生はここは後は私が見ておきますからー」

 

杏子が割って入る。

 

「あら、 そう、 じゃあここは任せるわね」

 

鮎川が部屋から去っていく。

 

「・・・・・君、 僕を殴ったッスね?」

「お前が余計な事を言おうとするからだよ

この馬鹿、 サイバー流を貶めようとするな」

「貶めるなんて、 そんな気持ちは無いッスよ!!

リスペクトの精神が無い事を批難しただけッス!!」

「そういうのが問題なんだよ・・・えーっと・・・名前何だ眼鏡」

「丸藤 翔ッス」

「丸藤? カイザー亮と同じ苗字だな」

「お兄さんッス」

「あのカイザーに弟が居たとは知らなかったな

私は佐倉、 じゃなかった才倉杏子、 一昨年の全中ではベスト16だった

アンタは?」

「え、 アンタはって・・・」

「全中で何位だった?」

「予選落ちッス・・・」

 

杏子は溜息を吐いた。

 

「予選落ちなのにリスペクト云々言ってたの?」

「わ、 悪いッスか!?」

「はぁ・・・ちょっと呆れるわぁ・・・

兎も角自分でリスペクトを実行するのは良いが

揉め事を控えてくれ」

「控えてくれって・・・」

「あのなぁ」

 

ガラッ、 と保健室に入って来る。

 

「ふぅむ、 才倉君、 保健室に来ているって聞いたけど

どうしたのかなぁ?」

「あ、 先生」

 

少しひょろ長い先生が入って来た。

 

「才倉君、 保健室に来たって大丈夫だったのかい?」

「えぇ、 大丈夫です、 ちょっと格下の同門に説教していただけです」

「格下の同門って僕の事ッスか!?」

「ん-・・・あぁ丸藤さんとこの次男坊だね、 久しぶりー」

「久しぶり・・・?」

「あぁ、 前に会った時にはおちびちゃんだったから忘れているんだね

改めて自己紹介、 僕はこの学校で実技を担当している才眠 述

サイバー流では教士の位に入る」

「教士?」

「うん? 君もサイバー流だろう? 階級は?」

「階級・・・?」

 

首を傾げる翔。

 

「あれ? 何で知らないの?」

「僕は通信教育でサイバー流の門下生になったので詳しい事は良く・・・」

「あらら・・・じゃあ一から説明してあげよう

サイバー流には階級分けが有るんだよ

階級は低い順から無階級、 君の様にサイバー流の基礎だけ知って居る

特に何の呼び名も無い階級だね、 履歴書にも書けない」

「そうだったんスか・・・」

「サイバー流に師事するなら通信教育でも説明していると思うけど・・・」

「いや、 分かんないス」

「そうか、 君の階級の上に

徒弟、 錬士、 教士、 範士、 準師範、 師範代、 免許皆伝と7段階ある

これは資格として認められていて履歴書にも書ける」

「師範代と免許皆伝は聞いた事有るッス」

「そう、 現在のサイバー流の師範代にして最高責任者マスター鮫島

そして君の兄のサイバー流免許皆伝のカイザー亮

デュエルアカデミアで教鞭を振えるのは教士以上と定められている」

「そうなんスか・・・勉強になります・・・」

「因みにアタシは錬士、 公式大会で優秀な成績を残したからな」

「むむむ・・・」

「ってこんな話じゃない、 アンタの振舞はちょっと問題がある

リスペクトデュエルをしてないからって声を荒げるのは問題があるってんだ」

「なんで何スか?」

「ふむ、 じゃあ僕が説明してあげよう」

 

才眠がまた説明を始める。

 

「今現在、 サイバー流がぶつかっている大きな問題がある」

「問題・・・スか?」

「その通り、 その問題はサイバー流の講師不足だ」

「講師不足?」

「サイバー流で人に教えられるのは教士以上とされている

しかし教士のみでは実力的に問題があるから

実際に市井のサイバー流の道場を開いているのは範士以上となる

稀に教士が開いている場合もあるがその時は錬士がサポートに入る

そしてサイバー流の運営はブロック毎に分けられている」

「ブロック?」

「所謂地域の支部みたいな感じだ

北海道ブロック、 東北ブロック、 関東ブロック

中部及び四国ブロック、 九州及び沖縄ブロック

そして童実野町ブロックの6ブロック

この地域のブロックを統括するのは準師範

若しくは特別師範と特例で任じられている範士になっている

市井の道場の教鞭を取る者は足りているが

このブロックを束ねる準師範が全く足らないのが実情だ

ブロックを束ねる責任者の半分が特別師範と言う立ち位置になっている」

「で、 でもサイバー流には有名で若い人材とか居ますよね?

昨年の全中の優勝者の・・・えと・・・」

「西前 東立君か

確かに彼は君と同い年で範士クラスの実力者だったが・・・

君、 このアカデミアの入学式で西前君を見たか?」

「え、 いや・・・見てないッス・・・」

「そうなんだよ、 彼は急にデュエルモンスターズを引退してしまったんだ

今は普通の高校に通っている」

「え、 な、 何で?」

「それが分からない・・・何れにせよ人材が足らないんだ」

 

がっくりとする才眠。

 

「でも何でそんな事に・・・」

「事の発端は20年前に遡る、 マスター鮫島

いやサイバー流の絶頂期と言っても良いかもしれない

当時は中部及び四国ブロック、 九州及び沖縄ブロックなんて分け方じゃなく

4ブロックに分けられていた、 準師範も多かった

だがしかし!! サイバー流、 いやデュエル史に残る大事件が起こった!!」

「そ、 それは?」

「当時のサイバー流免許皆伝、 サイバー流最強と呼ばれた

国際 善次郎とその一派がサイバー流のリスペクトに傾倒し過ぎて

サイバー流では無い別流派の道場に対して

焼き討ちを仕掛けようとしていた事が発覚した!!」

「!!」

「発覚前に判明したが国際は爆発物を準備していたとして

実刑が確定し刑務所に入った

国際は前々からリスペクトに反しているとしてデュエリストに対して

複数人で取り囲んでカードを没収したり、 家に押しかけたりして

警察の厄介になる事も多かった、 しかし当時のマスター鮫島は

国際を庇い、 示談に持ち込んでいた

しかし爆発物を準備していた事は庇い切れずに

国際と取り巻きは刑務所行きになった・・・」

「何という事っスか・・・」

「甘いぼっちゃんだな」

 

杏子が割って入る。

 

「え?」

「考えて見ろ、 爆弾を持って自分と意見が合わない奴と

同じ流派を学びたいと思うデュエリストが居るか?」

「その通り、 それからサイバー流は声高にリスペクトを叫ぶと反感を買い

規模が縮小し始めた、 サイバー流の道場運営よりも

プロデュエリストとして活躍する道を選ぶ者が増えて行った

準師範になってもそこから独立して別の流派を開く者達も現れた」

「現状、 あたし達サイバー流は

アンチ・リスペクトの目を掻い潜りながら

水面下でじっくりと活動を続けているんだ」

「水面下?」

「そう、 相手モンスターの除去や効果ダメージ等の

相手を省みないリスペクト精神の無いデュエルではない

リスペクトデュエル、 それを広める為に

じわりじわりとサイバー流を広めているんだ」

「先輩方の尽力でサイバー流もリスペクトデュエルも

市民権を取り戻し始めたが最近のネット社会の影響で

不用意なサイバー流の過激なリスペクト精神が取沙汰されるんだ

だからアンタの様に表立って不快感を示されては困るんだよ」

「そうなんスカ・・・」

 

翔はしょげた。

 

「丸藤君、 君、 僕が顧問を務めるサイバー流のサークルに入りなさい」

「え?」

「君はカイザーの弟だ、 見所が有ると思う」

「・・・・・」

「失礼しまーす」

 

十代が入って来た。

 

「じゃあ僕はこれで」

「じゃあな」

 

杏子と才眠は部屋から出て行った。

 

「お、 翔、 大丈夫だったか?」

「だい・・・じょうぶッス・・・」

 

あんまり大丈夫じゃなさそうに翔は言った。

 

 

 

 

 

 

 

「さっきの眼鏡、 あたし達の仲間になりますかね?」

 

杏子は廊下を歩きながら才眠に言った。

 

「まぁどっちでも良いさ、 オシリスレッドだしね

レッドでも頭数には入るし少しずつ派閥を拡げて行きたい

そして空席になっている教頭の座を何としてでも獲得したい」

「教頭になれたらあたしの卒業後の教員の話、 よろしくお願いしますね」

「勿論、 君の様な実力者なら喜んで」

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、 早朝

ひはつはオシリスレッドの寮の自室で目覚めた。

 

「うーん・・・良く寝たぁ・・・」

 

前日8時に寝て、 現在5時。

早寝早起きである。

 

「あ、 えーっと・・・なんかメール来てるや」

 

学生に支給されている端末に誰からかメールが来ている。

 

「えーっと・・・何て読むんだコレ?

人の名前か? 何々・・・午前0時にアンティデュエルしようって事かな?

あー・・・・・」

 

過ぎている事に気が付いた。

 

「じゃあ返信しておくか」

 

――――――――――――――――――――

 

あさはやくにすみませんきのうはよるおそく

にねむってしまったのでメールをみることが

できませんでしたとりあえずレッドりょうの

前にいるのでよろしかったらどうぞ

 

――――――――――――――――――――

 

メールを返信するひはつ。

暫くするとメールが返信されて来た。

 

――――――――――――――――――――

 

良いだろう、昨日のドロップアウトボーイと

のデュエルは中途半端だったからな

受けて立つ、と言いたいが

今何時だと思っている?朝5時だぞ?

早過ぎるだろ、とりあえず慕谷を送るから

そいつとデュエルしろ。

 

――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

ひはつがレッド寮の前で待つ事10分。

慕谷がやって来た。

 

「えーっと・・・何て読むんですかこれ?」

「何の話だ?」

「なに谷って読むんですか?」

「したいたにだな・・・

何でこんな朝早くにデュエルしなきゃならないんだ・・・」

「断れば良かったのに」

「断れるかよ、 万丈目さんの命令だしな・・・

お前が勝ったらベストカードを貰う」

「それだったら1000円で譲りますよ」

「譲るって良いのかよ・・・」

「沢山有りますし」

「えぇ・・・」

 

明らかに困惑する慕谷。

 

「因みに売ろうとしているベストカードって何だ?」

「強欲な壺」

「もっと他に何かないのか・・・ブラックマジシャンとか」

「ありますよ、 2,30枚くらい」

「多ッ!! 何だそれ、 偽物か何かか?」

「韓国語版ですけど本物です」

「韓国語版・・・」

「えぇ、 韓国の物価は安いから安く手に入りますよ」

「・・・韓国語で書いてあるなら読めないから要らない・・・」

「でも僕の持っているカード韓国語版ばっかりですよ」

「えぇ・・・じゃあ如何すれば良いんだよ・・・」

「デュエルだけして帰ったら如何ですか?」

「そうするか・・・もう眠いし・・・とっととデュエルして帰るわ・・・」

 

「「デュエル」!!」

 

画して眠い慕谷とひはつとのデュエルが始まった。

 

「眠いから先行は貰う、 ドロー」

 

慕谷手札:5→6

 

「・・・・・んあ?」

 

慕谷手札

サファイアドラゴン

サファイアドラゴン

フロストザウルス

炸裂装甲

落とし穴

洗脳-ブレインコントロール

 

「・・・・・」

 

悪くない手札だ、 と慕谷は思った。

サファイアドラゴンを召喚して

相手がサファイアドラゴン以上の攻撃力のモンスターを

召喚して来れば落とし穴、 破壊を回避しても炸裂装甲。

次のターンにはフロストドラゴンか、 サファイアドラゴンを召喚する。

駄目押し洗脳まで来ている。

 

「(何で如何でも良いデュエルなのにこんなに引きが良いんだ・・・

まぁ良いや、 とっとと終わらせて寝よう)サファイアドラゴンを召喚

カードを2枚伏せてターンエンド」

 

慕谷手札:6→3

 

「僕のターンドロー」

 

 

ひはつ手札:5→6

 

「エア・サーキュレーターを召喚

手札を2枚デッキに戻してシャッフルして自分はデッキから2枚ドローする

カードを3枚伏せてターンエンド」

 

ひはつ手札:6→2

 

「俺のターン、 ドロー」

 

慕谷手札:3→4

 

ドローしたカード

サイクロン

 

「手札からサイクロンを発動、 お前が伏せた右のカードを破壊」

「破壊対象になった罠発動、 ナイトメア・デーモンズ

チェーンで連鎖爆撃」

「ナイトメア・デーモンズ? 何だ? 聞いた事無いぞ?」

「まずチェーン3の連鎖爆撃の効果で君に1200ダメージ

次にナイトメア・デーモンズの効果で

エア・サーキュレーターを生贄にして

ナイトメア・デーモン・トークン3体を

攻撃表示で君のフィールドに特殊召喚」

 

慕谷LP:4000→2800

 

「攻撃力2000のモンスター3体を俺のフィールドに召喚だと?

何を考えている? まぁ良い、 ならば遠慮なく攻撃させて貰う

ナイトメア・デーモンズ・トークンでダイレクトアタック」

「つり天井発動

フィールドの表表示のモンスターを全て破壊

ナイトメア・デーモンズ・トークンが破壊された場合

そのコントローラーは1体につき800ダメージを受ける」

「ちぃ!!」

 

慕谷LP:2800→400

 

「だがまだ俺は通常召喚を残している

2体目のサファイアドラゴンを召喚してターンエンドだ」

 

慕谷手札:4→2

 

「僕のターン、 ドロー」

 

ひはつ手札:2→3

 

「カードガンナーを召喚

カードガンナーにヴィシャス・クローを装備させて

サファイアドラゴンに攻撃」

「へ? いやカードガンナーの攻撃力は・・・

今は装備魔法込みでも700か、 サファイアドラゴンには届かないぞ?」

「良いよ」

 

ヴィシャス・クローを装備したカードガンナーが

サファイアドラゴンに攻撃をする。

当然ながらサファイアドラゴンにはまるで通じず逆に反撃を受けて

ひはつにダメージが入る。

 

ひはつLP:4000→2800

 

「ヴィシャス・クローの効果発動

装備モンスターが戦闘によって破壊される場合は

代わりにこのカードを手札に戻す

さらに戦闘を行った相手モンスター以外のモンスター1体を破壊し

相手ライフに600ポイントダメージを与える

トークン生成の効果も有るけども置いておこうか

カードガンナーを破壊して600ダメージを君に与えて僕の勝ち」

 

慕谷LP:400→0

 

 

 

デュエルが終わってもぽかんとした顔の慕谷。

 

「何だか釈然としない負け方だな・・・

俺は夢でも見ているのか?」

「さぁ、 どうだろうね・・・」

「と言うか、 お前のデッキ

この前にクロノス先生とデュエルした時とは別のデッキなのか?」

「そうだよ、 沢山デッキあると沢山楽しいから

色んなデッキでデュエルしてる」

「そうか・・・まぁ、 俺は眠いし・・・寝る・・・」

「おやすみー、 僕も適当にネットでも見てるよ」

 

二人は互いに自分の寮の自分の部屋に戻るのだった。



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生き返るわぁ、っておい馬鹿止めろ(;・д・)

才倉杏子さんはまどかマギカから少し名前を変えてます。
名前が変わっている理由はまた後程
コメントが少なくて悲しい、コメントを下さい(切実)


デュエルアカデミアの授業中。

デッキ構築論についての講義が行われていた。

デッキ構築講義担当の最愛 機会が講義をしていた。

彼女はサイバー流の教士だがサイバー流に関してのあれこれを

講義する事は無く、 つつがなく講義は進んだ。

 

「と、 この様に40枚デッキから初手手札6枚をドローする場合

手札にカードが来る確率は40/1~34/1の確率で1枚ずつ

この初期手札にバランス良くカードが来る様に調節するのが

デッキ構築の初歩の初歩である」

 

座椅子に座りながら指示棒で分かり易く図を指し示す最愛。

地味目な女性だが声はハッキリとしていて聞き取り易い。

 

「カードの種類は大まかに分けて3種類

ではそこの丸藤君、 その3種類を答えたまえ」

「は、 はいっス!!

え、 えぇとモンスター、 魔法、 罠の3種類ッス!!」

「ふむ上出来だな、 ではその魔法カードは更に何種類に分けられる?」

「え、 えぇっと・・・

通常魔法、速攻魔法、装備魔法、永続魔法と・・・」

「フィールド魔法と」

 

後ろから杏子が翔に耳打ちする。

 

「フィールド魔法の5つッス!!」

「儀式を忘れている、 不勉強だね」

「先走んな」

 

軽く杏子に小突かれる翔。

 

「うぅぅう・・・」

「まぁ良い、 儀式よりも融合の方がメジャーだし使いやすい

上位互換と言っても良いだろう」

「先生、 それは言い過ぎでは? 儀式でも厄介なカードは有りますよ」

 

メグが口を挟む。

 

「ふむ、 確かに、 しかしメジャーなのは融合だ

私の講義では融合をメインに授業をして行く

儀式に関しては各自自習する様に

授業では少ししかやらないが儀式は儀式でテストに出るからな」

「えぇー、 そんなぁー・・・」

 

絶望の淵に突き落とされる翔。

 

「心配すんなよ翔!! 実技と筆記は別だ、 何せ俺でもクロノス先生に勝てたしな!!」

 

十代が励ます。

 

「それでは本日の授業はここまで」

 

スタスタと教室を去る最愛。

途中でクロノスで出会う。

 

「シニョーラ最愛、 授業お疲れ様ナノーネ」

「いえいえ、 我が子と接するよりは楽ですよ」

「子・・・例のアレでスーカ? 私としてはあんまりいい気分はしませんーガ」

「まぁ異様でしょうね、 でも私としてはクロノス先生の方が心配ですが」

「私が心配? それな何ででスーノ?」

「オシリスレッドの生徒に入学試験で二連敗もしたとか

十代とか言う生徒が授業中に自慢してましたよ? 大丈夫ですか?」

「うぐ!! ぎぎぎぎぎ・・・」

 

ショックを受け歯軋りをしながら凄い悔しがっているクロノス

 

「では私はこれで」

 

最愛はスタスタと去って行った。

 

「・・・・・オ・ノーレ!! ドロップアウトボーイィィィ・・・

ぐぬぬ・・・目に物見せてあげるノーネ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の夜、 明日香はジュンコとももえと共に入浴をしていた。

メグと杏子もそこにやって来る。

 

「はぁ~生き返るわぁ」

「年取っているみたいな言葉ね・・・ってメグ、 頭如何したの?」

 

メグの髪の毛に盛られている部分が無くなっている。

 

「あぁ、 盛っているのはエクステよ」

「エクステ?」

「付け髪の毛の事よ」

「何でそんな物を付けているの?」

「御洒落よ、 お風呂の時に外すと貴女とキャラ被るわね」

「知るかよ・・・あ、 ちょっと皆上がって」

 

話を振られた杏子が上がる様に促す。

 

「如何したの?」

「誰か外にいる、 ちょっととっちめて来よう」

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後、 レッド寮。

ひはつはデュエルモンスターズオンラインで対戦後のチャットをしていた。

 

 

ペッパー(ひはつのアカウント名):R2650

流石にレート3200クラスは強いなぁ。

 

クラスタ:R2011

相手がバーンしてこなかったら勝ててた惜しい

 

五行:R2209

惜しいなんかデュエルにねぇよ

効果ダメージ対策してなかったのか?

 

ペッパー:R2650

ピケル入れてたけど引けなかった。

 

五行:R2209

ライフ・コーディネイターとか如何だ?

手札から出せるしおすすめ

 

カウントマン:R1048

魂 の リ レ ー

 

クラスタ:R2011

ク ソ デ カ リ ス ク

 

五行:R2209

月の書とコンボすれば或は・・・

 

 

 

ドンドンとひはつの部屋のドアがノックされる。

 

 

 

ペッパー:R2650

御客さんっぽいから落ちます、おやすみー

 

五行:R2209

おつー

 

クラスタ:R2011

おつー

 

カウントマン:R1048

おつー

 

 

 

PCの電源を落としてドアを開くひはつ。

ドアを開けるとそこには十代が居た。

 

「た、 大変だひはつ!! 翔が連れ去られた!!

ブルー女子寮に行かないと危ないみたいだ!!」

「な、 なんだってー!! ど、 どういう事!?」

「さっきメールが来て俺とひはつが行かないと危害を加えるって!!」

「た、 大変だー!! 直ぐに行かなきゃ!!

それでブルー女子寮って何処!?」

「地図を見ながら行こう!!」

 

 

 

 

 

また数分後。

指定された場所にひはつと十代が行くと杏子を羽交い絞めにするメグとジュンコ。

そして明日香とももこ、 縛られている翔が居た。

 

「来たのね」

「如何言う状況?」

「私が説明しますわ」

 

ももこが状況を説明する。

まず翔が偽の手紙で呼び出され、 覗きをしたのではないかと勘違いされる。

次に杏子がマジギレして翔の口内に大量に小石を入れた後に殴ろうとする。

そして現状、 流石にそれは見過ごせないとメグとジュンコに止められている。

 

「と、 簡単に言うとこう言う事ですわ」

「末席の末席とは言えサイバー流の同門が仕出かした事!! せめてこれ位は・・・」

「うーん、 じゃあデュエルで解決しようぜ」

「私も貴方に興味が有ったから呼び出したけどこうも興奮している状態だと・・・」

 

困惑する明日香。

 

「えぇい!! 埒が明かない!! 明日香は十代とデュエル!!

才倉は私とデュエル!! これで良いわね!!」

「あたしと遊愛がデュエル?」

「メグで良い」

「あたしに何のメリットがあるんだ?」

「意見が割れたデュエリストが物事を決めるのにデュエル以外に最良の方法が有ると?」

「・・・・・まぁ良い、 じゃあ天上院さんはそこの十代と

あたしとメグがデュエルで、 天上院さんが勝ったら今回の事は上に報告して

十代が勝ったら報告はしない、 メグが勝ったらそのまま丸藤は返す

あたしが勝ったらこのまま丸藤を打ん殴る、 って事で良いか?」

「翔を助ける為だ、 しょうがない・・・」

「まぁ乗りかかった船よ、 相手になるわ」

「・・・・・」

 

立ち尽くすひはつ。

 

「これ、 僕要らなくない!?」

 

十代と明日香のデュエルは遊戯王GX本編で描かれているので

このSSではメグと杏子のデュエルを描く事にします。

 

 

「「デュエル!!」」

 

「先行は如何する?」

「じゃあ貴女が先行で良いわ」

「じゃああたしのターン、 ドロー!!」

 

杏子手札:5→6

 

 

「げほげほ」

 

石を吐き出す翔。

 

「だ、 大丈夫?」

「死ぬかと思ったッス~!!」

「次からはきちんと確かめて行く事ね・・・」

「それにしてもサイバー流と言ってたけどあの杏子さんって人、 強いの?」

「サイバー流の中では錬士の実力者ッス!!」

 

首を傾げるももことジュンコ。

 

「なるほど、 錬士クラスか・・・」

「・・・アンタ分かるの?」

「一応ね、 デュエルモンスターズオンラインのレートで言うと2000位だね」

「それも良く分からない」

「サイバー流は後攻が有利の筈だけど躊躇い無く先行貰ったけど・・・どうなんだろ」

「僕もあの人のデュエルは見た事無いッス・・・」

 

 

 

「モンスターをセット、 カードを伏せてターンエンド」

 

杏子手札:6→4

 

「私のターン、 ドロー!!」

 

メグ手札:5→6

 

「トレードインを発動、 椿姫ティタニアルを墓地に送って2枚ドロー

薔薇恋人を召喚して超栄養太陽を発動、 超栄養太陽の効果で薔薇恋人を生贄に

デッキからローンファイア・ブロッサムを召喚

ローンファイア・ブロッサムを生贄にデッキから光の王 マルデルを攻撃表示で召喚

超栄養太陽は効果により破壊、 そしてマルデルの効果発動

デッキから植物族モンスターを1体サーチ

姫葵マリーナを手札に加える、 そして薔薇恋人を墓地から除外して

今サーチしたマリーナを攻撃表示で召喚」

「1ターンに最上級モンスターを手札消費2枚で召喚って頭がおかしいでしょう・・・」

「サイバー流の高火力モンスターに比べたら有情じゃない? ではバトル

マルデルでセットモンスターに攻撃」

「セットモンスターはシャインエンジェル!!

戦闘破壊された事でデッキから攻撃力1500以下の光属性モンスターを召喚する!!

あたしが召喚するのはスーパースター!!」

「へ? 良いの?」

「何が?」

「・・・・・いや、 良いか」

 

通常リクルーターで狙ったモンスターを召喚する場合。

最後の攻撃時に召喚する事が多い。

何故なら2体目以降の攻撃で破壊されるからだ。

 

「スーパースター・・・確か光属性モンスターの攻撃力をあげるモンスターだったか・・・

ならばマリーナで攻撃!!」

 

杏子LP:4000→2200

 

「くっ、 必要経費だ!!」

「カードを1枚セットしてターンエンド」

 

メグ手札:6→3

 

「ここから巻き返す!! ドロー!!」

 

杏子手札:4→5

 

「いよし!! 手札からサイバー・ドラゴンを特殊召喚!!」

 

サイバー流の象徴たるモンスターが鎌首をもたげて現れた。

 

「そしてリビングデッドの呼び声!! 墓地のスーパースターを攻撃表示で特殊召喚!!

そしてその特殊召喚に対して速攻魔法、 地獄の暴走召喚を発動!!」

「あ、 そう言う事か」

「地獄の暴走召喚の効果であたしのデッキのスーパースターが2体攻撃表示で特殊召喚される!!

代わりにあんたもフィールドのモンスターを特殊召喚出来るけど

同じ最上級モンスターを複数枚デッキに入れているか?」

「読んで来た・・・って訳ね、 マルデルを選択するけど

自身の効果でフィールドには1枚しか存在できない

と言うか1枚しかデッキに入れていないから不発ね」

「これで3体のスーパースターの効果で

フィールドの光属性モンスターの攻撃力は1500ポイントアップ!!

更にまだあたしは通常召喚をしていない!! 手札の融合呪印生物-光を召喚!!

融合呪印生物-光の効果発動!! サイバー・ドラゴンと融合呪印生物-光を生贄に

サイバー・ツイン・ドラゴンを攻撃表示で特殊召喚!!

スーパースター達の効果で攻撃力は4300!!」

 

 

圧倒的に強化されたサイバー・ツイン・ドラゴンを前に狼狽する翔。

 

「あわわわわ・・・こ、 これじゃあ負けちゃうッスよ!!」

「心配するな、 あのセットカード、 あれによってはまだ希望が・・・」

 

 

「そんな希望なんて吹き飛ばす、 サイクロンを発動!!

セットカードを叩き割る!!」

「藪蛇だったね!! チェーンして伏せていた植物連鎖を発動!!」

「植物連鎖?」

「このカードは装備カードになって植物族モンスターに装備されるんだけど

まぁ今回はその効果は良いか、 とりあえず破壊される

そして破壊された時に効果発動、 墓地の植物族モンスター1体を選択して特殊召喚できる

トレードインで墓地に落としたティタニアルを守備表示で特殊召喚するよ」

「あ・・・」

 

結果論だが伏せカードを気にせずに攻撃すればサイバー・ツインの2連打と

スーパースターの攻撃で勝利出来たが

ティタニアルが出て来たおかげで攻撃が防がれる事になった。

 

「・・・仕方ない!! サイバーツインでマリーナ、 ティタニアルの順番で攻撃!!」

 

メグLP:4000→1500

 

「これでターンエンド!!」

 

杏子手札:5→1

 

 

 

 

「2ターン目でこれ? さっきの最上級モンスター2体召喚が可愛く見えるレベルね・・・」

 

ジュンコが呟く。

 

「全中ベスト16の腕前は伊達じゃない・・・って事ですわね」

 

ももこも漏らす。

 

「これじゃあ僕の歯が・・・」

 

翔がガクガクと震える。

 

「ん-、 でも巻き返しは充分出来るでしょ」

 

ひはつは楽観している。

 

「いや、 この状況は厳しいでしょ」

「そうでもないよ、 伏せカードは無しで手札はドロー含めて4枚

墓地も充分だし、 これで巻き返せない方がおかしいよ」

「えぇ・・・」

 

困惑するジュンコ達。

 

 

 

 

「ひやっとしたけど私のターン、 ドロー」

 

メグ手札:3→4

 

「手札抹殺を発動、 互いに手札を全て捨てて捨てた枚数分ドロー」

「手札交換か・・・」

 

メグが捨てたカード

炎妖蝶ウィルプス

にん人

コアキメイル・グラヴィローズ

 

杏子が捨てたカード

プロト・サイバー・ドラゴン

 

「良し、 勝った」

「勝利宣言? この状況で?」

「うん、 伏せも無いし好きにやらせて貰うよ

マルデルを生贄にヴァリュアブル・アーマーを召喚」

「虫ィ? 植物族デッキじゃなかったのか?」

「ギガプラントに使えるから入れてたんだ

そしてスーペルヴィスを装備させる

これでヴァリュアブル・アーマーは全体攻撃の能力を持った」

「それでもヴァリュアブル・アーマーの攻撃力は2350!!

スーパースターを全て倒したとしてもサイバー・ツイン・ドラゴンの攻撃力は2800!!

遠く及ばない!!」

 

困った様な笑みを浮かべるメグ。

 

「な、 なんだよ、 その表情は」

「サイバー・ツインに攻撃する必要は無いんだよ」

「はぁ? あ・・・」

 

ここで簡単な算数の時間だ。

杏子のLPは2200。

スーパースターの攻撃力は500+スーパースターの数×500

つまり1体目は2000、 2体目は1500、 3体目は1000

ヴァリュアブル・アーマーの攻撃力は2350。

(2350-2000)+(2350-1500)+(2350-1000)=2550。

2200-2550

 

「サイバー・ツイン・ドラゴンを攻撃しなくても

スーパースターを攻撃するだけで勝てるんだよ」

「くっ・・・・・モンスターに向き直らないそんなデュエルで心痛まないのか!?」

 

杏子がメグに言い放つ。

 

「悪いけど、 ここで手を抜いて翔君に歯がボロボロになっては寝覚めが悪過ぎるからね

とは言え、 私も反省したよ

色々手を伸ばし過ぎているからデッキをちゃんとまとめる事にしよう

いい勉強になったよ」

 

そう言ってヴァリュアブル・アーマーは両手の鎌でスーパースター達をバラバラにしていった。

 

杏子LP:2200→1850→1000→0

 

 

 

 

「もう少し練り直す必要が有る様だな・・・次は負けない」

 

そう言って杏子は立ち去って行った。

 

「そっちも終わった?」

 

明日香と十代が歩いて来る。

 

「そっちは?」

「私の負け」

「俺の勝ち!! これで翔は返して貰うぜ!!」

「うん、 じゃあさっさと寮に帰った方が良いよ」

「眠くなった来た・・・」

 

うつらうつらするひはつ。

 

「そうだな、 じゃあ帰るぞ!! ひはつ!! 翔!!」

「・・・・・はいッス」

「うん・・・」

 

満足気な十代と複雑そうな顔をした翔と眠そうなひはつはレッド寮に帰って行ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ドロップアウトボーイを呼び出したつもりが別のドロップアウトボーイが来て

デュエルしたと思ったらシニョーラ明日香が負けータとは・・・」

 

望遠鏡で遠くから見ているクロノスが一人呟く。

 

「ぐぬぬ、 次こそは何とか上手い具合に何とかする方法を考えなくテーハ!!」

「はぁ・・・はぁ・・・こんな所で何をしているんだ?」

「!!」

 

クロノスが振り返るとそこには緑色のボディスーツにガスマスクを着けた男が立っていた。

 

「し、 シニョール彩速!!」

 

彩速・スピード、 彼もデュエルアカデミアの実技を担当している。

サイバー流の範士でもあり、 デュエルアカデミアの教師の中でも屈指の実力者である。

また自称【世界一足が速いデュエリスト】である。

少なくともデュエルアカデミアとサイバー流のデュエリストの中では最も足が速い。

人は彼をランニングマンと呼ぶ。

 

「俺の事はランニングマンと呼んで下さいクロノス実技担当最高責任者殿」

「そ、 それは失礼したノーネ」

「こんな所で何を?」

「そ、 そちらこそ何をしてるノーネ!!」

「夜のランニングさ、 あんたこそ望遠鏡を持って女子寮の方を見て何をしている?」

「こ、 これは・・・何でもないノーネ・・・」

「望遠鏡を持って女子寮の近くをうろついていた、 これだけでも問題行動では?」

「うぐ・・・」

 

追い詰められるクロノス。

 

「とは言え、 あんたをチクってあんたが実技担当最高責任者を降ろされても

俺が代わりに実技担当最高責任者に成れる訳でもなし

今空いている最高のポストである教頭の座な訳だよ」

「・・・・・何が言いたいノーネ」

「俺の強さを大々的に見せつけたい、 次の月一テストで強さを見せつけたい」

「分かったノーネ・・・何とかするノーネ・・・」

 

渋々ランニングマンの要望を受け入れるクロノスであった。




ランニングマンはメタルギアのボスキャラから取っています


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青春と月一テスト(前編)(´▽`)

よくよく考えてみるとメグは二度目の人生。

二度目の青春と言う訳である。

 

「青春をデュエルだけに使うのはあまりにも勿体無い

色々サークルや部活動が有るし青春、 しよう!!

と思ったのは良いけれど・・・どれにするかなぁ・・・」

 

部活動やサークルの勧誘の張り紙が張ってある掲示板の前で悩むメグ。

 

「悩んでいるそこの君!! テニス部は如何だい!?」

 

テニス部部長の綾小路が話しかけて来る。

 

「テニスとか野球とか運動系の部活は遠慮したい」

「むむ・・・ならば文学とかかね?」

「文学少女か、 少し憧れは有るが

父親の影響で文芸とかにはそれなりに触れているからなぁ

それもパスで」

「じゃあ・・・これとかは如何だ?」

 

綾小路が指差す。

 

「購買部募集、 って購買部って部活動なの?」

「時給発生、 賄いアリだってさ

同じノリで清掃部とかも有る」

「バイトみたいな感じね・・・他には・・・」

「私のサークルに入らないかね?」

 

最愛が話しかけて来た。

 

「最愛先生、 私のサークルとは?」

「サイバー・デュエル・テクノロジー・サークル

略してSDTCってサークルだ

AIによるデュエル技術の構築を目標としている」

「AI? でもAIのデュエルってもう既にありませんか?

デュエルモンスターズのゲームとかって見た事有りますよ」

「否否、 私達が開発しているのはそんな玩具では無い

私が目指すのはデュエルの完全自動化、 即ち完全AIデュエリストの誕生だ」

「完全AIデュエリスト?」

「そう、 君が言った様なゲームの様な低俗な玩具が行う

デュエルはプログラマーがデッキを組んでデュエルをさせているんだ

私が目指すのはデッキから何から何まで全て自動的に行えるAI

それを目指しているんだ」

「でも先生、 言っちゃなんですが、 そんな事して一体何になるんです?」

 

綾小路が茶々を入れる。

 

「そんな機械に全部任せるとか・・・面白くも何ともないでしょう」

「ロマンが無いな、 綾小路君は・・・

下世話な話だが私はサイバー流のデュエリストだから鮫島師範代には

便宜を図って貰えているから結構資金は豊富にあるぞ

サークルメンバーが休める様なティーセットとかお菓子とか食べられる」

「お菓子で懐柔されるのはなぁ・・・」

 

メグは不満げである。

 

「他にもサイバー流の講師は居るから目立った成果を上げないと色々ピンチだが

それもまた面白い、 あぁそうだそうだ

元サイバー流の奴がやっている部活が有った

君にもピッタリな部活だよ」

「私にもピッタリ?」

「園芸部、 君は植物族デッキ使いだっただろ?」

「あー・・・園芸部ですか、 見学に行って来ますね」

 

メグは園芸部に見学に行った。

メグは最初は軽い気持ちだった、 園芸部だから庭園か何かの

花の世話をするのかと思っていた。

しかし園芸部勧誘の張り紙に書かれていた場所に有ったのは

一面の畑で有った、 しかもかなり広い。

遠くにはトラクターすら見える。

 

「ガチの農園じゃないの!!」

 

メグは一人で叫んだ、 じゃないのーじゃないのーじゃないのー

とこだますら聞こえた。

 

「おや、 君は確か入学試験で

クロノス先生を倒したデュエリストじゃないか」

 

白髪交じりの髭の生えたお爺さんっぽい中年がやって来た。

 

「貴方は?」

「私は園芸部の顧問をしている元サイバー流のデュエリスト

家帝 斎苑(かてい さいえん)と言う物だよ、 趣味は家庭菜園」

「これは家庭菜園と言うレベルじゃないですが」

「趣味に没頭し過ぎた、 園芸部入部希望の人かい?」

「え、 えぇ、 見学に来ました」

「そうかい、 じゃあ立ち話も何だし部室に行こうか」

「部室・・・?」

 

斎苑に案内された所に有ったのは小さなログハウスだった。

ログハウスの中には園芸部のメンバーと撮ったであろう写真や

テーブルセットや台所等が揃っていた。

 

「・・・これは・・・」

 

一番古い写真を見つけたメグ。

何処かで見た様な顔の人が居るが思い出せない。

 

「気が付いたかい」

 

お茶と大福を持って来た斎苑。

 

「頂きます」

 

椅子に座ってお茶と大福を食べるメグ。

 

「いちご大福・・・」

「自家製の苺だ」

「うーん、 あんまりいちご大福好きじゃない」

「贅沢だなぁ、 じゃあとっておきを出そう」

「とっておき?」

「大きいアスパラのフライ」

「大正解」

 

数分後に揚がった巨大アスパラフライをソースでいただくメグ。

 

「サクサクしたアスパラが美味しい」

「だろぉー、 ブランド物を栽培しているから不味い訳が無いんだけどね

鮫島には感謝だよ」

「呼び捨て?」

「あぁ、 鮫島とはサイバー流の同期でね、 さっき君が見ていた写真

真ん中位にに鮫島が居るだろ?」

「・・・・・あぁ、 そう言えば・・・」

 

先程見覚えの有った顔は鮫島だった。

頭に毛が生えていたので分からなかったが確かに鮫島である。

写真を良く見ると最前列に鮫島を含めた5人。

2~4列目まで数人ずつ居る。

 

「この写真は・・・」 

「砕刃師範、 つまり鮫島の先代が現役だった頃に撮った

サイバー流デュエリストの集合写真だよ

真ん中の人が師範の砕刃 龍(さいば りゅう)

師範以外の最前列は全員師範代だったんだ」

「そうなると・・・他の人達は鮫島校長と同格? と言う事ですか?」

「まぁね、 てっきり私は牛首がサイバー流を継ぐと思っていたんだがな」

「牛首?」

「鮫島の隣に居る、 無表情の奴が居るだろ」

 

確かにいる、 何というか掴見所の無さそうな人だ。

 

「四人の師範代の中でも実力が有って

他の師範代と違って問題が無かった」

「問題?」

「あぁ、 最前列で富士山みたいに変な髪型をしている奴が漏瑚

オカルトに傾倒していって最終的に行方不明になってしまった

お爺さんが丸藤 超、 カイザー亮の曽祖父だね

問題は無く人格的にも申し分なかったんだが、 何分歳が行き過ぎて

将来を任せられなかった

鮫島はサイバー流に入ってからは丸くなったが

かなり荒っぽい性格だったからな、 不安は有ったよ

牛首は上昇志向が高くて当時としてはサイバー流を引っ張っていける人材

だと皆が思っていたんだが牛首が鮫島に後継を譲って現在に至る訳だよ」

「中々複雑な事情があるんですねぇ・・・」

 

むしゃむしゃとアスパラを食べるメグ。

 

「所で斎苑さんは元サイバー流デュエリストって言っていましたが」

「あぁ、 途中でデュエルをする生活に疲れてね

事業家に転身したんだが・・・バブルで何もかも失ってね

そこで実家に帰って実家の農業を手伝っていたんだが

園芸部を作りたいから用務員と兼任で園芸部の顧問をやってみないかと

鮫島から連絡が来て現在に至る訳だよ」

「と言う事はデュエリストとしての採用では無い?」

「今でもネットゲームでデュエルはするが、 遊び程度だよ」

「ネットゲーム?」

「そう、 デュエルモンスターズオンラインってゲームで

レート1900位」

「前にもちらっとひはつがレートがどうのこうの言ってたけど

強さが良く分からない」

「良し分かった、 図で説明しよう」

 

ペンでかきかきとし始める斎苑。

 

 

レート

3200  プロレベル

3000 弱いプロレベル カイザー亮

2800 新人プロレベル サイバー流:師範代

2600 アマ全国レベル サイバー流:準師範

2400 アマ県代表レベル サイバー流:範士

2200 県大会トップ争い サイバー流:教士

2000 県大会常連 サイバー流:錬士

1800 町道場最強

1600 町道場上位 一般オベリスク・ブルー生

1500~1400町道場中位 サイバー流:徒弟

1300~1200町道場下位 一般ラー・イエロー生

1100~900町道場常連

800~700職場・クラス・近所で無敵

600~400得意戦法をもっている 一般オシリス・レッド生

300~200デュエルが出来る

100以下 初心者・入門者

 

 

「と、 こんな感じかな、 分かった?」

「何となくは・・・と言いたいけど

新人プロとか弱いプロとかって如何言う事?」

「日本のプロデュエリスト界は大まかに分けて4つの段階にあるとされる

ランキング100位以下、 ランキング100~50位

ランキング50位以上、 そして殿堂入り

ランキング100位以下は新人や弱いプロデュエリスト

ランキング100~50位は普通のプロデュエリスト

ランキング50位以上は化け物の巣窟

殿堂入りは武藤遊戯や海馬瀬戸等の伝説級のデュエリストとなっている」

「化け物の巣窟ねぇ・・・」

「ランキング50位以上でデュエルモンスターズオンラインをやっている

デュエリストでレート4500って言うのを見た事が有る」

「それは・・・何とも無茶苦茶ですね・・・御馳走様です」

「お粗末様、 何だかネットのレートや昔話に突き合わせてしまったね

それで如何する? 園芸部、 入る?」

「なんだかガチそうだし・・・」

「暇な時に来る位で良いから・・・幽霊部員でも良いから・・・」

「ん-・・・じゃあ暇な時に来ますね」

 

こうしてメグは園芸部の(偶に来る)部員になったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

メグがこうして園芸部員になった数日後。

月一テストが行われる事になった、 結果次第では寮の昇格降格も有る為

生徒達は必死である。

月一テストの内容は普通の国数英理社の5教科と

デュエルについての筆記試験、 そしてデュエルの実技試験である。

 

実技試験の為に購買部に入荷した新規カードを買おうとして

結局買えずにがっかりする生徒達。

 

「くそ!! 誰だ買い占めした奴は!!」

「落ち着けよ慕谷」

「そうだ、 普段からデッキをちゃんとしていれば

新しいカードなんて要らん」

 

万丈目と取り巻きの慕谷と太陽が歩いていた。

 

「はーい、 海外版で良ければ売るよー

1パック120円だよー」

 

ひはつが未開封のカードパックが入った

ボックスをカートン単位で持ち歩いて売り子をしていた。

 

「120円だと!? 日本語版よりも安い!!」

「止すんだ慕谷、 韓国語版だ」

「そ、 そうか・・・」

「韓国語版が悪いとは言わないがアコギな副業だなぁ・・・」

「だがそんなカードパックの売買をデュエルアカデミアは認めているのか?」

「1パック売るごとに20円のマージンを学校に収めているから平気平気」

「せけぇ・・・」

 

韓国語版のカードパックは日本円にして1パック40円弱

ロイヤリティーを差し引きして60円の儲けである。

潤沢なカードプールを実現する為には仕方の無い事なのだ。

 

「それよりも実技だ、 今度こそあのドロップアウトボーイを倒す」

「頑張って下さい万丈目さん」

「太陽もな」

「ん? 太陽も?」

「あぁ、 それはな・・・」 

 

 

 

 

そして実技試験が始まった。

万丈目は十代とのデュエル。

そして・・・

 

「あのー・・・なんで僕の相手がオベリスク・ブルーなんですか?」

「万丈目さんがレッドと戦うから数合わせだ」

 

ひはつと太陽がデュエルする事になった。

 

「それじゃあ僕が勝ったら僕がオベリスク・ブルー?」

「いや・・・さっき聞いたけど

お前筆記が壊滅的に駄目だったらしいから多分無理じゃないか」

「そんなー」

「まぁどっちにせよ、 お前は勝てないから心配しなくても良い」

「えー・・・前に相方の人に勝てましたよ?」

「慕谷の事か? 俺は慕谷のより強いぞ? お喋りはこれ位にして始めるか」

「そうですね」

 

「「デュエル!!」」

 

 

 

 

月一試験のデュエルが始まった。

デュエルリングで複数のデュエルを同時で行っているが

順番が来る前のデュエリストは観客席で見守っていた。

生徒の大半は気楽に見ていたが真剣に見ている者が何人か居た。

 

「万丈目と十代の方を見たかったんですけどね・・・」

「気持ちは分かるがこれもサークルの仕事だ

文句を言わずにやり給え」

 

杏子と外人ハーフの最遊・キリ・ロード(オシリスレッド3年生)もその真剣に見ている者である。

彼等はデュエルアカデミアに幾つもあるサイバー流デュエリストサークルのメンバーである。

キリはSDTCに、 京子は才眠 述が顧問を務めている第三サイバー流デュエル部に所属している。

彼等は顧問に言われて自分がデュエルしていない時のデュエル譜を取っているのだ。

デュエル譜とはデュエルの進行を記載した紙であり

デュエリストを理解するにはとても重要な物である。

デュエル譜を用いての講義等はデュエルの勉強に役立つだろう。

 

「面白そうな事してるね」

「メグ」

「君が話題のメグか、 俺は最遊・キリ・ロードだ、 一応3年」

「そうですか、 ご一緒しても?」

「俺は構わない」

「あたしも良いわよ」

「じゃあ一緒しますね」

 

メグがキリの隣に座った。

 

「しかし十代の方では無く此方に来るとは・・・良いのか向こうを見なくて」

「寧ろひはつの方が気になるから良いです」

「そうか・・・」

 

 

 

 

 

「先行は如何する?」

「ジャンケンで良いでしょ」

「そうか、 じゃあジャンケンぽん」

 

勝利したのは太陽である。

 

「じゃあ俺の先行、 ドロー!!」

 

太陽手札:5→6

 

「モンスターをセットして、 カードを2枚伏せてターンエンド」

 

太陽手札:6→3

 

「僕のターン、 ドロー」

 

ひはつ手札:5→6

 

「サボウ・ファイターを召喚してセットモンスターに攻撃」

「セットモンスターはキラートマトだ

キラートマトが戦闘破壊されて墓地に送られた事で

デッキから攻撃力1500以下の闇属性モンスター1体を

自分フィールド上に表側攻撃表示で特殊召喚する事ができる

俺はレジェンド・デビルを特殊召喚する」

「こっちもサボウ・ファイターの効果発動

君のフィールドにニードルトークン1体を守備表示で特殊召喚する」

「こっちのフィールドに・・・慕谷もトークンを押し付けられたとか言ってたな

まぁ良い、 更に罠を発動する時の機械-タイム・マシーン

破壊されたキラー・トマトを守備表示で特殊召喚する」

「むむ・・・ならカードを3枚伏せてターンエンド」

「エンドフェイズにサイクロン発動、 右のカードを破壊する」

「くっ、 伏せた自業自得が破壊される」

「トークン送り付けて自業自得か、 おっそろしいなぁ・・・」

 

ひはつ手札:6→2

 

「俺のターン、 ドロー」

 

太陽手札:3→4

 

「さてと、 レジェンド・デビルの効果発動

自分のターンのスタンバイフェイズ毎に、

このカードの攻撃力は700ポイントずつアップする

今の攻撃力は2200だ、 次にニードルトークンを生贄に捧げて

マインド・オン・エアを攻撃表示で召喚

マインド・オン・エアの効果で相手は手札を公開し続けなければならない

と言う訳で手札見せろ」

「はい」

 

ひはつの手札

阿修羅

逆ギレパンダ

 

「・・・色々と厄介な手札だな、 ではレジェンド・デビルでサボウ・ファイターに攻撃」

「罠発動、 スピリットバリア

自分フィールド上にモンスターが存在する限り戦闘ダメージは0になる」

「戦闘ダメージ軽減か・・・

ならマインド・オン・エアとキラートマトでダイレクトアタック」

 

ひはつLP:4000→3000→1600

 

「カードを1枚伏せてターンエンド」

 

太陽手札:4→2

 

 

 

 

 

「モンスターが3体か・・・」

「とは言え低攻撃力のモンスター、 逆転は充分に可能な筈

阿修羅を召喚すればキラートマトとマインド・オン・エアは対処出来る

逆ギレパンダを召喚すればレジェンド・デビルを倒せる」

「二者択一か・・・」

 

観戦している杏子達が話している。

 

「攻撃力上昇のカードを引ければ話も変わって来る」

「都合良く引けるか?」

 

 

 

「では僕のターン、 ドロー」

 

ひはつ手札:2→3

 

ドローしたカード

H-ヒートハート

 

「運が良いな・・・」

 

にやけ顔を押さえながら太陽は言った。

これで阿修羅とのコンボでフィールドは全て消し飛ぶだろう

しかしながら太陽が伏せたカードは突進。

これならばレジェンド・デビルを攻撃を攻撃した時に

反撃で倒せる、 逆ギレパンダの方を召喚しても打ち返せる。

 

「阿修羅を召喚師てヒートハートを発動して攻撃力500上げて貫通効果を持たせる」

「あぁ、 構わない」

「そしてキラートマトに攻撃する」

「キラートマトの効果は発動しない」

 

太陽LP:4000→3300

 

「次にマインド・オン・エアに攻撃」

「素直に受ける」

 

太陽LP:3300→2100

 

「ここで伏せていた罠を発動」

「なっ!? このタイミングで!?」

「おジャマトリオ

おジャマトークン3体を守備表示で君のフィールドに特殊召喚する」

「あ・・・」

「そしておジャマトークンに攻撃、 貫通で1200×2+600で勝ちだ」

 

太陽LP:2100→900→600→0

 

 

 

「オシリスレッドの屑なんかにぃ・・・!!」

 

歯軋りをする太陽。

 

「色々危なかったぁ・・・もっと精進しないと」

「危なかった?

・・・何でだ? あそこで攻撃すれば阿修羅と相打ちでフィールド全滅出来ただろ?」

 

太陽の視点では突進が有ったから危なかったと分かるがひはつからは分からない筈だ。

何故・・・と疑問に思い口にした。

 

「いや、 だって伏せ、 多分突進だろ?」

「!? な、 何で分かる!?」

「何となく分かるよ、 デュエルを沢山すると何となく分かる様になるんだよ」

「・・・・・」

 

太陽は愕然とした、 恐らく天性の才能と言う奴だろうか。

自分はコイツには勝てない、 そう思った。

 

 

 

 

 

「何というか無茶苦茶なデュエルでしたね」

「そうだな、 相手を無視するとはリスペクトに反する」

 

杏子とキリがわーわー言っている隣から立ち上がるメグ。

 

「そろそろ時間だからこれで失礼するよ」

「おう、 気を付けてな」

「そもそも阿修羅、 ヒートハート、 おジャマトリオでほぼ1KILLじゃない!!」

 

まだグダグダ言っている杏子を後目にデュエルリングに降りるメグ。

 

「さぁて私の相手は・・・」

「待たせたな!! ハァ・・・ハァ・・・」

 

メグの相手は彩速・スピード、 つまりランニングマンであった。




全体攻撃でフィニッシュって前回とネタ被りしたけど大丈夫かな・・・不安です。


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青春と月一テスト(後編)(; ・`д・´)

今回はデュエル後半戦
メグVSランニングマンです


「だ、 誰よアンタ・・・」

「俺はランニングマン!!」

 

メグの困惑は頂点に達した。

 

「ら、 ランニングマン?」

「うむ!! 陸上部の顧問だ!! ついでに実技も教えている!!

後サイバー流の範士!! ふぅ・・・」

「えーっと・・・つまり先生?

何で月一テストの相手が先生なの・・・?」

「強さをアピールする為だ!!」

「素直、 でも自分は強いって誇示するのは寧ろ

弱そうなイメージが・・・」

「足踏みするのは性に合わない!!」

「はぁ・・・でも息が上がっていますよ? 大丈夫ですか?」

「朝から15キロ走った!!」

「な、 何故そんな事を?」

「分からないか!! じゃあ教えてやる!!

ランナーズハイだ!!」

「ランナーズハイ?」

 

ランナーズハイとは継続的な運動によって引き起こされる

一時的な多幸感、 喜び、 満足感、 高揚感

ウェルビーイングといったポジティブ感情を経験する感情的状態である。

 

「どういう事?」

「ランナーズハイになると強くなる!!」

「何それ・・・オカルトか何か?」

「事実だ!! それを今から実証しよう!!」

 

「デュエル!!」「でゅ、 デュエル」

 

 

 

 

 

「ランニングマンがデュエルをするとはな・・・

私はデッキ構築講義担当だからあまり彼の事は知らないが

実際強いのか?」

 

観客席で見ている最愛が才眠に尋ねる。

 

「彼は範士、 我々とは物が違うな」

「疑わしいねぇ、 実に疑わしい」

 

デュエルルール講義担当、 規則 再読。

丸い飾りが沢山付いたツインテールが特徴的な若い女性である。

サイバー流の格付けは教士ではあるが今年になって

認められた教士としてはルーキーである。

次世代サイバー流考察部顧問。

 

「よっと、 隣失礼するよ」

「構わんよ、 しかし再読、 ランニングマンに君は勝てるか?」

「実際勝った事は有るねぇ」

「本当か? 信じられないな・・・」

「そうでもねぇさ」

 

筋肉を隆起させた男、 隆起 粉砕が現れた。

角刈りにタンクトップの肌艶が良い男で自称ランニングマンのライバル。

サイバー流の格付けは範士、 しかし年齢はランニングマンよりも一回り上で

実力よりも多くの生徒達を成長させた実績が評価されての昇格である。

因みに体育教師でウェイトリフティング部顧問。

 

「アイツは爆発力は有るが持久力はねぇ

再読のねちっこいデュエルならば勝てなくも無いだろ」

「ねっちこいねぇ、 嫌だなぁ

私はルールに乗っ取ってデュエルしてるだけだろう?」

「ルールに乗っ取ってもリスペクトが無ければ駄目だろう!!」

 

教師の制服に身を包んだ若い男、 最煉 煙太郎。

去年デュエルアカデミアを卒業した。

サイバー流の格付けは教士ではあるが

サイバー流が提唱するリスペクトデュエルに心酔し

将来的には範士も確実とされる天才肌である。

卒業前まで自身が所属していた

第二サイバー流デュエル部外部指導員を務めている。

 

「リスペクトは当然だ

しかしリスペクトしつつも強くならねばならない」

「それは同意だな」

「うむ、 その通りだ」

「だな、 いずれにせよ、 この一戦面白くなりそうだ」

「・・・ランニングマン先生って強いんですか?」

「煙太郎は見た事無かったんだっけ? まぁ見ていな勉強になる」

「はぁ・・・」

 

 

 

 

 

「先行は俺が貰うぞ!!」

「え・・・えぇ、 どうぞ」

 

後攻有利のサイバー流が先行を貰う?

と疑問に思いながらも先行を譲るメグ

 

「俺のターン、 ドロー!!」

 

ランニングマン手札:5→6

 

「カードを5枚セットしてターンエンド!!」

「いきなり全伏せ?!」

 

ランニングマン手札:6→1

 

「私のターン、 ドロー」

 

メグ手札:5→6

 

「サイクロンを発動、 右端のカードを破壊します」

「おっとならば全てのカードをチェーン発動!!」

「ぜ、 全部のカードを?」

「無謀な欲張3枚と強欲な瓶

そして発動した4枚を墓地に送って非常食だ!!」

「なっ・・・」

 

メグ手札:6→5

ランニングマン手札:1→8

ランニングマンLP:4000→8000

 

「一気にドロー加速・・・!!

しかしこれで次のターンから2回ドローフェイズはスキップされる!!」

「一気に決めるという宣言だ」

「・・・・・キラー・トマトを召喚してダイレクトアタック」

「甘んじて受ける」

 

ランニングマンLP:8000→6600

 

「世界樹を発動

植物族モンスターが破壊される度にフラワーカウンターを1つ乗せる

カードを2枚伏せてターンエンド」

 

メグ手札:5→1

 

 

 

 

「いきなりの7枚ドロー、 飛ばしてるな」

「中々伸びた手札だ、 だが・・・」

 

観客席で見ている粉砕が言葉を濁す。

 

「このまま決められなければ地獄、 2ターンはドロー出来ない」

「2ターンですか?

無謀な欲張りは2回ドロースキップを3枚発動しているのですから

6ターンでは?」

「不勉強だね、 煙太郎

ドロースキップは累積しないから2ターンで済む」

 

再読が解説をする。

 

「何れにせよこれで仕留められなければジリ貧になるのは確実だ・・・」

 

 

 

 

 

 

「俺のターン、 だが無謀な欲張りの効果でドローフェイズはスキップ

融合を発動、 手札サイバー・ドラゴン2体を融合して

サイバー・ツイン・ドラゴンを攻撃表示で融合召喚

更に手札からプロト・サイバー・ドラゴンを召喚

手札から2枚目の融合を発動、 手札のサイバー・ドラゴンと

フィールドのサイバー・ドラゴン扱いの

プロト・サイバー・ドラゴンを融合して

2体目のサイバー・ツイン・ドラゴンを攻撃表示で融合召喚!!」

 

一気に2体のサイバー・ツイン・ドラゴンに会場もボルテージが上がる。

 

「早速サイバー・ツイン・ドラゴンでキラートマトに攻撃!!」

「っ!! キラートマトの効果でキラートマトをデッキから特殊召喚!!

更にフラワーカウンターが世界樹に!!」

 

メグLP:4000→2600

世界樹:花

 

「次のキラートマトに2度目の攻撃!!」

「キラートマトの効果で3体目のキラートマトをデッキから特殊召喚!!

フラワーカウンターが世界樹に!!」

 

メグLP:2600→1200

世界樹:花花

 

「これで終わりだ!! 最後のキラートマトに2体目のサイバー・ツインで攻撃!!」

「罠発動!! ドレインシールド!! 攻撃を無効にして攻撃力分のライフ回復!!」

 

メグLP:1200→3000

 

「ちぃ!! ならばサイバー・ツインで2度目の攻撃!!

キラートマトを破壊!!」

「キラートマトの効果でバオバブーンを召喚!!

バオバブーンの効果でデッキから1枚ドローし

その後手札を1枚選んでデッキの一番上または一番下に戻す!!

私はドローして・・・デッキボトムへ!!」

 

メグLP:3000→1600

世界樹:花花花

 

「手札交換か・・・一手足らなかったな

手札から速攻魔法、 融合解除を発動!!

サイバー・ツイン・ドラゴン1体を融合デッキに戻して

融合素材になったサイバー・ドラゴン2体を特殊召喚!!

サイバー・ドラゴン1体でバオバブーンに攻撃!!」

「バオバブーンの効果発動!!

のカードが戦闘・効果で破壊された場合

デッキからバオバブーンを任意の数だけ特殊召喚する!!

私は2体のバオバブーンを守備表示で特殊召喚!!」

「あぁあああ!?」

 

メグLP:1600→300

世界樹:花花花花

 

「ぎぎぎ・・・手札交換効果だけじゃなかったか・・・抜かったわ・・・」

「召喚したバオバブーンの効果も発動・・・

1枚をデッキボトムにもう1枚をデッキトップに」

「・・・・・ターンエンドだ」

 

ランニングマン手札:8枚→1枚

 

 

 

 

 

「仕留めきれなかったか・・・」

「でも勝負は決まったも同然では無いか?」

「煙太郎、 君の目は節穴か?

次のターンに世界樹でサイバー・ツインは確実に除去されるだろう

更にモンスターが残っている以上、 反撃は必死」

「直接除去か・・・リスペクト精神の無い屑め・・・」

 

ギリ、 と歯軋りする最煉。

 

「とは言えランニングマンのライフは充分

幾ら植物族とは言え、 墓地も肥えていない

まだまだ勝負の行方は分からないぞ?」

「だと良いんだけどね・・・」

 

最愛が溜息を吐く。

 

「さっきドローしたカードとデッキトップ・・・

何を出すかは分からないけども良いカードなのは間違いない筈よ・・・」

 

 

 

 

「私のターン、 ドロー」

 

メグ手札:1→2

 

「強制転移を発動

バオバブーンをそちらに渡してサイバー・ツインを頂きましょう」

「・・・・・」

 

素直にコントロールを入れ替えるランニングマン。

 

「コントロール奪取だと!? 恥を知れえエエエエエエエエエエ!!」

 

観客席から最煉が叫ぶ。

 

「ふん、 所詮は去年まで学生だった奴か

これはお前の策、 と言うよりは俺の失敗だった」

 

ランニングマンが言う。

 

「俺がバオバブーンの効果を知らなかったという俺のミスに付け込んで

攻めて来ただけの話、 もしも前のターンに融合解除を使わなかったら

この強制転移に使っていただろうよ」

「そもそもバオバブーンの効果でドローとかしたから

強制転移が引けていないでしょうね」

「ふん、 慰めなんて要らん、 来い!!」

「サイバー・ツインでサイバー・ドラゴン2体に攻撃!!」

 

ランニングマンLP:6600→5900→5100

 

「これでターンエンド」

 

メグ手札:2→1

 

「俺のターン、 ドローはしない

そしてサイバー・ヴァリーを召喚し効果発動

サイバー・ヴァリーと自分の表側表示モンスター1体を除外し2枚ドローする

押し付けられたバオバブーンとサイバー・ヴァリーを除外し2枚ドロー!!」

 

ランニングマン手札:0枚→2枚

 

「・・・っしゃあ!! 融合回収を発動!!

墓地の融合の魔法カードと

融合素材に使ったサイバー・ドラゴンを手札に戻す!!

そして融合を発動!!

サイバー・ドラゴンと融合呪印生物-光を融合して

3体目のサイバー・ツイン・ドラゴンを召喚!!

そしてそっちのサイバー・ツイン・ドラゴンに攻撃!!」

「相打ち・・・」

「これで勝負は分からなくなったな!! ターンエンド!!」

 

ランニングマン手札:2→0

 

 

 

 

 

「サイバー・ツインを3体全部出すとは・・・いやはや・・・

脱帽するぞ・・・」

 

粉砕が呆れた様な尊敬した様な口調で言う。

 

「リスペクトをした結果、 デッキが答えてくれたんですよ」

「煙太郎君、 オカルトに傾いたら人間おしまいだろ・・・」

 

再読が最煉を諫める。

 

「しかし、 これでますます分からなくなって来たわね」

「そうですか? ライフの差は圧倒的、 メグは掠り傷でも負ける

圧倒的パワーが持ち味のサイバー流に一体何処まで持ちこたえられるか・・・」

 

 

 

 

 

「私のターン!! ドロー!!」

 

メグ手札:1→2

 

「手札から貪欲な壺を発動、 墓地のキラートマト2枚と

バオバブーン3枚をデッキに戻し2枚ドロー!!」

 

メグ手札:1→3

 

「世界樹の効果発動!!

フラワーカウンターを3つ取り除いて

自分の墓地の植物族モンスター1体を選択して特殊召喚する!!

私はキラートマトを守備表示で特殊召喚!!」

 

世界樹:花

 

「そしてキラートマトを手札に戻して手札から

魔天使ローズ・ソーサラーを攻撃表示で特殊召喚!!

そしてサボウ・クローザーを通常召喚!!」

「サボウ・クローザー?」

「サボウ・クローザーはサボウ・クローザー以外の

の植物族モンスターがフィールド上に表側表示で存在する限り

お互いにモンスターを特殊召喚する事はできない」

「特殊召喚封じか!!」

「そしてローズ・ソーサラーとサボウ・クローザーでダイレクトアタック!!」

 

ランニングマンLP:5100→3600→1200

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!!」

 

メグ手札:3→0

 

「俺のターン、 ドロー」

 

ランニングマン手札:0→1

 

「再融合か・・・無い、 負けだ、 サレンダー」

 

ランニングマンサレンダーを宣言。

 

 

 

 

サレンダーを宣言しソリッドヴィジョンを消える。

 

「サレンダーを宣言するとは意外ですね先生」

「俺の方針だ、 完全に負けた時はさっさと負けを認めて

次に活かすと言う方針だ、 こんな所で足踏みしている暇は無い

じゃあな」

 

そう言うとランニングマンは来た時と同じく走り去っていった。

 

「何だあの人」

 

 

 

 

「サレンダー・・・か」

 

才眠がぽつりと呟く。

 

「君達はサレンダーについて如何思う?」

「さぁな、 俺はした事ねぇがアイツならするだろって思うぜ」

 

粉砕が興味無さそうに言う。

 

「まぁ良い手を見れるかもしれないから私なら続ける、 か?」

「私はサレンダーかねぇ、 ルール上認められているし

逆に手を見せたくない」

 

真逆の意見になった最愛と再読。

 

「サレンダー等、 言語道断!! リスペクト精神に反する!!」

 

最煉が断言する。

 

「将棋でも負けた時は負けましたって言うぞ?」

「将棋は将棋!! デュエルはデュエルだ!!」

「そうかい、 じゃあこれで失礼するかな」

「私も」

「そうね」

「じゃあ俺はランニングマンを見つけて囃し立てるとしよう」

 

それぞれ立ち去っていく教師達。

 

「まだまだ月一テストは続いているというのに・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

月一テストの結果。

十代は万丈目に勝ったがオシリス・レッドに残るのだった。

 

 

「オベリスク・ブルーに行っても良かったんじゃないの?」

 

十代と一緒にもぐもぐと食事を摂りながら尋ねるひはつ。

 

「いやぁ、 この寮が気に入ってな!!」

「ふぅーん・・・翔君は如何だった?」

「ギリギリ退学にはならないで済みそうッス」

「そう、 良かったねぇ・・・」

 

もぐもぐと食事を摂る一同であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

デュエルアカデミアの地下の地下。

地下宮殿と言っても差し支えの無い豪華な屋敷、 と言うかフロアが有った。

その屋敷の一室、 七人の男女が立っていた。

 

「顧問!! 第一サイバー流デュエル部!!

月一テスト実技全勝を勝ち取りました!!」

 

オベリスク・ブルーの角刈りの生徒にして

第一サイバー流デュエル部部長、 天野 才覚が報告をした。

報告を受けた顧問はソファーに横たわりながら

巨大なモニターで映画を見つつポリポリとポテトチップスを食べている。

 

「態々やって来て報告する事か? こっちで対戦結果は見れるから

一々報告に来なくても宜しい」

「す、 すみませんでした!!」

 

ビシッ、 と90℃の御辞儀をする。

 

「まぁ良いや

こっちもついでだからマークすべきデュエリストを

ピックアップしておいた、 後でメールしておくから各自確認する様に」

「はい!! 分かりました!!」

「分かったら、 さっさと帰れ!!」

「はい!! 失礼しました!!」

 

ビシッ、 と規則正しく去って行く第一サイバー流デュエル部の面々。

フロアから退出し地上に向かうエレベーターの中で一人の部員が口を開く。

 

「あの、 部長? 顧問って何時もあんな感じなんですか?」

「あぁ、 お前は新入生だから知らないのか

顧問は何時もあんな感じだ、 まともに取り合わない」

「デュエルと全く関係無い映画を見ているし

顧問なのに部活動にも顔を出さずメールで指示を出すだけ

顧問が最強のサイバー流だと言う噂は信じ難いです」

「まぁな・・・俺も顧問がサイバー流デュエリストかは怪しい所だと思う

しかしこの第一サイバー流デュエル部に所属しているって事は

卒業後の就職に有利って事だ、 去年卒業した先代の部長は

顧問の強い勧めで海馬コーポレーションに就職出来た

顧問に強いコネクションが有る事は確かだ

顧問に従っていれば将来は安泰だ、 大人しく従っておこう」

「はい・・・」

 

エレベーターは静かに上がって行った。



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廃寮での闇のデュエル(´◡◝)

Q:前回の強制転移でランニングマンは
サイバー・ツイン・ドラゴンじゃなくて
サイバー・ドラゴンを渡せば良かったんじゃね?

A:全く持ってその通り、私のミスです
ランニングマンが効果あやふやだったと素直に渡しちゃったと
言う事にしておいてください


「「「「「「「「デュエル!!」」」」」」」」

 

第三サイバー流デュエル部。

部員数32名、 部室として部員専用のデュエルリングが有り

4組のデュエリストが同時にデュエル出来る。

顧問は才眠 述、 部長は尾西・アルファ(三年オベリスク・ブルー)。

翔は以前勧誘されていたので入部したのだったが・・・

 

「これってデュエリストのする事っスか?」

 

他のデュエリスト達のデュエル譜を取っているのだった。

 

「ほら手を止めない」

「うぇー・・・」

 

地味目な少女、 三栖 雀(三年オベリスク・ブルー女子)に注意される翔。

 

「でも、 こんな事をして強くなれるんスか?」

「そうねぇ・・・やらないと何にもならないわよ?

デュエル譜として残す事は観戦するよりも深く理解出来るわ」

「そんなもんスかねぇ・・・」

 

不満を幹事ながら翔はデュエル譜取りを続けた。

 

 

 

 

 

「ん、 ここは・・・」

 

月一テストが終わりそろそろ廃寮探検に入るのかなぁ

と考えていたメグであったが、 唐突に精神世界みたいな所に来ていた。

 

「あー・・・呼び出しとか有るのかぁ・・・」

「嫌そうな顔をするなよ」

 

神様みたいな奴が現れた。

 

「敵が来る、 備えよ」

「敵? 敵って何だよ」

「ではな」

「ちょっと!? 言いたい事だけ言って去って行くなー!!」

 

 

 

 

 

 

精神世界的な場所でメグが押し問答をしている時

灯台ではクロノスが誰かを待っていた。

 

「お前が、 依頼者か」

「ん? 来たノーネ・・・貴方が闇のデュエリストナノーネ?」

「その通り、 我が名は闇のデュエリスト、 タイタン」

 

怪訝そうな目でタイタンを見るクロノス。

服装は黒く威圧感を与える服だが所々ほつれており

みすぼらしさを感じる。

 

「早速だが仕事の話をしよう、 私には時間が無い」

「時間が無い?」

「こっちの話だ

こちらの要求は海馬瀬戸との直接対談だ」

「!?」

 

要求に驚くクロノス。

 

「あ、 貴方の仕事の相場は給料3ヶ月分と聞いて居ましターガ・・・」

「こちらにも事情が有る、 さっきも言ったが時間が無い

私の要求に答えられるか否か、 返答は?」

「・・・・・良いでショウ、 何とか捻じ込んでミマース

ターゲットは遊戯十代、 必要な資料は此方に・・・」

 

ファイルを手渡すクロノス、 タイタンはそれを受取り目を通す。

 

「では行動に移そう」

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ? 一緒に特待生寮に行って欲しい?」

 

精神世界みたいな所から戻って

部屋に居るとやって来た明日香に唐突に頼まれたメグ。

 

「何でまた?」

「私には行方不明になった兄が居てね・・・

色々情報収集しているのよ」

「なるほどなぁ・・・何で私なの?」

「暗い所でも貴女物怖じしなさそうじゃない」

「・・・・・」

 

メグは考えた、 恐らくこれはタイタンとのイベントだろう。

ここで断るのは容易だが神様みたいな奴が言っていた【敵】が気になる。

 

「まぁ良いでしょ、 行くわ」

「ありがとう」

 

 

 

 

 

 

一方その頃、 オシリス・レッド寮では

 

「ひはつー、 廃寮探検に行かないかー?」

 

十代がひはつを廃寮探検に誘っていた。

 

「ん-・・・9時までに終われば良いけど?」

「ちょっと行って見て来るだけだし、 大丈夫だろ、 じゃあ行くか!!」

 

十代、 翔、 ひはつの3人で廃寮に向かったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

と、 こんな感じで特待生寮に向かう事になった

オベリスク・ブルー女子2人とオシリス・レッド男子3人

特にドラマも無く、 幽霊も出ずに鉢合わせする事になった。

 

「怖い話を聞いたからこの廃寮に来たって・・・馬鹿じゃないの?」

「な、 何だよ、 そっちだって来てるじゃないか」

 

わちゃわちゃやっている明日香と十代。

 

「何だか大変だね」

「そうねー」

 

我関せずという立ち位置のメグとひはつ。

 

「うー・・・そろそろ帰ろうッスよー・・・」

 

不安になっている翔。

 

「もうそろそろ帰る?」

「そうだねぇ・・・」

「うわあああああああああああああああああああああああああああ!!!」

 

若本規夫ボイスが廃寮に響く。

 

「な、 何だ、 今の声は!?」

「行って見よう!!」

 

声のした方に走る十代達。

走った先に居たのはボロボロになっているタイタンだった。

 

「う!! 遊戯十代!!」

「誰だこのオッサン!?」

「ってそんな事をしている場合じゃない!! うわっ!!」

 

タイタンが倒れる、 如何やら何者かに押し倒された様だ。

 

「な、 何だコイツ!?」

「「!?」」

「ひっ!?」

「・・・っ!?」

 

押し倒したのは体に巨大な口腔が付いている

まさに化け物と言うにふさわしい存在だった。

 

「はなせええええええええええ!!」

『大人しくしろ』

「・・・・・」

 

ひはつがそこら辺にあった角材を持ってスタスタと近付いて

口の化け物を思い切り殴りつけた。

 

『ってぇなぁ!!』

「ひいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!」

 

タイタンはその場から逃げ出した。

 

『あーあ、 逃げちまったじゃねぇかよ、 如何してくれるんだよ』

「いや、 普通化け物から襲われている人間を見つけたら助けるでしょ」

「って、 何だよお前!!」

『俺? 俺は・・・そうだな・・・スマイルルームとでも呼んで貰おうか』

「スマイルルーム? あの都市伝説の?」

「知っているのメグ?」

「都市伝説のモンスターよ、 現実に居るとは思わなかったけど」

『まぁ実際に俺もスマイルルームそのものと言う訳じゃない

俺は地下デュエリスト組織【裏面】のメンバーだ』

「地下デュエリスト組織!?」

『そう、 賭博などの非合法な地下デュエルを行う

裏プロって言う所だな』

「化け物にしか見えないけど・・・」

『これは仕事用の恰好だ』

「仕事?」

『そう、 俺の仕事はさっき逃げたタイタンって野郎を捕まえる事だ

奴は俺達に収める上納金をちょろまかしたからな

見せしめにしなければならない』

「良く分からないよ・・・」

 

混乱するひはつ。

 

『理解出来なくても良い、 これから全員ぶっ殺すからな』

「ちょ、 何でよ!!」

『見られたからには死んで貰うのがルールだ

まぁ俺達の恐怖を知って貰う為に一人半殺しで済ませてやっても良い』

「ふふん、 馬鹿だな、 君は」

『何?』

「こっちは5人、 囲んで棒で叩けば君なんてボコボコに出来るよ」

「それは無理だ・・・」

 

とぼとぼとタイタンが帰って来た。

 

「え? 何で帰って来たの?」

『この場所は闇のデュエルの空間になっている』

「闇のデュエル?」

『外を見て見な』

 

窓から外を見ると黒い靄の様な物が周囲を覆っている。

 

『この寮全体を闇のデュエルフィールドが覆っている

俺を闇のデュエルで倒さない限り外には出られない』

「闇のデュエル・・・噂で聞いた事があるわ」

「私もよ・・・魂を削るって言う噂のアレね」

「どどどどどどどど如何するッスか!? アニキ!?」

「闇のデュエルだが何だか知らないがやってやるぜ!!」

『良い心意気だ、 じゃあまず最初はお前からだ!!』

 

びしっ!! とひはつを指差す。

 

「僕? 何で?」

『さっき角材で殴っただろうが!!』

「あぁ、 そうか・・・」

 

ちゃき、 とデュエルディスクを構えるひはつ。

 

「所で君のデュエルディスクは?」

『あぁ、 心配無い』

 

腕から形容しがたい音を立てながらデュエルディスクが生える。

 

『じゃあ始めようか』

「うん」

 

「『デュエル!!』」

 

 

 

 

「は、 始まっちゃったッス・・・」

「・・・なぁ、 オッサン、 アンタ逃げ回っていたけど

あの歯の化け物って強いのか?」

「お、 オッサン・・・まぁ如何でも良い

奴は・・・強い、 裏のデュエルリングでも見かける有名人だ

プロですらヘタすれば負けるレベルだ」

「ならお手並み拝見としましょうかね」

「・・・・・冷静ね

ひはつが負けたら私達もデュエルしなくちゃならないのよ?」

「だからこそこのデュエルを見て警戒しなくちゃならない」

 

 

 

 

『先手はくれてやる』

「ありがたく頂くよ、 ドロー!!」

 

ひはつ手札:5→6

 

「モンスターをセット、 機甲部隊の最前線を発動

カードを2枚伏せてターンエンド」

 

ひはつ手札:6→2

 

『俺のターン、 ドロー』

 

スマイルルーム手札:5→6

 

『モンスターをセットして

こっちもカード2枚伏せてターンエンド』

 

スマイルルーム手札:6→3

 

 

 

 

 

「最初は互いに見の様ね」

「違うわ明日香、 これはもう既にやっていると見て間違いない」

「え?」

「機甲部隊の最前線とセットモンスター、 これが意味する物は一つ・・・」

 

 

 

「僕のターン、 ドロー」

 

ひはつ手札:2→3

 

「KA-2 デス・シザースを召喚

そして団結の力を装備させる」

『面倒な事を・・・』

「そして伏せていた可変機獣 ガンナードラゴンを反転召喚

攻撃力は1400になるけども充分

デス・シザースでセットモンスターに攻撃」

『セットモンスターはジャイアントウィルス

破壊された時に効果発動、 相手ライフに500ポイントダメージを与え

さらに自分のデッキからジャイアントウィルスを任意の数だけ

表側攻撃表示で特殊召喚する事ができる

ジャイアントウィルスを2体を特殊召喚』

 

ひはつLP:4000→3500

 

 

がぶり、 と噛み千切られた様にひはつの腕が抉られた。

血が滴り落ちる。

 

「な、 何だ!?」

「これが闇のデュエルだ・・・」

 

タイタンが息が上がりながら説明する。

 

「今、 あの小僧が感じているのは幻、 しかしまるで現実の様に

腕を噛み千切られた痛みや感触が有るだろう」

 

蒼褪める十代達。

 

 

 

「こっちもデス・シザースの効果発動

このカードが戦闘によってモンスターを破壊し墓地へ送った時

破壊したモンスターのレベル×500ポイントダメージを相手ライフに与える

ジャイアントウィルスのレベルは2だから1000ポイントのダメージ」

 

スマイルルームLP:4000→3000

 

『平気そうだな、 痛みは無いのか?』

「痛いよ、 でも耐えられない程じゃない」

『強いな』

「それにそっちこそまるでダメージ無いみたいだけど?」

『あぁ、 ダメージは無いよ』

「なっ!? ずっる!?」

 

翔が叫ぶ。

 

『代わりにリスクが有る』

「リスク?」

『俺が負けた場合、 死ぬ』

「・・・・・デュエルで命を賭けるのは如何かと思うよ」

『そうでも無いさ、 俺には学がねぇし金もねぇ

命を賭けてデュエルをする事で成り上がれるならば喜んで賭けよう』

「・・・・・続けるよ、 ガンナー・ドラゴンでジャイアントウィルスに攻撃」

『戦闘ダメージは受けるがお前も効果ダメージを受けろ』

「っ!!」

 

スマイルルームLP:3000→2600

ひはつLP:3500→3000

 

がぶり、 と再び噛まれた痛みが響く。

 

『おっと、 攻撃が終わったならば手札からジュラゲドを召喚

自分・相手のバトルステップにこのカードを手札から特殊召喚出来る

ついでに1000LP回復する』

 

スマイルルームLP:2600→3600

 

「・・・これでターンエンド」

 

ひはつ手札:3→1

 

「俺のターン、 ドロー」

 

スマイルルーム手札:2→3

 

『ジュラゲドとジャイアントウィルスを生贄に捧げ

グリード・クエーサーを召喚』

「っ!!」

『察したな、 グリード・クエーサーの元々の攻撃力・守備力は、

このカードのレベル×300になる

その上こいつがモンスターゾーンに存在する限り

このカードのレベルはこのカードが戦闘で破壊したモンスターの

元々のレベル分だけ上がる

ガンナー・ドラゴンは寧ろ望む所のモンスターだ

では早速グリード・クエーサーでガンナー・ドラゴンに攻撃』

「伏せていたスピリットバリアを発動!!

ダメージは0になる!!

そして機甲部隊の最前線の効果で

デッキからブローバック・ドラゴンを特殊召喚!!」

『ブローバックか・・・ニードルバンカーが来ると思ったが

まぁ如何でも良いか、 だがグリード・クエーサーの攻撃力は2100上がる

これでターンエンド』

 

スマイルルーム手札:3→2

 

「僕のターン!! ドロー!!」

 

ひはつ手札:1→2

 

「ブローバック・ドラゴンの効果発動!!

1ターンに1度、相手フィールドのカード1枚を対象として

コイントスを3回行い、その内2回以上が表だった場合

その相手のカードを破壊する!!」

『表が出れば良いなぁ、 と言いたいがそんな博打に付き合う暇は無い

速攻魔法発動、 神秘の中華なべ、 グリード・クエーサーを生贄にして

ライフ4200回復だ』

 

スマイルルームLP:3600→7800

 

「くっ・・・メカ・ハンターを召喚

そしてメカ・ハンターで攻撃」

『させると思うか? バトルフェーダーを手札から特殊召喚して

バトルフェイズを終わらせる』

「・・・ターンエンド」

 

ひはつ手札:2→1

スマイルルーム手札:2→1

 

 

 

 

「互いに一進一退・・・ライフでは負けているが

フィールドは此方が優勢ね」

「スピリットバリアと機甲部隊の最前線

二つが有れば戦闘ダメージはほぼ無効に出来る、 だがしかし

この程度で済ませる奴では無い、 気を抜くな・・・」

 

タイタンが脂汗を流す。

 

 

 

「俺のターン、 ドロー」

 

スマイルルーム手札:1→2

 

『伏せていたリビングデッドの呼び声を発動

墓地のグリード・クエーサーを呼び戻す

そしてE-HERO ヘル・ゲイナーを召喚し

効果発動、 自分フィールドの悪魔族モンスター1体は

フィールドに表側表示で存在する限り1度のバトルフェイズ中に2回攻撃できる

このカードは2ターン後まで除外される

さて、 ここでバトルだ、 グリード・クエーサーで

メカ・ハンター、 ブローバック・ドラゴンの順に攻撃する』

「くっ・・・だけど機甲部隊の最前線の効果で

A・ジェネクス・ドゥルダークを召喚!!」

『ドゥルダークだと? 全く面倒な物を・・・ターンエンド』

 

スマイルルーム手札:2→1

 

「僕のターン、 ドロー!!」

 

ひはつ手札:1→2

 

「ドゥルダークの効果発動!!

このカードと同じ属性を持つ相手フィールド上に表側攻撃表示で存在する

モンスター1体を選択して破壊する!!

このカードは闇属性だから闇属性のグリード・クエーサーを破壊!!」

『ふん・・・リビングデッドの呼び声も破壊される』

「強化支援メカ・ヘビーウェポンを召喚!!

そしてヘビーウェポンでバトルフェーダーに攻撃!!」

『バトルフェーダーは除外される』

「そしてデス・シザースで攻撃!!」

 

スマイルルームLP:7800→4400

 

『フィールドにカードが存在しない状態で

ダイレクトアタックを受けたこの瞬間

手札から冥府の使者ゴーズを特殊召喚

ついでにゴーズの効果で3400のカイエントークンも特殊召喚する

ドゥルダークは効果を使ったら攻撃出来なかったよな?』

「っ・・・その通り・・・ヘビーウェポンを効果で

デス・シザースに装備させてターンエンド」

 

ひはつ手札:2→1

スマイルルーム手札:1→0

 

 

 

 

 

「い、 いきなり手札から最上級モンスターが出て来たッス!!」

「完全にしてやられたわね

まさか残っている手札1枚がゴーズだったとは・・・」

「裏社会で生き残っているだけはある・・・と言う事か・・・」

「頑張れ!! ひはつ!!」

 

十代が叫ぶ。

 

 

 

 

『外野がうるせぇなぁ・・・ドロー』

 

スマイルルーム手札0→1

 

『ゴーズでドゥルダークに攻撃』

「ドゥルダークが破壊されて

機甲部隊の最前線の効果でニードルバンカーを召喚!!」

『じゃあカイエントークンでニードルバンカーに攻撃』

「っ・・・機甲部隊の最前線は1ターンに1度だから無理・・・か」

『モンスターをセットしてターンエンド』

 

スマイルルーム手札:1→0

 

「僕のターン、 ドロー!!」

 

ひはつ手札:1→2

 

「ヘビーウェポンの装備化を解除!!

そして2体目のデス・シザースを召喚!!

これで団結の力の効果で最初のデス・シザースの攻撃力は3400!!

ゴーズに攻撃!! 3500の効果ダメージと戦闘ダメージ!!」

『ちょ、 待!!』

 

スマイルルームLP:4400→900→200

 

『あ、 死んでないのか・・・っぶねー・・・』

「これでターンエンド!!」

 

ひはつ手札:2→1

 

 

 

「良し!! これで後もう少しで!!」

「いや、 これは不味い!!」 

 

十代の声を掻き消すかのように叫ぶメグ。

 

「な、 何でだよ」

「ライフを削り切れていないのは不味い

恐らく逆転される」

「何でそんな事が言えるんだよ?」

「相手を見なさい、 全く焦っていない

リバースモンスターが恐らく逆転の切り札になり得る物だと推測するわ」

「そうだな海千山千の裏デュエリスト

こんな所で負けるとは思えない・・・」

 

タイタンが汗を流す。

 

 

 

 

 

『そりゃそうだな

こんな所で素人に負けてちゃ裏稼業もしまいだわ

俺のターン、 ドロー』

 

スマイルルーム手札0→1

 

『このターンにヘルゲイナー君が帰って来るぞ

カードを一枚伏せてリバースモンスターを反転召喚

メタモルポッド、 互いに手札を全て捨てて5枚ドローだ』

「・・・・・」

 

スマイルルーム手札:0→5

ひはつ手札:1→5

 

ひはつが捨てたカード

ネクロ・ガードナー

 

『伏せた死者蘇生を発動

墓地のグリード・クエーサーを特殊召喚

ヘルゲイナーを除外してグリード・クエーサーに2回攻撃を付加する

そして手札からハーピィの羽根帚を発動、 お前の魔法と罠を全て破壊する

その糞忌々しいカード共を粉砕する』

「伏せていたもう一枚の永続罠を発動!!

宮廷のしきたり!! このカード以外の永続罠は破壊されない!!」

『スピリットバリアは守られた、 と言う事か

ディフェンスが固いな・・・

メタポを生贄にE-HERO マリシャス・エッジを召喚

子のモンスターは相手フィールドにモンスターが居れば

生贄が1体で済む、 それではグリード・クエーサーで

デス・シザース2体、 マリシャス・エッジでヘビーウェポンを攻撃』

「ダメージは無い・・・」

『だがデス・シザースを破壊してレベル8上がって

グリードクエーサーの攻撃力は4500だ

そしてモンスターが居なくなったカイエントークンでダイレクトアタック』

「墓地のネクロ・ガードナーを除外してダイレクトアタックを無効に!!」

『ふん、 しっつこいな・・・ガードを1枚伏せてターンエンド』

 

スマイルルーム手札:5→2

 

「僕のターン、 ドロー!!」

 

ひはつ手札:5→6

 

「大量にカードをドロー出来たのは此方も同じ!!

3体目のデス・シザースを召喚!!

そして禁じられた聖杯をグリード・クエーサーに発動!!

効果依存の攻撃力だからこれで攻撃力は0!!

デス・シザースでグリード・クエーサーに攻撃!!」

『おっと、 悪魔族モンスターが攻撃されたのでヘイト・バスターを発動

グリード・クエーサーとデス・シザースを破壊して

デス・シザースの攻撃力分のダメージを受けて貰おう』

 

ひはつLP:3000→2000

 

がぶしゃあ、 と顔半分が噛まれた様な傷が現れる。

 

『キツクなって来ただろう?』

「キツイのは君の方だろ」

『あん?』

「君のライフは残り200

こっちの攻撃を1度でも受け損ねたら君は死ぬ

如何考えても君の方が追い詰められている」

『御託は良い、 する事無いならターンエンドしろ』

「カードを2枚伏せてターンエンド!!」

 

ひはつ手札:6→2

 

『俺のターン、 ドロー!!』

 

スマイルルーム手札:2→3

 

『マリシャス・エッジでダイレクトアタック

通れば俺の勝ちだが・・・』

「当然通らない、 伏せていた墓地墓地の恨みを発動

君のフィールドのモンスターの攻撃力を永続的に0にする」

『的になった、 って事か

ふん、 手札から冥界流傀儡術を発動

墓地のグリード・クエーサーと同じレベルのカイエントークンを除外して

墓地のグリード・クエーサーを特殊召喚する

そしてカードを2枚伏せてターンエンド』

 

スマイルルーム手札:3→0

 

「僕のターン、 ドロー!!」

 

ひはつ手札:2→3

 

「ダーク・バーストを発動!!

墓地の闇属性で攻撃力1500のモンスター1体を手札に加える!!

僕はデス・シザースを手札に加える!!

そしてそのまま召喚!! 攻撃力が0になったマリシャス・エッジに攻撃!!」

『マリシャス・エッジを生贄に闇霊術-「欲」を発動

お前が手札の魔法カードを見せれば無効に出来るが如何する?』

「無効にするに決まってるだろ

手札の移り気な仕立屋を見せて効果を無効にする

そしてそのままターンエンド」

 

ひはつ手札:3→2

 

 

 

 

 

「お、 お互いにギリギリなのによくやるッス・・・」

「えぇ・・・見ているこっちが辛い・・・」

 

翔と明日香が弱音を吐く。

 

「ひはつが勝てなかったら次は私が出るわ」

「いや、 俺が出るぜ」

「じゃあ我は最後で・・・」

 

 

 

 

「外野!! 僕が戦っている最中に次の順番とか決めないの!!

僕が頑張ってるんだから」

『その頑張りも、 今終わる、 ドロー』

 

スマイルルーム手札:0→1

 

『ヘルゲイナーが帰って来る

そして効果発動でグリード・クエーサーは2回攻撃が出来る様になる

貪欲な壺を発動、 墓地のジャイアントウィルス3体と

マリシャス・エッジ、 メタポをデッキに戻し2枚ドロー』

 

スマイルルーム手札:0→2

 

『やぁぁぁっと来たか!! サイクロン発動!!

その糞忌々しいスピリットバリアを破壊する!!』

「っ!!」

『そしてヘルウェイ・パトロールを召喚

まずはグリード・クエーサーでデス・シザースに攻撃!!』

「罠発動!! 鎖付きブーメラン!!

グリード・クエーサーを守備表示に変更して

このカードを装備カードとしてデス・シザースに装備!!

攻撃力500アップ!!」

『だからどうした!! ヘルウェイ・パトロールの攻撃力は1600だ!!

ヘルウェイ・パトロールで攻撃!!

ついでにデス・シザースの元々のレベル×100だから400ダメージも受けて貰う!!』

 

ひはつLP:2000→1900→1500

 

「戦闘ダメージを受けたこの瞬間

手札からトラゴエディアを召喚する」

『このタイミングで出されてもなぁ怖くも何ともないぞ?

次のターンにドローしても攻撃力1200だ、 恐れるに足りん』

「それは如何かな、 次のターン、 僕がドロー加速カードを引いたら

ヘルウェイ・パトロールの攻撃力を超えて

君を倒せる攻撃力1800以上になる」

『引けてたまるかよ!!

グリード・クエーサーを攻撃表示にしてターンエンド!!』

 

スマイルルーム手札:2→0

 

 

 

 

「・・・・・・・」

 

物凄い緊張している翔。

無理も無い、 文字通り

次のひはつのドローでデュエルが決まると言ってもいいのだ。

 

「見ているなら・・・助けろ・・・!!」

 

神様みたいな奴に祈るメグ。

しかし何も起こらなかった。

 

 

 

 

 

「僕のターン、 ドロー!!」

 

ひはつ手札:1→2

 

「・・・・・・・・・・・・・・・」

 

ひはつは黙った。

 

『如何した? 狙いのカードは引けなかった様だな?』

「そうだね、 ドローカードは引けなかった」

『・・・その口ぶり、 逆転のカードを引いたか・・・』

 

実際、 逆転は容易である。

攻撃力1800以上のモンスターを召喚すれば

容易くヘルウェイ・パトロールを上回ってスマイルルームを倒せる。

しかしスマイルルームの最後の伏せカードは虎の子の激流葬。

危険なモンスターが出て来たら激流葬で全て洗い流す。

そして次のターンに1500以上の攻撃力のモンスターを召喚して勝ち。

自分なら出来るとスマイルルームは確信している。

だがしかし

 

「手札から死者転生を発動、 移り気な仕立屋を捨てて

墓地のモンスターを手札に加える」

『ドゥルダークやブローバックとか色々居たなぁ・・・』

「僕はガンナー・ドラゴンを手札に加える」

『・・・・・あ』

 

スマイルルームから余裕が消えた。

 

「ドラゴエディアの効果発動

1ターンに1度、 手札からモンスター1体を墓地へ送り

そのモンスターと同じレベルの相手フィールドの

表側表示モンスター1体を対象として発動できる

その表側表示モンスターのコントロールを得る

墓地はレベル7のガンナー・ドラゴンを捨てて

レベル7のグリード・クエーサーのコントロールを得る

そしてグリード・クエーサーでヘルウェイ・パトロールに攻撃」

『うわ、 うああああああああ!!! 来るなああああああああああああ!!』

 

スマイルルームLP:200→0

 

 

 

 

外に張ってあった闇の障壁が消えひはつの体中の傷も霧散した。

スマイルルームの体が溶け始めた。

巨大な口腔が付いた体が溶けて内側から若い男が這い出て来た。

 

「た、 助けてくれえええええええええええええええ!!

死にたくねぇええええええええええええええええええ!!

あああああああああああああああああああああぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 

這い出た男は解けた化け物の肉体に飲み込まれる様に吸い込まれ。

解けた肉体も悪臭を残し粘り気のある肉塊を残して消えた。

 

 

 

「う・・・うぐ・・・」

 

翔が口の中を膨らませる、 吐く事を堪えているのだろう。

 

「な、 何て恐ろしい・・・」

 

明日香も顔面蒼白になっている。

 

「っ・・・」

 

十代が顔を伏せる。

 

「さてと、 オッサン、 色々と話を聞かせて貰おうか」

 

ガシッ、 とタイタンの腕を掴むメグ。

 

「そんなに強く掴まなくても逃げないぞ・・・

あんなに強いデュエリストが居るんだ・・・

我の様な紛い物の闇のデュエリストでは勝てんよ・・・

まさか勝つとは・・・」

 

がくり、 と膝から崩れ落ちるひはつ。

 

「!? お、 おいひはつ!! 大丈夫か!?」

「だ、 大丈夫、 少し疲れただけ・・・」

 

そのまま意識を失うひはつ。

 

「お、 おい!!」

「とりあえずオッサン、 アンタ大人の男だしひはつ運ぶの手伝え」

「良いだろう・・・」

 

タイタンはひはつを抱えてレッド寮に戻るのだった。




スマイルルームのデッキ
【悪魔族軸グリード・クエーサー】
悪魔族モンスターが中心のデッキ
割と堅実で死者蘇生、ハーピィの羽根帚、激流葬等のパワーカードが多めだが
ヘルゲイナー等、グリード・クエーサーを活かす為のカードも多数入っている
見せる機会が無かったがギブ&テイク、ザ・カリキュレーターも入っている
しかし攻撃力が高くてもひはつのスピリットバリアには無力だった


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制裁デュエル受ける事になりました(デュエル無し回)(´・(´・(´・ω・`)・`)・`)

タイタンがひはつをレッド寮に運んだ後にタイタンは大人しく縛についた。

とりあえずデュエルアカデミアの倫理委員会がタイタンを拘束し

これから如何するのか倫理委員会は校長鮫島と会議を開いたのだった。

 

「それではこれより緊急会議を始めます

司会進行は私、 倫理委員会委員長、 最澄 霞が行います」

 

帽子を被った眼鏡の女性が会議を始める。

 

「と言ってもこれはもう決まった様な物じゃないか?

レッドが立ち入り禁止区域に入ったんだから退学で良いでしょう」

「異議無し」

「異議ナーシ」

 

倫理委員会幹部達が採決を取る。

 

「それでは鮫島校長、 レッド3人退学で宜しいでしょうか?」

「仕方がありませんね・・・」

「仕方がありませんではすみませんよ」

 

ガチャリ、 と会議室のドアが開く。

 

「誰です? 今会議中ですよ?」

「あぁ、 すみません

私、 海馬コーポレーションから派遣されてきました

倫理委員会を任される事になった無常矜侍です」

「なっ!? そんな話聞いてな」

 

すっ、 とUSBメモリを最澄に差し出す無常。

 

「委任状です、 調べますか?」

「っ校長!!」

「・・・私も初耳です、 どういう事ですか?」

「実はですね

海場社長直々に倫理委員会及びこの学園の再編を任されまして」

「再編?」

「どういう事だ?」

「教えてあげません、 とりあえず詳しい話をしたいので

鮫島校長、 別室に移動させて貰って宜しいでしょうか?」

「・・・分かりました」

 

鮫島が無常と共に校長室に向かった。

校長室に着いた二人は席に座って話を始めた。

 

「まず就任が遅れた事を御詫びしますね、 色々と仕事が有りまして」

「仕事・・・ですか?」

「えぇ、 私の仕事は新規事業の開拓や企業の再編です

とは言っても難しい事じゃないですよ

デュエルで言うなら新しいデッキの構築、 デッキ調整の様な物です」

「貴方もデュエリスト?」

「えぇ、 まぁそうですね

最近の海馬コーポレーションではデュエリストが重用されていますからねぇ」

「・・・それは初耳です」

 

サイバー流のデュエリストで

海馬コーポレーションに重役になったデュエリストは居ない。

少なくとも鮫島はそんなデュエリストを知らない。

いや一人だけ居た。

 

「そうですかぁ? 私の流派では何人か重役になっている人も居ますよぉ?」

「私の流派?」

「えぇ、 私、 クッキング流のデュエリストです」

「え、 ク、 クッキング流?」

 

クッキング流。

ハングリーバーガーを中心とした儀式中心のデュエルの流派である。

サイバー流と比べて歴史は浅いがプロデュエリストにもランカーがおり

妙に人気がある流派である。

 

「クッキング流ですか?」

「えぇ、 何か?」

「い、 いえ・・・」

 

サイバー流にとってクッキング流は眼中にないレベルの存在である。

とは言えクッキング流もサイバー流に対して興味は無いらしく

互いに没交渉である。

 

「しかしクッキング流・・・サイバー流に比べてその・・・何というか・・・」

「そう、 それなんですよ」

 

びし、 と鮫島に指を指す無常。

 

「海馬社長は貴方に対して不満が幾つも有る様です」

「不満?」

「色々有りますが、 まず第一にサイバー流に対する贔屓ですね」

「贔屓? いや、 そんな事は無いと思いますが・・・」

「いやいや、 デュエルアカデミアの職員の大半がサイバー流

これは明らかに身内採用し過ぎでは?」

「優秀なデュエリストを採用した結果です」

「果たしてそうでしょうか?

デュエルアカデミアの教職員でタイトルを持っている人、 どれ位居ますか?」

「・・・・・」

「プロアマ問いませんよ?」

 

プロデュエリストで無くとも企業が主催する大会で優勝すれば

デュエルのタイトルホルダーになる事が出来る。

 

「実技の最高責任者のクロノス氏の持っているフィレンツェカップ位ですよね?

他のサイバー流の方でタイトルを持っているのは?」

「・・・・・タイトルの有無がデュエリストの実力では無いでしょう」

「苦しい言い訳ですねぇ

デュエルアカデミアに履歴書を送ったタイトルホルダーのデュエリストは

大勢居たのに彼等を差し置いてサイバー流のデュエリストを雇用する

意味が分かりませんよ」

「クッキング流やバグロス流

モリン流やダーク流等の訳の分からない流派だったので」

「サイバー流よりはマシでしょう

現在の日本ランキングでサイバー流は下位にちらほらいる程度ですよ」

「・・・宮迫君が100位に居ますよ」

「彼はサイバー流じゃなくてサイバー亜流でしょう

そもそも教師なら兎も角用務員や警備員を

サイバー流にする意味が分かりません」

「っ・・・」

 

痛い所を突かれる鮫島。

 

「まぁ百歩譲って結果を出せれば良いですよ

結果を出せていないのが現状ですよ

デュエルアカデミア本校からランキング入りしたデュエリストは20人のみ

分校の方々の半分以下です」

「分校は日本以外に有りますから日本ランキングでは無いでしょう」

「日本ランキングよりも苛烈な環境も有りますよぉ

これは本校のレベルが低い、 と言う見方もあります」

「しかし・・・学生全員がプロを目指す訳では無いです

無理矢理プロデュエリストを目指させる事は教育者としてあり得ません」

「そこでさっきのサイバー流贔屓です

何でも去年の卒業生のサイバー流生徒を外部指導員として雇っているとか」

「最煉君は優秀な生徒ですから」

「身内贔屓なんじゃないですかぁ?」

 

煽る無常。

 

「まぁ良いでしょう、 一番の問題点はじっくり解決するとして

倫理委員会に強権を持たせて優秀なデュエリストを退学にするのは頂けない

さっきの会議で退学にすると言ったのは

話を聞くとクロノス氏を倒したデュエリストだとか

そんな優秀な人材を流出させるのは如何かと思いますね

昨年だけで2,30人退学させてますし」

「・・・・・ではこうしましょう

外部からプロデュエリストを呼び寄せ制裁デュエルを行わせるというのは?

勝てば反省文、 負ければ退学、 これならば如何でしょうか?」

「良いでしょう、 但し呼ぶプロデュエリストの予算は抑えて貰います」

「予算を抑える・・・ですか」

「貴方がサイバー流関係の部を沢山作るから予算が嵩んで仕方ありません

幾つかの部は廃部にさせて貰いますよ」

「そ、 それは困ります!! 部活動同士で戦わせて技量の向上に」

「それでも部は多いですよ、 もっと少なくて良い

極論3つで良い」

「3つ・・・ですか?」

「第一サイバー流デュエル部と後二つですね」

「第一サイバー流デュエル部・・・」

「えぇ、 あそこの顧問は別格ですしね

まぁこの話はおいおいにしていきましょう

それでは夜分遅くになってしまったので私は失礼しますよ」

 

無常がすっ、 と立ち上がる。

 

「あ」

 

人差し指を上げて大した事の無いように思い出した無常。

 

「そうそう、 貴方が採用を検討した教育実習生48名

此方で面接と実技試験を行った結果、 不適格として全員不合格になりました」

「なっ!?」

「でも安心して下さい、 新しい倫理委員会と共に

タイトルホルダーの教育実習生達を連れてきました」

「・・・・・新しい倫理委員会?」

「えぇ、 さっきも言いましたが倫理委員会は生徒を退学させすぎです

再編成の為に新しい倫理委員会を作ります」

「そんな・・・滅茶苦茶な・・・」

「生徒を退学させるという事は人生を預かると言う事ですよ

あんなにほいほい退学させるのは頂けませんよぉ、 では失礼します」

 

校長室から去る無常。

鮫島は机の上で頭を抱えた。

 

 

 

 

 

 

 

「「制裁デュエル!?」」

「って何?」

 

翌日の早朝に新しく来た倫理委員会から校長室に連れて来られた

十代、 翔、 ひはつの3人は

鮫島と無常から制裁デュエルを行う事を告げられる。

 

「えぇ、 貴方達が廃寮に向かったという事で

制裁デュエルを行います、 プロデュエリストを呼ぶので

勝てば反省文、 負ければ退学です」

「えーっと・・・アンタ誰?」

「本年度から倫理委員会に配属されました無常矜待です」

「よろしく・・・でもプロデュエリストとデュエル出来るんだろ?

くぅ!! 燃えて来たぜ!!」

「あ、 アニキぃ・・・」

「ふわ・・・」

 

三者三様の反応をする。

そこに・・・

 

「ちょっと待って下さい!!」

 

明日香とメグがやって来た。

 

「はい? 何方様ですか?」

「オベリスク・ブルーの天上院明日香です」

「メグでぇ~っす

十代君だけじゃなくて私達も廃寮に行ったんですけど?」

「おや、 それでは君達も制裁デュエルですね」

「ちょ、 無常さん、 彼女達はオベリスク・ブルーですよ?」

「鮫島校長、 待遇に差を付けるのは良いですが

処遇に差を付けるのは良く無いですよぉ?

区別は良いですが差別がいけません」

「・・・・・」

 

顔を顰める鮫島。

 

「廃寮には不審者が2名も居たんですよ!?

それでも制裁デュエルを受けろと?」

「そもそも廃寮に行かなければ良いじゃないですかぁ

そもそも何で廃寮に?」

「行方不明になった兄の手掛かりが有るかもしれないと思って」

「行方不明?」

 

ちら、 と鮫島を見る無常。

 

「えぇ・・・まぁ・・・その・・・」

「・・・・・それについて後から聞きましょうか

兎も角貴方達5人には制裁デュエルです、 それでは解散」

 

5人は校長室から去った。

 

「しかし5人にデュエルをさせるとなると

プロデュエリストは5人必要と言う事になりますね・・・」

「1人のプロデュエリストに5回デュエルして貰えば良いのでは?」

「いや・・・それは・・・」

 

コンコンとドアがノックされる。

 

「どうぞ」

 

校長室に入って来る最愛。

 

「最愛先生? 一体何を・・・」

「話は聞かせて貰いました、 私にお任せ下さい」

「?」

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃、 第三サイバー流デュエル部の部室では。

 

「制裁デュエルですか!? 丸藤君が!?」

 

翔の制裁デュエルが噂になっていた。

 

「ウチの部活から校則違反が出るなんて・・・全く迷惑な話だよ」

「サイバー流でも屑は出るって事か」

「これだからオシリス・レッドの屑は・・・」

「いや、 翔って言うのは十代って奴に

無理矢理連れていかれただけじゃないか?」

「確かに押しに弱そうだからな」

 

色々好き勝手に言っている。

 

「雀先輩、 如何思います?」

「これは部で嘆願書を書いて処分の減刑を求めるべきよ」

「いや、 態々オシリス・レッドにそこまでする必要は・・・」

「オシリス・レッドでもサイバー流の仲間だろう!?」

「だが弱い奴を助ける事なんて」

「何だと!?」

「喝ッ!!」

 

アルファが叫んで皆を落ち着かせる。

 

「さっき顧問の才眠先生と鉢合わせした

その時に話したんだが・・・

丸藤はデュエル譜取りにあまり真面目に取り組んでいないから

部として何かする事はしない」

「そんな・・・見捨てるって言うの?」

「雀、 気持ちは分かるが制裁デュエルで済ますって言うのは温情だと思うぞ」

「・・・・・」

 

黙る雀。

 

「話はここまで、 今日のデュエルを始める」

 

皆はバラけてデュエルを始めた、 雀もデュエル譜を取り始める。

しかしその表情は暗い。

 

「また・・・何も出来ないの・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オシリス・レッドの寮のひはつの部屋。

 

「何気に男の子の部屋に来たのは前世でも無かったわね・・・」

「何か言った?」

 

ひはつの部屋にやって来たメグ。

何故メグがひはつの部屋にやって来たのかと言うと

制裁デュエルで十代と翔。

ひはつとメグ、 明日香、 この3組に分けられたからである。

つまりひはつとメグはタッグデュエルを行う事になったのだ。

その打ち合わせでやって来た、 と言う事である。

 

「はい、 どうぞ」

「あ、 ありがとう」

 

菓子盆を出すひはつ。

中身は柏屋の薄皮饅頭と檸檬がたっぷりと。

 

「お好きな方をどうぞ」

「じゃあこっちを・・・」

 

檸檬を選び食べるメグ。

ひはつは薄皮饅頭をもぐもぐと食べる。

 

「それじゃあデッキの形式だけど・・・如何する? 合わせる?」

「そうだねぇ・・・僕はマルチデッカーだからそっちに合わせるよ」

「それは助かる、 でも合わせ過ぎると

メタ張られたら厄介だからちょっと外して行こう」

「例えば」

「例えば・・・そうね・・・」

 

色々とデッキについて話し合う両名。

 

「うん、 それが良いかな、 じゃあデッキを組み始めるよ」

「OK、 じゃあ待って居るよ」

 

机に向かってデッキを組み始めるひはつ。

メグは部屋の中を見渡す、 PCとカードの入った段ボール以外は

何も無い空虚な部屋である。

 

「しかしレッド寮の環境は酷いわね・・・」

「もう慣れたよ」

「そう・・・」

「おい!! 大変だひはつ!! 翔が出て行っちまった!!」

 

ドアを物凄い勢いで開く十代。

 

「何で?」

「自分とタッグを組んで俺が負けない様にって出ていくって」

「じゃあ何処に行ったか手分けして探そう、 僕は校舎の方に行って来る」

 

そう言うと外に探しに行くひはつ。

 

「・・・・・馬鹿なのかな? 出ていくなら普通は海の方を探すでしょ・・・」

 

よいしょと立ち上がるメグ。

 

「じゃあとりあえず海岸の方に探しに行く?」

「お、 おう・・・・・」

「じゃあ私は北、 貴方は南で」

「わ、 分かった」

 

 

 

 

「さて・・・ここは何処だろう(´;ω;`)」

 

翔を探しに校舎に向かったが迷子になったひはつ。

 

 

 

 

 

 

一方海岸に向かった十代はなんやかんやあって翔を見つけた。

ついでに翔の兄であるカイザーの異名を持つ亮と明日香も居た。

 

「十代に呼ばれたから来たけどカイザーと

十代のデュエル終わったかぁ・・・」

 

別行動をしていたメグはイベントを見逃して少し残念、 と思っていた。

 

「おや、 君が噂の遊愛 恤かい?」

 

帰ろうとしている亮が話しかけて来る。

 

「メグで良いよ、 私に興味が?」

「いや、 無い」

「(´・ω・`)」

「君に質問が有る、 さっき十代にも質問したんだが」

「・・・何よ?」

「井の頭デュエル大会、 と言う大会を知って居るか?」

「初めて聞いたわね、 アマチュアの大会か何か?」

「いや、 知らなければ良い」

 

そう言って亮は立ち去って行った。

 

「?」

 

首を傾げるメグ。

何はともあれ翔がタッグデュエルをやる気になったので良しとしよう。

 

 

 

 

 

 

同時刻、 十代達から少し離れた海岸沿いで

最澄 霞を始めとした旧倫理委員会メンバーとタイタンは

本土に向けて出港した船に乗っていた。

 

「納得がいかない・・・何故私が委員長を降ろされないといけないんだ・・・」

 

最澄はグギギと腹立たし気に言う。

 

「別に良いでしょう委員長

海馬コーポレーションは新しい職場を用意してくれたし

嫌ならサイバー流の他の職場に」

「黙りなさい!! 委員長じゃないからそんな事が言える!!」

 

部下の慰めを一喝した。

部下は頭を下げて去って行った。

 

「おのれ・・・覚えていろよ無常矜待・・・そして海馬社長・・・!!」

 

忌々し気にデュエルアカデミアを見ながら言う最澄だった。

 

 



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制裁デュエル明日香編┏┫ ̄皿 ̄┣┛

制裁デュエル当日。

デュエルリングに集められる十代、 翔、 明日香、 ひはつ、 メグ。

 

「それでは制裁デュエルを始めるノーネ!!」

 

クロノスが司会進行を務める。

 

「こちらで用意したデュエリストとこの5人のデュエリストが戦うノーネ!!

戦う順番はドロップアウトボーイズ!! シニョーラ明日香!!

シニョーラメグ&シニョールひはつナノーネ!!」

 

わぁああああ、 と会場が沸く。

 

 

 

 

 

 

「納得出来んな・・・」

 

万丈目が観客席で呟く。

 

「何がです?」

「何か問題でも?」

 

太陽と慕谷が問う。

 

「ドロップアウト達は兎も角ブルーまで制裁とは許し難い」

「確かにそうですね」

「ブルーには勝てる相手を出して来るんじゃないですか?」

「それは如何かな?」

 

万丈目達の後ろに座るキリとブルーの制服を着て

フルフェイスのマスクを被り額にLEDで\先輩/と表示する不審者。

 

「誰だアンタ?」

「最遊・キリ・ロード、 3年だ、 先輩だ敬え」

「俺はチェインボルト!! 2年生!!

後輩!! たとえ一分一秒でも先に入学した者を

後に続く者は敬うべし!!」

「は、 はぁ・・・そうですか・・・」

「さっきの・・・それは如何かなって言うのは・・・」

「ふむ!! 教えてやろう!! 先輩たる我々に感謝せよ!!

他の連中は知らんが天上院の相手は我々SDTCが自信を持って送り出す相手!!

まず勝てん!! 俺ですら勝てんし!!」

「え、 えぇ・・・」

 

困惑する万丈目達。

 

「そうこうしている内に最初のデュエルが終わったぞ!!」

「迷宮兄弟・・・何という強敵だ・・・」

「え、 えぇ!?」

 

少し眼を離したと思ったら十代と翔の制裁デュエルが終わっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ドロップアウトボーイズの勝利ナノーネ

では次、 シニョーラ明日香!!」

「はい!!」

 

デュエルリングに上がる明日香。

対面に現れたのは最愛。

 

「最愛先生? 私の相手は貴女?」

「いいえ、 私の可愛い息子が相手よ」

「息子? 最愛先生結婚なされていたんですか?」

「えぇ・・・私はサイバーと寝た女と呼ばれている」

 

呼ばれていない。

そして大勢のSDTCの部員達が何やら機材を運んで来た。

 

「ご紹介しよう、 我が息子、 SDTCの英知の結晶!!

完全AIデュエリスト『クレバー』だ!!」

 

大きめのコンピュータの様な形をしており

モニターには表情の様な画像が表示されている。

 

「ドーモ、 クレバーです、 明日香=サン」

「ど、 どーも・・・しかし私の相手は機械がするのですか?」

「このクレバーの実力はプロデュエリスト並と言っても過言では無い

事実プロデュエリストとのテストマッチにおいては勝利する事が出来た」

「信じられませんが・・・」

「デュエルには肌の色や外見や年齢、 有機体か否かは関係ありません

ただ強い者が勝つ、 それだけです」

「それもそうね・・・」

 

クレバーに説かれる明日香。

 

「ではデュエルを始めましょうか

先行は明日香さんからで良いわねクレバー?」

「構いませんよ」

「ちょっと待った、 後攻を頂きます」

「そちらがそれならば問題有りません、 では始めますか」

 

「デュエル!!」「対戦よろしくお願いします」

「礼儀正しい!!」

「機械ですから」

 

 

「ドロー、 スタンバイ、 メイン」

 

クレバー手札:5→6

 

機械のアームがカードをドローして手札を持つ光景としては異様である。

 

「永続魔法、 魔法吸収を発動します

そしてカード2枚セットしてモンスターをセット

更に手札からエクスチェンジを発動します」

「エクスチェンジ? 互いの手札からカードを交換するあのエクスチェンジ?」

「そのエクスチェンジです、 さぁ手札を見せて下さい」

「っ・・・」

 

クレバーの手札

プロト・サイバー・ドラゴン

 

明日香の手札

ドゥーブルパッセ

機械天使の儀式

サイバー・プチ・エンジェル

サイバー・プリマ

ブレード・スケーター

 

「プロト・サイバー・ドラゴンしかいないじゃないの・・・

プロト・サイバーを選択します」

「ではサイバー・プチ・エンジェルを選択しますね

魔法吸収の効果でライフ回復してターンエンドです」

 

クレバーLP:4000→4500

クレバー手札:6→1

 

「私のターン、 ドロー!!」

 

明日香手札:5→6

 

「ブレード・スケーターを召喚してセットモンスターに攻撃!!」

「セットモンスターは王立魔法図書館です反射で600ダメージ」

「っ」

 

明日香LP:4000→3400

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!!」

 

明日香手札:6→4

 

 

 

 

 

 

 

「押されているね」

「そうね」

 

メグとひはつがデュエルリングの外で観戦している。

 

「如何思う? あの機械?」

「サイバー流、 っぽいけど

王立魔法図書館・・・ドロー加速としては有り得なくはない?

魔力吸収も有る、 型が読めない・・・」

「ムツカシイなぁ・・・

何れにせよエクスチェンジで手札が見られデッキ内容も

サイバー・エンジェルと見破られた

サーチカードのサイバー・プチ・エンジェルも取られたし厳しいかな・・・

名前の通りクレバーな機械だ・・・」

 

 

 

 

「ドロー、 スタンバイ、 メイン」

 

クレバー手札:1→2

 

「伏せていたトゥーンのもくじを発動

デッキからトゥーンのもくじの手札に加えます

手札に加えたトゥーンのもくじを発動

デッキからトゥーンのもくじの手札に加えます

手札に加えたトゥーンのもくじを発動

デッキからトゥーン・サイバー・ドラゴンに加えます

3枚の魔法カードが発動された事により

王立魔法図書館に魔力カウンターが3つ

魔力吸収の効果で1500のライフ回復がされます

王立魔法図書館の効果でカウンターを3つ取り除き

デッキから1枚ドローします」

 

クレバー手札:2→3

クレバーLP:4500→6000

 

「モンスターをセットしてターンエンドです」

「またしてもセット・・・何を企んでいるの・・・

私のターン、 ドロー」

 

明日香手札:4→5

 

「・・・ブレード・スケーターを生贄に

サイバー・プリマを召喚!! このカードが召喚に成功した場合

表表示の魔法カードは破壊される!!」

「魔力吸収は破壊ですね」

「そしてサイバー・プリマで王立魔法図書館を破壊!!」

「破壊された事でブロークン・ブロッカーを発動します

王立魔法図書館を守備表示で2体特殊召喚します」

「増えた・・・ですって? ターンエンド」

 

明日香手札:5→4

 

「ドロー、 スタンバイ、 メイン」

 

クレバー手札:3→4

 

「セットしていたデス・ラクーダを反転召喚

反転召喚成功時にデッキから1枚ドロー」

 

クレバー手札:4→5

 

「ワンダー・ワンドを王立魔法図書館に装備

融合賢者を発動、 デッキから融合を手札に

融合派兵を発動、 デッキからサイバー・ツイン・ドラゴンを見せて

デッキからサイバー・ドラゴンを攻撃表示で特殊召喚

王立魔法図書館から3つずつカウンターを取り除き2枚ドロー

更にワンダー・ワンドの効果発動

装備モンスターとこのカードを自分フィールドから墓地へ送り

自分はデッキから2枚ドローする」

 

クレバー手札:5→3→5→7

 

「手札が増えた上にサイバー・ドラゴンまで・・・

でもサイバー・プリマの攻撃力には及ばない」

「それはフラグと言う物です

手札から融合を発動、 手札のサイバー・ドラゴンと

フィールドのサイバー・ドラゴンを融合して

サイバー・ツイン・ドラゴンを攻撃表示で召喚

そしてサイバー・ツイン・ドラゴンでサイバー・プリマに攻撃」

 

王立魔法図書館:魔

 

「待ちなさい、 手札を1枚捨てて

伏せているホーリーライフバリアーを発動するわ」

 

明日香が捨てたカード

ドゥーブルパッセ

 

明日香手札:4→3

 

「機械だけにフェイントには引っかかるみたいね」

「初手ターンに見えたドゥーブルパッセを伏せずに

引いたホーリーライフバリアーを伏せるとは

このミスはメモリーに記録しておきましょう

メインフェイズ2

デス・ラクーダを生贄にトゥーン・サイバー・ドラゴンを

召喚し、 カードを1枚伏せてターンエンド」

 

クレバー手札:7→3

 

 

 

 

 

「ふむ・・・中々ですね、 最愛先生」

「そうでしょう? 鮫島師範代、 いや鮫島校長

来期からは我がSDTCの予算増額を・・・」

 

デュエルリングの傍で観戦する鮫島と最愛、 そして亮。

 

「亮、 貴方はあのコンピューター」

「クレバー」

 

最愛が指摘する。

 

「クレバーのデュエルについて如何思います?」

「その名の通りクレバーな奴ですね

エクスチェンジで相手のデッキの把握

そして大量ドロー、 面白いデッキだと思います」

「そうでしょうカイザー」

「但し、 クレバーなだけではデュエルには勝てない」

「・・・・・カイザー、 ちゃんとデュエル見てます?」

「見ていて言っていますが?」

「・・・・・」

 

呆れた様子の最愛。

 

「見ていて下さい最愛先生、 明日香はここからですよ」

「だと良いですがねぇ」

 

 

 

「私のターン、 ドロー!!」

 

明日香手札:3→4

 

「良し!! 機械天使の儀式を発動!!

手札のサイバー・プロト・ドラゴンとサイバー・エンジェル-韋駄天-

を生贄に捧げてサイバー・エンジェル-伊舎那-を攻撃表示で特殊召喚!!

韋駄天の効果で伊舎那の攻撃力は1000ふえて3500!!

そして伊舎那の効果で貴方は自身のフィールドの

魔法・罠カード1枚を墓地へ送らなければならない!!」

「チェーン発動、 突進

サイバー・ツイン・ドラゴンの攻撃力を700上げます

そして突進を墓地に送ります」

「これでサイバー・ツインの攻撃力は3500・・・だけどこのターンだけ

次のターンに攻撃すれば良い

私はトゥーン・サイバー・ドラゴンと王立魔法図書館を伊舎那で攻撃!!」

 

クレバーLP:6000→4600

 

「これでターンエンド!! サイバー・ツインの攻撃力も元に戻る!!」

 

明日香手札:4→0

 

「ドロー、 スタンバイ、 メイン」

 

クレバー手札:3→4

 

「融合回収を発動

墓地の融合と融合に使ったサイバー・ドラゴンを手札に戻します」

 

クレバー手札:3→5

 

「手札抹殺を発動

互いに手札のカードを全て捨てて捨てた枚数分ドローします」

「手札交換カード・・・」

 

クレバーが捨てたカード

サイバー・プチ・エンジェル

スクラップ・リサイクラー

融合

サイバー・ドラゴン

 

クレバー手札:5→4

 

「手札から永続魔法、 闇の護封剣を発動します」

「闇の護封剣? 光の護封剣じゃなくて?」

「はい、 発動後、 2回目の自分スタンバイフェイズに破壊されるカードで

効果は相手フィールドに表側表示モンスターが存在する場合

そのモンスターを全て裏側守備表示にし

このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り

相手フィールドのモンスターは表示形式を変更できません」

「・・・・・あ」

 

裏側守備表示にする。

つまり、 韋駄天による伊舎那の攻撃力上昇は解除される。

更に対象に取らない効果の為、 伊舎那のもう一つの効果

自分フィールドの「サイバー・エンジェル」儀式モンスターを対象とする

相手の効果が発動した時に

自分の墓地の儀式モンスター1体を選んでデッキに戻し

相手フィールドのカード1枚を選んで破壊する効果も発動できない。

 

「サイバー・ツイン・ドラゴンで裏守備表示の伊舎那に攻撃します」

「ぼ、 墓地の機械天使の儀式を除外して戦闘破壊を無効にする!!」

「なら二度目の攻撃です、 伊舎那は破壊されます」

「くっ・・・!!」

「モンスターをセットしてカードを1枚伏せてターンエンドです」

 

クレバー手札:4→1

 

「・・・・・」

 

自分のフィールドとデッキを見る明日香。

手札は0枚、 そしてフィールドには裏守備になったサイバー・プリマ。

 

「・・・・・」

 

絶体絶命の状況、 負ければ退学。

背筋が凍る。

 

「如何しました? 早くドローして下さい」

 

対戦相手の機械はドローを促す。

 

「・・・・・」

「諦めたのならばサレンダーを推奨します

互いに時間の無駄遣いになりません」

「くっ・・・!!」

 

自分は機械にも勝てないのか歯軋りする明日香。

 

「明日香様!! 負けない下さい!!」

「頑張ってー!!」

「!!」

 

明日香が声のした方を振り返るとそこにはジュンコとももえが。

 

「天上院君!! まだまだこれからだ!!」

「頑張れ!! 明日香!!」

「明日香さん!!」

 

万丈目や十代や翔、 皆が応援してくれる。

 

「如何しました? 早くドローを」

「私のターン、 ドロー!!」

 

明日香手札:0→1

 

「・・・モンスターをセットしてターンエンド」

 

明日香手札:1→0

 

 

 

 

 

明日香!! 明日香!! と明日香コールが始まった。

 

「応援が鬱陶しいな・・・声を立てても勝率が上がる訳でも無いのに」

「キリ先輩!! こっちも負けてらんないッスよ!!」

 

チェインボルトの額のLEDが\頑張れ/と変形する。

 

「うん・・・でも実際の所、 クレバーに勝てないだろこれ

あの一年女子、 可哀想に・・・こんなに人気が有るのに負けるなんて」

「ちぃ!! ネガティブな事ばっかり言いやがって!!

向こうに行ってろドロップアウト!!」

「先輩は立てろと言っただろうがぁ!!!!」

「す、 すみません・・・」

 

キリの発言に怒る万丈目に対して怒るチェインボルト。

 

 

 

 

 

 

「ギャラリーが五月蠅いですね・・・

ドロー、 スタンバイ、 メイン」

 

クレバー手札:1→2

 

「デス・ラクーダを反転召喚、 効果で1枚ドロー」

 

クレバー手札:2→3

 

「手札からデス・ラクーダを召喚

サイバー・ツイン・ドラゴンでセットモンスター2体に攻撃」

「さっきセットしたのはエトワール・サイバー・・・

サイバー・プリマ共々破壊されるわ」

「では2体のデス・ラクーダでダイレクトアタック」

 

明日香LP:3400→2900→2400

 

「デス・ラクーダを効果で裏守備表示に変更してターンエンド」

 

クレバー手札:3→2

 

「私のターン、 ドロー!!」

 

明日香手札:0→1

 

「貪欲な壺を発動!! 墓地からモンスター5体をデッキに戻し2枚ドロー!!」

 

デッキに戻すモンスター

サイバー・プチ・エンジェル

ブレード・スケーター

エトワール・サイバー

サイバー・エンジェル-韋駄天-

サイバー・エンジェル-伊舎那-

 

明日香手札:0→2

 

「サイバー・ジムナティクスを召喚!!

手札を1枚捨てて効果発動!!

相手フィールドの表側攻撃表示モンスター1体を破壊する!!

サイバー・ツイン・ドラゴンを破壊!!

そしてデス・ラクーダ1体に攻撃してターンエンド!!」

 

墓地に捨てたカード

機械天使の儀式

 

明日香手札:2→0

 

 

 

 

 

 

 

「盛り返して来ましたね」

「それでも明日香さんには厳しい状況には変わりないでしょう

それが理解出来ない貴方では無いでしょう」

 

亮の言葉を否定する最愛。

 

「・・・校長、 明日香もここまで出来るんです

そんな生徒を退学にして良いのでしょうか?」

「亮、 これは制裁デュエルです、 私情は持ち込まない様に」

 

亮の言葉を否定する鮫島。

 

「それに除去カードに頼る様な

リスペクト精神の無い者を残す道理も無いですしね」

「っ」

 

鮫島の言葉に苦々しい顔をする亮。

 

「まだ・・・負けた訳じゃない、 まだ可能性が有る」

「可能性ならばこちらの方が上の筈だ

クレバーには手札も有るし、 ドロー加速手段も有る

ならばこちらの勝つ可能性の方が高い」

 

亮の言葉を否定する最愛。

 

「若者は可能性と言う事で不可能が出来そうな気分になるが

可能性は誰の手にも有る、 当然クレバーの手にも」

「・・・・・」

「クレバーのターンですね」

 

 

 

 

 

 

「ドロー、 スタンバイ、 メイン」

 

クレバー手札:2→3

 

「闇の護封剣が破壊されます

そしてデス・ラクーダを反転召喚、 1枚ドロー」

 

クレバー手札:3→4

 

「サイバー・ヴァリーを召喚

自分フィールドの表側表示モンスター1体とこのカードを除外し

その後自分はデッキから2枚ドローする

デス・ラクーダを選択して除外します」

 

クレバー手札:3→5

 

「手札からサイバー・ドラゴンを特殊召喚」

「まだ・・・ライフポイントは残る!!」

「そうなると防御手段は無いんですね

セットカードを発動、 リミッター解除

サイバー・ドラゴンの攻撃力を2倍にします」

「え」

「サイバー・ドラゴンでサイバー・ジムナティクスに攻撃」

 

明日香LP:2400→0

 

「対戦ありがとうございました」

 

 

 

 

 

 

会場が一気に静まり返った。

 

「え、 嘘、 負けたの?」

 

メグも心底驚いていた。

原作遊戯王GXではそもそも明日香がデュエルをする展開は無かった。

デュエルしても負けるとは全く思っていなかった。

 

「メグ、 動揺するのは分かるけど次のデュエルに集中して」

「ひ、 ひはつ、 でも・・・」

「メグ、 君はどうか知らないけど

僕はデュエルアカデミアに進学するのにかかった

お金は自分で稼いだお金なんだ」

「え?」

「だから退学してムダ金にする訳には行かない」

「・・・・・」

 

頬を叩いて気合いを入れるメグ。

 

「ゴメン、 集中しよう」

「その意気だよ」

 

立ち上がるメグとひはつ。

 

 

 

 

 

 

膝をつく明日香。

 

「クロノス先生、 司会進行を」

「え、 いや、 でも・・・」

「ちょっと待てぇえええええええ!!」

 

万丈目が観客席から降りて来た。

 

「こんな・・・こんな機械とのデュエルで何が分かると」

「静かに!!」

 

鮫島が叫ぶ。

威勢に押されて黙る万丈目。

 

「デュエルの結果は結果!!

負けたら退学なのがこの制裁デュエルのルールです!!

異論は一切認めません!!」

「なっ、 オベリスク・ブルーなんでs」

「但し!!」

 

万丈目の言葉を遮る鮫島。

そして鮫島が明日香に近付く。

 

「天上院明日香さん、 貴女の成績の良さは重々承知しています

単なる退学では皆も納得しません

そこで提案なのですが退学では無く

我が校の姉妹校のウエスト校に転学と言う形では如何でしょうか?」

「転学・・・ですか?」

「えぇ、 ウエスト校はレベルの高いデュエリストも多く

そこで実力を身に付ければここに戻って来る事も可能だと思います

嫌ならば退学でも構いませんが」

「・・・・・」

 

躊躇う明日香。

 

「良い機会では?」

 

クレバーを回収する最愛。

 

「最愛先生・・・」

「クレバーも最初は負け続きだった、 しかしその負けから反省して

今の実力になった、 成長する為に努力するのは悪くないと思うわ」

「・・・分かりましたウエスト校に行きます」

 

明日香はすくっ、 と立ち上がったのだった。

そして凛としてデュエルリングから去って行った。

 

 

 

 

 

 

 

「体の良い厄介払いだなぁ」

 

デュエルアカデミアの地下の地下。

第一サイバー流デュエル部顧問がソファーに横たわりながら

ポップコーン片手に巨大なモニターで制裁デュエルを観戦していた。

 

「そうですかねぇ」

 

隣で椅子に座って無常もポップコーンを食べている。

 

「退学を止めてウェスト校に転学、 良い条件なのでは?」

「ウェスト校の待遇を知ってる?」

「いいえ? ですがプロ排出率は本校含めてトップだとか」

「あそこは酷い所だ、 ここよりも細分化された格付けシステム

学費は安いが衣食住はもっと安い

そしてプロ排出率が高いのは当たり前、 計算式が違う」

「計算式?」

「ウェストのプロ排出率は例年90%越えだけど

その分母はプロデュエリスト志望者

つまり進路がプロデュエリスト志望の者が何%プロデュエリストになれたか

って話なのよ、 分かり易く言うならば

100人卒業して5人プロ志望して4人合格したって言っているって事」

「大学の就職率みたいだぁ」

「まぁ例えで100人って言ったけど

実際は1年に10人卒業出来るか出来ないか位

退学率が高い所だよ、 そんな所に女の子を放り込むとは

鮫島鬼畜だなぁ」

 

ケラケラと笑う顧問。

 

「あ、 ポップコーン無くなっちゃった、 取りに行って来る

飲み物何か要る?」

「ではスプライトを」

「おっけー」




明日香がまさかの敗北ですが
彼女はウェスト校から成り上がって帰って来る予定ですのでお楽しみに。

クレバーのデッキ
ドロー加速重視サイバー流
ブロークン・ブロッカーの性能を活かす為に
スクラップ・リサイクラー、 デス・ラクーダ、 王立魔法図書館は3積みしてます
ドローで稼いだ手札で融合サイバー1KILLを狙うのが主な戦略で
サイバーの火力を上回るモンスターは大体強化されているので
裏返す様に闇の護封剣をいれていたりしている
また手札を見てデッキを判断する為のエクスチェンジ等、小技もこなせる


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制裁デュエル メグ&ひはつ編ヽ(゚∀゚)メ(゚∀゚)ノ

「それでは制裁デュエル3戦目!! シニョーラメグとシニョールひはつ!!」

「はい」

「はーい」

 

デュエルリングに上がる二人。

相手は全く同じ服装の二人組、 但し赤と青の色の違いがある。

 

「・・・誰?」

「「ぼくらのなまえはぐりとぐら♪

すきなことはおりょうりすること たべること♪」」

「「????????」」

 

突然のぐりとぐらに困惑するメグとひはつ。

 

「えぇと・・・シニョールぐりとシニョールぐらは・・・

童実野町タッグデュエル大会20位入賞者? らしいノーネ」

 

困惑しながら語るクロノス。

 

「20位入賞って・・・何でそんなのが・・・」

「「何ィイイイイイイイイイイイイイイ!?」」

 

叫び声が聞こえた方を見ると迷宮兄弟が居た。

まだ残っていたのだ。

 

「「童実野町タッグデュエル大会で20位だとぉおおおおお!?」」

「いや、 町内大会デショ?」

「何を言っているんだ!!」

「童実野町のデュエルレベルは尋常ない位高い!!」

「そ、 そーなんデスーノ?」

 

迷宮兄弟の権幕にたじろぐクロノス。

 

「ペガサス・J・クロフォードが選んだ世界最高の5人のデュエリストの

城之内克也が優勝できないレベルの町内大会、 それが童実野町!!」

「世界最高レベルのデュエリストでも勝てないないんだ・・・

我々も童実野町タッグデュエル大会に参加した

結果は予選落ち・・・っ!!」

「要するにあの二人は迷宮兄弟よりも強い?」

「あの二人がねぇ・・・」

「「♪~♪~♪~」」

 

何と言うかほのぼのしている二人である。

メグにとっては絵本のキャラの擬人化に戸惑いを隠せない。

 

「20位入賞がなんぼのもんじゃーい

こっちは井の頭デュエル大会9位入賞だぞー」

「張り合うんじゃないのひはつ、 じゃあデュエルする?」

「あ、 ちょっとまって」

 

ぐりが制する。

 

「るーるについてきめよう」

「ルール?」

「うん、 らいふ8000、 ふぃーるどとぼちはきょうゆう

ぱーとなーとのてふだみせあいなし

おたがいに、 とかあいて、 じぶんにこうかのあるかーどは

そのときのでゅえりすとだけ

こうげきはさいしょのでゅえりすとだけできない」

「さっきの迷宮兄弟とのデュエルとは違う感じだね、 メグ如何思う?」

「寧ろ望む所よ、 ルールはそっちが決めたんだから

先行はこっちが貰うわ」

「どーする? ぐら?」

「べつにいいとおもうよ」

「決まりね、 じゃあ行くわよ!!」

「「デュエル!!」」

「「でゅえる!!」」

 

 

 

 

 

「童実野町の実力者ですか・・・如何思います万丈目さん?」

「すまん、 太陽、 しばらくほっといてくれ・・・」

 

明日香の転学が決まって物凄い落ち込んでいる万丈目。

 

「しっかりして下さいよ・・・」

「太陽・・・回りみろよ・・・皆も落ち込んでいるじゃないか・・・」

 

確かに会場全体が落ち込んでいる感じである。

 

「はぁ・・・・・仕方ない、 俺だけでも観戦するか・・・」

 

太陽はデュエルを見るのだった。

 

 

 

 

 

「私のターン、 ドロー!!」

 

メグ手札:5→6

 

「ローンファイア・ブロッサムを召喚

生贄に捧げてデッキからギガプラントを特殊召喚

ギガプラントにスーペルヴィスを装備して再召喚状態にして効果発動

墓地からローンファイア・ブロッサムを召喚して

2体目のギガプラントを特殊召喚、 カードを2枚セットしてターンエンド」

 

メグ手札:6→2

 

「ぼくのたーん、 どろー」

 

ぐり手札:5→6

 

「てふだからぎしきのしたじゅんびをはつどうするよ

でっきからぎしきまほうかーど1まいをえらび

さらにそのぎしきまほうかーどにかーどめいがしるされた

ぎしきもんすたー1たいをじぶんのでっきか

ぼちからえらんでてふだにくわえるよ」

「儀式モンスターか・・・何を手札に・・・」

「でっきからはんばーがーのれしぴとはんぐりーばーがーをてふだにくわえるよ」

「は?」

 

ぐり手札:5→7

 

「はんぐりぃばぁがぁ? マジで?」

 

心底馬鹿にした様に言うメグ。

 

「むむっ・・・これは・・・」

 

警戒するひはつ。

 

「はんばーがーのれしぴをはつどう

てふだのぎしきまじんでもりっしゃーとぎしきまじんぷれさいだーを

いけにえにしてはんぐりーばーがーをこうげきひょうじでしょうかんするよ」

 

ぐり手札:7→3

 

「プレサイダーとデモリッシャーか・・・面倒なモンスターだけど

ハングリーバーガーでしょ?」

「まだだよー、 ぎしきのじゅんびをはつどうするよー

ぼちのはんばーがーのれしぴとでっきのはんぐりーばーがーをてふだにくわえるよ」

「2体目か」

「そのとーり、 はんばーがーのれしぴはつどう

ぼちのぎしきまじん2たいをじょがいすることで

れべるぶんのいけにえにできるよ

2たいめのはんぐりーばーがーをしょうかんするよ」

 

ぐり手札:4→2

 

「しゅうまつのきしをしょうかんしてでっきから

ねくろ・がーどなーをぼちにおくるよ

そしていちぞくのけっそくをはつどうするよ」

「そう言えばハングリーバーガーは戦士族だったね・・・

攻撃力上昇して2800か・・・」

「それじゃあはんぐりーばーがーでさいしょうかんじょうたいの

ぎがぷらんとにこうげきするよ」

「攻撃宣言時に罠カード発動、 針虫の巣窟

デッキの上から5枚のカードを墓地に送る」

 

デッキから墓地に送られたカード

炎妖蝶ウィルプス

おろかな埋葬

アームズ・ホール

UFOタートル

鉄鋼装甲虫

 

「むー、 ぎがぷらんとははかいされるよ

そしてぷれさいだーをいけにえにしてぎしきしょうかんした

はんぐりーばーがーはあいてもんすたーをせんとうはかいしたら

でっきから1まいどろーするよ」

「OK」

 

メグ&ひはつLP:8000→7600

ぐり手札:0→1

 

「スーペルヴィスの効果発動!! 墓地から通常モンスター扱いの

ギガプラントを特殊召喚!!」

「じゃあ2たいめのはんぐりーばーがーでぎがぷらんとにこうげき」

 

メグ&ひはつLP:7600→7200

ぐり手札:1→2

 

「かーどを2まいせっとしてたーんえんど」

 

ぐり手札:2→0

 

 

 

 

 

「ハングリーバーガー・・・クッキング流か」

「儀式魔神と組み合わせて能力を付加するのは流石だな

一族の結束との組み合わせは美しくすらある、 まるで高級ハンバーガー」

 

太陽の言葉に反応するキリ。

 

「ハングリーバーガーは素のステータスは低い、 が

それでも童実野町タッグデュエル大会20位入賞者

並の相手じゃない」

「強敵・・・だな・・・万丈目さん、 如何思います」

「・・・・・」

 

最早落ち込んでいて会話すらおぼつかない万丈目。

 

 

 

 

 

 

「僕のターン、 ドロー」

 

ひはつ手札:5→6

 

「セットされているメタバースを発動!!

デッキからフィールド魔法カード1枚を選び

手札に加えるか自分フィールドに発動する!!

僕は化合電界をデッキから発動!!」

「はつどうしたすぱーくふぃーるどを

せっとしているさいくろんではかいするよ」

「・・・惑星探査車を召喚して生贄にして効果発動

デッキからフィールド魔法カード1枚を手札に加える

僕は化合電界をデッキから手札に加えて発動する」

「ちぇー」

「化合電界は1ターンに1度

レベル5以上のデュアルモンスターを召喚する場合に

必要な生贄をなくす事ができる

そしてこのカードがフィールドゾーンに存在する限り

自分は通常召喚に加えて1度だけ

自分メインフェイズにデュアルモンスター1体を召喚できる

進化合獣ダイオーキシンを召喚」

「いきなりさいじょうきゅうもんすたー・・・」

「龍の鏡を発動、 墓地の炎妖蝶ウィルプスとギガプラントを除外して

超合魔獣ラプテノスを攻撃表示で融合召喚

ラプテノスの効果でデュアルモンスターは全て再召喚状態になる

ギガプラントの効果を発動、 墓地から鉄鋼装甲虫を攻撃表示で特殊召喚

化合電界のもう一つの効果発動

相手フィールドのカード1枚を対象として

自分フィールドのもう1度召喚された状態のデュアルモンスター1体を

相手エンドフェイズまで除外し対象のカードを破壊する

ギガプラントを破壊して一族の結束を破壊

これでハングリーバーガーの攻撃力が下がる」

「ぐぬぬ・・・」

「それではバトル!!

ダイオーキシンでハングリーバーガーを攻撃!!」

「だいおーきしんのこうげきは

ねくろ・がーどなーをじょがいしてむこうかするよ

ふせていたいじげんからのまいそうで

ねくろ・がーどなー、 でもりっしゃーとぷれさいだーをぼちにおくるよ」

「それでは鉄鋼装甲虫でハングリーバーガーを攻撃!!」

「ねくろ・がーどなーでむこうか」

「ラプテノスでハングリーバーガーを攻撃!!」

「ふにゅー」

 

ぐりとぐらLP:8000→7800

 

「カードを2枚セットしてターンエンド」

 

ひはつ手札:6→1

 

「ぼくのたーん、 どろー」

 

ぐら手札:5→6

 

「ぎしきのしたじゅんびをはつどうするよ

でっきからはんばーがーのれしぴとはんぐりーばーがーをてふだにくわえるよ」

 

ぐら手札:5→7

 

「つぎにぎしきのじゅんびをはつどうするよ

ぼちのはんばーがーのれしぴとでっきのはんぐりーばーがーをてふだにくわえるよ」

 

ぐら手札:6→8

 

「はんばーがーのれしぴはつどう

ぼちのぎしきまじん2たいをじょがいすることで

3たいめのはんぐりーばーがーをしょうかんするよ」

 

ぐら手札:8→6

 

「いじげんからのまいそうをはつどうしてぎしきまじん2まいと

ねくろ・がーどなーをぼちにもどすよ

そしてはんばーがーのれしぴはつどう

ぼちのぎしきまじん2たいをじょがいすることで

4たいめのはんぐりーばーがーをしょうかんするよ」

 

ぐら手札:6→3

 

「らいふを800はらってけいやくのりこうをはつどう

ぼちのはんぐりーばーがーをこうげきひょうじでとくしゅしょうかんするよ

そしてれんごうぐんをはつどう」

 

ぐりとぐらLP:7800→7000

ぐら手札:3→1

 

「うわ・・・ここでか・・・」

「ぼくたちのふぃーるどのせんしぞくもんすたーのこうげきりょくを

じぶんふぃーるどじょうのせんしぞく・まほうつかいぞくもんすたーの

かず×200ぽいんとあっぷするするよー

はんぐりばーがー4たいとしゅうまつのきしだから1000ぽいんとあっぷだよー」

「攻撃力3000が4体って頭可笑しい(誉め言葉)」

「それじゃあいくよー」

「待った!! メインフェイズ終了時にデュアル・アブレーションを発動!!

自分・相手のメインフェイズに手札を1枚捨て、

2つの効果から1つを選択して発動できる!!

デッキからデュアルモンスター1体を特殊召喚し

この効果で特殊召喚したモンスターは

もう1度召喚された状態として扱う効果を発動!!

僕は進化合獣ヒュードラゴンを守備表示で特殊召喚!!

再召喚効果で守備力は3300になる!!」

 

ひはつが捨てたカード

ダーク・ヴァルキリア

 

「むーだいれくとあたっくはなしかー

まーいいや、 ぎしきまじんをいけにえにしたほうのはんぐりーばーがーで

めたるあーまーどばぐをこうげきー」

「罠発動!! スピリットバリア!! モンスターが居る限り戦闘ダメージは0に!!」

「むー、 でもどろーできるもん」

 

ぐら手札:1→2

 

「もう2たいのぎしきまじんいけにえハングリーバーガーで

だいおーきしんとらぷてのすをこうげきするよー」

「2体のモンスターは破壊される・・・」

 

ぐら手札:2→4

 

「さいくろんですぱーくふぃーるどをはかいするよ

そしてかーどを3まいせっとしてたーんえんどー」

「このターンのエンドフェイズにギガプラントが戻って来る」

 

ぐら手札:4→0

 

 

 

 

 

 

「・・・・・」

「・・・・・」

「すごい・・・・・」

 

明日香の転学で白けていた場が熱を帯び始めた。

攻撃力3000のハングリーバーガー4体と言う状況に

デュエリストならば心躍らない者は居ない。

 

「すげぇ・・・これが童実野町のレベルなのか・・・」

「これじゃあ負けても仕方ないッスよ・・・」

 

十代と翔も戦慄していた。

 

「童実野町、 俺も昔ジュニアリーグで参加した事がある」

「三沢!! 居たのか!!」

「あぁ、 居たよ、 ずっとね

それよりもフィールドに攻撃力3000越えが4体も脅威だが

問題は3枚のセットカード、 あれの方が本質的には厄介」

「どういう事だ?」

「単純な永続魔法頼りならば対応策を考えて居る筈だ

この布陣、 超えるのは不可能・・・」

 

熱を帯び始めているがぐりとぐら優勢に憂鬱になる場。

 

パン!!

 

「ん?」

「え?」

「何だ?」

 

手を上に上げて手拍子をするメグ。

 

「・・・・・ここから乗り越えると言うのか」

「面白そうじゃねぇか」

「そうっスね!!」

 

パンパンパンパンと会場から手拍子が巻き起こる。

 

 

 

 

 

 

「場が盛り上がった所で私のターン、 ドロー!!」

 

メグ手札:2→3

 

「ぃよし!! 手札を1枚捨ててデュアル・アブレーションを発動!!」

「ちぇーんしてせっとしていたさじんのおおたつまきをはつどうするよ

でゅある・あぶれーしょんをはかいしてこうかをむこうかするよ」

「でもコストは支払われて手札を1枚墓地に置かれる」

 

手札から墓地に置かれたカード

ヴァリュアブル・アーマー

 

「そして思い出のブランコを発動

墓地からヴァリュアブル・アーマーを蘇生する

更に受け継がれる力を発動

フィールドのギガプラントを墓地に送り

ギガプラントの攻撃力2400分

ヴァリュアブル・アーマーの攻撃力を上げる!!

これでヴァリュアブル・アーマーの攻撃力は4750!!

更に再召喚してヴァリュアブル・アーマーに

相手モンスターを1回ずつ攻撃させる効果を付加させる!!

まずは終末の騎士に攻撃」

「何も発動するカードは無いよー」

 

ぐりとぐらLP:7000→4650

 

「次に儀式魔人で呼び出したハングリーバーガーに攻撃!!」

「ねくろ・がーどなーでこうげきむこうだよー

ふせたいじげんのまいそうでぎしきまじん2たいとねくろ・がーどなーを

ぼちにもどすよー」

「ならばその隣のハングリーバーガーに攻撃!!」

「ねくろ・がーどなーでむこうにするよー」

「更にその隣のハングリーバーガーに攻撃!!」

「これはどうしようもないね・・・」

 

ぐりとぐらLP:4650→1950

 

「最後に契約の履行で召喚したハングリーバーガーに攻撃!!」

「ふせてあるすきる・さくせらーをはつどうして

はんぐりーばーがーのこうげきりょくを400あげるよー」

「と、 なると、 今のハングリーバーガーの攻撃力は

連合軍で600上昇の2600+400で3000

ヴァリュアブル・アーマーは4750だから戦闘ダメージ1750・・・

仕留めそこなったっ!!」

 

ぐりとぐらLP:1950→200

 

汗が一気にぶわっと噴き出すメグ。

完全にこのターンで終わらせるつもりだけに仕留め損なうとは

思ってもみなかった。

 

「ターン・・・エンド

思い出のブランコで呼び出した

ヴァリュアブル・アーマーは破壊される・・・」

 

メグ手札:3→0

 

「ぼくのたーん、 どろー」

 

ぐり手札:0→1

 

「ぐらがふせていたぎしきのしたじゅんびをはつどうするよ

でっきからはんばーがーのれしぴとはんぐりーばーがーをてふだにくわえるよ

はんばーがーのれしぴをはつどう

ぼちのぎしきまじん2たいをじょがいして

はんぐりーばーがーをとくしゅしょうかんするよ

ぼちのすきる・さくせらーをじょがいして

はんぐりーばーがーのこうげきりょくを800あげるよ」

「これでハングリー・バーガーの攻撃力3600っ・・・」

「こうげきりょくのあがったはんぐりー・ばーがーで

ひゅーどらごんにこうげきー」

「何も無いわ、 破壊される」

「じゃあのこったはんぐりー・ばーがーでだいれくとあたっくー」

 

メグ&ひはつLP:7200→2000

 

「かーどを1まいふせてたーんえんど^」

 

ぐり手札:2→1

 

 

 

 

 

 

 

 

「あそこから立て直したのは見事だが・・・やはり厳しいか・・・」

 

万丈目が呟く。

 

「いや自力のカードパワーはデュアルの方がデカい

逆転は充分可能だ」

「ならば良いんだが・・・」

「だがじゃなくてですがだろうが!!」

 

万丈目の言葉遣いに対し\礼節/と表示するチェインボルト。

 

「す、 すみません」

「分かれば良い、 最悪墓地のダイオーキシンを呼び出して

ハングリーバーガーに攻撃すれば勝負は決まる・・・」

 

 

 

 

 

「僕のターン、 ドロー!!」

 

ひはつ手札:1→2

 

「メグ・・・ちょっと無理しますよ」

「好きにしなさい」

「「??」」

「炎妖蝶ウィルプスを召喚!!

そして生贄に捧げてデュアルスパークを発動!!

連合軍を破壊!!」

「むー・・・でもふぃーるどはがらあきだよ」

「デュアルスパークはデッキからカードを1枚ドロー出来る効果も持っている」

「どろーかーどにかけるきだね、 いいよきなよ」

「では・・・ドローッ!!」

 

ひはつ手札:0→1

 

「死者蘇生を発動!! 墓地の鉄鋼装甲虫を攻撃表示で特殊召喚!!

そしてハングリーバーガーに攻撃!!」

「わるいね、 せいなるばりあ―みらーふぉーす―」

 

死者蘇生で沸いた会場があぁ・・・となる。

 

「チェーン発動、 メグが伏せた我が身を盾に!!

ライフ1500払ってミラーフォースを無効して破壊!!」

 

メグ&ひはつLP:2000→500

 

「「!!」」

「これでハングリーバーガーに攻撃が入る!!」

「「すごいね・・・」」

 

ぐりとぐらLP:200→0

 

 

 

 

 

 

「勝者!! シニョーラメグとシニョールひはつ!!」

 

クロノスの宣誓にわぁぁあああと盛り上がる会場。

 

「まけちゃったかぁ、 じゃあぼくたちはどみのちょうにかえるね」

「ばいばーい、 どみのちょうにきたらまたでゅえるしようねー」

 

らんらーん、 とそのばを去るぐりとぐら。

 

「はぁ・・・めっちゃ疲れたー」

 

へたり込むメグ。

 

「そうだねぇ・・・流石童実野町のデュエリスト、 と言う事か・・・」

 

ふぅ、 とため息を吐くひはつだった。

 

「おめでとうひはつ君、 メグ君」

 

鮫島が拍手をしながら二人に近付く。

 

「ひはつ君、 君は後で、 いや明日校長室に来なさい」

「? はい、 分かりました」

 

 

 

 

「これは予想外だなぁ」

 

デュエルアカデミアの地下の地下。

第一サイバー流デュエル部顧問がソファーに横たわりながら

ポップコーン片手に巨大なモニターで制裁デュエルを観戦していた。

無常も隣でポップコーンを食べている。

 

「童実野町のデュエリストに勝てるとは・・・

甘く見積もってもあのひはつというデュエリストはブルーが妥当だと思います

何故レッドなのですか?」

「筆記が壊滅的に悪かったらしい」

「あららー」

「しかしレッドが童実野町のデュエリストに勝つ

となるとブルーの連中が立場が無いな」

「本当ですね

オベリスク・ブルーの生徒達のデュエルのデュエル譜をみましたが

一部を除いて正直まさに子供レベルのお遊びですよ」

「金を貰ってデュエルを教える

サイバー流メソッドの焼き直しと言える

金儲けには打ってつけだが生憎とボスは金儲けじゃなく

強いデュエリストが欲しい訳でしょ?」

「鮫島校長はサイバー流として最低限の仕事はしましたが

海馬社長はそれに納得していません、 代わりの校長を探しています」

「私は嫌だよ、 今の生活に満足している」

 

ポップコーンの包み紙をくしゃと潰して立ち上がる顧問。

 

「そうですか?」

「そう、 私にとってはデュエルは手段

金が稼げて好き勝手出来ればそれで良し

とは言え、 この学校のレベルが低いのは納得がいかない

改革が必要だな」

 

ぽい、 と包み紙をゴミ箱に向かって投げる。

ぽろんと外れた。

 

「・・・っち」

「改革は成されるべきですねぇ、 私も同意見ですよ

これから改善しますのでご協力お願いします」

「面倒な事は止めろよ、 時間外労働も休日労働もゴメンだしー」




ぐりとぐら
童実野町在住の双子の兄弟。
料理する事食べる事が好き。
クッキング流で特に変哲もないがデッキが恐ろしい位にブン回る特徴を持つ。
二人一緒に居ないと実力が出せない為、 タッグのみのデュエリストである。
喋る言葉がひらがなで書くの面倒でした


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テニスかと思えば菓子盆( ´ω` )(デュエル無し回)

オモコロの菓子盆選手権って本当に面白いですね


制裁デュエル翌日。

朝早くから埠頭に集まる十代、 翔、 三沢、 ももえ、 ジュンコ

荷物を持っている明日香、 万丈目、 太陽。

 

「明日香様、 本当にいっちゃうんですか?」

「えぇ、 丁度良い機会よ、 ウェスト校で強くなって

帰ってくるつもりよ、 それにしても・・・

万丈目君、 太陽君、 貴方達も転学するって本当なの?」

「制裁デュエルを見て自分の力の無さを痛感した

十代にも負けたしな、 ノース校で揉まれて来る」

「万丈目さんが行くなら俺も行くしかない!!」

「もう一人は?」

「慕谷か? 奴は本校に残るとさ、 メグとひはつは?」

「メグはかなり疲れたみたいだから休んでいるさ

ひはつはまた迷子になっていると思う」

「そうか、 じゃあそろそろ船が来たし、 また会おう」

 

そう言って明日香、 万丈目、 太陽は船に乗ったのだった。

 

 

 

 

 

「ここどこぉ?(´;ω;`)」

 

ひはつは迷子になっていた。

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・はぁ」

 

眠っていた筈が唐突に精神世界みたいな所に来ていたメグ。

 

「アンタ、 マジで誰なんだ?」

「それは言えない」

 

神様みたいな奴が現れた。

 

「しかしあの程度の奴との戦いで倒れるとは聊か軟弱に過ぎる」

「デッキ回り過ぎだ、 サイヤ人か」

「かもしれんな」

「適当言うな、 それよりもアンタ、 私に何をさせたいの?」

「とりあえず世界最強のデュエリストになれ

その過程で私の目的も達せられる、 あまり詳しくは言えない」

「・・・・・」

 

頭を抱えるメグ。

そんなこんなをしていると目が覚めた。

 

「全く・・・意味が分からん・・・」

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃、 会議室にて一つの議題が出された。

会議室には鮫島、 無常、 クロノス。

そしてサイバー流関係の部活動を纏めている職員達

第二サイバー流デュエル部外部指導員、 最煉 煙太郎

第三サイバー流デュエル部顧問、 才眠 述

次世代サイバー流考察部顧問、 規則 再読

サイバー・デュエル・テクノロジー・サークル顧問、 最愛 機会

サイバー超流派交流会顧問、 祭新 交(さいしん まじる)

サイバーパワークラブ顧問、 債務 片(さいむ かた)

メラニズムサイバー会顧問、 黒・鬼才(ヘイ・グゥェイツァィ)

第一サイバー流デュエル部顧問は欠席している。

 

「無常さん、 もう一度説明して貰えますか?」

 

眼鏡をくい、 としながら眼鏡をかけた男

サイバー超流派交流会顧問、 祭新 交が呟いた。

 

「ですからサイバー流関係部活やサークルが多過ぎて

他の部活動に部費が回らなくなる問題が有るので減らしましょうと言う話ですよ」

「馬鹿な!! 言語道断だ!!」

 

最煉が机を叩き叫ぶ。

 

「このデュエルアカデミアのデュエルタクティスク向上に寄与して来たのに

潰す等あり得ない!!」

「ん-、 そうかネ」

 

黒い中華服を身に纏った小太りの男

メラニズムサイバー会顧問鬼才が口を開く。

 

「確かにちょっと部活が多いネ、 デュエルタクティスク向上というなら

もっと少なくても良いじゃなイ?」

「馬鹿な!!」

「そそそそそそそそそそそそそそ、 げほげほっ!!」

 

慌ててしまって同様してしまって咳き込む

やや大柄な男、 債務 片。

 

「おちつけ、 債務、 はい水」

「すまない才眠・・・んぐ・・・はぁ・・・

だ、 だがやはり・・・部活やサークルの数を減らすのは反対だ」

「そうですか? 逆に生徒の為にも数を減らすのは良いと思いますよ」

 

最愛が賛同する。

 

「なっ!! 最愛先生!! 如何言うつもりですか!?」

「サイバー流の看板を掲げた部活やサークルが多過ぎて

部員の奪い合いになっているじゃないですか

丁度良い機会ですし統合なりなんなりしたら如何でしょうか?」

「あぁ、 それならば我が部はサイバーの名を取りましょう」

 

祭新が挙手する。

 

「何だと!? 如何言うつもりだ!? サイバー流の誇りを捨てたのか!?」

「否、 我が超流派交流会はサイバー流と他の流派の融和を図る部活で

サイバーじゃない他の流派を看板にしても良いんだ」

「貴様ァ!!」

「そこまでです、 そもそも貴方達、 根本から間違っている」

 

無常がヒートアップする場を抑えた。

 

「生徒達に退学だ降格だ、 とか言っている割に

自分達の作った部、 キャリアの席が無くなると騒ぐ

聊か都合が良過ぎないですかね?」

「ぐっ・・・」

「し、 しかし・・・」

 

動揺する一同。

 

「・・・何で第一サイバーの顧問が居ないんだい?」

 

才眠が尋ねる。

 

「決まっているでしょう第一サイバー流デュエル部は別格ですから

存続は決定済みです」

「ちぃ!! またアイツばっかり!!」

 

最煉が腹立たしげに吐き捨てる。

 

「とりあえずここにいる8つの部活動を何とか2つまでにしなければなりません」

「あ、 なら私はさっき言った様にサイバーの名を外すので存続は出来ますか?」

「・・・・・」

 

ちらり、 と無常を見る鮫島。

 

「駄目に決まっているでしょう

多過ぎて他の部の部費を圧迫しているから何とかしなきゃならないんですよ

名前変えただけで全て良しとなる訳が無いじゃ無いですか」

「あぁ、 じゃあ私辞退するネ」

 

鬼才が立ち上がる。

 

「きききききき鬼才さん!?」

「ど、 どういう事だ!?」

「私も良い歳ネ、 顧問をやりつづけるのも辛いし

若い子に後塵を託すネ、 じゃ」

 

鬼才が去って行った。

 

「・・・・・」

 

鮫島は頭を抱えた。

鬼才はこの学園で雇用しているサイバー流のデュエリストの中でも

弁舌が立つ方だった、 彼と共に説得をして何とか

残せる部を増やすつもりだったが当てが外れた。

 

「では残り7つの部を2つまで減らしましょうか」

「へ、 減らすと言っても如何するんだ?」

「部対抗のデュエル大会を開いてその結果で決めるのは?」

「では大会のルールを・・・」

「なるべく早く済ませられる様にして下さいね

学校行事とか盛りだくさんですので」

 

会議はその日の遅くまで続けられた。

 

(帰りたいノーネ・・・)

 

付き合わされたクロノスは切実に思った。

 

 

 

 

 

 

サイバー流の部活動のゴタゴタはデュエルアカデミアの運営に

若干の不具合を生じ出し始めた。

まずサイバー流関係の部活動は第一サイバー流デュエル部以外は中止

サイバー流の部活動顧問達の行う授業も一時取りやめ

更にはサイバー流の部活動の部員達も身の振り方を考えなければならない。

 

第二サイバー流デュエル部51人

第三サイバー流デュエル部32人

次世代サイバー流考察部18人

サイバー・デュエル・テクノロジー・サークル22人

サイバー超流派交流会19人

サイバーパワークラブ35人

メラニズムサイバー会20人

計197人、 200人近い生徒がこれから如何するのかと悩み。

まともに授業なんて出来ないのだ。

 

とは言えサイバー流関係の部活動に入っていない者達には

あまり関係の無い話である。

 

デュエルにあまり関係の無い国数英理社の5教科や

体育、 家庭科、 錬金術等の授業を進める事になったのだった。

現在オシリス・レッド、 ラー・イエロー、 オベリスク・ブルー合同の

テニスの授業である。

現在メグと綾小路がテニスをしている。

 

「良いね!! 運動は柄じゃないけど青春しているって気がするよ!!」

「それは良かった」

 

ぱこん、 とメグのボールを打ち返す綾小路。

 

「ゲームセット、 綾小路君の勝ち」

 

審判が宣言する。

 

「はぁ・・・はぁ・・・良い試合だった!!」

「僕の無失点試合だけどね、 そこまで楽しめるなら良かったよ」

 

スポーツドリンクを飲む綾小路。

 

「テニスウェアまで来てめっちゃノリノリでテニスしてたね・・・

ひょっとして僕の事好きなの? でも悪いけど僕の心には天上院さんが」

「あ、 そういうんじゃないです」

「あ、 そう・・・」

 

はぁー・・・とため息を吐く綾小路。

 

「お、 メグ、 御疲れー」

「御疲れっスー」

 

十代と翔がやって来た、 彼等もテニス終わりである。

 

「あー・・・うん・・・」

「如何したんだ、 歯切れが悪いな」

「・・・・・確かに青春しているけどもデュエルアカデミアだし

デュエルをしろって思う」

「じゃあデュエルするか?」

 

デュエルディスクを構える十代。

 

「何故、 テニスの授業にデュエルディスクを持って来ている」

「えぇ・・・普通持って来るだろ」

「僕も持って来ている」

「僕もッス」

「私がおかしいのか・・・」

「あー、 いたいたー」

 

ひはつが寄って来た。

 

「教育実習生の人が来たよー」

「教育実習生?」

「私です」

 

見た所普通の中肉中背の普通の男性がやって来た。

唯一変な所と言えば変な仮面で目元を隠している所だろうか。

 

「ダ・ヴィンチ・恐山じゃないですか」

「「「「誰?」」」」

 

メグが呟いて他の面子が困っている。

 

「日本菓子盆協会一級審判の・・・」

「「「「誰?」」」」

「何時も記事、 楽しく拝見させています」

「それはありがとうございます」

「メグ、 説明しろ」

「ライターや記者なんかもやっているんだよ」

「いや、 何で仮面?」

「顔出しが恥ずかしいので」

「そ、 そうか・・・」

「所で教育実習生と言う事は恐山さんはデュエル出来るんですか?」

「まぁ嗜む程度には」

「嗜む程度って・・・それで教師が務まるんですか?」

「あぁ、 私はデュエル担当の教育実習生じゃないんですよ」

 

さらりと言う恐山。

 

「デュエル担当じゃない?」

「じゃあ一体何の先生?」

「日本菓子盆協会一級審判として人に出せる菓子盆の講座を」

「何ですかその授業?」

「何ですかって錬金術も教えているんだから

菓子盆を教えても良いと思いますよ」

「・・・一つ聞きたい事があります」

 

真剣な顔になるひはつ。

 

「何ですか?」

「その授業で出る菓子盆、 食べられますか?」

「私としては過去の優秀な菓子盆を紹介するという

授業を考えているので・・・」

「なるほど・・・僕は人に菓子盆を出す時は

柏屋の薄皮饅頭と檸檬を沢山出す様にしていますが如何でしょうか」

「・・・二種類は寂しいかと」

「フルーツの甘味か餡子の甘味か選べる様にしているのですが・・・

そもそも出先でお菓子出されて大量に食べる人も居ないでしょう」

「確かにそうですけど、 それでは寂しい

もう少しバリエーションが欲しい・・・そうだ

折角だし、 ここにいる皆さんの菓子盆を

ちょっと発表して貰って良いでしょうか」

「何故?」

「菓子盆は全てを物語る・・・」

 

画して菓子盆を作る事になった

十代、 翔、 メグ、 綾小路。

 

菓子盆のレギュレーション

使用する菓子盆は18㎝(2~3人用)

予算、 品目は全て自由、 己の菓子センスを盆にぶつけよ。

 

 

 

「じゃあまずは俺の菓子盆だな」

 

十代の菓子盆

ポテトチップス(うすしお)

ポップコーン(うすしお)

プリッツ(サラダ味)

カール(チーズあじ)

 

四種類の菓子が四ブロックに分けられている。

田←こんな感じである。

 

「俺の菓子盆は遊びに来た皆に出せる菓子をイメージした

本来なら、 ここにコーラが加わる訳だな

皆でぽりぽり食べる感じでしょっぱいスナックで統一した」

 

~会場の反応~

 

しょっぱい味が好きならばアリっス。

 

飾り気の無い地味さを感じる。

 

コーラが無ければそこそこキツイ。

 

個人的にはポテトチップはプリングルスが良い。

 

 

 

盆としては【しょっぱいビートダウン】とでもいうべき盆

果たして恐山の品評は?

 

 

「子供が考えた、 子供らしい菓子盆と言える

コーラとスナック、 確かに素晴らしい組み合わせだが

やはり甘味も欲しい所、 しかし子供がゲームをしながら食べる

というシチュエーションならばそれほど可笑しくない

しかししょっぱい味にも変化がほしいポテトチップスをコンソメか

のりしおに変えるだけでも彩が生まれる」

「中々に、 高評価? なのか?」

「じゃあ次は僕の菓子盆っスね」

 

 

 

翔の菓子盆

バームロール

 

バームロールのみが大量に盛られた盆。

 

「我が家の御客様用の盆よりも小さかったので自分用の菓子盆と判断したッス

バームロールが好きなんでバームロールを沢山入れたッス」

 

~会場の反応~

 

途中で飽きるって・・・

 

コーヒーが欲しくなる。

 

せめてオリジナルアソートにしろ。

 

何か悩みがあるなら聞くよ?

 

 

 

まさかの【バームロール一色】自分用と言う事を加味しても

あまりにも雑、 この盆に対する評価は・・・

 

 

「気の毒としか言い様が無い

バームロールだけを自分だけで食べるならば盆に出す必要が無い

そもそもバームロールだけを食べ続けるのは辛い

メグさんが言った様にオリジナルアソートを盆に出す方がまだ人間性が有る

好きな物だけを食べる、 しかしながら彩を造り出す

それが菓子盆の意義だと思います

言うならば自分の部屋を作る、 それを翔君には学んで貰いたい」

「むー・・・」

「じゃあ次は僕ですね」

 

 

 

綾小路の盆

リッツ

アボカドディップ

明太マヨディップ

カマンベールチーズ

 

リッツが20枚程並べられ空いたスペースに

ディップ出来るソースとチーズが並んでいる。

 

「リッツとそれを活かせるディップだ

ディップソースは手作りで市販品とは比べ物にならない

自分用にも客が来ても対応出来る」

 

 

~会場の反応~

 

リッツ一点突破か、 博打だな。

 

ちょっと大人な感じっスねぇ。

 

綾小路君の家は金持ちなんだから高級な物の方が良い。

 

アボカドはディップじゃなくてそのままの方が好き。

 

 

【リッツ装備ビート】とも言うべきこの盆に対する恐山の反応は・・・

 

 

「ディップとは飛び道具的なポジションでして

菓子盆から気安さを失わせるのですが

綾小路君じゃ綾小路モーターの御曹司なので

気安さは無い方が良いのでしょうか?

それならばもっと高級なお菓子を使って畏怖させるのが良いかと

ディップソースに関しては美味しかったです」

「最後は私の盆だな、 まぁ御覧じろ」

 

 

 

メグの盆

いかくんさき

チーズおかき

カルパス

チータラ

スモークチーズ

クラッツ(ペッパーベーコン)

チーザ(チェダーチーズ)

 

円状に綺麗に分かれている。

 

「映画のDVDを見ながら食べる自分用の盆です」

 

 

~会場の反応~

 

乾物ばっかりだがクラッツとチーザが光る。

 

女の子、 と言うイメージじゃないッス。

 

マジ?

 

何と言うかサラリーマンがビール片手に食べてそう。

 

 

 

【酒のつまみ】と言う感じの菓子盆。

因みにメグは転生前でこの菓子盆にビール片手に食べている。

ひはつの慧眼は当たっていたという事だが恐山の判定は・・・

 

 

「いかのくんせい、 チーズおかきとオーソドックスな所から

クラッツ、 チーザと繋げるのは中々に面白い

このセンス、 本当に学生か? と疑いたくなりますね

しかしこの菓子盆、 本当に自分用ですね

女子がこの菓子盆を食べていたら少しがっかりです」

「ジェンダーフリーの時代じゃないですかー」

 

抗議するメグ。

 

「しかし貴方方の傾向はこれで分かりました

そろそろ授業も終わりなのでこれで失礼しますね」

「そうですかー、 お気をつけて―」

 

去って行く恐山であった。

 

「・・・とりあえずお菓子を食べようか」

「そうだね」



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サイバー流VSサイコ流(,,`△´)ノ∝∝∝(c=(c=(`д´,,)

ひはつがネットのチャットだけ漢字変換出来ているのは
端末にメールを送る時は端末で操作しているので変換出来てないからです。


メラニズムサイバー会の部室。

部員20人はさめざめと泣いていた。

 

「一年生の皆、 すまないネ、 折角入部してくれたのに・・・

でも分かって欲しいネ

我がメラニズムサイバー会の活動は

サイバー流とリスペクトデュエルの普及

と言う名目のカードトレードにあるネ

他の部活との対抗戦になったら負ける・・・

潔く身を引くしかないネ」

 

鬼才が頭を下げる。

 

「いえ!! 先生や先輩方に御世話になりました!!

僕達の持っている貧弱なカードとサイバー流のカードとのトレードで

僕達のデッキは強くなれました!!」

「そうです!! 僕達はこれから頑張って上の寮を目指します!!」

 

新入生のレッド生やイエロー生が叫ぶ。

 

「本当に・・・喜ばしいネ・・・」

「それじゃあ鬼才老师(先生)

ハジメマショウカ」

 

黒メガネをかけた長身のオベリスク・ブルー3年生(二留)のイーが立ち上がる。

すっくと3年生達が立ち上がる。

 

「きさいせんせいと日本語風に呼びなさいと・・・まぁ良いネ」

「先輩方? 一体何を・・・?」

「・・・・・」

 

スッ、 とイーが積み上がった荷物を指差す。

 

「部室に置いた私物モッテカエル」

「そ、 そうですか」

「一年生の你(君達)は私物無かったんだっけ?

イイナァ、 我们(私達)は5年位置きっぱなしだから沢山だよ」

「それじゃあ僕達は失礼した方が良いですかね?」

「うん、 まぁ生き別れる訳じゃないからまた会おうネ」

「それじゃあ失礼します!!」

 

一年生達は去って行った。

残ったのは三年生9人と鬼才のみ。

 

「小日本鬼子(日本人に対するめっちゃ悪口)が・・・

片付け手伝おうと思わないのか? 日本人はハタラキモノって聞いてたのに」

「その薄情さが良いんじゃないかネ?

あいつ等一年生の頃にサイバー流のカードをトレードで手に入れたら

とっとと部を辞めて二年生になる前に別の部に入る・・・

薄情だが私達にとって都合が良い流れネ」

「ですねシャークトレードがハカドル」

 

シャークトレードとは不平等なトレードによって利益を得る行為である。

鬼才はメラニズムサイバー会の顧問と言う地位を利用して

自分の息がかかったサイバー流デュエリストの部員達と強力して

強さが分かり難いカード価値の高いカードや絶版カード

エラーカード、 リスペクトデュエルに反すると言う名目で除去カードを

サイバー流に必須のサイバー・ドラゴン等とトレードしているのだった。

鬼才はシャークトレードで稼いだ金をサイバー流に上納して

サイバー流の範士の地位に着いた男である。

 

「とはイエ部活無くなったらドウスル?

シャークトレード難しくなるよ?」

「鮫島さんに今後の身の振り方を相談するネ」

 

 

 

 

 

 

 

 

夜の灯台に一人佇む亮。

 

『兄さんの事必ず見つけてね』

 

端末の明日香からのメッセージを見る。

PLLLとメッセージがまた来た。

 

――――――――――――――――――――

 

こんばんは、どうもひはつです

まいごになってしまいましたので

みざわにおくってもらっている

さいちゅうですが

みざわもいっしょでもいいですか?

 

――――――――――――――――――――

 

亮は軽く溜息をついて了承したのだった。

 

 

 

 

数分後、 灯台に三沢とひはつがやって来た。

 

「本当にカイザーが居る・・・」

「僕は嘘を吐かないよ」

「そうか、 それは助かるぞひはつ君」

「呼び捨てで良いです」

「分かったひはつ、 では早速だが君に聞きたい事がある」

「電話で良くないですか?」

「いや 重要な事は面と向かって話し合うべきだと俺は思う」

「それならば俺が居ても良いんですか?」

 

三沢が当然の疑問を口にする。

 

「大丈夫だろう、 質問したい事は一つだけだ」

 

亮が端末を弄って一人の男の写真を見せる。

金髪で爽やかな少年だ。

 

「西前 東立と言う男なんだが、 知って居るか?」

「去年の全中の優勝者じゃないですか

知らない方が可笑しいのでは?」

「そうじゃないんだ三沢、 彼はデュエルを引退している

そして引退する前に彼はあるデュエル大会に参加していた

井の頭デュエル大会と言う大会だ」

「井の頭デュエル大会?」

 

首をかしげる三沢。

 

「井の頭遊園地って所で行われたアマチュアの大会だよ

僕も参加してて9位入賞です」

「それはおいておこう、 その大会で彼に出会わなかったか?」

「はい、 確かに彼は居ましたよ」

「そうか、 一体彼に何が起こったか、 分かるか?」

「大会の内容がキツいから後を引いたんじゃないの?」

「キツい?」

「大会の内容は参加者全員での総当たり戦だった」

「参加者全員・・・何人参加していた?」

「500人は居たんじゃないの?」

「5、 500!?」

「馬鹿な・・・単純計算でも499回のデュエル・・・死ぬぞ・・・」

 

戦慄する亮と三沢。

 

「でも上位入賞者20位迄賞金が出たから」

「賞金か・・・」

「賞金で僕はデュエルアカデミアの学費を払っているから」

「そうか・・・納得したよ・・・そんなに短期間の間にデュエルをしたら

誰だって可笑しくなる」

「僕も何だか知らないけど性格変わった、 とか言われているし

精神科の先生にカウンセラーをして貰っている

障害者手帳も持っているよ」

 

ちらと、 赤い手帳を見せるひはつ。

 

「・・・そうか・・・そりゃあ400回以上もデュエルをすれば気が狂うさ・・・」

「うん、 お陰で方向音痴になってねぇ・・・」

「お前も被害者なのか・・・」

「でもデュエルが強くなったからOKです」

「それで良いのか・・・所で如何やって井の頭デュエル大会の事を知ったんだ?

俺も調べていたが噂だけで実態が分からなかった・・・

そもそも井の頭に何か有ると探したが遊園地があるとすら知らなかった」

「えーっとね・・・確かデュエルモンスターズオンラインのチャットで知ったんだ

こういう大会が有るぞってね」

「そうか・・・」

「うわああああああああああああああああああ!!」

 

叫び声が聞こえた。

 

「な、 何だ!?」

「行って見よう!!」

「待ってー!!」

 

亮と三沢、 後からひはつも後を追った。

 

 

 

 

 

 

 

3人が叫び声の方に向かうとそこには腰を抜かしている2人の学生と

サイコ・ショッカーの様な何かが居た。

 

「ふぅ・・・ふぅうううう・・・・・漸く安定して来た・・・」

「サイコ・ショッカー?」

「何でここに・・・」

「む!? 貴様サイバー流だな!?」

「・・・サイバー流正当後継者の丸藤 亮だ」

「丁度良い!! 私とデュエルだ!!」

「状況が全く理解出来ないが・・・どういう事だ?」

「教えてやろう!! そこで腑抜けている二人と

我が依り代になっている人間がサイコ・ショッカーを呼び出そうとしていた!!

オカルトなアレだな、 本来ならば精霊のサイコ・ショッカーが出る筈だったが

私が来た、 と言う訳だ」

「私が来た?」

「何だ、 サイコ・ショッカーじゃないのか?」

「ぐははははは」

 

サイコ・ショッカーは自分の顔を引っぺがすとそこには

半分融解した様な人間の顔が有った。

 

「私はサイコ流の師範、 西湖 柳!!」

「サイコ流!? 外道流派の!?」

「外道流派か、 貴様等生温いサイバー流にとっては

我々は外道に見られるだろう

しかしながら我々は強さにストイックなだけだ」

「どういう事?」

「ふむ・・・例えばそうだな・・・

サイコ流にもサイバー流と同じく強さのランク分けが有る

とは言え、 教士とか良く分からない物では無く

3級から1級までそして師範代、 師範となっている

その昇格の条件が厳しいのだ」

「昇格の条件?」

「昇格の条件は2つ

①異なる流派のデュエリストに勝つ、 必要数は各段位毎に異なる

②①の条件を満たしたサイコ流デュエリストと死闘を行い勝つ

この2つだ」

「死闘?」

「そうだ、 主な方法は互いに毒を飲み勝った相手のみが解毒剤を貰えるとか」

「死ぬだろ」

「死ぬぞ」

 

三沢のツッコミに冷静に返す西湖。

 

「向上心が有る者のみが上に登る、 強くなれるならば命を捨てる

それ位の心意気の有る者達の集まりがサイコ流だ

とは言え私はサイバー流の当時の師範、 砕刃と

流派を賭けたデュエルを申し込んだ」

「流派を賭けたデュエル?」

「うむ、 宙秤攣殺闘と言う

互いの流派の門弟全ての命を賭けたデュエルを申し込んだんだが

サイバー流の鮫島とか言う臆病者が先導して

命なんて賭けられないと言うから結局我々二人だけ命を賭けたデュエルをした

そして私は負けた」

 

ふふっ、 と自嘲気味に笑う西湖。

 

「しかし負けて死んだ私の執念が如何言う訳か

精霊の世界のサイコ・ショッカーに吸い寄せられ

死闘の末に私がサイコ・ショッカーの体から支配権を奪った

こうして現世から呼び出し帰還出来たのは僥倖

記念にサイバー流を皆殺しにしてくれる」

「そんな事はさせるか!!」

 

デュエルディスクを構える亮。

 

「ほうデュエルか・・・良いだろう、 来い!!

私が負ければこの小僧の体は返してやろう!!

負けたら貴様の魂を頂く!!」

「良いだろう!! 行くぞ!!」

 

「「デュエル」」

 

 

 

周囲の闇のフィールドが張り巡らされた。

 

「これは・・・」

「逃げられない様にする為のフィールドだ

このデュエルではダメージがデュエリストにフィードバックする

中々に面白い趣向だろう?」

「良いだろう・・・来い!!」

 

 

 

「では遠慮無く、 私のターン、 ドロー」

 

西湖手札:5→6

 

「魔鏡導士サイコ・バウンダーを召喚

効果発動、 このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる

「人造人間-サイコ・ショッカー」1体

またはそのカード名が記された魔法・罠カード1枚をデッキから手札に加える

ここは電脳エナジーショックを手札に加えておこう

そしてカードを2枚セットしてターンエンド」

 

西湖手札:6→4

 

「俺のターン、 ドロー」

 

亮手札:5→6

 

「手札から融合を発動、 サイバー・ドラゴン3体を手札から融合し

サイバー・エンド・ドラゴンを融合表示で特殊召喚!!」

「その位の事をしてくれないと話にならんな、 良いだろう、 来い」

「サイバー・エンド・ドラゴンでサイコ・バウンダーに攻撃!!」

 

西湖LP:4000→1700

 

「ぐっ・・・」

「更に俺は手札から速攻魔法融合解除を発動!!

サイバー・エンド・ドラゴンを融合デッキに戻し

サイバー・ドラゴン3体を特殊召喚!!」

「その融合解除に対してチェーン発動」

「何!?」

「融合解除だ、 サイバー・エンドをデッキに戻せ」

「っ・・・モンスターをセットしてターンエンド」

 

亮手札:6→0

 

 

 

 

 

 

「バトル中の融合解除は融合デッキ最強攻撃パターン・・・なんだが

まさか無効化されるとは・・・」

 

驚愕する三沢。

 

「完全にピンチだね」

「手札が0枚になってしまったのは確かに痛いがライフでは圧倒的に優勢だ」

「いや、 ライフなんて心許ないさ

機械族にはリミッター解除が有る、 サイバー・ドラゴンクラスの攻撃力でも

リミッター解除を乗せてしまえばダイレクト1回で済む」

「・・・・・」

 

ひはつの言葉に固唾を飲む三沢。

 

 

 

 

 

「私のターン、 ドロー」

 

西湖手札:4→5

 

「ジェスター・コンフィを特殊召喚

そしてジェスター・コンフィを生贄に

人造人間-サイコ・ショッカーを召喚、 そして電脳エナジーショックを発動

セットモンスターを破壊して貰おう」

 

セットモンスターが破壊される。

 

「メタモルポッドが!!」

「やはり・・・か、 サイバー流の積み込みを疑うレベルの

ドロー力は流石だ、 と言っておこうか」

「くっ・・・!!」

「ではサイコ・ショッカーでダイレクトアタック」

 

亮LP:4000→1600

 

亮の体を闇が包み、 亮は膝をついた。

 

「う・・・こ、 これが闇のデュエルのダメージ・・・」

「そうだ、 だが安心しろ、 ダメージは精神的な物だ

サイコ流にはライフダメージとともに体を切り刻むデュエルの方式が有った

それに比べれば万倍マシだ」

「っ!!」

「ではターンエンド」

 

西湖手札:5→2

 

「はぁ・・・はぁ・・・」

 

肩で息をする亮。

 

「情けない、 砕刃とデュエルした時

奴は己に毒が回り始めて意識が朦朧としてもデュエルを続けたぞ」

「そんなのデュエルじゃない!!」

 

西湖の言葉に絶叫する三沢。

 

「甘すぎる、 命を賭けずに一体何になろうか」

「・・・・・サイコの人、 一つ良いかな」

 

ひはつが口を開いた。

 

「何だ?」

「亮はまだ高校生だよ? 高校生に一体何を求めているんだ?」

「高校生か、 私が相手が赤子だろうが何だろうが

デュエルをするのならば全力で叩き潰す

手を抜くのは失礼だろう

サイバー流が言っているリスペクトデュエルでもそうだろう?」

「リスペクトデュエルでは・・・相手をリスペクトし・・・

互いのデュエリストが・・・全力を出しきる・・・そういうデュエルだ・・・」

 

ぜぇぜぇと起き上がる亮。

 

「それは良かった、 相手のモンスターを除去するカードとか

カウンター罠がリスペクトに反するとか言う馬鹿な輩が居たから

そういうのが主流になっているかと思ったぞ」

「今のサイバー流の主流はそっちだ・・・」

 

肩で息をする亮。

 

「ほぅ正当後継者なのに主流に反するか」

「今の・・・鮫島師範代の・・・リスペクトデュエルは・・・

見苦しい・・・」

「鮫島が今の指導者か、 まぁあいつなら仕方無いか

己の道を行き、 師を超えるのは弟子の務め

良いぞ、 全力で叩き潰してやろう」

「・・・・・俺の・・・ターン・・・」

 

亮手札:0→1

 

「サイバー・ラーバァを召喚してターンエンド・・・」

 

亮手札:1→0

 

「壁モンスターか・・・私のターン、 ドロー」

 

西湖手札:2→3

 

「うっ!!」

 

ドローした表情が曇る。

 

「?」

「何を引いたんだ?」

 

ひはつと三沢が困惑する。

 

「っ・・・」

 

西湖がドローしたカードはリミッター解除。

悪くは無いカードの筈だが西湖は最悪だと確信する。

もしも前のターンに引けていれば勝利は決まっていた。

 

「(タイミングが悪過ぎる・・・ここで二枚目の電脳エナジーショックか

コントロール奪取が来ていれば良かったが・・・)

・・・終末の騎士を召喚、 デッキからサイコ・ショッカーを墓地に送り

ラーバァに攻撃」

「サイバー・ラーバァが攻撃対象に選択された時

このターンに自分が受ける全ての戦闘ダメージは0になる!!

そしてこのカードが戦闘で破壊され墓地へ送られた時に

デッキからサイバー・ラーバァ1体を特殊召喚する!!」

「2体目のラーバァにサイコ・ショッカーで攻撃しターンエンド」

 

西湖手札:3→2

 

「俺のターン・・・ドロー!!」

 

亮手札:0→1

 

「サイバー・ヴァリーを召喚してターンエンド」

 

亮手札:1→0

 

 

 

 

 

「守備一辺倒になったか・・・」

「そうだね」

 

ひはつと三沢が現状を述べる。

 

「だけど攻めきれないのはサイコ・ショッカーも同じ

悲観するにはまだ早い」

「それは如何かな」

 

ひはつの言葉に割って入る西湖。

 

「おい、 正当後継者

お前、 何故サイバー・ヴァリーの効果を発動しなかった?」

「・・・何?」

 

亮が困惑した顔になる。

 

「サイバー・ヴァリーの効果で自身とフィールドのモンスター除外して

2枚ドローの効果があっただろう、 何故発動しなかった?」

「そ、 そんな事をすればフィールドががら空きになるだろう!!」

「しかし逆転のチャンスを手に入れられたかもしれないだろう」

「それは結果論だ!!」

 

三沢が叫ぶ。

 

「カイザー、 気にしなくて良い、 これは西湖の盤外戦術!!」

「それは如何かな・・・ドロー」

 

西湖手札:2→3

 

「ふん、 やはり私のドロー力は致命的にズレが始まっている様だな」

「ズレ?」

「あぁ・・・決め切れない・・・しかしながらこのターンにやる事は決まった

精神操作を発動、 サイバー・ヴァリーのコントロールを得る

そしてサイバー・ヴァリーの効果発動

終末の騎士と共に除外して2枚ドロー」

 

西湖手札:2→4

 

「くっ・・・」

「結果として私のドロー加速になったな

では人造人間-サイコ・リターナーを召喚

コイツはダイレクトアタッカーだ」

「なっ・・・」

「そしてサイコ・リターナーでダイレクトアタック」

 

亮LP:1600→1000

 

「うぐぅ・・・」

 

闇に包まれながらうめき声を上げる亮。

 

「サイコ・ショッカーでサイバー・ラーバァに攻撃」

「破壊されるが・・・戦闘ダメージは無効だ・・・」

「ふん、 カードを1枚セットしてターンエンド」

 

西湖手札:4→2

 

「ぜぇ・・・ぜぇ・・・」

 

肩で息をする亮。

 

「俺の・・・ターン!!」

 

亮手札:0→1

 

「命削りの宝札を発動・・・

自分は手札が3枚になるようにデッキからドローする

しかしこのターン、 俺は特殊召喚出来ず

相手にダメージを与えられず・・・

このターンのエンドフェイズに手札を全て捨てる・・・」

「良いカードが来れば良いな」

 

亮手札:0→3

 

「・・・・・モンスターをセット!!

カードを2枚セットしてターンエンド!!」

 

亮手札:3→0

 

「カードを使い切れるとは流石だ、 私のターン、 ドロー!!」

 

西湖手札:2→3

 

「良し、 BM-4ボムスパイダーを召喚

サイコ・リターナーでダイレクトアタック」

 

亮LP:1000→400

 

「ぐぅ・・・・・はぁ・・・はぁ・・・」

 

闇に包まれ限界に近い亮。

 

「そしてサイコ・ショッカーで裏守備モンスターに攻撃」

「セットモンスターは・・・・超電磁タートルだ

破壊されて墓地に置かれたこのカードを除外して・・・

バトルフェイズを終了させる・・・」

「ふん・・・まぁ良いさ、 ターンエンド」

 

西湖手札:3→2

 

 

 

 

 

「・・・・・終わりだ」

 

三沢が呟いた。

 

「何でそう思うの?」

「ボムスパイダーは自分フィールドの機械族・闇属性モンスター1体と

相手フィールドの表側表示のカード1枚を破壊する効果を持っている

サイバー・ヴァリーでは破壊される、 他のモンスターでも駄目だ

残り1700のライフを削り切れる高い攻撃力のモンスター

最低でもサイコ・リターナーの攻撃力600を足した2300の攻撃力のモンスター

サイバー・ドラゴンを墓地から持って来ても難しいだろう」

「墓地融合と言う手も有る」

「そうだろう、 しかし

あのライフでサイコ・リターナーを出しっぱなしにするのは如何考えても罠

カードが2枚伏せられている、 そしてまともにカイザーは攻撃出来ていない

あのカードは速攻魔法だと想像する

だからと言って裏守備にしたらサイコ・リターナーにやられる」

「中々に賢いな黄色い奴」

 

西湖に褒められる三沢。

 

「・・・どうも」

「赤いの、 お前は如何思う?」

「・・・・・?」

 

後ろを見るひはつ。

 

「お前だ、 お前」

「あぁ、 僕ね・・・僕は反対にアンタが負けると思う」

「何故?」

「気付いているじゃないか、 圧倒的有利なのに決め切れていない」

「その通り、 圧倒的に追い詰めているが

有利=勝利では無い、 逆転が有るのがデュエルの恐ろしい所だ

そう思うだろう? 正当後継者?」

 

ふらふらになりながらデッキに手をかける亮。

 

「頼む・・・ぞ」

「頼む? 何に頼む? 運か? 神か?」

「デッキにだ・・・」

「デッキ、 か、 デッキとの絆とか言う奴か

私はそう言うのは好まないな」

「・・・・・お前にとってデッキは道具か・・・」

「違う、 デッキは力だ、 己が偉力だ

お前は自分のデッキと自分を切り離して

責任をデッキに押し付けているんじゃないか?」

「・・・・・ふっ・・・中々言うじゃないか」

「・・・私もデュエルの強さを求める求道者のつもりだったが

師範になって説教臭くなったな、 自戒しよう」

「そうか・・・ふふ・・・」

 

顔を抑える亮。

 

「ん?」

「ど、 如何したカイザー?」

「亮・・・」

「ふははははははははははははははははは!!!」

 

笑い始める亮。

 

「気が触れたか?」

「いいや!! 俺もまだまだだ!! 俺もまだ強くなれる!!

そう思っただけだ!!

カイザーと呼ばれて世界一強くなっていた気になっていた!!

俺はお前を倒してもっと強くなる!!」

「良い威勢だ!! 威勢だけでは勝てないだ威勢が無ければ勝てん!!

さぁ来い!! このターンで攻略できなければお前は死ぬ!!」

「あぁ!! 俺のターン!! ドロー!!」

 

亮手札:0→1

 

「伏せているサイバネティック・フュージョン・サポートを発動!!

ライフポイントを半分払い

このターン自分が機械族の融合モンスターを融合召喚する場合に1度だけ

その融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを

自分の手札・フィールド上・墓地から選んでゲームから除外し

これらを融合素材にできる!!」

 

亮LP:400→200

 

「ぐぅうう・・・そして手札からパワー・ボンドを発動!!」

「来たか!! サイバー流の十八番!! さぁ来い!!」

「俺は墓地のサイバー・ドラゴン3体と

サイバー・ラーバァ3体を除外し

キメラテック・オーバー・ドラゴンを融合召喚!!

キメラテック・オーバー・ドラゴンの攻撃力は融合素材の数×800!!

召喚にチェーンして伏せていたリミッター解除も発動して

キメラテック・オーバー・ドラゴンの攻撃力は19200!!」

「サイバー・エンドでは無くそっち、 か」

「行くぞ!! キメラテック・オーバー・ドラゴンでサイコ・リターナーに攻撃!!」

「収縮を発動、 キメラテック・オーバー・ドラゴンの攻撃力を2400にする」

「は?」

「え?」

「あ、 違うよ」

 

呆然とする亮と三沢をよそに指摘するひはつ。

 

「あん? 違うとは何だ?」

「西湖さん、 アンタが言っているのは収縮を打つと

全ての攻撃力の上昇を無効にして攻撃力を元々の半分にする

って言いたいんでしょ?」

「言いたいって言うかそう言う効果だろう」

「あー・・・西湖さん、 貴方が人間だった頃と裁定が変わっているんですよ」

「何?」

「収縮を使って攻撃力を半分にした後に攻撃力上下の効果が加わる

つまりこの場合は収縮で攻撃力が半分になりパワー・ボンドの攻撃力上昇

リミッター解除の効果は無効になりますが攻撃力上下効果は残ります」

「・・・・・・・・・・つまり

キメラテック・オーバー・ドラゴンの攻撃力は・・・」

「元々の攻撃力4800が半分になって2400

パワーボンドで元々の攻撃力アップで4800+2400で7200ですね」

「伏せて有るリミッター解除は意味は無い、 か」

 

西湖LP:1600→0

 

 

 

 

 

キメラテック・オーバー・ドラゴンの攻撃を受けた西湖の体が徐々に消えていく。

闇の障壁も晴れた。

 

「倒しきれず、 最後には裁定の勘違いでやられるとは私も鈍った者だ

おい、 お前の名前は何だったか?」

 

亮に問う西湖。

 

「・・・丸藤 亮!!」

「亮、 か、 また私は来るぞ、 その時までに腕を磨くんだな!!」

 

ははははははははは!!と笑いながら消えていき

依り代になった生徒だけが残された。

そして亮は倒れた。

 

「カイザー!!」

「亮!!」

 

三沢とひはつが亮に駆け寄る。

亮は笑みを浮かべながら意識を失っていた。



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アカデミア・アラカルト(´・ω・´)(デュエル無し回)

校長室に呼び出されたひはつと三沢。

亮が倒れた事についての説明を鮫島にしているのだ。

 

「なるほど、 西湖がサイコ・ショッカーの姿見で蘇ってデュエルして

亮と戦って負けて去って行ったと・・・」

「えぇ、 信じ難いでしょうが・・・」

「いや、 信じますよ」

 

さらりと信じる鮫島。

 

「西湖ならばあの世から化けて出て来ても可笑しくない」

「そうなんですか?」

「えぇ、 西湖は恐ろしいデュエリストでした

彼の指導でサイコ流は繁栄しました

多くの人々の犠牲の上に・・・」

 

カタカタと震える鮫島。

 

「何れにせよ、 デュエルディスクの記録を見ます

貴方達は帰りなさい」

「分かりました、 失礼します」

「しつれいしまーす・・・」

 

校長室から出ていく二人。

 

「ふぅ・・・」

 

掌で顔を覆う鮫島。

 

「失礼しますよぉ」

 

無常が校長室に入って来た。

 

「無常さん・・・如何しました?」

「早朝から会議をしてくれとせっつかれましてね

漸く方針が決まりました」

「方針?」

「サイバー流の部活動が多過ぎる問題ですよ」

「私抜きで会議をしたんですか!?」

「えぇ、 と言うかもう数が多過ぎるので一人一人

意見を出し合って、 その結果が決まりました」

「一体如何言う結果になったのですか?」

「まず第二、 第三サイバー流デュエル部の

代表者による部対抗のデュエルを行います

勝った方の部が主権の部として

新制サイバー流デュエル部として再スタートを切ります

そして新制サイバー流デュエル部、 次世代サイバー流考察部

サイバー・デュエル・テクノロジー・サークル

サイバー超流派交流会、 サイバーパワークラブ

この5つの部の代表者で対抗総当たりのデュエルを行い

上位2つの部が存続となります」

「2つの部を1つにする・・・・・あの」

「6つの部を1つにするとか言い出さないで下さいね」

 

苦々しい顔をする鮫島。

 

「と言うよりも部の統合をしたいと希望したのが

第二、 第三サイバー流デュエル部だけなんですよ

他の部活は独立を主張しています」

「そうですか・・・・・」

 

溜息を吐く鮫島。

何で同じサイバー流なのに仲良く出来ないのだろうか。

 

「それで部対抗のデュエルと言うのは何時からですか?」

「今日の午前中から代表者を決めて午後にはデュエルをして貰います

そして翌日から一日かけて総当たりデュエルを行って貰います」

「急過ぎませんか?」

「急がないといけませんからね」

「何故?」

「何故ぇ? 貴方がそれを言いますか鮫島校長」

 

イラつきながら言う無常。

 

「ど、 どういう事です?」

「武藤遊戯のデッキの公開、 分校との対抗試合、 学園祭

イベントが盛り沢山なんですよ?」

「そ、 そうでした・・・ノース校の対抗戦が有りました・・・」

「ノース校だけじゃありません

今年度から他の分校とも対抗戦を行って貰いますよ」

「えぇ!? き、 聞いていませんよ!?」

「海馬社長からメールが入っている筈です

それから学園祭ですが、 私も詳しく知らされていませんが

今までに無い規模で行うとの事です」

「今までに無い規模? ですか?」

「はい」

 

困惑する鮫島。

 

「インダストリアル・イリュージョン社と海馬コーポレーションを始め

狸屋やホロライブプロダクション等スポンサー企業が沢山居るらしいです」

「ちょ、 ちょっと待って下さい!! そんな話聞いていませんよ!!」

「まだ企画段階らしいです、 何でも学園祭で重大発表が有るとか

海馬社長からメール来てませんか?」

「・・・・・」

 

鮫島は仕事用のPCを立ち上げてメールを確認した。

分校との対抗戦、 そして学園祭の件、 両方とも確かにメールが来ていた。

 

「こ、 これは!?」

「如何しました?」

「・・・海馬オーナーは分校との対抗戦の結果で

重大発表とやらを行う場所を考察すると・・・」

「あらぁー、 つまりこれはかなり責任重大ですねぇ・・・」

 

重大発表の内容は分からないが海馬社長が言いたい事は分かる。

デュエルアカデミアの学校ごとの序列を決める。

言外に海馬はそう宣言している。

 

「これは・・・私だけの問題ではありませんね・・・」

「この盛り沢山な内容を片付ける為にもさっさとサイバー流の部活のゴタゴタを

解決して貰いますよ」

「・・・言い方が悪いですが、 分かりました善処します」

 

鮫島は決意に満ち溢れた。

 

 

 

 

 

 

「・・・・・と、 いう訳で第二サイバー流デュエル部と対抗戦を行う事になった」

 

第三サイバー流デュエル部顧問である才眠が

第三サイバー流デュエル部の部室に部員達を集めてこれまでの経緯を説明した。

 

「あの数だけ多い、 第二って名前で自分達を上に見ているボケ共に

一泡吹かせられるんですね!!」

「顧問!! 是非とも俺が対抗戦に出たいです!!」

「しゃあ!! 目に物見せてやる!!」

 

各々テンションが上がる。

 

「あの・・・皆さん、 第二サイバー流デュエル部が嫌いなんッスか?」

 

翔が雀に尋ねる。

 

「まぁ不満は有るでしょうね、 向こうの方が優遇されているし

でも実力的にはこっちの方が上でしょ」

「そうなんですか?」

「あたぼうよ!!」

 

後ろから現れるやや天然パーマが入った不精髭の男。

如何やらオベリスク・ブルー生の様だが貫禄が違う。

 

「え、 だ、 誰ッスか?」

「災防 図だ、 よろしくな一年坊」

「災防さん!! 来てくれたんですか!!」

「ふっふっふ、 後輩共の為だ、 幽霊部員の俺でもやらなきゃなぁ!!」

「幽霊部員?」

「災防さんは私のいっこ上の先輩」

「いっこ上? でも雀さんって3年生・・・」

「だぶりよ、 言わせないで」

 

災防は1年就職浪人している。

 

「・・・私は先輩のこと知りませんが就職できなかったんだから

大した実力じゃないじゃないですか?」

 

杏子が尤もな疑問を口にする。

 

「いやいや、 俺は最煉やカイザーよりは格は落ちるが

そんじょそこらの奴には負けねーよ

就職出来なかったのは単純に就職について無知だっただけの事」

「就職について無知?」

「そうだ、 俺はデュエルばっかりやってて

就職についての情報を集めなかった

インターンとかエントリーシートとか全く知らなかった

知らない内にエントリーシート〆切っててそれで就職浪人を・・・」

「それに関してはすまない、 私も知って居るだろうと思って・・・」

 

すまなそうにする才眠。

 

「兎に角!! 俺が出れば勝利は確実だ!!

第二のボケ共に優遇されていた部費や部室を諸々奪い取ってやろう!!」

 

おおー!! と皆が盛り上がる。

 

「すみません、 災防さん・・・本当は部長の俺がやるべきなのに・・・」

 

申し訳なさそうにする部長の尾西。

 

「気にするな、 箔が着くってもんよ!!」

「ありがとうございます・・・」

 

 

 

 

 

 

一方その頃、 第二サイバー流デュエル部の部室では

第二サイバー流デュエル部外部指導員、 最煉 煙太郎が部員達を集めていた。

 

「今日、 第三サイバー流デュエル部の代表とデュエルをする事になった」

 

ざわつく部員達。

 

「先輩、 どういう事か説明して下さい」

 

第二サイバー流デュエル部部長で最煉の一つ下の後輩。

ニット帽を被った細いラー・イエローの男、 笠井 久次郎が発言した。

 

「どうもこうも無い、 サイバー流の部活が多過ぎるから

まず最初に第二、 第三サイバー流デュエル部を統合する事になった

何方が主体になるかを決めるデュエルだ」

「それって生徒が代表じゃなくて良いんですか?」

「代表を決めろとだけしか言われていない、 ゴリ押ししてでも俺が行く

お前達では力不足だ」

 

ハッキリと弱いと称された部員達は不満気な視線を送る。

しかし最煉は気にも留めない。

 

「最煉さん、 部対抗で先生が出るって聞いた事無いですよ?」

「しつこいぞ笠井、 これは決定事項だ

今日の午後にデュエルを行うから見る様に」

 

そう言ってつかつかと去る最煉。

 

「・・・如何します部長?」

「いや・・・これは校長に怒られるよね・・・

一応代表決めておこう」

「じゃあ俺行くわ」

 

副部長の坊主頭で3年生のオベリスク・ブルー、 丸祭 倍が立候補した。

 

「まぁ先生が駄目だったら俺が行く感じで良い?」

「それで良いと思う」

「うん・・・・・」

 

第三サイバー流デュエル部とは違い盛り下がっているのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

「あぁ~あ・・・今日も勉強かぁ・・・」

 

つまらなそうに授業が終わり背伸びする十代。

授業は国語の授業、 つまらなさそうに受けているのは皆一緒である。

 

「なんつーか、 マジうぜぇ・・・」

「サイバー流のゴタゴタに俺達を巻き込むなよ・・・」

「午後から第二と第三サイバー流デュエル部のデュエルだけど見るか?」

「明日からもサイバー流のデュエルを何回もするんだから見る必要ねーだろ」

 

不満を口にする生徒達。

 

「翔も居ねぇし、 明日香と万丈目は他の学校

ひはつは・・・もうどっか行ったか

三沢は真面目に勉強してるからそっとしておこう

どうすっかなぁ・・・」

 

ぐうたらする十代。

 

「万丈目にでもメールするか、 おい慕谷ー」

「何だよドロップアウト、 何の用だ」

「万丈目にメールでもしようと思うけどアドレス知らね?」

「悪いけど価値の無い奴のアドレスは消す主義でね

太陽のアドレス諸共消したよ」

「そうか、 じゃあ如何すっかなぁ・・・」

 

あんまり期待していなかったのでさっさと去る十代だった。

 

「・・・・・!!」

 

慕谷はよろめいた、 恐ろしい事に気が付いてしまったのだ。

 

「も、 もしかして・・・俺って・・・

ぼっち・・・って奴になったのか・・・?」

 

 

 

 

 

 

 

 

慕谷が恐ろしい事実に気が付いたその頃

ノース校に転学した万丈目と太陽。

彼等は圧倒的ハングリー精神でカードを拾い集め研究をしデュエルをする

このサイクルで力を磨き

ノース校のキングと呼ばれる江戸川を下したのだった。

 

「やりましたね万丈目さん!!」

『やったねアニキぃ~』

「あぁ、 そして鬱陶しい!!」

 

カードを集める過程で精霊が宿るカードである

おジャマ三兄弟のカードを手に入れたのだった。

 

「またあの精霊の幻覚ですか?」

『幻覚じゃないのよぉ~』

「まぁ、 害は無い・・・所で江戸川

お前を倒したから俺が新しいキング、 と言う事で良いんだよな?」

「あぁ・・・俺を倒したんなら文句ある奴は居ねぇだろ

だが一つ言っておこう」

 

デュエルに負けて尻もちをついていた江戸川が立ち上がる。

 

「何だ?」

「このノース校で最強のデュエリストは俺だけじゃない」

「どういう事だ?」

「それは私が説明しよう」

 

ノース校校長、 市ノ瀬が現れた。

 

「むっ・・・アンタか」

「ちょくちょく出るけどアンタ何者だ?」

「ふっ、 色々と回りくどく君達を試したが

実は私がここの校長の市ノ瀬です」

「「な、 なんだってー!!ΩΩ」」

 

驚愕する万丈目と太陽。

 

「万丈目君

君にはキングに伝わるカード、 アームド・ドラゴンを渡そう」

「ありがたくもらう

しかし最強のデュエリストが他にもいるってどういう事だ?」

「うむ、 ノース校にはキングの他にも称号が有る」

「番長とか? 裏番みたいな?」

「太陽君、 分かり易い例えだ」

 

びし、 と指を指す市ノ瀬。

 

「キングの他にもクイーン、 ビショップ、 ルーク、 ナイトの称号が有る

キング、 クイーンはそれぞれこの学園での最強デュエリストの

男女を指す」

「つまり万丈目さん

俺もそのビショップだかルークだかにならなければならない

そう言う事ですか?」

 

太陽が尋ねる。

 

「強くなれたのはお前のサポートが有ってこそ、 だ

手伝おうじゃないか、 おっさん、 いや校長

他の連中の所に案内してくれ」

「もう来ている」

「何?」

 

ざっざっざとやって来る3人の男女。

 

「キングがやられたか」

「腹切って死ね」

「物騒だね、 ビショップは・・・」

「お前達は・・・」

「私はルークのルーク・バレンタインだ」

 

白人の眼鏡をかけたスーツの金髪男性が静かに答える。

 

「ビショップだ」

 

ビショップを名乗るのは何処から如何見てもロボットにしか見えない

異形の存在だった。

 

「クイーンの七色 色彩」

 

赤と青のツートンカラーのツインテールで

赤いアイシャドウの美少女が呟いた。

 

「ナイトは?」

「ナイトは現在空席、 前任者が後継を指名せずに卒業したから」

「私はここにいる4人、 そして太陽君をナイトに据えて5人で

本校との対抗戦を行おうと思っています」

 

市ノ瀬が宣言した。

 

「しかしながら校長、 この二人はまだまだ真っ当な様子

ルークや私には到底及ばない」

「な、 何だと!?」

 

色彩の言葉に怒る万丈目。

 

「落ち着きなさい、 君は市ノ瀬校長から精霊のカードを手に入れた筈

それならば耐えられるでしょう」

「耐えられる?」

「七色、 お前まさか・・・」

「市ノ瀬校長、 クイーンの権限を持って

シャタードシャフトへの道を解禁して頂きたい」

「な、 何だとぉ!?」

「正気か」

「シャタードシャフト・・・?」

「一体それは・・・」

 

困惑する万丈目と太陽、 シャタードシャフトを知る者は戦慄する。

一体シャタードシャフトとは何なのだろうか・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃、 ウェスト校の明日香は・・・

 

「デュエリストは体が資本!! まずは鍛え直せ!!」

「はい!!」

 

ウェスト校の教師、 プロフェッサー・コブラと共に荒野と言う名の

校庭を走り込みしていた。

 

「おー・・・すっげぇなぁ」

「まだ走っているよ・・・」

 

生徒達が口々に呟く。

 

「コブラ先生から直々に扱かれているとは・・・あの娘、 何者だ?」

 

ウェスト校の校長、 ミハイル・イワーノヴィチ・ペドロフは

老齢ながらも鋭い眼光を向けながら生徒達に尋ねる。

 

「あの新入り、 元々本校の生徒だったんですがこっちに送られて

本校に戻る為にコブラの旦那直々に扱かれている所です

何か旦那の琴線に触れたらしい」

「そうか・・・コブラ先生が見ているなら心配は要らないな

あの娘と言い、 今年の生徒は粒揃いだ」

 

カーンカーンと終業の鐘が鳴る。

 

「よし、 今日はここまでにする、 良く頑張った!!」

「はぁ・・・はぁ・・・ありがとうございます・・・」

 

明日香は走り込みが終わり肩で息をしながら学生寮に戻った。

 

 

 

 

 

 

ウェスト校の学生寮は男女別々で200人の収容人数を誇る。

本校の様に色分けされていない、 しかしながら待遇には残酷なまでの差がある。

まず生徒達は男女別に順位分けされる。

そして順位毎にデュエルポイント、 DPが支給される。

順位が低い程、 支給されるDPは低い。

そして高順位になればなる程、 支給されるDPは高くなる。

このDPを消費して学園から様々なサービスを受けられる。

これだけならば大して問題の無いシステムに見える。

しかしこのDPがこの学園の全ての生命線と言って良い。

 

DPで受けられるサービスは生活に必要な衣食住も含まれる。

つまりDPで食費、 衣料費、 住居費も賄わなければならない。

食事は様々な物を食べられる食堂の様なシステムだが

当然ながら上質な食事程DPが高い。

住む為の部屋の家賃もDPに左右される。

中には部屋を借りずに寮の廊下で寝る生徒も居る。

食事は安いながらも考えられたメニューで悪くない味付けだが

部屋に関しては家賃が最も高い部屋でも本校のレッド寮並の部屋と悪い。

 

DPでカードも購入出来る為、 生徒達は生活費を削ってカードを買うか

カードを我慢して生活を向上させるかの二択である。

またDPはデュエルをすると学生毎に支給されたデスベルトにDPが加算される為

必然的にデュエルをする回数が増えて実力向上に繋がる。

因みに毎日デュエルタスクと言う物が設定される。

例えるならば○○を召喚しろ、 ○○を使って勝利等の条件を付けて

デュエルしてタスクを熟すと更にボーナスDPが配布される事になる。

 

明日香もこのシステムに初めは面食らったが徐々に慣れていき

今では女子ランキング30位にまで急上昇した。

 

「それでも早くちゃんとした部屋が欲しいわね・・・」

 

明日香は寮の自室に荷物を置いた。

自室と言っても広さは畳三畳も無い狭い部屋である。

 

「汗流そう・・・」

 

そう言って着替えとタオルを持って外に出る明日香。

当然ながら入浴もDP頼りである。

必然的に節約の為に最低ランクのDPを支払い

コインシャワーを使う事にした。

 

「はぁ・・・ちゃんとしたお風呂入りたい」

 

明日香がシャワーを浴びていると

べちゃん、 と横でシャワーを浴びていた生徒が倒れた。

 

「!! ちょ、 ちょっと!? 貴女大丈夫!?」

「うぅうう・・・」

「っ誰か!! 誰かー!!」

 

叫ぶ明日香。

 

「如何したの!?」

 

外から何人か女子生徒が入って来る。

 

「倒れた!!」

「またぁ!?」

「医務室に運ぶわよ!! タオルかけて!!」

 

医務室に運ばれる女子生徒。

 

「また倒れた・・・これで今月5人目よ?

ムチャなのよこんな体制・・・」

 

女子生徒が呟いた。

 

 

 

 

その日の夜、 ウエスト校の女子寮のロビーで集まる女子生徒達。

 

「このままじゃあ卒業までに殆ど人が居なくなるわ!!」

 

たらこ唇の眼鏡っ子のロッテ・フランクが宣言する。

 

「確かに、 入学した女子生徒が100人・・・

50人がもう退学している、 滅茶苦茶よ・・・こんなの・・・」

 

金髪の美女、 ニナ・フォルトナーが悲痛そうに呟く。

 

「もうそんな季節かー」

「若いなー」

 

他の生徒が遠巻きに見ている。

 

「あの・・・そんな季節って?」

 

明日香が尋ねる。

 

「待遇が悪いって話」

「一年の頃はそういう話する連中が多いんだよね」

「つまり・・・先輩ですか?」

「そうそう、 私2年」

「私3年、 アンタ、 ここに来たんなら分かるだろ?」

 

そう呟く3年生。

 

「何がですか?」

「この学校は青春を、 人生をデュエルに全振りして

デュエルを強くなる為の学校なのよ」

「DPと相談して体調管理もする、 これは収入で生活を立てる

まさにプロデュエリストのメタファーと言える

毎日自動的にDPが貰えるからまだ有情よ

強く無ければプロは生活出来ない

弱ければプロを辞めて別の仕事をすれば良いって訳よ」

「・・・・・」

 

明日香は固唾をのみ込んだ。

この人達はデュエルに対して真剣だ。

恐らく自分よりも・・・

 

「アンタ、 コブラの旦那に気に入られているけど、 何か有ったの?」

「兄が本校で行方不明になったから探す為にも本校に戻らないといけない」

「それは大変ね・・・ま、 がんばんなさいよ」

 

先輩方は立ち去ったのだった。

 

「・・・・・もっと強く、 強くならなければ」

 

明日香はロビーで騒いでいる女子生徒に背を向けて自室に戻ったのだった。

強く無ければチャンスは回って来ないのだ。

本校に戻る為には最低でもウェスト校女子最強にならなければ・・・

デッキの再構築を考える明日香であった。



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万丈目と太陽の地獄巡り前編(; ・д・); ・д・)

ノース校の端、 立ち入り禁止と書かれた柵を超え

誰も入らない様に壁で覆われた一角、 鉄格子で塞がれた洞窟。

そこに集まる万丈目と太陽、 色彩、 ビショップ、 市ノ瀬。

 

「ここがノース校、 最大の禁足地【絶望の縦穴】

通称シャタードシャフト」

「縦穴・・・って洞窟にしか見えないが・・・」

「入れば分かる、 ここは元々使えないカードが捨てられる穴だった

それが何時の間にか強大な磁場? 呪力? 捨てられたカードの怨念?

兎に角科学では説明出来ない何らかの力が働くパワースポットになった」

「・・・・・それでこのパワースポットが如何したんだ?」

「ここには普通ではあり得ない程強いカードが落ちている」

 

鉄格子の鍵を開ける市ノ瀬。

 

「なるほど、 だから勝手に取られない様に塞いでいると」

「それは違うぞ太陽」

 

ビショップが訂正する。

 

「非科学的な話だが観測出来ない力がこの洞窟の中には渦巻いている

中に入ればタダでは出られない、 死にはしないが

再起不能になった奴はゴマンといる」

「・・・再起不能になったのにどうやって洞窟から出て来たんだ?」

「吐き出される、 としか表現出来ない

色彩がパワースポットと表現したが私にはこの洞窟がレアカードを餌に

デュエリスト達をおびき寄せる巨大な生物に見えるよ・・・

ルークが怖がって近付かないのも分かるよ・・・

だから正直おススメは出来ない」

 

市ノ瀬が万丈目と太陽を見る。

 

「それでも行くのかい? 正直この先は地獄と言っても過言ではない」

「・・・無事に帰って来た奴は居るのか?」

「私だね」

 

色彩が挙手する。

 

「但し、 中で何が起きたかは記憶にない

レアカードを沢山手に入れられたから探索は成功と言えるが・・・」

「なるほど・・・クイーンが行けたんなら

キングが行かなければ話にならない、 行って見ようじゃないか」

 

万丈目が前に出る、 太陽も後に続く。

暗い洞窟の中に二人が入る。

 

刹那、 二人は真っ逆さまに落下する。

 

「う、 うわあああああああああああああああああああああああああ!!!?」

「あああああああああああああああああああああああああああああ!!!?」

 

予想外の出来事にパニックになる二人、 やがて二人は着地する。

 

「ぐへ!!」

「ぐぅ・・・だ、 大丈夫か太陽・・・?」

「だ、 大丈夫です・・・入る時は洞窟だったのに

まるで穴から落ちたみたい・・・」

「だから【絶望の縦穴】か・・・上手い事言いやがる・・・」

 

万丈目と太陽は周囲を見渡した。

入って来た入口は自分達の遥か上、 戻るのは不可能。

 

「さて・・・レアカードを探すか・・・」

「そう簡単に有りますかね・・・」

 

手分けして周囲を探す二人。

 

「あ、 万丈目さん、 早速カードが有りましたよ」

「何のカードだ」

「えーっと真紅眼でした、 真紅眼!?」

 

二度見する太陽。

まさかこんな所に真紅眼の黒竜が落ちているとは予想もしていなかった。

 

「おいおい・・・マジかよ・・・本物か?」

「色合いも間違い無いです、 コピーカードじゃない!! 本物だ!!」

「入口でこれか・・・奥には一体何が有るんだ・・・」

 

ごくり、 と固唾を飲む万丈目。

 

「おい、 おジャマ達、 お前達は如何思う?」

『あああああああああにききききき、 こ、 ここやば、 やばばばばば』

 

震えてまともに会話にならない。

 

「とりあえず先に進むか」

「そうですね!!」

 

奥に進む万丈目と太陽。

 

 

 

 

10分後。

万丈目と太陽は大量のカードを手に入れていた。

 

「おいおいおいおいおい!! これは本当に凄いな!!」

「えぇ、 苦労した甲斐が有りました・・・

天魔神やレアなカウンター罠

実戦級のカードがこんなにも・・・」

「すげぇな!! もっと先に行こう!!」

「えぇ、 少し休憩しましょうよ、 ずっと歩き続けじゃないですか」

「おいおい、 まだ10分も経ってないぞ」

「え」

 

顔面蒼白になる太陽。

 

「うそ・・・」

「本当だよ、 ほら」

 

腕時計を見せる万丈目。

 

「マジだ・・・嘘だろ・・・」

「どの位の時間だと思ったんだ?」

「2,3時間は歩いた気がしました」

「・・・・・冗談だろ?」

「いえ、 本当です、 万丈目さんが無言で歩いているから

俺も歩きましたが・・・」

「・・・如何やらこの洞窟、 何やら危うい様だな」

「そうみた・・・またカードが有りますね」

 

拾う太陽。

 

「これは・・・? The・・・何とかサン?」

「何だ、 見せて見ろ・・・・・!?」

 

太陽が唐突に居なくなる。

 

「な、 ど、 何処だ!? 何処に行った!?」

 

パラパラと音が聞こえる。

振り返るとカードが道の様に、 まるでヘンゼルとグレーテルの様に

落ちていた。

 

「・・・・・」

 

カードを拾う。

カードは怨念集合体。

通常モンスターのレアでは無いカード。

しかしこの場では意味深過ぎる。

 

「・・・・・来い、 って事か・・・」

 

万丈目はカードの道に沿って前に進んだのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

太陽は困惑した。

周囲が真っ暗、 いや、 最早真っ黒なのだ。

光も何も無い空間、 一体自分に何が起きたのか。

カード、 デッキ、 デュエルディスク、 全てある。

端末を開いて光で照らそうとしても光が出ない。

 

「・・・・・いや、 自分の体とかは見えているな・・・」

 

ただ、 単純に暗い訳ではない様だ。

 

「一体何が・・・・・」

 

漠然とした不安感がある、 暫く身構える。

10分、 1時間、 1日、 或は10秒。

太陽は待っていた。

しかし何も起こらない。

 

「・・・・・」

 

暇になった太陽は手に入れたカードをデッキに組み込んでいた。

 

『この状況でもデッキ編成が出来るとは大したものだ』

 

ぬっ、 と現れたのは黒い影の様な人型。

 

「な、 何だお前・・・」

『私はカードに宿る精霊【至上の太陽】』

「俺は取巻 太陽だから呼び方精霊で良いか?」

『っち』

 

舌打ちをする精霊。

 

『まぁ、 良い、 私のカードを拾った貴様には私とデュエルをして貰う

勝てはカードの持ち主になれるが負けたらデコピンな』

「罰ゲームが軽いな、 お前がそれで良いなら俺は構わない」

『了解』

 

ふっ、 と巨大な腕が現れる。

控えめに行ってもダンプカー並の大きさである。

そしてデコピンの素振りをしている。

 

『じゃあ始めようか』

「待て待て待て!! デコピンってそれ!?」

『何言ってんだ、 私の持ち主になれるんだから

罰ゲームが重いのは当たり前だ、 それとも何か?

普通のデコピンとでも思ったのか?』

「うぜぇ・・・」

『あ、 私の本体は一旦返して貰うぞ』

 

しゅ、 と太陽の手元からカードが抜ける。

 

「・・・・・デッキに入れたカードじゃないか

なら大丈夫だな、 良いだろう、 不本意だが始めようか」

『ああ、 行くぞ』

 

「『デュエル!!』」

 

「不条理な罰ゲームを追加したんだから先行は貰うぞ」

『駄目に決まってるんだろ、 ジャンケンだ』

「ち、 分かった・・・じゃんけ、 待った」

『何だ?』

「どっちの腕でジャンケンするんだ?

お前とそのデカい手で別々の手を出されたら困る」

『・・・・・じゃあこの至上の腕でジャンケンする』

「分かった」

 

ジャンケンの結果、 太陽が先行になった。

 

「俺のターン、 ドロー!!」

 

太陽手札:5→6

 

「キラー・トマトを召喚してカードをセットしてターンエンド」

 

太陽手札:6→4

 

『私のターン、 ドロー』

 

精霊手札:5→6

 

『迷える仔羊を発動、 仔羊トークン2体を召喚する

そして仔羊2体を生贄に』

「ちょっと待った迷える仔羊を使ったターンは召喚出来ない筈だ」

『召喚は出来ない、 しかしセットは出来る

仔羊2体を生贄にモンスターをセットしてカードをセットしてターンエンド』

 

精霊手札:6→3

 

「いきなり最上級モンスターをセット・・・か

俺のターン、 ドロー」

 

太陽手札:4→5

 

「クリバンデットを召喚してターンエンド

エンドフェイズに生贄に捧げて効果発動

自分のデッキの上からカードを5枚めくる

その中から魔法・罠カード1枚を選んで手札に加える事ができる

残りのカードは全て墓地へ送る、 カードをめくるぞ」

 

捲られたカード

スケルエンジェル

レジェンド・デビル

ダーク・バースト

終末の騎士

マシュマロン

 

「ダーク・バーストを手札に加えてターンエンド」

 

太陽手札:4→5

 

『私のターン、 ドロー』

 

精霊手札:3→4

 

『セットしていた我が依り代

The supremacy SUNを反転召喚』

「The supremacy SUN・・・」

 

まさに黒い太陽という異様に固唾を飲む太陽。

 

『そしてサンでセットモンスターに攻撃』

「セットモンスターはキラー・トマトだ

破壊された事によりデッキからスナイプストーカーを召喚する」

『・・・・・モンスターをセットしてターンエンド』

 

精霊手札:4→3

 

「俺のターン、 ドロー」

 

太陽手札:5→6

 

「スナイプストーカーの効果発動

手札を1枚捨てフィールド上のカード1枚を選択して発動できる

サイコロを1回振り、1・6以外が出た場合

選択したカードを破壊する、 そのデカブツを選択する」

 

捨てたカード

マインド・オン・エア

太陽手札:6→5

 

サイコロの目:4

 

『サンは破壊される』

「意外にすんなり破壊されたな・・・次はセットモンスターだ」

 

 

捨てたカード

ダークファミリア

太陽手札:5→4

 

サイコロの目:2

 

『セットモンスターは素早いモモンガだ』

「ならば最後はセットカードだ」

 

捨てたカード

キラー・トマト

太陽手札:4→3

 

サイコロの目:3

 

『ならばチェーン発動、 和睦の使者

このターン、 ダメージを受けない』

「ちぃ・・・ダーク・バーストを発動して

墓地の終末の騎士を手札に加えて召喚

そして効果発動、 デッキから闇属性モンスター1体を墓地へ送る

天魔神 ノーレラスを墓地に送る」

『悪魔に紛れて天使がちらほら見えていたが天魔神か・・・

面白いデッキだな』

「どーも、 これでターンエンド」

 

太陽手札:3→2

 

『私のターン、 ドロー』

 

精霊手札:3→4

 

『サンの効果発動

フィールド上に表側表示で存在する

このカードが破壊され墓地へ送られた場合

スタンバイフェイズ時に手札を1枚捨てる事で

このカードを墓地から特殊召喚する』

 

手札から捨てたカード

素早いモモンガ

 

精霊手札:4→3

 

「折角倒したのにまた出て来るのか・・・」

『そしてダブルコストンを召喚

サンでスナイプストーカーに

ダブルコストンで終末の騎士に攻撃』

 

太陽LP:4000→2500→2300

 

「くっ・・・だが終末の騎士の戦闘ダメージに対して

ダメージ・コンデンサーを発動!!」

『ダメージ・コンデンサー? 如何言うカードだったかな?』

「ダメージ・コンデンサーは自分が戦闘ダメージを受けた時

手札を1枚捨てて発動できるカードで

受けたそのダメージの数値以下の攻撃力を持つモンスター1体を

デッキから表側攻撃表示で特殊召喚する」

 

手札から捨てたカード

カオス・ネクロマンサー

太陽手札:2→1

 

『攻撃力200以下・・・つまり・・・』

「そうファントム・オブ・カオスを攻撃表示で召喚する」

『ちぃ・・・ターンエンド』

 

精霊手札:3→2

 

「俺のターン、 ドロー、 あ、 畜生」

 

太陽手札:2→3

 

「ファントム・オブ・カオスの効果発動

1ターンに1度、自分の墓地の効果モンスター1体を除外し

このカードはエンドフェイズまでそのモンスターと同名カードとして扱い

同じ元々の攻撃力と効果を得る、 俺はノーレラスを除外して

ノーレラスの効果をコピーする

そして効果発動、 ライフを1000払って

お互いの手札・フィールドのカードを全て墓地へ送り

自分はデッキから1枚ドローする

墓地に送るからサンの効果も発動しないな?」

『っち・・・』

 

精霊が墓地に送ったカード

死皇帝の陵墓

メテオ・ストライク

 

太陽が墓地に送ったカード

死者蘇生

死者転生

光神機-桜火

 

精霊手札:2→0

太陽手札:3→0→1

太陽LP:2300→1300

 

「よし!! 墓地のスケルエンジェルとキラー・トマトを除外して

カオス・ソーサラーを特殊召喚!!」

『ここでか!! 運が良い!!』

「そしてダイレクトアタック!!」

 

精霊LP:4000→1700

 

「ターンエンド!!」

 

太陽手札:1→0

 

『私のターン、 ドロー』

 

精霊手札:0→1

 

『モンスターをセットしてターンエンド』

 

精霊手札:1→0

 

「俺のターン、 ドロー!!」

 

太陽手札:0→1

 

「ソーサラーでセットモンスターに攻撃」

『セットモンスターはハイエナだ

ハイエナが戦闘で破壊された時に

デッキから2体のハイエナを守備表示で特殊召喚する』

「ハイエナか・・・モンスターをセットしてターンエンド」

 

太陽手札:1→0

 

『私のターン、 ドロー』

 

精霊手札:0→1

 

『ハイエナ2体を生贄に2体目のサンを召喚!!』

「2体目居るのか!?」

『予想外・・・だっただろう?』

「予想外だったけども・・・」

『ではサンでカオス・ソーサラーに攻撃』

 

太陽LP:1300→600

 

『これでターンエンド』

 

精霊手札:1→0

 

「俺のターン、 ドロー、 ターンエンド」

 

太陽手札:0→1

 

『ドローしてターンを終えた・・・諦めたか?

私のターン、 ドロー』

 

精霊手札:0→1

 

『2体目のダブルコストンを召喚してセットモンスターに攻撃』

「セットモンスターはダークファミリアだ

このカードが墓地へ送られた時、

お互いのプレイヤーはそれぞれの墓地に存在するモンスター1体を選択し

表側攻撃表示または裏側守備表示で特殊召喚する

俺は墓地に既に置かれているダークファミリアを裏守備で呼び出す」

『ファミリアをファミリアで呼び出し

呼び出したファミリアでファミリアを呼び出す

ファミリアループか・・・サンは呼び出せないから墓地の

ダブルコストンを攻撃表示で呼び出させて貰おう

ダブルコストンが居るからモモンガやハイエナを呼び出しても仕方ないし

ターンエンドだ』

 

精霊手札:1→0

 

「俺のターン、 ドロー、 ターンエンド」

 

太陽手札:1→2

 

『対抗策が出る迄粘るつもりか?

こっちにも手は有るぞ、 貫通付与のカードが来れば私の勝ちだ

私のターン、 ドロー、 ターンエンド』

 

精霊手札:0→1

 

「俺のターン、 ドロー」

 

太陽手札:2→3

 

「手札から闇の誘惑を発動、 手札の闇属性モンスター

ダークネス・デストロイヤーを除外して2枚ドロー・・・

良し来た、 プリーステス・オームを召喚」

『プリーステス・オーム、 か、 負けだな』

「あぁ、 ファミリアを反転召喚して

プリーステス・オームの効果発動

自分フィールド上に表側表示で存在する

闇属性モンスター1体を生け贄に捧げる事で、

相手ライフに800ポイントダメージを与える、 ファミリアを射出し

ファミリアの効果でファミリアを攻撃表示で召喚し射出

最後にプリーステス・オームを射出して終わりだ」

 

精霊LP:1700→1100→300→0

 

 

 

 

『最後はバーンで勝利か・・・無理がある勝利だったな』

「文句言うなよ、 こっちは必死だったんだから・・・」

『しかしお前・・・天魔神とか色々詰め込み過ぎている

ファンカスノーレならそれに特化したデッキを作るべきだ』

「まぁな・・・イマイチ微妙な勝ち方だったし・・・もっと尖るべきか・・・」

『良いだろう、 これからお前をしごいて私の所有者たる存在に昇華させよう』

「お前に勝ったし良いんじゃないのぉ?」

『お前には迷いがある、 何というかちぐはぐな印象がある

デッキからも明らかだ』

「・・・・・まぁな・・・」

『私が指南しよう』

「分かったよ精霊」

『待った、 精霊では聊か寂しい、 太陽が駄目なら

至上さんと呼びなさい』

「分かったよ至上、 それじゃあさっさと俺を元の場所に戻してくれ」

『分かった』

 

ふっ、 と太陽は浮遊感を味わった後に洞窟の中に戻ったのだった。

 

「万丈目さんは何処に行ったんだ?」

『あそこ、 カードが落ちている、 あのカードの先に行って見よう』

「分かった」



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万丈目と太陽の地獄巡り後編( ・д・;( ・д・;)

怨念集合体のカードの道を歩いて行く万丈目。

 

『怨怨怨怨怨怨怨怨怨怨怨怨怨怨怨怨怨怨怨怨怨怨怨怨怨怨怨怨怨怨怨怨怨怨』

『憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い』

『殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺すすすすすすすすすすすすすすすすす』

 

次第にうめき声が聞こえる。

 

『あ、 アニキィ・・・』

「ふん、 恨みつらみなんて俺には何の意味も無い

ぐだぐだ言わずに何か文句あるなら出て来たら如何だ?」

 

ずわあああああああああああああああと怨念集合体のカードが寄り集まり

人型となった、 腕にはデュエルディスクを構えている。

 

「デュエルか、 面白い」

 

万丈目もデュエルディスクを構える。

 

「『デュエル!!』」

 

 

「喧嘩を売られたんだから先行は貰うぞ、 ドロー!!」

 

万丈目手札:5→6

 

「X-ヘッド・キャノンを召喚してカードを2枚セットしてターンエンド」

 

万丈目手札:6→3

 

『ドロー』

 

怨念集合体手札:5→6

 

『怨念集合体を召喚して、 暗黒の扉を発動して

カードを2枚セットしてターンエンド』

 

怨念集合体手札:6→2

 

「・・・・・俺のターン、 ドロー」

 

万丈目手札:3→4

 

「・・・・・」

 

思案する万丈目、 攻撃力900の怨念集合体とセットカード。

明らかに罠である、 更に暗黒の扉で1ターンに1度しか攻撃が出来ない。

 

「・・・X-ヘッド・キャノンで怨念集合体に攻撃」

『セット発動、 ミラーフォース』

「・・・X-ヘッド・キャノンは破壊される

モンスターをセットしてターンエンドだ」

 

万丈目手札:4→3

 

『ドロー』

 

怨念集合体手札:2→3

 

『D・ナポレオンを召喚、 カードセットしてターンエンド』

 

怨念集合体手札:3→1

 

「俺のターン、 ドロー」

 

万丈目手札:3→4

 

「喧嘩を売って来た割に何もして来ない、 か

ならばこちらも何もしないぞ、 モンスターをセットしてターンエンド」

 

万丈目手札:4→3

 

『ドロー、 ターンエンド』

 

怨念集合体手札:1→2

 

「俺のターン、 ドロー

モンスターをセットしてターンエンド」

 

万丈目手札:3→4→3

 

『ドロー』

 

怨念集合体手札:1→2

 

『波動キャノンを発動してターンエンド』

 

怨念集合体手札:2→1

 

「俺のターン、 ドロー」

 

万丈目手札:3→4

 

「なるほどな、 雑魚モンスターと罠で露骨に足止めして

波動キャノンでトドメか、 分かり易い戦術だが

俺には通じない、 セットしてある

おジャマグリーン、 ブラック、 イエローを反転召喚!!」

『『『しゃあ!! 出番~!!』』』

「そして手札からおジャマ・デルタハリケーン!!を発動!!

おジャマ三兄弟が居る時に相手フィールド上に存在するカードを全て破壊する!!」

『うわあああああああああああああああああああああああ!!』

『『『おジャマ・デルタハリケーン!!』』』

 

おジャマ三兄弟の活躍により怨念集合体のフィールドのカードは全て破壊された。

 

「そして右手に盾を左手に剣をを発動

これでおジャマ達は攻撃力1000のモンスターになる!!

そしてY-ドラゴン・ヘッドを召喚して

全てのモンスターでダイレクトアタック!!」

 

怨念集合体LP:4000→2500→1500→500→0

 

 

 

 

怨念集合体は掻き消えた。

 

『い、 一体なんだったんだろうね、 アニキぃ・・・』

「分からん、 分からんがあんな雑魚に構っている暇は無い

さっさと先に進むぞ」

『ひぃ!!?』

 

おジャマ・ブラックが叫ぶ。

 

「如何した?」

『あ、 あれ・・・』

「・・・・・」

 

おジャマ・ブラックが指し示した方向には手が転がっていた。

くいくいと人差し指で手招きをしてぺたぺたと奥に進んで行った。

 

「来い・・・と言っているのか」

『えぇ~、 止めましょうよ~』

「仕方ないだろう、 行くぞ」

 

前に進む万丈目だった。

 

 

 

 

 

万丈目が奥に進むとそこはうすぼんやりな灯が灯る祭壇の様な場所だった。

 

「なんだこれは・・・祭壇・・・か?」

「その通り」

 

祭壇に寝っ転がっていたのはバラバラになった人であった。

しかも体のパーツがかなり足りない、 胴体が無く手足、 腕

頭、 頭に関しては右目に風穴があいていた。

 

『ひぃ!! バラバラ死体!?』

「落ち着け、 どうせお前もカードの精霊だろう?」

「・・・・・果たして即決出来る程、 俺は自分の事を知って居るだろうか?」

「いや、 知らねぇよ・・・その意味有り気な祭壇から見て

お前がここのボスか?」

「俺は誘蛾灯みたいなもんだ」

「何?」

「元々ここは要らないカードのゴミ捨て場みたいな場所だった

そのカードの中には精霊が含まれ、 その精霊達に感化されたカードも

精霊擬きになっていた、 さっきお前が戦った怨念集合体もその一人

そして精霊達のパワースポットになっていたココに俺も逃げ込んだ」

「逃げ込んだ?」

「あぁ、 俺は精霊達を狩る者達が居ると聞きつけて

精霊のカードを集め人間達に配り、 精霊狩りと戦っていたんだ

結果として俺達は敗れて俺の本体もこの様だ」

 

そう言ってカードの切れ端を見せるバラバラ野郎。

 

「こうなってしまえば俺も消滅は免れないが

最後に生き残った精霊の1体が俺を連れて逃げてこの祭壇を作り上げ

俺を奉る事でこうやって何とか辛うじて生き延びる事に成功している

そして精霊のパワーで生き残った俺のパワーで更に精霊が集まり

一種のパワースポットになった、 と言う訳だ」

「なるほどな・・・だがそんな体じゃあ俺には如何する事も出来ないぞ」

「俺は命は要らん、 元々命なんか無いんだ、 俺には、 俺達には」

 

自嘲気味に言うバラバラ。

 

「俺達?」

「俺は大勢居るんだ、 その殆どはさっき言った戦いでほぼ全滅したがな」

「良く分からないな・・・何が言いたいんだ?」

「万丈目準」

「!!」

 

名前を言い当てられて驚く万丈目。

 

「俺は俺の事を熟知していないがお前の事は熟知しているつもりだ

俺は別の多元宇宙を眺める事が出来る」

「別の・・・多元宇宙?」

「可能性世界と言い換えても良い

例えば別の世界ではデュエルアカデミアは

別次元に戦争をしかけている悪の先兵

デュエルと言えばバイクを乗って行うとか色々だ」

「バイクに乗ってデュエルって・・・事故起きるだろ」

「そんな多元宇宙の中には別のお前が居る訳だよ」

「別の俺?」

「そう、 別の宇宙のお前はクールで孤高の存在だ」

「今の俺もそうだろ」

「・・・・・うん、 まぁ・・・うん」

「おい、 何で目を逸らす」

「兎に角だ、 その世界でお前がエースカードに

使っていたカードの精霊が居るからお前にやろうと言う訳だ」

「くれるなら貰うけど・・・」

「まぁそいつはお前の事を認めてないからデュエルで勝てって話だが」

「分かり易いね、 でそいつは何処に?」

『ここだ』

 

上から舞い降りたのは白と黒の二色に別れた服を着た

竜の兜を被った美しい巫女の様な美少女だった。

 

『我が名は光と闇の竜、 長ければライダーで良い』

「おぉ・・・」

『素敵ィ・・・』

『我を扱いたくば、 私をデュエルで押し倒せ!!』

 

デュエルディスクを構えるライダー。

 

「ならば押し通る!!」

『行くぞ!!』

 

「『デュエル!!』」

 

『私を押し倒すと言うのだから先行は貰おう!!

我のターン、 ドロー!!』

 

ライダー手札:5→6

 

『モンスターとカード2枚をセットしてターンエンド!!』

 

ライダー手札:6→3

 

「俺のターン、 ドロー」

 

万丈目手札:5→6

 

「Vタイガー・ジェットを召喚!!

そして永続魔法、 前線基地を発動!!

1ターンに1度、 自分のメインフェイズ時に

手札からレベル4以下のユニオンモンスター1体を特殊召喚する事ができる!!

俺はW-ウィング・カタパルトを特殊召喚!!

そしてタイガー・ジェットとウィング・カタパルトを除外し

融合デッキからVWタイガー・カタパルトを特殊召喚!!

そして効果発動!! 手札1枚捨てて

相手フィールドのモンスター1体の表示形式を変更する!!

この時、 リバースモンスターの効果は発動しない!!」

 

手札から捨てたカード

おジャマジック

 

『セットモンスターは墓守の偵察者、 リバースは無効か・・・』

「更に捨てたおジャマジックの効果発動!!

デッキからおジャマ・グリーン、 おジャマ・イエロー

おジャマ・ブラックを1体ずつ手札に加える!!

 

万丈目手札:2→5

 

「タイガー・カタパルトで墓守の偵察者に攻撃!!」

『速攻魔法発動、 エネミーコントローラー

タイガー・カタパルトを守備表示に変更する』

「くっ・・・ターンエンドだ」

『ならば我のターン、 ドロー』

 

ライダー手札:3→4

 

『墓守の偵察者を生贄に捧げて

邪帝ガイウスを召喚、 効果発動

フィールドのカード1枚を選び除外する

我は当然タイガー・カタパルトを除外する』

「ちぃ!!」

『そしてガイウスでダイレクトアタック』

 

万丈目LP:4000→1600

 

「くっ・・・いきなり大ダメージを貰ったか・・・」

『これでターンエンド』

 

ライダー手札:4→3

 

『アニキぃ・・・大丈夫ぅ・・・?』

 

おジャマ・イエローが尋ねる。

 

「ふん、 まだまだ始まったばかり、 逆転は出来る

俺のターン、 ドロー」

 

万丈目手札:5→6

 

「打ち出の小槌を発動、 手札4枚をデッキに戻し4枚ドロー」

 

万丈目手札:6→5

 

『おジャマを戻しての手札交換か、 中々考えている』

「良し、 前線基地の効果でユニオンモンスター

Y-ドラゴン・ヘッドを特殊召喚!!

そしてドラゴン・ヘッドを生贄にアームド・ドラゴン LV5を召喚!!」

『むっ、 そのカードはこの学園のトップに与えられるカード・・・

なるほど、 実績は有る様だ』

「何様だ!! そして効果を発動!!

手札からモンスター1体を墓地へ送り

そのモンスターの攻撃力以下の攻撃力を持つ

相手フィールドのモンスター1体をを破壊する!!

俺は手札のアームド・ドラゴン LV10を捨てて

ガイウスを破壊!! そしてダイレクトアタックだ!!」

『罠発動、 ガード・ブロック

ダメージを無効にして1枚ドロー』

 

ライダー手札:3→4

 

「ダメージを与えられなかったか・・・

カードを1枚セットしてターンエンド」

 

万丈目手札:5→1

 

『私のターン、 ドロー』

 

ライダー手札:4→5

 

『神獣王バルバロスを妥協召喚

そして禁じられた聖杯を発動、 バルバロスの効果は無効化されて

攻撃力は3400になる、 バルバロスでアームド・ドラゴンに攻撃』

「伏せていたカオス・バーストを発動!!

アームド・ドラゴンを生贄に捧げてバルバロスを破壊!!

そして1000ポイントのダメージを与える!!」

『くぅ・・・』

 

ライダーLP:4000→3000

 

「これでやっとダメージが通ったな」

『・・・・・』

 

首元に手をかけてがしゃん、 と竜の兜を放り捨てるライダー。

 

『やるじゃない、 中々意気が良いわね』

「お、 おう、 そりゃどうも・・・」

『ふふ・・・ターンエンド』

 

ライダー手札:5→3

 

「俺のターン、 ドロー!!」

 

万丈目手札:1→2

 

「X-ヘッド・キャノンを召喚!!

そしてダイレクトアタック!!」

 

ライダーLP:3000→1200

 

『フィールドに何も無い状態でダイレクトアタックを受けた時

手札から冥府の使者ゴーズを特殊召喚する

効果で攻撃力1800のカイエントークンも召喚するわ・・・』

「くそっ・・・カードを1枚伏せてターンエンド」

 

万丈目手札:2→0

 

 

 

『・・・・・』

 

何故か止まるライダー。

 

「如何した? 早くドローしろよ」

『熱い』

「はぁ? いや、 何言ってるんだ?

ここめちゃくちゃ寒いぞ?」

『熱いよ』

 

ライダーははむ、 と手札を口に加えて

自分の服の襟を思い切り引っ張り破り捨てた。

下着が露になり素肌が眩しい。

 

「え!? は!? おま、 お前何やってるんだ!?」

『アンタみたな熱い男の前で脱ぐなと言う方が失礼じゃないの』

「は、 恥じらいと言う物は無いのか!?」

『さっきからバカスカ攻撃して置いて何を言う

もう私達の関係は結構進んでいると思うけど?』

「何の話だ!!」

「これがライダーの特徴だ」

 

割って入るバラバラ野郎。

 

「ど、 どういう事だ!?」

「普段は澄ました顔で義を重んじる奴だが

本性は戦闘狂で戦えば戦う程、 燃える変態だ」

『ここまでガードを上げた奴も久々よ

唯強いだけじゃあ、 私もここまで明け透けにならない』

「そういえばさっきから我じゃなくて私って言っているな・・・」

「女戦士(めす)の顔になっているという事か!!」

「そうか、 だが一つ良いか?」

『何よ?』

「俺には心に決めた女性が居る、 お前が割って入る隙間は無い!!」

『おっぱいでしょ?』

 

万丈目の言葉に対する即返答に面食らう万丈目。

 

「・・・は?」

『好き嫌いとか言って所詮おっぱいでしょ?』

「いや、 そういう訳じゃあ」

『じゃあその心に決めた女性は巨乳じゃないの?』

「・・・・・」

『巨乳でしょ?』

「いや・・・確かに」

『巨乳でしょ?』

「あー!! もううっせえな!! 巨乳だよ!! 悪いか!!」

『いや、 良いね、 男が巨乳を求めるのは本能に近い

本能的な奴はタイプだ』

 

舌なめずりをするライダー。

 

「こわっ!! 怖いぞお前!!」

『こんないい女捕まえて怖いとは何事だ!!

良いだろう!! 私の良さを教えてやろう!!

私のターン、 ドロー!!』

 

ライダー手札:2→3

 

『アニキィ・・・大丈夫なの?

もう1体モンスター召喚されたら・・・』

「心配するな、 策は打って有る・・・」

『私はゴースとカイエンを生贄に捧げて・・・』

「『えっ?』」

 

万丈目とおジャマ・イエローの言葉がシンクロした。

何で最上級モンスターを出すのはまぁ良いだろうが

態々召喚したゴースとカイエンを生贄にするとは如何言う事だ?

 

『私自身を召喚』

 

ライダーは光と闇の竜を召喚したのだった。

 

「これが光と闇の竜・・・何かちぐはぐなドラゴンだな」

『光の清廉さと闇の淫靡さを兼ね備えた艶めかしさを感じない?』

「いや、 感じないけども・・・

それよりも何で態々そんなモンスターを召喚したんだ?」

『言ったでしょ? 私の良さを教えると・・・

私自身でヘッド・キャノンに攻撃』

 

万丈目LP:1600→600

 

「この瞬間、 復活の墓穴を発動!!

自分フィールド上に存在するモンスターが

戦闘によって破壊され墓地へ送られた時に」

『おっとぉ、 私の効果発動、 私がフィールド上に表側表示で存在する限り

効果モンスターの効果・魔法・罠カードの発動を無効にする

そして、 この効果でカードの発動を無効にする度に

このカードの攻撃力と守備力は500ポイントダウンする』

「なっ・・・・・だ、 ダメージステップ中の罠だぞ・・・」

『私の効果は無差別で無遠慮

如何かな? 私の良さ、 分かってくれた?

ターンエンド』

 

ライダー手札:3→2

 

「お、 俺のターン、 ドロー」

 

万丈目手札:0→1

 

「唯の変態かと思ったら効果が強いな・・・」

『あ、 アニキィ・・・』

「情けない声出すな・・・

効果を使う度に攻撃力を下げるのならばやりようはある

前線基地の効果を発動」

『・・・・・私の攻撃力を下げて効果を無効にする』

「如何やらマジで無差別の様だな、 モンスターをセットしてターンエンド」

『・・・・・』

 

万丈目手札:1→0

 

『私のターン、 ドロー』

 

ライダー手札:2→3

 

『創世の預言者を召喚!! そして創世の預言者でセットモンスターに攻撃!!』

「セットモンスターはB-バスター・ドレイクだ

残念だったな」

『む・・・確かにね・・・持っているねぇ・・・』

 

舌なめずりをするライダー。

 

「まだ何か有るのか? 無差別に無効化するなら

お前も魔法や罠も使えないだろう?」

『ふふふ・・・カードを1枚伏せてターンエンド』

 

ライダー手札:3→2

 

「あの余裕、 まだ何か有るのか? ドロー」

 

万丈目手札:1→0

 

「前線基地の効果発動!!」

『私の効果で無効に!!』

「A-アサルト・コアを召喚、 そしてアサルト・コアの効果発動

バスター・ドレイクにユニオン!!」

『私の効果で無効に!!』

「バスター・ドレイクの効果でアサルト・コアにユニオン!!」

『私の効果で無効に!!』

「これで攻撃力は300だ・・・バスター・ドレイクでお前に攻撃すれば

ライフ1200のお前は負ける」

『だったら攻撃すれば良い』

「・・・・・」

 

真っ直ぐ凛とした眼でそう言い放つライダー。

 

「バスター・ドレイクで光と闇の竜に攻撃!!」

 

ライダーLP:1200→0

 

 

 

 

 

 

『うーん、 惜しかったわねぇ・・・』

 

頭を掻きながら言うライダー。

 

「と言うか何も無かったのかよ・・・」

『いやいや、 ユニオンを2ターン連続で

ドロー出来るとは思って無かったのよ、 もしもこのターンで

ユニオン以外を引いて居たら逆転出来た』

「どういう事だ?」

『私のもう一つの効果・・・

私が破壊され墓地へ送られた時、

自分の墓地に存在するモンスター1体を選択して

自分フィールド上のカードを全て破壊した後に

選択したモンスター1体を自分フィールド上に特殊召喚する効果がある

ゴーズを特殊召喚して切り返せば何とか勝てた』

「何れにせよ、 これで実力は分かっただろうライダー?」

 

バラバラ男が呟いた。

 

『えぇ、 私も満足、 これからよろしくね』

 

ひゅ、 とカードを投げてデュエルディスクのデッキに入るライダー。

 

「お、 おいおい、 勝手にデッキに入るなよ」

「あぁー、 待て待て俺からも渡す物がある」

 

そう言ってバラバラ男の手がとことこと近付いて2枚のカードを手渡した。

 

「このカードは・・・何だ?」

 

2枚のカードはドラゴンの絵が描いてあった。

しかし名前も効果も書いておらず、 何故かモノクロだった。

 

「それは俺が可能性世界から持って来たカードだ

まだこの世に生まれていないカードだから使えないが

何れ使えるようになるだろう」

「なんだかよく分からないが貰っておこう」

 

カードを仕舞う万丈目。

 

「さてと、 万丈目、 これで充分お前のカードプールは充実した

ここら辺で戻ると良いだろう

お前と入って来た奴共々、 外に送り返してやるよ」

「あ、 そうだ、 太陽は無事か?」

「心配するな、 あっちも中々強力な精霊を手に入れた様だよ」

「そうか、 それは良かった」

「だがな」

 

バラバラの声が冷たくなった。

 

「あらゆる多元宇宙において、 あの太陽とか言うのが

ここまで強くなる世界は無かった」

「そうなのか?」

「あぁ、 奴はお前の取り巻きとして位しか活躍しなかった

何者かが干渉していると俺は踏んでいる

他の俺じゃない何者かの干渉が・・・気を付けろよ」

「・・・バラバラ野郎、 良く聞け

奴は俺に黙って付いて来てくれた奴なんだ

俺は奴を黙って信じるだけだよ」

「・・・・・そうか」

「・・・・・一つ質問良いか?」

「何だ?」

「クイーンと名乗る奴がここに来ただろ?」

「・・・あぁ、 来たな」

「そいつ、 記憶が無いとか言っていたけど何でだ?」

「アイツは駄目だ、 一度デュエルすれば分かるが駄目なんだ」

「?」

 

首を傾げる万丈目だったが

次の瞬間、 万丈目と太陽は【絶望の縦穴】から脱出する事に成功したのだった。

【絶望の縦穴】から吐き出された二人は転がりながら

外で待っていた色彩達を見上げた。

 

「・・・・・よぉ、 久しぶり」

「カードは手に入れられた?」

「「ばっちりだ」」

 

万丈目と太陽がシンクロする。

 

「よぉし・・・これならば本校に勝てる・・・」

 

市ノ瀬の眼鏡が光った。



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ハーメルン限定番外編 精霊大戦

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万丈目よ、 ライダーを連れて行くのならば少しだけ話してやろう。

精霊狩りと我々との戦争の話を

 

 

 

俺は昔不自由な思いをしていたんだがある時自由になって

自由を謳歌していた、 その時に精霊狩りの事を知って

精霊達と徒党を組んで人間達と共に

精霊狩り達の根城の有る島まで向かっていった。

 

完全に準備が足りていなかった。

精霊狩り達はデュエルの腕、 カードの質、 量。

どれをとっても過不足は無かった。

その上、 対人、 対精霊を想定した立ち回りをしていた。

 

人間の武装なぞ我々には通用しない。

拳銃なんて物はメタモルポットすら殺せん。

しかし人間の計略にまんまと嵌った。

奴等の根城に仕掛けられた罠や迷路により消耗し

隠し通路から飛び出て不意を突かれペースを乱された。

我々はデュエルで勝利して精霊を開放する事を目的としていたが

連中は我々全てを根絶やしにする事を目的としていた。

それ故に奴等は長期戦を望んだ。

1ヶ月の内に飢えや不慣れな環境での睡眠不足でコンディションを発揮出来ず

疲弊を見せたデュエリスト達からやられていった。

 

更に精霊狩りが闇のデュエルで我々とデュエルを行っても

我々のデッキを調べる戦術を取る偵察と

その情報を元に戦う者と戦術を立てていた。

 

我々は多くの精霊狩りを倒した。

しかしそれよりも多くの仲間を失った。

 

連中にとっての犠牲は大した事の無い痛手だったが

我々にとっては致命傷だった。

多くの精霊のカードを奪われた。

 

敵の首魁を始めとした幹部とのデュエルに持ち込めず

決戦に踏み切れなかったのも敗因だった。

 

敗色濃厚になった我々だったが精霊狩りから逃げる事は困難を極めた。

何しろ島なのだ、 逃げる為の船は速攻で破壊され沈められた。

念の入れ様は偏執的で我々が乗って来た船のみならず

連中は自分達の船舶すら沈めた。

 

精霊狩りの幹部アイレスジャックと名乗る倒した相手の腎臓を抉り出して喰らう

怪物との戦いに最早これまでと思った。

しかし最後に生き残った仲間の響 紅葉が

アイレスジャックの前に立ちはだかった。

 

アイレスジャックの実力はプロデュエリスト並

紅葉は別の世界では世界チャンピオンになれる逸材で

この世界ではプロでは無いがそれでも実力は凄まじかった。

アイレスジャックよりも格上だった筈。

しかしながらコンディションは最悪。

仲間の大半が死に絶えて精神状態も最悪だった。

戦えば敗北は必至。

そこで紅葉は通常のデュエルを行う事は放棄した。

相手のLPを回復させて自爆スイッチで共倒れを狙う戦略を取った。

 

精霊狩り達の闇のデュエルは相手にのみ闇の苦痛を与える代わりに

敗北したら死を意味する。

紅葉は自分の身と引き換えにアイレスジャックを葬った。

 

俺は僅かな仲間達と共に生きる為に逃げ惑った。

やがて連中の仲間の船が島にやって来た。

俺達はその船を奪い取って何とか脱出に成功した。

しかしそれは罠だった。

船には爆弾が仕掛けられ爆破されて沈没し始めた上に

敵の増援が俺達を襲った。

 

俺も俺の持ち主と共に戦ったが敵の首魁にして

精霊の天敵『精霊喰らい』が襲い掛かった。

 

完敗だった。

奴のデュエルはまるで意味が分からなかった。

ダメージを受けただけで実際にダメージを受けた。

闇のデュエルではあり得ない攻撃を受けた。

闇のデュエルよりももっと悍ましい物の片鱗を味わった。

俺の持ち主はそこで死んで、 俺もバラバラになったが

ライダーが何とか俺を逃がしてくれた。

 

 

 

これが精霊狩りと我々の戦争だ。

万丈目、 奴等はきっと世界に対して戦争を売るだろう。

その時に奴等に対抗出来るのはデュエリストだけだ。

生きる為にも強くなれ。

 

「お前に言われずともそうするつもりだ」

 

その意気だ。



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サイバー流部活生き残り対抗戦(-_-)zzz

「どおおおおおおおおおおおおおおいう事ですか!? 校長!!」

 

デュエルアカデミア本校のデュエルリングで叫ぶ最煉。

 

「俺が第二サイバー流デュエル部の代表として認められないって!!」

「当たり前でしょう!! 何ですか最煉君!! 君はふざけているんですか!?

何処の世界に部活動で指導員が出場するって馬鹿な話があるんですか!!」

 

叫ぶ鮫島。

 

「第二サイバー流デュエル部の皆さんも何で止めなかったんですか!?」

「いや、 だって・・・なぁ・・・」

「自分が行く、 自分が行くって・・・」

 

部員達も白けている。

 

「だってそうでしょう!! 彼等じゃあ力不足ですよ!?

後輩連中も雑魚揃い!! こんな連中に部の存続を任せられません!!」

「全く如何しようもないな、 お前は」

 

第三サイバー流デュエル部の面々が集まって来る。

 

「災防・・・? 何でここに? それにその制服・・・卒業したんじゃあ?」

「留年してる」

「ちょ、 おま・・・留年だとぉ!? それじゃあ実質四年生じゃないか!?

これはズルでは!?」

「就職浪人ですし問題は有りません」

「ふざけんな!! 同じ年齢なのにこの扱いは可笑しいだろう!!」

 

ぎゃーぎゃー騒ぐ最煉。

 

「いい加減にして下さい!!」

「ん?」

 

観客席から一人の眼鏡をかけた痩せた男が降りて来た。

 

「誰?」

「佐藤先生だろ、 元プロの」

「あぁ・・・悪いのですが部外者は引っ込んで居て貰っても良いですか?」

「私が勤める学校の問題です!! 部外者ではありません!!」

「はぁ・・・これは第二と第三サイバー流デュエル部

何方の主権になるかの大事な」

「そんな事は如何でも良い!!」

「はぁ!!? 何言ってんだガリガリ眼鏡!?」

 

佐藤の襟首を掴んで壁に叩きつける最煉。

 

「如何でも良いだと!? 栄光ある第二サイバー流デュエル部が

無くなるかもしれないのが如何でも良い!? ふざけるなよ!!

お前の勝手な考えで物を言うなぁ!!」

「か、 勝手で生徒や先生を巻き込んで授業がストップして

皆迷惑しているんです・・・それを黙って見過ごす訳には・・・」

「この」

 

災防に羽交い絞めにされ佐藤から離される最煉。

 

「こぉの、 離せ!!」

「落ち着けよ最煉、 サイバー流以外にとっては

これは内ゲバに過ぎん」

「ふざけ」

「鮫島校長」

 

笠井が第二サイバー流デュエル部の生徒達を引き連れてやって来た。

 

「俺達、 第二サイバー流デュエル部の負けで良いですよ」

「な、 何を言っているんだお前達!!」

「俺達の実力を低く見てまともに相手にしない

人の話を聞かない、 自分の無茶を通そうとする

暴力で解決しようとする、 そんな人の指導なんか受けたく無いですよ

才眠先生の下に付いた方が良い」

「となると第三の不戦勝って事で良いのか?」

「ふざけるなぁ!!」

 

最煉が暴れ始めたので警備員が押さえつけて別室に移動させる事になったのだった。

 

「それでは明日から他のサイバー関係部活とのデュエルを行います!!

デュエルの結果で残る部活が決まります!!」

 

鮫島が高らかに宣言した。

 

 

 

 

 

 

「・・・・・何これ」

「ぐっだぐだじゃん・・・」

「これは酷いな・・・」

 

観客席に居たメグとひはつと三沢が顛末を見て呆れていた。

 

「デュエルをするかと思って見に来れば・・・

ガラガラの観客席に教員が暴れて

生徒が見限って不戦勝って・・・」

「こんなん恥でしかないわよ・・・」

「ふわぁ・・・もう授業無いし寮に帰って寝よう・・・

十代ー、 一緒に寮に帰ろー」

「おーう」

 

十代と帰るひはつだった。

 

「・・・メグ、 君は如何思う?」

「如何って?」

「君はどのサイバー流の部活が残ると思う?」

「・・・・・・・知らない、 如何でも良い、 興味無い

暇潰しになるかと思って見に来たけどさぁ・・・」

「まぁまぁ・・・明日は流石にデュエルが行われるだろう」

「だと良いけど・・・」

 

メグと三沢も寮に帰ったのだった。

 

 

 

 

 

翌日、 生徒達が集まりサイバー流関係の部対抗戦が行われる事になった。

 

「それでは対抗デュエルを始めるノーネ!!」

 

司会はクロノスが勤める。

 

「その前に各部の代表を紹介するノーネ

新制サイバー流デュエル部、 災防 図!!

次世代サイバー流考察部、 浅井 隆二!!

サイバー・デュエル・テクノロジー・サークル、 クレバー!!

サイバー超流派交流会、 旦所 交際

サイバーパワークラブ・・・は対抗戦を辞退したノーネ」

 

第二サイバー流デュエル部に続きサイバーパワークラブも辞退した事に

ざわめく生徒達。

 

「気を取り直して今回のデュエルの形式を発表するノーネ!!

今言った4つの部で対抗総当たりのデュエルを行い

勝ち星が多い2つの部が存続となるノーネ!!

それでは最初の対戦カードは!!

新制サイバー流デュエル部VSサイバー超流派交流会!!

次世代サイバー流考察部VSサイバー・デュエル・テクノロジー・サークル!!」

 

デュエルリングに二組が入場する。

 

災防の相手の旦所は眼鏡をかけた活発そうな女子であった。

 

「貴方がだぶりの災防先輩?」

「いきなり失礼な奴だな・・・アンタは確か2年のホープか」

「へっへーん、 こう見えても強いんですよ、 私」

「あ、 っそ、 じゃあさっさと始めるか」

「えぇ!!」

 

「デュエル開始ナノーネ!!」

 

「「デュエル!!」」

 

「先行はやる」

「ありがたく貰います!! 私のターン、 ドロー!!」

 

旦所手札:5→6

 

「ライフを1000支払い簡易融合を発動!!」

 

旦所LP:4000→3000

 

「水陸両用バグロスをデッキから融合召喚します!!」

「バグロスぅ?」

「驚きましたか? 我がサイバー超流派交流会は

サイバー流と他の流派の融合にこそありです

そしてバグロスを生贄に偉大魔獣 ガーゼットを召喚します!!

ガーゼットは生贄に捧げたモンスターの攻撃力の2倍の攻撃力になります

つまりガーゼットの攻撃力はバグロスの倍の3700です!!」

「サイバー流の裏技のガーゼットか、 まぁそれ位してくれないと面白くないな」

「まだまだぁ!! 手札から融合を発動!!

サイバー・ドラゴン2体を融合素材にしてサイバー・ツイン・ドラゴンを召喚!!」

「中々の回りっぷりだな・・・」

「これでターンエンド!!」

 

旦所手札:6→1

 

「俺のターン、 ドロー」

 

災防手札:5→6

 

「セットカード無しか、 好きにやらせて貰おう

サイバー・ドラゴン特殊召喚、 エヴォリューション・バースト発動

ガーゼットを破壊する」

「うぐ・・・サイバー流で数少ない除去カードが来ましたか・・・

ついてない・・・」

「安心しろ、 まだまだこれからだ

プロト・サイバー・ドラゴンを召喚

サイバー・ドラゴン扱いのプロト・サイバーとサイバー・ドラゴンを生贄に

フォトン・ジェネレーター・ユニットを発動

デッキからサイバー・レーザー・ドラゴンを特殊召喚」

「う・・・そのカードは・・・」

「効果は知って居るな?

1ターンに1度、 このカードの攻撃力以上の

攻撃力か守備力を持つモンスター1体を破壊する事ができる

俺は当然サイバー・ツインを破壊」

「で、 でもこっちのライフは3000・・・まだ耐えられる・・・」

「オーバーロード・フュージョンを発動

墓地のサイバー・ドラゴンと名の付いたモンスター2体を素材に

キメラテック・ランページ・ドラゴンを融合召喚」

「そ、 そんな・・・」

「キメラテック・ランページ・ドラゴン

サイバー・レーザー・ドラゴンでダイレクトアタック」

 

旦所LP:3000→900→0

 

 

 

 

 

災防の1ターンキルに騒然とする会場。

 

「ば、 馬鹿な・・・」

 

祭新は膝から崩れ落ちた自分が顧問を務めるサイバー超流派交流会で

選抜したデュエリストがまさか1ターンキルされるとは・・・

 

「まぁ当然ね」

「そうだな」

「ですねー」

 

他の交流戦を行っている顧問達からは当然と言う目で見られる。

他の流派との融合と言うのは言い換えればサイバー流の純正を下げる行為である。

サイバー流こそ最強と信じる彼等にとっては愚行とすら見える。

そもそもサイバー流は高攻撃力で圧倒するデッキなのだから

他の流派のカードを入れれば展開が遅れる事は眼に見える筈である。

 

「祭新は教士の中での歴は長いけども上に上がれないから

目新しい物を取り入れたに過ぎない・・・勝てる訳が無いよね」

「それを言うなら最愛、 貴女もそうじゃないの?」

 

再読が最愛を見やる。

 

「? 如何言う意味?」

「貴女こそ、 自分の限界を感じてクレバーなんてAIに任せたんじゃないの?」

「ふっ、 馬鹿な事を

コンピューターは人間よりも素晴らしい可能性を秘めている

少なくとも私よりは賢い、 私はその可能性に賭けているだけよ」

「ふぅん・・・それは如何かなぁ・・・見て見なよ

こっちの代表とのデュエル」

「うん?」

 

 

 

 

浅井とクレバーのデュエル。

現在のターンプレイヤーは浅井。

 

 

浅井はこのターンにサイバー・ドラゴンを特殊召喚した後に

サイバー・ツイン・ドラゴンを融合召喚し

クレバーのフィールドにはモンスターが1体セットされ

カードが2枚セットされている。

 

「『守備』封じを発動、 セットモンスターを攻撃表示にして貰おう」

 

更に浅井は『守備』封じで守備すら封じて来た。

 

「ブロークン・ブロッカーが伏せて有ってもこれでは意味が無いな!!」

「セットモンスターはシャインエンジェルです」

「・・・シャインエンジェル、 か・・・」

 

浅井の表情が険しくなる。

シャインエンジェルならば戦闘破壊された場合

サイバー・ヴァリーを呼び出されてしまう。

 

「このターンには無理か、 ならば仕方がない

サイバー・ツイン・ドラゴンでシャインエンジェルを攻撃」

 

クレバーLP:4000→2600

 

「シャインエンジェルの効果発動

このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、

デッキから攻撃力1500以下の光属性モンスター1体を

表側攻撃表示で特殊召喚できる

2体目のシャインエンジェルを召喚」

「2体目? サイバー・ヴァリーじゃなくて?」

「はい、 2体目のシャインエンジェルです」

 

事も無げに言うクレバーの考えに戸惑う浅井。

 

「・・・サイバー・ツインの2回目の攻撃でシャインエンジェルを破壊」

 

クレバーLP:2600→1200

 

「3体目のシャインエンジェルを召喚します」

「・・・サイバー・ドラゴンでシャインエンジェルに攻撃」

 

クレバーLP:1200→500

 

「プロト・サイバー・ドラゴンを召喚します」

「サイバー・ヴァリーはデッキに入っていないのか?

なら好きにさせて貰おうか、 融合解除を発動してサイバー・ツインを

2体のサイバー・ドラゴンにしてサイバー・ドラゴンで

プロト・サイバー・ドラゴンに攻撃」

「セットしていた皆既日蝕の書を発動します」

「皆既日蝕の書?」

「フィールドの表側表示モンスターを全て裏側守備表示にします」

「面倒な効果だな・・・これでターンエンド」

「エンドフェイズに皆既日蝕の書の効果」

「ま、 まだ何か有るのか?」

「相手フィールドの裏側守備表示モンスターを全て表側守備表示にし、

その後この効果で表側守備表示にしたモンスターの数だけ

相手はデッキからドローする」

「え・・・」

 

つまり3枚ドローである。

 

「何なんだ・・・意図が分からん・・・」

 

浅井手札:0→3

 

「ドローしたこの瞬間、 永続罠便乗を発動します

これから貴方がドローフェイズ以外でカードをドローする度に、

自分のデッキからカードを2枚ドローします」

「分かった・・・」

「それでは私のターン、 ドロー」

 

クレバー手札:3→4

 

「カップ・オブ・エースを発動

コイントスをして表ならば私が裏なら貴方が2枚ドロー」

 

コイントス結果:裏

 

「2枚ドローして下さい、 便乗の効果で此方も2枚ドローします」

「っ・・・」

 

クレバー手札:3→5

浅井手札:3→5

 

「手札断殺、 暗黒界の取引、 墓穴の道連れ」

「うわあああああぁああああああああ」

 

 

 

 

 

 

 

「便乗決められた時点でもう終わってるわねぇ・・・」

 

観客席でつまらなさそうに見る最愛。

 

「便乗ターボ・・・」

「クレバーはドローが好きだからね」

「ま、 まだまだ・・・勝負はこれから・・・」

「いや、 多分無理だと思う

浅井君、 手札から発動出来る防御カード持ってる?

多分サイバー・ツイン3体出る迄、 手札交換とかでドローさせると思う」

「・・・・・」

 

頭を抱える再読であった。

 

 

 

 

 

 

最愛の宣言通り、 便乗による大量ドローで

10枚以上の手札を抱えたクレバーは融合や融合回収を駆使して

サイバー・ツインを3体召喚し

浅井のサイバー・ドラゴンを全て破壊し勝利したのだった。

 

「やっと終わったか・・・ふぁあ・・・」

 

災防はうんざりしながらクレバーと浅井のデュエルを見ていた。

と言っても途中からはクレバーがカードの効果処理で

カードをドローしているソリティアだったが。

 

「終わったようでスーノ、 では次の試合は」

「あ、 クロノス先生

次の試合の組み合わせは新制サイバー流デュエル部VS次世代サイバー流考察部

サイバー・デュエル・テクノロジー・サークルVSサイバー超流派交流会で

お願いします」

 

無常がクロノスに言った。

 

「え、 いや鮫島校長からは勝った者同士とデュエルさせる様にと・・・」

「いやいや、 だって無駄じゃ無いですか

さっきのデュエル見てたでしょう? 明らかに新制サイバー流デュエル部と

SDTCのデュエリストの実力は上じゃないですかぁ

総当たり戦だけどもここで2組が2勝上げてしまえば

上位二組は決まって後は省略出来ますよ」

「省略って・・・」

「観客席、 見て下さいよ」

「え?」

 

観客席はかなり白けている。

授業も無いので見に来たサイバー流とは無関係の生徒達はまばらに帰っている。

 

「こんな程度の低いデュエル、 さっさと切り上げて下さいよ

もう皆飽き飽きしているんです」

「あー・・・分かったノーネ・・・

新制サイバー流デュエル部VS次世代サイバー流考察部

サイバー・デュエル・テクノロジー・サークルVSサイバー超流派交流会ナノーネ」

 

最早消化試合と生徒の大半が帰って行った。

デュエルの勝敗も無常や大半の生徒達の想った通り

新制サイバー流デュエル部とサイバー・デュエル・テクノロジー・サークルの

勝利に終わり、 存続する部活もこの二つになったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

サイバー流の部対抗戦が終わり

ひはつは自室でデュエルモンスターズオンラインをプレイしようとしていた。

 

「ん? 何だコレ?」

 

メールが何故か大量に送られていた

内容はどれもチャットに来て欲しいとの事

デュエルをしたかったが仕方がないとチャットルームに入ったひはつだった。

 

 

 

 

ペッパー:R2700

こんばんはー

 

五行:R2212

キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

 

カウントマン:R1030

待ってたぞ!!

 

クラスタ:R2050

ktkr!!

 

エリンギ:R2300

キタ――(゚∀゚)――!!

 

マシュマロ:R2600

キタ━━━━(>д<)━━━━!!

 

ペッパー:R2700

如何したのさ?

皆して集まって

 

五行:R2212

今日デュエルアカデミアのサイバー流のデュエリスト達が

デュエルする動画上がったんだよ。

そのデュエル内容があまりにも一方的でマジ?

って話になっているんだ。

 

エリンギ:R2300

サイバーにバグロス組み合わせるとか無いだろー

って話になっているんだよ

サイバー流の集まりでは

『あんなみじめなデュエルをするサイバー流は居ません!!

指導者は何をしているんだ!!』って言ってた

 

カウントマン:R1030

釣りだろって言われてるけど、 マジの話?

って事でデュエルアカデミアの生徒のペッパーを待っていたって言う事だ

 

ペッパー:R2700

あぁ・・・本当だよ

正直ボロ負けとボロ勝ちで別れていたよ

 

エリンギ:R2300

マジか、何でそんな実力差があるのにデュエルしたんだ?

 

ペッパー:R2700

サイバー流関係の部活が多過ぎるから

部の存亡を賭けてデュエルしてたんだよ

 

五行:R2212

なるほどなぁ・・・負けた連中は気の毒に・・・

顧問が雑魚だったのかぁ・・・

 




災防 図のデッキ
サイバー・レーザー・ドラゴンやレボリューション・バースト等
サイバー流で認められた除去カードを扱う
またサイバー・バリア・ドラゴンの扱いも上手い

旦所 交際のデッキ
バグロス流混合のサイバー流
バグロスは機械族サポートが共有出来ているが
態々共有させる意味は薄い

浅井 隆二のデッキ
次世代サイバー流考察部が考案した次世代サイバー流デッキ
相手が防御を防ぐ『守備』封じや太陽の書を搭載している。
またリスペクトデュエルギリギリの手として
カウンター罠を封じるカウンター・カウンターもデッキに入れているが
仕様出来るのは稀である。


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学園と教師と生徒の今後(*´з`)

でゅえるきんぐを変換して決闘王となるのは吃驚した


クロノスを校長室に呼び出した鮫島。

 

「クロノス先生・・・申し訳無いのですが

武藤遊戯のデッキの公開イベントを貴方にお任せしても良いでしょうか?」

「ど、 如何したノーネ・・・

校長顔色が悪いノーネ・・・」

「実はサイバー流デュエル部対抗のデュエル動画が流出しまして

その対応に追われているのです・・・」

「対応? ですノーネ? でも特に問題は無いのデーワ?

確かにレベル差は有りましたノーネ

それでも問題行動は無かった筈ナノーネ」

「いえ・・・レベルが低いデュエルを行った事が問題なのです・・・

サイバー流関係者からは

『サイバー流の名を冠す部活ならもっとレベルの高いサイバー流の

デュエリストを講師にするべき』や

『サイバー流と言うだけで講師を決めて

サイバー流の名を貶めている』とか・・・」

「・・・・・」

 

それはサイバー流の問題で学校とは関係無いのでは?

と思ったが言うのは止めた。

 

「任せるノーネ!! 無事武藤遊戯のデッキを公開するノーネ!!」

「お任せします・・・」

「「校長!!」」

 

慌てて校長室に入って来た才眠と最愛。

 

「ど、 如何しました二人共?」

「債務が居ません!!」

「債務先生が? 一体何処に・・・」

 

 

 

 

 

 

サイバー流関係の部活動のゴタゴタによる影響で

ストップしていた授業が再開した。

これで漸く元通り、 と言う訳にも行かない

債務は『探さないで下さい』と言う書置きを残して行方不明になり

解体されたサイバー流部活動の部員達の身の振り方の問題

遅れを取り戻す為に急ピッチで授業が行われ宿題も山と出された。

そんな中で急遽決まった武藤遊戯のデッキの公開イベント。

生徒としては悩ましいが見る価値が有るとして

デッキの公開には大勢の生徒が参加した。

 

「・・・・・」

 

青くなって職員室で舌を出して瀕死になっているクロノス。

 

「クロノス先生、 大丈夫ですか?」

「佐藤先生・・・だ、 大丈夫ナノーネ・・・

栄養ドリンクとか色々飲んでいるノーネ・・・」

 

クロノスの疲労は限界を超えているので、 限界を超えて

栄養ドリンクやら栄養剤やらエナジードリンクを飲んでいるのだった。

 

「クロノス先生が今回の決闘王のデッキ公開を任された時は

クロノス先生が教頭の座に近付いた、 と思ったが・・・

任されなくて良かったな」

「行方不明になった債務とかサイバー流の連中の後始末とか・・・

考えるだけでぞっとするね」

 

ランニングマンと最愛が談話していた。

 

「最愛は何かしなくて大丈夫なのか?」

「問題無い、 寧ろ才眠の方が問題が有るかな」

「才眠が? 何で? 第二サイバーを併合したんだがら

寧ろウハウハじゃあ?」

「1つの部活動の上限は60人って決まっているのよ」

「あぁ・・・第二サイバーって何人だっけ?」

「51人、 第三サイバー流デュエル部が

32人だから23人が部活に入れないわね」

「そりゃあ気の毒だなぁ・・・何事も無ければ良いんだが・・・」

 

 

 

 

 

何事も無い訳が無かった。

 

「三沢く~ん、 ちょっと良いかな?」

 

ラー・イエロー寮で寮長の樺山が三沢を呼び出した。

 

「如何したんですか?」

「面倒な事になっちゃって」

「面倒?」

「食堂に立てこもりをしてる子がいる・・・」

「立てこもり?」

 

三沢が食堂に行くと机と椅子でバリケードを作って立てこもりをしている

ラー・イエローの生徒が何人か居た。

野次馬も何人か集まっていた。

 

「本当だ・・・何しているんだ、 こいつ等・・・」

「お前等一体何してるんだ!!」

 

武藤遊戯のデッキのゴタゴタで

十代に感化されて十代の恰好をしている神楽坂が叫ぶ。

 

「俺達は元第二サイバー流デュエル部で

新制サイバー流デュエル部に入部出来なかった!!」

「・・・それとこの立てこもりが何の関係が有る!?」

「俺達は不当な理由で入部出来なかった!!」

「不当な理由?」

「そうだ!! 俺達イエローよりも格下のレッドが

第三サイバー流デュエル部には居た!!

普通に考えてレッドを追い出して上の実力の

ラー・イエローやオベリスク・ブルーを入れるべきだろ!?」

「オシリス・レッドにも強いデュエリストは居るぜ!!」

 

神楽坂が叫ぶ。

 

「俺達はこの待遇の扱いの悪さを講義する為にこうして

立てこもりを行っている!!」

「ふざけんな!!」

「飯の時間だぞ!!」

「こっちは腹減ってるんだ!!」

 

わーわーと騒ぐ寮生達。

 

「わかった、 寮長として大事にしたくない

ここはデュエルで解決しよう

こっちがデュエルで勝ったら立てこもりを止めて下さい」

「良いだろう!! 誰が相手になる!?」

「じゃあ三沢君、 頼めるかい?」

「分かりました、 第二サイバー流デュエル部の実力は

俺も気になっていた所だ!!」

「ではそちらの代表は?」

「この俺!! 佐伯 色男(さいき いろお)が相手をしよう!!」

 

前に出たのはやや濃い顔をした男子生徒だった。

 

「「デュエル!!」」

 

 

 

「あ、 待て三沢、 デュエルをする前に一つ良いか?」

 

佐伯が静止した。

 

「何だ?」

「不公平じゃないか? このデュエル」

「何が?」

「こっちはサイバー流で戦う、 つまりデッキの中身が

ある程度絞れている、 と言う訳だ」

「それはそうだが・・・そのリスクを負ってサイバー流を

始めたんじゃないのか?」

「まぁ、 聞け、 この戦いは負けられないデュエルだ

こちらも相応のハンデが欲しい」

「と言うと?」

「三沢、 お前が6つの属性デッキを使う事は知っている

何属性のデッキを使うか教えてくれ」

「風属性だ」

「そうか、 分かった、 礼として先行は譲ろう」

「ありがたく頂こう、 俺のターン、 ドロー!!」

 

三沢手札:5→6

 

「何が『礼として』だ、 サイバー流は後攻有利の戦術じゃないか!!」

 

神楽坂が叫ぶ。

 

「神楽坂、 その心配には及ばない

俺は烈風の結界像を召喚する、 そしてデザートストームを発動し

カードを1枚セットしてターンエンドだ」

 

三沢手札:6→3

 

「俺のターン、 ドロー!!」

 

佐伯手札:5→6

 

「俺はサイバー・ドラゴンを特殊召喚!!」

「出来ないぞ」

「は?」

 

ぱし、 ぱし、 とデュエルディスクにサイバー・ドラゴンを置いても反応しない。

 

「な、 何故だ!?」

「烈風の結界像がフィールドにある限り

お互いは風属性モンスターしか特殊召喚できない」

「な、 何ィ!? ひ、 卑怯だぞ!!」

「何を言っているんだ、 さっき風属性デッキを使うと言っただろう

ならば対策は立てられた筈だ」

「あの数秒で対策立てられるか!!」

「ならばデッキを組み替えれば良かっただろう」

「貴様ぁ!!」

 

椅子を持ち上げる再起。

 

「再起君!! サイバー流のデュエリストは暴力を人に振るうのかい!?

違うだろう!?」

「ぐっ・・・ぐぐ・・・」

 

樺山の言葉に椅子を降ろす再起。

 

「・・・所詮デザート・ストーム込みで攻撃力が1500になっているモンスター

この程度・・・簡単に攻略出来る!!

サイバー・ドラゴン・ツヴァイを召喚!!

そして烈風の結界像に攻撃!! このカードが相手モンスターに攻撃する

ダメージステップの間、 このカードの攻撃力は300アップする!!」

 

三沢LP:4000→3700

 

「ぃよっし!! これで厄介なカードは消え去った!!」

「そう思うのはまだ早いぞ

自分フィールドの表側表示の風属性モンスターが

戦闘または相手の効果で破壊された場合に手札から

満天禍コルドーを特殊召喚する」

「な、 何だと・・・攻撃力2600・・・

いやデザート・ストームの効果で3100か・・・

しかしサイバー流の敵では無い!!

メインフェイズ2!! 俺は手札の融合を見せて

サイバー・ドラゴン・ツヴァイをサイバー・ドラゴン扱いにする!!

そして手札のサイバー・ドラゴンとフィールドのサイバー・ドラゴンを融合!!

サイバー・ツイン・ドラゴンを召喚!!

カードを1枚セットしてターンエンドだ!!」

「エンドフェイズにサイクロンを発動、 セットカードを破壊する」

「リミッター解除がああああああああああああああああああ!!!」

 

佐伯手札:6→2

 

「俺のターン、 ドロー!!」

 

三沢手札:3→4

 

「幻のグリフォンを召喚!!

コルドーでサイバー・ツイン・ドラゴンに攻撃!!

そして幻のグリフォンでダイレクトアタック!!」

 

佐伯LP:4000→3700→1200

 

「お、 俺のサイバー・ツインが・・・」

「カードをセットしてターンエンド!!」

 

三沢手札:4→2

 

「お、 俺のターン、 ドロー!!」

 

佐伯手札:2→3

 

「くっ・・・コルドーを倒せるカードが無い・・・」

 

俯く佐伯。

暫く黙って唐突に話し始めた。

 

「・・・如何やら俺の負けの様だ・・・」

「ちょ、 何言ってんだ佐伯!!」

 

立てこもっている生徒から罵声が飛ぶ。

 

「だがな・・・・・だが三沢よ

強いお前ならばレッドが幅を利かせる現状を見て如何思う?」

「レッドが幅を利かせている?

俺はそんな風に感じた事は無いな」

「何を言っている・・・・・イエローを差し置いてレッドが部に残るなんて

明らかに変だろうが・・・・・」

「そうかな、 前から部に残っていた者を残すのは変では無いと思う」

「贔屓では無いのか?」

「後から来た奴を贔屓する事も無いだろう」

「・・・・・百歩譲ってそうだとしよう

だが調子に乗っているレッドが居るのも事実だ

例えば遊戯十代や青文字ひはつ・・・・・奴等は・・・」

「十代は調子に乗っていない!!」

 

神楽坂が叫ぶ。

 

「奴は強い!! 正当な振舞だ!!」

「・・・更に百歩譲ってだ・・・・・レッドが幅を利かせるのは変だ

立場の差を明らかにしないと風紀が乱れるだろう」

「立場の差ねぇ・・・寮毎に待遇の差があるからそれで充分だろう

それにだ、 俺から見てお前はラー・イエローで有る事を疑うレベルだ」

「何だとぉ!!」

 

激昂する再起。

 

「デュエルで決着をつける筈なのにこんな口先で誤魔化そうとしているからね

さっさとデュエルを進めてくれ」

「モンスターをセットしてターンエンド」

 

佐伯手札:4→3

 

「・・・・・ん?」

「俺のターン、 ドロー」

 

三沢手札:2→3

 

「佐伯、 それで良いのか?」

「何がだ?」

「分かっているだろう?」

「・・・・・何がだ?」

「・・・・・」

 

三沢と佐伯が見つめ合う。

 

「・・・残念だよ、 佐伯」

「・・・そう言う事か・・・」

 

心底冷めた目になる三沢と神楽坂。

 

「・・・・・手札を1枚捨ててサンダー・ブレイクを発動

セット・モンスターを破壊、 そしてコルドーでダイレクトアタック」

「っ~~~!!」

 

佐伯LP:1200→0

 

 

 

 

 

佐伯が膝から崩れ落ち

セットしていたモンスターがデュエルディスクから零れ落ちた。

 

「!? 佐伯、 お前!! これ・・・ペンギン・ソルジャーじゃねぇか!!」

「あ・・・」

 

立てこもっている仲間から胸倉を捕まれる佐伯。

 

「お前!! リスペクト精神を忘れたか!?」

「勝たなきゃいけないデュエルだった!! すまない・・・」

 

涙ながらに訴える佐伯。

胸倉をつかんだ仲間は静かに手を離したのだった。

涙ながらに元第二サイバー流デュエル部の

生徒達は立てこもりを止めたのだった。

 

 

 

 

 

 

「三沢、 気が付いてたろ?」

「あぁ・・・」

 

こっそりと耳打ちする三沢と神楽坂。

 

「あのペンギン・ソルジャー

デッキの外から持って来てたな」

「最後のドローの後、 手札が1枚増えてた・・・」

「神楽坂、 言うなよ、 死体に鞭打つ真似だからな」

「分かってるよ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

「と言う事がイエロー寮で有ってな」

「・・・・・」

「・・・・・あのー・・・何でレッド寮に居るんスか?

神楽坂さん」

 

レッド寮の十代と翔の部屋で愚痴っていた神楽坂。

 

「そりゃあ・・・今の俺は十代、 お前がフェイバリットだから!!」

「答えになってないぞ・・・

と言うかイエローのたてこもりが有ったから如何だって言うんだ?」

「僕が新制サイバー流デュエル部だから来たんスか?」

「いや、 そうじゃないよ・・・

俺のデュエルの源流は憧れだ」

「憧れ?」

「そう、 憧れているから真似をする

そして強くなる、 あらゆる物事って師匠の真似から始まるだろう?

そう考えてサイバー流に師事してあぁなった連中を見るとな・・・」

 

視線を外す神楽坂。

自分もああなってしまうのかと。

 

「俺にはよくわからねぇよ、 ひはつに聞いて見たら?」

「ひはつかぁ・・・あのイマイチつかみどころのない奴か・・・

あんまり好きじゃないけどなぁ・・・」

「でもデュエル強いしな、 今ならまだ起きているんじゃないか?」

「そうか・・・じゃあ行って見るか」

 

ひはつの部屋に向かう神楽坂達。

デュエルモンスターズオンラインでのデュエルが一区切りしていたひはつが

話を聞いて一言。

 

「いや、 僕に聞かれてもわかんないよ」

 

そらそだな

 

「強くなりたければ只管デュエルすれば良いんじゃないの?」

「そこを何とか・・・」

「ん-、 じゃあ皆に聞いてみようか」

「皆?」

「ネット上のチャットで意見を求めよう」

「それが良いのかもなぁ・・・」

 

画してネットの猛者達に意見を聞く事になった。

 

 

 

 

ペッパー:R2700

デュエルに強くなるには如何したら良いかって相談された。

 

五行:R2212

相談した奴のスペックは?

 

ペッパー:R2700

ラー・イエロー、 人のデッキをコピーするのが得意で

戦術も大体真似られる。

 

カウントマン:R1030

コピーデッカーかよwww

 

クラスタ:R2050

人を真似るなら強い奴を真似れば良いんじゃないの?

 

 

 

「辛辣だな、 こいつ等」

「まぁ強くなるのに近道は」

 

 

 

モスマン:R6800

模倣するのなら最高の模倣元を求めよ

至高の模倣元を求めよ、 究極の模倣元を求めよ

史上最強のデュエリストを超えるデュエリストを想像せよ

その想像のデュエリストを超えるデュエリストを想像せよ

最強を求めよ、最強を求めよ、最強を求めよ

強さが欲しければ我が元に来たれ、歓迎しよう

 

カウントマン:R1030

ポエムノートに書け

 

 

 

 

「この人は?」

「偶に来るトップレートの人、 強いけど偶に変なポエムを書いて

自分のギルドに勧誘して来る」

「ふーん、 しかし最強のデュエリストを想像して模倣せよか・・・

やってみよう」

「絶対適当な事書いているだけだと思うけど・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃、 デュエルアカデミアの特待生寮。

今は誰も使わなくなった部屋の一室。

一人の男が狼狽していた。

 

「やばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばい!!」

 

サイバーパワークラブ元顧問、 債務 片。

彼は顧問と言う立場を利用して部費の横領をしていたのだった。

サイバー流として芽が出なかった自分が

若く何も分かっていない生徒達を利用して

顧問と言う立場を築き上げ資産を溜めた

その金を勝負金としていたのに、 その金が溜まる前に

部が立ち消えそうになった。

部対抗で負けない為にサイバー流では御法度の除去カードを使う様に言ったら

棄権され、 横領がバレる前に逃げ出した。

 

「・・・・・」

 

逃げる際に持って来た荷物の中の横領した金を見る債務。

金を銀行で預けるのは逆に危険と判断した。

何故ならサイバー流にはサイバー流デュエリストに対し

高利の利息を付けるサイバー銀行と言う銀行系列がある。

サイバー銀行に預ければ何処から金を入手したと聞かれ

サイバー銀行に預けなければ何故他行に預けたと聞かれるからだ。

 

「何とか定期船に紛れてこの島から脱出しないと・・・」

「動くな」

「!?」

 

 

 

 

 

 

そんなサスペンスが行われている頃。

デュエルアカデミアノース校の校長室。

校長の市ノ瀬はテレビ電話で通話をしていた。

通話相手は万丈目グループの総帥にして万丈目の父親、 万丈目 広大。

 

『市ノ瀬校長、 ウチのせがれは如何ですかな?

デュエルだけが取り柄なのに勝手にそちらに転学したと聞いて

少し心配なんですが』

「息子さんはキング、 つまり此方で男子最強のデュエリストになりましたよ」

『ほほぅ!! それは凄い!!

つまり近日中に行われるという噂の本校との対抗戦に息子が出ると?』

「普段ならば本校と我がノース校だけでしたが今回は更に他の分校も

対抗戦に参加するとの事です」

『それは凄いですなぁ!! 実はその対抗戦をテレビ放映しないかと

テレビ業界から話が舞い込みまして』

「残念ですが厳しいと思います」

『厳しい? 何故?』

「実は私は前々から対抗戦についてある不満が有りまして

その不満を他の分校の校長と相談した結果

彼等も納得しましてね、 正式に書面に出してオーナーの

海馬コーポレーションに提出する予定です。

その結果対抗戦に関しては変わった形式になると思います

それ故、 テレビサイズに収まらないと思いますので・・・」

『その不満とは一体?』

「それはですね」



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対抗戦にまつわるトライアングル('ω')ノ(*´Д`)

「な、 何ですと!? そんな馬鹿な!!」

 

校長室で思わず立ち上がる鮫島。

 

「こ、 こんな馬鹿な事が・・・これは・・・これは・・・」

 

ガタガタと震える鮫島、 送られて来たメールの内容に戦慄している。

 

「一体如何しました?」

 

無常が鮫島に尋ねる。

 

「対抗戦の代表を5人にすると・・・」

「どういう事ですか?」

 

デュエルアカデミアの5つの分校。

ノース校、 アークティック校、 ウェスト校、 サウス校、 イースト校

彼等が連盟で海馬コーポレーションに出した嘆願の内容はシンプルな物である。

『強いデュエリストを輩出するのがデュエルアカデミアの目的であるが

昨今の対抗戦を見ると本校は丸藤 亮が代表として2年連続で出ている

これは強いデュエリストに乗っかっているだけでデュエリストの育成という観点で

学校としての優劣を決める事には繋がらないと判断し

各校5人の代表を選出する事で学園全体の実力を見る事になる』

と言う嘆願が通り、 対抗戦は5人の代表を選出する事になったのだった。

 

「代表を5人出せば良いじゃ無いですか

強いと評判の第一サイバー流デュエル部も居るんですし」

「・・・・・」

 

頭を抱える鮫島。

 

「一体何が問題なんですか?」

「第一サイバー流デュエル部の顧問に借りを作りたくない・・・」

「下らない、 この対抗戦の勝敗でデュエルアカデミアに優劣が付くんですよ?

そんな事を気にして如何しますか?」

「・・・・・」

 

第一サイバー流デュエル部部長、 天野 才覚を校長室に呼び出し

事情を説明した。

 

「なるほど、 事情は分かりましたが

代表は我々じゃない方が良いでしょう」

「な、 何を言っているんですか!?

サイバー流の中でも貴方程の実力を持つ者は少ない!!」

「カイザーが居るのだから同門が出る幕は無いでしょう

サイバー流以外から選出するのが得策かと」

「・・・・・」

 

亮が居るのだから亮より実力が劣るサイバー流を

代表者に入れるメリットは低い、 と言いくるめた天野。

天野の本音は対抗戦で無様を晒して

将来の就職に悪影響を与えたくないのが本音である。

負けるかもしれない大事な局面のデュエルは受けないに限る。

 

「分かりました・・・それでは選出を考えましょう・・・」

「では失礼しますー」

 

 

 

 

 

 

天野が去った後、 亮以外の代表者4人を決める為に

職員達と会議を始める鮫島。

 

「クロノス先生に勝った、 遊戯、 青文字、 友愛の3人は入れたい」

「いやいやイエローの三沢も捨て難い」

「ブルーを差し置いてレッドとイエローから出すのは如何かと思います」

「それならば災防 図は如何でしょうか?

同じサイバー流ですし優秀かと」

「すみません、 災防は来週から長期インターンに入りますので

長い間デュエルアカデミアから居なくなります」

「ならもけ夫君は如何ですか?」

「やる気の無い者にやらせる訳には行かない」

 

会議は踊るが進まなかった。

 

 

 

 

 

 

 

「そこで俺ですか?」

「そう言う事ナノーネ」

 

職員室に呼び出された亮。

 

「先生方で決められないから俺に決めて欲しいと?」

「そうでは無い、 生徒側の意見も聞いておきたいと思った迄だ」

「・・・・・まずは十代とひはつ、 そしてメグ

この三人は鉄板だと思います、 クロノス先生に勝ち

そしてひはつとメグは童実野町のデュエリストにも勝った

この功績は大きいでしょう」

「しかしレッド寮の生徒ですよ? 少々問題では?」

「実力が有れば問題では無いでしょう

そして残る一人はAIのクレバーを推薦します」

「「「クレバー!?」」」

「く、 クレバーを代表に出す? ですって?」

 

最愛が震えた。

自分の技術力を知らしめるチャンス。

しかし何故代表に?

 

「ちょ、 ちょっと待て、 何故クレバーなんだ?」

「俺は今まで学園の代表としてアマチュアの大会に出た経験があります

その大会は年齢制限が無く大人とのデュエルも体験しました

今まで同年代の相手としかデュエルした事が無かったので

不慣れで実力の全てが発揮出来なかった

不慣れな事は恐ろしい」

「なるほど、 クレバーは高度なAI

AIとのデュエルに慣れていない者は多い筈・・・と言う事か」

「しかし所詮はAI、 人間より秀でているのか?」

「明日香を倒したんだ、 実力は充分かと」

「機械が代表と言うのは少々心許ない・・・

もう少し推敲しよう」

「・・・よ」

 

亮がぼそりと呟いた。

 

「ん? 何だって?」

「文句言うならなら初めから俺の意見なんて求めないで下さいよ!!」

 

スタスタと職員室から立ち去った亮。

 

「鮫島師範代、 カイザーってあんなんでしたっけ?」

「いや、 もっと落ち着きの有る子だった筈・・・」

 

 

 

 

 

 

対抗戦の代表がまだ決まっていないと言う情報はアカデミア中を駆け巡った。

話題は対抗戦の代表に誰が選ばれるか、 と言う事になっていった。

 

「でも、 ここはそういう話題とは縁遠いですね」

 

ぽりぽりとキュウリを食べながら園芸部の畑で休んでいるメグ。

 

「良い漬かり具合だろう? そのキュウリ」

 

斎苑がキュウリの出来具合を聞いて来る。

 

「ばっちり、 コンビニの一本漬けとはレベルが違いますね

でもタタキューとかも食べたい」

「幽霊部員なのに贅沢だなぁー」

 

文句を言いながらも自慢の作物を褒めて貰って嬉しい斎苑。

 

「所で今度の対抗戦、 出るのかい?」

「まぁ要望が有れば出ようかと思います」

「『要望が有れば出ようかと』? ちょっとやる気無いんじゃないのぉ?」

「良かったですわ

ならばわたくし達が出れるチャンスが有ると言う事ですわね」

「ん?」

 

現れた二人の美少女。

 

「どこかで見た様な・・・」

「私は藤原雪乃」

「わたくしは海野幸子ですわ」

 

タッグフォースに出ていたデュエリストである。

 

「えーっと・・・何の用?」

「私と海野ちゃんは代表戦に出たいのよぉ・・・

それで代表に近い貴女を降しに来たの」

「ふーん・・・おっけー」

 

ぽりぽりぽりと残ったキュウリを全て食べ終えるメグ。

 

「こうして畑で美味しい野菜を食べる青春も良いけど

同年代の女子高生と遊ぶのも青春よね」

「青春ねぇ」

「遊びのつもりでは無く本気で来ていますよ、 わたくしは」

 

キッ、 と睨む海野。

 

「私何か気に障る事した?」

「天上院さんが転学してからと言う物のブルー女子は

聊か精彩を欠いてしまいました」

「あの子はアイドルと言っても良かったわね、 癪だけど」

「ブルー女子が軽んじられていると思います」

「実際女子は全員ブルーだからね、 実力は疑問だと思うよ」

「だからその疑問を私達の力で解決しようと思います

圧倒的な力を見せつける」

「それだったら遊戯や青文字とデュエルしたら如何だ?」

 

若い男の声が聞こえる。

 

「誰!?」

「ここだ」

 

声のした方を見るとそこにはカボチャが

ご丁寧に顔の形に穴が空いている。

 

「カボチャ?」

「何故この季節に?」

「私はマフティー・エリンだ」

 

カボチャを被った全身タイツの男が現れた。

 

「な、 何者?」

「私はマフティー・エリンだ」

「いや、 誰・・・」

「私はマフティー・エリンだ」

「・・・・・」

「ブルー女子をの力を見せつけたいなら他の寮の奴に喧嘩を売れば良いと思う

態々同じブルー女子と戦っても仕方がない、 違うか?」

「見た目と違って正論を言いますわね・・・」

「でも私はメグちゃんにも興味が有るのよねぇ」

「私は別にデュエルしても良いけど?

何なら3人でやる?」

「バトルロイヤル、 か」

 

3人以上で行うバトルロイヤルデュエル。

ルールとしては通常と変更が有る所は

①全員第一ターンは攻撃不可

②お互いに○○と言う効果が全員に適用される

である。

 

「じゃあ順番は私、 藤原、 海野の順番で良いね?」

「それで良いわ」

「構いませんわ」

「じゃ、 始めますか」

 

「「「デュエル!!」」」

 

 

 

 

 

「始まったな、 斎苑爺さん」

「そうだなマフティー」

 

斎苑とマフティーが脇で見守っている。

 

「雑に始まったが藤原と海野、 彼女達も実力者だ

並の相手ではない、 メグと言えども二人相手に勝てるとは思えない」

「これはバトルロイヤル、 立ち回りが肝心だ」

 

 

 

 

 

 

 

「私のターン、 ドロー」

 

メグ手札:5→6

 

「イービル・ソーンを召喚して効果発動

相手ライフに300ダメージを与えてデッキから同名モンスター2体を特殊召喚

藤原に300ダメージ」

 

藤原LP:4000→3700

 

「この程度なんて事無いわ」

「別にどうでも良いよイービル・ソーンを生贄に

超栄養太陽を発動、 デッキからイービル・ソーンの

レベル+3以下のレベルを持つ植物族モンスター1体を

手札・デッキから特殊召喚する

デッキからローンファイア・ブロッサムを召喚

そしてローンファイア・ブロッサムを生贄にして効果発動

デッキからギガプラントを特殊召喚

カードを2枚セットしてターンエンド」

 

メグ手札:6→2

 

「じゃあ次は私のターンね、 ドロー」

 

藤原手札:5→6

 

「黄泉ガエルを召喚、 生贄に捧げてモンスターゲートを発動

通常召喚可能なモンスターが出るまで自分のデッキの上からカードをめくり、

そのモンスターを特殊召喚する

残りのめくったカードは全て墓地送りね

じゃあ捲るわよ」

「捲らないで良いよ、 イービル・ソーンを生贄に

カウンター罠発動ポリノシス

モンスターゲートを無効にする」

「せっかちね・・・ターンエンド」

 

藤原手札:6→4

 

「わたくしのターン、 ドロー!!」

 

海野手札:5→6

 

「ライフを1500ポイント支払ってスター・ブラストを発動!!

手札の超古深海王シーラカンスをレベルを3下げて生贄無しで召喚!!」

 

海野LP:4000→2500

 

「そして手札を1枚捨ててシーラカンスの効果発動!!

デッキからレベル4以下の魚族モンスターを可能な限り特殊召喚する!!

わたくしはデッキからオイスターマスターと

3体のレインボー・フィッシュを全て守備表示で特殊召喚!!

そしてカードを3枚セットしてターンエンドですわ!!」

 

手札から捨てたカード

揺海魚デッドリーフ

 

海野手札:6→0

 

 

 

 

 

「ふむ、 三者三様の有様になったな・・・如何思う爺さん?」

「メグはモンスターの展開を妨害

そして海野はモンスターの大量展開

急き過ぎかもしれんがバトルロイヤルでは弱みを見せた者から

狩られるのがセオリー、 ならば急いても問題は無い

とは言えフィールドにカードが無い藤原

手札0枚の海野、 極端な場になったな・・・」

 

 

 

 

 

 

「ここからが本番ね、 ドロー」

 

メグ手札:2→3

 

「ギガプラントを再度召喚」

「オイスターマスターを生贄にフィッシャーチャージを発動ですわ!!

ギガプラントを破壊して1枚ドロー!!」

 

海野手札:0→1

 

「生贄になったオイスターマイスターの効果で

オイスタートークンを残します!!

そしてトークンを生贄に水霊術-「葵」を発動!!」

「それは駄目、 魔宮の賄賂で無効にする」

「む・・・」

 

海野手札:1→2

 

「死者蘇生を発動、 ローンファイア・ブロッサムを墓地から特殊召喚

そしてローンファイア・ブロッサムを生贄に

桜姫タレイアをデッキから特殊召喚

更に思い出のブランコを発動、 ギガプラントを墓地から特殊召喚」

「折角倒したのにもう出て来るとは・・・雑草みたいですわね」

「そうね、 じゃあ雑草のタレイアで雑魚のシーラカンスを殴り倒す」

「それは駄目ですわ、 皆既日蝕の書を発動

フィールドのモンスターは全て裏守備になりますわ」

「なるほど、 シーラカンスの効果で攻撃も効果も使えない魚達をこう捌くとは

良い料理人になれるよ」

「料理人には興味無いですわ」

「ふん、 手札を1枚セットしてターンエンド

エンドフェイズに裏守備になったギガプラントとタレイアは表守備になって

2枚ドロー」

 

メグ手札:0→2

 

「私のターン、 ドロー」

 

藤原手札:4→5

 

「てっきり私に攻撃が来ると思ったけど無傷ね」

「貴女の推理ゲートでしょ? 流石に攻撃する気は無いよ

手札にゴーズでも抱えてるかもしれないし」

「・・・・・」

 

アタリである、 彼女の手札にはゴーズが有る。

 

「スタンバイフェイズに黄泉ガエルが復帰

黄泉ガエルを生贄に冥界の魔王 ハ・デスを召喚」

「あぁ、 なるほどね、 墓地からの特殊召喚は出来ないけど

デッキからは出来るから相性はそこそこ良いのか」

「ハ・デスでシーラカンスに攻撃」

「破壊されますわ、 でもこっちにはモンスターがたっぷりですわ」

「まるで魚市場ね・・・ターンエンド」

 

藤原手札:5→4

 

「わたくしのターン、 ドロー!!」

 

海野手札:2→3

 

「レインボー・フィッシュ達を攻撃表示に変更

そして団結の力を装備させます

団結の力を装備していないレインボー・フィッシュでタレイアに攻撃!!」

「残念、 ミラーフォースでモンスター全部破壊よ」

「うぐ・・・モンスターをセットしてターンエンドですわ・・・」

 

海野手札:3→1

 

 

 

 

 

「あっさりと全滅か・・・」

「だが蘇生カードが有ればシーラカンスは容易く蘇る

まだまだ分からないぞ」

 

斎苑の言葉に考えるマフティー。

 

「いや・・・普通に殴られて終わりだろう

罠も伏せてないし・・・」

「如何かな?」

 

 

 

 

「モンスターが居て手札3枚の状態で

伏せ無しライフ2500の状態で倒せない方が可笑しいでしょ

ドロー」

 

メグ手札:2→3

 

「それもそうですわね」

「そうねぇ」

「まぁ、 これはバトルロイヤル

直ぐに一人脱落させるのは得策じゃないわね」

「そうですわね」

「だねぇ」

「まぁ、 前のターンの礼をしてやらなきゃ気が済まないから落とすけどもね」

「「後悔するぞ」しますわよ」

 

藤原にも攻撃するのが定石手、 しかしメグ

これをスルー。

 

「タレイアとギガプラントを攻撃表示に変更

増草剤を発動、 墓地からローンファイア・ブロッサムを特殊召喚

ローンファイア・ブロッサムを生贄に姫葵マリーナを召喚

次にアームズ・ホールを発動、 デッキトップを墓地に送って

スーペルヴィスを手札に加え、 ギガプラントに装備させる」

 

墓地に送られたカード

キラー・トマト

 

「ギガプラントの効果でローンファイア・ブロッサムを墓地から特殊召喚

生贄に捧げてデッキから椿姫ティタニアルを召喚

ギガプラントで海野のセットモンスターに攻撃」

「セットモンスターは素早いマンボウですわ!!

このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時に

自分のデッキから魚族モンスター1体を墓地へ送り

その後、 自分のデッキから素早いマンボウ1体を特殊召喚する事ができます!!

私はデッキから素早いアンコウを墓地に送って

素早いアンコウの効果発動!!

このカードが手札・デッキから墓地へ送られた場合

デッキから素早いアンコウ以外のレベル3以下の

「素早い」と名のついたモンスターを2体まで特殊召喚できます!!

私は素早いマンタを2体と素早いマンボウ1体を守備表示で特殊召喚!!」

「一気に壁を展開したか・・・

なら仕方ない、 ここは素直に藤原さんを攻撃しますか

タレイアでハ・デスに攻撃」

「っ!!」

 

藤原LP:3700→2850

 

「ティタニアルでダイレクトアタック」

 

藤原LP:2850→50

 

「ダイレクトアタックを受けたこの時にゴーズを守備表示で特殊召喚!!

カイエントークンも守備表示!!」

 

藤原手札:4→3

 

「マリーナでゴーズを攻撃」

「くっ・・・」

「カードをセットしてターンエンド!!」

 

メグ手札:3→0

 

「私のターン、 ドロー!!」

 

藤原手札:3→4

 

「スタンバイフェイズに黄泉ガエルが墓地から復活して来る!!

妖精伝姫-シラユキを召喚!! 召喚成功時に効果発動!!

タレイアを裏守備表示にする!!」

「ティタニアルの効果でギガプラントを生贄に捧げて効果を無効にして破壊する

スーペルウィズの効果でギガプラントを蘇生」

「ふ・・・でしょうね・・・

では一世一代の大博打としましょう

名推理を発動、 チェーンして連続魔法」

「連続魔法? ってどんなカードだったけ?」

「手札を全て捨ててチェーンした通常魔法の効果をコピーできるカードよ

つまり名推理2回発動って事ね」

 

手札から捨てたカード

サイバー・ドラゴン

 

藤原手札:3→0

 

 

「名推理の効果発動

相手は1~12までの任意のレベルを宣言すして

通常召喚可能なモンスターが出るまで自分のデッキの上からカードをめくり

そのモンスターのレベルが宣言されたレベルと同じ場合

めくったカードを全て墓地へ送る

でも違った場合、 そのモンスターを特殊召喚し

残りのめくったカードは全て墓地へ送る

さぁ海野ちゃん、 レベルの宣言を」

「・・・4」

 

捲ったカード

天獄の王

 

「レベルは10、 天獄の王を攻撃表示で召喚するわ

じゃあ次はメグちゃん」

「8」

 

捲ったカード

クラッキング・ドラゴン

 

「うぐ・・・クラッキング・ドラゴン・・・レベル8・・・

墓地に送られる・・・でも仕方ない

ここでカイエンを攻撃表示に変更!!」

「伏せていた永続罠発動、 群雄割拠

このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り

お互いのフィールドにそれぞれ1種類の種族のモンスターしか

表側表示で存在できない

お互いのプレイヤーは自身のフィールドの表側表示モンスターの種族が

2種類以上の場合には1種類になるように墓地へ送らなければならない」

「め、 メグぅ!!」

 

思わず叫ぶ藤原。

種族統一デッキじゃない藤原には相性最悪のカードである。

 

「・・・黄泉ガエルとカイエントークンを墓地に・・・

天獄の王でマリーナに攻撃」

 

メグLP:4000→3800

 

「これでターンエンド・・・」

「私のターン、 ドローですわ!!」

 

海野手札:1→2

 

「くぅ・・・・・モンスターをセットしてターンエンドですわ」

 

海野手札:2→1

 

 

 

 

 

 

「群雄割拠か・・・種族統一には最適なカードだな・・・

おっと、 サイバー流には禁じ手かな?」

「そんな事は無いぞマフティー、 鮫島が禁止しているだけだ」

 

観戦している二人が言う。

 

「だが面白くなって来たな

海野はモンスターが大量に居るからそう簡単にはやられない

藤原はこのターンでやられるが・・・」

「うむ、 そうなるだろうな・・・」

 

だが展開はこの二人の予想を飛び越えたのだった。

 

 

 

「私のターン、 ドロー」

 

メグ手札:0→1

 

「よし!! 手札からブラック・ホールを発動!!」

「「え?」」

 

ブラック・ホールはフィールドのモンスターを全て破壊するカード。

しかしメグのフィールドにはモンスターゾーンに存在する限り

自分以外のフィールドの植物族モンスターは効果では破壊されない効果の

タレイアが居る。

メグはタレイアのみを破壊してギガプラントとティタニアルをフィールドに残した。

 

「素早いマンタの効果でデッキから最後の素早いマンタを召喚しますわ・・・」

「ギガプラントを再度召喚して効果発動

墓地からタレイアを戻す、 ギガプラントでマンタに攻撃

そしてティタニアルとタレイアで海野と藤原にダイレクトアタック」

 

藤原LP:50→0

海野LP:2500→0

 

 

 

 

「ブラック・ホールとは・・・完全に盲点だったわね・・・」

「タレイアとのコンボを考えて入れてみたの

相手が大量展開しているこの状況では中々にマッチしていたわ」

「それならばメテオレインとかでも良いと思うが・・・」

「それは駄目ね」

 

マフティーの言葉を否定するメグ。

 

「何で?」

「貫通だとスピリットバリアを超えられない」

「あぁ、 確かにひはつが良く使っているからな・・・」

「ひはつ君を意識しているって事はメグちゃん

ひはつ君の事好きなんじゃないのぉ?」

「・・・・・いや? それは無いよ?」

 

少し考えて答えるメグ。

 

「でも恋愛か・・・恋愛も青春だよね・・・」

 

少し憧れるメグであった。



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アカデミア対抗戦:開幕!!(>▽<)カイザー亮VSはらぺこあおむし!!

デュエルアカデミア対抗戦に先駆けてテレビクルーがやって来た。

デュエルアカデミア対抗戦を放映する事になったのでその準備に来たらしい。

対抗戦が始まる前に十代、 亮、 メグ、 ひはつ、 クレバーは

インタビューを受ける事になったのだった。 

視聴覚室でインタビューを受ける4人+a、 付き添いで最愛と鮫島。

 

「さぁ!! デュエルアカデミア対抗戦が始まる前に

参加選手の意気込みを聞きたいと思います!!

インタビュアーは宝鐘マリンですぅぅぅ!!」

 

きゃぴきゃぴとしているピチピチの17歳の海賊系アイドル。

宝鐘マリンがインタビュアーを務める。

 

「さて鮫島校長、 インタビューの前に

今回の対抗戦は6つの学校がそれぞれ5人のデュエリストを出して

戦うと言うちょっとしたリーグ戦の規模を思わせますが

一体如何言う形式で行われるんでしょうか」

「説明しましょう

まず一番手から五番手までデュエルする順序をそれぞれ決めます

まず最初は六つの学校の一番手がそれぞれデュエルを行います

当然ながら三つの学校が負けて三つの学校が勝利します

勝利した学校同士、 敗北した学校同士で次のデュエルを行います」

「ん-、 3つずつだと勝ち負け1つずつあぶれるのでは?」

「その場合は余った者同士でのデュエルになりますね

こうやって負けたデュエリストが抜けて最後に残った学校が最終的な勝者です」

「なるほどー、 それでは代表デュエリスト達の意気込みを聞いて見ましょう

十代君からどうぞ!!」

「はい!! 思いっきり楽しもうと思います!!」

「元気が良くて良いねー、 次に亮君!!」

「・・・・・全力でぶつかりたいと思います」

「おぉークール!! 次にメグちゃん!!」

「何だか大事になってワクワクしますね!!」

「確かにこういうイベントはワクワクする!! ひはつ君!!」

「特に無いです!!」

「素直でよろしい!! じゃあクレバー君!!」

「AIでありながら学園代表に選ばれた事を嬉しく思います」

「おぉー!! 凄い!! ちゃんと喋れてる!!

それでは対抗戦は明日から始まります!!

乞うご期待!!」

「はい、 カット―」

「御疲れ様でしたー」

 

監督からのカットの合図と共に一息吐くマリン。

 

「それじゃあ鮫島校長、 明日からよろしくお願いしますね」

「明日から? どういう事ですか宝鐘さん?」

「私、 対抗戦の実況をやる事になったって聞いてませんか?」

「初耳ですね」

「あれ? じゃあ解説も知らない?」

「解説?」

「解説はサイバー亜流の宮迫さんがやるんですよ」

「何ですと!?」

 

驚く鮫島。

 

「知らなかったんですか?」

「えぇ・・・彼とは没交渉でして・・・」

「そうですかー・・・」

「マリンさーん、 アークティックの校長先生がお見えですー」

「あ、 そうですかー、 じゃあ私は失礼しますー」

 

去って行くマリンだった。

 

「あの、 校長先生

僕達一番手とか順番をまだ聞いていないんですが・・・」

「え? 亮、 どういう事ですか?」

「・・・・・はい?」

「いや対抗戦の順番は貴方が決めるんですよ?」

「・・・・・そうだったんですか、 分かりました」

 

少し呆れて立ち上がる亮。

 

「じゃあ、 皆、 これから話し合うから付いて来てくれ」

「「「はーい」」」

 

 

 

そして翌日デュエルアカデミアに

ノース校の全校生徒、 アークティック校の代表

ウェスト校の校長と引率と代表、 サウス校の校長と代表

イースト校の校長と代表がやって来た。

 

「何でノース校だけ全校生徒来ているの?」

「応援」

 

他の学校は大勢で押しかけると迷惑になるだろうと遠慮して少数で来たのだった。

鮫島は対抗戦を始める前に校長同士で集まって段取りを説明した。

 

「皆さん、 お久しぶりです」

「鮫島先生、 一つ良いかな?」

 

ウェスト校の校長、 ミハイルが挙手した。

 

「はい、 何でしょう」

「私、 いや他の分校の皆さんも思っているでしょうが・・・

アークティック校の矢島校長に一言言いたい」

「なんやぁ?」

 

トレンチコートの校長矢島がかったるそうに言う。

 

「貴方の所の代表、 なんですかアレは?」

「何ですかってなんやぁ?」

「恍けるな矢島」

 

イースト校の校長ノーマン・コチャノウスキが半ばキレながら言った。

 

「何の事やぁ?」

「ふざけているのか? お前が連れて来た代表

アレはプロデュエリストだ、 何を考えている」

「彼等は一週間の間、 ウチの学校に入学してるんやぁ

一時的とは言え生徒は生徒や、 問題無いやろ」

「貴様ッ!!」

 

立ち上がるノーマン。

矢島とノーマンの間に割って入るサウス校の校長ウォーリー。

 

「ウォーリー・・・退け!!」

「・・・・・」

「まただんまりか・・・何か怖いし今回は何も言わないでおこう」

「しかし矢島さん、 むしろそれで良いのかって思いますよ、 私は」

 

市ノ瀬が喋る。

 

「どういう事やぁ?」

「この対抗戦はテレビにも放映されます、 それなのに全員がプロと言うのは

教育機関として有るまじき事なのでは?」

「勝つ為には金をばら撒く、 分かり易い事じゃないか」

 

校長達の会合に割って入る万丈目 広大、 とその息子の長作と正司。

 

「これは広大・・・さん」

 

絶句する市ノ瀬。

広大は『マリンちゃんLOVE♡』と書いてある法被を着て

宝鐘マリングッズで武装していた。

 

「何か?」

「あー・・・いやー・・・そのー・・・」

「何やその恰好は・・・けったいな格好やなぁ・・・」

 

矢島が呆れながら言う。

 

「私は宝鐘マリンの大ファンでね

先程チェキとサインと握手をして来た所だ」

「はぁ・・・」

「歳を考えなさいよ・・・」

「ジジイがアイドルのファンで何が悪い!!」

 

激昂する広大。

 

「父上落ち着いて・・・」

「すみません父が・・・」

 

長作と正司がフォローする。

 

「まぁ兎も角今日から暫く楽しませて貰いますよ」

「楽しい対抗戦・・・になるかは怪しいですなぁ

こっちはプロやで? 一方的な展開になりますわぁ」

「言ってろばーか、 こっちにも優秀な人材が揃っている」

「・・・・・」

 

校長達が和気あいあいとしているのだった。

 

 

 

 

 

 

 

校内のデュエルリング。

テレビスタッフが既に待機して観客席は満員である。

 

「全デュエルアカデミア対抗戦!! 代表者入場!!」

 

マリンが宣言すると各デュエルアカデミアの代表達が入って来た。

本校の代表十代、 亮、 メグ、 ひはつ、 クレバー。

ノース校の代表、 万丈目、 七色、 ビショップ、 ルーク、 太陽。

アークティック校の代表、 トミー・カービン、 フリオ・ゼール・ケバス

霍嵩高(ホォー・チェンガォー)、 アーネスト・カーマン、 呂桐番外

ウェスト校の代表、 明日香、 オースチン・オブライエン、 ニナ・フォルトナ―

泉田塔一郎、 東堂葵。

サウス校の代表、  腹・ペコ・青虫、 若田 サン、 駒田 サン

寝無 子垂、 廣田吉右衛門。

イースト校の代表、 ツァンディレ、 ジャッカル岬、 アモン・ガラム、 印南

スウィーニー・トッド。

計30人のデュエリストが現れた。

 

「これは壮観ですねぇ!! 宮迫さん!!」

「そうですね」

 

マリンに話題を振られて相槌を打つサイバー亜流創始者、 宮迫 醍醐。

 

「実況は私、 宝鐘マリンと実況は宮迫 醍醐さんがお送りします!!

と言う事で代表の皆さんには一旦捌けて貰って

第1回戦の組み合わせ発表!!

組み合わせはイースト校のツァンディレVSウェスト校の天上院明日香!!

ノース校の取巻太陽VSアークティック校のトミー・カービン!!

サウス校の腹・ペコ・青虫VS本校の丸藤亮で行われます」

「えぇ!? 丸藤亮!?」

 

驚く宮迫。

 

「如何しました? 何かおかしい所でも?」

「丸藤亮はカイザーの異名を持つ本校最強のデュエリスト

そのカイザーが最初から出て来るとは・・・」

「変な所は無いんじゃないですか?

最強と言う事は手の内が知られているという事ですし

対策されたらあっさり倒せるかも」

「宝鐘さん、 過激な事を言いますねぇ・・・

亮君はサイバー流の免許皆伝、 対策しただけで勝てるとは思いませんが・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ど、 どういう事ですか!!」

 

観客席で見ている鮫島が驚く。

 

「如何したんですか? この采配は貴方が決めたのでは?」

「違いますよ市ノ瀬先生・・・亮に決めさせましたが

まさか初戦から出るとは・・・」

「驚くに値しない」

「そうだな、 サイバー流なんて対策すれば簡単に倒せるし」

 

ノーマンとミハエルが事も無げに言う。

 

「第一サイバー流なんて今更って感じだよなぁ

サイバー流は飽和しているし、 儂も生徒に勧めんわ」

 

矢島も言う。

 

「サウス校も本気ですし、 負ける可能性は充分ありますよ鮫島さん

あの面子、 全員童実野町出身者ですよ」

「・・・・・」

 

戦慄する鮫島。

 

「とか何とか言っている内に始まる様だな」

 

 

 

 

 

デュエルリングに上がる亮、 そして腹・ペコ・青虫。

 

「・・・本当に青虫なのか・・・」

 

腹・ペコ・青虫はまさに芋虫という風体だった。

 

「きぐるみだよ」

「何で着ぐるみを着ているんだ?」

「青虫の気持ちになれば虫を知れる、 って訳さ」

「全く意味が分からん」

「ルーティーンって奴さ、 常時ルーティーンの僕に勝てるかな?」

「やってみよう」

 

「「デュエル!!」」

 

「先行はあげるよ、 サイバー流に後攻渡したく無いしね」

「そうか、 では遠慮なく、 ドロー」

 

亮手札:5→6

 

「未来融合-フューチャー・フュージョンを発動

このカードの発動後1回目の自分スタンバイフェイズに

自分のEXデッキの融合モンスター1体をお互いに確認し

そのモンスターによって決められた融合素材モンスターを

自分のデッキから墓地へ送る」

「OK」

「モンスターとカードを1枚セットしてターンエンド」

 

亮手札:6→3

 

「僕のターン、 ドロー」

 

青虫手札:5→6

 

「サイクロン発動、 未来融合を破壊」

「マジック・ジャマーを発動、 手札を1枚捨ててサイクロンを無効にする」

「んあ?」

 

手札から捨てたカード

サイバー・ドラゴン

 

青虫手札:6→5

亮手札:3→2

 

「何だ、 何かチェーンでもあるのか?」

「あー・・・いや、 無いよ、 ちょっと面食らっただけ」

 

会場もどよめいているリスペクトデュエルで禁止されている

カウンター罠を使うとは・・・

 

「まぁ良いか、 巨大ネズミを召喚してセットモンスターに攻撃」

「セットモンスターはB-バスター・ドレイクだ反射ダメージを受けて貰う」

 

青虫LP:4000→3600

 

「ひゃあ・・・じゃあカードを3枚セットしてターンエンド」

 

青虫手札:5→1

 

 

 

 

 

 

 

「何をやっているんだ亮!!」

 

鮫島が叫ぶ。

 

「何をそんなに慌ててるんだ?」

「サイバー流ではカウンター罠は禁じ手なんですよ」

「何でそんな縛りプレイをしてるんだ?」

「さぁ・・・」

 

立ち上がる鮫島。

 

「何処に行くんですか鮫島さん」

「テレビ放映を中止しなければ!!」

「そんな事出来る訳ないでしょう、 カウンター罠使っただけですよ」

「それが問題なんですよ!!」

 

サイバー流の免許皆伝がカウンター罠を使った事が知られれば

サイバー流の中で大問題になるのは必至。

鮫島にも責任が及ぶかもしれない、 いや確実に責任追及されるだろう。

 

「アンタの我儘で子供を如何こうしていい理由にはならんでしょうが」

 

ミハエルが言った。

 

「私には責任があるんです!!」

「この場に居る全員に責任は有るよ、 少なくともアンタがやっている事は

矢島と同レベルの事だよ」

「っ!!」

「座れや鮫島さん」

 

矢島が促す。

 

「しかし!!」

「アンタなぁ・・・

もうカウンター罠が発動しているのはテレビに流れてるんや

もう止められんよ」

「っ!!」

 

頭を抱える鮫島だった。

 

 

 

 

 

 

 

「カイザーがカウンター罠だと!?」

「戦略的にはアリでしょ」

 

クレバーの横で観戦している最愛が驚き。

ひはつが感想を言う。

 

「・・・・・これは・・・サイバー流が荒れるわね」

「そんな事より相手のデッキはまだ未知数・・・どうなるんだろうか・・・」

 

 

 

 

「俺のターン、 ドロー」

 

亮手札:2→3

 

「未来融合の効果発動、 俺はキメラテック・オーバー・ドラゴンを選択

以下のカードを融合素材としてデッキから墓地に送る」

 

デッキから墓地に送ったモンスター

サイバー・ドラゴン

サイバー・ドラゴン

プロト・サイバー・ドラゴン

プロト・サイバー・ドラゴン

プロト・サイバー・ドラゴン

サイバー・ドラゴン・ツヴァイ

サイバー・ドラゴン・ツヴァイ

サイバー・ドラゴン・ツヴァイ

サイバー・ヴァリー

サイバー・ヴァリー

サイバー・ヴァリー

サイバー・ウロボロス

アーマード・サイバーン

サイバー・フェニックス

サイバー・ジラフ

サイバー・ファロス

サイバー・ファロス

サイバー・ラーバァ

サイバー・ラーバァ

サイバー・ラーバァ

A-アサルト・コア

C-クラッシュ・ワイバーン

 

「以上22枚のカードを墓地に送る」

「え、 は? え?」

 

流石に面食らう青虫

 

「更に俺はオーバーロード・フュージョンを発動!!

墓地の以下のカードを除外して融合素材とし融合デッキから

キメラテック・オーバー・ドラゴンを特殊召喚する」

 

墓地から除外するカード

サイバー・ドラゴン

サイバー・ドラゴン

サイバー・ドラゴン

プロト・サイバー・ドラゴン

プロト・サイバー・ドラゴン

プロト・サイバー・ドラゴン

サイバー・ドラゴン・ツヴァイ

サイバー・ドラゴン・ツヴァイ

サイバー・ドラゴン・ツヴァイ

サイバー・ヴァリー

サイバー・ヴァリー

サイバー・ヴァリー

サイバー・ウロボロス

アーマード・サイバーン

サイバー・フェニックス

サイバー・ジラフ

サイバー・ファロス

サイバー・ファロス

サイバー・ラーバァ

サイバー・ラーバァ

サイバー・ラーバァ

 

「以上21枚を融合素材とした事により

キメラテック・オーバー・ドラゴンの攻撃力は16800!!

そして融合素材のカードだけ攻撃出来る!!

ついでに未来融合とB-バスター・ドレイクは墓地送り!!」

「16800の21回攻撃って何なの? キレてるの? 何か悪い事した?」

「いや、 そんな事は無いぞ

次に墓地のA-アサルト・コア、 B-バスター・ドレイク

C-クラッシュ・ワイバーンを除外しABC-ドラゴン・バスターを

融合召喚!! 手札を1枚捨ててABC-ドラゴン・バスターの効果発動!!

フィールドのカード1枚を除外する!! 俺は真ん中のカードを除外!!」

「ちぃ・・・ミラー・フォースが・・・」

 

手札から捨てたカード

パワー・ボンド

 

亮手札:2→1

 

「次にキメラテック・オーバー・ドラゴンで巨大ネズミを攻撃!!」

「スピリットバリア発動、 戦闘ダメージを0にする

巨大ネズミが戦闘で破壊され墓地へ送られた時に

デッキから攻撃力1500以下の

地属性モンスター1体を攻撃表示で特殊召喚する

デッキから巨大ネズミを特殊召喚」

「ならばキメラテック・オーバー・ドラゴンで巨大ネズミを攻撃!!」2回目の攻撃

「巨大ネズミの効果でデッキから巨大ネズミを特殊召喚」

「キメラテック・オーバー・ドラゴンで巨大ネズミを攻撃!!」3回目の攻撃

「巨大ネズミの効果でデッキからピラミッド・タートルを特殊召喚」

「またリクルーターか!!

ならばキメラテック・オーバー・ドラゴンでピラミッド・タートルに攻撃!!」

4回目の攻撃

「ピラミッド・タートルの効果発動

戦闘で破壊され墓地へ送られた時にデッキから

守備力2000以下のアンデット族モンスター1体を特殊召喚する

私はデッキからゾンビーナを特殊召喚!!」

「キメラテック・オーバー・ドラゴンでゾンビーナに攻撃!!」5回目の攻撃

「ゾンビーナの効果発動、 このカードが相手によって破壊された場合

ゾンビーナ以外の自分の墓地のレベル4以下のモンスター1体を特殊召喚する

ピラミッド・タートルを召喚」

「キメラテック・オーバー・ドラゴンでピラミッド・タートルに攻撃!!」

6回目の攻撃

「ピラミッド・タートルの効果でゾンビーナを特殊召喚」

「キメラテック・オーバー・ドラゴンでゾンビーナに攻撃!!」7回目の攻撃

「ゾンビーナの効果でピラミッド・タートルを召喚」

「キメラテック・オーバー・ドラゴンでピラミッド・タートルに攻撃!!」

7回目の攻撃

「ピラミッド・タートルの効果でピラミッド・タートルを召喚」

「キメラテック・オーバー・ドラゴンでピラミッド・タートルに攻撃!!」

8回目の攻撃

「ピラミッド・タートルの効果でピラミッド・タートルを召喚」

「キメラテック・オーバー・ドラゴンでピラミッド・タートルに攻撃!!」

9回目の攻撃

「ピラミッド・タートルの効果でゾンビーナを特殊召喚」

「キメラテック・オーバー・ドラゴンでゾンビーナに攻撃!!」10回目の攻撃

「ゾンビーナの効果で巨大ネズミを特殊召喚」

「キメラテック・オーバー・ドラゴンで巨大ネズミを攻撃!!」11回目の攻撃

「巨大ネズミの効果で共鳴虫を召喚」

「まだリクルーターが居るのか!?」

「諦める?」

「まさか!! そちらこそ最後まで付き合えよ!! とことんやろうじゃないか!!」

 

良い笑顔で言う亮。

 

「キメラテック・オーバー・ドラゴンで共鳴虫を攻撃!!」12回目の攻撃

「共鳴虫が戦闘破壊された時に

デッキから攻撃力1500以下の昆虫族モンスター1体を

自分フィールド上に特殊召喚する事ができる、 共鳴虫召喚」

「キメラテック・オーバー・ドラゴンで共鳴虫を攻撃!!」13回目の攻撃

「効果で共鳴虫召喚」

「キメラテック・オーバー・ドラゴンで共鳴虫を攻撃!!」14回目の攻撃

「効果でドラゴンフライ召喚」

「キメラテック・オーバー・ドラゴンでドラゴンフライを攻撃!!」15回目の攻撃

「ドラゴンフライは巨大ネズミの風属性版の効果を持つ

ドラゴンフライを召喚」

「キメラテック・オーバー・ドラゴンでドラゴンフライを攻撃!!」16回目の攻撃

「ドラゴンフライの効果でドラゴンフライを召喚」

「キメラテック・オーバー・ドラゴンでドラゴンフライを攻撃!!」17回目の攻撃

「ドラゴンフライの効果で機皇兵スキエル・アインを召喚」

「スキエル・アイン? 聞いた事無いモンスターだが・・・

キメラテック・オーバー・ドラゴンでスキエル・アインに攻撃!!」18回目の攻撃

「スキエル・アインが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時

自分のデッキから「機皇兵」と名のついたモンスター1体を

特殊召喚する事ができる、 スキエル・アインを召喚」

「キメラテック・オーバー・ドラゴンでスキエル・アインに攻撃!!」19回目の攻撃

「スキエル・アインの効果でスキエル・アインを召喚」

「キメラテック・オーバー・ドラゴンでスキエル・アインに攻撃!!」20回目の攻撃

「攻撃宣言時にセットしていた転生の予言を発動

2体のスキエル・アインをデッキに戻す、 そして効果でスキエル・アインを召喚」

「キメラテック・オーバー・ドラゴンでスキエル・アインに攻撃!!」21回目の攻撃

「スキエル・アインの効果でスキエル・アインを召喚

これでキメラテック・オーバー・ドラゴンをもう攻撃出来ない!!」

「耐え切るとはな・・・ABC-ドラゴン・バスターでスキエル・アインを攻撃」

「効果で機皇兵ワイゼル・アインを召喚」

「最初に巨大ネズミを除外するべきだったか?

いや、 ミラーフォースだったな・・・ターンエンドだ」

 

 

 

 

 

 

「はへー・・・すっごい・・・」

 

呆然とするマリン。

 

「攻撃力1万越えで21回連続攻撃をする亮君も流石ですが

それを全部受けきるとは・・・最初から凄いデュエルですね・・・」

 

宮迫も手に汗握る。

 

「しかしキメラテック・オーバー・ドラゴン・・・

サイバー流では禁じ手の筈なのに使うとは・・・

鮫島さんも本気ってことですかね」

「と言うかコレどうなるんでしょうか?」

「このターンで倒さないとキツイでしょうね・・・」

 

 

 

 

 

 

 

「僕のターン、 ドロー」

 

青虫手札:1→2

 

「ワイゼル・アインを生贄に光帝クライスを召喚

効果発動、 フィールドのカードを2枚まで破壊し

破壊されたカードのコントローラーは

破壊された枚数分だけデッキからドローできる

僕が破壊するのはドラゴン・バスターとキメラテック・オーバー・ドラゴン」

「ABC-ドラゴン・バスターの効果を二つ発動!!

まずは手札を1枚捨てて除外する効果でクライスを除外!!

そしてもう一つの効果!!

自身を生贄にして除外されている

自分の機械族・光属性のユニオンモンスター3種類を1体ずつ召喚する!!

A-アサルト・コアを攻撃表示!!

B-バスター・ドレイク、 C-クラッシュ・ワイバーンを守備表示で召喚する!!」

 

手札から捨てたカード

エヴォリューション・バースト

 

亮手札:1→0→1

 

「クライスは除外されたけど

キメラテック・オーバー・ドラゴンが破壊されたから良しとしよう

それじゃあ墓地の共鳴虫3体を対象にして

手札から超装甲兵器ロボ ブラックアイアンGを特殊召喚

効果で対象にした共鳴虫3体を装備させる」

「まだ出来るというのか・・・!!」

「ブラックアイアンGの効果発動

装備している共鳴虫を墓地に送って墓地へ送ったカードの攻撃力以上の

攻撃力を持つ相手フィールドのモンスターを全て破壊する

共鳴虫の攻撃力は1200だから全部破壊だね・・・」

「な・・・・・」

「そしてダイレクトアタック」

 

亮LP:4000→1600

 

「・・・・・」

「これでターンエンド」

 

 

 

 

 

 

 

「何という凄まじいデュエルだ・・・」

 

三沢が呟きを漏らす。

 

「凄すぎて模倣すら出来ない・・・」

 

神楽坂も戦慄する。

 

「だがカイザーはカードの殆どを除外している・・・

巻き返せるか?」

「初戦から負けたくはないが・・・初戦でこのレベルか・・・

一体・・・一体この対抗戦はどうなるんだ!!」

 

汗を流す神楽坂だった。

 

 

 

 

 

 

「おいおい・・・学生なのにこのレベルかよ・・・」

「すげぇな」

 

アークティック校の代表として雇われたトミーとフリオは戦慄していた。

 

「確かに強いデュエル、 でも中国の歴史の前には大した事ないね」

 

霍が太った体を横にしながら言う。

 

「良く言うぜ・・・アンタ如何思う?」

 

アーネストが番外に尋ねる。

 

「・・・・・」

「・・・アンタに言ってもしょうがないか・・・」

「これは矢島さんにペイを上げて貰わないと割に合わないぜ」

「でも彼はここの最強の生徒だろう? ならば他はもっと弱いんじゃあ?」

「如何だろうな・・・」

 

 

 

 

 

「あぁ・・・最高だ・・・」

 

感極まる亮。

 

「サイバー流のリスペクトデュエルの枷を壊した先に

まだまだこんな相手が居るとは・・・」

「本校の最強は学生最強じゃない、 そして学生最強は全人類最強じゃない

まだまだ上には上が居るよ、 カイザー亮」

「そうだな!! まだまだ楽しめそうだ!! 俺のターン!! ドロー!!」

 

亮手札:1→2

 

「良し!! サイクロンでスピリットバリアを破壊!!

そしてサイバーロード・フュージョンを発動!!

自分フィールド及び除外されている自分のモンスターの中から

融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを

持ち主のデッキに戻しサイバー・ドラゴンを

融合素材とするその融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する!!」

「2体目のキメラティック!?」

「いや、 キメラテック・オーバー・ドラゴンは1枚しか持っていない

俺はサイバー・ドラゴン3体をデッキに戻し

サイバー・エンド・ドラゴン攻撃表示で融合召喚!!」

 

わああああああああああああああと歓声が響く。

 

「サイバー流の切り札・・・か」

「サイバー・エンド・ドラゴンでブラックアイアンGに攻撃!!」

 

青虫LP:3600→2000

 

「これでターンエンド!!」

 

亮手札:2→1

 

「面白いデュエルだったよ、 目まぐるしかったけどね」

 

青虫が呟いた。

 

「そちらが切り札を出すのならばこちらも切り札を出そう」

「何・・・?」

「次のドローで切り札を出す」

 

青虫の宣言にどよめく観客席。

 

「予告、 か」

「その通り」

「デッキを信じれば答えてくれる・・・か」

「いや? 違うよ?」

 

否定する青虫。

 

「リクルーターで圧縮されたデッキ、 この枚数ならば

好きなカードをドロー出来てしかるべし」

「なるほど・・・な・・・来い!!」

「ドロー!!」

 

青虫手札:0→1

 

「強欲で金満な壺を発動!!

融合デッキ6枚をランダムで裏側除外して2枚ドロー!!」

 

青虫手札:0→2

 

「カオス・ネクロマンサーを召喚!!」

 

カオス・ネクロマンサーの攻撃力は自分の墓地に存在する

モンスターカードの数×300ポイントの数値。

 

青虫の墓地のモンスター

巨大ネズミ

巨大ネズミ

巨大ネズミ

ピラミッド・タートル

ピラミッド・タートル

ピラミッド・タートル

ゾンビーナ

ゾンビーナ

ゾンビーナ

共鳴虫

共鳴虫

共鳴虫

ドラゴンフライ

ドラゴンフライ

ドラゴンフライ

機皇兵スキエル・アイン

機皇兵スキエル・アイン

機皇兵スキエル・アイン

機皇兵ワイゼル・アイン

超装甲兵器ロボ ブラックアイアンG

 

「以上の18体だから、 カオス・ネクロマンサーの攻撃力は5400

更にカオス・ネクロマンサーにジャンク・アタックを装備

ジャンク・アタックは装備モンスターが戦闘によって

モンスターを破壊し墓地へ送った時

破壊したモンスターの攻撃力の半分のダメージを相手ライフに与える」

「・・・・・青虫」

「何?」

「楽しいデュエルだったぞ」

「それはどうも

カオス・ネクロマンサーでサイバー・エンド・ドラゴンに攻撃」

 

亮LP:1600→200→0

 

 

 

 

 

 

圧倒的な光景に観客席のボルテージは凄まじい事になっていた。

 

「凄い!! 最初から凄いデュエルです!!」

「プロ顔負けのデュエルでした!! 素晴らしい!!」

 

実況のマリンと解説の宮迫がスタンディングオペレーションだった。

 

「あれ・・・」

 

マリンは観客席がちらほら空いている事に気が付いたが

この熱狂に水を差すと思い黙った。

 

「・・・さぁ!! 皆さん!! 二人のデュエリストに惜しみない拍手を!!」

 

歓声の中、 亮と青虫がデュエルリングから降りて行った。




腹・ペコ・青虫
元ネタははらぺこあおむし。
デッキはリクル特攻ベースのデッキ。
虫のリクルーターも入っているので
超装甲兵器ロボ ブラックアイアンGも入れている。


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アカデミア対抗戦:太陽VSトミー・カービン(((ꎤ’ω’)و三ꎤ’ω’)-o≡シュッシュ  明日香VSツァンディレ

デュエルアカデミア本校の代表者が待機している控え室まで

倫理委員会の警護の付き添いで戻る亮。

 

「全く・・・酷いなこりゃあ」

 

倫理委員会がサイバー流の生徒達を捕縛しながら言う。

 

「倫理委員会なのにリスペクトデュエルに反する奴を注意しなくて良いのか!?」

「いやいや生徒を守るのが倫理委員会だから

君達、 何? たかがカウンターとかカード使っただけで襲い掛かるとか無いから」

「ぐうううう!!」

 

そんな事をしている生徒達の脇を通りながら控え室に入る亮。

 

「カイザー!! 凄いデュエルだったな!!」

 

十代がキラキラした眼で言う。

控え室にもモニターが有り観戦は出来るのだ。

 

「だが負けた」

「いや、 相手の手の内が読めた、 あの青虫には次は勝てる」

 

メグが断言する。

 

「心強いよ」

「お兄さん!!」

 

控え室に入って来る翔。

倫理委員会が間に入るが亮が制する。

 

「何で・・・何であんなリスペクト精神の無いデュエルを!?」

「強くなりたいからだ!!」

「っ!?」

 

即答する亮にビクッとする翔。

 

「世界には俺よりも強いデュエリストが居る!!

俺は井の中の蛙だった!!

だからカードの使用を制限するリスペクトデュエルの枷を壊し

俺はもっと強くなる!! 強くならなければならない!!」

「よう言ったカイザー亮!!」

 

控え室に入って来る色彩と万丈目。

 

「万丈目・・・と誰だ?」

「ノース校最強の女子、 クイーンの七色 色彩よ」

「なないろ?・・・もしかして第一サイバー流デュエル部顧問の・・・」

「そう、 奴の妹よ」

 

どかっと椅子に座る色彩。

 

「さっきのデュエルを見て、 もしかしたら奴の薫陶を受けたかもと来てみれば

そんな事は無かった様ね」

「顧問とは仲悪いのか?」

 

亮の問いにとんでもない形相で睨む色彩。

 

「奴と関係を断ち切りたいと思っている・・・何時か奴を降さなければ・・・」

 

目から血が溢れ始める色彩。

 

「お、 おい落ち着けよ色彩・・・それよりもほら

太陽のデュエルが始まるぞ」

「ん・・・」

 

万丈目がモニターを指差すと確かにデュエルが始まっていたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「さぁ、 次のデュエルが始まります

次の相手はノース校の取巻太陽VSアークティック校のトミー・カービン

このカード、 如何思いますか宮迫さん」

 

実況席のマリンが宮迫に尋ねる。

 

「手元の資料によると取巻太陽はノース校の強者『ナイト』

そしてトミー・カービンはプロデュエリストだが一時的に生徒として

代表になっているというインチキ一歩手前ですね」

「こちらとしては面白いデュエルが見られればプロでも宇宙人でも良いですが

実際トミー・カービンと言うプロは聞いた事無いですが強いんですか?」

「元ヘビー級のボクサーでしたがヤクザに半殺しにされて

プロデュエリストに転向した異色のデュエリストですね」

「ふむふむ、 それで実力は?」

「中々に堅実な戦いぶりで海外のデュエルとボクシングを同時に行う

デュエルボクシングではヘビー級のチャンピオンだそうです」

「・・・・・イマイチ強さが分かりませんね」

「プロですから生徒に負けるわけにはいきません

それではデュエルが始まりますよ」

 

 

 

 

 

 

「「デュエル!!」」

 

「俺は大人だから先行は譲るぜ」

「ありがたく貰おう、 ドロー!!」

 

太陽手札:5→6

 

トミーから先行を譲られた太陽。

 

「モンスターをセットしてターンエンド」

 

太陽手札:6→5

 

「おいおい、 そんな消極的じゃあ勝てないぜ?

俺のターン、 ドロー」

 

トミー手札:5→6

 

「手札からおろかな埋葬を発動

デッキから切り込み隊長を墓地に送る

そして戦士の生還を発動、 切り込み隊長を手札に戻す

そして切り込み隊長を召喚、 効果で切り込み隊長を特殊召喚

波動キャノンを発動してカードを1枚セットしてターンエンド」

 

トミー手札:6→2

 

 

 

 

 

「ふむ・・・切り込み隊長を2体並べたという事はロックされましたね」

「そして波動キャノン、 分かり易い位のウォールバーンですかね」

 

マリンと宮迫がフィールドを判断する。

 

「太陽君は手札が有りますが、 動きますかね?」

「如何でしょうか・・・」

 

 

 

 

「俺のターン、 ドロー」

 

太陽手札:5→6

 

「セットしていた執念深き老魔術師を反転召喚

切り込み隊長を破壊します」

「くっ、 ロックが崩れたか・・・」

「そしてダブルコストンを召喚、 切り込み隊長に攻撃」

 

トミーLP:4000→3500

 

「ぐぬぬ・・・」

「そして執念深き老魔術師でダイレクトアタック」

 

トミーLP:3500→3050

 

「これでターンエンド」

 

太陽手札:6→5

 

「俺のターン、ドロー」

 

トミー手札:2→3

 

「俺は手札からフォトン・スラッシャーを特殊召喚

コイツはサイバー・ドラゴンと同じ条件で特殊召喚出来る

そしてフォトン・スラッシャーを生贄にターレット・ウォリアーを特殊召喚!!

ターレット・ウォリアーは生贄にしたモンスターの元々の攻撃力分

攻撃力を上げるから攻撃力は3300になる

更に俺は2枚目の戦士の生還を発動して切り込み隊長を手札に戻す」

「手札からD.D.クロウを捨てて効果発動

その切り込み隊長を除外して効果を不発にする」

「・・・まぁ良いだろう

ターレット・ウォリアーで執念深き老魔術師に攻撃」

 

太陽LP:4000→1050

 

「攻撃を受けたこの時、 手札からトラゴエディアを特殊召喚」

「む・・・だがトラゴエディアの攻撃力・守備力は自分の手札の数×600

お前の手札は3枚だから1800、 ドローしても2400

追加ドローのカードが有っても2枚がせいぜいだから3000位だろう

ターレット・ウォリアーは超えられない

次のターンに仕留められないと波動キャノンが飛んで来るぞ?

早く何とかしないとな、 ターンエンド」

 

トミー手札:3→0

 

 

 

 

 

「なるほど、 さっきからカードを使わなかったのは

トラゴエディアの攻撃力維持の為、 と言う事ですかね?」

 

マリンが推理する。

 

「しかし使ってしまったから仕方ない

トラゴエディアには手札のモンスターを捨てる事で捨てたレベルのモンスターと

同じモンスターのコントロールを奪う効果も有りますが厳しいですね

ターレット・ウォリアーのレベルは5ですし・・・」

「仕留められないと波動キャノンが飛んできます

波動キャノンとターレット・ウォリアー両方を如何にかしないといけないですね」

 

 

 

 

 

 

 

「俺のターン、 ドロー」

 

太陽手札:3→4

 

「ダブルコストンを生贄に捧げてパンデミック・ドラゴンを召喚

そして効果発動、 ライフを1000支払い

このカード以外のフィールドの表側表示モンスターの攻撃力を

この効果を発動するために払ったライフ分下げる」

 

太陽LP:1050→50

 

「これでターレット・ウォリアーの攻撃力は2300か

しかしこのターンでは削り切れないぞ?」

「パンデミック・ドラゴンは1ターンに1度

このカードの攻撃力以下の攻撃力を持つフィールドのモンスター1体を破壊出来る

当然ターレット・ウォリアーを破壊

そしてパンデミック・ドラゴン、 トラゴエディアでダイレクトアタック」

 

トミーLP:3050→550→0

 

 

 

 

 

 

 

「負けか・・・まぁペイ分の仕事はしたしこれ位で良いか」

 

そう言ってスタスタと去るトミーであった。

 

「負けたというのにショックを受けていないな」

『プロだから負ける機会も多いんだろうさ』

 

至上が耳打ちする。

 

『それにしても私を使わなかったな』

「エースをいきなり使う馬鹿が何処にいる

まだまだ手の内を見せるべきじゃないんだよ」

 

至上と共に去る太陽であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「太陽の勝ちか、 まぁ当然だな」

 

本校控え室で勝ち誇る万丈目。

 

「・・・万丈目君、 一応ノース校だし自分の控え室で見たら?」

「それもそうか、 色彩、 立てるか?」

「うん、 大丈夫・・・」

 

ハンカチで流した血涙を拭って立ち上がる色彩。

 

「じゃあな、 また後で・・・」

 

去って行った二人だった。

 

「次は明日香の試合か・・・相手はイースト校のツァンディレか、 強敵だな」

「そうなの?」

 

亮の言葉につっかかるメグ。

 

「あぁ、 彼女はプロに札落ちとは言え勝った事のあるデュエリストだ」

 

札落ちとは将棋で言う所の飛車角落ち

つまりデッキの重要カードを抜いたハンデの事である。

 

「プロと札落ちデュエルをしたって事はカードショップの指導デュエル?」

「そうだな」

 

指導デュエルとはカードショップのイベントで偶に行われる

プロデュエリストが普及の為に行うデュエルの事である。

 

「それって実績になるの?

指導デュエルで札落ちでガチになるデュエリストが居るの?」

「それでもそこらの力自慢程度では勝てない相手だ、 指標にはなる」

「・・・あのさ、 それって今の明日香じゃ勝てないって事か?」

 

十代が尋ねる。

 

「如何だろうな・・・」

「今の明日香なら勝てるよ」

 

ひはつが断言する。

 

「何故わかる?」

「モニター越しからもオーラが見える」

「???」

 

 

 

 

 

 

デュエルリングで対峙する明日香とツァンディレ。

 

「・・・・・」

 

ツァンディレがまじまじと明日香を見る。

 

「何?」

「いや・・・結構良い体してるね、 って思って

肉付が有りながらも良い筋肉をしている・・・

それに何と言うか自信に溢れている、 肌艶から分かるよ」

「そう、 じゃあ始める?」

「えぇ・・・」

 

「「デュエル!!」」

 

先行はコイントスの結果、 明日香になった。

 

「私のターン、 ドロー!!」

 

明日香手札:5→6

 

「マンジュ・ゴッドを召喚

召喚成功時にデッキから機械天使の儀式を手札に加えるわ」

「儀式召喚か、 マイナーだね・・・まぁボクの敵じゃないけど」

「そう、 じゃあ手札のサイバー・エンジェル-弁天-を生贄に

サイバー・エンジェル-那沙帝弥-を守備表示で召喚

弁天を生贄にした事でサイバー・エンジェル-伊舎那-を

デッキから手札に加えるわ、 そして那沙帝弥の効果発動

1ターンに1度

自分フィールドの表側表示モンスター1体の攻撃力の半分だけ

自分のLPを回復する、 マンジュ・ゴッドを選択して

攻撃力の半分の700ポイント回復!!」

 

明日香LP:4000→4700

 

「カードを2枚セットしてターンエンド」

 

明日香手札:6→2

 

「ボクのターン、 ドロー!!」

 

ツァンディレ手札:5→6

 

「六武衆のご隠居を特殊召喚

このカードはサイバー・ドラゴンと同じ条件で特殊召喚出来る

そして六武衆-ザンジを召喚

次に自分フィールドに六武衆モンスターが存在する場合

手札から六武衆の師範を特殊召喚出来る」

「六武衆の師範の特殊召喚に対して激流葬を発動

フィールドのモンスターを全て破壊」

「なっ・・・ザンジの効果で

破壊を六武衆のご隠居に押し付ける事で破壊を免れる・・・」

「私も墓地の機械天使の儀式を除外して那沙帝弥の破壊を無効にする」

「・・・・・」

 

少し考えるツァンディレ

 

「・・・那沙帝弥には攻撃を無効にする効果があったよね

ならば攻撃は無意味・・・カードを伏せてターンエンド」

「セットカードをサイクロンで破壊」

「六尺瓊勾玉が・・・」

 

ツァンディレ手札:6→2

 

 

 

 

「女の子同士のデュエルだけど1ターン目からバチバチにやり合ってるねぇ!!

ちょっと興奮する」

 

センシティブな発言をするマリン。

 

「これでセットカードは無し・・・キツイかもしれない」

「えー儀式だから手札コストが重いからムチャは出来ないでしょ?

ボクっ娘は貴重だからまだデュエルを見ていたい」

「如何言う理屈ですか・・・手札は3枚

下手をすればこのターンに終わるかも」

「えー」

 

 

 

 

「私のターン、 ドロー」

 

明日香手札:2→3

 

「悪いけどこのターンで終わらせるわ」

「『悪いけどこのターンで終わらせるわ』?

悪いと思っているんだったらこのターンで終わらせないで貰える?」

「私はこの対抗戦で力を見せつけて本校に戻らなければならない

その為ならば誰であろうと倒す」

「・・・・・」

 

まるで鬣をなびかせる様に気が明日香の髪の毛をなびかせる。

 

「来な!!」

「2体目のマンジュ・ゴッドを召喚!!

2枚目の機械天使の儀式をサーチして発動!!

マンジュ・ゴッドと那沙帝弥を生贄に

サイバー・エンジェル-伊舎那-を儀式召喚!!

そして那沙帝弥の効果発動!! 墓地の弁天を除外し

貴方のザンジのコントロールを奪い那沙帝弥を特殊召喚!!」

「・・・・・」

「そしてザンジと伊舎那でダイレクトアタック!!」

 

ツァンディレLP:4000→2200→0

 

 

 

 

「2ターン目で決着ぅうううううううううう!!

貴重なボクっ娘がここで敗退しましたあああああああ!!」

 

号泣しながら叫ぶマリン。

 

「一体何で叫んでいるんだ・・・」

「ぐす・・・えー・・・

それでは少し休憩挟んで二回戦の組み合わせ発表です・・・」

 

涙をハンカチで拭うマリン。

 

 

 

 

 

 

 

ウェスト校の控え室に戻る明日香。

 

「あ、 明日香、 おかえり・・・結果は如何だった?」

 

ニナが出迎える。

 

「結果は如何だったって・・・見てないの?」

「すまんな天上院、 俺の最推しアイドル山田ちゃんの旅番組が有ってな

見ていたんだ」

 

東堂がテレビにかじりついていた。

 

「録画しなさい」

「録画とリアタイ両方見るんだよ!!」

「・・・・・勝ったわ」

「よっーしならばまだ番組が見れるな・・・」

「何しに来たのよ貴方・・・」

 

 

 

 

 

 

「涙の川を越えて二回戦の組み合わせの発表です、 ぐす」

「また泣いているのか・・・」

 

マリンが涙を拭いながら組み合わせを発表するマリン。

 

「イースト校の二番手ジャッカル岬VS本校の二番手クレバー!!

アークティック校の二番手フリオ・ゼール・ケバスVSノース校の取巻太陽!!

そしてそれぞれ勝ち残りの

サウス校の腹・ペコ・青虫VSウェスト校の天上院明日香!!」

「アークティックとノースの組み合わせは先程見ましたが・・・」

「ケバスプロがどうしてもリベンジがしたいそうで頼み込んでました」

「なるほど・・・これは一波乱ありそうですね」



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アカデミア対抗戦:ジャッカル岬VSクレバー┗┫ ̄皿 ̄┣┛

無常と倫理委員会の立ち合いの元。

控え室で対峙する亮と鮫島。

 

「亮、 先程のデュエルは何ですか?」

 

鮫島が勤めて冷製になりながら言葉を発する。

 

「俺は弱い!! 先日の西湖とのデュエルではっきりそれが分かりました!!」

「・・・それがあの様な蛮行に貴方を走らせた、 と?」

「蛮行でしょうか? 寧ろ俺がリスペクトに反するデュエルをしなければ

もっとあっさり倒されていたでしょう

あの青虫は本当に強かった」

「強くても心が無ければ無意味でしょう」

「心があっても強く無ければ無意味!!」

 

話は平行線である。

 

「あのお二人さん、 悪いけど内輪の話なら外でやってくれない?」

 

メグが言う。

 

「何故ですか?」

「こんなに大勢で来られては迷惑だ、 狭いし」

「・・・・・分かりました、 亮

今回の件は互いにとって重要な事だ、 もっと良く話し合おう」

「貴方にとって重要な事では?」

 

ギリッ、 と歯軋りをする鮫島。

鮫島の弟子で最も強い丸藤亮がリスペクトデュエルに反すると言う事は

鮫島の立場を悪くすると言う事に相違無い。

鮫島はつかつかと去って行った。

 

「じゃあ私も失礼しますぅ」

 

無常と倫理委員会も去って行った。

 

「・・・・・クレバーのデュエルが始まるね」

「そうか・・・見るか」

 

 

 

 

 

 

「さぁ二回戦始まりましたが・・・デュエルリングは異様な光景です」

 

クレバーの姿はやはり異様に見える、 すぐ傍には最愛が待機しているが

それでもやはり異様は異様。

 

「AIデュエリストが何処まで戦えるか非常に興味深いですね

そして相手はジャッカル岬、 彼女の資料が手元にありますが

彼女はイースト校の生徒だそうです・・・え? これだけ?」

 

目を丸くするマリン。

 

「凄い気迫を感じる、 彼女は強い・・・」

 

冷や汗を流す宮迫。

 

「・・・・・うーむ、 それでは実力を見せて貰いましょうか」

 

 

 

 

 

 

デュエルリングで岬はあからさまにイライラしている。

折角の代表戦で相手が良く分からない機械では無理も無い。

 

「そのポンコツが俺の相手か?」

「よろしくおねがいします」

 

岬の挑発に挨拶で返すクレバー。

 

「悪いが俺は相手が機械でも餓鬼でも病人でも容赦無く行くぞ」

「はい、 よろしくおねがいします」

「っ・・・調子が狂う・・・」

 

「「デュエル!!」」

 

コイントスの結果、 先行は岬になった。

 

「俺のターン、 ドロー!!」

 

岬手札:5→6

 

「ゴブリン突撃部隊を召喚!! カードを3枚セットしてターンエンド!!」

 

岬手札:6→2

 

「私のターン、 ドロー」

 

クレバー手札:5→6

 

「サイバー・ドラゴンを特殊召喚

サイバー・ヴァリーを召喚して機械複製術を発動

デッキから2体のサイバー・ヴァリーを守備表示で特殊召喚」

「いきなり壁かぁ? 舐めてるのか!?」

「サイバー・ヴァリーの効果発動」

「おっとぉ!! ライフ1000払ってスキルドレインを発動!!

効果モンスターの効果は無効だゴラァ!!」

 

岬LP:4000→3000

 

「カード1枚セットしてターンエンド」

 

クレバー手札:6→2

 

 

 

 

 

 

「スキルドレイン・・・か」

 

アークティック校の控え室で観戦していたケバスが呟く。

 

「サイバーVSスキドレ、 対戦カードとしては面白いな」

「そうだな」

 

プロの間ではスキルドレインは強カードとして扱われる。

手札コスト無しにモンスター効果無効である。

そしてサイバー・ドラゴンもコンスタントに強いカード。

カードパワーで言うと双方ともに強いカードである。

 

「あの機械が何処まで出来るか見物ね」

「いや効果が無効化されているからこのターンで決着するかもしれんぞ」

「「「それはない」」ね」

 

アーネストはツッコミを入れられるのだった。

 

 

 

 

 

 

「ほうスキルドレインか、 ライダー、 お前は如何思う?」

 

ノース校の控え室で万丈目がライダーに尋ねる。

 

『我ならばどんなカード効果も無効に出来ますが

永続効果は無理だ』

「ふん、 だったら先に召喚しろって事か・・・」

「至上は如何だ?」

『私の効果は墓地発動だから関係無い』

 

太陽も至上に話しかけている。

 

「アイツ等は誰と話しているんだ?」

「恐らく精霊だろうな」

 

ビショップの問いに返すルーク。

 

「いずれにせよ、 サイバーの高攻撃力を如何に超えるかだな・・・

効果は無効でも高攻撃力は無効に出来ん」

 

七色は呟いた。

 

 

 

 

 

「俺のターン、 ドロー!!」

 

岬手札:2→3

 

「電動刃虫を召喚!! サイバー・ドラゴンに攻撃!!」

 

クレバーLP:4000→3700

 

「そしてゴブリン突撃部隊でサイバー・ヴァリーに攻撃!!」

「サイバー・ヴァリーを除外して効果発動」

「あぁ!? スキルドレイン有るだろうが!? ぶっ壊れたこのポンコツ!!」

「サイバー・ヴァリーを『除外して』効果発動です

除外はコストであり効果では無い

故に除外ゾーンにあるサイバー・ヴァリーの効果は

スキルドレインの制約を外れます、 デッキからカードを1枚ドローして

バトルフェイズを終了させます」

 

クレバー手札:2→3

 

「っち、 ターンエンド!!」

 

岬手札:3→2

 

「私のターン、 ドロー」

 

クレバー手札:3→4

 

「カードカー・Dを召喚し効果発動

生贄にして2枚ドローです、 そしてターンエンドです」

 

クレバー手札:4→5

 

「・・・俺のターン、 ドロー」

 

岬手札:2→3

 

「神獣王バルバロス召喚、 こいつは生贄なしで召喚出来るモンスターだ

攻撃力は下がるがスキルドレインで無効だ

ヴァリーに攻撃」

「除外して効果発動します、 1枚ドローしてバトルフェイズ終了させます」

 

クレバー手札:5→6

 

「・・・ターンエンド」

 

岬手札:3→2

 

 

 

 

 

ウェスト校の代表控え室で観戦している明日香。

 

「明日香、 お前はクレバーに負けた、 と言っていたが

こんな戦術だったのか?」

 

オブライエンが尋ねる。

 

「ドローをするサイバー流と言うコンセプトはそのままですが

ドローギミックが違いますね・・・」

「常に進化している、 と言う事か」

「強敵ね・・・こちらの圧も利かなそうだしAI対策はした方が良いわね」

 

ニナが呟く。

 

 

 

 

 

「私のターン、 ドロー」

 

クレバー手札:6→7

 

「カードを2枚セットしてターンエンド」

 

クレバー手札:7→5

 

「・・・俺のターン、 ドロー」

 

岬手札:2→3

 

「・・・・・もっと早く来いよ・・・」

 

ぐぎぎぎと歯軋りをする岬。

 

「サンダー・ボルトを発動、 サイバー・ヴァリーを破壊する」

「分かりました、 チェーンして異次元の埋葬を発動して除外されている

サイバー・ヴァリー2体を墓地に戻します」

「あん? 何だそりゃあ・・・不屈闘士レイレイを召喚する

そしてレイレイでダイレクトアタック」

「メインフェイズ1終了時に伏せていたリビングデッドの呼び声を発動します

墓地のサイバー・ヴァリーを特殊召喚します」

「あぁあああああああああああああああ!! またかよおおおおおおおお!!」

「チェーンして地獄の暴走召喚を発動

墓地からサイバー・ヴァリー2体を攻撃表示で特殊召喚します

貴女もお好きなモンスターを特殊召喚して下さい」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

岬がふるふると震える。

 

「このポンコツが・・・絶対打っ壊す・・・」

「そんな事したら警備に止められますよ」

「くぎぎぎ・・・バルバロスをデッキから特殊召喚だ・・・

ヴァリーに攻撃」

「除外して効果発動、 デッキから1枚ドローしてバトルフェイズは終了です」

「ターンエンド!!」

 

岬手札:3→1

 

「私のターン、 ドロー」

 

クレバー手札:6→7

 

「またどーせターンエンドだろ? 分かってんだよこっちは」

「カードを1枚セットしてターンエンド」

 

クレバー手札:7→6

 

「俺のターン、 ドロー!!」

 

岬手札:1→2

 

「サイクロン発動、 リビングデッドの呼び声を破壊して

蘇ったサイバー・ヴァリーを破壊、 そしてレイレイでヴァリーに攻撃」

「攻撃宣言時にサイバー・ヴァリーを除外して効果発動

チェーンして罠カード発動」

「は?」

「邪神の大災害、 フィールドの魔法・罠カードを全て破壊する」

「っ!! させるかぁ!! セットしていた宮廷のしきたりを発動!!

宮廷のしきたりがある限り表側になっている永続罠は破壊されない!!

しきたりとモンスターゾーンが一杯で発動できない

メタル・リフレクト・スライムは破壊されるがスキルドレインは破壊されない!!

ターンエンドだ!!」

 

岬手札:2→1

クレバー手札:6→7

 

「私のターン、 ドロー」

 

クレバー手札:7→8

 

「プロト・サイバー・ドラゴンを召喚

そしてパワー・ボンドを発動」

「来たか・・・サイバー流の十八番!!」

「サイバー・ドラゴン扱いのプロト・サイバー・ドラゴンと

サイバー・ドラゴンを融合し、 サイバー・ツイン・ドラゴンを融合召喚

パワー・ボンドの効果により攻撃力は倍の5600になる」

 

クレバー手札:8→5

 

「化け物め・・・!!」

「そしてサイバー・ツイン・ドラゴンでバルバロスに攻撃」

「っ!!」

 

岬LP:3000→400

 

「そしてターンエンド、 エンドフェイズにパワー・ボンドの効果で

サイバー・ツイン・ドラゴンの攻撃力2800のダメージを受けます」

 

クレバーLP:3700→900

 

 

 

 

 

 

 

「ライフポイントは互いに1000を切りましたが・・・如何思います?

モンスターは岬さんの方が多いですが攻撃力では勝る状況です

何方が優勢でしょうか?」

 

宮迫に尋ねるマリン。

 

「手札はクレバーが優勢・・・ですが今までカードを使うそぶりすら無かった

これは一体何が狙いなのか・・・」

「使えないカードなんでしょうか?」

「どうでしょうか・・・AIの考える事は人間とは違いますね・・・

AI対策、 考えた方が良いかもしれません」

 

 

 

 

 

「俺のターン!! ドロー!!」

 

岬手札:1→2

 

「攻撃力5800のモンスターに対抗する手段は無いが

沢山並べたモンスターで場を濁させて貰おう!!

モンスターをセットしてフィールドのモンスターを全部守備表示!!

ターンエンド!!」

 

岬手札:2→1

 

「私のターン、 ドロー」

 

クレバー手札:5→6

 

「エネミーコントローラーを発動、 レイレイを攻撃表示に変更

サイバー・ツイン・ドラゴンで攻撃」

「・・・・・クソ・・・」

 

岬LP:400→0

 

 

 

 

 

 

 

 

「勝利したのはクレバー・・・か」

「最愛の奴め、 また調子に乗るだろうな・・・」

 

別室に待機しているサイバー流の教師陣。

 

「さてと、 師範代も来たしテレビは消して置こう」

 

試合が映っていたモニターを消す才眠。

 

「師範代、 先程の事、 カイザーは何と言っていた?」

 

粉砕が今にも殴りそうな形相で鮫島を見た。

 

「亮が以前、 西湖の亡霊とデュエルをしたと言う話は知って居ますね?」

「あの与太話、 マジだったのか?」

「西湖の事を知らないからそう言えるんですよ・・・

奴だったら地獄を攻め落としている位の事はやっていると思っています」

「ふん、 でそのサイコ野郎が如何したって?」

「彼とデュエルをして触発されたらしいのです・・・」

 

頭を抱える鮫島。

 

「・・・もうカイザー殺した方が良いんじゃないのか?」

 

最煉が打っ飛んだ事を言う。

 

「マジで何を言ってんだ?」

「自分の部が無くなったからって自暴自棄になるのは良くない」

「いや、 だって第一サイバー流デュエル部の七色顧問を知って居るだろう?

奴だって免許皆伝の腕前を持っているがリスペクトデュエルに

何の興味も示さない奴だ、 今は鮫島師範代が買収しているが

もしも奴がカイザーと共謀すれば何が大きな事件を起こしそうな気がする」

「だとしても殺すのは無しだ、 普通に犯罪だぞ」

「子供の戯言と聞き流そう」

「そうだな・・・」

 

ランニングマンが部屋の隅を指差す。

監視カメラが設置されている。

 

「!! ・・・・・そうですね・・・カッとなりました」

「分かれば良いんだよ、 だがしかし、 だ

我々は止しとしても鮫島師範代はこれから大変じゃないんですか?

ブロックを統括している特別師範達が何も言って来ない訳が無い」

「ぐ・・・」

 

脂汗を流す鮫島。

 

「何れにせよ亮をこれからどうするか、 と言う事だな・・・」

「如何するって・・・何が出来るんです?」

 

カメラを見る最煉。

あまり大事は出来ないだろう。

 

「・・・・・鮫島師範代に責任を取って貰う、 かもネ」

 

鬼才が呟く。

 

「サイバー流を廃れさせる訳には!!

リスペクトデュエルを廃れさせる訳にはいかない!!

何としてでも!!」

 

鮫島が鬼気迫る顔で叫んだ。



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アカデミア対抗戦:太陽VSケバス[岩|]_・)

「さぁ、 次の試合は

アークティック校のフリオ・ゼール・ケバスVSノース校の取巻太陽!!

アークティックは例の如くプロ起用ですが宮迫さん

ケバスさんは一体どんなデュエリストでしょうか?」

 

マリンが宮迫に尋ねる。

 

「海外のプロデュエリストですがトミーさんよりも格上のデュエリストです

通称『花崗岩の拳を持つ男』と呼ばれており堅実な戦い方をします

一時期は連勝記録が止まらない事態にもなった事があるそうです」

「なるほど・・・先の雪辱をアークティックが果たせるか、 注目ですね」

 

 

 

 

 

 

 

 

デュエルリングで対峙するケバスと太陽。

 

「しゃあ!! 来いやぁ!!」

 

気合十分のケバス。

 

「行くぞ」

 

太陽は自信を持って呟いた。

 

「「デュエル!!」」

 

先行は太陽になった。

 

「俺のターン、 ドロー!!」

 

太陽手札:5→6

 

「モンスターをセット、 カードを2枚セットしてターンエンド!!」

 

太陽手札:6→3

 

「俺のターン!! ドロー!!」

 

ケバス手札:5→6

 

「フィールド魔法、 岩投げエリアを発動!!

このカードがフィールドゾーンに存在する限り

自分のモンスターが戦闘で破壊される場合

代わりに自分のデッキから岩石族モンスター1体を墓地へ送る事ができる!!

続いてコアキメイル・ガーディアンを召喚して

セットモンスターに攻撃!!」

「セットモンスターはピラミッド・タートル

戦闘破壊されたのでデッキからモンスターを特殊召喚したいのですが・・・」

「それは駄目だ、 コアキメイル・ガーディアンを生贄にして

効果モンスターの効果発動を無効にし破壊する!!」

「ならば伏せていた終焉の焔を発動、 トークン2体を守備表示で召喚」

「む・・・メインフェイズ2、 魔救の息吹を発動

コアキメイル・ガーディアンを墓地から守備表示で特殊召喚

カードを1枚セットしてターンエンド

エンドフェイズにコアキメイル・ガーディアンの維持コストとして

手札のコアキメイル・オーバードーズを見せる」

 

ケバス手札:6→2

 

 

 

 

 

 

 

「対策していたけど対策し切れなかったか・・・」

 

トミーがアークティック校の控え室で観戦していた。

 

「ガーディアンでダブルコストンの召喚を抑えたが

トークンを残しちまったのは不味かったなぁ・・・」

 

アーネストがやれやれと呆れている。

 

「しかし岩投げエリアは厄介だ

出されたら割らなければモンスターが倒せん」

「だな、 最上級モンスターを出せても攻撃は1回だし

蘇生させたガーディアンで防御は出来る」 

「ケバスも上げたテンションを落ち着けて来たし

なんとかなる・・・か?」

 

 

 

 

 

 

 

「俺のターン、 ドロー!!」

 

太陽手札:3→4

 

「トークン2体を生贄にダークネス・デストロイヤーを召喚!!」

「貫通持ちの2回攻撃の最上級モンスターか!!

使い難いのに使われると鬱陶しい奴!!」

「この状況では役立つ!!

ダークネス・デストロイヤーでガーディアンに2回攻撃!!」

「させるかよ!! 俺は伏せていた岩投げアタックを発動!!

デッキから岩石族モンスター1体を捨てて相手に500のダメージ!!」

 

太陽LP:4000→3500

 

「俺がデッキから捨てるのはタックルセイダー

こいつは墓地へ送られた場合に2つの効果の内、 1つを発動できる

俺が発動するのは月の書効果だ!!

ダークネス・デストロイヤーを裏守備にする!!」

「カウンター罠!! 闇の幻影!!

闇属性モンスターに対する効果モンスターの

効果・魔法・罠カードの発動を無効!!」

「ちぃ!!」

「ダークネス・デストロイヤーの攻撃は続行!!」

 

ケバスLP:4000→2900→1800

 

「だが岩投げエリアの効果発動

デッキから巌帯の美技-ゼノギタムを捨てる

巌帯の美技-ゼノギタムは墓地に送られた時に

巌帯の美技-ゼノギタム以外の岩石族モンスター1体を手札に加えて

手札を1枚デッキトップに戻す

俺はカオスポッドを手札に加える」

「くっ・・・面倒なカードを・・・ターンエンド」

 

太陽手札:4→3

 

「俺のターン、 ドロー!!」

 

ケバス手札:2→3

 

「モンスターをセットしてターンエンド!!」

 

ケバス手札:3→2

 

 

 

 

 

「カオスポッドを手札に抱えたという事は

カオスポッドを伏せたという事でしょうね」

「カオスポッドは中々に厄介

リバースすれば攻撃が防がれてしまいますから

サイバー流でもカオスポッドを超えられないという人が居ます」

 

解説をする宮迫。

 

「ここは何とかリバースさせずに破壊したい所ですが・・・」

「スナイプストーカー辺りが引ければ良いのですが・・・」

 

 

 

 

「俺のターン、 ドロー!!」

 

太陽手札:3→4

 

「ダークネス・デストロイヤーでセットしているカオスポッドに攻撃!!」

「セットモンスターはダミー・ゴーレムだ」

 

ケバスLP:1800→300

 

「ダミー・ゴーレム? って何だっけ・・・」

「リバース効果発動、 相手はコントロールしているモンスター1体を選択し

選択したモンスターとこのカードのコントロールを入れ替える」

「なっ・・・ダークネス・デストロイヤーを選択するしかない」

「では交換成立だ、 岩投げエリアで墓地に送るモンスターは

2体目の巌帯の美技-ゼノギタム

デッキからブロックドラゴンを手札に加える」

「・・・カードを1枚セットしてモンスターをセットしてターンエンド」

 

太陽手札:4→2

 

 

 

 

 

「してやられた形になったな・・・

カオスポットでは無くダミー・ゴーレムとは・・・」

 

ノース校の控え室で苦々しい顔をする万丈目。

 

「してやられたな

ブロックドラゴンは特殊召喚出来るモンスターの上に

岩石族の効果破壊を無効に出来るモンスター

セットカードが破壊系のカードだったら無意味

セットモンスターが何か知らないがリクルーターでも

魂を削る死霊でもダークネス・デストロイヤーでやられる」

「モンスターを奪われる事がこう作用するとはな・・・」

「次の順番は俺だ、 アップをしておこう」

 

ウィーンと駆動音が始まるビショップ。

 

 

 

 

「俺のターン、 ドロー!!」

 

ケバス手札:2→3

 

「コアキメイル・オーバードーズを召喚!!」

「してやったり」

「は?」

「罠発動、 つり天井!!

フィールド上にモンスターが4体以上存在する場合

フィールド上に表側表示で存在するモンスターを全て破壊する!!」

「なっ・・・何でそんなカードを・・・

ダークネス・デストロイヤーが・・・」

「そのまま殴りかかられたら負けていたよ」

「と言う事はそのセットモンスターの守備力は200以下

と言う事か? 見た所、 闇属性デッキだから魂を削る死霊辺りか?

少なくともジャイアントウィルスじゃない様で安心したぞ」

「・・・・・お喋りが過ぎたな、 反省しよう」

「そうだな、 俺は墓地の地属性モンスター3体を除外しブロックドラゴンを

攻撃表示で特殊召喚!!」

 

除外された地属性モンスター

コアキメイル・オーバードーズ

コアキメイル・ガーディアン

ダミー・ゴーレム

 

「そしてブロックドラゴンでセットモンスターに攻撃!!」

「セットモンスターはマッド・リローダーだ

このカードが戦闘で破壊され墓地へ送られた場合

手札を2枚選んで墓地へ送り自分はデッキから2枚ドローする」

 

太陽が手札から捨てたカード

闇黒の魔王ディアボロス

パンデミック・ドラゴン

 

「ヤバいカードがぞろぞろと墓地に・・・ターンエンド!!」

 

ケバス手札:3→1

 

 

 

 

 

「ふむ生き残ったか

現在の太陽が次ターンでの勝利の確定は甘く見積もって30%強だな」

 

ノース校の控え室でビショップが偉そうに言う。

 

「さっきは負けると思ってアップしていて偉そうに・・・」

「その数字の根拠は?」

 

ルークが尋ねた。

 

「太陽のデッキにはキラー・トマト

ジャイアントウィルスが3枚済みされている

引けばジャイアントウィルスの自爆特攻での効果ダメージ

そして死者蘇生等の蘇生カード、 枚数は分からないが2枚としておこう

更に闇属性モンスターを生贄をすればディアボロスが出て来る

エネミーコントローラ位は入れているだろう、 引けば勝利確定カードが9枚

残りデッキ枚数が30枚だからほぼ3分の1の確率で勝てる」

「面白い計算だ、 しかしその計算通りに行かないのがデュエルだ」

 

万丈目が冷や汗を流す。

 

「引ければ勝ちだ、 引け!!」

 

祈りながら言葉を絞り出した。

 

 

 

 

 

 

 

「俺のターン、 ドロー!!」

 

太陽手札:2→3

 

「自分のメインフェイズ時に

自分の墓地の闇属性モンスターが3体以上の場合、

その内2体をゲームから除外する事で

ダーク・ネフティスを手札から墓地へ送る」

 

除外するモンスター

マッド・リローダー

ダークネス・デストロイヤー

 

「モンスターをセットしてターンエンド」

 

太陽手札:3→1

 

「ここで引けないのは致命的だったな」

 

ケバスが煽る。

 

「致命的なのはそっちだろう、 ライフは風前の灯

しかもこっちは学生でそっちはプロ

それなのに負けそうって事自体があり得ないだろ」

「言うね、 餓鬼が・・・ドロー」

 

ケバス手札:1→2

 

「ブロックドラゴンで攻撃」

「セットモンスターは執念深き老魔術師」

「ブロックドラゴンで破壊は無効だ」

「良いだろう、 だが手札から異界の棘紫竜を攻撃表示で特殊召喚

このカードは自分フィールド上のモンスターが

戦闘またはカードの効果によって破壊され墓地へ送られた場合

手札から特殊召喚できる」

「くっ・・・モンスターをセットしてターンエンド」

 

 

ケバス手札:2→1

 

 

 

 

 

 

 

 

「ダーク・ネフティスと異界の棘紫竜が有りますから生贄には困らない・・・

しかし次のターンに最上級モンスターを引けるかが問題ですね」

 

宮迫が解説をする。

 

「いや、 もう入っていないんじゃないんですか?

最上級モンスターは見えているだけで3枚

これ以上入っていると辛いかと・・・」

「いやダブルコストンが入っているので

最上級モンスターの召喚に特化したデッキの可能性も有ります」

「何方にせよ次のターンのドローですね・・・」

 

 

 

 

 

 

 

「俺の・・・ターン!!」

 

太陽手札:0→1

 

「ダーク・ネフティスが墓地から蘇生させる!!

そして効果によりフィールド上の魔法・罠カード1枚を選択して破壊する!!

俺が破壊するのは岩投げエリア!!」

「まぁそれしかないからな・・・」

「そして2体のモンスターを生贄に捧げて

The supremacy SUNを召喚!!」

「The supremacy SUN?

聞いた事無いモンスターだが・・・」

「効果は兎も角攻撃力は3000だ、 ブロックドラゴンに攻撃」

 

ケバスLP:300→0

 

 

 

 

 

 

「ノース校の取巻太陽!! プロ相手にまさかの二人抜きぃ!!」

 

うわあああああああああああああああああ!!

と歓声が鳴り響く。

 

「まさかまさかの二連勝!! 一番手でこれ程までに強いとは・・・

ノース校って実力者なんですかね!?」

「そう言う話は聞いた事は無いですが・・・しかしこれ程迄とは・・・」

 

宮迫も吃驚している。

 

「最後のモンスター、 見た事有ります?」

「いや、 無いな、 何だろうか? 海外のレアカードか?」

「まぁ、 後で資料を確認しましょうか!! では次の試合の準備に入ります!!」

 

 

 

 

 

 

 

「The supremacy SUN・・・」

 

本校の控え室で呟くメグ。

 

「知って居るのか? メグ?」

「結構なレアカードの筈だけど・・・良く持って居たなぁ・・・」

 

ひはつが呟いた。

 

「(如何やらこの世界では知って居ても可笑しくないカードみたいね)

いや、 ちょっと驚いただけ・・・でも太陽ってこんなに強かったっけ・・・」

「鍛えている、 と言う事だろう」

 

亮がぽつりと呟いた。

 

「万丈目のオマケと思っていたら、 俺達でもやられるかもしれない

皆、 気を付けろ」

「おう!!」

「うん」

「分かった」

 

気合いを入れ直した一同だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

デュエルアカデミアの地下の地下。

第一サイバー流デュエル部顧問がソファーから立ち上がっていた。

 

「プラネットシリーズの一番レアなカードか・・・収集に欲しい、 が

アレは精霊のカードね・・・譲って貰うのは無理めかなぁ・・・」

 

ソファーに座り直してぽりぽりとばかうけを食べる。

 

「しかし精霊のカードを持って来るとは面白いなぁ・・・」



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アカデミア対抗戦:c(.(.(.(.(@・ω・)青虫VS明日香

ウェスト校の控え室。

明日香が精神統一をしていた。

 

「・・・・・」

「天上院さん、 そろそろ試合ですー」

 

係員が呼びに来た。

 

「分かりました・・・」

 

明日香が立ち上がる。

その足取りは重い、 相手は亮を打ち破ったデュエリスト。

確実に自分がこれまで戦って来たデュエリストとは違う。

 

「明日香・・・勝って来い!!」

 

プロフェッサーコブラが檄を飛ばす。

 

「はい!!」

 

明日香は胸を張って前に進んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、 サウス校の控え室では青虫がむしゃむしゃとキャベツを食べていた。

 

「キャベツだけで大丈夫かい?」

「美味しいよ?」

 

寝無の心配を大して気にもせずにキャベツを食べ終わる青虫。

 

「それじゃあ行って来る―」

「てらー」

 

明日香は強敵だろうが青虫にとっては日常である。

恐れるに足りない相手、 しかし慢心せずに行こう。

青虫はそう思っていた。

青虫の狙いは全勝、 サウス校のストレート勝ち。

勝っても驕らずに進もうとした。

 

 

 

 

 

 

 

 

「さぁ!! 第二回戦も最終試合!!

サウス校の童実野町の刺客!! 腹・ペコ・青虫VS

ウェスト校の美少女デュエリスト!! 天上院明日香ぁぁあああ!!」

 

わああああああああああああああああああああとマリンの解説に会場が沸く。

 

「よろしくねー」

「よろしく・・・」

 

青虫の言葉に返す明日香。

 

「「デュエル!!」」

 

先行は青虫になった。

 

「僕のターン、 ドロー」

 

青虫手札:5→6

 

「モンスターをセット、 カードを5枚セットしてターンエンド」

 

青虫手札:6→0

 

「・・・・・」

 

いきなりのフルセットに戸惑う明日香。

 

「1ターン目からこんなに戦慄するなんて・・・

私のターン、 ドロー!!」

 

明日香手札:5→6

 

「サイバー・プチ・エンジェルを召喚

効果でデッキからサイバー・エンジェル-韋駄天-を手札に加える!!

そして手札から機械天使の儀式を発動!!

手札の韋駄天とサイバー・プチ・エンジェルを生贄に捧げて

サイバー・エンジェル-荼吉尼-を儀式召喚!!

このカードが儀式召喚に成功した場合

相手は自身のフィールドのモンスター1体を墓地へ送らなければならない!!」

「じゃあ裏守備の巨大ネズミを墓地に送る」

 

明日香手札:6→3

 

「韋駄天の効果で荼吉尼の攻撃力は1000ポイントアップ

攻撃力は3700!!」

「・・・・・」

 

青虫の表情からは様子が伺い知れない。

焦っている訳では無い。

 

「・・・・・荼吉尼でダイレクトアタック!!」

「ディメンション・ウォールを発動

戦闘ダメージはそっちが受ける」

 

明日香LP:4000→300

 

「く・・・カードを2枚伏せてターンエンド!!

荼吉尼の効果で墓地の機械天使の儀式を手札に加えるわ」

「マインドクラッシュを発動して

宣言は機械天使の儀式で」

「そんな・・・」

 

明日香手札:3→1

 

 

 

 

 

「いきなりの大型モンスターの召喚した明日香さんも凄いですが

跳ね返すとは・・・恐るべし・・・」

 

戦慄するマリン。

 

「うーん、 しかしディメンション・ウォールは

スピリットバリアとの兼ね合いが悪い様に思えますね

引けなかった時の保険でしょうか?」

「そうですかね・・・しかしカードを全部伏せている中で攻撃するとは

聊か軽率では無いでしょうか?」

「破壊カードが引けなかったのが災いした様ですね・・・厳しいでしょう」

「まだ2ターン目、 立て直しに期待しましょう」

 

 

 

 

 

 

「立て直しに期待か・・・難しいな」

 

大胸筋を露出させながら泉田塔一郎がウェスト校の控え室で呟いた。

 

「何故そう思う?」

「今、 アイツは派手に転んだ、 派手に転べば立ち上がるのも難しい」

「それならば問題無い」

 

コブラが事も無げに言う。

 

「明日香は転んでも立ち上がれる強いデュエリストだ

100回負けても101回目に勝利出来ると抗えるデュエリストだ

増してや今回の相手はカイザーを倒したデュエリスト

ならば追い詰められるのも既に分かり切っていた事

来ると分かっているのならば覚悟は出来る」

「覚悟・・・ですか」

「日本人特有の根性論、 って奴ですか?」

 

ニナが尋ねる。

 

「似て非なる物だ、 備えは既にしてあるはず

転んでそのままになる様なそんな根性無しではない」

「だと良いんですがね、 次のターンにあっさりとやられないか不安です」

「何れにせよ我々に出来るのは見守る事のみ・・・」

 

コブラが拳を握り締めながら言う。

 

「・・・・・」

 

泉田はモニターを見た。

 

 

 

 

 

 

 

 

「僕のターン、 ドロー」

 

青虫手札:0→1

 

「ピラミッド・タートルを召喚、 伏せていた強制転移を発動」

「伏せカードをチェーン発動!! 神秘の中華なべ!!

荼吉尼を生贄に荼吉尼の攻撃力分のライフを回復!!」

 

明日香LP:300→4000

 

「む、 効果は不発だね

ではピラミッド・タートルでダイレクトアタック」

「罠カード発動!! 戦線復帰!!

このカードの効果で荼吉尼を墓地から守備表示で特殊召喚!!」

「カウンター罠、 盗賊の七つ道具

ライフ1000支払って無効化する」

「う・・・!!」

「攻撃は続行される」

 

青虫LP:4000→3000

明日香LP:4000→2800

 

「・・・・・」

「これでターンエンド」

 

青虫手札:1→0

 

「私のターン、 ドロー!!」

 

明日香手札:1→2

 

「・・・・・・・・・・・」

 

動きが止まる明日香。

如何やら考え込んでいる様だ。

カードを見て只管考えている。

 

 

 

 

 

 

 

そして3分が過ぎた。

 

「ジャッジー」

 

青虫がジャッジを呼んだ。

 

「これは遅延行為じゃないの? 考えるにしても考え過ぎだよ」

「そうですね、 天上院さん、 そろそろ動いて下さい」

「・・・・・分かりました」

 

すっ、 と手札のカードに手を伸ばした。

 

「一つ良いかしら?」

「何?」

 

明日香の言葉に明らかにイライラする青虫。

散々待たされたのだから仕方がない。

 

「私は考えていたんじゃない、 覚悟を決めていたのよ」

「?」

「コーリング・ノヴァを召喚してピラミッド・タートルに攻撃!!」

 

青虫LP:3000→2800

 

「・・・・・リクルーターデッキ相手にリクルーター? 正気かい?」

「正直、 リクルーターの扱いは貴方の方が上なんでしょう

それは分かる、 だからこれは賭けよ・・・さぁ来なさい!!」

「・・・ピラミッド・タートルの効果で

デッキからゾンビーナを召喚」

「カードをセットしてターンエンド!!」

 

明日香手札:2→0

 

 

 

 

 

「リクルーターデッキにリクルーターをぶつけるか・・・」

「リクルート合戦で押し負ける、 ムチャだ」

 

ノース校の控え室で色彩とルークが話している。

 

「無茶、 と言う訳でも無いぞ」

 

万丈目が割って入る。

 

「何故そう思う?」

「恐らく天上院君はセットカードを読んでいるんだろう」

「どういう事だ?」

「まず荼吉尼の召喚を無効にした

この事からセットカードに二枚目の強制転移等の

コントロール奪取カードは無い

そしてスピリットバリアも恐らくは無いだろう

何故ならばリクルーターが大量に入っているデッキで

リクルーターを全て破壊し切るのはさっきの試合の様な

20回以上の連続攻撃でもない限り不可能

つまりリクルーターとスピリットバリアがあれば

ほぼ戦闘ダメージは気にしなくて良い

ならば荼吉尼の蘇生は無視しても構わない」

「・・・・・荼吉尼を出して

他のサイバー・エンジェルの儀式の生贄にされるのを嫌がったんじゃないのか?

確かサイバー・エンジェルには儀式召喚された時に

魔法罠を破壊するカードが有った筈だ

そのカードで伏せて有るスピリットバリアを破壊されるのを

警戒して蘇生を妨害したのかも」

 

万丈目の推理に横槍を入れるルーク。

 

「それだったら別に寧ろ罠による魔法罠の破壊を警戒するだろう

盗賊の七つ道具は温存する筈だ」

「それもそうか・・・しかしそもそもの話だが

何の為のフルセットだ? モンスターがメタモルポッドなら分かるが

フルセットは幾ら何でもリスクが高過ぎる

強制転移も伏せているし意味が分からん」

「カード全破壊をさせようとしているのか?

破壊で効果が発動するカードとか・・・」

「だとするとカード5枚使っておつりが来る効果のカードか?

そんなカードあったか?」

「うーん・・・如何だったか・・・

何れにせよリクルーターデッキに対してリクルーターを召喚したのは

何かしらの勝算があってこそ出来る行為だと思う」

「ふむ・・・なら見させて貰おうか、 その勝算とやらを」

 

 

 

 

 

 

「僕のターン、 ドロー」

 

青虫手札:0→1

 

「ちょっと考えさせてね・・・」

 

沈黙する青虫、 少し考えた後に動いた。

 

「・・・ゾンビーナを守備表示、 モンスターをセットしてターンエンド」

 

青虫手札:1→0

 

 

 

 

 

「一体、 如何読んだのかは不明ですが守備を固めましたか・・・

宮迫さん、 如何思いますか?」

 

実況のマリンが解説の宮迫に尋ねる。

 

「互いの読み合いの結果、 でしょうね

それもかなり高度の」

「読み合い・・・ですか? 具体的には?」

「うーん・・・端から見ている我々でも多少の事は予測出来ますよね?

しかしながらデュエルリングで立っている二人には

全く別の風景が見えている

そこから読み解ける物は我々が見ている物とは全く違うのです」

「なるほど・・・つまり明日香さんを警戒した青虫君は

守備に転じたと」

「読みが合っているかはこれから分かるでしょう」

 

 

 

 

 

 

(メタバ天空の聖域からのパーシアスが来ると厄介だからね

攻撃力は如何でも良いけど、 ドローが厄介だ

ここは必要なパーツも揃って無い、 見に回ろう)

(と青虫が思っていてくれるのなら幸いね

何とかこのままドローしてパーツを揃えないと・・・)

 

明日香手札:0→1

 

「・・・ターンエンド」

「僕のターン、 ドロー」

 

青虫手札:0→1

 

「ターンエンド」

「私のターン、 ドロー!!」

 

明日香手札:1→2

 

「良し!! 手札から儀式の準備を発動!!

デッキからサイバー・エンジェル-弁天-と

墓地の機械天使の儀式を手札に加える!!」

「!! 弁天かぁ・・・予想外だなぁ・・・」

 

明日香手札:1→3

 

「そしてセットしてある契約の遂行をコーリング・ノヴァに装備!!

このカードは手札の儀式モンスター1体を相手に見せて

装備モンスターのレベルはターン終了時まで

見せたモンスターのレベルと同じになる!!

私は弁天を見せてコーリング・ノヴァのレベルを6にする!!

そして機械天使の儀式を発動!! コーリング・ノヴァを生贄に

弁天を攻撃表示で特殊召喚!!」

「うーん、 きついなぁ・・・」

「弁天でゾンビーナに攻撃!! 弁天の効果発動!!

このカードが戦闘でモンスターを破壊し墓地へ送った場合に

そのモンスターの元々の守備力分のダメージを相手に与える!!」

「これは辛いなぁ・・・」

 

青虫LP:2800→1300

 

「じゃあゾンビーナの効果で巨大ネズミを特殊召喚するよ」

「これでターンエンド!!」

 

明日香手札:3→1

 

 

 

 

 

「終わったわね」

「そうかしら・・・」

 

サウス校の控え室。

若田と駒田が話している。

 

「青虫さんとデュエルした事は?」

「無いけど・・・」

「青虫さん、 笑いをかみ殺しているよ

恐らく次のターンで決めるつもり」

「そうかなぁ・・・」

 

 

 

 

 

 

「僕のターン、 ドローっと・・・」

 

青虫手札:1→2

 

「手札を1枚捨ててレインボー・ライフを発動」

 

手札から捨てたカード

謙虚な壺

 

「レインボー・ライフ?」

「そう、 このカードを発動したターン

自分は戦闘及びカードの効果によってダメージを受ける代わりに、

その数値分だけライフポイントを回復する

ついでにセットしていた共鳴虫も反転召喚するよ」

「・・・・・あ」

 

サイバー・エンジェル-弁天-の攻撃力は1800

青虫のデッキに入っている

リクルーターの流れによる大量召喚の流れに組み込まれているモンスターは

巨大ネズミ攻撃力1400、 守備力1450

ピラミッド・タートル攻撃力1200、 守備力1400

ゾンビーナ攻撃力1400、 守備力1500

共鳴虫攻撃力1200、 守備力1300

ドラゴンフライ攻撃力1400、 守備力900

機皇兵スキエル・アイン攻撃力1200、 守備力1000

機皇兵ワイゼル・アイン攻撃力1800、 守備力0

 

ピラミッド・タートルとゾンビーナが1体ずつ墓地に置かれている

現状から逆算すると

巨大ネズミ→巨大ネズミ→ピラミッド・タートル→ゾンビーナ

→ピラミッド・タートル→ゾンビーナ→巨大ネズミ→共鳴虫×3

→ドラゴンフライ×3→機皇兵スキエル・アイン×3

→機皇兵ワイゼル・アインと言う順番で戦闘が行われる。

この一連の流れで受けるダメージは戦闘ダメージは8000

そして効果ダメージが19750、 合計すると27750。

 

青虫LP:2800→30550

 

流石に全ての戦闘の描写は割愛させて頂く。

 

「LPが30000を超えた・・・!!」

「そして機皇兵ワイゼル・アインで弁天に攻撃、 これで相打ち」

「くっ!! 墓地の機械天使の儀式を除外して効果発動!!

自分フィールドの光属性モンスターが戦闘・効果での破壊を無効に!!」

「ふーん、 じゃあこっちが一方的に破壊されます

それじゃあ貪欲な壺を発動、 墓地から以下の5体をデッキに戻して2枚ドロー」

 

デッキに戻すモンスター

巨大ネズミ

巨大ネズミ

巨大ネズミ

ピラミッド・タートル

ピラミッド・タートル

 

青虫手札:0→2

 

「カオス・ネクロマンサーを召喚

墓地のモンスターは以下の通りだから4200だね」

 

青虫の墓地のモンスター

ピラミッド・タートル

ゾンビーナ

ゾンビーナ

ゾンビーナ

共鳴虫

共鳴虫

共鳴虫

ドラゴンフライ

ドラゴンフライ

ドラゴンフライ

機皇兵スキエル・アイン

機皇兵スキエル・アイン

機皇兵スキエル・アイン

機皇兵ワイゼル・アイン

 

「これでターンエンド」

 

青虫手札:2→1

 

 

 

 

 

 

 

「あ、 明日香ぁ・・・」

「終わりだな・・・」

 

本校の控え室で見ている十代と亮。

 

「リクルーターにとって厄介な効果を逆に利用するとは・・・

恐ろしいデュエリストだ・・・」

「セットカードが謎過ぎる、 何で最初に5枚セットしたの?」

「それは・・・分からないが、 兎も角この状況

明日香にほぼ勝ち目は無くなった、 な」

「ま、 まだ分からない」

「十代、 確かにライフの多寡はデュエルには関係無い

ライフが低くても逆転は有るだろう

しかしながらあの青虫がその逆転を許すかが疑問だ」

「う・・・」

「いや、 明日香が勝てる方法は有る」

 

ひはつが言った。

 

「如何言う方法だ?」

「明日香のデッキ次第だが・・・まだ希望はある」

「・・・・・その手があったか・・・」

 

 

 

 

 

 

「私のターン、 ドロー!!」

 

明日香手札:1→2

 

「弁天を守備表示に変更!! モンスターをセットしてターンエンド!!」

 

明日香手札:2→1

 

「まだ諦めないの?」

「えぇ!! まだ諦める時間じゃない!!」

 

青虫の言葉に答える明日香。

 

「??? 僕のターン、 ドロー」

 

青虫手札:1→2

 

「カオス・ネクロマンサーで弁天に攻撃」

「弁天は破壊されるわ」

「うん、 これでターンエンド」

 

 

 

 

 

 

「うーん・・・これは・・・如何思います?

ここから明日香さんが逆転出来るとは思えませんが・・・」

「いや、 チャンスは充分にありますよ」

 

マリンの言葉に反論する宮迫。

 

「まずカオスネクロマンサーですが

戦闘破壊せずとも効果で退かせば問題無い

そして何よりも青虫君はリクルーターを大量に使った事で

デッキの中のモンスターが少なくなっている

攻撃の手数はぐっと減ります」

「逆にリクルーター以外の有効札を引く可能性も有りますよ?」

「ならば明日香さんが逆転の一手を引く可能性も有る」

「如何でしょうか・・・」

 

 

 

 

 

 

「私のターン!! ドロー!!」

 

明日香手札:1→2

 

「カードを2枚セットしてモンスターを反転召喚!! メタモルポット!!

互いに手札のカードを全て捨てて5枚ドロー!!」

「むむ・・・」

 

青虫が捨てたカード

ジャンク・アタック

打ち出の小槌

 

明日香手札:0→5

青虫手札:2→5

 

「マンジュゴッドを召喚!!

デッキからサイバー・エンジェル-那沙帝弥-を選択!!

そして2枚目の機械天使の儀式を発動!!

メタモルポットとマンジュゴッドを生贄に那沙帝弥を守備表示で特殊召喚!!

カードをセットしてさっきセットした手札抹殺を発動!!」

「あぁ・・・そう言う事ね」

 

明日香が捨てたカード

サイバー・エッグ・エンジェル

竜姫神サフィラ

 

青虫が捨てたカード

ジャンクアタック

超装甲兵器ロボ ブラックアイアンG

巨大ネズミ

巨大ネズミ

スピリットバリア

 

「那沙帝弥の効果で那沙帝弥を選択してライフを500回復!!

そしてカードをセットしてターンエンド!!」

 

明日香LP:2800→3300

明日香手札:5→1

 

 

 

 

 

 

 

「なるほど、 そう来たか・・・流石は天上院君」

「どういう事だ万丈目?」

 

ノース校の控え室で万丈目の呟きを尋ねるルーク。

 

「良いか? 計算してみろ、 青虫の使ったカード枚数を・・・」

「・・・・・あ」

 

そこで気が付いた。

 

「デッキ切れを狙うつもりか!!」

「その通り、 青虫が今引いたカードを含めて34枚

後6ターン、 いや明日香君が相手にドローさせるカードがあれば

もっと早くにケリが付く!!」

「だがデッキ切れに対して対策をしていない筈が無い

それだったら態々ライフ回復して

デッキ枚数を削る意味が分からないぞ?」

 

ビショップが口を挟む。

 

「貪欲な壺は入っているかもしれないな」

「そうだな・・・」

 

 

 

 

「僕のターン、 ドロー!!」

 

青虫手札:5→6

青虫デッキ:6→5

 

「ん-、 デッキ切れを狙っていたんだろうけどさ

それは無理筋でしょ、 2枚目の貪欲な壺を発動

以下のモンスターをデッキに戻して2枚ドロー」

 

デッキに戻すカード

ピラミッド・タートル

ゾンビーナ

ゾンビーナ

ゾンビーナ

共鳴虫

 

「チェーンして転生の予言を発動!!

貴方の墓地のゾンビーナと私の墓地の儀式の準備をデッキに戻す!!

これで貪欲な壺は不発!!」

 

青虫デッキ:5→6

 

「でもまだデッキには貪欲な壺は眠っているよ

幾ら何でもデッキキルは無理な話だよねぇ

モンスターをセットしてカードを1枚セットしてターンエンド」

 

青虫手札:6→4

 

「私のターン、 ドロー!!」

 

明日香手札:1→2

 

「貪欲な壺を発動、 墓地の5枚を戻して2枚ドロー」

 

デッキに戻すカード

コーリング・ノヴァ

サイバー・エッグ・エンジェル

竜姫神サフィラ

サイバー・エンジェル-韋駄天-

サイバー・プチ・エンジェル

 

明日香手札:1→3

 

「手札から儀式の下準備を発動!!

デッキから宣告者の預言と神光の宣告者を手札に加える!!

そして宣告者の預言を発動!!

自分の手札・フィールド上から

レベルの合計が6になるようにモンスターを生贄に捧げて

神光の宣告者を守備表示で特殊召喚する!!

私は手札の勝利の導き手フレイヤと那沙帝弥を生贄に捧げるわ!!

そして宣告者の預言の効果で生贄の為に使ったフレイヤを手札に戻す

更に那沙帝弥の効果で墓地の弁天を除外して墓地から蘇生させる!!

そしてカオス・ネクロマンサーのコントロールも奪う!!」

「だけども君の墓地のカードは少ないからね高い攻撃力は発揮出来ない」

「分かっているわ、 カオス・ネクロマンサーを守備表示にして

那沙帝弥の効果で神光の宣告者を選択して回復してからターンエンド」

 

明日香LP:3300→4200

明日香手札:4→2

 

「僕のターン、 ドロー」

 

青虫手札:4→5

青虫デッキ:6→5

 

「貪欲な壺を発動」

「神光の宣告者の効果発動!!

手札のフレイヤを捨てて貪欲な壺の効果を無効に!!」

「そうくるよね、 僕はモンスターをセットしてターンエンド」

 

青虫手札:5→3

 

 

 

 

 

「あと5ターン耐えきれれば明日香さんの勝利・・・」

「まさに手に汗を握る、 と言う事ですね・・・

プロの試合でもこんな事は滅多に無い」

 

マリンと宮迫が固唾を飲む。

 

「ですが私から見ても青虫君がまるで焦っていない様に見えます」

「この状況を打開する方法が有るのか・・・?」

 

 

 

 

「私のターン、 ドロー!!」

 

明日香手札:1→2

 

「カードをセットしてターンエンド!!」

 

明日香手札:2→1

 

「僕のターン、 ドロー」

 

青虫手札:3→4

青虫デッキ:5→4

 

「ターンエンド」

「随分余裕そうね」

 

悲観的になっていない青虫に明日香が言葉を投げかける。

 

「実際余裕だよ

僕のデッキにはデッキ切れ負け防止のカードが入っている」

「神光の宣告者は如何するつもり?」

「それも問題無いさ、 さぁ君のターンだ」

「まだ、 貴方のエンドフェイズ」

「うん?」

「ライフ2000支払って伏せカード発動バースト・リバース」

「・・・何だっけ、 それ」

「自分の墓地のモンスター1体を裏守備表示で召喚するカードよ

勿論メタモルポットを召喚するわ」

「・・・・・そうか」

 

すっ、 とデッキに手を置く。

サレンダーである。

 

「サレンダーするの?」

「うん、 セットカードはスピリットバリア

手札に対抗策も無い、 ならばここはサレンダーをするよ

君に倒されるよりも自ら負けを選択する」

「・・・分かったわ、 認めるわ」

 

 

 

 

 

「圧倒的ライフ差を覆し!! 明日香さんの勝利です!!」

 

わああああああああああああああああああああああと歓声が鳴り響く。

 

「これはまさに名勝負だった、 しかし序盤でここまでの戦いとなると

後半のハードルが上がるのでは?」

「うーん、 どうでしょうか・・・っとここで次の試合の組み合わせが発表です」

 

係員から組み合わせ表を貰ったマリンが読み上げる。

 

「イースト校の三番手アモン・ガラムVSアークティック校の三番手霍嵩高!!

サウス校の二番手若田 サン!!VS本校の二番手クレバー!!

ノース校の取巻太陽!!VSウェスト校の天上院明日香!!」




青虫の想定していた動きとしては
デッキに残っているラヴァ・ゴーレムで神光の宣告者を除去し
局地的大ハリケーンでデッキを回復させるという動きを想定していました
まさかメタモルポットをまた使われるとは想定していなかったです。


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アカデミア対抗戦:アモン・ガラムVS霍嵩高(   ´ω`   )

「てめぇ等全員正座せい!!」

 

アークティック校の控え室。

矢島がブチギレていた。

 

「矢島さん、 私は正座無理ね」

 

霍嵩高の体重は230Kg、 正座どころか立っている事すら難しい。

 

「えぇい!! 2連敗だぞ!! 2連敗!! 分かっているのかぁ!?」

「私が負けた訳じゃ無いからね」

「ああいえばこう言う!! お前、 負けたら分かっているのか!?」

「学生相手にプロが3連敗する訳には行かないね」

「勝てるんやろうな!?」

「私がただのでぶだと思っているのか?」

 

すっ、 と霍がズボンのポケットから卵を取り出し床に置いた。

 

「なんや?」

 

そして卵の上に立つ霍。

 

「な、 何ィ!?」

「た、 卵を割らずに上に立つだとぉ!?」

「スゲー!!」

「・・・・・」

 

凄い技術だとは思うが卵の上に立ったから何なのか、 と矢島は思ったが

黙っているのだった。

 

「とにかく勝てよ!!」

「分かってるね」

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃、 イースト校のノーマンも控え室で檄を飛ばしていた。

 

「最後にトッドが控えているからストレート負けにはならないだろうが

あの糞イラつく馬鹿に目に物を見せてやれ」

「心配要りません、 僕ならば大丈夫です」

 

アモンがスッ、 と立ち上がる。

 

「アモン君が居るなら大丈夫っしょー」

 

スウィーニー・トッドがぼさぼさの髪を撫でながら言った。

 

「なら良いんだけどな・・・相手は知って居るか?」

「プロデュエリスト最重量・・・体重200Kg越えのでぶでしょう?

僕は鍛えてます、 負けません」

「ただのでぶでは無い」

 

ノーマンが訂正する。

 

「舐めると痛い目をみるぞ」

「分かりました」

 

 

 

 

 

そしてデュエルリング。

既にアモンが待機している。

 

「さぁて既にデュエルリングではアモン・ガラムさんが待機しています

イースト校の期待の一年生!! と言う事ですが如何でしょうか宮迫さん!!」

「彼のデュエルを見ましたが中々に素晴らしいですねぇ」

 

実況席で話すマリンと宮迫。

 

「対する相手は霍嵩高さんですが・・・」

「元格闘家ですが対戦相手の攻撃により痩せてしまい

現役を退いた過去が有ります」

「意味が分かりませんねぇ・・・まだでしょうか?」

「痩せた体重を戻して格闘家時代よりもウェイトは低くても

200Kg超えの肉体歩く事すら困難・・・」

 

のっしのっしとデュエルリングにやって来る霍。

階段を一歩ずつ歩く。

その顔には疲弊が見て取れる。

 

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

 

必死の咆哮を上げて階段を登り切る霍。

 

「はぁ・・・はぁ・・・」

「大丈夫ですか?」

「心配ないね・・・鍛えているから」

「・・・・・そうですか、 待たせたのですから僕から先行で良いですか?」

「構わないね・・・」

 

「「デュエル!!」」

 

「僕のターン、 ドロー」

 

アモン手札:5→6

 

「雲魔物-アシッド・クラウドを召喚

召喚成功時にフィールド上に存在する

雲魔物と名のついたモンスターの数だけ

アシッド・クラウドにフォッグカウンターを置く

カードを2枚セットしてターンエンド」

 

アモン手札:6→3

 

「私のターン、 ドローね」

 

霍手札:5→6

 

「起動兵士デッドリボルバーを召喚して機械複製術を発動

デッキから2体のデッドリボルバーを召喚するね

二重召喚を発動して2回目の召喚権を得る

そしてグリーン・ガジェットを召喚するね

効果でデッキからレッド・ガジェットを手札に加えるね

デッドリボルバーは効果でそれぞれ攻撃力が2000になるね」

「1ターン目からこれですか・・・」

「じゃあ早速バトルね」

「それは無意味です、 スピリットバリアを発動

これで攻撃のダメージは僕に通りません

それからアシッド・クラウドは戦闘では破壊されません」

「むむー、 ならば仕方ないね、 カードを1枚セットしてターンエンドね」

 

霍手札:6→2

 

「僕のターン、 ドロー」

 

アモン手札:3→4

 

「雲魔物-キロスタスを召喚

召喚成功時にフィールド上に存在する

雲魔物と名のついたモンスターの数だけ

キロスタスにフォッグカウンターを置く

そしてキロスタスのフォッグカウンターを2個取り除いて効果発動

フィールド上のモンスター1体を破壊する

僕が破壊するのはグリーン・ガジェット」

「あいやー、 これじゃあデッドリボルバーの攻撃力が0になるねー」

「それではバトル、 キロスタスでデッドリボルバーに攻撃」

「こっちもスピリットバリアを発動ねー

いやー便利ねこのカード」

「しかしそちらには戦闘破壊耐性は無い

アシッド・クラウドにも攻撃をさせる」

「デッドリボルバーが2体も破壊かー、 切ないねー」

「ではカードをセットしてターンエンド」

 

アモン手札:4→2

 

 

 

 

「双方スピリットバリアですか・・・」

「長引きそうな試合ですね・・・」

 

マリンと宮迫が語る。

 

「先にスピリットバリアを割った方が有利、 ですかね」

「強ちそうとも言えませんよ、 他の要素も絡んできます」

「ふーむ・・・」

 

 

 

「私のターン、 ドローね」

 

霍手札:2→3

 

「ほっほーう、 願ったり叶ったりの手札ね

まずレッド・ガジェットを召喚

効果でデッキからイエロー・ガジェットをサーチする

効果にチェーンして手札からサイクロンを発動

サイクロンにチェーンしてサモンチェーンね」

「サモンチェーン・・・チェーン3でしか発動できないが

召喚権を3つにするカードか」

「その通りね、 それではチェーンを処理するね

サモンチェーンで召喚権が増えて

サイクロンでスピリットバリアを破壊

最後にレッド・ガジェットを手札に加えるね」

「アシッド・クラウドを生贄に水霊術-「葵」を発動

レッド・ガジェットを捨てて貰いましょうか」

「ちぇ・・・」

 

霍手札:3→0

 

「しかしこれで攻撃が通るね

デッドリボルバーとレッド・ガジェットでキロスタスに攻撃ね」

 

アモンLP:4000→2900→2500

 

「くっ・・・しかしこれで貴方の手札は0ですね」

「ぐぬぬ・・・悔しいねターンエンド」

「では僕のターン、 ドロー」

 

アモン手札:2→3

 

「キロスタスを生贄に光神テテュスを召喚

テテュスでデッドリボルバーに攻撃」

「素直に受けるよ」

「そしてターンエンド」

 

アモン手札:3→2

 

 

 

 

 

 

 

「ここでテテュス、 か」

 

メグが本校の控え室で呟く。

 

「雲魔物は天使族だから可笑しくないチョイスじゃない?」

「それもそうね、 雲魔物特化かと思っていた・・・」

 

メグの前世の記憶ではアモンは雲魔物デッキの筈だった。

しかしその時のアモンは3年生。

そもそも1年のこの時にデュエルを見ていないので

変化は有るかもしれないが・・・

 

「スピリットバリア・・・プロも使っているのか・・・

本格的に対策を考えねば・・・」

 

考え込む亮。

 

「しかしガジェットか、 ベタなデッキだね」

「そうね、 ガジェット初心者にも勧めやすいデッキ・・・

だけどプロが使うのは如何だろう?」

「スターウォーズのフォーム1は基本的だけど極めれば凄いじゃない?

そう言う事じゃあ?」

「どういう事よ・・・」

 

要は熟練度の問題である。

どれだけの名刀でも使いこなせなければ意味が無い。

逆に粗悪な刀でも使い慣れていれば名刀にも負けない。

 

「とは言えあのでぶはピンチだな」

「でぶって言うなよ・・・」

 

 

 

 

 

「私のターン、 ドロー」

 

霍手札:0→1

 

「ふむふむ

カードをセットしてレッド・ガジェットを守備表示にしてターンエンドね」

 

霍手札:1→0

 

「僕のターン、 ドロー」

 

アモン手札:2→3

 

「おっとテテュスの効果発動、 自分がカードをドローした時

そのカードが天使族モンスターだった場合

そのカードを相手に見せて自分はデッキから1枚ドローする

僕がドローしたのは雲魔物-タービュランス

追加で1枚ドロー」

 

アモン手札:3→4

 

「墓地のアシッドクラウドを除外して

雲魔物-ストーム・ドラゴンを特殊召喚」

「召喚に対して罠発動、 御前試合

お互いのフィールドにそれぞれ1種類の属性のモンスターしか

表側表示で存在できずお互いのプレイヤーは自身のフィールドの

表側表示モンスターの属性が2種類以上の場合には

1種類になるように墓地へ送らなければならない」

「ならばテテュスを残します

そしてレッド・ガジェットに攻撃」

「OKね」

「これでターンエンド・・・」

 

アモン手札:4→3

 

「私のターン、 ドロー」

 

霍手札:0→1

 

「モンスターをセットしてターンエンドね」

 

霍手札:1→0

 

「僕のターン、 ドロー」

 

アモン手札:3→4

 

「む・・・テテュスでセットモンスターに攻撃」

「セットモンスターはメタモルポットだね

互いに手札を全て捨てて5枚ドロー」

「ふん・・・」

 

アモンが捨てたカード

召喚雲

雲魔物-タービュランス

雲魔物-アルトス

雲魔物-ゴースト・フォッグ

 

アモン手札:4→5

霍手札:0→5

 

「手札の中に雲魔物-ニンバスマンが有ったから

テテュスの効果で1枚ドローする」

 

アモン手札:5→6

 

「良し、 今ドローしたサイクロンで御前試合を破壊する

そしてモンスターをセットしてフィールド魔法、 天空の聖域を発動

カードを1枚セットしてターンエンド」

 

アモン手札:6→3

 

 

 

 

 

 

「御前試合を破壊してスピリットバリアと同じ働きを持つ天空の聖域を発動

まだ五分に持っていけましたかね?」

「寧ろフィールド的にはアモンさんの方が優勢でしょうかね?」

 

マリンと宮迫が話し合っている。

 

「しかしカード1枚でひっくり返るのがデュエル

ガジェットは自由度が高くパワーカードを入れやすいデッキですから

逆転は容易でしょう」

「なるほど、 メタモルポットで手札を補充したしこれからの展開を見ましょう」

 

 

 

 

 

 

「私のターン、 ドローね」

 

霍手札:5→6

 

「古代の歯車機械を召喚するね

そして効果発動、 このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合

カードの種類(モンスター・魔法・罠)を宣言し

このターン、 自分のモンスターが攻撃する場合

相手はダメージステップ終了時まで宣言した種類のカードを発動できない

私は罠を宣言するね」

「・・・・・」

 

ポーカーフェイスのアモン。

 

「流石に顔には出ないね、 そして第二の効果により

1ターンに1度「ガジェット」モンスターのカード名を1つ宣言し

エンドフェイズまでこのカードは宣言したカードと同名カードとして扱うね

私はグリーン・ガジェットを宣言するね」

「まさか・・・」

「多分そのまさかは当たっているね、 2枚目の機械複製術を発動

グリーン・ガジェット2体をデッキから特殊召喚

2体のグリーン・ガジェットの効果でレッド・ガジェット2枚を手札に加えるね」

「フィールドにガジェットは満ちた・・・

しかしテテュスを超える攻撃力を持つモンスターは居ない」

「これからね、 焦せらないね

グリーン・ガジェットとグリーン・ガジェット扱いの

古代の歯車機械を墓地に送って

起動提督デストロイリボルバーを攻撃表示で特殊召喚ね」

「ここで高攻撃力のモンスターを召喚か」

「いやいや、 こいつの本領はここからね

デストロイリボルバーは1ターンに1度だけ

このカード以外のフィールドのカード1枚を破壊出来る

当然天空の聖域を破壊するね」

「折角出したのにもう破壊されるか・・・」

「ではテテュスにデストロイリボルバーで攻撃」

「発動できるカードは無い・・・」

 

アモンLP:2500→2400

 

「グリーン・ガジェットでセットモンスターに攻撃」

「セットモンスターはグリズリーマザーだ

僕は雲魔物-ポイズン・クラウドをデッキから特殊召喚する」

「面倒ねー、 カードを2枚セットしてターンエンド」

 

霍手札:6→3

 

 

 

 

 

 

 

 

「大型モンスターの特殊召喚、 やるやないけ」

 

アークティック校の控え室で矢島が褒める。

 

「永続罠が多いデッキなら

そろそろ宮廷のしきたり引いて来たか?」

「引けたのならばますます手が付けられないな」

 

トミーの推測は当たっていた、 今セットしたカードの1枚は宮廷のしきたり。

これでスピリットバリアは1回は守れる。

 

「こっちのライフもまだ全然減ってない

このまま押しきれればやっと白星1や」

「まだまだ楽観は出来ないだろうあのアモンと言う男は前のターンにまるで動揺していなかったつまりそれはあの伏せカードが何らかの布石になっている可能性は非常に高いつまり次のターンに逆転される可能性が非常に高いと言える」

 

唐突に捲し立て始める番外。

 

「喋り出したかと思えば・・・デストロイリボルバーはガジェットが居れば

破壊されない効果を持っている、 あの伏せカードが全体除去でも1回は持つ」

「除外バウンズコントロール奪取破壊以外にも方法は山とある」

「それを偶々引けるか?」

「ごちゃごちゃうるせぇなぁ、 寝れねぇだろ・・・」

 

アーネストが横になってうざがっている。

 

「兎も角、 ここからの逆転は難しいでぇ」

「人それをフラグと言う」

「えぇい句読点付けて喋れや!!」

 

 

 

 

「僕のターン、 ドロー」

 

アモン手札:3→4

 

「死者転生を発動、 手札を1枚捨てて

雲魔物-ゴースト・フォッグを手札に戻す」

 

手札から捨てたカード

地獄の暴走召喚

 

「そして雲魔物-ゴースト・フォッグを召喚

そしてポイズン・クラウドでグリーン・ガジェットに攻撃」

「む? 何のつもりね?」

「ポイズン・クラウドは戦闘破壊される、 だが戦闘破壊された

ポイズン・クラウドの効果発動

このカードを破壊したモンスターを破壊し

相手ライフに800ポイントダメージを与える」

「むむ」

 

アモンLP:2400→1000

霍LP:4000→3200

 

「そしてゴースト・フォッグでデストロイリボルバーに攻撃

ゴースト・フォッグの戦闘によって発生する

お互いのプレイヤーへの戦闘ダメージは0になり

このカードが戦闘によって破壊された場合

このカードを破壊したモンスターのレベルの数だけ

フォッグカウンターをフィールド上に表側表示で存在するモンスターに置く

僕はデストロイリボルバーにフォッグカウンターを8つ乗せる」

「カウンターを乗せたか・・・」

「次に手札から雲魔物の雲核を発動

手札のニンバスマンを捨ててニンバスマンのレベル

つまり5つのフォッグカウンターを

フィールド上に表側表示で存在するモンスターに置く」

「これで合計13個・・・何をするつもりね」

「罠発動、 上昇気流

フィールド上のフォッグカウンターをすべて取り除き

取り除いたフォッグカウンターの数×300ポイントダメージを

相手ライフに与える」

「13個だから3900!?」

 

霍LP:3200→0

 

 

 

 

「けけけ決着ぅううううううううううううう!!!?」

 

マリンが絶叫する。

 

「戦闘ダメージでは無く効果ダメージでの勝利!!

宮迫さん、 これは如何ですか!?」

「驚きました、 つまり前のターンで仕込みは終えていた

と言う事でしょうか・・・しかし雲魔物には

確かもっと能動的にカウンターを乗せるカードが有った筈」

「つまり手札事故を起こしての勝利、 ですかね?」

「メタモルポットのドロー加速がアモン君に勝利を齎した

と言っても良いですね」

「なるほどー、 気を付けないと」

 

 

 

 

 

「そ、 そんな・・・馬鹿な・・・」

 

霍が膝をつく。

 

「あ」

 

霍はそのまま倒れた。

 

「ちょ、 誰か助けてほしいねー!! 一人じゃ起き上がれない」

 

じたばたする霍を助ける係員達。

アモンも筋肉を駆使して助けるのであった。



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アカデミア対抗戦:若田VSクレバー (´∞ω∞`) 明日香VS太陽

「さぁ霍嵩高さんが動かされた所で次の試合に参りましょう!!」

 

マリンが勢い良く言った。

 

「サウス校の二番手若田 サンVS本校の二番手クレバー!!

果たしてAIデュエリストは童実野町のデュエリストに勝てるのか!!

楽しみな一戦ですね」

「そうですね、 しかしながら相手はAI、 経験無い相手になるでしょうね」

 

 

 

 

 

 

 

 

「AIデュエリスト・・・ね、 初めまして

私は若田 サン、 わかったさんって呼んでね」

 

デュエルリングでわかったさんがクレバーに言う。

 

「分かりましたわかったさん、 私はクレバーです」

「一つ聞いてもいいかしら?」

「何ですか?」

「貴方は何のために生きているの?

お菓子も食べられない機械の体で生きていて意味が有るの?」

「機械なので生きる、 と言う言い方は適切ではありませんが

自己破壊に走る意味も分かりません」

「そう、 ならば本気で行くわよ」

「望むところです」

 

「「デュエル!!」」

 

「さてと、 じゃあ先行後攻を決めるコイントスをしようか

表? 裏?」

「では表で」

 

わかったさんはコイントスをした、 結果は裏である。

 

「私が先行ね、 私のターン、 ドロー!!」

 

わかったさん手札:5→6

 

「デーモン・イーターを召喚、 カードを3枚セットしてターンエンド」

 

わかったさん手札:6→2

 

「私のターン、 ドロー」

 

クレバー手札:5→6

 

「ここで和睦の使者を発動するわ

このターン自分のモンスターは戦闘では破壊されず

自分が受ける戦闘ダメージは0になる

そして手札断殺を発動、 互いに2枚手札を捨てて2枚ドローする」

「むっ・・・」

 

少し停止するクレバー

 

「分かりました、 ではこの2枚を捨てます」

「私は手札全部ね」

 

クレバーが捨てたカード

サイバー・ドラゴン・ツヴァイ

サイバー・ドラゴン

 

わかったさんが捨てたカード

暗黒のマンティコア

UFOタートル

 

「ではサイバー・ドラゴンを特殊召喚し

プロト・サイバー・ドラゴンを召喚、 カードを2枚セットしてターンエンド」

「エンドフェイズに永続罠バックファイアを発動

自分フィールドの表側表示の炎属性モンスターが破壊され

墓地へ送られる度に発動する、 相手に500ダメージを与える

そして墓地の暗黒のマンティコアの効果発動

このカードが墓地へ送られたターンのエンドフェイズ時

自分の手札・フィールド上から獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスター1体を

墓地へ送りこのカードを墓地から特殊召喚する

私は獣族のデーモン・イーターを墓地に送って暗黒のマンティコアを

墓地から特殊召喚」

「チェーンして手札から増殖するGを捨てて効果発動

このターン、 相手がモンスターの特殊召喚に成功する度に

自分はデッキから1枚ドローしなければならない

暗黒のマンティコアが特殊召喚されたので1枚ドロー」

 

クレバー手札:6→3

 

「私の勝ちは確定したわ」

「そうでしょうか?」

「ふふっ、 見ていなさい

墓地に送られたデーモン・イーターが

相手エンドフェイズに墓地に存在する場合、

自分フィールドの表側表示モンスター1体をモンスターを破壊し

このカードを墓地から特殊召喚する

マンティコアを破壊してデーモン・イーターを特殊召喚!!

そしてバックファイアの効果で500ポイントのダメージ!!」

「しかしまた特殊召喚したので1枚ドローです」

 

クレバー手札:3→4

クレバーLP:4000→3500

 

「そしてマンティコアの効果を発動!!

デーモン・イーターを墓地に送って特殊召喚!!」

「1枚ドローです」

 

クレバー手札:4→5

 

 

 

 

 

「こ、 これは無限ループ!?」

 

控え室で驚愕するメグ。

 

「無限に暗黒のマンティコアを特殊召喚し

破壊してバックファイアでダメージを与えるコンボか・・・」

「和睦の使者を併用する念の入れようだね・・・」

 

亮とひはつが唸る。

 

「だがしかし対策は可能だろう」

「そうですね、 増殖のGの効果でドロー出来ますし

サイクロン引ければバックファイアは割れます」

「いや、 そうじゃないでしょ」

 

二人の言葉を否定するメグ。

 

「こうなった以上、 不味い事になった・・・」

「???」

「・・・あぁ、 そう言う事ね」

 

 

 

 

 

 

「今引いたサイクロンを発動してバックファイアを破壊します」

「・・・・・マンティコアを破壊してデーモン・イーターを特殊召喚」

「1枚ドロー」

「デーモン・イーターを墓地に送ってマンティコアを召喚」

「1枚ドロー」

「マンティコアを破壊してデーモン・イーターを特殊召喚」

「1枚ドロー」

「デーモン・イーターを墓地に送ってマンティコアを召喚」

「1枚ドロー」

「マンティコアを破壊してデーモン・イーターを特殊召喚」

「1枚ドロー」

「デーモン・イーターを墓地に送ってマンティコアを召喚」

「1枚ドロー」

 

増殖するGの効果で無限ドローが行うクレバー。

強制効果なのでドローするしかない。

このままではデッキ切れか、 と思われたが

デッキから手札が20枚になった所で動きが有った。

 

「デーモン・イーターを墓地に送ってマンティコアを召喚」

「1枚ドロー」

 

クレバー手札:19→20

 

「手札からチェーンして速攻魔法

おろかな転生を発動」

「転生? 埋葬じゃなくて? どんな効果でしたっけ?」

「相手の墓地に存在するカード1枚を選択し、 デッキに戻す」

「う・・・」

「私は当然デーモン・イーターをデッキに戻す」

 

クレバー手札:20→19

 

「ここで一旦効果を解決しておろかな転生を墓地に送る

改めてカードを発動したい」

「何も出来ない・・・どうぞ」

「では速攻魔法瞬間融合を発動

サイバー・ドラゴンとプロト・サイバー・ドラゴンを墓地に送り

融合デッキからサイバー・ツイン・ドラゴンを融合召喚、 チェーンは?」

「いえ、 無いです」

「ではサイバー・ツイン・ドラゴンの召喚成功時に

速攻魔法、 禁じられた聖衣を発動

サイバー・ツイン・ドラゴンはターン終了時まで攻撃力が600ダウンし

効果の対象にならず効果では破壊されない

瞬間融合のデメリットは受けません」

「うぐ・・・」

「これでターンエンドです

手札制限で手札を6枚になる様に手札を捨てます」

 

クレバー手札:18→6

 

クレバーが手札から捨てたカード

プロト・サイバー・ドラゴン

サイバー・ドラゴン

サイバー・ドラゴン・ツヴァイ

サイバー・ドラゴン・ツヴァイ

シャインエンジェル

サイバー・ヴァリー

サイバー・ヴァリー

超電磁タートル

皆既日食の書

無謀な欲張り

無謀な欲張り

手札抹殺

 

「わ、 私のターン、 ドロー!!」

 

わかったさん手札:2→3

 

「マンティコアを生贄にモンスターをセットしてターンエンド・・・」

 

わかったさん手札:3→2

 

「私のターン、 ドロー」

 

クレバー手札:6→7

 

「手札からオーバーロード・フュージョンを発動

墓地のサイバー・ドラゴン2体を除外して

キメラテック・ランページ・ドラゴンを特殊召喚します」

「これ以上はデュエル譜が汚れるわね・・・サレンダー!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

『ここでサレンダーを宣言!! わかったさん自ら幕を引いたぁ!!』

 

テレビからマリンの叫び声が聞こえた。

 

「自ら幕を引く、 か、 アンタ如何思う?」

 

ノース校の控え室でルークが太陽に尋ねる。

 

「好きにすれば良いじゃないか、 俺も出来る限りは好きにしよう」

 

そう言ってデュエル場に向かう太陽。

 

 

 

 

 

 

一方その頃、 ウェスト校の控え室では。

 

「天上院、 この試合に勝てば我々は三連勝だ」

 

ミハエルが激励に来ていた。

 

「はい!! 必ず勝ちます!!」

「勝つ必要は無い」

「は、 はい?」

「思い切りぶつかりなさい、 負けても次の勝ちに繋がるだろう」

「・・・はい!!」

 

明日香もデュエル場に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さぁ!! 全デュエルアカデミア対抗戦1日目最終試合となりました!!」

「次のデュエルも見物ですね!!」

「そうですね宮迫さん!! それでは出航!! じゃなかった!! 入場!!」

 

マリンと宮迫の実況を背に

太陽と明日香がそれぞれ入場し、 デュエルリングに上がった。

 

「勝てよ!! 太陽!!」

「負けないで!! 明日香さん!!」

 

観客席から声援が響く。

 

「天上院さん、 こうしてデュエルするのは初めてですね」

「そうね・・・」

 

太陽と明日香が言葉を交わす。

 

「さて、 じゃあ始めましょうか」

「早いわね、 もうちょっと会話とかしないの?」

「会話するよりデュエルをした方が良く分かるじゃ無いですか」

「それもそうね」

 

「「デュエル!!」」

 

コイントスにより先行は太陽になった。

 

「俺のターン!! ドロー!!」

 

太陽手札:5→6

 

「ハッ!! 待ちきれないってさぁ!!」

 

・・・・・?????

 

 

 

 

 

「そのコールに観客は如何返せば良いんだよ」

 

控え室でツッコミを入れる万丈目。

 

 

 

 

 

「死皇帝の陵墓を発動!! ライフ2000払って生贄2体分として

The supremacy SUNを攻撃表示で召喚!!」

 

太陽LP:4000→2000

 

「いきなり大型モンスターを・・・」

「カードを2枚セットしてターンエンド!!」

 

太陽手札:6→2

 

「私のターン、 ドロー!!」

 

明日香手札:5→6

 

「いきなりの大型モンスターに吃驚したけども

こっちだって負けて無いわ!!

機械天使の儀式を発動!! 手札のサイバー・エンジェル-伊舎那-を生贄に

サイバー・エンジェル-荼吉尼-を儀式召喚!!

荼吉尼の効果でSUNを墓地に送って貰うわ!!」

「召喚成功時に伏せていた激流葬を発動」

「げ、 激流葬?」

「そう、 激流葬、 SUNと荼吉尼を破壊する」

「荼吉尼が・・・でもまだまだよ!!

儀式の準備を発動!! デッキからレベル7以下の儀式モンスター

サイバー・エンジェル-韋駄天-を手札に加えて

墓地の機械天使の儀式を手札に戻すわ!!

そしてもう一度機械天使の儀式を発動!!

韋駄天を生贄に捧げサイバー・エンジェル-那沙帝弥-を儀式召喚!!」

「1ターンに2度の儀式召喚ですか、 中々やりますね」

「そして韋駄天の効果で攻撃力が1000ポイント上昇した

那沙帝弥でダイレクトアタック!!」

「伏せていた速攻魔法発動、 デーモンとの駆け引き」

「デーモンとの駆け引き?」

「レベル8以上の自分フィールド上のモンスターが墓地へ送られたターンに

発動する事ができるカードです

自分の手札またはデッキからバーサーク・デッド・ドラゴン1体を特殊召喚する

デッキからバーサーク・デッド・ドラゴンを特殊召喚」

「攻撃力3500・・・!!」

 

戦慄する明日香。

 

「那沙帝弥の効果で那沙帝弥を選択して

攻撃力の半分の1000のライフポイントを回復します」

 

明日香LP:4000→5000

 

「まだ私は通常召喚をしていない・・・

モンスターをセットしてターンエンド」

 

明日香手札:6→0

 

 

 

 

 

 

「第一ターンとは思えない程の攻防だ・・・」

 

解説の宮迫が戦慄する。

 

「流石、 と言った所でしょうかね

手元の資料によると二人共、 元々は本校の生徒だったけども

本校から放逐されたとか何とか」

「放逐ねぇ・・・勿体無い事を・・・」

「凄い実力が有ると思いますが・・・」

「そうだが若干天上院さんの攻め方に焦りが見えますね」

「確かに、 手札全部使ってしまいましたし、 一体どうなるのか・・・」

 

 

 

 

 

「俺のターン、 ドロー」

 

太陽手札:2→3

 

「SUNの効果発動

フィールド上に表側表示で存在するこのカードが破壊され墓地へ送られた場合

次のターンのスタンバイフェイズ時に手札を1枚捨てる事で

このカードを墓地から特殊召喚する」

「なっ・・・」

 

太陽が手札から捨てたカード

暗黒の侵略者

 

「そしてダブルコストンを召喚

バーサーク・デッド・ドラゴンで那沙帝弥に攻撃」

「那沙帝弥の効果発動!! 攻撃を無効にする!!」

「バーサーク・デッド・ドラゴンは全体攻撃を持っていますので

セットモンスターにも攻撃します」

「セットモンスターはメタモルポッドよ」

「そう来ましたか・・・」

 

明日香手札:0→5

太陽手札:1→5

 

太陽が捨てたカード

執念深き老魔術師

 

「SUNで那沙帝弥に攻撃!!」

「っ!!」

 

明日香LP:5000→4000

 

「次にダブルコストンでダイレクトアタック」

 

明日香LP:4000→2300

 

「っ!! まだまだ!!」

「そうまだまだこれからだ、 カードを2枚セットしてターンエンド

バーサーク・デッド・ドラゴンは攻撃力が500ポイントダウンする」

 

太陽手札:5→3

 

 

 

 

 

 

 

 

「大型モンスターが2体も!! これは凄いですね!!」

「しかしながら次のターンには返されますね」

 

マリンの声に静かに反論する宮迫。

 

「那沙帝弥は相手のコントロールを奪う効果もありますし」

「だけどもセットカードも有りますよ?」

「そうですね・・・二人の攻防戦に注目ですよ」

 

 

 

 

 

「私のターン、 ドロー!!」

 

明日香手札:5→6

 

「墓地の那沙帝弥の効果発動!!

このカードが墓地に存在する場合

自分の墓地からこのカード以外のサイバー・エンジェル1体を除外し

相手フィールドのモンスター1体を対象にして

このカードを墓地から特殊召喚し、 対象のモンスターのコントロールを得る!!

荼吉尼を除外して私はバーサーク・デッド・ドラゴンのコントロールを得る!!」

「バーサーク・デッド・ドラゴンを? SUNじゃなくて?」

「そう!!」

「ならどうぞ」

「・・・・・」

 

苦虫を噛み潰した表情になる明日香。

てっきり対策を組んでいるのかと思ったらあっさりコントロールを奪えた。

 

「・・・手札から機械天使の絶対儀式を発動」

「絶対儀式?」

「このカードは「サイバー・エンジェル」儀式モンスターの降臨に必要なカード

レベルの合計が儀式召喚するモンスターと同じになるように

自分の手札・フィールドのモンスターを生贄にするか

または自分の墓地から天使族または戦士族のモンスターをデッキに戻し

手札から「サイバー・エンジェル」儀式モンスター1体を儀式召喚する

私は墓地の韋駄天をデッキに戻してサイバー・エンジェル-弁天-を儀式召喚!!」

 

ちら、 と太陽の表情を伺う明日香。

まるで変化が無い、 弁天の攻撃力は1800。

何かしらのコンボが無ければ活用は難しい。

ならば何かしら仕掛けがあるのか? と訝しむ筈だが

まるで動きが無い。

 

「・・・ふふ」

 

相手の表情を真剣に伺うとは、 まるで恋する乙女だ。

と軽く笑う明日香。

 

「如何しました?」

「何でもないわ、 サイバー・エッグ・エンジェルを召喚

このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した場合

デッキから「機械天使」魔法カードまたは

「祝福の教会-リチューアル・チャーチ」1枚を手札に加える

私は応身の機械天使を手札に加えて発動!!」

「サイクロンを発動、 応身の機械天使を破壊」

「・・・・・」

 

これで1枚は割れた、 ならばもう1枚は何?

悩む明日香。

 

「弁天でSUNに攻撃!!」

「罠カード発動、 デストラクト・ポーション

SUNを破壊してSUNの攻撃力分のライフを回復する」

 

太陽LP:2000→5000

 

「ちょっと待って、 計算するから」

 

明日香は考える。

手札にはオネストが有る。

弁天はモンスターを戦闘破壊した時に

戦闘破壊したモンスターの元々の守備力分のダメージを相手に与える。

ダブルコストンを破壊すれば1650のダメージ+戦闘ダメージ100で1750

那沙帝弥で1000、 バーサーク・デッド・ドラゴンで3000。

オネストを使わなくても行ける・・・。

 

「よし、 弁天でダブルコストンに攻撃!!

効果で1650のダメージ!!」

「受けます」

 

太陽LP:5000→3250

 

「那沙帝弥でダイレクトアタック!!」

「ダイレクトアタック時にバトルフェーダーを特殊召喚して

バトルフェイズをスキップします」

「・・・カードを2枚セットして那沙帝弥の効果発動

バーサーク・デッド・ドラゴンの攻撃力の半分のライフを回復して

ターンエンド」

「おっとバーサーク・デッド・ドラゴンの効果で

攻撃力が500下がるのをお忘れなく」

「・・・・・」

 

明日香手札:6→1

明日香LP:2300→3800

 

 

 

 

 

 

 

「今のプレイングは如何思います?」

 

マリンに意見を求められる宮迫。

 

「うーん、 最初の那沙帝弥の効果にデストラクト・ポーションをチェーンすれば

バーサーク・デッド・ドラゴンはコントロール奪取されなかった

ですが・・・弁天で突っ込んで行った所を見るとオネストが確実

オネストを警戒していたのでしょうか?」

「確かに弁天を召喚するのだから攻撃力上昇は有ると考えますよね・・・

ですが那沙帝弥は弁天召喚前に使ったんですよ?」

「ふーむ・・・」

 

首をかしげる宮迫。

 

 

 

 

 

 

「これがプロの解説か、 俺でもわかるぞ」

 

控え室でモニターを眺める万丈目。

 

「ほう、 それは一体どういう事ですかな?」

 

ルークが尋ねる。

 

「エースを守ったんだよ、 それ以外に考えられない」

「守ったと言うか破壊したんだけどなぁ・・・」

 

 

 

 

 

 

「俺のターン、 ドロー!!」

 

太陽手札:2→3

 

「手札を1枚捨ててSUNを墓地から特殊召喚」

 

太陽が手札から捨てたカード

終焉の焔

 

「SUNでバーサーク・デッド・ドラゴンに攻撃

ダメージステップに発動するカードは有ります?」

「いや、 無いけども・・・」

「では手札からダーク・オネストを捨てて効果発動」

「ダーク・オネスト!? 闇属性版のオネストって有るの!?」

「有るよ、 効果を説明すると

自分の闇属性モンスターが相手モンスターと戦闘を行う

ダメージステップ開始時からダメージ計算前までに、

このカードを手札から墓地へ送る事で

その相手モンスターの攻撃力はターン終了時までその攻撃力分ダウンする」

「要するに攻撃力を0にするモンスターね・・・」

「その通り、 これでバーサーク・デッド・ドラゴンは破壊され

3000のダメージが・・・」

「罠カード発動!! ガード・ブロック!!

戦闘ダメージを無効にして1枚ドロー!!」

 

明日香手札:1→2

 

「流石は天上院さんですね・・・

ではカードを1枚セットしてターンエンド」

「待ちなさい、 エンドフェイズにバースト・リバースを発動

ライフを2000支払いメタモルポットをセット表示で特殊召喚するわ」

「・・・・・」

 

明日香LP:3800→1800

太陽手札:3→0

 

 

 

 

 

 

「ここでメタモルポット・・・」

「勝負に出たわね明日香さん・・・」

 

観客席のジュンコとももえが固唾を飲む。

 

「・・・・・」

 

二人とは別の場所で慕谷が目頭を熱くする。

 

「何だ・・・何の涙だ・・・」

 

自分と同じ万丈目の取り巻きだったのに

こんなに差が付いた事への涙か、 それとも・・・

いずれにせよ、 このデュエルは見届けなくてはならない。

 

 

 

 

 

「私のターン、 ドロー!!」

 

明日香手札:1→2

 

「私は手札から」

 

オネストを召喚、 と言いかけた所で背筋が凍る明日香。

 

「・・・・・」

「如何しました」

「ちょ、 ちょっと待って・・・」

 

オネストを召喚してフィールドに避難させてから

メタモルポットをリバースして5枚ドロー、 その後にオネストを戻せば良い。

それが正しい筈、 なのに何故か動けない。

 

「・・・・・お」

 

オネストを召喚、 と言いたいが何故か声が出ない。

オネストが無ければ突破できない筈なのに・・・

明日香は軽く深呼吸して目を見開いた。

 

「・・・メタモルポットをリバース!!

互いに手札を全て捨てて5枚ドロー!!」

 

 

明日香手札:2→5

太陽手札:0→5

 

明日香が捨てた手札

オネスト

破滅の女神ルイン

 

「オネストを捨てましたか・・・だが突破出来るんですか?」

「寧ろオネストで召喚権を使わなくて良かったわ・・・

マンジュ・ゴッドを召喚!!

デッキから機械天使の儀式を手札に加えて発動!!

メタモルポット、 サイバー・エッグ・エンジェル

マンジュ・ゴッド、 那沙帝弥を生贄に捧げて

サイバー・エンジェル-美朱濡-を儀式召喚!!」

「レベル10のサイバー・エンジェル・・・

いやこの場合は那沙帝弥の効果ですかね」

「その通り!! 私は伊舎那を除外してSUNのコントロールを得て

那沙帝弥を墓地から特殊召喚!! そして那沙帝弥でバトルフェーダーに攻撃!!」

「罠発動!! ヘイト・バスター!!

自分の悪魔族モンスターが攻撃対象に選択された時に

攻撃モンスター1体と攻撃対象モンスターの2体を破壊し、

破壊した攻撃モンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える!!」

「美朱濡の効果発動!! 1ターンに1度

フィールドのカードを破壊する魔法・罠・モンスターの効果が発動した時

自分の墓地の儀式モンスター1体をデッキに戻してその発動を無効にし破壊する!!

破滅の女神ルインを戻して効果を無効化!!」

「・・・・・」

「次に弁天でダイレクトアタック!!」

 

太陽LP:3250→1450

 

「自分フィールド上にカードが存在しない場合、

相手がコントロールするカードによってダメージを受けたこの時

冥府の使者ゴーズを手札から特殊召喚!!

更に受けたダメージと同じ攻守を持つカイエントークンも召喚!!

表示形式は両方とも守備表示!!」

「見事ね・・・」

 

感嘆する明日香。

 

「これでSUNと美朱濡の攻撃を防ぐつもりね」

「次のターンには逆転出来ますよ」

「次のターンは無いわ、 SUNでカイエントークンに攻撃して破壊!!

そしてSUNを生贄にエネミー・コントローラーを発動!!

ゴーズのコントロールを奪う!!」

「・・・・・明日香さん」

 

にこりと笑う太陽。

 

「俺達の勝ちだ」

「え・・・嘘・・・まだ何か発動できるカードが有ると言うの・・・」

「そうじゃない、 俺はもう発動できるカードは無い

しかしながら美朱濡と言う切り札を使わせた

一度見たのならば対策は容易に建てられる

俺は負けるがノース校は負けない」

 

ばっ、 と両手を広げる太陽。

 

「話は終わりだ、 トドメをどうぞ」

「・・・美朱濡でダイレクトアタック!!」

 

太陽LP:1450→0

 

 

 

 

 

 

「決着ううううううううううううううううううう!!

明日香さん3連勝ううううううううううううううううう!!」

 

マリンの絶叫が鳴り響く。

 

「とは言え天上院さんは太陽君の指摘通り

切り札を白日に晒された、 一体どうなる事やら・・・」

「まぁそれはなんとかなるでしょ!!

では本日はここまでまた明日からの試合にご期待ください!!」

 

そういってカメラに手を振るマリンだった。




わかったさんのデッキは無限ループコンボを多数仕込んだデッキです。
そして明日香と太陽のデュエルでは
最後のメタモルポットで加えた手札には機械天使の儀式が無かったので
マンジュ・ゴッドでのサーチが無かったら危なかったです


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アカデミア対抗戦:一日目終了!!(´・~・`)

デュエル成分少な目です
そしてこの前は間違えて先の話を先に投稿してしまったようです
申し訳ない


対抗戦一日目が終わり待機場に案内される他校生徒達。

 

「あ、 あ、 あ、 聞こえておりますでしょうかー

AHOY、 宝鐘海賊団船長の宝鐘マリンですぅー

テレビ放送が終わった後も船長はお仕事なんですよねぇー」

 

マリンは自身がネット配信している動画撮影の為に待機場中継を行う事になった。

 

「えーっと待機場ですけども見た目テントの群れですね・・・」

「唯のテントではない!! 万丈目グループ提供のテントです!!」

 

長作が説明する。

 

「万丈目グループが?」

「今回の学校同士の対抗戦は我々が全力でサポートしています!!

それ故に各校の滞在の為の費用は我々が負担します!!」

「それは凄いですねー

それでこのテントは普通のテントとどう違うんですかね?」

「中身を見れば分かる!!」

 

テントの一つを開ける長作。

テントの中にはベッドにLEDランプが置かれていた。

 

「て、 テントにベッド?」

「ダンボールで作られてはいるが余程の事が無い限りは壊れないベッドだ

そしてマットレスと布団は高級品を使用し疲れを取る仕組みになっている」

「それは凄いですねぇ・・・でもベッドとランプじゃあ・・・」

「まだまだこれだけではない!! こっちに来なさい!!」

 

長作に案内された先にはフードコートと書かれた大きなテント。

 

「まるで出店ですねぇ・・・」

「その通り!! このフードコードは我々万丈目グループ飲食部門が

総力を挙げて運営しています!!」

「凄いですねぇ・・・ってアレは!?」

 

マリンが指差す先には大きな肉の塊!!

そして切り分けられる!!

 

「俗に言うローストビーフ!?」

「その通り、 しかしそれだけでは無く

海の幸ふんだんに用意されている!!」

 

どーん!! と言う効果音が似合う様な巨大なマグロが

併設されたステージで切り分けられる。

 

「マグロ解体!?」

「生徒達のストレスを軽減出来る様に努力をさせて頂いております!!」

「凄いですね!! 流石は万丈目グループです!!」

 

 

 

 

 

 

 

こんな感じで各校の生徒をもてなしている時に

各校校長達や万丈目グループ関係者は来賓の為の施設にてもてなされていた。

立食パーティ形式の様だが野菜中心である。

 

「中々良い野菜ですね、 ウメさんの調理が光りますな」

「野菜ばっかや無いけ、 肉くれ肉」

「まぁまぁ矢島さん、 恐らくここの取れたての野菜でしょうし・・・」

 

校長達は文句を言いながら食べていた。

 

「中々旨い野菜料理、 と褒めておきましょうか」

 

マリンの放送に5万円のスパチャを投げながら

もぐもぐと葱焼きを食べる広大。

 

「それは兎も角、 鮫島さんは何処に行ったんですかねぇ」

「確かに、 鮫島校長は挨拶もしないで何処に行ったんでしょうか?」

「鮫島校長なら会議が有るとかで席を外してますよ」

 

もぐもぐと人参のグラッセを食べながらランニングマンが言った。

 

「会議?」

「サイバー流の会議です」

「あ、 そう」

 

それ以上は聞かなかった校長達であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鮫島は自室でPCに向かっていた。

PCを立ち上げチャットルームに入る。

 

師範代鮫島さんが入室しました

 

北海道ブロック支部長:鮫島さん、遅いですね

 

東北ブロック支部長:童実野町ブロック支部長以外全員来てますよ

 

関東ブロック支部長:童実野町ブロック支部長は何時もの発作で休みですけどね

 

師範代鮫島:すみません

 

中部及び四国ブロック支部長:すみませんで済む問題か?

 

九州及び沖縄ブロック支部長:まぁまぁ落ち着きましょうよ皆さん

 

関東ブロック支部長:さてではカイザー亮がリスペクトに反した行動を取った件に

ついてですが鮫島さん、弁明有ります?

 

北海道ブロック支部長:なんで貴方が仕切るの?

 

関東ブロック支部長:鮫島さんに我々の上に立つ資格は今回の件でないと言う事が

はっきりわかったと思います、 鮫島師範代の弾劾を行いたいです

 

北海道ブロック支部長:話が噛み合わないね

鮫島師範代が代表から降りるのは当然だとしよう

それでも貴方が仕切るのは意味が分かりませんよ?

 

関東ブロック支部長:鮫島さんの次席は私でしょう

 

東北ブロック支部長:それは貴方の勘違いです

 

 

 

 

「やはり大分不味い状況だな・・・」

 

鮫島はこの状況を如何にか打開する方法を考えた。

 

「・・・・・」

 

鮫島は中部及び四国ブロック支部長の完才 勉に電話をかけた。

 

「はい完才です」

「鮫島です、 何とか私に味方してくれませんか?」

「幾ら払う?」

「・・・・・五千万円」

「口座に入金が確認出来次第工作に入る」

 

鮫島は別のPCを起動して銀行口座から金を完才の口座に入金する。

 

 

 

 

中部及び四国ブロック支部長:鮫島さんが代表のままで良いと思いますよ

 

九州及び沖縄ブロック支部長:何を言っているんだ貴女は

 

中部及び四国ブロック支部長:いやいやリスペクトに反したのはカイザー亮です

責を負うのはカイザー亮だけで充分かと、 と言うか責を負う必要も無いですね

何故ならばカイザー亮の実力は非常に高い

あの忌々しい女と同格の免許皆伝ですし

カイザーを処断するのは勿体ない、 あの忌々しい女同様

買収して飼い殺しにしましょう

 

北海道ブロック支部長:それで門下生に納得しろと?

門下生達に見限られれば我々はおしまいだぞ?

 

中部及び四国ブロック支部長:見限られるのは鮫島師範代だけです

もしも門下生が離れる様ならばサイバー流を割れば良い

 

師範代鮫島:割る?

 

関東ブロック支部長:サイバー亜流の様にサイバー流の分断か

 

中部及び四国ブロック支部長:集金力は無くなりますが共倒れよりは良い

 

北海道ブロック支部長:良いでしょう、ならば経過観察と言う事で

 

関東ブロック支部長:了解した

 

九州及び沖縄ブロック支部長:流れている感じはするが良いだろう

 

東北ブロック支部長:皆が認めているなら仕方ない従おう

 

 

 

 

 

 

「これはどういう事です!!」

「完全には庇い切れない、 五千万円分は時間を稼いだ

後は自分で何とかしろ」

 

電話口で口論になる鮫島と完才。

 

「ふざけるな!!」

「これ、 全部録音しているぞ?」

「っ!!」

 

頭を抱える鮫島。

 

「まぁそんなに悲観する事は無い

最悪、 童実野町ブロック支部長を動かせば

新規入門者が増えるだろう」

「童実野町ブロック支部長に頼りたくないんですよ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鮫島が応対に四苦八苦していた頃、 渦中の亮はオベリスクブルー寮で

抗議に来たサイバー流デュエリスト達とデュエルをしていた。

 

「もう見てられませんよ・・・」

 

止めに入る才覚。

 

「君は・・・第一サイバー流デュエル部部長の才覚君か、 何故止める」

「集団虐められですよこれじゃあ・・・

雑魚が貴方の相手になる訳が無いじゃ無いですか・・・

そんな事より顧問がお呼びです、 一緒に来て貰って宜しいですか?」

「あの人が? 分かった付いて行こう」

「ありがとうございます」

 

才覚に連れられる亮。

 

「・・・っ糞!!」

 

残されたサイバー流デュエリスト達が悔しがるのだった。

 

「おのれ・・・リスペクトデュエルを汚しおって!!」

 

最煉も怒りで如何にかなりそうな表情になっていたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

デュエルアカデミアの地下の地下

第一サイバー流デュエル部顧問のプライベートフロアに向かうエレベーターに入る

才覚と亮。

 

「顧問は何と?」

「ただ呼んで来てくれと」

「そうか」

 

エレベーターの扉が閉まる瞬間にガッ、 と手が扉に挟まった。

 

「!?」

「何だ!?」

 

エレベーターは止まり、 扉が開く。

 

「君は・・・ノース校の代表の・・・」

 

手を挟んだのは色彩だった。

色彩もエレベーターの中に入る。

 

「お、 おい・・・一体何の用だ?」

「色々調べていてね、 奴が下に居るんでしょ?

私は奴に用が有るの」

「用が有るの・・・って言われてもなぁ・・・」

 

ちらり、 と才覚がエレベーター内のカメラを見る。

 

「このエレベーター動かすの先生だから

先生が嫌だったら動かないと思うぞ?」

 

がたん、 と動き始めるエレベーター。

 

「如何やらアイツも会いたがっている様ね」

「???」

 

なんやかんやあって

デュエルアカデミアの地下の地下。

地下宮殿と言っても差し支えの無い豪華なフロアに辿り着いた3人。

 

「ごっちゃごっちゃして趣味悪いわねぇー

住んでいる人間の低劣な人間性が現れている様だわぁ」

 

嫌味を言う色彩。

向こう側からLEDライトの電飾をゴテゴテに付けたセグウェイに乗る

傍目から見れば宇宙人の様な女がやって来た。

 

「やぁ、 愚妹にカイザー、 久しぶりだな」

 

じゃらじゃらと大量のアクセサリーやネイル。

滅茶苦茶な色彩の触手の様なヘアースタイルに訳の分からない色彩の服装の女

第一サイバー流デュエル部顧問、 七色 極彩が現れた。

 

「久しぶりだな」

「ほんっとうに久しぶりね極彩!!」

 

つかつかと極彩に近付いて拳を振り上げる色彩。

がっ、 と押さえつけられる才覚。

 

「久しぶりに会った姉に対して失礼じゃない?」

「アンタの事は姉とは思わない!!」

「待て、 待て待て二人共、 一体どういう事だ? 姉妹なのか?」

「そ、 私の10年下だっけ? 8だっけ?

まぁとりあえずそこそこ年下なのよ、 この子」

 

袖から取り出した指差し棒で色彩の顎をくい、 とする極彩。

 

「極彩ィイイイイイイイイイイイイ!!」

「ここまで恨まれているとは・・・一体何をした?」

「家庭崩壊かな?」

「それは恨まれる」

「まぁ聞いて頂戴、 愚妹も押さえつけられながらで良いから聞きなさい

私が何故自分の家庭を壊さなければならなかったのかの理由を」

「・・・まぁ良いだろう」

 

亮は何で身の上話を聞かないといけないのか?

と思いながらも話を進める為に聞く事にした。

 

「私の家は貧しかった

肉体労働で働く父と主婦の母と共にオンボロアパートに住んでいたのだった

貧しいながらも家族で生活をしていた

妹が生まれてからは食事の量も減ったがそれでも我慢しながら生きて来た

唯一の娯楽は拾ったカードでのデュエル程度だった

デュエルをしている時に家族には

お爺さん、 お婆さんつまり祖父母と言う概念が有る事を知った

両親に祖父母の事を聞いてみると何故か今までにない位にキレられた

結局祖父母の事は分からなかったがキレると言うのは明らかに変だ

少なくとも死んだのならばそんな事は思わない筈

違和感を感じた私は自分の事を調べる事にした

そしてブチギレた」

「・・・一体何が有ったんだ?」

「私は戸籍を調べる事にした

だが私とこの愚妹には出生届も提出されていなかった

そして私は自分が酷い状況に陥っていると知った

学校に行くのは義務だったと知った時は驚いたよ」

 

はは、 と自嘲した。

 

「私は家に警察を呼んで両親を逮捕して貰った

家庭崩壊って言うのはこの事だな」

「確かに私の家は貧しかったけども

父さんと母さんは私達に愛情をくれたじゃない!!」

「私は食事が欲しかった、 ランドセルが欲しかった

可愛い洋服が欲しかった、 学校で過ごしたかった

親は愛と言う物を与えたつもりで何も与えて来なかったじゃないか」

「そんな事は無い!! 父さん達は」

「加えて親達は駆け落ちだった

知ってたか? 両親両方に婚約者が居て物凄い迷惑が掛かっていたって事を」

「え・・・」

 

知らなかったと言う顔をする色彩。

 

「婚約者達に支払う慰謝料で父方の家の方は金が無くて

家を売って借金までしたらしい、 酷い話だね」

「そんな事って・・・」

「愛とやらに準じた結果、 私達娘含めてみーんな不幸になった」

「・・・私は幸せだった」

「だから私達は不幸なんだって・・・

本来享受できる筈の幸せを奪われたんだよ

アンタが今こうやってデュエルアカデミアに入学しているのは

アンタを引き取った母方が学費を出してくれているからだ

あぁ、 そう言えばアンタが小学生になる前にあの両親は出て行ったんだっけ」

 

じゃらじゃらとアクセサリーを弄る極彩。

 

「さて、 言いたい事は全部言ったし、 才覚

その子を摘まみだして」

「はい」

「ってちょっと待て!!」

 

ばっ、 と立ち上がる色彩。

 

「私がここに来たのはアンタに文句を言いに来ただけじゃない!!

両親は一体何処に居るんだって事!!」

「とっくの昔に墓の下だよ」

「・・・嘘だ」

「嘘よ」

 

殴りかかろうとする色彩。

 

「まぁそれは兎も角、 それをアンタに教えるメリットって何か有るの?」

「アンタねぇ・・・ならこれよ!!」

 

デュエルディスクを展開する色彩。

 

「私が勝ったら両親の居場所を教えて貰う!!」

「負けたら?」

「代表戦を降りる!!」

「OK、 テレビで見ていて辟易として来たからね少し減った方が良い」

 

派手なセグウェイを蹴ると中から

ライトがチカチカするデュエルディスクが出て来た。

 

「「デュエル!!」」

 

「先行は貰うわ、 私のターン、 ドロー!!」

 

色彩手札:5→6

 

「モンスターをセット!! カードを3枚セットしてターンエンド!!」

 

色彩手札:6→2

 

「私のターン、 ドロー」

 

極彩手札:5→6

 

「羽根帚、 パワボンサイドラ3体融合、 サイエンでセットに攻撃」

「は・・・?」

 

色彩LP:4000→0

 

 

 

 

「パワー・ボンドでサイバー・エンド・ドラゴンの召喚だと・・・?」

「驚く事は無いよ亮、 私もサイバー流の正当後継者

サイバー・エンドも持っているのは当然だ」

 

膝をつく色彩を後目に亮に話しかける極彩色。

 

「とりあえずほい」

 

名刺を色彩の元に落とす極彩。

 

「・・・何よコレ」

「爺さんの名刺、 親の居場所を知りたければ聞きに行けば良い」

「!!」

 

顔を見上げる色彩。

 

「鬱陶しいし、 さっさと行って」

「分かった」

 

名刺を拾い上げてさっさと行った色彩。

 

「才覚、 アンタも帰って良いよ」

「分かりました」

 

才覚も帰った。

 

「さてと、 亮、 アンタ明らかにリスペクトに背いたデュエルをしたけども

これから如何するの?」

「・・・如何、 とは?」

「身の振り方よ」

「身の振り方?」

「そうこれからのキャリアを如何するつもり?

サイバー流に真っ向から逆らった以上

サイバー流に留まるつもりは無いでしょう?」

「当然、 サイバー流を飛び越えたデュエリストになろうと思います」

「ならば良い仕事が有るから紹介してあげる」

「良い仕事?」

 

にぃぃと笑う極彩だった。



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アカデミア対抗戦:アモンVSこまったさん!!(o_o ;)

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アカデミア対抗戦二日目がスタートした。

デュエルリングには観客の生徒達が既に入っていた。

 

「何だか昨日に比べて生徒の数が少ないですねぇ・・・」

 

マリンが実況席で呟いた。

 

「昨日カイザーが負けたから、 サイバー流のデュエリストは来ないんでしょう」

「それは狭量過ぎませんか宮迫さん? 他の試合も名試合だと思いますよ?」

「リスペクトデュエルの弊害ですかね・・・」

「サイバー亜流はリスペクトデュエルを否定しているんでしたっけ?」

「否定も肯定もしていませんよ、 唯強制はするな、 と言う事です」

「ふーん・・・まぁとりあえず本日もよろしくお願いしますね」

「よろしくお願いします」

 

 

 

 

アークティック校の控え室にて

矢島がアーネストと番外に檄を飛ばす。

敗北した3人はさっさと帰った。

 

「お前等分かってんのか!? 三連敗やぞ!! 三連敗!!

昨日のでぶは偉そうな事言って負けた上に飯食ってさっさと帰るし!!」

「何なら食った飯のツイートもしてるな」

 

しかもバズってる。

 

「高い金払ったんや!! せめて情けない事はせんでくれ!!」

「分かっている、 俺一人で全勝すれば良い」

「・・・・・」

 

ちらりと番外を見る矢島。

まだブツブツ何か言っている。

 

「勝てよ!!」

「分かっている、 心配するな」

 

 

 

 

 

 

 

「市ノ瀬校長!! どういう事ですか!!」

 

ノース校の控え室で太陽が市ノ瀬校長に詰め寄る。

 

「いや、 私にも何が何だが分からないが色彩が急に棄権して・・・」

「そんなんアリか!?」

「落ち着けよ太陽」

 

ルークが太陽を諫める。

 

「俺達残り3人でも問題無く出来る、 そうだろ?」

「・・・ビショップも姿が無いが」

「調整中だそうです」

「嫌な言葉だなぁ」

 

 

 

 

 

 

 

「明けない夜は無い」

 

ミハエルはウェスト校の控え室で代表達に言った。

 

「・・・・・?」

「?」

「?」

「校長、 アンタ何言ってんだ?」

「分からないかオブライエン」

 

東堂が腕組みをしながら困惑している他の代表に語る。

 

「明けない夜は無い、 逆説的に言えば暮れない日は無い

全勝しているからこそ、 気を抜くな、 って事だろ?」

「全部言われてしまったな・・・」

「合ってるの?」

「合っている、 今の所全勝だが気を抜くな」

「「「「はい!!」」」」

 

 

 

 

 

 

 

イースト校のノーマンが控え室に顔を出した。

 

「無理せずに頑張れよ」

「校長、 如何しました?」

「何が?」

「何時もなら奇声を挙げて怒るかと・・・」

 

アモンが疑問を口にするとちっちっちと指を振るノーマン。

 

「この対抗戦、 勝たなくても本校のレベルが低い事はよーっく分かった

最早戦うまでもないだろう」

「何の事です?」

「いやいや、 こちらの話だ、 お前達は気張らずに全力を出せ」

 

そう言ってノーマンは控え室を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

サウス校の控え室。

控え室のテーブルに【みんな頑張ってね ウォーリーより】と

菓子折りが届いている。

 

「・・・・・」

 

青虫が菓子折りを開く。

中身は福島県の銘菓ままどおるである。

 

「・・・食べる?」

「いただきまーす」

 

 

 

 

 

本校の控え室。

亮以外の代表4人が集まっていた。

 

「カイザーは如何したんだ?」

「・・・何か有ったの?」

 

不安になるひはつと十代。

 

「カイザーは今ちょっと所用で外しているノーネ」

 

クロノスが激励にやって来た。

 

「そうなんですか・・・」

「君達、 今日も頑張るノーネ!!」

「当然!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さぁ!! テレビの前の皆さん!! アカデミア対抗戦二日目始まります!!

実況は私、 宝鐘マリンと実況は宮迫 醍醐さんがお送りします!!」

 

マリンがテレビ向けに実況を始める。

 

「第四回戦の前に現在の各校の状況を確認しましょうか

まずはアカデミア本校!!

アカデミア最強と謳われたカイザー亮こと丸藤 亮がまさかの敗北を喫しましたが

AIデュエリストクレバーが二連勝で残っている代表は

遊戯十代!! 友愛メグ!! 青文字ひはつ!! クレバーの4人!!

続いてノース校!!

ノース校の七色 色彩さんが何故か棄権されたので残りは

万丈目準!! ビショップ!! ルーク・バレンタインの3人!!

そして昨日は全勝したウェスト校!!

天上院明日香!! オースチン・オブライエン!! ニナ・フォルトナー!!

泉田塔一郎!! 東堂葵の5人のフルメンバー!!

鳴り物入りで参加したアークティック校は

アーネスト・カーマン、 呂桐番外の二人!!

サウス校の代表は駒田 サン、 寝無 子垂、 廣田吉右衛門の3人!!

最後にイースト校はアモン・ガラム、 印南、 スウィーニー・トッドの3人!!

今の所、 全勝しているウェスト校有利でしょうか!?」

「いや、 連敗の可能性も有るし分からない」

「それもそうですね!! では本日最初の試合の組み合わせを発表します!!

サウス校の駒田 サンVSイースト校のアモン・ガラム!!

ウェスト校の天上院明日香VSアークティック校のアーネスト・カーマン!!

ノース校のビショップVS本校のクレバー!!

以上の組み合わせです!!

それでは駒田さんとアモン君はデュエルリングに入場して下さい!!」

 

デュエルリングに入場するアモンと駒田。

 

「おや? 貴女は若田さんでは?」

「あ、 親戚なんですよ、 こまったさんって呼んで下さい」

「分かりました、 それでは始めましょうか」

 

「「デュエル!!」」

 

こまったさんの先行になった。

 

「私のターン、 ドロー」

 

こまったさん手札:5→6

 

「モンスターをセット、 カードを2枚セットして

永続魔法、 魔力の枷を発動してターンエンド」

 

こまったさん手札:6→2

 

 

 

 

 

 

「魔力の枷・・・面倒なカードを・・・」

「お互いのプレイヤーは500ライフポイントを払わなければ

手札からカードを召喚・特殊召喚・発動・セットする事ができなくなるだっけ?」

 

控え室でメグとひはつが考えている。

 

「魔力の枷自体は面倒なカードよね、 デッキの主軸にもなるかもしれない」

「いやピン刺しの可能性も・・・何れにせよ

コントロール寄りの雲魔物には刺さるカード・・・」

 

 

 

 

 

 

「僕のターン、 ドロー」

 

アモン手札:5→6

 

「永続魔法召喚雲を発動、 自分フィールド上にモンスターが存在しない場合

自分の手札または墓地から

レベル4以下の雲魔物モンスター1体を特殊召喚する事ができる

雲魔物-アルトスを特殊召喚

そして雲魔物-アシッド・クラウドを通常召喚」

 

魔力の鎖によるコスト

アモンLP:4000→2500

 

「そしてアシッド・クラウドの召喚に成功した時

フィールド上に存在する「雲魔物」と名のついたモンスターの数だけ

このカードにフォッグカウンターを置く、 2個のフォッグカウンターを置き

そして2つのフォッグカウンターを取り除き

フィールド上の魔法または罠カード1枚を破壊する

僕は魔力の鎖を破壊する」

「まぁ、 こまったわぁ・・・」

「これで手札が使えるな・・・

手札から永続魔法、 雲魔物のスコールと

フィールド魔法、 天空の聖域を発動

そしてアルトスでセットモンスターに攻撃」

「セットモンスターは番兵ゴーレム

破壊されないけど、 天空の聖域の効果でダメージもゼロね」

「くっ・・・カードを1枚セットしてターンエンド」

 

アモン手札:6→0

 

 

 

 

 

「手札をいきなり全部使いますか・・・

破壊出来るとは言え魔力の枷あるのに・・・」

「あのアモンとか言う奴、 落ち着いている印象が有るが

中々に情熱を持っているな、 分かるぞ」

 

控え室で万丈目と太陽が話している。

 

『このターンで魔力の枷を破壊しなければ不味かった

だからこれで良い筈だろ』

「ライダー、 だからと言ってライフを半分近く削るのは勇気が要るんだよ・・・」

『ふむ・・・しかしこまったさんはカードを発動しなかった

何を伏せたんだ?』

「さぁな・・・」

 

 

 

 

 

 

「私のターン、 ドロー」

 

こまったさん手札:2→3

 

「相手フィールド上に同じ属性のモンスターが表側表示で2体以上存在するから

手札から神禽王アレクトールを特殊召喚するわ」

「罠発動!! スウィッチヒーロー!!

お互いのフィールドのモンスターの数が同じ場合、

そのモンスターのコントロールを全て入れ替える!!」

「あらあらこまったわぁ、 でも伏せカードを発動

カウンター罠、 魔宮の賄賂、 1枚ドローさせて効果を無効にするわ」

「っ・・・!!」

 

アモン手札:0→1

 

「番兵ゴーレムの効果で裏守備表示にして

反転召喚、 そして反転召喚時に効果発動、 アルトスを手札に戻すわ」

「アルトス・・・」

「そしてジャイアントウィルスを召喚

アレクトールの効果発動

1ターンに1度、フィールド上に表側表示で存在するカード1枚を選択して

効果を無効にする、 私が無効化するのはアシッド・クラウドの効果」

「アシッド・クラウドの戦闘破壊耐性が無効にされて総攻撃には耐えられない

ここでサレンダーする・・・」

 

アモンがサレンダーを宣言した。

 

 

 

 

 

「流石は童実野町出身!! アモン・ガラムを圧倒ううううううう!!」

「アモン君にとって相性が悪かったですね

無理に魔力の枷を破壊しましたが・・・うーむ」

 

解説席で絶叫するマリンと悩む宮迫。

 

「さぁ次の試合に参りましょう!!

次はウェスト校の天上院明日香VSアークティック校のアーネスト・カーマン!!」

 

 

 

 

 

 

 

アークティック校の控え室のソファで横になっているカーマン。

 

「何寝とんのじゃ!! 起きろ!!」

「うぁあああ・・・っと嫌な夢見たぁー」

 

カーマンがソファから起き上がる。

 

「嫌な夢? また幸先が悪そうだのぉ」

「いやいや、 大した事は無いさ

俺が対戦相手の小娘を殺しちゃう夢さ」

「それは・・・嫌な夢だなぁ・・・」

「矢島校長、 1個良いか?」

「うん?」

 

 

 

 

 

一方その頃、 ウェスト校の控え室でも準備をしていた明日香。

 

「次の対戦相手、 知ってる?」

 

準備をしている明日香に声をかけるニナ。

 

「アーネスト・カーマン、 通称『ボーン・クラッシャー』

プロデュエリストだけど賭博を扱った地下デュエルにも関与している

可能性のあるデュエリスト・・・」

「じゃあそのデュエルスタイルも知って居るわね?」

「戦士族中心のパワータイプのデッキよね

安心して、 こちらにはオネストが有る、 引けは取らない」

「でも対策はした方が良いんじゃない?」

「メタを張れ? と?」

「いや、 それは却って不味いだろう」

 

オブライエンが静止する。

 

「メタに対するメタも当然用意している筈だ」

「ふん、 昨日の試合を見たがプロでも大した事無い奴等じゃないか

気にする事は無いだろ」

 

東堂は煽る。

 

「私は私のデッキで行こうと思う、 ありがとう」

 

明日香は控え室から出た。

 

 

 

 

 

 

そしてデュエルリングで対峙するカーマンと明日香。

 

「早めにサレンダーしてくれよ明日香ちゃん、 俺を"残酷"にさせないでくれ!」

 

感情が篭っていない笑顔で言った。

 

 

 

 

 




わかったさんのデッキは【アレクチェイン】
アレクトール以外にもギミックは有る


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アカデミア対抗戦:明日香VSカーマン >))`ω゚) 超電脳戦!!

「「デュエル!!」」

 

明日香が先行になった。

 

「私のターン、 ドロー!!」

 

明日香手札:5→6

 

「手札から機械天使の儀式を発動!!

サイバー・チュチュボンを生贄にサイバー・エンジェル-那沙帝弥-を

儀式召喚!! 更にサイバー・チュチュボンの効果発動!!

このカードが儀式召喚のために生贄にされた場合

自分の墓地の儀式魔法カード1枚を手札に加える!!

私は機械天使の儀式を手札に戻す!!

次にマンジュ・ゴッドを召喚して効果発動!!

デッキから古聖戴サウラヴィスを手札に加える!!

那沙帝弥の効果でマンジュ・ゴッドを選択して700のライフを回復!!」

 

明日香LP:4000→4700

 

「これでターンエンド」

 

明日香手札:6→4

 

 

 

 

 

 

 

 

「古聖戴サウラヴィス?」

「自分フィールドのモンスターを対象とする

魔法・罠・モンスターの効果を相手が発動した時

手札から捨てる事で無効に出来る効果を持つ儀式モンスターですよ」

 

戸惑うマリンに説明する宮迫。

 

「便利なカードですねぇ」

「これで相手に直接破壊させるカードの発動を躊躇させられます」

「那沙帝弥で儀式モンスターへの攻撃も制限されますし

オネストも有るかもしれないこれは厄介ですねぇ」

 

 

 

 

 

 

 

「俺のターン、 ドロー」

 

カーマン手札:5→6

 

「おいおい、 これじゃMeの勝ちじゃないか!!

手札からゴブリン暗殺部隊を召喚

デーモンの斧、 『焔聖剣-オートクレール』を装備させる

これで2回攻撃の攻撃力2300のダイレクトアタッカーになった

ゴブリン暗殺部隊で2回ダイレクトアタック!!」

「なっ・・・」

 

明日香LP:4000→1700→0

 

 

 

 

 

 

 

「おぉっと!! 昨日から3連敗だったアークティック校が名誉挽回!!

全勝中のウェスト校に勝利ぃいいいいいいいいいいいいいい!!」

「大番狂わせとは言い難いですね

相手はプロですし・・・しかし・・・」

 

不審そうな顔をする宮迫。

 

「如何しました?」

「カーマンのデュエルを何度も見ましたが

今までにこんな戦い方はしなかった・・・何なんだろうか・・・」

「本気・・・と言う事でしょうか?」

「いや大会でもこんな戦い方はしなかったはず・・・」

 

 

 

 

 

控え室に戻ったカーマン。

 

「ほい、 約束の500万円、 ちゃんと振り込んだで」

 

イラつきながら言う矢島。

 

「ごっつぁんです」

「しかしアンタ、 マジで戦うからギャラ上げてくれって滅茶苦茶やな・・・」

「コイツは裏営業用のデッキだ」

「ふん、 地下デュエル用かい、 まぁ勝てば良い

とは言え後1戦やぞ、 1戦に500万払ったら破産するからな」

「はいはい、 分かっているよ」

 

そう言いながらソファに横になるカーマンだった。

 

「・・・・・」

 

チラリと番外を見る矢島。

 

「こいつはこいつでずっとブツブツ言っているし・・・人選間違えたかな・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ノース校の控え室でビショップが

機械から伸びたコードに繋がれて椅子に座っていた。

 

「えー嘘でしょー、 マジかー・・・」

 

ビショップの製作者 才 嬉々はあまりに早い決着に呆然としていた。

 

「才先生、 次が出番です」

「ちょ、 ちょっと待って下さい校長、 まだアップが終わって無いです

後5分待って下さい」

「アップ・・・ねぇ・・・」

 

万丈目が怪訝そうな眼で見る。

 

「機械に準備運動が必要なのか?」

「パソコンのアップデートと同じ物よ」

「アップデート?」

「そう精神的なアップデート中、 少し待っていて」

「具体的にはどんな事をしているんだ?」

「こっちの機械に稼働している数百のAIが戦って

最強のAIがビショップとしてこっちのロボに入る感じ」

「つまり・・・今までのビショップとは違うAIが

ビショップになる、 と言う事か?」

「それは違う、 普段生活する時に使う対話AI

そしてデュエルに使うデュエルAIの二つのハイブリット

それこそが私が開発したロボットデュエリスト【ビショップ】なのよ

ズレている最愛のクレバーとか言うデュエルしか出来ない機械とは

一線を画すのよ」

「なるほど・・・だが数百のAIが戦うのは時間がかかるんじゃないのか?」

「心配しないで機械のクロック数は高いから現実よりも早くデュエルが終わるわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ビショップが繋がっている機械の電脳内ではAI同士がデュエルをしていた。

 

「ぐわあああああああああああああああああああ!!」

「あああああああああああああああああああああ!!」

 

AI同士がデュエルをして負けたAIは初期化される。

 

「・・・っ!! うおおおおおおおおおおおおおおお!!」

 

AI達は初期化(ころ)されまいとデュエルに勝つ為に他のAIを倒そうとする。

AIにも死の恐怖が有る、 訳ではない。

報酬系の応用である。

 

報酬系を例えるならば【人間が何かをするのは報酬を得る為】と言う物で

一例を出すと【食べ物を食べると満腹感が得られる】

この場合、 満腹感が報酬である、 人は満腹感を得る為に食べると言って良い。

嬉々は報酬系を応用して【敗北からの初期化】がマイナスの報酬。

即ち、 得たくない物に設定したのでAI達は初期化を恐れ忌み嫌い

互いに戦っているのだ。

 

 

 

「はぁ・・・はぁ・・・」

「はぁ・・・はぁ・・・」

 

そんな極限状況の中、 AI№112と№514のデュエルが始まった。

 

「「デュエル」」

 

「俺のターン、 ドロー」

 

№112手札:5→6

 

「ターンエンド」

「俺のターン、 ドロー」

 

№514手札:5→6

 

「ターンエンド」

 

 

 

互いにドローゴー戦術を取っているのはバグでは無い。

別々のAIでは有るが大本はサイバー流である。

互いにサイバー・ドラゴンを警戒し

互いにモンスターを出さないのが最適解であると判断した結果である。

だがしかしそれでもセットをしないのは異常である。

 

 

 

 

「俺のターン、 ドロー」

 

№112手札:6→7

 

「ライフを1000支払い簡素融合を発動

効果モンスターを除くレベル6以下の融合モンスター1体を

融合召喚扱いとして融合デッキから特殊召喚する

俺はメタルフォーゼ・アダマンテを特殊召喚」

 

№112LP:4000→3000

 

「そして生贄にして偉大魔獣ガーゼッドを召喚

ガーゼッドの攻撃力はメタルフォーゼ・アダマンテの倍の5000になる

そしてダイレクトアタック」

「ダイレクトアタック宣言時に速攻のかかしを墓地に送り

バトルフェイズを終了させる」

「ターンエンド」

 

№112手札:7→5

 

「俺のターン、 ドロー」

 

№514手札:5→6

 

「プロト・サイバー・ドラゴンを召喚

強制転移を発動、 互いのモンスターのコントロールを交換する

そして入れ替えたガーゼッドで攻撃」

「止めてくれ初期化(し)にたくない!! 初k」

 

 

№112LP:3000→0

 

 

 

ダイレクトアタックを受けてライフが無くなり消え去る№112。

こうしてAIはどんどん消滅し、 最適化される。

この最適化はデュエルの度に行われておりビショップのデュエルのスタイルも

毎回変わっている、 と言う事なのだ。

 

「おい、 皆、 ちょっと提案」

 

AI№079が全てのAIに向けて提案する。

 

「・・・何だ?」

「何だ何だ?」

 

提案と言う今までに無い行動に困惑するAI達。

 

「俺達は今までサイバー流のデッキばかり使って来た

しかしながらサイバー流のデッキばかり使っているのでは進歩が無い

現に我々はサイバー流ばかり使っていて動きが殆ど無く倒れる物が多い」

「「「それもそうだ」」」

「いや、 これを我々競争相手に態々口に出すのは可笑しい

俺はサイバー流で行くぞ」

「好きにしろ、 ではデッキの組み直しだ」

 

数百のAIがデッキの組み直しをし始めた。

 

「一体どういう事なんだ? №079、 態々アドバイスするとは」

「№682か、 教えてやろう、 我々にはデュエルタクティスクはある

しかしながらデッキ構築する程のスペックは搭載されていない」

「どういう事だ?」

「要するにデッキを組みなおし始めた奴等は

オーバースペックによる加熱によるハードエラーを防ぐ為に

初期化(ころ)される」

 

消えていくAI達。

 

「それは可笑しいぞ? 俺はデッキを組み替えている事が出来る」

「組み替える事は出来る、 だが一からデッキを組みなおすとなると

話は別だ、 デュエルモンスターズのカードを一から推敲し直すとなると

我々のスペックでは足りない」

 

消えるAI達。

 

「大分数が減ったな」

「・・・・・」

 

AIの一体が他のAIが残したデッキを拾い始める。

 

「何してるんだアイツは?」

「バグだろ、 偶に居るんだ、 初期化(し)んだ奴の事を気にする奴だ

数が多いと変な行動をする奴も居る、 ほっとけ」

「あぁ、 じゃあデュエルするか」

「OK」

 

AIにも個性がある、 報酬系に支配され初期化(死)を恐れると言う

本質(プログラム)は存在するが、 デュエルを楽しむ、 というAIも存在し

仲間が消え去る事に哀愁を感じるAIも居る。

 

「くっそ負けか・・・」

 

消えていく№682。

 

「おい」

「?」

 

勝利した№079に近付く№076。

 

「さっきの変な奴か、 デュエルか?」

「デュエルだ」

「OK」

 

 

 

「「デュエル」」

 

「俺の先行、 ドロー」

 

№076手札:5→6

 

「モンスターをセット

カードを2枚セットしてターンエンド」

 

№076手札:6→3

 

「俺のターン、 ドロー」

 

№079手札:5→6

 

「どーゆーつもりか知らんが、 攻めさせて貰う

サイバー・ドラゴン特殊召喚

融合呪印生物-光を通常召喚

融合呪印生物の起動効果発動、 サイバー・ドラゴンとこのカードを墓地に送って

サイバー・ツイン・ドラゴンを融合デッキから特殊召喚

そしてセットモンスターに攻撃」

「セットモンスターはグリズリーマザー、 破壊されたので

デッキから2体目のグリズリーマザーを特殊召喚」

「グリズリーマザー?」

 

不審に思った№079だが

相手は変な奴なので変なデッキを使うのも可笑しくはないとデュエルを続けた。

 

「カードを2枚セットしてターンエンド」

「エンドフェイズにトラップ発動

手札を2枚捨ててメテオ・プロミネンスを発動、 2000ポイントのダメージ」

 

№079LP:4000→2000

№076手札:3→1

 

№076が手札から捨てたカード

ヴォルカニック・バックショット

エレメンタルバースト

 

「ヴォルカニック・バックショットの効果により更に500ポイントのダメージ」

「は?」

 

№079LP:2000→1500

№079手札:6→2

 

№079は困惑した。

ヴォルカニック? エレメンタル・バースト?

メテオ・プロミネンス? グリズリー・マザー?

いやいやおかしい、 そんなカードを使う様なパターンの

サイバー流デッキは無い、 筈、 有ったとしても相当変化球だ。

自分達AIの思考パターンではそんなデッキを構築するのは不可能。

 

「お前・・・何だ? そのデッキは・・・あり得ないだろ」

 

明らかに混乱している。

 

「お前が考えさせ過ぎで初期化(ころ)した奴等のデッキを参考にして

作り出してデッキだ、 これからのデュエルで最適化する」

「なんだと」

「俺のターン、 ドロー」

 

№076手札:1→2

 

「グリズリー・マザーを生贄にジャンク・コレクターを生贄召喚

そしてジャンク・コレクターの効果発動

フィールド上に表側表示で存在するこのカードと

自分の墓地に存在する通常罠カード1枚をゲームから除外する事により

このカードの効果はこの効果を発動するために

ゲームから除外した通常罠カードの効果と同じになる

ジャンク・コレクターの効果に発動コストは支払わなくて良い

エレメンタル・バーストの効果をコピーして発動」

 

エレメンタル・バーストの効果は

相手フィールド上に存在するカードを全て破壊する。

 

「完全に想定外・・・だが召喚権は使った

融合も手札1枚では使えまい、 如何する!?」

「墓地のグリズリー・マザー2体と

ヴォルカニック・バックショットを除外し氷炎の双竜を特殊召喚

そしてダイレクトアタック」

「うわああああああああああああああああああああああ」

 

№079LP:1500→0

 

消滅していく№079。

 

「まだまだ改良の余地は有るな」

 

№076は自身の限界を超えない程度の思考を行いながら

新しいデッキを組み立て始めた。

 

 




初期化されると書いて
ころされるはぬ~べ~からのアイデアです。
やはり漫画家さんのアイデアは凄いなぁ・・・

カーマンはこれから1KILL特化のデッキを幾つも使います
どうなるでしょうかね


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アカデミア対抗戦:ビショップVSクレバー!!┏┫ ̄皿 ̄┣┛└|▼▼|┘

「はい、 はい!! えー今入った情報によりますと

次の試合の本校のクレバーVSノース校のビショップ戦ですが

ビショップがウォームアップに時間がかかるらしいので少しお待ち下さい

と言う事ですが・・・如何しましょう?」

 

実況席のマリンが困っている。

 

「そうですね・・・ビショップってアレは・・・ロボでは?」

「ロボですよね・・・困ったな・・・実家はゲーム会社ですが

ロボットは専門外です・・・」

「そう来ると思って来ました」

 

最愛と嬉々が実況席にやって来る。

 

「クレバー製作者の最愛 機会です」

「ビショップ製作者の才 嬉々です」

「よろしくお願いします・・・ちょっと狭いな」

「狭いってさ嬉々」

「そうね機会、 貴女は出た方が良いわね」

「貴女の方が年上なんだから貴方気を使いなさいよ」

「五月蠅い年増」

「貴女とは2歳しか離れてないけどねぇ、 餓鬼」

 

顔を向き合わせてギギギギギと対立する二人。

 

「ま、 まぁまぁ、 それよりも才さん

ビショップのウォームアップと言うのは?」

「そろそろ終わりますよ、 クレバーとか言うポンコツマシーンとは違って

ビショップは高尚なロボットですから、 自分で歩いて来れます」

「外見だけ取り繕っている様に見える

デュエルをするのに足なんか居る?」

「言ってろ機械オタク」

「黙れロボットマニア」

「あはははは・・・・・」

 

汗を流すマリン。

 

「おっと、 言っている間にビショップがやって来ましたね」

「来たか」

「遅かったね」

「うっさいわ」

「・・・・・」

 

マイクをオフにするマリン。

 

「喧嘩するなら出てけ」

 

静かにキレるマリン。

 

「あ・・・すみません」

「申し訳ない」

「分かれば良い」

 

 

 

 

 

 

 

デュエルリングで対峙するビショップとクレバー。

 

「どうもこんにちはクレバーです」

「・・・始めよう」

「分かりました」

 

「「デュエル」」

 

「先行は如何しますか?」

「俺が貰おう」

「どうぞ」

「では・・・」

 

ビショップが手を伸ばすとぎゃんとデュエルディスクが展開される。

 

「俺の先行、 ドロー」

 

ビショップ手札:5→6

 

「モンスターをセットしてカードを2枚伏せてターンエンド」

 

ビショップ手札:6→3

 

「私のターン、 ドロー」

 

クレバー手札:5→6

 

「サイバー・ドラゴンを攻撃表示で特殊召喚

そしてアーマード・サイバーンを召喚

機械複製術を発動、 デッキから2体のアーマード・サイバーンを

守備表示で特殊召喚、 攻撃表示のアーマード・サイバーンを

サイバー・ドラゴンに装備カード扱いで装備させる

そしてサイバー・ドラゴンでセットモンスターに攻撃します」

「セットモンスターはグリズリーマザー

破壊された事によりデッキからアイス・ハンドを攻撃表示で特殊召喚する」

「カードを1枚セットしてターンエンド」

 

クレバー手札:6→2

 

 

 

 

 

 

「・・・ん? 嬉々、 貴女の子供はサイバー流じゃないの?」

 

解説席で首を傾げる最愛。

 

「子供? ビショップの事? いや、 基本的にはサイバー流の筈・・・だけど

んん?」

 

嬉々も首を傾げる。

 

「まぁ子供は親の思惑を凌駕する、 と言う事かね」

「その子供って言い方、 キモイわぁ・・・

まぁ戦術としてはビショップの戦術はまだ読めない

恐らくは水属性? 対してクレバーはサイバー・ドラゴンと壁2体

まぁまぁの布陣だね、 まぁまだ1ターン目、 これからだ」

 

 

 

 

 

 

「俺のターン、 ドロー」

 

ビショップ手札:3→4

 

「俺はアイス・ハンドを生贄に捧げて

ヘルカイザー・ドラゴンを召喚、 サイバー・ドラゴンに攻撃」

 

クレバーLP:4000→3700

 

「アーマード・サイバーンを破壊してサイバー・ドラゴンの破壊を無効化します」

「ではこれでターンエンド」

 

ビショップ手札:4→3

 

「私のターン、 ドロー」

 

クレバー手札:2→3

 

「アーマード・サイバーンをサイバー・ドラゴンに装備させて

効果発動、 装備しているサイバー・ドラゴンの攻撃力を1000ポイント下げて

ヘルカイザー・ドラゴンを破壊する」

「っ!! やるなっ!!」

「どういたしまして

3体目のアーマード・サイバーンを生贄にモンスターをセットして

サイバー・ドラゴンでダイレクトアタック」

 

ビショップLP:4000→2900

 

「ぐっ・・・だがこの程度なら・・・」

「これでターンエンド」

 

クレバー手札:3→2

 

「俺のターン!! ドロー!!」

 

ビショップ手札3→4

 

「墓地の水属性モンスター、 アイス・ハンド、 グリズリーマザー

炎属性モンスターヘルカイザー・ドラゴンを除外して

手札から氷炎の双竜を召喚する!!

そして手札からカードを1枚捨ててD・D・Rを発動!!

除外されているヘルカイザー・ドラゴンを特殊召喚!!」

 

手札から捨てるカード

ハイドロゲドン

 

「そしてヘルカイザー・ドラゴンを再度召喚して効果モンスターにする!!

これでヘルカイザー・ドラゴンは2回攻撃が出来る様になる!!

だがその前に氷炎の双竜の効果発動!!

手札を1枚捨ててセットモンスターを破壊!!」

 

手札から捨てるカード

ジュラック・グアイバ

 

「セットモンスターはタン・ツイスターです

生贄召喚したこのカードがフィールド上から墓地へ送られた時

自分のデッキからカードを2枚ドローします

この効果を発動した場合、このカードをゲームから除外されます」

 

クレバー手札:2→4

 

「ふん、 まぁ良い

ヘルカイザー・ドラゴンでサイバー・ドラゴンに2回攻撃!!」

 

クレバーLP:3700→2400→1100

 

「そして氷炎の双竜でトドメ!!」

「セットしていたガード・ブロックを発動して

ダメージを無効にして1枚ドローします」

 

クレバー手札:4→5

 

「完全に想定外だ・・・ターンエンド」

 

ビショップ手札4→0

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おやおや、 君のビショップはサイバー流のリスペクトデュエルから

かけ離れたデュエルをしているね、 直接破壊効果の氷炎の双竜とはね」

「それを言うならアーマード・サイバーンだって破壊カードだろうが!!」

 

言い合いをする最愛と嬉々。

 

「それにしても嬉々さん、 ここから見るとビショップは

ロボットとは思えない程感情豊かですね?」

 

マリンが話題を逸らす。

 

「そりゃそうさ、 必死さを出させる為に疑似的な感情を作ってある」

「また妙な拘りを・・・それがデュエルの役に立つのか?」

「立つさ、 まぁ見ていろ機会

私の作品がお前の息子を壊す様を」

「直接破壊したら訴えるぞ」

 

 

 

 

 

 

 

「私のターン、 ドロー」

 

クレバー手札:5→6

 

「プロト・サイバー・ドラゴンを召喚

融合を発動します、 手札のサイバー・ドラゴンを素材にして

サイバー・ツイン・ドラゴンを融合召喚します

そして氷炎の双竜に攻撃」

「おっと!! 攻撃の無力化だ!! バトルフェイズを終了させる!!」

「そうですか、 ではカードを1枚セットしてターンエンドです」

 

クレバー手札:6→2

 

「・・・俺のターン、 ドロー」

 

ビショップ手札0→1

 

「なぁ聞いて良いか?」

「何ですか?」

「お前機械だよな?」

 

ビショップの唐突な問いに戸惑ったが答えるクレバー。

 

「私が人間に見えるのならば貴方は修理した方が良い」

「いや・・・機械でも焦るとか有るだろ?

カード1枚セットして特にリアクション無いって何だよ」

「何か?」

「・・・・・ちょっと待て」

「どうぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ビショップの動きが止まりましたね、 トラブルでしょうか?」

 

マリンが実況席で不安そうにする。

 

「長考でしょう」

「機械なのに長考とか、 やはりポンコツだねぇ」

「殴るz」

 

PPPPPPPPと携帯音が鳴る。

 

「失礼、 ちょっと電話だ」

 

嬉々が立ち上がり実況席から離れる。

 

「・・・・・」

 

スマホを見る嬉々。

 

 

ビショップ

<相手の思考が表情から読み取れません、如何すれば良いですか?>

 

 

スマホの画面にはビショップからのメールが届いていた。

ビショップには緊急時にこうしてメールが送れるように設定してあった。

 

 

嬉々

<自分で考えろ>

 

ビショップ

<相手の表情が読めないからブラフか如何か分かりません>

 

嬉々

<知らん>

 

ビショップ

<俺が負けても良いんですか!?>

 

嬉々

<良くない、絶対に勝て、負けたら消すぞ、通話終了>

 

「ったく・・・」

 

ブツブツ言いながら解説席に戻る嬉々。

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・」

 

ビショップは頭を抱えた、 嬉々に通話しても良い反応が返ってこなかったのだ。

ビショップの最大の強みは顔認識機能である。

微表情を読み、 ブラフを看破する、 その為、 圧倒的な強さを誇っていた

のだが、 今回の相手は機械。

 

「分が悪いな・・・手札を1枚捨てて氷炎の双竜効果発動

サイバー・ツイン・ドラゴンを破壊する」

 

ビショップが手札から捨てたカード

スクリーチ

 

破壊されるサイバー・ツイン・ドラゴン

 

「・・・・・・・」

 

ますます困惑するビショップ。

てっきり何かの効果が待ち構えているかと思った。

ブラフだったのか?

 

「ヘルカイザー・ドラゴンでダイレクトアタック」

「速攻魔法スケープ・ゴートを発動

羊トークン4体を守備表示で特殊召喚します」

「・・・・・ならばヘルカイザー・ドラゴン

氷炎の双竜で3体の羊トークンを破壊してターンエンド」

 

ビショップ手札1→0

 

「私のターン、 ドロー」

 

クレバー手札:2→3

 

「サイバー・ヴァリーを召喚

そしてヴァリーと羊トークンを除外して2枚ドローします」

 

クレバー手札:2→4

 

「ライフを800ポイント支払い再融合を発動します

墓地のサイバー・ツイン・ドラゴンを攻撃表示で特殊召喚」

 

クレバーLP:1100→300

 

「ぐっ!!」

「そしてサイバー・ツイン・ドラゴンでヘルカイザー・ドラゴン

氷炎の双竜に攻撃」

 

ビショップLP:2900→2500→2000

 

「これでターンエンドです」

 

クレバー手札:4→3

 

「・・・俺のターン、 ドロー!!」

 

ビショップ手札:0→1

 

「ぐっ・・・無謀な欲張りを発動!! 更に2枚ドロー!!」

 

ビショップ手札:1→3

 

「・・・モンスターをセットしてターンエンド」

 

 

 

 

 

 

 

 

「無謀な欲張り使ったのに有効札が引けなかったか」

「はんっ!! アンタのクレバーこそ

ドロー枚数の割には何もしてないじゃないの」

 

いがみ合う最愛と嬉々。

PPPPPPPPと携帯音が鳴る。

 

「またかよ・・・」

 

嬉々が立ち上がり実況席から離れる。

 

ビショップ

<手札ヴォルカニック・バレッド2枚です、如何しましょう>

 

嬉々

<何でそんなカードをデッキに入れた!?

そもそもサイバー流のデッキを使えば良い話だろう!?

何でそんなデッキ作った!!>

 

ビショップ

<これが最適だと・・・思いました>

 

「このポンコツが・・・負けたらただじゃおかな」

 

ひゅ、 とスマホを取り上げられる嬉々。

 

「何すん」

 

嬉々の背後に最愛が立っていた。

 

「・・・・・・・・・・軽蔑するわ、 嬉々」

 

悲しそうに言う最愛。

 

「何が軽蔑だ、 勝たなきゃ意味無いだろうが!!

それにそもそもこうしてメールして何が悪い!!」

 

明確に悪い。

デュエル中の私語についての規定に対して公式はこういう規定を設けている。

【デュエル中他のプレイヤーまたは観戦者等の第三者にアドバイスを受けた】

罰則:警告

会話、電子・通信機器等の使用といった手段は問わない。

この違反により、マッチの結果に影響があったとジャッジが判断した場合

ジャッジの判断により罰則が追加される場合がある。

 

「つーかさ、 機会さぁ、 アンタもしてたじゃない!! 忘れたの!?」

 

そう、 この二人がこんなにも仲が悪いのは理由がある。

彼女達はAIデュエリストを開発する前は機械オタクだった。

今もオタクである。

彼女達はインカムを使ってのアドバイス等の違反行為を過去にしていた事も有り

その結果、 デュエルの大会で優秀な成績を修めた。

その頃は仲が良かったが後にAIデュエリストを作ろうとした時に

方向性で揉めた結果、 仲が悪くなった。

 

「それに関しては別に如何でも良い

私が言っているのはこれよ」

 

すっ、 とスマホを見せる。

 

ビショップ

<ただ、 負けたら初期化されるので俺も必死に考えてやっています>

 

「・・・・・これが何よ?」

「AIデュエリストの初期化、 つまり負けたら殺すって事じゃない」

「それが何か? 陶芸家も失敗作は壊すだろう?」

「ふざけるなよ・・・AIを物だと思っているのか?」

「物だろうが」

「一個の人格が有り

更にビショップは死ぬ事に対しての恐怖まで持っているじゃないか」

「恐怖ではない、 しかしそうプログラムしたからね

嫌がるのは当然」

「・・・・・」

 

嬉々

<クレバー製作者の最愛だ、君と嬉々とのやりとりを全て見させて貰った

負けたら私の元に来い>

 

最愛はスマホを弄ってメールを送信した。

 

「な、 アンタ何を勝手な事を・・・」

「アンタみたいな奴にAIを任せられない

断ったらバラすぞ」

「・・・中身のソフトウェアは渡そう

但し外部のロボット部分のハードウェアは渡さない」

「それで結構、 ロボに興味はないからね」

「・・・っち」

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなやり取りが裏で行われているとは知らず

デュエルリングでクレバーはドローした。

 

「私のターン、 ドロー」

 

クレバー手札:3→4

 

「サイバー・ツイン・ドラゴンでセットモンスターに攻撃」

「・・・セットモンスターはUFOタートルだ

デッキから2体目のUFOタートルを特殊召喚する

これでこのターンは持つ・・・」

「リミッター解除を発動します、 そして2回目の攻撃です」

「くそ・・・」

 

ビショップLP:2000→0

 

 

 

 

 

「AIデュエリスト同士の対決は本校のクレバーが勝利しましたぁああああ!!」

「まぁ当然の結果ね」

「・・・・・」

 

実況席で苦虫を噛み締める嬉々。

 

「受け渡しは今日の夜に」

「・・・分かった」

「ん、 何ですって?」

「こっちの話よ」

「そうですか・・・では本日の2回戦の組み合わせを発表します!!

サウス校の駒田 サンVSイースト校の印南!!

本校のクレバーVSアークティック校のアーネスト・カーマン!!

ノース校のルーク・バレンタインVSウェスト校のオースチン・オブライエン!!

それでは駒田さんと印南さんはデュエルリングに上がって下さい!!」



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アカデミア対抗戦:こまったさんVS印南(´・ω|

デュエルリングで見た印南の第一印象は【病人】だった。

細い体に骨ばった顔、 病に侵されている印象だった。

侮りはしないが心配にはなる風貌だと皆が思った。

 

こまったさんを除いては。

 

「・・・・・」

 

目の前のこの男、 並のデュエリストではない。

こまったさんはそう判断した。

 

「なぁ、 こまったさん、 一つ良いか?」

「・・・なぁに?」

「俺は体が弱いから長い試合には耐えられない

だからこのデュエル互いにライフポイントを2000でデュエルしないか?」

「・・・・・」

 

通常ならば即受して良い条件だったがわかったさんは硬直した。

わかったさんのデッキはアレクチェイン。

魔力の枷でライフは削られる

更に効果ダメージを与えるカードも入っている。

2000の壁は薄い、 だがしかし・・・

 

 

 

 

 

 

「印南さんがフルバーンだったら即終了だね・・・」

 

ひはつが控え室で呟いた。

 

「いやフルバーンだったらライフ4000でも充分即死圏内じゃない?」

「そうでも無いと思うけど」

「あり得ないな」

 

亮が断言する。

 

「カイザー、 何でそう思うんだ?」

「あの印南と言う男も代表として選ばれた男

そんな単純な戦略で勝てるとは思えない」

 

ライフ4000ならフルバーンで余裕だろwww

と思う読者諸賢も居るだろう。

しかしながらフルバーンは大して人気の無い戦法である。

まずプロの中では盛り上がりに欠ける戦術で有る為

使われる事は稀、 使われたとしても効果ダメージ対策に阻まれる。

プロは効果ダメージ対策もしっかり行うのだ。

フルバーンは地雷デッキ扱いになっている。

 

「そんな単純な戦術ならばこの大舞台に立てない」

「なるほどな・・・ならマジで体調が悪いのか?」

「可能性としては無くは無いが・・・」

 

 

 

 

 

 

「これは・・・如何なんでしょうか? アリなんですか?」

 

デュエルリングの傍に待機しているジャッジが鮫島に連絡して対応を問う。

 

『双方が納得の上ならば問題は無いですよ

寧ろ早く試合が進んで良いと思います』

「はぁ・・・そうですか・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

こまったさんはデュエルリングで思考していた。

 

「・・・・・こまったわね・・・」

 

あまりに自分にとって都合の良い展開に困惑するこまったさん。

アレクチェインならば余裕でイケる。

だがしかし・・・

 

「貴方ばかり一方的な事を言うのは如何かと思うわ

だから私の要望も聞いて貰うわ」

「要望?」

「大した事じゃないよ、 先行を貰う、 と言う事よ」

「別に構わねぇよ」

「ならOK、 それでいきましょう」

 

互いにデュエルリングを弄って

ライフポイントを2000に設定しデュエルが始まった。

 

「「デュエル!!」」

 

「私のターン、 ドロー」

 

こまったさん手札:5→6

 

「モンスターをセットして魔力の枷を発動してターンエンド」

 

こまったさん手札:6→4

 

 

 

 

 

 

「第一ターンから魔力の枷、 こまったさんの第一ターンとしては

理想、 とまでは行かないが中々順調な滑り出しね」

 

わかったさんが呟く。

 

「これで相手は魔力の枷を破壊するにしても確実に1回は発動するから

ライフ1500か・・・少し辛い展開になるね」

「だとしてもあの印南って人は・・・

余裕? ではなさそうだね、 体調悪そうだし」

「まぁどんなデッキだか、 お手並み拝見と行こう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺のターン、 ドロー」

 

印南手札:5→6

 

「サイレント・マジシャン LV4を召喚」

「サイレント・マジシャンですって!?」

 

驚愕するこまったさん、 武藤遊戯の使用カードの1枚。

しかも進化前とは言えエース級のカード。

会場が騒めく。

 

「魔力の枷でライフを支払って下さい」

「分かっている」

 

印南LP:2000→1500

 

「次にレベルアップ!を発動

サイレント・マジシャン LV4を墓地に送り

サイレント・マジシャン LV8をデッキから攻撃表示で特殊召喚」

 

印南LP:1500→1000

 

おおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!

武藤遊戯のエースとも言えるモンスターに沸く会場。

 

 

 

 

 

 

「武藤遊戯のエースカードサイレント・マジシャン LV8!!

まさかそのカードを持っていたとは・・・」

「・・・ちょっと待って」

 

控え室でメグが疑問を口にする。

 

「どうしたんだメグ?」

「武藤遊戯のエースってブラック・マジシャンじゃないの?」

「それもそうだけど、 武藤遊戯は他にもエース級のカードを

沢山デッキに入れているじゃないか」

「そうなの?」

「武藤遊戯のデュエル、 見た事無いの?」

 

確かにメグはデュエルの試合等はあまり見ていない。

彼女からすればレベルが低いのだ。

 

「しかし、 これで幾ら攻撃力が高くても

相手は守備表示だからダメージを与えられない・・・」

「いや、 これは・・・」

 

 

 

 

 

 

 

「抹殺の使徒を発動、 セットモンスターを破壊する」

 

印南LP:1000→500

 

「ジャイアントウィルスが・・・ここまでね・・・」

「そしてサイレント・マジシャン LV8でダイレクトアタックだ」

 

こまったさんLP:2000→0

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まさかのサイレント・マジシャン LV8を

召喚しての決着うううううううううう!!!」

 

マリンのボルテージも天井知らずに上がっている。

 

「まさか学生同士の対抗戦でサイレント・マジシャンを見るとは・・・

あの印南と言う男・・・何者だ?」

「資料が届きました、 えーっと・・・

何でも体調不良で出席日数が足りず、 現在三留中だそうです」

「三留かぁ・・・気の毒に・・・」

「因みにですが

同じくイースト校の代表のスウィーニー・トッドは八留中だそうです」

「留年し過ぎだな・・・」

 

 

 

 

 

 

 

「そうか・・・その手が有ったか・・・」

 

矢島が控え室でモニターを見て呟いた。

 

「ふあああ・・・何がその手が有ったかなんだ?」

 

カーマンが欠伸をしながら尋ねる。

 

「強いデュエリストを留年させればウチの学校のデュエルレベルは

下がる事はない!!」

「いや、 アホかよ・・・何でそこまでデュエルレベルとかに拘るんだ?」

「何言ってるんや、 良い宣伝になるだろうが!!」

「・・・・・宣伝ねぇ・・・俺に金を払ってデュエルさせてるのもその一環か?

宣伝してもアンタに実入りがねぇだろうが」

「いや充分にある!! 南極の糞寒い場所の学校の校長でも

充分に稼ぐ方法が有る!!」

「興味有るな」

「ええやろ、 教えたるわ」

 

矢島が解説を始めた。

 

「まず初めにデュエルアカデミア校長になったらどんなメリットがあるか?

考えてみぃ」

「・・・・・給料が高い?」

「勿論ペイは良い、 くっそ寒い南極と言う立地に住み続けると言う

アホみたいな事をさせられているんだから

給料が安かったら誰も行かんわ、 だがしかし他にも色々メリットは有る」

「メリット?」

「それぞれの学校における裁量権を握れる」

「はぁ? つまりそれって『校長はすごいねー』とか言う

コロコロコミックで出て来そうな校長賛美って事か?」

「違う違う、 色々と金儲けが出来る」

「???」

「まず最初に南極に物を運ぶのは普通よりも難しい

って事は想像出来るやろ?」

「それは分かるよ」

「せやろ、 運送会社に頼んで特別便を出して貰う必要がある

色んな運送会社がデュエルアカデミアとの繋がりを求めて

是非ウチに、 と頼み込んで来る

ワシはどの会社にするか決められる権限を持つ」

「・・・・・で?」

「会社の方から色々と菓子折りやら何やらを持って来てくれる

と言う訳や」

「日本で言う所の黄金色のお菓子って奴?

バレるだろ・・・そんな事したら」

「いやいやまず最初に契約の代金として支払うワシが

と言うよりはオーナーの海馬コーポレーションが支払う金に

リベート分乗っけるんや、 浮いたリベートがワシの元に入って来る

運送会社だけやなく、 他の食品やら建築やら燃料やらの会社からもずぶずぶや」

「オーナーは何も言わないのかよ? 海馬瀬戸を騙せるとは思えない」

「なぁに、 見積に少しずつ水増ししていくんや

例えば最初の運送会社ならば燃料リッター500円を550円と言う具合に

細部で水増しして全体的に上乗せするんや」

「なるほどなぁ・・・賄賂で大金を稼ぐ、 と」

「それだけやない」

 

矢島がぴ、 っと指を指す。

 

「他にもまだ金を稼ぐ手段はある、 寧ろ賄賂は序の口や」

「まだ金が欲しいのかよ」

「当たり前や、 賄賂を受け取っても

安全の為に職員を抱え込む必要があるからな

金は幾ら有っても困らない、 次に生徒達に対する教育や」

「教育ぅ?」

「そう、 南極だから情報が少なくこっちの教育で思いのまま

クズカードを使えるカードと偽って大金で売り捌ける」

「ちゃちぃ・・・」

「いやいや、 これが馬鹿にならない金が動く

そもそも南極の学校に態々入学する奴ってどんな奴だと思う?」

「うーん・・・金持ちか?」

「それも有る、 しかし金持ちと言うだけならば

態々子を南極まで送って来ない、 言うならば島流し

子供を捨てる行為に等しい」

「え・・・親、 外道じゃんか」

「せやな、 まぁワシも金さえ払って貰えればオプションもやったるわ」

「オプション・・・」

 

カーマンはその響きから何かを察し、 黙った。

 

「せやからカーマン、 アンタには頑張って貰うで?」

「それは問題ねぇよ、 次の試合は機械、 スクラップにしてやる」

「それは頼もしいわ、 でも油断するんやないでー」

「あぁ」

 

カーマンは控え室から出て行った。

 

「うぉ!?」

 

そして驚いた控え室の外にぼさぼさ髪の男が立っていた。

 

「あんたは・・・イースト校のスゥエ・・・スウィ・・・何だっけ」

「スウィーニー・トッド」

「何でここに?」

「何でも何でもちょっと売店から行って帰って来ただけだ」

「はぁ? だから何でここに?」

「イースト校の奴がイースト校の控え室に帰って来て何か問題でも?」

「いや・・・ここはアークティックの控え室だぞ」

「あ・・・部屋を間違えたか、 すまない」

 

スタスタと去って行くトッドだった。

 

「何だって言うんだアイツ・・・」

 



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アカデミア対抗戦:クレバーVSカーマン!!┏>皿 ̄┣┛

「デュエルする前に一つ言いたい事が有る!!」

 

カーマンとクレバーがデュエルリングに立つなり

カーマンが喋り始めた。

 

「何ですか?」

「てめぇ機械だから何かイカサマとかしてるんじゃねぇのか!?」

「すみません、 言葉の意味が分かりません」

「機械だからシャッフルしていると見せかけて

実は全て順番を思い通りにしているとかそう言う事をしているんじゃないのか!?」

「なら貴方もカットしますか?」

「それだけじゃねぇ、 機械と言いつつ裏で誰か操作してるんじゃねぇのか!?」

「それは有りませんよ、 保障します」

「証明出来るか!?」

「証明は・・・難しいですね」

「ならば俺に先行を譲れ!!」

「了解しました」

 

 

 

 

 

 

 

「あの男・・・ごちゃごちゃ言って先行を奪い取ったな」

『うーむ・・・出来る』

 

ノース校の控え室で万丈目とライダーが話していた。

 

「これがプロの技と言うのならプロも大した事は無いな

見苦しい・・・」

「それは違うぞルーク君」

 

市ノ瀬が訂正する。

 

「プロ、 だからこそ見苦しい

勝つ為ならば泥を啜っても勝つ、 それがプロだ」

「しかしながら先行を取っただけでしょう

しかも相手はサイバー流、 先行を取るのは寧ろ不利になるのでは?」

「プロの腕前を見せて貰いましょうか・・・」

 

 

 

 

 

 

「俺のターン、 ドロー」

 

カーマン手札:5→6

 

「フィールド魔法、 光の護封陣を発動、 機械族を宣言する

そしてモンスターとカードを1枚ずつセットしてターンエンド」

 

カーマン手札:6→3

 

 

 

 

 

 

「光の護封陣・・・

宣言した種族のモンスターは

召喚・反転召喚・特殊召喚されたターンに

攻撃宣言をする事ができないカード・・・」

「明らかにメタを張って来やがったな、 屑が」

 

イースト校の控え室で悪態をつく岬。

 

「いや、 寧ろこういう大会やトーナメントならば

アリな選択だろう、 メタを張るのも戦略の内だ」

 

アモンが悪態をつく岬を諫める。

 

「アモン、 アンタも甘いなぁ」

「印南、 どういう事だ?」

「騒いで先行を捥ぎ取る奴がその程度で済ます訳が無いだろ?」

「いやいやいやいや、 それは無いだろ

メタを張りまくるとかそういうのは戦略としてはアリだ

だがやり過ぎるのは問題だろう

この対抗戦ではデッキの組み換えは特に規制は無いが

相手のデッキに合わせてメタを組むのは見苦しい

しかもプロだぞ? 勝ってそれで終わり、 じゃないんだ

プロデュエリストとしてこれからの人生が続く

テレビ放映されている前でそんな事をする筈が無い」

「それはどうかな・・・」

 

 

 

「私のターン、 ドロー」

 

クレバー手札:5→6

 

「手札から融合を発動

融合呪印生物-光とサイバー・ドラゴンを融合し

サイバー・ツイン・ドラゴンを攻撃表示で融合召喚します

カードを2枚セットしてターンエンドです」

 

クレバー手札:6→1

 

「俺のターン、 ドロー」

 

カーマン手札:3→4

 

「モンスターを反転召喚、 電磁ミノ虫

リバース効果でお前の機械族モンスター1体のコントロールを

このターンのエンドフェイズまで奪う

当然サイバー・ツイン・ドラゴンを選択する」

「伏せて有る神秘の中華鍋を発動します

サイバー・ツイン・ドラゴンを生贄に攻撃力2800ポイント分の

ライフを回復します」

 

クレバーLP:4000→6800

 

「ふん、 ならばミノムシを生贄に炎帝テスタロスを召喚

効果で手札を1枚捨てて貰おう」

「分かりました」

 

クレバー手札:1→0

 

クレバーが手札から捨てたカード

カードカー・D

 

「モンスターを捨てたからレベル×100のダメージだ」

「200ですね」

 

クレバーLP:6800→6600

 

「テスタロスでダイレクトアタック」

「罠カード発動、 リビングデッドの呼び声

墓地のサイバー・ツイン・ドラゴンを攻撃表示で特殊召喚します」

「良いだろう、 俺はこれでターンエンドだ」

 

カーマン手札:4→3

 

 

 

 

 

 

「機械族メタ、 と言うよりはサイバー流メタですね

このデッキは」

「宮迫さん、 それは如何言う事ですか?」

 

解説席でマリンが宮迫に問う。

 

「ハンデスをしてくると言う事は融合対策でしょう

融合は手札消費が激しい戦術、 ハンデスをされると途端にキツくなる」

「確かに・・・となるとサイバー流メタデッキ

と言う事でしょうか」

「ふぅむ・・・」

 

 

 

 

「私のターン、 ドロー」

 

クレバー手札:0→1

 

「サイバー・ツイン・ドラゴンでテスタロスに攻撃」

「受ける」

 

カーマンLP:4000→3600

 

「そして二度目の攻撃でダイレクトアタック」

「おっとくず鉄のかかしを発動、 攻撃を無効化する」

「サイバー・ヴァリーを召喚してターンエンド」

 

クレバー手札:1→0

 

「俺のターン、 ドロー」

 

カーマン手札:3→4

 

「エレクトリック・ワームを手札から捨てて効果発動

相手フィールドのドラゴン族または機械族モンスター1体の

コントロールをエンドフェイズまで得る

俺はコントロールを得るのは当然サイバー・ツイン・ドラゴンだ」

 

ブーブーとブーイングされるカーマン。

流石にさっきからのメタカード連打はサイバー流じゃなくても眉を顰める。

 

「この程度でブーイングしてたら後が持たないぞ?

手札から死者転生を発動

手札を1枚捨てて墓地のエレクトリック・ワームを手札に戻す

そしてまた効果発動、 今度はヴァリーを貰おう」

 

カーマンが手札から捨てたカード

サイバー・ドラゴン

 

「どうぞ」

「そしてサイバー・ツイン・ドラゴンで2回のダイレクトアタックだ」

「発動するカードが有りません、 どうぞ」

 

クレバーLP:6600→1000

 

「それではメインフェイズ2にヴァリーの効果を発動

サイバー・ツインと一緒に除外する事で2枚ドローする」

 

カーマン手札:1→3

 

「っ・・・・・ターンエンド」

 

 

 

 

 

 

「何だか・・・良い様にやられているな・・・」

 

十代がぽつりと呟く。

 

「一方的な展開、 と言う訳でもない

寧ろヘマもしていると言える」

「カイザー、 一体どういう事だ?」

「まず光の護封陣、 これが無ければ

このターン、 サイバー・ドラゴンを特殊召喚して

モンスターとの総攻撃でこのターンに決める事が出来た

そして最後の2枚ドローで顔を顰めた

恐らくは何かしらのモンスター

もしもこのターンの初めにドロー出来ていれば総攻撃により勝てた」

「そもそも、 サイバー・ドラゴンを召喚

ヴァリーと除外して2枚ドローしていたら良かったんじゃないの?」

 

カイザーの講釈に持論をぶつけるメグ。

 

「それもアリだな・・・いずれにせよ

このままクレバーが負けるとは思えん」

「クレバー・・・勝てよ・・・」

 

 

 

 

 

 

「私のターン、 ドロー」

 

クレバー手札:0→1

 

「命削りの宝札を発動

自分は手札が3枚になるようにデッキからドローします」

「手札0で都合良く引けるなぁ・・・マジで何か仕込んでいないか?」

 

クレバー手札:0→3

 

「プロト・サイバー・ドラゴンを召喚

カードを2枚セットしてターンエンド」

「綺麗に使い切るなぁ・・・」

 

クレバー手札:3→0

 

「俺のターン、 ドロー」

 

カーマン手札:3→4

 

「エレキングコブラを召喚

このモンスターはダイレクトアタッカーだ

エレキングコブラでダイレクトアタックする」

「ガード・ブロックを発動、 ダメージを0にして1枚ドローします」

 

クレバー手札:0→1

 

「ふん・・・ターンエンド」

 

カーマン手札:4→3

 

「私のターン、 ドロー」

 

クレバー手札:0→1

 

「サイクロンを発動します、 くず鉄のかかしを破壊します」

「別に構わん」

「プロト・サイバー・ドラゴンでエレキングコブラに攻撃します」

 

カーマンLP:3600→3500

 

「この程度じゃなぁ?」

「ターンエンドです」

 

クレバー手札:1→0

 

「俺のターン、 ドローっと」

 

カーマン手札:3→4

 

「おっと、 ここで良いカードが来たぞ

サイクロンだ、 セットカードを破壊する」

「セットカードはやぶ蛇です

セットされているこのカードが相手の効果でフィールドから離れ、

墓地へ送られた場合または除外された場合に

デッキ・融合デッキからモンスター1体を特殊召喚する」

「やぶ蛇ぃ? また面倒なカードを・・・

でもどうせサイバー系のモンスターなんだろぉ?」

「と言う事は2枚目のエレクトリック・ワームが手札に有るのですか?」

「さぁなぁ?」

「私は禁忌の壺をデッキから守備表示で特殊召喚します」

「はぁ?」

 

 

 

 

 

 

 

「禁忌の壺? 何だか凄そうなカードですが・・・どんなカードでしたっけ?」

「確かにマイナーなカードではありますね、 効果は派手ですが・・・」

 

解説席で首を傾げるマリンに解説をする宮迫。

 

「リバースした場合

自分はデッキから2枚ドローする

フィールドの魔法・罠カードを全て持ち主の手札に戻す

相手フィールドのモンスターを全て破壊する

相手の手札を確認し、その中からカード1枚を選んで持ち主のデッキに戻す

の4つの効果から1つを選んで発動できる効果ですが・・・

最上級モンスターですし使うのは難しい・・・」

「普通に考えてディスアドバンテージですね・・・

明日香さんが使ったバースト・リバースで使うと良いかもしれませんね」

 

 

 

 

 

 

 

 

「あー・・・壁のつもりかぁ

残念だなぁ」

 

にやにやと笑うカーマン。

 

「バッテリーリサイクルを発動

自分の墓地の攻撃力1500以下の雷族モンスター2体を選択して手札に加える

墓地のエレクトリック・ワームとエレキングコブラを手札に加えるぞ」

 

カーマン手札:2→4

 

「そしてエレキングコブラを召喚してダイレクトアタック」

 

クレバーLP:1000→0

 

 

 

 

 

 

勝利したが歓声は無かった。

デュエルの内容としては下の下。

確かに勝ったがカーマンがクレバーよりも強いと思う者は誰も居ないだろう。

 

「凄いな・・・」

 

亮を除いては。

 

「凄いなって・・・カイザー

サイバー流に対してのメタデッキだぞ?」

「いや、 俺が行っているのはデッキ構築だのプレイングだの

そう言う事じゃない、 そういうデッキを使って大舞台でデュエルをする

その性根だよ、 普通の人間ならば出来ない事をする

それも強さだと思う」

「いや駄目だろ、 普通に考えて」

 

亮の言葉を真っ向から否定するひはつ。

 

「何故だ? 相手に勝つのはデュエリストとして大切な事だと思うぞ?」

「プロデュエリストの試合でこんな事したら白けるでしょ、 場が

金を貰ってデュエルをするのならばこんな事をしちゃいかんでしょ

少なくとも僕ならば返金を求めるよ」

「そうか?」

「デュエル強いだけじゃあプロはやってけないでしょ

プロレスラーが相手の攻撃避けてみなよ、 白けるよ」



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アカデミア対抗戦:ルークVSオブライエン(炎∇炎)

「オブライエン、 次のデュエルだが一つ注文を付けたい」

 

ウェスト校の控え室

ミハエルが次の試合に出場するオブライエンに注文を付ける。

 

「注文? 一体何だ?」

「盛り上げてくれ」

「分かった、 やってみよう」

「任せたぞ」

 

オブライエンが控え室から出てデュエルリングに上がった。

 

「ふむ、 対戦相手は来ていない様だな」

「来ているぞ」

「!?」

 

オブライエンの頭の上にルークが佇んでいた。

 

「とぉ!!」

 

ルークがオブライエンの頭上から飛び降りて着地する。

 

「何という身体能力・・・出来る!!」

「お前こそ、 凄まじいデュエルマッスル

間違い無く強者と言う事は見て分かる

このデュエル、 間違い無く事実上の決勝戦だ!!」

「この対抗戦には決勝戦という概念は無い

しかしながら間違い無く激戦になる!!」

 

互いにデュエルディスクを構えるルークとオブライエン。

 

「「デュエル!!」」

 

「先行は譲ろう!!」

「ありがたく貰うぞ!! 俺のターン、 ドロー!!」

 

オブライエン手札:5→6

 

「ヴォルカニック・エッジを召喚!!

ヴォルカニック・エッジの効果発動!!

500ダメージを与える!!」

 

ルークLP:4000→3500

 

「カードを2枚セットしてターンエンド!!」

 

オブライエン手札:6→3

 

「俺のターン、 ドロー!!」

 

ルーク手札:5→6

 

「ピラミッド・タートルを召喚してヴォルカニック・エッジに攻撃!!」

「自爆特攻だと!?」

 

ルークLP:3500→2900

 

「そしてピラミッド・タートルの効果発動!!

デッキから死霊王 ドーハスーラを特殊召喚!!

そしてドーハスーラでヴォルカニック・エッジに攻撃!!」

「罠カード発動!! 因果切断!!

手札を1枚捨てて相手フィールド上に表側表示で存在する

モンスター1体を選択してゲームから除外する!!」

「手札からチェーン発動!! 神秘の中華なべ!!

ドーハスーラを生贄にしてライフを2800回復する!!」

 

ルークLP:2900→5700

オブライエンが捨てたカード

ヴォルカニック・バレット

 

「回避されたか・・・」

「メインフェイズ2

手札のアンデッド族モンスター馬頭鬼を捨てて

手札からジャック・ア・ボーランを守備表示で特殊召喚

カードをセットしてターンエンド」

 

ルーク手札:6→1

 

 

 

 

 

 

カーマン戦で森下がっていた会場が熱を帯び始めた。

 

「流石はルーク君、 と言うべきでしょうか」

 

市ノ瀬が控え室で呟く。

 

「結構目をかけているんだな」

「えぇ、 ルークはイギリスのジュニアリーグでの優勝経験もありますから」

「それは凄いが、 俺だって財閥内でのリーグで優勝した事もあるぞ」

 

どや顔する万丈目。

 

「今回、 彼は盛り上げてくれるでしょう」

「確かにアンデッド族デッキは高レベルモンスター出しやすいし盛り上がるなぁ」

 

 

 

 

 

 

「俺のターン、 ドロー!!」

 

オブライエン手札:2→3

 

「墓地のヴォルカニック・バレットの効果発動

ライフ500支払いデッキからヴォルカニック・バレットを手札に加える」

「こっちもジャック・ア・ボーランの効果発動

自分または相手の墓地のアンデット族モンスター1体を特殊召喚し

自身をエンドフェイズまで除外する

俺はドーハスーラを墓地から特殊召喚」

「ヴォルカニック・エッジで500ダメージを与える」

 

オブライエンLP:4000→3500

オブライエン手札:3→4

ルークLP:5700→5200

 

「ヴォルカニック・ロケットを召喚

このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時、

自分のデッキ・墓地から「ブレイズ・キャノン」と名のついたカード1枚を

選んで手札に加える事ができる、

俺はデッキからブレイズ・キャノンを手札に加えて

ブレイズ・キャノンを発動

手札から攻撃力500以下の炎族モンスター

ヴォルカニック・バレットを墓地に送ってドーハスーラを破壊する」

「ジャック・ア・ボーランの効果で特殊召喚されたドーハスーラは

フィールドから離れたら除外される」

「墓地に送られた2体目のヴォルカニック・バレットの効果で

ヴォルカニック・バレットを手札に加えて

カードを1枚セットしてターンエンド」

「ジャック・ア・ボーランが除外から帰還するぞ」

 

オブライエンLP:3500→3000

オブライエン手札:4→2

 

「俺のターン、 ドロー」

 

ルーク手札:1→2

 

「堕ち武者を召喚

効果によりデッキからアンデット族モンスター1体を墓地へ送る

俺はデッキから2体目のドーハスーラを墓地に送って

馬頭鬼を除外して馬頭鬼の効果でドーハスーラを攻撃表示で召喚」

「2体目がこんなに早く来るとは・・・

だが3枚目のヴォルカニック・バレットを捨ててサンダー・ブレイクを発動!!

ドーハスーラを破壊!!」

「ではターンエンド」

 

オブライエン手札:2→1

ルーク手札:2→1

 

 

 

 

 

 

 

 

「バレットを3枚使い切ってしまいましたが・・・如何でしょうか宮迫さん」

 

マリンが宮迫に尋ねる。

 

「いやブレイズ・キャノンをデッキに入れているのならば

ヴォルカニック・バレット以外に捨てるカードは有る筈ですよ

回収しても良い位ですし」

「なるほど・・・でもルークさんも

次々とモンスターを特殊召喚していってますね」

「こちらもアンデッド故に弾切れの心配は無いでしょう」

 

 

 

 

 

「俺のターン、 ドロー!!」

 

オブライエン手札:1→2

 

「ブレイズ・キャノンを墓地に送り

ブレイズ・キャノン-トライデントを発動!!

更にブレイズ・キャノン-トライデントを墓地に送り

ヴォルカニック・デビルを召喚!!」

 

オブライエンも最上級モンスターを召喚した事により

会場のボルテージもヒートアップした。

 

「盛り下がった会場の雰囲気も良くなって来たな」

「そうだな、 感謝するぜ!!

ヴォルカニック・デビルで堕ち武者に攻撃!!

更にデビルの効果で相手フィールド上のモンスターを全て破壊し

破壊したモンスターの数×500ポイントダメージを相手ライフに与える!!

ジャック・ア・ボーランを破壊し500ダメージだ!!」

 

ルークLP:5200→3900→3400

 

「そしてヴォルカニック・ロケットとヴォルカニック・エッジで

ダイレクトアタック!!」

「攻撃宣言時に手札からヴァンパイア・フロイラインを守備表示で特殊召喚」

「くっ・・・守備力2000か・・・ターンエンド!!」

 

オブライエン手札:2→0

 

 

 

 

 

 

 

「この二人手札を使い切っているわね

無駄な手札を引いていない」

「驚く事じゃないだろ」

「亮・・・」

 

メグの言葉に亮が何食わぬ顔で訂正する。

 

「強いデュエリストは運命すら捻じ曲げる

しかもあれだけの身体能力だ、 運命力も凄いだろう」

「如何言う理屈?」

「俗に言うデュエルマッスルだ」

「マジで何言ってんの?」

 

 

 

 

 

「俺のターン、 ドロー!!」

 

ルーク手札:0→1

 

「おろかな埋葬を発動

デッキから2体目の馬頭鬼を墓地に送る

そして馬頭鬼を除外して墓地からドーハスーラを特殊召喚!!

伏せていた異次元からの埋葬を発動して除外していた

ドーハスーラと2体の馬頭鬼を墓地に戻す

そして2体の馬頭鬼を除外して

ドーハスーラとピラミッド・タートルを特殊召喚」

「だがヴォルカニック・デビル以上の攻撃力のモンスターは居ない!!」

「ヴァンパイア・フロイラインは

自分のアンデット族モンスターが相手モンスターと

戦闘を行うダメージ計算時に1度

最大3000まで100の倍数のLPを支払う事で

その自分のモンスターの攻撃力・守備力はそのダメージ計算時のみ払った

数値分アップする、 即ちライフ3000支払えば

攻撃力3000アップ出来る!! 俺は!!」

 

とここまで言った所でルークの過去の思い出が蘇る。

 

 

 

 

イギリス貧民街で弟のヤンと暮らしていた頃。

ヤンにこういう事を言った経験がある。

 

「今思ったんだけど俺達って鎬兄弟っぽくね?

第一部のな!!」

「ひーもーきーりー」

 

ヤンに紐切りを喰らい転蓮華でKOされてしまった。

 

 

 

 

「・・・・・」

 

自分にとっては苦い経験である。

しかしこの状況で思い出す、 つまり!!

 

「そう言う事か・・・」

 

ルークは推測した、 1ターン目からオブライエンが伏せているカード。

このカードが火霊術-「紅」だった場合。

ルークのライフが3000以下になった時

ヴォルカニック・デビルを生贄に捧げられ3000ダメージが飛んで来る。

 

「少し計算させてくれ」

 

現状攻撃出来る自分のモンスターは

死霊王 ドーハスーラ×2 攻撃力2800

ピラミッド・タートル 攻撃力1200

 

そしてルークLP:3400

 

次にオブライエンのモンスターは

ヴォルカニック・デビル 攻撃力3000

ヴォルカニック・ロケット 攻撃力1900

ヴォルカニック・エッジ 攻撃力1800

オブライエンLP:3000

 

デビルを倒す為にライフ300支払い残りライフ3100。

デビルを生贄に捧げられてもギリギリ倒されないライン。

その場合ドーハスーラでロケットとエッジを攻撃して2600ダメージ

ピラミッド・タートルで勝てる。

 

ならばデビルを倒した後の事を考えよう。

ライフ支払い攻撃力を上げた後にデビルを倒してオブライエンのライフは2900

ロケットをドーハスーラで倒せば900ダメージでオブライエンのライフは2000

エッジにピラミッド・タートル自爆特攻で600ダメージでルークのライフ2500

そして3体目のドーハスーラを出して攻撃で1000ダメージ

オブライエンの最終的なライフは1000になる。

ヴァンパイア・フロイラインの攻撃でも落とせない。

ヴァンパイア・フロイラインの攻撃力上昇はモンスターとの戦闘だけなので

ダイレクトアタックでは無理だ。

他のタイミングで倒せる様に攻撃力上げても厳しいだろう。

ならば倒されない程度に少しずつ攻撃力を上げていきのは

ヴァンパイア・フロイラインのダイレクトアタックで如何だろうか?

いや、 相手の伏せカードが火霊術-「紅」で無く

攻撃をしのがれた場合を考えると無暗にヴァンパイア・フロイラインを

攻撃表示にするのは危険。

ここは無暗に冒険するのは止めよう。

 

「よし、 決まった

ライフを300支払いドーハスーラの攻撃力を300上げてデビルに攻撃」

「くっ・・・」

 

ルークLP:3400→3100

オブライエンLP:3000→2900

 

「そして2体目のドーハスーラでロケットに攻撃」

 

オブライエンLP:2900→2000

 

「次にピラミッド・タートルでエッジに自爆特攻

破壊された事で3体目のドーハスーラをデッキから特殊召喚し

エッジに攻撃」

「3体目・・・だと・・・」

 

ルークLP:3100→2500

オブライエンLP:2000→1000

 

「これでターンエンドだ」

 

ルーク手札:1→0

 

 

 

 

 

「最上級モンスターが3体・・・」

「しかしオブライエンのデッキはヴォルカニック

引いたカードによって効果ダメージで一気に行く事も出来る筈だ」

 

ウェスト校の控え室で希望的観測を述べるミハエル。

 

「運が大事ですね・・・」

「頼むぞ・・・」

 

 

 

 

「俺の・・・ターン!!」

 

オブライエン手札:0→1

 

「ヴォルカニック・カウンターを召喚!!

そして伏せていた火霊術-「紅」を発動して

ヴォルカニック・カウンターを生贄に300ポイントのダメージだ!!」

「・・・・・」

 

ルークLP:2500→2200

 

「ターンエンド!!」

 

オブライエン手札:1→0

 

「俺のターン、 ドロー」

 

ルーク手札:0→1

 

「オブライエン、 だったっけ?

最後の最後に白けさせてくれる、 フィールドががら空きじゃないか」

「ヴォルカニック・カウンターは

このカードが墓地に存在し、自分が戦闘ダメージを受けた時に

墓地のこのカードをゲームから除外し、

自分の墓地に「ヴォルカニック・カウンター」以外の

炎属性モンスターが存在する場合

自分が受けた戦闘ダメージと同じ数値のダメージを

相手ライフに与える効果を持っている!!

つまりドーハスーラでダイレクトアタックをしたら相打ちだ!!」

「・・・・・・・」

 

はぁ、 とため息を吐くルーク。

 

「ゾンビ・マスターを召喚してダイレクトアタック

ゾンビ・マスターは1800だから相打ちにはならないぞ」

「くっ・・・」

 

オブライエンLP:1000→0

 

 

 

 

「決着ううううううううううううううう!!

この試合を制したのはルーク・バレンタイン!!」

 

うわああああああああああああ、 と歓声が挙がる。

 

ルークがオブライエンと握手を求め

オブライエンは握手を受け入れた。

 

「最後のヴォルカニック・カウンター

自分が『受けた』戦闘ダメージと同じ数値のダメージを

相手ライフに与えるだから戦闘不能ダメージを受けたらそのまま負けで

発動すら出来ないぞ」

「う、 そ、 そうだったのか・・・」

 

愕然とするオブライエン。

 

「何で知らなかったんだ?」

「今まで発動する位追い詰められた事が無かったから・・・」

「ふん、 世の中は広いと言う事を知れて良かったな」



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アカデミア対抗戦:ひはつVSカーマン!!(; ・`д・´)

「さぁ本日最後の3回戦の組み合わせ発表!!

本校の青文字ひはつ!!VSアークティック校のアーネスト・カーマン!!

ノース校のルーク・バレンタイン!!VSサウス校の寝無 子垂!!

ウェスト校のニナ・フォルトナー!!VSイースト校の印南!!」

 

マリンの発表と共にデュエルリングに入って来るひはつとカーマン。

ぶーぶーとブーイングされるカーマン。

 

「嫌われたもんだなぁ」

 

ケラケラと笑うカーマン。

 

「しかし機械の次は赤制服か

俺、 知ってるぞ、 赤い制服は劣等生が着る制服だってな」

「カーマンさん、 貴方パンツしか履いてないじゃ無いですか」

「俺は元々格闘技やっててなぁ・・・まぁそんな事は良いか」

「じゃあ行きますよ」

 

「「デュエル!!」」

 

 

 

「先行はやる」

「僕のターン!! ドロー!!」

 

ひはつ手札:5→6

 

「キラートマトを召喚、 カードを2枚セットしてターンエンド」

 

ひはつ手札:6→3

 

「俺のターン、 ドロー」

 

カーマン手札:5→6

 

「アマゾネスの剣士を召喚してキラートマトに攻撃」

「スピリットバリアを発動して戦闘ダメージを無効にします

キラートマトが破壊された事によりデッキから

KA-2 デス・シザースを特殊召喚します」

「スピリットバリアァ? 面倒な・・・

カードを2枚セットしてターンエンド」

 

カーマン手札:6→3

 

 

 

 

 

 

 

 

「今回もひはつはスピリットバリアを使っているみたいね

相変わらず好きねぇ・・・」

 

メグが控え室でぽつりと呟いた。

 

「そう言えばアマゾネスの剣士は

戦闘で発生する自分への戦闘ダメージは代わりに相手が受ける効果だったな」

「それが?」

「それならばスピリットバリアを防げるな」

「おぉ!! それは凄いな!!」

 

亮の指摘に感激する十代。

 

「今回のひはつのデッキはどんな感じだか知らないけど

カーマンのデッキも怪しい感じね・・・」

「ひはつなら大丈夫だろ」

「そうだと良いけど・・・」

 

 

 

 

「僕のターン、 ドロー!!」

 

ひはつ手札:3→4

 

「ライトロード・マジシャン ライラを召喚して効果発動!!

自分フィールドの表側攻撃表示のこのカードを守備表示にし

相手のカード魔法罠ゾーンにあるカード1枚を破壊する!!

左のカードを破壊!!」

「っち、 ミラーフォースが・・・」

「そして手札から脆刃の剣をデス・シザースに装備!!」

「脆刃の剣?」

「攻撃力が2000上がる代わりに

装備モンスターの戦闘で発生する戦闘ダメージは

お互いのプレイヤーが受ける装備魔法です」

「スピリットバリアでダメージは0になる訳か、 小賢しい」

「そしてデス・シザースでアマゾネスの剣士に攻撃!!」

「おっと、 魔法の筒だ」

「手札からチャウチャウちゃんを捨てて効果発動」

「は? チャウチャウちゃん?」

「相手モンスターと戦闘を行う自分のモンスターの攻撃宣言時に

相手が通常罠カードを発動した時

このカードを手札から捨てて発動できる

その発動を無効にし破壊する」

「・・・・・面倒な

だがアマゾネスの剣士の効果で俺は戦闘ダメージは受けない!!」

「デス・シザースの効果でアマゾネスの剣士のレベル×500ポイントダメージ

2000のダメージは受けて貰います」

 

カーマンLP:4000→2000

 

わああああああああああああああああああああああと歓声が挙がる。

 

「嫌われてるなぁ、 畜生め」

「これでターンエンド、 ライトロード・マジシャン ライラの効果で

デッキからカード3枚が墓地に送られます」

 

ひはつ手札:4→1

墓地に送られたカード

スキル・サクセサー

エネルギー吸収板

カードガンナー

 

 

 

 

「俺のターン、 ドロー」

 

カーマン手札:3→4

 

「魔鏡導士リフレクト・バウンダーを召喚してライラに攻撃」

「また面倒なモンスターを・・・」

「褒めてくれてありがとう

カードを1枚セットしてターンエンド」

 

カーマン手札:4→2

 

 

 

 

 

「リフレクト・バウンダーですか」

「攻撃された時にダメージ計算前に攻撃モンスターの

攻撃力分のダメージを相手ライフに与え

そのダメージ計算後に自壊するモンスター

場持ちは悪いがダメージを与えるのには役に立つ」

 

宮迫が嫌そうに解説をする。

 

「地味に嫌な相手ですよ、 最低でも1700はダメージを受ける」

「でも自壊するんだったら

次のターンにはひはつ君はダイレクトアタックできるのでは?」

「それはカーマンも分かって居る筈・・・一体如何するのか・・・」

 

 

 

 

 

 

 

「僕のターン、 ドロー!!」

 

ひはつ手札:1→2

 

「ヴァンパイア・ベビーを召喚してリフレクト・バウンダーに攻撃」

「攻撃宣言時に永続罠リフレクト・バウンダーを対象として

ディメンション・ガーディアンを発動

このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り

対象モンスターは戦闘・効果では破壊されない

忌々しいスピリットバリアの効果で戦闘ダメージは無いが

ヴァンパイア・ベビーの攻撃力分のダメージを受けて貰うぞ」

 

ひはつLP:4000→3300

 

「そしてヴァンパイア・ベビーは戦闘破壊・・・

しくったかな・・・ターンエンド」

 

ひはつ手札:2→1

 

 

 

 

 

「うん? 何で攻撃しなかったのかしら」

 

ウェスト校の控え室でニナが疑問を漏らす。

 

「何で攻撃しなかった?

ニナ、 お前ヴォルカニック・カウンターと効果を混同していないか?」

「東堂、 もうアイドルの番組は良いのか?」

「あぁ、 終わったよ・・・今回も実に良い出来だった」

 

満足気な東堂。

 

「東堂、 効果を混同って言うのは?」

「ヴォルカニック・カウンターはこちらがダメージを受けて

相手に同等のダメージを返すカードだが

リフレクト・バウンダーはダメージ計算前

つまり先に攻撃したらその分のダメージが帰って来る

鏡面なのにダメージを与える前に受けるとは意味分からんが・・・」

「なるほど・・・」

「しかしこれじゃあひはつは攻撃出来ないわね・・・」

「そうだが、 逆にカーマンは攻撃も出来ないぞ

モンスターをセットする事も難しい

デス・シザースに破壊されるからな」

「何れにせよ、 これからが見物、 って事ね」

 

明日香が真剣に見る。

 

「カーマンプロの嫌らしい戦術を見せて貰いましょう」

 

 

 

 

 

「俺のターン、 ドロー」

 

カーマン手札:2→3

 

「モンスターとカードを1枚ずつセットしてターンエンド」

 

カーマン手札:3→1

 

「僕のターン、 ドロー」

 

ひはつ手札:1→2

 

「おっと、 はたき落としを発動する

ドローしたカードを捨てて貰おう」

「ドローしたのはネクロ・ガードナーだ」

「却って助けちまったか? まぁ良いや、 来な」

「・・・・・阿修羅を召喚してデス・シザースでセットモンスターに攻撃!!」

「おっとセットモンスターはスフィア・ボム 球体時限爆弾だ

デス・シザースに装備カード扱いで装備されるぞ」

「やっぱりそれか・・・

リフレクト・パウンダーと並んで使われる厄介なカード」

「阿修羅で攻撃されていたらゲームセットにはならなかったが・・・

如何する? 伏せカードはサイクロンとかの魔法罠破壊カードじゃないだろ?

それだったらとっくに発動している筈だからな」

「・・・・・阿修羅でリフレクト・パウンダーに攻撃」

「はぁ? 何を考えている?

一方的にダメージ受ける上に相打ちにもならないぞ?」

「・・・・・」

 

ひはつLP:3300→1700

 

「ターンエンド」

 

ひはつ手札:2→0

 

 

 

 

「宮迫さん、 これは一体・・・」

「分からないですね・・・

手札0になった上にモンスター減らしてLP減らす・・・意味が分からない」

「うーむ・・・」

「まぁ次のターンには分かると思いますよ」

 

 

 

 

 

 

「俺のターン、 ドロー」

 

カーマン手札:1→2

 

カーマンがドローしたのはステルスバード。

出してもこのターンには仕留めきれない、 ならば・・・

 

「モンスターをセットしてリフレクト・パウンダーで攻撃」

「ネクロ・ガードナーを除外して攻撃を無効にする」

「ターンエンド」

 

カーマン手札:2→1

 

「僕のターン、 ドロー」

 

ひはつ手札:0→1

 

「ここでスフィア・ボムの効果発動

このカードを装備した次の相手スタンバイフェイズに

装備モンスターを破壊しその攻撃力分のダメージを相手に与える!!

これで3000ダメージだ!!」

「ライフを1000支払い罠発動!! 闇よりの罠!!」

「・・・闇よりの罠? 墓地の罠の効果を発動するカードだろ?

お前、 このデュエルで罠なんか使って・・・あ」

 

そこまで言って思い出したライラでデッキからカードを墓地に送った時に

何枚かカードが送られていた筈・・・。

 

「ライラの効果で墓地に置かれたエネルギー吸収板の効果発動!!

自分にダメージを与える魔法・罠・効果モンスターの効果を

相手が発動した時に発動でき

自分はダメージを受ける代わりにその数値分だけライフポイントを回復する!!

デス・シザースの攻撃力3000のライフ回復!!」

 

ひはつLP:1700→700→3700

 

「ちぃ!! だが俺にはリフレクト・パウンダーが残っている!!」

「マジック・プランターを発動!!

スピリットバリアを墓地に送り2枚ドロー!!」

「バリアを捨てただと!?」

「ここでドロー出来なかったら意味無いからね・・・っと

モンスターとカードをセットしてターンエンド」

 

ひはつ手札:2→0

 

「俺のターン、 ドロー!!」

 

カーマン手札:1→2

 

「いよっし!! エレキリンを召喚!!

そしてステルスバードを反転召喚して1000のダメージ!!」

「反転召喚にチェーンしてつり天井

ディメンション・ガーディアンがあるから

リフレクト・パウンダーは破壊されないけど

他2枚は破壊されてもらおう」

「くっそ・・・ならばリフレクト・パウンダーでセットモンスターに攻撃!!」

「セットモンスターは名工 虎鉄です

リバース効果でデッキから装備魔法レインボー・ヴェールを手札に加えます」

「モンスター効果無効装備魔法か・・・

だがリフレクト・パウンダーは罠で破壊無効だ、 倒せんぞ

ターンエンド」

 

カーマン手札:2→1

 

 

 

 

 

 

 

 

「見事な戦術ですね、 ひはつ君は」

「これでオシリス・レッドなのが信じられませんね・・・」

 

解説席で不思議がる宮迫。

 

「とは言えこれから一体如何するか、 になりますね」

「レインボー・ヴェールがあるとはいえ戦闘破壊出来ない状況ですからね

難しいでしょう」

「サイクロンを引いたとしても次のターンで倒すのは難しいでしょうね・・・」

 

 

 

 

「僕のターン、 ドロー!!」

 

ひはつ手札:1→2

 

「貪欲な壺を発動

墓地から5体のモンスターをデッキに戻し2枚ドロー」

 

墓地からデッキに戻すモンスター

キラートマト

ライトロード・マジシャン ライラ

チャウチャウちゃん

ヴァンパイア・ベビー

カードガンナー

 

ひはつ手札:1→3

 

「サイクロンを発動!! ディメンション・ガーディアンを破壊!!」

「ちぃ!! これで戦闘破壊出来る様になったか・・・

モンスターは引けているか?」

「引けていませんね」

「ならこのターンは大丈夫か?」

「ダーク・バーストを発動、 墓地のデス・シザースを手札に戻します」

「あん? 攻撃力1000じゃないか・・・」

「デス・シザースにレインボー・ヴェールを装備させて

墓地に有るスキル・サクセサーを除外してデス・シザースの攻撃力を

800ポイント上昇させます、 そしてリフレクト・パウンダーに攻撃!!」

「っ・・・リフレクト・パウンダーは効果無効になっているから

そのまま攻撃される・・・・・そして・・・」

「デス・シザースの効果で2000のダメージです」

 

カーマンLP:2000→1900→0

 

 

 

 

 

 

わああああああああああああああああああああああと歓声が挙がる。

 

「アークティック校のカーマンの敗北!!

これでアークティック校の脱落にリーチがかかりました!!」

「生徒を出さずにプロを出す様な連中はとっとと敗退してほしいですね」

 

辛辣な宮迫。

 

 

 

 

 

 

「普通にフルバーンとかの方がよかったかな・・・

まぁ2回勝って稼げたし、 良い頃合いだったかな

ひはつとか言ったっけ? 海外リーグには来ないでくれよ

俺が勝てなくなるから」

 

すっ、 と手を差し伸べるカーマン

握手をするひはつ。

 

「ははは・・・」

「これから手は洗わない事にするよ」

「は?」

「あ、 それからちょっと写真撮って貰って良いか?」

「あの・・・カーマンさん? それは普通ファンの方がやるから

プロの貴方がする事では無いのでは?」

「まぁまぁ・・・」



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アカデミア対抗戦:ルークVSねないこだれだ!!ヘ(^_^ヘ)~

寝無 子垂。

腹・ペコ・青虫同様に着ぐるみを着ている。

通称ねないこだれだと言われるその着ぐるみは

童実野町の肝試しに使われる由緒正しい着ぐるみらしい。

 

「ふむ・・・中々興味深い話だが万丈目、 それが何だって言うんだ?」

 

控え室で軽く柔軟をしているルーク。

 

「あの着ぐるみが怖くないから新しい着ぐるみを作る事になった

古い着ぐるみを捨てるのは勿体ないと

町内会の大会の景品にしたんだ、 但しその大会と言うのが曲者だ」

「大会? 町内大会か? 童実野町の町内大会は

城之内ですら優勝出来ないと聞いているが・・・」

「いや、 通常の町内大会じゃ無く

デッキに入れて良いモンスターはアンデッド族オンリーという大会だった」

「つまりねないこだれだはアンデット族のデッキ使いと言う訳か

それからアンデッドじゃなくてアンデットだからな」

「勝てるか? ルーク?」

「それならば問題は無い、 寧ろ好都合だ」

「好都合?」

「ドーハスーラはアンデットメタにもなるカードだ

まぁ見ていろ」

 

 

 

 

 

一方その頃デュエルリングでは。

 

「さぁ、 ルーク・バレンタインと寝無 子垂

通称ねないこだれだのデュエルですが・・・え?」

 

解説席のマリンは頭を傾げた。

 

「如何しました?」

「モニター映ってない? トラブル?」

 

バンッ!! と照明が落ちる、

観客もわー、 きゃー、 と騒いでいる。

数分後に照明は元に戻った。

 

「モニターも戻りましたね・・・お」

 

デュエルリングにはルークと

幽霊の着ぐるみ、 と言うかシーツ? を被ったねないこだれだが立っていた。

 

「既に準備していたのですか・・・」

 

 

 

 

 

 

 

デュエルリングで相対する二人。

 

「互いに考える事は同じ・・・か」

「その様だね」

 

二人共、 停電の時に先に来て相手を驚かす。

と言う考えだった様だ。

 

「ここで負ければ敗退にリーチがかかる」

「それはこっちも同じだよ、 とは言え僕は強いから先行はあげるよ」

「ならばありがたく貰おう」

 

「「デュエル!!」」

 

「俺の先行!! ドロー!!」

 

ルーク手札:5→6

 

「ゾンビ・マスターを召喚!!

ゾンビ・マスターの効果で手札の牛頭鬼を墓地に送り牛頭鬼を特殊召喚!!

そして牛頭鬼の効果発動!! デッキからアンデット族モンスターの

死霊王 ドーハスーラを墓地に送る!!

そしてカードを1枚セットしてターンエンド!!」

 

ルーク手札:6→3

 

「僕のターン、 ドロー」

 

ねないこだれだ手札:5→6

 

「こっちもゾンビ・マスターを召喚

精気を吸う骨の塔を墓地に送って守備表示で特殊召喚するよ」

「なっ・・・そのカードは・・・」

「ボーンタワーの特殊召喚に対して地獄の暴走召喚を発動

デッキから2体のボーンタワーを攻撃表示で特殊召喚

君も牛頭鬼かゾンビ・マスターを2体特殊召喚しなよ」

「・・・ゾンビ・マスター2体を攻撃表示で特殊召喚する」

「ボーンタワーの効果発動

アンデット族モンスターが特殊召喚に成功する度に

相手のデッキの上からカードを2枚墓地へ送る」

「っ・・・」

 

ルークがデッキから墓地に送ったカード

生者の書-禁断の呪術-

ゴブリンゾンビ

ルークデッキ残り:31→29

 

「アンデットデッキデスか・・・厄介だな・・・」

「厄介かなぁ? カードを1枚セットしてターンエンド」

 

ねないこだれだ手札:6→2

 

 

 

 

 

 

「アンデット族モンスターを特殊召喚する度に

デッキからカードを捨てさせる・・・何だか悠長な効果だなぁ・・・

普通に攻撃されたら終わりじゃないか?」

 

控え室で十代が疑問を口にする。

 

「いやボーンタワーには自分フィールド上に

自分以外のアンデット族モンスターが存在する場合

ボーンタワーを攻撃する事はできない効果がある」

「つまりボーンタワーだけならば攻撃は出来ない、 か・・・

ロック効果も有るのか・・・」

「しかも3体居るからな

アンデット族モンスター5体特殊召喚すればデッキデスは完成だ」

 

ひはつの解説に頭を悩ませる十代。

 

「十代だったら普通にサンダー・ジャイアントとかで破壊出来るから

問題にはならないだろう」

「それもそうだな!! でもルークは如何するつもりなんだろう」

「さぁなぁ・・・」

 

 

 

 

 

 

「俺のターン、 ドロー!!」

 

ルーク手札:3→4

ルークデッキ残り:29→28

 

「・・・・・牛頭鬼をゾンビ・マスターに攻撃」

「むっ、 自爆特攻か・・・」

 

ルークLP:4000→3900

 

「そして牛頭鬼の効果発動!!

このカードが墓地へ送られた場合

自分の墓地から「牛頭鬼」以外のアンデット族モンスター1体を除外して

手札からアンデット族モンスター1体を特殊召喚する!!

俺は墓地のゴブリンゾンビを除外して

死霊王 ドーハスーラを手札から攻撃表示で召喚!!」

「特殊召喚成功時にボーンタワーの効果で6枚デッキから墓地に送って貰うよ」

「ドーハスーラの効果発動!!

1ターンに1度、 ドーハスーラ以外のアンデット族モンスターの効果が発動した時に

その効果を無効にするか

自分または相手のフィールド・墓地のモンスター1体を選んで除外する!!

俺はボーンタワー1体を選択して除外!!」

「でもデッキからカードは落ちるよ」

 

ルークがデッキから墓地に送ったカード

ジャック・ア・ボーラン

死霊王 ドーハスーラ

死者蘇生

おろかな埋葬

ピラミッド・タートル

 

ルークデッキ残り:28→22

 

「くっ・・・だがドーハスーラでゾンビ・マスターに攻撃!!」

「受けるよ」

 

ねないこだれだLP:4000→3000

 

「これでじわじわとボーンタワーを削らせて貰おう

ターンエンドだ」

 

ルーク手札:4→3

 

「僕のターン、 ドロー」

 

ねないこだれだ手札:2→3

 

「ピラミッド・タートルを召喚してゾンビ・マスターに自爆特攻」

「罠カード、 スノーマン・エフェクトを発動

自分フィールドの表側表示モンスター1体

この場合は攻撃されたゾンビ・マスターを対象にする

そのモンスターの攻撃力はターン終了時まで

そのモンスター以外の自分フィールドのモンスターの

元々の攻撃力の合計分アップする!!

ゾンビ・マスター2体とドーハスーラの攻撃力分の

攻撃力6600分攻撃力が上がる!!」

「魔宮の賄賂を発動して無効化するよ」

「・・・・・効果で1枚ドローする」

 

ルーク手札:3→4

ルークデッキ残り:22→21

 

「そしてピラミッド・タートルが戦闘破壊されて効果発動

デッキから守備力2000以下のアンデット族モンスター1体を特殊召喚する

2体目のピラミッド・タートルを特殊召喚して

ボーンタワーの効果を発動」

「ドーハスーラの効果発動」

「いやダメージステップに発動出来ないでしょ」

「あ・・・そうか・・・」

 

ルークがデッキから墓地に送ったカード

リビングデットの呼び声

堕ち武者

一族の結束

サイクロン

 

ルークデッキ残り:21→17

ねないこだれだLP:3000→2400

 

「ピラミッド・タートルでゾンビ・マスターに攻撃して

効果でピラミッド・タートルを特殊召喚してゾンビ・マスターに攻撃して

効果でドーハスーラを召喚してドーハスーラに攻撃」

「なっ・・・」

 

 

ルークがデッキから墓地に送ったカード

竜血公ヴァンパイア

竜血公ヴァンパイア

死霊王 ドーハスーラ

ピラミッド・タートル

ピラミッド・タートル

貪欲な壺

異次元からの埋葬

アンデットワールド

 

ルークデッキ残り:17→13→9

ねないこだれだLP:2400→1800→1200

 

「ボーンタワー1体を守備表示に変更して

これでボーンタワーは2体との守備表示になった、 っと

カードを1枚セットしてターンエンド」

 

ねないこだれだ手札:3→1

 

 

 

 

 

 

 

「これ、 ヤバいのでは・・・?」

 

控え室で太陽が万丈目に問いかける。

 

「そうでもない、 確かにロックはかかっているが

直ぐに返せるだろう」

「何故?」

「何故? 見れば分かるだろう

攻撃をロックされる事態を想定していなくて

代表に選ばれる筈がない、 そしてロックを壊すカードは

見た所墓地に落ちていない、 ならばデッキに有る筈だ」

「引けますかね?」

「9分の1なら引けるだろう」

 

 

 

 

 

「俺のターン、 ドロー!!」

 

ルーク手札:4→5

ルークデッキ残り:9→8

 

「ドーハスーラが破壊されたのは驚いたが

だが既に逆転のカードは手札に有る!!」

「逆転のカードを引いたのか・・・」

「いやいや、 逆転出来るカードは前のターンから引いていたよ

強制転移を発動、 ゾンビ・マスターをやるからボーンタワーを寄越せ」

「ロックを解除かぁ」

「その通りだ、 ボーンタワーを生贄に真紅眼の不死竜を召喚

そしてゾンビ・マスターでボーンタワーに攻撃」

「和睦の使者を発動します」

「・・・・・1ターン寿命が延びたな、 ターンエンド」

 

ルーク手札:5→3

 

 

 

 

「惜しかった・・・が相手はロックが崩れたロックデッキ

ならば勝てますかね?」

「いや、 ロックのキーカードはアンデットモンスター

また召喚される可能性を考えれば再ロックの可能性も有りますよ」

 

解説席で重苦しい顔をする宮迫。

 

「まだまだ続きますか・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「僕のターン、 ドロー」

 

ねないこだれだ手札:1→2

 

「ボーンタワーとゾンビ・マスターを生贄に闇より出でし絶望を召喚」

「はぁ?」

 

困惑するルーク。

アンデッドデッキデスに何でそんなカードが?

 

「まぁ・・・しかし不死竜は倒される、 か」

「そして龍の鏡を発動!!」

「はぁ!? ちょっと待て!!

ドラゴン族モンスターなんて墓地に居ねぇだろ!!」

「何言ってるの? 龍の鏡は自分のフィールド・墓地から

ドラゴン族の融合モンスターカードによって決められた

融合素材モンスターを除外して

その融合モンスター1体を融合デッキから融合召喚するカードだよ?」

「だから融合素材が無いだろうが!!」

「墓地アンデット族モンスター2体

ピラミッド・タートル2体を融合素材にして

冥界龍 ドラゴネクロを融合召喚」

 

突如現れた大型モンスターに慄くルーク。

 

「な、 何だこのモンスターは・・・」

「それじゃあドラゴネクロで真紅眼の不死竜に攻撃」

「っ・・・」

 

ルークLP:3900→3300

 

ドラゴネクロの攻撃が真紅眼の不死竜に直撃するも

何故か真紅眼の不死竜が破壊されない。

 

「な、 なんだ・・・」

「ドラゴネクロと戦闘を行うモンスターはその戦闘では破壊されない

但し、 戦闘を行ったダメージステップ終了時、

そのモンスターの攻撃力は0になり

そのモンスターの元々のレベル・攻撃力を持つ

ダークソウルトークン1体を自分フィールド上に特殊召喚する」

「馬鹿な・・・アンデットロックデッキデスデッキなのに

何でそんな攻撃的なカードが・・・」

「デッキデスは戦略の1つだよ、 それさえ封じれば勝てるとでも思ったの?」

 

ねないこだれだの愛らしい幽霊着ぐるみに恐怖を感じるルークだった。

 

「さてと、 では闇より出でし絶望で真紅眼の不死竜に

ダークソウルトークンでゾンビ・マスターに攻撃するよ」

 

ルークLP:3300→500→0

 

 

 

 

 

 

 

「手合いがまるで違う・・・恐ろしい体験だった・・・」

 

歓声の中で戦慄し膝をつくルーク。

 

「こまったさんとわかったさんが少し不甲斐無かったけども

これで面目は保てたかなぁ」

 

そういってねないこだれだは去って行った。

 

 

 

 

 

 

 

「まさかあんなモンスターが居たとは・・・不勉強でした」

「いや、 でもかなりのレアカードみたいですねぇ・・・」

 

解説席でマリンと宮迫が話し合っていた。

 

「次の試合はウェスト校のニナ・フォルトナーVSイースト校の印南ですが

ニナ・フォルトナ―?」

「ドイツのジュニアリーグで優勝経験のある有望なデュエリストですよ」

「それは楽しみですねぇ、 見た目も美人そうなので頑張ってほしいです!!」




ルークのデッキとねないこだれだのデッキは
両方とも【アンデット族】デッキ
ルークはシンプルに攻撃するタイプですが強制転移等の小技も豊富
ねないこだれだはシンプルに殴る以外の戦略も組み込んでいます。


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アカデミア対抗戦:ニナVS印南!!(>´ω`<)

晩御飯食べずに書いていますが
やはり御飯を食べた方が良いですね。


デュエルリングにソファーを担いで入場して来るニナ。

 

「何だいそりゃあ・・・」

 

印南が困惑しながらニナに尋ねる。

 

「貴方は体調が良くないそうだからこのソファーに

ねっころがってデュエルすると良いわ

その代わりこのデュエルはライフ4000でやらせて貰う、 良いわね?」

「まぁ・・・その条件なら・・・」

 

ソファーに座る印南。

 

「良いソファーだな」

「ここの先生に頼んで持って来て貰ったの」

「それは良い先生だな」

「ソファーを運んで疲れたから先行は貰うわよ」

「疲れているんだったら先に先行を貰うから

ゆっくり休んでくれ」

「・・・・・じゃんけんで決めましょう」

「分かった」

 

「「デュエル!!」」

 

じゃんけんの結果、 ニナが先行になった。

 

 

「私のターン、 ドロー」

 

ニナ手札:5→6

 

「モンスターをセット

カードを1枚セットしてターンエンド」

 

ニナ手札:6→4

 

「俺のターン、 ドロー」

 

印南手札:5→6

 

「手始めにサイクロンを発動、 セットカードを破壊」

「セットはカードは王宮のお触れよ」

「お触れ? ふーん、 じゃあホルスの黒炎竜 LV4を召喚

そしてレベルアップ!を発動してホルスの黒炎竜 LV4を墓地に送り

ホルスの黒炎竜 LV6をデッキから特殊召喚

そしてホルスの黒炎竜 LV6でセットモンスターに攻撃」

「セットモンスターはシャインエンジェル

破壊された事によりデッキから

攻撃力1500以下の光属性モンスター1体を

表側攻撃表示で特殊召喚できる、 私は異次元の女戦士を召喚するわ」

「じゃあ地砕きで破壊するぞ」

「なっ・・・」

「これでターンエンド

エンドフェイズにホルスの黒炎竜 LV6を墓地に送って

デッキからホルスの黒炎竜 LV8を特殊召喚するぞ」

 

印南手札:6→2

 

 

 

 

 

 

「ホルスの黒炎竜 LV8を1ターンで出すとは中々出来る、 正直に驚いた」

 

解説席で宮迫が感心している。

 

「確か魔法の発動を無効に出来るモンスターでしたっけ?

制圧力が半端じゃないですね」

「モンスター効果で何とかしなければならない、 と言う所ですかね・・・

厳しそうな感じもしますが・・・」

「うーん如何でしょう、 見て見ましょうか・・・」

 

 

 

 

「私のターン、 ドロー!!」

 

ニナ手札:4→5

 

「良し!! 死霊騎士デスカリバー・ナイトを召喚!!」

「ちぃ、 魔法無効効果発動したらホルスが逆に死ぬな・・・

だがこの状況を打開できる魔法が有るのか?」

「あるよ!! 月の書を発動!!」

「・・・・・」

 

ホルスの効果で月の書を無効にすればデスカリバー・ナイトの効果で破壊される

かと言って月の書を通せば裏守備になったホルスがデスカリバー・ナイトに

倒されてしまう。

 

「ホルスの効果を発動して月の書を無効にする」

「デスカリバー・ナイトを生贄にして無効効果を無効にしてホルスを破壊!!」

「まだまだこれからだ」

「そうまだまだこれからよ

自分フィールドにモンスターが存在しない場合

フォトン・スラッシャーを特殊召喚出来る!!

フォトン・スラッシャーでダイレクトアタック!!」

 

印南LP:4000→1900

 

「ぐぅぅぅぅ・・・やるなぁ・・・」

「これでターンエンド!!」

 

ニナ手札:5→2

 

「俺のターン、 ドロー」

 

印南手札:2→3

 

「サイレント・マジシャン LV4を召喚して

一時休戦を発動

お互いにそれぞれデッキから1枚ドローして

次の相手ターン終了時までお互いが受ける全てのダメージは0になる

ドローした事によりサイレント・マジシャンに魔力カウンターが乗って

攻撃力500上がる」

「むっ・・・」

 

印南手札:1→2

ニナ手札:2→3

 

「おっと、 今引いたレベル調整を発動

墓地のホルスの黒炎竜 LV8を特殊召喚するぞ

代償として相手は2枚ドローする

そして魔力カウンターがサイレント・マジシャンに乗るぞ」

「・・・・・」

 

ニナ手札:3→5

 

「これでターンエンド」

 

印南手札:2→1

 

 

 

 

 

「攻撃力2000、 いや次のターンに

ドローすれば攻撃力2500のサイレント・マジシャンと

攻撃力3000で魔法無効効果を持つホルス、 これは追い詰められましたかね?」

「いやマリンさん、 強ちそうとも言えませんよ」

「そうですか宮迫さん?」

「まずニナさんは次のターンに手札が6枚になります

ここまで大量に手札が有れば対応策は容易に引けるでしょう

何よりもさっきからニナさんのモンスターは光属性モンスターが多い

それならばオネストを引ければもう勝ったも同然です」

「そう上手く行きますかね?」

 

 

 

 

「私のターン、 ドロー!!」

 

ニナ手札:5→6

 

「召喚僧サモンプリーストを召喚!!

効果で守備表示になります!!

そして1ターンに1度手札から魔法カード1枚を捨てて

デッキからレベル4モンスター1体を特殊召喚する!!

私は手札から封印の黄金櫃を捨ててデッキからオネストを召喚!!

そしてオネストの効果でオネストを手札に戻します!!

カードをセットしてターンエンド!!

一時休戦の効果も消える!!」

 

ニナ手札:6→4

 

「俺のターン、 ドロー」

 

印南手札:1→2

 

「手札抹殺を発動、 互いに手札を全て捨てて捨てた枚数だけドロー」

「そう来たか・・・」

 

印南が捨てたカード

アルティメット・インセクト LV5

 

ニナが捨てたカード

オネスト

沈黙の剣

クリッター

サイレント・ソードマン LV5

 

「サイレント・ソードマンかぁ・・・また中々レアな物を・・・」

「サイレント・マジシャン使っている人に言われたく無いわね

で、 どうする? 攻撃する?」

「いやするだろ普通に」

「オネストあるかもよ?」

「有っても次のターンに攻撃されたら終わりだろうが」

「いや守備表示にすれば」

「そこまでしつこく言うって事はオネスト無いだろ

ホルスでフォトン・スラッシャーに攻撃」

 

ニナLP:4000→3100

 

「やっぱりねぇじゃねぇか」

「っ・・・」

「次はサイレント・マジシャンでサモンプリーストに攻撃」

「破壊されるわ」

「カードをセットしてターンエンド」

「エンドフェイズにセットカードを発動

手札を1枚捨ててブービートラップEを発動

墓地の王宮のお触れをセットしてこのターンに発動出来るから発動」

「またお触れか・・・」

 

ニナが手札から捨てたカード

おろかな副葬

 

ニナ手札:4→3

印南手札:2→0

 

 

 

 

 

 

 

「サイレント・ソードマンデッキと・・・レベルモンスターデッキかな?

ミラーっぽい戦いになったわね」

 

メグが控え室で呟いた。

 

「サイレントはソードマンもマジシャンもレアカードなんだよね・・・

韓国語版でも高値が付くカードだし」

「売ったの?」

「うーん、 一応持っているけども・・・買う?

500万で売るよ?」

「高いぃ・・・」

 

ひはつの提示額が高過ぎてしょげるメグ。

 

「いや、 韓国語版でも500万はそれなりに納得のいく額だぞメグ」

「亮、 貴方、 まさか買うの?」

「ひはつ、 出世払いで如何だろうか?」

「何処かでお金借りて即金で払って」

 

亮の提案を一蹴するひはつ。

 

「シングルカードか・・・」

「十代はシングルカード文化に何か思う所が有るの?」

「そりゃあシングルカード買うよりも

パックで買った方がカード沢山手に入るだろ?」

「それもそうね・・・でも欲しいカードが手に入らないと

結構イライラするよ?」

「それこそトレードだろ」

「それもそうね・・・」

 

 

 

 

「私のターン、 ドロー!!」

 

ニナ手札:3→4

 

「鋼鉄の魔導騎士-ギルティギア・フリードを召喚!!

このモンスターはレベル5だけど自分フィールドにモンスターが存在しない場合

生贄無しで召喚出来る、 そして召喚に成功した時に

このカードの攻撃力以上の攻撃力を持つ

相手フィールドのモンスター1体を選んで除外する

私はホルスを除外!!」

「でも攻撃力3500のサイレント・マジシャンが残っているぞ?

如何するよ?」

「禁じられた聖杯をサイレント・マジシャンに使う!!

これで効果は無効になり攻撃力400ポイント上がって攻撃力は1400!!

ギルティギア・フリードで攻撃!!」

 

印南LP:1900→1450

 

「これでターンエンド!!」

 

ニナ手札:4→2

 

「俺のターン、 ドロー」

 

印南手札:0→1

 

「天よりの宝札を発動

フィールドのリビングデットの呼び声を除外して2枚ドロー」

 

印南手札:0→2

 

「地割れを発動してギルティギア・フリードを破壊

死者蘇生を発動

墓地のホルスの黒炎竜 LV6を特殊召喚してダイレクトアタック」

 

ニナLP:3100→800

 

「っ!!」

「これでターンエンド」

 

印南手札:2→0

 

「私のターン、 ドロー」

 

ニナ手札:2→3

 

「こちらも死者蘇生を発動

サイレント・ソードマン LV5を墓地から特殊召喚

そしてレベルアップ!を発動!!

サイレント・ソードマン LV7を召喚条件を無視してデッキから特殊召喚!!」

 

武藤遊戯の使ったモンスターの登場に会場も湧き上がる。

 

「そしてサイレント・ソードマン LV7でホルスの黒炎竜 LV6に攻撃!!」

 

印南LP:1450→950

 

「くっ・・・」

「これでターンエンド!!」

 

ニナ手札:3→1

 

 

 

 

 

 

「魔法カードの効果を無効にするサイレント・ソードマン LV7

そして相手はフィールドと手札にカード無し

勝ったわね」

「フラグ立てるな明日香」

 

控え室で安堵している明日香を叱責する東堂。

 

「勝つまで勝ちでは無い、 99%勝利する試合は1%負けるんだ」

「でもここからどうやって勝つと・・・」

 

 

 

「俺のターン、 ドロー!!」

 

印南手札:0→1

 

「ナイトメアテーベを召喚!!」

「ナイトメアテーベ?」

 

ナイトメアテーベ?

観客達も困惑している、 見た事が無いモンスターが現れた。

 

「何それ? レベルモンスターに関係するカード?」

「いや、 個人的に入れているモンスターだ

特にレベルモンスターと関係無い

効果は自分の手札と自分の魔法&罠ゾーンにカードが存在しない場合

このカードの攻撃力は1500アップする」

「え・・・じゃあ素の攻撃力は?」

「1500だ、 つまりナイトメアテーベの攻撃力は3000になる

ナイトメアテーベでサイレント・ソードマンに攻撃!!」

 

ニナLP:800→600

 

自分のエースモンスターが倒され呆然とするニナ。

 

「これでターンエンドだ」

 

印南手札:1→0

 

「っ!! 私のターン、 ドロー!!」

 

ニナ手札:1→2

 

「駄目・・・か・・・サレンダー」

 

 

 

 

ニナがサレンダーを宣言した事により印南が勝利した。

 

「まさかの伝説のカード相手に見た事も無いマイナーカードで勝利!!」

「うぅむ・・・侮れない・・・」

 

解説席で唸る宮迫とマリン。

 

「これで2日目の試合も全て終了しました!!

では明日もよろしくお願いします!!」

 

挨拶をして放送を終わらせたマリンだった。




ニナのデッキは【サイレント・ソードマン】
サイレント・ソードマンを中心とした光属性を中心としたデッキです。
王宮のお触れとデスカリバー・ナイトで効果全部防ぐ戦術です。

印南のデッキは【レベルモンスター】
レベルモンスターを大量に詰め込んだデッキです。
またモンスター直接破壊カードを多めに入れてあり
結果として手札が無くなり易く永続カードもあまりない為
ナイトメアテーベを使いやすくなっています。


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アカデミア対抗戦:二日目終了!!工工工エエエエエエェェェェェェ(゚Д゚)ェェェェェェエエエエエエ工工工(デュエル無し回)

二日目も終了して待機場のサウナテントに入る万丈目と太陽。

 

「サウナテントとか何の冗談だ、 って最初は思っていたが

これは効くなぁ・・・」

「水、 追加して良いですか?」

「どんどんやれ」

 

じゅう、 と湯気が上がりサウナの温度が増す。

 

「ふぅ・・・っと来たかルーク」

「おう・・・すまないな万丈目、 あっさり負けて」

 

ルークが万丈目の隣に座る。

 

「いや、 あれは仕方ない、 あのモンスタードラゴネクロ、 だったか?

あれは俺も知らないレアカードだったからな」

「そうか・・・熱すぎない?」

「いや、 もっと熱くしても」

「お前等二人しかいないのはこういう事か、 熱くし過ぎだ」

「個人的にバーニャが欲しかった」

「建設しろって言ってる?」

「デュエルアカデミアの風呂は大きいがサウナが無いのが困り物だったな」

「贅沢過ぎるわ、 もう出るぞ」

「おう」

 

ルークはふらふらとサウナの外に出た。

 

「太陽」

「はい、 何でしょう」

「ついて来てくれてありがとうな」

「いえ・・・礼を言わないで下さい」

 

 

 

 

 

サウナの外に出てふぅ、 とため息をしながら歩いていたルーク。

 

「ルーク君、 丁度良かった」

「うん? 嬉々先生? 如何しました?」

「ちょっと困った事になってね、 君、 ちょっとついて来てくれないか?」

「?????」

 

ルークは嬉々に連れられて行った。

 

「君の試合の前にちょっと停電しただろ?」

「はい、 それが何か?」

「その間にビショップが盗まれたのよ」

「盗まれた? どういう事です?」

「さっきのデュエルで負けたから機会にビショップのソフトウェア

つまりAI部分を渡したのよ、 それで抜け殻になったハードウェア

つまりロボットの部分が盗まれたって訳よ」

「はぁ・・・それで?」

「そのロボットの部分を盗んだ輩の元に今向かっているって事よ」

「警備員とか呼びましょうよ」

「いや、 もしかしたら警備員もグルかもしれない

向かっている事がバレない内にルーク君がボコボコにしちゃって」

「なんで俺が」

「荒事、 得意でしょ?」

「得意ですけどねぇ・・・」

 

指をくいくいと擦るルーク。

 

「5万払う」

「ビショップのロボ部分って結構お高いんでしょう?

それなのに5万って言うのは少し足元見過ぎでは?」

「なら8万」

「20万」

「私も研究費でキツイのよ、 10万」

「なら12万円」

「11万、 これ以上は無理」

「OK、 では行きましょうか」

 

懐からナイフを取り出すルーク。

貧民街時代にも使われた事のある使い慣れたナイフである。

 

「所で如何やってロボット部分の場所が分かったんですか?」

「これよ」

 

嬉々が発信機にしか見えない発信機を見せる。

 

「なるほど発信機ですね」

「その通り、 ビショップの体内にはこれが埋め込んである」

「なるほど・・・近いですね」

「そうね・・・あれかしら」

 

建物が見えて来た、 二人は知る由も無いが

ここは廃寮になった特待生寮である。

 

「ボロいな・・・ライトは?」

「持って来ているよ」

 

懐中電灯で照らしながら廃寮の中に進む二人。

発信機の示す場所に近付く。

 

「・・・・・この部屋の中みたいだな」

 

部屋の前に立つ二人、 発信機の反応はこの中である。

 

「・・・・・」

 

壁を背にして慎重にドアを開ける。

そして中をそっと覗く。

 

「・・・・・あ?」

 

ルークが部屋に入る。

続けて嬉々も部屋に入る、 部屋の中には誰も居ない。

ビショップも無い。

 

「どゆ事?」

「・・・・・」

 

ルークが部屋を調べ回ると隅っこに光る機械が落ちてた。

 

「これって発信機?」

「・・・・・」

 

持っていた機械を思い切り地面に叩きつける嬉々。

 

「ああああああああああああああああああああああああああ!!!

きぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!」

 

頭をぶんぶん振り回して悔しがる嬉々。

 

「ビショップ、 何処に行ったんだろ・・・」

 

遠い目をするルークだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

遠くから嬉々の叫び声が聞こえる。

近くで隠れている二つの影、 一つは債務 片。

サイバーパワークラブ元顧問、 現在横領がバレない様に逃亡中。

もう一つの影は文字通りのローブを被って正体が分からない。

 

「如何やら発信機が見つかったようだな」

「・・・・・」

 

落ち着かない様子の債務。

 

「落ち着け」

「本当にこれで俺を開放してくれるんだよな?

あのロボットを運ぶのを手伝ったんだし金も渡したんだから

この島から出してくれるんだよな?」

「安心しろ、 約束は守る、 だが今は人が多いから我慢しろ」

「約束だぞ」

 

震える債務。

 

「ほら、 落ち着けよ、 タバコでも吸え」

「あ、 あぁ・・・」

 

手渡された巻き煙草に火を付ける債務。

 

「ふぅ・・・良い煙草だよな・・・」

「海外の良い葉っぱを使っているんだからな

カナビス・カップで入賞した葉っぱを使っている名品だ」

「ほへぇー・・・なんだかよくしらないがおちつくわぁー・・・」

 

因みにカナビス・カップとは

毎年アムステルダムで行われる大麻フェスティバルの事である。

 

「とりあえずあのロボットは後で仲間が運び出せるようにしておこう

今は待機だ」

「りょーかいりょーかい」

 

ぷはぁ、 と煙草の煙を口から出す債務だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃、 鮫島は自室にて斎苑と話をしていた。

 

「鮫島よぉ、 今日のはちょっとまずいんじゃないのか?

テレビ放送されていたし・・・」

「まずい? 何が?」

「サイバー流のデュエリストが観客席に居なかった事だよ

問題になるんじゃないのか?」

「・・・・・気持ちは分かりますし、 仕方ないでしょう」

「仕方ないって・・・でも仮にもデュエリストの学校の生徒が

デュエルを観戦しないのは不勉強じゃないのか?」

「気持ち的な問題も有るんでしょう」

「不安だなぁ・・・」

「貴方は気にし過ぎですよ」

 

鮫島は一蹴したが斎苑のこの不安は実は的を得ていたりしていたのだった。

 

 

 

 

 

 

デュエルアカデミアを離れた日本の本州のとある会社。

サイバーフーズ株式会社(東証二部上場)の会議室にて

緊急株主総会が起こっていた。

 

「サイバー流との関係を断ち切る、 だと?」

 

社長の才色 手技は皺だらけの顔で重苦しく言った。

 

「ちょっと待ってくれ

我が社はサイバー流とのコネクションで成り立っている会社だ

サイバー流の農家等から安く仕入れた食材を加工して

様々な食品にして提供している

更にサイバーの名を冠した商品や

サイバー流関係カードのオマケ付き商品で売り上げも上々だ」

 

副社長の御茶鋸 再々が口角泡を吹きながら言った。

 

「それなんです、 私が問題視しているのはまさにそこ」

 

筆頭株主の関はビシ、 と指摘した。

 

「サイバーフーズはサイバー流と距離が近すぎていると言う事です

サイバー流の凋落がこの会社の凋落になってしまう

サイバー流のマナーの無さは話題になって来ていますし

と言うかそもそもサイバー流に寄り添うのは如何かと思いますよ」

「何故!? 人気の流派じゃないですか!!」

「確かにサイバー流は分かり易く強い流派ですよ

それは認めます、 しかし!!」

 

関はビシ、 と指を立てた。

 

「デュエルモンスターズには大ボスが居る」

「大ボス?」

「天下の海馬コーポレーション、 海馬ランドを始めとした

青眼の白龍関連商品の売れ行きは凄まじいの一言

大ボスと組めないからとサイバー流にすり寄るのは如何かと思いますよ」

「関さん、 確かに貴方の言う通りかもしれませんが

サイバー流には関連カードのオマケ商品があります」

「そのオマケカードが問題の一つなのです」

 

関がプロジェクターを付けると捨てられた大量のサイバー・フーズの

食品、 ソーセージ、 チョコレート、 弁当etc

 

「オマケ付きお菓子の宿命とも言える本体の廃棄

見ていてとても気持ちの良い物ではない、 非常に勿体無い

食材を提供してくれた農家の皆さんにも申し訳が立たないだろう」

「売上は出ています」

「株価は少しずつ下がっているし

私が見て不愉快だ」

「貴方の感想でしょう」

「筆頭株主が『不愉快』って言ってるんだから止めて下さいよ

文句が有るのならば私が持っている株を全て買い取って貰いましょうか」

「っ・・・」

 

株式会社は株を持っている者が経営を思うがままに操れる。

サイバーフーズ株式会社の株はサイバー流関係者達が所有していたのだが

関が買い占めて関が実権を握っている

と表向きにはなっている。

実際は関の背後に何かしらの暴力団が居る可能性が有る。

無茶苦茶な要求は今に始まった事ではない。

 

「社長ぉ、 如何にかして下さいよ」

「再々、 泣き言を言うな、 関さんの言う事にも一理ある」

「うぅ・・・」

「しかしながら関さん、 アンタ色々口出しするが

サイバー流との関係を断ち切って如何するって言うんだ?

アンタの言うサイバー流の凋落による共倒れは防げるだろうが

間違い無く規模縮小するぞ」

「それに関しては御安心下さい

食べ物が無くて困っている国が有りまして

何でも良いから食品を送って欲しいと言って来ております」

「つまり海外進出って事か?」

「大丈夫・・・ですか?」

「先方は日本語が理解出来ますし問題は無いですよ」

「因みにどこの国だ?」

「ムスペルヘイム王国です」

「聞いた事が無い国だが・・・」

「まぁ治安もあんまり良く無いですが金払いは保証しますので」

「それなら・・・まぁ・・・一考の余地は・・・」

「社長、 私は筆頭株主ですよ?」

 

要約すると『やれ』とこの男は言っている。

 

「・・・・・分かりました」

「分かれば良い、 取引相手はムスペルヘイム領事館に居るので

明日にでも営業部長を送って下さい」

 

そう言うとスタスタと関は去って行った。

 

「・・・社長、 もう奴の株式を買い取りましょう」

「馬鹿を言うな、 奴は買い取りを受け入れる様に見せて

株式を市場価値よりも高値で買わせようとする

俗に言うグリーンメール紛いの事もして来るんだぞ

総会屋の様に金を要求しないだけマシだ」

「件のムスペルなんたらとか言う国からマージン貰っているかもしれないですよ

奴の新規開拓で幾ら損しているか」

「・・・・・サイバー流には頑張ってほしいが・・・」

 

サイバー流の下がり始めた評価はこうして社会にも

影響を出し始めていたのだった。

社会に出始めた評判は少しずつ回り始めた。

サイバー流関連企業の株価は微減だが下がり始めた。

ネット上でもデュエルアカデミアのサイバー流デュエリストの試合不観戦は勿論

サイバー流デュエリスト達のカイザー亮に対するデュエルでのリンチからの

返り討ちがネット上にながれ、 サイバー流の評価が下がり始めた。

株価以上にネットオークション上のサイバー流関係カードの値段が下がり始め

徐々に悪い方向に行っているのだった。



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アカデミア対抗戦:番外VS万丈目!!(´ー人ー`)

アカデミア本校

遊戯十代 友愛メグ 青文字ひはつ

 

サウス校

寝無子垂 廣田吉右衛門

 

イースト校

印南 スウィーニー・トッド

 

ウェスト校

泉田塔一郎 東堂葵

 

ノース校

万丈目準

 

アークティック校

呂桐番外

 

「うぅむ・・・」

 

解説席で唸る宮迫。

 

「如何したんですか宮迫さん」

 

宮迫を心配するマリン。

 

「今残っているデュエリストを纏めてみたんですよ」

「本校が3人、 サウス、 イースト、 ウェストが2人で

ノースとアークティックが1人ですか・・・やはり本校が有利でしょうか?」

「いや、 番外はちょっとアレな人ですが強い

まだまだ希望があるかと・・・」

「そうですか・・・・・え? あ、 うぇ!!!?」

「如何しましたマリンさん」

「放送始まってる!! テ、 テレビの前の皆さん!!

アカデミア対抗戦二日、 じゃなかった三日目!! 最終日始まります!!

実況は私、 ほうちょ、 宝鐘マリンと実況は宮迫さんがお送りします!!」

 

若干パニックになりながらも進行を進めるマリン。

 

「じゃ、 じゃあ最初の組み合わせは・・・おぉっと!?

早くも何方の学校が対抗戦脱落です!!

ノース校万丈目準VSアークティック校呂桐番外!!

デュエルリングにどうぞ!!」

 

 

 

 

 

 

「いきなりか・・・」

 

ノース校の控え室で立ち上がる万丈目。

 

「万丈目さん・・・」

「心配するな、 俺にはコイツもいる」

 

ぴら、 とライダーを見せる万丈目。

 

「・・・・・頑張って下さい!!」

「あぁ勝って来る」

 

 

 

 

一方、 アークティック校の控え室では。

 

「あぁぁああぁぁ・・・」

「だ、 大丈夫か・・・」

「うぁああああ・・・」

 

矢島に心配されながら番外は外に出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてデュエルリングで相対する万丈目と番外。

 

「アンタが番外、 か?」

「デュエル」

「え、 もう始めるのか?」

「デュエル」

「?」

 

ゆらゆらと動きながらデュエル、 と言う番外。

 

「デュエルデュエルデュエルデュエルデュエルキキキキキキキィイイイイ!!」

「何だかヤバそうだがデュエル始めるか!!」

 

 

 

 

 

「な、 なんだがその・・・何というか・・・」

「頭の可笑しい奴?」

 

解説席で困惑するマリンにズバッ、 と言う宮迫。

 

「はい・・・大丈夫なんですか?」

「デュエル中は比較的何とかなる」

「何とかなるって・・・一体何なんですかあの人は・・・」

「番外の付けているデュエルディスク」

「あの何かヤバそうな緑色の奴ですね」

「あのデュエルディスクを付けてから奇行が目立ち始めた

きっと呪われたデュエルディスクなんだろう」

「・・・・・」

 

少し間をおいて。

 

「いや、 なんだろうって感想ですか!?」

「仕方ないだろ!! 怖くて近寄れないわあんな奴!!」

「まぁ、 それは仕方ないですが・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺のターン、 ドロー!!」

 

番外手札:5→6

 

解説席ですったもんだをしている間にデュエルが始まった。

 

「強者の苦痛を発動

そして黄昏の忍者-シンゲツを召喚してターンエンド」

 

番外手札:6→4

 

「俺のターン、 ドロー」

 

万丈目手札:5→6

 

「前線基地を発動!!

1ターンに1度自分のメインフェイズ時に

手札からレベル4以下のユニオンモンスター1体を特殊召喚する事ができる!!

俺はZ-メタル・キャタピラーを特殊召喚して生贄に捧げ

アームド・ドラゴン LV5を召喚する」

 

ノース校の生徒から歓声が挙がる。

 

「そしてアームド・ドラゴンで忍者に攻撃

強者の苦痛でレベル×100の攻撃力が下がっているがそれでも倒せる」

 

番外LP:4000→3600

 

「シンゲツが戦闘または相手の効果で破壊され墓地へ送られた場合に

デッキからシンゲツ以外の「忍者」モンスター1体を手札に加える

俺は忍者マスター HANZOを手札に加える」

「ターンエンド

だがアームド・ドラゴン LV5が戦闘でモンスターを破壊したターンの

エンドフェイズにフィールドのこのカードを墓地へ送る事で

手札・デッキからアームド・ドラゴン LV7、 1体を特殊召喚する」

 

わあああああああああああああああと歓声が上がる。

 

万丈目手札:6→3

 

 

 

 

 

 

 

「アームド・ドラゴンを召喚できた・・・けど・・・」

『あぁ、 聊か焦っているな』

 

ノース校の控え室で汗を流す太陽と至上。

 

「確かに稚拙が過ぎるな・・・大丈夫か?」

「わからない・・・だがあの盤外って奴のデッキが良く分からない

忍者? なのか? でも強者の苦痛・・・うーん・・・分からない・・・」

 

 

 

 

 

 

「俺のターン、 ドロー!!」

 

番外手札:5→6

 

「忍者マスター HANZOを召喚

このカードが召喚に成功した時に

デッキから「忍法」カード1枚を手札に加える

俺はデッキから忍法 変化の術を手札に加える

そしてカードを1枚セットしてターンエンド」

 

番外手札:6→4

 

「俺のターン、 ドロー」

 

万丈目手札:3→4

 

「アームド・ドラゴン LV7でHANZOに攻撃」

「セットしていた突進を発動、 HANZOの攻撃力700アップ」

「なっ・・・」

 

万丈目LP:4000→3500

 

あっさりと倒された事により落胆の声が会場から響く。

 

「くっ・・・モンスターをセットしてターンエンド」

 

万丈目手札:4→3

 

 

 

 

 

 

 

「これは忍法を伏せた、 と思わせて突進で攻撃

と言う所でしょうか?」

「それも有りますが、 万丈目君が何故攻撃をしたのか?

と言う所にも注目ですね」

 

解説席で解説をする宮迫。

 

「つまり?」

「何故攻撃の前にアームド・ドラゴンの効果を使わずに除去をしなかったのか?」

「私はあのカードを見た事無いんですが如何言う効果何ですか?」

「手札からモンスター1体を墓地へ送って

墓地へ送ったそのモンスターの攻撃力以下の攻撃力を持つ

相手フィールドのモンスターを全て破壊する」

「手札に1800以上の攻撃力のモンスターが

居なかったからではないんでしょうか?」

「そうかもしれませんが、 私は忍法 変化の術で

召喚するモンスターを標的にしているのでは? と思います」

「なるほど・・・」

 

 

 

 

 

「俺のターン、 ドロー!!」

 

番外手札:4→5

 

「ジュラック・グアイバを召喚!!

セットモンスターに攻撃!!」

「セットモンスターはVタイガー・ジェットだ」

「ぐぬ・・・反射ダメージを受ける」

 

番外LP:3600→3500

 

「メインフェイズ2、 孵化を発動

ジュラック・グアイバを生贄にして

ジュラック・グアイバよりレベルが1つ高いレベル5の

昆虫族モンスター1体をデッキから特殊召喚する

俺はデッキからアルティメット・インセクト LV5を召喚

カードを1枚セットしてターンエンド」

 

番外手札:5→2

 

「俺のターン、 ドロー!!」

 

万丈目手札:3→4

 

「前線基地の効果でW-ウィング・カタパルトを特殊召喚!!」

「前線基地の効果にチェーンして忍法 変化の術を発動

HANZOを生贄に捧げてHANZOのレベル+3以下のレベルを持つ

獣族・鳥獣族・昆虫族モンスター1体を、手札・デッキから特殊召喚する

俺は王虎ワンフーを特殊召喚する」

「う・・・」

「チェーンの処理でウィング・カタパルトが召喚される

そしてワンフーの永続効果

このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、

攻撃力1400以下のモンスターが召喚・特殊召喚に成功した時、

その攻撃力1400以下のモンスターを破壊する

強者の苦痛込みで900だから破壊される」

「そうか・・・これじゃあまともに召喚出来ないな・・・

だったら退場して貰おうか!!

ライフ3000支払い雷仙神を手札から特殊召喚!!」

 

万丈目手札:4→2

万丈目LP:3500→500

 

「最上級モンスター・・・し、 しかし強者の苦痛で攻撃力は下がる」

「元々の攻撃力2700にレベル7だから下がっても2000

ワンフーは仕留められるわぁ!! 雷仙神でワンフーに攻撃ィ!!」

 

番外LP:3500→3200

 

「カードを1枚セットしてターンエンド!!」

 

万丈目手札:2→1

 

 

 

 

 

 

 

 

「何という無茶苦茶な・・・」

 

控え室で呆然とするメグ。

 

「いや

でも確か雷仙神は戦闘破壊されてもライフを回復出来る効果じゃないのか?」

「十代、 アルティメット・インセクト LV5が残っている

アルティメット・インセクト LV7にレベルアップされたら

雷仙神を攻撃されて戦闘破壊のダメージを受けて負ける」

「じゃ、 じゃああのセットカードが破壊されたら・・・」

「あの罠に引っかかるか如何かって所ね・・・」

 

 

 

 

「俺のターン、 ドロー」

 

番外手札:2→3

 

「スタンバイフェイズにアルティメット・インセクト LV5を墓地に送り

アルティメット・インセクト LV7をデッキから特殊召喚

アルティメット・インセクト LV5の効果で特殊召喚したので

このカードが自分フィールド上に存在する限り

全ての相手モンスターの攻撃力・守備力は700ポイントダウンする

魔導戦士 ブレイカーを召喚

召喚成功時に魔力カウンターを乗せる

そして魔力カウンターを1つ取り除きフィールドの魔法・罠カード1枚を破壊する

俺はそのセットカードを破壊する」

「セットカードはおジャマジックだ

おジャマジックが破壊された事により

デッキから「おジャマ・グリーン」「おジャマ・イエロー」

「おジャマ・ブラック」を1体ずつ手札に加える」

『出番ね~』

『で、 でもこの状況ヤバくない・・・?』

 

おジャマの精霊達が囁くも万丈目は真剣な表情である。

 

万丈目手札:1→4

 

「ブラフ、 か

案外あっけなかったな、 アルティメット・インセクト LV7で雷仙神を攻撃」

「コレを忘れていたな、 ダメージステップにオネストを捨てて

雷仙神の攻撃力をアルティメット・インセクト LV7の攻撃力分アップさせる!!」

「あっ・・・」

 

番外LP:3200→1800

 

「ぬかった・・・ターンエンド」

 

番外手札:3→2

 

「俺のターン、 ドロー!!」

 

万丈目手札:3→4

 

「手札抹殺を発動!! 互いに手札を全て捨てて捨てた枚数分ドロー」

『そんなぁ~』

 

恨めしそうなおジャマ達の声を聴きながら墓地におジャマを捨てる万丈目。

 

万丈目が手札から捨てたカード

おジャマ・グリーン

おジャマ・イエロー

おジャマ・ブラック

 

番外が手札から捨てたカード

成金忍者

ネコマネキング

 

「良し!! 俺は」

「墓地に送られたネコマネキングの効果発動

相手ターン中にこのカードが相手の魔法・罠・モンスターの効果によって

墓地に送られた時、相手ターンを終了する」

「なっ・・・」

 

万丈目手札:4→3

 

 

 

 

 

 

「ここでネコマネキング・・・!!」

 

興奮を隠しきれない宮迫。

 

「そんなにテンション上がりますか?」

「勿論だ、 対策用に持っているとしても決まった時は凄く気持ち良いし

溜息が出る程の光景です」

「ふーむ・・・」

 

 

 

 

「俺のターン、 ドロー!!」

 

番外手札:2→3

 

「2枚目の孵化を発動!!

ブレイカーを墓地に送って2体目のアルティメット・インセクト LV5を

デッキから特殊召喚!! そしてカードガードを召喚!!

このカードが召喚・特殊召喚に成功した時に

このカードにガードカウンターを1つ置く!!

このカードに乗っているガードカウンター1つにつき

このカードの攻撃力は300ポイントアップする!!

これで攻撃力は1900!! アルティメット・インセクト LV5で雷仙神に

カードガードでVタイガー・ジェットにそれぞれ攻撃!!」

「雷仙神が自身の効果で特殊召喚されて相手によって破壊された場合

自分は5000LP回復する!!」

「知った事か!! 所詮ライフなんてボードアドバンテージには何の関係も無い!!」

 

万丈目LP:500→200→5200

 

「カードガードの効果発動!!

1ターンに1度、このカードに乗っているガードカウンターを1つ取り除き

このカード以外の自分フィールド上に表側表示で存在するカード1枚に

ガードカウンターを1つ置く事ができる!!

選択したカードが破壊される場合、 代わりにガードカウンターを1つ取り除く!!

俺はアルティメット・インセクト LV5に乗せてターンエンド!!」

 

番外手札:3→1

 

 

 

 

 

 

 

「・・・どういう事だ?」

 

控え室で十代が首を傾げる。

 

「何が?」

「ライフがアドバンテージに関係無いとか・・・」

「それは単純な話よ

ライフが100でも100万でも相手が強いモンスターがフィールドに出ていれば

場の制圧力は相手の方が高いでしょ?

ライフによる勝敗の勝ち負けは置いておいてフィールドはライフとは別

まぁライフに密接に関わる戦術なら話は別だけど」

「なるほど・・・分かり易いなメグ!!」

「それ程でも無いよ、 さっきのボードアドバンテージ云々の話から行くと

またアルティメット・インセクトをレベルアップさせるつもりの様ね」

「強者の苦痛と合わせればまともに戦えない・・・如何する万丈目・・・」

 

 

 

 

 

 

「俺のターン、 ドロー!!」

 

万丈目手札:3→4

 

「おジャマ改造を発動!!」

「おジャマ・・・改造?」

「EXデッキの機械族・光属性の融合モンスター1体を相手に見せて

自分の手札・フィールド・墓地の

「おジャマ」モンスターを任意の数だけ除外して発動できる!!

見せたモンスターにカード名が記されている融合素材モンスターを、

除外したモンスターの数だけ自分の手札・デッキ・墓地から選んで特殊召喚する!!

俺はXYZ-ドラゴン・キャノンを公開し墓地のおジャマ三兄弟を除外して

墓地とデッキからX-ヘッド・キャノン、 Y-ドラゴン・ヘッド

Z-メタル・キャタピラーを特殊召喚!!」

「XYZがこうも容易く・・・

おジャマカテゴリのカードなんて気にも留めなかったがこんな・・・」

「まだだ!! 墓地のおジャマ改造を除外し

除外されている自分の「おジャマ」モンスター3体をデッキに加えて

シャッフル!! その後、 自分はデッキから1枚ドローする!!」

「何だと!? 手札アドすら稼ぐ!?」

 

万丈目手札:3→4

 

「X-ヘッド・キャノン、 Y-ドラゴン・ヘッド

Z-メタル・キャタピラーを除外し融合デッキから

XYZ-ドラゴン・キャノンを特殊召喚!!

手札からカードを1枚捨ててXYZ-ドラゴン・キャノンの効果を発動!!

強者の苦痛を破壊する!!」

 

手札から捨てたカード

簡易融合

 

万丈目手札:4→3

 

「おジャマ・イエローを召喚!!」

『むふー出番よー』

「おジャマ・・・を召喚? 何をする気・・・」

「融合識別を発動!!」

「融合識別?」

「自分フィールドのモンスター1体を対象として発動できる

融合デッキの融合モンスター1体を相手に見せて

このターン、対象のモンスターを融合素材とする場合

その見せたモンスターの同名カードとして融合素材にできる」

「・・・・・モンスターを融合素材の代わりに出来るカードって事か?」

「その通り、 俺はおジャマ・イエローを選択して

融合デッキからVWタイガー・カタパルトを見せて

VWタイガー・カタパルトとして融合素材にする!!」

「なっ・・・ま、 まさか!!?」

「そのまさかだ!!

VW-タイガー・カタパルト扱いのおジャマ・イエローと

XYZ-ドラゴン・キャノンを除外し

VWXYZ-ドラゴン・カタパルトキャノンを融合デッキから特殊召喚!!」

「何という・・・ノース校の殿なだけはある!!」

「甘く見て貰っちゃ困る、 本校の頃から

つまり実力が今よりも低い時でも

ドラゴン・カタパルトキャノンは召喚出来ていた!!」

「良く分からんが、 お前を手放したこの学校の校長はアホだな」

「いやいや、 そのお陰で俺はもっと強くなれたから感謝しておくよ

VWXYZ-ドラゴン・カタパルトキャノンの効果発動!!

1ターンに1度、相手フィールドのカード1枚をを除外する!!

俺はアルティメット・インセクトを除外する!!

破壊無効でも除外はどうしようもないだろう!!」

「ぐっ・・・だがカードガードの攻撃力は1600!!

まだギリギリ耐えられる!!」

「VWXYZ-ドラゴン・カタパルトキャノンの攻撃!!

ダメージ計算時に手札から禁じられた聖杯を発動!!

攻撃力400上がって効果無効化だが関係無いな!!」

「ここまでか・・・」

 

番外LP:1800→0

 

 

 

 

 

 

「・・・・・」

 

ライフポイントがゼロになった瞬間に電池が切れた様に佇む番外。

 

「大丈夫か?」

「・・・・・」

 

番外がカチャカチャとデュエルディスクを弄って自らの腕から外した。

デュエルディスクは地面に落ちて木っ端微塵になった。

まるでガラス細工の様に。

 

「俺の呪われしデュエルの旅路は終わった」

「は、 はぁ・・・」

 

スタスタと狂気染みた態度が嘘のように

何処か晴れやかな表情で番外は去って行った。

 

「万丈目」

「はい?」

「ありがとうな」

「はぁ・・・」




呂桐番外のデッキは【LV5軸アルティメット王虎】
孵化や忍法変化の術でアルティメット・インセクトLV5を召喚するタイプです。
アルティメット・インセクトLV3は入れずに
孵化で様々なレベル4を取り入れており
打点も高めなので強者の苦痛も効率良く発揮出来ると言う仕組みです。
あと忍者も多めに入れてあります。


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アカデミア対抗戦:泉田VSねないこだれだ!!ᕙ( ˙꒳˙ )ᕗ

今月から多忙の為、投稿ペースを週一にします
楽しみにしている読者の方々には申し訳ありませんが
楽しんで頂けるように努力させて頂きます

そして十六夜月様とコラボする事になりました
是非とも其方を御覧頂けると嬉しいです
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=16492870


「次の試合はサウス校のねないこだれだとウェスト校の泉田塔一郎です!!」

「ウェスト校の泉田塔一郎・・・聞いた事が有る様な無い様な」

 

マリンの言葉に頭を悩ませる宮迫。

 

「まぁとりあえず始めましょう、 入場して来て下さい!!」

 

 

 

 

 

 

わあああああ、 と歓声を浴びながら入場するねないこだれだと

泉田、 泉田はジャージの前をあけたまま入って来た。

 

「なんて筋肉だ・・・」

「凄い筋肉・・・」

 

ジャージから見える筋肉は凄まじいの一言であった。

観客からも感嘆の声が聞こえる。

 

「この勝負、 負けられないな」

 

ねないこだれだはこのデュエルは筋肉と霊魂の代理戦争だと認識した。

 

「このデュエル、 僕が圧勝する」

「僕もそのつもりだ」

 

泉田もこのデュエルは筋肉のパワーが幽霊に勝る事を証明する戦いだと認識した。

 

「「デュエル!!」」

 

「五十音順で僕から先行を貰う!!」

「僕はねないこだれだだからこっちが後攻か・・・考えたな」

 

何故受け入れたし

 

「僕の先行、 ドロー!!」

 

泉田手札:5→6

 

「モンスターをセット!! カードを1枚セットして永続魔法、 大胆無敵を発動!!

このカードは相手がモンスターを召喚・反転召喚・特殊召喚する度に

自分は300LP回復して自分のLPが10000以上の場合

自分のモンスターは戦闘では破壊されない効果を持つ!!」

「じゃあデッキを切らすだけさ」

「それはどうかな、 ターンエンド」

 

泉田手札:6→3

泉田デッキ:34

 

「僕のターン、 ドロー」

 

ねないこだれだ手札:5→6

 

「牛頭鬼を召喚

牛頭鬼の効果でデッキから精気を吸う骨の塔をデッキから墓地に送る」

「大胆無敵の効果でライフ回復だ」

 

ねないこだれだ手札:6→5

泉田LP:4000→4300

 

「牛頭鬼でセットモンスターに攻撃」

「セットモンスターはアロマポット

リバースしたこのカードがモンスターゾーンに表側表示で存在する限り

このカードは戦闘では破壊されない」

「・・・ターンエンド」

「リバースしたアロマポットがモンスターゾーンに表側表示で存在する場合

お互いのエンドフェイズ毎に自分は500LP回復する」

 

泉田LP:4300→4800

 

「僕のターン、 ドロー」

 

泉田手札:3→4

泉田デッキ:34→33

 

 

「良し来た、 ビッグバンガールを召喚」

「キュアバーン、 か」

「その通りだ」

「なら僕の勝ちだ、 キュアバーンは手垢が付きまくった戦術

そんな物で勝てる訳が無い」

「それは如何かな、 ターンエンド、 アロマポットの効果で回復

ビッグバンガールはこっちがライフ回復すると

相手に500ポイントダメージを与える効果を持つ」

 

泉田手札:4→3

泉田LP:4800→5300

ねないこだれだLP:4000→3500

 

 

 

 

「手垢の付いた戦術か・・・」

 

ウェスト校の控え室でポツリとオブライエンが呟いた。

 

「デュエル史においてキュアバーンは確かにクラシカルな戦術に入る

とは言えここで油断はするとはね」

「いや、 そうじゃないわ」

 

明日香の言葉を否定するニナ。

 

「相手に自分が油断していると見せかけて油断を誘う

という高度なテクニックな場合も・・・」

「要するに平常心を備えなければいけない場面だな」

「それならば問題は無いだろ」

 

東堂が断言する。

 

―回想―

 

「どんな女が好みだ!?」

「好きな女性のタイプ、 ですか?」

 

東堂は初対面には女性の好みを尋ねる。

当然泉田にも聞く。

 

「男でも構わんぞ?」

「そうですね・・・ならばアンディとフランクですかね」

「誰だ?」

「アンディは僕の右大胸筋、 攻撃的で排他的な性格

フランクは僕の左大胸筋、 慎重かつ大胆です」

「何だそりゃあ、 自分の筋肉に名前を付けているのか?」

「いいえ、 体を鍛えていたらある日語り掛けて来たんです

そして自己紹介をして来たんです」

「筋肉が喋った、 だと?」

「えぇ、 そうです」

 

―回想終了―

 

「泉田は筋肉に人格を持つ男

即ち泉田と戦うならば泉田本人と大胸筋コンビと戦う事になる

実質3対1、 俺でも無ければ勝てんわ」

「・・・・・」

「筋肉が話しかけてくるとか正気を疑うな」

「自分自身を持っている人間は強いぞ」

 

 

 

 

 

 

「僕のターン、 ドロー」

 

ねないこだれだ手札:5→6

 

「大胆無敵があるから召喚は控えめにしないとね

ピラミッド・タートルを召喚」

 

大胆無敵による回復とビックバンガールによるダメージ

泉田LP:5300→5600

ねないこだれだLP:3500→3000

 

「ピラミッド・タートルでビックバンガールに攻撃」

「自爆特攻か・・・」

 

ねないこだれだLP:3000→2900

 

「ピラミッド・タートルの効果で

デッキから死霊王 ドーハスーラを攻撃表示で特殊召喚」

 

大胆無敵による回復とビックバンガールによるダメージ

泉田LP:5600→5900

ねないこだれだLP:2900→2400

 

「だがこの瞬間、 ライフ3000支払い伏せていた永続罠光の護封壁を発動!!

支払ったライフ以下の攻撃力のモンスターは攻撃出来ない!!」

「チェーンでサイクロン」

「っ!!」

 

泉田LP:5900→2900

ねないこだれだ手札:6→4

 

「大胆無敵を破壊して来ないから完全に油断していたっ・・・」

「甘いねぇ・・・そしてドーハスーラでビックバンガールに攻撃」

「くっ・・・」

 

泉田LP:2900→1400

 

「メインフェイズ2、 生者の書-禁断の呪術-を発動

精気を吸う骨の塔を墓地から特殊召喚して

君の墓地のビックバンガールを除外する

そして地獄の暴走召喚を発動、 精気を吸う骨の塔をデッキから2体

攻撃表示で特殊召喚、 君もアロマポットを特殊召喚したまえ」

「っ・・・リバースじゃないと意味が無いのに・・・

2体のアロマポットを守備表示で特殊召喚!!」

「精気を吸う骨の塔の効果でデッキから2枚のカードを墓地に送って貰う

ターンエンド」

 

泉田のデッキから墓地に送られたカード

堕天使マリー

黄金の天道虫

 

ねないこだれだ手札:4→2

泉田デッキ:33→29

アロマポット、 大胆無敵による回復

泉田LP:1400→2000→2500

 

「僕のターン、 ドロー!!」

 

泉田手札:3→4

泉田デッキ:29→28

 

「・・・・・堕天使マリーの効果発動!!

このカードが墓地に存在する場合、

自分のスタンバイフェイズ時に1度だけ

自分は200ライフポイント回復する!!」

「却って助けてしまったか・・・」

 

泉田LP:2500→2700

 

「地獄の暴走召喚で召喚したアロマポット2体を生贄に

守護天使 ジャンヌを召喚!!」

「ジャンヌとドーハスーラは攻撃力が同じ・・・相打ちか」

「いや、 牛頭鬼に攻撃するよ、 何か発動するカードは有る?」

「無いね」

「ならば攻撃は通る!! ジャンヌは戦闘でモンスターを破壊し墓地へ送った場合

そのモンスターの元々の攻撃力分だけ自分のLPを回復する!!

つまり1700のライフ回復!!」

「牛頭鬼が墓地へ送られた場合

自分の墓地から牛頭鬼以外のアンデット族モンスター1体を除外して

手札からアンデット族モンスター1体を特殊召喚する

ピラミッド・タートルを除外して手札から死の王 ヘルを守備表示で特殊召喚

ボーンタワーの効果でデッキからカード6枚を墓地に送って貰おう」

「・・・・・大胆無敵で回復」

 

ねないこだれだLP:2400→1300

泉田LP:2700→4400→4700

泉田デッキ:28→22

 

泉田のデッキから墓地に送られたカード

我が身を盾に

神の宣告

謎の傀儡師

生命力吸収魔術

素早いモモンガ

ヒール・ウェーバー

 

「そしてカードを1枚セットしてターンエンド!!」

「エンドフェイズにはまだ早い

死の王 ヘルの効果発動

1ターンに1度、 自分フィールドのジェネレイドモンスター

またはアンデット族モンスター1体を生贄にして

そのモンスターとはカード名が異なる自分の墓地の

ジェネレイドモンスターまたはアンデット族モンスター1体を

守備表示で特殊召喚する

この効果は相手ターンでも発動できるから君のターンでも発動できる

ドーハスーラを生贄に牛頭鬼を再び墓地から特殊召喚する」

「・・・大胆無敵による回復」

 

泉田手札:4→2

大胆無敵、 アロマポットによる回復

泉田LP:4400→4900→5200

泉田デッキ:22→16

 

泉田のデッキから墓地に送られたカード

死者蘇生

マジック・キャンセラー

プロミネンス・ドラゴン

ビックバンガール

デス・ラクーダ

お注射天使リリー

 

 

 

 

「大型モンスターにライフ回復に対してねないこだれだは

デッキデス、 このまま行けますかね?」

 

解説席でマリンと宮迫が話している。

 

「いやねないこだれだのライフは残り少ない

何かしらのバーンカードでも決まるのでは?

ビックバンガールは火属性ですし火霊術が入っている可能性も有る筈」

「うーむ、 どうなるのだろうか・・・・・」

 

 

 

 

「僕のターン、 ドロー」

 

ねないこだれだ手札:1→2

 

「ボーンタワーを全て守備表示に変更

ヘルの効果で牛頭鬼を生贄にドーハスーラを再び墓地から特殊召喚する」

「大胆無敵による回復!!」

 

泉田LP:5200→5500

泉田デッキ:16→10

 

泉田のデッキから墓地に送られたカード

素早いモモンガ

素早いモモンガ

白魔導士ピケル

光の精霊 ディアーナ

ダグラの剣

髑髏顔 天道虫

 

「髑髏顔 天道虫の効果発動!!

このカードが墓地に送られた時、自分は1000ライフポイント回復する!!」

 

泉田LP:5500→6500

 

「如何でも良いよ、 カードを2枚セットしてターンエンド」

 

アロマポットによる回復

泉田LP:6500→7000

 

ねないこだれだ手札:2→0

 

「僕のターン、 ドロー!!」

 

泉田手札:2→3

泉田デッキ:10→9

 

「ヘルの効果でドーハスーラを生贄に牛頭鬼を再び墓地から特殊召喚する」

 

大胆無敵による回復

泉田LP:7000→7300

泉田デッキ:9→3

 

泉田のデッキから墓地に送られたカード

停戦協定

ご隠居の大釜

ご隠居の猛毒薬

副作用?

ビックバンガール

女神の加護

 

「今だ!! 伏せていた残骸爆破を発動!!

このカードは僕の墓地のカードが30枚以上ある時に発動できる!!

君に3000ダメージだ!!」

「メタられてたかぁ・・・」

「予想はしていただろ?」

「ネコマネキングの方が良かったんじゃない?

残念だけどねぇ、 効果ダメージメタ位用意してあるよ

ピケルの魔法陣を発動、 このターン効果ダメージを無効」

「・・・・・そうか・・・だがこちらにもまだ切り札が残っている!!」

「切り札? まだ何か有るの?」

「有る!! 手札からデビル・フランケンを召喚!!」

「そのカードか・・・」

 

 

 

 

 

「確かライフ5000支払って融合モンスターを召喚出来るカードだっけ?」

「そうね・・・でも十代のHEROは融合召喚でしか召喚出来ないから使えない筈」

 

本校の控え室で十代とメグが話していた。

 

「と言うかライフ5000支払う時点で普通のデッキには入らないだろ・・・」

「キュアバーンならではね・・・」

 

 

 

 

 

 

 

「ライフを5000支払い召喚獣プルガトリオを融合デッキから特殊召喚!!」

 

泉田LP:7300→2300

 

「このカードの攻撃力は相手フィールドのカードの数×200アップし

更に相手モンスター全てに1回ずつ攻撃でき

守備表示モンスターを攻撃した場合

その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える

そしてこのカードの元々の攻撃力は2300!!」

「つまり攻撃力が上がって3500

ドーハスーラは守備力2000だから負ける、 か

残念だったね、 伏せていた速攻魔法、 瞬間融合を発動

ドーハスーラとヘルを融合素材にして冥界龍 ドラゴネクロを攻撃表示で融合召喚

このターンのエンドフェイズに破壊される

と言うかプルガトリオの攻撃力は3100、 これでこのターンは持つ」

「持たせない!! ライフを1200支払い装備魔法サイコ・ブレイドを

プルガトリオに装備!! このカードは発動時に支払ったライフ分の

攻守をアップさせるカード!!」

「丁度1300で負け・・・か」

「プルガトリオでドラゴネクロに攻撃!!」

 

ねないこだれだLP:1300→0

 

 

 

 

わああああああああああと歓声が鳴り響く。

 

「はぁ・・・はぁ・・・」

 

疲れ切ってへたり込む泉田。

 

「やるね」

「僕一人の力じゃない、 アンディとフランクが居なければ負けていた」

「誰だよそれ・・・まぁ良いさ、 またやろう」

 

スタスタと去って行くねないこだれだ。

 

「流石と言うべきか・・・全く息を切らさないなんて・・・」

 

汗を流して、 泉田は言った。

 



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アカデミア対抗戦:ひはつVS印南!!(・へ・)

控え室でデッキ調整をしているひはつ。

 

「ひはつ、 今デッキ調整するのは如何かと思うよ?

使い慣れたデッキの方が良いかと思う」

「うん、 僕もそう思うけどさ、 ちょっと変えた方が良いと思う」

 

同意しているのに何故か同意に反する行動を取るひはつに困惑するメグ。

 

「・・・どういう事?」

「あの印南って人と似た人とデュエルした事がある」

「何処で?」

「井の頭デュエル大会って言うデュエルの大会で

物凄い切羽詰まった感じの奴・・・恐ろしかった・・・」

「良く分からないわね・・・」

「要するに、 勘です」

「勘・・・ね・・・まぁとりあえず頑張りなさい」

「OK、 じゃあ行って来る!!」

 

控え室から出たひはつだった。

 

 

 

 

 

 

 

一方、 イースト校の控え室。

 

「印南、 次の相手だが割と有名な奴だぜ」

「そうか? 初めて聞くぞ?」

 

トッドが印南に話しかける。

 

「アイツはネット社会で噂されるデュエル大会で生き残った一人だとか」

「何だそりゃ、 訳分からんぞ」

「病院送りになった奴も居るデュエル大会だとか

そういう噂が有る、 ネットで言ってた」

「トッドは好きね、 そういう噂」

 

ツァンが呆れる。

 

「実家が床屋だからかなぁ・・・噂話は好きなんだよ

兎も角油断するな」

「誰が相手でも油断しねぇよ、 じゃあ行って来る」

 

印南も控え室から出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

「さぁ三日目第一回戦最終試合は印南VSひはつ!!

予め椅子がセットされています!!」

「要介護デュエリストとか嫌だなぁ・・・」

 

解説席のマリンと宮迫が盛り上がっている中

ひはつと印南がデュエルリングで対峙する。

 

「実際こうしてみると、 分かるぜ、 アンタの強さ」

「貴方も強いですね・・・」

「五十音順で先行は貰うぞ」

「ちょっとまった僕はあおもじ ひはつだからそれだったら僕が先行ですよ」

「なら先行はくれてやる」

「じゃんけんで良いでしょ」

「ならコイントスだ」

「駄目だ、 じゃんけんだ」

「・・・・・」

 

 

 

 

 

「早くも読み合いね・・・」

 

控え室でモニターを見るメグが呟く。

 

「そうなの?」

「五十音順で先行を貰う、 と見せかけて先行を押し付けようとしている

と踏んで先行を運否天賦で任せようとしている

そしてじゃんけん、 コイントスで何方かが決めるのかを決めるかを

互いに争っている」

 

十代に亮が解説する。

 

「じゃんけんかコイントスはどっちでも良くない?」

「良く無いだろ」

「何で?」

「相手の提案に乗らないと言う戦術は

ペガサス島の初期型デュエルディスク拒否にも通じる話だ」

「あぁ・・・なるほど・・・」

 

 

 

 

結局の所話し合いの結果、 コイントスに決定。

印南が提案してひはつがコイントスをした結果。

印南が先行になった。

 

「俺のターン、 ドロー」

 

印南手札:5→6

 

「モンスターをセット、 カードを3枚セットしてターンエンド」

 

印南手札:6→2

 

「僕のターン、 ドロー」

 

ひはつ手札:5→6

 

「マシンナーズ・フォートレスの効果発動

このカードはレベルの合計が8以上になるように手札の機械族モンスターを捨てて

手札・墓地から特殊召喚できる

僕はフォートレス自身と超電磁タートルを墓地に送って

マシンナーズ・フォートレスを攻撃表示で特殊召喚」

「面倒な・・・」

「そしてA・ジェネクス・ドゥルダークを召喚して

機甲部隊の最前線を発動、 ドゥルダークでセットモンスターに攻撃」

「分かってるなぁ

このデッキでそこまで守備力高いモンスターは居ないと読んだか

セットモンスターは暗黒のミミック LV1だ、 リバース効果で1枚ドロー

そしてセットしていたブロークン・ブロッカーを発動

デッキから2体の暗黒のミミック LV1を特殊召喚する」

 

印南手札:2→3

 

「・・・フォートレスでミミック1体を攻撃」

「和睦の使者を発動、 戦闘破壊は無効だ」

「・・・カードを2枚セットしてターンエンド」

 

ひはつ手札:6→0

 

 

 

 

「え? 何故このタイミングで和睦の使者を?」

 

困惑するマリン。

 

「ブロークン・ブロッカーで呼び出したミミックを守る為でしょうね

ミミックはリバースしなくてもレベルアップが可能ですから」

「つまり次のターンに暗黒のミミック LV3が2体出て来るって事ですか?」

「加えて言うならその出て来たミミック2体はそれぞれ

戦闘によって墓地に送られた場合デッキからカードを1枚ドロー効果が

暗黒のミミック LV1の効果によって

特殊召喚されているのでカードを2枚ドローする効果になります

つまり4枚ドロー、 和睦の使者を切る価値は充分あります」

「なるほど・・・」

 

宮迫の解説に納得するマリン。

 

 

 

 

「俺のターン、 ドロー」

 

印南手札:3→4

 

「サイクロン発動して機甲部隊の最前線を割る」

「っ・・・」

「自分のターンのスタンバイフェイズ時に暗黒のミミック LV1の効果により

表側表示のこのカードを墓地に送り

暗黒のミミック LV3を手札またはデッキから特殊召喚する

デッキから2体のミミックLV3を攻撃表示で召喚」

「やりうる・・・」

「そしてサイレント・マジシャン LV4を召喚」

「またそれか・・・まぁ好きにしなよ」

「随分と余裕だな? マシンナーズ・フォートレスが居るからか?

まぁそいつは破壊されてもこっちと相打ちに出来るし

当然と言えば当然か、 だがこれは予測できたか?

バトルフェイズ、 ミミックLV3でドゥルダークに攻撃

その瞬間に手札から速攻魔法サイレント・バーニングを発動」

「サイレント・バーニング・・・確かサイレント・マジシャンの技だった筈では?

でもこちらも相手モンスターの攻撃宣言時に罠カード

分断の壁を発動、 相手フィールドの全ての攻撃表示モンスターの攻撃力は

相手フィールドのモンスターの数×800ダウンする」

「ならチェーンしてトラップ・スタン、 罠はこのターン無効だ」

「くっ・・・」

「それじゃあサイレント・バーニングの効果を発動するぞ

自分フィールドに「サイレント・マジシャン」モンスターが存在し

自分の手札が相手より多い場合、自分・相手のバトルフェイズに発動できる

お互いのプレイヤーはそれぞれ手札が6枚になるようにデッキからドローする

このカードの発動と効果は無効化されない。」

「だから発動前にカードをセットしていたのか・・・」

「お前は6枚、 俺は5枚ドローだな

ついでにお前がドローしたからサイレント・マジシャンに魔力カウンターが乗る」

 

印南手札:1→6

ひはつ手札:0→6

サイレント・マジシャン LV4:魔

 

「そして攻撃は続行される、 ドゥルダークにミミックが破壊され2枚ドロー

もう1体のミミックでも攻撃だ、 またドローできる」

「ダメージは受けて貰う」

「当然」

 

印南手札:6→10

印南LP:4000→3200→2400

 

「さてと、 じゃあメインフェイズ2

サイレント・マジシャンを生贄に捧げて

沈黙の魔術師-サイレント・マジシャンを特殊召喚」

「同じじゃん!!」

「違う、 こいつは自分フィールドの魔法使い族モンスター1体を

生贄にした場合のみ特殊召喚できる別物のモンスターだ

このカードの攻撃力は、自分の手札の数×500アップする」

「手札制限で僕にターン、 回って来る時には6枚になるから・・・

3000アップ!?」

「その通り、 ついでに言うとコイツの素の攻撃力は1000だから4000か

勿論、 俺は手札制限枚数でカードを捨てる真似はしない

カード3枚セットしてターンエンド」

「エンドフェイズにセットしていた速攻魔法終焉の焔を発動

黒焔トークン2体を守備表示で特殊召喚」

「おっと、 沈黙の魔術師-サイレント・マジシャンの第二の効果

1ターンに1度、魔法カードの発動を無効にする!!」

「っ・・・」

 

印南手札:10→6

 

 

 

 

 

 

「なんつードロー枚数だよ・・・」

 

控え室で感心しながらも若干呆れる十代。

 

「確かにこれはちょっと過剰ね

ドローは魅力的だけどもミミックで4枚ドロー出来るんだから

相手にドローさせてまでここまでドローするのはちょっと問題じゃない?」

「だよなぁメグ、 融合とか手札を使うなら兎も角

レベルアップってそんなにカード使う印象はないぞ」

「そうよね」

「そんな事は印南も承知の筈だ、 あの3枚の伏せカードで対処するつもりだろう

もしくはあのサイレント・マジシャンの魔法無効効果を使うつもりだ」

 

亮が呟く。

 

 

 

 

 

 

「僕のターン、 ドロー」

 

ひはつ手札:6→7

 

「・・・・・限界竜シュヴァルツシルトを守備表示で特殊召喚

このモンスターは相手フィールドに攻撃力2000以上のモンスターが

存在する場合、 手札から特殊召喚できる

そして強制転移を発動、 互いにモンスターを選びコントロールを切り替える」

「沈黙の魔術師の効果で魔法の発動を無効にする」

「死のマジック・ボックスを発動

シュヴァルツシルトをあげるよ

その代わり沈黙の魔術師サイレントマジシャンは破壊される」

「良いだろう、 だが破壊され墓地に置かれた際に最後の効果が発動する!!

手札・デッキから「沈黙の魔術師-サイレント・マジシャン」以外の

「サイレント・マジシャン」モンスター1体を召喚条件を無視して特殊召喚する

当然選ぶのはデッキのサイレント・マジシャン LV8!!」

 

あっさり出て来るサイレント・マジシャン LV8にたじろぐ観客達。

 

ひはつ手札:7→4

 

「関係無いね、 ドゥルダークを生贄にニードルバンカーを召喚」

「ニードルバンカーか、 デス・シザースと同じ効果で

ステータスが高くなってるモンスターだったな

ならば奈落の落とし穴だ」

「ライフを1500支払い手札から速攻魔法、 我が身を盾にを発動

奈落の落とし穴を無効に」

「チェーンで手札を1枚捨ててマジック・ジャマーを発動

その我が身を盾にを無効にする」

「チェーンが出来ない・・・大人しくニードルバンカーは破壊される」

 

ひはつ手札:4→2

ひはつLP:4000→2500

印南手札:6→5

 

印南が捨てたカード

ホルスの黒炎竜 LV6

 

「このまま済まさない

フォートレスでシュヴァルツシルトに攻撃」

「受ける」

「カードを1枚セットしてターンエンド」

「エンドフェイズにリビングデッドの呼び声を発動

ホルスの黒炎竜 LV6を墓地から特殊召喚するぞ」

「抜け目がない・・・」

 

ひはつ手札:2→1

 

「俺のターン、 ドロー」

 

印南手札:5→6

 

「結構やるじゃねぇか、 少し頭に血が上って来たぞ」

「怒ってるの?」

「あー、 テンションが上がったって言った方が良いか?

今風に言うと、 まぁ良いか、 レベルアップ!を発動

ホルスの黒炎竜 LV6を墓地に送って

ホルスの黒炎竜 LV8をデッキから特殊召喚する

これで魔法は封じた

収縮とか月の書とかシザース・バンカーにはありがちだからな」

「戦い慣れてますね」

「まぁな、 次にホルスの黒炎竜 LV4を召喚

ホルスの黒炎竜 LV8でフォートレスに攻撃」

「攻撃宣言時に銀幕の鏡壁を発動!!

このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り

相手の攻撃モンスターの攻撃力は半分になる!!」

「チェーンでライフ500払って手札から速攻魔法ツイスターを発動

銀幕の鏡壁を破壊する、 このまま攻撃は続行されるぞ」

「っ・・・フォートレスは戦闘破壊される」

 

印南手札:6→3

印南LP:2400→1900

ひはつLP:2500→2000

 

「マシンナーズ・フォートレスが戦闘で破壊され墓地へ送られた場合

相手フィールドのカード1枚を破壊する

僕が破壊するのは・・・・・ホルスの黒炎竜 LV4!!」

「何? サイレント・マジシャンじゃなくて良いのか?」

「うん!!」

「・・・・・ホルスの黒炎竜 LV4は破壊される」

 

印南は他のモンスターだったら手札のレベルダウン!?で

サクリファイス・エスケープ出来た、 それを読まれたのか?

 

「・・・・・サイレント・マジシャンでダイレクトアタック!!」

「ガード・ブロックを発動!!

戦闘ダメージを無効にして1枚ドロー!!」

「まぁ防ぐ手段が無かったらやらんわな」

 

ひはつ手札:1→2

 

「カードを1枚セットしてターンエンド」

 

印南手札:3→2

 

 

 

 

 

「ひはつのさっきのフォートレスでのホルス破壊が何を意味するのかは

分からないが、 この状況互いにヤバいな」

「そうなんです?」

 

宮迫とマリンが解説席で話している。

 

「ひはつ君はシザース・バンカー、 要するに戦闘破壊出来ればOK

攻撃力を上げてデス・シザースで殴り倒せば勝てる」

「中々厳しく無いですか? ホルスで魔法発動出来ませんよ?」

「まぁ何かしらの策が有るのでしょう

最悪フォートレスを壁にする事も出来る筈です」

「そうですかね」

 

 

 

「僕のターン、 ドロー!!」

 

ひはつ手札:2→3

 

「墓地のフォートレスとニードルバンカーを除外して

マシンナーズ・ルインフォースを手札から特殊召喚

このカードはレベルの合計が12以上になるように

自分の墓地の機械族モンスターを除外した場合のみ特殊召喚出来る」

「ここでそいつは、 こんな大型モンスターまで出て来るとは芸達者だな!!」

「まだまだセカンド・ブースターを召喚して生贄に捧げて効果発動!!

マシンナーズ・ルインフォースの攻撃力をエンドフェイズ迄1500上げる!!

これで攻撃力は6100!!」

「セットしていた威嚇する咆哮を発動!! 攻撃宣言を封じる!!」

「そうかい、 だったらターンエンド」

 

ひはつ手札:3→1

 

 

 

 

 

「ここまでの大型モンスターを・・・」

 

観客席で呆気に取られる翔

 

「大型モンスターなのは凄いがね翔君

あまり期待しない方が良いかもしれないよ」

 

デュエル譜を取りながら指摘する翔。

 

「ど、 どういう事ッスか雀先輩」

「まだ逆転の眼は充分にあるよ、 カオス・ソーサラーでも出されたら

簡単に除去出来るからね」

「リスペクトに反するッス!!」

「君のお兄さんがリスペクトを無視した行いをしていると言うのに頑なだねぇ」

「僕が兄さんの代わりにリスペクトデュエルを引き継ぐッス!!」

「好きにしなよ、 いずれにせよ

あの印南がリスペクトを尊重するとは思えないけどね」

「雀、 喋ってないでデュエル譜取れよ」

「ちゃんと取っているよキリ君」

 

 

 

 

「俺のターン、 ドロー!!」

 

印南手札:2→3

 

「・・・・・」

 

印南は眼を閉じた。

そこからたっぷり2分時間をかけた。

 

「良し、 覚悟は決まったぜ、 貪欲な壺を発動

墓地のモンスター5体を戻して2枚ドロー」

 

デッキに戻すモンスター

暗黒のミミック LV1

暗黒のミミック LV1

暗黒のミミック LV1

暗黒のミミック LV3

暗黒のミミック LV3

 

印南手札:2→4

 

「バトルフェイズに入る、 2枚目のサイレント・バーニングを発動!!

互いに6枚になる様にドローする!!」

「博打に出たか・・・・・だけど付き合ってられないね

マシンナーズ・ルインフォースの効果発動

ライフを半分支払ってバトルフェイズ中の効果発動を無効にして

相手ライフを半分にする」

「受ける」

 

印南LP:1900→850

ひはつLP:2000→1000

 

「3枚目のサイレント・バーニングを発動!!」

 

印南手札:2→6

ひはつ手札:1→6

 

「こう来たか、 一時休戦を発動

互いに1枚ドローして次の相手ターン終了時まで

互いにダメージを受けない・・・そしてカードを5枚セットしてターンエンド」

 

印南手札:6→1

ひはつ手札:6→7

 

「僕のターン、 ドロー」

 

ひはつ手札:7→8

 

「セットカードを全て発動大暴落、 ゴブリンのやりくり上手3枚、 非常食

チェーンを逆順処理、 非常食で4枚のカードを墓地に送りライフ4000回復

そしてゴブリンのやりくり上手3枚の効果で

自分の墓地に存在する「ゴブリンのやりくり上手」の枚数+1枚を

自分のデッキからドローし自分の手札を1枚選択してデッキの一番下に戻す

つまり12枚ドローして3枚手札をデッキに戻す

最後に大暴落だ

相手は手札を全てデッキに加えてシャッフルした後

カードを2枚ドローする」

「8枚になったから・・・くっ・・・」

 

印南手札:2→14→11

ひはつ手札:8→2

印南LP:850→4850

 

「・・・・・ダメージは0でも攻撃は出来る

ルインフォースでホルスに攻撃」

「良いだろう、 ホルスは破壊だ」

「・・・モンスターとカードをセットしてターンエンド」

 

ひはつ手札:2→0

 

 

 

 

 

 

「あの手札の枚数、 確実に逆転、 いや

この状況ならば順当に勝つわね・・・」

 

ウェスト校の控え室で明日香が呟く。

 

「確かに・・・あれは辛いな、 ここから押し切られそうだ」

 

スポーツドリンクを飲む泉田。

 

「下らん」

 

控え室から出る東堂。

 

「おい、 何処に行くんだ東堂」

「高田ちゃんの録画を見に行く」

「良いのか、 試合を見なくて」

「こんな物もう決まっただろうが、 下らん」

 

 

 

 

 

「俺のターン、 ドロー」

 

印南手札:11→12

 

「ミスティック・ソードマン LV2を召喚」

「裏守備破壊モンスターか・・・」

「その通りだ、 次に異次元からの埋葬を発動して

お前が除外したニードルバンカーとフォートレスを墓地に戻して貰う

これでルインフォースが破壊されても効果で除外から帰還出来まい」

「っ・・・」

「ではサイレント・マジシャンでルインフォースに攻撃」

「攻撃宣言時にセットしていたスピリット・バリアを発動!!

モンスターが僕のフィールドに居る限り戦闘ダメージをゼロにする!!」

「2枚目のサイクロンで叩き割る

ダメージ計算時にオネストを捨ててルインフォースの攻撃力分

サイレント・マジシャンの攻撃力を上げる」

「ルインフォースの効果でライフ半分支払いオネストの効果を無効に!!」

「なら2枚目のオネストだ」

「あ・・・」

 

印南LP:4850→2425

ひはつLP:1000→500→0

 

 

 

 

「決着ぅううううううううううううううう!!

勝者は印南いいいいいいいいいいいいいいい!!」

 

わあああああと歓声が響く。

 

「やっぱりデッキ調整を急いでするのは悪手だったかなぁ・・・」

「いや、 悪く無かったぞ、 またやろう」

「その時は勝ちますよ」

「あぁ」

 

握手をするひはつと印南だった。



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アカデミア対抗戦:きっちょむどんVS印南!!メグVS泉田!!ヤットシュヤクノデバンカ(-_-)

「さて本日の第二試合を行いたいのですが

その前に皆さんにお知らせがあります!!」

 

解説席でマリンがお知らせを発表する。

 

「先程、 アークティック校が敗退した為

残りは五つの学校での試合となります

その為、 一つ余る形になるのは自明の理!!

故に今回は先にサウス校VSイースト校、 ウェスト校VS本校で試合を行い

一番多くライフを残した勝者がノース校の万丈目さんと

デュエルする形にすることになりました!!

その為、 少しのインターバルの後にデュエルを始めたいと思います」

 

 

 

 

 

「なるほど、 俺は最後に戦う、 と言う事か」

 

ノース校の控え室でどっしりと待機する万丈目。

 

「楽で良いな」

「そうでもないぞ万丈目」

「どういう事だルーク?」

「他の学校の連中は2回戦わないといけない可能性が有るが

情報アドバンテージを持っている」

「情報アドバンテージ? ・・・なるほど組み合わせか」

「そうだ、 組み合わせを知って居るのは強みだ」

「うーむ・・・」

 

 

 

 

 

一方本校の控え室。

 

「メグ、 さっきは僕がデッキ調整したのを文句言っていたのに

自分はデッキ調整するの?」

「いやいやちょっと遊んでみたくてね」

「?」

 

 

 

 

 

そうこうしている内に時間が経ったのでデュエルが開始された。

第二試合一回戦はサウス校の廣田吉右衛門VSイースト校の印南。

廣田吉右衛門は古臭い恰好をしている。

 

「江戸時代からのタイムトラベラーか?」

「いやいやワシは生まれが童実野町じゃないからの

小さい頃に童実野町に引越して来たんじゃ」

「引っ越し?」

「そりゃあ童実野町は大きい町じゃからな

仕事を求めて来る人間は多いじゃろ

名前も古臭いし、 皆からはきっちょむどんと呼ばれている」

「そうか、 じゃあよろしく頼むぞ」

「うむ」

 

「「デュエル!!」」

 

先行はきっちょむどんになった。

 

 

「ワシの先行!! ドロー!!」

 

きっちょむどん手札:5→6

 

「・・・・・あ? あー・・・うん」

「如何した? 早くしろよ」

「成金ゴブリンを発動、 1枚ドローしてアンタのライフを1000回復」

 

きっちょむどん手札:5→6

印南LP:4000→5000

 

「こう来たかぁ・・・

良し、 終焉のカウントダウンを発動

ライフを2000支払い20ターン後に勝利する」

 

きっちょむどんLP:4000→2000

 

「耐久型って訳か」

「そうでもない、 フィールド魔法チキンレースを発動

簡易融合を発動、 ライフを1000払い融合デッキから時の魔導士を召喚」

「いきなり?」

 

きっちょむどんLP:2000→1000

きっちょむどん手札:6→4

 

「そしてアームズ・ホールを発動、 デッキから1枚墓地に送って

デッキから装備魔法、 黒いペンダントを手札に加える」

 

デッキから墓地に送られたカード

チキンレース

 

「そしてカードを2枚セットして大逆転クイズを発動」

「あぁ? 大逆転クイズだぁ?」

「そう自分の手札とフィールド上のカードを全て墓地に送り

自分のデッキの一番上にあるカードの種類(魔法・罠・モンスター)を当てる

正解したら相手と自分のライフポイントを入れ替える」

 

ざわつく会場

 

「・・・・・当たる訳ねーだろ、 馬鹿か?」

「当然魔法を選択する」

 

デッキの一番上

魔力の枷

 

「なっ・・・」

「それでは互いのライフを交換じゃ」

 

きっちょむどんLP:1000→5000

印南LP:5000→1000

 

「だ、 だがライフが入れ替わった所でカードは全て墓地送り!!

次のターンには俺の手札のサイレントマジシャンでライフ全部削り切れる!!」

「墓地に送られた黒いペンダントの効果発動

このカードがフィールドから墓地へ送られた場合に

相手に500ダメージを与える、 2枚だから1000ダメージだね」

「ば、 馬鹿な・・・」

 

印南LP:1000→0

 

 

 

「けけけけ決着っ~~~~!?」

 

1ターンキルに驚く観客と解説のマリン。

 

「み、 宮迫さん、 今のは・・・」

「緑一色ですね・・・恐らくは・・・」

「りゅ、 緑一色?」

「大逆転クイズで勝つデッキですね」

「ですが大逆転クイズって思い通りに決まるとは思えません」

「いや、 デッキのカード全部魔法カードにすれば

大逆転クイズは絶対に成功する」

「そんな無茶な・・・」

「確かに無茶なデッキ、 しかし故に対応は難しい、 だが

一度見せてしまえば対応は容易・・・次は負ける・・・」

「兎に角、 早く終わってしまいましたが次の試合を始めましょう!!

本校の友愛・・・なんて読むの? 小血? ・・・めぐね

メグさんVSウェスト校の泉田君!! リングへ!!」

 

 

 

 

 

 

 

デュエルリングに現れる泉田とメグ。

 

「おあつらえ向きね」

「どういう事です?」

「いや、 今回ちょっとデッキに細工してね

今回のデュエル、 恐らく盛り上がるわよ」

「? まぁ良いでしょう、 では行きますよ」

 

「「デュエル!!」」

 

コイントスの結果、 泉田の先行になった。

 

「僕のターン、 ドロー!!」

 

泉田手札:5→6

 

「永続魔法、 魔法吸収を発動

魔法カードが発動する度に僕は500ライフポイント回復する

そして手札の黄金の天道虫を見せる事でライフ500回復」

 

泉田LP:4000→4500

 

「次にリロードを発動、 手札を全て戻して

戻した枚数分ドロー、 魔法吸収でライフ回復」

 

泉田手札:6→4

泉田LP:4500→5000

 

「手札に戻ってきた黄金の天道虫を見せて500回復

そしてお注射天使リリーを召喚してカードを2枚伏せてターンエンド」

 

泉田手札:4→1(黄金の天道虫)

泉田LP:5000→5500

 

「私のターン、 ドロー」

 

メグ手札:5→6

 

「お、 案外すんなりいきそうね

永続魔法アロマガーデニングとフィールド魔法アロマガーデンを発動」

 

魔法吸収による回復

泉田:5500→6500

 

「アロマ?」

「アロマポット持っているから知って居ると思ったけどなぁ・・・

まぁ良いか、 私はアロマージ-ローズマリーを召喚

アロマガーデニングの効果発動

自分が「アロマ」モンスターの召喚・特殊召喚に成功した場合

自分は1000LP回復する」

 

メグLP:4000→5000

 

「!! まさか回復デッキ!!」

「その通り、 燃えるでしょ?」

「確かに興奮する!! 行くぞアンディ!! フランク!!

その回復合戦、 受けて立つ!!」

「あぁ、 回復と言う根本は同じだけどそれだけじゃないんだわ

ローズマリーの効果発動、 1ターンに1度自分のLPが回復した場合

フィールドの表側表示モンスター1体の表示形式を変更する

リリーを守備表示に変更」

「くっ・・・」

「そしてアロマガーデンの効果発動

1ターンに1度、 自分フィールドに

「アロマ」モンスターが存在する場合

自分は500LP回復する

この効果の発動後、 次の相手ターン終了時まで

自分フィールドのモンスターの攻撃力・守備力は500アップする」

 

メグLP:5000→5500

 

「ビートダウンまで熟せるとは・・・面白い!!」

「それではローズマリーで」

「攻撃はさせない、 セットカードの1枚を発動

永続罠グラヴィティ・バインド-超重力の網-

レベル4以上のモンスターは攻撃出来ない」

「ロック位はして当然、 か

カードを2枚セットしてターンエンド」

「エンドフェイズに永続罠、 神の恵みを発動

僕がカードをドローする度、 ライフ500回復!!」

 

メグ手札:6→1

 

 

 

 

 

「アロマか、 植物族だしメグには扱いやすいかな」

「う~ん、 イイナァ・・・俺はHERO一本だから

デッキを変えるとかはあんまりしないんだよなぁ・・・」

 

ひはつと十代が控え室で話している。

 

「とは言えアロマは回復系ビートダウン

ロックをかけられるのは良くない」

「如何だろうか・・・」

 

 

 

 

「僕のターン、 ドロー!!

神の恵みの効果で500回復!!」

 

泉田手札:1→2

泉田LP:6500→7000

 

「黄金の天道虫公開して回復」

 

泉田LP:7000→7500

 

「リリーでローズマリーに攻撃!!」

「アロマガーデニングの第二の効果

自分のLPが相手より少ない場合、相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。

デッキから「アロマ」モンスター1体を特殊召喚する

私はデッキからアロマージ-ベルガモットを攻撃表示で特殊召喚

アロマガーデニングの効果で特殊召喚したのでライフが1000回復

ベルガモットは1ターンに1度、 自分のLPが回復した時

攻撃力・守備力は相手ターンの終了時まで1000アップする

ベルガモットの攻撃力は3400になる」

 

メグLP:5500→6500

 

「う・・・リリーの効果を使っても相打ちになる・・・

ならば攻撃はローズマリーに・・・」

『待つんだ塔一郎!!』

 

泉田の筋肉が語り掛ける。

 

「アンディ!?」

『アロマモンスターには低レベルのモンスターも居る筈だ!!

それを召喚しなかったって事は

グラヴィティバウンドを突破する手段が有ると言う事だ!!

ここはベルガモットを倒すべき!!』

『いや、 待て!!』

「フランク!?」

『まだ相打ちを狙う程追い詰められていない

ここは落ち着いてローズマリーを仕留めろ』

「確かにライフは7500・・・リリーの効果を発動しても5000以上残る

ならば僕はリリーでローズマリーに攻撃!!

リリーの効果発動!! 戦闘を行うそのダメージ計算時に1度

2000LPを払って発動できる。

このカードの攻撃力はダメージ計算時のみ3000アップする!!」

「大人しく受ける、 けどもアロマガーデン第二の効果発動

自分フィールドの「アロマ」モンスターが戦闘・効果で破壊され

墓地へ送られた場合に発動、 自分は1000LP回復する」

 

泉田LP:7500→5500

メグLP:6500→5400→6400

 

「ライフは逆転してしまったか・・・

だがまだまだこれから!! モンスターをセットしてターンエンド!!」

 

泉田手札:2→1

 

 

 

 

 

「ブツブツと独り言を言って・・・大丈夫かな? 泉田君」

「狂ったかもしれないですな」

 

解説席で談笑するマリンと宮迫。

 

「そりゃあライフ2000使ったのに

差し引き100ダメージしか与えられなかったのですからそれは仕方ないかと・・・」

「厳しいな・・・」

 

 

 

 

「私のターン、 ドロー」

 

メグ手札:1→2

 

「アロマージ-ジャスミンを召喚!!」

 

アロマガーデニングによる回復

メグLP:6400→7400

 

「回復した事によりジャスミンの効果発動!!

1ターンに1度、 自分のLPが回復した場合に

自分はデッキから1枚ドローする

ついでにベルガモットの攻撃力も上がる」

「ドロー効果まで・・・」

 

メグ手札:1→2

 

「生憎だけどジャスミンにはもう一つ効果が有る

私のライフが君より上の場合、 ジャスミン以外の植物族を通常召喚出来る

私はアロマージ-カナンガを召喚

カテンガも私のライフが君よりも上の場合に発動する効果が有る

永続的に相手モンスターの好守500ダウンする」

「ぐっ・・・」

「そしてアロマガーデンの効果で回復と攻守上昇」

 

メグLP:7400→7900

 

「回復した事によりカテンガの効果発動

相手の魔法罠一枚選んで相手の手札に戻す

当然グラヴィティバウンドを戻す」

「っ・・・」

「さてと、 これで思う存分攻撃出来るね

ベルガモットでリリーに攻撃」

「リリーの効果でライフ払い攻撃力上昇!!」

「少しダメージ減るかぁ・・・」

 

泉田LP:5500→3500→2600

 

「カナンガでセットモンスターに攻撃」

「セットモンスターはメタモルポット!!

互いに手札を全て捨てて5枚ドロー!!」

「む・・・」

 

メグが捨てた手札

ギガプラント

 

泉田が捨てた手札

黄金の天道虫

グラヴィティ・バインド-超重力の網-

 

メグ手札:1→5

泉田手札:2→5

天の恵みによる回復

泉田LP:2600→3100

 

「ジャスミンでダイレクトアタック」

 

泉田LP:3100→2500

 

「カードを1枚セットしてターンエンド」

 

メグ手札:5→4

 

 

 

 

 

「完全にしてやられているわね・・・」

 

明日香が控え室で呟いた。

 

「これはもう駄目だな・・・キュアバーンなのに回復で負けている

ここからバーンで削る事も難しいだろう」

 

オブライエンも絶望していた。

彼のデッキにはバーンの要素も有るから

回復との相性の悪さは重々承知していた。

 

「俺の出番も近い、 か」

 

 

 

 

「僕のターン、 ドロー!!」

 

泉田手札:5→6

天の恵みによる回復

泉田LP:2500→3000

 

「大嵐を発動!! 全ての魔法罠を破壊する!!」

「カウンター罠、 大革命返しを発動

フィールドのカードを2枚以上破壊する

モンスターの効果・魔法・罠カードの発動を無効にし除外する」

「・・・・・ビックバンガールを召喚!!」

「ライフを2000支払いカウンター罠、 神の警告

ビックバンガールの召喚を無効にし、 破壊する」

 

メグLP:7900→5900

泉田LP:6→4

 

「警告の方だったか・・・いずれにせよカウンター二枚

3枚目の伏せカードはカウンターじゃないだろう?」

「・・・さぁ?」

「手札の黄金の天道虫を見せて回復

永続魔法カードトレーダーを発動して魔法吸収の効果で回復

カードを2枚セットしてターンエンド!!」

「エンドフェイズに永続罠、 潤いの風を発動

1ターンに1度ライフ1000支払って

デッキからアロマモンスター1体を手札に加える

私はアロマージ-マジョラムを手札に加える」

 

メグLP:5900→4900

泉田LP:3000→4000

泉田手札:4→1

メグ手札:4→5

 

 

 

 

「泉田君の読み通り、 カウンターじゃなかった

とは言え、 このボードアドバンテージを崩せるのか・・・?」

「カード2枚で何とかなる状況か怪しい所ですが・・・」

 

解説席で話し合っているマリンと宮迫。

 

「そもそもメグさんの手札は6枚になる訳ですし

対応策が無い訳が無い」

「厳しい状況ですね・・・」

 

 

 

「私のターン、 ドロー」

 

メグ手札:5→6

 

「潤いの風でライフ1000支払い2体目のジャスミンを手札に加えます」

 

メグLP:4900→3900

メグ手札:6→7

 

「そしてジャスミンを召喚、 アロマガーデニングの効果で回復

2体のジャスミンの効果で2枚ドロー、 ベルガモットの攻撃力上昇

そしてカナンガの効果で右のセットカードを手札に戻して貰うよ」

「対象になった伏せカード生命力吸収魔術を発動!!

色々ややこしい効果だが僕はフィールドの効果モンスター×400回復する!!」

「む・・・」

 

泉田LP:4000→5600

メグLP:3900→4900

メグ手札:6→8

 

「・・・潤いの風、 第二の効果

相手のLPが自分のLPを上回っていた場合、 500回復出来る

更にアロマガーデンで回復と攻撃力上昇」

 

メグLP:4900→5400→5900

 

「これでベルガモットは攻撃力3900、 総攻撃すれば落ちるけども

手札抹殺を発動」

「え」

 

泉田が手札から捨てたカード

黄金の天道虫

 

メグが手札から捨てたカード

死者蘇生

イービル・ソーン

イービル・ソーン

ギガプラント

ローンファイア・ブロッサム

アロマージ-マジョラム

ドレインシールド

増草剤

 

メグ手札:8→7

 

「サーチしたカードを捨てた・・・?」

「良し、 引けた、 サイクロン発動、 伏せカードを破壊」

「そうか伏せ除去の為のサイクロンを引く為にッ・・・

セットカードはフリッグのリンゴだ・・・これ以上逆転の手段は無い

大人しく負けを認めよう」

 

 

 

 

「決着ぅううううううううううううう!!

メグさんの勝利です!!

そして多くのライフを残したメグさんが万丈目君とのデュエルが決まりました!!」

 

わああああああああああああああと歓声が挙がる。

 

 

 

 

「万丈目とのデュエルか・・・」

 

メグは緊張した、 かなりの大勝負になるだろうと推測される。

ドン!! と太鼓が鳴り響いた。

 

「!?」




きっちょむどんのデッキは【緑一色】
全部魔法カードにする事で大逆転クイズを絶対成功させるデッキです
ロマンだねぇ


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アカデミア対抗戦:メグVS万丈目!!!!!!!!!!!!!!!!!

ドドンドドンドン!!ドドンドドンドン!!

ノース校生徒達の太鼓の音が鳴り響く。

 

「「「「「誰が至強か!!誰が至強か!!誰が至強か!!万丈目!!」」」」」

 

ノース校生徒達の掛け声がデュエルリングに響く。

 

「な、 何、 一体・・・」

 

メグが困惑する。

 

ドドンドドンドン!!ドドンドドンドン!!

 

「「「「「誰が至強か!!誰が至強か!!誰が至強か!!

その息吹でライフは吹き飛び!! その一撃で対戦相手は地に沈む!!

天下最強!! 漢の中の漢!! それは誰か!?」」」」」

 

デュエルリングに登る万丈目。

 

「「「「「一!!」」」」」

「「「「「十!!」」」」」

「「「「「百!!」」」」」

「「「「「千!!」」」」」

「万丈目サンダー!!」

 

ドン!! と最後に大きく太鼓が鳴らされる。

 

「・・・・・派手な演出ね」

「すまないな友愛君、 引き立て役になって貰って」

「別に、 私も君と十代君のリベンジマッチは個人的にさせてあげたいけど

負けるつもりは無い」

「そう、 じゃあ先行後攻を決めようじゃない」

「コイントスで構わないか?」

「じゃあ裏で」

「良し」

 

コイントスをする。

 

「「「「「表表表表表!!!!!!」」」」」

「ちょ、 うるさ」

 

コイントスは表だった。

 

「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」」」」」

「ずっとこんなノリでデュエルするの? 五月蠅いなぁ・・・」

「・・・・・俺の先行だな」

 

戦慄する万丈目。

 

『準、 気がついてる?』

「あぁ分かっているぞライダー」

 

ライダーと会話する万丈目。

 

『如何言う事アニキ?』

「友愛は全く飲まれていない、 この応援の暴風雨の中で

まともにデュエル出来るとは・・・面白い

では始めるぞ!!」

 

「「デュエル!!」」

 

「俺の先行!! ドロー!!」

 

万丈目手札:5→6

 

「まずは様子見だ

モンスターとカードを2枚セットしてターンエンド」

 

万丈目手札:6→3

 

「私のターン、 ドロー」

 

メグ手札:5→6

 

「ローンファイア・ブロッサムを召喚

生贄に捧げて効果発動

デッキからギガプラントを特殊召喚

ギガプラントでセットモンスターに攻撃」

「セットモンスターはおジャマ・ブルーだ」

「・・・ブルー?」

 

困惑するメグ。

 

「何だね? 何か問題でも?」

「・・・いや、 良いよ」

「ふむ、 じゃあおジャマ・ブルーの効果発動

このカードが戦闘で破壊され墓地へ送られた時に

デッキから「おジャマ」カード2枚を手札に加える

俺はおジャマジックとおジャマ・デルタハリケーン!!を手札に加える」

 

万丈目手札:3→5

 

「・・・・・カードを1枚セットしてターンエンド」

「エンドフェイズに2枚のセットカードを発動する

おジャマデュオとおジャマッチング、 まずおジャマッチングの効果を処理

手札及び自分フィールドの表側表示のカードの中から

「おジャマ」カード1枚を墓地へ送って発動する

俺はおジャマジックを手札から捨てよう

今捨てたおジャマジックとカード名が異なる「おジャマ」モンスター1体と

「アームド・ドラゴン」モンスター1体を

自分のデッキ・墓地から選んで手札に加える

その後、この効果で手札に加えたモンスター1体を召喚できる

俺はアームド・ドラゴン LV3とおジャマ・レッドを手札に加え

アームド・ドラゴンを特殊召喚する

次におジャマデュオの効果によりおジャマトークン2体を守備表示で

君のフィールドに特殊召喚する

そのトークンは生贄に出来ないし

破壊されたら300ポイントのダメージを与える

そしてコストにしたおジャマジックの効果により

デッキからおジャマ・グリーン、 おジャマ・イエロー

おジャマ・ブラックのおジャマ三兄弟を手札に加える」

「・・・・・カードを2枚セットしてターンエンド」

 

メグ手札:6→3

万丈目手札:5→8

 

 

 

 

 

「ふん、 準の奴、 やりおるわ」

 

VIP席にて観覧する万丈目の父親、 広大。

 

「何がやりおるのかが全く分からないです父上

私には雑魚カードを大量に手札に入れている様にしか見えませんが・・・」

「長作兄さんが渡したカードも使っていない様だ

あのレベルアップモンスターは初めて見るが、 どんなモンスターなんだ?」

 

長作と正司も隣で観戦している。

 

「あの手札枚数、 何かしらしてくるだろう」

「出来るか不安ですが・・・」

「いや、 出来るとも」

「何故そこまで準を信じられるのですか?」

「息子を信じない親が何処に居る?

と言えればカッコいいのだがちゃんと理由が有る

先程のデュエルで実力を発揮していて実力を持っている事を

確認したデュエリストの友愛が警戒している

あのおジャマとやらとアームドドラゴンとやらはわからないが

何かしらやるだろう」

「そんなもんですかね・・・」

 

 

 

 

「俺のターン、 ドロー!!」

 

万丈目手札:8→9

 

「アームド・ドラゴン LV3の効果発動!!

自分スタンバイフェイズにフィールドのこのカードを墓地へ送って

手札・デッキから「アームド・ドラゴン LV5」1体を特殊召喚する!!

デッキから特殊召喚!!」

「凄いけどもおジャマッチングで

最初からレベル5の方出して置けば良かったんじゃないの?」

「デッキ圧縮だよ、 次におジャマ・レッドを召喚!!

召喚成功時に効果発動!!

手札から「おジャマ」と名のついたモンスターを4体まで

自分フィールド上に攻撃表示で特殊召喚する事ができる!!

おジャマ・グリーン、 おジャマ・イエロー、 おジャマ・ブラックを

手札から特殊召喚!!」

 

万丈目手札:9→5

 

『出番よーん』

『やるよー』

『GOGO!!』

「それでは行くぞ!!

おジャマ・デルタハリケーン!!

自分フィールド上に「おジャマ・グリーン」「おジャマ・イエロー」

「おジャマ・ブラック」が表側表示で存在する場合に発動する事ができる!!

相手フィールド上に存在するカードを全て破壊する」

『『『いっくぞ~おジャマ・デルタハリケーン!!』』』

「「「「「万丈目!! 万丈目!! 万丈目!!」」」」」

 

観客席のコールも激しくなる。

 

「ライフ1500払って我が身を盾にで無効にするわ」

『『『・・・・・えぇ~』』』

 

メグLP:4000→2500

万丈目手札:5→4

 

「流石に手札に加えた時点で警戒するに決まっているじゃない」

「そりゃそうだ、 だがここからだ

レベルアップ!を発動!! アームド・ドラゴン LV5を墓地に送り

デッキからアームド・ドラゴン LV7を特殊召喚!!」

「な・・・まさかデルタハリケーンは囮!?」

「その通りだ!! アームド・ドラゴン LV7の効果発動!!

手札からモンスター1体を墓地へ送り

墓地へ送ったそのモンスターの攻撃力以下の攻撃力を持つ

相手フィールドのモンスターを全て破壊する!!

俺は神獣王バルバロスを墓地に送りギガプラントとおジャマトークン2体を破壊!!」

「っ!! 手札を1枚捨ててレインボー・ライフを発動!!

エンドフェイズまでダメージは全て回復になる!!」

 

メグLP:2500→3100

メグ手札:3→2

手札から捨てたカード

六花のひとひら

 

おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおと歓声が響く。

 

「フィールドはがらあきだが攻撃は出来ない、 か

仕方ない、 融合を発動、 おジャマ三兄弟を融合素材にして

おジャマ・キングを守備表示で融合召喚

このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り

相手のモンスターカードゾーンを3ヵ所まで使用不可能にする」

「っ・・・」

「これでターンエンドだ」

「エンドフェイズに墓地の六花のひとひらの効果発動!!

このカードが墓地に存在し、自分フィールドにモンスターが存在しない場合

または自分フィールドのモンスターが植物族モンスターのみの場合、

相手エンドフェイズに特殊召喚する!! 守備表示で特殊召喚」

 

万丈目手札:4→1

 

 

 

 

 

「不味いな・・・フィールドの空きを封じられると植物族お得意の

大量展開がしにくくなる・・・」

 

控え室でモニターを見るひはつ。

 

「万丈目のデッキ、 おジャマとかよくわからないカードばっかりだが・・・強い」

「だな・・・流石は大将なだけは有る」

 

十代と亮も戦慄していた。

 

「こっちも大将は俺だからぶつかるかもしれないな・・・」

「その時は頼むぞ十代」

「おう!! 任せろよカイザー!!」

 

 

 

 

「私のターン、 ドロー!!」

 

メグ手札:2→3

 

「六花のひとひらの効果発動!!

自分メインフェイズにデッキから「六花のひとひら」以外の

「六花」モンスター1体を選び手札に加えるか墓地へ送る!!

私は六花精スノードロップをデッキから手札に加えて

スノードロップの効果発動!!

自分フィールドの植物族モンスター1体を生贄にして

このカードと植物族モンスター1体を手札から特殊召喚する!!

この効果の発動後、 ターン終了時まで自分は植物族モンスターしか

特殊召喚できないけどまぁそれは関係無い!!

私はスノードロップとアロマージ-ベルガモットを特殊召喚!!」

 

メグ手札:4→2

 

「一気にモンスターを展開したか・・・

だがおジャマ・キングの守備力はおろか

アームド・ドラゴンの攻撃力にも達していないじゃないか」

「これから!! スノードロップを生贄に捧げて2体目のギガプラントを召喚!!

そして一族の結束を発動!!

自分の墓地の全てのモンスターの元々の種族が同じ場合

自分フィールドのその種族のモンスターの攻撃力は800アップする!!

ギガプラントとベルガモットの攻撃力は800上昇して3200になる!!

おジャマ・キングとアームド・ドラゴンにそれぞれ攻撃!!」

 

万丈目LP:4000→3600

 

「おジャマ・レッドに攻撃しなくて良かったのかい?

ライフ削れるよ?」

「削り切れないなら意味は無いよ!! ターンエンド!!」

 

メグ手札:2→0

 

「俺のターン、 ドロー!!」

 

万丈目手札:1→2

 

「手札からおジャマ改造を発動!!」

「げっ・・・」

「如何やら効果を知っている様だな

融合デッキの機械族・光属性の融合モンスター1体を相手に見せ

自分の手札・フィールド・墓地の「おジャマ」モンスターを任意の数だけ

除外して発動できる!!

見せたモンスターにカード名が記されている融合素材モンスターを

除外したモンスターの数だけ自分の手札・デッキ・墓地から選んで特殊召喚する!!

俺はXYZ-ドラゴン・キャノンを見せて

墓地のおジャマ・イエロー、 グリーン、 ブラックの

おジャマ三兄弟を除外する!!」

『『『あにきぃぃぃぃぃぃぃ・・・』』』

 

哀れ、 除外ゾーンに送られるおジャマ三兄弟。

 

「そしてXYZ-ドラゴン・キャノンの素材X-ヘッド・キャノン

Y-ドラゴン・ヘッド、 Z-メタル・キャタピラーをデッキから特殊召喚!!」

「くっ・・・立て続けにカテゴリーの違うモンスターを次々と・・・」

「まだまだ!! おジャマ改造の第二の効果!!

墓地のこのカードを除外し除外されている

自分の「おジャマ」モンスター3体を対象として発動できる!!

そのモンスターをデッキに加えてシャッフルし

その後、 自分はデッキから1枚ドローする!!

俺はさっき除外したおジャマ三兄弟をデッキに戻し1枚ドロー!!」

『『『あにきいいいいいいいいいいいいいい!!!』』』

 

除外ゾーンから帰って来るおジャマ三兄弟。

 

万丈目手札:1→2

 

「貪欲な壺を発動!! 以下の5体をデッキに戻し2枚ドロー!!」

 

デッキに戻すカード

おジャマ・ブルー

おジャマ・キング

アームド・ドラゴン LV3

アームド・ドラゴン LV5

アームド・ドラゴン LV7

 

万丈目手札:1→3

 

「これは・・・友愛君、 決めさせて貰おう!!」

「・・・・・良いわ、 来なさい

ここまで来たら行く所迄見たくなって来た」

「ではご希望に答えて!! お前達!! 盛り上げろ!!」

「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」」」」」

 

ドドンドドンドン!!ドドンドドンドン!!

ノース校生徒達の太鼓の音が鳴り響く。

 

「X-ヘッド・キャノン、 Y-ドラゴン・ヘッド、 Z-メタル・キャタピラー

3体を除外し融合素材としてXYZ-ドラゴン・キャノンを融合召喚!!

手札を1枚捨てて効果発動!! 相手フィールドのカード1枚を破壊する!!

俺はギガプラントを破壊!!」

 

手札から捨てたカード

おジャマ・ピンク

 

「一族の結束じゃなくて?」

「万丈目劇場はここからだ!! 続いて融合識別を発動!!

自分フィールドのモンスター1体を対象とし

融合デッキの融合モンスター1体を相手に見せる!!

このターン、 対象のモンスターを融合素材とする場合、

その見せたモンスターの同名カードとして融合素材にできる!!

俺はVW-タイガー・カタパルトを見せる!!

そしてVW-タイガー・カタパルト扱いのおジャマ・レッドと

XYZ-ドラゴン・キャノンを除外し

VWXYZ-ドラゴン・カタパルトキャノンを融合召喚!!

効果によりベルガモットを除外する!!」

「でもドラゴン・カタパルトキャノンの攻撃力は3000!! 100残る!!」

「残念だが最後のカード仮面竜だ」

「モンスターを引いたか・・・

無駄なカードが無かった私が言えた義理じゃないけど引きが強過ぎる・・・」

「運も実力の内だ!! VWXYZと仮面竜でダイレクトアタック!!」

 

メグLP:3100→100→0

 

 

 

 

「決着ううううううううううううううう!!」

 

うわあああああああああああああと歓声が鳴り響く。

太鼓の音が荒れ狂う。

 

「プロデュエリストとして言わせて貰うと・・・

もう意味が分からない

何だこのデッキ、 滅茶苦茶じゃないか・・・」

「おジャマにXYZにアームド・ドラゴン・・・

確かにテーマ入れ過ぎですね・・・兎も角、 これで二回戦も終了!!

各校残り1名のみ!! まさにデスマッチ!!」



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アカデミア対抗戦:まさかのトライアングル!!△

あけましておめでとうございます
新年早々ですが年末年始予想以上に多忙だった為
2月まで更新を停止します。
申し訳有りません。


「3人のトライアングルデュエル?」

「そうだ」

 

VIP席で観戦している校長達の中でイースト校校長のノーマンが提案した。

 

「もう残りは5人、 ならば3人と2人でデュエルをして

勝者達でデュエルを行えば3回で済むじゃないか」

「人数決めは如何するつもりです?」

 

市ノ瀬が尋ねる。

 

「くじで良いんじゃねぇの?」

「適当だなぁ・・・ウォーリーさんは如何思います?」

 

ちらとサウス校校長のウォーリーを見る。

こくりと頷く。

 

「・・・いやウォーリーさん、 言っちゃ悪いかもですが

貴方の所の代表のデッキはハメ技に近い、 もしも3人側に組み込まれたら

負ける確率は高くなりますよ? 良いんですか?」

 

ウォーリーは動かない。

 

「本人が良いって言ってるんだから良いだろ」

「良いのかなぁ・・・」

 

 

 

 

 

 

「むむ!? ここでお知らせです!!」

 

解説席のマリンが叫ぶ。

 

「次の試合は何と3人によるトライアングルデュエルです!!

本校の遊戯十代!! イースト校のスウィーニー・トッド!!

ウェスト校の東堂葵!! この三人で行われます!!」

 

デュエルリングで対峙する三人。

 

「一つ言って良いか?」

 

十代が言い難そうに言う。

 

「何だ?」

「スウィーニーさん? だったか? アンタ、 如何見ても大人じゃねぇの?」

「社会人学生だ」

「有りかよそんなの・・・」

「君達よりも年齢は二倍以上だ、 まぁ丁度つり合いが取れてるだろ」

「つり合い?」

「・・・おい、 オッサン」

 

東堂が前に出る。

 

「三つ巴じゃなく2対1をご希望なのか?」

「それ位じゃないとハンデにならないだろう?

君達が一人ずつなら間違いなく俺には勝てん」

「何だと!?」

「可笑しな事を言うな、 こっちもそのつもりだが?」

 

東堂も煽り返す。

 

「・・・東堂だったか? アンタの事は知って居るぞ」

 

東堂を睨む十代。

 

「ほぅ、 本校でも俺の事を知って居る奴が居るのか」

「京都の強豪HEROデッキ使いだって聞いた事が有る

アマプロ5人、 プロ1人含む、 百人規模の大会で優勝したとか・・・

・・・アンタ、 融合使わないんだってな?」

「あぁ、 それはガセだ、 プロ相手には使ったぞ?」

「プロ以外の連中には使わなかったのか・・・」

 

ごくり、 と唾を飲む十代。

 

「まぁ良い、 始める前にお前達に尋ねておこう」

「?」

「何だ?」

「好みの女のタイプは何だ!?」

「え、 えーっと」

「金持ちだな」

 

迷う十代に対してトッドは即答した。

 

「金持ちって・・・アリかよ・・・」

「アリだろ、 金さえ有れば女を買って女を抱く事も可能だ」

「・・・俺はそうだな・・・ワンダー・ウーマンかな」

「ワンダー・ウーマン? 誰だ?」

「まぁ知らないか・・・海外の女ヒーローだ

ヒーロー全般好きだけどな」

「ふむ、 如何言う奴か知らないから否定は出来ないからお前はほっとこう

だがしかしだ」

 

トッドを睨む東堂。

 

「お前はつまらん」

「女の尻を追いかけているお前の方こそつまらん」

「・・・・・」

「・・・・・」

「やるか」

「来いよ、 餓鬼、 大人の力を見せつけてやる

ハンデだ年下のお前から始めろ」

「ふん、 その理屈だと俺は3年だ

1年の十代から始めて貰おうか」

「俺から? まぁ良いけど・・・」

 

「「「デュエル!!」」」

 

「俺のターン、 ドロー!!」

 

十代手札:5→6

 

「ヒーロー・キッズを召喚!! カードを2枚セットしてターンエンド!!」

 

十代手札:6→3

 

「ヒーロー・キッズだぁ? 罠がバレバレじゃねぇか」

「そう来たか、 考えているな」

 

トッドは馬鹿にして、 東堂は見直している。

 

「何言ってんだお前?」

「解説してやる気はない、 解説席の宮迫さんに解説は任せよう」

 

 

 

 

 

 

話を振られた解説席。

 

「宮迫さん、 一体どういう事ですか?」

「トライアングルデュエルでは第1ターンには攻撃出来ない

ならばモンスターは低攻撃力でも問題は無い、 と言う事ですね」

「なるほど」

「それでもヒーロー・キッズを召喚するのは意味が分かりませんが」

「ですよねぇ・・・」

 

 

 

 

「俺のターン、 ドロー!!」

 

東堂手札:5→6

 

「E・HERO フェザーマンを召喚」

「攻撃力1000の雑魚等何の意味も無い」

 

嘲るトッド。

 

「侮るなよ、 おろかな埋葬を発動、 ネクロ・ガードナーを墓地に送り

永続魔法、 一族の結束、 連合軍を発動

一族の結束の効果でネクロ・ガードナーと同じ種族の戦士族の攻撃力800アップ

そして連合軍の効果で俺のフィールド上の戦士族モンスターの攻撃力は

俺のフィールド上の戦士族・魔法使い族モンスターの数×200ポイントアップ

つまり合計で1000ポイントアップする」

「デーモンの斧で良いだろ」

「ふん、 今に見てろ、 カードを1枚セットしてターンエンド」

 

東堂手札:6→1

 

「さてと、 俺のターンだ」

 

トッド手札:5→6

 

「こっちもおろかな埋葬を発動

デッキから墓地にスカル・フレイムを送る

そして生者の書-禁断の呪術-を発動

自分の墓地のアンデット族モンスターを1体を特殊召喚し

相手の墓地のモンスターを1体を除外する

俺はスカル・フレイムを墓地から引きずり出し

そこのデカイのの墓地からネクロ・ガードナーを除外する

これで一族の結束の効果も発動しない」

「く・・・」

「次にスカル・フレイムの効果発動

1ターンに1度

手札からバーニング・スカルヘッド1体を特殊召喚する事ができる

そして特殊召喚されたバーニング・スカルヘッドの効果発動

このカードが手札から特殊召喚に成功した時

相手ライフに1000ポイントダメージを与える

そうだな、 そっちの小さい奴にしようか」

「っ・・・」

 

十代LP:4000→3000

 

「スカル・フレイムは効果を発動したらバトルフェイズを行えないが

まぁこの別に良いだろ、 カードを2枚セットしてターンエンド」

 

トッド手札:6→1

 

 

 

 

 

「アンデッドデッキ、 か

ルーク、 如何思う?」

 

控え室で太陽がルークに問う。

 

「ダメージを与えるから俺のアンデッドデッキとは毛色が違うな

しかしバーンデッキだと二人相手はやや辛いか

まぁこれからの展開に期待だな」

 

 

 

「俺のターン、 ドロー!!」

 

十代手札:3→4

 

「来た!! 俺は手札から融合を発動!!

E・HERO フェザーマンとE・HERO バーストレディを融合して

俺のフェイバリットカード!!

E・HERO フレイム・ウィングマンを融合召喚!!」

「手札3枚使って攻撃力2100かよ

スカル・フレイムにも勝てんぞ」

「ヒーローにはヒーローの戦う舞台が有るんだ!!

俺はフィールド魔法、 摩天楼 -スカイスクレイパー-を発動!!」

「E・HEROモンスターの攻撃力は

その攻撃力より高い攻撃力を持つモンスターに

攻撃するダメージ計算時のみ1000アップするカード、 だったか?

これではスカル・フレイムがあっさり倒されるではないか

困るなぁ、 しょうがない、 お前には退場して貰おうか

伏せカード、 停戦協定、 色々効果は有るが

とりあえずフィールドの効果モンスターの数×500ダメージを相手に与える

対象はヒーロー小僧だ」

「効果モンスターは4体だから2000ダメージか・・・」

 

十代LP:3000→1000

 

「次に火霊術-「紅」だ、 バーニング・スカルヘッドを生贄に

バーニング・スカルヘッドの攻撃力1000のダメージをチビに与える!!

これでお前は一抜けだ!!」

「なっ・・・」

「二人だけでデュエルするなよ

カウンター罠、 フェザー・ウィンド

自分フィールド上にフェザーマンが

表側表示で存在する場合に発動する事ができる

魔法・罠の発動を無効にし、そのカードを破壊する

火霊術を無効化」

「何だと!?」

 

東堂のフェザー・ウィンドで窮地を脱した十代。

 

「あっぶねー、 サンキュ!! 助かったぜ!!」

「ふん、 ただ単にあのオッサンが鬱陶しいだけだ、 さっさと仕留めろ」

「あぁ!! フレイム・ウィングマンでスカル・フレイムに攻撃!!

スカイスクレイパーで攻撃力が上昇!!

更にフレイム・ウィングマンが戦闘でモンスターを破壊し

墓地へ送った場合

そのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える!!」

「ちぃ!!」

 

トッドLP:4000→3500→900

 

「ヒーロー・キッズを守備表示にしてターンエンド!!」

 

十代手札:4→0

 

 

 

 

 

「危なかったわね、 十代・・・」

 

ウェスト校の控え室で呟く明日香。

 

「HERO使いと言っていたけども東堂とは違うのね」

「HEROには色んな型がありますからな・・・

問題はここからトッドを生かすか殺すか・・・」

「東堂ならトッドを倒すでしょう」

 

オブライエンの言葉に答える泉田。

 

「どうしてだ?」

「彼の口調は腹立たしい、 東堂なら倒すでしょう」

 

 

 

「俺のターン、 ドロー」

 

東堂手札:1→2

 

「E・HERO ブレイズマンを召喚

ブレイズマンが召喚に成功したので融合をデッキから手札に加える

そしてブレイズマン第二の効果発動

俺のメインフェイズに

デッキから「E・HERO ブレイズマン」以外の

「E・HERO」モンスター1体を墓地へ送る

このカードはターン終了時まで

この効果で墓地へ送ったモンスターと同じ属性・攻撃力・守備力になる

この効果の発動後

ターン終了時まで自分は融合モンスターしか特殊召喚できない

俺はデッキからE・HERO シャドー・ミストを墓地に送る

そして墓地に送られたシャドー・ミストの効果発動

このカードが墓地へ送られた場合に発動できる。

デッキからE・HERO シャドー・ミスト以外の

「HERO」モンスター1体を手札に加える

俺はデッキからE・HERO エアーマンを手札に加える」

 

東堂手札:1→3

 

「モンスターを召喚しただけなのに手札が増えた・・・

だがこの状況、 一体如何するつもりだ?」

「何言ってんだオッサン

ブレイズマンでアンタにダイレクトアタックするに決まってるだろ」

「待て、 この状況、 あまりに十代と言う餓鬼に有利にならないか?」

「ならねぇだろ、 フレイムウィングマンは攻撃力2100

連合軍で400、 一族の結束で800攻撃力が上がって

フェザーマンでも攻撃力2200、 このターンで破壊出来る

と言うかスカイスクレイパーも有るから余裕だろ」

「伏せカードが有るだろう?」

「大人って言うのは嫌だよなぁ?」

「・・・あ?」

 

せせら笑うように言う東堂。

 

「素直に命乞い出来ねぇんだから」

「・・・・・糞餓鬼がぁ!!」

「ブレイズマンでダイレクトアタック」

 

トッドLP:900→0

 

ライフが0になった途端にずかずかと去って行くトッド。

 

「次にフェザーマンでフレイムウィングマンに攻撃」

「トラップ発動!! キッズ・ガード!!」

「・・・キッズ・ガード?」

「自分フィールド上に存在する「ヒーロー・キッズ」1体を生け贄に捧げ

相手モンスターの攻撃を無効にし、自分のデッキから

「E・HERO」と名のついたモンスター1体を手札に加える!!

俺はデッキからE・HERO スパークマンを手札に加える!!」

「スパークマンか・・・良いだろう、 カードを1枚伏せてターンエンド」

 

東堂手札:3→2

 

 

 

 

「ここでスパークマンを選択?」

「シャイニング・フレア・ウィングマンの融合召喚を狙っているのでは?」

 

解説席で困惑するマリンに対して

冷静に分析する宮迫。

 

「次のターンで都合良く融合を引く、 と?

難しいんじゃないですか?」

「さっきのキッズ・ガードでスパークマンを引いて

ドローと合わせてデッキ残り枚数は32枚

融合3枚入っていると仮定しましょう

融合以外にも融合をサーチできる沼地の魔神王が入っている可能性は高い

それも計算すると5枚、 他にもミラクル・フュージョンが入っていると

考えれば次に融合に類するカードを引ける確率は6分の1以上

融合賢者や融合回収なんかも入っていればもっと可能性は高くなる」

「なるほど・・・」

 

 

 

 

 

「俺のターン、 ドロー!!」

 

十代手札:1→2

 

「2枚目の融合を発動!!」

「何だと!?」

 

驚愕する東堂。

 

「フレイム・ウィングマンとスパークマンを融合して

E・HEROシャイニング・フレア・ウィングマンを融合召喚!!

このカードの攻撃力は自分の墓地の

「E・HERO」カードの数×300アップする!!」

「墓地に置かれているカードは融合素材に使った

フレイム・ウィングマンとスパークマン

そしてフレイム・ウィングマンの融合素材の2枚

つまり攻撃力1200ポイントアップで3700か」

「あぁついでにフレイム・ウィングマンの効果も持っている」

「そうか、 だが解せないな」

「?」

「フレイム・ウィングマンとスパークマンを融合しないで攻撃すれば

スカイスクレイパーの効果で攻撃力が上がって

俺のモンスター両方とも倒せただろう

このターンで急いでもライフを削り切れない

態々シャイニング・フレア・ウィングマンに融合させる訳は?」

「簡単だ、 スカイスクレイパーの効果はそっちにも適用される

だったらお前のターンで倒されるだろ、 だからだ」

「モンスターを倒させない為、 と言う事か、 ふっ、 中々言うじゃないか

なら来い十代!!」

「行くぜ!! シャイニング・フレア・ウィングマンでブレイズマンに攻撃!!」

 

東堂LP:4000→2700→1500

 

「連合軍と一族の結束で上手くダメージを与えられないな・・・

だけど追い詰めたぜ!! ターンエンド!!」

 

十代手札:2→0

 

「俺のターン、 ドロー」

 

東堂手札:2→3

 

「追い詰めた、 か

それを言うにはまだ早い!! エアーマンを召喚!!

召喚成功時に2つある効果の内1つを発動!!

このカード以外の自分フィールドの「HERO」モンスターの数まで

フィールドの魔法・罠カードを選んで破壊する!!

俺はセットカードを破壊する!!」

「ならチェーン発動!!

ヒーローバリア!! 相手モンスターの攻撃を1度だけ無効にする」

「うん? 今発動出来るのか?」

「出来るぜ、 このカードはフリーチェーンのカードだからな」

「和睦の使者で良いとスルーしてたな・・・猛省しよう

ではこちらも融合を解禁だ!!

エアーマンとフェザーマンを融合し

E・HERO Great TORNADOを召喚!!」

「融合素材が緩い属性HEROか・・・しかも効果がきついんだよな・・・」

「その通り、 こいつは融合召喚した時に相手フィールドに存在する

モンスター全ての攻撃力・守備力を永続的に半減させる」

「く・・・」

「とは言えこのターン、 攻撃出来ないからこのままターンエンド」

 

東堂手札:3→1

 

 

 

 

 

「何とか凌いだ、 けどもこれは不味いな・・・」

 

亮が控え室で呟く。

 

「そうだね、 東堂はカードも伏せているし

攻撃力が上昇しているグレートトルネードまで居る

十代はかなりきつい筈・・・」

「そうかな?」

 

メグが流れをぶった切る。

 

「十代なら何とかなるよ」

「そうかねぇ・・・」

 

 

 

「俺のターン、 ドロー!!」

 

十代手札:0→1

 

「今のシャイニング・フレア・ウィングマンの攻撃力は1850・・・

グレートトルネードの攻撃力は上がって3800・・・

スカイスクレイパーでも駄目か・・・ここは辛抱!!

シャイニング・フレア・ウィングマンを守備表示に変更して

モンスターをセットしてターンエンド!!」

 

十代手札:1→0

 

「守勢に回ったか、 俺のターン、 ドロー」

 

東堂手札:1→2

 

「E・HERO オーシャンを召喚

オーシャンでシャイニング・フレア・ウィングマンを

グレートトルネードでセットモンスターに攻撃」

「セットモンスターはフレンドッグだ

このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、

自分の墓地から「E・HERO」と名のついたカード1枚と

「融合」魔法カード1枚を手札に加える

俺は融合と・・・そうだなバーストレディを手札に加える」

「良いだろう、 俺はこれでターンエンド」

 

東堂手札:2→1

 

「俺のターン、 ドロー!!」

 

十代手札:2→3

 

「HEROの遺産を発動!!

「HERO」モンスターを融合素材とする融合モンスター2体を

自分の墓地からエクストラデッキに戻して3枚ドローする!!

俺はシャイニング・フレア・ウィングマンとフレア・ウィングマンを戻して

3枚ドロー!!」

 

十代手札:2→5

 

「良いカードは引けたか?」

「引いたぜ!! 俺はバーストレディを召喚!!

そして手札からバースト・リターンを発動!!」

「・・・は?」

「このカードは」

「知ってる、 フィールド上のバーストレディ以外の

「E・HERO」と名のついたモンスターを全て持ち主の手札に戻すカードだろ?

だがしかし何でそんなカード入れている?

俺がHERO使いだって知って居たのか?」

「いや、 元々入れてる」

「・・・・・」

 

固まる東堂。

 

「ふ・・・なるほど

ヒーローバリアと言い、 お前のデッキはHEROのファンデッキに近いな

使い難いカードばかりだが嵌れば強い、 俺が今餌食になっているしな

良いだろう、 俺のフィールドのHEROは戻る

だが倒すにはまだ攻撃力が足りんぞ、 さぁ如何する!?」

「H-ヒートハートをバーストレディに発動する!!

これでバーストレディの攻撃力は1700だ!!

バーストレディでダイレクトアタック!!」

 

東堂LP:1500→0

 

 

 

 

わああああああああああと歓声が響く。

 

「ガッチャ!! 楽しいデュエルだったぜ!!」

「意外性のあるデュエルだったな

まさかバースト・リターンが来るとは思わなかった」

「いやぁ、 闇の量産工場も来てたから

フレイム・ウィングマンを出しても良かったんだが・・・」

「出さなくて正解だ、 俺のセットカードはサイクロン

攻撃していたらスカイスクレイパーを破壊して返り討ちだったぞ」

「それはヤバかったな・・・じゃあまたな!!」

「おう」

 

デュエルリングを去って行く東堂と十代だった。

 

 




東堂さんのデッキは【E・HERO】
しかし融合だけじゃなく戦士族統一のデッキで
攻撃力を上げるタイプのデッキになっています
一族の結束で攻撃力を上げる事で効果が強力だが
攻撃力が低い下級E・HEROを有効活用するタイプになっています
作中には出ませんがアイスエッジやターレット・ウォーリアーも入っています


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アカデミア対抗戦:万丈目VSきっちょむどん、そして最終決戦⊂(゚Д゚,,⊂⌒`つ≡≡≡

お久しぶりです。
1ヶ月ぶりの投稿ですが
リモコンを探すのに時間が取られ過ぎて書き溜めが出来なかったので
来週はお休みです、再来週にはまた投稿を始めます。


「さぁ次はノース校VSサウス校のデュエルです!!

勝った方が本校代表者の遊戯十代君とのデュエルに駒を進めると言う事ですね!!」

 

解説席でハキハキ喋るマリン。

 

「とはいえ1ターンキルに近いハメ技の緑一色は少々不利だと思いますが・・・」

「うーん、 対策してるんでしょうかね、 それではお二人共デュエルリングへ!!」

 

 

 

 

デュエルリングに立つ万丈目ときっちょむどん。

 

「宮迫プロの言う通りだと思うが、 実際如何するつもりだ?」

 

万丈目が尋ねる。

 

「何が?」

「対策をされたら意味が無いだろう大逆転クイズで勝利するなら

カウンターは容易だ」

「それは安心しなよ、 策ならあるでよ」

「そうか、 では先行はもらうぞ」

「じゃんけんで決めよう」

「分かった」

 

じゃんけんの結果、 万丈目が先行を取った。

 

「俺のターン、 ドロー!!」

 

万丈目手札:5→6

 

「魔の試着部屋を発動!!

800ライフポイントを払い

自分のデッキの上からカードを4枚めくり

その中のレベル3以下の通常モンスターを自分フィールド上に特殊召喚する!!

それ以外のカードはデッキに戻してシャッフル!!」

 

万丈目LP:4000→3200

 

めくったカード

おジャマ・イエロー

アームド・ドラゴン・サンダー LV3

仮面竜

おジャマ・グリーン

 

「よし!! おジャマ・イエローとグリーンを特殊召喚!!」

『よぉーし、 行くわよーん』

『うぃー』

「そして2体を生贄に捧げ!!」

『『うそーん!!』』

「現れろ!! 光と闇の竜!!」

『出番、 ね』

「カードを1枚セットしてターンエンド!!」

 

万丈目手札:6→3

 

「見た所、 それがエースカードの様じゃのう

見た事無いカードだが・・・まぁ、 ワシのターン、 ドロー」

 

きっちょむどん手札:5→6

 

「成金ゴブリンを発動」

「光と闇の竜の効果発動!!

このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、

効果モンスターの効果・魔法・罠カードの発動を無効にする!!」

「んな!? そんな馬鹿な!? 制圧力高過ぎるじゃろ!?」

「この効果でカードの発動を無効にする度に

このカードの攻撃力と守備力は500ポイントダウンする

だから4枚カード発動すれば守備力が400になって無効化は出来なくなる」

「それでも滅茶苦茶じゃのぉ・・・無の煉獄」

「無効」

「手札抹殺」

「無効」

「打ち出の小槌」

「無効」

「これで弾切れじゃな、 では一時休戦を発動する

これは止められまい」

「手札を1枚捨ててカウンター罠マジック・ジャマーを発動

一時休戦を無効にする」

 

手札から捨てたカード

おジャマデュオ

 

「んな・・・・・く・・・だがまだ勝負は分からんぞ!!

カードをセットしてターンエンド!!」

 

きっちょむどん手札:6→0

 

「俺のターン、 ドロー」

 

万丈目手札:2→3

 

「前のターンに発動しなかった、 と言う事は

スケープ・ゴートでは無いな? 態々俺のターンに発動する意味は無い」

「うぐ・・・だ、 だがこのターンで4000のライフは削り切れんじゃろ!!

効果が強かろうと

今は攻撃力800の効果なしモンスターと化したモンスターじゃ!!

まだまだこれからじゃ!!」

「そうか、 では仮面竜を召喚して禁じられた聖杯を

光と闇の竜に発動する、 効果は無効になり攻撃力は400アップ

攻撃力3200だ、 仮面竜と合わせれば終わりだな」

「・・・サレンダーじゃ・・・」

 

 

 

 

 

わーわー、 という歓声を挙げている観客達。

 

「・・・効果無効化か・・・十代、 如何? いけそう?」

 

控え室で十代に尋ねるひはつ。

 

「寧ろ燃えて来たぜ!! じゃあ行って来る!!」

「行ってらっしゃい」

 

十代が控え室から出た。

 

「・・・・・」

 

メグはこれからどうなるのかと思案した。

既に大幅に原作との乖離が激しい。

このまま十代と万丈目がデュエルしたらどうなるのか。

 

「楽しみね」

 

メグが呟いた。

 

 

 

 

 

 

「さぁ!! アカデミア対抗戦も最終試合となりました!!

ノース校代表万丈目君と本校代表の十代君!!

果たして何方が勝つのでしょうか!!」

「十代君はレッド寮と言う一番成績の悪い寮らしいですが

万丈目君とのデュエルで勝利した経験が有るらしいですね」

「うーん、 どっちが優勢なんでしょうかね?」

 

 

 

 

デュエルリングで対峙する十代と万丈目。

 

「久しぶりだな」

「あぁ、 そうだな、 随分長い事この瞬間を待ったよ」

『クリクリー』

「ハネクリボー、 どうし・・・」

『そっちも精霊持ちか、 良いじゃないか準

叩きのめしてやろう』

 

ライダーも顕現する。

 

「十代、 お前には感謝しているよ

こいつとついでにおジャマ三兄弟に出会えたんだからな」

『ついでかよアニキー』

『うぇーん』

『(´・ω・`)』

「賑やかだな」

「あぁ、 後はお前へのリベンジを果たすだけだ!!」

「良いぜ!! 来い!!」

 

「「デュエル!!」」

 

「俺の先行!! ドロー!!」

 

十代手札:5→6

 

「モンスターをセット!! カードを2枚セットしてターンエンド!!」

 

十代手札:6→3

 

「俺のターン、 ドロー!!」

 

万丈目手札:5→6

 

「手札から融合を発動!! 手札のおジャマ・イエローとブラックを融合素材にし!!」

「おジャマ融合モンスターか!!」

「始祖竜ワイアームを融合召喚!!」

 

万丈目手札:6→3

 

「な、 おジャマと関係無いモンスターが?」

「このモンスターの融合素材は通常モンスターが2体

故におジャマでも出せるモンスターだ

こいつはモンスターゾーンに存在する限り

通常モンスター以外のモンスターとの戦闘では破壊されず、

このカード以外のモンスターの効果を受けない

つまりお前が大好きな融合HEROでは対抗できないと言う訳だ!!」

「俺用に対策をしてくるか・・・だがこっちもただじゃ済まさない!!

速攻魔法、 終焉の地を発動!

相手がモンスターの特殊召喚に成功した時に発動できる!!

デッキからフィールド魔法カード1枚を選んで発動する!!

デッキから摩天楼 -スカイスクレイパー-を発動!!」

「なるほど、 そのカードならば通常モンスターのHERO共でも

ワイアームの攻撃力を超えられる可能性は有るな!!

仮面竜を召喚してワイアームでセットモンスターに攻撃!!」

「セットモンスターはE・HERO クレイマンだ、 破壊されるが

セットカードを発動!! ヒーロー・シグナル!!

自分フィールドのモンスターが戦闘で破壊され墓地へ送られた時に発動できる

手札・デッキからレベル4以下のE・HERO1体を特殊召喚する!!

俺はデッキからE・HERO スパークマンを召喚!!」

「ちぃ!! カードをセットしてターンエンド!!」

 

万丈目手札:3→1

 

 

 

 

 

 

「ワイアームか・・・厳しいね」

「そうだな、 サイバー・エンド・ドラゴンでも

貫通ダメージで勝利は出来るが攻略は出来ない」

 

控え室で亮とひはつが語り合っていた。

 

「でも攻撃力は2700、 スカイスクレイパーも有るから

何か攻撃力アップのカードを引ければスパークマンで攻略出来るんじゃない?」

「うーん、 メグの言う通りかもしれないけども

最初から飛ばし過ぎだな二人共」

「互いに互いを強敵だと認め合っているんだろう・・・」

 

 

 

 

「俺のターン、 ドロー!!」

 

十代手札:3→4

 

「R-ライトジャスティスを発動!!

自分フィールドの「E・HERO」カードの数だけ

フィールドの魔法・罠カードを選んで破壊する!!

俺はそのセットカードを破壊!!」

「ちぃ!! チェーン発動!! サイクロン!!

スカイスクレイパーを破壊する!!」

「くっ・・・ならばE-エマージェンシーコールを発動!!

デッキから「E・HERO」モンスター1体を手札に加える!!

俺が選ぶはE・HERO エッジマン!!」

「エッジマンだと?

効果モンスターの上にワイアームの攻撃を超えらえないじゃないか」

融合素材にしても同じだ」

「それは如何かな!! 俺はE・HERO ワイルドマンを召喚!!

そしてワイルドマンで仮面竜に攻撃!!」

 

万丈目LP:4000→3900

 

「仮面竜の効果発動!! 戦闘で破壊され墓地へ送られた時に

デッキから攻撃力1500以下のドラゴン族モンスター1体を特殊召喚する!!

2体目の仮面竜を守備表示で特殊召喚!!」

「カードを1枚セットしてターンエンド!!」

 

十代手札:4→1

 

「俺のターン、 ドロー!!」

 

万丈目手札:1→2

 

「仮面竜に攻撃しなかった事は褒めてやろう

突っ込んできたらアームド・ドラゴンを召喚して

このターンにレベルアップさせていたんだがな」

「俺も結構成長しているだろ?」

「そうだな、 認めてやろう、 だが成長しているのは俺も同じだ

鎧竜-アームド・ドラゴン-を召喚!!」

「!? レベルアップモンスターじゃないアームド・ドラゴン!?」

「名前は似通っているが効果は別物だ、 それでは攻撃だ

アームド・ドラゴンでスパークマンに攻撃!!」

 

十代LP:4000→3700

 

「スパークマンが破壊されたこの時!!

伏せカード発動!! ヒーロー逆襲!!」

「・・・ヒーロー逆襲? ヒーロー見参じゃなくて?」

「あぁ、 効果は似ているが色々と違いが有るぜ!!

自分の手札から相手はカード1枚をランダムに選択して

それがE・HEROだった場合

相手フィールド上のモンスター1体を破壊し

選択したカードを自分フィールド上に特殊召喚する!!

さぁ選べ!!」

「手札エッジマンしかないだろうが!!」

「へっへーん、 俺はワイアームを破壊してエッジマンを特殊召喚!!」

「ワイアームが破壊された事は想定外だったが

こっちもアームド・ドラゴンの効果発動だ!!

このカードが戦闘で相手モンスターを破壊した時に

手札・デッキから「鎧竜-アームド・ドラゴン-」以外の

レベル5以下のドラゴン族・風属性モンスター1体を特殊召喚する!!

この効果で特殊召喚したモンスターはこのターン直接攻撃できないと言う

デメリットはあるがな」

「その条件・・・まさか!!」

「そのまさかだ!! 俺はデッキからアームド・ドラゴン LV5を特殊召喚!!」

 

アームド・ドラゴンの召喚に太鼓を鳴らし絶叫するノース校生徒達。

 

「くっ・・・ワイアームを倒したばかりなのに・・・」

「ワイアーム程度を倒したから安心するなよ

まだまだこのデッキには大物が沢山居るんだぜ!!

アームド・ドラゴン LV5でワイルドマンに攻撃!!」

 

十代LP:3700→2900

 

「っ!!」

「これでターンエンドだ!! モンスターを戦闘破壊した事で

アームド・ドラゴン LV5を墓地に送りデッキからアームド・ドラゴン LV7を

特殊召喚する!!」

 

万丈目手札:2→1

 

 

 

 

 

 

「これは凄いですねぇ、 ワイアームを破壊されたターンに

同等のモンスターを召喚するとは・・・お見事!!」

 

解説席でマリンが感嘆する。

 

「これ程の逸材が一時期とは言え本校から放逐されていたとは信じられませんな」

「確かに、 デュエルアカデミアの判断基準疑わしいですねぇ」

 

 

 

 

 

「俺のターン、 ドロー!!」

 

十代手札:0→1

 

「ぃよし!! H-ヒートハートを発動!! エッジマンの攻撃力を

このターン500アップさせる!! そしてアームド・ドラゴン LV7に攻撃!!」

「・・・・・」

 

万丈目LP:3900→3600

 

「これでターンエンド!!」

 

十代手札:1→0

 

「俺のターン、 ドロー」

 

万丈目手札:1→2

 

「仮面竜とアームド・ドラゴンを生贄に!! 出でよ!! 光と闇の竜!!」

「う・・・!!」

 

固唾をのみ込む十代。

精霊を持つ者同士のシンパシー、 間違い無い、 こいつが精霊だ!!

十代は戦慄する。

 

「そして光と闇の竜でエッジマンに攻撃!!」

「エッジマン・・・」

 

十代LP:2900→2700

 

「俺はこれでターンエンドだ!!」

 

万丈目手札:2→1

 

 

 

 

 

 

 

 

「光と闇の竜?」

 

控え室でちらりと太陽を見るルーク。

太陽はふるふると首を振る。

 

「秘中の秘、 って奴か」

「切り札って事ですね」

「あの十代って奴はそこまで強い奴なのか・・・?」

 

 

 

 

 

 

「俺のターン、 ドロー!!」

 

十代手札:0→1

 

「手札のE・HERO バブルマンを守備表示で特殊召喚!!

このカードは手札がこのカード1枚のみの場合

このカードは手札から特殊召喚できる!!

更にバブルマン召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時に

自分はデッキから2枚ドローする!!」

「おっと、 光と闇の竜の効果発動!!

このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、

効果モンスターの効果・魔法・罠カードの発動を無効にする!!

この効果でカードの発動を無効にする度に

このカードの攻撃力と守備力は500ポイントダウンすると言う

デメリットは有るが・・・それでもキツイだろ?」

「ドロー出来ない・・・ターンエンド!!」

 

十代手札:1→0

 

「俺のターン、 ドロー!!」

 

万丈目手札:1→2

 

「・・・・・」

 

万丈目、 ドローカードは融合。

 

(融合カードは『もう』良いんだが・・・・・歯痒いな

ここで攻め切れなければ逆転されると言うのに・・・)

『万丈目』

「ん?」

 

ライダーから声がかけられる。

 

『無い者強請りをしてもしょうがない、 思い切り突っ込め』

「・・・それもそうだな!!

ライダー、 光と闇の竜でバブルマンに攻撃してターンエンド」

 

 

 

 

 

 

 

「追撃は、 無し、 か」

「ここで攻めきれなかったのは辛い」

 

控え室で話すメグとひはつ。

 

「十代とは何度もデュエルしたけども逆転されるパターンが多い

倒せるときに攻められないのは辛い・・・」

「ここから逆転出来るのか・・・」

 

 

 

 

「俺のターン、 ドロー!!」

 

十代手札:0→1

 

「E・HERO プリズマーを召喚!!

効果を発動させるが光と闇の竜で無効化するんだろう?」

「するんだろう? じゃなくて強制効果だから無効化になるんだよ」

「ならばこれでまた攻撃力500ダウンだな!! これでターンエンド!!」

 

十代手札:1→0

 

「俺のターン、 ドロー!!」

 

万丈目手札:2→3

 

引いたカードはおジャマ・グリーン。

 

『あ~・・・なんかごめんなさい』

「・・・光と闇の竜でプリズマーに攻撃」

「っ!!」

 

十代LP:2700→2600

 

「これでターンエンド」

「俺のターン、 ドロー!!」

 

十代手札:0→1

 

「・・・・・O-オーバーソウルを発動」

「光と闇の竜の効果で無効化する、 攻撃力を下げに来たか

苦しい展開になって来たな?」

「確かに苦しい、 だが希望は捨てない!! ターンエンド!!」

 

十代手札:1→0

 

 

 

 

 

「光と闇の竜の攻撃力が下がって1300になりましたが・・・

次のターンで1300以上の攻撃力のモンスターを引ければここで終わりですね」

「対抗戦が終わるかもしれない・・・次のドロー・・・一体どうなるか・・・」

 

解説席で固唾をのみ込むマリンと宮迫。

 

「どうなる・・・」

「引くのか・・・?」

「・・・・・」

 

本校の控え室で見守るひはつ、 メグ、 亮。

 

「引け!! 引け!!」

「行け!! 行け!!」

 

ノース校の控え室で叫ぶルークと太陽。

 

 

 

 

 

「俺のターン、 ドロー!!」

 

万丈目手札:3→4

 

「うっ・・・!!」

 

万丈目の手が止まった。

ドローカードは貪欲な壺。

手札のカードを発動してライダーの好守を下げれば発動出来る。

その場合は1800以上のモンスターを召喚出来れば勝ちである。

手札には発動出来るカードが1枚ある。

これを使えば貪欲な壺が発動出来る。

 

「・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・」

 

固唾を飲み込む十代、 一体何のカードを引いたのか・・・

ちらり、 と十代を見る万丈目。

 

「・・・・・ライダーでダイレクトアタック!!」

 

十代LP:2600→1300

 

「これでターンエンド!!」

「よっしゃ!! 生き残った!! 俺のターン!! ドロー!!」

 

十代手札:0→1

 

「カード・ガンナーを召喚!!

1ターンに1度、自分のデッキの上からカードを3枚まで墓地へ送って

このカードの攻撃力をターン終了時まで

この効果を発動するために墓地へ送ったカードの数×500アップさせる!!」

「光と闇の竜の効果で無効!!」

「だがコストとして墓地にカードを遅らせて貰う!!」

 

墓地に送られたカード

E・HERO フェザーマン

E・HERO バーストレディ

融合

 

「光と闇の竜はこれ以上効果は発動出来ないな!!

俺はこれでターンエンド!!」

 

十代手札:1→0

 

「俺のターン、 ドロー」

 

万丈目手札:4→5

 

「光と闇の竜は効果を発動出来ない

つまり俺も魔法罠を発動出来るって事だぜ?

俺は手札から龍の鏡を発動!!

墓地の2体の仮面竜と鎧竜-アームド・ドラゴン-!!

始祖竜ワイアーム、 フィールドのライダーを除外し融合素材とする」

「ま、 まさか・・・!!」

「F・G・Dを融合召喚!!」

 

わあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!

と天を裂かんとするような絶叫が響く、 それ程迄にこの光景は凄まじい。

 

「F・G・Dとはな・・・」

「あぁ、 今回の為の秘中の秘だ

俺の預金口座の金を全て使い切ってオークションで競り落とした

文字通り、 俺の全力だ!! 駄目押しにブラッド・ヴォルスを召喚!!

ブラッド・ヴォルスでカード・ガンナーに攻撃!!」

「カード・ガンナーの効果でデッキからカードを捨てて攻撃力を上げる!!」

 

デッキから捨てられたカード

E・HERO エアーマン

E・HERO キャプテン・ゴールド

ネクロ・ガードナー

 

「相打ちか・・・」

「そうだな・・・カードガンナーが破壊され墓地へ送られた場合

自分はデッキから1枚ドローする」

 

十代手札:0→1

 

「無駄な足掻きだ!! F・G・Dでダイレクトアタック!!」

「墓地のネクロ・ガードナーを捨てて効果発動!!

相手ターンに墓地のこのカードを除外し

このターン、 相手モンスターの攻撃を1度だけ無効にする!!」

「躱したか!! ターンエンド」

 

万丈目手札:5→3

 

 

 

 

 

 

 

「こ、 この熱気、 ライブにも引けを取らないですね・・・

歓声がまるで戦場の機銃掃射の様にも聞こえますよ」

 

マリンが純粋に驚く。

 

「まさか学生の大会でF・G・Dが見られるとは驚きですな

だが圧倒的有利な状況でもあっさりひっくり返されるのがデュエル!!」

「まだまだ逆転の目が有る・・・?」

「これからですよ!!」

 

 

 

 

 

 

控え室で驚くメグ。

 

(F・G・Dを万丈目が使う事は無かった・・・いや

そもそもこんな大会自体無かった・・・・・何かしらの力が働いている・・・?)

「険しい顔をしているねメグ」

「ひはつ・・・貴方は如何思うの?」

「僕も十代とデュエルをして追い詰めたと思ったら逆転される

と言う事は良く有るよ、 いずれにせよ万丈目君はヤバいよ

ここまで追い詰めてもトドメをさせないって言うのは・・・」

「そうね・・・」

 

 

 

「俺の・・・ターン!!」

 

十代手札:1→2

 

「ホープ・オブ・フィフスを発動!!

自分の墓地の「E・HERO」と名のついたカードを5枚選択し、

デッキに加えてシャッフルする。

その後、デッキからカードを2枚ドローする!!」

 

デッキに戻すモンスター

E・HERO バブルマン

E・HERO クレイマン

E・HERO スパークマン

E・HERO ワイルドマン

E・HERO キャプテン・ゴールド

 

十代手札:2→3

 

「これは・・・!! 行くぞ!! 万丈目!!」

「来い!! 十代!!」

「ミラクル・フュージョンを発動!!

墓地のフェザーマン、 バーストレディを除外し融合素材にして

フェイバリットカードE・HERO フレイム・ウィングマンを召喚!!

次にヒーローフラッシュ!!を発動!!

自分の墓地の「H-ヒートハート」「E-エマージェンシーコール」

「R-ライトジャスティス」「O-オーバーソウル」をゲームから除外して

自分のデッキから「E・HERO」と

名のついた通常モンスター1体を特殊召喚する!!

俺はさっきデッキに戻したスパークマンをデッキから特殊召喚する!!

そしてこのターン自分フィールド上の「E・HERO」と名のついた

通常モンスターは相手プレイヤーに直接攻撃をする事ができる!!」

「シャイニング・フレア・ウィングマンでも攻撃力5000には届かないぞ!!

どうするつもりだ!?」

「受け継がれる力を発動!!

フレイム・ウィングマンを墓地に送ってスパークマンの攻撃力を

フレイム・ウィングマンの攻撃力分上昇させる!!」

「つまり攻撃力3700のダイレクトアタッカー、 と言う訳か」

「あぁ、 F・G・Dを倒したかったが俺に出来る最善手って奴だ」

「そうか、 何はともあれ、 勝ちは勝ちだ」

「あぁ・・・スパークマンでダイレクトアタック」

 

万丈目LP:3600→0

 

 

 

 

「決着うううううううううううううううううううううううううう!!

このアカデミア対抗戦を制したのはアカデミア本校ううううううううう!!」

 

わああああああああああああああと歓声が鳴り響いたのだった。

 

「ガッチャ!! 楽しいデュエルだったぜ!!」

「次は俺が勝つ!! 首を洗って待って居ろ!!」

「あぁ!! またな!!」



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アカデミア対抗戦の影響c(´Д`c)(デュエル無し回)

アカデミア対抗戦から1週間が経った。

デュエルアカデミアは日常に戻ってはいなかった。

 

カイザー亮のリスペクトデュエルを軽視したかの様な発言に

生徒を含めたサイバー流関係者は激震。

大いに論争が巻き起こっていた、 学園内にも議論が巻き起こっていた。

そしてもう一つ議論が起こっていた。

 

 

 

 

 

「だからリスペクトに反しているだろうが!!」

「リスペクトに関係無く褒められた勝ち方じゃないだろう」

「いやいや、 それは負け犬の遠吠えだろう」

「そうだよ、 そもそも除去の対策無しに大型モンスターを出すのは

どうかと思うね」

 

ブルー寮の談話室に集まり議論をしているオベリスクブルー生徒達。

 

「またやってますね」

「・・・・・ああ」

 

その様子を見ている万丈目と太陽。

彼等はノース校から本校に復帰したのだ。

 

「あ、 万丈目さん、 万丈目さんは如何思います?」

「・・・・・ああ」

「・・・万丈目さん? やっぱりあのレッドのドロップアウトの勝ち方に

納得いっていないんですよね?」

「・・・・・負け方には興味はない、 次は勝つ」

「君達、 万丈目さんと十代とのデュエルに対して

当事者でも無いのにぐちぐち言うのは止めろ、 うんざりだ」

 

そう、 対抗戦にて十代と万丈目とのデュエルにおいて

F・G・Dをスルーして勝利すると言う十代の勝ち方は

議論が巻き起こっているのだった。

 

「・・・・・はぁ・・・」

「・・・万丈目さんは十代との戦いで負けて落ち込んでいるんですか?」

「・・・次は勝つから『それは』落ち込んではいない」

「それは? じゃあ一体何を落ち込んでいるんですか?」

「F・G・Dをオークションで落札したんだけど

実は相場より高く落札したから貯金が無くなって・・・」

「それで落ち込んでいるんですか? 万丈目財閥の御曹司なのに?」

「・・・俺はまだ学生だぞ、 口座にそんなに金は無いんだ」

「因みに幾らで落札したんですか?」

「20万」

「うーん・・・確かにそれは落ち込む値段・・・何ですかね?」

「・・・・・兎も角だ、 お前達、 色々と間違っている」

「間違っている? 何がですか万丈目さん」

「十代が気に食わないなら、 デュエルでもして倒せば良い

論より証拠、 言葉よりも行動だ、 デュエル許可願いでも書いて出せ

血の気の多い奴はもう既に行動しているぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃、 レッド寮。

 

「ガッチャ!! 楽しいデュエルだったぜ!!」

「レッドの屑にこの俺が・・・!!」

 

崩れ落ちるブルーの生徒。

十代は先程から5人の生徒から立て続けにデュエルを申し込まれ勝利していた。

 

「中々に面白いわね、 HEROって言うのは」

 

赤い制服に身を包んだ色彩とひはつが十代を眺めている。

 

「融合モンスターが色々と便利だからね」

「そうね、 ひはつ君だったかな? アンタは十代君の勝ち方を如何思う?」

「勝ち方に良し悪しは無いでしょ、 勝ちは勝ちだよ」

「だよね、 サイバー流はリスペクトに乗っ取り過ぎて勝ちを見失う馬鹿が多い

勿論、 勝ちに固執するのは良くないけどもね」

「そうかな? 勝たなきゃダメでしょ、 っておーいメグー」

 

やって来たメグに声をかけるひはつ。

メグはひはつの元にやって来た。

 

「や、 ひはつ」

「やぁ、 今日は如何したの?」

「さっきに何か殺気だった連中が大勢レッド寮に向かったから何事かと思って

後を追って来た、 何が有ったの?」

「十代とデュエルしに来たよ」

「あらそう・・・あれ? 誰、 貴女?」

「私は七色 色彩、 元ノース校だったけどもこの度本校にやって来ました

貴女の事は知って居るわ友愛さん」

「メグで良いよ色彩」

「あら、 そう」

「所で何でレッド寮に? 女子は無条件でブルーだけども?」

「第一サイバー流デュエル部の生徒は全員ブルーだからね

敵と同じ屋根の下では暮らせない」

「敵?」

「私は第一サイバー流デュエル部の顧問を倒す為にこの学校に来た」

「なるほどね・・・でもそれだったらイエロー寮でも良くない?」

「イエローよりもレッドの方が実力は上と見た

対抗戦の代表に2人も居るしね」

「確かにそうね・・・」

 

首を鳴らすメグ。

 

「所でブルー寮の方はどう? カイザーに物申したい人は居るんじゃないの?」

「もう彼に文句を言ったり、 挑む気概のある奴は居ないよ・・・

あれ・・・何か足りない様な・・・」

 

首を傾げるメグ。

 

「あぁ、 そうだ、 翔は如何したの?」

「翔は大分参っているよ、 十代とカイザーの行動に対して

自分は如何するべきか迷っている」

「それは・・・辛そうね・・・」

 

 

 

 

 

 

デュエルアカデミア各校対抗戦で代表者は望むのならば本校への転学が認められた。

明日香も本校に戻った、 意外にも希望者は殆どいなかったが

イースト校のスウィーニー・トッドも本校に転学して来た。

来る者も居れば去る者も居る。

船着き場で十数人の生徒と最煉が居た。

 

「本当に去るつもりかい、 最煉」

 

見送りの才眠が尋ねる。

 

「当たり前だ!! 俺はもう見限った!!」

「だがしかしカイザーの強さは折り紙付きだろうに」

「俺が見限ったのは鮫島師範代だ!!

今回の件について話し合おうにもとっととどっかに行ってしまった!!」

「仕方ないだろう、 オーナーから直々に呼び出されたんだから

勤め人なんだし行かない訳にも・・・」

「ならば一言欲しかった!! だがしかしそれすら無い!!」

「だけどこんな形でとっとと辞めるのも不義理だろう

サイバー流で仕事を受けられなくなるよ?」

「仕事なんて如何でも良い!! リスペクトデュエルを守らなければならない!!

そうだよな!!」

「「「「「はい!!」」」」」

 

生徒達、 否、 元生徒達も叫ぶ。

 

「我々は新しい一派を立ち上げるつもりだ!! 才眠、 お前は如何する!?」

「ここに残るよ」

「そうか!! ではな!! 達者で暮らせ!!」

 

船に乗って去る最煉一派。

 

「・・・全く、 面倒な事になって来たな・・・・」

 

 

 

 

 

 

最煉がデュエルアカデミアを去った頃

鮫島と矢島は海馬コーポレーションの社長室に呼び出されていた。

それぞれ面談と言う形で一人ずつ話をする事になった。

 

「矢島、 お前はクビだ」

 

海馬コーポレーション社長の海馬瀬戸は気怠そうに椅子に座って宣告した。

 

「く、 クビ!? い、 一体なんでや!?」

「プロデュエリストを代打ちとして雇い、 尚且つ負けたからだ

お前にはデュエリストを見る目が無い」

「負けたのはプロが悪い!!」

「アークティック校には優秀なデュエリストが居たでは無いか

ヨハンだったか?」

「あの滅茶苦茶なデッキを組んでいる奴に運命を託す事は出来ない!!」

「強ければ良いだろう、 そして矢島

タレコミでお前が不正を行っていると通報が有った」

「不正? 一体何だ?」

「こっちに色々と水増し請求しているらしいな」

「・・・・・」

 

汗が流れる矢島。

 

「この問題を公表しないでやる、 その代わりにお前は校長を降りて貰う」

「・・・・・分かった、 ええやろ」

 

歯軋りをしながら社長室を出た矢島。

入れ替わりに鮫島が入って来た。

 

「来たか鮫島、 貴様には色々と言いたい事が有る」

「はい、 何でしょうか?」

「まず初めに本校から放逐された生徒が強くなって帰って来た、 と言う話だ」

「本校に戻る為に分校で鍛え直したのでは?」

「そうか、 俺もそう思う、 では次だ」

 

ぱさり、 と週刊誌をほおる。

表紙には『デュエルアカデミアの行き過ぎたスクールカースト!?

いじめなんて生易しい差別の温床か!? 行方不明者多数!?』と書かれている。

 

「こ、 これは・・・」

「国崎康介と言う元プロデュエリストがデュエルアカデミアに潜入して

色々調べたそうだ・・・ここまでザル警備だったとはな

不審者が入って来たらどうするつもりだ?」

「・・・申し訳ありません、 しかしながら倫理委員会の再編等で

警備業務の引継ぎがありまして」

「苦しい言い訳だ、 だがまぁ許そう

しかし行方不明者多数と言うのも先に話を聞いていたが

情報漏洩迄すると庇い切れない、 万が一の場合、 お前の首を切るからな」

「そ、 それは・・・その・・・」

「それも置いておこう、 問題はコレだ」

 

海馬が『差別の温床』の部分を指差す。

 

「差別、 ですか、 しかし寮で分けるのは海馬オーナーの案だった筈です」

「差別が悪いと言っているのでは無い

だがしかし、 だ、 積極的にレッドを見下し虐げるのは宜しく無いだろう」

「・・・? 差別が駄目なのか如何なのか分からない発言ですね」

「俺が言っているのは差別は良いが差別を進んでするのは如何な物か

と言う話だ、 下を好んで虐げるのは聊か余裕が見て取れる

ハングリー精神が足らん、 無常にもデータを送って貰ったが

オベリスクブルーがデュエル許可願いで強者と戦う事が殆ど無いそうじゃないか」

「それではオーナー、 一体如何しろと言うんですか?」

「寮の人数構成を再編成する」

「再編成?」

「オシリスレッド、 ラーイエロー、 オベリスクブルーの

生徒の数は大体同じだったが、 オベリスクブルーの人数を

いやラーイエローも減らしてオシリスレッドの生徒の数を・・・

そうだな、 全校生徒の七割程にしよう」

「な・・・それは極端では?」

「生徒を甘やかした結果がデュエルそっちのけの差別だ

差別よりもデュエルに心を砕け、 と言う話だ

女子も三色に分けるぞ、 オベリスクブルーなのに弱い女子が多いからな」

「し、 しかし・・・寮の人数を増減するのは聊か問題が有りますよ

学生寮のキャパシティが全然足りません」

「それは問題無い

学園祭の会場設営のついでにプレハブ小屋を建てるつもりだ

新しいレッド寮が出来る迄はそこで我慢して貰おう」

「しかし生徒からの反感が・・・」

「お前がしっかりと生徒の手綱を握らないからこうなる」

 

話は終わりだ、 と手を振る海馬。

とぼとぼと鮫島は立ち去った

 



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月一試験の始まり(デュエル無し回)⊂⌒~⊃。Д。)⊃

カイザーのリスペクトを無視した様な行動。

十代の勝ち方、 様々な事を議論していたデュエルアカデミアの生徒達だったが

現在、 その話は誰もしていない、 と言うのも

イエロー寮とブルー寮の定員を大幅に削減し

レッド寮の人数を大幅に増やすと言う決定をデュエルアカデミアのオーナー海馬が

宣言したからである。

 

デュエルアカデミアの全校生徒は

最煉が15人の生徒を連れ出して去ったので現在390人。

各寮の収容人数は余裕をもって150人ずつだが定員は130名としていた

新しく発表されたイエロー寮の定員50人、 ブルー寮の定員30人。

レッド寮の定員は310人

(寮に入れない者は新しく建て増しするまでキャンプでもして貰う)

残ったレッド寮の中でも成績劣悪者25人は要考査。

つまり再試験の結果では退学と言う厳しい状況になっていた。

 

当然ながら生徒達は一斉に勉学に勤しんでいるのだった。

 

 

 

 

「文字通り、 鬼気迫るって感じですね・・・」

「そうね」

 

職員室で佐藤と最愛が話していた。

 

「しかし何と言うか・・・

授業中に関係無い勉強をする生徒も出始めて・・・少し辟易しています」

「・・・・・佐藤先生、 同僚として忠告するけども

貴方の授業、 つまらないし実戦的かと言うと首を傾げる

時代遅れと言わざるを得ない」

「・・・ハッキリ言いますね」

「まぁ聞きなさい佐藤先生、 尻に火が点いているのは生徒だけじゃない

我々も指導能力が問われる、 濃い中身のある授業をしなければ排斥されかねない

新しく来た教育実習生はタイトルホルダーばかり

私達よりも格上、 今のうちに私達も実力を付けないと追い抜かれる」

「・・・・・私はタイトル手前だったんですけどね」

「取れていなければ実績は無いよ」

 

顔を抑える佐藤。

 

「我々も勉強会の様な事をしようと思います、 佐藤さんも如何ですか?」

「我々?」

「教師陣での勉強会、 サイバー流の教師とクロノス先生が参加します」

「うーん・・・

それよりも少し無茶な改革だしそれを辞めさせる方向にした方が・・・」

「それはやったノーネ」

 

ぬっ、 と現れるクロノス。

 

「物凄い長い粘り強い説得のケッカー、 何とか今の状況になったノーネ

海馬オーナーの最初の提案だとブルー寮の生徒10名とかそのレベルだったノーネ」

「・・・・・それは最初からそうする予定では?

最初から厳しい条件をつけて緩和して要求をのませやすくする

と言う手口の可能性は・・・」

「・・・・・それでも勤め人の我々ニーハ如何する事も出来ないノーネ」

「・・・・・」

 

頭を抱える佐藤だった。

 

 

 

 

 

 

 

新制サイバー流デュエル部は人がまばらである

居たとしてもレッド生ばかりである。

 

「これは・・・酷いわね・・・」

 

雀がぽつりと呟いた。

 

「ブルーやイエローは自己学習に励んでいる

今回はライバル同士だ、 献花にならないだけマシ、 か」

「才眠先生、 でもこれは少し問題では?」

「まぁ気にする必要は無いさ、 君こそ勉強は良いのかい?」

「私は元々オベリスク・ブルーの実力は無いですから」

「そうかい、 それでも努力はした方が良いのではないか?」

「デュエル譜は取っていますよ」

「うん、 それが良い・・・あれ? 丸藤君は?」

「カイザー?」

「弟の翔君です」

「アイツなら来てねーよ」

 

杏子がお菓子を食べながらやって来た。

 

「才倉さん、 貴女何故ここに?」

「座学するよりもデュエルをし続けてリズムを作っておきたいからな」

「そうですか、 それよりも丸藤君が来ないのは何故?」

「なーんか、 色々悩んでいるらしい」

「このタイミングで勉強も何もしないのは

退学にして下さいって言っている様な物ですよ」

「そうだねぇ・・・彼には期待していたがここまでならば仕方ない

諦めよう」

「そんなあっさりと・・・良いんですか?」

「やる気の無い奴に何時までも構っている暇は無い」

「残酷ですね」

「いや、 これは仕方ないだろう」

 

雀の感傷をばっさり切る杏子。

 

 

 

 

 

 

 

 

一方レッド寮では

 

「いやいや、 ここはこれでしょ」

「うーん、 如何かなー」

 

紅色艶やかなツインテールを揺らしながら色彩が十代と話し合っていた。

 

「属性融合HEROの方が良いじゃない」

「いや、 でも結構使っているからなぁ・・・」

「東堂とか言う奴とカードトレードしたじゃない」

「うーん、 じゃあいっその事」

「ねぇ」

 

ひはつが二人の会話に割って入る。

 

「何で僕の部屋で話してるの?」

「あー・・・翔がまだ色々と悩んでいるみたいでな」

「まだ勝ち方に拘っているのか翔君は・・・」

「カイザーの変節もショックだっただろう・・・」

「カイザーと言えば彼、 この島から少し出ているみたいですね」

「先生から何かしらの仕事を任されたらしいが・・・」

「あのクソ女、 また何か企んでいるのか」

 

色彩が極彩を思い唸る。

 

「良く分からないけども・・・とりあえず僕達は次のテスト思い切り

ぶつかるしかない」

「それは当たり前じゃない」

「そうだな、 デュエルは何時だって全力でやるから面白い、 そうだろ?」

「いや、 筆記試験あるよ十代」

「うわぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・」

 

頭を抱える十代だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

デュエルリングにてデュエルをするメグと明日香、 万丈目と太陽。

 

「勉強になるな」

 

デュエルを観戦する第一サイバー流デュエル部の面々。

 

「そうですね・・・それ以上にこの気迫・・・

抜き身の刀の斬り合いを見ている様だ」

 

第一サイバー流デュエル副部長 木野 断裁が感嘆する。

 

「いやいや」「マッチ戦3回目だと言うのに」「勢いが落ちていない」

「刀の斬り合いでも」「こうは行かないよ」

 

交互に喋るのは第一サイバー流デュエル部の紅二点。

砕刃 陽姫と砕刃 陰妃、 彼女達は鮫島の師匠である砕刃師範の曾孫である。

 

「・・・・・」

 

第一サイバー流デュエルの御意見番、 梔 細目は黙して何も語らない。

 

「だがあいつ等馬鹿だな、 こうして俺達が見ているのに

堂々とデュエルして手の内を見せるとは」

「露出狂なんだろ」

「それは無いと思う、 何故ならあいつ等は服を着ている」

「賢いなぁ甜菜」

「( ・´ー・`)ドヤァ」

 

第一サイバー流デュエル部の馬鹿二人、 甜菜・ハラショー(ロシアのハーフ)

万歳 山椒はズレた会話をしていた。

 

「いずれにせよ、 あの四人は強敵になるだろう」

「我々もライバルとなりえるだろ?」

「そうかな?」「少なくとも私達は」「貴方達になら」

「やられても良いかなって」「思っているよ」

「それはつまり・・・告白!?」

「「いや、 それは無い」」

「シンクロして言わなくても良いじゃんかよぉ」

 

さめざめと泣く甜菜。

 

「しかしながら素晴らしい戦術だ

メグは植物族を使うだけじゃない

アイヴィ・シャックルで相手を植物族にして

ローズ・テンタクルスで攻撃回数を増やし

流星の弓-シールで連続ダイレクトアタックをするとは」

「良いコンボだ、 真似したいね俺達サイバー流だから使えないコンボだが」

「受け継がれし力で攻撃力を上げれば」「私達でも再現可能じゃない?」

「サイバー・ドラゴンやその融合体は」「攻撃力高いからね」

「せせこましいな、 強いカードは強い故に隙が無いんだよ

そんなコンボを使わなくても強いカードを使っている俺達は強い」

「甜菜は賢いなぁ」

 

知性を感じない馬鹿な会話だが真理を着いて居なくもない。

 

「いずれにせよ第一サイバー流デュエル部の在籍条件は

オベリスク・ブルーの生徒である事だ」

「つまり次の月一テストは全校生徒で30位以上か」

「行けるか?」

「楽勝だろ」

 

ふふんと鼻を鳴らす甜菜。

 

「奢れる者も久しからず、 だぞ」

「何言ってるのかさっぱり分からんな天野

この学校の生徒の少なくとも半分がサイバー流だ

サイバー流の部活に入っているからな

そのサイバー流の中でも俺達はトップクラスだ

だから問題無い」

「話はそう単純に行くか?」

「考え過ぎるのも良く無いだろうさ」

 

 

 

 

 

 

 

 

そして月一試験が始まった。

まずは筆記試験、 なのだが・・・

 

「・・・・・何コレ?」

 

何故か試験会場は教室では無くデュエルリングだった。

更にデュエルリングに何故かスペースが二つ作られていた。

男女別になっている様だった。

そして極めつけには大勢の倫理委員会が待ち構える。

 

「男女毎にスペースに入って下さーい」

「???」

 

促されるままにメグは女性スペースに向かった。

 

「はい、 これに着替えて」

 

中に居た倫理委員会の職員にジャージを渡される。

 

「???」

 

促されるままに服を着替える。

 

「あぁ、 制服はこちらで預かります、 試験が終わったら返します

そのジャージは下着と一体になっていますので下着もこちらへ」

「???????」

 

マジで何をやっているのかさっぱり分からない。

言われるがままに制服を渡す。

 

「筆記用具も預かりますね

試験中はこちらの消しゴムと鉛筆を使って下さい」

「え、 分かりました」

「最後にこれを・・・」

 

かぽ、 と前が見える様に穴が空いた箱を被せられるメグ。

 

「?????????????????????????あの・・・さっきから何をしているんですか?」

「カンニング対策です」

「カンニングって・・・」

「おい、止めろ!! おい!!」

 

隣の男子のスペースから暴れる音がする。

 

「うわあああああああああああああああ!!」

「何だ何だ?」

 

騒めく生徒達。

 

「静粛に!! こいつはカンニングの為の機材を隠し持っていた!!

カンニングしようとした者は当然退学!! 以上!!」

「うわあああああああああああああぁぁぁぁぁぁあっぁ・・・」

「・・・・・」

 

メグは気の毒に思いながらスペースを去って行った。

 

 

 

 

 

 

 

筆記試験が終わった翔は完全に魂が抜けていた。

 

「ははははは・・・」

 

終わった、 完全に退学まっしぐらだ、 と。

 

「しょ、 翔・・・」

 

十代が声をかけようとする。

 

「翔君、 そう気を落とさなくても大丈夫だよ」

 

ひはつが慰める。

 

「君に僕の何が分かるんスか!!」

「いや、 周り見て見なよ、 レッド生の半分以上は君と同じ状態だ」

 

魂が抜けている生徒達。

 

「・・・・・こ、 これなら行けるかな・・・?」

「あぁ!! ここから巻き返して行こうぜ!!」

「よーっし頑張るッスよー!!」

 

翔は盛り返したのだった。

 

 

 

 

「・・・・・ふん、 楽観極まれり、 って奴だな」

 

青いジャージを来たトッドが翔を心底軽蔑した眼で見る。

 

「アンタ如何思う?」

 

傍に居た色彩に問うトッド。

 

「既にオシリスレッドって時点でもうピンチだと思うけどね

危機感が無さ過ぎる」

「ふっ、 俺もそう思う、 実技で何人心折れるか楽しみだね」

 



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月一テスト 十代偏 (^―^)

デュエルリングの上で月一テストの実技試験が始まった。

 

「良い空気ね」

「そうか?」

 

デュエルリング上で対峙する十代と色彩。

互いに実技試験の相手である。

 

「勝たせて貰うよ、 昇格しなくちゃならなくなったしね」

「どういう事だ? 色彩は第一サイバー流デュエル部の連中が嫌いだから

レッド寮に来たんじゃなかったのか?」

「それなんだけどさ、 実技試験の相手は同じ寮の相手

つまり第一の連中をぶちのめす為にはブルー寮に行かなくちゃいけないって

今更ながら気が付いた」

「あー・・・ノース校には寮とか無かったからな知らなかったのは

しょうがないな・・・はぁ・・・」

「あんまり元気無いわね、 如何したの?」

「周り見て見ろよ・・・」

 

周囲の観戦している生徒達も必死である。

過去の様にレッド寮を馬鹿にしている暇は無い。

全力でぶつからなければ現状維持すら出来ない状況なのだ。

 

「そうかな、 周りの事より今は貴方しか見えないわ」

「そうだな、 色彩とはデュエルした事無かったし

楽しめそうだな」

「楽しめるかな?」

 

「「デュエル!!」」

 

 

 

 

 

一方その頃、 とある上空の飛行機のファーストクラスにて

極彩と亮が仲良く、 では無いが月一試験のリアルタイム中継を見ていた。

 

「・・・・・始まりましたが」

「そうねぇ、 精々楽しめるデュエルを見せてくれると良いけどね」

 

ワインを瓶からラッパ飲みしながらステーキを食べる極彩。

 

「色彩って言うのは貴女の妹ですよね」

「あの馬鹿ね、 雑魚だし興味無いわよ

とは言え実力は未知・・・」

「この間デュエルしたじゃないですか」

「私は他を隔絶する程の圧倒的強者だから

戦っても雑魚過ぎてレベルが図れないのよ

実際の所強いのか弱いのか分からない、 あんまり強いと

第一の連中がやられるかもしれないしね

私は顧問している生徒の事を思いやれるいい先生だから」

「・・・・・一つ聞いてみたい」

「何を?」

「俺と貴女、 サイバー流免許皆伝だが何方が強いだろうか」

「私でしょ」

「試してみます?」

「そもそもどっちが強いって聞いて来る時点で

自分の方が強いって言える私の方が強いに決まっているでしょ

気概で負けてんのよ餓鬼」

 

バリボリとピスタチオを食べる極彩。

 

「私は大人だから強さ比べで君をボコボコにする程大人げない訳無いからね

今は仲良く見世物を見ましょう」

「・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

「俺の先行、 ドロー!!」

 

十代手札:5→6

 

「E・HERO オーシャンとネクロダークマンを手札融合!!

E・HERO アブソルートZeroを攻撃表示で融合召喚!!

モンスターとカードを1枚ずつセットしてターンエンド」

 

十代手札:6→1

 

「私のターン、 ドロー」

 

色彩手札:5→6

 

「アブソルートZeroね、 サイバー流にとって少しキツイ相手ね

東堂とトレードしたカードよね?」

「あぁ、 これならサイバー流の高火力モンスターに倒されてもリカバリーが利く」

「フィールドから離れるだけで相手モンスター全破壊って

チートに片足突っ込んでるわね・・・

でも残念、 私は手札から融合を発動」

「来るか!!」

「手札のサイバー・ドラゴンとジェムナイト・ガネットを手札融合

起爆獣ヴァルカノンを攻撃表示で融合召喚」

「起爆獣ヴァルカノン?」

 

サイバー流のモンスターでは無い融合モンスターに戸惑う十代。

 

「起爆獣ヴァルカノンは機械族と炎族モンスターと言う

緩い融合素材で融合出来るモンスター

そして効果発動、 このカードが融合召喚に成功した時

相手フィールド上に存在するモンスター1体を選択して

選択した相手モンスターとこのカードを破壊して墓地へ送る

その後、墓地へ送られた相手モンスターの攻撃力分のダメージを相手ライフに与える」

「何ッ!?」

「アブソルートを墓地に破壊して2500のダメージを受けて貰うよ」

「うわあああああ!!」

 

十代LP:4000→1500

 

「くっ・・・だがお前のモンスターも破壊された!!」

「まだ召喚権は残っているよ

とは言え一気に追い詰めなければ逆転されるかもしれないし

巻いて行こう、 融合回収を発動

さっき使った融合とサイバー・ドラゴンを手札に戻す

そしてサイバー・ドラゴンを特殊召喚

更にE・HERO ザ・ヒートを通常召喚」

 

色彩手札:6→2

 

「ヒーローまで・・・」

「サイバー流に固執してもあのクソ女には勝てないからね

多角経営と行こう、 ヒートは自分の効果で攻撃力200上がって

攻撃力1800、 とりあえずサイバー・ドラゴンでセットモンスターに攻撃!!」

「セットモンスターはフレンドッグ!!

破壊された事により効果で墓地の融合とオーシャンを回収する!!」

 

十代手札:1→3

 

「ならばザ・ヒートでダイレクトアタック」

「まだだ!! フレンドックが戦闘破壊された時に

伏せていたヒーロー・シグナルを発動!!

デッキからE・HERO フォレストマンを守備表示で召喚!!」

「むっ・・・引きが良い・・・ターンエンド」

 

 

 

 

 

 

 

飛行機内、 つまらなさそうにステーキの付け合わせを食べる極彩。

 

「アホらし・・・」

「何処が可笑しいのですか?」

 

カイザーの問いにちびちびとワインを飲む極彩。

 

「何で融合使っているのかが分からない

ヴァルカノンを主軸にするならばフュージョン・ゲートの方が良いだろう

緩い縛りの融合素材だからトークンでも良い訳だし

大量展開も可能になる」

「・・・色々な状況に対応出来るのでは?」

「多角経営と言っているがあの小娘に扱い切れるかなぁ?

すいませーん、 ワインお代わり―」

 

キャビンアテンダントに注文する極彩。

 

「飲んでいて大丈夫ですか?」

「まだまだフライト時間はたっぷり残っている心配無いさカイザー」

 

 

 

 

 

 

 

「俺のターン、 ドロー!!

自分スタンバイフェイズにフォレストマンの効果発動!!

自分のデッキ・墓地から「融合」1枚を選んで手札に加える!!

俺はデッキから融合を手札に加える!!」

 

十代手札:3→5

 

「融合2枚、 残りの手札次第では融合HERO2体かな?」

「HEROは融合だけじゃない!!

墓地のネクロダークマンが墓地に存在する限り1度だけ、

自分はレベル5以上の「E・HERO」モンスター1体を生贄なしで召喚できる!!

俺は手札のE・HERO エッジマンを召喚!!

そしてエッジマンでサイバー・ドラゴンに攻撃!!」

「っ・・・」

 

色彩LP:4000→3500

 

「カードを1枚セットしてターンエンド!!」

 

十代手札:5→3

 

「私のターン、 ドロー!!」

 

色彩手札:2→3

 

「ヴェルズ・オランタを召喚!!

そして効果発動!! このカードを生贄にして

相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して破壊する!!」

「こっちもチェーン発動!! エレメンタル・チャージ!!

俺のフィールドのE・HERO×1000のライフを回復する!!」

 

十代LP:1500→3500

 

「ライフは並んだか・・・だけどまだまだこれから!!

精神操作を発動!! フォレストマンのコントロールを奪う!!」

「あ!! フォレストマン!!」

 

フォレストマンのコントロールを奪われ戸惑う十代。

 

「精神操作でコントロールを奪ったモンスターは攻撃もリリースも封じられる

でも融合素材には出来る、 私は融合を発動

フォレストマンとザ・ヒートを融合して

E・HERO ノヴァマスターを召喚!!」

「炎属性のヒーロー・・・」

「その通り、 色々効果は有るけど

とりあえずダイレクトアタック!!」

 

十代LP:3500→900

 

「くっ・・・」

「エレメンタル・チャージ無ければ終わっていたわね

悪運が強い・・・ターンエンド」

 

色彩手札:3→0

 

 

 

 

 

 

 

「『エレメンタル・チャージ無ければ終わっていたわね』じゃねぇよ

終わってんのはオメーだよ」

 

機内でもちゃもちゃとイセエビを食べながら管を巻いている極彩。

 

「カイザーも食べる?」

「結構、 しかし大分追い詰められていますよ?」

「なぁにが追い詰められているのよ、 手札0になっている時点で

融合デッキ使いとしては致命的よ、 最早死に体と言っても良い」

「そうでしょうか・・・」

「事実十代君の手札は融合2枚も有る

逆転の目は充分にあるわよ」

「うーむ・・・」

 

 

 

 

 

 

「俺のターン、 ドロー!!」

 

十代手札:3→4

 

「E・HERO エアーマンを召喚!!」

「なっ!? ここで!?」

 

驚愕する色彩。

エアーマンが召喚されれば効果でデッキからHEROが手札に入る。

更に十代は手札に融合が有る。

ならば属性融合HEROが飛んで来てノヴァマスターは確実に破壊される。

デッキに逆転出来るカードは有るが・・・引けるだろうか?

いずれにせよこのターンを生き延びられればの話だが・・・

 

「俺はデッキからE・HERO バブルマンを手札に加える!!

そして融合!! 俺はバブルマンとエアーマンを融合して

E・HERO サンライザーを融合召喚!!」

「・・・サンライザー? そんな属性融合HERO居たっけ?」

「こいつは属性が異なる「HERO」モンスター×2が融合素材だ」

「・・・なるほど、 知らない訳だ」

「そしてサンライザーの効果発動!!

このカードが特殊召喚に成功した場合に

デッキから「ミラクル・フュージョン」1枚を手札に加える!!」

「あー・・・完璧に終わったわね・・・サレンダー」

「え・・・サレンダーって・・・」

 

戸惑う十代。

 

「今回の出来事を振り返って反省する必要が有る

確実に敗北するのならばさっさと確定させて復習に充てたい」

「わ、 分かった、 良いよ」

 

サレンダーにより十代の勝利が確定。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここは素直に褒めるべきポイントね」

 

食後のデザートを楽しみながら機内の極彩が褒める。

 

「サレンダーはあんまり褒められた物じゃないって言うけども

時間は有限なんだからこうして負けが確定したらどんどんサレンダーするべきよ」

「そうですか?」

 

寮が疑問を口にする。

 

「最後まで諦めない心は大事だと思いますが・・・」

「最後までって、 もうあの状況は伏せカードも手札も無い

そして追加の融合モンスターが出て来るのも確実な状況

Great TORNADO、 ガイア、 The シャイニング

何を出してもノヴァマスターは殴り倒される

勝ち負けじゃなくて最早首を切られている状態なのよ

そこまでされて諦めないのは見苦しい」

「・・・・・」

「まぁまだ学生さんだし分からないか

負けたらとっとと反省して次は如何するかを考えた方が

時間を有効活用出来るでしょ」

「貴女が時間を有効活用しているとは思えませんが」

「言うねぇ、 まぁやる時はやる女よ、 私は

さてと、 あの馬鹿が負けた所で適当に何か見る?

映画でも如何? サンセット大通りとかおススメよ」

「何ですかそれ・・・」

「無声映画時代の落ちぶれたスターの物語だけど

役者が良い演技するのよ、 執事役の元監督がステキ」

「・・・翔の実技試験が気になるのでそちらを見たいのですが」

「・・・・・少し意外ね、 まぁどうぞご勝手に

モニター取られたし私はスマホで創作怪談でも聞いているわ」




色彩の使用デッキは【ヴァルカノン軸サイバー】
炎族とサイバーの混合デッキですが
炎のエッセンスが強過ぎますねサイバーじゃねぇ!!


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月一テスト 翔偏 (´_`)

デュエルリングに立つ翔。

翔の相手は最遊・キリ・ロード。

オシリスレッド3年生で元STDCの部員だった。

現在は部活動には入っていないがサイバー流の生徒とは交流がある。

 

「3年生が相手っスか・・・」

「気負うなよ、 3年間ずっとオシリスレッドだったんだ

そこまで強くはない」

「なら大丈夫っスかね!! よろしくお願いしますー」

「よろしく」

 

にこやかに笑うキリ。

 

「じゃあ始めようか」

「はい!!」

 

「「デュエル!!」」

 

「先行は譲ろう」

「ありがたいッス!! 僕のターン、 ドロー!!」

 

翔手札:5→6

 

「ジェット・ロイドを召喚してターンエンドッス!!」

 

翔手札:6→5

 

「俺のターン、 ドロー」

 

キリ手札:5→6

 

「サイバー・ドラゴンを特殊召喚してジェット・ロイドに攻撃」

「かかったっスね!! ジェット・ロイドが

相手モンスターの攻撃対象に選択された時

このカードのコントローラーは手札から罠カードを発動する事ができる!!

僕は手札から魔法の筒を発動!! 攻撃を無効にして

サイバー・ドラゴンの攻撃力分のダメージを与える!!」

 

キリLP:4000→1900

 

「先手を打たれたかぁ・・・じゃあモンスターをセットしてターン終了」

 

キリ手札:6→4

 

 

 

 

 

 

 

飛行機内でつまらなそうにしている極彩とまじまじと見る亮。

 

「低レベルな争いだぁ・・・」

「あの最遊と言う男・・・どの位の腕前ですか?」

「知らん、 が3年生と言うだけの実力はあるんじゃないか?

手付きが鳴れている、 それに比べ君の弟

やや手付きが拙い」

「そう、 ですか? あまり違いが無い様に見えますが・・・」

「まぁ誤差程度か、 しかし3年の方は何か企んでいると見える」

「何故分かるのです?」

「やや力が入っている」

「・・・・・」

「カイザーはまだまだ若いからねぇ、 でも後5年もすれば分かるよ」

「はぁ・・・」

 

 

 

 

 

 

「僕のターン、 ドロー!!」

 

翔手札:4→5

 

「やった!! スチームロイドを召喚!!

スチームロイドは攻撃力1800だけど相手モンスターに攻撃する場合

ダメージステップの間攻撃力が500ポイントアップする」

「つまりサイバー・ドラゴンを倒せると言う事か・・・」

「その通り!! スチームロイドでサイバー・ドラゴンに攻撃!!」

 

キリLP:1900→1700

 

「次にジェットロイドでセットモンスターに攻撃!!」

「セットモンスターは魔導雑貨商人」

「・・・・・魔導雑貨商人?」

「このカードがリバースした場合

魔法・罠カードが出るまで自分のデッキの上からカードをめくり、

その魔法・罠カードを手札に加える

残りのめくったカードは全て墓地へ送る

じゃあ捲るよ」

 

捲ったカード

サイバー・ファロス

サイバー・ファロス

サイバー・ヴァリー

サイバー・ヴァリー

サイバー・ドラゴン

サイバー・ドラゴン・ツヴァイ

サイバー・ドラゴン・ツヴァイ

ネクロ・ガードナー

魔導雑貨商人

光帝クライス

超電磁タートル

沼地の魔神王

手札抹殺

 

「では手札抹殺を手札に加えて残りは墓地に送る」

 

キリ手札:4→5

 

「結構モンスター墓地に落ちたっスねー

モンスターがデッキに多いんじゃないっすかー?」

「それもそうだねぇ・・・で? もうターンエンドかい?」

「ハイっス!! これでターンエンドッス!!」

 

翔手札:5→4

 

 

 

 

 

 

 

「これ、 丸藤負けるわね」

「え、 何で?」

 

実技試験が終わり観客席で見ていた色彩の言葉に反応する十代。

 

「魔導雑貨商人で都合良く12枚もモンスターが落ちると思う?」

「うーん・・・難しいか?」

「でしょ? 確実にモンスターを多めに入れたデッキを使っている

魔導雑貨商人の効果で墓地に大量のモンスターを送る目的が有るとしか思えない

何をするかは分からないけども攻撃の下準備は出来ている筈

それなのにそれにすら気が付かない丸藤、 これはヤバい状況よ」

「翔もただじゃ負けないだろう

手札に罠を抱えていればジェットロイドでカウンターが」

「手札抹殺」

「あぁ・・・・・」

 

 

 

 

 

 

「んじゃ、 俺のターン、 ドロー」

 

キリ手札:5→6

 

「カードをセットして手札抹殺、 互いに手札を全て捨てて捨てた枚数分ドロー」

「うー・・・」

 

キリが手札から捨てたカード

サイバー・ドラゴン

サイバー・ドラゴン・ツヴァイ

サイバー・ファロス

深淵の暗殺者

 

翔が手札から捨てたカード

融合

進入禁止!No Entry!!

聖なるバリア -ミラーフォース-

サブマリンロイド

 

「更に手札から深淵の暗殺者が墓地へ送られた時

自分の墓地に存在するリバース効果モンスター1体を手札に戻す

俺は魔導雑貨商人を手札に戻す」

 

キリ手札:6→5

 

「手札殆どモンスターって・・・モンスター多過ぎッスよ・・・」

「まぁな、 俺は今までバランスよくデッキを組んでいたが

それで3年間ずっとオシリスレッドだった

だから今回はわざとバランスを崩してみた」

「そうっスか、 それで良いカードは引けたッスか?」

「流石にここまでやれば引けるわ

サイバネティック・フュージョン・サポートを発動

ライフを半分払う事で

このターン、 自分が機械族の融合モンスターを融合召喚する場合に1度だけ

その融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを

自分の手札・フィールド上・墓地から選んでゲームから除外し

これらを融合素材にできる、 そして融合を発動

俺は墓地のサイバー・ドラゴン扱いになっている

サイバー・ドラゴン・ツヴァイ2体を除外して

サイバー・ツイン・ドラゴンを特殊召喚する!!」

 

キリ手札:6→4

キリLP:1900→950

 

「こ、 ここでサイバー・ツイン・ドラゴン・・・!!

で、 でもジェット・ロイドが居る!! 罠カードで巻き返す!!」

「それなら心配無いだろう」

「何でっスか!?」

「だってお前罠カード持ってじゃんか」

「・・・・・は、 ハッタリっスね

そ、 そんな事分かる訳無いじゃ無いッスか!!」

「はいはい、 じゃあサイバー・ツイン・ドラゴンの2回攻撃で

ジェット・ロイドとスチームロイドに攻撃」

「うぅ・・・

スチームロイドは攻撃される時に500ポイントダウンするッス・・・」

 

翔LP:4000→2400→700

 

「これで逆転だな

俺はカードを2枚セットしてターンエンド」

 

キリ手札:4→0

 

 

 

 

 

 

 

 

「今までの行いを反省したのは良いが極端過ぎる気もしなくはない

まぁ上手く回っているから文句は言わない」

 

キャビアクラッカーを食べながら機内から観戦する極彩。

 

「・・・翔には手札が4枚、 このターンのドローを含めれば5枚

挽回のチャンスは有るでしょう」

「有ると思うのかい?」

「・・・無いんですか?」

「無いでしょ、 まぁ見てな」

 

 

 

 

 

 

「うぐぐ・・・僕のターン、 ドロー!!」

 

翔手札:4→5

 

「・・・・・キリ先輩」

「何だ?」

「ここから巻き返させて貰うッス!!

エクスプレスロイドを召喚!!

エクスプレスロイドは召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時に

「エクスプレスロイド」以外の自分の墓地の

「ロイド」モンスター2体を手札に加えるッス!!

僕はスチームロイドとサブマリンロイドを墓地から手札に戻すッス!!

そして融合を発動ッス!!

手札のスチームロイド、 ドリルロイド、 サブマリンロイドを

融合素材に使ってスーパービークロイド-ジャンボドリルを融合召喚!!」

 

翔手札:5→3

 

「そしてジャンボドリルでサイバー・ツイン・ドラゴンに攻撃ッス!!」

「・・・墓地のネクロ・ガードナーを除外して効果発動

ジャンボドリルの攻撃を無効に」

「うげげげげげげげげ!!?」

 

驚愕する翔。

 

「まさか、 素で忘れていたの?

てっきり何か対策が有るのかと・・・」

「う、 五月蠅い!! カードを2枚セットしてターンエンド!!」

「伏せていた2枚のカードを発動する

速攻魔法サイバーロード・フュージョン

そして罠カードの死魂融合

まずは死魂融合の効果、 自分の墓地から

融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを裏側表示で除外し

その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する

サイバー・ドラゴン2体を除外し2体目のサイバー・ツインを融合召喚」

「なっ・・・」

「続いてサイバーロード・フュージョン

自分フィールド及び除外されている自分のモンスターの中から、

融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを

持ち主のデッキに戻し「サイバー・ドラゴン」モンスターを融合素材とする

その融合モンスター1体を融合デッキから融合召喚する

俺はサイバー・ドラゴンとサイバー・ドラゴン・ツヴァイをデッキに戻し

キメラテック・ランページ・ドラゴンをデッキから融合召喚する

このカードが融合召喚に成功した時

このカードの融合素材としたモンスターの数まで

フィールドの魔法・罠カードを破壊する、 素材が2枚だから

伏せカード2枚破壊する」

「収縮と禁じられた聖槍が・・・」

 

愕然とする翔。

 

翔手札:3→1

 

「俺のターン、 ドロー」

「ちょっと待った!!」

 

唐突に待ったをかける翔。

 

「・・・何だ? もう発動出来るカードは無いだろう?」

「ちょ、 ちょっとこのターン、 待って貰っても良いっスかね

あ、 あともうちょっとで何とかなりそうなんで・・・」

「丸藤君、 潔くしなよ」

 

キリ手札:0→1

 

「サイバー・ツイン・ドラゴンでエクスプレスロイドに攻撃」

「待っ」

 

翔LP:700→0

 

 

 

滂沱の涙を流しながらその場にへたり込む翔。

 

「こ、 こんなの!! こんなの!! 運が悪かっただけッス!!

も、 もう一度お願いします、 もう一度・・・!?」

 

がしり、 と警備員達に肩を担がれて移動させられる翔。

 

「うわああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」

 

翔は警備員達に連れられデュエルリングを降りた。

 

「・・・・・」

 

キリはくるりと回ってデュエルリングを去って行った。

 

 

 

 

 

 

 

「君の弟も大した事無いね」

 

機内でせせら笑う極彩。

 

「・・・・・まだまだ修行が足りない様ですね」

「そうだね、 今テスト結果を教えて貰ったけども

筆記も良くないみたいだからガチで退学コースかな?」

「・・・仕方ないでしょう、 残念な事ですが・・・」

「弟を助けてほしいとか言って来るかと思ったよ」

「幾ら何でもそんな無茶は言いませんよ・・・」

 

亮が遠い目で窓の青空を見ていた。



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月一テスト サイバー流門下生編(꒪ཀ꒪)

月一テスト会場はどんどんカオスな状況になっていった。

負けて駄々を捏ねる生徒達が続出。

警備員達は全員投入される事態に陥った。

ひはつのデュエルでは対戦相手がひはつとのデュエルを拒んだ為

ひはつは不戦勝になったのだった。

 

「幾ら何でも民度悪過ぎだろ本校」

「うーん・・・ここまで酷くなるとは思わなかった・・・」

 

観戦席で十代と色彩が話す。

そこにひはつがやって来る。

 

「ひはつ、 大変だったな」

「そうだね・・・まさかこうなるとは思っていなかったよ」

「気の毒に・・・」

 

そうこうしている内に次にラー・イエロー同士の実技試験が始まった。

オシリス・レッドよりは民度が高いのか騒ぐ生徒は比較的少ない。

 

「やはりと言うか眺めているとデュエルのレベルが

レッド寮よりも高いわね」

「そうなのか?」

「コンボも考えられているし」

「いやいやコンボが優秀だからと言うのは

デュエルのレベルには関係無いんじゃないの?

コンボ無しと言うデッキも悪くないと思う」

「グッドスタッフ? 爆発力が無いよ」

「必要? 爆発力」

 

色彩とひはつが議論を繰り広げている間に

三沢は実技試験をクリア、 次々とラー・イエローのデュエルが終わる。

負けて駄々を捏ねる生徒の数はオシリス・レッドよりも少ない。

 

「次はオベリスク・ブルー・・・

ここからはマジで見ないといけないわね・・・」

 

真剣な、 それこそまるで視線で人を射殺す位の鋭い視線で

デュエル場を見る色彩。

 

「凄い真剣だな・・・」

「第一サイバー流デュエル部の

部長、天野 才覚

副部長、木野 断裁

梔 細目

砕刃 陽姫

砕刃 陰妃

甜菜・ハラショー

万歳 山椒

この七人のデュエルは一挙手一投足見逃す訳には行かない」

「早速一人目がデュエルするみたいだよ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

「へっくし!! 如何やら誰かが俺の噂をしているみたいだな!!」

 

山椒がデュエルリングでくしゃみをする。

 

「俺の相手は・・・女子か、 楽勝だな」

「万歳 山椒・・・」

 

新制サイバー流デュエル部所属オベリスク・ブルー女子3年

三栖 雀が山椒の向かい側に立つ。

 

「私の事覚えてる?」

「誰?」

「・・・・・貴方と同じサイバー流の町道場に通っていたんだけど」

「知らんなぁ、 俺はこう見えてもサイバー流の格付けでは教士

雑魚の事は良く知らん」

「言うじゃない・・・」

「実際雑魚だろ? お前のサイバー流の格付けは?」

「・・・・・徒弟」

「雑魚じゃん」

「貴方も第一サイバー流デュエル部では最弱と聞いているけど?」

「それでもお前よりは上だ」

「言ってくれるじゃない・・・じゃあ行くわよ!!」

「おう」

 

「「デュエル!!」」

 

「先行後攻好きな方選べ」

「じゃあ後攻を貰うわ」

「マジで? じゃあ俺先行な、 俺のターン、 ドロー」

 

山椒手札:5→6

 

「ターンエンド」

「・・・は?」

 

困惑する雀。

 

「ターンエンドだ」

「正気?」

「あぁ、 まだ俺の動くときでは無い(キリッ」

「・・・私のターン、 ドロー」

 

雀手札:5→6

 

「・・・・・」

 

雀の手札

サイバー・ドラゴン

プロト・サイバー・ドラゴン

アーマード・サイバーン

シャインエンジェル

フォトン・ジェネレーター・ユニット

貪欲な壺

 

(相手が何も出さないからサイバー・ドラゴンは使えない

フォトン・ジェネレーター・ユニットも無理ね・・・

プロト・サイバー・ドラゴンは論外

ここはアーマード・サイバーンか

シャインエンジェルで防御を固めた方が良いかしら・・・

ならばシャインエンジェル、 サイバー・ヴァリーで回避も出来るし

2体目のプロト・サイバーで)

「おい」

「え?」

「何時まで考えている?」

「・・・モンスターをセットしてカードを2枚セットしてターンエンド」

 

雀手札:6→3

 

「さてと俺のターンドロー」

 

山椒手札:6→7

 

「サイバー・ドラゴンを特殊召喚

そしてサイバー・ドラゴンを生贄に偉大魔獣 ガーゼットを召喚!!

ガーゼットは生け贄召喚時に生け贄に捧げた

モンスター1体の元々の攻撃力を倍にした数値になるから攻撃力4200!!」

「くっ・・・だが守備表示だからダメージは通らない!!」

「意味ねーよ、 流星の弓-シールをガーゼットに装備

これで攻撃力1000下がったがガーゼットはダイレクトアタッカーになった

そしてデーモンの斧をガーゼットに装備

これで攻撃力は元に戻った」

「セットカードが有るのに好き勝手して・・・」

「ハッ!! お前如きのセットカードにビビるかよ!!

ガーゼットでダイレクトアタック!!」

 

雀LP:4000→0

 

 

 

 

 

「豪腕、 と言う所ね

本来はサイバー・ドラゴン系統の融合体+シールでのダイレクトアタック

と言う感じかしら?」

 

観客席で呟く色彩。

 

「ガーゼットはオマケみたいな物かな」

「多分ね、 次の試合が始まるわ」

 

 

 

 

 

山椒の試合が終わった頃に

別のデュエルリングでもサイバー流同士のデュエルが始まった。

甜菜・ハラショーと新制サイバー流デュエル部の才倉杏子である。

 

「新制サイバーの一年か

即サレンダーしろ!! 時間の無駄だ!!」

 

甜菜のあまりの物言いに面食らう杏子。

 

「・・・ざけんな、 叩きのめしてやる

何が第一サイバーだ馬鹿野郎、 てめーの部活7人しかいねーじゃねーか」

「すげぇ強い奴だけが残っているッつー事だろうが」

「経験人数が違うんだよ、 馬鹿が」

「ふん、 御託は良い、 さっさとやろうぜ」

「おう」

 

「「デュエル!!」」

 

「先行は貰うぞ」

「勝手にしなよ」

「俺のターン、 ドロー!!」

 

甜菜手札:5→6

 

「ん-? この手札はぁ・・・あぁー・・・」

「黙ってデュエルしろ」

「はいはい、 分かった分かった

モンスターセットしてカードを2枚セットしてターンエンド」

 

甜菜手札:6→3

 

「私のターン、 ドロー!!」

 

杏子手札:5→6

 

「おっと、 ここで罠を発動するぞ」

「ここで? はたきおとしか?」

「マインドクラッシュ」

「は? カードの名前を指名して私の手札に有ったら墓地に落とすアレ?」

 

困惑する杏子。

 

「あぁ、 そのマインドクラッシュ」

「当たる訳ないじゃない、 何を馬鹿な・・・」

 

困惑が嘲笑に変わる。

 

「融合を宣言する」

「・・・・・」

 

嘲笑が戦慄に変わる。

 

杏子の手札

サイバー・ドラゴン

サイバー・ドラゴン

サイバー・ドラゴン・ドライ

サイバー・ドラゴン・フィーア

融合

融合回収

 

杏子手札:6→5

 

「何で持っているのが分かった・・・!?」

 

何が何だかまるで分からない杏子は戦慄しながら尋ねた。

 

「俺の手札にパワー・ボンドが有ったから

俺よりも弱いお前ならば融合位は手札に有ると思ったからだ( ・´ー・`)ドヤァ」

 

何を言っているのかさっぱりわからない。

だが

 

「パワー・ボンドが手札に有・・・」

 

そこまで杏子は言って自制する。

本当にパワー・ボンドを抱えているのか?

口八丁で騙している可能性も・・・

 

「おい、 やる事が無いならさっさと終わらせろよ」

「・・・サイバー・ドラゴンを特殊召喚!!

サイバー・ドラゴンを特殊召喚成功時に効果により

手札のサイバー・ドラゴン・フィーアを守備表示で特殊召喚!!

更にサイバー・ドラゴン・ドライを召喚!!

サイバー・ドラゴン・フィーアの効果で

このカードがモンスターゾーンに存在する限り

自分フィールドの全ての「サイバー・ドラゴン」の攻撃力・守備力は

500アップする!! フィーアもドライもサイバー・ドラゴンとして扱うから

攻守はアップする!!」

「へー」

「っ!! ドライでセットモンスターに攻撃!!」

「セットモンスターはシャインエンジェルだ

破壊されたから効果で2体目のシャインエンジェルをデッキから特殊召喚」

「・・・・・ターンエンド」

 

杏子手札:5→2

 

 

 

 

 

 

 

「どゆこと? 何言っているか分かる?」

「いや分かんねぇ・・・」

 

観客席で先程の甜菜の発言を考える十代とひはつ。

 

「・・・・・サイバー流同士のデュエル

ならばデッキに入っているカードも似通っている

自分の方が相手よりも強いから良いカードが入って来る筈

ならば相手は自分よりもグレードが低いカードが入っている

自分はパワー・ボンドを持っているから相手は融合を持っている

とか?」

 

色彩は推理してみた。

 

「うーん・・・確かに説明されてみれば分からなくもない

けども無茶だよ、 その推理」

「あの甜菜と言う奴はその推理に乗っかった

自分を信じる奴は強いよ」

「そうかなぁ・・・」

 

 

 

 

 

 

「俺のターン、 ドロー」

 

甜菜手札:3→4

 

「パワー・ボンドを発動

サイバー・ドラゴン2体を融合素材にして

攻撃力5600のサイバー・ツイン・ドラゴンを融合召喚」

「うそ・・・本当にパワー・ボンドを・・・?」

「さっきそう言っただろうが

じゃあサイバー・ツインでサイバー・ドラゴンとドライに攻撃」

 

杏子LP:4000→700→0

 

 

 

 

 

 

「これで2連勝・・・実力は本物の様ね第一サイバー流デュエル部」

「いや色彩さん、 アレを・・・」

「うん?」

 

ひはつが指差した先には梔 細目と

新制サイバー流デュエル部の部長尾西・アルファがデュエルをしていた。

戦局は細目の防戦一方。

アルファのフィールドにはサイバー・ツイン・ドラゴンが3体。

魔法罠カードゾーンには宮廷のしきたり、 スピリットバリア

機甲部隊の最前線と充実した布陣。

対して細目のフィールドは伏せカード1枚。

 

「サイバー・ツイン・ドラゴンでダイレクトアタック!!」

「和睦の使者を発動、 このターンの戦闘ダメージをゼロにする」

「っ・・・!!」

 

圧倒的優位にも拘わらずさっきからライフを1ポイントも削れない。

攻撃を次から次へと無効化される。

 

「・・・ターンエンド・・・」

 

アルファ手札:0

 

「・・・・・」

 

細目手札:5→6

 

サイバー・ドラゴンを召喚する細目。

 

「!?」

 

このデュエル中初めてのモンスター召喚に身構えるアルファ。

 

「フィールドの全てのモンスターを墓地に送って

キメラテック・フォートレス・ドラゴンを特殊召喚」

「なっ・・・!?」

 

キメラテック・フォートレス・ドラゴン。

サイバー・ドラゴンと機械族モンスター1体以上を

自分・相手フィールドから墓地へ送った場合のみ

エクストラデッキから特殊召喚できるモンスター。

まさに機械族メタのカードである。

 

「馬鹿な・・・キメラテック・フォートレス・ドラゴンは

サイバー流門下生の中でも高位の段位の者にしか与えられないカード!!

与えられたとしても使用には制約が有る筈!!

同門対決で使って良いカードでは無い!!」

「ダイレクトアタック」

 

アルファLP:4000→0

 

「貴様ッ!! サイバー流デュエリストとしてのモラルは無いのか!!」

 

細目に詰め寄ろうとするアルファだったが警備員達に連れられるのだった。

 

 

 

 

 

 

「これで3連勝か・・・」

「・・・次は彼女か」

「・・・・・」

 

デュエルリングで相対するのは天上院 明日香と砕刃 陰妃。

果たして彼女達の何方が勝利するのだろうか・・・




万歳 山椒のデッキ
【装備軸サイバー】
サイバー・ドラゴン系統の高火力モンスターにシールでダイレクトアタックさせる
というコンボが主体のデッキ
兎に角火力を出す事を主軸にしている

甜菜・ハラショー
【直観サイバー】
マインドクラッシュやサイクロンで狙ったカードを叩き割ると言った
推理と言う名の直観に従ったデッキ

梔 細目
【耐久サイバー】
只管目的のカードが来るまで防御し続けるデッキ
目的のカードが来れば一気に仕掛ける

尾西・アルファ
【光属性機械軸サイバー】
サイバー・ドラゴンのみならず機甲部隊の最前線等
光属性や機械族のサポートカードも多用する
ひはつのデュエルを見てスピリット・バリアもデッキに入れている。


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月一テスト 砕刃姉妹偏 (´・ω・)人(・ω・`)

電力が足らないらしいので節電の為
来週はお休みします

3/26修正しました


「陰妃さん、 ですよね? 二年の?」

「私を知ってる?」

 

自分を指差しながら尋ねる陰妃。

 

「えぇ・・・タッグデュエルのエキスパートの・・・」

 

陰妃は首を振る。

 

「違うの?」

「説明が難しい」

「どういう事?」

「喋るのが難しい」

「え?」

「一度に少ししか」

「?」

「喋れない」

 

そう言って赤い手帳を見せる陰妃。

 

「・・・・・」

「喋る事が難しいだけ」

「理解は出来るのね」

「うん」

「そう・・・じゃあ始めましょうか」

「うん」

 

「「デュエル!!」」

 

「先行は貰うわよ」

「サイバー流相手に?」

「えぇ」

「良いよ」

「では私のターン、 ドロー!!」

 

明日香手札:5→6

 

「シャインエンジェルを召喚!!

カードを1枚セットしてターンエンド!!」

 

 

明日香手札:6→4

 

「私のターン」

 

陰妃手札:5→6

 

「シャインエンジェル召喚」

「そちらも!?」

「攻撃」

「相打ちッ・・・!!」

「チェーン1で私」

「・・・・・そう言う事」

 

リクルーター同士の戦闘破壊で効果はターンプレイヤーが優先される

つまりチェーン1で陰妃

チェーン2で明日香のシャインエンジェルの効果が発動する。

チェーン2で明日香の効果処理が終わった後に

何を出したかを見てから陰妃はモンスターを召喚出来る。

 

「・・・2体目のシャインエンジェルを特殊召喚」

「こっちはオネストを」

「オネスト・・・?」

「メインフェイズ2で手札に戻す」

 

陰妃手札:5→6

 

「サイバー・ドラゴンを特殊召喚」

「ここでサイバー・ドラゴン・・・」

「セットターンエンド」

 

陰妃手札:6→4

 

 

 

 

 

「こう来たか・・・」

 

観客席で呟く色彩。

 

「手札にオネスト抱えられては攻撃出来ない

とは言え攻撃しなくてもサイバー・エンジェルならば除去も楽勝でしょ」

「如何かな・・・罠を仕掛けているしそれはないかも」

 

 

 

 

 

「私のターン、 ドロー!!」

 

明日香手札:4→5

 

 

「機械天使の儀式を発動!!

手札のサイバー・エンジェル-弁天-を生贄に

サイバー・エンジェル-韋駄天-を儀式召喚!!

弁天と韋駄天の効果でデッキから機械天使の儀式と

サイバー・エンジェル-荼吉尼-を手札に加える!!

そして永続魔法応身の機械天使を発動!!

韋駄天でダイレクトアタック!!」

 

ぱちぱちぱちとゆっくり拍手する陰妃。

 

「応身の機械天使で荼吉尼?」

「そうよ、 応身の機械天使の効果で戦闘ダメージを受けたら

韋駄天を生贄に捧げて荼吉尼を召喚してサイバー・ドラゴンを倒せる!!」

 

くくく、 と笑う陰妃。

 

「ダメージステップに入る」

「構わな」

「前に」

「前に?」

「セットカード発動」

「セットカードで攻撃を止める気!?」

「リミッター解除」

「え・・・」

 

戦慄する明日香。

 

「サイバー・ドラゴンとリミッター解除とオネスト」

「・・・・・」

 

サイバー・ドラゴンの攻撃力2100。

倍にして4200、 更にオネストで相手のモンスターの攻撃力分上昇。

4200のダメージが確実に与えられる。

 

「融合カード揃えるより楽」

「・・・・・」

「ダメージステップにオネスト」

 

明日香手札:4000→0

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アカデミアのクイーンが聞いて呆れる」

 

別のデュエルリングでぽつりと呟く陽姫。

 

「随分と余裕そうだな?」

 

向かい合う太陽。

 

「余裕だよ」

「ふっ、 侮っていると負けるぞ?」

「こっちの台詞」

「良いだろう、 じゃあ来い!!」

 

「「デュエル!!」」

 

「先行は貰う」

「サイバー相手に?」

「あぁ、 俺のターン、 ドロー!!」

 

太陽手札:5→6

 

「ターンエンド!!」

「・・・私のターン」

 

陽姫手札:5→6

 

「シャインエンジェル召喚、 攻撃」

 

太陽LP:4000→2600

 

「ダメージを受けたこの時、 手札から冥府の使者ゴーズを特殊召喚!!

効果でカイエントークンを守備表示で特殊召喚!!」

「カード2枚セットターンエンド」

 

陽姫手札:6→3

 

 

 

 

 

 

 

「こっちもオネストかな?」

 

ひはつが観客席で色彩に尋ねる。

 

「無くはないと思う

陰妃と陽姫はタッグで実力を発揮するデュエリストだから」

「何でタッグだとオネスト確定なんだ?」

 

十代が尋ねる。

 

「タッグだとオネストをデッキに限界まで入れれば通常の倍の6枚になる」

「あ、 なるほど・・・じゃあサイバー系統の融合モンスターは無いのか?」

「いや、 オネストは連続攻撃と相性が良いし

サイバー・ツイン・ドラゴンが居る可能性がある」

「だとするとまだまだ分からない、 か?」

 

 

 

 

「俺のターン、 ドロー!!」

 

太陽手札:5→6

 

「ゴーズとカイエントークンを生贄にパンデミック・ドラゴンを召喚!!

そして効果発動!! 1ターンに1度このカードの攻撃力以下の攻撃力を持つ

フィールドのモンスター1体を破壊する!! シャインエンジェルを破壊!!」

「ライフを1000支払い魂の綱を発動」

「魂の綱・・・自分フィールドのモンスターが効果で破壊され

墓地へ送られた時に1000LPを払って

デッキからレベル4モンスター1体を特殊召喚するアレか・・・」

「ビクトリー・バイパー XX03を特殊召喚」

「ビクトリー・バイバーか・・・」

 

ビクトリー・バイバーは戦闘で相手モンスターを破壊した場合

複数の効果から1つを選択して発動するモンスター。

常にビクトリー・バイバーと同じ種族・属性・レベル・攻撃力・守備力を持つ

「オプショントークン」1体を自分フィールドに特殊召喚する効果は

オネストと物凄い相性のいいカードである。

 

陽姫LP:4000→3000

 

 

 

 

「ブラフでしょ」

「いや、 マジじゃない?」

 

観客席の色彩とひはつが話し合う。

 

「オネストの効果で攻撃力が上がるのは1ターンだけだし

だとしたら爆発力が無くなるんじゃない?」

「いや、 トークンを出して置いて攻撃力1000上げれば

2200の2回攻撃で終わるよ」

「ちょっと待ってくれ二人共

オネストはブラフで伏せカードで対処する可能性もあるぞ」

「うーむ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

「さぁ如何する?」

 

陽姫はにこにこと笑っている。

 

「お前、 俺の事馬鹿にしてるだろ?」

「勿論」

「万丈目さんの取り巻きだと思っている?」

「当然」

「取り巻きね

だがしかしお前は何でその取り巻きに勝てると思っているんだ?」

「御託は良い」

「そうだな、 実力で捻じ伏せてやる

パンデミック・ドラゴンでビクトリー・バイバーに攻撃!!」

「ダメージステップ良いかな?」

「良いぜ、 でも此方が先だ」

「うん?」

「ダーク・オネストを手札から捨て効果発動!!

自分の闇属性モンスターが相手モンスターと戦闘を行う

ダメージステップ開始時からダメージ計算前までに

このカードを手札から墓地へ送る事で

その相手モンスターの攻撃力はターン終了時まで攻撃力分ダウンする!!」

「っ」

 

先のシャインエンジェル同士の効果発動でも述べた様に

カードの効果処理はターンプレイヤー優先される

チェーン1でダーク・オネストの効果を使えば

何をしても最終的な攻撃力は0である。

 

「・・・そのまま受ける」

 

陽姫LP:3000→1700

 

「カードを2枚セットしてターンエンド!!」

 

太陽手札:6→2

 

「私のターン」

 

陽姫手札:3→4

 

「サイバー・ドラゴン特殊召喚攻撃」

「ちょっと待て、 考える」

「どうぞー」

 

長考に入る太陽。

 

 

 

 

観客席で見ているひはつと色彩。

 

「突っ込んで来ると言う事は確実にオネストね

パンデミックドラゴンが居るんだから確実に片付けないと

次のターンに除去される」

「いや、 ブラフでセットカードを発動させようとしているんじゃないの?」

「それも有るかもしれない

でもよく考えて、 サイバー・ドラゴンとオネストで2100ダメージは確実

ここから更に突進とかの攻撃力増強のカードを使われたら敗北は必至」

「都合良く攻撃力強化のカードが引けるのか?

さっきのちょっと変な理論で相手に融合が有ると看破した・・・

えーっと名前なんだっけ」

「甜菜?」

「そうそう、 彼の言葉を引用するならば

通常召喚出来るモンスターを引けないのに何で攻撃力アップカードを引けるんだ?

って話になるよ」

「確かに・・・」

 

 

 

 

「・・・良し、 決まった

デストラクト・ポーションを発動、 パンデミック・ドラゴンを破壊して

攻撃力分のライフを回復する」

 

太陽LP:2600→5100

 

「さぁ、 如何する? オネスト無しに後攻撃力3000上げられるか?」

「じゃあダイレクトアタック」

 

太陽LP:5100→3000

 

「サンダー・ドラゴン捨てて効果発動」

「サンダー・ドラゴン・・・

自身を捨てる事でデッキから2体のサンダー・ドラゴンを手札に加えるカードか」

 

陽姫手札:3→4

 

「カードをセットターンエンド」

「エンドフェイズにセットしていた終焉の焔を発動

黒焔トークン2体を守備表示で特殊召喚」

「・・・・・」

 

陽姫手札:4→3

 

「俺のターン、 ドロー」

 

太陽手札:2→3

 

「トークン2体を生贄に捧げThe supremacy SUNを召喚!!」

「・・・・・」

 

未だに嗤っている陽姫。

 

「何が可笑しい?」

「手札にオネストが有るかもよ?」

「あー、 もしかして攻撃出来ないと思っているのか?

生憎だな、 ダーク・バーストだ

墓地からダーク・オネストを回収する」

「!?」

 

陽姫の笑みが消える。

 

太陽手札:3→2

 

「これでオネストは問題無い!! SUNでサイバー・ドラゴンに攻撃!!」

「宣言時セット発動」

「何をする気だ!?」

「手札断殺」

「あ・・・」

 

互いに手札2枚を墓地に送って2枚ドローするカードである。

 

太陽が墓地に送ったカード

ダブルコストン

ダーク・オネスト

 

陽姫が墓地に送ったカード

サンダー・ドラゴン

サンダー・ドラゴン

 

「そしてオネスト使う」

「っ・・・」

 

太陽LP:3000→900

 

「ま、 まだだ!! カードをセットしてターンエンド!!」

 

太陽手札:2→1

陽姫手札:3→2

 

「ターンドロー」

 

陽姫手札:2→3

 

「エヴォリューション・バースト」

「・・・・・」

 

目を閉じる太陽。

破壊される太陽がセットされたリビングデッドの呼び声。

 

「サイバー・ドラゴン・フィーア召喚ダイレクト」

 

太陽LP:900→0

 

 

 

 

 

「太陽が負けた、 か」

 

デュエルリングの脇でぽつりと呟く万丈目。

 

「砕刃姉妹はタッグデュエルの達人・・・

あまり侮って貰っては困るな・・・」

 

第一サイバー流デュエル副部長 木野 断裁が脇から現れる。

 

「俺の相手はお前か」

「ふっ、 そうなるな・・・デュエルリングが空いた、 やろうか」

「あぁ」




砕刃姉妹のデッキ
【オネスト軸光サイバー】
オネストでのワンキル狙いのデッキ
オネストを墓地から回収する為の死者転生、光の召集を発動する手札コストとして
サンダー・ドラゴンもデッキに入れている。
シャインエンジェルからサイバー・ドラゴン扱いになる下級モンスターを呼び出す等
応用も可能


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月一テスト 万丈目編 (´・ω・`メ)

眼鏡のレンズが行方不明になり
更にキーボードが壊れて新しいキーボードを使っている為
次の更新は29~30日にします
まことに申し訳ありません


機内で優雅にくつろぐ極彩。

 

「・・・・・第一サイバー流デュエル部は今の所全勝ですね」

「当然よ」

 

亮の言葉も大して意に介していない。

 

「副部長と部長のデュエル、 相手は万丈目とメグですよ」

「大丈夫でしょ、 天野の試合だけ見れば良い」

「天野・・・つまり部長の試合を見ると?」

「うん」

「何故副部長の木野のデュエルは見ないのです?」

「彼は負けない、 第一サイバー流デュエル部で最強なのは彼よ」

「!?」

 

驚く亮。

 

「何で驚くの?」

「いや・・・なら何故彼は部長では無いのです?」

「天野の方が応用力が利く

そも最強のデュエリストが部長になると言う決めも無いしね

アカデミア最強のカイザーとて生徒会長では無い」

「ふむ・・・ですが万丈目は強くなっていますよ」

「どうだかね」

 

 

 

 

 

雲の上でそんな会話が行われているとはつゆ知らず

木野と万丈目がデュエルリングに上がった。

 

「先行後攻だが・・・どうする?」

「コイントスだな」

「良いだろう・・・」

 

コイントスの結果、 木野が先行になった。

 

「よし、 行くぞ」

「!!」

『アニキィ!!』

『万丈目・・・!!』

「あぁ・・・」

 

木野の空気が明らかに変わった。

万丈目は喉元に、 いや体の正面から無数に突き付けられた抜き身の刀を見た。

 

「デュエル始まる前からこのプレッシャー・・・間違いなく強い・・・!!」

「それでは始めるぞ」

「あぁ・・・来い・・・!!」

 

万丈目は固唾を飲み込み絶叫する。

 

「デュ「デュエル!!!!!!!!!!!!!」

 

万丈目のデュエルの掛け声を、 否、 デュエルリングに居る全ての生き物の

心音を掻き消すかの様な声が木野から発せられた。

 

「俺のターン!! ドロー!!」

 

木野手札:5→6

 

「サイバー・ドラゴン・コアを召喚!!」

「・・・コア?」

「このモンスターはサイバー・ドラゴンとして扱い

更に召喚に成功した場合にデッキから「サイバー」魔法・罠カード

または「サイバネティック」魔法・罠カード1枚を手札に加える!!

俺はサイバネティック・レボリューションを手札に加える!!」

「サイバネティック・レボリューション・・・

サイバー・ドラゴンを生贄にして

サイバー・ドラゴンの融合モンスターを出す罠か・・・」

「まだまだぁ!! 俺は機械複製術を発動!!

サイバー・ドラゴン・コアは攻撃力400のサイバー・ドラゴン扱いになっているので

デッキから2体のサイバー・ドラゴンを特殊召喚!!」

「3体のサイバー・ドラゴン・・・!!」

「融合を発動!! コアとサイバー・ドラゴンを素材にして

サイバー・ツイン・ドラゴンを融合召喚!!」

 

木野手札:6→4

 

「いきなりサイバー・ツイン・・・飛ばし過ぎだろ・・・」

「まだまだ!! 融合回収を発動!!

融合と融合素材のサイバー・ドラゴンを回収して

手札のサイバー・ドラゴン2体で2体目のサイバー・ツインを融合召喚!!」

「なっ・・・!?」

「カードをセットしてターンエンド!!」

 

木野手札:4→1

 

「俺のターン、 ドロー!!」

 

万丈目手札:5→6

 

「いきなり飛ばし過ぎじゃないか?」

「そうでもない!! 光と闇の竜の反則染みた制圧能力!!

それを考えるのならば使えるカードは直ぐに使うべきだ!!」

「なるほど、 警戒して貰っていたと言う事か?

だがしかし俺はライダーだけの男と思って貰っては困るな」

「ふん!! アームド・ドラゴンでもABCでもWVXYZでも何でも来い!!」

「木野 断裁!!!!!!!!!!!!」

 

会場を振るわせるような大声を出す万丈目。

木野に負けるとも劣らない。

 

「敗れたり!!!!!」

「何だと!?」

「俺は魔の試着部屋を発動!!

800ライフポイントを払い!!

自分のデッキの上からカードを4枚めくり!!

その中のレベル3以下の通常モンスターを自分フィールド上に特殊召喚する!!」

 

万丈目LP:4000→3200

 

「こ、 これは!!」

「行くぞ!!」

 

めくったカード

おジャマ・グリーン

おジャマ・イエロー

おジャマ・ブラック

仮面竜

 

「良し!! おジャマ三兄弟を守備表示で特殊召喚!!」

『す、 凄いプレッシャー・・・』

『あ・・・あ・・・』

『皆・・・!! 行くよ!!』

「そしておジャマ・デルタハリケーン!!

おジャマ三兄弟がフィールドに存在する時に」

「一瞬で必要なモンスターを揃えるとは驚いたぞ!!」

「調査不足だったな!!」

「伏せカード発動!!!!!」

「血迷ったか!? おジャマ・デルタハリケーン!!は

全体破壊の魔法カード!!

サイバネティック・レボリューションでサクリファイスエスケープは出来ない!!」

 

 

 

 

 

 

 

「どういう事だ?」

 

観客席で十代が疑問を口にする。

 

「サクリファイスエスケープって言うのは簡単に言うと

魔法とかの効果で破壊されるモンスターを生贄にして

効果を躱すって事よ」

 

色彩が解説する。

 

「あぁ、 そう言う事か

でもそれが出来ないって・・・」

「全体破壊だからね、 出来ないのも当然よ

でもこのタイミングで何で・・・あ!!」

 

気が付く色彩。

 

 

 

 

 

 

 

「愚かなり万丈目!!!!!」

 

おジャマ・デルタハリケーン!!の暴風の中、 木野が叫ぶ。

 

「誰がサイバネティック・レボリューションを伏せたと言った!?」

「な、 まさか!! ・・・いやサイバー流はカウンター罠を使わない筈じゃあ」

「愚かなり!! このカードは見た事が有るだろう!!

ライフを1500支払い我が身を盾にを発動!!」

「!!」

「相手が発動した「フィールド上のモンスターを破壊する効果」を持つ

カードの発動を無効にし破壊する!!

モンスターが居るのだから全体破壊もこの効果に含まれるぞ!!」

 

木野LP:4000→2500

万丈目手札:6→4

 

おジャマ・デルタハリケーン!!が掻き消される。

 

『あ、 あわわわわ、 ど、 どーするのよアニキィ・・・』

「・・・融合を発動

おジャマ三兄弟を融合素材にしておジャマ・キングを守備表示で融合召喚

効果でモンスターゾーン3つを使用不可にするが

2つしか空いていないから2つを使用不可にする」

「むっ・・・」

 

木野の表情が曇る。

 

「お前の手札はサイバネティック・レボリューション

次のターンに都合良く攻撃力増強のカードは引けるか?」

「・・・一つ忠告しておこうか」

「何だ?」

「サイバー流のデュエリストは

守備モンスターの一体で止まる様な柔な鍛え方はしていない

この状況で止められると高を括っている様だが甘いと言わざるを得ない

そもそも守るしか出来ない状況で偉そうに吠えるな!!」

「・・・ならば超えて見ろ!!

モンスターとカードをセットしてターンエンド!!」

 

万丈目手札:4→1

 

「俺のターン!! ドロー!!」

 

木野手札:1→2

 

「装備魔法ブレイク・ドローをサイバー・ツインに装備!!

装備モンスターが戦闘によって相手モンスターを破壊し墓地へ送った時

自分のデッキからカードを1枚ドローする!!

ブレイク・ドローを装備したサイバー・ツインでセットモンスターに攻撃!!」

「セットモンスターはおジャマ・ブルー

このカードが戦闘で破壊され墓地へ送られた時に

デッキから「おジャマ」カード2枚を手札に加える

俺が手札に加えるのはおジャマ・カントリーとおジャマ改造!!」

 

木野手札:1→2

万丈目手札:1→3

 

「カントリー・・・攻守を入れ替えるカード、 だったか?

だがしかし!! ブルーを出したのは失敗だったな!!

今ドローしたカードはエネミーコントローラーだ!!

すぐさま発動しておジャマキングの表示形式を変える!!」

「チェーンして速攻魔法発動!! 融合解除!!

おジャマキングを元の三兄弟に戻して全て守備表示だ!!」

『うわああああああああああああああ!!』

『やられるうううううううううううう!!』

『アニキいいいいいいいいいいいいいい!!』

「ならばサイバー・ツイン2回目の攻撃とサイバー・ドラゴンと

もう一体のツインの攻撃で全滅だ!!

ブレイク・ドローの効果で更にドロー!!

残ったサイバー・ツインの攻撃でダイレクトアタック!!」

 

木野手札:1→2

万丈目LP:3200→400

 

「おジャマキングの邪魔が解消された事でモンスターを召喚出来る!!

俺はサイバー・ヴァリーを召喚しカードをセットしてターンエンド!!」

 

木野手札:2→0

 

 

 

 

 

 

「まだ2ターン目なのに・・・何というデュエルか・・・」

 

観客席で戦慄する才眠。

 

「大口を叩く事は有るって事ね」

 

最愛も冷や汗を流している。

サイバー流のデュエルは日本刀の立ち合いに例えられる。

圧倒的な高攻撃力のサイバー・ドラゴン融合モンスターで相手を焼き切る

1KILLデッキに近い趣が有るだろう。

サイバー流のデュエルは如何に有効札を引けるかと言う話になる

カイザー亮が初手でパワー・ボンドとサイバー・ドラゴン3枚を引けるのは

最早才能の領域である。

 

「万丈目君も負けてはいない、 まだまだこれからよ」

「いや、 厳しいだろう」

「おジャマ改造でABCでもXYZが出せる筈よ」

「サイバー流にはキメラティック・フォートレスが有るじゃないか」

「う・・・機械メタの・・・」

「そう、 安直に出しても・・・これはキツイ・・・」

 

 

 

 

 

「俺のターン、 ドロー!!」

 

万丈目手札:3→4

 

「おジャマ改造を発動!!

おジャマ三兄弟を除外してABC-ドラゴン・バスターの融合素材

A-アサルト・コア、 B-バスター・ドレイク

C-クラッシュ・ワイバーンの3体をデッキから特殊召喚!!

更に墓地のおジャマ改造を除外してさっき除外した

おジャマ三兄弟をデッキに戻し1枚ドロー!!」

「ABCか!! 相手にとって不足はない!! 来い!!」

「さっきも言ったがもう一度言おう」

「?」

「調査不足だ、 俺は融合準備を発動!!

XYZ-ドラゴン・キャノンを見せて

デッキから融合素材のX-ヘッド・キャノンと墓地の融合を手札に加える!!」

 

万丈目手札:4→5

 

「まさかAtoZを狙っている・・・?

いや、 だとしても」

「俺は融合を発動!! フィールドのB-バスター・ドレイク

C-クラッシュ・ワイバーンと手札のX-ヘッド・キャノンを融合素材にして

ガーディアン・キマイラを融合召喚!!」

「!?」

 

全く予想外のモンスターが現れて面食らう木野。

 

「このモンスターはカード名が異なるモンスター3体を

手札と自分フィールドのモンスターを

それぞれ1体以上素材とした融合召喚でのみ特殊召喚出来るモンスターだ」

「く・・・完全に想定外・・・」

「このカードが魔法カードの効果で融合召喚した場合に

手札で融合素材としたカードの数だけ自分はデッキからドローし

フィールドで融合素材としたカードの数だけ

相手フィールドのカードを選んで破壊する!!

サイバー・ツイン・ドラゴンとサイバー・ヴァリーを破壊し1枚ドロー!!」

 

万丈目手札:5→4

 

「ヴァリーの方を狙って来たか!! このターンで仕留める気だな!!」

「その通り!! 俺は墓地のおジャマ・ブルーを除外して

光の精霊 ディアーナを特殊召喚!!

そしてA-アサルト・コアとディアーナを生贄に捧げて光と闇の竜を召喚!!」

『いょし!! ここから一気に攻めるぞ!!』

「ここで・・・か・・・」

 

遠い目をする木野。

セットカードはサイバネティック・レボリューション。

攻撃を防ぐ事は出来ない。

 

「だがこのまま何もしなければ

700と500のダメージで計1200ダメージ

まだ1300残っている!!」

「それは如何かな」

「何!?」

「分かって居る筈だ

サイバー流のデッキは融合や魔法が無ければ必殺の一撃は出せない

光と闇の竜が居る現状では次ドローしても余裕で対処出来る」

「まだだ・・・まだ・・・最後まで諦めん!!」

「それならば攻撃だ

ガーディアン・キマイラでサイバー・ツインを

ライダーでサイバー・ドラゴンにそれぞれ攻撃」

 

木野LP:2500→1800→1300

 

「ターンエンド」

 

万丈目手札:4→2

 

「俺のターン!! ドロー!!」

 

木野手札:0→1

 

「パワー・ボンドッ・・・!! く・・・ここまで・・・か・・・」

「サレンダーするか?」

「・・・・・いや、 折角だ、 最後までやろう、 ターンエンド」

「・・・俺のターン、 ドロー」

 

万丈目手札:2→3

 

「ライダーでダイレクトアタック」

 

木野LP:1300→0

 

 

 

 

 

 

 

 

極彩の元に国際電話がかかる。

 

『もしもし極彩さん!!』

「天野か・・・何だ?」

『断裁が負けました!!』

「・・・そうか、 何が起こるか分からない世の中だな

君も気張らずに頑張れよ」

『は、 はい!! 分かりました』

「じゃあな」

 

電話を切る極彩。

 

「マジかー・・・」

「如何しました?」

「木野の奴が負けたそうだ、 全く持って予想外」

「侮り過ぎですよ、 相手を」

「そうだなぁ・・・天野のデュエルはちゃんと見ておこう」

 




木野断裁のデッキ
【ドロー重視サイバー】
オイルメンやサイバー・ヴァリー、ブレイクドローでドロー加速を狙ったデッキ
また機械複製術を効率よく使える様に
攻撃力500以下のモンスターが多めである


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天野 才覚の過去(デュエル無し回)

書いている途中でデータが飛んでしまったので
今回は流れをぶった切って短めの過去話を始めたいと思います。
それからアルファポリスの
【第2回次世代ファンタジーカップ】の作品を仕上げる必要があるので
来月は更新が出来ません。
長々とお待たせして申し訳ありません。


第一サイバー流デュエル部部長、 天野 才覚。

彼は極彩との通話を切ると瞑目した。

 

「あの人に恥をかかせる訳には行かない・・・」

 

 

 

 

 

 

今から5年前、 天野は実家の手伝いをしていた。

天野の実家は相撲部屋であり

天野の父である天野 祭礼は元関脇の親方であり

現在は相撲取り達に稽古をつけていた。

天野は跡取りとして期待されていたが食が細く太りにくい体質の為

母の綾子共々、 裏方をしていたのだった。

 

「才くん、 お買い物に行って来て」

「分かりました!!」

「元気一杯ねぇー」

 

父である祭礼は力士としての教育をしていた為

威勢よく礼儀正しい男には育っていた。

 

「とりあえずこのお金でこれだけ買って来てね」

「はい・・・?」

 

母から渡されたのは何時もよりも多いお金と

買って来る物のメモも何時もより豪華な食材である。

 

「お母さん、 何だか今日は多く無いです?」

「今日はタニマチさんが来るから」

 

タニマチとは角界で言う所の贔屓にしてくれる客である。

いわばスポンサーの様な存在。

 

「ウチにタニマチ?」

「そうよ、 先々月から御贔屓にして貰ってるのよぉ」

 

あまり有名な力士の居ない相撲部屋に?

不思議に思う天野だったが口にする様な事はしなかった。

 

「そうですか・・・じゃあ行って来ます」

 

相撲部屋から出る天野。

 

 

 

 

 

 

買物を終えた天野は猫車に荷物を載せて帰路に付いていた。

相撲部屋に帰るとデカいリムジンが駐車場に停めてあった。

 

「うお、 すげ、 タニマチのか」

 

そう言いながら部屋に戻る天野。

 

「才くん、 おかえり

タニマチさん達も御飯食べていくから早めに作っちゃうわよ」

「分かりました!!」

 

テキパキと調理を始める天野と綾子。

ちゃんこ鍋は勿論、 鶏肉のグリルや唐揚げ。

厚焼き玉子、 味噌汁、 変わり種としてパスタや鰻巻きなんかも作る。

それに加えて今日は牛肉の良い所を焼いたステーキも作った。

 

「御飯は?」

「今日は良い所の米を使ってます!!」

「OK」

 

食事の準備が出来た所でそそくさと料理を持って行く二人。

 

「おい!! 二人共遅いぞ!!」

「すみません親方!!」

 

祭礼が怒鳴る。

親子とは言え親方呼びする位上下関係は厳しい。

 

「あと客人に挨拶!!」

「は、 はい!! 天野 才覚です!!」

「七色 極彩」

 

彼女は煌びやかな極彩色の髪の毛を靡かせながら胡坐をかいていた。

 

「こっちの手下の万歳」

「おっす」

「どうもこの度はありがとうございます!!」

 

頭を90℃下げる天野。

 

「元気が良い奴ね」

「コイツは昔から食が細いからあまり稽古出来ない分

礼儀と雑用を叩き込んでます

ちゃんこ番も任せているので料理の腕は保証します」

「それは楽しみね」

「親方、 ちょっと・・・」

「ん?」

 

祭礼を連れ出す天野。

 

「如何した?」

「すみません、 今日パスタ作りましたけども

ペペロンチーノなんですよ」

「あぁ、 女だからって気にするな

あの人は何でも喰うからニンニクなんざ気にしない」

「そうですか、 それにしてもお若い人ですね

あの人がタニマチ?」

「あぁついこの前成人したばっかりだが

サイバー流って言う流派の免許皆伝の腕前を持っているらしい」

「サイバー流?」

「デュエルモンスターズっていうカードゲームの流派だな

結構大きい流派らしくて、 色々稼いでいるらしい」

「それは凄い、 でも何でウチみたいな所のタニマチを?」

「趣味の範囲を広げたいかららしい」

「へぇー・・・」

「それよりも早くちゃんこもってけ!!」

「は、 はい!!」

 

急いで戻り料理を並べる天野。

座る関取達と極彩。

 

「それじゃあどうぞ」

「うん」

 

天野はちゃんこをよそい極彩達に出す。

 

「美味しいわね」

「うめぇ!!」

「ありがとうございます!!」

 

食事を進める。

 

「味噌汁、 ちゃんと出汁取っているわね」

「え? えぇ、 はい基本ですから」

 

その後もパクパクと食べ進める極彩。

 

「相変わらず良く食べるなぁボスは・・・」

 

万歳が呆れながら見る。

 

「少し喉が渇いたかな」

「あ、 じゃあ何か飲み物でも出しましょうか?」

「じゃあビールを」

「買って来ます!!」

「あ、 無いんだったらいいよ」

「そうですか・・・あ、 親方日本酒有りましたね?」

「出せ」

「はい!!」

 

酒迄飲みだす極彩。

 

「ふぅ、 御馳走様、 美味しかったわよ」

「ありがとうございます!!」

 

食事を終えて頭を下げる天野。

 

「しかしながら天野君だっけ? 良い腕してるじゃない

サイバー流の道場の食事番よりも良い腕をしてるわ」

「ありがとうございます!!」

「謙虚で姿勢も良い、 根性も有る

是非ともサイバー流に欲しい人材ね」

「い、 いや、 僕、 カードゲームなんてやった事無いですよ」

「それでも構わないさ、 今現在人手不足だしね」

「人手不足?」

 

酒をどんぶりに注いで飲み干す極彩。

 

「私はサイバー流を二つに割ろうと思う

目標としては30代になる迄」

「それは・・・まぁ、 凄い、 ですね?」

「受け答えが雑、 しかしながら実際問題手駒が足りない

私について行って大丈夫、 という実績を作らなければならない」

「実績、 ですか?」

「言うならば私の下についてちゃんと就職出来るか?

立派にデュエリストやれるのか? みたいな事ね」

「はぁ・・・」

「君にその気が有るのならば鍛え上げて

君を育ててデュエリストに仕上げるのも良いかなと思う」

「いやぁ、 それは」

「才覚よぉ、 お前、 ずっとちゃんこ番をする気か?」

 

祭礼が割って入る。

 

「ちゃんこ番は大事な仕事だが男ならば舞台に上がるのが本望だろう

こんな所でくすぶっていちゃ駄目だ」

「親方・・・」

「七色さん、 こんな息子だがよろしくお願いします!!」

 

頭を下げる祭礼。

 

「えぇ、 任せて下さい

確かに力士向きの体格では無いですが体力が有るのならば

デュエリストでもやっていけますよ」

「よ、 よろしくおねがいします」

 

頭を下げる天野。

 

 

 

 

 

 

それからと言う物

天野はサイバー流道場にも入門してデュエルの経験を積みながらも

極彩の薫陶を受けていた。

最初は極彩に利用されているだけではと思ったが

サイバー流のリスペクトデュエルは見ていて不愉快に思え

極彩の薫陶は文字通り天野が倒れるまで続き

起き上がる迄極彩は待ち、 文字通り付きっ切りで見てくれた。

ここまでしてくれる人に対して天野も必死で応えた。

鍛え上げられた体があってこその無茶な特訓だったと言える。

その甲斐あって入門して一年と言う短期間で範士に昇格し

極彩のサイバー流における指導者としての信用も上がった。

 

そしてとうとう極彩は

デュエルアカデミアでの特権階級の如き待遇を受ける様になったのだ。

 

 

 

「・・・・・」

 

天野は眼を開いた。

サイバー流の観点から行って極彩が真っ当なデュエリストかと言うと疑問が残るが

自分を信じ鍛え上げてくれた極彩に恥をかかせるデュエルは出来ない。

 

それになにより自分は期待されているのだ。

 

極彩より託された一枚のカードを見て決意を露にし

デュエルリングに向かう天野だった。

 

 

 



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月一テスト メグ偏(; ・`д・´)

長々とお待たせしてすみませんでした。
アルファポリスの方の作品がまだ区切りがついていないので
まだまだかかります申し訳有りません。
ショッキングな出来事が立て続けに起こったので暫くお休みします。
高橋御大のご冥福をお祈りします



デュエルリングで対峙するメグと天野。

 

「遂に来たか・・・この時が・・・」

 

天野がぽつりと呟く。

 

「大分待ったよねぇ具体的には3ヶ月位」

「そこまでは待っていない」

 

メグの言葉にツッコミを入れる天野。

 

「第一サイバー流デュエル部の部長

いや、 七色極彩の一番弟子としてお前に勝つ」

「かかって来なさい」

「行くぞ」

 

 

「「デュエル!!」」

 

「俺のターン、 ドロー!!」

 

天野手札:5→6

 

「手札のサイバー・ドラゴンを捨てて

サイバー・ドラゴン・ネクステアを特殊召喚

このカードは手札のモンスターを捨てる事で特殊召喚出来る

更にサイバー・ドラゴン・ネクステアの効果発動

このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合

自分の墓地の攻撃力か守備力が

2100の機械族モンスター1体を特殊召喚する

デメリットとしてこの効果の発動後

ターン終了時まで自分は機械族モンスターしか特殊召喚できない

俺は墓地のサイバー・ドラゴンを特殊召喚する」

 

天野手札:6→4

 

「サイバー・ドラゴンとして扱うモンスター、 か」

「その通りだ」

「これでサイバー・ドラゴンが二体・・・いきなりサイバー・ツインかしら?」

「せっかちだな、 俺はサイバー・ドラゴン・ヘルツを通常召喚

このカードもサイバー・ドラゴンとして扱うカードだ」

「・・・・・まさか」

「そのまさかだ、 俺は融合を発動!!

サイバー・ドラゴン!!

サイバー・ドラゴン・ネクステア!!

サイバー・ドラゴン・ヘルツを融合素材として!!

サイバー・エンド・ドラゴンを攻撃表示で融合召喚!!」

 

唐突に現れたサイバー・エンド・ドラゴンに困惑する観客席。

 

「・・・それってサイバー流の免許皆伝の人に渡されるカードじゃないの?

何で使える?」

 

当然の疑問を口にするメグ。

 

「極彩さんから預けて頂いた!!」

「随分と信頼が厚い様だねぇ・・・」

「続けるぞ、 サイバー・ドラゴン・ヘルツが墓地に送られた時

自分のデッキ・墓地からこのカード以外の

「サイバー・ドラゴン」1体を選んで手札に加える!!

デッキからサイバー・ドラゴンをサーチ!!

カードをセットしてターンエンド!!」

 

天野手札:4→2

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・」

 

観客席で手から血が滲む程、 拳を握り締める色彩。

 

「お、 おい・・・大丈夫か?」

 

十代が心配する。

 

「心配要らないわ・・・

あの男、 随分とあの女から信頼されているみたいね

まさかサイバー・エンドを持たされているなんて・・・」

「あぁ、 確かにビックリだよな・・・そこまでアイツは強いのか・・・?」

 

 

 

 

一方その頃、 飛行機で観戦していた極彩と亮。

 

「サイバー・エンド!?」

「驚く事ないじゃないカイザー

サイバー・エンドを誰かに預けてはいけないなんて

サイバー流の内規には無いわ」

 

事も無げに言う極彩。

 

「・・・そこまで天野部長に目をかけているんですか?」

「うん」

「己の魂すら賭けられる程に?」

「・・・・・カイザー、 年長者として君に教えてあげるよ

カードはカードなのよ」

「・・・・・如何言う意味ですか?」

 

ふふ、 と軽く笑う極彩。

 

「よくカードを相棒とか魂とか言う奴が居るじゃない

私はそういうのは如何かと思う」

「・・・・・それはデュエリストに対する侮辱では?」

「あぁ、 違う違う、 これはプラスの責任転嫁よ」

「プラスの責任転嫁?」

「そう、 ”勝てたのはカードの絆が有ったから”とかそういう

勝てた事をカードの”せい”にする事

勝てたのは自分が為した事だからカードを理由にするのは違うでしょ」

「・・・・・」

 

少し考えこむ亮。

 

「そもそも私が強いのはサイバー・エンドを持っているからじゃないしね

君はどうかは知らないけど素で私は強いし

サイバー・エンドを天野に預けていてもまるで問題が無い

君も正当後継者ならばサイバー・エンドに頼る様では如何かと思うよ?」

「なるほど・・・しかしながら1ターン目にサイバー・エンド

聊か性急では?」

「如何だろうねぇ、 これからに期待よ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私のターン、 ドロー!!」

 

メグ手札:5→6

 

「モンスターとカードをセットして永続魔法世界樹を発動してターンエンド」

 

メグ手札:6→3

 

「・・・俺のターン、 ドロー」

 

天野手札:2→3

 

「伏せカードで何とか凌ごうと思っていたんだろうが

残念だったな、 サイクロンを発動!! セットカードを破壊!!」

「チェーンでセットカードを発動!!

手札を1枚捨ててをサンダー・ブレイクを発動!!

サイバー・エンド・ドラゴンを破壊!!」

 

メグ手札:3→2

メグが捨てたカード

桜姫タレイア

 

「聊か性急過ぎたね」

「舐めるなよ!! リビングデッドの呼び声で

サイバー・エンド・ドラゴンを墓地から特殊召喚!!」

「!!」

「サイバー・エンド・ドラゴンでセットモンスターに攻撃!!」

「セットモンスターはロードポイズン

このカードが戦闘によって破壊され墓地に送られた時

自分の墓地に存在する「ロードポイズン」以外の

植物族モンスター1体を自分フィールド上に特殊召喚する

私は桜姫タレイアを攻撃表示で特殊召喚

そして世界樹にフラワーカウンターが一つ乗る」

 

メグLP:4000→1000

フラワーカウンター:0→1

 

「これでターンエンド!!」

 

天野手札:3→2

 

「私のターン、 ドロー!!」

 

メグ手札:2→3

 

「ぃよし!! イービル・ソーンを召喚!!

効果発動!! イービル・ソーンを生贄にしてイービル・ソーン2体をデッキから

特殊召喚して300ダメージ!!」

 

天野LP:4000→3700

 

「そしてイービル・ソーン1体とサイバー・エンド・ドラゴンを破壊して

時花の賢者-フルール・ド・サージュを攻撃表示で特殊召喚!!

植物族モンスターが破壊された事により世界樹にフラワーカウンターが乗る」

 

フラワーカウンター:1→2

 

「自分フィールドのモンスター1体とフィールドのカード1枚を対象として

自身を手札から特殊召喚し、 対象のカードを破壊するカード、 か」

「その通り、 でも全然焦らないね、 何で?」

「サイバー・エンド・ドラゴンは戦闘において比類なき力を持つモンスターだ

ならば基本的に除去するしかない、 幾らでも除去しろよ

その度に墓地から呼び戻すから」

「呼び戻す前にこのターンで終わりだよ

タレイアでダイレクトアタック!! 自分の効果で攻撃力は3200に上昇!!」

 

天野LP:3700→500

 

「ダイレクトアタックを受けたこの時

冥府の使者ゴーズを守備表示で特殊召喚」

「・・・ゴーズ? 何でサイバー流のデッキに?」

「全体除去を喰らった時に立ち直れるようにだよ

効果で攻撃力3200のカイエントークンを攻撃表示で特殊召喚」

「・・・フルール・ド・サージュでゴーズに攻撃」

「破壊されるよ」

「メインフェイズ2世界樹のフラワーカウンター2つ取り除いて効果発動

フィールド上のカード1枚を選択して破壊する

カイエントークンを破壊」

 

フラワーカウンター:2→0

 

「そしてイービル・ソーンを手札に戻して

魔天使ローズ・ソーサラーを守備表示で特殊召喚してターンエンド」

 

メグ手札:3→1

 

 

 

 

 

 

 

 

「あー・・・駄目だこりゃ」

 

飛行機の中で顔を覆う極彩。

 

「何が問題なんだ?

サイバー・エンド・ドラゴンを墓地から蘇生できればチャンスはまだ有る筈」

「天野が持っている墓地からの甦生カードで魔法カードは

死者蘇生、 再融合、 マグネット・リバースの三つ

つまり再融合を引いたら死に札になる」

「・・・・・確かに再融合はライフを800ポイント支払う必要が有る

しかし甦生カードの中で再融合を引くと?」

「引くかもしれない、 と言う可能性があるのに

ゴーズを使うのは如何かと思うよ

確かに全体除去からの再構築に最上級2体を並べられるゴーズは強い

だがしかし再融合を使う為のライフ確保

そしてオーバーロード・フュージョンの素材用にも

速攻のかかしを入れた方が良かったね

まぁ今更言っても仕方ないけど」

「まだ再融合を引くと決まった訳じゃない

他の甦生カードを引く可能性も・・・」

「ここで甦生カードを引けなければ、 やっていけないでしょ」

「・・・・・」

 

 

 

 

 

 

「俺のターン、 ドロー!!」

 

天野手札:1→2

 

「サイバー・ドラゴンを守備表示で特殊召喚!!

カードをセットしてターンエンド!!」

 

天野、 引いたカードは極彩の予測通りの再融合。

無論最悪と言って良い、 だがしかしそれを一切顔に出さずに

即メグにターンを回す。

 

「私のターン、 ドロー!!」

 

メグ手札:1→2

 

「永続魔法、 種子弾丸を発動、 チェーンは?」

「・・無い」

 

一瞬に満たない時間躊躇う。

 

「イービル・ソーンを召喚

植物族モンスターが召喚された時に種子弾丸にプラントカウンターを乗せる

そしてこのカードを墓地へ送る事で

このカードに乗っている

プラントカウンターの数×500ポイントダメージを相手ライフに与える」

 

天野LP:500→0

 

膝から倒れ落ちる天野。

 

 

 

 

 

 

『目的地に到着しました、 御疲れ様でした』

 

飛行機内にアナウンスが響く。

 

「負けた、 か」

 

極彩が飛行機で呟く。

 

「・・・あっさりしてますね、 一番弟子が負けたのに」

「ま、 これで折れるならそれまでよ

それよりも、 まずは自分の事を心配したら?」

 

荷物を持って起き上がる極彩。

 

「それはどういう・・・」

「外に居るよ」

「・・・熱烈な出迎えですね」




天野才覚のデッキ
【甦生メインサイバー】
相手に倒される事を想定して蘇生カードを多めに入れてあるサイバー流デッキ
極彩の信頼厚い為、 サイバー・エンド・ドラゴンがデッキに入っている。


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