アークナイツ 〜Memory of Riderz〜  (スミスエアロ.M)
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プロフィール① ハヤト・ジョウゼン 12月23日更新

主人公のプロフィールをどうぞ。ストーリーが進むと更新していきます。




プロフィール

 

基礎情報

 

「フルネーム」 ハヤト ジョウゼン

 

「コードネーム」 バイタル→Doc(本人の要望より変更)

 

「性別」 男

 

「職業」前衛

 

「戦闘経験」 6年

 

「出身地」 ウルサス

 

「誕生日」 8月15日

 

「種族」 該当なし

 

「身長」 178cm

 

「鉱石病感染状況」 感染者

 

 

能力測定 卓越 優秀 標準 普通 欠落

 

「物理強度」 ■■

 

「戦場機動」 優秀

 

「生理的耐性」 優秀

 

「戦場立案」 普通

 

「戦闘技術」 優秀

 

「アーツ適正」 欠落

 

 

『個人来歴』

ウルサスの研究所での勤務をしていたが、鉱石病に感染し、迫害を恐れて逃亡。その後は衛生兵として傭兵稼業をし、龍門スラムにて診療所を構える。ロドスには本人曰く

 

「定職に就きたかったから」

 

戦闘面では医療知識による適切な応急処置や、体術による敵の制圧を得意とする。人を殺める事を嫌悪しており、ラップランドなどのオペレーターとはソリが合わない。

 

「ラップランドの奴め…何が「殺し合わないか?」だ!この『規制済み』が!!」レフト

「あなたが殺しを嫌悪するのはわかりますが、そんな汚い言葉を使わないでください…あなたらしくないですよ」マッターホルン

 

 

健康診断

 

造影検査の結果、臓器の輪郭に異常はなく、異常陰影も確認できない。循環器系源石粒検査の結果においても、鉱石病の傾向は見えない。しかし、右腕部に源石が確認できる。

 

以上の結果から、鉱石病感染者と判定。

 

「源石融合率」 error

測定不能

 

 

「血液中源石密度」 error

測定不能

 

どうなっている!?こんなことはありえない!許されることなら彼の体を解剖させてくれ!」ケルシー博士

 

「落ち着いてください!ケルシー博士!」医療スタッフ

 

「第一資料」

先民特有の尻尾や耳を持たない変わった男性。IQ400らしく武術にも長けている。

そのためか本来サンクタしか扱えない銃器を使うことができる。しかし本人は使おうとはしない。

元研究員で医者で衛生兵なので、応急処置など臨機応変に対処可能。最近はドクターの過労を見るに耐えかねて、たまに仕事を割り振らせてもらっている。

コードネームで呼ばれることに慣れておらず、呼ばれても気づかなかったり、アナウンスで召集されても行かないことがある。

 

「あれ?事務室にレフトがいない。アナウンスしたけどな…」ドクター

 

「あら、ドクターくんじゃない。ハヤトならさっき宿舎にいたわよ?」グラベル

 

「またか…もう、コードネームで呼ぶのやめようかな?」ドクター

 

「気持ちはわかるわ。たまにいくら呼んでも振り向きもしない時があるから」グラベル

 

「第二資料」

 

「第三資料」

 

「第四資料」

 

「昇進記録」

はぁ…わかっている。戦いに犠牲や殺しは必要なことはな。しかし、一人の医者として言わしてもらうが、本来保護対象である感染者を殺すのはいかがなものかと思うぞ。戦場に綺麗事は持ち込まないのはわかるが、その綺麗事を成すのがロドスアイランドではないのか?

 

バイタルの印

彼が着ている白衣。裏ポッケにはメスが収納できる。替えが何着もあるようだ。

 

「どこぞのもぐり医者みたいに投げるのか?」ドクター

「…なんで、投げるのが前提なんだ?」レフト

 

『特記事項』

彼については今後改訂される可能性がある。

 

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『プロフィール』

 

『レアリティ』星5

『コードネーム』Doc

『陣営』無所属

『性別』男

『職業』前衛

『募集タグ』近距離/火力/爆発力/仮面ライダー

『戦闘経験』6年

『出身地』ウルサス

『誕生日』8月15日

『種族』不明

『身長』178cm

『専門』拳術/医療/源石科学

『鉱石病』感染者

 

 

『特性』

ブロックされない敵*1をブロックする。

 

 

『入手方法』

公開求人

 

 

『個人来歴』

ウルサスの研究所での勤務をしていたが、鉱石病に感染し、迫害を恐れて逃亡。その後は衛生兵として傭兵稼業をし、龍門スラムにて診療所を構える。ロドスには本人曰く

 

「定職に就きたかったから」

 

戦闘面では医療知識による適切な応急処置や、体術による敵の制圧を得意とする。人を殺める事を嫌悪しており、ラップランドなどのオペレーターとはソリが合わない。

 

「ラップランドの奴め…何が「殺し合わないか?」だ!この『規制済み』が!!」レフト

「あなたが殺しを嫌悪するのはわかりますが、そんな汚い言葉を使わないでください…あなたらしくないですよ」マッターホルン

 

 

『再設置』遅い

『cost』20

『ブロック』2

『攻撃速度』少し早い

 

『攻撃範囲』

 

初期

 

 □■

 

昇進

 

 □■

 

 

『素質』

<元死神との稽古>

敵の遠距離攻撃を70%の確率で回避する。

 

「アイツのショットガンに比べたら余裕余裕(震え声)」レフト

 

<???>

????????????

 

 

『基地スキル』

<眠り方を忘れる>

宿舎休養時、回復速度10%低下

 

<徹夜モード>

事務室配置時、事務連絡速度40%アップ。

 

 

『スキル』

スキル1 <『我流』正中線四連突き> 攻撃回復 自動発動

 

次の攻撃時、攻撃力が110〜150%上昇し、4回連続攻撃する。

 

 

スキル2<鉄山靠> 攻撃回復 手動発動

 

発動時、次の攻撃は防御貫通し、攻撃力200〜350%上昇。敵を攻撃方向にかなりの力で吹き飛ばす。

 

スキル3<???> ???? ????

 

????????????????????????

 

『採用契約』

自分の身を守るのに殺しは必要ない。

前衛オペレーターDocこと医者、ハヤト・ジョウゼン。不可能を可能にすることは最高の快楽。

 

 

 

 

*1
ゴースト兵などの地上ユニット。クラウンスレイヤーのすり抜け能力も該当する。




本編は当分待ってね。処女作で『東方魔人録』という小説も投稿しているからぜひそっちも読んでね。

2021年7月24日コードネーム変更。

2021年12月22日第一資料にセリフの追加。ゲームステータス追加。

2022年6月7日 コードネーム変更。スキル3の存在を追加


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プロフィール② 「タクミ・テルイ」

息抜きに描きました。第二章の第五話を読んでからから閲覧をお願いします。
10月4日 後がきの一部削除


プロフィール②

 

プロフィール

 

基礎情報

 

「フルネーム」 不明

 

「コードネーム」 チェイス

 

「性別」 男

 

「職業」 先鋒、前衛

 

「戦闘経験」 少なくとも4年以上

 

「種族」 ハーフ(サルカズとループス)

 

「身長」 162cm

 

「出身地」 不明

 

「鉱石病感染状況」 感染者

 

 

能力測定 卓越 優秀 標準 普通 欠落

 

「物理強度」 標準

 

「戦場機動」 卓越

 

「生理的耐性」 標準

 

「戦場立案」 普通

 

「戦闘技術」 卓越

 

「アーツ適正」 普通

 

「多人数戦闘技術」 ■■■■

 

 

「一体どんな経験を積めばこんなことができるようになるんだろうな」 当時を知る一般前衛オペレーター

 

「彼がカズデルの傭兵の中でなんと言われていたかわかるか?()()()()()()()()()()()()。彼に依頼を頼むのも彼の命を狙うのも命知らずな愚者がする行為という戒めとして付けられた名だ」

 

 

個人来歴

テレジア派として加入した傭兵。バベルでは一番最初に加入したサルカズとして様々な戦果を挙げていった。マチェーテとナイフによる生物を殺すことに特化した戦闘技術がもたらす正面戦闘能力と常軌を逸する暗殺能力を持つ。

 

 

健康診断

 

本人が診断を拒否しているためデータがない。

 

「誰かあのバカを連れてこい。どんな手を使ってもいい」 ケルシー

 

「アイツを連れてくるのは無理ですよ。ドクターの作戦があっても倒せるかどうか…彼が我々を受け入れるまで共に過ごす方が良いでしょう」ACE

 

「第一資料」

サルカズの白い角とループスの尻尾が目立つ少年。その顔に感情はなく彼と相対した者は皆こぞって機械と相手している感覚に陥ると報告を受ける。コミュニケーション能力は欠落していない。人を見る目はあるらしく訓練中に実際に彼に指摘された所を改善すると大幅な技術向上が確認されたオペレーターもいる。意外と戦友と呼べるものも多い。

 

「第二資料」

彼が扱うアーツは『加速』。自身の走力を増強する、短距離瞬間移動を可能にする、剣閃を加速させて衝撃波を放つなど様々な用途がある。予備動作はほとんど無い故に模擬戦にて前衛オペレーターと剣戟を繰り広げていたと思えば突然相手が吹き飛んだという現象が起きた。

 

「あの技ズルでしょ」 当時のぶっ飛ばされた前衛オペレーター

 

「カメラにも映らない剣閃って…なんとか映るように改造するか〜」 バベルエンジニア『クロージャ』

 

 

「第三資料」

多くの戦果や人間性を満たしたことによりエリートオペレーターに昇進した。彼が率いる行動隊C4は偵察から制圧まで実地における作戦行動を遂行できる部隊として多くの功績を残した。この頃になると最初期の邪険オーラ消え去った。無口は治っておらず訓練生や一部のオペレーターには避けられがち。しかし多くのオペレーターが「丸くなった」と口々に話すことから彼が機械と呼ばれることはほぼなくなった。

 

 

「第四資料」

■■■にて行動隊C4の壊滅が確認された。熱による焼死体や刃物による斬殺死体など凄惨な現場が広がっており、現場に向かった救助チームの中には嘔吐した者もいるほど。

チェイスの死体とドックタグだけが見つかっておらず一時は裏切りの可能性が浮上したが、後に彼のナイフを持った焼け焦げた左腕部が発見され戦死者リストに記された。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「奇跡は必ず3回起きるらしい。一度はバベルに拾われた。二度目はギリギリで生き残った。()()()()3()()()()()()()()()()()()()

 

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プロフィール

 

基礎情報

 

「フルネーム」 タクミ・テルイ

 

「コードネーム」 A(アクセル)

 

「性別」 男

 

「職業」 狙撃、前衛

 

「戦闘経験」 少なくとも4年

 

「種族」 ハーフ(サルカズとループス)

 

「身長」 168cm

 

「出身地」 不明

 

「鉱石病感染状況」 感染者?

 

これ以降の情報はロドス加入後に解放される。

 

『加入条件』

「第四章」を攻略する。彼の呪縛を振り切れ。

 

 

 




このプロフィールは後に書き足すことになります。


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オリジナルキャラまとめ

原作のアークナイツには登場しないキャラや組織をプロフィールとは別にメタ的に紹介している話です。ネタバレなどが含まれますので、ご注意ください。


ネジ狂った運命の歯車により、テラの星に現れた者達…彼らが作る新たな未来。

 

『ゲンムラボ』

 

<概要>

・正式名称は『ウルサス秘密研究部門』

・ウルサス化学研究所(ウルサス鉱石病研究所)に存在している研究室であり、その存在はウルサス帝国にも秘匿されている。ウルサス化学研究所の現所長『クロト・ダン』によって作成され、現在は五人の科学者が在籍している。

 

<目的>

・基本的には源石の研究、源石を利用したアーツユニットの作成、治療薬または治療法の研究。しかし、5人がそれぞれ専門としている研究が優先順位となっており、後回しにされがちである。

・本来の目的は源石を使用した兵器や装備の開発を担当する部門として開かれたのだが、所長の根回しにより、研究所の中でも最も自由な部門となっている。

・なお、黒棺には一切関わっていない。全員興味がなかったからである。

 

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『ハヤト・ジョウゼン』

 

<概要>

・我らが主人公。最初に書いたプロフィールと比べて確実に性格が変わっているキャラ。IQ400、護身の心得あり、医療免許を全種取っているという天才。

・傭兵稼業を営んでいたこともあり戦闘経験は豊富。武器は持たずに徒手空拳を扱う。銃器も使用できるがよっぽどのことがない限り使うことはない。

・専門化学は『医療全般』。実は誰にも話していない秘密の技術があるらしい…?

・追加予定…

 

『メタ的解説』

 

・元々は東方魔人録で出す予定のオリキャラであり、サイバーパンク2077に影響を受けたキャラである。(腕がブレード飛び出してくるとかそんなやつ)今作では昭和ライダーの主人公とブラックジャックのような凄腕の医者がモチーフ

・イメージキャラは読者さんのお任せで…本編だとまだ容姿の描写してないんだよな…(2021年12月6日)

 

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『タクミ・テルイ』

 

・2人目の主人公。サルカズとループスのハーフという変わった種族であり、カズテルでは『サルカズの番人にして死神』と恐れられていた人物。

・性格は無口。思ったことを口に出さないタイプだったのだが、ゲンムラボに所属してからは感情が爆発しがちになった。バベルの時と比べると饒舌だしむしろ短気になっている。

・テレジアという人を馬鹿にすると冗談にならないくらいキレる。そのせいでハヤトとガチ喧嘩した。

・専門化学は『銃器研究』。守護銃を使える様に改造したり、新しい銃を作成したりしてる。他所に出すと100%やばいことになるので、気をつけてる。

・追加予定。

 

『メタ的解説』

 

・あんま書きすぎるとネタバレになるのでね。仕方ないね。

・剣とナイフのコンビネーションもカッコイイが、剣を振り回しながら銃をぶっ放す戦い方もカッコイイのでどちらもできるという設定にした。

・仮面ライダードライブの『チェイス』とブラッドボーンの『主人公』がモチーフ。

・戦闘描写はまだないが、実は生身なら今作最強キャラ。ハメ技や弱点がないから絶対に正面から戦う必要がある。

 

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『クロト・ダン』

 

・ウルサス化学研究所所長にして、自称『神』。国の予算で好き勝手やるためにゲンムラボを作った。その時ぐらいに死にかけのタクミと出会う。

・アーツ適正は皆無。その代わり『最上級の神の才能』というものを持っているらしい。そのせいか彼がボソッと言ったことが特効薬の糸口となったり、『体表生成源石の除去術式』を編み出すことができた。なんなんだコイツ…

・専門化学は不明。ガシャットというゲームソフトを作ったりしてる。

 

『メタ的解説』

・このキャラはマジであんまり解説できない。下手に書くとネタバレするから。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

To be continure。

 

 

 




オイッス!復帰のリハビリがてら解説してみました。後々追加しますよ。


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ドーパントまとめ

今作で登場するドーパントがゲーム内で登場した時のリストです。あらが出てくるかもですが、気にしないでもらえると嬉しいです。


〜ドーパントとは?〜

・自身の体にガイアメモリを挿入し、メモリ内のデータを宿した怪人に変化した先民の総称。

・ガイアメモリはかつて、あるファミリーが製造を行っていた。しかし、それを2人で1人のヒーローが打ち破り、ほとんどが失われた。

・なぜテラにメモリがあるのかは不明。しかし、メモリの構造が少し変化しており、高い中毒性と凶暴化に加えて鉱石病の発症が誘発される物となっている。

・ドーパントは強力な力を持ち、姿に応じた能力を保持してるため対処が非常に困難である。

 

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『DP1」

Masquerade・仮面舞踏会

 

攻撃方法:近距離

 

・龍門で犯罪行為をする怪人。正体は普通の人間であり、倒すと爆発する。しかし、使用者は衰弱するだけで死には至らないという一種の安全装置のようなものが組み込まれている。

・能力を持たない量産型。武器を持たないが、常人を遥かに凌駕する運動能力を持つ。なお銃で頭を撃たれても、大きく怯むが、致命傷にはならない防御力を持つ。

 

耐久力:B

攻撃力:C+

防御力:C

術耐性:C

 

備考

・仮面ライダーから受けるダメージが増加する。

 

『某サイト風の解説』

・ステータスはバランスの取れた『流れ者』とあまり変わらないクセにドーパントが登場するステージでは『兵士』や『暴徒』ぐらいのノリでバンバン来る。移動スピードも遅くないので、対処に時間がかかると一気に突破される。まさに怪人。

・タグ『仮面ライダー』がついているキャラだと、バッタバッタと倒してくれるが、しっかり『狙撃』や『術士』で援護しよう。

・余談だが、本家と違って自爆装置が付いてない。流石になにも知らないお客さんを爆発させるのは不味いと判断したのだろうか?

 

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『DP2』

Cockroach・ゴキブリ

 

攻撃方法・近距離

 

・龍門で犯罪行為をする怪人。正体は普通の人間であり、倒すと爆発する。しかし、使用者は衰弱するだけで死には至らないという一種の安全装置のようなものが組み込まれている。

・数は少ないが、全体的にマスカレイドよりも脅威。ゴキブリ特有のスピードは普通の人間には捉えられない。粘液を飛ばすことにより、敵の行動を鈍重にする行動をとることも。

 

耐久力:C+

攻撃力:C+

防御力:D+

術耐性:D+

 

備考

・直線が存在するとき防衛ラインまで高速で移動する。その際『先鋒』オペレーターにブロックされない。なお、高速移動中に仮面ライダージョーカーにブロックされるとスタンする。

・ブロックされると粘液を飛ばし、オペレーターの攻撃速度を低下させる。

・仮面ライダーから受けるダメージが増加する。

 

『某サイト風の解説』

・設定上はマスカレイドよりも強いが、ゲームでのステータスは負けている。

・3マス以上の直線があるとき高速移動を行い、そのまま防衛ラインまで突っ切られるので、必ず『前衛』、『重装』を配置すること。

・ブロック時にオペレーターの攻撃速度を低下させるので、ブロックするなら『重装』、もしくは[仮面ライダー]で対処しよう。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

…追加予定

 

 

 

 

 




これからも登場したら、ここに書いていきます。


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プロローグ

テストも終わったし、初投稿。投稿初日で200越えって…みんな仮面ライダーとアークナイツ好きなんすねぇ。


仮面ライダー…まだ、この星(テラ)が地球と呼ばれていた頃にいた存在。

この頃は『先民』ではなく『人間』という生物が存在していた。

何から語れば良いのだろうか…世界征服を掲げる悪の組織から世界の平和を守るため戦い続けてきた最初のヒーローだ。

ショッカーという最初の悪の組織も誕生した。

 

仮面ライダーは改造人間で孤独だった。しかし、本当の意味での孤独ではなかった。

怪人を倒すため特訓に協力した友。自分の事を思ってくれた彼女。そして、不本意な形なれど、信頼できる戦友。

改造人間が仮面ライダー(ヒーロー)になった瞬間だった。ヒーローとは一人にならず、人々の思いを背負うから仮面ライダーは立ち上がる。

誰かを、人々を、人類を守りたい。だから、仮面ライダーは不滅なのだ。

 

 

しかし、昭和、平成、令和…そうやって受け継がれてきた魂も、この世から消え失せた。今では古い文献を辿らなくては彼らの勇姿を知ることはできないだろう。

そして、天災が起きて…ある日、源石(オリジニウム)という莫大なエネルギーを持つ鉱石が発見された。

先民達はこれまでの遊牧生活を捨て、移動都市を建設し、天災に逃れつつ定住という豊かな生活を送れるようになった。

そして『アーツ』と呼ばれる物質の形を変える擬似魔法のような技術も生まれ、オリジニウムアーツという能力を発現させる者も現れた。

 

だが、この世に表があるように源石にはとんでもない裏の存在があった。

源石は『鉱石病(オリパシー)』という不治の病の元凶なのだ。一度患えば最終的に死に至り、その死体は周囲にいる人間にオリパシーを振り撒くのだ。

 

それ以来、国家は感染者に無慈悲の制裁を下した。身柄の拘束、都市からの追放…だけならどれほどよかっただろうか。国によっては処刑されることも当たり前だった。代表的なのはウルサス帝国だろう。

 

そんなことだから、感染者に居場所も人権も無くなった。感染者同士で身を寄せ合い、隠れるように生きながらえていた。

そんな中生まれたのが、製薬会社ロドスアイランドとレユニオン・ムーブメントだった。

しかし、どちらも新たなヒーローとなることは叶わなかった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

やあ、初めまして。会ったことある人もいるかもしれないな。さて、この物語はある一人の男から始まる。IQ400で、武道の心得あり…おや?どこかで似たような人物がいたような。それはそれとして…

 

 

()()()()()()()()()()()()()()

 

 

ちなみに作者は『仮面ライダードライブ』らしい…もちろん仮面ライダーなら全部好きらしいな。

 

…ん?おっと、そろそろ時間だ。悲しみに包まれた世界で失うはずだった命を救うため、仮面ライダーがテラに蘇る。もちろん、お約束も蘇る…また会おう。

 

そう言って、男は君たちの前から煙のように姿を消した。

 

 

 

 




好きな仮面ライダーをぜひ感想欄で書いてね。コメ稼ぎ?いえ、ケフィアです。では第一話で会いましょう。


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第1章 監獄脱走 ~Prison Break~
第一話 改造手術


俺、参上!というわけでいよいよ本編スタートです。よろしくお願いします。


ハヤトが目覚めるとそこは見知らぬ天井だった。手足は拘束され、冷たいベッドに横にされている。

 

「ここは…どこだ?」

 

すると、蛍光灯の光が目に直接あたり、思わず目を瞑る。

 

「起きたようだな。ハヤト・ジョウゼン」

 

突如、スピーカーごしに老人の声が男の耳に入る。そしてハヤトはここまでの経緯を思い出す。

 

ハヤト・ジョウゼンは少年期にずば抜けた知能指数である『IQ400』を叩き出し、他にも武術、バイクの運転技術など多彩な技能を持ち合わせるいわゆる天才であった。

ハヤトはその頭脳を生かし、ウルサス科学研究所に勤務。そこの教授と共に様々な発見を成し遂げた。

だが、数年前に鉱石病を患い、迫害の脅威を懸念したハヤトはなんとかウルサス帝国を脱出した。

 

その後は、賃金稼ぎのため傭兵稼業をすることになった。衛生兵となり色々な場所を飛び回り、そこで様々な人々と交流を持った。

今では龍門のスラムに診療所を経営している。

ところがある日、何を思ったのかツーリングに天災跡地に赴き、そこで攫われそうになっていた子供を助けようとして難なく眠らされたのだ。

 

こいつ本当にIQ400かよ…

 

「俺をどうするつもりだ!」

「何ぃ、命までは奪わんよ。ただ、お前の体を改造した」

「何!?ふざけるな!そのような人命を穢す行為が許されるとでも!」

お前の意思など必要ない!大人しく受け入れなければお前を殺す!」

 

ハヤトはそう言われグッと罵倒を心にしまった。今自分の生殺与奪を握っているのはアイツだ。アイツの一声で自分は殺されてしまうだろう。

 

「フッ、そう言うことだ。仮に逃げ出したとしてもライン生命はお前を逃さんがな!」

 

その言葉を聞いてハヤトは驚愕した。ライン生命といえば生命科学、化学工業といった分野の開拓、発展に力を入れているという大企業だ。大手企業ゆえに黒い噂が絶えないと言われていたがまさか本当だったとは。

その後、ハヤトは仮面を被った手術医らしき人物に手足の拘束を外され、そのまま部屋に収監される。

 

 

 

と思うじゃん?

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

手錠が嵌められたハヤトは収容部屋ではなく、研究室だった。書類が乱雑しており、紙コップが床に落ちている。

 

「なぜここに?」

「…よし。ここなら監視カメラも盗聴器もない」

 

ハヤトは困惑していた。あの流れなら間違いなく収容されて次の手術を待つだけだったと思っていたからだ。

仮面の男は少し間を開けて口を開く。

 

()()()()()()()()()()()

 

男が仮面を外す。その顔はハヤトにとっては見慣れていて、二度と会えないと思っていた人物だった。

 

「ウルサスの…ヒガシ・ヤナギダ教授!?なぜ!?」

「落ち着け。今の時間は私が身体チェックを行う時間として報告している。無駄話をしている暇ではない」

「俺の体はどうなったんだ!?改造したって?」

「ああ…だが、そうしなければお前は今頃、処分か使い捨てのモルモットになる予定だったのだ」

 

ライン生命にとっては若く身寄りもない少年少女の方が使いやすく教育もしやすい。ではなぜハヤトは生きているのかというと…

 

「ハヤト、これはお前自身のアーツが関係している。だからこうして生きてるのだ」

「アーツだと?俺は鉱石病にかかっても使えなかったのにか?」

「いや、それは…チッ、時間だ。また次の機会にな」

 

ヒガシは仮面を被り、再びハヤトを連れていく。

 

「ハヤト、余計なことはするな。脱走のタイミングは必ず来る」

「わかった。そっちも気をつけてください」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ヒガシと別れた後はここの武装した看守に連れられて、収容室に入れられる。室内には白髪にツインテール、緋色の両眼が特徴の少女と茶髪のロング、右目に入った切り傷が特徴の少年がいた。

容姿を見るに少女はサルカズで、少年は肌が少し明るい茶色だがサヴラだろう。

 

「お!新入りかぁ!お前なんて名前だ?」

「ハヤトだ。お嬢さんの名前は?」

「オレサマはイフリータ!そっちでぼーとしているのは…」

 

寝転がっていた少年はゆっくりと立ち上がり、髪をかき上げながら言う

 

「アマゾン…アイツらからはオメガって呼ばれるけど…」

「そうだアマゾンだ!アマゾンはすごいんだぞ!物知りで優しいんだ!」

「それそれは…子供なのに立派だな」

 

アマゾンが顔をムッとして子供扱いするなと言い再び横になる。とりあえず自己紹介は終わった。とても賑やかなメンツである。

その時にハヤトは二人とも鉱石病に感染しているがわかった。

ダイスケは服で隠れてわからないが左腕部に妙な突起があるだけだが、イフリータは深刻だ。

パッと見ただけで体の至る所に源石が見られる。ハヤトの医者としてのカンがイフリータが長くないことを察知していた。

 

「なんでオレサマをジロジロ見てるんだよ…」

「むっ、すまない」

「それにしても大人がここに来るなんて珍しいな。何かしたのか?」

 

ハヤトは自分がここに来た訳を話した。それを聞いて二人とも苦笑いをしていた。

しばらくするとイフリータが思い出したかのように言う。

 

「そうだ!ハヤトは新入りだろ?じゃあ、オレサマの命令に従え!この部屋じゃオレサマが一番だ!ネンコージュレツとか言うやつだ!」

「イフリータ…それを言うなら年功序列だっての…」

「なるほど…確かに一理あるな。歳は離れてるが、ここではキミが先輩だ。何か俺にできることがあれば言ってくれ」

 

ハヤトはこういう年功序列には肯定的である。ゆえに他人が聞けば、生意気な彼女もハヤトは何も思わず、御もっともなことを言っているだけだと判断する。

ハヤトの返しを聞いてアマゾンは少しを驚く。今まで来た奴は大抵変な目で見て、その後イフリータに燃やされるのがパターンとなっていたからだ。

 

「そ、そうか…出来ることならか…ま、いっか!よろしくな!」

 

イフリータはそう言って手を差し出した。恐らく握手だ。断る理由もないので右手を差し出し、イフリータと握手した。

 

「そろそろ夜になるな。子供は寝る時間だぞ」

「…そうは言ってもベッドが二つしかないぞ。アイツら忘れてるのか?」

 

そう言われると、この部屋にはベッドが二つしかない。案外ライン生命も予算不足なのかもしれない。

しかし、その考えは数分後に無駄となった。部屋の外から女性の声から聞こえてきた。

 

「収容番号AM-01。速やかに退出しろ」

「…きたか。じゃあなイフリータ、サイレンス先生によろしくな。アンタも短い間だったけど元気でな」

 

今日、この日はアマゾンの他の施設に移送されることになっていたのだ。

 

「行くな!オレサマを置いていくなよぉ!」

 

イフリータはアマゾンにしがみつき泣きじゃくりながらそう言う。

 

「大丈夫。すぐに戻ってくるから」

 

アマゾンはニッコリと笑いイフリータの頭を撫でる。その後ハヤトに近づいてそっと耳打ちする。

 

「イフリータを頼む。サイレンスっていう主治医がいるから俺から頼まれたことを言えば協力してくれるはずだ」

 

ハヤトはそれに無言で頷く。アマゾンは安堵したかのように顔を緩ませ、盾を持った女性看守に連れられていった。握り拳を強く握り、歯を食いしばってハヤトはその背中を見送った。

 

 

 

 

 




ハヤト:脱獄する時に一緒に連れて行けるか聞いてみる。

イフリータ:友達が増えた。友達を失った。

アマゾン:また会えるといいな…

サリア:命令には背けない

ヒガシ:■■■■■■ーは蘇りつつある

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ようやっと第一話です。仮面ライダー出てないやん!まぁオチケツオチケツ。第二話をから仮面ライダー要素が入るので待ってろよ〜


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第二話 仮面ライダー

アンケート実施中です。期間はストーリーが相思相殺に入るまで、どうぞ気軽に投票してください。では第二話です。お楽しみください。
そうだ。定期的に活動報告書いているのでよかったら覗いてみてね。


「君は仮面ライダーを知っているかい?」

 

今日の定期検査を始める前にヒガシはハヤトに質問をした。

 

「…急にどうした」

 

仮面ライダー…今よりずっと古い時代の英雄達の総称。そして世界を悪の手から守る物語の主人公である。古い文献を探せば彼らの物語を知ることができるだろう。

しかし、所詮は神話や英雄譚であり、空想の存在であるハヤトは考えていた。

 

「質問に答えろ。答え次第で私が面倒になるか、楽できるか決まるのだから」

 

ヒガシはハヤトの素っ気ない反応に不快感を表しながら答えることを命令する。ヒガシ教授は研究所時代に感情を表に出すことはないに等しかったので、ハヤトは少し違和感を覚えながらも答える。

 

「知ってますよ。でもなんの関係があるんだ?」

「今日の検査の後に終わったら話してやる。ほら、そこで横になれ」

 

ハヤトは一体何を聞かされるのか疑問に思いながら今日の定期検査を受けていく。

 

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「さぁ、話してもらおうか」

「威勢がいいこと。好奇心は猫も殺すんだぞ」

「知らん」

 

定期検査を終えるとすぐにハヤトはヒガシに詰め寄った。ヒガシは両手でまぁまぁというジェスチャーをしながら彼を宥める。

 

「さて、まず初めに…ハヤト。お前、ここに来てどれ位だと思う?」

「うん?7日…だな」

「うん…確かに手術してから一週間は経過している。だが…」

「なるほど。何回か分けて手術したならもっと経っているのか。じゃあ三週間か一ヶ月ぐらいか?」

 

ヒガシはその回答を聞いて、人差し指を立て、指を左右に振りながらチッチッチッと言った。ハヤトはその行動にムカつく。

 

「カッコつけようとしてるところ悪いが、使い方間違えてるからな。それ『違う違う』じゃなくて『言わなくてもいいよ』って意味だからな」

「意味が違っても伝わるからいいじゃないか。さて、先程の問いの答えを言わさせてもらおう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前がライン生命に拉致されて、今日で六ヶ月と一週間になる」

 

ハヤトは深呼吸をしてヒガシの顔を見て、口を開く。

 

「なるほど、六ヶ月か…半年の間意識失ってたんか俺は!?」

「ハヤト、言葉遣いがおかしくなってるぞ」

うるさい!『“ウルサススラング“!!』」

 

ヒガシはハヤトは少し驚くくらいと想定していたが、予想を超えて取り乱され、文字に起こすのも憚れる悪口を言われ、さすがのヒガシも机をぶっ叩きブチギレる。

 

いい加減にしろ!お前言っていい事と悪いことぐらいわかるだろ!

「あっ…スマン」

「全く…看守に聞かれたら大変なことになってたぞ?特にあの女は地獄耳だからな」

 

ヒガシはサリア看守長のことを言っているのだろう。彼女はライン生命警備課の主任であり、生命科学や微生物、アーツの分野においても多数の実績を持つことで知られている。

そしてハヤトが脱走する上で1番の障害となる相手だ。

 

「サリアか。アイツがいたら脱走とか無理そうなんだがな。てか半年も俺に何をしてたんだ?」

「タバコ吸いながら話す」

「は?」(タバコ嫌い)

 

ハヤトは話が脱線する前に本題について聞くことにした。ヒガシは内ポケットからタバコを取り出し、火をつけてゆっくりと吸い話を始める。

 

「お前に施した手術は身体強化、神経伝達速度向上…他にいろいろあるが、主な目的がアーツの暴走を防ぐことだ」

「ん?確か俺のアーツに関連してるって…」

「ああ、そうだ」

 

ヒガシはタバコの火を消して、黒マジックでホワイトボードに文字を書いていく。タブレットなどの電子機器などが主な時代で、今頃アナログな方法を使っているのはヒガシぐらいだろう。無論彼はパソコンもちゃんと使える。頭の硬い老人とはわけが違う。

 

「オリジニウム・アーツにも種類がある。『治療』、『射出』、『強化』、色々あることは知ってるな」

「知ってる。俺に縁がないことも知ってる」

「ただ、お前はどれにも当てハマらない。なぜなら『変身』というアーツだからだ」

「…変身?」

 

ハヤトは傭兵として色々な場所を飛び回ってきたが、変身というアーツは聞いたことも見たこともない。

 

「そうだ。お前が今までアーツを使えなかったのもそれが理由だ」

「どういうことだ?」

「イフリータを知ってるだろう?彼女は点火能力を含むアーツだ。だが、お前のアーツは()()()()()()()()()。通常のアーツは物質の形や性質を変化させるが、変身は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。しかも増え続けるからいずれ体が崩壊する。だから抑える手術をしたのだ」

「なるほど。でもいつか許容量を超えるのでは?」

「ああそうだ。しかしそんなエネルギーにも使い道はある」

 

そう言ってヒガシは席を立ち、部屋の隅にあった金庫を開けて中からアタッシュケースを取り出す。ハヤトはそれが気になりヒガシに尋ねる。

 

「それ、何が入ってんだ?」

「…」

「ん?おーい」

「…ガイアメモリの設計図を参考にし、私が2年と六ヶ月かけて作成した執念の作品…電子情報変身記憶媒体!通称『Trance Memory』だ!

 

ヒガシはアタッシュケースを開ける。中にはL型の装置*1と『night rogue』と書かれた灰色の少し大きめなUSBメモリーが入っていた。

 

「…はぁ」

「何ぃ、しっかりと説明してやるさ。このメモリをこの装置…『Trance Driver』に装着することで、メモリに記憶されている情報をドライバーが認識し、『loading plate』を展開。素体ボディの上から投影していき、仮面ライダーに変身することができる」

「すごいな。神話やら御伽噺やら言われてた存在を蘇らすなんてな。所長が嫉妬するぞ。『神に黙ってこんな物作りやがって!!!』てな」

 

ヒガシは所長の事を聞いて苦笑いをする。彼らがいう所長はウルサスの研究所で働いていたときにいた所長だ。自身には神の才能があると言って、よく暴走する困った人であった。

しかし、国民栄誉賞を取れるぐらいすごかったので、ハヤトはこの時天才は変人ばっかだと悟った。

 

「まぁ、装置は未完成だがな。でもプロトタイプがある。そこでだ。お前にはチェルノボーグにある私の家から入手してきて欲しい。その後はその時伝える」

「待って?さらっと俺に何の片棒掴ませる気なの?」

「わからん。所長に伝えられただけだか…ムッ、時間だ」

 

ヒガシはハヤトに手錠をかける。そして看守に引き渡し、ハヤトは収容室に戻された。

イフリータは寝ていたので、ハヤトは今までの情報を整理する。

 

半年間の手術によって自分の体が改造されたこと。

自分のアーツが『変身』という特異なアーツであること。

自分の上司が仮面ライダーを復活させたこと

自分に何かに巻き込ませようとしていて、それにあの所長が関わってること

 

このぐらいだろう。情報量が半端ではない。それに検査とは別に点滴みたいなの打っていて疲れた。ハヤトは睡魔に襲われ、少し硬いベットに身を任せ、夢の中へと誘われる。

 

 

 

 

 

 

 

*1
形状は仮面ライダーWに登場した『ロストドライバー』に似ている。




補足です。
ヒガシはイフリータの手術に関わってません。前任者から引き継いだだけだし、生体兵器に興味はなく、一応身体検査はしていましたが、ハヤトが入ってきたのですっかりほっとかれてます。

本編では描写されてませんが、サイレンスにとってはイフリータが変なことされなくて済んでるので、少し安堵している様子。しかしハヤトに対して心配しているみたいです。
サリアはまだライン生命の闇に気づけてません。いつ頃気づけることやら。

さて、ようやく仮面ライダー要素出せましたわ。この世界では仮面ライダーはロストテクノロジーなので本物は余程のことがない限りありません。しかし人の手で生み出された仮面ライダーは設計図が残っている可能性あるので、理論上作ることが可能みたいですよ?素材がありませんがね!

では第三話でお会いしましょう。


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第三話 夢

三話目にして第一章の終わりが近づいてきました。(展開が)早いねぇ〜。ではお楽しみください。ハヤトが夢を見るっぽいですよ。


「ここはどこだ?」

 

ハヤトが目を覚ますとそこは崩落した建物が乱立する町が広がっていた。少し歩くと何人もの死傷者があたり一体に転がっていた。まるで戦争が起きたような異様な光景だ。そして転がってる死体を服装を見て思わず声が出た。

 

「このロゴは…こいつらロドスの連中か?それにこの仮面…レユニオンだ」

 

ロドスは製薬会社だが各地の感染者の問題を解決する武装組織だった。しかし、なぜレユニオンがこんな戦地にいるのかわからない。奴らは感染者が身を寄せ合ってデモするだけの集団だったはずだ。

他にもいろんな組織の死体があった。カランド貿易、BSW(Black Steel Worldwide)、ペンギン急便、龍門、炎国、サルカズ傭兵団そして…

 

「なんで…アイツらも…」

 

ライン生命の看守長のサリアと彼女の主治医のサイレンス。それに加えて同じルームメイトのイフリータもいた。

 

「夢だよな?夢でないと困る」

 

大きく動揺したが、所詮は夢だ。目が覚めればいつも通り我が強い彼女と会えるだろう。

 

「でも何でだ。夢なのは確実だが、妙に現実味がある。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

ここがハヤトが一番気にかかっていた部分。まるで警告のような予知夢。そんな感じでハヤトは思考をぐるぐると回していた。その時だった。

 

「どう?何かわかったかな?」

「!?…誰だ?」

 

後ろから突然話しかけられ、ハヤトは咄嗟にその方向に振り向く。そこにいたのは一人の青年だった。

 

「ごめん。名前は覚えてない」

「そんなことある?」

「自分は王様ってことはわかるんだけど…」

「そんなことある?」

 

この少年突然現れたと思えば名乗れないわ王様だわでハヤトの信頼はどんどん落ちていく。

 

「とにかく。何かわかった?」

「…感染者と非感染者同士の戦争。ここで死んでる奴らは荒事繋がりの組織」

「…他には?」

「さぁ?ここは崩壊しすぎて何処なんかも知らない。てかアンタもちょっとは考えようぜ?」

 

ハヤトがそう返すと青年は頭を傾かせ考える。

 

「そうだな〜これ戦争じゃないと思うよ」

「へぇ。何で?」

「戦争は起こったと思うよ。だけどそれならどっちか勝ってるでしょ。でもロドスのCEOもレユニオンのボスもみんな死んでる」

「…()()()()()()()()()()()()()()()()()()

そう!正解!

 

青年はパチンと手を叩き、こちらに指を指す。どうやらクイズだったようだ。ハヤトは呆れる。

 

「付き合ってやったんだ。クイズの景品はないか?」

「そうだね。これあげる」

 

そう言って青年はポケットから何かを取り出す。どうやらストップウォッチみたいだ。青年はその時計の外枠を動かすと付いているボタンを押す。

 

『JOKER』

 

電子音声が流れると、青年はそれを宙にあげる。すると時計は空中で留まり、ぐるぐると回転する。しばらく回転すると回転は止まり、青年の手に落ちてくる。ストップウォッチだったそれはハヤトがよく知る形へと変わった。

 

「トランスメモリだ」

「ガイアメモリね。あとこれも」

 

そして青年はハヤトに装置を渡す。これも見覚えのある物だった。

 

「ドライバーもか?」

「そう。君は天才医師でしょ?なら差別という星の病を治してごらん。そのための力は与えたから」

 

そう言って青年はどこか遠くに行こうとする。

 

「待ってくれ!まだ聞きたいことが!」

 

ハヤトの叫びに青年は足を止める。こちらに背を向けたまま一言言った。

 

「人類の可能性を証明して見せろ!■■■■!」

 

そこでハヤトの視界は真っ暗な闇へと包まれた。

 

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起きろーハヤト。起きろ!オレサマの命令だ!起きろ!

「…んぁ」

 

イフリータの声でハヤトは目を覚ます。声がする方を見ると手を振り上げていた。

 

「お!やっと起きたか!ずっとうなされてたから心配したんだぞ?」

 

イフリータは指を合わせて言う。ふと夢での光景が浮かぶ。ハヤトは目をこすり再び見るとそこには元気な彼女がいた。

 

「あぁ。変な夢見ててな」

「え!オレサマも変な夢見たんだぞ!」

「ほう。どんな夢だった?」

 

イフリータはあごに手を当て夢の内容を思い出そうとする。

 

「んー…だめだ!なんか戦ってたような…」

「どんな奴と戦ってたんだ?」

()()()()()()()()()()()()()!」

「そ、そうか」

 

まさかだと思うがイフリータも同じ夢を?そう考えたハヤトは同じように自分の見た夢の内容をぼかした。

 

「なんか変だな。同じような夢を見るなんてな!」

「そうだな」

 

その後はいつも通りまずい飯を食って検査の日々。だけどアマゾンの願いは叶えそうになかった。ヒガシに断られたのだ。よってイフリータは連れていけないことになった。

そして脱走まであと一週間。イフリータにお別れを告げずいた。

 




いよいよ第一章最後です。果たしてどうなるか。では第四話でお会いしましょう。

2021年7月30日 表現の変更


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第四話 脱走

第四話です。怒涛の展開をおたのしみください。アマゾンズおもろいのう!


脱獄決行日。ハヤトとヒガシはいつもの研究室にいた。結局イフリータにはお別れは言えてない。

 

「さて、ここから抜け出してもらうぞ」

「はぁ…」

 

ちなみにハヤトはこの日まで計画については何も聞かされていない…それでいいのか。ハヤトは目を細ばめロンゲの上司に尋ねる。

 

「ここから抜け出すのは分かるがどうするんだ。抜け道とかあるのか?」

「そんなものはない。入り口から堂々と抜け出す」

「んなことしたら看守に…あ、退()()()()()()()()()()()()()

 

ライン生命は医療組織だ。人体実験をしてるとはいえ、鉱石病治療が目的なので流石に下手な真似は出来ないとハヤトは考える。しかし、ヒガシは首を横に振る。

 

「いい考えだが、自分の立場わかってるか?本来ならお前はモルモット。私の実験が終われば即処分される。そんな状況なんだぞ」

「な、なら外部に告発すれば…」

「それも無理。研究員ですら社内機器しか使えん。通信機なんてもってのほかだ」

 

治療完了として退院するのは無理。外部からの連絡も無理。そもそも外に出ることすら危うい。八方塞がりだ。ハヤトは頭を抱える。

 

「じゃあどうすれば…」

「方法ならあるさ」

 

そんな泣き言を呟くハヤトをよそに、ヒガシは口元を歪めながらはポケットから黒い装置を取り出す。どうやら何かのリモコンみたいだ。

 

「それはなんだ?」

「これか。これはな…()()()()()。これで一波乱起こす」

 

確かによく見れば遠隔式爆弾のリモコンということがわかる。ハヤトも傭兵時代にこれでトーチカをぶっ壊していたところを見た事がある。しかしこれだけでは研究所を制圧できるはずがない。

 

「無理だ。相手は武装した看守だ。それにここは広い。爆弾一つでどうにかで…」

「実はだな。本来なら私たちは今頃ここにいない。ガラスもない無菌室で手術しているんだよ」

「…え?」

 

相手はライン生命。上層部はハヤトを逃すつもりはさらさら無い。警備もサリア看守長を始め、熟練された看守が装備を固めて巡回している。同期の研究員も協力どころか、最悪、上層部にチクるだろう。それに加えオリジムシすら抜け出せぬ研究所内部。どこぞの映画みたいに外部からの協力も不可。()()()()()()()()使()()()()()()()()()

 

ヒガシの計画はこうだ。まず無菌室を爆破する。ヒガシの上司はマジで結果報告のレポートしか見てないので無視。他の研究員は自分の実験で忙しいので危険性は薄い。看守は爆破音を聞いてすぐにそこに急行するだろう。

その隙に二人が入り口まで走って抜ける。監視カメラはヒガシの部屋にあるEMP装置を起動させて突破する。

 

待て。EMP装置とか初めて聞いたんだが。どこにあるんだ」

「ん?そこにあるだろう?」

 

ヒガシが指を指す方向には白と黒の二つの冷蔵庫があった。ハヤトは?を浮かべる。

 

「冷蔵庫にしか見えないぞ?」

「あの黒いのがそうだ。ほら」

「え?あれが!?」

 

ヒガシが黒い冷蔵庫の戸を開けると中にはゴツゴツした機械が入っていた。思わずハヤトは声を荒げる。

 

「話戻っていいか?」

「あ、ああ…」

 

話を戻す。施設内を出た後は駐車場*1に停めてあるバイクに乗ってチェルノボーグまで運転。入国審査官に賄賂を渡して移動都市に入り、ヒガシの家に向かう。

これが脱獄計画の全てだ。

 

「さて、覚悟はできてるか?」

「…当然だ。作戦は明日だ…」

 

そう言ってヒガシの方に顔を向けると、ヒガシはリモコンの起爆スイッチを捻っていた。

 

え。ちょ!

 

 

BA-DOON!!!!!!!!

 

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突然だった。いつも通り何事もなく巡回が交代する時間だった。ジリリリリ!とけたたましいサイレンが施設内に鳴り響く。サリアは中枢室に向かいアナウンスを流す。

 

「施設内にて爆発が発生!全警備職員は現場に急行!厳戒態勢を敷く!侵入者は確認次第確保しろ!」

 

サリアは自身の装備を持って部下の元へ向かう。

 

「サリア看守長。装備完了しました」

「わかった。お前たちは現場に向かえ。数人は私と来い」

「看守長は何を?」

「…収容者が逃げ出す恐れがある。収容所エリアに向かい警備する」

「了解しました。行動を開始します」

 

そうして重い装備を身に纏った看守達は爆破現場に向かう。

サリアにはこの爆破に少し心当たりがあった。巡回中にヒガシ研究員の実験室の中で脱獄というワードを聞いた。扉越しとはいえその言葉は聞き捨てならなかった。その翌日にこの騒ぎだ。予測で動くのは自分らしくなかったがそうも言ってられなかったのだ。自身の仕事は研究所の警備。それを改めて確認し走り出した。

 

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ところ変わってハヤト達は全速力で走っていた。

 

「アンタマジかよ!百歩譲って今爆発させたのはいいがその後自分の研究室を燃やすなんてな!」

「私の研究データを他のやつに取られないための苦肉の策だ」

 

あのあとEMP装置を起動させて室内に油を撒きマッチで燃やしたのだ。放心しているハヤトにビンタをかまして試作品を入れたケースを持って走っている。

 

「ここ真っ直ぐ行けば駐車場につながる入り口に出れるんだろ?」

「ああ…()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

ハヤトとヒガシの前に立ち塞がったのは大楯を持ったヴイーヴル…サリアだ。それに後ろには2〜3人の警備員。突破は限りなく不可能に違いないとハヤトは確信する。しかしヒガシは白衣の裏ポケットからリモコンを取り出しスイッチを捻る。すると二人の後ろにある収容室の戸が吹き飛んだ。ハヤトはギョッとする。

 

「おい!あれは!?」

「こんなこともあろうかと空室に爆弾を仕掛けておいた。サリアは私に任せろ。後これバイクの鍵と入国用の賄賂だ…さっさと行け!ヒヨッコ!

 

ハヤトはヒガシから鍵と財布を受け取りヒガシの方を振り向かず走っていく。ヒガシはため息をつく。

 

「全く。お前さん嫌いなんだよ…勘がいいんだか、話を聞いてたか…」

 

サリアは部下に入り口に向かうよう指示をする。そしてヒガシに向かいあう。

 

「なぜあなたが脱獄の手伝いを?」

「黙れ。貴様なんぞに答える筋合いなどない。まぁおかげで少し俺が楽できるか…」

 

ヒガシは白衣のポケットに手を入れる。武器の警戒をしサリアは臨戦体制をとる。ポケットから取り出したのは()()U()S()B()()()()()()()()()()()()

 

「立てた計画とか方針を無茶苦茶にされるのはな。どうしようもなくイライラすんだよ

 

『WHETHER』

 

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ヒガシ置いて入り口に向かう。そこにはさっきの看守が待ち伏せていた。装備は一人はクロスボウ。二人は警棒。看守は警棒を右手に持ってハヤトに振るう。ハヤトはそれをいなし次に繰り出された左ストレートを避けて左手首を掴み引っ張る。もちろん相手はこちらに引き込まれるためその勢いを使い肘で首を打つ。

 

「オゴァ!?」

 

続いてもう1人の看守が警棒を斜めに振るう。最初の看守より振りが遅くそしてクロスボウでこちらを狙っていることから、看守の振るう死角に潜り込み、股間を打って怯んだ時に後ろに回り首を絞め盾にする。ちょうどクロスボウでハヤトを撃っていたらしく矢が盾にしている看守の右胸に当たる。

 

「グワァ!」

「な!?」

 

味方を誤射して動揺している隙をつき、盾にした看守の拘束をとき背中に前蹴りをお見舞いする。その後すぐに離れた相手に向かい、飛び蹴りを頭部に食らわす。ヘルメットを装着していたがそれでも威力は高く1mちょい吹き飛んでいった。

 

「フィー」

 

ハヤトは息を吐いて研究所の外に出る。そこには変わった形状のバイクが停めていた。

 

「このバイクか。『()()()()()』か…良いねぇ」

 

ハヤトはボイルダーに跨る。不思議としっくり来た。

 

「よし。いくか!」

 

ハヤトはボイルダーで走り出す。ヒガシ博士の覚悟を無駄にはできない。向かうはチェルノボーグだ。

 

「それにしても早いな!何キロでて…400km!?なんで運転できてんだ俺!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1
本来はないのだが、ヒガシが実験の産物として置いている。




第一章完です!サリアのキャラこれで大丈夫かなぁ!サイレンスさんも結局登場させられなかったし!アアアアアアアア!
さてとりま次は次回予告と方針でも書きますわ。
ちなみにイメージソングはKAMEN RIDER memory of heroezの『Over Again』です。
あとよかったら感想と評価お願いします。


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第二章 暗黒時代〜A jump to the sky turns to a rider kick 〜
次章予告+第一章を振り返って


次章のMemory of Riderzは。

 

研究所を抜け出したハヤトはヒガシ博士の実家に向かう。

そこでハヤトがみるのものとは?

そして始まる暗黒時代。

レユニオンの影に隠れた大きな陰謀

そして世界にばらまかれるメモリ

物語は動き出した。今こそ復活の時。

メモリに刻まれたライダーの歴史が今再び蘇る。

 

これは理想貫く戦い。

 

これは先民を救う戦い。

 

これは過去を取り戻す戦い。

 

これは定めの鎖を断ち切る戦い。

 

この戦いの結果は二つに一つ。

 

全てを滅ぼすか。全てを救うか

 

「変身!」

 

第二章 暗黒時代〜A jump to the sky turns to a rider kick.〜

 

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どうも。こっちでは初めましてです。作者のスミスエアロです。

 

第一章終わりましたね。いや〜大変だった。何しろだいぶ勢いで書いてますしおすし。

原作キャラ書くの難しいですね。RTAニキはすげぇなぁ。自分あんな感じに書きたいですよ。

でも自分なりに頑張ってみます。泣き言はここまでにしましょう。愚痴なんて聞いても面白くないですからね。

 

自分の中で仮面ライダーはなんか他の作品とは違うと思うんですよ。アニメとかドラマとかを全て含めて一番好きな作品はなんですか?という質問があるじゃないですか。

その時にいろんな作品が頭に思い浮かぶんですけど、()()()()()()()()()()()()()()()()()()なんとゆうか違うんです。嫌いなんじゃなくて、好きと思うのが当たり前になってるのです。

もちろん好きじゃない人もいるかもしれません。この小説の存在を不愉快に思っている人も中にはいると思います。

 

仮面ライダーは気軽に楽しめて物語も深い。自分は鬱展開が苦手なんですよ。だからそういう小説読んでいる時も心のどこかで

 

「アーカード来て全部ぶっ飛ばしてくれないかな〜」

 

なんて考えてるわけです。とにかく強くて言動もカッコイイキャラってよくないですか?それでも時々苦戦して血みどろになりながらも「ただいま」って言ってくるキャラは最高だと思うのですがどうですかね?

まぁ「大丈夫」なんて言って全然大丈夫じゃないキャラもいいですけどね。わかるマンいますかな?

戦場で生まれて戦うことしかできなかった子供が少しずつ平和な暮らしを学んで行って丸くなるストーリーもいいなぁ…それは他の人に任せます。

 

次は第二章。ここから原作ブレイクが激しくなります。怒涛の展開が君を待つ!!!

感想と評価ヨロです。近況報告も書いてるのでそっちもよろしく〜

 

 

 




2021年 1部の文章を削除


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第一話 帰宅と漫画

第二章始動。物語は動き出す。伝説は今再び動き出す。こっからトップギアだぜ!!


バイクでしばらく走るとチェルノボーグが見えてくる。もちろん警備は厳しいのでウルサス入国審査官に賄賂を渡し精密検査をパスする。チェルノボーグはハヤトの生まれ故郷だ。ウルサス鉱石病研究所またの名をゲンムラボもここにある。

 

さて、ヒガシからは自分の家に向かえと言われているが流石に夜も老けた。とりあえずハヤトは自分のアパートで一夜を明かすことにする。だが、ハヤトにはその前にやることがあった。そう、何を隠そう、今日は彼のお気に入りのマンガの最新巻が入荷する日なのだ。ハヤトは馴染みの本屋に向かう。

 

ハヤトがいつも行っていた本屋は個人経営の店だ。大手だと入荷できない本もこういう店なら買うことができる。閉鎖的で緊迫感のあるウルサスだからこそ個人経営の店は貴重なのだ。無愛想な顔立ちで禿げているおっさんがこの店の店主でおやっさんという愛称で呼ばれている。

 

「こんばんは〜おやっさん」

「あぁ?ああ…ハヤトさんか。半年も何してんたんだ?」

「少し野暮用でな。ところで()()ある?」

 

店主はニヤリとさせ店の奥に姿を消す。しばらくすると紙袋を持った店主が出てくる。

 

「ああ。あんたのために取り置きしておいた。にしても『空我』だっけな?こいつを入荷してから売り上げは鰻登りなんだ」

「そりゃ、この国だと表現の規制でちんちくりんな物しかないからな。禁書本でも面白い漫画が読みたい奴もいるからだろ」

 

空我。オリジナルとは異なり、いわゆる二次創作物なのだが現在裏ルートを通じて世界中で大人気のマンガだ。

主人公は健常者で世界をバイク放浪する旅人。しかし怪人に襲われ遭難してしまう。そこで運よく雪の民族に助けられるが主人公が健常者のためすぐに出て行くように言われる。ここで怪人が現れて民族が襲われ、恩を返すため民族の秘宝『アークル』を装着。空我へと姿を変える。

そして白うさぎの長やその父。雪の民のみんなと共に怪人に立ち向かう物語だ。

 

もちろんほとんどの国では禁書扱いだ。そのため作者も出版社もどこなのかわからない。しかし、単純にアクションや物語の描き方が素晴らしいためかなりの人気を持っているのだ。

 

ハヤトは店主に余ったお金を払って本の入った紙袋を持って自宅に帰る。一年ぶりに帰った我が家は綺麗に掃除されていた。大家さんに2年分の家賃を払っておいて正解だった。

部屋の電気をつけ漫画を読み始める。最新巻はボウガンを変化させて敵を遠距離から狙い撃つペガサスフォームが登場した。

 

「フィ〜やっぱ面白いな。あの神(所長)が手放しで褒めることはあるな」

 

漫画もあっという間に読み終わり手持ち無沙汰になる。

 

「あ、明日ヒガシの家行かないとな」

 

この男完全にこの国の情勢を忘れていた。ハヤトも昔なら関係ないが今では感染者。さっさとおさらばしなければ捕まって鉱山送りにされてしまう。

 

「ん?今思ったけどヒガシ教授あんな性格だっけな。もうちょっと融通が効かないというか…あんな策士じゃなかったような」

 

ハヤトはヒガシ教授の過去を思い出していた。ゲンムラボ時代は良くも悪くも所長の助手というか。ロストテクノロジーを蘇らせるほどの頭脳は持ち合わせていなかったはずだ。まるで所長と同じレベルの研究者に助けられたような…

 

「いや待て。所長が手伝ったのか」

 

所長がこのことに関わっているなら納得できる。ただの杞憂だったようだ。

ハヤトは明日に備えて眠ることにした。所長の考えていることは明日わかることになるだろう。

 

 




いかがでしょうか?ウルサスはソ連がモチーフとされているのでこんな感じなりました。にしてもこの主人公漫画買って家で読むとか呑気すぎないか?こいつ脱走犯やで?
ちなみにレユニオンの侵攻はまだ起きません。今はまだ。
では第二話でお会いしましょう

空我:世界中で大人気だが感染者迫害の邪魔になるので各国で禁書扱いされている。しかし警察といった組織は大々無視してる。彼らも読みたいからね。仕方ないね。なお考えは変わらない模様。


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第二話 思い出、いたずら、変身

今アンケートは現在35票です。50を超えたら締め切ろうと思います。さてさてどうなる第二話。


翌日。ハヤトは比較的マジメな警察官の巡回が少ない微妙な時間帯の夕方に向かうことにした。太陽が赤く輝き、場所によってはロマンチックな光景が見れるのだがそんなのは気に留めずボイルダーでヒガシの家に向かう。

チェルノボーグはとても広い。バイクや自動車がなければ、バスやタクシーに乗らねばらない。しかし、この国ではどこで見られてるかもわからないので慎重に行く必要がある。戦争と迫害がなければいい国なのだが。

 

「そういや…ヒガシの家に行くの久しぶりだな」

 

研究員の頃はよく所長の独断でヒガシの家にそれぞれ食材やらボードゲームやら持ってきて飲み会を開いていた。研究所はいろんな実験レポートや開発途中の機器などもあるので、酒の勢いで何かやらかしたら地獄を見るからだ。参加するやつはいつも決まっていて、それぞれ持ってくるもので個性が出ていた。

所長こと『クロト・ダン』はやたら高い酒や自作ボードゲーム。

サルカズで元傭兵らしい『タクミ・テルイ』は白菜の漬物やらオリジムシの干物などの保存食。

鉱石病研究の他に老古学研究でたまに数ヶ月ぐらいいなくなっていた『リュウ・ゴダイ』はわけわからん仮面とか腕輪とか写真。

 

「せめて食材持ってこい!!!」

 

とヒガシに怒鳴られていたのは今でも鮮明に思い出せる。ちなみに俺はありったけのお菓子を持っていってた。あの三人は何をしているのだろうか。黙って出ていってしまったので再開したら多分よく分からない実験の副産物を飲まされそうだ。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

そんな感じで物思いに耽りながら運転するとヒガシの家に到着していた。最後に来たのは一年前くらいだが何も変わっていなかった。最初に来た時は

 

「独身のくせに一軒家とは」

 

とか思いながら悪意の目線を送っていた。その視線に気づいたあのヒガシの顔は今でも忘れられない。

ドアには鍵が掛かっていたのでいつもどうり窓から入ることにした。窓の鍵は掛かっていないので容易く室内に入ることができた。ちなみに宴会の時もこの手口である。

中は足の踏み場が無いほど書類やらゴミで散らかっていた。どうやらよほど研究に没頭していたみたいだ。しばらく周囲を見渡しているとデスクにつけっぱなしのパソコンに目星をつける。床に散らばった書類を集めながらパソコンに向かう。机周りは埃が溜まっているが掃除していないだけでちょくちょく家に帰ってきていたようだ。

 

「パソコンか…電気代やばいだろうなぁ。あ、そうだ」

 

パソコンはつけっぱなしでログインもされていた。そこでハヤトはパソコン内のデータを漁ってヒガシの秘蔵ファイルでも探して性癖を知ろうと考えついたのだ。無断で体を改造したからこれぐらいのいたずらはいいだろう。中学生かな?

ハヤトは椅子に座って足を伸ばす。すると足に何か硬い物が当たった。

 

「ん?…なんだこれ」

 

デスクの下を見ると平均より少し大きいケースが置かれてあった。まるでハヤトの行動を予測していたような置き方だった。ヒガシはハヤトがパソコンに触ろうとするのはお見通しだったのか?そう思いハヤトは少し身震いをする。

ハヤトはパソコンの前にケースを調べることにする。取手のついた蓋、箱の封をしている金具と鍵穴、無骨な鉄のアルミのケースだ。

ハヤトはケースをデスクのしたから取り出し広い場所に置く。鍵は掛かっていないようなので金具を外してケースを開ける。

 

中には()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「これがプロトタイプ?それにこの箱は…」

 

ハヤトは何かに惹かれていた。黒い小箱から目が離せない。頭の中で早く、早くとささやいているような気がする。ハヤトは息をするのも忘れて小箱を手に取って蓋を開ける。中には透明なメモリが入っていた。

 

「…え?」

 

いつまにかあの感覚は消え室内は虚構に満ちる。なんだったのだろうか。蓋を閉め元の場所に戻す。下手に触るとひどい目に遭うのは研究員からの常識である。ケースをよそにやってパソコンをいじり始める。

 

「えーと。エクスプローラーから…なさそうだな。腐っても研究一筋か…」

 

エクスプローラーからソレっぽいファイルを探すが見つからない。この際気になる物を読むことにした。

 

「実験記録…みてみるか」

 

ハヤトは実験記録というファイルを開くことにした。

 

〜実験記録❶〜

開発が一通り完了したのでここにレポートを書く。なおこれらのレポートはのちに別にPCに移動させこちらは削除する。

『ガイアメモリ』

ライン生命に勤務していた時にトランスポーターから受け取った設計図をもとに『マスカレイドメモリ』を作成。

人体のどこからでも挿入可能で一度挿入するとプラグイン跡が出現し以降はこの部分にしか挿入できないようになる。

<効果・副作用>

非感染者の成人男性に使用。その状態で運動能力検査をした結果プロアスリートレベルに運動能力が上昇。その後、使()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。その後の精密検査で鉱石病に感染することを確認。これ以上の実験は中止とする。

<まとめ>

どうやら中に記録しているデータをもとに戦闘体を作る。つまり即展開の装備、もしくは簡単に戦闘員を作る道具。裏の仕事や傭兵達に売れば大儲けするだろうが、こんな物が世に出回ったら大変なことになる。

しかし、分析が進めばこの技術を使い新たなメモリを作ることが可能なのでは?血中内の原石を大幅に活性化させるという効果があるが対策に心当たりがある。()()()()()()w()()()()()()()()()()()()()()()

 

「あいつ。こんな物作ってたのか」

 

ハヤトは驚愕する。あのメモリ社長と共に作ったと思っていたからだ。そして設計図が送られたとあるがそいつは誰だ?なんの目的のために?

ハヤトは次のレポートを読もうとする。その時だった家の玄関からドンドンとドアが叩かれる音が聞こえてくる。

 

「誰だ?」

 

ハヤトは玄関に向かう。すると()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「は!?」

 

もしや警察にバレたか。ハヤトはケースを持って窓から逃げようことにする。家の近くに自動車が止まっているので秘密警察か?この国ならあり得る。というか誰であれ捕まったらろくなことにならないだろう。

ハヤトは止めてあったボイルダーを走らせ行方を知らせないように遠回りをしながら自宅に帰宅する。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

アパートに帰ってバイクにブルーシートを被せる。自分の部屋に戻って手に持っているケースを目にやる。

 

「持ってきてしまった…これどうすれば」

 

ハヤトは勢いで持って帰ってきたケースを机に置き頭を抱える。こんなわけわからない物に質問されたらなんて答えていいかわからない。確実にめんどくさいことになるだろう。所長からの連絡も来ていない。

ハヤトは改めてケースを開ける。中は変わっておらず装置とメモリの入った小箱が入っているだけ。ハヤトは装置を手に取り腰にあてがう。

 

『DRIVER ON』

 

するとベルトが展開され腰に収まった。

 

「すごいな。自動で巻きついて勝手に調節してくれるのか。バックルにメモリを挿すのか」

 

ハヤトはベルトをつけたまま小箱を開けようとする。その時外から悲鳴が聞こえてくる。

 

おい!何をするんだ!やめろ!」

 

ハヤトは何事かと思いベルトを着けたまま外に出る。そこには黒い覆面の男が集金回収途中だった大家さんの首を締め上げている光景が広がっていた。大家はそのまま首を捻じ切られ凄惨な現場がアパートの通りに広がる。ハヤトは目の前の出来事に戦慄する。

しかしすぐに男はハヤトに襲いかかる。看守とは比べ物にならない速度で拳が振われ、隙をつき蹴りを叩きつけるも怯みもしない。武器がない以上あの男に効く攻撃はない。ハヤトは一旦自宅に退避しドアに鍵をかける。しかしこのままではドアは蹴り破られてしまう。ハヤトは覚悟する。あれを倒さなければ自分を殺した後もこの街で殺人を繰り返すだろう。色々問題はあるとはいえ生まれ故郷をあんな奴に踏み躙られるわけには行かない。

ハヤトは小箱を開けてメモリを取り出す。すると透明だったメモリが黒く色が変わっていきJという頭文字に『JOKER』と刻まれた。

 

「ジョーカー。これが俺のメモリ…」

 

ついにドアが蹴破られ男が入ってくる。ハヤトは不思議と冷静だった。ジョーカーメモリをバックルにあるホルダーに挿入する。ブオォォンという待機音がなり傭兵時代の感覚が蘇る。男は目も前の行動に困惑していたがしびれを切らし襲いかかる。

 

「変身」

 

メモリの入ったホルダーを外に開く。すると男は吹き飛び玄関まで吹き飛ぶ。男が顔を上げるとそこにいたのは黒い体に真っ赤な眼。額に輝くV字の銀プレート。仮面ライダージョーカーがそこにはいた。

ハヤトは男に対して指を指す。そして心の赴くままにその言葉を発した。

 

 

「さあ…お前の罪を数えろ」

 

 

 

 

 

 

 




ジョーカーの意味は一つは『道化師』様々な姿に自身を変化させ周囲を欺く記憶。
二つ目は『切り札』どんな状況も順応し全ての問題を切り抜ける記憶。

感想と評価お持ちしております。書き方に問題があれば指摘してもらえると嬉しいです。



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第三話 運命のジョーカー

第三話です。夏休みも終わりを迎えようとしていますが完結目指して頑張ります。今回の戦闘はちょっとあっさり目に行きましょう。


男は体勢を立て直しハヤトに襲いかかる。ハヤトは男の左ストレートに合わせ右腕でパンチを繰り出しクロスカウンターを決める。パンチをカウンターでモロに食らった男は先ほどの蹴りとは比べ物にならない衝撃に驚く。

だが男が驚く間も無くハヤトは攻撃をする。ハヤトが繰り出す武術をおり混ぜた無駄のない打撃は覆面の男にダメージを与えていく。

 

「ウォウラァ!!」

 

まさに一転攻勢。右足から放たれるハイキックからのミドルキックを喰らい体勢を崩した男にハヤトの後ろ蹴りが腹部に炸裂。男は室内から飛び出しアパートの外まで吹き飛ばされる。

ハヤトはそのまま男を追いかけ二階から飛び降りる。すると男は停まっていた車に目をやると運転席のドアを引きちぎって強奪。そのまま車で逃走し始める。

 

「なに!?自動車を!?」

 

ただの人型の化け物かと思えば車を運転できる技術をもっている。その事実にハヤトは驚きながらもブルーシートを引っぺがしボイルダーで追跡する。逃がすわけにはいかない!!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

しばらくカーチェイスを繰り広げると都市郊外に出る。廃墟が並ぶ人気のない場所で車が段々と遅くなり止まった。そして中から男がよろよろと出てくる。ハヤトもバイクを停め男と向かい合う。

 

「なぜこんなことをした!目的は!」

 

ハヤトは男に問い詰める。しかし男は返事を返さず襲いかかる。だが動きは先ほどと比べて格段に遅くなっており、軽く受け流した。すかさず反撃の裏拳を入れると男は大きく怯みその隙をついてハイキックで吹き飛ばす。

 

「さて、これでとどめだ」

 

ハヤトはライトサイド*1からメモリを抜いて右腰にあるマキシマムスロットに装填する。

 

『JOKER! MAXIMUM DRIVE!』

 

電子音が鳴り、右手に紫のエネルギーが集まっていく。

 

「ライダー…パンチ」

 

ハヤトは男に向かって走り出す。男はダメージが蓄積しているためうまく動くことが出来ない!ハヤトは紫のオーラを纏った右手で男に向かってストレートを繰り出す。

男はそれをまともに食らう。ジョーカーメモリの力を最大限まで引き出したその拳は男を吹き飛ばし、廃墟に突っ込み爆発した。

 

「…え!?まて!嘘だろ!?」

 

傭兵として活動してきた時も身を守るために殺すことはあった。そして男を殺す覚悟で戦っていたが爆殺してしまうとは思わなんだ。ハヤトは変身を解き爆破した所に行く。せめて死体は埋めてあげようとしたのだ。

 

「ウゥ…」

「何!?アンタ大丈夫か!」

 

しかし男は生きていた。覆面に黒スーツの格好ではなく若い男性のウルサス人がそこにはいた。衰弱しているが命に別条はなさそうだ。ハヤトが声をかけると首の部分から何かが飛び出し小さく破裂する。

 

「これは…ん!?」

 

男から出てきたのは見覚えのあるUSBメモリ。白と黒で着色し、Mの頭文字に『マスカレイド』と刻まれたメモリ。ヒガシの家で閲覧したメモリだったのだ。

 

「すまない!これをどこで手に入れた!」

「えぇ…?龍門から来た商人に売ってもらった…」

 

男はそれだけ言って意識を失った。

さて、これからどうするか。龍門にいる商人を見つけるため一刻も早く龍門に戻り情報収集をする。診療所の建物のオーナーである飴屋のおやっさんなら協力してくるかもしれない。問題は半年も経ってるから説明が必要なのだが…仕方ない。正直に話そう。

 

そして二つ目の案としてこのメモリをゲンムラボにもっていって研究する。自分はメモリについてまだ知らないことだらけだ。研究しておいて損はないだろう。銃いじりのタクミや老古学のリュウには琴線に触れないかもしれないが、自分が知らない事が存在していることが嫌いなクロトがいるからなんとかなるだろう。

問題なのは自分が鉱石病に感染していることをばらす必要がある。かなり危険だ。説明も必ず必要だし、それにヒガシが本当に信用できるかどうか怪しい。

 

このことからハヤトは龍門に向かうことにした。男はほっといても大丈夫だろう。破損したメモリを証拠品として袋に入れて自宅に帰る。捜査官から質問攻めを喰らうもうまくやり過ごし、改めてハヤトは龍門に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

*1
原作でいうソウルサイド。他の部分もこれに統一しておきます。




ハヤトは仮面ライダーとしての道を歩み始めた。とりあえずこの章でのハヤトの物語は終わりです。
いや!?完結じゃないからね!?この一章は後一話だけ話が続くんじゃ。
てか、アークナイツ要素薄いねぇ。まぁ次の話はある原作キャラに絡みますから。
では第四話をお待ちください。ほんじゃまたな!!


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第四話 神と元傭兵

アンケート傾向が大体分かった(某破壊者)なので近日には締め切ります。
今回は少し遡ります。では第四話をお楽しみください。


ハヤトは窓から逃げ出した後の話だ。

ドアを蹴破って入ってきたのはフードのついたコートに無骨な白い仮面をつけた男三人だった。

 

彼らは最近話題のレユニオン・ムーブメント。感染者ならば種族を問わず受け入れ非感染者に排他的な組織だ。感染者という存在であることに誇りを持っており、暴力を持って当たり前の人権を勝ち取ろうとする。

やり方こそ野蛮だがロドス製薬と並んで感染者の希望の一つである。

しかし暴力といっても基本はデモしか起こさない小規模な組織だった。

 

三人の目的は近々行われるチェルノボーグでの暴動の先鋭隊。幹部から命を受けてここを燃やすというものだった。

 

「なんで燃やすんだろうな?」

「知るか。スカルシュレッダーさんも分かってないみたいだしな」

 

散らかっている紙を踏みつけながら歩いていく。三人の中で一番背の低い*1男が2人に聞く。

 

「スカルシュレッダーさん?にもわからないなら誰からの命令なんだ?」

「さぁな…最近俺らを支援してくる奴らじゃないか?えーと…」

「そんなことどうでもいいだろ…よし、ここらに油を撒くぞ」

 

三人はパソコンのある部屋にやって来ると部屋に持ってきた油を撒き始める。しばらくして油を全部撒き火をつけようとする。

 

「おい、誰か火を持ってないか?」

「ああ、持ってる」

 

背の低い男がコートをまさぐる。そして男は

 

 

 

 

 

拳銃を取り出し突きつけた。

 

「な!?おm」

 

男は言い終える前に引き金を引き絞る。サプレッサーが付いているのでパシュという小さい音をなる。撃ち出された銃弾はそのまま白い仮面を貫き男の脳髄をぶちまける。

 

「おい!?何やっt」

 

そのまま流れるように第二射を放つ。今度は狙いが逸れてしまい男の喉元にあたる。

 

「ガッ…ヒュー…ヒュー」

「んなぁ。動くなよ」

 

男は再び銃口を男の頭に合わせて引き金を引く。男は何か言いたそうだったが喉をやられたので命乞いもできなかった。そして放たれた銃弾は脳天に直撃する。

この間わずか数十秒。たったそれだけでこの部屋に二つの死体が出来上がった。

 

「あーあ。一発無駄にした」

 

男はコートを脱ぎ仮面を外す。男の頭にはサルカズの小さい白いツノが生えており顔だけ見れば彼はサルカズの男だ。しかしそれを否定するのが人間の尾骶骨に位置する場所にループスのふわっとした尻尾だ。

男の右ポケットにある携帯が鳴る。男はかけて来る奴に覚えがあるためムッとしたような不機嫌な顔になる。

 

「はいもしもし?」

「ラボメン02。状況はどうだ?」

「ああクロト。想定外のことが起きたが今からヒガシの家にガサ入れするところ。アンタは鉱石病でも研究してな」

「それについてだが…先週マウス実験を成功させた。あと臨床実験を済ませれば()()()()()()()()()()()()()()()。さっさとしろ」

「…あいよー」

 

ラボメン02は苛立ちながら通話を切る。2年前にハヤトが『鉱石病を患ったので国外逃亡します。探さないでください』

という置き手紙を残して音信不通となった。たださえ少ないゲンムラボの科学者が減るのは流石に堪える。同じ時期にヒガシもライン生命に就職してしまったので現在ラボメンは3人だけなのだ。

なんとかヒガシが戻ってくるように2人は本腰を入れて鉱石病の治療薬を作り始めたのだ。ちなみにリュウはもう3年は帰ってない。

 

散らばってる書類は油まみれで読めないのでいまだに付いているパソコンに向き合う。エクスプローラーから資料を探し回るとガイアメモリのレポートが出てくる。

男は確信する。ヒガシが変な事に巻き込まれている。証拠を残すためパソコンを印刷機に接続して片っ端から資料を印刷していく。

しばらくすると山のような紙の束が出来上がった。それをファイルに詰め込みその場を後にした。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

数日後…

 

「やはり、ヒガシは黒か」

「筋は通っているからな。アイツがいなくなった2年前にメモリ犯罪が起き始めてる。レポートにも記載されてる。問題なのは…」

「誰がアイツを雇ってるかだ」

 

チェルノボーグ郊外にある一軒家。ウルサス化学研究所とは違うラボでクロトが土地と建物を購入しゲンムラボとして機能している。基本的に公にできない研究はこちらでやっている。

クロトは都市部のアパートで起きた惨殺事件の記事をスクラップにしていた。犯人は廃墟地区で衰弱していた所を逮捕された。そして鉱石病に感染していたため鉱山送りとなった。

このようにかなりの頻度でメモリ犯罪が起こり、逮捕されて鉱山に送り込まれる。世界中に出回っているかどうかはわからないが噂によると龍門のスラムでも蔓延っているらしい。

 

「ガイアメモリだっけな?あれ頭おかしいぜ。サンクタの守護銃の方がまだ理解できる」

 

持っている拳銃を分解し整備をしながらそう言う。

 

この男の名は『タクミ・テルイ』。元サルカズ傭兵団の1人でそこをやめた後はある組織で行動隊の隊長を任されていた。しかしある任務で行動隊は彼を除いて全滅。死にかけてた所をクロトに拾われる。

『死神』と呼ばれていたので文字書きすら出来ないバカだったがIQは高かったので直ぐに頭が良くなった。今では一人前の科学者である。

彼の特技はサンクタ族が持っている銃をバラして自分が使えるように改造することができる。彼が拳銃を使いこなしていたのもその特技のおかげだ。

 

「だが、別に意味不明というわけではない。これは人工的なアーツだ。使えば破滅の一途を辿るがな」

「俺のコイツもそうなのかな」

 

タクミは自身の机の引き出しから一個のメモリを取り出す。赤をベースとしAの頭文字と『Accel』という文字が刻まれている。

 

「その可能性は高い。しかしレポートによるとメモリの毒性は排除できる。臨床実験の被検体も届かんから暇つぶしに作るか」

「俺は外回り行ってくる。情報は多い方がいいからな」

 

そういってクロトは一枚の模造紙に図形を書いていく。その左隅にはアクセルドライバーと書かれていた。

 

そして一週間後…レユニオンがチェルノボーグで暴動を起こした。

 

 

*1
数センチしか変わらないが




第四話いかがでしょうか。
今回はクロトとタクミの掘り下げをしました。この頃にはハヤトは龍門に行ってます。
アークナイツの世界では銃は基本はサンクタ族の守護銃ぐらい(ジェシカとか持っているやついるけど)ですが、タクミは銃の構造を一から十まで理解しているという設定です。なので彼の銃は大体自作です。

では第五話で会いましょう。


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第五話 6徹後の地獄 

この話で第二章は終わります(今回は前編だけどね)←前後半なくなりました。
そして物語の歯車は狂い出します。ここから先は原作は参考になりません(それもそれでどうなんだ?)。
何が起きるかわからないハラハラドタドタストーリーをお楽しみください。


「ヴェァハハハハハ!!ヴハハハハハ!!」

 

 

満月が出ている真夜中。チェルノボーグ廃墟地区ゲンムラボにて1人の科学者の笑い声が轟く。その笑い声は祝砲が如き爆音。

 

ウォアァ!まさか…出来たのか!!」

 

タクミは突然の響音に驚きつつもクロトの返事を待つ。クロトが何か作り終わった時は必ず大声で笑い出すことを知っているので慣れている。しかしクロトの発した言葉は…

 

 

 

 

「ヴァハハハハ…!ダメだァァァ!!!!」

 

 

駄目だったようだ。クロトはそのままキーボードに倒れ伏し泣きじゃくる。タクミは怒りのあまりデスクを強く叩きヒビを入れる。

 

「アァァァァァァ!!!…おい!もう6回も徹夜してんぞ!今までどんな思いつきの物でも作ってきたろ。今回はなんでダメなんだ」

「ウゥゥ…根本的に設備が足りない。最上級の神の才能を持つ私は居れど機材が追いつけてない」

「えぇ…政府に予算請求するか?」

 

タクミがそう言うとクロトが顔を上げる。顔がぐしょぐしょになっているが誰も突っ込まない。

 

「私たちは結果は出しているが問題児扱いされている。不用意に予算は増やせない。それにウルサスじたいそこまで鉱石病治療に予算を掛けない。迫害して社会から除外させるのが安上がりだからな」

「んなぁ?でも俺たちは鉱石病研究してるけど?」

「それは私が源石の研究という建前で申請しているからであって鉱石病はついでだからだ」

「なるほど偽装申告ね。それにしても結果出してるよな」

「副産物で生まれたものを報告しているだけだ。それにしてもどうするか…」

 

クロトがアクセルドライバーを作るには設備レベルが足りない。政府に協力してもらおうにも目をつけられてる。タクミは寝ぼけた頭にコーヒーを口に含みつつ考える。

 

「どっかの企業に入るか?」

「私たちのような得体の知れないものを加入させる企業がどこにある?」

「…一つだけ心当たりがあるにはあるが、今も残ってるかなぁ。3〜4年も前だし」

 

タクミが白衣掛けにかかっているボロボロのジャケットに目をやる。かつてクロトに拾われる前に所属してた組織の制服。今となっては懐かしい思い出だ。自分の隊員は空でうまくやっているだろうか。

タクミは物思いに耽る。クロトは珍しくボーとしているタクミを見ながら鼻をかむ。

 

「とりあえず後で考えるか。何か作るか?」

料理上手い奴(ハヤトとヒガシ)が居ないから作れんぞ。物体Xを作るならどうぞ…玉ねぎとにんじん、色々な調味料ならある」

「どこかに食いに行くか」

「こんな深夜に営業するバカいないって。大人しく寝ろ」

 

タクミが電気を消してクロトは嫌そうにアイマスクをつけて背もたれに身を預ける。タクミは椅子を並べてそこに横になる。そのまま2人は眠りに落ちる。外では大惨事が起きようとしていることに気づきもせずに。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

タクミは突然目を覚ました。彼の傭兵として培われた耳が遠くから聞こえる爆発音を聞き取った。

 

「クロト!起きろ!やばいぞ!」

…なんだ切羽詰まって

「遠くで爆発だ!やばいって!」

ここは廃墟地区だろう。テロだとしてもここに来る間抜けはいない。気になるならガシェット1号*1と2号*2貸すから見に行けば…

 

クロトは欠伸をしながらアイマスクを外しそう答える。ゲンムラボの近くにはハヤトが木材で作った小屋があり、乗り物系のガシェットが開発されると大抵そこに置きっぱなしになる。屋根も防水仕様なので雨に降られても安全らしい。

 

「1号?シャカリキ号のことか」

「2号も多分そこに置いてあるから」

「あれダサいから使いたくないけど」

「文句言うな」

 

 

 

タクミはため息を吐きながら家を出る。その空を見て絶句した。天候が悪いなんて物ではない。空から巨大な石が都市部目掛けて次々と降っていた。

 

「嘘だろ」

 

そうとしか発せなかった。チェルノボーグは巨大な移動都市であり天災を回避することなど造作でもないはずなのだ。しかし目の前の光景がそれを否定する。気づけば近くにも落ちてきていた。もしこれが当たっていれば。

 

「おいおいしっかりしろ」

 

タクミは頬を叩き小屋に向かう。シャカリキ号に跨り、ガシャガシャソードハンマーをカゴに入れて都市部に走り出した。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

シャカシャカと軽快な音を立てながら廃墟となったチェルノボーグを探索する。

 

「…うぇ」

 

あたり一面に命だったものが転がる。中には知っている顔もあった。肉屋の店員、違法文庫を仕入れるオヤジ、幸せそうな三人家族。しかし彼らは全て見るも無惨な姿に変わり果てた。

 

「クロト来なくて正解だったな」

 

クロトはああ見えて繊細な部分があることをタクミは知っていた。彼も人の死には少し慣れてるがこのような大量虐殺な光景を見れば吐くだろう。タクミは本来なら吐くところだが死神として経験がそれを和らげる。

 

しばらく漕いでいるとタクミがあることに気づく。仮面をつけた奴がかなり多い。全員漏れなく死んでいるが彼らがひき起こしたのだろうか。

また少し漕ぐとチェルノボーグでは見かけない連中が倒れている。その制服には既視感がある。

 

「こいつら…ロドス・アイランド。制服似てるけど違うか」

 

製薬会社がこんなところで何をしているのだか。ハヤトはその質問したいがあいにく目の前の人間はすでに死んでいた。タクミは再びシャカシャカと漕ぎ始める。生存者がいることに望みを託して。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ここ焦げ臭いな」

 

ここら一帯から焼死体が多くなっていく。まるこげとなり身分のわからぬ物から中途半端に焼かれて苦しみながら亡くなった者まで多様な者がいた。そこ光景は地獄。灼熱地獄を味わった罪人のようだった。生存者などどこにもいない。

 

 

 

しかし、しかしながらも、潰えようとしている命の灯火をいまだに維持している男がいた。

その男は光を守るため部下と共に命を投げ打った重装エリートオペレーター。そして…

 

 

「…ACE?」

 

 

タクミと同じバベルオペレーターだった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

そこからのタクミの行動は早かった。1秒でもはやく応急治療してラボに運び込まなければならない。タクミは焦りながらも背中に背負ったリュックサックを地面に置き、中から無骨な白いケースを取り出し蓋を開ける。

中には治療のアーツを体内に注入する注射器。意識不明な重症者に使う代物ではないがここではタクミがルールだ邪魔するものはいない。

注射の針を垂直に刺して注入する。数秒後、ACEのか細かった脈は大きくなっていく。

しかし安心はできない。かなりの火傷であることがわかる。何より片腕がなくなっている。だが今のところなんとかする方法はない。

 

「もうここでできることはない。ラボまで持ってくれ…いや、()()()()!!!!!!」

 

タクミは確固たる決意を胸に刻みACEを後ろに乗せる。しっかりと固定してシャカシャカと漕ぎ始めた。そのスピードはレースカーをも凌ぐ。それが昔の戦友にできる唯一の恩返しだった。

 

 

 

 

 

*1
ゲンムガシェット1号。通称『シャカリキ号』命名はクロト。

見た目はカラフルな自転車(ママチャリっぽい)。しかし源石が組み込まれており漕げば漕ぐほどスピードが速くなる自転車型アーツユニット。2人乗りも可能。ただ弱点なのが最初は軽いがだんだんペダルが市販の物の比べてかなり重くなり足腰に自信がないとすぐバテる。坂道はアシストが入る。

*2
ゲンムガシェット2号。通称『ガシャガシャソードハンマー』。見た目はカラフルなピコペコハンマー。普通に武器として使える。

特徴は変化系アーツを組み込んでおり、ボタン一つで剣に変えれる。しかしハンマーなら気絶で済むので滅多に使われない。

やたらダサい。変化するときなぜかガシャガシャと『バコーン!』『ジャキーン!』と音が鳴る。クロト曰く遊び心らしい。




後編(次の六話です)は近日投稿して二章は終わりです。そこから少し間を開けたいと思います。東方がメインだからね。仕方ないね。
ゲンムガシェットの元ネタは大体がエグゼイドです。コメントで当ててみてね。正解したら『アッタリィィィ!!!!』とでも返信しときますね。
シュタインズ・ゲートの影響が出てる設定でもあります。


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第六話 手術、気まずく、再会。

近日中とはなんだったのだろうか?この話を読む前にプロフィール②を読んでおくことを推奨します。
では後編をお楽しみください。


「君は火傷の恐ろしさを知っているな?」

 

クロトは車輪のついたベットに寝かせた男を見ながらタクミに問う。

 

「知ってる。だが、お前なら朝飯前だろ?ここでそいつを治療できなかったら今後一切『神』なんて呼ばないからな」

 

質問を冷たく切り捨ててタクミは普段は使わない脅しを使ってクロトに治療を迫る。クロトはそんなタクミをほくそ笑みながら手術の準備をする。

 

「Ⅱ度熱傷の重症、合併症の気道熱傷、脱水症状…フルコースだな。腕の欠損は…まぁこれならいける。おい、医療用のアーツユニットを持ってこい。それとメスとピンセット、糸と針、即効性軟膏と人工皮膚。後は状況によって要求する」

 

クロトはタクミに言いつけると担架を移動させる。ゲンムラボには無菌室はない。しかし無菌テントというものアーツユニットを使用することで問題なく手術が可能なのだ。担架をテント内に入れるとタクミが機材を持ってやってくる。

 

「持ってきたぞ」

「ご苦労。後は祈ってろ。お前にできるのはそれだけだ」

「ま、まじで何もできないのか!」

 

恐らくこの男はタクミにとって重要な人物なのだろう。クロトはバカ笑いはせず静かに笑う。

 

「安心しろ!神にできないことは…ない!

 

こうしてクロトの手術が始まった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「……隊長、逃げてください。隊長だけならまだ逃げ切れます…」

 

1人のオペレーターが化け物(タルラ)を前にして言った言葉だ。ACEはそのオペレーターの願いには答えない。ここで退けば誰があの炎を止めれるのだろうか。

そして襲いかかる傍若無人の火。盾を構えアーツを発動していた重装オペレーターが1人、また1人と消えていく。そして彼も火に包まれた。

未練は…ないとは言えない。しかし悔いは残らない。アーミヤ達…いや、ロドス・アイランドが必ずその先へと向かってくれるはずだから。彼らがその先へと向かうことを願い。1人のエリートオペレーターは祈った。

 

その後…彼の視界には無数の焼死体。何人死んだ?何人殺された?だが、答えは出ることはない。彼もまたその中の1人に加わるのだから。

眠気が襲ってきた…ACEはそのまま目を閉じようとしたその時。シャカシャカと軽快な自転車の音が聞こえてきた。だが、閉じゆく瞳はもう開けれない。

ACEは走馬灯を見る。高速で流れる今までの記憶。そして白い空間で見えてきたのはかつて戦死した昔の戦友。不器用の擬人化なんて呼ばれていた時期もあった男。

誰よりも強く。誰よりも純粋。文字が書けないアホ。だけど不思議と馴染んでいた。

 

…ACE?

 

ああ、声が聞こえてきた。待っててくれたみたいだ。勝手に死にやがって、一言言ってやる。

 

おい!大丈夫か!返事をしろ!

 

何を言っているかはわからない。何か叫んでいるようだ。

 

クッソ!!何か無いか?…アッタァ!ヨシ!戻ってこい!!

 

アイツが何か言った瞬間。何もない白い空間は亀裂が入る。天井、壁、そして床までも。やがてそれらは全て割れて真っ暗な闇に落ちていく。

 

脈は!…戻った!いや、待て落ち着け。後はラボに運べば。いや、でも…

 

段々と声が鮮明に聞こえてくる。チェイスが生きていた?いや確信はできない。アイツは遺体こそ発見されなかったが本人の左腕と握られたナイフが発見されて生存は絶望的になったのだ。

 

もうここでできることはない。ラボまで持ってくれ…いや、持たせる!!!!!!

 

その言葉を最後にACEは意識を失った。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

手術開始から数時間後。無菌テントからクロトが出てくる。

 

「クロト!手術は…」

「いうまでもない。義手も取り付けた。あと2時間ほど治療アーツを使えばすぐに起きるだろう」

 

それを聞いてタクミはそっと胸を撫で下ろす。クロトはそんな彼を見て嘲笑してこう言う。

 

「そもそも、ACEの容態は()()()()()()()()1()0()()()()()()()()()()()。この程度で死なせると思ったか?」

「そ、そんなことないだろ!明らかにアイツの方が…」

 

タクミは反論するが、クロトの次の言葉で黙らせる。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

「…トイレ行ってくる!」

 

タクミは顔を青ざめ耐えきれずにトイレに逃げ込んだ。恐らくあの時を思い出して吐くだろう。クロトはため息をつきこれからについて考える。

ACEという男はロドスという製薬会社の人間だ。なぜ製薬会社の人間がガチガチに武装しているのはこの際放っておく。

制服がバベルに似ていたから間違えたという考えもできなくはないが、タクミの知り合いらしいのでその線はない。

 

「ロドス・アイランド。いつから民間軍事会社になったのやら…」

 

どちらにしても彼に下手な真似をしたら彼のお友達が自分たちを殺しにくるだろう。クロトは少し身震いをして震えた体を温めるためコーヒーを飲む。

 

〜数十分後〜

 

「う、うぅぅ…」

「ん、起きたか」

 

ACEが意識を取り戻す。クロトはパソコンの操作をやめて彼に向かい合う。

 

「こ、ここは?」

「秘密基地みたいなものだ。私はクロト・ダン。君をACEと呼ばせてもらうがいいね?」

 

ACEは警戒する。突然初めて会う人にコードネーム呼ばわりは傭兵かそれに準じた者だけだからだ。

 

「なぜ俺の名前を?」

「君を知っている者がいてね。今トイレなんだが、あの調子じゃ腹も下しているな…はぁ」

 

クロトはどこか遠い目をしてながらため息をつく。ACEは何のことか分からず呆然とする。

 

「すまない、少し彼を待っていてくれ。彼もまた壮絶な人生を送っているからね」

「俺を知っている人物?誰なんだ?」

「それは…おっと、噂をすればなんとやら」

 

ドアがガチャリと開き室内にタクミが入ってくる。

 

「ふー。ゲロ吐いたら腹も下した気分わr…」

 

そして目覚めて体を起こしたACEを見て体が凍りつく。そのまま背を向けてどこかに行こうとする。

 

「お、おい!お前!」

 

ACEは帰ろうとしたタクミに呼びかける。ACEとってはずっと前に死んだ後輩。誰よりも強く、誰よりも純粋。言葉足らずの不器用の塊。自分と同じエリートオペレーターチェイスが目の前にいたのだから。

 

「チェイスだよな!お前生きていたのか!?」

「…」

 

タクミはACEに背を向け続ける。そんなタクミにクロトは違和感を覚える。感動の再会だというのにこの男は何をしているのだ?

 

「どうして連絡しなかったんだ?みんな心配していたんだ。クロージャもアーミヤも」

「…あの時チェイスは死んだよ。死人が生者に連絡は取れない」

「何を言っているんだ。お前は…」

 

タクミはACEに向かい合い、自身の服をめくりあげる。そこには夥しい数の傷跡と直径12センチほどの丸い傷跡が残っていた。クロトはタクミの想いを勘付き座っていた椅子から立ち上がる。

 

「ここから私が説明しよう。タクミ、お前は少し外に出ていてくれ」

「…すみません」

 

いつものタクミからは聞けない言葉を聞き少しにやける。タクミが外に出たタイミングクロトはわざとらしく咳き込む。

 

「さて、質問を受け付けよう」

「チェイスに何があったんだ?」

「チェイス…タクミのことか。詳しくは彼自身に聞いてほしいが私が初めて出会った時はフラフラとゾンビみたいに彷徨っていた」

「死んでいなかったのか?」

「それについてだが、君は源石には詳しい方か?」

「はい」

 

クロトは引き出しからファイルを取り出してACEに見せる。そのファイルはタクミのカルテだった。ACEはそのカルテを見て背筋が凍った。

 

「クロトさん。これ…本当なのか?」

「ああ、全て事実だ」

 

一見するとただの重傷者の診断書だが、鉱石病感染状況の欄が他と比べて異常なほど充実していた。そこに書かれていたのは…

 

「信じられん。源石融合率1%と血液中源石密度0.92u/Lはあまりにも釣り合ってない。どういうことだ」

「これは私の仮説だが、彼は今鉱石病に生かしてもらってると考えられる」

「ありえない。鉱石病は人の体を蝕む。治しようがない不治の病だ!」

 

ACEは目の前のカルテが信じることができず口が荒くなる。テラにおいて鉱石病は不治の病。罹患すれば確実に死に至ると今までそう認識されていた。だからこそ迫害が起き、それを無くすためにロドスは活動をしていた。それが全て否定されるような存在を目にして彼は冷静では無くなっていた。

クロトは机を強く叩き、ACEの胸ぐらを掴む。

 

「いいか!私だって信じられん!だが、調べれば調べるほどそのふざけた仮説が事実に変わった。彼の体が源石に順応したんだ。()()()()()()()()()()()()()()()()()

「一度死んだ!?なぜ言い切れる!」

「彼と最初に出会った時胸部に風穴が空いている状態で彷徨い歩いていたら誰でも言い切れる。チェイスという人間は死んだ!その人間はもういない!」

「貴様!」

 

その言葉がきっかけとなりACEは体を起こそうとする。しかし、動けない。手術して数十分しか経過してないのだから当然なのだが。

 

「彼を連れ戻す気だろう。そうはさせん私は彼の担当医だ。科学者として医者としてどんな手を使っても彼を戦場に戻すわけにはいかない」

 

突如ドアがバン!と蹴り開けられる。そこにはタクミがいて、彼の手には剣が握られていた。

 

「クロト、外に出ていてくれ」

「断る」

「じゃあ口は出すな」

 

タクミが剣を引きずりながらACEに近づいていく。そして近くにあった椅子を引っ張ってきてそれに座る。

 

「…ご無沙汰。ACEさん」

 

その言葉使いはバベルにいた1人のオペレーターと同じだった。

 

「チェイス。お前…」

「すまない。今まで連絡が取れなくて」

「ああ、いいんだ。生きていてくれてよかった」

 

最後に見た時より大きくなっていて機械のような顔つきはもはや見る影もなかった。ACEは目頭が熱くなる感覚を受ける。

タクミは咳払いをして言葉を紡ぎ始める。

 

「なんというか、合わせる顔が無くて。俺のせいで部隊のみんなを死なせてしまった…必死だったんだ。あの時は何が何だか」

「お前隊長だったのか…初めて知った」

 

クロトはコーヒーを飲みながら彼の話を聞いていた。

 

「大丈夫だ。チェイスを責める奴はいない。もしよかったら戻ってきてくれないか?」

「戻れるもんなら戻りたいけど…」

 

タクミはクロトの顔を見る。

 

「…私もついていくのが条件だ。それにバベルがどんな組織かによる」

「よっしゃ。許可は出たみたい。戻るよバベルに」

「チェイス、今はバベルじゃない。ロドス・アイランドに名前が変わった」

「??????」

 

タクミはACEの所属はバベルではないと聞くと頭の中で宇宙猫を出来上がった。呆けているタクミに変わってすかさず問いかける。

 

「ロドスは製薬会社だろう。そもそもこのチェルノボーグに何しにきたんだ?」

 

今まで触れられていなかったが、クロトの疑問はもっともだろう。ただの製薬会社が国顔負けの武装して何しにきたのか。

 

「機密事項なんだが…」

「俺は関係者だからいいでしょ。クロトは協力者なんだし」

「そうか、今は部外者いないのか。実は…」

「待った。それ後でいいか?」

 

ACEが理由を話そうとするが、クロトによってそれが遮られる。

 

「どうしたんだ?」

まずい!レユニオンが来るぞ!

 

ラボ内の空気が張り詰める。クロトがパソコンを操作するとただの壁がひっくり返って武器を立てかけるハンガーが出てくる。

クロトはおもちゃのような銃とハンマーを持ち、タクミは見たこともないような銃器を手に取る。

 

「ん?それ新作か?」

「違う。バベルの時にWってサルカズから給料全額叩いて譲ってもらった。M1887だっけな?」

 

タクミは銃に弾丸を込めて片手で回すようにコッキングする。レバーアクションだからこそできる芸当だ。

 

「チェイス、なんで銃器を?」

「…俺はこの数年で勉強というものをした。文字書きもできるようになった」

 

散弾銃を背中に回し、ロッカーから拳銃を取り出してホルスタに差し込む。その姿はまるで西部劇の主人公のようだった。

 

「必要な戦いならば最後まで戦い抜く。そのために身につけた力がこれ()だ」

 

タクミの専門は銃器研究。銃器という得体の知れない物の構造を解き明かし新たなる手段として確立させる。最終目的はラテラーノの守護銃を遥かに凌ぐ銃器を製造すること。

 

「さあ、振り切るぜ」

 

 

 




今回長くなってしまって本当に申し訳ない。今回で第二章は終わりです。次から第三章でハヤトサイドに戻ります。
アークナイツ要素を多めにしたら仮面ライダーが消えて、仮面ライダーを増やすとアークナイツが消えます。どうすればいいのか(泣)
タクミのモチーフはFPSの主人公です。ハヤトが仮面ライダーの主人公なら、タクミはアークナイツの主人公という考えもありますな。
感想と評価をお願いします。作者のモチベに直結します。

では第三章で。ほんじゃまたな!


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第三章 治療開始 〜The man is doc and Kamen Rider〜
次章予告、執筆の溢れ話。


第三章の予告です。文字合わせの執筆の話もあるので最後まで閲覧イカよろしく〜


次章のMemory of Riderzは…

 

ジョーカーのメモリを手にし、ドーパントから情報を得たハヤトは第二の故郷である炎国『龍門』に向かった。

 

そこで待っていたのはギャングのシマを荒らしに荒らしまくり、近衛局ですら手を焼き続けるメモリ犯罪。

 

元凶であるメモリ売人を突き止めるため再び仮面ライダーとなり戦う。

 

そんなある日、白髪のウルサスの少女が診療所を訪ねて…

 

「さあ、治療を始めよう」

 

第三章 治療開始 〜The man is doc and Kamen Rider〜

 

医者(ハヤト)に常識は通用しない。

 

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ウィース。どうも〜作者で〜す。

 

はい(真顔)。第二章の閲覧ありがとうございました。正直迷走していた感じもあります。原作でも暗黒時代は主人公からしたらかなり謎なんで仕方なかったのですが、あそこでハヤト絡むと面倒くさいというか。せっかくゲンムラボという組織を生やしたのだから掘り下げたかったから。

その結果ダブル主人公になってしまった。なんで?

 

本作は記憶が主軸になるので、ビルドのスマッシュや電王のイマジンといった他シリーズの怪人がガイアメモリとして現れます。

 

「お前の平成(小説)って醜くないか?(ごちゃ混ぜじゃないか?)

 

という意見もありそうですが。

 

デコボコの道で何が悪い!(違和感がないように頑張ります。)

 

という精神を持って、失踪ギリギリを突っ走っていきますので、今後ともよろしくお願いします。ぶっちゃけ人と人工知能が分かり合えたのに、病気で差別とか迫害するくせにその元凶を利用した物を当たり前のように使用するアークナイツ世界がおかしいのでは?割と真面目にあの世界やばいよね。絶対転生したくない。

 

ちなみに感想とか評価をもらえると失踪確率が減っていくのでよろしければそちらもよろしくお願いします。

 

ヤッベェ〜後200文字書かんとな。ワクチンの副反応の話でもします?あ、しない?そうか…

 

仮面ライダーリバイスの話をします。第五話見たのですが、少し展開が早い気がします。迷惑系動画配信者の話は2話構成でやればよかったんじゃないかな〜まぁ、エビルを出したかったのでしょう。とはいえ2号ライダー出すの早ない?

エビルの正体は誰なんでしょうね。自分の予想は門田ヒロミです。見た人はわかるけど怪しすぎるでしょ。次点で五十嵐大二ですかね。

 

ではこの辺で。第三章で会いましょうほんじゃまたな!

 

 




第三章をお待ちください。


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プロローグ

平成が失われたこの世界で純粋な悪を前に立ち向かえるのだろうか。


炎国龍門。

龍門の権力者・ウェイが統率する移動都市。都市の内部は様々な勢力が分割統治しているように見えるが、各階層での繋がりが強くこの世界の貨幣『龍門幣』の大元でもある。

 

しかし、光があれば闇があるように。都市の掃き溜めとも言えるスラムが存在している。そこでは感染者も少なくはなく今日という1日を生きながらえていた。

 

「おい!聞いてるのか!」

 

スラムの一角で男が怒鳴る。その男は白い無骨な仮面をかぶっている。その仮面はレユニオンの平兵士が身につけているものだった。

 

「ん?すまない。何用だっけ?」

 

フード付きのコートと黒い仮面を身につけた人物は怒鳴ってきた男は嘲るように聞き返す。その手にはアタッシュケースの取手が握られていた。

 

「お前から買ったガイアメモリ!解除したら壊れたぞ!何回も使えるという説明じゃねぇか!」

「…へぇ。なるほどな」

 

男は粉々に砕けたマスカレイドメモリを見せる。それを見て売人は態度を改めた。

 

「お客様、大変申し訳ございません。スポンサー限定代金の2万の龍門幣はお返しできませんが、その代わりにこちらのケースから好きなメモリを補償としてお譲りします」

 

その態度の変えように男は動揺する。

 

「おお…いいんだよそれで」

「ではこちらを」

 

売人はケースの中身を見せる。中には様々なメモリが入っており、思わず目移りしてしまうだろう。

 

「…これだ」

METALですか。それでよろしいですか?」

「ああ、これでいい。いや、これじゃなきゃだめだ」

 

男はすぐにそのメモリを手に取った。その様子に売人は仮面の下で笑みを浮かべる。

 

「では最後に質問させてもらいますが、マスカレイドメモリの感想をお聞かせください」

「メモリ?ああ、最高だぜ!俺の姿を見たウルサスの軍の奴らときたらビビり散らかしてな。一人ずつぐちゃぐちゃにしてやったぜ!」

 

男はウルサス侵攻を思い出して話す。

 

「楽しんで頂けたなら感謝です」

「ああ、そうだ!こんなすごい物をどうやって作ってんだ?」

「あまりお話しできませんが、レユニオンの協力あるから我々は新たなメモリを製造できることは確かです」

「そうか。それはよかった!」

 

売人は謙遜するように頭を下げる。男は白く透明なメモリを手にして上機嫌で帰って行った。売人はケースを閉じてその場を後にする。

 

「見つけたぞ!あいつだ!」

 

売人が通りに出るとスーツ姿のシラクーザマフィアが声を荒げて取り囲んでくる。

 

「…」

「他所者のくせに散々俺らのシマを荒らしやがって。二度と出歩けねぇようにしてやる!」

 

マフィアたちは各々武器を取り出す。ナイフ、マチェーテ、クロスボウ、拳銃。まさに多勢に無勢だろう。そして売人に襲いかかった。

 

「…グズが」

 

売人は懐からガイアメモリを取り出しボタンを押す。そのガイアメモリは赤と青の色が半々で分かれており、Cという頭文字が記されていた。

 

『CASTLE』

 

少しメモリを振って左腕に挿した。

売人は姿が変わり、その体は黒をベースとして、上半身には赤い鎧のような装甲。下半身には青い装甲。何より特徴的なのは両肩についた巨大な可動防壁。遠目から見てもその姿は怪人であった。

 

「な、なんだこいつ!」

 

マフィア達は目の前の怪人に動揺を隠せない。遠距離武器を持っていた組員は恐怖のあまり引き金を引いてしまう。放たれたボルトと銃弾は怪人に向かう。

 

「…」

 

怪人は避けもせず、攻撃を受ける。しかし矢はその装甲に弾かれ、弾丸はカキンという音を立てて地面に転がる。

 

「…はぁ

 

怪人から漏れた嘲りのため息。ここで引いてはメンツが保てない。腰を抜かしていた組員は立ち上がり二人がかりで武器を振りかぶった。だが、覚悟も虚しく怪人の体には刃が通らず、むしろその刃が折れた。その直後マチェーテを持っていた組員が吹き飛ばされた。

 

「…え?」

 

相方が吹き飛ばされ、状況が理解できないままナイフを持った組員は首を掴まれそのまま握りつぶされる。そして顔を遠くの組員に向けるとそこから砲撃を開始。砲撃を喰らった組員は辺りに血を撒き散らしながら木っ端微塵となる。

 

「う、うわァァァァァァ!?!?!?!?!」

「逃げろ!!殺される!!殺される!!!」

 

まさに阿鼻叫喚。ほとんどの組員が武器を捨てて逃げ出す。マフィアとして死ぬ覚悟は日頃からしていたが、それでも怪人が人間を惨殺するという光景は見てしまい得体の知れない物への恐怖心が勝ってしまったのだ。

 

「また、姿を変えなければ」

 

誰もいなくなった通りで怪人は一人そう呟いた。

 

 




プロローグはお楽しみいただけましたか?今回は鬱蒼なシーンでした。ぶっちゃけモブならいくら殺してもあんま影響ないのでこんなことになるのですが、どうですかね?だめですかね?

ちなみにキャッスルドーパントは仮面ライダービルドに登場したキャッスルハードスマッシュがモデルです。

では第一話でお会いしましょう。


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第一話 帰郷龍門

時代を駆け抜けた仮面ライダー。今再び平成の歯車は回り出す。
というわけで第三章第一話です。お楽しみください。


砂を蹴散らしながら一台のバイクが砂漠を走る。バイクは黒一色で特徴的な形をしている。それに乗るドライバーもこれまた異質であり、全身黒一色の格好をした男が運転している。

その速さは時速580km。言い訳のできない速度違反だが、砂漠を走っているのでセーフである。

 

「おっ、見えてきた!」

 

バイクを走らせると巨大な移動都市が見えてくる。その都市の名は龍門。炎国の大都市である。ただいま変身しているこの男…ハヤトの第二の故郷でもある。

余談だが、ボイルダー*1はガソリンで動いているが、内部構造によって排気ガスがほぼゼロという大変エコロジーなバイクらしい。

 

そんなこんなで入国ゲートに到着する。なお、龍門もチェルノボーグほどではないが感染者に厳しい都市なので普通なら色々と面倒臭い。しかし、ハヤトはそんなことも気にせず、バイクを停めて()()()()()()()()()()()()()()

 

「!?!?何者だ!?」

「あっ、しまった…」

 

知ってた。仮面ライダージョーカーを知っている我々からしたら

 

仕事していたら仮面ライダーがきた!

 

という感じに自慢話にでもできそうだが、何も知らない人からすると全身真っ黒の何者かがすごく自然体で部屋に侵入してきたといった感じだ。

ハヤトも砂漠の砂を防ぐため変身していたことを忘れていた。急いでメモリを外して変身を解除する。

 

「すいません、俺です。ハヤト・ジョウゼンです。これ医療免許証」

「あ、あなたですか…今のなんですか?場合よっては没収となるのですが」

「ん!?ああ、これね…ゆ、友人にもらったコスプレ道具です。すごいでしょう

 

流石にドライバーを没収されるわけにはいかない。ハヤトは咄嗟に嘘をつく。警備員は目を細めてハヤトの顔を見つめる。

 

「…まぁ、いいでしょう。目を瞑っておきます。また今度漢方でもサービスしてください」

「本当に助かる。そうだ。ちょっと聞きたいことがあってな、ガイアメモリって知ってるか?」

 

ハヤトが龍門に来た理由。それはガイアメモリの売人を探すこと。マスカレイドメモリを持っていた男から聞いた唯一の情報。わずかな情報に賭けてハヤトはここに来たのだ。

 

「守秘義務があるので、ハヤトさんでも詳しくは教えられません。ただ、人が怪人に変貌して犯罪行為を働くというケースは4〜5ヶ月前から少しずつ増えてきてます」

「そうか…助かった。じゃあまた今度」

「わかりました。では、龍門をお楽しみください!」

 

ハヤトは警部員に別れを告げてバイクを押して歩いていく。向かう所はスラム。ハヤトの診療所がある場所だ。

 

「それにしても、前に治療した子供の父が担当でよかった〜。やっぱ善行は自分に帰ってくるだなぁ」

 

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バイクを押してスラムを歩く。ざわざわとした雑多な声。ヒソヒソとハヤトを見て噂をする者。ガヤガヤとした商人の商売文句。掃き溜めとも揶揄される場所だが、確かな暖かさと人の生命を感じられる。

 

また、しばらく歩いて行く。商店街、狭い路地裏を抜けると、そこには飴屋があった。そう、ここの二階部分がハヤトの営む診療所なのだ。邪魔にならないようにバイクを停めてザラック族のような見た目をした老人である飴屋の店主に挨拶する。

 

「おやっさん。帰りました」

「…おぬし半年も診療所すっぽかして何してんたんじゃ。話は聞いてやる…嘘はつくなよ?」

 

おやっさんと呼ばれた老人はその見た目とは裏腹にハヤトは重い圧力を感じる。ハヤトはあまり詳しくないが、このおやっさんは龍門では知らない者はいない伝説のマフィアらしい。前に診療所がマフィアに燃やされた関連のイザコザの時に余っていた二階部分を貸してもらっており、それからはこの老人にはあまり逆らえなくなっているのだ。

 

「結構長くなっちゃうんですけど…」

 

そこからハヤトはおやっさんに今までの経緯を話す。なおヒガシとメモリの詳細については話さなかった。

 

「…おぬしの話はとてもじゃないが信じられない。だが、怪人やメモリの売人の件については信じてやろうかの」

「え?いいのか?」

「最近はそのメモリの使用者によって、スラムだけではなく龍門全域で犯罪行為をしている。しかも、麻薬や武器販売を稼業にしておった者は顧客を全員掻っ攫われたらしいのう。しかもギャングからケチなチンピラ。挙句にはカタギにも売りつけている。マフィアは他所者を拒むことはせぬが、それでも限度というものがある」

 

おやっさんは深くため息を吐く。どうやら一件のメモリ犯罪にはうんざりしている様子だ。

 

「それで売人じゃったか?二日前に取引終わりの所を目撃した奴が連絡をしてな。近くの小規模マフィアがソイツを襲撃したんじゃ」

「おっ!捕まえたのか!」

「返り討ちにあったみたいじゃ。近接二人、狙撃二人が殺されて逃げられた」

「…マジか」

 

話が複雑になったので、ハヤトは少し話を整理することにした。

・龍門では4〜5ヶ月前くらいから怪人による犯罪が起きている。

 

・ウルサスの青年から聞いて龍門からきた売人は嘘ではなく本当にいる。

 

・売人はメモリを幅広い層に売りつけている。←どんなメモリを売っている?個人営業?

 

・売人自身もメモリを使う。それで襲ってきたマフィアを返り討ちにした。←マスカレイドメモリで複数人を圧倒できるか?

 

ハヤトは頭を冷やしておやっさんに質問を始める。

 

「おやっさん。売ってるメモリはどんなやつだ?」

「『マスカレイド』という物らしい。一本の値段は4万だ」

「…それだけ?」

「ワシの手先に買いに行かせたら{それしか一般販売はできない}と言われたらしい」

 

売人は一種類のメモリしか売ってないのか?それに一本につき四万…安くはないがカタギでも買える値段だ。練習が必要な剣やボウガンと比べると武器としては手が出しやすいのか?

ハヤトは次の質問に移る。

 

「じゃあ最後に。売人が使ってたメモリはなんですかね?」

 

おやっさんはうーんと項垂れて考える。

 

「生きて帰った者によると両肩に大楯を装備して頭から砲撃する怪人らしいのじゃ」

「へ?化け物じゃないか」

 

ただ、間違いなくマスカレイドではないことは確実だ。恐らく自前のメモリだろう。これ以上は実際に遭遇して見ないとわからない。

 

「今聞きたいことはこれぐらいですかね。ありがとうございます」

「…さっきから聞こうと思ってたのじゃが…()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

「……」

 

おやっさんの質問にハヤトは口を閉じる。彼の本業は医者だ。しかも筋金入りのお節介。そこに病人がいて生きたいという思いがあれば絶対に見過ごさない。

死にたいと思っている者も見捨てはせず、生きたいと思わせるまでお節介を焼く。そこにギャングやマフィアの売春、借金が絡んできたら、自費で払って助ける。このスラムでは彼に助けられ真っ当(比較的)仕事に就けている者を多い。

基本的に医者としての仕事が第一なのでこういう事件には首を突っ込まない人物である。

 

「…あのメモリ。調べて見たらかなりの副作用がある」

 

ハヤトはヒガシの自宅で見たレポートのことを話す。

 

「使用したメモリに対する強い依存性、禁断症状。さらには鉱石病に確実に感染する」

「…なるほど。あれが出回り続ければ、世の中は感染者まみれになるということか」

 

路地裏の飴屋に夕日が差す。どうやら話している間に日が暮れたようだ。

 

「…どうするつもりじゃ?お前さんは確かに強い。ワシが認めるほどにはな。だが、相手は常軌を逸脱した人間…いや、怪人じゃ。患者を助けるだけの今までとは違う。この件に首を突っ込むのは自殺行為にも等しい」

 

貧民窟の鼠王こと(リン)は今までの経験をもとにガイアメモリにはそこ知れぬ闇と強大な組織を感じ取った。マフィアの派閥争いや、国家の汚れ仕事とは段違いの狂気。林の目の前にいるこの医者はスラムにとってなくてはならない存在。彼を失えば、このスラムはまた掃き溜め同然となってしまうだろう。

 

「悪い、おやっさん。でも、医者として病原菌を見過ごすわけにはいかない。もちろん、ちゃんと策はありますから」

 

ハヤトはサムズアップして笑顔で言った。こうなった時のハヤトはテコでも動かないことを林は知っている。

 

「…本業はちゃんとするのじゃ。何か手伝えることがあれば言ってくれい」

「すいません本当に…早速なんですけど。『仮面ライダーW』について片っ端から調べてもらっていいですか?」

「…はぁ」

 

引き受けなきゃ良かったと林は後悔し始めた。

 

 

 

 

*1
ハヤトの乗っているバイク。ぶっちゃけると原作でも登場したハードボイルダーの色違い。




事情説明回でした。今後は省略するので許して。林さんの口調これでいいかな?難しいです。
では、第二話でまたお会いしましょう。


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第二話 調査、語らい

第二話です。東方の小説もいい加減に書かないといけないので11月はこっち投稿頻度が落ちるかも。
ではお楽しみください。


あれから二、三日が経った。ガイアメモリの売人は働き盛りらしくここ最近だけで3件も怪人騒ぎが起きた。シラクーザマフィアも決死の覚悟で捜索し続けているが、あれっきり見つかってない。

 

一方、ハヤトはというと…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「オウラァ!!」

 

ジョーカーの拳が怪人の顔面にぶち込まれる。姿がやけに()()()()*1に似ている怪人はのけぞって顔を抑える。

 

「ウウゥ…俺の仕事の邪魔をするな!」

「殺し屋キリングG。俺は別にこの世界では殺し屋はそこまで悪い者じゃない。それを生業にして今日を生きるやつだっている」

「ならなぜ!」

 

怪人はイライラした様子で、目にも見えないスピードでハヤトの周りを駆け巡る。右、左、上…怪人はそのように動き最終的には彼の背後に回って攻撃を仕掛ける。

しかし、ハヤトはこの攻撃に反応する。高速移動から繰り出されたパンチを捌いて、再び顔面に裏拳をぶち込まれ、怪人は地面に転がる。声にならない悲鳴をあげる怪人に対してハヤトはさっきの質問に答える。

 

「お前の使ってる力。それは人間の手に余る物なんだよ。確かにさ、こんな世界じゃそれにすがっちまう気持ちもわからなくはない」

「お前にはわからないだろ!俺は小さい頃から感染者だったんだぞ!家族からは忌み嫌われ…」

「んな込み入った話はしてねぇだろ!メモリを使うなって話をしてんだ!仕事ならちょっと当てがあるから!」

「!!!!!!!!」

 

怪人は身の上話を蹴られたことに怒りを沸き立たせハヤトに襲いかかる。ハヤトは飛ばしてきた粘液を回避して的確に怪人の足を攻撃する。怯んだ隙をついてさらに怪人の首に回し蹴りを叩き込んだ。怪人は大きく怯んでその場に倒れる。

 

「さぁ、これでとどめだ」

 

ベルトのスロットに入っていたジョーカーメモリを抜いて右腰に付いているマキシマムスロットに装填する。

 

『JOKER! MAXIMUM DRIVE!』

 

キュインキュインという電子音が段々と高音になっていきハヤトの右手に紫のエネルギーが集まっていく。

 

「ライダー…パンチ」

 

ハヤトは怪人に接近する。怪人も負けじと最後の力を振り絞ってパンチを繰り出す。

 

「「オラァ!」」

 

結果はハヤトの勝ち。怪人の拳を吹き飛ばしそのまま胸部に叩き込んだ。怪人は大きく吹き飛ぶ。

 

「グゥ…ま、まだ!?」

 

それでも立ちあがろうとすると体が爆発し、周囲に衝撃波が走った。そして、爆発した後にあったのは凄惨な爆死体ではなく、少し擦れた青年が横になっていた。

 

「フィー」

 

ハヤトは変身した状態で、青年に近づく。すると、彼の首からメモリが排出され『パァン!』と小さく破裂する。その残骸を確認するとCockroachという単語にCという頭文字が刻まれてあった。

 

「…やっぱ違うメモリだ。マスカレイドじゃない」

 

ハヤトは情報を集めるためにこの数日の間正体を隠して仮面ライダーとして行動していた。冒頭でも書いた怪人騒ぎは全てハヤトがなんとか解決した。だが、今回は前の騒ぎとは違って怪人の姿が違っており、排出されたメモリも今まで見たことのない物であった。

 

「うーん。マスカレイドしか売らないんじゃ…とりあえず帰るか」

 

ハヤトはメモリの残骸を袋に入れる。その後、変身を解除してベルトとメモリを着ている白衣に仕舞った。

 

「それにしても…なんで戦ってるとスラムの誰もいない所に行くんだろうなぁ」

 

ここ最近自分の身に起きている現象に疑問を浮かべながら気絶している男を背負って診療所へ帰っていった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「はぁ…」

 

あの後鉱石病の薬を処方して、色々話を聞いたが、結局収穫はナシ。男に働き口を渡した後、ハヤトは机に突っ伏してため息を漏らす。ここ最近は戦いの連続で心身ともに疲れ切っていた。

 

「ラジオは…クソみたいな放送しかやってねぇし…カシャの新しい動画…もまだ投稿されてないし…はぁ〜」

 

できることが無い。やることもない。そのせいでさっきから二酸化炭素しか吐いてないハヤト。

 

「手詰まりみたいだね」

「後は林さんの情報待ちかな…ん?」

 

ハヤトは声がした方に顔を向ける。そこには夢で出会った青年が来客用の椅子に座っていた。

 

「あっ、自称王様」

「その言い方はないでしょ」

「じゃあ、何者なんだよ?」

「だから王様だって」

「そんなことある?」

 

青年はムキになりながら自分が王様であることを主張し続ける。ハヤトは諦めてそういうことにしておいた。

 

「んで、何しにきたの?」

「君に聞きたいことがあってね?()()()()()()()()()()()()()()()()()()

「そりゃあ…今までどうりここで医者続けるさ」

「へぇ…」

 

青年は生返事を返す。そして軽快にそれを口に出した。

 

「そんな程度ではあの夢は現実になるよ?確実に」

 

ハヤトはあの夢が脳裏に浮かんだ。辺り一面に命だったものが転がされる地獄。その中には知り合いも混じっていた。

 

「…だからどうしろと?俺は医者だぞ」

「でも、仮面ライダーでもあるよね?」

「仮面ライダーだからどうした?そもそも俺じゃなくてもいいだろ」

 

青年はにっこりと笑う。

 

「ダメだよ。ジョーカー(道化師)は君じゃなきゃダメなんだ」

「なんでだ?他にもいっぱい世界を良くしたい組織あるだろ?ロドス・アイランドとか…」

 

ハヤトは世界を救おうとしている組織としてロドスを挙げた。製薬会社の中でもかなり異質であり、そこでは感染者も対等に働いているらしい。自分はあくまで病人を助けたいだけなのである。

 

「それもそうかもね。それでも君じゃないと仮面ライダーにはなれない。なぜなら…」

 

その後の言葉にハヤトは絶句した。なぜだ。なぜそれを知っている?意味がわからないままそのまま意識を手放した。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

目が覚めるとすでに外は暗くなっていた。机の上には『少しは体を休めろ』というメモ書きと比較的近くの店の弁当が置かれていた。

 

「……本当にこれはなんなんだろうな」

 

ハヤトはポケットに入れていたメモリを取り出して眺める。あの青年の言葉が耳に残っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「なぜなら…君は健常者にも、感染者にも、大事な家族を奪われているから」

 

 

 

 

 

*1
ゴキブリのことです。




第二話いかがだったでしょうか?戦闘シーンは少しあっさりでしたね。原作キャラはもっと出した方がいいですかね?アンケートするかも入れません。
では、第三話で会いましょう


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第三話 飛ばない鳥

さて、第三話です。ディケイドライバーcsm発売されることになりましたね。平成からは逃れられない!!!


ペンギン急便。龍門ではかなり有名な物流組織だ。

その理由に社長が人気のミュージシャンであり、音楽プロデューサーであることもあるが、一番の特徴は物流組織では異常なほどの戦闘力だろう。

狙撃手の『エクシア』を筆頭に源石剣を操るドライバーの『テキサス』、怪力を持ち巨大な盾を扱い敵を吹き飛ばす『クロワッサン』、現役でアイドル活動をしている『ソラ』、新入りで未だに毒されていない『バイソン』。一応書いておくが、トランスポーターである。

あと、もう一人いるようだが今回は省略しよう。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

さて、この組織は前述した通り物流組織だ。とどのつまり、運送業者なのだが、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

時刻は夜の9時。この日も運送途中に三台の車に襲撃をかけられ、そこから出てきた奴らと荒事が始まっていた。相手は『EXE』(エグゼ)という無名のマフィア集団…いや、チンピラの集まりだった。

いつも戦っているマフィアと比べると胆力も技量もない。数は多いが、エクシアの一斉掃射でほとんどが倒れてしまう。

 

「…なんか、弱いなぁ?」

 

いつもそんなことを言わないクロワッサンも思わず苦笑いをする。すると一番大きな車両から三人の男が出てくる。

 

「ボスのお出ましか…気を抜くなよ」

 

彼らのボスであるエンペラーは彼のバディである平和の銃*1を構えながら言った。

 

「何だよ!せっかく金出して集めたのに!とんだ雑魚じゃねぇか!」

 

頭にタオルを巻いた男がその辺に転がっていた者を蹴りながら吐き捨てる。部下が小物ならそのボスも小物かとエンペラーはため息をつく。

 

「なぜ、私たちを狙った」

 

テキサスは男たちに剣先を向けながら疑問をぶつける。

 

「ウルセェ!!テメェらはここで終わりだ!やるぞ!」

 

タオルを巻いた男が声を荒げると両端にいた二人の男はメモリを取り出し、首筋に挿して怪人に変身する。

 

「えー…また怪人?」

 

エクシアは額に手を当てて落胆する。すでに龍門では怪人騒ぎは日常となっており、ペンギン急便もマスカレイド・ドーパントとは何度もやり合っているので、対処は慣れっこである。

そして、エクシアの態度が気に食わなかったのかタオル男は激昂する。

 

テメェ…だったら見せてやるよ!俺のメモリィィィ!!

 

ENERGY

 

タオル男は鼻溝の部分にメモリを挿入すると電気が彼の体を流れ込み青く発光する。すると、彼の体はまるで電球を人の形を成形したような体に変化した。今まで見たことの無い怪人を前に

 

「ぶっ殺してやる!!」

 

エナジー・ドーパントは踏ん張るような仕草をすると身体中に青い電気がバチバチと輝きだし、歪な形をした左腕部をエクシアに向ける。

 

「あれはまずい!お前ら避けろ!」

 

エンペラーの指示でトランスポーターの三人は回避を行動を行う。するとエナジーの左腕部から青い電気が発射され、後ろにあった建物の壁が吹き飛ぶ。

そして、マスカレイドの二人がテキサスに襲いかかる。

 

「テキサス!」

 

それを見逃すエクシアでは無い。持っている銃で的確に頭を狙い引き金を引く。弾丸を頭に喰らった怪人は倒せはしないかったが、それでも頭を抑えて蹲る。テキサスはその隙をついて源石剣で二人を切り裂いた。

 

「「ぐわァァァ!!」」

 

二人は切られて少し吹き飛んだ爆発する。もちろん二人は死んでおらず、衰弱状態で倒れているだけだ。あっけなく二人がやられた事にエナジーは不機嫌になる。

 

「クソッ!!あのメモリ二つで八万もしたのに役立たずじゃねぇか!!」

「何やそれ!キミぼったくられとるんやないの?」

 

いつの間にかエナジーに近づいていたクロワッサンは持っていたハンマーを叩きつける。エナジーは怪力から繰り出されるハンマーをモロに喰らう。確実に効いてはいるようだが、まだまだ致命傷には遠そうだ。

 

「それにしてもタフだな。このままじゃ埒が開かないぞ」

「やっば…弾足りるかな…」

「あのレールガンのせいで逃げるのも容易ではない。だが、今の私たちでは奴に致命傷は与えられん」

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

ペンギン急便の全員がエナジーとの戦いが泥沼になると覚悟する。その時であった。

エクシアが突然後ろからバイクの重低音を聞きつけたのだ。もしや、ツーリング中に通報を聞きつけて近衛局の隊員である『ホシグマ』が駆けつけてきたのだろうか?

 

そのまま後ろを向く。黒いバイクを運転してこちらに向かってくる者がいた。

黒い体に真っ赤な眼。額に輝くV字の銀プレート。怪人が現れる時その姿を見せるという人物。その正体はあのマスクに全て隠れているという。数日前に現れては怪人になった者の前にバイクに乗って現れては、常人離れの戦闘技術で数々の怪人を倒した未だ不敗の戦士。龍門の人々からは仮面を被ったライダー。『()()()()()()』と呼ばれていた。

 

「嘘やん!?マジでおったんかい!?」

 

仮面ライダーはバイクに乗ったままエナジーに向かって行って…

 

「オラァ!!!」

 

ブレーキを掛けて、バイクを巧みに操り後輪部分をエナジーにぶつけた。

 

「ウギャ!!」

 

謎の人物が現れて呆気に取られていたエナジーは痛い一撃をもらって転がるように倒れる。だが、それでも怪人。すぐに起きあがって仮面ライダーに襲いかかる。

 

死ねぇ!!

 

ブンブンと腕を振り回す。これだけでも普通の人間が相手なら大変厄介だろう。しかし、エナジーが相手しているのはこの数日間怪人と戦い続けていた仮面ライダー。ただのチンピラが強大な力を手にしたところで、それを扱えなければ宝の持ちくだれという物だ。

 

仮面ライダーは雑な攻撃を流し、的確に反撃を繰り出す。反撃を喰らったエナジーは躍起になり、攻撃がさらに雑になる。

エナジーが繰り出したヘナチョコな右フックを躱す。すると、今までの消極的な戦いから一変、積極的に攻撃を始めた。

ローキックからの左ミドルキック。二連右ストレートからのハイキック。ボロボロの状態で繰り出したエナジーのパンチを掴み取り引っ張って距離を縮めると、その腕に肘を叩き込んだ。

 

「…ッッ!?!?!?!」

 

怪人なのに骨を折られたような痛みを感じたエナジーは声すら出せない。しかし、腕を抑えて蹲るところを見るにだいぶ苦しんでいる。

 

さぁ、こいつで終わりだ

 

ベルトのスロットに入っていたジョーカーメモリを抜いて右腰に付いているマキシマムスロットに装填する。

 

『 JOKER!! MAXIMUM DRIVE!! 』

 

右足に紫のエネルギーが蓄積されていく。エナジーはライダーに向かって走り出していた。

 

「ライダー…キック」

 

左足を軸とした右足で繰り出されるハイキック。それキックがエナジーの頭部を蹴り抜く。怪人はそのまま乗ってきた車に叩きつけられ、そのまま車ごと爆発した。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

さて、どうするか。ハヤトはペンギン急便(ドンパチ集団)を前に思考する。これが見ず知らずの他人ならさっさとバイクで逃げてしまうのが得策なのだが、見ず知らずどころか、かなりの頻度で仕事の依頼をしているいわゆるお得意様なのだ。

 

「すまない。何者かはわからないが、助かった」

 

やばい。あーだこーだしてるうちにテキサスさんが話しかけてきた。まずい声でバレる。

 

「…怪我はないようだな」

 

ハヤトは小さな声で内気な性格を演じる。これなら多分バレないだろ。よし、とっとと逃げよう。ハヤトはバイクに跨り走り去ろうとする。

 

「あっ、待て!お前ハヤトだよな!」

「え?なんで?」

 

しかし、ハヤトの作戦はエクシア達を欺けても、エンペラーには通じなかったようだ。ハヤトは何とか平静を保っているが、内心ではすごく動揺していた。

 

「…違う」

「…そうか」

 

すると、エンペラーはニヤリと笑う。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()

「緊急開頭を行い、銃弾の除去・血腫除去・止血を行う。この際、脳の損傷により後遺症が残る可能性があるので、治療系のアーツなどの即効性の治療も併用して行う」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え?」

「あれ?」

「……」

「…アッ」

 

三人は突然の治療法の詠唱に驚き、エンペラーは腹を抱えて笑い出し、ハヤトは完全に正体がバレたことを悟った。医者としての知識は学生時代に片っ端から覚えたハヤトだからこそ引っかかる。

 

「…数日前から怪人の前に現れる仮面ライダーはまさかお前なのか?」

「…はい」

「とりあえず、それ脱いだ方がええんちゃう?」

「…そうだな」

 

ハヤトはドライバーからメモリを抜いて変身を解除する。その顔はテストを隠していたことがバレた小学生のようだ。

 

「と、とりあえず俺らの拠点に行くか」

「いつまで笑ってんだよ!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

サンセット通りにあるバー『大地の果て』。そこでは、前の仕事でちょっと怪我した新入りのバイソンが掃除をしていた。ちなみにソラもいる。

 

「おかえりなさい皆さん!…そちらの人は?」

「半年ぐらいいなくなってたお医者さんだよ。ちょっと話を聞きたくて来てもらったの」

「さて、キツイ酒を探すか。ハヤトにしこたま飲ませて今までのこと全部吐いてもらうぞ!」

「ボスは酒が飲みたいだけやろ」

 

エクシアはアップルパイを作りに台所に入った。ハヤトは完全に借りて来た猫状態になっていた。

 

「そこに座れ。ご注文は?」

「…何でもいい」

「よし。じゃあスピリタス*2

「やめろボス。ハヤトを殺す気か」

 

エンペラーの手をテキサスが掴む。あまりにも唐突に始まるパーティにソラが口を出す。

 

「ねぇ、これってなんのためのパーティなの?」

「龍門一の闇医者の帰還パーティやで」

「…私の知ってるハヤトさんはもっと活発な人だった気がするけど」

 

ソラは明らかに落ち込んでいるハヤトを見てその感想を漏らす。

 

「まぁ、それはボスの所為というか。まぁ、隠し事をしとったんやから当然やけどな」

「すいませんクロワッサンさん。僕あの人知らなくて…」

「あっ、そうやね。バイソン君はハヤトと会ったことないんやったな。長くなるから後で説明したる」

 

そうしてアップルパイが出来上がり、音楽も流れて、酒の準備も完了。いよいよパーティが始まった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「クァw瀬drftgyふじおlp…」

「完全に酔い潰れてるね…」

「やっぱスピリタス混ぜたのがでかいな」

「ホンマに飲ませてもうたんか…」

 

ハヤトはアルコールで意識がふわふわしている。酔う前にハヤトから大体の経緯は聞いたので、酔いつぶす必要はない。だが、勢いに任せて飲んだせいでご覧のとうりになっている。

 

「そうだ。なあハヤト」

「ン?」

「何でお前この件に首突っ込んでるんだ?」

 

最後にエンペラーは林と同じ質問をした。ちなみにまだ酔ってない時に前と同じ答えが帰って来ている

 

「ボス。それはさっき聞いただろう」

「酔ってるから違う答えが返ってくるかもしれないだろ?」

「もー、おもちゃじゃないんだからさ」

 

エクシアは食べ終わった皿を片付けながら言う。その後ハヤトは呻きながら答えた。

 

「…鉱石病の治療方法が見つかるかもしれんから」

 

とんでもない爆弾発言が落とされた。その場にいるハヤト以外の全員が固唾を飲んだ。

 

「続けてくれ」

地球(ほし)の本棚。全ての現象、物体、概念が記憶されているデータベース。ガイアメモリはその記憶から製造されるって古文書に書いてあった」

「全てということは…」

「源石の全てがそこにあるっちゅうことか…」

「…ウソでしょ」

 

そして、ハヤトは線が切れたように眠り始めた。源石は未だに解明されていない未知の物質。その詳細が明らかとなれば、鉱石病に対する特効薬の製造も容易となるだろう。

 

「こいつ最後にとんでもない厄ネタをぶっ込んできたな」

「僕としてはロドスに報告したほうがいいと思いますが…」

「ダメだ。誰にも話すなと、既に釘を刺されてる」

 

パーティはハヤトの酔い言葉で幕を閉じた。

 

 

 

*1
段ボール板とボンドとゴムバンドで作った物。エクシア曰くスリングショット。詳しくは『喧騒の掟』を参照。

*2
アルコール度数96度という、世界最高の純度を誇る酒。アークナイツ原作では確認されていないが、まぁいいでしょ(適当)




ペンギン急便との絡みはまだちょっとだけ続くんじゃ。
ちなみにロドスとは協定を結んでいる設定となっております。ハヤトの依頼というのは治療薬の仕入れですね。理由はのちに書きますが、ハヤトは龍門ではかなり有名人です。

では第四話でお会いしましょう。


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第四話 空飛ぶカメラ、空飛ぶクワガタ

アンケート開催中です。今後の展開を決める大事な物なので、投票して欲しいです。ではお楽しみください。


「ア“ア”ア“ア”ア“」

 

深夜0時。ハヤトは林の手筈で集められた古代の資料(Wの設定資料集)をバタンと倒し、濁音まみれの声を上げる。

 

「全然読めねぇ…極東の言葉と似たような感じだけど、意味不明な言葉が各所にある…なんだよオヤコドン・ドーパントって?」

 

本に書かれている言葉は極東の言葉に近いが、いかんせん言葉が古すぎて常人には絶対読めないものになっていた。ハヤトはあらかたの言語は習得しているが、解読にかなり時間がかかっている。こんな時に老古学のリュウがいてくれれば…

 

「…疲れた」

 

この数日間ほとんど同じことの繰り返しで、売人に繋がる情報やその元締めがわからずにいた。

毎日やってくる怪我人や、感染者なども相手しつつ、怪人…『ドーパント』との戦闘もかなり過酷になって来ている。最近だと、歯を弾丸として飛ばしてくるアロマロカリス・ドーパント、身体をクリーム状に変化させて移動したり、腕をナイフのように鋭くするスイーツ・ドーパント。心なしか、段々と強くなってきているような気がする。

 

「はぁ…どうするか…」

 

ため息を吐く頻度も今までと比べると多くなっていた。机に突っ伏すと頬が冷たくなり、気持ちいい。そんな感じでハヤトは無気力状態になっていた。

 

「いや、こんなんじゃダメだ。気晴らしに配送された物を開けてみるか」

 

大地の果てで飲み明かした翌日にエンペラーから渡されたものだ。差出人は不明で荷物も不明で胡散臭いが、法外な報酬金を前払いで渡されたことで仕方なく配達することになったということだ。

 

荷物は花瓶がは入るぐらいの段ボールだった。恐る恐る中を開けると、そこには黒いアタッシュケースが入っていた。偶然か必然かそのケースはヒガシの家で見た物と同じ物だ。

 

「…ん?鍵がないぞ…」

 

アタッシュケースを手に持って見回すも、ケースの閉じる金具がない。代わりにUSBが入りそうな挿入口があった。

 

「まさかね?」

 

ハヤトは白衣の内ポケットからジョーカーメモリを取り出し、ケースの穴に挿れる。すると、ケースがひとりでに開き、中がわかるようになった。

そのケースの中にはデジタルカメラ、ガラパゴスケータイ、小さい箱、そしてカードケースが入っていた。

 

「カメラとケータイ?それにこの箱…ガイアメモリが入っていたのと同じやつだな」

 

その箱にはハヤトの家で感じた引き込まれるような感覚はなかった。ハヤトは箱を手に持ち、封を開けた。中には二本のメモリが入っており、青色の表面そして、コウモリのような絵が描かれている『Bat』、赤色の表面鼠そして、クワガタのような絵が描かれている『Stag』が入っていた。

 

「今までのメモリと違って単語の頭文字じゃないな。それにしても無骨だな」

 

使い道が今のところ不明なので、二本のメモリはケースにしまった。

 

「カメラか…小型で使いやすそう…?!」

 

小型の青と黒のデジカメを手に持って、くるくると見回すと、()()()()()()()()()()()。ケースの物と同じものだ。

 

「……」

 

ハヤトはさっきの箱を開けて、バットメモリを取り出してボタンを押す。

 

BAT

「ん?音声が違うな?」

 

メモリの音声に違和感を感じながら、メモリを挿入する。すると、カメラがコウモリのように羽を伸ばし、部屋中を飛びわまり始めた。

ハヤトは飛び回るデジカメを見て、もしかしてケータイもアレと同じなのではと考え、ケータイを手に取ると同じような挿入口があった。

 

STAG

 

箱からメモリを取り出して挿入すると、閉じたケータイが開き、下部部分が足が形成され、開いた上部部分は液晶から剥離し、二本のツノのように開いて、液晶部分は折り畳まれた。

そして、下部部分からジェット噴射の容量で部屋中を飛び回り始めた。

 

「……」

 

ハヤトはカメラとケータイが仲良く飛び回る様を見て、深呼吸をした後気絶した。ちなみにハヤトが気絶した後、龍門で謎の飛行物体が飛行しているとニュースになるのはまた別のお話。

 

 

 

 

 




エネミー紹介。やってみたかった。
『D1』
Masquerade・仮面舞踏会

攻撃方法:近距離

龍門で犯罪行為をする怪人。正体は普通の人間であり、倒すと爆発する。しかし、使用者は衰弱するだけで死には至らないという一種の安全装置のようなものが組み込まれている。
能力を持たない量産型だが、武器を持たないが、常人を遥かに凌駕する運動能力を持つ。なお銃で頭を撃たれても、大きく怯むが、致命傷にはならない防御力を持つ。

耐久力:B
攻撃力:C+
防御力:C
術耐性:C

備考:仮面ライダーから受けるダメージが増加する。

ガイアメモリを扱う作品なので、メモリガシェットは出したかったのです。送り主が不明ですが…まぁわかるか。では、第五話でお会いしましょう。



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第五話 故郷の崩壊…医者の不機嫌

ここからハヤトの物語の時系列が原作に入ります。三章はもうちょっと続くよ。


チェルノボーグ崩壊。そんな重大な知らせが各国の移動都市に伝わる。感染者集団『レユニオン・ムーブメント』によって引き起こされたテロリズム。チェルノボーグに従属していたウルサス軍はもちろん無関係な一般市民にもその復讐の刃にかかった。

白いコートに無骨な仮面を身につけた集団が市街地に火を放ち、天災に狂喜乱舞するその姿はまるで獣のようだったという。今まで虐げられてきた者達の行軍を見て、ある者は悲観を、ある者は嘲笑を、ある者はケジメを、ある者は憐れみを抱いた。

そして、龍門にも故郷が崩壊したと知って明らかに不機嫌になった者もいた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

人でごった返したスラムを流れる水のように歩いている男がいた。その体はまるで山のように大柄で、熊のように大地を踏み締めるように歩を進める。白衣を靡かせながら…

 

彼の名前は『ハンク・フリーバード』。ハヤトの診療所の唯一の従業員であり、一番弟子でもある。ハンクは鉄を踏み締める時に鳴る軽快な音と共に階段を上がり、診療所のドアを叩いた。

 

「おはようございます。今日もいい天気ですね…おや?」

 

この時間ならいつもいるはずのハヤトがいない事にハンクは不自然さを感じる。まさか、またペンギン急便と飲んでいるのか…そう考えたが、彼のデスクに置かれていた雑誌を見て、その可能性は完全に消え失せる。

 

「……」

 

雑誌に書かれていたのは『チェルノボーグ崩壊!次の標的は龍門か?』という記事だった。なるほど、これは不機嫌になる(面倒になる)案件だ。

 

「飴屋の主人に聞いてみますか」

 

ハヤトの縄を握っている林に話を聞くことにしたハンクであった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「おっ、おい…あれハヤトだよな?」

「ばか!目を合わせるな!」

「ありゃ完全に不機嫌になってるな」

「マフィアがアイツの診療所に放火した時以来じゃないか?」

 

スラムの至るどころでヒソヒソとハヤトについて語り合っていた。一方、ハヤトは明らかに不機嫌そうに歩いていた。遠目から見ても彼の周りに黒いモヤがかかっていると、錯覚するほどだ。

 

「アレ?ハヤト先生じゃないですか。いつの間にこっち戻ってきたんですか?」

 

ハヤトが当てもなくぶらぶら歩いていると、魚団子の屋台をしている『ジェイ』という青年が声をかけてきた。市場に水産物を運んで商売をしている人物だ。ちなみに料理の腕はかなりのもので、よく屋台や厨房の手伝いをしている。

 

「…まぁな。まだやってる?魚団子スープを一つもらおう」

「へぇ、毎度。ちょっと待ってな…それにしても顔色やばいですよ?」

「ちょうど故郷が滅んでね」

「…聞かないほうがいいですかね?おっと、出来ましたよ。お題は少し御負けしておきますね」

 

ハヤトは金を支払って、紙の器を手に取る。割り箸を片手で割ってから、そのまま魚団子を口に頬張った。

 

「腕上げたな。董のおやっさんにも負けねぇんじゃねぇの?」

「まだまだですよ。ハハハ…」

「あっ、ヤベェ…もう開業だ!じゃあな!美味かったぞ!」

 

 

心なしかハヤトの顔色も良くなる。ジェイと少し会話した後、開業時間が来ていることに気がついて大急ぎで戻ることになった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

龍門での感染者は比較的寛容だ。一応、市民として扱われるし、健常者と比べるとアレだが自由もある。龍門にいる感染者は基本的に個人情報が登録されており、症状や進度まで記されている。

診療所のオーナーでもある林は龍門のトップであるウェイと繋がりがあるので、便宜を図れば感染者のカルテを入手することができる。

ハヤトの仕事は基本的にカルテを元に有効な治療法と医療薬を作成することだ。たまに、人手が足りない時に病院で手術も請け負うこともある。

 

「……」

 

黙々と作業が進んでいく。診療所はかなり狭い作りなっており、受付が無いのでドアを開けると診断室になっている。その奥にはベッドが三台ほど設置されており、一通りの医療道具が揃っている。ちなみにハヤトは奥で寝ている。

 

「すいませんハヤトさん。これ感染進度Ⅲ期じゃないですかね?」

「ん?そのデータ…融合率14だからⅡ期…いや、体表に源石見えるなこれ!源石あるならⅢ期に決まってるだろうに。訂正要請出しといて!」

 

ハンクが差し出した書類に赤丸をつけて朱色のファイルに入れる。たまに、こういうことが起きるので油断ならない。

 

「それにしてもⅡ期とⅢ期を間違えるかね?」

「間違えますよ!医療試験でも難問扱いされてるんですから!」

「融合率0〜5%が初期、5〜10&がⅠ期、10〜20%がⅡ期、15〜20%がⅢ期、20%以降がⅣ期だろ?分かりやすいだろ」

「Ⅱ期とⅢ期は%の領域がダブっているから間違えやすいんですよ」

「いや、源石を見落とすことないだろ」

「それはあなただけですよ」

 

鉱石病の判断基準として先ほどハヤトが言っていた進行度数値化法が用いられる。感染者の病状を明確に分かりやすくしたもので、それによって処置方法が分かりやすくするために編み出された方法だ。欠陥としてはⅡ期とⅢ期の違いが源石でしか判断ができないということだけである。

 

「にしても、Ⅲ期の患者か…これだと薬でも完全に抑えられなくなるから手術が必要になるんだけど…」

()()()()()()()()()()()でしたっけ?あなた以外できる人が居ないですよ」

 

ハヤトがゲンムラボに居た時に鉱石病に対してのカウンターとなる治療法をいくつか開発されていた。源石の体に生成された源石結晶を拡散させず除去し、治療アーツによって欠けた患部を修復する『体表生成源石の除去術式』が代表的で、今まで薬物療法では抑えきれなかった進行を大幅に遅れさせることができる。しかし、かなり難易度がかなり高い。一寸の狂いなく源石の周りを切除しなければならないし、時間をかけてもいけない。精密性と精神力が狂人レベルで必要になる。

 

「はぁ…もっといい方法ねぇかな〜」

「いまだに致死率100%ですからね。完全な治療法はあるんですかね?」

「…ぶっちゃけ、あの自称神ならなんとかしそうで怖いな」

 

ヴェァハハハハハと高笑いをする所長の姿を思い出し、思わず身が震える。チェルノボーグが崩壊してもあの研究所は生き残りそうだな。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「終わったァァァ!!!!」

「私は提出してきますね」

 

龍門に流れ着いたチェルノボーグの難民のせいでいつもの3倍も時間がかかった。運よくドーパントも出なかったので本当によかった。

ハヤトがアイマスクをつけて仮眠を取ろうとするとコンコンとドアを叩く音が聞こえる。

 

「入ってま〜す」

「それトイレの時の応答ですよね」

 

来訪者は龍門特別任務隊の隊員である『ホシグマ』だった。隊服を着ているため仕事中らしい。

 

「病気とは無関係そうなアンタが来るなんてな。まさか感染したの?病院行って入院して寝ろ。以上だ」

「勝手に話を進めないでほしい。ある人物を捜索してほしいという依頼だ」

「ん?診療所に頼む案件か?リー探偵事務所に…あっそうか国絡みかよウエェ…」

 

この診療所をやっていくに当たって一番の弊害は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()だ。これが本当にめんどくさい。

 

「んで?その探したい相手は?まさかウルサスの貴族じゃねぇよな」

「ウルサスの子供です。重要な情報を持っているという見解らしいです」

「特徴は?」

「背が低く、白髪、名前はミーシャ。非登録です」

「わかった。すぐ見つけれそうだな」

 

ハヤトは龍門にいる全ての感染者の顔をカルテを通して覚えている。もし、見ない顔があったらすぐに気がつけるだろう。

 

「それと、ロドス・アイランドが龍門に助力するようです。彼らを見ても敵対はしないように」

「……製薬会社だよな?何しに来るんだ?」

「彼らは感染者が起こす問題に対処する公営の組織です。チェルノボーグ侵攻時にもいたようです」

「つまり、製薬もして、感染者の暴動に軍事介入する組織か?胡散臭いのが来たな」

 

それっていいように使われてるだけじゃないのか?ハヤトは顔を顰める。

 

「よし!やる気出てきた!1日で見つけてやる!」

「どうしたんですか急に」

「よくわからない組織に患者を見つけられてたまるか!本気でやってやる」

「そ、そうですか。協力感謝します」

 

ホシグマとの会話も終わって気づけば、もう辺りは暗くなっていた。流石に夜は寝る時間だ。ハヤトは治療室に行き、そこのベッドで眠ることにした。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

夜遅く。龍門全域がほとんど寝静まった頃。寝ているハヤトを見下ろす者がいた。

 

その姿は怪盗。シルクハット、赤いコート、そして炎のような赤で刻まれた悪魔のような仮面。背中にはカラスのような黒い翼。ソイツは確かに存在している。彼が大衆の前に現れるなら、たちまち恐怖に包まれる。もしくは今の世界を変える者が現れたという期待の感情か?

 

「彼が…私の新たな持ち主か…」

 

怪盗はポツリと満足そうに呟いた。そして、そのままその姿を消す。床に黒い羽根を残して。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回かなりオリジナル要素多めです。手術とかほぼ出鱈目みたいなもんです。

最後の幽霊みたいなやつはアトラス開発のペルソナ5からアルセーヌ。
ハンク・フリーバードは同じくアトラスからhospital 6人の医師 より

評価と感想お待ちしております。それでは第六話でお会いしましょう。


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第六話 機械仕掛けの神

気分がいいので書きます。テスト明けで気持ちいい!



〜チェルノボーグ〜

 

「フンフン、フフーン♪」

 

レユニオンによって壊されたチェルノボーグ。そこに人はおらず、ただ有るのは廃墟と姿を変えた建造物の数々。そんなゴーストタウンとなったチェルノボーグを1人のある者は歩く。

茶髪のショートに左眼に傷跡。猫の様に曲がった背中。ザヴラの様な青年は廃墟を見て、どこかうんざりとした顔をした。男は手頃そうなビルを見つけるとひとっ飛びで屋上まで移動する。

 

「うーん…お!」

 

青年が屋上から辺りを見回すと、ガスマスクを顔につけた少年が構成員を率いて町から出ようとしていた。

 

「三ボスか…そういやミーシャっていうのを救助するって雑魚キャラが騒いでたなぁ?」

 

司令部にいた時の喧騒を思い出す。確かリーダーはスカルシュレッダーという幹部だったはずだ。

 

「着いて行こっと♪ウルサス軍よりもイイキャラがいそうだ♪」

 

そう言ってポケットから青いガイアメモリを取り出す。

 

『TRIGGER』

 

メモリを自分の首筋に挿し込むと体がオレンジの様な粒子に包まれる。

その姿はドーパントの様な怪物の様な姿はそこにはなかった。肌は青黒い色となり、服装はまるで西部劇のギャング。カウボーイハットを被り、丸ふちメガネをかけている。腰には大きな拳銃が2丁ぶら下がっており、背中にはスコープのついたライフル。元の青年とは全く別の姿となっていた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

青年はビルの屋上からから飛び出して部隊まで行く。そして先頭まですっ飛ぶように移動した。

 

「何!?誰だ!?」

 

突然現れた青年を見て、レユニオンに入ったばかりの兵士達は武器を構える。しかし隊長、重装兵などは驚くことはなかった。

 

「お前は…トリガーか?何をしに来た?」

 

目の前にいる青年をスカルシュレッダーはトリガーと呼んだ。自分が入る前から所属していたレユニオンの古株。今まで戦闘行為を一切していなかった人物で強さがわからなかった幹部だったが、今回のチェルノボーグ侵攻で軍隊を()()()1()()()()()()()()()()()

トリガーは両腕を外側に開いて着ているジャケットをなびかせながらニコッと笑顔を浮かべる。

 

「別に?ただ手伝ってあげようかな?みたいな?」

「…わかった。ついて来い」

「ヤッタァ♪」

 

後ろから隊員の疑いや非難の声が聞こえるが、今は背に腹は変えられない。その笑顔の裏に何かを隠しているに違いないだろうが、その強さをスカルシュレッダーは目撃している。そして、戦うからには手を抜くことはしないだろう。

 

「どういうミッションなの?」

「この写真に写ってる感染者を救助する。絶対に殺すなよ」

「要人救助ミッションかぁ♪楽しそうだ」

「しくじるなよ」

 

トリガーは堅苦しいスカルシュレッダーを見てプイっと顔を背ける。

 

「そんな思い詰めるなって、もっと明るく行こう」

「失敗はできないんだ」

「誰かの家族だったりして?」

 

その質問に返答はなかった。トリガーは写真に写る人物はこの少年の家族だと察する。

 

「Bang! Bang!」

 

トリガーは立ち止まり、二丁の銃を抜いて空に二発撃った。これはトリガーが何か大事なことをするときにやる願掛けだ。本人曰く空に浮かんでる神を怖がらせるのが目的らしい。

 

「じゃあ行こうか♪」

 

こうしてスカルシュレッダー隊はチェルノボーグを出た。目指すは炎国龍門。頭蓋砕き(スカルシュレッダー)の復讐者と機械仕掛けの神(デウス・えクス・マキナ)が強襲をかける。

 

 

 

 




W:「…忘れられてるわね」

もちろんW率いる傭兵団もこの作戦に参加してます。

トリガーはレユニオン側のオリキャラ。ゲームが大好き。
トリガーの持つ銃はでかくなったマテバ・オートリボルバーです。攻殻機動隊という作品にも登場してるみたいですね。


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第七話 医者、ロドス、レユニオン

今回は少し駆け足で行きます。というか最近投稿頻度が落ちてますが、それはリアルでの生活が忙しいからです。ちなみにちょくちょく表現が変わったりしますのでご了承ください。


ハヤトがミーシャ捜索の依頼を受けて二日後…

 

「……」

 

ハヤトはスラムの一番高い建造物の屋根からスラムを見渡す。このスラムにいる者はほとんどが感染者である。そして、ハヤトはその感染者のリストを頭に叩き込んでいる。スラムは人でいっぱいだがウルサスから来ているのなら間違いなくその行動は浮く。この方法ならいちいちスラム中を駆け回らなくても発見がしやすい。

 

「ハヤトさん電話ですよ。ケータイからです」

 

耳につけたインカムからハンクがハヤトに声をかける。

 

「悪い!飛ばして!」

 

ハンクは鳴っているスタッグフォンにメモリを挿してライブモードにして、ハヤトの元に飛ばした。

 

「足元は気をつけてくださいよ!」

「わーってるって!」

 

ハンクの忠告を軽く受け流し、ハヤトはスタッフフォンを受け取り、開いて応答する。

 

「もしもし!」

「ハヤト・ジョウゼンだな?そちらの状況はどうだ?」

「誰かと思えば龍門近衛局特別督察隊の隊長さんか…なんでこのケータイ番号知ってるの?」

「ケータイ?診療所の通信機ではないのか?」

「…別にいいか。こっちはまだ見つかってない。ただ、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。そっちはどう?」

「現在こちらも捜索中だ。しかし、そっちが見つけたら報告はいらん。すぐに確保に向かってくれ以上だ」

「了か…切れた。『い』まで言わせろよ」

 

あの隊長…真面目で優秀と聞いているが、自分は苦手だ。研究職と戦闘職は相容れないのだろうか。

 

ハヤトはため息を吐いて、再びスラムに目をやる。すると、明らかに規律の揃った集団を見つける。目を凝らして見てみると、ロドス・アイランドのシンボルマーク。

 

「あれがロドスか…先頭にいる奴は会社のCEOか?それに…ん!?BSW!?おい、ハンク!」

「あんま声出さないでくださいよ。近所迷惑ですよ?」

「なんで製薬会社が大手PMC(民間軍事会社)を雇ってるんだ!?おまけにロドスの方も兵士の装備良いし!製薬会社か?本当に…」

「我々が扱う医療用品はロドスから70%ほど仕入れてますから。製薬会社として仕事はちゃんとこなしているはずです」

「製薬会社なら大人しく特効薬作れよぉ…」

「そういえば、感染者を取り巻く状況を変えたいという人物を募集しているようですよ?診療所は私が受け持つので入社したらどうです?」

「…ドーパントとかメモリ売人が済んでからの話だな。まぁ、行く気はないけどな。だったら、俺はゲンムラボに戻るよ。今あるか知らんが」

 

ハヤトは診療所まで、建物の屋根をバッタのように蹴りながら飛んで行く。ちなみにこの光景にスラムの住人は嫌悪感を抱かず、いつものことだと認識していた。

 

「何でそんなにロドス嫌なんですか?ペンギン急便だって運送業者にしては過剰な武力持ってると思いますが…」

 

ハンクはロドスのことを異様に嫌っているハヤトに疑問をぶつける。ハヤトは医者であるが、1人の感染者でもある。感染者を救いたいというロドスの組織理念は彼にとっても良いはずなのだ。

 

「別に?話すようなもんじゃ…おっ!子供に暴力働こうってバカがいるな。しばいてくる」

「ちょ、待ってくださ…」

 

ハヤトはインカムを切って目の前の現場に向かい合う。どうやら子供達を大人な男達が捕まえているようだ。

 

「この悪者!離せ!はーなーせ!」

 

ブンブンと振り解こうとする子供を押さえつけて男は言う。

 

「言え!奴はどこへ行った!」

「知らないフリが通ると思うなよ!」

 

明らかに小物の悪役を目の前にして思わずほくそ笑んでしまう。すると、1人の男が子供の髪を掴みあげた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ロドス・アイランドは龍門内部のレユニオンによる脅威を防ぐため、龍門のスラムを捜索していた。

 

「…あれ?誰かいるんですか?」

 

アーミヤは騒ぎの方向に注目すると、そこには振り解こうとする子供達を頑強な男達が捕まえている現場であった。

 

「この悪者!離せ!はーなーせ!」

「言え!奴はどこへ行った!」

「知らないフリは通ると思うなよ!」

 

子供達は振り解こうとさらにもがく。そして、その行動に嫌気が差したのか1人の男が少女の髪を掴み上げる。

 

「竜のお姉ちゃん!お医者さん!どこ!たすけて…」

「ミーシャお姉ちゃん!助けてよ!!」

「……。」

 

エスカレートしていく暴徒の行動にアーミヤは暴徒達に近づく。無論、暴徒の1人が彼女に気づく。

 

「!?」

「な!?どっから来た!」

 

突然の部外者に動揺するも、髪を掴み上げていた男は少女から手を離しナイフを取り出してアーミヤに向ける。

 

「怪我したくなけりゃ…!?」

 

その瞬間だった。ナイフを構えていた男が突然姿を現した男に鉄山靠(てつざんこう)を受け、近くの壁に叩きつけられた。突然現れた男は白衣を着ていた。

 

「…え?お、おい!?」

「だ、誰だお前!?」

 

しかし、白衣の男は暴徒の質問には答えない。ただ、2人を見つめ続ける。

 

「おい」

 

白衣の男が口を開いた。その声は凍えるように冷たい。2人は彼が発する絶対零度のような雰囲気に冷や汗と身震いが止まらない。

 

「お前ら…なに子供に手をだしてるの?」

「あ、ああ…」

「ば、化け物…!」

 

白衣の男はため息を吐いてさらに声の高さを落とした。

 

「いい大人が子供に暴力振るう方がよっぽど化け物だよ。そいつ連れてさっさとどっか行け」

 

2人は壁にめり込んでいる男を引っぺがし、逃げるように後を去る。そこには白衣の男と彼に群がる子供達だけが残されていた。

 

「ハヤトおじさんありがとう!」

「おじさ…まだお兄さんの年齢だよ!」

「嘘つきー!老け顔ー!」

「えぇ…」

 

白衣の男は子供たちの悪意ない悪口に心を痛ませる。突然の出来事に唖然としていたアーミヤは我に帰り、目の前の男に話しかける。

 

「あの…あなたは?」

「ん?誰だ?もしかして、あいつらのお仲間?」

「いえ、違います」

「ふーん?」

 

白衣の男がこちらに顔を向けると、ゾクっとする威圧感をアーミヤは感じる。そこにロドスと協力関係を築いているBSWのフランカとリスカムがやって来る。

 

「アーミヤ、どんな感…なにやってるの?

「あれ?フランカ、あの男!」

 

リスカムが白衣の男を見て、盾を構える。フランカも剣を抜き臨戦体制に入る。白衣の男は平然とそこに立っている。

 

「え!?ま、待ってください!彼は子供を…」

「そんなことはわかってるわよ。もし、敵だったら面倒臭いからよ」

「アーミヤさん、彼はサルカズの傭兵とも比べられるほどの人物です。それがなぜここにいるかは不明ですが」

 

アーミヤが2人を静止させようとするが、2人は構えを解こうとしない。

 

「…はぁぁ。ロドスの方々でしょ?敵じゃねぇっての」

 

白衣の男は大きくため息を吐く。すると先ほどまでの威圧感は消え去った。

 

「…私たちがロドスの人間だと知っていたのですか?」

「当たり前でしょ。俺だってアンタらと一緒の人を探してるからな」

「ウェイ長官やチェンさんからは何も聞いてないのですが…」

「は?…流石に報連相ぐらいしっかりしろよ

 

結局、目の前の男は何なのかわからないままであった。しかし、そんな状況を解決してくれるかのように事が起きる。

 

「アーミヤさん、通信が入りました。少しお待ちください」

 

通信機から通信が入り、リスカムはそれに応答する。

 

「誰からだ?ウェイ…もしくはチェンかな?」

「待って?なに仲間みたいな態度を取ってんの?私からしたら信用ゼロよ?」

「あれ?フランカにそんなエグいことしたっけ?」

「突然現れた傭兵の言う事なんて信じられないでしょ?」

「…言われてみれば、そうだな」

 

リスカムが通信に応答しているあいだ、白衣の男は両手をあげながらフランカと話していた。ちなみに通信は近衛局からだ。おそらくチェンだろう。

 

「アーミヤさん、近衛局チェン隊長より、ハヤト・ジョウゼンという人物と協力して、白髪のウルサス人少女の感染者を捜索せよと命令が来ました。見つけ次第、近衛局に連絡を入れるように…とのことです」

「そういうことだ。今日中に見つけるぞ。次の患者が待ってるからな」

「なんだ。本当に味方なのね」

「ハヤトさん。ご迷惑をおかけしました。ともに協力しましょう」

「…ああ、しっかり働いてくれよCEO」

「アーミヤです、ハヤトさん」

「アーミヤCEO…」

「ハヤトさん??」

 

呼称は妙なところでこだわるハヤト。フランカとリスカムはアーミヤがロドスのCEO。いわば社長であるので、ハヤトが気遣ってさん付けで呼ばないことに気づいていた。

 

「まぁ、いいじゃないのアーミヤ。ところで、何でこの少女を探すのかしら?」

「なんか情報持ってるらしいよ?それより、感染者ならさっさと保護して検査しないとステージⅢ期とかだったらきついぞ?」

「そうですね…ともかく、この命令が最優先なようですね」

 

龍門の目的はともかく、今は目の前の命令に集中することにした。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

あの後、何人かの重装オペレーターから連絡が入り、感染者からの攻撃を受けたという報告を受けたロドスは重装オペレーターをアーミヤたちがいる区間まで撤退し、偵察チームにはウルサス少女の捜索を命じた。つまり、囮作戦ということである。現在はロドスのオペレーターが対処している。

 

「やっぱり、見ない顔がやけに多いと思ったらこういうことか」

「ハヤトさん。スラムの住人の顔を覚えてるのですか?」

「まぁ、カルテ作らないといけないし。てか、1年ぐらい住んでたら大体の顔を覚える。あと、いつもより挙動がおかしい奴もいたな」

「アーミヤさん。こいつに常識を求めてはダメですよ。不可能を可能にすることが最高の快楽という人種ですから」

「科学関係者は大体そうだろ。ロドスは製薬会社なんでしょ?」

「ロドスにそういった人物は…いないです」

 

アーミヤの謎の間にハヤトは何かを察した。

 

「…よし、いい加減聞こう。お前誰だよ?

 

ハヤトは覆面フードの男に疑問をぶつける。実はアーミヤと初めて会った時から彼の存在に気づいてはいたが、容姿が不審者だったので、触れずにいたのである。

 

「……私はドクター。ロドスの戦術指揮官を任されてる」

「アーミヤCEO、大丈夫かこいつ?選択肢とか選んでいるタイプの会話方法だったぞ?」

「ハヤトさん、ドクターは私たちの指揮官です。少し難がありますが、指揮能力は優秀ですので」

「そうか…そういえば傭兵の時は指揮官なんてなかったから新鮮だな」

 

姿や口調、名前に違和感はあるにしても先ほどのオペレーターの戦闘指揮は素人(戦術に関しては無知)のハヤトからしても素晴らしいものだと感じる。そして、ミーシャが潜伏しているであろう地点まで向かうことになった。

 

 

 

 

 




今回はキリが悪いですな。でも相思相殺編はまだちょっと続くんじゃ。この話でハヤトがロドスに仮加入したので、そのうちゲーム内性能を執筆します。


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第八話 医者としての義務

ハヤト・ジョウゼンは改造人間であり、医者である。


「……ここまで逃げれば、もう見つからないよね」

 

ミーシャは暴徒たちから逃げるべく、スラムの廃墟?のような建物に逃げ込んでいた。

 

「でも、もうあの子たちのところには戻れない。あの子たち、大丈夫かな…」

 

ここに来る前に、自分のことをお姉ちゃんと呼んでくれていた子供たちを思い出す。隠れるようにとは言ったが心配だ。

 

「えっ…まさか……」

 

足音が聞こえてきた。しかも複数、暴徒の男たちがここ見つけて来たのか。ミーシャは不安で額から雫が流れる。もし、見つかれば…その結果は考えなくてもわかる。音がだんだん近くなってきた。

 

「誰?」

 

現れたのは耳が特徴的なコータスの少女、大きな盾を持ったヴィーヴルの女性と細い剣を持ったヴァルポの女性。

そして、その奥から白髪が混じった薄い金髪のツーブロック、白衣に肩掛けバックを持つおじさんがやってきた。

 

「ミーシャさんですか?」

 

コータスの少女がミーシャに話しかける。すると、おじさんが少女の肩を叩く。

 

「いきなり患者の名前を断定しようとするな。違うかもしれんのだから」

「え?…すみません」

「…んで、お嬢さん?お名前を聞かせてもらっても?」

 

ということで、おじさんがミーシャと話すことになった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

さて、ホシグマから貰った写真の少女だな。こっちは彼女を知ってるが、向こうはこっちのこと何も知らない。まずは本人の口から名前を聞く必要があるとハヤトは判断した。

 

「…ミーシャです」

「ミーシャさんね。あっ、俺はハヤト・ジョウゼン。龍門で医者やってる。んで、そこのコータスはロドス・アイランドのアーミヤで、そこの2人はフランカとリスカムっていうロドスの仲間」

「は〜い。どうも〜」

「こんにちは…説明が雑になってない?」

 

ハヤトは自分と三人の紹介を終わらせる。ここに来るまでにレユニオンの集団と接敵しているため、さっさと保護したいのだ。

 

「…ロドス・アイランド?」

「感染者のために色々活動している企業だ。まぁ、レユニオンよりは信頼できるよ」

「あなたのお力になれればと思って。お話、聞いてくれませんか?」

「此処だと、お嬢さんのことを付け狙って来る輩が山ほど来る。安全な場所に行くのが最優先。ロドスがお嬢さんを守ってくれるから同行してくれ」

 

ここで時間を掛けるわけにはいかない。レユニオンの規模はわからないが、軍事だけはガチなウルサス軍隊を打ち破ってる集団だ。さっさと、保護するにかぎる。

 

「……何を……言ってるの?」

 

だめだ。ミーシャは彼らを信頼どころか、言っていることが信じられないという顔している。話がちょっと長引くな。ハヤトは暴徒との戦闘は避けられないことを覚悟する。

 

「……私を捕まえて牢に入れるつもりでしょう!?」

「…え?

 

少しの沈黙の後にミーシャが強く言う。思っていたより、斜め上の返しにハヤトは意表を突かれる。

 

「近寄らないで!私の爪は鋭いのよ……!怪我をしたくなければ……」

「…仕方ない

 

ミーシャは手に生えている爪を彼らに向ける。ハヤトはここまで信頼されてないとは思っていなかったが、信頼を得る方法はまだある。

ハヤトはミーシャに近づいて行く。それは抑え込むために間合いをはかる武術家のものではなく、単純に一歩ずつ歩く。そこに殺気はおろか悪意もない。不気味とも言える歩法にミーシャはさらに警戒を高める。

 

「近寄らないでって言ってるの!!」

「近寄らないと、保護もクソもないからな」

「ハヤトさん!ミーシャさんの言う通りに…」

「アーミヤ、止めなくていいわ」

「ここは彼に任せましょう」

 

アーミヤは静止しようとするが、フランカとリスカムに止められる。患者の相手をするなら傭兵よりも純粋な医者に任せる方が効率が良いからだ。

 

「さて、あと二、三歩くらいだな。どうする?その爪で俺を突き刺すか?それとも、大人しくついて来てくれるか?」

「…何が目的なの?」

「俺はミーシャさんを検査して、入院させるか観察するか決めるんだ。処方するお薬も検査しないと決めれないからな。ついでに話を聞くだけだ」

「信じられない…龍門の感染者に対する扱いは犯罪者に対するものよりも厳しいのよ!」

「は?…それはあとで事実確認を取るとして、俺も一緒について行くから。絶対に守るし、もしも連れて行かれても地獄の底まで追い掛けてやる」

 

ミーシャは萎縮…というか萎れていた。この白衣を来たおじさんがかなりしつこい。だんだんと反発する心が失せていく。

 

「あなたは…何を根拠に……何を根拠に感染者を助けるなんて、平気で言えるの?」

医者だから。え?逆に、医者が患者を助けない理由なんてあるの?」

 

てか、俺も感染者だからねと言ってハヤトは右手の袖を捲り、体表の源石を見せる。ハヤトは言う事は言ったので、ここからはアーミヤに任せることにした。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

そのあと、アーミヤが自身も感染者であることを明かしたり、スラムの子供たちや感染者を暴徒から助けたという話をした。ミーシャを発見したので、チェンに連絡すると、ミーシャを合流地点まで移送しろとのこと。ちなみに、アーミヤがミーシャを保護する理由を聞いても答えてはくれなかった。

 

「すまないな。上司が…」

「謝らなくてもいいわよ。言わないのはチェン隊長なんだから」

「ハヤトさんが聞いたなんらかの情報を持っているという話は合っているかもしれませんね。どちらにせよ、龍門にとってミーシャさんは重要の人物のようです。チェン隊長も焦っているようでした」

 

お互いの組織が協力関係で、同じ目的を遂行するために両者の情報は共有するのが常識である。今回はミーシャについて何も知らされていないため、非常識な案件なのである。

 

「アーミヤさん。疑念は残りますが、少なくとも合流地点は近衛局が確保している安全地帯です。ミーシャさんのためにも、まずはそこに向かいましょう」

「そうですね…今は龍門との協力関係は崩すわけにはいきません。チェンさんも話せばわかってくれるはずです」

「んで、撤退ルートはどうするんだ?スラムは結構複雑だ。挟み撃ちとかされるわけにはいかないぞ?」

「そうですね…また、彼女たちにお願いしないといけないですね」

「彼女たちというとまさか?」

「あっ!?」

 

ハヤトはその彼女たちに心当たりが合った。龍門の立地を知り尽くしており、荒事にも対処できる物流組織であり…

 

「ペンギン急便です」

 

ハヤトが仮面ライダーであることを知っている組織の一つであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




二章前半がこれで終わりだと!?長すギィ!!!!次回あたりに戦闘がありますのでお楽しみに。では、第九話でお会いしましょう。


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第九話 要人保護、回収

実はここで戦闘回だったのですが、展開的に長くなるのでやめました。今回は医者回です。では第九話をお楽しみください。


「ああああああああああああ!!!」

 

ハヤトは叫んでいた。レユニオンの兵士を殴り、重装兵を持っていた盾ごと蹴り飛ばし、狙撃手の放つクロスボウを蹴り弾いていく。

ロドス・アイランドはピンチに追いやられていた。ミーシャがいた廃墟の周辺からレユニオンの格好をした者がこれでもかと現れ、襲撃をかけられたのだ。

現在はペンギン急便のエクシアが提案したルートでスラムを脱出しようとしている。

 

「どういうことなの…この感染者たち、待ち構えていたって感じで襲い掛かってきて!」

「……はぁ……一体何なのよ…」

 

フランカは襲ってくる暴徒を蹴散らしながら走る。ミーシャは不規則に息を切らしながら走ろうとする。

 

「エクシアあぁぁ!!もっといいルートあったろぉ!!」

「比較的安全なルートだよ。どのみち攻撃を受けるのは分かりきっていたさ」

「それに想定よりは数が少ない。突破は可能だ」

 

エクシアは持っている銃器で敵を撃ち倒し、テキサスは朱色に輝く源石剣で勝路を切り開いていく。戦況はだんだんとロドスに傾いていった。

事実、この攻撃にレユニオンのシンパは混ざっている。しかし、スラム全体がレユニオン派ということではなく、傍観者が多い。戦闘が起きているので迷惑を被っているが、基本的には無関心。マフィアの抗争と同じだと割り切ってる奴もいる。

 

ハヤトはスタッグフォンを取り出してハンクに電話を掛け、ドライバーをバットショットで持って来てほしいと連絡した。ドーパントがもし現れたら対処がかなり厳しくなるからだ。

 

「こんな状況でドーパント来て欲しくないなぁ……」

 

そう願うハヤトであった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ペンギン急便の案内によってなかなかに破天荒のルートを通らされるロドスとハヤト。途中、近くの建物からジェットパックで敵が飛んできたが、撃ち落とされていた。

その後は、位置を察知されないように移動して、ひとまず安全を確保することに成功した。

 

「……安全…なの?」

「まぁ、とりあえずは…顔色悪いな、何か具合が悪いところはあるか?

 

ハヤトはミーシャの顔色が良くないことに気づき、その場で診察を開始する。

 

「…少し、頭がくらくらするだけ」

「…吐き気や熱っぽいのは?」

「ない…大丈夫…」

 

そこに同じく顔色が悪いことに気づいたアーミヤも加わる。

 

「龍門に来て…どれくらいですか、ミーシャさん」

「一週間かな…うん」

「感染したのは最近?それともそれ以上前から?」

「わからない…でも、街に怖い人が現れたあの数日で、足に…これが…」

 

ハヤトはミーシャの足部に目を向ける。そこには源石が隆起していた。体表に源石が確認される場合ステージⅢ期の進行度と診断される。鉱石病がかなり進行しているという証拠だ。

 

「…Ⅲ期までが早い。急性だな。とりあえずこれを飲んでほしい」

「ハヤトさん、それは?」

「一時的に発作と進行を抑制する錠剤だ。ロドスの市販薬を解析して、独自に調合したものだ」

「…大丈夫なの?」

「苦いけど効く。良薬口に苦しって言葉があるだろ?」

 

ハヤトは肩下げバッグから赤い錠剤を取り出して、ミーシャの手に渡す。ミーシャがその錠剤を飲むと、ウッ!という声を発してそのまま寝てしまった。

 

「ハヤトさん、大丈夫ですよね?」

「寝てるだけだ。そんなに睨むなよ…強い薬に副反応はつきものなんだから」

「すまない、ハヤトさん。あとで私にもそれを…」

「ドクター!?」

「…そのうちな」

 

ドクターが切実そうな声で錠剤を求めたがハヤトはやんわりと断っておいた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

その後もレユニオンに襲われていたスラムの住人を助けたり、ミーシャの信頼されたりしてついに集合地点まで到達した。ハヤトはここまでドーパント騒ぎが起きずホッとする。そして、アーミヤと共にミーシャをチェンの元に連れていくことになった。

 

「とりあえず、大ごとにならなくて助かった」

「レユニオンの襲撃は大ごとだと思いますが…」

「最近はレユニオンよりタチが悪いのが多いから…感覚が麻痺ってるんだなこれが」

 

アーミヤと喋りつつミーシャを連れて歩くと、近衛局の兵を連れたチェンが居た。

 

「遅かったな。龍門は余計なリスクが発生するのを良しとしない」

「十分早いと思うぞ?レユニオンの襲撃もスムーズに対処してたし、ドクターって奴の指揮能力は素人目でもずば抜けてる」

「チェンさん、私たちの部隊は何度もレユニオンから執拗に攻撃を受けました。そしてまだ、彼らは周辺を徘徊してます。ここも安全とは言えません。早くミーシャさんを連れて離れてください」

 

チェンはアーミヤの言葉にうなづくとミーシャに顔を向ける。

 

「君がミーシャか?」

「……はい」

「では今から龍門近衛局が君を保護する。こちらの指示に従ってもらう」

「んじゃ、行きますか…大丈夫だって、この人は公私混同をしないだけの人だから」

「待て、ハヤトはロドスと共に行動してもらう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

は?

 

その時、場が凍った。これはハヤトがブチギレたとかそんなのではない。殺気、静寂…今この場にいるチェン以外の人間は後退りをした。話が続けられる。

 

「ウェイ長官からの指示だ。信じてほしい」

「なんなの?俺を傭兵かなんかだと勘違いしてる?」

「してない」

「…まあいいや、龍門のあれはなんとなく察してるし。譲るよ」

「すまない」

「ただ、何があっても守れよ。あの時押し切ればよかった…なんて後悔はしたくない」

 

話はハヤトが折れてロドスと残ることになった。話が終わると凍るような雰囲気は消えていく。

 

「PC94172、この子を見ておけ」

「了解。さあ、私と来るんだ」

「アーミヤ…()()()()…」

グハッ!!

 

ハヤトがまたしてもおじさん呼ばわりされ吐血する。チェンはそれを見て額に手をやる。

 

「あの、大丈夫ですか?」

「俺…まだ二十代前半だぜ?おかしいだろ…」

 

ハヤトは自分の老け顔を恨みながらミーシャを見送った。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

<コーヒーブレイク>

 

「そういや、あなた医者なのよね?」

「そうだ。それがどうしたフランカ?」

「ちょっとね。闇医者としての評判はどうなの?」

「…俺は闇医者じゃないぞ?ちゃんと医療免許持ってる。龍門の病院でもたまに執刀医を任される」

 

ハヤトがフランカと雑談してると、それを聞きつけてリスカムも参加する。

 

「え?嘘ですよね?」

「マジだ。大変だったけどな」

「…あなた感染者よね?龍門のトップは許さないと思うけど?」

「最初は土地買って診療所をやってたけど燃やされた。その後、マフィア相手に喧嘩売って捻じ伏せた」

「それだけ?」

「その後近衛局に捕まった。で、鼠王って呼ばれているマフィアの人に気に入られて…今ココ」

「……」

「えー…」

 

リスカムとフランカは顔を見合わせて思う。コイツは色々とヤバい(イカれポンチ)と。

 

「それにしても傭兵が医者になるなんてねぇ」

「いや?傭兵になったのは診療所を持ち始めた後だ。あのときは薬を作成する資金がなかったからドガっと稼げる仕事が傭兵ぐらいしかなかったんだ」

「それだとあなたの強さに説明がつきません。あれほどの体術をどこで?」

「基本は独学。後は実践と…思い出したくないな」

 

ハヤトは言葉を続けようとしたが体が震え、その記憶を思い出すことに本能的にブレーキがかかる。そんなハヤトをみて2人は余程のトラウマと推察することができる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




戦闘は添えるだけ。ここまで一才の仮面ライダー要素無し!!!やめたらこの仕事(小説)?しかし、私は謝らない(続けます)。
では、第10話をお待ちください。
ついでに、評価と感想をお願いします。


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第十話 あの男

オリジニウムアーツとは科学的に証明された魔法だ。先民にとって、その力は非科学ではなく現実なものだという。だが、この物語の主人公のハヤトはどんな手段を用いてもアーツは使えない。

長らくお待たせしました。第十話をお楽しみください。




「あぁ〜、レユニオン面倒くせ〜」

 

ハヤトは手を後頭部に当てながらあくびをする。ミーシャを近衛局に引き渡した後もレユニオンの攻撃は続いた。むしろ、引き渡した後の方が、攻撃が激しくなっていた。レユニオンの動きが明らかに変わった。暴徒に毛が生えたレベルから、命令に則った戦いする兵士になっている。恐らく、あちら側にも指揮官がいるのだろう。しかし、ロドスのドクターに比べると月とスッポン、天と地、牛肉と豚肉ぐらい練度に差がある。

ハヤトはドローンに小石を投げつけて撃ち落としながら、それっぽい奴を探す。見つけるのに時間はあまりかからず、すぐに見つかった。ガスマスクにフードを被り、両手に榴弾射出機(グレネードランチャー)を持っている。

 

「お!あれ自作か?タクミが興奮しそうな趣味してんな!」

 

スカルシュレッダーが持っている武器はハヤトの旧友の記憶を呼び起こし、思わず感心してしまう。その様子を彼に見られる。スカルシュレッダーにはハヤトの笑顔は感染者を傷つけるサディストの笑顔に見えたのだ。

 

「死ね!!!」

 

ハヤトに向かって放たれる源石爆弾。突然の敵意にハヤトは不意をつかれた。

 

「下がって!ジョウゼンさん!」

 

しかし、その爆弾は一人のフォルテによって防がれる。

 

「おお!アンタはカランドのとこの!名前は…どっちで呼んだ方がいい?」

「マッターホルンとお呼びください。ジョウゼンさん、ここは一旦下がっ…後ろです!」

「ああ、わかってる」

 

マッタホルンが爆弾を防ぐも、ハヤトの後ろからレユニオンの隊員がマチェーテを振り上げる。ハヤトは自身にその凶器が振り下ろされる前に、肘打ちを繰り出す。相手の顎を正確に打ち抜き、そのまま崩れるように倒れた。

 

「まあ、相手が相手だから。それにロドスが予想以上に強いから手が抜ける」

 

埃を払うかのように手を叩き、幹部のいる前線に目をやると前線では大量のレユニオン兵が押し寄せている。

 

「スピードアップ!」

「汝、おのが存在を自らに問え」

 

しかし、イトラの先鋒が先陣を切って敵を打ち倒し、コートを着こなしたフェリーンの男が薙ぎ払っていく。その光景にハヤトは目を丸くした。

 

「マッターホルンさん?」

「さんはいいですよ」

「マッターホルン。クーリエさんがいるのはまだわかるけど…おかしいな。アンタの所のトップがここにいる幻覚が見えてる」

「幻覚ではありません。それに我が主の実力はDocさんもご存じでしょう」

「そうだけどさ…ん?Doc?」

 

知人の口から自分が全く知らない呼称が出てきた。ハヤトの反応にマッターホルンは飛んでくる石を盾で受けながら答える。

 

「貴方のコードネームではないのですか?」

「いや、傭兵時代は本名で活動していたし…勝手に呼ばれていたのかな?」

 

飛んできた石を素手で掴み、大きな盾を持った重装兵に投げつけ、ヘルメットのバイザーを叩き割る。

ここまで、ハヤトの活躍はあまりない。それだけロドスとレユニオンの兵力に差があるのだ。数だけならレユニオンに分があるのだが、ドクターとスカルシュレッダーの指揮能力とロドスとレユニオンの個人の練度が桁違いなのだ。

そのうち、レユニオンは兵士の数を減らしていき、スカルシュレッダーが無線機で連絡を取ると、スゴスゴと逃げ帰るように撤退していった。その不自然さに得体のしれない不気味さを感じ取った。

 

「…まさか、ね?」

 

ハヤトはその不気味な感触を抱きつつこっそりとロドスの集団から抜け出すことにした。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

一方、ミーシャの身柄を受け持った龍門近衛局に危機が迫っていた。サルカズの傭兵にしてレユニオン幹部『W』の奇襲に遭っていた。彼女が扱う爆弾という武器は強襲には適している。

ドカンドカンと爆発の音と衝撃はいくら有能な人材が集まった近衛局員でも脅威。そして、彼女の率いる部下もサルカズ傭兵というテロ組織にしてはオーバー過ぎる軍力は龍門近衛局と対等以上に戦える理由になっていたのだ。

 

「あーらら。僕の出番無い感じ?」

「いや?勝手についてきたんだから、一仕事してもらうわよ?」

「おっ、いいね。じゃあ、ちょっと遊ぶから部下をハケてもらっていい?」

「は?」

「まあ、いわゆる陽動だよ。隙は作るから頃合いみて目標を確保してほしい」

 

Wは新入りのワガママを聞くと、先ほどまで展開していた部下を下がらせる。新入りの男はニヤッと笑顔を浮かべてボロボロなビルの屋上から飛び降りた。

 

「隊長!敵が退いていきます」

「…警戒を続けろ。早くミーシャを安全なところn」

 

その時、Wの隊と入れ替わりで一人の男が上から落ちてきた。男は地面にスーパーヒーロー着地をして、チェン達の行手を阻んだ。

 

「よっこいしょ。ふー、僕のスーパーヒーロー着地どうだった?かっこよくても良い子は真似しちゃダメだぞ?膝を痛めるからな」

 

チェンは目の前の男に対して、今まで感じたことの無い敵意を感じとっていた。復讐や恨みからくる燃えるような敵意、勝負や信念からくる水のような敵意でも無い。この男は目の前に()()()()()()()()()()()()()()()()矛盾の存在。

 

「総員!目の前の対象を攻撃!!」

 

目の前の男を認めてはならない…チェンは部隊に攻撃を指示する。自らも赤霄ではないもう一方の刀を抜いて戦闘に参加する。

 

「おいおい、早すぎない?もっとこう…挨拶とか自己紹介とかしなきゃ。お互いに名前も知らないのに」

「お前に名乗る名前なぞない。さっさとこの世界から去ね!!」

「…君、鋭いね。でも、まだ気づいただけだ」

 

チェンは刀は男に振るう。男は攻撃を避ける。その防戦一方を目にも止まらぬ早さで繰り返し続ける。攻撃を仕掛けているチェンも今のままではカスリこそしても致命傷は与えられないことは重々理解していた。しかし、もう一本の刀は今は抜けない。

 

「君、良く天才って言われない?攻撃の筋ヤバすぎてヒヤヒヤする」

「こうでもしなければ、貴様を斬れないからな」

「いいね。チェルノボーグではそういうこと言ってくれる人いなかったからさ」

 

男は一歩だけ後ろに下がって、ホルスターから大型拳銃を取り出す。どうやら、本気を出すみたいだ。男は銃をしっかり構え照準をチェンに合わせて、引き金を引いた。

 

BANG!!

 

低く重い銃声が鳴る。鼓膜に響くほどの銃声は周囲にいる人間を仰け反らせた。

 

「それが貴様の得物というわけか」

「まあね、他にもあるけどこれが一番落ち着く。でも、今回はこれでお終いさ」

 

男は銃をホルスターに仕舞って手を叩く。すると、男の隣にバイクが現れる。カウルがついていないネイキッドバイクだ。

 

「僕が思っていたよりサルカズ傭兵は有能だったみたい。じゃあね〜」

「まさか!?」

 

チェンは後ろを見ると、部下が何名か倒れていることを知る。そして、今はロドスと行動を共にしているハヤトが何故かここにいて、怪我人の治療を行なっていた。ミーシャが攫われたことを悟った。そして、男がいた方を見返すと既にその場から逃げ出していた。

 

「…逃げられたか!」

「チェンさん、大丈夫ですか?」

「…すまないハヤト、我々の失態だ」

 

あの時、ミーシャの付き添いを許可しておければ攫われずに済んだのではないか?そんな考えがチェンに重くのしかかる。しかし、ハヤトはチェンを咎めない。

 

「あー…あの言葉は忘れてくれ。むしろ、死人が出てないだけ勝ちみたいなものだ。ホシグマさん率いる重装兵がWの攻撃を軽減してくれたおかげだ」

「……私はいい部下に恵まれたようだな」

「それに…あの男はおそらく『刺客』。俺は駆けつけるのが遅れて加勢できなかったが、あいつは平均的な先民としての身体能力を上回っている」

「…何か、知ってるのか?」

「仮定なら話せるが今はやめとこう。ちょっと手伝ってくれないか?火傷は処置が大変でな」

 

ミーシャは攫われた。ハヤトにとってその行為は自分が処置した患者を横から奪われるという度し難い外道の行いだった。しかし、ここに来るまでに起こった出来事と照らし合わせると、一つの答えが浮かび上がる。あと一つきっかけがあれば、レユニオンが引き起こした騒動に一つの仮定が立てられる。

ハヤトはこれから立ち向かう何かに対して、心の中で覚悟を決めた。

 

第三章 完

 

 

 

 

 

 

 




結局、五月には間に合わなかったん。許してくださいん。
ここで、第三章はお終いです。原作で言うと第二章の相思相殺ですね。スカルシュレッダーとロドスがあんまり書けなかったのだ。
六月は三話ぐらい投稿する。では、第四章をお待ちください。
ちょっとしたら、三章の振り返り書きます。


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第四章 二者択一 〜Dead or Twins ~
次章予告+第三章を振り返って


おいっす。前回の予告はカスリもしなかったから、今回は曖昧に書かせてもらいます。


次章のMemory of Riderzは…

 

サルカズの傭兵『W』と青い肌の男によってミーシャは攫われた

 

ハヤトの口から出た『刺客』という言葉

 

レユニオンを後ろから操る巨大な陰謀

 

果たしてロドスと近衛局はレユニオンからミーシャを取り戻せるのか

 

ハヤト・ジョウゼンは二兎を追えるのか

 

第四章 二者択一 〜Dead or Twins ~

 

平和な明日を目指して。

 

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ほいっす。危機契約#7を攻略したスミスエアロです。さて、ストーリーもいよいよ本番でアークナイツと仮面ライダーの距離が狭くなってきました。ようやく、ちゃんとクロスオーバーできる…これ何回も言ってないか?

設定改変が著しいですが、それでも面白いと思ってくれるのであるなら幸いです。

 

この作品はまだ書けていないだけで、色々事情が変わっています。例えば、龍門だと原作では他の国と比べて比較的寛容的だったのが、ハヤトが現れてから自信を持って寛容的だと言えるようになっています。

特にレユニオン関連の事情は大きく変わっているので次章を楽しみにしてください。

 

それと、修行パートや戦闘パートがあまりないので主人公の強さがいまいち把握できてないかも知れませんので補足。

ハヤトというキャラクターは元々、別の小説のオリキャラとして作ったのでアークナイツの世界には不似合いな力を持っております。イメージとしてはタワーディフェンスゲームなのにDevil may cry のようなアクションゲームや、ギルティギアみたいな格闘ゲームの戦い方を主軸に作ったので、プロフィールに仮面ライダーに変身しなくても星6のぶっ壊れみたいな性能でもよかったのですが、さすがにやめました。でも、初代仮面ライダーである本郷猛も改造人間なので変身しなくても戦えるから別にいいか。

原作キャラの見せ場を作りたいです。

 

個人的に第二章のゲンムラボの話は気に入らないので少し手直しします。時系列の整理もしないといけないけど、めんどくさい。細かくプロットを練らなかった自分を殴り飛ばしたい。

 

実は今月末に定期テストがありまして、もしかしたら三話投稿できないかもしれません。予め断っておきます。

 

「(スケジュール管理が)ダメだね〜ダメよ、ダメなのよ〜」

 

あと、東方の方がかきやs…

 

ここで文字が途切れている。それとアークナイツのガチャで爆死したのは愛が足りないからですかね?




本文で書きました。次回をお楽しみに


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プロローグ

ここから始まるヒーローの物語。そして顕になる彼の歪み。


やあ、久しぶりだね…誰だかわからないって?ほら、最初の頃に好きな仮面ライダーは何?って質問したお兄さんさ。

さて、いよいよ物語は大きく動き出す。ヒーローが現れ、黒幕が存在が露わになり、死ぬはずだった人は救われるかもしれない。うーん、アークナイツにはふさわしくないかもしれないね〜たとえ進む道が荊の道であっても前を向いて歩くのがあの物語のいいところなのに。

これでは、茨の道をロードローラーでトゲトゲを踏み潰して笑いながら走るみたいなことだよ。それもいいかもしれないけどね不条理やら理不尽に中指を立てながら叩き潰す……最高だね〜。

 

では、読者諸君に一つ質問をしよう。

 

ジョーカーという名前を聞いてヒーローもしくは悪党のどちらを想像する?

 

ヒーローはこの物語にも登場している仮面ライダージョーカー。その力を生身の市民には使わず、必ずドーパントに対して使う。たとえ敵であっても絶対に殺さずに無力化する。まさに、ヒーローだ…いや、この場合はその変身者であるハヤト・ジョウゼンがヒーローということになるな。不思議なものだ…あの世界で感染者も健常者も全員のことを患者と考えている。よほどの過去がなければそんな考えに至らないだろう…おー怖い怖い。

 

悪党…アイツしかいないよな〜ほら、バットなんとかに出てくるピエロのメイクしてめちゃくちゃクレイジーなアイツ。悪のカリスマ。絶対悪。あらゆる残虐な犯罪行為をなんとも思わずに遂行する男だ。いつもニタニタ笑って何を考えてるかさっぱりわからない奴さ。

 

そういえば、あの世界には理由のない悪意ってなかったような気がする。テラの大地は過酷そのもの、環境も生物もそこに存在する先民でさえも脅威となる世界。どこかで家族もろとも殺され、強制労働で感染者はのたれ死ぬ。人が人を殺す。それは復讐目的?略奪?感染者差別?はたまた研究のため?あまりにも死が身近な世界でも純粋なテロリストはいない。レユニオンだって感染者のために戦ってるだけだ。

世界を無茶苦茶にする。混沌を起こす。歴史を塗り替える。理由なんてない…だが、やりたかったし、できるからやった。うーん〜最高だな!!人間の純粋って感じがする!おにいさんはこういう何も理由がない悪意が最高に大好きさ。自分が生きたいように生きる人生の次くらいに大好き!まさに、悪って感じだ!

 

アンケートを更新しておこう。君がイメージするジョーカーはヒーローか?悪党か?読者諸君の解答を心から待っているよ。




アンケートに答えてね。


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