ランスシリーズ未完集 (オオソカ)
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無能の定め
無能の定め


これは、どちらかと言うと過去と異界の異物のリメイク作品でした。
作成中止は、自身の境遇と主人公を重ね過ぎようとして地獄の様な世界観になりそうなので、未完となりました。



ルドサラウム大陸

その原初一番最初の時代

メインプレイヤーである人間、ドラゴン、まるいものすらいない時代

あらゆる法則すら未だに出来ておらず。神々ですら全ての神々が製造されていない今を生きる最古の魔人ケイブリスすら知らぬ太古の時代

 

魔王の実験品トロスが存在した。

その実力を現在の存在と比較するならば、四級神以上の三級神以下であった。

しかし、その魔王の真価たるはまだ何もかかれていない真っ白な身体その物であった。成長の限界を持たず。才能の限界も持たず。自身の機能すら作り出すことが出来た。

しかし、原始生命体の悲劇かその時最強の力を持つトロスが自身の成長の為に行動をしたとは、記録が無く。唯、原始的な動物としてより弱い生命を食し、邪魔な道を壊し、ある時は唯惰眠を貪っていた。

 

その惰眠が魔王を支配者の座から引きずり降ろした。

魔王の配下の七体の魔人、これらは大陸の泥や神々を作る際の不要物から作られた存在であり、魔王に忠誠心もなく服従の意思もなく魔王と異なる道を好き勝手に動き回っていた。

後世の魔人達は、魔王が在野のメインプレイヤーや魔物等から選出する方式であり、作成された魔人の傾向から魔王としての人格を伺いしる事が出来る。

以下に各魔王達と魔人を軽く書いておこう…

 

原初で最強の魔王ククルククルの魔人にて最強の魔人ケイブリス

最強故に魔人すらその魔王の戦力になりえなかった。しかし、闘っていたドラゴンが例えケイブリスが現在の強さのまま当時に戻ったとしても無敵結界が無いのならば直ぐに消し炭になると言えば、敵のその強さが分るであろう。そして、最強の魔王も最強のドラゴンの軍団にかなわず。長居在位の期間を次の魔王に譲る事となった。

 

 

賢き竜の魔王アベルによって作られた。妻であり竜の王冠のカミーラ、策略にて配下においた最速の魔人メガラスこれにより魔王アベルは、自身の種族の象徴を下におきつつ以前より熱望していた唯一のメスのカミーラを自身の物として、有望な同族を配下におきそれでいて、他種族であっても見所さえあるならば自身の配下に加える事も躊躇しないマギボーアとは、違う王としての素質をもっていたと想われる。

 

最初の人間の魔王スラル

彼女の魔人は、カラーの魔人ケッセルリンク、虫使いの魔人ガルディアこの両者が魔人となれたのは、スラルにとっての自身の思い描く魔王軍に後の人間社会と同じく階級を作る為であったのでは無いかと考える。

しかし、それであっても上記二名が魔人となれたのは、実力も申し分無く性格がスラルにとって心地良いものであった事も大きいであろう。彼女は、無敵結界を入手し1000年の寿命の中で、自身の理想の魔軍を編成する腹づもりであったが、最初の無敵結界の為か、不都合により半分の500年によりその生を閉じた。その居城は奈落にあるとも言われる。

 

魔王ナイチサ彼こそ、人間が魔王と呼ぶべき魔王そのものとも言える。この大陸では、かえって異質な魔王であった。

自身の趣向を表にださず。魔王としての役割である殺戮と破壊を大陸にもたらし、人間を塵同然に扱った。そして、絵本の様に最後は勇者との決戦による傷が仇となり、寿命を大きくすり減らして次代のジルに魔王を明け渡した。

 魔王が魔王らしいならば、魔人も自身の事しか考えないような魔人が多くを占めていた。しかし、その中であっても英雄藤原石丸を誅殺した。魔人ザビエルは、例外であった。彼だけは、その全てを魔王に捧げる程の忠誠と献身を周囲に見せつけ、そしてそれを周囲に押しつけた。しかし、その献身も報われる事無く現在は、島国JAPANにて封印を幾度と無く繰り返され、「起き上がり小法師」と比喩される存在に成り下がっている。

 

 

 人類史上もっとも残虐な魔王ジル

彼女については、語るよりも遙かに多くの書物が現存しているであろう。

聡明な賢者であった彼女は、その聡明さから自身よりも下の人間を下とみる傾向があった。そしてその時代に女性が男を押しのけて、さらに言うのならば立場ある男の求愛を袖にしてその男のメンツを潰し、自身の研究成果を自身の名前で発表する等すれば、彼女の末路も予想出来るものであった。

それだけ、自信をもっていた自身の才能も悲劇を引く引き金にしかならず。人類全体を考えていた頭脳も嫉妬と憎しみを買うだけであった。

 そしてジルは、受けた屈辱を人類全体に何倍にもして返した。

人類国家の消失、人間牧場など彼女の行いを聞けば、どの魔王もその陰湿な残虐性で敵う事は無い。しかし、唯残酷なだけで無く人間牧場による魔王唯一の天敵の勇者の完封、魔王の寿命問題を解決するための神への謁見も行っていた。

 魔人も、自身の道具程度の認識、戯れ程度で作成した様な物であり唯一の例外は愛人にして次代魔王のガイだけであった。しかし、その愛を向けていたガイに封印され彼女によって作られた。地獄は終わりを迎えた。

 

 

 

先代魔王ガイ…彼を一言で言い表すならば魔王としても人としても中途半端な存在…悲劇の魔王原因は、二重人格の性であろう。

しかし不遇の生を強いた二つの人格も皮肉な事に魔王としての破壊衝動を薄める要因となり、本質は人間寄りである希有な魔王であった。

それもその筈彼こそが先代魔王ジルを討伐するために全てをなげうって魔剣カオスと共に立ち上がった人間であったのだから…しかし完全に破壊衝動を納める事は、出来ず。聖魔大戦の引き金を引き人工的に次世代魔王を作ろうと陵辱の限りを尽くす等、完全に人間にとって+であったかは、謎であろう。

そしてその罪の意識から魔王を止めてから逃げ出す事が出来ずに、自殺同然に討ち取られたのも彼の悪い意味での潔さであろう。

 彼が、生きていた場合ホーネット派をより強固に纏めると事で出来、尚且つ魔人ではなくとも人間としての枠に留まらない実力は、魔人すらも上回るっていた。しかし、その全てを人類に捧げたといっても良い男にこれ以上を望むのは、哀れであろう。

 作成した魔人は、己の娘ホーネット、シルキィ、ワーグ、サテラ等女性が多く手を出さなかったとは言え本人の好色な面が現れているとも言える。

 

そして次は…

いや、まだ言うべきでは無かろう

 

話しをトロスに戻す。そうしてトロスの治世は終わりを告げて大陸も不安定な部分を改善し現在の大陸となった。トロス達原生生物の影も形も無くなりトロスを下した魔人もいつの間にか姿を同士討ちにて命を散らしていった。

しかし、暗く深い地下の底でトロスは仮死状態となりより強く、より強大な存在となるべく少しずつ、年として数千年の時間をかけ身体を改造していった。

しかし、受けた損傷も大きく大陸に変化がある度にその対応に追われ目が覚めたのはガイの治世の末期であった。そうしてある赤子を見つけ身体を擬態する為に捕食した。しかし…

 

 

 

 

 

 

 

 

ここにある男が居た。

その男は、普通の人間よりも劣った能力を持ちながら障害なども持たず誰からも馬鹿にされ陰口をたたかれ、異性との交流も友と言える存在も居ない。どこにでもいる底辺な人間であった。

唯、その場をやり過ごし世を憎みながら、決して勝てぬと言い訳をする負け犬であった。身も醜く、心も醜い醜男であり人間として確実に欠陥品であった。ここまで醜く言葉では、期待など無いと言いつつ美しい異性からの(二次元美少女)からの愛を諦めきれず。性欲だけは、人一倍強かった…

 そして、これまで受けた傷が遂に男の許容限界を超え、遂に人生での一大決心を行う。

家の柱に頑丈なロープをくくりつけて、唯苦しまずに死ねる様にと頭で念じながらイスを蹴飛ばし、途中で苦しみから散々暴れながら糞尿をまき散らしこの世界を去った。

後ろ向きな決意による自殺その死は、両親から「死ぬときまで、迷惑をかけて」と言われ誰からも惜しまれる事が無い死であった。

 

その魂は、特別な事も起こりえず。唯淡々とその世界の法則により処理される筈であった。

 しかし、どの様な存在が作ろうとバクと言う物は、現存するようで空間にあいた穴に男の魂が墜ちて異なる世界の赤子についた。だが、男に現世に対する未練は、無くその底辺の人間性のみを悪影響としてその赤子に植え付けて人格は、塵程の大きさを残して消滅した。

 

 

 

 

 

 そして、この世界に異物が誕生した。

元の赤子としての女好きの英雄としての側面、魔王としての残虐性、底辺の執念と欲深さを併せ持った。異物として、この男はこの大陸に生を受けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこら中が汚れた部屋

 その部屋にある男が居た。

 

「隣の○○くんはちゃんと結婚して家まで建てているんだよ?少しはそういう努力をしようと想わない?」

「この気持ち悪いお姉ちゃんのフィギュアなんてもう恥ずかしくて仕方が無いよこれ以上絶対に増やさないで!いい年して恥ずかしくないの」

 

「何?ここが分らない?もう一度最初からよく読んでみろ!お前は、こんな簡単な事も手を抜くから簡単な事も出来ないんだ」

 

「ほんと彼奴気持ち悪いよなwww」

 

「馬鹿のくせにカンニングして○○先生にばれたんだって!」

 

「すげー俺なら恥ずかして登校なんて出来ない!」

 

クス、クス、クス

笑う顔達、嗤うフィギュア達

クス、クス、クス

 

神様なんで?俺なんて生まれたの?なんで馬鹿のくせに性欲なんてあるの?なんでお父さんとお母さんからこんな子供が出来るの?

 

教えて!なんでフィギュアが嗤っているの?

 

 

 

 

 

 

 

「夢か…」

よく見る夢だ…碌でもない

目を覚ますと俺は、何も無い天井を見上げた。

「追っ手は居ないな?」

 

男は、昨日まで世話になっていた村から逃げ出していた。理由は、罪人に仕立て上げられたからである。

日々同じ仕事を何も言わず行っていた男であったが、村の中でよそ者の拾い子供であると言う現実は、周囲から親無しとして認識されていた。その為か大人は、飯代以上の働きを見せなければ男を容赦なく罰した。

しかし男には、幸か災いか人外すら畏怖する程の身体能力を有しておりどの様な体罰も肉体的に傷を負う事は無く、むしろ殴った男が腕を痛め、叩き付けた棒が折れる始末であった。

 

男に攻撃が無駄だと周囲が理解を始めた頃、次に聞こえる声での陰口、嘲笑が男に降りかかった。唯、一つだけ救いがあるとするならば男は、生まれて人のぬくもりなどに一度も世話になった事が無く、それはよそ者の自分に対して当たり前の反応であると感じていた。

 

日々、村の誰よりも早く起きて朝飯も食べずに、仕事を行い。昼は、大人達の怒声を背で浴びながらも、必死に身体を動かし無茶同然の指示をこなせずに罵声と嘲笑の声を受けながら村の誰よりも、少なく残飯同然な昼飯を食べ、遊ぶ事も許されず。夜の全ての大人が寝静まった後にようやく、寝る事が許された。

 村で祭りがある時のみ、仕事を休む事を許されたが決して祭りへの参加を許されず。村で結婚式があれば、不吉だから村の外にいろとモンスターが溢れる森へ追い出された。死人が出れば、一週間は食事が出ない事も珍しくは無かった。男が住む家が強風で壊れた日、村の皆は、助けることも同情の言葉も無く唯、男を嘲笑った。

 

 生まれ変わった男は、前世と同じ様に周囲から疎まれ誰からも愛される事も必要とされる事も無く日々を唯、生きていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あんた少し顔を貸しなさい!」

 

ある日、日常の転換の日は、急に訪れた。

村の長の娘の一人が、男を玩具として使用するためにいつも通りに見下した表情で接触してきたのだ。

また、いつも通りの殴る蹴るのストレス解消のサンドバックとして使用されると男を待っていたのは、「服を脱ぎなさい」の一言であった。

 良くある話しである。年頃となった子供が大人ぶりたいために大人のまねごとを使用とする…この女は、男がこの小さな村で一番下の立場である事を理解して本に書いてある事を試してみようという腹づもりであった。

 

「………」

 

男は、珍しく嫌悪感を見せながら頭を横にふり拒否の意思を示した。普段の従順さを見せている男が見せる明らかな拒否反応であった。その時に胸に沸いた気持ちの悪いという感情が男を支配していた。

その後、女が男に与えた鉄槌は暴力によって行われた。彼女が怒声と共に棒で男を殴りつけ棒が折れると同時に男を蹴りつけた。そして男の堅さに足を痛めると同時に周囲に男に乱暴をされたと吹聴し始めたのであった。

 

その後の男の立場は底辺から罪人となった。怒声と共に大人達が男の犬小屋の同然の住居を破壊して困惑する男を一斉に攻撃し始めた。

町長の娘に横恋慕している男達からは、どこから持ち出してきたのか農具では無く武器を持ち出して男を本気で殺す意思をもち攻撃しだした。しかし、男の皮膚は大人達の攻撃も低級の魔法も渾身の武器の一撃も一切痛みを与える事は無かった。だが、決してやまぬ怒声と共に血相を変えてきた町長から市の警備隊に引き渡すと親の敵を見る様な目で愛しき我が娘を汚した男を睨み付けた。

 

その光景をその女は、嗤いながら見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

その時、男の中で何かがはじけた。

次の瞬間に目の前の大人の何人かの首が地面の下に落ちていた。

血を滴らせた男の腕を見て大人達は、悲鳴をあげて今までの狂乱が嘘であったかの様に我先にと蜘蛛の子を散らす様に逃げ出した。

その瞬間男は…

 

「こんな弱い奴等を恐れていたのか?」

 

その言葉を吐くと同時に賭けだし目にもとまらぬ早さで大人達を殺戮し始めた。

世界の常識も知らずある意味無垢な男がとった行動は、騒ぎになる前にこいつらを皆殺しにするそれであった。不思議と殺人への忌避感は、感じなかった。むしろ本来の自分自身は、今の状態なのだ!と頭に訴えてきており「外敵を全て殺し尽くせ、報復を!」と頭で謎の声が叫び続けていた。

その後ろで、小声で「もっと慎重に動け」という声も聞こえた気がするがあまりにも小さく頼り無い声が、今の男に聞こえる事は無かった。

 

「「「ウォオオオオオオオ!!」」」

 

 この事態を納めようと力自慢の男達が、大声を上げ恐怖をごまかすかの様に突撃してきた。常識ならば大人が数人いれば、10を超えるか程度の子供が幾ら優れていようと問題なく鎮圧できる筈であった。

 

 

 

 

唯の子供ならば…

 

いきよい良く振りかぶられた農具の一撃は、男に当たる事すら無かった。

そのまま男達は、自分が死んだことすら気づく事すら無く全員が一瞬のうちに胸に大きな穴を開けて一人一人が、寒さを感じ「さ、寒い」と言いながら地面に倒れていった。

 

 

「これ位がいいかな?」

死んだ男達から、農具を取り上げて一本一本を振り回しながら使い心地を確かめる。

 

ヒュッ!

 

「これ良いね…」

農作物を刈り取る大きなカマを男が気に入り、ブン!ブン!と言う音を出しながら振り回す。ただそれだけで、衝撃波が残った村人達を襲った。

 

「いいい!!」

「もう止めて、謝るから!」

「俺達が悪かった!!許してくれ」

 

 嗤いながら見ていた者たちも今は、我が命惜しさに男に命乞いをし始める程でありもはや村いや…力のピラミッドは完全にひっくり返っており如何すれば生きて命を繋げるかそれだけが、残った者達の関心であった。

 その者らに帰ってきた返答は、残劇であった。これが怨恨によるものだけならば村人も彼に危害を加えて者だけを差し出せば延命は、可能であったであろうが残念ながらこれは、もっと原始的な闘い…そう生存競争であった。

 

「ひいふうみい、ええと残り10位かな?」

 

 唯身を縮めて隠れる者、必死に神に祈りを捧げる者、夢だと良いづける者、奇跡を信じて特攻をかける者、その全員の末路は物言わぬ屍であった。

 そして、大人という防壁が無くなった今、必死に逃げ隠れしている子供達が次の標的となったのは、当然とも言えた。

 

「………」

 

 悪意も良心も知らぬ男は、最初に我先に逃げ出した子供達から始末を始めた。

大人達が稼いだ時間は、精々五分にも満たない時間であり子供の足で、この怪物から逃げ切る事は、村の子供の誰一人とて不可能と言い切ってもよいものであった。

 未だ必死に逃げ出している子供達が、いずれ走り続ければ他の集落の人間の助けを呼べると…そう信じ限界を超えて走り続ける中靴を履かずに逃げ出して裸足で出血すらしている子供も居た。だが、現実は非常であった。遙か後方で凶行を行っていると想っていたが男は、既に子供達の目の前におり先頭のガキ大将が気付いた時には最早引き返せなかった。

 

「えっ?」

「さよなら」

 

 最後の言葉であった。

次の瞬間大人達よりも手早くまるで流れ作業の如くの処理感で子供達への虐殺が始まった。

 

「ひっぃぃ!やめてくれ!」

 

「た、たすけて」

 

「うわーんお父さん!お母さん!」

 

 悲鳴を上げながら子供達は、死に続けた。

一人が頭を手斧でかち割られ、飛ぶ斬撃により一人が離れた胴と足を必死にくっつけようしており、胸に穴が空いた少女が残り少ない命で少しでも遠くに逃げようと足掻き、最後に大量の血を吐いて地面に顔をおとすと二度と動かなかった。

 だが、誰一人として生き残り、助けを呼ぶ事は無かった。

 

 

 

 

 

 最後に男がやってきたのは、村の村長宅であった。

その手前で、村の長やその妻親族達が者を言わぬ屍として筆舌しがたい表情を浮かべていた。

 親族以外が開けることの無い扉は、開かれ男の前に支配者層の家を晒しだした。内装は、世間一般の金持ちと呼ばれる人間達からすれば、質素であったがこの村の内部であってはもっとも豪華であると断言出来た。

 数は少ない物の一点物の置物に皿は新品同様の白さを保ち、埃はメイドでも雇っていたのか、まるで見えず。もはや二度と口に運ばれる事無い食物達は、男が年に一度の祭りで遠目に何度か見たことしか無いような物であった。

 その目の前の光景は、自身と彼らの質の違いを何よりも見せつけられる様で、これまでのどの様な攻撃よりも男を惨めと言う感情を引き出した。同時に、この様な生活を送りたいという欲望を男に植え付けた。

 

(欲しい…安全な住居が、欲しい…美味しいご飯が、欲しい綺麗な装飾品が)

 

(ここに有るように…いやもっと、もっとたくさん欲しい!)

 

 歪んだ思想を止める相手も無く、唯脳内から満足そうな感情と「絶対に欲張り過ぎんな」とか細い声が聞こえるだけであった。

 

 

 

 

 

「………」

 

 

 

沈黙の中で、男は家の納屋と言える場所にたどりついた。

まだ、あの娘達を始末していない…一度凶行に及んだ男は、この村の全ての人間を殺し尽くすまで、安寧を得る事は出来なかった。村のほぼ全てから意味嫌われていた男は、変な事に村の全員の顔を覚えていた。名前は、覚えていなかったが最早どうでも良い事であった。

 音と共に、一つ一つ気にかかる場所を調べていく…既に自身以外の生態反応は2つになっていた。

 

「ひっ!来るなぁ!!」

「…」

 

そこには、忌むべきあの女とその姉がいた。

この姉については、覚えて居る。自身になぜか他の村人と違い暴行を加えなかった奴だ。しかし、それが優しさなのか、見下しかどうかすら、今の男には、分らなかった。

それに最早この目の前の二人を始末すれば良いだけである。腕が上に上がった。目の前の敵を始末する準備動作である。

 

「まって!」

 

そのとき姉が、男を見つめ抱きついてきた。

この変化に男も対応出来ずに脳が事態を処理出来ずに一時停止する。

 

「私達が、貴方にどれだけ酷い事をしていたか…私も見ないふりをしていたかよく分っている。だから、貴方がこんな事をしたのも怖いし恐ろしいけど分るわ!でもお願い私ならどう好きにしてもいいから、この娘だけは…妹だけは許して!」

「お姉ちゃん…私」

 

 妹である彼女の精神は限界を迎えつつあった。手を下したのは、目の前の男であったがその原因を作ったのは、紛れも無く自分なのだ。その行為の為、家族は姉を残して死にたえ村の住人も死体となり、同年大の子供達もきっと既に死んでいるのだ。その考えが止まらない中、残った唯一の肉親の姉が私を守る為に、怪物に我が身を預けようとしているだ。後悔や恐怖、そしてもしかしたら生き残れるのでは無いか?様々な感情が混ざり合い涙を流しながら姉と男を見ていた。

 

「…」

 

無言を貫いた。男は、武器を降ろした。

 

「あ、有り難う…」

 

その光景を見た。姉は、限界だったのか涙を溢れさせながら妹が助かったと信じて安堵のため息をついた。妹も安堵の様子を見せながら互いに抱き合い慰め合った。

 

唯、前は見るべきであったであろう。

そうすれば、今現在首と胴が分かれていることにも気づけたのだろう。だが…むしろ痛みを知らずに幸せの内に死ねたのだからその方が良かったのかも知れないが…

彼女らの首は、幸せそうな表情を浮かべ地面に転んでいた。

 

 

 

「なんだこれ?」

 

最早、生きている者が己一人の中で男は、自問自答を繰り返していた。なぜ殺してしまったのか…それは、男にも分らなかった。

むしろ殺すつもりなど無く見逃すつもりであった。しかし、男の中の声が寛容を認めず。気付いた時には手を出していた。もう片方は、「きちょマンが…」と言っていたので頼りにならなかった。欲しい者を対等に扱うな!力で意思をねじ伏せて隷属させろ!その声のみは両者共に同じであった。

 

呆然とする中で、死体集め火をくべる。

男が己の魔力から生成した炎は、一般的な魔法使いどころか大陸すべての魔法LV持つ者達が超えられない火力で死体を塵すら残さずに燃やし尽くした。そのまま主人がいない家に向かい一件、一件丁寧に焼いていった。

 一時間もしない内に、村の痕跡は跡形も無く消え去り唯周囲が森の不毛な土地のみが残った。

 

男は、一晩を自信の恋われたボロ小屋で過ごした。

 

 

 

 

 

目を覚ました時に男に恐怖が襲いかかった。

これだけの大虐殺を遂げたのである。周囲が気付けばどうなるのか理解は出来ぬが、予想は出来た。そして悲鳴を上げながらボロ小屋を燃やした後に逃げ出した。

 

 

そして今に至る。

 

「雨か、何時もならこれでも仕事していたんだな~もうしなく良いなんて泣けてくるね…ふふ」

 

愚痴を言っても事態は、改善せず。仕方なく男は歩き始めた。

街は遠く、移動は精神的に辛く、最悪の不自由から脱した男を待っていたのは、明日も保証も何も無い完全な自由であった。

 冷たい雨と風が男を襲う痛みは、感じなかったが早く何処か安心出来る場所に辿り着きたかった。

 

 

 

 

街を出た男を待っていたのは、完全な別世界であった。

狭く小さい村と違い何もかもが大きくそして、初めて店と言うものを見た。村でも噂で商人がやってきて少なくない金額のやりとりがあったのは、記憶に新しいが月に何度か来るかどうかの行商と違い常に同じ場所に店を出している商人を見比べてしまう。そこに並ぶ商品はどれもが目新しく男の興味を誘い、屋台では、祭りで出るようなごちそうが男の目の前に写った。

 

(旨そうだ…)

 

「ほら、そこのガキ買わねぇならささっと帰りな!」

 

しかし、男が金をもっている筈が無くじっと見ている孤児等珍しくもないのであろう。屋台の主人もわんわんを追い払う様に手を払ってここから居なくなるように暗に伝えてきた。

 あれほどの残劇をおこした男も、金が無いという事実には勝てず。とぼとぼと店から離れていった。

 

 

 

 

それ、以降も街で見る事が出来る範囲を全て見たが金も無い孤児に情けを与える大人は、一人も存在しなかった。周囲が笑顔で笑い合っている中で男は、村と変わらぬ孤独を味わう事となったむしろ制限が無いだけより辛いものであった。

 

 

「…」

 

雨は降り続く男の感情など知らず。

日が暮れ、夜が訪れ、また日が昇るころ雨は止んだ。

その光景は、男の暗く先の無い心に光をともした。

 

「ああ、キレイだ!」

「村の外ってこんなにキレイだったんだ…馬鹿だったこの数年なにをしていたのだ!今からでも遅くない!直ぐに!」

「自分の欲望の為に!立ち上がるだ!」

 

その街の中で見た。雨が開けた空を男は忘れないであろう。

男の中でこの天気は、まるで自分の様に感じられた。今何も手に入らない自身だが止まない雨が無いように必ずこの景色と同じ欲望で自身を満たしてみせる。いや、力以外何も無く、誰も頼れる自分だからこそ、行うのだ!

 己の中で溢れんばかりの力が出口を求めて動き出そうとしている。そうだこの力が自分には、ある。他のどれだけ人間的な魅力を持っている相手だろうが決して敵わないと断言出来る力が!

 

「そうと決まったら人の勉強をしなきゃ」

 

そう言うと男は、街から姿を消した。

己の野望を実行する為に、男にとって欲しいものは安全な住居と美味しい食べ物そして自身を愛する美少女達であった。いや、本音を言えば自身を愛さなくとも唯傍にいれば良かった。その為、より巨大で人を知れる。街へ行くのだと足を進ませた。

自分は、人間というものをマイナスでしか現在評価が出来ないこれでは、欲しい者のハードルが上がりすぎて時期をいする!その考えの元で歩き続けた。

途中何度もモンスターや夜盗にあったが、全てもの言わぬ肉塊となり果てた。その死体達から辛うじて必要だと分るGや旅に必要な道具をあさって手に入れた。

そうして、殺し続けた先に自由都市群に着いたが、残念ながら男は身分を証明するもの等もっておらず。仕方なく門をすり抜けて中に侵入した。

 

その中を見て、男は再度驚愕した。数日前に見た街が別世界ならばここは、まるで絵本の中の世界そのものと言える賑わいであった。商人の数は、桁違いであり出店も多くレストランや風俗街、賭場が男の目に映った。

 その中で、男の驚異的な視力で風俗街を覗いたが、裸の男と女が抱き合ってあえぐその姿は、何処か可笑しく表情に笑顔が出来た。

 その後、街の私塾と想われる所を発見し聞き耳を立てるが、字も知らぬ男にはまるで分らぬ単語が馬鹿の様に出てきて理解する事が出来なかった。よし、ならば!本を買って勉強しよう!と街を探し歩き、綺麗に洗ったGを使って簡単な教育本を購入した。それは、賢い子供ならば購入せずとも自力で理解出来る様なごく簡単な文章の作成方法や文字の書き方、両手で行う様な計算、簡単な漢字であった。

 

「ふふ~ん、勉強か…初めてだなぁ、よし!兎に角次に進めるように頑張ろう!」

(次は、歴史とか地理、理科の本も欲しいんだ!お金が足りなかったらまたモンスターや夜盗の人達を殺せばいいよね!)

 

 笑顔で物騒な事を思いつく男であったが、勉強は難解を極めた。なにせ全く経験がないのである。文章で簡単な挨拶文を作る事すら3日を要した。計算にも日が暮れるまで指で何度も何度も同じ計算を納得できるまで繰り返した。

 だが、本を理解するにつれて後の全く関係ないであろう学問も素早くとけるようになっていた。まるで自身に複数の脳が存在するかの様に、初動の遅さを考えられない程の早さで男は、独学にて勉学にのめり込み1週間で購入した本の問題を全て理解した。

 同時に次の購入する本の代金を手にいれる為、再び街の外に出てモンスターと夜盗を探し始めた。アチラとしても鴨同然の子供に逆に鴨にされるのだ。たまった物では無いだろう。

 

「貯まった!貯まった♪これで次の本が買えるね」

 

その喜びの声の後ろに、10を超える人間の死体が残っており、モンスターにいたっては、100を超える死体が転がっていた。最早、殺人に怯えた幼い子供の影は、無く欲望の為にあらゆる犠牲を無視する歪んだ成長が見え隠れたしていた。

 その勢いに任せ熱望していた。7歳ほどの子供達がならうレベルの問題集を買いあさり三日で読破した。脳みそは、さらなる広がりを見せてまるで全ての細胞が意思をもって考えている錯覚を感じた。その細胞がさらなる知識を!欲望を!と足りない物を満たす様に男にささやく、そのささやきに答えるように頭脳が次の課題を提案する。

 

 

 

安全な住居を探せ!

その文字から、家とはどんな物なのか男は頭をひねらせた。あのボロボロの小屋では無く切れない村長宅の様な家が欲しいと答えが返った。

 

「豪邸がいいなぁ~」

 

美味しい食べ物も自身の住居で無くては、安心して食べられず。女も置いておく所が無くては、どこかにいってしまうのではないか?という事実が安全な場所への渇望をより強くした。

 その後、子供が見る事の出来る範囲で物件の捜索を行ったが安な土地は、それなりの値が張るという古今東西の常識の通り、Gを最近扱い始めた男にとってもとても今の状態で帰る値段では無いと言うことが分った。仮にモンスターや夜盗などを殺していても何年かかるのか、第一に住民票や身分を証明する物を持たない自身が仮に金額が整ったとしても家を買えるのか?足下見られたあげく貯めたGだけ奪われそうであると疑念がわいた。それにこれ以上この程度の事で時間を取られていては、女を取り逃がすと頭の声がささやいた。小声の方では、「例え住居があってもお前の稼ぎで女は、来ないぞ!~拉致監禁でもすんのか?」と犯罪を教唆し始めた。本当に頼りにならない声である。

 こうなると、通常の方法で豪邸処か一般的な家の購入すら不可能に近いと感じた。だが、正道が駄目ならば邪道があると男が頭を働かせた。

 

犯罪組織を乗っ取る…話しにならない例え力で乗っ取れていても直ぐに不満を抱かれて離反と国家規模の集団に通報されて空中分解であろう…

 

押し入り強盗?…やってもその家どころか、街に今後一生いられないであろう

 

 

新国家樹立…実現出来るのならば一番良い!…実現出来るのならば、幾ら力が強かろうと国家の運営には、それ以外の山ともいえる才能が必要である。それをクリア出来たといっても男一人だけでは、作って直ぐにその土地を他の国や集団に奪われるのが関の山であろう。

 

「新国家か…(無茶苦茶だけど、住居も女も全て解決できる妙案なんだよなぁ~他の国じゃあある程度の地位がないと愛人、妾どころか複数の交際も倫理的に厳しい…)」

 

 目立たない土地ならば分る。キニナ砂漠だ!ゼスの付近に存在するこの砂漠は、過去の戦争により荒廃しており、少数のオアシスを覗いて一面砂漠の不毛の土地である。ここに国家を作成するならば、他の国家の干渉も少なく尚且つ辺虚なのでどの様な事も直ぐには、ばれない。男の欲望を実現するのにこれ程適している土地は、存在しなかった。

 

「兎に角人手が無い…伝もなければ縁もない」

「どれだけ天下国家を語ろうが、これではそこらの酔っ払いと何がちがう?…力だけあっても」

 

そう悩む男、最低限この野望を叶えるのに数がいる。しかし、普段から村人に便利な道具程度の扱いを受けていた男が人と関わる手段などしり様も無く、これらの事は、本では学べずに他者と交流する経験が重要であったがその相手すら居ない男には、酷であろう。

 

「例えばこう念じて、それで人材が出てくれば…」

 

そんな夢物語を話す男であったが、試しに念じた瞬間に男の身体から肉が飛び出して、人方が作られ、呆然とする男の目の前で仰々しく服従の姿勢を取り始めた。

その姿は、まるで「私は、あなた様の為だけに生まれた道具です」とでも言いたげな動きであった。

 

「…(なんだ…コレ?)」

 

男も同じく無言となるが、どれだけ待とうと目の前の泥人形は、攻撃もしてこなければ、動くことすらせず。唯、服従を続けていた。

 

「(まぁ、俺の身体から出てきた物なんだ俺の言うこと聞くなら…)手を上げろ」

「…」

 

男の声に直ぐさま反応し泥人形は、跪きながら両手を上に上げだした。

 

「よし、立て」

 

その声と友に、手を上に上げたまま服従の姿勢から立位を取り始めた。しかし、その動きは鈍く、さしずめ生まれたての子鹿であった。あれだけ、奇異な出現をした化け物もこれでは恐怖を継続する事など出来ない…

 

「何だ?このでくの坊」

 

人材は、欲しいと言ったがこんな足手まといは入らない必要が無い為、廃棄しようと頭に考えが浮かんだが…なにかしら出来る事があるかもしれないと街の外に連れ出すことにした。しかし、声で誘導しようにもヨタヨタ歩きで、とても目立つ容姿の為、仕方なく袋をかぶせておんぶで男が連れ出す羽目となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし!あの変な物を殺せ!」

「…!」

 

その声と共に、最弱モンスターと名高いイカマンに泥人形がせまる!

その様子にイカマンも気づき触手を振り回しながら距離を取ろうとする。

 

「わーん!何だこれ!あっちいけよ!」

 

泥人形は、その攻撃を物ともせずにイカマンに掴みかかると石を手で掴みイカマンに向けて振りかざした。最初は、「止めろ!」と元気に悲鳴を上げていたイカマンであったが、振り下ろされる石が10を超える頃には、悲鳴も上げずに静かに息絶えた。

 

「うーん」

 

確かに、コレが居れば多少は楽になるかもしれないが…わざわざ自身が指示を出さなくては動こうとしない様なでくの坊を徴用しようにも、せめてこれが100を超える軍隊ならばもっと有効的に活用出来るものを…と思考を張り巡らせるも、途中で面倒臭くなり人形に周囲の警戒を指示すると草原に転がり、いびきを立てて寝始めた。

 

「うーご、うーご!」

「…」

 

男の寝顔を見守る泥人形は、何も変わらずに男を見つめ続けた。

そして眠っている男の身体に異変が生じ、ボコボコと音を立てながら同じ泥人形が次々と男の身体から生まれ出る。止めるものも居ない為か兎に角害虫の様に増えだした。

 

「な、なんじゃこれー!」

 

男が、昼寝から覚める頃には周囲を埋め尽くす大群が完成していた。最早最初に出てきた泥人形がどれかすら分らない魔境であった。

 

「こ、こんなに大量に街に隠しておくことは出来ない…」

「ど、何処に隠せば、そうだここに!いや、直ぐに発見される」

 

こんな殊勝な事を言っているが男も立派な密入国の不法移民である。他の不法移民と違いバックが無く独力で勝手に行き来しているのだから、よりたちが悪かった。

 

「おい、坊や身ぐるみをおいてきな」

「そうよ!大人しくすれば生きて帰れるかもしれんぜ」

 

 

仕方が無いのと途方に暮れている中でいかにも盗賊と言う方々が現れた。

どうやら、あちらの位置では泥人形が認識出来ていないらしい、その証拠に近づいてきた男達は、有る距離までくると「ひぃ」と言い顔を合わせて逃げ出した。

盗賊の正しい処世術である。弱い相手から奪い、無理と感じたのならば直ぐにでも逃走する。

逃げて行く男達を眺めている男であったが、その時、男に天恵が走った。

 

「あっ、そうか保管場所ならああいう人達に都合してもらえばいいのか!」

 

その後、辺り一帯を狩り場としている盗賊は、泥人形により発見されると同時に男と足止め様の泥人形達により一人残らず殺されて、火葬された。

 

「うわぁ、この人達こんな所にため込んでいたんだな?だから一人、一人は大して持っていない訳か…」

「確かに、こんな物持ち歩いていたら同業者達に狙われるからね…まぁ誰も残ってないけど」

 

そう言う男の目の前には、キレイとは言えなかったが多量のGや金目の物が詰め込まれていた。そこまで、値を貼るような物がないのがかえってこの一帯の盗賊達の長生きのコツを理解させられた。プロは、出来ない事はしない…ただ、いかに経験があろうと天災は避けられない物であったが

 

 

 

 

 

その後男の号令と共に、邪魔な物は燃やされて、必要な物のみを残して盗賊の住処は改築される事となった。無論所詮建築の「けの字」も知らない男と指示が無くては指一本まともに動かせない人形の増築である。直ぐに男がしびれを切らして自身で改築に走った。無論やらないよりマシ程度であり、出来上がった物は、豪邸どころか街の家と比べてもアレな以前住んでいた。ボロ小屋が少しマシとなった程度である。

しかし、どれだけ不便な出来でも自身が生まれて初めて作った住処である。その感動は言葉では、言い表せなかった。

 

 

 

 

 

その家で男は、一月を過ごした。その間に泥人形の数は、増え続け遂に一万を超す数となった。しかし、所詮数だけである。隠すのも面倒くさくほぼ全て地面に埋めて捨てておかれた。むしろ寝る度に増える使えない配下を見てもうこれ以上は、必要ないとすら感じた。

 むしろ、自分がもっと便利になりたいと感じた。しかし、その方法は分らなかった。正し、男の身体は、それを解決出来る能力を有していた。1月を超える頃、男の身体がまるで虫がサナギを作るかのように泥の糸に包まれ始めた。暫くすると男の身体は、ドロドロと溶け始めた。しかし、不思議と死の恐怖を感じずにむしろ初めての安らぎすら感じていた。

 

 

進化せよ!もっと巨大に…

 

おーい、そろそろ女の一匹位手に入れたかwwwまぁ俺お前の3倍以上生きてたけど、無理だったけどな!

 

我々には、この道しか無い…この大陸では、強い物こそ

 

あっ、そうだ!女は、基本自分よりも立場弱い相手にしとけよ?大勢囲むのなら、反乱されないように注意しろよ!(

 

自身の理想の姿と能力を想起せよ…私に出来るのは、最早これ以外に

 

ああ、でも女だけじゃ胸焼けするよな、無理だったら遊んでおけよ!俺は、無理だったけどそれだけならお前にも出来るぞ

 

夢の中で、巨大な泥の塊と不細工な中年の男が自身を見ていた。

なぜか、これは自分と無関係な存在では無いと感じた。きっと私の元なのだろう…この世界の…

 

自己改造LVA追加しました。

 

魔人作成LVC追加しました。

 

家事LVB追加しました。

 

女扱いLVC追加しました。

 

対神性LVC追加しました。

 

興味そらしLVB追加しました。

 

 

 

 

 

気付いた時は、男は、全く別人の様になっていた。繭を切り裂き外の世界に出た際に泥の人形がいくらか服従姿勢を取り、少し遠くまで足を運ぶといかにも犯罪者と言える死体がゴロゴロと転がっていた。

水たまりを見つめた男は、顔がまるで少女同然になっている事に気付いた。その後下半身を触ってみたが、肝心の物は付いているらしく性別が変わった訳で無いことを安堵した。

 

「ここから、私の冒険は始まるんだ!(善でも悪でもどうでも良い、唯やりたい事だけは絶対にやり遂げたいそれがどんな事でも!)」

 

欲しい物を手に入れる力は、手に入れたこれからすべきは…

 

「よし、お前らは砂漠地帯に行って場所だけ確保していけ!」

「で、そうだな…JPANって国にでも行ってみようか」

 

本の中でしか知らない国JAPANしかし、何か心の中でその名前は、懐かしさを蘇らせる不思議な気分であった。

男は、進む!欲望に従って

 

「って言う訳なんですわ!」

 

「っで?貴方だれ?」

 

「おお~んこの私を忘れるとは、オリジナルも酷―い!」

「此方こそ!貴方の魔人じゃなくて、分身体のその身体のオリジナルの元から作られたスーパ別人だぞ♪」

「因みに、好きなタイプはコーディ・ブロットくん!嫌いなタイプは、自分だぞ♪これから一緒に人狩り?女狩り?陵辱ゲリラ狩りするんでしょ?よろ~」

 

「はい?」

 

何だ…この女は?と周囲を見ると泥の繭から自身が開けた穴以外にももう一つ穴が出来ている。もしかして、あの泥人形と同じ様に作られたのか?そう疑問を抱く男に目の前のちゃらんぽらんは、口を開いた。

 

「ああ…あれか、こっちあれと違って完全な別種だよまぁオリジナルも人間じゃないからね…私も人間じゃあないよ」

「名前は~そうだねぇ…ランスはホモっぽいしスピアは…安直だし…スペアで良いよ」

「それでJPANに、女捕まえに行くんだっていいねG!あそこ結構、和風美人以外にも言い素材いるんすよ~何で知っているって顔しているねぇ~そりゃあ我らの真のオリジナルプロト魔王トロスから、生まれる前から情報を得ているからさ」

「それ以外の情報は、ここ」

 

と手で胸をたたく動作をしながら男を見据える。

 

「人間の情報は、魂の大本から貰ったって訳よ」

「だからさぁ~」

 

コンゴトモヨロシク?

 

その声に応える勇気を男は、持ち合わせていなかった。

 

 

 






トロス擬きに憑依した。魂が記憶を無くした状態で誕生した。
元の主人公と比べて人間的な魅力が、大きく下がってい

トロス擬きに憑依した。魂が記憶を無くした状態で誕生した。
元の主人公と比べて人間的な魅力が、大きく下がっているが実力のみは魔王クラス…だが加減を知らず。暴走しやすい。

スペア
戦国ランスに出てきたTSランスの外観をしているが服は、着込んでおり露出を嫌がる。
剣戦闘LV3及びメイドLV2を持っている。魔人では無く分身体実力は、魔王の30%程だが発展性はある。
性格は、忠実だが気まぐれ。


るが実力のみは魔王クラス…だが加減を知らず。暴走しやすい。

スペア
戦国ランスに出てきたTSランスの外観をしているが服は、着込んでおり露出を嫌がる。
剣戦闘LV3及びメイドLV2を持っている。魔人では無く分身体実力は、魔王の30%程だが発展性はある。
性格は、忠実だが気まぐれ。




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無能定め2

2話目です。
因みに、この状態までは、主人公が手を出さずに順当人類魔軍の奴隷ルートで主人公は、それを見て嗤っていると言うオチの予定でした。


「っでねぇ~そういう訳で…戦力分散してこっちとそっちで分けて、建設と戦闘訓練所の発見に分けた方が言い訳よ」

 

「貴方は、何が得意なんだ?」

 

「う~ん、強いて言うなら剣戦闘かなぁ?でも一応オリジナルの命令が必要だけである程度の事なら出来るよ♪」

「これが、剣戦闘LVSとメイドLVAの力だ!後ね、私達のLVが数字じゃなくて英数字の訳は、大本の魂のせいかな?まぁ普通に使う分には…問題無いよ」

「SならLV3位で、Aで2、Bが1で、Cが0かな?まぁ私達以外には、適用されないから覚えなくて良いかも?」

 

そう言いながら、スペアは剣をどこからともなく取り出し、振るって見せた。

その剣圧は、男の物と違い威力こそ劣って見えたが正確さ、早さ、隙のなさとそろっており実践されるのであれば、万人が見て万人が驚嘆を覚える物であった。

その証拠に芸術に何の覚えの無い男すら、我を忘れてその剣を見つめていた。ある程度を越えた芸術は、全ての物に無理矢理感動を覚えさせられると実感していた。

 

「うん、うん見ていてくれてスペアちゃんも嬉しいぞ♪まぁオリジナルは、あまり人間出来ているわけじゃないだろうから安全だけど、あまりこういう力を使って人助けなんて考えない方が良いよ」

 

「なぜ?」

 

「ナイスネイチャー♪良いねぇ、何故だからってそれは、この世界の女神に始末されてしまうからさ♪覚えおくと良いよ…オリジナルは、地上じゃあ敵が居ないけれど少し空間を空けるとピラミッドの底にすらいれないから」

 

そう言いながら、空を見つめるスペアの表情はどこか悲しみを感じさせられる…初めて見る狂人らしい振る舞いを忘れさせられる美しさを放っていた。

しかし、それも10秒も持たず。顔を「ふにゃ」と戻し男の方によってきた。

 

「悪魔で提案なんだけど…オリジナルは戦闘訓練所を発見してくれると嬉しいなぁ、私はその間に基地の骨組みをここの子達とやっておくから」

「建設は、オリジナルにとってLV概念が無い事をやるのは大分キツいっていうのは分っているからね…なぁに大丈夫メイドLVは応用が利くから」

 

スペアがそう言い終わると互いに、これ以上の問答は、不要と感じたのか別々の道を行き始めた。

男は、JPANにスペアはジャングリア以外の国家が無い空白地帯のキニナ砂漠へ旅だった。その中でスペアが「大丈夫だ!オリジナルは、自分が劣っているって考えているかも知れねぇけど、生き残るベクトルだけなら元の持ち主なんかと比べものになんねぇぞ」と言いながら去っていった。

褒めているのかけなしているか分らなかった。と想うと急に此方に走って来て「JPANなら死国がおすすめだぞ♪」と手書きなのであろうか地図を渡して再度地平線の向こうへと消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結論から言うと二人とも上手く終わった。

密入国と言うことで、恐怖が全く無いとはいかなかったがよくよく考えれば既に街への密入国をすましており、経験があった事を思い出すと恐怖も感じなくなった。

さらに言えばJAPANは橋さえ渡ってしまえば小さい国々が争い合っている国である。たかが一人の異人を気にかけられる事も無く、まして目当てが、誰もが忌避する死国なので、想った以上にすんなりと目標に近づく事が出来た。無論これは、スペアの地図あっての物である。

男は、死国にて鬼と対峙した。試しに闘ってみた所、皮膚は、紙の様に裂けて相手が悲鳴を出す暇も無く始末する事が出来た。次に試しと泥人形を差し向けてみたが、これが逆に相手にならず。一撃で泥人形が機能停止した所を確認した。スペアと合流時に今現在の目標は、あの鬼と言われる生き物を始末出来る程度の兵隊が欲しいと伝えると「それは、ちょっと贅沢って奴じゃない?」と返答を返された。

 

次にスペアであったが、男が様子の確認の為に戻ると本拠地を見事とは言えないがそれでも質素ながら剛健な建築物が完成していた。「どうよ」と此方を見てくるスペアを見ながら、新しい我が家の質感を確かめていた。立てた構法など知らないし豪邸とは言えない物であるが、頑丈さと安心を与えてくれる素晴らしい家だと感じずにいられなかった。

 

「で、次なんだけど…お金欲しいよねGが」

「これが無くちゃ…前世みたいにきもくて金のないおっさんになっちまうぞ」

「まぁ、金があっても維持する能力が無くちゃ結局頭良い奴に全部取られちゃうんだけど」

 

「Gが無いと誰も構ってくれないし…目標達成なんて出来ない…」

「そういう事なのか?」

 

「そうそう、この住処を良くしていくにも必要だし女を維持するにも必要だよ」

「星は、多いけど準備なくては、手届かないからねぇ…まぁ手に入れる価値のある星は少なくて取り合いなんだけど」

「でもね!別にその取り合いだけに参加するだけが残りの生じゃないのね…ヒロインは、このスペア様お一人でこれから20年以内に高確率で行われる人類虐殺の国家解体ショーを楽しむのも一興ですわ♪」

 

「ん?」

 

人類虐殺それは、何故だ?可笑しいぞと男の中に疑念が沸いた。

 

「疑問もごもっともだけど、これは少し頭が回って人類を客観的に見る事の出来る存在ならば誰もが辿り着く答えだわ」

「ヘルマンは、腐りかけ…いやもう確定で腐るなアレは、現皇帝も娘可愛さに耄碌したね諫言を聞こうともしないコレじゃあ宦官に乗っ取られる秦と変わらないね…飾り物のお人形もその主も国を良くする力なんてないよ」

 

軍は、聡明かつ剛健そしてTOPの皇帝と議会によって導かれる。大陸最古にして最大の領地をもつ人間国家ヘルマンしかし、それも既に過去の遺産となりかねない事態となっているとスペアから聞いた男は、その国もう駄目だなと認識した。例えミラクルが起きて皇太子が立ち上がっても、その間に国は、奸臣によってズタズタにされるであろう。そして積み上げた物を崩すのが一瞬ならば、積み直すのは、一生をかけても叶わぬ事が多い。

 

「確か、皇太子もいたんだけど持っているものは良いんだけどね…育て方を間違えたね…よほど凄い衝撃が無けりゃ元のレールには、戻れないよ」

 

 

「ゼスは、やる気があるのは王とその一部側近だけで、他は、魔法使い以外人間とも思ってないよ…ジルの人間牧場と変わらない事を身内にするんだから、分らない事だねぇ…私には…」

 

ゼスは、魔法至上主義の国である。男が手に入れた簡単な情報にも移民する際などに魔法技能必須と書かれていた。これは、むしろ他国の人間だから外聞の為に優しく装飾した様な物であり、自国の国民は、魔法技能が無ければ家畜同然の2級市民となると同時に書かれていた。国を直接見た訳で無いので、スペアの言葉と雑誌の記事だけで、論ずる訳にいかないがそう言い切られる程にある意味ゼスは、自国以外に興味が無い国なのであろう。なるほど最後は、魔法を詠唱する暇すら無く魔軍にすりつぶされる訳だ。

 

「リーザスは、本当に今から準備すればなんとか王族と一部側近位なら助かる位、恵まれているけど危機感が足りないよ。それに、魔軍への対策なんて考えるよりヘルマンとゼスの法が怖いね今は…豊かな土地って怖いねぇほんと」

 

確かに、そう言えば1000年攻めてこない危険な集団よりも100年の間に何度も争った隣国への準備をするのが、当然の事である。リーザスもこんな世界で無ければ立派にヘルマンかゼスを凌ぐ大国となれるだろうに…相変わらずもこの大陸は、理不尽の塊らしい

 

 

「自由都市群なんて烏合の衆も良いところ…仮に団結してもその頃には既に8割方魔物の土地になっているよ。光る粒は、そこそこだけど国を動かす要職には、就いてないねぇ」

 

3大国が叶わぬのならば、それよりも遙かに小さい自由都市が敵う訳が無いのも当然だ。光る原石も指示する人間がいなくては数と自力に優る魔軍に各個撃破されるだけであろう。

 

「JPANは目の前に魔軍が来るまで内乱で忙しいだろうね…対策の話し合いをしている間に魔軍に攻め滅ばされるよ…これは、元の世界と似てるね♪」

「それに、これは内緒だけどあそこには爆弾があるのよ…魔人それも元四天王級の魔人と魔人クラスの使徒が封印されているのよ。そろそろ今回の封印もとけそうだわ」

 

国名になにか懐かしさを感じるJPANだが、その一国、一国の規模は小さく同時に産業よりも闘いに特化しすぎている。無敵結界相手にどうにもならず。逃げ場も無い中で徐々に追い詰つめられるのが山だ。

 

「だが、AL教がまとめ役となるだろう?」

 

AL教この世界最大の宗教である。本で少し内容を知り教会や神父を遠目で見た程度であるが、あの人類の繋ぎになる様な巨大組織が間に入れば、永遠は、無理であろうが、外敵である魔軍討伐に一時的に協力する事は、可能の筈だ。

 

「それが、無理なんよね…AL教って耳障りな事を言っているからなんか崇高な事考えて居る系や、勇者なんかが協力を求める事があるってトロスの記憶から読み取れるんだけどなぜか、強力なLVや優秀な技術者があの本部の奥底に首や生きたまま封印されているんだよー何でだろ?」

 

「嘘言っている訳じゃないだろうな…それに、仮に本当だろうとそんな暴論を信じられるか!」

 

「チッチチッチ、オリジナルが起こるのは、理解出来るけど記憶は、嘘をつかないしなによりワッチがオリジナルに嘘つけないしつく必要が無いよ」

 

「少しばかり、協力してパートナ気取りか?」

 

「いんや事実…証拠なら」

 

そう言いながらスペアは、どこから取り出しか短刀で目を抉り出して呆然とする男の前に目を突き出した。

 

「次は、首はねたら信じてくれる?」

 

「いや、もう良い」

 

そう言う男の前で「なら良いか」とスペアは、目を元の穴に押し込んだ。すると不思議と目が吸い込む様に収まり元の状態へと戻った。

 

「ああ、驚いているけどこれ位オリジナルなら幾らでも出来るから」

 

「首をはねて、死なないと?」

 

「首処か、身体の細胞が全て消え去らないと時間さえあれば直ぐに元通りよ!」

「これが、元のトロスから頂いたTS体質と言う訳、だから私らは人間なんかよりもどっちかと言うと無脊椎動物に近いんだよねぇ~ああ、コレは魂の元のおっさんからの情報だから」

「で、話しを戻すけどそんなAL教は本当に大変な時には、むしろ人類の鍵となる存在を迫害したりする様になっているのよん…まぁAL教が無いと社会事態なりたぶらいあんなんだけど」

 

「話しを信じるとして、今の魔王が何時攻勢に出てくる?」

 

「のん、のん」と手を振りながら違う、違うとスペアは男に向かって言葉を繋いだ。

 

「今の魔王は、絶対に自分の領地から目的が無けりゃ動かないよ…なんたって聖魔大戦でさえ自分で動かなかったんだから」

「でも、それが全ての魔王に繋がる訳では無いでしょ今の魔王は、就任から既に1000年を超している。トロスや無敵結界を手に入れる前の魔王と違って魔王は、基本1000年を超えれば寿命よ」

 

「そうなれば、次の魔王はヤバイ奴が選ばれやすいと言うことか?」

 

「う~ん、こればっかりは実際なってみないと分らないしガイの寿命が残っているから、ガイがお眼鏡に叶う継承者さえ見つけれれば、今の時代と変わらない事になるだろうけど、オリジナルと違って本来の魔王は、血に凶暴性と残虐性を付与する効果があんのよ」

 

「だから、頭の可笑しい狂人でもなきゃあんまり人格の意味なんて無いんだけど」と言うスペアを見ながら、では、自身のあの残虐性は、素なのか?と思いながら男は、落ち込んでいた。

 

「まぁ気になさんな…オリジナル、あの境遇と元の魂の低質な所から考えたらあのとき爆発しなくてもいずれなってさ…まだ私達生まれて10年もたっていないのだから自分で嫌だと思うなら修正していけばいいさ」

 

「あ、有り難う」

 

このスペアとか名乗る物は、思った以上に善人であるのかも知れない。よくよく考えたら人に褒められたのは、生まれて初めてかもしれないと思いながら、これからの状況の解決や住処を整える為にも、目の前のスペアの存在が改めて重要と思い知らされた。

 

「その修正の為にも、オリジナルは頑張って魔人を作ってね♪目指すは、金運や幸運LV2相当の技能を持つ魔人2体以上ねー」

 

「まて、その「魔人」?と言う者の作り方なんて知らない!」

 

「簡単、簡単身体にちょいと傷を入れて溢れる血と肉を混ぜて欲しい技能を思い浮かべながら、コネコネすれば立派な魔人の完成と言う訳よ!さあ!早速やってみよう」

 

 

 

 

 

そう言われた男は、半信半疑ながらもスペアの言う通りに渡されたナイフで腕を切りおとしその腕に血を滴らせて溶け合う血と自身の手を見ながら「金が欲しい、金が欲しい」と念じ続けた。そうすると手が不思議と宙に浮かび男に向かってグー、チョキ、パーを繰り返すと目の前で止まった。血が溢れていた腕は、男の意思と同じ様に一瞬で腕が生え始め、1秒足らずで元の手を再現した。

 

「ハイ!ステータスチェック!」

 

再生した手を何度も動くか様々な動作をしている男だったが、スペアから渡された変なメガネを装着すると、手から様々な情報が溢れだした。

 

魔王の右手

LVナシ(成長性)

技能:幸福B、金運LVA

浮遊、無敵結界無効

 

「じゃあ、もう左手もよろしく!」

 

 

スペアの言葉に従って、左を切り落とす。一度経験した後は、特に嫌悪感も無く実行でき左手の魔人化も滞りなく行えた。

 

「この魔人は、どれ位の役立つんだ?」

 

「そうねぇ、戦闘に出そうなんて考えない方が良いよ唯の人間や魔物程度なら問題無いだろうけど戦闘技能LV2以上の相手や魔人クラスの戦闘力がある相手だと全く相手にならないだろう」

「けど…この子達の真価は戦闘じゃない、この技能LVをもってオリジナルに富みを持ってきて貰うのが本来の役目だからね」

 

「確かに、金がなきゃなんも出来ないが…商人LVとかじゃ駄目だったのか?」

 

「私達にそんな伝無いでしょ?それともオリジナル生き馬の目を抜く位シビアな商人の世界で勉強しながら頑張る?」

 

「無理だ…」

「そんな事が出来るのなら、最初からこんな事態になんかなっていない」

 

「そう言う事、それにツテもコネもある商人相手に真っ向から商売で勝負をしたって変な罪でもでっち上げられてお尋ね者が山よ」

「だから、最初は、運によって種銭を得る。そしてある程度の目録がついてから商人技能を持つ人方の魔人を作成してより儲ける…ってプラン何だけど嫌?」

 

スペアのプランを聞く限り、魅力的な提案に思われた。

そうだ何も相手の得意な土俵で勝負などする必要などないのだ。此方には、此方の強みがあるその強みを最大限に生かして、確実に勝利出来る状態で初めて勝負を挑めば良い。

 

「っと、左手も出来たみたい」

 

そう言う。二人の前で切り落とされた左手が宙を舞っていた。

 

魔王の左手

LVナシ(成長性)

技能:幸福A、金運LVB

浮遊、無敵結界無効

 

「う~ん、見事にLVが逆になっているねぇ~オリジナルの魔人作成LVが上手く調和しているよ」

「でもあまり、魔人作成LVに頼り過ぎないでね~もう少し強くならないと今の魔王から次の魔王になった際に、それを半殺しに出来る程度の実力が無いとこの世界じゃあ明日の朝日は、怪しいよ~」

 

「今の自分の実力は、どれくらいなんだ?」

 

身の安全と言う、現在何一つ夢を叶えられていない男の目下の目標を脅かされる訳にいかないとスペアに迫る。

 

「う~ん、今の魔王を殺すのは、無理だね…でもアレは半分チータ見たいなもんだから、と言うか魔王の今より下手したら人間の時の方が強いって何なのよ…あれ」

「まあ、人型魔王くらいなら勝てるかなぁ?」

 

この勝てるかの意味には、男が命を賭けた闘いを経験していない事が関わっていた。なぜなら、いくら力で上回っていても、相手の胆力に圧倒されて勝手に逃げ出す可能性が高いとスペアは、主人の本質を見抜いていた。

だが、それを主人に伝えて改善するように努めるつもりは、現在は無かった。仮に伝えて改善使用にも時間がかかりすぎて最悪、人類が魔軍に攻め滅ばされている可能性が高いとふんでいた。男の身体の元の性能とトロスの力は、圧倒的であったが、本質的な性格は、元のおっさんが大きく関わっているそうスペアは、見ていた。

 

「まぁ魔人位ならあたしでも楽ちんよ♪唯倒しすぎるとろくな事ない事を思い出してね!出来れば私に相談してちょ」

「オリジナルは、正直狭目になりやすいから…相手の言う通りの事ばっかりしていたら都合良く使われてぽい!そんでぶち切れて皆殺し…あの村の様にね」

「私は、オリジナルも他の人間にもそんな風になって欲しくない…ごめんね…嫌なら私の事殺してくれれば良いから」

 

「いやそう言ってくれる奴初めてだし、こっちもどう反応すれば良いのか分らん」

「唯、自分が力を持っただけの赤ん坊も同然だと言う事だけは、分る。だからこれからも頼む」

 

「任せな!」

 

両者は、手を握り合わせた。共に碌な親から生まれていないもの同士であるが、初めて家族としての絆を感じ異物は、一人だけでは無いのだ。そう実感できた。

 

 

 

その後、製造された魔人の効力は素晴らしい物であった。

道を歩けば、財宝を見つけ、適当に株を買えば異常な上がりを見せた。

時間が経つにつれて、財産は増えに増え続けた。なにせ何もしなくても財布が潤って仕方ないのである。物を買えばその何十倍と言う材が男達の元へと転がり込んだ。それを二人でハイッタチをしながら踊り狂いながら喜びあった。

 

「うひー、またGが流れ込んで来ますわ!前世でもこれくらい金があったらな」

 

「スペアさん、そんな事よりも本拠地の改築を実行しましょうよ」

 

もう二人の頭は、万年春状態の脳天気チャランポランになっていた。普通ならこれほど急に金を稼ぐと金だけ取られてポイか、やった覚えも無い犯罪を犯した事になるのだが、それを幸運LVが防いでおり、この泡銭をどう使うかニタニタと二人で嗤いながら考えていた。

 

「じゃ、やっぱりこのGちゃん達には、本拠地の資材とあたし達の娯楽品の購入か…いいねぇ」

 

「自分にこんな才能があるなんて…思ってもみなかった自殺なんて考えるもんじゃないね」

 

「あははは!元の魂にそんな事いったら自殺に誘導させられるよ!」

 

ワハハハッハア!!

 

「な、なんだあの二人は!」

 

「知らないのかい?最近急激に資産を伸ばしている奴らさ…もう長者番付に乗るっていうのに名前すら明かさない変人共さ」

 

「噂じゃあ、彼奴らを襲おうとした奴ら一人残らず死体で帰って来たらしいぜ」

 

「俺が聞いた噂じゃあ、依頼者も身体中バラバラにされたらしいぞ」

 

「子供にも女にも容赦無しの欲の亡者さ!関わって碌な事無いよ」

 

その二人を見る群衆の視線は、興味が少しに恐怖が多く、次いで侮蔑の視線を送っていた。

しかし、金と言う人間社会で普遍とも言える価値のあるものを手にいれた男に、そんな言葉なぞ、貧乏人のやっかみ程度であり、何も響かなかった。そしてスペアも同様に馬鹿笑いしながら群衆を尻目に去っていた。

 

 

 

 

 

そうして、運び込まれた大量の装飾品に資材、そして娯楽品達はスペア指示の元、泥人形達が運び出し、少しずつではあるが無骨な住処に色や飾りをつけていった。装飾品は、珍しく男が気に入った場所に配置し、娯楽品は直ぐにでも読めるように一室に纏めて置いておかれた。

 

「しゃあ-!どうだ!これ!」

 

「大声で言わなくても聞こえているって…」

 

二人の漫才を背景に住処は、普通の家庭が住む住居よりも大きく立派に仕上がっていた。

諫めるような男の言葉も何処か、にやけた口から言っているようで喜びを隠せていない有様であった。

 

「で?さぁオリジナル次どうする?国防ならぬ武力の増産でもする?それとも女捜しにいく?」

 

「増産ねぇ~」

 

増産と言っても魔人を増産するのは、流石の男にも手間がかかってしょうが無かった。仮に不眠不休で作成したとしても1週間で100体出来れば良い方である。それも悪魔で課程な為、上手くいかなかった場合には唯疲れて消耗するだけである。

かといって女を捜すというのも男には、魅力的に映らなかった。何せスペア以外のほぼ全て異性はから(スペアも厳密には雌というよりも無性に近い)碌な扱いを受けていないのである。それが全てでは無いと言われてもどうにも信じ切れなかった。

 

「それともマッタリしてる?」

 

「最近、何か激動過ぎて頭が追いつかないのでそれで良いです。」

 

「りょー」

 

そう言う男の意思を尊重するかの如くスペアは、男の前から消え去った。男もスペアを嫌って避けてはいないが、幾らこちらの意思を組んでくれるといっても常に一緒にいては息が詰まってしょうが無いと男は、娯楽室に向かい未だ呼んでいない本に期待をふくまらせていた。

 

3日目

 

「そこ、違うでしょそれは、右側」

 

スペアが、泥人形達に指示を出して動かしている。それを遠目で見ながら男は、未だに読書を続けていた。

 

5日目

 

「ふ~んぬ、はぁ~LVの生成は私だと時間がかかるなぁ」

 

「偶には、休んだらどうです?」

 

「あっ、オリジナル有り難う~気持ちだけ貰っときます」

 

スペアは、一週間を超えて働き詰めで男が見る限り休んでいる姿を確認出来ず。常になにかしら働いていた。その姿を見た男も改心するわけでも無いが何かと居心地の悪さを感じ、何か出来る事は無いか?と聞き込むも、大丈夫、大丈夫オリジナルは、マッタリとして♪一言にそれ以上言い出せなくなり漫画本を読む作業に戻った。

 

「休養は、もういいよ…」

 

「あら?そう?」

 

一週間を超えた頃、男は流石にいたたまれなくなり、行動を再開する旨をスペアに伝えた。それを聞いたスペアは、未だ仕事を継続しており普段と変わらぬ様子を見せていた。

 

 

「で?どっちにする?」

「女と力二つに一つ…まぁ両方選んでも良いけど最初の内は、一点集中の方がいいと思うけど」

 

「実は…どっちかと言うと女が欲しいと感じている」

 

「ほへぇ~まぁオリジナルも元は、男だもんねぇ~容姿だって自覚無しの願望からだし」

 

で、どんなのがいいの?

と言うスペアの言葉に男は、言葉を詰まらした。確かに欲しいとは、言ったが自分が女と言う物のなにかを直接知っているとは言い辛く、村での対応も唯上からの怒号を聞き流しているだけであった。それでも異性に特別に執着しているのも変な話しであるが、この身体の内側から欲する欲求とは、言葉で説明しきれるものではないのだろう。それか、単純な生命の性欲なのだろうか?

 

「おお~い、また思考の檻に入っとるよー!」

 

「?すみません、強いて言うならクール系?かなぁ」

 

「ああ、クーデレね」

 

オリジナルのその好意は、愛欲とかじゃなくて支配欲なんだろうなぁ~と感じているスペアであったが、主人の命令は、絶対である。

 

そう思うスペアを尻目にヒロイン育成or捕獲作戦は、開始されたのであった。

 




最初は、絶対的理解者のスペアのみがメインヒロインの予定でしたが、この時から、下半身に負けて違うヒロインもどんどん取り入れる予定でした。


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無能の定め3

実は、美樹ちゃんとかにも健太郎君不在でヒロインになってもらう予定でした。


「はい!では、オリジナルは異性が何を欲しいと思っていますか?適当で良いのでお答え下さい!」

 

「う~ん、金?」

 

「恐らくそれ言ったら売春目的とか思われるぜ…まぁこれからやることも似たようなもんだけど」

 

異性を獲得するにあたって、スペアが感じたのは主人の壊滅的なまでの恋愛咆吼音痴ぷりであった。まぁ前世は、異性のいの字も恋愛のれの字も知らない底辺の人間が入っており、さらに村での扱いも考えれば、これで明るくはきはきとして異性を理解出来る性格になったのならそもそも自身の生まれ方も全然違うものになったであろう事は、想像に難しくない。

 

「これだと悪いけどオリジナルに任せたら、ここに連れてくるまでに殺しちゃうか、達磨にして監禁しそうだから、あ~しが見繕ってくるねぇ!ちゃんと良い情報もってくるから慎重に選んでねぇ!!」

 

そう言うとスペアは、早いが勝ちとも言うか疾風のごときの早さで男の目の前から姿を消した。呆然と見送る中で、泥人形達だけが男を見つめていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おまた~待ってた?」

 

その後、スペアが帰って来たのは、1週間後の事であった。その両腕には、調べた資料が分厚く重ねられていた。

 

「あ、ああ」

 

「そんじゃあ早速見てきますか!」

 

そう良いながら広げられた資料には、男が好みと思う異性や好みとは、言わないが十分に美少女と言える存在が写真付きで、事細かに書かれてあった。

 

「まず、この子なんてどう?かなみちゃん」

 

そう言うスペアが、指さし娘は男と同じ年に近く、服装もJPANを旅行した時に見た一般的な服装であった。

 

「この子なんだけど、なんていうかビーンと来たのよ!LVは、そこそこで技能もLV1クラスだけどオリジナルは、異性に闘う力なんて求めてないしょ?」

 

確かに、癒やされる為に購入したペットを狩猟に持ち込む人間は、いないだろう。そうい物は、泥人形達の様に別枠で作成しておくものだ。しかし…なんだこの女なにか、なんというか

 

「自分と誰かが比べられていると感じたんですよね?」

 

ハッとして後ろを向くと何とも言えない表情をしたスペアに見つめられていた。

 

「そっかーまぁ何となくそんな気もしたんだけどね…それじゃあこの子達も駄目だろうねぇ」

 

そう言うとパラパラと10枚以上の資料が地面へ落とされた。

リア・パラパラ・リーザス、シーラ・ヘルマン、マジック・ザ・ガンジーと少し調べれば分る大国の幼い姫君達の情報が詰まった用紙さらに、残りを見ると…

先ほどのかなみと言う少女、緑髪の魔想志津香、チルディ・シャープ、毛利てゐ

他にも徳川千姫、ミラクルトー、山本五十六と書き込まれている。どれもこれも極上の美少女達だと言うのになぜか欲しいと言う気持ちよりも恐怖が勝っている。

 

どうせ自分では、駄目だ…他の男に取られる比べられる。

 

(なんて考えてるんだろうな~オリジナル)

 

確かに、異性としての魅力に大きく欠けている。主人では、魅力的な提案となる事も無く。この中のどれか一人にも愛される事は、無いだろう。奥の手を使って力で脅しつければ幾らか暫くは、従順になる娘もいそうだが、この迂闊さでは、足をすくわれるのもそう遅い事では、あるまい…これだけの資料も所詮オリジナルの興味を引く処か、逃げるための口実となってしまっている現状がそれだろう。相手が幾ら怪しいと感じても、自身の異性だからと対処を遅らせて、反撃されて怒りのあまり暴れ回り全てを台無しに…ある意味では、どんな魔王よりも理不尽かもしれない

 

「う~ん、じゃあ試しに一回だけやってみない?」

「このウスピラって言う娘、私達よりも少し年上だけど試してみない?」

「この娘の両親の事業が、どうやら大コケ寸前らしくてね、後2、3日もあれば順当に夜逃げか、心中コースなんだけど、ここの両親偉いね、周囲の負担を減らせるだけ、減らして、昨日購入した練炭で自殺するみたい」

 

「そ、そうか…」

 

ここで、何ぃー!可愛い娘がそんな事など世界の損失じゃあ-!と言える度胸や、き、きちょうまんが!と言える程の強欲さがあれば直ぐにでも飛びついて次の日には、その娘だけは助けていたのであろうが…どうも受け継いだ特性も中途半端である。

前者の特性は、殆ど受け継げず。後者も環境の違いからか、発現せずにいた。あれほど口頭で女が欲しいと言っていた男も実物を考えると忌避の感情も同時に出始めていた。

 

(まぁ上手く行かなかったら、それで良いか…別に女だけが人生ではないのだろうし)

 

星は、多いが手は届かない

この名言は、決して手を伸ばす者だけにかけられた言葉では無く伸ばす手が無い者、手が短い者にもかけられた言葉じゃないのかと最近思い初めていた。

 

 

 

 

 

 

 

「で、やって来ましたゼス王国、自称大陸一の魔法国家!でもその実態は、聖魔教団の残り滓で、やっていますー因みに建国当時の気高い理想も暫くしたら直ぐになくなりましたー」

 

「それは、おお、もう…」

 

「まぁ、迫害されていた魔法使いが作った国家だからね!周囲は、非魔法使い国家だらけだからね、極端もしかたないね♪チョビ髭が見えてるけどまぁこっちに関係ないからいいよね(どうせ、滅び行く国だしね)」

 

魔法国家ゼス、人類国家の三大国家と言える一つの国は、他の二国と違い魔法と言う病魔に犯されていた。この病魔は、普段は宿主に恩恵のみをもたらすのだがその恩恵に溺れて人間は、特別意識を持ってしまう。これが出来ない人間は、クズだと…いや、ゼスは、そんな温いものでは無いだろう。ゼスならば、魔法が使えない人間は、文字通り人間では無いのだから…

 

「っと、湿っぽいの終わらして、監視用の子からそろそろ心中した見たいだから来て欲しいって連絡あったよ-!」

 

「泥人形を使用しているのか?」

 

「うん!それも細切れにして何処にもおける便利な別名GMつまるところゴミ君!!」

 

なるほどあの泥人形達も、戦闘力では頼りにならないが別の使い道等幾らでもあるんだなぁ~とスペアから教わった気分であった。

 

「は~い、オリジナルにも見せてあげてね!」

 

そう言いながら二人の間に映像が投写される。これもあの泥人形達の力の一部なのであろうか、それとも全てスペアが凄いだけなのか?一つ分る事は、自分一人では同じ事が起きても慌てて混乱するか、力尽く強行突破しかないであろう。

 

 

 

その映像には、立派な屋敷に倒れ込む三人の身体が見えた。膨らみから二人が女、一人が男であろう。そして身体の大きさ、肌の若さから考えるとゼスで若返りの魔法でも開発されていない限り、僅かに動いている彼女がウスピラなのであろう。

その姿を見て興奮を覚えるよりも、何か赤髪の男と自身を比べられる様な感覚が男を襲った。無論そんな男等知り合いにいなければ、見た覚えも無かった。最近よく出てくるこの感覚は、一体何なのか?と想いつつも確かに見た目と表情から間違い無いく男の好みと言い切れるものであった。だが、それは異性として家庭を築きたい等の感情では無く飾って保存しておきたいという気持ちであった。

 

「確かに見た目は良いんだけどさぁ~」

 

その気持ちも決して無理をしてまで欲しいと思う程にならず。時間が経つにつれて住処も遊ぶものも、理解者、財産もあるのに無理して手に入れるものでも無いのじゃ無いんだろうか?と言う気持ちに支配され始めている。

 

「まぁお試しって事で、どう?」

 

「まぁ、一回位なら…」

 

スペアが誘わなかった場合は、そのまま帰宅していたであろう男の足取りは、悪くどうにでもなれという感情すら見せ始めていた。

 

(死んでたら、それでいいか)

 

 

こうして立派に密入国をして、三大国家への密入国は、初めてなので処女卒業である。

都市の華麗さと魔法技術を応用したインフラは、間違い無く人類圏1であったが、同時に少し道を離れると死んだ顔で二級市民が働いており、それを火の矢で脅しつける魔法使いの姿を見る事が出来た。恐らくこの確執が埋まる前にこの国は、国としての命を終えるのであろうと改めて実感した二人であった。

 

「お邪魔―!って誰も答えないか…」

 

「そりゃあ、二人死んでいるし一人は、昏睡状態だし無理でしょ」

「じゃあ、ささっと貰って帰ろっか」

 

「まるで、ライン作業みたいに言えるオリジナルも中々やべえな」

 

人間は、文字通り金と権利を失ったら上位者に好き勝手されるだけなのであろうと感じた。目の前の彼女も本来ならば、暖かく裕福な家計に生まれたのだ…楽しい学生生活を送り、家族の思い出を作り、そして容姿も中々のものだ。この様な生まれと容姿に恵まれた存在が性悪になるというのは、基本、漫画の中の世界の話しだけである。現実は、自身の才能と安定した環境、人の優しさに包まれて方向は、違えどそれなりの場所に落ち着くものである。

 

翻って、貧乏人は、そこに才能がある。見た目が良い、性格が素晴らしいと最低この中の二つは、維持出来なければまともな人格を形成出来る事は、少ない。生き物は、衣、食、住を持って初めて他者に余裕を持って接する事が出来るのだ。持っていない者は、必死になって借りた家であれ、中古の家であれ住処が無ければまともに働く事すら出来ず。

見ず簿らしいキタナイ格好では、不細工は、より不細工になり容姿に優れた者も本来の能力を発揮出来ずに終わるであろう。

食べるものが無ければ、上記の二つにたどりつく事すら出来ず。死にたどりついてしまうであろう。それに質も大切だ。栄養だけの食事では、まともな気力など維持出来る筈がない三大欲求の内、貧乏人が睡眠に続いて簡単に実行出来る欲求なのだから、これが楽しめなくなったら人生など唯の労役にしかならない。

 

要するに、持っている者に持っていない者はスタートから大きく遅れを取っているのだ。そして上級は、より走りやすい装備に環境を与えられている。下級につくのは重しばかりだ。それが、発展の為に正しい行いなのは分るが、ここの2級市民の様に全てを捨てて自堕落、自暴自棄で過ごす事も決して理解が無い訳でもなかった。自身も同じ立場ならば直ぐに自殺か、塀の中であろう。まぁ、同時に下級から上級になった人間ほど、下級に厳しいものである。男は、厳しいつもりは無いが、同時に労力を使用して助けたいとも思わなかった。

 

 

だが、そんな上級も貰い事故の様に転落する事がある。それが、目の前の彼女であろう。なんの罪も無く、これからの一生が破壊されたのだ。今は、何も分らないであろうが、意識が目覚めて現状を認識しだした時に自殺しかねないなと男は、思った。

 

「じゃあ、スペアさん持って下さい」

 

「ええ~そこは、王子様が頑張ってよ…おほ、この娘柔らかいな良いもの喰ってるねぇ」

 

そう言いながら素直に命令に従うスペアであった。

 

 

 

 

 

「おい、てめえら何人のもん勝手に持って行こうとしてるんだ?」

 

そう簡単に帰れたのならば苦労は、無いのであろうか二人はよく分らない男に質問攻めにあった。仮に何の罪も無くても最初から密入国であるバリバリの犯罪者の二人には、いささか現地人への対処は、難しいものがあった。

 

「え~と、親族の者です♪」

 

「えっ!え、あっはい」

 

咄嗟の口からの出任せである。スペアの方が、反応が早いのは、男との内面の差が著しく激しい為であろう。現に男は、今出に現状を理解しきれていない。

 

「あん?そいつらの親戚ならとっくに縁切られているが…」

 

「親族の友達の三丁目の知り合いの知り合いの知り合いです!」

 

「唯の他人じゃねぇか!」

「糞!唯の火事場泥棒共か!おいガキ共、一級市民か二級市民かは、この際関係ねぇそいつは、こっちの借金を返済して貰わなきゃならねえんだ。大人しく寄越しな」

 

(はぇ~金の問題だけなら平等なんですねぇ~)

(まぁ、お金だけは全ての人間に優しいから…なくなると怖いけど)

 

思考で会話しあいながら、二人は目の前の男からどう逃げるかを考え始めた。無論男に任せれば、直ぐに首を飛ばして終了であるが、スペアにとってこれから生きていく中で面倒事が起きる度に殺していたら、切りが無いので別の方法で対処して欲しく、男にそういう知識がないので、スペアが全面に出ていかなければならないのも分りきっていた事であった。

 

「御免なさい直ぐに戻ります…」

 

「ふん、ガキが!変な気起こすんじゃねぇぞぉあらほらっじょhらh!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

「はい、プシュっとな♪」

 

 

そう言う男に投擲された小さい針の様な者が見事男に突き刺さると男は、悲鳴とも思えない声を叫びながら動かなくなった。

 

「貴方は、この娘を私達に売りました。これは、指令です。貴方は、この少女で楽しむことよりも大金を手にして他の商売女で楽しむ事にしました。」

 

「はい…俺は、貴方達にその娘の所有権を渡しました。金で渡しました…」

 

スペアが、口頭で男に指令を出すと男は、その指令を復唱していくらかのGを受け取り、フラフラとした足取りで消えていった。

 

 

「何にしたんだ?」

 

「嫌、ちょっと脳に直接信号を送って記憶を提造させて貰ったのよ。コレで、後から何だかんだ言われずにすみますわ」

 

「まぁ無事に帰れるならば良いか…」

 

この際に人道的など糞の役にも立たないのであった。むしろやっている事は、目の前の男と何ら変わりない事をしている二人である。それが、利益に基づくものか?性欲に基づく行動かの違いでしかない、そして二人の力がこの借金取りよりも劣っていた場合カモにされて売り払われていたのは、二人であろう。そう思えば、高々人間一人くらい逃がした程度の損失など、どうでもいいであろう。まぁ、価値が一食より安い人間がいれば、価値が国家予算レベルの人間もいるものである。背の少女は、間違い無く女としても人間としても価値を認められるものであろうが…まぁ、この国にいて一度墜ちた人間が這い上がられるかどうかは、男達は知らないし、知りたくも無い。

 

「確かに見かけは良いんだけどさぁ…」

 

「そんなに不安なら、面接でもする?」

 

面接?そう言う男にスペアは、ニシシと嗤いながら八重歯を見せて男に瞳で合図を行う。しかし、肝心の男には、意味が伝わらなかった。

 

 

少女…ウスピラが目を覚ました場所は、家では無かった。あの暖かく家族の思い出が詰まった我が家は、どうなったのであろうか?あの時、飲んだ飲み物に眠り薬でも入っていたのであろうか…両親の真意を知る事は、最早永遠に訪れず。それどころか、今の自分の現状すら理解出来なかった。

 

「は~い、起きた?」

 

「…貴方は」

 

「はい、わたしゃあスペアと言います。宜しくねぇウスピラ・真冬さん?」

 

目の前の少女は、自身よりも容姿だけは美少女であろう。

唯、その雰囲気は、人間ともモンスターとも言えない雰囲気を醸し出していた。

 

「何が目当て?」

 

「貴方自身ですよ…あっ言っておきますが、貴方の両親が死んだのは唯の事業の失敗それだけですから」

 

「借金取り…」

 

両親の事を知っているならば、目の前の少女は、取り立て屋だとウスピラは、確信した。

そうなれば、自身の命運というものもつきたことも薄々ながら理解できた。これから、そういう店に売り出されるのか…それとも服従魔法をかけられて奴隷にでもされるのか

 

「あーうん怖いこと考えているみたいだけどそんな事しないから安心してねー寧ろ私達は、借金取りから助けてあげた方なんだからさぁ~」

 

「助けて、もっと高く買ってくれる所に売り込む事が?」

 

「おーおー威勢いいねぇ~私は、何言っても怒らないけどオリジナルは、拗ねた赤ん坊みたいだからちょっとした言葉で爆発するから気つけなあかんよ~」

 

オリジナル?この目の前の少女だけでは、ない事が分ったが家族と思える呼びかでも無く、役職とも思えない…もしかしてやはり女の子モンスターではないかとウスピラの脳内に電流が走る。

この世界に住むのは、何も人間だけでは無い雄と雌に分かれたモンスター達も魔王の下で人間を襲い苦しめ続けている。男の子モンスターは、明らかに人間と違う構造の作りのものが大半であるため、、直ぐに見分けがつくが、女の子モンスターは、美少女の外見をしている者が多く、世の中には人間だけの風俗では無く捕獲した。女の子モンスターを使用した風俗や魔物使いと恋いに陥る話し等も語り継がれている。

 

「貴方…女の子モンスターなの?」

 

「ああ言う有性生殖する奴等と一緒にしてくれるのは、嬉しくないわ…」

「まぁ、私達が何であろうと…貴方が辿る末路がどうなるか、貴方次第です」

 

急に真面目な表情となった少女に驚いたが、未だに自分をどうしたいのかが分らない

 

「何も大げさに考える必要は、有りません。これから貴方に簡単な面接を受けてもらいます。」

「私も同行しますが、面接相手は私程度では、相手にならない位に強大で、その実とても幼く気まぐれです。まぁ今言っていたオリジナルの事なんだけどね」

「命の保証は、するけれど最悪この砂漠に身体一つで放り出される事も覚悟してねー」

 

今後の保証なんて、何処にも無いのだから

その言葉が誰に向かって放たれたかウスピラには、理解出来なかった。

 

 

 

 

 

 

「ここです」

「ここです」

 

「二回も言わなくても分ります」

 

「本当の本当に嘘だけは、言わないでね~生理的に無理なら無理って言ってね~自由都市の国籍と一生分の生活費位なら用意してあげるから」

 

「分らないわ…私がそのオリジナルに好かれたのならば、その待遇は理解出来る…でも、嫌われてそんな待遇を施してくれるなんて可笑しい」

 

「…オリジナルは、自分が恨まれるのは、嫌いだからね…どうでも良い相手なら殺すんだろうけど下手に会話した相手は、手が出しづらいの」

 

でもね

 

「自分を嫌いな相手が、近くにいるってとても疲れるじゃない?あなたも嫌でしょ?自分の身体だけを性的な目で醜男に見つめられたら」

「貴方が、帰る家と家庭があるならオリジナルも興味を持つ事など無かったでしょう…しかし」

 

そう私は、もう一人で帰る場所など無い

なら、もうどうなったって…

理不尽にたいする諦めを少女が支配し始めていた。

 

 




真っ先にウスピラが出てきたのは、私の好みでした。
つまり、下半身は正義でした。


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無能の定め4

しっかし、この主人公自己愛護ばかりですね…誰に似たんだろう


 

ある日、疑問を感じた男は、相方であるスペアと問答を行っていた。

 

「そう言えばさぁ」

 

「何~」

 

それは、何故?人類に積極的に関わる事が危険なのかという。AL教という組織の脅威を含めても頭から離れない疑問の為であった。

 

「自分たちが勝手に人類を助けたり、味方するのは危険って言っていたけどどう言う事?」

 

「ああ、それは、この世界の大本…神様のボスがメインプレイヤーつまり、現在の人間達ねこれが苦しむ姿を見るのが大好きだからよ」

「それに従って配下の神々も願いを叶えるように動いているのよ…仮に私達が現在の魔王をどうにかしても空から雷でもふってきて直ぐに消滅させられるゼ!それこそ今の100倍強くなろうとね…」

 

どうしてそんな事をきくの?とスペアに言われると仮に、その話しを信じて女を諦めても他の楽しみである男の食事の資本は、人間基準であり虫や草を直接食べる様な種族がメインとなってもその文化を楽しめずに苦しむだけである。

ずれにずれているといっても男の感性は人間のものであり、他種族の思想を元にした技術や文化を楽しむ事は、難しいからであった。

つまる所何処までも男の都合である。そこに人類愛、正義など欠片も感じなかった。

 

 

「じゃあ、何も言われない力の使い方ってあるのか?」

 

「それは、簡単ね!それは…」

 

 

人類を苦しめる為に使う事…

そういうスペアの口調は、歪んでいたが表情は、寂しげであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「オリジナルー♪連れてきたよ」

 

「お邪魔します…」

 

無駄に良い声でドアを叩きながら、主人への声かけを行うもその扉から返事が返る事無く無言であった。

 

「留守?」

 

「あは~ん、どうやら緊張して嫌になったんだな」

「話しだけしてみるって約束したでしょ~一回だけでいいから開けてね~」

 

そういうと扉は、少しずつであるが開き始めた。

 

「…」

 

そこには、嫌そうな表情で此方を見つめる少女の様な存在がいた。

 

「貴方がオリジナル?」

 

「そうオリジナルです。質問は、なるべくゆっくり分りやすくしてあげてね~難しい質問とかされても答えてくれないよ~」

 

「どうも…」

 

その人型は、不機嫌とも興奮しているともとれる微妙な雰囲気を醸し出していた。

単純な脅威と聞くと目の前の少女の方が異質で分り辛く感じるが、コレは、何も感じない怖いとも強そうとも…それが不気味に感じてしまう。

 

「は~い、二人ともこれからもしかしたら一緒に暮すかもしれないんだから!明るくね」

 

この雰囲気を無理矢理どうにか出来るスペアが場にいなくては、いつまで経っても会話が始まる事は、無かったであろう。

 

「貴方は、人間?」

 

「一応、人型です?」

 

「なぜ?私を浚ったの?父と母は?」

 

「貴方を回収する際に確認しましたが、既に両親の息の根は止まっていました。」

「浚った理由は、そこのスペアから推薦を受けたからです。」

 

「したからです~」

 

「何を私に望むの?」

 

「分らないです」

 

「何がしたいの?」

 

「分らないです」

 

 

話しは、平行線を辿るばかりであった。どうも目の前の存在は、自身を厄介にも感じているとウスピラは、感じた。

 

「はい!ストップ!何でオリジナルさっきまで鼻の下伸ばしていたのに…そうツンとした態度をとるのかなぁ?ワサビかよ!」

 

「いやだって、他の人間に対する対応なんて知らない」

「この娘だって、どうせ腹の底では私の事を馬鹿にしているのだろうし…」

 

「…」

 

馬鹿にしていない…唯薄気味悪いだけ

口に出さないウスピラであった。懸命である。

 

「今だって、絶対に馬鹿にしている!」

 

このままでは、オリジナルに異性への対応を覚えさせる処か、より内に引きこもり他者を憎む悪癖を覚えさせかねない!そう思ったスペアは、視点を変えて説得を試みることにした。

 

 

「もしかして、集団ストーカーでも見えているの?」

「逆の立場なら、私達が彼女の心臓を握っているのも同然だって分るでしょ?もう帰る場所も頼る相手もいない所に化けものが自身を所有しようとしている」

 

説得の際に、男を過剰に持ち上げずある程度虚仮にする事も必要であるとスペアは、実感していた。現にこの場面で男を持ち上げる為に褒めても警戒して余計に他者を遠ざけようとする事が日々の暮らしから分っていた。それが必ずしも悪い結果に繋がるとは、言えないが目の前の少女程度こまして傍における程度でなくては、これから先の欲望を叶える事が出来ないのも同然である。

全てを忘れて異界で生きていく選択肢もあるが、後で、あの時こうしておけば良かったと延々と後悔されるよりも、ここで異性になれて片っ端から、挑戦してくれれば駄目であろうと次に繋がるであろう。

この少女の籠絡が上手く性交…成功したのならば他の少女も機会があるのならば積極的に狙っていく事もできるであろう。それにこのまま二人だけでは、オリジナルの視野が狭くなり過ぎる。

 

「ええと…名前はまだ無いです」

 

「名無し…?両親はいないの」

 

「孤児でして…」

 

それに…オリジナルに特定の人間、人種に対する悪意を覚えさせては、危険だ。あの借金取り相手にオリジナルが対応をしていた場合、最悪ゼスと言う国が地図から抹消していた可能性がある。自身の悪意へは、強く気にする事が無くとも、欲しいと感じた者への悪意は、絶対に許せないであろうと言う事は、容易に分る。実際に、私が対応した時既に不穏な空気が場に漂い始めていた。強引に洗脳して場を切られねば、借金取りの首が宙を舞い、怒り収まらずにその場の人間を殺し尽くしていただろう。ゼスと言う国も普通魔人が一体程度進行したぐらいならば追い返せる実力がある。逆に言えば普通以上の魔人が進行してきた場合には、灰燼と帰すと言う事であり、私ですら3日もあれば住民を皆殺しに出来る。オリジナルが動けば一日もいらないであろう。

だが、それは…

 

(勇者の覚醒に繋がる…魔王ナイチサを半死半生に会わせた。勇者…トロスの記憶からもどれ程、強くなるか予測が出来ない)

 

そして、その力のブーストには、恐らく…

 

(人類が一定以上死んだら発動する事は、間違い無いでしょうね…)

(簡単に考えれば、お上の人類絶滅対策ってとこか…ジルには、意味が無いみたいだったけど)

 

確かに、勇者は特性も実力もハチャメチャであるが、覚醒さえさせなければトロスの血を引くオリジナルの相手に等ならないであろう事は、理解できた。

 

(もし、勇者が男ならば在任の期間は、ひたすら人類の保全に努める必要がある。女ならば…籠絡してしまえば良い、オリジナルがソコに至らなくても私がやれば良い…)

 

まぁ、大概の勇者は男である。これは、恐らく神の悪い趣味の影響であろう。男ならば沢山の異性と触れあえる。そして、そこに異性からモテモテの勇者の特性が発現して、勇者の期間が切れれば…無敵の勇者から不孝の坂を転げ落ちるピエロの完成と言う訳である。女だと性別の問題から、特定の異性にのめり込む可能性が高い…それは、それで見物であろうが、神は、多くの悲劇が好きなのであろう。

 

(でも、周期的に次に女がなる可能性も高いのねー後で、オリジナルに魔人作って貰って偵察にでも出しておくかー)

 

 

それに…

 

「御免なさい…」

 

「いえ…別に良いですよ」

 

 

不満を放っておいた場合は…言うまでもない魔王としての力を借金取りに実感させ、その騒ぎから、ゼスと言う国の嫌な情報のみを取得し、その悪意を無くす為に手っ取り早く殺しにかかる…だってまだ、リーザスもヘルマンも残っているのだ。

 

(別に一国くらい滅ぼしても良い!と感がるだろうなぁ~だから、ここら辺で私以外の執着できる存在を増やしておかないと…駄目ならかなみって言う娘も挑戦してみようかな…何かこの娘も放っておけないのよね…)

 

JAPANもこのままならば、魔人ザビエルが復活する時期である。

勇者も魔人の対抗策の剣二つも無く、相手も馬鹿では無い月餅の法と言う封印術への対策もしてくる事は、間違い無いそうなれば、JPANは、魔人の支配する国家となる。

そして人間を見下す魔人が統治する国にとって人間など換えが聞くおもちゃでしかない…かなみという少女の命も危ないであろう。それならば、先にオリジナルに融通して保護した方が良いと何故かこの少女が不幸な目に遭うのは、避けたいと強く感じていた。

 

(これも、私の中にある残照のせいかな~)

 

何故か分る。ちぎれた赤い糸、その意味を分る者は誰も居ない…

 

 

 

 

 

 

 

 

話し合いの結果、ウスピラと男はいきなり同棲を始めるのではなく、生活を援助しつつい週に何度か出合うと言う事で決まった。

援助と言っても、唯金を渡すだけで無く彼女の学校生活も中途で退学と言う結果になった為、カスタムにある魔法塾に転校出来る様にスペアが手続きを済ましており、その後の道のりも、冒険者を含めた様々な職業に進めるように金をばらまき、護衛用に新規に作成した魔人3体が送られる事となった。

 

この魔人は、ゴーレムタイプに近い外装を施しており、特別にいくつもの泥人形を合体させて強度をました特別仕様のスペシャルチェーンが施されており、さらに男の魔王の血が自動修復機能を兼ねており、致命傷以外ならば時間をおけば再起動可能とゴーレム使用の技能を持たない人間でも運用を簡易にしている。

 

 

頭部のツインアイ、頭のV字アンテナを装備し接近戦に特化した一号機、出力は、普通の魔人と同程度で、LVとしては、剣戦闘、銃、ガードを1Lと同等の技能を手にしている。

背面に装備した二対のサーベルは、魔人の魔力によって起動する魔力を刀身として実態させる機能が付属しており、技術的にも仮に世にだしたならば大国も求める安価で、高威力な兵器である。

そして左腕に装備された盾も相手の魔力に反応し疑似的な無敵結界能力を発現する。ピンポイントなバリアとしての機能を持っており、計算上ならば神に値する相手以外からの攻撃を完全に無力化が出来、尚且つ神相手にも通常の魔法バリアー程度には、機能する一品であった。無論上記の兵器は、全て極秘中の極秘であり世に出てAL教の目に止まらないように24時間で本拠地にて見張られている。

 

二号機は、一号機同様人型でありながら両肩に備えた砲で火力支援が行え、計算上は、上級魔人の一撃にも耐えられる装甲を塗布し、尚且つ3分程度で1分の冷却が必要であり継続的な使用が出来ないが無敵結界を張る事が出来る。技能LVとして銃LV2、ガード2に値する。

両手持ちとなっているライフル銃は、この世界に存在しない銃を前世の記憶からスペアがオリジナルに言葉で伝えて作成させた一品である。一発に10秒の冷却が必要な事と両手が塞がってしまうが、計算上ならば直撃すれば上級魔人までならば一撃で死滅させる事が出来る威力を誇り、四天王クラスでも無事では済まない。

両肩の砲台も高い威力を誇り、これによってライフルの冷却期間を稼ぐ腹づもりである。

そして、頭部の穴からは魔人本体からの魔力によって生成されるバルカン砲であり、牽制用、近距離用として使用予定である。

 

三号機は、本来ならばさらに長距離の射撃にて危険を一掃する装備を予定していたが、ウスピラ自身が魔法使いの後方職であり、それよりも相手の位置と護衛が欲しいとの事で、頭部が肥大化したが情報魔法を主体とし、瞬時に周囲の状況を把握出来る装備が施される事となった。正し、それらに用量を割きすぎたため、無敵結界とそれに準ずる装甲などは、持ち合わせていない情報魔法2、ガード1相当の技能を有する。

 

 

無論、これらの魔人全てが無敵結界も突破出来るが、最悪集団で来られた場合にウスピラに危害が来る事が考えられた為、上位存在への対処は防戦一方に設定されているが、赤ん坊程度の判断能力を持つ。

 

そして、本人は知らされていないがウスピラ本人にも魔人化の処置が既に施されている。これは、直ぐに発動するものでは無くゆっくりと身体に血が巡り10年の時間を得て魔人となる処置である。

当初は、施すつもりがなかったが、「あの娘、美人だけど20年も年をとったら、シワも見えてくるねぇ~オリジナルその時のありのままのウスピラを愛せる?さらに20年もたったら立派なおばさんだけど…幾ら化粧や整形じゃあ誤魔化せないよ?」その言葉に、反論を唱える事も出来ず。途中で拒絶された際には、血を引き上げれば良いとの浅考が頭に浮かびベッドで睡眠をとっている。ウスピラの元に忍び寄り、スペアの指示の元で男の血が注がれた。その血を受けたウスピラは、艶めかしい声を上げながら身体を抱きしめたので、経験の無い男も、目をそらし興奮を誤魔化した。

 

「それじゃあ…またね」

 

「ああ~中途半端な事に、オリジナル本当にここに住まわせなくて良かったの?」

 

「良いんです。私も彼女も互い人間像が分りませんから、ずっと一緒にいたら気負うだけでしょう。それなら時間をおいてから答えを出せば良いのです。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、数日の後にウスピラと自由都市アイスにて再会し身のうちを話し合った。最初は、カスタムに住居を構えるつもりであったとの事であったが、女性にも住みやすい都市として政策を打ち出しているアイスで住居を構えてそれ以降は、男が協力してくれるのならば今後、魔法塾を卒業した際には自分の力で生きていく為に冒険者の道を選びたいとの事であった。

その道は、辛いものともあろうがゼスでの失った日常と比べれば道は、まだ曇りだが、確かに光明は見えた。無論、この築かれた道が目の前の男の情婦が終着点である事は、分っている。しかし…

 

「へぇ~ラガールって人の所の志津香…っていう娘と競っているのかぁ」

 

「ええ、ゼスでもまず見かけない位に凄まじい才能を持っている娘よ。私も負けてられないわ」

 

「無理だけは、しないで下さいね?」

 

「抱く女が傷物になるのは嫌だから?」

 

「ノーコメントです」

 

誰とも分らぬ男の物になるくらいならば、こうも尽くしてくれる男の女になるのも悪く無い人生かもしれない。そう思いながら注文した料理に手をつけ始めた。その様子を見て男も食事に入った。食べながらも会話は止まらず。やれ、買って貰った家の住み心地はどうだのやれ、魔法塾で一番の成績となった。やれ、卒業後は、キースギルトという所へ就職する腹づもりである。と話しを続けた。

 

 

「どう?ピンチにならなかった?」

 

「………」

「………」

「………」

 

「うん?彼女も中々強いから大丈夫だった…そりゃあ、彼女も少し身体を弄られているからねぇ~(魔人化の処置が済んでいる事は、血が身体中に巡ってから本人に伝えれば騒ぎも起きないでしょ)」

 

その後ろで、スペアと急造された魔人達が近況の情報を伝えあっていた。チラチラと危ない話しも出ているが、実の所目での通信にて会話をしており、周囲からは、ゴレームと睨めっこをしている変人として見続けられた。無論、変人な事に変わりがない。

 

 

 

「で、良かった?」

 

「うん…思った以上に女と言う物は良い物でした…肝心の私が釣り合っていない事を覗けば」

 

そう言う男の声は、落ち着いており欲しい物を手に入れた事による落ち着きと安堵に包まれていた。もしあのとき怠惰な感情に合わせてウスピラを放逐していたらこれから先の生で何か不満を抱え続け、他の獲物も言い訳を続けて見ないふりを続けたのだろう。

改めて、理解者がいる事の大切さを男は感じる事が出来た。スペアという超常現象の様な不可解な存在であるが、自身も同じ様な存在のためかえってそれが、良い方向に回っている。この様な理解者がいて間違いを正してやりたい事に導いてくれる。これから先も、スペアの指示を受けつつ自分のしたい事を優先して行っていこう。自分は、それが出来るウスピラもとてもいい女だが、もっと欲しい…一度成功したのだ。これからも成功し続けてみせる。

 

「だから、これからもお願いしますねスペア…」

 

「へい、合点だ!オリジナル次の娘なんだけど…」

 

そういう手元には、以前うち捨てた用紙が握られており、その書かれている名前は…バーバラ・テオンと書かれており、まだ幼く自身達と同じ年頃の子供であろう事が分った。そして、同じく書かれたもう一つの紙には、ニーナ・ニルヴァーナと書かれていた。

 

「この二人の内、一人はねぇ…」

 

勇者だよ!

 

そう言うスペアの表情は、真剣であり瞳は、オリジナルを見つめていた。

 

ゼス王国の小さな農村、そこでは二人の少女が何か言い争いをしていた。

その近くには、イカマンの死体が転がっており大方の片方の少女がその手に持っている農具で仕留めたと言った所であろうか、子供の時点で最弱の一つと言われていてもモンスターを仕留める事は、難しく大の男であっても普通の人間ならば返り討ちにあっても何ら可笑しく無い。

それが行えている事から、少女の戦士としてのセンスの高さを理解出来ると言う物である。

 

 

「バーバラ!」

 

「うわぁニーナ何よ?」

 

「バーバラも女の子なんだから、そんな危険な事ばかりしてちゃ駄目だよ!」

 

そう言う。ニーナにの言う事は、バーバラも分っていた。

自分は、モンスターを仕留める事が出来ているが、このゼスで幾ら剣の腕があろうがそんな事なんの意味も無い、これが魔法の才能ならば今頃首都に家族事移住して、鬼才扱いだろう。それに、女として幾ら強かろうが結局この村を出なければ、何の保証にもならない。それなら、寧ろ男に賢く媚びている同年の娘達の方が、遙かに賢明であった。

 

「分っているわよ…危ないって事くらい」

 

でも、憧れは捨てられない昔、絵本で読んだ勇者の様に魔物を倒して皆から慕われる勇者の様になりたい!女の勇者なんて聞いたことが無いでも…

 




この後、バーバラちゃんがアリオスの代わりで、主人公の魔人となって勇者魔人になる予定で、そこからあんやかんやで道中出てくるヒロインを全て攻略する腹づもりの作品でしたが、書く度に作中ヒロイン達に罵倒される様な気分になり、ここで止めました。


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RTA
(女達と)大陸脱出RTA


主人公の性格を極道兵器にして、容姿を魔女の騎士ヘクセン・リッターのコディ君にするという作品でしたが、途中で極道兵器を再現出来ずにドワォ!!となりました。


はーい、それでは本日はR18ソフトの名棟アリスソフトより新鬼畜王をプレイして生きたいと思います。

 本作は、過去の名作鬼畜王ランスのリメイクの真鬼畜王ランス(ゲッターロボかよ)のさらにリメイク版として誕生しています。真鬼畜王ランスも全てランス君が主人公であり各国や魔人領果ては、神様の愛人にもなれる。名作?です。プレイしてどうぞちなみに僕は、1000時間プレイして単位を落としました(半ギレ)

 それに比べ、本作は近年のヒロインを独占したいという声(大声)に触発されて自身がランス君の代わりにルドサラウム大陸を体験できるというナイスなげーむなのです。

 

さて、それでは主人公を…よくよく考えたら作品なんぞ作った事ありませんでした。止めたらこの仕事!はい、そんなあなたにもこの作品は、半分違法ですが他の作品から主人公達の姿や性格を入れる事が出来るのです!(手抜き)

 え~と、容姿は…魔女の騎士ヘクセン・リッター…赤い核実験所の二ノ瀬先生が描いた作品ですが、主人公は男の娘っぽいしこれで良いな!!容姿は当作品からコデーィ・ブロット君にしました。うん、美味しい!!野郎のケツ見ながらげーむするならなら男の娘が良いってそれ一番言われているから…で、次は性格なのですがこの作品では性格によってルートに対する大幅な遅れや、難易度の上昇等につながりやすいので…鬼畜大陸に負けない(負けないとは言っていない)性格を選びましょうねぇ~

 

  少女捜索中…

 

極道兵器…ありますねぇ、ゲッターロボで有名な石川賢先生の作品です。この主人公の性格ならば、確実に大暴れしてくれます。間違い無いでは…早速プレイしていきます。いく、いく…ふぁっ!!危ねぇPCが処理出来ずに臨終しました…半分違法の事するとこうなるってそれ一番言われているから…まぁ、こんな事もあろうかと予備でプレイし直しましょう。ちゃんと動いてくれよなぁ~たのむよ~

 

  少女、動作確認中…

 

 はい、大丈夫みたいですね(33-4)では、今回のプレイは、「花に囲まれて単騎撃破」になります。これは、ケイブリス派を国家間の協力プレイでは無く主人公が一人で撃破かつ、ヒロインを十人以上を堕としておく事で手に入る称号です。ケイブリスが本格的に動き出す前に10人以上のヒロインをハーレムに加えてなければならないので大概だれます。指揮や戦術LVも入らないため主人公が強い程に動き完走しやすくなります。性格が岩鬼 将造なのは、この為だったんですねぇ~。その代わり種類は問いませんがヒロインを十人以上ハーレムに加えておかなければなりませんので、このフラグ処理が面倒臭いです。

 

はい、容姿も性格も出来たので名前、能力値、出身地の振り分けを行っていきます。ほらーいくど!!

 

 名前は…ホード・モルディ略してホモです。次にで能力値を振り分けていきますね

 

喧嘩LV1、銃LV2…首だ、首だ、首だ!!

 

性交LV3…戦闘技能が無いの!戦闘技能が欲しかったの!!

 

魔人LV2、人間LV1…はぁ~くそでかため息

 

皆さんが見ている通り、このげーむかなり能力値の振り分けがシビアで最初からの無双などがし辛い様になっています。(そんな事しなくていいから…)他の兄貴のプレイ動画をみて居る方もいるでしょうが、過去に3日すべて貫徹でリセしていた走者も戦闘技能でLV3がでる事はありませんでした。これでは、魔人などにあった際に残念ながらオ○カに入ってしまうので、次の奥の手を使いましょう。

 

走者が多く、過去に色々なパッチが追加されていますが最初から戦闘力∞や資産∞だとバクが起こるので、この様なパッチは、導入しても意味がありません。そこで!このプロトタイプ魔王装着追加パッチあーあいてんじゃん!と言うわけで早速入れていきましょう。

DLまでに、このゲーム主人公が単騎でケイブリス派を撃破するには最低勇者を手に入れておく事が必要で後は、魔剣カオスか聖剣日光を手に入れて阿呆らしくなるほど時間をかけてチマチマ削っていく必要があります。しかし、後者だと奥にこもっているパイアールが経過と共に敵の量産及び強化をしてくるので、現実的でありません。また、前者も最低人類が3割死滅が対魔人の条件なのでヒロインが気付いていたら死んでます。

そんな条件なのに、この称号最初に手に入れた奴精神状態が可笑しいよ…

 

 そこで、有志作成のパッチを使い魔剣と聖剣が無くても魔人に攻撃が通る様にしておきます。ここで、最初から魔人を選ぶと中盤まで楽ですが、終盤になるとAL教会が出てきて思うように進まないようになります。もう許さねぇからなぁ!(3敗)また、最初から魔剣、聖剣装備を実行すると魔王ジルが最初から復活していたり、魔王ケイブリスが想定の3倍の早さで出現するので、止めようね!

 その鬼畜難易度に対抗する為、作成されたパッチがプロトタイプ魔王装着となります。これを入れておくと中盤でイベントが起こり体の一部と引き替えに魔王トロスと合体できステータスの大幅向上及び、無敵結界貫通が可能となります。

才能LVも自動に無限及び、自己進化、自己再生が付与されるので、ステータス振り直しも必要ないです。

 と言っている間に、入っちゃったー!

 

 では、最後に生まれる国家一番の安泰をとるとリーザス一択ですが、あまりにも安全な為、この主人公では、成人する前にテロリストになる可能性が高いです。さらに安全性にあぐらをかいていると王座ファラ太郎君が魔人を連れてやってくるので、完全な番狂わせが起きやすいです。あ、後リア王女に嫌われて場合は、速攻で人類の敵に認定されてしまうのでこのルートで選ぶ場合は、注意しましょう。

 次に、アヘアヘ衰退国家のヘルマンですが、主人公が生まれた瞬間はまだギリギリ大国として正常に機能していますが、王座ファラ太郎君が追放された瞬間に皇帝が暗殺されて糞国家一直線となります。自浄作用はないです。ヒロインの数も少ないですが、母親にハンティを選ぶ事で、彼女を攻略出来る数少ないルートです。彼女の性能は、味方として最高クラスで、年頃になれば個人戦闘ならばまず負けません。しかし、イベントが多くさらにヒロインになるのも最終番にならなければ出来ないので今回は、パスです。ハーレムに追加したい兄貴は、kuku歴からプレイしてどうぞ!

 三大国家の最後は、ゼスです。こ!こ!は、兎に角魔法技能が無いと人間以下の扱いを受けますので、技能を付与しない場合、おすすめしません。しかし、日数に注意して先にアルベルトを殺しておくとかなり早い段階でウルザがヒロインとして加入してくれます。正し国家運営の為、最後までイベントを進めると、終わりまで離脱するので戦闘員としては、期待できません。

 次に、自由都市国家を選ぶ事で魔想志津香と縁を結ぶ事が出来て、通常プレイでも原作の6の段階でラーガルをぶっ殺すと主人公の選択次第で彼女、奴隷、妻になります。普段ガードが堅い彼女を攻略出来、ついでにカスタムを中心としてヒロインが結構多いので実は楽な分類です。

 人類圏最後は、JPANです。こ!こ!も中々良いヒロインが多く魅力的なのですが、ヒロインを攻略すると同時に婚姻イベントが起きるので毎回しんどく、さらにJPAN一国としての立場よりも家、家が独立して動いて動かし辛く大陸への移動も時間をおいておくとザビエルが出来なくしてします。ほんとあのカッパ邪魔しかしません。

 最後に魔王への支配地域での誕生も可能ですが、この場合ケイブリス以上の戦闘力を見せているとケイブリスが野望を一端しまってしまうので、目標の達成が不可能となってしまいます。ならば、最初から殺そうとするとガイが止めに入ってきます。ガイは、公式チータなので、データ弄りしても倒した事にならずに敗北としてイベントが進行するので今回この地域を選ぶうまみは無いです。

 番外として、異世界出身にすると美樹と最初から恋人になれますが彼女が恋人の場合、ハーレムは、許してくれないので無視します。無視

それでは、ランダム選択いくど!!

 

…少女選択中…

 

 ゼスげっ!大分悪い国になりました。ですが、これでも主人公の状態を捨て子にして特定の家に拾われると十分挽回できます。ここは、真冬家を選んでおきます。ゼス以外でもこの主人公の場合、ヘルマンならアミトスでリーザスの場合レイラさん当たりに出合っておかないと完全に選択不可能のバーサカ状態で始まりから終わりまでつっぱしてドワォ!な終わりとなります。(でたなゲッタードラゴン)

 

では、早速プレイしていきます。イクイク!!

 まずは、幼年期からのスタートです。これは、大人になるまで飛ばす事が出来るのですがフラグやヒロインの信頼関係を構築するためにも、少年期の終わりまで我慢しましょう!

 最初は、ウスピラお嬢様の遊び相手として働く事となります。この時点で真冬家は、裕福なので成長に必要な栄養などは、問題無いです。さっそく、近くの二級市民の子供にからかわれていますね…ここは、ああ!!選択出る前に殴り始めました。まぁ、ここで締めて置くことで、以降うざがらみされないので、ヒロインとのイベントを多くこなすことが可能なので、このままいきます。

 このまま暫くすると、魔力検定試験を受ける事になります。主人公は…残念魔法LVは現在無いようです。まぁ後で習得イベントが起こるのでそれでヨシ!(現場猫)おや?魔法LVが無い代わりに魔力は、有るようでねこれで何とか二級市民扱いは、抜ける事となります。

 年数が経過すると学校イベントが起きますが、残念ながら主人公は雇われの身なので、逝けません…おお!ウスピラが教えてくれるようです。これで、ほんと最低限の常識だけ手に入ります。このイベントが無い場合、ドワォ!一直線なのでリセットして下さい。

 さらに、年数が経過すると真冬家の暴落イベントが起きます。この時主人公は、計らいで外に買い物に出されており心中には巻き込まれませんが、イベント前に必ずアイテムの大切な物から最低一つを部屋に置いておきましょう。これを行う事で、一端家に帰る選択が出てくるので、家に帰ります。なんてこった!皆死んでる。ヒトデナシ!!安心してくださいここで、暫くするとウスピラだけ起き上が息を吹き返します。

 暫く号泣しているウスピラに胸を貸していると、ヤミ金の取り立て屋がやってきます。ホモ君とウスピラ両者をなめるように見ていますね、「へへ、嬢ちゃん達良い殻dふぁ!」声を出す前にまず死なない程度に顔をストレートを打ち込みます。意識があるギリギリで攻撃出来ると後の尋問がやりやすくなります。いいぞーこれ!

 ここからは、ホモ君に自動的に動いてもらいましょう。ああ、指一本づつおってますね…流石に取り立てやもペラペラあること無いことを喋り始めます。「お前ら、個々で俺をどうかしても、この国に居場所なんギャアアアア!!」あっ!腕を思いいきりへし折りましたね

これで、より精密に話をしてくれます。

 

…少女尋問中…

 

 取り立てやの話から、どうやらウスピラを見たゼス貴族の一人がおもちゃにしたいと感じ、真冬家に策略を仕掛けてきたのが真相みたいっすね…もう許せるぞおい!!

 ここで、取り立てやが命乞いをしてウスピラも殺さなくて良いと言いますが、殺さないと後でゼスを脱出するまでに告げ口してくれるので、確実に殺しておきましょう。殺ったああああああああ!!!(アズラエル)はい、頭と体がバイバイしました。念の為に証拠隠滅に燃やして起きましょう。ジュウジュウになるまでやるからな!

 ここからは、ゼスを脱出する事となります。このままいたら捕まっちゃうからね仕方ないね…ふぁ!勝手に主人公が動き出した!ええい!勝手に他作品を流用するとこのざまか…ウスピラもついて行きます。彼女は、人類の魔法使いとしては、最強クラスですが流石に学生のままでは、とても戦闘の覚悟は無いです…追いつかれるまでに主人公をどうにかしましょう!

 ゼス貴族の家の一つで止まりましたね…ああ!豪邸に何百ものプチハニーが…怖いなぁとずまりしとこ…大轟音が響き渡りました。なんか焼き豚バンバラが何人ができあがっていますね…うん美味しい(現実逃避)丁度ウスピラも追いついてきました。このまま彼女を担いでゼスを脱出しましょう。じゃあ、俺ウスピラ貰って他国帰るから…

 

…少女逃走中…

 

 はい、無事に逃げ切れました。途中で門番をぶちのめして逃げ出したので、これでゼスからほぼ永久客人ならぬ永久出禁です。このまま、比較的身分をごまかし安い自由都市に逃げましょう。本日は、ここまで有り難うございました。

 

 私の家は、母と父、私にそして幼い頃に両親が拾ってきた。モルディが居る。モルディは、何時も私を困らせる…でも勉強も出来て、とても強い…ちょっと手が早い事があるけど可愛い私の弟…私は、学校を通っているがモルディは拾われ子で、魔法LVが無い為、学校に通う事が出来ない。でも魔力が凄まじい様で、計測機が一度爆発したらしい…そのせいか二級市民の認定は、今現在おりない状態で一緒にくらせている。私が大人になったら自由都市にでも彼を連れて行き自由に暮らして貰うつもりだ。ここでは、その溢れんばかりの才能を無駄に潰しているだけだ。毎日が幸せであった。ずっと続くと信じていた。外でたまに見る二級市民の悲惨の暮らしも私達には、無縁であると信じていた…あの時まで…

 

「なぁ、皆で死のう…」

 

 お父さん?私がそう聞こうとした時に私の意識は、既に無くなっていた。後で確認したが父の事業は、失敗してしまい。我が家は破産したのだ…父は、それを私や母に悟られないようにと必死にごまかしていたようだが、私達が疑問に感じた時には、全てが手遅れであった。

 

「おい、お嬢!!大丈夫か!!」

 

私は、モルディの声で目を覚ました。皮肉な事に飲み物に入れた毒も娘には、手心を加えていたようだ。

 

「…モルディ?」

 

 次の瞬間私は、モルディに抱きつきまるで赤子の様に泣きはらした。弟に対する恥も無くただどうしてこうなってしまったのか?何故父は、教えてくれなかったのか?それだけが頭を何度も繰り返し巡っていた。

 だが、涙は彼奴らが来て出なくなった…

 

「へへ、どうも」

「…もう、我が家には、誰もいません警備隊に連絡してください」

 

突然の来訪者であった。まるで、この事が起こる事を知っていたように一人の男が来訪した。

 

「そういう、訳にもいかないんだよねぇ~お嬢さん達おじさんは、そこで横になっている二人の残した借金を回収しに来たんだよ?」

「…取り立てや」

 

ゼスは、魔法使い至上主義の国であるが、その魔法使いですら二級市民に墜ちる時がある。そう例えば、家が没落する等…私達には、もう既に守ってくれる家も両親もいないこれから地獄の様な日々が始まる事は、嫌でも分る。自身の性をおもちゃにされる事も予想がつくだって、学校で二級市民の対応なんて学んでいたもの…でも、モルディだけは…私の弟だけは無事に残りの生を過ごしていって欲しい。だから…

 

「モルディ逃げ…」

「へへ、駄目だよ君もおとなしくしてなきゃ、良い体ふぁあjkj!!」

 

  私が言う前に、気持ちが良い位のストレートが取り立てやの顔に当たった…ああ、本当によく飛んでいる…あっ、墜ちた。どうやら相当聞いた様でひゅーひゅー良いながら顔を押さえている。

 

「お、おふぁえこんな事して」

「ん?まだ元気そうじゃな」

 

そう良いながら、モルディは…

グキ!

 

「うっっがががういあああああFさが」

 

男の指を遠慮無く折った。あまりの出来事に私も何の反応も出来ずに呆然としていた。

 

「まだ、素直になれんのう!よっしゃ後足含みゃあ!19回やれんぞ!!」

 

グギ!ボギ!ダギ!ヌギ!デギ!ガギ!ボジ!ダギ!ドワォ!

そう言ながら、まるで鼻歌を歌いながらまるで何時もの手作業の様に指を一本づつ丁寧におっていく。手を全て折り終えて次ぎは足と言う所で男が叫んだ。

 

「ち、ちひゃうんだ!これは、ゼスの長官が仕組んだ事だったんふぁ!!」

「長官が?」

 

ゼスの長官…ゼスの政治すら参加出来る。この国の上級職…私も昨日までは、長官に近い立場になってこの国を少しでも良くしていきたいと考えていた…あっ、モルディが今度は腕を豪快な音を立てて折っている。

 

「うががっhごあhがぽうへhぽい!!!!!!!!!!!!」

「長官なら何処の長官じゃあ!!早よ!言わんかい!!」

「モルディ腕を折ったら、痛くて言えない…」

「いや、お嬢!質問には、痛みが一番の特攻薬じゃい!!」

「○○○長官だぁっぁあぁっぁ!!そこの女が良い体をしているからペットにしたいって俺に言って来たんだ!!」

「本当か!!」

「本当だから、もう片腕は折らないでくれえええええ!」

「ほがyぎあいぐあおhgぱうやお!!」

 

やっぱり、もう一本折った…

「ほんじゃあ!!有り難うの!!これは少しばかりの礼じゃあ!!」

「ひぇっぇぇぇぇ、やめてくれれれええええええ!!」

「モルディ待って!」

 

私がそう言う前に男の首は、宙を舞っていた。

人間って、本当に簡単に死んじゃうんだな~私は、感じていた。

 

「モルディ、こうなったらもうゼスから逃げましょう…」

 

そうだ。後ろ盾も無く殺人まで犯してしまった私達に最早この国に居場所なんてないなんとか行商のうしくるまに紛れて、他国に逃げ出さないと…

そう思う彼女の言葉も空しく、モルディは、奇声を上げながら走り出した。

 

「玉も命もとってやんわ~~~~!」

「モルディ!!!」

 

悪い予感がする。その彼女の予感は、モルディに追いついた瞬間に確定した。

 

「よくも内の家、ぐちょぐちょにしてくれたのう~!此奴は、礼じゃあとっておけえ!」

 

そう言いながら、○○長官の屋敷にどこから盗んだのか分らないプチハニーが大量に投げ込まれる。轟音と共にその屋敷が吹き飛ぶ姿をウスピラは、後方で呆然と足だけ動かしながら目撃していた。殺人犯から国家テロリストへのパワーアップである。これで、最早この国に生きている間に戻れる事は無いであろう。

 

あっ焼き豚パンパラ…あまりにも現実離れした光景に一瞬現実逃避を始める。

そのウスピラをモルディが抱きかかえ走り出す。

 

「えええっ!」

「お嬢、悪ぃが外出るまで担がせて貰うぜ~!」

「この夏一番のゼスの大波じゃああ~~~~~!」

 

叫びながら、近くの警備隊を全て殴り倒しゼスから脱出する。あまりにも凄まじい勢いで様々な犯罪が起きたため、ゼスの門近くが麻痺しており五体満足で無事に逃げ出せたのであった。

 




この作品もハーレム物で、ヒロイン達を攻略して別の世界に一生に移住する事を目標としていましたが、展開が予想出来ずに頓挫しました。


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