風精霊と異国の格闘技 (cafegjean)
しおりを挟む
始まりの風
「ぐはっ」
どさりと、大柄な男が倒れる
「ひっ!!」
一人の男が、逃げる
「はっ! その程度か」
フードを被った小柄な少女がつぶやく、唾をはき少女は路地裏をあとにする。
いつから、だったか……こんなことをし始めたのは、最初は親たちにイライラしたから、だった……
私の名前は、梅澤 愛香(うめざわ まなか)このミッドチルダでは珍しい、地球の名前だ。母親からはここの名前に合わせるべきだ、と言われたが私はこの名字も名前も好きだから変えなかった。
こうやって、強い奴とた戦ってるのは初はストレスの発散が目的だったが、次第に自身を鍛えるためになっていた。時空管理局とか言うとこから、親のとこに連絡がいってるらしいが知ったことではない。
夕暮れの中、私は家に帰るために公園を通りる。その時だった。視界の端に綺麗な長い黒髪の少女がはいった。いつもならスルーしているはずなのに今日は違った。直感した彼女は、強い。私と同い年くらいに見えるが、空きが全くない。気がついたら私は少女に釘付けだった。
「うん?」
視線に気づいたのか少女が振り返る。透き通ったコバルトブルーの瞳が私を凝視する。
「何か? ついてるかしら?」
「いや、あの、そうじゃなくて、強そうな人だなって、みとれてて」
いやいや何を言ってるんだ! 私は、初対面の人に強そうな人だなってて、馬鹿か!
かなりテンパっている私を見て、ふふっと少女が笑い出す。
「あぁ、ごめんなさい、つい、初対面なのに強そうな人だなってってふふ……ふふ、ふ」
あぁ、今すぐにここを立ち去りたい。
何も言わずに立ち去ろうとすると、少女に呼び止められた。
「あ! 待ってくださいな、お名前をうかがっても?」
「…………梅澤 愛香」
「愛香ちゃんふむふむ」
少女は、手を顎にあててうんうんと頷いている。
「えっと……」
「うん? どうしたのかしら? あ! わかった! 私の名前ね! そうよね。聞いといて名乗らないのは、失礼よね!」
手をぽん! と、叩き名前を名乗りだす。
「私の名前は、ディータ・シュタイベルトって言うわよろしくね、愛香ちゃん!」
「あ、うん、よろしく」
「ところで、なんで? 強い人を探してるの?」
ディータと名乗った少女が首を傾げて聞いてきた。
「なんで、だっけな…………ただ強い人と戦いたいだけなんだ……」
「ふぅ〜ん」
ディータは私のことをじっと見つめてから、喋りだした。
「じゃあ! 戦おっか!」
「え?」
突然のことに、すっとんきょんな声が出てくる。
「なんで?」
「なんでって、強い人と戦いたいんでしょ?」
ディータは、キョトンと首を傾げる。
「いいの?」
「いいよー! あ、全力できてね! 愛香ちゃん!!」
全力! いいのか?! いや、全力でいくけど……構えてないんだよな、いいのかほんとに? 。
戸惑いながらも、構えを取る。愛香が使う武術、天仁拳は、体の動きを最適化して、打撃を与える武術であり愛香は速い打撃と手刀を持ち味とすべく鍛錬を続けており。地球では、かなりの実力がある。構えを取らないディータに対して愛香は、利き足と利き手を前に出す構えをとっていた。
構えを取ってないけど……、一気に攻める! 。
スっと利き足が前にでる。するとかなりのスピードでディータに近づく。
この距離でも、構えないのか!?
ディータが、構えないことに困惑しながらもかなりのスピードで右ストレートを顔めがけて打つはずだったが、気づいたら数メートル自身が吹き飛ばされていた。
「え?」
理解が追いついていない。確かに私は、打撃を入れるためにディータの前までいったはずなのに。
この疑問は直ぐにはらされた。ディータの方に目をやると、右手が拳を作り前に出されていた。打撃を食らって数メートル飛ばされたのだ。しかし、ありえるのか構えていない状態からこんなにも早くて強い打撃を繰り出すことが。
知りたい!私の中で響く、最も、ディータの事が知りたい!
その響きがどんどん強くなっていく。
「ふふ……、いい笑顔じゃない!愛香ちゃん!ねぇ、愛香ちゃんううん、愛香!貴方は、他にどんなことができるの?見せて私に!そうしたら、私のも見せてあげる!」
笑顔のディータが叫ぶ、笑顔の愛香が叫ぶお互いの名前をまるでお互いの技を褒め合うように、認め合うように。二人の拳がぶつかり合うお互いを確かめ合うように、お互い会えたことを喜ぶように。気がつけばあたりは真っ暗になっていた。
「はぁはぁ、すごいは愛香」
「はぁはぁ、ディータだってすごいよ」
ヨタヨタっと愛香が倒れそうになったとこをディータが支えた。
「はは、もうこんな時間だし私の家近いから愛香今日は、私の家にお泊りね!」
「え?待って、家の人に心配されるから!」
「大丈夫、大丈夫私の家から電話すれば」
「えぇ〜!」
こうして私は、ディータの家に連れていかれた。今思えばここでディータに会った時からこうなる事が、決まっていたのかもしれない、私が異国の風精霊(フォーイン・シルフィード)と呼ばれるようになりディータとストライクアーツで高め合うようになることが。
そう、ここから始まったんだ私達の物語が
名前
梅澤 愛香
使用デバイス
コルクマグナ
年齢
11歳
設定
天仁拳の使い手、最も早く攻撃するための体の動かし方を学んでいる髪の色は黄緑色目の色は澄んだ黒、ストライクアーツに参加するに当たりコーチから異国の風精霊(フォーイン・シルフィード)と呼ばれることになる
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
知る風
「はぁ」
なんで、私は知り合ったばっかりの子の家でその子と一緒にお風呂に入っていて、身体を洗ってもらってるんだ?
そんなことを、思いながらディータに身体を洗われている。
「愛香? 痒いとこある?」
「ないよ」
「わかった〜」
タメ口だし、呼び捨てだし、なんなんだ?
困惑しながら、身体を洗われていると不意に声をかけられる。
「愛香って何歳なの?」
「え? 11だけど」
「まぁ! 同い年だ!」
まじかよ! 思わず声に出そうになった。なんとなくそうではないかと思っていたが……
嬉しそうに、鼻歌を歌いながら泡を流していく。
「ひぁっ! 流すなら言え!」
「あっ! ごめんなさい、忘れてた!」
なんなんだ! 本当に!
少しイライラしていると、ディータが話しかけてきた。
「愛香、頼みがあるのだけど……」
「なんだよ」
「身体を洗ってほしいの、ダメ?」
え? 何言ってるの、この子? 今日知り合ったばっかだよ?そんな子に自分の身体を洗ってほしいの?? まぁ、私も拒否できなくて洗ってもらったけど……
「はぁ〜、いいよ」
「ありがと、これ使ってね」
と、ディータが洗うものを渡してくる。渡されたものを持ちゆっくりと身体を洗っていく。
「終わったよ」
「ありがと」
泡を流し、お風呂をでる。その後ご飯をごちそうになり、何故かディータと同じ布団で眠った。
【翌日】
目が覚める、見知らぬ部屋で少し困惑するがすぐにディータの部屋で一緒に寝たことを思い出した。横を見ると、気持ちよさそうにディータが寝ていた。
「そっうだった……」
起きようとした瞬間、アラームがなる。そのアラームでディータがきる。
「おはよう」
「うん、おはよう」
手を、掴み洗面台に連れていかれる。
「これ使ってね」
歯ブラシを渡される。歯を磨き、顔を洗う。昨日着ていた服を着て、朝食をごちそうになる。家に帰ろうとする時にディータに声をかけらてた。
「愛香、このあと暇?」
「うん、暇だね」
「じゃあ、ついてきて」
腕を掴まれ、連れて行かれる。しばらく歩くとスポーツジムについた。
「スポーツジム?」
「うん! 行こう!」
スポーツジムの中に連れて行かれる。
「おぉ! 来たか、ディータ」
「オッス! コーチ」
ガタイのいい男性の前でディータが挨拶をする。長身で短髪、優しそうな顔をしている。
「うん? その子は?」
「私の友達です! 見学で連れてきました!」
うん?見学?なんことだ?
不思議そうな顔をしている愛香を、置き去りにして早歩きでディータは、どこかにいく。
「コーチ着替えてきます!」
「おう、でお名前は? お嬢さん」
「愛香です」
名前を言って軽く会釈をする。
「そうか、まぁそこに座っててくれ」
「はい」
パイプ椅子に座る。しばらくすると、ジャージ姿のディータともう一人女の子が歩ってきた。
「おまたせしました!」
「よし、ストレッチしたら模擬試合するぞ」
二人が、返事をしてストレッチを始める。その様子を見ていると一人の男性が話しかけてきた。
「あら、こんにちは、」
「こんにちは」
振り向くと、女装をしたガタイのいい男性がいた。
え? 男? いや、女物の服着てるし、うん?
少し困惑していると、男性が続けざまに話しかけてきた。
「あなた、お名前は?」
「愛香です………」
名前を聞くと男性が、激しい動きをしながら話す
「んん〜、愛香ちゃん! いい名前ね! それで、ここには何用かしら?」
「ディータに連れてこられて……」
「なるほど、ディータちゃんのお気に入りなのね」
うんうん、と頷いたあとにさらに質問される。
「愛香ちゃんは、格闘技ってやっていて?」
「はい、いてます」
「そうなの! な〜っら、今から見るのもきっ〜と興奮するもののはずよ」
見るもの?なんだろうか?
期待と不安を胸にディータ達の方を向いた。
ここで、私は始めて見たんだDSAAを……
目次 感想へのリンク しおりを挟む