刀使ノ巫女…元軍人は何を見るのか… (岡村優)
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プロローグ
とある家のとある部屋にて…
ここには二人の男が相対するように座っており、部屋には三式軍刀…天羽々斬…軍服…99式長小銃…14年南部式拳銃…30年式銃剣が神棚に鎮座していた。
「はあ…無鉄砲なところが似るとは…血は争えんな…そこが愛せるのが可奈美なのだが…」
この、身長165センチの中学生にしか見えない人物は、元大日本帝国陸軍大将岡村寧治である。なぜこんな外見かは後々分かるであろう。
「ひいお祖父様…」
ひいお祖父様と呼んだのは衛藤可奈美の父、衛藤大貴だ。
「仕方ないだろ。この際は…な…」
二人共、表情は硬い…何せ…
「まさか…折神紫に切りかかった少女と逃亡するとはな…まあ良い…大貴、他の者に話すなよ?」
秘密裏に処理しようとしている話をこの元軍人が知っているのかと言うと、単にこの軍人が現に近衛隊を率いているからだ。
「分かりました…」
「大東亜戦争からもう…80年…か…長いものだ…」
そう言いながら神棚から現役時代の軍服と武器を取り出した。
「我らは折神…いや…特別祭祀機動隊と、やり合う必要があるかもしれん…心せよ。」
「ハ!」
「下がってよろしい…」
「分かりました」
そう言って大貴は退室した。
「久し振りに…内戦か…二・二六事件以来か…ハハッ!楽しくなってきた」
完全に後ろで指示を飛ばすだけに留まっていたので体が鈍っているかどうか調べる為に軍刀を抜き、写しを発動…軽く部屋の中を迅移を発動してみる…
「まあ…この程度か…しかし…鈍ったものだな…もう少し早くできたはずだが…」
そう言いながら99式に着剣、突きや、銃床で殴ると言った一連の動作をやる。ちなみにだが戦闘能力で見れば現役の刀使よりも戦闘能力は高いが本人は納得していない。
「う〜む…いよいよだな…やはり鍛錬を怠るべきでは無いな…」
そう言いながら武器やらなんやらを背嚢に詰め、ライフルと軍刀、天羽々斬を袋に入れる…
「寧治…何事かえ?」
唐突に神棚のお守りの中から女性…いや…人形の荒魂が出てきた。
「母上…なぜ出できたのです?」
そう…この荒魂…玉藻御前は寧治の母である。
「良いではないか…」
「良くありませんのでお守りの中に入ってて下さい連れて行きますから…」
「そう言うなら…そうしようかの…」
と言ってお守りの中に入った為、首から下げる。そして軍服を着て家を出て…赤いスーパーカーに乗りこむ。
「フェラーリラ・フェラーリアベルタに乗るのも久しぶりだな…」
そう言いながらエンジンを始動、道路を走り去っていった…
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