ウマ娘~首都高バトル~ (ZERO1u)
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胎動―A New Generation―

(ウマ娘にハマってしまったので)初投稿です
グランツーリスモ×ウマ娘のMADで思い付きました
そのタイミングで首都高バトル系の動画観てたのでこうなりました


首都高…それは鉄の()()にとっての一つのバ場…

ウマ娘…彼女らは闘争心が強い余り、「ウマ娘」としての現役を終えても尚、レースと名がついてる物に進む。

それは車に乗ってレースをするのも含まれる―

 

これは、一度墜落してしまった元最速のトレーナーと車に魅せられたウマ娘との記録である…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺はある日、事故を起こした。

 

それもただの事故ではない。

 

200㌔を超えたハイスピードクラッシュ。

 

俺は『墜落()ちた』のだ。

 

愛車は燃え、俺は数年間病院で過ごす事になった。

 

ニュースで見た愛車はあられもない姿になっていた。

 

その日を境に、首都高は変わっていった。

 

強まる規則、世間からの冷たい目、実力がある者は降りてゆき、実力が無い者が溢れる。

 

退院する時にはもう、廃人となっていた。

 

そのまま死んだように生きて、いつの間にか死んでゆくー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…はずだった。

 

 

 

ある日、テレビを死んだ目で観ていたら、『ウマ娘』の映像が流れてきた。

 

彼女らが走っている姿はまるで…

 

首都高(あの場所)を駆けていく車に見えた。

 

 

 

そこから、トレーナーになるまで早かった。

勉強はまぁ…殆ど車の事以外は覚えてないからな。

覚えが早かったよ。

 

様々な資格も取った。ウマ娘関連の驚異的な知識や熱意もあった。

 

そして合格、4月にお会いしましょうと、メールが来た。

 

その時は、とても、とても、嬉しくて思わず叫びガッツポーズをした。

 

こんなに感情が出るのは何年振りか…

 

そして俺は嬉々としてトレセン学園のトレーナーとなり(正確にはまだ見習いサブトレーナーだが)、活動し始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数年後…

 

「今日のトレーニングは終わりだ。それじゃ解散!」

 

俺はスペシャルウィーク、グラスワンダー、エルコンドルパサー、サイレンススズカ、ライスシャワー、キングヘイローの6人の担当をしていた。

 

そう言われても尚、ターフに残り続けるウマ娘がいる。

 

「トレーナーさん、まだ走ってもいいですか?」

 

「私もまだ、走り足りないんだけど?」

 

サイレンススズカとキングヘイローだ。

この二人は担当してるウマ娘の中でも走りたがり屋で、何時もトレーニング後にも走りたいと言う。

 

そしてそれに触発されて、

「わ、私もまだ走りたいです!」

 

「私もデース!」

 

「私も、走りたくなってきちゃいました…」

 

「私ももっと走りたい、お兄様!」

 

こうなる。

 

このままトレーニングを続けてもいいのだが、翌日に疲れが持ち越して翌日のトレーニングに影響が出でしまう為、止めさせる。

 

「今日は休んどけ、結構キツいトレーニングしたんだからちゃんと休まないと体に毒だぞ。…明日ならいいから」

 

俺がそう言うと『はーい…』と彼女達は寮に帰っていった。

 

「さて…俺も帰るか」

 

にしても今日はいい夕日だ。…今夜も一周だけ流すか…

一周だけ走らせれば良かったかなぁ…

 


 

「クッソ、色々してたら夜になっちまった。ねみぃ…」

 

と、欠伸をし「トレーナー寮に移ろうかな」と思いながら駐車場に向かって歩く。

俺は都内の首都高近くのガレージのある小さな家に住んでいて車で通っている。

大体のトレーナーは担当ウマ娘にもしもの事があった際、直ぐに駆け付けられるようにだとか、トレーニングメニューを寝る直前まで考えられるだとか、色々ある。

 

なんか、偶にウマ娘がその寮に凸って痴情を起こすだとかの事件とかもあるがそれはどうでもいいとして。

 

じゃあ何故その寮に住まないのかと問われると、一般の人には答えにくい。

強いて言える事と言ったらちょっとした()()としか言えない。

 

「やっとついた…」

 

と言い、愛車のスバルインプレッサGDB(通称鷹目インプ)のドアにキーを挿し、ドアを開けバケットシートが付いた運転席に座り、そしてエンジンを…かける。

 

ブルォォオン!!!

 

改造された水平対向ボクサーエンジンの唸りと同時に、草むらから悲鳴と思えるような声がする。

 

「…誰かいるのか?」

俺は車から出て、草むらに聞くと…

 

「が、ガォー!と、虎デース!」

 

「…エルだろお前」

何処かの書物を真似したのか分からないが、ウマ耳の生えた虎は今の所発見されてない。そして、語尾の「デス」。

 

間違えなくエルコンドルパサーだろう。

 

「せ、正解デス…」

と、エルコンドルパサーが出てくると、もう二人も出てきた。

 

「こ、こんばんは。トレーナーさん」

 

「こんばんは、トレーナーさん」

 

スペシャルウィークとグラスワンダーだ。

 

「…お前ら、ちゃんと外出許可は取ったのか?」

 

「ええ、勿論」

とグラスが答える。

 

次はトレーナーが「なんでまたこんな夜に?」と質問する。

 

今度はエルが「毎日毎日、夜に爆音鳴らしながら家に帰るのは誰デース?」と言う。

 

「つまり、俺の車が気になったと」

 

「「「はい!」」」

 

トレーナーは思わず頭を抱えて反省した。

ウマ娘はヒトよりも何倍もの五感が優れているので駐車場から寮まで遠くても聞こえてしまう、という事を忘れていた。

 

「…まぁ、とにかく…乗ってくか?お嬢さん方?」

 


 

ブォォォォォ…

 

俺はいつも首都高を法定速度内で走っている(たまにそうじゃない時もある)。だが今日は…

 

「わぁー…!」

 

「スぺの目、キラキラしてるデース!」

 

「スペちゃんにとってはあんまり見た事が無い光景ですし、私もあんまり見た事が無いですしね」

 

同乗者(ウマ娘)がいる事だ。

 

俺は彼女らに首都高を走って楽しんでもらった後、寮に戻らせる事にした。

それだけならたづなさんにも言われないはずだ。…多分

 

 

「ここが有名な湾岸線だ。スペ、こんな広くて長い道なんて都会にないと思っただろ?」

 

「はい!おかぁちゃんもビックリするかなぁ…」

 

「ただ、お前の地元と違うのは空中に浮いてることで―」

 

と言おうとすると、

 

「トレーナーさん!後ろ!」

とグラスに言われ、振り向くとそこには…

 

「パッシング…?」

R35がライトを点滅させ、パッシングをしてきていた。

 

「こ、これが『煽り運転』とか言うやつデスか!?」

 

「半分正解、半分不正解だ。エル。コイツは…」

コイツが何をしたいかはよく分かる。

 

ただ()はやめて欲しいので、ハザードを焚き、路肩に寄せて回避しようとするも…

 

ピカッ!ピカッ!

 

「…クッソ、諦め悪いな…」

 

「通報しますか?トレーナーさん」

 

「いや、いい。()()()から」

 

「えっ?それはどう言う…」

 

「全員捕まってろよ!」

 

次の瞬間、アクセルを全力で踏む。

 

「「きゃ!」」「ぐっ!」

 

すこし、空転しながらも前へ進んでいくインプレッサ。

そしてスピードを上げても尚、真後ろに付いてくるR35。

 

ブォォォォ!プシュー、ブォォォォ!

 

ギアを上げ、メーターがどんどん「300」に近ずく。

 

湾岸線を駆けてゆく2台。そして海底トンネルへと進入していく。

 

ここで、R35がスリップストリームから抜け、右に並んできた。

 

(これは大井JCTで仕掛けて来るつもりか?なら…受けて立とう)と、同乗者の事も忘れ考える。

 

そしてそれから1分も経たずにトンネルから抜ける。

 

緩くキツい左の後、狭い大井JCTに2台並んだまま突っ込む。

 

ブォォォォォ!!

 

ブォォォォォ!!

 

エンジン同士が、共鳴する。

 

 

 

キキー!

 

イン側にいたR35が下がって行く。

勿論、下がっている訳ではなく減速、つまりブレーキを踏んだと言う事。

 

「そのマシンならもう少し攻められるはずだが…残念だな。お手本を見せてやる」と喋った後、フルブレーキング。

そしてコーナー出口で体制がすこし斜めになる。

その瞬間、

 

キュルワァァ!

 

アクセルを思いっきり踏み、ドリフトしながら抜けていった。

 

羽田線に合流する頃にはもう見えなくなっていた。

 

そして、呟く。

「やっちまった…」

 

~翌日~

 

ブロロロロロ…

 

「おはようございますたづなさん」

とニコニコ笑っているたづなさんに挨拶する。

こわい。

 

「おはようございますトレーナーさん。昨日はお楽しみだったようですね^^」

 

「は、はぁ…」

 

「朝からウマ娘達の話題に上がっていますよ?」

 

「」

あの後、3人を帰らせ「あんまり周りに言いふらすなよ?」と釘を刺しておいたんだが無意味だったみたいだ。HAHA

 

「さて、今から理事長室に…」

と、俺が連行されかけようとした時に

 

「ちょっといいかなたづなさん」

 

「あら…会長さん」

 

「ルドルフ…」

 

シンボリルドルフが乱入してきた。




トレーナーの名前は分かる人には分かる
分かんない人も結構後に分かるから大丈夫だよ!()


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嫉妬ルドルフ

シンボリルドルフをしっとりさせたかったので初投稿です
ルナちゃん第二人格をすこれ


「…この通りですから今回は許してくれませんか?たづなさん」と、ルドルフがたづなさんに頭を下げる。

 

「…会長さんがそこまでするなら…」

たづなさんは諦めたらしい。

 

「トレーナーさん」

 

「はいっ」

 

「次はないですよ?」

と言ってたづなさんは会長室から退出して行った。

 

「…トレーナー君」

 

「なんだルドルh「2人きりの時はルナって呼んでって言ったよね」アッハイ」

と、いつの間にか至近距離で言われる。

 

「ルナ、少し聞きたい事があるんだ」

 

「な、なんだ」

 

「なんで私以外のウマ娘に()()()をみせたの?なんで私以外のウマ娘を乗せたの?なんで、なんで」

 

…シンボリルドルフは嫉妬深い。何故か?

俺も知りたい。

 

育成時代は他の女性に目を向けるだけで「なんで他の女をみるの?なんで私をみないの?」と、言われた。

 

今はだいぶ治まってきたが…

 

「ねぇまたわたしのこと、ルナっていわなかったよね?」

 

「なんで分かるんだお前」

 

「7冠ウマ娘だから」

 

「えぇ…」

 

シンボリルドルフ。唯一無二の7冠ウマ娘。

それを開花させたのはこの俺だ。

 

「思い出すなぁ…あの日の事」

 

「どの日?」

と、聞いているのは以前「あの日」を当てようとして間違えた時、めんどくさい事になったからである。

 

「スカウトされた当日だよ」

 

「あー…」

 


 

あの日は強めの雨が降っていた。

正式なトレーナーとしての初日だった。

 

その日の模擬レースは重バ場で、開始された。

 

最下位は―シンボリルドルフだった。

 

1着のウマ娘をスカウトしようと群がるトレーナー達。

 

ルドルフはどこかに行ってしまった。

 

彼女を探して見つけた時は、雨に打たれ泣きながら座っていた。

 

「悔しいか」

 

「え?」

 

「勝ちたいか」

 

暫くの沈黙の後、コクっと頷くルドルフ。

 

「じゃ、決まりだ」

 

俺は全力でトレーニングメニューを考え実行させた。

 

ルドルフはメキメキと頭角を表し、更に「ウマ娘にとっての社会」を掲げるようになった。

 


 

「あのときはわたしもびっくりしちゃった。変な人だなーって」

 

「まぁ俺も似たような経験したことあるし、あんなに悔しがってたら担当にもなりたくなる。…だがまさか7冠制すとは思って無かったが」

 

未だに色んな新人トレーナーに毎回「ダイヤの原石を見つける方法ってなんですか!?」と言われる原因の一つだ。

そして俺は毎回こう答える。

 

「育てたい、勝たせたいと思ったウマ娘がいたならそれがダイヤの原石だ。そして、俺たちはダイヤを磨くんじゃなくて作るんだ」

 

「なんかいますっごい『キュン』ってきたよ!」

 

「いやなんでだよ」

 

「思い出すなぁ…あの日の事」

 

「またかよ」

 

「トレーナーが初めてつれてってくれた…首都高」

 


 

その日はルドルフの調子が悪く、模擬レース等でもいい成績が出せなかった頃。

 

「トレーナー…どうしよう。私、わたし…!」

 

「…すこしリフレッシュするか」

 

「え…」

 

ブォォォォォ…

 

首都高を走った。攻めた。

 

「わぁー…」

 

「どうだこの景色、速さが無ければ見れない景色だ」

 

「…」

 

「お前も似たような景色を見てるはずだ」

 

「…ねぇ」

 

「なんだ?」

 

「もっと走って」

 

「…やる気が出たか?」

 

「うん。だから…」

 

「…だから?」

 

「またみたい」

 

「…次のレースに勝ったらな」

 

数週間後、1着をとって帰ってきた。

 

そしてまた連れてった。

 


 

「あのとき、えいえんにいっしょにいたいなっておもったの!」

 

「お前が言った「駆け落ちみたいだね!」は今でも覚えてるからな」

 

「それは忘れてくれないだろうか」

 

「あ、戻った」

 

何時しかルナが車の事に付いて話すようになってきて、結構マイナーな話題も出すようになって今でも、車の事について話す。

 

特にスカイラインの「無敗伝説」についてはよく語る。

エアグルーヴやナリタブライアンにも話していたりもする。

 

そして2人はその日調子が下がる。

 

たまに「スーパーシルエットスカイライン、乗りたいなぁ…」なんて呟いている。

 

「そうえばもうこの時期か」

 

「この時期って何が」

 

「夏合宿だよトレーナー君」

 

夏合宿とは、ウマ娘達がいつもとは違う場所でトレーニングをするという行事だ。

毎年恒例で行かないウマ娘やトレーナーもいるが、行った者はそれ相応の経験が出来るだろう。

 

「もうそんな時期か。早いな」

 

「それは君があんなに複数担当してたら早く感じるんじゃないかな?」

 

「はは、そうかもな」

 

「で、今年は一味違う物にしたい」

といきなり言ってきた。

 

「…いきなり変えたら色々言われんじゃないのか?」

 

「なぁに、理事長に頼み込めば大丈夫だ」

 

「で、どこに行くつもりなんだ?」

 

「車の運転講習」

 

「は?」

 

「車の運転講習だ」

 

「2回言えなんて一言も言ってないんだけど、は?」

一体どうやってウマ娘のトレーニングをするのかが分からないのだが。

 

「理由どうすんだ理由」

 

「『車と競バは何処か似ているような気がします。理事長もよく引退したウマ娘が車の世界へ行くという事はよく聞いてるでしょう。そこで、私は車を通じて色んな事を学んだほうがいいかと』…これでどうかな」

 

「無理がありすぎる」

尚この後通ってしまう。…俺がとある人物にコネがあったと言うのもあるが。

 

「そろそろ私も首都高へ行って走ってみたいのだよ。それに今なら反対する生徒も少なそうだし」

 

「えぇ…マルゼンスキーに教えて貰えよ」

 

「あれはなんかこう…違う感じがするんだ」

 

「なんか分かる」

どちらかと言えばスタント寄りな運転な気がする。

 

「とにかく…頑張って頼み込んでこいよ」

 

「勿論トレーナー君も一緒に行くんだよ」

 

「いやあの俺これから担当ウマ娘達にトレーニングしに行かないと」

 

「自主トレをするのは把握済みだトレーナー君。さっ、いこ」

 

「イヤァァァァァァ…」

首根っこを掴まれ強制的に連れてかれた。




この小説は重バ場じゃないですが、ルドルフはしっとりします。
「ルドルフしっとりさせて、黄金世代のウマ娘複数担当してるトレーナーってナニモンだよ」って思った方々、ごめんちゃい
※平仮名が多めなのがルナ人格、普通に漢字使って喋ってるのはシンボリルドルフです。


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貸切コースでトレーニング

(岡山国際サーキットはHパターンシフトの練習にしやすいと聞いたので)初投稿です
今はドリフト禁止らしいですね


ブロロロロロ…

 

ブォォォォォ…

 

バスの中からインプレッサが走行しているの見たウマ娘達は、「あれがあの?」「そうそう!カッコイイなぁ…」「私も乗ってみたーい!」

と声が聞こえる。

 

「フン!」

 

「なんで胸を張ってるんですか?エル?」

 

「トレーナーさんの車に乗ったのは私たちだけデース!威張れるデース!」

 

「それなら私も…」

 

「…ホントに胸張ってますカー?ほら、こうデース!」ポヨン

 

「…エルは斬られたいんですか」

 

「なんか怒ってるデース!鬼になってマース!ヘルプミー!」

 

「…後ろ大丈夫かな?」

とライスはエルを心配するが、

 

「いつも通りですよあの二人は。放っておきましょう」

とキングが止める。

 

「ねぇねぇキングちゃん!」

左側の椅子からハルウララが聞く。

 

「今日ってどこ行くの!」

 

「ウララさん聞いていなかったの!?…まぁ今回は特別にこのキングヘイローが教えてあげるわ!」

 

「やったー!ありがとうキングちゃん!」

 

「オホン!…これから私達はとあるサーキット場に行きます」

 

「えっと、バ場じゃなくて?」

 

「そうです。シンボリルドルフ会長と私達のトレーナーが理事長に頼んで行く事になったのはご存知でしょう?」

 

「あ!だから会長さんも乗ってるんだ!」

とハルウララは振り向き、トウカイテイオーに絡まれてるシンボリルドルフを見た。

 

「でも本来だったら急に合宿先を変えるなど、有り得ません。色々ありますし」

 

「じゃあなんでー?」

と当然の言葉が返ってくる。

 

「それはですね、トレーナーがとある方…そのサーキット場関係者の人とたまたま知り合いで格安で講習、コース貸切にしてくれたのです」

 

「すごーい!」

とハルウララが声を上げると、

 

「そう、私のトレーナーは一流だからもうアポをとっていたの!このキングの為に!」

 

「キングさん、皆の為だと思う…」

とライスはツッコむ。

 

「と!に!か!く!今年はサーキット場を貸切にしてその上、車も運転してそこから学びを得るという合宿よ。ウララさん分かりましたか?」

 

「うん!すっごく分かった!」と笑顔で答える。

 

「ふふ、それは良かった…あ!見えてきたわよ!」

キングヘイローの声を聞いてウマ娘達の目が一点に集中した。

 

 

「何故だ…」

 

俺はインプを運転しながらそうつぶやいた。

 

「なんでわざわざ遠い所に呼び出すんだよ()()()は…」

 

実はここまで飛行機で来た訳では無くずっと移動してたのだ。

途中シャワーを浴びるためホテルに寄り、今日で移動2日目。

 

「空輸が高いからってなぁ…」

ウマ娘とその担当トレーナー達は飛行機で行かせろよと思う。

 

まぁ彼女は俺の存在を疑ってたからな。

指定してくるのも仕方ない。

 

「やっとか…」

 

と目的地に着き安堵する一方。

 

「正直指導側に回るの面倒だなぁ…」

と、見えている未来にもう嫌気が指したのであった。

 

 

ザワザワ

 

「はーいそれじゃぁ並んでー」

と全体的な引率の人が指示する。

 

「えーと今回は、講習の先生も居るのでちゃんと敬意を持って…」

と、引率役が色々言っている中、

 

「あなた方がトレセン学園のトレーナーさん達ですか?」

と女性が俺達に聞いてくると、

 

「あ、貴方が今回の…」

 

「はい、そうです」

 

「あ!そうでしたか!私の名前は…」

と次々に名刺交換とお辞儀が行われる。

 

だが俺は手をポッケに入れたままだった。

だって、もう嫌という程知ってるから。

 

「それでは今回の講習の方です。ではお名前を」

丁度終わった所で自己紹介が回った。

 

「私の名前は黒江 世津子です。黒江と気軽に呼んでください」

 

 

「ほんといきなり連絡を寄越したと思ったらトレーナーになっててしかもウマ娘に自分の運転を見られてそれに触発されてここに来るとは…運命って面白いわね」

とさっきの女が言う。

 

「うっせぇ。あと、ここでは間違えても()()()では呼ぶなよ」

 

「あなたこそ」

 

「『FR信者おばさん』がお前の二つ名だろ?」

 

「は?まだピチピチですけど?FR信者にしてやろうか」

 

「おーこっわ、さながら妖怪だな」

と一昔前の流行物を思い出す。

 

「あなたの運転技術の方が余っ程妖怪だと思うけど?」

言い返された。

 

ちなみに今歩きながら喋っているのはサーキット場に歩いて入る為。

 

なんか感動させたいらしい。

 

チラッと後ろを見てみる。

 

「…」ニブニブニブ

 

ル…ナ*1の視線が怖い。

 

「…あれってシンボリルドルフでしょう?何故あなたに怖い目線を向けてるの?」

流石に気づくか。

 

「いや…よく分からん」

 

「まぁ…私は分かるけど?」

 

「へ?」

教えてくださいなんでもs

 

「あ、教えないわ。それは自分で気づかないと意味が無いもの…これって女子に言う言葉よね…」

 

「…なぁ教えてくれよ。最近ホントに怖すぎて…」

 

「FR勝負で勝ったらね」

 

「チッ」と舌打ちをしてヤツから離れシンボリルドルフの所に行く。

 

「トレーナー君お帰り。あの女は何?どんな存在なんだい?」

 

「なんでもないただのおばさんだ」

 

<殺すぞ

 

前から声がする。

 

「トレーナーさん!ダメですよ講習先の先生にそんな事言っちゃ!」

とスペシャルウイークが言うが

 

「だってFR厨拗らせて彼氏いたのに別れて未だに結婚出来てないやつだぞ。行き遅れババアっていっても怒られねぇよ」

 

「4駆キッズは黙ってましょうね~^^」

 

「あ?」

 

「な、なんの話してるデース…」

 

ウマ娘達は俺達が喧嘩している理由が分からないらしい。

多分駆動方式が分からないのだろう。

 

「あー…それは後で分かるさ」

今回の合宿は座学もある。

何時もなら砂浜でクイズ大会なんだが。

 

というか車の事学んで何が(ウマ娘にとっての)走りに繋がるのか?

コレガワカラナイ

 

「…さて、皆さん着きましたよ!」と言われ、みるとそこには…

 

『わぁ…!』

 

ホームストレートに並んだ沢山の講習用マシンが置いてあり、周りには山々の自然に囲まれている。

 

サーキット場の観客席というのは意外と景色がいい。

競バ場の観客席と同じで。

 

こんなに自然がある所に来るのも彼女達にとっては久しぶりだろう。

 

「もしかしてあれが、ですか!?」

と、一人のウマ娘がコース上にある車を指さす。

 

「ええ、そうです。あれが今日から運転する貴方達のマシンです」

*1
ルドルフと言いかけてルナと言ってる




今回出てきた女性も分かる人には分かるかと
FR信者の女性ってだけで答えが出てるようなもの
評価、お気に入り登録本当にありがとうございます!


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本格的なトレーニング

そうえば『FR信者』さんの存在がどれくらい凄いのか書くのを忘れてたので初投稿です
クルマの雑誌で取り上げられない日はないってレベルの有名人です。
自慢のシルビアはスーパーターボ(スーパーチャージャーとターボ)化されてます。


まずは、エンジン始動の練習。

 

「それでは…そこの貴方」

と黒江が指さす先には

 

「えぇっ!私ですか?」

スペシャルウイークだった。

 

「まぁ、そんなビックリしないで。私と同じ作業をするだけです。じゃぁ早速お手本を見せますね」

といって講習用のS15にドアを開けたまま乗り込む。

 

「サイドブレーキ確認、これでタイヤがロックされます」

 

「あの、なんでタイヤをロックするんですか?」

グラスワンダーが質問する。

 

「いい質問ですね。実は車ってアクセル踏まなくても進んじゃうんですよ。細かい話は授業するとして…」

そして次にクラッチについて説明する。

 

「クラッチを踏んで鍵を回しエンジンが掛かります」

キキキキキキ…ブォン

 

ノーマルのS15とは言え腐ってもスポーツカー。

いい音が鳴る。

 

そして直ぐにエンジンを止める。

 

「さぁ!えっと…」

 

「スペシャルウイークです!」

 

「それじゃスペシャルウィークさんやってみて下さい」

 

 

その後、大体のウマ娘が一発でエンジンを掛けたり、別の所で車の基礎知識の勉強したりで時間が過ぎていく。

 

「それでは今回の授業はここまでです。今日はゆっくり休んで明日に備えて下さい。それでは」

 

結構長い授業が終わった。

俺もそこに居たが、眠らなかった…訳ではなかった。

基礎中の基礎など、履修済みだ。

 

皆は熱心に勉強していたが。

 

1週間後には色んなトレーニングが始まった。

 

スピードトレーニング

タイムアタック

 

スタミナトレーニング

ミニ耐久レース

 

パワートレーニング

ブロック回避

 

根性トレーニング

1on1

 

賢さトレーニング

車の勉強

 

結構練られてた件。

 

「そりゃね」

 

「うわビックリした」

トレーニングをしているウマ娘達を見ている俺の後ろから話しかけてきたのは黒江だった。

 

「なに?女子が急に来たから驚いたの?」

 

「いやホラーだから」

 

「轢き殺すぞ」

と言った後に咳払いをする。

 

「…一応ウマ娘にとっての普通のトレーニングもさせてるわ。これで合宿になるでしょ?」

 

「まぁそうだな。折角色んな知識を学んでもそれを活かせる脚が無いとな」

 

「…一昔前の貴方なら絶対言わない言葉ねそれ」

 

「そう、だな」

 

少しだけ気まずくなる。

 

「そうえばあなたの妹さんは?」

唐突に聞いてくる。

 

「あー…それが、会えてないんだよ」

 

「なんでまた…」

 

「まぁ現役時代も会えてなかったからな。どっかで過ごしてんだろ」

 

「でも彼女があなたの事を助けたのよ?しかも色んな走り屋に掛け合って『兄を救ってください!』って」

 

「え…」

俺はあの日から両親にも親族にも、そして妹にも会えてない。

俺を追っかけスープラに乗ってきたというのは知ってる。

 

だが、それ以降の情報が全くない。

 

「それに、あの皇帝シンボリルドルフを育てた人間が有名にならないはずはないわ。たまたま見た雑誌とかで「それは無い」は?」

遮り、言う。

 

その当時、俺は新人だったせいかよく「たまたま出来た新人トレーナー」のレッテルを貼られ注目されなかった。

それ程皇帝(シンボリルドルフ)は強かった。

 

 

 

 

 

 

トレーナーとウマ娘の人バ一体の努力が霞む程。

天才、その一言で片付けられた。

 

 

 

 

 

 

そのお陰で俺の過去も露呈する事は無かったのだが。

血の滲むような努力を知っているのはトレセン学園の内部の人間とシンボリルドルフとその周辺のウマ娘だけである。

 

ちなみにこのFRおばさんは車の事しか興味が無いのでさっきの変な事を言ったらしい。

少しくらいは知っとけよ。

 

「その顔は…色々あったのね」

 

「そこは分かるのか」

 

「女の勘よ」

 

こわい。

 

「兎に角、あなたの生存が確認できたと()()()()にメッセ送ったら全員復活したわ」

 

「は?」

サラッとスゲェこと言ったなこのババア。

 

「いまおめぇババアっつたろ」

 

「やっぱり女の人っておかしいよ…」

 

 

「くしゅん!」

 

「会長、どうしたの?」

 

「いや、ただのくしゃみだ。誰か噂しているのかな?…噂、ウワサ…」

 

シンボリルドルフが少し考える。

そして一緒にいたトウカイテイオーは嫌な予感がよぎる。

 

「ウワ、サむくなって、くしゃみしちゃったよテイオー」

ダジャレが炸裂した。

 

 

「へっぷし」

 

「急にどうしたの?くしゃみして」

 

「いや多分…これシンボリルドルフがまたダジャレ言ったな?」

 

「え、分かるの?」

 

「ああ、寒くなってくしゃみするから」

 

(そう言う意味じゃ貴方もおかしくない?)

と、言うとまた喧嘩するので心の中で言う。

 

 

「…なぁもしかしてさ」

 

「なに?」

 

「12も起こしたか?」

 

という問いに少しくらい考え、

 

「これから、じゃない?」

 

と答えた。




「実際こういう展開ってありえるの?」なんて言われそうな気がしますが、そこはまぁほら、車の物語特有のご都合主義と言う事で…
誤字訂正ありがとうございます!
UA1000越えに感想もありがとうございます!


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閑話 ラ・フェラーリ ゴルシエディション

前の話にぶっ込むの忘れてたので初投稿です
言うなればサポカイベです。
何故ラフェラーリ(しかもワンオフモデル)をゴルシが持ってるのかって言うと…
ゴルシだから?


それはいつもの様に皆がトレーニングをしている時だった…

 

キュイィー!ファンファン!

 

「ゴルシちゃんの登場だー!」

 

「どっから持ってきたんだよそのラフェラ」

ラ・フェラーリで360度回転しながらサーキットに現れるゴルシ。

 

「どっからって…そりゃゴルシ星しかないだろ」

 

「えぇ…つーかそのエンブレム…」

 

「あ、これか?ゴルシちゃんだぜ☆」

 

「いや知ってるけど…」

 

フェラーリ社と言うのは創設者が昔、とあるウマ娘に目を奪われそして「あのウマ娘の様な車を創りたい」という理由で作られた歴史ある会社で、ウマ娘関連のことならなんでもしてる。また、車に全く知らない人でも知っている程有名だ。

そしてエンブレムにはそのウマ娘が描かれているとの事らしいが…

 

「イェーイ!」

ギョッワァー!

 

今ドーナツドリフトを決めてるラ・フェラーリのエンブレムにはゴルシが描かれている。

 

そうえばフェラーリには「会員」等が居て色々出来たりするらしいが…真偽は不明。

ましてやゴルシが「会員」なんて…(ヾノ・∀・`)ナイナイw

 

「これ、ワンオフモデルなんだ」

 

「…は?」

 

いやおま…えぇ?

 

「ゴルシちゃんエディション!カッコイイ響きだろ~?」

 

まじすか。

 

「あ、乗せてって言われても乗せねーからな」

 

「別にいい」

 

「お?ツンデレか?」

 

「ちげーよお前の運転が怖いんだよ」

 

「ガーン…ゴルシちゃんショック…」

さっきの運転を見て乗りたいと思う人間がいるのなら教えて欲しい。

いや、知り合いに一人くらい居たかもしれない。

 

「まぁいいや、それじゃゴルシ、出ます!」

と、言ってウィリーしながらコースへ行った。

 

「…いや、なんでウィリーできんだあれで。ぜってーリアディフュ壊れただろ」

 

 

「何…あれ…」

黒江はビックリしていた。

 

何故かと言うといきなりラ・フェラーリが出てきたと思ったらウィリーして、FR車のようにドリフトした上でとんでもないタイムを叩き出しているのだ。

 

これでビックリしない人間が居たらそれはゴルシだ。

 

「…もしかしてアレがいずれ首都高に襲来するの?え、やばくない?」

()()()()()として恐怖を感じざるを得なかった。

 

字足らずなのでここからは性能表

 

ラ・フェラーリ ゴールドシップエディション

1000馬力

MR

6速ノブシフトMT

7564cc

 

フェラーリ社が公式で改造したラ・フェラーリ。

出処が全く分からない代物。

まずそもそもフェラーリ社と繋がりがあるのかどうかすら不明。

「まぁゴルシなので」で全て片付けられるが。

時々物理法則を無視した動きをする。




途中のウィリーは120億のアレです。
ccは1台1台設定するのは無理なので今回だけです許して
追記 ラフェラーリの排気量を改善しました
ゴルシちゃんグッズが詰まってたようです。


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メジロ家の伝統

「そうえばメジロ一行居ないな…なんか知ってるかゴルシ」

「なんかフェラーリ社直々に指導してもらってるらしいぜー」

「えっ、マジ?」


運転講習の少し前…

 

「首都高での…レース…」

メジロマックイーンは呟いていた。

 

「どうしたの?マックイーン、考え事?」

とメジロライアンが聞いてくる。

 

「最近話に出てくる『首都高』という所が気になって…」

 

「マックイーンでも考えるのね」

とメジロドーベル。

 

「だっ、だって!スペシャルウィークさんが食事の事以外であんなに喋ってたの初めてですわよ!」

 

「そんなに凄かったんだ…」

とライアンが驚愕する。

 

「でも、私達は『メジロ家』のウマ娘。おばあ様がそんな事許すとでも?」

とドーベルが言う。

 

そう、彼女らは『メジロ一家』のご令嬢だ。

3人ともそれぞれウマ娘として全身全霊を尽くさなければならない。

だからわざわざ危険と法律を犯してまでやる事など不必要のだ。

だというのに。

 

「ドーベルは気にならないのですか!?首都高という公道でのレースは!?」

 

「そりゃ私も気になるわよ!でもね、私達はまだ未成年なんだからいくら望んでも出来ない物は出来ないの!」

 

その時、ライアンは言った。

「それならおばあ様に直談判すればいいんじゃ?」

 

「「…あっ」」

 

 

「…という事でおばあ様、これを…」

メジロマックイーンが机の上に書類を置く。

 

「…なんの為に行くんだい?」

 

「首都高速道路を攻める為です」

 

「ちょっと!マックイーン!」

直球に言ったマックイーンに対し、小声で注意するドーベル。

 

「大丈夫ですわ。…それでおばあ様」

 

しばらく沈黙が続いた後、カチャと持っていたカップが置かれる。

 

「…マックイーン。メジロ家の伝統は知ってるね?」

 

「は、はい」

 

「メジロ家は競バが確立する前から走っている。その昔、武将さんを支えてたりしてきたんだ」

 

「…はい」

これは説教かな、と3人が諦めた時…

 

「だからフェラーリに気に入られた」

 

「はい…「「は?」」」

いきなり話が変わり間抜けな声を出してしまう3人。

 

「フェラーリってのはとあるウマ娘が元になってる伝統ある会社だ。だからウマ娘関連の様々な事業に手を出してたりお金を寄付したりしている」

3人共フェラーリという名前は知ってたが、そんなに歴史があるとは知らず感動する。

 

「そして、フェラーリは一部のウマ娘の名家と人間だけが入れる『会員』という物がある。定期的に私やあの人が居なくなったりするのも『会員』のしなきゃいけないことをしてるからなんだよ」

 

「ど、道理で…」

ライアンが納得する。

 

「『会員』ってのは色々やる事があったり規約があったりするんだけど…その一つに『会員様の子孫様が車に興味を持った際は、速やかにフェラーリ社に連絡し、全力でサポートさせて頂きます。』という項目がある」

 

それを聞いた3人は目を合わせ期待を寄せる。

 

「だから…皆と同じ所じゃないけど、いいかい?」

 

「「「喜んで!!」」」

3人は大きな声で答えた。

 

「ただ一つだけ注意点がある」

 

「「「!」」」

 

「ウマ娘の場合は、現役競走ウマ娘を引退した瞬間、フェラーリ専属のプロレーサーとなる。それが嫌なら普通の講習に…」

 

「別にそれくらい構いませんわ」

 

「ストリートを走り切ったら次はレーシングか…楽しみだな」

 

「とてもワクワクしてきた…!」

 

「…心配無用だったみたいだね。だったら善は急げだ、今すぐ準備してイタリアに飛ぶよ!」

 

「「「え」」」

そしてその日の夜にイタリアへメジロ家は飛んだ。

 

 

モンツァ・サーキット

それはイタリアでクルマ好きなら知らない者はいない有名なコース。

ここから飛び立った名車は数多ある。

 

そして今日から1ヶ月位貸切となる。

 

「ここが…モンツァ・サーキット…」

メジロマックイーンとライアンとドーベルが見回してると

 

「お待ちしておりました。メジロマックイーン様、メジロライアン様、メジロドーベル様」

と一人の紳士が後ろから話しかけてくる。

 

「あ、貴方は…」

 

「おっと、これは失礼しました。私、こういう者です」

と名刺を出す。

 

「…フェラーリの社員さんでしたのね。それも今回の講習の監督さんとは…」

 

「はい、今まで色んな人を指導してきました。今回初めてウマ娘の皆様にご指導が出来ると知って気分が高揚しております」

 

『ありがとうございます。よろしくお願いします』

と3人はお辞儀をして挨拶する。

 

「はい、それでは早速ですが…」

 

「…」ワクワク

 

「GPのコースを、()()で走って見てください」

と紳士は指示をした。

 

「はい?それはどう言う事で…」

 

「すみません、少し説明が足りませんでしたね。()()()()で走ってみてください」

 

 

タッタッタ

 

マックイーンは特別製の蹄鉄、ゴム製蹄鉄を付けた靴でコースを走っていた。

 

(ゴム製とは言えタイヤを元にしてるからなのでしょうか…そんなに跳ねないし、寧ろ何時もより速い気が…!)

 

コーナーも難なく攻められるこの蹄鉄に感動すら覚えるマックイーン。

 

さて、突然だがウマ娘が何故サーキットをわざわざ自分の脚で走るのか。

 

それはコースを更に満遍なく見れるからである。

 

コーナーの角度やバンク等は勿論、シミ、ひび割れ、水溜まりetc…

技術が発達した今でも自分の目で確認するもの程安心出来るものはない。

 

とは言え、この行為はあまり浸透されてない上に大体禁止されてるのだ。

 

なのでこれは現状、ドライバーが全員ウマ娘のレースでしかやれない。

 

「はっ…はっ…」

(それにしても…長いですわね…)

 

これはこれでいいのかも知れないが、長い上にコーナーもあるので何時もより疲れる。

 

そしてゴールラインにたどり着く。

 

「はっー…」

 

後にライアンとドーベルも来る。

 

「お疲れ様です皆様。これを」

 

「ありがとう…ございます」

渡された水を飲み、息を整える。

 

「それでは次は助手席に乗ってもらいます」

 

「そ、それは誰の…」

 

「私のだよ」

 

『お、おばあ様!?』

 

紳士の後ろから出てくるおばあ様。

 

「その後ろにあるクルマって…」

「あれかいドーベル?あれは私の愛車 F40LM 『私』仕様だよ」

 

 

ブォォォォォ!

 

(身体が…追いつけない…!)

 

一番手のメジロマックイーンは100%を超えた完成度を誇るF40LMのGを耐えていた。

 

「この(F40)は少しだけ標準より強化されててね、最近また改造を行ったんだ。最新のターボ、ECU、足回り…たったこれだけかと思うかもしれないけど、結構速くなったんだよ」

と語るおばあ様。

 

「車で()()()()ってのはただのトレーニングだけじゃ足りない。首都高ならもちろんの事。腕もパーツもなきゃ行けないのさ」

 

たった一周走っただけでも分かる。

この人は腕だけでも性能だけもない、そのどちらとも持ち合わせている。

メジロマックイーンは車の知識はないが、本能で分かっていた。

 

その後も、ライアンとドーベルも乗ったが圧倒されるだけだった。

 

 

「さて、お次は車両選びへと移ります。よろしいですか?」

と紳士が言う。次に

 

「これからほぼ一生を共にして行くんだ。慎重に選らんでじっくり悩んで決めなさい」

とおばあ様が言う。

 

「遂にこの時が…!」

 

「どんな車にしようかなぁ…」

 

「」ソワソワ

 

そして少し移動する。

 

「それでは…」パチン

紳士が指パッチンをすると、車達を隠していた赤いカバーが何処かに行く。

 

そこには年代、型式様々なフェラーリが並んでいた。

正に『100万ドルの景色』と言ったところだろう。

 

「この中で何を選びますか?」

そう問われた。




今回出てきた『会員』は独自設定です。
フェラーリ程の会社なら有りそう
メジロドーベルが影薄めなのは許して
あと、「おばあ様」の口調がめちゃくちゃなのも許して


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ラストトレーニング

展開が思いつかなかったので初投稿です
数あるマシンの中から自分の脚質()に合う物を数日で選ばせるとか超キチィと思います


なんだかんだありながらも怪我もせずに終わりに差し掛かってきた夏合宿こと運転講習。

遂にこの時が来る…

 

 

「今日は皆さんの車を選ぶトレーニングです」

 

唐突に言われたこの一言に、ウマ娘達は全員ハテナマークを浮かべる。

 

「つまりですね…皆さんの相棒、愛車を決めるんです!」

 

これで意味が分かったウマ娘達はザワつく。

 

その日岡山国際サーキットに様々な車が走った。

 

日本車は勿論、ヨーロッパ車やアメ車等、色んな車が走った。

 

首都高を攻めるだけなのにここまでする必要はあるのかとトレーナーは思ったが、諦める事にした。

 

 

「IS THAT A SUPRA?!」

 

「グラスどうしたデース?!」

 

「あ、えっとつい…」

 

「グラスちゃん凄いねー!いきなりネイティブになってたよ」

 

「グラスさんがいきなり声を上げるなんて…どうかしたの?」

とキングヘイローが聞く。

 

「えっと…あの車があったからです」

恥ずかしがりながらも指を差したその先には

 

「…80スープラ?」

とエルコンドルパサー。

 

「海外では結構人気で…私も好きになっちゃって乗って見たかったんです」

 

「へぇー!そうだったんだ!」

と納得するスペシャルウィーク。

 

「私はあの漫画に出てきたポルシェに乗りたいデース!一体どこにあるのか…」

とエルが見回してると、

 

「それならさっきあそこにあったと思うけど…」

とキングが目で教える。

 

「あ!本当だ!」

エルコンドルパサーはそれ目掛けて走って行った。

 

「あれ?キングちゃんは選ばないの?」

とスペシャルウィークが質問する。

 

「なんか…こう、ビビッと来るものが無くて…スペシャルウィークさんはなにか決めたのかしら?」

 

「はい!一応、R34って車に決めようと思って!」

 

「へぇ…理由は?」

 

「えっと…黒江さんが『最速の走り屋が乗っていた車』だからです!私も最速になりたいので!」

と元気一杯に言うスペシャルウィーク。

 

「フフッ、良い理由ね。でも最後に先頭にいるのはこのキングヘイローよ!」

 

「先頭の景色は譲らない…!」

 

「わぁっ!スズカ先輩!?」

 

「い、いきなり出てきてビックリした…」

といきなり出てきたスズカに驚く二人であった。

 

~一方イタリヤ~

 

「…後は日本で調整ですか」

 

「まだ、Ver1ですので焦らなくてもいいかと思います」

とメジロマックイーンとチームのリーダーは言う。

 

「…だ、大丈夫ですわよね私。整備のし方とか」

 

「大丈夫です。安心してください。このままプロになれる程ですので」とリーダーは言う。

 

メジロマックイーン、メジロライアン、メジロドーベルは自分の車を整備、チューニングが出来るように指導された。

 

なので日本では一人で色々やらなければならない。

 

「ありがとうございます。皆様も頑張ってください」

 

『はい!』

元気な返事がガレージに響く。

 

 

そしてマックイーンは歩き、愛車の前に行き向き合う。

 

「これからよろしくお願いしますわ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

488GTB」

 

599」

 

F50」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マックイーンに聞こえたもう二人の声。

その二人もマックイーンともう一人の声が聞こえていた。




なんかだんだん雑になってきてる…きてない?
バクシン的に更新するからいけない


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出会い ~ライスシャワー~

「失敗作」と言われたスポーツカーとヒールと呼ばれたウマ…
合わない訳が無いんですよね


とある、車がいた。

 

ドライバーに愛された。

 

でも、その車はとある時から『失敗作』と言われた。

 

ドライバーは激怒した。そして、復讐する事を誓った。

 

首都高の頂点、最速になれば誰しもが認めざるを得ないと。

 

彼はその車を極限まで改造し、走り回った。

 

あの『迅帝』でさえ、堕とされる手前まで追い詰められた。

 

でも…それは夢半ばで終わってしまった。

 

ドライバーは死に、クルマだけが生き残ってしまった。

 

だが、このクルマはまだ知らない。

 

また、新たなドライバーに拾われるということに…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ライスシャワーは悩んでいた。なぜなら…

 

「ライスちゃんは凄いねー!乗った車全部壊れちゃうなんて!」

 

「そ、そうだねウララちゃん…」

 

ハルウララに悪気は無いことは分かるが言われると相当キツい。

 

そう、さっきハルウララが言った通り、ライスシャワーが運転しようとした車全部、何かしらで故障してしまい、動かせなくなってしまったのだ。

 

他の子が乗ると普通に動いたが、それはまるでライスシャワーだけが拒絶されてると見て取れる様な様子だった。

 

…トレーナーは「不幸なだけだ。気にするな」と言った後頭を撫でてフォローはしたのだがそれだけじゃライスシャワーの調子は回復しなかった。

 

絶好調→絶不調→不調

 

「私だけ車が無い…どうすればいいんだろう…」

 

「大丈夫だよ!私もまだ決めてないし!」

 

「…ふふっそうだね」

やっぱりウララちゃんの底抜けの明るさは凄いなと思っていた所、

 

「ここに居たかライス」

 

「あっ!お兄様…」

トレーナーが来た。

 

「ライスちゃんのトレーナーさんこんにちはー!」

 

「ああ、こんにちは」

とハルウララに挨拶するとライスシャワーの方を向く。

 

「あったぞライス、元から壊れてて俺の最も信頼してる車が」

 

「本当に!」

実はトレーナー、ライスシャワーの車を探していたのだ。

色々な所に顔が利く(らしい)のでライスシャワーに約束していたのだ。

 

「良かったね!ライスちゃん!」

 

「ありがとう!ウララちゃん!」

 

 

「それで、お兄様。どんな車さんなの?」

と、トレーナーの助手席から聞くライスシャワー。

 

「今は解体所で解体を待ってた車だ。だが、信頼出来るマシンだから安心しろ」

 

「一度壊れてるってこと?」

 

「…まぁそうなるな、嫌だったら―」

 

「ううん」と首を横に振りトレーナーの言葉を遮ると、

 

「お兄様のオススメする車さんならライス、なんでも乗れるし嬉しいよ!」

と言った。

 

「そ、そうか…あ、着いたぞ」

 

解体場に入るトレーナーとライスシャワー。

 

車を停めて出て目に入ったのは、積み上げられてる車たちの真ん中に置いてあった「日産スカイラインGTR33」だった。

状態はボロボロのさび錆びで、フロントはエンジンが丸出し。

エンジンには損傷が無いように見える。

 

「あれが…お兄様が言ってた車さん?」

 

「ああ…そうだ。()()では見たくなかったんだけどな…」

 

「?」

トレーナーの意味深な発言に首を傾げるライスシャワー。

 

「まぁなんだ。無料(タダ)でもう引き取ったから幾らでも見ていいらしい。要らなかったらそのまま置いといてくれとのことだ」

 

そう言われもう少し近ずいて見てみるライスシャワー。

 

そして触れた。

その時だった。

 

ライスシャワーに流れて来たのは『記憶』だった。

 

首都高に出る度に『失敗作』だと笑われ、それを反論しバトルし見返したドライバーの映像。

 

謎の()()R()3()4()を一晩中追いかけ最終的に離されてしまった映像。

 

そして―事故を起こした映像。

 

ライスシャワーも同じ経験をした。

 

臆病で他のウマ娘にも色々言われていた時にトレーナーになってくれたお兄様。

 

ブーイングが起こったその日はお兄様が擁護してくれた。

 

ミホノブルボンを追いかけ、追いつけなかった事。

 

そして―そのレースが悔しくて毎日自主練をして故障しそうになっていた事をお兄様が見抜き休ませてくれた事。

 

半分、一致する。

 

その光景が見えた時、ライスシャワーはこの車を走らせないといけない衝動に駆られた。

 

「お兄様…この車さん、今すぐ走らせなきゃ!」

気づいたらそう、口走っていた。

 

「…そうか、なら俺のガレージで修理させ…」

 

「ライスも一緒に修理する!」

 

「そ、そうか。なら早速キャリアカー呼ばないとな」

 

「うん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~一週間後~

 

ブォォォォォ…

 

『調子はどうだ?ライス』

 

「まだ、不安定だけど大丈夫だよお兄様」

 

ライスシャワーは修復したR33でC1を走っていた。

 

『あんまり回転数上げるなよ、エンジンの整備がまだまだだからな』

 

「分かってるお兄様…くっ」

 

キュワァ!

 

コーナー出口でスピンしかけるもなんとか立て直す。

 

(4WDなのにハイパワーFR車の様に滑る…!)

 

ライスシャワーはこの独特の挙動に悪戦苦闘していた。

 

(でも…絶対走らなきゃ…この車さんの為にも!)

 

まだアクセルを踏み続ける。

熱中し周りの事が見えなくなる寸前。

 

『今日はここで終わりだライスシャワー』

 

とトレーナーから無線が入る。

 

ライスシャワーはハットし、それを聞き入れPAに向かう。

 

~汐留PA~

 

「…大丈夫か?ライス?」

 

「大丈夫だよお兄様!」

 

「そうか、ならいいんだが…」

 

「それでそれで!何時、改装するの!」

とライスシャワーが聞くが、返ってきたのはいい言葉では無かった。

 

「ライスシャワー、お前は少し熱中し過ぎだ」

 

「えっ?」

 

「この車に惹かれたのは分かる。だが、腕も車も熟成してない時に感情ばかり先行すれば…」

 

死ぬぞ、とライスシャワーは言われた。

 

「っ…!」

確かに、そうだ。

 

タイヤがあんなにすり減っていたのはPAに入る前から分かっていた。のに、更に走ろうとした。

 

それで事故を起こすのは、この車さんの望むことじゃない。

 

「その気持ちが整えられるまで、強化はだめだ」

 

「…ごめんなさいお兄様」

 

「…別に謝る事じゃない。多少、()()が詰まってるだけだ」

とフォローした。

 

「うん…」

ライスシャワーは泣いていてかつハグをされていたので聞こえなかった。

 

ライスシャワーはしばらくポンポンされながらハグをされた後、トレーナーに「帰るか」と言われその日は帰った。




ライスシャワーの日産スカイラインGTーR33
600馬力(出力制限)
6速 3ペダルMT
駆動方式 4WD
吸気方式 シングルターボ
仕様 純正バンバーフォグランプ 2本チタンマフラー (コックピットから見て)右フロントライトが無くなり空気が直接入る構造になっている。

33に片目が無いのはライスシャワーも片目が隠れてるからです。(隠れてるってだけで両目はある)
片目だけ炎が宿ってるの見ると某骨を思い出すのは私だけですかね…


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出会い ~キングヘイロー~

キングヘイローとグラスワンダーの車種選択を悩みに悩んだので初投稿です
差しウマにFRスポーツはとても合う学会をいまここで成立させます。


「今日もまた、見つからなかった…」

と助手席に乗ってしょげるのはキングヘイロー。

 

「まぁまぁいずれ見つかるよキング」

 

『そうだよ!一流なマシンが何処かにあるって!』

とりまきーズがそう言うが、

 

「でもあなた達、キングを差し置いて一流マシンのベンツ乗ってるじゃない」

 

そう、とりまきーズの2人はもうメルセデス・ベンツ SL65 AMGブラックシリーズとC63ブラックシリーズに乗っている。

キングはその助手席に乗っている。(ボブショートヘアーはSL65運転してる)

 

「か、返す言葉もないよ…」

 

『ははは…』

 

話がひと段落してふと、外を見ると何かが目を掠めた。

 

その瞬間キングヘイローは声を上げた。

 

「今すぐ止めて!」

 

「えっ?どうしたのキング?」

 

「とにかく!」

 

「わ、わかった」と運転していたウマ娘が停めるとキングヘイローは車から飛び出して走っていく。

 

そして見つけたそのクルマは―

 

「いきなりどうしたのキング…」

とりまきーズが追いかけキングヘイローを見つけた時、同時に見たものは…

 

 

 

 

 

 

ボロボロのS2000だった。

 

 

 

 

 

 

「キング、もしかして…」

 

()()()()()?」

 

「…ええ、察しの通りこの私に合う一流のマシンが見つかったわ」

 

「「おおっ!」」

とりまきーズが声を上げて歓喜し喜ぶ。

 

だが、それに水を差すように1人の男が話し掛ける。

 

「嬢ちゃん達、勝手に盛り上がってるトコ悪いがそれはダメだ。他のにしてくれ」

 

「なっ…あなたは一体どちら様で?」

 

「おれはここの解体屋の管理人みたいなもんだ。で、改めて言うがそれはダメだ。他のならタダでもいいぞ」

 

「…理由は」

 

男は少し間を空けるとおもむろに口を開けた。

 

「…そいつは昔、俺の友人が造り上げた車だ」

 

「そのご友人は?」

 

「…今はこの世に居ない」

 

「…!ごめんなさい。これは失礼な事を…」

とキングヘイローは頭を下げる。

 

「いいんだ、別に。もう何回も話したからな」

 

「…」

 

「アイツはバカだった。『S2にターボ付ければ更に扱いにくくなるけど最強になるんじゃないか!?』って」

 

「それで…」

 

「…察しの通りアイツは事故った。でも何回も事故っても修理して調整して…どんどん完成させていった」

 

話しているその目はキラキラしていてまるで青春を思い出すような感じだ。

 

「でも、ほとんど完全体となったある日。アイツは()()事故った。何時もの事故と違うのはアイツが病院から戻ってこず、修理も調整もしなかった」

 

その事を話した時、目は真っ黒だった。

 

「…数少ない友人の数少ない遺品なんだ。そっとして欲しい。それにただでさえ扱いにくいS2000にドッカンターボを付けたんだ。嬢ちゃんも嫌だろ?こんな車で最期を迎えるのは」

 

…確かに普通の人ならこんなの願い下げだ。だが、キングヘイローは二流に下がる気はさらさらない。

 

「…あなたはこの車をどうしたいの?」

 

「ずっとこのまま…」

と男が言いかけた時、キングヘイローが遮る。

 

「それじゃあその友人を否定する事になるわね」

 

「…なっ、なにをふざけた事を言って…!」

 

「ふざけてなんて無い。この私、一流のウマ娘キングヘイローが乗ればこの車の完全体…いいえ、それを超えてみせる!」

流石にとりまきーズも止めようとしたがここまで来ると止められない。

 

無謀とも言えるその発言、無責任かもしれない。けど、それには不思議と出来るかもしれないと、思わせてしまう程の堂々さ。

それこそがキングヘイローである。

 

「…嬢ちゃんほんとうに、いいのかい?こんなボロ車で」

 

「これは可能性を秘めたダイヤの原石よ。私のような一流のマシンはこれしか似合わないわ!」

 

「…ならその『一流』賭けてみるよ。嬢…いやキングヘイロー」

 

「ふっ…私にまかせなさい!」

 

 

 

 

~一週間後~

 

ベンツ2台に護衛されるように派手に走り回るS2000。めちゃくちゃ滑っていた。

 

「なっ何よこれ!事故らないように全開にするのが精一杯じゃない!」

 

外部の人間から見てそれは最早神業レベルなのだが。

 

(にしてもS2000の狭い限界度が超えなければ滑らないと言われているのにここまでとは…これは基本設計からする必要がありそうね…)

 

泥臭く一流を取るウマ娘キングヘイロー。

次はオイル臭くなるようだ。

 

「あっ、こら!そっちに行かない!」




キングヘイローのHONDA S2000
500馬力
6速 3ペダルMT
駆動方式 FR
吸気方式 ドッカンターボ
仕様 リアスポイラーが付いているが他はノーマル

いわく付きS2000って有り得るか?
4駆のS2000は知ってるけども

え?SLS?AMG GT?なんのこったよ(すっとぼけ)


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出会い ~ナイスネイチャ~

作者「やってみせろよ、ネイチャ」
ネイチャ「なんとでもなるはずだ」
ネイチャ「V8ハチゴーだと!?」(ネタバレ)

楽曲コードを書くのがめんどくさいので割愛


首都高。最近トレセン学園内に流行ってる言葉いや、場所だ。

とあるトレーナーとかが火種らしいけどネイチャさんは流行とかに疎いから分かんないや。

 

まぁ、そんなのにうつつを抜かしてたら「名脇役」の「永遠の3番手」であるネイチャさんに抜かれちゃうけとね~

 

…さっきダジャレ成立してなかった?後で、会長さんの所に行って笑わそー。

 

そんな事は置いといて。

 

うちのチームでも流行りだしたんだよね。首都高。

 

ツインターボは確か「純正でツインターボが付いてる三菱GTO買ったよ!」

とか言って、見せびらかされた上に助手席に乗らされて。いやー楽しかった。

 

マチカネタンホイザはマチカネフクキタルから譲ってもらった『シラキオ様に祝福されたFTO』で首都高一周したら直ぐに壊れたとか。

タンホイザの運が悪いのか、フクキタルが悪いのか…

 

イクノディクタスはシビックEK9を無理に走らせてるとか…

毎回ミラーが無くなって傷だらけで帰ってくる。

なんでも「無理な攻め方をすればいずれ攻められるのではないか」と言ういつもの脳筋っぷり。

ミラー以外は修理してない。

と言うかおカネどうなってんだろ。

 

こんな感じでお熱なんだよね~

私?私は興味無いんだ~

 

 

 

 

首都高(あの場所)に3着なんてものは無い。

一着(勝ち)それ以外(負け)か。

 

 

 

 

…そんな世界ネイチャさんは怖くて行けないね。

 

最近はGIIでも1着を取れるようになったけどGIじゃまだまだだし。

まだまだトレーニングしなくちゃねぇ…

 

 

私はフラフラ~と駐車場に向かった。

例のトレーナーが居る気がして。

 

「学園の駐車場で何してるのかな~トレーナーさん」

 

「おっ、ナイスネイチャか」

簡易的なやつでリフトアップをした、車の下から現れたのはスペシャルウィークを筆頭とした子達を担当し、今回の火種であるトレーナーが出てきた。

 

…ちなみにうちのトレーナーさんとはまた別に面識がある。

この人に教えて貰ったりする事もあるし。

 

この人の指導は凄く上手い。ウマ娘を良く考えてやってくれてる。

 

「この前のGIIはどうだった?」

 

「それはもう」

人差し指だけを立て「1」とやった。

 

「それは良かったな!」

 

「ふふん。もう『名脇役』なんて言わせないよ~」

 

「このままGIも制覇してくれ。『主演女優』」

 

おっ、凄いいい事言ってくれるじゃん。

 

「…所でトレーナーさんは何をしてるのかな?」

 

「…まぁちょっとした()()だ」

 

「嘘ついてない?」

 

「ほんとにただの整備だよ。というかなんでそんな事言うんだ?」

 

「まぁ…女の勘?」

 

「えぇ…」

…なんか引かれてるけど本当にあるんですよね~女の勘。

 

「まぁ…そんな事よりネイチャに丁度用事があってね」

 

「ほうほう?」

 

「この前ネイチャに勧めたいクルマを見つけてな」

 

「はいはい…ほぇ?」

マジで言ってるんですかトレーナーさん?変な声出ちゃった。

 

「で?どうする?」

 

「じゃぁ…観るだけ…」

 

「よしきた!今から電話掛けてここに向かわせるわ」

 

「えっ!いやそれだったら…」

 

プルルルル…

 

もうしてるし。断りずらくなっちゃった…

 

 

しばらくしてたら本当にきた。

なんでも次戻ったらこのクルマは解体するんだとか。

トレーナーさんが言うには「ネイチャのように可能性があるから勿体ない」だって。

 

「所でこのクルマはなんて言うの?旧86っぽいけど、なんか少し違うし…」

 

「AE85ってやつだ」

 

「あの偽物の?」

 

「偽物言うな」

 

確かにネイチャさんにとって合ってるね~

 

「これが凄いのはエンジンなんだ」

 

「エンジン?」

 

「そうだ。かけてみろ」

そう言われてキーを回してエンジンをかけると…

 

キッキッキッキッ…ブォワン!

 

「っ!」

 

この衝撃波のようなエンジン音…まさか…

 

「これ、V8載ってんだ」

 

マジすか~…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「トレーナーさんも運がいいね~」

 

「俺もビックリしたよ、まだこんなのが残ってるなんてね」

 

「アタシも思わず即決しちゃった」

 

「あのおじさんも喜んでたな」

 

「折角ねースポーツ走行してあげないとねー」

 

…買っちゃった。

鉄パイプのシャーシも付いてたしね。

剛性何とかなってるっしょきっと…

 

「あ!ネイチャだ!」

 

「お、ターボじゃん。どしたん?」

 

「さっき凄い音がしたから来た!」

 

「おおー流石チーム1のパワーウマ娘、嗅ぎつけるのが早い」

 

「それで!それで!さっきのは?」

 

「ああ…これだよこれ」

とアタシは85を差す。

 

「…これってはちごーだよね。冗談言わないでよネイチャ!」

 

「冗談じゃないんだよなぁ~これが」

 

「あっ!トレーナーだっ!」

 

トレーナーさんの存在を知ると直ぐに駆け寄るツインターボ。

傍から見れば忠犬と飼い主のようになっている。

…そりゃ後期型GTOと言うオモチャを買え与えてくれた人に懐くのは当たり前か。…なんかなでなでされてるし。

 

「どうだターボ、GTOはちゃんと乗ってるか?」

 

「うん!最近は勝てるようになってきたんだ!」

 

「じゃあターフの方はどうだ?」

 

「…」

ツインターボはここ暫く首都高の方に熱中しすぎてトレーニングとかに顔を出てない。そりゃ結果も出ない。

 

「トレーニングとかちゃんとやれよ?この前またヒシアマゾンが朝ごはん食わないって嘆いてたぞ」

 

元凶さんが何言ってんだか。

 

「ごめんさい…」

 

「分かればいい…で、頼みがあるんだが…ネイチャと並走してくれないか?」

 

「ネイチャと?」

 

「え、なんで急に」

 

「ああ、違う違う。今すぐじゃなくて()()

今夜…こんや?なぜ夜?

 

「シェイクダウンと慣れるためだ」

 

「!うん!分かった!」

 

あーそういうことね完全に理解した

 

「トレーナーさんも来るの?」

 

「助手席に乗せてもらおう」

 

「免許証取る時の教官さんかな?」

 

「あながち間違いじゃないけどな」

トレーナーさんを乗せて走る…緊張しそー…

 

「じゃまた今夜」

 


 

…結構飛んで走った後の辰巳PA

 

「…これ、相当ヤバいの購入したなネイチャ」

 

「…つかれた」

 

「はーやーいーよー!ネーイーチャー!」

 

 

 

 

 

 

拝啓 過去の私 これ、買わないで

 

 

 

 




ナイスネイチャのAE85
500馬力(ECUで出力制限)
6速 3ペダルMT
駆動方式 4WD(ここ重要)
吸気方式 NA(自然吸気)
仕様 太いタイヤのロクスポホイール 申し訳程度のシャシー

V8ハチゴーってありえるか?
86ならいるかもしれないけど
他の出会い物語はまた話が進んだらと言う事で…

チームカノープスはいるけど沖野トレーナー並びにチームスピカは無いです


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各ウマ娘、出撃の準備が整いました。第1枠

ここからが全てのスタートなので初投稿です
と言っても、次回から本格的にウマ娘達のバトルが始まるんですけどね()
更新が遅かったのは展開を考えていたのと、やっと購入したGTAオンラインをやっていたからです。
やっぱりGTAOのカスタムは…最高やな!


~首都高…銀座線~

 

ブォォォォ!

 

「やっぱり…付いてくる!」

スペシャルウィークはR34で飛ばしていた。

 

その後ろに迫るのは…

 

「エルコンドルパサーの目からは逃れられまセーン!」

旧式の911ポルシェで追いかけるエルコンドルパサー。

 

「…そこです!」

銀座線から江戸橋へ、左に行く所で外から差しに来るグラスワンダー。

 

「えっ!?」

 

「ケ!?」

 

「攻めが甘いですよ。二人とも」

そして出口で前に出るグラスのスープラ。

 

それと同時に合流する、セイウンスカイのGC8とキングヘイローのS2000。

 

「おー、グラスちゃんやってるねー」

 

「スカイさんこそ…その感じだとキングちゃんは―」

無線を遮るようにキングヘイローが話しかけてくる。

 

「待ちなさいスカイさん!ちょっとした並走のはずなんだけど!?」

 

「だって私『逃げ』の脚質ですし」

 

「そんなに苦戦してるんですか?」

 

「特にここのカーブが連続してる区間はね…掴み所がないのよ」

 

「それじゃあ…差しがいがありそうです♪」

 

「おっ?これはグラスちゃんが本気になったかな?」

 

「エルこそが先頭デース!」

 

「車がいっぱいい…」

 

「キングである私を忘れないで!」

 

 

一般通過ギャラリー君の一言

「黄金世代ってここでも速いんだな…」

 


 

~C1内回り~

 

「…やっぱりここの景色もキレイね。ずっと走っていたいけど、自分の脚でターフも走りたい…分裂出来ないかなぁ」

と意味不明な事を言いながら気持ちよくNA1のリトラクタブルNSXを走らせているのはサイレンススズカ。

 

「…ん?何か後ろから…」

ルームミラー越しに見えたのは、ランボルギーニ・カウンタックとそれに追われてる10年式のGRBインプレッサだった。

 

「…嘘でしょ、あれって…」

 

スズカは知っている。搭乗してるウマ娘は逃げ切りシスターズと言う、アイドルグループみたいなのの内の二人が乗っている事を。

 

「…カウンタックかぁ…でも先頭の景色は譲りたくないし…」

 

「あ!スズカちゃん!丁度いいところなの!」

 

ブォォォォ!

 

VTECが唸り無慈悲にアイネスフウジンから離れていくスズカ。

 

「も、もう帰りたいの…」

 

「お!スズカちゃん飛ばしてるわねー!私もまだまだ行くわよー!」

 

 

一般通過ギャラリー君の一言

「マルゼンスキーは昔からここだと複数戦だと差しでやってるよな。今日もイケイケでインプとNSX追ってたし」

 


 

~学園駐車場~

 

「今日はありがとうミホノブルボンさん!」

ライスシャワーが頭を下げて感謝する。

 

「いえ、私も私で走行に磨きがかかりました。こちらこそ感謝します」

それに応えるのはサイボーグと言われているウマ娘ミホノブルボン。

 

「それにしても凄いねブルボンさんのクルマさん…!」

 

ミホノブルボンの後ろにある黄色く平べったい車両を見て目をキラキラさせるライスシャワー。

 

「マクラーレンP1の事ですね。…検索結果を発表、説明します。マクラーレン・P1(ピーワン、 McLaren P1 )は、マクラーレン・オートモーティブが開発したスーパーカー」

 

「ストップ!ストップ!」

 

「説明を中止します」

何回も聞いた説明を止めるライスシャワー。

 

「やっぱりブルボンは凄いなぁ…」

 

「その車を乗りこなす貴方も相当凄いと思います」

 

「えっ!…ありがとうブルボンさん!」

 

「いえ…今日もこんな時間です、明日も頑張りましょう」

 

「うん!明日も頑張るぞー…おー!」

 

一般通過オタウマ娘

 

「尊い。死ぬ」

 


 

~首都高…辰巳PA~

 

「クソ~…途中でメジロのフェラーリの邪魔が無ければオグリとクリークに勝てたのになぁ~…」

 

「でも、あのペースだとタマちゃん途中で垂れてたと思いますよ~?」

 

「それに、その前にパンクしてしまったからな。…クリーク」

 

「はい、オグリちゃん」

スーパークリークがオグリキャップに食べ物を渡す。

 

「…と言うか何食べてるねん!スーパークリークもなんで持ってたんや!てか…」

 

2人のマシンを見てタマモクロスはまた声を上げる。

 

「オグリのRX8は分からなくはない。でもな、クリークのステージアはなんやねん!それ首都高走る用のやつやないやろ!」

 

「でも、家族乗り共用でって人も多いですよ?」

と反論するクリーク。

 

「…同乗者いないやん」

 

「これからかもしれませんし、タマちゃんとか乗せるためですし、現にスペアタイヤ交換で機材を載せてたからよかったじゃない」

 

「いやそう言う事じゃなくてなぁ…」

 

どこまでも保護者を遂行するクリークに呆れるタマモクロス。

 

「…とにかく、ウチのZのスペアタイヤ付けてくれてありがとな」

 

「お易い御用ですよ~」

 

「なぁタマ」

 

「なんやオグリ」

 

「お腹すいたし降りるか」

 

「…もう疲れた…」

オグリキャップにも呆れるタマモクロスだった。

 

 

一般通過ギャラリー君の一言

「あの3人純正だよな?なのになんであんなに速いんだ…」

 

~少し戻って…新環状~

 

フェラーリ三台が追走し、アザーカーを抜けていく。

 

「流石ライアンですわね…私を追いかけるパワーもありながらその大きな車体でするすると走りますし…」

 

メジロマックイーンの488に張り付くのは599に乗ったメジロライアン。

488やF50という平べったい車体じゃない上に性能も少し劣っている為、ついて行くのは中々に大変である。

 

「ですがライアン、少し無理をしてるのではなくって?」

そう言った瞬間、メジロマックイーンが更なるスピードでコーナーを攻める。

 

「ま、まだあんな速く…!」

 

実はメジロマックイーンは見抜いてたのだ。

ライアンがついて行くのに必死だったことを。

 

所謂、タイヤの使い過ぎである。

 

軽量でMRで200㌔以上で巡航するように造られた488とF50に比べ、599はFRのスポーツカー。

スポーツ走行でのスピードも二台より一段階低いような造りなので、ノーマルの状態で首都高でトントンで走るには相当タイヤを使い込みロスの無い走りをしなければならない。

 

そうしてれば必然とタイヤとドライバーの神経は通常より速くすり減って行く。

 

「ぐっ…首都高(ココ)でも堕とせないのか…!」

 

ドーベルのF50が迫り今にも追い抜きそうになった時だった。

 

「…ん?前が…詰まってる?」

 

メジロマックイーンはタマモクロス、スーパークリーク、オグリキャップにエンカウントしてしまった。

 

「メジロの嬢さん方、フェラーリで首都高を制せると思ったら大間違いやで!さぁ、う゛ち゛と゛や゛ろ゛や゛!」

 

「…まだまだ勝負はお預けだね、マックイーン」

 

…その後のタマモクロス一行は言うまでもないだろう。

 

 

一般通過ギャラリー君の一言

「メジロ家、銀座線からずっとハイペースだったらしい…凄いな、ステイヤーは」

 

 

 




長い上に更新が遅くなってるので一旦区切ります。
誤字脱字報告ありがとうございます!


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各ウマ娘、出撃の準備が出来ました。第2枠

(枠を分けたからと言って実力差とかは)ないです。
気づいたらハーフアニバーサリーだった件
デジたん?僕の端末には実装されてないっぽくて…
気づいたらハロウィンイベも凱旋門賞も終わってて芝枯れてダート
ドラキュライス当てたので許して


~大黒PA~

 

「今日もハヤヒデとタイシン速かったなー!なんでそんな速いのー?」

と、夜なのにも関わらず大声を出すウイニングチケット。

 

「…チケットがハイペースで走るからだ。湾岸線は踏むだけじゃ無いと言っているのに…」

 

「…ハヤヒデもペース崩さずに走ったから私に抜かれたんじゃないの?」

 

「あれは…その…計算よりアザーカーが多かったと言うか…」

少しそっぽを見ながら言い訳をするビワハヤヒデ。

 

「そっか!ハヤヒデのM5ってデカいもんね!」

 

「私の頭はデカくない!」

最早、口癖と化したハヤヒデの頭イジり。

 

「いや、そんな事言ってないっての」

 

「でも、タイシンのM2はちっちゃいよね」

 

「あんたらがBMW乗ってるから私だって…」

 

「タイシン、もっと身体を大きくしたらどうだ?」

 

「あんたらを狩れるんだからこれで十分」

 

「私だって負けないよー!」

 

「だからチケットはうるさいっての…」

 

そう、このB(ビワハヤヒデ)N(ナリタタイシン)W(ウイニングチケット)は、BMWのM5(”20s”)、M2、M3E92を選択したのだ。

 

「ちょっといいか」

と話しかけてくる人物が一人。

 

「貴方は…?」

 

「ああ、いきなりでごめんね。俺はこの辺りで走り屋やってんだ。あのセダンでな」

と親指で指された所には改造されたトヨタの高級セダンが停めてあった。

 

「…それで誰とバトルするつもり?」

タイシンが聞く。

 

「M5を操ってる奴とだ」

 

「それならこの私が相手だ」

と歩み出るビワハヤヒデ。

 

「そうか…名前は?」

 

「ビワハヤヒデ。最強の妹を持つ最強の姉だ」

 

(…流石は俺でも知ってるGIウマ娘だ。オーラがそんじょそこらの金持ちとは違う。これは中々楽しそうだ)

 

「…俺の名は山田寅吉。またの名を本家一番星だ」

 

今、時代を超えた高級セダンのバトルが始まった。

 

 

NW

「付いてくだけで精一杯だったねータイシン!」

「ハヤヒデも速かったけど相手も相当だったね。昔からいるのかな…」

 


 

~湾岸線~

 

シュン!ブォォォォ…

 

2台の車両が駆ける。

 

「やっぱりマヤノは速いね!」

とテイオー。

 

「テイオーちゃんこそマヤの()()に付いてこれるなんて凄いよ!」

とマヤノ。

 

マヤノトップガンが少し前の左の車線に位置し、トウカイテイオーは右の車線でマヤノトップガンを追う。

 

そして海底トンネルを通り大井JCTへ。

 

ブォォォォン!キキー!

 

2台並びながら突入し、ブレーキングをしていく。

 

外にいたマヤノトップガンはブレーキング勝負で一瞬トウカイテイオーが前に出るが、マヤノトップガンはアウト側なので道路全体を使いなんとか逃げ切る。

 

「やっぱりマヤノのガヤルドは速いなぁ!」

 

「テイオーちゃんのR32も凄いブレーキング!」

 

「で、マヤノ?」

 

「うん?」

 

「まだやる?(21:00)」

 

「マヤノはオトナの女だからね!」

 

「よし!ボクもまだまだやり足りなかったからね!」

 

「マヤノ、テイクオーフ!」

 

「テイオー様のお通りだー!」

 

この後ちゃんと寮長に怒られました。

 

 

一般通過ギャラリー君の一言

「6時からずっと首都高中走り回るとか…しかもどんどん走りが洗練されてるし…バケモンかよ」

 


 

~C1~

 

キュイィィィ!

 

「付いてこないで…よっ!」

ダイワスカーレットがブレーキングをし、ドリフトをする。

 

「オラオラ!お前はそんなんじゃないだ…ろっ!」

ウオッカがついて行きスカーレットがドリフトすると自分もドリフトをする。

 

2台はハイスピードでコーナーを抜けていく。

 

傍から見れば首都高でドリフトするような変わり者だと思うが…それにしてはスピードと美しさが桁違いである。

 

今日も首都高に紅きFDと黒きマスタングがスキールを鳴らす…

 

 

一般通過ドリ族

「D1でも見ねえぞあんな走り…」

 


 

~代々木PA~

 

「並走ありがとうカフェ。いいデータが取れたよ」

 

「…それならもう単独で走ってってもいいですか…」

 

「いや!それなら私も行こう!」

とさっきからもう一人のウマ娘を引き留めているのはアグネスタキオン。

 

「なら出ません…」

そしてタキオンに引っ付かれるのがダルいマンハッタンカフェ。

マンハッタンカフェは独りで深夜に走るのだが、今日はたまたま生活リズムが逆転したアグネスタキオンと会ってしまい、データを取られてる状況である。

 

タキオンはタキオンでウマ娘と車の親和性により生まれる「速さ」を研究する為に偶に出ているのだとか。

 

「にしてもタキオンさん」

 

「なんだいカフェ?」

 

「どこからそんな車持ってきたんですか…」

 

「いや、マッドサイエンティストと言ったらこの車(DMC12)だろう?」

 

「自分でマッドサイエンティストって認めるんですね」

 

そう、タキオンが乗っている車はデロリアンDMC12である。

 

「RR方式だけれどもまぁまぁ使い勝手がいいし、中古だったからか足回り申し分ないしね。逆に聞くが、君のもまた一般市民には買えない車で攻めているじゃぁないか」

 

対してマンハッタンカフェが乗っているのはベンツのAMG GTと言うベンツの中でも5本の指に入る程の高性能スポーツカーである。

 

「手頃な価格でちゃんと攻めきれる車と言ったらこれしかないと思って購入しました」

 

「まぁ確かにレースの賞金で稼げる額ならそこら辺の車両が良いだろうね。カラーも漆黒、と言うのが君らしい」

 

マンハッタンカフェの勝負服は黒いマントを羽織っていてその姿は観る人達を魅力している。

 

「私の予測によると…君は結構活躍すると思う。まぁなんだ…期待しているよ」

 

「ええ、勿論。そう簡単に堕ちる気は更々ないですよ」

 

「そうかい…それはそうと並走を「嫌です」そうか…」

 

 

作者の一言

「タキオンまだ育成してないし、カフェの正確な性格(エア下)把握出来なかったから適当。スマヌ」

 


 

他にも180で湾岸線を爆走するサクラバクシンオー。

色々な荷物を詰んだFordフォーカスRSを操るヒシアマゾン。

ダッチチャレンジャーでビゴーペガサスを追いかけるヒシアケボノ。

Z31で憧れを追いかけるメイショウドトウと、覇者ってるオペラオー(ダッチチャージャー)。

ピンクのスバルWRX STIで全てのウマ娘を追いかけるアグネスデジタル。

黒きGT86に乗るキタサンブラックと緑のBRZに乗るサトノダイヤモンド等、首都高には様々なウマ娘達が愛車で出撃していた。

 

勿論、これは首都高中に影響を与え様々なライバル達が復活するには十分過ぎるくらい熱くなっていた。

 


 

~???~

 

「この騒ぎ、凄いッスねぇ~。迅帝が生きてた頃と同じいや、それ以上じゃないっすかねぇ~スネークアイズの旦那」

 

「…クレイジーモンキー、情報は?」

 

「…全チームメイトまだ未確認だそうで。噂程度なら目撃情報があるみたいです」

 

「そうか…ウマ娘達は?」

 

「まだ頭角を現してる様子はなさそうですけど確実に力は蓄えてるかと」

 

「そうか、引き続き哨戒に回れ」

 

「了解」

クレイジーモンキーと言われたドライバーは車両に乗り込み出撃しに行く。

 

「迅帝…何処にいる…逃げ勝ちとは言わせんぞ…だがまずは…()()を超えるであろうウマ娘達を駆逐しなければ…」

 

そう言うとスネークアイズも出撃しに行った。

 




チーム「phantom9」
本家だとAIのせいでクソザコになってたがここだと救いがある。
普通に速い。
いずれ首都高中で暴れるであろうウマ娘を堕とせば『迅帝』並びに過去の伝説より上になれると思っている


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湾岸線から飛び立った3台の撃墜機

遂に生徒会メンバーが出せるので初投稿です
カイチョ-は伏線出してました。
他は…まぁうん


~湾岸線~

 

ブォォォォ…

 

「先輩、速すぎですよー」

 

「お前がウラカンなんて乗ってるから悪い」

 

湾岸線には今、ランボルギーニ2台が走っていた。

 

1台がアヴェンタドール、大きく離されてるのはウラカンだ。

 

「お前も次から車買う時はトップスピードが高い奴にしとけよ?」

 

「でもこっちの方が扱い易いし…」

 

「コーナーなんざクソ喰らえ。漢なら真っ直ぐで勝負すんだよ」

とアヴェンタドールに乗る男が言い、さらにスピードを上げようとした時だった。

 

ブォォォオ!

 

「ん?なんだ後ろっ…!」

 

「どうした後輩?」

 

「先輩!気をつけてください!そっちに3台車が!」

 

「はぁ!?お前何キロで走ってた!?」

 

「300㌔で…」

 

300㌔のスピードで追いつき、更に追い越すという事ができる車や走り屋はほぼ少数に限られている。

最近はそんな走り屋も滅法少なくなったというのにだ。

 

それに反比例してスーパーカー乗りは増えているが腕などたかが知れている。

 

「どんな車両だった?」

 

「それが、一瞬で分からなくて…でもリアは日本車だったような…」

 

それを聞き無線を切る。

 

(まさか…phantom9か?)

 

迎撃準備の為、アクセルを更に踏み込む。

…だが1分もしない内にそれは来た。

 


 

~有頂天変~

 

「フォーメーションA」

 

突如現れたそれは、1台だけに見えたが次の瞬間には2台スっと出てきた。

先頭の車のスリップに入っていたのだ。

 

「ほう…今夜狩る相手はコイツか…」

と1人が言う。

 

「まぁ待て()()()()()。まずはプレッシャーを与えてからだ」

 

「…会長。今日はこれで降りましょう」

 

「分かっているよ()()()()()()

 

3台は300㌔を超えるスピードで巡航しながら無線で会話していた。

 

「OK、ウマグル。あの車3台を調べて」

アヴェンタドールのドライバーがネットで調べる。

 

『検索結果です。スーパーシルエットのスカイライン、ブルーバード、シルビアです』

 

「は?」

スーパーシルエットという単語は聞いた事がない。

だが日本車なのは分かる。

 

「…ね、年代は?」

恐る恐る、聞いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

『76年から81年開催されていました』

 

 

 

 

 

 

 

「なん…だと…」

ただの、旧い、日本車が、この、350㌔出る、マシンに、追い付く、だとぉ?

 

「…ふざけるなぁ!」

ブォォォォォォォ!

 

思いっきりアクセルを踏むアヴェンタドールのドライバー。

 

「…十分過ぎるほどプレッシャーを与えた見たいだな」

と、加速して行くアヴェンタを見て確認する。

 

「フォーメーションB、発動!」

無線でそう言うと、3車線の内、両端2車線を走っていたS15シルビアとブルーバードがスカイラインのスリップに入る。

 

先導するスカイラインは真ん中の車線を走り更にアヴェンタドールのスリップに入りそして…真後ろについた。

 

完全に3台がスリップに入ったその時、スカイライン(シンボリルドルフ)が言う。

 

安全装置解除(ウェポンズフリー)…堕とせ!ブライアン!」

 

「言われなくても!」

 

そう指示が飛ぶと、ブルーバードは左車線からアヴェンタドールをスリップストリームで抜いて行く。

 

それに続く用にシルビアも右車線から抜き、シルビアに抜かれたスカイラインは右車線に移動し、シルビアスリップに入りながら抜き去り、真ん中の車線に移動。

 

そしてまた、3台が3車線を埋める。

 

「なんだよ…それ…」

芸術と言えるレベルで美しい編隊走行を魅せられアヴェンタドールのドライバーはあ然とした。

 

その際スカイラインが真ん中に来たことにより、気流流れが変わることに対応が遅れてしまいスリップした。

 

勿論これが伝説にならない訳がなく…

また首都高の熱が高まったのであった。

 


 

シンボリルドルフのスーパーシルエットスカイライン ”X”

600馬力

6速MT 3ペダル

駆動方式 FR

吸気方式 ドッカンターボ

備考 トップスピード用のギア比にしてある為、350㌔は出るらしい

 

エアグルーヴのS15シルビア ”X”

600馬力

6速MT 3ペダル

駆動方式 FR

吸気方式 現代のハイパワーターボ

仕様 LBワークスのスーパーシルエットボディキットを選択している

備考 トップスピードは今のパワーでは出し切れてきない。スズカと一緒にC1や新環状を走っている

 

ナリタブライアンのスーパーシルエットブルーバード ”X”

650馬力

5速MT 3ペダル

駆動方式 FR

吸気方式 ドッカンターボ

備考 ハイパワー過ぎて結構滑らせている。とんでもないレベルのプレッシャーが出てる為、相手はかなりの確率でクラッシュする




あのセリフ、使ってみたかったんですよねぇ~
多分今回の感じでリスペクト先がわかった人達も多いと思います
え?知らない?なら、ようつべで『東方Highway storys』と調べてみよう!
あれは首都高バトル好き並びに車好きなら1度は見た方がいい。つーか見ろ(強制)

”X”と言うのは完成度の事でこれが付くのは60%~90%の完成度って事です。じゃあ、100%~は?
…それはまた進んでいったら分かります。


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出会い ~カレンチャン~

カレンチャン持ってないので初投稿です
王道の妹キャラで好走を期待したいですね。
ちなみにこの世界線のカレンチャンはハッピーミーク並にオールラウンダーです。


私の名前はカレンチャン。

 

またの名を岩崎 可憐。

 

とある家庭で産まれたウマ娘。

 

「カワイイ」のが好きでそれを求めている普通の女の子。

 

私には結構上の「お兄ちゃん」が居て、とても楽しかった。

 

ある日、カレンはお兄ちゃんの車に乗せてもらった。

 

とてもうるさくて、レーシングカーみたいな音がするような車だった。

 

首都高に登った時、「それ」は目覚めた。

 

お兄ちゃんが変わったようにとても速いスピードで首都高を攻めていった。

 

最初は怖かったけど、だんだん慣れていくうちに「カワイイ」と感じるようになった。

 

それで私は刺激された。

「女の子」から「ウマ娘」に変わった。

 

その後も何度か乗せてもらい、その度に闘争心がどんどん大きくなっていった。

 

でも、ある時、お兄ちゃんは居なくなった。

 

私は追いかけることにした。

 

幸いにも家にはスポーツカー…80スープラが置いてあったのでそれに乗って首都高へ繰り出した。

 

イスやペダルの位置だって計算して作り替えた。

毎日行って探し続けた。

たまに別の走り屋に絡まれる事もあったけど振り切った。

 

そして…見つけて追いかけたら―――

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

私は今、トレセン学園にいる。

ネットでの影響力は凄いし、男女関係なく「カワイイ」と言われる。

 

でも、足りない。

 

何かが、足りない。

 

あの()()とお兄ちゃん…

 

きっとそれが足りないものなんだと思う。

 

今、学園内では()()()()が流行っている。

 

きっとあの場所を皆に知らせたのは他でもない、お兄ちゃんの仕業。

 

だからきっとお兄ちゃんもそこで待ってる。

 

アザーカー(お兄ちゃんの担当ウマ娘)は多いけど、必ずお兄ちゃんの前に行く。

 

そして私だけを見れないようにする。

車でさえも見えなくする。

 

「カレンのファンのみんなー!どうもー、カレンチャンでーす!」

 

―だから、新時代で使うのはこの「カワイイ」車。

 

「今日は私の愛車で首都高ライブを行いまーす!」

 

この「テンシ」の車で。

 

「使用するのはー?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レクサス LFA

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でーす!」

 

 

絶対に撃墜(おと)す。

 

だから待っててね、オニイチャン?

 


 

~文字数が足りないのでちょっとした裏話~

 

カレンチャンの搭乗車両は最初、首都高バトルXの『ダーティーフォックス』に合わせてFCにしようとしてたのですが、「せっかく妹キャラなのになんかなぁ…その時閃いた!これは小説のアイディアに使えるかもしれない!」と、なって出たのがこのカレンチャンです。

スープラにもしようとしてましたが、グラスワンダーでダブる為却下。それでまぁ…LFAになりましたと。

もしかしたら人によっては解釈違いかもしれませんが許し亭許して




ほぼネタバレじゃねーかこんなの!

あ、アンケートは1月1日に締め切ります


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チームキタサト、チームローリング野郎とバトル!

あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
…いやごめんなさい。更新が新年明けて4ヶ月以上経ってるなんて有り得ないっすよね…
色々忙しかったので…
サトちゃんのキャラ迷走と敵ドライバーの名前は許してください
1stアニバーサリー迎えてた
サトちゃんも迎えてた
ブライトも迎えてた
応援キングも迎えてた


~首都高 20:00~

この日、首都高デビューをする走り屋が2人いた…

 

ひとりは黒のGT86に乗り、ひとりは緑のBRZに乗っていた。

 

そのドライバーは…!

 

「ダイヤちゃん!首都高楽しみだね!」

 

「そうだねキタちゃん!」

 

キタサンブラックとサトノダイヤモンドだ。

 

ブォォ…

 

~芝公園 C1内回り~

 

早速2台は首都高に上がっていく。

そしてそこには丁度よくGT86が走っていた。

 

「早速居た!」

 

「それじゃあパッシングしないとね!」

ピカッ!ピカッ!

 

「ん?パッシングされてる?」

純正色のオレンジカラーのGT86のドライバーはミラー越しにパッシングしてきた車を見る。

 

「見た事ないな…新人か?なら…今度こそ…!」

アクセルを踏み込み加速する。

 

「あっ!受けてくれたみたい!行こう!」

とキタサンブラックは言い、ついて行く。

 

それに追随をするようにサトノダイヤモンドも行く。

 

ブォォォォォ!

 

殆ど同じ出力な為、3台共共鳴し合う。

 

(浜崎橋JTC…ここで突っ込めばビビるだろ…!)

 

先行していた86こと、ローリング野郎 No.6はそう思うと左のウインカーを出し銀座線に行こうとする。

 

「オラッ!」

精一杯突っ込みブレーキングをコーナーを曲がる。

 

「フッ…ざっとこんなm」

ローリング野郎No.6は首を後ろに向けようと横を見た時だった。

 

シュン

 

「な…」

 

キタサンブラックとサトノダイヤモンドはそれを超えるスピードでアウト側から抜き去っていった。

 

「うそ…だろ…」

その後、戦意喪失したローリング野郎No.6はそのバトルから退いた…

 

「やったねサトちゃん!首都高のデビュー戦は簡単だったね!」

 

「そうだねキタちゃん、この調子で勝っていこうね!」

 

~汐留PA~

 

「…だからホントに気をつけて下さいって言ってるじゃないですか!」

 

『お前が負けるのはいつも通りだからなぁ。まっ仲間に周知させて仇取りに行ってやるよ』

 

「そう言って負けてるじゃないですか…と言うか今回は格が違いますって!同じ車両で倍近い速さで抜かれたんスよ!」

 

『だーから、お前の腕の問題だっての。…まぁ一応警戒はしておくけどな。で?車の特徴以外に何かあるか?』

 

「えーっとそうですね…あっ!」

 

『なんだ?』

 

「なんか耳が生えていた様な…」

 

『耳?耳なら誰でも生えてるだろ』

 

「いや違くてその…ケモ耳?って言うんスかね?」

 

『そんなコスプレイヤーじゃあるまいし…』

 

「で、ですよね…」

 

『いや、待てよ…もしかしたら…』

 

~呉服橋~

 

「オラァッ!この俺の連続ドリフトにビビったら首都高から…」

 

「ここだっ!」

 

「真っ直ぐで抜くのは反則だろうが!」

ローリング野郎No.5、敗退。

 

~千代田トンネル~

 

「今日はアザーカーが多い…おっとと」

スラロームで少しふらつくAE86。

 

右の緩やかなコーナーに差し掛かった時だった。

 

「ダイヤちゃん気をつけて!アザーカーの位置がインアウトインの位置に居るよ!」

 

ほとんど1つのルートが制限されるように一般車が走っていた。

 

そこを上手く避けるAE86と2台のGT86。

 

「ああクソっ!」

赤坂ストレート前のコーナーでアンダーを出すAE86、そこを2台は見逃さずインから差す。

 

「…またなんとかしなくちゃなぁ…」

ローリング野郎No.4、敗退。

 

 

 

「今日はこんな所かな」

 

「そうだね、目一杯走ったからかグリップ力も少しだけ下がってる気がするし…」

 

「ねぇサトちゃん」

 

「なぁにキタちゃん?」

 

「明日も一緒に走ろうね!」

 

「うん!」

 

二人は夜の闇の中、笑顔で首都高を降りて行った。

 

 

~汐留PA~

 

「降りて行った…だと?チッ、俺のターンは明日か…」

 

「まぁそう急ぐな。お前だって準備期間が増えて良かったんじゃないか?」

とローリング野郎 No.2がローリング野郎 No.3に聞く。

 

「あんたみたいにゆったり生きてる訳じゃないんで今日行けるようにセッテングしてきたんだよ…」

 

「…そうか、まぁでもそんな誤算があっても勝ちに行くのがお前なんじゃないのか?」

 

「…出撃する」

 

ブォォォォン…

 

「…俺も準備しねぇとなぁ…」

 


 

ROLLING GUY

 

首都高では知らぬ者は居ないチーム。…最弱という意味で。

最近、GT86の登場によりAE派閥とGT派閥が生まれチームメイトが増えた事によりチーム内での派閥争いが激化していった。こっちはそれに着いて行けなかったメンバーが揃っており、全員どちらの86も寛容で首都高をエンジョイしている。

別名『首都高最速への第一歩』

 

ローリング野郎 No.1 ☆

トヨタ AE86 3door

元ローリング野郎No.3だったが、前ROLLING GUYを率いていたNo.1、2がAE派とGT派に別れ今でも続く争いについて行けなくなった事により一時期は、引退も考えていたが、他にも自分の様な86乗りがいる事を知り現在のリーダーとして活躍することに。

今でも、前のような純粋に走りを楽しんでた頃を思い出し、黄昏れる。

AE派とGT派のバトルを聞いたり見たりする度に、嬉しいような悲しいような感情を抱く。

マシンは最新のパーツを使い、フルエアロにGTウィングを装備。狭いC1をグリップやドリフトで縦横無尽に駆け回る様はまるで、あの怪物共に追いつこうとしていた名残が見える。前はターボが付いていたが外している。

 

ローリング野郎 No.2

トヨタ GT86

運送会社で働くほどの車好き。ある時からGT86に乗り換えた所、争いが起き、『ROLLING Masters』のような状況ができてしまった。途中まではついて行っていたが、命の危険を感じ離脱。No.1と共にチームを作り上げた。「オレは車が好きだ。そういう対抗戦も好きだ。だが、あの争いは違う。ちょっとしたじゃれ合いとかじゃなく、本気の、命を掛けたバトルだ。オレはあんなのが見たかった訳じゃなかった。なんで皆…」と語っている。

ノーマルに近い外装だが、コーナリングがとてつもなく速い。何故かと言うと、ついて行っていた時の足回りを少し調整して走っているのだという。エンジン等は大幅にデチューンしているが、ターボは付いてる。

 

ローリング野郎 No.3

トヨタ GT86

その天才的なドライビングテクニックで当時5人しか居なかった新興ROLLING GUYをリーダー以外倒し、C1の様々な走り屋を倒していったドライバー。だが、No.1に勝負を挑み、C1を1周するまでの長期戦の末、僅差で敗北。その後チームに入った。

『ROLLING Masters』のメンバーにも挑戦した事があるが、直ぐに引き離されてしまい、今は彼らを超える為にカリッカリのメカチューンをしようとているが、金が無いので今はこのスピード帯で現状維持している。GRMNエアロのコピーとカーボンホイールを装備している。

 

ローリング野郎 No.4

トヨタ AE86 3door

大学を首席で合格した先輩のお下がりを運転している。車は少し好きな程度で大学では走り屋の先輩と少し前までは一緒に行動していたが、最近では先輩がピリピリし始め、大学内でも会っていない。大学では単位を貰うだけの生活をしていた中、同じ車好きで走りの理論を語っていた先輩の話を聞くのが日課になっていた。

計算され作られたマシンはとんでもなく高性能だが、先輩が「このAE86の構造では俺の理論が完成しない!」という事で一部のチューニングが途中で止まったままになっている。その為たまに不安定な挙動を見せる。この前それで死にかけたので車のチューニングの勉強をしている。

 

ローリング野郎 No.5

トヨタ AE86 2door

元々峠等でドリフト族をしていたが、「新旧86対決が首都高でも激化している」と言うだけで首都高に乱入してきた。だが、来てみればそれは次元の違う争いをしていた。峠に戻ろうかとも思ったが、大手を振って行ってきた手前短期間では帰れずどうしようかと悩んでいたところにリーダーに勧誘され現在に至る。

元々の剛性やチューンによりドリフト仕様。白煙を上げながら派手にドリフトする様は流石、元ドリ族と言ったところ。だが、首都高という場所でその走りは適正では無い為遅い。グリップは苦手。

 

ローリング野郎 No.6

トヨタ GT86

首都高ドライブ勢の1人でそこまでバトルにガチではない。チーム内どころか首都高で一番弱い。「首都高の新人に必ず負ける走り屋」「真逆の迅帝」「勝ち数ZERO」として逆に有名。流石に最近では気合いを入れて走ってはいるものの今日も負けている。

マフラーを1本にし、空気系のチューンを少しだけしているが、すずめの涙程しかパワーアップしていない。




現実でも86のバケモンカーなんて物はいっぱいあるのでね。
じゃあ別の86オンリーチームは?ってなりますけどXの時点でいなかった気がするので自然解体です。
イナズマシフトさんも監督する側になりましたしねぇ…

~この回のヒミツ~
実はROLLING GUYはVer.2(今回のチーム)とVer.1に分け、ローリング野郎No.12まであったのだが、首都高バトル1の資料を見て、「あっローリングマスターってあったわ」てことで急遽変えたという事がある。
いやだって元最弱チームが最恐チームって良くない?


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