ぐ、紅蓮の呼吸!? (紅蓮の座標)
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世界滅ぼしてミカサに介錯してもらってやっと終わったと思ったら知らない所にいるんだけど。

ミカサ

ありがとう


お前の選択は


間違ってなかった


でも…


もう一度だけでいいから…


会いたい…



「おーい。江蓮、起きな。」

不意に名前が呼ばれる。

「あ、アルミン?」

体を起こす。

そこには見たことのない服を着たアルミンがいた。

「アルミンって、なにその欧米的な名前。」

アルミンが少しだけ笑う。

「『ん』はつかないでしょ。有実(あるみ)だよ。」

「あ…る…み?」

だめだ、話についていけない。

「早く起きないと怒られるよ。」

「は?誰に…」

「まだ起きないのか貴様らは。」

窓だと思っていたところが横に開き誰かが顔をのぞかせた。

「きょっ、教官!?」

「教官?違うだろうが!」

どこからどう見てもキース・シャーディス共感である。

「どうしたの。いつもは鱚野(きすの)さんって読んでるのに。」

訳がわからない。あるみ?きすの?

 

 

 

 

少しだけどわかってきた。

どうやら俺は未来のヒィズル国に来たらしい。

ヒィズル国の中では日本、というらしいが。

そしてキース教官、鱚野さんは俺を「鬼殺隊」というのに入れるための「育手」というものらしい。つまり教官だ。

アルミン、有実はここで一緒に訓練している幼馴染らしい。幼馴染なのはアルミンと一緒だ。

他の仲間もどこかにいるのだろうか。

そして、ミカサ。

ここでは三笠で、俺の双子の妹らしい。

ここにいるらしいが会わせてくれない。

なぜだろう。

「詰めが甘い!そんなので鬼を倒せると思っているのか?!」

そして木刀を持って鱚野さんと訓練をしているのだが、先程から言う鬼とは何なのだろうか。

謎が深まるばかりだ。

今夜有実に聞いてみよう。

 

 

 

 

「記憶喪失…?」

有実が尋ねる。

「あぁ、そうだ。」

こう話してたほうが楽だろう。

「みんなの名前や顔は覚えてるんだが、どんな関係だったかやどうしてここにいるかがわからないんだ。」

「なるほど…。」

さすがもうひとりのアルミン。飲み込みが早い。

「じゃあ説明するよ。」

有実が少し早口になった。

「江蓮の家族は一年前、江蓮のいない間に鬼に襲われてしまって…。」

「ちなみにその鬼ってのはなんだ?」

巨人のようにでかい人なのだろうか。

「鬼は人のような姿にとても強い力を持った生命体。鬼は殺すか太陽の光を浴びるかでしか死なないんだ。」

死ににくい点では巨人に似てる。

「弱点とかは?」

「ほとんどない。」

強すぎるだろ。

「ちなみに、江蓮の家族が襲われたのは鬼の中でも最も強いと言われている鬼だ。名前は軸。」

じく。……あ、もしやジークか?可能性はたかい。

「そういえば、三笠も俺の家族だったよな。無事なのか?」

「えっと、無事というか…」






「……むうっ…」


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なんかミカサがとんでもないことになってるし。呼吸法?なにそれ美味いの?

何があったのか


未来のヒィズル国に来てしまった俺


アルミンは有実だし


キース教官は鱚野さんだし


ミカサは三笠で会えないし


てかなんで俺ここにいるんだ?


「ん?今なんか聞こえなかったか?」

有実がふすま、とよんでいた扉の向こうから声がした。

「まさか…起きちゃった?」

有実が立ち上がる。

その瞬間、今聞こえた声と聞き慣れた声が一致した。

「ミカサっ!」

勢いに任せふすまを開ける。

三笠は布団の中で竹を咥えていた。

「ミカサ!ミカサ!わかるか?俺だ!エレンだ!」

こっちのミカサには分からないと分かっていても叫んでしまう。

「江蓮!だめだ!」

有実に無理やり元の部屋に戻される。

「っ!なにすんだよ!」

「……三笠は今、鬼になってしまっているんだ。」

「……は?」

一瞬世界から音が消え、目の前が真っ白になった。

「……鬼?三笠が?」

「軸は自分の血を飲ませ、鬼を増やしながら旅をしている。おそらく、家が襲われたとき三笠は抵抗して軸に怪我をさせて、その時に飛んだ血を飲んてしまったんだ。」

「そんな…」

また会えたのに。もう二度と離れないと思ったのに。

一瞬で打ち砕かれた夢。

「ただ、軸を倒せば戻る可能性がある。」

「……え?」

「江蓮はそのために鬼殺隊に入ろうとしてたんだ。」

軸を倒せば三笠が戻る。

なら答えは一つ。

「アルミン、ありがとう。」

「ん?だから僕…」

「戦おう。」

「………うん。」

ミカサを元に戻すために…。

「ところでなんだけど。」

「ん?」

有実が尋ねてきた。

「絵蓮、記憶喪失じゃないでしょ。」

「へ?」

有実もどうやら勘が鋭いらしい。

「いや、そんなことねえぞ。」

「絶対嘘。」

これバレてるな…。

仕方ない、話そう。

 

 

 

 

「巨人?!壁?!立体機動装置?!」

すごい目を輝かせている。

アルミンの時もこんなことあった気がする。

「すごい…そんな世界に僕が…。」

「ん?世界?」

「え?」

世界?なんだ?

「多分エレンは別世界、つまりこの世界にやってきて江蓮になったんだ。転生ってやつだと思う。」

「転生か…」

「僕らも同じように転生してきたんだと思う。エレンだけ特殊な死に方をしたから江蓮になっても記憶が残ってるんだ。」

エレンと江蓮使い分けられてるのすげえ。

「すごいな。もっと詳しく知りたいな!」

有実のも好奇心旺盛と見た。

「また明日早くに起きないと鱚野さんが怒るだろ。もう寝るぞ。」

「ああ、そっか。」

「おやすみ。」

「うん。おやすみ。」

 

 

 

この生活にもだいぶなれてきた。

ただ、三笠とはあれ以来会ってない。

鬼になったから昼は寝てないといけない。

夜は夜で人間の名残があるから寝ないといけない。

「今日はついに呼吸法について教える。」

鱚野さんが言う。

呼吸法?

なにそれ美味しいの?






「三笠。」
「……むっ?」
「早く江蓮にあいたいね。」
「むうっ!」コクコク


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