BanGDream! 女だけど閣下になったよ。復刻 (のうち復旧用アカウント)
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悪魔達の誕生
第一章 一節 悪魔になった日


諸事情による、前回の聖飢魔II的なガールズバンドのリメイクの復刻を載せました。

 前のアカウントは蝋人形にされてしまったので、閣下に蝋人形にされないように新しいこのアカウントでも頑張っていきます。


  やあ諸君、突然誰かと思うかもしれないが、私の名前は小暮マミ。俗に言う転生者だ。

 前世の私はバンドリと、とある悪魔達の黒ミサが大好きなアラサーのOLでした。アンケートの際には必ず、その悪魔達の曲がカバーとして入らないか。だとか、キャラにその悪魔の格好をさせたイラストないかなとか、そんな妄想を垂れ流して生きてた。それを真似して、大学時代はその悪魔達のコピーバンドみたいなこともやっていた為、それなりに音楽はできる。ちなみに私の大学時の担当は閣下にゾット、ジャントニオ、エース、さらには魔女など、幅広く一通りやったからバンドに必要なパートは全部でこなした為、楽器は一通りできる。

 

 そして、私はバンドリのイベントに向かう為、片田舎の駅のホームで電車を待っていた際に、ホームに落ちて電車に轢かれて死んだ。

 

 この世界に転生し、花咲川などの地名を見て私はこの世界は私の知る世界ではなく、バンドリの世界によく似た世界なのだと思うが、この世界には聖飢魔IIというバンドが、日本にヘビメタというジャンルを浸透させたものが存在せず、この世界の日本にはない。バンドリの世界に似たこの世界に転生することができて嬉しい反面、私の好きなものの片割れが、私の好きな作品の世界に転生した代償はそれなりに高くついたということなのだろうか。

 

 そんな私に中学時代、劇的な出会いがあった。

 

 浜田イサミという女の子、いや、ギタリストと出会った。

それはある日のこと、私が忘れたくないと某蝋で出来た人形の館の歌詞を書いたノートを見られてしまった。

 

 そんなイサミは私をバンドに誘われたのだ。

  バンドの名前はジ・エンド・オブ・センチュリー、それはしってか知らずか、あのバンドの海外での呼び名と同じだった。

 

 そして私がこのバンドに加入するにあたり、イサミに言われたことは

お前は今、人間の仮の姿をしているが、本当は悪魔なのだとか、なんとか、言われた。

 

 私とイサミは通っている中学にはなかった軽音部をつくることを目標にメンバー集めを行った。

 

 まあ、2人しかいないから同好会という形になるんだけど、そんな中、私達の同好会に新たな、メンバーが加入した。

 

 

  「えと、同じクラスの星島さん、だよね。」

 

 「は、はい、私、この学校で軽音同好会が出来たって聞いて、それで

話を聞きに来てみたの」

 

  「ふふふ、よく来たな。星島エミ!」

 

 「イサミ、ちょっと、話が進まないからちょっと黙っててね。」

 

  「あ、あの小暮さ、ん」

 

 「うん、話を聞くよ。とりあえず、ファミレスでも行こっか。」

 

  「は、はい」

   

 私とイサミ、そして星島さんの3人は最寄りの駅、近くのファミレスで話を聞く。

 

  「それで、私達の同好会に入りたいってことだったけど」

 

 「はい、私も小さい頃からベースをやっていて、誰かとバンドをしてみたいなって思ってたんです。私の好きな音楽のジャンルはハードロックというものなんです。」と星島さんはカバンからCDを取り出す。

 

 「これって・・・・」CDのジャケットを見ると、どうだろうか、これは海外のバンドなのだろう、めちゃくちゃ、ヘビメタバンドだ。

 

 「ほう、やはり星島さん、貴女も」

 

「やっぱり、浜田さんも、時々、音楽室から聞こえてくる、ギターの演奏が聞こえてきて、それが、とってもよくて、それに偶々、小暮さんのノートをみてしまってそこに書いてた詩がとってもよくて、小暮さんと浜田さんとお話したいと思ってたんです。それで、最近、浜田さんが小暮さんと軽音同好会を始めたのを聞いて私もやってみたくて」

 

 「それでね。そっか、わかったよ。ありがとう星島さん、こんな私達でよかったらお願いね。」

 

 「はい!」

 

 こうして私達、S県在住の中学生である私達、軽音同好会基、ジ・エンド・オブ・センチュリーに3人目の悪魔(候補生)が加わったのだった。




最後まで読んでくれてありがとうございました。

 今回の作品はバンドリの原作開始前の時系列からバンドリ世界とハーメルンに悪魔教を布教するのだ!


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第一章 2節 また悪魔が増えた

どうも、小暮マミです。 星島さんが我らが同好会に入会してから、我ら軽音同好会、通称、ジ・エンド・オブ・センチュリーは未だに、ライブハウスでのライブなど、出来ない、バンドとしては非常に情け無い状態が続いていた。

 

  「ライブがしたい!」 

 

 「あのね。イサミ、そんなこと言っても私達にはこの地域でのライブハウスとの横のつながりもないし、実績もないからこそ、部としての活動の許可も降りない。やれることと言えば、こんな田舎の中学なんて高校みたいに文化祭がある訳でもないし、発表の場なんてそうそう見つかるわけもないしね。ほんと、どうしたもんかな。」

 

  「まあまあ、マミさんもイサミさんも落ち着いていきましょう。」

 

 「ていうか、エミもエミよ。このまえ、路上ライブやろうなんて、イサミが、許可取ってきた時、思いっきり暴走しちゃって本当に、散々、私が他の関係者に謝り倒したんだから、ライブ衣装来た時の二重人格みたいになるのやめなさい。」

  そう、ほとんど出来てないとは言ったもののこの3人で、一回は路上ライブをしたのだ、

 

 「あはは、どうも私たちの真の姿に戻る時はとても素晴らしく高揚感が爆あがりなのです。浜田さんが用意してくれたあの斧型のベースを持っていると私の中の悪魔が囁くのです。全てぶっ壊せと」

 

 や、ちょっとこの子、悪魔名、ゾット星島として活動したあたりから本当にやばい、よっぽど普段からの大人しい彼女はそんなになるほど鬱憤が溜まっているのだろうか

 

 「ねえ、それにライブがしたいなら、殿下の承諾と許可が必要でしょうしね。」

 

 「むり、あれは私の父上に頼んで無理に許可取ってもらったんだから

どうしてもっていってね。あれやった後、次はないぞって怒られたんだから、今度は自分達で使用許可取れってさ。」

 

 「まさか、イサミの父親が県警の署長だとは」

 

「へへへ、いやあ照れますね。」

 

 「褒めとらんわ。とりあえず当面は町内のお祭りの融資のステージに発表することなんだけど、ドラムとキーボードくらいは欲しいわ。いつまでもボーカルとギター、ベースだけじゃ、かっこつかないしね。」

 

 「ていうか、マミ、あんた作詞の他に作曲とか、私たちの楽器の作曲も出来るんだから当然、その楽器出来るってことよね。」

 

 「そういえば、私達の演奏した曲の作曲は大体がマミさんがやっていましたね。」

  

 「私はそこそこ出来るだけ、貴女達みたいに専門にやってたほどじゃないのよ。それに私はどちらかといえば、専門はヴォーカリストだからね。」

 

 

 「まあ、そういうことでしたら、しょうがないんでしょうけど」

 

 「当面はマミの言う通り、最悪、ドラマーを見つけないと、どうにもね。」

 

 「そうよ。それで言うけど、2人の中でドラマーやキーボードに心当たりがあって、尚且つ、私達みたいなバンドに加入してくれる物好きを知ってる人」

 

 「私は、あまり交友関係が広くはないので」

 

 「エミに同じくよ。」

とエミとイサミ、どうやら心当たりはないみたい。

 

 「わかった。私もなんとか出来そうな、人材に当たってみるしかないか。」

 

 今日の活動は特に何もすることがない為、解散

 

私の知る心当たりのある人物の下へ、やってきた。

 

 表札には月島と書かれている家の門の前にいる、チャイムを鳴らす。

 

 『はーい!』と扉があく。

そこにいたのは月島まりな、そう、いずれcircleのスタッフになる人物、まさか、こんな地方都市に住んでいるとは思わなかったな。

 こんな夕方ひとりぼっちで家にいるような子で、放課後は基本的に

自分の部屋で1人、ギターを弾いてるような娘なんだけど、一応幼馴染

 「あ、マミちゃん?、どうしたの?」

 

「うん、ちょっとまりなに相談がね。」

 

  「いいよ。入って、久しぶりにマミちゃんとギターしたいな。」

 

 「うん、いいよ。」

 

 と、まりなに促されて彼女の部屋に上がる。

 

 

  そして彼女としばらくギターでセッションを行い、2曲ほど弾いたあと

 

  「それで、マミちゃん、相談ってなに?」

 

 「実は・・・・・・」と私はまりなに、今、私が参加しているバンドのこと、今、足りないメンバーがいて、まりなにはそのメンバーとして入って欲しいこと、その足りないメンバーがドラムやキーボードであることなど、全てを話した。

 

   「私にドラムを?」

 

  「そう、そういえば昔、まりな、ドラムやってたことあったよね。

それで、出来れば私の参加してるバンドでドラムをやって欲しい、まりなとバンドやりたいって思って」

 

  「いいの?、ほんと?、マミちゃん?」

 

 「ええ、見ず知らずの誰かよりは貴女とバンドをしたいわ。まりな、力を貸してくれるかしら?」

 

  「うん・・・・、マミちゃんとなら」

とまりなはいい返事をくれた。

 

  こうして我らのバンドにドラマーであるエース月島が爆誕した。




今回も最後まで読んでくれてありがとうございました。


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第一章 3節 5人目の悪魔

どうも小暮マミです。先日、ドラムとして本来はギタリストである、月島まりなこと、エース月島が加入し、バンドととしての体裁は揃えた。

 

  そして、町内会の祭りの有志のステージでのライブは成功を収めることが出来た。

 

  蝋人形の館や白い奇跡、そして私達のバンド名と同じ曲である

the end of century を披露して、有志のステージでの演奏は大変に好評であった。

 

  「いやぁ、お疲れ様!、マミ、エミ、まりな」

  

 「「「乾杯」」」

と行きつけのファミレスにて、今回のお祝いをやっていた。

 

  「マミちゃんも、お疲れ様」

 

 「ええ、まりなもね。」

 

  「まりなさんだけですか?」

 

  「エミは今回も暴走したけど、まあ、今日は頑張りました。」

 

 「えへへ、褒められた。」

 

  「ね、ねえ、マミ」

 

  「何でしょうか、陛下?」

 

 「うむ、私も褒めろ!」

   とどうにも寂しがりやな陛下も私も構ってくれと寄ってくる。

 

  「はいはい、陛下、良く出来ました。」

 

 そして、お祝いの次の日

 

 私達は、ライブしたのも束の間、次の予定など、ある訳もなく私達は同好会の活動で使っている教室で演奏の練習をしたりしながら、また

 だべる日々に戻っていた。

 

 

   「はぁー、久々にライブをしたからと言っても特に私達に専用の部室が貰える訳でもなし、やっぱり、今日くらい、練習休みにしてもよかったんじゃない。」

 

 「そうだな。昨日今日で、何かが変わる訳でもなし、それにエミもまりなも今日は用事があるとかで、来れてないし、今日は久しぶりに2人で街でも繰り出さないか?」

 

  「おけ、でも制服だとうるさいから、一旦、帰って駅前集合でいい?」

 と練習を早めに切り上げて、家に帰り、着替えて駅前にいくと、すでにイサミがいた。

 

  「イサミ、待った?」

 

 「いや、私はつい先ほど着いたばかりだ。」

 

  「大丈夫、それじゃ、行こうか。何処行く?」

 

 「あのピアノのあるカフェは?」

 

  「いいね。行きましょうか。」

 

 私たちがカフェに着くと、そのピアノの前にはいかにもギャルって感じの見た目の女子が座ってピアノを演奏していた。

 それはもう見事な腕前だった。

 

  「ほう、あの女、中々の腕前よの。」

 

  「うん、あれ、うちの制服だし、スカートの色、私達と同じってことは同級生なんだろうけど」

 

 「うん、それにしても聞けば聞くほど、見事な腕前だな。」

 

 「そうだね。やっぱり聞いてて気持ちがいいと思えるよ。」

 

 と私達は注文しながら、今、ピアノを弾いてる子のことを店員に聞くと、どうやらこの店の店主の娘で、暇な時はあそこでピアノを弾いている。

 

  名前は、丸山鈴子(まるやますずこ)と言う名前らしい

 

  そしてピアノの曲がなんと、私たちの曲のピアノアレンジが流れて来たのだ。

 

  「おお。なんと!、これは!」

 

 「へえ、やるじゃん」

 

「ふふふ、決めたぞ、マミ!、あいつを私たちのバンドに入れるんだ!」

 

  「はいはい、って、マジで言ってる?」

 

 「マジもマジ、大真面目だ。さあ、そうと決まれば、早速声をかけるぞ!」

 

  「あっ、ちょっとイサミ!」

 イサミはどんどんと進んでいく。

 

  「ちょっといいかな、そこの彼女?」

ともはや古代遺跡の碑文にでも書かれているような、古臭いナンパ文句をピアノを弾いていたギャルっ娘、丸山涼子に話かける。

 

 「はあ?、何、あんた、それナンパのつもり?」

  

  「いやはや、そんなつもりは、マミ〜!、手伝ってくれ」

 

 「はぁー、わかった。えぇーっとね。何から話したらいいかな。まずは自己紹介から、だね。私は小暮マミ、こっちの古臭いナンパをかけて来たのは、浜田イサミね。貴女は、丸山さんでいいのかな?」

 

  「うん、あーしは丸山涼子だけど、なんのよう?」

 

 「実はな」

 

   「イサミ、話が進まないといけないから、ここは私が」

 

 「そうか、わかった頼むよ。」

 

  「丸山さん、担当直入に言うんだけど、私たちのバンドに入らない?」

 

 「はあ、バンド?」

 

 「そうだ、私達のバンド、ジ・エンド・オブ・センチュリーにな!」

 

 「ジ・エンド・オブ・センチュリー⁉︎、あの路上ライブとか、祭りの有志でやってたあのバンド?、うちの生徒って噂、マジだったんだ。」

 

 「まあ、そう言うことだ。構成員は我々で4人、あと少しで部としての設立条件に達するのだ!、丸山涼子よ!」

 

 「へえ、そっか、それであーしは入っても全然、いいんだけど、流石に、あんな白塗りはしたくないんだけど」

 

  「まあ、構わないわ。でも衣装はそれなりのものを用意するから」

 

 「わかった。オーケー、いいよ。」

と私達のバンドに5人目の悪魔が加わる。

 

  それから私達は特に学校行事で活動できる訳でもないため、路上ライブを続けて行くことになるだろう。

 

 まさか、それが私達に飛んでもない悲劇をもたらすきっかけになるとは思わなかった。




今回も最後まで読んでくれてありがとうございました。


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第一章 4節 衝突

どうも小暮マミです。前回、私達に5人目の悪魔が加わった訳だが、

 路上ライブを続ける反面、軽音部を創設する準備を着々と進めていた。

 

だが、教師陣や生徒会に、部活の創設の為の書類を提出したのだが、それを却下されてしまった。

 

 顧問をしてくれると言った先生は、申し訳なさそうな顔で言う。

話を聞くと、どうやら。路上ライブなどの件で私たちのバンドは目をつけられていたらしい。

 

 それに保護者会からも私たちのバンドは教育上よろしくないとか、そんな心許ない、声も多く、学校側としても、認められないと言う見解になった。

 

  当然、私達はすごく荒れた。

 

 

  それに私達は全員、中学3年、そんなくだらないことはやめて勉強しろなんて、言われてしまった。

 

 「なんで、なんでよ!」と1番、荒れたのはもちろんイサミだった。

ようやく念願、叶って揃ったバンドメンバー、そして学校側に部活として承認されると思っていた。

 

  今思えば、当然なことだ。私が前世で死んだ令和の時代ではなく、今は、2000年代初頭、かつて、ヘヴィメタを幅広く布教したグループはこの世界に存在しない。

 誰もが、今まで聴き慣れない、音楽にそれに順応できない人間が多すぎる。

 

  その後も私達はなんとか、演奏を続けていく為、隣の市まで行ってライブハウスを探して演奏などを続けていたが、思うように客は入らず、どのライブハウスに行っても、断られるようになっていた。

 

 それにこんなに私たちの音楽に活気が感じられなくなっていたのは、

 「イサミ、いつまで、そうしてるの?、貴女も言ってたでしょ。

私達の音楽が通用するまで、頑張ればいい、私達、5人でメジャーデビューを目指せば!」

 

 「うるさい!、うるさい!、今年が最後のチャンスだったんだよ。」

 

   「どう言うことですか?」エミが聞くと

 

 「私、親父から初めて、路上ライブをするとき、条件を突きつけられてたんだ。これが、進路は親父が言った通りにするって、ちまちまメジャーデビューを目指してたんじゃ。時間が足りない!私達が5人揃うまでどれだけ、時間がかかった。私とマミが同好会を立ち上げたのが、2年の冬、同好会を立ち上げたのは今年の2月、エミが加わったので4月、路上ライブをやったのは5月の末、祭りの有志のステージに立ったのが、今月の中旬、7月だぞ。路上ライブを続けながら、書類を提出して、明日からはもう8月だ。世の受験生はもう、動き出してるんだ。」

 

  「なら、高校でも続ければ良いじゃない。」

 

 「私の志望校じゃ、バンドしてる暇なんか『バチンッ!』」

と涼子がイサミの頬を叩いていた。

 

  「ふざけんな、あんた!、あーしをそんな期間限定のモンだと思ってあのとき、あーしを誘ったの!」

 

 「落ち着来なさい。イサミ、涼子!」

 

  「うるさい!、マミはあーしと浜田、どっちの味方だし!」

 

 「だから、落ち着けって言ってるでしょ。私は今回は涼子の見方かな。私もあんたにバンドに誘われて、入った口だけど、それを期間限定のつもりで考えたってんなら、私は許さない。」

 

  「マミ・・・・、わかってくれ、今年じゃなきゃ。だめなんだ。」

 

 「それを言ってくれなきゃ、分からないって言ってるの、別に受験勉強だけが理由じゃ、あんたは諦めない、何かあるんじゃないの。」

 

  「あ、あの」とエミが手を挙げる。

 

  「どうしたの?、エミ?」

 

 「イサミさんが焦ってるのは私にも責任があるんです。」

  エミは話して行く。元々、エミは頭もよく、テストではいつも1番だった。

  高校でももっと学力の高い場所で勉学をまなび、本場でハードロックを学びたいと、本人の希望でアメリカに留学したいと考えていた。

 

  これまでの積み重ねにより、アメリカへの留学が本格的に視野に入れても良い段階らしく、それを前にまた、大きいライブをしたかった。

その為に、学校側から補償を得るべきだと思ったらしく、なんとかあちこちで手続きなどの準備をして行っただが、今回の結果になってしまった。

 

   「ここが、良い落とし所だったのかもしれません。」

 

  「落とし処!、ふざけてるの!」

 

 「ふざけてなんていません。私は貴女達と一緒にバンドを続けるのも、アメリカに行くこともどっちも大事な夢だったですよ。」

 

  「じゃあなんで、それをイサミだけに言って、私たちに相談しなかったの。」

 

  「それは貴女達、余計な心配を掛けたくなくて」

 

  「その結果が、今の状況になってるのよ!」

 

 「ああ、もういい!、我々、ジ・エンド・オブ・センチュリーは解散だ!、続けたい奴だけで続ければいい!、マミ、お前に次のリーダーを任せる!」

 

  とそう言ってイサミは教室を出て行った。

 

  「すいません。こんなことになってしまって。」   

 とエミもベースのケースを背負って、出て行く。

 

  「ふん、あんな奴ら、居なくてせいせいした・・・・・」

そこまで行って、涼子の言葉が止まる。

 

 「ごめん、あーし、今日は頭冷やしてくる。明日また、これからのことを、考えよ。」と涼子もカバンを持って出て行ってしまった。

 

 結局、その日を境に涼子もこの教室に来なくなった。

残ったのはまりなと私だけだった。

 

  まりなと私は2人だけでもどうにかならないかと、ライブハウスでのヘルプなど担当したりと色々とやっていたけど、それからある日、まりなから私に話があると言われた。

 

 

 「ごめん、ごめんなさい。マミちゃん、お父さんの仕事の事情で、東京に引っ越すことになったの。」と言われた。

 

 私はその事実を受け入れられなかった。

 

  そして12月、私はまたひとりぼっちになった。

 

 それから3ヶ月後、私は高校生になった。

 

 




今回も最後まで読んでくれてありがとうございます。
よろしければ感想や意見などもお願いします。


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第二章 復活への序章
第二章 1節 新たなる悪魔達


  どうも小暮マミです。高校生になりました。今でも私はジ・エンド・オブ・センチュリーの現在悪魔として活動しているただ1人のメンバーである。

 

  結局、あのあと、すぐにまりなは東京の中学に転校し、イサミは私の通っている公立の学校とかではなく、私立の進学校へと進学し、同じメンバーだけで言うなら、1番近くにいるのは涼子だけど、涼子も私も

あのときのことを気にしているのか、話しづらい雰囲気なのである。

 

  だが、この高校には私の中学になかった嬉しい変化がある。

ここには軽音楽部があるのだ。バンドで演奏する楽しさ、謂わば快感は

忘れ難いものがある。

 

 その為、私は軽音楽部の部室の前に来ていたのだが、

 

 「あ、マミ?」

 

  「久しぶり涼子、涼子も軽音部?」

 

 「うん、あーしも忘れらんなくてさ。」

 

  「「ふふふ」」

 

  「ねえ、マミ、あの今更なんだけどさ。」

 

 「何?」

 

   「この前はごめん、あのあと、次の日集まろって言ったのに」

 

 「気にしてないって、言えばまあ、嘘になるけど、バンドやりたいって思って軽音部に入ろうとしたけど、ぶっちゃけて私はイサミから、センチュリーのバンドのリーダー権を譲り受けたし、私がいるなら、絶対にセンチュリーは死なない。」

 

  「目指すはメジャーデビューってか?」

 

 「そう、いつか抜けて行ったイサミの馬鹿や海の向こうにいるエミにも届くようにあいつらが戻って来たいと思うようなバンドにしてやるんだからね。」

 

  「ふふ、久しぶりに、暑くなって来たって感じがする。」

 

 「さて、久しぶりにファミレスでもいく?」

 

  「いいね。私は、奢っちゃうよ。」

 

 「言ったな。容赦しないからね。」

 

  2人で一緒にファミレス、そもそも涼子と2人きりっていうのはなんだかんだ、初めてかもしれない、初代センチュリーの場合、殆どは

イサミと一緒だったし、それ以外でも大体がメンバーと一緒だったから

珍しく感じてしまうな。

 

 「さて、実際どうしたもんかな、二代目センチュリー始動にあたって、メンバーをどうするかだよね。」

 

  「どうするし、いくらマミが他も出来るって言っても、専門はヴォーカルだしね。」

 と話しているとここら辺では見慣れない女性がうちの高校の制服を着た女子が目の前にいた。

 「あの、失礼ですが、小暮マミさんでいらっしゃいますか?」

 

  「は、はい、私が小暮マミですけど?」

 

 「私、ゼノン・若宮といいます。」

 

  「ゼノン?」

 なんと、これまたゼノンという名前、聖飢魔IIの二代目ベース、あのゼノン石川だ。

 

  「少し、聞きたいんだけど、若宮さんの出来る楽器は?」

 

 「ベースだけど?」

 

  「ベース?、もしかして若宮さん、ちょっと前までアメリカとかにいなかった。」

 

 「ええ、私、少し前まで、アメリカに短期留学してたの。そこで私にベースを教えてくれた師匠がいたんです。」

 

  「その師匠ってもしかして」

 

 「はい、星島エミさんです。」

 

   「まじ?、あいつ元気してた?」

 

 「はい、いつも、センチュリーが抜けざるを得なかったこと、あんなことになってしまったっていつも憂いていました。ベースを教えてくれた時はいつも日本の皆さんのことを思ってました。それでお願いされたんです。もし、日本に帰って、貴女達に会うことがあったら力を貸してあげて欲しいって」

 

  「・・・・・あいつ」

 

 「エミ・・・・、って、その約束を守る為にわざわざうちの高校まで来たの?」

 

「はい、エミさんの入っていたバンド、私も一緒にやらせてください。」

 

 「あの、1つ聞きたいんだけど、私達とエミがどんな格好でバンドしてたのか、知ってる?」

 

  「はい、エミさんから見せてもらいました。とってもかっこいいと思います。」

 

 「ありがとう、それじゃ明日から、少しずつ、始めていこうか。」

 

「そんで、とりあえず今日は・・」

 

 「ゼノンのメイクと衣装を決めようか。」

 

「私の悪魔としての姿ですか?、気になります。」

 結局、メイクの感じは前世のゼノン石川と同じになりました。

 




今回も最後まで読んでくれてありがとうございました。


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第二章 2節 黒ミサの開幕

  どうも小暮マミです。現在、私は涼子とゼノンと一緒にバンド練習を行っていた。

 

  一曲、蝋人形の館を歌い終わる。

 

「ううん、しばらくは私が弾き歌いをしても良いけど、やっぱりギター専門の人がいた方がいいよね。」

 

  こんな時に思い起こされるのはイサミのギターの頼もしさを思い知らされる。私ではイサミのように皆を惹きつけらようなギターは弾けない。情けないな。

 

 そしてその次の日の昼、学校の屋上でギターを弾いていると

 

 「ああ、聞いたらんないわ。」と屋上のタンクの上から人影と共にそんなセリフが聞こえて来る。

 

 「誰?」

 

  「あれ、あんた、隣のクラスの小暮だよね。私、大橋かおりだ。なんださっきの聞くに絶えない演奏はよ。貸してみろ。」

 

 と私のギターを取り上げて、小型のアンプを取り出して繋げて、さっき私が弾いていたJack the ripperのフレーズを弾いてみせる。

 

 「まあ、こんな感じかな。」

 

  なんてこった。こいつ、今、私が弾いてるのを聞いて一瞬で、いやはや、イサミ、あんたが涼子をスカウトするって決めた時、こんな感じだったのかな。

 

  「ねえ、大橋さん」

 

 「なんだ?」

 

  「少し、相談があるんだけど、よかったらなんだけど、私たちのバンドに入らない?」

 

  「お前達のバンド?」

 

 「そう、ジ・エンド・オブ・センチュリーって言うんだけど」

 

   「え、お前が?」

 

 「ええ、私、ヴォーカルやってます。」

 

  「お前が閣下なの?」

 

 「ええ、そうなりますけど」

 

  「はははっ。そっか、お前があのセンチュリーのヴォーカルなのか、ならよ。あいつに合わせてくれないか?」

 

 「あいつ?」

 

   「そう、ダミアン浜田」

 

 「あ、えっと、その」イサミのことを聞かれて少し戸惑ってしまった。

 

  「どうした?」

 

 「ん、もし大橋さんがうちに入ってくれるとして黙ってることは出来ないから、正直に全部教えておくね。」

 と私は大橋さんにこれまでの経緯を話して行く。

 

  「なんだよ。通りで最近、お前達のバンドの自然消滅説なんて噂が出回るはずだぜ。」

 

  「ははは、でも私達もイサミの気持ちを察してあげられなかったのは本当に辛かったな。」

 

  「お前達にも色々あんだな、それになんだかんだメジャーデビューを目指してるって言うその心意気、今のリーダーであるあんたに惚れたぜ。なあ、私に悪魔としての名前をくれないか、あんたにつけて貰いたい。」

 すげぇ、なんかすげぇ軽いノリでギターが加入することになったんだけど、名前か、名前、やっぱり大橋だしな、よし

 

 「貴様の悪魔としての名前はジェイル、ジェイル大橋だ!」

 

  「いいねえ、ジェイルか、オーケー、閣下、このジェイル、あんたに一生、着いてくよ。」

 

  「よろしく、ジェイル」

 

  「ああ!」

 

 こうして、私達の第二次センチュリー構成員に正式にギターとして、ジェイルこと、大橋かおりが加入することになった。

 

  そして、色々と驚かれはしたものの、大橋、いやかおりさんの加入は滞りなく、受け入れられ、借りられる練習スタジオで練習をしていると、涼子が皆に相談を持ちかけた。

 

 「え、涼子がドラム?」

 

  「う、うん、あーし、実はセンチュリーの皆と別れたあと、ハードロックっていうのを研究してずっと思ってたんだけど、キーボードって言うのはあんまり、必要じゃないって思ったのだから、あーし、ドラムしたい、キーボードももちろん続けたいんだけど、ドラムをしてる時はそのときの姿と名前が欲しいんだ。」

 

  「名前?」

 

 「そう、わかった。皆で考えようか。涼子の新しい悪魔名」

 

 そして4人での協議の結果、涼子のドラマーの時の名前は雷神の娘であると言う設定の雷電丸山として、今後はドラマー、キーボードの2足の草鞋を履くことになった。

 

 

 そして、いつも練習しているスタジオのスタッフからあるチラシを貰った。隣町のライブハウスで近々大きいライブイベントがあるらしく、出演メンバーを募集してるらしい。

 

 それで出てみないか、と言うことらしい。

 

 その提案に全会一致で出ることを決定した。

 

それから、2週間後、ライブハウスにて

 

 『続きまして、ジ・エンド・オブ・センチュリーの皆さんです!』

 

『今、ご紹介に預かった、ジ・エンド・オブ・センチュリーだ。

我らは悪魔である。吾輩の頼もしき仲間達を紹介しよう!』

 

  『ギター!、ジェイル・大橋!』

とその紹介と共にかおりがギターをかき鳴らす。

 

 『ベース、ゼノン・若宮!』

 

  『キーボード、いや、ドラム!、雷電丸山!』

 

 そしてマイクをジェイルが受け取り

 

 『我らがvocal!』

 

  『『『デーモン閣下!』』』

 

『ははははっ!、ご紹介、ありがとう、一曲目行くぞ、蝋人形の館!、

 

  ・・・・・お前も蝋人形にしてやろうか!』

 そのセリフと共に前奏が始まる。




最後まで読んでくれてありがとうございました。
感想や意見などを聞かせていただければ、嬉しいです。


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第二章 3節 夏の祭りにて

どうも、小暮マミです。前回、ライブハウスで大々的に復活した我々だけども、去年に引き続いて、夏祭りでの有志ステージでの発表を行うことになった。

 その他にも、前回のライブが好評だったのか。ライブハウスの夏のイベントにも招待を受けた。

  

  「いや、今年も頑張ろう。」

 

 「いやあ、私は初めてだけど、やっぱり、いいね。」

 

  「よし、頑張ろう!」

 

 「おう!」

 

 さて、そんな中でも最低5人はメンバーがいないと出られないフューチャーワールドフェス、それが高校のうちに出られるようにはしたい。

 

  さて、5人目、おそらくもう1人のギターを誰にするべきか

さて、本来で有れば、前世でジェイルは抜けて、次にルークか入ってくる。そしてジェイルの抜けた穴にエースが入るんだが、篁、私はその苗字の知り合いはいないしな。

 

  ええい、将来のことに不安になっていてもしょうがない。

 今は練習を頑張るだけだ。

 

  「どうしたんだ。マミ?」

 

 私が1人悩んでいるところに、かおりがやってきた。

 

 「うん、じつはね。もう1人ギターを入れたいと思ってるの。」

 

  「ふーん、私以外に、もう1人ギターか」

 

 「そう、誰か心当たりある?」

 

  「うーん、めんどくさいが1人、いないこともないけど、いってみるか?」

 

  「え、今から会えるのか?」

 

 「ああ、多分大丈夫だと思うけど」

 

  「なら、一回、皆に相談して行ってみるかな。」

 

 それからの動きは早かった。皆に相談してみたところ、別に構わないとのこと、これでハードロックのバンドとしてある程度の体裁は整うのだ。

 

  「それで、ここにその心当たりがいるのか?」

と皆の賛成もとり、私はかおりと一緒に私達がよく通う音楽店にやって来ていた。

 

 「気のいいやつだ。大丈夫だよ。」

 

私とかおりの2人は店に入る。

 

 「いらっしゃいませ。」

 

   「よ、塔子!」

とかおりが今しがた、挨拶をした店員に話しかける。

 

  「なに?、かおり、今バイト中なんだけど」

 

 「いや、この前、言った私の入ったバンドのリーダー紹介しようと思って」

 

  「え、あんた確か、センチュリーのギタリストととして、入ったのよね。この娘がリーダー?、冗談でしょ?」

 

 「残念ながら、本物なんだよ。イサミじゃなくて悪かったわね。」

 

   「あ、なんかごめん、それで今日はなんのようなの?」

 

  「うん、それなんだけどね。実は、貴女に私達のバンドに入って欲しいのよ。」

 

 「私がセンチュリーに?、私の専門、ギターだよ。かおりと被っちゃうよ。」

 

  「いいの、私達の今のバンドはギターが2人欲しいとおもってる。

それに、私達は本気でメジャーデビューを目指してる。その為の布石として、私達の目標はフューチャーワールドフェスの優勝を目指す。」

 

 「フューチャー」

 

 「ワールドフェス⁉︎」

その名前に2人は驚いていた、それはそうだ。FWFはこの世界の日本に置いて、メジャーやインディーズの頂点と言えるコンテストだ。

 

 それで優勝をするということは、日本一のバンドになると言っていること同義であり、それは日本にどれだけのバンドがいるか、それこそ、数百はくだらないと思うし、ジャンルを問わなければ数千、もっと多い数万はいくかもしれない、そんな大多数のバンドの頂点に立つと言っているようなもので、この世界、なにかとそう言ったバンドはすごく技術が高くて、実力も相当なのだ。だからこそ、それを夢見るバンドは吐いて捨てるほどいるけど、大半が絵に描いた餅に終わってしまうのが現実だ。

 

 「へえ、それじゃあ、そんな大それた目標をかがけている、えっと」

 

 「小暮マミです。」

 

「そう、小暮さん、私は篁塔子、ギターをやってる、かおりとは幼馴染よ。貴女の大きすぎる夢、かおりが認めたその心意気に私もかけて見たい、そう思う。私と一回、同じステージに立たせてもらえる?」

 

  「試用期間ってこと?」

 

 「そう、私に対しても、貴女達のバンド、センチュリーにとってもね。」

 

  「随分と上から目線ね。」

 

「私もバンドには入りたいし、一緒にやるにも、そういうふうに思える人達だって、見極めたいの。」

 

  「・・・・・・・・、わかったわ。ひいては直近であるステージは夏祭りの有志のステージでの演奏だけど、そこで大丈夫?」

 

 「うん、OK、練習は明日からでいいかな?」

 

 「ええ、練習場所のスタジオはこのメモに書いてあるから、明日の夕方に」

 

 「うん、わかった。必ず行くよ。」

 

 「今日はバイト中にごめんね。」

 

「ううん、いいの家だし」

 

  「え?」

 

 「ああ、言ってなかったけ?、塔子、この篁楽器店の次女なの。今日も小遣い稼ぎの代わりにやってるのよ。」

 

 「まあ、小遣い減らされたくなかったら、手伝えって言われてるの」

 

「そういうことね。わかったわ。それじゃ、または明日。」

 

  「そんじゃな、塔子、待ってるぜ。」

 

 と私達は店を後にした。

 

   それから、夏祭りまでの期間、私達、仮加入である篁さんを含めて5人となったセンチュリーは、練習を続けた。

 

 久しぶりに5人となったバンドに、

   久しぶりにあの時と同じ、充足感を得ている。

 

 イサミ、あんたの教えてくれたものは私をなんだかんだ言って、私を助けてくれるし、安心感を与えてくれる、1人は寂しいってこともね。

 

 色々とやった。練習したり、銭湯に行ったり、一緒にご飯を食べたり

また練習したり、皆で曲を作ったりもした。

 

 時間が経つのは早いもので、すでに2週間も経ち、今日は夏祭り当日

 

 

 「いやあ、ここまで早かったね。」

 

 「本当、あっという間でした。」

 

  「あーしは去年のこの時期は参加してないから、初めてなんだ。

ちょっと緊張して来た。」

 

  「それは私もだ。さあ閣下、本番だ。何か、一言くれないか。」

 

 「ふふ、まあいいだろう。行くぞ。悪魔達よ!、我ら、悪魔教の信者を増やす為、我らが教団の理想を叶えるのだ!」

 

 「「「「おおーっ!」」」」

 

  「では、行くぞ!」

 

 ところ変わってステージ

 『今年もこの方たちがやってきてくれました。悪魔教を広める教団の悪魔達によって結成された、悪魔たちのバンド、ジ・エンド・オブ・センチュリーの皆さんです。』

 

 司会進行の紹介とともに私たちは登壇する。

 

私はマイクを受け取り

 

 『ご紹介、ありがとう。去年来てくれた諸君らには見慣れない顔も多いだろうからな。メンバー紹介といこう!』

 まず、私はゼノンに手を向け、彼女にスポットライトが当たる。

 

 『ベーシスト!、ゼノン・若宮!』

 その紹介とともにゼノンはベースを鳴らす。

 

『よろしくお願いします。』

 

  『続いて、センチュリーのツインギター、ジェイル大橋、srg.ルーク篁三世!』

 

 紹介された二人は生きぴったりの演奏を披露し

 

 『今日は』

 

 『よろしく!』

 

 

  『ええ、続いてはドラム!、雷電丸山!』

涼子もドラムをたたき、音での自己紹介をする。

 

 『よろしく!、そして、地獄の王位を継ぎ、帰獄されたダミアン浜田地獄皇太子殿下より、センチュリーのリーダーを拝命した。我らがヴォーカル、デーモン小暮閣下!』

 

 その自己紹介とともに、拍手が飛び交う。

 

  『さあ、自己紹介で会場もあったまってきたところで、そろそろミサを始めよう。一曲目は、全員で作った新曲、エルドラド!』

 私のセリフとともに、演奏が始まる。・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

  ・・・・・それからは、あっという間の30分だった。

私たちは精一杯を出し切り、歌っていたけど、そこに苦しいとかつらいとか、そういった感情はなかった。

 

  本当に楽しい時間だった。

 

 そのステージのあと、私たちはいつものファミレスにて、打ち上げではなく、出店のたこ焼きや、お好み焼きなどを食べて打ち上げをしている。

 

 「ふはー、楽しかった。」

 

 「ああ、ほんとうにあれが本物のステージなんだな。はっきり言って最高だった。」

 

 「とても、満たされた感じがします。」

 

 

「やっぱ、あの感じさいこーっしょ!」

 

 「確かにやっぱり、楽しかったね。それで、ルーク、じゃ、なかった塔子、どうだった?」

 

 「うん、最高だった。これからもここで皆と演奏したいな。」

 

「ということは?」

 

 「これからもよろしくね。閣下」

 

 

 「こちらこそ!」と私は塔子の手を握る。

 

 こうして、我々センチュリーに塔子、いや、ルークが加わったのでした。

 

 これで、ようやく5人、そろった次は主催ライブなんかをやってみたいな。




最後まで読んでくれてありがとうございました。
感想や意見などを聞かせていただければ、嬉しいです。


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第二章 4節 宴の準備

どうも小暮マミだ。

 

  いつもと挨拶が違うだろうって?、それは今私が

 

 『さあ、文化祭のステージによく来てくれたな。諸君!』

と文化祭のステージに立っているからなんだ。

 

  『ははははっ!、蝋人形の館!』

 

 ともはや私達のバンドの十八番の曲を歌い始める。

 

  その後、文化祭のステージの打ち上げをいつものファミレスで行った。

 

 「いやぁー、今回も最高だったな。」

 

  「本当ですね。」

 

 「さて、皆、文化祭のステージが終わったところで提案がある、近々、隣の県でコンテストが行われるんだ。私達のメジャーデビューへの大きな、足掛かりとなるFWFにもつながるコンテストよ。その為にも是非、出場したいと考えているんだけど、どうかしら?」

 

 「ええ、いいんじゃないかしら」

 

  「あーしも賛成!」

 

 「よし、ならいっちよ、やりますか。」

 

  「だけども、そのコンテストがやるのは年が明けてからの一月なの

だから、これから一月までの間、主催ライブを年末にやることを目標にして、各地のライブイベントなんかに出場しようと思ってるの。」

 

 「主催ライブか、そういえば、やったことなかったね。」

 

  「とりあえず、近々の目標としては、このまえ、毎回、お世話になっているスタジオのスタッフさんから、少し大きめのライブイベントに出てみないかって、このチラシをもらったの。」

 

 私達の住んでいる場所から1時間ほど電車で言ったところにある人通りのある都市のライブハウスが主催する秋のライブイベントを大きい会場を押さえて開催するとのことだった。

 

 「へえ、この会場、大分、でかいね。」

 

  「キャパが千人規模の会場だからね。その規模も私達がこれまでやってきたステージとははっきり言ってわけが違う。」

 

「な、なんだか。そう言われると緊張してくるね。」

 

 「まあ、前提は私達も楽しんで、お客さんも楽しませるだからね。」

 

「そういうことだな。」

 

 「それにあたって、新曲をいくつか、考えてきたの。少しみてくれないかしら?」

 

 「へえ、見せて」

と皆に楽譜と作詞を見せる。

 

 ちなみに今回の曲は、fire after fire、フェスの日がちょうどハロウィンの日ということでこの曲を私の脳内ライブラリーから引っ張り出して、楽譜にした。

 

  「fire after fireか、いいな、これ?」

とかおりがいう、そりゃ、この曲、前世のあんたのポジションの人間が作曲したやつだしな。

 

 なんか、最近、皆と聖飢魔IIの曲達のシンクロ率がマジでやばい、本当に乗り移ってるんじゃないかなってくらい。

 

 本当に最近、ライブ映像とか見てると私の後ろにもご本人が見える感じがするんだよね。

 

  「マミ、、マミ、どうしたの?ボォーッとしてたよ。」

 

 「え、ううん、なんでもないわ。皆も何か、直した方がいいとか、そういう部分があったら、また話し合って直しましょう。」

 

  「うん、OK、あ、それじゃあさ、そのイベントに出るってことはセットリストを決めなきゃだよね。」

 

  「そうだね。」

 

 「小道具とかも、つくらないと」

 

   「例えば?」

 

 「私達、悪魔ですから、ギロチンとか、棺桶とかどうですか?」

 

  「いいね。そこら辺もちょくちょく考えておこうか。」

 

 こうして、私達の秋のライブイベントに向けた準備が着々と開始されていくのだった。

 




今回も最後まで読んでくれてありがとうございました。
 


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第二章 5節 ミサの準備とアルバイト

どうも小暮マミです。

 

  私達は現在、私の家の庭にて、5人揃って、ステージで使うセットを組み立てていく。

 

  まずはギロチンと十字架、それに棺桶を組み立ていく。

 

 まあ、そんなに大掛かりなものは組めないし、運べないからほとんど使わない可能性もあるが、学生のうちはとりあえず、なんでもやってみないとね。

 

  「ふう、なんとか、一個できたね。」

 

 「棺桶、ってこんなつくるの大変だったのね。」

 

  「いや、それにしてもやっぱり女5人で舞台の道具をつくるのってやっぱり、大変だわ。」

 

 なんだかんだ楽しく、まだまだ時間が掛かるのだろうが、そのうち、完成するだろう。

 

 そして場面はところ変わっていつも私達が練習に使っている住宅街のスタジオにて

 

 

 「お金がない。」

 

  「はあ?、どうしたの、マミ?」

 

 「これ、私がセンチュリーの活動資金として管理してる通帳」

と私は他の皆に通帳を開いて見せる。

 

  「ええと、ゼロ?」

 

 「そう、これは元々、私や初代センチュリーメンバーが活動資金の為にって、少しずつ、貯めてた口座で初代の時から、一応は私名義で、集めてたんだけど、この前の大道具の材料費、今度のフェスの為に衣装を新調しようと思って買い足した材料費、その他諸々で、とうとう活動資金が底をついたのです。」

 

  「おお、どおりで、色々と潤沢だったわけだ。」

 

 「うん、弦やスティック、さらにはコードなんかも消耗品だからね。」

 

 「まあ、そういうことなら、バイトしてある程度は稼ぐしかないな。」

 

  「そうですね。何か、私達でも出来るバイトを少しずつ見つけていかないと」

 

  そして、私はライブハウスで、ゼノンは英語教室の講師のバイト、涼子は

あのピアノのカフェでバイトをし、かおりと塔子は篁楽器店でそれぞれバイトをすることに、とりあえずは1人、五万は稼ぐのを目標にして、

アルバイトを始めるのだけど、

 

 私は、悪ノリで応募したゴ●ラの鳴き真似コンテストで優勝してしまい、早々に、想定していた倍の金額を手にしてしまった。

 

  「まあ、あんなことでなるなんて思わないよね。」

 

 

 それから、しばらく、皆短期でのバイトだったが、それぞれ、目標金額にまで。達したことにより、練習一本に取り組めることが増えると思う。

 

  新曲の練習やパフォーマンスの決め方、セットリストの構成や、出場するイベントを行うライブハウス側や他の出演者との打ち合わせなど

やることは目白押しだったが、それでもすごく充実していた。

 

 時間はあっという間に過ぎてもうライブ当日の10月31日、私達の順番はくじ引きでラストを引くことが出来た。

 

 中々くじ運がいい。

 

  そして順番が回ってきて、我々の番が回ってきた。

 

 『やあやあ、諸君、我々はジ・エンド・オブ・センチュリー、地獄より、悪魔教を広めるべく、やってきた5人の悪魔達だ。今宵は我らの黒ミサを十分に楽しんでいってくれたまえ!、ではでは、早速だがメンバー紹介と行こう。』

私は今日はジェイルに手を向ける。

 

 『ギター!、ジェイル大橋!』

 とジェイルはギターで挨拶を奏でる。

 

『同じく、ギター、ルーク篁!』

ルークもジェイルと同じやり方で挨拶を返す。

 

  『続いて、ベース、ゼノン若宮!』

 

 『ドラム、雷電丸山!』

 

 2人同時によび、2人がバンドの屋台骨と言えるベースとドラムを掛け合わせた、重厚なメロディーで挨拶をする。

 

 そして今日はゼノンがマイクを握り、

 

 『そして、我らがヴォーカル!、デーモン小暮!』

 

『御紹介、ありがとう!、さあ、今宵もミサの始まりだ。fire after fire!』

 

  私の掛け声に続いて、演奏が始まった。

 

 その後、全ての片付けまで終わり、各種、関係者への挨拶を行い、

主催側のライブハウスの人からも、今度はうちでライブやってくれないなんて、社交辞令を言われてしまった。

 

 このイベントはバンドとしてのレベルアップの他にも地域のライブハウスとの繋がりが思わぬ形で、手に入った。

 

 さて、残すは年末の主催ライブ、告知も済んでいるし、あとは準備を進めて行くだけだ。




最後まで読んでくれてありがとうございました。
よろしければ感想やお気に入り登録をお願いします。


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第二章 6節 主催って忙しい

どうも、本日はリーダーであるマミに代わって、ギターの私、ジェイル大橋かおりがお送りするぜ。

 

  いやあ、この前のハロウィンのライブイベントは本当にたのしかった。さんでちょくちょく、いろんなライブイベントに出てくれないかっていわれるようになってきて、マミ、いや閣下も嬉しい悲鳴をあげていた。

 

  現在、私達は年末の主催ライブに向けての準備を始めている。

私は閣下について行って、色々と打ち合わせやチケットノルマや資材搬入、そこから撤収までのスケジュールを詰めて行く。

 

  とりあえず、なるべく、安く済ませる為に撤収作業は自分達で行うことになり、さらには主催バンドとして、何組かのゲストバンドを何組、呼ぶかなど、さまざまなことを決めて行く。

 

 今、思うとバンドの活動やそれに生じる手続きなんかは全部、マミがやってくれてた。有志ステージの申し込みや、機材の貸し出し、セットリストなんかは全員で決めたりすることはあるけど、それにかかる費用の管理なんかも、マミがほとんどやってくれてる。

 

 ライブする前は、いつも最後の方でげっそりしてる感じがするのは気のせいじゃなかった。

 

 そして、一旦、私達はライブハウスをあとにして、私達と懇意にしているバンドで出演交渉を行っていく。

 

 出演交渉は順調に進んで、無事、予定していた数のバンドが出演してくれる予定だ。

 

 それから私達はいつものスタジオに帰り、今度は皆の新しい衣装を作る為に、寸法を図る。

 

  私達の衣装は基本的にマミがデザインを起こして、皆と相談しながら、ゼノンと一緒に制作したり、外注したりすることがある。

 特にゼノンなんかが偶にミサで背中に翼をつけてたりするけど、それも外注品だったりする。

 

 今回は、半端なことは出来ないと、プロに外注することに決まり、ライブ衣装受注のため、今日は練習を始める前にメンバーの服の寸法を図る為によったと言うわけだ。

 

 そして、今日はその後、練習には混ざらずにそれをデザイナーのいる事業所に持っていき、デザインのスケッチを見せて、デザインの修正など色々と詰めて行く感じで、打ち合わせを行い、その後は都市部に出てきている為、ライブのメイクなどに使う、メイク道具の買い足し、さらにはアクセサリーなどの小物類の調達などを行い、帰りの電車に乗って

私達は帰ってきて、ライブ準備期間の最初のうちは大体、こんなかんじに過ぎて行くのです。

 

 さて、それから時間が経ってライブまで、あと一月を切ってくると、本番のライブハウスの会場で、各出演バンドとの打ち合わせやリハーサルなどを繰り返し、バンドの順番や、緊急時の出番やその対応、更にはこの時期になってくるとチケットの売れ行きも気になるところで、チケットの売れ行きのチェックや取り置きを希望する人のリストを作成し、

当日、取り置きで来てくれた人の分を確保、もちろん当日券やその際のお釣りの準備なども入念に行っていく。

 当日、各バンドのパート同士の打ち合わせも並行して行い、必要な物品の確認や予備の弦やコードなどをいくつ持っていくかや、必要な大道具の搬入から撤収までのスケジュールについても話して行く。

 

  そしてまた時間が経って、ライブ前日、通しでのリハーサルを行い、証明や演出の確認などを何度も確認し、行っていく。

 

 

 ええ、一通り、話して来たけど、これが基本的にセンチュリーのマミが普段からライブの準備の際に行っていること一覧です。

 

 さてさて、明日は主催ライブ当日、気合い入れて行かないとね。

 

  ライブ当日

 どうも、小暮マミ、いやあ、デーモン閣下だ。今回はなんだかんだ初めて、喋った気がするけど、もう早いもので年末、私達、センチュリーの主催ライブの日がやってきた。

 

  ライブのチケットノルマは無事超えており、ステージを借りる料金にも余裕が出来そうだ。

 

  当日券なんかも完売し、さっきちらっとロビーの方を見て来たけど、私達のメイクを真似たような子達が何人かいた。

 

  こうして、なんかファンがいてくれてるって思うと、とっても嬉しい。

 

 そして私達のライブが始まり、ゲストバンドの演奏が順調におわり、

最後のバンドのヴォーカルがマイクを持つ。

 

『最後の大トリは、やっぱりこの人たち!、

  今回の主役、ジ・エンド・オブ・センチュリー!』

 

  『ハハハ、ジ・エンド・オブ・センチュリーだ。今宵は我らのミサに来てくれた諸君に感謝の言葉を、どうもありがとう』

 私は会場を見渡す。

 

 『さて、知っているメンバーもいると思うが自己紹介といこう!

   デーモン閣下だ!』

 

 『ジェイル大橋だ!』

 

  『ギターのルーク篁だ!』

 

 『ドラム、雷電丸山、よろしくっしょ!』

 

  『ベースのゼノン・若宮です』

 

 

 『さあ、今宵も我らが悪魔のミサを始めよう!、蝋人形の館!』

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・それから、30分後、我々は最後の歌を歌い終わった。

 

  『ハハハ!、諸君、今日は最後まで我らがミサに参加してくれてありがとう、では最後に素敵なゲストを紹介しよう、今日の出演者達だ!』と私のコールと共に今回のライブのゲストバンド達が悪魔のメイクを行い、現れた。

 

 

 『ここに皆が来てくれたこと、ここに来た全ての悪魔と人間たちの奇跡を祈り、ここに今はいない私の友が残したこの曲をここにいる悪魔達全員でお贈りする。

  

 ・・・・・・白い奇蹟!』

 

 私のMCの後に全員が演奏を始める。

 

  今日の主催ライブは大成功で終えることが出来たのだ。

 




今回も最後まで読んでくれてありがとうございました。

 今回で第二章は終わりになります。次回、第三章より本格的にフューチャーワールドフェスに向けた活動や幼き日のバンドリ メンバーなども登場させることが出来たらいいなと思っています。


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第三章 幻夢から現実へのロード
第三章 1節 陛下と再会


どうも小暮マミです。現在は一月、年も明けてコンテストまであと少しと言ったところです。

 

 「うーん、どうしたものかな。」

 

 「マミさん、どうしたんですか?」

 

 「あ、ゼノン、実はね。新曲のアイデアが浮かばないのよ。」

 

 「ええ、でも、今日が14日だから、あと2週間もないですよ。」

 

「そうなんだよね。どうしようかな。やるなら審査員の度肝を抜くくらいの曲がいいよね。」

 

 私の新曲のアイデアが詰まらないなかで、その他のセットリストは、埋まっていく。

 

 セットリストとは言ったものの、各バンド毎、2曲しかやれないのがつらい。

 

 いやいや、2曲しかないから、魅力を伝えきれませんでしたなんていうつもりはもうとうないんだけどね。

 

一曲目はジャック・ザ・リッパー、2曲目といっても、起こすのは聖飢魔IIの曲を起こすだけなんだが、今回のにどれを楽譜に起こせばいいのか悩んでいる。

 

  んー、悩む、創世記?、いや、それとも地獄の皇太子んー、よし、地獄の皇太子で行こうか、いや、やっぱりアダムの林檎はもう起こしたな。

 

  んーん

 

 「マミさん」

 

 「どうしたの?」

 

  「少し、遊びに出かけましょう!」

 

 「ええでも、今日はコンテストで使う道具の搬入の手続きが」

 

  「大丈夫、あーしがやっとくし」

 

 「そうそう、たまには羽伸ばして来な。」

 

  「そうだよ、閣下、たまには休んでもいいんだよ。」

 

 「さあ、行きましょう、マミさん!」

 と私とゼノンは外へ出て、久しぶりに街の中を遊び歩いた。

 

 私とゼノンは●ックでシェイクを買い、公園のベンチでゼノンと一緒に座って飲んでいると、目の前に見たことのある顔が通り過ぎて行くのが見えた。それを見た時、私はゼノンにシェイクを渡して走り出していた。

 

  「マミさん!、待ってください。どこいくんですか⁉︎」

とゼノンの静止の声も聞かずに走り、目的の人物の背中を目指して走る。

 

 「まって、待ってよ。イサミ!」

 

 「⁉︎、マミ・・・・・・」

 

   「久しぶり、はー、はーどうよ、最近の調子は」

 

 「マミさん、待ってください!」とゼノンが私を追いかけて来た。

 

 「何か用?」

 

    「久しぶりに見たから、つい、声かけたくなっちゃって」

 

 「私はそんな、久しぶりでもないかな。センチュリーのライブ、毎回見に行ってるから」

 

  え、なに、イサミ、なんだかんだ、何処で私達の情報を仕入れてくるんだか

 

 「そんなに気になるなら、また戻って来ればいいじゃん」

 

 「・・・・・ごめん」

  

 「そう、ならせめて、ライブの時、来るならいってよ。チケットの取置きくらいはして置くからさ。」

 

  「・・・・・・・」

 

 「ごめん、ゼノン行こっか。」

 

 「はい、行きましょう。」

 

 そしてその日の夜、私は意を決して、あの曲、地獄の皇太子の楽譜を起こす。この楽曲を起こす理由はやはり、イサミに聞いて欲しい、そんな思いでこれを楽譜に起こしていくのだった。

 

 見てろよ。イサミ!

 




今回も最後まで読んでくれてありがとうございました。


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第三章 2節 最初の決戦

どうも、小暮マミです。前回、陛下こと、イサミに再開して、一般公開型のコンテストで披露する2曲目を地獄の皇太子に決めた。

 

 そして、それからひたすら練習に練習を重ねて迎えた今日、我々、センチュリーは前乗りという形でコンテスト会場である隣の県にやってきたのだ。

 

  

 「へえ、久しぶりに県外に出たけどやっぱり楽しいねえ」

 

 「こら、塔子、あんまり浮かれないの。」

 

 「まあいいじゃないか、今日くらいは」

 

  「そんなこと言って、一般公開型なんだから、これからリハが入るんだから」

 

 「て言っても、順番確認と照明の演出チェックだろう」

 

  「ええ、だから一通りの明日の為のリハをスタジオスタッフさんの知り合いのやってるライブハウスのスタジオでやらせてもらえることになったんじゃない。とりあえずは楽しみましょうか。」

 

  「楽しむのはリハーサルが終わってからにしましょう!」

 

 と私達はコンテスト会場に行き、打ち合わせやリハーサルを行い、なんと他のバンドの準備が来るまでなら、ここで練習をしてもいいというので一通り、通して2曲を演奏して、残りのMCなどはさっきも言ったライブハウスで行うことになった。

 

 それから、リハーサルも無事に終わり、私達はホテルの5人部屋でうち入りを行うことにした。

 

    「それじゃあ、皆、杯をかがけよ!」

  と私のこの言葉に全員が自分の持ってるコップを上にあげる。

 

  「明日は勝つぞー!」

 

  「「「「おぉぉ!」」」」

 

    と乾杯をした。

 

  その翌日、私達はコンテスト会場の楽屋に来ていた。

 

 そして、私達はそれぞれメイクをしていく。

 メイクが終わったものから、棺桶やギロチンなどの組み立てを行っていく。

 そして次々とメンバーが着替え、メイクを終えて道具を組み立てる。

 

  組み立て終わり、搬入担当のスタッフさんに渡す。

 

  

それから、何組かの発表が終わり、私達、センチュリーの番がやってきた。

 

  『ええ、続きまして、ジ・エンド・オブ・センチュリーの皆さんです。』

 

  『ジ・エンド・オブ・センチュリー!』と私のマイクの音が会場中に広がる。

 

『ははは、我らは地獄より悪魔教を広めるために降臨した教団である。今日も、少しの時間ではあるが我らのミサを思う存分楽しんで欲しい!

 だが、今日この会場に来るまで、我々は多くの人間を殺した。お前も殺してやる。お前も、お前も!、ジャック・ザ・リッパー!』

 

 私達の一曲目、私達のバンド、いかにハードロックらしさが出る曲であるジャック・ザ・リッパー、この曲は観客と一体となった時、こそ真の良さを発揮するものだと思った楽曲、ならばいずれはプロを目指す自分達ならばこの曲で会場を巻き込まないようでは通用しないと考えた。

 

 そう言った経緯から私達は一曲目にこの曲を選んだ。

 

 そして5分後、一曲目を歌い終わり

 

 「ありがとう!、それでは次の曲、地獄の皇太子!」

 

 私達は新曲、地獄の皇太子の演奏を始める。

 

  そしてその演奏も終わった、あっという間の1ヶ月の集大成が終わってしまった。

 

 『ありがとうございました。審査員の皆様方もいかがだったでしょうか。』など、司会が進行して最後に一番端にいた審査員が手を挙げらマイクを受け取る。

 

  『演奏、ご苦労様、私から聞きたいのは一つさ、今の演奏やり切ったかい?』

 

 『当たり前だ!』

 

 『ふふ、ならいいじゃないか。よくやったよ。』

 なんだろう。なんだか、見たことがある面影と聞いたことのある言葉だったけど、あれ、あの人って?、まじ、うそ、都築詩船⁉︎、この世界におけるガールズバンドにおける伝説のギタリスト

 

 将来的にポッピンパーティーの絆を強固なものにしたカリスマ、こんなところで会えるなんて感激、ていうか、普通に生意気なこと言っちゃったどうしよう。

 

  そんなこんなでコンテストの全ての審査が終わり、表彰式

 

 『グランプリ及びベストパフォーマンス賞は、ジ・エンド・オブ・センチュリー』

 

 えっ、うそ、えええ、な、ちょっ、まじかなんで、絶対ここは何も取れなかったとか、そういうサクセスストーリーが

 

 「マミ、優勝、優勝だよ。マミ!」

 

  「閣下!」

とメンバー達もすごく、盛り上がった。

 

  そして私達は優勝バンドには最後にもう一曲、弾いてもらいたいとのことで、

 

  『はははっ!、オーディエンス諸君、今宵は我らの勝利を祝うべく、我らセンチュリーの定番をお聞かせしよう。いや、その前にメンバー紹介からだな。ギター!、ジェイル大橋!』

 

 ジェイルはギターで挨拶をする。

 

  『同じくギター!、ルーク篁!』

 

 『ベース!、ゼノン若宮!』

 

   『ドラム!、雷電丸山!』

 

 『そして、我らのヴォーカイ!、デーモン小暮閣下!』

とジェイルが紹介する。

 

  『さあ、悪魔の宴、始まりだ!、蝋人形の館!』

と私達は最後に蝋人形の館を歌うのだった。

 

 そしてその日の夜、会場から帰って自宅の自室で眠りについた筈なんだけど、この白い空間は一体?

 

 「はははは!、よくぞ来たな。この世界の我輩よ!」

 

 え、まじで、その声のした方を向くとそこには閣下がいた。

 

   「驚いているな!、それでこそ、ここに出てきたかいがあったというものだ。敬虔な信者のお前をこの世界にダミアン浜田殿下にご協力いただき転生させたことは間違いではなかった。」

 

 何、今、この人なんつった?、私を転生させた?

 

  「そうだ。お前を転生させたのは何を隠そう、我々悪魔なのだ。

悪魔教の布教はそれぞれの世界で行われていたものの、この世界には我輩達の依代となる人間は存在していなかったのだ。そこでこの世界でも布教活動を行いたいが、依代がなくては我々もその世界には干渉はできん、そこで、我々の敬虔な聖飢魔II信者の中から、この世界に悪魔教を広めるものを選んだ。それがその選別の日、運悪く死んでしまったお前だったと言うわけだ。」

 

  成る程、どうりでどうにも聖飢魔IIの楽曲の楽譜やらが起こせたわけだ。所謂転生特典ってやつかな?

 

  「最近、お前達が悪魔の姿になる時、性格がより、我らに引っ張られて来ているのは気づいておるか?、あれは悪魔がこの世界の依代へと変化しつつある証拠なのど。これからお前が取るべきは2つ、その体を我輩に明け渡す。 その2、反抗するかだ。」

 

  「当然、反抗する。センチュリーは私のバンドで居場所で私はセンチュリーのデーモン閣下です!、私は仲間を絶対に置いていきません」

 その言葉と共に私の服装もセンチュリーの時のような衣装にかわっていた。

 

 「ほう、それはお前だけが取り残されたとしてもか?」 

 

  「当然、取り残されたのなら、地の果てまで追いかけるし、なんなら追い越してやるつもりだ!」

 

  「ははは、ははは!、そうかそうか、ならばこそだな。」 

と閣下は私の肩に手を置く。

 

  「よくぞ。いった。この世界での布教は全てお前達に任せる。がんばるんだぞ!」

 とそこから段々と景色が遠くなるのを感じた。

 

「・・・・・・・・・・・・・、夢か」

  




今回も最後まで読んでくれてありがとうございました。


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第三章 3節 日常の変化

どうも小暮マミです。前回のコンテストから既に一月ほど経ち、今現在は春休みも真っ直中、あのコンテストでの入賞以後、私達の日常は、

 すごく変化していた。私達の住んでいる県のライブハウスからちょくちょく、イベントなどに声をかけていただけることが多くなった。

 

  近く、バレンタインに、第二回の主催ライブを行う予定となっていることもある。

 

  

  更には前回のコンテストはそこそこ大きな大会で、メディアからの取材なども、行われるようになった。

 

  そして、私達にとっては本当に凄まじいほど、今度はテレビも入るような大きなイベントへの出演依頼なども舞い込んで来たのだ。

 

  「ねぇ、これ、どうする?」

 

 「いや、まさか、TVでも中継入っちゃうくらいのとこに呼ばれるとはね。」

 

  「ワクワクして来たし」

 

 「私も気分、上がってる。」

 

  「私もです。」

 

 「ちょうど開催日、春休みだし、参加してみる?」

 

  「いいなぁ、賛成!」

 

 「あーしも」

 

  「私も」

 

 「私もです!」

 

 「まあ、とりあえずは2月末の主催ライブに向けて、頑張っていこう。」

 

  「「「「おおおお!」」」」

 

 それからは私達の行動は早かった。

 

  まずは、私達のライブの前に立ちはだかるのは期末テスト、まあ私は結構余裕なんですけどね。

 

 他のメンバーも危なげなく、テストは終わり、春休みに入った。

 

 今日はなんと、まりなから手紙が来た。

 

  なんと、春休みに長い期間、こっちに来るそうだ。

せっかくだからと私は主催ライブでやるギターの楽譜を同封して、主催ライブにゲストメンバーとして来ないかと言うことを書いて一緒に送る。

 

  そこに続いて、なんと、ただ1人、元ベースのエミと連絡手段を持つ、ゼノンの元に、エミが春休みの期間、日本に帰国することがわかった。

  ゼノンや、他のメンバーにも了承をとり、エミに楽譜の画像ファイルと一緒に出ない、主催でやらないかとメールを入れてもらった。

 

  2人ともにOKの返事が返って来た。

 

  そんな中で練習を続けながら、私は、あるもう1人のメンバーに出演してもらえないかと、その人物のいる家へと、向かった。

 

 

  それから2週間、まりなとエミが合流して、合わせなども何度も行い、主催ライブ当日の日がやってきた。

 

 『センチュリーの信者諸君!、今日は我らのミサに来てくれたことに

心より、感謝を』

 とその言葉に会場中が声援で揺れる。

 

 『今日のミサはオールサタン感謝祭ということで信者の中には我々が路上で布教活動を行っていた時から、応援してくれている敬虔な信者もいることだろう。魔界の大異変により、魔界へと帰獄してしまった。初期のメンバーが今日は応援に来てくれた!』

 その時、会場は暗くなり、私の両隣にスポットライトが当たる。

 

 『紹介しよう。センチュリー初代ベース!、ゾット星島!』

 

 と紹介されると共にエミは激しく、斧方のベースをかき鳴らし

 

 『はははっ!、今日は久しぶりに人間界にやってきた!、人間共よ!

今宵は我らの宴の贄となるがいい!』

 

 『そして、このゾット星島はゼノン若宮のベースの師でもある!、さあ、続いていこう、私の幼き日からの馴染みの悪魔、センチュリーの初代ドラムながらも今日はギターとして参戦してくれた!、エース月島!諸君らも知っている白い奇蹟などを作曲したのもこいつだ、』

 

  『さて、それではこれよりミサを始めるとしよう!、ジャック・ザ・リッパー!』

 

  と一曲目が始まる。

 

そして、2曲めのジ・エンド・オブ・センチュリー、3曲めのエルドラド、4曲めの蝋人形の館、5曲め、アダムの林檎と続いてもう最後の曲となった。

 

  『はははっ!、信者諸君今宵も、最後までミサを楽しんでくれたようで何よりだ。最後の曲『デーモンよ!、私の登場を待たずして、最後の曲を始めてしまうとは随分と性急がすぎるのではないか?』、なっ⁉︎

この声は⁉︎』

 

  『センチュリーの信者諸君!、そしてセンチュリーの悪魔達よ、私の前で、図が高い!、こうべを垂れて跪け!、我は、地獄の大魔王!、

大魔王サタン45世の名を襲名し、かつてのセンチュリーを創設した、初代リーダーにして、ギタリスト、ダミアン浜田なるぞ!』

雷の音と共に、ステージが暗くなり!、ギターの音と共にスポットライトが当たる。そこにはやはり、センチュリーの創設者、ダミアン浜田の姿があった。

 

 そう、何を隠そうと、上記で語った最後のゲストメンバーとは、ダミアン浜田こと、浜田イサミである。

 

 このことを話した時、最初、涼子は反対した。

 

  『本気なん、マミ、だってあいつは、イサミは!』

 

 『本気だよ。本気でゲストととして、呼ぼうって考えてる。』

 

  『まりなや、エミならわかるけど、あいつを呼ぶなんて』

 

 『まあまあ、いいじゃん、涼子もさ、せっかくオールサタン感謝祭なんて銘打ってる訳だし、せっかくなら新旧構成員全員がいた方が楽しいだろ。』

 

『そうそう、せっかくの主催ライブ何だから、楽しまなきゃでしょ。』

 

  『まあでもオファーを掛けてみるだけ、来てくれなきゃ、そん時はそのまま進めるつもり』

 

  『・・・・・・・・・、わーったし、でも生なことすんなら、会場から追い出すかんね。』

 

  『うん、ありがとう、涼子』

 

 それから、私はイサミに出演交渉をしに家に訪れた。

 

  『・・・・・・、私にまたライブに?』

 

   『そう、せっかくのライブだし、名前にオールサタン感謝祭ってついてるしね。今回限りでもいいから、またイサミとライブしたいって思ったの。』

 

 『・・・・・、誘ってくれるのは嬉しいけどごめん、私にはもう皆とライブする資格なんてないの。勉強についていくのが精一杯で、ギターも、ろくに弾けてないの。腕もだいぶ鈍ってる、そんな私に皆とライブする資格なんかないわ。』

 

 『無理にとは言わない。もし、少しでも気が変わって、出てくれる気になったなら、この最後の曲だけでいいから、参加してほしいの、今日はごめんね。それじゃ』

 

 『・・・・・・・・・・』と私はイサミの家を出たのだった。

 

 そして視点はライブに戻り

 

 『これはこれは、陛下、随分とお久しぶりです。先程は失礼を、では改めて、地獄の皇太子!』

 そして最後の曲が始まった。

 




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第三章 4節 動き出す夢

どうも小暮マミです。

 

  現在、私は高校2年生、現在、2月の主催ライブや4月のテレビ中継の入るほどの大きなライブイベントなどの出演により、中々に私達、センチュリーは進級して早々に、私達、5人は学校の校長室に呼び出されていた。

 

 

  「君達は何故、ここに呼び出されたか、わかるかね?」

と校長は聞いてくる。

 

 「いえ、わかりかねます。」

 

  「ほお、それでは君達は何故、我が校に東京の芸能プロダクションから、何件も電話がかかってくるのかね⁉︎」

 

 なんと、私たちのプロフィール、バンド風に言うなら世を忍ぶ仮の姿でのプロフィールをよくもまあ、調べ尽くして連絡してきたって言うのか?、そりゃあ、そりゃあ、なんとも

 

 「それでなのだが、我が校ではどうしようもない、もしメジャーデビューなどと言う話が上がる場合、我が校では生徒のプライバシー保護などが不十分になってしまうと考えている。」

 

 「それは暗に、私たちに出ていけと?」

 

「いや、君達は知るべきなのだ。君達はもはや中学時代、路上でライブをして、周りから白い目で見られていた時とは全く違う。町内の祭りには毎年の恒例行事として楽しみにしているものも多くなり、校内でも君達のファンは多くいる。君達が去年、学園祭であの姿でライブをすると行った時、私は正直、気がきではなかった。だが、予想に反して、学園祭は大盛況、来年もやってくれないものかと思ったが、問題はこと、君達やましてや我々教師陣や我が校だけでは収まらないところまで来てしまったのだ。」

 

  なんと、私達はこの地区だけで言えばもはや、知らぬものがいないほどの存在になってしまったらしい。

 

  さて、どうしたものかな。

だがしかしだ、校長が言っていることは依然として学校から出て行って欲しいと言われているようなものだ。果たしてどうしたものか。

 

コンコンッ!

 

 「はい、どうぞ?」

 

 「失礼します。私、・・・プロダクションの松原と申します。」

とその芸能プロダクションの松原と名乗る女性が入ってきた。

 

 「ああ、これはすいません。小暮さん、彼女が今回、君達をスカウトしにここまでやってきた、松原さんだ。彼女は君たちと話をしたいらしい、応接室に場所を移して、詳しい話を聞いてくれまいか?」

 

  「わかりました。ゼノン、かおり、蒼、涼子、行くよ。」

 

と場所は移り、応接室、私達は松原さんから話を聞いた。松原さんは芸能プロダクションの社長さんであった。若いながらも一流の歌手や女優などを売り出してきたやり手のプロデューサー兼社長であり、その上で子育てもこなすと言う、なんともまあ、凄まじい経歴の持ち主だ。

 

 「それで、なんだけどね。貴女達がもし、今後、メジャーデビューをする場合、私の事務所に所属をして欲しいの。勿論、高校生なんだもの残りの高校生活をしっかり送れるように東京での学校や住居の手配もしていくつもりよ。貴女達にその気があるならだけど」

 

  「・・・・・・・・、もしひとつわがままが叶うなら、私達は私達のまま、歌い、私達の歌いたい歌を歌う。そこに事務所の意向は挟まないで欲しいの。事務所の意向で素顔を晒すのもなし、それがメジャーを主軸に考えた上で必要な条件よ。」

 

  「・・・・・・、そうね。わかった。その意見、聞いてあげるわ。でもそれ以外は私の指示に従って貰うから。大丈夫、ギャラとか、そこら辺もしっかりと管理するから、何割かをお小遣いという形で配布になるわ。他は通帳に貯金して、貴女達が困らないように貯めていくことになるわ。」

 

 まあ、すぐには決められないよねと松原さんは一週間程、ここら辺のホテルに泊まっているらしいので今日は解散になり、私達はいつものファミレスにやってきた。

 

  「どうする?」

 

  「どうするって言ってもメジャーデビューだよ。あーし達が目標にしてきたことが目の前に来てるんだよ。」

 

 「まあ、そうね。とりあえずは親にどういうかだよね。」

 

  「そうだよね。メジャーデビューなんて、もっと先のことになるかもなんて、思ってたから、どう親に言ったらいいもんか」

 

 「まあ、とりあえずは今日は親とこのことについての話し合いかな、それとこの一週間は、もしメジャーデビューするとして私等は多分転校することになるから、その為の勉強も必要だしな。まあ、そこは問題ないか。」

 

  「まあ、それじゃ、いったん解散ってことで」

私達は、それぞれの家に帰るのであった。

 

  そして、その夜、メンバー全員からOKを貰ったというメールがきた。

 

  私も今日、あったことを写真の中の両親に話す。勿論仏壇など用意は出来ない為、写真だけだが、手を合わせる。

そしてその一週間後

 

  「お父さん、お母さん、私、行ってきます。」

と、私はお父さん達の眠る墓前に手を合わせ、挨拶をして、松原さんの待つ、駅へと向かうのだった。




今回も最後まで読んでくれてありがとうございました。


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第三章 5節 転入と初仕事

  どうも、小暮マミです。東京へと5人で上京してきました。

 私達は花咲川女学園院の高等部へと編入し、現在、松原さんの用意してくれたマンションのお部屋に5人で生活することになった。

 

 そして編入した週の翌日

   「あれ、マミこのテーブルどこ置くんだっけ?」

 

「ああ、それはもう少しこっちに・・・・」

 など、色々と部屋の荷解きをしていた。

 

 

  「ふう、やっと終わったね。」

 

  「うん、引っ越し祝いで、松原さんがうどんくれたから、お昼、それで、いいよね?」

 

  「う〜、お腹ぺこぺこだよ。」

 

 と私と涼子でうどんを茹でて、麺つゆを用意してざるうどんみたいな形式にして、シェアでうどんを食べる。

 

   「ふー、ようやくひと段落だね。」

 

 「そういえば、私達、こっちにきてから、最初の時、以外、事務所に呼ばれてないけど、大丈夫なのかな?」

 

 「まあ、いくら私達のデビューか秋頃になるって言ってもそりゃ、ここまで、音沙汰なしだからね。」

 

 ピンポーン!

 

 そんな話をしていた時、インターホンがなる。

訪ねてきたのは松原さんだった。

 

  「皆、今日は皆に仕事を持ってきたわ。」

と松原さんはプリントを見せてくる。

  内容は、新人アイドルグループのバックバンドだ。

もちろん、センチュリーとしてではない為、メイクは抜きである。

 

 まあ、流石にバックバンドがアイドルより目立ってはことだし、大丈夫かな?

 

 それにしてもすごい、バンド部門は私たちの為に創設された部署だけど、その業務は松原さんが社長業務とそれをいっぺんに引き受けて、やっているのだ。正直すごいと思う。

 

 私達もそれを快諾し、私達、センチュリーの最初の仕事が決まった。

 

あれ、これってバックバンドする場合、わたしの出番なくない?、

 

 あー、なるほどキーボードに空きがある、成る程、それじゃあと

久しぶりに涼子がキーボードを担当して、わたしはドラムを担当する。

曲がりなりにもオールラウンダーを心の隅の奥底で自称してるんだから

 

 それから、私達は会場やアイドルグループとの打ち合わせや、披露する曲の練習なども行っている。

 

 そして、平日のある日、現在わたしは学校で日直だったこともあり、電車で事務所に向かう為、駅の改札にむかっている途中に時刻表の前で困っている中学一年生くらいだろうか、うちの中等部の制服を着ている女の子がいた。ん、あれって白鷺千聖ちゃんかな?、ドラマに出てるの見たことあるぞ。

 ああ、そういえば、千聖ちゃんの事務所って私達と同じ事務所だっけか、困ってるなら助けてあげましょうか。

 

 「ちょっと、そこのお嬢さん?」

 

「・・・・・・・・、私ですか?」

 

  「そう、お嬢さん?、さっきから何かお困りのご様子でしたので、声をかけた次第」

 

 「・・・・・実は、」と千聖ちゃんはいつも迎えに来てくれる人が来れず、タクシーに乗るほどの金額も入っていないので今日は電車を使って行こうとしていたのだが、時刻表がどうもわかりづらかったみたい

 

 「なんと、わたしもその駅で降りるからよろしければ一緒にどうかな?」

 

 「どうして、そこまで?」

 

   「んん、同じ学校のよしみじゃ、だめかな?」

 

 「え、同じ学校?」

 

   「ああ、そうそう、高等部の小暮マミ、よろしくね。」

 

 「なら、お願いして大丈夫ですか?」

 

  「ああ、もちろん」

 行き先、多分同じだしね。

 

  その後、私と千聖ちゃんは目的の駅についた後に別れたのだった。

まあ、それ以降、素顔で会うことは殆どないんだけどね。




今回も最後まで読んでくれてありがとうございました。


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第三章 6節 幻夢から現実へのロード

どうも小暮マミです。前回のバックバンドの話から二、三ヶ月が経過しました。

 

 高校2年になり、すでに4ヶ月が経ち、現在は9月、とうとう、我々、ジ・エンド・オブ・センチュリーのデビュー発表にプラスして、うちのアイドルグループのライブのゲストととして、最後にサプライズで登場すると言うもので、ライブは10月の31日、ハロウィンに執り行われることになった。

 

 その間、私は新曲、つまりはわたしのメモリーから、聖飢魔IIの曲を引き出す作業を行っていた。

 

  まあ、今回のゲスト参加で、歌う曲は、バンドの名前と同じ、ジ・エンド・オブ・センチュリーなんだけど、流石に何かしら、デビューをする以上は今までの曲だけと言うのはダメだし。今も松原さんが手配してくれた会議室で、私達5人は新曲の打ち合わせをしている。

 

 この問題は何処かで話したと思うけど、最近、他のメンバーも曲を提案してくることがあるんだけど、その曲が聖飢魔IIの曲だったりする。

 

 並行世界の自分的立場なのか、知らないが、これは中学時代のイサミやエミ、まりなにもあわられていた現象なんだよね。

 

  本当になんなんだろう、コンテストの日の夜に見た夢と関係があるんだろうか?

 

  おそらく、この世界で悪魔教を広める使命を持って生まれたのは言うまでもない。

 

  そうでなくてはこうもうまく、運命が巡らないのか?、ならば、中学時代のあれは、私の世界の悪魔時異動ということになるのだろうか?

 

 

  そんなことを考えながら今日一日を、過ごしてしまった。

 

 時間もそんなにないというのに

 

  結局、今回、私の出す新曲は、brand new songに決まった。

 

 そして今回のバンドの参加告知として、11月の中旬にデビューライブが決定、それに際して衣装などを今までの衣装のリメイクや新しくつくるための採寸などを行い、着々とライブへの準備が始まる。

 

  私達も松原さんと一緒に色々なところに挨拶周りに行ったりと9月から10月にかけて、それと学業の両立というのがとても大変だったが私達は、充実した時間を過ごしていたと思うし、花咲川にはなんと、まりなが住んでいたのだ。

 

  旧メンバーということもあり、彼女にもチケットをわたしてある。

 

 

  そしてそれから2週間と少し、今日は10月の31日、ハロウィンにして、私達が、メジャーデビューへの第一歩を踏み出す日である。

 

 「皆、今日はとうとう、貴女達、センチュリーの初のお披露目よ。

うちの子達にもしっかりと紹介を頼んでおいたけど、精一杯、やってきなさい。」

 

  「「「「「はい!」」」」」

 

 

 『はーい、皆さん、今日は私達の事務所から後輩達が遊びに来てくれました。』

 

 『いえーい!』

 

 『なんと、その子達、人間じゃなくて悪魔なんです!』

 

『おお!、ハロウィンの今日にはぴったりな子達だな。』

 

  『それでは、私達の頼もしい、十万歳年上の後輩、ジ・エンド・オブ・センチュリーです!』

 

 とその声とともに、わたし以外のバンドメンバーがステージに上がる。そして私のアナウンスが入り、

 

  『お前も蝋人形にしてやろうか!』と私はその先輩達の横から突然現れて言う。

 

  『ハハハッ!、吾輩達が、ジ・エンド・オブ・センチュリーだ!、早速だが、一曲聴いてもらおう、蝋人形の館!』

 

と私達の挨拶代わりとなりつつあるこの曲、最初は我々の格好に戸惑いがちであった観客達も次第に引き込まれていった。

 

 そして4分弱の歌で会場は先輩達ほどとは行かないが、一体感が生まれ、会場中が我々一色に染め上げられたような感じがした。

 

  そして蝋人形の館を歌い終わると先輩達がやってきた。

 

 『いやぁー、よかったよ。えっと、皆。いきなり始まったから、自己紹介からお願いしていいかな?』

 

  『ああ、よかろう!、吾輩達はジ・エンド・オブ・センチュリー、

魔界より、悪魔教を広めるべく派遣された楽隊である!、ここで吾輩、リーダーであるデーモン小暮閣下が、他のメンバーを紹介していこう!

 

  『センチュリー、オンドラマー!、雷電!、丸山!』

 

 『オンギター!、ジェイル大橋!、オンギター!、ルーク篁!」

 

  『オンベース!、ゼノン・若宮!』

 

 『そして、吾輩がオンヴォーカル!、デーモン閣下だ!』

 

  「はい!、ありがとうございます。それでなんですけど、閣下?、今日は私たちのライブのゲストを引き受けてくれてありがとうね。」

 

 『何、気にするな。先輩の顔は、立てねばならん。そこに悪魔と人間の差はない。それに吾輩達もここにきた以上は、何かしらの目的があってきたのだ。11月某日、吾輩たちの正式なデビューライブ、いや、黒ミサが開催される。今日はこの宣伝も兼ねて参加させて貰った。・・・・・・・グループの信者諸君も、よろしければ我輩達のミサに参加してくれると嬉しい、さて、なんだが、我輩達の出番ももうすぐ終わる。そこでだ。もう一曲聴いていってもらおう!、ジ・エンド・オブ・センチュリー!』

と私の掛け声と共に歌が始まり、また熱狂を会場中が支配した。

 

  こうして、我々、センチュリーのメジャーでの第一歩が始まった。

 




今回も最後まで読んでくれてありがとうございました。

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第四章 栄光のジ・エンド・オブ・センチュリー
第四章 1節 栄光のロード


どうも小暮マミです。あのイベントでのゲスト出演の後の単独ライブも大成功に終わった。

 

 私たちのCDも高一の時、ライブハウスで自費で販売していた時よりはマシなくらいではあるが、そこそこの売り上げを出しているという話だ。

 

 1枚目のシングルはは私たちのバンド名と同じく、ジ・エンド・オブ・センチュリーである。

 

  蝋人形の館などのシングルも発売されており、なんなら、私達と同じ名前の曲より、こっちの方が売れているのはなんだが、癪だが、まあこちらとしてもありがたい。

 

 そんな時、また、私たちにあるビッグニュースが舞い降りる。

 

 なんと、歌番にお呼ばれしたのだ。

 

 流石に1発目から金曜のあのゴールデン帯に出れる訳はなかったが、

デビューして早々にそんな都合のいいことはなく、と思っていたんだがな。

 

  なんと松原さん、年末の特番への出演をとってきてくれたらしい、

 

  バンド活動をしながら雑誌などの取材も行っていく。

 

その際にCDの宣伝なども載せてもらう。

 

   

  もちろん、この際に生じる学業などの両立などもしっかりと行っていく。

 

  やはり、そこは前世で大学までしっかりと行ってる身としては見過ごせない。

 さて、それじゃ、今日も課題、やってこうかな。

 

 

  学業も勉強もしっかりとこなしながら、バンド活動も行っていく。

大変に苦労も多いが、やりがいがあってとてもいい。

 

 私達全員がどうかはわからないけど、私はとても充実した時間を過ごしていると思う。

 

  かおりやゼノン達もなんだかんだで楽しんでいるみたいだ。

 

松原さんなんかはたまに私達のライブにサポートキーボーディスト、怪人松原様として出ていたりする。

 

  なんか、聞いたことのある名前だ。

 

 

 まあ、とにかくだ。今回も私達はガチで芸能活動に取り組んでいるし

年末に向けて、とことんやっていく、心算である。

 

  たがしかし、松原さんに、もしもの時の代理のメンバーなんかも決めて置いたはうがいいと言われた為、まりなを紹介した。かつてのメンバーであり、現在もその腕は錆び付いてはいない、その際のメンバーなども決まってきている。

 

  まりなもまりなでこちらで組んでいるバンドがあるそうで、そんなに頻繁にというわけにも行かない。

 

 ドラムに関しても今、現在、涼子が東京に来てからお気に入りのジャズが流れている喫茶店にて、ジャスドラムをやっているという知り合いになんとか。もしもの時はならないかと頼んでみるらしい。

 

 ゼノンに関しては、エミがそろそろ留学の期間が明け、大学は東京の方に入学予定らしいので、再来年行こうとなるが、続々と集まっている。

 

 あーあ、あとは陛下さえ、イサミさえ、戻ってくるならな。

 




今回も最後まで読んでくれてありがとうございました。


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第四章 2節 年明けと進路

 どうも小暮マミです。年末の特番のライブ出演から、だいぶ、時間が過ぎて、現在、わたし達は高校三年生になりました。

 

 さて、それはそうと、私達の進路なのですが、あの特番以降、なんともたくさんのテレビや雑誌の取材、なんなら、ライブツアーが組まれる直前まで話が進んだこともあった。

 

 流石に企画の規模が、海外であったこととやそのツアーのスポンサーが色々と枕とかを強要するなどの嫌な噂をされている奴だった為、松原さんが直々に遮断した。

 

  高校3年、皆が進路を決め始めた。

 私は経営学科に進む。私の夢はライブハウスを経営することが私の夢なのだ。

 

 当時は私だけの夢だったんだけどなんだか、活動しているうちに皆の夢になっていった。

 大学といっても通信制の大学に進学する予定だ。

 

 いくら、この世界のデーモン閣下といはいえ、前世の某W大学に入れるような学力はない。

 

  エミや、イサミはそのW大学に進学するらしいけどね。

 

 私達も、デビューして一年が経ち、私たちの人気は鰻登りになっている為か、ツアーなんかも経験したことだし、日本のオリコンチャートでは、新曲を出せば一位を連発など、ヘヴィメタのブームが来ているかも知れない。

 

 ガールズバンドのイベントに行くと、私達と似たような感じのバンドが何組か、見える。

 

  

  この数ヶ月、私たちも色々と変わっていく。

なんと、高校3年の中、センチュリーのメンバーの中にも、変化が生まれたりもする。

 

  かおりがアメリカに留学したいという話が出たのだ。

 

 自分の見聞を深める為にということで、松原さんも今回の件は了承した、いずれも我らの為になることだということで、レベルアップの為にもジェイル大橋は一旦をセンチュリーを去ることになったのだ。

 

  そのことから、年末のミサの告知の為に出た、バラエティーでジェイルの一時離脱を発表した。

 

 その次の日の朝刊はセンチュリーの記事で、いっぱいだった。

 メンバーの不和など、様々な憶測が行き交ったが

 松原さんやメンバーの皆との話し合いで決まったことなので変更はなく、更にはジェイルの後任は誰かなどの記事もあったが、そこは松原さんと皆とで、あの人物にコンタクトを取ることにした。

 

  

 

  それから時は過ぎて、年末のミサにて

 

  『センチュリーの信者諸君!、今宵も我らのミサに来てくれたこと感謝する。ここまで我らを応援してくれた諸君の中には知っている者もいるだろうが、今年一杯で、ジェイルは我がセンチュリーを一時離脱し、はるか海を隔てた向こう側に布教活動に出ててしまう。諸君らの中にはメンバー同士の仲違いなどとおもったものもいるだろうだが、今回の件はそういったことではないのだ。他にもジェイルが抜けた後は誰がギターをやるのかなど、気になるだろう、だからこそ今回はそのメンバーにも登場してもらおう!、センチュリーの新たなギター!、エース月島!』

 

 と私の掛け声と共に、激しくも綺麗なビートが会場中にこだまする。

 

  新メンバーとして、そうまりながセンチュリーに戻って来たのだ。

 




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第四章 3節 大学生活

  どうも、小暮マミです。高校を卒業して、現在は通信制の大学に入学、バンド活動、芸能活動を行いながらもまりなやセンチュリーの皆と一緒に将来的にライブハウスを経営する為の経営の勉強や証明や音響機材などを調べたりしている。

 

  そして直近の仕事として、私に閣下の格好でCM出演が決まった。

そのCMではあの白鷺千聖ととの共演が決まったのだ。

 

 なんと大学生になってテレビに出るようになってから、ようやくまりなや詩船以外のバンドリキャラと出会ったな。

 

  それになんだけど、イサミの奴、東京に出てきてて現在、教育学部で勉強してるらしい。

 

 なんだか、将来的に先生になりそう、何処までもあの本物とやってるとこは同じだよな。

 

  さて、そんなこんなで今日はCM撮影の日である。

 

  私は誰よりも早く、現場に入ってメイクを済ませた。控室で衣装を整えて待っていると

 

 「失礼します。おはようございます。」

 

 「ああ、おはようございます!」

 

 「きゃぁぁ!!!!」

と控室に入ってきた白鷺千聖ちゃんは私の顔を見て、悲鳴をあげるのだった。

 

  

  今回のCM撮影はなんのコマーシャルだったのかと言えば、我々、使い捨てのカメラのCMだったりする。

 

  某●るんですと同じようなモンだ。そこで私は姉で千聖ちゃんはその妹役という配役でCMを撮っている。

 

 ちなみにCMはこんな感じだ。

 

 『姉さん?』

 

  『どうした千聖?』

 

パシャッ!

 

  『なんだいきなり?』

 

  『この前買ったのよ。●●のインスタントカメラ』

と随分と古臭いCMだった。

 

  その後、私と千聖ちゃんは仕事が終わりどちらも今日は予定が入っていない為、ファミレスに入った。

 

 あ、もちろん私の化粧はとったよ。

 

  「それじゃ、改めてセンチュリーのリーダー、小暮マミです。普段はデーモン閣下として活動中、まあ、東京に来たばかりの頃に一回あったことはあるけど改めてよろしくね。」

 

 「えっと、白鷺千聖です。あの、さっきはいきなり叫んだりしてごめんなさい。こちらこそ改めてよろしくお願いします。」

 

 「んーん、いいのよ。私も普段からあんなカッコだし、初めて見るんだからしょうがないよ。」

 

  とたわいもない話をしながら、私と千聖ちゃんは交流を深めていった。

 

 互いがオフの日などは一緒に出かけるくらいはする様になったのだろうか、彼女の幼馴染である瀬田薫ちゃんともこの時に出会った。

 

 私の知るイケメンな薫くんではなく、まだ泣き虫のかおちゃんなようだ。

 

  それから、今年の夏、私達は規模の大きいロックフェスに出ることになった。

 

そう、私達の目標であったフューチャーワールドフェスだ。

 

 もちろん出場だけが目標ではない、もちろんやるからには私達が1番を取るつもりでいってやるぜ!




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第四章 4節 フューチャーワールドフェス

  どうも小暮マミです。現在、フューチャーワールドフェスに向けて私達は芸能活動を続けながら、練習に励んでいる。

 

 他のメンバーなど個人での仕事も増え始め、私はお昼のいい●もに呼ばれたり、その中で次の日のゲストに千聖ちゃんを読んだり

 

 また別の番組では黒いサングラスの似合うあのおじさんとのトークでゴジラのバイト自体に変に入賞してしまったゴジラの鳴き真似を披露したり、ものまねの特番に私のモノマネをする猛者が現れて、ご本人枠で登場するなどしている。

 

  それから、どうだい、我々もなんだかんだで、大学2年、フューチャーワールドフェスが終わればもうすぐ3年になる。

それに現在、我々センチュリーの共同貯金にあの花咲川のcircleの経っていた場所にcircleを2つぐらいは立てることの出来る資金が溜まっている。

 

 それにではあるが最近、ゆるりとではあるが我々センチュリーの売りであったハードロックやデスメタルなどといったジャンルも次第に普及し始めた。

 これはこれでいい気もする。最近インディーズで私達と毛色の似たデスギャラクシーというバンドがあったことを知った。涼子と一緒にそのメンバーのいたラーメン屋に行ったこともある中々に気のいい姉ちゃんであった。

 

 さて、ここまで話したところで、時系列はフューチャーワールドフェスの当日の私達の出番へと進む。

 

『やあ、諸君、フューチャーワールドフェスに来てくれた全ての我々、センチュリーの信者諸君!、今宵は思う存分に我らのミサを楽しんで行ってくれ!』

 

 『さあ、行くぞ!、蝋人形の館!、お前も蝋人形にしてやろうか!』

 

  と私達はフューチャーワールドフェスで私たちの全てを出しまくった。まさに全身全霊である。

 

 ここにきて、我らジ・エンド・オブ・センチュリーの高校時代より、かねてよりの最終到達地点にたどり着いた、普通、ただのバンドがここまでとんとん拍子で進むことはありえない一体いつまで続けられるのかもわからないし、いつ、パスパレの第3章イベントで見た懐かしのあの人なんてのになりかねないのはごめん被る。でも事実上、我々センチュリーは大学を卒業後は松原さんとの話し合いの結果、センチュリーとしての芸能活動は休止ということで話が進んでいるけど、それぞれ個人として活動するのは自由だけど、基本的には私とまりなを中心にライブハウスcircleをつくる予定だ。

 

 それから、活動休止にあたって松原さんから出された条件は私1人での芸能活動、歌手活動の継続であった。

 

  私1人だけの人気ではないセンチュリーだけど、そんな風な感じの条件を出されると、他は要らないみたいな感じに思われているようでいい気はしないわな。

 

  

 まあ、とりあえずここで私たちの夢の一区切りだ。次なる目標に向けて、私たちは歩みを進めていくだけだ。

 

 

  それから一年後、とある新聞の記事にこんな見出しの記事が掲載された。

  

 『ジ・エンド・オブ・センチュリー、活動を休止』と




次回、終章、悪魔達の終焉

  今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。

 次回の話しで若い頃の話は終わり、次の終章後、BanGDreamの原作に入っていきたいと思います。


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終章 悪魔達の終焉
終章 悪魔達の終焉


この前のアカウントで、この作品を投稿していた際にふと日刊のランキングを見るとこの作品名があり、とても驚きました。
初めてのランキング入りなのでとっても嬉しかったのを覚えています。


どうも小暮マミです。フューチャーワールドフェスからしばらくの大学生活の間で私達はワールドツアーや、紅白出場などと音楽をやる人間として、とても大きな舞台に何度も立つことができた。

 そんな私達も今年で大学を卒業する年齢に前回も話した通り、私達は大学生活いっぱいでセンチュリーとしての芸能活動を休止することになっている為、現在は松原さんやメンバーと話し合いながら今後の1人での芸能活動についての打ち合わせなどを行っていく。卒業後の進路は、すでに建設の始まったcircleの土地でライブハウスを経営するのがメインなのだが、涼子やゼノンなどは私のマネージャーと、ライブハウスの店員の二足の草鞋を履くことになる。

 

 

 あ、それとライブハウスの名前なんだけどcircleという名前ではなく、ライブハウスcenturyという名前に変わってしまった。まりなが我々と同じバンドにいるのだから、もしくは私がいることによって少しくらい変わってしまったのだろうか。まあそこら辺はしっかりとやってやりますよ。しっかりとこれから来るであろうガールズバンドブーム、更には先日、陽葉学園という名前を耳にしたのだが、間違いではなければ確か、前世での私が死ぬ前にリリースされた音ゲーだったはず、バンドリ声優が何人も出ていたので一応、アプリをダウンロードはしてプレイしていたけど、やっぱりバンドリが好きだったからプレイ頻度はバンドリ の方が多かった。

 

 そしてその年の年末のクリスマスに最後のミサ、そして31日には紅白も控えている。

 

  中学からバンドを始めて10年近く、私達、センチュリーとしての挑戦の幕がまずは一旦降りようとしている。感慨深く感じるよ。

 

  

  年末のある日

 

  「いやあー、私達、ここまでやり切ったんだね。」

 

 「ここまで色々あったしね。」

 とまりなと塔子がそんな話をしてる。

 

 

  「何言ってるし、まだ終わってねえし。これからだし」

 

 「そうね。まだまりなと一緒にライブハウス開くって言う小さい頃見た夢がまさか、私達センチュリー全員の夢になってたね。」

 

 

 「まあ、それでもマミは結局1人で芸能活動続けるんだけどね。でもしっかり稼いで、経営を安定させてね。オーナー?」

 とまりなは私にそんなことを言う、そうライブハウスをつくるにあたって、誰が責任者になるかと言う相談になったが、やはり中学の頃よりセンチュリーの財布を管理して、ライブを行うにあたっての交渉なども行なっていたこともあり、私以外の満場一致で決まった。

 

  またそれから時間が経ってラストミサ!

 

 

 『諸君!、センチュリー信者の諸君、今回のライブと年末の紅白で我々、センチュリーとしての一旦の幕引きとなるが、だからこそ、今宵は楽しんでいってほしい!、行くぞ!、白い奇蹟!』

 

  こうして、私とセンチュリーの長いようで短い栄光のロードに幕が降りたのであった。




今回も最後まで読んでくれてありがとうございました。

 次回、第二部一章、spaceと悪魔


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第二部 一章 
第二部 一章  1節 spaceと悪魔


 どうも小暮マミです。ラストライブのミサから3年ほど経過し、千聖ちゃんや薫ちゃんは高校2年生になった。この年齢になったと言うことはだ、等々バンドリの原作ストーリーが始まる、この時期はすでに4月だ。それに伴い、私の知り合いであるspaceのオーナーにして、我らセンチュリーが羽ばたくきっかけとなった詩船とも仲良くなっており

 先月、今年の夏でライブハウスを閉めること話してくれた為、ポピパのバンドストーリー0章が始まる頃だ。

 

 そういえば、私、音楽活動をしている中で知り合った人の中ですでにD4DJの登場人物と知り合っていたようで、代表的な例で言えば天野愛莉や姫神紗乃と言った面々と出会っていた。そもそもが今言った2人の共演を私は前世でアニメでのフェスのシーンがあったことくらいしかわからない。他にもメンバーがいて、それぞれ別のチームであったことも今世になってから知ったことだった。

 すでに出会ってその2チームのコラボライブを見たのがデビューした高2の頃だから、知り合って8年近くになるのか、と言うことはこの世界はバンドリとD4DJの世界が混じり合った世界なのだと思う。

  まあ、そんなことを考えてもしょうがないし、まずは現在、私はその詩船に呼び出されていた。

 

  「よく来たね。マミ」

 

 「ええ、それで詩船さん、今日はどんな御用で?」  

  

 「ああ、この前、夏にはこの店を畳むことは話した通りなんだけどね。うちのスタッフなんだが、もしその時に・・・」

 

 なんて話をしてくれた。ようは今後のライブハウスを閉めた後に次の働き口としてうちのcenturyでも何人か、席を用意してほしいと言うことだった。

 

 「まあ、貴女の下で働いていたスタッフにそんなやわな奴がいるとは思えないけど、もしうちにくるようなことがあったら何人かは面倒を見ましょう」

 

 「ああ、頼んだよ。」

 

とspaceでの会話はそれで終了し、私は一旦、centuryの事務所に帰ってきた。というよりはこのライブハウスcenturyは私達センチュリーの自宅もかねているのだ。原作とは違い、2階があってそこが居住スペースになっている。それから、ここではcircleと同じようにスタジオがあるが、これも一般の客も使えるが私や他のメンバーも使えるようになっており、偶に蒼や留学から帰ってきた香織などがギターを弾いている。

 

 もちろんライブステージも用意しているし、ガルパ☆ピコのように倒壊させる気など更々ない為、耐震対策や強度なども念入りに行い、機材などもなるべく新しいものを扱っている。

 

 そうそう、客の中にはglitter greenや Roseliaなんかがいたりする。

 

あと、余談なんだが松原さんがある仕事の話を持ってきた、学校の文化祭のゲストに来てほしいと言ったものだそうだ。 私なんかが言っていいのだろうか、だけどその出演依頼の差出人の名前には地獄の皇太子と書かれていた。それは即ち、ダミアン浜田、つまりは私の親友の1人である浜田イサミからの手紙であった。イサミとは大学卒業後、東京の何処かの学校で教師をやるという話を聞いてから、あまり連絡を取る時間もなかったもので、大分久しぶりな感じだ。

 

  イサミの顔もまた見たいということもあり、私はその出演依頼を受けることにした。

 ああ、今から行くのが楽しみだな。

 



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第二部 一章 2節 花女の悪魔

どうも小暮マミです。今回、私は高校生活の途中からの私の母校花咲川女学園の学園祭に呼ばれた。その際に私はすごく久々に友人にして我がセンチュリーの創設者である浜田イサミに再開した。なんというか教師になって3年目とは思えないくらいの貫禄を醸し出していた。

 

 「久しぶりだね。マミ・・・・」

 

 「うん、久しぶりイサミ、今日は呼んでくれてありがとう。」

 

「ええ、それになんの因果か、私のいない後のセンチュリーが過ごした学舎で学問を教えている、すごい巡り合わせだ。」

 

  「ああ、それで今日なんだけどこの前の打ち合わせで話した通り、学園祭の後夜祭の時に歌ってもらうことになるから、それまでは自由にしてていいよ。だけどただでさえ私達の真の姿は目立つからね。」

 

 「ふふふ・・・・」

 とお互い、大人になったって感じだけどイサミはなんだが変わっていなかった。それどころか、イサミの性格はあの時のオールサタン感謝祭で出て以降から再び、ちょくちょく弾き続けており、明らかに以前より遥かに成長を遂げていることを私は知っている。大学に入ってからは毎年行われていた12月のミサには必ずゲストとして出演しており、ダミアン浜田は1年に一度しか見ることの叶わぬセンチュリーのレアキャラとしてのポジションを獲得した。しかしそんな風になってもセンチュリー最強のギタリストととしての名は伊達ではなく、ギターの腕前ならばオールサタン感謝祭の時にはブランクがあったもののそれを感じさせない、腕前で香織やまりな、蒼などのギタリストの面々と互角であり、それ以来再び、弾き始めて、その腕は毎年上がり続け、それを聞いて新年を迎えるのがセンチュリーとしての芸能活動を続けていた頃の常だったくらいにこいつの腕は抜群にいいのだ。

 

  「まあ、そういうことならしばらくは母校の文化祭を楽しませてもらうわ。涼子、行こっか?」

 

 「うん、さて、いくし!」

   

  「あ、それとイサミ、これあんたに」と私はイサミにある紙袋を渡す。

 

 「これは?」

 

  「まあ、見ればわかるよ。それじゃ」

 

 

 マミが消えた後、私、浜田イサミはその中身を確認すると、これって

はぁ〜、しょうがないなあ、久しぶりに配下のお願いを聞いてやりますか!

 

  イサミに紙袋を渡してから、私と涼子はまずは、香澄達のクラスがやってる店にやってきてお茶を楽しみ、涼子の親戚である丸山彩ちゃんのクラスのって、彩ちゃんは今日は事務所の仕事でいないんだっけかな。そもそもパスパレは私の所属する松原さんの事務所所属ではない為、パスパレのあてふりを防げるかどうかはわからないというよりは他事務所の人間が何処でそれを知ったのかなどめんどくさい事を聞かれるのが嫌だから、やらないだけで私もなんだかんだ人でなしだな、これから起きることを知ってて、知り合いの子が悲しい思いをすることを防げないなんてさ

 

 「マミ、マミ」とそんなことを考えていたらぼーっとしていたらしく涼子に呼ばれていて気付かなかった。

 

  「あ、ごめんごめん、ちょっとぼーっとしてたわ。」

 

 「もう大丈夫?、ここんところ仕事詰めだし、とするしばらく休んでる?」

 

  「ううん、もうすぐ有志ステージ始まるみたいだしそれ見てから、真の姿に変身するとしようか。」

 

  「オッケー、それとあーしもやるからね。」

 

 「え、いいの?」

 

   「ここまで来て今更だし、ついでにエミとかまりなにも声かけといたから、もうすぐ、来ると思うんだよね。センチュリーから」

 

  なんと、ここに初代センチュリー全員が集まる事になろうとは思わなかったな。ていうか、それを早く教えて欲しかったな。と思いながらも私と涼子は体育館に向かう道すがらにエミと合理して、有志ステージを見学する事にした。

 

  はっきり言ってここら辺のガールズバンドの腕前は異常なくらいに上手い、有志ステージで発表するバンドはどれもプロとまでは行かなくとも、ライブハウスに入れば元を取れるくらいの腕前を持っている。

 そして出番はポッピンパーティーの番になった。ドラムが遅れてくると言ったハプニングがあったものの、無事に演奏が始まる。

 

 「ねえ、ねえ、マミあのボーカルの子のギターの弾き方って」

 

 「ん、ああ、あの弾き方の癖や、間違えた時の誤魔化し方まであいつとそっくりだ。」

 

 「たしかにイサミの弾き方にそっくりですね。」

 

 香澄ちゃんのギターの弾き方が何故か、イサミと似ていた。もしかして、あいつ香澄ちゃんにギターを教えてたりしたのかな?、そんなこんな言ってたら、曲が終わり、私達も準備の為に控室に向かうのだった。

 控室に着くと、なんとイサミが悪魔の姿となり、準備を終えて、待っていた。

 

 「随分と遅かったじゃないか、どうしたんだ。」

 

  「ごめん、ごめん、ちょっと有志ステージで気になる子達を見つけてね。ポッピンパーティーって言うんだけど」

 

 「ん、ああ、戸山さん達か。」

 

  「イサミ、あのギタボの子にギター教えた?弾き方癖何から何までそっくりだったし」

 

 「うん、あれ、ほんとに凄かったよね。」

 

 「まあ、ちょっとね。ていうか、あんたらは来るの遅すぎ、さっさと着替える!、私達の出番まで1時間もないんだから!」

 

 

 と時間を確認してみると、ほんとだやばい、さっさとしないと私達はしっかりとしかし急ぎ目に真の姿に変身する。

 

 そして後夜祭のステージの時間となった。

 

 

  『ははは!、花咲川女学園の諸君!、我々はジ・エンド・オブ・センチュリー!、今宵は我々も人間界の調査の一環として通っていたいわば母校に恩を返す形で今回の文化祭には参加させて貰った。出店や有志のステージでのバンド演奏どれも楽しませてもらったぞ!、そのお礼として我々からも一曲プレゼントするとしようか、El Dorado!』

 

 私、戸山香澄です。後夜祭のステージで演奏をしている人達はあんまりよくわからなかったんだけど、あのギターを弾いてる白髪の人、あの人

 

 「香澄、あの白髪のギターの人の演奏、浜田先生のギターの弾き方に似てない?」

 

 「ええ、おたえもやっぱりそう思う?」

 

 「うん、あの弾き方、すごく浜田先生っぽい」

 

「ていうか、あの人閣下だよね。」

 

 「ああ、デーモン小暮閣下、うちのogだったんだな。」

 

「めっちゃすごい!」

 

 「そういえば、紹介の時、テレビに出てた時じゃなくて、初めてバンドを組んだときのメンバーでの演奏って言ってたけど、あの白髪の人が浜田先生だとしたら、浜田先生がセンチュリーの初期メンだったって事になるけど」

 

  「うーん、まあ、いいんじゃないかな。どっちにしても、先生は先生だしね。それよりさ、有咲、沙綾!、私、センチュリーの曲弾いてみたい!」

 

  「うん、私達でもカバー出来そうなの今度探してみようか。」

 

「いいね!」

 

 と私達、ポッピンパーティーはそんな話をしながら後夜祭のステージを楽しむのでした。

 




 今回も最後まで読んでくれてありがとうございました。


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第二部 一章 3節 悪魔と彩り

どうも小暮マミです。前回、私を含めた初代センチュリーが花咲川の学園祭の締めを飾った訳だが、とある日、私の下にとあるガールズバンドのライブチケットが送られてきた。

 そのバンドの名前は、pastelpalette、芸能界での私の知古である白鷺千聖がベースとして加入したアイドルバンドだ。けれど、私は前世の知識で知っているそのライブにはあてふりをつかい、当日の機材トラブルによってそれが露呈してしまい、大炎上を巻き起こすことも、私は知っているここで私が助け船を出さなくてもパスパレはそれを乗り越えて徐々に、徐々に大衆から認められていくことも、だから私は今回、あえて何もしていない。パスパレのprojectに参加しているプロデューサーの中に、いい噂を聞かないことはないと言われている人物いることも無論、一部の例外を除いてパスパレのメンバーはこの業界でやってきた芸能人だ。無論そのことは分かっているのだろうけど問題はどうなるかだろうな。

 

  「それで、皆、今週の土日なんだけど、私とパスパレのライブ観に行かない?」

 

 「パスパレ?」

 

   「ってなに?」

 

 「千聖の入ってるアイドルバンド、今度デビューライブやるの。」  

 

  「へぇー、千聖ちゃんか。」

 

 「そういえば最近、全然遊びに来ないよね。バンドするならうちに来れば教えてあげられるのに」

 

  「まあ、彼女も必死に自分の仕事を全うしようとしてるんでしょ。

それより、当日行く人?」

 

 「あ、ごめん、その日一日中、ここのシフトだから」

 

   「ごめん、私もちょっとギター教室があるのよね。」

 

 「塔子と香織は不参加ね。エミ、まりなは、2人はどうする?」

 

   「うーん、ごめんね。私もその日、塔子とシフトの日だから」

 

 「私は大丈夫です。」

 

  「なら、しょうがないか、それじゃあ、行くのはゼノンと涼子、私とエミね。一枚余るわね。どうしようかしら」

 

 「ああ、それなら薫ちゃんに渡したらどう?」

 

   「かおちゃんに?」

  

  「いいんじゃない。一枚余らせるよりは」

 

   「まあ、いいか。よし、ちょっと掛けてみるか。」

 

 私は電話の連絡帳で瀬田薫の名前を探して電話をかける。

 

  『おや、もしもし、どうしたんだい?、こんな日に電話だなんて』

 

  「やあやあ、かおちゃん、久しぶり」

 

 『ま、まま、マミさん、その呼び方はぁぁ!やめてよ。』

 

  「まあ、冗談は置いておいて、薫、聞いて欲しいんだけど、千聖ちゃんのライブのチケットが余ってるんだけどよかったら一緒に来ないかなって」

 

  『おや、千聖の?、なんとも儚い、是非、甘えさせて貰います。』

 

  「そっか、それじゃ当日の待ち合わせ場所送っておくからね。」

 

 『はい、わかりました。』

 

 それから、時間が過ぎてライブ当日、私、涼子、エミ、ゼノンの4人はライブ会場の最寄駅で薫ちゃんと合流してライブ会場へとやってきた。

 

  いやぁぁ、楽しみではない。何故、バンドリの中でも屈指の重い過去を持つとすら言われているパスパレのファーストライブなんぞを観なくちゃならないのか。

 そんなこんな考えていたら、曲が始まってしまった。順調に始まってそろそろサビに差し掛かろうとしていた時、音がいきなり止まったのだ

だが、微かに小さな音源がなっている。

 

  「・・・・・・やっぱりか。」

と小声でひっそりとつぶやいた。

 

 これが、俗に言うパスパレの炎上事件(私談)

 

  私、白鷺千聖は、正直言って、それが起こった時、混乱してしまったわ。 私達、アイドルバンド、パステルパレットは事務所の意向により、あてふりを使ったライブをデビューライブを行った。あてふりという行為に難色を示したメンバーも多かったけど、事務所の意向なんだもの、こうやれと言われればそれをしなければいけない、それが一芸能人としては当たり前のことなのだけど

 

 私の知り合いにはその音楽に対して真摯に向き合い続けたミュージシャンを知っている、あの人たちの音楽ははっきり言えばピーキー、客層を選ぶ、音楽そしてつくりあげられた世界観が観客の皆を魅了して、離さない。だけどあの人たちの音楽性は新たな音楽のジャンル築いたと言われるほどに、活躍した人達、私は昔、とあるお仕事の際に知り合ってから、あの人達とは家族ぐるみで付き合いがあるあの人達のライブにも何度もいった、幼馴染の薫ともよくしてもらったわ。

 だからこそ、私もそんな音楽を愛してる人達を知っている身としてはあてふりをしろと言われる行為を決して全肯定してる訳じゃないのよ。

 

 だけど、実際にライブが始まって機材トラブルが起こり、あてふりがばれてしまったの、その場をなんとか、納めはしたけど、すごく不安だったわ。その時に感じたのはやっぱり恐怖だったわ。あの人達が精一杯に積み上げてできたものを見てきた私は音楽を汚してしまったそんな気がして、私はあの人たちに合わせる顔がなかった。

 

 そんなことがあった日から当然、パスパレの活動は当然休止、私の芸能活動も滞ってしまったわ。事務所の方もだんだんと仕事が来ることは無くなって来ていたわ。私がこんなにスケジュールに空きがあるのは、久しぶりな気がする。そんな時、私達、パステルパレットのメンバー5人はあの人達、マミさんに呼び出された。

 

  

 

  さてさて、視点は私、小暮マミに戻りまして、私達、センチュリーというよりは私とエミ、ゼノン、涼子だけだけどね。

 うちのギター三銃士は店で留守番だ。

 

 「それでマミさん、今日はどう言ったご用件で?」

 

 

 「うん、今日は来てもらってありがとう。」

 

「え、涼子お姉ちゃん?」

 

 「ゼノンさん!」

 

 「え、誰?」

 

  「あの千聖さん、この方達は?」

 

「ええ、この人達はジ・エンド・オブ・センチュリーのメンバー達よ。そしてこの人は小暮マミさん。センチュリーのリーダーでデーモン閣下という名前でテレビに出ているわ。」

 

  「ええぇぇぇ!、センチュリーのメンバーですか!」

 

 「そ、よろしく、そしてここにいるメンバーは基本的に芸能活動をしていた時のメンバーで右から丸山涼子、ゼノン若宮、イヴちゃんと彩ちゃんの親戚に当たる子よ。」

 

  「それで今日は?」

 

  「ええ、見てたわよ。あのライブ」

 

 「「「「「・・・・・・・」」」」」

 

  「見ていて、とても情けなかった。正直言って、あれ程バンド活動を侮辱されたのは初めてだとすら思った。それに千聖ちゃん、貴女もよ自分が一番、楽な方法をとっただけ、そんな風に思うよ。」

  

 

 「・・・・・・・・・」

 

   「それでなんだけど、パスパレをうちの事務所に引き抜けないかって途中よ。もしよかったらなんだけど、貴女達、私達と一緒にちょっと練習してみない。特に未経験者のイヴちゃん、千聖ちゃんには頑張ってもらう必要があるわね。」

 

  「それで、どうするんですか?」

 

  「そもそも今回のあてふりの件に関しては前々から噂が流れてたのよ。アイドルバンドが結成して僅か2週間でお披露目のライブイベントが行われるなんておかしいからね。そもそもが前提としておかしかったのよ。」

 とここまで散々、こき下ろして見たものの、やはりなんというか、この子達を救ってあげたいと思った。結局パスパレのお披露目ライブのあてふりを止めることもせずに見捨ててしまったという罪悪感からくるものではない。助けてあげたいと思う。

 

  「それに千聖ちゃん、わたし思ったんだけど、もし私と会うこともなく、パスパレに会って今回のことになってしまったら、貴女は真っ直ぐに脱退を申し出ることはしていたんじゃないかとも思った。」

 

 「・・・・、マミさん、たしかにマミさんと会うまでの私だったら、マミさんのいうような行動をとっていたと思います。でも今の私は芸能界に入ってからのセンチュリーのマミさん達の活動を1番身近で見てきた私はあの時、混乱もしてしまったけれど、それより悔しかった、ただただ」

 

  「千聖ちゃん・・・・・、うん、ごめんね。私誤解してたみたいだわ。」

 

 

 「いえ、良いんです。むしろハッキリ言ってもらえてよかったです。それでなんですけど、先程のご指導の話、お願いしてもいいでしょうか?」

 

   「OK、さ、それなら早速やってみよう。うちのライブハウスに行こうか。」

 と私達とパスパレの皆はライブハウスセンチュリーへと向かうのだった。

 

 




今回も最後まで読んでくれてありがとうございました。

 もしよろしければ、感想やアンケートへの回答など作者のモチベーションアップの為によろしくお願いします。


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第二部 一章 4節 下された審判

どうも小暮マミです。前回、パスパレの面々に楽器の指導を行うことになった今のところは所属事務所は原作のままであり、バンドストーリーにも千聖の考えの違いはあれど、パスパレバンドストーリー第1章と流れは同じく進んでいる。

 

 そして私は千聖にパスパレの復活イベントととして小さなライブイベントの情報を渡し、それに出場が決まったのだがやはり、やらかしてくれおった。散々、パスパレのイベントストーリーに関してはこいつのせいだけでイベントの大体が重いものになってしまうと言われていファンの間での通称無能スタッフが彩にのみ、口パク、つまりはあてふりを指示したらしい。そもそも何故、そんなに急ぐ必要があるのか。うちの松原さんの方針はまず、半年はライブハウスなどの場でなれる為にライブをしていき、次第に先輩ユニットのバックバンドなどを増やしていくといった形でやっていくわけだ。ちなみに私達が先輩アイドルユニットのライブのバックバンドになる条件、つまりは卒業テストの内容はspaceの審査合格だったりした。その時は何十回も落ちてようやくあのハロウィンライブのバックバンドをやったのだ。語られてないだけでそんなことがあったのだ。これをめんどくさがって執筆しなかった作者は後で蝋人形な。

 

 まあ、そんなこんなでこの口パクの話は松原さんに伝わり、松原さんの絶対的な手腕により、千聖ちゃん達のいる芸能事務所はパステルパレットを手放し、さらには事務所は様々なスキャンダルが暴露されてしまいあっという間に倒産してしまった。結果、松原芸能事務所は、さらに規模を拡大した。ここでさらに将来のvivid canvasの面々なども入っている為、特にバンドストーリーなどに問題はない。

 

 さて、これからのことだが、正式に事務所の後輩になったパスパレに松原さんからの特訓メニューが言い渡されることになった。

 現在は7月も過ぎた頃から10月までの3ヶ月、ライブハウスで二十以上のライブを行うこと、そして、ハロウィンにセンチュリーをゲストに迎えてパスパレ主催のライブを行う。

 パスパレのライブイベントによる復活は延期になるがその際にセンチュリーの人気に呑まれずにしっかりと演奏をオーディエンスの心に届けろいうものだった。

 

 なんともまあ、とりあえずはバンドどとしての結束を高めることが目的なのはわかるがちょっと無理がありすぎないか?、いや大丈夫かな。

 

 まあ、なんとかなるっしよ。あの子達の可能性を信じよう。




今回も最後まで読んでくれてありがとうございました。


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第二部 一章 5節 spaceの終焉

どうも小暮マミです。 パスパレがうちの事務所に移籍した前回から2週間ほど経ちました。

 

  パスパレの面々も現在、各ライブハウスのミニライブイベントなどに出て頑張っています。現在すでに2週間の中で放課後や土日なんかは1日、2ステージ、演奏すると言った毎日を過ごしている。

 

 そういいながらもここ数日は松原さんに相談しながら、スケジュールに空きをつくり、センチュリーの皆で練習をする時間を設けている、もうすぐspaceでのラストライブが近い、高校時代や私達の躍進のきっかけとなったオーナーに恩返しの意味でも、今回のラストライブはセンチュリーとして演奏したかったのだ。その話を皆に相談すると満場一致で

出たいという話が決まった。その件をオーナーに話した所、

 

 『ここでライブしたけりゃ、オーディションを受けな。』と言われたどうやら昔のオーディションはもう無効らしい。

 

 

  それから現在に至るまでのオーディションにはすでに合格して、メンバーなのだが、今回は怪人松原様や陛下、そして私達のライブハウスのセンチュリーメンバーも総出で出演することになった。これは久々にオールサタン感謝祭を思い出して、懐かしい気分になった。正直なところ、現実には我々センチュリーというバンドは近年まで活躍はしていたが、すでに過去の人というイメージが多い。そんな我々がでしゃばっていいのかとも思ったが、やはり我々はもっと楽しみたいのだと思う、純粋に音楽を楽しみ、もっとも多感な時期にであったミラスカの詩船に対する恩返しというには違うが、1番、音楽を楽しいと思わせる瞬間を始めてくれたのはあの人だ。あの人の下で音楽を楽しめるのは、もうここが最後かもしれない。そんな思いから、私たちは精一杯、そして自分達も楽しむ為にやり切る。その思いを持ち、練習を続けて来たのだり

 そして今日、ラストライブ最終日、私達の出番は最後だ。

 

各ガールズバンドの面々の演奏が終わり、私達の番となる。

 

  『やあやあ、諸君、我々のことを覚えているかな?』とそんな言葉から私のMCは始まる。

 

 そして、我々を知る面々はこの登場に驚き、そして歓声が上がる。

 

 『我々はジ・エンド・オブ・センチュリー、今回はその全メンバーでこのステージに立っている。この我々センチュリーのメンバーを紹介していこう!、オンドラマー!、ミスライデン丸山!、続いてオンギターズ、ミスダミアン浜田陛下!、オンベース!、ゼノン若宮!、オンベース!、ゾット星島!、オンギター!、エース月島!、オンギター!、ジェイル大橋、オンギター!、ルーク篁!、サポートキーボード!、ミス怪人松原様!、おっと、メンバー紹介を終えた。この後に及んで未だにノリの悪い奴がいるな。そんな奴をどうしたらいい!』

 

 『殺せ!』

 昔を覚えてくれている人たちはこのMCに応えてくれた。

 

『どうしたらいい!』

 

 『殺せ!』

 そして、昔を覚えてくれた人達に当てられて、他の客もそれに乗り出す。

  『今まで、散々人を殺して来た。今更何人殺そうと同じだ。』

と私は観客席の客を指差し、

 

 『お前を殺す!、お前も殺す!、お前も殺す!』

と何人かにそれを繰り返し、

 

 『Iam jack the ripper!』とその名乗りとともに曲が始まる。

 

 そして、全ての曲が終わり

 

 『諸君、ここまでありがとう!、ここで我々センチュリーに羽ばたくきっかけをくれた最高のライブハウスのオーナーを紹介しよう!、ミス詩船!』

 とその言葉とともにステージの後ろで見ていたオーナーにスポットライトが当たる。

 

  『オーナー詩船!、今日まで、大変ありがとうございました。我々センチュリーがメジャーをやり切ることが出来たのも若りしころに貴女にみそめられたお陰だ!、諸君!、ここまでライブハウスspaceをガールズバンドを応援したいという一心で経営をし続け、そして今日、その役目をやりきった。オーナー詩船に、盛大な拍手を!』

   

 こうして、急遽ではあったが我々センチュリーでのライブハウスspaceでのライブは大成功に終わった。そして今回のライブは長年に渡ってガールズバンドを支えて来たspaceの閉店と共に次の日のニュースの一面を飾るのだった。

  




今回も最後まで読んでくれてありがとうございました。
 感想などをいただけるとモチベーションが上がると思うのでよろしければお願いします。

 次回、外伝、パスパレのバンド研究、センチュリーを知る。


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外伝 彩の章 パスパレのバンド研究

パスパレはファーストライブの一件からメンバー全員が事務所を移籍

現在、移籍先の事務所の意向でライブハウスのライブイベントなどに多く参加し、半年で20近くのライブをすることを目標として設定し、日夜それに励んでいる真っ最中だ。近々、事務所のサポートがありながらだが、パスパレ5人が主体となって計画、開催する主催ライブを検討しているところだ。

 

  そして、今日もミニライブを終えて、パスパレのメンバーが事務所のミーティングスペースで今回の反省会を開いていた。

 

 

 「いやあー、今回の彩ちゃんのMCもバッチリ決まってたね。」

 

 「もぅー!、日菜ちゃん、そのことは言わないで!」

 

  「そういえばさ、千聖ちゃん」 

 

 「何かしら?、日菜ちゃん?」

 

  「千聖ちゃんと知り合いのあのマミさんだっけ?、あの人ってどういう人なの?」

  

 「え、日菜ちゃん、マミさんを知らないの?、けっこう有名な人だと思うんだけど」

 

  「自分もマミさんがどういう人なのかはちょっと、あのセンチュリーに関係している人物くらいっすかね。」

 

 「ああ、そういうことね、マミさんはプライベートの状態だったし、わからないのも無理はなかったわ。えーっとこれよ。」

 

 と千聖はスマホを操作してある画像をみんなに見せる。

 

 

  「これが、あの人の芸能界での顔よ。」

 

 「エェー!、この人、デーモン閣下じゃないですか!」 

 

  「ええ、この人はデーモン小暮閣下の本名は小暮マミという名前なの」

 

  「そっか、閣下か」

 

 「ええ、でもそれより私はイヴちゃんはともかく、涼子さんが彩ちゃんの親戚だったなんて思わなかったわ。」

 

  「えへへ、うん、私も涼子お姉ちゃんがセンチュリーをしてたなんて思わなかったよ。親戚と言ってもお姉ちゃんの実家、県外だし」

 

  「それにしてもすごいです。パスパレのメンバーの半分以上が、センチュリーと縁のある人だったなんて自分感激っす!、こんなことなら涼子さんから、ドラムについてお話を聞いておくべきでした。」

 

 「私はゼノンさんがバンドをやっているということは知っていましたが、こんなに有名な方だとは知りませんでした。」

 

  「あの、それでなんだけどね。今日はセンチュリーの記録映像を特別に、浜田先生から借りてきたから皆で見てみましょう。」

 

 「ええっと、千聖ちゃん、なんでそこで浜田先生が出てくるの?」

 

  「あら、彩ちゃん、知らなかったかしら浜田先生は元センチュリーのギタリストなのよ。」

 

  「ええええ!」

 

 「この前の文化祭でマミさんと一緒にステージ出てたらしいわ。」

   

  「そうなんだ。確かその時、私達仕事でみれてなかったよ。」

 

 「まあ、そこも含めて見ていきましょう。」

 

   と千聖達は事務所のモニターを使ってセンチュリーの過去の映像を見始めるのだった。

 

   




今回も最後まで読んでくれてありがとうございました。


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外伝 星の章 魔王と星

 戸山香澄がポピパを結成する少し前、詳しくいうとおたえと家庭科室でギターを弾いていた時のこと、かつての友にして現代を震撼させたジ・エンド・オブ・センチュリーの創設者、ダミアン浜田殿下こと、浜田イサミは家庭科の先生に頼まれて、自分の担当するクラスに在籍する2人の様子を見に来ていた。

 

 

 (はあー・・・・・・、なんで私が、一応学年主任よ。全く)とイサミは家庭科室に向かう廊下を歩いていると

 

 「これってエレキギターの音色かな、それもキラキラ星?、随分と片方はつたないな。」

 

 とセンチュリーの活動休止以前には、年末のライブにゲストととして呼ばれており、そこそこな知名度を誇る悪魔としての顔、ダミアン浜田としてのギタリストの腕前はおそらく今聞こえている2人の演奏より遥かに上の腕前を持っている彼女は楽しそうな演奏に聞き入ってしまった。

 

  それからしばらく聞き入っており、時計を見ると

 

  「いけない。もうこんな時間」とイサミは家庭科室の扉を開ける。

 

  「貴女達!・・・・」

 

 結局、そのあと家庭科の課題そっちのけでギターを弾いていた2人を指導してさっさと課題を終わらせた。

 

 それにしてもギターケースのカバーか、懐かしいな。

私も中学の時につくったけな。結局生地足んなくて、当時はその生地を買うお金も音楽に使ってたから、マミとかエミに分けて貰ったりして作って完成させたんだよね。

 

  その後、今回のことがきっかけで私は、結構頻繁に戸山さんにギターを教えることが多くなったし、なんなら市ヶ谷さんのお家にお邪魔する頻度も増えていた。

 

  そんな中で、私は戸山さんの才能に驚いていた。まるでギターを弾く為に生まれてきたような、それは言い過ぎにしても私や花園さんが一度弾いて見せたところは、拙いもののある程度の完成度で弾けるし、次に来た時にはそこの部分はほとんど完璧になっているのはすごい、ああいうのを主人公って言うのかな。

  

 ついて行きたくなるのもわかる気がする。私の感覚で言えば、マミがそれにあたるのかな。小さい頃から趣味でギターやってて、中学に上がり中二病を発症してた時、同じく表には出していなかったけど、かなりの中二病だったと思われるマミのポエムノート、まさかあのポエムの内容がそのまま、センチュリーの代表曲となって世間に認知されていると思うとそれはそれで何か面白いものを感じる。

 

 懐かしいな。結果、私は中三でセンチュリーを抜けちゃったし、抜けたくなかった気持ちの方が大きかった。

 インディーズ、つまりは素人時代のライブにはオール悪魔感謝祭を機に何度か呼んでもらうことが出来た。だからあの子達がメジャーデビューの話が来たこと聞いたとき、私は悔しかった。あそこでやめなかったら、一緒にメジャーデビュー出来ていたかもしれない。

 

 そんな気持ちがなかった訳でない。でもそれでも私が東京の大学に進学してからの4年間は私も年末の黒ミサに呼ばれて、センチュリーのレアキャラとしての地位を確立して、それ以降は私がいなくなった後のセンチュリーの皆が通った花咲川で教師をすることになり、それから現在に至る訳ですね。

 

 そして文化祭の日のゲストとして誰を呼ぶかとなった時、偶々、知り合いであった松原さんの娘さんを通してセンチュリーをいや、マミを呼べないかと思った正直にいえば文化祭のゲストステージでマミと演奏したかったのもあったがまさか、初代センチュリーが全員そろうなんて思わなかったな。

 

 そういえば、この前チュチュって子が私のバンドに入らない?、なんて言ってきたけど一体何だったんだろうか。




 今回も最後まで読んでくれてありがとうございました。


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