東京二十区のTS亜人 (悪役)
しおりを挟む
金木研の終わりと始まり
一話金木のキャラが分からん
改稿しました。亜人は人の姿をしたが、亜人は女の姿をしたになっていました。亜人は男もいます
上井大学で最もコスパが良い学食は何か?上井大学で最もうまい学食は何か?上井の学生がそう聞かれたなら全員がこう答えるだろう。うどんであると、ノーマルなぶっかけうどんであると。そう思うくらいここのうどんはうまいし安い。うまさに関しては他の安価学食がまずいため相対的にうどんが美味く思えるだけの話かもしれないが。別にうどん以外が全てまずいわけではない、定食系は少々値は張るがなかなかにうまい。しかしコスパとうまさを両立できるのはやはりうどんだけであろう。上井大学一年の僕、金木研はそう思いながら学生食堂の隅っこでうどんを啜っていた。
「お、金木じゃん、隣いい?」
そう僕に問いかけたのは小学生からの友人である
「あ、うん、大丈夫。ただそこかなり日が当たってて眩しいと思うから座るなら向かいの席の方がいいよ」
「そう言われてみればたしかに。それじゃあこっちに座るわ」
そう言ってアキラは僕の向かいの席に座った。テーブルに置かれたトレイを見ると僕と同じ種類のうどんが置かれていた。そういえばアキラは昨日も一昨日もうどん食べてたよなとか思っていたら突然晶が何か思い出したようにこちらを向いた。
「あ、そうだそうだ。これ貸してくれてありがとさん。読み終わったから返しとくよ、傷はつけないように気をつけてたから多分大丈夫」
そう言ってアキラがバックから取り出したのは一冊の本だった、タイトルは『塩とアヘン』高槻泉先生の著書だ。この前晶高槻作品を読んでみたいと言ってたので貸したものだ。僕はアキラから本を受け取るとバックに入れつつ感想を聞いた。
「面白かった?」
「結構面白かったよ。まあタイトルから薄々気づいてたけど明るい話ではないわコレ、悲劇のオンパレードっていうか。でも僕的にはかなりの良作だと思う、文章も読みやすかったし」
「高槻先生の作品は基本的に悲劇が多いからアキラに合うか不安だったけど面白かったなら良かったよ。塩とアヘンは高槻作品の中では比較的マイルドだからってのもあると思うけど」
そうなのだ、塩とアヘンは高槻作品の中ではかなりやさしめの作品なのだ。しかも文体もかなり読みやすく、まだ高槻作品を読んだことない人にはこれを薦めるべきとネットでは言われている。
「えーあれでマイルド?じゃあこの前お前が呼んでた黑山羊の卵とかどうなっちまうんだよ。しかも知ってるか?Yahooで黒山羊の卵って調べると予測変換の二番目にバットエンドって出てくるんだぜ。まあ一番目は面白いだったからさぞかし面白いんだろーけどさ」
手をひらひらとさせながらアキラは言った。確かに黒山羊の卵はバットエンドだ。しかし面白い、面白いのだ。過激な残虐表現は多いけど心理描写が繊細でとても面白いのだ。作家業界の大物も絶賛してたし。
「うん、黒山羊の卵は本当に面白いよ。塩とアヘンが面白かったなら今度読んでみたら?いつでも貸すよ」
「センキュー、この前まとめ買いしたラノベを読み終えたら借りるわ」
半開きになってるバックの中を指差しながらアキラは言った。テーブルの上に置かれたバックの中には美麗なイラストが表紙を飾るライトノベルが二冊と学者が出してそうな到底アキラの興味を惹きそうにない本が一冊入っていた。アキラがライトノベルを好きなのは僕とヒデの間では周知の事実だ、高校生の頃に色々とおすすめされたのを覚えている。ちなみにヒデというのは僕と同じ上井大学の一年で親友だ。だが性格は僕とは違い文化祭などのイベントにも積極的、友達も多く活発で明るい性格だ。水を飲みながらそんなことを考えてるとそういえば晶ってライトノベルのとあるジャンルが好きだったよなぁということを思い出す。
「ライトノベルといえば・・・なんだっけアキラの好きなジャンル、確か・・・セカイ系?」
その言葉を聞いたアキラはうどんを啜る手を止め、ハンカチで汁のついた手を拭くとバックの中のライトノベルを手に取るとセカイ系について語り始めた。
「そのとーりセカイ系は最高なのさ、最高のボーイミーツガール、小難しい社会情勢もリアリティもいらない。異世界で、学園で、深い森の中で、田舎町で、戦場で、崩壊した世界で、“ぼく”と“きみ”は出会う。主人公とヒロインは出会うんだ。そこで繰り広げられるセカイを巻き込んだ物語は最高だ。というわけでハイこれ。昨日セカイ系…というかラノベが読んでみたいっていってただろ?」
そういってアキラは手に持ってた本を僕に手渡した。受け取りながら僕は昨日のことを思い出していた。たまたま見たテレビのニュース番組の特集、確か内容は若者に浸透するサブカルチャー文化。その中でも特にライトノベルを題材とした特集で、そこでセカイ系というジャンルが取り上げられていた。そこで『そういえばセカイ系のラノベだったらアキラが色々持ってたよな』と思い読んでみたくなったので晶に貸してくれと頼んだんだ
「ありがとうアキラ・・・ちょうど今日の朝黒山羊の卵を読み終えたところだったんだ」
「感謝しろよ〜、ラノベ初心者にも読みやすくそれでいて面白いのを持ってきたんだ。世界観としては人がいきなり花になる怪奇現象が蔓延した世界、そこで主人公は世界の秘密を握る少女と出会いとある決断を迫られる・・・といった感じだ。僕的には主人公の・・・おっとこれ以上はネタバレになるな」
ケラケラと笑いながらアキラは言った。受け取った本のあらすじを読むと確かにそんなことが書いてあった。漫画みたいなあらすじだなと思いつつ僕はさっきから気になってたことを聞いた。
「話変わるけど・・・そのバックに入ってる自己啓発書みたいなやつ何?アキラってそうゆうの読むっけ?」
するとアキラはバックからある本を取り出して僕に見せた。題名は
「ひと昔前に話題になったやつ、まだ半分しか読んでないけどくっだらない妄想だよ。しかも社会的地位がある教授が書いてるんだからタチが悪い」
アキラの言葉には熱がこもっていた。亜人・・・最初の亜人が発見されてから40年が経った今でもその正体は解明されてない。そもそも亜人とは何か?それは
「亜人・・・そういえばくだらない話なんだけどアキラって結局のところどう思う?」
「どうって・・・何が?」
「数年前に話題になったあの陰謀論についてだよ、テレビでは色々と特集が組まれてたけど・・・結局あったのかな?」
数年前に話題になった陰謀論、政府が亜人に対して非人道的な人体実験が行われてるという噂だ。ネット上ではそれを裏付ける証拠として2年前の亜人脱走事件が挙げられる。日本の研究所で暮らす亜人が逃亡したという事件だ。非人道的な実験が行われていないなら亜人が逃げる必要はないと。
「まあどうだっていいけどあえていうのなら僕は非人道的な実験は
「でも亜人って寿命には逆らえないんじゃなかったっけ、永遠の命ならまだわかるけど・・・そんなに欲しいものかな、亜人の力。人が死ぬ機会なんて人生でそうそうあるもんじゃないし・・・?』
「そうじゃないんだよね〜金木。この現代社会に突如現れた不死性を持つ生物、老人共ならもしかしたら寿命も解決できるかもしれない、人間もその恩恵を受けられるかもしれないと思って一縷の望みに縋るのは全然ありうる話だ。しかもとあるアメリカの研究所によると亜人の構造は人間と変わらないという実験結果が出ている。そうなれば別に不死性の研究以外にも色々あるんだぜ、超危険な薬の実験だったりな。ま、全ては都市伝説、ホントでも嘘でも僕らにはは関係ねーよ。でも、それでもだ。ネットで亜人はヒトじゃないから非人道的な実験とか別にいいじゃんとか言ってる連中を見ると腹たつけどよ」
訳知り顔でアキラは語る。アキラは亜人についてかなり詳しい。大学に入ってからすぐに亜人研究サークルというものに入ったらしいし元々亜人にかなりの興味があるのかもしれない。そのサークルは三日で抜けたらしいけど。その時の晶はめちゃくちゃ不機嫌だった、『なーにが亜人研究サークルだ、あのクソ偏見野郎共が』とか言ってたし。
「あ、そういえば明日だろ?本屋デート、しかも相手はメガネ美人」
本屋デート。そう、この僕金木研は先日あんていくという喫茶店で知り合った神代利世という女性と明日おすすめの本を教えあうことになったのだ。きっかけは高槻先生の本、黒山羊の卵。
「そう、夢の本屋デート・・・!そのメガネの女性は神代利世さんって言うんだけど・・・正直今でも信じられないよ、こんなことがあっていいのかって」
「ホンットそれ、だって考えてみろよ。最初の頃なんて神代さんを見るためにあんていくに通いつめてさ、よく通報されなかったよな。ま、でもなんやかんやで同じ本好きという趣味を持つ美人と知り合えたことは多分金木の人生最大の幸運だろーな」
別に付き合ってる訳じゃないからデートじゃないけどな、とも言ってアキラは笑った。確かに今考えてみれば僕の行動ってなかなかに気持ち悪かったと思っている。ヒデにも妄想男と言われたし。それに付き合ってる訳じゃないからデートじゃない。確かにそうかもしれない。でも確か正確には付き合ってなくてもデートと呼ぶこともあるらしい・・・多分。
「人生最大の幸運は言い過ぎだと思うけど・・・・・・確かにそうかも」
若干卑屈になりながら僕は答える。話してる間にお互いにうどんを食べ終わったのでトレイを片付けないつつ食堂を出る。
「じゃあ僕は次東洋史の講義だから・・・・・・・・・」
「おう、じゃあな。明日の本屋デート楽しんでこいよー。金木がデート・・・厳密にはデートじゃないけど僕以外の女と外出するなんてそうそうないことだからなー。あ、僕もうバイトの時間だからじゃあなー」
アキラは時計盤を見るとそう言いながら歩いていった。確かに僕はアキラ以外の女の子と外出したことなどない。そしてアキラは女の子というにはあまりにも価値観があまりにも吹っ飛んでて・・・いや女性の常識的な価値観とかわからないけど、だけどただ一つ言えるのは世の中の女性の一般的な常識はアキラには全く当てはまらないだろうということだ。そんなことを考えんがら東洋史の講義に向かう僕の耳にはアキラの独り言は聞こえなかった。
「神代利世・・・・・・・・・利世・・・・・・リゼ・・・・・・どっかで聞いたことあるんだけどな・・・気のせいか」
この時アキラが思い出していればまた未来は別だったかもしれない。ああ、きっとそうだ。
あ、あと本当にどうでもいいことなんだけどアキラから変な匂いがしたんだ。花火の火薬みたいな匂い。
大学の講義を終えて家に帰りベットにねっころがった。途中コンビニで売ってたあんパンを食べながらテレビを見る。しかし頭の中を駆け巡るのは明日のデートのことだけだ。明日どんな服を着ていこうかとか、どんな本の話をしようかとか。あんパンを食べ終えるとアキラからメールが届いていた。内容はデートのアドバイスだった。要予約すると『僕もデートとかしたことないからあんま言えないけどとりあえず清潔な格好をして、相手の胸を見たりしないように』といった旨のことが書かれてあった。足かに清潔さは大事だろう・・・でも実際清潔さってなんだろう?髪を整えるとかかな?
『白神通りで起きた同様の事件にについて・・・喰種専門家の小倉先生にお越しいただきました』
ふと顔をあげるとテレビでは喰種についての特集が組まれていた。喰種・・・ヒトを喰う化け物の名前だ。ヒトに化けて生活してるっていうけど僕は今まで一度も見たことない。ホントにいるんだろうか・・・いるんだろうな。だんだん眠くなってきたのでシャワーを浴びて眠ることにした。
・・・太宰治は斜陽でこう書いていた『私は確信したい、人間は恋と革命のために生まれてきたのだ』と。僕もそうであると思いたい。そんなことを考えながら明日への期待を込めて眠りについた。
「ーリゼさんAB型なんですか?僕もなんですよ」
本屋デートは成功に終わった。最初にデパートの中の本屋でおすすめの本を教え合ったあと昼ごはんを食べて本屋に行ってそしてもう夜。デート終了、辺りは暗くなってきた。街頭が照らす道を神代さんと一緒に歩く。途中まで帰り道が一緒だからだ。
「本当ですか?奇遇ですねっ。読書の傾向もそうだし年齢も同じだし・・・私たちって結構共通点多いですね」
ふふっっと笑いながらリゼさんはいった。その様子に思わずドキドキしてしまう。そして、これが一番重要なのだが、・・・何だかいい感じかもしれない・・・。そんな淡い感情を抱きつつ十分ほど歩くと自分の帰り道とは違う方向に進んでしまいそうになったのでそのことを伝えて帰ろうとする。
「金木さん、今日はありがとうございましたっ」
「いいえこちらこそ楽しかったです!じゃあ僕はこっちなのでこれで・・・」
本当に今日は楽しかった、順調とは言い難かったけど、ずっとドキドキして緊張してたけど、それでも楽しかった。そして帰ろうとする僕にリゼさんは不安そうに声をかけた。
「・・・・・・あの・・・・・・この前高田ビルのちょっと先に住んでいるんですけど・・・最近事件がありましたよね・・・」
「あー確か喰種の」
そういえば高田ビル通りでこの前喰種事件が起こったなと思い出す。不安そうな様子のリゼさんはさらに言葉を紡いだ。
「私・・・ずっとそのことが気にかかっているんです・・・考えすぎて夜も眠れないくらい・・・帰宅中も一人じゃ怖くて・・・」
その言葉を聞いた僕は速攻で『家まで一送って行きます』といった。この時の僕は男として好きな女性が怖がっているのだから守ってあげなくちゃとか考えていたんだ。それが地獄への片道切符とも知らずに。本当に馬鹿。
リゼさんの家まで一緒に歩きながら僕らはとりとめのない話をしていた。リゼさんにとってはただのおしゃべりかもしれないけど僕のとっては一分一秒が幸せな時間だった。暗い夜道を歩き高架下にさしかかった時リゼさんの足が止まった。
「でも・・・不思議ですよね・・・本の趣味がきっかけでこうして金木さんと私が一緒に歩いてるなんて・・・ホント不思議」
街灯の灯りに照らされたリゼさんはとても綺麗だった。そしてリゼさんはゆっくりと僕に近づくと僕に密着した。心臓の鼓動が速くなる。ドクン、ドクンと血液が過剰に送り出される。なんでどうして、その言葉が脳内を駆け巡る。
「金木さん・・・ホントは私気づいてたんです。あんていくで私のこと見ていてくれたこと・・・金木さん、私も・・・」
リゼさんがゆっくりと言葉を紡ぐ。リゼさんの口元に視線が行ってしまう。これは・・・もしかして・・・両思いなのではないかという考えが脳内に溢れ出す。しかしその考えは一瞬で否定されることになる。
「あなたを見てたの」
「は?あ、あ、うわあああああ‼︎」
瞬間、肩に激痛が走る。慌てて見ると・・・なんでどうして、リゼさんが僕の肩を噛んでいた。なんだ?なんだ?なんなんだ⁉︎なんだあの目は、赫く染まったリゼさんの両目は!痛みでみっともなく地面に倒れる。大声を出してしまう。いや、違う恐怖だ。未知のものに対する恐怖だ、常識外のものに対する恐怖だ。
「はぁぁあおいし。あらっ大丈夫ですか・・・ウフフフフ」
さっきまでは綺麗だったその微笑みが今はもうわけのわからないものにしか見えない。というか何だ、この状況は何だ、意味がわからないよ、なんで、なんで。
「ねぇ金木さん、私・・・黒山羊の卵でとっても好きなシーンがあるんです」
カツカツと僕の方に彼女は近づいてくる。束ねていた髪をロングにしてメガネを外し、口元の血を舐めながら、嗤いながら彼女はこう言うんだ。
「殺人鬼が逃げ惑う男の臓物をぜーんぶ引き出しちゃうところ・・・私、あの部分ッッ回読んでもゾクゾクしちゃうの」
ガタガタと体が震える。眼前に迫った命の危機に、訳の分からない状況を前に。未だ現状を飲み込めていない僕はただ震えることしか出来なかった。おそらく今の僕はとんでも無くみっともない表情を浮かべているだろう。怖い。
「ウフフフ・・・その表情素敵ですよ。そうですよねまさか“そう”だなんて思いもしなかったでしょう?
「うああああああああ‼︎‼︎‼︎」
彼女は背中からわけのわからない物体を出現させながらそう言った。対する僕はというと恐怖で逃げることしか頭になかった。震える足でなんとか逃げた、逃げて逃げて逃げてハァハァと息を切らしながら僕は今の状況をなんとか飲み込もうとしていた。喰種、そう彼女は喰種と言ったのだ。他の何でも無く喰種と、そう言ったのだ。なにあれというと言葉が脳内を支配し、正常な思考を阻害する。意味がわからない、僕はただリゼさんとデートをして家まで送ろうとしただけなのに。なんで、なんで。
しかし決死の逃走はものの数十秒で終わってしまった。彼女が背中から出した触手のようなもので足を掴まれたのだ。そのまま僕は前向きに地面に倒れ込んだ。その衝撃で肩掛けバックの中からものが飛び出た。
「捕まえた。金木さん・・・喰種の爪は初めてでしょう?お腹の中優しくかき混ぜてあげますよ・・・ウフフ・・・」
相変わらず笑みを浮かべながら彼女はそう言った。笑みといっても捕食者の笑みだ。惨めに悲鳴を上げながら僕は地面に散らばっていた文房具の中からボールペンを手に取って触手に思いっきり突き刺した。刺さったかどうかもわからない、ただただ逃げた。立ち上がって逃げた。怯んだ一瞬での好きに逃げた。怯んだかどうかもわからないが逃げた、ただ逃げた。
全力で逃げた。そして逃げる中で自分の愚かさを悔いていた。僕は馬鹿なんだ、・・・今思えば最初のあんていく脳内時も休日遊びに誘ってくれたのも、全部彼女の計算だったんだと。でも今そんなことを考えている暇はない。ただ全力で逃げなければいけない。もう頭の中にはそれしかなかった。瞬間、激痛が走る、脇腹、なんだ?貫かれたのか・・・?意識が曖昧になりそして壁に叩きつけられたかのような衝撃が走る。もう何が何だかわからない、視界もぼやけてきた。痛みだけがあった。もう何も考えられなかった。
「あら死んじゃった?ウフフ・・・私カネキさんみたいな体型の人大好きよ。程よく油も乗ってるし、筋肉質じゃないから柔らかくて食べやすそう・・・今週食べた二人とどっちが美味しいかしら・・・・・・あら?」
そして大きな音が響いた。最後に見たのは落ちてきた鉄骨におし潰された彼女と・・・・・・・・・・・・・・・
やっぱり文章って難しいと思いました。
感想と評価下さい(切実)モチベがない
というかオリ主視点と金木視点、どっちがいいんだろうな
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
とある武器商人
オリ主はよく調子乗りますし子供っぽいですね。後口が軽いです、言わなくていいこととかいっちゃいます。そんで後先を考えていません。
夜の街にザアザアと雨が降る、予報では曇りだったはずだが。どうやら天気予報は外れたらしい、いきなり降ってきた雨を防ぐために近くのコンビニでビニール傘を買う。表通りから裏道にそれ薄暗い道を進み、階段を降りる。ビニール傘を畳んでまとめると僕、滝澤晶は地下一階に位置するさびれたバーへと足を踏み入れた。店内は薄暗く、客はいない。いるのはカウンターに立つ男性1人だけだ、ちょうどいいと思いつつその男性に声をかける。
「よぉマスター、用意できてる?」
このバーのマスターは見た目四十代のオッサン、腕には入れ墨が彫ってある。いや、入れ墨というよりはタトゥーか。極道ものというよりはアメリカンギャングのような感じがする。入れ墨とタトゥーの違いなんてまったくといっていいほどわからないが。
「当たり前だ、金は前払いで受け取ってんだ。用意できませんでしたじゃ信用に関わる。取ってくるから少し待ってろ」
マスターはそう言うと店の奥に入っていった、武器売買なんていう仕事だ、そりゃ信用は大事だと思いながらカウンターの椅子に腰掛ける。五分ほど経った時、マスターが注文の品を持って戻ってきた。
「外は雨か」
雨に濡れた僕とビニール傘を見ながらマスターはそうつぶやいた、ここは地下で窓がないから外の天気がわからないのだろうか。
「ああ、天気予報では曇りだったんだけどさ。あいにくの急な土砂降り、嫌になるよホント」
「そいつは災難だったな。まぁそれはともかくコイツが注文の品だ。拳銃が二丁、S&W M29とワルサーPPS。弾薬はどちらもQバレット式、44マグナム弾と9mmパラベラム弾。中国産だが品質は保証しておく」
S&W M29は44マグナム弾を使用する大型の拳銃だ、反動が大きいリボルバー式。使用する弾薬は44マグナム弾だ。ワルサーPPS、こいつは持ち運びしやすいコンパクトサイズの拳銃で反動も少ない、普段携帯するならこちらの方がいいだろう。どちらも弾薬はQバレット式、つまりは溶かした赫子を練り込んだものだ。値段は通常のものよりかなり高い。手にとって感触を確かめる、構えてみたりもする。・・・中国製か。民間に喰種殺してQバレット作るやつがいるのか?・・・いそうだな、中国だしな。そうじゃなきゃ中国喰種対策局が横流ししてることになっちまう。案外それもありうるか?・・・まぁどっちでもいいか。僕はQバレットが手に入るなら別にいい。
「最高だ。あ、そういえばマスター。ジップロック的なのはある?この雨じゃ弾薬が濡れちゃうし」
「ジップロックか・・・多分あったと思うぞ、持ってくるから弾薬の数でも数えとけ」
「はいはーい」
店の奥へ行くマスターを横目に弾薬を数える。9mmパラベラム弾と44マグナム弾、注文通りの個数だ。しっかしQバレットなんてよく取り扱ってたな、マスターは。案外極道の組長とかが護身用に注文したりするものだろうか。僕はそこまで裏社会に詳しいわけじゃないからな、そこら辺は分かりゃしない。
「あったぞ、ジップロック。弾薬詰めとけ」
戻ってきたマスターが僕にジップロックを渡した。カートリッジと弾薬、あと拳銃をジップロックに詰める。
「・・・客の素性を詮索するつもりはない、だから別に答えなくてもいいんだが・・・Qバレットなんてもんどうするつもりだ?殺したい喰種でもいるのか?」
「そんなんいないよ。ワルサーPPSの方は護身用さ、僕も大学生になったことだし護身用具の一つや二つ持っとかないとね」
こんなご時世いつ喰種に襲われるかわからないんだ。護身用具は必要だ、それがたとえ違法なものであっても。なぜこのような思考に至ったかというと実はつい先日喰種に襲われたんだ。その時はなんとか切り抜けたがあれで僕はかなりの危機感を感じたってわけだ。だがその時は気をつければいいかくらいのものだった。僕が護身の術を欲したのにはもう一つの理由がある。
「はっ、護身用に拳銃持ち歩く大学生か!イカれてやがる。・・・待てよ、ワルサーPPSが護身用ならリボルバーの方は何に使うんだ?S&WM29なんてデカくて持ち歩けねぇだろ」
「リボルバーは持ち歩き用じゃない、もしもの時用だ。ちょうど高威力の中距離武器が欲しかったんだよ、クインケは持ってるんだけど形状が剣だからさ。近距離中距離両方必要だったってわけ」
昔、といっても数ヶ月前に捜査官の死骸を発見したことがある、その時にクインケを手に入れた。死骸漁って武器を手に入れるか・・・
「クインケにQバレット・・・やっぱお前殺したい喰種いるだろ。百歩譲ってワルサーは護身用だとしてもクインケとリボルバーは100%自分から喰種ぶっ殺しに行ってるだろ」
「そんなことないさ。もしものためだよ。・・・・・・古い古い友人がこの前喰種に攫われたんだ。そん時はクインケなしで救出に向かったけど結構ギリギリの戦いでさ、多分クインケありでも相当キツかった、中距離からの羽赫の攻撃がクソうざかったんだ。だから中距離武器が有ればいいと思ったんだよね。もしもの時のために」
古い古い友人、前世からの友人。
「はーイカれてやがるよお前。まぁ銃持ってる大学生がイカれてないわけねぇな」
「おいおい僕は平凡ではなくともまともな人間だぜ」
「イカれてるかイカれてないかはどうでもいい。それよりなんでCCGに助けを求めなかったんだとか色々とツッコミどころがあるんだが・・・そもそもなんでクインケなしで喰種と戦えんだよ。もういっそのこと喰種捜査官になれよお前、きっと天職だぜ」
呆れながら冗談混じりにマスターは言う。たしかに喰種捜査官は僕にはとって天職だろう。問題点は死にやすく、死んだら亜人だと露見してしまうことだ。そいつはいただけない。
「かもね。だけどもう色々と法を犯しちゃってるからさ、今更公務員にはなれないよ。というかマスタークインケ知ってんだ。喰種のことにも詳しい感じ?」
「昔、元喰種捜査官の客がいた。そん時に色々聞いただけさ。っと、酒も頼まないならそろそろ帰れ」
元喰種捜査官の客か、そんな奴が裏の武器商人から武器買うのか。元公務員が武器を買うのか。世も末だななんてことを思いつつ片付けを始める。ジップロックを持ってきたバックに詰める作業だ。ちなみに僕は成人するまで酒は飲む気がない、銃刀法違反の百倍ばれやすいんだ、飲酒ってのは。
「未成年だし酒は飲まないことにしてる、つーわけでそろそろ帰るとするよ。せいぜい喰種と警察に気をつけてけな。こんな未成年の大学生に武器売ってくれんのなんてここらじゃあんたくらいだからな。海外ルート持ってんのも。死なれても捕まっても困る」
「そいつはどうも、今後も贔屓にしてくれよ」
「弾薬が切れたらまた来るさ。それか成人したらだな、そんときゃカクテルでも飲みにくるよ」
ジップロックをバックに入れ終えた後ドアを開けて店を出る、階段を登り地上に出る。そしてビニール傘を開こうとしてあることに気づく。
「・・・雨、止んだな」
ジップロックに包んだのが無駄になったと思いつつ時計を見るともう夜の11時を過ぎていた。そういえば今日は金木がデートする日だと思い出す、11時ならもう終わってるかと思い初デートの感想を聞こうと携帯を取り出す、金木に電話をかけるがでない、もう一度かけてもでない。11時なんて普通の大学生なら起きている時間だが。何かあったのだろうか、思い切って告白して振られて失恋ショックで寝込んでいるのだろうか。そんなことを考えながら電車に乗り二十区に帰る。
そのまま家に帰りビニール傘を玄関に置いてベットに寝転がる。バックからリボルバーを取り出してカチャカチャと弄りつつテレビを見る。ニュースでは今日も喰種事件の特集だ。喰種専門家の小倉とかいう奴が胡散臭い言葉を並び立てている。三十分ほどダラダラしたところでテレビを消し眠りにつく。金木の入院を知ったのは翌日のことだ。
オリ主がどうやって銃買う金を手に入れたとかはまた今度。後、銃については詳しくないです。なので色々間違ってるかもしれません
評価・・・評価が欲しい
目次 感想へのリンク しおりを挟む